ワールド・エンド・モラトリアム
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雑談ログ
Trailer
かつて、彼らは自由を求めた。
ゲームを遊び、スポーツに興じ、コーラを飲む。
そんな、ごく普通の若者たちの自由を。
だが、気付いてしまった。
自分たちは、どこまで言ってもバケモノで、
それ以上に、あまりにも無知な子供だったのだと。
そして今は──────────
『さあ、覚悟を決めろよ。兄弟』
『今度は絶対に上手くいく』
『お前がくれたこの名の通りに』
『──────俺は、今一度変革の嚆矢となろう』
これは、かつて世界の終焉を望んだ少年少女たちの物語。
そして、遥か昔に終わるはずだった物語。
少年期はとうに過ぎ去った。成熟期はついぞ来なかった。
昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
微睡みの果て、ただ夢見るままに夜明けを待つ者よ。
美しき
欲望
(
いのり
)
が花開く前に、我らはその蕾を刈り取ろう。
終焉の星に、我らは願う。
この世界に、真の自由を。
ダブルクロス The 3rd Edition
『ワールド・エンド・モラトリアム』
ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。
Index
Opening
【OP1:吉沢龍剣】
【OP2:太田止隆】
【OP3:茶川 閂】
【OP4:百代まりあ】
Middle phase
【Middle1:「パーソナリティを相互に知っているだけだ」】
【Middle2:「俺とお前が一緒なら、誰にも負けない」】
【Middle3:「逃げ場がねーなら、やるしかねーわな」】
【Middle4:「奪ってみせて」】
【Middle5:「セカンド・レネゲイド・インパクト」】
【Master Scene1】
【Middle6:「『ナメられたら、殺す』ですよ」】
【Master Scene2】
【Middle7:「抗えばよろしいでしょう。我々は侵略者ですので」】
【Master Scene3】
Climax
【Climax:『ワールド・エンド・モラトリアム』】
Ending
【Master Scene4】
【合同ED】
【ED:茶川閂】
【ED:百代まりあ】
【ED:吉沢龍剣】
【ED:太田止隆】
Preplay
太田 止隆
(
おおた おりたか
)
(キャラシート)
吉沢 龍剣
(
よしざわ りゅうけん
)
(キャラシート)
百代 まりあ
(
ももしろ
)
(キャラシート)
茶川 閂
(
さがわ かんぬき
)
(キャラシート)
GM
:さて、本日は弊セッションにお集まりいただき誠にありがとうございます
GM
:初GM故色々不手際あるかもしれませんがご容赦ください。楽しんでいきましょう!
茶川 閂
:ウオーッ!
GM
:よろしくてお願いします!
吉沢龍剣
:ひゃっほーい!
百代まりあ
:ワオワオ!
太田止隆
:楽しんでこう!
吉沢龍剣
:よろしくてよ~~!
太田止隆
:よろしくおねがいしまーす
百代まりあ
:よろしくお願いします!
茶川 閂
:よろしくお願いします!
GM
:まずは自己紹介から!
GM
:キャラシURLを貼るのでその後にお願いします。
GM
:PC1、太田さん!
GM
:
(キャラシート)
太田止隆
:はーい
太田止隆
:太田 止隆(おおた おりたか)です。20歳。チルドレン上がりのUGNエージェント。
GM
:最初期のチルドレンだ
太田止隆
:はい。UGN勃興期に赤ん坊の身柄を保護された、第1世代と言っても過言ではないレベルのチルドレンですね。
GM
:まさに古強者……
太田止隆
:オーヴァードが何なのかも判然としない時勢の中、過酷な環境に放り込まれたり実験体みたいな……というか実験体そのものな扱いを受けたりもしましたが
太田止隆
:そんなハードモードライフに負けない強さを身につけ、どうにかこうにか生き残ってきました。
太田止隆
:ちょっとの期間だけど、中枢評議員の直衛もしたことがあるよ! まあ今は療養扱いで、前線からは離れていますが……
GM
:超エリートだぜ……
太田止隆
:そしてそんな生い立ち相応に、性格は不遜で無遠慮。相手の社会的な立場とか気にもせず、ただ自分にとって価値があるかを判断基準に置いています。
GM
:トラブルを呼び込む予感…!
太田止隆
:情がない訳ではないですが、行動にあたっての動機にはならない。UGNの現体制維持を己の第一義としています。
太田止隆
:まあ、強がっても今は療養中なんですが……
炎
:(具体的に言うと、この色の発言と)
氷
:(この色の発言は、)
太田止隆
:全部こいつが感じている幻覚です。気にしないでね!
GM
:イ、イマジナリーフレンド……!かわいそうに……
太田止隆
:性能としては、護衛についていただけあってそれなりの防御とそれなりの攻撃を両立しています。熱気・冷気を操る能力を、ノイマン演算で正確無比に振るう。
GM
:高水準な万能選手
太田止隆
:盾と双身剣……あの、柄の両方に身がある剣ね。それらで武装して近接戦闘を展開する白兵型です。
太田止隆
:防御特化だとジリ貧になっちゃうからねえ。
太田止隆
:こんなところかな。よろしくお願いします!
GM
:はい!よろしくお願いします!
GM
:そんな太田さんのハンドアウトはこちら!
PC1:太田止隆
シナリオロイス:"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
君は中枢評議員の護衛を務めたこともある優秀なエージェントだ。
君には友がいた。"彼"とはチルドレン教育施設で出会った。
ただコードネームで呼ばれる日々の中、君たちはお互いに名前をつけた。
"彼"の名は桐生嚆矢。彼は後に任務での死亡を装いUGNを脱走、袂を分かった。
時は流れ、療養中の君に久方ぶりの仕事が舞い込む。
ガーディアンズN市支部のカヴァー企業『斑鳩セキュリティサービス』から下された任務は、
レネゲイド研究に関連する会社役員の警護任務。
警護対象はIT企業『リベレーターズ』のCEO、桐生嚆矢だ。
GM
:親友(ダチ)のご指名です。療養期間は終わりだコラァ!
太田止隆
:無事で良かったとかそういうレベルじゃない成り上がり方をしている!
太田止隆
:ま、正規の仕事ならば受けましょう。誰が依頼人であっても……積もる話も崩落しそうな高さになっているのでね。
GM
:ビッグになって帰ってきました
太田止隆
:いやそれにしてもなりすぎじゃないかなあ……
GM
:色々あったんだよ
GM
:存分に話を大気圏まで積もらせてくれ
GM
:よろしくお願いします!
太田止隆
:よろしくお願いします!
GM
:続いてPC2、吉沢さん!
GM
:
(キャラシート)
吉沢龍剣
:あーい
吉沢龍剣
:身長186、バストは100超え
GM
:何だその乳は
吉沢龍剣
:誰に対しても横柄な赤髪ツリ目の女賞金稼ぎ!
吉沢龍剣
:ご覧の通りの性癖でしか構成されてないタイプのPCです
GM
:まさに説明不要……
吉沢龍剣
:彼女自身もとっても欲望に忠実なムーヴをします。美少年がいたら押し倒したりとか。
吉沢龍剣
:頬を舐めたりする。
GM
:犯罪ではないのかね?
吉沢龍剣
:アウトローにそんな言葉は通用しない
吉沢龍剣
:人の夢は終わらねェ
GM
:わかるよ……
吉沢龍剣
:抑えきれない暴力性を発揮するために個人でのジャーム狩り、つまり賞金稼ぎを営んでいるような女で
吉沢龍剣
:行動理念もわかりやすいです、金さえ貰えれば大統領だってぶん殴ってみせらあ
吉沢龍剣
:でもって忘れてはいけないのは
吉沢龍剣
:この企画の世界線では、学生時代に桐生くんと因縁があり
吉沢龍剣
:第8支部長の卜部さんと共に、彼のミサイル発射計画を阻止した
吉沢龍剣
:つまり元ネタであるルルブ2付属、ワールドエンドジュブナイルのシナリオをなぞったような過去をもっている人物でもあります
吉沢龍剣
:性能としては高レベルの結合粉砕を持ったピュアサラ白兵!
GM
:コワイ!
吉沢龍剣
:メイン火力は氷の茨!複製体取得の強制移動エフェクトによってトリガーを引き
吉沢龍剣
:敵に大量の追加ダメージを与えるぞ!
吉沢龍剣
:以上!ヨロシク尾根がします!
GM
:はい!よろしくお願いします!
GM
:吉沢さんの活躍はメイン六話
『恋のときめきは海風に乗って』
をチェックしてね!
吉沢龍剣
:してして!
GM
:そんな吉沢さんのハンドアウトはこちら!
吉沢龍剣
:イエイ!
PC2:吉沢龍剣
シナリオロイス:飯綱青年会頭目"ウールワース"桐生嚆矢
君は自らの暴力を頼りに世間を渡り歩く、自由気ままな賞金稼ぎだ。
数年前、君は桐生嚆矢が率いる不良グループ『リベレーターズ』と戦い、勝利した。
共に大人になった今ではその遺恨も過去のものだ。
地区の侠客達のまとめ役となった彼の依頼で、レネゲイド絡みの抗争や揉め事の解決に力を貸すことも多い。
何度目かになる彼からの依頼を解決した翌日、君達は打ち上げと称して昼間から呑んだくれる予定だった。
しかし、桐生嚆矢は一向に店に姿を見せない。不審に思った君は彼の事務所へ問い合わせるが、
電話口の組員からの返答は『桐生嚆矢などという男は、今も昔もこの組には存在しない』という事実だった。
吉沢龍剣
:存在消滅しとる!
GM
:桐生嚆矢よ、消えてしまうとは情けない
吉沢龍剣
:そんな…
鹿島四方幡血風譚
(別セッション)でも元気な姿を見せていた桐生くんが
吉沢龍剣
:許せないぜ
GM
:吉沢さんの知ってるヤクザの桐生くんは胡散臭いCEOに入れ替わってしまいました
吉沢龍剣
:きれいな桐生くん
GM
:頑張って謎を解き明かしてください
吉沢龍剣
:安心して桐生えもんが帰ってこれないんだ!
吉沢龍剣
:がんばります
GM
:よろしくお願いします!
吉沢龍剣
:しまー!
GM
:それでは次、PC3の百代さん!
GM
:
(キャラシート)
百代まりあ
:よくってよ
百代まりあ
:百代(ももしろ)まりあです。14歳です。
百代まりあ
:由緒正しい名家、百代家の一人娘として生を受け、お婆様に厳しく躾けられたお嬢様。
GM
:素敵だなあ
百代まりあ
:でもお婆様はちょっと妄執に囚われてて実際の百代家は名家でも何でもない貧乏な庶民です
GM
:そんなぁ…
百代まりあ
:そんな祖母を亡くした直後あたりにオーヴァードとなり、UGNに引き取られました
百代まりあ
:今も沢山借金が残っているため、毎日朝から晩までバイト漬けの生活。
百代まりあ
:しかしお嬢様とは心の在り方 自分がお嬢様と思う限り誰でもお嬢様になれる
百代まりあ
:そういうわけでノブリスオブリージュ満タンで頑張ってます
GM
:ワオ……ノブレス……(感嘆)
百代まりあ
:オーヴァードとしての能力はよく分かってません。一応シンドロームはウロボロス/サラマンダーに分類。
百代まりあ
:何かに祈るとその通りのことが起きたり起きなかったりします。
百代まりあ
:性能的には火力をいっぱい出す!以上!
GM
:ヤバい固定値が見えるんですが……コワイ……
百代まりあ
:そういう感じです。よろしくお願いします!
GM
:よろしくお願いします!
GM
:そんな百代さんのハンドアウトはこちら!
PC3:百代まりあ
シナリオロイス:"スリーピー・ホロウ"胡緑蘭〈フー・ルーラン〉
君は"高貴なる者の使命〈ノブレス・オブリージュ〉"をその身に宿す、一般家庭出身のチルドレンだ。
UGNチルドレンとしての任務の傍ら、日々の家計を助けるためアルバイト活動にも勤しむ君は
最近N市に日本法人を立ち上げたIT企業『リベレーターズ』が開発する新商品のモニターに名乗りを上げた。
街の新たなランドマークとなった『リベレーターズ』日本支社に足を運んだ君が出会ったのは
オーヴァードでありながら不治の肉体的障害を背負う"ハンディキャップド・オーヴァード"の少年だった。
GM
:新しいバイトよ!
百代まりあ
:やったわ
百代まりあ
:頑張って働くわ
GM
:これちょっと説明不足でしたが、一応オーヴァードを名指しで募集してるので
GM
:一般のバイトではなく、UGNの支部に直接斡旋された感じですね
百代まりあ
:あっそうなんだ
百代まりあ
:就職斡旋までしていただけるなんて……
GM
:神城とかと同じで緩やかに提携してる感じです
GM
:なので安心!全然怪しいバイトじゃないよ!
百代まりあ
:これは信頼できるわね
百代まりあ
:ビシバシ働くわ
GM
:馬車馬のように!
GM
:よろしくお願いします!
百代まりあ
:よろしくお願いします!
GM
:そして最後!PC4の茶川君!
GM
:
(キャラシート)
茶川 閂
:はい!
茶川 閂
:茶川 閂(さがわ かんぬき)18歳! 第八支部のエージェントです。
茶川 閂
:一風変わった能力の持ち主なので観察対象でもあり、現在は実績を積んで昇進しても権限を得られない状態のため
茶川 閂
:第二参事官補佐代理という、働けば働くほど名前だけが長くなっていく肩書を持っています。実態は平エージェント!
茶川 閂
:パンチをすると不思議な物理現象が起きます。不思議だね~
GM
:一体何者なんだ……
茶川 閂
:敵か味方か
茶川 閂
:性格は気さくな感じなのでみんなといっぱいお話しできたらなと思います。
茶川 閂
:あと、なんか変なのが取りついているという噂……怖いですね
GM
:お祓い行ったほうがいいよ……?
茶川 閂
:性能は普通に暴走して普通の行動値で普通の装甲無視単体攻撃です。
茶川 閂
:ダブルクロス3rd公式ストラクチャーデッキ! きみも「暴走」ギミックを使って遊んでみよう! って感じ
GM
:お手本のようなピュアウロ暴走デッキ……基本が一番強いということね
茶川 閂
:以上です! めっちゃ楽しみにしてました! よろしくお願いします!
GM
:よろしくお願いします!
GM
:そんな茶川くんのハンドアウトはこれ!
PC4:茶川閂
シナリオロイス:"サクヤ"
君は、N市第八支部の第二参事官補佐代理というビミョーな肩書きを持つエージェントだ。
同時に、身の内に"悪魔"と称される正体不明の力を飼う特殊なオーヴァードでもある。
君は恒例となった第四支部でのメディカルチェックで、ある異変に見舞われる。
麻酔による微睡みの中で、君は君の主観において二度目の"悪魔"との邂逅を果たす。
君と同じ顔をした"悪魔"は囁く。
『———目を醒ませ。俺らの世界が何者かに侵略されてるぞ』
『…………なんてな!』
茶川 閂
:俺らの世界が何者かに侵略されてるじゃねーか!
GM
:何者なんだろうね
茶川 閂
:怪奇!
GM
:茶川くんには今回の茶川ガールも用意してあるから
GM
:楽しみにしててね
茶川 閂
:茶川ガール……今回は記憶を失わずに済むのか
茶川 閂
:楽しみ!
GM
:ふふ……月のある夜は気をつけるがいい!
GM
:よろしくお願いします!
茶川 閂
:よろしくおねがいしまーっす!
GM
:というわけで、このメンバーで始めていきます
【OP1:吉沢龍剣】
GM
:OP1:吉沢龍剣
GM
:登場侵蝕をお願いします
吉沢龍剣
:1d10+33
DoubleCross : (1D10+33) → 10[10]+33 → 43
吉沢龍剣
:ぐえーっ
GM
:アゲてくるわね……
十二地区 鹿島四方幡 廃ビル
GM
:君は"ウールワース"桐生嚆矢の依頼で、新興の中国マフィア『
崑央
(
クン=ヤン
)
』の討伐に駆り出されていた。
マフィアの男
:「クソッ……!聞いてねえぞ!!」
マフィアの男
:頬から血を流しながら男が叫ぶ
マフィアの男
:「黛の一件でここらのヤクザは消耗してんじゃなかったのかよ……!」
マフィアの男
:「ふざけやがって!俺を誰だと思ってやがる!」
崑央八仙"暴龍"
:「崑央八仙の一人、"暴龍"だぞ!それがこんな……」
崑央八仙"暴龍"
:「こんな得体のしれない女に……!」
???
: ガ ン
???
:男の逃げる先、目の前の壁に
???
:飛来した何かがめり込む。
崑央八仙"暴龍"
:「うお!?」
???
:とん、とん、とん。
???
:壁から離れて、地面を跳ねるそれは
???
:何の変哲もない、硬式の野球ボールだ。
吉沢龍剣
:「ボール」
吉沢龍剣
:「拾ってくれよ」
崑央八仙"暴龍"
:「……アァ?」
吉沢龍剣
:部屋の入口に、女が立っている。
吉沢龍剣
:上背は並みの男よりも遥かに大きい、180はゆうに超えている。
吉沢龍剣
:くたびれたライダースーツを着込み、肩に金属バットを担いで
吉沢龍剣
:挑発的に牙むく、大型のネコ科動物のように
吉沢龍剣
:笑みを浮かべている。
崑央八仙"暴龍"
:「何から何までふざけやがって……殺し合いの場に球遊びなんざ!」
崑央八仙"暴龍"
:肩を震わせてボールを拾い上げ、握りつぶす
吉沢龍剣
:「余裕のねえ奴だ」
吉沢龍剣
:「だからつまんねェとこで死ぬ」
吉沢龍剣
:やれやれといった風情で首を振る。
崑央八仙"暴龍"
:「馬鹿が……死ぬのはテメエだ!」
崑央八仙"暴龍"
:吉沢の目が逸れた一瞬の踏み込み
崑央八仙"暴龍"
:5m近い距離を一足で跳躍し、脳天に手刀を振り下ろそうとする。
吉沢龍剣
:既にその目前に
吉沢龍剣
:目視不可能なほどに透き通った分厚い氷の壁が貼られている。
吉沢龍剣
: バ キン !!
吉沢龍剣
:男を突進の勢いのまま弾き返す!
崑央八仙"暴龍"
:「な……ガっ!?」
吉沢龍剣
:がしゃん
崑央八仙"暴龍"
:氷の壁にぶち当たり大きくのけぞる
吉沢龍剣
:崩れ落ちる氷晶の中を通り抜け
吉沢龍剣
:近づき、男の胸ぐらを掴む。
吉沢龍剣
:「1回の表は終了だ」
吉沢龍剣
:「次はウラ」
崑央八仙"暴龍"
:「ぐッ…ゲホ……ッ!?ちょ……待っ……」
吉沢龍剣
:パキパキパキ
吉沢龍剣
:再び氷の壁が現れる
吉沢龍剣
:今度は男の背後に。
吉沢龍剣
:「簡単にくたばんなよ……オルァ!!」
吉沢龍剣
:バキィーッ!!
吉沢龍剣
:男を殴り飛ばす!氷の壁にバウンド!
崑央八仙"暴龍"
:「ガヘェエ!!?」
吉沢龍剣
:「うるぁーーーっ!」
吉沢龍剣
:バキィーッ!
吉沢龍剣
:殴り飛ばす!氷の壁にバウンド!
崑央八仙"暴龍"
:「ギャアアアアアアア!!!?」
吉沢龍剣
:バキィーッ!
吉沢龍剣
:バウンド!
崑央八仙"暴龍"
:「グボオオオオォォオ!!!」
吉沢龍剣
:殴る!バウンド!殴る!バウンド!
崑央八仙"暴龍"
:「ギャブッ!!!」
崑央八仙"暴龍"
:「グッ……も……!!」
崑央八仙"暴龍"
:「もう……!ガハ……!!」
崑央八仙"暴龍"
:「止め……グハァ!!?」
吉沢龍剣
:「男なら」
吉沢龍剣
:「シャンと返事しやがれ!オルァーッ!」
吉沢龍剣
:繰り返しでべっこべっこになるまで男を殴り続け
吉沢龍剣
:ガシッ
吉沢龍剣
:「終いだ」
崑央八仙"暴龍"
:「……ッ……ッ!?」もはや声も出ない
吉沢龍剣
:空中で掴んで床に投げ捨てる!
吉沢龍剣
:ズサーッ!
崑央八仙"暴龍"
:「…………」
崑央八仙"暴龍"
:壁際まで滑っていき、静止する
吉沢龍剣
:「まだ意識あんのか」
吉沢龍剣
:「案外丈夫じゃねーか」
吉沢龍剣
:「2回の表もいっとくか?」
崑央八仙"暴龍"
:「ひ……ひぃ!?」
崑央八仙"暴龍"
:その言葉が引き金になったのか、痛みが限界を超えたのか
崑央八仙"暴龍"
:「………ッ……ッ」
崑央八仙"暴龍"
:白目を剥き、小刻みに痙攣しながら気を失う。
吉沢龍剣
:「ち、寝ちまいやがった」
GM
:周りには同じ様にして構成員たちが倒れている
GM
:今回の仕事は無事終わったようだ
"ウールワース"桐生嚆矢
:「よっ!そっちも終わったか」
吉沢龍剣
:「見ての通りな」
吉沢龍剣
:「張り合いのねえタマナシ共だった」
"ウールワース"桐生嚆矢
:上の階から下りてきた男が床に無造作に構成員達を投げ捨てる
マフィア構成員A
:「ぐ………」
マフィア構成員B
:「………」
吉沢龍剣
:「簡単にイッちまいやがる、こちとら欲求不満だぜ」
吉沢龍剣
:「そっちはどうだ?満足いったかよ」
吉沢龍剣
:「桐生チャン」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「いやいやこっちも全然。良いところは全部姐さんが持ってちまうんだもん」
"ウールワース"桐生嚆矢
:君の依頼主。桐生嚆矢だ
"ウールワース"桐生嚆矢
:現在はここ鹿島四方幡を仕切る若手侠客達の互助組織
"ウールワース"桐生嚆矢
:飯綱青年会の顔役として、君に助っ人を願い出た立場である。
吉沢龍剣
:「姐さんねえ」
吉沢龍剣
:「跳ねっ返りも跳ねっ返りだったテメーからンな風に呼ばれるのも妙な気分だが」
吉沢龍剣
:「中々悪くねえ響きだな」
吉沢龍剣
:「どうせならお姉ちゃぁ~んとか呼んでみろよ」
吉沢龍剣
:「昔から顔は悪くねえし、割と興奮するかも」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「はは、勘弁してくれ。どうせ大人の男にゃ興味ねえんだろ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「言うだけ損ってやつだ」
吉沢龍剣
:「アンだよノリまで悪くなりやがって」
吉沢龍剣
:「巽チャンもお前も様変わりしたよなァ、ホント」
吉沢龍剣
:「アタシばっかりかよ、ちゃらんぽらんは、ええ?」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「アンタが変わらなすぎんだよ。まあそれでも」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「この前の件といい、あんまりUGNに借りばっかり作るのも具合が悪いからな」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「アンタみたいのが居てくれて助かってるわけよ。こっちはな」
吉沢龍剣
:「折衝ってやつかよ。似合わねー」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ああまったく、姐さんが羨ましいぜ」
吉沢龍剣
:「そうは言うが」
吉沢龍剣
:「今の暮らしに満足いってねえようには、見えねえな」
吉沢龍剣
:ニヤッと笑う
"ウールワース"桐生嚆矢
:「お、わかる?」歯を剥いて笑顔を返す
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ま、昔に夢見てた"自由"ってやつとは少し違うけどよ」
吉沢龍剣
:「ツラだけは嫌ってほど合わせてきた」
吉沢龍剣
:「憑き物が落ちたっつーか」
吉沢龍剣
:「昔より今の方が、いくらかマシなツラしてやがる」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「改めて言われると照れるな……まあヤンチャしてた自覚はあるけどよ」
吉沢龍剣
:「はっは!ヤンチャどころの騒ぎで済むかよ」
吉沢龍剣
:「ずぶてえ野郎なのは相変わらずだな」
吉沢龍剣
:バシバシと背中を叩き
吉沢龍剣
:「明日辺り、酒でも飲みに行こうぜ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「痛って!?加減しろよゴリラ女!」
吉沢龍剣
:「誰がゴリラだボケ」
吉沢龍剣
:ぐいぐいとヘッドロック
"ウールワース"桐生嚆矢
:「あだだだ!」
吉沢龍剣
:「つまんねー仕事だった分」
吉沢龍剣
:「テメーがアタシにお酌をすんだよ!」
吉沢龍剣
:「あ!?わかったか、コラ!」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「何だそりゃ……まあでも飲むのは賛成だ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「俺はコーラでもいいんだがね。ここは大人の付き合いと行こうぜ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「もともとこっちから誘うつもりだったんだ」
吉沢龍剣
:「ほー」
吉沢龍剣
:「そっちの甲斐性は出来たみてえだな」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ま、日頃お世話になってるお礼ってやつ?いやまじで」スーツのポケットからバッジを取り出し、吉沢さんに渡す
吉沢龍剣
:バッジを受け取る
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ウチで世話してる店。そのバッジ見せれば半年くらいはツケてくれっから」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「それ以上は俺に請求が来るから簡便な」
吉沢龍剣
:「てめぇの看板借りんのは癪だが」
吉沢龍剣
:「ただ酒には変えられねえ」
吉沢龍剣
:「破産させてやるよ。楽しみにしときな」
吉沢龍剣
:にやーっと笑ってバッジをポケットに
"ウールワース"桐生嚆矢
:「いやだからツケだって!」
吉沢龍剣
:「おいおい、カタギにご迷惑かけるつもりかよ」
吉沢龍剣
:「それとも」
吉沢龍剣
:「若頭サマは一度言った約束を反故にすんのか?ああん?」
吉沢龍剣
:ぐいぐい締め上げる
吉沢龍剣
:「半年分の酒くらい、いっぺんに無くなるに決まってんだろ」
吉沢龍剣
:「アタシを誰だと思ってんだ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「カタギがスジモンに集るな~~~!」
"ウールワース"桐生嚆矢
:やっとのことで締め付けを抜け出し
吉沢龍剣
:「うっひゃっひゃっひゃ!」
吉沢龍剣
:「んじゃ、また明日なキリューちゃん」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「はぁ……どうせ明日は暇なんだろ?俺もオフだし昼間から呑んだくれるとしようぜ」
吉沢龍剣
:「おう、存分にやんぞ」
吉沢龍剣
:「誘うつもりだったっつうなら、先にぶっ倒れるんじゃねえぞ、いいな」
吉沢龍剣
:スタスタと去っていく
"ウールワース"桐生嚆矢
:「うえー、お手柔らかにー」
"ウールワース"桐生嚆矢
:ひらひらと手を振り、逆方向へ歩いていく
GM
:こうして、君たち二人は約束をして別れた。
GM
:しかし翌日———
居酒屋
組員
:『いやだから、そんな奴いないんですって姐さん』
吉沢龍剣
:「ああ?」
GM
:君の電話口に出ているのは、桐生嚆矢が所属する暴力団『月吼會』の組員だ
GM
:待ち合わせに現れない桐生を不審に思い、連絡を取ったのだが……
吉沢龍剣
:「テメーんとこの若頭だろうが」
吉沢龍剣
:「飯綱青年会ってのも面倒見てんだったか」
吉沢龍剣
:「”ウールワース”の桐生嚆矢だ!おい、マジで言ってんのかてめェ」
組員
:『何度も言わせんでください。うちの若頭は五島って男で』
組員
:『飯綱の頭目は久保田とかいったすかね確か……』
吉沢龍剣
:「……アタシの事は分かんだな」
吉沢龍剣
:「そっちに出入りしてる、賞金稼ぎの吉沢だ」
組員
:『そりゃもう、吉沢の姐さんにはいつも世話になってますから』
吉沢龍剣
:「そうかよ、ならいい」
組員
:『とにかく、桐生嚆矢とかいう男は今も昔もこの界隈では聞いたこともないんですわ』
吉沢龍剣
:「邪魔したな、切るぞ」
組員
:『姐さんも昼間っから飲むのはいいですけど程々に……』
組員
:言いかけている所で電話が切れる
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:「何がどうなってやがる」
ニュースキャスター
:『———続いてのニュースです』
ニュースキャスター
:居酒屋のテレビからの声が耳に入る
ニュースキャスター
:『近年成長著しいIT企業『リベレーターズ』が、H社の宇宙開発事業を買収した事がわかりました』
吉沢龍剣
:「リベレーターズだぁ?」
吉沢龍剣
:顔を上げる。
ニュースキャスター
:『発表会見より、社長の桐生嚆矢氏のコメントをお届けします』
吉沢龍剣
:「!」
吉沢龍剣
:「何の冗談だ、こりゃ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『———皆さんはIT屋の道楽か』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『さもなくば投資のための仕込みだと思っていらっしゃるかもしれませんが』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『我々は本気です』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『リベレーターズが宇宙事業に参入するからには、5年以内に一般の皆さんを月につれていくことを約束しましょう』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『我々は、常に人々の自由の"
解放者
(
リベレーター
)
"であり続けます』
吉沢龍剣
:「……」
ニュースキャスター
:『桐生氏はN市の出身で、昨年———』
吉沢龍剣
:「呑みすぎたか?」
吉沢龍剣
:真っ先に見回すのは、テーブルの上
吉沢龍剣
:乱雑に並んだ酒瓶とジョッキの山。
吉沢龍剣
:ラム、ウォッカ、テキーラ。
吉沢龍剣
:強烈に度数の高い酒ばかりだ。
吉沢龍剣
:「いや、ンなわきゃねー」
店主
:「すごいよねえ龍ちゃん。湾岸地区のゴロツキが今じゃ大企業の社長さんだってさ」
吉沢龍剣
:「だよな」
吉沢龍剣
:「確かにアンタも、今のニュース見てたよな」
店主
:「同郷として誇らしいよねえ……もしかして知り合い?」
吉沢龍剣
:「いや、そいつの事は知らねェが」
吉沢龍剣
:「野暮用が出来た」
吉沢龍剣
:のっそりと立ち上がる。
店主
:「あ、龍ちゃん!」強めに引き止める
店主
:「お連れさん来なかったみたいだけど……」
店主
:「………お代、5万8千円になります」
吉沢龍剣
:「ああ?そんなに飲んでたか」
吉沢龍剣
:「金なら無ェ」
吉沢龍剣
:あっさり。
吉沢龍剣
:ジャケットのポケットを裏返してぱんぱん。
吉沢龍剣
:財布さえ持ち歩いてない。
店主
:「ええ……」
吉沢龍剣
:「おっと、安心しろよ」
吉沢龍剣
:「そのアテを今から連れてくるっつってんだ」
?????
:「いや、それには及びませんよ」
吉沢龍剣
:「あン?」
夏目靖章
:「ここは俺が持ちます」
夏目靖章
:胡散臭い笑みを貼り付けた黒スーツの男がいきなり話しかけてきた
吉沢龍剣
:「誰だよ、テメーは」
吉沢龍剣
:「いや、いいかンな事は」
夏目靖章
:「ええ、大事なのはここからです」
吉沢龍剣
:「だよな」
吉沢龍剣
:「どーいう要件だ、このアタシに」
夏目靖章
:「桐生嚆矢氏について」
夏目靖章
:「それはニュースに出ている社長さんのことでもあり、貴方の知っている極道のことでもある」
吉沢龍剣
:「!」
夏目靖章
:「俺の名前は夏目靖章」
夏目靖章
:「素性はここでは開かせません。場所を変えましょう」
夏目靖章
:そう言って君にウインクを飛ばし、会計を済ませに歩いていった。
吉沢龍剣
:「待て」
吉沢龍剣
:夏目を呼び止める
夏目靖章
:「ん?」
吉沢龍剣
:その肩にぽんと手を乗せて
吉沢龍剣
:前に出る
吉沢龍剣
:「親父、マイヤーズもう一本だ」
吉沢龍剣
:酒瓶を受け取り
吉沢龍剣
:「こいつで前金代わりだ」
夏目靖章
:「はは……これは」
夏目靖章
:「中々高く付きそうだ」
吉沢龍剣
:「その分」
吉沢龍剣
:「サービスには期待しときな」
吉沢龍剣
:にったり笑って
吉沢龍剣
:酒をラッパ飲みしながら階段を上がっていく。
夏目靖章
:「…………」その後姿を見送り
夏目靖章
:「…………経費で落ちるかな……これ」
GM
:ロイスのみ所得可能!
吉沢龍剣
:桐生くんに!
吉沢龍剣
:友情/不可解○
吉沢龍剣
:とりあえず今のところは以上!
GM
:オッケー!では次!
【OP2:太田止隆】
GM
:登場侵蝕をどうぞ
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+2(1d10->2)した (侵蝕率:35->37)
白昼夢
GM
:時間を問わず、氷と炎は君の精神を苛む
GM
:揺らめく陽炎の果てに、いつかの光景が映し出される
GM
:君は思い出す。UGNのチルドレン訓練施設にいた時のことを────
"ライトニングボルト"
:「だーくそ!与儀のヤローアホみてーな訓練ばっかさせやがって!」
"ライトニングボルト"
:「お、そうだ"ナイトバイポーラー"。この前言ってたあれ、考えてくれたか?」
GM
:この頃、コードネームで呼ばれていた君達の間では流行っていた遊び
GM
:お互いに、人間としての名前をつけ合うのだ
GM
:能力を表すコードネームでも、任務の度に与えられる偽名でもなく
GM
:本で見たような、人間としての名前を
"ナイトバイポーラー"
:「……するか? その話。お前が疲れてるなら後でも良い」
氷
:「な! な! 訓練なんてテキトーに流すべきなんだよな!」
"ナイトバイポーラー"
:「俺も今日は少し疲れたし……」
"ライトニングボルト"
:「しようぜ!今!いませずにいつするんだよ!」
"ナイトバイポーラー"
:「分かった」
"ナイトバイポーラー"
:整った面持ちの、しかしあまり血色良くない、陰鬱な眼の少年だ。
"ナイトバイポーラー"
:表情の変化に乏しいが、付き合いの長い者なら、この瞬間、微かに笑ったことが分かるだろう。
"ライトニングボルト"
:「死んでからじゃ遅えっつーの!何事も思い立ったら……」
"ライトニングボルト"
:「思い立ったら……キチ……キツ……?何だっけ」
"ライトニングボルト"
:「まあとにかく、考えたんなら教えてくれよ!俺の名前!」
"ナイトバイポーラー"
:「思い立ったが吉日」
"ライトニングボルト"
:「そうそれ!オマエ座学も結構いい線いってるからさ~期待してんだって!」
"ナイトバイポーラー"
:「善は急げ、の方がお前のバカ脳でも覚えやすいだろ。……ほら」
"ライトニングボルト"
:「お……どれどれ」
"ナイトバイポーラー"
:適当に破ったノートの切れ端を、無造作に差し出す。そこには2文字の漢字が丁寧に記されている。
"ナイトバイポーラー"
:『嚆矢』
"ライトニングボルト"
:「こうや?」
"ライトニングボルト"
:「……なんて意味?えーと辞書辞書……」
"ナイトバイポーラー"
:「こうし」
"ナイトバイポーラー"
:「音の出る矢のことだよ」
"ナイトバイポーラー"
:「適当に辞書めくって見つけた」
"ライトニングボルト"
:「へー、矢から音出たら不便じゃねえの?」
"ライトニングボルト"
:「見つかっちゃうじゃん。鹿とかに」
"ナイトバイポーラー"
:「さすが、戦闘についてはよく回るな。それと同じくらい勉強もできればいいんだけど」
"ライトニングボルト"
:「いいんだよーバトルIQさえ高けりゃよー」
"ナイトバイポーラー"
:「……意味があるんだよ。『嚆矢』はな。皆に知らせるために撃つ矢なんだ」
"ナイトバイポーラー"
:「戦いが始まる、ってことを、皆に。だから音が出る」
"ナイトバイポーラー"
:「一番最初に撃たれる矢なんだよ」
炎
:「……大丈夫? これで本当に伝わる? この子バカだよ?」
"ライトニングボルト"
:「へー、そいつは……」
"ライトニングボルト"
:「……格っっ好いいな!」目を輝かせる
"ナイトバイポーラー"
:また、知り合いにしか分からぬ笑みを浮かべる 「そうか。良かった」
"ナイトバイポーラー"
:「あんま名前っぽいの思いつかなくてさ……お前が大丈夫か少し不安だった」
"ナイトバイポーラー"
:「こんなことで悩むのも時間の無駄だし……まあ漢字二文字ならそれっぽくなるだろ」
"ライトニングボルト"
:「いや良いよ!すごく良い!」
"ライトニングボルト"
:「あれだろ、戦いが始まる最初に飛んでくってことは」
"ライトニングボルト"
:「とにかくすっげえ速いんだよな!」
"ナイトバイポーラー"
:「……そりゃそうだろうけど」 あまり意図の分かっていない顔
"ライトニングボルト"
:「でもって俺なら、みんながその音に気づく頃には」
"ライトニングボルト"
:「敵を全部ぶちのめしてやれる」
炎
:「ホント、自信だけはマンマンだよね。こういうのに限って、なんでもない所で矢みたいに吹っ飛んでポキッて死ぬんだ」
"ナイトバイポーラー"
:「……だな。お前ならそれくらいできる」
"ライトニングボルト"
:「うん、"戦いの始まりを知らせる"なんて悠長なことは言ってられない」
"ナイトバイポーラー"
:「戦いの終わりを伝える矢か……辞書に載ってた意味とは違うけど」
"ライトニングボルト"
:「俺が放たれる時は、俺たちが勝利するときだ」
"ライトニングボルト"
:「そうじゃなきゃ、みんなを守れない」
氷
:「"ライトニングボルト"はちゃんとしてんなあ! お前も死ぬ気でこれくらいやったらどうだよ?」
"ナイトバイポーラー"
:少し頭を押さえ 「……じゃ、決まりで良いか」
"ライトニングボルト"
:「うん!マジで気に入った!」
"ナイトバイポーラー"
:「今日からお前は
嚆矢
(
こうし
)
……になるのか?」
"ライトニングボルト"
:「あ、でもあれだな」
"ライトニングボルト"
:「"こうし"って読み方は何かナヨナヨしてて気に入らねえ」
"ナイトバイポーラー"
:「……別のを探すか?」
"ライトニングボルト"
:「いややっぱ"こうや"で良いだろ!矢(や)って読めんだから!」
"ナイトバイポーラー"
:「
嚆矢
(
こうや
)
……」
"ライトニングボルト"
:「どうせ辞書どおりの意味じゃないし、読み方も好きに決めるぜ!」
"ライトニングボルト"
:「今日から俺は"嚆矢"だ!ははは!」
炎
:「な……なんて適当な上に細かい所にこだわるヤツ! こういうのが規律を乱すんだよね!」
"ナイトバイポーラー"
:「……そうだな。それでいいと思う」
"ナイトバイポーラー"
:「お前は今日から嚆矢(こうや)……うん。嚆矢(こうし)よりも良いかもな、確かに」
"ライトニングボルト"
:「だろォ~~~?」
"ナイトバイポーラー"
:そう言うと、軽く頭を振り 「悪い。また先生に薬貰ってくる。用事、それだけだろ?」
氷
:「おいおい、そんなこと言うなよ。俺たちの言葉はちゃんと聞いとけ~?」
"ライトニングボルト"
:「あ、いやその前に」
"ライトニングボルト"
:「オマエ約束忘れたのかよ。俺も考えとくって言っただろ」
"ナイトバイポーラー"
:「……あ……そっか」
"ナイトバイポーラー"
:目を閉じる 「俺はなくても良いけど……お前に、嚆矢に考えてやったからな」
"ナイトバイポーラー"
:「俺も欲しい。どんなのだ?」
"ライトニングボルト"
:「そうだぜ。フェアに行こうや。友達なんだから」
"ライトニングボルト"
:「オマエの名前は……」
"ライトニングボルト"
:「
"止隆"
(
これ
)
、でどうだ?」
"ライトニングボルト"
:くしゃくしゃのノートに書かれた文字をを君に見せる
"ナイトバイポーラー"
:「……おりたか?」
"ライトニングボルト"
:「よく読めんなオマエ……ちょっと悔しいぜ」
炎
:「何これ。微妙じゃない……?」
氷
:「言ってやれ! 文句! そんなのなくてもお前はいいだろ!」
"ナイトバイポーラー"
:「別に……どういう意味なんだ、これ」
"ナイトバイポーラー"
:「言葉としては知らない」
"ライトニングボルト"
:「ふふん……そうだろうそうだろう。なにせ俺が考えた言葉だからな!」得意げに胸を張る
"ナイトバイポーラー"
:「へえ。止める……隆……」
"ナイトバイポーラー"
:「隆はどんな意味だったかな……こざとへんだから……」 ぶつぶつと思い耽る
"ライトニングボルト"
:「まあ俺とて自分の頭がさほど出来が良くないのは分かってる。なんで。得意分野で考えてみた」
"ナイトバイポーラー"
:「得意分野?」
炎
:「暴力で職員に考えるよう脅したとか?」
"ライトニングボルト"
:「へへ、バトルIQだ」脳髄を指差すポーズ!
"ナイトバイポーラー"
:「……」 僅かに苦笑いを浮かべて 「バトルか」
"ライトニングボルト"
:「"隆"はなんかこう、栄えるとか盛り上がるとか、とにかくドバーッて勢いのあることでさ」
"ライトニングボルト"
:「で、それを"止"めるのがオマエ。」
"ナイトバイポーラー"
:「なるほど、それを止める……」
氷
:「みんなが賑やかなトコに水差したりするもんな」
"ライトニングボルト"
:「オマエのファイトスタイルに敬意を表して、この名前を進呈する!」
"ナイトバイポーラー"
:「……そうだな。そういうことなら分かる」
"ナイトバイポーラー"
:「確かに俺の得意だ。攻撃を止めたり、反撃を断ち切ったりするのは」
"ナイトバイポーラー"
:「場の空気を冷やすことじゃなくて」
"ナイトバイポーラー"
:また軽く首を振り 「……ともかく、俺は止隆。止隆か」
"ライトニングボルト"
:「良いだろ、止隆」
"ライトニングボルト"
:「俺は真っすぐ飛んでくことしか出来ないからさ」
"ライトニングボルト"
:「もしも俺がみんなを置いて行っちまったりしたら」
"ライトニングボルト"
:「その時は、オマエがみんなを守ってくれ」
炎
:「あ、また面倒事押し付けて……」
"ナイトバイポーラー"
:「……分かったよ。そういうのは俺の得意だからな」
"ナイトバイポーラー"
:「でも……うん。何だか嬉しいな」
"ライトニングボルト"
:「へへ……そうだろそうだろ!」
"ナイトバイポーラー"
:「意味も同じだしな。戦いを終わらせる矢のお前と、攻撃を止める俺で」
"ナイトバイポーラー"
:「どっちも後には平和が残るんだ」
"ライトニングボルト"
:「ああ」君と肩を組んで
"ライトニングボルト"
:「俺とオマエが一緒なら、誰にも負けねえ」
"ナイトバイポーラー"
:「……」 目を閉じる。肩を組んでいると、あのやかましい幻覚も届かない 「そうだ」
"ライトニングボルト"
:「そして、いつか………」
"ライトニングボルト"
:「…………」
"ライトニングボルト"
:ぱっと君の肩を離し
"ナイトバイポーラー"
:「……嚆矢?」
"ライトニングボルト"
:「と、そういえば薬貰いに行くんだろ?医務室閉まっちまうぞ」
"ライトニングボルト"
:一瞬考え込んだように見えたが、いつもの人懐っこい笑顔で笑いかける
炎
:「うわっ……今のは明らかに良からぬこと考えてたでしょ。教官に報告しなきゃあ……」
"ナイトバイポーラー"
:「……ああ。そうだな」
"ナイトバイポーラー"
:少しだけ惜しむような顔で親友を見るが
"ナイトバイポーラー"
:彼の言葉も事実だ。踵を返す 「すぐ戻る」
"ナイトバイポーラー"
:「また後で……『嚆矢』」
"ライトニングボルト"
:「ああ、またな。『止隆』」
GM
:陽炎が揺らぐ
GM
:懐かしい記憶が遠のき、景色は移り変わる
白昼夢 郊外の廃墟
GM
:名前を送り合ってからしばらく後、君は桐生嚆矢が任務で死亡した事を知った。
GM
:しかし、それから程なくしてN市周辺でチルドレンの大量失踪問題が取り沙汰される。
GM
:桐生嚆矢は死を偽装して身を隠し、オーヴァードの少年少女による愚連隊『リベレーターズ』を結成。
GM
:密かにかつての仲間たちを勧誘し、その勢力を増やしていた。
GM
:『リベレーターズ』の目的は、テロリズムによるレネゲイドの再解放。
GM
:その果てに、オーヴァードが自由に生きられる世界を作ることだ。
GM
:失踪事件の調査を命じられた君は桐生嚆矢と再会を果たした。
GM
:そしてこの日が、君と彼の永別の日となる。
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「単刀直入に言うぜ、止隆」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「俺と一緒に来い」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:瓦礫の上に腰掛け、君へ話しかける
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「嚆矢……」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:手にしているのはジュラルミン製のタワーシールドと、双身の長剣。
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:よく手に馴染んだこれらを手に、鎮静剤も十分量を入れた上で親友に会わなければならない日なんて、来てほしくなかった。
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……お前が行こうとしている未来は」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「みんなが笑って暮らせる未来だ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「本当にそうなのか? ……いや、そうなのかもしれない」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「でも俺には見える。みんなが笑って、笑って、一息吐いて」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「周りを見回した、お前の目には……」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……燃え尽きて、静まり返った世界が映っているんだ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「…………」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「分かってるだろう。あのミサイルを撃って、世界を変えたって……」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「犠牲を出したって。戦いは終わらない。UGNはお前たちを許さない」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「終わらないんだよ、嚆矢……っ!」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「……何だよ、俺の心配をしてくれんのか?」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「当たり前だ!」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「親友だろ……同じ意味の名前同士の」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「戦いを終わらせる名前の!」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:こうも声を荒げることは、止隆にとっては珍しいことだった。慣れぬ大声に、喉が掠れる。
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「……違えよ。同じなのは込めた願いだけだ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「俺とオマエの持つ意味は別のものだろ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「俺は"嚆矢"だ。戦いの始まりを……いや」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「新しい世界の始まりを告げる矢だ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「放った矢を拾いに行くやつなんていなくていいだろ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「俺は約束を守る。豚共が大手を振って歩いてる限り、俺たちの明日は来ない」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「そのために嚆矢の未来を捨てるのかよ!?」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:双身剣の片方に、炎が滾る 「そんなこと見逃せるか……!」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「俺の未来は元々そのためにあったんだ。……なあ止隆」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「もう一度言う。一緒に来い。俺にはオマエが必要だ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「俺たち二人が一緒なら、誰にも負けない」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「なら聞け。俺も言う。戻ってこい、嚆矢」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「今のUGNとして……その辺りを歩いている奴らにバケモノと怖がられようが」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「認めてくれる奴が、理解してくれる奴が、一緒に戦う奴がいれば」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……それ以外に必要なことはないだろ? だから戻って来てくれ。俺にはお前が必要だ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「俺たち二人が一緒なら……何にだって勝てる」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「……へへ、なんだよ両思いじゃん」一瞬、かつての人懐っこい笑顔を見せて
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「でもダメだ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「放たれた途中で戻ってくる矢があるかよ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「ッ……」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「矢を止める方法は2つしかねえ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「当たるか、折れるかだ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……いるぞ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「止める奴がここにいるぞ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「お前を止める奴が! ここに! ……そうしろと言われた奴が!」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「いるぞ……!!」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「……そうかよ」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「なら交渉決裂だな」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:そう言うと、ジーンズのポケットから何かを取り出し、君へ放り投げる。
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:受け取らない。地面に落ちるを見る
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「おいおい、受け取ってくれよ。相変わらず空気の読めねえやつだな」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……分かってるよ。何のつもりだ?」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:君の足元に転がったそれは、チルドレン時代のIDカードだ
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:コードネームは"ライトニングボルト"。名前は———
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:桐生嚆矢という名前は、黒く塗り潰されている。
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「本来なら、名前を返すって言うとこなんだろうけどな」
"ライトニングボルト"桐生嚆矢
:「名前だけ貰っていく。今から俺は"ライトニングボルト"じゃなく」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「"リベレーター"桐生嚆矢だ。格好いいだろ?」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:──矢。
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:折れるか、当たるか。そのどちらかの結末しか持たず。
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:その後に訪れる平和においては、およそ誰にも顧みられることのない——
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……やめてくれ。そんなの」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「俺はそんなこと、望んじゃいなかったのに」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「その名前を大事に持っていかれたら、まるで——」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「……止隆」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「俺はこの名前気に入ってるんだ。だからその通りに生きる」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「オマエももし気に入ってるなら、その名前の通りに生きてくれ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……バカだよ。お前は。そんなの、俺が、辞書で適当に見つけただけなのに」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「舞い上がって……勝手に盛り上がって……」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「……へへ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:踏み込む。刃から炎が噴き出す
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「俺もそうするよ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……気に入ってるからな」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「まずは今だ」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「そのとおりに生きてやる」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ありがとよ、兄弟。ならこっからは……!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:足元が帯電する。風が旋を巻いて収束していく。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「勝負と行こうぜ。俺がオマエを貫くか、オマエが俺を折るか」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:氷交じりの凍える風が遠巻きに渦を巻く。その中心は、業火を放つ鉄の刃。
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……ああ。受けてもらうぞ嚆矢。チルドレンの時にだってやらなかった……」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「俺とお前で全力の……この先の未来を決める、勝負だ!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:クラウチングスタートの構え、そこから踏み出されるのは磁界の反発力にジェット気流を上乗せした神速の一歩だ。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「へへ、ぜってー負けねえ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「行くぞ止隆ァ!!」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:強固な盾を前に、灼熱の刀身を掲げるように。それでいて、足元は着実に一歩を踏み込めるように。守りつつ攻める、斬りつつ阻む、動きつつ止まる。攻守一体の構え。
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「……俺が止める。ここで止める。必ず止める」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「嚆……矢ァ!!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「オラァアアアア!!!」
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:「アアァァァッッ!!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:鉄を引きちぎるような鈍い音と同時に、桐生の足元が粉砕する。その一歩は彼我の距離を一息で踏破し──────
"ナイトバイポーラー"太田止隆
:疾走経路を刹那に見極めた。踏み込む一歩で嚆矢の攻撃を乱し、掲げた盾で先触れの衝撃を阻み、紅蓮の刃はその一撃を阻止すべく振り下ろされ──────
GM
:陽炎が揺らめく。
GM
:決着の行方は、舞い上がる砂塵と瓦礫にかき消される。
GM
:しかし、今を生きる君は知っている。
GM
:この日、君達の決着は付かなかった。
GM
:満身創痍ながらも逃げ延びた桐生嚆矢は
GM
:本拠地で戦力を整え、来たるテロ計画を実行に移さんとしていた。
GM
:しかし、その決行直前、予てから衝突を繰り返していた他の野良オーヴァード達との抗争が勃発。
GM
:現在の第八支部長卜部巽、吉沢龍剣の二名によって、リベレーターズは壊滅した。
GM
:桐生嚆矢はその後姿を消し、UGNの追跡も崩落戦の打撃により中断された。
GM
:彼とは、それ以降会っていない。
GM
:そう、今日までは──────
リベレーターズ日本支社 応接室
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……い、おーい」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「おーい、止隆。起きてっかー?」
太田止隆
:「…………」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「止隆くーん!聞いてますかー!」
太田止隆
:……炎が。
太田止隆
:応接室に置かれた観葉植物を燃やしていた。
『炎』
:『懐かしいね』
『炎』
:『お前のせいでバカがバカをした時のことを思い出していたんだよ』 もう聞き慣れた幻聴だ
太田止隆
:観葉植物は蛍光灯の光を浴びて、わざとらしいくらいに瑞々しい。
太田止隆
:軽く首を振り 「……聞こえてる」
太田止隆
:「大声出すな。この距離で」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「んだよ。だったらもっと早く言えっての」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:君から顔を離し、ソファーにどっと腰を下ろす。
太田止隆
:「ふん」 不服げに息を吐き、目の前の男を見る
太田止隆
:桐生嚆矢。身綺麗にはなっているが、一目見て分かった。自分の知る桐生嚆矢が、自分と同じように齢を重ねた姿だと。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「評議員の直衛も務めたエリート様が暇してるって言うから、わざわざ直々にご指名してやったんだぜ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「神城のセキュリティサービスには弱み握らせたくねえし、かと言ってUGNとは色々あったからな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「こっちに会社作る時に誰を護衛に選ぶかって考えたら、オマエしかいなかった」
太田止隆
:「エリートが暇するかよ。その時はたまたまお鉢が回ってきて……」
太田止隆
:「今だって良い気分でサボッてたんだ。ちょっと動いて見せるだけで、連中、さすが歴戦だなんだと嬉しそうにするからな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「へえへえ、そいつは悪いことをしちゃいましたね」
太田止隆
:「全くだ。高くつくぞ? 報酬系に忖度はない」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「何事においても忖度なんてしたことないだろテメーは」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「けどまあ、俺もそのくらいの方がやりやすい」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「生憎と金は腐る程あるしな」
太田止隆
:「そいつはいい。腐る前に流すのは良い判断だ。流し先もな」 足を組み、腕を組む
太田止隆
:「少なくとも他の誰かに同額を渡すよりはずっと良い働きをするさ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「じゃあ受けてくれんだな。助かるぜ!」
『氷』
:『……『オマエしかいなかった』でなーにちょっと嬉しくなってんだよ。バカ。分かってんだろ?』
『氷』
:『相手はCEO。リップサービスなんて寝言でも言える!』
太田止隆
:「……まあな」 目を閉じる
太田止隆
:「報酬は確か。依頼者の身分も確か。自分から死んで行くような真似をするわけでもなし」
太田止隆
:「残念ながら、受けない理由がない」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「レネゲイドに関連してる会社ともなると脅迫なんてのも日常茶飯事だからな。特にこの街は最近物騒だって聞くし」
太田止隆
:「……ビビってんのか? 脅迫だの、この街程度の治安の悪さに」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「おーおー、相変わらず可愛くねえの」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「誰がビビるかよ。勢い余って殺しちまったらそれはそれで問題だろうが。俺くらいの立場になると」
太田止隆
:「……ハ。その通りだよ、まったく」 実際、そのような名目で護衛任務を請け負ったことも"ガーディアンズ"時代にはあった
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「それに、守ってもらうのは俺だけじゃねえ。役員全体のセキュリティサービスを頼みたい」
太田止隆
:眉をひそめる 「構わんが、随分だな。俺に生命線を握らせるのか?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「オマエだから握らせんだよ、兄弟」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「それに情報のセキュリティはこっちでちゃんと手を打ってある」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「体の方は、オマエが一番信用できる」
『炎』
:『絶対なんか企んでるよ。やめようって……』
太田止隆
:「まったく、いつの間にボキャブラリーを増やして。そうやって何頭のブタを木登りさせてきたんだ?」
太田止隆
:言葉に反し、唇の端には笑みが浮かぶ 「まあいいさ。その分の見返りが貰えれば俺は機能する」
太田止隆
:「"ナイトバイポーラー"はそういうもんだ。……信用してくれ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ああ、交渉成立だな。存分に信用させてもらうぜ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「さて、仕事は明日からだ。今日は社内を見て回ってくれ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「マキちゃん。案内してあげて」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:部屋の隅で控えていた秘書に声をかける
太田止隆
:「ああ、そうするか……」立ち上がり
太田止隆
:「……」 少しだけ、嚆矢の顔を見る
秘書
:「畏まりました。太田様、どうぞこちらへ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ん?どうした。俺の顔になんかついてるか?」
太田止隆
:「……いいや」
『炎』
:「ほーらやっぱり。口先ではなんのかんの言って」
『炎』
:「仕事を押し付けるだけ押し付けたら邪魔者扱い!」
『氷』
:『フフフ! 一緒に見て回れると思ったのか? 恥ずかしいな~!』
太田止隆
:「何でもない。……案内を」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「そか……悪いな、このあと商談が入ってなきゃあ直接案内してやれるんだが……」
太田止隆
:「別に構わん。お前じゃなきゃならんでもないんだし。精々俺を雇う金を稼いでくれ」
太田止隆
:「先に現在のセキュリティ状態を共有してくれ。それから全体を見たい。頼めるか?」
秘書
:「承りました。しばしお待ちを」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ああ、そうだ止隆」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:秘書を待つ君に声をかける
太田止隆
:「うん?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「今朝夢を見たんだよ。俺とオマエが最後に喧嘩した時の夢」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「あの時さ……」
太田止隆
:「……ああ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「──────"俺が勝った"よな?」
太田止隆
:「────」 驚きの表情を隠せない。だが、程なく唇を、皮肉げに歪めて
太田止隆
:「安心しろ。少なくとも今は、誰がどう見たって……」
太田止隆
:「お前が勝ってるよ。それでいいだろ?」
太田止隆
:「それとも」 両手を軽く挙げ、冗談めかして 「負け犬を見るとさらに虐めたくなるタチか? CEOなんてやってると性根捻じ曲がるなあ?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「…………」少し考えて
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「………いや、悪かった。そうだよな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺とおまえは──────」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:桐生が眼鏡を外し、君の目を見る。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:君の目を──────
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:その瞬間、君を激しい目眩が襲う。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:普段の幻覚でも白昼夢でもない。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:まるで"自分が塗り替えられる"かのような感覚
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:ここで判定です。
太田止隆
:何を判定するというのだね……!
GM
:判定:意思 難易度13
GM
:失敗した場合、君の記憶は目の前の桐生嚆矢と同一のものとなります。
太田止隆
:<意志>で振る! ノイマン実験体をナメるなよ……!
GM
:ただし
太田止隆
:ただし!
GM
:あるアイテムを使うことで達成値に+10出来ます
太田止隆
:あ、あるアイテム……?
GM
:"ライトニングボルト"のIDカード この判定の達成値を+10する。
GM
:持ってますか?
太田止隆
:これは……持ってる!
GM
:では+10して振るが良い!
太田止隆
:6dx+1+10=>13
DoubleCross : (6R10+1+10[10]>=13) → 10[2,6,7,8,9,10]+1[1]+11 → 22 → 成功
GM
:では君は記憶の侵蝕を跳ね返します。
GM
:このことは桐生本人にはわかりません
太田止隆
:刹那、立ちくらみを起こしそうになったが、身体がふらつくようなことはない。訓練の賜物だ
太田止隆
:正体不明の何かが頭の裏側を蝕むような感覚も、払いのけられた確信がある。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……いや、やっぱ何でもないわ」
太田止隆
:「…………」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「引き止めて悪かったな。行っていいぞ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「明日からよろしくな。兄弟」
太田止隆
:「……ああ。そうしよう」
太田止隆
:「落ち着いたらメシでも行こうじゃないか」
太田止隆
:ひらりと手を振り、その男に背を向ける。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「はは、そいつは良いな。もちろん俺のおごりだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:そう言って君を見送る
太田止隆
:「高い店頼むぜ」
---
GM
:応接室を出て、秘書の案内を受ける君の端末に連絡が入る。
GM
:送り主は『斑鳩 裂』
GM
:君の務める斑鳩セキュリティサービス……ガーディアンズN市支部の責任者だ
太田止隆
:「……社長。何だ?」
太田止隆
:「こっちはそっちの数十倍規模の社長に顔合わせたばっかりなんだが」
太田止隆
:ぼやきながらメールを開く
GM
:メールに書かれているのはどうということもない業務連絡
GM
:しかし、君にはそれが任務変更を伝える暗号だとわかる
太田止隆
:(……これは)
GM
:文中から不要な文字列を排除し、法則に則ってアルフェベットを入れ替える
GM
:そこに残されたコードは、僅かに二文字
GM
:"XX"
GM
:───ダブルクロス
GM
:それは、ガーディアンズにおいて『護衛対象が捜査対象となったこと』を意味する。
GM
:ロイスのみ可能!
太田止隆
:2つ取得します
太田止隆
:"ライトニングボルト"桐生嚆矢 友情/○悔悟
太田止隆
:"リベレーターズCEO"桐生嚆矢 ○懐旧/猜疑心
GM
:オッケイ!
GM
:では本日はここまで!長引かせて申し訳ありませんでした!
GM
:次回も楽しんでいきましょう!お疲れさまでした!
太田止隆
:お疲れ様でした!
茶川 閂
:おつかれさまでした~!!
百代まりあ
:お疲れさまでした!
吉沢龍剣
:お疲れ様でしたー!
【OP3:茶川 閂】
GM
:登場侵蝕をお願いします。
茶川 閂
:1d10+35
DoubleCross : (1D10+35) → 9[9]+35 → 44
茶川 閂
:ヒェ~
GM
:みんな飛ばすな…
UGN第四支部 メディカルセンター
GM
:君は恒例となったメディカルチェックのため、第四支部内の研究施設を訪れていた。
GM
:元々正体不明の能力であったことに加えて
GM
:
白楽島での事件
で謎の力を見せて以降
GM
:検査項目は増え、拘束される時間は長くなってきている。
GM
:とはいえ、退屈な時間ももう少しの辛抱、これが最後の検査だ。
看護士
:「茶川さん。具合は悪くありませんかー」
看護士
:事務的な態度で看護士が器具を運んでくる
看護士
:「半日お疲れさまでした。次で今日の検査は最後です」
茶川 閂
:「分かりました。いつもすいませんね」
茶川 閂
:髪を茶色に染めた青年だ。検診のためか簡素な装いである。
看護士
:「いえ、仕事ですから」無表情
看護士
:「最後の検査は無意識下の反応を見させてもらいます」
看護士
:「宿主が覚醒状態の間は何をされても大人しくしているというパターンも多いですからね」
茶川 閂
:「へぇー、無意識」幻覚を見るオーヴァードや、自分以外のレネゲイドを宿す存在もある程度昔から確認されている。こういった設備はUGNの大規模な医療機関なら一つはあるらしい。
看護士
:「ですので、少々強めの麻酔を打たせてもらいますが」
看護士
:「ほんの一時間くらいです。お昼寝する感覚で、気楽にしていてください」
茶川 閂
:「ええ、かまわないっすよ。昼寝、けっこう好きなんですよね」
茶川 閂
:いそいそと横になる。
看護士
:そう言って君の腕に注射器を刺し、薬を注入する。
看護士
:ベッド脇の器具に薬液の入ったパックを吊るし、機械を幾つか操作した後
看護士
:「それでは、おやすみなさい」
看護士
:そう言って部屋を出て行き、君は一人になる。
茶川 閂
:(無意識下、ねぇ……)目を閉じる。潜るように。
GM
:程なくして、君の意識は微睡みの中に誘われるだろう。
GM
:深く、深く
GM
:底しれぬ闇の中へ──────
■■■■
???
:かつ、こつ
GM
:どこからか響いてくる足音で、君の意識は覚醒する。
茶川 閂
:(ここは——)
???
:「———よぉ」
???
:「また会ったな」
???
:一面の闇の中に、君と同じ顔の男が立っている。
???
:その姿はまさしく鏡写しのように反対で、天地さえもあべこべだ。
茶川 閂
:「ああ、そうだな」
???
:「会えて嬉しいよ。ここでお前と会うのは二度目だ。合ってるか?」
???
:逆さまの君が笑う。
茶川 閂
:「あってるよ。お前がいきなり幻を見せてきたりとか、そういうちょっかいを加えなけりゃな」
???
:「さて、いつの話だったかなそれは。そっちの事象のことはよくわからなくてね」
茶川 閂
:「そっちも健康診断を受けに来たってわけか?」
???
:「健康診断?まさか」
???
:くくっ、と喉を鳴らして笑う。
茶川 閂
:「そりゃそうか」あぐらをかいて座る。「じゃ、どうしたんだ今日は?」
茶川 閂
:「散歩ってわけでもねぇんだろ」
???
:「まあそう急くなよ。前も言ったかもしれんがここには『時間』がない」
???
:「もてなしぐらいはさせてくれ」
???
:ぱちん、と指を鳴らすと
???
:君の横に豪奢なソファーとティーセットが現れる。
茶川 閂
:「そうは言っても、お前と喋ってるとこう……ぞわぞわすんだよな。顔が同じだし、なんか逆だし……」
???
:「そこは我慢してもらうしかないな」
茶川 閂
:「ちゃんと椅子に座れってか?」そう言ってソファに腰掛ける。
???
:「客にいつまでも胡座かかせとくわけにも行かないだろ?」
???
:「"代償"を頂いたからな。ここも前より多少は賑やかになった」
茶川 閂
:「なんだ、そういうシステムだったわけ?」
???
:「くく、さてな。だがお前が失った分、俺が満たされるのは当然だろう」
茶川 閂
:「そうかい。でもあいにく、今回はお前が気に入りそうなものには見当がつかなくてね」
茶川 閂
:「せっかくもてなしてもらって悪いが、手土産は持ってきてないんだ」
???
:「そいつは残念だ。だがまあ良い」
???
:「どうせもうじき、お前はまたここに来ることになるかも知れないからな」
茶川 閂
:「……なんだって?」
???
:「今日はな、警告に来たんだ」
茶川 閂
:「警告を? お前が?」
???
:「頼まれもしないのに客に優しくすんのは悪魔の沽券に関わるんだがな。背に腹は代えられないってやつだ」
???
:「有り体に言えばだな────」
???
:「──目を醒ませ。俺らの世界が何者かに侵略されてるぞ」
???
:「………なんつって。昔そんな番組あったよな。憶えてるか?」
茶川 閂
:「……おいおい。ちょっと真剣に話を聞こうと思ったところだったんだぞ」
???
:「む、俺なりに空気を重くしすぎないよう気を使ったんだがな」
茶川 閂
:「そりゃありがたいけども! お前、存在が胡散臭いんだからさぁ。こっちも信じていいのか分かんない訳よ」
???
:「やれやれ、ならはっきり言うよ。お前の世界は侵略されている」
茶川 閂
:「侵略、ね。そりゃどういう意味で」
???
:「言葉の通りさ。取って代わろうとされてるってこと。乗っ取られる、でもいいか?」
茶川 閂
:「電脳世界にいつの間にか怪獣が……なんてわけじゃないんだろ」
???
:「くく、そりゃいいな。二人で変身でもするか?」
茶川 閂
:「勘弁してくれ! それこそ、俺はお前が乗っ取って来るんじゃない無いかとひやひやしてるんだぜ……」
???
:「生憎そうわかりやすいもんじゃあない」
???
:「実を言うとな。俺もここではっきりとしたことを言うわけには行かないんだ」
茶川 閂
:「おいおい、そんなつれないこと言わないでくれよ。もうちょっとヒントとかないのか?」
???
:「悪魔ってのは契約が厳しいからな。これは俺からの精一杯の肩入れだ」
???
:「明言はできないが、お前の中から歪みを取り除くことはできる」
茶川 閂
:「ヘッ、本当に悪魔かどうかも怪しいくせによ」立ち上がる。「そんで、『阻止しろ』と。そういうことだな?」
???
:「そうだ。目が冷めた時にお前が感じる違和感。お前の記憶にない異物。それが敵の正体だ」
???
:「今日一日はちゃんとニュースとか見とけよ?」
茶川 閂
:「いいのか、それ? 十分ヒントだぜ」
???
:「いいさ、それくらいは」
???
:「俺はお前が大好きだからな」
GM
:ぱたん ぱたん
茶川 閂
:「美女になってから言ってくれ」うげーって顔をして。
???
:「くく……そいつは追加料金が必要だ」
GM
:ぱた ぱたん
GM
:少しずつ、折りたたまれていた景色が展開していく。
???
:「今日はサービスだ。次はとびきりの報酬をいただこう」
茶川 閂
:「タダより高い物はないってわけね。商魂たくましい奴」
???
:「またな、茶川閂」
茶川 閂
:「また来るのは確定ってか」
???
:「ああ、決まっているさ」
???
:「お前は必ず俺を呼ぶ」
???
:「お前が戦い続ける限りな」
茶川 閂
:「まあいいや。礼だけは言っておく——ありがとうな。俺も、俺の目に見える範囲で好き勝手されるのは嫌なんでな」
GM
:ぱた ん
GM
:全ての闇が塗りつぶされ、悪魔は去った。
GM
:まもなく、君の意識も覚醒するだろう────
メディカルセンター出口 非常階段前
GM
:無事検査を終えた君は、施設の裏口で迎えの車を待っていた。
GM
:"悪魔"の言う違和感は、まだ見当がついていない。
茶川 閂
:(侵略、ねえ)
GM
:君が地面を見つめながら一人思案していると
GM
:そこにふと、影がさす。
茶川 閂
:「んぉ」顔を上げる。
GM
:非常階段の上から何かが落ちてくる。
GM
:それは────
少女
:「うわわわわっっ!危ない危ない危ない~~!」
GM
:少女だ。
GM
:黒髪にセーラー服の少女が屋上から落ちてきた。
茶川 閂
:「そんなことあります?」激突!
少女
:「あだっ!」
茶川 閂
:「オゴーッ」
茶川 閂
:下敷きになってぶっ倒れている。
少女
:君の上に折り重なって倒れる。
茶川 閂
:「おいおい……きみ、大丈夫か?」地面に寝ころんだまま。「階段からは落ちない方がいいらしいぜ」
少女
:「痛たたた……ってうわ!」
少女
:「そ、そっちこそ大丈夫!?」
少女
:「ごめんね~!飛べると思ったんだけど……」
少女
:倒れた姿勢のまま、君に謝罪する。
茶川 閂
:「え、俺? 俺は」腰あたりをさする。「いやめっちゃ痛いわこれ……」
少女
:「あわわわわわわわ」
茶川 閂
:「飛べると思ったの!?」
少女
:「か、看護士さん……看護士さん呼ばなきゃ」
少女
:言いながら、君の上を這いずり回る。
少女
:立ち上がる気配はない。
茶川 閂
:(病院にとんぼ返りか……)
少女
:「あ、ご、ごめん。どいた方がいいよね」
少女
:君の上で身を転がして離れる。
茶川 閂
:「あ、ああ。そうね。助かります」
茶川 閂
:あちこちを払って立ち上がる。
茶川 閂
:「きみも、ほら」手を差し出す。「服が汚れちゃうって」
少女
:「あ、ええと……さ」
少女
:その手を掴む代わりに、階段の隅を指差す。
少女
:そこには、地面に衝突した車椅子の残骸がある。
少女
:少女と一緒に降ってきたものだ。
茶川 閂
:(アレが真上に落ちてこなくてよかったな……)リザレクトが必要だった可能性がある。
茶川 閂
:「……じゃあ余計に助けがいるじゃねーか!」
少女
:「い、いやいや、いいよそんな。看護士さんに代えの車椅子持ってきてもらうから……」
少女
:「ちょっと待ってれば……痛っ」
少女
:脇腹を押さえる。
茶川 閂
:「ちょっとちょっと、やっぱり怪我してるんじゃん」覗き込む。
少女
:「あわわわ……!そ、そんな近づかなくても……!」頬を赤らめる
茶川 閂
:「いいからちょっと見せて! 落ちてんだよきみ!? 言っとくけど、当たりどころ悪かったらお互い死んでるからね!」
少女
:「うぐっ……はい……ごめんなさい……」
茶川 閂
:「看護師がどうとか言ってたけど、そこのメディカルセンター?」
少女
:「……うん。3階の病棟」
茶川 閂
:(じゃあこの子、三階からそのまま飛んだのか……? だいぶ気合入ってるな……)
茶川 閂
:「じゃあ、運ぶから」
少女
:「あの……ほんとに大丈夫……ってひゃっ……!」
茶川 閂
:「この距離ならいちいち電話するより連れて行った方が早いし。出血とかはない?」
茶川 閂
:ブツブツ問診じみたことをしながら手を取り、引っ張り上げる。
少女
:「うん……血は出てない。ちょっと打ちどころが悪かっただけで……」
茶川 閂
:「そ、良かった。それで、立つのも難しいんだっけ? 後ろにも回れないし、おぶるのは難しいか」
少女
:「そ、そうそう。だからここで全然……」
茶川 閂
:そこで、引っ張り上げたまま腰を抱きかかえる。
少女
:「はわわわわわわわわ」
少女
:狼狽えつつも、落ちないように君の首に腕を回す
茶川 閂
:さらにそのまま持ち上げ、少女腹部が茶川の後頭部にくる形で、
茶川 閂
:少女を横向きに背負うように抱える。
少女
:「え、え?何この格好?」
茶川 閂
:……一般的に、「消防士搬送」と呼ばれる
茶川 閂
:意識のない人物を一人で搬送するための技術だ。
茶川 閂
:「まあ、恥ずかしいかもだけど。危ないことした罰ってことで」
少女
:「え?こういうときってほら!俗にお姫様抱っことかいう!ほら!」
茶川 閂
:「……じゃあ一回下ろす?」
少女
:「いえ!いいです!このままお願いします!」
茶川 閂
:「はいはい」噴き出すように笑う。
茶川 閂
:「じゃ、行こっか。それで、えーと」少し考えこみ、「俺は茶川閂。きみは?」
少女
:「あ、私は……」
少女
:「……咲玖夜」
少女
:「咲玖夜(さくや)って言うの」
少女
:「あの……このお礼はいつかするから」
少女
:「憶えててね……茶川くん」
少女
:恥ずかしい運ばれ方をしながら、君の背中にそう呟いた。
GM
:ロイスのみ可能!
茶川 閂
:謎の少女 咲玖夜 〇庇護/不安
茶川 閂
:で取得!
GM
:オッケー!
GM
:では続いて百代さんOP!
【OP4:百代まりあ】
GM
:登場侵蝕をお願いします。
百代まりあ
:39+1D10
DoubleCross : (39+1D10) → 39+10[10] → 49
百代まりあ
:うぎゃーっ
GM
:どうしちまったんだみんな……
リベレーターズ日本支社 ロビー
GM
:君の所属する第5支部宛に、リベレーターズから商品モニターの依頼があった。
GM
:オーヴァード向けのウェアラブル端末で、レネゲイド出力の高いオーヴァードが使用した場合のサンプルが欲しいのだという。
GM
:UGNへの依頼金とは別に、参加者に個別に謝礼が支払われるという話を聞き
GM
:立候補した君は、その特性が要件に合致したこともあり
GM
:すんなりと派遣が決定。社のロビーを移動しながら説明を受けているのだった。
白銀明日香
:「本日はお忙しいところをお越し頂きありがとうございます」
白銀明日香
:「開発室長の白銀です。以後、お見知り置きを」
百代まりあ
:「はじめてお目にかかります」深々と一礼。「百代まりあと申します。御機嫌よう」
百代まりあ
:「この度は貴重な機会を頂き、まことにありがとう存じます」
白銀明日香
:「はい、ごきげんよう」薄く笑って
白銀明日香
:「そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ。弊社は自由な社風が売りですので」
百代まりあ
:「まあ、そうですの?」微笑んで。
百代まりあ
:「ニュースで拝見いたしました。宇宙開発の件」
白銀明日香
:「あら、ありがとうございます」
百代まりあ
:「素晴らしいことですわ。夢があって、とっても素敵」
白銀明日香
:「私が貴方ぐらいの頃には、世の中のニュースなんて全然興味がなかったのに。お若いのに偉いですね」
白銀明日香
:「宇宙、お好きですか?」
百代まりあ
:「恐れ入ります。ええ、でも宇宙、というより……」
百代まりあ
:少し遠い目をして。
百代まりあ
:「……星が、好きですの」
白銀明日香
:「星、ですか」
百代まりあ
:「はい」笑って。
百代まりあ
:「暗い夜空を照らしてくれる星や月が、好きなのです」
百代まりあ
:「特に、暗い道を行く人の、道標になるような星が」
百代まりあ
:「ですから、いつかわたくしも、月に行ってみたいですわ」
白銀明日香
:「それは……」
白銀明日香
:「……それは、素敵ですね」
白銀明日香
:「私達も、人々の道標になりたいという気持ちでこの会社を設立しました」
白銀明日香
:「ふふ、もし良かったら、大人になったらここで働いてみますか?」
白銀明日香
:「弊社はオーヴァードの雇用にも積極的ですし」
白銀明日香
:「貴方が大人になる頃には、ちょうど月に行けるようになっているかも知れません」
百代まりあ
:「……まあ……!」口に手をやって。「願っても無いお言葉ですわ」
白銀明日香
:「ふふ、楽しみにしていますね」
百代まりあ
:「では、ふふ……御社の採用年齢に達したら、すぐにでもお伺いいたしますわ」にこやかに返す。
GM
:そうして君達が話しながら歩いていると、大きな扉の前で白銀が立ち止まる。
白銀明日香
:「こちらです。みなさん既にお集まりですので、中に入ったら早速始めましょう」
白銀明日香
:そう言ってホールの扉を開く。
百代まりあ
:「かしこまりました」白銀に続く。
GM
:リベレーターズ開発室が所有する多目的ホール
GM
:その中には20人程の若者が集められていた。
GM
:いずれも君と同じオーヴァードだ。
GM
:一つ違うところがあるとすれば────
有角の少年
:結晶化した皮膚が角のように突き出している。
人工呼吸器を付けた青年
:大きな人工呼吸器を背負い、息苦しそうにしている。
盲目の女性
:「………」盲導犬を優しく撫でている
車椅子の少女
:「……ふわぁ」車椅子に背をもたれて欠伸をしている。
白銀明日香
:「ハンディキャップド・オーヴァード」
百代まりあ
:一度だけ目を瞬いて、それから静かに辺りを眺めている。
白銀明日香
:「我々オーヴァードは《リザレクト》の能力によって、基本的には肉体的障害とは無縁です」
白銀明日香
:「しかし、様々な理由で例外というのは発生します」
白銀明日香
:「例えば、リザレクト限界を超えた状態で負傷した場合の後遺症」
白銀明日香
:「或いは、肉体的強度にさほど寄与しないシンドロームを発症した場合、覚醒前の障碍が完治しない場合もあります」
白銀明日香
:「ですが、一番多いのは」
白銀明日香
:「制御不能な能力による中毒症状」
百代まりあ
:「……中毒……」
百代まりあ
:あまりピンと来ていない表情。
白銀明日香
:「例えば、ソラリス能力者の中には体内で発生した有毒物質を分解できず、病に伏せるものも一定数存在します」
白銀明日香
:「ここに集まって頂いたのは、そのように制御できない能力によって日常生活を送れなくなった方々です」
百代まりあ
:「そんなことがございますのね……」頷きながら話を聞く。
白銀明日香
:「とはいえ、何事も偏ったサンプルのみで評価するわけにはいきませんので」
白銀明日香
:「我々は、彼らを救う商品を開発しています。その過程で」
白銀明日香
:「健常なオーヴァードにご使用頂いた場合の影響も考慮しなければならない」
白銀明日香
:「百代さんに来て頂いたのは、そういう理由です」
百代まりあ
:「成程、それでわたくしにお話が……」合点がいったというように。
白銀明日香
:職員に合図し、モニター達に時計型の端末を配らせる。
白銀明日香
:「では、これを」
白銀明日香
:同じものを君にも渡す。
百代まりあ
:「恐れ入ります」受け取って、しげしげと眺める。
百代まりあ
:「かっこいい……」
白銀明日香
:「ふふ、ありがとうございます。デザイナーにも伝えておきますね」
百代まりあ
:「是非お伝えください。とてもハイカラですわ」
白銀明日香
:「(ハイカラ……?)」
百代まりあ
:「ええと……腕に着ければよろしくて?」
白銀明日香
:「はい。そちらを左手に巻いて、そのボタンを長押ししてください」
百代まりあ
:「はい」わくわくした表情で装着し、言われた通りにボタンを押す。
白銀明日香
:「アプリの画面が立ち上がりますので、そこをこうして……」
白銀明日香
:君の端末を操作し、画面を切り替えていく。
百代まりあ
:「……!」気圧される。
白銀明日香
:「はい、準備出来ました」
百代まりあ
:「ハイ・テクノロジィですのね……」
白銀明日香
:「その画面をタッチしてみてください。それで起動します」
百代まりあ
:「……」ややおっかなびっくり、言われるがままにタッチする。
GM
:ヴ……ン……
GM
:起動音と同時に、何かが"吸い取られる"感覚が君を襲う。
百代まりあ
:「ややっ」
GM
:ここで判定です。
GM
:判定:RC 難易度6
GM
:失敗でラウンド中放心付与
百代まりあ
:やってやるわ
百代まりあ
:4DX+2>=6
DoubleCross : (4R10+2[10]>=6) → 8[1,5,6,8]+2 → 10 → 成功
百代まりあ
:ちょろいわ
GM
:流石ね
GM
:では、君を襲っていた虚脱感は、しかし決定的なものとはならず、やがて引いていく。
白銀明日香
:「……如何ですか?」
百代まりあ
:「今、何か一瞬……」
百代まりあ
:「げっそりしたような……」
百代まりあ
:「まさか……」
百代まりあ
:「進化し続ける科学への警鐘……?」
白銀明日香
:「……一瞬だけ、ですか。今はなんとも?」
百代まりあ
:「ええ、けろりとしていますわ」けろりとしている。
白銀明日香
:「なんと、けろりとしてますね……」
百代まりあ
:「今のは一体……?」
白銀明日香
:「なるほど……ですが、彼らには効果があったみたいです」
白銀明日香
:「ふふ、あちらを御覧ください」
白銀明日香
:他の参加者を見るよう促す。
百代まりあ
:「ふーむ?」その通りに辺りを見回す。
有角の少年
:「あ……あぁ……!」結晶化した皮膚が剥がれ落ち、傷一つない肌が露わになる。
人工呼吸器を付けた青年
:「カヒュ……カ……あ……息が……息ができてる……!」呼吸器を取り外して立ち上がる
盲目の女性
:「あ……はは……あなた達、思ったより可愛くないのね」涙ぐみながら盲導犬を抱きしめている。
車椅子の少女
:「…………」車椅子から立ち上がり呆然としている。
百代まりあ
:「なんと……!」
白銀明日香
:「ひとまず第一段階は成功ですね」
白銀明日香
:「能力による暴走が障害の原因なら、その能力を抑制してしまえばいい」
白銀明日香
:「オーヴァードを人間に戻す方法は未だ確立されていませんが」
白銀明日香
:「そこに限りなく近い状態へ持っていけるなら……」
百代まりあ
:「すごい……!」
白銀明日香
:「それに、通常のオーヴァードが使用した場合も大事には至らない。出力調整も及第点です」
百代まりあ
:「素晴らしい発明ですわ……!」白銀の手を取る。
白銀明日香
:「ふふ、どうも」
白銀明日香
:「ですが……」
白銀明日香
:ふと、君の後方から歩いてくる人物に目を向ける。
百代まりあ
:「?」
百代まりあ
:視線を追って振り向く。
胡緑蘭
:「うーん、やっぱりだめですね~」
胡緑蘭
:中華風の装いをした、浅黒い肌の少年
胡緑蘭
:その右腕の肘から先は存在しない。
胡緑蘭
:「僕みたいに"強すぎて喰われた"パターンだと、出力が足りないみたいです」
白銀明日香
:「そうですか……もう少し調整が必要ですね」
百代まりあ
:「ごきげんよう」少年に一礼。「百代まりあよ」
胡緑蘭
:「おや」
胡緑蘭
:「こんにちは」片腕で拱手の構えを作って
胡緑蘭
:「僕は
胡緑蘭
(
フー・ルゥラン
)
」
胡緑蘭
:「よろしくね。まりあ」
百代まりあ
:「緑蘭。あなたも、こちらでモニタァのお仕事を?」
胡緑蘭
:「そんなところ。そこの明日香さんが色んな被験者を集めたいって言うからね」
百代まりあ
:「わたくしは、今入ってきたばかりなの」
百代まりあ
:「それじゃあ、緑蘭は先輩ね」
胡緑蘭
:「あはは、いいね先輩。早速コーラでも勝ってきてもらおうかな?なんて」
百代まりあ
:「炭酸が飲めるの?大人ね」
百代まりあ
:「わたくしは苦手なの。痛いから」
胡緑蘭
:「まあこの会社、コーラは無料なんだけどね」
百代まりあ
:「えっ……」
百代まりあ
:「無料……!?」
百代まりあ
:愕然とした表情。
胡緑蘭
:「ホントは蛇口から出るようにしたかったらしいんだけど、それは流石に社員のみんなが止めたんだって」
白銀明日香
:「………」なんとも言えない表情
百代まりあ
:「愛媛にはみかんジュースの出る蛇口が出ると聞いて」
百代まりあ
:「いつか行ってみたいと願っていたけれど……」
百代まりあ
:「まさかこんなところで夢が叶うなんて……」
百代まりあ
:「そんな……わたくし心の準備が……」
胡緑蘭
:「うんうん、よかったねぇ」
百代まりあ
:「でもシュワシュワするのよね……」
胡緑蘭
:「シュワシュワするね」
百代まりあ
:「炭酸抜きのものはないのかしら……」神妙な顔
百代まりあ
:「抜けるまで待つとか……?」
胡緑蘭
:「そこまでしてコーラ飲む意味あるかな……」
胡緑蘭
:「やっぱりコーラと言ったらシュワシュワしてないと」
百代まりあ
:「そう……シュワシュワしてなきゃダメなの……」しょんぼり顔
胡緑蘭
:「シュワシュワを楽しめないなんて、人生の6割くらい損してるよ?」
百代まりあ
:「ろくわり……!?」
百代まりあ
:「そんな……わたくしはまだ四割しか人生の楽しみを知らない……?」
胡緑蘭
:「まりあ、かわいそうに……」
胡緑蘭
:「シュワシュワを知らずに老いて行くなんて……」
百代まりあ
:「へ、平気よ……」
百代まりあ
:「わたくし、まだ育ちざかりだもの」
百代まりあ
:「シュワシュワもいつか克服してみせるわ」
百代まりあ
:「そして、この会社のコーラもぜんぶ飲み干すわ」
胡緑蘭
:「ふーん」
胡緑蘭
:「じゃあ勝負しようか」
百代まりあ
:「勝負?」
胡緑蘭
:「このモニター試験、2週間ぐらい続くみたいなんだ」
胡緑蘭
:「それまでに僕にコーラの速飲みで勝てたら」
胡緑蘭
:「何でも一つ、言う事聞いてあげる」
百代まりあ
:「むむ……」
胡緑蘭
:「さあ、勝負を受けるかな?百代まりあ!」カンフーポーズで挑発する。
百代まりあ
:「わたくし、緑蘭に聞いてほしいお願いは無いのだけれど……」
百代まりあ
:「でも、よろしくてよ」
百代まりあ
:「その勝負、百代家のまりあとして……受けて立つわ!」空手とカポエイラを融合させた謎のポーズで応える
胡緑蘭
:「むむ……!その構えはまさか……!」
胡緑蘭
:「空手とカポエイラを融合させた全く新しい……まだ伝承者が残っていたのか……」
百代まりあ
:「この秘技を見せるのはあなたが初めてよ」
百代まりあ
:「勝負を挑んだこと……後悔するといいわ!」
胡緑蘭
:「俄然興味が湧いてきたよ。百代まりあ」
百代まりあ
:「わたくしもあなたに勝って、シュワシュワを克服して大人の淑女の仲間入りよ」
百代まりあ
:「……でも、コーラを飲み放題にするなんて、粋な計らいね」
百代まりあ
:「困っている人たちの力になるお仕事といい……」
百代まりあ
:「こちらの社長さんは、素晴らしい方ね」
胡緑蘭
:「ふふ……」
胡緑蘭
:「だってさ。明日香さん」
白銀明日香
:「……………」一瞬目を伏せるようにして
白銀明日香
:「ええ、ありがとうございます。桐生も鼻が高いでしょう」
白銀明日香
:「さて」ぱんっと手を叩き
白銀明日香
:「今日の試験はこれでおしまいです」
白銀明日香
:「引き続き調整を繰り返して再試験していきますので、ご協力をお願いしますね」
百代まりあ
:「……もうおしまい……?」
百代まりあ
:きょろきょろと辺りを見回して
胡緑蘭
:「おや、物足りないかな?」
百代まりあ
:「わたくし、殆ど何もしていないわ」
百代まりあ
:「こんな簡単なお仕事でお給金を頂くなんて……いいのかしら……」少し戸惑いつつ、
百代まりあ
:「いえ、でも、大事なお仕事だものね」
白銀明日香
:「はい。人々を導くために、必要な仕事です」
白銀明日香
:「お気になさらず。対価とは労苦ではなく、成果に対して支払われるべきものですから」
百代まりあ
:「仰る通りでございますわ」頷いて。
百代まりあ
:「また明日会いましょう、緑蘭」
胡緑蘭
:「あれ?被験者はここ宿泊施設に泊めさせてもらってるんだけど。まりあもそうなんじゃないの?」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「そうなの……?」
白銀明日香
:「彼女は初日ですので、今日は説明だけ受けてお帰り頂きます」
白銀明日香
:「宿泊手続きは明日以降となりますね」
百代まりあ
:「なんと……」
百代まりあ
:「それじゃあ、荷物とお着替えを持ってこなくちゃ」
胡緑蘭
:「ふふ、じゃあ明日からは一緒にいられるね」
百代まりあ
:「そうね。お泊り会みたいでわくわくするわ」
胡緑蘭
:「明日からよろしく。まりあ」
胡緑蘭
:右手を出そうとして
胡緑蘭
:「おっと」
胡緑蘭
:「左手で悪いけど」手を差し出す。
百代まりあ
:「ええ、こちらこそよろしく、緑蘭」
百代まりあ
:左手を両の手でぎゅっと握る。
胡緑蘭
:「ふふ、暫く退屈しなさそうだ」
百代まりあ
:「わたくし、負けないわ」
百代まりあ
:「明日にはきっと、瞬きの間にコーラを飲めるようになるわ」
百代まりあ
:「首を洗ってお待ちになっていて」
胡緑蘭
:「首か、いいね」
胡緑蘭
:「"スリーピー・ホロウ"に洗う首があれば……だけど」
胡緑蘭
:最後の呟きは、君には聞こえなかったかも知れない。
---
GM
:その日の帰路、第5支部から君に指令が下る。
GM
:『ガーディアンズより応援要請』
GM
:『支部へは帰参せず、"斑鳩セキュリティサービスに直行せよ"』
GM
:ロイスのみ可能!
百代まりあ
:先輩/胡緑蘭 ○興味/対抗心 で取得して以上!
GM
:オッケー!では本日はここまで!
GM
:お疲れさまでした!
【Middle1:「パーソナリティを相互に知っているだけだ」】
GM
:さて、ついに全員集合となります。
GM
:登場侵蝕を振ってください。
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+2(1d10->2)した (侵蝕率:37->39)
吉沢龍剣
:1d10+43
DoubleCross : (1D10+43) → 3[3]+43 → 46
百代まりあ
:49+1D10
DoubleCross : (49+1D10) → 49+4[4] → 53
茶川 閂
:1d10+44
DoubleCross : (1D10+44) → 5[5]+44 → 49
太田止隆
:ストレート
GM
:やるわね
GM
:合流シーンを始める前に
GM
:前提情報項目を開示します。
百代まりあ
:なにっ
茶川 閂
:そんなものが!
吉沢龍剣
:むうっ
GM
:次回のシーンから情報収集が始まるわけですが
GM
:まあみんなこのくらいは知ってるだろ~という情報は今のうちに把握しといたほうがいいだろうというやつですね
太田止隆
:いわゆる常識というわけね
茶川 閂
:全くその通りだ
GM
:まあ大N市の常識なんでちょっとアレだけどね……
吉沢龍剣
:GMの細かな気配りが光る
GM
:前提情報項目は以下の3つ
前提情報①:リベレーターズ(過去)
数年前、N市に存在した伝説的不良グループ。
リーダーはUGNを脱走した元チルドレン、桐生嚆矢。
構成員の大半が彼に勧誘を受けた脱走チルドレン、或いは行き場をなくした野良オーヴァードの少年少女であり
年少オーヴァードが組織に搾取、利用され、社会から排斥される現状に強い不満を持っていた。
後の調査によりFHとの接触が確認され、レネゲイド再拡散を目的としたテロ計画への関与が明らかになっているが、
計画の準備段階で縄張りを同じくする周囲の不良グループとの抗争が激化し、
当時学生だった現第八支部長 卜部巽と吉沢龍剣の二名に敗北したことで戦力を喪失、程なくして解散した。
前提情報②:リベレーターズ(現在)
米国において史上稀に見る急成長を遂げた気鋭のIT企業。
次世代SNS、映像配信、クラウドコンピューティング等、情報通信分野では世界的なシェアを誇る。
近年は流通やエンターテイメント、果ては宇宙開発まで事業を拡大しており、
順調に成長すれば10年後には神城やランカスターの事業規模にすら匹敵すると言われている。
一般市民の主観において一ヶ月ほど前にN市に日本支社を設立した。
市の中心街にそびえ立つ自社ビルは、BNホテルを抜いて街の新たなランドマークとなっている。
CEOである桐生嚆矢を始め、幹部役員には旧『リベレーターズ』に所属していたメンバーが多数確認されている。
前提情報③:
重なり合う世界
現在のN市は日本はおろか世界中を見渡しても突出したR事件発生数を記録するホットスポットである。
13支部体制という異例の規模の防衛網ですら対応しきれないほどの大量殺人、失踪、破壊活動が毎日のように発生し
それでも尚、人々の営みはなんら変わること無く続いている。
この日常の維持を可能としている要因と考えられているのが"重なり合った世界"からの人的、物的資源の補填である。
この世界についての詳細は未だ不明だが、実際に2つの世界間を行き来したエージェントは複数存在する。
またこれらの世界は一つとは限らず、逸脱した世界法則を有する異空間や、異なる歴史を歩んだ平行世界の存在も確認されている。
その全容は一向に把握できておらず、街そのものが特異点と化しているという指摘もなされている。
この情報は各支部の支部長、副支部長クラス及び彼らが認めた一部のエージェントの間で共有されている。
GM
:以上の3つは、皆さんの立場なら事前に知っていてもいいし
GM
:知らない場合でも、このシーンで共有したことにして良いこととします。
茶川 閂
:やったぜ
吉沢龍剣
:気配り痛み入る~~
百代まりあ
:成の程ね……
GM
:長いんで情報メモに貼っときますね。
GM
:ここまででご質問はありますでしょうか!
太田止隆
:3は知らない体で行くかな タイミングがあったらかくかくしかじかで完全に理解しよう
百代まりあ
:私も知らないかな~
百代まりあ
:1も3も知らなそう
茶川 閂
:じゃあ私は教えてもらっていよう
茶川 閂
:誰も知らないのはまずそうなので
吉沢龍剣
:こっちも外様だから知らないのが自然かな
吉沢龍剣
:茶川くんは知ってそう
GM
:誰も知らなくても夏目が説明してくれるから安心だよ
百代まりあ
:頼れるエージェント……
GM
:皆さん自分のスタンスは固まりましたかな
百代まりあ
:OK!
茶川 閂
:OK!
太田止隆
:自我がはっきりしてきた
吉沢龍剣
:いえす!
GM
:では始めていきます!
斑鳩セキュリティサービス 事務所
GM
:ガーディアンズ。UGNの前身組織の名を冠する警備・警護部門。
GM
:地方の支部においては、民間の警備会社を隠れ蓑とすることも多い。
GM
:ここN市もその例にもれず、『斑鳩セキュリティサービス』という警備会社を表の顔としていた。
GM
:とはいえ、13支部体制下においてガーディアンズの出番はさほど多くない。
GM
:人員も少なく、任務の際は他支部からの応援を借りるのが通例と化していた。
斑鳩 裂
:「と、言うわけで~~」
斑鳩 裂
:「第八支部から応援に来てくれた茶川閂くんです~。パチパチパチ~~~」
茶川 閂
:「よろしくお願いシャス!」ペコーッ
斑鳩 裂
:わざとらしく拍手する気の抜けた女は
斑鳩 裂
:ここ『斑鳩セキュリティサービス』社長、斑鳩
裂
(
さき
)
斑鳩 裂
:ハリウッド女優顔負けのスタイルを持つ妙齢の美女だが
斑鳩 裂
:身体の半分にも及ぶ火傷痕はその印象を打ち消して余りある。
斑鳩 裂
:「ほら、隆くんもあいさつしなさい」
太田止隆
:彼女に合わせて軽く手を叩きつつ
太田止隆
:「ああ。"ナイトバイポーラー"、太田止隆。この辺りの地勢にはまったく疎い。頼りにするぞ」
斑鳩 裂
:「愛想悪くてごめんね~。誰にでもこうだから気にしないで」
太田止隆
:足を組み、膝頭で手を組む 「そんなものが必要な仕事に就いた覚えはないからな」
茶川 閂
:「任せてください……ん?」首を傾げつつ。「"ナイトバイポーラー"の太田止隆……?」
太田止隆
:「求められるようなら蹴ってるが……うん?」
茶川 閂
:「"ナイトバイポーラー"の太田って、あのサラマンダーの研究資料に時々名前が載ってる?」
茶川 閂
:「一説にはサラマンダーシンドロームと熱力学の関係性の解明に寄与したっていう……」
太田止隆
:「ン……だろうな。少なくとも俺は俺以外に"ナイトバイポーラー"を知らん。『太田止隆』もだ」
太田止隆
:「能力について研究者に探り回されたこともある。違いないだろう」
茶川 閂
:「おお~! 俺、有名人に合うの初めてですよ。今回はよろしくお願いします」
茶川 閂
:「十年以上前から戦ってるんすよね? 勉強させてもらいます」
太田止隆
:面白そうに茶川くんを見る 「まあ、それなりに名を売っているつもりではあるが、そっち方面から来るのは珍しいな」
斑鳩 裂
:「ほれほれ、よろしくお願いされてるぞ~有名人」
太田止隆
:「野良犬退治を数えて良いなら、かれこれ14年か。よろしく、茶川。……コードネームは?」
茶川 閂
:「”ビリオンインチ”です。ちょっと大げさですけど」
太田止隆
:「"ビリオンインチ"か。勉強熱心なのは良いことだ。期待するよ」
茶川 閂
:「ありがとうございまっす!」ぺこーっ
『炎』
:『こ……この人色々探りまわってるんじゃないですか? 嫌な感じ……ビシッと言っとくべきじゃない?』
太田止隆
:「……ふ」 浅く息を吐いて 「それで?」
太田止隆
:「今後の指針はあるのか。標的が何かは分かっているが」 と、斑鳩さんに
斑鳩 裂
:「ええ、例の『リベレーターズ』の件ね。隆くんのお友達の」
太田止隆
:「パーソナリティを相互に知っているだけだ。余計な情報は止してもらおう」
斑鳩 裂
:「はいはいわかりました~」
斑鳩 裂
:「こっちから指令を出しといてなんだけど」
斑鳩 裂
:「この件に関しては私より詳しい人がいるのよね。今回のもその子のタレコミで」
斑鳩 裂
:「それにしても遅いわね。残りの人員を連れてくるはずなんだけど……」
夏目靖章
:そこで、事務所の扉が勢いよく開かれ、長身の男女が入室してくる。
夏目靖章
:「お待たせ。裂さん」
斑鳩 裂
:「靖くんおそーい」
吉沢龍剣
:「ふー」
吉沢龍剣
:「ようやっと酔いが回ってきやがった」
吉沢龍剣
:夏目の背後から歩いてくる、大柄の女。
吉沢龍剣
:酒瓶を片手に、唇を拭う。
太田止隆
:目だけでそちらを見る 「タレコミ元か」
茶川 閂
:「あれ」同時にそちらを見つつ。「……吉沢さん?」
夏目靖章
:「紹介するよこちらが……」
夏目靖章
:「おや、知り合いかな?」
茶川 閂
:「ええ、前に一回……お酒飲んでるんすか」
吉沢龍剣
:「あン?卜部ンとこのガキじゃあねえか」
吉沢龍剣
:「こんなトコで何してやがる」
茶川 閂
:「なにって、仕事ですよ仕事」
茶川 閂
:「そっちもですか?」
吉沢龍剣
:「ほーん」
吉沢龍剣
:しばらくジロジロと茶川くんを観察し
吉沢龍剣
:そちらにのしのし歩いていく
吉沢龍剣
:「……」
茶川 閂
:「?」
吉沢龍剣
:身長186!見下されると威圧感があるぞ!
吉沢龍剣
: が しっ !
吉沢龍剣
:突然に茶川くんの首を脇に抱える!
茶川 閂
:「うわわわわ」
吉沢龍剣
:「てめェな」
吉沢龍剣
:「こんな絶世の美女と再会できたってのに、もう少しおめでたいツラはできねーのか」
吉沢龍剣
:酒瓶を煽りつつぎゅむぎゅむ
茶川 閂
:「ウワーッすいませんすいません!」
吉沢龍剣
:「おらおら、どぉなんだよ。感激だろ?」
吉沢龍剣
:「感激だろぉ~~~?ひゃはは!」
茶川 閂
:「感激です! もう大感激!!」
夏目靖章
:(羨ましい……)
吉沢龍剣
:「わかればヨォシ」
吉沢龍剣
:解放。
茶川 閂
:(助かった……)
吉沢龍剣
:「姉ちゃん、ゴミ箱どこだ」
吉沢龍剣
:斑鳩さんに。
斑鳩 裂
:「え?そこの隅だけど……」
吉沢龍剣
:パキパキと掌の中に冷気を纏い
斑鳩 裂
:「な~んかやな予感~~」
『炎』
:『出たよ酔っ払い……ロシアかな? 女なのは若干珍しいけど。スタイルも良いね。人体を保ってる』
太田止隆
:「…………」 黙って待ちの姿勢
吉沢龍剣
:凍結粉砕、そして結合。
吉沢龍剣
:酒瓶を『潰して丸める』。
吉沢龍剣
:そのままゴミ箱に放り込む。
茶川 閂
:「おお~」
斑鳩 裂
:「おお~~」
吉沢龍剣
:「賞金稼ぎの吉沢だ」
吉沢龍剣
:「そんだけ覚えてりゃいい」
吉沢龍剣
:どっかと席に座る
太田止隆
:「では賞金稼ぎで。"ナイトバイポーラー"、太田止隆だ」 簡潔に言い切り
吉沢龍剣
:「てめェらもUGNか?」
吉沢龍剣
:「そうだろうな、行儀のよさそうなツラしてやがる」
太田止隆
:「俺は休みだがね。……そっち(夏目さん)はUGNか。ということは、この賞金稼ぎが情報源だな」
吉沢龍剣
:「ほー」
吉沢龍剣
:夏目さんの方を見て
吉沢龍剣
:「ただ腕っ節を期待されてきたわけじゃァなさそうだと思ってたが」
吉沢龍剣
:「そういうご用向だったわけだ」
吉沢龍剣
:「洗いざらい、何を吐かされちまうんだかな」
吉沢龍剣
:「ええ?こら、スケベ野郎」
夏目靖章
:「まあね。声をかけたのは美人だったからだけど」
吉沢龍剣
:「はっは!正直者は嫌いじゃねえよ」
夏目靖章
:「それは有り難い」襟を正して
吉沢龍剣
:「なんでも聞きな。木こりへのご褒美だ」
太田止隆
:目を細める 「その賞金稼ぎが自分の足で小金を稼ぎに来たでもないのか。さて、どういうことか説明貰えるかね」
夏目靖章
:「まあ、この話を持ちかけたのは俺なんだけどね」
夏目靖章
:「彼女はホシに一番近い一人だったから。スカウトさせてもらったんだ」
茶川 閂
:「ホシに。というと?」
夏目靖章
:「桐生嚆矢さ。他の二人はわかってると思うけどね」
吉沢龍剣
:「まァそうなるだろうな」
吉沢龍剣
:「この訳のわからねー状況、中心はあの桐生チャンだと」
吉沢龍剣
:「少なくともテメェらは考えてるわけだ」
太田止隆
:「……この賞金稼ぎが奴に一番近い、と?」
吉沢龍剣
:「付き合いだけならそれなりに長い」
夏目靖章
:「正しくは、片方の面に、だけどね。詳しい話をしたいところだが……」
夏目靖章
:「実はもう一人応援を呼んであるんだ」
茶川 閂
:「おお」
太田止隆
:「…………」 考えづらい話ではあるが、今は口を挟まない
夏目靖章
:「別件で既に対象と接触していてね。無理を言って来てもらった」
百代まりあ
:「ごめんください」その時丁度、事務所の外から、柔らかながらよく通る声が響いてくる。
夏目靖章
:「おや、噂をすれば」
吉沢龍剣
:「ぷっは」
吉沢龍剣
:「なんだまたちんちくりんなのが増えやがって」
吉沢龍剣
:「こいつが最後のアテか?」
茶川 閂
:「対象、つまり…リベレーターズの桐生嚆矢と」声に振り返りつつ「彼女が?」
百代まりあ
:そこにいたのは小柄な少女だ。
百代まりあ
:色素の薄い長髪。温室育ちというより、温室がそのまま歩いているかのような、浮世離れした空気を纏っている。
百代まりあ
:「ごきげんよう」微笑を湛えて一礼。「百代まりあよ」
夏目靖章
:「ようこそまりあくん。ささ、上がって上がって」
百代まりあ
:「ありがとう」夏目ににこりと笑んで
茶川 閂
:「あ、ども」思わずペコリ。
吉沢龍剣
:「ごきげんよう」
吉沢龍剣
:ひらひら手をふる
百代まりあ
:「支部のほうから、こちらにお伺いするよう仰せつかってきたのですけれど」
百代まりあ
:「間違いは……ございませんようね」
太田止隆
:「……オーヴァードか? コードネームは」
百代まりあ
:「コードネームは……」
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:革の鞄から手帳を取り出して捲る。
百代まりあ
:「……」
茶川 閂
:「……」
『炎』
:『素人』
百代まりあ
:「……そう! コードは“グローセ・ベーア”よ」
百代まりあ
:「よろしくお願いいたします」
茶川 閂
:「おお~。よろしくよろしく」
吉沢龍剣
:「北斗七星、か」
吉沢龍剣
:「目印としちゃあ、役に立ちそうな渾名だ」
夏目靖章
:「あー、まりあくんはこう見えて幾つもの潜入任務を成功させた優秀なチルドレンだ。……と聞いている」
夏目靖章
:「今回の任務でも役に立ってくれると思うよ」
百代まりあ
:「そうなの」ふふん、と胸を張る「潜入に関しては、ぷろへっしょなるよ」
百代まりあ
:「右に出るものなしだわ」
太田止隆
:「その自他評が正しいことを祈ろう、“グローセ・ベーア”。"ナイトバイポーラー"、太田止隆だ。……そろそろ役者は揃いか?」
斑鳩 裂
:「聞いてた追加人員は3人。これで全部ね~」
吉沢龍剣
:「そう焦んなよ。さっきから随分と気が急いてるぜ、てめェ」
吉沢龍剣
:「茶の一服くらい構わねえだろうが」
吉沢龍剣
:「……それとも」
吉沢龍剣
:「桐生チャンの話、そんなに気になんのか?」
吉沢龍剣
:コーヒー飲みながら視線を太田さんに
太田止隆
:「生憎、賞金稼ぎのように猥雑な生き方はしていなくてね。俺は適切に事を進めたいだけだ」
吉沢龍剣
:「はッ、言うねえ」
太田止隆
:「私情を挟むことも」 半呼吸置いて 「ない」
吉沢龍剣
:「野良犬と話すのがお気に召さねえタイプってか」
吉沢龍剣
:「その態度が既に私情だろってのは流してやるよ」
太田止隆
:「無駄をしないだけだ。この場に言葉の通じない野良犬が混じっていないことを祈っている」
斑鳩 裂
:「この子はまたそんな言い方して~~」
百代まりあ
:「桐生さん……」首を傾げる
百代まりあ
:「あの、コーラがお好きな社長さん?」
茶川 閂
:「ちょっとちょっと、なにもお互いそんないい方しなくても……」
茶川 閂
:「コーラ?」
百代まりあ
:「ええ。桐生嚆矢さん。コーラが大好きな社長さんなの」ぼんやりとした理解
吉沢龍剣
:「好みは変わってねえらしいな」
太田止隆
:「コーラを……」
太田止隆
:太田のイメージからは遠い。いや、憧れを口にしていたこともあったか? ……過去のことだ。
百代まりあ
:「……それで、わたくし……わたくし達はどんなお仕事をすればよろしいのかしら」
百代まりあ
:「迷子の柴犬を探す……」
百代まりあ
:「とか?」
太田止隆
:「だとすると俺は不要だな。本来の仕事に戻った方が良いだろう。……どうなんだ?」 斑鳩さんに
斑鳩 裂
:「生憎うちは探偵事務所じゃないの~。犬探しは請け負ってません~」
百代まりあ
:「そうなの……」しょんぼり
吉沢龍剣
:「アタシはそれでも構わなかったけどな」
吉沢龍剣
:「かわいいじゃん、柴犬」
『炎』
:『猥雑……』
太田止隆
:「……猥雑だな」 半ば頷きつつ
夏目靖章
:「けどまあ、迷子というのはあながち遠からずという所か」
百代まりあ
:「そうよね」頷き「……迷子探し?」
吉沢龍剣
:「どォいう意味だ、夏目」
夏目靖章
:「うん。自己紹介も済んだことだし、本題に入ろうか」全員を見渡して
夏目靖章
:「改めて、俺は夏目靖章。遺産管理局のエージェントだ」
茶川 閂
:「遺産管理局の、夏目……」噂を耳にしたことはある。なんでもかなりの凄腕らしい。
吉沢龍剣
:「ただのスケベ野郎ってわけじゃァなかったわけだ」
太田止隆
:「……"フリージア"か」 ぽつりと確認するように
夏目靖章
:「おや、"ナイトバイポーラー"に覚えて頂けているとは光栄だな」
夏目靖章
:にこりと笑って
夏目靖章
:「今回君達に集まってもらったのは」窓のブラインドを上げる。
夏目靖章
:「あそこに見える企業『リベレーターズ』についてだ」
太田止隆
:「耳に挟んだことがあっただけだ。悪名も込みで」 窓の向こうを見る
吉沢龍剣
:こちらも視線を窓の外に
夏目靖章
:ビル街の中で、一際高い建物が聳え立っている。
百代まりあ
:聳えるビルを見遣る。つい先ほどまでいた場所だ。
夏目靖章
:「さて、君達の中であのビルを一ヶ月前から目にしていた憶えのあるものはいるかな?」
太田止隆
:「俺はない」 膝を組み直す 「何せ一ヶ月前はここにいないからな。あれがつい最近建ったことは、資料で把握しているが」
夏目靖章
:「新聞の記事では、あのビルが落成したのがちょうど一ヶ月前」
夏目靖章
:「では君達の記憶では?」
吉沢龍剣
:「ねェな。ンなバカでかい建物を見落とすほどモウロクもしちゃいねェ」
吉沢龍剣
:「一ヶ月前からあった『事にされた』ってところか?」
茶川 閂
:「なるほど、ね」
百代まりあ
:「そういえば知らなかったわ」
百代まりあ
:「大工さんがすごく頑張った……」
百代まりあ
:「とか」
太田止隆
:「そういうことができるモルフェウス能力者もいるだろうが」
吉沢龍剣
:「かもな、だがそれよりも」
吉沢龍剣
:「オーヴァードがすごく頑張った」
吉沢龍剣
:「の方が話がはえェだろ」
太田止隆
:「……しかも、単純建設ではない方向性でと」
太田止隆
:「そう言いたいんだな?」
吉沢龍剣
:「心当たりがあるみたいじゃねーか」
吉沢龍剣
:にやと笑って。
太田止隆
:「心当たりはない。だが重要情報源として連れられたお前が『あったことにされた』などと口走れば、アテは立てられる」
百代まりあ
:(ビルを自由に生やす能力……?)神妙な顔
夏目靖章
:「そうだね。そもそもの話」
夏目靖章
:「俺達の世界に『リベレーターズ』という企業は本来存在しない」
百代まりあ
:「えっ」
百代まりあ
:「無いの……?」
吉沢龍剣
:「無ェんだと」
太田止隆
:「…………」 目を細める
百代まりあ
:「でも、わたくし、今日アルバイトに行って……」
茶川 閂
:「俺たちの世界、ですか」
茶川 閂
:「つまり……そもそも別世界があって、そのひとつにIT企業としてのリベレーターズがあって」
茶川 閂
:「それがこっちにきちまった、とか。そういう話なわけですか」
茶川 閂
:(奴はそれを、”侵略”と言っていたが……)
百代まりあ
:「?????」
吉沢龍剣
:「おいおい」
吉沢龍剣
:「急に飛躍しすぎだろうが。集団催眠かなんかの方がまだ説明つくぜ」
太田止隆
:「平行世界論か? 突飛なことだが……」
夏目靖章
:「いや、それがあながち間違いとも言い切れない」
吉沢龍剣
:「ああん?」
百代まりあ
:「??」
太田止隆
:「そう言うだけの根拠はあるんだな、"フリージア"」
吉沢龍剣
:「UGNには、目星でもついてんのか」
夏目靖章
:「これはこの街の支部長クラスと、一部のエージェントしか共有されていない情報だが」
夏目靖章
:「現在、この街の"位相"は非常に不安定になっている」
夏目靖章
:「幾つもの世界が重なっている。と言ってもいいかな」
百代まりあ
:「…………???」
夏目靖章
:「この街で毎日のように起こっている大量殺人、大量失踪、破壊行為」
夏目靖章
:「UGNは当然それに記憶処理で対応しているわけだが」
夏目靖章
:「実際の所、それでも間に合わないはずなんだよ。本来ならね」
夏目靖章
:「都市機能が立ち行かなくなるレベルの損失を、穴埋めしている"何か"がある」
太田止隆
:「揺らぐ位相が埋め合わせをしているのか」
吉沢龍剣
:「生き物の『新陳代謝』みてーに」
吉沢龍剣
:「街が自分で状態を保存してるとでも言うわけか?アホくせー」
吉沢龍剣
:「……と、言いてェのは山々だが」
吉沢龍剣
:「この頃何もかもおかしくなってきてやがるのは、こっちも十分肌で感じてる」
吉沢龍剣
:「真相はどうあれ、多少の荒唐無稽も聞き流してやるよ」
夏目靖章
:「未だに確証はないけどね。ただ実際に異なる位相や異なる世界に足を踏み入れたエージェントからの報告は増えている」
茶川 閂
:「そう考えたほうが自然なくらい、不自然な状況ってわけですからね……そして、今回の問題もそういう話ってわけですか」
太田止隆
:「"グローセ・ベーア"。理解は追いついているか?」
茶川 閂
:「……百代~?」目の前で手を振る。
百代まりあ
:「……!」ハッとしたような顔。
百代まりあ
:「え、ええ……続けて頂戴」
百代まりあ
:「だけど、あの……」
百代まりあ
:「どなたか後で、りんごだとかバナナで説明してくださる?」
茶川 閂
:「ふふっ。さんすうドリルみたいだ。考えておくよ」
茶川 閂
:「つまり夏目さん、『迷子』っていうのは」
茶川 閂
:「あの巨大なビルが発生する以前の場所や、物、あるいは」少しためらって「……人が、消えている?」
太田止隆
:「……ドールハウス」
百代まりあ
:「?」
太田止隆
:「人形の家があったとする。そして、そこに置いてあったソファが壊れてしまった」
太田止隆
:「『普通』であれば、壊れたままだ。しかしどうやら、このN市においては……」
太田止隆
:「……不思議な力で、別の無事なソファが、元々ソファの置いてあった場所に、置かれることになっている」
百代まりあ
:「ええっ……!」
吉沢龍剣
:「それも、ひとりでにな」
太田止隆
:「ただ、壊れたソファと、新しく置かれるソファが、同じ物とは限らない。色、柄……あるいはソファではなく、ロッキングチェアになるかもしれない」
夏目靖章
:「なるほど、いい例えだ。意外と子供好きだったりするのかな?」
太田止隆
:目を閉じる 「子供に合わせただけだ。任務に子供が居合わせることもたまにある」
百代まりあ
:「た……大変なことだわ……!」
吉沢龍剣
:「心霊現象かもなァ~」
吉沢龍剣
:おばけポーズで百代ににじりよる
百代まりあ
:「ひっ……!」
吉沢龍剣
:「あはっは!」
吉沢龍剣
:「こいつ面白ぇ~」
百代まりあ
:「こ……怖くなんてないわ……!」
吉沢龍剣
:「ホントかよ?後で小便漏らすんじゃねえぞ」
百代まりあ
:「漏らさないわ!」憤慨!
茶川 閂
:「うわっ真面目に話をしようと思ったのに! 俺も混ぜてくださいよ!」
太田止隆
:「必要な説明はするが、余計な回り道を許容するつもりはないぞ。……"フリージア"、続きを」
百代まりあ
:「分かりやすい説明を、どうもありがとう、恩に着るわ」太田と茶川に
百代まりあ
:「ええ、続けて頂戴」
夏目靖章
:「うん。今回の場合は、その取り替えられたソファが」
夏目靖章
:「『リベレーターズ』というわけだね」
太田止隆
:「本来この世界に存在しなかったもの、か……」
吉沢龍剣
:「大仰な話だ」
夏目靖章
:「しかも厄介なことに、多くの市民はそれが元からあったもののように記憶を改変されている」
百代まりあ
:「じゃあ、わたくしが通っている『リベレーターズ』は……」
百代まりあ
:「よその世界から来たもの、ということ……?」
夏目靖章
:「より厳密に言うと、桐生嚆矢を始めとする『リベレーターズ』の社員。かな」
百代まりあ
:「そんな……」
百代まりあ
:「コーラが飲み放題の会社なんて、夢のようだと思っていたのに……」
吉沢龍剣
:「仮にそーだとして」
吉沢龍剣
:「つまみ出された『ソファ』はどこいった?」
吉沢龍剣
:「つーことか?迷子捜しってのは」
吉沢龍剣
:コキコキと首を捻る
夏目靖章
:「それもある。引き出しにしまわれたのか、棄てられたのか」
夏目靖章
:「俺はとある事情で記憶が消えやすくてね。外付けのバックアップで補っているんだが」
夏目靖章
:「おかげで違和感に早く気付けた」
太田止隆
:「なるほど」 得心する 「そういう性能だとは聞いたことがあったが、そうか」
夏目靖章
:「そして俺の相方にもう一人、より詳細な"記録"のバックアップを持つ人がいるんだが」
夏目靖章
:「その子と照合した結果、このN市の中で現在の『リベレーターズ』の社員だけが」
夏目靖章
:「本来あったはずの身分や立場から、まったく別のものに変わっていた」
百代まりあ
:「ふむふむ……」頷く
百代まりあ
:「靖章とその相方さんは、ドールハウスの元々の間取りをメモしていたというわけね」
夏目靖章
:「そういうこと。理解が速いねまりあくん」
百代まりあ
:「ふふーん」自慢げ
吉沢龍剣
:「話は分かった。後は」
茶川 閂
:「となると、これは夏目さんたちがトップに立っての作戦ってわけですね……それで」
吉沢龍剣
:「具体的に、どうすりゃそいつらは元に戻る」
茶川 閂
:「そう。元に戻すこと、が目的でいいんですよね?」
吉沢龍剣
:「少なくともアタシはそのつもりでここにいる」
吉沢龍剣
:「でなきゃ、困る都合もあるしな」
茶川 閂
:(もっと”上”が絡む話なら、あの会社を残す残さない、リベレーターズを戻す戻さないでややこしくなるからな……やりやすくていい)
夏目靖章
:「ああ、目的としてはその通り。ただし」
夏目靖章
:「それが事故であるか故意であるかの確認も必要だ」
百代まりあ
:「故意……」
百代まりあ
:「そんな大それたことを、わざと起こせるような人がいるの?」
夏目靖章
:「いない……と言いたいところだが」
夏目靖章
:「そうゆうものに心当たりが無いわけでもない。残念だけどね」
茶川 閂
:(”侵略”、か)
夏目靖章
:「事故であればできるだけ穏便に、影響を最小限に押さえる手立てを考える。それはこちらで全力を尽くそう」
夏目靖章
:「君達には、故意の可能性を探って欲しい」
茶川 閂
:「もしそうなら。こりゃ大仕事になりそうですね」
夏目靖章
:「うん。故意であれば、ただ入れ替わっただけで済むとも考えにくい」
吉沢龍剣
:「……その『先』があるっつう事か」
吉沢龍剣
:「やれやれだぜ」
吉沢龍剣
:「だが、こいつが誰かの仕込みってことなら話ははええ」
吉沢龍剣
:「見つけて殴り飛ばす。餅は餅屋に任せときな」
夏目靖章
:「頼もしいね」
吉沢龍剣
:「酒代程度には働いてやるよ」
吉沢龍剣
:にやりと笑う
夏目靖章
:「目的としては今言った通りだ」
夏目靖章
:「肝心のその方法だが」
太田止隆
:「俺と"グローセ・ベーア"は直で探りを入れられるな」
百代まりあ
:「直……」
百代まりあ
:はっとして「アルバイトね」
夏目靖章
:「そうだね。二人には今まで通り、護衛と被験者として『リベレーターズ』と接触して欲しい」
茶川 閂
:「問題は俺と吉沢さんか」
夏目靖章
:「龍剣くんと茶川くんは"ナイトバイポーラー"の指揮下で護衛スタッフとして役員警護にあたってくれ」
夏目靖章
:「幹部役員のスケジュールを把握するにはそれが一番良い」
吉沢龍剣
:「役員警護だぁ?」
茶川 閂
:「そうか、太田さんは既に要職だから…」
太田止隆
:「……役員全体のセキュリティサービスを任される、とは言われている。差し込むことは可能だろう」
太田止隆
:「他にも数名。UGNを知らない者も借りていくぞ。賞金稼ぎみたいな気質の奴も1、2名」
夏目靖章
:「ああ、そうしてくれ」
茶川 閂
:「こちらは任務了解です。吉沢さんも、せっかくなんでやってみましょうよ」
吉沢龍剣
:「やらねェとは言ってねえだろ」
吉沢龍剣
:「楽しそうだって言ってんのさ」
吉沢龍剣
:「誰に頼んでんのか分かってんのかよ、生憎こっちはお行儀って言葉とは無縁だぜ」
夏目靖章
:「おかしいな……メイドの経験もあると聞いていたんだが」
吉沢龍剣
:「ほーん」
吉沢龍剣
:「調べてあるじゃねえか」
夏目靖章
:「ふふ、その筋には一家言あってね」
茶川 閂
:(夏目さん、それは自信あり気に言うことか……?)
吉沢龍剣
:「自分で言うのもなんだが、サービスの評判はいいぜ」
吉沢龍剣
:「滅法……荒っぽいやつがな」
吉沢龍剣
:にやーと笑って
茶川 閂
:「それにしても太田さん、信頼されてるんですね。よりにもよって役員の警備を一任されてるなんて」
太田止隆
:「若い企業だ。役員の誰も彼も、腰と頭が固い連中とは限らない。むしろそういうのがいた方が『面白がる』だろうな」
太田止隆
:「前後不覚の狼藉をしなければそれでいい。いざとなれば首を刎ねるだけだ。……それはそれで動きやすくなる」
吉沢龍剣
:「ハッ、あんまアタシに見とれすぎて」
吉沢龍剣
:「そっちの仕事が疎かになんなよ?警備主任どの?」
太田止隆
:「安心しろ。仕事の最中に仕事以外のことは目に入らん性質だ」
太田止隆
:「滑らかに動く歯車を眺める趣味はない」
吉沢龍剣
:「からかいがいのねー奴だな、ったく」
太田止隆
:「からかわれていたのか……」 僅かに戸惑う表情
百代まりあ
:「お行儀はよくしたほうがいいわ、メイドさんでなくとも」
百代まりあ
:「そちらのほうが、みんな気持ちよく過ごせるでしょう?」
夏目靖章
:「うんうん。みんなやる気になってきたね」
太田止隆
:「……嚆矢について。今のうちに共有しておこう」
太田止隆
:「あれとは旧知の仲だ。同じUGNの施設で育ち……あいつは脱走した。その先のことは知らないが……」
太田止隆
:「俺は奴の、奴は俺のことを良く知っている。……信頼の根拠があるとすればそれだろう」
百代まりあ
:「まあ……社長さんとお友達なの?」
太田止隆
:「センチメンタルだな」
百代まりあ
:「それじゃあ……えーと、聞いたことがあるわ、確か……」
百代まりあ
:「縁故採用!」
百代まりあ
:「なのね?」
吉沢龍剣
:「難しい言葉知ってんじゃねーか」
吉沢龍剣
:「結構賢いな」
百代まりあ
:「ふふーん」得意げ
茶川 閂
:「凄い話じゃないですか。別の世界でも親友同士だったってことでしょ」
太田止隆
:「……パーソナリティを相互によく知っているだけだ」 目を閉じる
百代まりあ
:(それをお友達というんじゃないのかしら……?)
夏目靖章
:「だがそこは大いに期待するところだよ。仮に敵だとしたら一番油断ならないのが桐生嚆矢だからね」
太田止隆
:「別の世界でどうだったかは知らないがな。何にせよお陰で、こうやってメスを入れる隙になったことには感謝できる」
吉沢龍剣
:「桐生はアタシのお得意様ってとこか」
吉沢龍剣
:「時々あいつから雇われて、腕っ節が必要な場面に出ていく、そんだけだ」
吉沢龍剣
:「大昔にやりあったこともある、今の関係もそこらの縁だな」
太田止隆
:「……そうだ。それを知りたい。賞金稼ぎ。ドールハウスの話で言うなら……」
太田止隆
:「元々置かれていたソファ……元々この世界にいた嚆矢。"リベレーター"桐生嚆矢のことを知っているのか?」
吉沢龍剣
:「まァな。むしろアタシはそいつのことしか知らねー」
吉沢龍剣
:「ついさっき、CEOだのなんだのに入れ替わられてて酒の入れ過ぎかと思ってたところだ」
太田止隆
:「……そうか。いや、それだけ分かればいい」 僅かに視線を落とし、
太田止隆
:小声でぼやくように 「あいつはあいつなりにやっていたんだな」
吉沢龍剣
:「てめェが心配しなくてもいい程度にはな」
太田止隆
:「…………」 口元に手を当てる。社長室で話した時の違和感について少し思い出していたが
吉沢龍剣
:「……その口ぶりだと」
吉沢龍剣
:「何かしら理由があって疎遠になってたってとこか?」
吉沢龍剣
:「青臭ェな、はっは!」
百代まりあ
:「そうなの?」
太田止隆
:じろりと吉沢さんを見て 「……不要な勘繰りは止せ。心配もしていない」
吉沢龍剣
:「どうだかな、少なくともアタシにはそう聞こえたぜ」
吉沢龍剣
:ニヤニヤとしつつ
太田止隆
:「冷水のシャワーを浴びるよう命令をしてやる必要があるか?」
茶川 閂
:「……それにしても! 太田さんのおかげで我々もすんなり潜入できますし、百代ちゃんのおかげで別視点での情報も手に入る」
茶川 閂
:「案外、初動はうまくいきそうですね。頑張りましょ! ね!」
百代まりあ
:「つまり、悪い人がソファを取り換えて何か企んでいるかもしれないということよね」
百代まりあ
:「百代家の者として、ベストを尽くすわ」
夏目靖章
:「やれやれ。若者に気を使わせるものではないよ」
太田止隆
:「…………」 組んだ膝を下ろし、ソファに深く座り直す 「……そうだな。調査そのものにはスムーズに入れそうだ」
吉沢龍剣
:「いやァ」
吉沢龍剣
:「アタシは仲良くしたいだけなんだぜ?」
吉沢龍剣
:「ああいうタイプ、嫌いでもね~し」
吉沢龍剣
:太田さんにウィンク
太田止隆
:あからさまに溜息を吐き、首を振ってそれを拒む
夏目靖章
:「まあ、程々にね」
吉沢龍剣
:「あいよ、程々にな」
太田止隆
:「……適切にだ」
茶川 閂
:「百代ちゃん。一緒に頑張ろうな…」
百代まりあ
:「? ええ、がんばるわ!」満面の笑みを浮かべる。
夏目靖章
:「それともう一つ、情報の集め方についてだが、俺からプレゼントがある」
夏目靖章
:「役員の警護には複数人交代でシフトについてもらう。数十分はフリーで動けるようにね」
夏目靖章
:「その時に」
夏目靖章
:テーブルの上に紙を広げる。『リベレーターズ』社内の見取り図だ。
茶川 閂
:「もうこんなものまで? 流石ですね」
夏目靖章
:「こちらにも色々仕込みはあってね」
夏目靖章
:「この中の三箇所」
夏目靖章
:「研究資料が集められた開発室、財務資料や購買履歴が残っている財務室、そして社長室」
夏目靖章
:「リベレーターズのオフィスはフリーアクセスで殆どのセクションが開放されているが」
夏目靖章
:「この3つだけは隔離されている。自然と、機密はここに集まる」
太田止隆
:「それとなく調査できるよう調整してみよう」
茶川 閂
:「なるほど。故意かどうかを見極めるならここをチェックするのが重要ってわけですね」
夏目靖章
:「お願いするよ。どうしても難しい時は、これを使うといい」
夏目靖章
:見取り図の上に小さなランタンを置く。
夏目靖章
:「遺産だ。名称は『夜鷹の星』」
太田止隆
:「遺産……」
太田止隆
:僅かに目を見開く 実際に見た経験はそう多くない
百代まりあ
:「宮沢賢治?」首を傾げる
吉沢龍剣
:「気取った名前だ」
夏目靖章
:「管理局にはそういう趣味の人間も多いんだよ」
茶川 閂
:「ま、それくらい余裕のある方たちが活動してるなら日本の遺産管理局も安泰ってことで」
夏目靖章
:「俺の権限で貸し出せるのはこれくらいでね。より大雑把な分類で言うと『夜の小鳥』」
夏目靖章
:「姿隠しの遺物だ」
『アイテムカード:夜鷹の星』
UGNの分類に於いて"夜の小鳥"と呼称される遺産の一つ。
青白く燃え上がる鳥を象った炎を灯すランタン。
その光に照らされた範囲の物質を透過させ、あらゆる観測手段から隠蔽する。
対象は使用者がある程度指定できる。
効果:情報収集の判定直前に使用可能。
その判定のダイスを+3個する。
1シーンにつき1回まで使用できる。
太田止隆
:「慎重に使わせてもらおう。紛失などしたらことだ」
百代まりあ
:「姿隠し……」わくわくしている
夏目靖章
:「一度入ると泊まり込みで抜け出すのも難しいからね。中での情報共有の時にも役立つと思うよ」
茶川 閂
:「そうすね。より機密に近い所を探る人に使ってもらうのがいいでしょう」
吉沢龍剣
:「いいモン用意してんじゃねーか」
吉沢龍剣
:「よくやった夏目、おっぱい触っていいぜ」
吉沢龍剣
:ばゆーん
夏目靖章
:「くっ……据え膳喰わぬはなんとやらと言うが……」
百代まりあ
:「吉沢龍剣!」パッシィア!
百代まりあ
:「破廉恥よ!」
吉沢龍剣
:「うおっ!」
吉沢龍剣
:たゆんゆたゆんゆ
吉沢龍剣
:はたかれた所が波打つ。
夏目靖章
:「ここは遠慮しておこう。帰って猫に引っかかれてしまうからね」
夏目靖章
:「…………」名残惜しそうに見つめている
茶川 閂
:「うわっビックリした…」
百代まりあ
:「そういうことはおうちでなさって頂戴!」
吉沢龍剣
:「なんだよ~お前」
吉沢龍剣
:「おっぱい小さいからってムキになんなよ百代」
百代まりあ
:「ム……!?」
百代まりあ
:「おっぱいのことは関係ないわ!」
吉沢龍剣
:「ほんとか~?」
吉沢龍剣
:「ほんとかよ~」
百代まりあ
:「振る舞いのお話をしているの!」
百代まりあ
:ぷりぷりと怒りながら
吉沢龍剣
:にやにや。
太田止隆
:「……」 こめかみを押さえ 「……もういいな?」
茶川 閂
:(がんばろ……)
夏目靖章
:「ああ、俺からは以上だ。……あ、それと最後に一つ」
夏目靖章
:「龍剣くんが元の桐生氏の事を憶えていた理由だが」
夏目靖章
:「少し前に、彼が身に着けていたものを受け取ったりしなかったかな?」
吉沢龍剣
:「……ん?ああ」
吉沢龍剣
:百代さんを抱えてむにむにしながら
吉沢龍剣
:バッジを取り出す
吉沢龍剣
:「こいつのことか?」
百代まりあ
:「んぎゅぎゅ……それは?」
吉沢龍剣
:「飲み屋でこいつが桐生のツラの代わりになるんだと」
吉沢龍剣
:「ンなことになって役にゃあ立たなかったけどな」
夏目靖章
:「ああ、それだね。これはソラリスの記憶探索者にも当てはまることだが」
夏目靖章
:「当人のレネゲイドを近くで浴びたり、強い思いが込められた物品は」
夏目靖章
:「記憶干渉のノイズとして働く場合がある」
夏目靖章
:「念の為、持っておいたほうが良いだろう」
吉沢龍剣
:「ほーん」
吉沢龍剣
:「一応受け取った甲斐はあったつーことか」
太田止隆
:「……なるほど」
吉沢龍剣
:「こいつでちゃあんと酒が飲めるように」
吉沢龍剣
:「きっちりあいつにも元通りになって貰わねえとな」
夏目靖章
:「"ナイトバイポーラー"も、もし心当たりのある物があれば持っておくと良い」
夏目靖章
:「何かの"鍵"になるかも知れないからね」
太田止隆
:「そうしよう」 言われるまでもなく、荷物から除いたことなどないのだが
吉沢龍剣
:「ま、仲良くしようぜ、太田ちゃん」
吉沢龍剣
:「友達の友達は友達ってことで」
太田止隆
:「……友達ではない」
太田止隆
:「相互にパーソナリティをよく知っているだけ、だ」
太田止隆
:「お前のことも自ず、理解できるようになるだろう」
吉沢龍剣
:「そーかい」
茶川 閂
:(それを友達というのではなかろうか……?)
百代まりあ
:「それを友達というのではなくって?」
吉沢龍剣
:「……ぶっは!」
吉沢龍剣
:「遠慮ねーな、ガキは!ぎゃはは!」
吉沢龍剣
:「言ってやれ言ってやれ」
太田止隆
:軽くかぶりを振って 「違うさ。だって俺は……」
太田止隆
:(……あいつと一緒にコーラも飲んだことがない)
GM
:ロイス、購入が可能!
茶川 閂
:ボデマ~
茶川 閂
:1dx+2
DoubleCross : (1R10+2[10]) → 5[5]+2 → 7
茶川 閂
:だめ!
茶川 閂
:太田止隆 〇尊敬/もうちょっと仲良くしてくれないかな~/ロイス
茶川 閂
:以上で!
太田止隆
:応急手当キット
太田止隆
:2dx+1=>8
DoubleCross : (2R10+1[10]>=8) → 10[4,10]+6[6]+1 → 17 → 成功
太田止隆
:フッ
太田止隆
:"賞金稼ぎ"吉沢龍剣 ○有為/不信感/ロイス
太田止隆
:ロイスはこれ。以上!
百代まりあ
:吉沢龍剣 連帯感/○お行儀が悪い
百代まりあ
:応急!
百代まりあ
:1DX+3>=8
DoubleCross : (1R10+3[10]>=8) → 2[2]+3 → 5 → 失敗
百代まりあ
:以上!
吉沢龍剣
:まずは茶川くんに!
吉沢龍剣
:巽チャンとこの/茶川閂/信用○/リアクションが薄い/ロイス
吉沢龍剣
:購入は応急!
吉沢龍剣
:2dx+4
DoubleCross : (2R10+4[10]) → 6[1,6]+4 → 10
吉沢龍剣
:ゲッツ!以上!
GM
:はい!では本日はここまで!
GM
:次回は情報収集スタートです!お楽しみに!
GM
:お疲れさまでした!
吉沢龍剣
:お疲れ様でしたー!
百代まりあ
:お疲れさまでした~!
茶川 閂
:お疲れさまでしたー!
太田止隆
:お疲れ様でした!
【Middle2:「俺とお前が一緒なら、誰にも負けない」】
GM
:さて、ここからは情報収集フェイズとなります。
GM
:まず一通りの説明から。
GM
:1つ目は情報項目。今挑戦できるのはこちら!
■情報収集
・開発資料を調べる①〈知識:天文学〉〈情報:UGN〉難易度8
・調達履歴を調べる①〈調達〉〈情報:UGN〉難易度6
・社長室を調べる①〈知覚〉〈情報:UGN〉難易度6
GM
:合流心で説明した通り、警護の合間を縫って機密を暴いていってもらいます。
GM
:また、通常の情報収集とは別に
GM
:NPCの好感度を上げるプライズ判定を用意しています。
茶川 閂
:こっ好感度!
■絆を深める
判定者が対象にロイスを所得している場合、判定達成値にボーナス加算
・桐生嚆矢(0/8)〈白兵〉 難易度12 ロイスボーナス+5 最大達成値50
・白銀明日香(0/4)〈RC〉〈知識:レネゲイド〉 難易度7 ロイスボーナス+1 最大達成値30
・胡緑蘭(0/6)〈RC〉〈芸術:早飲み〉 難易度9 ロイスボーナス+3 最大達成値40
GM
:いま見えてるのはこちら。
GM
:こちらのプライズはシナリオの進行には影響しませんが
GM
:開いていくことで、様々なパッシブ効果を得ることができます。
百代まりあ
:攻略するっきゃない!
GM
:情報収集とプライズは別々に開けれませんので、よく考えて選んでいってください。
太田止隆
:あ、1機会にどっちかだけなんですね
茶川 閂
:どっちか一回!
吉沢龍剣
:なーるほどね
GM
:そうですね。その分コンセ噛ませられるような技能を指定してますので
GM
:開ける時はドバっと開けちゃったほうがお得かなと思います
太田止隆
:なるほどね
百代まりあ
:はは~ん
吉沢龍剣
:情報収集役に立たないから
吉沢龍剣
:めっちゃ攻略しよ
GM
:また、毎シーン情報共有パートの後に
GM
:PL誰か一人とシナリオロイスのNPCで30分程度のワイバーンを設けることができます。
GM
:いわゆる夜会話ですね
百代まりあ
:オイオイオイ
太田止隆
:ワイバーン用……w
吉沢龍剣
:マジでやりやがった!
茶川 閂
:すごいことになって来た
GM
:この夜会話を行った場合、そのPLが次のシーンで行うプライズ判定のロイスボーナスが2倍になります
太田止隆
:なるほどね……
吉沢龍剣
:データ的なアドバンテージまで!
茶川 閂
:すごいぜ
吉沢龍剣
:いたれりつくせりじゃん
百代まりあ
:大変なことになってきた
GM
:ちょっとネタバレしちゃうと、プライズを開けることでもう一回NPCとタイマンするチャンスがありますので
GM
:各PLシナリオロイスとサシで話せる機会が最大2回ある形になります
GM
:その2回あればなんか上手いこと関係性も煮詰まってくるんじゃないかな~という皮算用です
太田止隆
:理解の子
茶川 閂
:大チャソス時代!
GM
:というわけでここまで質問はありますか!
百代まりあ
:理解龍アンダースタンドドラゴン
吉沢龍剣
:理解神コカパクアプ
茶川 閂
:E-HERO理解マン!
GM
:ではミドルフェイズ・アクセラレーション!
GM
:シーンプレイヤーは太田さん。ほか登場自由。
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+10(1d10->10)した (侵蝕率:39->49)
GM
:侵蝕ダイスをどうぞ
太田止隆
:おやおや
百代まりあ
:53+1D10
DoubleCross : (53+1D10) → 53+6[6] → 59
吉沢龍剣
:1D10+43
DoubleCross : (1D10+43) → 8[8]+43 → 51
茶川 閂
:1d10+49
DoubleCross : (1D10+49) → 10[10]+49 → 59
GM
:それでは各々判定をお願いします。
■情報収集
・開発資料を調べる①〈知識:天文学〉〈情報:UGN〉難易度8
・調達履歴を調べる①〈調達〉〈情報:UGN〉難易度6
・社長室を調べる①〈知覚〉〈情報:UGN〉難易度6
■絆を深める
判定者が対象にロイスを所得している場合、判定達成値にボーナス加算
・桐生嚆矢(0/8)〈白兵〉 難易度12 ロイスボーナス+5 最大達成値50
・白銀明日香(0/4)〈RC〉〈知識:レネゲイド〉 難易度7 ロイスボーナス+1 最大達成値30
・胡緑蘭(0/6)〈RC〉〈芸術:早飲み〉 難易度9 ロイスボーナス+3 最大達成値40
茶川 閂
:まずは絆行きますか?
太田止隆
:情報は進めましょうw
百代まりあ
:情報も順次開けていかなきゃな……
GM
:ここでもねたばれすると
GM
:桐生と緑蘭は戦闘系パッシブなので
GM
:急いで開けなくても大丈夫です
百代まりあ
:成程……
太田止隆
:精神社会・社会・知覚社会か
吉沢龍剣
:調達なら
吉沢龍剣
:それなりになんとかなりそうなので
吉沢龍剣
:まずは調達履歴探っていいですか?
太田止隆
:あっ、じゃあ2番目吉沢さん頼みまっす
吉沢龍剣
:いきまーす!
茶川 閂
:お頼み!
吉沢龍剣
:2DX+4
DoubleCross : (2R10+4[10]) → 6[4,6]+4 → 10
吉沢龍剣
:あぶなげなく!
太田止隆
:そつない!
GM
:やるわね…
太田止隆
:茶川くん社長室行きます? 知覚で……
太田止隆
:あ、コネがあれば普通に情報UGNの方が良いのか
茶川 閂
:そうですね
太田止隆
:技能もあった ならそれで良いか
茶川 閂
:でも基本的に私の方がダイス少ないので、先に行っていいなら行きたい!
太田止隆
:お願いします!
茶川 閂
:社長室に行くぜ~!
茶川 閂
:3dx+2>=6
DoubleCross : (3R10+2[10]>=6) → 5[2,5,5]+2 → 7 → 成功
茶川 閂
:ギリチョン!
GM
:頑張った
太田止隆
:では開発資料を<知識:天文学>で
太田止隆
:8dx=>8
DoubleCross : (8R10[10]>=8) → 7[2,2,4,4,4,5,6,7] → 7 → 失敗
太田止隆
:……財産点1使って成功!
GM
:社会人め…
百代まりあ
:わたくしが残ってしまった
百代まりあ
:絆を……深めるしかないのか!
太田止隆
:っていうか情報収集なんだから素直にあの……夏目さんの手土産の遺産を使うべきじゃったな
太田止隆
:次のシーンから忘れないように使用
茶川 閂
:忘れてた…
百代まりあ
:そうじゃった……
GM
:そうだぞ
茶川 閂
:絶対使お~って思ってたのに
GM
:まあだんだん難しくなるから使わざるを得なくなるよ
百代まりあ
:胡緑蘭!喰らえ!
百代まりあ
:≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:災厄の炎≫
百代まりあ
:このコンボ重っ
GM
:本気だ…
百代まりあ
:4DX8+2
DoubleCross : (4R10+2[8]) → 7[3,3,4,7]+2 → 9
百代まりあ
:嘘だと言ってくれ
茶川 閂
:かわいい
GM
:ええ…
百代まりあ
:財産使えますか!
GM
:こいつ……金で絆を……!?
吉沢龍剣
:www
百代まりあ
:自腹でコーラを買って……特訓を……
GM
:まあいいですが、百代さんはロイスボーナスも乗ってるので
GM
:12点になるんじゃないかな
百代まりあ
:あ、そうじゃん!
百代まりあ
:お小遣い使わずに済んだ
百代まりあ
:じゃあ12点で……侵蝕が59>66
GM
:重っ
GM
:じゃあ開示していくわね。
GM
:まずは緑蘭のプライズから
■好感度1/6
・Savannahギフトカードmini
WEBマーケットサイト『Savannah』で使用できる電子マネー。少しだけ容量が少ない。
使用者の財産点に+3する。この財産点は購入フェイズでのみ使用できる。
■好感度2/6
・よく分かる功夫講座・初級編
精神修養に重点を置いた初心者向けの功夫講座。集中力が上がる。
判定者が行う〈RC〉判定の判定ダイスを常に+1する。
百代まりあ
:す……すごい……!
GM
:サバンナギフトカードと功夫講座をプレゼントします
百代まりあ
:貢がれた
GM
:プライズ2/6ではまだイベントはおこりません
GM
:続いて情報開示!
・調達履歴を調べる①
『調達履歴'〇〇.12.18:ストロンチウム光格子時計』
取引先:神城グループ・神城電機工業株式会社
特定の原子が持つ振動の周波数を参照し、あらゆる時計の中で最も正確な時間を刻む事ができる『原子時計』の一種。
ストロンチウム光格子時計はレーザー光で編まれた格子空間内に原子を閉じ込めることで周囲の干渉を排除し
原子時計の中でも特に高い精度を実現できる。
『リベレーターズ』が購入したものはEXレネゲイドを感染させた特注品で、エンジェルハイロウ能力により性能を強化している。
その誤差は理論上の最高精度『300億年に一秒』である。
社長室を調べる①
『立案書:H社に対するM&A、及び宇宙開発事業の獲得に関する戦略草案』
先日『リベレーターズ』が行った買収についての計画立案書。
H社は元々神城グループ傘下の航空機部門の一子会社で、後に独立した経緯がある。
中規模の企業ながらも高い技術力を持ち、民間主体での宇宙船打上げ計画の主導や
国際宇宙ステーション『やたがらす』計画にも参画するなど、業界で一目置かれる存在だった。
買収に伴い、これらの計画や宇宙ステーションの使用権は『リベレーターズ』に引き継がれている。
開発資料を調べる①
『プロジェクトレポート:イベントホライズンテレスコープ』
世界各地の電波望遠鏡を用いて、銀河の中心にある巨大ブラックホールの姿を観測するプロジェクト。
電波望遠鏡とは巨大なアンテナで星々が発する電波を拾い可視化する装置のこと。
同サイズの光学望遠鏡(レンズを用いる望遠鏡)に比べると著しく解像度が低いが、
複数の地点で同時刻に観測したデータを統合することて解像度を上げることができ、その精度は観測地点同士の距離に比例する。
つまり、日本とブラジルで観測した映像を統合すると地球と同じ直径のレンズで観測したのに等しい解像度を得られることになる。
『リベレーターズ』はこのプロジェクトに参加していないが、ここで使用された各地の天文台にエージェントを派遣し、何かを観測しているようだ。
原子時計は観測した映像を同期させるために使用されていると考えられる。
GM
:以上のことがわかりました。勉強になったね。
吉沢龍剣
:スケールがデカい
吉沢龍剣
:一体シナリオにどう関わってくるんだ…
GM
:乞うご期待……
GM
:では共有シーンの前にちょっとイベント!
リベレーターズ日本支社 社長室
GM
:太田さんの手配によりそれとなく人払いがされた隙に
GM
:茶川閂は社長室の機密を探っていた。
GM
:判定では使用していませんが、カメラなどを欺くために遺産を使っていることにしてください。
茶川 閂
:UGNの教練により、”どこにどのような重要度の書類が置かれやすいか”はある程度分かる。
茶川 閂
:それに従いながら、”夜鷹の星”を使いつつ情報を探っていく。
GM
:しかし、桐生嚆矢の社長室はまったく整頓されていない書類の山がそこかしこに散らばっている。
GM
:ここからめぼしい書類を探すのは骨が折れそうだ。
茶川 閂
:(やれやれ。社長って言うのは、案外これくらい大雑把な方が良いのかね)
GM
:それでも、君が懸命に調査を続けていると……
???
:「……茶川くん?」
茶川 閂
:「!?」
GM
:遺産の力で見えないはずの君に後ろから声がかけられる。
茶川 閂
:素早く振り返る。
咲玖夜
:「……やっぱり、茶川くんだ」
茶川 閂
:「あれ……」少し黙って。「……咲玖夜?」
咲玖夜
:かつて君と病院で出会った少女である。
咲玖夜
:しかし、あのときとは幾つか異なるのは
咲玖夜
:短く揃えられた髪、縁のない眼鏡
咲玖夜
:そして何より、彼女は二本の脚で立っている。
咲玖夜
:「うん……また会ったね」
茶川 閂
:「そう、だな」
茶川 閂
:「イメチェンした?」
咲玖夜
:「ま、まあね」短くなった髪をいじる
咲玖夜
:その左手首には、『リベレーターズ』が開発した端末が付けられている。
茶川 閂
:「咲玖夜もオーヴァードだったんだな」
咲玖夜
:「あ、ごめん!いきなりでびっくりするよね。今説明するから……」
茶川 閂
:「いいのか? いや、本当にメチャクチャびっくりしてて、なんて言ったらいいのか…」
咲玖夜
:「ここにいるってことは、茶川くんがUGNの応援人員……ってことだよね」
茶川 閂
:「まてまて」制止する。「念のため、もう一回自己紹介しとこうぜ」
咲玖夜
:「そ、そうだね」
咲玖夜
:「改めて、私は咲玖夜。コードネーム"ライフセイバー"。こう見えて、一応チルドレン」
咲玖夜
:「夏目さんがここの見取り図を持ってたでしょ」
茶川 閂
:「UGN第八支部第二参……あー……参事官補佐代理、”ビリオンインチ”茶川閂。こう見えて、一応エージェントだ」
茶川 閂
:「ああ、あれか! もしかして咲玖夜が?」
咲玖夜
:「うん。あれを調べたのが私。先に別口で潜入してたんだ」
茶川 閂
:「そうだったのか……あれ、すげー役に立ってるよ。サンキュな」安堵し、再び手を動かしつつ。
咲玖夜
:「う、うん……えへへ」
咲玖夜
:「その遺産があっても君が見えてるのが、その証拠」
茶川 閂
:「なるほどね、視覚に関する能力を」
茶川 閂
:「そのメガネもよく似合ってるじゃんな」
咲玖夜
:「そ、そうかな……!」頬を押さえて目をそらす。
茶川 閂
:(なんか、あんまりチルドレンっぽくないんだよな……)こちらも少し気恥ずかしくなりつつ。
咲玖夜
:「と、そうだ!のんきに話してる場合じゃなかった!」
咲玖夜
:「秘書の一人がこっちに戻ってきてる。あと十分ぐらい」
茶川 閂
:「そりゃまずいな。きちんと散らかし直しておかないと」
咲玖夜
:「ひとまず戻ろう。とりあえず今控えられたやつだけで……」
茶川 閂
:「了解。手早く脱出しようか。話はそれからゆっくりしようぜ」
咲玖夜
:「うん……」
咲玖夜
:「改めてよろしくね。茶川くん」
茶川 閂
:控えておいた画像を見ながら素早く元通りに散らかし、画像も消去する。
茶川 閂
:「おう。よろしく、咲玖夜」
GM
:君達は足早に、されど注意深く現場を後にする。
リベレーターズ敷地内 宿泊施設
GM
:『リベレーターズ』の社内はある程度の生活インフラが完備されており
GM
:その居心地の良さから敢えて泊まり込む関係者も多い
GM
:君達は敷地内に設けられた宿泊施設の一室で
GM
:遺産『夜鷹の星』による隠蔽空間を作り、情報共有を行っている。
吉沢龍剣
:「よォ」
吉沢龍剣
:「どうだ、割と似合ってんだろ」
吉沢龍剣
:にやりと笑いつつ、伊達眼鏡を持ち上げる
吉沢龍剣
:ぴしりと誂えられたスーツ姿だ。
太田止隆
:「違和感はないな」 こちらもスーツ姿。着慣れている
茶川 閂
:「おお~」
百代まりあ
:「素敵よ、龍剣」
百代まりあ
:「お召し物がよくお似合いだわ」
吉沢龍剣
:「アタシは常日頃素敵だってェの」
吉沢龍剣
:「だが、太田のやつよりはかける台詞がわかってんな、百代」
吉沢龍剣
:わしゃわしゃ頭を撫でつつ
咲玖夜
:「えと、改めまして。先んじて潜入していた"ライフセイバー"です。皆さんよろしくお願いします」かっちりした二人に気圧されながらペコリと頭を下げる
百代まりあ
:「ごきげんよう、百代まりあよ」
茶川 閂
:「潜入のための見取り図を持ってきてくれたのも彼女なんだ」
吉沢龍剣
:「なるほどな、てめーも夏目のツテか?」
咲玖夜
:「はい。……あ!別に夏目さんとは何でもありませんので!本当に!」
太田止隆
:「先行の潜入員だな。いるだろうとは思っていた」
太田止隆
:「何でもない、とは?」
吉沢龍剣
:「はっは!あのスケベ野郎信用されてねェな」
咲玖夜
:「な、なんでもないのはなんでもないんです!」
茶川 閂
:「なんじゃそりゃ」ちょっと笑っている。
吉沢龍剣
:「いーんだよ、突っ込むんじゃねェ」
百代まりあ
:「?」小首を傾げる
太田止隆
:「……ああ」 なんとなく察する 「失礼。彼の素行については把握していたが、連想が及ばなかった」
咲玖夜
:「だから違うってばぁ~」
吉沢龍剣
:「んで、だ」
吉沢龍剣
:「いくらか隙を見つけて、こっちでも探りを入れといた」
吉沢龍剣
:「おら」
吉沢龍剣
:バサリと紙束を出す
茶川 閂
:「これは?」
吉沢龍剣
:「取引帳簿の一部だ、連中、神城と繋がってやがる」
太田止隆
:「それだけでは奇妙な話じゃない。コングロマリットと関わりを持っているだけならば……だが」
太田止隆
:「物次第だな」
百代まりあ
:「神城……あの、コマーシャルでよく見る?」ペラペラと捲りながら
吉沢龍剣
:頷く
吉沢龍剣
:「奴らが提供を受けてんのは、レネゲイドアイテムだ」
吉沢龍剣
:「しかも随分妙な類のな」
茶川 閂
:「妙なもの?」
吉沢龍剣
:「時計、だとよ」
太田止隆
:「時計?」
百代まりあ
:「……妙な時計……」
百代まりあ
:『記憶の固執』を想像している
吉沢龍剣
:「エンジェルハイロウシンドロームに関わる技術で精製された」
吉沢龍剣
:「300億年1秒誤差の代物だとよ」
百代まりあ
:「それは……」
百代まりあ
:「べんりね」
百代まりあ
:「待ち合わせの時間を絶対に間違わずに済むわ」
吉沢龍剣
:「300億年生きるんならな」
吉沢龍剣
:「何の必要があって、そんなモンに大枚はたくのかは意味不明だが」
茶川 閂
:「そりゃすげぇ。とはいえ、宇宙を観測するならそれくらいは必要なのかもしれませんね」
吉沢龍剣
:「宇宙?」
吉沢龍剣
:「なんか心当たりでもあんのか」
茶川 閂
:「こっちは神城グループ傘下だった会社が、”リベレーターズ”に買収されているのを確認しました」
茶川 閂
:「こっちで確認した会社は航空機に関するモノでした。ひいては宇宙関連の」
吉沢龍剣
:「へェ、上等じゃねえか」
吉沢龍剣
:「宇宙物理学ってのの実験にでも使うのか?門外漢だからわからねーがな」
茶川 閂
:「『やたがらす』も手掛けた確かな技術力です。5年以内に民間人も宇宙に行く、ってのは本気かもしれませんね」
茶川 閂
:「とはいえ、既に独立している会社でしたからね。神代にはもともと別の伝手があるんでしょう」
太田止隆
:「そちらも神城か。……『やたがらす』とは」
太田止隆
:「よくよくそんなものを手放したな、あちらも」
百代まりあ
:「やたがらす……?」
吉沢龍剣
:「話に聞いたことはある、人工衛星だかなんだかだろ」
咲玖夜
:「『やたがらす』……国際宇宙ステーションですね」
吉沢龍剣
:「そいつだ」
太田止隆
:「そして、UGN支部でもある。当然、最新鋭の宇宙技術が詰まっているということになる」
咲玖夜
:「あくまで、『やたがらす』そのものではなくて」
咲玖夜
:「そこの設備や、指揮下の衛星を使って実験を行う権利を持っている。ということみたいです」
茶川 閂
:「おっと、補足ありがとうな。どうもそういうことみたいです」
太田止隆
:「あとはそこに噛むだけの技術力もだな。……やはり宇宙進出の意志は本物か」
百代まりあ
:「ふーむ」
百代まりあ
:「……でも、オーヴァードに関わる会社であることも、宇宙開発をしていることも」
百代まりあ
:「元々わかっていたことよね」
吉沢龍剣
:「そォさな、裏が取れたってだけだ」
百代まりあ
:「これだけではまだ、怪しいとはいえないわ」
太田止隆
:「解像度を上げることも肝要だ。こちらからも一つ」
太田止隆
:「『イベントホライズンテレスコープ』というのがある。簡単に言うと、世界中で協力して、宇宙の果ての果てまで観測しようという計画だ」
太田止隆
:「『リベレーターズ』がそれに直接関与している形跡はなかったが、どうもこれに協力している各地の施設……天文台に人を派遣しているらしい」
茶川 閂
:「ああ~、前に授業で先生が喋ってた気がします」
百代まりあ
:「いべ……ほら……」
百代まりあ
:「……楽しそうね」ぼんやりとした理解
茶川 閂
:「……しかし、ちょっと引っ掛かりますね」
吉沢龍剣
:「引っかかる?」
茶川 閂
:「素人考えですけど。よりにもよって、なんで最初にすることが『観測』なんですか?」
茶川 閂
:「太田さん。『イベントホライズンテレスコープ』って、なにを見るプロジェクトなんでしたっけ」
太田止隆
:「命題として掲げられているのは、『銀河の中心にある巨大ブラックホール』だな」
太田止隆
:「もちろん、その過程でかかるものもあるだろうが……」
茶川 閂
:「……それ、月への宇宙遊覧飛行にどこまで関係あるんでしょうね」
吉沢龍剣
:「確かに、どォにも動きはチグハグだな」
咲玖夜
:「関係……なさそうですね。月を見るのにそんなすごい望遠鏡いらないし」
百代まりあ
:「ただ宇宙が好きなのではなくて?」
百代まりあ
:「きっと見たいのよ、ブラックホールが」
太田止隆
:「そうだな。ブラックホールが見たいのは間違いないだろう」
太田止隆
:「極めた技術を権威とする考えも否定するではないが……」
茶川 閂
:「個人的には、曲がりなりにも企業なら採算を取れるよう宇宙船の試作に比重を傾ける気がするんですよね…」
太田止隆
:「……そうだな。その辺りをもう少し探れると良いかもしれない」
太田止隆
:「目的は本当に、月かどうか」
咲玖夜
:「はい。今日一日では、そこまで深い階層の情報は探れていないはずです」
百代まりあ
:「えっ……」
百代まりあ
:「行かないの?月……」
咲玖夜
:「根気よく見極めましょう……え?」
吉沢龍剣
:「てめーは行きてェのか?」
百代まりあ
:「ええ。月に行けると聞いて、楽しみにしていたのだけれど……」
咲玖夜
:「そ、そこもほら、ね?まだ決まったわけじゃないし……」
茶川 閂
:「いや、よしんば行けても今すぐではないんじゃないかな……」
吉沢龍剣
:「だったら余計に気合い入れて調べるんだな」
百代まりあ
:「白銀さんも言っていたわ」
百代まりあ
:「人々の道標になりたいという気持ちで、『リベレーターズ』を設立したと……」
百代まりあ
:「……嘘なのかしら……」
太田止隆
:ふ、と息を吐き 「行けるようになった所で」
太田止隆
:「増えるだけだと思うがな。UGNとFHの戦場が」
百代まりあ
:「う、宇宙戦争……」
太田止隆
:「……目下の所は月面戦争くらいか」
吉沢龍剣
:「当分食いっぱぐれる心配はなさそうだな、アタシらも」
百代まりあ
:「……わたくし、頑張るわ」
百代まりあ
:ぐっと握りこぶしを作る。
百代まりあ
:「わたくしも必ず緑蘭に勝って、あの会社の秘密を解き明かしてみせるわ」
咲玖夜
:「緑蘭?」
太田止隆
:「……緑蘭に勝つ? “グローセ・ベーア”、それは?」
百代まりあ
:「モニタァのアルバイトで知り合った、オーヴァードの友達よ」
咲玖夜
:「ああ、あの褐色の……」
百代まりあ
:「緑蘭と対決して勝てば、わたくしはまた一つ大人の淑女への階段を登ることが出来るの」
百代まりあ
:三節棍を振り回す。
百代まりあ
:背中を強打する。
百代まりあ
:「うぎゅっ……」
茶川 閂
:「おいおい、大丈夫か!?」
吉沢龍剣
:「アホか」
咲玖夜
:「あわわわ……」
太田止隆
:「…………」
茶川 閂
:(後でどこで買ったか聞こ……)
吉沢龍剣
:呆れ顔で背中をさする
百代まりあ
:「へいきよ……」弱々しい顔。
太田止隆
:「……まあ、馴染んでいるようなら問題ない。次第によっては調査のために動いてもらうからな」
太田止隆
:「それまでは、怪我のないように」
百代まりあ
:「肝に銘じておくわ……」
吉沢龍剣
:「ちなみにどんな奴だ、そいつ」
吉沢龍剣
:「誰がどいつを探ってるのか覚えといた方が、連携も取れるだろうが」
百代まりあ
:「そうね……」
百代まりあ
:「わたくしと同じくらいの男の子で……」
百代まりあ
:「コーラの早飲みが得意なの」
百代まりあ
:「それと、カンフーが得意で、わたくしも教えてもらって……」
吉沢龍剣
:「写真とかねーの?」
吉沢龍剣
:「年頃の辺りでかなり興味が湧いた」
茶川 閂
:(まずい……! そうだった! この人は未成熟な少年に抗いがたい性的興奮を催すタイプ!!)
吉沢龍剣
:「ああん?なんだその目は茶川」
吉沢龍剣
:「人の情報収集に文句があんのかよ、オオン?」
太田止隆
:(男子の少年に特別な興味が……何か事情でもあるのか。いや、深入りするでもないな……)
茶川 閂
:「いやなんでも……効率的な作戦行動だと思います」
吉沢龍剣
:「だろぉ~~!」
百代まりあ
:「あるわ」端末を取り出し、ぽちぽちと操作する
吉沢龍剣
:「おっ!見せろ見せろ!……うおぉ!」
百代まりあ
:「これよ」元は緑蘭が撮ったと思しき写真。百代と二人で並んで写っている。
吉沢龍剣
:百代さんの端末を覗き込み
吉沢龍剣
:「カワイイじゃね~~~か!!」
吉沢龍剣
:「よし決めた」
吉沢龍剣
:「百代、チェンジだ」
吉沢龍剣
:「アタシがこいつを見張る」
百代まりあ
:「?」
百代まりあ
:「ちぇんじ?」
吉沢龍剣
:「警備はお前やれ」
百代まりあ
:「どうして?」
吉沢龍剣
:「どうしてって……決まってんだろぉ?」
吉沢龍剣
:「こういう美少年にはさぁ……熟練の大人のテクであれやこれやと探りを入れるのが」
吉沢龍剣
:「お決まりってモンだろうが!うへへへへ」
百代まりあ
:「そういうものなの?」きょとんとしている
吉沢龍剣
:「そういうモンだ」
太田止隆
:「……賞金稼ぎ」
太田止隆
:「今の段階で入れ替わるのは、いくらなんでも無理筋だ。どんな事情があるかは聞かないが——」
太田止隆
:「——いや」 首を振り
咲玖夜
:「はわわわわ……」口に手を当てて戦慄いている
茶川 閂
:「まま、保留でいいんじゃないですか?」
茶川 閂
:「百代さんが行き詰まりを感じたらってことで」
百代まりあ
:「けれどわたくし、緑蘭と約束したのよ」
百代まりあ
:「モニタァの試験期間中は、正々堂々勝負をすると」
百代まりあ
:「一度引き受けた勝負」
百代まりあ
:「逃げるわけには行かないわ」
太田止隆
:「ああ。“グローセ・ベーア”。その……そいつの言葉は無視して良い。引き続き、その少年とも仲良くしつつ、馴染んでくれ」
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:百代さんの目を見て
吉沢龍剣
:「ふーん」
吉沢龍剣
:「なるほど、根性あるやつは好きだぜ」
吉沢龍剣
:「美少年の次に」
百代まりあ
:「? ええ、頑張るわ」二人に頷く
吉沢龍剣
:「勝てそうに無かったら代わってやるから」
吉沢龍剣
:「忘れんなよ?」
百代まりあ
:「必ず勝つわ」
百代まりあ
:「見ていて頂戴、龍剣」
吉沢龍剣
:「はっは!見といてやる」
茶川 閂
:(なんか、あんまり心配いらなかったかもな……吉沢さんだってプロの傭兵なんだし)
吉沢龍剣
:2人を見て
吉沢龍剣
:「冗談の一つも言えねー面子だな、もうちょっと肩の力抜けよ、な?」
吉沢龍剣
:百代さんを撫でつつ
茶川 閂
:「すいません……『マジかも』」と思っちゃって……」
太田止隆
:「今度から冗談を言う時は手を挙げながらにしてくれ。少なくともさっきの勢いは迫真だった」
吉沢龍剣
:「ははは!」
茶川 閂
:「……もし百代さんがいいって言ってたら」一応尋ねる。「本気でそのまま代わるつもりでした?」
吉沢龍剣
:「ンなわけねーだろ、マジ率でいうと8割5分くらいだ」
茶川 閂
:(やっぱり心配!!)
吉沢龍剣
:「殴り合いまでいってたら辞退してたわ」
吉沢龍剣
:かんらかんらと笑う
太田止隆
:「……今度から手を挙げずにしなかった発言は冗談と認めないからな」
百代まりあ
:「緑蘭に言っておきましょうか?」
百代まりあ
:「龍剣が会いたがっているって」
吉沢龍剣
:「おお、頼むわ」
百代まりあ
:「それなら、聞いておくわ」
百代まりあ
:「お友達が増えると、嬉しいものね」
吉沢龍剣
:「スタイル抜群の絶世美女がお近づきになりたいってよ」
吉沢龍剣
:「嬉しいと思うぜ~」
吉沢龍剣
:「百代と違っておっぱいもでけーし」
吉沢龍剣
:たゆんゆたゆんゆ
百代まりあ
:「わたくしは胸の大きさのことは気にしていなくてよ」
吉沢龍剣
:「ほんとかー?」
吉沢龍剣
:「あると便利だぜ、何かと」
百代まりあ
:「人の価値というものは、身体の特徴で決まるものではないわ」
百代まりあ
:「それに、わたくしはまだ伸び盛りだもの」
百代まりあ
:「いずれ龍剣より大きくなるわ」
吉沢龍剣
:「言うじゃねーか、自慢じゃねーがアタシより大きい奴は見たことねえ」
吉沢龍剣
:「こいつも勝負だな」
百代まりあ
:「ええ、負けないわ」
吉沢龍剣
:「小せえ胸張りやがって……」
吉沢龍剣
:「かわいいなーお前」
吉沢龍剣
:クスクス笑う
咲玖夜
:「(この人、女の子も……?)」
百代まりあ
:「ありがとう。龍剣もかわいいわよ」
吉沢龍剣
:「だろ?」
吉沢龍剣
:「んじゃ、カワイイコンビ結成で」
吉沢龍剣
:「冗談のわかんねー男どもの度肝抜いてやるとするか」
百代まりあ
:「ええ、爆誕ね」
百代まりあ
:「引っこ抜きまくるわ」
吉沢龍剣
:「抜け抜け、ぶっこ抜け」
太田止隆
:「……成果が出るなら何であれ、大いに期待するがね」 やれやれと首を振る
GM
:潜入初日の夜は更けていく。
GM
:粗方の打ち合わせを終えた君達は、各々慎重に自分の部屋に戻っていった。
リベレーターズ カフェテラス
GM
:営業を終えたカフェテラス。街を見渡せる席に一人座る男。
GM
:この会社のCEO、桐生嚆矢だ。
GM
:テーブルに置かれているのは、高級ワイン……ではなく
GM
:何処にでも売っているコーラだ。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「やっぱ何歳になっても美味いもんは美味いんだよな~」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「な、お前もそう思うだろ?」
太田止隆
:「どこかに高い酒でも置いていないのか?」
太田止隆
:「お前みたいな成金には、そっちの方が似合いそうなもんだが」
太田止隆
:テーブルを挟んだ椅子に無遠慮に座り、足を組む
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「いや酒はダメだわ。付き合い以外で飲む気にわなれねえ。苦いし」
太田止隆
:「ふ。俺もそう思うよ」
太田止隆
:「わざわざあんな味のものを飲んで、酩酊して隙を晒して」
太田止隆
:「気が知れないとはこのことだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「はは、お前は相変わらず余裕がねえなあ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「別に酔うだけならコーラでもできるぜ?」
太田止隆
:「炭酸ガスでか?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「場酔いだよ場酔い。そもそもオーヴァードにアルコールなんて大して効かねえだろ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「あいつらみんなノリで酔ってるんだよ」
太田止隆
:「俺にはノリでだってそう酔える気はせんよ」
太田止隆
:「今日もやおら、冗談の通じないだのからかいがいのないだの言われたい放題だ」
太田止隆
:「お前の言う通り。余裕がないのさ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「はは、そりゃお前の同僚も気の毒にな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「まあ、なにはともあれ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「またこうして会えたんだ。乾杯くらいは付き合えよ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:太田さんの前にコーラの瓶を置く
『氷』
:『そうそう、あんたはちょっとばかし姿勢を崩した方が色々良いに決まってるんだから』
太田止隆
:「…………」 ビンの表面に凍った水滴の囁きに眉をひそめつつ、それを潰すように瓶を手に取る
太田止隆
:「……初めてだな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ん?何が」
太田止隆
:「…………」 僅かに目を細める。秒未満で、現在判明している様々な事実が脳を過り
太田止隆
:「……こんな景色を飲みながら、こんな安いものを口にするのが、だ」
太田止隆
:栓抜きでフタを取る
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「か……」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「可愛くねえなあ~~~オイ!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:苦笑しながら新しい瓶の蓋を開ける
太田止隆
:「ねえよそんなもん」 笑う 「あってたまるか」
太田止隆
:ビンを軽く掲げ
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「はは、まぁいいや。変わってなくて嬉しいよ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:そこに勢いよく自分の瓶を近づけ
太田止隆
:「乾杯」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「かんぱ~~い!」ガチンと瓶を当てる。
太田止隆
:「ッ」 縁から少しコーラがこぼれて、また笑う 「やかましい奴」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:そのまま喉を鳴らして中身を一気に飲み干し
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「っか~~~!この一杯のために生きてんな!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:嬉しそうに笑う。
太田止隆
:手に溢れた分をそっと舐め、それからビンを傾け、ごくごくと喉に入れていく
太田止隆
:半分ほどで止めて、目を白黒させて 「……キッツいな。開けたばっかのは」
太田止隆
:「よく一気に行けるよ、お前」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「なんだよ。歯が溶けるってか?迷信だぞそれ」
太田止隆
:「違う、単純に……喉が」 軽く自分の首元を叩き 「痛い」
太田止隆
:それから勢いをつけて、残る半分を一気に流し込む
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ぶっ……ははは!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「なんだよそれ!お子様過ぎんだろ!ははは!」
太田止隆
:「はーっ……バカ、そんなに笑う奴がいるか、お前」
太田止隆
:「炭酸なんて好き好んで飲んじゃ……」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ははは!……はぁー……」
太田止隆
:「……ごェふっ」 口を押さえても聞こえるくらいのゲップをする
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「いや悪い悪い……って行儀悪!」
太田止隆
:「……悪い。でも生理現象だろ」
太田止隆
:「逆にどうしてお前は出ないんだ。あんな……めちゃくちゃにガスを出すものを飲んで」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「お前よくそんなんでお偉い連中の護衛とかやってこれたなぁおい。ははは」
太田止隆
:「コーラを飲みながら偉い連中の護衛をしたことはないからな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「こっちは鍛えてんだよ。飲み方から違うし、見えないところで出してんの」
太田止隆
:「ハッ。鍛えてやるのがコーラのゲップ隠しか」
太田止隆
:「社長様も苦労性だな、全く」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「まあ、色々大変だったのよ。社長ともなればさ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「…………」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……なあ止隆」
太田止隆
:「……うん?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「お前の方はどうだった?」
太田止隆
:「ここに座るまでの話か?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ああ。あの後さ、元気でやれてたのかな~ってな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「人並みに心配くらいはするさ。友達だからな」
太田止隆
:「……そうだな」 独特のビンで、街の光を透かしながら
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:足を組んで眼下の景色を眺めている。
太田止隆
:「実際、そう様変わりもしなかったよ。俺は俺のまま、俺としての性能を発揮して……」
太田止隆
:「……防衛戦。持久戦。本拠攻め。時間稼ぎ。一般市民の警護に、要人警護」
太田止隆
:「俺に向けて降ってくる仕事に対して、俺の能力を見せてやれば、大体のことは悪くなく転がっていった」
太田止隆
:「任務。そのための訓練。また任務。たまに怪我して治療休養して、また任務、訓練……一度だけ教導をしたこともあったが、ガラじゃなかったな」
太田止隆
:「ま、そんな感じだよ。俺はずっと、能力も、性格も変わらないままそれなりにやってきたんじゃないか」
『氷』
:『そうそう、コーラの一本も飲まずにね!』
『氷』
:『童貞卒業おめでとう!』
太田止隆
:「……やかましい幻覚も変わってない」 苦笑して
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「うへー。お前に教導されるチルドレンとかかなり気の毒だな……与儀より嫌かも」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……そか」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺もさ、まあ頭は良くないからそれなりに苦労はしたけど」
太田止隆
:「だろうな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「うっせえ。でも辛くはなかったよ。明日香や、皆がいたからな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……居なかったのは、お前だけだ」遠くを見つめながら
太田止隆
:「…………」 ビンの表面の柄を見ている
太田止隆
:「どうしてだろうな」
太田止隆
:「どうして俺はお前と一緒にいなかったんだろう」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「…………」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「………さあな。今更わかんねえよ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺たちはもうあの時の俺達じゃない。対して変わらないように見えてもな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……けどまあ!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:すっと立ち上がり、太田さんの横へ
太田止隆
:空き瓶をテーブルに起き、嚆矢を目で追う
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:がっしりと肩を組む
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「これからのことならわかるぜ。止隆」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺とお前が一緒なら、誰にも負けない」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……だろ?」にっ、と歯を剥いて笑う。
太田止隆
:少し笑って 「そいつは随分、景気の良い展望だな」
太田止隆
:「さすが新進気鋭のCEO様だ」
太田止隆
:「……ああ」
太田止隆
:「負けないよ、俺は。嚆矢と一緒なら」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「…………」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「へへ……そうだろ!たまには素直じゃねえか」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:すっと身体を離し
太田止隆
:「ま、何と戦うかは知ったこっちゃないがな。"解放者"サマが」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「耳の痛えこと言うなよ……まあ安心しな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「昔みたいな馬鹿はやらないさ」
太田止隆
:「……ッ……」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「それでも、俺達はいつだって」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「虐げられた奴らの"解放者"であり続ける。ずっとな」
太田止隆
:「……それはいい」
太田止隆
:「戦い甲斐があるよ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:ふっ、と懐かしそうに笑って
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ああ、楽しみにしてるよ」
太田止隆
:新たなコーラを取り、栓だけ開けて立ち上がる
太田止隆
:「そろそろ休む。これは貰ってくぜ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「好きにしな。どうせ蛇口から湧くほどあるんだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「おやすみ止隆。また明日な」
太田止隆
:「ああ。……俺のために炭酸のない蛇口も検討してくれよ」
太田止隆
:「オレンジジュースで良いからよ」 瓶を揺らすように振りながら、彼に背を向けて去っていく
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ばーか。愛媛にでも行ってろ」その背に向けて軽口を叩く
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「…………」その後姿が消えるまで見送り
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「さて、もう一杯やるかな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:次の瓶を取りにバーへ向かっていった。
---
太田止隆
:「…………」
太田止隆
:カフェテリアを背に歩き去るその表情は、暗く冷たい。
太田止隆
:(……話していて分かる。あいつは間違いなく嚆矢だ)
『炎』
:『でも、あなたの知ってる嚆矢じゃないんでしょ?』
太田止隆
:(そうだ。それに、だとしたら……あいつが『勝って』いるのだとしたら……)
『炎』
:『気になることは聞いちゃえば良いんじゃない?』
『炎』
:『夜、眠れるの?』
太田止隆
:「……任務に支障をきたす」
太田止隆
:知れず、肉声で幻覚に応じてしまった自分が苛立たしく、誤魔化すようにコーラを喉へ注ぎ込む。
太田止隆
:「…………」
太田止隆
:「ごふっ」
太田止隆
:甘く刺々しいその液体には、まだ慣れられそうにない。
GM
:ロイス、購入が可能!
GM
:百代さんはサバギフカードで財産点+3できるよ
百代まりあ
:やったわ
太田止隆
:ロイスは特になし。購入は~
太田止隆
:もう一個応急手当確保しとくか
太田止隆
:2dx+1=>8
DoubleCross : (2R10+1[10]>=8) → 4[1,4]+1 → 5 → 失敗
太田止隆
:コーラこぼして失敗! 以上!
茶川 閂
:先に購入! 応急手当かな
茶川 閂
:1dx+2
DoubleCross : (1R10+2[10]) → 3[3]+2 → 5
茶川 閂
:はずれ~
茶川 閂
:ロイス保留で!
吉沢龍剣
:どうしよっかな~
百代まりあ
:2DX>=8 応急手当キット
DoubleCross : (2R10[10]>=8) → 10[9,10]+10[10]+5[5] → 25 → 成功
百代まりあ
:ええ……
GM
:ワオ……
百代まりあ
:高級キット確保してロイス特になし!以上!
吉沢龍剣
:ボデマ狙っとこ
吉沢龍剣
:2dx+4
DoubleCross : (2R10+4[10]) → 4[1,4]+4 → 8
吉沢龍剣
:ダメ!以上!
GM
:ではシーン終了!
茶川 閂
:以上!
GM
:本日はここまで!お疲れさまでした!
吉沢龍剣
:お疲れ様でしたー!
茶川 閂
:おつかれさまでした!
太田止隆
:お疲れ様でした!
百代まりあ
:お疲れさまでした!
【Middle3:「逃げ場がねーなら、やるしかねーわな」】
GM
:ミドル3 情報収集2
GM
:シーンプレイヤーは吉沢さん。ほか登場自由!
茶川 閂
:当然出る!
茶川 閂
:1d10+59
DoubleCross : (1D10+59) → 1[1]+59 → 60
百代まりあ
:66+1D10
DoubleCross : (66+1D10) → 66+6[6] → 72
吉沢龍剣
:1d10+51
DoubleCross : (1D10+51) → 9[9]+51 → 60
吉沢龍剣
:たかい!
GM
:コワイ…
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+9(1d10->9)した (侵蝕率:49->58)
GM
:みんなどうした……
GM
:只今の情報項目はこちら
■情報収集
・開発資料を調べる②〈知識:レネゲイド〉〈情報:UGN〉〈情報:FH〉難易度9
・開発資料を調べる③〈知識:レネゲイド〉〈情報:UGN〉〈情報:FH〉難易度11
・調達履歴を調べる②〈調達〉〈情報:UGN〉〈情報:FH〉難易度8
GM
:おや?なんだか不穏な技能が混じっていますね
吉沢龍剣
:おやおやおやおや
吉沢龍剣
:まりあはかわいいですね
百代まりあ
:んなぁ……
GM
:開発資料②、③はどちらから先に開けても構いません。
吉沢龍剣
:オッケェイ!
GM
:そして絆上げの方は
■絆を深める
判定者が対象にロイスを所得している場合、判定達成値にボーナス加算
・桐生嚆矢(0/8)〈白兵〉 難易度12 ロイスボーナス+5 最大達成値50
・白銀明日香(0/4)〈RC〉〈知識:レネゲイド〉 難易度7 ロイスボーナス+1 最大達成値30
・胡緑蘭(2/6)〈RC〉〈芸術:早飲み〉 難易度9 ロイスボーナス+3 最大達成値40
・咲玖夜(0/3)〈白兵〉〈意思〉 難易度8 ロイスボーナス+4 最大達成値20
GM
:咲玖夜が追加されてます。
茶川 閂
:ヤッターーー!!
GM
:それでは各々どれか一つを選んで判定してください。
百代まりあ
:フラグが立った
吉沢龍剣
:じゃあ引き続き調達!
吉沢龍剣
:履歴を調べるぜ!
吉沢龍剣
:3dx+4
DoubleCross : (3R10+4[10]) → 6[4,5,6]+4 → 10
吉沢龍剣
:あぶなげなく!
GM
:キャリアウーマン吉沢
茶川 閂
:これはおそらく、わたしが開発資料にレネゲイドで行った方がいいかな?
GM
:難易度高いなーと感じたら
GM
:遺産を使うか
茶川 閂
:そうそう、遺産もある!
百代まりあ
:そうだ遺産があった
GM
:白銀のプライズを開けるといいことがあるかも知れません
百代まりあ
:どうしよかな~
百代まりあ
:とりあえず遺産無しで開発資料を調べる②いこうかな
茶川 閂
:あっどうぞ!
百代まりあ
:4DX+3>=9 コネUGN幹部使用
DoubleCross : (4R10+3[10]>=9) → 10[4,5,9,10]+9[9]+3 → 22 → 成功
茶川 閂
:すごさ!
百代まりあ
:ちょろいわ
GM
:どんなコネを使ったのかな…
百代まりあ
:梁田支部長は子供がお好きだから援護の風ウィンドブレスを使ってくれるわ
茶川 閂
:最強だ
GM
:すごい風だ
吉沢龍剣
:使うでしょうね
吉沢龍剣
:多分お手製の「潜入のしおり」を持たせるくらいはしている
茶川 閂
:うん、せっかくだから遺産使いたいな。開発3行ってみよう
GM
:ヨシ!ダイスを+3せよ!
茶川 閂
:遺産を使って知識:レネゲイドで判定! ダイスボーナス込みで8D!
茶川 閂
:8dx+2>=11
DoubleCross : (8R10+2[10]>=11) → 8[1,1,3,4,5,7,8,8]+2 → 10 → 失敗
GM
:おやおや
茶川 閂
:財産一点消費で成功!
GM
:ちっ……やるじゃないの
GM
:では、先に情報項目を開示していきます。
・調達履歴を調べる②
『調達履歴'〇〇.03.20:エンプティ・ハート』
取引先:
"コピーキャット"
セル
崩落戦実行セルの一つ"ツィーザー"が作り上げたアーティファクト。
オーヴァードと一体化することで、その本体を中心として同シンドロームのオーヴァード同士の力を統合する機能を持ち、
装着者はS級ジャーム並のレネゲイド出力を単独で運用することも可能となる。
レネゲイドを吸収された側は一時的にエフェクト等の能力の出力低下、或いは喪失状態となることが確認されている。
今回取引されたのは"ツィーザー"製のオリジナルではなく、派生研究セル"コピーキャット"が製造した複製改良品。
従来のエンプティ・ハートは一度起動すると指定したシンドロームのレネゲイドを無差別に吸収していたが
この複製品は専用の受信機を装着した者に限定して効果を及ぼすように改造されている。
百代まりあ
:ウギャーーーーーーーッッ
吉沢龍剣
:ゲェーッ
吉沢龍剣
:邪悪元気玉まだあったのかよ!
茶川 閂
:コラッ!!
GM
:つまり、ハンドキャップド・オーヴァードが付けていたのがエンプティ・ハートの受信機ですね
GM
:続いて開発資料
・開発資料を調べる②
『研究論文:位相の重ね合わせ環境における同位体衝突実験』
オルクスシンドロームの発見当初に行われた能力実証実験の一つ。
特に一部のオルクス/バロール能力者が行う次元跳躍、次元干渉のメカニズムに切り込んだものとしては一級の資料である。
別名『ドッペルゲンガー実験』『スワンプマン実験』とも称され、別次元の同一人物が同じ次元に集まった場合の挙動について詳細なデータが記されている。
実験にはジャーム級のレネゲイド出力を要するため常に暴走の危険を孕んでおり、実際に数名の被験者が文字通り存在を"抹消"されている。
その危険性及び非人道的性質から、現在のUGNでは再現実験そのものが禁止されている。
・開発資料を調べる③
『研究論文:極小太陽系モデルを用いたディメンジョンゲートの原理と最大有効距離に関する考察』
13地区の地下に潜伏していた旧日本軍残党の研究者が残した実験レポート。
大戦時に日本がアメリカから奪取したアーティファクト
『ローディーズ・ドア』
の運用を模索する過程で
同系統の能力である『ディメンジョンゲート』による実証試験を行っていたと考えられる。
極小太陽系モデルとはオルクス/ノイマン能力で宇宙の物理法則を縮小再現したミニチュアであり
これを用いてレネゲイド能力による空間転移の限界距離を検証するのがこの実験の趣旨だったようだ。
GM
:上記の2つがわかります。
GM
:この開発資料②、③については、もう少し詳しく内容について言及したテキストがあるのですが
GM
:ここで貼ると長くなるので
GM
:共有シーンでみんな一緒に中身を見るという体で
GM
:内容を抜粋したものを挿入させて頂きます
百代まりあ
:理を解!
太田止隆
:絆を深める:桐生嚆矢 で、白兵なんで
太田止隆
:《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》で振ります
太田止隆
:ボーナスは倍になって+10!
太田止隆
:8dx8+10
DoubleCross : (8R10+10[8]) → 10[1,2,2,5,6,9,10,10]+10[3,4,8]+10[8]+1[1]+10 → 41
太田止隆
:フー……
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+4した (侵蝕率:58->62)
GM
:さすが親友
GM
:ではプライズを開きます
■桐生嚆矢:好感度2/8
・SavannahギフトカードNEO
WEBマーケットサイト『Savannah』で使用できる電子マネー。少しだけ容量が多い。
使用者の財産点に+8する。この財産点は購入フェイズでのみ使用できる。
■桐生嚆矢:好感度4/8
・鉄壁のガードマン
君は警護任務を通じて往時の勘を取り戻しつつある。
判定者が戦闘時にガードを行った際のガード値を+4する。
GM
:プライズ5/8ではここまでとなります
太田止隆
:す、すごいありがたい……!
太田止隆
:お前と親友で良かったよ……(現金)
GM
:パッシブ効果は共有メモに追加していきますのでわからなくなったら見てください
太田止隆
:自前でも見られるようにするぜ~
GM
:それでは情報を共有していきましょう!
リベレーターズ 警備員詰所
GM
:2日目の潜入捜査を終えた君たちは
GM
:再びお互いの集めた情報を共有するべく、警備計画の打合せを装って集合していた。
吉沢龍剣
:「キナ臭ぇと思って、もういっぺん帳簿を洗い直してみたが」
吉沢龍剣
:「臭ぇどころじゃねえな、真っ黒だ」
吉沢龍剣
:「FHから品を引き取ってやがる」
百代まりあ
:「ええっ……」
太田止隆
:「FHか……」 聞きの姿勢である。今回、こちらはこの場を作るための下準備に手を割いているため、情報的には手ぶらだ
茶川 閂
:「そいつは面倒なことになってきましたね」頭を掻きつつ。「どんな品を?」
百代まりあ
:「い、一体何を……?宇宙開発の何か……?」
吉沢龍剣
:「”コピーキャット”セルの”エンプティ・ハート”」
吉沢龍剣
:「同じシンドロームのオーヴァードの力を統合する人造遺産だとよ」
咲玖夜
:「人造……遺産」
百代まりあ
:「こぴ……きゃ……?」
百代まりあ
:「……危ないものなの?」
吉沢龍剣
:「ジャームを超えた力を一個人に注ぎ込む事もできるっつゥ謳い文句のシロモンだ」
百代まりあ
:「……!」
太田止隆
:「危険な技術研究セルだったな。そんな所が生産した品を……」
茶川 閂
:「それ、この会社がどう使うんですか? あくどい使い道がいくらでもあるんだろうなってことは何となくわかりますが」
吉沢龍剣
:「どう使おうが勝手だが、推定無罪ってわけにはいかねーだろ」
吉沢龍剣
:「いや、アタシは構わねーけど」
吉沢龍剣
:「UGNとしちゃどうなんだよ、それがこんな場所にあるっつーのは」
吉沢龍剣
:「後の判断はそっちに任せるぜ」
吉沢龍剣
:「脅威としてどう評価すんのか、それこそてめーらの領分だろ?」
茶川 閂
:「そりゃ当然ダメですよ」
太田止隆
:「看過されるべきではないな。それだけである程度の規模のガサ入れに持ち込めるだろう」
太田止隆
:「……とはいえ、それだけだと少々根回しも必要になるか。もう少し材料があればやりやすい」
茶川 閂
:「ちなみに、力を統合するために取られた方ってどうなるんです?」
茶川 閂
:「しわしわのミイラになって死ぬ、なんて言われても納得ですよ」
吉沢龍剣
:「能力の出力低下、あるいは喪失状態となる、だとよ」
吉沢龍剣
:「でもって」
吉沢龍剣
:「能力の送受信には『アンテナ』がいるらしい」
咲玖夜
:「アンテナ?それって……」
吉沢龍剣
:「身に付けれるサイズの機械だ。連中が既にこいつを使う算段を練ってんなら」
吉沢龍剣
:「アタシたちがどこかしらで見かけててもおかしくねーだろ」
百代まりあ
:「出力低下……アンテナ……」
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:「あっ!」
百代まりあ
:立ち上がろうとして、足を机に打ち付ける。
吉沢龍剣
:「ビンゴ……らしいな」
百代まりあ
:「……!」
吉沢龍剣
:「締まりはねえが」
吉沢龍剣
:百代さんの方を見る
百代まりあ
:「あったわ!それ!」
吉沢龍剣
:「話せ」
吉沢龍剣
:「どんなブツだ?」
百代まりあ
:「ここのモニタァのアルバイトで、腕時計のようなものを着けさせられて……」
百代まりあ
:「それをオンにすると、こう……」
百代まりあ
:「げっそりしたわ」
吉沢龍剣
:「時計だぁ?……。」
吉沢龍剣
:「神城から仕入れた品も時計」
吉沢龍剣
:「わざわざアンテナをそんなモンに仕込んでんのは、偶然か……?」
茶川 閂
:「ドンピシャじゃねーか。げっそりだけで済んだのか? ホントに大丈夫か?」
百代まりあ
:「わたくしは平気よ」
百代まりあ
:「……でもあれは、過剰なレネゲイド出力で被害を受けている人たちの為の道具だって……」
吉沢龍剣
:「口だけならどーとでも言えるだろうが」
百代まりあ
:「出力を安定させることで、実際に元気になっている人たちも見たわ」
太田止隆
:「実際、そのような効能もあるんだろうな。レネゲイドの力を奪うということであれば」
茶川 閂
:「ターゲットにされてる集団がすでにいる、ってことか……」
百代まりあ
:「…………」
吉沢龍剣
:「FHと取引してる連中に、今更良心なんか期待してんじゃねェ」
太田止隆
:「だが、何が目的かという話だ」
百代まりあ
:「で、でも、どうして」
百代まりあ
:「何の為にそんなものを……」言いかけて、
百代まりあ
:はっと気づいたように、自身が持ち込んだ資料に目を落とす。
百代まりあ
:「…………」
咲玖夜
:「まりあちゃん、どうかしたの?」
太田止隆
:「気にかかることが?」
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:「……この会社にあった、開発資料のひとつなのだけれど……」
百代まりあ
:紙束を広げる。
百代まりあ
:「だいぶ昔の論文なの」
吉沢龍剣
:「うわっ」
吉沢龍剣
:「字がめちゃくちゃ書いてやがる」
吉沢龍剣
:「アタシはパスな、ンなもん読んでられるか」
百代まりあ
:「わたくしは頑張って読んでみたわ」
吉沢龍剣
:「根性あんなおめー」
吉沢龍剣
:「意味分かったのかよ?」
太田止隆
:「説明してみてくれ。分かるところからで良い」
百代まりあ
:「オルクスの力が、シンドロームとして定義されたての頃の実験のようだわ」
百代まりあ
:「オルクスの皆さんは、こう……」
茶川 閂
:言葉を聞きながら論文を覗きこむ。
百代まりあ
:「シュッて移動したり、何か……ぶわーってすごいことをしたりするわよね」
茶川 閂
:「確かにオルクスって、そうとしか言いようがないよなぁ」シュッとして、ぶわーっ。
百代まりあ
:「これは、その辺りの能力の仕組みに関わる実験よ」
太田止隆
:「"領域"による作用は多岐に渡るが、傾向としては『場所』と『ベクトル』に強く関連するものが多い。……それで?」
百代まりあ
:「具体的には、別の世界にいる同じ人が、同じ場所に集まった時、どうなるのか……についての実験のようだわ」
百代まりあ
:「最初はよくわからなかったけど、この前の止隆の、ソファの話を思い出して」
百代まりあ
:「何となくわかったわ」
百代まりあ
:「つまり、ソファをよそから沢山持ってきて、並べる実験ね」
太田止隆
:「オルクス能力と多元宇宙論の関連研究か……大それたものが来たな」
茶川 閂
:「しかも、同じ大きさと重さのソファを同じ場所に置こうとするわけだ」
茶川 閂
:「そりゃ当然、めちゃくちゃなことになる……」
吉沢龍剣
:「具体的にどうなるっつってんだ、そいつは」
百代まりあ
:「具体的には……」
百代まりあ
:「……」神妙な顔
吉沢龍剣
:「ハッキリ言え」
吉沢龍剣
:「そこか肝心だろうが」
百代まりあ
:「あ、危ない感じに……」よく分かっていない
GM
:文中には、以下のように記述されている。
GM
:記述者は———"アラボト"セル 主任研究員 ■■■■
GM
:……名前は破損して判別できない。
---
"主任"
:『位相の重ね合わせ環境における同位体衝突実験』
"主任"
:『———このように、通常は同一世界線上において複数の同一人物が並存することは不可能である』
"主任"
:『存命人物の同位体が平行世界から来訪した場合、その多くは数時間~数日の間に世界からはじき出され消滅する』
"主任"
:『ただし、この同位体がこの世界の本人と寸分違わぬ時間軸、空間座標に転移した場合はその挙動が異なる』
"主任"
:『同一座標上で同位体同士が衝突した場合、真上から落としたビー玉が元々在ったビー玉をはじき出すように二人は"入れ替わる"のである』
"主任"
:『元々この世界で生まれ育った人物は一つ下の位相〈レイヤー〉に放逐され、転移してきた人物がこの世界に定着する』
"主任"
:『やがてこの人物を楔として、2つの世界はより複雑に融合していく。これは非常に興味深い現象である。』
"主任"
:『とはいえ、このような現象を引き起こせる環境はあまりにも限られている。この狭い実験室の中ですら、位相の重ね合わせ状態を3日以上維持することはできない』
"主任"
:『やはり均質なサンプルを揃えるだけであればクローニングで事足りる。"アラボト"は本件からは手を引くが、このレポートが後に続く者の助けとなることを祈る』
"主任"
:
"主任"
:『補記』
"主任"
:『この重ね合わせ状態を解決する方法は単純である。入れ替わった側を排除すれば良い』
"主任"
:『メモ帳を一枚めくれば、全ては元通りだ』
"主任"
:『無論、何事にも手遅れというものはあるが……』
---
吉沢龍剣
:「要はソファを並べようとしても前にあったソファは消えちまうが」
吉沢龍剣
:「そいつを置いておくだけで、館の方が別のモンと混じり合っていく、そんな所か」
茶川 閂
:「まさしく今のこの街と、このビルってわけか……」
百代まりあ
:「……この実験には大きな出力が必要になる関係で、不安定で危険だから、UGNでは禁止されているそうよ」
百代まりあ
:「でも、多分、」
百代まりあ
:「禁止されたのは、もっと重要な理由があって……」
百代まりあ
:「…………」黙り込む。
太田止隆
:「"グローセ・ベーア"」 促す
茶川 閂
:「太田さん、だいたい予想はつくでしょう。わざわざ言わせなくても……」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「……この実験に、被験者として参加したらしい人たちの」
百代まりあ
:「その後の消息が、分からないの」
百代まりあ
:「……いえ、もしかしたら」
百代まりあ
:「この実験に参加していた、ということすら」
百代まりあ
:「忘れられて……消えてしまった人たちが、もっと沢山、いるのかもしれない……」
吉沢龍剣
:「ただおっ死ぬだけで済まねえわけか」
太田止隆
:「『手遅れ』になったわけだな」
茶川 閂
:当然だ。この実験が、再現性のある結果として論文になっている以上……多くの非検体が犠牲になっているだろう。
吉沢龍剣
:「胸糞の悪い話だ」
百代まりあ
:「…………」
吉沢龍剣
:「だが、そんなことをてめーが気に病んでどうする」
吉沢龍剣
:「忘れられようが消えようが」
吉沢龍剣
:「どのみち死んだ連中はそれっきりだ、その先なんてねェよ」
吉沢龍剣
:「第一」
吉沢龍剣
:「実験だのなんだので何も知らね—奴らが食い物にされてんのも」
吉沢龍剣
:「どこにでも転がってる話だろうが、違うか?」
吉沢龍剣
:百代さんの目を覗き込む
百代まりあ
:「そうよ」
百代まりあ
:「でも、いくら戻らない、どうしようもない事だろうと」
百代まりあ
:「それを悼むことには、確かに意味はあるわ」
百代まりあ
:「……それに」
百代まりあ
:「わたくしが今、何より気にしているのは、これからのことよ」
吉沢龍剣
:「なら言ってみろ」
吉沢龍剣
:「お前は、アタシらはどうするべきだ?」
百代まりあ
:「この実験を行うには、大きなレネゲイド出力が必要になる……」
百代まりあ
:「さっきの龍剣のお話と、繋がるとは思えなくて?」
百代まりあ
:「もしももう一度、誰かがそんな行いを成そうとしているのなら……」
百代まりあ
:「絶対に止めなくてはいけないわ」
吉沢龍剣
:「……分かってんじゃねえか」
吉沢龍剣
:にやりと笑って
吉沢龍剣
:「どのみち話の規模がデカ過ぎんだ」
吉沢龍剣
:「逃げ場がね—なら、やるしかねーわな」
茶川 閂
:「じゃあここで、こっちからも一つ資料を提出します」
吉沢龍剣
:「ほーん」
茶川 閂
:「恐らくこっちの世界に、百代ちゃんが見つけた論文の方法で今の桐生は来たんでしょう」
茶川 閂
:「では、来て、彼らはここで何をしようとしているのか? そっちに迫れる研究資料だと思っています……」
茶川 閂
:バサッと紙束を取り出す。
太田止隆
:「真実、『目的』の方か」
茶川 閂
:「『極小太陽系モデルを用いたディメンジョンゲートの原理と最大有効距離に関する考察』」
茶川 閂
:「極小太陽系モデルってのはその名の通り、すげーっちっちゃい太陽系みたいなもんです。オルクスとノイマンの能力で、物理法則まで再現されたね」
百代まりあ
:「よくわからないけれど……そんなことが出来るのね」
太田止隆
:「ノイマンの演算能力が極まれば、なるほど不可能ではない……かもしれないが」 眉をひそめる。それでも信じがたい領域だ
咲玖夜
:「極しょあいたっ」噛んだ
茶川 閂
:「ンフッ」
茶川 閂
:「フーっ……ああ、できたらしい」
咲玖夜
:「わ、笑うな~!」茶川くんの肩をバシンと叩く
茶川 閂
:「そんじゃあそれで何を調べようとしたかというと、空間転移の限界距離……いて、いてて!」
茶川 閂
:「つまり、バロールのワープみたいなのは実際どこまで行けるんだ? ってのを調べようとしたらしいんです」
咲玖夜
:「幾つか似たような演算実験を行っていたセルの話は耳にしたことがあります」
咲玖夜
:「確か先日討伐された……
"アカーシャ"
とか言ったかな」
茶川 閂
:「その最終目的は、とんでもない空間移動ができるEXレネゲイド、『ローディーズドア』の運用法の模索だったそうですが……」
咲玖夜
:「これもFHの研究ってこと?」
茶川 閂
:「いや、これはどうも旧日本軍の残党が残したもんを引っ張り出して来たらしい」
茶川 閂
:「そもそもこの『ローディーズドア』なんてけったいな道具…アーティファクト、なんて呼ばれてるらしいんだけど…も」
茶川 閂
:「昔の日本軍がアメリカからぶん捕って来たんだとさ」
太田止隆
:「……旧日本軍か」 苦み走る顔
茶川 閂
:「?」太田さんの表情に首を傾げつつ、「と、ちょっと大雑把になっちゃいましたね。もうちょっと詳しく読んでみましょうか」
百代まりあ
:「ええ、わたくしも気になるわ」
百代まりあ
:「結局どこまで行けたのかしら……」
吉沢龍剣
:「あいも変わらず取り留めのねェ話だ」
吉沢龍剣
:「この状況自体が誰かしらに仕込まれたモンだとして」
吉沢龍剣
:「そいつはなんなんだ?歪めてェのか、壊してぇのか」
吉沢龍剣
:「動きたくねぇのか、遠くに行きてぇのか」
太田止隆
:「それを割り出すための情報合わせだ」
GM
:文中には、以下のように記述されている
GM
:記述者は———大日本帝国陸軍 特務技術大尉 大都佐苗
---
大都佐苗
:『極小太陽系モデルを用いたディメンジョンゲートの原理と最大有効距離に関する考察』
大都佐苗
:『一般に、ディメンジョンゲートは術者が実際に訪れたことがない場所へはゲートを繋げることができないとされる』
大都佐苗
:『しかしこれは厳密には正しくない表現である。重要なのは使用者が転移先の座標を実感として正しく認識することにある』
大都佐苗
:『バロールシンドロームの超重力球が魔眼と称されるのは、決して伊達や酔狂から来るものではない』
大都佐苗
:『バロールが操る重力は哲学的重力であり、それは時に万有引力の法則を超越するからである』
大都佐苗
:『有り体に言えば、互いに観測し合う二者間はより強い力で引き合うのだ』
大都佐苗
:『即ち、術者が充分な精度の観測能力を有し、さらに双方がレネゲイドの影響下にある場合、ディメンジョンゲートの有効距離は飛躍的に延長される』
大都佐苗
:『実験に於いては、地球~火星間のゲート接続が実証されている』
大都佐苗
:『但し、これはミニチュア環境化における上限設定を大きく逸脱した出力を注ぎ込んだ結果であり、現実的な条件ではないことに留意されたい』
大都佐苗
:『余談ではあるが、仮に何千、何万光年の彼方にゲートを繋げようとした場合、術者が観測するのは遥か太古から届く星の光である』
大都佐苗
:『その場合、バロールの魔眼は空間のみならず時間をも超越するか否か。机上ではあるが、理論に照らし合わせるなら"する"と述べる他ない』
大都佐苗
:『興味深くはあるが、その実証は他の者に任せるとしよう。我々は星に手を伸ばす必要はない』
大都佐苗
:『唯、生きてさえいれば———』
---
茶川 閂
:「ぼんやりと見えてくるものがあると思います」
太田止隆
:「…………」 腕を組んでいる
吉沢龍剣
:「イカれた野郎どもだな」
百代まりあ
:「火星まで行けたのね……」
吉沢龍剣
:「行ってどうすんだ」
吉沢龍剣
:「タコでも探すのか?」
百代まりあ
:「そうよ」
百代まりあ
:「お友達になれるかもしれないわ」
太田止隆
:「…………」 軽くこめかみを押さえる
茶川 閂
:「ストロンチウム光格子時計。300億年の誤差を1秒にまで修正する精密な時間の管理」
茶川 閂
:「エンプティ・ハートによって集まる大量のレネゲイド」
茶川 閂
:「あちらとこちらのものを、寸分たがわずに同期させて世界を渡らせる実験」
茶川 閂
:「そして、出力さえあれば宇宙規模で飛距離の伸びる転移……」
茶川 閂
:「宇宙ステーションなどのことも考えると、やはり何か」手をわちゃわちゃする。「宇宙ですっげーヤバいことしようとしてんじゃないすか?」
茶川 閂
:「多分」
咲玖夜
:「茶川くん、途中まではかっこよかったのに……」
茶川 閂
:「うっせ!」咲玖夜ちゃんに。
太田止隆
:「イベントホライズンテレスコープもだ。銀河の中心の巨大ブラックホールの観測」
百代まりあ
:「とにかく色々なことをして、宇宙に行こうとしているのは分かったわ」
百代まりあ
:「でも……何故?」
茶川 閂
:「でもそうですね。結局データだけを集めても、動機までは分からない」
吉沢龍剣
:「百代みてーに」
吉沢龍剣
:「どいつもこいつもタコとお友達になりてーなら」
吉沢龍剣
:「話は簡単だがな」
百代まりあ
:「確かに宇宙開発は人類の夢よ。素晴らしい目標だわ」
百代まりあ
:「でも、そんな危険や犠牲を払って、人の道を外れてまでするものではないはずよ」
百代まりあ
:「……やっぱり、火星人とお友達に……?地球侵略……?」
太田止隆
:視線を落とし 「『虐げられた奴らの"解放者"であり続ける』……」
太田止隆
:「あいつの言葉だ。この会社のCEOの、桐生嚆矢。それが虚飾でないのなら」
茶川 閂
:「……”リベレーターズ”ってわけですか」
太田止隆
:「銀河の中心のブラックホール……いや……」 暫し考えを巡らすが、首を振り
太田止隆
:「……ああ。この会社が、奴がそうあろうとしていることは、多分偽りではないだろうと思う」
太田止隆
:「だが、それだけでは確かな答えには至れないな」
茶川 閂
:「結局確かなのは、『故意で来た』ってことくらいなんじゃないですかね」
太田止隆
:「だな。だからこそ追うべきは『目的』だ。……多くの場合、手段を奪うよりも、それを止める方が話は早い」
咲玖夜
:「止める。それって、つまり……」
咲玖夜
:「………」言いにくそうに目をそらす
太田止隆
:「既にFHと取引し、研究成果に到ってはFHのみならず旧日本軍のものにまで手をつけている」
太田止隆
:「たとえ目的がどれほどに正当であっても、誤った過程は諌められなければならない」
百代まりあ
:「……でも」
百代まりあ
:じっと太田に目を向ける
百代まりあ
:「あなたのお友達でしょう?」
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:こちらも視線を送る
太田止隆
:「パーソナリティを相互によく知っているだけだ。……あるいは」
太田止隆
:「友であると言うなら、道を誤ろうとしている所こそ止めるべきだろう」
茶川 閂
:「太田さん……」
太田止隆
:目を閉じる 「これが初めてでもない」
百代まりあ
:「……そうね、その通りだわ」頷き
百代まりあ
:「強いのね、止隆は」
吉沢龍剣
:「つくづく素直じゃね—野郎だな」
吉沢龍剣
:「だが、後半は同意だ」
太田止隆
:「当然だ。俺は強い。……だが強いだけだ」
太田止隆
:「だったらせめて、この強さだけは貫く。気遣い、ありがとう。……無用だったがね」
太田止隆
:少しだけ笑う
百代まりあ
:「いい人でもあるわよ」
百代まりあ
:「わたくしでよろしければ、よしよしして差し上げるけれど、いかが?」
茶川 閂
:「役得じゃないですか」
太田止隆
:「それも無用だ。そんなの、されたこともないからな」
太田止隆
:「きっと無様を晒す。二日連続では避けたいところだ」
百代まりあ
:「そう……」少し残念そうに
吉沢龍剣
:「ふーん」
吉沢龍剣
:「いいや、百代。尚の事やる価値出てきたぜ」
百代まりあ
:「?」
吉沢龍剣
:「今度は断りとかいれずに不意打ちでやってやれ」
吉沢龍剣
:コソコソ
百代まりあ
:「でも、嫌がっているわ」小声
吉沢龍剣
:「ばーか、こういうのこそ実のとこはムッツリスケベで……」
吉沢龍剣
:「期待に胸とかそれ以外とか弾ませてるモンなんだっつーの」
百代まりあ
:「そうなのね」
百代まりあ
:「よくわからないけれど」
百代まりあ
:「龍剣がそういうなら、そうするわ」
吉沢龍剣
:「おう、アタシも手伝ってやるよぉ~」
吉沢龍剣
:太田さんにニヤニヤとした視線
『炎』
:『今のうちに止めておいた方が良いんじゃない?』
太田止隆
:「…………」
太田止隆
:「……どうせ言っても聞かん」 目を閉じたまま
茶川 閂
:(あんまりチーム同士の交流に水を差すのもな……いや、こう、交流か……?)ウンウンうなっている。
吉沢龍剣
:「茶川もよくやった」
茶川 閂
:「え?」
吉沢龍剣
:「ただ咲玖夜のやつと乳繰り合ってたわけじゃねーってことは覚えといてやるよ」
茶川 閂
:「ああ、あざす……」
咲玖夜
:「なっ!!」
百代まりあ
:「ちちくり……?」
茶川 閂
:「いや乳繰り合ってはないっすよ……」
咲玖夜
:「そ、そうです!茶川くんは真面目に仕事してました!」
咲玖夜
:「ずっと見てましたから!」
茶川 閂
:「ねー」
吉沢龍剣
:「ずっとだってよ」
吉沢龍剣
:「いやらしいなこいつら」
咲玖夜
:「うぅ~~~」
百代まりあ
:「いやらしいの?」
太田止隆
:「……ほどほどにしろよ、賞金稼ぎ」
太田止隆
:「"ビリオンインチ"もな」
百代まりあ
:「だめよ、二人とも」よく分かっていない
吉沢龍剣
:「反省しろ反省」
茶川 閂
:「いやだからしてないですって! 乳繰り合わなそうな顔してるでしょ!?」
リベレーターズ 宿泊施設 連絡通路
GM
:情報共有を終え、茶川閂、咲玖夜の二人は
GM
:それぞれ自室へ戻るべく通路を歩いていた。
咲玖夜
:「…………」
茶川 閂
:「そういえばここの食堂ってさ、なにがおいしいとかある? なんかいろいろ食う前に決着つきそうだし……」
茶川 閂
:「……どした?」
咲玖夜
:「あ、ううん何でも」
咲玖夜
:「食堂はねー、やっぱりカレーとか……」
茶川 閂
:「なんでもじゃないだろなんでもじゃ~!」さえぎるように。
咲玖夜
:「え、ええ!?」勢いにたじろいで
茶川 閂
:「さっきも途中から表情暗かったし。俺たち今、相当大変なミッションについてるんだから」
茶川 閂
:「ただでさえストレスがかかりやすいんだぜ。そういう少しでも精神的なコンディションを落としそうな要素を放っておくの、感心しないな」
咲玖夜
:「……うん、そっか、そうだよね。ごめん」
茶川 閂
:「そうそう。だから、なんでもいいから話してほしいってわけよ」
咲玖夜
:「茶川くんは優しいね」はにかみながら笑う
茶川 閂
:「そんなことないさ。仕事をしたいだけ」
咲玖夜
:「ふふ、やっぱり真面目くんだ」
茶川 閂
:「真面目くんなのだ」おどけたように。「それをさー! 乳繰り合ってただなんて、失礼しちゃうぜ」
茶川 閂
:「なー?」
咲玖夜
:「ほんとだよねー」
咲玖夜
:「ま、まあ私は別に……」
咲玖夜
:「………あ!その、さっきの話なんだけど」
茶川 閂
:「? おう」
咲玖夜
:「まりあちゃんが言っていたエンプティ・ハートのこと」
咲玖夜
:「実はさ、私も……」
咲玖夜
:制服の袖を少しまくり、時計型のデバイスを見せる。
茶川 閂
:——過剰なレネゲイド出力で被害を受けている人たちの為の、腕時計のような装置。
茶川 閂
:「なるほど、こいつが……」ほっそりとした手をそっと握るような形でデバイスを少しこちらに寄せる。
茶川 閂
:エンプティ・ハート。レネゲイドを吸収する端末。
咲玖夜
:「わひゃっ!?」手を掴まれて赤面する
茶川 閂
:当然だ。百代まりあより先に”リベレーターズ”にいたチルドレンということは、すなわち彼女が本来の対象、
茶川 閂
:ハンディキャップド・オーヴァードだということなのだろう。
茶川 閂
:「あ、悪い」
茶川 閂
:手を放す。
咲玖夜
:「う、ううん」顔を抑えて
咲玖夜
:「い、一応今は電源切れてるから大丈夫なんだけど」
咲玖夜
:「なんとかして、外部に解析……に……っ!?」
咲玖夜
:「ぐぅ……!?」
咲玖夜
:突然頭を抑えてしゃがみ込む。
茶川 閂
:「!?」
咲玖夜
:「ぁ……!……あぁ!!」
茶川 閂
:「おい、大丈夫か! 頭が痛むのか!?」一緒にしゃがみ声をかける。
咲玖夜
:「…………」暫く黙り込んでいたが
咲玖夜
:「う……ううん、大丈夫」
咲玖夜
:「大丈夫なんだけど、ちょっと……」
茶川 閂
:「うん」背中をさすりながら。
咲玖夜
:しゃがんでいた脚はぺたりと床に付き、起き上がる気配がない
咲玖夜
:「どうやら、こいつの効果、切れちゃったみたい」
茶川 閂
:「……足が動かないのか」
咲玖夜
:「立てないや……えへへ」
茶川 閂
:「そか、分かった」
茶川 閂
:そういうわけなので、抱き上げて運ぶ。
咲玖夜
:「何処かに車椅子とか……こういうとこなら一台くらい……」
咲玖夜
:「はわっ!?」
茶川 閂
:「真面目君だからな。ちゃんとつけられた注文は覚えてるんだ」
茶川 閂
:「このまままっすぐでいい?」
咲玖夜
:「う、うん。廊下の突き当り……」
茶川 閂
:「了解。いや~それにしてもここで最初にあったときはそりゃビックリしたんだぜ! 普通に歩いてるしさ」
咲玖夜
:「い、いや~びっくりしたのは私もだよ」
茶川 閂
:「なんか聞くのもデリカシーないし! こういうカラクリだったんだな~」努めて明るく。
咲玖夜
:「……ふふ」
咲玖夜
:「茶川くん、ほんとに優しいね」
茶川 閂
:「みんなこんくらいだって」
咲玖夜
:「そうかな……でも本当に、気にしなくていいよ」
咲玖夜
:「まあ私も今回はちょ~っと期待してたけどさ」
咲玖夜
:「世の中そんなうまい話はないよね」
茶川 閂
:「あきらめなければいつかきっと……とは思いたいけどな。信じるのもなかなか大変だ」
咲玖夜
:「いいよ。生まれつきだし、全然慣れてるから」
茶川 閂
:「階段からは飛び降りるのに?」からかうように。
咲玖夜
:「あ、あれは勢いが余ったと言うか……」
咲玖夜
:「それにたまには役に立つこともあるしね。今回の任務とか」
茶川 閂
:「ああ、まったくだ。咲玖夜が目星をつけてくれてなきゃ、こんなにスムーズにいかなかったもんな」
咲玖夜
:「えへへ、そうでしょー」
茶川 閂
:「流石でございます、咲玖夜さまー」
茶川 閂
:「……っと、ついたついた。ここで合ってる?」
咲玖夜
:「それに、今もラッキーと言うか……」ボソリとしか聞こえないくらいの声で
咲玖夜
:「あ、うん。ここ」
咲玖夜
:「苦しゅうない。ご苦労であった」
茶川 閂
:「あいあい。じゃ、扉開けますね」
咲玖夜
:「ここで……え、中に!?」
茶川 閂
:早くロックを解除しろ、という顔でそのまま抱っこしている。
茶川 閂
:「いや、ここでぺって放り捨てるのもなぁ」
咲玖夜
:「あ、あわわわ」狼狽えながらも高速でロックを解除する。
咲玖夜
:「ど、どうぞ……」
茶川 閂
:「まあ何はともあれ大企業だし、そのために呼んだ奴の部屋がバリアフリーじゃないなんて思っちゃいないけど…」
茶川 閂
:「あ、お邪魔します~」
茶川 閂
:全く頓着せず入室。
咲玖夜
:「い、いらっしゃいませ」赤面した顔を覆いながら
咲玖夜
:「茶川くん……もしかしてこういうの慣れてる?」
茶川 閂
:「介助? まあ救急訓練は一通り」
咲玖夜
:「いやそうじゃなくて……その……」
茶川 閂
:「とりあえずベッドのふちに座る感じでおろす形で行きまーす」
茶川 閂
:3,2,1、と数えながらゆっくりおろす。
咲玖夜
:「あわわ……」ジタバタしながらもすんなり降ろされる。
茶川 閂
:「じゃあ、予備の車椅子取ってきたらそのまま帰るから」
咲玖夜
:「えっ」
茶川 閂
:「あ、いらない?」
咲玖夜
:「いや!そうじゃなくて……!いやいるけど!」
咲玖夜
:「……茶川くん!」
茶川 閂
:「は、はい。すいません」
咲玖夜
:ベッド脇の引き出しをガサゴソ探る
咲玖夜
:「これ!」カードの束を突き出す。
咲玖夜
:「UNOやらない!?UNO!」
茶川 閂
:「……」一対一でか……。
咲玖夜
:目を見開いてわけのわからない調子で
茶川 閂
:その様子を見て笑い出す。
茶川 閂
:「いや、悪い、悪い……。いいよ、やろっか」
咲玖夜
:「あっ笑った!UNOの何が悪いんだよ~~!」
咲玖夜
:「あ……うん……!」
茶川 閂
:「だって一対一じゃん……他のモニターと交流して溶け込もうと思って持ってきたんだ?」
茶川 閂
:「えらいじゃ~ん」
咲玖夜
:「そんなとこ……私も真面目ちゃんだから……えへへ」
茶川 閂
:そう言ってカードを受け取り、パラパラとカードをめくる。
茶川 閂
:「知ってる? この白いカード、自分たちでルールを書き足す用のカードなんだってさ……」
茶川 閂
:そんなことを言いながら。
咲玖夜
:「へぇ~!そうなんだ。普通のルールしかやったことないな……」
咲玖夜
:「ねえねえ、例えばどんなルールを書き足すの?」
茶川 閂
:「本当に何でもいいんだ。もう一枚カードをひくとか、肘を曲げるなとか」
茶川 閂
:「ひいたら罰ゲームとかでもいいかも」
咲玖夜
:「へぇ~……何でも」
咲玖夜
:「ば、罰ゲーム!?」
茶川 閂
:「まあ極論ね」カードをいたずらにシャッフルしながら。「変顔とか」
咲玖夜
:「あ、変顔か~……私上手くないんだよなあ」
茶川 閂
:「あ、やったことあるんだ! 咲玖夜、チルドレンにしては情緒豊かっていうか、こう」
茶川 閂
:「すごい普通の女の子だよな」
咲玖夜
:「そ、そうかなっ」照れながら
咲玖夜
:「まあ、こんな身体だから、戦闘では役に立たないしさ」
咲玖夜
:「学校に潜入するような仕事も多かったから。そのせいかな」
茶川 閂
:「なに言ってんだよ。俺はそうやって、未然に防げる奴の方が最後に戦うだけのやつよりよっぽど偉いと思ってるぜ……」
茶川 閂
:そんなことを言っていると、いつの間に近づいていたのか肩が触れる。
茶川 閂
:「わっ」
咲玖夜
:「はわっ」
咲玖夜
:その勢いでベッドに倒れ込む
茶川 閂
:「うわっゴメン!」そそくさと距離を取る。
茶川 閂
:(よく考えたら女子の部屋にあがってるんだよな……)
茶川 閂
:「えっ大丈夫!?」
咲玖夜
:「………」
咲玖夜
:黙って手を上に伸ばして
咲玖夜
:「お……」
咲玖夜
:「起こして……茶川くん」赤面して目をそらしながら
茶川 閂
:「………」
茶川 閂
:「お……」
茶川 閂
:「おう……」おずおずと近づき、
茶川 閂
:伸ばされた手をすり抜け、その胴を抱くように持ち上げる。腕だけを引っ張るのは危ないので。
咲玖夜
:「えいっ」
咲玖夜
:それを身を捩ってかわし、茶川くんの腕を掴む。
咲玖夜
:そのまま上半身の力だけで、茶川くんをベッドに引き倒す。
茶川 閂
:「え?」
茶川 閂
:「うそ~」倒れる。
咲玖夜
:「ふ……あははは!お返しじゃ~~!」
茶川 閂
:車椅子に乗ってる人の上半身はすごいのだ。
咲玖夜
:笑いながらベッドの上を転げ回る
茶川 閂
:「……」赤面。
咲玖夜
:「あはは!あー……」
咲玖夜
:「……茶川くん」
茶川 閂
:「なんだよーもー……」ふてくされたように。「……ん?」
咲玖夜
:「私も真面目ちゃんだから、約束ちゃんと憶えてるよ」
咲玖夜
:「いつか、茶川くんのことも助けてあげる」
茶川 閂
:「……そか。ありがとな」
咲玖夜
:「だから心配しないで」寝転んだまま笑いかける
咲玖夜
:「そうなのだ」
咲玖夜
:「ではここで罰ゲ~~ム」
茶川 閂
:「ええ!?」
咲玖夜
:いつの間にか茶川くんの手に白いカードが握られている。
咲玖夜
:「罰ゲームはねー」
茶川 閂
:「ギャッ奸計!」
咲玖夜
:「んーそうだなあ」
咲玖夜
:「今夜私が寝るまで、ここで一緒に遊ぶこと」
咲玖夜
:「余が満足するまで帰ることはまかりならんっ」
茶川 閂
:「ハハーッ咲玖夜さま~っ」
咲玖夜
:「ふふふ……」
茶川 閂
:「……はは」
咲玖夜
:「あはは……!謎キャラ過ぎ……!はははは!」
茶川 閂
:「ホントだわ! あははは…!!」
GM
:少年たちの夜は更けていく
GM
:そして、次の朝が———
GM
:ロイス、購入が可能!
吉沢龍剣
:購入!ボデマ!
吉沢龍剣
:3dx+4
DoubleCross : (3R10+4[10]) → 5[1,4,5]+4 → 9
吉沢龍剣
:ダメ!以上!
太田止隆
:ロイスなし! 購入は~
太田止隆
:UGNボディアーマー
太田止隆
:3dx+1=>12
DoubleCross : (3R10+1[10]>=12) → 10[5,8,10]+2[2]+1 → 13 → 成功
太田止隆
:よし。ひとまず自分で装備。今後もっと固い防具が入ったら譲渡するかもってことで
太田止隆
:以上!
百代まりあ
:ボデマ!
百代まりあ
:2DX>=12
DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 4[1,4] → 4 → 失敗
百代まりあ
:以上!
茶川 閂
:咲玖夜ちゃんのロイスを表友情に変更します。あとはいったん保留で
茶川 閂
:ボデマ!
茶川 閂
:2dx+2>=12
DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 5[4,5]+2 → 7 → 失敗
茶川 閂
:以上!
GM
:はい!では本日はここまで!
GM
:お疲れさまでした!
茶川 閂
:お疲れさまでした~!
百代まりあ
:お疲れさまでした!
太田止隆
:お疲れ様でした!
吉沢龍剣
:おつかれさまでしたー!
【Middle4:「奪ってみせて」】
GM
:シーンプレイヤーは茶川くん。ほか登場自由!
茶川 閂
:1d10+60
DoubleCross : (1D10+60) → 7[7]+60 → 67
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+4(1d10->4)した (侵蝕率:62->66)
吉沢龍剣
:1d10+60
DoubleCross : (1D10+60) → 6[6]+60 → 66
百代まりあ
:72+1D10
DoubleCross : (72+1D10) → 72+7[7] → 79
百代まりあ
:ウッ
GM
:みんな重いわね…
---
GM
:引き続き情報収集です。項目はこちら。
■情報収集
・開発資料を調べる④〈知識:レネゲイド〉〈知識:考古学〉〈情報:UGN〉難易度12
・調達履歴を調べる③〈知識:遺産〉〈情報:UGN〉〈情報:FH〉難易度12
■絆を深める
判定者が対象にロイスを所得している場合、判定達成値にボーナス加算
・桐生嚆矢(5/8)〈白兵〉 難易度12 ロイスボーナス+5 最大達成値50
・白銀明日香(0/4)〈RC〉〈知識:レネゲイド〉 難易度7 ロイスボーナス+1 最大達成値30
・胡緑蘭(2/6)〈RC〉〈芸術:早飲み〉 難易度9 ロイスボーナス+3 最大達成値40
・咲玖夜(0/3)〈白兵〉〈意思〉 難易度8 ロイスボーナス+4 最大達成値20
GM
:正直に言ってしまいますが、上2つを抜いてしまうと
GM
:ミドル戦闘シーンに移行します
茶川 閂
:スーパー正直GMタイム!
吉沢龍剣
:ぶっちゃけたな!!
太田止隆
:正直は大事
百代まりあ
:なるほどね
吉沢龍剣
:とりあえずこっちは
GM
:ミドル戦闘が終わった後、こいつらが全員生きている保証はないので
GM
:よく考えて選んでください
茶川 閂
:ギャッ
百代まりあ
:えっ
吉沢龍剣
:ひええーっ
太田止隆
:温まってきたな
百代まりあ
:怖い事言わないで
茶川 閂
:とはいえ私は当然咲玖夜ちゃんに行かせていただきましょう。ボーナスも倍で8!
GM
:ヤッチマイナー!
茶川 閂
:意志で判定します
茶川 閂
:5dx+8
DoubleCross : (5R10+8[10]) → 8[1,1,5,7,8]+8 → 16
茶川 閂
:財産点4を全部吐いて20に!
百代まりあ
:こいつ金で女を……
GM
:貢いできた
茶川 閂
:必要な投資!
太田止隆
:こっちは【精神】で全部振れるので、空きそうなところを埋める姿勢です
吉沢龍剣
:そういえば
吉沢龍剣
:なかよし判定にも夏目さんのお土産は使えるんでしたっけ
吉沢龍剣
:使えそうならそれ使って白銀さんと仲良くなってみようかしら
GM
:あっ……そういう想定ではなかったけど、OKにします!
吉沢龍剣
:あ、そっか
GM
:女の子と仲良くために使うなら彼も喜ぶでしょう
百代まりあ
:自分じゃなくても喜ぶのか……?
茶川 閂
:ひっそり近づいて仲を深めようとする吉沢さん……
吉沢龍剣
:犯罪臭がする
太田止隆
:隠蔽の遺産を使っていったい何を……?
茶川 閂
:本当はルゥラン君のところに行こうとしていませんか?
太田止隆
:それで仲良く……??
百代まりあ
:ころすわ
GM
:話せばわかる
吉沢龍剣
:夢が広がってきた
吉沢龍剣
:というか夜会話相手に今行く必要もないし
吉沢龍剣
:ロイスもまだ持ってないので、とりあえずは桐生くんで行こうかな
吉沢龍剣
:この後の夜会話次第でロイス決める
茶川 閂
:桐生君も複数回のアタックが必要ですからね
茶川 閂
:稼いでおきましょうぜ
吉沢龍剣
:絆を深める!桐生嚆矢!
吉沢龍剣
:白兵でいきます
吉沢龍剣
:コンセ+炎の刃+結合粉砕
GM
:この女、"ヤル"気だ
吉沢龍剣
:9dx7+3
DoubleCross : (9R10+3[7]) → 10[1,2,3,3,5,7,9,9,9]+10[2,2,2,10]+10[7]+10[10]+10[10]+4[4]+3 → 57
太田止隆
:こわっ
吉沢龍剣
:なかよしパワー
茶川 閂
:エンジン全開だ
百代まりあ
:やる気ありすぎでしょ
GM
:桐生、咲玖夜はまさかのプライズ満了
吉沢龍剣
:よっしゃあい!
茶川 閂
:いえーい
GM
:ほか二人は如何致しましょう
太田止隆
:白銀さん行くかな~
百代まりあ
:エフェクト未使用のRCで緑蘭かな
百代まりあ
:6DX+5>=9
DoubleCross : (6R10+5[10]>=9) → 8[1,2,4,6,7,8]+5 → 13 → 成功
百代まりあ
:とりあえずよし!
GM
:プライズが2進みます。4/6!
太田止隆
:では白銀さんを<知識:レネゲイド>でオトします。最近流行りのウィルスの話しない?
吉沢龍剣
:最悪の口説き方
太田止隆
:9dx+2=>7
DoubleCross : (9R10+2[10]>=7) → 10[2,2,2,2,2,6,7,10,10]+10[10,10]+5[3,5]+2 → 27 → 成功
百代まりあ
:めっちゃ食い付いてきた
太田止隆
:おっとこれは……
茶川 閂
:ま、まさか!
吉沢龍剣
:ゲェーッ
吉沢龍剣
:一発ツモ!
茶川 閂
:金で女を……!
吉沢龍剣
:オフィスレズチャンスが消滅した!
GM
:この男ども……
百代まりあ
:なんてこと……
太田止隆
:財産点を3支払って達成値を30にします
GM
:では、金の力でプライズ満了
GM
:緑蘭以外は全員オトしました
太田止隆
:これぞUGNオトし隊の本領発揮よ
GM
:それじゃあ順番にご褒美を開示していきます!
茶川 閂
:やったー!
太田止隆
:濃厚接触チャンス
吉沢龍剣
:最悪のチャンス
百代まりあ
:密!
GM
:まずは白銀明日香のボーナス一覧
■好感度1/4
・Savannahギフトカード
WEBマーケットサイト『Savannah』で使用できる電子マネー。
使用者の財産点に+5する。この財産点は購入フェイズでのみ使用できる。
■好感度2/4
・室長の知り合い
君たちは室長の知り合いとして社員から一目置かれている。
すべてのPCが行うあらゆる情報収集判定の達成値に+2する。
■好感度3/4
・小休止
シナリオ中任意のタイミングで交流シーンを挿入できる。
この時、登場侵蝕の代わりに『1d6を振り、出た目の分だけ侵蝕率を減らす』を選んでも良い。
また、この時NPCではなく任意のPCを相手に選んでも良い。
■好感度4/4
・室長のお気に入り
君たちは室長のお気に入りとして社員から羨望を集めている。
すべてのPCが行うあらゆる情報判定の達成値に+2する。これは『室長の知り合い』の効果に累積する
GM
:というわけで、今後皆さんの情報判定達成値が+4されます
太田止隆
:濃厚接触の甲斐が出たな
太田止隆
:お前はもうとっくに、俺へ陽性反応してるんだぜ……?
GM
:あと太田さんは桐生のカードと合わせて財産点13ポイントがただで貰えます
太田止隆
:やったー! Savannahで防具!
GM
:また、プライズを満了したので戦闘データが一部開示されます。
茶川 閂
:どうして戦闘データなんて用意されてるんだろ~
・戦闘データ開示
『"レディ・ビー・グッド"白金明日香』
元UGNチルドレン。旧『リベレーターズ』の頃からの古参で、現『リベレーターズ』の開発室長。
強力な《サイコメトリー》能力者であり、チルドレンとしての育成過程で能力強化のために感情を削られていた。
表情は乏しいが本質的には心優しい女性であり、成長に伴って少しずつ感情を取り戻している。
シンドロームはモルフェウス/バロール。
本来戦闘を得意とする人物ではないが、ある時期を境に防御能力に重点を置いた訓練を行うようになり
現在では防衛戦に徹するなら『リベレーターズ』内でも屈指の戦力となっている。
・主要エフェクト
《シールドクリエイト》《ダブルクリエイト》
《物質合成》
《砂の結界》
GM
:白銀明日香の情報は以上となります。
太田止隆
:俺と合わせて無敵の2枚盾ということだな……
茶川 閂
:頼もしい…
GM
:続いて桐生嚆矢
■好感度6/8
・小休止
シナリオ中任意のタイミングで交流シーンを挿入できる。
この時、登場侵蝕の代わりに『1d6を振り、出た目の分だけ侵蝕率を減らす』を選んでも良い。
また、この時NPCではなく任意のPCを相手に選んでも良い。
■好感度8/8
・無敵のガードマン
太田さんの指導の甲斐もあって、仲間たちの防御能力は大きく向上した。
全てのPCが戦闘時にガードを行った際のガード値を+4する。
この効果は鉄壁のガードマンの効果に累積する。
GM
:太田さんはガード値+8、他の人は+4されます
・戦闘データ開示
『”リベレーターズCEO”桐生嚆矢』
元UGNチルドレン。旧『リベレーターズ』のリーダーで、現『リベレーターズ』のCEO。
複数のエフェクトを組み合わせた身体強化能力に優れ、初期のチルドレンの中でも高い戦闘適正をもっていた。
力を溜めてから一瞬で距離を詰め、疾風と迅雷を纏った徒手空拳による格闘戦を展開する。。
シンドロームはブラックドッグ/ハヌマーン。
過去の戦闘での負傷を補うため機械化技術を導入し。さらに戦闘力に磨きがかかっている。
・主要エフェクト
《スーパーソニック》
《一閃》
《サイバーアーム》《サイバーレッグ》
GM
:続いて咲玖夜のプライズ
■好感度1/3
・手当の知識
バックアップ任務で培った応急処置術。献身的に手当してくれる。
すべてのPCがHPを回復する時、その回復量を+1dする。
■好感度2/3
・小休止
シナリオ中任意のタイミングで交流シーンを挿入できる。
この時、登場侵蝕の代わりに『1d10を振り、出た目の分だけHPを回復する』を選んでも良い。
また、この時NPCではなく任意のPCを相手に選んでも良い。
■好感度3/3
・古びたお守り
幼少期から身につけていたお守り。不安定ながらオルクス領域の起点として機能する。
判定者が行う判定の際、ダイスを一つ選んで出目を10にする。シナリオ中一回のみ使用可能。
GM
:古びたお守りは茶川くんが一回だけ《妖精の手》を使えるというものですね
・戦闘データ開示
『"ライフセイバー"咲玖夜』
任務のバックアップを担当するUGNチルドレン。
シンドロームはバロール/オルクス
戦闘員としての訓練も積んでいるが、元来レネゲイド出力に乏しい上に
能力と戦闘スタイルの相性が致命的に合っていない。いわゆる落ちこぼれ。
戦闘では独特の体捌きで超重量の武器を無理矢理に振るうが、隙が大きくまず当たらない。
・主要エフェクト
《紡ぎの魔眼》
《巨人の斧》
《黒の咆哮》
GM
:最後、緑蘭のプライズ
■好感度4/6
・小休止
シナリオ中任意のタイミングで交流シーンを挿入できる。
この時、登場侵蝕の代わりに『1d10を振り、出た目の分だけHPを回復する』を選んでも良い。
また、この時NPCではなく任意のPCを相手に選んでも良い。
GM
:プライズ開示は以上となります。
吉沢龍剣
:ではここで
吉沢龍剣
:早速白銀明日香の小休止カードを使用
吉沢龍剣
:対象も白銀明日香!
GM
:OK!
GM
:ではダイスを振って侵蝕を下げてください。
吉沢龍剣
:いやっほー!
吉沢龍剣
:74-1d6
DoubleCross : (74-1D6) → 74-1[1] → 73
吉沢龍剣
:ぐええ
GM
:悲しい…
リベレーターズ 開発室入り口
GM
:夕刻、白銀明日香は人員が引き払った開発室を施錠し、帰路に就こうとしていた。
吉沢龍剣
:「……よぉ」
吉沢龍剣
:廊下の横合いから、それを呼び止める
吉沢龍剣
:自販機の前の手狭な休憩スペース
白銀明日香
:「……?」目線だけを声の方に向ける
吉沢龍剣
:青いベンチに、長い脚を組んで腰掛けている。
白銀明日香
:「あなたは、確か……」
吉沢龍剣
:「警備の吉沢、新入りだからツラは覚えちゃいねえか?」
吉沢龍剣
:「こっちからすりゃ、アンタは目につくがね。なんせ重役としちゃあ若すぎる」
白銀明日香
:「ああいえ、お顔は憶えていたのですが名前までは。失礼しました」
吉沢龍剣
:「構わねえよ。どうだ」
吉沢龍剣
:「下っ端と話すのが気に食わねえってんじゃなきゃ」
吉沢龍剣
:「こっちで一服」
吉沢龍剣
:ちょいちょいと傍らを差す
吉沢龍剣
:「缶コーヒーくらいならおごるぜ」
白銀明日香
:「役職の上下は業務を円滑に進めるための命令系統に過ぎません」
白銀明日香
:「仕事を離れれば社長もアルバイトも対等です。ですので」
白銀明日香
:差された所に腰を下ろす
白銀明日香
:「お言葉に甘えて。ごちそうさまです」
吉沢龍剣
:「はっは!ラフなんだかお硬いんだか、よく分からねえ言い草だな」
吉沢龍剣
:缶コーヒーのボタンを2回押して
吉沢龍剣
:「ほらよ」
白銀明日香
:「どうも」
白銀明日香
:両手で受け取る
吉沢龍剣
:「無糖が好みだったんなら悪りぃな」
吉沢龍剣
:かしゅ、と蓋を開けて
白銀明日香
:「いいえ、大丈夫です。甘い方が好みですので」
吉沢龍剣
:「気が合うじゃねえか」
吉沢龍剣
:「甘ったるいのがいいよなァ、甘ったるくて舌に残るのが」
白銀明日香
:同じく蓋を開けて、吉沢さんの前に差し出す
白銀明日香
:「そうですね」
白銀明日香
:「乾杯です。お仕事お疲れさまでした」
吉沢龍剣
:「おぅ」
吉沢龍剣
:カツンと缶をぶつけ合い
吉沢龍剣
:一息にぐびりと飲み干す
白銀明日香
:ちびちびと口をつける
吉沢龍剣
:「缶コーヒーってのは」
吉沢龍剣
:「妙な飲みモンだって思わねえか、室長どの」
白銀明日香
:「妙、と申しますと?」
吉沢龍剣
:「コーヒーなんてのは、ガキの頃は大人が飲むモンだと思ってたろ」
吉沢龍剣
:「だが恐る恐る蓋を開けてみりゃ、出てくるのはこいつだ」
吉沢龍剣
:「砂糖と牛乳をバカみてぇにぶち込んで、香りもクソもねえ。こんなガキくせぇ味のジュースもねえよ」
白銀明日香
:「思っていたのと違う、というわけですか?」
白銀明日香
:「……確かに、そうかも知れませんね」
吉沢龍剣
:「大人なんだか、ガキなんだか」
吉沢龍剣
:「どっちつかずにいつまでもフラフラしてやがる」
白銀明日香
:「ええ、表向きは苦味ばったように取り繕っても」
白銀明日香
:「中身はコーラとさほど変わらない」
吉沢龍剣
:「……ま」
吉沢龍剣
:「そこが気に入ってるっつゥ話だ」
吉沢龍剣
:「アンタはどうだ、室長どの」
白銀明日香
:「私ですか……?」
吉沢龍剣
:「テメーは大人か、子供か」
吉沢龍剣
:「考えた事あるか?」
白銀明日香
:「改めて問われると、なんとも答えに困りますね」
白銀明日香
:「子供か大人か、というのは見る者の相対的な評価でもあるでしょう」
吉沢龍剣
:「自分で決めるわけじゃねェってか?」
吉沢龍剣
:「中々はぐらかすじゃねえか、流石重役サマだ」
吉沢龍剣
:くっくと笑う
白銀明日香
:「ええ、自分できめられるのは、"どう有りたいか"までですから」
吉沢龍剣
:「そんなら質問を変えるとするか」
吉沢龍剣
:「この会社、でもって、あの代表」
吉沢龍剣
:「アンタ、いやアンタらにとって、そりゃなんなんだ?」
吉沢龍剣
:「ただの勤め先、雇い主で済むような雰囲気じゃねえ」
吉沢龍剣
:「外様の新入りでも、それくらいは見てりゃわかる」
白銀明日香
:「………」
吉沢龍剣
:「興味本位だ」
吉沢龍剣
:「そうカタくなんなよ」
白銀明日香
:「……では、褒め言葉として受け取っておきます。社の結束が固いと思われているのは喜ばしいですし」
白銀明日香
:「答えは簡単ですよ。この会社は……」
白銀明日香
:「私達は、桐生の"願い"を叶えるために在ります」
白銀明日香
:「そして、桐生の願いは、必ず人々を幸せにする」
白銀明日香
:「……これを言うと、妙な宗教の様で身構えられてしまうので嫌なのですが」
白銀明日香
:「一言で言うなら、こう言う他ありません」
吉沢龍剣
:「……ハッ」
吉沢龍剣
:「他人の信仰なんぞに偏見はねェが」
吉沢龍剣
:「前時代的だな、ワンマン経営は今どき流行らねェぜ」
吉沢龍剣
:「なんつーのは、こんなデカいビルぶち立ててる連中にゃ釈迦に説法か」
白銀明日香
:「いえ、耳の痛いお言葉です」
白銀明日香
:そうしている内、缶コーヒーが空になり
白銀明日香
:「さて、ごちそうさまでした」
白銀明日香
:席を立ち、自販機脇のゴミ箱に缶を捨てる
吉沢龍剣
:「おぅ、楽しかったぜ」
白銀明日香
:「ええ、こちらも」
吉沢龍剣
:「……最後に」
白銀明日香
:「……?」
吉沢龍剣
:「桐生の願いってのは」
吉沢龍剣
:「一体何だ?」
吉沢龍剣
:「アンタらが全てを賭けるに値するモンってのは」
吉沢龍剣
:「どういうモンだ」
白銀明日香
:「…………」
吉沢龍剣
:眼鏡の下から、獣のような眼光が覗いている。
白銀明日香
:「そうですね……機会があれば詳しく話したい所ですが」
白銀明日香
:つかつかと吉沢さんの前へ歩いていく。
白銀明日香
:人差し指を伸ばして顔の前に出し
白銀明日香
:ぴと、と吉沢さんの唇を抑える。
白銀明日香
:「申し訳ありませんが、企業秘密です」
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:にたりと笑って
吉沢龍剣
:そのまま、指を唇で包んで
吉沢龍剣
:犬歯で軽くその指先を撫でてから
吉沢龍剣
:離れる。
吉沢龍剣
:「焦らすなよ」
吉沢龍剣
:「喰い付くぜ」
白銀明日香
:「ふふ、その時は首を切らなければなりませんね」
白銀明日香
:にこりと笑って
白銀明日香
:「では、そろそろ失礼します」踵を返して
吉沢龍剣
:「そんじゃァな」
白銀明日香
:「ああ、そうでした。代わりと言ってはなんですが、最初の質問」
白銀明日香
:「コーヒーは好きか、という話ですが」
白銀明日香
:「好きですよ」
白銀明日香
:「男性は、少し無理をしているくらいが……」
白銀明日香
:「可愛いので」
吉沢龍剣
:「そうかい」
吉沢龍剣
:「やっぱアンタとは趣味が合う」
白銀明日香
:笑みを返して去っていく
吉沢龍剣
:それを見送って、立ち上がり
吉沢龍剣
:ぺきり、ぺき。
吉沢龍剣
:手の中のスチール缶を両手で押しつぶす。
吉沢龍剣
:ゴミ箱に放り込み、こちらも立ち去る。
リベレーターズ 宿泊施設 百代の部屋
GM
:百代まりあと胡緑蘭は、何度目かのコーラ早飲み対決に熱中していた。
胡緑蘭
:「さてまりあ。今日は勝てるかな?」
胡緑蘭
:片手で器用にボトルの蓋を開ける
百代まりあ
:「ええ。今度こそ勝たせていただくわ」
百代まりあ
:「わたくしの実力、ご覧になって頂戴」
百代まりあ
:シュワシュワと音を立てるボトルを構える。
胡緑蘭
:「ルールは一本勝負。同時に口をつけて飲み干したボトルをテーブルに置くまで」
胡緑蘭
:「途中で吹き出したりこぼしたりしたら失格。いいね?」
百代まりあ
:「よくってよ」
百代まりあ
:闘志に満ちた瞳で応える。
胡緑蘭
:「それじゃあ、いざ尋常に……」
百代まりあ
:「勝負!」
胡緑蘭
:掛け声と同時にボトルを口に運ぶ
胡緑蘭
:事前に体内の空気を可能な限り吐き出していた。吸引の勢いのままにボトルを上に向けて飲み干す。ラッパ飲みだ!
百代まりあ
:掴んだ瓶を迅速に口元に運ぶ!そして!
百代まりあ
:「んく………… んく…………」瓶を傾け、ちびちびとコーラを口に含み。
百代まりあ
:「んんん……んんー……」口の中で弾ける炭酸に顔を顰めながら、涙目で飲み込み。
百代まりあ
:「こほっ……こほっ……はぁ……はぁ……」
百代まりあ
:瓶から口を離し一度態勢を立て直し。
百代まりあ
:「すーー…………」深く息を吸い。
百代まりあ
:「はーー…………」また深く吐き。
百代まりあ
:「……!」残りのコーラを鋭い眼光で睨み!
百代まりあ
:「んく………… んく…………」瓶を傾け、ちびちびとコーラを口に含む。
百代まりあ
:「ふー……はーっ…………」
百代まりあ
:一連のサイクルに費やす時間、わずか65秒!コーラは既に6/7ほどまで減っている!
百代まりあ
:百代まりあの技術と身体能力で成せる、驚異的なペースだ!
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:口元をハンカチで拭い、ちらりと対戦相手である緑蘭の様子を伺う。
胡緑蘭
:「いや~~いいねえ。すごくいい」
胡緑蘭
:頬杖を付き、満面の笑みで百代さんの様子を見つめている
胡緑蘭
:テーブルにはとうの昔に飲み干されたボトルが転がっている。
百代まりあ
:「……!」
百代まりあ
:「……負けたの……?わたくし……」
胡緑蘭
:「えへへ~。今日も僕の勝ち~」
百代まりあ
:「なんてこと……」
百代まりあ
:がっくりと肩を落とす。
胡緑蘭
:「でも少しずつ早くなってるじゃない」
百代まりあ
:「ええ……だから、今日は勝てると思ったのに……」
胡緑蘭
:「初日なんてここまで来る間に炭酸抜けてたよ」
百代まりあ
:「うぅ……」
百代まりあ
:「……明日よ!明日こそ、きっと負けないわ!」
胡緑蘭
:「ふふふ。王者はいついかなる挑戦も受けるよ」
胡緑蘭
:「己を磨いてまた挑むが良い……!」
百代まりあ
:「見ていなさい……!必ずその喉元に喰らい付いてさしあげるわ!」
胡緑蘭
:「それに、僕も役得だしねー」
百代まりあ
:「役得?緑蘭に何かお得なことがあるの?」
胡緑蘭
:「いやほら、こうしてちびちび頑張ってコーラを飲むまりあを見てると……」
胡緑蘭
:「昔飼ってたひよこを思い出して癒やされるから」
胡緑蘭
:「あれ、ひよこだったかな?金魚だっかかも?」
百代まりあ
:「ひよこ……!?金魚……!?」一瞬愕然として。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「そうね」
百代まりあ
:「わたくしの姿が緑蘭の癒しになるのなら、それは望外の喜びというものね」
百代まりあ
:「ひよこでは……ないけれど……」やや不可解な顔。
胡緑蘭
:「むむ、意外な反応……」
百代まりあ
:「それより緑蘭、コーラを飲んだらちゃんと歯を磨かなければ駄目よ」
百代まりあ
:「寝る前なのだから」
胡緑蘭
:「えーめんどくさいー」
百代まりあ
:「だめよ!虫歯になるわ!」
百代まりあ
:「来なさい!」
百代まりあ
:ぐいぐいと洗面所へ手を引いていく。
胡緑蘭
:「ええ、ちょっ、やーめーてーよー」ズルズルと引きずられていく
百代まりあ
:「緑蘭!」備品の歯ブラシに歯磨き粉を塗りたくって、緑蘭の口に突っ込む。
胡緑蘭
:「もがっ」
百代まりあ
:「ほら、あーんして」
百代まりあ
:「虫歯になるわよ」言いながら、ブラシを動かして歯を磨いていく。
胡緑蘭
:「んがが……あ゛ーん……」
百代まりあ
:「そう、いい子ね」
胡緑蘭
:渋々言われるがままにする
百代まりあ
:しばらく念入りに磨いてから、「……よし」満足気に頷く。
百代まりあ
:「はい、うがいして」
胡緑蘭
:「ガラガラガラガラ……」
胡緑蘭
:「べっ……」
百代まりあ
:「そう、よく出来たわね。偉いわ緑蘭」
百代まりあ
:頭を撫でる。
胡緑蘭
:「もー、なんなんだよまりあ~」
胡緑蘭
:「まりあは僕のお母さんか何かなわけ?」
胡緑蘭
:不貞腐れた様子だがされるがままに撫でられている
百代まりあ
:「あら、当然のことをしているだけよ?」
百代まりあ
:「歯を磨かないと虫歯になるわ。そうしたら緑蘭は痛い思いをすることになる」
百代まりあ
:「緑蘭がそうやって苦しむのは、わたくしも嫌だもの」
胡緑蘭
:「ふーん。まりあはなんというか」
胡緑蘭
:「負けず嫌いだけど、それ以上に」
胡緑蘭
:「奉仕精神?そういうのが強いんだね」
百代まりあ
:「奉仕……」不思議そうな顔。
百代まりあ
:「そういうことをしているつもりは、無いのだけれど」
胡緑蘭
:「ん、そうなんだ……」
百代まりあ
:歯ブラシを置いて、ベッドに歩いていく。
百代まりあ
:「ええ。特別なことは、何も」
百代まりあ
:「やるべきことをしているだけよ」
胡緑蘭
:「やるべきこと、ね……」
胡緑蘭
:「じゃあ僕もやるべきことをしなくちゃね」
百代まりあ
:「あら、何かしら」
百代まりあ
:ベッドに腰掛けて、隣をぽふぽふと叩く。
百代まりあ
:「毎日ちゃんと歯磨きをする?」
胡緑蘭
:「それは嫌かも……って何?」
胡緑蘭
:ぽふぽふというジャスチャーに首をひねる
百代まりあ
:「まだ眠くないのなら、お話をしない?」
百代まりあ
:「緑蘭には、聞きたいことが沢山あるわ」
胡緑蘭
:「ああ、それはもういくらでも」
胡緑蘭
:「僕もまりあと話すのは楽しいしね」
百代まりあ
:「そう?それはよかったわ」くすりと笑みを零す。
胡緑蘭
:百代さんの隣に腰を下ろす
百代まりあ
:「……さっき、役得と言っていたけれど」
胡緑蘭
:「うん?」
百代まりあ
:「そういえば、わたくしが勝負に勝てば、緑蘭は何でも言う事を聞いてくれるのよね?」
胡緑蘭
:「もちろん。武士に二言はないよ」
百代まりあ
:「でも、もしわたくしが勝負に負けたら……いえ、絶対に勝つけれど……」
百代まりあ
:「その時は、わたくしは何をすればいいのかしら?」
胡緑蘭
:「ええっ、あ、そうか……そういうことになるのか……」
胡緑蘭
:「うっかりしてたな。僕はこう。戦うこと自体が目的と言うか」
胡緑蘭
:「うーん、でもそうだなあ」
胡緑蘭
:「ああそうだ。せっかくなら」
胡緑蘭
:意を決したように百代さんを見据えて
胡緑蘭
:「まりあ。僕が勝ったら」
胡緑蘭
:「僕と一緒に旅をしよう」
百代まりあ
:「…………?」
百代まりあ
:「…………旅?」
胡緑蘭
:「そう、旅。世界中を巡るんだ」
百代まりあ
:「緑蘭は、旅が好きなの?」
胡緑蘭
:「好きかどうかは微妙だけど、今までずっと旅をして生きてきたんだ」
胡緑蘭
:「ここにいるのは、ほんの気まぐれ」
百代まりあ
:「気まぐれ……そう、それも聞きたいと思っていたの」
百代まりあ
:「緑蘭はどこから来て、どうやって、どうしてここにいるの?」
胡緑蘭
:「え~、そんなの聞いて楽しい?」
百代まりあ
:「知りたいわ!」枕を抱えて、ベッドに転がる。薄い色の長髪がシーツに広がる。
百代まりあ
:「ね、聞かせて頂戴?あなたのこと」
胡緑蘭
:「むー、じゃあこうしよう。まりあ」
胡緑蘭
:「僕が話すから、君の話も聞かせてよ」
百代まりあ
:「……わたくしの話?」きょとんとして
胡緑蘭
:「君がどうやって生まれて、どうやって生きてきて、どこへいきたいのか」
百代まりあ
:「いいけれど、そんなこと聞いても楽しく……」
百代まりあ
:「あ」口元を抑えて
胡緑蘭
:「ふふ」
百代まりあ
:「同じことを言ってしまうところだったわ」楽しそうに笑う。
胡緑蘭
:「うん、勉強になったよ。自分で思っているよりも、身の上話は興味を引くらしい」
胡緑蘭
:「……とは言っても、僕の場合は本当に大して面白くないと思うけどね」
百代まりあ
:ごろりと寝返りを打って、うつ伏せになる。
胡緑蘭
:「どこから話そうかな。まずはどこから来たのかだけど」
百代まりあ
:頷いて続きを促す。
胡緑蘭
:「生まれたのは中国の西の方、砂漠に近い辺りみたい」
胡緑蘭
:「みたいっていうのは、憶えてないからね。小さい頃に売られたから」
百代まりあ
:「売られた?」
胡緑蘭
:「"黒孩子"ってやつ。ちょっと前まであの国では子供は一人しか産んじゃいけなかったから」
胡緑蘭
:「二人目からは、居なかったことになるんだよね」
胡緑蘭
:「居ないやつは、どう扱ってもいいってわけ」
百代まりあ
:「…………」黙って聞いている。
胡緑蘭
:「ちなみにその頃はまだオーヴァードじゃなくて」
胡緑蘭
:「覚醒したのは9歳くらいの時だったかな」
胡緑蘭
:「おかげでこうして一人で生きていけるようになったんだから、ラッキーだったよね」
百代まりあ
:「……どんな暮らしを?何がきっかけでオーヴァードに?」
胡緑蘭
:「うーん、説明が難しいんだけど。色々あって死にかけて……あ、流石にここは省略させてね。僕もよく憶えてないんだ」
胡緑蘭
:「それでその時」
胡緑蘭
:「"龍"を宿した」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:首を傾げる。
百代まりあ
:「りゅう?」
胡緑蘭
:「龍だよ。龍」がおーと手を広げる
百代まりあ
:「緑蘭の中に、龍がいるの?ドラゴン?」
百代まりあ
:「餌とかはどうしているの?」
胡緑蘭
:「空を渡り、火を吹く、この世で最も自由な生き物」
胡緑蘭
:「餌かい?餌はね、ふふ……」
胡緑蘭
:寝転がる百代さんに手を伸ばし
胡緑蘭
:その顔の横に置く
胡緑蘭
:百代さんの上に覆いかぶさるように
百代まりあ
:「?」
胡緑蘭
:「君みたいな子を食べてるんだ。子供の肉は柔らかくて美味しいからね」
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:間近にあるその顔をじっと見つめて。
百代まりあ
:「こら」
百代まりあ
:むにっと頬を引っ張る。
胡緑蘭
:「あいたっ」
百代まりあ
:「誤魔化さないで頂戴」
胡緑蘭
:「むー、かなりイケてたと思ったんだけどな」
胡緑蘭
:つねられた勢いで百代さんの横に倒れる
百代まりあ
:「それで?」
百代まりあ
:「……あまり、話したいことではないかしら?」
胡緑蘭
:「いやごめん。まりあに気を使わせたら僕も辛い」
胡緑蘭
:「餌なんてないよ。共生型レネゲイドビーイングってやつ。知らない?」
百代まりあ
:「あ……授業(UGNの講習)で聞いたわ」
胡緑蘭
:「龍は僕であり、僕が龍だ。だから大丈夫」
百代まりあ
:「それはよかったわ。龍さん、沢山食べそうな感じだから」
百代まりあ
:「食費が大変そう」
胡緑蘭
:「そうだね。それだったら旅どころじゃなかったかもだ」
胡緑蘭
:「そこから先は今話した通りさ」
胡緑蘭
:「バスとか電車とか、お金がない時は歩きだけど」
胡緑蘭
:「そうやって旅をして、先々で仕事をして、お金が溜まったらまた旅をする」
百代まりあ
:「素敵ね。自由で、楽しそうだわ」
胡緑蘭
:「うん。楽じゃないけど楽しいよ。君みたいな友達も沢山できるしね」
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:ゆるりと垂れる、緑蘭の片腕の袖に目をやり。
百代まりあ
:「……その腕のこと、緑蘭は、誰かに話したい?」
胡緑蘭
:「これかい?いや、大したものじゃないけど」
胡緑蘭
:「言っておくけど誰かにやられたわけじゃないよ。そんな不覚はとらないさ」
胡緑蘭
:「だから敢えて言うなら、これが餌なのかな」
百代まりあ
:「……餌……」
胡緑蘭
:「喰われたんだ。暴走ってやつ」
胡緑蘭
:「だからあのデバイスならもしかしたらって思ったけど、あてが外れたっぽいね」
百代まりあ
:「……それで、ここに来たのね」納得と共に頷く。
百代まりあ
:「ありがとう、話してくれて」
胡緑蘭
:「どういたしまして。たまにはこう言うのも面白いね」
胡緑蘭
:「さて、さっきの言葉は覚えているかな」
胡緑蘭
:「僕の次はまりあの番だよ?」
百代まりあ
:「ええ、約束だものね」微笑と共に、少し目を閉じて。
百代まりあ
:「……わたくしはこの街で、百代家の一人娘であり、後継者として生まれたの」
胡緑蘭
:「へ~、名家ってやつか」
胡緑蘭
:「お嬢様なんだね、なんか納得」
百代まりあ
:「……ええ」少しだけ首を動かして。
百代まりあ
:「物心ついた頃には両親はもういなくて、家にはわたくしの他には、おばあ様一人きりだったわ」
百代まりあ
:「おばあ様は、わたくしに色んなことを教えてくれたの」
百代まりあ
:「毎日、百代家がどれほど立派な家なのか言い聞かせられたわ」
百代まりあ
:「数百年続く由緒正しい名家。海外とも交流があって、昔はとても大きなお屋敷に住んでいた、そんなお話」
百代まりあ
:「それから、とてもしっかり躾けて頂いたわ」
胡緑蘭
:「まりあに期待してたんだね。ご両親が居ないから余計にそうだったのかな」
百代まりあ
:「ええ、そうだと思うわ」
百代まりあ
:「人として、淑女としての心構えから、テーブルマナーや日々の所作まで」
胡緑蘭
:「でも大変そうだな~名家の躾。お仕置きとかされちゃうんでしょ?」
百代まりあ
:思い出す。それらを少しでも誤れば、出来なければ、とてもとても厳しい折檻があった。
百代まりあ
:「……そんなことはないわ」かぶりを振って。
百代まりあ
:「必要な分だけよ。おばあ様はとても優しい人だもの」
胡緑蘭
:「ふーん……」
百代まりあ
:「でもね、そんなおばあ様が亡くなって……」
百代まりあ
:「教えられたことに、ひとつだけ間違いがあると分かったの」
胡緑蘭
:「へえ、そうなんだ。一体何が?」
百代まりあ
:「…………」目を伏せて。
百代まりあ
:「百代家は、何百年も続いてきた家柄では無かったの」
百代まりあ
:「お屋敷に住んでいたというのも、間違い」
胡緑蘭
:「………え?え?それって」
百代まりあ
:「何をもって名家と呼ぶのかは、人それぞれだけれど。お金の面で裕福な家柄でなかったのは、確かね」
胡緑蘭
:「……いや、ちょっとまってよ。それじゃあ」
胡緑蘭
:「おばあさんは、君にずっと嘘をついていたってことにならない?」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「見方によっては、そう言えるのかもしれないわ」
百代まりあ
:「それまで住んでいた家も、大きくはなかったけど、貸家だった」
百代まりあ
:「おばあ様は、わたくしに色々なことを教えるのに、沢山お金を借りていたの」
胡緑蘭
:「…………」
百代まりあ
:「それで、その借金をどうやって返そうか、よく考えていた頃……」
百代まりあ
:「……わたくしは、オーヴァードになったの」
百代まりあ
:「自分ではよく分からなかったけれど、それでUGNに保護して頂けたの」
百代まりあ
:「それで今は、その借金を返すために、働いているの」
百代まりあ
:「このモニタァのアルバイトも、その一環ね」
胡緑蘭
:「……まりあは、それでいいの?」
百代まりあ
:「?」
百代まりあ
:「それでいいって……何がかしら?」
胡緑蘭
:「君がオーヴァードになったのは、正直ラッキーだったと思う。そうじゃなきゃ今頃まともには暮らせてないだろうしね」
胡緑蘭
:「でも、その力を」
胡緑蘭
:「自分になんの咎もない負債を返すために、それも自分に嘘をついていた人の……」
胡緑蘭
:「そのために使うことは、辛いとは思わない?」
百代まりあ
:「……そうね……」
百代まりあ
:「…………」少し黙り込んで、
百代まりあ
:「……まず、わたくしがUGNで働いているのは、お金を返す為だけではないの」
百代まりあ
:「UGNの理念が、正しい事だと賛同できるから」
百代まりあ
:「わたくしの力が、誰かの助けになるのなら、それは」
百代まりあ
:「やるべきこと……やらなければいけないことだと、わたくしは思うわ」
胡緑蘭
:「やるべきこと……か」
百代まりあ
:「それから……」そこで言葉を切って、
百代まりあ
:小さなロザリオを取り出して、緑蘭に見せる。
胡緑蘭
:「……?」
百代まりあ
:「これはね、おばあ様から貰ったものなの」
百代まりあ
:「おばあ様は、百代家のご先祖様が、江戸時代に宣教師から賜った、とても貴重なものだと仰っていたわ」
胡緑蘭
:「………」それは本当か、とは口に出さない
百代まりあ
:そのロザリオは、ところどころメッキが剥がれ、作りも荒く、安っぽい。
百代まりあ
:どう見ても、安価なまがい物だ。
百代まりあ
:「……」緑蘭の表情を見て少し笑って。
胡緑蘭
:「……それが一体?」
百代まりあ
:「多分、そのお話は……本当ではないと思うの」
百代まりあ
:「でもきっと、おばあ様にとっては、本当のことだったと思うわ」
百代まりあ
:「百代家は、由緒正しい名家ではないかもしれない」
百代まりあ
:「でも、おばあ様がわたくしに教えたことが、全て間違いだったとは、思いたくないの」
百代まりあ
:「人として……淑女としてどうあるべきか。それはきっと、正しい教えだったはずよ」
百代まりあ
:「何を信じるかは、きっと自分で決められる」
百代まりあ
:「わたくしは、ただ、百代家の者として、やるべきことをするわ」
百代まりあ
:「わたくしは……」
百代まりあ
:「百代まりあだから」
百代まりあ
:メッキの剥がれかけたロザリオを手に、笑う。
胡緑蘭
:「………」痛ましげな顔で聞いていたが、やがて諦めたように笑って。
胡緑蘭
:「……そっか、強いんだね。まりあは」
胡緑蘭
:「けど、それなら尚更」
胡緑蘭
:「この勝負、負けるわけには行かなくなったな」
胡緑蘭
:ロザリオを握る手に片手を添える
百代まりあ
:「ええ。まだ早飲みで勝ててもいないのに、強いなんて言えないわ」
百代まりあ
:「でも、緑蘭」
百代まりあ
:「わたくしがもし勝負に負けたとして、一緒に旅に出るのは、すぐには出来ないと思うの」
百代まりあ
:「定食屋のおじ様とおば様のお手伝いもしなくてはいけないし、UGNのお仕事もあるもの」
百代まりあ
:「緑蘭のしてほしい事なら、勝負でなくとも何でも聞いてあげるけれど」
百代まりあ
:「出来ることだけよ。出来ないことを出来るとは言えないわ」
胡緑蘭
:「まりあ」遮るように強い語気で
胡緑蘭
:「良いよ。僕はまりあに何かしてほしいとは思わない」
百代まりあ
:「そうなの?」
百代まりあ
:「緑蘭が望むなら、腕にでもなるわよ」
胡緑蘭
:「ふふ、それは嬉しいけど遠慮しておくよ。僕の腕になられたら手も繋げないからね」
胡緑蘭
:「まりあ。君のやるべきことも、やらなければいけないことも、僕には関係ない」
胡緑蘭
:「手に入れると決めたものを、龍は必ず奪う」
胡緑蘭
:「君と一緒に度に出る。それが———」
胡緑蘭
:「僕の"やりたいこと"だ」
胡緑蘭
:「まりあ。今はわからなくても良い。でもこれだけは憶えておいて」
胡緑蘭
:「人間は、自分がやりたいことのために生きていい」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「いま」
百代まりあ
:「ちょっとだけ、ドキドキしたわ」
百代まりあ
:くすりと笑って。
百代まりあ
:「ねえ、緑蘭。それなら――」
百代まりあ
:緑蘭の頬に手で触れて。
百代まりあ
:「奪ってみせて」
百代まりあ
:「きっとよ?」
胡緑蘭
:「ああ、約束する」
胡緑蘭
:「必ず、君を連れていくよ」
胡緑蘭
:頬に触れていた手を掴み
胡緑蘭
:「……けど、差し当たっては」
胡緑蘭
:「君は一つ、やるべきことをやらなければならない」
百代まりあ
:「……」きょとんとして。「何かしら」
胡緑蘭
:「君、僕にしたことを忘れたのかい?」
胡緑蘭
:「歯、磨いてないだろ」
百代まりあ
:「あっ!」慌てて身を起こす。
百代まりあ
:「しまったわ……!」口元を抑え
百代まりあ
:「虫歯になってしまうわ!」
胡緑蘭
:「今度はこっちが磨いてあげよう。さっきのお返しだ」
胡緑蘭
:百代さんの手を引いて洗面所へ歩いていく。
百代まりあ
:「わ……わたくしは一人で磨けるわ……!」
胡緑蘭
:「ふふふ~、どうしてくれようかな~」
百代まりあ
:もがもがと抵抗しながらも、ずるずる引きずられていった。
GM
:ロイス、購入が可能!
百代まりあ
:ロイスは保留でボデマ!
百代まりあ
:2DX>=12
DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 9[8,9] → 9 → 失敗
百代まりあ
:う~ん 以上!
吉沢龍剣
:白銀さんに取りましょう
吉沢龍剣
:共感○/敵愾心で
吉沢龍剣
:でもって購入はアームドスーツ!
吉沢龍剣
:3dx+4
DoubleCross : (3R10+4[10]) → 9[3,8,9]+4 → 13
茶川 閂
:ロイスなし。
茶川 閂
:購入はボデマ!
茶川 閂
:2dx+2>=12
DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 6[4,6]+2 → 8 → 失敗
茶川 閂
:だめぽ
茶川 閂
:以上です
太田止隆
:ロイスはなし。購入は~
太田止隆
:Savannahでアームドスーツ
太田止隆
:3dx+1
DoubleCross : (3R10+1[10]) → 10[6,7,10]+2[2]+1 → 13
吉沢龍剣
:あっ、そっか
太田止隆
:ウオッ回った。白銀さんからもらった財産点を2点払って購入成功。装備
吉沢龍剣
:今の太田さんめちゃくちゃ金がある!
太田止隆
:UGNボディアーマー1個余ったよ!
太田止隆
:購入にしか使えないが、あと11点ある!
吉沢龍剣
:侵蝕高い百代さんかな?
吉沢龍剣
:持たせとくとすれば
太田止隆
:じゃあ百代さんにUGNボディアーマー渡しときます 装備しときな!
百代まりあ
:やったわ
百代まりあ
:ありがたく装備させていただくわ
太田止隆
:というわけでこちらは以上!
【Middle5:「セカンド・レネゲイド・インパクト」】
GM
:ミドル5 情報収集4
GM
:シーンプレイヤーは太田さん。ほか登場自由!
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+6(1d10->6)した (侵蝕率:66->72)
茶川 閂
:67+1d10
DoubleCross : (67+1D10) → 67+9[9] → 76
百代まりあ
:79+1D10
DoubleCross : (79+1D10) → 79+1[1] → 80
百代まりあ
:最高
太田止隆
:均されてきたな
吉沢龍剣
:1d10+73
DoubleCross : (1D10+73) → 9[9]+73 → 82
吉沢龍剣
:ぐええ
GM
:はわわわ……
---
GM
:情報項目はこちら!
■情報収集
・開発資料を調べる④〈知識:レネゲイド〉〈知識:考古学〉〈情報:UGN〉難易度12
・調達履歴を調べる③〈知識:遺産〉〈情報:UGN〉〈情報:FH〉難易度12
■絆を深める
判定者が対象にロイスを所得している場合、判定達成値にボーナス加算
・済:桐生嚆矢(8/8)〈白兵〉 難易度12 ロイスボーナス+5 最大達成値50
・済:白銀明日香(4/4)〈RC〉〈知識:レネゲイド〉 難易度7 ロイスボーナス+1 最大達成値30
・胡緑蘭(4/6)〈RC〉〈芸術:早飲み〉 難易度9 ロイスボーナス+3 最大達成値40
・済:咲玖夜(3/3)〈白兵〉〈意思〉 難易度8 ロイスボーナス+4 最大達成値20
GM
:残り3項目!各々どうぞ!
茶川 閂
:開発資料の方行かせてもらいます!
茶川 閂
:固定値が4加わっているぜ~! レネゲイドで判定!
茶川 閂
:5dx+6>=12
DoubleCross : (5R10+6[10]>=12) → 10[3,6,7,9,10]+7[7]+6 → 23 → 成功
茶川 閂
:危なげなし!
太田止隆
:じゃ調達履歴を。<知識:遺産>で
太田止隆
:9dx+4=>12
DoubleCross : (9R10+4[10]>=12) → 9[1,2,3,4,6,7,8,8,9]+4 → 13 → 成功
GM
:敏腕エージェント共め
太田止隆
:ふう……白銀さんと三密していなければ危なかった
百代まりあ
:緑蘭を……オトす!
百代まりあ
:7DX+8>=9
DoubleCross : (7R10+8[10]>=9) → 10[3,4,4,6,9,10,10]+4[4,4]+8 → 22 → 成功
GM
:オチました(オチてた)
GM
:では緑蘭のプライズから開示します。
■好感度6/6
・よく分かる功夫講座・魔境編
中級者向け功夫講座の皮を被った未知のRC理論体系。新たな境地が開ける。
判定者が所持するエフェクトから一つを選び、LVを1上昇させる。この時LV上限を超えても良い。
GM
:百代さんはエフェクトLVを一つ上げてください
百代まりあ
:え~~~っっ
百代まりあ
:ヤバ
GM
:バトルが始まるまでに決めてくれればいいよ
百代まりあ
:はーい
・戦闘データ開示
『"スリーピー・ホロウ"胡緑蘭』
中華風の装いをした浅黒い肌の少年。
隻腕ながら武術の腕前は確かで、フリーの傭兵を営みながら世界各地を旅している。
シンドロームはバロール/ノイマン。
片腕は戦闘による負傷ではなくバロール能力の暴走により『喰われた』のだという。
・主要エフェクト
《空間圧縮》
《ダークマター》《過剰収縮》《オリジン:レジェンド》
《漆黒の拳》《縮退機関》《コントロールソート》
GM
:大体さっきの夜会話で言っちゃいましたね
GM
:続いて調達履歴、開発資料を開示します
・調達履歴を調べる③
『調達履歴'〇〇.03.27:ジュラシックレコードの破片』
取引先:
"ヘロディアン"
セル
一説には最古のレネゲイド・オブジェクトとも噂される遺産の一種。
『ジュラシックレコード』はUGNが定めた識別区分であり、実際の形状・性質はその来歴毎に千差万別である。
今回取引されたものは、その中で最も広く知られた石斧型のオブジェクトだ。
しかし、この取引は本来成立し得ないものである。
同型の遺産はすべて遺産管理局の管理下で現在も正常に運用されていることが確認されており。
さらにこの時取引された破片の数は1000個を超え、それらすべてが"全く同一の組成"であった。
これらは
昨年の晩夏
にUGNとFHの戦闘で崩壊した飲食店跡から、
技術、遺産の収奪を生業とする"ヘロディアン"セルによって回収されたものである。
GM
:迷惑な人もいるもんですね
百代まりあ
:迷惑だな~
・開発資料を調べる④
『研究論文:レネゲイドの起源について』
レネゲイドウイルスがこの世界にどのようにして発生したのかという命題に対しては、どの研究機関も未だ確証ある説を提唱できていない。
この論文は姫宮由里香、ケイト・リチャーズ、三芳孝一ほか、複数の研究者の共著となっており、現時点で有力視されているいくつかの仮説が紹介されている。
いずれの説も一定の信憑性と矛盾を抱えており、実際にはこれらの要素が複数重なり影響し合った結果が、現在の世界を形作っているのではと推察されている。
GM
:論文の方はこんな感じ。詳しい説明は例によって共有シーンの中でします
太田止隆
:大それた話になってきたぞ
GM
:そして2つの情報を抜いたことで、新たな情報項目が出現します。
GM
:項目はこちら
■情報収集
・社長室を調べる②〈情報:FH〉難易度10
GM
:遺産も使えます。
吉沢龍剣
:じゃあ念の為借りましょう!夏目さんパワー!
GM
:どうぞ!
吉沢龍剣
:5dx+4
DoubleCross : (5R10+4[10]) → 8[2,3,5,6,8]+4 → 12
吉沢龍剣
:白銀さんの力も借りてばっちり!
GM
:流石です
GM
:では開示!
社長室を調べる②
『Revelation-21:1-8:セカンド・レネゲイド・インパクト計画』
GM
:現時点ではこのタイトルだけがわかります
GM
:これはいわゆるFHの作戦書ですね
吉沢龍剣
:なるほど…『計画』ですか…
吉沢龍剣
:これは興味深いですね
GM
:詳しい内容は例によって共有シーンの一番最後に明かしたいと思います。
吉沢龍剣
:オッケイ!
GM
:では情報共有いってみましょう!
リベレーターズ 警備員詰所
GM
:調査は核心に近づきつつある。
GM
:君達は再び詰所に集まり、集めた情報を精査していた。
吉沢龍剣
:「よぉ、遅かったじゃねえか」
吉沢龍剣
:我が物顔という感じで机の上に脚を投げ出している
百代まりあ
:「ふー……」ジャージ姿でタオルを片手に、風呂上りそのものの様相で現れる。
百代まりあ
:「お待たせしたわね」カンフーの特訓を受けてきた。
茶川 閂
:「机が汚れちゃいますよ」
太田止隆
:「というより、単純に無意味なことをするな。これから使う所にわざわざ足を乗せるなど」
太田止隆
:気難しげな表情
吉沢龍剣
:「いンだよ細けえ事は」
咲玖夜
:「ま、まあまあ二人共……」
吉沢龍剣
:読んでた過激なグラビア誌を机に放り
吉沢龍剣
:「ンな事より、なんか掴めたか?」
太田止隆
:「……取り引きについて。事実だけをはっきりとさせるなら」
太田止隆
:「FHセルとのやり取りがもう一つ、見つかった。"ヘロディアン"セルという、技術と遺産の収集、横流しを主とするセルだな」
吉沢龍剣
:「ほォ」
吉沢龍剣
:「また毛色の違う連中が出てきやがったな」
茶川 閂
:「そんな奴らとまで?」
太田止隆
:「やり取りの対象となったのは……」 少し沈黙し
吉沢龍剣
:「なんだ、ハッキリ言え」
太田止隆
:吉沢さんの言葉に背を押されるように 「……遺産、ジュラシックレコード。その破片、およそ1000」
咲玖夜
:「1000……?」
太田止隆
:「しかも、組成からして、そのジュラシックレコードはUGNが管理しているはずのものだ」
百代まりあ
:「1000個……」牛乳瓶の蓋を開けながら
百代まりあ
:「遺産って、そんなに沢山あるものなのね」
茶川 閂
:「いや、遺産って普通そんなにたくさんないですよね……?」
吉沢龍剣
:「あたりめーだろ」
吉沢龍剣
:「なんのカラクリだ、そいつは」
太田止隆
:「世界で唯一のものだ。……つまり」
太田止隆
:「『どうやって』という手段を省き、さらに今までの情報から推測するのであれば」
太田止隆
:「平行世界・並列世界。そういった概念から引っ張ってきた……という考え方ができるかもしれん」
百代まりあ
:「あ……ソファね!」
太田止隆
:「そう。この際手段は省くとしてな」
咲玖夜
:「……あの、その遺産っていつ頃手に入れられたのか判明していますか?」
太田止隆
:「組成レベルの複製、という線もなくはないが……時期?」
茶川 閂
:「何か気になることがあるのか?」
太田止隆
:「昨年の夏の暮れ、UGNとFHの戦闘の跡から回収された、と記録にある」
太田止隆
:「該当する戦闘が何かはUGNの方に問い合わせ中だが……」
咲玖夜
:「……夏目さんです」
太田止隆
:「"フリージア"?」
咲玖夜
:「その戦闘に関わったUGN側の人員が夏目さんです。対するFHは」
咲玖夜
:「
"スターゲイザー"
」
太田止隆
:「スタッ……」
咲玖夜
:「……聞き覚えはありませんか?特級の時空超越能力者」
吉沢龍剣
:「ハッ、また大層な名前が出てきたモンだな」
百代まりあ
:(イギリスのパイかしら……?)
太田止隆
:眉間を押さえ 「……なるほどな。そうか。奴が原因であれば……」
茶川 閂
:「同じ遺産を、いろんな世界から引っ張ってこれるってわけですか……」
吉沢龍剣
:「てめェらUGNの用意した中でもトップクラスのブラックリストだろうが、この生業で知らない奴はいねえ」
吉沢龍剣
:「時空を超越するだのなんだの、ペテンやフカシかと思ってたが」
吉沢龍剣
:「なんとまァ、事実だったってわけか。笑えるぜ」
太田止隆
:「理論上は可能なんだろうな。とにかく、分かった。それならこの事態に対して、……不本意だが、そこまでの不可解はない」
太田止隆
:「やはり問題とするべきは『何故』だ。別世界の同一遺産を大量に取得して、何をするか」
太田止隆
:「まったく同種のエネルギー燃料として使う、等いくつか当て推量はできるが……」
吉沢龍剣
:「これまでに連中の用意したモンとは」
吉沢龍剣
:「ワケが違う、そいつは『兵器』だろうが」
吉沢龍剣
:「宇宙のタコと戦争でも構えるつもりか?」
茶川 閂
:「そうですね。それでなんですけど、ちょと見てほしいものがあって」
茶川 閂
:資料を取り出す。「一番厳重なところから引っ張ってきました。まだ俺も中に目を通せてはいないんですが……」
茶川 閂
:『レネゲイドの起源について』と名付けられた論文。
茶川 閂
:「そのジュラシックレコードとも、何か関係があるかもしれません」
百代まりあ
:「……これは?」
吉沢龍剣
:「また文字だらけの紙束かよ」
咲玖夜
:「でも今までと違って簡単そうなタイトルですよ?」
茶川 閂
:「ええ。ただ、なんでここでレネゲイドの期限が関わってくるんでしょう?」
茶川 閂
:「かえって、簡単そうなやつの方が難しいかもしれないぜ。こういうやつは特に」
太田止隆
:「不服か、文字だらけの紙束は。ものが確かなら、純粋な情報ということだぞ」
吉沢龍剣
:「どれも一緒だ、学者野郎のしたためたモンは」
吉沢龍剣
:「どいつもこいつも持って回った長ったらしい言い回しでイライラしやがる」
吉沢龍剣
:「400文字でまとめろ、400文字で」
茶川 閂
:「まま、とりあえず目を通してみましょうよ」
百代まりあ
:「そうね、もっと分かりやすく簡単に書いてくれてもいいと思うわ」
百代まりあ
:「挿絵があると嬉しいわね」
吉沢龍剣
:「いいアイデアだ」
吉沢龍剣
:「お前書き込んどけ、百代」
太田止隆
:「正確性のためだろう。……どれ、見てみるか」
GM
:文中には以下のように記述されている
GM
:記述者は──────米国陸軍 国際文化遺産研究所 スー・ストラップ・ストラトフォード
---
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『レネゲイドの起源について』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『"レネゲイド・インパクト仮説"は、レネゲイドウイルス研究が活発化した比較的初期から提唱されてきた』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『生命の起源が宇宙より飛来したという説は一般社会でも度々言及されるが、その多くは与太話の域を出ない』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『しかし、レネゲイドが絡む場合は事情が異なる。UGNでは宇宙より来訪したレネゲイドビーイングの存在が確認されており、宇宙空間にもレネゲイドが存在する点については疑いようがない』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『では、それらはいつどのようにしてこの星に舞い降りたか。この謎を解く手がかりとなるのが、"ジュラシックレコード"の存在である』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『その名で分類される遺産は、皆一様に"炎"に対する根源的恐怖を喚起する。それは太古の時代には存在しなかった"炎"という未知の存在に対する恐怖だと説明する者もいる』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『しかしこれが、遺産に感染したレネゲイドが感じた原初の恐怖から来るものだとしたらどうなるだろう』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『地表への隕石衝突による破局的災害の炎は、レネゲイドウイルスをして死の恐怖を刻みつけるに足るものではないだろうか』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『幾つかの研究機関で、この遺産に対して《サイコメトリー》を試みた報告が上がっているが、いずれも結果は芳しくない』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『"遠すぎる"のである。十分な解像度のサルベージを行うには、出力のバックアップに加えてより強力な概念的補強が必要となるだろう』
スー・ストラップ・ストラトフォード
:『仮に、世界の果て、銀河の極点を捉えられる程の眼があれば、或いは──────』
---
吉沢龍剣
:「描けたか?」
百代まりあ
:「…………」神妙な顔。
吉沢龍剣
:「なんだそのツラは」
百代まりあ
:コピー用紙には、火を吹く火星人に丸焼きにされるパキケファロサウルスの図が描かれている。
百代まりあ
:「つまり……こういうことね……」
茶川 閂
:(そうかなぁ…?)
百代まりあ
:「やっぱり宇宙人……宇宙戦争……」
百代まりあ
:「地球の危機だわ……!」
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:「よく描けてんじゃねーか」
吉沢龍剣
:「画伯だぜ、お前」
百代まりあ
:「ふふーん」胸を張る
百代まりあ
:「美術は4よ」
吉沢龍剣
:「太田、解説」
吉沢龍剣
:なでなでしつつ。
咲玖夜
:「(投げた……)」
太田止隆
:「正当でない評価は本人のためにならないぞ」
太田止隆
:そっと消しゴムを置きつつ
太田止隆
:「この論文ではジュラシックレコードに含まれるレネゲイドウィルス、あるいはそれによるエネルギーこそが、レネゲイドの起源に近いものなのではないか、と仮説している」
太田止隆
:「それが仮説に留まっているのは、証明しようがないからだ。モルフェウス能力者の持つ物体記録読解、いわゆるサイコメトリーと呼ばれる能力であっても……」
太田止隆
:「観測は不可能だった。昔過ぎるからだな」
茶川 閂
:「限度があったわけですね」
太田止隆
:「そして、サイコメトリー能力でレネゲイドの起源を読み解くためには、二つ」
太田止隆
:「『出力』と、『概念的補強』……『意味』だな。論理では説明しきれない原則、言ってしまえばおまじないみたいなもの」
太田止隆
:「そういうものがあれば可能なのではないか、と提唱している。……スー・ストラップ・ストラトフォードか。面白いものを書くな」
太田止隆
:「この論文内で例に挙げられているのは」 椅子に深く座り直し 「『銀河の果てを観測できるような力』だ」
吉沢龍剣
:「ここの連中がFH連中からかき集めてる品が」
吉沢龍剣
:「その2つを保管するためのパーツなんだとすりゃあ」
吉沢龍剣
:「辻褄は合うってところか」
茶川 閂
:「ええ……そうなってくると」顎に手を当てる。「『リベレーターズ』は本当にそれをしようとしているってことになるわけです」
百代まりあ
:「銀河の果て……」
百代まりあ
:「あっ!」
百代まりあ
:「あったわよね……あの……」
百代まりあ
:「いべ……ほら……すごい望遠鏡が……」
茶川 閂
:「『イベントホライゾンテレスコープ』」
百代まりあ
:「それ!」
吉沢龍剣
:「そいつも『レネゲイドの起源』とやらを見るためのアプローチのひとつかもな」
太田止隆
:「レネゲイド・インパクト仮説に則った、外宇宙の超古代起源レネゲイドの解析の実行か……」
茶川 閂
:「そりゃ、これだけかき集める必要もありますわ。一大事業だ」
咲玖夜
:「でも、結局どうするつもりなんでしょう。レネゲイドウイルスを乗せてきたかも知れない隕石を観測して」
咲玖夜
:「ただの学術的興味……ではないですよね」
吉沢龍剣
:「解析データだけでもいくらでも買い手はつく」
吉沢龍剣
:「それこそUGNやFHの上からすりゃあ、喉から手が出るようなモンだ」
吉沢龍剣
:「何せ、そいつが解き明かせりゃあ遺産だの古のレネゲイドだのを」
吉沢龍剣
:「いくらでも増やせる手はずが整うっつーこった」
百代まりあ
:「お得ね」
吉沢龍剣
:「動機は分かるぜ……金儲けが目的なら、な」
吉沢龍剣
:「だが奴等の口ぶりはどうもそういうわけじゃねえ」
太田止隆
:「増やせる……かはさておき、解析は発展の基礎だからな。将来的にはそうなることも有り得るし、賞金稼ぎの言うことは間違ってない」
太田止隆
:「だが、そうだ。違和感がある。そんなことを『目的』に、ここまでのことをするか……」
茶川 閂
:「ここまで来たら、もう直接問いただすしかないんじゃないですかね」
茶川 閂
:「結局、俺たちで話をしてても分かるわけじゃないですし。桐生CEOを闇討ちして世界を元通りにして終わり、で納得するならそれでもいいですけど」
吉沢龍剣
:「たまには話がわかるじゃねーか」
吉沢龍剣
:コキコキと首を鳴らす
吉沢龍剣
:「いい加減、ぐちゃぐちゃとくっちゃべってンのにも飽きてきたところだ」
茶川 閂
:「たまにはってなんすか、たまにはって!」
太田止隆
:「確かに頃合いだな。材料は十分、複数のセルとの取り引きに、その物品。何を考えているかも見えてきた」
太田止隆
:「UGNとして十分に取り締まれる」
吉沢龍剣
:「総会と行こうぜ。労働者のご質問に答えんのも、お偉方の役目だ」
吉沢龍剣
:「こいつの意味もな」
吉沢龍剣
:最後に取り出すのは、薄い紙ペラ1枚
吉沢龍剣
:ほとんど黒塗りにされたデータのコピーだ
百代まりあ
:「……?」
茶川 閂
:「吉沢さん、それは?」
吉沢龍剣
:「桐生ンとこに忍び込んで取ってきた」
咲玖夜
:「あの社長室にこんなものが……」
太田止隆
:「……肝だな。内容は?」
吉沢龍剣
:「さァな、見ての通り内容は殆ど削除されてやがった」
吉沢龍剣
:「拾えた言葉はこンだけだ」
吉沢龍剣
:「セカンド・レネゲイド・インパクト」
吉沢龍剣
:「だとよ」
太田止隆
:「……第二のレネゲイド・インパクト……計画……?」
百代まりあ
:「……セカンド……二回目……」
百代まりあ
:「……一回目は、さっきのお話の、ジュラシックパークということ?」
茶川 閂
:「そうなる」眉間にしわを寄せる。「これが文字通りの意味なら……」
太田止隆
:(『そうなる』で良かったかな……)
吉沢龍剣
:「そう焦んな」
吉沢龍剣
:「こいつの元データは、とっくに斑鳩の奴に渡してある」
吉沢龍剣
:「手を焼いてるが再生自体は出来なくもねェとよ」
太田止隆
:「助かる。ならばそれを待つか」
吉沢龍剣
:「アタシとしちゃ、ンなもん待たずにさっさと殴り込みてェとこだがな」
GM
:程なくして、斑鳩から君達の元へ解析結果が届く。
『Revelation-21:1-8:セカンド・レネゲイド・インパクト計画』
レネゲイドウイルス発生に関わる仮説の一つ『レネゲイド・インパクト』を人為的に起こそうという計画。
FH内で数多ある試案の一つであり、その荒唐無稽さから優先度は非常に低いものだったが
N市で発生した複数の事件が残した遺物、数多の組織が開発したアーティファクト、それらをしがらみも制約もない企業の立場で利用できる『リベレーターズ』
そして何よりN市という場そのもの────『重なった世界』と『賢者の石の鉱床』の存在によって、その計画は俄に実現性を帯びた。
その計画の要旨は、かつて地球にレネゲイドを持ち込んだ天体、『魔星』を呼び出して地表に衝突させ、『原初のレネゲイドウイルス』を再拡散させることである。
GM
:以下にその詳細を記す。
GM
:提唱者は──────
"反逆の聖人"
(
イスカリオテ
)
アルフレッド・J・コードウェル
---
アルフレッド・J・コードウェル
:『Revelation-21:1-8:セカンド・レネゲイド・インパクト計画』
アルフレッド・J・コードウェル
:『"魔星"召喚のプロセスは以下のようなものである』
アルフレッド・J・コードウェル
:『第一段階:世界各地、8つの天文台へモルフェウス/バロール能力を有するエージェントを派遣する』
アルフレッド・J・コードウェル
:『第二段階:エージェントは"ストロンチウム光格子時計"と"エンプティハート受信端末"を望遠鏡に接続し、"ジュラシックレコードの破片"に対して《サイコメトリー》を行う』
アルフレッド・J・コードウェル
:『これを行っても何も観測できない場合もあるだろう。だがそれで良い。破片は無数にある。サンプルを交換して観測できるまで継続する』
アルフレッド・J・コードウェル
:『レネゲイド・インパクトは数ある仮説の一つに過ぎない。ともすれば、この世界では"魔星"は存在しなかったかも知れない』
アルフレッド・J・コードウェル
:『しかし、"ジュラシックレコードの破片"がもたらされた平行世界、多元宇宙の中で一つでも"魔星"が存在した世界があるのなら』
アルフレッド・J・コードウェル
:『観測者はその存在を朧気にでも感じることができるだろう。特異点に於いては未来だけでなく過去すらも無限の可能性を持つのである』
アルフレッド・J・コードウェル
:『観測者はその後、自らのレネゲイドを"エンプティ・ハート受信端末"に注入し厳重に持ち帰らなければならない』
アルフレッド・J・コードウェル
:『第三段階:8つの"エンプティ・ハート受信機"を一箇所に集め、"エンプティ・ハート"本体に統合する』
アルフレッド・J・コードウェル
:『この場所は衛星軌道上であることが望ましい。レネゲイドウイルスを効果的に拡散させるには、大気圏突入と地表衝突による飛散が不可欠であるからだ』
アルフレッド・J・コードウェル
:『エンプティ・ハートの統合により、8つの観測情報もまた統合される。数千万~数億年前の映像を同期させることになるが、光格子時計の精度であれば誤差は許容範囲内と言える』
アルフレッド・J・コードウェル
:『第四段階:斯くして"魔星"は降臨する。そこに開くのは銀河の極点すら見通す、惑星規模の《ディメンジョンゲート》である』
アルフレッド・J・コードウェル
:『無論、これは多分に希望的観測を含む計画である。ここまでお膳立てをしたところで、"魔星"がこちらに現れる可能性は低いと言わざるを得ない』
アルフレッド・J・コードウェル
:『しかし、我々の推測が正しければ、"道"が開き、彼方と此方の"眼"が合ったなら、後はごく自然に事は成る』
アルフレッド・J・コードウェル
:『何故なら"魔星"とは——————』
GM
:シーン終了!購入、ロイス可能!
太田止隆
:財産点余裕あるのでみんなの様子見て決めます
吉沢龍剣
:アームドスーツチャレンジ!
吉沢龍剣
:5dx+4
DoubleCross : (5R10+4[10]) → 7[2,2,3,3,7]+4 → 11
吉沢龍剣
:ダメ!以上!
百代まりあ
:うーんもういっこ応急
百代まりあ
:3DX>=8
DoubleCross : (3R10[10]>=8) → 9[4,8,9] → 9 → 成功
百代まりあ
:太田止隆 ○連帯感/不安 で取得、以上!
茶川 閂
:ボデマにGO
茶川 閂
:2dx2+12
DoubleCross : (2R10+12[2]) → 10[2,3]+10[7,10]+10[1,5]+1[1]+12 → 43
茶川 閂
:まちがえた!
茶川 閂
:めちゃくちゃな誤字
太田止隆
:めちゃくちゃな誤字から繰り出されるめちゃくちゃな成功
茶川 閂
:2dx+2>=12
DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 4[1,4]+2 → 6 → 失敗
茶川 閂
:まあだめ!
茶川 閂
:以上です
太田止隆
:さっきの分で成功扱いにするよう頼んでも良かったんじゃないかな……w
太田止隆
:んじゃアームドスーツ2個目
太田止隆
:3dx+1=>15
DoubleCross : (3R10+1[10]>=15) → 6[3,3,6]+1 → 7 → 失敗
太田止隆
:ギフトカードから財産8支払って購入。吉沢さんに渡します。以上!
吉沢龍剣
:わーい!ありがとうございます!
吉沢龍剣
:装備で以上!
茶川 閂
:お金もちだ
【Master Scene1】
?????
GM
:照明の落ちた部屋を、無数のモニターの明かりが照らしている。
GM
:ワークチェアに座り、そのモニターの一点を睨み続ける男が一人。
GM
:"リベレーターズCEO"桐生嚆矢である。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「………」
白銀明日香
:「もう少しだね。嚆矢」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……明日香か。ああ、もう少しだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「既に7つの観測データが集まっている」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「やはりというか、俺たちが混ざり込んだことによる記憶の侵蝕が効いているのは、N市の周りだけみたいだな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「外国では『リベレーターズ』がH社を買収してるなんて誰も知らない」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ま、関係ねえけどな。だったらH社のエージェントを偽装すればいいだけだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「事が進めば、いずれ侵蝕は外の世界にも広がっていく」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……見ろよ。明日香」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:中央のモニターを指差す。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:そこにはぼんやりと青白い光を発する天体が虚空に浮かぶ映像が表示されている。
白銀明日香
:「これが、例の星……」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ああ。エンプティ・ハートの統合はまだだが、画像の解析だけならここでもできる」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……やっと見えたぞ。"魔星"が」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「それにこの青い光。おそらく俺らの予想通りだ」
白銀明日香
:「なら……」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ああ、今度は必ず上手くいく」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「明日香。もうじき8つ目が空港に届く。迎えを頼めるか」
白銀明日香
:「わかった」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……気をつけてな」
白銀明日香
:「……大丈夫」
白銀明日香
:「私は嚆矢の盾だから」薄く笑って部屋を後にする。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「…………」再び、モニターの青い光を見つめる。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「………もうすぐだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「もうすぐだぞ。止隆」
GM
:それは、無明の虚空を裂く蒼白の閃光だった。
GM
:直径およそ40m。地表に衝突すれば都市一つを吹き飛ばして余りある、
災害
(
ディザスター
)
級飛翔体。
GM
:それはレネゲイドウイルスを乗せた隕石である。
GM
:だが、尋常の隕石ではない。その大きさ、性質を差し引いても、余りある異常がそこにはある。
GM
:"遺産"の分析によって導き出された組成は、鉄0.44%、ニッケル0.04%、コバルト0.02%。
GM
:金、白金、イリジウム、合わせて0.001%。
GM
:残る99.499%が——————レネゲイドクリスタル。
GM
:『"魔星"アイオーン』
GM
:それは、銀河の彼方より飛来する
GM
:巨大な、賢者の石の塊である。
【Middle6:「『ナメられたら、殺す』ですよ」】
GM
:ミドル戦闘が発生します。全員登場!
百代まりあ
:80+1D10
DoubleCross : (80+1D10) → 80+5[5] → 85
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+9(1d10->9)した (侵蝕率:72->81)
茶川 閂
:1d10+76
DoubleCross : (1D10+76) → 3[3]+76 → 79
吉沢龍剣
:1d10+82
DoubleCross : (1D10+82) → 1[1]+82 → 83
GM
:なんだかんだで均されるのね
市内 高速道路
GM
:『リベレーターズ』の目的は、いずれかの並行世界で地球にレネゲイドをもたらした特大の賢者の石────
GM
:『"魔星"アイオーン』を呼び出し、再び地球に墜とすことだった。
GM
:君達はその最後の鍵である8つ目の観測データが
GM
:まさに今、このルートを通って輸送されていることを掴み
GM
:奪取するのための防衛網を構築していた。
GM
:程なくして、高速道路の向こうから数台の貨物トラックが姿を表す。
GM
:一般の輸送車両に偽装しているが、装甲車並みの補強を施した特注車だ。
GM
:その助手席には────
白銀明日香
:「…………」
白銀明日香
:しきりに時計を確認する。
白銀明日香
:「すみません、もう少しスピードを……」
白銀明日香
:「…………?」
白銀明日香
:「あれは……」
吉沢龍剣
:そのフロントガラスに薄く霜がかかり
吉沢龍剣
:白みがかった視界、ヘッドライトに照らされて
吉沢龍剣
:燃えるような赤髪の女が立っている。
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:トラックの進行方向、にやりと猛獣めいた笑みを向けて
白銀明日香
:「!!」咄嗟に運転手のハンドルを奪い、進路を変えようとするが……
吉沢龍剣
:バキ ン!!
吉沢龍剣
:アスファルトの上に振り下ろされたバットから、一瞬にして巨大な氷筍が突き上がり
吉沢龍剣
:巨大な装甲車を底からひっくり返す!
GM
:戦闘の車両が勢いよく横転し、高速道路を塞ぐように横倒しになる。
GM
:後続の車両も追突、或いは停止を余儀なくされ
GM
:半ば炎上する車両から、数名の武装した人影が現れる。
白銀明日香
:「……吉沢さん。どういうおつもりですか」
吉沢龍剣
:「どうもこうもねェよ」
吉沢龍剣
:「言ったろうが、今日日ワンマン経営なんぞ流行んねェって」
吉沢龍剣
:伊達眼鏡を外し
吉沢龍剣
:道路の上に放り捨てる。ガラスの砕ける音。
吉沢龍剣
:「一身上の都合で辞めさせてもらうわ」
吉沢龍剣
:「でもって」
吉沢龍剣
:「テメーもアホな考えは捨てな、室長どの」
吉沢龍剣
:「他人の男の趣味なんぞ、とやかくとケチつける性分じゃねェが」
吉沢龍剣
:「見ず知らずの連中まで巻き込んで色ボケてんじゃねーよタコ」
白銀明日香
:「アホな考え……?」
白銀明日香
:「……心外ですね。貴方とは趣味が合うと思っていたのですが」
吉沢龍剣
:「惚れた男はめちゃくちゃにしてェ性質だが」
吉沢龍剣
:「石ころで遊ぶ趣味はねえ」
白銀明日香
:「成程……そこまで知られてしまいましたか」
吉沢龍剣
:「そういうわけだ」
白銀明日香
:「変に目をつけられるよりは、懐に入れてしまった方が対処もしやすいと思っていましたが」
白銀明日香
:「失策でしたね……人の記憶の不完全性をもっと考慮するべきでした」
白銀明日香
:「ですが、石ころ遊びとは心外です」
吉沢龍剣
:「だったらなんだ、アレがてめェらの言う」
吉沢龍剣
:「桐生嚆矢の『望み』ってわけか?」
白銀明日香
:「そうです。もっとも……」
白銀明日香
:「説明した所で、ご理解いただけないでしょう」首を振って
白銀明日香
:「そこを退いてください」
白銀明日香
:「彼には、私が必要ですので」
吉沢龍剣
:「……閉じこもりやがって」
吉沢龍剣
:「救えねえな、ぼんくらども」
吉沢龍剣
:「……だとよ!」
吉沢龍剣
:白銀たちの背後へと声をかける。
太田止隆
:静かな足音と共に。
太田止隆
:装甲車を挟んで吉沢さんの逆側から、道路を歩いて姿を表す。戦闘用の防具を着込み、その手には大盾と双身剣。完全武装である。
白銀明日香
:「……太田さん」その方向を忌々しげに睨む
太田止隆
:「"レディ・ビー・グッド"。開発主任であれば、役員セキュリティ担当の追跡を免れると思っていたのだったら……」
太田止隆
:「残念だったな。俺はもう少し仕事熱心だ」
白銀明日香
:「成程、桐生から聞いていた以上ですね」
白銀明日香
:「ということは、もうひとりの部下も……と考えたほうが良さそうですね」
茶川 閂
:「そういうことです。」太田さんのやや後ろから。「貴方をここから先に進めさせるわけにはいきません」
白銀明日香
:「…………」無言で手を上げ、背後の二人の部下に合図する。
リベレーターズA
:「室長、ここは我々が」
リベレーターズB
:銃を構え、それぞれ太田さん、茶川くんに狙いを定める。
白銀明日香
:「三人、ですか?であればここで足止めさせて頂きます」
百代まりあ
:「お待ちなさい!」
百代まりあ
:吉沢の後ろからひょっこりと現れ、声を張り上げる。
白銀明日香
:「……?あなたは……」
百代まりあ
:「白銀さん!あなた達も!本当にお分かりなの!?」
百代まりあ
:「大きな隕石なんて落とせば、沢山の人が死んでしまうわ!」
百代まりあ
:「それはいけないことよ!」
百代まりあ
:「今すぐおやめなさい!」
百代まりあ
:びし、と指を差して叫ぶ。
白銀明日香
:「やめません」きっぱりと
百代まりあ
:「……!」唇を噛む。
百代まりあ
:「それなら、力尽くで止めるしかなくなってしまうわ!」
白銀明日香
:「構いません。もとよりこちらも力ずくで押し通るつもりですので」
百代まりあ
:「ううっ……!」
太田止隆
:「構えろ、"グローセ・ベーア"」
太田止隆
:双身の刃の片方が炎を纏う。それを振るうと同時、一帯の前後を阻むように炎の壁が燃え上がった。敵も、己も、逃さぬように。
吉沢龍剣
:「手が出せねェならすっこんでな」
吉沢龍剣
:「そいつが嫌なら」
吉沢龍剣
:「拳を握れ」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「……ええ……」
百代まりあ
:「分かっているわ」
百代まりあ
:ただ静かに、白銀たちを見据える。
白銀明日香
:「……百代さん。犠牲、というのなら我々は既に多くの……」
白銀明日香
:「数え切れない犠牲を払ってしまった」
白銀明日香
:「いずれ咎は受けます。けれど今ではない」
白銀明日香
:「これは、私達の
"執行猶予期間"
(
モラトリアム
)
」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「そう」
百代まりあ
:「止まる訳には、いかないのね」
白銀明日香
:「……押し通ります。お覚悟を」
百代まりあ
:「残念だわ。あなた達の理想が、行いが、本当に素晴らしいものだと思っていたから」
百代まりあ
:「……だからこそ、ここで」
百代まりあ
:「止めるわ」
白銀明日香
:「……お好きにどうぞ」
白銀明日香
:「我々はまだ、折れるわけにはいきませんので」
GM
:『リベレーターズ』の三人が臨戦態勢に移行する。
GM
:ミドル戦闘を開始します。
GM
:
エンゲージ
[太田] [茶川]
↑
5m
↓
[リベレーターズA] [白銀] [リベレーターズB]
↑
5m
↓
[百代] [吉沢]
GM
:エンゲージはこちら・
GM
:それでは行きましょう!セットアップから!
太田止隆
:ないぞ!
茶川 閂
:《螺旋の悪魔》で暴走、暴走時《極限暴走》の効果で《背徳の理》と《喰らわれし贄》!
茶川 閂
:ラウンド間攻撃力+21、シーン間攻撃力+15とダイス+10.
茶川 閂
:浸食は7上昇し86に
GM
:エネミーは全員なし
吉沢龍剣
:氷の茨!
吉沢龍剣
:このPCと同エンゲージから離れたエネミーは即座に7d10ダメージ!
吉沢龍剣
:侵蝕は86に!
百代まりあ
:セットアップは無し、緑蘭のNPC効果でレベルを上げるエフェクトは……決意の≪オーバードーズ≫!
GM
:ではイニシアチブ17、リベレーターズA,Bから
GM
:《アームズリンク》《急所狙い》大型拳銃で攻撃
GM
:対象は~
GM
:2d4
DoubleCross : (2D4) → 6[2,4] → 6
GM
:吉沢さんと茶川くん!
吉沢龍剣
:野郎!
吉沢龍剣
:来やがれ!
GM
:まずは吉沢さんから
茶川 閂
:ダレカタスケテー!
リベレーターズA
:8dx+2
DoubleCross : (8R10+2[10]) → 7[1,1,3,3,4,4,5,7]+2 → 9
リベレーターズA
:集中できないやつなんてこんなもんか……
百代まりあ
:コンセが……無い!
茶川 閂
:やっぱり集中力は大事だなぁ
吉沢龍剣
:回避にチャレンジ!
吉沢龍剣
:いや、ガードしとこう
吉沢龍剣
:白銀室長の力、お借りします!
リベレーターズA
:1d10+9 諸々有効!
DoubleCross : (1D10+9) → 6[6]+9 → 15
吉沢龍剣
:諸々で弾く!
吉沢龍剣
:ノーダメージ!
リベレーターズA
:ちっ
リベレーターズB
:続いて茶川くんへの攻撃
リベレーターズB
:8dx+2
DoubleCross : (8R10+2[10]) → 10[1,2,2,4,6,7,9,10]+6[6]+2 → 18
茶川 閂
:アギャーッ
茶川 閂
:リア不!
リベレーターズB
:今度は回った!暴走してるのにな!
リベレーターズB
:ダメージ
リベレーターズB
:2d10+9 諸々有効
DoubleCross : (2D10+9) → 15[5,10]+9 → 24
太田止隆
:おっと、《炎陣》が
リベレーターズB
:なんだとォ
茶川 閂
:いや、今回はいいです
太田止隆
:じゃあ受けといて!
茶川 閂
:ほぼ生き残る計算だったので…
茶川 閂
:丸ッと喰らって残りは4で生存!
リベレーターズB
:そんなにヒロインに看病してほしいのか
百代まりあ
:不潔!
太田止隆
:なるほどね
茶川 閂
:誤解なんだ
GM
:では演出!
GM
:『リベレーターズ』は元々がオーヴァードの少年少女の愚連隊だ
GM
:当然、その社員の多くはオーヴァード……かつてUGNの訓練を受けた脱走チルドレンである
GM
:白銀の横に控える二人の部下が素早く銃を抜き放ち、二方向に向けて斉射する!
リベレーターズB
:「喰らえ!」
リベレーターズA
:「邪魔をするな!」
吉沢龍剣
:「ンな豆鉄砲が」
吉沢龍剣
:「効くか、ボケ!!」
吉沢龍剣
:ガィン!キィン!
吉沢龍剣
:正面からバットで全弾撃ち落とす!
茶川 閂
:防御姿勢を取らない。弾丸は過たず頭蓋に的中するが。
茶川 閂
:「くそっいってーな! 顔覚えたぞお前!」流血を流しながら吠える。
茶川 閂
:その体は既に太田さんの防御範囲を押しのけるかのように前に出ている。
白銀明日香
:「……反撃来ます。注意して」
GM
:続いてイニシアチブ8、太田さんか茶川くん
GM
:どちらが先にいきますか?
太田止隆
:動こうかな
茶川 閂
:どうぞ!
太田止隆
:マイナーで移動、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート:白兵》
太田止隆
:対象は白銀さん。盾を作る前にダメージ積んどくぞ……!
GM
:ゲー!
太田止隆
:10dx8-4
DoubleCross : (10R10-4[8]) → 10[2,2,3,3,3,4,5,6,6,8]+6[6]-4 → 12
太田止隆
:ふはは
GM
:おかわいいこと
GM
:盾がないのでドッジします
GM
:5dx+1>=12
DoubleCross : (5R10+1[10]>=12) → 7[1,1,4,7,7]+1 → 8 → 失敗
茶川 閂
:あたったー!
太田止隆
:こわいわ
吉沢龍剣
:ほーっ
太田止隆
:2d10+11
DoubleCross : (2D10+11) → 13[4,9]+11 → 24
太田止隆
:諸々有効!
GM
:結構痛い!でもいきてる!
太田止隆
:氷に覆われた盾を壁とし、銃撃してくるリベレーターズの元へ少しも躊躇せず一直線に突っ込んでいく。
白銀明日香
:「皆さん一旦後ろへ、ここは………」
白銀明日香
:「!?」
太田止隆
:あと数歩で間合い、という所で、踏み込むと同時に燃え盛る双身剣の片方、燃える刃を振るって"リベレーターズ"を炎で巻き、
太田止隆
:その勢いで方角を一跳び、炎の刃とは逆、堅く凍てついた刃で、上方から斬りかかる。
白銀明日香
:予想以上の速度、盾の錬成が間に合わない……!
太田止隆
:「……お前の戦い方はよく分かっている。なら、手を打たれる前に飛び込むのも俺の仕事だ」
白銀明日香
:「くっ!」
白銀明日香
:かろうじて身を反らし、致命傷を避ける。
太田止隆
:「しかし、お前が嚆矢の盾か」
白銀明日香
:「ぐ……流石に……」
白銀明日香
:「"本物"は一味違いますね……」
白銀明日香
:火傷と凍傷を同時に負わされた肩を押さえ、太田さんを睨む
太田止隆
:「ふ」 嘆息するように笑い 「まるで"偽物"みたいな物行いだ」
白銀明日香
:「ええ、ですが……」
白銀明日香
:「それも今日で終わりです」
太田止隆
:「俺にもお前にも、望ましい終わりであればいいんだが」
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+4した (侵蝕率:81->85)
GM
:続いてイニシアチブ8、茶川くんの手番ですが
白銀明日香
:ここで《時間凍結》
茶川 閂
:ゲーッ
吉沢龍剣
:野郎!
白銀明日香
:HP20消費し、イニシアチブで行動します。
太田止隆
:勝負を賭けてきたな
百代まりあ
:こいつっ
茶川 閂
:太田さんが離れたところで!
白銀明日香
:マイナーで《シールドクリエイト》《ダブルクリエイト》さらに《真名の主》
白銀明日香
:5D10
DoubleCross : (5D10) → 20[2,4,1,8,5] → 20
白銀明日香
:シールドクリエイトで作る片方の盾の攻撃力を+20します
白銀明日香
:そしてメジャーで《物質合成》
白銀明日香
:2つの盾を合成し、ガード値30、攻撃力20の武器を装備します
白銀明日香
:「ふっ……うっ……!」
白銀明日香
:両手を掲げ、武装を錬成する。
白銀明日香
:片方に大盾、もう片方に両刃の双剣。
白銀明日香
:その2つにバロールの魔眼がまとわりつき、さらに一つの武装へと昇華する。
白銀明日香
:身体の半分を覆う大盾の両端に、漆黒の刃が取り付いた盾剣。
太田止隆
:「……その構えは」
白銀明日香
:「不覚を取りましたが……ここからが"レディ・ビー・グッド"の本領です」
GM
:改めてイニシアチブ8、茶川くん!
茶川 閂
:いくぜ~っ
茶川 閂
:マイナーで5m移動、エンゲージ!
茶川 閂
:メジャーで《コンセントレイト》+《インスタントボム》、対象は白銀さん
茶川 閂
:86→92
茶川 閂
:14dx7
DoubleCross : (14R10[7]) → 10[1,1,2,2,2,2,3,4,6,6,6,8,8,10]+5[1,2,5] → 15
茶川 閂
:ええ……
GM
:君たち……
茶川 閂
:やる気ゼロか?
百代まりあ
:乳繰り合ってる場合とちゃうぞ!
白銀明日香
:ガード!
茶川 閂
:2d10+38
DoubleCross : (2D10+38) → 13[7,6]+38 → 51
茶川 閂
:装甲は無視!
GM
:???
太田止隆
:固定値の悪魔
吉沢龍剣
:殺人火力
百代まりあ
:茶川くんステキ~
GM
:30弾いて21……元々時間凍結で瀕死なので
GM
:倒れます!即落ち!
茶川 閂
:やったわ
吉沢龍剣
:ヤッター!
百代まりあ
:いぇーい
茶川 閂
:流血を気にせず歩き始める。散歩のように。
茶川 閂
:(”力を”)炎に揺らめく影が、足元から体内へ飲み込まれる。
茶川 閂
:(”貸せ”)滴り落ちていたはずの血が漆黒に染まり、逆再生するかのように体内に戻る。痛々しい血肉をあらわにしていた傷跡は黒いひび割れに。
茶川 閂
:「ウチの支部にはひとつルールがありまして」
白銀明日香
:「ルール、ですか……?」盾を構えたまま、刃を茶川くんへ向ける
茶川 閂
:白銀明日香の目の前に立つ。拳を握る。
茶川 閂
:「『ナメられたら、殺す』ですよ」
白銀明日香
:「それはまた……」
白銀明日香
:「こちらこそ、舐められたものです……ねっ!!」
白銀明日香
:一瞬の踏み込み。盾を突き出したまま、接近し、下段から刃を振り上げようとする。
茶川 閂
:白銀の生み出した武器を迎え撃つように上から下への大ぶりなパンチを放つ。
GM
:ガキィン!!
茶川 閂
:刃の頂点を拳の中央でとらえ、その軌道をなぞるように武器を砕き進み拳が白銀に直撃する!
白銀明日香
:『なっ……!』
白銀明日香
:「ぐっ……!うぅ!!」
茶川 閂
:「まあ俺は、すぐに殺したりはしたくないんですが……しばらくはおとなしくしてもらいますし、拘束もさせてもらいます」
茶川 閂
:「貴方たちの思い通りにはさせません」
白銀明日香
:間合いの内側を迫る拳に対応できず、盾剣を取り落して弾き飛ばされる。
吉沢龍剣
:「へぇ……」
吉沢龍剣
:「巽のやつ、いーい鍛え方してんじゃねェか」
太田止隆
:「良い攻撃だ。"レディ・ビー・グッド"。無理に動くなよ」
茶川 閂
:「へへ、あざす」気を抜いたように表情をくずす。
白銀明日香
:「………」力なく膝を折りながらも、その意志は折れていない。
白銀明日香
:「『あなた達の思い通りにはさせない』ですか……」
白銀明日香
:「……それも、こちらの台詞です」
太田止隆
:「何……?」
白銀明日香
:目線で『リベレーターズ』の部下に合図を送る。
リベレーターズA
:「………」静かに頷き
リベレーターズA
:「お先に失礼します……室長」
リベレーターズB
:懐から端末を取り出し、スイッチを押す。
百代まりあ
:「あっ!?」
GM
:その瞬間、二人が立つ場所が爆発する。———自爆装置だ。
GM
:その爆発によって、高速道路は君たちの側と装甲車側とに分断された。
百代まりあ
:「…………!!」爆風に煽られ、言葉を失う。
百代まりあ
:「そんな……!」
太田止隆
:「!!」 瞬時に、見上げんばかりの高さの氷の壁を生成。その衝撃を防ぐ
太田止隆
:「下がれ!」 だが、それも長くは持たない。言いながら後退する
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:氷の壁がせり上がり
吉沢龍剣
:百代と自分の身を守る。
GM
:土煙の向こうから、一台のドローンが飛び立つ。
茶川 閂
:「……!」引かず、顔も背けない。爆風に吹き飛ばされながらもドローンに手を伸ばし、それはむなしく空を切る。
GM
:それは"8つ目の観測データ"を乗せて、『リベレーターズ』の社屋へと去っていった。
GM
:戦闘終了です。
吉沢龍剣
:「チッ」
吉沢龍剣
:ドローンを見上げ、怒りの滲む顔で舌打ち。
吉沢龍剣
:「大バカどもが」
茶川 閂
:ゴロゴロと転がって地面に這いつくばる。
吉沢龍剣
:「くたばる理由に他人を使ってんじゃねーぞ」
茶川 閂
:「なんだよ……」吐き捨てるように。「そこまでして、誰をなにから解放するってんだ……!!」
白銀明日香
:「……これで、大丈夫。後は嚆矢が……ゲホッ……!」
白銀明日香
:先程の負傷に加えて、爆風を受けて瀕死の状態だ。
白銀明日香
:アスファルトに血を吐き零しながらも、君達を見上げる。
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:そこに歩いていく。
吉沢龍剣
:「嚆矢がどうしてくれるって?」
吉沢龍剣
:「てめェやあいつらを天国にでも連れて行ってくれんのか?」
白銀明日香
:「私達を?ふふ……」
白銀明日香
:「言ったでしょう。私達はじきに報いを受けますよ」
白銀明日香
:「ですが、あなた達は行けるかも知れませんね」
白銀明日香
:「あなた達は、一つ誤解しているようです。"魔星"を呼ぶ、そこまでは突き止められたようですが……」
白銀明日香
:「……私達が、ただ"魔星"を落とすとお考えですか?」
吉沢龍剣
:「何?」
白銀明日香
:「流れ星を見たのなら、人は願いをかけるものですよ」
白銀明日香
:「………これ以上は私の口からは言えません。嚆矢を裏切ることになりますので」
白銀明日香
:「あとは……」
白銀明日香
:その瞬間、手の内に刃を錬成し首元に当てる。
白銀明日香
:「"彼女"に聞いてください」
白銀明日香
:「さようなら」そのまま手を引き────
吉沢龍剣
:──がっ!
白銀明日香
:「!」
吉沢龍剣
:その腕を掴んで止める。
吉沢龍剣
:ぎりぎりと骨に食い込むような指の力。
吉沢龍剣
:「甘ったれてんじゃねえぞ」
白銀明日香
:「っ……なんのつもりですか、吉沢さん」
吉沢龍剣
:「報いを受ける覚悟があるっつゥなら」
吉沢龍剣
:「生きて自分の目でケリまで見届けやがれ」
吉沢龍剣
:「天国だの地獄だの、都合のいいモンがあるわけねェだろうが」
白銀明日香
:「……残酷ですね」
吉沢龍剣
:「残酷だ?当然だろ」
吉沢龍剣
:「他人の背中に希望だのなんだの」
吉沢龍剣
:「乗せるってのは安くねェんだよ」
白銀明日香
:「──────。」
吉沢龍剣
:「惚れた男のことなら」
吉沢龍剣
:「最後まで見届けな」
白銀明日香
:「ふふ……」錬成した刃を落とし
吉沢龍剣
:「……ち」
吉沢龍剣
:「やっぱ肩入れしちまう、趣味が合うとな」
白銀明日香
:「……ええ、そこまでおっしゃるのでしたら」
白銀明日香
:「ですがよろしいのですか?そちらも分かっているはずです」
白銀明日香
:「私が死んだところで、"この世界の私"が戻ってくるに過ぎない」
白銀明日香
:「彼女の《サイコメトリー》なら、この件の真実はすべて知ることができるでしょう」
吉沢龍剣
:「さァな、知ったこっちゃねー」
吉沢龍剣
:「アタシは賞金稼ぎ。ンな小難しい理屈を考えんのは、こいつらの役目だ」
吉沢龍剣
:「……オイ!」
吉沢龍剣
:後ろの3人に向かって
吉沢龍剣
:「アタシは好きにした」
吉沢龍剣
:「こいつはアタシのブラックリストにはいねえ。後は生かすなり殺すなり、お前らの勝手にしな」
太田止隆
:「本当に好きにしていたな」
太田止隆
:「が」 「……よく自殺を止めてくれた」
吉沢龍剣
:「気色の悪い、礼なんているかよ」
吉沢龍剣
:「アタシはともかく」
吉沢龍剣
:「そいつも納得しねェだろうが」
吉沢龍剣
:百代さんの方に軽く顎をしゃくる
百代まりあ
:かつ、かつ、と、靴底がアスファルトを叩く音。
百代まりあ
:百代が、倒れた白銀に歩み寄る。
百代まりあ
:小柄な少女だが、今は彼女を見下ろして。
白銀明日香
:「百代さん……」それを見上げる
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「聞きたいことがあるの」
百代まりあ
:「……人々の道標になりたいというあなた達の願いを聞いて」
百代まりあ
:「わたくしは、素敵なことだと思ったわ」
百代まりあ
:「困っている人々を助けるあなた達の行いを見て」
百代まりあ
:「……素晴らしいと思ったわ」
百代まりあ
:「……全部」
百代まりあ
:「……すべて、嘘だったの?白銀さん」
白銀明日香
:「そう……です、ね……」
白銀明日香
:「……いいえ。嘘ではありません……少なくとも私達にとっては」
白銀明日香
:「ただその手段が、あなた達とは相容れないと言うだけ」
白銀明日香
:「だから……ええ」
白銀明日香
:「あなたを騙していたのは本当です」
白銀明日香
:「軽蔑しますか?百代さん」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「分からないわ」
百代まりあ
:「あなた達が何をしようと、何を成そうとしているのか、まだ分からないから」
百代まりあ
:「わたくしは……」
百代まりあ
:「命より大事なものなんて無い、なんて」
百代まりあ
:「そんなことは言えないわ」
百代まりあ
:「時には自分を捨ててでも、するべきことがあると知っているから」
白銀明日香
:「するべきこと……ですか」
白銀明日香
:「ふふ、皮肉ですね……私たちは……嚆矢は」
白銀明日香
:「あなたのような子供が、そんな事を考えなくてもいい世界になるように、戦っていたというのに」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「でも、それは」
百代まりあ
:「悪戯に命を捨て、ましてや奪っていいことには、断じてならないわ」
百代まりあ
:ずい、と顔を寄せ、白銀の顔を両手で掴む。
白銀明日香
:「む?成すがままに掴まれる。
百代まりあ
:「あなたとは、まだお話しなくちゃいけないことがあるわ」
百代まりあ
:「それにまだ、わたくしはあなたを怒るべきなのか、助けるべきなのか、分かっていない」
百代まりあ
:「だから、もし次に、自分で命を投げ出そうとしてみなさい」
百代まりあ
:「引っぱたくわよ」
百代まりあ
:吐息の掛かる距離、真剣な表情で言う。
白銀明日香
:「ふふ……怖いですね」薄く微笑みを返して
白銀明日香
:「…………」全員を見渡し
白銀明日香
:「元より惜しくはない命ですが、受けた借りはお返しします」
白銀明日香
:「『リベレーターズ』に戻られるのでしょう?その道中で……」
白銀明日香
:「お話しましょう。我々の真の目的を」
白銀明日香
:「その後どうするかは、皆さんにお任せします」
白銀明日香
:「……私はもう見届けることしかできませんので」
GM
:今回は社に直行するのでロイスのみ!
吉沢龍剣
:ロイス枠埋まってるのでなし!以上!
百代まりあ
:保留!以上!
太田止隆
:保留だなあ
茶川 閂
:百代さんに〇尊敬/隔意で
茶川 閂
:以上!
【Master Scene2】
??ヶ月前 リベレーターズ本社跡地
GM
:街に唯一残った高層建築。
GM
:その最上階、かつて社長室であった場所から、桐生嚆矢は街を見下ろしていた。
GM
:人はいない。車も、建物も、あらゆる営みが消えて久しい。
GM
:一面の廃墟である。その中に目を凝らすと、俄に蠢く黒点がある。
ジャーム
:「ウゥ……アァ…………」
GM
:それは、かつて人だった者だ。
GM
:生ける屍の如き、意思なきジャームの群れ。それがこの世界の人々の末路だった。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「なあ……どこで間違ったと思う」
白銀明日香
:「…………」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「奪ったミサイルの内、2つをUGNに落とされた所か?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「いや……あの状況じゃあ上手く行った方だよな。一つは街に落ちたんだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「その後、レネゲイドウイルスの存在公表をUGNに抑え込まれて、結局情報封鎖されちまったことか?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「けどそれでも、大都市一つを"魔街"に変えたのを手土産にFHには受け入れられた」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「悪くない展開だったよな。"リベレーターズ"セル、なんて名乗っちゃってさ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「その後、セルの方向性を企業型に持ってたのも良い判断だった。金はいくらあってもいいからな」
白銀明日香
:「………」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「………ってなるとやっぱアレか」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「
"完全制御特異点"
か?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「"オーヴァードだけの世界を作る"……ああ、たしかにここはオーヴァードだけの世界になったよ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「だが人間はいねえ。意思のないジャームの群れ……そうなるように"変質"しちまった」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「………お笑い草だな。焦って訳の分からねえ力に縋った結果がこれだ」
白銀明日香
:「嚆矢……」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「だが……!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:ボロボロの机を殴りつける。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺は認めねえ。こんなものが……」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「あいつを失ってまで進んだ先が、こんな風に終わっていいはずがねえ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ああそうだ……俺はずっと間違っていた」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「願いをかける星を間違った。かけるべき願いを間違った」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「矢を放つ方向を……間違った……!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:見開かれた瞳に火が灯る。それが正気のものであるかは……
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺たちは、人を超えた人の可能性だと思った。だが違う」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺たちは、どこまで行っても化物だ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「だから……」白銀の方に振り向く
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「"全部なかったこと"にする」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺たちはいずれ罰を受けるべきだ。だがその前に」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「……できねえとは言わせねえぞ」その瞳は、白銀の更に奥へ
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺はもう一度。世界を終わらせる」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「だから、飛ばせ。あの世界に」
?????
:「…………」
?????
:「……………ふふ」
GM
:解放者の視線の先で、少女は笑った。
GM
:まるで、夜空に瞬く流星を見つけたかのように
GM
:金色の瞳を煌めかせて。
【Middle7:「抗えばよろしいでしょう。我々は侵略者ですので」】
GM
:最後のミドル!シーンプレイヤーは百代さん!ほか自由!
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+1(1d10->1)した (侵蝕率:85->86)
GM
:いいぞいいぞ
吉沢龍剣
:85+1d10
DoubleCross : (85+1D10) → 85+4[4] → 89
百代まりあ
:85+1D10
DoubleCross : (85+1D10) → 85+9[9] → 94
百代まりあ
:アッ…………
GM
:百代……
茶川 閂
:1d10+92
DoubleCross : (1D10+92) → 8[8]+92 → 100
茶川 閂
:バカ~!
GM
:茶川……
---
GM
:では真相解明前に最後の情報項目です。
・調達履歴を調べる④〈調達〉〈情報:軍事〉〈情報:FH〉難易度10
GM
:これだけ。
GM
:これを抜くとクライマックスへ進めます。
吉沢龍剣
:よーしまかせとけ!
太田止隆
:おまかせするわ
吉沢龍剣
:夏目さんパワーも使って調達!
吉沢龍剣
:7dx+4
DoubleCross : (7R10+4[10]) → 10[1,5,6,6,9,10,10]+6[6,6]+4 → 20
吉沢龍剣
:意味のない回り方
GM
:好感度パワーだね
吉沢龍剣
:オフィスれずパワ~~
GM
:では開示
・調達履歴を調べる④
『調達履歴'〇〇.03.09:対衛星迎撃ミサイル ELD-013ASAT レランパゴ』
取引先:
"エルドラード"
セル
崩落戦実行セルの一つ"エルドラード"が製造した衛星破壊用ミサイル。
”エルドラード”は軍産複合体を母体とした兵器開発セルだったが、
『第二次崩落戦計画』の頓挫、セルリーダーの死亡により現在は壊滅状態となっている。
このミサイルは市街戦では使用機会がなかったため、予備戦力として温存されることとなり
"聖櫃"
(
アーク
)
と呼ばれるレネゲイドアイテムの中に死蔵されていたが、3年前に散逸
。
僅かに残ったエルドラード残党の手に戻り、セル崩壊に伴う債務整理の形で売却された。
GM
:ミサイルです。
GM
:また、これに伴って
GM
:『リベレーターズ』が"コピーキャット"から調達したエンプティ・ハートは一つだけではなく
GM
:大容量1基と小型のものが3基。都合4基であることがわかります。
吉沢龍剣
:バカ!!
百代まりあ
:多いって
吉沢龍剣
:そんなに元気玉作ってどうするつもりなんだ
茶川 閂
:元気すぎる
吉沢龍剣
:笑顔ウルトラZでSparkingかよ
GM
:これはおそらく、エルドラードから仕入れたミサイルに搭載するっぽい所までわかっていいでしょう。
GM
:これらを踏まえて、この後のシーンで白銀の口からリベレーターズの目的を明かしていきます。
UGN輸送車両内
GM
:君達は白銀を拘束し、共に『リベレーターズ』日本支社へ向かうべく車を飛ばしていた。
吉沢龍剣
:「ふーっ」
吉沢龍剣
:「やっぱりスーツなんざ、堅苦しくって気に食わねえや」
吉沢龍剣
:いつものジャケット姿に戻っている
太田止隆
:「そうだな。もう窮屈な格好をする必要はない」
吉沢龍剣
:「ありがてえよ。ここんとこも、きゅーくつじゃねー、しなっ」
吉沢龍剣
:たゆんゆたゆんゆ
吉沢龍剣
:「決戦前にひと揉みいっとくか?」
吉沢龍剣
:にたーっと太田さんに
百代まりあ
:「龍剣!」パッシィア!
吉沢龍剣
:「おおあっ」
太田止隆
:自然に目をそらしつつ、手を組む 「……嚆矢の作戦は」
茶川 閂
:そらしつつ。「……作戦は?」
吉沢龍剣
:「ちっくしょー最後までシカトかよ」ぶつぶつ
太田止隆
:「…………」 目を閉じ
太田止隆
:「嚆矢の作戦は、もう最後の段階まで行っているだろう。最後の座標情報も見事に送られたようだし」
太田止隆
:「こうなればもう、動き出した奴を止めるだけだ。……だからその前に」
太田止隆
:「全てはっきりさせておきたい。……"レディ・ビー・グッド"」
白銀明日香
:「………はい」太田さんに視線を向ける
白銀明日香
:「吉沢さん。先程お渡しした調達履歴。目は通されましたか?」
吉沢龍剣
:「エンプティハート、つったか」
吉沢龍剣
:「よくもまあ、大小4基も揃えたもんだ」
白銀明日香
:「ええ、それと対衛星ミサイルもです」
百代まりあ
:「み……ミサイル……」
白銀明日香
:「エンプティ・ハートの方は高く付きましたが、ミサイルは破格でしたね」
吉沢龍剣
:「限度ってモンを知らねえのかよ」
吉沢龍剣
:「ったくタコが、呆れるぜ」
茶川 閂
:「しかも、対衛星って……」
百代まりあ
:「そんな大掛かりなものを沢山用意して……一体何に使おうと言うの」
白銀明日香
:「そうですね。一言で言えば……」
白銀明日香
:「"魔星"にぶつけます」
百代まりあ
:「……ぶつける……?」怪訝な顔。
百代まりあ
:「あなた達の目的は、その“魔星”を落とすこと……」
百代まりあ
:「……じゃ、ないの?」
吉沢龍剣
:「砕いて、落とす」
吉沢龍剣
:「拡散するんだろうが、そいつに詰まった因子ってやつを」
吉沢龍剣
:「『こっち』の桐生のやつも似たような事、ほざいてやがったぜ」
白銀明日香
:「いいえ違います。私達は企業ですので、リソースは有効に使用します」
吉沢龍剣
:「……違う?」
白銀明日香
:「"使う"のです。直径40mの賢者の石を」
吉沢龍剣
:「!」
白銀明日香
:「言いましたよね。星は落とすのではなく願うものです」
白銀明日香
:「いくら対衛星ミサイルとはいえ、賢者の石、それもあの質量が相手では」
白銀明日香
:「おそらく、破壊は困難でしょう。それでも、ただ届かせるだけならこれほど有効なものもない」
吉沢龍剣
:「……ンなバカでかいレネゲイドの塊が」
吉沢龍剣
:「その願いとやらが届いたとして、都合よく制御できると思うのか?」
吉沢龍剣
:「いや、ンな確認はいらねーか」
吉沢龍剣
:「マジで限度ってモンを知らねーな、お前ら」
白銀明日香
:「制御する必要はありません。"魔星"は無色透明な力の塊です」
白銀明日香
:「一度入力が届いたなら、そのように働きます。問題は……」
白銀明日香
:「適合するかどうかです。賢者の石は使い手を選びますから」
白銀明日香
:「そのために、ミサイルの弾頭にエンプティ・ハートを搭載します」
太田止隆
:「……賢者の石の適合者なのか」
白銀明日香
:「ええ、"誰が"そうかはわかりませんが、確率としては95%を超えるはず」
白銀明日香
:「皆さんは、エンプティ・ハートを単純に出力を統合するためのものと考えているかも知れませんが」
白銀明日香
:「もう一つ、利点があるのですよ」
吉沢龍剣
:「利点だ?」
太田止隆
:「……適合した者でなければ引き出せないエネルギーを」
太田止隆
:「そうでない者でも使えるようにするバイパス、ということだな?」
白銀明日香
:「半分当たりです。バイパスとして使うのは事実ですが」
白銀明日香
:「あれに願いをかけるのは、あくまで適合者です」
白銀明日香
:「エンプティ・ハートは複数のレネゲイド因子を統合する。つまり」
太田止隆
:「適合素質そのものを……!?」
白銀明日香
:「はい。数多くのオーヴァードから因子を集めれば。あらゆる賢者の石にアクセスするマスターキーを作ることができる」
茶川 閂
:「……それは。本来適合者じゃなかったオーヴァードはどうなるんですか」
茶川 閂
:「適合者じゃないのに、強制的に賢者の石を使わされるのも同然ってことなんじゃないんですか……」
吉沢龍剣
:「世界が吹っ飛ぶかもしれねェって時に」
吉沢龍剣
:「お優しいこと気にしやがって」
百代まりあ
:「わたくし達は、UGNなのよ。龍剣」
百代まりあ
:「守っているのは世界でもあるけれど」
百代まりあ
:「それ以前に、人間なの」
吉沢龍剣
:「悪いとは言ってねェだろ。割と嫌いじゃねえよそういうのは」
茶川 閂
:ばつが悪そうに頭を掻いて顔をゆがめる。
吉沢龍剣
:「どうなんだそこんとこ」
白銀明日香
:「人間が使えばそうなるでしょうね。ですが今回搭載されるのはあくまで機械ですので」
白銀明日香
:「"願い"は既にプログラミングされています。集めた因子の傾向が"そう"なのですから」
百代まりあ
:「集めた、因子……」自身も受けた実験を思い出す。
白銀明日香
:「ミサイルに搭載するエンプティ・ハートには、ハンディキャップド・オーヴァード達の因子が統合されています」
百代まりあ
:「あれは、そのために……」
白銀明日香
:「彼らを集めたのは、大義名分を作りやすいということ以上に、彼らでなければいけない理由がありました」
百代まりあ
:「彼らは、皆……」
百代まりあ
:「……制御不能な能力を抱えたオーヴァード……」
白銀明日香
:「それは、彼らが"レネゲイドさえなければ幸せに生きられた"ということ」
百代まりあ
:「……!」
百代まりあ
:「じゃあ、その願いって……!」
白銀明日香
:「我々が"魔星"に何を願うのか。それは……」
白銀明日香
:「レネゲイドウイルスの根絶です」
茶川 閂
:「レネゲイドウィルスの……根絶」
吉沢龍剣
:「ハ、大きく出やがったな」
太田止隆
:「……それが嚆矢の……今度の嚆矢の、
"解放"
(
Liberation
)
か」
白銀明日香
:「条件的には可能です」
白銀明日香
:「おあつらえ向きに、現場には地球にレネゲイドが飛来した瞬間へ続くゲートまで開かれているのですから」
白銀明日香
:「我々の目的は、"魔星"を呼び出し」
白銀明日香
:「そこに"レネゲイドウイルスの根絶"という入力を行う。そして然る後に」
白銀明日香
:「元の時代へ送り返す」
太田止隆
:「……そうか」
白銀明日香
:「特異点に於いては、未来だけでなく過去ですら無限の可能性を持ちます」
白銀明日香
:「"この星に、レネゲイドは発生しなかった"」
白銀明日香
:「その過去を、私達はこの世界に押し付ける」
吉沢龍剣
:「それで、この世界には何も起きなかったことになるってか」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「本当に……そんなことが……」
太田止隆
:腕を組み、静かに息を吐く 「想像がつかないな。レネゲイドのない世界など」
白銀明日香
:「『リベレーターズ』の目的は、地球人類のレネゲイドウイルスからの『解放』です」
吉沢龍剣
:「大それたバカは嫌いじゃあねェ」
吉沢龍剣
:「それに」
吉沢龍剣
:「この力があろうが無かろうがアタシはアタシだ、レネゲイドなんぞ消えようがどうだろうといい」
吉沢龍剣
:「だが」
吉沢龍剣
:「そいつがただ綺麗サッパリレネゲイドを今いる連中の体から消しちまうっつゥ話なら」
吉沢龍剣
:「身内で抱え込む必要はねェだろうが、UGNも建前上、喜んで協力するだろうぜ」
吉沢龍剣
:「……何が起こる、その時に」
白銀明日香
:「そうですね。残念ですがそう綺麗に収まってはくれないでしょう」
白銀明日香
:「全部なかったことになる。歴史が変わるのです」
白銀明日香
:「レネゲイドの力で生き長らえたもの、レネゲイドによって生まれたもの」
白銀明日香
:「それらも全て、消え去るでしょうね」
百代まりあ
:「…………!」
茶川 閂
:(そりゃそうだ。レネゲイドで困ってる奴もいれば、レネゲイドで助かった奴もいる……)
吉沢龍剣
:「出来上がる世界は」
吉沢龍剣
:「てめえらの想像も及ばねェってことか」
百代まりあ
:「そんな……」
百代まりあ
:思い返す。リザレクトで塞がったオーヴァード達の負傷を。UGNで友人になったレネゲイドビーイングを。
太田止隆
:「そうだろう。論ずるに能わん」
太田止隆
:「失われるものも、得られるものも。天秤にかけて測れるようなものじゃない」
太田止隆
:「それはもはや、別の世界だ」
太田止隆
:(そして、仮にそこに、俺と奴がいたとしても)
太田止隆
:「……きっと、名前すら……」
白銀明日香
:「はい。そして私達は、自分たちが生きてきた世界を無価値と断じた。間違いだったと諦めた」
白銀明日香
:「ですからもし……」
白銀明日香
:「あなた達が生きてきた物語がそうではないとおっしゃるのなら」
白銀明日香
:「抗えばよろしいでしょう。我々は侵略者ですので」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「白銀明日香」
白銀明日香
:「はい」百代さんの方を向く
百代まりあ
:真っ直ぐに瞳を見つめて口を開く。
百代まりあ
:「わたくしは、あなた達が生きてきた世界を知らないわ」
百代まりあ
:「あなた達の選択は……もしかしたら、確かに間違いだったのかもしれない」
百代まりあ
:「取り返しのつかない過ちを犯してしまったのかもしれない」
百代まりあ
:「……だけど、あなた達が本当に誤ったのは……」
百代まりあ
:「自分たちの選択を、無かったことにしようとしたことよ」
百代まりあ
:「たとえ間違った選択肢だろうと、それを自らの意志で選んだことは」
百代まりあ
:「無価値でも、間違いでもないわ」
百代まりあ
:「それを無かったことにするなんて、してはいけないの」
白銀明日香
:「……ふふ。百代さんは優しくありませんね」
白銀明日香
:「けれど、正しいです」
白銀明日香
:「私も、あなたのような人間でありたかった」
百代まりあ
:「どうして?」
百代まりあ
:「なれるわよ、今からだって」
白銀明日香
:「そうでしょうか?」
百代まりあ
:「ええ」頷く。
百代まりあ
:「人はいついかなる瞬間にも、自分を変えられる生き物だわ」
百代まりあ
:「それは時に、残酷かもしれないけれど……でも」
百代まりあ
:「どんな風に生まれ、どんな過去を持ち、どんな間違いを犯した人間でも」
百代まりあ
:「正しくあろうとすることは出来るわ」
百代まりあ
:「わたくしはただ、そうしているだけ」
白銀明日香
:「………」
太田止隆
:(……残酷だな)
太田止隆
:(残酷で、美しく、純粋で……正しい)
百代まりあ
:「だから、明日香」
百代まりあ
:「まだ何も、終わってなんかいないわ」
百代まりあ
:「立てる力があるのなら、立ちなさい」
百代まりあ
:「歩ける力があるのなら、歩きなさい」
百代まりあ
:「そして、戦える力があるのなら……最後まで、戦いなさい」
百代まりあ
:「あなたのやるべきことを、するの」
百代まりあ
:目線を合わせて、子供にそうするように語り掛ける。
吉沢龍剣
:「ガキってのは怖ェな」
白銀明日香
:「ええ、本当に……厳しいですね」
吉沢龍剣
:「真っ直ぐで強情で、信じ込んだら折れやしねェ、だが」
吉沢龍剣
:「嫌いじゃねえ……だろ?」
吉沢龍剣
:白銀さんにウィンクする
白銀明日香
:「はい……本当に、趣味が合いますね」
吉沢龍剣
:にっと笑って
吉沢龍剣
:「責任論なんぞ振りかざすのは趣味じゃねえし」
吉沢龍剣
:「てめェらの世界のことなんざ、もっと知ったこっちゃねー」
吉沢龍剣
:「だからこれだけは言っとく」
吉沢龍剣
:「てめェらの売った喧嘩は買った」
吉沢龍剣
:「大取引だぜ、喜べよ室長どの」
白銀明日香
:「ふふ、WIN-WINとはいかなそうなのは残念ですが」
白銀明日香
:「ええ、受けて立ちます」
白銀明日香
:全員を見渡して
白銀明日香
:「残念ですが、私に戦う力は残されていません。散々に痛めつけられてしまいましたので」
白銀明日香
:「ですが、これ以上皆さんの邪魔も致しません」
白銀明日香
:「『リベレーターズ』の主要な人員は、既に衛星への移動を完了しています」
白銀明日香
:「支社の最上階。そこに"扉"があるはずです」
太田止隆
:「……なるほど。それだけ分かれば十分だ」
白銀明日香
:「道中のセキュリティは私の権限でシャットダウンします。後はご自由に」
太田止隆
:「市街戦にならないのは幸いだ。……ならば一つ頼んでも?」
白銀明日香
:「はい?なんでしょう」
太田止隆
:「お前の通信端末を使わせてくれ。さすがに俺のものじゃあ宇宙には繋がりづらそうだ」
白銀明日香
:「構いませんが……」
白銀明日香
:縛られた手で器用に端末を取り出し、渡す。
茶川 閂
:「太田さん? なにを……」
太田止隆
:「何、とは心外だな」 目を細めて、窓の外の空を見て
太田止隆
:「友と話すのに、理由はいるか?」
---
GM
:■小休止 太田止隆 桐生嚆矢
GM
:1d6を振って侵蝕を減らしてください
太田止隆
:1d6
DoubleCross : (1D6) → 3
太田止隆
:3減らして83
UGN輸送車両内
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『桐生だ。首尾は順調か?明日香』
太田止隆
:「……」 少し切り出し方に迷いつつも
太田止隆
:程なく口を開く「よう」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『その声……止隆か?』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『何で明日香の端末に……はっ、まさかお前ら!』
太田止隆
:「ああ、俺だ。電波が通らなかったからな。"レディ・ビー・グッド"のを借りている」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『ん?ああ……そういうことか』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『悪いな、今かなり遠くにいるもんだからよ』
太田止隆
:「どんな誤解をしかけたんだよ」 苦笑
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『うっせえ!』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『……それで、どうした止隆』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『用もなく電話かけてくるような奴じゃないだろ』
太田止隆
:「用のない電話が許されない関係でもないだろ?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『はっ、そりゃそうだ』
太田止隆
:「まあ、いくつか確認したいことがあってな。今のうちに」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『おういいぜ、警備主任様の頼みだ。なんでも答えてやる』
太田止隆
:「それじゃあまずひとつ」 空を見上げながら 「今どこにいるんだ? 具体的に……電波が届かない遠い所って」
太田止隆
:「ちょっとした地下くらいなら問題なく通じるはずなんだが」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『あー……』少し逡巡した様子で
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『……空の上だよ。宇宙。ニュースで見たろ』
太田止隆
:「へえ」
太田止隆
:声色に驚きはない 「それはまた……意外だな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『せっかく買い取った権利だから積極的に使わないとな。こちとらオーヴァードだから宇宙旅行も気軽なもんだ』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『色々確認することもあったしな』
太田止隆
:「物見遊山か。成金は感覚がイカれてるな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『へっ、どうとでも言え。趣味と実益が一致してなきゃベンチャーの社長なんてやってねえよ』
太田止隆
:「それなら……フッ」
太田止隆
:言いかけた所で不意に笑い
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『ん……?』
太田止隆
:「止めよう。本当はお前の線がどこにあるのかを見ようかとも思ったんだが」
太田止隆
:「そんなことに悠長にして、本当のことを聞き逃しても馬鹿馬鹿しい。本社に戻るまで、時間は限られてるからな」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『おいおい、どうしたいきなり』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『つーか本社離れてんのか?今日は役員の外出予定もなかったろ。仕事はどうした仕事は』
太田止隆
:「ずっと引っかかってたんだ。あの論文を見た時から」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『……論文?』
太田止隆
:「どうして」
太田止隆
:「……どうして『俺』は、お前と一緒にいない?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『……………』
太田止隆
:「お前は『太田止隆』をどうしたんだ?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『…………そうか、止隆お前』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『そんなに寂しかったのか?悪かったよ。今度旅行いくときは連れてくから』
太田止隆
:「悪いな。お前を欺いてはいたよ」
太田止隆
:「たとえお前に欺かれていようとも、一緒にいて、それで俺なりに満足のいくことができるなら、それで良かったからだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『…………って、雰囲気じゃなさそうだな。全く………』
太田止隆
:「バカめ」 苦笑して
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『…………全部知ったんだな。止隆』
太田止隆
:「察しはつくだろ。俺がそのことを知っていて、"レディ・ビー・グッド"の端末を握ってるんだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「確認だよ。俺はバカだからな」
太田止隆
:「言っておくが、生きてるぞ。今のところは」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『そうか……ありがとよ』
太田止隆
:「将来的には消す。この世界本来の『白銀明日香』を思うのであれば、そうする他ない」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『はは……それはよ、止隆』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『お前が、俺に勝てればの話だぜ』
太田止隆
:「そうだな」 嘆息を漏らし
太田止隆
:「……俺はお前に負けて、死んだのか?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『そうだ』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『俺が、お前を殺した』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『この"俺"は。お前に勝った俺だ』
太田止隆
:「それなら何故だ?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『何故、だあ?』
太田止隆
:「もうあの事件から何年経つよ。いや、お前の世界とはタイミングが違うのかもしれないが……」
太田止隆
:「会社を立ち上げて、ビルをぶち建てて、どうやってかは知らんがこの世界にまでやってきて」
太田止隆
:「そこまでやっておいて、何でまた俺を見つけ出して、声をかけたんだ?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『バカかお前』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『友だちに会うのに一々理由がいるかよ』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『………っていうのは、理由の半分だ』
太田止隆
:ふ、と笑みを漏らし 「もう半分は?」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『お前に一緒に来てほしかった』
太田止隆
:「…………フフ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『ああ……でもすぐに分かったよ』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『お前は"お前"だ。あの時俺と一緒に来なかった、お前自身だ』
太田止隆
:「俺もさ」
太田止隆
:「俺もお前と一緒に行けるなら良かった。たとえどこから来たのかも知れない、この世界のお前じゃない、スカした成金の成り上がりコーラバカでも……」
太田止隆
:「……ああ。それでもお前がお前なら、良いかと思った。本当にそうだったんだ。……あの時のようなバカを働くのじゃなければ」
太田止隆
:「俺はこの世界のお前だって見殺してただろうよ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『随分な言い草だなオイ』鼻を鳴らして笑い
太田止隆
:「……普通にショックだったんだ。知ってるか? 俺は知らなかったんだが、あいつ、"ウールワース"とか言って……」
太田止隆
:「どうも俺と別れた後に、何やら在野のオーヴァードとよろしくやってたらしいんだよ。信じられねえ」
太田止隆
:「俺はずっと、あいつのことが心に引っかかって……コーラの一本も飲まないで……」
太田止隆
:「…………」 少しだけ、目頭を押さえ
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『ぶはっ……!なんだよそれ、ヤキモチか?かわいい所あるじゃねえか』
太田止隆
:「うるせえ……お前に分かるかよ、俺の気持ちがっ……」
太田止隆
:「この俺殺しが……!」
太田止隆
:「…………」 長く息を吸い、吐いて
太田止隆
:「……レネゲイドウィルスを消し去るんだってな?」 声音は常の、平坦なものに戻っている
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『………そうだ』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『全部なかったことにする』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『さっき言ったよな。ひと目見た瞬間に分かったって』
太田止隆
:「ああ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『俺とお前が力を持っている限り』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『どんな世界でも、俺達は間違い続ける』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『他の奴だってそうだ』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『俺はもう、お前を殺したくない』
太田止隆
:「……UGNの理念は、オーヴァードとそうでない人類の協調と融和。その日常の守護だ」
太田止隆
:「お前の行いがもたらすのはその破壊であり、UGNはそれを見逃さない」
太田止隆
:「……それに、それを許容するのであれば、俺はお前と出会えない」
太田止隆
:「お前に名前を持たせることも、お前から名前を受け取ることもできない」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『………その名前が、俺たちを縛り付けたとしてもか?』
太田止隆
:「いいさ。いいだろ、別に」 また笑いを漏らして 「気に入ってんだ、お前に貰った名前」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『はっ……俺もだ』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『おかげで最後までこんな生き方をする羽目になった』
太田止隆
:「なあ。俺もお前にとっての"太田止隆"じゃないし、お前も俺にとっての"桐生嚆矢"じゃないが」
太田止隆
:「それでも多分、同じだよ。お前はきっと、俺を殺したあの日から。俺はきっと、お前と打ち別れたあの日から……」
太田止隆
:「止まってるんだ。変われないまま」
太田止隆
:「……終わらせよう。
停滞期間
(
モラトリアム
)
は」
太田止隆
:「俺は止まれないお前を止める。俺もあの日別れたお前に会いに行く」
太田止隆
:「お前に、お前と俺の名前は奪わせない。お前を桐生嚆矢として」
太田止隆
:「止める」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『なら、俺は貫くよ』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『お前が何をしようと関係ない』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『お前がくれたこの名の通りに』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺は"桐生嚆矢"であることを貫く」
太田止隆
:「いいぜ」 眼尻を下げて 「それでこそお前だよ。嚆矢」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『ああ』ため息を付いて『それでこそお前だ。止隆』
太田止隆
:「……ふふ。ああ、まだもう少し話したくもあるんだが」
太田止隆
:「もう本社に着いた。あとは一直線にそっちへ向かうからな」
太田止隆
:「俺に勝った時にしくじらないよう、ちゃんと準備しておけよ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『はっ、誰に言ってやがる』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『こっちこそ、わざわざ待ってやるつもりはないからな』
太田止隆
:「こいつは大変だ。急がないとな」 肩をすくめて
太田止隆
:「……また後で」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『……ああ、またな』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『けれど、できることなら』
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『新しい世界で、また会おう』
太田止隆
:「止めるっつってんだろ、バーカ」
太田止隆
:笑いながら言い捨てて、電話を切る
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:『ぜってーーーーー止まんねぇーーーーーーーーー!!!!!』叫びの途中で通信が切られる。
太田止隆
:苦笑しながらも、どこかすっきりとしたような顔つきで、二酸化炭素を吐き出して
太田止隆
:肩を軽く揺らし、気を引き締め直す。……あの幻は、もう何も囁いてこない。
太田止隆
:きっとこう決意するだろうと予感して以来、ずっと沈黙している。当然。やっと、先に進むと決めたのだから。
太田止隆
:車を降りて、天を仰ぐ。見上げる先は、本社ビルの社長室より、更に上。
太田止隆
:矢を放つ弦の名を冠す人工衛星——『ゆづるは』。
リベレーターズ 医務室
GM
:リベレーターズ本社ビルに到着した君達は
GM
:準備を整える僅かな間、先程の戦闘の傷を処置していた。
咲玖夜
:「はい、沁みるけど我慢してねー」
茶川 閂
:「お手柔らかに……あっ痛い! 痛い痛い!」
咲玖夜
:社内で待機していた咲玖夜が君の傷を手当している。
咲玖夜
:あれから何度か被験体として試験を受けたのか、現在は自分の足で立てている。
咲玖夜
:「このくらいで大げさだなあもう」
咲玖夜
:「戦闘中の方がよっぽど痛いでしょ?」
茶川 閂
:「いやいや……こういうのって、戦ってるときと気合の入り方が違うっていうかさ」
茶川 閂
:「普通に痛いんだよね……ギャーっ痛い!」
咲玖夜
:「ふーん。流石、一端の戦闘エージェント様は違うんだねー」
咲玖夜
:包帯をギリギリと巻き付けている。
咲玖夜
:「…………」
咲玖夜
:「ねえ」
茶川 閂
:「手当てしてくれるのはありがたいんだけど……本当にすげー痛い!」若干涙目になりつつ。「んー?」
咲玖夜
:「私も聞いたよ。『リベレーターズ』の目的」
咲玖夜
:「茶川くんはさ」
茶川 閂
:「うん」
咲玖夜
:「無くなればいいのにって思ったことある?この力」
茶川 閂
:「俺は……」ゆるく手を握り、開く。
茶川 閂
:「ない、かもな。『もっと別の能力だったなら』とは、思ったことはあるけど」
咲玖夜
:「別の能力?」
咲玖夜
:「あの日メディカルセンターから出てきたってことは、何か事情があるのかなーとは思ってたけど」
咲玖夜
:「やっぱり普通のオーヴァードとはちょっと違うってこと?茶川くんは」
茶川 閂
:「まあ、ちょっとな。こう」手をグニャグニャ動かしつつ。「けっこう変な攻撃ができるんだよ、俺って」
咲玖夜
:「へー」手の動きを眺めながら「……もしかしていやらしいやつ?」
茶川 閂
:「戦いの中で、”よく分からない”っていうのはやっぱりひとつの武器でさ。だから俺は100%攻撃のスタイルでやってるんだけど……」
茶川 閂
:「違うって!!」
咲玖夜
:「あはは、ごめんごめん」
茶川 閂
:「だから……そういう何かを壊す力じゃなくて、」
茶川 閂
:「もっと防御力があったりとか、頭がよくなったりとか。薬とか道具を作ったり、頭がよくなったり——」
咲玖夜
:「(頭が良くなりたいんだ……)」
茶川 閂
:「そういう、なんか役に立つ力が良かったな~ってさ」
茶川 閂
:「もしかしたらできるのかもしれないけどね。今からそっちにスタイルを変えるのは効率も悪いから」
茶川 閂
:「なにより……俺の力で最大のパフォーマンスが発揮できるのは、やっぱり何かを壊したり、誰かを倒すことだから」
咲玖夜
:「ふふ、なんだか茶川くんって、チルドレンっぽい考え方するんだね」
茶川 閂
:「えー、そうかぁ?」
咲玖夜
:「そうだよ。効率とかパフォーマンスとかさ」
茶川 閂
:「俺の能力でウンウンうなってガードするより、そんなことする暇があったらまっすぐ行ってパンチしたほうが」
茶川 閂
:「結局みんな無事で済むっていうことよ、つまりさ。それだけ」
茶川 閂
:「……咲玖夜は?」
茶川 閂
:「やっぱり、無くなればいいのにって思うか?」
咲玖夜
:「私?私はねー……」
咲玖夜
:「……どっちでも良いかな」
茶川 閂
:「どっちでも?」
咲玖夜
:「きっと私自身は、レネゲイドがあってもなくても」
咲玖夜
:「そんなにすごい人間にはなれないんだろうなっていう」
咲玖夜
:「そんなね、漠然とした予感があるの」
茶川 閂
:「……そんなことないさ」
茶川 閂
:「応急手当だってこんなにうまいんだから」
咲玖夜
:「ふふ、手当なんてそれこそレネゲイドと関係ないよ」可笑しそうに笑って
咲玖夜
:「ごめんね。悲観的なことを言いたかったんじゃないんだ」
咲玖夜
:「私はきっと、レネゲイドがない世界に生まれていたら、それを守るために戦うと思う」
咲玖夜
:「私は特別なことも、特別な人間にもなれないけど」
咲玖夜
:「だからこそ、特別じゃない私を受け入れてくれた世界の、その前提がひっくり返るのは」
咲玖夜
:「嫌かな……って思うだけ」
茶川 閂
:「……そっか」
茶川 閂
:「なんつーか……いい奴だよな、咲玖夜って。ちょっと元気出たよ」
咲玖夜
:「今更気付いた?いい奴なんだよ~私は」
茶川 閂
:「へへ。チームに咲玖夜がいてよかったよ」
咲玖夜
:「えへへ、そうでしょ~」
茶川 閂
:「ちょっとさ。悩んでたんだよね」
咲玖夜
:「ほほう……どんな?」
茶川 閂
:「んー……」やや恥ずかしそうに。「”リベレーターズ”の人たちは、どうしたら助かるのかなって」
咲玖夜
:「………」
咲玖夜
:「……助けたいんだね。茶川くんは。あの人たちを」
茶川 閂
:「いや、この言い方はちょっと語弊があるかな…? まずさ」
茶川 閂
:「あの人たちは何かをたくさん間違えて、たくさん失敗して、それでこの世界に来て全部リセットしようとしてるわけだろ?」
咲玖夜
:「うん。白銀さんもそう言ってた」
茶川 閂
:「だからつまり、『レネゲイドなんて全部なくなっちまえばいいのに』って本当に強く思って、本当に困ってるのも」
茶川 閂
:「あの人たちなわけじゃん」
咲玖夜
:「……そうだね」
茶川 閂
:「『それとこれは別』、『自己責任』、『俺たちは関係ない』、『ここ以外の世界でやれ』、全部正論だし、そう言う権利は当然ある」
茶川 閂
:「だけどさ、そうやって見捨てたってなんにも変わらないじゃん。俺は誰もが失敗しても間違っても、うまく助けて何とかなるのが一番だと思ってるし」
茶川 閂
:「そういう助け合いの輪が、国とか、社会から、もうひとつスケールが広がって『並行世界』になったって、何にも変わらないと思うんだよ」
咲玖夜
:「茶川くん………」
茶川 閂
:「まあ、だからさ。どうしたもんかなって悩んでたんだけど……」
咲玖夜
:「茶川くんってさ……」
茶川 閂
:「な、なんだよ」
咲玖夜
:「いい奴だよね。というかいい奴を通り越して……」
咲玖夜
:「甘ちゃんだよね。だだ甘だよ」呆れたように笑って
茶川 閂
:「はぁ~!? そんなことねぇし! シビアで現実的なんで」
茶川 閂
:「期待値とか計算するし、宝くじも買わないタイプだし!」
咲玖夜
:「はいはい……それでそんな甘ちゃんの茶川くんの悩みは」
咲玖夜
:「解決できそうなのかな?何か糸口が見つかった?」
茶川 閂
:「いや、全然」首を振る。「でもスタンスは決まった」
咲玖夜
:「ほほう」
茶川 閂
:「ミサイルは止めるし”魔星”も消す。当然桐生もブッ倒す」
咲玖夜
:「……うん」
茶川 閂
:「ここを間違えちゃダメなんだよな。ほとんどの人はやっぱり、今まで生きてた世界がなかったことになっちゃうのは嫌なんだから」
茶川 閂
:「それでさ。そうやって”リベレーターズ”を止めて、これからどうするかはあとから一緒に考えればいいんだよ」
茶川 閂
:「そりゃ、上手くいく可能性なんてほとんどゼロだろうし」
茶川 閂
:「別の世界から来た人は、殺す以外の方法なんて見つからないのかもしれないけど。そもそも考える時間だってないかもしれないけど…」
茶川 閂
:「それはどうしようもないから。最低限のラインを決めて、残った余裕で出来ることをやる。それしかないんだ」
茶川 閂
:「つまり……人事を尽くして天命を待つ、的な?」
茶川 閂
:「そもそも、別世界に行っちゃった桐生さんとかをまず助けないといけないし! そんな感じ」
咲玖夜
:「ふふふ……それを説明するのにめちゃくちゃ喋ったね」
茶川 閂
:「いいだろ!? こういうのって、口に出したりしないとまとまんねーんだよ!」
咲玖夜
:「茶川くん、報告書とか苦手なタイプでしょ」
茶川 閂
:「……割と」
咲玖夜
:「うん……でもよく分かったよ」
咲玖夜
:「茶川くんは、最後まで諦めたくないんだね」
茶川 閂
:「……あくまで、出来るだけな。一番大事なのは、俺と、その周り」
咲玖夜
:「諦めたくないから、最初に諦めなきゃいけないラインを決めて、そこに行かないように精一杯足掻いてるんだ」
茶川 閂
:「今回は話のスケールがでかすぎてテンパっちまった。俺は最初から誰かの命に優先順位をつけてる人間だ」
茶川 閂
:「まず俺たち! 余裕があったら他の人! 今回もそれで行くよ……だからそういう言い方しないでくれって!!」
咲玖夜
:「ふふ、褒めてるんだよ。やっぱりすごいよ、茶川くんは」
茶川 閂
:「いや、だいたいみんなこんなもんだろ」
茶川 閂
:「それより、ありがとな。咲玖夜のおかげでふっきれたよ。やっぱり助けてもらっちまった」
咲玖夜
:「ううん。茶川くんこそ、きっとそうやって来たから、今まで助けられた人が一杯いるはず」
咲玖夜
:「だから、うん。きっと今回も大丈夫」
咲玖夜
:「茶川くんは、誰かを助けられる人だよ」
茶川 閂
:「そうかな? だといいけど。」ポケットをゴソゴソし。「お守りももらっちゃったしな」
咲玖夜
:「あ、そうそう!それ!ちゃんと持っててね」
茶川 閂
:「流石に人からもらったもんは無くさねーよ……心配すんなって」
咲玖夜
:「わたしもちゃ~んと茶川くんの助けになる所を見せてあげるから……っと」
咲玖夜
:「はい、応急処置終わり」
咲玖夜
:ぱんっ、と傷口を包帯の上からはたく
茶川 閂
:「お、サンキュ」
茶川 閂
:「あいたっ! 叩くこたないだろ!?」
咲玖夜
:「ちゃんと塞がってるか確認したんですぅ~」
茶川 閂
:「へーへー」
茶川 閂
:「……それじゃ、行ってくるよ」
咲玖夜
:「……うん。行ってらっしゃい」
咲玖夜
:「……と、言いつつ私も最上階まではついていくけどね!」
茶川 閂
:「うわっよく考えたらそうだわ! はずかし~!」
茶川 閂
:「……じゃ、一緒に行くか」手を差し出す。
咲玖夜
:「うん」その手を取って「行こう、一緒に」
リベレーターズ最上階 ヘリポート
GM
:摩天楼の頂上、その中心になんの脈絡もなく設置された異物がある。
GM
:それは『扉』だ
GM
:彼岸と此岸を繋ぐアーティファクト"ローディーズドア"
吉沢龍剣
:「こいつがそうか?」
白銀明日香
:「はい。もっとも、オリジナルには遠く及ばない模造品ですが」
白銀明日香
:「繋ぐ場所は完全に固定されています。それも自動ではなく、誰かが制御しなければいけない」
白銀明日香
:「旧日本軍でも同様の研究をしていたと聞きますが、これはそれよりも遥かに粗悪です」
百代まりあ
:しげしげと眺めて「本当にこれで……宇宙まで行けるの?」
吉沢龍剣
:「なんだ?ビビってんのか?」
百代まりあ
:「いいえ。ただ、不思議で……」
百代まりあ
:「ロケットとか、そういう……」
吉沢龍剣
:「だわな、アタシもピンと来てねェよ」
太田止隆
:「何。どんな形であれ超強力のディメンジョンゲートと思えばそう不思議もない。手段、理論は違えど、もたらされる結果は同じだ」
百代まりあ
:「……あ、どこでもドアね!」
太田止隆
:「どこでもドアでもいい」
百代まりあ
:「完璧に理解できたわ」
吉沢龍剣
:「やるじゃねェか」
咲玖夜
:「(いいんだ……)」
茶川 閂
:「こいつを使えば、桐生さんらと同じ場所に出る、と。そういうわけですか」
白銀明日香
:「はい。ただし」
白銀明日香
:「そのまま入っても意味はありません。最悪次元の狭間で迷子になって戻ってこれなくなるでしょう」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:二歩ほど引く。
吉沢龍剣
:「ビビってんのか?」
百代まりあ
:「びゃっ」
百代まりあ
:「びびってなどいないわ」
吉沢龍剣
:「ハッハ!」
太田止隆
:「まあ、確かにそこはどこでもドアとは違う所だな……」
吉沢龍剣
:「ぼーっとしてようがどの道お陀仏だ」
吉沢龍剣
:「だったら宇宙だの異次元だの」
吉沢龍剣
:「面白ェ景色を見れるんなら上等だろうが」
百代まりあ
:「見るだけならいいけれど」
百代まりあ
:「迷子は嫌ね……」
茶川 閂
:「ああ。できれば帰ってきたいもんです」
吉沢龍剣
:「お前がいかねェんなら、アタシがタコどもを焼いて食う」
百代まりあ
:「行かないとは言っていないわ!」
百代まりあ
:「宇宙人さんも食べてはだめ!」
吉沢龍剣
:「上等だ」
白銀明日香
:「正常に使用するには、"鍵"が必要です」
白銀明日香
:「生体認証ならぬレネゲイド認証とでも言いましょうか」
太田止隆
:「……レネゲイドウィルスの持つ固有のパターンで、正しい出口と行き来できるんだな」
白銀明日香
:「そういうことです」
白銀明日香
:「我々社員はもちろん登録されていますが、なにぶん粗悪品ですので」
白銀明日香
:「本人でなくても、強くレネゲイドが結びついた物品があれば……」
百代まりあ
:「でも、そんなもの、どこに……」
太田止隆
:「なるほど」
太田止隆
:ジャケットの内ポケットからカードを取り出す 「だからこれを用意しろということだったのか」
百代まりあ
:「……それは?」
太田止隆
:「UGNとしてのIDカードだ」 パスケースである。表になっているのはUGNエージェント、太田止隆としてのものだが
太田止隆
:その内側には、もう一枚別のカードが入っている。すでに色あせ、塗りもところどころ剥げている
太田止隆
:「物品で良いということなら、多分世界が違っても大丈夫だろう?」
太田止隆
:「これはまさしく奴のもの……ではないが」
太田止隆
:「こいつほどに桐生嚆矢のレネゲイドが染み付いた物は、他になかなかないはずだ」
吉沢龍剣
:「こいつも」
吉沢龍剣
:「何かしらの足しにゃあなるんじゃねえか?」
吉沢龍剣
:ピンと、指先で弾くのは
吉沢龍剣
:こちらの世界の桐生嚆矢から渡されたバッジだ
太田止隆
:「……それも、あいつのか。今の……」
太田止隆
:少し思うところはあるが、言葉を止めるほどではない 「これで足りそうか?」
百代まりあ
:「……どうかしら」白銀のほうを向いて。
白銀明日香
:「ええ、お二人はそれで問題ないでしょう」
白銀明日香
:「百代さんには、私のIDカードをお渡しします」
白銀明日香
:「どの道私が上に上がってもお役には立てませんから」
百代まりあ
:受け取って。「ありがとう」
百代まりあ
:「必ず返しに来るわね」
百代まりあ
:「だから、ちゃんと待っていてね」
百代まりあ
:にこりと笑いかける。
白銀明日香
:「ふふ、お待ちしています」
茶川 閂
:「俺は……?」
白銀明日香
:「茶川さんは……」
吉沢龍剣
:「女と乳繰りあってるような奴には」
吉沢龍剣
:「宇宙遊泳がお似合いだってか?」
吉沢龍剣
:けらけらと笑う
白銀明日香
:「……申し訳ありません。手持ちはこれで全てです」
茶川 閂
:「ゲエ~ッ」
吉沢龍剣
:「あ?マジかよ」
吉沢龍剣
:「……ご愁傷サマだな」
吉沢龍剣
:「南無」
吉沢龍剣
:両手を合わせる
百代まりあ
:「ど、どうすれば……?」おろおろする
白銀明日香
:「かくなる上は、耳のひとつでも切り落とせば……」
茶川 閂
:「いやいや、そこまでは!」耳を斬る、に対し
太田止隆
:「待て」
太田止隆
:カードを見て
太田止隆
:自分の持っているカードを見て 「こいつを切ろう。出力は落ちるだろうが、まあ大丈夫だろう」
茶川 閂
:「それは……」
百代まりあ
:「大丈夫なの……?」
咲玖夜
:「ちょ、ちょっとまってください!」
茶川 閂
:「あ、咲玖夜」
太田止隆
:「大きめのハサミでもあれば綺麗に裁断できるはずだ。……それとも、他に手はありそうか?」
咲玖夜
:「私に一つ、手があります」
吉沢龍剣
:「なんだ、言ってみろ」
咲玖夜
:「茶川くん、さっきのお守り持ってるよね?」
茶川 閂
:「ん? ああ」
百代まりあ
:「あら、いつの間にそんなものを頂いたの?」
咲玖夜
:「なら大丈夫」皆に向き直って
咲玖夜
:「皆さんがこれから向かう人工衛星『ゆづるは』には、常駐しているUGNチルドレンが一人います」
茶川 閂
:「UGNチルドレンが?」
咲玖夜
:「『ゆづるは』はUGN支部がある『やたがらす』の系列衛星ですので」
咲玖夜
:「その防衛として、『やたがらす』支部で育成されたチルドレンが派遣されているんです」
茶川 閂
:「ああ、そう言えばそうか」
咲玖夜
:「今は多勢に無勢で身を隠していますが、皆さんの突入に合わせて支援してくれるはずです」
太田止隆
:「……で、それとそのお守りと、この扉の鍵の話に、どういう関係がある?」
咲玖夜
:「そのチルドレンは、私の双子の姉です」
茶川 閂
:「……あ、双子だったの!?」
百代まりあ
:「まあ……お姉様が?」
咲玖夜
:「うん。同じオルクス能力者。ですので」
咲玖夜
:「そのお守りを持っていれば、向こうから誘導してくれるはず」
茶川 閂
:「本当か! そりゃ助かる」
太田止隆
:「なるほど。双生児であれば、持ち備えるレネゲイドの気質も、か……」
百代まりあ
:「よかったわね、閂」
百代まりあ
:「迷子にならずに済んだわ」
茶川 閂
:「ああ、よかったよ。咲玖夜には助けてもらってばっかりだな」
吉沢龍剣
:「なんだてめー」
吉沢龍剣
:「今度は3人で乳繰り合うってか」
吉沢龍剣
:「とんだ絶倫すけべだな」
茶川 閂
:「どうしてそういうことになるんすか……」
吉沢龍剣
:「褒めてやってんだろぉ~~?」
吉沢龍剣
:ぎゅむぎゅむ
茶川 閂
:「グア~~っ」
百代まりあ
:「ぜつりん……?」首を傾げて
吉沢龍剣
:「とんでもねースケベっつーこと」
吉沢龍剣
:「ほら喜んでやがる」
百代まりあ
:「まあ、そうなの?」
百代まりあ
:「駄目よ、閂」
百代まりあ
:「ちゃんと節度と品位というものを持たなくては」
茶川 閂
:「違うよ……」
太田止隆
:「……ともかく。これで行くに困ることはないということだな」 こめかみを押さえつつ
吉沢龍剣
:「らしいな」
吉沢龍剣
:ぱっと離し
吉沢龍剣
:「あとは野郎をぶん殴るだけだ、ようやく賞金稼ぎの仕事らしくなってきたぜ」
百代まりあ
:「ええ。そうとなれば、すぐにでも行かなくちゃ」
太田止隆
:「ああ。ここから先は、もう完全に荒事だ。頼りにしている」
茶川 閂
:「いよいよ吉沢さんの本領発揮っすね」
吉沢龍剣
:「派手な仕事に仕上げてやるよ」
吉沢龍剣
:「そんじゃァ、行くとするかァ!」
太田止隆
:双身剣と盾を構え直し 「行こう」
白銀明日香
:「『扉』を開きます」
GM
:白銀が基盤を操作すると、開け放たれた扉の向こうに淡い光に包まれた景色が広がる。
GM
:君達は一人ずつ、その中に足を踏み入れ────────
GM
:ロイス、購入可!これが最後!
太田止隆
:あっそうなるなら
太田止隆
:茶川くん応急手当キット使っときな! 1個渡す!
百代まりあ
:こっち2個余ってます
茶川 閂
:つかうぜ~!
茶川 閂
:俺しか体力減ってないし3つ使っちゃいます
吉沢龍剣
:いけいけ!
茶川 閂
:6d10
DoubleCross : (6D10) → 31[2,1,8,4,10,6] → 31
茶川 閂
:28まで完全回復!
百代まりあ
:あっそうだ 武器が無いから
百代まりあ
:特に買うもの無い人いたら楯とかお願いしたいかも
茶川 閂
:了解だぜ~
太田止隆
:ああ、パッシブ効果でガード値上がってるからな……
吉沢龍剣
:なるほどね
茶川 閂
:というか私も
茶川 閂
:インスタントボムで武器使わないから暴走さえ治療できれば装備するだけ得か
百代まりあ
:ジュラルミンシールド狙う!
吉沢龍剣
:ジュラルミンシールドかな
太田止隆
:ですね クリシーはさすがにキツイ
百代まりあ
:3DX>=12
DoubleCross : (3R10[10]>=12) → 10[1,4,10]+10[10]+3[3] → 23 → 成功
吉沢龍剣
:マジかよ
百代まりあ
:買えたワ……
吉沢龍剣
:有能
百代まりあ
:装備して以上!
百代まりあ
:もっといいの狙っとけばよかった
吉沢龍剣
:じゃあ茶川くんのやつも!
吉沢龍剣
:ジュラルミンシールド!
吉沢龍剣
:6dx+4
DoubleCross : (6R10+4[10]) → 8[1,3,3,5,7,8]+4 → 12
吉沢龍剣
:ジャスト購入!
茶川 閂
:じゃあ自分ではボデマ!
茶川 閂
:4dx+2>=12
DoubleCross : (4R10+2[10]>=12) → 8[2,7,8,8]+2 → 10 → 失敗
茶川 閂
:だめぽ
吉沢龍剣
:渡しとくよ~
茶川 閂
:あざます!
太田止隆
:じゃあ茶川'sボディアーマー
太田止隆
:4dx+1=>12
DoubleCross : (4R10+1[10]>=12) → 9[7,7,9,9]+1 → 10 → 失敗
太田止隆
:ギフト券使って財産点2消費し購入。茶川くんに渡す!
茶川 閂
:やったー!
茶川 閂
:史上最カチカチ茶川になりました
太田止隆
:そんなに硬くなって……でもどれくらい持つかな……?
太田止隆
:ロイス保留。以上!
茶川 閂
:ロイスは保留で以上!
GM
:他の二人も大丈夫かな?
百代まりあ
:大丈夫です!
GM
:ではシーン終了!
【Master Scene3】
リベレーターズ最上階 ヘリポート
GM
:君達が衛星へ突入してから数分後────
白銀明日香
:「……良かったのですか?本当に一緒に行かなくて」
咲玖夜
:「はい、私には残って彼らの帰り道を維持する役目がありますから」
白銀明日香
:「ですが、それなら私だけでも……」
咲玖夜
:「……UGNとしてあなたを完全に信用するわけにはいきません。それに……」
?????
:「それに、行っても足手まといになるだけですもんね」
咲玖夜
:「!?」
白銀明日香
:「あなたは………」
?????
:それは少女だ
?????
:長い黒髪にセーラー服の、美しい少女
?????
:金色に輝く瞳が二人を見据えている。
虚空蔵小路朔夜
:「はじめまして、僕は虚空蔵小路朔夜と申します」
虚空蔵小路朔夜
:「白銀さんはお久しぶり、ですね!」
咲玖夜
:「虚空蔵小路……」
虚空蔵小路朔夜
:「はい!朔夜です!」
虚空蔵小路朔夜
:「同じ名前なんて奇遇ですね!ふふふ」
咲玖夜
:「馬鹿に……しないでください」
咲玖夜
:冷や汗をびっしょりとかきながら、白銀の前へ出る
咲玖夜
:「その名前、とっくにUGNのブラックリストに登録されてますよ」
咲玖夜
:「よっぽどその名前が気に入ってるんですね」
咲玖夜
:「──────"スターゲイザー"」
虚空蔵小路朔夜
:「……ふふ」
スターゲイザー
:「はい。僕が"スターゲイザー"です。よくわかりました!」
スターゲイザー
:「それじゃあ、僕がここに来た理由もおわかりですよね」
咲玖夜
:「加勢しにいくつもりですか……リベレーターズに」
スターゲイザー
:「ん~、ちょっと違います!」
スターゲイザー
:「加勢は今まで散々してあげましたから」
スターゲイザー
:「平行世界の同一座標ドリフト。それもあの人数を遅れるのなんて僕くらいですよ?」
スターゲイザー
:「僕はただ、特等席で眺めに来ただけです」
スターゲイザー
:「星が墜ちる瞬間をね」
スターゲイザー
:「ああ、でも……」
スターゲイザー
:「せっかくの特等席に先客がいたんじゃぁ」
スターゲイザー
:「──────────邪魔、ですよね」
咲玖夜
:「!!」言葉と同時に発せられた殺気に後ずさる
スターゲイザー
:「どうしましょうか……お二人に消えてもらうのは当然として」
スターゲイザー
:少女の背後の空間が歪み、虚空から強大なレネゲイドの奔流を纏った武具が次々と現れる
スターゲイザー
:「そのボロっちい扉も、なんか邪魔ですね」
スターゲイザー
:「それ、壊しちゃったら、彼らどうなるんでしょうか」
スターゲイザー
:「帰ってこれないかもですね。ふふふ」
咲玖夜
:「……ッ」
咲玖夜
:「させません……」
咲玖夜
:咲玖夜の手元に虚空から一振りの刀が出現する
咲玖夜
:漆黒の刀身、バロール能力により通常の何倍にも圧縮、高密度化したそれを
咲玖夜
:地面に擦るように構える、否……
咲玖夜
:そうとしか構えられないのだ、彼女の出力では、戦闘で重力制御を使用することができない
咲玖夜
:「白銀さんは下がっていてください」
咲玖夜
:「ここは……私が死んでも守ります」
スターゲイザー
:「ふふふ……」
スターゲイザー
:虚空に浮かぶ"遺産"を一振り手にし
スターゲイザー
:「ウケますね」
咲玖夜
:「…………」吐き気を押し殺し、一歩前へ
咲玖夜
:「
"活人剣"
(
ライフセイバー
)
柳生咲玖夜」
咲玖夜
:「──────参ります」
【Climax:『ワールド・エンド・モラトリアム』】
GM
:クライマックスです。全員登場!
吉沢龍剣
:1d10+89
DoubleCross : (1D10+89) → 4[4]+89 → 93
百代まりあ
:94+1D10
DoubleCross : (94+1D10) → 94+8[8] → 102
百代まりあ
:アッ
GM
:おっふ
茶川 閂
:1d10+100
DoubleCross : (1D10+100) → 10[10]+100 → 110
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+3(1d10->3)した (侵蝕率:83->86)
茶川 閂
:だからたけーんだよ!!
GM
:みんな生きて……
人工衛星『ゆづるは』
GM
:上下左右の感覚のない純白の空間を歩き続け
GM
:君達がようやくたどり着いた出口。その先には──────────
少女
:「こんにちは!待ってたよー!」
少女
:人気のない一室、大きな刀を担いだ少女が君達を待ち構えていた
茶川 閂
:「うわっ」
太田止隆
:「……なるほど、双生児か」
GM
:足元には数人の『リベレーターズ』と思われる兵士が気絶し転がっている。
百代まりあ
:「ごきげんよう、百代まりあよ」恭しく一礼。
吉沢龍剣
:「吉沢、賞金稼ぎだ」
茶川 閂
:「咲玖夜のお姉ちゃん……だよな? 最初にあった方?」
少女
:「うわーっ!生茶川くんだ~!」
茶川 閂
:「生て」
少女
:「やっと会えたよ~!病院の時と、UNOやった時以来だから……」
少女
:「会うのは三回目、直接会うのはこれが初めてだね」
少女
:「はじめまして。茶川くん」
少女
:「それから太田さんに吉沢さんに百代さん」
少女
:「妹がお世話になりました。改めまして────────」
柳生日那多
:「
"殺人刀"
(
グリムリーパー
)
柳生
日那多
(
かなた
)
です!よろしくね」
茶川 閂
:「日那多、か。よろしくな」
吉沢龍剣
:「随分と物々しい二つ名じゃあねーか」
吉沢龍剣
:「仲良くやれそうだ」
太田止隆
:「……ずっとここにいたと聞いているが、直接の交流も持っているんだな」
百代まりあ
:「会えて嬉しいわ、日那多」にっこり笑って。「それで、状況はいかがかしら」
太田止隆
:「”ナイトバイポーラー”。知ってはいるだろうが名乗っておこう。状況を聞いても?」
柳生日那多
:「これはコレはご丁寧に……いやー全然芳しくないねー」
柳生日那多
:「『リベレーターズ』の連中はオペレーションルームに集まってる」
柳生日那多
:「既にエンプティ・ハートの統合は完了。計画は最終フェイズに移りつつあります」
吉沢龍剣
:「ひりついて来やがったな、上等じゃねえか」
柳生日那多
:「もうじきゲートが開ききれば、"魔星"がこちらから視認できる」
柳生日那多
:「そうなれば"魔星"はこっちの"鉱床"に釣られて勝手に顔を出してくるってわけ」
百代まりあ
:「い、急いで止めなくちゃ……!」その場駆け足。「どっちに行けば?どうすればいいの?」
吉沢龍剣
:「オペレーションルームってのはどっちだ」
柳生日那多
:「案内する。付いてきて。これだけ戦力が揃えば隠れてる必要なんてないしね」
吉沢龍剣
:「おゥ」
吉沢龍剣
:のしのしとついていく
茶川 閂
:「正面からぶん殴るってか。分かりやすくていいね」
太田止隆
:「先行しよう。指示を」
柳生日那多
:「連中の最終目的、ミサイルがハッチから出てきた所がチャンス」
柳生日那多
:「下手に逃げられてもまずいからね、相手が一番油断するタイミングで一網打尽にする」
百代まりあ
:「ええ、とっちめるわ」握りこぶしをつくる。
百代まりあ
:「果たしていない約束があるもの」
百代まりあ
:「まだ世界に滅んでもらっては、困るわ」
人工衛星『ゆづるは』オペレーションルーム
GM
:その部屋には、数十人の『リベレーターズ』社員が集まっていた。
GM
:皆一様に、感極まった表情で中央の大型モニターを見つめている。
GM
:そのモニターが2つに割れ、一面の銀河が映し出される
GM
:『ゆづるは』の上部ハッチが開放されたのだ
GM
:ハヌマーンシンドロームの対流操作により、宇宙空間と接していても大気は保たれている
GM
:頭上には、開ききった巨大な《ディメンジョンゲート》
GM
:その中心から、青白い光を放つ星が少しずつこちらに近づいている。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「さあ、俺達のミッションもいよいよ大詰めだ!」
GM
:ハッチの中央に立ち、桐生嚆矢が『リベレーターズ』の面々に檄を飛ばす
GM
:同時に、ミサイルの発射台がせり上がり、"魔星"へ照準をつける。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「泣いても笑ってもこれが最後。覚悟を決めろよ、兄弟!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「これが、俺達が放つ最後の矢だ!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「過去へと放たれる星の一矢を以って」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「俺たちは、この世界を終わらせる!」
GM
:熱狂し、次々に『リベレーターズ』が席を立ち、ミサイルの周りに集まる。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「おっとお前ら、最後まで気を抜くなよ。いつだって何が起こるかは────」
吉沢龍剣
:「う」
吉沢龍剣
:「るァ!!」
吉沢龍剣
:カッコォン!!
吉沢龍剣
:ミサイルに目を奪われていた警備の一人を
吉沢龍剣
:バットで殴り伏せる!
リベレーターズA
:「ガッ!!!??」
吉沢龍剣
:「クッソくだらねーシケたツラ並べやがって」
吉沢龍剣
:とんとん、と肩にバットを置く
吉沢龍剣
:「出迎えもねェからこっちから来てやったぜ?」
吉沢龍剣
:「き~りゅうチャン」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ちっ……間に合っちまったか」
リベレーターズB
:「貴様ら……邪魔をするな!」
リベレーターズB
:兵士たちが一斉に吉沢さんへ銃を構える
茶川 閂
:「まあそう言うなって」
茶川 閂
:青白い光を一身に浴びて悠然と歩く、影のない男。それがいつの間にか兵士たちの前にいる。
リベレーターズB
:「な!?」
茶川 閂
:無造作に腕を振る。それだけだ。それだけで。
茶川 閂
:ある者は音もなく倒れ、
茶川 閂
:ある者は1時間かけて空中をゆっくり吹き飛び、
茶川 閂
:ある者はその場で無限にきりもみ回転し続け、
茶川 閂
:ある者はいつの間にか壁際まで飛ばされ、意識があるまま右半身がめり込んでいる。
茶川 閂
:「どけどけ。邪魔なんだよ……しばらくおとなしくしてろ」
リベレーターズC
:「な……なんなんだこいつ!?」
リベレーターズC
:「クソっ……怯むな!近づかれる前に撃て!!」
リベレーターズC
:突きつけられた銃口が火を吹かんとし……
百代まりあ
:長いスカートをふわりとはためかせ、その場に躍り出る。
百代まりあ
:銃を構えた兵士たちに、丸腰の掌を翳し──
百代まりあ
:瞬間、軌道上の衛星、宇宙空間にあって、あり得べからざる音響が辺りに満ちる。
百代まりあ
:それは──────小鳥たちの囀り。
リベレーターズD
:「ぐっ……!!??うぅ………!!???」
百代まりあ
:彼らが疑問に思うより早く、構えたその銃が、ばさり、と、大量の純白の羽根となって舞い散る。
百代まりあ
:「大人しくしていて頂戴」
リベレーターズD
:「なっ………」舞い散る羽根の中呆然と立ち尽くす
百代まりあ
:「命を奪うまではしたくないわ。……それに」
百代まりあ
:視線をある一点に向ける。
百代まりあ
:「お友達の再会を邪魔するのは、無粋というものよ」
吉沢龍剣
:「そォいうこった」
吉沢龍剣
:ぶん、と胸ぐら掴んでいた武装兵の一人を床に放り捨て
吉沢龍剣
:だらりとバットを下ろす。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ったく女子供に揃いも揃って情けねえ……」手首を回し、姿勢を低く落とす
吉沢龍剣
:冷静な視線。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「お前ら退いてろ!そいつら全員吹っ飛ばす!!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:旋風と稲妻が渦を巻いて足元に収束する。
茶川 閂
:「来るか…!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:一呼吸の後、地面が爆ぜると同時にその身が砲弾のごとく発射され──────
太田止隆
:その前方、紅蓮の炎が円弧を描いて走る。五感撹乱。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「!!」
吉沢龍剣
:「そら来たぜ」
吉沢龍剣
:にやりと笑って
吉沢龍剣
:「──主賓のご到着だ」
太田止隆
:一拍置いて、その内側に張られる氷の壁。これそのものにも、彼の攻撃を止めるほどの強度はないが……
太田止隆
:「そこ、だろッ!」
太田止隆
:嚆矢の着弾に合わせ、硬く凍りついた突撃が迎撃する。逆の刃から炎をジェット噴出させ、自ら張った氷の壁を内側から突破しながら。
太田止隆
:砕け散った氷が、風に舞う火花が、それぞれ星のように輝いて
太田止隆
:双身の剣の一振りが、それを払い散らす。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「クッ……ッッソが!!」
茶川 閂
:(──凄ぇ。あの速度と威力の攻撃に対して、こんなに丁寧な防御を間に合わせるのか!)
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:着弾の硬直を電気刺激で無理矢理に解き、身体を半回転
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:振りかぶった拳を、その突撃に合わせて振り抜く。
太田止隆
:十分な威力の攻撃だ。だが防ぐ。盾。その正面に刻まれた紋は、地球を掲げ持つ二つの手にも似た──UGNのエンブレム。
太田止隆
:固有調整の施された、特注のギャリソンズシールド。それは"ナイトバイポーラー"がこの数年で生き、戦い、積み上げてきた成果そのものだ。
GM
:ガキィン!!
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:鈍い金属音を立てて、拳と盾が激突する。
太田止隆
:「……ッ」
太田止隆
:何重にも防御の策を講じても、その一撃は尚重い。全身が痛みに痺れ、姿勢が崩れかける。
太田止隆
:それでも
太田止隆
:「当然、俺なら」
太田止隆
:「……俺だけは」
太田止隆
:「お前の初撃を完璧に受けられる。いつかお前を止めるために積み重ねてきたんだ」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「相変わらず……硬ってえじゃねえか、オイ」
太田止隆
:「相変わらず? 謙遜は止せ」 含み笑い
太田止隆
:「本当にあの頃から変わらない俺だったら、今の初撃で倒れてたし、」
太田止隆
:「……本当にあの頃から変わらないお前なら、俺の盾に触れることもできなかった」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「はっ……嬉しいねぇ。お互い成長したってわけか?」
太田止隆
:剣を払う 「まったくだ。強くなったよ。俺もお前も」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:拳を引く「ああ、それでも、勝つのは俺だ」
太田止隆
:「いいや。今度こそ俺は止める」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:指先の人工皮膚が剥げ、超鋼のフレームが露わになる。
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「なら俺は何度でも貫く」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「幸い俺は、何度お前を殴っても」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「もう痛くねえ」
太田止隆
:「……そうか。ならやってみろ」
太田止隆
:「かつて俺じゃない俺が……お前に痛い思いをさせた俺が、お前にしてやれなかった分まで」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「ああ、やってやるさ……あの日の続きを」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「今度こそ終わらせる」
太田止隆
:「今度こそ、止めてやる」
太田止隆
:「お前の旅路は、ここで——終わりだ!!」
"リベレーターズCEO"桐生嚆矢
:「やれるもんならやってみろ!俺は!俺こそが!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:『"リベレーター"桐生嚆矢だ!!!』
GM
:──クライマックス戦闘を開始します。
---
GM
:クライマックス戦闘のルールについて説明します
GM
:まず、これまでNPCとの絆を深めて手に入れたパッシブスキルをご確認ください。
GM
:これらはクライマックスバトルでも適用されますが
GM
:咲玖夜が離脱したため、回復ダイスを増やす『手当の知識』は使用できなくなります。
茶川 閂
:かなしい
GM
:代わりに、柳生日那多の好感度パッシブが自動開放されます。
百代まりあ
:うれしい
吉沢龍剣
:うれしい!
茶川 閂
:うれしい!!
■好感度4/4
・0G柳生
無重力環境での戦闘に最適化した異端にして最新の柳生剣術。
すべてのPCが行う攻撃のダメージを+1Dする。
GM
:宇宙戦闘のプロがサポートしてくれます。やったね
百代まりあ
:最高の女
茶川 閂
:ヤッター!
吉沢龍剣
:つえーっ
太田止隆
:ハンパねえ
GM
:ちなみに百代さんは任意のエフェクトレベルを一つ上げられますが
GM
:どれにするか決まってましたっけ?
百代まりあ
:あ、ミドルの時にオーバードーズ指定しました!
GM
:あ、了解!忘れてたぜ!
GM
:それでは戦場の説明に移ります。エンゲージは以下の通り
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
│
500km
│
[次元断層A(封鎖)]
[次元断層B(封鎖)]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[桐生嚆矢][リベレーターズA]
│
5m
│
[太田止隆][吉沢龍剣][百代まりあ][茶川閂] — 5m — [レランパゴA][リベレーターズB]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
吉沢龍剣
:500kmて
GM
:皆さんは高度500kmの衛星軌道上で戦っています。
百代まりあ
:誰か縮地かロケッティアの人来てくれ~~~っ
太田止隆
:帰らないで❤
GM
:更に500km先では魔星がこっちに近づいてきていますが
茶川 閂
:やばいぜ!
GM
:魔星とこちらの間は4つの次元断層で封鎖されており、これに接触すると魔星は必ず一時停止します。
GM
:つまり魔星は都合4回の移動を経てこっちに来るわけですね
吉沢龍剣
:なるほど
百代まりあ
:こっちに来たら……どうなっちまうんだ!?
吉沢龍剣
:残り断層の数=PCたちの猶予というわけだ
GM
:そして、今回の戦闘の勝利条件、敗北条件は以下の通り。
■勝利条件
・全てのエネミーを戦闘不能にする。
■敗北条件
・いずれかのエネミーが『"魔星"アイオーン』にエンゲージする。
・『"魔星"アイオーン』が地球に到達する。
GM
:エネミーが"魔星"アイオーンにエンゲージした場合、即座にEロイス《愚者の契約》が発動。『リベレーターズ』の悲願は成就します。
GM
:また、"魔星"アイオーンが地球に到達した場合、生存扱いで退場となりEロイス《覚醒する世界》によりレネゲイドは再拡散されます。
百代まりあ
:魔星はエネミーに含まれますか?
GM
:含まれます
百代まりあ
:ウワーーッッ
茶川 閂
:世界が滅んじゃうよ~
GM
:尚、魔星はEロイス《究極存在》を所持しており、特定の条件を満たさないと解除できません。
GM
:それがこちら
■Eロイス:究極存在 解除条件
『次元断層』が全て突破された状態でダメージ量120点以上の攻撃を命中させる
茶川 閂
:120点!
GM
:なかなかいないよこんな点数出せる子は
吉沢龍剣
:1発で120?
吉沢龍剣
:累積?
GM
:一発です
茶川 閂
:ヒェ~ッ
吉沢龍剣
:オイオイオイ
百代まりあ
:そんなダメージ出せるわけないよ~~
GM
:それからエンゲージ表を見ていただくとわかると思いますが
GM
:一名隠密状態で隠れている人物がいます。
百代まりあ
:誰!?誰なの!?
GM
:わかりません
吉沢龍剣
:こわいよぉ!
茶川 閂
:怖すぎ
GM
:そして最後!NPCカードが使えます。
■NPCカード:柳生日那多①『水月の座』
シーン中3回まで使用可能。
対象の戦闘移動・全力移動に《縮地》の効果を適用できる。
また、そのメインプロセスで行う《白兵》攻撃の攻撃力を+25する。
強化効果:?????(E:究極存在 解除により開放)
NPCカード:柳生日那多②『無刀取り』
シナリオ一回使用可能。対象の判定を失敗させる。
GM
:データ的にはまんま《間隙の魔術師》《時の棺》です
百代まりあ
:くそちゅよい…………
吉沢龍剣
:つよっ!?
太田止隆
:なるほどね
GM
:大事に使ってあげてね
吉沢龍剣
:やっぱスケバンやってるやつはちげーな
茶川 閂
:オルバロの強い所をいいとこどりだ
GM
:それでは質問無ければバトル開始します!よろしいかな!
茶川 閂
:よろしおす!
百代まりあ
:OK!
吉沢龍剣
:オッケイ!
太田止隆
:大丈夫……のはず!
GM
:わからなくなったらいつでも質問してね
GM
:ではスタート!
■第1ラウンド
"リベレーター"桐生嚆矢
:咆哮と共に、『リベレーターズ』全員のレネゲイドが激しい本流となって解き放たれる。《ワーディング》だ。
GM
:しかしその時……
"魔星"アイオーン
:《ワーディングキャンセラー》
"魔星"アイオーン
:銀河の彼方より飛来する魔星が、次元の壁を超えてレネゲイドを貪欲に吸い込んでいく。
GM
:というわけで衝動判定はなし!セットアップから!
太田止隆
:セットアップなし!
百代まりあ
:無し!
吉沢龍剣
:氷の茨!
吉沢龍剣
:PC3人を効果から除外!
吉沢龍剣
:つまりエネミーはこのPCと同じエンゲージから出ると7d10HPを失う!以上!
吉沢龍剣
:侵蝕は93→96
茶川 閂
:《螺旋の悪魔》で暴走、暴走時《極限暴走》の効果で《背徳の理》と《喰らわれし贄》!
茶川 閂
:ラウンド間攻撃力+24、シーン間攻撃力+18とダイス+12。
茶川 閂
:110→117
茶川 閂
:以上!
"魔星"アイオーン
:《尾を喰らう蛇》《背徳の理》シーン中ウロボロスのエフェクトを組み合わせた判定のダイスを+12
レランパゴA
:《ロケッティア》次の移動でシーン内移動可能。封鎖無視。
レランパゴA
:行動値0に
百代まりあ
:ろ、ロケッティア野郎……!!
吉沢龍剣
:ゲェエエエエッ!?
吉沢龍剣
:ロケッティアそう使ってくる!?
百代まりあ
:本当にいるじゃねーか!!
茶川 閂
:ロケッティアは……ヤバくない!?
レランパゴA
:ミサイル飛ばすのに3ラウンドもかかるわけ無いだろ
茶川 閂
:コノヤロ~ッ
百代まりあ
:こいつ……!
太田止隆
:次元断層突破ミサイルがよ……
吉沢龍剣
:ぱき ぴき
吉沢龍剣
:足元から冷気が沸き立つ、霜が走る
吉沢龍剣
:遥か彼方の時空から迫りくる隕石を見上げ、目を細める。
吉沢龍剣
:「来て正解だ」
吉沢龍剣
:「眺めとしちゃあ悪くねえ」
吉沢龍剣
:ひゅる、と手元で金属バットを持ち上げ、桐生の方へと向ける
吉沢龍剣
:「見世物料は弾んでやる……遠慮すんなよ?」
茶川 閂
:おもむろにかがみ、一度体外に排出した影に触れる。
茶川 閂
:そして、物理法則を無視し、握りしめて床から引きはがす。くしゃくしゃに丸め、握りしめる。
茶川 閂
:「力を貸せ……さあ、やらせてもらうぜ」
GM
:ではイニシアチブ10!桐生の手番!
"リベレーター"桐生嚆矢
:マイナー《スーパーソニック》《アンバウンド》《バトルビート》シーン中行動値+5、攻撃力+20 メジャーアクション毎に5HPを失う
"リベレーター"桐生嚆矢
:また、ラウンド中ダイス+4攻撃力+12 現在のエンゲージから1m後退
"リベレーター"桐生嚆矢
:メジャー《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《一閃》《獅子奮迅》
"リベレーター"桐生嚆矢
:対象はPC全員!
"リベレーター"桐生嚆矢
:17dx7+6
DoubleCross : (17R10+6[7]) → 10[2,2,2,4,4,5,5,7,7,7,8,9,10,10,10,10,10]+10[3,3,6,9,9,9,9,10,10,10]+10[3,3,5,5,5,7,9]+10[10,10]+10[3,9]+1[1]+6 → 57
百代まりあ
:厳しそうだけどガード!
太田止隆
:ガード。《八重垣》+《氷盾》
茶川 閂
:リア不!
吉沢龍剣
:ガード!
太田止隆
:《炎陣》。茶川くんをカバーリングします
茶川 閂
:流石太田さんだ!
太田止隆
:さらにそこへギャリソンズシールドとエバースタンドの効果も使用。これを受けずにどうする……!
"リベレーター"桐生嚆矢
:来やがったな……!
"リベレーター"桐生嚆矢
:ダメージ出します
"リベレーター"桐生嚆矢
:6d10+37 諸々有効
DoubleCross : (6D10+37) → 37[6,10,5,4,4,8]+37 → 74
"リベレーター"桐生嚆矢
:やったか……?
太田止隆
:実は完全固定値なんですよね。《八重垣》で14、《氷盾》で15、ギャリソンズシールドで8、エバースタンドで10
GM
:ボーナスもあるよ
太田止隆
:合計47。そこにボーナス8足して55。74からそれと装甲10引いて9。カバーリングで倍して18。
太田止隆
:現HPは32なので……耐える!
茶川 閂
:受けきった!
"リベレーター"桐生嚆矢
:嘘だろ……?
百代まりあ
:硬すぎる
百代まりあ
:死!茶川くんに ○連帯感/節度を守ってほしい でロイスを取得、即昇華してHP13で復活!
吉沢龍剣
:リザレクト!
吉沢龍剣
:1d10+96
DoubleCross : (1D10+96) → 3[3]+96 → 99
吉沢龍剣
:ぎやー!
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+7した (侵蝕率:86->93)
太田止隆
:太田止隆のHPは14になった。(HP:32->14)
"リベレーター"桐生嚆矢
:「いくぜ……!止隆ァ!!」地を蹴って後退、着地と同時に姿勢を落とし、獲物を狙う獣のように四肢で地を踏みしめる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:桐生の背後に磁界と真空が収束する。次の瞬間
太田止隆
:「来るッ……ぞ!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:鉄を引きちぎるような鈍い音とともに、桐生の身体が弾丸となって発射される。
太田止隆
:縦に構えたシールドと氷の刀身を添え、前へ突き出す。瞬時に形成されるのは、鋭い氷の円錐。
太田止隆
:突撃に対する馬防柵、あるいは
密集陣形
(
ファランクス
)
の一兵のように、直撃の勢いを殺し受け止めるための構え。
太田止隆
:生成の瞬間に前へ踏み出すことで軌道を逸らし、着弾の破壊範囲を削ぎ狭める。それによってレネゲイドの励起が激しい茶川くんを守ったのも、計算の内だ。
"リベレーター"桐生嚆矢
:音速を超えた膝蹴り。城壁をも砕く砲弾にも似たそれが、盾によって僅かに軌道をそらされる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:しかしそれでも、着弾の衝撃と遅れてくる真空波は周囲を蹂躙するに足る威力だ
吉沢龍剣
:「ガッ、ハ!」
吉沢龍剣
:その進行上で、体を焼き切られる!
百代まりあ
:「……!」
百代まりあ
:真空波にずたずたに引き裂かれながらも、悲鳴を上げぬように押し殺す。
百代まりあ
:身を守れる戦闘技術も、防御に使えるような能力も、持ち合わせてはいない。
茶川 閂
:微動だにしない。激しい暴風に乗って氷片が側を吹き抜け……傷ひとつつかない。(すげぇ)
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ちっ……真正面から受けるだけじゃないってか」
太田止隆
:「……"大槍の守形"」
太田止隆
:「わざわざ挙動に名をつける趣味はないんだが、こいつにだけはそういう名前をつけた」
太田止隆
:槍頭型の氷を内から砕きつつ、双身剣と盾を構え直す
太田止隆
:「お前を止めるために準備していた技だよ。甲斐があったぜ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「いいねえ。好きだぜそういうの」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「それなら今のはただの"大弓"だ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「次は
"攻城弓"
(
バリスタ
)
をお見舞いしてやる」
太田止隆
:「矢だか弓だか、移り気な奴だな……!」 衝撃で唇の端から血を流しつつ、燃えるような笑みを浮かべる
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
│
500km
│
[次元断層A(封鎖)]
[次元断層B(封鎖)]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[リベレーターズA]
│
5m
│
[桐生嚆矢][太田止隆][吉沢龍剣][百代まりあ][茶川閂] — 5m — [レランパゴA][リベレーターズB]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:続いてイニシアチブ10、リベレーターズB!
リベレーターズB
:マイナーなし、メジャーで《C:エンジェルハイロウ》《小さな塵》《形なき剣》スナイパーライフル
GM
:1d4
DoubleCross : (1D4) → 1
リベレーターズB
:対象は太田さん!
リベレーターズB
:8dx8+4 ドッジダイス-3
DoubleCross : (8R10+4[8]) → 10[1,2,2,3,5,6,6,10]+10[9]+3[3]+4 → 27
太田止隆
:おやおや
太田止隆
:ガードします。使用エフェクトは《八重垣》のみ
リベレーターズB
:なめやがって~!
リベレーターズB
:3d10+21
DoubleCross : (3D10+21) → 7[2,2,3]+21 → 28
リベレーターズB
:よわよわ
太田止隆
:ガード値14。装甲10。減らして4点。足りんな!
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+3した (侵蝕率:93->96)
太田止隆
:太田止隆のHPは10になった。(HP:14->10)
リベレーターズB
:ぐぬぬ……
茶川 閂
:太田さん、パッシブのガード値足したらノーダメでは
太田止隆
:おっとお……
リベレーターズB
:そんな……!
太田止隆
:すみません。ノーダメです。抜けがちでごめんね
太田止隆
:太田止隆のHPは14になった。(HP:10->14)
リベレーターズB
:くっそぉ……
リベレーターズB
:桐生と向き合う太田さんに密かに狙いをつける。
リベレーターズB
:「………」無言で引き金を引く。その弾丸は過たず彼の頭蓋を──────
太田止隆
:貫く、ことはない。何気ない動作で振るった氷の刃が、重い金属音と共にその一射を弾いて飛ばしている
リベレーターズB
:「………!?」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ちっ、つまんねー真似しやがって」
太田止隆
:嚆矢の背後の兵士の存在など、当然計算に入れている。《熱感知知覚》があればその総量から体温、ひいては取ろうとしている動作まで読める。
太田止隆
:眼前に嚆矢がいる状態であれば、誤射防止のためにさらに攻撃軌道は絞られる。護衛としてこの程度は対応できて当然だ。
太田止隆
:「いくらでもつまらない真似をすれば良い。奇跡があれば届くかも分からんぞ」
太田止隆
:「そいつらもお前の力の一部ならな」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「いーや、社員のことは信頼してるが」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「奇跡は社長が率先して起こすことにしてるんでね」
GM
:続いてイニシアチブ9、"魔星"アイオーン!
"魔星"アイオーン
:マイナー、《ありえざる存在:縮地》戦闘移動 次元断層Aに接触し停止
GM
:これによって次元断層Aは消滅します。
吉沢龍剣
:断層A~~ッ
百代まりあ
:いいやつだった……
"魔星"アイオーン
:メジャー《混色の氾濫》《世界を喰らうもの》《原初の赤:禁息》対象はシーンに見えてる全員。命中で放心付与
"魔星"アイオーン
:20dx+6
DoubleCross : (20R10+6[10]) → 10[1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,6,6,7,7,8,8,9,10,10]+5[2,5]+6 → 21
茶川 閂
:ギャ! リア不!
太田止隆
:アマビエッ
百代まりあ
:マジかよ
吉沢龍剣
:ぐえーっ!
吉沢龍剣
:回避!
吉沢龍剣
:6dx-3
DoubleCross : (6R10-3[10]) → 10[3,4,6,6,6,10]+3[3]-3 → 10
吉沢龍剣
:ダメ!
"リベレーター"桐生嚆矢
:9dx+4 回避
DoubleCross : (9R10+4[10]) → 10[5,6,7,7,7,8,9,9,10]+1[1]+4 → 15
百代まりあ
:ドッジ!
百代まりあ
:6DX+1>=21
DoubleCross : (6R10+1[10]>=21) → 8[1,3,4,6,7,8]+1 → 9 → 失敗
百代まりあ
:だめだわ
リベレーターズB
:4dx 回避
DoubleCross : (4R10[10]) → 10[2,4,6,10]+4[4] → 14
リベレーターズA
:5dx 回避
DoubleCross : (5R10[10]) → 8[3,4,7,7,8] → 8
太田止隆
:ガード。《炎陣》で茶川くんをカバーします ついでに《氷盾》も使います。ダメージはないが、侵蝕率がある!
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+4した (侵蝕率:96->100)
"魔星"アイオーン
:では当たった人はラウンド中放心付与されます
太田止隆
:レランバゴくんはリアクションしないのかな……?
レランパゴA
:あ、レランパゴくんはリアクション不可!
太田止隆
:いい子だ……
吉沢龍剣
:えらい!
百代まりあ
:グッボーイ
茶川 閂
:よしよし
"魔星"アイオーン
:リィィィィィィィィィィィ………
"魔星"アイオーン
:"魔星"の青い結晶の奥が俄に揺らめく
"魔星"アイオーン
:原初のレネゲイド。すべての可能性を内包する尾を喰らいし蛇。
"魔星"アイオーン
:その共振が、ハヌマーンシンドロームにより維持されているはずの衛星内部の大気にゆらぎを生じさせる
"魔星"アイオーン
:宇宙の真空が君たちの喉元まで手を伸ばす……。
リベレーターズA
:リベレーターズA:「ぐ……っ!?」
リベレーターズB
:「息が……」
吉沢龍剣
:「チッ……おいおい」
吉沢龍剣
:「いつまでも保たねーぞこりゃ」
百代まりあ
:「はっ……はっ……」浅い呼吸を繰り返す。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「……あっちも大人しく使われてはくれねーってか」
吉沢龍剣
:鯨のように深く息を吸い込み、機をうかがう。
太田止隆
:「…………ッ」 低酸素環境適応訓練で身につけた通り、呼吸を浅く、静かにしつつ、近辺に炎を灯す
太田止隆
:炎のもたらす空気の流動が、揺らぐ大気を少しばかり安定させるのだ。一時しのぎにしかならないだろうが、無意味ではない
茶川 閂
:太田さんが展開している氷により遮断され、意識を明快に保つ。
GM
:ではイニシアチブ8、太田さんか茶川くん!
茶川 閂
:私から!
茶川 閂
:メジャーで《コンセントレイト》+《インスタントボム》
茶川 閂
:あ、マイナーで暴走解除!
茶川 閂
:対象は桐生さん!
"リベレーター"桐生嚆矢
:こい!
茶川 閂
:117→123
茶川 閂
:17dx7
DoubleCross : (17R10[7]) → 10[1,1,3,5,6,7,7,7,7,7,7,8,9,9,9,9,10]+10[4,5,5,6,7,7,8,8,9,10,10,10]+10[1,2,4,4,5,5,7,9]+6[5,6] → 36
茶川 閂
:こんなもんだ
"リベレーター"桐生嚆矢
:ドッジ!
"リベレーター"桐生嚆矢
:7dx+4>=36
DoubleCross : (7R10+4[10]>=36) → 10[4,7,8,8,8,10,10]+7[6,7]+4 → 21 → 失敗
"リベレーター"桐生嚆矢
:ぐぬぬ…
茶川 閂
:1d10+4d10+46
DoubleCross : (1D10+4D10+46) → 5[5]+10[1,7,1,1]+46 → 61
茶川 閂
:や、やる気がない……
茶川 閂
:装甲無視です
"リベレーター"桐生嚆矢
:それでも痛いわ……まだ結構生きてる!
茶川 閂
:「いくぜ…!」太田さんとスイッチするかのように場所を入れ替え、最前線に躍り出る。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「おっと、さっきの妙なのガキか」不敵な笑みを崩さず構える。
茶川 閂
:「あんなにいろいろ研究してたってのに、あんたもこいつが分からねぇのか。誰かに教えてほしいもんだ……よッ!」
茶川 閂
:撃つのは何の変哲もないストレート。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「悪いが俺は元々アタマが悪いんだ。そういうことは後ろのやつに……」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「聴きな!!」直立からの一瞬の踏み込み。しかしそれにカウンターの拳が合わされて────
茶川 閂
:だがその衝撃は、拳よりももっと巨大なものにぶつかったかのように全身へと走る。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「!?」巨大な壁に衝突したかのように、全身が打ち据えられる。
茶川 閂
:(ラッキー。だが浅いか!)表情には出さない。余裕で自信満々のように振舞え。それが味方を安心させ、敵を動揺させる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:後方にはじき出された身体を一回転させて着地する
茶川 閂
:「次はもっとすごいぜ。楽しみにしておいてくれ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「……は、悪くねえ」口内の血を吐き捨ててニヤリと笑う
GM
:続いてイニシアチブ8、太田さん!
太田止隆
:《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》。使用武器はバトルガーディアン。対象は嚆矢!
"リベレーター"桐生嚆矢
:こいこい!
太田止隆
:9dx7-4
DoubleCross : (9R10-4[7]) → 10[1,2,3,3,4,4,6,7,7]+4[4,4]-4 → 10
太田止隆
:ウォオオ
"リベレーター"桐生嚆矢
:おやおや
"リベレーター"桐生嚆矢
:ドッジ……させて頂きね
茶川 閂
:咲玖夜さんのお守りの効果を使って、《妖精の手》!
太田止隆
:すまねえ! 振り足します。
太田止隆
:1dx7+16
DoubleCross : (1R10+16[7]) → 10[9]+5[5]+16 → 31
太田止隆
:よし、面目は保った……!
"リベレーター"桐生嚆矢
:なんだとォ…
茶川 閂
:やったッ!
"リベレーター"桐生嚆矢
:7dx+4>=31 ドッジ
DoubleCross : (7R10+4[10]>=31) → 9[3,5,6,7,8,9,9]+4 → 13 → 失敗
太田止隆
:助かった……
"リベレーター"桐生嚆矢
:くっ……茶川め……!
太田止隆
:そして、命中したならこいつがある。《フェイタルヒット》!
"リベレーター"桐生嚆矢
:あわわわわ…
太田止隆
:4d10+11+3+1d10+4d10
DoubleCross : (4D10+11+3+1D10+4D10) → 15[3,1,9,2]+11+3+7[7]+5[1,2,1,1] → 41
太田止隆
:9d10振って27!? ……諸々有効!
"リベレーター"桐生嚆矢
:神はまだ俺に味方しているようだな
太田止隆
:茶川くんの攻撃に少しだけ遅れ。
太田止隆
:燃える剣身を後方に、身を沈めてから地を蹴る。同時に爆炎を噴出し、重力の軽さにも後押しされ、茶川くんを飛び越え上方へ。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「!!」それに気付き姿勢を落とす。
太田止隆
:左腕の盾を前に構えつつ、刺々しく凍てつく剣身を前に、まるで弓を引き絞るように構える。……その顔つきは険しい。
太田止隆
:(……地上との環境差が想定以上だ。大きく外しはしないだろうが、この動作で速度が足りるか────)
太田止隆
:「────届け!」
太田止隆
:再度、炎が後方の剣身から噴き出る。上空からの一直線の突撃が、茶川くんの攻撃を受けた嚆矢へ肉薄する。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「速さで俺と勝負しようってか!」上半身のひねりから、身体を撥条のように弾き出す。
"リベレーター"桐生嚆矢
:太田さんの突撃をいなしながら、横合いに一撃を叩き込もうと────
茶川 閂
:太田さんのすぐ下。胸元のお守りが爆風に抗うように異常な揺らぎ方をする。
茶川 閂
:その不可思議な動きは、本当に一瞬だけ……だが確かな時間、桐生の戦士としての感覚にノイズを走らせる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「!?」ぐらり、と身体の軸がずれる感覚
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ぐぅ……!!」
太田止隆
:「……!」 一瞬前まで、攻撃のミスを確信していた。いかに打撃を与えるかではなく、いかに打撃を受けないかに思考はシフトしつつあった
太田止隆
:だが、その刹那を見逃さない。幾多の修羅場を潜り抜けた戦闘頭脳が巻き戻る。 (……斬る!)
太田止隆
:斬撃。ノコギリじみた氷の刃が、嚆矢の肉体を削り散らす!
"リベレーター"桐生嚆矢
:「があああああ!!」空中で無防備なまま腹部を抉り割かれ、受け身も取れずに落下する。
"リベレーター"桐生嚆矢
:床一面に血の跡が広がり……その中で
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ふっ……うぅ……!まだまだぁ……!!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:白いスーツを鮮血に染めながら、獰猛な笑みを崩さずに立ち上がる。
太田止隆
:氷の破片と血が乱れ舞う仲、反撃を阻む盾を構えて残心を取り
太田止隆
:「……奇跡は率先して起こす、か。お前らしいやり方だな。俺はお前ほど派手にはできない」
太田止隆
:「だからこうして、仲間と力を合わさせてもらう。そうすれば、いずれ奇跡は当然の結果に墜とされるだろうよ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「は……なかなかどうして……」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「大人になったじゃねえの」
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+8した (侵蝕率:100->108)
GM
:次!百代さんのイニシアチブですが……
百代まりあ
:ですが……?
"魔星"アイオーン
:《加速する刻》
太田止隆
:イヤーッ
百代まりあ
:アーッ!?
吉沢龍剣
:おい!
茶川 閂
:加速しちゃダメだろきみは!
"魔星"アイオーン
:《原初の青:獣の瞳》隠密状態の対象を選択可能に
茶川 閂
:優しい~
"魔星"アイオーン
:メジャー《異能の継承:無形の爪牙》
吉沢龍剣
:???
吉沢龍剣
:何が起こっているのだ…?
"魔星"アイオーン
:隠れている謎の人物に素手変更エフェクトをプレゼントします
"魔星"アイオーン
:こいつの手番は以上
茶川 閂
:優しくなかった!
吉沢龍剣
:不穏~
百代まりあ
:な……何ィィ~~~
茶川 閂
:攻撃して倒してくれると思ってたのに
太田止隆
:こわい……
"魔星"アイオーン
:リィィィィィィィィィィィ…………
"魔星"アイオーン
:"魔星"が再び鳴動する。しかし……
"魔星"アイオーン
:先程のような環境の変化は起こらない。やがて共振も収まってていく。
吉沢龍剣
:(……何か)
吉沢龍剣
:(いやがるな)
太田止隆
:僅かに身構えるが、それよりも目の前の嚆矢に集中する。彼の相手で抜かる訳にはいかない。
茶川 閂
:(今は気にしてる余裕もないか…!)
百代まりあ
:「……? 今、何が……」
吉沢龍剣
:「気ィ引き締めろ」
吉沢龍剣
:「味方ならほっとけ、敵なら」
吉沢龍剣
:「こいつらのついでにぶちのめす、そンだけだ」
百代まりあ
:「……そうね」頷き
百代まりあ
:「まずは、あれを止めないと」
吉沢龍剣
:「だな」
吉沢龍剣
:桐生とぶつかり合う2人を背に
吉沢龍剣
:「アタシらは、そっちだ」
吉沢龍剣
:ミサイルを見上げる
GM
:では改めて百代さんの手番!
百代まりあ
:マイナーアクション、柳生さんのNPC効果を使用して戦闘移動、レランパゴのエンゲージに移動。
百代まりあ
:メジャーでコンボ【アシュケナジムの残星】
百代まりあ
:≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:災厄の炎≫+≪クロスバースト≫+≪プラズマカノン≫+≪原初の黒:オーバードーズ≫
百代まりあ
:対象はレランパゴAとリベレーターズA!
百代まりあ
:判定時にDロイス守護天使を起動。
GM
:ワオ……
百代まりあ
:13DX7+2
DoubleCross : (13R10+2[7]) → 10[1,2,3,3,3,3,4,5,7,8,8,9,9]+10[1,1,4,7,9]+10[3,7]+2[2]+2 → 34
リベレーターズA
:《砂の結界》でレランパゴをカバー!
百代まりあ
:ヤメテ
吉沢龍剣
:だよな~!
リベレーターズA
:素ガードします。ダメージどうぞ
百代まりあ
:ダメージ!
百代まりあ
:4D10+62+1D10
DoubleCross : (4D10+62+1D10) → 15[1,7,5,2]+62+8[8] → 85
リベレーターズA
:ヤベえダメージ……
リベレーターズA
:跡形もなく吹き飛びます!戦闘不能!
百代まりあ
:戦場と化した衛星の中、ミサイルを止めるべく走り出す。
百代まりあ
:だが不慣れな重力に、思うように動けない。
百代まりあ
:「っ……急がなくちゃ、いけないのに……!」
柳生日那多
:「よっ……と」その腰を優しく抱える
百代まりあ
:「きゃっ!?」
百代まりあ
:抱えられたまま振り向いて「日那多!」
柳生日那多
:「まりあちゃん。歩こうとしちゃダメ。宇宙はもっと自由なんだから」
百代まりあ
:「じ、じゆう……?」
柳生日那多
:「ふふふ、0G柳生心得其の一!」悪戯っぽい表情で刀を抜き放ち
柳生日那多
:空中に弧を描くように、諸共に旋回する
柳生日那多
:ぐ る り
百代まりあ
:「わ、わ……!」慌ててスカートを抑える
柳生日那多
:景色が一回転した後、二人はミサイルの発射台の裏手
柳生日那多
:警護の兵士達の死角に立っている
百代まりあ
:「……! 今何を……いえ、恩に着るわ、日那多!」少し声を潜めて
柳生日那多
:「へへへ~、どういたしまして」
百代まりあ
:「わたくしも、役目を果たさなくてはね」
百代まりあ
:そう言って、巨大なミサイルに向け、手を翳す。
百代まりあ
:刃を振るうでも、引き金を引くでも、レネゲイドを解き放つでもなく、
百代まりあ
:ただ────祈る。
百代まりあ
:そうあれかし、と。
百代まりあ
:瞬間、ミサイルの上方から、光が差し込む。
百代まりあ
:衛星軌道上、太陽はまるで別の方向。光源などどこにもない。
リベレーターズA
:「!?」その光に警備の者達が気付くが、既に攻撃は間に合わない
百代まりあ
:美しく、暖かで、しかし極めて不自然な光が、ミサイルを照らし出す。
リベレーターズA
:しかし、それでもなお…………
リベレーターズA
:「命を惜しむな!絶対に守り抜け!」
リベレーターズA
:ミサイルを覆うように巨壁を展開する。自らの肉体すら分解、再構築した命の壁。
百代まりあ
:光に触れたものが次々と漂白されたように、身体も、服も、武装も、すべて真っ白な砂に置換されていく。
リベレーターズA
:光が壁を焼き焦がし、やがて砂となって崩れていく
百代まりあ
:「っ……!?」
百代まりあ
:「そんな……!」
百代まりあ
:手を引き、愕然と立ち竦む。
リベレーターズA
:一面の白砂に囲まれて、それでもミサイルの威容は健在だ
百代まりあ
:どうして、とは言わない。
百代まりあ
:彼らには命を投げ出すだけの覚悟と信念があったのだろう。
百代まりあ
:だが────。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:唇を噛み締めて、聳えるミサイルを見据える。
百代まりあ
:侵蝕102>119
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
│
500km
│
[次元断層A(封鎖)]
[次元断層B(封鎖)]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[リベレーターズA]
│
5m
│
[桐生嚆矢][太田止隆][吉沢龍剣][茶川閂] — 5m — [レランパゴA][百代まりあ]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:続いてイニシアチブ5、吉沢さん!
吉沢龍剣
:「十分だぜ」
吉沢龍剣
:「後は任せな、まりあ」
吉沢龍剣
:マイナーで柳生お姉ちゃんの効果使って縮地!
吉沢龍剣
:レランパゴくんに接敵!
レランパゴA
:来やがったな…!
レランパゴA
:俺の装甲、抜けれるもんなら抜いてみろ!
吉沢龍剣
:メジャーでコンセ+炎の刃+結合粉砕+吹き飛ばし!
吉沢龍剣
:対象はレランパゴくん!
吉沢龍剣
:8dx7
DoubleCross : (8R10[7]) → 10[1,2,2,3,4,4,4,10]+3[3] → 13
吉沢龍剣
:ぐえーっ
レランパゴA
:レランパゴは装甲が厚いだけのでくのぼう……ドッジできない……!
吉沢龍剣
:オラーッ!ダメージ!
レランパゴA
:リアクション放棄、ダメージをどうぞ
吉沢龍剣
:2d10+1d10+25+10+2+3
DoubleCross : (2D10+1D10+25+10+2+3) → 10[1,9]+8[8]+25+10+2+3 → 58
吉沢龍剣
:装甲無視!
レランパゴA
:アバーッ!
吉沢龍剣
:そしてダメージ1点でも入れば
吉沢龍剣
:氷の茨が起動!!
吉沢龍剣
:7d10
DoubleCross : (7D10) → 44[7,10,10,3,4,4,6] → 44
吉沢龍剣
:合計…102!!
吉沢龍剣
:どうだーーっ!!
レランパゴA
:こ、氷の茨ァ~~~~!??
レランパゴA
:無理です。爆散します。
レランパゴA
:戦闘不能!
吉沢龍剣
:っしゃあ!
吉沢龍剣
:「宇宙はもっと自由、ねえ」
吉沢龍剣
:たんっ、たんっ、たんっ
吉沢龍剣
:低重力の中、氷の足場を次々に作り出し
吉沢龍剣
:サーカスの軽業めいて、ロケットに並行するように飛び上がっていく
柳生日那多
:「おっ!お姉さんは筋が良いねえ」その後ろをふわふわと浮かびながら
吉沢龍剣
:「中々具合がいいじゃねえか」
吉沢龍剣
:「気に入った、ぜ!」
吉沢龍剣
:「うるァ!!」
吉沢龍剣
:ガン!!
吉沢龍剣
:ガンガンガンガンガン!!
吉沢龍剣
:空中に創り出した氷塊を
吉沢龍剣
:千本ノックのように次々にミサイルへとぶつけていく!
吉沢龍剣
:「おおおおおッ!!」
吉沢龍剣
:手のひらをかざし、握りしめる。
レランパゴA
:一度目の氷塊は電磁シールドが阻む、二度目は厚い装甲が
レランパゴA
:だが、そこまでだ。
吉沢龍剣
:ベキベキベキベキッ!!
吉沢龍剣
:ミサイルに張り付いた氷塊が凍気とともに急速に発達し
吉沢龍剣
:巨大な怪物のあぎとの如く、その圧力でミサイルを締め潰す!
吉沢龍剣
:同じくサラマンダー能力者としては
吉沢龍剣
:太田の真逆、スマートさや洗練とはかけ離れた能力の応用
吉沢龍剣
:強引に、乱雑に、めちゃくちゃに
吉沢龍剣
:幾重にも施された防壁を破壊していく。
レランパゴA
:キュゥ……という金属が収縮する高音が鳴り響き
レランパゴA
:アルミ缶を潰すように円筒形の躯体が圧縮されていく
吉沢龍剣
:「こいつで終いだ」
吉沢龍剣
:「イッちまえや、デカブツ!!」
吉沢龍剣
:ぎゅるんっ!
吉沢龍剣
:空中で回転を加え、その間にも氷を纏い凶暴に発達した金属バットが
吉沢龍剣
:巨大な金棒として、纏われた氷ごとミサイルを粉砕!
吉沢龍剣
:ドグシャアアアアアアアアアーッ!!
レランパゴA
:"稲妻"の名を与えられたミサイルは、より強大な氷の鉄槌によって粉々に砕け散った。
吉沢龍剣
:くるくると回転し
吉沢龍剣
:ふわりと着地。
百代まりあ
:「……龍剣……!やったわ!」小さく飛び跳ねる
吉沢龍剣
:「おゥよ」
吉沢龍剣
:まりあに微笑みかけ
吉沢龍剣
:桐生へと視線を移す
吉沢龍剣
:「野郎同士でいつまでもベタベタといちゃつきやがって」
吉沢龍剣
:「女をいつまでもほったらかしてんじゃねーよ」
吉沢龍剣
:「よりにもよってこんな上玉揃いを、なァ?」
吉沢龍剣
:百代、柳生とともに
吉沢龍剣
:3人並び立つ!
百代まりあ
:「じょうだま……?」
吉沢龍剣
:「乳とケツは足りてねェけどな」
吉沢龍剣
:トントンとバットを肩にやる
柳生日那多
:「あ、あたしはありますけど!?お姉さんが……」ブツブツ言ってる
百代まりあ
:「龍剣……」
百代まりあ
:「今そんなお話をしている場合かしら」
茶川 閂
:「そうですよ」
吉沢龍剣
:「おいおい」
吉沢龍剣
:「まりあにまでそっちに行かれちまったら、コンビ解散だな」
吉沢龍剣
:「わーったよ、多少マジに行ってやるか」
吉沢龍剣
:ひゅおっ、バットを振り
吉沢龍剣
:「次の仕込みを寄越しな」
吉沢龍剣
:「百発だろうと、撃ち落としてやんぜ」
太田止隆
:「……ミサイルは叩き折られたみたいだな」 異様な粉砕音だった。それを為せるのは一人しかいまい 「どうする? まだあの星に撃つ矢はあるのか?」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「フゥーーーーー…………」血と脂汗を流したまま大きく息をついて
"リベレーター"桐生嚆矢
:「なかなかやるじゃねえの。正直想定以上だよ」
吉沢龍剣
:「そりゃそうだろうが」
吉沢龍剣
:「『お前』は」
吉沢龍剣
:「アタシを知らねえんだからな」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ははあ……何だ?アンタ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「まさか"こっち"の俺の女か?」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「世界が違うとここまで趣味が変わるとはな……笑えるぜ」
吉沢龍剣
:「バカ言え」
吉沢龍剣
:「アタシは酒代目当ての賞金稼ぎ、でもって」
吉沢龍剣
:「分からず屋のガキをお仕置きすんのが趣味の、通りすがりのおねーさんだぜ」
吉沢龍剣
:「どこの世界だろうと、いつだろうと、な」
吉沢龍剣
:「理解したか?キリューちゃんよ」
吉沢龍剣
:にやりと笑う、その挑発的な笑みに
吉沢龍剣
:存在するはずの無い見覚えを、感じるかもしれない。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「…………っ」頭の裏にちくりと刺すような感覚が走る
"リベレーター"桐生嚆矢
:「どうやら……こっちの俺はとんだ甘ちゃんだったらしい」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「けど俺は———」指を鳴らす
"リベレーター"桐生嚆矢
:E:《さらなる絶望》×2
吉沢龍剣
:「!」
レランパゴB
:地下の格納庫が展開し
レランパゴC
:新たに2基のミサイルがせり上がってくる
茶川 閂
:「ちくしょう、流石に一大プロジェクトだな!」
吉沢龍剣
:「バカは嫌いじゃねえ」
吉沢龍剣
:「とことん付き合ってやるよ、もう一丁な」
吉沢龍剣
:コキコキと首を鳴らし、それを見据える
"リベレーター"桐生嚆矢
:「そうか、ありがとよ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「だがこっちは、バカも女も間に合ってる」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「早々にお引取り願うぜ。何なら送らせてくれよ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「銀河の果てまでな」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「次こそふっとばす……!」
吉沢龍剣
:「こっちの台詞だ、タコ助野郎」
吉沢龍剣
:「ここに足りね—もう1人の分まで」
吉沢龍剣
:「アタシが派手にぶん殴ってやらァ!」
GM
:レランパゴ2基は皆さんのエンゲージの中間に登場し、
GM
:このラウンド、全力移動でリベレーターズBと同じエンゲージに集まります。
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層B(封鎖)]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[レランパゴB][レランパゴC][リベレーターズA]
│
5m
│
[桐生嚆矢][太田止隆][茶川閂] — 5m — [吉沢龍剣][百代まりあ]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:このラウンド最終的なエンゲージはこう!
GM
:クリンナップ!放心は回復されます!
GM
:1ラウンド目終了!続きは次回!
GM
:お疲れさまでした!
太田止隆
:お疲れ様でした!
吉沢龍剣
:お疲れ様でしたー!
百代まりあ
:お疲れさまでした!
茶川 閂
:お疲れさまでした!
■第2ラウンド
GM
:改めてエンゲージはこちら
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層B(封鎖)]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[レランパゴB][レランパゴC][リベレーターズA]
│
5m
│
[桐生嚆矢][太田止隆][茶川閂] — 5m — [吉沢龍剣][百代まりあ]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:セットアップから!
百代まりあ
:なし!
太田止隆
:ないぞ
吉沢龍剣
:氷の茨!!
吉沢龍剣
:今度はダメージが8d10だぜ~~
吉沢龍剣
:侵蝕は113!
茶川 閂
:《螺旋の悪魔》!
茶川 閂
:ラウンド攻撃力を+24、124→127
吉沢龍剣
:演出は省略!以上!
茶川 閂
:こちらも! 以上!
レランパゴB
:《ロケッティア》次の移動でシーン内移動可能。封鎖無視。行動値0。
レランパゴC
:同じく《ロケッティア》次の移動でシーン内移動可能。封鎖無視。行動値0。
"魔星"アイオーン
:なし
"リベレーター"桐生嚆矢
:なし
レランパゴB
:二基のミサイルが起動し、発射体勢に入る
レランパゴC
:照準、"魔星"アイオーン
GM
:それではイニシアチブ15!桐生の手番から!
"リベレーター"桐生嚆矢
:マイナーで《アンバウンド》《バトルビート》ラウンド中ダイス+4攻撃力+12 現在のエンゲージから1m後退
"リベレーター"桐生嚆矢
:《サイバーレッグ》を持ってるためいつでも離脱できるのだ
吉沢龍剣
:おしゃれな動きしやがって
"リベレーター"桐生嚆矢
:メジャー、《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《一閃》《獅子奮迅》
GM
:1d4
DoubleCross : (1D4) → 2
"リベレーター"桐生嚆矢
:1d4
DoubleCross : (1D4) → 2
"リベレーター"桐生嚆矢
:なんか被ったけど両方2!吉沢さんと百代さんのエンゲージに攻撃!
百代まりあ
:ギャーッこっち来た
吉沢龍剣
:ぎえー!男女平等!
茶川 閂
:ギャーッ
"リベレーター"桐生嚆矢
:17dx7+6
DoubleCross : (17R10+6[7]) → 10[1,1,1,3,4,5,5,6,6,7,7,8,9,9,9,10,10]+10[1,1,4,4,5,7,7,9]+10[1,6,9]+4[4]+6 → 40
百代まりあ
:ガード!
吉沢龍剣
:ガード!
"リベレーター"桐生嚆矢
:5d10+37
DoubleCross : (5D10+37) → 38[4,9,9,7,9]+37 → 75
百代まりあ
:HP0!吉沢さんのロイス昇華して復活!
吉沢龍剣
:死!白銀さんのロイス昇華して復活!
太田止隆
:「……っ、そっちに抜けたぞ……!」 振り返り、圧壊されたミサイルの元にいる面々へ叫ぶ
"リベレーター"桐生嚆矢
:「こっちの勝負も面白くなってきたとこだったが」一瞬の後退の後、雷鳴の如き轟音。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「厄介な方から潰させてもらうぜ!!」迅雷を纏った一撃が二人を襲う!
吉沢龍剣
:「遅かったじゃねえか、女を待たせんなよ」
吉沢龍剣
:バットを構え
吉沢龍剣
:「ッつぅら!!」
吉沢龍剣
:迎撃に振り抜く!が…
"リベレーター"桐生嚆矢
:「遅え!!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:バットは空を切る。一拍の後に届く真空波が二人を打ち据える。
吉沢龍剣
:「……がっは!はは!」
吉沢龍剣
:「やるじゃねえかよダボハゼ!!」
吉沢龍剣
:脇腹を大きく抉られ
吉沢龍剣
:血を床に吐き捨てる。
百代まりあ
:「……ぁ……」抵抗どころか反応も出来ず、全身を裂かれ、灼かれる。
百代まりあ
:低重力で球状となった鮮血が飛び散り、脚は妙な方向に折れ曲がっている。
吉沢龍剣
:「ち……」
吉沢龍剣
:「おい、保つか?」
吉沢龍剣
:傍らの百代さんに、視線は敵を見据えたまま問う
百代まりあ
:「わたくしのことは、いいわ」荒い呼吸、掠れた声で返す。
百代まりあ
:「あなたはあなたの、為すべきことをして」
吉沢龍剣
:「なるほど、てめえは」
吉沢龍剣
:「百代まりあだから」
吉沢龍剣
:「ってか?」
百代まりあ
:「…………」口の端から血を垂らしながら、笑みを浮かべる。
百代まりあ
:「そうよ」
百代まりあ
:それが百代まりあにとっての、極めて明快な思考であり、価値観であり、命題だ。
吉沢龍剣
:「だよな」
吉沢龍剣
:「いいぜ、こちとら吉沢龍剣だって所も」
吉沢龍剣
:「拝ませてやるよ!目ン玉見開いてな!」
吉沢龍剣
:敵を見据える、抑えきれない、抑えようともしない暴力衝動。
吉沢龍剣
:そこに自分自身を成り立たせる根幹があることを、何より自覚している。
吉沢龍剣
:その
”共感”
(
シンパシー
)
が、脚を支えている。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「…………」その様子を半ば忌々しげに睨んで
"リベレーター"桐生嚆矢
:「……テメエらが自分の名前にどういうこだわりがあるのかは知らねえが」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「
"桐生嚆矢"
(
オレ
)
は全て貫くだけだ」
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層B(封鎖)]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[レランパゴB][レランパゴC][リベレーターズA]
│
5m
│
[太田止隆][茶川閂] — 5m — [桐生嚆矢][吉沢龍剣][百代まりあ]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:続いてイニシアチブ10、リベレーターズBの手番!
リベレーターズB
:《C:エンジェルハイロウ》《小さな塵》《形なき剣》スナイパーライフル
リベレーターズB
:choice[太田止隆,茶川閂]
DoubleCross : (CHOICE[太田止隆,茶川閂]) → 茶川閂
茶川 閂
:来やがった!
リベレーターズB
:対象は茶川くん
リベレーターズB
:リベレーターズ社員は社長の邪魔はしないのだ
吉沢龍剣
:有能社員
太田止隆
:さっきこっち撃っただろ!
リベレーターズB
:さっきので懲りたのだ
リベレーターズB
:8dx8+4 ドッジダイス-3
DoubleCross : (8R10+4[8]) → 10[1,1,3,5,5,6,7,9]+2[2]+4 → 16
茶川 閂
:また暴走しちゃってるのでリア不!
太田止隆
:《炎陣》。ギャリソンズシールドでカバー。さらにギャリソンズシールドの効果も使用
太田止隆
:ガードエフェクトは不使用。来な!
リベレーターズB
:2d10+21
DoubleCross : (2D10+21) → 12[5,7]+21 → 33
太田止隆
:ギャリソンズシールド6、ギャリソンズシールド効果で+8、パッシブ効果で+8、装甲10
太田止隆
:32防いで1点通します
茶川 閂
:かてぇ~
リベレーターズB
:硬ってえ…
百代まりあ
:やばいわ
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+2した (侵蝕率:108->110)
太田止隆
:太田止隆のHPは13になった。(HP:14->13)
リベレーターズB
:桐生の転身に注意を向けた茶川くんの頭部を銃口が捉える
リベレーターズB
:「…………」
リベレーターズB
:音もなくライフルの弾丸が発射される。
太田止隆
:後方に構えた剣身が炎を噴き出し、滑るようにジェット移動。
太田止隆
:銃撃の瞬間に銃口と茶川くんの間に割り込み、構えていた盾でそれを弾く。
リベレーターズB
:「!!」
太田止隆
:着弾の衝撃で僅かに傷ついた身体が軋むが、些事だ。それよりも、意識は、その眼は、今まさに引き金を引いた兵卒に向いている!
茶川 閂
:防御に意識を裂く必要はない。この人は鉄壁だ。
リベレーターズB
:その眼光に射竦められるが、ここを離れるわけには行かない。
リベレーターズB
:この2基のミサイルを失えば、リベレーターズの旅路は全て水の泡だ
リベレーターズB
:再び銃口を構える。今度は正面から。
GM
:続いてイニシアチブ9!"魔星"アイオーンの手番!
"魔星"アイオーン
:マイナーで《縮地》戦闘移動 次元断層Bに接触し停止
GM
:接触により次元断層Bは消滅
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[レランパゴB][レランパゴC][リベレーターズA]
│
5m
│
[太田止隆][茶川閂] — 5m — [桐生嚆矢][吉沢龍剣][百代まりあ]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
"魔星"アイオーン
:メジャーは……
"魔星"アイオーン
:choice[抗いがたき言葉,アドヴァイス]
DoubleCross : (CHOICE[抗いがたき言葉,アドヴァイス]) → 抗いがたき言葉
"魔星"アイオーン
:そっちかー
"魔星"アイオーン
:《ありえざる存在:風の渡し手》《ありえざる存在:抗いがたき言葉》 命中でシーン中判定ダイス-5 レランパゴ以外のキャラクター6名を指定
"魔星"アイオーン
:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 9[6,8,8,9]+1 → 10
太田止隆
:しゃ、シャレにならん……!
茶川 閂
:リア不!
"魔星"アイオーン
:《原初の虚:創造主の業》
茶川 閂
:なんかすごいのある!
吉沢龍剣
:なんじゃあ!?
"魔星"アイオーン
:10+4d10
DoubleCross : (10+4D10) → 10+28[7,3,8,10] → 38
"魔星"アイオーン
:達成値38です
百代まりあ
:何~~っっ
吉沢龍剣
:回避!
吉沢龍剣
:7dx-3
DoubleCross : (7R10-3[10]) → 8[1,1,1,3,5,6,8]-3 → 5
吉沢龍剣
:よくやった!どうせ躱せない!
吉沢龍剣
:腐って正解だった
百代まりあ
:ドッジ!
百代まりあ
:6DX+1>=38
DoubleCross : (6R10+1[10]>=38) → 9[2,4,6,8,8,9]+1 → 10 → 失敗
"リベレーター"桐生嚆矢
:9dx+4
DoubleCross : (9R10+4[10]) → 9[4,5,6,6,7,8,8,9,9]+4 → 13
リベレーターズB
:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 9[4,9,9,9] → 9
太田止隆
:意味はないけどガード。そして《炎陣》で茶川くんをカバーリング
太田止隆
:いやワンチャンあるからドッジ振っとくか……
太田止隆
:5dx-3
DoubleCross : (5R10-3[10]) → 7[1,4,4,7,7]-3 → 4
太田止隆
:無理!
"魔星"アイオーン
:では茶川くん以外の全員がシーン中判定ダイス-5となります
太田止隆
:鬼かな?
茶川 閂
:いつもありがとうございます太田さん…!
"魔星"アイオーン
:"魔星"の影が少しずつ大きくなっていく。
"魔星"アイオーン
:次元の壁を突き破り、魔なる星がその侵蝕を一層強めている。
"魔星"アイオーン
:リィィィィィィィィィィィイィィィィィィ
"魔星"アイオーン
:その音色は抗いようのない囁きとなって君たちの精神をかき乱す。
吉沢龍剣
:「やっかましい野郎だぜ……!」
吉沢龍剣
:「お行儀よく『待て』が出来ねェのかよ」
吉沢龍剣
:耳を塞ぎつつ、忌々しげに星を見上げる
百代まりあ
:「……く……ぅ……」
百代まりあ
:ただでさえ消耗した体力に、追い打ちを掛けるかのような音響。思わず表情を歪める。
太田止隆
:「ッ……」 歯噛みしながら、それでも意識を星から引き剥がし、斬るべき敵へ向ける。相手も人間であれば同条件のはず……!
茶川 閂
:体の内側から何かが対抗するかのように音の影響をかき消している…
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ぐ………!喧しい……。すぐに黙らせてやるから待ってやがれ」……!」忌々しげに顔を歪める
GM
:では次!イニシアチブ8、太田さんか茶川くん!
太田止隆
:動きます
太田止隆
:吉沢さんのロイスをここでタイタス化。昇華することでダイスペナルティを回復します
太田止隆
:そしてマイナーで移動、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》。狙いはリベレーターズB!
リベレーターズB
:ヒェーッ
太田止隆
:さっきの炎陣ぶん侵蝕率を上げてなかったので上げるね
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+2した (侵蝕率:110->112)
太田止隆
:で、攻撃!
太田止隆
:11dx7-4
DoubleCross : (11R10-4[7]) → 10[3,3,5,6,7,9,9,9,9,10,10]+10[2,4,4,5,5,9,10]+10[3,7]+2[2]-4 → 28
リベレーターズB
:ダイスが減ってドッジできない!ので、ガード!
太田止隆
:余計なことをアイオーン!
太田止隆
:だが命中したなら《フェイタルヒット》。行くぞ!
リベレーターズB
:こわいよ~
太田止隆
:3d10+11+3+1d10+4d10
DoubleCross : (3D10+11+3+1D10+4D10) → 17[9,4,4]+11+3+4[4]+17[7,8,1,1] → 52
太田止隆
:諸々有効。どうだ……!
リベレーターズB
:リベレーターズBのHPはとても貧弱……倒れます。
リベレーターズB
:戦闘不能
太田止隆
:よかった!
太田止隆
:(集中しろ……大した問題じゃない。賞金稼ぎも、"グローセ・ベーア"も役目を果たした。俺が挫けてなるものか)
太田止隆
:(思い出せ。"余計な音が聞こえる"状態だろうと……"ナイトバイポーラー"は、戦える!)
太田止隆
:眼を見開き、己の裡のレネゲイドを意図的に燃焼する。急激なレネゲイドの昂りが、力奪う奇音を中和する。
太田止隆
:「"ビリオンインチ"、嚆矢を頼む!」
茶川 閂
:わずかに目を見開く。「……任務、了解!」
太田止隆
:その返答を待つことなく、炎を背に噴走する。構えられた銃口に向けて一直線に。
リベレーターズB
:「………!」脳内を奇音に苛まれながらも、一心不乱に引き金を引く
太田止隆
:突き出した氷の刃は槍じみて鋭く伸長し、先端に構えられた銃口を反射する。
太田止隆
:軽い音が、僅かな氷片と共に弾けた。ささやかな煌めきを置き去りにして、氷の突撃が狙撃手を打ち飛ばす。
リベレーターズB
:「がっ……!!」短い悲鳴と共に膝をつく
太田止隆
:踏み込みながらその頭部を強打、昏倒させる。
リベレーターズB
:「嚆矢……さ……」言葉は最後まで発せず、崩れ落ちる。
太田止隆
:それでも、殺しはしない。 (……お前たちも、奴に惹かれたんだとしたら)
太田止隆
:(その目的がどうであっても、俺と同じだ)
太田止隆
:目を細めて、聳える2基のミサイルと迫る魔星を仰ぐ。これを砕くのは、己ではない。
太田止隆
:双身剣を軽く回転させるように持ち直し、背後の戦場を振り返る。
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+8した (侵蝕率:112->120)
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[レランパゴB][レランパゴC][太田止隆]
│
5m
│
[茶川閂] — 5m — [桐生嚆矢][吉沢龍剣][百代まりあ]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:次!茶川くんの手番!
茶川 閂
:マイナーで桐生・吉沢・百代さんたちのエンゲージに移動!
茶川 閂
:メジャーで《コンセントレイト》+《インスタントボム》!
茶川 閂
:対象はもちろん桐生さんです
茶川 閂
:いくぞーっ
茶川 閂
:17dx7
DoubleCross : (17R10[7]) → 10[1,1,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,6,6,7,7,9]+4[2,2,4] → 14
茶川 閂
:ええ……
"リベレーター"桐生嚆矢
:へっへ……そのくらいなら……!
"リベレーター"桐生嚆矢
:4dx+4
DoubleCross : (4R10+4[10]) → 10[6,6,8,10]+3[3]+4 → 17
"リベレーター"桐生嚆矢
:(危なかった……)
茶川 閂
:太田さんへのロイスを昇華! 達成値を後乗せします!
"リベレーター"桐生嚆矢
:何だと……!
茶川 閂
:1d10+14
DoubleCross : (1D10+14) → 4[4]+14 → 18
太田止隆
:あっぶねえ
百代まりあ
:怖い……
茶川 閂
:あぶな……!
"リベレーター"桐生嚆矢
:これが師弟の絆か……
"リベレーター"桐生嚆矢
:喰らいます!ダメージどうぞ!
茶川 閂
:2d10+1d10+46
DoubleCross : (2D10+1D10+46) → 17[9,8]+4[4]+46 → 67
茶川 閂
:ダメージはいい! 装甲無視!
"リベレーター"桐生嚆矢
:あばばばばば……
"リベレーター"桐生嚆矢
:まだ生きてる……!死にかけ!
茶川 閂
:太田さんと交差するように飛び出し、桐生嚆矢を追いかける。
茶川 閂
:彼が自分と同様、任務に私情を挟まない傾向の人間であることは分かる。だとしても。
茶川 閂
:だとしても太田止隆が、桐生嚆矢を頼むと言ったのだ。ならば、やらねばならない。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「おっとガキの方が来たか」それに気付いて構えを取る。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「さっきのリベンジと行かせてもらうぜ!」
茶川 閂
:「そうはさせないぜ……なにせガキなんだ。俺たちにはまだ、未来があるんでね!」
茶川 閂
:渾身のストレート。桐生の速度ならば、すれすれで躱せる軌道。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「悪いがその未来は———」その目算通りに身を捻って拳を躱そうとし
茶川 閂
:だがその拳はほんの少しだけ頬をかすめる。炎と氷が舞ったことで生まれた極地的陽炎が、わずかに目算を狂わせたのだ。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「今日ここで終わ……ッ!?」
茶川 閂
:そしてその拳は触れただけで、もっと巨大な質量が押し付けられたかのような重い衝撃を与える!
"リベレーター"桐生嚆矢
:下顎に強烈なアッパーを食らったかのように、桐生の身体がかち上げられる。
茶川 閂
:(だめだ……まだ沈まねぇか!)
茶川 閂
:127→134
"リベレーター"桐生嚆矢
:錐揉み状に回転して中を舞い、床に叩きつけられる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「がっ……!?相変わらず訳の分からねえ力だ……」ふらつきながら立ち上がり
"リベレーター"桐生嚆矢
:「なら次は、絶対ェ触れられない速度で殺してやる……!」
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[レランパゴB][レランパゴC][太田止隆]
│
5m
│
[茶川閂][桐生嚆矢][吉沢龍剣][百代まりあ]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:続いてイニシアチブ6!百代さん!
吉沢龍剣
:そこで!
吉沢龍剣
:アームドスーツをパージ!
GM
:姐さんが脱いだ!
吉沢龍剣
:イニシアチブが元に戻り7に!
GM
:ではイニシアチブ7!吉沢さんの手番!
吉沢龍剣
:っしゃい!
吉沢龍剣
:イニシアチブが手に入ればこっちのもんよ!マイナーでアームドスーツを再度装備!
GM
:貴様ーッ!!
吉沢龍剣
:イカサマ臭いが可能なムーヴなのだ(ルルブ1:P232参照)
茶川 閂
:テクニックだ
吉沢龍剣
:でもってメジャーでコンセ+炎の刃+結合粉砕+吹き飛ばし!
吉沢龍剣
:桐生くんに攻撃!太田さんのロイスを昇華してダイペナも解除!
"リベレーター"桐生嚆矢
:こい!
吉沢龍剣
:12dx7
DoubleCross : (12R10[7]) → 10[2,3,4,4,4,6,7,9,9,10,10,10]+10[2,2,4,5,8,9]+10[3,9]+3[3] → 33
吉沢龍剣
:そりゃーっ
"リベレーター"桐生嚆矢
:4dx+4 ドッジ!
DoubleCross : (4R10+4[10]) → 10[4,9,9,10]+4[4]+4 → 18
"リベレーター"桐生嚆矢
:回ったけどダメ!ダメージどうぞ!
吉沢龍剣
:4d10+1d10+10+4+3
DoubleCross : (4D10+1D10+10+4+3) → 15[10,2,1,2]+10[10]+10+4+3 → 42
吉沢龍剣
:装甲無視!
"リベレーター"桐生嚆矢
:ギャーッ!
"リベレーター"桐生嚆矢
:茨を待つまでもなく……死ぬ!
吉沢龍剣
:しゃらぁッ!
"リベレーター"桐生嚆矢
:《自動体内式除細動機》
"リベレーター"桐生嚆矢
:HP1で復活!
吉沢龍剣
:ならばそこで
吉沢龍剣
:ダメージ算出後の処理が入る!
吉沢龍剣
:2mマップ中央へと移動してもらい
吉沢龍剣
:8d10のライフロス!
吉沢龍剣
:8d10
DoubleCross : (8D10) → 35[5,2,3,6,4,4,7,4] → 35
吉沢龍剣
:ウリァーッ!
吉沢龍剣
:2度めの復活は!?
"リベレーター"桐生嚆矢
:ある……!何故ならば……!
"リベレーター"桐生嚆矢
:Eロイス《不滅の妄執》
吉沢龍剣
:野郎ォ…
吉沢龍剣
:そう来やがったか
"リベレーター"桐生嚆矢
:戦闘不能を回復します。
"リベレーター"桐生嚆矢
:この状態の桐生嚆矢は
"リベレーター"桐生嚆矢
:"ナイトバイポーラー"太田止隆以外の攻撃では倒れることはありません。
吉沢龍剣
:そうでしょうね!!
百代まりあ
:桐生嚆矢……!
茶川 閂
:なんて奴だ
吉沢龍剣
:「生憎だが」
吉沢龍剣
:「次はねェよ」
吉沢龍剣
:ぱき ぴき
吉沢龍剣
:「もう捕まえたからよ」
吉沢龍剣
:足元から蜘蛛の巣のように張り巡らされた冷気が
吉沢龍剣
:茶川の攻撃に受け身をとった桐生嚆矢の足元を捉え
吉沢龍剣
:霜となって固着している。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「何!?」咄嗟に抜け出そうとするが時既に遅し、自慢の脚はピクリとも動かない!
吉沢龍剣
:「感激しな、とっておきをぶち食らわしてやる」
吉沢龍剣
:かつ、こつ
吉沢龍剣
:氷の上をゆらりゆらりと迫る。その片手に握るバットから
吉沢龍剣
:しゅうしゅうと白煙が立ち、きしりきしりと音が鳴る
吉沢龍剣
:放たれる極低温によって、周囲の空気が軋んでいる
"リベレーター"桐生嚆矢
:「クソッ……!舐めんじゃねぇ!!」自らに風の刃を収束させる。例え自らの脚を砕いてでも離脱を試みようとするが……
吉沢龍剣
:ガキッ!
吉沢龍剣
:その胸ぐらを、掴む
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ぐッ!?」
吉沢龍剣
:「……遅ぇよ」
吉沢龍剣
:「すぅ、リャァッ!!!!!」
吉沢龍剣
:キ ィン !!
吉沢龍剣
: ガキン!!
吉沢龍剣
:振り上げられたバットに打ち上げられた桐生の体に吹き付ける冷気の追撃!
吉沢龍剣
:巨大な氷山が桐生を閉じ込め
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ぐ……ぐぅぅぅぅぅおおおおおおお!!!!」
吉沢龍剣
:「まだ終わりじゃねェぞ?……うおぉおおおッ!!らァ!!」
吉沢龍剣
:どぐあしゃああああああっ!!
吉沢龍剣
:2撃目のスイング!
吉沢龍剣
:氷山ごと内部の桐生を打ち砕く!
"リベレーター"桐生嚆矢
:「かッ…………ハッ……………!!」叫び声を上げることもできず、短く息を吐きだす。
茶川 閂
:(この攻撃に最適化された能力と戦い方……流石は吉沢さん。卜部さんと親友なだけはある)タラリと冷や汗が一筋、それもすぐに凍り付く。
茶川 閂
:吉沢さんに 〇感服/いろいろな意味で脅威 でロイスを取得します
吉沢龍剣
:がらがらと崩れる氷。その中に立ち尽くし
吉沢龍剣
:「手応えアリ」
吉沢龍剣
:「終いだ」
吉沢龍剣
:バットを肩にトントンと乗せる
"リベレーター"桐生嚆矢
:砕け散る崩壊とともに、桐生の身体が投げ出される。
太田止隆
:「…………」 その恐るべき破壊を見届けた。彼女の言に虚飾はない。あれだけの攻撃を受けて立ち上がれはしないはずだ——理の上であれば。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「……………………………」仰向けに倒れる。虚ろな目で天を見上げる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:心臓の鼓動が、呼吸が小さくなっていく
"リベレーター"桐生嚆矢
:しかし
"リベレーター"桐生嚆矢
:ド ク ン
"リベレーター"桐生嚆矢
:心停止寸前の桐生の身体が、痙攣し飛び跳ねる
吉沢龍剣
:「ぁあ?」
吉沢龍剣
:眉を顰める。微かに驚愕の表情。
"リベレーター"桐生嚆矢
:ド ク ン
"リベレーター"桐生嚆矢
:ド ク ン
百代まりあ
:「……嘘……」
"リベレーター"桐生嚆矢
:桐生の身体から、断続的な放電が繰り返される
"リベレーター"桐生嚆矢
:「まだ……だ……」
"リベレーター"桐生嚆矢
:起き上がる。その瞳は虚ろなまま
"リベレーター"桐生嚆矢
:「まだ……止まらねえ」
吉沢龍剣
:「……そういうワケかよ」
百代まりあ
:「やめなさい……!立たなくていいのよ、もう!」
吉沢龍剣
:「やめとけ、聞こえちゃいねえ。向こう側に行きやがった」
茶川 閂
:「向こう側……」
吉沢龍剣
:「届くとすりゃあ……」
吉沢龍剣
:「こン中に1人だろうが」
吉沢龍剣
:太田さんへと視線を送る
太田止隆
:立ち上がる彼を静かに見据える。痛ましく、恐ろしく、しかし燃え上がるような、彼を。
"リベレーター"桐生嚆矢
:その心臓は本来の意味で動いてはいない。とうに死した筋肉を、電気刺激で無理矢理に駆動させる
太田止隆
:「……」 双身の剣を半回転。炎の刃を前方へ持ち替える。紅蓮の火は、ごうごうと燃え上がり。
太田止隆
:立ち上る煙は、まるであの日の再演を告げる狼煙にも似て。
"リベレーター"桐生嚆矢
:止まった血液を、圧縮空気で強引に流動させる。その声すらもまた……
"リベレーター"桐生嚆矢
:死した肉体を、その妄執が突き動かす。
太田止隆
:「……いるぞ」
太田止隆
:「お前を止める奴が、ここに。そうしろと言われた奴が」
太田止隆
:「いるぞ……!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「ああ……」その声の主を見ることなく、言葉だけを紡ぐ
"リベレーター"桐生嚆矢
:「俺を……止めるのは……」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「いつだっ……て………」
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[レランパゴB][レランパゴC][太田止隆]
│
5m
│
[桐生嚆矢] — 2m — [茶川閂][吉沢龍剣][百代まりあ]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:次!百代さんの手番!
百代まりあ
:マイナーで戦闘移動、レランパゴ二基にエンゲージ
百代まりあ
:メジャーで≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:災厄の炎≫+≪クロスバースト≫+≪プラズマカノン≫+≪原初の黒:オーバードーズ≫
百代まりあ
:対象はレランパゴ二基!
百代まりあ
:判定時にDロイス守護天使を起動します
レランパゴB
:こい!
百代まりあ
:12DX7+2
DoubleCross : (12R10+2[7]) → 10[1,1,1,2,3,3,4,4,6,7,8,9]+10[4,5,10]+6[6]+2 → 28
百代まりあ
:あっダイスボーナス忘れてた でも下がったら嫌だからこれで……!
レランパゴB
:レランパゴはどちらもリアクション不可!ダメージどうぞ!
百代まりあ
:ダメージ!
百代まりあ
:3D10+30+20+12+1D10
DoubleCross : (3D10+30+20+12+1D10) → 27[7,10,10]+30+20+12+4[4] → 93
百代まりあ
:おりゃーーっ
レランパゴC
:あびゃ~~っ
レランパゴB
:わ、我々はHPが少し低い代わりに《電磁反応装甲》を積んでいたが………
レランパゴC
:それでも無理!仲良く爆発四散!
レランパゴB
:戦闘不能!
百代まりあ
:やったわ
百代まりあ
:オーヴァードとしての百代まりあは、≪無面目≫と呼ばれる性質を備えている。
百代まりあ
:百代は確かにオーヴァードであるが、そのレネゲイドを観測するのは困難であり、また、侵蝕率の上昇に応じてレネゲイド物質の反応は更に微弱になっていく。
百代まりあ
:まるで、内へ、内へと呑み込まれていくかのように。
百代まりあ
:その性質から、百代まりあのシンドロームは、自らの尾を喰らう蛇━━━ウロボロスとして定義されている。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:身体を引きずるようにして、発射を待つミサイルへと歩み寄る。
百代まりあ
:折れた脚からは皮膚を突き破って白骨が覗いている。この低重力下でなければ、移動は困難だっただろう。
百代まりあ
:「はっ……はっ……」
百代まりあ
:意識が飛びそうな程の激痛。嫌な汗と身体の震えを感じながら、ミサイルのもとへ辿り着く。
百代まりあ
:(私の、すべきことを────)
百代まりあ
:聳える二基のミサイルを見据え、祈りを捧げる。
百代まりあ
:同時に、自身の奥底、精神、心、或いは魂とでも呼ぶべき場所から、何かとても大切なものが、急速に失われていくのを感じる。
百代まりあ
:百代まりあの能力は、過程を無視して結果を引き出す、尋常のレネゲイドコントロールからは著しく逸脱したものだ。
百代まりあ
:だが当然、
背教者
(
レネゲイド
)
の理には逆らえない。
百代まりあ
:人の身で人を越えた奇跡を願えば、その身が人から離れていくのは、当然の帰結だ。
百代まりあ
:胸から零れ落ちるそれが、自身を自身たらしめる、失くしてはならないものだとは分かっている。
百代まりあ
:それでも、祈りの手は解かない。
百代まりあ
:━━━━虹。
百代まりあ
:一切の光学を無視した、円を描いた虹が、二基のミサイルに掛かる。
百代まりあ
:それと共に、どこからともなく聞こえてくる歌。
百代まりあ
:賛美歌だ。どの言語ともつかないその歌は、何を賛美しているのかすら分からない。
百代まりあ
:「……させないわ」
百代まりあ
:「全部無かったことになんて、させない」
百代まりあ
:巨大なものが割れる、乾いた音が響き渡る。
百代まりあ
:聳え立つ巨大なミサイルが、その姿を保ったまま、穢れのない純白に塗り潰されている。
百代まりあ
:さらさらと零れ、ヒビの入ったそれは、既に何の機能も有さない、ただの砂の塊だ。
レランパゴB
:ミサイルの防衛機構は発動する素振りすら見せなかった
レランパゴC
:ただ最初からそうであったかのように、砂の塔は緩やかに崩れていった。
百代まりあ
:侵蝕率 119>140
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[太田止隆][百代まりあ]
│
5m
│
[桐生嚆矢] — 2m — [茶川閂][吉沢龍剣]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:クリンナップ!何かありますか!
吉沢龍剣
:ない!
茶川 閂
:なし!
百代まりあ
:なし!
太田止隆
:ないぞ
GM
:では次のラウンド!に行く前に……
"リベレーター"桐生嚆矢
:崩れ落ちた砂の中から、小さな塊を拾い上げる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:"エンプティ・ハート"
"リベレーター"桐生嚆矢
:ミサイルの弾頭に搭載されていたそれは、昇天の光に晒されて尚原型を保ち、力強く脈打っている。
"リベレーター"桐生嚆矢
:おもむろに右手を掲げ……
"リベレーター"桐生嚆矢
:「…………ッ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:小さく空気が漏れる。右手には、用を足さなくなった心臓が握られている。
"リベレーター"桐生嚆矢
:そして、左手の"エンプティ・ハート"
"リベレーター"桐生嚆矢
:胸に空いた大穴に、虚ろなる心臓をあてがう。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「まだ……だ……」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「俺が……俺こそが……星を………穿つ……!」
"リベレーター"桐生嚆矢
:桐生の身体を先程までとは比べ物にならない出力の稲妻が包む。
"リベレーター"桐生嚆矢
:身体中の傷がふさがり……否
"リベレーター"桐生嚆矢
:肉体そのものが半ば雷の塊となって、君たちの前に立ちふさがる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:『
終焉
(
はじまり
)
の星に、我らは願う』
"リベレーター"桐生嚆矢
:桐生自身の声に加えて、幾つもの声色が重なって響く
"リベレーター"桐生嚆矢
:『この世界に、真の自由を』
"リベレーター"桐生嚆矢
:Eロイス《傲慢な理想》×3、《予告された終焉》を宣言。
"リベレーター"桐生嚆矢
:"リベレーター"桐生嚆矢がEDで生存している場合、対象は滅びを迎えます。
"リベレーター"桐生嚆矢
:対象は、この世界全て。
GM
:
世界終焉の猶予期間
(
ワールド・エンド・モラトリアム
)
は残り1ラウンドです。
太田止隆
:──矢。
太田止隆
:それは今にも放たれんとする、魔星を砕き、地球をも砕く終焉の一矢なのだろう。
太田止隆
:だが、幸運である。次元の断層は綻びゆけど、今はまだ彼を魔星には到らせない。
太田止隆
:であればこそ、今は。今ならば。今だけは。今こそ。
太田止隆
:その解放の嚆矢を止められる。
太田止隆
:「さあ、覚悟を決めろよ。兄弟」
太田止隆
:歪むように笑った唇から眼前の"リベレーター"へ、自ず言葉が零れ落ちる。
太田止隆
:「今度は絶対に上手くいく」
太田止隆
:「お前がくれたこの名の通りに」
太田止隆
:「──────俺は、その隆運を止めてやる」
■第三ラウンド
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層C(封鎖)]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[太田止隆][百代まりあ]
│
5m
│
[桐生嚆矢] — 2m — [茶川閂][吉沢龍剣]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
GM
:第3ラウンド!セットアップからどうぞ!
百代まりあ
:なし!
"魔星"アイオーン
:なし
太田止隆
:ないぞ!
茶川 閂
:《螺旋の悪魔》!ラウンド間攻撃力+24!
茶川 閂
:134→137
吉沢龍剣
:氷の茨!PC以外がエンゲージから離れると8d10HP損失!
吉沢龍剣
:演出省略で以上!
吉沢龍剣
:124→127
"リベレーター"桐生嚆矢
:《加速装置》《ヴァジュラ》暴走し《ロックンロールビート》行動値+16 攻撃力+12 攻撃達成値+12
"リベレーター"桐生嚆矢
:一回戦闘不能になったことで《スーパーソニック》は解除されています
GM
:それではイニシアチブ26!桐生の手番から!
"リベレーター"桐生嚆矢
:イニシアチブで《フルインストール》ラウンド中あらゆる判定ダイス+12
"リベレーター"桐生嚆矢
:マイナー《アンバウンド》《バトルビート》ラウンド中ダイス+4攻撃力+12 現在のエンゲージから1m後退
太田止隆
:暴虐だわ
百代まりあ
:めちゃくちゃしてくる
茶川 閂
:暴れ過ぎ!
吉沢龍剣
:はりきりボーイが…
"リベレーター"桐生嚆矢
:メジャー、《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《一閃》《獅子奮迅》《バリアクラッカー》
"リベレーター"桐生嚆矢
:対象は太田さんのエンゲージ!
"リベレーター"桐生嚆矢
:この状態の桐生は必ず太田さんを対象に含む攻撃をします
百代まりあ
:ばっバリクラ……!!
太田止隆
:上等だ、来な……!
"リベレーター"桐生嚆矢
:24dx7+18
DoubleCross : (24R10+18[7]) → 10[1,2,2,2,3,3,4,4,4,5,5,5,6,6,7,7,7,7,7,8,9,9,10,10]+10[1,2,2,3,3,4,5,5,5,8]+3[3]+18 → 41
百代まりあ
:ドッジ!
百代まりあ
:7DX+1>=41
DoubleCross : (7R10+1[10]>=41) → 7[2,3,4,5,5,6,7]+1 → 8 → 失敗
太田止隆
:ドッジ
太田止隆
:5dx-4=>41
DoubleCross : (5R10-4[10]>=41) → 9[1,5,5,5,9]-4 → 5 → 失敗
太田止隆
:《炎陣》! 百代さんをカバーリング!
"リベレーター"桐生嚆矢
:ダメージ!
"リベレーター"桐生嚆矢
:5d10+24
DoubleCross : (5D10+24) → 29[9,6,1,8,5]+24 → 53
"リベレーター"桐生嚆矢
:ガード装甲無視!
太田止隆
:どうしようもないな。倒れる!
太田止隆
:"リベレーターズCEO"桐生嚆矢 のロイスをタイタスにして即昇華、復活します。
百代まりあ
:止隆……!
太田止隆
:太田止隆のHPは12になった。(HP:13->12)
"リベレーター"桐生嚆矢
:止隆……!俺のロイスを……!
太田止隆
:「"グローセ・ベーア"」
太田止隆
:眼前の存在がその力を膨れ上がらせるのを直視しながら、しかしその爆発を目前に、背後の彼女——ミサイルから、その存在意義を奪い取った少女へ声をかける。
太田止隆
:「まだやれるな」
太田止隆
:それは、確認だった。まだやれるか、とは問わない。この場が戦場である限り。砕くべき星が暗黒の宙に輝く限り、それは自らの意志で肩を並べる者に向けるべきではない。
百代まりあ
:「……」荒い息を整えながらそちらに目をやる。
百代まりあ
:「……ええ、勿論よ」
百代まりあ
:「あなたは?止隆」
太田止隆
:そんな期待の通りの返事に、笑みも浮かべず返す。数秒後の攻撃に対する防護を演算しながら。
太田止隆
:「当然だ」
太田止隆
:「"ナイトバイポーラー"はここで機能する。だから、お前がもう傷を負うことはない」
太田止隆
:「望むようにやってくれ」
百代まりあ
:「……そうよね」
百代まりあ
:そうだ。分かり切っていることだ。
百代まりあ
:最早不要だろうと、そう分かってはいる。それでも、彼に言葉を掛けるとするならば。
百代まりあ
:「止隆」
百代まりあ
:「────頑張って」
太田止隆
:……その頬が綻んで見えたのは、燃え上がる炎のもたらした陽炎か。
太田止隆
:答えを出す間もない。稲妻の矢が放たれる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:一瞬の静寂。
"リベレーター"桐生嚆矢
:後に────雷轟。
"リベレーター"桐生嚆矢
:文字通りの雷速となった"リベレーター"の突進が二人に迫る。
太田止隆
:瞬間、一歩……続けて二歩、前へ出る。巧く捌いてやることはできないと、初動の時点で直感した。
太田止隆
:であれば、『止める』。天災にも等しいその落雷から、せめて背後の彼女を守るために。
百代まりあ
:既に、二人に背を向けている。放たれたその矢が自分には届かないと、当然のものとして信じている。
"リベレーター"桐生嚆矢
:拳を突き出す。掲げられた盾の中心目掛けて、稲妻の矢が疾走る。
"リベレーター"桐生嚆矢
:『貫く』
"リベレーター"桐生嚆矢
:その音が伝わるよりも早く、雷轟の拳が盾に突き立てられる。
太田止隆
:「──ッッ!!」 今までとは比べ物にならない衝撃。音にならない叫びを上げながら
太田止隆
:……押し返す。まったく微かな抵抗だ。それでも彼の攻撃に対抗し、その力を少しでも拡散させる。
太田止隆
:剣に続き、盾までも炎で燃え上がる。踏みしめる足はじりじりと押しのけられる。それでも防御は解かない。躱さない。止める。
"リベレーター"桐生嚆矢
:『オオオアアァァァアア!!!!』雷鳴にも似た雄叫び。突き立てた拳を中心に暴風と稲妻が渦を巻いて噴き上がり、"ナイトバイポーラー"を包んでいく。
太田止隆
:もはや純然たるエネルギーの嵐と化した彼に比べ、炎を纏うその人影の、何と儚いことか。橙の光は、今にも吹き消されそうなくらいで
太田止隆
:──それでも、決して消えることはない。 「ッ……あァ……アアア……!!」 風と雷の垣間で、かき消されそうな叫びを上げ、立ち続ける。嵐がその力をいっときでも失うまで。
GM
:次はイニシアチブ9、"魔星"アイオーン
"魔星"アイオーン
:マイナー《縮地》戦闘移動 次元断層Cに接触し停止
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
[次元断層D(封鎖)]
│
5m
│
[桐生嚆矢][太田止隆][百代まりあ]
│
5m
│
[茶川閂][吉沢龍剣]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
"魔星"アイオーン
:メジャー、《原初の赤:解放の雷》《原初の白:スターダストレイン》対象のメジャー判定のC値-1(下限6)攻撃力+10
"魔星"アイオーン
:対象はシーンの全員!
"魔星"アイオーン
:次元の断層を乗り越え、"魔星"が迫る。
"魔星"アイオーン
:突如膨れ上がったレネゲイドの気配に、"魔星"の内側で揺らめく力が共鳴する。
"魔星"アイオーン
:それは歓喜にも似た、覚醒の雷光となって虚空を満たし、ある種の触媒として機能する。
太田止隆
:「アア……アァァァッッ……!!」 軋むような悲鳴を、怒声を叫ぶ。嚆矢の熾烈な猛攻が、自身の中で励起するレネゲイドが、もはや彼我の境界すら圧迫する。
太田止隆
:だが、炎は理性と共に立ち続ける。全ての光を受けて、その瞬間が訪れるまで。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「グ………オオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!」嵐がその勢いを増す。雷雲が次の雷雲を呼び、暴風域は拡大し続ける。
GM
:イニシアチブ8、太田さんの手番
GM
:ですが
"リベレーター"桐生嚆矢
:《鼓舞の雷》イニシアチブでメインアクション
"リベレーター"桐生嚆矢
:メジャー《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《神速の鼓動》《バリアクラッカー》
"リベレーター"桐生嚆矢
:シーン全員に攻撃
太田止隆
:《時の棺》と同値ならこのタイミングですね。NPCカード:柳生日那多②『無刀取り』で失敗させたってください!
柳生日那多
:OK!ではこの攻撃は失敗!
"リベレーター"桐生嚆矢
:これで"リベレーター"の攻撃は打ち止めです。
"リベレーター"桐生嚆矢
:「オオオオオァァァアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!」雄叫びとともに、嵐の拡大が止まる。
"リベレーター"桐生嚆矢
:一瞬の凪、その後に、"リベレーター"へ向けて急速に雷雲が収束する。
"リベレーター"桐生嚆矢
:『
穿
(
つらぬ
)
く』
太田止隆
:「ッは……!」 今まで感じていた加速度的エネルギー放出が『変わった』ことを肌で感じ取る。放出の逆向き。
"リベレーター"桐生嚆矢
:『全てを──────』
"リベレーター"桐生嚆矢
:瞬間、太陽にも匹敵する閃光が戦場を満たす。
太田止隆
:「……今!!」 それは最大の危機であり、最大の好機。防御に徹していた自分は、当然動けない。
太田止隆
:だが──
柳生日那多
:天を覆う稲妻の矢、その最中に小さな影が躍り出る。
柳生日那多
:少女は飛んでいる。一切の重力から開放されたその身体は、稲妻の雨を掻い潜りその中で刃を抜き放つ。
柳生日那多
:漆黒の刀身を持つ大太刀、その刀身が稲妻を"捻じ曲げる"
柳生日那多
:光すら歪ませる超重力。黒星の輝きを纏った刃を舞うように振り回し
柳生日那多
:無尽蔵に放散される稲妻を絡め取る。
柳生日那多
:「柳生新陰流────」
柳生日那多
:戦場を焼き尽くし、仲間たちに突き立てられるはずだった雷の矢は、尽く絡め取られて銀河の虚空へと霧散した。
柳生日那多
:「無刀取り──────なんつって」
柳生日那多
:同時に、雷に晒された漆黒の刀身が炭化し崩れ落ちる。
柳生日那多
:「うわっ……結構ギリギリだったな……!」
柳生日那多
:「ごめん、次は防げないけど」
柳生日那多
:そう盾を掲げる男に声をかけようとし
柳生日那多
:「………いや、どの道必要なさそうだね」その姿を見て、安堵の笑みを漏らす。
GM
:というわけでおまたせしました!イニシアチブ8、太田さん!
太田止隆
:「……いいや」 返事は短い。余力はそうなく、それでも返すべきだと思ったからだ
太田止隆
:(……言ったよな。俺はお前のようにはなれない。奇跡は起こせない)
太田止隆
:(だから仲間と力を合わせ——奇跡を、当然の結果に、墜とす)
太田止隆
:(俺の力は、その機を引き寄せるためにある……最初から)
太田止隆
:(最初からだ)
太田止隆
:(最初からそうなんだよ)
太田止隆
:嵐を越え、業火が渦巻く。
太田止隆
:マイナーでギャリソンズシールドを装備から外します。そしてメジャー、《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》
太田止隆
:ところで色ロイスって使って大丈夫……?
GM
:OKです!
太田止隆
:よかった! 対象は嚆矢です
太田止隆
:11dx6-1
DoubleCross : (11R10-1[6]) → 10[3,3,3,4,5,5,6,8,8,9,10]+10[1,3,4,5,9]+4[4]-1 → 23
太田止隆
:そして、悪いな
太田止隆
:初期ロイス、トーキング・カロリーズをタイタスにして昇華。こいつの色はYEなので……
太田止隆
:この判定に対するリアクションの達成値を……0にする!
"リベレーター"桐生嚆矢
:何ぃーーーーーっ!!
"リベレーター"桐生嚆矢
:いいぜ!受けて立つ!
太田止隆
:そして当然《フェイタルヒット》! 受けろよ!
太田止隆
:3d10+11+3+1d10+10+4d10
DoubleCross : (3D10+11+3+1D10+10+4D10) → 17[8,7,2]+11+3+5[5]+10+15[5,2,4,4] → 61
太田止隆
:諸々有効
"リベレーター"桐生嚆矢
:こいつは……
"リベレーター"桐生嚆矢
:倒れます!復活もなし!
"リベレーター"桐生嚆矢
:君の勝ちだ!太田止隆!
太田止隆
:——もはやこれは誰も知る由のないことであるが。
太田止隆
:"ナイトバイポーラー"の耳にしていた幻聴は、己の現状維持を望む彼の理性に抑圧された、現状を破壊することを願う彼自身の感情であった。
太田止隆
:その声はもう聞こえない。この対峙に臨むと決めた瞬間、太田止隆は全霊にて歩き出し、あの日の先に行くと決め、抑圧されるものなどなくなったからだ。
太田止隆
:渦巻く炎は白く、それは彼の放つ稲妻と同じようでも、稲妻よりも遥か高みに瞬く星の輝きのようでもあり。
太田止隆
:踏み出す。突き出すのは、彼の攻撃を受け止めていた盾。その身を押し弾く。
太田止隆
:「……嚆矢……ッ」
太田止隆
:そのままの勢いで盾を投げ捨て、白炎の剣を両手にて持ち掲げ構え
"リベレーター"桐生嚆矢
:雷電を放出し尽くした身体が容易く弾き出される。たたらを踏んで後退し……
"リベレーター"桐生嚆矢
:それでも、これまでと同じ様に追撃の構えを取る
"リベレーター"桐生嚆矢
:『止……隆……』
太田止隆
:確かに彼を見る。その身を弾け続ける稲妻の矢と化して、全てを貫かんとした、彼の、勇姿を、確かに、見て。
"リベレーター"桐生嚆矢
:腕を地面に突き出し、腰を上げる。クラウチングスタートの構えから、弾け飛ぶように一歩を——————
太田止隆
:両断。
太田止隆
:燃え盛る刃が振り下ろされ、走り抜ける流星が如き斬軌。それは、無慈悲なまでの精緻さで、その存在の中核を斬り抜ける。
"リベレーター"桐生嚆矢
:放たれた最後の矢が、折れる。
太田止隆
:「……ッ!」 泣き喚いた後のように涸れた喉が、苦しげな息を吐く
太田止隆
:確実な手応え。積み重ねてきた鍛錬と経験を裏切らない、幕切れの一撃。
太田止隆
:「……見たかよ」 役目を果たした剣の炎が収束するなか、掠れた声で漏らす
太田止隆
:「……俺の」
太田止隆
:「勝ちだ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「…………」その言葉に答えることなく
"リベレーター"桐生嚆矢
:折れた矢は、それでも前へ進み
"リベレーター"桐生嚆矢
:こつり、と男の胸に拳を当てる。
太田止隆
:「……へっ」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「止隆」
"リベレーター"桐生嚆矢
:男に目を合わせ、ただ一言
"リベレーター"桐生嚆矢
:「……頼む」
"リベレーター"桐生嚆矢
:「……を、守って……」
"リベレーター"桐生嚆矢
:最後の言葉は音にならず、
"リベレーター"桐生嚆矢
:次の一歩を踏み出すと同時に、糸が切れたように地に伏した。
太田止隆
:「……ああ。任せろ」
太田止隆
:それは『止隆』の始まりの日の記憶。名前の他に、もうひとつ交わした。懐かしい約束。
太田止隆
:「そういうのは俺の、得意だからな」
太田止隆
:「……後に来るものだって、決まってるさ。だからな」
太田止隆
:倒れた彼を背に、迫る星に向き直る 「ちゃんと見てろよ」
太田止隆
:最後のロイスを取得します。 "リベレーター"桐生嚆矢 ○友情/悔悟
太田止隆
:そしてこれをSロイスに
桐生嚆矢
:地に落ちた矢は何も答えない。
桐生嚆矢
:ただその口元には、いつかの人懐っこい笑みが——————
太田止隆
:太田止隆の侵蝕率を+8した (侵蝕率:120->128)
GM
:続いて茶川くんの手番
GM
:ですが
茶川 閂
:ですが!
吉沢龍剣
:が!?
"魔星"アイオーン
:《原初の紫:異形の転身》《縮地》
太田止隆
:ヒッ
吉沢龍剣
:ああ!
百代まりあ
:うわーーっ
"魔星"アイオーン
:イニシアチブに移動し次元断層Dに接触
吉沢龍剣
:そういうことか!!
茶川 閂
:急に動くよ
"魔星"アイオーン
:これにより全ての次元断層が消滅します
"魔星"アイオーン
:次元断層を突破したことで
"魔星"アイオーン
:更に120点ダメージの攻撃を当てることにより、Eロイス《究極存在》を解除できるようになりました。
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
│
5m
│
[太田止隆][百代まりあ]
│
5m
│
[茶川閂][吉沢龍剣]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
"魔星"アイオーン
:──────斯くして、"魔星"は降臨する。
"魔星"アイオーン
:最後の次元断層を突破し、蒼銀の天体がその威容を晒す。
"魔星"アイオーン
:宇宙の暗黒の中で青白い輝きを発する、直径40Mの結晶体。
"魔星"アイオーン
:その中心で揺らめく炎はあまりにも黒く、あらゆる色を内包する原初の虚。
"魔星"アイオーン
:彼方の世界で地球にレネゲイドをもたらした始まりの星。
"魔星"アイオーン
:1000万光年の距離を隔てて引き寄せ合う、レネゲイドの真髄。
"魔星"アイオーン
:史上最大規模の、賢者の石である。
GM
:ではイニシアチブ8、茶川くんどうしますか!
茶川 閂
:……待機! 適役がいる!
GM
:OK!ではイニシアチブ6、百代さん!
百代まりあ
:はい。
百代まりあ
:マイナーで戦闘移動、"魔星"アイオーンにエンゲージ。
エンゲージ
["魔星"アイオーン][百代まりあ]
│
5m
│
[太田止隆]
│
5m
│
[茶川閂][吉沢龍剣]
│
500km [?????](エンゲージ不明)
│
[地球]
百代まりあ
:メジャーでコンボ:【セントエルモの火】
百代まりあ
:≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:災厄の炎≫+≪クロスバースト≫+≪原初の白:マシラのごとく≫+≪プラズマカノン≫+≪原初の黒:オーバードーズ≫
"魔星"アイオーン
:その攻撃に
"魔星"アイオーン
:《原初の黒:時の棺》
百代まりあ
:な、に……!!
"魔星"アイオーン
:判定を失敗させます。
GM
:ですが
胡緑蘭
:ここで隠密状態を解除
百代まりあ
:!!
胡緑蘭
:《原初の灰:殺戮の因子》
胡緑蘭
:《原初の黒:時の棺》を打ち消します。
百代まりあ
:緑蘭……!!
胡緑蘭
:同時に、《殺戮の因子》を使用したことでHP-20
胡緑蘭
:こいつは〈バーンアウト〉によりHPが極端に低いため
胡緑蘭
:戦闘不能となります
百代まりあ
:緑蘭!!
胡緑蘭
:やれ、百代まりあ
百代まりあ
:判定。Dロイス≪守護天使≫を起動。これで回数はゼロ!
百代まりあ
:14DX7+2
DoubleCross : (14R10+2[7]) → 10[1,2,2,3,4,6,6,8,8,9,9,9,9,10]+10[2,3,4,4,6,8,9]+10[6,10]+2[2]+2 → 34
"魔星"アイオーン
:ガード
百代まりあ
:ダメージ!
百代まりあ
:4D10+132+1D10+10
DoubleCross : (4D10+132+1D10) → 11[5,1,4,1]+132+9[9]+10 → 162
"魔星"アイオーン
:何だそのダメージは……!
吉沢龍剣
:行った……!
"魔星"アイオーン
:162点のダメージが命中。これによりEロイス:究極存在は解除され
"魔星"アイオーン
:以降、通常通りダメージが通るようになります。
百代まりあ
:蒼白の光に照らされて、迫る"魔星"に歩み寄る。
百代まりあ
:レネゲイドの活動が鈍い百代は、当然リザレクトの働きも、尋常のオーヴァードに比べ極めて弱い。
百代まりあ
:受けた傷はそのまま深手として刻まれ、今も夥しい流血を及ぼしている。
百代まりあ
:意識が遠のく。僅か数メートルが、果てしなく遠い。
百代まりあ
:(行か、なくちゃ……)
百代まりあ
:(私が、止めないと……)
百代まりあ
:華奢な身体で、殆ど這うようにして魔星へと近付く。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:輝く魔星を頭上に、瞑目する。
百代まりあ
:──この世界から、レネゲイドを無くす。
百代まりあ
:白銀明日香からそう聞いた時、私は最初、彼らに協力しようと考えていた。
百代まりあ
:開戦の嚆矢と言うならば、きっともう、とうの昔に放たれてしまっているのだろう。
百代まりあ
:私が生まれるよりも前、20年前のその時に。
百代まりあ
:少なくとも今この瞬間に、レネゲイドが争いの火種となっているのは、厳然たる事実だ。
百代まりあ
:オーヴァード。人を越えた力とその差異は、際限なく戦いを生み出し続ける。
百代まりあ
:こうして世界が滅びの危機に瀕したのも、これが最初ではないのだろう。
百代まりあ
:レネゲイドが無ければ、そんな争いの渦も、生まれないのかもしれない。
百代まりあ
:こんなものは、無い方がいいのかもしれない。
百代まりあ
:一度は、そう考えた。
百代まりあ
:だが、それは──諦めだ。
百代まりあ
:たとえ歴史を変えて、何の被害も出なかったとしても。やはり私は、その選択を否定したい。
百代まりあ
:いつの日か。
百代まりあ
:いつの日にか、人とオーヴァードが手を取り合い、互いに認め合って暮らしていける世界が、訪れるかもしれない。
百代まりあ
:レネゲイドの力が、人を害する戦いの道具でなく、人を救い、導けるものになるかもしれない。
百代まりあ
:それはきっと、果てなき夢だ。
百代まりあ
:これからも多くの血が流れ、犠牲が生まれるのだろう。
百代まりあ
:たとえ叶うことがあったとしても、遠い遠い未来のことかもしれない。
百代まりあ
:だが。
百代まりあ
:どれだけ宵闇が暗かろうと、それは夜明けを悲観する理由にはならない。
百代まりあ
:そして。
百代まりあ
:その理想を守るのが、UGNという場所だ。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:破滅の魔星を、
七曜の星
(
グローセ・ベーア
)
の瞳が見据える。
百代まりあ
:堅く堅く、ロザリオを握り締めた手から、真紅の血が流れ落ちる。
百代まりあ
:果てなき荒野を行く人々。
百代まりあ
:暗闇の大海に舵を切る船。
百代まりあ
:私は、そんな彼らの、揺らがぬ道標になりたい。
百代まりあ
:蒼銀の魔星を見上げて────
百代まりあ
:──────祈る。
"魔星"アイオーン
:されど、その祈りを遮る影がある。
"魔星"アイオーン
:"魔星"の内側より溢れ出た虚無が、七つの星を覆い隠す。
百代まりあ
:「……っ……!!」
"魔星"アイオーン
:天上の光が暗黒の渦に呑み込まれていく。
百代まりあ
:届かない────。
百代まりあ
:影が過る。胸の奥に、絶望の影が。
百代まりあ
:これでも、まだ足りないというのか。
"魔星"アイオーン
:時間の流れが減速する。光すら逃さない時の奔流が逆転し
"魔星"アイオーン
:奇跡が、巻き戻る──────
百代まりあ
:(いいえ)
百代まりあ
:(いいえ、いいえ……!)
百代まりあ
:(私が、止めなくちゃいけない)
百代まりあ
:(ここで、私が……!)
百代まりあ
:(他の誰にも、頼れないのだから……!)
百代まりあ
:(そう、足りないというならば、ありったけを……!)
百代まりあ
:止める。己の全てを燃やし尽くしても────
胡緑蘭
:「だめだよ。まりあ」
百代まりあ
:「……っ!?」
胡緑蘭
:引き伸ばされた時の中で、少女の肩を叩く
百代まりあ
:「な……」
百代まりあ
:驚愕と、言いたいことが多すぎて、口をぱくぱくさせる。
胡緑蘭
:「これを貰って帰るつもりだったけど、結局こうなったかー」
胡緑蘭
:それは本来あるはずのない右腕
胡緑蘭
:腕を形作る漆黒の影の中心に、小さな青い結晶が輝いている。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「生えたの!?」
胡緑蘭
:「うん、生えた」
胡緑蘭
:「"アレ"に貰ったんだ」
百代まりあ
:「あれ……」視線を追って。
胡緑蘭
:眼前の"魔星"を指差す。
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:「よかったわね……?」
百代まりあ
:「はっ……もしかして……」
百代まりあ
:「そのためにここに?」
胡緑蘭
:「半分正解。もう半分は依頼で来たんだ」
胡緑蘭
:「旅先で仕事してるって言っただろ?」
百代まりあ
:「そういえば」手を合わせ。
百代まりあ
:「どんなお仕事なの?」
胡緑蘭
:「"星を墜とせ"」
胡緑蘭
:「依頼人は、コードウェル博士」
胡緑蘭
:「あの人たちが思い通りに動かなそうなの、何となく分かってたんだろうね」
百代まりあ
:「む……」
百代まりあ
:「聞いたことがあるわ。悪い人よね」
百代まりあ
:「それに、わたくし達は今、星が墜ちないように頑張っているのよ」
胡緑蘭
:「うん、知ってる」
胡緑蘭
:「だからね、まりあ」
胡緑蘭
:「この仕事はキャンセルだ」
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:「いいの?」首を傾げる
百代まりあ
:「きっと怒られるわよ」
胡緑蘭
:「いいよ。報酬はこの腕だったんだ」黒腕を掲げて
胡緑蘭
:「どうせここで返すんだから、後腐れはなしさ」
百代まりあ
:「返すって……」
百代まりあ
:「それが欲しくて、ここまで来たのでしょう?」
百代まりあ
:「どうして、そんな……」
胡緑蘭
:黒腕を"魔星"にかざす。
胡緑蘭
:「もっと欲しいものがある」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「何かしら」
胡緑蘭
:腕がその形を失って膨張し
胡緑蘭
:刹那、指先の一点に向かって収束する。
胡緑蘭
:収束点は次第に大きく、極小のブラックホールとなって"魔星"の闇を飲み込んでいく。
胡緑蘭
:やがて、緑蘭自身すらも─────
胡緑蘭
:「何かっ……て」
胡緑蘭
:「そういうの、はっきり言わせる?この状況で……」振り向いた顔は恥ずかしそうに赤面している。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「…………?」
百代まりあ
:怪訝な顔。
胡緑蘭
:「ええーーー……」
胡緑蘭
:落胆の後、苦笑して
胡緑蘭
:「まりあ」
胡緑蘭
:「約束だ、必ず奪いに行く」
胡緑蘭
:「ちょっと時間は掛かりそうだけどね」
胡緑蘭
:黒い渦は既に肩口近くまでを飲み込んでいる。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:ほんの僅かに、頬を桜色に染めて。
百代まりあ
:「ええ」
百代まりあ
:「楽しみに、待っているわ」
胡緑蘭
:にこりと笑って
胡緑蘭
:「どんな嵐でも、暗闇の中でも」
胡緑蘭
:「旅の道行きを照らす星はある」
胡緑蘭
:「ずっと、それを追いかけて旅をしてきたんだ」
胡緑蘭
:「僕の腕は、いつか必ずそれを掴む」
胡緑蘭
:「セント・エルモの────────」
胡緑蘭
:"魔星"の力と少年を飲み込んで、暗黒の門は静かに閉じた。
胡緑蘭
:そして、奇跡は再び舞い降りる。
百代まりあ
:「────」
百代まりあ
:一瞬、息を詰まらせる。だが。
百代まりあ
:迫る"魔星"に向き直る。緑蘭が作ってくれた好機。決して逃すわけには、いかない。
百代まりあ
:小さな十字架。塗装の剥がれかけたそれを、強く、強く、握り締めて────
百代まりあ
:────祈る。
百代まりあ
:終焉の星に。“リベレーターズ”に。太田止隆、吉沢龍剣、茶川閂、胡緑蘭。共にある全ての人々に。
百代まりあ
:無尽の荒野を征く人に、行先を照らす星を。
百代まりあ
:暗黒の航路を征く船に、セントエルモの火を灯そう。
百代まりあ
:「貴方達の、進む道に───」
百代まりあ
:鐘の音が鳴り響く。
百代まりあ
:その荘厳な響きは、場所も時代も信仰も問わず、常に人々の祈りと共にあるものだ。
百代まりあ
:一説にはそれは、人より大きな存在の声を模したものだという。
百代まりあ
:微笑を湛え、星に手を伸ばす。
百代まりあ
:「───どうか。抱え切れない幸福が、ありますように」
百代まりあ
:瞬間─────
百代まりあ
:色彩が弾ける。
百代まりあ
:まるで、自らの意思でそうしたかのように、一瞬にして。
百代まりあ
:視界を覆い尽くす魔星が、鮮やかな花々へと変わる。
百代まりあ
:巨大な魔星は、その核を残すばかりとなって。
百代まりあ
:色とりどりの花達は、小さな重力に引かれ、宙を舞うようにふわりと漂い落ちてくる。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:舞い落ちる花々を、ただ静かに見上げる。
百代まりあ
:放たれ、受け止められた矢にも。孤独な虚空の旅を今、終えようとしている星にも。
百代まりあ
:穏やかな安寧があるように、願う。
百代まりあ
:侵蝕率 140>169
"魔星"アイオーン
:リィィィィィィィイイイイイイイイイイイイ………
"魔星"アイオーン
:"魔星"が鳴く。
"魔星"アイオーン
:その音色は、星々にレネゲイドの種を蒔く遥かな旅路を終えんとする断末魔か
"魔星"アイオーン
:——————否。
"魔星"アイオーン
:"魔星"の核が揺らめく。虚ろの穴が、周囲に漂うレネゲイドの粒子を貪欲に吸い込み始める。
"魔星"アイオーン
:先程までの威容は見る影もない、それでも
"魔星"アイオーン
:賢者の石。青く輝くレネゲイドの結晶が、核を守るように新しく形成されていく。
GM
:Eロイス:究極存在を解除。百代まりあによるダメージをそのまま適用
GM
:残りHPは348です。
GM
:ここで、NPCカードの強化効果を開示します。
吉沢龍剣
:うおお!!
吉沢龍剣
:ど、どうなるんだ!?
茶川 閂
:なんだなんだ!
百代まりあ
:助けて~~~っ
■NPCカード:柳生日那多①強化効果:『空の座』(E:究極存在 解除により開放)
PCのメインプロセス中のみオートで使用可能。
『水月の座』の効果を戦闘移動、全力移動に限らずあらゆる移動行為に適用できる。
この時、対象の同意は必要ない。
この効果により対象がステージの端まで移動した場合、戦闘不能扱いで退場できる。
使用条件:任意のPC一名のHPを20消費する。
GM
:それでは次のイニシアチブ!
GM
:イニシアチブ5、吉沢さんどうぞ!
吉沢龍剣
:うおっしゃあああ!
吉沢龍剣
:マイナーで接敵!その際に柳生さんの縮地効果3枚目も使う!メジャーでコンセ+炎の刃+結合粉砕+吹き飛ばし!
エンゲージ
["魔星"アイオーン][吉沢龍剣][百代まりあ]
│
5m
│
[太田止隆]
│
5m
│
[茶川閂]
│
500km
│
[地球]
吉沢龍剣
:茶川くんのロイスを昇華しダイス+10!
GM
:誰のHPを消費しますか?
吉沢龍剣
:でもって
吉沢龍剣
:HPを使うのも、茶川くんだ!
茶川 閂
:もってけ泥棒~!!
GM
:太田さんに感謝しろよお前ら
茶川 閂
:ほんとですね………なんで無傷なんだ私
茶川 閂
:鉄壁
吉沢龍剣
:振ります!
吉沢龍剣
:対象は無論アイオーン!
吉沢龍剣
:22dx6
DoubleCross : (22R10[6]) → 10[1,1,2,2,3,3,3,4,4,4,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9,9,10]+10[1,2,2,2,3,5,8,9,10,10,10]+10[2,3,6,6,7]+10[1,3,10]+1[1] → 41
吉沢龍剣
:オッケー!
"魔星"アイオーン
:ガード!
吉沢龍剣
:6d10+17+35
DoubleCross : (6D10+17+35) → 42[10,7,7,10,2,6]+17+35 → 94
吉沢龍剣
:1点でも通れば強制移動とダメージ!!
"魔星"アイオーン
:うおおおおお!
"魔星"アイオーン
:《原初の黄:赤河の支配者》
"魔星"アイオーン
:1d10+10
DoubleCross : (1D10+10) → 2[2]+10 → 12
"魔星"アイオーン
:無理!通ります!
吉沢龍剣
:8d10
DoubleCross : (8D10) → 47[2,2,6,5,9,5,8,10] → 47
吉沢龍剣
:追加ダメージを入れつつ、吹き飛ばしの移動先は
吉沢龍剣
:シーン端まで……消えてもらう!
"魔星"アイオーン
:では、シーンの端までかっ飛ぶ!
エンゲージ
["魔星"アイオーン]
│
│
│
│
│
500km
│
│
│
│
│
[吉沢龍剣][百代まりあ]
│
5m
│
[太田止隆]
│
5m
│
[茶川閂]
│
500km
│
[地球]
GM
:そして、同時に展開されていた《ディメンジョンゲート》が閉じ
GM
:"魔星"はこの宇宙から消滅します。
"魔星"アイオーン
:戦闘不能により、退場!
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:百代の能力を浴びてもなお迫りくる凶星を見上げて、暫しの思案。
吉沢龍剣
:そして
吉沢龍剣
:「茶川、日那多、こっち来い」
茶川 閂
:「うす」
柳生日那多
:「はいはーい」
吉沢龍剣
:「こんな時まで、素直すぎるなテメーらは」
吉沢龍剣
:「面白くねえガキどもだ」
吉沢龍剣
:言いつつも笑っている
茶川 閂
:舞い落ちる花々を浴びながら並び立ち、同じく見上げながら。
茶川 閂
:「吉沢さんのことですから」
茶川 閂
:指さす。
茶川 閂
:「あれも、ぶっ飛ばすんでしょ? やっちまいましょう」
吉沢龍剣
:「やっと」
吉沢龍剣
:「話が分かるようになったじゃねェか」
吉沢龍剣
:わしわしと髪を撫でて
茶川 閂
:「グワーッ」
"魔星"アイオーン
:その時、茶川の視線の先、徐々に結晶を再構築している"魔星"。その威容の片隅に
?????
:ぱ た り
?????
:空間に四角い窓が開き、中から逆さまの君が笑いかける。
?????
:『出来るのか?お前一人で』
?????
:『あの島の時とは訳が違うぞ』
?????
:『なあ、茶川閂』
?????
:『やろうぜ、二人で』
?????
:『一緒に世界を救おう』
?????
:『そして』
?????
:『お前の全てを俺にくれ』
茶川 閂
:その言葉を聞き、抑えきれないように笑う。
茶川 閂
:「お前の言ってることはなにもかも的外れだよ、おばかたれ」
茶川 閂
:「俺はおまえになにかをあげる気はないし、お前と世界を救うつもりもない」
茶川 閂
:「あの島の時と何も変わらないさ」
茶川 閂
:「俺にはみんながいる」
茶川 閂
:「出来るさ。一人じゃないんだから」穏やかに。「きっと……俺がお前のような奴とつるんでるのは。お前みたいなのとも手をつないで、みんなと一緒に戦うためなんだ」
柳生日那多
:「そのとぉーーり!」
柳生日那多
:君にだけ見えるはずの景色、聞こえるはずの声に割り込む。
茶川 閂
:「日那多!?」
柳生日那多
:「約束だからね」君の手を握り
柳生日那多
:「今度は私が茶川くんを助けるよ」
茶川 閂
:「そうか……そりゃ、嬉しいな」
吉沢龍剣
:「何か分からねェ話をゴチャゴチャと」
吉沢龍剣
:ごちん、君の頭をバットで軽く小突く
茶川 閂
:「あでっ」
吉沢龍剣
:「上玉を目の前にして、気の一つも回せやしねェ野郎が多すぎんだよタコ」
吉沢龍剣
:「1人じゃねェなんぞ」
吉沢龍剣
:「当たり前の事をほざいてんじゃねェよ」
吉沢龍剣
:そのまま
吉沢龍剣
:スッと金属バットの先を君たちに向ける
吉沢龍剣
:「こいつに日那多の力を乗せろ」
吉沢龍剣
:「届ける役はこのアタシがやってやる」
吉沢龍剣
:「茶川、テメーが繋げ」
茶川 閂
:「繋ぐ」思わずオウム返しに。俺が?
吉沢龍剣
:「やったことが無かろうが、出来ると思え」
吉沢龍剣
:「お前はアタシの1番の友達が」
吉沢龍剣
:「信じてる男なんだろうが」
吉沢龍剣
:「そうだろ?」
茶川 閂
:その言葉を聞き、
茶川 閂
:力強く頷く。
茶川 閂
:「……任務了解!」
吉沢龍剣
:「いい返事だ」
柳生日那多
:「そんじゃあ、行くよ~!」
柳生日那多
:繋いだ手を、吉沢のバットにかざす。
柳生日那多
:「茶川くんも、イメージして」
茶川 閂
:───目を閉じる。
柳生日那多
:「宇宙では誰だって自由で、孤独なの」
柳生日那多
:「重力のない世界には光すら届かない」
柳生日那多
:「だから、星と星を繋ぐのは」
柳生日那多
:「いつだって"影"なんだよ」
茶川 閂
:茶川閂の足元から、黒い影が伸びる。
茶川 閂
:それはゆらゆらと揺らめき、大きく広がっていく。炎のように。
茶川 閂
:同時。つないだ手から、色とりどりの光が吉沢さんへ向かう。重力から解き放たれた光、あるいは、虚無を打ち破った七曜のように。
茶川 閂
:それはあらゆる色を飲み込んで生まれる漆黒を打ち砕く、あらゆる光の合わさった純白の閃光となって。
茶川 閂
:この暗夜の宇宙を照らすもうひとつの輝く星となり、吉沢さんの手に渡る。
吉沢龍剣
:ただ手の中の感覚が、『成った』事を雄弁に伝えてくる。
吉沢龍剣
:光を握りしめ、迫る星を見上げ
吉沢龍剣
:いつものように、ただ不敵に笑う。
吉沢龍剣
:「行くぜ」
吉沢龍剣
:ダンッ!!
吉沢龍剣
:足元には既に氷の回廊。
吉沢龍剣
:駆上りながら、得物を持たない右腕が凍気を纏う。
吉沢龍剣
:キィイイイイイイインッ!!
吉沢龍剣
:サラマンダーシンドロームによる冷却能力の本質。それは全ての分子運動の停止。
吉沢龍剣
:掌が、その内側から白く輝く。得物の放つ濃密な光とは違う、限りなく透き通るような輝き。
吉沢龍剣
:マイナス1万200度、絶対零度を超えた分子の固定による不壊の光。
吉沢龍剣
:回廊を蹴り、跳躍する。
吉沢龍剣
:「ォオオオオオオオオオオッ!!」
吉沢龍剣
:逆手に持ち替えた白く輝くバットを、
吉沢龍剣
:ガキン!!
吉沢龍剣
:結晶の守護を貫き、凶星の表面へと突き立て
"魔星"アイオーン
:青い結晶が"魔星"の表面に集まる。
"魔星"アイオーン
:存在の危機、原初の恐怖を認識した"魔星"が初めて取った防御行動。しかし——————
吉沢龍剣
:「るァ!!!!!!!!」
吉沢龍剣
:熱力学の矛盾を超えて、ただ単純に、原始的に、明白に『握り固められた』拳。
吉沢龍剣
:直径88ミリメートル。
吉沢龍剣
:その一撃が、時空を超えて現れた災厄の巨岩に杭打つように叩き込まれ——
吉沢龍剣
:
吉沢龍剣
: ば
吉沢龍剣
: き ん
吉沢龍剣
: !!
吉沢龍剣
:
吉沢龍剣
:質量の大半をただ凍てついた氷塊として抉り砕きながら
吉沢龍剣
:銀河の果てまで、吹き飛ばす!
吉沢龍剣
:剥がれ落ちる氷煙の透き通る白と、解き放たれたエネルギーの濃密な白が
吉沢龍剣
:漆黒の宇宙に、螺旋の軌跡を描きながら吹き去る!!
"魔星"アイオーン
:——————星が流れる
"魔星"アイオーン
:惑星の引力すら無視した、完全なる等速運動。
吉沢龍剣
:ぱきん
吉沢龍剣
:その右拳がダイヤモンドダストとなって砕ける
吉沢龍剣
:「……『あいこ』って事にしといてやる」
吉沢龍剣
:「失せな石っころ。ここにてめェの出る幕はねェよ」
"魔星"アイオーン
:この世界の一切から解き放たれた"魔星"は、在るべき宇宙へと打ち返された。
吉沢龍剣
:ふよふよと無重力に漂いながら
吉沢龍剣
:その軌跡を見届け
吉沢龍剣
:「ヘビーな仕事だぜ」
吉沢龍剣
:満足気に目を閉じる
百代まりあ
:虚空へと消えていくその星を見届け、瞑目し、微笑を浮かべる。
百代まりあ
:「────御機嫌よう」
太田止隆
:同じくその星の消えていく様を見届け、剣を下ろす。
太田止隆
:もはやそれを向けるべき相手は、ここにいない。
茶川 閂
:ばさりと一面の花の中に倒れこみ、 「任務、完了……だな」 笑う。
GM
:────終焉の星は流れた。
GM
:ただし、それは地に墜ちることはなく、
GM
:逆さまに天へと昇る、一筋の青い光となって。
GM
:誰の願いも、聞き届けることなく────
GM
:クライマックス戦闘終了!
GM
:バックトラックだ!
茶川 閂
:やったったー!
吉沢龍剣
:やったーーーー!!!
百代まりあ
:ワオワオ~~~
GM
:今回のEロイスは~~~~!
太田止隆
:300個くらいかな?
"リベレーター"桐生嚆矢
《傲慢な理想》×3
《予告された終焉》
《さらなる絶望》×2
《不滅の妄執》
"魔星"アイオーン
《究極存在》
《愚者の契約》
《ありえざる存在》×4
《覚醒する世界》
GM
:あ、あとこれがあった
レランパゴA
《堕落の誘い》(2個相当)
百代まりあ
:そんなの持ってたのか……
GM
:衝動判定なかったから使えなかったけどな
太田止隆
:なるほどね
GM
:合計16個!振りたいやつは振りな!
百代まりあ
:振る!
吉沢龍剣
:フルフル!
茶川 閂
:振るー!
太田止隆
:振っちゃおう
百代まりあ
:169-16D10
DoubleCross : (169-16D10) → 169-87[7,7,2,1,6,6,8,2,3,9,10,7,4,5,5,5] → 82
百代まりあ
:2倍振りで3点確保しよう
百代まりあ
:82-8D10
DoubleCross : (82-8D10) → 82-32[2,9,2,9,1,5,1,3] → 50
吉沢龍剣
:135-16d10
DoubleCross : (135-16D10) → 135-83[4,4,8,10,3,4,6,10,1,8,6,2,8,7,1,1] → 52
吉沢龍剣
:減りすぎ!
吉沢龍剣
:2倍ぶりの方が経験点がいい!2倍!
吉沢龍剣
:52-6d10
DoubleCross : (52-6D10) → 52-35[9,9,6,3,3,5] → 17
吉沢龍剣
:無事生還!3点!
太田止隆
:128-16d10
DoubleCross : (128-16D10) → 128-83[6,3,5,3,4,10,5,6,10,4,5,2,3,4,6,7] → 45
太田止隆
:2倍振り
太田止隆
:45-8d10
DoubleCross : (45-8D10) → 45-50[8,7,4,8,2,5,9,7] → -5
太田止隆
:あー 俺 一般人になっちゃったよー
GM
:マイナスになってるじゃねーか!
吉沢龍剣
:www
茶川 閂
:137-16d10
DoubleCross : (137-16D10) → 137-67[10,1,1,3,3,6,1,4,4,10,2,7,7,4,1,3] → 70
茶川 閂
:二倍で振ろう
茶川 閂
:70-10d10
DoubleCross : (70-10D10) → 70-61[7,5,10,6,2,1,6,10,10,4] → 9
茶川 閂
:3点で帰還!
百代まりあ
:3点!
太田止隆
:同じく3点で帰還
GM
:ではシナリオ10点、いつもの5点にEロイス16点
GM
:31点に各々点数を足して
茶川 閂
:34点! いただきやす!
百代まりあ
:34!
太田止隆
:ふふふ……私はさらにSロイスをロイスのままキープしたので+5点されるぞ
GM
:ワ~オ
太田止隆
:31+3+5で……
太田止隆
:39点!
GM
:では太田さんが39点!他の皆さんは34点!
吉沢龍剣
:いただきます!!
百代まりあ
:うめ……うめ……
茶川 閂
:あざす!
太田止隆
:これで厳戒態勢でも食いつなげるぜ
GM
:GMの点数は後で計算するぜ……
GM
:全員生還!!ありがとうございました!!!!
茶川 閂
:ありがとうございました!!
百代まりあ
:ありがとうございました……!!
吉沢龍剣
:ありがとうございましたーっ!
太田止隆
:イェイイェーイ!
【Master Scene4】
リベレーターズ 最上階 ヘリポート
柳生咲玖夜
:「ハァ……ハァ………ッ……」
GM
:ヘリポートの一面に散らばった数々の武具。
GM
:巨斧、長槍、大弓、聖剣……それら全てが、"遺産"と呼ばれる一級のレネゲイドアイテム。
GM
:それを、"スターゲイザー"はまるで石ころを拾うかのように無造作に持ち上げ、放り投げる。
柳生咲玖夜
:「ッ!!ぐぅッ……!!」
柳生咲玖夜
:漆黒の太刀で受け止める。狙いは甘く、掠めただけだ。
柳生咲玖夜
:それでも、その刀身が粉々に砕け散る。
スターゲイザー
:「ふぁ~~あ……なんだか飽きてきちゃいましたねー」
スターゲイザー
:退屈そうに欠伸をこぼす。
スターゲイザー
:「もう満足しましたか?そろそろ終わりにしますけど、いいですよね?」
柳生咲玖夜
:「……ッ」
柳生咲玖夜
:「まだ……です。この扉は……壊させない」
柳生咲玖夜
:「絶対に──」
スターゲイザー
:「えいっ」
スターゲイザー
:一瞬の閃光、咲玖夜の足元に剣が突き刺さり
スターゲイザー
:刃が掠めた太腿の肉が弾け飛ぶ。
柳生咲玖夜
:「がッ……!?あ、あぁぁああ!!!!」
柳生咲玖夜
:支えを失い、血を撒き散らしてうつ伏せに倒れ伏す
スターゲイザー
:「あれ、また外しちゃった」
スターゲイザー
:「もう勘弁してくださいよ~!なんだか僕が弱い者いじめしてるみたいじゃないですか~!」
スターゲイザー
:「あ、でも……」地を這う咲玖夜の姿を見て
スターゲイザー
:「良かったですね、その格好」
スターゲイザー
:「これでお姉さんとお揃いですよ!」屈託ない笑顔を向ける。
スターゲイザー
:「じゃあ、最後にいい仕事したし」右手をかざすと同時に、散らばっていた武具が一斉に浮かび上がる。
スターゲイザー
:その切っ先が全て、咲玖夜と扉へと向けられる。
スターゲイザー
:「これで本当に、さよならです」手をふると同時に、武具が一斉に──────
GM
:か ら ん
GM
:一斉に、地に落ちる。
GM
:落下の衝撃で、花びらが舞う。
GM
:ヘリポート一面に咲いた、氷の薔薇の花弁が
夏目靖章
:「いやー……」
夏目靖章
:「なんとか間に合ったみたいだね」
夏目靖章
:薔薇に触れた武具から、レネゲイドの圧力が急速に失われていく。
スターゲイザー
:「げっ……」
柳生咲玖夜
:「夏目……さ……」僅かに安堵の表情を浮かべ、意識を失う。
夏目靖章
:「お疲れ様、咲玖夜くん……さて」
スターゲイザー
:「ま~~たあなたですか~!夏目さん!」
スターゲイザー
:「いくら僕が可愛い女子高生だからって!やって良いことと悪いことがありますよ!」
夏目靖章
:「それは誤解だが……」
スターゲイザー
:「大体、性懲りもなく一人でのこのこやってきてどうするつもりですか?」
スターゲイザー
:「状況、わかってます?」
スターゲイザー
:「僕の手札はいくらでもあるんですよ。足手まといを二人抱えて、いつまで凌げますかね」
スターゲイザー
:「それとも」
スターゲイザー
:「この辺で記憶もぜ~んぶリセットして人生やり直したいって言うなら」
スターゲイザー
:「お手伝いぐらいはしてあげますけど?」
スターゲイザー
:嗜虐的な笑みを浮かべて、再び空中に"遺産"を呼び出す。
夏目靖章
:「……何か勘違いしているようだが」
夏目靖章
:「今日君に逢いたかったのは俺じゃない」
夏目靖章
:「俺は、連れてきただけさ」
夏目靖章
:"スターゲイザー"の背後を指差す。
スターゲイザー
:「はぁ?一体誰を……」素直に振り向く。この状況にあっても、自分が絶対的強者であることを彼女は正しく認識している。
夏目靖章
:「死神」
スターゲイザー
:次の瞬間、ぐるり、と振り向いた"スターゲイザー"の視界が回転する。
スターゲイザー
:「あえ?」
スターゲイザー
:間抜けな声を上げて、その場に尻餅をつく。
スターゲイザー
:その視線の先には
スターゲイザー
:凍りついて地面に張り付き、足首から砕け折れた自分の脚がある。
スターゲイザー
:「あ……?え…‥?これって?」
盲目の女性
:困惑する"スターゲイザー"視界に、近づいてくる人影が映る。
盲目の女性
:『リベレーターズ』にモニターとして呼ばれていたオーヴァードの一人に、同じ顔がある。
■目の女■
:しかし
眼■■女■
:その姿にノイズが走り
眼■■■女
:全く別の人物の輪郭が浮かび上がる
魔■の■女
:季節外れの厚手のコートに、雪のような白銀の髪
魔■の少女
:その右目は虚ろな空洞になっており
魔眼の少女
:そこに浮かぶ、青ざめた月
スターゲイザー
:「──────ッ!!」
スターゲイザー
:刹那、"スターゲイザー"の姿がかき消える。
スターゲイザー
:数メートル離れた空中に姿を表し、初めて狼狽した表情を見せる。
スターゲイザー
:「……ひ、人が悪いですね!帰ってたなら早く言ってくださいよ!」
スターゲイザー
:「いの────」
魔眼の少女
:「────その顔で」
魔眼の少女
:「その名前を呼ぶな」
魔眼の少女
:「私は──────」
GM
:リィィィィィィィイイイイイイイ……
魔眼の少女
:クレパスが軋むような高音が響く
魔眼の少女
:"スターゲイザー"の背後から、前触れ無く二筋の光が指し
魔眼の少女
:線虫の如く絡みつく
スターゲイザー
:「──────────ッ」
魔眼の少女
:青褪めた月が、星を睨む。
魔眼の少女
:その瞳は、ここではない世界への扉である。
魔眼の少女
:零下8000度。あらゆる生命が眠り、星々すら凍てつき堕ちた、絶対の冬。
魔眼の少女
:その暗黒の宇宙に唯一つ浮かぶ、青褪めた月。
"ディアスポラ"
:「
"ディアスポラ"
(
亡郷者
)
だ」
"ディアスポラ"
:「忘れるな、"スターゲイザー"」
"ディアスポラ"
:"全ての冬"が星を捉えて、堕とす。
スターゲイザー
:全身が凍りつき、地に落ちる前に、その身体は砕けて飛散した。
"ディアスポラ"
:それを一瞥し、右目を閉じる、
GM
:時を同じくして、夜空に一筋の青い閃光が昇った。
GM
:彼方へと打ち返された、魔星の光。
GM
:勝利の知らせだ。
夏目靖章
:「上手くいったか。後は彼らの帰り道を用意して……」
夏目靖章
:「祝勝会の準備もしないとな。どうかな、君も一緒に────」"ディアスポラ"に顔を向けると
"ディアスポラ"
:閃光とともに、少女は既に姿を消していた。
夏目靖章
:「やれやれ……気が早いな」
夏目靖章
:「それじゃあ、少し寂しいが仕方ない」
夏目靖章
:「出迎えようか。救世主達の凱旋だ」
【合同ED】
リベレーターズ 最上階 ヘリポート
GM
:壊れかけのローディーズ・ドアが再び開け放たれる。
GM
:淡い光の向こうから、君たち4人は地上に凱旋する。
夏目靖章
:「やあ、お疲れ様」
吉沢龍剣
:「ふーー」
吉沢龍剣
:「中々楽しめたぜ」
太田止隆
:「…………?」 ごくささやかな、しかし明らかに不自然な"冷え"に気付き、辺りをそれとなく見回すが
太田止隆
:それ以上の異常もなかったので声をかけてきた彼に向き直る
茶川 閂
:「あ、夏目さん」ペコリ。「任務、完了です」
百代まりあ
:「あら?」扉から出てきて小首を傾げ
百代まりあ
:「わざわざお出迎えに来てくれたの?」
夏目靖章
:「そりゃあもちろん。世界を救ったにしては物足りない出迎えとは思うけどね」
百代まりあ
:「それは嬉しいわ。どうもありがとう」乾いた血を張り付けた顔で、にっこりと笑う。
吉沢龍剣
:「てめェがわざわざ出迎えに出張ってるっつゥ事は」
吉沢龍剣
:「余計な野次馬でも湧いてたか?」
夏目靖章
:「そんなところだ」苦笑し
夏目靖章
:「みんな怪我は大丈夫かい?侵蝕は落ち着いてる?」
太田止隆
:「……やはり何かあったのか。こちらは大丈夫だが……」
吉沢龍剣
:「見てのとおりだ」
吉沢龍剣
:腕を広げる、右腕は無いままだが…
夏目靖章
:「うん……祝勝会の準備もしていたが……」
夏目靖章
:「先に病院に行ったほうが良さそうだね」
茶川 閂
:「ええ……そりゃもう、大変な戦いだったもんで」
百代まりあ
:「龍剣、大丈夫なの?」
百代まりあ
:「生えてくるわよね……?」
吉沢龍剣
:「てめェなんぞに心配されるほどヌルくねえよ」
吉沢龍剣
:「病院なんぞよりも酒と肉だ」
吉沢龍剣
:「かっ食らって寝てりゃあ、それで治る」
茶川 閂
:「マジすか……」
百代まりあ
:「そういうものなの……?」
吉沢龍剣
:「そういうもんだ」
百代まりあ
:「わたくしも今度からそうするわ」
百代まりあ
:「あ……でもお酒は飲めないわね……」
吉沢龍剣
:「ハハハッ」
吉沢龍剣
:「なら飲めるようになってからそうしな」
太田止隆
:「後を引くようならUGNに相談しておけよ。今回の件にまつわることなら、いくらでも力になるだろう」
吉沢龍剣
:「オイオイ、太田ちゃんまでご心配をかけてくれんのかよ」
吉沢龍剣
:「よーやく愛想がついてきたってとこか?え?」
吉沢龍剣
:ニヤつきながら顎を触りに行く
茶川 閂
:「またそういう言い方するんですから、もう」
太田止隆
:やんわりと手を押しのけ 「……同じ戦場に立った者として当然の心配をしているだけだ」
百代まりあ
:「!」
百代まりあ
:太田さんの背後から忍び寄り
百代まりあ
:「よしよし」
百代まりあ
:頭を撫でる。
百代まりあ
:「頑張ったわね、止隆」
吉沢龍剣
:「おおっとぉ」
太田止隆
:「無用に冷淡に察した覚えはない。だから無用に……」
太田止隆
:「……そのようなことを…………」
茶川 閂
:(触ると幸運になる像みたいだなぁ)
夏目靖章
:「(羨ましい……)」
太田止隆
:半ば硬直し、ぎこちなく百代さんを振り返る 「……何……?」
吉沢龍剣
:「やりやがる!先越されたな!」
吉沢龍剣
:かんらかんらと愉快そうに笑う
吉沢龍剣
:「よーしよーし」
吉沢龍剣
:前から後ろからなでなで
百代まりあ
:「どうかしら」
百代まりあ
:「龍剣が言っていたわ」
百代まりあ
:「止隆はむっつりすけべ?だから」
百代まりあ
:「不意打ちでよしよししてあげると喜ぶって」
百代まりあ
:「えらいえらい」
吉沢龍剣
:「バッチリだぜ」
吉沢龍剣
:グッと親指立てる
太田止隆
:「……っっ!」 挟まれるように頭を触れられ、たまらず慌てた足取りで横に逃げる
太田止隆
:「賞金稼ぎィ……!!」 頭を守るように押さえ、吉沢さんを睨み上げる
茶川 閂
:「よ……吉沢さん! あんまり変なこと吹きこんじゃだめですよ!」
吉沢龍剣
:「変なコトっつーのは具体的にどれだ?」
吉沢龍剣
:「そこをぼかすからテメーらはムッツリなんだよ」
太田止隆
:「何が、バッチリ……むっつり……俺を!?」
吉沢龍剣
:「なあ百代?」
百代まりあ
:「それで龍剣、むっつりとは……?」
百代まりあ
:「閂もそうなの?」
吉沢龍剣
:「そうらしいぜ」
茶川 閂
:「違います……」
百代まりあ
:「信頼できる人、みたいな意味かしら」
吉沢龍剣
:「ぶっははははは!いいね!」
吉沢龍剣
:「そう思っとけ」
太田止隆
:「"グローセ・ベーア"! そいつの話をあまり真に受けるな!」
百代まりあ
:「止隆はすごく頑張ったものね」
百代まりあ
:「えらいわ、とても」
太田止隆
:「歳上の頭にいきなり触るなど、非常識な……え、まあ、いや……」
百代まりあ
:「すごいむっつりよ」
太田止隆
:「その流れでむっつりはやめろ!!」
百代まりあ
:「……?」何か間違えたのかな……という顔。
茶川 閂
:「……」同情するような目で太田さんを見ている。
吉沢龍剣
:「ほら見ろよ夏目」
吉沢龍剣
:「いいツラになったろ?こいつら」
夏目靖章
:「ああ、そうだね。良い顔つきになった」
夏目靖章
:「もちろん君もね?」
吉沢龍剣
:「バーカ」
吉沢龍剣
:「アタシの器量は元からだっつゥの」
太田止隆
:はーっ、と溜息を吐き 「……よせ、"フリージア"。付け上がるだろうが、そいつが」
夏目靖章
:「ははは、これは失礼」
吉沢龍剣
:「……そういや」
吉沢龍剣
:「咲玖夜のガキはどこ行きやがった?」
吉沢龍剣
:「いくらガキだっつってもおねむの時間にゃあいくらか早ぇだろ」
夏目靖章
:「ああ、彼女は……」
夏目靖章
:「少し負傷してね、第4に搬送されて治療中だ」
茶川 閂
:「負傷……」彼女も戦っていたのか。
百代まりあ
:「まあ……大丈夫なの?」
夏目靖章
:「命に別条はないよ。なにせ俺が駆けつけたんだからね」
夏目靖章
:「ただ、完治には暫く掛かるだろう」
夏目靖章
:「後で入院先を聞いておこう。心配なら会いに行ってあげると良い」
茶川 閂
:ホッと息を吐く。「はい、そうします」
百代まりあ
:「そうね。お見舞いに行かなくちゃ」
太田止隆
:襟元を正す 「……あまり良いとは言えないが、この場で心配してどうなるでもなしか」
太田止隆
:「ならば先に今、この事件について済ませられることを済ますべきだな」
吉沢龍剣
:「ああ、まだもうひとり残ってやがる」
吉沢龍剣
:「奴がどうすんのか、どうなんのか、見届けねえうちはケツの座りも悪ィ」
茶川 閂
:「どうするどうなる、って言ったって」入れ替わった世界の人間を戻す方法は、限られていたはずだ。
白銀明日香
:「そうですね」後ろから声をかける。
白銀明日香
:「皆さん、ご無事で何よりです」扉の影から、君たちに近づいてくる。
太田止隆
:「……"レディ・ビー・グッド"」
百代まりあ
:「……明日香……」
吉沢龍剣
:「おっ」
吉沢龍剣
:「テメーからお出ましか、世話が省けるぜ」
白銀明日香
:「見届けると、約束しましたから」
吉沢龍剣
:「ああ」
吉沢龍剣
:「見ての通り、アタシ達の勝ちだ」
吉沢龍剣
:「満足いったか?」
白銀明日香
:「はい」
白銀明日香
:「私の……『リベレーターズ』の敗北です」
白銀明日香
:「満足、ですか?まさか」
白銀明日香
:「とても悔しいです。本当に」
白銀明日香
:「それでも、これが彼の」
白銀明日香
:「嚆矢の進み続けた結末ならば、受け入れます」
吉沢龍剣
:「そうかよ」
白銀明日香
:君たち4人を見回して
吉沢龍剣
:「てめェらは大馬鹿だが」
吉沢龍剣
:「やっぱり、嫌いじゃねェ馬鹿だな」
白銀明日香
:「ふふ」ふわりと笑って
白銀明日香
:「皆さん、ありがうございました」
白銀明日香
:「嚆矢を止めてくれて」
太田止隆
:「……礼は」
太田止隆
:「俺からも言わせてほしい。"レディ・ビー・グッド"……いや、白銀明日香」
太田止隆
:視線を落とし 「嚆矢と一緒にいてくれてありがとう。……あいつは確かに、俺にとっての、この世界の桐生嚆矢じゃないが」
太田止隆
:「それでも、そのパーソナリティはよく分かっている。あいつは一人で、あんな風に駆け抜けられるやつでもない」
太田止隆
:「誰より先に飛び出すということは、後ろに信じられる誰かがいたということだ」
白銀明日香
:「ふふ、はい。よくご存知で」
太田止隆
:「君はずっと、あいつの弓でいてくれたんだろう。だから……ありがとう」
太田止隆
:少しだけ笑って 「本来それを言うべきやつの代わりに、俺が言っておく。権利はあるはずだからな」
白銀明日香
:「ああ……弓、ですか……」得心がいったような表情で
白銀明日香
:「はい、結局は、彼の盾には足り得なかった私ですが」
白銀明日香
:「弓で在れたのなら、ええ、良かった」
白銀明日香
:「結局は、飛んでいく先を見守るしかないというのは寂しいですけど」自嘲気味に笑う。
吉沢龍剣
:「だが見届けたろうが」
吉沢龍剣
:「それがテメーの戦いだったんだろ」
白銀明日香
:「そう……ですね」
白銀明日香
:「私は、そうやって戦うと決めた」
白銀明日香
:「だから、私も行かなくては」
吉沢龍剣
:「……そうかよ」
吉沢龍剣
:「強情な野郎だ」
百代まりあ
:「…………どうするつもりなの」
白銀明日香
:「帰るだけですよ。もとに戻すだけです」百代さんに笑いかけて
白銀明日香
:「吉沢さん」
吉沢龍剣
:「なんだ?」
白銀明日香
:「ありがとうございます。あの時、私が死ぬのを止めて頂いて」
吉沢龍剣
:「礼なんぞいるか、こっちの好きでやったことだ」
白銀明日香
:「いいえ。それでも。あの星を見届けられてよかった」
白銀明日香
:「私は行きます。出来損ないの盾ではなく、彼と同じ先を見る弓として」
白銀明日香
:「彼には、私が必要ですから」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「死ぬつもり、なの」
白銀明日香
:「ふふ、そんな顔しないでください」
茶川 閂
:「そんなこと言われたって………」
白銀明日香
:「この世界の白銀明日香に、この身体を帰すだけです」
百代まりあ
:「……でも……!」かぶりを振って
百代まりあ
:「何か……何かあるでしょう!こんなやり方より……!」
吉沢龍剣
:「やめな」
吉沢龍剣
:その肩に手をそっと乗せる
百代まりあ
:「っ……!」
吉沢龍剣
:「こいつなりのケジメの付け方だ」
吉沢龍剣
:「今更二度も三度も、そいつを曲げろなんてのは」
吉沢龍剣
:「アタシ達の言うことじゃねえ」
吉沢龍剣
:「ただ見届けてやれ」
吉沢龍剣
:「そいつが敬意ってやつだ」
百代まりあ
:「…………!」
百代まりあ
:ひどく顔を歪めて、
百代まりあ
:目元を拭う。
茶川 閂
:その横で白銀さんに深くお辞儀をする。いつか自分もこの大人たちのように、覚悟と、それを受け入れる敬意を持てるだろうか。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「……明日香」
白銀明日香
:「はい、百代さん」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「……二人が言う通り、あなたは最後まで戦ったわ」
百代まりあ
:「逃げずに、最後まで」
百代まりあ
:「それは……とても、すごく立派なことよ」
百代まりあ
:「『リベレーターズ』の仲間にも、誇っていいことだわ」
白銀明日香
:「ありがとう、百代さん」そう言って近づいてしゃがみ込み
白銀明日香
:「どうせなら、私も褒めてくれますか?さっき太田さんにしたみたいに」
百代まりあ
:「…………!」
白銀明日香
:「そうしたら私、向こうで自慢できますので」
白銀明日香
:「ね?」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:ゆっくりと手を伸ばして、その髪に触れる。
百代まりあ
:優しく、幼子にそうするように、その頭を撫でて。
百代まりあ
:「……あなたは……」
百代まりあ
:「とても、偉いわ」
百代まりあ
:「よく……頑張ったわね」
百代まりあ
:ぽたり、ぽたりと水滴が落ちる。
百代まりあ
:「だから……」
百代まりあ
:言葉を詰まらせ、声にならない嗚咽を漏らす。
白銀明日香
:その涙を指先で拭う。
百代まりあ
:「……あなたのこと、絶対に忘れないわ」
百代まりあ
:「絶対によ、明日香」
百代まりあ
:「私が、ずっと。あなたがどこに行ったって」
百代まりあ
:「ここで、あなたのことを覚えているわ」
白銀明日香
:「はい。ありがとう、百代まりあ」
白銀明日香
:白銀の身体が、光の粒子となって解けていく。
白銀明日香
:「それなら、私も迷わずに済みそうです」にこりと笑いかけた。
百代まりあ
:「……っ……」深く頷いて俯き、その拍子に大粒の水滴が零れる。
白銀明日香
:光が天に昇る、その輪郭が薄れていく。
白銀明日香
:人の形を完全に失う間際、ふと太田さんに視線を移し
白銀明日香
:「彼のことは、私におまかせを。だからあなたは……」
白銀明日香
:「"こちら"の彼とも、仲良くしてあげてくださいね」
白銀明日香
:ふわりと笑い、やがて夜空へと溶けていった。
太田止隆
:苦笑して 「嚆矢の"弓"なだけあって、気の回る女だ」
太田止隆
:それでも、その姿を最後まで見送る。光の名残の消えるまで
吉沢龍剣
:「……逝ったか」
吉沢龍剣
:見上げて、目を細める
茶川 閂
:黙祷。
百代まりあ
:「…………」ずっと俯き、表情を隠したまま。
百代まりあ
:「泣いていないわよ」
吉沢龍剣
:「泣いてるだろが」
吉沢龍剣
:「泣き虫のくせにカッコつけてんじゃね—よ」
百代まりあ
:「泣いていないわ!」言いながら、顔を上げられない。
百代まりあ
:「……お別れは……笑顔でするものよ」
吉沢龍剣
:「ほんっと」
吉沢龍剣
:「……バカだな、テメーも」
百代まりあ
:「…………」静かに肩を震わせる。
吉沢龍剣
:その頭に手を乗せて。暫く立っているが
吉沢龍剣
:やがて振り返る
吉沢龍剣
:「いつまでも湿気たツラ並べてんな、行くぞ」
吉沢龍剣
:「特に茶川」
吉沢龍剣
:「コレが待ってんだろーが」
吉沢龍剣
:品のないハンドサイン。
茶川 閂
:「……ウス」
茶川 閂
:「あ、いや……ソレはないでしょ、ソレは!」
吉沢龍剣
:「ウスッつったろ」
吉沢龍剣
:「ウスッつったじゃん!ぎゃはは!」
吉沢龍剣
:「やらし~~~!」
吉沢龍剣
:脇腹をツンツン突く
茶川 閂
:「ギャーッ!!」
太田止隆
:やれやれと首を振り、二人に続きつつ
太田止隆
:「"グローセ・ベーア"」
太田止隆
:「身体を冷やす前に中に入るように」
太田止隆
:「……風邪をひく」
百代まりあ
:「…………」すん、と鼻を鳴らし、僅かに顔を上げて
百代まりあ
:「……ええ」
百代まりあ
:「……ありがとう、止隆」
百代まりあ
:顔を上げないまま、その裾の端をきゅっと握る。
太田止隆
:返事に小さく頷いて、中へと入っていく
GM
:白銀明日香の消滅により、『リベレーターズ』がこの世界に撃ち込んだ楔は全て抜け落ちた。
GM
:天を衝く摩天楼も、夜が明ける頃には跡形もなく消え去るだろう。
GM
:この街からも、人々の記憶からも
GM
:昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
GM
:その繰り返しの中で、ごく一部、深い痕を残したものだけが、今夜の星を憶えている。
GM
:日常は、取り戻された。
同時刻 高層ビル屋上
?????
:「うわあ~、この結末は予想外でしたね」
?????
:リベレーターズ社屋からは1Km程離れたビルの屋上、天に昇る蒼い軌跡を見上げる影がある
?????
:「てっきり"イスカリオテ"さんが土壇場で出し抜いてくると踏んでたんですけど」
?????
:「やっぱり侮れませんね、UGN。……ふふふ」
スターゲイザー
:「あははははははは!!」
スターゲイザー
:「ああ本当に、桐生くんは思いがけない掘り出し物でした」
スターゲイザー
:「理想のために一度は世界を滅ぼした男が、贖罪のために再びそれを繰り返そうとする矛盾、破綻」
スターゲイザー
:「その前に立ち塞がるかつての親友。対決を確信しながらも紡がれる友情、そして決別……」
スターゲイザー
:「ああ……いい……」
スターゲイザー
:空を見上げ、恍惚の表情を浮かべる少女は紛れもなく、先程氷となって砕け散った"スターゲイザー"だ。
スターゲイザー
:身代わり、分身の類でなはい。正真正銘の同一人物。
スターゲイザー
:超抜の極みにある時空干渉能力者である彼女は、数多の並行世界を行き来すると同時に
スターゲイザー
:数多の並行世界の自分自身と完全に同期している。
スターゲイザー
:並行世界が無限に存在するように、"スターゲイザー"の
命
(
リソース
)
もまた、無限。
スターゲイザー
:いかなる世界においても不在にして不滅の、怪物である。
スターゲイザー
:「ああでも、できれば最後は桐生くんが太田さんを殺してくれていたら、一層皮肉の効いたフィナーレになったのになあ」
スターゲイザー
:「やっぱり、少し不確定要素を呼び込みすぎましたね。UGNの彼らとか、"ディアスポラ"も」
スターゲイザー
:「それからこの子も、ね」
スターゲイザー
:足元を見る。そこには片腕の少年が気を失ったまま転がっている。
スターゲイザー
:「言われた通り拾っておきましたけど意外ですね。棄てた玩具に興味はないタイプだと──」
?????
:「うわ~~~美味そ~~~!!このなんたら蛇手って何処の流派だろ~~~?」
?????
:"スターゲイザー"が振り向いた先には一人の男がいる。中性的な顔立ちに中華風の衣装を着た拳法家然とした青年。
?????
:空の流星には目も留めず、スマートフォンでYouTubeを観ている。
スターゲイザー
:「あのー、聞いてます?」ジト目で睨みつける。
?????
:「ん?ああ、ありがと。その辺置いといて」動画から目を離さずに答える。
スターゲイザー
:「ええ~軽っ……」
?????
:「いや別に興味はないけどさ。今回はたまたま目に付いたから」
?????
:「そもそも棄てたんじゃなくて放ってあるだけだからね。わかんない?意外性ってやつ」
?????
:「俺が育てた方がそりゃ強くはなるんだろうけど、凡夫にそんな手間かけるのもめんどくさいし」
?????
:「どうせ食べるなら養殖物より天然物の方が良いでしょ?」
スターゲイザー
:「うへぇ、趣味悪……」
スターゲイザー
:「その点僕は火消しまで完璧、花火の後はちゃーんと後片付けまで面倒見ますからね!」
スターゲイザー
:「さて、せっかくこの街も無事守られたわけだし」
スターゲイザー
:「気を取り直して、次の星を見に行かなくちゃ」
スターゲイザー
:再び空を見上げる。魔星の軌跡は消え去り、街は平穏を取り戻しつつある。
スターゲイザー
:しかしその平穏の裏で今も新たな事件は蠢いている。天に輝くそれ以上に、地上の星に限りは無い。
スターゲイザー
:「ああ本当に、この街は飽きなくて……」
スターゲイザー
:「……ウケますね」
【ED:茶川閂】
第4支部 メディカルセンター
GM
:柳生咲玖夜の入院先を教えられた君は
GM
:自身の検診の帰りに、彼女の病室へ足を運んでいた。
茶川 閂
:「よっ」ガラガラと扉を開けて。
茶川 閂
:手にはちょっとした花やら、果物の入った籠やら、本の入った紙袋やらを下げている。
柳生咲玖夜
:「さ、茶川くん!?」
柳生咲玖夜
:読んでいた本を置き、慌てて身だしなみを気にし始める。
茶川 閂
:「入院してるって聞いてさ。顏ぐらいは出そうと思って」
柳生咲玖夜
:「そ、そうなんだ……!わざわざごめんね」
茶川 閂
:「いいっていいって。好きで来てるんだから」
茶川 閂
:ドサドサ見舞いの品を置きつつ。「どう? 体の調子は」
柳生咲玖夜
:「す、好きで……!」
茶川 閂
:「?」
柳生咲玖夜
:「い、いや……なんでもない。落ち着け私」
柳生咲玖夜
:「ええと、経過は順調だって」
茶川 閂
:「そか。……良かった」
柳生咲玖夜
:「私、リザレクトが遅いからこうなってるけど、強いオーヴァードならもう退院できるくらい」
茶川 閂
:「おお。じゃあ、ゆっくりできてお得だな」
柳生咲玖夜
:「えー、損しかないよー」
茶川 閂
:「そうかー?」
茶川 閂
:「まあ、体がよくならないのも困るか! そうだ、リンゴでも食べる?」
柳生咲玖夜
:「そうだよ、日那多は早く学校行きたいってうるさいし……」
柳生咲玖夜
:「あ、良いの?ありがとう」
茶川 閂
:「ああ、向こうから意識を飛ばしてるんだもんな……おう、なんのなんの」
柳生咲玖夜
:「あの……茶川くんはさ」
茶川 閂
:「んー?」果物ナイフでシャリシャリと皮をむきつつ。
柳生咲玖夜
:「日那多と会って、どう思った」
茶川 閂
:「どうって?」
柳生咲玖夜
:「ほら、最初に香川くんと会ったのは日那多だったわけで」
柳生咲玖夜
:「私はそれに乗っかって素性もずっと隠していたわけで……」
茶川 閂
:「え? ……ああ、そうなるのか? あのときの咲玖夜は髪も長かったし、日那多で……んん???」
柳生咲玖夜
:「おまけに、最後の戦いなんて日那多と違って私は全然役に立てなかったわけで……」
茶川 閂
:「だから、それは違うって。そもそも、咲玖夜の情報がなかったら俺たちはあの戦いに間に合ってなかった」
柳生咲玖夜
:「そう……かな」
茶川 閂
:「役に立つ立たないで言うなら、間違いなくMVPは咲玖夜だよ……っと」
茶川 閂
:「おお、むけたむけた」リンゴを小皿に乗せつつ。
柳生咲玖夜
:「わ、きれいに剥けたねー」
柳生咲玖夜
:「茶川くんこういうの得意なんだ」
茶川 閂
:「へへ、けっこう家庭科の成績いいんだぜ……おっ旨いよこのリンゴ」
柳生咲玖夜
:「えへへ、じゃあ遠慮なく……」手を伸ばそうとして
柳生咲玖夜
:「…………」
茶川 閂
:「………」
柳生咲玖夜
:その手を引っ込める。
茶川 閂
:「どした?」
柳生咲玖夜
:「茶川君。私ね」
茶川 閂
:「うん」
柳生咲玖夜
:「戦うだけがオーヴァードの力じゃないってわかってる。世の中にはもっと大事な役目があることも」
柳生咲玖夜
:「それでも私は」
柳生咲玖夜
:「君を守れるようになりたい」
茶川 閂
:「……俺を」
柳生咲玖夜
:「あ、君を……ていうか」
柳生咲玖夜
:「大事な人を……?」
茶川 閂
:「……」
柳生咲玖夜
:「あっ……!?いや、今のは違くて!」
柳生咲玖夜
:「違うくないけど深い意味は……いや浅くもないけど!?」
柳生咲玖夜
:「うぅ~~~~」
茶川 閂
:「フフ……ははは…!」
柳生咲玖夜
:「何がおかしいのかね!茶川くん!」
茶川 閂
:「……な、咲玖夜」手を取って。「ちょっと抜け出しちゃおうぜ」
柳生咲玖夜
:「はえ?」
柳生咲玖夜
:「抜け出すって……ど、どこに!?」
茶川 閂
:「ん~」
茶川 閂
:少し思案して。
茶川 閂
:何か思いついた様子で。
茶川 閂
:「海とか」
柳生咲玖夜
:「海!!」頭に血が上り、目眩を起こす。
茶川 閂
:「うおっ大丈夫か」体を支える。「……やめとく?」
柳生咲玖夜
:「…………」俯いて暫く沈黙し
柳生咲玖夜
:「…………行きます」
柳生咲玖夜
:「連れてってください。海………」絞り出すように答えた。
N市 海岸
茶川 閂
:波の音を聞きながら車椅子を押している。
茶川 閂
:「そういえばさー」大き目の声で。「咲玖夜の足って、何で動かないんだっけー?」
柳生咲玖夜
:「私の脚ー?」大声で答える。
柳生咲玖夜
:「本当は動くよー。私の脚は」
柳生咲玖夜
:「動かないのは、日那多の脚」
茶川 閂
:「……ん、そっか」
茶川 閂
:車椅子を止める。
柳生咲玖夜
:「日那多は小さい頃に宇宙に上がったきりだから、歩き方を知らないの」
柳生咲玖夜
:「まあ、今は私もお揃いだけどね」脚に巻かれた包帯を撫でる。
柳生咲玖夜
:「茶川くん……?」怪訝な顔で見上げる。
茶川 閂
:「いや、だったらさ」
茶川 閂
:「教えてあげればいいんじゃないかと思って」
柳生咲玖夜
:「……?」
茶川 閂
:「俺の手を取ってみてくれないか?」そう言って手を差し伸べる。
柳生咲玖夜
:「はわっ……」一瞬驚くが、やがて意を決して
柳生咲玖夜
:「はい……」おずおずとその手を取る。
茶川 閂
:すると、ふわりと少女の体が立ち上がる。足に痛みもない。
茶川 閂
:外部からの力によって体が支えられ、動きを手助けしているのだ。
柳生咲玖夜
:「わわっ」
茶川 閂
:「はい、いち、に、いち、に! ちゃんと日那多と意識は共有してる?」
柳生咲玖夜
:「え、嘘……全然痛くない……ってひゃっ」
茶川 閂
:歩幅を合わせて横に。こちらが足をひけば、同じだけ足を出して。
茶川 閂
:(少しだけ、自分の能力が分かった気がする)
柳生日那多
:「え……なになに!?どうなってんのこれ1?」
柳生日那多
:少女の瞳が赤と青に明滅し、その度似たような言葉が口をつく
茶川 閂
:「俺が動かしてるんだ! 最初はさ、地上で足を動かすっていうのがどういうことか体験してみようぜ!」
茶川 閂
:(あの魔星と近い……けど、同じじゃない。俺の力は、透明なんだ)
柳生日那多
:「そ、そんなこと言っても私初めてで……うわっ」
茶川 閂
:「ほら、ターンだ!」
柳生日那多
:「うひゃあああ!」
茶川 閂
:「~~~♪」鼻歌を歌いながら。
柳生日那多
:茶川くんのリードに合わせて、つま先から身体ををくるりと回す
茶川 閂
:(使いこなしてるつもりだった……いや、あれはあれで合ってはいたんだ。出力を過剰にして、攻撃に使って……それが一番だと思ってた)
茶川 閂
:「いち、に、いち、に! 咲玖夜はどうだ? 足、痛くないか?」
柳生日那多
:「ちょ……っこれ……!」大声で狼狽える
柳生咲玖夜
:「ふ……あははっ」笑い声が漏れる。
柳生咲玖夜
:「うん……!全然平気!それに……」
柳生咲玖夜
:「面白い、あははは!」
柳生日那多
:「笑うな咲玖夜~~!」
茶川 閂
:「心配するなって! 日那多なら、地上でだってすぐにでも自由になれるさ……」
茶川 閂
:(だけど違う。俺の力は、もっと、きっと……)
柳生日那多
:「茶川くん……」
茶川 閂
:「んー?」
柳生日那多
:「ううん。ありがと」にこりと笑って
柳生日那多
:「でも!私の脚は17年怠け続けた筋金入り!」
柳生日那多
:「小一時間程度のレッスンでどうにかなるものではない!」
柳生日那多
:自信満々に言い放つ
茶川 閂
:「どういたしまして、っと」ストン、と少女を車いすに座らせて。「へへ……分かってるよ」
柳生咲玖夜
:「だからさ、茶川くん」
柳生日那多
:「また踊ってくれる?ここで」
茶川 閂
:「ああ。何度だって」
茶川 閂
:「すぐってのは無理かもしれないけど。ゆっくりさ」
茶川 閂
:(きっと、俺だって……)
茶川 閂
:「ゆっくり変わっていけるさ」
GM
:一人の少年と、二人の少女は踊り続ける。
GM
:砂浜に、ふたつの足跡を残しながら。
---
GM
:茶川閂、ED終了!
GM
:お疲れさまでした!
茶川 閂
:お疲れさまでしたー!
【ED:百代まりあ】
斑鳩セキュリティサービス 事務所
GM
:君は、今回の任務の報告と事後処理の打合せを行うべく
GM
:仲間とともに、斑鳩セキュリティサービスへと赴いていた。
吉沢龍剣
:ぱちぱちッ ぱちぱちぱちッ
吉沢龍剣
:タタタターンッ
吉沢龍剣
:どふこー!
GM
:いたのだが……
吉沢龍剣
:「しゃらー!アタシの勝ちィ!」
百代まりあ
:「龍剣!!」
柳生日那多
:「ぎゃあああああーーーーーー!!また負けたーーーーーーー!!??」
吉沢龍剣
:事務所のテレビでスマブラやってます
百代まりあ
:「人が崖の外に出たら戻るまで待って頂戴!!」
百代まりあ
:「マナーがなっていないわよ!!」
吉沢龍剣
:「知らねーよタコ助、何がマナーだ」
吉沢龍剣
:「復帰できないのが悪いんですゥ~~」
吉沢龍剣
:んべーと舌を出している、大人気がない!
柳生日那多
:「ていうか何で二回しかジャンプできないんだよー!!」
吉沢龍剣
:「アタシは初心者でも容赦なく勝負の厳しさを教えていく」
百代まりあ
:「あっ龍剣!そのボールはわたくしのよ!」
百代まりあ
:「さっきあなたが取ったでしょう!次はわたくしの番よ!」
百代まりあ
:「わたくしの……龍剣!!」
吉沢龍剣
:「オラッ!死ね!イキ死ねッ!」
百代まりあ
:「龍剣!!」
柳生日那多
:「ヤメローーーーッ!!吉沢ーーーーーッ!!」
百代まりあ
:「人を蹴落とすのがそんなに楽しいの!?」
吉沢龍剣
:「楽しいねェ~~~~ッ」
柳生日那多
:「鬼!悪魔!龍剣!!」
百代まりあ
:「人の道を外れたわね……龍剣……!!」
吉沢龍剣
:「なんだ人のことを失礼な」
吉沢龍剣
:「日那多のやつは影でコソコソ」
吉沢龍剣
:「茶川の野郎と乳繰り合ってきたってのになァ」
吉沢龍剣
:によによ
百代まりあ
:「そうなの?」
柳生日那多
:「ハ、ハァ!?何を言っているのか……」冷や汗を垂らしながら
百代まりあ
:「でも、影でこそこそしている分には、何をしようと日那多たちの自由ではなくって?」
吉沢龍剣
:「オラッ!スキが出来たァ!」
百代まりあ
:「公衆の面前でするのはよくないけれど……あっ!」
柳生日那多
:「ウギャアアアアアアーーーー!!!ふざけんなーーーーー!!!!!」
百代まりあ
:「龍剣!!」
吉沢龍剣
:「いやーそうなんだけどなァ」
吉沢龍剣
:「なぜだか隙が出来るわけよ」
吉沢龍剣
:「これが大人の駆け引きな、覚えとけ」
百代まりあ
:「日那多、こうなれば二人で手を組むしかないわ」
百代まりあ
:「なんとかこの暴虐と圧政を止めなくては……」
柳生日那多
:「オッケーまりちゃん!!ここで龍を討つ!!」
吉沢龍剣
:「ンハハハ上等だガキども、必死こいてかかってこいや」
柳生日那多
:「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」
吉沢龍剣
:「どりゃああああああああああ!!!!」
百代まりあ
:「お死にあそばせなさい!龍剣!!」
斑鳩 裂
:パンッ パンッ
百代まりあ
:「あら」
吉沢龍剣
:「あン?」
斑鳩 裂
:その時、三人の後ろから手を叩く音が聞こえる。
百代まりあ
:「あっ手が……あっ……日那多!!」
吉沢龍剣
:「あー、日那多が殺された!」
吉沢龍剣
:「このひとでなしー」
柳生日那多
:「まりちゃん……信じてたのに……!!」
百代まりあ
:「ち……ちが……わたくし……そんなつもりじゃ…………」
百代まりあ
:「違うわ……わたくしは龍剣を……そんな……」
吉沢龍剣
:「その隙にオラッ!」
吉沢龍剣
:ちゅどー!
百代まりあ
:「ああっ!」
吉沢龍剣
:「ふいー」
百代まりあ
:「悪魔……!!」
斑鳩 裂
:「盛り上がってるとこ悪いけど、お茶が入ったわよ~~」
吉沢龍剣
:「茶ァか。丁度喉乾いてたとこだ」
吉沢龍剣
:のそのそと立ち上がりテーブルの方に
百代まりあ
:「ええ……ありがとう裂。いただくわ」
百代まりあ
:同じく席に着く。
斑鳩 裂
:「どうぞどうぞ~~てかあなた達、何しにきたんだっけ?」
百代まりあ
:「……すまぶら……?」
吉沢龍剣
:「アタシは夏目の野郎待ちだ」
吉沢龍剣
:「報酬は手渡しで受け取る主義でな」
吉沢龍剣
:「百代と日那多は知らん」
柳生日那多
:「うわ、いい香り~~!今度深々ちんにも持ってってあげよ」
柳生日那多
:車椅子で近づいてくる。
吉沢龍剣
:「アールグレイだな、しかも上物」
百代まりあ
:「とってもおいしいわ」カップを置いて。
吉沢龍剣
:「高え葉使いやがって、誰の趣味だよ」
斑鳩 裂
:「うーん、誰の趣味だったかなー」
吉沢龍剣
:「……とぼけたアマだ」
吉沢龍剣
:「茶菓子も悪くねェ、労いの気持ちっつゥなら受け取ってやるよ」
吉沢龍剣
:バリバリとマカロンを噛み砕いている
斑鳩 裂
:「もうちょっと有難がって欲しいかなー……」じっとりとした視線
柳生日那多
:「あたしはこの前の件の後処理だよ。"ゆづるは"も半壊状態だから」
百代まりあ
:「あ……そうだわ、わたくしもその件の後処理と、確認に来たの」
斑鳩 裂
:「はいはい。何かしらまりあちゃん」
百代まりあ
:「まず、お聞きしたいのだけれど」
百代まりあ
:「緑蘭の行方はその後、やっぱり分かっていないのかしら」
斑鳩 裂
:「胡緑蘭……FHに雇われていたっていう傭兵ね」
斑鳩 裂
:「残念だけど、こちらでは何も」
百代まりあ
:「そう……ええ、確認しただけだから、大丈夫よ。ごめんなさいね」
吉沢龍剣
:「なんだよ」
吉沢龍剣
:「結局は行方知れずか」
吉沢龍剣
:「アタシはまだツバもつけてねえってのに、勿体ねえ」
百代まりあ
:「あ、そうだわ」吉沢さんに向き直り
百代まりあ
:「龍剣には謝らないといけないわね」
吉沢龍剣
:「あン?」
百代まりあ
:「あなたが会いたがっているという話、緑蘭に伝えるのをすっかり忘れていたわ」
百代まりあ
:「……わざとではないのよ?」不要に念押しするように。
柳生日那多
:「ほほーう……?」面白そうに口元を抑えて
吉沢龍剣
:「今更ンな事を気にしやしねーよ」
吉沢龍剣
:「それに都合よくチャンスが掴めんならそれはそれで構わねーが」
吉沢龍剣
:「アタシは本来、欲しいモンはゼロから奪い取るのが好みだからよ」
吉沢龍剣
:獰猛な笑みを浮かべる
百代まりあ
:「……」胸の内に一瞬、何か感じたことの無いざわつきを覚えるが
百代まりあ
:すぐに振り払い、笑みを浮かべる。「そう、ありがとう、龍剣」
吉沢龍剣
:「ハ」
吉沢龍剣
:「一丁前に照れくさってんじゃねーよ」
百代まりあ
:「……?」目を瞬く
吉沢龍剣
:「それがお前か?百代まりあ」
吉沢龍剣
:「会いてーなら」
吉沢龍剣
:「テメーも会いてェと、そう言え」
百代まりあ
:「会いたいわよ?」当然のように言う
百代まりあ
:「大事なお友達だもの。まだ約束も果たしていないし」
吉沢龍剣
:「そうじゃねーだろ、ったく」
柳生日那多
:「お友達かー……」
吉沢龍剣
:「ま……ガキにゃまだ早ェか?」
斑鳩 裂
:「若いっていいわね~~……」しみじみと頷いている
百代まりあ
:「とにかく、今日ここに来たのは、そのお話じゃないのよ」
百代まりあ
:「あのお仕事に関しての報告があるの」
斑鳩 裂
:「あら、そうなの?粗方の報告は聞いていたと思うけど」
斑鳩 裂
:「何かしら?まりあちゃん」
百代まりあ
:「ええ。わたくしもそう思っていたのだけれど……」
百代まりあ
:「実はあれから、なんだか体調が優れないことがあるの」
百代まりあ
:「あの星の影響かもしれないわ」
百代まりあ
:少し不安げに目を伏せる。
斑鳩 裂
:「あら大変」
柳生日那多
:「だ、大丈夫まりちゃん?宇宙線はこっちで遮断できてたと思ったんだけど……」あわあわしてる
百代まりあ
:「ええ……それか、もしかしたら能力の使い過ぎかもしれないわ」
百代まりあ
:「お医者様は問題ないと仰っていたけれど……」
斑鳩 裂
:「ん~~、ちなみにそれって」
斑鳩 裂
:「どんな症状が出てるのかしら?」
百代まりあ
:「そうね……」
百代まりあ
:「時々、胸のあたりが、こう……」手を動かし
百代まりあ
:「もやもやしたり……」
百代まりあ
:「お腹はいっぱいのはずなのに」
百代まりあ
:「すごくぺこぺこの時みたいに、苦しくなったりするのよ」
吉沢龍剣
:「なるほど」
吉沢龍剣
:「終わりだな、お前は死ぬ」
吉沢龍剣
:ずびし
百代まりあ
:「ええっ……!?」
百代まりあ
:「そんな……!」
吉沢龍剣
:「そいつでポックリ死んだやつを」
吉沢龍剣
:「そりゃあもうゴマンと見てきたからなァ」
吉沢龍剣
:「南無」
吉沢龍剣
:手を合わせる
百代まりあ
:「や、やっぱり悪い病気なの……!?」おろおろして
吉沢龍剣
:「悪い」
吉沢龍剣
:「これからどんどん悪くなるし」
吉沢龍剣
:「下手すりゃ一生治らねェよ」
百代まりあ
:「そ……そんな……!」
百代まりあ
:「何とか治す方法は無いの?龍剣!」
吉沢龍剣
:「だがまァ安心しとけ」
吉沢龍剣
:「丁度特効薬を持ってる奴に心当たりがある」
百代まりあ
:「本当!?」
吉沢龍剣
:「アタシが嘘を言うわけねーだろ」
百代まりあ
:「紹介していただけるかしら!」
吉沢龍剣
:「それがなんの偶然か」
吉沢龍剣
:「紹介するまでもねー、あの緑蘭ってワケだ」
百代まりあ
:「えっ……?」虚を突かれた顔
百代まりあ
:「どうして……? ……あっ!」
百代まりあ
:「中国の……漢方!?」
柳生日那多
:ずるりと車椅子から落ちかける。
吉沢龍剣
:「だっはっはっはっは!!」
吉沢龍剣
:「いやー」
吉沢龍剣
:「さすが百代だ、ご名答だぜ」
吉沢龍剣
:「だがそのカンポーを誰も彼も狙ってるやつがいる」
吉沢龍剣
:「実はアタシもその1人ってワケだ」
吉沢龍剣
:「話が分かったか?」
百代まりあ
:「龍剣も……秘伝の漢方薬を……!?」
吉沢龍剣
:「そうさ」
吉沢龍剣
:「アタシはそいつを飲むのが趣味なんだよ」
吉沢龍剣
:「酒のつまみにいいからよ」
百代まりあ
:「もし手に入ったら、わたくしに分けて頂くわけにはいかない……?」
百代まりあ
:「お礼は何でもするわ」
吉沢龍剣
:「ダメだ」
吉沢龍剣
:「1人に1人前しか、薬は持ってねェんだよ」
吉沢龍剣
:「だから、つまり」
吉沢龍剣
:「横取りされたくなきゃあ」
吉沢龍剣
:ぽいとマカロンを口の中に放り込み
吉沢龍剣
:またバリバリと噛み砕く
吉沢龍剣
:「てめェがアタシよりも先に会え」
百代まりあ
:「……」その目をじっと見つめて、頷く。
百代まりあ
:「……頑張るわ」
吉沢龍剣
:「命がけだぜ?」
吉沢龍剣
:「やれんのか?お嬢様」
百代まりあ
:「当然よ」
百代まりあ
:「だって、わたくしは」
百代まりあ
:「百代まりあだから」
吉沢龍剣
:「らしくなって来たじゃねェか」
吉沢龍剣
:にやと笑って
吉沢龍剣
:「せいぜい追いかけ回しな、宇宙よりは遠くねえだろ」
百代まりあ
:「ええ。わたくし、まだ生きていたいもの。緑蘭にも会いたいし……」
百代まりあ
:「あっ、だけど……」
百代まりあ
:「わたくしの余命は、どのくらいなのかしら……?」不安げな顔
吉沢龍剣
:「さァな」
百代まりあ
:「あとほんの僅かな命だったら、流石に難しいかもしれないわ……」
吉沢龍剣
:「それが明日だったとして」
吉沢龍剣
:「やることがハッキリしてんだ、弱気になる理由があんのか?」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「……そうね」頷き
百代まりあ
:「病気のせいで、少し弱気になっていたかもしれないわ」
吉沢龍剣
:「強気でやれ、いつでもどこでも」
吉沢龍剣
:「小せえ胸張ってな」
吉沢龍剣
:「そういうとこが、お前は面白いんだよ」
百代まりあ
:「ええ。ありがとう、龍剣」
百代まりあ
:「わたくしも、いつでも」
百代まりあ
:「あなたにそう言ってもらえる、私でありたいわ」
百代まりあ
:にこりと笑いかけて、
百代まりあ
:「……そうと決まれば、こうしてはいられないわ」
百代まりあ
:そそくさと荷物をまとめて
百代まりあ
:「今日はお先に失礼するわ。皆、ありがとう。とっても楽しかったわ」
吉沢龍剣
:「おゥ、行ってこい行ってこい」
百代まりあ
:「裂、お茶、とっても美味しかったわ。ご馳走様でした」
斑鳩 裂
:「お粗末様~。いつでも飲みに来ていいからね~」
吉沢龍剣
:「飛び出してって転ぶなよ」
百代まりあ
:「分かっているわ!」玄関で一度、身を翻し
百代まりあ
:「それでは、また」
百代まりあ
:「ごきげんよう」
吉沢龍剣
:「じゃァな」
吉沢龍剣
:「ごきげんよう」
百代まりあ
:恭しく一礼して、晴れやかな笑みを残し、そうして風のように去っていく。
吉沢龍剣
:「夏目の野郎はまだ来やがらねーし」
吉沢龍剣
:首をコキコキ鳴らして
吉沢龍剣
:「うし、日那多、もうひと勝負付き合えや」
柳生日那多
:「りゅ……龍剣さん……」先程から無言で肩を震わせていた
吉沢龍剣
:「あァ?」
柳生日那多
:「いやさ……龍剣師匠!!」龍剣の手を取り、キラキラした視線を送る。
吉沢龍剣
:「はァ?」
柳生日那多
:「アンタ、最高の女だよ……!」
吉沢龍剣
:「なんだいきなり気色の悪ィ」
吉沢龍剣
:「そりゃ元々だ、今更かよ」
吉沢龍剣
:「気付くのが遅ェんだよ」
柳生日那多
:「かっこいい~~~~!!!」
柳生日那多
:「いや、アタシもこうしちゃいられないよね!龍剣さんのおかげで目が覚めた!」
柳生日那多
:「うおおおおーーーーーー!!」
柳生日那多
:凄まじいスピードで車椅子を漕ぎ、事務所を出ていく。
吉沢龍剣
:「あ、オイ!」
吉沢龍剣
:「ちっ、勝負をバックレやがった」
吉沢龍剣
:「やれやれだぜ……どいつもこいつも」
吉沢龍剣
:「ガキってのはアホで向こう見ずで」
吉沢龍剣
:「退屈させねェわ」
吉沢龍剣
:またひとくち
吉沢龍剣
:紅茶を口に含む。今はシュガーレスで。
斑鳩 裂
:「ええ、ホント」その様子を部屋の奥から見守って
斑鳩 裂
:「若いっていいわね~~」しみじみと漏らした
N市 市街
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:街の雑踏で息を切らせて、ハンカチで頬を拭う。
百代まりあ
:勢い勇んで出てきたまでは良かったが、一体どこを探せばいいのか。
百代まりあ
:何しろ、UGNの情報網ですら杳として行方の知れない相手だ。
百代まりあ
:初めて訪れる場所では十三割で迷子になる(一度迷子になり、その後三割の確率でまた迷子になる)百代に、何ができるというのだろうか。
百代まりあ
:「緑蘭~~~?」
百代まりあ
:狭い路地を覗き
百代まりあ
:「どこ~~~?」
百代まりあ
:ごみ箱の蓋を開け
百代まりあ
:「返事をして頂戴~~」
百代まりあ
:自動販売機の下を見て
百代まりあ
:「ご存知かしら?」
百代まりあ
:抱き上げた野良猫に聞いてみても、返事は無い。
百代まりあ
:「うーむ」
百代まりあ
:「困ったなあ……」
百代まりあ
:少し心細くなってきて、しゃがんで猫を撫でながら独り言ちる。
百代まりあ
:「どこを探せば……」
百代まりあ
:考え込んで、以前、友人に言われたことを思い出す。
百代まりあ
:失くしものがあまりに多く、月曜に持っていた荷物が金曜には半分ほどになっている百代に対し、見かねた友人が教えてくれたことだ。
百代まりあ
:『いいですか?まりあさん』
百代まりあ
:『何かものを失くした時は、最後にそれをどこで使ったか、どこで見かけたか思い出すんです』
百代まりあ
:『そこを探してみれば、大抵の場合は見つかるものです!』
百代まりあ
:「ふーむ……」
百代まりあ
:「最後に緑蘭と会った場所……」
百代まりあ
:「……そうだわ!」
百代まりあ
:弾けるように立ち上がった百代の足元、驚いた猫が逃げて行った。
リベレーターズ 本社ビル 跡地
GM
:かつての摩天楼は消え去り、頭上には抜けるような青空が広がっている。
GM
:本社ビルが立っていたはずの場所に建っているのは、古びた小さな教会。
GM
:人はいないようだが、門は開け放たれている。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:広々とした何も無い青空を見上げて、眩しさに目を細める。
百代まりあ
:「……これじゃあきっと、宇宙から見ても分からないわね」
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:少し逡巡したが、結局は吸い寄せられるように教会に足を踏み入れ、中の様子を伺う。
GM
:中には誰もいない。
GM
:礼拝堂にステンドグラス越しに陽の光が指し、聖母の像を照らしている。
百代まりあ
:「……御免ください」少し遠慮がちに声を上げつつ、ゆっくりと像に歩み寄る。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:陽光に照らされる像を、ぼんやりと眺めて。
百代まりあ
:「いるわけ、ない……わね……」
百代まりあ
:溜息混じりに呟く。
GM
:答えるものは居ない。
GM
:聖母の像は、平等に慈愛の眼差しを向けるのみだ
百代まりあ
:少し肩を落として、近くのベンチに腰を下ろす。
百代まりあ
:神父やシスターはいないのかと、少しきょろきょろしていたが、
百代まりあ
:やがて目を瞑り、考え込む。
百代まりあ
:緑蘭がどこにいるのか、まるで手掛かりは無い。
百代まりあ
:世界中探せば、見つかるだろうか。
百代まりあ
:それが些か非現実であることくらいは、百代にでも理解できる。
百代まりあ
:(緑蘭は……)
百代まりあ
:(今、どこで何をしているのかな)
百代まりあ
:(お腹を空かせたり、寒い思いをしていなければいいのだけど)
GM
:その時
GM
:コトリ……と、君の座る横に何かが置かれる。
百代まりあ
:「…………?」
百代まりあ
:我に返って、そちらに目を向ける。
GM
:それは、ロザリオだ。
GM
:銀色に輝く、真新しい
GM
:しかしどう見ても樹脂にメッキしただけの安物の
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:不思議そうにロザリオを見つめ、
百代まりあ
:それから、視線を上げる。
GM
:その先には、誰も居ない。しかし……
胡緑蘭
:「振り向かないで」
胡緑蘭
:君の後ろから声がする。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「……どなたかしら」
胡緑蘭
:「君を攫いに来た者だ」
胡緑蘭
:「……と言いたいところだけど」
胡緑蘭
:「追われてるんだ。仕事を勝手にキャンセルしたからかな?」
百代まりあ
:「あら」くすりと笑って
百代まりあ
:「それは大変そうね」
胡緑蘭
:「うん。大変なんだ」
胡緑蘭
:「君を奪うとは言った。でも僕は」
胡緑蘭
:「君と一緒に逃げるわけにはいかない」
胡緑蘭
:「だから今日はそれを渡しに来ただけ」
胡緑蘭
:「いつか……」
胡緑蘭
:「また奪いに来る」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「そう」
百代まりあ
:「でも、信用できないわね」
胡緑蘭
:「えっ」虚をつかれたような声で
百代まりあ
:「まだ、あなたの顔も見ていないもの」
百代まりあ
:「女の子を食べてしまう、悪い龍なのかも」
胡緑蘭
:「……勘弁してよ。まりあ」
胡緑蘭
:「顔を合わせたら我慢できなくなっちゃうだろ?」
百代まりあ
:「ふふ」
百代まりあ
:くるりと振り向いて、倒れ込むように抱き着く。
胡緑蘭
:「わっ!」
胡緑蘭
:片腕でその身体を抱きかかえる。
百代まりあ
:「……」少しの間、その体温を、実在を確かめるようにして。
百代まりあ
:やがて、そっと身を離す。
百代まりあ
:「あなたのこと、ずっと探していたのよ。緑蘭」
百代まりあ
:「薬を……いえ、今はいいわ」
百代まりあ
:「どうしてかしら。今は苦しくないから」
胡緑蘭
:「……うん、見てた。途中から」
胡緑蘭
:「……そっか」
百代まりあ
:「見ていたの?」
百代まりあ
:「意地悪ね。はやく出て来てくれたらよかったのに」
胡緑蘭
:「……ごめん」
百代まりあ
:「……」
百代まりあ
:その表情を眺めて。
百代まりあ
:「……私のこと、奪ってみせてくれるんでしょう?」
百代まりあ
:「奪うというのは、有無を言わさずするものよ」
百代まりあ
:ぐい、と片腕を引く。
胡緑蘭
:「わっ」体ごと引っ張られる。
百代まりあ
:「わたくしね、せっかちなの。待つのは好きじゃないわ」
百代まりあ
:その顔を覗き込み
百代まりあ
:「あなたがしないというのなら」
百代まりあ
:「私が奪うわ」
胡緑蘭
:「まりあ……?」
百代まりあ
:緑蘭の瞳を見据えて。
百代まりあ
:「UGNにいらっしゃい、緑蘭」
百代まりあ
:「本当にわたくしが欲しいのなら」
百代まりあ
:「これまでの全てを捨てるくらいの、覚悟を見せて」
百代まりあ
:「……いいえ」
百代まりあ
:「あなたの全てを、私に頂戴」
胡緑蘭
:「…………」少しだけ逡巡した後、その目をまっすぐ見つめて
胡緑蘭
:「……まりあは、僕が居ないと苦しい?」
百代まりあ
:「……?」少し不思議そうな顔をして
百代まりあ
:「言われてみれば、そうね」
胡緑蘭
:「さっきの薬の話」
胡緑蘭
:「僕が側にいれば、痛くない?」
百代まりあ
:「……ええ。何故かしらね」
百代まりあ
:「不思議だわ。何かしてくれたの?」
胡緑蘭
:「いや、僕は何も」
胡緑蘭
:「けど、不思議とね」
胡緑蘭
:「僕も、君が側にいると痛くない」
百代まりあ
:「……そうなの?」微笑んで、
百代まりあ
:「不思議ね……。それじゃあ」
百代まりあ
:「いつも一緒にいたほうが、いいかもしれないわね」
胡緑蘭
:「ああ……そうだね、その通り」微笑み返す。
胡緑蘭
:左腕を、君の頬に添える。
胡緑蘭
:「まりあ」
胡緑蘭
:「僕のすべては、君のものだ」
胡緑蘭
:「これまでの何もかもを、捨てても惜しくはない」
胡緑蘭
:「だから────────」
胡緑蘭
:少年と少女の影が近づく
胡緑蘭
:「これだけは、奪わせて」
百代まりあ
:「? 緑────」
胡緑蘭
:その言葉を発すると同時に君の唇を奪う。
百代まりあ
:「────」
百代まりあ
:僅かに目を見開く。
百代まりあ
:「…………」二つの影が離れても、硬直したまま動かない。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「えっ」
百代まりあ
:「えっ? えっ?」
胡緑蘭
:「確かに、頂いた」ニッコリと笑いかける
百代まりあ
:「わーーー!?」
百代まりあ
:顔を真っ赤にして緑蘭を突き飛ばす。
胡緑蘭
:「ってうわーーーー!?」吹っ飛ぶ
百代まりあ
:「な……なんでキスしたの!?どう……どうして!?」
胡緑蘭
:「えっえっ?」
百代まりあ
:「な……何……?えっ……?」
胡緑蘭
:「なんでって……そういう流れだったでしょ!?」
百代まりあ
:唇に手を当てて
百代まりあ
:「そ……そういう流れ……!?」
百代まりあ
:「わ……分からないわ!だって夫婦でもないのにキスなんて……!」
胡緑蘭
:「えぇえ……!?」
百代まりあ
:「は……破廉恥だわ……!」
百代まりあ
:「子供が出来てしまうわ!!」
胡緑蘭
:「出来ないよ!そういう時はもっと……」言いかけて赤面する。
百代まりあ
:「それにわたくし……き……キスなんてしたことがなかったのに!」
百代まりあ
:「初めてだったのよ!初めてキスするならもっと……ロマンチックに……」
胡緑蘭
:「な……っ!」
胡緑蘭
:「今のすっごいロマンチックだっただろ!?」
胡緑蘭
:「あれ以上の何を望んでいたの!?」
百代まりあ
:「教会で……二人きりで……十字架の前で……」
百代まりあ
:「そういうものを想像していたのに……!!」
胡緑蘭
:「……ていうか、それ」
胡緑蘭
:「やったよね……?まさに今」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「…………?」
百代まりあ
:「あ……確かにそうね……」
百代まりあ
:「じゃあいいのかな……」
百代まりあ
:「……いえ!そういう問題ではないわ!!」
胡緑蘭
:「えーもうなんなんだよ~~」お手上げのポーズ
百代まりあ
:「いきなりキスなんて……」
百代まりあ
:「どう責任を取ってもらえばいいの?分からないわ……」
百代まりあ
:「キスなんてしてしまったら、結婚するしかないじゃない……!」
胡緑蘭
:「責任って……」
胡緑蘭
:「いやしようよ」
百代まりあ
:「え?何を?」
胡緑蘭
:「結婚」
百代まりあ
:「け」
百代まりあ
:「…………結婚…………?」
百代まりあ
:「誰が……?誰と……?」
胡緑蘭
:「いや、僕が……君と……」
百代まりあ
:「わたくしが……緑蘭と……?」
胡緑蘭
:「全部捧げるって言ったじゃない。むしろまりあこそ責任を取るべきとは思わない?」
百代まりあ
:「せ……責任……それは……そうかもしれないけれど……」視線を彷徨わせる
百代まりあ
:「まだ恋人でもないのに……いえ……キスをしたから恋人なのかしら……?」
百代まりあ
:「で……でもわたくし、まだ14歳なのに……結婚だなんて……」
胡緑蘭
:「ふ……はは」その様子を見て吹き出す
百代まりあ
:「笑いごとではないわ!!」
百代まりあ
:「大事なお話をしているのよ!!」
胡緑蘭
:「あはははは……!ごめんごめん。面白くなってきちゃって」
胡緑蘭
:「じゃあ聞くけど」
胡緑蘭
:「まりあは、僕と結婚するの嫌?」
百代まりあ
:「え……?」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:しばらく深々と考え込んで。
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「…………嫌…………」
胡緑蘭
:「えっ」
百代まりあ
:「……では……ないけれど…………」
胡緑蘭
:「ほっ……びっくりした……」
百代まりあ
:「でっ……でも!」
百代まりあ
:「まだ結婚は早すぎるわ!ええ!そうよ!」
百代まりあ
:「だから……ええと…………」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:「こ……」
百代まりあ
:「……恋人……」
百代まりあ
:「から…………?」
百代まりあ
:顔を上気させ、小さく震えて言う。
胡緑蘭
:「むぅ……日本の法律って面倒だね……」
百代まりあ
:「法が認めてもわたくしが認めないわ……!!」
胡緑蘭
:「でも、うん」
胡緑蘭
:片腕で君を抱き寄せる。
百代まりあ
:「ひゃ……!」
胡緑蘭
:「恋人から始めよう」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:その顔をじっとりと見つめて。
百代まりあ
:「何だか」
百代まりあ
:「不公平な気がするわ」
胡緑蘭
:「何が?」
百代まりあ
:不意に背伸びをして、顔を近付ける。
百代まりあ
:教会の床に落ちる影が、重なる。
胡緑蘭
:「んっ────」
百代まりあ
:先程よりも少し長く唇を重ねてから、
百代まりあ
:「…………ふふ」身を離し、笑みを浮かべる。
百代まりあ
:「これで、あいこね」
胡緑蘭
:「むぅ……」紅潮した頬を膨らませて
胡緑蘭
:「あいこじゃないよ!結局全部奪われちゃったじゃないか!」ぷりぷりと抗議する。
百代まりあ
:「あらそう?ごめんあそばせ」目を閉じて、珍しく悪戯っぽい表情を浮かべる。
胡緑蘭
:「ぐぬぬぬぬ………!」
胡緑蘭
:「はぁ……まぁ、でも」一息ついて
胡緑蘭
:「龍が一度奪ったからには責任は取るよ」
百代まりあ
:「あら」
百代まりあ
:「玉のように大切にしてくれるの?」
胡緑蘭
:「君がそれで満足できるならね」呆れたような仕草で
胡緑蘭
:「でも無理でしょ。よくわかったよ」
百代まりあ
:「そう?」
百代まりあ
:「それじゃあ、どうしてくれるのかしら」
胡緑蘭
:「そりゃあ………」真っ直ぐに向き合って
胡緑蘭
:「まりあ、どんなことがあっても君を守る」
胡緑蘭
:「だからまりあも、僕を守ってくれ」
百代まりあ
:その瞳を見つめて
百代まりあ
:「……ええ」
百代まりあ
:「例えどんなことがあっても」
百代まりあ
:「あなたを守るわ。緑蘭」
百代まりあ
:「たとえ星が墜ちてもね」
胡緑蘭
:「……墜ちないさ」
胡緑蘭
:「君が、僕の星だ」
百代まりあ
:「…………」
百代まりあ
:少し驚いたような顔をして。それから、心の底から嬉しそうに笑って、頷く。
百代まりあ
:「……ああ、そうね」
百代まりあ
:「多分……私は、ずっと」
百代まりあ
:「あなたに見つけてほしかったのよ」
GM
:教会の鐘の音が鳴り響く。
GM
:その荘厳な響きは、場所も時代も信仰も問わず、常に人々の祈りと共にあるものだ。
GM
:一説にはそれは、人より大きな存在の声を模したものだという。
GM
:龍より生まれ落ちし九子の一柱、名を、
蒲牢
(
ほろう
)
。
GM
:古より鐘楼の守り神として飾られたそれは
GM
:鐘の音を愛する、獣の名である。
---
GM
:百代まりあエンディング、完了!
GM
:お疲れさまでした!
吉沢龍剣
:お疲れ様でしたー!
百代まりあ
:お疲れさまでした………………
吉沢龍剣
:しっかりしろ!!
【ED:吉沢龍剣】
雑居ビル 屋上
GM
:斑鳩セキュリティサービスが事務所を構えるビルの屋上
GM
:君はここで、今回の事件を解決した報酬を受け取っていた。
夏目靖章
:「本当にお疲れ様、龍剣くん。君が協力してくれて助かったよ」
吉沢龍剣
:黒い手袋をはめた指が、パラパラと札を数える。
吉沢龍剣
:「確かに」
吉沢龍剣
:ジャケットの懐に収める。これだけの大規模任務としては多くはない額。
吉沢龍剣
:UGNの規定通りのジャーム討伐1体分の報酬だ。
夏目靖章
:「本当はもっと気前よく払いたいんだけどね」
吉沢龍剣
:「いらねェっつっただろうが」
吉沢龍剣
:「アタシは賞金稼ぎだ、てめェらの用意した額面でジャーム共を潰す」
吉沢龍剣
:「そんだけだ。いつでもな」
夏目靖章
:「それは有り難い。聞いていた以上にプロフェッショナルだ」
夏目靖章
:「しかしあれだね」
吉沢龍剣
:「あん?」
夏目靖章
:「いや、そうまでして賞金稼ぎに拘るのは何故かなと思ってね」
夏目靖章
:「龍剣くんほどの腕前ならいろんな組織から声がかかかるだろうし」
夏目靖章
:「確か、第八の支部長とも縁があるんだろ?」
吉沢龍剣
:「ンなもん、理由なんぞ一つっきゃねえよ」
吉沢龍剣
:「匂いだ」
夏目靖章
:「匂い?」
吉沢龍剣
:「アタシはただ面白そうな匂いのする所に向かう」
吉沢龍剣
:「どいつをぶん殴るかは自分で決める」
吉沢龍剣
:「組織だ規範だの、ンなつまんねェモンとダラダラ付き合っていられるか」
吉沢龍剣
:「人生は短ぇんだよ」
夏目靖章
:「なるほど」苦笑し
夏目靖章
:「後半の部分は、俺も大いに賛同するところだ」
吉沢龍剣
:「だったら逆に聞くが」
吉沢龍剣
:「てめェはどうなんだ?なんでそこにいる?」
夏目靖章
:「殴る仕事は他の誰かがやってくれるからね」
夏目靖章
:「俺は誰かの敵になりたいわけじゃない」
夏目靖章
:「困っている奴の味方になって、守ってあげられるという点では」
夏目靖章
:「UGNは天職だよ。規範は煩わしいが、理念は共感できる」
夏目靖章
:「あと、可愛い女の子とも沢山知り合えるしね」
吉沢龍剣
:「……」
吉沢龍剣
:「てめェも巽と同じクチだな」
吉沢龍剣
:「特にわざわざ最後を付け足す所が、よく似てやがる」
吉沢龍剣
:くっくと笑って
夏目靖章
:「む、そうか……褒められていると受け取っておこう」
吉沢龍剣
:「褒めてるに決まってんだろうが」
吉沢龍剣
:「てめェらみてえなこっ恥ずかしい台詞は、アタシにとっちゃ逆立ちしても出てこねえよ」
夏目靖章
:「ふふ、そういう台詞を臆面なく言えるのも、この仕事の良いところだ」
吉沢龍剣
:「だが、そんな事に命かけてるバカを」
吉沢龍剣
:「間近に見るのは嫌いじゃァねえ」
吉沢龍剣
:「殴る役が必要になったら呼びな」
吉沢龍剣
:「風と気が向いたなら、付き合ってやるよ」
夏目靖章
:「ああ、頼りにしてるよ。吉沢龍剣」
夏目靖章
:「あと、お酒は程々にね」
吉沢龍剣
:「一言多いんだよ、タコ」
吉沢龍剣
:黒い手袋が髪をかきあげる。
吉沢龍剣
:僅かにぎこちない動き。
夏目靖章
:「………その腕、完治していないようだね」
吉沢龍剣
:「目ざといスケベ野郎だな」
吉沢龍剣
:黒い手袋を外す
吉沢龍剣
:《氷の理》+《凍結保存》
吉沢龍剣
:ガラスのように白んだ透明の指先。氷の義肢がその下から現れる。
夏目靖章
:「まあ、そんなことだろうとは思ったよ。サラマンダーシンドロームは特別再生力が高いわけでもない」
夏目靖章
:「だが……綺麗な腕だ」
夏目靖章
:「意外と繊細な仕事もできるんだね」
吉沢龍剣
:「世辞のつもりか?意外っつーのは余計だ」
吉沢龍剣
:「文字通りの奥の手を切ったって奴だ。洒落が効いてるだろ?」
吉沢龍剣
:「茶川や百代には喋んなよ」
吉沢龍剣
:「あいつら。手を付ける時にはみんなの力だの抜かしときながら、その結果で欠けたモンに対しては」
吉沢龍剣
:「自分がもっと上手くやれてればだの背負いこむタチだろうが」
夏目靖章
:「ふふ、よく見ているね。子供好きと言うのは本当みたいだ」
吉沢龍剣
:「ボケ、アタシが好きなのは美少年だけだ」
吉沢龍剣
:「ガキのガキ理屈につきあわされたくねーだけだっての」
夏目靖章
:「そいつは失敬」肩をすくめて
吉沢龍剣
:「……ンなことより」
吉沢龍剣
:手袋をはめなおし
吉沢龍剣
:がきっ
吉沢龍剣
:と首の後ろから腕をまわす
夏目靖章
:「んん?」
吉沢龍剣
:「色男どのは、女がわざわざ弱みを見せてる意味もわからねーのか?」
吉沢龍剣
:「朝まで付き合え、浴びるほど飲むぜ」
吉沢龍剣
:ずいずいとそのまま歩いていく
夏目靖章
:「おやおや、こいつは嬉しいお誘いだ」
夏目靖章
:歩みを合わせて
夏目靖章
:「だが、いいのかい?」
吉沢龍剣
:「何がだよ」
夏目靖章
:「馴染と呑む約束があったんじゃなかったかな」
吉沢龍剣
:「ああ、あいつか」
吉沢龍剣
:「あいつにゃ先約がある。要件が済んだ辺りで呼びつけてやる」
吉沢龍剣
:「……そいつも、朝までかかるかもしれねェが」
吉沢龍剣
:メッセージの連続着信で、ポケットのスマホがぶるぶる震えている
吉沢龍剣
:「つまらねェ事には、なってなさそうだ」
吉沢龍剣
:にやにやと意地悪い笑みを浮かべる。画面は見ない。
夏目靖章
:「ははあ…‥そういうことか」
夏目靖章
:「なら、喜んでお付き合いさせてもらおう」
夏目靖章
:「……今度こそ、経費で落ちなそうだけどね」
吉沢龍剣
:「んはははは!」
吉沢龍剣
:「破産させてやるよ、覚悟しとけ」
吉沢龍剣
:高らかな笑い声を残して、そのまま屋上を去っていく。
GM
:後には、抜けるような青空だけが残る。
GM
:そこに浮かぶ雲は、どこまでも自由に────────
---
GM
:吉沢龍剣エンディング終了!お疲れさまでした!
吉沢龍剣
:お疲れ様でしたー!
【ED:太田止隆】
N市 市街
太田止隆
:第十二地区、路上。
太田止隆
:『斑鳩セキュリティサービス』、試用無人タクシー内。
太田止隆
:運転席に運転手が映像投影されたこの車は、最先端技術とレネゲイドビーイングによる制御で試運用されている、無人都市型人員輸送車両である。
太田止隆
:その後部座席で、太田は端末を耳に当てている。
太田止隆
:「ああ、そうだな。療養は終わりにしても良いんだが……」
太田止隆
:「報告を上げた通り、この街は荒れる。これから、これまで以上に」
太田止隆
:「いざという時、動ける
伏せ札
(
ダウンカード
)
があるべきだろう。元々しばらくは動かない予定だったしな」
太田止隆
:「だからしばらくは、斑鳩のうだつが上がらない警備員をやっているつもりだ。問題ないな?」
太田止隆
:「もしお前の手駒として俺が必要になったら、その時は呼べ。俺はお前の判断を何より信用する」
太田止隆
:「……ああ。時間を取らせたな。息災にしてくれよ。"リヴァイアサン"」
太田止隆
:通信を切り、窓の外を流れる街景に目を移す。
太田止隆
:少し前までその中心にそびえ立っていたタワービルは、もう存在しない。宇宙の色を優しくしたような晴天に、いくつかの雲が流れているだけだ。
太田止隆
:……居酒屋に向かっている所だ。長い経緯を遠回りして桐生嚆矢に再会するための前準備である。
太田止隆
:事件の後始末が終わった頃に、彼の現在のパーソナリティを知っておきたい、と吉沢龍剣に腹を割ったところ、その時その場所を指定されたのだ。
太田止隆
:何の変哲もない居酒屋であった。20歳にもなったが、その手の店に足を運ぶ機会はほとんど存在しない。アルコールを口にした回数は片手の指に収まる。
太田止隆
:(……見るからに酒豪、という女だったからな。あの賞金稼ぎは)
太田止隆
:(俺のようなのを好き好んで長々付き合わせるとは思わないが、必要な情報が手早く入るとは思うべきじゃないだろう)
太田止隆
:(後の予定は今夜中の資料が一つだけだ。夜までに帰れれば問題ない)
太田止隆
:「……止めてくれ」
太田止隆
:音声を認識し、車両が止まってドアが開く。着慣れない私服に、スニーカーでアスファルトを踏む感触が落ち着かない。
太田止隆
:ごみごみした往来を進み、車道から路地を一本。指定された通りの居酒屋はそこにあった。
太田止隆
:(……浮足立つな。落ち着け)
太田止隆
:(これは奴に会うための準備だ。予行演習なんだ)
太田止隆
:(この一度で、こういう店の空気と振る舞い方を身につけて帰れればそれで良い)
太田止隆
:「…………」
太田止隆
:「よし」
太田止隆
:表情を引き締め、意を決して未知なるその扉を開く──
GM
:店内は昼間ということもあって客はまばらだ
GM
:右手の座敷には年季の入った木製のテーブルが並び
GM
:天井角に据え付けられているテレビからは昼のワイドショーが控えめの音量で流れている。
GM
:厨房では店主が串物を炭火で焼いており、
GM
:その向かいにあるカウンター席の中央には────────
"ウールワース"桐生嚆矢
:「────────」ぽとり、と口に運ぼうとしていた焼鳥の串を落とす。
太田止隆
:「────────」 店を眺めていた途中、その姿を見て硬直する
太田止隆
:「──────…………」 しばしばとまばたき
"ウールワース"桐生嚆矢
:「…………ぎ」ぽかんとした表情で君を凝視し
太田止隆
:「…………」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ぎゃーーーーーー!!??止隆じゃねえかあああーーーーーーーー!!??」席を立ち、君を指差しながらバカでかい声で叫ぶ
太田止隆
:「……」
太田止隆
:ギュンッ、と反転して店を出る
太田止隆
:店の前で立ち止まり、過呼吸気味になりながら、今までにないくらいの速度でスマートフォンを取り出し、メッセージアプリを開く。連絡先は『吉沢龍剣』
太田止隆
:『おい』
太田止隆
:『今どこにいる』
太田止隆
:『すぐに来い』
太田止隆
:『どういうことだ』
太田止隆
:『何を考えている』
太田止隆
:『返事をしろ』
太田止隆
:『分かってるのか?』
吉沢龍剣
:一言だけ返信がある
吉沢龍剣
:『いちばん詳しいやつに会わせてやってんだろ』
吉沢龍剣
:『ごゆっくり』
吉沢龍剣
:『♡』
吉沢龍剣
:それっきりだ
太田止隆
:「ふざけ……ッッ!!」
太田止隆
:『おい!』
太田止隆
:『冗談はよせ!』
太田止隆
:『やっていいこととわるいことがある』
太田止隆
:『報酬が不満だったのか』
吉沢龍剣
:無視!!
太田止隆
:『お前に良識はないのか?』
太田止隆
:『事件を通して見直していた評価を』
太田止隆
:『地獄の底まで落とす必要がある』
太田止隆
:『だが今来れば間に合う』
太田止隆
:『まだ間に合うんだぞ』
太田止隆
:『悔い改めてくれ』
太田止隆
:『来てくれ』
太田止隆
:『本当に困るから』
"ウールワース"桐生嚆矢
:「……イ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「…‥オイ」
太田止隆
:『どうすれば良いのか』
"ウールワース"桐生嚆矢
:「おい、止隆」君の後ろから、何度も声がかかる
太田止隆
:『どんな顔を』 「…………」 文字を入力していた指が止まる
太田止隆
:「…………あ、ああ……」
太田止隆
:スマートフォンをポケットにしまい、恐る恐る彼に振り向く
"ウールワース"桐生嚆矢
:「……俺がわかるか?」
太田止隆
:「……分か……」
太田止隆
:ぐっと拳を握って 「……らない、訳が、ないだろ」
太田止隆
:「嚆矢」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「…………」
"ウールワース"桐生嚆矢
:重い沈黙の後
"ウールワース"桐生嚆矢
:ニッ、と獰猛に歯を剥いて笑って
"ウールワース"桐生嚆矢
:君の肩にがっしりと腕を回す
太田止隆
:「うあっ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「……ああそうだよ。太田止隆」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「俺は、桐生嚆矢だ」
太田止隆
:……どんな顔をすれば良いのかわからない、というのは、飾ることなく、過剰でもない本音だったが
太田止隆
:いざその顔を見ると、彼に釣られるように、自然と笑みがこぼれる。
太田止隆
:「……んだよ。そんな確かめるみたいに」
太田止隆
:目を細めて 「俺が、お前に名前を貰った俺、止隆は、この世に一人だけだし」
太田止隆
:「お前は……俺が名前をくれてやった嚆矢は。お前以外にいないだろ」
太田止隆
:応じるように、恐る恐る背中に手を回す 「……久しぶり」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「へっ……その減らず口もまさしく止隆だ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:ぎこちない表情で笑い
"ウールワース"桐生嚆矢
:「久しぶり。逢いたかったぜ、兄弟」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「…………それはそれとして」突如真顔に戻り
太田止隆
:「……ああ、本当にな。会いたか……」
太田止隆
:「……?」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「吉沢の野郎はいつかぜってー殺す」
太田止隆
:「……それな」
太田止隆
:「ぶっ飛ばしてやる、あの女」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「中に入れ、止隆。作戦会議だ」親指で店内を指し
太田止隆
:口角に笑みが浮かぶ 「そうしよう。任せておけよ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「俺とお前が組めば誰にも負けねーってことを、あの女に思い知らせてやる」
太田止隆
:「ああ。キチンと教え込んでやらないとな」
太田止隆
:「俺たち二人が一緒なら……何にだって勝てる」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「はっ……言ったな?止隆」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「そうと決まれば……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:店の扉を開き、中に入っていく
太田止隆
:「まずは敵の分析だ……それと」
太田止隆
:「腹ごしらえだな」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「おう。……おっちゃん!いつものやつ5人前で!」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「あと酒な!奥にある一番いいやつ空けてくれ!」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「せっかくだし付き合えよ、止隆。呑めるだろ?」君に振り向いて
太田止隆
:「……こういう席で飲めないなんて言うと思うか?」
太田止隆
:「こっちだって毎日体張って生きてるんだ。ちょっとやそっとで潰れたりするか」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ばーか、言いそうだから聞いたんだよ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「それじゃあ、ちょっとは大人になった止隆くんに」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「真の大人の付き合いってやつを教えてやるとするかね」ネクタイを緩めながら
太田止隆
:「はっ……よく言うよな。お前が今までどんな風にやってきたかは……知らないし、これから聞き出すが」
太田止隆
:「ナメるなよ。俺がお前を……」
太田止隆
:「……止められない訳が、ないからな!」
N市 公園
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ウオェッ………気持ち悪………」
"ウールワース"桐生嚆矢
:夜の公園を千鳥足で歩くふたつの人影
"ウールワース"桐生嚆矢
:「流石に飲みすぎたな……おっちゃんにも追い出されるし……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「なあ止隆、大丈………」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「おい、止隆……?」
太田止隆
:「あーー……?」
太田止隆
:私服ながら小ざっぱりとまとまっていた風体は、過去のもの
太田止隆
:顔は耳まで赤くなり、髪はぼさつき、ベルトは緩みズボンは弛み、スニーカーはもはや左右逆だ
太田止隆
:ふらつく足取りで冷たい街灯にもたれかかり
太田止隆
:「……やんのか……ぁー?」 げっそりした声で嚆矢へ返す
"ウールワース"桐生嚆矢
:「やんねーよ!……そこまでベロンベロンでんな台詞が吐けるなんざ、感心するぜ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:フラフラと君に近づき
"ウールワース"桐生嚆矢
:「おら、そんなとこで座るんじゃねえ」肩を貸す
太田止隆
:「ヘッ……任せとけよ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:そのまま近くのベンチへと歩いていく。
"ウールワース"桐生嚆矢
:「任せるって何が」
太田止隆
:肩を借りながらへろへろした足取りでベンチまで連れて行かれる
太田止隆
:「負けねえーからな……」
太田止隆
:「俺は勝つからな……お前にも、あのおっぱいでか女にも……」
太田止隆
:「何にだって……へっへへへ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「おっぱいでか女てお前……」苦笑しながら君をベンチに座らせる
太田止隆
:「へへへ、だってでかい……でかいだろ!?」
太田止隆
:「背も高えし。視界におっぱいから入ってくんだよ……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ああ……でかい……何食ったらああなるんだ?」
太田止隆
:「男か? やっぱ……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ぶはっ!何だよ止隆!そういう台詞も言えるようになったのかよ!」
太田止隆
:「いやなんか、言ってたんだよ……美少年がなんとか……」
太田止隆
:「……あっ、機密だったかコレ……?」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ああ……それな……」神妙な面持ちになり
"ウールワース"桐生嚆矢
:「いや機密じゃねーだろ。本人言いまくってるし」
太田止隆
:「そうか……機密漏洩は避けられたな……へっへへ」
太田止隆
:「おっぱい機密漏洩だって止められるんだ……」
太田止隆
:「止隆だからな……」 へろへろ笑いながらつぶやき続ける
"ウールワース"桐生嚆矢
:「おいやめろ!思い出を最悪の汚し方しやがったな!?」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「俺の名前まで変な意味に聞こえちまうだろうが!?」
太田止隆
:「はーー??」
太田止隆
:「ピンピンしといてUGNに連絡もしなかった罪で執行猶予状態の嚆矢さんが~~??」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ぐっ……!」
太田止隆
:「嚆矢は……戦いを始めて、終わらせる……」
太田止隆
:「音の出る矢……嚆矢……戦いの終わり……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「………‥」
太田止隆
:「……お前メチャクチャ声出たりする?」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「あ?何だよいきなり……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「いや出るけどよ。ハヌマーン舐めんなよ」
太田止隆
:「えっ……だって嚆矢……終わる時に出るやつで……音が出るから……」
太田止隆
:「いやハヌマーンとかじゃなくて……っ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「って下ネタの続きか!」
太田止隆
:「……真面目か!」 ばしばしと肩を叩く
"ウールワース"桐生嚆矢
:「痛ったあ!?なんでこっちがツッコまれてんの!?」
太田止隆
:「あはははは! 良いだろ別に! 今さらなぁ!」
太田止隆
:ひとしきり笑った後、息を吐いて 「はーっ……あー、喉乾いた」
太田止隆
:「なんで酒って飲んでも飲んでも飲めるし、喉渇くんだろうな……液体のくせに」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「いやアルコールってそういうもんだし……なんで頭いいのに変なとこでおこちゃまなんだこいつ」
太田止隆
:「はー?」
太田止隆
:「子供じゃねえし……20歳だし……」
太田止隆
:「よっと」 ふらつきながらも立ち上がり 「自販機、自販機ある。なんか飲もう」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「だーもうわかったよ。ちょっと待ってろ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:同じく立ち上がり、財布を取り出しながら自販機の前へ
太田止隆
:「あ、コーラ! コーラだ!」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「何飲むんだ?酒の後ならやっぱ……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「コーラァ?」
太田止隆
:「コーラだよ! 分かるか? あの黒くてツヤツヤした……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「お前コーラ飲めたっけ?」
太田止隆
:「飲める!」 無根拠だが言い切る
太田止隆
:「それでお前もコーラにしろ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「んだよ勝手に決めやがって……」渋々ながらも小銭を投入し
"ウールワース"桐生嚆矢
:「けどまあ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:ガシャンッ、と二本の缶が続けて出てくる。
"ウールワース"桐生嚆矢
:「俺もコーラ飲みたかったんだ」
太田止隆
:「へへへ」
太田止隆
:「気が合うな」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「ほらよ」片方のコーラを放り投げる。
太田止隆
:しっかり受け取る 「つめたっ」
太田止隆
:「問題……温暖化……これでいけるか……?」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「いけるかよ。冷たくねーとコーラじゃねーだろ」
太田止隆
:「そっか……冴えてると思ったんだけどな……」
太田止隆
:「今日イチノイマン細胞動いたと思ったんだが……」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「全世界のノイマンに謝れ」
太田止隆
:「いいよ。そいつらの99%は俺より無能だし……」
太田止隆
:「……なんでコーラ飲みたかったんだ?」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「なんでって……好きなんだよ、コーラ」
太田止隆
:「へえ。好きなのか」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「甘ったるくて、弾けてて、実はちょっとだけ苦くて」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「自由な奴の飲み物なんだ、ガキの頃の憧れだけどな」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「そんでもって」
"ウールワース"桐生嚆矢
:缶のプルタブを開ける。
太田止隆
:「ふんふん」 聞いてる
"ウールワース"桐生嚆矢
:「いつか、お前と飲みたかった」
"ウールワース"桐生嚆矢
:コーラを君の前に掲げる
太田止隆
:「……へっ」
太田止隆
:同じく、パチンと缶の飲み口を開く。炭酸の弾ける小気味よい音が聞こえる
太田止隆
:「俺もだよ」
太田止隆
:「この前初めて飲んだんだけどな」
太田止隆
:「別にそれもマズかったって訳じゃない。その時もうまかった。ただ……」
太田止隆
:コーラを同じくらいの高さに持っていく 「お前と飲みたい」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「はっ……」歯を剥いて笑い
"ウールワース"桐生嚆矢
:「随分遠回りしたな。俺たち」
太田止隆
:「……へ。まったくだ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「けど、ここからまた始められる」
"ウールワース"桐生嚆矢
:コーラの缶を近づける。
太田止隆
:「ああ。それに……ここまでだって、そう悪いもんじゃなかった」
太田止隆
:停滞期間と評した時間に、刹那思いを寄せる。その間に積み重ねてきたもの——得たもの、失ったもの、そのすべて。
"ウールワース"桐生嚆矢
:「へっ、俺もそう思うよ」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「"太田止隆"に」
太田止隆
:「"桐生嚆矢"に」
太田止隆
:軽く缶をぶつける 「乾杯!」
"ウールワース"桐生嚆矢
:「乾杯!」
GM
:夜の公園に、かちり、と金属の当たる音が響いた。
ダブルクロス The 3rd Edition
『ワールド・エンド・モラトリアム』
THE END
GM
:全行程終了!
GM
:お疲れさまでした!
茶川 閂
:おつかれさまでしたー!
太田止隆
:お疲れ様でした!!
百代まりあ
:お疲れさまでした……!!
太田止隆
:グッドゲームオブグッドゲーム!
吉沢龍剣
:おおお
吉沢龍剣
:お疲れ様でしたー!!
GM
:みんなありがとーーー!!
茶川 閂
:メチャクチャ楽しかったです…!!
百代まりあ
:最高でした…………