タイトル



メインログ/雑談ログ




Character


Espoir/アッシュ・ノイ・ジラード (キャラシート)

Sol/ルカ(斑鳩・フォード) (キャラシート)

model-620/クレア・アップルシード (キャラシート)

鉄王Roi de fer/ギルトレット・レッドフォード (キャラシート)

Mélusine / L'Immortelle/デュバリー (キャラシート)

GM:すきゃっと

サブGM:DT

Index


Case01『邂逅/ENCOUNTER』
Case02『叢林死行/HOW TO GENOCIDE』
Case03『伊国超人戦/BATTLE OF ROMA』

【Masterscene1/「オーヴァードは一匹残らず、この世から消してやる」】

Opening
【OP1/アッシュ・ノイ・ジラード】
【OP1/クレア・アップルシード】
【OP1/ルカ】
【OP1/ギルトレット・レッドフォード】
【OP1/デュバリー】
【Interlude】
【OP2/アッシュ・ノイ・ジラード】
【OP2/クレア・アップルシード】
【Masterscene2/灰の中から生まれたもの】
【OP2/ギルトレット・レッドフォード】
【OP2/デュバリー】
【OP2/ルカ】

Middle phase
【Middle1】
【Round1/「ありがとう。私のために、我儘を通してくれて」】
【Round2/「相棒代理、採点をどうぞ」】
【Round3/「想像上の妹が本当は居ないって分かっただけだよ」】
【Round4/「どこかの誰かが、希望を持ってきてくれるかもしれないし」】
【Round5/「そん時にゃ時計を買わせられるだけ持ってくとも」】
【Round6/「誰とでもこう上手くは行かなかったよ」】
【Masterscene3/「退屈で死にそうなんだ。話し相手になってくれよ」】

Climax
【Climax/STRAY BLACK SHEEPS】

Ending
【ED/アイギス】
【ED/クレア・アップルシード】
【ED/アッシュ・ノイ・ジラード】
【ED/ルカ】
【ED/デュバリー】
【ED/ギルトレット・レッドフォード】
【ED/アイギス・2】



【Masterscene1/「オーヴァードは一匹残らず、この世から消してやる」】

アメリカ合衆国 ワシントンD.C.
中央情報長官:「……ブラッドリー補佐官は、博愛主義者なのですね」
GM:静謐な空気に包まれた政府庁舎の一室で、黒人の男が僅かに緊張した声を発する。
GM:その視線の先には、一人の男。
GM:褪せた金髪に碧眼の、壮年の男。神経質そうな顔立ちとは裏腹に、仕立ての良いスーツの上からでも健康的に鍛えられた体躯が見て取れる。
GM:マクシミリアン・ブラッドリー。アメリカ合衆国で大統領補佐官を務める男だ。
GM:山と盛られたサラダを黙々と口に運んでいたが、その手を止め、部下である黒人男に陰気な視線を向ける。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……どうしてそう思うのですか?」
中央情報長官:「……」マクシミリアンの発する雰囲気に、僅かにたじろぎながらも「……補佐官は菜食主義者とお聞きしました」
中央情報長官:「家畜と言えど、生命を尊重する姿勢は素晴らしいと思います。私も見習って……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「短絡的な発想ですね」遮るように口を挟む。
中央情報長官:「……え……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「牛やブタの命など、私は気にしていませんよ。どうでもいい」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ただ、貴方は一頭の牛を成獣まで育てるのに、どれだけのコストが掛かるか知っていますか?」
マクシミリアン・ブラッドリー:「どれだけの草地と水、人手が費やされ、どれだけの温室効果ガスが排出されるのか……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「私はただ、そのような非効率的なことに加担したくない。それだけです」
中央情報長官:「……は、はぁ……」
中央情報長官:困惑したように眉根を寄せる。この男の扱いづらさはよく知っていたが、何度接しても慣れるものではない。
中央情報長官:「……申し訳ありません。あの……それで、今日はどのような御用でしょうか」
マクシミリアン・ブラッドリー:グラスからミネラルウォーターを飲み、ナフキンで口元を拭う。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……国防総省に動きがありました。“船”のルートに、裏口で予算申請が」
中央情報長官:「……それは……」俄かに表情を険しくし「一体、何の予算ですか」
マクシミリアン・ブラッドリー:「通信システムの敷設」
マクシミリアン・ブラッドリー:「今は幾つかの大学と研究機関を繋ぐに留まっていますが、彼らはここに予算を投じ、国家事業として新たに大規模な通信網を作り上げようとしています」
マクシミリアン・ブラッドリー:「パケット通信、と呼ばれるものらしい」
マクシミリアン・ブラッドリー:指先で机を叩く。
マクシミリアン・ブラッドリー:「平たく言えば、電話より大容量の様々な情報を、リアルタイム・双方向に送受信できるシステム……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「恐らくいずれは商業化し、国内のみに留まらず全世界に広がる技術です」
マクシミリアン・ブラッドリー:「それも軍や専門機関だけではない。行く行くは一般家庭まで……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「およそあらゆる情報が、通信網を介して行き来する世界が訪れる」
マクシミリアン・ブラッドリー:「そうなってしまえば、奴らを止める手段は皆無となる」
中央情報長官:「……」途方もない話に、声を失う。俄かには想像しがたい世界だ。この男の妄想ではないのかとも思うが、当然口には出せない。
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴方には、このプロジェクトへの妨害を行ってほしい」
マクシミリアン・ブラッドリー:「手段は問いません。表向きの大々的な活動も、裏での工作も……」
中央情報長官:「い……いや、しかし……」狼狽して
中央情報長官:「“船員たち”が絡んでいるのでしょう?とても止められるものとは……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「止める必要はありません。ただ遅らせてくれればいい」
マクシミリアン・ブラッドリー:「遅滞させている間に、私が腐った豚どもを取り除き、この国を引っ繰り返す」
マクシミリアン・ブラッドリー:まるで当然の既定事項のように、平然と、決然と口にする。
マクシミリアン・ブラッドリー:「やって頂けますね」
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴方を長官にして差し上げたのが誰か、お忘れではないでしょう」
中央情報長官:「……」
中央情報長官:脂汗が滲み、腹の底から重いものが込み上げるのを感じながらも、頷くことしかできない。
マクシミリアン・ブラッドリー:「よろしい」
マクシミリアン・ブラッドリー:「アイギスの状況は?」
中央情報長官:「……アーデルハイドの《ディメンジョンゲート》は90%以上を掌握・監視中です」
中央情報長官:「欧米を中心として、各国で手配網の形成は順調で……」
中央情報長官:「既に構成員も、次々に検挙されつつあります」
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードは?」
マクシミリアン・ブラッドリー:「一般の構成員の話などしていません」
マクシミリアン・ブラッドリー:静かな怒気を感じさせる、有無を言わさぬ口調。
中央情報長官:「ッ……」
中央情報長官:「……いえ……その……」
中央情報長官:「情報は……監視網には何度も掛かっているのですが……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「急いでください」
マクシミリアン・ブラッドリー:「あのような危険な獣の群れが野放しになったままなど、到底許されることではありません」
マクシミリアン・ブラッドリー:憎悪と妄執に濁った瞳。全身から噴き上がるのは、狂気すら感じさせる憤怒。
マクシミリアン・ブラッドリー:「人間に紛れ込んだ、糞虫ども……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「アイギスも、“船員”どもも、どいつもこいつも……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードは一匹残らず、この世から消してやる」



Trailer



1964年、2月。
ローマでの戦いから半年近く。
合衆国大統領ヘンリー・ウォレスの宣言により世界規模で手配された傭兵組織アイギスの面々は、各国に散らばり潜伏と逃亡の日々を余儀なくされていた。
大量のオーヴァードの戦死、イタリアの滅亡、アイギスの失脚、そして明かされた“始祖”の存在。
混沌は渦となり世界を呑み込み、戦乱の波が全てを覆っていく。
国家という巨獣が喰らい合う中、たとえ人を超えようと、個の力などあまりにも小さい。
張り巡らされた包囲網、悍ましく絡み合った陰謀、そして覚醒する第二、第三の“始祖”。
失意の淵、絶望の底。されど戦いは終わらない。
他でもない君達が、その道を選んだのだから。
孤立無援の中、アイギス達は決戦の地を目指す。

Double Cross The 3rd edition
リプレイ・リバース Case04
『星条暗夜航路/STRAY BLACK SHEEPS』
ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。







Preplay


GM:というわけでリプレイ・リバース4話 始めていきましょう
GM:まずは成長の報告とか!キャラシを貼ってアピールしてね
GM:PC1のアッシュくんからお願いします。
アッシュ:d'accord.承った。
(キャラシート)

アッシュ:フランス唯一のオーヴァード戦力、"Espoir"ことアッシュ・ノイ・ジラード。
アッシュ:皆ご存じ、不敗を誇るフランスの英雄。だった。半年前までは。
アッシュ:半年前に何が起きたかまだ知らない君は、先に3話を読んでからまた来な。
GM:何があったんだろうなあ
アッシュ:ともあれ、成長だったな。まずは白兵を11、調達を3に成長。後バリクラも1レベ上げた。
アッシュ:それ以外は新規でメモリーを一つ、エンブレムを二つ、エフェクトを一つ習得。
アッシュ:エンブレムはどっちもUGN本部エージェント用のヤツ。エフェクトは原初の灰で異形の捕食者を取った。
アッシュ:全体的に侵蝕を余り上げないようにしながら火力とかの底上げを図る方向かな。
GM:安定感が上がってる
アッシュ:後変異暴走になったからダイスは減るけどリアクションが出来るようになった。連携に活かしていきたいとこだな。
アッシュ:メモリーに関しては多分シナリオ中触れることになる。初期ロイスの感情も。
アッシュ:何でそのときのお楽しみってことで。報告としてはこんなとこかな。
GM:OK!そんなアッシュくんのハンドアウトはこちらです

アッシュ・ノイ・ジラード
シナリオロイス:ミルシュカ・ヴェルレーヌ
君はかつてフランスが誇る英雄だった。
突如として姿を現した“デリュージュ”との交戦により、君は大きな負傷を受けた。
長い昏睡状態から意識を取り戻した君を待っていたのは、君もアイギスの協力者として追われる身となったこと、
そして故国であるフランスが各国により武力制圧、占領されたという現実だった。
そんな君にミルシュカが引き合わせたのは、ある意外な人物だった。


GM:寝てる間に国が滅んじゃった
アッシュ:随分と寝坊をしたもんだな、我ながら
GM:色々大変そうだけど頑張って!
GM:次!PC1のルカくんお願いします!
ルカ:はーい!
ルカ(キャラシート)
ルカ:ハロー!ルカだよ~
エミリア:ルカ~
ルカ:出てくるな!
GM:ちゃんとハンカチ持った?
ルカ:母ちゃん!
ルカ:というわけでNYのストリート出身、オーヴァードの妹を失った元米軍兵士です。
ルカ:前話では、オーヴァードのおともだち100にんできるかな?っていっぱい話しかけてみたり、
ルカ:地元の友人と再会を果たしたり、青春ストーリーを繰り広げましたね!
GM:たのしい青春
ルカ:今回の成長では、まずそんな青春ストーリーの思い出の証として、メモリーをふたつ獲得しました。
GM:たのしい思い出
ルカ:新規エフェクトは《デモンズウェブ》とアージエフェクト《異形の捕食者》。
ルカ:カバー時のダメージ軽減を狙いつつ、あわよくば攻撃力も増やしたいなあというプランです。
ルカ:更に白兵と調達技能を上げました。
ルカ:細かいとこですが、前話から半年間逃げ回ってたみたいなので、
ルカ:その間に裏社会の情報調べるツテができたんじゃないかなあということで
ルカ:コネ:情報屋を獲得したのがコダワリのフレーバー成長な感じです。
ルカ:以上です!今回もがんばるぞ~ よろしくお願いします
GM:ちゃんとしてるな~
GM:そんなルカくんのハンドアウトはこちら!

ルカ
シナリオロイス:エミリア
君は元兵士にして、世界の裏切者たるアイギスの一員だ。
まだ傷も癒えぬままに逃亡者となり、エミリアと共に路頭に迷っていた君は、ある親切な女性に拾われた。
ハナと名乗る彼女は、君たちをオーヴァードと知らぬまま親切に接してくる。
一方でエミリアは、自らの出自に衝撃を受け、塞ぎ込んでいた。
このままではいられないと思いながらも、他に行く宛も居場所も無い日々。
そんな中、君はハナの同居人として、思いがけない相手と出くわすことになる。


GM:しばらく逃げ回ってたらなんか親切な人に拾って貰えます
ルカ:もしかしてリプレイ・リバース4話って……どきどき☆同居☆ラブトライアングルなんですか!?
ルカ:緊張しちゃうな…
GM:さらに追加ヒロインも出るからね 楽しみにしててね
ルカ:やった~たのしみ~
GM:ではお次はPC2!クレアくんお願いします
クレア:うむ!
クレア(キャラシート)
クレア:クレアだよ~
GM:クレアくん~
クレア:傭兵部隊アイギスの兵士で、現行最強のオーヴァード"リッケンバッカー"の複製体。
クレア:前話では親友の死を経て一回り成長し、他国のオーヴァードといっぱい交流しました。
GM:ほんとにいっぱい交流してたな……
クレア:因縁の相手も特に居ないしのんびりしてたら最後は山奥に飛ばされ、冴えないおじさんに拾われちゃった!これからどうなっちゃうの~!?
GM:色気がなさすぎる
クレア:という感じで田舎のスローライフを満喫していきたいと思います
GM:あつまれオーヴァードの森
クレア:成長は、《巨匠の記憶》LV1、《拡散する世界》LV1、《力の法則》LV3、Rバランサーを新規取得 射撃6⇒9、意志1⇒3に上昇させました。
クレア:オルクスの強力な便利エフェクトでチームパワーの底上げを図った感じです
GM:だいぶ器用になってる
クレア:スローライフでいろいろな経験をしたため、ミドルにもだいぶ強くなりました
GM:スローライフってすごいんだなあ
クレア:今回も美味しい所を撃ち抜いていきます。よろしくお願いします!
GM:美味しいクレアくんのハンドアウトはこちら!

クレア・アップルシード
シナリオロイス:“リッケンバッカー”
君は“リッケンバッカー”を基に造られた実験体だ。
君はフィンランドの山奥でリッケンバッカーに拾われ、彼の甥として匿われている。
彼と共に山で働きながら、時折麓で賑やかに酒を酌み交わす、牧歌的な日々。
君は最強のオーヴァードと言葉を交わし、英雄の真実を知ることになる。


GM:元兵士の俺が北欧で悠々自適スローライフ!?
クレア:するか、外れスキル無双
GM:ではお次はPC4のギルくんお願いします!
ギル:は~い
ギル(キャラシート)
ギル:やあ、こんにちは。この村で漁師をやっているギルトレットだよ。
ギル:この村にやってきたのは最近でまだまだわからないことだらけだけど、
ギル:恋人である舞と一緒に毎日幸せに過ごしているよ。
GM:そ、そうなんだ……へえ……
ギル:体重もかなり増えちゃったよ。
GM:幸せ太りしてる……
ギル:成長は新しいエフェクトとして《武芸の達人》を取りました。
ギル:それから射撃を4から11に、調達を14から16に、意思を1から4に上げたよ。
ギル:漁師なので勿論水産学の知識もバッチリさ。
ギル:全体的に侵蝕値が上がらないように地力を上げた感じですね。
GM:これはどう見ても漁師ですね……
ギル:しかし武芸の達人とは一体……?僕はただの漁師のはず……うっ頭が……
ギル:という感じでやっていきたいと思います。よろしくね。
GM:よろしくお願いします!ギルくんのハンドアウトはこちら!

ギルトレット・レッドフォード
シナリオロイス:舞・R・アーデルハイド
君は最近この小さな漁村に越してきた漁師だ。
君は舞と共に、争いとは無縁の静かな日々を送っていた。
心優しい住人たちに囲まれた、穏やかで満ち足りた生活。
あるいは最初から、君はこの村で生まれ育ったのだっただろうか?
そんなある日、舞は君にひとつの昔話を語り始める。


ギル:舞から大事な話があるみたいだけどなんだろうな~
GM:なんでしょうね 漁が大漁だったのかな
GM:ラスト!PC5のデュバリーさんお願いします!
デュバリー:デーバデュバデュバ
デュバリー(キャラシート)
デュバリー:娼婦たちの母、"メリュジーヌ"ことデュバリーです。
デュバリー:前回はイタリアの友人と木々と人々を焼かれ、今回は今回でおそらくアメリカ野郎に追い回されたりしているので、だいぶ疲弊していそう。
GM:かわいそう
デュバリー:ストレス発散に適当にその辺の男搾ってポイ捨てしてるかも。世界がこれくらいシンプルならいいのにね
GM:急にドスケベ情報出してきたな
デュバリー:成長面は《スモールワールド》《反転する運命》という小さめながらもダメージと防御力を稼ぐ切り札を新たに取得。
デュバリー:また、感覚上昇で射撃を安定させつつ行動値も底上げ。さらにARショットガンで妨害能力を高めました。先に動いて足を奪う!
GM:さらに小賢しくなりおって……
デュバリー:以前は武器は必要になったら確保してたんだけどね。色々荒っぽくなってしまったってわけ。
デュバリー:あんまり逆転の目がないなら手を引きたいんだけど……みたいな空気を出しつつ、例の『女』がいるのでまだ多分引けません。よろしくお願いします。
GM:OK!そんなデュバリーさんのハンドアウトはこちら!

デュバリー
シナリオロイス:“アレンデ”
君は娼婦の互助組織“メリュジーヌの娘たち”の指導者だ。
アイギスの協力者として君もまた追われる身となり、欧州各地を転々としていた。
“娘たち”の情報網を用い、舞と共に情報収集と連絡役を務める君のもとに、ひとつのコンタクトが届く。
そうして君が顔を合わせたのは、“アレンデ”を名乗る謎めいた人物。
その口から語られるのは“プロホロフカの惨劇”、その全ての真相だった。


GM:なんか知らんやつと会います
デュバリー:真相もいいけど、アメリカ大陸爆砕スイッチがほしいな。
デュバリー:とはいえ、お前から話を絞り出さなければ始まらん……会いましょう。そして全てを吐いてもらう。
GM:頑張って搾ってください
GM:というわけでリプレイ・リバース第4話 始めていきましょう。



【OP1/アッシュ・ノイ・ジラード】

オランダ ユトレヒト
GM:……穏やかな光の中で、君は目を覚ます。
GM:知らない部屋、知らないベッドの上。小さな室内に、ブラインドから午後の光が差し込んでいる。
GM:どこかのアパルトメントだろうか。緩やかな空気と静けさの中、どこか遠くから子供のはしゃぐ声が聞こえてくる。
GM:何があって、どうしてここにいるのだったか、記憶は曖昧だ。
アッシュ:「……」 ゆっくりと瞬きを一つ。少しだけぼやけた青い瞳が知らない天井を映す。
アッシュ:体は重たいようにも軽いようにも感じた。身を起こせば、下したままの髪が首元を掠め少しくすぐったい。
GM:そうこうしていると、ガチャリと音がしてドアが開く。
ミルシュカ:「~♪」
ミルシュカ:ミルシュカだ。ラフな服装、小さく鼻歌を歌っている。
ミルシュカ:片手に持った水の盆をサイドテーブルに置き、服の袖を捲る。
ミルシュカ:そうして手を伸ばし、慣れた様子で君の二の腕あたりをぐい、と揉もうとして。
ミルシュカ:「……?」
ミルシュカ:はたと目が合う。
アッシュ:「……あー」
アッシュ:試しに出した声は酷く掠れている。まるで随分使っていなかったラジオのように。
アッシュ:「おはよう、で良いヤツかな。コレ?」
ミルシュカ:「……」
ミルシュカ:瞠目し、唖然と口を開く。
ミルシュカ:「……アッシュ!?」
ミルシュカ:大声を出して「ちょっと、やだ……いつ起きたの!?」
アッシュ:「おわ」 耳になれない大声に、片手で彼女が座っている側の耳を塞ぐ。
アッシュ:「いつも何も、キミが入ってくる直前だけど。気づかないことある?」
ミルシュカ:「だってあなた、ずっと寝てたから……」
ミルシュカ:「もう……心配させないでよ!このままずっと起きないのかと思ったんだから……」
ミルシュカ:そう言いながら、瞳は微かに潤んでいる。
アッシュ:そこでようやく、状況に脳が追い付く。『ずっと寝てた』という言葉のお陰で。
アッシュ:「ゴメン。世話かけたみたいだな」
ミルシュカ:「はぁ……」君の手を両手で握り、俯く。「良かった……」
ミルシュカ:しばらくそうしていたが、それからパッと顔を上げて。
ミルシュカ:「覚えてる?何があったか」
アッシュ:「覚えてるよ。くっきりと」
アッシュ:何せ、ついさっきまでその光景を見ていたのだから。
アッシュ:こうして意識がハッキリとした今なら分かる。自分は眠っていて、そして夢の中であの光景を繰り返していた。
アッシュ:式典に姿を現した傷痍軍人。悉く受け流された影。体の中を貫いていく血の――水の刃。
アッシュ:「デリュージュは、フランスはどうなった?アレからどれだけ経ったんだ?」
ミルシュカ:「……そう。覚えてるのね」君の顔を見ながら頷いて。
ミルシュカ:「そうね……色々あったんだけど……掻い摘んで説明するわね」
ミルシュカ:「あれから4ヶ月経って、今は年が明けて1月」
ミルシュカ:「あの時、丁度私たちは式典に出ていて知らなかったけど……」
ミルシュカ:「同じ時、戦艦ルイジアナ……アイギスも襲撃を受けていたの」
ミルシュカ:「アメリカ大統領がアイギスに濡れ衣を着せて宣戦布告したのよ。アイギスは大きな被害を受けて……」
ミルシュカ:「ルイジアナは廃艦になって、メンバーも……舞さんが出来るだけ逃がしてくれたみたいだけど、散り散りになっちゃった」
GM:戦艦ルイジアナが破壊されたため、このセッション中はルイジアナの効果を使用することはできません。
ミルシュカ:「アイギスは世界中で手配されて、今も追われてる。デュバリーさんみたいな協力者も同じ立場」
ミルシュカ:「……それで……」
ミルシュカ:言いづらいことを言おうとするように、君の顔色を伺う。
アッシュ:「良いよ、遠慮ナシで」
ミルシュカ:「……」溜息を吐いて「……貴方が居ない間に、フランスは占領されてしまった」
ミルシュカ:「ドイツを始めとした何カ国かの分割統治……。ソビエトの“バーバヤガー”が死んだでしょう?それで動きやすくなったドイツは今、どんどん勢力を拡大してるの」
アッシュ:「……そっか」 彼にしては酷く静かな相槌。その瞳も不思議と凪いで、如何なる感情も読み取れない。
ミルシュカ:「……」気遣わしげに君の顔を見て。
ミルシュカ:「……私もあちこち動いて、何とか連絡を取り合ったり、情報を集めたりしてるんだけど……中々上手く行かなくて」
ミルシュカ:「正直、今は生き延びるのが精いっぱいって感じ。舞さんも頑張ってるみたいだけど……」
ミルシュカ:「アイギスが反撃するには、まだまだ及ばないわ」
ミルシュカ:重い息を吐くが、それから明るい表情を作る。
ミルシュカ:「……でも、貴方が目覚めてくれたのは、久々に明るいニュースだわ」
ミルシュカ:「知らせたらきっと皆喜ぶわよ。……まあ、連絡も中々出来ないんだけどね」
アッシュ:「……ミルシュカ」
アッシュ:「『まだまだ及ばない』って言ったな?今」
ミルシュカ:「言ったけど……何?」
アッシュ:「反撃に及ぶ気があるって解釈で良いんだな?それ」
アッシュ:言いながらベッドを降りる。少し平衡感覚が狂うものの、近くの壁に手を付きながら立ち上がった。
ミルシュカ:「おっと……ほら」肩を貸して支え
ミルシュカ:「何言ってんのよ。当たり前でしょ!」
ミルシュカ:「このまま泣き寝入りなんて、出来る訳ないじゃない!」
ミルシュカ:「そうでしょ?あなたも」
アッシュ:「ははっ。そうだな、勿論」
アッシュ:「ちょっとばかり寝ぼけてたんだって。キミも大概負けず嫌いなのが飛ぶくらいに」
アッシュ:そう言いつつ、バランスを取り直す。オーヴァード故か、これまでの鍛錬故か。4か月寝たきりでいた割には動けそうだ。
ミルシュカ:「そう言うと思ったわ」不敵に笑って
ミルシュカ:「起きてくれてよかった。苦労が無駄にならず済んだわ」
ミルシュカ:「リハビリなら、うってつけの相手がいるわよ」
GM:丁度その時、二人の声に気付いてか、部屋の外から静かな足音が響いてくる。
アッシュ:「へえ?その状況下でオレに会おうなんて物好き、そんなに浮かばないけど」
アッシュ:そう返しながらも足音に気付き、扉へと視線を向ける。
ベルナデット:「……ここに来たのが」扉を開いて。
ベルナデット:「……骨折り損にならなくて何よりです」
アッシュ:「……マジ?」
アッシュ:思わずミルシュカの顔を見返す。
ミルシュカ:「丁度フランスが滅茶苦茶になったからね。脱獄させるのもそんなに苦労は無かったわ」
ミルシュカ:「ここまで来てもらうほうが大変だったくらい」
ベルナデット:「随分と待たせてくれましたね。アッシュ・ノイ・ジラード」
アッシュ:「はは。うん、そうだな。4か月ってのは自分でもヤバいと思ってたとこ」
アッシュ:「でも、先生が付いてくれるなら4か月分くらい精々1週間で取り戻せるだろ?」
ベルナデット:「どうでしょう。一打ちで一生分失うことになりませんか?」
ベルナデット:「言っておきますが。加減はしませんから」
ベルナデット:「そんなもの不要でしょう?」
アッシュ:「当然。あの頃じゃあるまいしな」
アッシュ:「本気の先生と本気でやるのが一番良い。取り戻すのも、それ以上にするのもすぐだ」
ベルナデット:「結構。鳩の帰りを待っては遅い」
ベルナデット:「荒波など分け入って踏み入るようにさせましょうか」
アッシュ:「ああ。波どころか海ごと割れるくらいまで頼むよ」
アッシュ:「聖人のお株を奪いに行く気でさ」



GM:シーン終了。ロイス取得可能です。
アッシュ:ミルシュカに〇感謝/謝意、先生に〇期待/敵愾心で取得します。



【OP1/クレア・アップルシード】

GM:登場侵蝕をどうぞ。
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (30 → 35)
フィンランド
GM:乾いた木の割れる子気味よい音が、深い針葉樹林にテンポよく響いている。
GM:君の腕には斧、目の前には薪。
GM:ここで暮らし始めて半年近く。こうして薪割りをするのにも、もう随分と慣れてきたところだ。
クレア:両手で振りかぶった斧を振り下ろすと、カコンッと高い音を立てて巻が二つに割れる
クレア:イメージに反して、腕の力は使わないらしい。膝を使って、全身の体重と遠心力を斧の先に伝える。
クレア:「ふぅ……」額の汗をタオルで拭いながら、次の薪を手に取ろうとした所で
クレア:掌が空を切る。「ん、これで終わりか……」
リッケンバッカー:薪割りを終えた君のもとに、巨大な丸太を軽々と担いだ大男がのしのしと現れる。
リッケンバッカー:「おう、クレア。調子は……」
リッケンバッカー:「おいおい何だ、もう終わったのか!」
リッケンバッカー:無精髭を生やした中年の男。どう見ても木こりにしか見えないが、世界最強を謳われるオーヴァード、エディ・リッケンバッカーだ。
クレア:「毎日やっていれば、コツくらいは覚える」
リッケンバッカー:「いやぁ、それにしたって筋がいいぜ。お前さんは物覚えが早いな」
リッケンバッカー:「どうだい、傭兵なんてやめて本格的に木こりをやるってのは」
クレア:「いや、自分には向いていない」斧を木の切り株に打ち付ける。
クレア:「一生かかってもそんな丸太を持ち歩くのは無理だしな」
クレア:長かった冬が漸く明けて、少し暖かくなってきた。嘗てのギリースーツではなく作業着を着て仕事に精を出す姿は
クレア:言葉とは裏腹にそれなりに様になってはいた
リッケンバッカー:「ははは!これは俺だけだよ」笑って「にしても、随分元気になったもんだなあ」
リッケンバッカー:「秋ごろに拾った時は、死んでんじゃないかと思ったもんだが……」
リッケンバッカー:「色も少し焼けたんじゃないか?もっと青白かった気がするぜ」
クレア:「そうかもな」本来、コントラストがはっきり付いていた左右の腕の肌を見る。
クレア:髪を後ろにまとめているせいで、顔の継ぎ接ぎもはっきりと見えている。ここでは誰も気にしないので、自分も気を使わなくなった。
リッケンバッカー:「よし!」君の背を無遠慮に叩く。力が強い。「仕事も済んだし、今日は麓に出るか!」
クレア:「また麓か。買い出しなら前に済ませただろ?」体を揺らして、怪訝な顔で見上げる。
リッケンバッカー:「何言ってんだ、酒場だよ、酒場」
リッケンバッカー:「お前もこんなおっさんとずっと二人じゃつらいだろ!たまには遊んでも誰も文句言わねえよ」
クレア:「毎回そう言って、好きなだけ酔いつぶれても良いようにお伴が欲しいだけだろ。リッケンバッカー」
クレア:呆れた様子でため息をつく。
リッケンバッカー:「はははは!バレてたか!まあいいじゃねえか!」
リッケンバッカー:「老い先短いおっさんにそれくらいしてくれたってバチは当たらんぞ!ほら、行くぞ!」
リッケンバッカー:朗らかに笑って君の肩を叩き、またのしのしと歩き出す。
クレア:「……わかったよ」気のない返事を返して、その後姿を見つめる。
クレア:見れば見るほど、自分を含めた兄弟たちと同じ遺伝子の持ち主とは思えない。ごく普通の中年男性だ。
クレア:ただ、無遠慮に背中を叩かれる感覚には、どこか懐かしいものがあった。
クレア:「……妙な所で似るもんだな。ジョニー」
GM:夕刻。酒場の立ち並ぶ麓の町は、大勢の酔客たちで賑わいを見せていた。
GM:リッケンバッカーは君を甥だということにして、時折こうして麓に降りていた。今のところ、君がアイギスのお尋ね者だと気付く者は誰もいない。
GM:二人で酒場に入ると、店の注目が一斉に君達に集まる。
ネイカ:「よお、エディ!エディじゃねえか!」
ゲザーン:「久しぶりだなあ!ようやく降りてきたか」
ドゥスル:「どうする?まずはビールでいいか?」
リッケンバッカー:「ああ、何でもいいから飲みたいな。上じゃ安いラムばっかりでなあ」
オノーナメ:紳士的な物腰の男が、カウンターで苦笑する 「まったく、皆さんそんなに寄ってたかってはエディも、クレアさんも困りますよ」
オノーナメ:「斧の具合は大丈夫ですか? 相談があれば言ってくださいね。うちには色々ありますから」
ネイカ:「おっ、今日はクレアも一緒か?」
クレア:「おじさんを一人にすると後々面倒だからな」この呼び方にも慣れた様子で
カンバーヌ:「く、クレア君久しぶり!えっと、注文は……」
クレア:「久しぶり、カンパーヌ。エールを頼む」
カンバーヌ:「え、エールね!分かった!」 パタパタとカウンターへ駆けていく。その頬はどことなく赤い。
ゲザーン:「相変わらず細っけえなクレア!ちゃんと食わせてもらってんのか?」
サマンナッタ:「甥っ子くんも元気してた~?随分様になったじゃない」
サマンナッタ:「エディもこき使ってないでしょうね」
リッケンバッカー:「んなことしてねえよ!大事な甥っ子だもんな。なあクレア!」
クレア:「どうかな。ここの厨房で雇ってくれるならぜひお願いしたいところだが」
リッケンバッカー:「おいおい、冗談きついって……」
グノタ:「それよりエディ、最近どうなんだよ?」
グノタ:「ドイツの連中とやり合ったらしいじゃねえか。最近物騒だし、大丈夫なのか?」
クレア:「……」
GM:クレアの知る限りの半年の間でも、リッケンバッカーは何度となく出撃している。
GM:その度にオーヴァードと交戦しているのだろうが、毎回まるで何事も無かったかのように帰ってくるのだ。
リッケンバッカー:「おいおい……何言ってんだよ」やれやれとかぶりを振って
リッケンバッカー:「この俺がいるんだぜ?大丈夫に決まってるだろ」
グノタ:「そ、そっか……そうだよな!」
ネイカ:「ああ、何万人の軍人よりも、エディのほうがよっぽど頼りになるぜ」
オノーナメ:「エディがいてくれて助かりますよ。きっと他の国……例えば今のフランスなんかだったら、ささやかな趣味すらままならないんでしょうね」
サマンナッタ:「最近あのへん物騒よね……どうしてこんな様になったんだか」
ドゥスル:「どうする?ここにも敵が攻めてきたら」
カンバーヌ:「そんな不吉な話してたらお酒がマズくなっちゃいますよ」
カンバーヌ:そう言いながら運んできたお酒をそれぞれの前に並べて。
カンバーヌ:クレア君の前には小皿に盛ったクッキーもそっと置かれる。
クレア:カンパーヌの気遣いに気づいて、口の動きだけで礼を言う。
カンバーヌ:また頬を赤くしながら気にしないでというように手を振る。
ネイカ:「心配ねえって。なんたってエディがいるんだからさ」
リッケンバッカー:「ははは!そういうこった!」
リッケンバッカー:「何人来ようと俺の敵じゃない。だからみんな、安心してくれていいぜ」
サマンナッタ:「でもいくら英雄様になったって、こいつは相変わらずの飲んだくれだよ」
ネイカ:「アハハ!そいつは違いねえ!」
ゲザーン:「おいみんな!俺達の英雄に乾杯しようぜ!」
クレア:「……」半年間、幾度となく聞いてきたやり取りを、どこか遠い出来事のように聞いている。
オノーナメ:唇を舐め、ジョッキを取る 「ええ。我らが英雄に、今日も感謝を」
リッケンバッカー:「おいおい、困っちまうなあ……」
リッケンバッカー:「しょうがねえな……おい皆、今日は俺の奢りだ!」
リッケンバッカー:「遠慮せずどんどん飲んでくれ!」
クレア:「おいリッ……おじさん、またそうやって……」
ゲザーン:「ヒュウ!流石は俺達のリッケンバッカーだぜ!」
グノタ:「エディに乾杯!フィンランド万歳!」
オノーナメ:「本当にそこまでしてくれなくても良いんですけどねえ。私はこの日常に感謝しているだけで……」
オノーナメ:「……まあ、乾杯しましょう。我らのエディと、おかげで買える新しい斧に」
ネイカ:「ああ、乾杯!」
ドゥスル:「乾杯!」
クレア:「乾杯」抗議の言葉が客の歓声にかき消され、観念した様子でジョッキを掲げる。
リッケンバッカー:ゴクゴクとジョッキからエールを一気飲みして「っぷっはぁ……!」
リッケンバッカー:「何クレア、心配すんなよ!このリッケンバッカーが酔いつぶれたりなんてする訳……」

リッケンバッカー:「ウオェェェ……」
リッケンバッカー:帰り道の山道、木に手をついてえずく。
クレア:「だから言ったんだ」背中を擦っている
リッケンバッカー:「こんなはずじゃ……オェッ……」
リッケンバッカー:「気持ちわりい……」
リッケンバッカー:「何でお前は全然酔ってないんだよ、クレア……」
クレア:「こうなることが分かりきっていたからな。考えなしに呑んだりはしないさ」
リッケンバッカー:「生意気なガキだな~!」
リッケンバッカー:「俺がお前くらいの頃には……ウッ……」
リッケンバッカー:「オェェ……」
リッケンバッカー:口元を抑えて蹲る。
クレア:「ほら、とりあえず水を飲め。落ち着いたら多少無理してでも小屋に戻るぞ」
リッケンバッカー:「ああ……ゴホッ、ゴホッ……!そうだな……」
クレア:「戻れば薬もあるしな。あと二日酔いにはトマトが良いんだったか……」
リッケンバッカー:「トマト?へえ……ああ、こりゃ明日は二日酔いで……」
リッケンバッカー:「ゴホッ……ゲホッ……!」
リッケンバッカー:口元に手をやったまま、激しく咳き込む。
クレア:「落ち着いて飲めって言っただろ、まったく……」
リッケンバッカー:「がふっ…… ぐ……」
クレア:「……?」
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:指の隙間から、ぼたぼたと真っ赤な血が滴る。
クレア:「……」覗き込んだ顔が硬直する。
クレア:「……おい」口に当てた手を、力いっぱい引き離す
リッケンバッカー:口元を覆っていた掌には、べっとりと大量の血がついていた。
クレア:「……どういうことだ。リッケンバッカー」
リッケンバッカー:「……あー……」
リッケンバッカー:言葉を探すように眉根を寄せて。
リッケンバッカー:「……あれだ!ほら……アレだよ」
リッケンバッカー:「……トマト?」
クレア:その血を指先ですくい取って舐める。
クレア:「塩味が効きすぎてるな」
リッケンバッカー:「普通舐めるかお前……?」
クレア:「君が下らないことを言うからだ」
リッケンバッカー:「あー……ったく……見られちまうとはな……」
リッケンバッカー:膝に手を突き、大儀そうに起き上がる。
クレア:「何があった。この前の出撃の影響か?」
クレア:同じ様に立ち上がって
リッケンバッカー:「俺がか?冗談だろ」笑って「ずっとこうだ。癌だってよ」
リッケンバッカー:「あちこち転移してるらしくてな。何とか誤魔化してきたんだが……」
リッケンバッカー:無言でかぶりを振る。
クレア:「……」戦闘でこうならないことはわかっていながら、敢えて聞いた。今のドイツが"リッケンバッカー"をここまで害せるとは思えない。だが……
クレア:「癌……?」
クレア:「……冗談だろ。オーヴァードが、そんなことで……」
リッケンバッカー:「そう思うよな。俺だってそう思いたいぜ」
リッケンバッカー:「国中色々手は尽くしてくれたんだがな。ま、結果は見ての通りだ」
リッケンバッカー:息を吐き、クレアから受け取った水を飲む。
クレア:「……」外来の病原体であれば、オーヴァードの免疫力はその殆どを駆逐できる。
クレア:だが、癌……自らの体組織の暴走は、その限りではない。むしろ自らが強くなるほど、レネゲイドに侵された癌細胞も凶悪になるとしたら
クレア:確かにそれは、オーヴァードに取っての天敵になり得るのかもしれない
クレア:「……本当、なんだな」
リッケンバッカー:「……誰にも言うなよ」
リッケンバッカー:「もしお前さんが、ちょっとでも恩義に思ってくれてんならな」
リッケンバッカー:そう言って少しだけ笑みを作る。
クレア:「……」その表情に眉を顰めて
クレア:「いいのか。本当に言わなくて」
クレア:「後どれだけ保つのか知らないが……長くは無いんだろ」
クレア:「……半年間一緒に過ごしてきて、一つだけわかったことがある」
クレア:「"リッケンバッカー"、君は、戦場で死にたいわけじゃないだろう」
リッケンバッカー:「バカ言うなよ」苦笑して。
リッケンバッカー:「さっきのあいつらの顔、見ただろ」
リッケンバッカー:「俺が死にかけだなんて知ったら、どうなると思う?」
リッケンバッカー:「あいつらだけじゃない。この国の全員が、俺のことを信じてる。俺がいるって知ってるから、みんな安心して暮らせてるんだ」
リッケンバッカー:「その為に、俺は最後の一瞬まで……最強の“リッケンバッカー”でいなくちゃならねえのさ」
クレア:「……勝手なことを言うな」
クレア:「そうやってある日突然、消えるように死ぬつもりか?その方が問題だ」
クレア:「彼らは君と言う英雄に頼りすぎている。わかっているだろう。今のままじゃ、君がいなくなれば戦うことすらできない」
リッケンバッカー:「ああ、よく分かってるよ」
リッケンバッカー:「だがこいつは、北方連合が決めたことだ」
リッケンバッカー:「どの道……俺が弱ってると知られれば、すぐにでもあちこちに攻め込まれる。問題を先送りにしてるだけさ」
リッケンバッカー:「だが……今のこの国には、それ以外無いのさ」
クレア:「……」
リッケンバッカー:「ハッ……お前が替わってくれるってんなら、話は別だけどな」
クレア:「……良いだろう」
リッケンバッカー:「あん?」眉を顰める
クレア:「替わってやる。お前の代わりにこの国を守ってやる。"リッケンバッカー"」怒気を孕んだ瞳で、有無を言わさず告げる。
クレア:「……わかっている。自分一人では君の代わりは務まらない」
クレア:「だが、アイギスなら可能だ」
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:唖然とした顔で君を見つめる。
リッケンバッカー:「いやいやいや……」
リッケンバッカー:「冗談!冗談で言ったんだぜ!」
クレア:「冗談を言える立場か。もう少し自分の言葉に責任を持て」
リッケンバッカー:「いやお前……。……はぁ……」
リッケンバッカー:困ったような、何か考えるような様子で額を抑える。
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:「駄目だ」
クレア:「何故?」
リッケンバッカー:「今のアイギスを呼び込むなんてのは、俺の病気を明かす以上に厄介事の種になるだけだ」
リッケンバッカー:「もしお前が本気でそうしたいなら……いいか」
リッケンバッカー:「そっちが抱えてる面倒事を全部片付けてからにしろ」
リッケンバッカー:「そうすりゃあ、大歓迎してやるとも」
クレア:「それは……」夜空を見上げ、離れ離れになった仲間達を思い浮かべる。
クレア:「……道理だな。珍しくまともな事を言う」
リッケンバッカー:「俺を何だと思ってんだよ……」
クレア:「君の条件を呑む。どの道、アイギスを今のままにしておくつもりなど毛頭ない」
クレア:「皆も、そう思っているはずだ」
クレア:「だからリッケンバッカー。その時が来たら、こちらの条件も呑んでくれ」
リッケンバッカー:「……」嘆息して「ったく、クレア……お前ってやつは……」
リッケンバッカー:「言い出したら聞かねえんだからなァ……」
クレア:「誰かさんに似たんだ」首からぶら下げたポケットから、紙片を取り出す。
クレア:「アイギスが君の条件を満たしたら、自分と戦え。リッケンバッカー」
クレア:「君に勝って、その資格を証明する」
リッケンバッカー:「……ああ、分かったよ。精々頑張ってくれ」
リッケンバッカー:「難しいとは思うがな。……けど、まあ……何だ」
リッケンバッカー:血のついていない大きな腕が、君の頭をぐしぐしと乱暴に撫でる。
リッケンバッカー:「気持ちは嬉しかったぜ」
リッケンバッカー:「ありがとうよ、クレア」
リッケンバッカー:「……じゃ、帰るか」
クレア:「……」手を振りほどこうとして、不満げに溜息を付き、やめる。
クレア:「……ああ」
クレア:「帰ろう。明日は兎肉のシチューだ」



GM:シーン終了。ロイス取得可能です。
クレア:取得済みのリッケンバッカーへのロイスを 目標/憤懣○ に変更します
クレア:以上!



【OP1/ルカ】

GM:ルカくんのOPです。登場侵蝕をどうぞ。
ルカ:ルカの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (30 → 36)
ルカ:ウワッ最高値
アメリカ ボストン
GM:1963年 11月
GM:戦艦ルイジアナが襲撃を受けた際、君──斑鳩・フォードは、傍にいたエミリアと共に《ディメンジョンゲート》でここアメリカ、ボストンシティまで飛ばされていた。
GM:アメリカ全域にはアイギスに対する手配が掛けられており、それはここボストンでは例外ではなかった。
GM:警察やFBI、軍、民間のオーヴァードハンターまで、昼夜を問わず追われ続け、頼る者もいない逃亡生活。
GM:肉体的にも精神的にも、君達の疲労は限界に達しつつあった。
GM:「……こちらPD3、目標発見できず」
GM:「ええ、目撃情報だとこの近くに……。はい、しばらく巡回します」
GM:無線で連絡を取り、歩き去っていく警官。その様子を、君は薄汚れた裏路地から伺っている。
ルカ:「……」息をひそめて見つめている。冷えてきた季節の中で、上着すら満足に手に入らないような状況で。
ルカ:「行ったみたい。出てきていいよ」
エミリア:「……」
エミリア:大きなダストボックスの影に座り込んでいる。
エミリア:君の声は聞こえているはずだが、そのまま動こうとしない。痩せた膝を抱え、俯いている。
ルカ:「エミリア」
ルカ:ゆっくりと声をかける。
ルカ:「……そうだな。何か食いたいよな」
ルカ:黙り込む彼女に、そのままぽつぽつと話しかける。
エミリア:「……」ぼんやりと顔を上げる。以前は生気に満ちていた表情は憔悴し、目の下には深い隈が刻まれている。
エミリア:「……ルカ……」
ルカ:「このままじゃ、ネズミでも食い出しかねな……ん」
ルカ:独り言のように話しかけるのをやめる。
エミリア:「……」
エミリア:「……先に、行ってくれませんか」
ルカ:「…行かない」
ルカ:彼女の前にしゃがみこむ。
ルカ:「久しぶりに喋ったと思ったら、そんなこと言うの」
エミリア:「……」
エミリア:「わたし……足手まといです」
エミリア:「ルカ一人なら、とっくに……どこか遠く、逃げられていたはずなのに……」
エミリア:喉の渇きからか、声は掠れている。
ルカ:「……」
ルカ:「別に」
ルカ:短く答える。そして実際、それはそうなのかもしれない。
ルカ:「だとしても、あんたを放っておけないよ」
エミリア:「……」
エミリア:「……そもそも……」
エミリア:「ルカが……アイギスの皆さんが、こんなことになったのは……」
エミリア:「……わ……わたしのせいではないですか……」
エミリア:顔を歪めた、泣きそうな表情。あるいは、既に流す涙も渇き果てているのか。
ルカ:「……」じっとその表情を見つめる。
ルカ:彼女はいまや、諸悪の根源、呪いの魔女、そんな調子で──思いつく悪い事はすべてここから始まったとでも言わんばかりに、
ルカ:ヒステリックな罵声に脅かされ、その写真は世界にばらまかれている。
ルカ:「おれがここにいるのは…」
ルカ:「オーヴァードになったからで、おれがオーヴァードになったのは、死んだ妹のせいか?」
エミリア:「……」
ルカ:「そうじゃないだろ」
ルカ:「…そうじゃないよ」
エミリア:「……ルカ……」
エミリア:「……だって……わたしは、あなたを──」
GM:その時、眩い光が君の顔を照らす。
GM:先程の警官が、懐中電灯で君達を照らしている──戻って来たのか。
GM:「……い……」
GM:「いたぞ!アイギスのオーヴァードだ!本部……!」
ルカ:「っ、くそ」 すぐさま警官に飛び掛かる。
ルカ:顔を掴み怒鳴り声をねじ伏せ、ダストボックスに叩きつける。
GM:「が、ぐっ……!」
GM:昏倒し、倒れる警官。だが既に遅かった。
GM:無線は既に繋がっている。騒ぎを聞きつけ、付近の警官が集まってくる。
エミリア:「……っ……!」
エミリア:怯えるように身を竦ませる。
ルカ:「エミリア!」
ルカ:その軽い身体を抱え上げる。
エミリア:「る、ルカ……」
ルカ:《ワーディング》はむしろ逆効果。路地の壁面にぐいと踏み込み、常人離れした身体能力で駆け上がる。
GM:後方から、幾つもの怒声と銃声。何発もの銃弾が君を掠め、そのうち数発が命中する。
エミリア:「っ……ルカ……!」
ルカ:「っ…」フェンスを掴み、ビルとビルとの間を渡りながら眉をしかめる。
ルカ:「なんでもない」
ルカ:背中やわき腹の肉が再生している感覚。「あんたは?」
エミリア:「わ、わたしは大丈夫です……でも……!」
GM:追撃は止まず、君達は逃げ続ける。数週間まともな休息も取れていない状態で、度重なる逃走劇に、最早限界が近い。
GM:走り続ける内、次第に君の意識は朦朧としはじめる。
ルカ:どこかで足がもつれる。
エミリア:「あ、っ……!」
ルカ:「っ…」姿勢を正せず、エミリアを抱えたまま転ぶ。
エミリア:「う、っ……」アスファルトに倒れ込み「……ルカ!」
エミリア:「大丈夫ですか、ルカ! ……ルカ……!」
ルカ:大丈夫だと言おうとして、答えられないことに気付く。
ルカ:疲労、肉体の消耗、侵蝕率の限界…、思いつく理由はいくらでもある。
ルカ:(…くそ)
ルカ:どうしてきちんと見栄を張れない。
ルカ:身を起こそうとしますが、適わず、そのまま意識を失います。
GM:君の名前を呼び続ける声が次第に遠ざかっていく。朦朧とした意識が闇に落ちる寸前、誰かの足音が聞こえた気がした。

ハナ:「……あっ、起きた~?」
GM:柔らかな温もりの中で君は目を覚ます。
ルカ:「……」
GM:知らない家の匂い。ベッドの上で毛布を被せられている。
GM:そんな君を、一人の幼い少女が覗き込んでいる。
ルカ:「は……」
ルカ:だんだんと状況を認識し、唖然とする。
ルカ:バッと身を起こします。
ハナ:「あっ、こらこら」慌てた様子で
ハナ:「まだ無理しちゃ駄目よ?ボロボロだったんだから……」
ルカ:「何、誰、どこ……」
ルカ:「エミリアは」
ルカ:あまり言葉を聞かず、きょろきょろ周囲を見回す。
GM:そこはどこかの民家らしい。パステルカラーの調度品が並び、暖炉には火が焚かれている。
エミリア:「……ルカ!」
エミリア:扉を開けて、エミリアが姿を現す。
エミリア:風呂にでも入れて貰ったのか、小奇麗になっている。改めて気付けば君もそうだ。
ルカ:「……」近付いてきた彼女の手首を掴む。
エミリア:「あっ……」
エミリア:「……起きたのですね、ルカ」
ルカ:「………、うん」
ルカ:手を離す。視界の色がいつもと異なり、それでサングラスをしていないことにも気付く。
ルカ:「…えっと」
ルカ:「誰?」
ハナ:「はじめまして~。私はスウィーニー。ハナ・スウィーニーっていうの」
ハナ:ニコニコと君に笑い掛ける。身長はエミリアと同程度か、少し小さいくらいだ。
ルカ:「………」眉をひそめる。幼い少女にしか見えない。
エミリア:「ハナさんは、わたし達を助けてくださったんです」
ハナ:「そうなの~。あなた達ボロボロだったから、ついね~」
ルカ:「あんたの…保護者とか…どっかにいるの?」
ルカ:「そいつらになんか話して…、いや、いい。すぐに出ていく」
ハナ:「保護者?」目をぱちくりさせて
ハナ:「やだ~、こう見えて30越えてるのよ、私」
ルカ:「……は」 ますます訝しげな表情。
ハナ:くすくす笑って「いいから、ゆっくりしていって。この辺に住んでるとね、野良犬とか野良猫とか……色々拾うのは慣れてるの」
ルカ:「野良犬……」
ハナ:「それより、お腹空いてるでしょ?何か食べられないもの、ある?」
ルカ:「…………」
ルカ:久しぶりにゆっくり休息を取ったせいか、途端に強烈な空腹感。
ルカ:答えるより前に、エミリアを一瞥。
ルカ:「……なんでも食べれる。この人は特に、なんでも大量に食べる」
エミリア:「る……ルカ!そういう言い方は……!」
ハナ:「あら~。それじゃあ作り甲斐があるわね~」楽しそうに笑って
ハナ:「じゃあ、今用意するから待っててね~」
エミリア:「あっ……わたしもお手伝いします……!」
エミリア:「ルカ、また後で……!」
ルカ:「待っ…」
ルカ:「……」 しかめっ面で見送る。
GM:すぐにでも出て行こうと思っていた君達だったが、ボストンの厳戒態勢は一向に解けず、居候はズルズルと引き延ばされる一方だった。
GM:追われていた頃が嘘のような穏やかな暮らし。ハナは長く滞在する君達に嫌な顔ひとつせず、また何か疑う様子も見せなかった。
エミリア:「……このままでいいのでしょうか……」
エミリア:1ヶ月ほどが経ち、君に割り当てられた部屋でエミリアがこぼす。
ルカ:「だめだろ」
ルカ:ベッドに転がったままあっさりと返す。
ルカ:「問題を先送りにしてるだけ…、状況は何にも変わってないし」
エミリア:「そ、そうですよね……」
エミリア:「アイギスの皆さんを助けないといけませんし……それに……」
エミリア:正座の体勢、膝の上でぎゅっと拳を握る。
エミリア:「……ずっとここにいたら……」
エミリア:「もしかしたら、ハナさんも……」
エミリア:その瞳は、恐怖の色に染まっている。
ルカ:「……」エミリアを見る。「……あの人」
ルカ:「どう見ても、なんかワケアリだろ。こっちの事情、それなりに分かってたりするかもな」
エミリア:「だとしたら、猶更です……」
エミリア:「わたし達のことを、知った上で匿ってくれているのなら……」
ルカ:「うん」
ルカ:「…でもまあ」
ルカ:「あんたがそんなこと言えるようになって良かった」
エミリア:「……」少し目を伏せる。
ルカ:「…あのさ」身を起こす。
ルカ:「あんたが、これからのこと考えられるようになったんだって、そう思ったから言うけど」
ルカ:「あんた、これまでさんざん、生きたいって言ってただろ」
エミリア:「……」
ルカ:「それを…、…。…そのままで、別にいいから」
ルカ:「いいよ」
エミリア:静かにかぶりを振る。
エミリア:「……よく……ないです」
エミリア:「わたしは……自分が人間だと思っていました」
エミリア:「誰か、両親から生まれた人間で……今は思い出せないけど、過去があって……」
エミリア:「そんな普通の人間で、だから……生きていたいと思えたんです」
エミリア:「でも……もし……そんなもの、最初から無かったら……」
エミリア:「人間なんかじゃない、ただのレネゲイドウィルスの塊だったとしたら……」
ルカ:「だったとしたら」
ルカ:遮る。
ルカ:彼女の手を握る。
ルカ:「何も感じない?」
エミリア:「────」口を開きかけたまま、君の顔を見る。
エミリア:「……」
エミリア:握られたまま、握り返さない。
エミリア:君の視線から逃れるように俯いて。
ルカ:「あったかいよ」
エミリア:「……」
エミリア:「……ルカは……」
エミリア:「……わたしが憎く、ないのですか」
エミリア:「わたしのせいで、あなたは……」
ルカ:「おれは」
ルカ:「……助けられたよ」
ルカ:「あんたの力に」
ルカ:「……エミリア」
ルカ:「最初に言ったのはあんただ」
ルカ:「おれはおれだって、そう何度も…ばかみたいに言ってたのは、あんただろ」
ルカ:「……」少女を見る。
ルカ:「エミリアは、エミリアだよ」
エミリア:「……っ……」
エミリア:君の手の甲に、ぽたりと雫が落ちる。
エミリア:「……でも……っ……」
エミリア:「わたしがいなければ、ルカは……戦わずに済んで……!」
ルカ:「そんなこと」
ルカ:笑う。「あんたにそんなこと決められてたまるか」
ルカ:握った手を引き寄せて、少女を胸の中に引き入れる。
エミリア:「あ、っ……」
エミリア:静かに息を呑む音が聞こえる。
ルカ:「いいから」
ルカ:やっぱり遮るように言う。
エミリア:「……」
エミリア:「……ルカ……」
エミリア:「……前に、言いましたよね」
エミリア:「わたし……あなたの妹さんではありませんよ」
ルカ:「知ってる」
ルカ:「全然似てない」
ルカ:「メイの方が…聞き分けがよくて、大人しくて、頑固」
エミリア:「……じゃあ、どうして……」
エミリア:「……どうして、こんなに優しくしてくれるのですか……」
ルカ:「………」
ルカ:「さあ」
エミリア:握られた掌が、恐る恐る握り返される。
エミリア:「……何度も聞きましたね」
エミリア:「……どうして、ルカなのかって」
ルカ:そのまま握っている。「聞いた」
エミリア:「答えが……分かった気がします」
エミリア:「……ルカ」
ルカ:「うん」
エミリア:「わたしは、あなたが……」
ルカ:「……いや」
ルカ:「言わないで」
エミリア:「な……」
エミリア:「なっ……なぜですか!」
ルカ:「うるせ…」
ルカ:「…なんか」
ルカ:「絶対言ってやる、って、あんたに思っててほしい」
ルカ:「こんな状況で聞いても…、なんか、だめだろ」
エミリア:「なっ……はっ……はぁぁっ……!?」
ハナ:「ご飯できたよ~~」急に扉が開かれ、ひょこりと顔を出す。
ハナ:「今日は沢山……って、あれ……」
ルカ:「……」
ハナ:「……何かジャマした?」
ルカ:「いや」立ち上がる。
ルカ:「全然平気。腹減った」
エミリア:「る……ルカ!話はまだ……!」
エミリア:「ルカ~~~~~!!」
GM:ダイニングに出向くと、食卓には見たこともないような豪華な食事が所狭しと並んでいた。
GM:作りたての温かな料理の数々が、美味しそうに湯気を立てている。
エミリア:「……何かの記念日ですか?今日は……」
ハナ:「あれ、言ってなかったっけ?」
ハナ:「今日はねえ、うちの人が久々に帰ってくるのよ」
ルカ:「……うちの人」
ハナ:「そ。うちの人……って感じじゃないかなあ」
ハナ:「居候……でもないし……」
ハナ:「……野良猫……?」
ハナ:顎に指を当てて考えている。
ルカ:「……」なんとも言えない顔をしている。
ルカ:「旦那じゃないの」
ハナ:「旦那~?無い無い!」笑いながら掌を振って
ハナ:「前に色々拾うって言ったでしょ?拾ったのよ~、あなた達みたいに」
エミリア:「な、何なんでしょう……」小声
ルカ:「……場合によっちゃ今日でここを去るかもな」小声で返す。
GM:そんな話をしていると、丁度玄関の方から物音がしてくる。
ハナ:「あっ、来た来た」
ハナ:「おかえり~、ジユくん~~」ぱたぱたと玄関に走っていく。
ルカ:「ジユ……?」 逃走経路を考えながらそちらの方を見やる。
ハナ:「久しぶりじゃない。全然連絡も寄越さないんだから~」
朱劉帆:「いや、しようとは思ってんだって。ホント……」
朱劉帆:黒髪に色眼鏡、長身の男がのそりと顔を出し、
朱劉帆:君と目が合う。
朱劉帆:「……」
ルカ:「………は」
朱劉帆:「……あ゛ぁ……?」
朱劉帆:怪訝な顔。
朱劉帆:「何でいんだよ」
ルカ:「………それは」
エミリア:「……!」硬直している。
ハナ:「あ、この子たち?」
ハナ:「拾ったのよ~、そこで」
朱劉帆:「あ、そうなんスか……」
ルカ:「こっちの……」エミリアを背後に隠す。「……」
ルカ:「あんた」朱さんを見る。
ルカ:「ここで殺し合いたい?」
朱劉帆:「はぁ?」
朱劉帆:「バカか?お前」
朱劉帆:「死にかけのガキとやり合ったところで何が楽しいんだよ」
ハナ:「こら!!」フライパンで朱の頭を叩く。
朱劉帆:「ぐぁっ……!」
ハナ:「子供にいきなり何言ってるの!」
ハナ:「ごめんなさいね~この人乱暴で……」
ルカ:(子供……)幼い少女がフライパンをふるってるようにしか見えない。
ルカ:「………飯」
ルカ:「冷める前に食べたい」
ハナ:「あっ、そうね!食べましょ食べましょ!」
朱劉帆:「……よろしく」君に手を差し出してくる。
ルカ:「……、………」
ルカ:中指を立てて返す。
朱劉帆:にっこりと笑って、それから顔を寄せ
朱劉帆:「余計なこと言ったら殺す」
朱劉帆:小声で囁く。
ルカ:「そっくりそのまま返すし後で殺す」
ルカ:囁き返す。
エミリア:オロオロしながら、睨み合う二人を見比べている。



GM:シーン終了。ロイス取得可能です。
ルカ:シナリオロイスのエミリアに 庇護:〇/不安 で取得します



【OP1/ギルトレット・レッドフォード】

ギル:私じゃん
GM:ギルさんのOPです。登場どうぞ
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (51 → 56)
インド南部
GM:南インド、コロマンデル海岸にある小さな漁村。
GM:特徴と言えるのも以前デンマークの植民地だったというくらいで、漁業の他には取り立てて産業もない小さな村。
GM:男達は早朝から漁に出て、女達は家事をしながらその帰りを待つ。よくある田舎の風景が、何世代にも渡って続いているような、そんな場所。
GM:そんな村の漁師たちの中に、半年ほど前から一人の新顔が加わった。
GM:この辺りでは珍しい、白い肌の欧米人。最初は物珍しがられたが、今ではそれなりに村に馴染んでいる。
GM:今日も漁が終わり、港に帰ってきた船から大量の魚が水揚げされる。
チモッテ:「よいしょ、っと……!ギルさん、そっち持ってくれ!」
ギル:「ああ、せーのでいくよ。……せーの!」
チモッテ:「おおっと……!はは、ギルさんがいると助かるな!」
ウーダ:「そうだそうだ! その調子!」
ウーダ:「よーし、今日も大漁だ!」
イリョーダ:「ああ、大漁だな。こりゃあ何度かに分けないと運びきれないかもな」
カカッタ:「こいつは大物がかかってそうだぜ!」
ギル:村に来てすぐのころは青白かった肌は、連日漁に出ていたお陰か紅く日に焼けている。
ギル:「いやあ、皆によく教えてもらったからね。半年だ。もうこれくらいはお手の物だよ」
ウサナ:「そうさなぁ。アンタもすっかり海の男って訳だ!」
マーダ・マーダ:「フン。俺はまだまだ認めちゃいねえからな」
マーダ・マーダ:「なんでお前みたいなやつが……」
イバーナ:「気にすんなよ、ギル。こいつ、あんたの嫁さんが美人だからって妬いてんのさ」
ウサナ:「そうさ!なんせあの美貌に仕事も出来るってんだからなぁ」
ギル:「なんだよ、マーダ。先週彼女に振られたっていうのは本当だったのかい?」
マーダ・マーダ:「まだ振られちゃいねえよ!まだ!」
ウーダ:「相変わらず強情だなあ……」
ギル:「まだまだ若いんだから、君ならいくらだっていい女は捕まえられるさ。そう落ち込むなよ」
イバーナ:「そうそう、俺がいい女紹介してやろうか?」
カカッタ:「そうだぜマーダ。意地張ってないで女の引っ掛け方も教えてもらえよ」
マーダ・マーダ:「おま……黙ってろ!」
ギル:「まあ、舞ほどいい女となると、難しいかもしれないけどね」
イバーナ:「かぁ~っ、言うねえ!」
ギル:「僕は舞以外の人なんて知らないからなあ。そういうのはカカッタ、君が教えてやりなよ」
イバーナ:「……おっ、噂をすればだ」
GM:見ると漁港の片隅に、すらりとした長身の女が背筋を伸ばして立っている。
GM:君を待っていたのか、視線を向けて小首を傾げて見せる。
イリョーダ:「行ってやんなよ、ギルさん。もう今日の仕事も殆ど終わりだしな」
ギル:「やあ、舞!」」彼女の姿を見つけて大きく手を振って「いいのかい?まだ作業が……」
イバーナ:「いいから、行った行った!こんな魚臭いとこで待たせちゃ悪いだろ!」
ギル:「悪いね。今度一杯おごるよ、皆。マーダも、それまでに機嫌直しておいてくれよ」
ウサナ:「そうだぞマーダ。憂さ晴らしなら付き合ってやるからさ」
ギル:マーダを指差してニヤリと笑ってから、「それじゃ、皆、また明日!」と舞のもとへ軽快に駆け出す。
:「……ギルトレット」君が近付いてくると、煙草を揉み消して「もういいのか?」
ギル:「やあ、ごめんね待たせて」首元にかけたタオルで額の汗を拭い「ああ。皆も早く行ってやれって」
:「そうか」少し笑って「今日はどうだった?」
:舞は君と同じ家で暮らしている。外での仕事が多いらしく、家を開けがちだが、村に帰ってきている時はこうしてよく君を迎えに来ている。
ギル:「今日も大量さ!最近は特に調子がいいね」と腕をぐっ、と広げて多く取れたとアピールし
ギル:「これ、お土産。イリョーダの奥さんから」ビニールに入った白身魚の切り身を見せて
ギル:「スパイスで煮ると絶品らしいけど、僕の見立てではトマトソースも合うと思うんだ。君はどっちがいい?」
:「トマトか。確かに旨そうだ」受け取って、新鮮なその切り身を眺め「後でお礼を言っておかないとな」
ギル:「決まりだ。帰りに市場に寄っていこう。それで、君の仕事の方は?最近、忙しそうにしてたけど。一段落ついたのかい?」
:「……。……ああ、いや。まだまだ掛かりそうなんだ」
:舞の顔には疲れが見える。相当の激務らしい。
:「悪いな、あまり帰って来られなくて」
ギル:「僕のことは気にしないで。それより、少し痩せたんじゃないか?大事な時期だと分かっているけど、あまり無理はしないでくれよ」
ギル:身をかがめ、舞の額にキスをして「僕にとっては、君が唯一の家族なんだから。僕にできることがあったら、遠慮なく言って」
:「……」目を瞬き「……ああ、分かっているよ」
:「頼りにしているとも。ギルトレット」
:そう言って目を細める。
:「……そっちは、漁にも随分慣れてきたみたいだな」
ギル:「もうすっかり港の一員さ。こっちも。随分逞しくなったろ?」シャツの袖をめくって腕を見せる。言う通り、村に来る前と比べると一回り二回り太くなっている。
ギル:「こうして毎日幸せに暮らせているのも、君が紹介してくれたおかげさ。感謝してる」
:「……そうか。それは良かったよ」
:歩きながら、村の風景を眺める。
:海猫が鳴き、潮の香りが満ちた小さな村。人々はつつましくも小さな幸福の中で暮らし、緩やかな時間が流れている。
ギル:「いいところだよ、この村は。ここにいると……昔の自分がどんな人間だったのかなんて、どうでも良くなってくる」
ギル:「ねえ、舞。今の仕事をやめて、君もここで働くつもりはないかい?村の皆も君なら絶対歓迎してくれるよ」
ギル:微笑みながらも、真剣な眼差しで舞を見つめて。
:「……」
:緩やかな歩みを止めて、じっと君の顔を見つめる。
ギル:「今の仕事がとても……意義のあるものだっていうのは分かってる。でも、こうして顔を見せるたびに、やつれて行く君をみると……」
ギル:「この村で、二人で穏やかに暮らしていたほうが、幸せなんじゃないかって……どうしてもそう感じてしまうんだ」
ギル:「無理にとは言わない。でも、考えてみてほしいんだ」
ギル:舞の髪をかきあげて「愛する人には笑顔でいてほしい。僕だってそう思うんだ」
:赤い瞳が揺れる。二人の間を海風が吹き抜けた。
:「……」
:「……ギルトレット、お前は……」
:「……ずっと、この場所に居たいと思うか?」
:「それが……」
:「……お前にとって、一番幸せなことだと……そう思うか?」
:真剣な口調で問い掛ける。
ギル:「君と一緒にいられるなら」
ギル:優しく微笑んで
ギル:「舞は……僕とじゃ不満かい?」
:「……」
:ポケットから取り出した煙草の箱は、もう空だった。くしゃりと握り潰しながら、もう一度しまい込んで。
:「……いや……」
:困ったように、どこか寂しげに目を伏せて微笑する。
:「……そうだな」
:「考えておくよ」
ギル:嬉しそうに笑って、舞を自分の胸に抱き寄せ、ぽんぽんと頭を撫でる
ギル:「ありがとう。その言葉が聞けただけでも嬉しいよ」
ギル:「さ、市場へいこう。お酒も買い足しておいたほうがいいかな。今日は一日居られるのかい?」
:「……ああ、そうだな」
:息を吐き、少しの間瞑目して、それから君を見る。
:「トマトソースだったか?」
ギル:「ああ、楽しみにしておいて。腕によりをかけて作るから」
GM:穏やかな潮風の中、二人は並んで市場への道を歩いていった。



GM:シーン終了。ロイス取得可能です。
ギル:舞にはもうP:幸福感○/N:猜疑心でロイスを取っているのですが
ギル:どうしようかな……Sロイスにしてもいいですか?
GM:許可します。
ギル:ではSロイスにします!以上です。



【OP1/デュバリー】

GM:OP1/デュバリー
GM:デュバリーさんのOPです。登場侵蝕をどうぞ
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (42 → 47)



-:"メリュジーヌの娘たち"の長、デュバリーは殺害された。戦艦ルイジアナへの強襲より1ヶ月ほどが経った頃のことである。
-:"アイギス"への協力方針を曲げなかったデュバリーを、反対派のメンバーが結束し、不意を突く形で抹殺したのだ。
-:デュバリー亡きあと、"娘たち"は"マルタの会"と名と体制を改め、運営陣は"アイギス"と決別。
-:以前からの政治方面への働きかけはなりを潜め、細々とした技術共有と、闇社会への依存による保身を図る、好ましくない意味で社会暗部らしい一党となった。

デュバリー:……デュバリーにとっても苦肉の策であった。
デュバリー:長年維持・運営してきた組織体制が悪い方向へ激変することには、大きな葛藤があった。苦痛と言っても良い。
デュバリー:それでも一旦、"メリュジーヌ"は死ななければならなかった。たとえ死体が上がっていないという事実を『敵』がどれほど疑おうと、娼婦たちがそれを信じる限り……
デュバリー:彼女たちに害が及ぶ可能性は圧倒的に低減できる。結局はそれが決め手だった。
デュバリー:"アイギス"への協力のために犠牲者が出ている現状に対し不満を持っていた一派を焚き付け、後は娘たちの賢明さを信じることにしたのだ。
デュバリー
デュバリー:数週間の潜伏を経て、筋書きをあらかじめ共有しておいたほんの数名の人員と連携しながら、デュバリーは再び動き始める。
デュバリー:髪を切り、染め、服の下に蔦を巻き、身幅を稼いで細身の少年を装う。喉にも枝を張り、声も低くした。
デュバリー:ベキューという掃除係として娼館に出入り、デュバリーを排除した上層へ反感を抱く者、"アイギス"に対しなお好意的だった者を、正体を伏せながらまとめ上げ……
デュバリー:改めて秘密裏に、今や残党と化した"アイギス"への情報提供を行えるようになったのは、年が変わる頃であった。
デュバリー:敵対者たちがデュバリーの影響力を確信し、追求の手を強め始めたのも、また同時期のことである。
2
デュバリー:こうしてデュバリーは、組織内に即席で練り上げた頼りない派閥だけを頼りに、欧州各地を転々とし始めた。
デュバリー:掃除係ベキューの名と姿が知れれば、今度こそ身動きが取れなくなる。数少ない協力者が、いよいよ端から潰されていくかもしれない。
デュバリー:あるいはもう知られているのか? 自分は泳がされているのか。次目を覚ました時には、今度こそ全てを奪われているのではないか?
デュバリー:……猜疑と怖気に駆られ、時に舞へも脅すような当たり散らし方をし、時に何もかもを投げ出す算段を立てながらも。
デュバリー:それでも活動を止めなかったのは、崇高な理想があったからとか、そんな理由によるものではない。
デュバリー:(……あの女)
デュバリー:時間にして数十秒程度。強襲を受けたルイジアナのデッキで交錯した、ゲート使いの女。
デュバリー:大切な娘たちを、ずっと前から当然のように殺し捨ててきた女。
デュバリー:あいつは。
デュバリー:(あいつだけは……この手で)

GM:フランスから離れた、東欧のとある娼館。君は信頼できる僅かな人員と共に、つい最近ここに行動拠点を移していた。
シモーネ:「……で、生中は流石にまずいっすよって言ったらそいつ、ケツに指入れてきて……こっちならいいだろ?って……」
シモーネ:「いやいいわけねーだろ!!って!」
デュバリー:「女についてる穴の区別がつかない手合いだ」
デュバリー:声は低く、口調もどこか少年っぽさが滲んでいる。
ハリエット:「……」
ハリエット:黒髪に給仕服姿の、幼い少女。顔を赤らめ、聞いていない振りをしながらこっそり耳をそばだてている。
ビーシャ:「シモーネ!確かにここは自由に意見を交わすための場ですが」
ビーシャ:「いくら何でも初っ端から飛ばしすぎですわ!ハリエットさんもいるのです。もう少し口を謹んでくださいまし!」
シモーネ:「え~?ハリーだって興味津々じゃん」
ハリエット:「そっ……そんなことは……!」
デュバリー:「ありがとう、ビー。でもいいよ。みんなが話したいことを話してくれれば」
デュバリー:「僕もその方が嬉しい」 目を細めて、ゆっくりと葉巻を吸っている
デュバリー:実際、こうやって娼婦たちと水気なく笑い合える時間は、今のデュバリーにとっては得難い癒しとなっていた。
ビーシャ:「うう、貴女様がそうおっしゃられるなら……」
バリスタン:「下らねえ。男共の相手なんでどこもそんなもんだろ」
バリスタン:「それが嫌なら、アンタもアタシみたいにご婦人専門で食っていけばどうだ?シモーネ」
シモーネ:「あたしはそっちには興味ねーから」
バリスタン:「そう言わずに一晩試してみろって。忘れられなくしてやるからさ」
シモーネ:「お~、言ったな?感じなかったらいくら払う?」
カーニェ:「実際さあ、男ってなんでああ、みんな自分が上手いと思ってんすかね~?」
カラショ:「そりゃあ下手だって言ってくれる人が居ないからっしょ」
カラショ:「気を遣われてるんだか諦められてるんだか知らないけどさ。あたしらも仕事じゃ本音言えないから、しょーがないとこあるんじゃない?」
デュバリー:「自分が『良い』ものだと思ってるからね、みんな」
デュバリー:「そういう人たちに、そうですよ、って優しくして言ってあげるのが仕事、って所もあるから。結局」
カーニェ:「アハハ!結局あいつら、あ~んおっきぃ~!つってれば満足しますかんね~」
イン・マーダ:「てか未だにそんな話してんのかよ」
イン・マーダ:「今だけでしょ。そっちの話できるの」
カラショ:「ええ~。ベキューと話せる時間自体少ないんだから、しょうもないことだって話したいんじゃん」
シモーネ:「つーか、あたしが言いたいのはさ……姐さんの名前がしっかり効いてた間は、そういうウザい客も少なかったんだけどな~って話よ」
シモーネ:「いや、兄さんのほうがいいんすか?今」
デュバリー:「どっちでもいいよ。ここでも感じを変えてないのは、切り替えるのが手間なだけだから」
カラショ:「あ、じゃあベキューで呼ばなくても良かったか」
イン・マーダ:「今惰性で呼ぶと肝心なときに間違えそ」
デュバリー:「結構頑張ってるんだ、僕もこれで。さすがに男のフリは、これがはじめてだから……」
デュバリー:「……まあ、客層の変化……ううん、スライドというべきかな。そういうのは現時点では仕方がないね」
デュバリー:「良いお客にも距離を取られてるし。仕方ないことではあるけど……」
バリスタン:「てか、今ってする時もそっちなんですか?姐さん」
イン・マーダ:「脱げねーじゃん」
カラショ:「え、掃除係なんだからそっちはご無沙汰でしょ」
カーニェ:「でも一人でもナニはできるじゃん」
バリスタン:「いやいや、掃除係なんてつまみ食いされるに決まってるだろ」
バリスタン:「自分の胸に手を当てて考えてみ」
カラショ:「ああ~。だから少年趣味の客が来てたんだ……」
シモーネ:「え、つーか生えてんの?」
デュバリー:少し笑って 「少なくとも今は、掃除一本でやらせてもらってるよ。掃除って言っても……人の体はやんないほう」
デュバリー:「やろうと思えばそれっぽいことはできるけど、わざわざ使い慣れない器官を振り回さなくてもね」
イン・マーダ:「でも今だけにするの勿体ないすよそのカッコ~」
デュバリー:「いざとなれば……」 左手の指を波打つように揺らし 「……これで君たちは全員寝かせられる」
カーニェ:「ひゅう~~~~」
カラショ:「寝かせてほしい~~!」
イン・マーダ:「淫魔だ」
シモーネ:「え~、やってほし~~」
バリスタン:「へへッ、おもしれェ……」
ハリエット:「……」顔を真っ赤にして揺れる指を見ている。
デュバリー:「ふふ」 くすりと笑い 「翌日、いくら寝ても大丈夫になったら、その時はしてあげるかもね」
デュバリー:「今はまだそこまではいけないから。楽しくおしゃべりさせてよ、美人さんたち?」
シモーネ:「あー……すいません。そう言われた手前なんすけど」
シモーネ:「言い出すタイミング無くて。この前相手した客、どうも……」
シモーネ:「どこの奴かは分かんないんすけど。なんか探ってるっぽくて」
シモーネ:「他の子にも聞いてみたんすけど、最近また嗅ぎ回られてる感じなんすよね。確信があるわけじゃないっぽいんですけど」
デュバリー:「そうか。まあ、確信になっていないってことが分かれば十分だよ」
デュバリー:「報告ありがとうね、シモーネ。今後も気をつけて」 言って、吸っていた葉巻を渡す
イン・マーダ:「未だにそんな感じなんすねえ。いつまでなんだろう」
シモーネ:「……つっても、そろそろ潮時って意見も分からなくはないっつーか……」
シモーネ:葉巻を片手に、不安げに君の顔を見て
シモーネ:「……ぶっちゃけ大丈夫なんすか?姐さん」
デュバリー:「大丈夫なようにはしている。"娘たち"が"マルタ会"になってからの探られ方からして……」
デュバリー:「まだ大丈夫。打てる手はいくつか残している。……手札が本当に切れてしまったら」
デュバリー:「その時は潔く引き上げるよ」 周りを見渡す 「一番大事なのは、あなたたちだから」
シモーネ:「……ん。そういうことなら、あたしは付いてくだけっすね」葉巻を咥える。
カーニェ:「…でも、姐さん。マジで無理しちゃだめっすかんね」
カラショ:大きく頷いて。 「全力で協力しますから!正味どんだけ役に立ててるかは分かんないけど……」
シモーネ:「……ゲホッ!ゲホッ!……重!喉潰してんすか!?」
デュバリー:「大丈夫。みんながいてくれて助かってるし、だからこそ、みんなを悲しませたりはしないよ」
デュバリー:「あれ」 楽しそうに笑う 「シモーネには早かったかな?」
バリスタン:「おっ懐かし。これアタシも教えてもらった奴だ」
バリスタン:「いい感じに声が低くなるんだよ。その方がウケが良いからさ」
GM:その時、扉が開いて一人の娼婦が入ってくる。
ハイータ:「届いてたよ~。はいコレ」言って、一通の郵便をハリエットに手渡す。
ハリエット:「あっ……ありがとうございます」
GM:宛先だけが書かれた封筒。ハリエットが取り出したその中の紙もまた白紙だ。
GM:ハリエットの能力を利用した、舞との連絡手段。
デュバリー:彼女に視線や意識を向けたりすることはない。グラスにブランデーを注いでいる。
ハリエット:「えっと……」
ハリエット:何も書かれていない手紙を握り締め、その残留思念を読み取っていく。
ハリエット:「次回の宛先が……」メモを取り
ハリエット:「……状況の変化……あっ」少し表情を明るくし
ハリエット:「デュバリーさん、アッシュさんが目を覚ましたそうですよ!」
デュバリー:息を飲む 「……彼が」
デュバリー:「そうか……長かったね。長かったけど、うん。ひとまずの吉報としてはかなり大きい」
ハリエット:「そうですね。良かったです……」
ハリエット:「その他に変化は……あれ……」
ハリエット:何かに気付き、俄かに表情を変える。
ハリエット:「……おかしいです、これ……」
デュバリー:「?」 視線を向ける
ハリエット:「……も、もう一人分、載ってます……!」
ハリエット:「この手紙と、デュバリーさんのこと……知ってる人間の……!」
デュバリー:「……」
デュバリー:グラスのブランデーを一息で仰ぎ、ソファから立つ
デュバリー:「出口と、僕の部屋。どっちに行ったほうが良いと思う?」
ハリエット:「……」迷いながら君を見て
ハリエット:「……これ……わざと載せてます。デュバリーさん当てに、メッセージを……」
ハリエット:集中していく。たまたま封筒に触れた郵便局の人間や配達員といった雑多な思念から、一人分の思念だけを読み分けていく。
ハリエット:「……」
ハリエット:「……“アレンデ”」
デュバリー:「なるほど」
デュバリー:「先にはっきりさせておくと、それなら、敵ではない……はず。だから何という話になると、難しいけど」
ハリエット:「……」こくりと頷いて「それから、これは……」
ハリエット:「……茶色……木……。……ベンチ……?」
ハリエット:「いや……場所です。場所と、時刻……!」
ハリエット:「……これって……」
ハリエット:君を見る瞳が、不安に揺れている。
デュバリー:「……」 本来なら、より内密に扱うべき情報だが、ここまで来て隠し立てするのも却って胡散臭いだろう
デュバリー:「言って。ハリエット」
ハリエット:「……2日後、ポーランド……ミハリン駅東口、公園のベンチ……」
ハリエット:「……『知りたいならば、来て』と……」
デュバリー:「…………」 細く、長く息を吐く。肺に滞留していた紫煙が漏れる
デュバリー:男らしく、浅い問いだ。私が『知りたい』と思い、私を釣れると思っている。その何かが私にとって『良い』ものだと一方的に確信している。
デュバリー:優しく肯定してあげるのが娼婦の仕事だが、今の自分は掃除係だ。そんなのは僕の仕事じゃない、と掃いて捨ててやりたい気持ちが、胸中を占めている。
デュバリー:だが、それでも……脳の片隅で疼き続けている感情がある。
デュバリー:憤激。許しがたいもの。あの女の顔。……そして、それに至るためであれば。
デュバリー:αの存在を予言して見せた"アレンデ"の誘いを、拒めるわけがない。
デュバリー:(そこまで盛り込んでなんだろうね)
デュバリー:内心のぼやきには、諦めが滲んでいる。
デュバリー:ただ、それを表に出しはしない。ハリエットを見る 「……それじゃあ、行こうか。次はそっちの方で」
デュバリー:次いで周囲を 「ここではお世話をかけたね。どうもありがとう。……体に気をつけてね。これから寒くなる」
シモーネ:「え、姐さん……」
カーニェ:「だ…大丈夫なんすか…!?ねえ…!?」
ハリエット:「……デュバリーさん……」
デュバリー:「大丈夫だよ」 と言ってあげる。相手の求める言葉を、微笑しながら口にするのなんて、息を吐くくらい簡単なこと。
デュバリー:別に嘘でもない。大丈夫だろう、と思っている。罠にしては周到すぎる。ここまでやるなら、直接仕掛けた方が早い。
デュバリー:……それにその一方で、これが何か致命的な罠であり、自分にいよいよ最期が訪れたとしても。
デュバリー:(それはそれで、楽になるしな……)
デュバリー:茫洋とした眼の奥、二つに分かれた脳は、そんなことをまったく矛盾せず考えている。
ポーランド ミハリン
GM:冬の欧州の弱々しい陽光が差し込む駅前公園。広々とした園内は閑散としていた。
GM:二日後、君は指定されたベンチに座っていた。何の変哲もない木製の古ぼけたもので、盗聴の類や狙撃の気配は無い。
GM:そこで数分待っていると、やがて落葉と石畳を踏み締める静かな足音が響いてきて、背中合わせのベンチに何者かが腰を下ろした。
デュバリー:足を組み、本を読んでいる。簡素な表紙には『祖霊祭』と記されている。
アレンデ:「こうしてお会いするのは初めてですね」
アレンデ:女だ。艶やかな美女のようでいて、美しい男にも見える。華やかに目を引くようでいて、数分後には忘れていそうにも思える。
アレンデ:「“死なない女”。……とお呼びするには、今は些か不似合いでしょうか」
デュバリー:「だからって"メリュジーヌ"も合わないしね。構わないよ、どちらでも」
デュバリー:ページをめくる 「そんなに綺麗なら、早く顔を見せてくれればよかったのに」
アレンデ:「そうしたいのは山々でしたが、こちらにも事情がありまして」
アレンデ:「ではベキューさんと。その姿もお似合いですよ」
デュバリー:「……」 目を閉じる 「それで? 今日の耳寄り情報は?」
アレンデ:「そうですね」
アレンデ:朗読でもしているような、ゆっくりとした抑揚で話す。「こちらでも少し状況が変わりまして」
アレンデ:「そちらの状況が変わったのもありますが。今日はかなりの部分、お話するつもりで来ています」
アレンデ:「その前に、こちらの身許をお伝えしておきましょう」
デュバリー:「身元……?」
アレンデ:「改めまして、アレンデです。親しい者からは“プランナー”とも」
アレンデ:「ある組織で幹部を務めています。組織というのは……これからお話しますね」
デュバリー:「……」 またページをめくる。続きを促している
デュバリー:前後はどうあれ、彼女が……彼女の『組織』なるものが絶大なる情報を持ち、自分たちにそれをもたらすことで、自分たちを助けている。その一点において変わりはない。
アレンデ:君に背を向けたまま、公園で世間話でもするように語り始める。
アレンデ:「事の発端は、1943年」
アレンデ:「アメリカ軍で、ある実験が行われました」
アレンデ:「ジョン・フォン・ノイマンを主導としたその計画……『フィラデルフィア計画』の目的は、軍艦のステルス化」
アレンデ:「膨大な電力を用い、駆逐艦を丸ごと一隻、透明にするという……実用化されれば驚異的な技術となっていたでしょう」
アレンデ:「しかしその実験は、思わぬ結果を生んだ」
デュバリー:ページをめくる。それはポーランドの詩人の著した、土着宗教の祭事をテーマとした叙事小説であった。『存在しないもの、というものは存在しない。存在する世界が異なるのだ。』
アレンデ:「実験に用いられた駆逐艦エルドリッジは消失し、数千キロ離れたソビエト連邦プロホロフカに再出現」
アレンデ:「艦内では放電や人体発火、人体が船体との融合するなどの超自然現象が発生し、乗組員はほぼ全滅」
アレンデ:「総鉛製の船室内にいた者だけが、僅かな生存者となりました」
デュバリー:「……それか"プロホロフカの惨劇"の経緯? レネゲイドの関与は、今のところ見えないけれど……」
アレンデ:「ええ。プロホロフカに出現したのは、駆逐艦エルドリッジだけではありませんでした」
アレンデ:「多頭を持つ巨大な竜……貴女がたがローマで交戦した、“α”と呼ばれる存在です」
デュバリー:「……ふ」 嘆息するような笑み
アレンデ:「そしてまた、エルドリッジもただ転移するだけでは済まなかった」
アレンデ:「船室内の生存者たちは、全員がオーヴァードとして覚醒しており──」
アレンデ:「更には駆逐艦エルドリッジ自体も、巨大な一つの命を宿していたのです」
デュバリー:「軍艦そのものが……命に」
アレンデ:「はい。我々はそうした存在を、レネゲイドビーイングと呼んでいます」
アレンデ:「レネゲイドにより生じた新しい形の生命体。アイギスが満州で会敵した“タケミカヅチ”もそうですし……」
アレンデ:「ベキューさん。貴女もまたその一員でしょう」
デュバリー:「……そうみたいね。一応、そういう自覚はある」
デュバリー:とはいえ、他のオーヴァードと色々比較してみて、どうも自分は違うらしい、と認定された、という程度でもある。なにせ前例が少なすぎる。
デュバリー:「人間とは根本的に異なるという感覚……人間の形を『作っている』という自覚……」
デュバリー:「そういったものが、他のオーヴァード……ワーディングに倒れないもの、つまりこちらの世界に入ってこれるもの全員のものではないと」
デュバリー:「気付いたのはだいぶ後のことではあったよ」
アレンデ:「何故そのような現象が起きたのか、明確な答えは未だ得られていません」
アレンデ:「実験の結果として、偶発的に異世界への《ディメンジョンゲート》が開いたとの説もありますが、確証はありません」
アレンデ:「何にせよ、“プロホロフカの惨劇”とは、“α”と戦艦エルドリッジ……我々が『第一始祖』、『第二始祖』と呼ぶ二つの存在により引き起こされたものだったのです」
デュバリー:「まあ、ゲートの技術を実現できれば、戦争では無敵に近いだろうからね。その過程の不可解な事故ってこと」
アレンデ:頷き「ええ。この結果はアメリカ側も完全に予想外のものでした」
アレンデ:「暴走する二体の始祖を停止させるどころか、一体何が起きたのかさえ分からなかった」
アレンデ:「そんな中、プロホロフカで二体の始祖を休眠状態とし、一早く事態を収拾した集団がいました」
アレンデ:「それが“ファルスハーツ”と呼ばれる、私の属する組織です」
デュバリー:「ファルスハーツ……」
デュバリー:『偽心』。何かの比喩だろうか、と考える。
アレンデ:「“プロホロフカの惨劇”により、オーヴァードは爆発的に増加しましたが……この世界にはそれ以前にも、ごく少数ながらオーヴァードが存在していました」
デュバリー:“ガヴィダの魔女”の顔を思い出す。あるいは“バーバヤガー”か?
アレンデ:「ファルスハーツとは、そういった者達の集まりです。彼らはその後、米国の上層部と密約を交わし……」
アレンデ:「レネゲイドに関する先駆者として、様々な事案について影から糸を引くようになりました。アメリカのみならず、欧州を中心に世界中様々な国についてもそうです」
アレンデ:「そうして迷える子羊を啓蒙するようにして、FHは都合よく世界に根を張り……」
アレンデ:「またアメリカ側では、覚醒したエルドリッジの乗組員が“船員たち”と呼ばれ、これまでに無い独自の権力として政治と軍事を掌握するようになりました」
デュバリー:「……その割には、頼りないのね。満州の"タケミカヅチ"に、ローマの"α"」
デュバリー:「あなたの言いぶりじゃ、"ファルスハーツ"にだってそれに対応できる力はありそうなものだけど」
デュバリー:ページをめくる。『この世界ならぬ者は、我々を見ているのだ。我々が、この世界ならぬ者を見ているように』
アレンデ:「最初から対応する気が無かったのです。それぞれ理由は別ですが」
アレンデ:「FHは基本的に、オーヴァードを第一とした優生思想の持ち主が多数を占めています」
アレンデ:「“タケミカヅチ”に関しては、満州にどれだけ被害が出ようと知ったことではなかったのです」
アレンデ:「私はそれには同意しませんが……あれを止めようとしたのは、また別の理由があったから」
デュバリー:「……エミリア?」
アレンデ:「もっと単純です」声に笑みの色が混ざり
アレンデ:「日本におけるレネゲイドビーイングの軍事利用を後退させたかった」
アレンデ:「実際、膨大な予算を投じた“タケミカヅチ”がアイギスにより打倒され、以降日本軍の“荒御魂”関連予算は大幅に削減されました」
アレンデ:「勿論、アイギスに貸しを作っておきたかったのもありますが」
デュバリー:「目的はそっちか……仲間意識、みたいなものなのかな、それは。それとも損得?」
デュバリー:「……何かの計画? 名前の通りに」
アレンデ:「前者でも後者でもある、とだけ。貴女にも繋がりを作れましたし、私にとっては得しかない案件でした」
デュバリー:「まあ、あの時あは純粋に助けられたし、どうこうと言うつもりはないけどね……」
デュバリー:言いつつ、声音にはどこか不平が滲んでいる
アレンデ:「“α”に関しては……そうですね、それを説明するためにも、一度話を戻しましょう」
アレンデ:「“船員たち”の目的はシンプルです。始祖の力を利用した、アメリカによる世界制覇」
アレンデ:「第一始祖……“α”を目の当たりにしたのなら、そう馬鹿げた話でもないと思われるのでは?」
デュバリー:「……じゃあ、何? あれはあなたたちが放出した軍事兵器だったっていうの?」
アレンデ:「“船員たち”とFHは協働していますが、別の組織です。我々の目的はまた別にある……」
アレンデ:「というより、FHは特殊な組織なのです。あくまでそれぞれの目的を持った派閥が寄り集まっているに過ぎず、到底一枚岩とは程遠い」
デュバリー:「それって組織というか……まあ、いえ、でも理解はできる」
デュバリー:「もともと"オーヴァード"というカテゴリーを所属させる、みたいなものだったのね。別にそれぞれがバラバラでも、"惨劇"以前は、オーヴァードなんてめったにいなかったから」
デュバリー:「今は少ないけど、だいぶ増えたから、その特徴はなくなって……イニシアチブはあるけど、内部的にはバラバラなんだ。うん」
アレンデ:「理解が早くて助かります。老人の寄り合い所などと揶揄されることもありますが」
アレンデ:「さて、“船員たち”は彼らのその目的の為に、あらゆることをしてきました」
アレンデ:「彼らは“惨劇”について探る者を悉く抹殺してきた……貴女も、それはよくご存じのはず」
デュバリー:ページをめくりかけていた手が止まる 「……そう。あいつも"船員たち"か」
デュバリー:「まあ、そうよね。あの局面で突っ込んでくるようなヤツなんだから……」
アレンデ:「アメリカにおけるオーヴァードの排斥活動に関しても、そのひとつです」
アレンデ:「始祖の力を用いる以上、彼らにとってオーヴァードの存在は有害な不確定要素でしかない」
アレンデ:「始祖に唯一対抗できるのは、オーヴァードだけですから。ローマの戦いで、図らずもそれは証明されました」
デュバリー:「淫蕩を禁ずる神父が少年を犯すが如しね」
アレンデ:「最も、世界中に広げるはずだったそのムーヴメントは、結局ほぼアメリカだけに留まったようですが……」
アレンデ:「欲望の前には、語られるだけの思想や倫理など無価値ということでしょうね」
デュバリー:「あるいは、その一歩のための"アイギス"撃破か……」
アレンデ:頷き「そして、彼らは更に次の段階に計画を進めました」
アレンデ:「人工的な始祖の製造です」
アレンデ:「それが可能ならば、彼らの野望はいよいよ現実味を帯びてくる」
デュバリー:「……例のフィラデルフィア計画? の船も、偶発的とはいえ、人工の産物でしょうからね」
デュバリー:「"α"の件からしてある程度の制御はできるようだし、そうなれば増産。自然な流れ」
アレンデ:「そうして生み出されたのが、あの少女……」
アレンデ:「エミリアです」
デュバリー:「…………」
デュバリー:わずかに沈黙。だが、頷く 「まあ……」
デュバリー:「腑には落ちる、かな。彼女も全然、普通じゃなかったし……」
デュバリー:「あの放送も、完全なハッタリでもなかったんだ」
アレンデ:「エミリアの設計思想は、オーヴァードが蔓延した今の世界に対応したものでした」
アレンデ:「一年前、トライブリードが発見され、以降覚醒するオーヴァードが飛躍的に増加しているというデータがあります」
アレンデ:「覚えはありますか?」
デュバリー:「……」 思い出したのはコリン・ゴッズウィルだ。なるほど彼は一帯にてただ一人のオーヴァードではあったが
デュバリー:あるいはハリエット。彼女もまた、様々な偶然により懐中に収めることのできた、希少な存在である。
デュバリー:そしてローマ会戦に集結したオーヴァードたち。そして、ルカ。
デュバリー:「……確かに思い返すと、知り合いの中にも、ここ一年でそうなった手合いは多いかも」
アレンデ:「それは、彼女の宿す新種のレネゲイドウィルスに原因があります」
デュバリー:「エミリアの……?」
アレンデ:「そのウィルスは従来の第一始祖・第二始祖のものに比べ、飛躍的に感染力・覚醒率が高く──」
アレンデ:「また、既に覚醒済みのオーヴァードに対しても感染するという特性を持っています」
アレンデ:「ベキューさん、貴女もそうですね」
デュバリー:「……分かるものなのね」
デュバリー:否定はしない。時期にしてこの一年以内で、明確に『精度』が上がった記憶は確かにある。植物への感応、あるいは操作についてだ。
デュバリー:その時まではうっすらした共感めいたものだったのが、どこか理路整然とした……あるいは強制にも似た、具体性を伴うようになったのだ。
アレンデ:「始祖たちは、ある共通した能力を持っています」
アレンデ:「それは、自らのウィルスによって生まれたジャームを、自在に操作できる力です」
アレンデ:「貴女は既にローマでも目にしているはずですね」
デュバリー:……本来無軌道に飢え暴れまわるジャームを、"α"が統率しているようにしか見えなかったのは、記憶に新しい。それもあの始祖なるものの特色の一つか。
アレンデ:「エミリア……第三始祖は、その能力に着目して設計されました」
アレンデ:「大量のジャーム……ともすれば他国の戦力をも操作できるというのは、凄まじい優位性となりますからね」
デュバリー:「そうね。ジャームの操作という能力を前提にすれば、オーヴァードを爆発的に増加させる……つまるところ、ジャームも増加させられるようにするのは」
デュバリー:「理解できる。……とんでもないね、エミリア」
デュバリー:「なぜだか"アイギス"の手の中にあることも含めて」
アレンデ:「ええ。とんでもないのですよ」嘆息して
アレンデ:「ここに来て、順調だった“船員たち”の予想外のことが立て続けに起きています」
アレンデ:「一つは今仰ったように、エミリアの逃亡」
アレンデ:「彼らにとっても完全に計画外のことで、アイギスの元にいるというのが知られたのも数週間後のことでした」
デュバリー:(結局あの時、何があったんだろう……改めて詳しく確かめる必要があるのかな)
アレンデ:「その後は遠巻きに監視していたようです。焦らなかったのは、始祖を殺せる者などいないのと、彼らに制御権があるから。それにこうしてアイギスに咎を着せる算段があったから……といったところでしょうか」
アレンデ:「そしてもう一つは、アメリカ国内の動き」
デュバリー:「アメリカの?」
アレンデ:「アメリカ対超人テロ・センター……現在のアメリカでの、オーヴァード排斥運動の中心といえる組織ですが」
アレンデ:「そのトップが、“船員たち”に反する動きを見せています」
デュバリー:少し瞬きして 「……ふっ」 笑う
アレンデ:「マクシミリアン・ブラッドリー」
GM:デュバリーさんは知っていると思うので情報を出します

マクシミリアン・ブラッドリー
大統領補佐官。
CIA職員として長年勤務してきた情報のエキスパート。中央情報長官から大統領補佐官に就任した。
現在のアメリカのオーヴァード排斥路線の中心にいる人物であり、古くは超人災害対策特別措置法の成立にも関わった。
オーヴァードを蛇蝎の如く忌み嫌っており、絶滅思想を抱いている。
菜食主義者でスポーツマン。


デュバリー:知っていました
アレンデ:「大きな権力を握った彼は、“船員たち”を排除しようとしているような動きが見られます」
アレンデ:「対して、“船員たち”は……今や烏合の衆に等しい」
アレンデ:「時間が経つに連れ、彼らは深刻なジャーム化が進行しつつあります」
デュバリー:「へえ……」
アレンデ:「彼らの頭脳であったノイマンの死後は、代理人であったはずのメッセンジャーが、事実上の意思決定権を有している始末」
アレンデ:「その男が、ロバート・クロムウェル上院議員」
アレンデ:「現在のアメリカは、この二人が水面下で争い合う状況が続いています」
デュバリー:「……なんていうか」
デュバリー:「その状況で、敢えて"アイギス"に何を頼るのかがよくわからないな」
デュバリー:「つまり、アメリカは……放っておけば、内部で適当に叩き合って、沈んでくれるんじゃない?」
デュバリー:「……それとも、追い詰められて何をするかわからないからこそ、とっとと"アイギス"を再始動させて、対抗できるようにしてほしいの?」
アレンデ:「この件に関しては、あるいはそうかもしれませんね」
アレンデ:「実際のところ、私はこの争いに関してはそれほど興味はないのです」
アレンデ:「私がこうしてあなたに接触したのは、他に対抗したい相手がいるから」
アレンデ:「“デリュージュ”」
アレンデ:「ご存知ですね」
デュバリー:「……ええ」
デュバリー:ミルシュカの話を間接的に耳に入れている。かつて"アイギス"が確実に殺し……
デュバリー:「なぜか最近、戻ってきた男」
アレンデ:「数か月前、FHに対し、イタリアからある依頼がありました」
アレンデ:「死亡した彼らの英雄、フランチェスコ・ヴァレンタインを蘇生させてほしい、と」
アレンデ:「彼らにとっては藁にも縋るような思いだったのでしょうね。国の為、手段は問うてはいられなかった」
アレンデ:「FHは“船員たち”を経由して、米アップル・ディスコルディア社に施術を依頼しました」
アレンデ:「彼らは兼ねてより、オーヴァードの蘇生実験を繰り返していたのです」
アレンデ:「名を、“再誕計画”といいます」
デュバリー:「……"再誕リバース"……」
アレンデ:「オーヴァードのリザレクト能力に着目し、彼ら数人分の死体から新たに一人のオーヴァード……“再誕者”を生み出す」
アレンデ:「複数のオーヴァードの能力と意識が融合することにより、飛躍的に能力を上昇させるが、ジャーム化は免れない」
アレンデ:「大まかにはそのような技術です」
デュバリー:「……よくもまた、そんなろくでもないことを考える」
デュバリー:「いえ、元々はそんな形ではなかったのかもしれないけど……」
デュバリー:目を細める。ページをめくる手はずいぶん止まっていた。『深い夜に、火を焚き、歌い踊る。この世界ならぬものの世界に、我々の技術を灯すことで、ふたつの世界は互いを認識することができる』
アレンデ:「果たして“デリュージュ”は蘇った。しかし、彼はイタリアには戻らず……“船員たち”の配下でもなく、FHの一員となった」
アレンデ:「そして、イタリアに第一始祖を解き放ったのは……他でもない彼の手によるものなのです」
デュバリー:「……"デリュージュ"が……イタリアを」
デュバリー:「あんなことにしたの。……それをイタリアの政府は……いや……」
デュバリー:言いかけて苦笑する 「残ってないか」
アレンデ:「“デリュージュ”の目的は、私にも分かりません。しかし、それが単にイタリアを滅ぼすに留まらないことは確かであり……」
アレンデ:「私の目的と相反することも確かです」
アレンデ:「あのような地獄を、私は望んでいない」
アレンデ:「故に、貴女の力を借りたい。アイギスの、“娘たち”の……“死なない女”の」
デュバリー:「…………」
デュバリー:多くの話があった。そのどれもが、なんとなく察していたような気がするし、予想だにしなかったことにも思える。理不尽なことのようにも、筋の通ったことのようにも
デュバリー:ただ、有益だった。そして、指針にもなった。そのうえで一つ、確かめなければならない。
デュバリー:「"アレンデ"。あるいは"プランナー"。どちらが適切かは分からないけど」
デュバリー:「あなたの望みは何?」
アレンデ:「現時点において、国家、世界……あるいは人類が滅びるのは、私にとっても有益でない、とだけ」
アレンデ:「利害は一致しているはずです。少なくとも今は」
デュバリー:「そこの部分で気が合ったのは幸いね」
デュバリー:「私も、……"アイギス"も、そこは確かだと思う」
デュバリー:「後はそれだけの力をもう一度手にして、立ち上がれるかどうか」
アレンデ:「さて。そこは賭けですね」
アレンデ:「立ち上がれないのなら、貴女に立ち上がらせてもらわなければ」
デュバリー:ふ、と笑う 「情けない男を元気にするのも仕事のうちだけどね」
デュバリー:ページをめくる 「……話は終わり? だったらあなたから去って」
デュバリー:「今日の私は文学少年だから」
アレンデ:「郷に入っては郷に従え、ですか?」その本を一瞥して微笑し
アレンデ:「ええ、それではお先に失礼します」
デュバリー:「また電話して」
アレンデ:「はい。また必要な時に」
アレンデ:それ以上の言葉は交わさず、また何事も無かったかのように去っていく。
デュバリー:人けのない駅前に、枯れた風が吹く。白い指が、頁のふちをなぞる。
デュバリー:『生きている内に一度でも天国に足を踏み入れし者は、死んで後、天国に行けるものではない。』
デュバリー:……ページをめくる。



GM:シーン終了。ロイス取得可能です
デュバリー:アレンデ/○有為/警戒
デュバリー:これかな。以上で。



【Interlude】

GM:シーンPCはルカくん。登場侵蝕は不要です。
ルカ:出ます!
アメリカ ボストン
GM:数日後。
GM:ハナが朱と共にカリフォルニアのディズニーランドに行くというので、君はエミリアと共に二人で家に残された。
GM:未だに街では君の捜索が続けられ、ニュースでエミリアの顔を見ない日は無い。大手を振って外出できる日は遠い。
エミリア:「ルカ、ディズニーランドとはどんな場所なのですか?」
ルカ:「遊園地だ、遊園地」
ルカ:「ジェットコースターに乗ったり、マスコット見たり…」
ルカ:自分も別に行ったことはない。「遊び惚けるための場所」
エミリア:「あっ……聞いたことがあります!」
エミリア:「ルイジアナの娯楽室を大きくしたような場所だと……」
エミリア:「とても楽しそうですね!」
ルカ:「こんな状況じゃなくちゃな」
ルカ:目線は地元新聞紙に落とされている。景気の悪そうな文字面が並ぶ。
ルカ:少なくとも、アイギスの仲間が捕まったようなニュースはない。
ルカ:「……このままじゃダメなのは分かるんだけど」
ルカ:新聞を畳み、テーブルに投げる。
ルカ:「疲れた」
エミリア:「ルカ……」
エミリア:「……!」
エミリア:何か言おうとして、とりあえず握りこぶしを作る。
エミリア:「げ……元気を出してください!」
ルカ:「あんたが言うかよ」 苦笑する。
エミリア:「そ……それはそうかもしれませんが……!」
ルカ:「ちなみに、あんたならどうしたらいいと思う、この状況」
エミリア:「……」
エミリア:難しい顔のまま固まる。
エミリア:「えっと……」
エミリア:「……」
ルカ:「……」
ルカ:「別に」
ルカ:「このままがいいって言ってもいいよ」
エミリア:「……えっ……?」
エミリア:驚いたように目を瞬く。
エミリア:「ルカ……?」
ルカ:「今更、嘘つかれても困るだろ」
ルカ:「戦いたくないならそう言った方がいい」
エミリア:「……」
エミリア:「ルカは……」
エミリア:「……ルカは……そう思いますか……?」
ルカ:「このままじゃダメなのは確か」
ルカ:「仲間は散り散り、あんたは諸悪の根源で、見つかったらとっ捕まって地獄みたいな目に遭う」
ルカ:「でも別に…、……」
ルカ:立ち上がり、冷蔵庫から水を取る。
ルカ:「………殺し合いは怖いだろ」
ルカ:さんざん言葉に迷ったあと、結局そう言う。
エミリア:「……」
エミリア:「……ルカ……あなたは、ずっと……?」
ルカ:「うるせ」
ルカ:「あんたに聞いてんだ」
ルカ:台所に未開封のポテトチップスを見つけて、それを片手に戻って来る。
エミリア:「……わたしは……」
エミリア:迷うように瞑目し、
エミリア:「……そうですね。殺し合いは、怖いです」
ルカ:「うん」
エミリア:「でも……」
エミリア:「……わたしは、もし……」
エミリア:「もし、生きる為にそれが必要だというならば……」
エミリア:「わたしは……」
GM:君の視界が明滅する。
ルカ:「あんた、いつもそう言うけど…」
GM:部屋を照らす電灯が、点いたり消えたりを繰り返しているのだ。
ルカ:「……」顔を上げる。眉をひそめる。
GM:消されていたテレビの電源が勝手にオンになり、猥雑なバラエティ番組が流れ出す。
GM:次々にチャンネルが切り替わり、画面に砂嵐とノイズが走っていく。
ルカ:「…なんだよ」
ルカ:「エミリア」少女の手首を掴み、引き寄せる。
エミリア:「……ルカ……?これ……」
エミリア:不安げに君を見上げる。
GM:バチバチと電気の爆ぜる音。電話の着信音やトースターのベルが鳴り響く。
GM:そうしている内に、次第にテレビの砂嵐が収まり、一人の男の顔を映し出す。
ルカ:「ただのポルターガイストだったら、そっちのがマシだな」
ルカ:不機嫌そうな顔で言って、テレビに視線を移す。
GM:白い顔をした男だ。薄ら笑いを浮かべ、画面から真っ直ぐに君を見つめている。
GM:顎の辺りに置いた右手には、違和感がある。その指の数は、6本。
ロバート・クロムウェル:「……斑鳩・フォード?」
ロバート・クロムウェル:「それとも、ルカくんと言ったほうがいいかな?」
ロバート・クロムウェル:眼鏡の奥から、細めた目で君に語り掛ける。
ルカ:(……見えてる)
ルカ:少女を背中に隠すようにする。
ルカ:「…どっかで見たことあるような顔してんな」
ロバート・クロムウェル:「それは光栄だ」
ロバート・クロムウェル:「初めまして。私はロバート・クロムウェル」
ロバート・クロムウェル:「一応、上院議員だ。以後お見知り置き」
ルカ:「……そう。……アメリカってのは」
ルカ:「政治家にオーヴァードがいて許される国だったの?」
ロバート・クロムウェル:「まさか!そんな訳がないじゃないか」面白そうに笑って
ロバート・クロムウェル:「君のことはよく知っているよ、ルカくん」
ロバート・クロムウェル:「そのポテトチップ、最近よく食べているね。気に入ったのかな」
ロバート・クロムウェル:「クレアくんのお菓子とどっちが美味しい?私も食べてみたいな、何と言ったかな、あのオレンジの……」
ルカ:「あ?」 身の毛がよだつような感覚がして、眉間に皺が寄る。
エミリア:「……」僅かに君に縋るようにする。
ルカ:「あんた、何。何をどこまで知って……、いや」
ルカ:「…いや。クロムウェルつったか。あんたは、何だ」
ルカ:後ろのエミリアをより隠すようにする。
ロバート・クロムウェル:「そうそう!オランジェットだ。やっと思い出せたよ…… うん?」
ロバート・クロムウェル:「言っただろう?この国の上院議員だよ」
ロバート・クロムウェル:「ああ、心配しないでいい!」
ロバート・クロムウェル:「君に危害を加えるつもりは無いからね。用があるのはその子だけだ」
ルカ:「……、わざわざ回りくどい真似して話しかけてきて」
ルカ:「何がしたいの」
ロバート・クロムウェル:「おっと、こうして顔を見せたのは、君達に感謝しているからだよ」
ロバート・クロムウェル:「その子を大事に匿ってくれて……あまつさえ罪を被ってくれて」
ロバート・クロムウェル:「私としては非常にありがたい!いや、握手出来ないのが残念なくらいだよ」
ルカ:「こいつが、始祖とかどうとか」
ルカ:「嘘だって認めるんだ」
ロバート・クロムウェル:「嘘?」
ロバート・クロムウェル:「ハハハッ!残念ながらそこは本当だよ!」
ロバート・クロムウェル:「まあ、造ったのは勿論アイギスなんかじゃないがね……まあ、それは君も分かってるだろう?」
ロバート・クロムウェル:録音でもされれば致命傷になりかねないことを、ぺらぺらと口にする。それだけ能力に自信があるのか。
ロバート・クロムウェル:「その子……第三始祖は返してもらうよ。そろそろ必要なんだ」
エミリア:「っ……ルカ……!」
ルカ:(…どうせ居場所も掴まれてる。コイツの言う『見られてる』っていうのが本当なら)
ルカ:(お喋りする余裕もあるってくらい…)
ルカ:「……渡すかよ」
ルカ:エミリアの手首を掴み、引き寄せる。
ロバート・クロムウェル:「いや?」小首を傾げ「そっちから来てもらう」
GM:瞬間、テレビの画面がぐにゃりと歪み、気分が悪くなるような極彩色の波形が入り乱れる。
GM:家中のスピーカーから耳を劈く高音が断続的に鳴り響く。恐らく人には聞き取れない周波数のものも。
エミリア:「……あ……」
エミリア:それを目にし、耳にした瞬間、エミリアの動きが止まる。
ルカ:「っ…」 強烈な不快感。
ルカ:「エミリア!」
エミリア:「……ル……カ……」
エミリア:宙を仰いで、がくがくと身体を震えさせる。その表情からは感情が消え失せている。
ルカ:「……!」 嫌な予感を覚え、エミリアを抱えて脱出を試みようとします。
ルカ:少女を抱えようとする。
エミリア:エミリアの周囲に光の花が次々と咲き乱れ、そして見る間に枯れていく。
GM:触れようとした瞬間、君のその手が燃え上がる。
GM:激しく燃え盛る炎が、手から腕、全身に広がっていく。
ルカ:「っ……!」 声を上げようとした酸素が奪われる。
ルカ:伊国での光景が脳裏を掠めた。
エミリア:「……」
エミリア:炎の向こうで、ゆらりと一歩踏み出す。
エミリア:身体が屈折する光に変換されるように、その姿が消失していく。
ルカ:「────」身を焼かれる激痛が苛む。叫ぼうとし内側も焼かれながら、彼女が消えていくのを見る。
ロバート・クロムウェル:「それじゃ、ルカくん。お世話になりました」
GM:クロムウェルの言葉と共に、エミリアの姿は完全に消失し──
GM:静寂が戻ってくる。テレビの画面も騒音もどこにもなく、君を包んでいた炎も嘘のように消えている。
GM:服には焦げ跡ひとつ付いていないが、皮膚は火傷を負っていて、リザレクトが働いていく。
ルカ:「っ、は………、は………」奪われていた酸素を必死に取り込む。
ルカ:「………、」
ルカ:再生しゆく皮膚だけが、先ほどの光景が事実だと教えてくれる。
ルカ:静かな家に、一人しかいない。広げられたポテトチップスがあまりに滑稽で、あの男の声色がぐるぐると纏わりついてくるようだった。
ルカ:「……、くそ」
ルカ:「くそ……」
ルカ:罵声を吐く自分の声すら滑稽だった。
ルカ:頭を振る。
ルカ:このままじゃダメで、どうにかしなければならないのは明白で、
ルカ:だから…、こうしようってすぐ思いつけるような人間であったら。
ルカ:そもそもこんな状況になってないんじゃないのと自嘲して、そんな自分に呆れる。



GM:全員任意の《情報》で判定を行ってください。目標値は13。一定値を越えると更に追加の情報もあります
ギル:え~なんだろ
アッシュ:コネ:アイギス戦友は使えますか?
GM:コネも使用可!
ギル:じゃあアイギスくんのコネを使うか
クレア:なにい~
ルカ:《情報:アイギス》でコネ使用して判定します~
ルカ:4dx+2>=13 とうっ
DoubleCross : (4DX10+2>=13) → 9[5,7,9,9]+2 → 11 → 失敗

ギル:3DX+4
DoubleCross : (3DX10+4) → 7[3,6,7]+4 → 11

アッシュ:同じく情報:アイギスコネ使用で
アッシュ:3dx+2>=13
DoubleCross : (3DX10+2>=13) → 8[4,6,8]+2 → 10 → 失敗

ルカ:こちら財産Pを2点払って成功させます!
ギル:これってお金使えるのかな
ギル:あっ被った
クレア:せっかくだし早速《巨匠の記憶》をつかおうかな
GM:使えるけど知ってるぜ……ってかっこいい顔できるだけで
GM:ゲーム的にそこまでメリットは無いです
ルカ:なっ 何~
クレア:そうなんだ……
GM:でもかっこいい顔はできます
GM:一人も成功しなかったらその時考えます
デュバリー:コネ:情報屋 使うよ~
ルカ:じゃあやっぱ払わなくていいや 失敗しまーす
クレア:じゃあカッコイイ顔したいので本気でやります
ギル:じゃあ私も漁師だからわからん
デュバリー:7dx+3=>13
DoubleCross : (7DX10+3>=13) → 10[3,3,4,5,6,8,10]+10[10]+7[7]+3 → 30 → 成功

クレア:すご
GM:なっなんだこいつ
ルカ:ヤバ~~~
デュバリー:知ってるぜ……
アッシュ:どうしよ カッコいい顔すべきかそういうの疎い方がぽい気もするが
ギル:かわいい~
ルカ:アッシュ様 寝てましたからね
アッシュ:さすデュバ
ルカ:ミルシュカちゃんか師匠に教えてもらったかどうか みたいになりそう
クレア:コネ使用、《巨匠の記憶》《コンセントレイト:モルフェウス》 情報:アイギス
アッシュ:そうなるんですよね
クレア:6dx7>=13
DoubleCross : (6DX7>=13) → 10[1,3,4,8,9,9]+10[3,5,7]+10[9]+2[2] → 32 → 成功

ルカ:ヤバい子二人目!
ギル:かっこいい顔したすぎだろ
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を3(→ 3)増加 (35 → 38)
クレア:知ってたわ
アッシュ:めっちゃ知ってた
GM:こいつら~~
GM:では13を越えた人には以下のことがわかります

各国の諜報機関に、ある情報が流れている。

アメリカ軍内部で不審な動きが見られる。
警備体制の変更、物流の統制、監視の強化。
何らかの最重要物資が運び込まれた形跡が見られる。
恐らくはそれが行方不明の第三始祖だろう。
物資の搬入先は、アメリカネバダ州レイチェル。
米軍が隠蔽する、『存在しない基地』。通称エリア51だ。


GM:さらにクレアくんとデュバ吉には以下の追加情報も分かります

米軍が隠蔽した情報だとすれば、この情報の拡散も露見も早すぎる。
情報自体は真実だろうが、恐らくは何者かが敢えて流失させたものだろう。
その首謀者は“船員たち”に敵対する大統領補佐官、マクシミリアン・ブラッドリーだ。





【OP2/アッシュ・ノイ・ジラード】

GM:アッシュくんのOPです。登場侵蝕をどうぞ
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (42 → 45)
ギル:アッシュくん!
オランダ ユトレヒト
GM:アッシュが意識を取り戻してから1ヶ月後。
GM:ベルナデットと共にアッシュがリハビリと訓練に励む間、ミルシュカは「色々とやることがある」と忙しそうに各地を飛び回っていた。
GM:そんな中、君は訓練によってかつての身体感覚を取り戻し、更に研ぎ澄ませていった。
アッシュ:4か月のブランクからの復帰後、アッシュの戦闘スタイルは若干の変貌を遂げていた。
アッシュ:黒い影と蒼い雷は変わらず。鋭く速い太刀筋も変わらず。しかし――
アッシュ:真正面から相手の攻撃を受け止める。その捨て身に近い動きが無くなった、あるいは無くそうとするようになった。
アッシュ:無論、受け・躱しの技術は一朝一夕で身に着くものではない。効果が上がっているかと問われれば是とは言えない。
アッシュ:だが、かつてのアッシュと明らかに違う動きを彼自身が選んだ。その事実は確かである。
ベルナデット:「……よろしい」その雷剣を同じく受け止めながら、接触の瞬間に持ち替えている。
ベルナデット:咄嗟に浮かせて本体への通電を防いでいる。離した手で銃を抜き撃つ。
ベルナデット:今までであれば直撃であっただろうが。
アッシュ:弾丸は髪を僅かに掠めただけ。大きく屈むことで躱しながら次の一撃への布石にしている。
アッシュ:地を這うように伸びた影がベルナデットの足元に迫る。当然、雷を帯びながら。
ベルナデット:それを避けない。強引に突っ込んで体ごと当てに行く。
アッシュ:突っ込んでくる体に剣を合わせる。受けの体勢を整える間に、影はベルナデットを捉える。
ベルナデット:「くっ」受けの技術が完璧になった訳では無い。だが。
ベルナデット:明白な隙が消えたことで、攻撃への厚みが出る。その影に捉えられる。
アッシュ:その隙を逃すまいと放電音が鳴る。影を伝った雷がその身を焦がし。
アッシュ:力の抜ける隙を逃すまいと、構えていた刃を逆今朝に振り切る。
ベルナデット:致命点だけを防ぐように刃を構えるが、もはや不十分。
ベルナデット:そのまま弾かれて手から離れた。
ベルナデット:「ぐうっ……フーッ……!」
ベルナデット:「……成長速度は相変わらずですか」
アッシュ:「プラス、先生の教え方じゃない?」
アッシュ:笑いながら一度剣を鞘に納める。
ベルナデット:「であればいいですけど」焦げた体が再生していく。
ベルナデット:「……再生能力に頼らないようになってきましたか」
ベルナデット:「いい傾向です。再生能力は有限であり無敵ではない。という話ではなく」
ベルナデット:「再生に使うはずの分を浮かせれば、その分攻撃に侵蝕を回せる」
ベルナデット:「使うべきときに使える、というわけです。"効率的な動かし方(エフィシエントワーク)"は身に着けたようで」
アッシュ:「そこまで理論的に考えてた訳でも無いんだけどな」
アッシュ:「ただ、ちょっとした意識の変化ってやつだよ」
ベルナデット:「敗北が君を変えましたか、ノイ・ジラード」
アッシュ:「負けたこと自体は初めてだけど、負けても変わらないヤツは負け続けるだけだってのは知ってる」
ベルナデット:「皮肉です?」
アッシュ:「先生は変わってるじゃん。オレが目の前で見た例だってのは否定しないけど」
ベルナデット:「……まあいいでしょう。もう一つ、意識するべきことがあります」
ベルナデット:「力の抜き入れを覚えた今であれば、可能だと思います」
ベルナデット:「君は本気の攻撃で、本当の意味で本気を出し切っていない」
ベルナデット:「無意識でしょうけど。剣が壊れぬようにセーブしている」
ベルナデット:「……これは剣という形に閉じ込めた、どこぞの師匠の瑕疵かもしれませんが」
アッシュ:「瑕疵なんて言い方はやめてほしいな。せっかく気に入ってるのに」
アッシュ:「ともかく、本気を出し切ることを意識しろ――もしくはコイツが壊れないって信用しろってこと?」
アッシュ:例の襲撃時にも振るい、そしてともに転移してきたサーベル。その柄をトントンと指で叩く。
ベルナデット:「ええ。それは最早、君のレネゲイドと不可分です」
ベルナデット:「ただの剣ではない。アッシュ・ノイ・ジラードの雷を絶え間なく受け、鍛えられ続けたもの」
ベルナデット:「きっと望みに応えられますとも」
アッシュ:その言葉を聞きながら、剣を抜く。シャランという鞘鳴りと共に白刃が光を浴びる。
アッシュ:数多の戦いを共に乗り越え、幾度も打ち直され、初めての敗北を経てなおこの手に収まっている。
アッシュ:「そういや、名前も付けたことなかったな」
アッシュ:かつて相対した日本軍。その隊長が自身の刀の名を口にしていたことを思い出す。
アッシュ:「オレの武器だし、"rame"なんてどうだ?相棒」
アッシュ:刃は何を返す訳でもない。だが、思い返せばコイツが折れたことは一度も無かった。
アッシュ:「これからもよろしく」
GM:その時、訓練場としている地下室に、ミルシュカが姿を現す。
ミルシュカ:「……アッシュ!」
ミルシュカ:戻ってきたばかりなのか、息を切らしている。焦った様子。
ミルシュカ:「……ちょっといい?」そう言って、君を連れ出す。
アッシュ:「なんか厄介事?」
アッシュ:先生には軽く手を挙げ、大人しく従う。
ミルシュカ:そうして、デュバリーからの情報と、エミリア──第三始祖の件を簡潔に伝える。
ミルシュカ:「……第三始祖の力を、思惑通りに彼ら──オーヴァード排斥路線のアメリカに渡すわけにはいかない」
ミルシュカ:「それ以前に、エミリアはアイギスのメンバーだから。放ってはおけない」
ミルシュカ:「これを機にアイギスは反攻作戦に打って出る。それが舞さんからの通達」
アッシュ:「なるほどね」
アッシュ:「舞の"ゲート"を使うんだよな?集合場所は?」
ミルシュカ:「……それなんだけど」嘆息して
ミルシュカ:「舞さんのゲートは、殆どが敵に掌握されて使えない状態なの。残ったもので多少のショートカットは出来るだろうけど、直接乗り込むのは無理」
ミルシュカ:「全員で合流するのも、危険性を考えると望ましくない。つまり……」
ミルシュカ:「各自でエリア51を目指し、現地で合流。そういうことになる」
アッシュ:「……ソレ、どれだけ集まれるかは運次第って意味にならねえ?」
アッシュ:「一部は連絡付かなくなったりもしてるんだろ?」
ミルシュカ:「今、舞さんとハミースさんが連絡を回してる。最大限バックアップはするけど……」
ミルシュカ:「まあ、そういうことね。あとは天命を待つしかないのは事実」
ミルシュカ:「アイギスの現状はそれだけ厳しいってこと」
アッシュ:「なら、集まれなかったヤツらの分はオレが働くとするか」
アッシュ:そう当然のように笑って。
アッシュ:「航路の選定は頼めるだろ?オペレーター」
ミルシュカ:「……あー……」バツが悪そうな顔。
ミルシュカ:「一緒に行きたいのは山々なんだけど……」
ミルシュカ:「あなた、放っておくとめちゃくちゃしそうだし……」
ミルシュカ:「でも、ごめんなさい。私は私でやることがあるの」
ミルシュカ:「途中までのルートは指示出来るけど、後はアドリブになるわ」
アッシュ:「ああ、そうなるのか。まあ最近もずっと忙しそうだったしな」
アッシュ:「d'accord.途中からはどうにかするさ」
ミルシュカ:「悪いわね。気を付けて、アッシュ」
ミルシュカ:「お互い、するべきことをしましょう」
アッシュ:「ああ。そっちも気を付けて」
アッシュ:「下手は打たないだろうけど無茶は結構するからな、キミ」
ミルシュカ:「あなたに言われたくないわよ」笑う。
ミルシュカ:「それじゃあ、またアメリカで」
アッシュ:「アメリカで」
アッシュ:ひらりと手を振ってミルシュカを見送る。
ベルナデット:「アッシュ・ノイ・ジラード」
ベルナデット:「Bon voyage」
アッシュ:「merci.vous aussi」
アッシュ:「またいずれ、戦場で。先生」



GM:シーン終了。
GM:ロイス・購入可能です。
アッシュ:ロイスは取ってるし、応急手当キットでも試しておこう
アッシュ:2dx+3>=8
DoubleCross : (2DX10+3>=8) → 8[7,8]+3 → 11 → 成功

アッシュ:OK。一個取得して終了!



【OP2/クレア・アップルシード】

GM:クレアくんのシーンです。登場侵蝕をどうぞ。
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (38 → 42)
フィンランド
GM:1964年2月。
GM:厳冬のフィンランド。深い雪が山を白く閉ざす中、普段は訪れる者の無い山小屋に訪問者があった。
GM:アイギスのエージェント、ハミースだ。長らくアイギスと連絡が取れなかった君の元にも、彼によって状況と反攻作戦の報が届けられた。
クレア:「北方連合経由で、リッケンバッカーにも幾つか情報は来ていたようだが」
クレア:「そうか、エミリアが……」
ハミース:「……だろうとは薄々思ってたろ」
ハミース:「明らかに普通じゃなかったよ。あのお嬢さんは」
ハミース:飄々とした雰囲気は同じだが、片目に眼帯をしている。
クレア:「……ああ。ジョニーからも警告されていたからな。分かっていながらああなった。失態だったよ」
ハミース:「まあつっても、俺らは所詮傭兵部隊だ。分かっていたらもっとまともな手がとれたかつーと怪しいところだけどがな」
ハミース:「本国に報告してたらでもねえだろ。そこごと潰されてる」
クレア:「そうだな。そして結局フランスも滅ぼされてしまった」
クレア:「君も大変だったみたいだな。ハミース」
クレア:眼帯を気遣う素振りを見せて、テーブルに湯気の立つ皿を置く。
ハミース:「おう。各地のいい女を抱いて回って乾く暇がねえ」
クレア:「なら、ここに来るのはさぞ寒かっただろ。ちょうど出来あがったところだ。食べていってくれ」
ハミース:「サンキュ。しかしすっかり馴染みやがって」
クレア:鴨肉のシチューだ。肉とスパイスの香りが鼻をくすぐる。
ハミース:「美味えな……あれのお膝元だろ?」
ハミース:「俺ならビクつきぱなしだね」
クレア:「はじめは警戒したけど、半年も経つとな」
クレア:「相手が誰であれ、助けられた恩は返さなければいけないし」
クレア:「それに、一緒に過ごしてみて分かったが」
クレア:「戦っている時以外は、退屈なくらい普通の男だよ。彼は」
ハミース:「その方が怖えけどな正直。あんだけの力がありやがりながらそうできるってこったろ」
ハミース:「で?恩返しは終わったのか?」
クレア:「……」頭を振る。
クレア:「どうやら、ここにいても返せるものではないらしい」
ハミース:「ハクトウワシ撃ちには付き合ってもらえるってことか?」
クレア:「……?当然だろ」尋ねられる理由がわからないという顔で
クレア:「仲間が攫われて、君が呼びに来た。それで行かない理由がどこにある」
ハミース:「一度剣を鋤に、槍を鎌にしちまったら戻れないやつも居るんだよ」
ハミース:「どうやらそうじゃないらしい。安心したぜ」
クレア:「その様子だと……断った者もいるのか?」
クレア:「まだ他の皆の様子を聞いていなかった。アッシュにデュバリー、ギル……簡単に諦めるとは思えないが」
ハミース:「それもあるが問題は……まあいい。その辺は追い追いだ」
ハミース:「……リッケンバッカーは引き込めるか?」
クレア:「うん、その件なんだが……」
クレア:「……」小屋の奥を見る。リッケンバッカーは寝室から出てきていない。
クレア:「ハミース、話しておくことがある。少し気が早いかもしれないが、仕事の話だ」
クレア:「新生アイギスの最初の仕事になるかもしれない。そして……」
クレア:「"リッケンバッカー"の、最後の仕事に」

GM:軋む音と共にドアが開く。リッケンバッカーが大きな欠伸をしながら寝室から出てくる。
リッケンバッカー:「くはぁ……」
リッケンバッカー:君しかいない部屋を見渡して「……ん、客は?もう帰ったのか」
クレア:「ああ。おっかないのが来る前に帰ると言ってな。麓で身体を温めてもらうそうだ」
リッケンバッカー:「そうかい」寝巻に素足のまま室内を歩いて「……おっ、鴨のシチューか」
リッケンバッカー:「……で?どうするんだ?」
クレア:「明日の朝発つよ」
クレア:温め直したシチューをよそって、リッケンバッカーに渡す。
リッケンバッカー:受け取って「じゃあ、麓まで送ってやるよ」
リッケンバッカー:「今夜も雪らしいからな。朝になればまともに歩けないぞ」
クレア:「そっちこそ体に障るだろう。無理しなくて良い」
クレア:「狩猟用のスキーがあったろ。あれを一組借りていくよ。酒場に預けておくから、次飲みに行った時に持っていってくれ」
リッケンバッカー:「この程度でどうこう言ってたら、何回死んでも足りねえよ」呆れたように言って
リッケンバッカー:「急に過保護になりやがって……」
クレア:「アイギスが復活する前に死なれては困るだけだ」
リッケンバッカー:「ああ、その件だがな」
リッケンバッカー:「北方連合(こっち)でも指令があった」
クレア:「指令?」
リッケンバッカー:「まあ、詳しく説明してやるわけにもいかんが……」
リッケンバッカー:「次に会う時は、多分敵同士になるぜ」
リッケンバッカー:シチューを口に運ぶ。
クレア:「……北方連合は、アメリカに与するということか?」
リッケンバッカー:「そうじゃねえよ。敵の敵は味方ってわけでもないだろ」
クレア:「……」
リッケンバッカー:「やめろよその目……」
クレア:「眼だけで言いたいことがわかるのか。見た目に依らず繊細なんだな」
リッケンバッカー:「相変わらず生意気なガキだな……誰に似たんだ」
リッケンバッカー:「……大雑把に言やあ、ウチの目的は第三始祖だ」
リッケンバッカー:「当然だろう。あれだけの力、どこだって欲しくなる」
リッケンバッカー:「特に北連はな。何せ事情が切実だし、逼迫してる」
リッケンバッカー:考えればすぐに分かるだろうからな、と嘆息する。
クレア:「……理解はできる。エミリアの力が聴いた通りのものなら」
クレア:「彼女一人いれば、君の代わりも務まるだろうな」
リッケンバッカー:「少なくとも、上はそう考えてる」
リッケンバッカー:「俺はそれに従うだけだ。ま、俺よりずっと賢い連中が、何人も集まって出した結論だからな」
クレア:「………」少し苛立ったように眉を顰めて
クレア:「……ひとつ」
クレア:「君に確かめておきたいことがあった。答えて欲しい」
リッケンバッカー:「何だ?」
クレア:「イタリアにαが現れた時、誰もが君を望んだ」
クレア:「その場にいたオーヴァードすら、例外なくこう思った。"リッケンバッカー"さえ来てくれたらと」
クレア:「あの場に現れなかったのは、病気のせいか?」
リッケンバッカー:「いいや」かぶりを振る。
リッケンバッカー:「そういう意図もゼロでは無かったんだろうがな。事実はもっとシンプルで、くだらないもんだ」
リッケンバッカー:「『北方連合は、俺が単独で“α”を倒せると信じていた』」
リッケンバッカー:「答えはそれだけだ」
リッケンバッカー:「他所の国民やオーヴァードが勝手に死んでくれれば、それだけ得になる。上はそういう風に思ってたらしい」
クレア:「期待されるのも考えものだな」少し呆れたように笑う。
クレア:「……君は、それで納得したのか」
クレア:「いつも言っているな。自分は、この国と、そこに住まう人々が守れればそれでいいと」
クレア:「それは、この国の外にある全てが死に絶えたとしても、同じことなのか」
リッケンバッカー:「納得できるとか、できないとか。俺はもうとっくに、そういうところにいないんだよ」
リッケンバッカー:「戦争の英雄なんてのは、とどのつまりは全員が人殺しだろ」
リッケンバッカー:「俺はこの国を選んだ。敵からどれだけ悪魔と蔑まれようと、この国の為に戦うと決めている」
リッケンバッカー:「俺はこの国の英雄として、皆の期待に応え続ける。それが選んだ道だからな」
リッケンバッカー:「全員を平等に救える道なんて、どこにも無いだろ。クレア」
クレア:「………」
クレア:「……そうかもな」
クレア:「けれど、それは、諦める理由にはならない」
クレア:「……"リッケンバッカー"。君は強い。きっと、今生きているどのオーヴァードよりも」
クレア:「αにだって、本当に一人で勝てたんだろう」
クレア:「なにせ自分達が倒せたんだからな。そうでないと困る」
クレア:「けれどきっと、今以上に強くなることはない」
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:「お前は違うって?」
クレア:「それはわからない」首から下げた紙片を握る。
クレア:「今の自分は、君と同じだ。期待されたから、戦っている」
クレア:「生きることを期待された。それに報いるために生きている」
クレア:「生きることは、戦うことだと、自分は教わった。だから生きるために戦い、人を殺してきた」
クレア:「その先に行ったことはない。やり残したことがまだあるからな」
クレア:「だが、行きたいとは思っている」
クレア:「"リッケンバッカー"。自分は思うんだが」
クレア:「誰かに期待された以上のことを、自分に期待してはいけないのか?」
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:青の瞳が、じっと君を見つめる。
リッケンバッカー:「……そんな風には、考えたことが無かったな」
クレア:「良かったな。その歳になって新たな発見に出会うことは稀だ」どこか自慢気にほくそ笑む
リッケンバッカー:「つくづく生意気なガキだな……」
クレア:「誰に似たんだろうな」
クレア:「……」煮込んでいたポトフの蓋を閉じる。"リッケンバッカー"に残す、明日の朝食だ。
クレア:「今更、君と北連の選択をとやかくいうつもりはない」
クレア:「奪いたいのなら奪いに来るが良い。自分は……」
クレア:「君に勝って、仲間を守る」
クレア:「そして証明してやる。君よりも自分達アイギスの方が」
クレア:「一人でも多く、誰かを救うことができるとな」
リッケンバッカー:鴨の肉を口に運ぶ。狩りで仕留め、捌いたものだ。
リッケンバッカー:「……俺がオーヴァードになったのは、この国が滅びる瀬戸際だった」
リッケンバッカー:「生きることは戦うこと、か。ここに居るとよく分かる」
リッケンバッカー:「敵と戦い、冬の寒さと戦い、日々の糧の為に戦い……」
リッケンバッカー:「ただ生きる為に、あらゆるものと戦ってきた」
リッケンバッカー:「今度も同じだ」
リッケンバッカー:「容赦はしないぞ。クレア・アップルシード」
リッケンバッカー:外から囂々と響く吹雪の音は、目の前のこの男から発されているのではないか。
リッケンバッカー:一瞬、そう錯覚するような圧力。
クレア:「……」
クレア:戦場で垣間見た時と同じ、圧倒的な重圧。
クレア:全身を打ち据える様な冷たい眼光に臆すること無く、男に向かって一歩踏み出す。
クレア:右手を銃の形にして、男の心臓を指差す。
クレア:「望むところだ。"リッケンバッカー"」
クレア:バン、と心臓を撃ち抜くジェスチャーをしてみせた後、僅かに頬を緩めて
クレア:「それと、言い忘れていた」
クレア:男を狙い撃った掌を広げて、改めて差し出す。
クレア:「助けてくれてありがとう。世話になった」
リッケンバッカー:「……はっ」
リッケンバッカー:笑みを零し、大きな掌が力強く握られる。
リッケンバッカー:「また薪割り手伝いに来い」
リッケンバッカー:「お互いに生きて戻れたらな」
クレア:「ふん、だったら」万力のような力に負けじと握り返す
クレア:「酒は程々にしておくんだな。おじさん」



GM:シーン終了。ロイス購入可。
クレア:リッケンバッカーへのロイスを 敬意○/覚悟 に変えようかな
クレア:購入はシューターズジャケット!
クレア:3dx+4>=13
DoubleCross : (3DX10+4>=13) → 8[4,6,8]+4 → 12 → 失敗

クレア:ゲッ惜しい でも財産無いのでこれで終了します



【Masterscene2/灰の中から生まれたもの】

イライザ:人の記憶に最も強く残るのは、嗅覚なのだという。
イライザ:それは多分、事実なのだと思う。あの日から十年が経って、私の中に未だに残り続けるのは『匂い』だ。
イライザ:庭で育てていたラベンダー。誕生日に貰った縫いぐるみ。父と母、幼い弟。
イライザ:街を包むワーディングの中、それら全てが焼け、焦げ、灰に変わっていく。
イライザ:身体だけが動かないまま、それを目の前で見せつけられ、塞いだ耳越しに聞かされて、焼け爛れた手で触れた。
イライザ:何もかも到底忘れがたいはずなのに、人の記憶とは残酷で、もはや朧気にしか思い出せない。
イライザ:いつも険しかった父の顔も、少し掠れたような母の声も、小さくて柔らかな弟の掌も。
イライザ:鳴り響く銃声も。黒く巨大な怪物も。それを操る金髪の男も。
イライザ
イライザ:……だが、匂いだけは覚えている。
イライザ:庭で育てていたラベンダー。誕生日に貰った縫いぐるみ。父と母、幼い弟。
イライザ:全てが焼けていく匂い。私の人生が、灰へと変わっていく匂い。
イライザ:地獄があるとするならば、きっとこんな匂いなのだろうと思った。
イライザ:それは憎悪と共に私の頭に刻み込まれて、消えることなく残っている。
イライザ
イライザ:灰の中から生まれたものは、ただ一つ。
イライザ:──復讐だ。
イライザ:傭兵。オーヴァード。
イライザ:私から全てを奪った男。
イライザ:ギルトレット・レッドフォードを、殺す。



【OP2/ギルトレット・レッドフォード】

GM:ギルさんのOPです。登場侵蝕をどうぞ
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (56 → 62)
ギル:もうダイスボーナス付いちゃった
インド南部
:「長期の仕事が入った」
:昼食の最中、不意に舞がそう切り出した。
ギル:ナプキンで口を拭き「やぶから棒だね。どれくらい長くなりそうなんだい?」
:「大事な案件でな。帰りは……」
:少し目を伏せ「……済まない。いつになるか分からないんだ」
ギル:「寂しいな。しばらく舞に会えないと思うと」
ギル:「……僕は寂しいだけで済むけれど。舞は平気かい?」
ギル:「隠そうとしてるのはわかる。けど、ここ最近、ずっと辛そうにしてるよ。今もそうだ」
:「……ああ。……私は大丈夫だよ」
:「お前の為にしている仕事でもあるからな」
ギル:「……舞」立ち上がり、舞を後ろから抱きしめて
ギル:「君が僕を思ってるように、僕だって君のことが大切なんだ」頬に口づけをして「話してくれよ。絶対に君の力になるから」
ギル:微笑んで、横から舞の瞳を覗き込む。
:「……」
:その手に触れ、静かに瞑目する。
ギル:「舞。」優しく促すように。
:「……そうだな……ギルトレット」
:「話しておきたいことがある。お前の……」
:「……知らないことだ」
ギル:椅子を引き、舞の横に座り目線を合わせる。「僕の過去のこと?」
:「……」
:「……いいや」かぶりを振って
:「だが、出来ればお前に知って……覚えておいてほしい」
ギル:「ああ、わかった。」真剣な顔で頷く。
:「……これは、ある少女と傭兵の話だ」
:君を見つめ、静かに語り始める。
:「……昔……ある国に、一人の少女がいた」
:「その子の家は貧しく、母親と二人暮らしだった」
:「父親は異国の人間で、顔も知らない。だがその血と容姿のせいで、少女はいつも周囲から浮いていた」
:「生活は楽ではなかったが、母と二人、何とか支え合って暮らしていた」
:「そんな時に、少女はある力に目覚めた」
:「彼女はオーヴァードだったんだ」
ギル:「それは……」
ギル:「彼女にとっていいことだった?」
:「さあ……どうなんだろうな」目を細めて。
:「その力はとても……便利なものだった。貧しかった少女は、まともな教育も受けていなかったから……」
:「その力を素晴らしいものだと思った。自分と母の生活を助けてくれる、天からの贈り物だと……そう思ったらしい」
ギル:「その口ぶりだと、実際には違ったみたいだね」
:「ああ」頷き
:「少女はその力を憚ることなく行使し、当然すぐに周囲の人々に知れ渡った」
:「そして、その噂はすぐに大勢の知るところとなった」
:「ある日少女は、知らない男達に拉致された。能力を使うように強要され……」
:「抵抗すれば、母親を殺すと脅された」
ギル:「……」一度目をそらし、考え込んでから「大丈夫。続けて」
:「……もし少女がその場で抗えば、そんな状況もどうにか出来ていたのかもしれない」
:「だが少女は、オーヴァードのことなど碌に知らなかった。ワーディングや、リザレクトといったことすらも」
:「結局少女は命令通り、その連中の言いなりとなって働き始めた」
:「だが、そいつらは別の勢力の襲撃に遭い……」
:「助かると思ったが、そうじゃなかった。命令される相手が変わっただけだった」
:「そんな風に、その子の身柄の奪い合いは延々と続いた」
ギル:「舞、大丈夫かい?顔色が……」舞の髪をかきあげる。汗で、髪の一部が額に張り付いていた。
ギル:「ほら、これを飲んで」水を一杯注いでくる。「舞、やめよう。誰の話かはわからないけど。そんな辛い思いをしてまで思い出す必要、あるのかい?」
:水を飲み、深く息を吐く。
:「……いや、大丈夫だ」
:「それに……言っただろう。お前に聞いておいてほしいんだ」
ギル:そう、舞を気遣いながらも、ギルの顔には焦燥が浮かんでいる。
ギル:「……わかった。無理はしないで」
:小さく頷き。
:「……色々な組織があり、色々な人間がいた」
:「家畜以下の扱いをする者。あからさまな憎悪を向けてくる者。実験体として利用しようとする者」
:「愛玩品として売り飛ばそうとした者。猫撫で声で懐柔しようとした者」
:「だが、その誰もが、その子を人間としては扱っていなかった」
:「自由の無い、ただの道具としてしか見ていなかった。次第に少女の心は擦り減っていき……」
:「いつか、母親が死んだと聞かされた時も……涙も出なかった」
:「その子を助けるために自殺したと聞かされても、だ」
ギル:そっと舞の手を握りしめる。
:僅かに手を震えさせ、だが握り返しはしない。
:「……そんな時……」
:「またいつもと同じように、少女を捕えていた組織が襲撃を受けた」
:「それはオーヴァードによるもので、大勢の警備がワーディングで藁のように倒れていき……」
:「唯一同じくオーヴァードだった護衛も、勇んで出て行ったと思うと、凄まじい銃声が響いてきて、それきり戻ってこなかった」
:「そうして静かになったところに、件のオーヴァードが顔を出した」
:「彼は傭兵だった」
:「少女をその組織から強奪し、雇い主に引き渡すのが仕事だったらしい」
:「……だが、彼はそうしなかった」
ギル:「……」
:「少女を安全に保護し、彼女を匿った。危険を承知でな」
ギル:「何のために、彼はそうしたんだろう」
:じっと君の顔を見て、少し苦い微笑を浮かべる。「……さあ……。どうしてなんだろうな」
ギル:「君には話してなかったのか」
:「ああ。知らないんだよ、私は」目を閉じる。
:「……彼は少女に人間としての生き方と、オーヴァードとしての戦い方を教え、彼女が一人で生きていけるようにしてくれた」
:「そして、自由になったその少女は……」
:目を開き、君の顔を見る。
:「……戦うことを選んだ」
:「オーヴァードが自由に生きられる居場所を作り、自分のような者を助けたいと願った」
:「彼が彼女に、そうしてくれたようにな」
ギル:「その少女は、今も戦っているんだね」
:「ああ」
:「……これからもな」
ギル:「……傭兵のほうはどうなったのか知ってる?」
:「彼は……」
:少し言葉を探すようにして
:「……さあ……詳しくは知らないんだ」
:「でも……平和に暮らしているといい」
:「とても長く、ずっと戦い続けてきた人だから。穏やかな幸福を得る権利があると思う」
:「……私は……そうだといいなと思うよ」
:そうして、寂しげに笑う。
ギル:「……そうだね。ただ……僕は彼のことを知らないけれど」
ギル:「彼もきっと……少女に対して、同じことを考えているんじゃないかな」
ギル:「ずっと苦しんできたんだ。彼女にも幸せになってほしいと思ってる。違うかな」
:「……」
:「……お前は……そう思うか?ギルトレット」
ギル:「うん。……そうだとしても、彼女は戦おうとするのかい?」
:「……」
:「……私は……」
GM:その時、外から銃声が響く。
GM:散発的な発砲音。村民の悲鳴が聞こえてくる。
ギル:「……もう、仕事の時間?」
:「……ッ……」
ギル:注いであったワインをぐっ、と飲み干し
GM:窓から覗き見ると、複数人の武装した男が村に乗り込み、村民を脅している。
オーヴァードハンター:「オラァ!隠し立てすると容赦しねえぞ!」「この村にアイギスのオーヴァードがいるって話だ!どこに隠してる!?」
イリョーダ:「なっ……何だよそれ!?知らねえよ……!」
:「……」珍しく焦った表情をしている。頬を汗が伝い落ちる。
ギル:「……舞」
ギル:「僕たちがそうなんだね」
:「……な……」
:「……何を言ってる?ギルトレット……」
ギル:「だって、ここ半年。この村に新しく来たのなんて、僕たちくらいだよ」
オーヴァードハンター:「聞こえるかァ!アイギスの犯罪者共!」
オーヴァードハンター:「さっさと出てこねえとこいつら一人ずつぶち殺すぞ!」村人に銃口を突き付けて叫ぶ。
ギル:「……舞。もし、もう君が戦いたくないと思うなら、もう無理はしなくていい」
ギル:「他の誰が、戦うべきだと言っても、僕は許すよ。僕にとっては君が、たった一人の大切な家族だから……」
:「違う……!待て、ギルトレット!」
:「そんな訳が無いだろう!お前は……お前は、オーヴァードなんかじゃない……!」
:「……だから、戦わなくていいんだ!……殺されてしまうぞ……!」
:君の腕を掴み、必死の表情で言う。
ギル:「……そうかもしれないね。でもそんなことは関係ないんだ」
ギル:「君が戦うと言うなら、僕も戦う」落ち着かせるように、舞の顔をゆっくりと撫でる
:「ギルトレット……!駄目だ、違う……!」
オーヴァードハンター:「まずは一人目だ!」君の知人の漁師に銃を突きつける。悲鳴が上がる。
チモッテ:「ひぃっ……!」
ギル:「大丈夫。約束する。どんな事があっても」
ギル:「必ず帰ってくるよ」
:「ギルトレット……!!」
:「嫌だ、やめてくれ……!」
オーヴァードハンター:「10!9!8!7……!」
ギル:「他の全てを忘れても、この約束だけは忘れない」
:「ッ……!」
:紅の瞳が揺れ、頬に雫が伝う。
オーヴァードハンター:「6!5!4!3!」
ギル:舞を抱きしめて
ギル:「それじゃあ、行ってくる」
:引き留めようとした腕が、空を切る。
オーヴァードハンター:「2!1……!」
ギル:勢いよくドアを開け放ちハンターたちに向かって叫ぶ
ギル:「そこまでだ!銃を降ろせ!お前たちの探している物はここにある!」
オーヴァードハンター:今にも引き金を引こうとしていた手がぴたりと止まる。
ギル:「望み通り出てきてやったぞ。俺の名はギルトレット」
ギル:「ギルトレット・レッドフォードだ。聞き覚えのある奴はいるかな?」
オーヴァードハンター:「ああ?何だコイツ」「バカ、覚えてねえのかよ!手配書通りだ……!」
オーヴァードハンター:「本当に居やがった、賞金首のオーヴァードだ!」
オーヴァードハンター:幾つもの銃口が、一斉に君に向けられる。
チモッテ:「ぎ……ギルさん……?」
GM:村人たちの視線もまた、君に注がれる。
ギル:「巻き込んで悪かったな、チモッテ」
ギル:「心配するな。すぐに出ていく。これ以上迷惑をかけるつもりはない」
オーヴァードハンター:「本物の“鉄王”だ!ノコノコ出てきやがって、手間が省けたぜ!」
イリョーダ:「じょ、冗談だろ……?ギル……」
ウサナ:「な、なんかの間違いじゃあねえのかい、ギル」
ギル:「いいや、その男の言う通り。俺があの悪名高き"鉄王”だ」
ギル:「大人しくしていれば、もう少し時間が稼げると思っていたが、どうにも上手く行かなかったらしい。……だが、いいのかな」
ギル:「貴様らこそ!ノコノコと出てきて、一体誰の前だと弁える!」
ギル:「王の前で、頭が高いとは思わないのか?」
オーヴァードハンター:「あぁ…?何言ってやがるんだコイツ……?」
オーヴァードハンター:「お、王って……」「馬鹿野郎、ただのハッタリだ!」
ギル:ギルの足元。月光に映し出された影が大きく広がり、同時に、バキ、バキと音を立てながら
ギル:ギルトレットの体が徐々に膨れ上がっていく。
チモッテ:「ひぃっ……!?」
オーヴァードハンター:「な、何だこいつ……!」「撃て!やっちまえ!」
GM:重なる銃声が響き渡り、君に向け大量の銃撃が襲い来る。
ギル:血の代わりに帰ってくるのは、耳をつんざくような金属音。無数の銃剣が体の内側から浮かび上がり、ギルトレットの肉体が埋もれていく。
ギル:銃声が途絶えた時、その場に立っていたのは人ではなく、黒鉄で形とられた巨人の影だった。
GM:「な、何だよこれ……!」「化け物……!」
GM:敵と村人から、同様に怯えた声が漏れる。
ギル:「王は寛大だ。一度だけ聞く」
ギル:「頭を垂れて服従するか、さもなくば死か」地獄の底から響いてくるようなおぞましい声
ギル:「”鉄王”の前に示すがいい!貴様らの選択を!」
オーヴァードハンター:「う、うぅっ……!?」「こ、殺せ!いいから殺せ!撃ちまくれぇッ!!」
オーヴァードハンター:半狂乱状態の敵が、滅茶苦茶に銃を乱射する。
オーヴァードハンター:夥しい銃火が飛び交い、狙いを外した弾丸が民家の壁に穴を穿ち、窓を砕いていく。
ギル:「そうだ、俺だ」その尽くを、要塞のような分厚い装甲が受け止め
ギル:「俺こそが"鉄王”だ!」両腕から生まれた無数の砲塔がハンターたちに向けられ……

GM:悲鳴と怒号、銃声が響き渡っていた村は、今は水を打ったように静まり返っていた。
GM:地面に倒れ伏すのは大量のオーヴァードハンター達。対してギルトレットには、傷一つない。
GM:その様子を、村人たちが遠巻きに、怯え混じりに伺っている。
ギル:ガラン、ガランと音を立てて、纏っていた装甲が地面に落ちる。
ギル:「……」怯える村人たちをざっ、と見渡してから
ギル:「イリョーダ」じゃらりと音を立てる麻袋を投げ渡す
イリョーダ:「……っ」
イリョーダ:びくりと震え、その足元に袋が転がる。
ギル:「世話になったな。足りるかはわからないが、迷惑料だ。受け取ってくれ」
イリョーダ:「あ……」
イリョーダ:何か言おうとするが、言葉にならない。
ギル:麻袋の中は砂金でぎっしりと埋め尽くされているよ
ギル:「他の皆も。お前たちのお陰で、なかなか楽しい日常が過ごせた。感謝してる」
ギル:「……じゃあな」
ギル:「奥さんにもよろしく言っておいてくれ」そう言って町の外へと歩き出す。
ギル:そして、しばらく歩いてから「……舞。居るんだろう?」
:君の前方の空間に、黒い裂目──ゲートが生じ、舞が姿を現す。
:「……ギルトレット……」
:悲しげな顔で君を見て
:「私は……」
ギル:「何も言わなくていい」優しく微笑んで
ギル:「行こう。皆待ってる。そうだろう?」
:「……」
:静かに瞑目し、ゆっくりと頷く。
ギル:「すまない。君にばかり辛い思いをさせて」
ギル:「ああ、でも、そうだな。一つだけ聞きたいことがあった」
:「……何だ?」
ギル:舞の体を抱き寄せてキスをします。舌を入れて少し長く。
ギル:「……皆には恋人って紹介してもいいかな?」
:「……」
:目を丸くして君を見て。僅かに頬を染め、胸元を突き飛ばす。
:「バカ、駄目だ」
ギル:「おっ、とと」
ギル:「なんで。景気のいいニュースを一つくらい持っていってもいいじゃないか」
:「お前は……」呆れたように言って「とにかくダメだ!」
:「……先に行け」ゲートを開き「私はまだ回るところがある」
ギル:「理由くらい教えてくれたっていいのに。仕方ない。無理はしないでくれよ?君が居なくなったら寂しい、っていうのは本音だ」
ギル:「ああ、皆に自慢できないのは残念だけど」
ギル:「少しは元気になったみたいで良かった」
:「……ギルトレット!」呼び止めて
ギル:「……なんだい、舞。何か忘れ物?」
:「……」
:「……辛い思い、ばかりじゃないさ」
:微笑を浮かべる。
:「楽しかったよ、私も」
:「ありがとう」
ギル:「……」きょとん、と目を丸くしてから
ギル:ゲートから引き返して、もう一度キスしようとします。
:「バカ」
:ゲートに向けて君を突き飛ばす。
:「……行ってこい、ギルトレット」
:「私の英雄」
ギル:「あいたっ。ひどいなあ。漁師だった頃は、断ったりしなかったのに」
ギル:「……うん。でも、行ってくるよ。君の期待に答えられるように」
ギル:舞に無邪気な笑みを浮かべてから、目を閉じ、ゲートによって転移していくよ。



GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可
ギル:舞さんのロイスが、いまP:幸福感○/N
ギル:N:猜疑心になっているのですが、表を純愛にしたいですね。
GM:許可します
ギル:ありがとうございます!購入は大口径機関砲かな
ギル:手配師を使って購入してみます
ギル:5DX+16
DoubleCross : (5DX10+16) → 10[1,3,4,5,10]+5[5]+16 → 31

ギル:財産7点使って購入しましょう。残り5点。以上です。



【OP2/デュバリー】

GM:デュバリーさんのシーンです。登場侵蝕をどうぞ
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (47 → 53)
欧州某所
GM:アレンデからの情報、そして第三始祖──エミリアの拉致の報を受け
GM:君、デュバリーは欧州の潜伏先からアメリカへと発とうとしていた。
ハリエット:「……本当に……」
ハリエット:「……行くんですか、デュバリーさん」
ハリエット:不安に揺れる瞳で君を見る。
デュバリー:簡素だが質の良い外套を羽織り、ハンチング帽を被る。人混みに紛れるような外見。小さなバッグには、各国の紙幣と一粒で家だって買えるような宝石がいくつか。
デュバリー:「行っても状況が良くなる、という保証はない」
デュバリー:「ただ、行かなければ確実に負ける。……"アレンデ"の話を信じるのなら……」
デュバリー:「負けるということは、"娘たち"のみんなも失われてしまう、ということだから」
デュバリー:「今は"マルタ会"でもね」
ハリエット:「……でも……!だって……!」
ハリエット:「……こんなの……戦争になるかもしれないんですよ!」
ハリエット:「デュバリーさんが……行っても……行く意味……」
ハリエット:言葉に迷って
ハリエット:「……死んじゃうかもしれないんですよ!」
デュバリー:目を細めてハリエットを見る。同じオーヴァードという立場で、けれど共に戦う仲間ではなく、共に生きる仲間としてこう言葉をかけてくれるのは、彼女くらいか
デュバリー:「……じゃあ、ハリエット。あなたは思ってくれる?」
デュバリー:「世界全部が、ローマみたいになって……オーヴァードでない皆が、"アイギス"の皆が……私たちの知っている皆が、灰になっても」
デュバリー:「私さえいればそれで良いって」
ハリエット:「……っ……」
ハリエット:迷っている。言葉ではなく、思考に。
ハリエット:「……それは……」
デュバリー:薄く笑う。少女の唇に指を当て、手のひらを頬へ。
デュバリー:顔を寄せ、額に唇をつける 「……ごめんね」
デュバリー:「意地悪を言った。……あなたがどう思おうと、私はそんなの、嫌だから」
デュバリー:「私は皆が大事なの。私を慕う人。私を頼る人。どんな状況でも、生きようとする人」
デュバリー:「それを守りたいから、行かないという選択肢は、結局ない」
デュバリー:「死んでしまうかもしれないとしても、ね」
ハリエット:「……嫌です……」
ハリエット:「嫌です、そんなの……」
ハリエット:「デュバリーさんが……デュバリーさんじゃなきゃ駄目なんですか!?」
ハリエット:潤んだ瞳で、常にないような声で言う。慣れない大声に、少し咳き込む。
ハリエット:「皆が戦っていて……とても強い、怪物みたいな人達が沢山いて……」
ハリエット:「その中に、あなたを行かせるなんて……そんなの……」
デュバリー:「……私が"アイギス"に惹かれたのは……」
デュバリー:「例のジャームの襲撃で追い詰められた時に、アッシュに助けられたから」
デュバリー:「私はずっと"死なない女"で、オーヴァードとして、皆を守るのが当然で……そんな私が守られたのが、結構びっくりしたんだよね」
デュバリー:「彼ならいつか全てを守ってくれるんじゃないかという夢さえ見た。その時を見極めるために、"アイギス"に入った」
デュバリー:そう言って、少し笑う 「まあ、それは結局、計算違いみたいなもので……そうなるかもしれないとは、今でも少しは思ってるけど」
デュバリー:「今は、別に人に任せる必要はない。"アイギス"であれば、全てを守ることは、できるかもしれないと思ってる」
デュバリー:「そこにはやっぱり私がいるよ。誰も彼も、どうも抜けているというか、頼りないというか……不完全なやつらばっかりだから」
デュバリー:「私は多分、必要なはず」
デュバリー:ハリエットの頭を撫でる 「本当、疲れるしさ。やめたいとも何度も思ったけど……」
デュバリー:「結局、やれるかもしれないって糸口掴んじゃったら、もうちょっと頑張るしかないんだ」
デュバリー:ハリエットから手を離し……もう一度だけ頭を撫でて、離れる。
デュバリー:「やってくるよ。もうちょっとね」
ハリエット:「……っ……!」
ハリエット:黒髪を揺らし、涙の雫をこぼして顔を上げる。
ハリエット:離れかけたその手を掴み、自らの胸に押し当てる。
ハリエット:給仕服越しに、年齢不相応な膨らみの感触が伝わってくる。
ハリエット:「……私は、まだ子供です」
ハリエット:「デュバリーさんの言う通り……お客様を取るにはまだ早いかもしれません」
ハリエット:「でも、ちゃんと大きくなってます」
ハリエット:「背だって……来年か、その次には……きっとデュバリーさんを追い越してます」
ハリエット:「でも……」
ハリエット:ぼろぼろと、年相応の子供のように大粒の涙を零す。
デュバリー:「……」 穏やかな眼差しで、続く言葉を待つ
ハリエット:「初めてお客様を迎える時には、あなたに一緒にいてほしいです」
ハリエット:「大人になるまで……あなたに見守っていてほしい」
ハリエット:「いくら大きくなっても……あなたが一緒じゃないと、嫌なんです」
ハリエット:「必要だと言うなら……私にも、デュバリーさんが必要です」
ハリエット:そのまま、君に縋るように抱き着く。
ハリエット:「死んじゃ嫌……」
ハリエット:「行かないで、デュバリーさん……」
デュバリー:そっと抱き返しながら、艶やかな黒髪にゆっくりと指を通す。
デュバリー:「その様子だと……そうだね。まだハリエットに私は必要みたい」
デュバリー:「"アイギス"のしょうがない人たちと同じくらい。……だから、行くよ」
デュバリー:「それで、死なない。それは私が"死なない女"だからではなくて……」
デュバリー:「ハリエットが待っているから」
ハリエット:「……」
ハリエット:泣き腫らした目で君を見る。潤んだ空色の瞳が光を反射して、複雑に煌めいている。
デュバリー:そっと眼尻に指を添えて、涙の跡を拭う。
デュバリー:「世界を守りに行く」
デュバリー:「"娘たち"のみんなが、満足いく未来を迎えるための世界を」
デュバリー:「これから、あなたが大人になっていくための世界を」
デュバリー:「"アイギス"としてね。だからちゃんと、私がいない間も情報を収集するように」
デュバリー:「どうもあなたは、いつかお客様を取るつもりみたいだけど……」
デュバリー:「事が終わった後、私の一番そばにいた人として、私の伝記でも書いてもらおうかと思ってるから。もしそうだったら、そんな暇なんてないよ?」
デュバリー:とん、と頭の上に手を置く 「将来のために、ちゃんと備えておくように」
ハリエット:「……」涙を拭い、嗚咽を堪えるようにして「……約束ですよ」
ハリエット:「帰って来なかったら私、何するか分かりませんから」
ハリエット:「片っ端からお客を取って、売り上げトップになりますから」
デュバリー:「悪い子」 また額に唇をつける 「それはそれで、できると思うけどね」
デュバリー:「……でも、ちゃんと帰ってくるし、世界の未来も守るから、そうはならない」
デュバリー:「わかった?」
ハリエット:「……はい」額に手をやって
ハリエット:「やっぱり、行ってほしくはないけど……」
ハリエット:「……信じます。あなたを」
ハリエット:泣き濡れた顔に、強いて笑みを作る。
ハリエット:「……行ってらっしゃい。デュバリーさん」
デュバリー:軽く身だしなみを見返して 「ええ。行ってくる」
デュバリー:常とほとんど変わらない様子で、まるで散歩にでも行くような足取りで、潜伏していたアパートの一室を後にする。
デュバリー:カン、カン、と薄い鉄板の階段を降りていく、。
デュバリー:(……世界を守る。未来を守る)
デュバリー:(思い返すと、大袈裟で笑ってしまうけど、まあ……結局私がしてきたことって、ずっとそれだものね)
デュバリー:自らの髪に触れる。皆と合流するまでに、もう少し元の姿に近付けるだろうか? 顔を合わせて早々に困らせることになるかもしれない。
デュバリー:(……ま、多少困らすくらいなら、いいか)
デュバリー:(これでまた、"アイギス"が元の通りに動けるようになるのなら……)
デュバリー:乾いた風の吹く雑踏を、足早に歩き始める。目的地までの道程は、まだ始まったばかりだ。



GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可です
デュバリー:ハリエット/○愛情/食傷
デュバリー:購入はシューターズジャケット
デュバリー:3dx=>13
DoubleCross : (3DX10>=13) → 9[5,9,9] → 9 → 失敗

デュバリー:ダメデス 以上!



【OP2/ルカ】

GM:ルカくんのシーンです。登場侵蝕をどうぞ
ルカ:ルカの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (36 → 42)
アメリカ ボストン
GM:エミリアが消え、家は灯が消えたようになっていた。
GM:ハナの不在中、君は朱と机を挟んで向かい合う。
朱劉帆:「……で?」
朱劉帆:「どうするつもりだ?お前」
ルカ:「エミリアを奪い返しに行く」
ルカ:「…のは」
ルカ:「今のままじゃ絶対ムリ」
ルカ:「後ろ盾もツテもない、そもそも情報もない……」
ルカ:息を吐く。「……仲間と合流したい」
ルカ:「それで…、おれより頭の良い奴らが考えてくれるのに任せる」
朱劉帆:「やめとけ」呆れたように椅子の背もたれに後頭部を預け
朱劉帆:「死ぬだけだぞ」
ルカ:「…ここにいたって」
ルカ:「いつ狙われるかもわからないだろ」
朱劉帆:一枚の名刺のような紙を君に投げ渡す。
ルカ:怪訝な顔でそれを受け取る。
GM:書いてあるのは住所……というより、何か集合場所のようなものだ。
朱劉帆:「そこに行け」
朱劉帆:「ギルドって連中がいてな。ちょっとしたコネがある」
ルカ:「…何」眉間に皺が寄る。
朱劉帆:「まあ、お前なら使って貰えんだろ」
ルカ:「…どういう風の吹き回し?」
朱劉帆:「何だよ、俺のことを人殺しが大好きなサイコパス野郎だとでも思ってんのか?」
ルカ:「……」そうじゃないのという顔で黙る。
朱劉帆:「死んじまったらまたやり合うのも出来ないだろうが、勿体ねェ」
朱劉帆:「それに、お前には才能がある」
朱劉帆:にたりと笑んで君を見て
朱劉帆:「お前は『やれる』側の人間だ」
朱劉帆:「五月蠅い奴はぶん殴って黙らせる側の人間」
朱劉帆:「違うか?斑鳩・フォードさんよ」
ルカ:「それを今証明してみせろって話か?」苛々とした口調で言う。
ルカ:「それ以上、余計な事言うな。ブッ殺すぞ」
朱劉帆:「ほら、言った通りじゃねえか」肩を竦めて
朱劉帆:「やるなら外行ってからにしてくれよ?」
ルカ:「……」苛々しながら受け取った紙をポケットに捩じ込む。
ルカ:「あんたは…」
ルカ:「ハナがどういう人なのか、知ってんの」
朱劉帆:「ああ?」眉を顰めて「今お前の話してンだろうが」
朱劉帆:嫌そうな顔をする。
ルカ:「そのおれが気になったから聞いたんだよ」
朱劉帆:「知ってる」
朱劉帆:「だから?」
ルカ:「内容を話せってんだよ」
ルカ:「分かんねえのか?馬鹿なのか?」
朱劉帆:「クソガキが……」
ルカ:「クソはお前だ」
朱劉帆:「33歳。出版社で働いてて家はここ。得意料理は牛肉のパイ包み……」
朱劉帆:「何が知りてェんだよ。これ以上はプライベートだぞ」
ルカ:(得意料理は明かしていいのか?) 足を組み替える。
ルカ:「……あの見た目」
ルカ:「33歳には見えない。頑張ってエミリアと同世代だろ」
ルカ:「つまり…、…あの人はオーヴァードなのか?」
朱劉帆:「本人に言うなよそれ」
朱劉帆:「違う。昔からああってだけだ」
ルカ:「言わないよ…。…昔から?ただ童顔なだけだって?」
朱劉帆:「アイギスなんぞにいると、世の中のこと全部レネゲイド絡みに見えンのか?」
朱劉帆:「大したモンだなあ?ええオイ」
朱劉帆:組みなおした足で君の足を蹴る。
ルカ:「クソ死ね」足を踏みに行く。
ルカ:「……どう見ても訳ありなおれ達みたいな奴らを」
ルカ:「深く突っ込まず拾って世話するみたいなお節介が…」
ルカ:「その人も実はオーヴァードだったから、なんて理由があった方が納得しやすい」
朱劉帆:「バカが」足は床を踏むに留まる。
朱劉帆:「世の中そんな単純かよ」
朱劉帆:「あの人はそういうのじゃねェよ」
朱劉帆:「分かったらさっさと出てけ」しっしと追い払うジェスチャー「邪魔なンだよ」
ルカ:「……」
ルカ:「口説くの下手なの?」
朱劉帆:「あ゛あぁ!?」
ルカ:「ハッ」満足げに笑う。「出てくよ。お邪魔虫は」
朱劉帆:「チッ」舌打ちをして
朱劉帆:「お前の選択肢は二つ」
朱劉帆:「ギルドと合流して、どこか逃がして貰うなり斡旋されるなりするか……」
朱劉帆:「アイギスの為に無駄死にするかだ」
朱劉帆:「後者でもいいぜ。俺も殺しに行く」
ルカ:「…あんたは」
ルカ:「おれを見る目がねえな」
ルカ:「戦闘の才能を褒めたのはあんたが初めてだ」
朱劉帆:「そりゃ他の連中に見る目が無ェんだよ」
ルカ:「そう。…じゃあ、見る目の無い連中を探しに行くよ」
ルカ:「それでもおれよりは頭が良い」
ルカ:立ち上がり、ドアへ向かう。
朱劉帆:「死ぬぞ、お前」
ルカ:「うん」
ルカ:「それでもだ」
ルカ:振り返る。「世の中、そんな単純じゃないもんで」
朱劉帆:「ハッ」君には目も向けずに嘲笑を零し。
朱劉帆:君がドアを閉める寸前、
朱劉帆:「ネバダ、レイチェル」
朱劉帆:「『エリア51』」
ルカ:「……どうも」 ドアを閉める。
ハナ:「……あれ~?」
ハナ:玄関を出ようとした君は、丁度帰ってきたハナと出くわす。
ハナ:「ルカくん?どこか出かけるの?」
ルカ:「…家出したエミリアを探しに」
ルカ:「ここには戻ってこないかも」
ルカ:「今までありがとう」
ハナ:「あら、そう……」表情を曇らせ「エミリアちゃん、まだどこにいるか分からないの?」
ハナ:「心配だわ……大丈夫かしら」
ルカ:「…心配してくれてる人がいると喜ぶと思う」
ルカ:「場所は…あのお節介焼きが教えてくれたから。まあ、どうにかする」
ハナ:「ジユくんが?」きょとんとして「まあ、そうなの……それは良かったわ」
ハナ:「あ、これ持って行って」
ルカ:「ん」
ハナ:紙袋からパンや菓子類を次々に取り出し、君に押し付ける。
ハナ:「エミリアちゃん、お腹空いてるかもしれないから。あなたも」
ルカ:「……」
ルカ:「…なんか裏があったり、あとで代金を請求されても、払えないよ」
ハナ:「え?」目を瞬いて
ハナ:「やだ~、そんなことするならもっとお金持ってそうな人引っ掛けるわよ~」
ルカ:「…はは」思わず笑う。
ルカ:「それもそうだな」
ハナ:「またいつでも来てね!」
ハナ:にっこり笑って
ハナ:「エミリアちゃんも!」
ルカ:「うん」押し付けられたパン類を受け取る。「伝えておく」
ルカ:「おれ達のせいであんたまでトラブルに巻き込まれたら悪いから…、しばらくジユくんに守ってもらって」
ルカ:からかうような口調で言う。「あいつも嬉しいだろ」
ルカ:そう言って、踵を返す。
ハナ:「気を付けてね、ルカくん!」
ハナ:不意の別れにも慣れているのだろう様子で君を見送る。
ルカ:そうして角を曲がれば彼女の姿はすっかり見えなくなって、あの場所で過ごしたことを証明するのは食べればなくなるパンくらいになった。
ルカ:所持品は少ない。戦艦が焼けてしまったから、ただでさえ少ない持ち物のほとんどを失ってしまった。
ルカ:趣味で揃えたカラースプレー、妹の遺髪。友人の黒焦げコイン。
ルカ:同じように呆気なく、自分はこれから死ぬのだろうか。何か得体の知れない大きなものによって。
ルカ:それでもマシだと思う。妹の命と引き換えに与えられた命の使い方としては、のうのうと生きるよりは、よほど。
ルカ:(…休み過ぎたな)
ルカ:理由のない善意に甘やかされて過ごしたこの一カ月はだいぶマシだった。だから、まあ、何かをするかという気にはなっていた。
ルカ:(ネバダ州…)
ルカ:(ジユが手に入れられる情報なら、アイギス連中も掴んでるだろ)
ルカ:(西海岸か。……遠いな)
ルカ:息を吐く。一人きりになるのは久しぶりだった。



GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可です
ルカ:ハナさんに~~~………ん~~~~~~~~~~~~~~
ルカ:取っておくか 取りましょう
ルカ:ハナ/誠意:〇/隔意/ロイス
ルカ:購入はボディアマ
ルカ:2dx+3>=12
DoubleCross : (2DX10+3>=12) → 9[3,9]+3 → 12 → 成功

ルカ:買えた!やったね



【Middle1】

GM:ミドルシーンです。全員登場!
ルカ:ルカの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (42 → 48)
ルカ:最大値しか出ないんですけど…
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (53 → 59)
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (42 → 46)
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (45 → 49)
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (62 → 66)
GM:---
GM:ではミドルシーンを始めていきます。
GM:今回のミドルシーンはこの1シーンのみの予定です。
デュバリー:聞き覚えあるぞ
ギル:そうなの!?
ルカ:前回が蘇る
アッシュ:ピーキーだぜ
クレア:ヤババ
GM:皆さんはこれから各国の包囲網を潜り抜け、時には強引に突破して、アメリカ合衆国エリア51を目指すことになります。
GM:そこで皆さんには特別な判定を行っていただきます。それがこちら

ミドル判定

ラウンド進行。
ラウンド毎に好きな順番で行動を行う。

『進行判定』
1手番ごとに好きな順番で『情報判定』を行い、失敗した場合『戦闘判定』が発生する。
判定の結果に関わらず進行値は増加する。基本進行値は+1。
進行値はPCごとに個別で管理され、進行値18に到達したPCは判定クリアとなる。
進行値5/10/15に到達したPCがいる際、そのラウンドにイベントが発生する。
イベント内容はランダムとなり、セットアップ時に決定する。

『情報判定』
任意の《情報:》で判定を行う。判定難易度は13。

『戦闘判定』
情報判定に失敗した場合に発生する。
ランダムで警官/軍隊/オーヴァードと戦闘となる。
任意の攻撃判定を行い、達成値とダメージを合計した値を判定値とする。難易度は35/45/55
失敗した場合、2D10×3/4D10×2/8D10のダメージを受ける。(装甲値・ガード値適用可) また、そのラウンドの進行値を-1する。(最低1)

ラウンド数が6ラウンドを越えた場合、進行値18に到達していないPCはラウンドごとに侵蝕値+1D10。


ギル:進行値18だとぉ
アッシュ:というか判定難易度13か
デュバリー:PCごとに管理とは珍しい
アッシュ:ヤバいかもしれないな
GM:基本的には情報判定を行ってもらいながら進んでいく形になります。それに失敗しても、戦闘が得意なキャラは戦闘で強引に突破することも可能。
ギル:じゃあなアッシュ
GM:判定に失敗しても進行値は上昇します。
アッシュ:見捨てるのが早くない?
サブGM:戦闘を回避するか否かの判定で
サブGM:進行はしていくぜ 成否にかかわらず
アッシュ:なるほどね
サブGM:最悪18回戦えばいける
アッシュ:なら暴力で行くか
ルカ:他PCに対する支援は行えますか?
GM:条件付きで出来ます!この後の追加ルールを見てね
デュバリー:追加ルールだとぉ
クレア:見るぜ

手番に行える行動は以下のうち1つ。

・進行判定

・移動手段確保
《調達》で判定を行い、移動手段を確保する。効果は重複不可、ヴィークルとしては使用不可。
バイク/乗用車……調達難易度12、基本進行値+3
モーターボート……調達難易度20、基本進行値+4
ヘリコプター……調達難易度30、基本進行値+5
飛行機……調達難易度40、基本進行値+6
公共交通機関……調達難易度10、基本進行値+4、情報判定難易度+5、一度でも情報判定失敗で喪失

・監視網調査
周辺の監視網について調査し、仲間に伝える。
任意の《情報:》で判定を行う。
そのラウンド中、味方全員の情報判定難易度を-((達成値÷10)+1)し、基本進行値を+((達成値÷10)+1)する。

・調達
通常の調達判定を行う。

──────────────────────────────────────────────

PCはセットアップ・クリンナップフェイズで『合流』と『散開』が可能。
『合流』を行ったPCは、2人の達成値を合計して情報判定・戦闘判定を行う。
他PCに対してのエフェクト使用は、合流中のみ可能。
ただし判定難易度は2人の難易度の合計+5となる。
進行値は個別に管理する。
2人以上で合流を行うことは出来ず、同じPC同士で合流を行うのは1回まで。
『散開』した場合、通常の判定に戻る。


GM:みんなで力を合わせて頑張って進もうねという感じです
ギル:質問大丈夫ですか?
GM:どうぞ!
ギル:度々出ているこの基本進行値というのはなんでしょう
GM:進行判定を行った際に稼げる進行値の数です
ギル:飛行機ほしい~
GM:基本は+1で、移動手段を確保すると増えます
ルカ:移動手段を確保すると増えるのは 確保したときに1回だけ増えるってことですか?
GM:ずっと持ってられます!
ギル:最強じゃん
アッシュ:常在効果は強いな
GM:どれか1個をずっと持ってる感じです
サブGM:確保したラウンドはそもそも進行判定できませんからね
クレア:すごいぜ
ルカ:合流で>2人以上で合流を行うことは出来ず、ってあるから 繰り返しの確認になっちゃうけど
ルカ:3人グループ以上はつくれないのね
GM:そうですね 2人まで!
ギル:これって移動手段持ってる人が合流したら
ギル:その相手にも基本進行値の+って乗るのかな
GM:個別に管理するので別々に増えます ロールとしては妙ですが……
ギル:なるほどね
クレア:相乗りできるわけじゃないのね
GM:移動手段は出した数値以下のものならロール的には大体使えるイメージで大丈夫です
ギル:進行値18を超えた後でも
ギル:6R目までなら判定できるんですかね?それとも18超えたらもうぼんやりしてるしか無いのかな
GM:出来ます!味方に支援したり調達したりしよう
GM:6Rを越えたら侵蝕が増えるのは、間に合わせるために無茶をしてるイメージで考えてください
GM:もう着いてる人は無茶しなくていいので増えません
ギル:了解しました!無限に買い物します
GM:他に質問はありますか~?
ルカ:とりあえず大丈夫です!やりながら学んでいきます
アッシュ:こっちもひとまずOK
クレア:OKよ~
GM:あっそうだ NPCカードもあります

舞・R・アーデルハイト
PCの手番、通常の行動の代わりに使用する。
PC1人の進行値+5、ヴィークルを喪失する。進行値18を越える際には使用不可
1シーン1回まで使用可。

ハミ―ス
いずれかの判定の直前に使用する。判定のC値-1。
1ラウンド1回まで使用可。


デュバリー:ハミースさんすげーことになってんな
アッシュ:毎ラウンドアドバイスしてくれる
ギル:舞頑張って動き回ってる
ギル:ハミちゃんのC値下限はいくつなんだろう。6まで下げてくれるのかな
GM:C値下限は特に無いかな?2?
GM:ロイス全部切ってC2判定してもいいですよ
デュバリー:公共交通機関を移動手段にした時の情報判定失敗時喪失は、そのラウンドの進行値が+される前ですか? それとも後?
GM:後ですね
デュバリー:後!
GM:もうこの路線使えないよ~ってイメージで大丈夫です
デュバリー:了解でーす
GM:ちなみに『移動手段確保』の判定は厳密には調達判定ではないので
GM:特に目標を決めずに判定して、一番高いものを貰えます
ルカ:えっすごいじゃん
ギル:便利だ
クレア:嬉しい情報だ
デュバリー:一応確認しておこう。進行判定(情報)と移動手段確保、監視網調査は、財産点は使えるで良いですか?
GM:これは……使えることでいいでしょう
デュバリー:よかった。まあこれで爆発するのはギルくんなんだけれども……
ギル:私今回そんなに財産無いよ!高い銃買っちゃったから
アッシュ:まあでも一番調達上手いのはギルだし
クレア:固定値がすごいのよ
ギル:私はそんな感じで大丈夫です
デュバリー:質問は大丈夫! やれるぜ!
GM:他に質問なさそうなら始めていきましょう
ルカ:やっていきましょう!
アッシュ:ワオワオ!
クレア:やるッピ!

【Round1/「ありがとう。私のために、我儘を通してくれて」】

GM:1ラウンド
GM:判定を開始します。
GM:行動順は任意でOK。特になければ行動値順とかでやるとよいでしょう
ルカ:セットアップは~?
GM:何かやる人いるかな?
GM:全員進行値が0なのでイベントはまだ発生しません。
デュバリー:なるほどね
ギル:私は特に無いです
アッシュ:暴走してもデメリットのがキツいしなしで
クレア:私も無いぜ
デュバリー:判定するべ
ルカ:なしだぜ!
GM:では判定していきましょう!
デュバリー:私からやってみよう。行動値もククク……最速タイだしな
クレア:ではデュバリーの次に自分が
デュバリー:マイナーで《オリジン:ヒューマン》+《オリジン:プラント》。シーン中いろいろ達成値が上がるぞ
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を4(→ 4)増加 (59 → 63)
GM:お得すぎエフェクトがよ
デュバリー:侵蝕ボーナスも獲得
デュバリー:で、移動手段確保を行います。ここはコネ:手配師を使ってしまおう。
GM:ここでNPCカードが使用されます。
デュバリー:エッ
ギル:勝手に!?
クレア:なんやと…!

NPCカード:???
デュバリーの移動手段確保判定の達成値+15


GM:判定どうぞ
ギル:怖いんですけど
アッシュ:だ、誰……?
ルカ:どうして……??
クレア:謎の足長おじさんじゃん
デュバリー:???の文字列で興奮を感じる これはハリエットのloveだな……何も恐れる事はない
デュバリー:やるぜ!
デュバリー:7dx+15
DoubleCross : (7DX10+15) → 9[1,1,2,2,4,7,9]+15 → 24

ルカ:財産はたけばヘリ買えるよ!
デュバリー:財産6注ぎ込めば30にできるけど、とっとこう。モーターボートゲットだぜ
デュバリー:多分今後細かくフォローに回した方がうまあじのはず
ルカ:えらい 先見の明
GM:では今後の進行値が+4に。
GM:次の判定どうぞ!
クレア:同じく移動手段確保判定します
クレア:3dx+4
DoubleCross : (3DX10+4) → 7[1,1,7]+4 → 11

クレア:ギリギリ電車に乗れました
GM:電車でGO
GM
公共交通機関……調達難易度10、基本進行値+4、情報判定難易度+5、一度でも情報判定失敗で喪失

GM:こちらが確保できます。やや特殊なので注意してね
クレア:失敗できないぜ
ギル:儂の手番じゃ……
GM:振り足し等は無いかな 次の人どうぞ!
ギル:移動手段を確保したいんですが
ギル:今質問したいことが浮かんだのでします。これって自前で持ってるヴィークルに乗りながらでも
ギル:飛行機の効果とか適用されていいのかな
GM:別扱いなので大丈夫!
GM:逆に戦闘には使用できません
ギル:もし大丈夫なら戦車乗っといたほうが後々のダメージ的に安心だなと思って
GM:戦車乗っていいですよ!
ギル:は~い。じゃあ戦車に乗っておこう。
ギル:そんでもって移動手段の確保!《無形の影》《コンセントレイト:ウロボロス》で判定します。ハミースさんのNPCカードを使ってC-1
ハミース:もってきな
ギル:手配師のコネも使っちゃお~。C6にしちゃうぞ
ギル:12DX6+16
DoubleCross : (12DX6+16) → 10[1,2,3,3,4,5,5,7,8,8,9,10]+10[4,7,7,8,10]+10[1,2,4,8]+2[2]+16 → 48

ギル:ありがと~!飛行機で飛んでいきます
GM:こいつやばすぎるよ~~
デュバリー:やりたい放題
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を6(→ 6)増加 (66 → 72)
ギル:侵食率以外無敵
GM:次どうぞ!
アッシュ:次オレか とりあえずこっちも調達で
アッシュ:1dx+3
DoubleCross : (1DX10+3) → 10[10]+4[4]+3 → 17

アッシュ:やったぜ
GM:バイクか公共交通機関のどちらかを獲得できます
アッシュ:どうせだし3点払ってボートにするか
GM:では進行値が+4に!
GM:最後ルカくんどうぞ!
ルカ:はーい!
ルカ:まずマイナーで《骨の剣》《死招きの爪》。武器作っておきます 侵蝕率7上昇
ルカ:ルカの侵蝕率を7(→ 7)増加 (48 → 55)
ルカ:そして《砂の加護》使って移動手段確保の判定を行います~
GM:ここでNPCカードが使用されます
ルカ:あらっ

NPCカード:???
ルカの初回判定時、判定ダイス+10個


GM:10個増やして判定どうぞ
アッシュ:あしながおじさんかな
クレア:なにものなんだ
ギル:ジユくん面倒見が良いな~
ルカ:何も恐れることはないリア
ルカ:15dx+3
DoubleCross : (15DX10+3) → 10[3,3,3,4,4,4,4,5,6,6,7,8,8,8,10]+3[3]+3 → 16

デュバリー:ルカ……財産援助してくれるおじさんを作ったんだね それもあなたの選択
デュバリー:でもそいつ乗り換えた方が良いね
ギル:C10ならこんなもんよ
GM:バイク/乗用車か公共交通機関が選べます
ルカ:そこのキミ ダイスが多くてもクリティカル値が下がるわけではないぞ
ルカ:情報弱いからな バイクにします!
ルカ:ルカの侵蝕率を3(→ 3)増加 (55 → 58)
GM:ではこれで1ラウンド目終了。

アッシュ :0 モーターボート
ルカ   :0 バイク
クレア  :0 公共交通機関
ギル   :0 飛行機
デュバリー:0 モーターボート



GM:アメリカを目指すべく、何を差し置いてもとにかく移動手段を用意する必要がある。
GM:君──デュバリーは、ミルシュカからの連絡を受け、協力者とのランデブーポイントに指定された港を目指した。
GM:日の出前、暗い港には人気も無く、潮騒の音だけが響いている。
デュバリー:ハンチングを目深に被り、ポケットの中で宝石を弄んでいる。
デュバリー:強い海風に、コートの裾がなびいている。辺りの植物と共感しつつ、周囲の様子を抜け目なく探っているが、海岸ということでまばらだ。
デュバリー:(……意外な弱点。これ、海から敵が来たりすると困るな)
デュバリー:("ルイジアナ"では気にしてなかったけど……)
GM:そうして暫く待っていると、沖合に小さな光が灯った。次第に近付いてくるエンジン音。
GM:やがて姿を現したのは、一隻の船だった。軍用の高速艇だ。
GM:君の眼前、水飛沫と共に接岸し、横腹を晒す。
デュバリー:「……男趣味ね」
デュバリー:「まあ、性能だけは確かそうだけど」 霧のように眼前に舞うしぶきに、目を細めつつ
デュバリー:念のため、コートの内側のショットガンを握り直しつつ、船の様子を伺う。
GM:エンジン音が少し静かになり、船の甲板から小柄な影が飛び降りる。
コリン:「……デュバリー!」
デュバリー:「……コリン!?」
コリン:褐色の肌の少年。以前に会った時から少し背が伸び、逞しくなっているように見える。
コリン:「久ぶ……」
コリン:君に笑顔を向けようとして
コリン:「えっ……誰……?」
コリン:困惑する。
デュバリー:「…………」
デュバリー:少しだけ気まずそうな様子で、短くした髪の毛先に触れ
デュバリー:「……とりあえずこれが、敵の罠とかじゃなくてよかった」
デュバリー:「デュバリーだよ。正真正銘。ちょっと姿、変えちゃってるけど」
コリン:「う、うん……そうだよね……?」顔に残る面影を確認するようにして
コリン:「……会えて良かった。困ってるって聞いて……ミルシュカさんに渡りを付けて貰ったんだ」
デュバリー:「……ああ、でも……ん」
デュバリー:「そうね。ものすごく困ってたし……これからもっと大変なことになるから」
デュバリー:「渡りに船。言葉通りね」
デュバリー:コリンに歩み寄り 「……背、伸びた?」
コリン:「……」半歩引いてたじろぐ。「ん、うん……少しはね」
コリン:「ごめん、本当は飛行機を持ってきたかったんだけど……」
コリン:「俺の通せる我儘は、まだまだこれくらいみたいだ」
コリン:少し笑う。軍がアイギスとの関りを認めるわけが無い。かなり無理をしたのだろう。
デュバリー:「……そうね。もしプライベートジェットか何かで飛んできてもらってたら」
デュバリー:「さすがの私もくらっと来ちゃってたかもね。渡りに船どころじゃないもの」
デュバリー:同じように笑い 「でも、ありがとう。私のために、我儘を通してくれて」
デュバリー:「その気持ちが何より嬉しいよ」
コリン:「う、うん……」視線を逸らすように高速艇に目をやり「……気にしないでよ。デュバリー達にしてもらったことを考えたら、このくらい……」
コリン:「……あ、操縦……大丈夫?」
デュバリー:「どうかな。小さなボートくらいなら動かしたことあるけど……こんなに立派じゃなかったし」
デュバリー:高速艇に向かう 「……うん、でもなんとかするよ。せっかくのコリンからの贈り物だもの」
コリン:「気にしないで。乗り捨ててくれていいからさ」
コリン:「……あのさ……デュバリー」
コリン:船の下から君を見上げる。
デュバリー:コリンを振り向く 「なに?」
コリン:「……俺さ……全然、詳しいことは何にもわかんないけどさ……」
コリン:「……でも、信じてるから!」
コリン:「デュバリーのこと。アイギスのみんなのこと」
コリン:「だから……その……」
コリン:言葉を探すようにして
コリン:「……気を付けて」
コリン:「頑張って……生きて……?ええと……」
コリン:「……また会おう!」
デュバリー:「……そうだよ。また会わなきゃ。覚えてる?」
デュバリー:髪を掻き上げるように耳許へ寄せた手を開くと、そこは深紅の薔薇を象った小さなピアスがある。
デュバリー:かつてナイジェリアの去り際、コリンに渡した同盟の証。
デュバリー:「男の子の振りしてたから、ずっとつけてることはできなくって、ごめんだけど……」
デュバリー:「それでもあの時、約束したでしょ。次会う時は、あなたの自慢話を聞かせてもらうって」
デュバリー:「こんな慌ただしくなるはずじゃなかったもの。だから……」
デュバリー:「頑張って、生きて、……髪も元みたく伸ばして、ワンピースとピアスがもう一度似合うようになったら」
デュバリー:「今度こそ本当の再会よ、コリン」
コリン:「……うん」
コリン:胸元、首から下げているのは、対となる小さな薔薇。
コリン:それを握り締め、小さく笑う。
コリン:「沢山用意してるからさ……」
コリン:「またデュバリーの話も、聞かせてよ」
コリン:「俺、待ってるからさ」
デュバリー:自らの唇にそっと指を当て 「コリンに話して大丈夫そうなこと、見繕っておくね」
デュバリー:「だから、元気で待っていて」
デュバリー:レバーを引くと、タラップが引き上がり始める。船と陸が隔てられていく。
デュバリー:ハリエットに告げたものよりも、少し明るさの滲む声音で。
デュバリー:「行ってくる」
コリン:コリンの指先からほんの一瞬、船の哨戒灯より眩い光が放たれて、君の行く航路を照らし出す。
コリン:離れていく船に、大きく手を振って。
コリン:「……行ってらっしゃい!」
コリン:そうして不安を隠し、笑顔で見送った。
アメリカ ニューヨーク
GM:ボストンを出た君は、古巣であるニューヨークを訪れていた。
GM:だがこの街に入って以来、主要道から裏道まで監視の目が走り、まともに行動することすら難しい。
GM:まだ君が侵入したという確たる証拠も無いはずだが、その監視網はボストンの比ではない。まるでこの国のオーヴァードに対する警戒心がそのまま表れているようだ。
GM:行き場に窮し、路地裏に潜んでいた君に、不意に背後から声が掛けられる。
???:「おい……動くな」
???:肩口に冷たい感触。
???:「斑鳩・フォードだな」
ルカ:「…」静かにハンズアップ。
ルカ:「…だったら、どうすんの」
???:「両手を頭の後ろで組んで、静かにこっちを向け」
???:威圧的な低い声が路地に響く。
ルカ:顔をしかめ、息を吐く。
ルカ:(…振り向き様、一発)
ルカ:そのように決め、両手を上げながら足を踏み込む。
???:振り向いたそこに立っていたのは、一人の青年。
リキッド:君の肩に当てた鉄パイプを握り、面白そうに破顔する。
リキッド:「アハァーーーーッ!!」
リキッド:バンバンと膝を叩き爆笑するその顔は、君の良く知るものだ。
リキッド:君と同じ、かつてストリートチルドレンとして共に育った青年。
リキッド:「おいみんな見たか今の顔!?」
リキッド:「マジでビビってたよなあ!?なあ!?」
ルカ:「……」
ルカ:どかっと腹を殴る。
リキッド:「グェーーッ!!」
ルカ:「…どこぞのオーヴァードハンターだと思ったら………」
ルカ:苛々しながら言う。「変な真似はやめろよ、リキッド。とんだ歓迎だ」
GM:物陰からぞろぞろと、君の見知った顔が姿を現す。
リーナ:「わりーな、ルカ。今のアイツにはシャレにならないって止めたんだけどさぁ」
N.N.:「ねえねえ、今の顔誰か撮った? チョー傑作だったし!」
プライズ:「ま、ストリート流のサプライズってことで一つ」
エフワーズ:「よぉルカ!クソ久々じゃね!?つか元気にしてたんかよ!?」
ルカ:「うるせえ。一斉に喋るな」
ルカ:言いながら顔の緊張感はだいぶ緩んでいる。
ルカ:「クソ腹減った。誰か食い物持ってない?」
リキッド:「ほらよ」スニッカーズを投げ渡す。
ルカ:「サンキュ」受け取る。
ルカ:そのまま積み重なった木箱に腰かける。
エフワーズ:「つーかお前クソほどテレビ映ってんじゃん!クソやべ~!クソ有名人じゃん!」
N.N.:「ねえねえ、一体全体何があったのさ! アンタはずっと帰ってこないし、ストリートはじいちゃんのケツの穴まで掘り返すみたいだし!」
ルカ:「上院議員に指名手配されて追われてんの。捕まったら死ぬよりひどい目に遭う」
ルカ:冗談っぽく言う。
エフワーズ:「何それ!?クソやべーじゃん!クソウケるわ~~」
N.N.:「アハハハハ! チョーやばい!」
ルカ:「……だよな。ハハ」
ルカ:「クソみたいなジョークだ」
リキッド:そんな君の様子をじっと見て
リキッド:「……なあ、ルカ……マジで大丈夫なのか?お前……」
リキッド:アイギスの件は──極度の偏向はあれど──散々報道されている。ある程度事情を把握しているのだろう。
リキッド:心配そうな顔で君を見る。
プライズ:「おいリキッド、そういう湿っぽいのはなしって言ってたろうがよ」
リキッド:「だってよ……!……トミーだって死んじまうしよ……!」
リキッド:「メイにトミー、その上お前までいなくなったら……。……何なんだよ、オーヴァードって……殺しても死なないんじゃないのかよ?」
N.N.:「ノンノンだろリキッド~。折角会えたルカにそんな泣き言聞かせてさ」
N.N.:「目からリキッドなばなばだぜ?」
リキッド:「……っせーな……!お前らだって心配してたくせによ!」
ルカ:「どうもな。…まあ、大丈夫。おれは。なんとかやってる」目を細める。
プライズ:「そうみたいだな。オレはオーヴァードは腹も減らねえって教わったが」
プライズ:「会ってみたら相変わらずの大飯食らいだ。ルカはルカのまんまだよ」
リーナ:「だな。……ねえ、ルカ」
リーナ:「アンタは大丈夫って言うだろうとは思ったけどさ。キツいんなら頼ってくれていいんだよ」
リーナ:「アタシらだって、皆大なり小なり鼻つまみ者だ。ストリートにいる奴ってのは大体そう」
リーナ:「だからアンタ一人増えたとこで気にしやしないさ」
ルカ:「…なんだよ」困ったように笑う。
ルカ:「世の中ってのは、野良猫拾って世話するようなやつ、こんなに多いんだ?」
ルカ:なんとなく地面に視線を落とす。考えてから零すように言う。「……、じゃあ、お前らに助けてほしいんだけど」
ルカ:「ネバダ州に行きたい。公共の交通は使えない……車が欲しい」
リキッド:「車?なら丁度いい」
リキッド:「俺、もうドラッグやめてよ。プライズと一緒に整備やってんだ」
リキッド:「おいプライズ、あのデカいバイクあったろ。あれルカにやれよ」
プライズ:「おうあれな!……ハァ!?」
N.N.:「おっ! 気前いーねいーね! あのピカピカのやつじゃん!?」
ルカ:「助かる、プライズ。代金は払えないけど」
プライズ:「オマエら!オレがあいつを組むのにどんだけかけたと……!いや……」
プライズ:「……いい。分かってるよルカ。持ってけ」
プライズ:「代金のこととか考えんな気持ちわりい」
ルカ:「はは…、そうだよな。うん」素直に笑う。
エフワーズ:「クソいいやつだなおめー!プライズ!」
プライズ:「は、わかりきったこと言ってんじゃねえよ」
エフワーズ:「クソポリ共が知らねークソすげえ抜け道も知ってるからよ!バッチリ送ってってやんぜ!」
リーナ:「ま、安心しなよプライズ。ルカってば面に似合わず義理堅いから」
リーナ:「絶対返してくれるでしょ。バイクなり恩なりどっちかをさ」
N.N.:「Many Many Money!」 勝手に盛り上がる
プライズ:「そいつはいいや。期待しないで待っといてやるよ。そうなりゃ儲けもんプライズってな」
ルカ:「勝手なこと言うな…」すねたような顔で言いながら立ち上がる。
ルカ:食べ終えたスニッカーズをぐしゃぐしゃと丸めて捨てる。
リキッド:「もう行くのか?」
ルカ:「うん…、なに?まだいてほしいの?」
N.N.:「そりゃそうでしょ! 3日くらい泊まってきなよ! じーちゃんボケてるからうちならバレやしないし……」
N.N.:「……なーんてね。言ってみただけ。いやいてほしーのはホントだけど……」
ルカ:笑う。「分かってるよ。ありがとな」
ルカ:「時間がないんだ。ここにいると…、なんか、昔を思い出しすぎるし」
N.N.:「へー? ムカシなんて、ルカがいた頃のことなら、この前みたいなもんだと思うけどなぁ」
ルカ:「……」
ルカ:そうかもな、と思う。たかが数年だ。
ルカ:「だからかも」
ルカ:「すぐ戻れちゃうから」
ルカ:それだけ言って路地裏を進んで行く。
N.N.:「じゃ、すぐ戻ってきな! 今度はみんなで飲もうよ! へへ……」
N.N.:「……すぐじゃなくてもいいからな。戻ってこいよ」 聞こえぬよう付け足す
リキッド:「ルカ!あんま無理すんなよ!」
リキッド:「昔からいつも無茶ばっかりするんだからよ、お前……」
ルカ:「おう」片手をあげる。
ルカ:ここは居心地が良くて、だからこそすぐに離れたかった。



【Round2/「相棒代理、採点をどうぞ」】

GM:ラウンド2
GM:セットアップから。今回もイベントは無し。
GM:特に無ければ判定していきましょう
デュバリー:じゃあ行きます 情報判定
デュバリー:技能は情報:裏社会。コネ使用。さらに《領域の声》使用。
GM:OK 難易度13です
デュバリー:8dx+7=>13
DoubleCross : (8DX10+7>=13) → 9[2,2,5,6,7,8,9,9]+7 → 16 → 成功

デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1(→ 1)増加 (63 → 64)
デュバリー:侵蝕1でこれなら安いもんだぜ モーターボートなので進行値は4に!
GM:成功ですね。無事に警戒網を潜り抜けられたので、戦闘は発生しません
GM:そしてその通り 進行値は4に
GM:では次行ってみましょう
クレア:行きます。同じく情報判定
ギル:がんばれ~
ギル:成功しないと電車没収だぞ!
クレア:情報:アイギス コネ使用 《巨匠の記憶》《コンセントレイト:モルフェウス》
クレア:6dx7+3>=18
DoubleCross : (6DX7+3>=18) → 10[1,3,6,9,9,10]+6[2,5,6]+3 → 19 → 成功

クレア:あっぶね!
GM:やりおるわ
デュバリー:えらいっ
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を3(→ 3)増加 (46 → 49)
ルカ:よかったっ
GM:公共交通機関に乗っているので難易度が高かったですがクリア。
クレア:公共交通機関なので進行度+4かな
GM:そうですね!
GM:では次行ってみましょう
ギル:行動順だと圧縮んかな
アッシュ:ではこっちも情報判定で
アッシュ:コネ:アイギス戦友を使用しつつハミースも貰う!
ハミース:まかせな
アッシュ:3dx9+2>=13
DoubleCross : (3DX9+2>=13) → 8[4,7,8]+2 → 10 → 失敗

アッシュ:流石に無理か……
ギル:惜しいぜ
GM:では情報判定に失敗したので、戦闘判定が発生します。
ルカ:がんばってアッシュ様!
GM:choice[警官,軍隊,オーヴァード]
DoubleCross : (choice[警官,軍隊,オーヴァード]) → 軍隊

アッシュ:まあ侵蝕低かったしちょうど良いぜ
GM:相手は軍隊。
GM:任意の攻撃判定を行い、達成値とダメージの合計が45を上回ればクリアです
アッシュ:45か……うーん……
アッシュ:コンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv3まで使います
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+3、侵蝕値+5
アッシュ:6dx7+11
DoubleCross : (6DX7+11) → 10[2,3,6,7,8,10]+6[1,4,6]+11 → 27

アッシュ:そんでダメージが
アッシュ:3d10+15
DoubleCross : (3D10+15) → 16[2,4,10]+15 → 31

アッシュ:足したら58!
GM:OK!では判定クリアです
GM:ダメージは発生しません。
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (49 → 54)
GM:進行値も4に。
GM:ではお次どうぞ!
ルカ:はい!
ルカ:情報判定いってみます!情報:アイギスで、コネ使用して判定
ルカ:4dx+2>=13
DoubleCross : (4DX10+2>=13) → 10[3,5,8,10]+10[10]+6[6]+2 → 28 → 成功

ルカ:えっヤバ
アッシュ:情報通じゃん
GM:マジ~!?
ルカ:これが友人たちの力……
GM:では問題なくクリアです
ルカ:やったね~~
GM:進行値3。
GM:ではお次どうぞ!
ギル:最後は私のようだな
ギル:コネを使って情報:アイギスで判定してみよ~
ギル:5DX+4 ふんっ
DoubleCross : (5DX10+4) → 10[3,4,8,9,10]+3[3]+4 → 17

GM:こいつら……情報通じゃん!
ギル:すべてわかりました。飛行機乗りなので進行値+6です
GM:では成功!

アッシュ :04 モーターボート
ルカ   :03 バイク
クレア  :04 公共交通機関
ギル   :06 飛行機
デュバリー:04 モーターボート





GM:モーターボートを駆り、海路でアメリカを目指していたアッシュ。その最中、前方に幾つもの船影が現れる。
GM:どこかの海軍の哨戒艇か。更に上空には軍用ヘリが現れる。
GM:船とヘリから、君に巨大な機銃が向けられる。受ければボートはひとたまりも無いだろう。
アッシュ:「はは、こんなとこにもバッチリ手が回ってんだな」
ハミース:《よう英雄?絶賛ファンに囲まれてるところか?》
アッシュ:「そんなとこ。アンタもこんな絶妙なタイミングでかけてくるなんて、まさか隠し撮りとかしてるクチ?」
アッシュ:「オレ、プライベートは大事にしたいタイプなんだけど」
ハミース:《作戦行動中の貴官の行動は我々の監督下にある》
ハミース:《冗談。代わりだよ、あんたの相棒の》
ハミース:《無駄に消耗したくねえだろ。俺のやり方をやれ》
アッシュ:「d'accord.取り急ぎアイツらを追っ払う必要がある訳だけど」
アッシュ:「とりあえず船の方は充てがあるから、オレ流でやっても良い?」
ハミース:《……教え甲斐のねえやつ。勝手に言うぞ》
ハミース:《雑魚どもに本気出すな。目を奪え》
ハミース:《テメエの背後に一発ぶっぱなしゃまともに捉えきれねえよ》
アッシュ:「なるほどね。丁度上手いこと混ぜてやれそうだし、それで行く」
アッシュ:そう言うが早いか、溢れ出した影がボートを覆っていく。
アッシュ:普段剣で行っているそれを、対象を広げたようなもの。その目的はコーティングだ。
アッシュ:すなわち、今から行う能力行使によって船がダメになってしまわないように、という配慮。
アッシュ:モーターボートが黒に塗り直されたのを確認した後、一拍。
アッシュ:ボートの周囲数百mの海が蒼い輝きによって照らされる。
アッシュ:「海水は普通の水よりよく電気を通す。覚えとくと良いぜ」
アッシュ:狙いをつけるために望遠鏡を覗き込んでいた者は目を焼かれ、近づきすぎていた船は通電の危険もあるだろう。
GM:何隻かの船がコントロールを失い、互いに衝突する。船員が海に放り出される。
GM:激しい発光に警戒してか、ヘリが上昇しようとする。
アッシュ:その隙を縫うようにボートを奔らせる。眩んだ目では身軽なそれを捉えることは困難だろう。
アッシュ:「相棒代理、採点をどうぞ」
ハミース:《馬鹿……え。んな権限はね……よ》
ハミース:《そっくり……まま報告……とく。本人から……い点されろ》



【Round3/「想像上の妹が本当は居ないって分かっただけだよ」】

GM:ラウンド3
GM:セットアップ。
GM:ギルくんが進行値5を越えたので、イベントが発生します
GM:1D6
DoubleCross : (1D6) → 6

ギル:出目が大きいということは私に有利ということ

⑥交渉
現地勢力と通行の交渉を行う。
次に行う情報判定の使用技能を《交渉》に変更する。この判定には財産点が使用可。

ギル:暴力……か
デュバリー:ひ、飛行機移動なのに……
デュバリー:ラピュタは本当にあったんだ
GM:給油時かも
GM:さておきイベントはこれ!特に合流など無ければ判定に入っていきましょう
ギル:これって人間と合流したら相手も交渉になるのかな。それとも私だけなのかな
GM:これは……ギルくんだけ交渉で相手は普通に情報、その達成値を合計する形になりますね
ギル:ラッジャ!
デュバリー:ギルくんと合流します。交渉ってんならねぇ
ギル:合流します!交渉事は苦手なのでね
GM:なるほどね
GM:では判定していきましょう
デュバリー:先にデュバギルで同時にやっちゃいますか
GM:そうですね お願いします
デュバリー:後3人は行動値順で
クレア:やっちゃいなYO!
ギル:そうしましょう。交渉は社会1のDBが1しか無いカス
ギル:2DX
DoubleCross : (2DX10) → 10[10,10]+4[2,4] → 14

GM:判定難易度は2人で31!
ギル:かなり出目がいい
GM:C(31-14)
DoubleCross : c(31-14) → 17

デュバリー:《領域の声》使用。あとコネ:情報屋 も使用。<情報:裏社会>!
GM:17出せばクリアです
デュバリー:8dx+7
DoubleCross : (8DX10+7) → 10[4,4,5,7,9,9,10,10]+6[2,6]+7 → 23

デュバリー:フ……
GM:何だとぉ…………
ギル:頼りになるな~
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1(→ 1)増加 (64 → 65)
GM:では二人で判定クリア!戦闘は発生しません。
デュバリー:進行値は+4して8へ。
ギル:進行+6で12だぜ~もうすぐゴールだ
GM:早すぎる
GM:では次の判定どうぞ!
クレア:いくぜ!進行判定
クレア:情報:アイギス コネ使用 《巨匠の記憶》《コンセントレイト:モルフェウス》
クレア:6dx7+3>=18
DoubleCross : (6DX7+3>=18) → 10[2,4,4,7,7,9]+10[3,7,7]+10[5,7]+6[6]+3 → 39 → 成功

クレア:フン
アッシュ:強すぎ
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を3(→ 3)増加 (49 → 52)
GM:なんだこいつ~~!?
クレア:進行値は8!
GM:世界の車窓からセッションじゃないんだぞ
クレア:快適な旅をお届けするぜ
GM:ではお次!
アッシュ:またアイギス戦友とハミース使って情報収集から!
アッシュ:3dx9+2>=13
DoubleCross : (3DX9+2>=13) → 3[2,3,3]+2 → 5 → 失敗

アッシュ:情報収集てんでダメだな、やっぱ
GM:では戦闘判定が発生します
GM:1D3
DoubleCross : (1D3) → 3

GM:相手はオーヴァード!
ルカ:厄介な相手!
GM:達成値とダメージを合計が55を上回ればクリアです。
アッシュ:さっき55超えたの出目跳ねたからってのは大分あるんだよな……
アッシュ:こっちで行くか
アッシュ:Leve la voile:コンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv3+ライトニングリンクLv3
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+3、攻撃力+12、HP-5、侵蝕値+9
アッシュ:あ、これさっき混沌の槍のボーナス忘れてたな 入れて振ります
アッシュ:9dx7+11
DoubleCross : (9DX7+11) → 10[1,2,4,6,6,6,8,9,9]+10[2,7,9]+10[2,7]+6[6]+11 → 47

アッシュ:5d10+15+12
DoubleCross : (5D10+15+12) → 24[1,4,2,7,10]+15+12 → 51

アッシュ:ライトニングリンク要らなかったわ
GM:余裕すぎる
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を9(→ 9)増加 (54 → 63)
ルカ:さすがすぎ~
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードのHPを24(→ 24)に変更 (29 → 24)
GM:では進行値8に。
GM:最後ルカくん!
ルカ:はい!
ルカ:情報:アイギスで、コネ使用して情報判定!
ルカ:4dx+2>=13
DoubleCross : (4DX10+2>=13) → 9[3,4,4,9]+2 → 11 → 失敗

ルカ:おっ
ルカ:財産2点支払って成功させますよ~
ルカ:財産4⇒2になりました
GM:では成功!
GM:進行値は6になります

アッシュ :08 モーターボート
ルカ   :06 バイク
クレア  :08 公共交通機関
ギル   :12 飛行機
デュバリー:08 モーターボート


GM:ギルくんは既にリーチ。しかし次のラウンドは全員にイベントが発生します。
クレア:アワワ…

プエルトリコ 軍基地
デュバリー:北米大陸東南に位置する小さな島国とあれば、その軍事設備もさしたるものではない。
デュバリー:政治的にもアメリカの影響を受け、アメリカ同様のオーヴァード排斥の気風が蔓延しているものの……
デュバリー:その一方で、内部的にはアメリカの経済的従属国となっていることを良しとせず、独自に勢力を固めて、適切な距離を取ろうという動きがある。
デュバリー:ミルシュカが接触を図り、コネクションの成立に成功したのも、そういった政治勢力が"α"の暴虐と、それを曲がりなりにも退けた"アイギス"の力を重視したからこそだ。
デュバリー:無論、アメリカに協力的な主流派は"アイギス"の存在を探知すればすぐさま捕縛にかかるだろうが、アメリカを脅威視する者……あるいはわずかなりにも"船員たち"の存在を掴んでいる者であれば、アメリカ従属以外の道を探りもする。
デュバリー:幸運だったことは、そういった者が軍内部にあり、軍基地への寄港と補給が許されたことである。
デュバリー:「……とはいえ、あちらもさすがに、そんな立派なもので乗り付けてくるとは思っていなかったみたいだけど」
デュバリー:そうギルに話しかけるデュバリー。二人は冬でもなお明るい青天の下、滑走路に仮説されたテーブルで昼食を取っていた。
デュバリー:現地レストランからデリバリーされた海鮮料理は、イタリア地中海のそれを思わせる、素朴で新鮮なものだ。
ギル:「いや、君が居てくれて助かったよデュバリー。危うく撃たれかねないところだった」
ギル:そういうギルトレットの背景、遠く離れた滑走路に最新式の軍用機が映っているよ。
ギル:「食事まで用意しておいてくれるなんて、願ったり叶ったりだ。色々あったみたいだけど、相変わらず頼りになる」
デュバリー:「補給と、あと交渉について手を回してくれたのはミルシュカだから。食事は私だけどね」
ギル:料理に舌鼓を打ちつつ「ミルシュカにもお礼を言っておかないとね。それにしても、随分見た目が変わったね。イメチェン?男にでも振られた?」
ギル:「個人的には前のほうが君らしくて似合っていたと思うけど。戻す予定はあるのかな」
デュバリー:「大西洋からアメリカを目指すならここは重要になるだろうから、って。……何それ」 呆れと困惑の混じった表情
デュバリー:「敢えていうなら世界に振られた、って所じゃない。私たち全員。まあ、もとの方が落ち着くのは私も同じだから、いずれ戻すだろうけど……」
デュバリー:レモネードを飲みながら頬杖をつく 「それに、色々あったのはそっちの方こそでしょ。大丈夫なの?」
ギル:肩をすくめて「もう、全然。へっちゃらさ。今までになく絶好調だよ。可愛い彼女もできて最高に幸せ」
ギル:「これで船もあれば言うことなしだったんだけど。逸っても仕方ないね。まずはエミリアを取り返さないと」
デュバリー:相変わらずその表情が大きく揺らぐことはないが、それを踏まえても明らかに、唇が妙な方向に歪む。たとえばゲテモノを口にした時なんかもこの顔になる。
ギル:「なんだいその顔。言いたいことがあるならはっきり言ってくれよ」
ギル:「料理の味が気に食わないなら僕が貰うけど、そうじゃないよね?」
デュバリー:「『人が変わった』……という言葉を深く実感しているの。代わったか、替わったかの方が、まだ整合がつくんだけど」
デュバリー:「そうじゃないことは分かっているから、その不整合さのせいで表情が歪んだ。……つまり変わりすぎってこと、前とね」
ギル:「そんなに言うほどかな。想像上の妹が本当は居ないって分かっただけだよ」
デュバリー:「だけなもんですか、それが」 溜息 「ま、悪い変化には見えないから良いけど」
ギル:「まあでも、確かに」ちり紙で口の周りを拭いて「前より気が楽なのはそうかも」
ギル:「僕が半年休暇を貰っても、こうして無事に会えてる。以前の僕は、自分が無理をしてでも戦わないといけないと思っていたからね」
ギル:「要するに、勝手に思いつめてた。多分今のほうが素に近いんじゃないかな?」
ギル:そう言ってから、デュバリーの表情をもう一度見て「あー……まあ、僕の話はそんなに興味ないか。それで、他の皆はどうしてるか知ってる?」
ギル:「アッシュは派手にやって人目を引いてるみたいだけど」
デュバリー:「敢えて言うなら、あなたのその半年……あなたと舞の半年には、多少と言わず興味はあるけど」
デュバリー:「多分それは舞も同席させた方が楽しいでしょうね」 アルカプリアス(里芋とバナナの生地の包み揚げ)を齧りつつ
ギル:「恋人が舞のこととは言ってない」苦笑いしながら「あー、そういえば皆には黙ってるよう言われてたかも。ここだけの話にしておいてくれる?」
デュバリー:「舞じゃなかったらそっちの方が気の毒でしょ。どれだけあなたに時間を割いていたか……まあ、伏せてはおく。組織の規律もあるだろうしね」
ギル:「ありがと。今度一杯奢るよ」
デュバリー:肩をすくめて 「……クレアは大陸鉄道で北から。ルカはアメリカ国内を横断。物理的な距離はともかく、警備状態を勘案すれば、みんなさほど大差なく目的地につくだろうって話」
ギル:「鉄道で?クレア、随分肝が座ってるな」
デュバリー:「ギルの言う通り、アッシュが気を引いてくれてるから、接近自体はある程度何とかなりそう。それでも、現地に近付いたらどうなるかは未知数だけど……」
デュバリー:「灯台下暗しと見て、でしょうね。一歩滑ったら徒歩になりそうだけど……そうしたら舞にフォローしてもらう感じかな」
ギル:「現地がどうなってるかは僕が確かめておくよ。先行して相手の動きを皆に伝える」
デュバリー:「いいね。ついでに、アッシュみたいに暴れておいてよ」
ギル:「悩みどころだね。厄介なのがついでに釣れなければいいけど」
ギル:「君と違って、僕は恨む側じゃなく恨まれる側のようだからね。でも、努力しよう」
デュバリー:「いいんじゃない、釣れちゃっても。今のあなた、死ななさそうだもの。前よりずっと」
ギル:「死なない女にそう言われるとは光栄だね」
デュバリー:指についた揚げ物の残りを舐めつつ 「実りある療養で何より。その間、こっちは結構死にそうだったけど」
デュバリー:「その辺りの愚痴も、全員揃ってからにしましょうか。……お腹はいっぱいにできた?」
ギル:「足りないのは思い出話くらいかな」
ギル:「ディナーの楽しみにとっておくよ。それじゃ、君も気をつけて」
デュバリー:「私たちの寄港は隠せない、ただたまたま通報系が遅れて、たまたま燃料の準備ができていて、たまたま整備班が致命的なカン違いで仕事をしてしまった、ってだけだから……」
デュバリー:「……ええ。通報が来る前に発つとしましょうか。夕飯くらいは、落ち着いて食べられるようにね」
ギル:ジャケットを羽織ってキャンプから出ていこう。
デュバリー:その背中を見送る 「……死ななさそうだとは言ったけど」
デュバリー:「死なないでね、本当」
カナディアンパシフィック鉄道 列車内
クレア:極寒の北海から北大西洋を抜け、カナダに上陸するのは比較的容易だった。
クレア:ヴィクトリア危機以来、アメリカとカナダの関係は常に緊張状態にある。加えてアッシュが大西洋で艦隊を引き付けている現状、他国の海域への監視は緩まざるを得なかったのだろう。
クレア:現地で潜伏していたアイギスの協力員と合流したクレアは、とある裕福な老夫婦とその家族を偽装し、大陸を縦断する列車に乗り込んだ。
クレア:トロントからシカゴを経由し、ラスベガスへ。列車で近づけるのはそこまでだが、ネバダ州に入ってしまえば目的地は目と鼻の先だ。
クレア:「それは良いんだが……」
ニーナ:「ねえねえおねーちゃん、あれ何ー?」クレアの肩に捕まって、遠くに飛んでいる鳥を指差して言う
クレア:「ああ、あれは」隣の座席に座った、長い銀髪の女が外に目を向ける
クレア:白い毛皮のロングコートに身を包み、頭にはクバンカ帽を被った少女。横顔の造形は美しく、氷から削り出したかのようだった。
クレア:「白鳥だ……白鳥ね」一度咳払いし言い直す。
クレア:「五大湖が近いから。冬を越した群れが戻ってきてるのかな」
ニーナ:「すごーい!お姉ちゃん物知り!」
ティルダ:「まあ!本物の白鳥なんて、初めて見たわ!」
ティルダ:口に手を添えて上品に笑う。丈の長い上品なコートを着込んだ令嬢然とした装いだが、袖から僅かにタトゥーが覗いている。
クレア:「……」無難に答えた所で、恨めしそうに周りの面々に目を向ける。
ニーナ:「ねえねえ、じゃああっちで葉っぱ食べてる動物さんはー?」
ニーナ:「……こら、何恨めしそうな顔で見てるのよ」
ニーナ:「ちゃんとお姉ちゃんしなさいよ、ほら」
クレア:「エルク。鹿の一種だね。ヨーロッパとこちらではその名が示す種が違っていて……」
ティルダ:「ここのお弁当めっちゃ旨いね……めっちゃ旨いですわね~」
ティルダ:車内販売の弁当をパクパク食べている
クレア:「あまり無茶を言わないでくれ、ニーナ」小声で
クレア:「変装するのは良いが、性別を変える必要はあったのか?」顔の傷や細かな造形を《テクスチャーチェンジ》で変え、声色を薬で高くしている。
ティルダ:「いいじゃん似合ってるって~。バレないバレない!」
ティルダ:「まあほら、折角だしさ~。何事も経験って言うじゃん?」
クレア:「不慣れな口調のせいで、逆に見破られはしないだろうか……」
コーハ:「……静かにしなさい。他のお客さんも居るんだから」山高帽を深く被った老紳士。
ニーナ:「あ~!ティルダだけご飯ずるい~!お母さーん!私もお腹すいた~!」
コーハ:「いやあの、本当に静かにしましょうよ……」小声。
コーハ:「ヘンに目立つとまずいですって」
ティルダ:「大丈夫でしょ~。こんな怪しい連中まさか逃亡犯だなんて思われませんですわよ~」
アーラ:「ニーナ、それにティルダも。駅で買ったピロシキがありますから」優雅な衣服に身を包んだ老婦人。
アーラ:「…どんどん食べさせて静かにさせる方針でいかないと…」溜息。
コーハ:「要らんぞ。それはソビエトの食い物だろう」自分は固辞して新聞を開く。
コーハ:「お前らで勝手に食え」
クレア:「今の状況で人選に文句を言っても仕方がないのは分かっているが……」抜け目なくピロシキに手を伸ばしつつ
クレア:「……でも、また会えて良かったよ」
ティルダ:「そうそう、クレアくん、リッケンバッカーのとこいたんだって?」
ティルダ:「超やばいじゃ~ん。ねえねえ、彼どんな感じだった?」
クレア:「一言で言うと、普通の飲んだくれの木こりだった」
ニーナ:「なになに?知られざる闇みたいなのはなかったの?」
コーハ:「……ええ?あのリッケンバッカーがですか?」
コーハ:「それは……意外というかなんというか……」
クレア:「自分もそういったのを警戒していたんだけどな」
クレア:「いや、もしかすると期待していたのかもしれないが」
クレア:「あれ程強いのなら、何かとんでもない秘密があるに違いない。なんてな」
ニーナ:「秘密を掴めればクーちゃんも最強になれたかもしれないのにな~」
ティルダ:「そうだよね~」
コーハ:「我々からすれば十分天上の存在なんですが……」
クレア:「最強にはなれないかもしれないが、勝つことはできるさ」
クレア:「リッケンバッカーは、たった一人で彼の国を守っている。でもそれは」
クレア:「単に彼が一人でそれができるほど強いからで、その逆ではない。人は孤独によって強くなることはない」
クレア:「アイギスは違うだろ」
クレア:「自分たちはチームだ。一人で戦っているわけじゃない」
クレア:「リッケンバッカーが強かったのは偶然だが、アイギスが強いのは必然だ」
クレア:「自分には仲間がいるのだから……ええと、言いたいことが伝わってるだろうか?」
ニーナ:「可愛い顔していうね~」両手で頬をぐにぐに突きながら
ティルダ:「うん。その為にもまずはちゃんと合流しないとねえ」
アーラ:「ええ、ええ。私らのような下っ端だって、チームの一員ですからね」
アーラ:「精一杯サポートさせていただきますよ」
コーハ:読めと言わんばかりに新聞をクレアの前へ投げ渡す。
クレア:それを受け取って開く「……ふっ」
コーハ:新聞記事の広告の中に、走り書きのメモ書きがある。
コーハ:アイギスメンバー各員の足取り。そして。
コーハ:Espoir:オーヴァードと交戦に入った模様、と。
クレア:小さく笑ってメモ書きを抜き取り、新聞を畳む。
クレア:「ありが……」言いかけた所で、車掌が近づいてきた事に気づき、
クレア:「行き先、ニューヨークでなくシカゴにして正解でしたねお祖父様。海は荒れるみたいですから」



サブGM:洋上。補給艇と合流し、ボートごとの交換を行う手筈になっていたはずだが。
サブGM:合流予定の地点に、お目当てのものは現れない。
サブGM:代わりに、鉄片のようなものが流れてくる。
サブGM:破損した船の装甲片だろうか?
アッシュ:「気を休める暇もないな。人気者の辛いとこだ」
アッシュ:一つ息を吐いて、鉄片の流れてきた先へと視線を向ける。
サブGM:一隻の高速戦闘艇がある。艦籍はドイツ――とメラニーならばすぐ言っただろうが。
サブGM:そうせずとも、所属を厳然と示すものがある。
サブGM:甲板に立つ少女。遠目からでも判別できる。
サブGM:右腕からは激しく炎を噴出し、左腕からは静かに氷が侵食している。
カタリーナ・アウラー:「おお?おお」
カタリーナ・アウラー:「やっぱりアッシュだ!」
アッシュ:「Wesh,カタリーナ」
アッシュ:気さくに片手を挙げて。
カタリーナ・アウラー:「遊びに行っても居なくて!つまんなかった」
サブGM:フランス本土は制圧された。それを主導したのはドイツ軍だったと。
アッシュ:「悪いな、オレもちょっと立て込んでてさ」
アッシュ:「クレープはどうだった?スイスのも悪くないけど、ダンチだっただろ?」
カタリーナ・アウラー:「食べられなかった~」
カタリーナ・アウラー:「墜落した飛行機で店が潰れちゃってた」
アッシュ:「そりゃ勿体ない」
カタリーナ・アウラー:「ね。だから」
カタリーナ・アウラー:「お腹空いてるんだ」
カタリーナ・アウラー:炎と氷が激しくなる。
アッシュ:「奇遇だな。オレもだ」
アッシュ:抜刀。影と雷が刀を中心にアッシュを包んでいく。
カタリーナ・アウラー:「Eukalyptus. "Blatt Zwei"」
カタリーナ・アウラー:「しようか。“戦争クリーク”」
カタリーナ・アウラー:左腕を海へと差し入れた。瞬間、氷の道が海上に伸び、ボートを捉える。
カタリーナ・アウラー:造られた道を駆け、アッシュへと迫る。
アッシュ:「フランス空軍所属、"Espoir"」
アッシュ:「しようぜ。"戦争Guerre"をさ」
アッシュ:足元から溢れ出した影がボートから零れ、氷によって作られた道を黒く塗り替える。
アッシュ:冷気を遮断し、自分に有利な足場兼武器へ地形を変える。その間に自身は跳躍。
アッシュ:刃に纏わせた雷を振り下ろし、即興ながらも空からと地からの挟撃を図る。
カタリーナ・アウラー:体が重くなる。振り下ろしの一撃はわずかに手前に落ちる。
カタリーナ・アウラー:彼女のシンドロームは、バロールのピュアブリード。
カタリーナ・アウラー:その重力波は、外付けの火と氷をコントロールするためだけのものではない。
カタリーナ・アウラー:着地の隙を狙い済ませたかのように、炎の右手を構え、その身を貫かんと撃ち放つ。
アッシュ:以前ならそのまま貫手が決まっていただろう。しかし。
アッシュ:足元を這わせていた影が既に形を変えている。貫く剣ではなく防ぐ盾の形に。
カタリーナ・アウラー:「えっ」意表を突かれる。むしろこちらは、相打ち狙いを危惧して半ば意識を防御に向けつつあったが。
アッシュ:その虚を突くように、盾となっていた影がカタリーナへ襲い掛かる。
アッシュ:影の裏側から現れたその口元には笑み。悪戯小僧のように快活で、肉食獣のように獰猛な。
カタリーナ・アウラー:炎の壁が、半ば自動的にそれを凪ぐように荒れ狂う。尋常の戦場であればそれで防げた。
カタリーナ・アウラー:体が傾ぐ。
カタリーナ・アウラー:その炎は足元の氷さえも灼く。
カタリーナ・アウラー:脚が海中に没して、急ぎ氷の道を再作成しようとするが、一手遅い。
アッシュ:それよりも早く、氷上に溢れた影がその足を浚う。
アッシュ:切り裂くわけではない。だが、理外の柔軟性と耐久力を併せ持つそれが全身を覆えば。
アッシュ:それは破りようのない盾にも、解きようのない枷にもなる。
アッシュ:「冷熱両用って便利なようで結構不便だよな」
アッシュ:「お互い食い合っちまうんだから。今みたいに」
カタリーナ・アウラー:「ん~」ジタバタともがくが、解けない。
アッシュ:「燃料ちょっと貰って行っても良い?元々補給の予定だったから心許なくてさ」
カタリーナ・アウラー:「ダメ!Einに怒られる」両手の火と氷は消えている。
カタリーナ・アウラー:「始祖をまた使うんでしょ?アッシュたちは」
アッシュ:「使うっていうか迎えに行くつもりではあるな」
アッシュ:「そこで何が起きるかはまだ分からないし、エミリアがまた能力を使うことになる可能性はあるだろうけど」
アッシュ:そう言いながら影で海上に道を敷くと、勝手に戦闘艇へと乗り込んで燃料を漁り出す。
カタリーナ・アウラー:「自分たちの力にしないの?」
アッシュ:「あー……力にする気は無いと思うぜ。アイギスの連中の誰も」
アッシュ:「ただ、エミリアはもうアイギスにとって仲間で、だから迎えに行く」
カタリーナ・アウラー:「そうなの~?」
アッシュ:「ああ。ま、そっちからすりゃアイギスが始祖を保有するってことだから違いは無いかもしれないけどな」
カタリーナ・アウラー:「うちは倒せって言われた!始祖」
カタリーナ・アウラー:「あんなに強いものは怖いんだって」
アッシュ:「αで懲りてるだろうからな、ドイツは」
アッシュ:燃料の詰まった缶を幾つか自分のボートへと積み込み、ついでに戦闘艇駆動系をショートさせる。
アッシュ:「先を急いでてさ。悪いけど、諦めてEinに怒られてくれ」
カタリーナ・アウラー:「怒るのよくないのに……」
カタリーナ・アウラー:「でも、強かった、アッシュ」
カタリーナ・アウラー:「また遊ぼうね」
アッシュ:「ああ、またな」
アッシュ:「次はフランスで会おうぜ」
アッシュ:手を軽く振り、ボートを発進させる。
アッシュ:フランスはドイツによって占領された。その際の戦果で被害も出た。
アッシュ:知っていたことだ。ミルシュカから説明されていたから。
アッシュ:それでも、自分の記憶にあるのは賑やかながらも整然と整ったあの町並みで。
アッシュ:「……Putain」
アッシュ:もう無いと聞いたせいだろうか。あの店のクレープが嫌に恋しくなった。



GM:3ラウンド終了。イベントが発生します
アメリカ合衆国 ワシントンD.C.
マクシミリアン・ブラッドリー:「……状況は」
GM:アメリカ、国家オーヴァードテロ対策センター(COC)本庁舎。その会議室は、重苦しい空気に包まれていた。
GM:机上で掌を組み、眉間に皺を寄せる男は、マクシミリアン・ブラッドリー。
GM:現在の役職としては大統領補佐官であるが、元々はCIA上がりで中央情報長官まで務めた男であり、
GM:この組織──COCも彼が立ち上げた、彼の意向により動く私設部隊に近い色を有していた。
GM:招集された数人の部下達が、緊張感と共に無言の内に誰が先んじて発言すべきか伺い合う。
COC職員:「……件のリーク以来の各国の動きですが……」
COC職員:「北連は“リッケンバッカー”を動かすつもりのようです。作戦目標は始祖の奪取と推測されます」
COC職員:「ドイツ軍、“アイゼルナーヴィレ”にも動員の兆候が見られます。こちらの目的は目下調査中です」
マクシミリアン・ブラッドリー:「よりによってですか。面倒ですね」
マクシミリアン・ブラッドリー:「“ゲシュペンスト”の方がまだ良かった……今は“オイカリュプトゥス”でしたか」
COC職員:「ソビエトに関しても監視を継続中ですが、恐らく静観の構えかと見られます。東部戦線で苦戦しつつある現状、こちらに割く余力は無いかと」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ご苦労様です。優秀な部下を持つと助かります。教育が行き届いていますね」
COC職員:「いえ……」
COC職員:穏やかな雰囲気で話すマクシミリアンに、部下たちに安堵の空気が広がる。
COC職員:「……他国に関しても現在調査中です。“船員たち”については現状動きは見られません」
マクシミリアン・ブラッドリー:「しかし、気付かれていないと見るのは悠長に過ぎます。警戒を怠らないよう」
COC職員:「はい。それから、アイギスですが……」
マクシミリアン・ブラッドリー:片目を閉じて部下を見る。
COC職員:「複数の構成員がアメリカに向かっている兆候は見られますが、具体的な位置に関しては不明です」
COC職員:「また、元フランスのアッシュ・ノイ・ジラードが、複数の警戒網を突破し、本土に接近しつつあります」
マクシミリアン・ブラッドリー:「そこまで分かっていて……」
GM:一瞬で空気が凍り付く。
マクシミリアン・ブラッドリー:「どうして、まだ検挙出来ていないのですか?」
COC職員:「……あ……」
COC職員:背中を氷柱で貫かれたような重圧に、どっと嫌な汗が噴き出す。
COC職員:「その、所在は掴めているのですが……捕えるには至らず……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「何故?」
マクシミリアン・ブラッドリー:ゆっくりとした、ごく短い問い。
COC職員:「……か、彼は……あのアッシュ・ノイ・ジラードですから……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「だから?何です?」
COC職員:「……」
COC職員:「……わ……」
COC職員:「……わ、我々の非オーヴァード戦力では……オーヴァードに対し、有効打が持てず……」
GM:ゴ ガン!!
GM:凄まじい音が響き渡り、部下の男の顔面が机に打ち付けられる。
COC職員:「かっ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様……」
マクシミリアン・ブラッドリー:紳士的な仮面の剥げ落ちた、憤怒の形相。部下の頭を鷲掴みにしたまま叫ぶ。
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードだからだと?ふざけるなぁッ!!」
GM:ゴガッ!
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様は何故ここにいる!?オーヴァード共をブチ殺す為だろうが!!」
GM:ガシュッ!
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードに頼らねばオーヴァードを狩れないなら、何の為のCOCだッ!!」
GM:ガン!ガンガンガン!ゴシャッ!
GM:何度も強かに机に叩きつけられ、床に真っ赤な血がぼたぼたと滴り落ちる。
COC職員:「ぶ……ぶふ……かひゅ……」
COC職員:「ほっ……補佐官……!き、気を失っています……」
GM:他の部下に制止され、手を放す。男の身体が無造作に床に転がった。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……オーヴァードの弱点は何か分かりますか?」
マクシミリアン・ブラッドリー:血に濡れた掌を拭いつつ口を開く。不意に会話を振られ、小さくひっと息を呑む部下。
COC職員:「……え、ええと……その……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「人間の振りをしていることです」
マクシミリアン・ブラッドリー:遮るように続ける。
マクシミリアン・ブラッドリー:「奴らは食事と睡眠をとらなければ生きていけない。その体力には限界がある」
マクシミリアン・ブラッドリー:「国という強力なバックアップさえ無ければ、“リッケンバッカー”でさえ容易に殺せるでしょう」
マクシミリアン・ブラッドリー:「今のアイギスは組織として分断され、個人の状態にある」
マクシミリアン・ブラッドリー:「監視網を強化してください。非正規でもいい、人員を増やせ。奴らを補足し続け、1秒たりとも休ませるな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「薄汚い人間もどきに、決してアメリカの土を踏ませるな。一刻も早く、この庁舎に傭兵どもの首を持ってこい」
GM
マクシミリアン・ブラッドリー:……怯えたような返答と共に部下たちが部屋を出て行ってから、おもむろに上着とシャツ、インナーまでも脱ぎ捨てる。
マクシミリアン・ブラッドリー:引き締まった上半身の筋肉を露わにし、薄暗い会議室の床で一人、腕立て伏せを始める。
マクシミリアン・ブラッドリー:筋骨の駆動する微かな音と、衣擦れの音。上下する視界。部屋を見渡す。
マクシミリアン・ブラッドリー:(……さて。これで多少は持つだろうが、結局は時間の問題だな)
マクシミリアン・ブラッドリー:(奴らを仕留める必要は無い。体力さえ削ればそれでいい、が……)
GM:COC本部庁舎は近年建てられたものだが、その内情は異常に前時代的なものだ。
GM:その建物からは、偏執的に電子機器やデジタルデータが排除されていた。まるで時代に逆行するかのような振舞い。表向きは防諜の為となっているが、その不便さに職員からは不満の声も多い。
マクシミリアン・ブラッドリー:(……だが、それもここまでだ)
マクシミリアン・ブラッドリー:腕立てをクランチに切り替える。マクシミリアンの呼気と、身体を動かす音だけが会議室に響き、締め切られた室内に徐々に熱気が満ちていく。
マクシミリアン・ブラッドリー:「フッ……フッ……フッ……フッ……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:延々と、黙々と肉体を痛めつける中で、次第に思考は済み切っていく。
マクシミリアン・ブラッドリー:(ロバート・クロムウェル……“船員”ども……一体何を考えている?)
マクシミリアン・ブラッドリー:(いずれにせよ…………勝つのは私だ。その為ならばどんな駒でも使ってやる)
マクシミリアン・ブラッドリー:(貴様らだけは、この私が必ず潰してやる……)



GM:4ラウンド以降、情報判定の基本難易度が16に変更されます。
ルカ:ほぎゃぎゃ
ギル:クレアくんが一番大変そう
クレア:フン……クリティカルし続ければ問題はない……



【Round4/「どこかの誰かが、希望を持ってきてくれるかもしれないし」】

GM:ではラウンド4
GM:全員にイベントが発生します。
GM:まずはアッシュくん
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 6

アッシュ:どうぞ
ルカ:なんだ~

⑥交渉
現地勢力と通行の交渉を行う。
次に行う情報判定の使用技能を《交渉》に変更する。この判定には財産点が使用可。

アッシュ:うえ 元から苦手なのが余計に苦手になった
GM:次にルカくん
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 2

②悪天候
一時的に悪天候に見舞われる。
1ラウンドの間、全ての判定ダイス-5個。

ルカ:振れなくなっちゃうよ~
GM:クレアくん
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 6

⑥交渉
現地勢力と通行の交渉を行う。
次に行う情報判定の使用技能を《交渉》に変更する。この判定には財産点が使用可。

GM:多いな交渉
クレア:ゲェ~ッ
クレア:巨匠が使えないぜ
GM:ギルくん
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 6

GM:これは既に出たので振り直します
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 9

ギル:6出すぎやろ

⑨奇襲
このラウンド、強制的に戦闘判定が発生する。判定難易度+5。

ギル:そんなに俺と遊びたいのか
GM:最後にデュバくん
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 9

デュバリー:あらあら

⑨奇襲
このラウンド、強制的に戦闘判定が発生する。判定難易度+5。

GM:結果を見て合流・散開など自由に行って構いません
デュバリー:へい質問です。『強制的に戦闘判定が発生する』、ですが、進行判定以外の判定を行おうとした場合どうなりますか。
ギル:デュバリーと合流してる意味って多分無い?気がするので散開しますか
GM:この場合、進行判定以外はできないものと考えてください
デュバリー:はーい
デュバリー:『次に行う情報判定の使用技能を《交渉》に変更する』 これの情報判定って進行判定における情報判定のことで、情報技能を用いた判定とは別ですよね?
GM:そうですね!別です
デュバリー:ひとまずギルデュバリーは散開します。
クレア:自分は一人でなんとかしてみるぜ ここは任せて先にいきな
デュバリー:そしてセットアップでルカくんと合流します 全速前進だぜ
ギル:同じく見学で相談した感じで、アッシュくんと合流して置きます
GM:では判定に入っていきましょう
GM:デュバ・ルカ組からやっていこうかな
クレア:ちょっとまちな
デュバリー:の前にクレアくんだぜ
GM:むむっ
クレア:先に監視網調査をやらせてもらうぜ
GM:女装男子がよ~
クレア:交渉判定なんてやってられるか!こっちには巨匠の記憶があるんだよ
クレア:行きます。《巨匠の記憶》《コンセントレイト:モルフェウス》
クレア:コネも使います。情報:アイギスで判定
クレア:6dx7+3
DoubleCross : (6DX7+3) → 5[2,4,4,4,5,5]+3 → 8

ルカ:オッ
クレア:そんな……
デュバリー:かわいいね
GM:あらあらあら
ルカ:女装してるからね いつもの調子でないよね
アッシュ:C値7でも事故は起こるぜ
クレア:上手く踊れないッ……!
GM:ではこのラウンドは味方全員の情報判定難易度-1、基本進行値+1です
ギル:がんばったね~
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を3(→ 3)増加 (52 → 55)
GM:というわけでデュバルカ判定
GM:デュバがイベントで奇襲を受けているので強制的に戦闘判定が発生します。
デュバリー:あ~れ~
ルカ:姐さんについていくぜ
GM:敵は~
GM:2D3
DoubleCross : (2D3) → 5[3,2] → 5

GM:オーヴァードと軍隊です
デュバリー:お前重いんだよ!
クレア:ヤババ
ギル:君たちならできるよ
GM:奇襲を受けつつ合流もしてるので……難易度は
GM:C(45+55+5+5)
DoubleCross : c(45+55+5+5) → 110

GM:このようになります
アッシュ:デカすぎ
ルカ:デッッカ
デュバリー:デカすぎにも限度あり
クレア:アメリカンサイズがよ
デュバリー:じゃあ……こっちから行くね 手段を弄せないので
ルカ:姐さんがんばって!
デュバリー:マイナーなし、メジャーで《零距離射撃》
デュバリー:6dx+25+12
DoubleCross : (6DX10+37) → 10[2,5,6,9,10,10]+7[6,7]+37 → 54

デュバリー:がんばっちゃった♡
アッシュ:デッカ
クレア:スッゴ
GM:うお……それは流石にでかすぎ
ルカ:すごすぎるん
デュバリー:ダメージ
デュバリー:6d10+10
DoubleCross : (6D10+10) → 37[5,4,7,3,8,10]+10 → 47

デュバリー:思ったより出たな……
GM:一人でクリアしそうじゃねーか
アッシュ:ほとんど終わったじゃん
ルカ:これこっち素振りでも大丈夫そう
クレア:随分鍛え直したんだな
GM:C(110-54-47)
DoubleCross : c(110-54-47) → 9

GM:のこり9です
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (65 → 67)
GM:ファンブルしろ!
ルカ:ではオートで《砂の加護》だけ使用して〈白兵〉で攻撃判定を行います
ルカ:3dx+11
DoubleCross : (3DX10+11) → 3[2,3,3]+11 → 14

GM:既にクリアした……
ルカ:ルカの侵蝕率を3(→ 3)増加 (58 → 61)
ルカ:やったー 一応ダメージ
ルカ:2d10+24
DoubleCross : (2D10+24) → 6[3,3]+24 → 30

ルカ:ダイスの出目は激悪い
GM:では判定成功で、二人ともダメージなしです
デュバリー:吸っちゃったね ルカちの
ルカ:姐さんの活躍が見れるのならいいのサ…
GM:進行値+1なので、ルカくんは6>10 デュバは8>13
デュバリー:やったぜ!
ルカ:いえーい!
GM:では金色のアッシュギル
GM:こちらもギルくんへの奇襲により戦闘が発生します
ギル:俺たちで魔界の王目指そうな
GM:2D3
DoubleCross : (2D3) → 2[1,1] → 2

ギル:こいつらやる気ねえ!
GM:よわ……警官がいっぱい来ました
アッシュ:警官でオレ達が止められると?
ギル:公務員って大変なんだな……
GM:C(35+35+5+5)  難易度
DoubleCross : c(35+35+5+5) → 80

クレア:空だろうが海だろうが来なきゃいけないんだな
GM:では判定どうぞ!
ギル:私は40はほぼ確定で出せるかな
ギル:アッシュはどうだろう
アッシュ:固定値で26決まってるし、侵蝕5点払えば確実に行けると思う
ギル:じゃあ先やって、出目次第でアッシュがらくできるようにしよう
アッシュ:頼んだ
ギル:大口径機関砲を使って判定してみます。
ギル:2DX+20
DoubleCross : (2DX10+20) → 9[3,9]+20 → 29

ギル:3D10+21+1d10
DoubleCross : (3D10+21+1D10) → 11[5,4,2]+21+1[1] → 33

GM:C(80-29-33)
DoubleCross : c(80-29-33) → 18

GM:のこり18です
ギル:アッシュ様ならこれくらい余裕っすよ~!
アッシュ:ならエフェクト無しでも良いか 素で振るぜ
アッシュ:4dx+11
DoubleCross : (4DX10+11) → 5[1,1,3,5]+11 → 16

アッシュ:ダメージ
アッシュ:2d10+15
DoubleCross : (2D10+15) → 18[9,9]+15 → 33

GM:では判定成功!ダメージはありません
GM:+1でアッシュくんは8>13、ギルくんは12>18(ゴール)
GM:ギルくんはこのラウンドでクリアとなります
ギル:やったった
アッシュ:一番乗りだ
ギル:一足先に待ってるぜ

アッシュ :13 モーターボート ⑥
ルカ   :10 バイク ②
クレア  :08 公共交通機関 ⑥
ギル   :18 飛行機 ⑥⑨
デュバリー:13 モーターボート ⑨


GM:また後半に入ったところで、敵勢力についての情報を収集できたかな?の判定をやってみましょう
GM:特にゲーム的なメリットは無いですが、成功するとロールで知ってるぜ……という顔ができます
ルカ:スンッ…
GM:難易度は任意の《情報》で7/9/12。というわけで全員どうぞ
ルカ:〈情報:アイギス〉でやってみよう!コネ使います
ルカ:5dx+2
DoubleCross : (5DX10+2) → 10[1,2,6,7,10]+5[5]+2 → 17

ルカ:えっやった
クレア:勉強したのかな
デュバリー:<情報:裏社会> コネ使用
デュバリー:8dx+3
DoubleCross : (8DX10+3) → 10[2,3,4,4,7,8,10,10]+8[1,8]+3 → 21

デュバリー:ふふん
クレア:こちらも<情報:アイギス>コネも使うぞ
クレア:5dx+3
DoubleCross : (5DX10+3) → 9[3,3,8,9,9]+3 → 12

クレア:よし
ルカ:二人は安定してるな~
GM:アッシュギルもどうぞ
アッシュ:コネ使ってアイギスで
アッシュ:4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 6[3,3,4,6]+2 → 8

アッシュ:ちょっとだけ知ってる
ギル:儂もやるか~
ギル:アイギスでふろう
ギル:3DX+4
DoubleCross : (3DX10+4) → 6[2,3,6]+4 → 10

ギル:そこそこ分かった
GM:では情報を貼ります 達成した難易度以下の情報を知っている感じになります

難易度7
アメリカ対超人テロ・センター(COC)
CIAにおけるオーヴァードに関わる部署を前身とし、FBI・州警察にも関わるオーヴァード関連事案を統括する組織。
大統領補佐マクシミリアン・ブラッドリーの意向を直接反映・実行する私設実働部隊の側面も併せ持つ。
巨大な情報網とそれによる政治力を持ち、現在のアメリカにおけるオーヴァード排斥思想の根幹を担っている。
組織としては大きいが、オーヴァード戦力は有していない。


難易度9
アップル・ディスコルディア社
巨大軍需企業としての立場の他、アメリカ上層部、主に軍と“船員たち”と癒着し、その意向を受けて実験・開発を行っている。
基本的には彼らの命令に従うが、企業としては戦争を拡大させる方向に動く傾向がある。
クレア達“アップルシード”、第三始祖であるエミリアや“再誕者”の開発にも関わった。
また、優秀なオーヴァードや新技術を貪欲に取り込もうとしており、社長であるエリス・ディスコルディアは《ディメンジョンゲート》の持ち主である舞・R・アーデルハイドに特に執着している。


難易度12
“船員たち”
フィラデルフィア実験に関わった軍上層部と政府の一部により構成される勢力。存在自体が秘匿されているが、アメリカにおいて極めて大きな権力を握る。
“プロホロフカの惨劇”直後からFHとも関わりが深く、アップル・ディスコルディア社や軍もその支配下にある。
人工始祖としてエミリアを製造したのも彼らであり、その制御手段も有している。
現在、組織として実質的な指揮を執っているのは上院議員であるロバート・クロムウェルと見られる。
オーヴァードから成る極秘特殊部隊“ファントムベイン”を擁する。


バハマ近海
GM:アメリカに近付くにつれ、監視の目は厳しくなり、追手の数は更に膨れ上がりつつあった。
GM:何度撃退しても次から次へと増援がやってくる。所属・国籍も様々のようで、《ワーディング》を展開し続ければすぐにガス欠に陥ってしまうだろう。
GM:海上でモーターボートを走らせるアッシュの後方には、今も何隻もの巡視艇が追い縋ってきており、銃弾が船体を掠めていく。
アッシュ:「今度のはアメリカ……いや、別のも混ざってるか。一体どうかき集めてんだか」
アッシュ:舵を切りつつ敵船団を眺めてぼやく。これでもう何度目の交戦か。
ギル:大軍を前にしたアッシュのもとに、ノイズ混じりの通信が入る。
ギル:『すごい数だね。サイン会の会場かい?アッシュ』
アッシュ:「お、ギル!元気か?いや、元気じゃなきゃ通信も来ないか」
アッシュ:「嬉しいな、心配の種が一つ減った」
ギル:『元気な姿を見せたいところなんだけど、厄介な相手に後ろを取られてね。頼んでいいかい?代わりに海上のファンの相手は僕がしておくよ』
アッシュ:「d'accord.ちょうどペンのインクが尽きかけてたとこでさ。助かるよ」
ギル:通信の背景からは、銃声と爆発音が絶え間なく響いている。
GM:ギルトレットの背後からは、何機もの戦闘機が追跡してきている。性能はギルトレットの乗る旧式の飛行機より圧倒的に上で、単純な空戦で撃墜するのは至難の業だろう。
ギル:『20秒後に交錯する。蘇った英雄の力、見せてくれよ』
アッシュ:「そっちこそ。鉄王の雄姿、楽しませてもらうぜ」
ギル:ミサイルをフレアで防ぎ、機関砲をロールを繰り返して避けながら、アッシュの居る海域に突入する。
GM:雲を切り裂き、ギルトレットを撃墜せんと迫る敵機たちの姿が、アッシュの肉眼からでも確認できる。
ギル:『さて、恨むなよ。これも戦争だ』
ギル:機体の上に無数の影が血管のように張り巡らされ、そこから積載量を明らかに超えた無数の砲塔が姿を表す。
ギル:後続を引き離しながら、海上を埋め尽くす大軍を爆撃と銃撃で蹴散らしていくよ。
GM:その姿を目にし、敵機が一気に距離を取る機動に移る。だが、海上の船団はそうもいかない。
GM:上空からの不意の攻撃に、なすすべなく蹴散らされていく。
アッシュ:「はは、流石の物量。それじゃあこっちは……」
アッシュ:「よし、これで行こう。ギル、高度を幾らか下げといてくれ」
ギル:その声に答えるように、海面間際、波を切り裂くほどの高度まで急降下するよ
アッシュ:「オーライ。行くぜ」
アッシュ:腰に提げているサーベルを抜き放つ。それは見る間に蒼い輝きを放ち――。
アッシュ:アッシュが勢いよく掲げると同時、"地"から"天"へと雷が降る。
アッシュ:抜き打ちのようなそれが戦闘機を狙い撃つことは無い。だが、戦闘機を包む雲へと吸い込まれ。
アッシュ:雲そのものが、脱出する暇もない必殺の罠となり檻と化す。
GM:突如として放たれた雷撃に、対応など出来るはずもない。
GM:戦闘機たちは空中で火柱をあげ、そのまま水柱と共に海中に没する。
ギル:『ヒュウ!merci、アッシュ。これで一足先に現地に到着できそうだ』
ギル:『僕は現地からミルシュカ達に中継してもらって、敵の情報を流す。君は引き続き敵の目を惹き付けてくれ』
アッシュ:「了解。こっちは海路ってこともあってまだかかりそうだしな」
アッシュ:「先に合流できた奴らによろしく伝えといてくれ」
アメリカ中部
GM:ルカは囂々たる濁流を前にして、バイクを止めた。
GM:昨日からの豪雨によって、アメリカを縦断する大河──ミシシッピ川は増水し、大量の泥水が今にも決壊せんばかりの勢いで流れている。
GM:付近の橋は軒並み通行止めとなり、バイクでは通れそうにない。かといって遠回りして大きな橋を目指しても、十中八九厳しい検問が設けられているだろう。
GM:そんな君のもとに、一台の車が近付いて来る。
GM:まだ降り続ける雨の中、ライトが君の顔を照らす。
ルカ:…友人たちから教えてもらったルートは確かに順調だった。ここまでは。
ルカ:フルフェイスのヘルメットを外し、向こう岸の見えない荒れ狂った川面を見つめている。
ルカ:大型バイクに跨りながら、しかめっ面でライトを浴びる。
GM:バンパーを動かしたままの車から、小さな影が降りてくる。
デュバリー:僅かに波打つ亜麻色の髪、黄金の瞳の少女。
デュバリー:ぱしゃりと泥濘を踏みしめ、レインコートを着込んだ姿で君に歩み寄る。
デュバリー:「久しぶり、ルカ」
ルカ:「…デュバリー?」怪訝な顔をして少女を見やる。
デュバリー:「困ってるんじゃないかと思って」濡れ鼠の姿に目をやって「違った?」
ルカ:「それより前に…」
ルカ:言葉に詰まる。「…久しぶりの再会で、開口一番それかよ」
ルカ:「なんでもお見通しってわけ?」
デュバリー:「もっと情熱的なのが良かった?」じっと見上げたまま小首を傾げる「とりあえず、乗ったら?」
デュバリー:聞きながら、自分は先に車に乗り込んでいる。
ルカ:「おい…」
ルカ:長距離を走り、泥と埃に汚れたバイクを一瞥する。(…あいつらからの餞別)
ルカ:じゃあここに置いていきますとはすぐには決められなかった。眉を寄せ、バイクを降りて車に向かう。
ルカ:「待って。あんた、そんな調子だったっけ…」
デュバリー:「?」
デュバリー:「何か変?」
ルカ:「…焦ってる?」
ルカ:「そんな感じだ」
デュバリー:「そうかな」目を瞬いて「まあ、そうかも」
デュバリー:「私だって、多少焦りもする。こんな状況」
デュバリー:「あなたも、今にも風邪引きそうだし」
デュバリー:タオルを取り出してみせる。
ルカ:(………)
ルカ:「あのさ」車に乗り込み、タオルを受け取りながら言う。
デュバリー:「うん」
ルカ:「いや…」
ルカ:「…今度こそ」
ルカ:「あんたが、あのチケット取り返してどっかにいなくなっててもおかしくないかなって」
ルカ:「そういうこと考えてた」 濡れた髪を乱暴にタオルでふき取る。
デュバリー:「……」
デュバリー:「チケット」「ああ、うん」
デュバリー:「そうだね。それも考えた」
デュバリー:ルカが髪をタオルで拭き、視界が僅かに塞がった瞬間。
デュバリー:少女の顔が真っ二つに割れ、中から黒光りする銃口が顔を覗かせている。
ルカ:目を伏せている。「…そう」
デュバリー:照準はルカの頭部。1秒にも満たない変形から、引き金が引かれ──
ルカ:──る直前。その銃口を鷲掴みにして、その華奢な身体ごとシートに叩きつける。
ルカ:「…やっぱ」
ルカ:「変だと思った」 仏頂面。後ろ手でドアを開け、外に出ようとする。
デュバリー:「ぐっ……!?」
デュバリー:叩き伏せられた身体が弾けるように変形、ドアを開けようとするその手に纏わりつく。
デュバリー:巨大な粘土細工のように不定形になった肉体が、ルカの全身を締め付け、拘束する。
ルカ:「ちっ…」
デュバリー:「ふ……ふ……」
デュバリー:肉塊から少女の顔が形成され、笑みを浮かべる。
ルカ:「やめろ」忌々しそうに言う。
デュバリー:変形した肉がルカの喉、口元に這い上がり、呼吸を圧迫する。
デュバリー:「もう遅い……死ね……!」
ルカ:「それとも何? あんた、そういう趣味でも…、ぐ………」
ルカ:口元から太い首に変形した肉が巻き付く。
デュバリー:ド ド ド ド ド ド!
デュバリー:激しい雨音と濁流の合間から、大口径の発砲音が轟く。ほぼ同時に、弾雨が二人の乗った車両を横面から襲った。
デュバリー?:「な……!?」
デュバリー:ほとんど狙いをつけているようには思えない連射だったが、ルカの身体には弾がかすめるのみ。逆に、肉体を引き伸ばし展開していた、眼前のデュバリーを名乗る者には、次々弾丸が突き刺さる。
デュバリー?:「ぐ、あ……がっ……!」
デュバリー?:血飛沫が噴き出し、アメーバのような肉塊が車外へと飛び出して逃れる。
ルカ:「げほっ」 肉の束縛から解放され、咳き込む。首元に手を当てながら、新手の方に視線を移す。
デュバリー:……弾丸を放ったのは、いつの間にかすぐそばに迫っていた軍用挺に備え付けられた機銃であった。銃座には誰もおらず、代わりに枝と蔦が絡みついているのが見えるだろう。
デュバリー:軍用挺は濁流をものともせず遡上しつつ、道路ギリギリまでにその船体を寄せている。そして、デッキには背の低い草花が滑走路のように敷き詰められている。
デュバリー:君の知る限りこんなことができるのは一人だけだし、あるいはその意図も分かるかもしれない。
デュバリー:ボートは道路よりも低い川面にあり、そして滑走路とは着陸するためのものだ。
デュバリー:機銃は引き続き弾丸を乱射し、まるで君たちを近づけまいとしているようだ。だが……デュバリーがこれまで、どれほどの混戦であっても、誤射をしたことはあっただろうか?
デュバリー?:「っ…… 何だ……!?」
デュバリー?:うぞうぞと蠢く肉塊から、低い声が漏れる。
デュバリー?:「誰だ、お前……!」
ルカ:「…そうだ」首を振る。「こういう感じだ」
ルカ:そして座席から飛び出し、こちらへ掃射を続ける弾丸のなかに迷わず突っ込んでいく。
ルカ:泥水が跳ねる。当たり前のように弾丸が自分をぎりぎりのところで避けていく。
ルカ:威嚇する弾丸の嵐に甘えて、バイクに跨りエンジンをふかす。…自分だけなら、滑走路まで用意する必要はないだろう。
ルカ:こいつを持っていっていいんだろうと、バイクごと軍用挺に落ちるように突っ込んだ。
デュバリー?:「待て……!ぐっ……」
デュバリー?:バイクに肉の触手を伸ばそうとするが、銃撃によって打ち払われる。
デュバリー?:「チッ……!」
デュバリー?:潮時を悟ったのか、肉塊は近くの排水溝へと吸い込まれるように姿を消す。
ルカ:草花をクッションみたいに巻き込んで、バイクが横滑りに着地する。
デュバリー:ルカの着地の勢いで草花が舞う。それと同時、軍用艇は速度を上げて上流へと進んでいく。
デュバリー:叩きつけるような雨と風の中、運転席の扉が開き、ひょっこりと少年のような顔を出す。
デュバリー:「ナイス着地」
ルカ:起き上がり、やはり濡れ鼠のようになりながら、怪訝な顔をする。
ルカ:「…今度こそ本人?」
デュバリー:「さあ、どうだろう。僕はここのところベキューって名乗ってるから……」
デュバリー:わざと少し低い声を作って、それからくすりと笑う
デュバリー:「どちらにしても、ここからじゃ川の中しか逃げ場、ないし。観念してもらおうかな」
ルカ:「…うん」溜息をつきながら運転席に向かう。
ルカ:「あんたは、そういう言い回しをする」
ルカ:「助かった。ありがとう」
デュバリー:「よろしい。……ま、そっちもちゃんと判断できてたからこそでしょ」
デュバリー:「あんなオーヴァードもいるなんてね。“船員たち”の手の者ってことか……」 と、さらっと情報を共有しましょう
ルカ:改めてタオルを借りながら、情報を受け取ります。
ルカ:「…そのボスにおれ達の動向は監視されてたってわけ」
ルカ:こちらもエミリアがさらわれた経緯を改めて説明します。
ルカ:「…何が起きてるか分かったのは良かった。良くないけど」
デュバリー:「ほんとにね。まさかそんなことができるなんて」
ルカ:「あんたが言うかよ」
デュバリー:「まあ、自覚はあるけど……でも、テレビから人をさらうなんて、考えなかったし、考えついてもできるとは思えない」
デュバリー:「さっきの変身もそう。私に言わせれば、本物の方が美人だったけど。……結局、そういう知識を、いろんな意味で貯めてる相手が敵ってことは」
デュバリー:「何が来ても不思議じゃない、という気持ちでいなきゃいけない、ということなんだろうね」
ルカ:「そうだな…」雨粒が叩き付けられているガラス窓にもたれかかる。
ルカ:「…さっきのやつと話して、変だと思ったことがあって」
デュバリー:「うん」
ルカ:「焦ってるのかって聞いたら、多少は焦るって返されて」
デュバリー:操縦桿を握ってはいるが、ぼんやり揺らすように動かしているだけで、まともに操縦しているようには見えない。やはり植物で何かズルをしているのだろう。
ルカ:「あんたは賢いから、いろいろ考えるぶん、多少どころじゃなく焦るんじゃないのって」
ルカ:「…そんな感じ」
デュバリー:「買ってくれてるじゃん、私のこと」
ルカ:「買ってない。頼りにしてる」
ルカ:言ってから照れたのかムッとする。
デュバリー:「ふふ」 かすかに笑って
デュバリー:「……でも正直、そういう焦り、みたいなのは、最近はもう、あんまりかな」
デュバリー:その目は進行方向に向けられている 「ここまで来るのに色々あったし……ううん、それ以前に、"アイギス"の知った顔もみんなバラバラで」
デュバリー:「だから今は、やっと区切りがつく、と、やっと皆で顔を合わせられる……かも、で」
デュバリー:少し言葉を選び 「……楽しみ、なのかも?」
ルカ:「…そう」 意外そうな顔をする。
ルカ:「……、どこかの誰かが」
ルカ:「希望を持ってきてくれるかもしれないし」
ルカ:荒れ狂う大雨を眺めながら、返答を求めるでもなく、柔らかく言う。
デュバリー:「……」 慰めてくれるの? とからかおうかとも思ったが、止めておいた。そういうのはもう少し、私たちが平和になってからで良いだろう。
デュバリー:代わりに、雨が落ち着いて彼を下ろす地点に辿り着くまで、ぽつぽつと近況を話した。ギルくんが微妙に別人っぽくなったこともだ。
デュバリー:そして雨が落ち着いた頃、軍用艇からルカを下ろし、陸路と川路に分かれた。別れの言葉もさっぱりとしていたのは、希望や楽しみといったものを、その先になんとなく感じられていたからだろう。
デュバリー:エリア51。目的地は近い。
ルカ:彼女と別れて荒野を進む。空はからりと晴れていた。
ルカ:地平線の真上に広がる青色に、鳥を探した。



【Round5/「そん時にゃ時計を買わせられるだけ持ってくとも」】

GM:ではラウンド5に入っていきます
GM:ギルくんはクリア。ですが15を越えたので3回目のイベントは発生。アッシュ・ルカ・デュバリーは10を越えたので2回目のイベントが発生します
GM:アッシュ
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 2

②悪天候
一時的に悪天候に見舞われる。
1ラウンドの間、全ての判定ダイス-5個。

ギル:結構きついの引いたね
アッシュ:ゲッ
GM:ルカ
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 3

③難所
厳しい監視や検問を行っている箇所に差し掛かる。
次に行う情報判定の難易度+10。

ルカ:いやん
クレア:こっちもキツイ
アッシュ:まあ最悪殴りぬければ……
GM:ギル
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 9

GM:被ったので再度
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 1

ギル:戦闘のやつだっけ
GM:何~~~

①マシントラブル
用意した移動手段が故障や不調、燃料切れなどで動かなくなる。
現在確保している移動手段を喪失する。

GM:無意味
デュバリー:こえ~
ギル:限界を超えたようだな
アッシュ:ゴール前に引いたらめちゃくちゃキツかったな
クレア:飛行機を使い潰してゴールしたんだな
デュバリー:胴体着陸や
ルカ:しっくりきてはしまった
GM:最後デュバ
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 6

⑥交渉
現地勢力と通行の交渉を行う。
次に行う情報判定の使用技能を《交渉》に変更する。この判定には財産点が使用可。

GM:6出すぎ問題
デュバリー:ウギャ~
デュバリー:じゃあ殴り抜けるか……
アッシュ:めっちゃ交渉させられる
GM:合流・散開などなければ判定に入っていきます
ギル:あ、散ります
ルカ:こちらもデュバルカが散ります~
アッシュ:解散だぜ
デュバリー:散るぜ~
ルカ:合流もなしで!
GM:では好きな順で判定どうぞ!
ギル:では私から監視網調査をしてみようかな
ギル:アイギスのコネを使って判定しよう
ギル:ハミースのNPCカードももらいます。ちょっとだけC値下げてもらおう
ギル:4DX9+4 えいえい
DoubleCross : (4DX9+4) → 8[1,1,3,8]+4 → 12

ギル:惜しい
ルカ:惜しい~
クレア:おしいぜ
GM:ではこのラウンドの全員の情報難易度-2、進行値+2となります
ルカ:ギルくんありがと~!
ギル:応援してるぜ影から
アッシュ:助かるぜ
GM:お次!特に無ければ行動値順とかでどうぞ
デュバリー:じゃあ一応……交渉するか
クレア:交渉と言えばデュバリーと言っても過言ではない
デュバリー:基本が16なんだよね。ギルくんのおかげで-2と
デュバリー:4dx=>14
DoubleCross : (4DX10>=14) → 9[1,3,8,9] → 9 → 失敗

デュバリー:終わりだ終わり! 全員ブッ殺す!
GM:では戦闘判定が発生します
ルカ:デュバが狂った
GM:1D3
DoubleCross : (1D3) → 1

GM:あっ
デュバリー:ざぁこ♡ 警察♡ お仕事お疲れ様です♡
サブGM:NPCカードが使用できます。
デュバリー:なにっ

???
情報判定失敗時に使用可能。発生する戦闘判定を無効化する。
1シーン1回まで使用可。


クレア:なにっ
クレア:一体何者なんだ
ルカ:めちゃくちゃラッキーじゃん!
デュバリー:おお……お得な展開だぜ
アッシュ:デュバリーに関係する人かな
GM:では戦闘は無効。そのまま進行します
デュバリー:わからんが ともあれ成功……で良いのかな?
GM:モーターボート+支援で2なので進行値13>18になり、判定クリアになりますね
ルカ:おめでと~!
デュバリー:そう! 進行値:18/18により現地入りだ!
クレア:やったな
GM:ではクレアくん判定どうぞ!
クレア:は~い
クレア:やってやるぜ。交渉をよ。
GM:交渉で難易度16だぜ
クレア:公共機関で更に+5されてるんだよなあ
GM:そうだったぜ
クレア:ギルさんの支援入れて19ね……ワンチャン無くもないか
クレア:3dx>=19
DoubleCross : (3DX10>=19) → 10[1,4,10]+3[3] → 13 → 失敗

クレア:頑張った
ルカ:がんばってる!
アッシュ:惜しかった
デュバリー:がんばったよ
GM:では戦闘判定が発生します
ギル:お金払っていけたりしないか
クレア:お金は持ってない……
GM:女装パパ活すればこんなことにはならなかったのに
ギル:武器作成型だもんね
GM:1D3
DoubleCross : (1D3) → 1

GM:やる気出せ!
クレア:公務員は大変だな
GM:相手は警察、難易度は35です。
アッシュ:警察駆り出されまくってるな
クレア:ウェポンケースからボルトアクションライフルを装備して起動。達成値+5
クレア:《カスタマイズ》《コンセントレイト:モルフェウス》で攻撃するぞ
GM:腐れ!(マレニア)
クレア:7dx7+14
DoubleCross : (7DX7+14) → 10[1,2,5,7,9,9,10]+6[4,4,5,6]+14 → 30

クレア:腐ったけど固定値に救われたぜ
ルカ:もうほとんど成功してる
クレア:4d10+8
DoubleCross : (4D10+8) → 23[9,1,10,3]+8 → 31

GM:クソ~ッ では成功!
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を3(→ 3)増加 (55 → 58)
GM:進行値は8+4+2で14、ただし移動手段は喪失します
クレア:列車が~
GM:ではアッシュくん判定どうぞ
アッシュ:まず情報判定だけど-5がついてるので振れるダイスが無い
アッシュ:なので自動失敗で戦闘判定かな
GM:そうですね 戦闘!
GM:1D3
DoubleCross : (1D3) → 2

GM:軍隊です 難易度45
ルカ:アッシュ様頑張って!
アッシュ:ううん、どこまで使うかな
アッシュ:コンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv3までで
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+3、侵蝕値+5
アッシュ:5dx7+11
DoubleCross : (5DX7+11) → 10[2,4,8,9,10]+10[2,5,8]+4[4]+11 → 35

ルカ:良い調子!
アッシュ:ダメージ!
アッシュ:4d10+15
DoubleCross : (4D10+15) → 23[5,4,7,7]+15 → 38

アッシュ:問題なくクリア
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (63 → 68)
GM:クソ~ッ ではクリア!
GM:進行値13+4+2でこちらも18達成、クリアになりますね
アッシュ:いぇーい 到着
GM:最後ルカくん!
ルカ:はい!
ルカ:情報判定を行います。情報:アイギスで、コネ使用して判定
ルカ:イベントと監視網で難易度が増えたり減ったりして+8になり、難易度は24
ルカ:5dx+2>=24
DoubleCross : (5DX10+2>=24) → 7[2,2,4,4,7]+2 → 9 → 失敗

ルカ:まあそりゃだめ
GM:では戦闘が発生します
GM:1D3
DoubleCross : (1D3) → 3

GM:ヨッシャ!!!!!
ルカ:ギヤアア
GM:相手は服だけ溶かす粘液を出す触手オーヴァードです
ルカ:最悪すぎる
ギル:GMが狂っちゃった
GM:難易度55!
アッシュ:今回GM性欲出し過ぎじゃない?
ルカ:うおお…ともあれいってみましょう
ルカ:《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》、オートで《砂の加護》を使用します。
ルカ:(4+1+3)dx7+10
DoubleCross : (8DX7+10) → 10[1,3,6,6,8,9,10,10]+10[2,5,6,7]+10[7]+6[6]+10 → 46

ルカ:やったあ
GM:ハネすぎ~~~~~~!
ルカ:このままダメ~~ジ
ルカ:5d10+24
DoubleCross : (5D10+24) → 13[1,5,1,5,1]+24 → 37

ルカ:好きな食べ物は苺です かわいいでしょう
GM:ダイスやばいけどクリア!
GM:服だけ溶かす粘液を出す触手オーヴァードは死にました
ルカ:服だけ溶かす粘液を出す触手オーヴァードなんかに負けない!
ルカ:ルカの侵蝕率を8(→ 8)増加 (61 → 69)
GM:進行値は10+3+2で15!

アッシュ :18 モーターボート ⑥②
ルカ   :15 バイク ②③
クレア  :14 徒歩 ⑥
ギル   :18 徒歩 ⑥⑨①
デュバリー:18 モーターボート ⑨⑥


GM:3人がゴールしました
ギル:ゴールしちゃった
デュバリー:へへへ
アッシュ:やったぜ
アメリカ アップル・ディスコルディア社 社長室
GM:アップル・ディスコルディア社は基本的に兵器開発・販売を主とした企業であるが、
GM:実験体の暴走や有事の際は内部で処理できる程度に、自社としての兵力も抱えていた。
GM:アイギスの接近とエリア51の情報漏洩に伴い、アップル社の兵力も動かざるを得なくなり
GM:車内の雰囲気は普段よりも幾分か落ち着かないものとなっていた。
エリス・ディスコルディア:「ごめんなさいね?いつもいつも、直接お呼び立てして」
エリス・ディスコルディア:「ビジネスの基本はフェイストゥフェイス……と言うつもりではないですけど」
エリス・ディスコルディア:「直接お話したいんです。あなた達とは」
朱劉帆:「構いませんよ。他に用事がある訳でも無し」
朱劉帆:普段の社長室に赴くスーツではなく、ボディアーマー。ソファに深く腰掛け、長い脚を組んでいる。
朱劉帆:「特にこいつは、放っておけばトレーニングしかしてませんから」
イライザ:「……」
イライザ:朱の隣に腰掛け、人形のように押し黙っている。
エリス・ディスコルディア:「お久しぶりです。聞きましたよ、あなたの“コード”」
エリス・ディスコルディア:「いいものだと思います」
朱劉帆:「あ~……」色眼鏡の下で視線を斜め上に
朱劉帆:「……どれかな?すいません、色々あってね」
エリス・ディスコルディア:くすりと笑って。「あなたのではないですよ。“ジェールの悪鬼”」
エリス・ディスコルディア:「“マッドドッグ”?“マハーカーラ”?あなたにとってはどれでもいいでしょうけど」
朱劉帆:「ん?」目を丸くして
朱劉帆:「……こいつの?」イライザに目を向ける
イライザ:「……」
朱劉帆:「決まったのか。何なんです?」
エリス・ディスコルディア:「“タイタス・アンドロニカス”」
エリス・ディスコルディア:「かのシェークスピアの物語で、最も残虐で暴力的な復讐譚」
朱劉帆:「あ~……前に……」無理やり連れていかれたオペラで「見ましたよ」
朱劉帆:「アレは覚えてます。仇に息子の人肉パイ喰わせるとこ」
朱劉帆:「ありゃ痛快だったな。復讐の将軍ね。成程」
エリス・ディスコルディア:「私も、その物語の邪魔をする気はありません」
エリス・ディスコルディア:「むしろ、応援しようと思っているんですよ?」
エリス・ディスコルディア:「依頼は継続です」
エリス・ディスコルディア:「他の勢力に構う必要はありません。ただ、“アイギス”のみを狙っていただければ」
朱劉帆:「……あー……」
朱劉帆:微妙な顔をする
朱劉帆:「……確か、上からは敵対勢力の排除、と」
朱劉帆:それは決してアイギスに限った話ではないはずだ。
エリス・ディスコルディア:「であれば社の戦力で事足ります」
エリス・ディスコルディア:「そうではなく、私のお願いは、“アイギス”の壊滅。それから」
エリス・ディスコルディア:「その首魁の確保。できれば、殺さずにお願いします」
朱劉帆:「ア~……」
朱劉帆:色んな敵と戦える方が嬉しいので、嫌そうな表情を浮かべつつ
朱劉帆:「……首魁。舞・R・アーデルハイドですか」
エリス・ディスコルディア:「ええ。“ディメンジョンゲート”の行使可能な、唯一の純正オーヴァード」
エリス・ディスコルディア:「あれの独占確保がなされれば、今後のビジネスにおいて飛躍的な応用性があります」
エリス・ディスコルディア:「我がアメリカにではなく。我が社に」
朱劉帆:「……成程」
朱劉帆:(だいぶ私情だな、こりゃ)
朱劉帆:エリス・ディスコルディアが当時、舞・R・アーデルハイドの身柄確保に莫大な予算を投じていたことは一部では有名な話だ。
朱劉帆:結局一時は捕えたものの、他勢力に奪われ、最終的にはアイギスのものとなった。
朱劉帆:「……しかし、上に何か言われませんかねェ」
エリス・ディスコルディア:「アイギスは最も脅威的な敵対組織でしょう」
エリス・ディスコルディア:「それを優先的に攻撃することは、彼らの意向に反してはいないでしょう」
エリス・ディスコルディア:「彼らの始祖は……死に体の英雄や、ヒトラーの残り香とでも削り合ってもらえればいいんです」
エリス・ディスコルディア:「あとは……なんですっけ?ジャパン?」
朱劉帆:「……」目を細める。
朱劉帆:ディスコルディア社は“船員たち”の庇護下で急成長した企業だが、最早その規模は不動の世界トップシェアだ。
朱劉帆:既に彼らの力は必要ない……むしろ目の上の瘤とも言うべき存在だろう。
エリス・ディスコルディア:「あなたも嫌いでしょう。世界征服」
エリス・ディスコルディア:「そんな事がなされてしまえば、起きませんよ」
エリス・ディスコルディア:「あなたの大好きな戦争は」
朱劉帆:(これを機に奴らの戦力を削いでおこうって腹か……)
朱劉帆:「そいつはゾッとしない話ですね」肩を竦める
イライザ:「……私は問題ありません」
イライザ:不意に声を発する。
イライザ:「願っても無い話です。お引き受けします」
朱劉帆:「おいお前、勝手に……」
朱劉帆:嘆息し「……まァ、いいでしょう。実際こっちも上との直接のコネクションは少ない」
朱劉帆:「何を考えてるかイマイチ信用できない連中ですしね。今回は上客の顔を立てるとしましょう」
エリス・ディスコルディア:「残念ながら、お助けできる戦力はありません」
エリス・ディスコルディア:「ぜーんぶ、私の言いなりではなくて。あなた達のみで、お願いできますか?」
イライザ:「ええ。問題ありません」
朱劉帆:「だからお前勝手に……」
朱劉帆:「……ええ。構いませんよ」
朱劉帆:(まあ、始まっちまえばこっちのモンだしな)
朱劉帆:(アイギスだけじゃない。適当に色んなトコから摘まみ食いして……)
朱劉帆:(選り取り見取りのオーヴァードで食べ放題(ビュッフェ)か。たまんねえなァ~)
エリス・ディスコルディア:「……あの子も、これだけ物わかりが良かったらどれだけよかったか」嘆息して。
エリス・ディスコルディア:今は手元にない、黒髪を梳くような仕草をした。



デュバリー:夕方。川辺で、デュバリーはボートを"アイギス"の雇った連絡員に明け渡した。
デュバリー:この後は彼らが夜闇に紛れて川上まで運んでいき、然るべき場所とタイミングで自沈させる手配である。
デュバリー:長旅の伴として愛着も湧きつつあったが、抵抗をしようとは思わなかった。より大切なもののために、
デュバリー:その他のものは、それがどのような形であれ、もっとも適切に捌いていく。そういう戦いの最中なのだ。
デュバリー:(……さて、あとは陸路か。随分近くまで来はしたけど)
デュバリー:(とりあえず連絡員の車で移動して……ギルくんとハミースから監視網の情報も貰ってるし)
デュバリー:(まあ、それでも多少戦闘は避けられなさそうかな……)
デュバリー:ショットガンに弾を装填しつつ、連絡員の車に手をかける。
サブGM:そこにあるのは、見知った連絡員の顔……の隣。助手席。
サブGM:見知らぬ男の姿がある。扉が開く。
見知らぬ男:「やあようこそお嬢さん……どっちの席がいい?助手席?後ろ?」
デュバリー:「…………」 わずかにまばたきして
デュバリー:「後ろで」 短く言い、さっさと後部座席に乗り込む
サブGM:運転席の連絡員はなんとも言えない顔をしている。
見知らぬ男:「いやあ、結局こんなギリギリでしか会えなくて。参ったね」
デュバリー:そのまますとんと後部座席に腰を下ろし、ショットガンを横へ置く 「……で?」
見知らぬ男:「ハンディ付きだとこんなもんが限界でさ……うん?」
デュバリー:「どちらさま? 多分知らない顔なんだけど」
デュバリー:「最近は知ってる顔でも警戒しなくちゃいけないみたいだから……聞かせて欲しいな」
見知らぬ男:「ああ……そうだな。その前に」
見知らぬ男:「電子機器持ってる?」
見知らぬ男:「全部捨てた方がいい。ここで」
デュバリー:「機械? んん、そういうのは……」
デュバリー:少し考えて 「腕時計は?」
見知らぬ男:「クオーツ?随分高級品だな」
見知らぬ男:「客からの貰い物か?捨てといたほうがいいかな、一応」
デュバリー:「失礼な人。自分で買ったの」
デュバリー:バッグから取り出すと、さしたる未練もなさそうに川へと放り捨てる
見知らぬ男:「おっと失敬。贈りたくなるような美人ってことで」
デュバリー:「他にはそれらしいものはないはず。……で?」
デュバリー:「捨てた甲斐のある話が聞けると良いのだけど」
見知らぬ男:「ああ……そうだな。まあ、なんだ。知り合いの知り合いってとこだ」
トーマス・フレミング:「トーマス・フレミング。“ベディヴィア”の同僚だよ」
サブGM:君の聞いたことのないコードだ。
デュバリー:「……」 軽く頭の中を漁りながら、遠慮なくショットガンへ手を伸ばす
トーマス・フレミング:「よせよせ。どうせそれ一発じゃ死なない。同類だよ」
トーマス・フレミング:「敵でもねえ。今は」
デュバリー:「話が下手って言われたことない? ……一応これ、弾は入ってるからね」
トーマス・フレミング:「あー……」
トーマス・フレミング:「だからいまいちモテないのか」
デュバリー:「弾頭は植物毒と私が生成した……まあいいか」
デュバリー:彼の方を見もせず、白い指先が引き金を撫でる 「それで? どこの誰?」
トーマス・フレミング:「……ガリオ・ネルソン」
トーマス・フレミング:「これなら分かるか?」
トーマス・フレミング:「そいつの同僚だ。MI6」
デュバリー:「……ああ」 指が止まる
デュバリー:「知ってるだけじゃなくて、ほんとにお客さまの……ご友人? いえ、でも分かった」
デュバリー:「もちろんその名前は分かる。"惨劇"を追っていて……うちのラナという子が、それに巻き込まれた」
デュバリー:確かめるように言った後、少し遅れ 「……『同類』なんだ。イギリスのMI6もそういうの、抱えてるんだね」
トーマス・フレミング:「まあな。どこの諜報機関にも俺らみたいなのはいるだろうさ」
トーマス・フレミング:「それにうちじゃ非正規人員イリーガルも使ってる……ローマじゃあんたらの世話になったらしいな」
デュバリー:「ああ、結構柔軟なんだ。海一つ越えるとそれだけで行きづらくなるから、あまり知らなくて」
デュバリー:「情勢が落ち着いたらきちんとお出かけしたいね。……それで? MI6が顔と名前を出したからには、ただ挨拶をという訳でもないでしょ」
トーマス・フレミング:「お、そっちはやめときな」運転手に指示し、直線最短のルートを避けさせる。「検問がある」
デュバリー:「あら。もう挨拶以上のことを」
トーマス・フレミング:「まあなんだ……勿体つけるのはやめるか」
トーマス・フレミング:「うちとしてはアメリカがこれ以上伸びると邪魔だ」
トーマス・フレミング:「あんたらがそれを叩いてくれるなら手伝ってやる」
デュバリー:「そういう話」 頷く
デュバリー:「……まあ、動機は何でも、協力は歓迎。こんな状態だからね」
デュバリー:「アメリカに直接喧嘩、売られてる立場だから。"アイギス"は」
トーマス・フレミング:「直接売られたらうちはチビっちまうね。で、まあ」
トーマス・フレミング:「うちがくれてやれるのは、ま、文字通りだ」
トーマス・フレミング:「情報」
デュバリー:「うん。……例えば"船員"って言ったら、なんのことだか分かる?」
トーマス・フレミング:「第二始祖の麾下ジャーム。試さなくていい。そのあたりはどうもな」
トーマス・フレミング:「こっちに積極的に流してるやつがいると見てる。潰し合わせでもしたいんだろうさ」
デュバリー:「……なるほど。ごめんなさい。でも一応、最低限は確かめておきたくて」
デュバリー:足を組むと、足首の隙間から僅かに素肌が覗く 「それならやっぱり、もっと実地的な情報を、ということ?」
デュバリー:「それこそ、このあたりの地理情報とか……敵の配置とか」
トーマス・フレミング:「ああ」そちらに一瞬視線をやって。
トーマス・フレミング:「エリア51の――グルーム乾燥湖所属の海軍艦があるって信じるか?」
トーマス・フレミング:「普通は与太話だ。だけどな」
トーマス・フレミング:「そいつの存在を秘匿する必要があって、そいつが自由に空間を行き来できるとしたら?」
デュバリー:「……戦艦エルドリッジ」
デュバリー:「内陸の秘密基地、だからこその海軍ってわけ」
トーマス・フレミング:「まあ正確には戦艦じゃなくて護衛駆逐艦……やめるか」顔色をうかがって。
トーマス・フレミング:「この手の話題が女性に受けた試しがねえ」
デュバリー:「少しモテるようになったね」
トーマス・フレミング:「そりゃどうも。そいつが鎮座してて――さらにだ」
トーマス・フレミング:「α――第一始祖は、動物のジャームを操ってたろ?」
デュバリー:「……してたね」 少しだけ考えて頷く。人間も動物の枠である
トーマス・フレミング:「第二始祖は引き換え、機械を操る……ってのがうちの見立てだ」
デュバリー:「……なるほど」 道すがらルカから聞いたエミリア誘拐の話や、電子機器を捨てさせた話にも合点がつく
デュバリー:「機械を操る……でもそれって、そこまで利便性が高いとは思えないけれど」
デュバリー:「動物はどこにでもいるけど、機械は文明、人間生活ありきだし。もちろん、人間の生活に迫れれば充分でもあるんでしょうけど……」
トーマス・フレミング:「《ワーディング》環境下で通常兵器を自分たちだけ運用できる、つったら?」
デュバリー:「……」 まばたきをする 「それは」
デュバリー:「……そうね。そうなるんだ」 また頷く 「よく考えつく……いや、"エルドリッジ"は偶然の産物らしいけど」
デュバリー:「確かにそれは間違いなく脅威だ」
トーマス・フレミング:「第二次大戦後、人知れず消息を絶った米軍船が何隻かある」
トーマス・フレミング:「やつの手足だろうと想像してる。敵は軍艦じゃない」
トーマス・フレミング:「艦隊だ」
デュバリー:「……"エルドリッジ"だけと思わない方が良いってこと?」
デュバリー:「いや、でも……」
デュバリー:"ルイジアナ"強襲のことを思い出す。あの時に砲撃してきた艦隊が、果たして尋常のものであったか?
トーマス・フレミング:「本体がやつであることは確かだろうさ」
デュバリー:「敵の手段は見えているけど、敵の総量は未だ不明瞭で……」
デュバリー:「そんな状態でもアメリカは圧倒的だから、どうにかその力を削りたい」
デュバリー:「そのためには、大砲を向けあっている天秤のもう片方に、こっそり重りを乗せてやるのが一番……」
デュバリー:「……ということであれば、重りを出し惜しむ必要はないのよ。いくらあっても、多分足りないから」
デュバリー:背もたれに身を預ける 「ここまでと、この移動を無事に抜けられた所で、その先でどうなることか……」
トーマス・フレミング:「そこはあんたらに頑張ってもらわなきゃあだ」
トーマス・フレミング:「俺も本当はさっさとお役御免で、あんたの店にでも行きたかったんがね」
トーマス・フレミング:「ドライブだけで我慢するとするよ」
デュバリー:「ごめんなさいね。予約でいっぱいで」
デュバリー:「ちゃんと物騒なお客様を追い出せたら、その時にまたどうぞ」
デュバリー:「……ひとまずは、所在の分かっている人から、順番に言い聞かせに行かないとね」
トーマス・フレミング:「そん時にゃ時計を買わせられるだけ持ってくとも」
アメリカ アムトラック鉄道 列車内
GM:カナダからの乗り換え後、クレア達が乗り込んだのはアムトラック鉄道だった。
GM:シカゴを拠点とした路線は東西南北に延び、アメリカで唯一、西海岸から東海岸までを横断できる旅客列車だ。
GM:車窓から長閑な景色を眺める旅は、しかしその途中駅で不意に中断された。
GM:『……お客様にお知らせします。当車両は点検の為、当駅にて……』
GM:車両は駅に停まったまま、車掌のアナウンスが響いてくる。
ティルダ:「……こんなところで?」
ティルダ:不意の停車に、訝しむような声を上げる。
クレア:「どうやら」前の停車駅で購入した新聞を閉じる。先に目的地に到着したギル達から情報は逐次受け取っていた。そろそろ嗅ぎつけられる頃合いだろう。
クレア:「ここで一度お別れらしい」
クレア:どの道、非戦闘員の彼らを敵の本拠地まで連れてはいけない。各自適切な所で降車し、任務完了後の脱出ルートの確保に入る手筈だった
コーハ:「……お気をつけて」
クレア:「お互いにな」帽子を取り、隣りにいたニーナに被せる。
ニーナ:「なーに、私達は心配いらないよ。ルイジアナの時だってへっちゃらだったもん」
アーラ:「ふふ。そうですとも。また皆で集まって、にぎやかなパーティをしましょう」
ニーナ:「その時はもっと可愛い格好見せてよね、お姉ちゃん?」
クレア:「そういう趣味はないんだが……妹に頼まれたら仕方ないな」困り顔で笑って
GM:席を立ったクレアだったが、その行く手、狭い通路を塞ぐように人影が立つ。
GM:鉄道警察にしては物々しすぎる銃を手に、クレアを前後から挟み込むように。
GM:「クレア・アップルシードだな」
クレア:(COCの捜査官……オーヴァードは居ないようだがその分数が多い。自分はどうとでもなるが……)後ろの席の仲間に一瞬意識を向けて
クレア:「見てわかりませんか?観光客です。ソビエトから」
GM:問答無用というように銃口が向けられる。
GM:「大人しく来て貰おうか」
クレア:「え?やめて下さい……急にそんな物……」手を上げて怯えたように後ずさる。ロングコートの裾が僅かに翻り
クレア:その間から、前に立つ男の顎めがけて銃床が跳ね上がる。
GM:「がぁっ……!?」
クレア:「非常識だろう。列車の中で」
クレア:ロングコートを脱ぎ捨て、後ろで発泡しようとした捜査官達の視界を一瞬遮った。
クレア:その間に懐に入り込み、男が構えていた拳銃を奪い取る。
GM:「なっ……あっ……!?」
GM:一瞬の出来事に、何が起きたか分からない様子で狼狽する。
クレア:銃を脇に抱えるようにしてコンパクトに構え、包囲する男達を次々と撃ち抜く。心臓ではなく、腕と太腿に数発ずつ。
GM:「ぎゃあぁっ……!」
GM:男達の苦悶の声と共に、他の乗客たちからは悲鳴が上がる。
クレア:続いて外へ向けて発砲。列車の窓が割れ、乗客たちが逃げ惑う。
クレア:「行け!」
ティルダ:座席の影から顔を出し「お~、おみごと~」
アーラ:「ティルダさんっ…」その身体を慌てて座席に引っ込める。
クレア:「外も包囲が固められてるはずだ。自分が掻き乱すから、その隙に脱出しろ」
クレア:倒れて呻く男の一人を抱え上げて
クレア:「必要なら人質に使え。置いていく場合も殺すな。生かしておいた方が足止めになる」
ティルダ:「クレアくんは大丈夫なの?……って、余計な心配か」
ティルダ:「行こ、みんな」
コーハ:「行きはここまでしかお供できませんでしたが……帰りは必ず、用意します」
ニーナ:「絶対にな!」
アーラ:「どうかお気をつけて…!」
クレア:「また会おう」
クレア:仲間達を一瞥して、散乱した銃を拾いながら前の車両へ向かう。間髪入れず、居所を誇示するかのように大きな銃声が響いた。
フロリダ州 マイアミ沿岸 ウェスト・パーム・ビーチ
サブGM:夏は観光客で賑わう沿岸部は、通常、冬季は閑散としている。
サブGM:だが、現在は喧騒……物々しい雰囲気が、周囲を包む。
サブGM:"通報"によれば、この地域には特A級の要対応オーヴァード――アッシュ・ノイ・ジラードが上陸するとの報があった。
サブGM:有史以来の規模の州軍が展開し、その到来を水際で食い止めるべく、今かと待ち構えていた。
アッシュ:果たして。明朝、一隻のモーターボートがビーチに姿を現した。
サブGM:それが彼であるかなどお構いなしに、次々に銃口が向けられる。近づくものは全て撃っていいと達されている。
アッシュ:エンジン音と共にボートは岸へと近づいていく。向けられた銃口を意に介さないかのように。
サブGM:「構わん!撃て!」誰かの号令とともに、次々とボートに銃火が飛来する。
サブGM:大西洋を横断したとは思えない、やわなモーターボートだ。その火力集中を防げるはずもなし。
サブGM:それは被弾し、その原型を崩すほどの破壊を受け、しばらくして停止した。
サブGM:その上空をヘリが旋回する。「目標の沈黙を確認!」
サブGM:「まだだ……やつらは不死身だ。再生できなくなるまで鉛玉を打ち込んでやれ!」
サブGM:半壊したボートに、過剰なまでに追撃が加えられる。
サブGM:あるいは、オーヴァードに対する戦術としては正解の手であったかもしれない。
サブGM:ボートは破砕し、もはやただのスクラップへと変じていき。
サブGM:「目標の姿ありません!」
サブGM:「周辺を捜索せよ!」怒号と元に、次々とダイバースーツを着た武装兵が海中へと入っていく。
アッシュ:海の底に漂っているのは、つい先ほどまで船だったものの破片と大量の弾丸。
アッシュ:ダイバー達がゆっくりと沈んでいくそれらを目で追い、海底へと視線を向けようとしたそのとき。
アッシュ:――海の底から蒼い光が爆ぜた。
アッシュ:「全く、酷いことするよな」
サブGM:「な……」
アッシュ:日もあまり差さず薄暗いはずの海中が真昼の如く照らし出される。そこでようやく、海底に佇む黒い人影が見える。
アッシュ:否、人影と呼ぶよりは影そのものと言った方が正しいだろう。全身丸ごとを影で覆っているのだから。
アッシュ:「あの長い船旅を大した故障もなくこなしてくれた良いボートだったのにさ」
サブGM:「な……なんだ、あれは……」
サブGM:「リッケンバッカー……!?」
アッシュ:影は悠々と歩み出す。ダイバー達や探索のために出ていた船は既に電撃によって沈黙した。
サブGM:混乱もあってなお、銃口が向けられ、砲火が吐き出される。
サブGM:どのみち、今この場から現れる存在など、何があっても敵でしかない。
アッシュ:海中へと打ち込まれた弾丸はそのほとんどが到達前に電撃によって無力化される。
アッシュ:到達まで至ったものも、枝分かれした影に悉く切り払われた。
アッシュ:したがって、歩みは止まらず。影は浜辺へと上陸する。
サブGM:「なんだ……なんなんだ、こいつは!?」
アッシュ:「熱烈な出迎え感謝するぜ、諸君」
アッシュ:影の奥から声が響く。ともすればあどけなささえ感じられるボーイソプラノが。
アッシュ:「だが、人違いされるのはちょっと癪だな。アンタらが待ってたのはアイツじゃないだろ?」
アッシュ:「出来るうちに本部へ連絡した方が良いぜ。アッシュ・ノイ・ジラード、アメリカに上陸すってな」
サブGM:「“Espoir”……!アッシュ・ノイ・ジラードです!」「馬鹿な、一体何が……!」
サブGM:「撃て!とにかく撃つんだ!」
サブGM:「じきに消耗する!やつに休む間を与えるな!」
サブGM:号令とともに、間断なく継続して射線が向けられ、射撃が繰り返される。
アッシュ:「さて、オレが消耗するのが先か。アンタら全員倒れるのが先か」
アッシュ:「試してみるか?」
アッシュ:影の下に隠れた口元が、それでも獰猛に笑ったように見えただろう。
サブGM:アイギス最後の一人が、アメリカへの到達を果たした瞬間だった。



GM:デュバリーと別れ、ルカは一路バイクを走らせていた。
GM:アメリカの広大で茫漠たる荒野。赤茶けた大地に、一本の道だけがどこまでも続いている。
GM:エンジン音を響かせて風を切る中、ルカの視界の隅で何かが光った。
ルカ:「……?」フルフェイスヘルメットの中で目を細める。
GM:真昼に瞬く星のように見えたそれは、何度もちかちかと光って、徐々に近付いてくる。
GM:同時に、君の耳に響く音がある。バイクに乗っている最中でも分かるような、巨大なエンジン音。そして空気を裂く音。
GM:元軍人である君には分かるだろう。戦闘機の飛行音に極めて近い。
GM:前方の青空を、白い機影が超高速で通過する。
ルカ:「滑走路とでも間違えてんのかっ…」 車体を思いきり傾け、道を逸れる。
GM:一瞬遅れ、衝撃波と暴風が吹き荒れる。
GM:機影は旋回するようにしてルカに接近し、空中で小刻みにバーニアを吹いて制動・ホバリングする。
ルカ:そのまま減速し、停車してヘルメットを脱ぐ。向かってきたそいつを見つめる。
GM:それは異様な物体だった。機械で出来た巨大な鳥、あるいは人と戦闘機の中間とでも形容すべき存在。
???:「……」
???:機体から辛うじて覗く人の顔が、無言のまま君を見下ろす。
ルカ:「……鳥にしちゃでかすぎる」
ルカ:しかめっ面でぼやく。「何。お喋りする気はある?」
???:「……」
GM:相変わらず無言。だがその口が動かないまま、スピーカーから大音量の声が響いてくる。
???:『おい!勝手に先行くなっつってんだろ“ファットマン”!』
???:『お前はいつもそうやって……まあいい!』
???:若い男の声だ。
???:『聞こえてんだろ、傭兵野郎!』
ルカ:「うるせえな」
ルカ:「急いでる。用件はさっさと済ませて」
???:『なんだこいつ、スカした野郎だな!』
???:「……」
???:『そうか!お前もそう思うよな“ファットマン”!』
ルカ:「言ってないだろ…」
???:『いいかスカシ傭兵野郎!俺達は“ファントムベイン”!そいつは“ファットマン”!』
???:『今からそいつがお前をバシーッとぶちのめしてやるから、覚悟しとけよな!』
ルカ:「……敵」
ルカ:エンジンをふかすと、バイクを発進させて、目の前の"ファットマン"の懐をかいくぐろうとする。
“ファットマン”:「……」
???:『えっお前それはやりすぎ……アッ!』
???:『逃げられんぞ!やれファットマン!』
“ファットマン”:バ シ ャ ッ!
“ファットマン”:機体の至る所が一瞬で展開、無数の銃口が顔を出す。
“ファットマン”:ガガガガガガガ!!
“ファットマン”:耳を劈く轟音と共に、夥しい弾丸の雨が一斉に放たれる!
ルカ:右腕が砂塵と化す。即座に羽根を何枚も折り重ねたような装甲へ変化させて弾丸から身を庇う。
ルカ:火花が散り硝煙が舞った。装甲は欠けたが、バイクは無事だった。まだ走れる。
ルカ:懐をかいくぐった車体をぐるりとUターンさせ、大量の機銃を出現させた"ファットマン"に狙いを定める。
ルカ:「……ぶつけてやる」 速度は落とさない。上げる。上げていく。
“ファットマン”:「……」
“ファットマン”:リロードの狭間、機銃が空転する。
“ファットマン”:堅牢な防御に銃撃では効果薄と見てか、腕部と翼部が変形する。腕は高速回転するドリルとなり、翼は放熱と共に赤熱する刃となる。
“ファットマン”:全身のブースターとバーニアが火を噴き、衝撃波と共に加速。空気を切り裂く異音と共に、一気にルカへと突進する。
“ファットマン”:翼を広げた猛禽めいたシルエットが、ルカとバイクを諸共に破砕せんと迫る!
ルカ:それを見やり、右腕を砂塵として、さらなる変化を起こす。
ルカ:なにせここは地平線の向こうまで広がる荒野だ、砂には困らない。
ルカ:それらを巻き込んで、巨大な刃渡りの剣…剣というより、ただの柱かもしれない…そういうものを形どる。
ルカ:ドラゴンよりは小規模だった。向かってくるそいつに、斬るというより思いきり横殴りに柱めいた砂剣を叩きつける。
“ファットマン”:「────!」
“ファットマン”:横合いから殴りつけられ、回避のしようも無く吹き飛ばされる。
“ファットマン”:鋼鉄のひしゃげる音。火花と共に僅かな鮮血が飛び散る。
???:『ギャーッハッハッハ!やられてんじゃねえか“ファットマン”!ダッセえなオイ!』
“ファットマン”:「……」
“ファットマン”:地面に何度かバウンドするように転がって、一気にブースターを再点火、高くまで上昇する。
“ファットマン”:そのまま旋回し、もう一度ルカに狙いを定めようとするが──
???:『もういい、やめとけ“ファットマン”!帰って来いってよ』
???:『抜け駆けしようとした罰だな!ハッ!やるんなら二人でだろ!』
“ファットマン”:「……」
???:『おいスカシ傭兵野郎!勝負はお預けだ!』
???:『俺はそこのブリキ野郎より強い!ボコボコにぶちのめしてやるから覚悟しとけよ!』
ルカ:「自分でそういうヤツほどクソほど弱いんだよ」
ルカ:青空に浮かぶ鳥めいたシルエットに中指を立て、バイクの進路を取り直す。
???:『んだと!?オイコラ!もう一度……』
GM:“ファットマン”が飛び去ると共に、やかましい声も遠ざかり、聞こえなくなる。



【Round6/「誰とでもこう上手くは行かなかったよ」】

GM:ラウンド5
GM:ん?
ルカ:7では?
GM:6でした
サブGM:6だぜ
ルカ:まちがっちゃった
GM:このラウンドでクリアできなかった場合、以降18に到達していないPCはラウンドごとに侵蝕が1D10上昇します
クレア:やべ~
ルカ:やっべ~
GM:でイベント 一応クリア済の人にも発生します
GM:アッシュ
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 9

⑨奇襲
このラウンド、強制的に戦闘判定が発生する。判定難易度+5。

アッシュ:これ、クリア済みなら免除です?
クレア:ゴールしたのにまだ戦闘してる…
GM:されない!
ルカ:アワワ
アッシュ:なるほどね 延長戦と行くか
GM:一気に15を飛ばしていくのが順当になってしまうのでクリア後でもイベントは起きます
デュバリー:なるほどね
GM:全員クリアした後は無効とします
アッシュ:エクストラステージだぜ
GM:次にルカち
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 9

⑨奇襲
このラウンド、強制的に戦闘判定が発生する。判定難易度+5。

クレア:こっちも!
ルカ:あややや
GM:クレアくんは14なのでギリ発生せず
GM:というわけでデュバ
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 4

④強敵
他勢力のオーヴァードが存在する場所。
次に行う戦闘判定は『オーヴァード』となり、判定難易度+15。
次に行う情報判定に成功した場合、この効果は無効となる。

GM:意味ないな……これは無視して大丈夫です
デュバリー:こわ~い
GM:すいませんまちがい クレアくんは進行値10のイベントが起きます
クレア:そうだったぜ
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 8

⑧物資調達
倉庫を発見したり、取引してくれる相手と会う。
このラウンド、《調達》判定を行う際、達成値+10。

ギル:のんびりしちゃうか
クレア:やった!そんな暇ないけど…
ルカ:愛されてる
アッシュ:出目に愛されてるぜ
GM:では判定どうぞ
クレア:判定の前にルカと合流しま~す
ルカ:クレアと合流しま~~す
GM:こいつら~
デュバリー:では監視網調査……行きますか。
GM:お前は……デュバリー!
デュバリー:ゴール済みバリーデュバよ
デュバリー:《領域の声》使用。コネ:情報屋 も使用。<情報:裏社会>
デュバリー:念のためハミーズも借りていいかな
ルカ:ハミッて~
ハミース:ハミ~
デュバリー:ではハミをします C値-1!
デュバリー:8dx9+7
DoubleCross : (8DX9+7) → 10[1,1,2,2,2,3,8,9]+8[8]+7 → 25

デュバリー:ハミってよかった!
GM:ほぎゃ~~っ
ルカ:やった~~!
クレア:わ~い
GM:では最大値 このラウンド情報判定難易度-3、進行値+3になります
アッシュ:一気に楽になるな
デュバリー:時間までに来るのよ~
GM:ではとりあえず合流したルカクレアからやってもらおうかな
ルカ:こちら情報判定難易度-3、イベントで+5なので差し引き難易度+2になりました
GM:しかし奇襲が発生しているので二人とも強制的に戦闘となります
クレア:そうなるな
ルカ:あ~~
GM:2D3
DoubleCross : (2D3) → 4[1,3] → 4

GM:相手は警官とオーヴァード!
GM:えー難易度が
GM:C(35+55)
DoubleCross : c(35+55) → 90

GM:+5だ 95
クレア:高いな
GM:二人で頑張って突破してね
ルカ:ひええ
クレア:やるしかない
ルカ:みんなのなかで侵蝕率が高めなので先にクレアくんの判定見て調整してもいいでしょうか
クレア:まかせな
クレア:マイナーでボルトアクションライフルを起動。達成値+5
クレア:《カスタマイズ》《コンセントレイト:モルフェウス》で攻撃だ
クレア:7dx7+14
DoubleCross : (7DX7+14) → 10[4,4,4,5,6,6,10]+10[10]+2[2]+14 → 36

クレア:《剣精の手》
GM:ゲゲッ
クレア:更に回すぞ
GM:こいつここでそんな……
GM:スパダリかよ
ルカ:キュン…
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を2(→ 2)増加 (58 → 60)
クレア:1dx7+44
DoubleCross : (1DX7+44) → 2[2]+44 → 46

クレア:5d10+8
DoubleCross : (5D10+8) → 25[7,1,4,9,4]+8 → 33

GM:C(95-46-33)
DoubleCross : c(95-46-33) → 16

GM:残り16!
クレア:後は任せたぜ
ルカ:く…クレア様……!
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を3(→ 3)増加 (60 → 63)
ルカ:エフェクト無し、〈白兵〉で判定して攻撃します~
ルカ:6dx+11
DoubleCross : (6DX10+11) → 10[2,3,4,6,9,10]+10[10]+6[6]+11 → 37

ルカ:何???
GM:何だこいつ~!
クレア:はりきりのルカ
ルカ:ダメージも出すね
ルカ:4d10+24
DoubleCross : (4D10+24) → 16[2,8,2,4]+24 → 40

ルカ:安定のダメージダイスショボい
GM:余裕でクリア!
ルカ:よかった~!
クレア:やったな
GM:ルカくんは15+3+3 クレアくんは14+1+3
GM:共に18達成で全員クリア!
GM:ミドル判定クリアとなります!
アッシュ:やったぜ
ルカ:わ~~い
ギル:私の手番で購入だけしてもいいかな
GM:そう!まだ判定は残っている
GM:アッシュくんの戦闘もな!
アッシュ:やってやるよ!
GM:とりあえずそっち先やりますね 奇襲イベントで戦闘発生
GM:1D3
DoubleCross : (1D3) → 2

GM:軍隊!
GM:C(45+5) 難易度
DoubleCross : c(45+5) → 50

GM:判定どうぞ!
アッシュ:またコンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv3まで使用!
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+3、侵蝕値+5
アッシュ:10dx7+11
DoubleCross : (10DX7+11) → 10[1,1,1,2,3,4,7,7,7,9]+10[4,6,8,10]+10[3,10]+2[2]+11 → 43

アッシュ:今回マジで出目割と良くて怖いな……
アッシュ:5d10+15
DoubleCross : (5D10+15) → 24[9,5,6,1,3]+15 → 39

ルカ:楽勝ですごい~
GM:ギャビーッ
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (68 → 73)
GM:ではクリアです!ダメージなし
GM:最後にギルくんどうぞ!
ギル:は~い
ギル:ちょっと悩んだけどここは安定性を取って車載機銃を買おうと思います。
ギル:難易度13。振るよ~
ギル:2DX+16
DoubleCross : (2DX10+16) → 10[9,10]+8[8]+16 → 34

ギル:でかい銃かえばよかった!でも成功
GM:やばすぎ
ギル:攻撃力9の車載機銃をゲットしたぜ。いえいえい。
ルカ:おめでと~
GM:では最終ラウンドも終了!
フランス アルザス
ミルシュカ:慣れ親しんだ故郷の街は、僅かな間に様変わりしていた。
ミルシュカ:生家への街路を歩く中、辺りの様子を横目で眺める。
ミルシュカ:街角には見慣れぬ軍服が物騒な銃と共に歩哨に立ち、自由・平等・博愛を意味する三色旗は塗り替えられ
ミルシュカ:一見静かに見える中にも、人々には不安と恐れ、緊張が充満しているようだった。
GM:「……なんでダメなの!?」
ミルシュカ:不意に聞こえてきた子供の声に、そちらに目をやる。
GM:「あいつら、悪いやつなんでしょ?だったら早くやっつけちゃえばいいのに!」
GM:「こら、大きな声を出すんじゃない……!」
GM:進駐軍に対してよく思っていないらしい子供を、父親が焦った様子でなだめている。
GM:「ねえ、どうしてアッシュは来ないの?」
GM:子供が振り上げる剣の玩具は、アッシュ・ノイ・ジラードが持つもののレプリカだ。
GM:「アッシュならあんな奴ら、すぐにやっつけてくれるのに!」
GM:「……ジョゼフ……」父は苦い顔で屈んで「……いいかい?アッシュはもう……」
ミルシュカ:「来るよ」
ミルシュカ:親子に歩み寄り、声を掛ける。
ミルシュカ:「アッシュならすぐに来る」
GM:憲兵への密告を危惧してか、不安げな顔を見せる父親に対し、子供は表情を輝かせる。
GM:「本当!?」
ミルシュカ:「ええ、勿論」
ミルシュカ:その頭に手を置き
ミルシュカ:「でもね、アッシュは今、秘密の作戦中なの」
ミルシュカ:「だから、誰にも言わないで。君だけの秘密にしてほしいんだ」
ミルシュカ:しーっ、と秘密のジェスチャーを作る。
ミルシュカ:「できる?」
GM:「……うん!」
ミルシュカ:頷いたその子に笑い掛け「いい子」再び歩き出す。

GM:V&Vインダストリ兵器工場。
GM:長らく細々とした製造状況を保っていたこの工場は今、数年ぶりに昼夜を問わずフル稼働の状況にあった。
GM:だが人手は少なく、あちこちには埃が積もり、施設の隅には使われていないスクラップ類が山と積まれている。そんなアンバランスな状態。
ミルシュカ:「軍のほうは間に合いそう。そっちの状況は?」
GM:ミルシュカと話しているのはここの工場長だ。古株の社員であり、彼女を幼い頃からよく知っている。
工場長:「長いこと使ってなかったもんで不安でしたが、今のところ順調です。こちらが見積もりです」
ミルシュカ:工場長から受け取ったデータに目を通し「……駄目ね」
ミルシュカ:「足りないわ。ここだけじゃ間に合わない」
工場長:「しかし、これでも目一杯……」
ミルシュカ:「ええ、分かってる」ジャケットに袖を通し「幾つか他所を回ってみるわ。手を貸して貰えないか」
ミルシュカ:「昔のコネが使えるか分からないけど……」
工場長:「お、お嬢様、しかし……!そんなことをすればこの技術が……」
ミルシュカ:「背に腹は代えられないわ。どうしても間に合わせなきゃいけないの。最悪こちらから一部の権利を──」
ローラン:「ミルシュカ」
ローラン:不意に、入り口から声。そこには一人の男が立っている。
ローラン:年齢に対して老け込み、疲れた顔。曲がった背骨はまるで老人のようだ。
ローラン:ローラン・ヴェルレーヌ。V&Vインダストリの現社長。
工場長:「社長……!」
ミルシュカ:「……パパ」
ローラン:「本当にやるのか」
ローラン:諦観の染み付いた目で娘を見て、酒に焼けたしわがれた声を発する。
ローラン:「何の為だ、ミルシュカ」
ミルシュカ:「……『牙持たぬ人に牙を』……」
ミルシュカ:口にしたのは、かつてのV&V社のキャッチコピーだ。
ミルシュカ:「そんなお為ごかしを言うつもりは無いわ」
ミルシュカ:「今必要だから。それだけよ」
ローラン:「……そうだな」
ローラン:「どれだけ取り繕おうとも、所詮我々は武器商人。人の死で飯を食っている」
ローラン:「幼い頃お前に語って聞かせた理想など、ただの欺瞞でしかない」
ローラン:「……しかしだからこそ、この会社がこうなった時、私はどこか安心していた……」
ローラン:「お前に同じ道を進ませずに済んだ、そう思っていたのに……」
ローラン:悲しげに目を伏せ
ローラン:「何故戻ってきた、ミルシュカ……」
ローラン:「お前のしようとしていることは、流れる血を悪戯に増やすだけだ」
ローラン:「そんなものは、時代を逆戻りさせるだけだ。お前にも分かるはずだろう」
ミルシュカ:「今やらなくても、いずれ誰かが辿り着く技術よ」
ミルシュカ:迷いなく、毅然として言う。
ミルシュカ:「それなら今、私がその罪を背負っても変わらない」
ミルシュカ:「言ったでしょう。今必要なの。この力を必要としている人がいるのよ」
ミルシュカ:「今まさに、遠い場所で戦っている人たちが。彼らの為に、私はこれを作る。自分がすべきだと思うことをする」
ミルシュカ:「オペレーターとして、武器商人として……ミルシュカ・ヴェルレーヌとして」
ミルシュカ:「分かったら邪魔をしないで、パパ」
ローラン:「……」
GM:黙り込む父に、ミルシュカは背を向ける。そのまま工場を出ようとして、「待て」と声を掛けられる。
ローラン:「……私の名を使え」
ローラン:「こんな顔でも、まだ多少は効くはずだ。小娘のお前が行くより、彼らも頼みを聞いてくれるだろう」
ミルシュカ:「……パパ」
ローラン:「勘違いするな、ミルシュカ」
ローラン:「お前のしようとしていることを、認めたわけではないぞ」
ローラン:「娘の名を、悪名として歴史の教科書に載せたくない……それだけだ」
ローラン:「工場は私が取り仕切る。行け」
ミルシュカ:「……うん」
ミルシュカ:「ありがとう、パパ」
ミルシュカ:小さく瞑目して、再び歩き出した。
ネバダ州 州境近郊
サブGM:その州名は、スペイン語で「雪に覆われた」を意味するという。
サブGM:荒涼とした荒野には雪がちらつき、ひどく冷え込む。
サブGM大いなる盆地グレートベースンと呼ばれる地域は、その名に反して、山がちだ。
サブGM:それ故に、軍の秘密基地が建造されるに至ったとも言えるが。
サブGM:その山間の狭隘部、数少ない平地に引かれた幹線道路沿い。
サブGM:一定距離ごとに設えられたモーテルと、その周りのまばらな商業店舗。
サブGM:その一つ。一台のバイクが停まっていた。
ルカ:「……到着する前に」
ルカ:「どっかで着替えるの、それ」売店で買ってきたミネラルウォーターを放り投げる。
クレア:投げられたボトルを受け取って、一口飲む。
クレア:「州境は検問も多い。ひとまずそれをやり過ごせば、着替える時間もできるだろう」
クレア:厚手のコートと帽子は失ったが、長髪のウィッグと化粧は残ったまま。未だ女性と言い張れる格好だ。
ルカ:改めてその全身を眺める。もともとの顔立ちと背格好も相まって、確かに少女みたいに見える。
クレア:「不審な男の二人組よりは、無軌道な男女の逃避行と言った方がまだ通りが良いだろうからな」
クレア:「怪しまれることに変わりはないだろうが」
ルカ:「…あんたが良いならいいけど」 仏頂面。
クレア:「自分も君が嫌なら止めておくさ。ここまで来れば力ずくで押し通れないこともないしな」
クレア:「演技とは言え、エミリアにも悪い」
ルカ:「なんであいつの名前が出てくるんだよ」 顔をしかめる。
ルカ:「…余計な戦闘は避けたい。…単純に、おれがしたくないから」
クレア:「賢明だな。本命はこれから、余分な消耗は避けるべきだ」
ルカ:「ん」頷く。「じゃあ、あんたは不良に捕まったお嬢さんだ」
クレア:「少し不安な設定だな……自分もあまり育ちが良い方じゃない」
クレア:「ルカはそういった女性を捕まえた経験があるのか?」
ルカ:「……、いや」含むような間がある。「あんたがいま着てる服」
ルカ:「結構上等なやつだろ。だからと思って……、ああ、いい。じゃあそうだな」
ルカ:「しょうもないギャングのお気に入りの女をさらって駆け落ち」
ルカ:「あんたはギャングの追手が来るかもしれないから焦ってる。なるべく人と話したくない」
ルカ:「これならどう」
クレア:「ああ、それならどうにかやり切れるかもしれない」
クレア:「変に従順にも親密にもする必要がないしな。自然体に近い感覚で行けそうだ」
サブGM:何事か話し合ったらしい、警官2人組が、君たちに近づいてくる。
ルカ:「…じゃあ」それに気付く。「さっそく実践」
人の良さそうな警官:「あ~……君、ちょっといいかな?免許証を見せてもらっても?」
クレア:「……」意識して強張った表情を作る
ルカ:ぐいっとクレアくんの腕を引いて胸に引き寄せます。
ルカ:警官を無視し、そのまま髪を撫でる。
クレア:不安げな視線を警官に向けたまま、ルカの胸板に寄りかかる。
人の良さそうな警官:「ねえ君、君だよ。おーい?」
人の良さそうな警官:「聞こえてる?ちょっと免許を……言葉分かる?」
ルカ:「…あ? 邪魔しないでほしいんだけど」
ルカ:「いま良い所なんだから…」
人の良さそうな警官:「邪魔って……おじさんもお仕事なんだから」
人の良さそうな警官:「すぐ終わるから。免許だけ。ね?」
ルカ:クレアの耳元に口を寄せて囁く。(抱き着いて)
ガラの悪そうな警官:ぐい、と。もう一人の警官を押しのけるようにして。「その子はどうした?」
ガラの悪そうな警官:「誘拐したんじゃないのか」
クレア:「……ねえ、もう行こ」言われるままにルカの背に手を回し、体を密着させる。
ガラの悪そうな警官:「……」引き剥がそうとした手を止める。
ルカ:「ちげえよ…分かんないの?」
ルカ:「リーナはこのままじゃ、地元でギャングの言いなり…」
ルカ:「だからここまでどうにか逃げてきて…。ああ、言いたくなかったんだよ。彼女をこれ以上ビビらせたくない」
クレア:「……お願い。早く行かないと私も、彼も……」
クレア:懇願するような眼で警官を見つめる。
人の良さそうな警官:「……あ~」
ルカ:抱きしめる手をより強くする。
人の良さそうな警官:「ん~、おじさんちょっとドーナツ食べたくなっちゃったな」
人の良さそうな警官:「付き合ってもらおうかな~」傍らの警官に言う。
ガラの悪そうな警官:「……はい」不承不承といった顔で頷いて、2人に。
ガラの悪そうな警官:「……ヤバくなったら、最寄りのデカい警察署に行け」
クレア:「……」小さく頭を下げる
ルカ:「分かったよ。さっさと行ってくれ…」 それ以上話したくなさそうな雰囲気を作る。
サブGM:それきり彼らは振り向いて。元から視界になかったかのように振る舞う。
ルカ:クレアに覆い被さるようにして口元に顔を寄せる。
ルカ:「……。……こんな感じで」
ルカ:ぎりぎりまで近付いて囁く。
クレア:一瞬硬直するが、周囲の人の視線を感じてルカの首に手を回す。
ルカ:「そのまま抱き着いてて。行こう」
クレア:「なるほど」遠目からは重なり合っているようにしか見えない距離で小さく頷いて
クレア:「やっぱりルカに任せて正解だったな」
クレア:身を寄せたまま歩いて行く。
ルカ:「………あんま他とするなよ、こういうの…」腰を抱くようにしながらぼやく。
ルカ:そのままバイクに彼を乗せ、再び荒野を走り出す。
クレア:「ルカとだけだよ」柔らかな口調。演技がまだ続いていると理解したのだろう。
ルカ:「…」 それも困る。とも言えず、苦虫を嚙み潰したような顔をする。
ルカ:他が既に到着したとの連絡は貰っていた。都合の良い交通手段を失ったクレアを拾い、二人で目的地を目指すことになったのだった。
サブGM:彼ら二人が去った後。
サブGM:警官らがドーナツに興じていると、彼らのバイクを漁る人影がある。
人の良さそうな警官:「おい、あんた何を……」それに気づき、立ち上がり。
人の良さそうな警官:そのままだらりと弛緩する。胸に刃が突き刺さっている。
ガラの悪そうな警官:「こいつ……!」拳銃を抜き、即座に発砲。だがそこにその人影――女の姿はない。
ガラの悪そうな警官:代わりに、何もないはずの空間――彼の背後から刃が生じ、その体を刺し貫く。
???:再びその場に現れた、スーツ姿の女が、警官の懐からキーを抜き出す。
???:そのままバイクに跨り、彼らを追走する。
サブGM:荒野を走るバイクを見とがめるのかのごとく、弾丸の如き速度でバイクが追走している。
サブGM:先程の警官が乗っていたであろう型だ。運転手は低く構え、その顔は見えない。
ルカ:バックミラー越しにそれに気付く。
クレア:「警察じゃないな。あれは……」運転するルカの背中越しに、後ろを振り返り
ルカ:「……何だ?」
サブGM:ぶつかるかの勢いで、バイクは爆走し、距離を詰めてくる。
クレア:「ルカ。スピードは落とすな」バイクの上で器用に反転して、ルカと背中合わせになる。
クレア:「奴は引き受けた」
ルカ:「…分かった。振り落とされるなよ」
ルカ:速度をぐんぐんと上げて、追撃するバイクから距離を取ろうとする。
クレア:「そちらこそ、追いつかれてくれるなよ」愛用のライフルを取り出し、構える。
サブGM:距離を詰める白バイは、無人だ。
サブGM:――そうではなく、誰かが今、乗り捨て
???:何もなかったはずの空間から、女の姿が現れる。2人のバイクの直上。
???:それは手に持つナイフを振るい、操縦者――ルカの背中めがけて振り下ろさんとした。
クレア:銃声。一瞬でライフルの引き金から離された右手には、拳銃が握られている。
クレア:間一髪の所で、ナイフの刃を逸らした。
???:それにより崩れた体勢のまま、バイクより転げ落ちて。
???:地面に付く前に、再びその姿が掻き消える。
クレア:「ゲートだと……?」転げ落ちた場所に、追撃の弾丸をばら撒く。その全てが地面に当たり土煙を上げる。
???:横合いの宙空に再出現、すれ違いざまにクレアの首を刈り取ろうとする。
ルカ:バイクを思いきり傾け、ナイフを空振りさせる。
ルカ:軌道を曲げたバイクをすぐに立て直し、曲がりくねりながらも再び車体は道路を直進する。
クレア:肩が地面スレスレを掠める状態から一切顔色を変えず、ナイフが空を切った瞬間の襲撃者目掛けて二発、続けざまに発砲する。
???:そこには彼女以外の大質量がある。バイクだ。
???:“門”を開き、走行中のバイクを投げ入れた。それが撃ち抜かれる。
ルカ:「あの能力、隊長だけじゃないのかよ」 一瞥する。
クレア:「ルイジアナを襲った時と同じだ」
クレア:「リーダーのゲートが掌握されている……こういうことか」
クレア:バイクに弾かれた弾丸が、軌道を変えて燃料タンクへと吸い込まれる。
???:黒髪を揺らす女は、一言も口を発することはなく。
???:射撃後の硬直を狙い、再び一差しを狙う。狙いは脳天。
クレア:硬直は確かに存在する。しかし、次弾を撃つ必要はない。先に放った二発が接触して火花を生じ、ガソリンに引火し爆発を起こした。
???:「……チッ」その爆風・爆音に紛れて、一瞬舌打ちの音。
ルカ:吹き荒れる黒煙から、弾丸のようにこちらの車体が抜け出る。
???:爆風に揺られるようにか、彼女の姿が再びかき消えて。
???:周囲を舐める高温を置き去りにして、そこからはたと姿が途絶えた。
ルカ:「……逃げたか」バックミラーに再び視線を移す。
クレア:「……みたいだな。ゲートをフルに使えばまだ追ってこれたかもしれないが……」
ルカ:「…クレアに会う前に出会った敵どもも、深追いはしてこなかった」
ルカ:「どうせ…この後待ち構えてんだろ」
クレア:「ああ。向こうにとっても本番はここからということか」
クレア:爆風で焦げ付いたウイッグを外す。それは風に巻かれて散らばっていった・
ルカ:「ん」
ルカ:「…じゃあ、本番前にひとつだけ」
クレア:「どうした?」
ルカ:「こっちの場面は、あんたに任せて良かった」 視線を正面に向けたまま、ぶっきらぼうに言う。
クレア:背中合わせのまま振り向く。顔には皮膚を継ぎ接ぎにされた痕が残っている。
クレア:「ふ」可笑しそうに頬を緩めて
クレア:「誰とでもこう上手くは行かなかったよ」
ルカ:「…そうかよ」
1年前 アメリカ軍保有 戦略研究所
サブGM:その実験棟の宿舎。
サブGM:自分たちと少数の研究スタッフの他には、そこには誰も居なかった。
サブGM:だだ広い研究施設を悠々と使えるのは、楽ではあった。
サブGM:ただ。退屈ではあった。
少女:……ベッドの上で身を起こす。ただ、出番が来るまで、訓練を続けるだけの生活。
少女:飽きては居たが。続けたくないわけではなかった。
少女:自分の訓練が終わるときというのは、何が起きるときであるかは分かっていた。
少女:それが今日であるとは、思っては居なかった。
E:不意に扉が開かれ、一人の少女が姿を現す。
E:眠たげな目元に、ウェーブのかかった赤髪。
E:「ふぁ……」
E:欠伸をしてからぼんやりと少女を見る。
E:「やあ、“Fフォックス”」
E:「調子どう?」
F:「……お早う。“Eイージー”」
F:「調子も何もない。私はまだ何もしてない」
E:「訓練はしてるでしょ?」
F:「あれは維持するためだけ」
E:机の上に転がっていたレーションの包みをぺりぺりと開け、齧る。
F:「その日が来るまでに劣化しないように」
E:「んじゃあ良かったね」
E:「来たよ、その日ってやつ」
F:「……」
F:「……もう、限界なの」
E:「そうっぽいよ」
E:べ、と舌を出してレーションを吐き出す。
E:「目は濁ってるし、耳も左が聞こえない。味覚もダメ」
E:「ゲートの展開も遅れるようになってきてたしね~」
E:「ま、自分でもそろそろかな~とは思ってたんだ」
F:「……」元より、正しく作られたものではない。
F:ゲートを使うためだけに、保有能力者のDNAを移植したもの。だとか。理解は出来なかった。
F:「だけど、もうなんて……」
E:「そう?私は『もう』って感じしないけどな~」
E:「それなりに楽しんだしね。満足って感じ」
E:どこか達観したように、自らの死を平然と語る。
F:「……どうして?」
F:「……どうして、そう言えるの?」
E:「ん~……」
E:「やるだけやったから、かな?」
F:「口封じを?」どこか嘲るような、自嘲するような声音で。
E:「ま、そうだけど」
F:つまらない使い方をされている、と思う。母――と思いたくもないが、あの女はどう思っているのだろうか。
E:「出来る限り戦って、出来る限り殺して……」
E:「“娘”として許される範囲で、私は出来る限り生きた」
E:「自分でもそう思うんだ。だから、満足」
F:「……出来る限りが、そんなところだと」
F:「思いたくない」
E:「じゃあ、Fはどう思うのさ?」
E:首を傾げて「何がしたいの?素敵な恋とか?」
F:首を横に振る。「分からない」
F:「だけど、AエイブルBベーカーCチャーリーDドッグ
F:「……Eイージー。こいつらみたいになりたくない」
F:「こんなものに、満足できない」
F:「……そうだな。例えば」
F:「私達を探るものが、誰もいなくなれば」
F:「”船”を降りられるんじゃないかって」
F:「その後は……それから考える」
E:「“船”に乗ってれば、自分で歩かずとも運んで貰えるのに?」
E:「降りた先は、何も無い荒野かも。それか、陸地なんて無いかも」
E:「もしかしたら、私たちは海の上でしか暮らせない生物なのかも」
E:「それでも?」
F:「それでもいい。闇の夜の中でも」
F:「――一緒には来れないよね」無理であるとは分かっているが、問う。
E:「そうだね」肩を竦め、かぶりを振る。「私は、この生き方しか出来なかったから」
E:「私はもう外に出て、色んなものを見たから、分かるんだ」
E:「私たちが、外の世界では部外者だって」
E:「白い羊の群れの中に、一匹だけ混ざった黒い羊なんだって」
E:「私は正直、Fの気持ちはわかんない。でも……」
E:小さく笑う
E:「応援したいとは思うよ」
F:「……うん」
F:「じゃあ……教えて」
F:「私が最初に、殺すべき名前を」
E:「……今、いくつか仕事の途中でね」
E:「MI6のエージェント、ガリオ・ネルソン。それにラナって名前の娼婦……」
E:「それもあるけど、まずは」
E:自らの胸に手を当て
E:「“Eイージー”」
アメリカ ワシントンD.C.
GM:COC本庁舎には、悲鳴が響き渡っていた。
GM:転がる死体の山、床に広がる血の海。
GM:警備兵は瞬く間に制圧され、職員達は白昼の凶行に半ばパニック状態にあった。
GM:その惨状を作り出したのは、ただ一人の少年オーヴァード。
クレア・アップルシード:「……」
GM:手配中の傭兵組織アイギスに所属するオーヴァード、クレア・アップルシード。
GM:ショットガンを向ける先は、現職の大統領補佐官──マクシミリアン・ブラッドリー。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……貴様……」
マクシミリアン・ブラッドリー:トレーニングの最中に襲撃を受け、半裸の状態。火照った筋肉から汗が滴っている。
マクシミリアン・ブラッドリー:突然の奇襲にも、驚愕や恐れではなく怒りに満ちた表情を浮かべる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「何のつもりだ、アイギス……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:返答の代わりに、銃声。咄嗟に机の影に身を伏せる。
マクシミリアン・ブラッドリー:立て続けの銃撃に、即座に近くの本棚の裏へと飛び込む。
マクシミリアン・ブラッドリー:「クソッ……!」
GM:「補佐官、無事で……がっ……!」
GM:部屋に飛び込んできた数人の警備兵が、即座に頭部を撃ち抜かれる。
マクシミリアン・ブラッドリー:(アイギス……何を考えている)
マクシミリアン・ブラッドリー:(まさか直接ここを狙ってくるとは……情報を流したのが私だと気取られたか)
マクシミリアン・ブラッドリー:(だが、包囲網を敷いているのはCOCとはいえ、奴らの直接の敵は“船員たち”と見るはず……我々を排除してから臨む手筈か?)
マクシミリアン・ブラッドリー:(そもそも、何故ワーディングを使わない?もし使わていれば、今頃抵抗もできずに……)
マクシミリアン・ブラッドリー:そこではたと気付く。
マクシミリアン・ブラッドリー:クレア・アップルシード。アイギスの傭兵、元ディスコルディア社の実験体。得意とする武器は──
マクシミリアン・ブラッドリー:「クレア・アップルシード……」
マクシミリアン・ブラッドリー:本棚の影から声を発する
マクシミリアン・ブラッドリー:「……では、無いな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「何者だ、貴様」
クレア・アップルシード?:「……」
クレア・アップルシード?:答えない。だが銃撃が止む。
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァード能力による狙撃なら、わざわざ乗り込んでこなくとも私を殺す機会はいくらでもあった筈」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ワーディングさえ使わないところを見るに……貴様の目的は、その顔を不特定多数の衆目に晒した状態で私を殺すこと」
マクシミリアン・ブラッドリー:「COCが手薄の今、アイギスに罪を着せて私を始末する気だな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「見下げ果てた……ドブ以下の卑劣さだな、“船員”ども……!」
クレア・アップルシード?:「クッ、ハハッ」
クレア・アップルシード?:端正な少年の顔が、裂けるような笑みの形に歪む。
クレア・アップルシード?:「分かったところで──」
クレア・アップルシード?:笑みが更に深まり、顎から頭部が真っ二つに裂けて、内側から銃身が姿を現す。
クレア・アップルシード?:「どうする?人間マクシミリアン・ブラッドリー
GM:“ミミック”。“船員たち”直属の、変身能力を持つオーヴァード。
GM:腕と頭部、二つの銃から重なる銃声。
マクシミリアン・ブラッドリー:「──」
GM:鍛え抜かれた身体を、無数の散弾が撃ち抜いた。



GM:シーン終了。
GM:ロイス・購入可能です
GM:購入は最後!
ギル:え!購入して良いのか!
ルカ:ロイスは…保留しようかな あと二枠です
アッシュ:ロイスはこっちも保留
デュバリー:ロイスは保留。購入は~
ギル:う~んどうしよっかな~
アッシュ:購入どうすっかな アームドスーツでも試しとくか
ルカ:対BCスーツにしとこ
アッシュ:あ、いやアレだ 応急手当キット試しておく
アッシュ:2dx+3>=8
DoubleCross : (2DX10+3>=8) → 7[5,7]+3 → 10 → 成功

デュバリー:シューターズジャケット狙っておくか
アッシュ:OK、そのまますぐ使用
アッシュ:24+2d10
DoubleCross : (24+2D10) → 24+7[1,6] → 31

デュバリー:4dx=>13
DoubleCross : (4DX10>=13) → 8[4,5,5,8] → 8 → 失敗

アッシュ:29で全快して以上!
デュバリー:財産5注ぎ込んで成功。以上
ギル:考えた末侵食6払って21火力上がるならやったほうが良いか~って気がしてきたのでコンセ無形しようかな
クレア:ルカに 親近感○/懐旧 でロイス取ろっと
デュバリー:即装備じゃい
ルカ:え!
ギル:《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》。調達しま~す
ギル:9DX7+16
DoubleCross : (9DX7+16) → 10[2,3,5,5,8,9,9,10,10]+10[3,3,5,5,8]+10[9]+3[3]+16 → 49

ギル:あ!大口径機関砲です
GM:やばすぎるよ~~
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を6(→ 6)増加 (72 → 78)
クレア:クライマックス2が来た時用に予備の武器買っておこうかな
クレア:コンバットショットガン狙います。
クレア:4dx+4>=12
DoubleCross : (4DX10+4>=12) → 5[3,3,4,5]+4 → 9 → 失敗

クレア:全然ダメだった 以上!
ルカ:じゃあこっちもクレアくんにロイス取っちゃお 親近感:〇/不安 です
クレア:やった~♡
ルカ:じゃあコンバットショットガン狙ってみるね~
ルカ:3dx+3>=12
DoubleCross : (3DX10+3>=12) → 6[1,6,6]+3 → 9 → 失敗

ルカ:1足りなかった 以上!
ギル:ロイス前の演出したときとかに取っておけばよかったかもな。



【Masterscene3/「退屈で死にそうなんだ。話し相手になってくれよ」】

数年前 アップル・ディスコルディア社 実験施設
エミリア:わたしという意識が生まれたのは、いつからだっただろうか。
エミリア:気付いた時には、わたしは既にここに居た。
エミリア:真っ白な壁と床、真っ白な服の人達。
エミリア:一日二回の食事は、決まって淡い色のペーストと、沢山の薬剤。
エミリア:毎日決まった時間に起こされて、色々なことをさせられる。
エミリア:白い服の人と話したり、絵を描いたり、映像を見せられたり。
エミリア:『力』を使ったり、手や指を切られたり、動物と戦わされたり。
エミリア:何もかもが漠然としていて、何かを感じることも無かった。
エミリア:毎日同じようなことが繰り返されていき、わたしはぼんやりとしたまま、どこか他人事のようにそれを見ていた。
エミリア:自分の部屋に戻されると、また次の朝まで何も無い。部屋の隅でただ黙って、じっとしていた。
エミリア:唯一の刺激といえば、外から聞こえる音くらいだ。
エミリア:周りの部屋には色んな人がいた。悲鳴をあげる人、呻き声をあげる人、ぶつぶつとよく分からないことを呟いている人、ずっと壁を叩いている人。
エミリア:そうした人たちは大抵、数日か数週間で入れ替わっていった。彼らがどこから来て、どこに行くのか。気にしたことはなかった。
エミリア:ずっと黙っている人も多くて、わたしもその内の一人だった。
エミリア:その時のわたしは死という概念を知らなかったけれど、きっとこの繰り返しが『最後』までずっと続くのだろうと思っていた。
エミリア:わたしも隣室の彼らのように、いずれどこかへと消えていくのだろうと。
エミリア:──そんなある日だった。
エミリア:いつものように部屋に帰ってきてじっとしていると、不意に声が聞こえてきた。
:「なあアンタ、叫んでないで何か……おおい……駄目か」
:「そっちのアンタは壁叩かないでくれよ、気になるんだって」
エミリア:聞いたことのない声だった。それは隣の部屋から聞こえてきていた。
:「そっちは?誰かいるのか?なあ、いるなら何か話してくれよ」
エミリア:「……」
エミリア:その時、急に話しかけられてどう思ったのか。もはやよく覚えていないのだけれど、きっとびっくりしたと思う。そんなことは初めてだったから。
エミリア:「……誰?」
エミリア:戸惑いがちに口を開くと、隣の声には明らかな喜色が浮かんだ。
:「おっ!話せるのか?へへ、良かった!」
:「ここ、何にも無いだろ?退屈で死にそうなんだ。話し相手になってくれよ」
エミリア:それはわたしよりも低い声。少年の声だった。
:「……っと、名乗るのが遅れたな」
:「俺はジョニー」
ジョニー:「ジョニー・アップルシード」






GM:皆さん《情報:軍事/アイギス》で判定をどうぞ
クレア:判定するぜ
デュバリー:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 7[1,4,4,7] → 7

クレア:コネ使用ダイス+2
ルカ:コネ使います
クレア:6dx+3
DoubleCross : (6DX10+3) → 10[1,3,4,5,9,10]+9[9]+3 → 22

ルカ:5dx+2
DoubleCross : (5DX10+2) → 10[1,4,7,9,10]+10[10]+5[5]+2 → 27

ギル:コネコネ
ギル:5DX+4
DoubleCross : (5DX10+4) → 10[2,3,3,6,10]+3[3]+4 → 17

ギル:なんかクリティカルめちゃするな
クレア:みんな詳しい
サブGM:みんなすごいな
ルカ:いまこんな恵まれると後が怖い
アッシュ:コネ使って振ります
アッシュ:3dx+2
DoubleCross : (3DX10+2) → 8[7,7,8]+2 → 10

GM:これは現在動いている各勢力の動向を探るための判定です
GM:達成値以下の情報を握っていることになるのでドヤ顔したりしてください

難易度7
“船員たち”
目的:始祖の力を用いたアメリカによる世界制覇。それを妨害する勢力の排除。

難易度9
イギリス(MI6)
目的:アメリカの妨害
イギリスは以前からアメリカを警戒しており、始祖の存在にも確証を持っている。アメリカが始祖の力によって覇権国家となることを阻止すべく動いており、その為ならば他国とも手を組むだろう。
現在MI6のエージェントが秘密裏に行動しているようだ。

難易度10
日本・ドイツ
目的:始祖の排除
日本・ドイツの二国はローマでの戦いから始祖の力を危険視している。既にオーヴァード戦力が充実していることもあってか、始祖に対して研究・利用よりも排除の方向で動いているようだ。
ドイツはジャームを中心とした部隊“アイゼルナーヴィレ”、日本からは新型の“荒御魂”の派遣が見込まれる。

難易度12
北方連合
目的:始祖の奪取
北方連合は“リッケンバッカー”に頼り切りの状況に兼ねてから危機感を覚えており、その代理・後継として始祖の絶大な力を欲しているらしい。始祖の奪取のため、“リッケンバッカー”が出撃してくることとなるだろう。





【Climax/STRAY BLACK SHEEPS】

GM:クライマックスシーンです。全員登場。
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (78 → 83)
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (73 → 78)
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (63 → 69)
ルカ:ルカの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (69 → 74)
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (67 → 73)
アメリカ ネバダ レイチェル
GM:──示し合わせたわけではなかった。
GM:伊国超人戦、始祖の存在、漏出した情報、拮抗する各国の国力、互いの消耗を狙う状況──
GM:様々な要因が絡み合った結果、この日、この夜、この場所で。開戦の火蓋が切られたのはある種の必然とも言えた。
GM:合衆国にその存在を秘匿される基地──通称エリア51。
GM:月の夜。周囲から隔離され、広大な荒野に滑走路と格納庫、幾つもの施設が立ち並ぶその場所に、侵入者の影があった。
サブGM:カツカツと揃った軍靴の音。
サブGM:整然と並び行軍する、数名の歩兵。
サブGM:その最後方を行くもの以外は、整然と動いているが、まるで生気のない顔。
サブGM:ただ、プログラムにしたがう人形のように諾々と進軍を続けている。
サブGM:最高峰の若者が、それを酷薄げな顔で睥睨していた。
イルムガード・ランゲ:「停止Bleiben Sie
イルムガード・ランゲ:額に奇怪な紋様の浮かぶ、ドイツ軍の将校。
イルムガード・ランゲ:突撃隊の超人部隊"アイゼルナーヴィレ"の指揮官。
イルムガード・ランゲ:“メルゼブルク”イルムガード・ランゲ高級中隊指導者。隊内唯一のオーヴァード。
サブGM:では、他の者は?
イルムガード・ランゲ:指揮下のそれらが、微動だにせず静止するのを見る。
イルムガード・ランゲ:「……フン。汚らわしい獣どもめ」
イルムガード・ランゲ:「……威光も何もあったものではないな。だが、手段など問わん……」
イルムガード・ランゲ:「奴らを誅戮するまではな」そのまま、周囲を仰ぎ見る。来ているのは自分だけではないと察する。
ギル:……ゴォン!
ギル:視線を向けた先、上空から巨大な衝撃音と共に金属の翼が落下してくる。
ギル:上空を見上げれば、そこでは今まさに一機の戦闘機が炎上し、バラバラになりながら墜落してくる所だった。
ギル:「はっはっは!フォーウ!」
ギル:そのコックピットから空に向かって勢いよく飛び出す。
ギル:パラシュートは背負っていない。代わりに、炎を背に出来た影を起点に、その体が一気に膨れ上がり
ギル:クレーターを作りながら、黒い鉄巨人となって、滑走路へと降り立つ。
ギル:『おや、以外だな。僕が一番乗りだと思ってたのに』くぐもった声が巨人の内部から聞こえてくる。
ギル:『まさか地元の人じゃないよね。その制服は確か……いや、止めよう』
イルムガード・ランゲ:無言で手を上げて、止める。
イルムガード・ランゲ:「……余計な詮索は身を滅ぼすぞ」
ギル:やれやれと首を振って『そうだね。面倒な交渉はデュバリーにでも任せるよ。とりあえず僕は知り合いと待ち合わせてるだけだから』
ギル:『さ、どうぞ。今のかっこいい行進続けて。大丈夫、ほんとに。邪魔したりしないから』
ギル:手のひら見せて道を行くように促すが
イルムガード・ランゲ:「攻撃――」
ギル:『ちょっとちょっと!?』
GM:イルムガードが手を振り下ろしかけた瞬間、
GM:──ギュ オッ!
GM:突風と共にエンジン音が響き渡る。
ギル:慌てて防御態勢を取りかけ……それに気がついて止めるよ
“ファットマン”:「……」
“ファットマン”:夜闇を照らすのはブースターの炎。鋼の塊のごときオーヴァードが翼を広げ、君達の周囲を旋回する。
“リトルボーイ”:「おーおー、ドイツの芋軍人どもと……そっちは“鉄王”か」
“リトルボーイ”:格納庫から、異様な人影が歩み出てくる。
“リトルボーイ”:全身黒く焼け焦げたケロイド状の皮膚、角と尾を備えた悪魔の如き威容。
“リトルボーイ”:巨大なコンテナを引き摺って、ドイツ軍とギルトレットを眺めまわす。
ギル:『おいおい、また別の国の人?勘弁してよ……。我らがアイギスの精鋭は何処に行っちゃったんだ』
ギル:『少なくともデュバリーとアッシュはもう着いてていいはずなんだけど……まさか久しぶりに会って、よろしくやってるんじゃないだろうな』
“リトルボーイ”:「ぞろぞろ来やがって、好都合だぜ。ぶっ殺し甲斐がある……そうだろ“ファットマン”!」
“ファットマン”:「……」
イルムガード・ランゲ:「……“ファントムベイン”」
イルムガード・ランゲ:「ここで抹殺してやろう。その名前は虫酸が走る」
イルムガード・ランゲ:「亡霊は亡霊らしくあの世へ帰ればいい」
“リトルボーイ”:「ハ!そっちの亡霊はおっ死んだらしいじゃねーか。お前らも仲良く送って……」
“リトルボーイ”:「……オイ!いつまで篭ってんだ“ファズ”!さっさと出て来い!」
“リトルボーイ”:ガンッ!
“リトルボーイ”:巨大なコンテナを蹴り飛ばす。
ギル:『ちょっと、まだ居るの?もう満腹だよ。まあでも……まだデザートでもないんだろうな』
“ファズ”:「ひっ……ひィィッ……」
“ファズ”:コンテナの中から、不健康そうな小柄な影。
“ファズ”:少年とも少女ともつかない容姿。乱れた白髪にぎょろりとした目。全身継ぎ接ぎだらけの、壊れた人形を思わせる姿。
“ファズ”:「い……嫌だぁッ」
“ファズ”:「いっぱいいるよォ……怖いッ!帰らせてよォッ……」
ギル:『あー……そこの可愛らしいお嬢さん。そうそう。そんな男の言う事聞かないですぐに帰ったほうがいい』
ギル:『ああ、まだまだ来るぞ。少なくともあと3……いや、一応デュバリーも怖くていいか。4人は来ることになってる』
イルムガード・ランゲ:「……何だ……こいつは……?」
ギル:『何だって……女の子に向かってそれはないだろう。ドイツでは異性の扱い方習わないの?』
“リトルボーイ”:「おい!落ち着け“ファズ”!深呼吸しろ!なッ!」
“リトルボーイ”:「大丈夫だ!お前は強い!こんな奴ら敵じゃねえよ!そうだろ!」
“ファットマン”:「……」
“リトルボーイ”:「おい“ファットマン”!そんな言い方ねェだろ!」
“ファズ”:「びぃい~~~ッ……何かしら言われたっぽいよォォ……」
“ファズ”:「もう無理……!帰りたいよォォ……」
アッシュ:刹那、上空から蒼い光が降ってくる。
アッシュ:整然と並んだドイツ兵の真ん中に着地したそれは、その一部を吹き飛ばす。
“リトルボーイ”:「うおッ……!?雷か!?」
アッシュ:遅れて、ゴロゴロと獣の唸りに似た音が響く中。少年が立ち上がる。
アッシュ:「ご名答。悪いなギル、ちょっと遅れた」
ギル:『ほんとだよ!アッシュ、君、絶対出てくるタイミング見計らってたよね?』
アッシュ:「まあな。ヒーローってのは登場にこだわるものだろ?」
ギル:『待たされる身にもなってくれよ』
サブGM:吹き飛ばされた兵士たちが不自然に起き上がり、ゴキリ、とその体を元の姿勢に戻す。
サブGM:「ギ……ギィ……」と声にもならないギチギチとした呻きを上げる。
イルムガード・ランゲ:「……ここでは英雄気取りか?アッシュ・ノイ・ジラード」酷薄そうな笑みを湛える。
イルムガード・ランゲ:「国の危機に不在の英雄が、涙ぐましいことだな」
イルムガード・ランゲ:「故国が危機に陥る間、お前は何をしていたんだったかな?なあ、アッシュ・ノイ・ジラード」
アッシュ:「オレがどこで何をしてたか掴めてたら、アンタらにもオレが殺せたろうな」
アッシュ:「残念だな。千載一遇のチャンスを逃したぜ、ドイツ軍」
イルムガード・ランゲ:「遠吠えをよく学んだようで何よりだ」
イルムガード・ランゲ:「二度負ければようやく尻尾を巻くのか?試してみたいところだな」
アッシュ:「自分がそれを成した訳でもないのに、他人が成せたなら自分にも成せると思い込んでる」
アッシュ:「戦場で先に死ぬのはそういうヤツじゃないか?ま、どうせすぐ明らかになることだけど」
ギル:『……君たちにはあれが犬に見えてるんだな。驚いた』
ギル:『僕には戦場で一番恐ろしい、人に見えるけどね』
デュバリー:「……どちらにせよ、仮定の話」
デュバリー:人々の集まり始めるその場に、足音もなく小さな身体が歩いて来る。音を立てていないのは、足が大地に触れる前に、草花が生い茂るためだ。
デュバリー:「もはや"アイギス"に、……私たちの誰にも敗北はない」
デュバリー:「それが許されないのだから、私たちは負けない」
デュバリー:「"始祖"。"船員たち"。あるいはそれ以外の銃を向けてくる全てに、今度こそ後れず対する。この場は、その第一歩になる」
デュバリー:「そしてあなたたちは、足跡の中に収まるの。……アメリカとドイツの方?」
“ファットマン”:「……」
“リトルボーイ”:「おいマジかよ、“死なない女”じゃねーか」
“リトルボーイ”:「死んだって聞いたぜ!?死んでねーじゃねーか!」
“リトルボーイ”:「死なない女だから死なないのか!?つーか死なない男になってんじゃねーか!」
“ファズ”:「どういうことッ……!?怖いよォッ……!」
ギル:『女で通じる見た目じゃないか?まあ確かめてないけど』
デュバリー:「死ねるわけないでしょ。だから死なないの」
デュバリー:「"死なない女"、って、そういうこと。……ってことにしておこう」
アッシュ:「あー……つまり、引き続きレディとして扱うべきってことで良い?」
デュバリー:「一段落したら元に戻すし、少年扱いは今だけかもね。……お好きにどうぞ?」
デュバリー:「どちらであっても、その稲妻は鈍らないでしょ?」
アッシュ:「勿論。キミだって姿が変わろうと腕は鈍ってないだろうしな」
ギル:『デュバリー、そういう声かけ僕にはないの?アッシュも。おーい?』
デュバリー:「今のあなたへの言葉は、今のあなたに直接、声が届くようになったらしてあげる」
デュバリー:「一番変わったからね、ギルくん。話は"鉄王"を脱いでから」
デュバリー:言いながら手にした散弾銃には、真新しい枝葉が絡みついている。
アッシュ:「ま、実際テンションが随分違うよな。能力規模がちょっとでも小さければ中身が別人かと疑ってるくらいには」
アッシュ:「潜伏先で何かあった?いや、何もなかったって言われても信じらんないけど」
ギル:『その話もこれを脱いでからで。話していいか僕だけだと……ね』
トーマス・フレミング:「いやあ頼もしい。じゃあ引き続きあんたらに張るとしようか」
トーマス・フレミング:「盾が前にあると気楽に構えられて何よりだ」長物を片手に構えている。
トーマス・フレミング:リー・エンフィールド。この時代でも既に旧式のボルトアクションライフル。
デュバリー:「情けないこと、と言いたいけど、それを口にすると、情けないのはあなただけにとどまらなくなっちゃうからね」
デュバリー:「精々素敵な槍を見せてもらいましょう」
トーマス・フレミング:「生憎槍に覚えのある騎士じゃなくてね」
トーマス・フレミング:「“トリスタン”だ。御歴々、よろしく頼むぜ」
“リトルボーイ”:「おいおい、騎士サマまでお出ましかよ」
“リトルボーイ”:「裏でコソコソ嗅ぎ回るのが得意な鼠どもが、今更になって猫でも噛むつもりかよ?」
“リトルボーイ”:「鈴付けるだけで満足してりゃいいってのによ……そうだろ“ファットマン”!」
“ファットマン”:「……」
“リトルボーイ”:「そのニヤけた面を……? ……ッ!」
“リトルボーイ”:「やべえッ!伏せろッ!!」
GM:──ゴアッ!!
GM:衝撃波が吹き荒れ、雲を吹き飛ばして一本の槍が飛来する。
GM:それは光を吸い込む黒槍。極限まで圧縮された超重力の塊。
トーマス・フレミング:「槍も得意な方が来た。いや」
トーマス・フレミング:「全部やっちまう方か」
デュバリー:槍の飛来した方角、空を見上げる。星月瞬いているはずの夜空を、その最中の暗黒を。
GM:ゴ バキャキャキャキャキャ!!
GM:滑走路を粉々に粉砕し、一棟の格納庫が一撃で跡形もなく吹き飛ばされる。
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:黒い靄の塊のような、異様な人型。それが上空からゆっくりと降下してくる。
ギル:『……っ!』吹き飛ばされそうに成るのをなんとか堪える
ギル:『……来たか。流石に軽口を叩く気も失せるね』
リッケンバッカー:その姿も表情も伺い知れない。破壊された滑走路に悠然と降り立ち、面々を睥睨する。
イルムガード・ランゲ:「リッケンバッカーだと……!?なぜここに……」
ギル:『理由がわかっても彼は消えない』
“リトルボーイ”:「……やっぱり来やがったか……」
“リトルボーイ”:「おい、“ファズ”!仕事だぞ!」
“ファズ”:「あ……あ……」
ギル:『……?何だ、何をするつもりだ……?』
“ファズ”:“リッケンバッカー”の姿を目にし、ざわざわと白い髪が揺れ、頭を抱えてよろめく。
“ファズ”:肌ごと掻き毟るように眼帯を取り払うと、その下から血で濁った瞳が姿を現す。
“ファズ”:「リッケンバッカー…… ……リッケンバッカァアアァアアッ……!」
“ファズ”:獣のように叫ぶその全身から、“リッケンバッカー”のものによく似たどす黒い重力波が吹き荒れる。
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:その様子を、ただ無言で眺める。
ギル:『……!この力は、クレアの兄弟の……!?いや、下手したらそれ以上の……!』
GM:同時に、地面が揺れる。辺りに立ち並ぶ格納庫が一斉に展開し、また地下から巨大なエレベーターがせりあがってくる。
GM:現れるのは、この荒野には到底似つかわしくない巨大な鋼の塊──軍艦だ。それも無数に。
デュバリー:「……第二始祖"エルドリッジ"……!」
アッシュ:「大物が上がってきたな」 ウキウキとした声音。
GM:その中央の一隻の甲板上、数人の人影がある。
朱劉帆:「おーおーおー!」
朱劉帆:身を乗り出し、楽しげに眼下のオーヴァードたちを見下ろす。
朱劉帆:「ゾロゾロゾロゾロ集まってんじゃねェの!最高だなこいつは!」
イライザ:「……」
イライザ:はしゃいだ様子の朱の隣、凍てつく氷のような瞳でギルトレットを見据える。
F:「……」
F:対象的に無感動な様子で、眼下のオーヴァードを指差し数えている。
デュバリー:目を細め、その女を見上げる。交戦は幾度となくシミュレートしてきた。その時が来たのだ。
朱劉帆:「……ガキがいねえな。死んだか?」
ギル:『……ルカとクレアはまだ?』
ギル:『向こうはこれ以上待ってくれなさそうだぞ』
アッシュ:「まさか。きっと乗る路線でも間違えたんだろ」
ロバート・クロムウェル:「やはり来ましたか、アイギス」
ロバート・クロムウェル:六本指の男が、薄ら笑いと共に君達を見る。
ロバート・クロムウェル:「それにドイツ……“リッケンバッカー”も」
ロバート・クロムウェル:「問題ありませんね。それでは手筈通りに」パシ、と掌を合わせ
ロバート・クロムウェル:「全てここで処理してください」
GM:第一始祖αのものとも異なる、異質で圧倒的な《ワーディング》。それが展開されると同時──
ロバート・クロムウェル:「……」
ロバート・クロムウェル:不敵な笑みを残し、クロムウェルは甲板上の洋椅子で意識を失う。
F:「……了解」ゲートが展開され、その姿がどこかへと掻き消える。
サブGM:同時に、唸り声――ではない。機械の軋むような音色。
サブGM:それらが艦隊の中心、比較的小さな一隻の船から放たれる。
ギル:『この音は……?』
サブGM:キャノン級護衛駆逐艦――艦隊旗艦”エルドリッジ”。
サブGM:その音に呼応するように、ドイツ軍の半分の兵士たちが急に動き出す。
サブGM:残り半分へと襲いかかる。
イルムガード・ランゲ:「何……!?」
イルムガード・ランゲ:「なんだ……どうなっている!?」
トーマス・フレミング:「おい!ドイツ軍人さん!お前らそいつらをどうやって制御してる!」
イルムガード・ランゲ:「どうって……こいつらジャームどもは電極で……」
トーマス・フレミング:「……こうなるならあんたらにも言っときゃよかったよ」
“リトルボーイ”:「真っ先に情報握って動いたまでは良かったが、こっちの能力までは知らなかったらしいな」
ギル:『くっ……!まずい。ジャームたちまで加わったら、いくら何でも数が多すぎる。エミリアがこの基地の何処に居るかも分かってないんだぞ』
“リトルボーイ”:「……っと、何だ?」
GM:先程のものよりも強い揺れ。地震──ではない。
GM:何か巨大なものが、土の下から近付いてくる。
GM:破壊された滑走路から、間欠泉のように黒いものが噴き上がる。
GM:地面で跳ね回るそれは、夥しい数の毒虫の集合体だ。
デュバリー:顔をしかめる 「何……!?」
デュバリー:「この感じ……ただの虫やオーヴァードじゃない……ものすごく、気持ち悪い」
アッシュ:「趣味の悪いペット飼ってるんだな、随分と」
ギル:『もう滅茶苦茶だ。エミリアは、彼女は無事なのか……?』
GM:やがて、激しい揺れと共に巨大な影が地面を突き破る。
“ヨモツシコメ”:「ぎ ぃいいぃいいあぁああああああああッ……」
“ヨモツシコメ”:それは果てしなく巨大な、一匹の百足だ。
“ヨモツシコメ”:天を衝くほどの巨躯に、無数の脚を蠢かせて月に吼える。
デュバリー:「……“荒御魂”!」
アッシュ:「そういや日本も来てるんだったか。悪いな、冤罪だった」
朱劉帆:「ンだよありゃ、キメ~」
“ヨモツシコメ”:その全身は著しく腐敗し、引っ切り無しに毒の体液と無数の毒虫を垂れ流している。
“ヨモツシコメ”:常人ならば近寄っただけで肺から毒が回り即死するだろう。
ルカ:常人ならば。
ルカ:濁った体液を飛び散らすようにしながら、巨大な身体の上を走る一台のバイクがある。
ルカ:「いろいろ来てやがる。おれ達がビリっけつってか…、クレア」
クレア:「そのようだな……まあ、間に合いはした。問題ないさ」
ルカ:「んで、それ」バックミラー越し、後方に座る彼を一瞥する。
ルカ:「ぶつけんの?」
クレア:「この有様だからな。多少は派手にしないと気づいてもらえなそうだ」
クレア:緩慢に波打つ大百足の背に、小さな轍が刻まれていく。ルカの後ろで銃を構え、その跡に銃口を向ける。
クレア:絶え間なく響く銃声と共に、バイクは全速力で百足の頭頂部へと駆け上がる。
ルカ:視線の先、滑空路に、夜空よりも真黒い人影が見えている。それを目指すように。
“ヨモツシコメ”:自らの上を走る異物を振り払わんとするように、大百足が身を捩る。
クレア:ショットガンの銃弾は、毒虫を撒き散らしながら、百足の甲殻に僅かにめり込むことしか出来ない、しかし……
クレア:「合図で飛べ。3、2……」
クレア:ゼロ、と口にすると同時に、打ち込まれた銃弾が一斉に爆発する。
ルカ:アクセルを一気に開く。急加速。爆風に乗って、車体が空中を舞う。
ルカ:「っ……」
ルカ:長いブレーキ痕をコンクリートに刻みながら、横滑りして滑走路に着地する。
クレア:モルフェウス能力によって変性させた炸裂弾。一発一発がC4爆薬10kg相当の威力を有してはいたが
“ヨモツシコメ”:毒虫と体液が吹き飛ばされるが、本体はまるでびくともしていない。怒りに甲高い上げる。
クレア:「駄目か……本当に花火にしかならなかった」
朱劉帆:「ハハッ」その姿に笑みを浮かべる
朱劉帆:「ちゃんと死にに来たか、クソガキ」
ギル:『……!ルカ、クレア!』
クレア:「すまないみんな。遅くなった」
デュバリー:「パーティーに間に合ってくれてよかった。料理、結構な量あるから」
アッシュ:「ギリギリ遅刻は免れたな。丁度始めるとこだ」
ギル:『久しぶりの再会だが……見ての通りゆっくり話してる暇は無い』
ギル:『二人共、行けるな?』
ギル:『世界最強を超えて、僕たちの仲間を取り戻す』
ルカ:「それはどうも。ああ、いつでもいける」
:その時、君達のすぐ近くの空間に《ゲート》が開き、一人の女が姿を現す。
:君達の姿を眺め、ひとつ頷く。「全員、揃っているな」
ギル:『いや、舞。一人欠けてる。だろ?』とルカに視線を送る
ルカ:「…うるせ」眉を寄せる。
ルカ:「そうだよ、揃ってる。あいつ以外は」
:頷き「皆よくここまで来てくれた。労ってやりたいところだが、それは後にしよう」
:「アイギスはこれより行動を開始する。作戦目標は第二始祖の打倒、及びアイギスメンバー、エミリアの奪還」
:「諸君らの奮闘に期待する」
GM:ぺた、ぺた、と小さな足音。
GM:一触即発の戦場に、一人の少女が姿を現す。
エミリア:「……」
エミリア:瞳は虚ろで、表情は無い。素足でアスファルトの上を歩き、きょろきょろと周囲を見回している。
ルカ:「…っ、エミリア!」
ギル:『待て、ルカ。様子が……』
エミリア:「?」
エミリア:小首を傾げ、その場に座り込む。
“リトルボーイ”:「あれが例の隠し玉か。ナマで見んのは初めてだな」
リッケンバッカー:「……」
ルカ:「……」 苦虫を嚙み潰したような顔でそれを見る。
エミリア:服の裾からクレヨンを取り出したと思うと、それを握り締め、がりがりとアスファルトに絵を描き始める。
エミリア:拙い指使い、子供のような絵を一心不乱に描き──
エミリア:同時、その身体から凄まじいレネゲイドが解き放たれる。
エミリア:第二始祖と共鳴するかのような《ワーディング》。
エミリア:君達の周囲、戦場にどの言語でもない小さな囁きが満ち、実体の無い花が咲き乱れる。空想上の小動物が地を駆け、微光を放つ小鳥が夜空を舞い始める。
エミリア:白昼夢でも見ている、あるいは麻薬でも使ったかのような、異常な光景。
ギル:『……!?現実を改変するほどの……!?なんて出力だ……!こんな物を放ち続けていたら、エミリアの体が……』
ギル:いや、もしかしたら、彼女はもう……。そんな言葉が出かかるよ。
“ファットマン”:「……なんだよ、こりゃ……!?」
クレア:「"α"の時と同じ力……?いや、だがこれは……」
:「……ルカ」声を掛ける
ルカ:「なに」視線を向ける。
:「あれを止められるとすれば、恐らくお前しかいない」
:「根拠も何も無い、ただの賭けでしかないが……」
:「やる気はあるか」
ルカ:「…ここにいるんだ」
ルカ:「今更だ。そういうの」
:「そうか」
:「全員聞いたな」残りのメンバーに顔を向け
:「我々でルカを支援し、エミリアとの接触を図る」
:「異論のある者は」
クレア:「問題ない」視界の端に佇む黒い影を見つめながら。
ギル:『復帰後初の仕事だ。失敗するわけには行かないね』
クレア:「背中は預かろう。誰が相手でもな」
デュバリー:「片手分だけ手を貸してあげる。ちゃんとやるんだよ」
ルカ:「ん…」むず痒そうな顔で微かに頷く。
アッシュ:「元々全力で暴れる気で来てる。それがどれだけ支援に繋がるかは戦況次第だろうけどな」
ルカ:そして、そのまま視線を最後の一人に向ける。
アッシュ:「だから、そうだな」 その視線を受け止めて。
アッシュ:「道は作る。死ぬ気で走れよ、ルカ」
アッシュ:そう不敵に笑いながら、彼の背を叩く。
ルカ:「…あんたにそこまでしてもらえるなら…」
ルカ:「ああ。失敗するワケにはいかないな」
GM:駆逐艦エルドリッジとエミリア。第二始祖と第三始祖のワーディングがぶつかり合い、壮絶なレネゲイドの嵐が吹き荒れる。
GM:衝動判定、難易度9です。
ギル:10DX+5
DoubleCross : (10DX10+5) → 10[1,1,1,4,5,7,7,7,8,10]+4[4]+5 → 19

ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を2d10(→ 19)増加 (83 → 102)
クレア:2dx+4>=9
DoubleCross : (2DX10+4>=9) → 8[7,8]+4 → 12 → 成功

ギル:増えすぎ
デュバリー:5dx+1=>9
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 10[1,2,3,5,10]+9[9]+1 → 20 → 成功

アッシュ:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 6[1,5,6,6] → 6 → 失敗

デュバリー:2d10
DoubleCross : (2D10) → 6[2,4] → 6

クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を2d10(→ 15)増加 (69 → 84)
ルカ:2dx+3>=9
DoubleCross : (2DX10+3>=9) → 9[6,9]+3 → 12 → 成功

デュバリー:デュバリーの侵蝕率を6(→ 6)増加 (73 → 79)
ルカ:ルカの侵蝕率を2d10(→ 12)増加 (74 → 86)
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を2d10(→ 14)増加 (78 → 92)
ギル:完全にやられとるな
ルカ:ギル君19も増えてる
GM:やばすぎ
ギル:元々高いのに~
GM:まずエンゲージはこちらです
エンゲージ



イルムガード/電極ジャーム/ヴリルジャーム -5m- ファットマン/リトルボーイ/ファズ -5m- ヨモツシコメ 

←5m→
|
             PC -5m- リッケンバッカー 
|
←5m→

朱/イライザ/F -5m- 艦隊 -5m- エミリア



GM:ごちゃごちゃしてますが、要するにどこに行くのも5mということですね
GM:また、エネミー達はそれぞれの目的に沿った攻撃対象をある程度ランダムに攻撃します。
GM:一勢力だけを先に倒すと不利になる可能性があるので注意してください

勝利条件……第二始祖エルドリッジを倒す、第三始祖エミリアの暴走を停止させる

バウンティ
・エミリアの暴走を停止させる……10点
・3ラウンド以内に戦闘終了……10点
・全員バックトラックに成功する……10点


判定:【エミリアの暴走を止める】
エンゲージして〈芸術:絵画〉判定することにより暴走を停止させることが出来る。 
難易度は50。難易度は[キャンペーンにおいてエミリアにロイスを結んだ回数×-10]される。


GM:質問などありますか?
デュバリー:勝利条件2つありますけど、片方? 両方?
GM:両方ですね!
デュバリー:あーい
アッシュ:エネミーたちのそれぞれの目的やそれによる目標の選定基準については文章で提示して貰えたりします?
ギル:どっかに貼ってなかったっけ
GM:情報収集の通りですね
クレア:目的は書いてたね
アッシュ:あ、なるほど
GM:そうだ NPCカードが使用可能です

“سهم فضي”ハミース・アル・フサイニー
・判定ダイスを+5個か-5個し、その判定に対するリアクションダイスを+5個か-5個。ラウンド1回

“トリスタン” トーマス・フレミング
・範囲(選択)の行動値を-5。ラウンド1回


GM:大丈夫そうかな?
ルカ:大丈夫!
アッシュ:恐らく大丈夫!
クレア:OK!
ギル:は~い

GM:クライマックス戦闘を開始します。

GM:ラウンド1
GM:セットアップから!
“ファズ”:《戦いの予感》LV6 行動値+60
ルカ:ありません~
クレア:《剣の王城》LV5 シーン中、日本刀を5本入手。モルフェウスのエフェクトを組み合わせた攻撃の攻撃力+10
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4(→ 4)増加 (84 → 88)
ギル:何もなす!
リッケンバッカー:《小さき魔眼》LV8+《虚無の城壁》LV6+《赤方偏移世界》LV8+《果てなき先駆》LV6+《解放の宴》LV6+《爆裂重力》LV13
リッケンバッカー:ラウンド間ダイス+5個、攻撃力+16、ガード値+18、行動値+21、戦闘移動距離+10m、飛行状態、攻撃力+260(ダメージで解除)
デュバリー:相変わらず狂ってやがる
ギル:260私もほしい
デュバリー:《加速装置》。行動値+8
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (79 → 81)
イライザ:《原初の黄:得意領域》Lv4《氷の城塞》Lv4。
イライザ:ラウンド間のRCダイスを+4個し、移動しなければHPダメージを12軽減。
朱劉帆:《アクセル》LV6 行動値+12
アッシュ:起動で100超えるのでLever l'ancre:加速装置Lv4+ヴァジュラLv4&背徳の理Lv4+喰らわれし贄Lv4+巨人の影Lv1
アッシュ:→行動値12、攻撃力+24、変異暴走、判定D+8、ライトニングリンクのLv+2、侵蝕値+12
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を12(→ 12)増加 (92 → 104)
イルムガード・ランゲ:《波紋の城塞》Lv4
イルムガード・ランゲ:移動しない限り、範囲選択の装甲値+12。自分とヴリルジャームを対象。
F:《原初の黄:クイックダッシュ》Lv3
F:《縮地》Lv6を組み合わせます。100m後方へ後退。
サブGM:ドイツジャーム、ヨモツシコメはなし。
サブGM:エミリアは《オーバーアクセル》Lv2。
サブGM:行動値を+4して暴走状態に。
ルカ:エミリアがエフェクトを…!
サブGM:暴走状態で発動する常時エフェクトがあります。
サブGM:《ミラーパレス》Lv100。
サブGM:自分を対象に含む攻撃のダイスを-200個。
サブGM:で えーっとあとは……
第二始祖エルドリッジ:本体以外の艦隊全てが《融合》を宣言。
第二始祖エルドリッジ:第二始祖に融合し、エフェクトを共有し行動済みに。
サブGM:第二始祖に渡すエフェクトを開示します。
第二始祖エルドリッジ:レキシントン級航空母艦サラトガが《アタックプログラム》Lv2《リペアウーンズ》Lv2
第二始祖エルドリッジ:ワイオミング級戦艦アーカンソーが《雷光撃》Lv2《電磁反応装甲》Lv2
第二始祖エルドリッジ:マハン級駆逐艦ラムソンが《デモンズウェブ》LV2
第二始祖エルドリッジ:シムス級駆逐艦アンダーソンが《電磁バリア》LV2 ※艦隊複数体攻撃にのみ使用。
第二始祖エルドリッジ:バラオ級潜水艦パイロットフィッシュが《スパークウェッジ》Lv2
第二始祖エルドリッジ:バラオ級潜水艦アポゴンが《加速装置》Lv2
第二始祖エルドリッジ:手に入れた《加速装置》を、LV99として即座に使用。
デュバリー:ン!?
アッシュ:何で99に!?
ルカ:なんで~?
ギル:100じゃないんだ
第二始祖エルドリッジ:行動値を+396します。
サブGM:”エルドリッジ”は下記のEロイスを保有しています。

Eロイス「始祖II」
└このエネミーはエフェクト取得時、現在レベルと最大レベルを「99」まで上昇できる。
 このEロイスは5個分としてカウントする。


サブGM:よろしくおねがいします。
アッシュ:よろしくではないですが……
ルカ:αも持ってたやつだ
クレア:よろしくしないで
ルカ:オート《異世界の因子》を使用。《戦いの予感》をコピーします。
ルカ:そしてこのタイミングで《戦いの予感》をレベル1で使用。行動値+10し、16になります。
ルカ:ルカの侵蝕率を7(→ 7)増加 (86 → 93)

エミリア:「……♪」
エミリア:嵐のようなレネゲイドの只中、アスファルトに座り込んで一心不乱に絵を描き続ける。
エミリア:光と影が歪み、獣の声や音楽が響く中、エミリアの存在自体が徐々に希薄なものとなっていく。
GM:同時に、ドイツ軍のジャームの動きに異常が起きる。
GM:エミリアの──第三始祖のジャーム操作能力。
GM:そのレネゲイドを宿したジャームたちが、指示に逆らって動き始める。
イルムガード・ランゲ:「馬鹿な……なんだ!?」
イルムガード・ランゲ:「こいつらに電極は……」
イルムガード・ランゲ:「私のヴリルパワーで制御しているんだぞ……それを上回るというのか……!」
第二始祖エルドリッジ:耳障りな電磁波の音が響く。
第二始祖エルドリッジ:中央の小さな駆逐艦から、周囲へと、白い電流の糸のようなものが放射される
第二始祖エルドリッジ:それらが艦隊同士を結び、浮上する。
第二始祖エルドリッジ:一つの要塞塊となったかのように、宙空で静止。
第二始祖エルドリッジ:砲門を全方位へと向ける。
ロバート・クロムウェル:『エルドリッジの能力は──』
ロバート・クロムウェル:甲板上で意識を失ったはずのクロムウェルの声が響く。
ロバート・クロムウェル:『人類の進歩と共にその力を増す』
ロバート・クロムウェル:『数年後には我々アメリカ主導のもと、世界全土を電子の網が覆い尽くすでしょう』
ロバート・クロムウェル:『そうなった時、我々アメリカに敵は無くなる』
ロバート・クロムウェル:『最も、ここで消えるさだめの貴方がたには、関係のないことですが』

GM:行動値403 エルドリッジの手番です
GM:その前に
第二始祖エルドリッジ:なんだと
リッケンバッカー:《時間凍結》
リッケンバッカー:行動します
リッケンバッカー:マイナー 《ダークマター》LV6+《過剰収縮》LV8+《重力の沼》LV6+《盾なる力場》LV8+《魔眼槍》LV8+《斥力跳躍》LV8
リッケンバッカー:メジャーダイス-2 メインプロセス間、同エンゲージ対象のリアクションC値+1 戦闘移動可能、距離+16m ガード値21の武器、攻撃力15命中-4ダメージで硬直付与の武器作成
リッケンバッカー:メジャー 《コンセントレイト:バロール》LV4+《黒星の門》LV6+《瞬速の刃》LV6+《暗黒の槍》LV6+《巨人の斧》LV6+ 《魔人の弩》LV6+《魔王の理》LV8+《斥力の槌》LV8+《魔王の腕》LV1+《魔神の心臓》LV6+《黒の咆哮》LV6+《因果歪曲》LV6
リッケンバッカー:エルドリッジの艦隊に範囲攻撃
第二始祖エルドリッジ:《守護者の巨壁》Lv4を宣言。
第二始祖エルドリッジ:エルドリッジ本体への単体攻撃に変更します。
リッケンバッカー:なんだとぉ……
リッケンバッカー:31DX7+11
DoubleCross : (31DX7+11) → 10[1,1,1,1,2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,5,5,5,7,7,7,7,8,8,9,9,10,10]+10[1,2,3,3,4,6,7,7,9,10]+10[5,9,9,10]+6[2,5,6]+11 → 47

リッケンバッカー:装甲無視 命中で硬直付与、ラウンド間判定ダイス-18(マイナー使用で解除) ダメージで硬直付与
第二始祖エルドリッジ:ガード。
リッケンバッカー:5D10+16+15+32+18+18+10+24+260
DoubleCross : (5D10+16+15+32+18+18+10+24+260) → 29[5,8,3,4,9]+16+15+32+18+18+10+24+260 → 422

サブGM:C(422/20)
DoubleCross : c(422/20) → 21

第二始祖エルドリッジ:《電磁反応装甲》Lv99を22回使用します。
第二始祖エルドリッジ:440点軽減。残り77回になりました。

リッケンバッカー:“リッケンバッカー”の周囲に、極限圧縮された重力槍が複数展開。
リッケンバッカー:その場に存在しているだけで気流が乱れ、大気が鳴動を始める程の、超絶のエネルギー体。
リッケンバッカー:その切っ先がエルドリッジの『艦隊』に向けられ──
リッケンバッカー:ガ オ ン!!
リッケンバッカー:凄まじい不協和音、衝撃波と共に解き放たれる。
第二始祖エルドリッジ:電子機器を自在に操る始祖であるそれは、それ自体が巨大な複数の演算脳である。
第二始祖エルドリッジ:高度にリンクした砲撃の嵐。飛来した槍を的確に逸らし切る。
第二始祖エルドリッジ:演算により制御された、複数艦艇による超連携の迎撃システム。
第二始祖エルドリッジ:それはあるいは、異なる歴史を辿った世界であれば。
第二始祖エルドリッジ神の盾イージスの名前で呼ばれたであろうもの。
ロバート・クロムウェル:『流石はかの“リッケンバッカー”。ですが』
ロバート・クロムウェル:『所詮は個人の力に過ぎません』
ロバート・クロムウェル:『我々“合衆国”には敵わない』

GM:行動値403 エルドリッジの手番です
第二始祖エルドリッジ:今度こそ……
第二始祖エルドリッジ:マイナーで魔神の心臓の効果を解除
第二始祖エルドリッジ:メジャー《アタックプログラム》Lv30《雷光撃》Lv99《スパークウェッジ》Lv10《オールレンジ》LV10《異形の祭典》LV10
第二始祖エルドリッジ:使用武器は大口径機関砲です。ガードを無視する。
第二始祖エルドリッジ:11体対象。命中した場合、エルドリッジ本体以外を攻撃すると30ダメージ。
サブGM:ヨモツシコメ,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリーを攻撃。
ギル:ランダムじゃないのかよ~
デュバリー:ギャー!
サブGM:敵全員狙えるし……
アッシュ:確定なんだ
ルカ:うそー!!
クレア:やめろー!
ギル:時の棺しろリっちゃん!
リッケンバッカー:しません
デュバリー:クソーッ
クレア:貴様ー!
ルカ:ヤダーッ
ギル:私達家族を見捨てるっていうの~!?
アッシュ:まとめて殺される~!
第二始祖エルドリッジ:19dx+91
DoubleCross : (19DX10+91) → 10[1,1,2,3,4,4,4,5,6,7,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[9,10,10]+7[3,7]+91 → 118

ギル:おいデュバリー、避けろよ!
デュバリー:ムチャを言うな
ルカ:DVじゃん
リッケンバッカー:ガード無効なのでドッジ
リッケンバッカー:20DX>=118
DoubleCross : (20DX10>=118) → 10[1,2,3,3,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6,7,8,9,10,10,10]+8[2,8,8] → 18 → 失敗

ギル:う~ん特に何も出来ないよな
デュバリー:3dx+1=>118 素ドッジ
DoubleCross : (3DX10+1>=118) → 7[1,6,7]+1 → 8 → 失敗

ヨモツシコメ:14dx>=118 ドッジ
DoubleCross : (14DX10>=118) → 10[1,3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,9,10,10]+6[6,6] → 16 → 失敗

ギル:雷光撃が攻撃+だもんね
クレア:3dx+1>=118
DoubleCross : (3DX10+1>=118) → 2[1,1,2]+1 → 3 → 失敗

アッシュ:今回からドッジが出来るぜ 一応やる
アッシュ:1dx>=118
DoubleCross : (1DX10>=118) → 9[9] → 9 → 失敗

ルカ:7dx>=118 ドッジ
DoubleCross : (7DX10>=118) → 8[1,1,4,5,7,7,8] → 8 → 失敗

イルムガード・ランゲ:8dx+4>=118 ドッジ
DoubleCross : (8DX10+4>=118) → 10[1,2,2,4,7,7,9,10]+4[4]+4 → 18 → 失敗

ギル:ドッジするか~
ギル:4DX
DoubleCross : (4DX10) → 10[1,2,7,10]+1[1] → 11

ギル:(ヾノ・∀・`)ムリムリ
デュバリー:《マグネットフォース》。ギルくんをカバーリングします。
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (81 → 83)
ギル:ホホホ、すまないねぇ……
ルカ:《崩れずの群れ》。クレアくんをカバーリングします。
ルカ:ルカの侵蝕率を2(→ 2)増加 (93 → 95)
クレア:たすかるぜ…
第二始祖エルドリッジ:12d10+219 装甲有効
DoubleCross : (12D10+219) → 71[7,1,1,3,7,3,3,8,10,10,8,10]+219 → 290

リッケンバッカー:《黒星招来》LV1 自身へのダメージを0に
クレア:ずっる
ギル:ジャーム化しちまうぞそんなもん食ったら!
ルカ:時の棺ちょうだいよ!
ヨモツシコメ:まだ生きてます
アッシュ:これがあるから棺せんかったのか……
ルカ:死にます リザレクト!
デュバリー:生きてんのかよ
アッシュ:こっちは師匠へのロイスを切って復活で
ルカ:1d10
DoubleCross : (1D10) → 6

デュバリー:リザレクト
イルムガード・ランゲ:《刹那の勝機》Lv2 ダメージ0に シナリオ1回
ルカ:ルカの侵蝕率を6(→ 6)増加 (95 → 101)
デュバリー:1d10
DoubleCross : (1D10) → 3

デュバリー:デュバリーの侵蝕率を3(→ 3)増加 (83 → 86)
デュバリー:デュバリーのHPを3(→ 3)に変更 (26 → 3)
イルムガード・ランゲ:切り札もうないなった……
ルカ:HP6になりました
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードのHPを13(→ 13)に変更 (29 → 13)

第二始祖エルドリッジ:その高度に連携した砲撃能力は、必然。
第二始祖エルドリッジ:防御のみにとどまるものではない。
第二始祖エルドリッジ:高みから見下ろしたそれは、眼下の敵の動きをつぶさに捉える。
第二始祖エルドリッジ:上空からの絶え間ない飽和砲撃。逃げ場を奪い、とどめの過剰火力を着実に着弾させる。
リッケンバッカー:「……」砲撃の嵐の中、平然と立っている。圧縮重力の鎧は、何者をも通さない。
デュバリー:足元より即座に成長させた樹の壁で、ギルくんを覆って飽和砲撃を凌ぎ、さらにその足元を空洞化することで崩落させ、本命の一撃より守る。
ギル:『流石の僕でも、これは……っと!?』
デュバリー:が、自身の身は守らない。今立ち位置を動かしたくはなかった。この場でエミリアを最速で抑えるためには、自分が敵を抑える必要がある。
ギル:デュバリーの防御を超えた攻撃を装甲が弾きながら『助かるよデュバリー。まだここで消耗したくないからね』
デュバリー:「……ん。そのぶん働いてもらうからね」
ギル:『あれを見せられた後だとハードルが高いけど……そうも言ってられないな』
ルカ:「どいてろっ」前に出て右腕を掲げる。羽根めいた多重装甲が展開され、クレアくんを覆うように砲撃から庇う。
クレア:頬の煤を拭う。「今日は世話になりっぱなしだな。ルカ」
ルカ:デュバリーとギルの方を一瞥。「あんたもあんたの仕事があるんだろ。お互い様」
クレア:「ああ、任せておけ」この規模の相手に有効打を与える見込みが最もあるのはギルだろう。そして自分の役目もまた、そこにある。
イルムガード・ランゲ:「ガッ……ハァ、ハァ……!」一瞬だけの、地底世界アガルタへの相転移。
イルムガード・ランゲ:辛くも凌いだが、ヴリルパワーを大幅に消耗している。
アッシュ:降り注ぐ砲撃を前に、回避行動はとらない。それより早く全身を影が包む。
アッシュ:それは装甲ではあるが、弾を弾かない。むしろ触れたそれらを飲み込むように受け止める。
アッシュ:呑み込み溜め込んだそれらを上空へと投げ返すことで、トドメの筈の過剰火力を再生可能な領域へと引きずりおろした。
アッシュ:「ただ受けるにもやり方がある、ね」 久々の稽古での師の言葉を口ずさんだ口元が、ふっと緩んだ。

GM:行動値84 “ファズ”の手番です
“ファズ”:メジャー 《黒星粉砕》LV8
“ファズ”:対象リッケンバッカー。判定無しでダメージ
“ファズ”:13D10
DoubleCross : (13D10) → 78[9,9,5,8,6,9,4,2,3,9,9,2,3] → 78

リッケンバッカー:生きていますが、ダメージを受けて《爆裂重力》LV13が解除されます

“ファズ”:「ぎぃいいぃいいっ……!うぁあああぁああああッ!!」
“ファズ”:「リッケンバッカー……!!リッケンバッカァァアアァアアアアッ!!」
“ファズ”:狂気と憎悪の叫びと共に身体を掻き毟る。見開かれた片目は真っ赤に染まっている。
“ファズ”:それは文字通りの“魔眼”だ。リッケンバッカーの細胞から培養し、植え付けられたもの。
“ファズ”:真紅の瞳から超絶の重力が発生する。それはリッケンバッカーと同質のものであり──
“ファズ”:彼の能力を中和して、無理矢理に皮を剥ぐが如く、重力の鎧が引き裂かれる。
リッケンバッカー:「があぁあっ……!?」
クレア:「あの力、まさか……」
デュバリー:(リッケンバッカーが……防御を剥がされてる)
“リトルボーイ”:「いいぞ!やっちまえ“ファズ”!」
“ファズ”:「カハッ……!ひははっ……!」
GM:“ファズ”の歪んだ笑みと共に、エルドリッジの艦隊から数発の地対空ミサイルが放たれる。
GM:それらは狙いを過たず防御を剥がされた“リッケンバッカー”を捉え、大爆発を起こす。
リッケンバッカー:「ぐ、あぁぁあああッ!!」
クレア:「……っ!」
ギル:『あのリッケンバッカーが押されているのか……!?』
GM:苦悶の声。それは単なるミサイルではない。
GM:吹き荒ぶ黒煙や火の粉、それに少し触れるだけで、君達の身体に蝕まれるような痛みや脱力感が襲ってくる。
GM:レネゲイドを害するレネゲイド──対抗種と呼ばれる特殊なウィルスを弾頭に仕込んだ、オーヴァードを殺す為の兵器。
クレア:「アップル・ディスコルディア……」口元を抑えながら忌々しげに呟く
ギル:『カウンターレネゲイドウェポン、アメリカは完成させていたのか!』
アッシュ:「オーヴァード排斥って言いながらここまでオーヴァードにずっぷりだといっそ笑えてくるな」
ギル:『不味いぞ、あの弾頭を直接食らったんだ、いくらリッケンバッカーといえど……』
クレア:「……ふざけるな」
クレア:未だ黒煙の晴れない空中へ向けて声を上げる。
クレア:「こんな所で……この程度で!死ぬつもりじゃないだろうな!リッケンバッカー!!」
GM:──アメリカは長年、『“リッケンバッカー”を越えるオーヴァード』を追い求めていた。
GM:だが“アップルシード”を始めとする複数の計画が失敗に終わり、彼らは考えを変えた。
GM:“リッケンバッカー”は確かに最強のオーヴァードだが、所詮彼は彼一人だけだ。並ぶものは他に居ない。
GM:ならば、彼さえ殺してしまえば他に問題はない。
GM:『“リッケンバッカー”を越えるオーヴァード』は不可能でも、『“リッケンバッカー”を倒すオーヴァード』なら可能だ。
GM:そうして生まれたのが“ファズ”だ。アメリカの──“船員たち”の生み出した、英雄殺しの怪物。
“ファズ”:「ハハッ……!ウフフフッ……!死んだ……!リッケンバッカーが死んだよ……!」
リッケンバッカー:黒煙が晴れると共に、男の姿が露わになる。重力の防御を剥がされ、全身血に塗れた姿が。
リッケンバッカー:「……嘗めるなよ」
リッケンバッカー:その闘志には、微塵の揺るぎも無い。
リッケンバッカー:「俺を誰だと思ってる」

GM:行動値60、リッケンバッカーの手番です
リッケンバッカー:メジャー 《コンセントレイト:バロール》LV4+《黒星の門》LV6+《瞬速の刃》LV6+《暗黒の槍》LV6+《巨人の斧》LV6+ 《魔人の弩》LV6+《魔王の理》LV8+《魔王の腕》LV1+《魔神の心臓》LV6+《黒の咆哮》LV6+《魔弾の射手》LV6
リッケンバッカー:装甲無視 命中で硬直付与、ラウンド間判定ダイス-18(マイナー使用で解除) ダメージで硬直付与
リッケンバッカー:+《因果歪曲》LV6+《パラドックス》LV1
リッケンバッカー:対象はエルドリッジ、ファズ、Elektrode Keims、ヨモツシコメ、クレア
リッケンバッカー:31DX7+11
DoubleCross : (31DX7+11) → 10[1,2,2,2,3,3,3,4,4,4,5,5,5,6,6,6,7,7,7,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10]+10[1,1,2,2,2,2,3,3,4,5,7,8,9,9,10]+10[3,8,9,10,10]+5[1,2,4,5]+11 → 46

クレア:3dx+1>=46 ドッジ
DoubleCross : (3DX10+1>=46) → 8[4,6,8]+1 → 9 → 失敗

第二始祖エルドリッジ:ガード
サブGM:電極ジャームはドッジ。
サブGM:8dx+2>=46
DoubleCross : (8DX10+2>=46) → 10[3,3,3,5,5,6,9,10]+6[6]+2 → 18 → 失敗

デュバリー:ちょいまち
デュバリー:リッケンバッカーの攻撃に《スモールワールド》。達成値を-10します。
クレア:デュバ!
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を7(→ 7)増加 (86 → 93)
デュバリー:この場ではここまで。ドッジなさい。
ヨモツシコメ:あたしがんばるね
デュバリー:帰れ!
ヨモツシコメ:14dx>=36
DoubleCross : (14DX10>=36) → 10[2,2,4,4,5,6,6,6,7,8,8,8,9,10]+9[9] → 19 → 失敗

ルカ:そこそこがんばってる
GM:オラッ助けたらんかい!
クレア:助けて~
デュバリー:お前は死ね!
デュバリー:クレアくんは助けちゃう~♡
デュバリー:のでドッジしてね♡ 失敗したら代行するからね♡
GM:してるぜ
クレア:あっもうしてる!一番上!
デュバリー:してた ごめんね。《運命の切り替え》!
デュバリー:6dx+25=>36
DoubleCross : (6DX10+25>=36) → 9[2,4,5,8,8,9]+25 → 34 → 失敗

GM:ワハハ
デュバリー:《妖精の手》。ダイスを10にする。
ギル:デュバ~
クレア:デュバ…!
ルカ:デュバ…!
デュバリー:1dx+35
DoubleCross : (1DX10+35) → 3[3]+35 → 38

デュバリー:ドッジ成功。
ルカ:避けたデュバ~!
クレア:ぴったりマン
リッケンバッカー:《グラビティバインド》LV6 判定達成値-18
デュバリー:アーーー!!
ルカ:まってね
クレア:おふざけ木こりマンがよ…
“ファズ”:《デビルストリング》LV6
“ファズ”:打ち消します
デュバリー:知らんガキ!
クレア:ファズくん!?
デュバリー:ありがとう!
ルカ:あっファズち!
ギル:ブラコン……か
リッケンバッカー:ダメージ
リッケンバッカー:4D10+16+15+32+18+18+10+24
DoubleCross : (4D10+16+15+32+18+18+10+24) → 27[6,7,5,9]+16+15+32+18+18+10+24 → 160

デュバリー:デュバリーの侵蝕率を7(→ 7)増加 (93 → 100)
クレア:当たっていたら危なかったぜ
第二始祖エルドリッジ:《電磁反応装甲》Lv99を8回使用。
第二始祖エルドリッジ:残り69回。
ヨモツシコメ:ヨモ……死ぬでヨモ
ヨモツシコメ:《不死不滅》Lv6
ヨモツシコメ:《王者の血》+「超越活性」*2 Lv11により、HP93点で復活。
サブGM:電極ジャームは一撃で死にます。
GM:死んだぜ
エミリア:《奇跡の雫》Lv20
エミリア:HP100でジャームを復活させます。

リッケンバッカー:巨躯からぼたぼたと夥しい血を流し、よろめきながらもその場に立っている。
リッケンバッカー:「この程度……“リッケンバッカー”を倒すつもりか?」
リッケンバッカー:「このくらいのこと……今までに何度もあった」
リッケンバッカー:周囲に重力が渦巻き、光を吸い込む剣が次々に形成されていく。
リッケンバッカー:「今度も同じだ。何も変わらない」
リッケンバッカー:「俺は祖国の為……俺の責務を果たす……!」
リッケンバッカー:漆黒の剣が射出される。先程から威力は半減しているが、それでも尚埒外の破壊力。
リッケンバッカー:幾つもの重力剣が、敵を切り裂き貫いていく。
“ファズ”:「ギャ、バッ……!」
“ファズ”:黒い剣に腹を貫かれ、爆発するように臓物を撒き散らす。オーヴァードであっても死に至る傷。だが──
“ファズ”:「ぎ、ひっ……」
“ファズ”:創口から漏れ出るように伸びた重力が、無理やりに身体を繋ぎ合わせていく。
“ファズ”:Eロイス【不滅の妄執】シーン内にリッケンバッカーが登場している場合、HP1で死亡を回復する。
クレア:戦場で容赦はしないと彼は言った。ならばこれも予想の内。自分と彼は間違いなく敵なのだから、逆の立場でもこちらを狙いに含めるだろう。
クレア:避けるだけ無駄だ。自分が受け継いだ唯一の力なのだから、獲物を逃すことはない。
ルカ:「クレア…ッ」名前を呼び終える間もない。迫る漆黒の剣が、迷いなく背後の彼を狙っていることに気付く。
クレア:だがその分、先の戦艦のように無駄な破壊を撒き散らすこともないだろう。狙う場所が知れているなら、一度死にかける覚悟さえあれば、致命傷を避けることも……
デュバリー:……あるいはクレアと"リッケンバッカー"の間のある種のロマンティシズムを察していたら、また行動は違ったかもしれないが。
デュバリー:往々にして、男同士の感情など女には解し難いものである。だからデュバリーは動く。先の砲撃で粉砕された木片を寄せ集め、さらに枝葉を伸ばし、壁とする。
デュバリー:儚い植物の壁だ。黒い重力剣が触れれば大半が打ち砕かれる。それでも再生する。しかし次々降り注ぐ彼の攻撃を完全に防ぎ切ることはできない。
デュバリー:だからもう一手を撃った。その銃口を"リッケンバッカー"の……その傷に照準し、引き金を引く。
デュバリー:放たれたのは確かに弾丸だった。だがそれは命中する直前で、太い樹の幹となり、"リッケンバッカー"を絞め上げた。
リッケンバッカー:「ッ」
リッケンバッカー:重力の防御が無い今、それを振り払うには1コンマの遅れが生じる。その一瞬で、クレアへの狙いが逸れる。
リッケンバッカー:「“アイギス”……」
クレア:「デュバリー……」風圧だけを受けて、どっと額に汗が吹き出す。
クレア:「……ありがとう。助かった」
デュバリー:「……いいの。あなたには攻撃にも集中してもらわなきゃ」
デュバリー:「この場を勝ちで切り抜けるためにね」
リッケンバッカー:「……俺を継ぐというなら──」クレアとデュバリー、それからエミリアを見遣る。
リッケンバッカー:「……このくらいはしてもらわないとな」

GM:行動値26 ルカくんの手番です
GM:……が!
ギル:がんばれ~
ルカ:ムッ
ギル:え!
エミリア:《加速する刻》Lv99を使用。行動します。
ルカ:なにーっ
デュバリー:エ!
ギル:99!
アッシュ:ヤバすぎ
クレア:暴れ野郎がよ
エミリア:マイナーなし、メジャーで復活させた電極ジャームに対して
エミリア:《流血の胞子》Lv99《熱狂》Lv10《事象固定化》Lv99《ナーヴジャック》Lv99。
エミリア:命中で邪毒ランク100を与え、メジャーアクションを行わせる。
エミリア: 拒否しない場合、さらに白兵攻撃力を+30し暴走させる。邪毒と暴走はエフェクト解除不能。
エミリア:9dx+4
DoubleCross : (9DX10+4) → 9[1,1,3,4,5,6,6,8,9]+4 → 13

エミリア:《妖精の手》Lv99
エミリア:1dx+24
DoubleCross : (1DX10+24) → 2[2]+24 → 26

エミリア:《妖精の輪》Lv99《妖精の手》Lv99
エミリア:1dx+34
DoubleCross : (1DX10+34) → 7[7]+34 → 41

サブGM:6dx+2>=41 電極ジャームが意志で対抗
DoubleCross : (6DX10+2>=41) → 8[2,4,5,7,8,8]+2 → 10 → 失敗

サブGM:失敗。暴走を受けいれます。
サブGM:させるメジャーアクション。〈芸術:絵画〉で判定。
サブGM:12dx
DoubleCross : (12DX10) → 10[1,1,2,3,5,6,6,7,7,8,9,10]+4[4] → 14

サブGM:以上。
エミリア:次のイニシアチブ。《加速する刻II》Lv99を使用します。
ルカ:まだ動くの!
ギル:インチキすな!
クレア:もうやめて!
アッシュ:めちゃくちゃ動くじゃん
エミリア:マイナーなし、メジャーで
エミリア:《流血の胞子》Lv99《世界樹の葉》Lv99《熱狂》Lv10《事象固定化》Lv99《タブレット》Lv99《多重生成》Lv99
エミリア:ダメージの発生しないRC攻撃。命中で邪毒ランク100を与える。戦闘不能の場合HP1で復活させて侵蝕+5。
ルカ:なんでそんなにLV99のエフェクト持ってるの?
エミリア:また、拒否しない場合、さらに白兵攻撃力を+30し暴走させる。邪毒と暴走はエフェクト解除不能でクリンナップに回復。
ギル:これって対象は我々全員?
エミリア:対象は100体まで選べるので……
エミリア:アイギス全員、ヨモツシコメ、イルムガード、リッケンバッカー。
デュバリー:どうしてそんなひどいことを?(素朴な疑問)
クレア:戦艦くんも狙ってあげて
ギル:アメリカも入れようよ!皆楽しいよ!
ルカ:みんなで邪毒パーティだよエミリア!
エミリア:9dx+4
DoubleCross : (9DX10+4) → 9[1,2,4,4,5,5,6,7,9]+4 → 13

エミリア:《妖精の手》Lv99
エミリア:1dx+14
DoubleCross : (1DX10+14) → 4[4]+14 → 18

エミリア:《妖精の輪》Lv99《妖精の手》Lv99
エミリア:1dx+24
DoubleCross : (1DX10+24) → 10[10]+7[7]+24 → 41

デュバリー:回すな
アッシュ:えぐいのよ妖精さんの数が
サブGM:ドッジか意志判定で対抗可能です。
リッケンバッカー:20DX>=41 ドッジ
DoubleCross : (20DX10>=41) → 10[1,1,2,3,4,4,4,5,5,6,7,7,8,8,9,9,9,9,9,10]+2[2] → 12 → 失敗

ギル:41なんて無理だよ~これカバーしたら邪毒引き受けてもらえるのかな
ギル:一応意思で判定しておくか
クレア:やってみるか……意志を
ヨモツシコメ:14dx>=41 ドッジ
DoubleCross : (14DX10>=41) → 9[1,3,4,4,5,5,6,6,6,6,6,8,9,9] → 9 → 失敗

ギル:11DX+5
DoubleCross : (11DX10+5) → 9[2,3,4,5,6,6,7,7,7,8,9]+5 → 14

クレア:3dx+4>=41
DoubleCross : (3DX10+4>=41) → 7[2,4,7]+4 → 11 → 失敗

ギル:むぺぽ
アッシュ:意志の方が固定値1分マシか 意志で振ろう
ルカ:8dx>=41 ドッジです
DoubleCross : (8DX10>=41) → 10[2,3,5,5,6,6,6,10]+7[7] → 17 → 失敗

ルカ:うう…
イルムガード・ランゲ:8dx+4>=41 ドッジ
DoubleCross : (8DX10+4>=41) → 9[1,2,3,5,6,7,7,9]+4 → 13 → 失敗

アッシュ:1dx+1>=41
DoubleCross : (1DX10+1>=41) → 4[4]+1 → 5 → 失敗

デュバリー:ワンチャンなくはないか……《ゲットダウン》でドッジ。
デュバリー:7dx+25=>41
DoubleCross : (7DX10+25>=41) → 10[2,3,7,8,9,10,10]+10[3,10]+9[9]+25 → 54 → 成功

デュバリー:行ったわ
ルカ:さっさすがすぎ
サブGM:すご
ギル:すご~い
GM:やべ~
アッシュ:強すぎ
クレア:すごい
ギル:ルカちかばって~
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (100 → 102)
ギル:いや、アッシュくんのほうがいいのかな?
デュバリー:アッシュくんは熱狂受け得なので
ギル:なるほど!
ギル:じゃあタスケテ~
ルカ:では《崩れずの群れ》でギルくんをカバーリングしますっ
アッシュ:どうせ暴走してるからね
ルカ:ルカの侵蝕率を2(→ 2)増加 (101 → 103)
サブGM:では命中者には邪毒ランク100に加え
サブGM:熱狂の効果を受けるかが選択できます。
イルムガード・ランゲ:受けません
リッケンバッカー:熱狂は受けず、《セットバック》で邪毒回復
クレア:私も受けない!
アッシュ:受ける!
ルカ:熱狂は受けません~
ヨモツシコメ:受けません
デュバリー:リッちゃん……《事象固定化》のことどう思う?
リッケンバッカー:そんな……
リッケンバッカー:解除できません
ギル:忘れとる
クレア:ウカツ

エミリア:「……」
エミリア:一心不乱にアスファルトに絵を描き殴りつづけていた。灰色の地面に広がる、色とりどりの落書き。幼児が描いたもののような。
エミリア:ふと顔を上げ、リッケンバッカーの攻撃で絶命し、地に伏せたドイツ兵を見遣る。
エミリア:「……おいで?」
GM:ぽつりと呟いたその言葉と共に、完全に身体機能を破壊されたはずの兵士が当然のように立ち上がり、エミリアの元へと歩き出す。
エミリア:「はい」
エミリア:兵士にクレヨンを手渡す。エミリアと同じように絵を描き始める様子を見て、くすりと笑う。
エミリア:「いい絵だね」
エミリア:「……こう?」
GM:不意に、視界が暗くなる。
GM:月と星の光を遮るように、上空に影が差す。それは成層圏上、巨大などという言葉では到底足りない、一本のケーキナイフ。
GM:刃渡り1億キロを超すであろうそれが、君達の遥か頭上に忽然と現れる。
リッケンバッカー:「……あ?」
イルムガード・ランゲ:「は……?」
ルカ:「おい…」
クレア:「……」
アッシュ:「はは」
ギル:『……幻覚か?』
GM:ケーキナイフが振り下ろされる。その刃は大地を裂き、海を割り、地球を真っ二つに切り分ける。
GM:壮絶な暴風。マグマが噴き出し、大気が裂け、全てが崩壊する──
GM:君達の主観では、そのように感じられる。
イルムガード・ランゲ:「馬鹿な……こんな……!こんなもの、戦っている場合では……!」
クレア:「……っ……!…幻と言うには……あまりに……」胃からこみ上げるものを抑えながら、地面に膝をつく
ルカ:「…っ」反射的に、傍にいたギルに手を伸ばして、先程デュバリーが崩落させた地形に再度彼を引っ張り込む。
ルカ:「あんたに……、前に聞いたな」 幻だとは分かっている。苦々しい顔でギルくんに聞きます。
ルカ:「おれ達はまともかって…。どう…。心境は変わった?」
ギル:「はは……まともじゃないよね、こんなのと戦おうなんて」
ギル:いつの間にか巨人ではなく人の姿に戻っている。あるいはこれも幻覚かもしれない。
ギル:「どう?君はまとも?手を引きたくなった?」
ルカ:目の前の男の表情がよく分からない。飛び散る瓦礫、まき散らされたトラックのガソリンの匂い、そういうものを思い出す。
ルカ:「……そんな、英雄みたいな真似」
ルカ:「してやるかよ……」言いながら、ふらふらと動き出す。
ギル:「……そうだね。戦うんじゃない。助けに行くんだった」
ギル:「お陰で目が覚めた」
GM:視覚、聴覚……五感のすべてがそれを現実のものとして捉え、再現し、そして己のレネゲイドによって、過たず訪れる死を現実のものとして知覚する。
GM:超高精度の幻覚と、それを当人の現実としてフィードバックさせるプラシーボ効果。それが第三始祖の本来の能力。
GM:死を現実のものとして認識した身体、君達自身のレネゲイドが、急速に君達の身体を死へと向かわせ始める。
デュバリー:……地球だって二つに割るケーキナイフを回避するすべはあるか?
デュバリー:馬鹿げた問いである。そんなことができるわけがない……と、思ってしまった時点で、きっと『それ』に巻き込まれてしまうのだ。
デュバリー:正答は『現実に発生するはずがない』。デュバリーがその答えに至れたのは、彼女が常に周囲の植物と感覚を共有していたから。
デュバリー:だからデュバリーは、その瞬間肉体全ての知覚を放棄した。周辺の植物へ全知覚を委任し、デュバリーを標的とした幻覚を回避したのだ。
デュバリー:(エミリアは、操られている。標的を選んで狙うように操作されている)
デュバリー:(『だから』回避できる。私が狙われても、植物に幻を見せるよう命令が下されることはない。いや……)
デュバリー:(……指揮官にそれだけの判断能力がない。それが今のアメリカの限界。無限に近い力を持つ『始祖』が相手でも……それを制御しようとする人間がいる限り……)
デュバリー:「――付け入る隙はある!」
デュバリー:声を張る。幻から仲間を引き上げるように。その隙にねじ込む鍵たる者の名を呼ぶ。 「行って、ルカ!」
ルカ:大地を踏みしめる。アスファルトから突き出すように草が這っていて、土の匂いが僅かにした。それを認識できた。
クレア:「……」放り出された銃を拾い上げる。背中を預かると宣言したのだから、彼が進む以上は自分も構えなければ。
クレア:肉体が死へと向かうと同時に、ある種の活力がこみ上げてくる。絶対の危機に瀕したレネゲイドの暴走。
クレア:おそらくは他の者もそうなのだろう。彼女の能力の副作用か、或いはより破滅を速めるため仕組まれたものなのか
クレア:どちらにしろ、自分には不要のものだ。
クレア:静かに息を吐く。湧き上がる暴力的なレネゲイドを意識の外へと追いやり、ただ照準の先に集中する。
クレア:あの男を超えるのなら、正気でなければ意味がない。
クレア:「……今のは堪えたか?君も」傍らで言葉を発さないままの英雄に尋ねる。
クレア:「流石に海が割れたら、方舟も沈むだろうか」
アッシュ:「いいや」 包んでいた影が解ける。その下から現れたのは、いつもの笑みを浮かべたアッシュ。
アッシュ:「何でも正面から喰らうってのは元からオレのスタイルだからな。今後は改善してく予定でもあるけど」
アッシュ:「ひとまず、コイツは十分呑み下せる」
アッシュ:活力も高揚も暴走も拒むことなく、全てを自らの糧へと変えていく。ウロボロスとは元からそういう能力だ。
アッシュ:「海が割れたなら、そのときは空でも飛ぶことにするさ」
アッシュ:「今のオレならそれが出来る。そういう気分だ」
クレア:「なら、そちらを信じよう。辛気臭い終わりよりよっぽど良い」口元を緩ませて引き金に手をかけた。
GM:止まぬ幻覚、歪む世界。身体に現実の影響を及ぼすそれは、最早幻と呼べるものだろうか。
GM:またエミリアが第三始祖としての能力を行使し続ける限り、どれだけ敵を倒しても彼女の手駒として蘇り続けるだろう。
GM:それを止められるとすれば──

GM:行動値26 ルカくんの手番です
ルカ:はーい
ルカ:まずマイナー、《骨の剣》《死招きの爪》+《ハンティングスタイル》。素手のデータを変更しつつエミリアに対しエンゲージします。
ルカ:ルカの侵蝕率を8(→ 8)増加 (103 → 111)
ルカ:そしてメジャーアクションで、判定:【エミリアの暴走を止める】に挑戦します。
GM:難易度は50。難易度は[キャンペーンにおいてエミリアにロイスを結んだ回数×-10]されます。
ルカ:これまでのキャンペーンにおいて、エミリアにロイスを結んだのは、
ルカ:1話、エミリア/尽力/食傷:〇。2話、エミリア/庇護/食傷:〇。3話、エミリア/庇護:〇/隔意。
ルカ:4話。エミリア/庇護:〇/不安。
ルカ:で、合計4回。難易度は-40されます。
GM:OK。〈芸術:絵画〉で判定をどうぞ。
ルカ:はーい!判定に挑みます。〈芸術:絵画〉、素振りで判定。オートで《砂の加護》使用。
ルカ:(1+4+3)dx>=10
DoubleCross : (8DX10>=10) → 8[1,2,4,4,5,6,6,8] → 8 → 失敗

ルカ:むっ ルカの所持している〈芸術:グラフィティ〉を〈芸術:絵画〉として扱っていいとのことなので
ルカ:+2して 10ピッタリ!
GM:では判定は成功!
GM:エミリアの暴走は止まります。
ルカ:やったぜ
ルカ:ルカの侵蝕率を3(→ 3)増加 (111 → 114)

ルカ:このままじゃダメで、どうにかしなければならないのは明白で。
ルカ:だからといって、こうすれば状況が変わるとか、そんなことをすぐに思いつけるような人間では無いし。
ルカ:勝機もないまま、死の実感にビビった内心には見ないふりして、ふらつく足でただ歩く。
ルカ:アスファルトを彩る稚拙なアート、兵士達がそれらを黙々とクレヨンで描き続ける異様な光景。
ルカ:そして、その中にいる少女を見る。
ルカ:「エミリア」呼びかける。
エミリア:「……」
エミリア:君の声が聞こえていないのか、まるで反応しない。
エミリア:エミリアに近付くにつれ、ルカの周囲の空間と光が歪み始める。
ルカ:「エミリ……」
GM:現れるのは、剣を持った騎士や、牙を持った獣のような姿。
GM:実体の無い……けれど確かに現実の質量を、存在を、痛みを感じるそれらが、次々にルカへと襲い掛かる。
ルカ:「っ……」 ハナの家で、彼女と別れざるを得なかったあの日と同じだ。炎に包まれて焼かれて、肌の再生すらあったが、衣服は一切燃えていなかった。
ルカ:「がっ、く……」 反射的に右腕が異形の土くれに変化させて身を庇うが、次々と襲い来る攻撃の前ではあまり意味がない。
GM:刃や牙、次々に降り掛かる攻撃で、君の身体から血が噴き出す。どこまでが幻で、どこからが現実なのか。
エミリア:そんな君の様子を、エミリアは気にも留めない。
エミリア:ただ無心に絵を描き続けている。
ルカ:(ここに居るおれは、まともか、なんて)
ルカ:(そう断言できる度胸も、否定するだけの自信も、ない)
ルカ:そして、ただ歩く。
ルカ:「…エミリア!」
GM:エミリアを守る影の群れは、最早ひとつの軍勢にも等しい。
GM:始祖として組み込まれた防衛機構なのか、刃に切り裂かれ、弾丸に撃たれ、炎に燃やされ、牙に貪られ……ありとあらゆる攻撃がルカの身体を襲う。
ルカ:視界が戦争の幻に呑み込まれる。焼かれて、撃たれ、食われ、斬られ、そう繰り返すうちに、他の戦況が分からなくなった。
ルカ:死にすぎるとオーヴァードにとって良くないそうだ。じゃあ自分はどんどん化物に近付いてるのか。この痛みが嘘か本当か。判断はできない。
ルカ:姿勢が崩れ、穿たれた腹を抑え、そのようにしながら、足を前に動かす。…動かせば少女の元に進んだ。
ルカ:「……エミリア」
ルカ:クレヨンを動かす少女の元に、そうして辿り着く。死にそうな気分だった。…実際、心地としては、幾度も無く死を体験していた。
エミリア:削れたクレヨンで、何度も繰り返し絵を描いている。色の上から色を重ねて、濁った色彩は黒に近付きつつある。
ロバート・クロムウェル:『は は は は……』
ロバート・クロムウェル:頭上から、嘲るような声が降り掛かる。
ロバート・クロムウェル:『無駄ですよ、ルカくん』
ロバート・クロムウェル:『どれだけ呼び掛けようと、意味などありません』
ロバート・クロムウェル:『その人形は、最初からそんな機能は備えていないのですよ』
ロバート・クロムウェル:『それに人間としての運用は想定されていませんから』
ルカ:「…黙れよ」
ルカ:しゃがみ込む。
ルカ:少女が描いている絵を眺める。
エミリア:何度も塗り重ねてぼやけ、あやふやになった絵だが、辛うじて読み取れる。
エミリア:沢山の兵士──オーヴァードたち。空より巨大な蜘蛛。
エミリア:戦艦。青い海。巣を温める小鳥。港で取れる何種類もの魚。
エミリア:燃える街。炎。多頭の竜。
エミリア:青年。白い花。
ルカ:「……」
ルカ:たとえば昔、幼い妹が眠れないとぐずついた時に、背中に絵を描いてやると落ち着くと言って喜んだ。
ルカ:そしてその後出会った彼女は、自分は妹ではないと言いきった。
ルカ:アスファルトに落ちている削れたクレヨンを拾う。
ルカ:エミリアの隣にしゃがみこんで、自分もアスファルトにクレヨンで絵を描く。
ルカ:青年がいて、そして白い花に囲まれるようにして、その隣に、一人の少女。
ルカ:クレヨンの線じゃお世辞にも上手とは言えない代物になったが、頭にいつもつけてる花の髪飾りを描いてやれば、それでも誰だかなんとなく分かるだろう。
ルカ:「……ヘタクソ」
ルカ:「これ」描いた絵を見る。そして隣の少女を見る。
ルカ:「誰だか分かる?」
エミリア:「……」
ルカ:言葉は待たない。他のクレヨンも拾い上げて、なるべく色々な色で、がりがりと花を描き続ける。
ルカ:「…生きることは戦うことだって、あんたは言ったよな」
ルカ:「出会ったときからずっとだ。ハナの家でも、あんたはそういう感じだった。この状況に立ち向かうって…、ああ、そうだ」
ルカ:「聞いてないことがあって、言ってないことがある」
ルカ:「…言ってない方、言うけど」
エミリア:「……」
ルカ:「あんたも」顔を覗き込む。
ルカ:「殺し合いなんか、嫌いだろ」
ルカ:あの日ハナの家でぎこちない顔をした少女に対して思ったこと、そのまま言えず仕舞いだったことを、ようやく伝える。
エミリア:すぐ目の前のその瞳をみつめ、ぱちり、とまばたきをした。

---

ジョニー:「……それでよ、クレアのやつ『泣いてない』って言い張ってたんだけど……ありゃ絶対泣いてたな!間違いない」
エミリア:「ふふっ……!」くすくす笑って「……ジョニーさんは、本当にクレアさんのことが好きなのですね」
ジョニー:「ええっ?」照れたように「何だよそれ、急に変なこと言うなよな……」
エミリア:「そうですか?」きょとんとして首を傾げる。
GM:エミリアがジョニーと言葉を交わすようになってから、数週間が経過していた。
GM:ジョニーの話す知識は──彼もまた実験体であったが──エミリアの知らないことばかりで、彼女の情緒は少しずつ豊かになり、そして外の世界に興味を持つようになっていった。
エミリア:「ジョニーさん、クレアさんのことを話すときは本当に楽しそうです」
エミリア:「それほど大切な人なのですね」
ジョニー:「んん……」むず痒そうに唸る声がして「……まあ、そうかな……」
ジョニー:「あいつは友達だし、家族だからな」
ジョニー:「今頃きっと、外の世界で元気にやってるさ」
ジョニー:「そう思うと、あいつらにどんなことされても耐えられるんだ」
エミリア:「……」
GM:ジョニーへの実験と施術は、エミリアへのそれより強引で乱暴なものらしかった。
GM:エミリアと話すときは元気に振舞っているが、彼は確実に消耗しつつあった。壁の向こうから痛みや狂気に耐える苦悶の呻きしか聞こえてこない日も多かった。
ジョニー:「エミリアにも出来るさ。いつかきっと、そういう大切に思える相手が」
ジョニー:「外の世界でな」
エミリア:「……本当ですか……?想像できません……」
ジョニー:「絶対だよ」
ジョニー:不思議そうなエミリアに、ジョニーは笑い掛けた。
ジョニー:「絶対」

---

ジョニー:「……いいな、エミリア」
エミリア:「……っ……」
GM:初めて目にするジョニーの姿に、エミリアは息を呑んだ。
GM:全身継ぎ接ぎにまみれ、血が滲み、腐敗が進んでいる箇所すらある。オーヴァードでなければ到底生きていられない状態。
GM:彼に対する実験は佳境に至りつつあり、最早その自我を保てるのは限界に来ていた。
GM:完全に発狂する前に、兼ねてから話していた脱出の計画を実行に移すべく、こうしてエミリアの部屋に《ゲート》による移動を行ったのだ。
GM:──そう、《ゲート》だ。ジョニーはその能力を得るため、この非人道的実験を繰り返されていた。
ジョニー:「……何度も、話してるが……」
ジョニー:息も絶え絶えに掠れた声を発する。
ジョニー:「……俺に植え付けられた能力は、不完全だ」
ジョニー:「ゲートを通った物は破壊されちまう……人間でも一緒だ」
ジョニー:「オーヴァードなら耐えられるはずだけど……ゴホッ!……どんな問題が起こるか分からない」
ジョニー:「行先も、どこに繋がるか分からない……。くれぐれも注意してくれ」
エミリア:「はい、はい……!」何度も聞かされた注意点にこくこくと頷き、
エミリア:「それより、そんなことよりも……!」
エミリア:「ジョニーさんも一緒に行きましょう!こんなところは一緒に逃げ出して……」
ジョニー:「俺は無理だ」かぶりを振る
ジョニー:「ここで投与される薬が無いと、もう生きていけない身体だ」
ジョニー:「そもそも俺は、一度死んだ人間だ」
ジョニー:「行くのは、お前ひとりでいい」
エミリア:「でも……!」
ジョニー:「エミリア」
ジョニー:遮るように口を開き、出血に濁った目でエミリアを見据える。
ジョニー:「生きることは、戦うことだ」
エミリア:「ッ……」
ジョニー:「俺達は、強くあらなくちゃいけない」
ジョニー:「誰かに殺されないためにも。それ以上に、誰かを殺さないためにも」
ジョニー:「俺は沢山の兄弟の犠牲の上に生き伸びた。どんなに残酷でも、それが真実だ」
ジョニー:「今度は俺が、お前を生かす番だ」
ジョニー:「俺の代わりに、戦ってくれ」
GM:空間が裂け、《ゲート》が姿を現す。
GM:それは先の見えない漆黒の闇。何が待ち受けているか分からない、恐怖の暗黒。
ジョニー:「外の世界で、必ず……」
ジョニー:「お前が大切に思える、誰かに会える」
エミリア:「ジョニーさ……」
ジョニー:「行け!エミリア!」
GM:ゲートが少女を呑み込む。重力が身体を引き裂く感覚。視界が黒に染まっていく。
ジョニー:「生きろ戦え!」
エミリア:それはあまりにも残酷な言葉で──
エミリア:けれど同じくらい、祝福にも聞こえた。

---

エミリア:「……」
エミリア:目を開いて、きょとんとした表情でその顔を見る。
エミリア:「……?」
エミリア:「ルカ……」
ルカ:「……うん」
ルカ:表情のニュアンスが変わったことを認識。
ルカ:「ルカだ。…あんたは?」
エミリア:「エミリアですが……あれ……?」
エミリア:「わたしは……ハナさんの家で…… ……?」
GM:周囲の幻の群れが、溶けるように消えていく。
ルカ:「………」周囲を見渡し、それを認識。
エミリア:「る、ルカ……!?血が出てますよ……!?」
ルカ:「…ああ、うん」
ルカ:「あんたのせいだ」
エミリア:「えっ!?」
エミリア:「わ……わたしが……!?」オロオロして
ルカ:「死ぬかと思った。何度も何度も…痛ェし…」
エミリア:「えっ……えっ……!?」
エミリア:「ご……ごめんなさい……?」
ルカ:「…馬鹿」笑う。
ルカ:「どうせなら感謝されたい…、いいや、とっておいて。いま聞いてもしかたないし」
ルカ:「説明してる暇もない。頑張って理解して」抱え上げる。
エミリア:「えっ……あっ……!?」
エミリア:腕の中でその顔を見上げる。
ルカ:「ふ」
ルカ:「マヌケな顔」
エミリア:「なっ……!」
エミリア:「ルカ!ひどいです!あんまりです!」ポカポカと胸板を叩く
ルカ:「おれくらいでひどいなら良い傾向じゃないの」
ルカ:気にせず抱えたまま、戦場を移動していく。
エミリア:「な……はい……!?何が……」
エミリア:「……」
エミリア:蘇った記憶とその言葉。その顔を見つめ、小さく零す。
エミリア:「……ルカだったのですね」
ルカ:「何が」 怪訝な顔。
エミリア:「……ふふ。教えてあげません」
ルカ:「……」 こんな表情するやつだっけ、と思う。
ロバート・クロムウェル:『……あり得ない』
ロバート・クロムウェル:愕然とした声が響く。
ロバート・クロムウェル:『何をしたのですか斑鳩・フォード……君の能力は単純な物質変化だったはず……』
:「ルカ、エミリア」二人のすぐ傍にゲートが開き、舞が現れる。
:「やったんだな」
ルカ:「ん」
ルカ:「多分」
エミリア:「えっと……?」
ルカ:「こいつにまだ何も説明してない」
エミリア:「されてません」
:「よくやった。悪いが説明は後だ。すぐ働いてもらうぞ、エミリア」
:「──」耳打ちし
:「出来るか?」
エミリア:「え、ええと……」
ルカ:怪訝な顔でそれを見ている。
エミリア:「……はい!やってみます!」
ルカ:「できるの?」
エミリア:「頑張ります!下ろしてください、ルカ」
ルカ:「はいはい…」雑に下ろします。
:「よし。頼むぞ」
:「……これでようやく、全員揃ったな」煙草の煙を吐き出す。

GM:行動値23 朱の手番です。
デュバリー:NPCカードを使用します。トリスタン!
デュバリー:F、朱、イライザのいるエンゲージを対象にしてください。
トーマス・フレミング:あいよっ
GM:ぎぇーっ
F:Fは居ないぜ
F:100m先にいるので……
ギル:遠くに行ってしまった……
デュバリー:あ、そうだ。すみません。F以外の2人で……
GM:遅くなりました
サブGM:朱が23→18 イライザが21→16かな

朱劉帆:「アメリカ、日本にドイツ、北連にアイギスまで……」
朱劉帆:「おいおい……こりゃ事実上の三次大戦じゃねェかよ」
朱劉帆:「こんなモン見られるなんて……生きてて良かったよなァ!イライザ!」
イライザ:「……」
朱劉帆:嬉々とした表情。腕から血飛沫が舞い、ナイフを連結させて蛇腹剣を作り上げる。
朱劉帆:「よっしゃァ!早速何人かケンカ売って……!」
朱劉帆:伸縮自在の刃を振るおうとした、その時。
トーマス・フレミング:二発の弾丸が飛来する。
トーマス・フレミング:それは本来、銃器の性能で到達するものではない。
トーマス・フレミング:それを可能にしたのが、単純な質量操作能力。
トーマス・フレミング:飛んでいる弾丸の飛行時間中の”総重量”を維持し、その中で自在に変化させる。
トーマス・フレミング:質量0に近い弾丸が無限遠方まで飛来した直後に、超重量で目標に落ちる。
朱劉帆:「ぐおッ……!?」
イライザ:「……!」
GM:超重量の衝撃に、甲板上の二人がまとめて体勢を崩す。
トーマス・フレミング:「は。いい気味だね」
朱劉帆:「手前ェ……ジョンブルのハイエナ野郎!」
朱劉帆:「お呼びじゃねンだよ!後で殺してやるから引っ込んでろ!」楽しみを邪魔された怒りも露わに叫ぶ。
トーマス・フレミング:「おうおう怖い怖い。先に退治してもらうとするかな」

GM:行動値19 アッシュくんの手番です
アッシュ:マイナー無し、メジャーで朱君対象にコンボ行きます
アッシュ:Allumez le moteur:コンセントレイト:ウロボロスLv4+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv4+ライトニングリンクLv6+バリアクラッカーLv3+ミカヅチLv2
GM:OK
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+4、攻撃力+24、装甲無視、ガード不可、ダメージ+3D、HP-5、侵蝕値+19
GM:???の効果でメジャーダイスを+3個してください
アッシュ:d'accord.となると……
アッシュ:19dx7+9
DoubleCross : (19DX7+9) → 10[1,1,1,1,1,1,2,3,3,3,4,5,5,8,8,8,8,8,9]+10[1,1,6,7,9,10]+10[4,7,10]+10[6,10]+6[6]+9 → 55

アッシュ:よっしゃ!!
ルカ:回った~!!
朱劉帆:ドッジ 《リフレックス:ブラム=ストーカー》LV2《死者の肉体》LV1《トランキリティ》LV5
朱劉帆:13DX8+6>=55
DoubleCross : (13DX8+6>=55) → 10[1,1,2,2,2,3,3,3,4,5,7,9,9]+6[1,6]+6 → 22 → 失敗

GM:ダメージどうぞ
アッシュ:6d10+15+12+12+24+1d10+3d10
DoubleCross : (6D10+15+12+12+24+1D10+3D10) → 39[8,3,7,9,4,8]+15+12+12+24+3[3]+19[9,7,3] → 124

アッシュ:あ、熱狂忘れてた!+30して154です
サブGM:ヤバ~
GM:やばすぎ……ですがギリギリ生存!
アッシュ:マジかよ
デュバリー:生き汚い
ルカ:タフな男だ
クレア:なんてやつだ
GM:侵蝕上げてね
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を19(→ 19)増加 (104 → 123)

アッシュ:エミリアを無事に確保したルカを確認した後、戦場全体へと視線を巡らす。
アッシュ:「……役者はもう出揃っちまったか。好物を後回しにする趣味は無いんだけど」
アッシュ:目当てにしていた彼は――デリュージュは、この戦場に姿を現さなかった。
アッシュ:「来ないもんは仕方ないか。次の機会の楽しみとして――」
アッシュ:デリュージュに〇飢渇/執着でロイスを取って昇華。スパークウェッジの効果による戦闘不能から復帰します。
アッシュ:黒い影が渦巻き、蒼い雷が迸る。抜き身の銀の刃は獣の牙にも似ている。
朱劉帆:ナイフと血で織り上げられた蛇腹剣が鞭のように振るわれ、アッシュを掠めて僅かにその髪を散らす。
朱劉帆:「いよォ!元フランスの英雄様じゃねェか!」
朱劉帆:「どうだった?初めての敗北の味は」
アッシュ:「アンタの言う通り初めて味わう味がしたさ。きっと忘れられないくらいに」
アッシュ:「そして、オレの生涯でただ一度の経験になる。するの方が正しいか?」
アッシュ:「そのためにここに来て、そのためにこれからを進んでいく」
アッシュ:―――オーヴァードには、必ず何かしらの衝動というものが存在する。
アッシュ:個人の人格や価値観に依拠しないそれらは、言わばオーヴァードのみが有する後付けされた本能のようなものだ。
アッシュ:まるきり異能の代償であるかのように使用者の精神に根付き、レネゲイドの昂りに呼応して人格さえ蝕んでいく。
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの衝動は飢餓。生誕と共に覚醒した彼は、15年の生涯の全てを衝動と共に生きてきた。
アッシュ:その飢餓を埋めるものがいかにして定まったか。それは無意識下での選定であり、最早彼自身にも説明出来ない。
アッシュ:他の何かでは代用の利かない無二の欠落だったのか。必然だったのか。
アッシュ:幾らでもある候補のうちの一つに過ぎなかったのか。偶然だったのか。
アッシュ:何故それが選ばれたのか。高揚感か、充実感か、達成感か、全能感か。
アッシュ:はたまたそこに至るまでの過程も含めた、自分という存在への実感か。
アッシュ:全てが曖昧で誰にも知りようのないこと。確かなことがあるとすれば。
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードという魂が、常に勝利に飢えてきた過去と。
アッシュ:人生で初めての完全敗北を経て、その飢えが最も研ぎ澄まされた現在。
アッシュ:そして。その生がある限り、勝利を喰らうべく戦場を駆け続ける未来。
アッシュ:負けず嫌いの少年。勝利を喰らう獣。そのどちらもがアッシュ・ノイ・ジラード。ただそれだけが確かな事実だった。
アッシュ:「アンタはオレを満たしてくれるか?朱劉帆」
アッシュ:影と雷が、その存在丸ごとを覆うようにして傭兵へと迫った。
朱劉帆:「クハッ……!はははははッ……!」
朱劉帆:影と雷の奔流に甚大なダメージを受けながらも、野生のカンにも似た卓越した戦闘センスによって致命傷を免れる。
朱劉帆:夥しい出血を更に自らの刃としながら、歯を見せて笑う。
朱劉帆:「初めて負けを知った奴は二つに一つ。怖気づいて鈍らになるか、あるいは……」
朱劉帆:「更に研ぎ澄まされたかよ、アッシュ・ノイ・ジラード」

GM:行動値18 デュバリーさんの手番です
デュバリー:よし来た。マイナーで《オリジン:プラント》+《オリジン:ヒューマン》。シーン中、エフェクトを使用した<射撃>判定達成値+15。
デュバリー:メジャーで《罪人の枷》。対象は朱劉帆
GM:やめたまえ
デュバリー:命中で行動値-5、ラウンド中達成値-14です。
GM:メジャーダイス+2個どうぞ
GM:3個だ
デュバリー:あ、と、攻撃前にアメリカに対し 尽力/○敵愾心 でロイスを取り、即座にタイタスにして昇華。
デュバリー:スパークウェッジと邪毒を回復します。
GM:ゲゲーッ
デュバリー:で、判定!
デュバリー:8dx+40
DoubleCross : (8DX10+40) → 8[2,3,3,3,4,4,5,8]+40 → 48

デュバリー:すみません、3個を足していなかった 直前のやつ
デュバリー:3dx+40
DoubleCross : (3DX10+40) → 10[1,10,10]+9[9,9]+40 → 59

デュバリー:59です
GM:こいつ!
朱劉帆:ドッジ 《リフレックス:ブラム=ストーカー》LV2《死者の肉体》LV1《トランキリティ》LV5
朱劉帆:13DX8+6>=59
DoubleCross : (13DX8+6>=59) → 10[1,1,2,3,4,5,5,6,7,7,7,7,8]+3[3]+6 → 19 → 失敗

GM:ダメージどうぞ!
デュバリー:6d10+10
DoubleCross : (6D10+10) → 19[6,1,6,2,3,1]+10 → 29

デュバリー:諸々有効
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を11(→ 11)増加 (102 → 113)
朱劉帆:流石に耐えられない!
朱劉帆:HP0 脱落します
デュバリー:眠れ 永遠に……

デュバリー:フィカス・ミクロカルパ。
デュバリー:あるいは榕樹。あるいはガジュマルとも呼ばれるその木は、絞め殺しの木の異名でも知られる。
デュバリー:熱帯雨林で繰り広げられる激しい陽光の奪い合い。それに勝利するための生存戦略としてその種が選んだのは、他の樹に絡みつくように伸び、太くなった幹で圧殺するという生態だった。
デュバリー:デュバリーが、先ほどは"リッケンバッカー"に、そして今朱劉帆へ撃った弾丸の弾頭に込められているのは、鉛ではなくシンガポールの原生林より取り寄せた、それらの破片である。
デュバリー:もちろん、それも単なる榕樹の破片ではない。実に数ヶ月、デュバリーのレネゲイドを"浸透"させた上で、手ずからショットガンの12GA弾頭に詰め込んだ特製品。
デュバリー:言うなれば――絞殺魔弾。
デュバリー:「……この状況を楽しもうなんて人には」
デュバリー:「まずもって退場してもらう」
デュバリー:中空で弾丸から無数の頑強な幹が伸び、射撃の勢いと植物の習性のまま、劉帆に食らいつき、締め上げる。
デュバリー:所詮は根も張れぬ樹。万全の状態であれば、力ずくで抜け出すことはできよう。だがアッシュの攻撃を受けた傷の治癒もままならぬ状態で……その傷に樹木という異物が食い込めば、どうか?
朱劉帆:鋼と血の刃が空中で弾丸を迎撃したが、その血を伝って幹が伸びる。
朱劉帆:「オォッ!?」
朱劉帆:「なんだこれ、面白……づぁぁ!痛ッてぇぇぇ……!」
デュバリー:散弾銃の銃口から硝煙が揺らめく。木の焦げる匂いが立つ。
デュバリー:「まず一人。そこで絞め上げられていなさい」
朱劉帆:「ふ、ざっけンなよ……!」万力のごとき締め上げられ、歯を食い縛りながら笑う。
朱劉帆:「こんな面白い見世物、俺だけ見逃すなんざ……!」
朱劉帆:「らァッ!」
朱劉帆:ナイフを連結した刃が振るわれ、デュバリーに迫り──
朱劉帆:その寸前で、血液がコントロールを失ってバラバラに解ける。
朱劉帆:「ぐ……あ……ッ……」
朱劉帆:幹に全身を締め上げられ、アッシュによるダメージと重なり、とうとう動けなくなる。
デュバリー:「……義務感。責任感。使命感。そういったもので戦う、おおむね戦いが"手段"である人より」
デュバリー:「あなたみたいな"目的"の人の方が、よっぽど困るの」
デュバリー:静かな表情で、次弾を装填している。

GM:行動値18 電極ジャームの手番です
Electrode Keims:第二始祖の支配下にあるため、それに仇なすものを狙います。
Elektrode Keims:choice[ヨモツシコメ,V,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[ヨモツシコメ,V,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → リッケンバッカー

ギル:ワタシタチ、ミカタ!ワル チガウ
ルカ:リッチャン!
Elektrode Keims:マイナー《ハンドレットガンズ》Lv3
Elektrode Keims:メジャー《コンセントレイト:モルフェウス》Lv3《カスタマイズ》Lv3《ギガンティックモード》Lv2《クリスタライズ》Lv3
Elektrode Keims:15dx7+4
DoubleCross : (15DX7+4) → 10[1,1,2,2,3,6,6,6,8,9,9,9,10,10,10]+10[1,3,3,4,8,8,10]+10[7,10,10]+10[5,9,10]+10[3,10]+2[2]+4 → 56

サブGM:がんばっちゃった
リッケンバッカー:ガード 《グラビティガード》LV6《魔人の盾》LV6
Elektrode Keims:6d10+16 ガード有効 装甲無視
DoubleCross : (6D10+16) → 27[6,3,8,2,6,2]+16 → 43

リッケンバッカー:43-60-6D10-18-21
DoubleCross : (43-60-6D10-18-21) → 43-60-39[4,6,9,9,2,9]-18-21 → -95

Elektrode Keims:???

Elektrode Keims:ギチギチと機械的な動作で動くそれが、投槍を生成。
Elektrode Keims:この場で最も警戒すべきと判断した相手を狙い、勢いよく投射する。
Elektrode Keims:もはやそれは、ドイツ軍の統帥下にはない。第二始祖の尖兵としての行動。
リッケンバッカー:重力の障壁が投槍を呑み込み、粉砕、消滅させる。
リッケンバッカー:「……何度やっても同じことだ」
リッケンバッカー:リッケンバッカーは名実共に、世界で最も多くドイツ・ソビエトの敵と戦闘を重ねてきたオーヴァードだろう。
リッケンバッカー:当然、その兵士のその攻撃も見たことがある。防いだことも。
リッケンバッカー:「そんな攻撃、“リッケンバッカー”には届かん」

GM:行動値16 イライザの手番です
イライザ:マイナー《氷炎の剣》Lv4《地獄の氷炎》Lv6《氷河の腕甲》Lv4
イライザ:武器を作成、作成した氷炎の剣のガード値を+18 ガード+10
イライザ:メジャー《コンセントレイト:ウロボロス》Lv3《原初の白:光の手》Lv2《原初の赤:振動球》Lv11《氷の塔》Lv6
イライザ:ギルトレットのエンゲージ4人に攻撃。ギル、アッシュ、クレア、デュバリー。
ギル:ランダムじゃないの~
クレア:来ないで~
デュバリー:ギルくんだけにしときなって
ギル:あれします
ギル:《原初の紫:孤独の魔眼》
イライザ:OK。ギルトレットのみを対象に。
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (102 → 107)
イライザ:15DX7+4
DoubleCross : (15DX7+4) → 10[1,1,2,2,3,3,5,5,6,6,7,8,9,9,10]+10[1,2,7,9,10]+6[4,6,6]+4 → 30

ギル:一応ドッジしますか、装甲無視だし
ギル:4DX
DoubleCross : (4DX10) → 10[2,3,4,10]+1[1] → 11

ギル:無理でした。ダメージくださーい
イライザ:4d10+27 装甲無視
DoubleCross : (4D10+27) → 31[9,9,7,6]+27 → 58

ギル:装甲さえあればこんな奴らに……!HPが0に
ギル:イライザさんにロイスを取って復活しようかな。 P:好奇心/N:食傷○/ロイス これをタイタスにして昇華、復活しよう

イライザ:イライザのもとから極寒の冷気が吹き荒び、氷雪がひとつの形を成す。
イライザ:それは氷で作り上げられた中世の軍隊だ。馬を駆る騎士たちの大群。鋭利な氷柱の如き槍を携え、その切っ先を“鉄王”へと向ける。
イライザ:全てのロイスを燃やし尽くし、王を殺す刃と化す。それが復讐の将タイタス・アンドロニカスだ。
ギル:『……君に何かした覚えはないんだけど』
ギル:『覚えがないのまで含めて、僕が悪いんだろうな』
イライザ:「ギルトレット・レッドフォード……!」
イライザ:端正な顔を憎悪に歪ませ、叫ぶ。
イライザ:「犯した罪さえ忘却した、最も罪深き罪人が……!」
イライザ:「私だけじゃない、もっと大勢の……数えきれない人を、お前は殺してきた……!」
イライザ:「その報いを受けろ、“鉄王”!!ここで私が裁いてやるッ!!」
イライザ:氷の騎士たちが槍を構え、雪崩のように殺到する!
ギル:『だろうね、そんな気はしてる……でも』攻撃に向かって手をかざす。体中の装甲を回し、巨大な城壁を展開。周囲への攻撃を防ぐよ。
ギル:『悪いね。まだ足りない。死ぬのはもっと極悪人になってからだ』
イライザ:騎士たちが霧散し、極低温の冷気そのものと化す。“鉄王”の堅牢な防御でも防ぎえないその攻撃が、ギルトレットを襲う。
イライザ:「これ以上……罪を重ねる気なのか、お前は……!」
イライザ:「許せない……!そんなこと絶対に許せないッ!」
ギル:『数え切れない人間から、託された夢がある。それを叶えるまで僕は……』鉄王ごと体が凍りつく。その上を影がはい回り、黒い炎となって身を焦がしながら氷を溶かす。
ギル:『地獄の業火に焼かれても止まるつもりはない』
イライザ:「今更ッ!人間のフリをするなぁあああッ!!」
イライザ:燃えるような憤怒と共に、吹雪は更に激しさを増し、甲板全体が氷に閉ざされていく。
ギル:『やめたんだよ、人間のフリを』
ギル:『人間に戻してくれた人が居る。その人のためにも、僕は死ねない』

GM:行動値15 “ファットマン”の手番です
“ファットマン”:マイナー《ハンドレットガンズ》LV6
“ファットマン”:メジャー《アタックプログラム》LV6《MAXボルテージ》LV4《ギガンティックモード》LV1
GM:choice[ヨモツシコメ,E,V,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[ヨモツシコメ,E,V,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → E

GM:対象電極ジャーム
“ファットマン”:10DX+33
DoubleCross : (10DX10+33) → 10[2,3,5,5,6,7,7,7,7,10]+1[1]+33 → 44

“ファットマン”:《魔弾の悪魔》LV4
“ファットマン”:達成値54
Elektrode Keims:味方なのに……
GM:確かにな……
GM:選び直すとすっか
クレア:なんだと…
GM:choice[ヨモツシコメ,E,V,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[ヨモツシコメ,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) 
DoubleCross : (choice[ヨモツシコメ,E,V,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DOUBLECROSS : (CHOICE[ヨモツシコメ,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → ギル

GM:ギルくんです
デュバリー:ギルくん!
クレア:こんなのってないぜ!
ギル:え~んえ~ん
GM:達成値54!
ギル:あ、すみません。ロイス復活の時カンパニー効果でHP量増えるの忘れてたので今振ります
ギル:11+1d10
DoubleCross : (11+1D10) → 11+10[10] → 21

ギル:いまHP21。で
ギル:これよく見たらギガンティックモード入ってるけど単体でいいのかな
GM:ほんとだ
GM:全員死ね!
ギル:なんだとぉ……
クレア:ふざけんあ!
GM:ルカくん以外
ルカ:みんな……
ギル:《原初の紫:孤独の魔眼》を使用。単体にします
GM:なんだとぉ
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (107 → 112)
ギル:リアクションは《原初の緑:竜鱗》
ギル:装甲+40するぜ
“ファットマン”:ダメージ!《フォールンサラマンダー》を3個使用
ギル:いいもんもってんねえ!
“ファットマン”:6D10+10+10+6D10
DoubleCross : (6D10+10+10+6D10) → 41[8,3,8,10,7,5]+10+10+30[5,7,1,2,7,8] → 91

ギル:クソ~。戦車載ってないから耐えられんかった
ギル:仲間/デュバリー/P:信頼○/N:恐怖/ロイス これを取ってタイタスにして復活しよ
ギル:タンマ!ちょっとまってね
ギル:やっぱおちま~す。タイタス復活
ギル:11+1d10
DoubleCross : (11+1D10) → 11+6[6] → 17

ギル:HP17で復活
GM:では行動値12 “リトルボーイ”の手番です
クレア:あたしも12!
GM:そうだった
GM:クレアくんどうぞ
クレア:マイナーは特になし
ギル:ギルトレット・レッドフォードの昇華を1(→ 1)増加 (2 → 3)
クレア:メジャー『Flower of Kent』《カスタマイズ》LV3《コンセントレイト:モルフェウス》LV3《魔弾の射手》LV3《ギガンティックモード》LV1 日本刀2つを選択し射撃攻撃。プロセス後破壊。
クレア:対象は艦隊とリッケンバッカーのエンゲージ全体!
サブGM:いいのかい 複数体攻撃しても
サブGM:複数艦隊攻撃には電磁バリアLv99をするロジックだぜ
GM:リッケンバッカーは艦隊とは別エンゲージ!
クレア:そ、そんなシステムが……
クレア:ちょっとまってね
クレア:ギガンティックモードを抜きます。対象をワイオミング級戦艦アーカンソーに
クレア:その電磁反応装甲を捨ててもらうぜ
デュバリー:侵蝕100超える?
クレア:オートも使うから大丈夫よ
デュバリー:ならOK~
クレア:9dx7+7
DoubleCross : (9DX7+7) → 10[1,3,4,5,6,7,7,9,10]+10[1,3,8,10]+10[2,7]+6[6]+7 → 43

クレア:《剣精の手》
クレア:1dx7+47
DoubleCross : (1DX7+47) → 10[7]+6[6]+47 → 63

クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を2(→ 2)増加 (88 → 90)
サブGM:ガード。なすすべもありませんが
第二始祖エルドリッジ:本体が《デモンズウェブ》LV99。ダメージを軽減します。
クレア:おふざけ野郎め…
クレア:《オーバーロード》武器を破壊してダメージアップ
クレア:7d10+49 諸々有効
DoubleCross : (7D10+49) → 51[10,9,8,10,3,3,8]+49 → 100

第二始祖エルドリッジ:100-100d10
DoubleCross : (100-100D10) → 100-600[2,2,9,8,8,5,8,4,6,6,7,7,6,4,5,8,3,2,4,8,7,4,1,4,1,9,6,7,10,7,10,3,5,3,7,5,6,4,5,10,9,8,9,8,8,4,5,6,5,2,6,5,4,3,9,9,7,3,6,9,7,9,3,9,10,2,5,9,9,10,4,2,6,1,10,8,1,4,8,10,9,1,6,9,7,9,1,4,1,3,7,10,5,9,5,1,9,10,8,8] → -500

サブGM:こうでした
GM:何言ってだ
ギル:全然ダメだった
クレア:幻覚を見ていたようだ
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を12(→ 12)増加 (90 → 102)
ルカ:マイナス500て
GM:行動値12 “リトルボーイ”の手番です
“リトルボーイ”:choice[ヨモツシコメ,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[ヨモツシコメ,イルムガード,リッケンバッカー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → デュバリー

GM:死ねデュバリー!
デュバリー:ふうん?
“リトルボーイ”:マイナー《終末の炎》LV4
“リトルボーイ”:メジャー《コンセントレイト:キュマイラ》LV4《火炎袋》LV4《魔獣の本能》LV1《炎神の怒り》LV4《煉獄魔神》LV4《クロスバースト》LV4《プラズマカノン》LV4
“リトルボーイ”:16DX7+4
DoubleCross : (16DX7+4) → 10[2,2,2,3,4,4,4,5,5,5,6,8,8,9,9,10]+10[3,3,4,5,8]+10[10]+10[7]+5[5]+4 → 49

デュバリー:40を超えたら入門だね。《ゲットダウン》でドッジ
デュバリー:8dx+40=>49
DoubleCross : (8DX10+40>=49) → 7[1,3,4,4,4,7,7,7]+40 → 47 → 失敗

GM:ワハハ
デュバリー:普通に足りゃんかった
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (113 → 115)
ルカ:残念ッピ
“リトルボーイ”:5D10+20+60+1D10 ダメージ
DoubleCross : (5D10+20+60+1D10) → 38[10,8,4,8,8]+20+60+2[2] → 120

ギル:火力ヤバ
ギル:HPどれくらい使ってるんだろ
デュバリー:そら死ぬよ。-路地裏の少年のロイスをタイタスにして昇華、復活。
デュバリー:デュバリーのHPを11(→ 11)に変更 (3 → 11)

“リトルボーイ”:「おい……第三始祖の様子がおかしくねーか!?どうなってんだ!」
“リトルボーイ”:「ワケわかんねェーが……ンまあとりあえずぶっ潰せばいいんだろ!」
“リトルボーイ”:黒く焼け爛れたような腕が、肩口から指先にかけ、次第に蒼白く発光していく。
“リトルボーイ”:夜闇に不吉な光がぼわりと浮かび上がる。
“リトルボーイ”:「チンケな傭兵どもが俺達に歯向かいやがって……」
“リトルボーイ”:「踏み潰してやるよ」
クレア:「チェレンコフ放射……?あの男まさか……!」
GM:“リトルボーイ”の腕から蒼白い熱線、“ファットマン”の全身から夥しい銃火が放たれる。
“リトルボーイ”:「羽虫共!俺らUSAの叡智の炎で燃え尽きちまえッ!!」
デュバリー:対応するように銃口をそちらへ向け、銃撃。中空から木の幹が現れかけるが、
デュバリー:「……ただの火じゃない!」 慌てたように銃火とデュバリーの間に樹木の壁が立ち上がるものの、それも焼き破られていく。
“リトルボーイ”:「ヒャハハハハッ!何だァ?花冠でも作ってくれんのかァ~?」
“リトルボーイ”:赤と青の炎を噴き出し、悪魔の如き黒い異形が哄笑する。
ギル:『デュバリー、こっちにも支援……って、そんな場合じゃないか!』ファットマンの銃火を防ぎながら
クレア:「叡智と言うには、随分品がない」
クレア:"リトルボーイ"の炎に焼かれた大地から、漆黒の金属柱が引き抜かれる。
クレア:右腕を伸ばすと、空中に浮かび上がった金属柱が矢を番えるように標的を向く。
クレア:バヅンッ!!という重苦しい破裂音と共に、それが放たれる。
クレア:漆黒の弾丸は"リトルボーイ"の数メートル横をかすめ、背後に聳える艦隊へと迫る。
第二始祖エルドリッジ:示し合わせたような――実際にそうしたタイミングでの、ミサイルの同時斉射。
第二始祖エルドリッジ:それは“矢”の到達直前、その到達予測点でぶつかり合う。
第二始祖エルドリッジ:大爆発とともに、蒼い獄炎の巨壁が広がった。
クレア:「やはりタングステンでは抜けないか」最大出力の攻撃を防がれても、眉一つ動かさずに呟く
クレア:「……だが、次は射抜ける」

GM:行動値12 ヴリルジャームの行動です
Vril Keims:第三始祖の影響下を脱しているため、ドイツ軍として動きます。
ギル:そうなんだ
Vril Keims:choice[ファットマン,リトルボーイ,ファズ,イライザ,F,エルドリッジ,E,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[ファットマン,リトルボーイ,ファズ,イライザ,F,エルドリッジ,E,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → ファットマン

クレア:いいぞ~
Vril Keims:マイナー《破壊の爪》Lv2《ハンティングスタイル》Lv2。ファットマンらのエンゲージへ。
Vril Keims:メジャー《コンセントレイト:キュマイラ》Lv3《渇きの主》Lv2《吸収》Lv2《オールレンジ》Lv2《獣の力》Lv2
Vril Keims:命中でHP8点回復 1点でもダメージを与えた場合ラウンド間判定ダイスが-2個
Vril Keims:11dx7+4
DoubleCross : (11DX7+4) → 10[1,4,4,4,5,5,5,6,7,9,10]+10[4,10,10]+10[6,9]+5[5]+4 → 39

“ファットマン”:ドッジ 《ゲットダウン》LV1
“ファットマン”:10DX+21>=39
DoubleCross : (10DX10+21>=39) → 10[1,2,4,5,5,5,6,7,8,10]+9[9]+21 → 40 → 成功

“ファットマン”:避けた!
Vril Keims:そんな……
ルカ:えーっ成功してる
アッシュ:固定値が強い

Vril Keims:支配を脱したジャームが、元の支配者の指揮下、生やした血塗れの爪で怪物へと躍りかかるが。
“ファットマン”:バーニアを点火、上空へと逃れる。
“ファットマン”:「……」
“リトルボーイ”:「ハハッ!その程度でそいつが捕まるかよ」
“リトルボーイ”:「そうだろ“ファットマン”!」
“ファットマン”:「……」

GM:行動値10 ギルくんの手番です
ギル:おまたせしました。マイナーで戦車に搭乗
ギル:メジャーで《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》《無形の影》《コンセントレイト:ウロボロス》
ギル:戦車砲、大口径機関砲、大口径機関砲、大口径機関砲、車載機銃で攻撃します。
クレア:《拡散する世界》HPを20消費し、その攻撃を対象:シーン(選択)、射程:視界に変更します。
クレア:クレア・アップルシードのHPを20(→ 20)減少 (23 → 3)
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を10(→ 10)増加 (102 → 112)
ギル:ありがとう~
ギル:ハミちゃんも手伝ってほしいわ~
ハミース:OK。この判定ダイスを+5個して……
ハミース:これへのリアクションダイスは-5個。
ギル:リアクション-5頼りになりすぎる……!対象はシムス級駆逐艦アンダーソン、電撃ジャーム、ヴリルジャーム、ファットマン、リトルボーイ、ヨモツシコメ、イライザ、Fちゃん
ギル:16dx7+23 オリャ!
DoubleCross : (16DX7+23) → 10[1,1,1,3,3,4,4,4,5,6,6,7,7,9,9,9]+10[1,4,4,9,10]+10[2,9]+6[6]+23 → 59

GM:ダイス+3個振っていいよ!
ギル:なに!じゃあ振りたそう
ギル:3DX7+23
DoubleCross : (3DX7+23) → 10[1,4,8]+10[7]+3[3]+23 → 46

ギル:59のままだぜ
ギル:ガード不能、装甲無視!
サブGM:エグすぎ
“リトルボーイ”:7DX-5>=59 ドッジ
DoubleCross : (7DX10-5>=46) → 9[1,3,3,4,5,6,9]-5 → 4 → 失敗

ヨモツシコメ:9dx>=59 ドッジ
DoubleCross : (9DX10>=59) → 8[1,1,2,3,4,5,6,8,8] → 8 → 失敗

“ファットマン”:5DX+21>=59
DoubleCross : (5DX10+21>=59) → 9[3,6,6,8,9]+21 → 30 → 失敗

イライザ:ガード不可じゃん めっちゃガード値あるのに……
イライザ:1dx>=59 ドッジ
DoubleCross : (1DX10>=59) → 5[5] → 5 → 失敗

Vril Keims:4dx+3>=59
DoubleCross : (4DX10+3>=59) → 6[1,2,5,6]+3 → 9 → 失敗

Elektrode Keims:2dx+3>=59
DoubleCross : (2DX10+3>=59) → 9[1,9]+3 → 12 → 失敗

F:《リフレックス:ウロボロス》Lv4《浄玻璃の鏡》Lv2
ギル:ヤダ~
ギル:-5で0個にならないかな
F:2dx7+4>=59
DoubleCross : (2DX7+4>=59) → 10[2,9]+10[8]+4[4]+4 → 28 → 失敗

サブGM:流石にな……
ギル:ハミめっちゃ仕事してる!
クレア:あぶな~
第二始祖エルドリッジ:駆逐艦はガードです
第二始祖エルドリッジ:できない リアクション失敗です
クレア:《力の法則》LV4 ダメージを更に+5D
ギル:これで全員……かな?
ギル:強~
サブGM:こいつ……
GM:ぎえ~~
ルカ:いけいけ~
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4(→ 4)増加 (112 → 116)
アッシュ:クレア君仕事しまくる
サブGM:リアクションは全員終了よ
GM:ダメージどうぞ!
ギル:ではダメージ行くぜ
GM:観たくない
ギル:6d10+15+21+21+21+9++5d10+1d10+1d10 後ろのダイスはサイドリールとブラックスミスの効果です
DoubleCross : (6D10+15+21+21+21+9+5D10+1D10+1D10) → 37[6,8,9,1,4,9]+15+21+21+21+9+34[10,5,10,4,5]+4[4]+7[7] → 169

サブGM:ギャ~
GM:何言ってんだコイツ
ルカ:ヤッバ
クレア:すごいぜ
Elektrode Keims:戦闘不能
ギル:ダメージダイスの出目良すぎる
Vril Keims:戦闘不能
“リトルボーイ”:HP0 《魔獣の証》LV6 HP60で復活
“ファットマン”:HP0 復活なし
第二始祖エルドリッジ:シムス級駆逐艦アンダーソンも撃沈。エルドリッジから《電磁バリア》Lv99が消滅。
ヨモツシコメ:HP0 復活なし
F:《原初の虚:透過》Lv2 ダメージ0に シナリオ1回
イライザ:HP0。
イライザ:《原初の黒:ラストアクション》Lv2 HP0でメインプロセスを行う。
ギル:にゃに!
ギル:侵食だけ上げておこう
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を12(→ 12)増加 (112 → 124)
イライザ:マイナーなし
イライザ:メジャー《コンセントレイト:ウロボロス》Lv3《原初の白:光の手》Lv2《原初の赤:振動球》Lv11《氷の塔》Lv6
イライザ:ギルトレットのエンゲージの全員を攻撃。
ギル:やだ~
ルカ:みんなあ~
デュバリー:どうしてそんなひどいことを
アッシュ:めちゃくちゃ狙われる
ギル:どうにかデュバリー一人の命で勘弁してもらえませんかね
ギル:できれば達成値40以下くらいで……へへ……
サブGM:孤独とかしないなら判定しちゃうぜ
ギル:孤独は使い切っちゃった
クレア:もう孤独じゃないってわけ
サブGM:なるほどね 撃ちます
ギル:皆のギルトレットです
イライザ:15DX7+4
DoubleCross : (15DX7+4) → 10[1,1,4,4,4,4,6,6,8,8,9,9,9,10,10]+10[1,2,4,4,7,7,7]+10[2,9,10]+6[4,6]+4 → 40

クレア:リクエスト通りじゃん
ギル:避ける……か
ルカ:期待に応えてる
ギル:4DX
DoubleCross : (4DX10) → 7[1,2,5,7] → 7

ギル:かちゅ
デュバリー:避けようと思えば避けられるけどカバーリングすっぺかね
アッシュ:一応振る
アッシュ:1dx>=40
DoubleCross : (1DX10>=40) → 7[7] → 7 → 失敗

アッシュ:まあ無理!
クレア:4dx+1>=40
DoubleCross : (4DX10+1>=40) → 10[4,5,8,10]+2[2]+1 → 13 → 失敗

ギル:タスケテ~
クレア:《砂の結界》
ギル:デュバどうする?
クレア:カバーリングします。デュバがギル守るなら私はアッシュにしようかな?
ギル:逆でもいいかも
クレア:そうかも
ギル:私とデュバさっきからんだし
デュバリー:どっちでもいいけど……《マグネットフォース》。それじゃアッシュくんをカバーリングします。
アッシュ:庇い先はどっちでも良さげですね
クレア:じゃあギルをカバー!
アッシュ:ありがたい!
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を2(→ 2)増加 (116 → 118)
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (115 → 117)
イライザ:ダメージ算出直前に、Dロイス復讐者の効果を使用。
イライザ:ダメージを+[最大HP-現在HP]します。121-0で+121。
ギル:ちゃんとしてるな~
デュバリー:メチャクチャキレてるじゃん!
イライザ:5d10+148 装甲無視
DoubleCross : (5D10+148) → 23[8,6,1,7,1]+148 → 171

イライザ:メインプロセス終了時、《燃える魂》Lv4。戦闘不能を回復し、HP40で復活。
デュバリー:倒れます。例の女のロイスをタイタスにして昇華、復活。
アッシュ:しれっと復活もしてる
デュバリー:デュバリーの昇華を1(→ 1)増加 (2 → 3)
ギル:しゅまんねえ
クレア:消し炭になるよこんなん ファズに興味○/不安 でロイス取って即昇華復活

ギル:『……それにしても、ルカのやつ』幻覚の影響を抜け、巨人の姿へ戻っている。
ギル:『橋を架ける間もなく、海を渡っていったな。それだけエミリアの事が気がかりだったんだろうけど……』
ギル:『これで僕らは見てただけなんて笑い話にもならない。せめて有象無象の相手くらいはしなくちゃな』
ギル:『ハミース、いるだろ?支援頼む。全兵装解放、出し惜しみ無しだ。一気に叩くぞ!』
ハミース:「……はっ。今の今まで忘れてただろうに」声だけが響く。
ギル:両腕には巨大な連射砲を二門、背中には巨大な戦車砲。全身から大小無数の兵器を出現させ周囲のオーヴァードへ向ける。
ハミース:「いつでもいい。合わせる」
クレア:「心強いな。なら自分も」攻撃準備を終えた"鉄王"の背に乗り移る。
クレア:「少し間借りさせてもらうぞ」
クレア:"鉄王"を構成する砲門、銃火器、爆弾は、過去数十年に渡って戦場に死を振り撒いて来た兵器の残骸。ギルトレット・レッドフォードが眼にしてきた戦争の業そのものだ。
クレア:自分の短い生では到底及ばない苦難と絶望、そして戦場の栄光がまだ人の手にあった時代の具現。彼の能力は、現時点で十全に完成していると言って良い。
クレア:今更余分な付け足しは必要ない。それでも敢えて、加えられるものがあるとすれば……それは、未来にしか存在し得ないだろう。
クレア:"鉄王"に手を添え、自らのレネゲイドを流し込む。
クレア:金属が軋みを上げる歪な音色と共に、整然と並べられた鉄王の砲塔が形を変えていく。
クレア:口径はより大きく、砲身はより長く。その砲門は戦場の全域を射程に納めるかのように、360度の標的に向けて展開していく。
クレア:針鼠の如く威圧的なシルエット、やがて全ての砲が上下二つに分割し、その間に肉眼で視認できる程高密度の電磁場が収束していく。
クレア:「半年もあったからな。色々調べたんだ。リッケンバッカーの鎧を突破できる兵器は本当に無いのか」
クレア:弾体を電磁加速によって打ち出すレールガン。その弾速は火薬による砲弾の限界を遥かに超える。現時点では構想段階にしか無い、架空の兵器。
クレア:「今は彼より優先する標的があるが……保証するよギル」
クレア:「こいつで射抜けないものはない」
クレア:「照準さえ合っていればな」ハミースを横目に微かに笑う。
ハミース:戦場全域。光の矢の雨が降る。
ハミース:それほどの規模を持つものではない。それは無数の小ゲートからの転送だ。
ハミース:それらが戦場を照らし出し、撃つべきものを指し示す。
クレア:鉄王の脚が地面に沈み込む。すべての砲門に、重金属の砲弾が装填される。
ギル:『試し打ち無しで実戦投入?まったく……見ない間に随分頼もしくなって』
ギル:『僕じゃなきゃ拳骨飛ばしてるよ。……口を閉じて。反動で吹き飛ばされるなよ』
ギル:『オオオオオオオオ!』強化された砲塔が火を吹き、全火力を周囲一帯に叩き込む。
ギル:最新技術で作られた基地が、一瞬で炎と鉄くずで出来た地獄のような戦場へと変わっていく。
“ファットマン”:「……!」
“ファットマン”:砲火が立て続けに機体に直撃、鋼鉄の装甲を貫く。空中で爆散し、火の玉となって墜落する。
“リトルボーイ”:「嘘だろ、ファットマ…… ぐおぉおおおッ!?」
“リトルボーイ”:息つく間もなく叩き込まれる砲撃に、黒く焦げたような身体を半ばから吹き飛ばされるも、超高速で再生。恐るべき生命力。
“リトルボーイ”:「クソがっ……!馬鹿げてやがる……!“ファットマン”!クソッ!応答しやがれ!!」
Elektrode Keims:「ギ……」
Vril Keims:「ガアア……!」
イルムガード・ランゲ:「馬鹿な……」ジャームを盾にし、辛くも難を逃れている。
イルムガード・ランゲ:「あり得ない……何だその兵器は……!」
イルムガード・ランゲ:「フランス風情が我が国を遥かに上回る兵装を……!?」
“ヨモツシコメ”:大百足の身体が装甲ごと穿たれ、次々と穴だらけになっていく。
“ヨモツシコメ”:「ぎ あぁぁああぁああッ」
“ヨモツシコメ”:レネゲイドにより超再生を実現した荒御魂だったが、ダメージが再生速度を上回る。自らの劇毒に耐えきれず、ぐずぐずに腐敗していく。
F:戦場から姿の消えていたはずの少女の姿が、一瞬、遥か後方に照らされ映る。
F:それも一瞬。再び掻き消える。着弾したのかも確認できない。
第二始祖エルドリッジ:迎撃の砲火が飛び、その悉くを撃ち落とすかに見えたが。
第二始祖エルドリッジ:その外郭。最も迎撃網の薄くなる駆逐艦の一隻が、砲撃をかすめ、吹き飛ぶ。
第二始祖エルドリッジ:無敵と思われた迎撃網に、穴が開く。
ギル:『……やはりな。リッケンバッカーとクレアの攻撃で、パターンはおおよそ掴んだ』
ギル:『守るものが多いと苦労するね』
ギル:一帯を薙ぎ払いながら、味方には傷一ついていない。それどころか、エルドリッジの砲撃パターンの穴をつく精密性。
ギル:超軍的火力を、超人的な技量で操る。それが本来の”鉄王”の強さだ。
イライザ:「あ……あぁああああっ!」砲撃に晒されながらも反撃に転じる。
イライザ:全てを凍らせるかの如き吹雪が吹き荒れ、氷像の軍勢が姿を現す。
イライザ:「ギルトレット……レッドフォード……!!」
イライザ:地鳴りを響かせ、氷の騎士たちが突撃する。弓や投槍が“鉄王”に突き刺さり、影の身体が凍り付いていく。
ギル:『……向こうのお嬢さんには火に油だったか』
イライザ:雪崩の如き突進が、アイギスたちを諸共に飲み込む。
イライザ:「その力……何て醜い、忌まわしい力……!」
イライザ:「まるでお前そのものだ、“鉄王”!戦場の亡霊、殺すことしかできない怪物が……!」
イライザ:「私がここで地獄に落としてやるッ!お前のいるべき場所に戻してやるッ!!」
クレア:イライザの氷が"鉄王"を飲み込み停止させる、その寸前
クレア:上空から飛来した砲弾が眼前で炸裂する。
クレア:それは凍りついた鉄王の装甲表面を自ら破壊することで、それ以上の侵蝕を防いだ。
デュバリー:同時、絞殺弾を地面に撃ち込みそれを起点として即座に樹木の壁を生成。雪崩の余波を阻止する。
ギル:『悪いがその誘いには乗れない。地上の人達が引き止めてくるんだ』
ギル:『それに、怪物を殺せるのは、何時だって英雄だ。憎しみで英雄になれるか……』
ギル:ちらりとアッシュをみやり『本物を見て判断するといい』
アッシュ:「merci,デュバリー。やっぱデュバリーが居ると断然戦いやすいんだよな」
デュバリー:「なら良かった。……なにせ、そっちが寝てる間に、こっちはそれができるように備えておいたからね」
デュバリー:「寝ぼけてないって所、存分に見せて?」
アッシュ:「勿論。ゆっくり寝たお陰で気付けたこともあるしな」
アッシュ:「攻撃を受け流すってやつ、想像以上にムズイ。キミの仕事の凄さが余計に骨身に染みた」

GM:行動値10 イルムガードの手番です
イルムガード・ランゲ:全員ぶっ殺してやる
ルカ:がんばえ~
イルムガード・ランゲ:choice[リトルボーイ,イライザ,エルドリッジ,F,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[リトルボーイ,イライザ,エルドリッジ,F,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → クレア

クレア:こっちこないで!
イルムガード・ランゲ:あんな兵器作ったしな
アッシュ:皆めっちゃこっち狙う~
イルムガード・ランゲ:マイナーなし
イルムガード・ランゲ:メジャー《コンセントレイト:ハヌマーン》Lv3《コンバットシステム》Lv4《かまいたち》Lv2《大裁断》Lv4《風鳴りの爪》Lv4
イルムガード・ランゲ:13DX7+8
DoubleCross : (13DX7+8) → 10[1,1,2,3,3,4,7,7,8,8,8,9,9]+10[2,3,3,3,4,5,9]+1[1]+8 → 29

サブGM:いまいち
クレア:ドッジするぜ
クレア:4dx+1>=29
DoubleCross : (4DX10+1>=29) → 10[7,7,7,10]+8[8]+1 → 19 → 失敗

クレア:おしい
ルカ:おしかった
イルムガード・ランゲ:ダメージ適用前に《フェイタルヒット》Lv4
イルムガード・ランゲ:3d10+4d10+8
DoubleCross : (3D10+4D10+8) → 5[2,2,1]+23[3,8,10,2]+8 → 36

イルムガード・ランゲ:2,2,1,2を振り直し
クレア:そんなもんか……何!?
イルムガード・ランゲ:4d10+29 装甲有効
DoubleCross : (4D10+29) → 18[2,4,7,5]+29 → 47

クレア:死ぬ!ルカのロイスをタイタス昇華して復活!

イルムガード・ランゲ:「……アイギスのお前。お前を看過することは出来ん」
イルムガード・ランゲ:「技術者こそ、最も脅威になる。単体のバケモノよりよほどな」
クレア:「同感だが……」炸裂に巻き込まれ焼けただれた肌が再生していく。
クレア:「自分は別に技術者ではない。狙撃手だ」
イルムガード・ランゲ:額の文様が光る。「オオオ……!」
イルムガード・ランゲ:「ヴリル発勁!」
イルムガード・ランゲ:ハヌマーンの待機操作能力を駆使した、遠当て。
イルムガード・ランゲ:その掌打が、離れたはずのクレアの身体をしとど打つ。
クレア:「……っ」銃を構える間もなく、幾つかの骨がひしゃげる音を立てた。
クレア:バランスを崩して膝をつく。口から一筋の血が流れている。
クレア:「見た目から想像するのとは……少し違ったな」
クレア:「兵士の後ろで構えているタイプなら、狙いやすかったんだが」
イルムガード・ランゲ:「奴らは所詮捨て駒。私の存在こそが“鉄の意志アイゼルナーヴィレ”である」
クレア:「捨て駒にだって意志はあるさ。君が聞こえていなかったと言うなら……」
クレア:「その鉄は鈍らだ」

GM:行動値9 Fの手番です
F:《原初の青:陽炎の衣》Lv3《原初の黒:ハンティングスタイル》Lv3《縮地》Lv6
F:隠密状態になり、任意のエンゲージに侵入。
F:choice[イルムガード,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[イルムガード,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → イルムガード

サブGM:殺すか……
ルカ:ああっ
ギル:笑っちゃった
クレア:見せてみろよ鉄の意志をよ
GM:殺さないで
F:《原初の赤:ガラスの剣》Lv4《形なき剣》Lv4《原初の白:バリアクラッカー》Lv3 《原初の灰:デボラスフレア》Lv3
F:ドッジダイスを-10個。ガード装甲無視、ダメージ軽減不可
F:イノセントブレードで攻撃。
F:8dx+4
DoubleCross : (8DX10+4) → 8[1,2,2,3,3,5,6,8]+4 → 12

イルムガード・ランゲ:何も出来ません
ルカ:かわいそう
F:2d10+33
DoubleCross : (2D10+33) → 15[6,9]+33 → 48

F:《バックスタブ》の効果が適用されています。
イルムガード・ランゲ:いやでもこいつもしかして……
イルムガード・ランゲ:まだ無傷なのでは だいぶ削れて生きています
ギル:た、耐えやがった
クレア:やるじゃねえか…
ギル:死なない男じゃん
GM:流石だぜ
ルカ:さすが鉄の意志を持つ男

イルムガード・ランゲ:攻撃直後、血を吐く。
イルムガード・ランゲ:「なんだ……何が」
イルムガード・ランゲ:その胸元が、刃物でえぐられたように裂けている。
イルムガード・ランゲ:「貴様……!何をしたッ!」眼前のクレアへと叫ぶ。
クレア:「ここで不敵に笑えれば格好良かったんだけどな」
クレア:自分にもわからないという様子で首を振る
サブGM:不可視の意識外からの攻撃。それが痕跡を残すことはない。
デュバリー:(あの女の攻撃……)
デュバリー:(来ると分かっていても、……私に向けられたものでなかったのに、なお見えなかった)
デュバリー:(転移による、完全不可視攻撃。……私に対応できる? いや……)
デュバリー:(できるようにならなければ)

GM:クリンナップ。
GM:邪毒によるダメージが発生します。
イルムガード・ランゲ:300ダメージ 死にます 復活なし。
ルカ:ああっ
デュバリー:イッイルム
デュバリー:スパークウェッジと一緒に回復済み
リッケンバッカー:邪毒ランク100で300ダメージ
クレア:かわいそう…
リッケンバッカー:生きています。
クレア:マジかよ
デュバリー:きがくるっとる
ルカ:どういうこと
アッシュ:タフすぎ
クレア:病気はどうした病気は
ギル:なんで生きてるんだよ
ギル:我々は砂塵がどうこう言って心配してたのに……
ルカ:ここでロバート・クロムウェルに興味/敵愾心:〇でロイスを取得して昇華。スパークウェッジと邪毒を回復します。
ルカ:あと行動値が6に戻ります!
アッシュ:こっちはアイギスに〇信頼/隔意で取って昇華。戦闘不能から復帰します。
アッシュ:行動値は7に
デュバリー:10になるじゃよ
クレア:こっちは死にます。アップル社に驚異/憤懣○でロイスとって昇華復活 邪毒が解除されます。
ギル:私はなにもないはずかな
ギル:面倒なの全部かばってもらっちゃった。てへ

GM:エミリアの暴走が停止しても、一度発動した幻覚の作用は続いていた。
GM:死を認識した身体が急速に、自らを死へと至らせていく。
イルムガード・ランゲ:「ハア……ハア……まだだ……」
イルムガード・ランゲ:「まだ、こんなところで私は……」
イルムガード・ランゲ:失血は止まった。リザレクトが働いている……はずだ。
イルムガード・ランゲ:はずなのに。
イルムガード・ランゲ:それが止まらない。身体が再生し、再生し、再生し再生し再生し……
イルムガード・ランゲ:「何だ、何だ、止まれ、止まれ……!」
イルムガード・ランゲ:無限に再生を続ける、自らの心臓に手を当てる。
イルムガード・ランゲ:全霊でのヴリルパワーの解放。その再生へと向かう自らの力を阻害し、停止させる。
イルムガード・ランゲ:「フ……ハ。これで」
イルムガード・ランゲ:「止ま」
サブGM:傍から見れば、それは急速に自殺を図っただけだ。
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:度重なる攻撃、対抗種ウィルスの爆撃、始祖による自死作用アポトーシス──
リッケンバッカー:それらを経て尚、その男が揺らぐことは無い。
リッケンバッカー:重力の鎧を剥がされ、全身血に塗れながらも、大地に根を下ろした神樹のように、厳然たる存在としてそこに立ち続けている。
クレア:「――――――ッ―――!!」束の間、意識の空白から帰還する。
クレア:目の前に倒れ伏したイルムガードと、遠くで微動だにしないリッケンバッカーが視界に入る。
クレア:荒い呼吸を落ち着かせて、自死の衝動の余波が引いていくのを待つ。
クレア:「鉄の意志、か……皮肉だな」
ロバート・クロムウェル:『は は は は……』
ロバート・クロムウェル:『残るは“リッケンバッカー”とアイギスのみ……』
ロバート・クロムウェル:『我が艦隊は未だ健在です。如何に万夫不当の英雄とて、この布陣を破ることは出来ませんよ』
ロバート・クロムウェル:『我が合衆国は覇権国家として、世界を正しく導く責任があるのです。その邪魔を──』
ロバート・クロムウェル:『……?』
GM:戦場の上空で渦を巻く暗雲──否。それは巨大な《ゲート》だ。
F:「……」
F:「――あれは……」
:「お前達の使った手だろう?」
:「元々は私の能力だ。こちらが使っても文句はあるまい?」
GM:空間の裂け目から、大質量の鋼鉄の塊が姿を現す。
GM:それは一隻の船だ。君達の見覚えのある姿の。
ギル:『……!あれは……!』
メラニー:「レキシントン級サラトガ、ワイオミング級アーカンソー、マハン級ラムソン、シムス級アンダーソン……」
メラニー:「バラオ級パイロットフィッシュ、アポゴン……キャノン級護衛駆逐艦、エルドリッジ!」
メラニー:「ああ……なんて勿体ない!そんなんじゃその子達の本当の魅力は引き出せないよ!」
メラニー:「教えてあげるよ。艦隊戦のやり方!」
GM:戦艦ルイジアナ。傭兵組織アイギスの旗艦だ。
ルカ:「……無茶苦茶しやがる」
ギル:『内緒の仕事はこのためか』
アッシュ:「良いじゃん、元気そうでさ。消息聞いてなかったし」
ロバート・クロムウェル:『戦艦……?愚かですね、エルドリッジの前で通常兵器など……!』
クレア:「通常兵器……いや」
ロバート・クロムウェル:『それも我が艦隊に組み込んで──』
GM:第二始祖エルドリッジから、機械を侵蝕するワーディングが放たれるが──ルイジアナに異変は無い。
ロバート・クロムウェル:『……何…… ……まさか……!』
デュバリー:「……」 何か手があるのだろう、とは思っていたが、見当がつかない。少なくとも自分は何もしていない。
ルカ:「……おい」視線で彼女を探す。先ほど耳打ちをされていた光景を思い出しながら。
エミリア:その姿は、既に甲板上にある。
エミリア:「……!」
エミリア:戦艦一隻を能力の支配下に置き、エルドリッジによる侵蝕を退けている。
ギル:『舞がなんの対策もなくあれを出してくるはずがない、とは思っていたが……』
ルカ:「……、無茶苦茶しやがる」
アッシュ:「始祖には始祖を、って?良いな」
アッシュ:「あの眼鏡が狼狽えたとこ見られただけでもお釣りが出そうだ」
デュバリー:エミリアの姿を認め、息をつく 「さすが舞。悪だくみで右に出るものはない」
GM:choice[ラムソン,アポゴン,パイロットフィッシュ,サラトガ,アーカンソー]
DoubleCross : (choice[ラムソン,アポゴン,パイロットフィッシュ,サラトガ,アーカンソー]) → アポゴン

:「メラニー。今日は好きなだけ撃っていいぞ」
メラニー:「待ってました!行くよみんな!」
メラニー:「鬱憤溜まってたの、私だけじゃないんだからね!」
:「奴らに教えてやれ。戦艦と駆逐艦、どちらが強いのか」
メラニー:「アイギス旗艦、戦艦ルイジアナ。主砲準備――」
メラニー:「てえっ!」
GM:ルイジアナの甲板上に並ぶ主砲──時代錯誤な大艦巨砲主義、それを更に改造した旧時代の狂気の遺物。
GM:それらが一斉に火を噴き、轟音と共に始祖の艦隊の一角を瞬く間に吹き飛ばす。
GM:バラオ級潜水艦アポゴンに150ダメージを与えます。
ギル:ルイジアナつええ!
デュバリー:次からロバート・クロムウェルのメガネもchoiceに入れようぜ!
第二始祖エルドリッジ:アポゴンはその一撃で轟沈。
第二始祖エルドリッジ:《加速装置》が消失。
ルカ:やったー!
クレア:偉いぞ~メラニー!
メラニー:へへっ
GM:また、次ラウンドから以下のNPCカードが使用可能です。

NPCカード:戦艦ルイジアナ
1ラウンドに1回、オートアクションで使用可能。
ダメージ判定の直前に使用。攻撃力+『主砲』の強化レベル×50。この効果を受けた攻撃によるダメージは軽減できない。


アッシュ:頼もしすぎる!
ギル:これで最強の男も殺せる
GM:同時に戦艦ルイジアナの強化効果が全て使用可能になります。
デュバリー:スゴ
ルカ:やった~~!!
クレア:嬉しすぎる
アッシュ:助かるぜ
GM:現在の効果は以下。

・娯楽室 LV3
バックトラック時ダイス+3個
・医務室 LV3
シーン終了時HPを3D10回復してよい。
・厨房 LV3
戦闘中メジャー判定ダイス+3個
・弾薬庫 LV3
調達判定達成値+6
・主砲 LV3
メラニーの機嫌が最高


ロバート・クロムウェル:『まさかこんな……想定外ですよ……』
ロバート・クロムウェル:『第三始祖を奪取されるとは……由々しき事態です』
ロバート・クロムウェル:『一刻も早く我がアメリカの元に取り戻し、正しい運用をしなくては……世界にとって損失です……!』

GM:ラウンド2 セットアップから
ルカ:なしです!
クレア:なし!
ギル:茄子
第二始祖エルドリッジ:周囲に《融合》させます
第二始祖エルドリッジ:《アタックプログラム》Lv2《リペアウーンズ》Lv2 《雷光撃》Lv2《電磁反応装甲》Lv2《デモンズウェブ》LV2 《スパークウェッジ》Lv2を取得。
アッシュ:加速装置Lv4だけ使用、行動値+12
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を2(→ 2)増加 (123 → 125)
デュバリー:加速装置Lv4なら+16では
アッシュ:そうでした +16で23
デュバリー:と言いつつ《加速装置》。行動値を+12して22に
イライザ:《原初の黄:得意領域》Lv4《氷の城塞》Lv4
F:《原初の黄:クイックダッシュ》Lv4《縮地》Lv6
F:100m向こうまで移動。
リッケンバッカー:《小さき魔眼》LV8+《虚無の城壁》LV6+《赤方偏移世界》LV8+《果てなき先駆》LV6+《解放の宴》LV6
リッケンバッカー:ラウンド間ダイス+5個、攻撃力+16、ガード値+18、行動値+21、戦闘移動距離+10m、飛行状態
GM:行動値60 リッケンバッカーの手番です
リッケンバッカー:マイナー 《ダークマター》LV6+《過剰収縮》LV8+《重力の沼》LV6+《魔眼槍》LV8
リッケンバッカー:メジャー 《コンセントレイト:バロール》LV4+《黒星の門》LV6+《瞬速の刃》LV6+《暗黒の槍》LV6+《巨人の斧》LV6+ 《魔人の弩》LV6+《魔王の理》LV8+《魔王の腕》LV1+《魔神の心臓》LV6+《黒の咆哮》LV6+《魔弾の射手》LV6
リッケンバッカー:+《因果歪曲》LV6+《パラドックス》LV1
リッケンバッカー:対象が……
ギル:普通に範囲でエルドリッジ狙ってよ~
リッケンバッカー:ファズ、リトルボーイ、エルドリッジ、
GM:choice[ラムソン,パイロットフィッシュ,サラトガ,アーカンソー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[ラムソン,パイロットフィッシュ,サラトガ,アーカンソー,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → アーカンソー

GM:choice[ラムソン,パイロットフィッシュ,サラトガ,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[ラムソン,パイロットフィッシュ,サラトガ,アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → ルカ

ルカ:ええっ
リッケンバッカー:アーカンソーとルカです
クレア:なんてやつだ
ルカ:ぼく艦隊じゃないよ~
デュバリー:エミリア奪取するなら……我々削んなきゃだしだね
ギル:恩を仇で返すってのかよ!
リッケンバッカー:31DX7+11
DoubleCross : (31DX7+11) → 10[1,1,1,2,2,2,2,3,3,3,3,3,4,4,4,5,5,5,5,6,6,7,7,7,8,8,9,9,9,9,10]+10[3,3,4,6,6,8,8,8,9,10]+10[1,4,8,9,9]+10[1,6,10]+6[6]+11 → 57

第二始祖エルドリッジ:アーカンソーはガード。
ルカ:8dx>=51 ドッジします
DoubleCross : (8DX10>=51) → 9[2,2,3,4,6,6,6,9] → 9 → 失敗

ルカ:だめー
“ファズ”:ガード
“リトルボーイ”:ガード
第二始祖エルドリッジ:本体もか こいつもガードです
デュバリー:ちとデバフが重すぎるぜ。ルカに対して《運命の切り替え》。
GM:装甲無視 命中で硬直付与、ラウンド間判定ダイス-18(マイナー使用で解除) ダメージで硬直付与
ルカ:姐さん!
デュバリー:8dx+40=>57
DoubleCross : (8DX10+40>=57) → 8[1,1,1,1,4,6,6,8]+40 → 48 → 失敗

デュバリー:回らん……! 《妖精の手》!
デュバリー:1dx+50=>57
DoubleCross : (1DX10+50>=57) → 7[7]+50 → 57 → 成功

サブGM:おお~ ジャスト
ギル:偉い!
ルカ:さすが!
クレア:すごい!
アッシュ:勝負強い!
デュバリー:成功したわ(手汗ビッショリ)
リッケンバッカー:《時の棺》LV1
デュバリー:アーッ!?
ルカ: エーッ!?
クレア:お前貴重な棺を!
アッシュ:どうにもならない奴止めろ!
ギル:判定前だろ!
“ファズ”:《デビルストリング》LV6 《デビルスレッド》LV6
“ファズ”:打ち消します
クレア:そうだそうだ!
アッシュ:お前が止めるんかい
ルカ:こっちだった
クレア:ファズくんは偉いな~
ギル:ファズ、ヒロインだった!?
デュバリー:サンキューファズ
リッケンバッカー:ダメージ
リッケンバッカー:6D10+16+15+32+18+18+10+24
DoubleCross : (6D10+16+15+32+18+18+10+24) → 33[7,5,3,2,7,9]+16+15+32+18+18+10+24 → 166

ルカ:ヤッバ
クレア:主砲より強い
ギル:俺だってこんくらいダメージ出せるし……!
ギル:嘘。クレア助けて
第二始祖エルドリッジ:《電磁反応装甲》を9回使用して無傷。残り60回
“ファズ”:HP0 Eロイス【不滅の妄執】で復活
第二始祖エルドリッジ:アーカンソーに《デモンズウェブ》Lv99
“リトルボーイ”:《燃える魂》LV4 HP40で復活
第二始祖エルドリッジ:166-100d10
DoubleCross : (166-100D10) → 166-521[3,9,7,5,5,7,7,2,4,2,5,4,10,1,3,4,3,3,6,10,8,2,7,3,5,6,4,3,1,5,1,1,3,10,1,5,8,4,6,3,3,1,6,7,10,3,10,3,4,3,5,1,9,2,8,7,9,7,3,10,3,4,6,7,1,5,8,9,9,4,1,10,7,5,2,7,1,5,9,8,1,8,6,3,7,10,7,1,4,1,6,5,2,6,7,1,9,10,10,9] → -355

第二始祖エルドリッジ:アーカンソーも無傷です
ルカ:なに~~
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を7(→ 7)増加 (117 → 124)

“ファズ”:「かはっ……!ははっ……!ひっ……!」
“ファズ”:とうに何度も致命傷を受けているはず。脳や内臓を剥き出しに、ほとんど肉塊に等しい状態にもかかわらず、能力を全開で行使し続ける。
“ファズ”:血みどろの中で魔眼だけが異様な輝きを放ち、リッケンバッカーの能力を中和していく。
リッケンバッカー:「ぐ……お…… オォオオオオオッ……!」
リッケンバッカー:完全に防御を捨て去り、傍らに一本の巨大な重力槍を形成する。
リッケンバッカー:まるで無尽蔵に思えるレネゲイドと耐久力、そしてそれを支える強靭な意思。
リッケンバッカー:「……うォらァッ!!」
リッケンバッカー:急速に膨張した魔眼槍が爆散し、戦場へと飛散する。その一片一片が、必殺の一撃となる。
第二始祖エルドリッジ:二隻が落ちた時点で、艦隊構成を組み替えている。投影面積を最小限にした矢のような布陣。
第二始祖エルドリッジ:それらが捻るように戦闘機動しながら舐めるように迎撃の砲撃を浴びせ、抑え込む。
ルカ:「…巻き込まれてんじゃねえぞ」巨大な漆黒の嵐が視界を覆う。
デュバリー:……"リッケンバッカー"は"ファズ"の魔眼を排除しなければならない。そこに隙がある。魔眼の輝きが照らす範囲であり、なおかつファズを狙った攻撃に阻まれない間隙。
デュバリー:「ルカ、守り固めて!」
デュバリー:言いながら、頑強な根がルカをその間隙へと押し流すように運びつつ、魔眼の破片を防ぐ壁となり、さらに土砂を巻き上げる。
ルカ:「っ…!」土砂に異形化した手を合わせ、自らのレネゲイドと一体化させて更に強力な防壁を作り出す。
ルカ:根に沿って巨大な鱗のように膨らんだ壁が、降り注ぐ砲撃から身を守る。
ルカ:「どうも…!」
“ファズ”:「ごぼっ……ぶっ……ぎ……ひはははっ……!」頭部の半分以上を吹き飛ばされ、殆ど魔眼のみの状態。それでもまだ死なない。「リッケン……バッ……カァァアアア……」
“リトルボーイ”:「マジでバケモンだな、“ファズ”も“リッケンバッカー”も……」急速に身体を再生させながら、その様を見遣る。「俺も人のことは言えねーが……」
リッケンバッカー:「……」戦場の敵がまだ残っているのを確認し、
リッケンバッカー:「もう一発……」
リッケンバッカー:更に重力槍を形成しようとし──
リッケンバッカー:ごぼり
リッケンバッカー:その口から、夥しい血を吐く。
クレア:「……!」
デュバリー:「……うん、上手。それに、あの様子なら……そう何発もはこない」
リッケンバッカー:「が……ふッ……」
リッケンバッカー:何度も咳き込むたびに赤い血が零れる。
リッケンバッカー:『最強のオーヴァード』の巨躯が初めて傾ぎ、地に膝をついた。
F:「……リッケンバッカーは問題にならない」命令者より告げられた言葉を反芻している。
F:「長くは保たない」
リッケンバッカー:形成されかけた重力槍が霧散し、力場が消えていく。
クレア:(やはりアメリカも、彼の容態は把握していたのか。だからあの実験体をぶつけて、持久戦に持ち込んだ……)
クレア:「……だが」
クレア:「ここは君の死に場所じゃないだろ。リッケンバッカー」
クレア:彼は、アイギスの手で仕留めなければならない。そしてその時は、今ではない筈だ。
クレア:沈黙する最強の男に背を向けて、艦隊へと向き直る。
リッケンバッカー:「……」
リッケンバッカー:血混じりに唾を吐き捨て、最後の力を振り絞り、漆黒の重力剣を形成する。
リッケンバッカー:その切っ先をクレアへと向け──射出。
リッケンバッカー:刃は彼の眼前に突き立てられる。
クレア:「……」微動だにせず、視線だけを返す。
リッケンバッカー:《異能の継承》×2
GM:クレアくんは《盾なる力場》LV7と《魔眼槍》LV7を習得できます
クレア:リッケンバッカー……受け取ったぜ……!
リッケンバッカー:それ以上は何も言わない。重力場を形成し、飛行態勢に移行。一瞬でその場から姿を消す。
リッケンバッカー:《瞬間退場》。
ロバート・クロムウェル:『は ははははは……ははははははははは……!!』
ロバート・クロムウェル:『やりました……とうとう……遂に……!』
ロバート・クロムウェル:『あの“リッケンバッカー”を倒した……!最強のオーヴァードを、我々合衆国の力で……!』
ロバート・クロムウェル:『これは歴史的瞬間です!最早我々を害せる者など、この世にいない……!』
クレア:「……わかったよ。リッケンバッカー」艦隊の上で嬌笑する男を遠くに見て
クレア:「託されたからには必ず叶える」
クレア:「今までずっと、そうしてきた」
クレア:大地に突き立てられた黒い刃を、静かに引き抜いた。
“ファズ”:“ファズ”の存在は、その命は、ただこの場で“リッケンバッカー”を倒すためにあった。
“ファズ”:その設計思想から、そのレネゲイドの大半は“リッケンバッカー”の莫大なレネゲイドに寄生・吸収する形で供給されていた。
“ファズ”:“リッケンバッカー”本人がいなくなれば、その供給源も無くなる。
“ファズ”:「……リ……ケ……」
“ファズ”:崩れ去り、血まみれの死体へと変わる。
“ファズ”:Eロイス【不滅の妄執】の条件解除。死亡します

GM:行動値23 アッシュくんの手番です
アッシュ:マイナーで戦闘移動してイライザにエンゲージ。
アッシュ:メジャーもイライザ狙いでコンボ。
アッシュ:Ramer les rames:コンセントレイト:ウロボロスLv4+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv4+ライトニングリンクLv6+バリアクラッカーLv3
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+4、攻撃力+24、装甲無視、ガード不可、HP-5、侵蝕値+13
アッシュ:19dx7+9
DoubleCross : (19DX7+9) → 10[1,3,3,4,4,6,6,6,6,6,6,7,8,8,9,9,9,10,10]+10[1,3,5,7,7,8,9,10]+10[4,4,6,7,9]+10[2,8]+2[2]+9 → 51

ルカ:回るねえ!
イライザ:ガードさせてくれない……
イライザ:7dx+4>=51 ドッジ
DoubleCross : (7DX10+4>=51) → 10[1,2,3,4,7,8,10]+2[2]+4 → 16 → 失敗

アッシュ:ダメージ!
アッシュ:6d10+15+24+24+1d10
DoubleCross : (6D10+15+24+24+1D10) → 34[1,6,2,8,9,8]+15+24+24+8[8] → 105

イライザ:《氷雪の守護》Lv4《ダイヤモンドダスト》Lv2
イライザ:ラウンド1回ダメージを8d10軽減
ギル:軽減するな~
ルカ:まちたまえ
イライザ:なにっ
ルカ:《デビルストリング》!《氷雪の守護》を打ち消します
ルカ:ルカの侵蝕率を6(→ 6)増加 (114 → 120)
イライザ:そんな……
ルカ:そのまま食らうのよ!
イライザ:《氷の城塞》Lv4の12点分だけ軽減して
イライザ:93点。残りHP40点のためこれでHP0。
イライザ:これ以上の復活はありません。
アッシュ:よっし!
ルカ:やった!
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を13(→ 13)増加 (125 → 138)

アッシュ:「リッケンバッカーは途中退場か。出来れば他に邪魔の居なくなったとこで一戦やりたかったんだけど」
アッシュ:当初に比べれば随分と見晴らしの良くなった戦場を見渡す。目に留まったのは荒れ狂う吹雪とそれを纏う少女。
アッシュ:「今はそこにこだわる場合でもないか」
アッシュ:アッシュの足元に影が巻き付く。身体強化の一部だが、これだけなら今までと変わりはない。
アッシュ:変わったのはその役割。靴のように纏った影はそのまま歩む道の役割をも担い、一歩ごとにその高度を上げていく。
アッシュ:イライザと同じ地点に辿り着く頃には、完全に頭上を取っていた。
イライザ:フランスの英雄でも強敵たるオーヴァードでもなく、障害物を見る憤怒の眼を向ける。
イライザ:「私の復讐の、邪魔を……するなあッ!」
イライザ:悲鳴のように軋みを上げる氷像の群れ。波濤のように押し寄せる吹雪の軍勢が、アッシュを呑み込まんとする。
ルカ:「させるかよ」
ルカ:手を翳す。甲板の周辺がクレーターのように崩れ、巨大な砂塵嵐が巻き起こる。
ルカ:砂漠を竜巻が横切るように、砂塵が吹雪の軍勢を薙ぎ払っては圧し潰す。
イライザ:「ッ……!」
イライザ:二色の濁流が衝突、相殺し合ってその勢いが削がれる。
アッシュ:「キミに取っては憎き仇でも、オレから見れば同じ戦場を潜った仲間でね」
アッシュ:「悪いが、邪魔しない訳にはいかないな」
アッシュ:鮮烈な青い光が二色の濁流を中心から照らす。それは竜巻と吹雪を切り裂く雷。
アッシュ:戦場全体に雷鳴を響かせながら、致命の一閃がイライザへと振り下ろされた。
イライザ:その攻撃を止めきれない。純白の肌と衣服とが切り裂かれ、夥しい血飛沫が噴き出る。
イライザ:「あ、ぐぁっ……!」
イライザ:膝を折りながらも、煮え立つような怒りの目をギルトレットに向ける。
イライザ:「ッ……まだ……!」
イライザ:傷を無理やり凍結させ、再び冷気を収束させようとして──
朱劉帆:「やめとけ」
朱劉帆:イライザを後ろから羽交い絞めにする。既にデュバリーの拘束から脱している。
イライザ:「このっ……離せ……!」
朱劉帆:「今は無理だ。帰るぞ」
イライザ:「嫌だ!私はあいつを必ず……!」
朱劉帆:「吠えるだけなら犬にも出来る」
朱劉帆:「本気で復讐したいならまた今度にしろ。ま、ここで何も果たせないまま死にたいってンなら止める理由は無いが?」
イライザ:「ッ……!」
イライザ:朱に押さえられたまま怒りと悔しさに顔を真っ赤にし、
イライザ:ボロボロと涙を零す。
アッシュ:「意外と冷静だよな、アンタ。そうでなきゃここまで生き残ってないか」
朱劉帆:「お陰で長く戦えたのしめてる」ギルトレットに目を向け「そいつみてえにイカれちまうこともなくな」肩を竦める
イライザ:「……ギルトレット・レッドフォード……!」
イライザ:「覚えておけ、私は必ずお前に贖わせる……!」
イライザ:「お前に同じ苦しみを味わわせる!お前の大切なものは何もかも、全て奪ってやる……!」
ギル:『止めたほうがいい。君はそれじゃ満足できない……』
ギル:『僕を殺しても、奪っても……その中に君にとって価値のあるものは何もないよ』
イライザ:「黙れ!!私の価値ある全てを、お前が奪ったんだ!!」
イライザ:「お前を殺さなきゃ、私は新しく手に入れることも出来ない!何もかも掌をすり抜けていくだけだ……!」
朱劉帆:「もういいだろ。行くぞ」
朱劉帆:ルカを一瞥し「じゃあな、クソガキ」
ルカ:「…さっさといなくなれ」
GM:揃って退却します。《瞬間退場》
アッシュ:「タイタス・アイロニカスか。自分で名乗る名としてはどうかと思うぜ」
アッシュ:居なくなる彼らを見送って。
アッシュ:「殺したところで何も得なかった男の話だろ、アレは」

GM:行動値22 デュバリーさんの手番です。
デュバリー:ほい来た。マイナーでアッシュと同じエンゲージに移動し、メジャーで《罪人の枷》。
デュバリー:対象は"リトルボーイ"。仕留めてやるぞ~
GM:判定どうぞ!
デュバリー:11dx+40
DoubleCross : (11DX10+40) → 8[1,2,3,3,3,5,6,6,7,8,8]+40 → 48

デュバリー:回らん! でも回避はできぬだろう……!
“リトルボーイ”:13DX>=48 ドッジ
DoubleCross : (13DX10>=48) → 10[2,2,2,4,4,5,5,6,7,7,8,9,10]+5[5] → 15 → 失敗

GM:ダメージどうぞ!
クレア:《力の法則》LV4 ダメージを更に+5D
デュバリー:ありがてえ。覚悟しな!
デュバリー:10d10+10
DoubleCross : (10D10+10) → 53[1,8,4,4,5,8,1,8,7,7]+10 → 63

クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4(→ 4)増加 (118 → 122)
GM:ギャーッ
クレア:いいかんじ!
デュバリー:生きているなら行動値-5、ラウンド中達成値-14だが……
“リトルボーイ”:HP0 これ以上の復活はありません。
デュバリー:その情報は不要のようだな。
アッシュ:ナイス!
ルカ:さすがだぜ
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を7(→ 7)増加 (124 → 131)

デュバリー:("リッケンバッカー"が暴れまわって、その余波を吸い付くしていたあの"ファズ"とかいう子が止まった今……足りそうかな)
デュバリー:浅く息を吸い、吐く。そして、樹木が絡み合い槍のようになった銃の尖端を地面へ突き刺し、引き金を引く。
デュバリー:くぐもった銃声。ぞくり、と大地が震えたようであった。かと思えば大地を突き破り、巨大な木の根が姿を見せる。
デュバリー:波打つような緩急で、木の根は互いに絡み合いながら、自然法則に逆らい中空へ伸びていく。その伸びる先は"リトルボーイ"だ。
“リトルボーイ”:「んだよこりゃ……!」
“リトルボーイ”:夜闇を照らす不吉な蒼光。放射熱線が根を焼き切らんと何度も放たれる。
デュバリー:焼かれる。焼かれてはまた伸びる。貪欲に、養分ある限り生きることを止めようとはしない。それが植物というものだ。
“リトルボーイ”:「クソッ!“ファズ”!“ファットマン”!死んじまったのか!?クソッ!クソッ……!」
デュバリー:「……詰める」
“リトルボーイ”:そしてとうとう追いつかれ、黒く焼け焦げたかのような身体にその根が達する。
デュバリー:"リトルボーイ"……実体あるオーヴァードに触れ、根は勢いを増し、絞め上げる……養分とするべく!
“リトルボーイ”:「ぐぁああっ……!」
“リトルボーイ”:悪魔のような異形に根が絡みつき、動きを封じる。
“リトルボーイ”:「お花野郎が……!踏み潰してやる……!」
“リトルボーイ”:急速に全身が蒼白く輝く。体内放射によってまとめて焼き切らんとする構えだ。
デュバリー:既に銃のバレルを折り、排莢。次の弾込めに移っている。それは決して、油断でも、慢心でもなく。
デュバリー:仕留めの一撃が見えたからだ。自分などよりよほど確実な。
クレア:"リトルボーイ"の体内から吹き出す青い炎が、根の戒めを焼き切る寸前、彼方から放たれた弾丸が命中した。
クレア:劣化ウラン弾。鋼鉄の十倍以上の比重を持つ重金属。ウランを弾体に使用した徹甲弾。この時代では核廃棄物の利用法として未だ研究段階にある架空の兵器。
クレア:熱と衝撃によって自ら先鋭化する性質を持つその弾丸は、リトルボーイの灼熱の障壁に溶かされる前に、爛れた表皮を貫いて心臓へと到達する。
“リトルボーイ”:「が……ッ……」
“リトルボーイ”:吐血するように、口から炎が噴き出す。
“リトルボーイ”:「ッ……ぐ……お……」
“リトルボーイ”:「隊長キャプテン……!……“ファントムベイン”は……」
“リトルボーイ”:「ぐ……おぉおおおおおおッ!」
“リトルボーイ”:身体の内側から蒼白い業火が噴き出し、自らの身を焼いていく。
“リトルボーイ”:「カハッ……使い捨てがよく保ったほうか……そうだろ、“ファットマン”……」
“リトルボーイ”:能力の制御を失い、炉心融解のように焼け、燃え落ちていく。
デュバリー:銃身を跳ねさせるようにして装填を終え、その炎が鎮んでいくのを確かめると、クレアを見る。
デュバリー:「ありがとう、手を煩ってくれて。私の弾、ちょっと貴重だから……」
デュバリー:「もうひと仕事、頑張ってね」
クレア:小さく手を上げて、次の標的へと視線を移す。

GM:行動値12 クレアくんの手番です。
クレア:マイナーで《魔眼槍》LV7 武器を作成します。
クレア:リーサルシャインが乗るので攻撃力は17!命中すると硬直を付与する効果付き!
GM:リーサルシャインだと~~!?
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (122 → 127)
クレア:メジャー、『Flower of Kent』《カスタマイズ》LV4《コンセントレイト:モルフェウス》LV4《魔弾の射手》LV4《ギガンティックモード》LV2 日本刀、魔眼槍を選択し射撃攻撃。プロセス後破壊。
クレア:対象は艦隊のエンゲージ全員!
クレア:14dx7+4
DoubleCross : (14DX7+4) → 10[1,1,3,4,4,4,5,5,7,7,8,8,8,8]+10[4,6,6,6,7,9]+10[2,8]+1[1]+4 → 35

クレア:《剣精の手》
クレア:1dx7+44
DoubleCross : (1DX7+44) → 3[3]+44 → 47

クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を2(→ 2)増加 (127 → 129)
第二始祖エルドリッジ:全員ガードします。
クレア:何~
クレア:《オーバーロード》魔眼槍を破壊してダメージアップ
ルカ:NPCカード使いまくってね~
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を3(→ 3)増加 (129 → 132)
クレア:そしてルイジアナのカードを使うぜ!
GM:やばすぎ
メラニー:待ってました!
クレア:150ダメージプラスし、この攻撃は軽減できない 強すぎる…
クレア:ダメージ行きます!
クレア:5d10+59+150
DoubleCross : (5D10+59+150) → 27[4,5,5,8,5]+59+150 → 236

第二始祖エルドリッジ:電磁反応装甲が60枚もあるのに……
第二始祖エルドリッジ:丸っとダメージを受けます 取り巻きの艦は全滅。
第二始祖エルドリッジ:本体も結構もらいました
第二始祖エルドリッジ:《アタックプログラム》Lv30《雷光撃》Lv99《スパークウェッジ》Lv10《電磁反応装甲》Lv99《デモンズウェブ》LV99《リペアウーンズ》LV20が消滅。
クレア:やった~!
ルカ:すごいよ~!
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を12(→ 12)増加 (132 → 144)

メラニー:「主砲、構えて……当てなくていい!まず挟叉狙って!」
メラニー:「頭脳勝負で撃ち比べようじゃない、コンピューターと!」
メラニー:彼女の号令とともに、周囲を当てるか当てないかの狙いで砲撃が飛ぶ。
メラニー:魔改造により、異常な連射力。その一撃一撃に、意図を含ませて打ち出している。
第二始祖エルドリッジ:それらを迎撃するかしないかという択は取れない。
第二始祖エルドリッジ:すべてを自らに向かうものとみなして、強引にだろうがすべて迎撃する。
第二始祖エルドリッジ:自らを仇なさない砲撃など、あるはずがない。そう判断している。
クレア:「助かるよ。メラニー」左手に漆黒の槍、右手に愛用のライフルを構え、彼方に浮かぶ艦隊を見上げる。
クレア:「これで射線が通る」
クレア:静かに目を閉じ、レネゲイドを掌へと集中させる。
クレア:……アインシュタインが提唱した相対性理論の中に、重力波という概念がある。
クレア:物体はただそこに存在するだけで時空を歪め、その歪みは水面に生じた波紋の様に周囲へ伝播し、影響を及ぼす。故に万物は引力を有するのだと。
クレア:現時点で、その存在は確認されていない。重力はそれ単体では非常に弱い力であり、天体規模の質量があって初めてそれを認識することが可能になる。
クレア:今の人類が持つ観測手段では、どうあってもその存在を証明できない。重力とは『目に見えない力』なのだ。
クレア:しかし今、自分の手にはそれが目に見える形、触れられる実体を伴って握られている。
クレア:魔眼。不可視の波動を制御し、最弱の力を最強の武器へと昇華した極小の天体を、最初にそう呼んだ者は中々のロマンチストだと思う。
クレア:「とはいえ、自分にはこのサイズでも大きすぎるな。本当に大雑把な奴だ」
クレア:リッケンバッカーが残した重力の槍が形を変えていく。掌に収まる程に圧縮され、その周囲を錬成された金属の被膜が覆っていく。
クレア:12.7x99mmフルメタルジャケット弾。最も撃ち慣れたその形を、愛銃へと装填する。
クレア:照準は一瞬。呼吸をするよりも自然に引き金が引かれ、それは艦隊の中心へ向けて一直線に放たれた。
第二始祖エルドリッジ:対応が遅れる。元より、戦艦主砲より脅威度の高い歩兵銃などあるはずもない。
第二始祖エルドリッジ:それが仇となった。
クレア:神の盾の間隙をすり抜けて、弾丸は艦隊の中央へと到達する。
クレア:同時に弾丸を覆う外殻が崩壊し、内部に封じられた魔眼の力が、一気に解き放たれる。
クレア:重力の波は光速を超えると言う。故にその天体は、人の目には空間に開いた漆黒の穴として映った。
クレア:ほんの瞬きの間発生したマイクロブラックホールが、艦隊のおよそ半分を文字通り跡形もなく抉り取る。
ロバート・クロムウェル:『ぐ、あぁあっ……!あ、あり得ない……!』
第二始祖エルドリッジ:艦隊の旗艦、始祖本体──駆逐艦の船体が大きく抉り取られる。鋼鉄の装甲から、生物めいて真っ赤な血液が噴き出す。
ロバート・クロムウェル:『戦艦ですって……そんな時代遅れの骨董品が……!』
第二始祖エルドリッジ:破壊された船体から、内部の船室が垣間見える。
第二始祖エルドリッジ:鋼鉄の船体、その壁や床と半ば溶解・融合するように一体化した、無数の人体。
第二始祖エルドリッジ:微光を放ち脈動するそれらが、恐らくは“船員たち”の本体だろう。
第二始祖エルドリッジ:怪物の咆哮のように、巨大な鋼が軋む音が鳴り響く。
クレア:「一撃で仕留めるには、心臓が大きすぎたか」
クレア:「けど、これだけやれば十分だろう?」
クレア:自分にだって、託せる相手ぐらいはいる。

GM:行動値9 Fの手番です
F:マイナー《原初の青:陽炎の衣》Lv3《原初の黒:ハンティングスタイル》Lv3《縮地》Lv6
F:デュバリー・アッシュのエンゲージへ。
F:メジャー《原初の赤:ガラスの剣》Lv4《形なき剣》Lv4《要の陣形》Lv3《原初の白:バリアクラッカー》Lv3 《原初の灰:デボラスフレア》Lv3
F:至近の2人を攻撃。
アッシュ:複数狙えるんかい
デュバリー:ハミース効果! タノンマス!
ハミース:OK だが隠密には通らねえから
ハミース:リアクション+の効果だけ持ってきな
デュバリー:あっ……こいつめ
デュバリー:そうさせてもらいましょう 卑劣な隠密使いがよ……
F:8dx+4 ドッジダイスを-10個。ガード装甲無視、軽減不可
DoubleCross : (8DX10+4) → 10[1,2,3,4,7,7,10,10]+10[8,10]+8[8]+4 → 32

サブGM:つまり差し引き-5個!
デュバリー:ありがたすぎる。《ゲットダウン》。
デュバリー:6dx+40=>32
DoubleCross : (6DX10+40>=32) → 10[3,4,6,7,9,10]+2[2]+40 → 52 → 成功

デュバリー:自分の分はドッジ成功
GM:女ァ
F:チッ……だがもう一人はどうかな
アッシュ:流石 こっちはドッジ選択するけどダイスが減ってるので自動失敗
デュバリー:ここしかない……《運命の切り替え》、そして《反転する運命》!
デュバリー:ドッジを代行し、成功した場合攻撃は攻撃者に命中するぞ!
GM:振ってみな!
デュバリー:ドッジそのものはもっかい《ゲットダウン》でやります。
デュバリー:8dx+40=>32
DoubleCross : (8DX10+40>=32) → 10[2,3,3,6,6,9,9,10]+6[6]+40 → 56 → 成功

GM:女ァ!
デュバリー:自らの刃で滅びるがいい……
F:くっ……これに対してはリアクション不可か
F:ダメージ。
F:4d10+33
DoubleCross : (4D10+33) → 29[10,2,7,10]+33 → 62

F:《虚無への回帰》Lv2 ダメージ0に シナリオ1回
デュバリー:生きおるわ
アッシュ:あっ生きぎたない
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を11(→ 11)増加 (131 → 142)

---

E:「……あっ、ちょっと待って」
E:思い出したように声を上げる。
F:「……」抜いていた刃を止めた。
F:それは心臓に届くギリギリで止まった。
E:「大体満足って言ったけどさ~、そういえばあったわ。一個だけ心残り」
F:「……何?」
E:「うん。確か1年くらい前だったかな?」
E:「西欧で邪魔な情報網を持ってる奴がいるから、他の組織に見せかけて始末しろって仕事があってさ」
E:「もう少しで仕留められるところだったんだけど……ギリギリで邪魔が入ってさ」
F:「……失敗。Eが?」
E:「うん。全力でやったんだけどね~」
E:ほんの僅かに腕を怪物のそれへと変えて見せる。“E”は獣化能力の持ち主だった。
E:「結局やり損なってさ。本当に惜しくて……」
E:「上からはもういいって言われたんだけど、ずっとそれが気になってて……」
E:「強いて言えば、それが心残りかな」
F:「……そう。分かった」
F:「名前を教えて。あなたの心残りになってる」
F:「殺せなかった人と、殺されるべき人間に……」
F:「希望を見せた人間の名前を」
E:「……いいの?」目を瞬いて「もう上からの命令じゃないし……逆に処罰されるかもよ?」
F:「任務はこなす。最初に奪う命の名前は、もう聞いてる」
F:「あなたを阻んだなら、それもきっと、いつか」
F:「また阻みに来る」
E:「……そうかもね。じゃあ、君に託すよ」
E:少しだけ目を細め、
E:「名前は──」

---

F:2つの瞳が、それらを見据える。
F:「 死なない女L'Immortelle希望Espoir
F:エルドリッジの艦隊が半壊する、その時だ。
F:全員の意識がそちらに向いたであろう一瞬に、それは滑り込み。
F:そこにある、2つの命を刈り取ろうと迫った。
デュバリー:……だが、少女が姿を現した瞬間。きっと刃を突き出す数呼吸前。
デュバリー:既にデュバリーの銃口はそちらに向けられていた。木枝の絡む、槍のような散弾銃が、しかし確かに殺意を向けて。
F:「……!」
デュバリー:引き金が引かれ、至近より散弾が飛来する。命中すれば、先の朱劉帆のように、全身を質量にて絞め上げられよう。
F:刃を構えたその姿が、落ちる。
F:真下だ。ポッカリと穴が開いている。
F:展開したゲートに、そのまま引きずり込まれるように消え、それを逃れる。
デュバリー:……その瞬間、デュバリーが知覚を共にしていたのは、木粉。あるいはその焼かれた灰。植物であったもの。
デュバリー:それらに大した知覚力などなく、0か1かを伝える程度の情報しか伝達されない。そして、数それがあり――辺りに充満していれば十分である。
デュバリー:なるほどディメンジョンゲートによる転移は刹那にして、その動作は認識困難であろう。だがその全てが一瞬に行われるわけではない。
デュバリー:『ゲートが開き』『その中を通る』。であれば、ゲートが開いた瞬間にそれを認識し、撃つことはできる。
デュバリー:それは言葉も説明できるものですらない。空間上の細波に、わずかに舞う灰が押しのけられるような感覚。恐ろしく微かで、しかし無二の感覚。
デュバリー:……知っている。あの"ルイジアナ"上で強襲を受けた際、全能力でこの女を仕留めようとした時、不意に舞がゲートを開いた。その瞬間を覚えている。
デュバリー:そして彼女が転移する先の候補は、敵味方漸減した現在、3箇所にまで絞り込めていた。……アッシュに伴うように動いたのもそれを絞り込むためだ。
デュバリー:(だから対応できた。賭けは当たり)(……でも、死体がない)
デュバリー:即座に次撃がこないことを確かめると、静かに息を吐いて交感を解除する。……対応はできた。だがそれ以上に、これは彼女の能力を使う。
デュバリー:(……今すぐ同じことはできない。次が来たら、今度こそまずいかもしれない)
デュバリー:(私もまだ、力が足りないか) 服の下にガラにもなく流れる脂汗を感じつつ、あくまで表情は平静を装い、周囲に最低限の警戒を続ける。

GM:行動値7 エルドリッジの手番です
デュバリー:"トリスタン"に行動値を下げてもらいまーす
デュバリー:うちのルカのほうが先よ
トーマス・フレミング:OK まかせな
ルカ:へへ…お先失礼します
GM:では行動値6、ルカくんの手番です
ルカ:はい!
ルカ:マイナーで5m移動してエルドリッジと同じエンゲージにいきます。
ルカ:メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》とオートで《砂の加護》、エルドリッジに白兵攻撃を行います
ルカ:判定いくよ~
第二始祖エルドリッジ:来いっ
ルカ:(4+3+4+3)dx7+10 ルイジアナの効果ものせます
DoubleCross : (14DX7+10) → 10[1,1,3,3,3,4,4,5,5,5,7,7,8,9]+4[1,1,4,4]+10 → 24

ルカ:ギャーン!?
アッシュ:事故ってしまった
ギル:妖精貰うのはどうかな
ギル:もう防御に使えないならここで切ってもええんでない?
デュバリー:あらあら 欲しがりさんね
ルカ:ドキドキ
デュバリー:《妖精の手》! 1dx7+30で再スタートしな!
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を4(→ 4)増加 (142 → 146)
ルカ:あざす!
ルカ:1dx7+30
DoubleCross : (1DX7+30) → 10[9]+10[8]+10[10]+2[2]+30 → 62

デュバリー:ヤバ
ルカ:えっすごいことになった
アッシュ:跳ねた!
クレア:張り切りのルカだ
第二始祖エルドリッジ:ヒエ……
第二始祖エルドリッジ:《電磁障壁》Lv4 ガード値+4d10 シーン1回
ルカ:ダメージ出します!
ルカ:7d10+30 装甲無視、ガード値有効
DoubleCross : (7D10+30) → 44[10,10,1,5,7,10,1]+30 → 74

ルカ:10がいっぱい出た!
第二始祖エルドリッジ:74-4d10
DoubleCross : (74-4D10) → 74-22[1,10,7,4] → 52

第二始祖エルドリッジ:まだ健在!
ルカ:ルカの侵蝕率を8(→ 8)増加 (120 → 128)

デュバリー:……どのような局面であれ、確かなことがある。
デュバリー:血液は有機物であり、つまるところ養分であるということだ。それがたとえ、命ならぬ艦船より流れ出たものだとしても。
デュバリー:「今は、こっちか……!」
デュバリー:エルドリッジより流れ落ちた血溜まりが渦を巻き、中央に吸い寄せられる。その中心から、黒ずんだ樹の根が伸び、その血の主へと伸びていく。
デュバリー:「使って! ……そう長くはもたないけど、飛ぶより楽でしょ!」
ルカ:「バイクで飛ぶのが一番気が楽…、っ!」
第二始祖エルドリッジ:だが、一際早く。自らの周囲に漂う異物――その足場に狙いを定めている。
第二始祖エルドリッジ:それを駆け上がるより、火砲がそれらを焼き尽くすほうが早
第二始祖エルドリッジ:……動きが緩む。
トーマス・フレミング:「……まったく、勝ち馬に乗ると楽ができていいな」
トーマス・フレミング:「これだけの動きで”利く”。いつもこんくらい優雅に行きたいもんだね」
トーマス・フレミング:弾丸の重量が、始祖を押し込めている。損傷回復と迎撃に回したリソースの隙を突いた。
ルカ:砲弾の嵐を視界に納めながら、空へ伸びる根の階段を駆け上がり、駆逐艦へ向けて大きく跳躍する。踏み込んだ部分が大きくえぐれた。
ルカ:船縁に足をかけ、さらに跳弾のように飛ぶ。甲板を見下ろすように空へ躍り出る。
ルカ:さらにその上空、周囲一帯の建造物が無造作に削り取ったように崩れ、巨大な砂の海が現出。
ルカ:───絵を描くことは、心に思い描いたかたちを造り出すことは。好きで、得意だった。
ルカ:何より、巨大なナイフが地面を割る様子は、振り落ちる漆黒の槍の嵐は、たった今見たばかりだから、再現するのは余計に造作もない。
ルカ:空を覆う砂の海が波打ち、無数の巨大なナイフへ形を変える。
ルカ:要領としては、自分の腕がひどく長くなったと思って、デカい的を殴る感じ。バット片手に喧嘩する時にも近い。
ルカ:甲板に落下しながら、異形化した腕を振り下ろす。それに合わせて、空に漂う武骨な砂のナイフが、駆逐艦へ吹き荒んだ。
ロバート・クロムウェル:『う、うおぉおおおおっ……!!』
ロバート・クロムウェル:鋼鉄がひしゃげる音が轟く。駆逐艦から火花と共に更に夥しい血が噴き出し、滑走路を赤黒く染めていく。
ロバート・クロムウェル:『何なんだ、こいつら……!何なんだ……!!』
ロバート・クロムウェル:『オーヴァードなど一過性のオマケ程度!時代の仇花に過ぎないというのに……!』
ロバート・クロムウェル:『次の時代を担うのは我々!始祖なんだよ!!』
ルカ:「そんなの…、知ったこっちゃない」甲板に鉤爪を突き立てて着地。
ルカ:「ここにいるのは、別に…、あんたの世迷言に付き合いたいからじゃない」
ルカ:それ以上言葉にするのも嫌で、黙る。あとはとにかく、全員で帰れればいい。
ロバート・クロムウェル:『斑鳩・フォード……!元はといえば、君が……!』
ロバート・クロムウェル:『何をした……!我々の第三始祖に、一体何を……!』
エミリア:「……」ルイジアナの甲板上、能力を行使しながらルカの姿を見遣る。
ルカ:「…そんなの」 不機嫌そうな、もしくは困ったような顔をする。
ルカ:「何もしてない。…何もしてないからこそだろ」

GM:行動値2 エルドリッジの手番です
第二始祖エルドリッジ:マイナーでリッケンバッカーの《魔神の心臓》の効果を解除。
第二始祖エルドリッジ:メジャー《オールレンジ》LV10《流刑者の大鎌》LV10
第二始祖エルドリッジ:大口径機関砲で11体までの対象へ攻撃。ガード不可。
第二始祖エルドリッジ:対象はアッシュ,クレア,ギル,デュバリー。同エンゲージ不可。
第二始祖エルドリッジ:19dx+31
DoubleCross : (19DX10+31) → 10[1,1,2,3,3,4,5,5,6,6,6,6,7,7,7,8,8,9,10]+9[9]+31 → 50

ルカ:みんなあ~~
ギル:素の射撃でこれなんだな……
ギル:あ!
ギル:なんでルカは!?って思ったけど同エンゲージ不可だこれ
アッシュ:デュバのドッジ代行も切れてるしガードしとくか
デュバリー:うーん……行けそうな行けなさそうなだが、素直にここはアッシュくん庇っておくか
デュバリー:ちゃんと次で仕留めるんだよ。一応素ドッジ
デュバリー:5dx+3=>50
DoubleCross : (5DX10+3>=50) → 6[2,3,5,5,6]+3 → 9 → 失敗

ギル:ドラゴンスケイルするか
ルカ:砂塵だれ欲しい~?
アッシュ:デュバが良いかも ロイス結構切れてるし
デュバリー:あ、貰えるならこっち欲しいでーす
ルカ:じゃあダメージ決定後に言うねえ
クレア:4dx+1>=50
DoubleCross : (4DX10+1>=50) → 10[4,6,8,10]+7[7]+1 → 18 → 失敗

ギル:《原初の緑:竜鱗》します。
アッシュ:あ、ちょい相談
ギル:クレアがやばいんじゃな~い?
ギル:デュバとそんな変わらんか
クレア:侵蝕も昇華もほぼ一緒ね
デュバリー:すみません、やっぱり《ゲットダウン》でドッジを……させてもらいます!
デュバリー:12dx+40=>50
DoubleCross : (12DX10+40>=50) → 10[1,1,2,2,2,3,4,4,4,5,7,10]+1[1]+40 → 51 → 成功

ルカ:すご!
デュバリー:危ないんじゃ
クレア:ぴったり!
GM:なんて女だ
第二始祖エルドリッジ:チッ……
アッシュ:さすデュバ
ギル:始祖が投げKISS!?
ルカ:まず《デモンズウェブ》するね ダメージを-4D10するよ
ルカ:-4d10
DoubleCross : (-4D10) → -30[10,6,8,6] → -30

GM:ルカちゃん!まだダメージ出してないわよ!
デュバリー:間違っていたのでまた《ゲットダウン》します。済まないね……
ルカ:どうしたらいいんだろう
デュバリー:9dx+40=>50
DoubleCross : (9DX10+40>=50) → 10[1,1,2,4,4,5,8,9,10]+8[8]+40 → 58 → 成功

アッシュ:どっちにしろ成功だぜ
クレア:高くなってる
サブGM:上がっとるやんけ
GM:何で伸びてるんだ
デュバリー:で、これで判定が終わったので、ダメージを出してもろて……
第二始祖エルドリッジ:ダメージ行きます
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (146 → 148)
第二始祖エルドリッジ:6d10+21+2d10 装甲有効
DoubleCross : (6D10+21+2D10) → 31[2,3,9,5,2,10]+21+17[9,8] → 69

ギル:装甲73点なので弾くぜ!
サブGM:バケモノ
アッシュ:Accelerer:原初の灰:異形の捕食者Lv3
ギル:竜鱗気持ちよすぎる~
クレア:装甲も何もないから為す術もなく死んじゃうよ~
GM:狂ってる
アッシュ:HPダメージ-5D、減らした分だけ攻撃力アップ
ルカ:さっきのウェブそのまま通してもろて~
アッシュ:69-5d10
DoubleCross : (69-5D10) → 69-43[8,10,9,10,6] → 26

サブGM:狂った数字出してない?
アッシュ:出目マジで良いな今回 ここから更に30減るので無傷です
サブGM:そんな……
GM:なんだこいつら~~!
ルカ:クレアくんには《砂塵の城壁》するよ!ダメージを0にします
クレア:やった~!
アッシュ:後攻撃力は+43ね
ルカ:1d10 その侵蝕率
DoubleCross : (1D10) → 4

ルカ:ルカの侵蝕率を6(→ 6)増加 (128 → 134)
サブGM:ちょっと……ちょっと待って この攻撃して
サブGM:この攻撃して……全員無傷なことある???
ルカ:かわいそう
デュバリー:そういう日もあるさ
サブGM:おかしいでしょ
アッシュ:オレ達の出目が良いばっかりに
クレア:すまんな
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を8(→ 8)増加 (138 → 146)
GM:俺もこっちで強くなりすぎた

第二始祖エルドリッジ:エルドリッジが荒れ狂うように火砲を乱射する。精密な迎撃の応用ではない。
第二始祖エルドリッジ:乱射だ。とにかく次弾までを素早く打ちこむことだけに特化した猛撃。
第二始祖エルドリッジ:至近のルカを狙うことさえままならない。第三始祖との狙い分けが困難となるためだ。
第二始祖エルドリッジ:だが、その威力は健在。周囲の地形をえぐり、そこに立つものを吹き飛ばすはずの乱舞。
デュバリー:「でも、何だか……取り乱してるみたいね」
デュバリー:砲撃を受けてなお、どうしてか破砕されぬ大地がそこかしこに点在する。デュバリーが草木の根を集め、固めた大地だ。
デュバリー:それも砲撃が続けば吹き飛ぶだろう。だがそれよし先に、別の壁を用意する。そうして後退しながらも、砲撃の乱射を乗り切る。
ギル:『……ルア゛ァアアアアアア!』
ギル:砲撃の音をかき消すように金属の獣が吠え、砲火を正面から受けながら攻撃態勢に入る
クレア:「……っ」砲撃の射線は見えていた。しかし、肝心の足が動かない。一瞬とは言え、手に余る力を放った代償は未だ体に残っていた。
ルカ:戦艦を打ち崩し、地面に落ちた刃の砂を、今度は防壁へと変えて地面から花開かせる。
ルカ:狙いを定めて落としていた訳ではないから、偶然そこにいた───クレアだけは守れる。やおら砂が立ち上がり、先の攻防で見せたような鱗の装甲を展開する。
クレア:「……まったく、格好付かないな」次々と砕けては生え変わる防壁が、最後の一枚で砲弾を止める。
ルカ:「五分五分だろ」
ルカ:聞こえてる訳でもないがぼやく。
アッシュ:そこから幾らか離れた地点に、全く同じ形の、しかし漆黒の防壁が立ち上がる。
アッシュ:先程振った砂のナイフや展開された砂の海。戦場中に散らばったその残滓を飲み込んだ影が、性質を模倣したのだ。
アッシュ:もっとも大きな違いは、それが砂ではなく影であること。つまり、ただ防ぐだけではない。
アッシュ:触れた砲弾は壁を砕けず、底無しの黒の中へと呑み込まれていく。質量が、エネルギーが、レネゲイドが、喰われていく。
アッシュ:「なるほどな」
アッシュ:「避けるのはやっぱり性に合わないけど、コイツならうまくやれそうだ」
アッシュ:解かれた防壁の中、傷一つもないアッシュが悠々と笑んでいた。
ロバート・クロムウェル:『……この攻撃で……無傷……?』
ロバート・クロムウェル:『……信じ難いですね……仕方ない、これは使いたくありませんでしたが……』
GM:エルドリッジの半壊した船体から、巨大な不協和音が響き渡り、不可思議な光が明滅を始める。
GM:ルカがボストンで目にしたのと似て、それよりずっと大規模な。
エミリア:「う……うぅうっ……!」
エミリア:エミリアが頭を抱えて蹲る。
ルカ:「…エミリア…」 地響きのように溢れかえる雑音。
エミリア:「ル……カ……!」
ルカ:「……っ」
ロバート・クロムウェル:『性能が落ちるのでなるべく避けたかったんですがね。こうなっては仕方ありません』
ロバート・クロムウェル:『偽の人格を完全に漂白し……文字通りの人形にしてあげましょう』
GM:3ラウンド終了時までにエルドリッジを倒せなかった場合、“船員たち”のEロイス《砕け散る絆》が使用され、エミリアのロイスと人格が消去されます。
ルカ:ヒエッ
ルカ:「……耐えてて。耐えてくれ…。…戦うんだろ」
エミリア:「……」頭の中をぐちゃぐちゃに掻き回される感覚によろめき、冷たい汗を浮かべながら、甲板上で立ち上がる。
エミリア:「……勿論です」
ルカ:「……うん」 微かに頷く。そういうことしかできない。
クレア:「奥の手を出すのが遅すぎたな。船員達は戦いに関しては素人のようだ」甲板の二人を見上げて呟く。
クレア:「自分達がなんと呼ばれているか、忘れたわけじゃないだろう。砕くことなんか出来ないさ」
クレア:"アイギス"にロイスを取得。 誇り○/責任
クレア:「そうだろ、ギル」

GM:行動値0 ギルくんの手番です
ギル:マイナーで戦車砲に給弾、メジャーで《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》《無形の影》《コンセントレイト:ウロボロス》
ギル:戦車砲、大口径機関砲、大口径機関砲、大口径機関砲、ミニガンを使ってエルドリッチ君のエンゲージを攻撃するよ。対象は範囲(選択)、ルカ以外を対象にします
ギル:戦闘不能で倒れてる艦隊も含めてな~!俺はデータ的に死んでないと安心できないんだ……
ギル:14dx7+21 
DoubleCross : (14DX7+21) → 10[1,2,2,3,3,4,5,6,7,8,8,10,10,10]+10[2,8,9,9,10,10]+10[6,6,6,7,9]+4[2,4]+21 → 55

ギル:勿論とどめを刺すよ
ルカ:ダイスもよく回っている
第二始祖エルドリッジ:ガード
第二始祖エルドリッジ:ダメージをどうぞ。
ギル:あ、ガード不可です!一応……
ギル:それでもいいなら振っちゃうぜ
サブGM:あっそうじゃん リアクションしません
サブGM:ドッジする気ないので……そのままダメージ出して大丈夫
ギル:ルカち餓狼しない?
ルカ:するか~!しましょう
ギル:やった~!
ルカ:ということで《餓狼の爪》!ダメージ+30してね
ギル:6d10+1d10+1d10+85+30 ガード装甲無視
DoubleCross : (6D10+1D10+1D10+85+30) → 34[4,9,7,8,5,1]+6[6]+5[5]+85+30 → 160

ルカ:ルカの侵蝕率を3(→ 3)増加 (134 → 137)
第二始祖エルドリッジ:???
ルカ:やばみ
GM:一人で130出すな
第二始祖エルドリッジ:取り巻きはなにもないのでトドメ刺されて死にます
ギル:エルドリチッジくんには160、他は130!
アッシュ:ヤバすぎ
第二始祖エルドリッジ:本体はかろうじて生きていますが死にかけ

ギル:クレアの支援が切れ力を失った余剰部品をパージし、砲火の中、川の流れを逆らうように距離を縮め
ギル:『……ア゛アアアアアアアァッ!』
ギル:周囲のオーヴァードを焼き払った火力を、今度は始祖エルドリッジとその艦隊のみへと向ける。
ルカ:「…うまくやってくれよ…」 砲弾が殺到することを察知し、傍のエミリアを抱き寄せ、甲板をめくり上げるように変形させて防壁を作り上げる。
ギル:爆音と硝煙が辺りを満たし、既に半壊し動きを止めていた艦隊を修復不能なまでに、完膚なきまでに破壊し尽くす。
第二始祖エルドリッジ:悲鳴のように不協和音が轟く。津波のように血が噴き出し、肉片のように破片が散らばる。
ロバート・クロムウェル:『こん……ザ……得な…ザ…い……ザザ……』
ギル:オーヴァードに通常兵器は効かない……。鉄王は他ならぬ、その常識を作り上げた第一世代のオーヴァードの一人だ。
ギル:力を失えば、使い手が始祖であろうと変わらない
ギル:『……僕たちの絆を』
ギル:『そう簡単に壊せると思うな』
ロバート・クロムウェル:『……第三ザ……さえ……ザザ……せば……ザザ……』
ロバート・クロムウェル:ノイズ混じりの割れた声が、爆音の中で微かに響いている。
ギル:『まだわからないのか、クロムウェル。君が注視すべきだったのは、第三始祖ではなく……』
ギル:甲板に立つルカの背中を見上げる。
ギル:戦友/ルカ/P:憧憬○/N:悔悟/ロイス
ギル:ロイスを修得して手番を終了します!

GM:クリンナップ。
GM:邪毒等は特に無いかな
アッシュ:このラウンドはないはず
ルカ:ないはずだぜ!
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を12(→ 12)増加 (124 → 136)
ギル:竜鱗の分上げてなかった!上げます!
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を4(→ 4)増加 (136 → 140)
GM:ラウンドを終了します。

GM:ラウンド3
GM:セットアップから!
クレア:なし!
ルカ:ないよ~
ギル:何もないどす
デュバリー:今回はもうじゅうぶん働いたじゃろ……ナシで
第二始祖エルドリッジ:もうないなった……ありません
アッシュ:加速装置だけ使う!行動値+16
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を2(→ 2)増加 (146 → 148)
F:《原初の黄:クイックダッシュ》Lv3《縮地》Lv6。100m後方へ後退。
ギル:力尽きたデュバ
GM:では行動値23、アッシュくんの手番です
アッシュ:まずはマイナーで艦隊にエンゲージ
アッシュ:メジャーでコンセントレイト:ウロボロスLv4+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv4
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+4、侵蝕値+5
アッシュ:あっと対象は第二始祖!
アッシュ:20dx7+9
DoubleCross : (20DX7+9) → 10[1,1,3,3,3,3,5,6,6,7,7,7,7,8,8,9,9,9,10,10]+10[1,2,2,3,5,6,7,7,9,9,9]+10[1,2,2,8,10]+10[7,8]+10[8,9]+10[3,8]+10[9]+10[7]+5[5]+9 → 94

アッシュ:今回マジでずっと出目強い!
ルカ:えー!すごい!
GM:やばっ
サブGM:マジ……?
第二始祖エルドリッジ:ガードします。
第二始祖エルドリッジ:ダメージどうぞ!
ルカ:《餓狼の爪》します。+30してね
ルカ:ルカの侵蝕率を3(→ 3)増加 (137 → 140)
アッシュ:助かる!
アッシュ:10d10+15+24+1d10+43+30
DoubleCross : (10D10+15+24+1D10+43+30) → 53[9,6,6,2,1,2,10,6,8,3]+15+24+6[6]+43+30 → 171

第二始祖エルドリッジ:???
サブGM:戦艦並みの火力出てる……
ルカ:ヤバすぎんよ~~
アッシュ:あ、やべ 戦艦使うの忘れてた!
第二始祖エルドリッジ:HP27/475 耐えきれません。
第二始祖エルドリッジ:《蘇生復活》します。
ルカ:キャ~~
デュバリー:生き汚いフェイズに入ってきたな
GM:侵蝕上げてね
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (148 → 153)

ルカ:ギルによる砲撃が止む直前。火花が舞い散り、血肉が飛び散る甲板にて。
ルカ:「……見てるだけってことはないだろ」 手を翳す。
ルカ:アッシュの近くで、周囲に散らばる砂塵と瓦礫が無造作に動き出し、戦艦まで続く歪な石階段を作り上げる。
ルカ:デュバリーの真似…というには、粗雑で武骨な出来であるが。
ルカ:「空を割って来いよ」
アッシュ:「逆になっちまったな」 作り上げられた道を見上げて笑う。
アッシュ:道を作るから死ぬ気で走れと告げたのはこちらだったが、今目の前に道を誂えられたのも自分だ。
アッシュ:「d'accord.オレが死ぬ気で走るなら、空だって割れないことないさ」
アッシュ:階段へと一歩を踏み出す。途端、足に纏った影が階段を侵蝕する。
アッシュ:一歩、更に一歩。踏み出すごとに白や茶の混じったそれらが黒へ染まる。そして。
アッシュ:抜き放ち携えた右手のサーベル。それを覆う影が変質していく。
アッシュ:先程残滓を喰らい防壁を真似たのと同じように。ルカのレネゲイドを喰らい、彼の錬成を模倣する。
アッシュ:芯である刃を模倣していた筈の影は、徐々に太く、徐々に歪に。それを持つ右腕までを覆う。
アッシュ:表面は細かい鱗。刃と呼べなくなった本体の代わりのように、鋭く尖った爪。その周囲を走る蒼電。
アッシュ:少年には不釣り合いなほどに膨れ上がったそれは、怪物の――否、竜の腕と化していた。
アッシュ:その8割ほどが影に飲まれた階段を大きく踏み込む。ガラリと瓦礫の砕ける音が中から聞こえ、影ごと霧散した。
アッシュ:代わりにアッシュ自身は艦隊の上空へ。随分と体積を減らしたそれらを笑いながら見下ろして。
ルカ:稲妻のように君臨した彼を見上げ、眩しそうに目を細める。
アッシュ:「気を付けな。これから雷が降る」
アッシュ:敵への皮肉か、味方への合図か。いつもの軽口と同じ口調。
アッシュ:しかし、引き起こされる事象は。天の裁きのように激しく、竜の猛りのように荒々しく。
アッシュ:影の爪と雷が艦隊の真ん中を貫き、抉り、へし折り、捥ぎ取り――叩き落とした。
ルカ:「────ッ」エミリアを抱えたまま、異形の爪を突き立てながら、甲板を利用した防壁を再び形成。衝撃に耐える。
エミリア:「……!」ルカにしがみつき、大量の花をクッションにして衝撃を和らげる。
ルカ:「クソ」地鳴りのような雷鳴、破壊の中、毒づく。「どうにかなると思って…、るのかも知らないけど」
ルカ:「相変わらずの無茶苦茶っぷり…」
アッシュ:「おいおい、アンタが言ったんだぜ」
アッシュ:船の中を貫通した影が地まで伸びていく。その出力から行き場を持て余した雷が天へと軌跡を描く。
アッシュ:「割れただろ?空」
アッシュ:それを成した竜は、まるで当然と言いたげに笑った。
第二始祖エルドリッジ:駆逐艦は雷龍に食い破られ、地に叩きつけられた。
第二始祖エルドリッジ:しかし。

サブGM:イニシアチブ。
第二始祖エルドリッジ:《鼓舞の雷》Lv4 メインプロセスを行います。
デュバリー:何ィ
第二始祖エルドリッジ:マイナーで硬直を解除。メジャー《オールレンジ》LV10
第二始祖エルドリッジ:choice[アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[アッシュ,ルカ,クレア,ギル,デュバリー]) → クレア

クレア:近寄らないで化け物!
第二始祖エルドリッジ:大口径機関砲でクレアを単体攻撃。
第二始祖エルドリッジ:19dx+31
DoubleCross : (19DX10+31) → 10[2,2,3,3,3,4,5,5,5,5,5,6,6,7,8,9,9,9,10]+5[5]+31 → 46

クレア:やってやるよ
クレア:5dx+1>=46
DoubleCross : (5DX10+1>=46) → 10[1,2,5,10,10]+8[3,8]+1 → 19 → 失敗

ルカ:がんばってる!
クレア:一回回ったが……
第二始祖エルドリッジ:5d10+21 装甲有効
DoubleCross : (5D10+21) → 38[4,10,9,7,8]+21 → 59

クレア:死!エリス・ディスコルディアへのロイスをタイタス昇華して復活します!
サブGM:OK。続けて処理するのでまず……
サブGM:choice[アッシュ,ルカ,ギル,デュバリー]
DoubleCross : (choice[アッシュ,ルカ,ギル,デュバリー]) → デュバリー

第二始祖エルドリッジ:オートで《アナザーセルフ》Lv4 《鼓舞の雷》Lv4の使用回数を回復
クレア:暴れまわるじゃん
デュバリー:コイツ……
第二始祖エルドリッジ:即使用。もう一度メインプロセスを行います
第二始祖エルドリッジ:メジャー《オールレンジ》LV10 デュバリーを攻撃。
第二始祖エルドリッジ:19dx+31 ガード不可
DoubleCross : (19DX10+31) → 9[1,1,3,3,4,4,5,5,5,6,6,6,6,7,8,9,9,9,9]+31 → 40

デュバリー:もちろん《ゲットダウン》でドッジ!
デュバリー:9dx+40=>40
DoubleCross : (9DX10+40>=40) → 10[1,2,3,3,5,9,9,10,10]+3[2,3]+40 → 53 → 成功

デュバリー:フフフン
ルカ:えらいん
GM:ヤロ~
アッシュ:さすデュバ
サブGM:固定値で成功されてる……
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (148 → 150)

第二始祖エルドリッジ:「ギギ……ギイイイッ……!」
第二始祖エルドリッジ:電磁波とともに、船体が軋む音がうめき声を上げる。
第二始祖エルドリッジ:ズタズタの船体を核として、粉々に破砕された残骸が、磁気で縒り集まる。
デュバリー:「……苦しんでるの? 船が……」
第二始祖エルドリッジ:それらは浮き上がり、翼のように広がる。
第二始祖エルドリッジ:羽を広げ、巨大な空を舞う集合体。焼け焦げて黒ずんだ巨体。
第二始祖エルドリッジ:白く無事な部分が、頭のように寄り集まっている。
ルカ:「なに…、また竜?……」
ハミース:「……いや、あれは……」
第二始祖エルドリッジ:それはアメリカの象徴――白頭鷲を象るようかの姿。
第二始祖エルドリッジ:「ギイイイイ」怪鳥が鳴き声のような電磁波を発する。同時。
第二始祖エルドリッジ:嘴に当たる部位から、砲火が吐き出される。
ロバート・クロムウェル:『ザ……ザ……始祖の力……ザザ……アメリカに…ザ…再び黄金時代が到来する……!』
ロバート・クロムウェル:『第二次世界大戦……ザザ……我々……本来歩むはずだった道のりを取り戻す……!』
ロバート・クロムウェル:『我々は合衆国を再び、世界で最も偉大な国にする……!!』
ロバート・クロムウェル:『ザ……邪魔をしないでください、アイギス……!何の思想も正義も持たぬ、傭兵ども……!』
ロバート・クロムウェル:撃ち出される砲火の中、ノイズ混じりの声が響く。それは始祖の力を以てすれば、妄執や狂気と切って捨てられるものではないだろう。
クレア:「思想と……正義が、あれば……」硝煙の中から、血に塗れた姿で立ち上がる。
クレア:「他者を虐げて良い理由には、ならないだろう」
クレア:爆風に晒され、焼け爛れた肉体が、尚も再生を初めている。
クレア:「栄光は、ただ強い者に与えられるトロフィーじゃない」
クレア:「託されるべき願いだ。ならば必ず、命に責任を持たなければならない」
デュバリー:「……ええ。誰かのために、決めきれない正しさを模索してこそ、得られるものがある」
デュバリー:国家の象徴を象ってみたところで、それは火力に何一つ寄与しない。もはや艦隊ですらないエルドリッジの砲撃を、立ち上る樹木が余裕を持って受け止め、逸らす。
デュバリー:「頭の固い国粋主義者ナショナリストとは、スタート地点から違うのよ。"アイギス"は」
デュバリー:「……その野心と妄念に駆られて、不必要に働いた強奪の代価を、取り立てられるときが来た」
デュバリー:「あなたみたいなのに、そういうことをしてくれるから。……私も結局、ここまで力を貸してるわけ」
デュバリー:"アイギス"/○信頼/食傷 これでロイスを取得
デュバリー:「帳尻、合わせてもらうから」

GM:行動値12 クレアくんの手番です
クレア:マイナーはなし
クレア:《カスタマイズ》LV4《コンセントレイト:モルフェウス》LV4《魔弾の射手》LV4 日本刀二つを選択し射撃攻撃。プロセス後破壊。
クレア:対象はエルドリッジ!
クレア:ハミースの効果ももらいます!
ハミース:おう!派手にやんな!
ハミース:ダイス+5するぜ
クレア:諸々纏めてダイスは20
クレア:20dx7+7
DoubleCross : (20DX7+7) → 10[1,1,2,2,4,5,5,5,5,6,7,7,8,8,8,9,9,10,10,10]+10[1,3,3,4,4,4,6,7,9,10]+10[3,3,9]+10[8]+10[7]+4[4]+7 → 61

クレア:いい感じ!
第二始祖エルドリッジ:……ガード。
クレア:これが最後だ……行くぞメラニー!
クレア:主砲の力をもらうぜ!
メラニー:しゃあ!ぶっ壊しちゃる
クレア:7d10+51+150
DoubleCross : (7D10+51+150) → 49[8,7,4,7,10,6,7]+51+150 → 250

クレア:キリが良い
サブGM:ヒエ……
ルカ:やばみ
第二始祖エルドリッジ:残りHPは1。
第二始祖エルドリッジ:耐えられるはずもなし。HP0。
第二始祖エルドリッジ:これ以上復活もありません。
クレア:やった~!
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を9(→ 9)増加 (144 → 153)

メラニー:「あれ照準!なんか出せるんでしょ!光らせて!」
メラニー:「こっち眩しくない程度にいい感じに!」
ハミース:「お前普段その雑さで砲撃ってるのかよ……しゃあねえな」
ハミース:光の矢が、空に曲線を描く。
ハミース:主砲の弾道を事前になぞるような放物線。
メラニー:「オッケー……あいつら、許せないんだから……」
メラニー:「あんな……あんな……」
メラニー:「船あんなにして!!!」
メラニー:「ふざけんな!ぶっ潰してやる!」
メラニー:「撃ちまくって!後悔させまくれ!」
サブGM:ルイジアナの主砲が、怪鳥を捉え、削り、
サブGM:再生されては削り。その姿を火の中に苛ませ続ける。
サブGM:そうしていくうちに、その体を構成する部材のバランスが崩れていく。
第二始祖エルドリッジ:埋め込まれていた、エルドリッジの艦橋部。それが垣間見えた。
クレア:指をピストルの形に曲げて、狙いをつける。
クレア:射角安定、ただし硝煙のせいで見晴らしは劣悪で、絶え間なく生じる爆風で風向きは乱れきっている。
クレア:「これが狩りなら、日を改めているところだ」
クレア:「……ああ、分かってるよ、ジョニー。自分も大概、君達のことを馬鹿に出来ないな」
クレア:持ち上げた腕に沿って、重金属の杭が浮かび上がる。先端を崩れ行く怪鳥の心臓部へと真っ直ぐに向ける。
クレア:最早見えていようがいまいが関係ない、どのような嵐が吹こうとも、彼らならただ笑って、大雑把に言い放つだろう。
クレア:「ぶち抜いてやる」
クレア:金属が破裂する重苦しい轟音。一瞬で音速を突破した弾丸は、周囲を衝撃波で薙ぎ払いながら
クレア:空に赤い軌跡を描く。それは硝煙と爆風を貫いて、怪鳥の心臓に巨大な風穴を穿った。
ロバート・クロムウェル:──生まれつきの多指症と虚弱体質。
ロバート・クロムウェル:酒浸りの父と娼婦の母の間に生まれ、周囲に疎まれ、蔑まれ、虐げられた。
ロバート・クロムウェル:そのコンプレックスを糧に、敵を、時には味方をも蹴落とし、裏切り、あらゆる手段で出世してきた。
ロバート・クロムウェル:全ては自らのような弱者の為。それらに救いの手が差し伸べられる、正しい社会を作る為。
ロバート・クロムウェル:そうして手に入れたのが上院議員という肩書と、“船員たち”の代弁者という立場だった。
ロバート・クロムウェル:“船員たち”の力は圧倒的だった。あらゆる権利、情報、力を持ち、国の為ならば全てが『正義』として正当化された。何もかもを自分の思うとおりに出来た。
ロバート・クロムウェル:“船員たち”、第二始祖──自ら強大なものの一部となるのは、心地よかった。
ロバート・クロムウェル:全てはアメリカの為。巨大な力を振るい、敵を消し、味方を作り、世論をコントロールしてきた。
ロバート・クロムウェル:そうして、ある日ふと気付いた。
ロバート・クロムウェル:誰もが知っているその事実を、数十年遅れてようやく知ることが出来た。
ロバート・クロムウェル:──自分より弱いものを虐げるのは、この世の何より気持ちがいいのだと。
ロバート・クロムウェル:『う……うわぁあああああぁああッ!!』
GM:爆発。轟音。鋼の船体に大穴が穿たれ、レネゲイドが霧散していく。
ロバート・クロムウェル:消えていく。始祖と一体化する全能感と共に、これまで築いてきた全てが。
ロバート・クロムウェル:『やめ……ザ……私は……』
ロバート・クロムウェル:『アメリカを……合衆国を……ザザ……』
ロバート・クロムウェル:『……助け……ザ……消え…な…』
ロバート・クロムウェル:『……ザザ……ザ……ザーーーー……』
GM:駆逐艦エルドリッジは、最後に甲高い咆哮めいて軋む音を上げ、完全に停止する。
ギル:『……やったか?』
ルカ:「……、エミリア」胸の中に抱えていた少女を覗き込む。
エミリア:「……う……」
エミリア:強制的な能力の励起、間髪入れずに能力を行使し続けていた。ふらつき、ぼんやりとしている。
エミリア:「……終わり、ましたか……?」
ルカ:「…あんたが正気のままってことは、ひとまず、そうじゃないの…」
F:「……」遠目に、少女の姿がある。こちらを見ているよう……に見える。
F:銃では射程外だろう。唯一規格外の射撃が可能な人物は、今まさに攻撃を終えたところだ。
デュバリー:その彼女に視線を向けている。殺意、は薄い。ただ冷静に観察している。こちらにまだ迫るのか、どうかを。
F:刃ではなく、もう片手を上げて、デュバリーを指差す。
F:ぱくぱくと、口を開く。
F:「次は殺す」声は聞こえないが、唇はそう動いた。
デュバリー:特に何かを返してやることもない。来るならば撃ち返すだけだ。それが可能であると実証できたのは、デュバリーにとって今日得られた多くの成果のうち一つであった。
デュバリー:(……そして、その手の内をはっきりと見られたこともね)
デュバリー:もちろん、唇を動かしてやることはない。ただ内心に思う。 (自分が殺す側、阻まれる側であるばかりと思わないことよ)
F:それを終えると、踵を返して、開いたゲートへと姿を消す。
:周囲を見渡し、息をつく。
:「……全員、無事だな」
:「諸君らのお陰で、ひとまず最悪の事態は避けられたと言っていいだろう」
:「第二始祖を殲滅し、エミリアを我々の元に取り戻した」
:「未だ問題と課題は山積みだが……まず、今は」
:静かな戦場に聳える戦艦ルイジアナを見上げ。
:「……帰ろう」

---

GM:バックトラックです。
GM:Eロイスはこちら

“ファットマン”:【さらなる絶望】


---

GM:デュバリー、あるいは電波に敏感なブラックドッグの能力者なら分かるだろう。
GM:破壊された“ファットマン”の身体から、何かの信号が発信されている。
デュバリー:「聞いた? 皆」
デュバリー:「あれだけの大物を仕留めさせておいて、あんな渋い面で『最悪の事態は避けられた~……って……」
デュバリー:軽口の途中、その軽口が途切れる。
ギル:がん、がん、と音を立てて装甲を落としながら。「で、帰りは超特急でいいのかな?」
デュバリー:見えない何かに引かれるように、"ファットマン"の残骸へ目が向く。
ルカ:エミリアを抱えた状態で、巨大な鉄屑と化した駆逐艦から戻ってくる。
ギル:「……どうした、デュバリー?」
GM:激戦で気付けなかっただけで、恐らくは絶え間なく放たれていたものだろう。その電波が正しく発信されているというだけで、大規模なジャミング源──第二始祖の停止を意味している。
デュバリー:実はこいつは《タッピング&オンエア》を持っています。それがどんなものかわかります?
GM:外部に対して電波を送っています。端的に言えば、エルドリッジが倒されればすぐに分かるようになっています。
クレア:「……?」銃を担ぎ直し、足を引きずりながらみんなの元へ駆けつけた所で、デュバリーの見つめる先へと視線を向ける
アッシュ:「デュバリーが黙るってことは、なんかロクでもないことが起きてるってことだろ」
アッシュ:ルカと同じく、駆逐艦の残骸から飛び降り着地する。
デュバリー:「……分からない。けど……」
GM:直後、爆発。
GM:滑走路が粉砕され、業火が舞い上がる。
GM:君達のすぐ傍で、更に立て続けに爆発──爆撃だ。遥か上空、ワーディング圏外から。
デュバリー:「無線電波通信、だった。ラジオやテレビみたいなね。それで、外部に連絡、を……」
ギル:「……!?舞!」直様駆け寄り覆いかぶさるように舞を地面に伏せさせるよ
:「ッ……これは……!」
クレア:「……っ、遅かった」咄嗟に抜いた銃で信号機を撃ち抜くが、最早さしたる意味は無いだろう。
エミリア:「えっ……?る、ルカ……?」
ルカ:「……、離れないで。絶対」爆風に煽られながら少女を抱え直す。
ハミース:「……“第二始祖”が消えて嬉しいのは、俺たちだけじゃないってことか」
ハミース:「んで、そいつらは……俺たちも消えるともっと嬉しいと来た」
デュバリー:頭上を見上げる 「敵はできるだけ減らすってわけ」
アッシュ:「つまり、延長戦ってことか?それとも撤退戦?」
デュバリー:「どうなの、舞?」
ギル:「ゲートの掌握は?」
:「いや……おかしい」
:「ゲートが開かない。まだ《ワーディング》が……」
GM:響くエンジン音、キャタピラの音。無数の戦車が姿を現す。
GM:かつてナイジェリアでも見た、抗ワーディング使用。一機だけでも希少なそれが、ずらりと並ぶ。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……クライマックスは終わり……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「とでも思ったか?アイギス」



GM:シーン終了。



【Climax2】

GM:登場侵蝕は不要ですが、シーンは切り替わります。



マクシミリアン・ブラッドリー:戦車の中から響く声。政治に詳しい、或いは今回、自分達を追っていた敵について調べた者には分かるだろう。
マクシミリアン・ブラッドリー:合衆国大統領補佐官、マクシミリアン・ブラッドリー。
GM:夥しい数の敵戦力が、君達を包囲している。非オーヴァードの対オーヴァード戦力としては、間違いなく世界最大だろう。
 
エンゲージ



 F-105 サンダーチーフ×15

 (12000m・視界外)

 M60パットン(隊長車) M60パットン×21

 (10m)

 PC
 
 (30m)

 M551シェリダン×30

 (150m)

 M56スコーピオン×10 M103ファイティングモンスター×24



        マクシミリアン・ブラッドリー:「まずは礼を言っておこう、アイギス」
マクシミリアン・ブラッドリー:「よく“船員”どもを倒してくれた」
ギル:「なんだ、この数は……。マクシミリアン。一体何時からこの未来を予見して……」
デュバリー:「COC……アメリカ対超人テロセンター、だったっけ」
アッシュ:「礼を言うって割に物々しいな。祝賀パーティーを開くって空気じゃなさそうだ」
クレア:「ようやく営業再開するところなんだ。用があるのなら日を改めて、窓口を通して貰うわけにはいかないだろうか」
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様らをある程度消耗させた状態で第二始祖と交戦させ、最後に『収穫』する予定だったが……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ここまで計画通りだと、流石に気分がいいな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「“船員”どもも、第二始祖も、ロバート・クロムウェルも……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「邪魔なオーヴァード共も全て死んだ。後は貴様らだけだ、アイギス」
マクシミリアン・ブラッドリー:「怪物は怪物らしく、我々人間の手で倒されるがいい」
デュバリー:「戦車も、戦闘爆撃機も……ものすごい数」
デュバリー:これだけの砲火に晒されれば、オーヴァードとしても再生限界が来るだろう。行き着く先はジャーム化、そして死だ。
デュバリー:「交渉の余地はなし。戦力的にも限界が近い。"ルイジアナ"の砲撃でもどうにかできそうにないし……」
デュバリー:ちらりとエミリアを見る。先ほどまでの交戦による消耗は激しかろう。
エミリア:デュバリーの読み通り、殆ど限界に近い。意識を保っているのがやっとで、戦況を引っ繰り返せるような余力は無いだろう。
ギル:「どうする?戦車隊は兎も角、上空に手出しは……」
アッシュ:「おいおいギル、ついさっきまでアレと戦っておいて今更空には手が届かないって言いだす気か?」
ギル:「高度に差がありすぎる。僕の射撃でも、雲の上までは……」
ギル:「クレア、君の狙撃でなんとかできそうか?」
クレア:「出来ないことはない……ただし、標的が見えさえすればな」雲に隠された、遙か上空の敵を思う。
マクシミリアン・ブラッドリー:「涙ぐましい虚勢だな。それとも物を知らないだけか?」
マクシミリアン・ブラッドリー:「あと何度再生できる?一度か?二度か?」
マクシミリアン・ブラッドリー:「我々の弾薬よりも多いといいがな」
アッシュ:「何、物はそれなりに知ってるさ」
アッシュ:「絶望ってのを知らないだけだ」
ルカ:「戦うしかないって感じ…? …ワーディング効かせるようにできないの」
クレア:「ビアフラの時と同じなら、高い気密構造でレネゲイドの浸透を防いでいるはず。装甲を抜けば破れるだろうが……」
クレア:「どの道、一撃は入れる必要があるな」
ギル:「……何れにせよ、相手が相手だ。降伏はできない。最悪、舞とエミリアだけでも逃がせれば……」
デュバリー:ふう、と溜息を吐いて 「……だね。指揮官だけどうにか叩いて、最短距離で突破離脱。舞とエミリアの無事が最優先」
デュバリー:「他に決めとくことある?」
ハミース:「……遺言と言っときたい相手とかだろ」
アッシュ:「決めたとしてどうすんだ、ソレ。舞とエミリアに頼んどくって?」
ルカ:「……じゃあ、代わりに、あいつになんか言ってやったら」アッシュくんに言います。
マクシミリアン・ブラッドリー:「諦めの悪さもここまで来ると滑稽だな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「仮にここを切り抜けられたとして……その後どうするつもりだ?アイギス」
マクシミリアン・ブラッドリー:「お前達は世界にとっての裏切者だ。ここまでの道程で分からなかったのか?」
マクシミリアン・ブラッドリー:「あれがお前達を取り巻く現実であり、この世界の現状だ」
マクシミリアン・ブラッドリー:「誰もがお前達を憎み、疎み、銃を向ける。貴様らオーヴァードの居場所など、この世のどこにも存在しない」
ギル:「今はまだ、が抜けてる。これから作るつもりだったんだ」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ましてや、アメリカ合衆国のトップを殺したのだからな」嘲り笑うように。
マクシミリアン・ブラッドリー:「お前達はもう終わりだ、アイギス」
ルカ:「……だいたい、別に」
ルカ:「どんな人間でも、たいした事情も聞かないで拾うお人好しだって、普通にいたりする……」
ルカ:「……世の中、そんな単純じゃないってやつ。それに、あんたの好きなこの国での話だ。良かったな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「国や所属、正規兵か傭兵か……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「人種、思想、人間性……どんな人間かなど、関係ない。私はそんなことで差別はしない」
マクシミリアン・ブラッドリー:「全て平等に価値が無い!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様らがオーヴァードである以上、誰であろうと腐肉にたかるウジ以下の存在だ!!」
デュバリー:「差別はしないって言って5秒も経たずに……」
ルカ:「オーヴァードは人間じゃないってか」
アッシュ:「アメリカの上層部ってこういうのしか居ねえの?」
ギル:「ウジ虫以下だって……?オーヴァードだって人間だって関係ない。誰もが自分の居場所のために、生きるために、必死に戦ってる。なぜそれがわからない」
ギル:「君の方こそどうするつもりだ?僕たちを力で抑圧し、排除しても。日常を勝ち取るために、必ず反抗するものが現れる」
ギル:「その度に引き金を引き続けるつもりか?」
ギル:「そうだ、それに耐えられなくなったから、僕は……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様らに生きる権利など無い!!反抗だと?貴様らオーヴァードは存在そのものが罪悪だ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「もういい。これ以上会話すると私まで毒される」
マクシミリアン・ブラッドリー:「総員、攻撃……」
クレア:「……来るぞみんな。覚悟を……」
GM:マクシミリアンの声が、途中で途切れる。
デュバリー:ショットガンを握り直す。周辺の草木全てと共感し、一縷の情報も逃さぬよう身構える。
デュバリー:だから、彼の異常にもすぐに気付いた。 「……いえ……」
GM:君達もすぐに気付くだろう。上空が不意に明るくなる。
ギル:「……?」再び鉄王を身に纏おうとして
ルカ:「今度は、何……」視線を上げる。
GM:夜空、雲を引き裂くように、巨大な火の玉が落ちてくる。
GM:それは遥か上空を飛んでいた筈の、米軍の戦闘爆撃機F-105 サンダーチーフ──その残骸。
GM:燃え盛る機体が地面に激突し、砕け散って爆発する。
ギル:「サンダーチーフ!?」
クレア:「墜落……いや、撃ち落としたのか……?一体誰が……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「……何……?」
アッシュ:「そういやさぁ。ずっと気になってたことがあるんだけど」
マクシミリアン・ブラッドリー:「……何だ。何が……」
ギル:「舞、君の差し金か?心当たりは……?」
アッシュ:「我が親愛なる相棒殿がどこで何やってるか知ってる?舞」
GM:上空から機銃の音が響く。月光を反射し、サンダーチーフとドッグファイトを繰り広げる数機の戦闘機。
GM:ミラージュIII──現フランス空軍主力戦闘機。
:「……どうやら、予想外のところで間に合ったらしいな」
GM:君達の後方で爆発。アメリカの戦車が装甲を撃ち抜かれ、沈黙する。
GM:次々に姿を現すのは、いずれもフランス軍の車両……だけではない。
GM:イタリア、北方連合の機種。そしてそれらには抗ワーディング仕様は見受けられず──
GM:その周囲には、大量の随伴歩兵。
ハミース:「いや……あり得ねえだろ」
ハミース:「歩兵だぞ?全員オーヴァードの兵士なわけがねえ」
GM:ワーディング下でも意識を失わず、その頭部にはガスマスクにも似た防護マスクを装着している。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……これは……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「……まさか……」
クレア:「防いでいる……あの小さなガスマスクで、ワーディングを」
ギル:「対ワーディングマスク……!あれはまだ思想段階の兵器だったはずじゃ……」
ミルシュカ:「そういうこと」
ミルシュカ:包囲に空いた穴から君達のもとへ。
ミルシュカ:「ミルシュカ・ヴェルレーヌ、一足遅れて現着しました」
アッシュ:「ははっ」
アッシュ:「遅れてやってくるのはヒーローの特権じゃないか?オペレーター」
ギル:「むしろ早すぎるくらいだ!対ワーディングマスクを完成させて、あまつさえ量産までしてのけるなんて……」
ギル:「“プロホロフカの惨劇”に並ぶ……とんでもない。歴史が変わってしまうぞ……」
ミルシュカ:「そうかもしれない。でも、必要だと思ったから」
ミルシュカ:激しい戦闘を繰り広げる両軍を見遣り
ミルシュカ:「思想でも正義でもない、力が。是非は後世に任せるとするわ」
デュバリー:「……それで、ミスター・ブラッドリー。私たちが、なんだっけ?」
デュバリー:ミルシュカの連れてきた軍勢を見渡す。いっそ、少し楽しそうに微笑して 「世界にとっての裏切者?」
マクシミリアン・ブラッドリー:「……貴様らぁッ……!」
ミルシュカ:「……舞さん、読み通りです」
ミルシュカ:「クレマン・デュモルチエ氏、チュクエメカ・オジュク氏、レーモ・ベリザリオ・タヌッチ氏……」
ミルシュカ:「先程フランス、ナイジェリア、イタリアがアイギスを支持する声明を公式に発表」
ミルシュカ:「北方連合、イギリスを始めとした数カ国が追従の姿勢を見せています」
クレア:「北方連合も……」
:「……そうか……」
:瞑目し、煙草の煙を吐き出す。
:「……諸君」
:「この結果は、諸君らのこれまでの奮戦の成果だ」
:「まだアイギスの思想や理念が理解されたわけではないが……」
:「少なくとも、その力を世界に示した」
:「アメリカを敵に回してでも、味方に付けたい相手だと思わせた」
:「……帰り道の心配はしないで良さそうだ」
ギル:「……アッシュ、クレア、ルカ。君たちに言っておかなきゃならない事がある」神妙な顔で呟いて
ルカ:「…急になに」怪訝な顔をする。
ギル:「……実は休んでる間に、舞と付き合いはじめた」
:「ッ……!」
アッシュ:「マジ?」
ルカ:「………、急になに…」
クレア:「そうだったのか。おめでとう」
:「おい!!」
:「今言うことか……!!」
デュバリー:「ふふ……」 くすくす笑っている
ハミース:「えっ否定しねえの!?」
ハミース:「マジなのか……」
ハミース:「てっきりまた誰かの妄想かと……」
アッシュ:「え、デュバリーは知ってたヤツ?名前呼ばれてないし」
:「……」僅かに頬を染めて視線を逸らす。否定はしない。
ギル:「ちょっと八つ当たり。だって絶体絶命みたいな顔してたじゃないか。知ってるなら早く教えてくれればいいのに」
ミルシュカ:「まあまあ……実際、ギリギリでしたから。本当は第二始祖との戦闘に歩兵を投入する予定だったんです」
GM:砲撃音と爆発。次々にマクシミリアンの軍勢が倒されていく。
ミルシュカ:「そうだ、アッシュ」
ミルシュカ:無線機を投げ渡す
ミルシュカ:「お小言」
アッシュ:「はい。こちらアッシュ・ノイ・ジラード」 受け取って耳を当てる。
クレマン・デュモルチエ:「……ジラード」
クレマン・デュモルチエ:君の直属の上官の、不機嫌そうな低い声。
クレマン・デュモルチエ:「公衆の面前での敗北、数か月に渡る失踪、無断での米国渡航に戦闘……」
クレマン・デュモルチエ:「命令違反は数え切れんぞ。何か言い訳はあるか」
アッシュ:「何も」
アッシュ:「敗北はオレの実力不足。失踪も同じく」
アッシュ:「渡航と戦闘に関して言うなら、そうだな」
アッシュ:「したかったからした。戦果はその分挙げたつもり」
アッシュ:「以上を踏まえて沙汰をどうぞ」
クレマン・デュモルチエ:「まるで足りんな」
クレマン・デュモルチエ:「貴様にはこれからも働いてもらう。まずはフランス奪還からだ」
クレマン・デュモルチエ:「その為に、こんなところで死んでもらっては困る」
クレマン・デュモルチエ:ぶっきらぼうに無線が切れ、それ以上に大きな肉声が響いてくる。
クレマン・デュモルチエ:「いいか貴様ら!」
クレマン・デュモルチエ:「最早小僧一人に故国を任せるしかない我々ではない!」
クレマン・デュモルチエ:「戦え!銃を取れ!故国を取り戻せ!」
クレマン・デュモルチエ:「我らが英雄、アッシュ・ノイ・ジラードを守れ!!」
GM:デュモルチエの檄と共に、兵士たちの鬨の声が戦場に轟く。
ルカ:「……アッシュ」呼びかけます。
アッシュ:「ああ」 兵士達を見据えながら答える。
ルカ:「こういうの、見てるだけのあんたじゃないだろ」
ルカ:「あんたの姿、全員に見せてやったら」
アッシュ:「よく分かってるな」
アッシュ:二っと笑みを浮かべて。
ルカ:「分かるようになった。勝手に」
アッシュ:「あっそう。なら今後もその調子で頼むぜ」
アッシュ:「まだまだ戦果が足りないらしいからな。勝ちにいかねえと」
ルカ:「…みんな待ってる。行ってきて」
ルカ:「……足場は?」
アッシュ:「マジで分かってるな。ここの真上、5mで頼む」
ルカ:「あいよ」 手を翳す。それくらいの余力はあった。
ルカ:瓦礫が動き、夜空に向けて伸びる石階段を作り出す。
アッシュ:階段を上っていく。その手には彼の象徴ともいえるサーベル。
アッシュ:そこに蒼い雷と黒い影が絡み、刀身が一回りも二回りも成長していく。
アッシュ:階段の頂上。そこに着いたときには、彼の身の丈近くまで膨れ上がっていた。
アッシュ:「Wesh!我が戦友達!」
アッシュ:戦場へ向けて声を張る。あるものは肉声を、あるものは通信越しの声を聞くだろう。
アッシュ:「まずはこの場に来てくれたことに感謝する。アンタ達の勇気と覚悟に敬意を」
アッシュ:「そして我が上官殿の言葉に補足を。オレは守られるだけってのがどうも性に合わない性質でね」
アッシュ:「アンタらがオレを守るなら、オレと共に最前線を駆けてもらうことになる」
アッシュ:「その覚悟がないのにうっかりここに立っちまったヤツは居るか?」
アッシュ:間を置く。誰一人声を挙げないことを確認して。
アッシュ:「d'accord.ならオレは約束しよう」
アッシュ:「アンタらの英雄は、必ず最前線を駆ける。どこにも逃げない。どこへも消えない」
アッシュ:「アッシュ・ノイ・ジラードは、もう二度と負けない」
アッシュ:国へのロイス感情を決定します。〇誓約/責任へ。
GM:戦車の砲撃音すら掻き消すような、割れんばかりの歓声が戦場に轟き渡る。
GM:彼の名を呼ぶ者。故国への思いを叫ぶ者。
GM:その誰もが、アッシュ・ノイ・ジラードに確かな希望を見ていた。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……」
マクシミリアン・ブラッドリー:戦車の座席で、その顔にみしみしと太い血管が浮き上がる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードに与するドブカスクソブタ共がァ~~……」
マクシミリアン・ブラッドリー:冷静な仮面を完全に捨て去った、憤怒の表情。
マクシミリアン・ブラッドリー:「この私の手で……全員まとめてブチ殺してやる……!!」

GM:クライマックス戦闘2を開始します。
GM:シーン間で回復などあった気がするのでここでどうぞ
ルカ:3d10で回復できるのでみんなでしようね~
ギル:ルイジアナの効果で回復できるという噂を聞きました
ルカ:6+3d10
DoubleCross : (6+3D10) → 6+16[1,9,6] → 22

クレア:するぜ。回復
クレア:11+3d10
DoubleCross : (11+3D10) → 11+21[4,9,8] → 32

アッシュ:13+3d10
DoubleCross : (13+3D10) → 13+16[4,6,6] → 29

ギル:わーい!カンパニーの効果で+1dして4d10回復します。
デュバリー:3d10+11
DoubleCross : (3D10+11) → 15[8,6,1]+11 → 26

クレア:完全回復して23
ギル:17+4d10
DoubleCross : (17+4D10) → 17+31[8,5,8,10] → 48

デュバリー:デュバリーのHPを26(→ 26)に変更 (11 → 26)
アッシュ:ピッタリ全快
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードのHPを29(→ 29)に変更 (13 → 29)
ルカ:HP22です!
ギル:30まで増えました
ギル:ギルトレット・レッドフォードのHPを30(→ 30)に変更 (17 → 30)
 
エンゲージ



M60パットン(隊長車)

(10m)

アッシュ、ルカ、クレア、ギルトレット、デュバリー



デュバリー:陣形漢すぎるだろ
アッシュ:まさかの単騎
クレア:めちゃスッキリした
ルカ:がんばってこー
ギル:こんな事ある?

GM:ラウンド1
GM:セットアップから!
ルカ:なし!
ギル:なしで
クレア:なし!
デュバリー:ないでーす
アッシュ:Determiner le cours:加速装置Lv4+ヴァジュラLv4&背徳の理Lv4+喰らわれし贄Lv4
アッシュ:→行動値+12、攻撃力+24、変異暴走、判定D+8、侵蝕値+9
GM:ではイニシアチブ 行動値23 アッシュくんの手番です
アッシュ:マイナーで戦闘移動。隊長車にエンゲージ。
アッシュ:メジャーはコンセントレイト:ウロボロスLv4+シャドーテンタクルスLv1+バリアクラッカーLv3
アッシュ:C値-3、射程10m、装甲無視、ガード不可、侵蝕値+7
ルカ:《砂の加護》あげるね ダイス+4してね~
ルカ:ルカの侵蝕率を3(→ 3)増加 (140 → 143)
アッシュ:助かる あとさっき侵蝕9上がって162なのでダイスボーナスも一個増えてるかな
アッシュ:どうせだしハミースも貰っていい?
サブGM:160はダイス増えないよ
ルカ:ハミってハミって
クレア:エフェクトLVが上がるぜ
アッシュ:あ、そうじゃん
サブGM:130以上の+4個かな
ハミース:こちらもOK.終わらせてきな!
アッシュ:じゃあメジャーエフェクトの効果は変わらないけどセットアップのバフの効果が上がります
アッシュ:(3+10+3-5+4+5+3)dx7+9
DoubleCross : (23DX7+9) → 10[1,1,1,2,2,2,2,3,5,5,5,6,7,8,8,8,8,8,9,9,10,10,10]+6[1,1,2,2,2,2,3,3,4,6,6]+9 → 25

アッシュ:せっかく今回回ってたのに!
アッシュ:仕方ない 対象は隊長車です
ルカ:だいじょうぶだいじょうぶ!
GM:戦車はガードします。ダメージどうぞ
クレア:《力の法則》LV4 ダメージを更に+5D これでダメ押しよ
アッシュ:助かる!
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4(→ 4)増加 (153 → 157)
アッシュ:あ、待って 砂の加護分のダイス忘れてたのでそこだけ降って良いです?
GM:しょうがないな~
アッシュ:有難し!
アッシュ:4dx7+9
DoubleCross : (4DX7+9) → 10[7,7,9,9]+4[1,3,4,4]+9 → 23

GM:変化なし ダメージどうぞ
アッシュ:では改めてダメージ!
アッシュ:3d10+15+15+15+1d10+5d10
DoubleCross : (3D10+15+15+15+1D10+5D10) → 12[4,7,1]+15+15+15+5[5]+14[5,3,2,1,3] → 76

ルカ:良い値よ!
GM:装甲無視か……
アッシュ:です!
ギル:やったか!?
GM:装甲30、HP67
GM:撃破です
アッシュ:やったー!!
クレア:結構あるじゃんHP
ルカ:舐めプしなくてよかった
デュバリー:がんばったな
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を16(→ 16)増加 (153 → 169)
アッシュ:セットアップ分もまとめて上げて最終はこれ

マクシミリアン・ブラッドリー:「死ね、オーヴァードのクソゴミ共ッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:戦車の咆哮が君達に向けられ、轟音と共に砲弾が放たれる。
マクシミリアン・ブラッドリー:分厚い鉄板をも貫徹する大威力の砲撃だ。当たればひとたまりもない。
クレア:カンッ
クレア:軽快な金属音が鳴り響いて、砲弾が空中で炸裂する。
ルカ:防壁を組み上げようとしていた手を止め、彼を見る。
クレア:それは標的であるはずのアッシュの遙か手前。誰をも傷つけることなく、爆炎はやがて薄れていく。
クレア:「再装填まで約十秒」
クレア:「こっちは弾切れだ。後は任せた」
アッシュ:「十分。任された」
アッシュ:高台から踏み出す。そのとき、ついでのようにルカのレネゲイドの一部を吸収する。
アッシュ:錬成を模倣した影が空中に道を架ける。アッシュと隊長車とを、直線で結ぶ形で。
アッシュ:故に、一瞬だった。アッシュが戦車の元へ辿り着くのも、身の丈近くなった大剣を凪ぐのも。
アッシュ:雷が戦車の装甲を溶かすのも、影が溶かした装甲を滑らかに斬り払うのも。
アッシュ:あっさりと戦車は上から何割かを失い、操縦席に座ったマクシミリアンが戦場へと晒される。
アッシュ:「へえ、アンタそんな顔だったんだな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ぬうぅううッ……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:ガチャガチャと操縦桿を動かすが、既に戦車は機能を停止している。
ハミース:「……」
ハミース:「……おい」
マクシミリアン・ブラッドリー:戦車から飛び降り、君達を睨みつける。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……」
ハミース:「《ワーディング》は……」
ハミース:「あるんじゃねのか」
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードのカス共ォ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:君達に背を向け、猛然と走り出す。
デュバリー:「……そうだよね」
デュバリー:「何動いてるの?」
マクシミリアン・ブラッドリー:疾走する先は、巨大な鉄の塊──君達の旗艦、戦艦ルイジアナの下方。
ギル:「止まれ、撃つぞ!」
マクシミリアン・ブラッドリー:アッシュの攻撃で焼け焦げたスーツを脱ぎ捨て、白いワイシャツを素手で引き裂き、鍛え上げられた筋骨隆々の肉体を露わにする。
ルカ:「何を……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「フンッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:ルイジアナの装甲に手を掛け、筋肉が隆起する。
マクシミリアン・ブラッドリー:「ぐ……おぉおおおおぉおおおおっ……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:みしみしと筋繊維の軋む音。
ルカ:「…何をするつもりだよ、あれは…!」
クレア:「……不味いな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ぬ……ぉおおおおお……ウオオォオオオオオオッ……!!」
GM:新たなエネミーが配置されます。
 
エンゲージ



アッシュ (5m) マクシミリアン・ブラッドリー

(10m)

ルカ、クレア、ギルトレット、デュバリー



マクシミリアン・ブラッドリー:《加速する刻》LV6
マクシミリアン・ブラッドリー:マイナー 《完全獣化》LV4+《究極獣化》LV6+《ハンティングスタイル》LV4+《鷹の翼》LV1+《骨の剣》LV6+《死招きの爪》LV4
GM
GM:               ミ
GM:                                     シ
GM
GM:戦艦ルイジアナの巨体が、揺れる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「グオォオオオオオオ……オアアアアアァアアアアッ……!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:二本の腕でルイジアナを掴むマクシミリアン。
マクシミリアン・ブラッドリー:その腕が上がるに従って、次第にルイジアナが……一隻の戦艦がゆっくりと地を離れ、持ち上げられていく。
ギル:言葉を失ってそれを見てるよ
マクシミリアン・ブラッドリー:「アアアァアアアアアアッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:とうとうウェイトリフティングのように、完全に戦艦を頭上に掲げる。
マクシミリアン・ブラッドリー:自らの肉体、二本の腕のみで。
クレア:「……見てる場合じゃないな」即席で銃弾を錬成し、ブラッドリーに斉射するが……
マクシミリアン・ブラッドリー:鈍い音。鋼のような筋肉が、銃弾をまるで通さない。
マクシミリアン・ブラッドリー:「死ィイイィイイイイイイ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:ぐらり、と戦艦が大きく傾き
マクシミリアン・ブラッドリー:「ねぇえええええええええええええッッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:ぶわりと宙を舞い、君達の頭上へと放り投げられる。
マクシミリアン・ブラッドリー:《獣の力》LV6+《獣王の力》LV1+《獣の殺意》LV4+《命の剣》LV1+《飛礫》LV1+《異形の祭典》LV6
マクシミリアン・ブラッドリー:対象PC全員
クレア:《闘争の渦》
クレア:回数制限のあるエフェクトの使用回数を一回分回復させます。
クレア:対象はルカの《異世界の因子》
ルカ:押忍!
クレア:私は副作用で暴走するよ
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (157 → 162)
ルカ:ではこちら即座に《異世界の因子》を使用します。
ルカ:そして前シーン・クライマックス戦闘1でリッケンバッカーが使用していた《時の棺》をコピーします。
ルカ:本来のエフェクト効果だと、シーン内で登場しているエフェクトしかコピーできませんが…今回は特別!GMに確認済み!
ルカ:そして《時の棺》も使用し、判定を自動失敗させます。
GM:許せねえ~~
ルカ:ルカの侵蝕率を15(→ 15)増加 (143 → 158)

GM:巨大な──あまりにも巨大なその塊が、君達の頭上に落ちてくる。
クレア:「……本当に、これで弾切れだ」
クレア:左手を握り込む。リッケンバッカーから受け取った力の最後の残滓を、弾丸の形に凝縮する。
クレア:ライフルに込められたそれは、飛来するルイジアナの船底へと放たれ、瞬時に拡散する。
クレア:強力な重力場が膜のように広がり、ほんの一瞬、戦艦の巨体を空中に静止させる。
ルカ:「船は……、こっちで受け止めてやる」 思考をぐるぐると回す。
ルカ:「バイク一台なら花で済むっつうのに……」手を翳す。大地が波紋状に波打って分解を始め、深く広い砂のクッションを形成しだす。
ルカ:「おれ達は…、どうにかして」視線をデュバリーに寄せる。
デュバリー:「……まあ、違うのは規模だけだからね」
デュバリー:想定し難い事態に呆然とはしていたが、それはそれとして備えは完璧である。
デュバリー:柔らかな砂の池のようになった一帯に植物の根を張り巡らせ、必要以上に艦に損傷が及ばず、さりとて艦が沈まず、さらにこちらにまで砂の波濤が来ないようざっくりと調整。
デュバリー:最後に柔らかい草を砂の上に生やし、艦の自由落下(艦の自由落下?)を受け止める態勢を仕上げる。
GM:地響きと共に戦艦が着地する。だが自由落下のそれと比べると、衝撃も損傷も格段に小さい。
ギル:船が無事に着陸したの見てほっと息をつき「…… なんてことをするんだ。中には君が言う人間もいるんだぞ!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードの味方をする人間など、オーヴァードと同罪!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「殺すのに何の躊躇も要らんカスダニ共だ!!」
ギル:「なら人間に味方しているオーヴァードだから、自分は人間だと……!?滅茶苦茶だ!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「私がオーヴァードだと!?」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ふざけるなぁッ!!!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:ビリビリと鼓膜を震わせるほどの怒声。
デュバリー:「だいたい、それ通るなら私だって人間で……あぁ……」
アッシュ:「やめとけよ、ギル」
アッシュ:「覚えがあるだろ、こういうタイプ」
ギル:「ああ……どうやら彼は完全に狂ってしまっているらしい」
デュバリー:アッシュに同調する 「懐かしいね、ギルくん」
マクシミリアン・ブラッドリー:「私は人間だ!!貴様ら怪物と一緒にするんじゃあないッ!!」
ルカ:「……」閉口している。
クレア:「……哀れだな」
マクシミリアン・ブラッドリー:「これ以上ない屈辱だ!!必ず殺してやるぞ!!」
ギル:「僕はあれ程酷くなかった。……なかったよね?」
アッシュ:「ノーコメントで」
デュバリー:「…………」 コメントはない
ルカ:「………」閉口している。
クレア:「大切なのは今、この瞬間だ」
マクシミリアン・ブラッドリー:「私は毎日自分を厳しく鍛えている!!これはその成果だ!!貴様ら化け物共の気色悪い力と一緒にするなあッ!!」
アッシュ:「なんだろうな。敵国ながら、コイツにCOCなんて組織任せてるアメリカが心配になってくるよ」
ギル:肩をすくめて「終わらせるか。見るに堪えない」
ルカ:「母国だ………」苦虫を嚙み潰したような顔をしている。

GM:イニシアチブ
マクシミリアン・ブラッドリー:《異形の転身》LV4
マクシミリアン・ブラッドリー:ルカクレアギルデュバにエンゲージします
ギル:キモいよ~
ルカ:やだ~~
クレア:めっちゃ近寄ってくる
GM:行動値12 クレアくんの手番です
クレア:ここは……待機します!
GM:ほう……
GM:では行動値11 マクシミリアンの手番です
デュバリー:その前に
デュバリー:NPCカード"トリスタン"。行動値を下げな!
トーマス・フレミング:トリ~
GM:野郎~~~
GM:では行動値10、デュバリーの手番です
デュバリー:実はオリジン切れてるんだよね。あまりなのでその辺使い直してもっかい撃つべな
デュバリー:マイナーで《オリジン:プラント》+《オリジン:ヒューマン》。メジャーでARショットガンを使って《零距離射撃》
GM:判定どうぞ!
デュバリー:12dx+40
DoubleCross : (12DX10+40) → 10[1,2,4,4,5,6,7,7,8,8,9,10]+7[7]+40 → 57

マクシミリアン・ブラッドリー:《復讐の刃》LV4
デュバリー:ゲェ
マクシミリアン・ブラッドリー:反撃します リアクション不可
ギル:嫌すぎる~
ルカ:デビストいる?
デュバリー:侵蝕率大丈夫なら使ってもあろうかな……メモリーないのでこれ以上の削れは怖い
GM:あっ忘れてた
ルカ:なんだろう
GM:その前に
マクシミリアン・ブラッドリー:Eロイス【絶対拒絶】
マクシミリアン・ブラッドリー:エンゲージした全員の侵蝕率+1D10
デュバリー:アァ!?
ギル:ジャームじゃん
ルカ:いや~!?
デュバリー:ジャームじゃねえか!
クレア:お前ジャームかよ!
アッシュ:全然ジャームじゃん
ルカ:総ツッコミ
アッシュ:いやまああの言動は完全にジャームだったけどさ
GM:上げろ!!
クレア:1d10
DoubleCross : (1D10) → 8

クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を8(→ 8)増加 (162 → 170)
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (140 → 144)
ルカ:1d10
DoubleCross : (1D10) → 9

ルカ:ルカの侵蝕率を9(→ 9)増加 (158 → 167)
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (150 → 154)
デュバリー:まちがえた なおしまう
デュバリー:1d10
DoubleCross : (1D10) → 2

ルカ:むしろ下がってる
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を-2(→ -2)増加 (154 → 152)
ルカ:じゃあ《復讐の刃》には《デビルストリング》するね‥
GM:おのれ~~
ルカ:させないわよ!
ルカ:ルカの侵蝕率を6(→ 6)増加 (167 → 173)
デュバリー:それはそれとしてダメージ出します
GM:どうぞ!
デュバリー:6d10+10
DoubleCross : (6D10+10) → 31[8,1,1,5,7,9]+10 → 41

デュバリー:行動値-5
GM:カチカチ装甲で減らして全然元気です
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を6(→ 6)増加 (152 → 158)
ルカ:そんな~
クレア:筋肉野郎がよ

デュバリー:駆け寄ってくるマクシミリアン・ブラッドリーへ、ショットガンから弾丸を連射する。
デュバリー:が、その装甲に通常弾は通用しない 「……この出力に、あの言動……」
デュバリー:「ただの頭がおかしい男の人じゃない……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「殺してやるぞ、オーヴァード共ォオッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:銃弾を全身に受けながら、重戦車の如く猛然と突進してくる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「死ねえぇえっ……!!」
ルカ:「もうジャームになってるってんのか…!?」 前に出る。
マクシミリアン・ブラッドリー:デュバリーに向け、筋肉の塊の如き拳を振り上げる。
ルカ:一瞬で変化させた右腕の、翼のような装甲を持って受け止め流す。
ルカ:轟音を持って破壊され、瓦礫のように砂塵が舞う。
デュバリー:「ありがと、ルカ……!」 攻撃を受けたルカの右腕、その脇から銃を突き出し、零距離でブラッドリーへ絞殺の魔弾を撃ち込む。
マクシミリアン・ブラッドリー:受け流された拳が、そのまま滑走路を粉々に割り砕き、地面が大きく陥没する。
マクシミリアン・ブラッドリー:「ぬぅううっ……!」
ギル:「なんて威力だ……これで本気で自分を人間だと思いこんでるのか?」
デュバリー:現出する植物の幹が、その拳を地面に縛り付ける、が…… 「……駄目。長くは持たない」
マクシミリアン・ブラッドリー:僅かに怯むが、それだけだ。拘束する幹は今にも引き裂けそうに悲鳴を上げている。
デュバリー:「急いで。彼、ゲストでもエキシビジョンでもない……戦いは終わってない!」

GM:すいませんギルくんも行動値10でしたね 手番お願いします
ギル:実はそうです
ギル:マイナーで戦車に搭乗、メジャーで《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》《無形の影》《コンセントレイト:ウロボロス》《零距離射撃》
ギル:戦車砲、大口径機関砲、大口径機関砲、大口径機関砲、車載機銃でマクシミリアンさんを攻撃するよ~
GM:判定どうぞ!
ギル:17DX7+23
DoubleCross : (17DX7+23) → 10[1,2,3,4,4,5,5,6,6,6,6,6,7,7,8,8,9]+10[1,3,7,8,10]+10[1,3,10]+1[1]+23 → 54

マクシミリアン・ブラッドリー:《復讐の刃》LV4
ギル:ガード不能装甲無視
マクシミリアン・ブラッドリー:反撃します
ルカ:デビスト切れ!
ギル:受けて立つ
マクシミリアン・ブラッドリー:40DX7+11
DoubleCross : (40DX7+11) → 10[1,1,1,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,7,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,3,4,5,5,6,6,6,6,7,9,10]+10[9,9,10]+2[1,1,2]+11 → 43

ギル:肉体高すぎだろ!
マクシミリアン・ブラッドリー:リアクション不可
GM:ダメージどうぞ!
ギル:6d10+87+1d10+1d10
DoubleCross : (6D10+87+1D10+1D10) → 41[7,5,9,8,8,4]+87+3[3]+4[4] → 135

マクシミリアン・ブラッドリー:《透過》LV1 ダメージを0に
ギル:なんだとぉ……
ルカ:エ~ッ
クレア:こいつ…
ギル:ダメージくだち……
デュバリー:生き汚い
クレア:筋肉だけの男じゃないのかよ
マクシミリアン・ブラッドリー:5D10+31 
DoubleCross : (5D10+31) → 32[7,6,6,8,5]+31 → 63

ギル:1点でもダメージ軽減くれれば生き残ります!誰か!
ルカ:まちな
ルカ:《デモンズウェブ》を使用します!
ギル:ルカち~♡
GM:このガキィ~~
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を14(→ 14)増加 (144 → 158)
ルカ:63-5d10 エフェクトレベルが上がって振れるダイスも増えた!
DoubleCross : (63-5D10) → 63-22[10,5,3,3,1] → 41

ルカ:ルカの侵蝕率を2(→ 2)増加 (173 → 175)
ルカ:41点受けてね
ギル:ありがたすぎる~装甲33で軽減して8点受け!HP22になります
GM:固すぎんだろ……

ギル:「……!部分展開!」消耗とマクシミリアンの接近の速さに、装甲の展開が間に合わない。
マクシミリアン・ブラッドリー:「ウォオオオオッ……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:“鉄王”の巨体に取り付き、両腕で抱えながらみしみしと締め上げる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「ウオラァッ!!オラァッ!!オラアァアアッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:砲撃のような膝蹴りが何度も放たれ、その度に凄まじい衝撃が走る。
ルカ:「今度はッ……」破壊された異形の右腕を再び変化させながら、マクシミリアンの足元の地面を崩落させる。
ギル:『グッ……!オオオオッ!」攻撃を受けながら、背中から伸びる機械腕から火器を展開し至近距離からマクシミリアンに十字砲火を浴びせかける
マクシミリアン・ブラッドリー:「ぐおぉっ……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:態勢を崩しながらも防御姿勢を取り、印象からは想像もつかない機敏さで砲火を逃れる。
ギル:『はぁ、はぁ……っ!』衝撃を受ける度に装甲が剥がれ落ち地面に幾つもの鉄塊が散らばっていく。ルカの支援を受けなければ危なかった
ギル:『狂っていてくれて助かった。万が一エルドリッジと手を組まれていたら……』
マクシミリアン・ブラッドリー:「腐れオーヴァードがぁあ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:ギルトレットの飽和攻撃を受けて、ほぼ無傷。異様にぎらつく目で君達を睥睨する。
クレア:「オーヴァードとは言え……生身で鉄王の砲撃を……?強靭すぎる……」
ギル:『政治家が持っていい武力じゃないぞ!文民統制の原則を知らないのか?』
マクシミリアン・ブラッドリー:「害虫をブチ殺すのに法の許可など必要無い!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「私は大統領補佐官だぞ!!」

GM:行動値6 ルカくんの手番です。
ルカ:はい~
ルカ:マイナーで《骨の剣》《死招きの爪》。武器作ります 侵蝕率7上昇
ルカ:メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》。マクシミリアンに白兵攻撃します
ルカ:(4+5+3)dx7+10
DoubleCross : (12DX7+10) → 10[1,2,2,3,4,4,4,4,4,5,6,10]+3[3]+10 → 23

ルカ:ニャ~ッ
マクシミリアン・ブラッドリー:《復讐の刃》LV4
マクシミリアン・ブラッドリー:反撃します
GM:ダメージどうぞ!
ルカ:3d10+11+30 装甲値無視
DoubleCross : (3D10+11+30) → 20[4,9,7]+11+30 → 61

GM:装甲無視だと~
マクシミリアン・ブラッドリー:削れましたがまだ元気
ルカ:うそ~~!?
マクシミリアン・ブラッドリー:40DX7+11
DoubleCross : (40DX7+11) → 10[1,1,1,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,7,7,8,8,8,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,2,3,4,4,6,6,6,6,7,7,8,9,10]+10[3,4,7,9,9]+10[6,6,7]+1[1]+11 → 52

マクシミリアン・ブラッドリー:6D10+31
DoubleCross : (6D10+31) → 30[6,3,9,3,6,3]+31 → 61

ルカ:ルカの侵蝕率を12(→ 12)増加 (175 → 187)
ルカ:ちょっと待ってね
ルカ:《異形の捕食者》使います!
ルカ:61-4d10
DoubleCross : (61-4D10) → 61-30[9,6,8,7] → 31

ルカ:31点受けて倒れます。また次から攻撃力+30になりました
ルカ:クレアくんのロイスをタイタス昇華して復活!
ルカ:ルカの侵蝕率を6(→ 6)増加 (187 → 193)

ルカ:「強いて、聞くことがあるとすれば…」
ルカ:「例えばあんたの嫁でも子供でも…近しい人間がオーヴァードに覚醒したらどうすんだよ」
ルカ:「殺すのか?」
ルカ:姿勢を崩した男に話しかけながら、振り向き様を狙う。
マクシミリアン・ブラッドリー:「当然だ」
ルカ:「ああそうかよッ……!」 鋭く研ぎ澄まされた土塊の鉤爪へと形状を変えた右腕を心臓に突き入れる。
マクシミリアン・ブラッドリー:鉤爪はマクシミリアンの胸に突き刺さり、だが心臓に至る前に彼の腕に掴み止められる。
ルカ:「ぐっ…」
マクシミリアン・ブラッドリー:ぎりぎりと万力のような締め上げに、形成された甲殻にヒビが入る。
マクシミリアン・ブラッドリー:「オルアァァアァツ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:掴み上げた腕ごとルカを振り被り、地面へと何度も叩き付ける。
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードは!!人に擬態した怪物だ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「その時点で!!私の家族でも!!友人でも無ァアアアいッ!!」
ルカ:「かっ……」 叩きつけられながら、陥没した大地の破片を砂刃に変え、彼の目元を狙って発射する。
ルカ:「……何が……」
ルカ:「何があんたをそうさせた? 聞かせられるような暗い逸話でもあんのかよ」
ルカ:それを機に拘束から抜け出し、よろよろと立ち上がりながら息を吐くように言う。
マクシミリアン・ブラッドリー:鉤爪に刺された胸から血を流しながら、殆どブリッジの体勢まで上体を逸らし砂刃を避ける。
マクシミリアン・ブラッドリー:「私は正しいことをしているだけだ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:筋肉を軋ませながらゆっくりと起き上がり
マクシミリアン・ブラッドリー:「アメリカ国民として当然の義務を……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「正義を果たしている」
ルカ:「そうかよ。元国民として………」
ルカ:「ああ、そうか。そういうもんだな。メイへの当たりは、そんな感じだった……」

GM:行動値1 マクシミリアンの手番です
ルカ:しないで~
マクシミリアン・ブラッドリー:メジャー《コンセントレイト:キュマイラ》LV4+《獣の力》LV6+《獣王の力》LV1+《獣の殺意》LV4+《命の剣》LV1+《ジャイアントグロウス》LV4
マクシミリアン・ブラッドリー:対象アッシュくん以外の4人
ルカ:やめてえ~
マクシミリアン・ブラッドリー:40DX7+11 ドッジダイス-4
DoubleCross : (40DX7+11) → 10[1,1,1,1,1,2,3,3,3,3,4,4,5,5,5,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,1,2,2,3,3,3,4,4,5,5,5,6,7,7,7,7,7,8,9,9,9,9]+6[2,2,3,3,3,5,5,6,6,6]+11 → 37

ギル:やめろ~
ギル:ぎりぎり孤独の魔眼使えない侵食だ
ギル:《原初の緑:竜鱗》を使ってみよう。
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を4(→ 4)増加 (158 → 162)
デュバリー:《ゲットダウン》。射撃判定でドッジ
マクシミリアン・ブラッドリー:《魔獣の咆哮》LV6 判定ダイス-6個
クレア:ドッジ
クレア:いや無理だわ…ガードします
ルカ:では《報復の牙》《復讐の刃》を使用し、クレアくんの攻撃をこちら対象にしながら反撃します
GM:なんにゃと……
クレア:ありがと~!
GM:スラム生まれの小僧がァ~ッ
デュバリー:ハミースのNPCカード使えます?
GM:使えます
ギル:ここは確かに生命維持に使ったほうがいいかも
デュバリー:使用タイミングが悪いが、とりあえずダイスが1個でもあれば良い……デュバリーに使用します。判定ダイス+5個 だめなら言ってね
ハミース:ハミッ
デュバリー:で、素が4、侵蝕率で4、シューターズジャケットで1、マクシミリアン野郎のせいで-10、ハミースで+5なので
デュバリー:4個で触れる。ドッジします
デュバリー:4dx+40=>37
DoubleCross : (4DX10+40>=37) → 9[5,7,7,9]+40 → 49 → 成功

デュバリー:ハアハア 舐めやがって
ルカ:えらいよデュバリー!
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (158 → 160)
GM:こいつ~
アッシュ:さすデュバ
クレア:すごいぜ
GM:復讐どうぞ!
ルカ:(5+5)dx7+10
DoubleCross : (10DX7+10) → 10[2,3,4,4,5,6,8,8,10,10]+10[4,8,9,10]+6[4,6,6]+10 → 36

ルカ:ほどほど!
マクシミリアン・ブラッドリー:ダメージ
マクシミリアン・ブラッドリー:4D10+31+24+30+6D10+2D10
DoubleCross : (4D10+31+24+30+6D10+2D10) → 19[5,2,3,9]+31+24+30+30[1,9,1,8,9,2]+18[9,9] → 152

ルカ:4d10+71 装甲有効
DoubleCross : (4D10+71) → 14[6,1,1,6]+71 → 85

ルカ:うわっこっちのダイス目死んでる
ギル:火力高すぎ!全然耐えられねえじゃね~か
アッシュ:馬鹿の火力
ルカ:メイに対するロイスをタイタス昇華して復活!
マクシミリアン・ブラッドリー:こっちも結構削れてます
ギル:マクシミリアン/P:親近感/N:脅威○/ロイス これを昇華して復活しよう
ルカ:ルカの侵蝕率を10(→ 10)増加 (193 → 203)

GM:マクシミリアン・ブラッドリーは1925年、アメリカ合衆国マサチューセッツ州で生まれた。
GM:ブラッドリー家は南北戦争の英雄を先祖に持ち、軍人や政治家を何人も排出してきた名家であり──
GM:マクシミリアンもまた、裕福な家庭で何不自由なく育った。
GM:厳格な父は息子にいつも語り聞かせた──「強く正しい人間になれ」と。
GM:マクシミリアンはその言葉通り、スポーツ万能の優等生として、常に人々の輪の中心にいる人物に育った。
GM:彼が12歳の時、長男であった兄が兵士となるべく家を出た。
GM:「家のことは任せたぞ」
GM:兄は最後にそう言って、力強く大きな掌で彼の頭を撫でたが──結局それきり戻らなかった。

マクシミリアン・ブラッドリー:「世界中の……オーヴァードは」
マクシミリアン・ブラッドリー:大破停車した戦車の砲塔を鷲掴みにし、
マクシミリアン・ブラッドリー:「一人残らず……私が殺してやる……」
マクシミリアン・ブラッドリー:片腕で戦車を持ち上げ、まるで木の棒か何かのように軽々と打ち振るう。
マクシミリアン・ブラッドリー:大質量の鉄塊による殴打が、猛然と君達に襲い来る。
マクシミリアン・ブラッドリー:「最後の!!一人に!!なるまで!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「全員殺してやる!!殺してやるぞォオアアッ!!」
ギル:『くっ……が、ああああっ!』殴打の嵐を受け鉄王の体が後方へ吹き飛ばされる。
ギル:『め、滅茶苦茶すぎる……これが奴の執念なのか』エルドリッジの砲撃を受けきった装甲がまるで紙のようにぐしゃぐしゃにへし折られている
クレア:「ぐっ……!」吹き飛んだ破片に逃げ場を塞がれる。眼前にマクシミリアンの振るう鉄塊が迫る。
ルカ:「……ッ」消耗が最も激しそうなクレアの周囲を一気に崩落させ、スロープのように後方へ押し流す。
クレア:「ルカ…!」滑り落ちるように後方に逃れる。
ルカ:「あんたは逃げてろッ」代わり、こちらが突進。
デュバリー:ルカの作り出したスロープに乗じ、自らの身体を植物の蔦で放り投げ、後方へ離脱する。
ルカ:鉄塊の雨を潜り抜けながら、鉤爪を荒々しく変化させ、先ほど穿った胸を再度狙う。
ルカ:「オーヴァードオーヴァードオーヴァード……」
ルカ:「うるせえんだよ…!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ガフッ……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:深々と切り裂かれ、血飛沫が噴き出す。
マクシミリアン・ブラッドリー:一歩よろめくが、ズン、と力強く地を踏み締めて留まる。
ルカ:避けきれなかった鉄塊に身を削られ、こちらも血反吐を吐くような心地で荒く息を吐く。
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様……知っているぞ」
マクシミリアン・ブラッドリー:じろりとルカを見て
マクシミリアン・ブラッドリー:「“Luna”の身内だな」
ルカ:「………」肯定の代わり、じろりと睨み返す。
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードが家族の振りをしていたとは、哀れなことだが……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様もオーヴァードならば、そんな同情も無意味か」
マクシミリアン・ブラッドリー:「化け物の兄妹とは、何とおぞましい……」
ギル:『ルカ、挑発だ。心を乱すな!』
ルカ:「……うるせえ……」
ルカ:「こいつみたいな奴らがいるから、メイは………、クソ……」
ルカ:「クソ……!」
エミリア:「……ルカ……!」
エミリア:朦朧とする中、その姿に悲痛な声を上げる。

GM:行動値0 待機していたクレアくんの手番です
クレア:マイナー、《盾なる力場》を使用
クレア:異能の継承で得たエフェクトって侵蝕でレベル上がるんでしたっけ?
GM:え~っと
GM:上がらないみたいです
クレア:そうなんだ…ではLV7でガード値19の盾を作り装備
クレア:メジャーで10m後方へ全力移動、エンゲージを切ります。
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を5(→ 5)増加 (170 → 175)
GM:逃げるなァァ!

クレア:流砂のように流れ落ちる足場に運ばれて、格闘を続ける仲間達から距離を取る。
クレア:「……」弾丸は既に底を尽きている。錬成するだけの材料も、余力もない。
クレア:その代わりとしてはあまりに弱々しく、周囲に豆粒ほどの黒い球体が浮かんでは消える。
クレア:「使い切ったと思ったんだがな……」銃を構え、身を伏せる。狩りと同じ様に、その時を待つ。

GM:ラウンド1終了。

GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
ルカ:なし!
クレア:なし!
ギル:ないで~す
マクシミリアン・ブラッドリー:《進化の末脚》LV4 行動値+12
アッシュ:加速装置Lv5だけ使用、行動値が27に
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を2(→ 2)増加 (169 → 171)
ギル:あと行動値0になります。戦車に乗ってるので
デュバリー:これは……特になしでいいな
GM:では行動値27 アッシュくんの手番です
GM:その前に
マクシミリアン・ブラッドリー:イニシアチブ 《異形の転身》LV4
マクシミリアン・ブラッドリー:アッシュくんにエンゲージします
ギル:ストーカーじゃん
アッシュ:じゃあマイナー無し。メジャーでマクシミリアンにコンボ。
GM:あっ
アッシュ:ん?
GM:Eロイス【絶対拒絶】で侵蝕率+1D10
ルカ:かわいそう
ギル:うざすぎ
クレア:ウザすぎる
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (171 → 179)
GM:どうぞ
アッシュ:Ramer les rames:コンセントレイト:ウロボロスLv5+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv5+ライトニングリンクLv5+バリアクラッカーLv4
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+5、攻撃力+20、装甲無視、ガード不可、HP-5、侵蝕値+13
アッシュ:(3+10+5+3-5+3)dx7+9
DoubleCross : (19DX7+9) → 10[1,2,3,3,3,4,4,5,5,5,5,6,7,8,9,9,10,10,10]+10[2,2,3,3,4,4,9]+2[2]+9 → 31

マクシミリアン・ブラッドリー:《復讐の刃》LV4
マクシミリアン・ブラッドリー:40DX7+11
DoubleCross : (40DX7+11) → 10[1,1,1,1,2,2,2,2,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,8,8,8,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[2,3,3,4,4,5,5,7,8,9,9,9,10]+10[1,1,1,2,4,9]+5[5]+11 → 46

GM:ダメージどうぞ
アッシュ:4d10+15+15+15+20+1d10
DoubleCross : (4D10+15+15+15+20+1D10) → 31[10,4,9,8]+15+15+15+20+9[9] → 105

アッシュ:良し、デカい!
ルカ:よさげ!
ギル:強いぞー!
アッシュ:装甲も無視!
GM:いって~~~ かなり削れました
アッシュ:削れたなの!?
ルカ:死んでないの~!?
クレア:まだ生きてるのかよ
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を13(→ 13)増加 (179 → 192)
マクシミリアン・ブラッドリー:5D10+31 ダメージ
DoubleCross : (5D10+31) → 29[8,9,7,1,4]+31 → 60

アッシュ:倒れるのでミルシュカのロイスを昇華して復活

マクシミリアン・ブラッドリー:戦車を手放し、アッシュへと向かっていく。
マクシミリアン・ブラッドリー:「アッシュ・ノイ・ジラード……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「フランスの英雄だと?笑わせる!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードに頼るような国など滅びてしまえばいい……事実そうなった!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様の敗北がフランスという国の滅亡に繋がるのなら……私が改めてそうしてやろう!!」
アッシュ:「怪物ってのは目も悪いみたいだな。ま、自分の見たいものしか見えないんだから当然か」
アッシュ:「フランスが滅びた?オレたちは世界にとっての裏切者?誰もがオレ達を憎んで疎んで銃を向ける?」
アッシュ:「この戦場を見渡すだけで、そんなのアンタの妄想でしかないってよく分かるぜ」
アッシュ:フランスの国旗を掲げた戦士たちが、彼らと共闘する様々な国の兵士が、今まさに戦っている。アイギスとアッシュを救わんと。
アッシュ:「アンタの頭じゃあ受け入れられないだろうけど、宣言しておこうか」
アッシュ:「オレはフランスの英雄、アッシュ・ノイ・ジラード。そしてアンタは」
アッシュ:「英雄たちによって討伐されるイカレた怪物だ、マクシミリアン・ブラッドリー」
マクシミリアン・ブラッドリー:「ほぉぉざぁぁくぅぅなあああぁあああああッ!!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:憤怒の怒号と共に、距離を詰めたマクシミリアンがアッシュの頭を掴み上げる。
マクシミリアン・ブラッドリー:地面に叩き伏せ、滑走路に頭部を打ち付け、ゴリゴリと削り取るように擦りつける。
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様の戯言で何人の兵士が死んだと思っている!!人を惑わす怪物がぁあッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「謝れ!!責任を取れ!!全ての兵士の墓前で!!その存在を詫びて死ねェエエッ!!」
アッシュ:掴み上げたその頭が、いやアッシュの全身が一瞬にして影に包まれる。
アッシュ:瞬時、その手に掴んでいた筈の実体が擦り抜ける。その場でくるりと体躯を翻し――。
アッシュ:突き出した影――恐らくはサーベルを包んだソレがマクシミリアンの胸の傷へと吸い込まれ。
アッシュ:迸る雷撃が肉を焦がし異臭と異音を立てた。
マクシミリアン・ブラッドリー:「がぁあッ……!ぐああぁあっ……!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:胸の傷から体内に電流が走り、苦悶の声を上げる。
マクシミリアン・ブラッドリー:血が蒸発し、爆ぜる。重度の火傷を負いながらも、まるでその憎悪が収まる様子は無い。
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴……様あぁああ……」
アッシュ:「別に何言おうと勝手だが、自分を棚に上げるのは止めた方が良いぜ」
アッシュ:「兵士が死んでるのはそっちもだ。アンタが自分の気にくわないものを潰そうとしたせいでな」
マクシミリアン・ブラッドリー:燃えるような憤怒の表情。額に青筋が浮き上がる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「貴様らオーヴァードさえいなければ!!誰も死なずに済んだんだろうがアァアアッ!!!」

GM:行動値23 マクシミリアンの手番です
マクシミリアン・ブラッドリー:マイナーなし
マクシミリアン・ブラッドリー:メジャー 《コンセントレイト:キュマイラ》LV4+《獣の力》LV6+《獣王の力》LV1+《獣の殺意》LV4+《命の剣》LV1+《飛礫》LV1+《ジャイアントグロウス》LV4
マクシミリアン・ブラッドリー:対象ルカ・ギル・デュバ
ルカ:いやすぎる~~
マクシミリアン・ブラッドリー:40DX7+11
DoubleCross : (40DX7+11) → 10[1,2,2,2,2,3,3,3,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,2,3,3,3,4,4,4,4,4,6,6,6,7,7,8,9,9]+10[2,2,4,4,9]+10[7]+6[6]+11 → 57

デュバリー:あ
デュバリー:NPCカードハミースお願いします! マクシミリアンの判定-5、そのリアクションの判定+5!
GM:いいだろう 振り直して更に上げます
マクシミリアン・ブラッドリー:35DX7+11
DoubleCross : (35DX7+11) → 10[1,1,1,2,2,2,2,2,3,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,6,6,6,7,7,8,8,8,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,2,4,5,6,7,8,9,10,10]+10[1,1,4,6,9]+2[2]+11 → 43

ルカ:下がった!
GM:チッ……
クレア:下がった!
デュバリー:たすかった
ギル:はみ~
マクシミリアン・ブラッドリー:ドッジダイス-4
ルカ:よっしゃ 避けてみます ダイスボーナス+6、ハミの+5とデバフ-4…で、差し引き+7
ルカ:12dx>=43
DoubleCross : (12DX10>=43) → 9[2,2,2,3,4,5,6,6,7,7,8,9] → 9 → 失敗

ルカ:C値10ってこんなものですね
デュバリー:《運命の切り替え》。ルカくんのドッジを代行します。《ゲットダウン》使用。
ギル:私も一応ドッジだけするか
ルカ:ワー
デュバリー:5dx+40=>43
DoubleCross : (5DX10+40>=43) → 8[1,4,6,7,8]+40 → 48 → 成功

ギル:5DX
DoubleCross : (5DX10) → 9[3,5,7,8,9] → 9

ルカ:ありがとー!
ギル:え~んえんえん
デュバリー:デュバリー自身は特にリアクションなし。
ギル:助けてデュバえも~ん
デュバリー:で、ギルくんに《マグネットフォース》でカバーリング。
ルカ:頼れすぎ
GM:小娘がァ~~~
アッシュ:出来る女すぎる
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を7(→ 7)増加 (160 → 167)
ギル:デュバリーの顔がボコボコにされちゃうよ~
マクシミリアン・ブラッドリー:5D10+24+30+6D10+4+2D10 ダメージ
DoubleCross : (5D10+24+30+6D10+4+2D10) → 43[8,10,7,10,8]+24+30+32[2,10,5,3,9,3]+4+13[5,8] → 146

デュバリー:あとHPが300あれば耐えられたのだが……
デュバリー:"アイギス"へのロイスをタイタスにして昇華、復活!
デュバリー:デュバリーの昇華を1(→ 1)増加 (3 → 4)

GM:マクシミリアンには婚約者がいた。
GM:ミシェルという名の同い年の少女は、元々は親同士の決めた許嫁であったが、二人は幼い頃から親しく、相思相愛だった。
GM:ミシェルはよく笑う少女で、趣味のお菓子作りのせいかは分からないが、いつも微かに甘い香りがした。
GM:彼女は生来の赤毛をコンプレックスとしていたが、マクシミリアンはその煉瓦を思わせる深い赤を愛した。
ミシェル:「──ねえマックス、あなた、将来の夢はあるの?」
GM:大学生の時。二人で避暑地に出かけた際、ミシェルはそんなことを聞いてきた。
マクシミリアン・ブラッドリー:「俺は……」
マクシミリアン・ブラッドリー:マクシミリアンは少し躊躇いながらも、「引くなよな」と冗談っぽく前置きし
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードを捕まえる仕事に就きたいんだ」
マクシミリアン・ブラッドリー:「CIAに新しく部署が出来るらしくてね。そこを目指そうかと思ってる」
ミシェル:「ウソでしょ……!」ミシェルは驚愕と共に不安げな顔をした。「マックス、あなた……本気なの?」
GM:当時のアメリカでは既に“船員たち”によるプロバガンダが広がりつつあり、オーヴァードに対する悪印象は民衆にも浸透しつつあった。
GM:特に二人が住むマサチューセッツ州は、オーヴァードによって1500人以上が殺害された“ダンバースの虐殺”の舞台となった場所だ。オーヴァードへの恐怖や不信は一際大きかった。
ミシェル:「怖いこと言わないで、そんなの危なすぎるわ……」
GM:マクシミリアンは不安げなミシェルの赤毛を撫で、安心させるように笑った。
マクシミリアン・ブラッドリー:「心配するなよ、ミシェル。俺なら大丈夫だ」
マクシミリアン・ブラッドリー:「それに、誰かがやらなきゃいけないことだろ」
GM:オーヴァードの存在は、アメリカ国民を恐怖と不安に陥れ続けていた。
GM:家族や隣人がオーヴァードなのではないかという疑心暗鬼。実際に身内からオーヴァードが出た者への、社会からの差別と攻撃は苛烈極まるものだった。
GM:オーヴァードの存在は軍や政治に関わる者のみならず、一般市民の生活にまで通奏低音として暗い影を落としていた。
GM:人に紛れ込んだ怪物。戦場で戦う兵士の誇りを踏み躙る化物。それに対し、何の有効策も打てていないのが当時の現状だった。
GM:自分ならば何かを変えられる──そう思うならば、そうすべきだと思った。
マクシミリアン・ブラッドリー:「そうでなきゃ、正しいことをする人間が一人もいなくなる……」
マクシミリアン・ブラッドリー:兄は戦場で名誉の死を遂げたと聞く。小指の一本も帰らなかった。
マクシミリアン・ブラッドリー:両親は深く悲しんだが、それでも塞ぎ込まずにいられたのは自分の存在があったからだと自覚していた。
マクシミリアン・ブラッドリー:『家のことは任せたぞ』──兄のその言葉と、掌の感触が、心の奥にいつまでも残っていた。
マクシミリアン・ブラッドリー:『強く正しい人間になれ』──命の限り、そうであろうと思った。

マクシミリアン・ブラッドリー:「……アァアアアアアアッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:咆哮と共に、滑走路のコンクリートを飴細工のように割り砕く。
マクシミリアン・ブラッドリー:「アァアァイギスゥウゥウウウッ!!」
ギル:『何度も大声で呼ぶな!耳が壊れる!』
マクシミリアン・ブラッドリー:粉々に砕かれた瓦礫の山に向け、超高速の連打を見舞う。
ルカ:砂塵の分解・合成を行おうとして、大地を僅か震わす程度の力しか咄嗟に出力できないことに気付く。
ルカ:いつもなら、たとえばエミリアの力を借りて、無尽蔵のエネルギーを持て余すように使っていた──自分の能力限界をよくよく把握する機会が乏しかった。
ルカ:「ッ……」
ギル:『ルカ、防御を……ルカ!?』
マクシミリアン・ブラッドリー:拳打で瓦礫が飛散し、ガトリングガンの掃射以上の脅威として次々に三人へと放たれる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「死ねェエエッ!!死ね死ね死ね死ね!!死ねェェエエエエッ!!」
ルカ:「ガス欠だよ、悪かったな…!」
デュバリー:水平に、弾丸じみた勢いで飛来するアスファルト片に対して、木の根が地中より次々現れ、無数の壁のようになる。
デュバリー:瓦礫一片に対し、数枚の壁をもってようやく逸らすことができるほどの威力。だが皮肉にも、マクシミリアン自身が滑走路を割り砕いたことが幸いした。
デュバリー:(生の土なら、凌ぎきれる速度を出せ……っ……!)
デュバリー:破片の一つが脇を掠め、のけぞりながら膝をつく。鮮血の流れる脇腹を押さえる。……自分の守りは疎かにしていた。
デュバリー:手抜かりではない。彼を止めるのに、自分の火力はもはや通用しないと理解していたからだ。今必要なのは、絶大な膂力と火力。
デュバリー:「……ガス、絞り出す時間は、稼がせてあげたでしょ」
デュバリー:「今度はそっちの番! なんとかして!」

マクシミリアン・ブラッドリー:イニシアチブ 《異形の転身》LV4
ルカ:やだ~~~
デュバリー:カサカサすんな!
マクシミリアン・ブラッドリー:クレアくんのエンゲージに移動
ルカ:ア~ッ
クレア:うぜ~~~~~~~~
デュバリー:コイツマジ……
アッシュ:最悪の移動しやがる
GM:【絶対拒絶】侵蝕率+1D10
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (175 → 183)
GM:行動値12、クレアくんの手番です
ギル:クレアもう流石にあかんくない?
ルカ:無理せんでいいよ
クレア:どうなんだろ、今見えてるEロが11だから…
アッシュ:とりあえず待機でも良いのでは
ギル:後はルイジアナの効果も一応ある
アッシュ:今攻撃したら復讐飛んでくるし
ルカ:そうじゃん
クレア:そうねえ……
クレア:一旦待機します
ギル:頭脳プレイ
GM:ではイニシアチブ
マクシミリアン・ブラッドリー:《異形の転身》LV4
マクシミリアン・ブラッドリー:ルカギルデュバにエンゲージ
ルカ:最悪だよ
クレア:カサカサカサカサ
デュバリー:シャコシャコすんな
GM:【絶対拒絶】侵蝕率+1D10
ルカ:キモいよ~~
デュバリー:1d10
DoubleCross : (1D10) → 2

ルカ:1d10
DoubleCross : (1D10) → 4

ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (162 → 163)
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2(→ 2)増加 (167 → 169)
ルカ:ルカの侵蝕率を4(→ 4)増加 (203 → 207)
ギル:慣れたわ~
デュバリー:(キモ男には慣れてるのかもしれないな……)
GM:行動値10、デュバリーさんの手番です
デュバリー:待機します。
GM:何だとぉ……
GM:行動値6 ルカくんの手番です
ルカ:待機します。
GM:貴様らぁ~~
GM:行動値0 ギルくんの手番です
ギル:ぬう~ん
ギル:やるか……
ギル:マイナーで戦車砲を給弾
ギル:メジャーで《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》《無形の影》《コンセントレイト:ウロボロス》《零距離射撃》
ギル:戦車砲、大口径機関砲、大口径機関砲、大口径機関砲、車載機銃、ミニガンで攻撃
GM:判定どうぞ!
ギル:18DX7+23
DoubleCross : (18DX7+23) → 10[1,3,3,4,5,5,5,5,6,6,6,8,8,10,10,10,10,10]+10[2,3,3,3,5,8,9]+10[1,7]+4[4]+23 → 57

ギル:ガード装甲無視
マクシミリアン・ブラッドリー:《復讐の刃》LV4
マクシミリアン・ブラッドリー:40DX7+11
DoubleCross : (40DX7+11) → 10[1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,4,5,5,5,6,6,6,7,7,7,7,7,8,9,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,2,2,3,4,4,4,5,5,7,8,8,9,9,9]+10[2,3,4,6,7,9]+10[1,7]+6[6]+11 → 57

ギル:6d10+1d10+1d10+94
DoubleCross : (6D10+1D10+1D10+94) → 29[9,3,5,8,1,3]+6[6]+4[4]+94 → 133

マクシミリアン・ブラッドリー:6D10+31
DoubleCross : (6D10+31) → 37[8,8,7,5,2,7]+31 → 68

デュバリー:その《復讐の刃》をメインプロセス放棄してカバーします。
マクシミリアン・ブラッドリー:HP0。
デュバリー:"アレンデ"のロイスをタイタスにして昇華、復活。
デュバリー:デュバリーの昇華を1(→ 1)増加 (4 → 5)
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を14(→ 14)増加 (163 → 177)

ギル:『オオオオオッ!』マクシミリアンがアッシュを攻撃するため距離を離した隙に、兵装を全展開
ギル:走り寄るマクシミリアンに向かい夥しい量の銃撃と爆撃を浴びせかける。
ギル:『これで……倒れろぉ!』
マクシミリアン・ブラッドリー:「ぐ、オォオオッ……!オォオオオォオオアアァアアアッ……!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:膨大な砲火の嵐を受けながら、その最中を突っ切ってくる。
ギル:バチバチと鉄王の装甲をつなぐ影が弾けて千切れる。侵食限界ギリギリの超火力だ。
マクシミリアン・ブラッドリー:全身を血に濡らしながらも、鬼の形相で拳を振りかざす。
マクシミリアン・ブラッドリー:「くゥゥ……たァァ……ばァァ……」
デュバリー:……振り下ろす直前、その拳に樹の枝・幹が絡みつき、止める。
デュバリー:前しか見えない彼には必ず刺さると思った。下方から伸びた草木による妨害だ。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……れええええぇええええええッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:“鉄王”に拳が当たる寸前、絡めとられ態勢を崩す。
マクシミリアン・ブラッドリー:装甲を掠め、衝撃波と共に地面に蜘蛛の巣状の罅が走る。
デュバリー:そこへ更にショットガンを向け、絞殺の弾丸を打ち込もうとする。……だがそれは、ショットガンの射程だ。
デュバリー:「く……っ!」 攻撃余波の衝撃波すら、満身創痍のその身には充分なダメージを及ぼす。攻撃は届かず、更に体表へ傷が走り、血が滲む
ギル:『ぐっ……!』全弾丸を打ち尽くし膝をつく。『デュバリー、君も限界だろうに、無茶を……』
ルカ:「デュバリー…!」片膝をつきながら声を上げます。
デュバリー:……エミリアを取り戻した。"アイギス"を再結集させた。"娘たち"を殺し回った女を仕留める算段も立てられるようになった。フランスが味方についた。
デュバリー:長い、長い潜伏と暗闘に相応しい戦果が眼前にある……いや、もはや手にしたも同然なのだ。
デュバリー:「たまるものですか……こんな冗談みたいな偏執狂に……メチャクチャにされて!」
ギル:『ダメだデュバリー!引け……!』
マクシミリアン・ブラッドリー:「ハァッ…… ハ……ァァァッ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:デュバリーを睨みつける。だが、ギルトレットによるダメージは甚大だ。
マクシミリアン・ブラッドリー:夥しい量の出血、リザレクトの間に合わない重傷。
マクシミリアン・ブラッドリー:視線が揺らめき、筋骨隆々の身体が傾く。

マクシミリアン・ブラッドリー:「はぁっ……はぁっ……」
GM:小雨が降っていた。霧に似た雨粒が木々の葉を濡らしていく。
GM:肺がひどく痛み、全身が熱を帯びたようになっていた。雨が自分の身体で蒸発していくような気がした。
GM:ミシェルと二人、郊外を訪れた時のことだった。
GM:林道を歩いていると、突然見知らぬ男が現れ、二人に襲い掛かってきた。
GM:ミシェルに乱暴しようとしたのか、身代金でも目的だったのか、今となっては分からない。
GM:マクシミリアンはミシェルを庇い、猛然と抵抗した。体格に恵まれラグビー選手としても活躍していた彼は、一時は男を抑え込もうとしたが──
GM:銃声。
GM:数発の弾丸が、マクシミリアンの胸を貫いた。
ミシェル:「嫌あぁっ!マックス、嫌、嫌あぁあっ……!!」
GM:ミシェルの悲鳴が遠くに聞こえ、視界は闇に霞んでいった。
GM:自分はここで死ぬのだろう。そう思った。
GM:……だが、薄れゆく意識の中で、心臓の鼓動がひどく大きく聞こえた。
GM:全身の細胞が燃え盛るような感覚。意識が白く染まり、そして──
GM
GM:……気付いた時には、男は死んでいた。
GM:背中から真っ二つにべろりと裂けるような死体。その肉を掴んでいるのは、拳を返り血に染めていたのは、紛れもないマクシミリアンだった。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……え……?」
マクシミリアン・ブラッドリー:撃たれたはずの胸に手をやる。傷は跡形もなく塞がっていた。
マクシミリアン・ブラッドリー:(そうだ、ミシェルは──)
GM:視界の中に探した彼女は、すぐ近くに座り込んでいた。
GM:良かった、助けられたのか──そう思ったのは一瞬だった。彼女はマクシミリアンに、銃口を向けていた。
ミシェル:「……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「……ミシェル……?」
マクシミリアン・ブラッドリー:何が起きているのか分からず、呆然と呟く。
ミシェル:「来ないで!!」
ミシェル:泣きながら、怯えた表情で銃口を向ける。
ミシェル:「ずっと私を騙してたのね……!オーヴァードだったなんて……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「な……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「……何言ってるんだよミシェル、そんな訳ないじゃないか……」
ミシェル:「嫌……!近寄らないで、本当に撃つわよ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「……ミシェル……」
マクシミリアン・ブラッドリー:本気で困惑していた。血に塗れながら、困ったように
マクシミリアン・ブラッドリー:「動転してるんだね?ほら、大丈夫だから……」
ミシェル:「来ないでって言ってるでしょ!!」
ミシェル:「私も殺す気なの……?そ、そうよね……オーヴァードなんだから……」
ミシェル:目の前で起きた惨劇に動転し、そして恐怖しているのが表情から分かった。
マクシミリアン・ブラッドリー:「ち……違うよ、俺は……」
ミシェル:「誰か!!誰か警察を呼んで!!」
ミシェル:森の中で声を張り上げる。
ミシェル:「オーヴァードがいるの……!!殺される!誰か来て!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「や……やめてくれ!!違う!!本当に違うんだ!!」
ミシェル:「あなたの家族にも言うわ!!あんないい人たちを騙すなんて……許せない……!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「な……」
ミシェル:「早く!!誰か早く来てください!助けて!オーヴァードが……!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「や……やめろ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:震える声が漏れる
マクシミリアン・ブラッドリー:「やめろぉッ!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:何故こうなったのか分からなかった。
マクシミリアン・ブラッドリー:男の身体を引き裂いた感触。痛み。雨の冷たさ。
マクシミリアン・ブラッドリー:とにかく落ち着かせなくては。誤解を解かなくては。
マクシミリアン・ブラッドリー:父と母の顔。生まれ育った家。
マクシミリアン・ブラッドリー:『強く正しい人間になれ』
マクシミリアン・ブラッドリー:銃声。硝煙の匂い。痛み。
マクシミリアン・ブラッドリー:兄の大きな掌──『家のことは任せたぞ』
マクシミリアン・ブラッドリー:絶叫。逃げようとする脚。止めなくては。
マクシミリアン・ブラッドリー:ミシェルの赤い髪。肌のぬくもり。笑った顔。
マクシミリアン・ブラッドリー:恐怖に歪む表情。怪物を見る眼。痛み。
マクシミリアン・ブラッドリー
マクシミリアン・ブラッドリー:──みし ぱきん
マクシミリアン・ブラッドリー:ミシェルの細い首は、驚くほど簡単に、枯れ木のように折れた。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……違う……」
マクシミリアン・ブラッドリー:雨はいつしか強くなって、腕の中の体温を奪っていく。
マクシミリアン・ブラッドリー:「違うよ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:両目から溢れる熱い雫。雨と泥の匂い。耳鳴り。枯れ木の折れる音の残響。掌に残る感触。
マクシミリアン・ブラッドリー:「だから……俺は……俺は……」

マクシミリアン・ブラッドリー:《魔獣の証》LV6 HP60で復活
デュバリー:するな
ルカ:したし
ギル:HP60高すぎる

マクシミリアン・ブラッドリー:「俺は……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードなんかじゃ……ない……!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:倒れかけた寸前、丸太のような足で踏みとどまる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「俺は人間だ……人間……人間なんだ……!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:「お前達オーヴァードを全て殺して……殺して……殺し尽くしたら……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「俺は……俺は……!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:恐怖。それがマクシミリアンの本質であり、全てだった。
マクシミリアン・ブラッドリー:全ての過ちはオーヴァードの罪であり、それを裁く自分は正しい人間である。
マクシミリアン・ブラッドリー:世界から全てのオーヴァードを消し去れば、自分がオーヴァードだと疑われることも無くなる──自分は、人間になれる。
マクシミリアン・ブラッドリー:そんな狂った妄執に囚われた男。“船員たち”が作り上げたオーヴァード排斥思想と、アメリカという国が生み出した、怪物。

GM:行動値0 待機していたルカくんの手番です
ルカ:はい~
ルカ:メジャーでエフェクトを使わずマクシミリアンさんを素殴りします
ルカ:白兵で判定!
ルカ:11dx10+11
DoubleCross : (11DX10+11) → 10[1,1,1,1,2,2,5,6,6,7,10]+2[2]+11 → 23

マクシミリアン・ブラッドリー:《復讐の刃》LV4
クレア:《力の法則》LV5 ルカのダメージダイスを更に+6D
マクシミリアン・ブラッドリー:40DX7+11
DoubleCross : (40DX7+11) → 10[1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,3,4,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6,7,7,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,2,2,2,2,3,3,4,5,5,6,6,9,9,10,10]+10[2,2,7,9]+10[6,8]+5[5]+11 → 56

ルカ:やった~!
ルカ:ダメージ出しますよ
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4(→ 4)増加 (183 → 187)
GM:ダメージどうぞ!
ルカ:3d10+71+6d10 装甲有効
DoubleCross : (3D10+71+6D10) → 17[5,8,4]+71+30[6,2,7,7,4,4] → 118

GM:ゲゲーーッ
ルカ:オラーッ
クレア:どうじゃッ!
マクシミリアン・ブラッドリー:6D10+31 ダメージ
DoubleCross : (6D10+31) → 32[10,5,6,1,2,8]+31 → 63

ルカ:ブッこまれて戦闘不能になります!復活せずそのまま倒れています。
マクシミリアン・ブラッドリー:HP0
マクシミリアン・ブラッドリー:復活エフェクトはありません。
GM:戦闘終了です。
デュバリー:終わった…………
アッシュ:よっしゃーーー!!
クレア:終わった………
ルカ:やっっっっっっ  た  ーーーー!!!
ギル:勝った・・

ルカ:……彼の全てを理解した訳ではないが。まあ、ここまで散々叫ばれたら、言いたいことは分かるような気はした。
ルカ:(……自分がまともかどうかなんて)
ルカ:(そう断言できる度胸も、否定するだけの自信もない)
ルカ:(こいつは………) 大地を変化させるほどの力は失ったが、幸い、いまだ右腕の変化は解けていなかった。
ルカ:砂を操って展開するのは半年前にエジプトの英雄がする術を見てから見様見真似でやっているもので、本来は、こうして腕を変化させてブン殴るのがせいぜいの能力だ。
ルカ:震える足を叱咤して立ち上がる。血反吐を吐くような心地で男へ迫った。
ルカ:「やってやる…! クレア」
ルカ:「あんたも絞り出せ……ッ!」
クレア:タ ァ ン ッ
クレア:ルカが叫ぶとほぼ同時に、乾いた銃声が響き渡る。
クレア:漆黒の弾丸。文字通り、最後の力を振り絞り具現化した魔眼が、標的へと着弾する。
クレア:それは、マクシミリアン本人ではない。なけなしの魔弾など、彼の鍛え上げられた筋肉に弾かれて終わる。
クレア:幸いにして、限られた出力の使い道は手本とするべき人物がいた。MI6の円卓の騎士。
クレア:単位時間内における重量操作。二人の足元に落ちた魔弾は、周囲に拡がる様に重力場を展開すると
クレア:ルカが作り出し、しかし操作しきれず放置した膨大な砂の塊を、ふわりと空中に持ち上げる。
クレア:些細な風に巻き上げられる程軽量化した砂は、マクシミリアンの足元へとまとわりつき
クレア:次の瞬間、その重量が一気に反転。大地そのものに等しい重荷となって、彼の歩みを鈍らせる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「なッ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:踏み出そうとした足が止まり、体勢が崩れる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「ぐぅぅうううああああッ……!!」
マクシミリアン・ブラッドリー:ぶちぶちと筋繊維の裂ける音を響かせ抵抗するが、致命的な隙。
ルカ:その隙を持って、緩慢な助走動作から、残る力の全てを費やす覚悟で思いきり大地を踏み込む。
ルカ:もはや半壊した滑走路が更にえぐれ、その巨漢の前面に弾丸のように躍り出る。
マクシミリアン・ブラッドリー:無理矢理に身体を動かし、迫るルカへと拳を振りかぶる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……オーヴァードォォオオオオォオオオッ!!」
ルカ:「うるせえッって………ッ!」 迫りくる拳を視界に納めながら、こちらも綻び始めた土くれの砂爪を閃かせる。
ルカ:血を流すその身体に向けて、ただ全力を持って振り下ろし、叩きつけた。
GM:二者の拳が交錯し、衝撃が走る。
マクシミリアン・ブラッドリー:「か……は……」
ルカ:「かっ……」大型車にでも突っ込まれたような衝撃で、地面に叩きつけられる。そこから立ち上がる余力は本当に残っていない。
マクシミリアン・ブラッドリー:胸に大穴を穿たれ、よろめく。その傷はそれ以上再生の兆しを見せない。
マクシミリアン・ブラッドリー:「……」
マクシミリアン・ブラッドリー:自らの胸の穴に手を翳し、笑みを浮かべる。
マクシミリアン・ブラッドリー:「ほら……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「だから……言っただろ……」
ルカ:「………」地面に転がり砂で頬を汚し、その様子を見つめている。
マクシミリアン・ブラッドリー:「オーヴァードが……こんな、簡単に……死ぬわけ……」
マクシミリアン・ブラッドリー:「…………」
マクシミリアン・ブラッドリー:ゆっくりと、血だまりに倒れ伏す。
ルカ:起き上がってこないことを悟る。同様、こちらも起き上がれない───自分の身体がどうなっているか考えたくなかった。
ルカ:「だから、オーヴァードだろうが人間だろうが……それですらない存在だろうが」
ルカ:「普通に喋れるし…、死んだら終わりで……、クソ、………」
ルカ:「……、自分がマトモって思ってるヤツほどまともじゃない」
GM:“プロホロフカの惨劇”以来、二十年の間に作り上げられたオーヴァード排斥思想は、多くのオーヴァードを傷付け、害し、殺してきた。
GM:マクシミリアン・ブラッドリーはその権化であり、中心であり、成れの果て。
GM:合衆国が生み出した怪物は、そうして倒れた。
GM:地平線、朝日の輝きが君達を照らしていた。

GM:バックトラックです。
GM:Eロイスはこちら

第二始祖エルドリッジ
「始祖II」 5個分
「唯我独尊」

“ヨモツシコメ”
「超越活性:王者の血」
「超越活性:王者の血」

“船員たち”
「砕け散る絆」

“ファズ”
「不滅の妄執」

“ファットマン”
「さらなる絶望」

マクシミリアン・ブラッドリー
「怯えのまなざし」
「絶対拒絶」


GM:13個です
ギル:ふりま~~す
ルカ:振るます
アッシュ:絶対振ります
ギル:177-13D10
DoubleCross : (177-13D10) → 177-67[2,5,6,5,6,9,2,5,4,2,2,9,10] → 110

クレア:フルフル!
アッシュ:192-13d10
DoubleCross : (192-13D10) → 192-54[9,9,2,4,6,3,1,3,9,4,2,1,1] → 138

ルカ:207-13d10
DoubleCross : (207-13D10) → 207-77[9,3,10,1,1,10,6,7,7,10,10,1,2] → 130

ギル:出目がいい
ルカ:うれしい……
クレア:187-13d10
DoubleCross : (187-13D10) → 187-63[10,1,5,4,3,4,5,7,9,4,1,9,1] → 124

デュバリー:169-13d10
DoubleCross : (169-13D10) → 169-99[6,7,5,6,10,8,10,5,9,10,7,7,9] → 70

デュバリー:ただいま
アッシュ:後ルイジアナの効果で3個かな
ギル:あ、あとルイジアナの効果も貰っていいかな
アッシュ:出目強い
クレア:ジョニーのメモリーで10減らします
GM:そうですね  ・娯楽室 LV3 バックトラック時ダイス+3個 使えます
アッシュ:あ、こっちもメモリーで10減らして128
ルカ:トミーとイタリア戦のメモリーで20減らし110
クレア:残ロイス2、ルイジアナ効果で+3
アッシュ:残りロイス2だから倍振りしよう 娯楽室含めて7個振ります
アッシュ:128-7d10
DoubleCross : (128-7D10) → 128-32[6,6,3,5,9,1,2] → 96

ルカ:バックトラックのダイスは残ロイス3+ルイジアナ3で6個!一倍振りします
ルカ:110-6d10
DoubleCross : (110-6D10) → 110-47[9,7,8,8,10,5] → 63

アッシュ:よしよし
ギル:1倍振り、ルイジアナ含めて6個振ります
クレア:素振りしてみよう
ギル:110-6d10
DoubleCross : (110-6D10) → 110-36[10,4,2,3,10,7] → 74

クレア:114-5d10
DoubleCross : (114-5D10) → 114-28[7,3,3,9,6] → 86

ギル:うおー生存
デュバリー:娯楽室分は振らな~い。ロイス素振り
デュバリー:70-1d10
DoubleCross : (70-1D10) → 70-2[2] → 68

ルカ:生きて帰れたぞい
クレア:5点帰還!
アッシュ:3点で帰還
ルカ:4点帰還!
デュバリー:4点
ギル:私も5点!
ギル:Sロイスも付いちゃう
ルカ:そういえばそうじゃん
アッシュ:そういやそう



【ED/アイギス】

GM:斯くして、アメリカでの戦いは終結した。
GM:一時は国際社会から追われる身となったアイギスだったが、その後彼らへの支持を表明する国は次々と名乗りを上げ
GM:フランス、イギリスを中心とした名誉回復の動きも相俟って、ひとまずの危機は脱することが出来た。
GM:また、アッシュ・ノイ・ジラードとアイギスの復帰により、占領されていたフランスはシェルブール港を始めとした何割かの土地が返還される運びとなった。
GM:未だ様々な課題・問題は山積みだが、少なくとも今回の戦いは、紛れもなく君達の勝利と言えるだろう。
GM:戦闘から数日。舞の消耗とメンバーの療養、またフランスの返還手続き等もあって、旗艦である戦艦ルイジアナはひとまず外洋に出て、南へ大回りの進路を取っていた。
ミルシュカ:「……暑っっつ!」
ミルシュカ:シャツの袖を捲りながらうんざりした顔をする「何日か前まで雪見てたのに……」
ギル:「皆、たった今連絡が入った。無事にアメリカの領海を抜けたそうだ」無線機をおいて皆を振り返り
ギル:アロハシャツに青い波のプリントされた水着、首には派手なハイビスカスの首飾りを下げ。
ギル:置いた無線機の代わりにワイングラスを掲げて言うよ
ギル:「ここから先は向こうからも手出ししてくることはないだろう。もう羽目を外していいぞ。それじゃ一先ず……」
ギル:「僕たちの勝利に乾杯!皆、よく無事に帰ってきてくれた!」
:「いくら何でも浮かれ過ぎだぞ、ギルトレット……」呆れた顔で一応グラスを掲げる
:「まだアメリカを敵に回していることは変わりないんだ。確かにすぐに追撃してくることは無いだろうが……」
:嘆息する「……まあ、いい。折角の場に水を差すのもな」
ギル:「そうそう。いいじゃないか、こんな時くらい。始祖を倒してエミリアを奪還して、フランスだって元通りになったんだ」
ギル:「今喜ばないなら、それこそ世界でも救わないと皆はしゃげなくなる」
ルカ:「……あのさ、ギル」 色眼鏡の下で、眩しそうに目を細めている。
ギル:「それとももしかして、プール作る話、勝手に進めたの怒ってるのか?」
ルカ:「やっぱり、あんたが主導して作ったの?あれ……」
ギル:皆が集まっているのはルイジアナ内に作られた大型プールのプールサイドだ。
:「怒ってるのはあっちだろ」メラニーに目をやる
メラニー:「……」殺し屋のような目で睨みつけている。
ギル:皆がルイジアナに戻ってから数日後、いつの間にか完成していたよ
メラニー:「邪魔すぎる……」
クレア:「一概に邪魔ともいい切れないぞ」ゆったりとしたハーフパンツ、上半身には木綿のシャツだけを羽織り、頭にキャップを被っている。
ギル:「そんな事無いよ!これから世界中の仕事を受けるならプールは絶対必要だって」
:「どういう理屈だ……?」
ギル:「クレアは分かってるみたいだよ」
クレア:「火災の時は消化用の貯水槽にもなる。主砲が戦闘中に爆発しても、最悪の事態は避けられるだろう」
メラニー:「いや砲からしたらマジで邪魔邪魔の邪魔でしかないんだけど」
アッシュ:「ある意味戦艦の利点だよな。甲板広いし滑走路要らないから、こんなプールも作れる」
アッシュ:黒に青いラインが入った水着姿。既にのんびりとプールに浸かっている。
デュバリー:「ええ。遊興設備の一環としては、良いんじゃない。個人的にも歓迎」
デュバリー:少し伸びた髪は括られ、色も元の亜麻色に戻っている。染色していたはずなのに一斉に色がもとに戻っているのは、レネゲイドビーイングゆえであるぞ。
デュバリー:黒く飾り気のないワンピース型の水着だが、側部はぱっくりと開いており、動くたびに白い肌が見え隠れする。
メラニー:「なんでこんな立場悪いの……?真面目に言ってるつもりなんだけど……」
デュバリー:「まあまあ。いいじゃない。主砲、かっこよかったよ。メラニー」
メラニー:「えっそう?えへへ……」
ギル:「それにプールの利用者がカジノに流れるように動線を作ってある。資金はまあまあ使ったけど、絶対に元は取れる計算になってるから」
ハミース:「いや待てお前なんでビジネスしようとしてるんだ」
:「うちの乗組員から搾り取ってもな……」
ギル:「女性陣で乗り気なのはデュバリーだけ?」手を広げて大げさに顔をしかめて
エミリア:「ルカ~~」ぱたぱたと船室から出てくる。既にフリルが沢山ついた白とピンクの水着に着替えている。
エミリア:「どうですか!」自慢げに胸を張る
デュバリー:「いるよ、もう一人」 とエミリアを見る
ルカ:「……」 エミリアが傍らに来るのを見て待つ。
ルカ:「いいんじゃないの」
エミリア:「本当ですか!」ぱっと笑顔になって
ギル:「デュバリー、やっぱりその姿のほうが君らしくていいよ。水着も似合ってる」
ギル:「エミリアも!可愛らしいじゃないか。自分で選んだのかい?」
エミリア:「皆さんに選んでもらいました!」デュバリーをはじめ、既にプールで遊んでいる他の乗組員たちに目をやる
デュバリー:「ありがとう。やっぱりいいものね、こういうのは」 なお、デュバリーは単に陽光を浴びながら水に浸かるのが好きなだけであり、プールを歓迎している理由はそれだけだ
デュバリー:「もう少し大人らしいのでも良かったかと思ったんだけど。まあ、それは今後の楽しみでね」
エミリア:「ルカも一緒に泳ぎましょう!」ぐいぐいと手を引く
ルカ:「待って、これ脱ぐから……」 着ていたシャツをがばりと脱いで、プールに入っていく。
クレア:プールサイドに立てたパラソルの下で、鮮やかな色合いのトロピカルカクテルを飲みながら涼んでいる。
ギル:グラスのカクテルを一口あおり、エミリア達を見て頷いて「ハミース、細かいことはいいだろ?こうして目の保養にもなるんだから」
ハミース:「まあそこには賛成だけどよ……」カンドゥーラ姿だ。暑い中では一番これがいいとのことだが理解を得られていない。
ミルシュカ:「私も泳ごうかな~……」プールサイドで暑そうにシャツをぱたぱたする
アッシュ:「そうしなよ。見てるこっちも暑いし」
アッシュ:「出来る前ならともかく、もう出来ちまってるなら楽しむ方が得だぜ」
ミルシュカ:「そうね。着替えてこよう」船室に向かっていく
ギル:「それで……」隣にいる舞に目を向けて「君は?舞。子供たちに混ざって泳ぐのは嫌?」
:「そういうわけじゃないが……」
ギル:「じゃあ、一緒に泳いでくれる?実のところ半分くらいは、君の水着が見たくて作ったんだ。村でも君は海に入らなかったし」
デュバリー:「……しかし、ここまでギルくんがハッピーな感じになるなんてね」 賑やかな彼を見つつ皆に言う
デュバリー:「半年前までの"あれ"からは、まるで想像できない。……みんなこういう感じのギルくんは知ってたんだっけ?」
アッシュ:「全く。忘れてただけで故郷はイタリアだったのかもな」
クレア:「自分がここに来た時には既にあの様子だったからな。今みたいなギルを見るのは初めてだ」
デュバリー:「となると、これ見たことあったのは本当に舞とか、あとは"アイギス"初期メンバーくらいか……」
アッシュ:「あ、そういや一回海ですれ違ったときにテンション高かった気はするけど」
アッシュ:「どっちにしろ今回の半年のうちだな、なんかあったなら」
ルカ:「いつから付き合ってんの? みんなと離脱してからすぐ?」
:「……」煙草に火をつける。黙秘の構えだ
ギル:「いや。二ヶ月位経ってからだね」
ギル:「襲撃の時のショックでね。最初、僕は何もかも忘れて、記憶を失ってたんだ。自分が誰かもわからなくてね」
デュバリー:「ふうん?」 プールサイドにもたれかかり、興味津々の姿勢
エミリア:ぱしゃぱしゃ犬かきで浅瀬を泳いでいる
ギル:「過去のことをそのまま伝えるわけには行かなかったんだろう。舞は僕がオーヴァードだって事を隠して、海難事故で記憶を失った僕を、偶然舞が助けたって事にしたんだ」
デュバリー:「あらあら……」
ギル:「舞の手配で、僕は近くの漁村で暮らすことになった。舞はお見舞いって体で度々様子を見に来てたんだけど……」
ルカ:耳を傾けつつ瓶ビールを取って来て、プールサイドに腰かける。
デュバリー:「ただ匿ってるだけ、としか聞いてなかったけど、そんな運命の出会いをしてたんだ?」 薄く笑って舞を見る
:「……他に上手い口実があったか?」やや不機嫌そうに
ギル:「いつの間にか、殆ど一緒に暮らすようになってね。それで2ヶ月目、僕が正式に漁師として認められた日に」
ギル:「その日の夜はお祝いに二人で飲もうって。ただ、僕は昼間も村の皆と飲んでたから先に寝ちゃって」
ギル:「あの時は驚いたな。気づいたら舞が僕にキスしてた」
アッシュ:浮き輪の上に寝そべったまま、ヒューと口笛を吹く。
デュバリー:「へええ……」
クレア:「おお……」
ハミース:「こいつまだ狂ってるままなんじゃなくてか?」
ルカ:「情熱的」ビールを煽っている。
ギル:「夢でも見てるんじゃないかと思ったよ。そりゃ、僕だって意識はしてたけどさ」
:「違う……」赤い顔でかぶりを振る「違うぞ」
デュバリー:「他に……上手い方法がなかったんだ?」 また舞を見る
:「そういう雰囲気になって、流れでそうなったんだ。寝てる相手にそんなことしたわけじゃない」
:「こいつが酔っていて覚えていないだけだ」早口で言う
クレア:「結局キスはしたんだな」
アッシュ:「そこなんだ、反論するとこ」
デュバリー:「流れで!」
ハミース:「マジか」
ギル:舞の髪を撫でて「命の恩人だって聞かされてたし、見ての通り、舞は綺麗で理知的で……僕には勿体ないと思ってたから」
:「…………」髪を撫でる手を払う
ギル:「あ~……」照れている舞を見て、庇うように「そうそう。思い出した。あの時は確かに僕から誘ったんだ、うん」
:「おい!庇っている感じの空気を出すな……!!」
ギル:「あまりにも可愛かったから、それをつい伝えちゃってね。ほんとに。舞から手を出したわけじゃない。勘違いしないように」
デュバリー:「怪しい。何だかはっきりしないのね」
デュバリー:「双方からより詳しい経緯を聴取する必要があるかしら」
アッシュ:「諦めた方が良いぜ、舞。デュバリーが狙った情報を逃さないのは知ってるだろ」
アッシュ:「ギルに任せた方がまだ傷が浅く済みそうだ」
ギル:「確かに。ごめん舞。あの時は間違いなく君からだった」
ギル:「でも遅かれ早かれだったと思うよ。僕だって舞に好意を持ってた。今までがおかしかったんだよ」
デュバリー:「あらあら……」 愉しそうに笑っている
メラニー:「っへえ~~~……」
メラニー:「人が必死にルイジアナ修理してる時に……」
メラニー:「っへええ~……?」
ルカ:「そうだったの」
エミリア:「?」
クレア:「二人とも立派な大人だ。どちらが先に手を出そうと、恥じ入ることではないと思う」
アッシュ:「はは、マジかぁ。怜悧なる隊長殿がねぇ」
:「……………………」
ギル:「舞を責めないでくれよ、メラニー」自分が責められているとは思っていない口ぶりで「実際、舞も激務で疲れ切ってたんだから」
ギル:「僕の家に泊まるようになったのだって、まともに食事も取れてない彼女を見かねて僕が言い出したんだ」
ハミース:「これこいつの爆撃終わりそうにねえぞ」
ハミース:「さすが鉄王だな……」
ルカ:「ふっ……」思わず普通に笑う。
ギル:「……ごめん。これ以上は舞がへそを曲げそうだ。赤くなってる彼女が可愛くてつい喋りすぎた」
:「……もう黙ってろ!」
ギル:顔を覆っている舞を抱き寄せて「デュバリーの話も聞かせてくれ。あの格好は自分で思いついたのかい?」
:上着をギルトレットの顔面に投げつけ、黒い水着で逃げるようにプールに飛び込む。
デュバリー:「それを言ったら、私だってこの半年はすごく大変だったしね。フランスじゃあ、一応死んでることになってるし……」
アッシュ:「ああ、やっぱ姿変えてたのってそういうアレだったんだ」
アッシュ:「大丈夫なのか?店とか組織とか色々」
デュバリー:「うん、そう。ベキューって名乗ってね。まあ、店の方は多少大丈夫ではなくなったけど……」
デュバリー:「こうやって一番うるさかったアメリカが片付いたわけだし、ちゃんと生き返って取り戻すつもり。死なない女だしね」
ギル:「ああっ、ちょっと、待ってよ舞!楽しみにしてたんだからもう少しじっくり見せてくれても……」
ギル:「ごめん、デュバリー。僕はまた後で聞くことにするよ。これ預かっておいて。一緒に泳いでくるから」舞の上着と自分のアロハシャツを手渡して
ギル:「舞、そんな怒らないでよ。悪かったから。舞~?」自分も舞を追ってプールに入っていくよ
デュバリー:「別の人に運営を任せて、見えたこともあったし……あ、うん」
デュバリー:素直に受け取り 「……私を荷物持ちにしたよ、ギルくん。なんて大物」
ルカ:「フラれたな、男に」その反対側で笑っている。
デュバリー:「恋する男と恋する女には勝てないね」
アッシュ:「マジで別人だな。ああいうのも一皮剥けるって例えで合ってる?」
アッシュ:「虫の羽化レベルで別物の変身具合だし」
クレア:「どうだろう、元が擦り切れていたからな……」
ミルシュカ:「何か盛り上がってる」着替えて戻ってくる。鍔広の帽子に、涼やかな装飾の施された白の水着。
デュバリー:「いいんじゃない。まさしく皮、被ってたんだろうし……あら、ミルシュカ」
デュバリー:「面白いものを見損ねたね」
ハミース:「どうだか。これから嫌というほど見せられるかもしれんぜ」
ミルシュカ:「え~っ、何~?」笑って炭酸を口に運ぶ
アッシュ:「我らが隊長と鉄王の新たなる一面」
アッシュ:言いながら、プールで追いかけっこしてる二人を指で指す。
ミルシュカ:「気になりすぎ……でもみんな大変だったんでしょ?実際」
ミルシュカ:「聞きたいな~。クレアくんとか、“リッケンバッカー”と一緒だったらしいし」
ミルシュカ:「ルカさんも色々大変だったんでしょ?」
クレア:「みんなに比べれば平穏だったさ。逃げ隠れる必要はなかったし」
クレア:「男二人は、むさ苦しくはあったけどな」プールでじゃれ合う二人を眺めながら
アッシュ:「リッケンバッカーと?マジで?」
アッシュ:「良いな、それ。挑み放題って訳じゃん」
デュバリー:「挑んでたの? 世界最強に」
クレア:「何度かやってみたが、軽くあしらわれた」
ギル:「その話!」ザバッ!っと水面から顔を出して「僕も気になる。彼、何か特別な訓練でも受けてた?」
ルカ:「……」空になった瓶を弄びながら、会話を聞いている。
クレア:「別に、何か教えてもらった覚えはないよ。教えを請うつもりもなかった」
ハミース:「んだよ勿体ねえ」
クレア:「薪の割り方くらいか」
ギル:「あの強さは薪割りの成果か。海の上で再現するのは難しそうだ」笑って
クレア:「ただ、挑みたいのならいつでも撃ってきていいとは言われていたからな」
クレア:「一度二人で狩りに出るふりをして、罠を仕掛けた山の中に誘い込んだ」
アッシュ:「それで?」 ウキウキとした目で身を乗り出して聞いている。
クレア:「全く通用しなかったよ。こちらの弾を弾きながら自分は鹿を仕留めて戻ってきた」
ギル:「じゃなきゃ彼処にはいないよな。ああ、そうだ。それから……彼となにか約束したみたいだったけど、どんな約束を?食事にでも誘った?」
アッシュ:「ええー、マジで良いな。1か月で良いからオレもそっち行きたかった」
デュバリー:「1ヶ月早く起きれてたらそれもあったかもね」
クレア:「君にはちゃんとした師匠がいるだろう。こちらが交換して欲しいくらいだ」
アッシュ:「そりゃ先生との修行もためにはなったけどさ。やっぱ4か月はな……」
クレア:「ああそう、約束の件か……ハミースには伝えたが、みんなには言ってなかった」
ルカ:「約束?」
アッシュ:「ん?オレらも関わってんのか?」
クレア:「リッケンバッカーは病気なんだ。もう長くは戦えない。だから、引退して役目をアイギスに引き継げと言った」
デュバリー:「……え?」
デュバリー:「役目を引き継ぐって……つまりあのへんを?」
デュバリー:「守るって約束したの?」
クレア:「ああ。北方連合の防衛力として、アイギスを雇ってもらう」
ギル:「……舞、戻ってきて!真面目な話。プールの事怒ってる場合じゃないよ」
デュバリー:「いるよね、自分が怒らせといてああいう言い草するやつ……」
ルカ:「今日の隊長は散々だな」
:黒髪から水滴を滴らせ戻ってくる「ハミースにもう聞いてる」
:「アイギスとしては支持基盤が多い程いい。今後北連から正式なオファーがあれば断る理由はない」
アッシュ:「……病気、ね。道理で」 戦闘中に血を吐きだした姿を思い出し、眉を顰める。
ギル:「それで……それはリッケンバッカーと個人的に?上は知ってるのか?」
ギル:「いや、そうか……北方連合まで応援に来たのは何故だろうと疑問に思っていたけど」
ギル:「”リッケンバッカー”が話を繋げたのか。今ようやく納得がいったよ」
デュバリー:「……多分、今回のあの"リッケンバッカー"の敗けも、決定には影響するのかもね」
ハミース:「リッケンバッカーの言う役目が」
ハミース:「北方連合の防衛力の話だと思ってんのか」
ハミース:「違えだろ。世界最強になれってことだろ」
クレア:「最強、か……」
アッシュ:「なんだよ、望むところじゃん」
アッシュ:「リッケンバッカーと同じ位置って言うなら、そりゃ当然世界最強の座と同義だ」
クレア:「……ああ、そうだな。リッケンバッカーの存在は世界の重石だった」
クレア:「自分も……アイギスもまた、そうならなければいけない」
クレア:「リッケンバッカーとの約束はもちろん、あのアメリカに勝った責任がある」
ギル:「クレアの言う通り。彼が居なくなればオーヴァードと人間の力関係も変わりかねない。少なくとも、変わったと思う者は確実に出てくる」
ハミース:「実際、今世界最強がどこかって聞かれりゃあ」
ハミース:「まあ、ウチにもなるだろうな」
デュバリー:少し考えて 「……まあ、そうなるか」
ミルシュカ:「そうですね。客観的に見て……アメリカが大きく後退した今、アイギスの軍事的優位性はかなり高いです」
ミルシュカ:「今回の各国の対応もそれを裏付けています」
ギル:「それだけ責任が重くなったって事だ。このまま世界が平和な日常を過ごせるかは僕たちにかかってる」
デュバリー:「でも、ミルシュカがアンチワーディングの装備を用意していたでしょ。あれが今後広まるようなら、また分からない」
ミルシュカ:「そうですね。軽々に外部に出すつもりは無いですが……本当の問題は、我々が作ったことではなく」
ミルシュカ:「……『我々が作れてしまったこと』です。どれだけ秘匿しようが、そう遠くない内に他国も同様の技術を開発するでしょう」
ルカ:「………」ワーディングの状況下でも、ただの人間が自由に動けるようになる戦場について、なんとなく思いを巡らす。
ギル:「……」しばし神妙な顔をしてから「……ま、そっちは僕たちが考えても仕方ない!」
ギル:「やめよう。クレアの発言が衝撃的すぎて釣られちゃったけど、今日は楽しい場なんだから」
ギル:「もっと楽しい話をしよう。ルカ、君は?エミリアとずっと一緒だったんだろ?」
ギル:「浮ついた話の一つくらいはないのかい」
デュバリー:「そうね」 頷く 「どうだった?」
ルカ:「……ないよ」
ルカ:「なにを期待してるの」憮然とした表情を浮かべる。
ギル:「そりゃあ……」舞のことを見て「とぼけちゃって。ほんとに分からない?」
アッシュ:「舞とギルのアレがあったからな。二件目を期待してるんだろ」
ハミース:「あるのを前提にするな」
エミリア:女性職員たちに手を引かれバタ足の練習をしている。
アッシュ:「それに、仮にあったとしてルカに聞くよりエミリアに聞いた方が早いと思うぜ」
デュバリー:「……そうね。ルカはそういうの、恥ずかしがりそう」
ギル:「おいエミリアー!今、皆で旅の最中の話をしてるんだ」
ギル:「君も良かったら混ざらないか?」
エミリア:「お話ですか!?」ざば、とプールから出てくる
アッシュ:「ルカと二人で過ごしてたとき、何かあったかってさ」
デュバリー:「そう。知ってる? ギルくんと舞、付き合い始めたの」
エミリア:濡れた髪を絞りながら「そうなんですか!?」
:「おい………………」
ギル:「ああ」水中で肩を寄せ合って「もうラブラブ」
:「おい…………………………!」
ギル:「いいじゃないか。舞は自慢の恋人なんだから、隠すことないだろ」
デュバリー:「このしばらく、会えない内にね。だからあなたもその間に……」
ルカ:「やめろ、やめろ。おい……」
クレア:「いいじゃないか。自分も聞きたい」
ルカ:「やめろ、クレア。あんまり言うとあれバラすからな」
クレア:「……?」何の話だろうと首を傾げる
ルカ:「あんたとのあれ」肩を寄せ合ってる二人を指さす
デュバリー:かくっと首がクレアくんとルカの方を向く 「何? あれって、どれ?」
クレア:「あの二人は演技じゃないだろ」同じ様に二人を指差す
ルカ:「………、…なんでもない」
アッシュ:「あーあ。もう手遅れと見たね。デュバリーに尻尾を掴ませちまった」
エミリア:「ルカと一緒の時の話ですか?」
ギル:「そう。エミリアはルカとこういう関係にはならなかったのかって」
ルカ:「何も言うな……………!」
デュバリー:「うん。それも気になるけど……」 ルカとクレアを交互に見ている
エミリア:「最初の方は、ずっと行く場所が無くて……色んなところをさまよっていて……」
エミリア:「でも、もうダメだという時に、親切な方が拾ってくださったんです!ハナさんといいます」
ギル:「なるほど。二人きりの逃避行じゃなかったわけだ」
アッシュ:「へえ、確か二人とも指名手配受けてなかったか?」
クレア:「一般のアメリカ国民が、オーヴァードを匿ってくれたのか……」
エミリア:「はい!とても優しい方でした。あっ、ハナさんはあの……黒い髪で大きな、ルカのお友達の……」
ルカ:「友だちじゃない」
エミリア:「ジユさんの……ええと……なんでしょう」
エミリア:「……飼い主……?の方で……」
ギル:「ルカの友達?」
ルカ:「違う……! あいつだよ。朱劉帆」
デュバリー:「え? へえ……何それ。いつの間に。ネバダ基地より前に会ってたってこと?」
ギル:「飼い主?……ははは!知らなかったな。彼奴、そんな趣味があったのか」
ルカ:「そう。言ってなかったっけ……、あいつもたまたまその人のとこに世話になってたの」
アッシュ:「なんだ、てっきり戦闘しか興味ないタイプかと思ってたけど」
アッシュ:「帰る場所あるんだな、アイツも」
ルカ:「……世の中そんな単純じゃないってさ」
ルカ:「まだ口説けてはなかったみたいだけど」
デュバリー:「ふうん……」
ギル:「確かに。エミリアをつついたらジユの面白い話が出てくるなんて。複雑奇怪だね」
エミリア:「あっ、それでですね。わたしとルカは……」両手を合わせ
エミリア:「わたしがすごく落ち込んでいた時に、ルカが慰めてくれたんです!」
ルカ:「やめろ」立ち上がる。
ルカ:「それ以上、何も、言うな………!」エミリアを引っ張って行く。
エミリア:「それで……わわ……な、何ですか、どうしたんですか!」
ギル:「おいおい、ルカ。別に止めるような話じゃないだろ?」
ハミース:「この調子じゃ帰り道も退屈しなさそうで何よりだな」
ハミース:「どいつ掘ってもキリがねえと来た」
デュバリー:「ま、半年もあったから当然よね」
ギル:「もしかして、疚しいことをした自覚が……ああ、行っちゃった」
デュバリー:水の中でたっぷりと足を伸ばし 「エミリアからは、これからじっくり話を聞くとしましょう」
アッシュ:「そうだな。フランスまでそれなりにあるんだし」
アッシュ:「話す暇には事欠かないさ」
クレア:「うん、また話す機会は幾らでも有る」
ギル:「帰ってきたんだからね。僕たちのアイギスに」
GM:日は高く、穏やかな波間が陽光を反射し。船はゆっくりと進んでいった。



アメリカ アップル・ディスコルディア社
サブGM:その社内は慌ただしい。
サブGM:エリア51の秘匿海軍および、“ファントムベイン”の敗退。
サブGM:その後続の機甲部隊の壊滅。それは衝撃をもたらすには十二分だった。
サブGM:対応部隊を編成するべきか、これに追随すると予想される国内の反政府活動の鎮圧を優先するべきか。
サブGM:国も揺れている。その尖兵である兵器部門である彼らも。だが。
同社 社長室
サブGM:外の喧騒をよそに、そこは静かな時が流れている。
サブGM:まるで、問題など何一つ起きていないかのように。
F:「……」
F:応接のソファに、一人の少女が腰掛けている。
F:まっすぐピンと姿勢を正した、スーツ姿の黒髪の女。
エリス・ディスコルディア:「よく戻りましたね。お帰りなさい」
エリス・ディスコルディア:その向かい。大軍需企業の若き女社長が、柔和な笑みを浮かべている。
エリス・ディスコルディア:「あなたを私から召し上げて、縛っていた“船員たち”は、もうありません」
エリス・ディスコルディア:「そればかりか……あのマクシミリアン・ブラッドリーまで、名誉の戦死と来た」
エリス・ディスコルディア:「彼とはここまで協調してきましたけど。潔癖が過ぎました」
エリス・ディスコルディア:「ビジネスとは、清濁併せ呑むものですから。清すぎる流れは魚棲むに向かない」
エリス・ディスコルディア:「ああいうやり方はいけません。使えるものは何だって使いませんと」
F:「……」応えず、ただまっすぐ向いている。
エリス・ディスコルディア:「特に、あなたは貴重です」立ち上がる。
エリス・ディスコルディア:「あれの細胞を培養した、私の“娘”というべき作品」
エリス・ディスコルディア:「その力が……“ゲート”の力が、ようやく私のほしいままに使える」
エリス・ディスコルディア:彼女の後ろに立ち、髪を梳く。
F:されるがままに委ねている。
エリス・ディスコルディア:「一切の遅延なく、どこにでもすべてを提供できる能力」
エリス・ディスコルディア:「その活用方法など、枚挙にいとまがない」
F:「……を」
F:「……何を、運ばせるの?」
エリス・ディスコルディア:「そうですね……色々試したいものはありますけど、まずは」
エリス・ディスコルディア:「各地への通信網の敷設」
F:「……?」怪訝な顔をする。
エリス・ディスコルディア:「それをさせてどうしよう、と言った顔ですね」
エリス・ディスコルディア:「逆だったんですよ。彼らは。やることが」
エリス・ディスコルディア:「どうして、アメリカがすべてを制圧してから、世界を支配しようと思ったのか」
エリス・ディスコルディア:「世界の支配を先にすればいいと思いませんか?」
F:「……」
F:「……”船員たち”の」
F:「死体漁りを?」
エリス・ディスコルディア:「あら。人聞きの悪い」
エリス・ディスコルディア:「データ・サルベージですとも」
エリス・ディスコルディア:「これがあれば、いくらでもコントロールできるでしょう?」
エリス・ディスコルディア:「戦争の”量”を」
エリス・ディスコルディア:「戦乱をもたらす林檎を投げ入れるのは、いつだってうちでないと」
エリス・ディスコルディア:「あなたにも、存分に働いてもらいますよ」
エリス・ディスコルディア:「私のものなのですから」
F:髪を梳かれるままにしていたが、その途中で。
F:ぴくりと瞬きし、入口の方へ僅かに顔を向けた。
エリス・ディスコルディア:「……あら?彼らとは連絡が取れていないままだったんですが」
エリス・ディスコルディア:「戻ってきましたかね」
GM:同時、エリスの手元、内線電話が鳴り響く。社内からのものだ。
エリス・ディスコルディア:「なんです。緊急時以外は掛けるなとあれほど……」
GM:『しゃ……社長!すぐ避難してください!』
エリス・ディスコルディア:「避難?」
GM:『水……水が……!』
GM:ゴボゴボと水音がして、通話は途切れる。
エリス・ディスコルディア:「……何が……」
GM:……ザアア……
F:するりと抜けて、立ち上がって扉の方を見ている。
GM:徐々に、扉の外から音が聞こえてくる。水の流れる音が。
エリス・ディスコルディア:「何が……?大雨……?いえ、そんな予報は……」
GM: ド ッ
GM:社長室の分厚い扉が吹き飛び、天井に届かんという大量の水が流れ込んでくる。
エリス・ディスコルディア:「なっ……バッ」それをしとど受ける。
エリス・ディスコルディア:「ガボッ……!」
GM:透明でなく、あらゆるものを巻き込んで黒く濁った濁流。土や砂、瓦礫、様々な機材、そして人……死体。
GM:エリスを呑み込んだ濁流は、彼女を締め上げる大蛇のように室内を渦巻く。“F”だけが台風の目のように濡れずにその中にいる。
F:「……」刃だけ構えたまま、その場に立っている。
GM:やがて、濁った水は溺死寸前でエリスの顔だけを水面に出し、水流が外から肺を押し込んで人工呼吸めいて荒っぽく呼吸させる。
エリス・ディスコルディア:「ゲハッ、ゲバッ……!」
エリス・ディスコルディア:「わ……私を……」
エリス・ディスコルディア:「ディスコルディア社CEOの私を、こんな目に……!」
エリス・ディスコルディア:「どういうつもり……!」
GM:パシャリ、と水を踏む靴音。
GM:濁流の壁の向こうから、一人の男が姿を現す。
エリス・ディスコルディア:「答えなさい……」
エリス・ディスコルディア:「“デリュージュ”ッ……!」
“デリュージュ”:「……」
“デリュージュ”:赤髪の男が、酷薄な目でエリスを見下ろす。
エリス・ディスコルディア:汚水まみれの身体で倒れ込み、その巨躯を見上げる。
“デリュージュ”:「エリス・ディスコルディア」
“デリュージュ”:「聞きたいことがある」
GM:翌日のアメリカの朝刊、連日続く大統領補佐の死亡と政治の混乱を報じるニュースに混ざり、
GM:アップル・ディスコルディア本社の壊滅と、エリス・ディスコルディアの消息不明が報じられた。



【ED/クレア・アップルシード】

戦艦ルイジアナ 娯楽室
GM:航海はゆったりとしたものだった。構成員の数割を失う痛手を受けたアイギスだったが、航行に支障はなく
GM:少し人気の減った船内には、戦勝の穏やかな空気が満ちていた。皆思うところはあれど、傭兵組織の一員として覚悟は出来ていたのだろう。あるいは敢えて明るく振舞っているのか。
GM:再建された娯楽室には、新しいゲームの筐体やカードの類が用意されていた。バーカウンターに並ぶ酒瓶は、今はまだ種類が少ない。
ルカ:「リッケンバッカーとも遊んだの?」
クレア:「酒場に行った時は、街のみんなとやったな」
クレア:シャッフルしたカードをそれぞれの手前に配っていく。
クレア:「リッケンバッカーはいつもカモられていた」
ルカ:「負けてんのかよ」
クレア:「すぐ顔に出るんだ」
アッシュ:「賭け事じゃあ最強とはいかないんだな」
ルカ:配られた手札に視線を向け、むっつりとした顔になる。
クレア:「何を賭ける?」一切動じないポーカーフェイス
アッシュ:「そうだな……。勝者が敗者に一つ話を聞けるとか」
アッシュ:いつも通りのどこか悪戯っぽい笑顔。
アッシュ:「アンタら二人、何か隠し事があるらしいし。デュバリーより先に暴けたらちょっとした自慢になりそうだ」
クレア:「もう勝った気でいるのか」
ルカ:「そういうあんたを負かせたら気持ちが良い」
ルカ:「いいよ。乗った」
クレア:「そちらもそれなりの秘密を用意しておいてくれよ」
アッシュ:「さて、アンタらと違って後ろ暗い話はないからな」
アッシュ:言いながら最初のチップを場に出す。
クレア:口を噤んだまま、対抗するようにチップを乗せる。
ルカ:「こっちだってないし……」すねたような顔で言いながら、チップを置く。
クレア:「待ったはなし。三回勝負。行くぞ」カードを伏せる。
クレア:「レイズ」
ルカ:…無表情から発せられたその言葉を契機とした、正々堂々三回勝負。野次やとりとめない世間話を交わしながら、なんだかんだ和気藹々と進んだゲームは、
ルカ:結果として、ひどく平等に、全員が一度ずつ勝利し、一度ずつ敗北する結果となった。
ルカ:「……つーことは」
ルカ:「全員で暴露大会?」
クレア:「……そうなるな」珍しく悔しさを滲ませる。
アッシュ:「一つずつな」 こちらも不満気な顔で椅子の背にぐっと寄りかかる。
ルカ:「……おれからがいい。最初に負けたし」 視界の左右に不機嫌そうな顔があるのを、なんとなく面白そうに見ている。
アッシュ:「じゃ、何にする?」
クレア:「勝ったのはアッシュ、ルカ、自分の順番だった」
クレア:「質問権もその順でいいだろう」どうぞ、とアッシュに譲る手振り
アッシュ:「なら、やっぱりプールで言いかけてた話だな」
ルカ:「………」 気まずそうに眉を寄せる。
クレア:「ルカ、勝負の結果は絶対だぞ」
ルカ:「分かってるよ…。なに、どっちの話」
アッシュ:「エミリアを連れて逃げてったのも気になるけど……そっちはデュバリーがさっさと聞き出してそうな気もするしな」
アッシュ:「クレアとどうこう言ってたほう聞かせてくれよ」
ルカ:「ああ……。それなら、全然。いいよ」
ルカ:ずるりと椅子にもたれるように姿勢を崩す。「おれがバイクで西海岸を突っ切ってた時に、この人と合流してって指示があったからしたの」
ルカ:「そしたら、クレアが女の格好してて」
クレア:「確かデュバリーから連絡があったんだったな」
クレア:「自分は列車で移動していたんだが、ネバダに入る手前で見つかってしまってな」
クレア:「なんとか追手を撒いた所を拾ってもらった」
ルカ:「そうそう。んで、二人でバイクで移動してたの」
ルカ:「休憩兼ねて給油所寄ったときに、地元の警官の検問に引っかかっちゃって…」
ルカ:「……女の格好してたから。カップルのフリして誤魔化した」
アッシュ:「ぷはっ」 大人しく話を聞いていたものの、その一言を聞いて噴き出す。
アッシュ:「なるほど、なるほどな。道理で脅しのネタに使われるわけだ」
ルカ:「再現してやろうか。なあ」クレアくんと肩を組みます。
クレア:「む」引き寄せられてルカの肩に頭を乗せる。
クレア:「自分もやってみて初めて知ったんだが」
クレア:「ルカは女性に対しては実に扱いが優しい。言葉とは違ってな」
クレア:「エミリアにもそうして守っていたんだろうな。君が彼女と一緒でいてくれてよかった」
ルカ:「……うるせえ………」 気まずくムスッとした顔になり、身体を離します。
アッシュ:「相変わらず天然で追い詰めるよな、クレアは」 ニヤニヤとそれを見て。
アッシュ:「エミリアの方聞くのも惜しかったけど、十分面白かった。満足だ」
クレア:「変装用にと女物の服を渡された時はどうかと思ったが……」
クレア:「中々に有効だったぞ。敵の警戒を解くという意味ではな。アッシュもどうだ?」
アッシュ:「断っとく。しばらく変装が必要な状況にはならなそうだからな」
アッシュ:「今回も、海路だったお陰で会った相手といえばはなからこっちの正体知ってる敵だけだったし」
ルカ:(よく勧めるよな…)グラスを口に運びながら思う。
アッシュ:「隠れるのは性に合わないや、オレは」
クレア:「アッシュが派手に戦ってくれたお陰で、こちらは楽ができた。礼を言うよ」
クレア:「では、次は自分が答える番か」
ルカ:「じゃあ、おれが聞く番ね」
ルカ:「あとアッシュ。エミリアとも何もなかったから」
アッシュ:「へえ。ルカはそう言ってたって後でデュバリーとエミリアに言っておこう」
ルカ:「こいつ……」ムスッとする。
ルカ:「……ともかく。クレアに聞くよ」
クレア:「ああ、なんでも答えよう」椅子に深く背を預ける。
ルカ:「……じゃあ」色眼鏡の下で、視線をクレアくんに移す。「…リッケンバッカーが病気で、もう先も長くないって知って」
ルカ:「それで納得してんの?」
クレア:「納得していれば、アイギスが代わりを務めるなんて持ちかけてはいないさ」
クレア:「彼を超えるのは、自分に託された約束だ。叶える前に死なれる訳にはいかない」
ルカ:「いつかは真っ向から挑み直したいって?」
クレア:「そうしたい気持ちはあるが……」
クレア:「きっと、彼より強いオーヴァードはもう現れない。そんな気もしている」
クレア:「正面から戦って勝つことだけが、超えるということじゃないだろう?」
クレア:「まあ。アッシュには面白くない話かもしれないな」
ルカ:「…」 こういうのは自分より彼が適した話かもしれないと、アッシュくんを見る。
アッシュ:「まあな。さっきの台詞だって聞き流せないとこだ」
アッシュ:「クレアにも約束があるかもしれないけど、オレはオレでリッケンバッカー超えは一つの目標だし」
アッシュ:「アイツ以上が現れないって言われるのは正直納得いかないね」
クレア:「それは悪かった。確かに、この先のことなんて誰にもわからない」
クレア:「そうあって欲しいという、自分の願望かもな」
クレア:「安心してくれ。君と彼が戦うなら、自分は君に賭けるよ」
アッシュ:「なら良いさ。いや、向こうが全力で戦えない状態なのは良くないけど」
クレア:「……そうだな。どうあっても、この先万全のリッケンバッカーを戦うことはできない」
ルカ:「…北方連合がアイギスの味方だって表明した以上、余計にな」
クレア:「戦って最強を証明する機会は、永遠に失われてしまった。けれど」
クレア:「リッケンバッカーが残した功績が、失われたわけじゃない」
クレア:「彼は北方連合の英雄だった。……北方"だけ"の、英雄だ」
クレア:「誰よりも強い力を持ちながら、誰よりもその手が届く限界に苦しみ、実際に取りこぼして」
クレア:「そして諦めた」
アッシュ:「その諦めを超えろってことか」
クレア:「自分達は……アイギスはそうじゃないだろ?」
ルカ:「…前に」
ルカ:「リッケンバッカーに…、何のために戦ってるのかって聞いたら…、あの人は、故郷のためって言ってた」
ルカ:「……故郷なんて、ないやつらばっかだしな」
クレア:「ああ、好きにやれる」
クレア:「彼の手が届かなかった場所に手を伸ばして、彼の手から零れ落ちたものを拾い集める」
クレア:「そいつを彼の前に突きつけて、自分の勝ちだと宣言してやる」
クレア:「墓の前ですることになるかもしれないのは、少し残念だけどな」
アッシュ:「それがアンタの超え方か」
アッシュ:「良いんじゃないか?生憎と、オレはアイギスの正規でも無ければ故郷もあるし、全部に同意は出来ないけど」
アッシュ:「相手の出来なかったことをやって、その結果として救われる人間も居るって言うなら。かなりセンスのいい証明だと思うよ」
クレア:「素直に褒められたと思っておくよ」
ルカ:「……その調子じゃ、いずれあんたの指示で世界中飛び回ることになりそうだ」少し笑って言う。
ルカ:「じゃあクレア、その分、聞いてやったら」
ルカ:「次の番」
クレア:「……そうだな。ちょうど良く、今の話とも近い話題だ」
アッシュ:「ふーん。というと?」
クレア:「……アッシュ」緩んでいた表情を真剣なものに戻して
クレア:「これで良かったと思うか?」
クレア:「ミルシュカのことだ」
アッシュ:「ミルシュカの何の話?」
クレア:「抗ワーディングマスク」
クレア:「ギルが言った通り、あれが世の中に広がれば、今の世界はひっくり返るだろう」
ルカ:「いずれそうなるとも言ってたし…。誰が最初に作ったかって話になったら、ミルシュカの名前も上がってくんじゃないの」
クレア:「きっとオーヴァードにとっては、長い目で見れば良いことだと思う。確かに戦場でのオーヴァードの価値は低くなるが」
クレア:「それはつまり、戦場以外の場所でオーヴァードが生きる余地が生まれるということだ」
ルカ:クレアに視線を向ける。向けてから逸らす。
クレア:「それはきっと、リーダーが理想とする"オーヴァードの居場所を作る"ことに近づくと思う」
クレア:「けど、オーヴァードじゃない人間たちにとっては、本当にこれで良かったんだろうか」
クレア:「自分は半年間、リッケンバッカーが守ってきた人々と接してきた」
クレア:「彼らは、リッケンバッカーというたった一人の英雄を信じ、頼り……依存していた」
クレア:「彼なしでは安心して眠ることもできない程に、自ら戦う意志すら、忘れてしまったかのようだった」
クレア:「自分はきっと、心の何処かで彼らを軽蔑していたんだと思う」
ルカ:「……あんたにもあるんだ。そういうの」
アッシュ:「……」 感情の読めない目でクレアの語りを聞き、無言で先を促す。
クレア:「それはあるさ。けど、あのマスクが開発されて、ただの人間でも、オーヴァードと戦えるようになるとわかった時、少しわからなくなった」
クレア:「たしかに彼らは、戦う力と、誇りを取り戻した。けれどそれは……」
クレア:「あの平穏を失ってまで、取り戻す価値があるんだろうか」
クレア:「……生きることは、戦うことだ」
クレア:「けど、戦わない彼らは生きていなかったのか?」
ルカ:「………」 思うことはある。それを言葉にするのは押しとどめて、聞かれた彼の回答を待つことにする。
アッシュ:「……先に聞きたいんだけど」 溜め息を一つついた後。
アッシュ:「結局どれが聞きたいんだよ、クレア」
アッシュ:「ミルシュカがマスクを作ったことの感想か、そもそもマスクの存在の是非か」
アッシュ:「それともオーヴァードじゃない奴が戦うことについてなのか」
クレア:「む」無意識に自分の口に手を当てる。
クレア:「……すまない。一つと言う約束だったな」
アッシュ:「別に聞かれて困りも嫌でもないから全部答えたって良いけどさ」
アッシュ:「順にしてくれ順に。一度に聞かれても困る」
ルカ:「…」口を挟むべきか、困ったように二人を見ている。
クレア:「……そうだな。前置きが長くなるのは自分の悪い癖だ」
クレア:「実を言うと、今言った疑問は今答えが出るようなことじゃないと思う。君の意見は興味深いが、それはきっと」
クレア:「これからのキミを見ていけばわかることだ」
クレア:「ただ、自分と同じ疑問を持つ者はきっと他にも出てくると思う」
クレア:「それもオーヴァードじゃなく、人間の側から」
クレア:「そして中にはこう思うものも入るだろう。"昔のほうが良かった"と」
クレア:「つまりな。自分が聞きたかったのはこれだけだ」
クレア:「ミルシュカはきっと、これから一生、その責任を負い続けることになる」
クレア:「それがどれだけの怨嗟になったとしても、アイギスは彼女を守る。仲間だからな」
クレア:「君はどうする?」
アッシュ:もう一度、今度は盛大に溜息をつく。
アッシュ:「マジで長い。というか聞いておいて君を見ていけば分かるじゃないだろ、真面目に答え考えたんだぞオレは」
クレア:「すまない……」しゅんとする
クレア:「誤解があってはいけないと思って……」
ルカ:「クレアもいろいろ考えてんだろ」
ルカ:ずるりと椅子によりかかったまま言う。「…あんたも、真面目に考えたって?」
アッシュ:「考えたよ。真面目に聞かれたんだから」
ルカ:「うん。おれも聞きたいよ」
アッシュ:「なんだよ、揃って……」
アッシュ:「つっても、普通の人間たちが戦うことどうこうに関しては正直『知らない』としか言えないよ」
アッシュ:「オレはオーヴァードじゃなかったことも戦いたくないと思ったことも無いから。全く分からん」
アッシュ:「オレにとって確かに言えることは、あのとき……戦場にフランス軍達が駆け付けたとき」
アッシュ:「オレ達は確かに助かった。それが事実ってだけ」
アッシュ:「で、ミルシュカがマスク作ったことに関しては……そもそもだけどさ」
アッシュ:「アイツが自分で言ってただろ。『是非は後世に任せる』って」
アッシュ:「それこそ、普通の人間が戦えるようになったことも。それが良かったか悪かったかは、これからそれぞれが意見を決めてくことだろ」
アッシュ:「ミルシュカ自身そこまで分かって、要は悪名だの汚名だの着ることも覚悟で作ったんだ」
アッシュ:「じゃあオレがするのは、感謝だけだよ」
アッシュ:「『あの時キミが援軍を連れて来てくれて助かった、ありがとう』ってな」
クレア:「……そうか」変わらない表情で、その言葉を聞いて
クレア:「……そうだな。心配するよりまず、感謝しないといけないな」
アッシュ:「そうだろ。助かったのはオレ達全員なんだからな」
アッシュ:「心配するとか守るとか、そういうのはアイツを狙うヤツが出て来てからの話」
ルカ:「…守る気は満々じゃん」
アッシュ:「当り前だろ。確かにミルシュカはアイギスの一員だけどな」
アッシュ:「それと同時にオレのオペレーターで自慢の相棒なんだから」
アッシュ:「まるでオレが守らない可能性があるみたいな言い方されたの、正直結構かちんと来たぜ」
ルカ:「…ノロケだ、ノロケ」
クレア:「む、すまない……今日は謝ってばかりだな」
クレア:「ノロケなのか?」
ルカ:「そうだよ、そう。ギルと同じ……」
クレア:「成程……」
アッシュ:「お好きな解釈でどうぞ。変な噂の立て方したらキレるのはミルシュカだけど」
アッシュ:「オレは自慢の出来る相棒を自慢しただけなんで何も憚るとこはないね」
ルカ:「…じゃあ、次は」
ルカ:「その辺を掘り下げてやるか」再びカードを手にします。
アッシュ:「いいね。今度こそエミリアの話を聞かせてくれるって訳だ」
アッシュ:散らばったままだったコインを均等に分け直し始める。
クレア:「第2ラウンドか。望むところだ」薄く笑ってカードを手に取る。
ルカ:「言ってろ」 笑って言う。言いながら思う。
ルカ:(……戦わない奴らは生きてなかったのか)
ルカ:思うことはある。あの日“デリュージュ”のワーディングにやられて、木偶の人形みたいに寝っ転がってた自分は?
ルカ:あの日、抗ワーディングマスクが手元にあれば運命はどうなっていた? 今日ここに自分はいて、笑ってチップを弄んでいたのか?
ルカ:オーヴァードと人間が肩を並べて戦えるようになった日に、何を思うかって? マスクの是非だって?
ルカ:明確に答えの出ない思いは言葉にすらできず、歓談に委ねて溶けていく。



【ED/アッシュ・ノイ・ジラード】

GM:夕刻。
GM:一面の橙に染まったルイジアナの甲板。燃え盛る夕陽が水平線へと消えていき、それを惜しむように波間が不規則なきらめきを放っている。
ミルシュカ:「あら、アッシュ」
ミルシュカ:欄干に凭れていたミルシュカが、船室から出てきた君に気付いて振り返る。
ミルシュカ:「賭けはどうなったの?」
アッシュ:「トータルで勝ち越し。お陰で楽しい話を聞けた」
アッシュ:そう話しながらこちらも彼女の横に並ぶ。
ミルシュカ:「勝つまでやったんじゃなくて?」くすりと笑う
アッシュ:「ちゃんと初戦を勝利で飾ったって。確かに負けなしとはいかなかったけど」
ミルシュカ:「そう」笑みを見せ、視線を海原へと戻す。
ミルシュカ:「もうすぐ着くって」
アッシュ:「へえ。速いもんだな」
ミルシュカ:「気が重いわー」冗談っぽく「着いたらやること山積みなんだもの」
アッシュ:「だろうな。ただでさえ起こした事が事だし」
アッシュ:「なら、キミがやることに追われる前に話しておきたいことがあるんだけど」
ミルシュカ:「うん。何?」
アッシュ:「まずは、そうだな」 話しながら彼女へ向き直って。
アッシュ:「ありがとう。助けに来てくれて」
アッシュ:「そういえばちゃんと言ってなかった」
ミルシュカ:「どういたしまして」
ミルシュカ:「これもオペレーターの仕事の内よ。あなた達を可能な限り勝利に導く……」
ミルシュカ:「実際、オーヴァード相手には手も足も出なかったしね」
ミルシュカ:「勝てたのは、あなた達が最後まで自分の仕事を果たしてくれたお陰」
アッシュ:「そりゃワーディングを無効化しただけで一般人に負かされたら、オレ達の立つ瀬がないだろ」
ミルシュカ:「そうなのよね」
ミルシュカ:目を伏せて
ミルシュカ:「結局アンチワーディングマスクは、0を1にするだけの兵器で……」
ミルシュカ:「一騎当千のオーヴァードには、普通の人間では到底相手になんてならない」
ミルシュカ:「……問題は」
ミルシュカ:「どの国も、1をかき集めて1001にしようとするだろうってこと」
アッシュ:「ま、そこは今回のマクシミリアンのやり方でも証明されてたな」
アッシュ:「オーヴァードは不死身じゃない。なら人海戦術は有効な攻め手になる」
アッシュ:「そして、マスクはそれをより手軽に可能に出来る」
ミルシュカ:「……あなたはどう思う?この発明のこと」
ミルシュカ:「アッシュ・ノイ・ジラードは」
アッシュ:「それ、さっきクレアにも聞かれた」
アッシュ:くつりと愉快そうに笑って。
アッシュ:「オレは、哲学的な話も道徳的な話も眠たくて嫌いだからさ。ただオレが感じたことの話だけするけど」
アッシュ:「あの時、あの戦場で。空にミラージュⅢが見えた時。クソ上司が戦車の中に居るって分かった時。アイツらを我が戦友達って呼んだ時」
アッシュ:「良い気分だったよ。間違いなく」
ミルシュカ:「……そう」瞑目し、僅かに表情を柔らかくする。
ミルシュカ:「良かった」
ミルシュカ:「それまで否定されたら、少し落ち込んでたかも」
アッシュ:「まさか。オレが相棒の助けを無下に切り捨てる薄情者に見える?」
ミルシュカ:何も言わず、ただ笑って見せる。
アッシュ:「否定してくれないよな、こういうとき」
アッシュ:拗ねたように欄干の上に組んだ腕を置き、そこに顎を乗せる。
ミルシュカ:「アッシュのことは信頼してるけど……何ていうのかな」
ミルシュカ:「それに甘えたくないの。私が」
ミルシュカ:「新聞とかニュース、もう見た?」
アッシュ:「いや。なんて書いてた?」
ミルシュカ:「なんて書いてたっていうか……」
ミルシュカ:「どこもぐちゃぐちゃよ。賛否両論なんて言葉じゃ言い表せないくらい」
ミルシュカ:「父から電報が来たわ。会社が大変なことになってるって」
アッシュ:「……ま、そりゃそうか」
アッシュ:「大丈夫そう?もしボディーガードが必要なら引き受けるけど」
ミルシュカ:「どうかしらね。もしかしたらお願いするかも」笑って
ミルシュカ:「……あれを作った一番の理由は、あなた達を助けるのに力が必要だったから……」
ミルシュカ:「手段は選んでいられなかった。それは確かだけど……」
ミルシュカ:「……もう一つあるとすれば……きっと」
ミルシュカ:「私は……きっと作りたかったんだと思う」
ミルシュカ:「結果として、多くの人の命を奪うことになるのが分かっていて……」
ミルシュカ:「それでもね」
ミルシュカ:潮風が金髪を揺らし、少し目を細める。
アッシュ:夕日に透かされた金髪が眩しくて、こちらも少しだけ目を細める。
ミルシュカ:「武器商人は死の商人よ。そこを誤魔化すつもりはない」
ミルシュカ:「道具は使い方次第……なんていうのは、造った側が言うべき言葉じゃない。それはただの責任逃れ」
ミルシュカ:「一丁の銃、一発の弾丸が無ければ、死なずに済んだ人は確実にいる……それは確か」
ミルシュカ:「それでも、私は……」
ミルシュカ:一度口を閉じ、言葉を探すように沈黙し
ミルシュカ:「そうね……」
ミルシュカ:「……自由、かな」
ミルシュカ:「それが作りたかったんだと思う」
アッシュ:「戦える自由を作りたかった?」
ミルシュカ:「どっちも」
ミルシュカ:「戦う自由と、戦わない自由」
ミルシュカ:「オーヴァードの存在で、そうでない人間は戦う自由すら持っていなかった」
ミルシュカ:「国や家族、守りたいものを全てを他人に委ねざるを得ない……」
ミルシュカ:「勿論、戦争自体無い方がいいのは当たり前よ。戦わず済むなら、それが一番いいけれど」
ミルシュカ:「それでも、自分で選べるようにしたかった。そう思っている人は、きっと沢山いたはずだから」
ミルシュカ:「……そして同時に、オーヴァードも」
ミルシュカ:「戦わない自由があっていいはずでしょ。自分の意思で、その選択肢を選べるようになればいいと思った」
ミルシュカ:「マスクの存在は、オーヴァードの戦場での価値を相対的に引き下げるかもしれないけれど……」
ミルシュカ:「それで望まない戦いをせずに済むオーヴァードが出るなら、それもいいと思った」
ミルシュカ:「……勝手な思想よね」笑う
アッシュ:「良いじゃん。デカい夢でさ」
アッシュ:「ローマのとき、色んなヤツがあの戦場に集まってただろ」
アッシュ:「あそこに集まったヤツの中にも、こんなとこ来たくなかったって言ってたヤツは居た」
アッシュ:「戦いたくなくても戦うよう言われたヤツも、言われるまでもなく戦わなきゃ生きられないヤツも居た」
アッシュ:「オレには戦いたくないって気持ちは理解できないけど、やりたくないことをやらされるイヤさくらいは分かる」
アッシュ:「誰でもやりたくないことをやりたくないと言える。オーヴァードだろうと関係なく」
アッシュ:「それが悪いことな筈はない。自由を尊ぶフランスにしても、オーヴァードの人権を守りたいアイギスにしても……」
アッシュ:「いや、その辺は良いか。少なくとも、オレはそう思う」
ミルシュカ:「……」
ミルシュカ:無言で謝意を伝えるようにまばたきをして。
ミルシュカ:「……それでもこれから、大勢の人が死ぬ」
ミルシュカ:「……知ってる?オーヴァードが現れる前、第二次大戦中」
ミルシュカ:「核兵器は最小限の犠牲で戦争を終わらせられるから、人道的な兵器だって言われてたことがあるの」
ミルシュカ:「私がやってるのは、その逆ね」
ミルシュカ:嘆息して、欄干に背を預ける。
ミルシュカ:「……けれど、もう後戻りは出来ない」
ミルシュカ:「私は世界を変えてしまった」
ミルシュカ:「昨日と同じ今日は、今日と同じ明日はもう来ない」
ミルシュカ:「……だから……」
ミルシュカ:潮風に揺れる金髪を抑え、君を見る。
ミルシュカ:「せめて、最後まで見届けるわ」
ミルシュカ:「この場所アイギスで」
ミルシュカ:「それが、せめてもの私の罪滅ぼしで、最低限の責任だと思うから」
アッシュ:罪じゃない、なんて言葉に意味はないだろう。彼女は甘やかされてくれないから。
アッシュ:オレ達は相棒。背中を預け合っても、体重全てを預けて凭れかかるような間柄ではない。
アッシュ:「ならさ」 だから、慰めの代わりに。
アッシュ:「見届けついでにもう一つ頼んでも良い?」
ミルシュカ:「ん……。何かしら」
アッシュ:「今、フランスは大半をドイツに占領されてるんだよな」
ミルシュカ:「そうね。今回の件で、かなり返還はされたみたいだけど」
ミルシュカ:「まだ占領下の街は多いわ。ドイツだけじゃなく、色んな国に」
アッシュ:「それを全部取り戻したい」
アッシュ:「そのための道をキミに先導してほしい」
ミルシュカ:「……」
ミルシュカ:「好きになったの?フランスのこと」欄干に肘をついて
アッシュ:「好きなのは元からだよ。嫌いだったのは軍だけ」
アッシュ:「ただ、オレは自分が負けることは無いと思いながら生きてきて、あのときデリュージュに負けて」
アッシュ:「その結果、今フランスがバラバラになっていろんな国の物って扱われてる」
アッシュ:「それがムカつくし、イラつくし……多分、悔しいと感じてる」
ミルシュカ:「相変わらず子供みたいね、君」笑って「分かりやすい」
アッシュ:「なんだよ。せっかく人が真面目に話してるのに」
ミルシュカ:「ごめんごめん。でも、私も嫌いじゃないわ」
ミルシュカ:「分かりやすいっていうことは、同じくらい沢山の人がそう思ってるってことよ」
ミルシュカ:「フランスの人たちがね。あの時来てくれたあなたの上官も、そういう風に思ってるはず」
アッシュ:「……ん」 一つ頷いて。
アッシュ:「だから、そうだな。オレは相変わらずオレが戦いたいから戦って、オレが勝ちたいから勝つけど」
アッシュ:「その勝利があの国のためになるなら、それはただの勝利以上に良い勝利になる」
アッシュ:「『軍が乗っけた』じゃなくて。オレ自身があの国を乗せて、それで勝ちたい」
アッシュ:そう語る瞳はいつも通り真っ直ぐで。だけど、いつも以上に透き通っている。
ミルシュカ:その目を見て、ふっと微笑して頷く。
ミルシュカ:「付き合うわよ、勿論」
ミルシュカ:「それが私の本来の仕事だし……それに」
ミルシュカ:「あなたの相棒だから」
ミルシュカ:手を伸ばし、君の頭頂あたりに掌で触れる。
ミルシュカ:「……少し背、伸びた?」
アッシュ:「ん?……ああ、確かにそうかも」
アッシュ:改めて向き直れば、交わす目線の角度が以前と少し違う。
ミルシュカ:「寝る子は育つってこういう意味?」くすりと笑って「……あ……」
ミルシュカ:「見て、アッシュ」
アッシュ:彼女の指した方向へと目を向ける。紅色に染まった水平線のその向こうへ。
GM:船は静かに波間を行く。沈みかけた夕陽、薄暮と夕焼けの狭間に、見慣れたフランス、シェルブール港のシルエットが見えていた。



【ED/ルカ】

GM:アメリカでの戦いから数週間後。
GM:アイギスの処遇やフランスの領土問題など様々な案件に徐々に片が付き、少しずつだがアイギスの面々の日常にも平穏が戻ってきつつあった。
GM:一時はドイツ軍に占領され、剣呑な雰囲気が漂っていたというシェルブールだが、
GM:領土の返還と共に、住民たちにはこれまでの鬱憤を晴らすかのような活気が戻ってきているようだった。
GM:激戦を終えたアイギスメンバーにも暫くの休養が与えられ、
GM:この日、暇を持て余した君──ルカは、馴染みの地元のパブへと足を運んでいた。
ルカ:これまでの戦い、これからの戦い、身の振り方、そもそも戦うことについて、生きることについて、
ルカ:小難しいことを考えようとすればキリがなかった。それらに対し、特に立派な考えも示せないまま。
ルカ:若者の多い地元のパブに、少しノッポな異国人の青年という顔をして場に溶け込んでいる。…実際、そう見えるだろう。
ルカ:この場にいる友人たちには、自分の経歴を正しく伝えていないままだ。最近越してきた、ただのアメリカ人。そう通していた。
ルカ:「おう」
ルカ:半年とさらに少しぶりとしては、至っていつも通りという風に、ひょいと顔を覗かせる。
ユージーン:「ん?あれ?お前……ルカ?」
フラット:「おう、ルカ。久しぶりじゃねえか。ようやく馴染んできたと思ったら、ふらっと居なくなりやがって」
マルク:「え……?うお!?マジじゃん!ルカだ!!」目を丸くして驚く。
ノーミ:「んえ~?ルカだって?」 ジョッキを片手にふらふらと歩み寄る。
マニカ:「あらあら。いつの間にかいなくなったと思ったら、またひょっこり戻ってきて」
フラット:「半年だったか?一体どこで何してたんだよ」
ルカ:「待って、質問に答えるのは頼んでから…、ビール? 同じのでいいや」ノーミのジョッキを覗き込んでから、マニカにオーダーする。
ノーミ:ぺたぺたと触って。 「おう、おう……マジのルカだ。まぁた飲み過ぎて幻覚でも見たかと思ったぜ」
ルカ:「くすぐって」 笑う。
フラット:「ノーミ、ふらふらじゃねえか。大人しく座ってろよ」
ノーミ:「どこでなぁにしてたのさ、お前」
ノーミ:忠告を聞かずにべしべしとルカの肩を叩く。
フラット:「それも俺がさっき聞いただろ」
マニカ:「はぁい、ビール一つ!」 程なくしてルカの元にジョッキ入りのビールを持ってくる
マニカ:そして頼んでいないつまみも。塩味の聞いたジャーキーだ
ルカ:「どうも…」 ジョッキを受け取ってごくごくと喉を潤してから。
ユージーン:「つーかお前、ビートルズのレコード貸したまんまだったろ。早く返せよな~」
ルカ:「…レコード、そうだ。それもあった……。弁償して返すよ」
ユージーン:「弁償?」首を傾げる
ルカ:「…半年前に、住んでたところがブッ壊れて、家財全部流されたの」
ルカ:「あそこ。港に停まってる戦艦、……アイギスってわかる? わかるか」
ノーミ:「アイギスぅ?そりゃお前、俺でも分かるぞ」
ユージーン:「そりゃ知ってっけど……え、何。お前あそこで働いてんの?」
フラット:「なにぃ?ルカ、お前、アイギスの乗員だったのか」
ユージーン:「マジ?じゃあアッシュ・ノイ・ジラードとか見たことあんの!?」
ルカ:「うん。見たとこあるどころか」 ふっと笑う。
マニカ:「ええ! いつの間にかそんな所で働いてたの!?」
フラット:「アッシュのサイン持ってねえのか?」
ルカ:「持ってないよ。…あのさ」
ルカ:苦笑しながら言ってから、声色を真面目なものに変える。
ルカ:「そもそも、おれがこの街に来たのも、アイギスに拾われたからで…、いや」
ルカ:「……おれ自身が、オーヴァードで。だから、アイギスにいる」
マニカ:「へ……」
ルカ:「この半年間は、さんざんニュースになってる通り、アメリカの軍隊に追い回されて逃げ回ってた…、つったら」
ルカ:「……信じる?」
ユージーン:「……」あんぐりと口を開け「……マジ?」
フラット:「おいおい、信じるわけねえだろ。ってことはあれだろ?お前アッシュと一緒に戦ってるってことだろ?」
フラット:「それでなんでサイン持ってねえんだよ」
ルカ:「どんだけサイン欲しいんだよ」フラットをぐりぐり小突く。
フラット:「やめろ、ってぇな。そりゃそうだろ。フランスの英雄だぞ」
ノーミ:「おい、マニカ。ビールって言ってウオッカとか渡してないよな?」
ノーミ:「飲み過ぎた日の俺みたいなこと言い出してるぞルカが。あのルカが」
マニカ:「ビールと間違ってウォッカ渡す方がよっぽどおかしいでしょ!」
マニカ:「……えっ、何それ冗談……? この半年、センスのない芸人に弟子入りでもしてたの?」
ユージーン:「なんか証拠とかねーの?コイツら言ってもゼッテー信じないぞ」
ユージーン:「俺は実はオーヴァードで~なんて言ってる酔っ払い、この街だけで何人いると思ってんだ」
マルク:「そうだそうだ!証拠だせ証拠~!」酔っぱらっている
マルク:「なんかねーのかよ~!アッシュ・ノイ・ジラードの恥ずかしい秘密とかよ~」
ルカ:「…そうだな」やおら皆を見回し、手を差し出す。「じゃあ、見てて」
ユージーン:「ほ~」興味津々で顔を寄せる
ノーミ:「んん~?」 ジョッキを片手に握ったまま身を乗り出す。
ルカ:皆の視線が寄った瞬間、素手が一瞬で砂塵と化し、瞬く間に土くれ細工のように変化する。
マニカ:「ひぇ……」
ユージーン:「うおお!?マジかよ!」
フラット:床に落としたジョッキがパリンと音をたてて割れるよ
フラット:「……おいおい、マジじゃねえか」
マルク:「ちょっと飲みすぎたかな……」
ユージーン:「え!?手品じゃねえよな!?」
ルカ:「ないよ。なんなら、その割れたジョッキの破片で傷つけてくれてもいい」
ルカ:「それが一番分かりやすいかな……」
フラット:「いや、しねーよそんな事……」
マルク:「てか店ん中でんなことしたら酒が不味くなるだろーがア~ン?」
ユージーン:「おいおい何だよルカお前!すげえじゃんか!」興奮した様子でバシバシと背中を叩き、獣化した腕をべたべた触る
ルカ:「………」拍子抜けした顔をする。
ノーミ:「マニカ、水くれ水。いよいよ俺もヤバいかもしれん」
マニカ:「へ? ああ、水? 水……そんなの適当に飲みなさいよ」
マニカ:トレイに乗せていたウォッカをノーミの前に置くと、すすすとバックヤードに引っ込んで行く
ノーミ:「おう、助かる」 グイっと中身を確かめずに一気飲み。
ユージーン:「え、なんかもっと出来んのか?火とか吹いたり……」
ユージーン:「アッシュは雷出すんだろ?」
フラット:「催眠術で人を操るやつもいるんだろ?」
ルカ:「アッシュはね。…いいや、おれはこういう形変えるくらいしかできないよ…」
ユージーン:「え~……なんつーか……すげーけど……」周囲と顔を見合わせ
ユージーン:「すげーけど地味じゃね?」
ルカ:「うるせ」
ルカ:ぐっと拳を握り込むと、また土くれ細工と化したそれが分解され、再び人間らしい肌に戻る。
フラット:「オーヴァードといやアッシュだからな。どいつもこいつも常識離れした奴らなのかと思ってたが」
フラット:「案外ルカみたいに普通の奴もいるんだな」
ノーミ:「んなことより、大事な事があるだろぉおめぇら!」
ノーミ:さっきに比べ怪しい呂律で声を挙げる。
ルカ:「…水飲んでなかった?」
ルカ:「まあいいけど…。何だよ、ノーミ」
マルク:「ウォッカだこれ!?」ノーミが置いたグラスを人舐めして目を丸くする。
ノーミ:「半年アメリカどもに追い回されてかえって来たんだぞ?いわわねぇとだろうが!」
ノーミ:「おらマニカ、全員分ジョッキもってこい!乾杯だ乾杯!」
ユージーン:「つーか何で黙ってたんだよ?こんなスゲーこと」肘でつっつきながら
ユージーン:「人が悪いんじゃねえの~?ルカくんよ~」グリグリしながら
ルカ:「はは…」
ルカ:「…本当はずっと黙ったままでいるつもりだったんだけど」
ルカ:「…それくらいじゃ、たいして変わらないって思って。オーヴァードも、人も」
ルカ:「だから、あんたらに伝えてもいいかなって思って」
ユージーン:「何だそりゃ?よく分かんね~」酔っぱらった顔で首を傾げる
ユージーン:「まあいいや。そんなことよりまたレコード貸すぜ、ルカ。ボブ・ディランの『風に吹かれて』聴いたか?染みるぜ~マジで」
マルク:「な~にあったり前のこと言っちゃってやがるこのシャイボーイがよ~!」
マルク:「アッシュみたいにモテモテになれるとでも思ったか?残念だったな!!お前はここで俺らとクダ巻いてるのがお似合いだッ」ジョッキを飲み干す
フラット:「要するに、これからルカはマジのダチってことだよ」
フラット:「おいルカ、他に俺たちに黙ってる事ねえだろうな」
ノーミ:「そうだそうだ、今のうちに吐き出しちまうのが得だぞ」
ノーミ:「こっちにゃコイツで物理的に吐き出させる手もあるんだ」
ノーミ:言いながら手元にある残りの酒のグラスを片っ端からルカの前に回す。
フラット:「たしか一回、やたら可愛い子が迎えに来たことあったよな。あの子もオーヴァードなのか?」
フラット:「それともただの恋人か?」
マルク:「はぁ!?オレそれ知らないんだけど!?しっかりモテてんじゃねえかクソッ!!」
ルカ:「待てって、一斉に話すな酔っ払い共…、……あの子はただのオーヴァード。恋人じゃない」
フラット:「ちっ。何だつまんねえな」
マルク:「オイ、な~んかはぐらかしてねえかぁ?」
マルク:「オーヴァードであることと恋人であることは両立するよなァ~?オレは騙されねえぞ」
ルカ:「だから違………」 酒で話を流そうと、バックヤードに消えたマニカを視線で探す。
GM:その時、店の戸が開いて、ドアベルが音を立てる。
エミリア:「失礼しま……あっ、ルカ!」
フラット:「おいおい。噂をすればじゃねえか」
フラット:「皆、この子だよ。前にルカを迎えに来た子だ」
エミリア:「ルカ~~」
エミリア:ひょこりと顔を覗かせて、ルカの元に走ってくる。
ノーミ:「あぁ~~!この子か!誰の話かと思った」
フラット:「絶対覚えてなかったろ」
ルカ:「……」皺の寄った眉間を抑える。
エミリア:「街の人みなさんに聞いたらこちらだと聞いて……あっ、皆さん」
エミリア:「初めまして、エミリアといいます」ぺこりと頭を下げ「ルカがいつもお世話になってます」
マルク:「あ~これは完全にクロですね。私にはわかります」突然表情を消して
ノーミ:「いやいやぁ、覚えてた覚えてた。エミリアちゃんね」
フラット:「フラットだ。ルカから聞いたぜ。あんたも半年大変だったらしいな」
ルカ:「違うってば。あんたからも言ってやってくれ」エミリアを見ます。
エミリア:「何がですか?」きょとんとする
ノーミ:「いやぁ何、コイツがお嬢ちゃんとどんな関係かってのを話そうとしなくてさぁ」
エミリア:「そうなのですか?」不思議そうな顔でルカを見上げる。
フラット:「お嬢ちゃんはただのオーヴァードで、恋人でもなんでもないってよ」
フラット:「実際の所、お嬢ちゃんもその認識で良いのか?」
エミリア:「えっ……?」
エミリア:「いえ、その……」
エミリア:戸惑った様子で
エミリア:「わたしは、ルカの……」
エミリア:「…………」
エミリア:視線を彷徨わせ、ちらりとルカの顔を見る。
フラット:「おいおい、この感じは……」周りの仲間と目を合わせて
ルカ:「…………」視線を受けて、居心地悪そうな表情になる。
ノーミ:「ははぁ。やってんなぁルカ」
ノーミ:がしりと肩を組むと訳知り顔でニヤニヤ笑う。
ルカ:「やめろ……! 違うから………」
ルカ:そのまま皆の視線を受け、さらに居心地悪そうな顔になり、「………帰る」
エミリア:「え、と……」頬を赤くして
エミリア:「いえ、わたしは……そんな……」
エミリア:「……」
エミリア:もう一度ルカを見て、更に頬を染め
エミリア:「……ご、ごめんなさい!」
エミリア:踵を返し、ルカよりも早く逃げるように店を走り出て行く。
ルカ:「……」 それを見送り、苦々しい顔になる。紙幣を出してテーブルに置く。
ルカ:「また来るから。その時に奢って」
ユージーン:「おう。早く追いかけてやんなよ」
ノーミ:「あんなかわいい子泣かすんじゃねぇぞぉ!」
フラット:「ちゃんとエミリアちゃんも連れてこいよ」
マルク:「当然だよなぁ?じゃねえと奢らねえからな」
ルカ:「だから、勝手なことばっか言いやがって…」
ルカ:「本当に、たいして変わらないやつら…」 背中に野次を浴びながら、パブを出る。
ルカ:熱した店内とは違って冷えた街の空気を身に受けながら、きょろきょろと店の外を見回す。
GM:店を出てすぐのところで、エミリアは壁に手をついていた。
エミリア:「……」
ルカ:「……なにしてんの」その顔を覗き込む。
エミリア:「わっ!?」
エミリア:びくりとして振り向き「あっ……あ……ルカでしたか……」
エミリア:まだ少し顔が赤い「い、いえ……別に……」
ルカ:「……」
ルカ:「……ひとりで来たの? おれの出迎え?」
エミリア:「はい!ルカが街に行ったと聞いたので」
エミリア:「抜け出してきました。艦の中は退屈で……」
ルカ:「…そう」
ルカ:「じゃあ、……どっか行くか」 ルイジアナとは反対の、街中の方角を見やる。
エミリア:「はい!行きましょう!」にこりと笑い、君の裾を掴む。
GM:アメリカでの戦い以来、エミリアに変わったところはない。検査でも極度の疲労と侵蝕上昇痕の他は、特に異常は見られなかった。
GM:だが、外からの注目は以前のそれとは比べ物にならない。エミリアが始祖であるのは未だ純然たる事実であり、
GM:北方連合、ドイツ、日本がそうしたように、あらゆる国がその動向に注意を払い、また利用できないかと狙ってもいる。
GM:彼女と共にいて、監視や尾行の類の存在を感じたのも、この数週間で一度や二度ではなかった。
ルカ:…はっきりそう言われたワケではないようだが、どうも艦内にいるよう職員に奨められているのも、それが理由だろう。
ルカ:「……人目」裾を掴んだ手は振り払わないまま、大通りを進んでいく。
ルカ:「気にならないの」
エミリア:「ええ」頷き「気にしても何も変わりませんから」
エミリア:その表情は、ハナの家で内心を吐露した時から、随分と吹っ切れたように見える。
エミリア:「それに、今はルカがいますから」
ルカ:「………」眉間に皺を寄せる。
ルカ:シェルブールの街並みは淡く柔らかなクリーム色で整えられ、アメリカのガス臭いそれとはずいぶん違う。
ルカ:「アメリカで逃げ回ってた時さ」
ルカ:「だいぶ…汚いとことかばっか連れまわしたし。ひどい生活させちゃったから」
ルカ:「悪いなと思ってて」
エミリア:「どうしてルカが悪いと思うのですか?」
エミリア:「ルカはわたしを守ってくれたのに……」
エミリア:「それに、今にして思うと楽しかったです!道で寝るのも初めてでしたし」
エミリア:「食べられる草とそうでない草も分かるようになりました!」
ルカ:「漁ってもいい生ゴミとかもね…」
ルカ:息を吐く。「……男連れまわす分にはたいして気にしなかったんだけど…」
ルカ:「あんたはそうじゃないから」
エミリア:「……」
エミリア:じっと君の顔を見る。
ルカ:「ハナのとこ居られたのは、だから良かった……、なに」
エミリア:「あ、い、いえ……!」
エミリア:「……。……ルカも、わたしのこと、そういう……」
エミリア:かぶりを振って
エミリア:「……な、なんでもないです!」
ルカ:「そう」視線を進行方向に戻す。 「……なんか」
ルカ:「逃げ回ったのも、ハナの家にいたのも、全部、いろんなものに振り回されっぱなしだったなって」
ルカ:「もうちょっと、うまくやれたら、うまくいろんなものに立ち向かえたかなって…」
ルカ:「…そういうこと考えてるの」 ぽつぽつと喋る。
エミリア:「ルカはいつも、色々なことを考えていますね」
ルカ:「根暗なもんで」
ルカ:「で…。今は、いろんな状況も落ち着いたし。色々なこと考えたらキリないし、どうするかなって…」
ルカ:パステル調の景観が続く。ショーウィンドウに彩られた店を横目に道を進む。
エミリア:屋台から香る異国の食べ物、店先に並べられた花々、連れられて散歩する白くて丸っこい犬。
エミリア:それら一つ一つに目を輝かせ、楽しそうに歩きながら。
エミリア:「わたしは、そういう……」
エミリア:「あまり難しいことは、考えていません」
ルカ:「うん」
エミリア:「ナイジェリアで食べたお菓子をまた食べたいな、とか……」
エミリア:「イタリアで会った方々は、どうしているのかな、とか……」
エミリア:「港の鳥の巣が、いない間に生まれて巣立ってしまったようなので、来年が楽しみだな、とか……」
エミリア:「それから……」
エミリア:歩きながら、君の顔を見上げる。
エミリア:「ルカ」
ルカ:「ん」
ルカ:視線を前に向けたまま、小さく相槌を返す。
エミリア:「……あの時……」
エミリア:「迎えに来てくれて、ありがとうございます」
ルカ:「…どういたしまして」
ルカ:「……」エミリアと視線を合わせる。色眼鏡の向こうからじっと見る。「…あのさ」
ルカ:「絵、描くのは好きってことでいいの」
エミリア:「え?」
エミリア:急な問いに目を瞬く。
ルカ:「あの時、描いてたから…」 ちょっと拗ねる。「…別に、違うなら違うでいいけど」
エミリア:「そうですね……」少し考えて
エミリア:「覚えていますか?ルカ」
エミリア:「港で、アイギスの皆さんでパーティをして……」
エミリア:「その時、ルカにスプレーを貸して貰って、絵を描きましたよね」
ルカ:「うん。倉庫の壁ね…」
エミリア:「楽しかったです、あの時」
エミリア:そう言って笑う。
ルカ:「…そう」 こっちも笑う。
ルカ:「……色々なこと考え始めたら、キリないし」
ルカ:「振り回されっぱなしも、もうこりごりだから」
ルカ:「立ち向かうってわけじゃないけど。自分で、したい事するのもいいかなって思って」
ルカ:足を止める。ショーウィンドウが並ぶ店々、その一角の目的地を見上げる。
ルカ:画材屋。
ルカ:「スプレー、なくした分、買おうと思って…」
ルカ:「……あんたも。クレヨンじゃ幼稚すぎるから」
ルカ:「もっと、……なんでもいいけど。…欲しいなら、買うけど」
エミリア:「…………」
エミリア:店頭に並ぶ画材と、ルカの顔を交互に見比べて。
エミリア:「……えっ!?」
エミリア:一歩引く。
ルカ:「………」ムスッとする。
エミリア:「ど、どうしたんですか、ルカ……?」
エミリア:「いつもより素直すぎませんか……?大丈夫ですか……?」
ルカ:「………」頭を掴んでぐりぐりと締める。
エミリア:「ぎゃーっ!」
ルカ:「別にいいならいい。一人で見てくる」
エミリア:「ああっ!ごめんなさい!」
エミリア:裾をぐいぐい掴んで引き留める
エミリア:「欲しいです!欲しい欲しい欲しい欲しい!買ってください!買って買って買って買って!」
ルカ:「うるせ、うるせ」
ルカ:「草食べるような生活をあんたにさせた分っていう……だから……、今回きり。もうしない」
エミリア:「本当ですか……!?」
エミリア:「全然気にしてませんけど……わたしに都合がよいので黙っています!!」
ルカ:「言ってんじゃねえか」 また頭を締める。
エミリア:「ぐぁーっ!」
ルカ:「…おれのためだからいいの。店内で騒ぐなよ」
エミリア:「はい!!!!」
ルカ:エミリアの頭を解放すると、そのままずかずかと店内に入って行く。
エミリア:ニコニコしながらも一応静かにしている。
エミリア:「ルカ」
ルカ:「なに」
エミリア:「わたし、ルカと同じものが欲しいです」
ルカ:「……」
ルカ:かつて妹から贈られたネックレスを思い出す。いつもポケットに仕舞っているので、それは海に流されもせず、今も所持している。
ルカ:メイがいた痕跡で、彼女を思い出せる物は、今となってはそれくらいだ。
ルカ:「……また、記憶なくされても困るから…」
ルカ:「……一人でも、手元に何かあれば、嫌でも思い出せるだろ」
エミリア:「?」
ルカ:「…なんでもない」苦々しい顔。「わかった。探すよ」
エミリア:「本当ですか!」パッと表情を輝かせる
ルカ:「なんかあるだろ。旅行用のでも……」店内をなんとなく見回している。
ルカ:「…いいよ。どうせそういうのも欲しかったし」
エミリア:「ふふん」胸を張って
エミリア:「買って貰ったら、すぐにルカより上手になりますよ!」
ルカ:「はいはい。言ってろ」
ルカ:さて画材を贈ったら、果たして彼女は何を描くのか。
ルカ:例えば筆、万年筆、キャンパス…スケッチブックでも、なんでもいいけど。
ルカ:──絵を描くのは好きで、得意だった。
ルカ:振り回されるのはもうこりごりで、色々なことを考えたらキリがない。
ルカ:バイクに好きなモノを詰め込んで、今度はただ、好きなことのために荒野を走るみたいな。
ルカ:戦わない彼らは生きていなかったのか、そんな大層なことにはやはり、立派な考えは示せないが。
ルカ:少なくとも、今、そうするのだって良いだろうと、そんなことを考えている。



【ED/デュバリー】

デュバリー:デュバリーの帰還は、およそ想定通り、大きな混乱もなく迎え入れられた。
デュバリー:米国経由からデュバリー生存の探りが入れられていたこと、その米国からの働きかけがぱたりと消えたのが大きかっただろう。
デュバリー:アメリカの混乱と"アイギス"復活の報を耳にして、デュバリーの生存を娼婦の誰もが連想し、そしてそれは事実となった。
デュバリー:自らを追い落とした(ということになっていた)"マルタ会"経営陣とは、組織を分裂させることで和睦。
デュバリー:結果として欧州には"メリュジーヌの娘たち"と"(新)マルタ会"の二つの娼婦互助組織が成立することになる。
デュバリー:……それはそれで、デュバリーとしてもそう悪い変化だとは思わなかった。それが自分への反発により生じたもので、未熟で不安定なものだったとしても……
デュバリー:(オーヴァードの私によるものと、そうでないもの)
デュバリー:(二つの組織が並び立つことで、明らかになるものもあるかもしれない)
デュバリー:この半年、欧州各国を巡ったことで改めて感じた、オーヴァードという存在に対する……嫌悪も含む、特別視。
デュバリー:それがある以上、オーヴァードによる組織と、人間による組織が並立することは、悪いことではない。
デュバリー:(選択の余地)
デュバリー:(……安定の次に求められるのは、きっとそういうことなんだろうな)
デュバリー:帰路で耳にしたアンチワーディング装備に関する諸意見、結果はさておき、アメリカ国内のオーヴァードに関する政治態勢が2組織を柱として均衡の取れていたこと……
デュバリー:多くを思い出しつつ、デュバリーはウィスキーを浅く注いだグラスを片手に、久しぶりのソファに身を沈めていた。
デュバリー:実に数ヶ月ぶりに戻ってきた、慣れ親しんだ拠点の部屋である。広くはないが、肌に合うものの並べられたデュバリーの部屋。
デュバリー:その所在を知る者は、それほど多くない。……その一人が、そろそろここを訪れる頃合いのはずだ。
デュバリー:(……しばらくいろいろ考えてたし、休んでしまいたい気はするけど)
デュバリー:(アメリカへ発つ前ぶりだし。顔は見ないとな……)
デュバリー:すっかり元の長さに戻った亜麻色の髪を指先で弄びながら、ぼんやりと来るはずの客を待つ。
GM:暫くして。その静寂を破り、
GM:ピン……
GM:……
GM:……ポーン
GM:ドアの前にいる相手の緊張が伝わるような、間延びしたチャイムが鳴る。
デュバリー:かすかに笑う 「開いてるよ」
ハリエット:「し、失礼しますっ」
ハリエット:ドアが開き、黒髪の少女が姿を現す。
ハリエット:「……あ……」
ハリエット:君の姿を見て、口を開き、そのまま言葉に詰まったように固まって。
デュバリー:「うん」 身を起こし、グラスを傍らのテーブルへ 「久しぶり」
ハリエット:「……。……も、戻したんですね、髪……」
デュバリー:「そうね。こっちの方が"死なない女"って感じ、するでしょ?」
デュバリー:さらりと髪にを梳いて 「私も、この方が落ち着くし、好きだし」
ハリエット:「そ、そうですね。私も……そっちの方がデュバリーさんらしいと思います」
ハリエット:「……っ、いえ、あのっ……そうじゃなくて……」
デュバリー:「……ふふ」 小首を傾げて 「じゃあ、何?」
ハリエット:「……」感情を持て余してか、泣きそうな顔をする。
ハリエット:「……お……」
ハリエット:「おかえりなさい、デュバリーさん……」
デュバリー:「…………ん」
デュバリー:「迷ったの。それ、言うかどうか……部屋に入ってきた人に、ただいまって言うのは、なんだかおかしいでしょ」
デュバリー:「でも、ハリエットがそう言ってくれるなら。ちゃんと帰さなきゃね」
デュバリー:ソファを立って、ハリエットに歩み寄りつつ 「ただいま」
ハリエット:「……っ……」
ハリエット:君を見上げて、ぼろぼろと堰を切ったように涙が零れ落ちる。離れている間、ずっと我慢していたのだろう。
ハリエット:「ぶ、無事で……」
ハリエット:「無事でよかったです……」
ハリエット:「アイギスがあちこちで戦ってるって聞くたび……私……ずっと……」
デュバリー:多くを口にはしない。歩み寄ってそっと身体を抱きしめる
デュバリー:「本当にね」
デュバリー:「無事で……またみんなに会えて良かったし」
デュバリー:「あなたをこうやって抱きしめられて、良かった」
ハリエット:自分から行くのを遠慮していたが、本当はずっとそうしたかったのだろう。縋るように君に抱きつく。
ハリエット:「う……うぅうっ……」
ハリエット:「MI6が動いてるって聞いて……私……」
ハリエット:「ラナさんのことを思い出して……デュバリーさんまでって……」
ハリエット:「怖くて……ずっと、怖くて……」
デュバリー:そっと頭を撫でる。髪を梳き、背中に触れる。
デュバリー:「本当、ごめんね。留守番で、待たせてしまって」
デュバリー:「でも、待っていてくれてありがとう。この戦いで、こうやって帰ってこれたのも……」
デュバリー:「……"アイギス"を取り巻く情勢が苦しくて、何度投げ出そうかと思った時も……ローマであんなひどいものと戦った時も……」
デュバリー:「もしかしたら、もっと前から。結局、あなたが待ってくれてたから、こうやって帰ってこれたんだと思う」
デュバリー:「だからありがとう、待っててくれて。……帰ってきたでしょ? "死なない女"の私は」
ハリエット:「はい……」涙に潤む顔で君を見上げ「……はい……!」
ハリエット:「ありがとうございます、デュバリーさん……」
ハリエット:「約束、守ってくれて……」
ハリエット:「……帰ってきてくれて」
ハリエット:「やっぱり、デュバリーさんは……世界で一番かっこいいです」
ハリエット:涙が零れ、朱に染めた顔に笑みを浮かべる。
デュバリー:「そう? ……ちょっと新鮮。かっこいいはあんまり、言われないし」
デュバリー:抱きしめる腕を緩める。今後に向けて、話しておきたいことはたくさんある。"アイギス"の再編による活動方針、皆の仇"F"に遭遇したこと、それに自分の力が問題なく及びそうなこと……
デュバリー:ただ、ハリエットの顔を見ると、そして自分の状態を考えると、今日くらいは別に良いかな、という気持ちにもなってくる。
デュバリー:また戦いは始まるだろう。それでも時間はあるのだから。
デュバリー:「……本当は色々話しておくつもりだったんだけど」
デュバリー:「聞いてるよね。"娘たち"を一部割ることとか……その辺りのことを考えてたら、少しくたびれちゃって」
デュバリー:……デュバリーがそんなことを言うのは、ハリエットの目からしても珍しいことだ。精神的に追い詰められる姿はしばしば見たかもしれないが、身体的な疲れとは、レネゲイドビーイングゆえかあまり縁がないのである。
デュバリー:緩やかな歩みでソファに戻り、座り込み 「だから、ゆっくりしたいかな」 それだけ言って、ハリエットの反応を待つ。
ハリエット:「まだ働く気だったんですか」流石に少し驚いた顔をして
ハリエット:「そうですよ、少し休んでください。ただでさえデュバリーさんは忙しくしすぎなんですから……」
ハリエット:給仕服のエプロンを締め直し
ハリエット:「今日くらいはゆっくりなさってください。身の回りのことは私がします。それくらいしか出来ませんから……」
デュバリー:「……んん」
デュバリー:「お嫁さんとしては合格」 「でも今欲しいのは、それじゃないな。ハリエット」
ハリエット:「……?」
ハリエット:きょとんとした顔をして、
ハリエット:「……。……」
ハリエット:一拍遅れて、少しずつ頬が紅潮していく。
デュバリー:ソファの肘置きに身を寄せ、隣を空ける
デュバリー:口元に笑みを浮かべ 「どうして赤くなってるの?」
ハリエット:「……い、いえ……」
ハリエット:当然周囲には誰もいないが、きょろきょろと落ち着かなく周りを見回して
ハリエット:「……」
ハリエット:おずおずと君に歩み寄り、すとん、と隣に腰を下ろす。
ハリエット:膝の上に両手を置いて、身を小さくして固まっている。
デュバリー:くすりと笑って、そっと身を寄せる 「駄目でしょ、ハリエット」
デュバリー:固くなった腕に手を滑らせ、その小さな手に細い指を絡ませながら、顔に顔を近づけていく。
デュバリー:腕をそっと膝の上からどかしながら、唇を耳元に寄せる。もう片手を背に回し、逃がさない。その動きは倒れていく花のようでもあり、蛇のようでもある。
デュバリー:「これじゃあ、できないでしょ……」
デュバリー:吐息混じりの声。
デュバリー:「私の、やりたいこと」
ハリエット:白い肌を真っ赤にして、吐息が耳朶に触れるたび身を震わせる。
ハリエット:目を合わせることも出来ないまま、捕食される小動物の些細な抵抗めいて、あるいは却って昂揚を煽るように、
ハリエット:「……あ……つ……」
ハリエット:か細い声を漏らす。
ハリエット:「疲れている、のでは……」
デュバリー:「ええ」
デュバリー:「だからこそ、でしょ?」
デュバリー:金色の眼が、ハリエットの目を覗き込んでいる。腕を身体の脇に押しやった手指が、続けて頬に触れる。それは首筋を滑って、肩へ、脇腹へ。
デュバリー:「……だから、こうしたいんじゃない」
デュバリー:そのままデュバリーの身体はゆっくりと崩折れて
デュバリー:ぽすん、とその小さな頭が、ハリエットの腿の上に収まる。
デュバリー:「……ふう……」
デュバリー:「あったかい……」
デュバリー:腿に頭を擦りつける様は、なんだか猫のようだ。
ハリエット:「……」
ハリエット:「…………?」
ハリエット:暫く放心したように硬直していたが、
ハリエット:「……デュバリー、さん……」
デュバリー:「んん……?」
ハリエット:「……」
ハリエット:やがて、最初はおずおずと、次第に丁寧に、膝の上に広がる亜麻色の髪を梳かすように撫で始める。
デュバリー:「……んん……」 気持ちよさそうに声を漏らし
デュバリー:「気持ち良い……合格ね、ハリエット」
デュバリー:「デュバリー撫で師として……」
ハリエット:「あるんですか、そんな資格」笑みを零して
ハリエット:「……お疲れ様です、デュバリーさん……」
ハリエット:髪を撫でながら、慈しむように囁く。
ハリエット:「せめて、今だけは……ゆっくり休んでくださいね」
デュバリー:眠たげな瞼は、ゆっくりと落ちていく。穏やかな表情。ハリエットも数ヶ月、見ていなかったものだ。
デュバリー:確かに、問題はある。それでも希望はある。今までよりずっと。だからこその表情。
デュバリー:眠りに就く前、もう一度ハリエットの顔を見上げる。
デュバリー:きっとこれからも、自分におかえりと言ってくれる彼女の顔を……
デュバリー:…………
デュバリー:「……おっぱい邪魔……」 ぐい、とその胸を潰すように押す
ハリエット:「ひぅっ…… …………~~~! ……デュバリーさん…………!」
ハリエット:怒っていいものか分からず悩むようなか細い抗議の声も、まどろみの中に溶けていった。

---

GM:目を覚ますと、カーテンの隙間からは朝日が差し込んでいた。
GM:ハリエットの膝はクッションに代わっていて、君はソファの上で毛布を掛けられている。
GM:キッチンからは、俎板と包丁の音がリズミカルに聞こえてくる。
ハリエット:「あ……おはようございます、デュバリーさん」
デュバリー:「ん……」 細く目を開き、ゆっくりと身を起こす
デュバリー:「……ほんとに寝ちゃった」 軽く首を揺らしつつ
デュバリー:「おはよう、ハリエット。……いい匂いね」
ハリエット:「ええ、丁度いま起こしに行こうと思っていて……」
ハリエット:「もうすぐ出来ますよ。パンを焼きますが、何を塗りますか?」
ハリエット:「ええと、ジャムはりんごとピーナッツ……チョコレートと……オリーブとアンチョビのペースト、あ、頂き物のマーマイトもありますよ」
デュバリー:「んん……マーマイト……いえ、りんごね。顔を洗ってくるから」 言って、洗面所に向かう
デュバリー:さらりと洗顔を済ませ、鏡を見ながら髪もブラシで梳かして整える。これもまた随分久しぶりな、朝のルーチンだ。
GM:キッチンからはベーコンエッグの焼ける匂いと、香ばしいトーストの香りが漂ってくる。
GM:君の目の前の鏡には、開いたままの扉の向こう、慣れた様子で料理に勤しむハリエットの姿が映っている。
-:その横に。
-:そこにあるはずもないものが立っていた。
F:少女へと手を伸ばし、その首筋を掴み上げた。
ハリエット:「えっ……きゃああっ!?」
ハリエット:悲鳴が上がり、フライパンが落ちるけたたましい音が響く。
デュバリー:「……、!」
サブGM:数ヶ月ぶりに戻ってきた、拠点の部屋。その所在を知る者は、それほど多くない。
サブGM:デュバリーの真に信頼できる者らのみだ。果たして、その者らは君を裏切ったか?否。
サブGM:では、果たして、彼女らは。
サブGM:君が不在の数ヶ月の間に、最強の諜報網を持つ国の総力を挙げた追求を、つぶさに全て気取る技量を持ち得ただろうか。
F:掴み上げ、持ち上げて。
デュバリー:電撃のように脳裏を立て続けに走る懐疑、不安。
デュバリー:その多くを振り払い、 「ハリエット!」
F:無感動な目で、君をちらりと見る。
ハリエット:「嫌っ……!離して……!デュバリーさん!」
ハリエット:掴み上げられて暴れるも、非力な抵抗はまるで意味を成さない。
デュバリー:振り向く。即座に手が伸びる。窓際に置いてあった鉢植えが爆ぜるように割れ、根と茎が異様な勢いで伸び、"F"へと迫る。手と、首筋。
F:もう片手が傍らの包丁に伸びている。掴んだ少女の首筋に添え、浅く裂く。
ハリエット:「っ……あ……!」
ハリエット:白い肌から、鮮やかな赤が舞う。
デュバリー:「ハリエ……っ……!」
F:「抵抗を」
F:「する?」
デュバリー:伸びていた植物が空中で止まり、ボロボロと落ちていく。……分かりきっている。警告だ。殺すならもうやっている。
デュバリー:「…………」
デュバリー:伸ばしていた手を下ろす。ハリエットもオーヴァードだ。自分と同じようにリザレクトができるなら、多少の攻撃を受けても即座に命を落とすことはないだろう。
デュバリー:だが、問題はその先だ。無理な抵抗をして、『本気』で殺されにかかればどうか。……"F"の能力の全貌は、未だ明らかになっていない。
F:リザレクトが始まるはずの彼女の首筋からは、血が流れ続けている。
F:止血が始まらないように見える。
ハリエット:「……!」
ハリエット:当人も気付いてか、表情にそれまでと別種の恐怖の色が混ざる。
デュバリー:あるいは、それ以上の想定の外の事態。
デュバリー:「やめて」
デュバリー:有無も前後もなくその言葉が出た。
ハリエット:「デュバリー、さん!」
ハリエット:「大丈夫です、から……!私に構わず……!」
F:「……」やはり無感動な目で君を見返して。
F:彼女の背後にゲートが、ジリジリと開く。
デュバリー:目には敵意が滲む。眼は内心の窓だ。その感情を隠すことはできない。
デュバリー:だが……それだけだ。指先一つ動かせない。現状に対して。
F:彼女の窓から覗くのは、君への殺意ではない。
F:曇っている。あるいは、今、
F:君に興味を向けていないかのように。
F:ゲートが人の通れるほどの大きさになると、そのまま、少女を掴んだままそこへと入っていく。
デュバリー:彼女を離せ。何が目的だ。一体何をした? 言葉はいくつも去来して、一つも喉から出てこない。
ハリエット:「デュバリーさん……!」
ハリエット:叫び、小さな手を君に手を伸ばす。
デュバリー:結局、その拉致が成立する段に至って 「待って!」
デュバリー:「一体何が目的で……っ!」 もがくように手を伸ばす。
F:その言葉が聞き入れられることはなく。
F:包丁を投げ捨てた。その姿がゲートへと消える。
F:カン、と床にぶつかる音が鳴った。
デュバリー:「…………」
デュバリー:棚の上に、小さな鏡が置いてあった。そこに映っている自分の表情は、今まで見たこともないものだった。
デュバリー:沈黙。静寂。自分以外誰もいなくなった部屋。ただコンロの火だけが依然として立ち、さかさまに放り捨てられたフライパンの下で、目玉焼きの黄身が潰れている。
デュバリー:チン、とトースターが音を立てて、よく焼けたトーストが2枚、顔を出す。
デュバリー:滑稽な朝、デュバリーは突然、一人になった。



【ED/ギルトレット・レッドフォード】

フランス ホテル客室
GM:アイギスを取り巻く一連の事象に表立って取り組むのは、当然代表である舞の仕事であり
GM:帰国後、彼女は各国の軍や政府、多様な勢力・機関との様々な折衝に忙殺されることになった。
GM:今日はその、ひとまずの最後といえる会談があった日であり
GM:予約したホテルにチェックインすると、舞はどっと疲れた様子でベッドに倒れ込んだ。
:「……終わった……」
ギル:「お疲れ、舞。いや、息が詰まるね。これまでも一人でこんな事してたのかい?」ネクタイを緩めながら言う。
ギル:今までは会議に出席するのは舞一人、付添がいるとしてもほとんどはオペレーターだったが、今回は護衛という名目でギルが半ば強引に同席した。
:「……ああ……」身体が重そうに寝返りを打ち「……悪いがコーヒーを淹れて貰えるか、ギルトレット」
ギル:手慣れた様子でコーヒーを淹れながら「疲れてる時は砂糖多めだったよね。それとも前と趣味が変わった?」
:「いや……。それがいい」
:息を吐きながら身を起こし、ベッドに腰掛ける体勢になり
:「……覚えてるんだな」
ギル:「はい、お待たせ」カップをベッド脇のテーブルに置いて「覚えていることもあるし、まだ思い出せないこともある」
ギル:「ドクターに診てもらった所、今の僕の状態は一般的な記憶喪失患者と似てるらしい」
ギル:「例えば銃の使い方や君の食事の好みのような知識は思い出せる。でもそれをどうやって知ったかはほとんど抜けてる」
ギル:「特に僕の場合は数年前の……まあ、その辺りのことはいいか。……とりあえず」
ギル:「普通の医者が診れる位には正常に戻ったってことさ。これからまた、何か思い出したら君にも伝えるよ」
:「難儀だが……まあ、そうだな。良い方向に来てはいるんだろうな」コーヒーを一口飲む
ギル:自分の分のコーヒーを一口飲み
ギル:「これからはこういう会談や、それから経理も、僕が担当出来る部分は引き継ぐよ。今までは君に頼りすぎた」
ギル:「僕に限らず、他のメンバーにも手伝ってもらって、少しずつでも舞の負担を減らしていこうと思う。どうかな?」会談に顔を見せたのも、そのための下準備の意味があったのだろう。
:「……それは……。……ありがたいが……」
:「……」君の顔を見て
:「……ギルトレット」
ギル:「なに。そんなに改まって」
:「……いや。丁度話そうと思っていたんだが……」
:「……今回、こうして護衛として来てもらっただろう」
:カップを傾けて
ギル:「うん。それがどうかした?」
ギル:「あー……待って。何言おうとしてるかわかったかも」
ギル:「いや、違うかな……。それってもしかして浮ついた話だったりする?」
:「……何だと思ったんだ…………?」
:「浮ついてない」
ギル:「ごめん。勘違いだったみたい。続けて」
ギル:気まずそうに佇まいを直して。
:「……」軽く額に手を当てて
:「……ミルシュカの開発したアンチワーディングは今後、戦争を変えるだろう」
:「オーヴァードが戦場で強力な切り札なのは変わらないが、それに頼り切った一辺倒なものでなく……」
:「如何にしてオーヴァードを運用するか。戦術と、それ以上に一般兵とオーヴァードの連携が肝要になってくるはずだ」
ギル:「そうだね。そしてその点に置いて、アイギスは他の国の戦力と比べて不利だ」
ギル:「フランスを味方につけているとは言っても、僕たちは正式な軍属じゃない傭兵だ」
ギル:「アッシュの影響力を考えた上で、外様に背中を預けたくないと思う兵士達は決して少なくないだろう」
:「……そうだな。だが……」
:「我々の理想に対しては、これは僥倖とも言える」
:「オーヴァードの戦力としての価値が下がり、一般兵と近付くということは……」
ギル:「……僕たちも一般兵と同じように」
ギル:「いずれ戦場から離れる時が来る、か……」
:「ああ」頷く
:「これまで戦うことしか選べなかったオーヴァードにも、別の選択肢の余地が生まれるかもしれない……」
:「オーヴァードの居場所を作る。その自由を守る」
:「……これはその、大きな足掛かりといえるかもしれない」
:「……なあ、ギルトレット」
:カップを置いて
:「……そろそろ、いいんじゃないか?」
ギル:「……もう、銃を置いても?」
:「すぐには無理かもしれないが……例えば、今回のような護衛や、ルイジアナの警護……」
:「そういったことから始めてもいい。前線に出る以外でも、生きる道はあるんじゃないか」
:「さっきお前が言ってくれたような、経理や書類仕事を手伝ってくれてもいいし……」
ギル:「……」困ったように微笑んで
:「全く他のことでもいい」小さく笑って「漁師も様になっていたぞ」
ギル:「ありがとう、舞。君は心から、僕を大切に思ってくれているんだね」
ギル:アメリカから逃れていた六ヶ月の間。舞は記憶を失った自分に、過去を明かすことはなかった。
ギル:最後に居場所を辿られ、追いつかれた時でさえ、ただの人だと言って自分を庇い、戦いから遠ざけようとした。
ギル:きっとあの時の叫びこそが、彼女のただならぬ本心なのだろう。
ギル:「僕も君と逆の立場なら、そう言っていたと思う。本当に嬉しいよ」
ギル:「君と二人で暮らすのも、とても幸せだった」
:「…………」
:溜息を吐く
:「……『だけど』が続きそうな文言だな」
ギル:「よくわかってるね。流石だ」
ギル:「……確かに。オーヴァードの居場所を作る。アイギスの理念には大きく近づいたと思う」
ギル:「けれどね、舞。現実的になったからこそ……僕はこうも思ったんだ。それだけじゃ足りないんじゃないかって」
ギル:「僕たちは長い間、戦場の切り札であり続けた。だから忘れがちなんだ。レネゲイドは、元々は病気なんだっていうことを」
ギル:「もし、この先、一般兵とオーヴァードの差が縮まり続けて、オーヴァードが戦わなくて済む世界が訪れたとしよう」
ギル:「多分、その時にもう一度、僕たちはそれを実感する。人もオーヴァードも」
ギル:「僕たちオーヴァードは何時、理性を失って人を傷つけだすかわからない、病人だってね」
:「……それなら……」
:「それなら、余計にじゃないか」
:「これ以上前線に立ち続ければ、お前は……」
ギル:「聞いてくれ、舞。僕はね」舞の手を取り、自分の両手で作る
ギル:「居場所を作るだけじゃ、自由を勝ち取るだけじゃ、もう満足できないんだ」
ギル:「居場所だけじゃない。アイギスが自由を勝ち取ったら、その次は、オーヴァード全員が安らげる」
ギル:「彼らの日常を守る、そんな組織を作りたいんだ」
ギル:「だからごめん。まだ漁師にはなれない」
:「……」
:その瞳を見て、目を伏せる。
:「昔から……」
:「言い出したら聞かないのだけは、変わらないな……」
:小さな声。ほんの一瞬、その表情は泣いているように見えた。
ギル:「舞はどう?」
ギル:「昔のように、付いてきてくれるかな」
:「……」嘆息して
:「まだまだ安心させてくれないんだな、お前は……」
ギル:「ありがとう。舞。……君の知ってる通り、僕は一度壊れかけた人間だ」
ギル:「また君に苦労をかけるかもしれない。傷つけることもあると思う。でも、約束する」
ギル:「何があっても、必ず君のもとに帰ってきてみせる」
:諦めたように、少し笑って
:「……約束だぞ」
:「忘れないで、絶対」
ギル:「忘れないさ、絶対」
ギル:力強く笑って
ギル:「あー……」目を逸らし「これで真面目な話は一旦終わりでもいいかな」
ギル:「浮ついた話をしても?」
:「……聞く、一応」
ギル:「よかった。実は、前々から渡したい物があったんだ。ちょっと待ってて」
:「?」膝の上に手を置いて待つ
ギル:駆け足で、別の部屋へ行き、すぐに戻ってくる。
ギル:後ろ手に何かを隠して「ほら……今回、護衛として来てもらったって話」
ギル:「次は違う肩書で付いてきてくれ、って言われるんじゃないかと思って。先を越されるかとヒヤヒヤしたよ」
ギル:ベッドの前の舞に跪いて「……はい、これ」リングケースを差し出す。
ギル:「約束をもう一つ追加したいんだ」
ギル:「世界一幸せにする。だから、僕と結婚してくれ」
ギル:ケースを開ける。大粒のダイヤが一つと、その左右に四つのダイヤモンドが一列に埋め込まれた、フラットタイプのリングが入っている。シンプルなデザインだが、ダイヤの周りに華の模様の装飾が掘られているのが印象的だ。
:「……っ……」
:流石に驚いた顔をして、頬に朱が差す。
ギル:「次は夫として会議に出たい」
ギル:「返事を聞かせてくれる?舞」
:「…………」
:「……た……高かったんじゃないのか、これ」
ギル:「ああ、不思議なことに、家族への仕送りに何故か手がつけられて無くて」
:「……。だ、大体……。皆にはどう言うつもりだ」
ギル:「皆の気もちより、僕は舞の気持ちのほうが大切だ」
ギル:「いいじゃないか。舞はもう少し、皆にも弱みを見せたほうがいい。強くて綺麗な舞のことだって好きさ」
ギル:「でも、僕のことだって、殆ど誰にも相談して無かったんだろう?誰かを頼ることは悪いことじゃない」
ギル:「親しみやすさだって重要だ。かわいい舞のことだって、僕は大好きだよ」
:「…………」耳まで赤くして
:「……それは……その……」膝の上で組んだ手をもじもじと動かし
:「私としても……それは……」
:「……嬉しく思う気持ちは……あるが……」
ギル:その様子を見て、微笑んで有無を言わさず手を取り
ギル:「じゃあ、受け取ってくれるね」
ギル:「ほら。付けてみて」
:誤魔化すようにカップを口に運び
:「い、いや……だからと言ってだな……!!」
:「……」
:「……?」
:コトン、とカップをサイドデスクに置く。
:「……ギルトレット」
:その視線は君ではなく、カップの中身に注がれている。
ギル:「……舞?」
ギル:指輪を、舞の左手にはめようとして
GM:カップの中では、つい先程沸かしたばかりのホットコーヒーが、完全に凍り付いている。
GM:同時、ひやりとした冷気が足元に伝ってくる。
ギル:「……!舞、危ない!」舞を抱きかかえて、その場から飛び退こうとする
GM:クレバスが引き裂けるような不協和音。
GM:二人が動くよりも速く、部屋全体が一瞬で真っ白に凍り付く。
GM:四肢が凍結固定され、身動き取れない。
ギル:「……っ」
:「……!! これ、は……」
ギル:キン、と冷たい音を立てて指輪が床に落ちる。
GM:部屋のドアが開く。空気を切り裂く吹雪と共に、一人の少女が姿を現す。
イライザ:「……」
ギル:床を転がって言った指輪が、少女の前で倒れた。
ギル:「イライザ……」
GM:舞が咄嗟にゲートを開こうとするが、その前にイライザが《ワーディング》を展開する。
:「ッ……ギルトレット……!!」
ギル:「逃げろ、逃げるんだ舞!……くそっ!」何とかして、氷の拘束を解こうともがくが
ギル:その間にも氷は厚みを増し、より強くギルの体を縛り付ける。
イライザ:真っ白に凍り付いた部屋の中を、ゆっくりと歩く。君を一瞥し──通り過ぎる。
ギル:「よせ……」
ギル:「やめろ!僕は……鉄王はここだ」
ギル:「殺すなら俺を殺せ!舞には手を出すな!」
イライザ:「言ったはずだ、ギルトレット・レッドフォード」
イライザ:「私は必ずお前に償わせる」
イライザ:「お前の最も大切なものを、奪いに来た」
ギル:「やめろ」
イライザ:ひたり、と舞の首筋に手を当てる。
ギル:「舞に指一本でも触れてみろ!そしたら僕はお前を……!」
ギル:「……っ」それを見て口を噤み
ギル:「頼む、やめてくれ……」
ギル:「僕の……ようやく出来た」
ギル:「僕の本物の……たった一人の家族なんだ……」
ギル:流した涙がすぐさま凍りついていく。
:「……」
:君に目を向け
:「……逃げて、ギル……」
GM: ぱ き ん
GM:小さな音と共に、舞の全身が一瞬で凍り付く。
GM:君へと向けた表情のまま、物言わぬ氷像と化す。
ギル:「舞ッ!」
イライザ:「ははっ……」
イライザ:「あはははは!あはははははははは……!!」
ギル:「舞ぃいいいいいいっ!」
イライザ:ギルトレットの絶叫を耳に、愉悦の表情を浮かべる。
ギル:絶叫とともに目元から黒い影が漏れ出し、氷を伝っていく
ギル:「……殺す」
ギル:「殺してやるっ!お前は……お前だけは……」
ギル:「絶対に、何があろうと、忘れない」
ギル:「絶対に!殺してやるっ!!」
イライザ:くすりと笑んで「へえ?」
イライザ:「いいわ。やってみなさいよ」
イライザ:「今ここで。抵抗されなきゃつまらないでしょ」
イライザ:「折角、絶望の中でお前を殺せるのに」
GM:極低温で四肢は凍結している。だが周囲の被害も自らの侵蝕も気にしなければ、“鉄王”の展開は可能なはずだ。
ギル:「オオ……オオオ……」
ギル:「オオオオオオオオオオオオオオオオオ……ッ!」
ギル:ベキ、バキ、と音を立て、凍った四肢を砕きながら鉄王を展開しようとする。
ギル:今いる場所もアイギスも、描いていた未来も、全て頭から全て吹き飛んでいた。胸の内に渦巻く憎悪に身を任せ、イライザにすべての力をぶつけようとし……
ギル:「……」
ギル:舞の最後の言葉が脳裏をよぎる
イライザ:「……弱い」
GM:展開された“鉄王”が、一瞬で凍り付き砕け散る。
GM:異常な出力。アメリカで交戦した時のイライザとは、明らかに一線を画する。
ギル:「……!ぐあっ……っ!ああ……っ!」
イライザ:「死ね、“鉄王”……!」
イライザ:「お前にも分かったか、大事な人を奪われる痛みが……!」
イライザ:「そうだ……自分の無力さを悔いながら、絶望の中で死んで行けッ!!私の……お前が殺してきた人達の苦しみを思い知れッ!!」
ギル:……それでも何もかも捨ててしまえば、あるいは抗うことも出来たのかもしれないが
ギル:きっとそうしたら帰れないと思ってしまった。今ここで殺されても同じだと言うのに
ギル:自分から捨ててしまうことは、もう出来なかった。
ギル:(すまない舞、僕は……)
ギル:諦めたように頭を垂れる。
イライザ:「お父さん、お母さん……ケビン……」
イライザ:「やっと……やっと仇が討てるよ……!」
イライザ:冷気で作り上げた氷の剣をギルトレットに振り下ろし──
クレア:バ キ ン ッ ! !
クレア:その切っ先が砕けるのと、凍りついた客室の窓ガラスが一斉に割れ散ったのは、ほぼ同時だった。
イライザ:「……!」
クレア:吹きすさぶ突風が部屋の中に入り込む。凍りついた床の上を、焼け付いたライフルの弾丸が跳ねる。
イライザ:「狙撃か……!」
クレア:続いて飛来する弾丸。剣の次は彼女の腕を、次いで足元を。
イライザ:「ぐ、邪魔を……」
イライザ:手を翳す。一瞬で窓際全面に分厚い氷の壁が形成され、視界と狙撃を封じる。
イライザ:「するなぁッ!!」
クレア:制圧ではなく、遅滞のため、ギルトレットから彼女を引き離すための狙撃。それも、第四射からは氷の壁に阻まれる。
クレア:そして五射目は訪れない。既に役目は終えたとでも言うように、氷の世界に静寂が戻る。
ギル:「これは……?」項垂れたまま、僅かに視線だけを動かして。
ルカ:───部屋に吹いた突風が、砂塵を纏った。
ルカ:ホテルに置かれた調度品が一斉に崩れ、室内をかき乱す砂嵐が巻き起こる。
ルカ:爆風の中、ギルの束縛された足元も同じく砂となって崩落。───さらに。
ルカ:ド ガ ッ ! !
ルカ:ドアを殴り壊す号砲のような轟音。イライザの視界を奪いながら、異形の右腕を備えた青年が姿を現す。
ルカ:「───ギル!」
イライザ:舌打ち「また……!」
ギル:「ルカ……?」拘束が解かれ、片膝を付く。「僕のことはいい、まだ舞が……」
ルカ:「…、」氷漬けにされた彼女を一瞥。「じゃあ三秒でも時間稼いでくれッ」
イライザ:「この……ッ……!」
ギル:「……オアアッ!」力を振り絞り、懐から取り出した銃にレネゲイドを浸透させ、イライザに向かって乱射する。
ルカ:部屋を破壊し続ける砂嵐や砲撃のなか、舞であったその氷像を抱え込む。
イライザ:追撃しようとするが、クレアの狙撃による傷が治り切っていない。僅かに体勢を崩す。
ルカ:走り去る直前、異形の右腕をイライザに翳す。砂嵐を彼女の真上───天井にぶつけ、部屋を崩落させていく。
ギル:牽制を続けながら、崩落する部屋に背を向け、ルカと共にホテルから逃げ出す。
イライザ:「……ギルトレット……レッドフォードーーーッ!!」
イライザ:崩れ行く瓦礫の中から、怒りに満ちた絶叫が聞こえる。
イライザ:「覚えておけ!!私はどこまでも追いかけてお前を殺す……!!」
イライザ:「必ず復讐を果たす!お前がこれから先、何を得ようと……」
イライザ:「私が全て、何もかも奪ってやる……!!」
ルカ:「こっちだ。クレアが車を出してる」
ギル:「すまない、ルカ……」
ギル:「それから、舞を……ありがとう」
ギル:「すまない……。ああ、舞……」
GM:黒髪には白霜が降り、凍り付いた表情、見開かれたままの瞳が、君を見上げている。
ルカ:「……」振り返る。「……持てる?」
ルカ:「いや…持って。根性でもなんとかして」
ギル:震えながら頷き、彼女を抱きかかえる。
ルカ:「………。デュバリーから連絡が合った。こないだの生き残りが動き出してるって、あっちも同じようなことが起きて…」
ルカ:「それで……」言葉を切る。「……クレアと合流したら、こういう仕事っぽい話をしなきゃなんなくなるけど」
ルカ:「……その前に、仕事っぽくないことは言っておいたら」
ギル:「いや……大丈夫……大丈夫だ」うわ言のようにつぶやいてから「大丈夫だ」目を閉じ、再び開いて
ギル:「……今度は逃げない」
ルカ:「……」
ルカ:「そう。じゃあ…」
ギル:「約束は必ず守るよ」
ルカ:「今度こそ、妹を殺された兄としてあんたと話ができそう」
ルカ:「こっち」 道ではない、茂みの向こうへと大股で入っていく。
ギル:ふっ、とさみしげな笑みを浮かべ「ああ。そうだね」「行こう」
ギル:「忘れない……絶対に」



【ED/アイギス・2】

戦艦ルイジアナ 会議室
GM:ギルトレット達が戦艦ルイジアナに帰投し、翌日に予定されていたアイギスメンバーの会議は、急遽予定を早めた緊急会議となった。
GM:室内には君達をはじめ、アイギスの主要メンバーが揃っているが、そこに舞とティルダの姿だけは無い。
ミルシュカ:「……皆さんお揃いですね」
ギル:目を瞑り、一度大きく呼吸をしてから
ギル:「……ああ。まずは状況を確認しよう」
デュバリー:部屋の隅で、椅子の上で膝を抱えて壁にもたれている。
デュバリー:呼吸は薄く、目も開いているがまばたきもほとんどしていない。知覚の大半を周囲の植物に広げ、心を落ち着かせるために自我を希薄にしている。
ミルシュカ:「現在、舞さんは医務室でティルダさんに診てもらっています」
ミルシュカ:「オーヴァードには《リザレクト》があるとはいえ、負傷は大きく、今夜が峠だと」
ミルシュカ:「……それから、仮に命が助かったとしても、意識が戻るかは分からない、と……」
ギル:「こちらは同盟各国との会談後、ホテル内で襲撃を受けた。襲撃者はアメリカで君たちも遭遇したイライザだ」
ギル:「聞いての通り、舞がやられた。僕が付いていながらすまない。ルカとクレアの救援が無ければ、僕も間違いなくやられていただろう」
クレア:「自分もスコープ越しに確認した。ギルの言った通りで間違いないだろう」淡々と述べる。
ギル:「イライザの出力は、アメリカの時とは比べ物にならなかった。まるで別人だ」
アッシュ:「あのお嬢さんが単騎でギルを圧倒できるとは思えないしな。あの後なんかあったとみるべきだろ」
ギル:「普通の成長の仕方じゃない。それこそ始祖……エミリアがルカを強化したときのような。何かしらの絡繰があるはずだ」
ハミース:「……問題はそこじゃねえだろ」ほとんど吸ってない葉巻を潰す。
ハミース:「……そいつがいくら強かろうが、次に当たるときまでの問題だろうが」
ハミース:「俺らの問題は……もっとそばだ」
ギル:「ハミースの言いたいことは分かる。指導者としても、能力的にも舞を欠いたのは大きい。だがだからこそ、現状を正しく認識しなければ方針を決めることはできない」
ミルシュカ:「……それから……」部屋の隅にちらと視線を向け「……同様に、デュバリーさん達も襲撃を受けました」
ギル:デュバリーの傍まで歩き、跪いて目線を合わせる「僕たちより先に襲撃を受けたということだったね。何が起きたか……教えてもらえるかい、デュバリー」
デュバリー:「……あの女だった」 声はいつもに増して平坦で、乾ききったような印象だった
デュバリー:「この半年、フランスを空けている間に私室をもう探り当てられていた。まったく手がついていなかったし、帰ってから数日何もなかったから、油断した」
デュバリー:「……そう。油断……油断……」
デュバリー:重く目を閉じ、かすかに首を振る。だがすぐに唇を開く。
ギル:「自分を責めるのはよそう、デュバリー。今はできることをしよう」
クレア:「油断していたのは自分達も同じだ。デュバリーからの連絡がなければ、自分とルカもホテルに駆けつけることはできなかった」
デュバリー:「……」 漏れるような息を吐いて 「私自身に負傷はない。ただ、ハリエットをさらわれた。ずいぶん前だけど、"惨劇"周りの情報関連で、あなたたちも一度会ってる」
アッシュ:「ああ、あの黒髪の?」
デュバリー:「そう。オーヴァードで、物質から情報を読み取る能力がある。それが目当てなのか、もっと別の意味があるかは……」
ミルシュカ:頷く「私も、この半年で何度かやり取りしました。希少で貴重な能力です」
ギル:「舞もハリエットも、オーヴァードの中で更に希少な能力を持ってる。敵は僕たちの弱点を正確に知っているということか」
ギル:「ゲートの能力を使うにも下準備が必要だ。あるいは半年前、僕たちを取り逃がしてからずっと計画を練っていたのか……?」
ミルシュカ:「……舞さんからは、こうした緊急時の対応について指示がなされています」
ギル:「ああ、すまない。聞かせてくれ、ミルシュカ」
ミルシュカ:「……基本的にはアイギス主要メンバーでの協議のうえ、最終的には私、ハミースさん、デュバリーさんの三者で意思決定とする、と……」
GM:恐らくは、まだギルトレットの精神状態が不安定だった時期に取り決めたものだろう。
ミルシュカ:「その上で、改めて今後の対応と対策について協議しましょう」
ハミース:「……本当に緊急時ってやつだな。まあそうそう手があるわけでもねえが……」
ギル:「僕が言うのも何だが、今のデュバリーに負担を強いるのは……」と不安げな視線をデュバリーに向ける
デュバリー:「……ふふ」 笑みが漏れる
デュバリー:「舞も、まさか同時に私がこうなることは想定していなかったか」
エミリア:落ち着かない様子で椅子に座り、面々を見ている。
ルカ:「…今後の対応と対策、何か案があるの」 今まで頬杖をついて黙っていたが、やおら口を開いてミルシュカに聞きます。
ミルシュカ:「まず、お伝えしておきたいことがあります。これは本来、明日の会議でお話しする予定でしたが……」
クレア:「……その前に、少しだけ良いだろうか」
ミルシュカ:「はい、何でしょうか」
クレア:「決定権の話だが、デュバリーが難しいなら、ギルが代行しても問題ないと自分は思う。昔のギルとは違うからな。ただ、その上で……」
クレア:「本当にここにいて良いのか?ギル」
ミルシュカ:「……そう、ですね。今は舞さんに付いていて差し上げても……」
ギル:「……クレア。君は優しい人間だが、時にその優しさが人を深く傷つけることもあると知っておいたほうがいい」
ギル:「僕が考えなかったと思うかい?……その上でここに居るんだ」
ギル:「あとは……いいね」
ギル:「ミルシュカも」
ギル:有無を言わせぬ口調で告げて
クレア:「……」
クレア:「……わかった。今のは忘れてくれ」
ミルシュカ:「……失礼しました」気遣わしげに目を伏せ「……そういうことなら、続けさせて頂きます」
ギル:「ありがとう、二人共」優しげに微笑んで「ああ。話を戻そう」
ミルシュカ:「今から約十時間前、イタリアで保管・研究されていた第一始祖の遺骸が、何者かによって強奪されました」
ミルシュカ:「保管施設は全壊、生存者もおらず、詳しい状況は不明」
ミルシュカ:「またほぼ同時に、イギリスに輸送中だった第二始祖の残骸も……」
ミルシュカ:「輸送船が海上で行方不明となっています。恐らくは既に……」
ハミース:「……同一勢力ってとこだろうが……」
ハミース:「何だ……誰が……?」
デュバリー:「……一応確認しておくけど、日本とドイツは?」
ミルシュカ:「少なくとも、諜報部からの報告はありません」
ギル:「各国のオーヴァードの同行は監視しているはずだ。可能なのは、その監視網をすり抜けて動ける者」
ルカ:「…さっき、ギルが言ってたとおり」
ルカ:「イライザが盗んで強力な力を得たとか…考えられんの?」
デュバリー:「そう。ならやっぱり、アメリカ……というよりは、アメリカの"船員たち"の、より中枢に近い人たちか」
アッシュ:「それもあり得ると思うけど、それ以上に気になってるヤツが居るんだよな」
ルカ:「……」デュバリーとアッシュの顔を順々に見る。「……例のニュース?」
クレア:「アップル・ディスコルディア社の壊滅と、CEOの失踪の件か」
ミルシュカ:「……確かに、始祖……エミリアを研究していたディスコルディア社がこの件に無関係とは思えないけど……」
デュバリー:「アップル・ディスコルディアの中で何らかの動乱が起きた?」
ギル:「ミルシュカ。アップル社の件で何か関連していそうな情報は?」
ミルシュカ:「……アップル社の本社ビル襲撃に関しては、あまり情報が出回っていないんです」
ミルシュカ:「丁度先程のイタリアの研究施設襲撃と同じく、生存者もおらず……ただ」
ミルシュカ:「その徹底的な手口自体を、共通点と考えることもできますが……」
ギル:「それから半年前。フランスに現れアッシュを襲った"デリュージ”。彼の動向も掴めていなかったはずだ」
GM:その時、君達に激しい頭痛が走る。
GM:ラジオの電波を無理やりチューニングするかのような、思考を引っ掻き回されるかのような感覚。
GM:視界にノイズが走り、強力な《ワーディング》を受けた時のような、悪寒と衝動が喚起される感覚。
ギル:「ぐっ……!?な、なんだ……?」
クレア:「……っ」
デュバリー:頭痛は受けているが、反応は薄い。元より花は、わざわざ自己表現をするものではない。
エミリア:「うぁっ……」頭を抱え悲鳴を上げる。
ミルシュカ:「何にせよ、今はやはり情報が……」
ギル:頭を抑えながら視線をミルシュカに向ける「ミルシュカ、他の船員は……」
ミルシュカ:「……? ど、どうしましたか?皆さん……」
ミルシュカ:君達を見てきょとんとしている。
ハミース:「あんたは受けてねえってこたあ……!」
ハミース:「バケモン専用かよ、こいつは」
アッシュ:「ワーディングに似てるけど、ちっと違うな」
アッシュ:「規模が単純にヤバいのか、オレ達をピンポイントで狙ってんのか。さて」
ルカ:痛みに苦々しい顔をしている。「……誘ってんのか」
ギル:「くそっ……!」頭痛以上に舞が気がかりだ。思わず悪態が口から出る。
クレア:「……どちらにせよまずは索敵だ。先手を取られてばかりもいかないだろう」銃を持って立ち上がろうとする。
GM:やがて、ノイズと頭痛が収まると、代わりに君達の視界に映像が浮かんでくる。脳に直接流し込まれているかのようで、瞼を閉じても消えることはない。
GM:青い空と海を背景に、一人の男が映っている。
クレア:「……なに?」
GM:それは君達の知っている顔だ。
ギル:「待て、クレア……何か……見えてきたぞ」
“デリュージュ”:「……」
アッシュ:「……ハハ」
アッシュ:「向こうから接触してくれるなんて手間が省けたな」
GM:“デリュージュ”、フランチェスコ・ヴァレンタイン。君達が倒し、一度は死んだはずの男。
デュバリー:「……私にも見えている。オーヴァードに対する、五感情報の送信……のようなものを、今受けている」
ミルシュカ:「えっ……!?わ、私には何も……」
デュバリー:一応、ミルシュカのために言葉にしておく 「今見えているのは、"デリュージュ"」
ミルシュカ:「……!」
ギル:手で物を書くジェスチャー。ミルシュカに書き留めてもらえるよう伝えるよ
“デリュージュ”:「……聞こえているな」
“デリュージュ”:低い、酷薄な声。
“デリュージュ”:「この映像は、現在世界中、あらゆるオーヴァードに送信している」
ハミース:「メチャクチャなことを言いやがる……」
デュバリー:ちらり、と眼が動く。それが事実であれば、ハリエットにも、なのか。
ギル:「聞こえているな……」と、聞こえてくるデリュージュの声を復唱しミルシュカ他、非オーヴァードの船員たちにも伝えるよ
“デリュージュ”:「私は“デリュージュ”。フランチェスコ・ヴァレンタイン」
ルカ:「………」顔をしかめる。半年前、アッシュを倒した人物であると同時、その顔は、かつて己の家族を殺した人物のそれである。
クレア:「……」"再誕者"は複数の死者の寄せ集めのはずだ。デリージュを名乗るこの男の、実際何割がそうなのか……
“デリュージュ”:「まず表明しておこう。私に君達への敵意は無い」
“デリュージュ”:「今こうして話しているのは、同胞を救いたいというその一心によるものだ」
“デリュージュ”:「君達には私の言葉を聞き、その上でどうすべきか自ら考え、選んでほしい」
ギル:彼の言葉を復唱しながら、その尋常ではない物言いに眉を顰める
エミリア:「……ルカ……?」不安げに見上げる
ルカ:エミリアに見上げられたことに気付き、不機嫌そうに視線を逸らす。
アッシュ:「同胞ねえ」 ギッと椅子を鳴らしながら背もたれに寄り掛かり、次の言葉を待つ。
“デリュージュ”:「……我々オーヴァードは、搾取され続けてきた」
“デリュージュ”:「非オーヴァードよりも遥かに優れた力を持ちながら、その力ゆえに」
“デリュージュ”:「英雄として持て囃される者も、兵器として使い潰される者も、怪物として虐げられる者も……」
“デリュージュ”:「皆、同じだ。ただ数が多いというだけで、非オーヴァードたち……ひいては社会、世界への奉仕を強要され続けてきた」
“デリュージュ”:「そこに自らの意思と自由はあるか?」
“デリュージュ”:「否だ」
デュバリー:『貴様らを退け、俺は故国に凱旋する』 ……時間間隔が曖昧になっている意識の中で、連想ゲームのように"デリュージュ"と交戦した時の彼の姿、言葉をぼんやりと思い出している。
デュバリー:あれは本意ではなかったのだろうか? ……いいや、あの時はあれが本意であったはずだ。彼をこうも歪めたのは……
デュバリー:(……"再誕"を望んだ人々か)
“デリュージュ”:「強大な力を持ちながらも、オーヴァードが人である以上、社会の中でしか生きていけない……」
“デリュージュ”:「奴らはそれを知っているからこそ、オーヴァードを不当に搾取し続けているのだ」
“デリュージュ”:「その精神に、その命に、自由はどこにもない。力を持たず、戦いもしない彼らの為、死ぬまで戦わされるだけの道具に過ぎない」
“デリュージュ”:「……私が、それを終わらせる」
GM:映像が動き、瞬時に遥か遠方を映し出す。
ギル:「映像が動いた」
GM:どこか遠い海の上に、陸地が見える。巨大な島のようなそれは、自然の土や砂浜、木々が並んでいるが、どこか人の手による作意が感じられる。
ルカ:「なに…。島…?」
ギル:「島……人工の物か?」
GM:オーヴァードとして経歴が長い者ならば、それがモルフェウス能力により造られたものだと推理できるかもしれない。仮にそうだとすれば、想像を絶する出力だ。
クレア:「(この映像、どういう理屈だ……?デリージュが見ている景色をそのまま映しているわけではない……撮影し、配信している能力者は別にいる……?)」
アッシュ:「誰かが一人で作ってるとしたら相当だな」
デュバリー:「……嘘くさい……」 ぽつりと漏らす
“デリュージュ”:「太平洋上に、どこの国の物でもない、新たな土地を用意した」
“デリュージュ”:「私はこの土地を領土とし、オーヴァードによる、オーヴァードの為だけの、新たな独立国の建国を宣言する」
ギル:「オーヴァードだけの国……」
クレア:オーヴァードのための独立国家……夢見た者はきっと何人もいるだろう。実現できるなら、決して悪い話ではないかもしれない。
クレア:それでこの話が終われば。だが
“デリュージュ”:「……そして、同時に……」
“デリュージュ”:映像が再び“デリュージュ”を映し出す。
“デリュージュ”:水球を足場に空中に浮かぶ彼の背後。青い海に、波が立つ。
“デリュージュ”:それは途方もなく巨大な波──高さ数百メートル、幅数十キロにも及ばんという、津波だ。
GM:映像は“デリュージュ”自身を移したものから、彼の視線の先、津波の向かう先へと。
GM:豆粒のように見える大勢の人の群れ。立ち並ぶ高層ビル群の中、一際目立つビルはあまりにも有名だ。
GM:エンパイア・ステート・ビル──映し出されているのは、ニューヨークの街だ。
ルカ:「おい……」
ルカ:「おいおい、おい。待てよ。やめろよ……」 気付けば苦悶の声が漏れる。
ルカ:「ビルの下に、なんでもない路地裏に、いるんだよ。人が……何も関係ないやつが……」
ギル:「エンパイア・ステート・ビルが……」
ギル:「ミルシュカ!いや、誰でもいい。現地と連絡が取れる者は!?」
デュバリー:「……連絡を取れて……どうなるの?」
アッシュ:「どうも出来ないだろうな」
アッシュ:「オレ達が今出来るのは、コイツの話の続きを聞くことくらいだろ」
デュバリー:茫洋とした声 「あそこに方舟はない。ただ塔に、怒りが下るだけなんでしょ」
ギル:「状況を確認しないと……これが現実なのか、幻覚を見せられているのか」
ルカ:「くそ……、どうにか…それでもどうにか…ならないのか」
GM:ビル群に迫る巨大な津波。黙示録を思わせるその光景に、一人向かっていく影がある。
クレア:「……待て、誰かいる」
“ミスティック”:津波へと向けて飛ぶ、小さな影。
ギル:「……!……あれは……?」
ルカ:「な………」
“ミスティック”:兵士然としたボディアーマーの上から、ミスマッチな魔術師めいたローブを着込んだ一人の男。
“ミスティック”:“ミスティック”。米軍所属の、この世界では有名なオーヴァードだ。
“ミスティック”:故国とその国民に蔑まれながらも、軍属として強大な能力で他国の侵攻を幾度も退けてきた、古参オーヴァード。
“ミスティック”:「何だ、こいつは……クソッ……!」
“ミスティック”:「“デリュージュ”!お前がやってるのか!?やめろ!やめてくれ!!」
“デリュージュ”:「この国はオーヴァードを虐げ続けてきた」
“デリュージュ”:「これは罰だ。それを世界に示す必要がある」
“ミスティック”:「それでも、俺の国なんだよ!!」
“ミスティック”:迫る津波に向け、巨大な魔法陣が幾重にも展開する。
“ミスティック”:無数の魔法陣が海岸を埋め尽くし、津波と衝突し──
“ミスティック”:強大な力場が、その進行を押し留める。
“ミスティック”:「ぐ、おおっ……うおぉおおおっ……!!」
“デリュージュ”:「……」奮闘する彼を、冷たく見下ろし「残念だ、“ミスティック”」
“デリュージュ”:「貴方のことは尊敬していた」
GM:津波を食い止める“ミスティック”に向け、地上から何本もの赤い鞭のようなものが伸びる。
GM:茨のような凶悪な刺に覆われたそれは、英雄殺しの怪物ヒドラをも思わせる。
“ミスティック”:「ぐ、あぁああっ……!?」
“ミスティック”:咄嗟に防ごうと魔法陣を展開するが、茨に触れた瞬間、まるで食い破られるかのように侵蝕され──
“ミスティック”:殺到する紅のの刺が、その全身をずたずたに引き裂いていく。
“ミスティック”:「ぎゃ、あぁあああっ!!」
“ミスティック”:茨に傷付けられた傷口が、沸騰するように蠢いている──明らかに異常な現象だ。
“ミスティック”:彼の身体のレネゲイドが害され、喰らわれているかのように見える。
GM:そして、地上からその茨を振るうのは──
朱劉帆:「ハハハッ!あぁーッははははははッ!!」
朱劉帆:「こいつはいい!べらぼうに強ぇ!最ィッ高だ!!」
朱劉帆:高らかに哄笑する一人の男──朱劉帆。だがその能力は、明らかに君達が知るそれよりも格段に強化されているように見える。
“ミスティック”:「ぐ……お、前……なぜ……」
朱劉帆:「そォらッ!くたばんなァッ!」
朱劉帆:血で編まれた無数の茨が、“ミスティック”を完全にバラバラに引き裂くと──
GM:津波を押し留める物も無くなる。
GM:解放された膨大な海水が、ニューヨークを呑み込んでいく。
GM:逃げ惑う人の群れがゴミのように水の中に消え、建物が紙細工のように砕かれ、ビル街へと波濤が流れ込んでいく。
GM:世界有数の大都市が、瞬く間に濁流の内へと没する。
ルカ:「………っ」 声も発せず、目を離すこともできず、ただ茫然とその光景を見つめる。
ルカ:生まれ故郷だった。知っている街並みだ。
ルカ:それが呆気なく壊されていく───ローマが破壊される様は、結局他人事だったのだと、こうやって思い知る。
ギル:「街が飲み込まれていく。ああ、なんてことだ……」
ミルシュカ:「……どうしました!?返事を……」ニューヨークへと通話中だったミルシュカが声を荒げる「……どうしたんですか!」
ギル:ミルシュカの狼狽した様子を見て「……エミリアのときとは違う。これは間違いなく現実だ」
“デリュージュ”:「──これは宣戦布告であり、開戦の嚆矢だ」
“デリュージュ”:「虐げられし全ての同胞よ、私の元に集え」
“デリュージュ”:「この力が君達を守る。我々を害する全ての者は、一切の容赦なくこれを撃滅する」
“デリュージュ”:「私は、君達の自由と居場所の為に戦うことを誓う」
“デリュージュ”:「これは、戦争だ」
“デリュージュ”:「国と国でも、オーヴァードとオーヴァードでもない」
“デリュージュ”:「人間とオーヴァードによる、戦争だ」







Double Cross The 3rd edition
リプレイ・リバース Case04
『星条暗夜航路/STRAY BLACK SHEEPS』
END

To be continued







GM:経験点の配布を行います
ギル:やった~
ルカ:わ~い
クレア:ワクワク
GM:いつもの5点、シナリオ点10点
GM:バウンティは

・エミリアの暴走を停止させる……10点
・3ラウンド以内に戦闘終了……10点
・全員バックトラックに成功する……10点


GM:こちらで30点
GM:Dロイスが……

エミリア
「始祖III」5個分

第二始祖エルドリッジ
「始祖II」 5個分
「唯我独尊」

“ヨモツシコメ”
「超越活性:王者の血」
「超越活性:王者の血」

“船員たち”
「砕け散る絆」
「黄昏の支配者」

“ファズ”
「起源種」
「不滅の妄執」

“ファットマン”
「さらなる絶望」
「秘密兵器」

“リトルボーイ”
「破壊者」

イライザ
「復讐者」

“F”
「複製体:ディメンジョンゲート」


マクシミリアン・ブラッドリー
「怯えのまなざし」
「絶対拒絶」


GM:24点
GM:計69点
ギル:しゅごい
GM:こちらに侵蝕分を合わせて算出してください
ギル:侵食5点+Sロイスを持ったまま終えたので10点、79点です~
アッシュ:2倍ぶりしたから72!
クレア:侵蝕点5点で74点!
ルカ:4点帰還なので73点!
デュバリー:4点なので73点~
GM:というわけで進呈!お疲れさまでした!
ギル:ありがとうございました!
ルカ:ありがとうございました!お疲れ様でした!
ギル:めちゃくちゃ楽しかったですマジで
アッシュ:お疲れさまでした!
クレア:ありがとうございました!めちゃ楽しかった!
デュバリー:ありがとうございました! お疲れ様でした~