タイトル



メインログ/雑談ログ

Trailer



1943年、ロシア。
東部戦線における攻略戦の最中、突如発生した大量のジャーム化を伴うレネゲイド大拡散、“プロホロフカの惨劇”により、歴史の全ては塗り替えられた。

銃弾と火薬による戦争は過去のものとなり、より強力なオーヴァードを擁立した国家が隆盛し、オーヴァード同士の戦闘が直接国際情勢に影響を与える新時代が幕を開けたのだ。

オーヴァードの存在により膠着状態となった戦況、そしてレネゲイドという未知にしてあまりにも莫大な可能性を秘めた鉱脈の発見は、各国を停戦に至らせるには十分だった。
だが列強各国が余力を残しての停戦は、世界に燻り続ける巨大な火種を残す結果となった。

レネゲイドに関する、国家の総力を挙げての開発競争。
権謀術数飛び交い、魑魅魍魎が蠢く情報戦。
そして世界各地で勃発する、苛烈な代理戦争の数々。

それは東西の枠に留まらぬ、混沌を極める冷戦の始まりだった。


大拡散から20年、1963年。
世界初のトライブリードの発見から1年。
オーヴァード戦力を背景に発足した傭兵組織“アイギス”は、各地の紛争において多大な戦果を挙げ、国際社会において存在を示しつつあった。

そんな“アイギス”に、新たに加入した一人のオーヴァード。
初めての身を投じた最前線、熾烈を極める戦場で、彼は一人の少女と出会う。
その邂逅が齎す波紋は、やがて全てを呑み込んで、世界を覆う巨大な渦へとなっていく。

Double Cross The 3rd edition
リプレイ・リバース Case01
『邂逅/ENCOUNTER』
ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。




Character


Espoir/アッシュ・ノイ・ジラード (キャラシート)

Sol/ルカ(斑鳩・フォード) (キャラシート)

model-620/クレア・アップルシード (キャラシート)

鉄王Roi de fer/ギルトレット・レッドフォード (キャラシート)

Mélusine / L'Immortelle/デュバリー (キャラシート)

GM:すきゃっと

サブGM:DT


Index


Opening
【OP/デュバリー】
【OP/アッシュ・ノイ・ジラード】
【OP/クレア・アップルシード/ギルトレット・レッドフォード】
【OP/ルカ】

Middle phase
【Middle1/「勝利を目指して進む船」】
【Middle2/「後で誕生日を教えてくれ」】
【Middle3/「あなたはいい人ですね」】
【Middle4/「不快であります。その様で戦い、生き、殺そうなどと」】

Climax
【Climax/ENCOUNTER】

Ending
【ED/デュバリー(A)】
【ED/アイギス】
【ED/アッシュ・ノイ・ジラード】
【ED/デュバリー(B)】



Preplay


GM:それではダブルクロスキャンペーン リプレイ・リバース 始めていきたいと思います
GM:まずは自己紹介から。最初はPC1のアッシュさんお願いします!
アッシュ:oui.任された。
GM:あっフランスの人だ
アッシュ:Arche・Noé・Girard.フランス生まれフランス育ち。そんでフランス唯一のオーヴァード戦力だ。
アッシュ:年は15だけどもうそれなりに長いこと戦場に出てる。そのために育てられたようなもんだしな。
GM:苦労してますね
アッシュ:いや?案外楽しいもんだぜ。
アッシュ:国のバックの元悠々自適に暮らしてるしな。その分家族の顔は知らないけど。
GM:生まれつきのオーヴァード兵士というわけ
アッシュ:そういうこと。
アッシュ:能力はウロボロスとブラックドッグ。つまり影と雷。
アッシュ:身体強化したり直接攻撃に転用しつつ剣術で戦う。スタンダードな白兵だ。
アッシュ:今んとこ負けなしなんで最強って噂されたりもしてんだって。
GM:期待の新人ですね
アッシュ:まあ負けるのはクソがつくほど嫌いだからな。今後もそうあるつもりだよ。
アッシュ:こんなとこで良いかな。アイギスの連中とは提携することになったんで、今後ともよろしく。
GM:よろしくお願いします。そんなアッシュさんのハンドアウトはこちら!

PC1
アッシュ・ノイ・ジラード シナリオロイス:ミルシュカ・ヴェルレーヌ

君は故国を守護するオーヴァードだ。
君と君の国が提携する傭兵組織“アイギス”に、新たなメンバーが加入した。
ミルシュカ・ヴェルレーヌ。良家の令嬢である彼女は、非オーヴァードでありながらアイギスのオペレーターに就任したらしく、君に馴れ馴れしく話し掛けてくる。
そんな中、君に新たな任務が下る。次なる戦場は、紛争の続く地スロベニア。
待ち受ける敵は、君と同格と目されるオーヴァード――“ローマの守護聖人” “デリュージュ”フランチェスコ・ヴァレンタイン。


GM:なんか生意気な新人が加入したらしいですよ
アッシュ:へえ?非オーヴァードは珍しいな。
GM:“デリュージュ”フランチェスコ・ヴァレンタインは、イタリアの戦力を一手に担うオーヴァードです。
GM:10歳ほど年上ですがアッシュくんと似たようなポジションですね
アッシュ:ふんふん。よく居るタイプな。
GM:というわけで新人をあしらったりライバルをボコボコにしたりしてください
アッシュ:任された。得意分野だぜ、そういうの。
GM:では続いて……今回はダブルPC1!ルカくん自己紹介お願いします!
ルカ:オッス!
ルカ:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY9aPZwQMM
ルカ:斑鳩(いかるが)・フォードです。18歳の男。
ルカ:アジア系の血が入ったアメリカ人。
ルカ:発音しづらい名前のため、周囲からはルカと呼ばれています。
ルカ:元はストリートで暮らしていましたが、オーヴァードに覚醒した妹を追って自分も軍に入隊。
ルカ:一般人として妹の傍にいながら、軍におけるオーヴァードの悲惨な処遇を目の当たりにしており、
ルカ:レネゲイドや軍隊といったものにだいぶネガティブな印象を抱いています。
GM:大変な人生だ
ルカ:そんな状況下のため、物語開始時点だと、妹以外の人間には不愛想に接していそうな気がします。
ルカ:覚醒すると、白兵で殴る単体攻撃マンになります。切り札として《異世界の因子》と《砂塵の城壁》を所持しているので、
ルカ:便利なエフェクトをコピーしたり、1回だけ誰かのダメージを防ぐことが可能です。
ルカ:相談しつつ使っていきたいところ。
GM:楽しそうな性能~
ルカ:そんなところです。よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします!ルカくんのハンドアウトはこちら!

PC1
斑鳩・フォード
シナリオロイス:少女

君はアメリカ軍に所属する兵士だ。
君の妹であるメイ――明星・フォードがオーヴァードに覚醒し、軍に徴兵されて以来、君は彼女を追うように軍に入り、戦地を渡ってきた。
だが最重要戦力でありながら、軍でのオーヴァードの、メイの待遇は極めて劣悪なものだった。
周囲の兵士に疎まれ、蔑まれ、殆ど物のように扱われ、僅かな賃金で休みなく戦い続ける日々。
かつて明るかった妹は見る影もなく憔悴し、それでも君の前では泣き言ひとつ溢さなかった。
だが、その日。故郷から遠く離れた戦場で、彼女は君を庇って死んだ。
君はその日全てを失い――そして、新たな力を手にした。


GM:妹が死んじゃいました
ルカ:最愛の妹がーーー!!!
ルカ:ウウッ つらい
GM:その後に……軍がクソってことはいっぱい見てきているので
GM:まあアイギスの方に入るのかな?どうなのかな?
GM:という感じです
ルカ:なるほどね 米軍に居た頃からアイギスの名前は知ってる…みたいな感じでロールできたらするかもです
GM:よろしくお願いします!ヒロインとかもいます
ルカ:わーーい!楽しみ!
ルカ:よろしくお願いします!
GM:ではお次はPC2のクレアさん!自己紹介お願いします。
クレア:はーい!
クレア:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY0vqDqQMM
クレア:クレア・アップルシード。アメリカの巨大軍事企業が作った人造オーヴァードです。
クレア:元は兵士として運用するために、戦場で手に入れた細胞から培養された敵国オーヴァードの複製体ですが
クレア:寿命問題やらスペック不足やらコスト高騰やらで全然使えないじゃん!ってなってお蔵入りに
GM:残念だな~
クレア:なったんですが、弾の的として使うなら教育も訓練もいらないし寿命短いのも処理いらずでお得じゃない?
クレア:って思ったヘイト企業に技術ごと買われて、対オーヴァード兵器用のモルモットとして酷使されちゃいました
GM:かわいそう
クレア:一緒に造られた兄弟もみんな死んじゃったんですが、なぜか一人だけ生き残り
クレア:なぜかアイギスに拾われて第二の人生をエンジョイしてます。
GM:よかったね(?)
クレア:兵士としてのポジションは狙撃兵で、基本的には後方支援ですが
クレア:ごく僅かな間だけ、複製元である現行最強のオーヴァード"リッケンバッカー"の力を開放してそこそこ強力な破壊行為を行えます。
GM:ヒェ~
クレア:データ的には最強の一振りで強化された《剣の王城》の武器を《魔弾の射手》で打ち出します。
GM:かっこいいことしやがって……
クレア:ちょっと抜けたところもある天然系スナイパーとしてかわいかっこよく活躍していきたいです。よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします!今回だけはハンドアウトが共通なので……
GM:PC3のギルトレットさん!自己紹介お願いします!
ギル:りかい!
ギル:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY9eOCyQMM
ギル:PC3のギルトレット・レッドフォード。愛称はギルくん。
ギル:アイギスに所属しているオーヴァードの一人。32歳男性です。
GM:ギルく~~ん
ギル:兵士とは思えないような穏やかな性格で、故郷に残してきた妹のことを常に心配していて、彼女からの手紙をよく周りに見せたりしてます
GM:いい人じゃん!
ギル:他の人の家族の話にも興味津々だよ。ルカくんの妹とかクレアくんの家族の話とかも聞いていきたいですね。
ギル:兵士としてはかなりの古株で、噂ではアイギスの創設にも関わっているとかどうとか言われていますが、実際のところはよくわかりません。
GM:え~っ 聞いてみなきゃ
ギル:本人が完全に正気を失っているからです。よく話に出す妹は過去に自分が殺した異国の少女のことですし
ギル:持ち歩いている写真は自分で描いた似顔絵、頻繁に届くという手紙も寝ている間に自分で作成した怪文書
ギル:話す故郷の場所や文化は毎回変わり、何を食べても母の味だと感動してます。
GM:ヤバ………………
ギル:そんなこんななので過去の話を聞いても当てにならないのだ。しかし戦闘力は高いので未だに現役兵をやっているぞ。
ギル:エピソード記憶は狂ってるのに現場の判断はちゃんとしてる。ノイマンだから
GM:怖いよ~~~~!!
ギル:家族の話さえしなければ優しいおじさんなので安心してね。皆とは仲良くしつつ可愛そうな人みたいな目で見られたいぜ!よろしくね!
GM:こんなよろしくねある?
GM:ではそんな二人のハンドアウトはこちら!

PC2
クレア・アップルシード
シナリオロイス:『荒御魂』

PC3
ギルトレット・レッドフォード
シナリオロイス:“破軍”朝霧珂雪

君はアイギスに身を寄せる傭兵だ。
世界では争いの火が絶えず、アイギスの仕事も終わらない。
今回も君達に立て続けに大口の任務が舞い込んだ。
一つはスロベニア紛争への介入。敵と目されるオーヴァードは“デリュージュ”フランチェスコ・ヴァレンタイン。
広くその名を知られる強力なオーヴァードだが、友軍はアメリカ軍の明星・フォードのみ。過酷な戦いが予想された。
そして、それから二週間もしない内に、新たな依頼。
依頼内容は、泥沼と化しつつある第三次大東亜戦争への介入。中国側の戦力として、新兵器を開発中と目される工廠を破壊するのが任務だ。
敵となるのは大日本帝国陸軍神人部隊第三師団。
“破軍”朝霧珂雪が率いるオーヴァード部隊だ。


GM:なんかヤベー敵が立て続けに出てくるらしいので二人で仲を深めたりしてください
ギル:朝霧さんの親族だ
クレア:やべー剣士なのかな
ギル:どんな女の子なんだろう。楽しみだなー
クレア:わくわく!
GM:この朝霧って敵とギルさんは戦場で面識あるかもしれませんね
GM:まあ覚えてないかもしれないけど……
ギル:まさか……本物の妹……?
GM:ということで二人で悪い奴らをボコボコにしてね
GM:ではラスト!デュバリーさん自己紹介をどうぞ!
デュバリー:はい。
デュバリー:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY3qnhtwMM
デュバリー:デュバリーです。そう名乗っているしそう呼ばせています。
デュバリー:外見は年若い少女ながら、実年齢は……あまり真面目に数えていないけど……ギルくんとおんなじくらい? 存在している、不老オーヴァードです。
デュバリー:その実、人間の枠すら外れたレネゲイドビーイングです。本人はよく分かっていないけれど、普通の人間より強くて規格外ということが分かれば、まあ、それで十分でしょう。
GM:人外ロリババア……ってコト!?
デュバリー:ババアじゃないよ。良くておばさん。
デュバリー:娼婦・売春婦たちの互助組織『メリュジーヌの娘たち』の長であり、自らもそれなりの期間娼婦を生業としてきました。さすがに今は、そっちの現役は退いてるけれど……
GM:そうなんだ
デュバリー:リーダーが忙しくて。楽しいんだけどね、そっちの仕事も。
デュバリー:『娘たち』のトップにして唯一のオーヴァード戦力として長らく暗闘していましたが、あんまり目障りなので排除されかけた所、"アイギス"とアッシュに助けられた訳です。
GM:よかったね~
デュバリー:以来、前線に出るのは控えて"アイギス"の後援をしています。掃き溜めみたいな場末から上流階級までスッと差し込める諜報員網、あったら嬉しいでしょ?
GM:嬉しい~~
デュバリー:実際、本人の性能面もバリバリ戦うのはそんなに得意じゃないのです。ちょっと色々な方向にカンが働くくらいで……
デュバリー:性格的にもそこそこ善良な方で、弱いものは守って気遣ってあげなきゃな、というのが意識の根本にあります。『娘たち』みたいなことを始めたスタート地点もそれだしね。
GM:いい人じゃん!
デュバリー:昔は失敗したりもしたけど、人間は失敗しながら前に進むものだから。
デュバリー:ともかく、そういうことなので権利的弱者のオーヴァードを守ろうとする"アイギス"とはそこそこ同調できるんじゃないかしら。
デュバリー:そんな感じです。よろしくね。
GM:よろしくお願いします!というわけでデュバリーさんのハンドアウトはこちら!

PC4
デュバリー
シナリオロイス:ガリオ・ネルソン

君は娼婦の互助組織“メリュジーヌの娘たち”の指導者だ。
君は右腕として働く少女ハリエットから、娼婦でありMI6に情報提供者として関わっていた女、ラナの死を知る。
ラナは諜報員としても一流だった。軽いヘマを踏んで死ぬような女ではない。
君はラナの遺したメッセージから、MI6のエージェント、ガリオ・ネルソンの名と、彼が日本への亡命を企てていたことを知る。
彼が最後に目撃されたのは中国、満州。だがそこは今まさに、激しい戦争の只中にあった。


GM:仲間が殺されちゃったらしいです
デュバリー:かわいそう。
GM:彼女が最後に何を知ったのか?頑張って解き明かしましょう
デュバリー:満州、遠いね……でもまあ、ただことじゃなかったんだろうしな。
デュバリー:頑張って解き明かします。骨を拾うというやつね。
GM:頑張ってくださいね!
デュバリー:あと殺した人にもお返しをしなきゃ……
GM:何だろ~ 伊勢海老とかくれるのかな
デュバリー:こんなだから忙しくなっちゃうの。頑張るのでよろしくお願いします。
GM:よろしくお願いします!



【OP/デュバリー】

GM:デュバリーさんのOPです。このキャンペーンでは登場侵蝕を1D10か1D3+3から選択できます。
GM:登場どうぞ!
デュバリー:1D3+3
DoubleCross : (1D3+3) → 2[2]+3 → 5

デュバリー:42 > 47
1963年 4月
フランス パリ 娼館
GM:頼りない街灯の灯りが、印象派の絵画のようにパリの夜をぼんやりと照らしている。
GM:フランスの4月はまだ冷え込みが強く、夜ともなれば猶更だ。
GM:花の都らしい煌びやかな区画からは少し離れた裏通りに、一軒の娼館が居を構えていた。
GM:酔漢や失業者の行き交う、あまり治安が良いとは言い難い区画だが、この辺りで娼婦に手を上げようという者は、余程の馬鹿か、この界隈を知らない余所者だけだ。
GM:理由は一つ──ここが"死なない女"の店だからだ。
GM:この日、用事を済ませて拠点へと帰ってきた君を、一人の少女が出迎えた。
GM:名はハリエット。幼さゆえにまだ店には出ていないが、歴としたオーヴァードであり、残留思念を読み取るという稀有な能力から諜報分野で活躍してくれている。
ハリエット:「あっ……」
ハリエット:「お帰りなさい、デュバリーさん!」
ハリエット:黒い髪の小柄な少女。使用人のようなモノクロの服に身を包み、実際、普段はこの店で裏方の手伝いをしている。
ハリエット:湯気を立てるマグカップを置いて、君を小走りで出迎える。
デュバリー:フードを脱ぎ、薄手のコートをラックに掛けて、視線をそちらに向ける。
デュバリー:「ただいま」 短く平坦な返事。いつも通りのデュバリーだ
ハリエット:「今日は早かったですね」時刻は23時を過ぎているが、笑顔でそんなことを言う。
デュバリー:「大した要件じゃなかったから。ハリエットは遅いね」 時計を見上げて
デュバリー:「子どもは寝る時間」
デュバリー:「じゃないと大きくなれないよ」 小さな子どもそのものの容貌で口にする
ハリエット:「子どもじゃないですよ!私もう11です」
デュバリー:「11歳は大事な時期。いっぱい食べて寝ないと」
ハリエット:「食べてますよー!」
ハリエット:「日本では12になるともう成人の儀式をするそうですよ」
ハリエット:「ですからもう、私も店に出られます」
デュバリー:「勉強熱心なのもとってもえらい」
ハリエット:「……子供扱いしてません?」
デュバリー:「してない、してない」
デュバリー:「していないから、ハリエットはお店に出るよりもっと大事なことを分かってくれると思ってる」
デュバリー:「焦らないこと。急がないこと。あなたも大事な『娘』なんだから」
デュバリー:「その時が来たらちゃんと、一番綺麗に送り出してあげる」
ハリエット:「むぅ……」不承不承な様子ながら、小さく頷く。
ハリエット:「……」
ハリエット:「……あの、デュバリーさん」
ハリエット:「今……お話いいですか?」
ハリエット:「あ……お店のことじゃなくて」
ハリエット:言い辛そうに、少し表情を曇らせる。
デュバリー:「ん」 頷いたその小さな頭を、ぽんぽん撫でながら
デュバリー:「いつでも聞くよ。何?」
ハリエット:「……。……あの……」
ハリエット:小さく細い喉が一度震えて、それから意を決したように。
ハリエット:「……ラナさんが……亡くなりました」
デュバリー:手を止める
デュバリー:「ラナが」
デュバリー:「……ラナが?」 少し間を置いて、聞き返す。咀嚼に少し時間がかかった
GM:ラナは君と特に近しかった娼婦だ。本業の傍ら、諜報活動においても活躍していた。
GM:特に、英国秘密情報部MI6の民間協力者──二重スパイとして、そちら方面の情報を君達に横流ししていた。
ハリエット:「……はい」
ハリエット:こくりと頷く。
ハリエット:「死体を……確認しました。間違いありません」
デュバリー:「ん」 かすかに頷き、しかし首を傾げる
デュバリー:そんなことをしなくても思考はできるが、疑問があるという手っ取り早い身体表現
デュバリー:「ラナが。どうしてかしら」
デュバリー:「殺されるまで逃げられないような子じゃないはずだけど」
ハリエット:「……死体は、セーヌ川に捨てられてました」
ハリエット:その光景を思い出したのか、表情を顰める。
ハリエット:「背中から、心臓を一突き……即死だったと思います」
デュバリー:静かに歩み、ソファに腰を下ろす。壁と床を隔てた先から、情交の声が漏れ聞こえてくる。
ハリエット:「相当の腕の持ち主じゃないと、あんなふうには……」
ハリエット:幼い少女らしからぬ見解を口にして。
デュバリー:テーブルのコップにウィスキーを少しだけ注いで。
デュバリー:「うん。偶然や事故ではないよね」
ハリエット:「……はい」
デュバリー:唇を濡らす程度に、コップへ口をつける 「悪意。敵意。殺意」
デュバリー:そして視線をハリエットへ 「おいで」
ハリエット:「……」
ハリエット:最初はおずおずと踏み出し、それから倒れ込むように、然程身長の変わらないデュバリーに抱き着く。
デュバリー:動じず受け止め、背に腕を回し抱き寄せる。常と変わりない、金色の飾り硝子のような瞳で。
ハリエット:「……っ……う……!」
ハリエット:肩口で小さな、押し殺した嗚咽を漏らす。
デュバリー:その頭をゆっくりと撫でてやる。特に声をかけたりはしない。ただ触れてやる。
デュバリー:人は孤独を真実分け合うことはできない。他人の感じるものと自分の感じるものは違う。誰であってもそうだ。
デュバリー:そうであっても、身体のふれあいという原初の行為で、どうしてか人は擬似的に感覚を分け合った気になり、孤独を癒すことができる。デュバリーはそれを経験として知っている。
デュバリー:今の彼女に必要なのもそれだろう。
ハリエット:「……わ、私……」
ハリエット:デュバリーにしがみつくように、震える声で。
ハリエット:「『聞いて』きたんです。ラナさんから……」
ハリエット:「ほんの少ししか、聞き出せませんでしたが……」
デュバリー:「うん」 短い相づち。頭を優しく撫でながら
ハリエット:「……怖いとか、怒ってるような声は、殆どありませんでした」
ハリエット:「多分……本人が気づかないくらい、一瞬で殺されたんです」
ハリエット:「でも……代わりに、ラナさん……焦ってました」
デュバリー:「焦ってた?」
ハリエット:「……はい」
ハリエット:「直接追われて逃げてる、って感じじゃなくて……何というか」
ハリエット:「『まずいことになった』『このままだとまずい』みたいな……」
ハリエット:「それから……ほんの少し……ううん」表現を考えるように唸って
ハリエット:「……『高揚』……?」
ハリエット:「興奮……してました」
デュバリー:「思いがけない秘密」
デュバリー:「返さなければいけない宝物」
デュバリー:「そういったものを手にしてしまった時みたいね」
ハリエット:「……それです!丁度、そういう感じの……!」
ハリエット:「それから……名前です」
デュバリー:「男の人?」
ハリエット:「はい。多分……犯人か、デュバリーさんの関わってたことを、深く知ってる人の名前……」
ハリエット:「ガリオ・ネルソン」
ハリエット:「そう言ってました。すごく重要なこと……だと思います」
デュバリー:「ガリオ・ネルソン」 復唱する 「ガリオ・ネルソンね」
デュバリー:「他にはもうない?」
ハリエット:「はい。それが一番、ラナさんが伝えたかったことだと思います」
デュバリー:「うん。人の名前があれば、確かにすごく助かる」
デュバリー:「ラナはそういうこと、当然分かってるだろうから」
デュバリー:そう言って、もう一度頭を撫でる 「ありがとう、聞いてきてくれて。すごく助かった」
ハリエット:撫でられ、片目を瞑って。
ハリエット:「……あの、デュバリーさん……」
ハリエット:不安げに揺れる瞳で君を見る。
ハリエット:「このこと……本当は、デュバリーさんに言うべきか、迷ったんです」
ハリエット:「……デュバリーさんは……」
ハリエット:「……大丈夫、ですよね……?」
デュバリー:その瞳を、やはり硝子のように澄んだ……揺らぎない眼が見返して
デュバリー:「L'Immortelle死なない女
デュバリー:「……というのは、実際、悪い人たちがわたしにつけた、悪口みたいなもので」
デュバリー:「多分わたしも、死ぬときは死ぬんじゃないかと思ってる」
ハリエット:「…………」
デュバリー:もう一度頭を撫でる 「でも大丈夫」
デュバリー:「わたしは強いから。ハリエットが良い子で過ごしていてくれたら……」
デュバリー:「ちゃんと帰ってくる。どう?」
デュバリー:「良い子で待っててくれる?」
ハリエット:「……」
ハリエット:黙り込んだその目の端から、一滴の雫がこぼれる。
ハリエット:「……やっぱり、してます」
ハリエット:「子ども扱い」
デュバリー:「お店に立つまでの特別扱いなんだから、今のうちだけ」
デュバリー:流れる涙を指で拭き取り、頬を支えて額に唇をつける
デュバリー:「だから良い子にしていて。たくさん寝て、ごはんを食べて、勉強をして」
デュバリー:「今のハリエットに一番大事なのはそれ。そうしてくれていれば、わたしも集中できる」
デュバリー:顔を離す わずかにウイスキーが香る 「どう?」
ハリエット:「……」
ハリエット:己の幼さと無力さが口惜しくてたまらないという表情で、ぐっと俯き堪えるようにして。
ハリエット:やがて、ゆっくりと小さく頷く。
ハリエット:「……はい」
デュバリー:そっと、慈しむような笑みを浮かべる 「良い子」
デュバリー:……それから、ハリエットを小さな寝室まで送って、扉を背に閉じ、なんとなしに天井を見上げる。
デュバリー:『娘』の命が失われることは、別に初めてではない。ラナも危険を承知の上だった。それは覚悟ある既知の喪失。
デュバリー:だとしても、二度と見ることの叶わぬ彼女の笑みに少しばかり思いを馳せるくらいはする。人として得た情緒による、無価値な反射。
デュバリー:それに少しばかり身を預け、しかしテーブルに置き去りにしたウィスキーには目もくれず、もう一度薄手のコートを羽織り直す。
デュバリー:「ネルソン」
デュバリー:「ガリオ・ネルソン」
デュバリー:「……ガリオ・ネルソン」
デュバリー:扉が閉じる。誰もいないその薄闇へ、壁の、床の向こうから、甘やかな男女の話し声が僅かに漏れ落ちていた。



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
デュバリー:ガリオ・ネルソン/興味/○猜疑心
デュバリー:あと
デュバリー:ラナ/○遺志/喪失感 これも取る
GM:OK!



【OP/アッシュ・ノイ・ジラード】

GM:アッシュさんのOPです。登場侵蝕をどうぞ!
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (32 → 37)
パリ空軍基地 執務室
GM:オーヴァードは通常兵器では替えの効かない極めて貴重な戦力・抑止力であり、覚醒者を発見次第、程度の差はあれどほぼ強制に近い形で軍への徴兵を行うのが昨今の国際社会の常識だ。
GM:だがフランスは比較的オーヴァードの人権を認める立場を取っており、
GM:民間人のオーヴァード覚醒者が発覚しても、自由意志を尊重し、強引な形での徴兵は行っていない。
GM:国民と人権団体の運動を受けた結果であり、また融和的な歩み寄りの姿勢を見せることで、他国から逃れてきたオーヴァードを自国に呼び込む──というのが当初の方針だったようだが、現在のところ、効果の程は芳しくない。
GM:そういったスタンスと、そもそも強力なオーヴァードが国内に生まれ出でていないという不運から、
GM:フランスの正規オーヴァード戦力は、アッシュ・ノイ・ジラードほぼ一人が担っているというのが現状だった。
GM:今、君は籍を置いている空軍の拠点を訪れ、先日遂行した任務の報告を済ませたところだ。
クレマン・デュモルチエ:「……今回も良くやってくれたな、ジラード」
クレマン・デュモルチエ:「お前はまさしく、我が国の誇りだ」
クレマン・デュモルチエ:恰幅が良く髪の薄い上官が、デスクから君の功績を湛える。
アッシュ:「大仰だな。いつも通りの任務がいつも通りに終わっただけ、そうだろ?」
アッシュ:「アイギスの連中も居るんだし。この程度ではしくじらないさ」
クレマン・デュモルチエ:「だが、お前にしか果たせない任務だ」
クレマン・デュモルチエ:慣れているのか、諦めているのか。それとも恐れているのか。不遜な口振りを咎める様子はない。
クレマン・デュモルチエ:「お前のような、オーヴァードにしかな」
アッシュ:そうして、誰も咎めないから不遜な口ぶりは変わらない。流石に王族の前でやったら死ぬほど怒鳴られたのでもうやらないけど。
アッシュ:「そりゃあな。オーヴァード以外で戦場に出るっつったらアメリカの機械兵とかその辺だろ」
クレマン・デュモルチエ:「……だが、ジラード。お前の働きは申し分ないが、一つだけ言っておく」
クレマン・デュモルチエ:「あの連中……」
クレマン・デュモルチエ:「アイギスの傭兵どもと、あまり親しくするのはやめろ」
GM:フランスの正規戦力はアッシュだけ──だが、未だ戦禍の渦巻く動乱のヨーロッパにあって、たった一人では国を守ることなど到底出来ない。
GM:そこでフランスは、オーヴァード傭兵組織アイギスに逗留の許可を与える代わりに、彼らに国土を守護する常備戦力の代替をさせていた。
GM:強制的な徴兵はしないが、自由意志で戦う傭兵は用いる──それがフランスが示せる現実的な妥協点であり、そんなアンビバレントにも見える姿勢が、現在のこの国が置かれた立場の難しさを如実に表していた。
アッシュ:「へえ?なんで?」
クレマン・デュモルチエ:「奴らは所詮、金で雇っただけの戦力だ。信用できん」
クレマン・デュモルチエ:「金で雇ったのならば、いつ金で寝返るとも知れん」
クレマン・デュモルチエ:「真に我が国を守れるのは、ジラード。お前だけだ」
クレマン・デュモルチエ:「そのことを、努々忘れるな」
アッシュ:「……」 肩をすくめて。
アッシュ:「その信用できないヤツらにオレの背中を預けてるってのに?」
クレマン・デュモルチエ:「背に腹は代えられん」
クレマン・デュモルチエ:「話は以上だ。もう行ってよろしい」
アッシュ:「oui,oui. ……っと、そうだ」
アッシュ:ドアを開いたところで振り向いて。
アッシュ:「言っとくけど、オレが誰と親しくするかはオレが決めるぜ」
アッシュ:「要は、アイツらが裏切ったとしてもオレが負けなきゃいいんだもんな?」
クレマン・デュモルチエ:「…………」
クレマン・デュモルチエ:返答は無い。扱いあぐねるように無言。
アッシュ:「沈黙は肯定と取っとくよ」
アッシュ:ひらりと手を振った後、バタンと扉は閉じる。
アッシュ:「はーあ」
アッシュ:「言いきれる度胸がないのに口を挟むなってんだよな」
アッシュ:手を頭の後ろで組んでボヤく。
アッシュ:護国の精神や理屈は分かるが、それでこちらの態度を指図されるのが気に食わない。
アッシュ:ましてや、実際に戦場に立ってるわけでもないやつに。

---

GM:水飛沫を上げる大きな噴水が、春の日差しを反射している。
GM:それを横目に基地の正門を出たところで、不意に声を掛けられた。
ミルシュカ:「……あなた!」
アッシュ:「ん?」
ミルシュカ:鮮やかな金髪の、すらりとした長身の女だ。年の頃は十代後半くらいに見える。
ミルシュカ:掛けていたサングラスを取って、つかつかと早足で君に歩み寄る。
ミルシュカ:「あなた、アッシュ・ノイ・ジラードよね?」
アッシュ:「そうだけど。お嬢さんは?」
ミルシュカ:「ふーん……」じろじろと頭の天辺から爪先まで眺めるようにして。
ミルシュカ:「何か、思ったより小さいわね……」
アッシュ:「……」 一瞬憮然とした顔になったのを隠して。
アッシュ:「もう一度聞こうか。いったいどこのお嬢さんで?」
アッシュ:「その口ぶり的に初対面だよな、オレ達」
ミルシュカ:「……あっ!失礼。ご挨拶が遅れたわね」
ミルシュカ:「私はミルシュカ。ミルシュカ・ヴェルレーヌ」
ミルシュカ:「よろしく!」
ミルシュカ:君に右手を差し出してくる。
アッシュ:「ミルシュカね。覚えた」
アッシュ:とりあえず握手に応じつつ。
アッシュ:「そうは言うけど、よろしくするようなことあるかな」
アッシュ:「オレ、結構忙しい身だぜ」
ミルシュカ:「それよ、それ」立てた人差し指を振って
ミルシュカ:「それを手伝いに来たのよ、私」
アッシュ:「へえ?」
アッシュ:先ほど自分がそうされたように彼女を頭のてっぺんから爪先まで眺めて。
アッシュ:「戦えるタイプに見えないけど。パトロン?」
ミルシュカ:「どっちでも無いわ」
ミルシュカ:「私、今度からオペレーターとして、アイギスに加入することになったの!」誇らしげに胸を張る。
ミルシュカ:「つまり、あなたの相棒ってわけ。いつでもサポートするから、頼ってくれていいわよ」
アッシュ:「オペか。道理で手になんのタコもないわけだ」
アッシュ:納得したようにうなずいて。
アッシュ:「てことはノイマン?もしくはオルクスかブラックドッグ?」
ミルシュカ:「え?」
アッシュ:「え?」
ミルシュカ:「違うわよ?私、オーヴァードじゃないから」
アッシュ:「……マジ?」
ミルシュカ:「そうだけど……何?何か問題?」
アッシュ:「いや……なんつーか」
アッシュ:「そうだな。別にオーヴァードじゃなくても戦争に参加は出来るな」
ミルシュカ:「そうよ。当たり前でしょ!」
ミルシュカ:「あ、言っとくけど、ちゃんと正規にアイギスに採用されたから。裏口とかじゃないからね!」
アッシュ:「そこは疑ってねーよ。アイギスはそんな半端な真似しないだろ」
アッシュ:「傭兵ってのはある意味一番戦争に真摯な連中だし」
ミルシュカ:「そうよね。そこがいいところだわ」うんうん頷く。
GM:そうして基地の入り口で話し込んでいる姿が、人目を引いたのか。
GM:気付けば周囲に、少しずつ群衆が集まってきている。
群衆:「おい、あれ……アッシュじゃね?」
群衆:「マジ?どこどこ?」
オダテー:「アッシュ様がいらっしゃるって本当?」群衆から背伸びしている。
ホントーダ:「おっ、本当だ! おーい、我らのEspoir希望!」
マニカ:「いつの間にか戻ってたの? 今度の任務はどうだったの?」
ミチェル:「見てる!アッシュ様が今オレのこと見てるぜ!」
バカーネ:「馬鹿ね!私を見てるのよ!」
大道芸人:「なに!?アッシュが来てるだと!?お、俺達の客が……」一斉に、アッシュの方へ向かっていった客を見送りながら
ツョビァン:「アッシュ様ー!!こっち向いてー!!」
ミルシュカ:「げっ……ヤバいわね。せっかく出待ちしてたのに……」
アッシュ:「あー……。ちょっと話し過ぎたな」
ミルシュカ:「行きましょ!」ぐいと君の手を引く。
ミルシュカ:「一人ずつ相手してたら日が暮れちゃうわ!」
アッシュ:「いや、待った」 引かれた手を引き返して。
ミルシュカ:「えっ、何よ?」
アッシュ:そのままさらりとミルシュカを抱き上げる。
アッシュ:「こっちのが早い」
ミルシュカ:「わ……!?」
ミルシュカ:腕の中で瞠目して、それからじっとりとアッシュを見る。
アッシュ:「悪いな、皆!サービスはまた今度だ!」
アッシュ:片手を集まりつつある民衆に振って見せると、そのまま人の切れ目を縫うように駆けだす。
カシテ:「えっ、何何? もしかしてアッシュさん、いきなりカノジョが……?」
ヒュー:「ヒュー!英雄様も隅に置けないねえ!」
マニカ:「そんな、いつの間に!?」
ミルシュカ:「……。……いつもこんなことしてるわけ?」
アッシュ:「ん?いつもはもうちょい話してるから、むしろ今日は早い方だけど」
ミルシュカ:「そうじゃなくて…… ……ほ、ほら。もういいでしょ!下ろして!」
ミルシュカ:群衆から離れ、街道に出たところでじたばたと暴れる。
アッシュ:「おっと、失礼」
アッシュ:暴れるのにてこずる様子もなく、すんなりと彼女を下す。
ミルシュカ:「全く……」
ミルシュカ:息を吐き、少し乱れた服を直し。
ミルシュカ:「英雄さんってのも大変なのね」
アッシュ:「そう?結構楽しいけどな」
ミルシュカ:美しく区画整備された街並みを歩き出す。
ミルシュカ:「慣れっこってわけ?」
アッシュ:「逆に聞くけど、物心ついたときからの習慣に慣れないことある?」
アッシュ:「あれくらい人が集まるようになったのはここ数年だけどさ」
ミルシュカ:「そんなものかしら……」
タベテッキ:「アッシュー!またうちの店で食べてってくれよー!」
ミルシュカ:「……うんざりしたりしないの?疲れたりとか」
アッシュ:「d'accord!良い魚を仕入れといてくれよ!」
アッシュ:かかった声に一声返してからミルシュカに振り返って。
アッシュ:「別に?一人になりたいならなれるとこ行くし」
アッシュ:「こうなるって分かってて歩いてるからな」
ミルシュカ:「ふーん……」アッシュの顔をまじまじと見つめながら、考え込むようにして。
ミルシュカ:「一つ、聞いてみたかったんだけど。いい?」
アッシュ:「何?」
ミルシュカ:「……どんな気持ちなのかなって」
ミルシュカ:「たった一人で、国一つ背負って戦うのって」
アッシュ:「どんな気持ち、ね」
アッシュ:歩きながら腕を組んで。
アッシュ:「ん、ん……。ムズイな」
アッシュ:「というか、あー……」
ミルシュカ:「……何よ?」
アッシュ:「先に聞いときたいんだけど、君って愛国心強いタイプ?」
ミルシュカ:「ええ?何それ、急に……」
ミルシュカ:「そうね……。別に、まあ、普通だと思うけど……」
アッシュ:「普通かー。……ま、今後相棒になるってんなら話しとくか」
アッシュ:「オレさあ、めちゃくちゃ負けず嫌いなんだよね」
ミルシュカ:「負けず嫌い?」
アッシュ:「そ。遊びでもガチでも何でも、負けるってのがマージでイヤだし最悪に嫌い」
ミルシュカ:「まあ、誰でも……私だってそうだけど……そんなに?」
アッシュ:「そんなに。自分から負けを認めるような真似するくらいなら、腹切って死んでやる方がまだ良いね」
アッシュ:「二ホンだっけ?あそこのサムライみたいにさ」
ミルシュカ:「ハラキリ?フランス人のくせに……」
ミルシュカ:「……それで?」少し身を乗り出す。
アッシュ:「いや、だからさぁ。戦場で国がどうとかっていうの、考えたことほぼ無くてさ」
ミルシュカ:「……ええ……!?」
アッシュ:「こいつ強いなーとか、逆に弱いなとか、楽しいとか、くそつまんねえとか」
アッシュ:「後は負けたくねえとか。そういうのばっか」
ミルシュカ:「何よそれ!ちょっと……!」周囲を見回し、「……そんなこと言って怒られないの?」声を潜める。
アッシュ:「……あ、戦術がどうこうはノーカンでな」
アッシュ:「怒られるから聞いたんじゃん。愛国心強いかって」
ミルシュカ:「怒るっていうか……!」
ミルシュカ:難しい顔をして
ミルシュカ:「……引いてる?」
アッシュ:「あ、引くんだ」
アッシュ:「まあ怒るよりいいや。昔上司に言ったら丸々三時間怒鳴られたし」
アッシュ:「暇人かって話だよな。仕事しろよ」
ミルシュカ:「そりゃ怒られもするわよ……」
ミルシュカ:「そんな子供みたいな気持ちだけで、こんな責任背負ってるわけ?」
ミルシュカ:「正義とか、愛国心とか……そういうのは?」
アッシュ:「いやいや。オレに言わせてもらうとな、順番が逆なんだよ」
ミルシュカ:「逆?」
アッシュ:「そう」
アッシュ:「オレが戦ってんのは負けんのが嫌いだから。オレが勝つのも負けんのが嫌いだから」
アッシュ:「そうやって戦ってるオレに、フランスって国丸ごとを乗っけたんだよ」
アッシュ:「軍のお偉方なり国の上層部なり、そういうヤツらが勝手にベッドしてるだけ」
アッシュ:「そしてオレは乗っけられたもんを乗っけたまま勝手に戦って、勝手に勝ってるだけ」
ミルシュカ:「……じゃあ、あなたが戦ってるのは……」
ミルシュカ:「……自分の為、ってこと」
アッシュ:「そうなるな」 何でもないようにカラカラと笑って。
アッシュ:「引いた?それともキレた?」
ミルシュカ:「……」頭を抱える。「スケールが大きすぎて分かんないわよ……」
ミルシュカ:「怒るべきなのよね?多分」
アッシュ:「ええ……。怒んなくても良くない?」
アッシュ:「実際上手く回ってんだし。オレ説教嫌いだし」
ミルシュカ:「そうだけど……だって……ええ……?」
ミルシュカ:しばらくうんうん唸ってから、感情をリセットするように己の頬を叩く。
ミルシュカ:「……よし」
ミルシュカ:「確かにあなたは滅茶苦茶だし、デリカシーも無いし、思ってたイメージと違うけど……」
ミルシュカ:「その是非は、私がこれからオペレーターをする中で見極めることにするわ」
ミルシュカ:「アイギスから招集が来てる。新しい任務よ」
アッシュ:「ふーん。相手は?」
ミルシュカ:「ブリーフィングで話すわ。でも、大物よ」
ミルシュカ:「……あなたも負けるかもしれない」
ミルシュカ:挑発的に言う。
アッシュ:「良いね。最低でも前より楽しそうだ」
アッシュ:牙を剥くよう獣のように、あるいはゲームに目を輝かせる少年のように笑って。
アッシュ:「勝つのはオレだけど」



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
アッシュ:ミルシュカに〇好奇心/不満で取ります
アッシュ:面白くてウマ合いそうだけどデリカシーないって言われたから不満
アッシュ:ちゃんと担ぐんじゃなくて抱き上げたのに
ミルシュカ:それが悪いんでしょ!
アッシュ:わかんね~~~
アッシュ:今はそれだけ!以上!



【OP/クレア・アップルシード/ギルトレット・レッドフォード】

GM:クレアさん・ギルトレットさんのOPです。
GM:登場侵蝕をどうぞ。
ギル:わーわー
クレア:いえいいえい
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (30 → 35)
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (41 → 47)
シェルブール港 アイギス拠点 戦艦ルイジアナ
GM:1963年、フランス。
GM:オーヴァード傭兵組織“アイギス”が発足して数年。彼らは多くの戦場で戦果を挙げ、既に国際社会におい着実な存在感を示しつつあった。
GM:覚醒者に対する強制的な徴兵が公然とまかり通る世界情勢において、アイギスはオーヴァードの思想的・身体的自由を理念として掲げていたが
GM:組織の存在を支えているのは紛れもなく複数のオーヴァード兵士という強大な戦力であり、それは彼らの活動を成立させると同時に、各国から危険視される不安定な立場にも繋がっていた。

GM:空母の時代が到来し既に無用の長物と化した戦艦が、任務の褒賞との名目で体よくアイギスに押し付けられたのは、数年前のことだ。
GM:それ以来、多数のオーヴァードを抱え政治的問題から一箇所に定まった拠点を構えるわけにいかないアイギスにとって、この戦艦ルイジアナは実質的な本拠地として利用されてきた。
GM:艦内にはオーヴァード・非オーヴァード問わず大勢の構成員が滞在・生活しているが
GM:今日この日、ブリーフィングルームの前で顔を合わせたのは、戦歴の長い二人だった。
クレア:「ギル、こっちに戻ってたのか」
ギル:「やあ、クレアくん。今日は君も呼び出されていたんだね」ブリーフィングルームの前でクレアくんに話しかけるよ。気弱そうな笑みを浮かべた長身の男
クレア:白髪に白装束。頭から爪先まで白一色で包んだ少年がそれに応える。
クレア:雪中迷彩の一種だが、仮に南国でも年中同じ装いだ。
ギル:「少し前にね。しかし、君と一緒ということは……次の相手は余程の強敵のようだ」憂鬱そうな顔で
クレア:「自分はむしろ安心した。ギルが味方なら心強いよ」
クレア:抱えた紙袋をガサゴソまさぐり「キッシュ、食べるか?」
クレア:「港に新しい屋台が出てたから買ってきた」
ギル:「キッシュか。いいね、いただこう。懐かしいな。僕の母さんも良く焼いてくれたよ」
クレア:「うん。ではどうぞ」キッシュを一切れ渡す。
ギル:「母さんのキッシュは絶品でね。いつも妹と取り合いになって……そういう時は母さんが自分の分を僕たちに分けようとして」
ギル:「毎回そこで僕たちは喧嘩を止めて、また笑顔で食事を始めるんだ。ああ、本当に懐かしいな……」
ギル:「うん、美味しいよ。間違いなく故郷の味だ」貰ったキッシュを齧って、朗らかに笑って
クレア:「なら良かった」表情は殆ど変わらないが、言葉の通り喜んでいるようだ。
クレア:「兄弟喧嘩か、一度くらいはしてみたかったな」
ギル:「仲がいいならそれに越したことはないさ。なんたって家族なんだから」
クレア:「ギルがする家族の話はいつも賑やかで羨ましいよ」
ギル:「ありがとう。僕も誇らしいよ。……そろそろ時間かな。家族を守るために、僕たちも頑張らないとね」
ギル:こんな感じでブリーフィングルームに入ろうかなと思います
クレア:「そうしよう」ブリーフィングルームの扉を開きます。
GM:ブリーフィングルームには、既に数人が顔を揃えていた。君達で最後のようだ。
:「……来たか。“鉄王”、“model-620”」
:黒髪に眼鏡、コートを羽織った長身の女。
:舞・R・アーデルハイド。アイギスの創設者にしてリーダーを務める女だ。
ギル:「はっ。アイギスソルジャー、ギルトレット・レッドフォード。只今参上いたしました」背筋を正し敬礼
クレア:「時間通りだとは思うが」手元の時計を見て
クレア:「またせたなら済まない。"mpdel-620"クレア・アップルシード。現着した」
:「いや、時間通りだ。掛けてくれ」
:「ブリーフィングの前に、新顔を紹介したい」
ミルシュカ:見覚えのない少女が、やや緊張した面持ちで佇んでいる。
ミルシュカ:「新しくオペレーターに就任しました、ミルシュカ・ヴェルレーヌです」
ミルシュカ:「よろしくお願いします」二人に向け掌を差し出す。
ギル:「はじめまして。僕はギルトレット・レッドフォード。親しみを込めてギルと呼んでくれ。よろしく頼む」優しげに微笑みながら握手
ギル:「ここは少し地上とは勝手が違うからね。わからないことも多いだろうけど、緊張しなくていい。何かあれば何時でも声をかけてくれ」
クレア:「クレア・アップルシードだ。よろしく」反対側の手を取る
クレア:「ギルはここで一番の古株だから、聞けばだいたい答えてくれる」
クレア:「自分はあまり何かを教えられる自信はないが……まあ、暇つぶしぐらいなら付き合える。気軽に声をかけてくれ」
ミルシュカ:「あ……はい!ありがとうございます!」二人の、特にギルトレットの穏やかな物腰に、僅かに安堵の面持ちを見せる。
ハミース:「いや~、華があっていいこって」褐色肌のアラブ系の男性。
ハミース:「顔採用?」ハミース・アル=フサイニー。兵士あがりのアイギスオーヴァード。
:「そんな訳があるか」煙草の煙を吐き出す。
ギル:「こら、ハミース。彼女はもう僕たちの仲間だよ。そういう言葉遣いは感心しないな」
ハミース:「いやいや、方方で噂されてるぜ、マダムのお眼鏡に叶ったツラのやつしか入れないって」
ハミース:「そう見られてるってこった。違うなら腕で見せてくれってことで一つ」
ギル:「華があるというのは否定しないけどね……」
ギル:「……ああ、気にしないで、ミルシュカさん。ハミースは最初は誰にでもああなんだ。でも、ちゃんと実力を見せれば認めてくれる公平なやつでもある」
ギル:「君ならすぐに認められるさ。頑張って」
ミルシュカ:「は……はい!……頑張ります……!」やや気負いの感じられる表情で頷く。
ハミース:「失礼な……レディには優しいだろおれはよ」
クレア:「そもそも、顔採用というのならハミースは落第だ」
ハミース:「おいこら」
:「……挨拶はこのくらいでいいだろう。ブリーフィングを始めてくれ」
ミルシュカ:「はい!では……」
ミルシュカ:既に黒板には資料が貼り出され、あちこちに情報が書き込まれている。
ミルシュカ:「今回の任務は、敵オーヴァードの撃破です」
ミルシュカ:「戦地はスロベニア。現地では現在、泥沼化した紛争が続いています」
ハミース:「出たよ。一番面倒なやつ」
ハミース:「まあこの人数ならそれにならあな」
ギル:「スロベニア、ということは……相手はあの守護聖人か」
ミルシュカ:頷く。「これはユーゴスラビアにおける、スロベニアの独立宣言に端を発したもので……」
ミルシュカ:「現地では、主に4つの勢力が争っています」
ミルシュカ:「一つはドイツ・イタリアを始めとする、ユーゴスラビア国内に占領地を持つ国々」
ミルシュカ:「もう一つがパルチザンと呼ばれる、共産主義主体の抵抗勢力。所謂人民解放戦線ですね」
ミルシュカ:「こちらはイギリス等の支援を受けています」
クレア:「知っている。世界中どこに言っても大抵の抵抗勢力の裏には奴らがいるからな」
ミルシュカ:「それに対し、チェトニックと呼ばれる反共産主義勢力も台頭しており、これまではこの三勢力が拮抗して争っていたのですが……」
ミルシュカ:「最近になって、紛争平定の名目でアメリカが介入を発表しました」
ギル:「目を離している間に、随分厄介なことになっているね」
:「実際の目的は、欧米における橋頭堡確保あたりが関の山だろうが」
:「今回の依頼元は、この米軍だ」
クレア:「米軍?少し意外だな」
クレア:「あの国が他所のオーヴァードの手を借りるとは。宗旨に反する気がするが」
ハミース:「金で嫌いな連中が殺し合ってくれりゃ万々歳だろ」
:「立場上は大々的に使用するわけにもいかないが、オーヴァードでなければオーヴァードには勝てん」
:「背に腹は代えられん以上、外部の傭兵というのはいかにも都合の良い落としどころだろう」
ハミース:「人間サマを狙うのは厭われるが化け物同士ならどうも構わねえらしいってとこか?」
クレア:「そういうものか……」
ギル:「彼らの国の話は彼らが気にすればいい。僕たちは任務を全力で果たそう」
ミルシュカ:「……アイギスは今回、アメリカ側の戦力として参戦し……」
ミルシュカ:「先程ギルトレットさんのお話にもあった通り、作戦目標となるのはイタリア軍に所属するオーヴァード」
ミルシュカ:「“デリュージュ”フランチェスコ・ヴァレンタインです」
ミルシュカ:画質の荒い白黒写真を貼りだす。鋭い目つきの、長髪の男。
ミルシュカ:「皆さんご存知でしょうが……守護聖人の名を冠する、イタリア軍の最高戦力です」
ミルシュカ:「能力は水分の生成・操作」
ミルシュカ:「ここ十五年のイタリアは、彼一人によって守られてきたと言って過言ではありません」
GM:保有するオーヴァードの戦闘力は、即ちその国の戦力そのものに等しい。
GM:あらゆる通常戦力を無力化し、都市機能すら麻痺させる《ワーディング》の力は、どんな大量破壊兵器よりも恐るべきものだ。
GM:個人の力が戦争と政治、国同士のバランスを左右するのが、今の世界の在り方だった。
クレア:「一国家を背負って立つトップオーヴァード。アッシュと同格か。手強いな」
ハミース:「……ただ一人でイタリアの本土侵攻を防いだ、国を背負う英雄様」
ギル:「厄介な相手だ。守りに専念されたら、彼ほどのオーヴァードは世界にもそういない。それこそ、“リッケンバッカー”くらいかな」
クレア:「なるほど、しかし"リッケンバッカー"が勝てるなら」
クレア:「自分たちに勝てない道理はない。ということになるな」
ハミース:「言うね~」
ギル:「君といいアッシュといい、どうしてそんなに強気で居られるのか不思議だよ」
ミルシュカ:「既に“Espoir”と“Mélusine”が現地に向かっており」
ミルシュカ:「また、米軍からもオーヴァードが一名、派遣されています」
ハミース:「派遣?自前で持ってんのかよあいつら」
クレア:「リーダーの話を聞いてなかったのか?ハミース」
クレア:「オーヴァードにはオーヴァードしか勝てない。背に腹は代えられないんだぞ」
ミルシュカ:「はい。コードネームは“Luna”」
ミルシュカ:「近接戦闘を得手とするオーヴァードのようです。中々に強力だとか」
ハミース:「ハッ。綺麗なお題目掲げながらこれか」
:「扱いは酷いものらしいがな。米軍に直接所属するオーヴァードもゼロではない」
ギル:「心配だね。友軍として頼りにしても良いのかな。いざという時に倒れられたら、困るのは僕たちだよ」
ハミース:「そりゃ御大層な扱いで。うちから行った銅の女神様も泣いてるんじゃねえのか」
クレア:「オーヴァード排斥国家のアメリカで、オーヴァード戦力として抱えられている。それだけで実力の証明にはなる。半端なオーヴァードなら使い潰されるだけだからな」
ミルシュカ:「現地には既にアーデルハイドさんがゲートを繋げています。移動はそちらを使用して行います」
GM:アーデルハイドは現在、世界で唯一確認されている、≪ディメンジョンゲート≫と呼ばれる空間の門を繋いで遠隔地との移動を可能にするオーヴァードだ。
GM:アイギスの任務、ひいては組織運営そのものが彼女の能力に依存している面が大きく、新たなゲートの転移先を確保する為に拠点を空けることも多い。
GM:極度に属人化した組織運営の在り方は、大拡散以降の世界ではそう珍しくもない。
ミルシュカ:「ブリーフィングはこの程度ですが……出発の前に、こちらを」
ミルシュカ:君達に小型の端末を手渡す。見たところ無線機に近い。
ギル:「これは?」
クレア:「無線機……に見えるが」
ミルシュカ:「今回の任務から使用する機器です。エフェクトを利用したものですが、所持していればこちらから皆さんの状況確認と指示が行えます」
ミルシュカ:「えーと……カメラと無線機を合わせたものと考えてください」
:「くれぐれも敵に奪われるなよ。今のところうちだけの技術だからな」
クレア:「なるほど。《ワーディング》の外から戦闘指揮が取れるのか」
ハミース:「あいかわらずウチの技術部はえらいこって……」
ギル:「了解。気をつけることにするよ」
ミルシュカ:「“デリュージュ”は強敵です。皆さん、お気を付けて」
:「気を抜くなよ」



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
ギル:ふんふ~ん
ギル:破軍ちゃんまだ出てきてないからミルシュカちゃんに取るかクレアちゃんに取るか悩むな
クレア:私はギルさんに取ろうかな
ギル:じゃあクレアくんにとろ!
クレア:なかよし!
ギル:戦友/クレア・アップルシード/P:親近感○/N:不安/ロイス
ギル:家族となかよしなところに親近感を持ってるよ
ギル:以上で!
クレア:戦友/ギルトレット・レッドフォード/P:連帯感○/N:劣等感/ロイス



【OP/ルカ】

GM:ルカさんのOPです 登場どうぞ!
ルカ:ルカの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (30 → 35)



GM:明星・フォードがオーヴァードに覚醒したのは、齢10歳の頃だった。
GM:ニューヨークのストリートで兄と共に暮らしていた彼女は、すぐに軍に強制徴兵され、兵士として戦わされることになった。
GM:だがアメリカは“プロホロフカの惨劇”以降、常に反オーヴァード路線を強く打ち出し続けており、自軍の兵士に対してもそれは同様だった。
GM:殆ど休みなく世界中の戦地を飛び回り、戦い続ける日々。人でなく物──兵器としての扱い。
GM:最大の功労者でありながら、周囲の兵士たちからは疎まれ、蔑まれ続ける。給与もごく僅かなものだった。
GM:兄である斑鳩・フォードが数年後、妹の後を追って軍に入隊した頃には
GM:かつて太陽のように明るかった彼女は、見る影もなく変わり果てていた。
スロベニア西部 街道
GM:トラックの一団が、ガタガタと揺れながら街道を進んでいく。
GM:かつては長閑で美しかったであろう、豊かな緑とレンガ造りの家々が並ぶ街並みは、今は長らく続く紛争により無惨に荒れ果てている。
GM:行軍を続けるトラックは、どの車両も兵士を満載し、すし詰めの状態だが
GM:そんな中にただ一台、運転手の他には僅か二人しか乗員のいないトラックがあった。
GM:今回の編成で唯一のオーヴァードである明星・フォードと、その兄である斑鳩・フォードを乗せた車両だ。
メイ:「……兄さん、疲れない?」
メイ:荷台で揺られながら、静かに声を発する。
メイ:「今の内に寝ておいた方がいいんじゃない?」
ルカ:「……おれは寝なくても平気な生き物なんだ」
ルカ:大柄な男が、静かに相槌を打つ。
メイ:「そんな生き物いないよ」
メイ:小さく笑った顔はやつれ、目の下には深い隈が刻まれている。再開して以来、ずっとこの様子だ。
ルカ:「…そういうおまえはどうなんだよ、メイ」
メイ:「……私?」
メイ:目を瞬く。
ルカ:「そう。おまえの方がよっぽど、忙しくなるだろ…。……寝られないなら、膝枕でもしてやろうか?」冗談めいて言う。
メイ:「ええ?いつの話してるのよ、兄さん」
メイ:「何歳だと思ってるの。私、もう16だよ」
メイ:冗談に笑みを返そうとするが、表情が引き攣って、上手く行かない。
メイ:昔は──覚醒する前は、そんなことはなかった。
メイ:「それに、私は……大丈夫だよ」
メイ:「慣れてるから」
ルカ:「……」瞬きする。彼女の前では、そのぎこちない笑顔を、つとめて、意識しないようにしている。
ルカ:「いいか、メイ」
ルカ:「おまえは、また聞き流すかもしれないけどな。おれは何度でも言うぞ」
ルカ:「慣れるな、あんなの」
ルカ:「…頼むから」
メイ:「……心配しないで、って言いたかったんだけどなぁ……」
メイ:困ったように眉を下げる。
メイ:「でも、本当に。私、大丈夫だから」
メイ:「オーヴァードだから。体力だって、すっごくあるの」
メイ:「だから、これくらい。全然──」
GM:ガン!!
GM:不意に、けたたましい金属音。トラックの荷台が外から叩かれて、メイがびくりと身体を震わせる。
GM:「化け物が!」「さっさとくたばっちまえ!」
GM:バイクのエンジン音と共に、兵士達の罵声が遠ざかっていく。
メイ:「……」
メイ:俯き、拳を握って、その声が聞こえなくなるのをじっと待っている。
ルカ:「っ」表情を一変させて外を睨みつけ、外に向けて吠える。
ルカ:「うるせえぞ馬鹿ども!誰のおかげでテメエらの命があると思ってんだ!」
メイ:「に……兄さん」
メイ:ルカの手を弱々しく握り、かぶりを振る。
メイ:「いいの」
メイ:「いいから……」
ルカ:「なんでだ!あいつらなんて、オーヴァードの戦いになりゃ何にも………」
ルカ:「………」
ルカ:「……」困ったように小さな頭を見下ろした後、ぐしゃぐしゃとメイの頭を撫でる。
メイ:「……ごめんね」
ルカ:「なにが」
メイ:「私のせいで……兄さんまで嫌がらせされてるんでしょ」
ルカ:「されてない。全員殴り返してる」
メイ:「よ、余計に心配だよ、それ……」
メイ:「軍に入ったのだって……私の為なんでしょ?」
ルカ:「…いいんだよ。おれは。いいんだ」
メイ:「よくないよ……」
ルカ:「………。……おまえはたった一人の家族なんだ」
ルカ:「会いに来たって、いいだろ」
メイ:「……」
メイ:俯き、軍服を握る力を強める。
メイ:「……兄さんと一緒にいられて……嬉しいよ、私は」
メイ:「……でも……」
メイ:「……ごめんね、兄さん」
メイ:「私がいなければ、兄さんの人生は、もっと自由だったのに……」
ルカ:「……」10歳までの彼女であれば。
ルカ:そんな卑屈なこと、言わなかった。
ルカ:「……自由か。懐かしいな、ニューヨークじゃ一緒に街を走り回ったもんだ」
ルカ:「メイ、覚えてるか?おまえが9歳の時、街のギャングに喧嘩売ってひどい目に遭ったよな」
メイ:「ああ……」懐かしむように、ほんの僅かに表情が緩む。
メイ:「うん。本当に、殺されるかと思ったけど……」
メイ:「でも、兄さんが助けに来てくれた」
ルカ:「…」その様子を見て安堵する。「あの時おまえがぶんどってきたアクセサリー、まだ持ってるよ」
メイ:「……本当?」
ルカ:「本当。今もポケットに入れてる」軍服の胸ポケットをポンポンと叩く。
メイ:「あは……。何か、嬉しいのか恥ずかしいのか、分かんないな……」
ルカ:「……また、街でやりたいこと考えよう」
ルカ:「今のおまえなら、もっと自由に駆け回れる」
ルカ:「おれよりずっと、綺麗で素敵なところに行けるだろ」
メイ:「……うん……」
メイ:そんな慰めに揺り動かされたように、膝を抱える。
メイ:「……帰りたい」
メイ:「帰りたいなぁ……」
ルカ:「……帰れる」
ルカ:「帰れるよ」
ルカ:隣に座って、安心させるように、背中を撫でる。
メイ:小さな背中が震える。声を出さず、涙も零さず、それでも確かに泣いていた。
メイ:「……その時は、一緒だからね」
メイ:「兄さんも、一緒」
メイ:「絶対に」
ルカ:「当たり前だ」
ルカ:色々なことを、見ないふりをした。それを、恐らく二人とも知っている。
ルカ:「連れてってやる」
ルカ:「……到着するまで寝てよう。睡眠は大事だ」
ルカ:「寝れないなら、眠るまで背中に絵を描いてやる」
メイ:「もう……。だから、いくつだと思って……」
GM:瞬間、空気が塗り替えられる。
GM:前触れもなく深海に叩き落されたような重圧と息苦しさが、君を襲う。
GM:何とか意識こそ保てはするが、殆ど身動きを取ることも出来ない。
ルカ:「………っ」思考が奪われる。本能が警鐘を鳴らす。
メイ:「……! まさか……」
メイ:メイだけは、何とも無い様子で車両の外を見遣る。
GM:≪ワーディング≫だ。
ルカ:何とか食いしばって意識を保つものの、視線すら満足に動かすことができない。
ルカ:超人だ。超人が現れた。
ルカ:おれたちには、もう何もすることができない。
メイ:「……兄さん」
ルカ:返事ができない。
メイ:意を決した表情で、荷台から飛び降りる。
メイ:「ここに隠れていて」
ルカ:(行くな)
ルカ:(行くな、メイ)
GM:列を成したトラックが次々に追突し、脱輪し、瞬く間に地平線まで静寂が広がっていく。
GM:エンジン音と微かな呻き声の他には、動く者の無い世界。
GM:人も獣も倒れ伏し、鳥は地に墜ちてもがく。そんな中でただ二つだけ、互いに距離を詰める影がある。
GM:空中に浮遊する、巨大な水球。
GM:その中心にいるのは、漆黒のスーツに燃えるような赤髪の男。鋭い視線でメイを見下ろしている。
“デリュージュ”:「……お前だけか?オーヴァードは」
“デリュージュ”:「俺も侮られたものだな」
“デリュージュ”:“デリュージュ” フランチェスコ・ヴァレンタイン。イタリア最強のオーヴァード。
ルカ:(……あいつは…)追突されてトラックが大きく揺れて、荷台の中で体を転がされても身動きすることすらできない。
ルカ:だから、妹が立ち向かう景色をどうにか見れる場所に位置どれたのは、本当に偶然だった。
メイ:「…………」
メイ:返す言葉はない。頬を伝って、一筋の汗が流れる。
メイ:その身体が、見る間に変貌していく。身体の節々が引き裂かれるように変形し、その合間から漆黒の影が噴き出す。
メイ:数秒も経たぬ内に、幼い少女とは似ても似つかない、異形の獣へと姿を変える。
メイ:「“Luna”」
メイ:荒れ狂う影の塊へと変貌した頭部から、くぐもった声が響く。
“デリュージュ”:「名乗る礼儀はあるらしい」
“デリュージュ”:「こちらは……まあ、名乗らずとも知ってるだろうが」
“デリュージュ”:「“デリュージュ”」
“デリュージュ”:「フランチェスコ・ヴァレンタインだ。始めようか」
ルカ:("デリュージュ"って…ローマの)放り出された人形のような体勢のまま、身動きできない。
GM:地を蹴り、メイが飛び掛かる。瞬時に距離を詰め、水球に拳を叩き込む。
GM:爆発的な水飛沫が上がる。が、“デリュージュ”本体には届かない。返す刀で振るわれた水圧の刃を、人体では到底あり得ぬ駆動で回避する。
ルカ:(おい…やめろ)(やめてくれ)視線を逸らせない。
GM:触手めいた無数の水流が襲い来るが、メイの機動力を捉えることは出来ない。一方で、“デリュージュ”の迎撃力を前に、メイも決定打を狙いに行くことが出来ない。
ルカ:(…メイ)2人の超人の周囲で、ダムでも決壊したみたいな水流がいくつも撒き散らされている。
ルカ:あの刃がこちらに来たら、おれたち一般兵は何もできずにそのまま死ぬ。
ルカ:ここにいる何人もの兵士の生死が、自分の妹ひとりに委ねられていた。
ルカ:…そんなバカみたいな話があるか。
GM:戦いは千日手に見えた。だが、決着は予想外に早く、思いもよらぬ形で訪れる。
“デリュージュ”:「速いな……」
“デリュージュ”:与し難しと見て、“デリュージュ”が戦術を変える。水流の数を絞り、より強力なものへ。
“デリュージュ”:メイが躱した水流は一撃で数台のトラックを貫通し、引き戻した水球が兵士たちの夥しい血液で更に体積を増す。
メイ:「はっ……はっ……!」
ルカ:(………逃げろ)赤黒く染まる水球が視界に映る。
ルカ:(逃げてくれ)
メイ:回避に専念し、“デリュージュ”の隙を狙い続ける。
メイ:逃げるわけにはいかない。ここには数百の兵士と、ただ一人の兄がいるのだから。
“デリュージュ”:「……やるな。だが……」
“デリュージュ”:赤く濁った水球が変形し、夥しい数の刃が形成される。
“デリュージュ”:タイミングを合わせ、逃げ場無く仕留める魂胆だ。
“デリュージュ”:「終わりだ」
“デリュージュ”:複雑な軌道を描き、メイの視界を埋め尽くす無数の水流が放たれた。
メイ:「……!」
メイ:──勝った。
メイ:そう思った。獣化により強化されたメイの感覚は刃の間隙を見抜き、そしてその身体能力は常人では不可能な回避を可能としていた。
メイ:攻撃直後、“デリュージュ”の水球は著しく体積を減じている。反撃の拳で首を刈り取る、その軌道までもを頭に描き──
メイ:そして、気付く。
メイ:躱した刃の先に、身動きを取れぬ兄が居ることに。
メイ:「──」
メイ:瞬間、迷いは無かった。
メイ:「兄さん!!」
ルカ:空が、水の刃で埋め尽くされていた。
ルカ:妹の声を聞いた。
ルカ:(メイ)
メイ:兄の眼前、無数の刃が、飛び込んだ妹の身体を引き裂いた。
メイ:「……あ……」
メイ:ごぼり、と、口元から血の塊が零れる。
ルカ:(………おい)瞬きも許されない世界で、その光景は広がった。
ルカ:(おい)
メイ:よたよたと数歩よろめいて、ルカの元に倒れ伏す。
メイ:じわりと、血溜まりが広がっていく。
メイ:攻撃を受けると同時、水流が変形し、体内で暴れ回ってリザレクトを阻害している。
ルカ:(メイ、待てよ、だめだ、オーヴァードって、不死身なんだろ)
“デリュージュ”:「……思い通り、と言うべきか。予想外と言うべきか」
“デリュージュ”:「何にせよ……終わりだな」
ルカ:(逃げろ)
ルカ:(逃げるんだ)
メイ:「……兄、さん」
メイ:「ごめん……」
メイ:血に塗れた手を伸ばし、ルカに触れる。
メイ:「一緒には……帰れないみたい」
ルカ:(そんなこと、言うなよ)
ルカ:(おれを置いて、逃げろよ)敵の能力をしっかりと把握することもできない。
“デリュージュ”:「“Luna”だったか」
“デリュージュ”:傍らの君の存在は気にも留めず、水球を変形させ、巨大な槍を形作る。
“デリュージュ”:「その名前、覚えておこう」
ルカ:(………ああ)おれも殺してくれ、と思った。
“デリュージュ”:それは慈悲だったのか、あるいは無慈悲か。水圧の槍は兄妹を諸共に貫き、その身に大穴を穿った。
メイ:「……」
メイ:血に塗れ、串刺しにされ、しかしその表情はひどく穏やかなものだった。
メイ:ようやく苦痛から解放される、その間際のように。
メイ:メイの傷からルカの傷へと、まだ熱を持った血が流れ込む。
メイ:「ああ……」
メイ:「こんなことなら……」
メイ:「意地張らずに、膝枕……してもらえばよかったな……」
メイ:そう言って、最後に笑みを残して。
メイ:脱力する。君の腕の中で、次第に冷たくなっていく。
ルカ:薄れゆく意識の中で、何か言い返そうとして、
ルカ:上半身の右半分が消し飛んだ体ではそれも敵わず、
ルカ:そのまま意識を手放した。
ルカ:死んだ。
ルカ:はずだった。
ルカ:(………)
ルカ:撒き散らされた血潮や、吹き飛んだ身体が、砂塵のような細かな粒子と変化して、ざわりと波打つ。
ルカ:周囲に散らばるトラックの破片や瓦礫をかき集めるようにして、身体が歪な形をもって再生していく。
“デリュージュ”:「…………?」身を翻そうとしたところで、その気配に気付いて足を止める。
ルカ:「……待てよ」声を発することができた。
ルカ:「待て」瞬きをして、自由に身体を動かすことができた。
“デリュージュ”:「……お前……」眉を顰める。
“デリュージュ”:「まさか……」
ルカ:右半身を戦場の残骸で無理やり継ぎ接ぎした、愚かな獣のような姿が、立ち上がった。
ルカ:胸に抱いた妹は動かない。だから。
ルカ:「おれが」
ルカ:「ここで、おまえを殺す」



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
ルカ:妹は初期ロイスなので、デリュージュさんにロイスを取得しよう
ルカ:敵/"デリュージュ"/脅威/憎悪:〇/ロイス これで!



【Middle1/「勝利を目指して進む船」】

GM:合流シーンです。全員登場。
ルカ:ルカの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (35 → 40)
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (35 → 40)
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (37 → 42)
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (47 → 51)
デュバリー:1d3+3
DoubleCross : (1D3+3) → 2[2]+3 → 5

デュバリー:47 > 52
スロベニア アイギス移動用車両内
GM:未舗装の荒れた道を、一台の軍用車が走っていく。
GM:乗り込んでいるのはアイギスの面々。舞のゲートから出た地点から、目的地まで移動している最中だ。
ミルシュカ:『……あと数キロで米軍の駐屯地です』
ミルシュカ:『そちらで今回の協力者……“Luna”と合流する手筈になっています』
デュバリー:最後座席。半分ほど閉じた眼で、窓越しに荒廃した外の様子を眺めている。
デュバリー:「女の子のオーヴァードだったね、"ルナ"は」
ミルシュカ:『はい。まだ16歳だとか』
アッシュ:「あ、オーヴァードだっけ」
アッシュ:足を投げ出すように座り、壁に背を預けている。
アッシュ:「アメリカだし、てっきり機械系かと思ってた」
ハミース:「写真は?美人?」
ミルシュカ:『写真は無いですね。広報などもされていないようです』
ミルシュカ:『機密……とまでは言いませんが、あまり広めたくない事実なのかと。アメリカ側にとっては』
クレア:「ブリーフィングの内容はフランス軍にも送っていたはずだが……」
クレア:「アッシュ、さては読んでいないな?」
ミルシュカ:『……この人、いつもこうなんですか?』
ハミース:「まあ読まねえだろ、うちの英雄様は」
ハミース:「ご興味はむしろ守護聖人のほう。違うか?」
アッシュ:「いや、読んだよ確か」
アッシュ:「そう!そいつのページはちゃんと読んだ」
アッシュ:「オレと同格って言われてんだろ?楽しそうじゃん」
ミルシュカ:『楽しそうって……』
ハミース:「いつもこうですよ」
クレア:「敵を知ることも大事だが」手入れしていたライフル銃を組み立てている。
クレア:「味方を知ることはもっと大事だ」
ギル:「僕は憂鬱だよ。今回はアッシュが居るだけまだマシだけどね」
アッシュ:「だってただでさえオレとアイギスとの合同なんだぜ?その時点で結果は見えてるようなもんだろ?」
アッシュ:不遜にそう笑って。
アッシュ:「ギルが憂鬱なのはいつもだろー?」
ハミース:「ま、どっちも過剰だと思うがな」
ハミース:「足して2で割れないのか?」
デュバリー:「アッシュはそれでいい」 唇だけが動く 「守護聖人様が最終的に目指すべき標的なんだから」
ハミース:「おっと。お姫様はアッシュ贔屓なこって」
デュバリー:「事実を述べているだけ。でも、ミルシュカ……その守護聖人様の方の現況は分かっているの?」
ミルシュカ:『正確な所在は不明です。ただ、恐らくはユーゴスラビア内のイタリア占領地に滞在中かと』
ミルシュカ:『会敵は近いと思われます。依頼元のオーダーとしては、敵施設を襲撃して誘き出せ、と』
ギル:「デリュージュはイタリアの切り札だ。向こうも迂闊には外に出してこないだろうけどね」
デュバリー:「施設襲撃も手順なんだ。それなら確かに、手数があると便利だね」
デュバリー:倒すだけなら本当にアッシュだけで良いと思っている口ぶりだ。唇を閉じ、また視線は外へ。
ハミース:「攻めてきてるところを食えるほうが楽なんだがな」
ハミース:「オーヴァードの弱点は持久力だろ。こっちを削ってる最中だと助かるね」
:『仮に顔を出さなければ、敵の抵抗力を根こそぎに出来る。どちらに転んでも米軍には旨い話だ』
クレア:「ただ強いだけなら隠れていることもできるだろうが」
クレア:「相手は国の威信を背負っている。避けられない戦いもあるだろう」
アッシュ:「そりゃな。それが出来るんならオレだってもうちょい休日増えてるはずだぜ」
アッシュ:「まして守護聖人なんて呼ばれてんだろ?多分だけどプライド高いヤツだろうな、賭けても良い」
ミルシュカ:『……同類としての勘?』
アッシュ:「同類って呼ぶなよー。単に長年の勘」
デュバリー:「そのプライドをくすぐって避けられない戦いに持ち込めば、こちらが負ける道理はない」
デュバリー:(早く終わると良いな。ラナの件を鮮度が新しいうちに調べたいし……)
ギル:「できれば、誰の犠牲も出さずに勝ちたいね。米軍の“Luna”も含めて」
デュバリー:「頑張って壊そうね」
クレア:「なんにせよ」ポケットからグミを取り出して口の中に放り込む。ドイツでの任務で買った残りだ
クレア:「自分はいつもどおり、自分の性能を証明するだけだ」
アッシュ:「あ、クレア何一人でグミ食ってんだよ」
アッシュ:「オレにもちょーだい」
アッシュ:のそのそと這いよって当然のように一つ取ろうとする。
ハミース:「ピクニックかよ」
クレア:「……」アッシュを横目に睨みながらポケットの中を探して「運が良かったな」
クレア:「これで最後だ」グミをアッシュへ向けて親指で弾く
アッシュ:「Merci」 ぱっとキャッチして口に放り込み。
ミルシュカ:『ともあれ、詳細な段取りはあちらに着いてから、“Luna”も交えて行いましょう。間もなく……』
GM:瞬間、レネゲイドの圧力がその場の全員を包む。
ハミース:「段取りは中止だな。出たとこ勝負」
ハミース:「うちの得意なやつだ」
GM:高くを飛んでいた鳥が次々に墜ちていく。その場にオーヴァードしかいない故に意識を失う者もおらず、発信源も遠いようだが、間違いない。
GM:≪ワーディング≫だ。それも極めて高出力の。
デュバリー:ぱちりと瞬きし、開いた眼で進行方向を見る
ミルシュカ:『駐屯地に到着するので……どうしました?』
デュバリー:「《ワーディング》。出力高め」
クレア:「すでに戦闘が始まっているということだ」
ギル:「いくらなんでも早すぎる……!ミルシュカ、米軍からの情報は?」
ミルシュカ:『えっ……!?え、ええと……』
:『何も無い。予定外だ』
:『先手を打たれたか、これは』
アッシュ:「情報も届かないほど急だったか、情報が出せないほど壊滅してるか、両方かってとこだろ」
アッシュ:皆が会話を交わしてる間に、一人立ち上がり剣を背負っている。
デュバリー:「駐屯地かな。その外? それ以外?」
デュバリー:「地図、地図……あ」 ゆるい動きで地図を探していたが、アッシュが立つとそちらに視線が向く
ギル:「……僕たちとの合流前に”Luna”を叩きに来たか。離脱までに間に合いさえすればチャンスだけど……」
アッシュ:「とりあえず、発信元に行ってみればいいだろ」
アッシュ:「オレ先に行って来ても良いよな?状況も知りたいとこだしさ」
:『それで構わん。急行しろ』
ハミース:「マダムは駄々っ子に甘いこって」
ギル:「僕たちもすぐに追いつく。無理はしないでくれ、アッシュ」
デュバリー:「効率が良いのは事実」
クレア:「反対した所で止められるわけでもない。援護するしかないだろう」
クレア:ライフル銃を背に担いで立ち上がる
ハミース:「前を張れるのこいつだけだしな」
アッシュ:「了解。やっぱアイギスは話が早くていいな」
アッシュ:満足げに笑うと、車から飛び出す。その足元を影と雷が包みこみ――。
アッシュ:踏み込み一つで軍用車の先へ、跳ぶように駆けだしていく。

---

GM:切り裂かれた死体の群れ。大穴を穿たれた幾つもの車両。
GM:兵士の骸や周囲の草花が水分を吸収され、急速に乾き萎びていく。
GM:そんな光景の中で対峙する、二つの影。
GM:一つは“デリュージュ”、フランチェスコ・ヴァレンタイン。もう一つは──
“デリュージュ”:「……覚醒したのか」
“デリュージュ”:「まさか、今、この局面で……!」
ルカ:「…殺す」返事はしない。瓦礫で出来た異形の獣。
“デリュージュ”:「……。……まあ、いいだろう。手間が一つ増えただけだ」
“デリュージュ”:「生まれたての赤子が、この俺に勝てるなどと──」
“デリュージュ”:「思い上がるなッ!!」
“デリュージュ”:“デリュージュ”を包む水球が変形。無数の水の刃と化し、ルカに襲い掛かる。
ルカ:一歩踏み込めば、人知を超えた速度で動くことができる。
ルカ:全て避けることなどできやしないが、全身を包む怒りの前では痛みはろくに感じない。
ルカ:戦場を獣のように駆けながら、残骸で作ったような石爪を目の前の男に向けた。
ルカ:「っおああああ!」吠えながら、相手の首筋を刈ろうとする。
“デリュージュ”:「……」
“デリュージュ”:顔色一つ変えない。理外の圧力で保たれた水球が、弾力のある分厚い壁めいて石爪を阻む。
“デリュージュ”:"デリュージュ"は歴戦のオーヴァードだ。当然、対オーヴァード戦にも慣れきっている。
“デリュージュ”:「下らん」
“デリュージュ”:放たれた反撃の水刃が、ルカを切り裂く。
“デリュージュ”:「ただの獣だな。妹にはまるで及ばん」
ルカ:「うるせえ……」一瞬の攻防に考える隙も与えられず、身体を引き裂かれて衝撃に吹き飛ぶ。
ルカ:「おまえが、妹を語るな」
“デリュージュ”:「ますますもって下らんな」
“デリュージュ”:「力無き者が矜持を語るか」
“デリュージュ”:巨大な水塊が歪み、形を変え、夥しい量の刃を形成していく。
ルカ:「お前らには一生、分かんねえだろうよ!」感情に囚われた身体が、真正直すぎる動きをとる。
ルカ:刃の量を考慮できず、獣のような動きで再び男を狙う。
“デリュージュ”:「それを口にしていいのは──」
“デリュージュ”:「勝利し、生き残った者だけだ」
“デリュージュ”:ルカの全身を八つ裂きにして余りある刃が、一斉に解き放たれ──
アッシュ:青い雷と黒い影が、その悉くを打ち払った。
“デリュージュ”:「……!」
“デリュージュ”:その光景に、僅か瞠目する。
アッシュ:「よう、守護聖人」
アッシュ:まるで見知った友人に挨拶するかのような気楽な声がかかる。
アッシュ:「名乗りは要るかい?」
“デリュージュ”:「まさか……」
“デリュージュ”:「アッシュ・ノイ・ジラードか……!!」
アッシュ:銀の髪をたなびかせ、青の瞳を輝かせ。
アッシュ:フランス空軍所属、唯一のオーヴァード。"希望"と呼ばれる少年がそこに居る。
ルカ:「……っ!?」雷と影の波に動きを止められ、茫然と彼を見上げる。
ルカ:(……龍が)
ルカ:(落ちてきたかと思った)
“デリュージュ”:「……面白い……!」
“デリュージュ”:口端を笑みの形に歪め、アッシュを見据える。
“デリュージュ”:「お前とは是非一度、相見えてみたいと思っていた」
アッシュ:「気が合うな。オレもアンタとは楽しめそうと思ってたんだ」
ミルシュカ:『……アッシュさん!アッシュ!』
ミルシュカ:『状況報告!どうなってるの!』
アッシュ:「ん?ああ、ミルシュカか」
アッシュ:「ワーディングの発生源こと守護聖人と接敵。これから戦う」
アッシュ:「後、多分“Luna"っぽいやつも居るぜ。ゴツくて女の子に見えないんだけど、そういう能力だっけ」
ミルシュカ:『やはり“デリュージュ”…… ……えっ?』
ルカ:「……ちげえよ」
ルカ:「おれは"Luna"じゃない。"Luna"はさっき」
ルカ:「さっき死んだ」一息おいてから言う。
ミルシュカ:『…………! そんな……』
アッシュ:「……なるほどね」
アッシュ:「なら、アンタは下がってなよ」
アッシュ:「アイツの水じゃ頭冷やすには鋭すぎるだろ」
ルカ:「………」「いや」
ルカ:「妹の仇なんだ。あんたこそ下がっててくれ」
アッシュ:「そりゃ無理だな」
アッシュ:「言っただろ?オレはこの機会を楽しみに待ってたし」
アッシュ:「目の前で死体が積み上げられるのを黙って見てられる性質でもない」
アッシュ:それだけ言うと、議論は終わったと言いたげに剣を抜き"デリュージュ"へと踏み出す。
ルカ:「……」「……クソガキ」
“デリュージュ”:「……」
“デリュージュ”:水球が変形し、長大な触手を生み出し。
“デリュージュ”:それがアッシュではなく、明後日の方向に飛ぶ。
“デリュージュ”:スリップ音と金属音。アイギスの面々を乗せた軍用車が、エンジンを貫かれて急停止、沈黙する。
デュバリー:車が滑るままに車内で揺さぶられるが、表情はさして変えない
デュバリー:窓越しにルカを端末で撮影し、ミルシュカへ送る 「照合して」
デュバリー:「彼がこの場に居合わせて目覚めたっていうなら、米兵ではあるはず。一応真偽を確かめた方が良い」
ミルシュカ:『あっ……はい!』
デュバリー:「そっちが確認してるうちに、こっちは終わると思うから」
ギル:デュバリーを置いて、ズレた眼鏡を直しながら車内から出てくるよ
“デリュージュ”:「あれは……“鉄王”か」その中の一人を見て、目を細める。
ギル:「"デリュージュ”。何があった?君が引き際を見間違えるとは思えないけれど」
ギル:「ここから状況を打破する秘策でもあるのかな」
“デリュージュ”:「予定が狂った。そこの子供と、お前達の所為でな」
“デリュージュ”:「今度はどこに雇われた?愛国心の欠片も無いか、アイギス」
クレア:「知る必要はない」影からの声。ギルに意識を向けた"デリージュ"の背後から銃弾が迫る。
クレア:狙いは"デリージュ"本体ではない。その両隣。
クレア:浮遊する水球の芯を打ち抜き、弾けさせる。
“デリュージュ”:水飛沫が上がり、水球がその体積を減じさせる。
クレア:通常の戦争における狙撃手の役割は、敵軍の中で最も驚異となる者をその認識外から一撃で葬ることにある。
クレア:指揮官、通信手、衛生兵、機関銃手。部隊の中で替えの効かない人材を優先的に脱落させ、最小の手順で勝利を得る戦争の花形。
クレア:しかし、オーヴァード同士の戦闘において狙撃手の価値は著しく零落した。
クレア:時に銃弾よりも疾く動き、いかなる傷も瞬時に再生する不死身の超人にとって、7mm径のライフル弾一発では致命傷はおろか足止めにもならない。
クレア:故に、対オーヴァード戦闘において狙撃手が最優先する標的は、戦闘手段と逃走手段。敵の退路を断つことだ。
“デリュージュ”:「……まあ、いい」
“デリュージュ”:霧のように立ち込める水蒸気の中で、“デリュージュ”のシルエットが揺れる。
“デリュージュ”:「貴様らを退け……俺は故国に凱旋する」
“デリュージュ”:「“デリュージュ”の力を思い知り、死ね」
ルカ:「絶対にあいつをここで仕留める」
ルカ:「とにかく死ね」
ギル:「デュバリー、彼の援護を頼む」ルカの事を見て。「"デリュージュ”を足止めして千載一遇のチャンスを作った功労者だ。絶対に死なせるな」
デュバリー:首を傾げるように頷く 「いいよ。こっちは気にせず、二人とも頑張ってね」
ミルシュカ:『……戦闘を開始します』
ミルシュカ:『“デリュージュ”の水分操作は、敵に与えた傷口から回復を阻害します』
ミルシュカ:『可能な限り回避するよう心掛けてください』
ミルシュカ:『また、“デリュージュ”のストロングポイントは生成した水球によるダメージコントロールにあります』
ミルシュカ:『ただし、一度体積を削った水球は、回復に時間が掛かるようです。なるべく火力を集中して攻撃を与えてください』
エンゲージ []内は行動値



ギル[10]クレア[9]アッシュ[7]デュバリー[6]ルカ[3]

(5m)

“デリュージュ”[10]

GM:ラウンド1
GM:セットアップから!
ルカ:ありません!
デュバリー:ないぞ!
クレア:なし!
ギル:わたしある!
アッシュ:オレもある!
ギル:あっでもこれマイナーで戦車に乗れば先手取れるな
ギル:でも加速とかしてきたら装甲の分無駄になっちゃうな
GM:また、ハミースさんのNPCカード≪戦術≫により、この戦闘中、全員メジャーアクションの判定ダイスが+5個されます。
ギル:ジェネラル!
デュバリー:やったー
ルカ:パワー!
アッシュ:強いぜハミース
ハミース:お前らでちゃんと決めてくれよ
クレア:ありがたい
ギル:マイナーで乗ることにしよう。やっぱやめたぜ
“デリュージュ”:≪得意領域≫LV6 ラウンド間RCダイス+6個
アッシュ:Lever l'ancre:加速装置Lv3+ヴァジュラLv3→極限暴走Lv1+背徳の理Lv3
アッシュ:行動値+9、攻撃力+9、暴走、判定D+6
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードのイニシアチブを16に変更 (7 → 16)

GM:ではイニシアチブ
GM:行動値16、アッシュさんの手番です。
アッシュ:マイナーでデリュージュに接敵、メジャーでコンボ。
アッシュ:Lève la voile:コンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv1
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+1
GM:判定どうぞ!
アッシュ:15dx7
DoubleCross : (15DX7) → 10[1,2,4,4,5,6,7,7,7,7,9,9,9,10,10]+10[1,1,4,5,6,9,9,9,10]+10[1,2,7,9]+6[6,6] → 36

“デリュージュ”:6DX>=36 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=36) → 9[1,3,5,5,9,9] → 9 → 失敗

GM:ダメージどうぞ!
アッシュ:4d10+20
DoubleCross : (4D10+20) → 24[5,10,4,5]+20 → 44

“デリュージュ”:≪隆起する大地≫LV6
“デリュージュ”:ダメージを軽減します
“デリュージュ”:44-1D10-18
DoubleCross : (44-1D10-18) → 44-9[9]-18 → 17

アッシュ:出目良いなお前!
“デリュージュ”:まだまだ元気!
アッシュ:セットアップ分も侵蝕上げて……
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を13増加 (42 → 55)

クレア:「了解。こちらは配置に付いた。ハミースもな。水球は可能な限り迎撃する」木陰に隠れたまま、通信機に向けて応える。
クレア:「後はいつもどおり。アッシュ」
クレア:「君が火蓋を切れ」
アッシュ:「ああ、任された」
アッシュ:にいっと笑う彼の周囲を黒の影と青の雷が噴き出すように取り囲む。
アッシュ:手に持った剣はほぼ直刀に近い西洋剣。政府より与えられた彼専用のサーベルだ。
アッシュ:その刀身を影が包み、黒く染め上げる。包まれた刃に通った雷が内部から薄青く照らし上げる。
アッシュ:「さて。一対一とは行かねーのが残念だけど」
アッシュ:「やろうぜ、"デリュージュ"」
アッシュ:言葉と同時、彼を取り囲む水蒸気のその真ん中へ。
“デリュージュ”:「俺とお前とでは、立場こそ同じと言えど経験に差がありすぎる」
“デリュージュ”:何人ものオーヴァード達に取り囲まれて、小動もしない。
“デリュージュ”:「オッズは丁度良い。来い」
アッシュ:雷がその身体能力を引き上げ、影が行動を補正する。
アッシュ:真っ直ぐ。振り上げた刃を振り下ろす。単純な動作。
アッシュ:それだけであるはずなのに。あまりにも速く、あまりにも鋭く、あまりにも重く。
アッシュ:ただ当たり前の振る舞いが当たり前に強い。
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの剣の強さとは、例えるなら真理や法則のような、その類いのものである。
“デリュージュ”:攻撃の瞬間、水の壁が刃を阻み、精密操作により不純物を排した水が電流を絶縁する。
“デリュージュ”:切っ先が僅かにスーツを切り裂き、水球に赤色が滲む。
“デリュージュ”:「……速い……」
“デリュージュ”:「だけか?“Espoir”」
アッシュ:「まさか」
アッシュ:止められた刃を囲んでいた影が伸びる。止めたという意識の隙をつくように。
アッシュ:それ自体が刃の鋭さと硬さを持って、"デリュージュ"へと襲い掛かる!
“デリュージュ”:「……チッ……!」
“デリュージュ”:不意を突かれ、水球ごと大きく後退する。
“デリュージュ”:「……成程。伊達ではないらしい」
アッシュ:「そっちこそ。刃を止められたのは久しぶりだ」
アッシュ:「楽しめそうで安心した」

GM:イニシアチブ 行動値10 ギルトレットさんの手番です。
ギル:わーい
ギル:マイナーで戦車に搭乗します。この時自動で戦車砲が装備されるよ!あと行動値が減ったり装甲が増えたりします
ギル:さらにオートでウェポンケースの能力を使い、大口径機関砲を装備します。
GM:ヒェ~ッ
ギル:そしてメジャーで《マルチウェポン》《無形の影》《コンセントレイト:ウロボロス》
ギル:戦車砲と大口径機関砲を使って攻撃するよ。対象はデリュージュさん。装甲値無視、ガード不可。
GM:判定どうぞ!
ギル:8DX7
DoubleCross : (8DX7) → 10[1,1,3,7,8,8,9,10]+10[1,5,7,7,9]+10[3,7,10]+6[4,6] → 36

ギル:いい感じ!
“デリュージュ”:6DX>=36 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=36) → 9[2,4,8,9,9,9] → 9 → 失敗

GM:ダメージどうぞ!
ギル:4d10+36
DoubleCross : (4D10+36) → 23[7,6,3,7]+36 → 59

ギル:うりゃりゃ!
GM:や……ヤバい
“デリュージュ”:≪デモンズウェブ≫LV5+≪異形の加護≫LV1
“デリュージュ”:ダメージを軽減します
ギル:守護聖人流石にやるな
“デリュージュ”:59-9D10
DoubleCross : (59-9D10) → 59-57[8,10,10,8,6,2,3,3,7] → 2

“デリュージュ”:ちょっとだけ通りました しかし暴走はしてないので異形の加護はラウンド1回!
ギル:強すぎる……!では演出いくぜ!

ギル:ギギギギギギギギギ……
ギル:アッシュとデリュージュの攻防の裏。金属の軋むような不快な音と共に、ギルの影が大きく広がり
ギル:影の中から、鉄くずを黒い血肉でつなぎ合わせた歪な金属の巨人が現れる。
ギル:「さあ、押し潰すぞ。鉄王」
ギル:巨人が唸りを上げる。凄まじい質量の重火器を拳銃のような素早さで狙いを定め、デリュージュが後退したその先に弾幕の嵐を叩き込む。
“デリュージュ”:「……!」刃を収納し、水球を防御形態へと変じさせる。
“デリュージュ”:轟音と共に凄まじい水飛沫が上がり、辺りに水蒸気が立ち込める。
“デリュージュ”:「ぐ、うぅうっ……!」
“デリュージュ”:水球が大きくその体積を減じ、“デリュージュ”が顔を顰める。
“デリュージュ”:「“鉄王”……!未だ健在か!」
ギル:「……以前なら今の兵装で倒せていたはず。まだ進化を続けているのか、"デリュージュ”」
ギル:「やはり逃がすわけには行かない。ここで確実に仕留めないと……」
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を9(→ 9)増加 (51 → 60)

GM:行動値10 “デリュージュ”の手番です。
“デリュージュ”:マイナー ≪絶対の空間≫LV4 ダイス+4個
“デリュージュ”:メジャー ≪雨粒の矢≫LV6+≪完全なる世界≫LV3
“デリュージュ”:対象はPC全員!
ギル:がんばりギル
“デリュージュ”:23DX+6
DoubleCross : (23DX10+6) → 10[2,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,8,8,8,9,9,9,9,10]+7[7]+6 → 23

“デリュージュ”:≪妖精の手≫LV6
“デリュージュ”:振り直します
ルカ:やめろ~
“デリュージュ”:1DX+26
DoubleCross : (1DX10+26) → 7[7]+26 → 33

ギル:ほげ……
ルカ:うわっ上がった
GM:リアクションどうぞ!
アッシュ:暴走リア不!
ルカ:ドッジ!
ルカ:5dx>=33
DoubleCross : (5DX10>=33) → 10[3,5,7,9,10]+3[3] → 13 → 失敗

ルカ:無理だよッ
クレア:ドッジ!
クレア:1dx+1>=33
DoubleCross : (1DX10+1>=33) → 6[6]+1 → 7 → 失敗

クレア:無理~
ギル:固定値1のショボショボドッジです
ギル:2DX+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 9[2,9]+1 → 10

ギル:しゅん
デュバリー:うーん、ゲットダウンの勝ち目もうまみも薄いし、ついでに言うと攻撃もできないので……一応ドッジ
ギル:次からナイフ持とうね
デュバリー:1dx+1
DoubleCross : (1DX10+1) → 5[5]+1 → 6

デュバリー:無理なのでこのままメジャー放棄カバーリング。さっき任されたのでルカくんをカバーしよっかな
ギル:いいと思います
ルカ:姉さん…!
“デリュージュ”:ダメージ!
“デリュージュ”:4D10+21
DoubleCross : (4D10+21) → 38[9,10,10,9]+21 → 59

ルカ:エグい出目
ギル:殺意高すぎない?
アッシュ:ずっと出目良いんだよなこいつ
“デリュージュ”:ダメージ発生時≪餓鬼魂の使い≫LV6
ルカ:ヒエーッ!?
“デリュージュ”:ランク3の邪毒を付与します
アッシュ:うわ
クレア:ウギャ~
ギル:装甲でぎりぎり耐えます。HP4
ギル:出目が普通なら邪毒まで耐えられたんだけどちょっと強すぎたな……!
デュバリー:死んじゃうよ~! リザレクト
デュバリー:1d10
DoubleCross : (1D10) → 1

“デリュージュ”:≪デビルストリング≫LV3
デュバリー:エッ
“デリュージュ”:≪リザレクト≫を打ち消します
デュバリー:本当に死んじゃうやつじゃん!?
ルカ:エーー!?
クレア:こちらも死!《リザレクト》
アッシュ:こっちもリザ!
“デリュージュ”:≪デビルストリング≫でクレアとアッシュの≪リザレクト≫も打ち消します
クレア:ギャ~
アッシュ:キツイなこれ……
アッシュ:初期ロイスにある国のロイスをタイタス昇華します
クレア:エリス・ディスコルディアの初期ロイスをタイタス昇華。HP11で復活します。
デュバリー:初期ロイスの路地裏の少年をタイタスにして昇華、復活。守ってやんなきゃな、子供はよ……

“デリュージュ”:ギルトレットの攻撃で撒き散らされた水分が、水球に戻らず至る所で結集し、刃へと変わっていく。
“デリュージュ”:「傭兵風情が……」
“デリュージュ”:「俺と貴様らでは、背負っているものが──覚悟の次元が違うのだ」
“デリュージュ”:「それを思い知らせてやる」
“デリュージュ”:夥しい数の水刃がそれぞれ複雑な軌道で蠢き、君達に襲い掛かる。
デュバリー:……その少し前から。
デュバリー:植物との共感能力が、枯草をざわつかせていた。彼らは撚り繋がれ、心細くも自動する紐となり
デュバリー:糾われたそれは倒れた米兵に取り付き、辺りに散らばる米兵だったものから小銃を物色し、死体を支えに引き金を引いていた。
デュバリー:ろくに狙いもつけずばら撒かれる弾幕で、"デリュージュ"を傷つけることが叶うとも、ましてやその攻撃を防ぐことができるとも思っていない。
デュバリー:(でも、操作はできる)
デュバリー:水の刃が敵意とともに振り下ろされるならば。その敵意のベクトルを、きっと何も知らない彼から少しばかり逸らすことくらいは。
ルカ:「っ…」激しい弾幕に招かれるように、水刃が不自然な軌道を描いて自らを避けていく。
“デリュージュ”:銃撃に反応し、刃の軌道が僅かに逸れる。ルカに向かう刃は疎らなものになるが──それだけだ。母数が多すぎる。
“デリュージュ”:圧縮された水流は骨肉を裂き、体内へと穿孔し荒れ狂い、オーヴァードの≪リザレクト≫を阻害する。
クレア:「……無事か?」小さく開いた口から、言葉と共に血の塊が吐き出される。
クレア:身を潜めていた樹木諸共切り飛ばされ、地に転がっていた。
クレア:「なるほど……こいつは確かに、可能な限り食らうべきじゃないな」
ギル:「だからといって、これを避けろだって?無茶を言うな、ミルシュカは……!」巨人が刃を打ち払うが、防ぎ切ることはできない。かすめた刃で全身を刻まれながら辛うじて立っている
デュバリー:痛苦の声を噛み殺す。攻撃を阻むことができる、とは思っていなかった。だが、これほどの威力とも思っていなかった。
ルカ:「な…」自分だけ守られたことを悟り、思わず戸惑う声が漏れる。傷ついた彼らが見える。
ギル:「デュバリー!彼は無事か?」
デュバリー:車両の後部座席に、少し色の薄い血液を染みつかせながら。 「……逸らすことはできたんじゃない」
デュバリー:「生きる気があったら生きてる」 刻まれた腕、脚を後に回し、口と喉だけ再生しながら、血液の粘つく声で返す
デュバリー:軽く咳き込んで 「……こっちは何とでもできるから。早くそいつを止めて」
デュバリー:「これ、繰り返し受けるのは、ちょっとつらい」
クレア:「了解した」銃を杖代わりに立ち上がる。
クレア:「次は撃たせない」
ギル:「分かってる。あれを何度も撃たれたらこっちが持たない。畳み掛けるぞ。水流を攻撃にさく暇を与えるな」
ギル:「覚悟なら僕たちにもある。帰りを待っている家族のためにも、負けるわけには行かない」
ルカ:「クソ」「お姫様扱いかよ…」頭を振る。頭が冷えてきた。
ミルシュカ:『ッ……』初の実戦でのオペレーティングに、息を呑むような、切羽詰まったような声が漏れる。
ミルシュカ:『す……水球の体積が減少しています……再生する前に攻撃を!』
アッシュ:「なるほどね」
アッシュ:再生の間に合わない体を、影が無理やり立たせている。そして体を走る雷が神経を繋ぎ合わせていく。
アッシュ:「この攻撃とその覚悟がアンタの最強の内訳か?」
“デリュージュ”:「……お前はどうなんだ」
“デリュージュ”:「何故立つ?アッシュ・ノイ・ジラード」
アッシュ:「何故だと思う?」
アッシュ:「ま、アンタみたいなタイプは当てられないだろうけど」
アッシュ:「アンタが勝てたら教えてやるよ。オレが最強って言われる理由」

GM:行動値9 クレアさんの手番です。
クレア:ウェポンケースからボルトアクションライフルを装備。マイナーで起動しメジャーアクション達成値+5。
クレア:《カスタマイズ》《コンセントレイト:モルフェウス》ボルトアクションライフルで"デリージュ"を攻撃。
GM:判定どうぞ!
クレア:12dx7+9
DoubleCross : (12DX7+9) → 10[1,1,2,6,6,6,7,7,8,8,9,10]+10[2,4,6,6,8,9]+5[1,5]+9 → 34

クレア:《剣精の手》
GM:何ィ
クレア:最後のダイスを10にして振り足します。
クレア:1dx7+39
DoubleCross : (1DX7+39) → 6[6]+39 → 45

“デリュージュ”:もうデビストが無い!
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を2増加 (40 → 42)
“デリュージュ”:6DX>=45 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=45) → 10[1,2,5,7,9,10]+1[1] → 11 → 失敗

“デリュージュ”:≪妖精の手≫
クレア:足掻くじゃねえの…
“デリュージュ”:1DX+20>=45
DoubleCross : (1DX10+20>=45) → 10[10]+5[5]+20 → 35 → 失敗

クレア:あっぶな!
“デリュージュ”:クッ
GM:ダメージどうぞ!
クレア:5d10+8 装甲有効
DoubleCross : (5D10+8) → 23[4,3,3,4,9]+8 → 31

クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4増加 (42 → 46)
“デリュージュ”:まだ生きてる!

クレア:"デリージュ"の側面から三発の銃声。
クレア:ライフル弾が水球へと放たれる。しかし、先程の不意打ちとはわけが違う。
クレア:銃声の瞬間、半自動的に水の触手が反撃としてその方向へと殺到する。
クレア:しかし、弾丸が放たれた場所には誰もいない。
“デリュージュ”:「──!」
クレア:間髪入れず、今度は背後から同様に三発。
クレア:単純な原理。移動しながら、狙いをつけずに狙撃している。
クレア:デタラメに放たれた筈の銃弾はしかし、その弾道の途中で弓の曲射のように曲りくねり、的確にデリージュを捉える。
“デリュージュ”:アッシュとギルトレットの攻撃で削られた水球では、その銃撃を受け止めきることは出来ない。
“デリュージュ”:「ぐ、あぁッ……!」
“デリュージュ”:弾丸は“デリュージュ”を捉え、赤の絵の具を溶かしたように、水中に血液が広がる。
クレア:「これで……大分削ったか」
クレア:脇腹を押さえる。こうしている間にも損傷は回復していない。
クレア:受けた斬撃は三本。二つは肋骨で止まったが、一つは内臓に達したか。
クレア:「……今までありがとう。ケイト」流れ落ちる血を眺めながら、誰にともなく呟く。
クレア:「長引くと面倒だ。畳みかけろ!」
デュバリー:優勢に傾く戦況をじっと見守っている。クレアの声を耳にして、視線が向くのはアッシュの方角だ。
“デリュージュ”:「ぐ、ぅ……!」硬化した水で、己の傷を塞ぐ。
“デリュージュ”:苦痛に表情を歪めながら、アイギスの面々を睥睨する。
“デリュージュ”:「この程度で……“デリュージュ”が倒れるものかよ……!」

GM:行動値3 ルカさんの手番です。
ルカ:マイナーアクション。《骨の剣》《死招きの爪》《ハンティングスタイル》。武器を作成しながらデリュージュに接敵。
ルカ:メジャーアクション。《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》オートで《砂の加護》。
ルカ:デリュージュに白兵攻撃します。
ルカ:(7+5)dx7+8-1
DoubleCross : (12DX7+7) → 10[1,1,2,3,3,4,5,7,7,8,9,10]+10[1,6,7,8,10]+10[5,7,8]+10[5,9]+10[10]+3[3]+7 → 60

ルカ:うおお うおおお
GM:何だと…………
ギル:うおー!
“デリュージュ”:6DX>=60 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=60) → 7[1,3,3,3,6,7] → 7 → 失敗

“デリュージュ”:≪妖精の手≫
“デリュージュ”:1DX+10>=60
DoubleCross : (1DX10+10>=60) → 2[2]+10 → 12 → 失敗

“デリュージュ”:クッ……
“デリュージュ”:≪妖精の輪≫LV2!
ルカ:ウオーー!何ーー!?
デュバリー:生き汚いぞ!
“デリュージュ”:1DX+20>=60
DoubleCross : (1DX10+20>=60) → 7[7]+20 → 27 → 失敗

“デリュージュ”:グアア
GM:ダメージどうぞ!
ルカ:ウオオーー!!
ルカ:7d10+10+6 装甲無視
DoubleCross : (7D10+10+6) → 33[2,8,7,3,9,2,2]+10+6 → 49

ルカ:49ダメージ、装甲無視です!
GM:な 何だと……
“デリュージュ”:HPは……
“デリュージュ”:100!
“デリュージュ”:残りHP1です
ルカ:何~~~!?
ギル:ぬーっ
アッシュ:食いしばられた!
クレア:やりおる…
デュバリー:い……生き汚い……!!
ルカ:侵蝕率40→55になります!

ルカ:「……無視してんじゃねえぞ」一人ごちる。朦朧とする中で見ていた妹の戦い方が頭に焼き付いている。
ルカ:機動力を生かして戦場を駆けまわりながら、水球の体積が減じた隙をついて飛び掛かる。
ルカ:つまり今だ。
ルカ:男は自分のことなどたいして気にも留めてない。そうだろう。それを良しとする。
ルカ:だからこそ、彼を狙える。
ルカ:大地を蹴り飛ばす。自分でもコントロールしきれぬ程の異常な身体能力に振り回されながらも、彼の間合いに入りこんだ。
ルカ:「余所見してんじゃねえぞ!この……」
ルカ:「化け物野郎!」
ルカ:右腕をふるう。瓦礫をつないだ武骨な牙が、彼の首筋を狙った。
“デリュージュ”:アイギスの面々に余さず気を配っていた。誰がいつ動こうと、余さず押さえ込み、迎撃できるようにと。
“デリュージュ”:だからこそ──ほんの一瞬、反応が遅れた。
ルカ:「うおらぁあああアアッ!」異形の獣が吠える。
“デリュージュ”:「ぐ──おおォオオオオッ!?」
“デリュージュ”:水の障壁ごと切り裂かれ、首筋から夥しい血飛沫が上がる。
ルカ:「どうだッ……はッ……どうだよ!」「テメエが見下してる人間に倒される気分はよぉ!」
“デリュージュ”:「お……前……ッ……!」
“デリュージュ”:ルカを引き剥がそうと、水の触手がその背に次々と突き刺さる。
ルカ:「ぐあっ…は、はははは……!」笑いながら、触手によって背後から無理やり引き剥がされる。
ギル:「少年!なんて無茶な戦い方を……!」
“デリュージュ”:「あ……が……ッ……!」
“デリュージュ”:何とかルカを弾き飛ばすが、その頸部は深々と切り裂かれ、白骨が覗いている。
“デリュージュ”:ぐらり、と首が傾き──
“デリュージュ”:瞬間、纏わりつく水の塊によって、無理やりに繋ぎ止められる。
ルカ:「……つの………」どうにかトドメを刺そうともがいているが、背中を貫く水の触手に射止められ、動きを阻まれている。
“デリュージュ”:「ご、ぼッ……!が、はぁっ……!はぁ……っ……!」
“デリュージュ”:激しく咳き込み、口から水の混じった血を吐き出す。
“デリュージュ”:「……ふざけるなよ、小僧……傭兵ども……」
“デリュージュ”:「俺は、“デリュージュ”……イタリアの守護者だ……」
“デリュージュ”:「民の為……故国の為……。こんなところで、倒れていい筈が無いだろうが……!」
“デリュージュ”:狂気にも似た執念を宿す瞳で、吠えた。

GM:クリンナップ
GM:邪毒を受けている人はHPを減らしてください。
デュバリー:ヒーッ
クレア:HP11→2
デュバリー:と思ったが最終的にタイタス復活してるので死にはしないのか……
デュバリー:HP 11 > 2
アッシュ:13から9点減って残り4!
ギル:HPが0になって死だよ
ギル:リザレクトします
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (60 → 69)
ギル:高須クリニック
GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
ギル:なにもないです
ルカ:ありません!
クレア:なし!
デュバリー:ないぞ!
“デリュージュ”:≪得意領域≫LV6 ラウンド間RCダイス+6個
アッシュ:Déterminer le cours:加速装置Lv3
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードのイニシアチブを16に変更 (16 → 16)
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を2増加 (55 → 57)

GM:ではイニシアチブ
GM:行動値16、アッシュさんの手番です。
アッシュ:はい!マイナー無しのメジャーコンボ!
アッシュ:Ramer les rames:コンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv1+ミカヅチLv1
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+1、ダメージ+3D
ルカ:オート《砂の加護》。アッシュくんの判定ダイス+3。
ルカ:ルカの侵蝕率を3増加 (55 → 58)
GM:判定どうぞ!
アッシュ:18dx7
DoubleCross : (18DX7) → 10[1,1,4,4,4,5,5,5,6,6,6,7,9,9,10,10,10,10]+10[1,4,5,7,7,7,9]+4[2,3,3,4] → 24

アッシュ:うっわ腐った
“デリュージュ”:6DX ドッジ
DoubleCross : (6DX10) → 9[2,6,7,9,9,9] → 9

“デリュージュ”:≪妖精の手≫
“デリュージュ”:1DX+10>=24
DoubleCross : (1DX10+10>=24) → 7[7]+10 → 17 → 失敗

“デリュージュ”:妖精の手は1回あるが……攻撃に使わなければ……
GM:ダメージどうぞ!
アッシュ:3d10+20+3d10
DoubleCross : (3D10+20+3D10) → 8[2,2,4]+20+16[9,6,1] → 44

“デリュージュ”:この程度……受け切ってやる!
“デリュージュ”:≪デモンズウェブ≫LV5+≪異形の加護≫LV1
“デリュージュ”:ダメージを軽減します
“デリュージュ”:44-9D10
DoubleCross : (44-9D10) → 44-64[6,3,10,9,10,10,4,8,4] → -20

アッシュ:いややっぱ出目強い
“デリュージュ”:見たか……
ギル:流石だなあ
ルカ:強すぎる

アッシュ:「民のため、故国のため。ね」
アッシュ:「多いよな、そのタイプ。アンタもそうだろうとは思ったけど」
アッシュ:刀身を包んでいた影が乱れる。それは、コントロールが狂っているわけではなく。
アッシュ:芯から照らし出していた雷の出力が上がっているのだ。影を打ち破るほどに。
アッシュ:その膨れ上がった雷を影が包み直し、一回り、いや二回り巨大な剣を改めて形成する。
アッシュ:「でもそれ言ってたヤツの中でマジで倒れなかったヤツ見たことないんだ」
アッシュ:「なあ、"デリュージュ"」
アッシュ:「アンタはこれで立ってられるか?」
アッシュ:一閃。
アッシュ:巨大になったはずの剣の速度は変わらず――むしろ、先ほどより速い。
ルカ:(───ッ!)莫大なエネルギーの余波で巻き起こる爆風をまともに食らいながら。(…化け物ども…ッ)
ルカ:指先が溶けるように砂礫化すると、同時にデリュージュの眼前に同質量の砂が出現し、目つぶしを狙う。
ルカ:(お行儀悪いやり方で邪魔されろ…!)
“デリュージュ”:「────嘗めるな」
“デリュージュ”:閃光、爆音。白い蒸気が噴き上がり、辺りにイオン臭が立ち込める。
ルカ:「どあっ」今度こそ吹き飛んでもんどり打つ。
アッシュ:「……ははっ」
アッシュ:先の再現のようにがっちりと刃を受け止められたまま笑う。
“デリュージュ”:蒸気が晴れていく。揺らめく赤の長髪。
“デリュージュ”:水球が変形し、一極に集中。螺旋状に捩じられて、アッシュの刃を受け止めている。
“デリュージュ”:「これが年季の違いだ、アッシュ・ノイ・ジラード」
“デリュージュ”:首元の水塊が変形し、目潰しの砂を寄せ付けていない。
アッシュ:「そうみたいだな」
アッシュ:「ああ、認めるよ。フランチェスコ・ヴァレンタイン」
アッシュ:「アンタ、オレが戦ってきた中でも間違いなく最強だ」
アッシュ:「マジで惜しいな。一対一じゃねえの」
“デリュージュ”:「……この程度」
“デリュージュ”:「俺にとってはいつものことだ」
ルカ:(あいつら)光景を見上げている。(何を、楽しんでいやがる)
ギル:「駄目だ、再装填は間に合わない……!もう一撃くるぞ!」

GM:行動値10 “デリュージュ”の手番です。
“デリュージュ”:マイナー ≪絶対の空間≫LV4 ダイス+4個
“デリュージュ”:メジャー ≪雨粒の矢≫LV6+≪完全なる世界≫LV3
“デリュージュ”:対象はPC全員。
“デリュージュ”:23DX+6
DoubleCross : (23DX10+6) → 10[1,1,1,1,2,4,4,4,4,5,5,5,5,6,7,7,8,9,9,9,10,10,10]+9[2,9,9]+6 → 25

“デリュージュ”:最後の≪妖精の手≫
“デリュージュ”:1DX+26
DoubleCross : (1DX10+26) → 3[3]+26 → 29

GM:変わらんか……ダメージどうぞ!
アッシュ:相変わらずリア不!
ギル:避けてみよう
ギル:2DX+1 ヤー
DoubleCross : (2DX10+1) → 9[7,9]+1 → 10

ルカ:ドッジをがんばる
ルカ:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 7[1,3,4,7,7] → 7

ルカ:だめだー
クレア:ドッジ
クレア:1dx+1>=29
DoubleCross : (1DX10+1>=29) → 9[9]+1 → 10 → 失敗

デュバリー:1dx+1 ドッジ
DoubleCross : (1DX10+1) → 3[3]+1 → 4

デュバリー:メジャー放棄。クレアをカバーリング
“デリュージュ”:ダメージ!
“デリュージュ”:3D10+21
DoubleCross : (3D10+21) → 19[7,8,4]+21 → 40

ギル:うおー
ルカ:キャーー
ギル:うわーぎりぎり死ぬ。リザレクトしよう
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (69 → 74)
ルカ:死にます!リザレクト。
ルカ:ルカの侵蝕率を110増加 (58 → 168)
ルカ:!まちがい
ギル:めっちゃ上がったw
ルカ:1d10
DoubleCross : (1D10) → 8

ルカ:ルカの侵蝕率を8増加 (58 → 66)
デュバリー:1d10
DoubleCross : (1D10) → 9

デュバリー:52>61
アッシュ:先にさっきの攻撃分上げて
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を11増加 (59 → 70)
アッシュ:それからリザレクト!
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (70 → 77)
“デリュージュ”:ダメージ時ルカくんに≪餓鬼魂の使い≫LV6
ルカ:キャーー
“デリュージュ”:邪毒ランク3を付与!
ルカ:ぐおお…食らいます

“デリュージュ”:水球が無数の槍に変じる。全方位に切っ先を向け、剣呑な威容を示す。
“デリュージュ”:「終わりだ、“Espoir”。傭兵。そして名も無きオーヴァード」
“デリュージュ”:「外敵を倒し、故国へと帰る。それが俺の責務だ」
“デリュージュ”:「お前達などに……阻めるものかよ!!」
“デリュージュ”:水槍が解き放たれる。轟音と共に、辺り構わず何もかもを次々に串刺しにしていく。
ギル:「ぐううっ……!あのボロボロの体の一体何処に、こんな力が残っているんだ……!」
ルカ:「っぐあ!」体中が串刺しにされ、その水流が体内で暴れて身体の再生を阻害する。
デュバリー:先の攻撃で薙ぎ払われたのとは別の方角で、やはり枯草の束が幾つかの小銃を掴んでいる。
デュバリー:本人がまたその槍に上から下へ貫かれようと、意にも介さない。折れた首はだらりと脱力し、しかし眼と唇は動く。
デュバリー:「救世主様。あなたは間違えた」
デュバリー:「アッシュを凌ぐことに賭けてしまった。背を見せ逃げるべきだったのに。あなたにはもう、敗北以外何も残らない」
デュバリー:放たれる弾丸は、拙く力弱い。しかし幾度もの銃撃を重ねて、ほんの数発の水槍だけを撃って散らしている。
“デリュージュ”:血混じりに咳き込み、よろめきながらも、倒れることはない。強い意志を秘めた瞳で、君達を睨む。
“デリュージュ”:「戯言を」
デュバリー:「簡単な法則ルール。駒が届くなら……」
デュバリー:「無防備のキングは、兵士ポーンであろうと殺せる」
“デリュージュ”:「もう起き上がってくるな。俺のそれに比べれば、お前達の戦う理由など、塵芥に等しいだろう。傭兵」
“デリュージュ”:「それとも宵越しの端金の為に、未だ“デリュージュ”に挑むか」
アッシュ:「おいおい、酷いな」
アッシュ:「オレ達はもう倒した後の気で居るのかよ」
アッシュ:笑いながら、当然のように立っている。
アッシュ:いや、当然と呼ぶには遠い。影で身を覆い、膝を折らずに居るだけといった様相だ。
“デリュージュ”:「お前……」
“デリュージュ”:荒い息を吐きながら、アッシュに目を向ける。
“デリュージュ”:「何故、その身体で立ち上がれる」
“デリュージュ”:「故国の為か」
“デリュージュ”:「お前も、俺と同じ……」
アッシュ:「何故、ね。……ああ、そういや」
アッシュ:「要らないからって名乗ってなかったな。ちょうど良いや」
アッシュ:「オレはArche・Noé・Girard。勇敢なりしノアの箱舟」
アッシュ:「アンタと違って自ら背負った覚えはない。乗せる相手も選ばない」
アッシュ:「背に何が乗ろうと、前に何があろうと。ただ勝利を目指して進む船」
アッシュ:「それがオレだ。そうあるのがオレだ」
アッシュ:「だからこの程度じゃ沈まない」
アッシュ:「なあ、そこのアンタ!」
アッシュ:傍に転がるルカへと声をかける。
ルカ:「………」視線だけで返事をする。
アッシュ:「アンタも名前があるだろ。名乗ってやれよ」
アッシュ:「完璧なる守護聖人様に、一矢報いた男の名前を教えてやれ」
ルカ:「………っ、かはっ」喋りたくないのではない、激痛に苛まれてろくに喋れなかった。
ルカ:メイはこの痛みを食らっていたのか。目の前のこいつは、この痛みを食らっていてもなお笑うのか。
ルカ:「そうかよ、ご立派な英雄サンどもよ……」どうにか身体を起こして立ち上がる。口から漏れた血を指で拭う
ルカ:「じゃあ、名乗ってやるよ……。斑鳩・フォード。…ああ、そうだ。さっきまで、おまえが虫ケラみたいに踏み潰そうとしていた男の名前だ」
ルカ:「ここにいる何百人の虫ケラを代表して言ってやるよ、守護聖人」
ルカ:男を睨む。
ルカ:「てめえを殺すのは、てめえが見下しているなんでもねえ野郎だってな」
“デリュージュ”:「……ここで死にゆく者の名を」
“デリュージュ”:「覚えておく必要など、無い」
“デリュージュ”:「言った筈だ」
“デリュージュ”:未だ衰えぬ闘志を滾らせ、視線を返す。
“デリュージュ”:「矜持ならば、力で証明してみせろ」
クレア:「──────」微動だにせず、呼吸すら止めて
クレア:自らを避けて降り注ぐ水槍の雨の中で
クレア:ただ真っ直ぐ"デリージュ"に狙いを定めて、引き金に指をかけている。

GM:行動値9 クレアさんの手番です。
クレア:マイナーでボルトアクションライフルを起動し攻撃達成値+5。
クレア:『モルフォバレット』《カスタマイズ》《コンセントレイト:モルフェウス》ボルトアクションライフルで"デリージュ"を攻撃。
クレア:12dx7+9
DoubleCross : (12DX7+9) → 10[2,3,4,4,5,6,6,7,7,8,9,9]+10[3,5,6,9,10]+10[6,8]+10[10]+10[10]+1[1]+9 → 60

ルカ:スゴッッ
“デリュージュ”:ドッジ……!
“デリュージュ”:6DX>=60
DoubleCross : (6DX10>=60) → 10[3,4,6,7,9,10]+6[6] → 16 → 失敗

GM:ダメージどうぞ!
クレア:7d10+8 装甲有効
DoubleCross : (7D10+8) → 43[10,1,10,4,8,8,2]+8 → 51

“デリュージュ”:≪隆起する大地≫LV6
“デリュージュ”:ダメージを軽減します
クレア:ぬぬぬ!
“デリュージュ”:51-1D10-18
DoubleCross : (51-1D10-18) → 51-8[8]-18 → 25

“デリュージュ”:駄目だ……!
“デリュージュ”:HPは1!
“デリュージュ”:戦闘不能。
ルカ:ウオーーーッ
クレア:"デリージュ"。安らかに眠れ……
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4増加 (46 → 50)

クレア:"デリージュ"が吠えると同時に、前触れ無く、静かに銃の引き金を引く。
クレア:放たれた弾丸が真っ直ぐに標的へと飛んでいく。
“デリュージュ”:巨大な水球が弾丸を受け止める。飛沫が弾けるが、“デリュージュ”には届かない。
クレア:狙撃手の一撃はオーヴァードにとっては致命足り得ない。それは勿論……
クレア:その弾丸を放つのが尋常の射手であればの話だ
クレア:水球に包まれ、勢いを殺されたはずの弾丸が
クレア:その形を変える。円錐形のフォルムが鏃のように扁平し、やがて鰭のように拡がって水を捉え
クレア:水球の中で"加速"する。
“デリュージュ”:「な──」
クレア:モルフェウス能力による、弾道中の弾丸の変成。それが曲がる射撃の正体であり
クレア:一度放てば、標的に弾丸を届かせる手段は無数に存在する。
クレア:水球を突き破り"デリージュ"の心臓へと、それは到達した。
“デリュージュ”:「が」
“デリュージュ”:「ッ────!」
ルカ:「……言い返してやる」
ルカ:「おれが力を証明する必要はねえ」
ルカ:「おまえの敵である誰かがおまえを殺せばいいだけだ」
クレア:「……一つ、いや二つ。訂正することがある」
クレア:「狙撃手を歩兵ポーンで括られるのは心外だ。それから」
クレア:「自分はクレア・アップルシード。なんでもない者ではない」
ルカ:「……。オーヴァードってのはよ…」
クレア:「……お前も、訂正があるなら聞こう。"ローマの守護聖人"、"デリージュ"。高潔なるフランチェスコ・ヴァレンタイン」
クレア:「墓碑に刻む名は、それで間違いないか?」
“デリュージュ”:ばしゃり、と水球が弾ける。
“デリュージュ”:「ご……は……」
“デリュージュ”:何とか形を保とうと、水流が“デリュージュ”の周囲で跳ね回っている。
“デリュージュ”:「ぐ…………ぁあああああぁあッ!!」
“デリュージュ”:自らの胸部の大穴に手をやり、水分を──血液を操作し、疑似的な臓器……失われた心臓を形作る。
ギル:「まさか……まだ耐えるのか……!」
“デリュージュ”:「俺は」
“デリュージュ”:水流が再び渦を巻き、刃を形作っていく。
“デリュージュ”:「俺は」
“デリュージュ”:「帰────」
“デリュージュ”:──ぱしゃり
“デリュージュ”:再び、水の刃が形を失う。
“デリュージュ”:胸の穴からどろりと血と水が噴き出し。
“デリュージュ”:「…………」
“デリュージュ”:水音と共に、血溜まりの中に倒れ伏す。
ミルシュカ:『……“デリュージュ”の戦闘不能を確認』
ミルシュカ:『戦闘……終了です』
ミルシュカ:『皆さん、お疲れさまでした』
デュバリー:「そうだね。お疲れ様」
デュバリー:「今日はちょっと大変だった」 まだ傷を再生しているところだ
ギル:「……任務完了だね。米軍側の被害は?」
ミルシュカ:『襲撃を受けたのはこの部隊だけのようです。それから……』
ルカ:苦虫を嚙み潰したような顔でデリュージュを見つめていた後、なかば這うようにして妹の元へ向かう。
ミルシュカ:『そちらのオーヴァードに関しても、確認が取れました』
ミルシュカ:『斑鳩・フォード。米軍所属、20歳』
クレア:「……"Luna"の身内か」
ミルシュカ:『……はい。“Luna”……明星・フォードの、実兄です』
アッシュ:黙って"デリュージュ"に対して十字を切った後。
アッシュ:「そういや言ってたな。妹の仇って」
ギル:「それじゃあ”Luna”は本当に……。間に合わなかったのか……」
ルカ:「ああ」メイの亡骸を抱きかかえている。
ルカ:「本当は18、その経歴はウソ」
ルカ:「……あんたらは、"アイギス"だろ」
:「そうだ」
:虚空から声が響く。
:何も無い空間に暗黒の裂け目が生じ、開かれたゲートからアーデルハイドが姿を現す。
ルカ:「……!? なッ…」
ギル:「大丈夫なのかい?」
ルカ:「な…なんだ今の……!? か…カートゥーンでもやらねえぞそんなの……」
デュバリー:再生を終え、車から降りてくる。衣服の破れは草花で補修されている。
デュバリー:「珍しいのね。直々に出てくるなんて」
:「事が事だからな」
:紫煙を吐き出し、ルカに目を向ける。
:「斑鳩・フォードだな」
:「私は舞・R・アーデルハイド。武装組織アイギスのリーダーだ」
ルカ:「……」瞠目している。
:「まどろっこしいのは趣味ではない。単刀直入に問おう」
:「君はこれからどうする?」
ルカ:気付けば異形化は解除され、この短時間で数度吹き飛んだはずの身体はすっかり再生されている。
ルカ:胸の中には死んだ妹がいた。
ルカ:「………このまま」
ルカ:「アメリカに帰っても、虫ケラ以下の扱いになるだけだ」
ルカ:「軍に入ったのだって、妹に会うためだった……戻る理由はなくなっちまった」
デュバリー:「そうね。あなたの妹さん、ひどい扱いだったって見て分かる」
ルカ:「……」デュバリーの言葉に唇を噛む。
クレア:「ではどこへ行く」
:「このままどこかへ逃げるか?この世界に、オーヴァードが一人で生きていける場所など、どこにも無い」
ルカ:「……じゃあ」
ルカ:「どうしたらいいんだよ」
:その問いが出るのを待っていたように。と言うより、誘導したのだろうが。
:ゆっくりと煙草の煙を吸い込み、吐き出して。
:「アイギスに来い。斑鳩・フォード」
:「ここはオーヴァードが人間として生きる為の場所だ」
:「我々なら、『君達』を守ってやれる」
:ルカと、既に亡骸になった妹に目を向ける。
ルカ:「……!」
GM:オーヴァードの身柄は基本的に、軍と国の所有物となる。それは亡骸であっても同じことだ。
GM:その肉体は貴重な検体として、死後も様々な研究の為余すことなく利用される。それは何も、アメリカに限った話ではない。
ルカ:「メイを、これ以上あいつらに侮辱されたくない」
ルカ:「これ以上……、……。…それを…あんたらなら」
ルカ:「できるって、いうのか」
:「出来るとも」
:「その為のアイギスだ」
:当然のことのように言い放つ。
ギル:「少なくとも、アメリカを敵に回すことになるだろうけどね。リーダーは君に、それだけの価値があると思っているらしい」
ルカ:「………」視線を地に彷徨わせる。とはいえ、選択肢はもはや残されていなかった。
ルカ:「……なら、頼む」
ルカ:「妹を弔ってやりたい。それで、おれを使えるなら、使ってくれ」
:「……決まりだな」
:口端を歪めるだけの笑みを作って。
:「アイギスにようこそ」
:「歓迎しよう。斑鳩・フォード」



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得・購入可能です。
ルカ:敵/"デリュージュ"/脅威/憎悪:〇/ロイス このロイスをタイタス化します。
ルカ:あとアッシュくんにロイスを取得しよう
ルカ:英雄/アッシュ・ノイ・ジラード/憧憬/隔意:〇/ロイス
アッシュ:"デリュージュ"へ〇感服/惜しかったで取得します
ギル:購入判定しちゃお
デュバリー:応急手当キットかう
デュバリー:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 10[1,2,2,10]+3[3] → 13

デュバリー:買えた。生存率高めなのはギルくんだろうしそっちに先に回そうかな
ギル:貰います
クレア:こっちも応急買おう
クレア:3dx+3>=8
DoubleCross : (3DX10+3>=8) → 9[4,8,9]+3 → 12 → 成功

ルカ:応急買う!
ルカ:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 6[2,3,6]+1 → 7 → 失敗

ルカ:失敗してしまった… ウーム 情報収集もあるし とりあえずこれで終わり!
デュバリー:それどころではなかったんだね
アッシュ:こっちも応急手当キット狙います
アッシュ:2dx+2>=8
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 5[5,5]+2 → 7 → 失敗

アッシュ:うわ、こっちもミスった。以上で
ギル:うーん。侵蝕高いから無業使うかどうか悩むなあ
ギル:まだいいか。車載機銃を狙ってみます。
ギル:2DX+3
DoubleCross : (2DX10+3) → 6[1,6]+3 → 9

ギル:4点使って買っておこう。攻撃力9の銃が手に入るぞ
ギル:財産残り3点になりました
クレア:応急使いたい人います?
ギル:応急は二個とも使っていいのかな
ギル:つかいたみ。侵蝕も結構高くなっちゃったし……
ルカ:ギルくん使っていいですよ!
ギル:わーい
クレア:こっちもいいよ~
アッシュ:持ってって!
ギル:じゃあまとめて使っちゃお
ギル:4d10+9
DoubleCross : (4D10+9) → 16[1,5,2,8]+9 → 25

ギル:結構回復!以上です
クレア:以上!
ルカ:以上!



【Middle2/「後で誕生日を教えてくれ」】

GM:情報収集・ブリーフィングのシーンです。
GM:全員登場を推奨します。
ルカ:ルカの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (66 → 71)
ルカ:ずっと5だな~
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (50 → 54)
ギル:デデデ大王
デュバリー:1d3+3
DoubleCross : (1D3+3) → 1[1]+3 → 4

デュバリー:61 > 65
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (77 → 82)
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (74 → 79)



GM:ではですね……先に情報収集をしてもらおうかな
ルカ:なんだって!
ギル:ほうほう
アッシュ:やってやるぜ
クレア:まかせな
デュバリー:来たか……
GM:今回の任務に関する情報収集です。なお、この情報収集は達成しなくても次のシーンに進むことが出来ます。
GM:ただし、達成するとちょっとしたいいことがあったりします。再度登場することでもう一度判定をすることも出来るので、侵蝕と相談して判定してみてください。
GM:というわけで項目はこちらです

・大日本帝国陸軍神人部隊 第三師団 ≪情報:軍事/アイギス≫難易度7
達成で次項目開示
・“荒御魂”について ≪情報:軍事/噂話≫難易度11
達成で戦闘中メジャー判定達成値+3


GM:全項目達成で、戦闘開始時にPCのエンゲージ配置を敵から30m以内で自由に決定することが可能です。
ギル:すごー
ルカ:へーおもしろい
デュバリー:ほほー
クレア:便利~
ギル:社会は不得意!
アッシュ:なるほどね
デュバリー:移動力が8mでも困らなさそう
ルカ:姐さんいじめないで
クレア:コネ込みで5dx+1で振れます
デュバリー:次項目が出るまで様子見の構え それなりに強いはずなので……
ギル:じゃあ第三師団行こうかな。難易度7ならなんとかなるやろ
アッシュ:何故かボーナスが+2あるのでコネ込みなら5dx+1です
ルカ:あっ待って
ルカ:多分一番情報技能に弱いので先陣切りたいっす
ギル:ムムン
クレア:なるほど
ギル:ほ、ほんとだ
ギル:どうぞお先に……
デュバリー:ギルもビビる
ルカ:第三師団について〈情報:アイギス〉で調べるよ!コネ使用!
ルカ:5dx>=7
DoubleCross : (5DX10>=7) → 7[4,4,5,6,7] → 7 → 成功

ルカ:ヤッター!
GM:お見事!
クレア:やるじゃん新人
アッシュ:ピッタリ!
ルカ:ヘヘッ…有難ッス
GM:では公開します

・大日本帝国陸軍神人部隊 第三師団 ≪情報:軍事/アイギス≫難易度7
日本ではオーヴァードは『神人』、エフェクトは『神威』と呼称されており、レネゲイドの力は超自然・霊的なものであると考えられ、一種の崇拝の対象となっている。
しかしそれと同時に、大拡散以前の古くから呪術としてレネゲイドを扱ってきた国でもあり、その技術研究は世界でもトップクラスのものだ。
日本陸軍では貴重なオーヴァードを大多数の非オーヴァード人員を用い全面に渡ってサポートする編成を取っており、神人部隊第三師団もそうした部隊の一つのようだ。
直接戦闘に秀でたオーヴァードが揃っているらしく、現在は大東亜戦争の前線で猛威を奮っている。
オーヴァードは師団長である“破軍”と、“黄泉醜め”、“躄り六十握” の計三名が確認されている。


・情報収集:“黄泉醜め” ≪情報:軍事/アイギス≫難易度8
達成で情報公開
・情報収集:“躄り六十握” ≪情報:軍事/アイギス≫難易度8
達成で情報公開
・情報収集:“破軍” ≪情報:軍事/アイギス≫難易度9
達成で情報公開


GM:こちらが追加されます。
ギル:3人もいるのヤバそうだなー
アッシュ:追加多!
ルカ:敵の情報!
ギル:黄泉ちゃん行ってみよ。
ギル:2DX+3 
DoubleCross : (2DX10+3) → 9[5,9]+3 → 12

クレア:すごい
ルカ:すご~~
アッシュ:出目が良い
ギル:ふふん。次からちゃんとコネとろ
GM:やりましたね 公開します

・情報収集:“黄泉醜め” ≪情報:軍事/アイギス≫難易度8
本名弥富セツ。15歳女性。
魂とレネゲイドを同一のものとする仮説に基づき、胎児に超人妖鬼の霊を降ろすことでオーヴァードの再利用を図る計画の僅かな成功例。
軍内部で神人としての価値と使命を教え込まれながら育ち、人格は従順にして明朗。
自由を奪い嬲り殺す陰湿な手管は、彼女が生まれた経緯を物語るものだろう。
主なエフェクト・アイテム
≪ファンアウト≫
≪奈落の法則≫
≪赤色の従者≫
≪闇夜の呪い≫


ギル:なんか強そう
ギル:範囲攻撃って誰が使えたっけ
アッシュ:居ないのでは
ルカ:異世界の因子すれば使えるようになるよ~
ギル:りょ。
デュバリー:なるほどね
アッシュ:あ、なるほど
クレア:ルカちにかかってるぜ
ギル:私が範囲攻撃武器を調達するしかあるまい
アッシュ:じゃあ次“躄り六十握”行こうかな
ギル:お願いします
アッシュ:コネ:アイギス戦友を使って判定
アッシュ:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 10[1,1,3,8,10]+8[8]+1 → 19 → 成功

アッシュ:めちゃ分かった
GM:すごい
ルカ:友達じゃん
クレア:えらい

・情報収集:“躄り六十握” ≪情報:軍事/アイギス≫難易度8
本名桑原静電。
大日本帝国陸軍神人部隊第三師団、第一連隊長。
皇國生類精機製の被造神人。古風な言い回しを好む、仁義ぶった少女。
「掩八紘」という卓絶した武装運用の才を齎す遺産のキャリア。
破滅的な破壊槍「六十握槍」は、貫くものを壊れるまで刳り続ける呪いの具現である。
主なエフェクト・アイテム
《ライトスピード》
《鮮血の一撃》
《ブラッドボム》
《生命吸収》
《鮮血の修羅》


クレア:一ラウンドに何回も殺してくるじゃん
アッシュ:エフェクトの時点でもう相手したくない
ルカ:怖いよーッ
クレア:“破軍”いってみまーす。情報:アイギスで判定。コネ使用。
クレア:5dx+1>=9
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 9[3,4,6,8,9]+1 → 10 → 成功

クレア:よし!
ルカ:見事~!
GM:みんな優秀ね~

・情報収集:“破軍” ≪情報:軍事/アイギス≫難易度9
本名朝霧珂雪。31歳女性。
大日本帝国陸軍神人部隊 第三師団師団長。
朝霧家は古くから続く祓魔師の家系であり、大拡散とレネゲイドの発見に伴い軍内部で大きく台頭した。
朝霧珂雪はその現当主である。
飄々とした態度だが苛烈な性格で、敵味方共に容赦が無い。
剣士でありながらその剣術は異形であり、中距離・対多数戦闘を得意とする。
また、ギルトレット・レッドフォードとは幾度か戦場で相見えたことがある。
主なエフェクト・アイテム
≪サイレンの魔女≫
≪ドッペルゲンガー≫
≪ペトリファイ≫
≪砂塵霊≫
≪切り払い≫
≪真空返し≫


ルカ:ヤバそう
ギル:え?そうだっけ
デュバリー:ひでえ
アッシュ:サイレンなの剣士って言えるか?
クレア:インチキ剣士!
ギル:まあそういう事もあるよね
デュバリー:んでは“荒御魂”について開けましょうか。情報……軍事……噂話……?
ギル:がんばれー
デュバリー:……《領域の声》! あとカンパニールール色々!
デュバリー:6Dx+2=>11
デュバリー:6dx+2>=11
DoubleCross : (6DX10+2>=11) → 10[4,5,6,8,10,10]+5[3,5]+2 → 17 → 成功

デュバリー:よくわかった……
デュバリー:侵蝕率 65 > 66
ギル:わいわい
ルカ:よかったよかった
アッシュ:流石情報に強い
GM:では公開!

・“荒御魂”について ≪情報:軍事/噂話≫難易度11
日本のレネゲイド研究は、他国にあまり見られない二つの先進技術を特色としている。
一つは『付喪神』と呼ばれる、物質にレネゲイドを感染・定着させる技術。
性能の強化・特殊能力の発現による純粋な武装としての利用の他、人体に人為的にレネゲイドを移植する研究も進められているようだ。
もう一つは『荒御魂』と呼ばれる、レネゲイドビーイングに対する研究。
古来より日本に根ざしてきた多神教的信仰は、他の地域に対して非常に多くのレネゲイドビーイングの発生を促進する土壌となっており、軍部ではその利用が研究されてきた。
『荒御魂』はその中でも特に強大な神霊級レネゲイドビーイング、またそれを利用する技術研究を指しており、実現すれば非常に強力な兵器になるだろうと予想されている。


ルカ:つよそう
デュバリー:日本はなんだかすごいことをしてるね。狭いのに。
アッシュ:サムライだけの国じゃないんだな
クレア:偏見を隠さないスタイル
GM:というわけで全て達成しましたので、戦闘中メジャー判定達成値+3と戦闘開始時の配置権が得られます。
ルカ:やったー!
クレア:わーい!
アッシュ:助かるー!
ギル:やったぜ

中国 満州 蒸気機関車『回星』 一等車両内
朝霧珂雪:「聞いたかい?」
朝霧珂雪:どこか剣呑な雰囲気を放つ、冷たい眼をした女。長い脚を組んで、対面の座席に乗せている。
朝霧珂雪:豪勢な装飾が施された一等車だが、彼女たちの他には誰も乗客はいない。
朝霧珂雪:「“デリュージュ”がくたばったってさ」
弥富セツ:「なんと。まことでありますか」
弥富セツ:漆黒の軍服に、右目を覆う大きな眼帯。
弥富セツ:傷病兵めいた装いに身を包むのは、しかし、弾んだ声を発するごく小柄な少女だ。
弥富セツ:「国は違えど、護国の勇士」
弥富セツ:「そう滅多なこともあるまいと思っておりましたが……ううむ」
桑原静電:「そいつは、皇國には悲報でありますかね……いや」学生服の、刈り揃えられた黒髪長身の少女。
桑原静電:「朗報ですか。それはこちらの価値を上げましょう」
朝霧珂雪:「あたしは残念だねェ。奴は是非ともあたしが斬ってみたかった」
朝霧珂雪:座席に立てかけた太刀の柄に、掌で撫でるように触れる。
桑原静電:「何。敵討ちと洒落込みましょう」
桑原静電:「下手人は?只人ではありますまい」
朝霧珂雪:「それがまた、アイギスの連中だとさ」
弥富セツ:「あいぎす」
桑原静電:「では、かの――」
桑原静電:何かを発話しようとしてやめる。
桑原静電:「かの”英雄”が?」
朝霧珂雪:「らしいね」
朝霧珂雪:「近頃、其処ら中で派手にやってるだろう。ああ、目障りったらありゃしないね」
桑原静電:「こちらにも嘴を入れてきますかね」
朝霧珂雪:「勘がいいじゃあないか、桑原。その通りだよ」
朝霧珂雪:「奴ら、今度はあちら側に雇われたって話だ。近い内にこっちに来るだろう」
弥富セツ:「ぬうう」
弥富セツ:「報国の志も持たず、君をも知らぬ軽佻浮薄の徒が」
弥富セツ:「やつら、いくさ場を遊技場とでも思っておるのでしょうか」
桑原静電:「は。それは、それは。やつばら共も災難な事」
桑原静電:「よもや”星”を相手とは。夷狄ながら同情に値するかと」
朝霧珂雪:「ハ。言うじゃないか、桑原」
朝霧珂雪:「まァ、何。気にすることは無いさね」
朝霧珂雪:「誰が相手であろうと、立ち塞がるなら切り捨てるまで」
朝霧珂雪:「そいつが我が第三師団だ。違うかい」
弥富セツ:「む。いかにも」
桑原静電:「右に同じく」
弥富セツ:「“小敵たりとも侮らず、大敵たりとも懼れず”──」
弥富セツ:「この一身を皇軍の弾丸となし、大逆の輩を撃ち貫く覚悟であります」
桑原静電:「無頼の徒に遅れを取っては、末代まで恥でしょう」
朝霧珂雪:「しかし、かの仏国の英雄の首を取ったとあっては、こいつは大金星ってもんさね」
朝霧珂雪:「どれ、その時は牛鍋でも奢ってやろうか」
桑原静電:「おお!」
弥富セツ:「なんと!」
朝霧珂雪:「……おいおい何だい、この程度でやる気が出るンなら、毎日でも牛鍋にしてやろうかね」
桑原静電:「いやはや、それでは上げる首級が足りんでしょう」
桑原静電:「たまさかであればこその勲というもんです」
弥富セツ:「…………」
弥富セツ:ふと手巾を取り出し、眼帯の下を拭う。
弥富セツ:「失礼。興奮のあまり、少々零れそうに」
朝霧珂雪:「ハハッ!いきり立つのはまだ早いぞ、弥富少尉」
弥富セツ:「いや、しかし、桑原殿の仰せの通りでありますか」
弥富セツ:「肉は食いたし首は足りじ……」
桑原静電:「牛鍋を容れる器が要るというものでしょう」
桑原静電:「それから、火もです。支那の料理は火が肝要と聞きます故」
桑原静電:「ここに拡げるのも悪くはありますまい」
弥富セツ:「ははっ」
弥富セツ:「──うむ。火加減の妙ならば、我も少々心得るところ」
弥富セツ:「肉ども。泣いて喜ばせてくれよう」
弥富セツ:不意に、その語調が低く沈む。
朝霧珂雪:「意気軒昂で何よりだ。桑原少尉、弥富少尉」
朝霧珂雪:「何、褒美は狐共の首を刈ってからだ」
朝霧珂雪:「死んだ肉は逃げんからな。調理法は、それから追々考えれば良い」
桑原静電:「御意に。この“六十握”に、先に呉れてやりましょう」
朝霧珂雪:天井に届かんという大太刀。鈍く光るその鞘を前に、目を細め不敵な笑みを浮かべた。



1963年 5月 フランス シェルブール港
GM:様々な手続きや渡航の準備を済ませ、ルカが正式にアイギスに加入する運びとなったのは、その後二週間ほど経ってからのことだった。
GM:アイギスの工作により、表向きには斑鳩・フォードは“デリュージュ”の襲撃で死亡したということにされていた。
GM:指示された手順に従いシェルブール港に辿り着くと、そこには巨大な戦艦が停泊中だった。既に時代遅れの産物とはいえ、無数の砲塔と陽光を反射して輝く鋼鉄の船体は、流石に圧倒されるような存在感を放っている。
GM:待ち合わせ場所には、既に二人分の人影が待ち受けていた。
ルカ:「…………」サングラス越しに目を細め、そびえ立つ戦艦を見上げる。
ミルシュカ:「……あ、来た来た!」
ミルシュカ:ルカとは初対面となる、金髪の少女。待ち人を見つけて大きく手を振る。
ミルシュカ:「斑鳩・フォードさんで間違いないかしら?」
ルカ:「そう……えっと、あんたは案内役?」
ミルシュカ:「良かった。ええ、私はミルシュカ・ヴェルレーヌ。アイギスのオペレーターです」
ミルシュカ:「よろしく!」気安く手を差し出してくる。
ルカ:「ああ、うん」拍子抜けする。
ルカ:「斑鳩・フォード…よろしく」握手をします。
アッシュ:「アイギス一の新人でもあるけどな」
アッシュ:二人が握手してる横で減らず口を叩いてから。
ミルシュカ:「何よ、今から2になったわよ」
ミルシュカ:「こっちは……。……もう会ったことあるのよね?」隣のもう一人に目を向ける。
ルカ:「ん」
アッシュ:「そうだった。名乗りもお互い済ませてるぜ」
ルカ:「あんた」
ルカ:「………」呆けたような顔で、そのまま頭の天辺から爪先まで眺めるようにして。
ルカ:「アッシュ・ノイ・ジラード…だよな」
ルカ:「なんか……こないだの印象より小さいな…」
アッシュ:「そうだけど。二週間でもう顔を忘れた……」 ぺらぺらと続けようとした言葉が途切れて。
アッシュ:「うるせえよ。そっちがデカすぎるだけだろ」
ミルシュカ:「ほらー。やっぱり皆そう思うんだって」
ルカ:「…いや、ていうかなんでこの英雄サマがここにいるんだよ」
アッシュ:「ブリーフィングに呼ばれてんだよ」
アッシュ:「そんで早めに着いたしどうするかって考えてたらコイツに捕まった」
アッシュ:顎でくいとミルシュカを指す。
ミルシュカ:「だって、目を離すとサボるじゃない。ブリーフィング」
ミルシュカ:「私もまだ新入りだし、あなたもそんなにここに居る訳じゃないでしょ?丁度いいじゃない」
アッシュ:「まあ実際ルイジアナ出入りするような機会はそんな無いしな」
アッシュ:「面白そうだしいっか、って大人しく捕まってやってるとこ」
ルカ:「………」(ハイスクールかよ)という顔をしている。
ミルシュカ:「ま、とにかく行きましょうか。陽に焼けちゃうし。案内するわ、フォードさん」
ルカ:「ああ……ああ、いや」
ルカ:「ルカで良いよ」
ミルシュカ:「ルカ?」小首を傾げる。
ルカ:「あだ名。そっちで呼ばれる方が慣れてるんだ」
ミルシュカ:「……あ、イカルガでルカってこと?なるほどね」
アッシュ:「へーえ。まあイカルガって発音しにくいもんな」
ミルシュカ:「分かったわ。それじゃあルカ、行きましょうか」
ルカ:「…あんたは勝手に呼びたいように呼べ」アッシュくんに言いつつ、ミルシュカさんについていく。
アッシュ:「なんだよ、オレに対して冷たくねえ?」
アッシュ:ブツブツ言いながら二人に続く。
GM:タラップを昇り、船上に乗り込む。広々とした甲板の上、巨大な主砲が青空の下で光を反射している。
GM:デッキをせっせとブラシで掃除しているのは、整備班の面々だ。
ミルシュカ:「ここがデッキ。朝はランニングしたりしてる人もいるみたいね」
ルカ:「ふうん」トランクを引きずりながら一緒についていく。
ミルシュカ:「あ。あそこにいるのが……おーい」
ミルシュカ:砲塔を磨いている少女に向けて声をかける。
メラニー:「ん……おー!」ブンブンと手を振る。
メラニー:「例の新入りくん?」
ミルシュカ:「そうそう。今来たとこ」
ルカ:「斑鳩・フォード。ルカって呼んでくれ」
メラニー:「ルカ!あたしはメラニー!」
メラニー:「メラニー・アッテンボロー。これの整備主任」
ルカ:「主任?」瞬きする。
ミルシュカ:「そう。まだ若いのにすごいよね」
ルカ:少女を改めてまじまじと見て。「ってことは、あんたもオーヴァード?」
メラニー:「若くて出世してるとオーヴァード。ま、そう思っちゃうよね~」
メラニー:「あたしは実力ってわけ。いい組織だよ~ここ」
メラニー:「完っ全実力主義なんだから」
ルカ:「……それはすごいな」
ルカ:若くて、ついでに女だ。というのは言わないが。
ミルシュカ:「この船の乗員の殆どは非オーヴァードですしね」
ミルシュカ:「あ、ちなみにあたしも違うよ」
ルカ:「そうなのか」瞬きする。「…いや」
ルカ:「おれもオーヴァードになったばかりだから、むしろあんたらの感覚に近いと思うけど…」
メラニー:「ま、あたしほどこの子に詳しい人はいないからね」
ルカ:「…いやどうだろうな。このでっかい船をこの子呼ばわりはできねえな」デッキを眺める。
メラニー:「え?こんなに可愛いのに?」
メラニー:「これは……」
メラニー:「この子の魅力をじっくり聞かせてあげないといけませんか……」
ミルシュカ:「あっ」
メラニー:「やっぱりまずは主砲だよねなんと言っても」
ルカ:「……ミルシュカ」長話が始まりそうなのを予感したので遮る。
ルカ:「さっそくアッシュの姿がないけど」
ミルシュカ:「ごめん、こういう子だから……えっ?……も~……!」
アッシュ:いつの間にかその場から姿を消し、掃除をしてた整備員たちと話し込んでいる。
アッシュ:「マジだって。そんであの上司、なんて言ったと思う?」
アッシュ:「『お前をパーティー会場で喋らせないことは空軍内の最も新しい不文律だ』だってさ!」
アッシュ:「失礼だよな。オレだって敬語くらい使えるのに」
ハヒデー:「ハハハ!そいつはひでえな!」
ダンテ:「いやいや!そりゃ正論だって!」
メラニー:「口径は小さいんだけどね、最大射程はシャントホルスト級並の41kmで~」
メラニー:「あの日本の大和級にも匹敵する、あ、ちょっと!聞いてる?」
ミルシュカ:「聞いてる聞いてる……アッシュ!目を離すとすぐに……!」
アッシュ:「えぇ、なんだよ。せっかく話が良いとこなのに」
アッシュ:「だってメラニーだろ?どうせまた長話になるんだし良いじゃん、こんくらい」
メラニー:「絶対聞いてないじゃん!ミルシュカには服の話のほうがいいかな?」
メラニー:「スプリンター迷彩の話しようか?」
ミルシュカ:「服の話じゃないでしょそれ」
メラニー:「この子の大事な服でしょ!」
ルカ:「……」トランクを小脇に立ち尽くし、溜息をつく。
デュバリー:なお話そうとするメラニーの服の裾が、ちょいちょいと引っ張られる
デュバリー:「メラニー」 砲塔を指差して
メラニー:「ね、ルカは聞きたいよね……ん?」
デュバリー:「お腹いっぱいで、体重減らしたがってそうな鳥が」
デュバリー:ゆっくり指を動かし 「3羽」
メラニー:「ヤバ……早く網かけて!」整備班に指示を飛ばす。
メラニー:「どこじゃないでしょ!あたしがやる!」
メラニー:そのまま砲塔の方に駆けていく。「またしよ!恋バナ!」
ルカ:(恋……?)走っていく彼女を見送り、代わりに現れた女を見やる。
ミルシュカ:「デュバリーさん。どうしたんです?こんなところで」
デュバリー:声をかけられ、茫洋と砲塔に向けられていた、作り物のように澄んだ黄金の瞳が、三人へ向けられる。わずかに波打つ亜麻の髪が、潮風に揺れる。
デュバリー:「こんにちは、アッシュ。ミルシュカと、ルカも」 デュバリーは、新入りの彼の渾名も、当たり前のように知っている
デュバリー:「こっちが騒がしかったから。お散歩? 天気、良いものね」
ミルシュカ:「今、ルカさんが丁度来たところで。船を案内してたんです」
ルカ:「こないだはどうも」
デュバリー:「そう。今日からだったね」 長身を見上げる
ルカ:「ん」サングラス越しに彼女の瞳を見る。
デュバリー:「デュバリー。"アイギス"の協力組織の代表をやってる。あとオーヴァード。……なのは知ってるか」
ルカ:「協力組織? そんなもんもあるのか」
アッシュ:「デュバリーのは規模もデカいし練度もかなりのもんだぜ」
アッシュ:「こと情報にかけちゃアイギスにも負けないもんな」
ルカ:(さっきから、若くて出世してる女が続くな)と思う。それは、母国ではまだ見られないものだ。
デュバリー:「あまり表立ってはいないけどね。わたしたちだからこそできることもある」
ミルシュカ:「何か、お店?をしてるんですよね?」詳しく聞いていない
デュバリー:「うん。詳しくはないしょだけど」 唇に人差し指を立てて
デュバリー:「でも、"アイギス"の味方をすることは確かだから。今後も顔を合わせることはあるんじゃないかな」
デュバリー:「……あなたはちょっと怖いけど優しそうな人だって、ホテルの子にも評判だったから。そういう人が"アイギス"に入るのは嬉しい」
デュバリー:目を細めて 「よろしくね」
ルカ:「………」なんで知ってるんだ。
ルカ:「よろしく」
ルカ:憮然としたまま返す。
アッシュ:憮然としたルカの傍に寄って行って。
アッシュ:「これで分かったろ?」
ルカ:「は?」アッシュくんを見る。
アッシュ:「この船はオーヴァードかどうかに関わらず変人だらけだし、性別に関わらず怖いヤツが多いんだ」
アッシュ:「何せリーダーが女だしな。怒らせないよう気を付けた方が良いぜ」
ルカ:「……それを堂々と言うあんたが一番気を付けた方がいいんじゃねえの」
アッシュ:「オレは別にアイギスの乗組員じゃねーもん。怒らせたら陸に帰るさ」
デュバリー:頷くように首を傾げる。アッシュの言葉に思う所がある様子もない声色で 「ところで、アッシュ。ミルシュカ。クレアを見かけなかった?」
デュバリー:「名簿は見たから、乗船してるのは確かなんだけど」
ミルシュカ:「来る途中では見ませんでしたが……もう中にいるんじゃないですか?」
アッシュ:「食堂辺りに居るんじゃねーの?それか個室とか」
デュバリー:「そう。確かに、食べ物の匂いはしてる」
ミルシュカ:「ブリーフィングも近いですから。一緒に見て回りますか?」
デュバリー:また頷くように首を傾げる 「ちょっと一緒しようかな」
ルカ:「呑気だな…」
GM:一同は船内へと降りていく。よく手入れされているようで、隅々まで掃除と整備が行き届いている。払い下げとは思えないほどだ。
ミルシュカ:「ここが娯楽室」
GM:今も何人かの船員が遊戯に興じている。様々なゲームの類が用意されているようで、ビリヤードやダーツ、スロットマシンまでもが備えられている。
アッシュ:「え、めっちゃ良い部屋あるじゃん!」
ミルシュカ:「え、何。使ったこと無かったの?」
アッシュ:「使ったことあるんならここに直行してるに決まってるだろ」
ミルシュカ:「言えてる」
ミルシュカ:「兵士は精神安定が大事だから。オーヴァードの出力も精神状態に関係してるっていう研究もあるの」
ミルシュカ:「ルカさんも自由に使ってね」
ルカ:「……精神状態、ねえ」
アッシュ:「なんだよー、こんなとこあるって知ってたらもっと早く週3で通ってたのに」
ルカ:「…こいつがいない時に使うよ」
ミルシュカ:「まあ、いつもはハミースさんが入り浸ってるけど……次行きましょうか」
アッシュ:「え、もう行くの?」
アッシュ:並ぶスロットの台を眺めながら。
ミルシュカ:「行くの。置いてったらあなた、絶対ブリーフィング来ないでしょ」
アッシュ:「ちぇ。ブリーフィング後までお預けか」
ルカ:「吞気だな…」
デュバリー:(スロットマシン……) 横目で眺めている
デュバリー:(娼婦の仕事も将来ああなるのかな……)
GM:次に訪れたのは弾薬室。銃器や弾薬の他、オーヴァード用なのか近接武器の類もある。簡易的な工房の役割も備えているのか、制作設備の類も散見できる。
ミルシュカ:「あ、ギルトレットさん!」
ギル:「やあミルシュカ。それに斑鳩くんも」
ルカ:「斑鳩だと言いづらいだろ。ルカで良い」珍しく対面の男を見上げる形になる。
ギル:「そうか。じゃあルカで。もうアイギスには慣れたかい?中々広くて回るだけでも大変だろう」
ルカ:「行く先々で変人どもに会うしな」皮肉げに言いつつ。
アッシュ:「よう、ギル。鉄王の整備中?」
ギル:「いや。今は妹への贈り物を選んでいるところさ」
アッシュ:「ん、あー……なるほどね」
ルカ:「妹か」
ミルシュカ:「贈り物って……」鉄と油にまみれた周囲を見回し「ここで?」
ギル:「少し前まで、服やアクセサリーなんかを送ってたんだけどね。そんなものより自分のために使えって突き返されちゃったからさ」
ギル:「なにか別の物をと思ってね。いいものが見つかるといいんだけど」
ミルシュカ:「へえ……素敵な妹さんですね!」
ギル:「ああ。自慢の妹さ。よかったら今度写真を見せてあげるよ」
ミルシュカ:「わあ、いいんですか?楽しみだなあ……」
デュバリー:ポケットの中で何かを弄びながら、その様子を後ろから眺めている。
アッシュ:その横で何とも言えない顔をしながら同じく様子を眺めている。
ギル:「ああ、それから……ルカくん。これは余計なお世話かもしれないけれど」
ルカ:「ん」瞬きする。
ギル:「”Luna”のことで、あまり自分を責めてはいけないよ。戦場にいる以上、人はいつか死ぬ。たとえオーヴァードであってもね」
ルカ:「………」
ルカ:「それは」「………」
ルカ:(もしおまえらが1分でも早くあの場に来ていたら)と言いかける。黙る。
ルカ:「余計なお世話だ」
ギル:「でも、その前に大切な人と少しでも話せたなら、それはまだ幸運な死に方だ。僕も、死ぬ前に妹と話せたならそう思う」
ギル:「君は妹を助けたんだ。それだけは覚えていてくれ」
ルカ:「……うるせえよ。あんたに何が分かる」
ルカ:「ミルシュカ、もういいだろ。この人の大事な時間を邪魔しても悪い」
ギル:「……すまない。本当に余計な口出しだったみたいだね」
ルカ:「次はどこだ。案内してくれ」踵を返して出て行く。
ミルシュカ:「あ……そ、そうですね。次行きましょう、次!」
ミルシュカ:「ギルさん、また後で!」
ギル:「ああ、それじゃあまた後で、ミルシュカ。アッシュ、デュバリー。新人をよろしく頼むよ」悲しげに微笑んで見送る
アッシュ:「ん、後でな」
デュバリー:こくりと頷き、他のメンバーに続く
GM:一同は船内を進んでいく。本来の戦艦ならばもっと大勢の船員が詰めているのだろうが、人通りは疎らだ。
ミルシュカ:「あっちが医務室で……あ、ここが食堂」
GM:往時は大量の乗組員を養ったのであろう、広々とした食堂だ。無数の机と椅子が並び、開放的な作りになっている。
ルカ:「ん」ぶっきらぼうに返事をする。
ミルシュカ:「アイギスは軍じゃないから、結構緩くて。適当にお腹空いた時、厨房を使っても……」
ミルシュカ:「あれ、クレアさん?」
ミルシュカ:「こんなところに居たんだ」
クレア:食堂の奥の厨房から甘い香りが漂ってくる。全身白ずくめの少年が、小さな鍋を煮詰めている。
クレア:鍋の中には輪切りにしたオレンジが敷き詰められ、シロップに浸されながらグツグツと沸騰している。
アッシュ:「なんか美味そうなの作ってるじゃん」
アッシュ:すかさずその傍に寄っていき、鍋の中を覗き込む。
クレア:「ミルシュカ。それにアッシュか……デュバリーもいるのは珍しいな」
クレア:声に気づいて視線を鍋から離す。
デュバリー:「うん。こんにちは」
ルカ:「……」白い少年を見る。
クレア:「君はあの時の……そうか、今日からだったか」
ルカ:「そう、今日から。ルカだ」
ルカ:「おれは、あんたの名前を覚えてる。クレア・アップルシード」
クレア:「そういえば名乗っていたな。覚えてくれて光栄だ」
クレア:それだけ言って、棚の上で冷ましていた皿を手に取り、四人の目の前に置く
クレア:「オランジェットを作っていた。よければ食べてくれ」
クレア:砂糖漬けにされたオレンジの輪切りをチョコレートでコーティングした菓子が皿の上に並んでいる。
ミルシュカ:「わー!美味しそう!」
デュバリー:「この匂いだったんだ」 覗き込む
アッシュ:「やった!Merci!」
アッシュ:真っ先に一つ取って口に放り込む。
ミルシュカ:「ありがとうございます……そうそう、クレアさん。探してたんですよ、デュバリーさんと」
クレア:「他のクルーの分も残しておけよ」アッシュに釘を差してから
クレア:「自分を?」デュバリーの方を向く
デュバリー:「ん……」 オランジェットを頬張りながら、ごそごそとポケットを漁る
デュバリー:「これ」
デュバリー:テーブルに置かれる。コツン、と軽い音。白の塗料と艶出しで、照明の光を反射する木製の駒だ。頭は丸くポーンを思わせ、しかし外套のようなシルエットに、長銃を背負っている。
デュバリー:「歩兵じゃなくて、狙撃手だって言ってたでしょ。この前。だけどね。世界の色々なチェスを調べたけど、狙撃手なんてなかったから」
クレア:それを手にとって「……」
クレア:「もしかして、作ったのか?」
デュバリー:粉砂糖のついた指を色の薄い舌で舐めながら 「うん。あったら面白いなと思って、手先の器用な子に作ってもらったの」
デュバリー:「あげる」
ミルシュカ:「えー、すごくないですか!?かわいいなー」目を輝かせる。
クレア:「……」感情の読めない表情で、その駒をしばらくいろいろな角度から眺めて
クレア:「ありがとう。大切にするよ」
デュバリー:「ん」 またオランジェットを頬張りつつ、ポケットをごそごそ
デュバリー:「ついでに、他にも作ってもらったんだよ。これはギルの"巨人"」 次に置いたのは黒く、まさしくギルの繰る鉄王のような駒
デュバリー:そして次に、塗料の色はなく、つややかな木目柄の駒。丸い頭が、花束を抱えている 「わたし。"花売り"」
デュバリー:「考えてたら楽しくなっちゃって」 デュバリーではなく、その依頼を受けた娘が、だが
ルカ:(花売り?)怪訝な顔をする。
ミルシュカ:「えー、すごいすごい!」
ミルシュカ:(デュバリーさん、お花屋さんだったんだなぁ)
クレア:「すごいな……」本当に感心したように
アッシュ:「すっげー細かいな……。あ、なあオレのは!?」
デュバリー:こくりと首を傾げ
デュバリー:「アッシュは駒じゃないでしょ?」
デュバリー:「もっと強い。だから思いつかなかった」
デュバリー:また砂糖のついた指を舐めて 「……クレアを探してたのはこのため。本当はギルにも渡すつもりだったけど、落ち着いてからにする」
デュバリー:「ミルシュカ、ブリーフィングまでまだ時間ある?」
ミルシュカ:「え……はい、もう少しは……」
デュバリー:「じゃあ、案内、続けるといい。わたしはもうちょっとこれ、食べてるから」
デュバリー:「好きな味」
ルカ:「いやいいよ、あとは勝手に見て回る」トランクを引きずる。
ミルシュカ:「あ、ルカさん!」
アッシュ:「勝手にっつっても、道分かんないだろ」
アッシュ:「ブリーフィングの場所分かんないじゃ早々に遅刻するぜ」
アッシュ:4枚目のオランジェットをぱくつきつつ。
ルカ:「しないように祈っててくれ」結局オランジェットにも手を出さない。
クレア:「ルカ」出ていく背に声をかける。
ルカ:「…」退室しようとして振り返る。
クレア:「後で誕生日を教えてくれ」
ルカ:「は?」
ルカ:「お誕生日パーティする規律があるとか言わねえよな。いらねえぞ」
クレア:「規律ではない。趣味だ」
ルカ:「………」苦虫を嚙み潰したような顔をする。
クレア:「君だけじゃない。全員にやっている。先輩の言うことは聞くものだぞ」
ルカ:「思い出したらな」
クレア:「期待しよう」それっきり鍋に意識を戻す。
ミルシュカ:慌てて声を掛ける。「船室はそっちです。ルカさんの部屋もありますから」
ミルシュカ:「ブリーフィングは30分後です。遅れないようにしてくださいね」
ルカ:鷹揚に頷いて、室内を出て行く。

---

GM:元は複数名で使っていた船室を個室として利用しているらしく、与えられた部屋は広々としていた。
GM:ベッドなど最低限の家具類は備え付けられていた。ここが、これからの君の新しい家となる。
ルカ:「はあ」息を吐く。
ルカ:疲れた。
ルカ:地元に居た頃より軍に居た頃より、ここで与えられた室内が自分にとってもっとも豪華な部屋かもしれない。ひどい皮肉だ。
ルカ:ベッドにトランクを放り投げて、自分もベッドに身を投げ出して、しばらくぼうっとした後、
ルカ:思い出したようにトランクを開いた。
ルカ:2週間の間に妹…メイの葬儀は済ませた。祖国でもない場所で葬られる妹を思うと、何とも言えない気持ちになって、
ルカ:彼女の遺髪をもらった。それが綺麗な布に包まれて、トランクの底に大事にしまってあった。
ルカ:(………メイ)
ルカ:(おれは)
ルカ:生きる目的を失っていた。
戦艦ルイジアナ ブリーフィングルーム
GM:30分後、アイギスのメインメンバーと呼べる人員が、ブリーフィングルームに顔を揃えていた。
GM:ただいつもと異なるのは、新しくルカの顔が増えていることだ。
GM:何となく、周囲の視線が集まっている気がする。
:「さて、揃ったな」
ギル:席に付く前にルカくんを見つけ困ったように微笑む
ルカ:ギルの視線に気づいたものの、静かに視線を逸らす。
:「全員既に分かっているとは思うが、今回から新たに斑鳩・フォードがメンバーに加わることになる」
:「早速の初陣だ。優しくとは言わんが、死なん程度にカバーしてやれ」
ルカ:「………」表情がムスッとしたものになる。
クレア:無言でアーデルハイド、次いでルカへと視線を向ける。手元では先程もらった駒を握ったり離したりしている。
ハミース:「てか、もう来させんの?訓練してからじゃなくていいのかよ」
ハミース:「そりゃ盾にはなるだろうがよ……」
ルカ:「いきなり盾扱いかよ。さすがアイギスはちげえな」
デュバリー:「何の駒になるかはルカ次第だよ」
デュバリー:テーブルに寝せた頭から、亜麻色の髪が無造作に広がっている
:「元々兵士なのだろう?」
:「最低限の仕事は出来るはずだ。それに、ここで使えんならいつまで経っても使えんよ」
:「それに、このメンバーを揃えているんだ。過保護な程だと思うが?」
アッシュ:メンバーのやり取りを退屈そうに眺めて欠伸を噛み殺している。
ギル:「ハミース。ルカ君は真面目な子なんだ。たちの悪い冗談で脅かすのはやめてくれ」
ハミース:「真面目ちゃんならなおさらそうだろ」
ルカ:「せめて何をさせられるかまで聞いてから判断しろよオッサン」
ハミース:「そいつは悪い。お使いかもしれないもんな」
ルカ:(あいつ後で殴る)心に決める。
:「ああ。本題に移ろう」
:「今回の依頼は、大東亜戦争への介入だ」
GM:第三次大東亜戦争。中国を主戦場とし、アジア圏の様々な国々が戦力を投じる大規模な戦争だ。開戦から既に三年が経過している。
:「今回の依頼元は中国側」
:「任地は──満州だ」
GM:その言葉に、デュバリーは思うところがあるだろう。
GM:既に君の調べにより、ラナと関わったMI6の諜報員──ガリオ・ネルソンの足取りは掴めている。
GM:彼は日本への亡命を希望していたようで、最後に目撃されたのが中国国内の日本領──即ち、満州国だった。
デュバリー:わずかに眼差しを上げる
デュバリー:「満州で、戦争への介入」
ギル:「初陣はハードな物になりそうだね」メガネを直す
ミルシュカ:「任務目標は、日本軍の工廠の破壊」
ミルシュカ:「未確認ですが、新兵器を開発中との情報があります」
デュバリー:「新兵器の工廠……」 今度は視線を落とす
ハミース:「新兵器ね……たしかやっこさんらはあれだろ」
ハミース:「オンミョージ?」
ミルシュカ:「あ、映画で見ました」
ミルシュカ:「キョンシーですよね?」
アッシュ:「え、ニンジャだろ?」
デュバリー:「ゲイシャ」
アッシュ:「あとサムライとー、ミコだっけ?」
ハミース:「クンフーだろ、クンフー」
ルカ:「……」静かにイライラしている。
ギル:「皆、軽口がすぎるぞ。僕たちはその新兵器の開発を阻止すればいいんだね、ミルシュカ」
ミルシュカ:「あ、すいません。そうですね」
メラニー:「分かりましたよ、つまり……」
メラニー:「主砲でドン!ですね」
:「何故そうなる」
クレア:「日本は、アメリカのように通常兵器でオーヴァードを殺そうと躍起になるような国じゃない」
クレア:「むしろ逆。オーヴァードの兵器運用に関して最も長けた国の一つ。そうだな?」
ルカ:(ミスター・アップルシードが言うとすげえ皮肉だな)アップル社といえば、反オーヴァードで名高い軍需企業だ。
:「ああ。依頼元は新兵器の噂にかなり確信を持っているようだ」
:「日本には“社”と呼ばれる機関がある。レネゲイドビーイングの兵器転用を主に研究していて……」
:「新兵器というのも、恐らくはそれに類するものだろう」
ハミース:「レネゲイドビーイング。人間以外を起源に持つ連中のこった」
ハミース:「動物だとか、植物だとか……あとはなんだ?伝承?とか?」
デュバリー:「“荒御魂”という大物がいるというのは聞いてる」
デュバリー:「神霊級。……つまり、うん。ハミースの言うところの、伝承ね。日本、古い国だから」
デュバリー:「実用できたら大変って話だから、それこそ新兵器の噂と関係あるかもね」
ギル:「予想される戦力は?」
ミルシュカ:「はい。工廠のある地域は、日本軍の部隊……第三師団が警護しています」
ミルシュカ:黒板に資料を貼りだしていく。
ミルシュカ:“黄泉醜め”。“躄り六十握”。“破軍”。
ギル:「第三師団……ミズ朝霧の部隊か」
ミルシュカ:「部隊内にオーヴァードは三名。情報は少ないですが……」
ミルシュカ:「……お知り合いですか?」
ギル:「何度か顔を合わせた事がある。戦場でね」
ギル:「あれは、何処の戦場だったか……」
:「……」僅かに痛ましげな目をギルトレットに向ける。
アッシュ:「戦場の記憶ってんならまだ当てになりそうだな。強かったか?」
ギル:「強いね。僕の鉄王でも敵わないだろう」
アッシュ:「ギルで無理なら相当だな。楽しみになってきた」
ハミース:「美人?」
ギル:「下手に答えたら呪われそうだ。君自身の目で確かめてくれ」
ミルシュカ:「……とにかく……今回の目標は工廠の破壊です」
ミルシュカ:「初参加のルカさんもいますし、可能ならば無用な戦闘は避けるようにしてください」
ルカ:ムスッとした顔のままでいる。
クレア:「"破軍"と相対して五体満足に生き延びた兵士は希少だ。まず以て戦闘距離に近づく前に斬り伏せられる」
メラニー:「じゃあやっぱり主砲じゃないです?撃ちましょうよ」
:「却下だ」
メラニー:「なんで……」
クレア:「自分が元いた所でも、彼女をモデルにした者はいなかったと思う。戦場で血の一滴、髪の毛一本手に入れられなければそうなる」
クレア:「普通に向かって行っては勝負どころか触れられもしない。ということだろう」
ギル:「“黄泉醜め”と“躄り六十握” も厄介な使い手だ。正面から戦うのはリスクが高い。デュバリーの工作が頼りになるかもね」
デュバリー:「そうは言っても、限度はある。特に今回の相手は」
デュバリー:並んでいるのは女性の顔三つだ。億劫げに眺める
デュバリー:「現地でどれだけ情報を集められるかね。満州の知り合いには先に連絡を入れておく」
ミルシュカ:「先日リーダーが目標から数キロ地点にゲートを確保しましたので、迅速な作戦遂行が可能なはずです」
ミルシュカ:「出撃・帰還はそちらから行ってください」
ギル:「了解した。……ああ、すまないルカくん。会議には付いてこれているかい?ここまででなにか質問は?」
ルカ:「…敵を避けつつ工廠を破壊すればいいんだろ。聞いてるよ」
ルカ:「変な気を遣わなくていい」
デュバリー:「遣われておけばいいのに。今だけだよ」
デュバリー:「いつも一緒の任務とも限らないしね」
ギル:「ごめん。君くらいの歳の子は放っておけなくてね。でも、そうだな。君はもう僕たちの仲間なんだ。気をつけるよ」
ルカ:「じゃあ余計にいらねえよ…。…ああ、ったく」
クレア:「ブリーフィング内容は後で資料として配られる。読み返して気になる所があれば聞けばいい」
クレア:「読まない奴もいるがな。あまり真似をするべきではない」
アッシュ:「いや、読むって。少なくとも敵のページは」
ハミース:「そこしか読まねえの間違いだろ」
ルカ:「…ミルシュカ。話は終わりだな」ここから出たがっている。
ミルシュカ:「あ……はい。作戦説明としては以上になります」
ミルシュカ:「二日後の八時、行動開始です。皆さん、ご武運を」



GM:シーン終了。
GM:ロイス・購入可能です。
デュバリー:ショットガン[スラッグ]を買いに出かけようかな
ルカ:デュバリー武器買って
デュバリー:あ~~~ 買おうとしてたのに~~~
デュバリー:言われたら買う気なくなった~~~~~
ルカ:いいから買って
デュバリー:はい
デュバリー:5dx=>12
デュバリー:5dx>=12
DoubleCross : (5DX10>=12) → 10[3,6,7,8,10]+4[4] → 14 → 成功

デュバリー:買えたわ
アッシュ:これでやっと攻撃できる
ルカ:えらいぜデュバリー
デュバリー:乙女の細腕には重いわ
デュバリー:ロイスは保留 以上!
ギル:ルカくんにロイスとろ!
ルカ:わーい
ギル:仲間/斑鳩・フォード/P:尽力○/N:憐憫/ロイス
クレア:デュバさんにロイス取ろうかな
クレア:戦友/デュバリー/P:感謝○/N:隔意/ロイス
アッシュ:ロイスあと二枠だからなぁ……保留にしよ
ルカ:ロイスは保留にしよ~~
アッシュ:購入は一応応急手当キット買っとこ
アッシュ:3dx+2>=8
DoubleCross : (3DX10+2>=8) → 5[1,5,5]+2 → 7 → 失敗

アッシュ:また失敗か……以上!
ルカ:応急手当買います
ルカ:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 8[2,3,8]+1 → 9 → 成功

ルカ:買えた!回復しておきたいので自分で使います
ルカ:2d10+8
DoubleCross : (2D10+8) → 10[7,3]+8 → 18

ルカ:18!
ギル:うーん。PDW狙おうかなー
ギル:《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》でPDWを購入してみます。ルカくん砂ほしいかも~
ルカ:ほい!
ルカ:砂の加護あげます ダイス3個増やしてね
ルカ:ルカの侵蝕率を3増加 (71 → 74)
ギル:ボーナス含めてこれで13個だ。ふるぞー
ギル:13DX7+3>=30
DoubleCross : (13DX7+3>=30) → 10[1,3,3,3,4,4,6,6,6,8,8,8,9]+10[1,3,8,9]+10[5,10]+1[1]+3 → 34 → 成功

ルカ:すっ すご~~!
クレア:すごい
アッシュ:つよっ!
デュバリー:こわ
ギル:わーい買えました!開いてるウェポンケースに突っ込んでおきます
クレア:日本刀が尽きた時用に白兵武器買おうかな
クレア:大鎚狙ってみます
クレア:3dx+3>=15
DoubleCross : (3DX10+3>=15) → 7[2,6,7]+3 → 10 → 失敗

クレア:こっちは駄目だった!以上!
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を6(→ 6)増加 (79 → 85)
ギル:以上です!



【Middle3/「あなたはいい人ですね」】

GM:ルカくんのソロシーンになります。登場侵蝕は不要。
ルカ:出ます
中国 満州
GM:アーデルハイドが確保したゲート。その転移先は、安全の確保されたシェルターの内部だ。アイギスの面々は順番に間を空けずそちらに転移し、周辺状況を確認してから作戦行動に移る……
GM:……筈だった。
GM:ゲートを潜り、視界が暗転すると、君は半壊した廃墟の中に立っていた。
ルカ:「………あ?」
GM:剥き出しの壁には弾痕が刻まれ、天井からは灰色の空が覗いている。……聞いていた話と違う。
GM:何より、周囲にアイギスの面々が一人としていない。
ミルシュカ:『全員、転移完了ですね。周囲に異常は……え?』
ミルシュカ:『どういうことですか? ……ルカさん!』
ミルシュカ:『聞こえますか?ルカさん!応答してください!』
ルカ:「こっちが聞きてえよ」しかめっ面で返す。
ルカ:「聞こえてるか?これ。こちらルカ、どこだか分からないところに出た」
ミルシュカ:『あ、良かった……いや、良くはないんですが……』
:『違うところに出ただと?あり得ん』
:『これまでに一度も無かったことだ……何が起きている?』
:『近くに何か見えるか、フォード』
ルカ:「……」いかんせん初体験のため、相手の言っていることが本当か疑わしい。
ルカ:あんたが何かミスッたんじゃねえのと思いつつ、辺りの様子を窺います。
GM:そんな君の目の前を、何かが横切る。
GM:蝶だ。
ルカ:「うお」不意を突かれる。
GM:ただの蝶ではない。淡い燐光を放ちながら、ひらひらと飛び回り
GM:まるで君を誘うように、廃墟の奥へと飛んでいく。
ルカ:「………蝶? がいるな」
:『蝶?』
ルカ:「おれを見て、こっちに来てくれよって感じの動きをして飛んでいったぜ」
:『……』こいつは何を言っているんだ?という感情が伝わってくるような沈黙。
ルカ:「追いかけていいか? 他に手がかりらしいものは何も無いぜ」
:『何……。……まあ、いい。周囲を確かめる必要はある』
ルカ:「了解。じゃあ変な蝶を追う」
ルカ:言って、それなりに周辺を警戒しつつ、廃墟の奥へ進む。
GM:後を追って歩いていくと、一羽、また一羽と同じように飛び回る蝶が増えていく。
ルカ:「……敵の罠だったらおれはとんだカモだな」
GM:また同時に、足元を見ると、異常な光景に気付く。
ルカ:「まあ、その時はその時……。………?」
GM:半壊しているとはいえ、硬質の……コンクリートの床面。そこから、青々とした草が直接生えてきている。
GM:ひび割れた隙間からでは無い。どうやって根を張っているのか、床から直に草が葉を伸ばしている。
GM:進むごとに、次第に草は生い茂り、花を持ったものも散見されるようになっていく。
ミルシュカ:『何かありましたか?ルカさん』
ルカ:「……」思わず考えこむように黙り込んでいた。「…ああ」
ルカ:「コンクリートから直接草花が生えてる…のが続いてる」
ルカ:「それを辿ってる。これ、何だろうな」
ミルシュカ:『…………?』
:『触れてみてくれ。レネゲイドの圧力を感じるか?』
ルカ:「触ればわかんのか?…いや、やってみた方が早いな」
ルカ:そのまま膝をついて草花をまじまじと眺めながら、素手で触れてみる。
GM:ごく僅かだが、青い草から確かにレネゲイドを……先の戦闘の際に感じたものと似た感覚を覚える。
ルカ:"それ"としか言えないものを直感する。
ルカ:「……わかった。感じるな、レネゲイドってやつを」
ルカ:「この草花、先に進むにつれてどんどん生い茂っているんだが」
ルカ:「どうすりゃいい」
:『……それが転移失敗の原因かもしれん。慎重に進んでくれ。何かあればすぐに退避』
ルカ:「了解」
GM:やがて、一つの角を曲がると──
ルカ:また戦うのかもしれない。今度こそ生きて帰れるか分からない。
ルカ:そういうことを考えながら角を曲がった。
GM:その先から、淡い光が広がる。
GM:飛び回る蝶の群れ。まるで森の中に足を踏み入れたかのように生い茂る、樹木と草花。
GM:そしてその中に埋もれるように、一人の少女が横たわっている。
???:「……」
ルカ:「……っ」反射的に警戒した。敵は少女だと聞いていたから。
GM:色素の薄い、幼さの残る少女だ。どこか軍服か拘束具のような服を着ている。身体のあちこちには包帯や絆創膏。
GM:僅かに胸が上下している。眠っているらしい。
ルカ:「………。………」
ルカ:張り詰めていたはずの警戒心が緩んでしまったのは何故なのか。
ルカ:(敵かもしれない)彼女に近付く。
ルカ:(今度こそ死ぬかもしれない)彼女の様子を確認する。
???:小さな寝息が聞こえてくる。無防備に眠りこけているようで、起きる様子はない。
ルカ:「おい」彼女の身体を揺さぶった。
ルカ:「あんた、おい。起きろ」
???:「……む……」
???:「…………?」
???:薄っすらと目を開け、ルカを見て
???:「………………?」
???:「…………」
???:そのまま再び二度寝に入る。
ルカ:「……おい!」
ルカ:「寝るな!本気か、あんた、おい…」
???:「はっ……あっ?」
???:その声に驚いたように目を開ける。蝶たちがひらひらと飛び去っていく。
???:「…………?」
???:きょろきょろと辺りを見回して。
ルカ:「…………」渋面でその様子を見守っている。
???:「……」ぼんやりとルカの顔を見上げ、
???:ふにゃりと笑みを浮かべる。
???:「……おはようございます……?」
ルカ:「………」眉間の皺が深まる。「……あんた、名前は?」
???:「えっ? ええと……」
???:慌てたようにオロオロして
???:「名前……名前……」
???:「そう」手を合わせる。
???:「エミリア」
エミリア:「エミリアと言います、わたし」
エミリア:「たしか、たぶん。はい」
エミリア:「そうでした」
エミリア:にっこりと笑う。
ルカ:可愛らしい笑顔に反比例してこちらの渋面が深まっていく。
ルカ:「……あんたは」
ルカ:「あんたは…何だ? おれはアイギスの兵士だが」
エミリア:「アイギス…………?」
エミリア:不思議そうに首を捻る。
エミリア:「わたしは……」
エミリア:「……わたし……」
エミリア:「…………?」
エミリア:「……わたし、何なんでしょうね?」
ルカ:「…………」「………は?」
ルカ:「……あんた、なんで寝てた?」
エミリア:「…………?」
エミリア:「よく……分かりません。わたし、どうしてこんなところにいるんでしょう?」
エミリア:「あなた、ご存知でしょうか?」
ルカ:「………ちょっと待ってろ」
エミリア:「はい」
エミリア:「待ちます」
ルカ:その様子を見ながら通信を再開する。「隊長。変な草花の原因っぽいやつと遭遇した。オーヴァードだと思う…多分」
:『何だと…… 敵か?』
ルカ:「いや」
ルカ:「…なんだか分からないが、記憶を失ってるみたいだ」
ミルシュカ:『え、き、記憶って……』
ミルシュカ:『じゃあ、誰か分からないってことですか?』
ルカ:「名前は名乗った。エミリア」
ルカ:「それしか分からないみたいだ。自分が誰だかも、なんでここにいるのかも」
ミルシュカ:『……』少しの間があって。『……そういう名前のオーヴァードは、こちらのデータには無いですね』
:『確かにオーヴァードなんだな?』
ルカ:「状況的に…そう見えるが」
ルカ:レネゲイドの草花は彼女を中心に発生している、ように思う。
:『……ふむ』
ルカ:「ワーディングしないと断定はできないな」
:『……だとすれば、少なくとも未確認のオーヴァードということになる』
:『覚醒時のショックで記憶を失っているのかもしれん』
:『敵であれ民間人であれ、放置は出来ん』
:『今、端末の反応から大まかな位置情報を割り出した』
:『他の味方からそう遠くはない。1キロも離れていないようだ』
:『一先ず、その……エミリアだったかを連れて、合流を目指してくれ』
ルカ:「ああ、了解」
ルカ:通信が切れ、同時に現在の位置情報を受信する。
ルカ:「…あんた」エミリアを見る。「アイギスが人道的な組織で良かったな」
エミリア:「?」
エミリア:何も分かっていない顔。
ルカ:「あー…なんつーか……。いいか、このままここにいてもあんたにとって特に良いことはない」
エミリア:『そうなのですか?』
ルカ:「そうだ、なんなら死ぬ可能性の方が高い」
エミリア:『まあ……』
エミリア:「死ぬのは嫌ですね」
ルカ:「そう言ってくれて良かったよ」
ルカ:「だから、これからおれと一緒に、死ぬ可能性が低いところに来てもらう」
ルカ:「つまり、おれの仲間のところに、だ」
エミリア:「なるほど……」こくこくと頷く。
ルカ:「歩けるか?」
エミリア:「はい」
エミリア:、ゆっくりと立ち上がると、服に落ちた花弁が空気に溶けるように消えていく。
エミリア:「よく分かりませんが……わたしを助けて頂けるのでしょうか?」
ルカ:「さあな」
ルカ:「あんたの正体が分からない限りは、なんとも言えねえ」
エミリア:「えっ……」
エミリア:「……殺されるんでしょうか?わたし……」
ルカ:「さあな」
ルカ:「………」振り向く。「………信用できないなら」
ルカ:「逃げてもいいぜ」
エミリア:「……」
エミリア:やや怯えた表情で、辺りを見回す。
エミリア:迷い、考え込むように黙り込み。
エミリア:「……どうしたらいいでしょうか?」
ルカ:「……」
ルカ:「あんた………」
ルカ:「……」
ルカ:「………分かんないよな。そりゃそうだ」
エミリア:「……?」
ルカ:「別に、あんたがこのまま死ぬのを見届けたいわけじゃない」
ルカ:「一緒に来てくれ、それで…」
ルカ:「…それで悪い方に転がったらおれを恨む。それでどうだ」
エミリア:「……」
エミリア:「わかりました」
エミリア:とてとてと歩み寄り、ルカの袖を掴む。
エミリア:「あなたはいい人ですね」
エミリア:屈託のない笑みを浮かべる。
ルカ:「違う」しかめっ面をしている。
エミリア:「違うのですか?」
ルカ:「ああ…いいんだよ、そんなことは。行こう、とにかく」
エミリア:「?わかりました……」
エミリア:「あっ」
エミリア:不意に足を止める。
ルカ:「なんだ」袖を引っ張られる。
エミリア:「その前に……」
エミリア:「名前」
ルカ:「……………」
エミリア:「あなたのお名前を、教えて頂けますか?」
ルカ:「ルカ」
エミリア:「ルカ!」
エミリア:ぱっと表情を輝かせて。
エミリア:「ルカ。ルカ……」
エミリア:「ふふ。素敵なお名前ですね、ルカ」
ルカ:「やめてくれ……良いな。行くぞ」
エミリア:「はい!」
エミリア:ニコニコとしたまま、君の後に付いてくる。
ルカ:調子を狂わされていた。無邪気に笑う彼女が纏う包帯を気に留めつつ、
ルカ:ともかく仲間の元に向かって戦場を進んでいった。



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
ルカ:シナリオロイスなのでロイスを取るぞ
ルカ:?/エミリア/尽力/食傷:〇/ロイス
ルカ:これで取得します!



【Middle4/「不快であります。その様で戦い、生き、殺そうなどと」】

GM:全員登場です。
ルカ:ルカの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (74 → 80)
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (54 → 60)
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (85 → 91)
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (82 → 86)
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (66 → 71)



GM:君達は荒れ果てた旧市街地で合流した。かつては賑わいを見せていただろう大通りも、戦地となった今となっては人の気配も無い。
GM:占領以前の文化を思わせる建築群や聳え立つ荘厳なラマ塔も、手入れする者なく風雨に晒されるままとなっている。
エミリア:「……?」
エミリア:ルカ以外の面々を見て目を瞬かせている。
ルカ:「…つー訳で、エミリアだ」
エミリア:「エミリアです」ぺこりと頭を下げる。
デュバリー:適当な瓦礫に腰掛けて、二人へ視線を送る 「おかえりなさい、迷子さん」
ギル:「心配したよ。本当に無事なんだね?」
デュバリー:「初めてなのに運がなかったね。それとも、初めてで可愛い女の子に会えてラッキーだった?」
ルカ:「全然ラッキーじゃねえよ」
ルカ:苦々しい顔をする。
ルカ:「無事、無事だ。身体に異常はない」
クレア:「敵地に一人放り出されて無事だったのなら充分ラッキーだったと言えるだろう」
アッシュ:「しかもオーヴァードに遭遇したのにな」
ミルシュカ:『一時はどうなる事かと思いましたよ……』
アッシュ:「というか、マジで所属不明なのか?」
ハミース:「どっかのスパイって線はあらあな」
アッシュ:「日本人って名前も顔立ちもしてないし、だからって他の国のやつがまぎれるような状況でもねーけど」
エミリア:「ルカ」くいくいと袖を引く。
エミリア:「この方々がルカのお仲間ですか?」
ルカ:「そうだよ。ほら、あんたが安全なやつだってアピールした方がいいんじゃねえの」
エミリア:「あぴーる……?」
エミリア:「…………」
エミリア:「……安全です!」
エミリア:「とても……」
エミリア:「すごく……」
エミリア:「……」ルカを見上げる。
ギル:「訓練を受けているようには見えないけれど……デュバリー、専門家としてどう思う?」
デュバリー:音もなく地面へ降り 「いいかな。ちょっと」
ルカ:「……」エミリアをデュバリーの方に行くように仕向ける。
エミリア:「わ……」デュバリーの前に立たされる。
デュバリー:「言っておくけど、絶対はないよ。本当の演技達者だったら、わたしだって見抜けない」
デュバリー:「でも、自称以外の多少の保証は得られると思う。……エミリアだったね」
エミリア:「はい!エミリアです!」
デュバリー:髪に触れ、手を取り、眼を覗き込む 「教えてくれる?」
デュバリー:「あなたの隠し事……」
デュバリー:というわけでイージーエフェクト《真相告白》を使用します。
GM:では、エミリアは特に抵抗しません。
エミリア:「……隠し事……?」
GM:困ったように首を傾げるその様子を、少なくとも貴方は偽りのものだとは感じません。本当に何も覚えていないように見えます。
デュバリー:「……」
デュバリー:眼を見るのは嘘を阻むためだった。手を触れたのは脈を見るためだ。
デュバリー:そのどちらもが、エミリアから離れる。
デュバリー:「ないって。隠し事とかはなんにも」
エミリア:「ないです」こくりと頷く
デュバリー:「この子が何かを隠してることはない。わたしはある程度保証する。今できるのはここまで」
デュバリー:「どう?」 皆を見る
ギル:「わかった。今のところは十分だろう」
ハミース:「……じゃあ、知らされてないパターンかもな」
ハミース:「歩く盗聴器だとか」
アッシュ:「その辺はもう疑ったらキリなくね?」
アッシュ:「身体検査なりはするべきだろうけどさ」
デュバリー:うーん、《タッピング&オンエア》で電波が傍受できるかどうか確かめても良いですか? 裁定的にちょっと微妙かな?
GM:特に関係のありそうな、あるいは不審な電波は見つかりません。
デュバリー:ありがとうございます!
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1増加 (71 → 72)
ギル:「盗聴器でも補聴器でも、悪意がないなら僕たちアイギスが保護すべきオーヴァードだ。そうだね?ミルシュカ」
ミルシュカ:『そ……そうですね……そうですよね?』
ハミース:「我らがリーダーもこうおっしゃるだろうな」
ハミース:「”この世界に、オーヴァードが一人で生きていける場所など、どこにも無い”」
ハミース:「だっけ?」皮肉げに。
ギル:「実利を考えるのも重要だけど、僕たちの理念を忘れてはいけない。戦場だからこそね」
デュバリー:「うん。それに、悪意がなくて、実際に被害がないなら、オーヴァードでなくてもわたしは保護すべきだと思う」
:『よし。一度、ゲート経由でこちらに回せ』
:『敵ならば情報を吐かせる。民間人なら貴重な人材だ。いずれにせよ使える』
デュバリー:「機械の気配もしないし。……大丈夫? また変な所に繋がらない?」
デュバリー:「わたしはそっちの方が困る」
:『今のところは問題ない筈だ。再発防止の為、原因を調べる必要はあるが……』
クレア:「敵ならば、と言うなら」
クレア:「自分たち戦闘部隊のいないルイジアナに送るのは思う壺、ということも考えられる」
:『自爆などされてはたまったものではないがな』
アッシュ:「自爆一回で吹っ飛ぶルイジアナでもないだろ?」
メラニー:『いやいいわけないじゃん!ちょっと……』
クレア:「まあ、リーダーがそちらにいる以上いらない心配かもしれないな」
:『こちらでもその程度を抑え込める人員と設備はある。それともこのままその子供を連れて任務を続けるか?』
アッシュ:「いやぁ。オレはそっちのがイヤだね」
アッシュ:「ただでさえルーキーまじりだぜ?これ以上不安要素増やしたくないだろ」
アッシュ:「いざって時に戦闘に集中できないのはゴメンだし」 わざとらしく肩をすくめる。
ルカ:「……」眉間の皺がひとつ増える。
デュバリー:「隠し事もない。連れ歩く方が多分危険。わたしは連れて戻った方が良いと思う」
:『何にせよ、既に敵地でかなりの時間を浪費している。これ以上は避けたい』
ミルシュカ:『では一度、ゲート地点に戻って……』
GM:シークレットダイス
GM:デュバリーさんは視界の片隅、廃屋に隠れる小さな影を垣間見ます。半透明の浮遊する霊体。身体の中央には式符のようなものが確認できます。
GM:それが日本軍の扱う偵察用EXレネゲイドだと知っていてもいいです。
デュバリー:噂くらいは聞いたことがあることにしよう
デュバリー:ゲートに戻ろうと振り返りかけた時にそれが視界に入る。ぴたりと停止し、首を戻して
クレア:「全員揃って戻る必要もないだろう。自分が連れて行く。皆は自分の仕事を……」気づかずにエミリアの前に進み出ようとする。
デュバリー:「見られてる」
ミルシュカ:『えっ?』
デュバリー:短く言い切る 「廃屋の影。日本軍が偵察に使う人形みたいな……」
GM:全員《感覚》で判定をどうぞ。難易度9です。
ギル:感覚だと~?
ギル:3DX
DoubleCross : (3DX10) → 6[4,6,6] → 6

ギル:感覚低まる
ルカ:2dx>=9
DoubleCross : (2DX10>=9) → 7[2,7] → 7 → 失敗

ルカ:無理だよね~
クレア:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 10[1,3,7,8,10]+4[4] → 14 → 成功

クレア:敏感
デュバリー:2dx>=9
DoubleCross : (2DX10>=9) → 5[3,5] → 5 → 失敗

デュバリー:ぜんぜんだめ
アッシュ:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 10[1,1,2,10]+6[6] → 16 → 成功

アッシュ:めちゃ分かった
GM:では
GM: ────キ   ン
GM:微かな金属音。より正確には、刃の鳴る音。
GM:直後、君達の頭上、数十メートルはあるだろうラマ塔が、半ばから両断されてぐらりと君達へと落ちてくる。

GM:《感覚》判定に成功した人は避けられます。失敗した人はリアクションを行ってください。達成値は10とし、失敗で2D10ダメージを受けます。
ギル:そんなあ
ルカ:うおお ドッジするぜ
デュバリー:ワワーッ!?
ギル:ドッジするか~
ルカ:6dx>=10
DoubleCross : (6DX10>=10) → 10[3,5,5,6,10,10]+7[2,7] → 17 → 成功

ルカ:えっやった
アッシュ:強い!
デュバリー:《ゲットダウン》
デュバリー:2dx+20
DoubleCross : (2DX10+20) → 7[5,7]+20 → 27

デュバリー:よかった
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2増加 (72 → 74)
ギル:3DX+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 8[2,4,8]+1 → 9

ギル:惜しい
ルカ:ぎ ギルくんーッ
ギル:ダメージ受けるよ
ギル:25-2d10
DoubleCross : (25-2D10) → 25-3[2,1] → 22

GM:堅すぎ
ギル:かすり傷
ルカ:ww
クレア:なんともないぜ
アッシュ:かっちかちやぞ
デュバリー:たくましい

GM:轟音と共に、巨大な塔が君達を押し潰さんと倒れ来る。
ルカ:「ッおあ」常人離れした肉体が、遅れたタイミングでの回避も可能にする。
デュバリー:「何――」 見上げるのとほとんど同じに、植物の蔦がデュバリーの胴に絡み、矮躯を後方へ引いて寄せる
デュバリー:廃屋にこびりついていた葛だ。弾かれるようにその身体は地面へ転げる
アッシュ:「おいおい、派手にやるな!」 どこか喜色の混ざったような声を上げながら一歩後退。
アッシュ:最低限の移動で塔の直下から抜け出し、周囲を見渡している。
クレア:「爆破?いや……」降り注ぐ瓦礫の落下位置を予測し、最も被害の少ない場所を割り出し移動する。
クレア:「斬ったのか。あれを」その中で遠くに見える塔の切断面、もはや鏡面に近いそれを目にして声を漏らす。
エミリア:「わ……」影一色に染まる視界の中、あんぐりと口を開けて頭上を見上げている。
ギル:「おっと」咄嗟にエミリアの前へ。影から巨人の腕だけを出現させ塔を受け止める。
エミリア:「あっ」ギルトレットに庇われて。
ギル:「平気かい?どうやらここは危険なようだ。怪我をしないように少し下がっているといい」
エミリア:「ありがとうございます!」
エミリア:言われた通りに物陰に隠れる。
ハミース:「門を閉じろ!もう無理だ!」
デュバリー:蔦に手を引かせながら立ち上がり 「――何?」 改めて辺りを見回す
アッシュ:「何、ってデュバリー。自分で言っただろ?」
アッシュ:「日本軍のお出ましだ」
朝霧珂雪:「──案外と早く顔を見せたね」
朝霧珂雪:土煙の中、瓦礫を踏みつけ、悠然と姿を現す。
朝霧珂雪:手にした大太刀は現実感を失する程に長く、しかし間違いなく、先の一撃はその刃で振るわれたものだろう。
ギル:「そちらも。久しぶりだねミズ朝霧。ハミース」
ギル:「どうだい?君のお眼鏡には叶ったかな」
ハミース:「……戦場以外で出会いたかったね」
朝霧珂雪:「あたしの庭に土足で入ってくるとは」
朝霧珂雪:「死にに来たかい、雇われども」
ルカ:「…一人だけか?」
デュバリー:「この場には、そうかもね」
デュバリー:例の偵察する影と、目の前の大刀は、なんとなく不釣り合いに思っている
桑原静電:「その天狗の鼻はよく聞くようで」
桑原静電:物陰から、もうひとりの影が現れる。
桑原静電:その手には、槍、というよりも、針のような。非常に細い長大な得物。
デュバリー:(テング……) 文面からして魔物か何かかなと思っている
クレア:「……長居すればすぐ囲まれるな。奴が言う通りここは相手の庭だ」
アッシュ:「やるなら短期決戦、って訳だ」
弥富セツ:「師団長閣下! 先の轟音は……」
弥富セツ:さらに遅れて、もう一人。
弥富セツ:軍服姿の、デュバリーよりもなお小柄な少女。
弥富セツ:「……のあ!? 侵入者!」
朝霧珂雪:「遅いぞ弥富。後で懲罰」
弥富セツ:「ふぐぅ」
桑原静電:「いやはや手厳しい。挽回の機会を与えては?」
桑原静電:「どうでしょう。師団長よりも多くを屠らば、不問というのは」
朝霧珂雪:「面白い。不始末は戦働きで払え」
弥富セツ:「は、はっ!」
ミルシュカ:『ッ……“破軍”、“躄り六十握”、“黄泉醜め”……』
ミルシュカ:『……第三師団!情報の通りです……』
ギル:「まだ死にに来たとは答えてないんだけどな。話を聞く気は無しかい?」
朝霧珂雪:「オーヴァードがこれだけ雁首揃えて、物見遊山や行楽なんて言い訳が通ると?」
デュバリー:「寂しい所でするピクニックも味があるよ」
ギル:「無駄に挑発しないでくれ、デュバリー。……どうやら戦闘は避けられないらしいね」
ルカ:「いいのか英雄サン、好き勝手言われてるぞ」
ルカ:「そもそもあんた、あいつらに知られてないんじゃねえの」
アッシュ:「別に?名前知ってるだの知らないだのは強さに関係ねーだろ」
アッシュ:「強かったら名前が知れ渡る時もあるってだけ。そこにこだわるほど目立ちたがりでもないぜ、オレ」
朝霧珂雪:「アッシュ・ノイ・ジラードか」
アッシュ:「あ、なんだよ知れてんじゃん」
ルカ:「ケッ」
朝霧珂雪:「あんたが来るのを楽しみにしてたよ」
朝霧珂雪:「その大袈裟な尾鰭の長さ、斬ってみりゃ分かるってもんさ」
デュバリー:「土足で入ってきたって怒ってたのに」 ギルくんに叱られたので小声
アッシュ:「光栄だな。オレも日本の噂はよく聞いてたんで楽しみだったんだ」
アッシュ:「あの"デリュージュ"が居たイタリア、ヨーロッパ最大の技術大国のドイツ」
アッシュ:「そこに肩を並べるだけの実力があるんだろ?」
アッシュ:「拍子抜けはさせないでくれよな」
ミルシュカ:『……友軍の退避は完了済み。≪ワーディング≫許可は下りています。いつでも行けます』
クレア:「了解。……3対6、数で有利なのは此方だ」
クレア:「落ち着いていこう。予定は狂ったが、やるべきことは変わらない」
弥富セツ:「ふむ。閣下」
弥富セツ:眼帯に手を添え、意向を窺う。
朝霧珂雪:「いいだろう。抜剣許可」
弥富セツ:「僥倖であります。先程から──」
弥富セツ:俯き、眼帯を外す。
弥富セツ:露わになった右目の辺りから、どろりと垂れ落ちるものがある。糸を引く粘液に包まれた、卵のような形の何か。
弥富セツ:それは湿った音を立てて接地し、ぶるぶると震えて膨張し、濁った瞳の焦点にアイギスの面々を据えた。触腕じみて具わった視神経の束を伸び這わせ、覚束ないバランスで自立する。
弥富セツ:「──どうにも、痒く」
弥富セツ:少女が顔を上げる。
弥富セツ:虚ろな右の眼窩はどろどろに溶けている。その代わりででもあるみたいに、傍にもうひとつ、斜めに開いた目。
ミルシュカ:『ひっ……!?』通信越しに悲鳴に近い声が上がる。
デュバリー:「不潔」 嫌そう
ハミース:「うわ。台無し」
ギル:「ルカくん、怯むなよ。禍々しくても君と同じオーヴァードだ。敵わない道理はない」
ルカ:「……バケモノ同士って訳か?」
ルカ:「ああ、そうだな。アドバイスありがとうよ」
クレア:「バケモノではない」
クレア:「ここにいるのは全員人間だ。どのような姿をしていようが」
クレア:「どれだけ死ににくかろうが、殺せる」
ミルシュカ:『……ターゲット、大日本帝国陸軍第三師団を撃破してください』
ミルシュカ:『戦闘を開始します』

GM:ではここで今回の戦闘のルールとキャンペーンの特殊システムをご説明します
GM:今回の戦闘勝利条件は第三師団の撃退。撃退条件はエネミーに累計200点のダメージを与えることです。
GM:このダメージに自傷ダメージ・従者へのダメージは含まず、またエネミーには個別に撃退条件とは別に、戦闘不能となるHPが設定されています。
GM:そして、このキャンペーンでは戦闘に際し、バウンティ(達成目標)が設定されている場合があります。
GM:戦闘中に各目標を達成するごとに、経験点と報酬点(後述)を獲得することができます。
GM:今回のバウンティはこちら。

バウンティ

・第三師団を撃退……10点
・2ラウンド以内に戦闘終了……3点
・“黄泉醜め” の戦闘不能……3点
・“躄り六十握”の戦闘不能 ……3点
・“破軍”の戦闘不能……3点


ルカ:質問してもいいでしょうか!
GM:どうぞ!
ルカ:例えば、残りHP1点の敵に50点のダメージを与えた場合
ルカ:累計ダメージへの加算はどうなるんでしょう 49ダメージは無駄になっちゃうのかな
GM:今回の場合、撤退させるのが目標となるので……
GM:より深い手傷を与えた、ということで余剰ダメージも適応することにしましょう
ルカ:わ~~ありがとうございます!了解です
GM:バウンティによって獲得した報酬点は、拠点の拡充に用います。
GM:セッション終了時に振り分けを行い、様々な効果を得ることが出来ます。効果は次回のセッションから適応されます。
GM:項目はこちらになります。

戦艦ルイジアナ
報酬点5ポイントで1LV上昇 最大LV3

・娯楽室 LV0
バックトラック時ダイス+(LV)個
・医務室 LV0
シーン終了時HPを(LV)D回復してよい。
・厨房 LV0
戦闘中メジャー判定ダイス+(LV)個
・弾薬庫 LV0
調達判定達成値+(LV×2)
・主砲 LV0
(LV)分メラニーの機嫌が良くなる。


GM:説明は以上です。ご質問はありますか?
ルカ:大丈夫です!
クレア:OK!
アッシュ:こちらもOK!
デュバリー:大丈夫でーす
ギル:じょうb!
GM:では戦闘開始……の前に
GM:情報収集を達成したので、エンゲージを設定することができます。
GM:第三師団は同エンゲージ。そこから5m以上、30m以内でPCを配置してください。
ルカ:ルカは5m離れたところにいます
アッシュ:アッシュは10m離れます
クレア:30m離れます
ギル:じゃあ20mのところにしよ
デュバリー:範囲攻撃警戒するか。15m地点で
エンゲージ []内は行動値



桑原[17]弥富[10]朝霧[8]従者[6]
(5m)
ルカ[3]
(5m)
アッシュ[7]
(5m)
デュバリー[6]
(5m)
ギルトレット[10]
(10m)
クレア[9]



GM:ヤバいエンゲージ表だな……
GM:では 戦闘を開始します。
GM:セットアップから!
ルカ:なしです!
桑原静電:なし
クレア:なし!
ギル:そこそこ先手取れそうだし無しでやってみよ
アッシュ:Lever l'ancre:加速装置Lv3+ヴァジュラLv3→極限暴走Lv1+背徳の理Lv3
アッシュ:行動値+9、攻撃力+9、暴走、判定D+6
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を8増加 (86 → 94)
弥富セツ:《ファンアウト》
弥富セツ:第三師団を対象に戦闘移動の権利をあげます。
弥富セツ:やった後で何ですが迂回とかできるんでありますか?
GM:PCが封鎖とか持ってないから行けるんじゃないかな
ギル:GMに従うぜ!
弥富セツ:了解であります
桑原静電:師団長殿。本官は誰を?
桑原静電:22mまでは届きまする
朝霧珂雪:そうだな……
朝霧珂雪:狙撃手を潰したいところだが……好きなのを取っていいぞ
桑原静電:では英雄様のお手並みを……
桑原静電:10ほど先へ。
朝霧珂雪:《サポートデバイス:精神》LV6 ラウンド間精神ダイス+12
朝霧珂雪:ファンアウトでアッシュにエンゲージ
従者:では従者は5m前進してルカくんにエンゲージします。
ルカ:キモいの来た!
従者:そして、行動値の上で本体より遅いので
従者:エンゲージ後に《奈落の法則》。
従者:ルカを対象に、このラウンド中の全判定のC値を+1します。
ルカ:キャー
エンゲージ []内は行動値



弥富[10]
(5m)
ルカ[3]従者[6]
(5m)
アッシュ[16]桑原[17]朝霧[8]
(5m)
デュバリー[6]
(5m)
ギルトレット[10]
(10m)
クレア[9]



GM:今回もハミースさんの《戦術》によりメジャーダイスが+5個されます。
アッシュ:流石ハミース
ルカ:サンキューオッサン!
ハミース:お嬢ちゃんも保護してるからな
GM:ではイニシアチブ 行動値17、桑原さんの手番です。
従者:待ってプリーズ
GM:待ちます
桑原静電:ス……
従者:従者用アイテムケージブラッドを使用。
従者:自身のいるエンゲージを封鎖すると共に、自身の全判定のダイスを+1します。
ルカ:ギャーーーーー
GM:優秀従者
GM:では改めて桑原さんの手番です。
桑原静電:マイナー《ライトスピード》2LV。判定C値を+1し2回メジャーアクションを。
桑原静電:メジャー《鮮血の一撃》7LV《獅子奮迅》3LV《ブラッドボム》5LV《生命吸収》7LV《鮮血の修羅》5LV。
桑原静電:アッシュ・ノイ・ジラードを攻撃。
桑原静電:ダメージを与えた場合、追加で5d10+21のHPを失わせ、こちらは5d10+7点失い21点回復。
桑原静電:さらにクリンナップには50点のHPを失わせる。
GM:為替ピカチュウ!
桑原静電:攻撃行きます。
桑原静電:24dx11-1
DoubleCross : (24DX11-1) → 10[1,1,1,2,3,3,3,3,4,5,5,5,5,6,6,6,7,7,7,8,8,10,10,10]-1 → 9

アッシュ:普通に躱せそうなんだけど暴走なんだよな 命中!
ギル:もうロイス切って避けたほうがいいんじゃない?
アッシュ:確かに……
ギル:もう一発来るし多分食らったらどっちにしろロイスたくさん切ることになるし
アッシュ:戦いに対してのロイスを昇華して暴走解除します
アッシュ:改めて回避!
アッシュ:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 8[2,3,4,7,8] → 8 → 失敗

アッシュ:足りない~!
ギル:助けてデュバリー
クレア:達成地ボーナスなかった?
アッシュ:あ、それこれにも入るのか
ルカ:メジャー判定達成値だけだったはず~
GM:メジャーだけですね
アッシュ:違かった
クレア:あそっか!ごめんなさい~
デュバリー:《運命の切り替え》。ドッジを代行します
デュバリー:で《ゲットダウン》
デュバリー:2dx+20
DoubleCross : (2DX10+20) → 3[2,3]+20 → 23

桑原静電:ヌウッ……!
デュバリー:ドッジ成功!
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を5増加 (74 → 79)
桑原静電:では仕方ありません。取りやすそうな者を取りましょう。
桑原静電:2回目。先程のコンボから《獅子奮迅》を抜いて、《かまいたち》を。
桑原静電:《鮮血の一撃》7LV《かまいたち》1LV《ブラッドボム》5LV《生命吸収》7LV《鮮血の修羅》5LV。
ギル:エミリアちゃん!
ルカ:やめろーッ
クレア:この外道!
デュバリー:PCからタゲを逸らそうとするなよw
桑原静電:クレア・アップルシードを攻撃します。
エミリア:ちがった
クレア:えっあたし
クレア:来るなら来い!
桑原静電:24dx11-1
DoubleCross : (24DX11-1) → 10[1,1,2,2,2,3,4,4,4,5,5,6,6,6,7,7,7,8,9,9,10,10,10,10]-1 → 9

クレア:ドッジ!
クレア:2dx+1>=9
DoubleCross : (2DX10+1>=9) → 9[6,9]+1 → 10 → 成功

クレア:フン
デュバリー:えらい
桑原静電:グヌ……
弥富セツ:ヌウーッ
ルカ:よかったー
GM:避けるな!当たれ!死ね!
桑原静電:オートで《ハイブリーディング》。HPを5点失い、《ライトスピード》を回復。
ルカ:何それ
桑原静電:次の手番がくれば同じことをします。
GM:こいつヤバ
デュバリー:コワすぎ
クレア:ヤバすぎ
弥富セツ:さすが桑原殿
ギル:面白いなあ
アッシュ:ヤッバいなこの人
桑原静電:これにて終い。

弥富セツ:「では、自分から口火をば」
弥富セツ:突風めいたレネゲイドの波動が、自陣の者たちの身を軽くする。
弥富セツ:それに半ば吹き飛ばされるようにして──
従者:べしゃり。
従者:バドミントンのシャトルのごとく、ルカの傍らに肉塊が落ちる。
従者:びくびくと脈打つ。濁った瞳で見つめる。
ルカ:「………ッ」おぞましいそれに、生理的な嫌悪感に襲われる。
従者:……触手が広がる。
従者:頭足類の捕食めいて、脈打つ視神経が檻を形作り、青年をその内へと閉じ込める。
従者:檻の天井には変わらず、目玉。視線が身体に不快な重みを齎す。
ルカ:「んだっ…これ…!」視界を禍々しい肉が埋め尽くす。
桑原静電:「結構!」その横を風のように抜けて。
桑原静電:灰髪の少年の前に躍り出る。
ミルシュカ:『……“躄り六十握”の遺産は非常に危険です!全力で回避してください!』
桑原静電:「やあ、やあ。其処におわすはさぞ名のある将とお見受けいたす」
桑原静電:「大日本帝国陸軍神人部隊第三師団、第一連隊長」
桑原静電:「皇國生類精機――“躄り六十握”桑原静電」
桑原静電:「尋常に」
桑原静電:針のような怪槍が怪しげに波打つ。
桑原静電:大きくしなった刺突。それ自体が強力な一撃には思えないが。
桑原静電:先端にはおぞましきほどの量のレネゲイドが収束している。
デュバリー:しかしそこへ、バン、と銃声。それを発した短銃は、不自然に地上へ伸びた枯れた木の根に絡まれている。
デュバリー:「……」
デュバリー:傍らには常よりも幾分か険しい眼のデュバリーが立つ。ほんの少し進路を阻んでやっただけだが。
デュバリー:その瞬間、桑原の足元から前方を阻むように伸びた根が、針の先端に蓄積されたレネゲイドを、身を挺して受け止めている。
アッシュ:「Merci.デュバリー」
アッシュ:振り向かないまま後ろへ向けひらりと手を振る。
桑原静電:「おや。下女を侍らせておいでとは」針のレネゲイドの圧力が消失する。
アッシュ:「下女ってのは彼女に失礼だな」
アッシュ:「なんでか気に入ってくれてるってだけだよ。そっちと違って上下がある関係じゃない」
デュバリー:何か言い返しかけたが、アッシュの言葉を聞き、どこか溜飲の下がった様子で口を閉じる。
桑原静電:「失敬。であれば」手元で増大。短い血の針がもう一つ。
桑原静電:「取るべきは上ではなく後ろと」身を翻して、投擲。
桑原静電:最奥の狙撃手に目掛けて、先程の量のレネゲイドの鏃を秘めた投槍が飛ぶ。
クレア:「……」すでに銃を構えた姿勢。回避は間に合わない。
クレア:かと言って、あの威力に正面から銃弾を当てても押し負ける。ならば
クレア:僅かに銃口をずらし、ライフルが火を吹く。
クレア:放たれた弾丸は瓦礫からむき出された鉄骨に当たって跳弾を繰り返し
クレア:投槍の刃の腹に横合いからぶつかり、僅かに軌道をそらす。
クレア:「狩りやすい相手と思ったのなら」身体のすぐ横の地面が抉れる。
クレア:「その認識は改めてもらわなければいけないな」
クレア:この作戦で初めて、不機嫌そうに呟く。
桑原静電:「おや。抜け目のない」
桑原静電:着弾した地を中心に、飴細工のようにするすると溶けゆく。
弥富セツ:「惜しいことをする」そのさまを目にし、様子が一転する。
弥富セツ:少女の声帯から発されるものとは思えぬ、暗くしわ枯れた声。「受けておけと言うに。面白い見ものだぞ、あれは」
桑原静電:「失敬。“次”は本気で参りましょう」再び呪槍が励起していく。

GM:イニシアチブ 行動値16 アッシュさんの手番です。
アッシュ:ではマイナー無し、メジャーでコンボを使い朝霧さん狙います!
アッシュ:Leve la voile:コンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv1
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+1
GM:判定どうぞ!
ルカ:《砂の加護》使います。アッシュくんの判定ダイス+3。
ルカ:ルカの侵蝕率を3増加 (80 → 83)
ギル:達成値とハミース支援も忘れないでね!
アッシュ:OK!色々合わせて……
ハミース:そうだぜ!
アッシュ:(3+2+1+6+3+5)dx7+3
DoubleCross : (20DX7+3) → 10[1,1,1,3,3,3,3,4,5,6,6,6,7,7,8,9,10,10,10,10]+10[3,4,6,7,9,10,10,10]+10[1,2,6,6,9]+4[4]+3 → 37

GM:振り足しありますか?
デュバリー:《妖精の手》。最後の4を10にしな!
アッシュ:助かる!振り足し!
アッシュ:1dx+43
DoubleCross : (1DX10+43) → 10[10]+7[7]+43 → 60

アッシュ:伸びた!
ルカ:ウオーッ!
ギル:イイゾ~
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を4増加 (79 → 83)
GM:ふ~む
クレア:ガハハ避けられまい
朝霧珂雪:≪リフレックス:ハヌマーン≫LV2+≪切り払い≫LV1
朝霧珂雪:ドッジします
朝霧珂雪:7DX8+21>=60
DoubleCross : (7DX8+21>=60) → 7[1,2,3,3,4,5,7]+21 → 28 → 失敗

アッシュ:良かった
GM:ダメージどうぞ!
アッシュ:7d10+11
DoubleCross : (7D10+11) → 35[9,6,10,3,5,1,1]+11 → 46

朝霧珂雪:まだ元気です
アッシュ:流石にこの程度では、ってとこか

アッシュ:「さて。一応こっちも名乗ろうか」
アッシュ:「フランス空軍所属オーヴァード兵。コード:Espoir」
アッシュ:「階級は……なんだっけな。使わねー割によく変わるから覚えてねーや」
アッシュ:「オーヴァードなのはオレ一人だから呼ばれる機会も無いし」
アッシュ:ぺらぺらと喋りながら剣を抜く。目の前の彼女が帯刀するものに比べれば、直刀に近いサーベル。
アッシュ:「そっちが後ろを狙うなら、こっちは上を狙わせてもらおうか」
桑原静電:「は!」嘲りの音色。「業突く張りが」
桑原静電:「そちらを狙うとは……」
アッシュ:「欲張らないならここに居ないさ。そうだろ?」
ルカ:「…うるせえ声」肉壁の檻の中からも、そのよく響く声が聞こえる。
アッシュ:「さあ、サムライ。一太刀勝負と行こうぜ!」
アッシュ:言葉と同時、斬りかかる。電流によって高められた最速の踏み込みと最速の振り。
デュバリー:……そのアッシュの足首に、葛の蔦が絡んでいる。もちろん動きを阻害するようなものではない。
デュバリー:(あなたの攻撃は、何度だって見ている)
デュバリー:植物を通してレネゲイドによる電力を注いでいる。彼の出力に合わせた、完璧な攻撃支援。
朝霧珂雪:電光と共に、鈍い金属音が鳴り響く。
朝霧珂雪:「……ふゥん」
朝霧珂雪:感心したような声。大太刀による捌きで直撃は避けているが、肩口に血が滲んでいる。
朝霧珂雪:「良い踏み込みと太刀筋だ。北辰か示現に近いか?連携も取れている」
朝霧珂雪:「英雄なんて名乗るのも、酔狂じゃあないらしい」
弥富セツ:「閣下ッ!」叫ぶ。そうする頃には陰惨な気配はひとたび霧散している。
桑原静電:「師団長殿が、手傷を……!?」
アッシュ:「生憎、名乗った覚えはないな。呼ばれた数は覚えきれないくらいあるけど」
朝霧珂雪:「面白いね。気に入ったよ」
朝霧珂雪:目を細め、獰猛な笑みを浮かべる。
朝霧珂雪:「こいつは是非とも斬ってみたくなってきた」
アッシュ:「そっちも、良い顔になってきたじゃん」
アッシュ:同じく、獣のように笑って。
アッシュ:「斬り合い甲斐があるってやつだ」
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を5増加 (94 → 99)

GM:行動値10 ギルトレットさんの手番です。
ギル:マイナーで戦車に搭乗。
ギル:《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》《無形の影》《コンセントレイト:ウロボロス》
ギル:メジャーで静電さんに攻撃します。使用武器は戦車砲、大口径機関砲、車載機銃
桑原静電:ヒエ……
ギル:15dx7+3-1 戦術とかちゃんと入れてるぜ
DoubleCross : (15DX7+2) → 10[1,1,1,2,3,4,4,6,6,6,7,8,8,9,10]+10[1,3,3,8,9]+10[1,8]+4[4]+2 → 36

ギル:ほどほど
ギル:ガード不能装甲値無視です
桑原静電:ガードが出来ない!ドッジします
ギル:DTさん避けそうで怖いんだよなあ
桑原静電:8dx+1>=36
DoubleCross : (8DX10+1>=36) → 9[1,1,2,4,6,7,8,9]+1 → 10 → 失敗

桑原静電:ダメ~
ギル:ほっ
ギル:じゃあダメージ出すね
ギル:4d10+45
DoubleCross : (4D10+45) → 29[9,9,2,9]+45 → 74

ルカ:ヤッバ
ギル:9が3つも出てるぜ
桑原静電:ギャーッ
GM:やべ~~~~~~
アッシュ:つっよい!
弥富セツ:ヤバすぎ
桑原静電:74点丸々受けてもう死に体です かろうじて立ってる
ギル:立ってるのか!すごいなあ
ギル:では演出
クレア:やるじゃん
ギル:あと行動値は0になります
ギル:侵蝕もあげます
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を12(→ 12)増加 (91 → 103)
GM:C(200-46-74) 撤退ライン
DoubleCross : 計算結果 → 80


ギル:「……君のような小さな子をいじめるのは、好きじゃないんだけどね。その遺産……自由にさせておくわけにも行かない」
ギル:影の中から巨大な鉄くずの巨人が姿を表し吠える
ギル:「押し潰せ、鉄王!」
桑原静電:「貴様ら異人には、我らが幼く見えるらしいな」
桑原静電:「斯様な体躯こそ、此方の格好の得物よ」
ギル:ドッ ドッ ドッ
ギル:腕に備え付けられた砲身から、地形を変えるほどの威力の砲撃が連続して放たれる。
桑原静電:「な、砲……!?」
桑原静電:それをかわしきれず、何撃か目で被弾。
ギル:周囲の地面ごと静電さんを吹き飛ばすよ。
桑原静電:「謀ったか!何を以て押し潰すと……!」
桑原静電:よろよろと起き上がるが、傍目から見ても甚大な負傷に見える。
朝霧珂雪:「……“鉄王”。呆けたと聞いたが、矢張り侮れんか」
弥富セツ:「“鉄王”。あれが……!」
ギル:「直撃を受けてまだ立つのか。第三師団、もう"破軍”一人の部隊ではないようだな」
ギル:「できればアッシュが彼女を抑えている間に終わらせたかったが……」

GM:行動値10 弥富さんの手番です。
弥富セツ:待機であります。
GM:では行動値9 クレアさんの手番です。
クレア:ウェポンケースからボルトアクションライフルを装備。マイナーで起動しメジャーアクション達成値+5。
クレア:《カスタマイズ》3LV《コンセントレイト:モルフェウス》3LVボルトアクションライフルで桑原静電を攻撃。
クレア:13dx7+12
DoubleCross : (13DX7+12) → 10[1,1,2,3,3,4,4,4,5,6,7,9,9]+10[3,4,7]+3[3]+12 → 35

クレア:《剣精の手》1LV
クレア:最後の3を10にして振りたします
クレア:1dx7+42
DoubleCross : (1DX7+42) → 3[3]+42 → 45

クレア:くっ
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を2増加 (60 → 62)
桑原静電:ガードしても耐えられなさそうだが……削っておく意味はある。
桑原静電:混沌なる者の槍でガード。
クレア:ダメージ出します
クレア:5d10+8 装甲有効
DoubleCross : (5D10+8) → 36[8,6,9,4,9]+8 → 44

桑原静電:ガード4、装甲8で12点軽減して32点のダメージ。
桑原静電:残りHPは5点。その攻撃で倒れます。
クレア:ヨシ!
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4増加 (62 → 66)
GM:C(200-46-74-32) 撤退ライン
DoubleCross : 計算結果 → 48


クレア:「まずは一人」起き上がる桑原へ向けて
桑原静電:ふらつきながらも、咄嗟に槍を正面に構える。銃弾を捉えてはたき落とす構え。
クレア:「取るべきところから取らせてもらう」発砲。狙いを過たず弾丸が飛んでいく。
クレア:弾道は直線、距離が離れていたのもあり、槍を合わせるには充分な猶予がある
桑原静電:「温い」
クレア:銃弾が穂先に触れる。容易くはたき落とされる筈のそれが、接触の瞬間
クレア:ぬるり、と空中の紐に当たったような手応えで、弾丸が伸びる。
桑原静電:「は」
クレア:蛇のように細長く柔らかな形状に変質したそれが、槍の柄を螺旋状に昇っていき
クレア:桑原の肩口を貫く。
桑原静電:「ヌ……!」
クレア:「心臓を狙ったつもりだったが」
クレア:「流石に流されたか。それでもしばらくその槍は振るえない」
桑原静電:浅手……ではない。腕がだらりと垂れ下がる。
桑原静電:槍を取り落とす。落ちた槍はずぶずぶと地に沈んで消えた。
桑原静電:「……敵ながら天晴」
桑原静電:「名は?」
クレア:「これから殺す相手に名を教えるのは趣味じゃない。しかし」
クレア:「そう聞く以上はここを生き延びる算段があるということか」
クレア:「クレア・アップルシードだ」
桑原静電:「ふ」血を吐きながら笑って。「   殿」
桑原静電:「覚わる気がせん」
クレア:「生き延びたなら、他の仲間にも喧伝してくれ。自分が誰に負けたのかを」
朝霧珂雪:「ほう」感心したように片目を開く。「桑原をやるか。生半な鍛え方はしていない筈だが」
朝霧珂雪:「アッシュ・ノイ・ジラードの添え物ではないらしいな、アイギス」
朝霧珂雪:「どれ」
朝霧珂雪:ひたり、と太刀の柄に触れる。
朝霧珂雪:「ひとつ撫で斬りと行こうかね」

GM:行動値8 朝霧の手番です
ギル:やだ
朝霧珂雪:マイナーなし
朝霧珂雪:メジャーで≪サイレンの魔女≫LV6+≪ペトリファイ≫LV4+≪ドッペルゲンガー≫LV4+≪砂の加護≫LV4+≪砂塵霊≫LV4
朝霧珂雪:対象はPC全員
ギル:怖いよ~
ルカ:やだー
朝霧珂雪:装甲無視 ガード不可 命中でシーン間行動値-8(マイナー使用で解除)
ギル:行動値-8つよいな~
朝霧珂雪:22DX+11
DoubleCross : (22DX10+11) → 10[1,1,1,1,2,2,3,3,4,5,5,5,5,6,7,7,8,8,9,9,10,10]+3[1,3]+11 → 24

ルカ:ドッジ!頑張るぞ
ルカ:7dx
DoubleCross : (7DX10) → 10[4,6,7,9,10,10,10]+6[4,5,6] → 16

ルカ:キィーーッ
アッシュ:ドッジを試みよう
アッシュ:5dx>=24
DoubleCross : (5DX10>=24) → 8[2,3,8,8,8] → 8 → 失敗

ギル:避けてみよ~
ギル:3DX+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 9[7,8,9]+1 → 10

クレア:ドッジ!
クレア:2dx+1>=24
DoubleCross : (2DX10+1>=24) → 9[5,9]+1 → 10 → 失敗

デュバリー:それは《ゲットダウン》でドッジ
デュバリー:3dx+20
DoubleCross : (3DX10+20) → 10[5,10,10]+10[5,10]+3[3]+20 → 43

デュバリー:あとにとっておいてくれ
アッシュ:そんな回す?
ギル:デュバ~ッ!?
ルカ:デュバデュバしてる
ギル:デュバ以外命中だ
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2増加 (83 → 85)
朝霧珂雪:ダメージ!
朝霧珂雪:3D10+18+16+5
DoubleCross : (3D10+18+16+5) → 22[8,7,7]+18+16+5 → 61

ギル:流石に強い……耐えきれぬ
ギル:クレアくんのロイス切ろう。HP11で復活しますわ
ルカ:ヒャーン 死にます
ルカ:1d10+83 リザレクト!
DoubleCross : (1D10+83) → 2[2]+83 → 85

ルカ:HP2で復活、行動値-8されて0になりました
クレア:死!《リザレクト》
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (66 → 68)
アッシュ:ギリギリ行けるのでリザレクト!
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (99 → 101)
アッシュ:安く済んで助かる。HP2点で復活!

朝霧珂雪:「銃で撃ち合い、爆撃機が飛び交うこんな時代でも」
朝霧珂雪:「まだこうして、剣を振っていられるとは……」
朝霧珂雪:「つくづく、良い世の中になったもんさね」
朝霧珂雪:くつくつと喉を鳴らして笑い、鞘からゆっくりと太刀を引き抜く。
朝霧珂雪:「起きな、“破軍”」
朝霧珂雪:酷薄な光を放つ白刃が主のレネゲイドに反応し、女の絶叫のような甲高い不協和音を響かせる。
朝霧珂雪:刀身を後方に、異様な前傾姿勢で構え──
朝霧珂雪:瞬間、剣閃が走った。
朝霧珂雪:“破軍”はまるで動いていないように見える。事実そうだ。それは剣術の枠から外れた異能。
朝霧珂雪:刀身の長さを遥かに超えた範囲、周囲の建物が、枯れ木が、真っ二つに両断され音を立てて崩れ落ちる。
朝霧珂雪:数瞬を経てようやく、君達の身体から僅かに血が滲みだす。
朝霧珂雪:物理法則の外側、異常な切断現象。形なき斬撃が、君達の身体を切り裂いている。
朝霧珂雪:「……おっと、いけないね」
朝霧珂雪:「こいつにはまだ慣れてなくてね。切れすぎちまって困るんだ」
朝霧珂雪:「その首、落としたくなければ……付くまで大人しくしてることだね」
朝霧珂雪:目を細め、嗜虐的に笑う。
アッシュ:「大人しくしたら、今度こそ首を落とすだろ」
アッシュ:からりと笑うその顔の下、血の滲んだ首の周りを影が囲っていく。
アッシュ:「サムライの剣技は独特だとは聞いてたけどさ。これじゃ剣技ってよりオンミョウジュツ?だぜ」
ギル:鉄王の砲身が傾き、地面に落ちる。
ギル:「以前よりさらに差を付けられたな。悔しいけど、彼女はアッシュに任せるしか無い」
ルカ:肉檻から僅かに開いた隙間から、その女の異常な剣捌きを確かに見た。首から溢れた血で服が赤く染まる。
クレア:「……」白衣の胸元に赤いシミが拡がる。些細な、しかし致命的な違和感。彼女の言う通り、声を発しただけで視界がズレてしまいそうだ
クレア:「……斬れ味が良すぎるのも考えものだな」
デュバリー:斬光の至る直前に、銃声が一つ響いていた。レネゲイドによる振動音響攻撃を、同じくレネゲイドの力を乗せた銃撃にて発散させたのだ。
デュバリー:おかげで、本人だけは無事である (……立派な予備動作と、力の発散)
デュバリー:(一帯の植物を掌握する時間があったから、ぎりぎり対応できる。種を教えてあげるつもりはないけどね)
弥富セツ:「……閣下」眼前の光景に目を瞠る。「よもやお戯れでありますか」
弥富セツ:動きを止めた者がいない。死んだ者がいない。
朝霧珂雪:「いいや、殺す気で斬ったとも、弥富」
朝霧珂雪:「こいつ等が存外にやるってだけさね。お前も趣味にかまけている暇はないかもしれんぞ」
弥富セツ:「ぬぅう。何たる往生際の悪さ……!」
弥富セツ:虚ろな眼窩を掻き毟る。蕩けた自らの肉がその指に絡む。

GM:行動値6 従者の手番です。
従者:わたくしも待機いたします。
ルカ:出してー
GM:あ、失礼 デュバリーさんが先でしたね
デュバリー:あとデュバも行動値6だからPC優先でこっちが先動くのがノーマルですのよ!
デュバリー:そう! 動く!
GM:行動値6 デュバリーさんの手番です
ギル:がんばれ~
クレア:やったれ~
デュバリー:マイナーで《オリジン:ヒューマン》、メジャーで素撃ち。対象は弥富セツ。
デュバリー:8dx+20+2+3
DoubleCross : (8DX10+25) → 9[1,1,2,5,5,6,8,9]+25 → 34

デュバリー:さっきの目を今だそうね。ダメージ
デュバリー:4d10+5
DoubleCross : (4D10+5) → 13[2,5,1,5]+5 → 18

デュバリー:ひどい。諸々有効
弥富セツ:その固定値何でありますか……? 一応ドッジはする!
デュバリー:そりゃそうだ。先走っておる……避けられるものなら避けてみろ!
弥富セツ:4dx+1>=34
DoubleCross : (4DX10+1>=34) → 8[2,7,8,8]+1 → 9 → 失敗

弥富セツ:失敗です
デュバリー:虚弱体質だったことが明らかになって18点でお死に!
弥富セツ:さすがにまだ元気!
GM:C(200-46-74-32-18) 撤退ライン
DoubleCross : 計算結果 → 30


デュバリー:先ほど攻撃を阻んだ短銃を握っているのは、やはり地中から傍らに伸びる枯れ根である。
デュバリー:「わたしは」 銃口が、奇怪な眼窩の少女に向けられる
デュバリー:「兎が転ぶのを待つ趣味はない」
デュバリー:その瞬間、弥富セツの足元ががくりと崩れる。地の底に伸びていた草根が急激に身を引いたことによる陥没である。
弥富セツ:「……!?」
デュバリー:そして同時に銃撃。単発弾が膝をついた少女の胴を正確に撃つ。
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2増加 (85 → 87)
弥富セツ:「っ──」鮮血が散る。
弥富セツ:「……貴殿は何者でありますか」
デュバリー:「何者? 名前を名乗るやつ?」
弥富セツ:「あいぎすの構成員として聞いた中に、斯様な少女はいなかったはず」
弥富セツ:「所属は。何故こ奴らに与するのです」
デュバリー:「そうだね。正確にはアイギスではないから。わたしはただの同盟者」
デュバリー:「理由もそんなもの。彼……彼らのファンだからだよ」
デュバリー:「もっとも、ここまで来た理由はそれだけじゃないけど」
弥富セツ:「…………ふぁん?」眼差しが狂人を見るものに変わる。
弥富セツ:「理解できんでありますが。敵であると言うならば、相応に覚悟はしていただくであります」
デュバリー:「そうだね。理解なんてできないだろうけど」
デュバリー:「覚悟すればなんでも解決っていう訳には行かないんだ」
デュバリー:わずかに目を伏せ、もう見ることの叶わぬ笑みを想う 「わたしには目的がある。早く道を開けてもらうよ」
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を2増加 (87 → 89)

GM:行動値0 ルカさんの手番です。
ルカ:はいー
ルカ:マイナーで《骨の剣》《死招きの爪》。武器を作成。
ルカ:メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《ペネトレイト》。また《異世界の因子》でアッシュくんの《シャドーテンタクルス》をコピーして使用。
弥富セツ:《殺戮の因子》
弥富セツ:ルカくんの《異世界の因子》を打ち消します。
朝霧珂雪:最高の女
ルカ:イジメられてる
弥富セツ:自分だけを見てほしいであります
ルカ:打ち消されちゃったので触手を攻撃します
ルカ:(7+5)dx7+8-1+3
DoubleCross : (12DX7+10) → 10[1,1,3,4,5,5,6,7,9,9,10,10]+10[1,5,7,8,9]+10[4,8,9]+10[3,10]+1[1]+10 → 51

ルカ:あっまちがえた
ルカ:(7+5)dx8+8-1+3
DoubleCross : (12DX8+10) → 10[1,1,4,4,5,6,7,9,9,10,10,10]+6[2,3,5,6,6]+10 → 26

ルカ:減った もうだめだ
従者:ガードします。
ルカ:3d10+10+6 装甲値無視
DoubleCross : (3D10+10+6) → 10[1,3,6]+10+6 → 26

ルカ:もうだめだー
従者:割と削れたけど……生存!
ルカ:そうだと思った ウエーン
ルカ:ルカの侵蝕率を14増加 (85 → 99)

ルカ:右上半身が瓦礫の獣へ変化していく。ぱらぱらと土埃が舞った。
ルカ:視界を覆って波打つ肉触手の檻を気味悪そうに一瞥。
ルカ:(こいつを相手させて手間取らせようってか?……くそ)
ルカ:(どいつもこいつも)
ルカ:大地に異形の手を押し込み、砂塵化させた己のレネゲイドを地中に潜らせようと企む。
弥富セツ:「どこへ行こうと言うのでありますか?」
従者:肉の檻に具わった眼球が、くわと見開く。
従者:途端に重圧。収束しかけたレネゲイドを散らし、青年の腕の力が萎える。
弥富セツ:「貴殿の相手は自分であります」
ルカ:「…ッ」「熱烈だな」
ルカ:力が萎えたまま、反射的に壁を引き裂く。
ルカ:(何してんだ)自分に舌打ちする。それにたいした威力はない。
従者:檻を構成する触手の幾本かが裂かれる。だが、決壊には至らない。
弥富セツ:「……出力はそれなり」
ルカ:「…調べてんじゃねえよ」
弥富セツ:「しかし雑に過ぎる。そして貴殿もまた見覚えがない。またぞろ同盟者とやらでありますか」
弥富セツ:「報いるべき国も無く、尽くすべき君も持たず」
弥富セツ:「不快であります。その様で戦い、生き、殺そうなどと」
ルカ:「はは」
ルカ:「特に返す言葉がねえな」
ルカ:「不快な野郎扱いでいいぜ。ついでにこのまま逃がしてくれたらもっといい」
弥富セツ:「南蛮人らしい文弱ぶりでありますな」
弥富セツ:「構いませんとも。逃げられるものなら」

GM:行動値0 待機していた従者と弥富さんの手番です
従者:はあい。行動値的にこちらから。
従者:マイナー無し。メジャーで《闇夜の呪い》。ルカくんを対象に射撃攻撃します。
ルカ:セツちゃんルカのこと好きだよね
従者:判定前に従者用アイテムラストブラッドを使い、ダイス数を+5。
従者:12dx+2
DoubleCross : (12DX10+2) → 10[1,3,3,4,7,7,7,7,8,8,8,10]+7[7]+2 → 19

ルカ:ドッジするぜ
ルカ:7dx>=19
DoubleCross : (7DX10>=19) → 9[2,2,3,4,6,9,9] → 9 → 失敗

ルカ:ダメ……
従者:2d10+20 ダメージ
DoubleCross : (2D10+20) → 13[10,3]+20 → 33

従者:諸々有効。
ルカ:HP2しかない!死んでリザレクト!
ルカ:99+1d10
DoubleCross : (99+1D10) → 99+10[10] → 109

ルカ:ハハハ
従者:また、闇夜の呪いとケージブラッドの効果により、従者も消滅します

弥富セツ:先程切り裂かれた触手の断面からは、気化した血液めいた赤黒い煙が漏れている。
弥富セツ:その量が不意に増す。それだけではない。触手が、目玉が、ぼこぼこと音を立てて膨れ上がり──
弥富セツ:炸裂。
弥富セツ:触れれば生物を溶かす強酸性の毒霧。それが一体にぶちまけられる。
ルカ:「…ッ」瓦礫と化した部位ごと体が溶け落ち、いやな匂いが立ち込める。
弥富セツ:「……しぶとい」
ルカ:「……これでもオーヴァードなんでね」欠けた部分からじゅわじゅわと身体が砂塵化して再生を急ぐ。
ルカ:「あんた、こうやって人を殺すのが趣味か?随分だな」
弥富セツ:「無論」
弥富セツ:「まさか」
弥富セツ:二つの映像が重なるように、その表情がぶれる。
弥富セツ:「自分は皇軍勇士。一命を捨てて君の御恩に報いるもの」
ルカ:「は、はっはは…」「おれの地元じゃ言われてたぜ、オーヴァードになると人らしい感情を失うって」
ルカ:「あんたを見てると、どうも。それが正しいように感じてくるな」
弥富セツ:「戯言を……!」

GM:行動値0 弥富さんの手番です。
弥富セツ:はい。
弥富セツ:マイナーで戦闘移動し、ルカくんにエンゲージ。
ルカ:ハグしてくれるのかな
弥富セツ:メジャーで《赤色の従者》。自身と同じエンゲージに再度従者を作成します。
弥富セツ:それだけ!

弥富セツ:「んんんんっ……」
弥富セツ:「はぁ……っ……!」
弥富セツ:ぼこり。
弥富セツ:空の眼窩の奥底から、新たな目玉が湧き出でる。
弥富セツ:産み落とすのも煩わしいとばかり、手を突っ込んでそれを抉り出す。生成されるのは先程と同様の使い魔。
ルカ:「……趣味の悪いことで」満足に逃げられる状況まで再生が追い付いていない。まだ囮になっていた方がマシだ。
弥富セツ:その触手が、自身とルカを諸共に、再度檻の中へと封じ込める。
弥富セツ:「……何とでも言うであります」
ギル:「不味いな……。ルカくん、すぐに助けに行く!それまで持ちこたえてくれ!」
ルカ:「は」
ルカ:「おれを殺すか?やってみろよ。高尚な軍人サンよ」

GM:クリンナップ
GM:ラウンド1終了。

GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
ギル:ないぜ
クレア:なし!
ルカ:なしだぜ!
デュバリー:わたしにはなにもない!
アッシュ:一応加速だけしとこう
アッシュ:Determiner le cours:加速装置Lv3:行動値+9
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を2増加 (101 → 103)
従者:従者が《奈落の法則》。対象になるのはルカと本体。
朝霧珂雪:《サポートデバイス:精神》LV6
弥富セツ:自身は無し!
GM:イニシアチブ
GM:行動値10 弥富さんの手番です
弥富セツ:はあい
従者:まずイニシアチブで、従者が先程と同様にケージブラッドを使用。エンゲージ封鎖とダイス+1。
弥富セツ:マイナー無し。
弥富セツ:メジャーで《赤色の従者》。従者を追加作成。
弥富セツ:声なき者どもはちゃんと(LV2で)持ってるからね!
弥富セツ:以上!

弥富セツ:「ふーッ」
弥富セツ:「痒い。痒い……!」
弥富セツ:眼孔を掻き回す。未だ形成途上の小さな目玉が捏ね合わされ、蟷螂の卵めいた歪な集合体の従者となる。
弥富セツ:「早く……死んでくれねば」
弥富セツ:「痒くて……堪らぬであります……!」

GM:イニシアチブ 行動値8 アッシュさんの手番です。
クレア:待ちな!
クレア:デュバリーさんのロイスをタイタス昇華して不利な効果を打ち消し
クレア:行動値9になるぜ!
GM:何ィ
GM:では行動値9 クレアさんの手番です。
クレア:よし。マイナーでボルトアクションライフルを起動し攻撃達成値+5。
クレア:《カスタマイズ》3LV《コンセントレイト:モルフェウス》3LVボルトアクションライフルで弥富セツを攻撃。
クレア:14dx7+12
DoubleCross : (14DX7+12) → 10[1,2,3,4,4,4,4,6,6,8,8,9,9,10]+10[3,3,5,7,7]+10[2,9]+10[8]+6[6]+12 → 58

ルカ:すごーーー
弥富セツ:ひええ
アッシュ:最強!
弥富セツ:一応ドッジは試みます……
ギル:いいぞ狙撃手ー
弥富セツ:4dx+1>=58
DoubleCross : (4DX10+1>=58) → 9[1,4,4,9]+1 → 10 → 失敗

弥富セツ:いや と言うか
弥富セツ:回避のC値増えてるんだから望みなかった
クレア:フハハ、年貢の納め時だぜ
従者:従者が行動放棄カバー!
GM:最高の女
クレア:来たか……ダメージ出します
クレア:6d10+8 装甲有効
DoubleCross : (6D10+8) → 36[6,5,8,6,4,7]+8 → 44

従者:実はギリギリ生きています
クレア:しぶとい
GM:最強従者
クレア:だが手番は潰したぜ
従者:はい……
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4増加 (68 → 72)

クレア:数発、連続しての発砲。
クレア:弥富セツが生み出した怪物。視神経のような触手に包まれてはいるが
クレア:その核は明らかだ。触手の隙間を縫って、曲りくねる弾丸が怪物の眼球へと到達し
クレア:瞬間、べしゃりと、液化してまとわりつく。
弥富セツ:「……!」
クレア:「少しおとなしくしておいてもらおう。何も見えないだろうが、悪いことばかりでもない」
クレア:「輝きに目を灼かれずに済む」
弥富セツ:狙撃手の存在は認知している。桑原連隊長を出し抜いたその腕も。
弥富セツ:ゆえに、下手な回避は狙わず、自ら檻に閉じ籠る手を取った。しかし──
弥富セツ:視界を塞がれたことで、その防御が戸惑うように乱れる。
弥富セツ:「しまった──」

GM:行動値8 アッシュさんの手番です。
アッシュ:マイナーで一応行動値のマイナスを解除。メジャーは……ヴァジュラ乗らないしアームズリンクだけ外そう。
アッシュ:Flairer le vent:コンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1
ルカ:《砂の加護》。判定ダイス+3。
アッシュ:C値-3、射程10m、侵蝕値+3
アッシュ:助かる!
ルカ:ハミースの戦術もあるぜ!
ルカ:ルカの侵蝕率を3増加 (109 → 112)
アッシュ:20dx7+3
DoubleCross : (20DX7+3) → 10[2,2,3,3,3,4,5,5,6,6,6,8,9,9,9,9,9,10,10,10]+10[2,4,4,5,7,8,9,9,10]+10[3,6,6,9,9]+10[8,9]+6[2,6]+3 → 49

アッシュ:よし!
ルカ:いいぞいいぞ
アッシュ:あ、対象はせっちゃん!
弥富セツ:回避もガードも無意味……。そのまま受けます。
GM:セツーッ
アッシュ:5d10+11
DoubleCross : (5D10+11) → 19[5,6,1,2,5]+11 → 30

アッシュ:あっぶな!!!
GM:うおおおおおお
弥富セツ:くっ……!
弥富セツ:もはや打つ手なし。ユニットとしては生存していますが……。
GM:C(200-46-74-32-18-30) 撤退ライン
DoubleCross : 計算結果 → 0

GM:丁度ゼロ!戦闘終了条件を達成しました。
アッシュ:怖すぎて寿命縮む
ルカ:アッシュ様すごーい!
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を3増加 (103 → 106)

アッシュ:「……」 数歩後退し珂雪との距離を僅かに空けた後、戦場を俯瞰するように目を細める。
アッシュ:「ちっとマズいか」
ルカ:それを知らず。弾丸が怪物を破ったのを目視した直後、少女の前に踊り出る。
ルカ:「おらッ……」低く構えた姿勢から、異形の右腕で彼女を引き裂こうとする。
弥富セツ:「……!」注意が眼前の青年に注がれる。
アッシュ:「悪いな、アサギリ。一旦よそ見をさせてもらうぜ」
アッシュ:そう言って背負っていた鞘を手に持ち直す。そのまま納刀。
アッシュ:それはまるで、つい先ほどの朝霧の持ち方を真似るように。
朝霧珂雪:「弥富!後ろだ!」
弥富セツ:「は」
アッシュ:「行くぜ!」
アッシュ:瞬間、剣閃が走った。
アッシュ:目にも留まらぬとは行かない。微動だにせずとも行かない。
アッシュ:しかし、気を取られたものが躱すにはあまりにも速すぎる一振り。
アッシュ:それに合わせるように一瞬だけ影がひたすらに伸びる。それは刀身の届く距離を遥かに超えて。
アッシュ:遠く離れた間合いに居たはずの弥富セツ。彼女の胴に確かに傷を残した。
ルカ:「────…」振り上げた右腕が、空を切る。
弥富セツ:警告は間に合った。振り向くのも間に合った。
弥富セツ:そこまでだった。
弥富セツ:只管に速い──あまりにも速い、アッシュ・ノイ・ジラードの一閃。そこに宿る雷。“希望”の光。
弥富セツ:「……何、を」
弥富セツ:されたのか。
アッシュ:「流石に、初見で完全コピーとは行かないな」
アッシュ:チン、と。再びの納刀により澄んだ音が鳴る。
アッシュ:「それに、そっちと違ってコイツは名無しでさ。いまいち決まり切らなかった」
弥富セツ:膝から崩れ落ちながら、疑問を零す。その頭上を影と瓦礫の腕が掠める。
朝霧珂雪:「……意趣返しか。面白い」
アッシュ:「はは。驚かしてもらったからな」
アッシュ:「お返しになったなら何よりだ」
朝霧珂雪:「弥富、まだ行けるな」
弥富セツ:「……。は」
弥富セツ:「当然、であります……!」
弥富セツ:再び立ち上がろうとする。
ルカ:「……」目の前の少女を睨む。
朝霧珂雪:「ああ、楽しくなってきたね。久々に血が沸くってもんさ」
朝霧珂雪:「どれ、まずはどいつから──」
朝霧珂雪:その時、“破軍”の胸元から一枚の式符が舞い上がる。
朝霧珂雪:日本軍で使用される通信用のもの。それが“破軍”の耳元で小さく光を放つ。
朝霧珂雪:「……何?」
朝霧珂雪:明らかに気分を害して。
朝霧珂雪:「冗談じゃあないよ!こちとらここから……」
朝霧珂雪:「……。……チッ……。……“破軍”了解」
朝霧珂雪:「弥富少尉、桑原少尉。引き上げだ」
弥富セツ:「なっ……しかし!」
桑原静電:「は?何と……?」肩口を抑えたまま。
朝霧珂雪:「“社”から入電だ。奴ら『アレ』を起こすらしい」
朝霧珂雪:「ここにいりゃああたしらまで巻き添えだ」
桑原静電:「!何と……!」
弥富セツ:「……!」
ギル:「いいのかな、見逃してもらっても。もう少し頑張れば僕たちを倒せるかもしれないよ」
デュバリー:(……やっぱり聞こえないか) 無線電波の要領で傍聴を試みていたが、うまくいかなかった
朝霧珂雪:「興覚めだが、勝負は預けるよ。アイギス」
朝霧珂雪:「精々生き残って、あたしに斬られに来ておくれ」
桑原静電:「果たして、遺りますかね」
朝霧珂雪:「さてね。八割がたは無理だろうが」
クレア:「余程自信があるようだな。噂の新兵器とやらに」
朝霧珂雪:「そりゃあ、そうさ。使える物は何でも使うのがうちのやり口でね」
朝霧珂雪:「それが神でも、仏でも」
朝霧珂雪:“破軍”が刀を一閃する。轟音と共に、周囲の家屋が君達に倒れ込んでくる。
弥富セツ:同時、二体の使い魔が爆散する。
弥富セツ:広く濃く、赤黒の煙が濛々と立ち込める。攻撃より目くらましに主眼を置いた煙幕。
朝霧珂雪:煙が晴れる頃には、既に第三師団は姿を消していた。
デュバリー:枯れ根が土を突き破って屹立し、降り注ぐ瓦礫から身を守る。
デュバリー:「……無礼ね」 心持ち不機嫌な表情
デュバリー:「服が汚れだらけ」
アッシュ:「ホントにな」 身を守った影を払いながら口を尖らせて。
アッシュ:「神だかホトケだか知らねーけどさ」
アッシュ:「勝ち目が20%程度なんて、随分安く見てくれたもんだ」
ミルシュカ:『だ……第三師団、撤退しました』
ミルシュカ:『戦闘終了です……?』
クレア:「終了、か……」
クレア:「奴らの話では、じきに"次"が来るんだろう?」
ギル:「あの様子だと、のんびりしている暇はなさそうだけどね。エミリア君は?」
ハミース:「この通り」
エミリア:ハミースに連れられ、物陰から顔を出す。
エミリア:「元気です!」
ハミース:「つっても、まだ《ワーディング》は残ってる」
ハミース:「すぐにゲートで逃がすなんざ無理だろうな」
デュバリー:「あと、ルカは?」
デュバリー:「元気?」
ルカ:「………生きてる」間近で爆発に巻き込まれ、瓦礫にまみれて這い出てきた。
デュバリー:「そう。元気で良かった」 瓦礫の隙間からツタが伸びて、ルカくんの服の汚れを払ってあげる
ルカ:「やめろ」ツタを払いつつ。「…どうなる。このままエミリアを連れて任務続行か?」
クレア:「退却が間に合わないのなら、他に選択肢はないだろうな」
デュバリー:「何が起こるかも分からないからね、動かないままじゃ」
アッシュ:「まあ日本軍の方が慌てて撤退したくらいだしな」
アッシュ:「それこそエミリア連れてじゃあ間に合わないだろ」
:『いや……あの様子では、何か仕掛けてくる心算なのは間違いない』
:『ゲート付近まで撤退、《ワーディング》が薄れ、ゲートが使用可能になり次第一時帰還しろ』
デュバリー:「そう? じゃあ間に合うことを祈ろう」
ルカ:「人道的な措置で何よりだ」
デュバリー:「エミリア、走るのは速い?」
エミリア:「えっ……分かりませんが…… ……頑張ります!」
アッシュ:「ま、遅いなら運べばいいだろ。男手も余ってるし」
アッシュ:「エミリアならミルシュカより軽そうだ」
ハミース:「どやされんぞ……」
GM:不意に、君達に影が差す。
ギル:「聞こえてるんじゃないか?ミルシュカに。……?」
クレア:「なら急ごう。件の新兵器の寝起きが悪いとも限ら……」
デュバリー:「せめて迎えの車が来てくれればね」
GM:雲だ。いつの間にか上空には巨大な暗雲が立ち込め、陽射しを遮っている。
ハミース:「……予報じゃしばらく晴れって話じゃなかったのか?」
デュバリー:目を細めて空を見上げる 「荒れそうだよ」
GM:黒雲の中から、ゴロゴロと不吉な雷轟が響いてくる。
ギル:「嫌な予感がするな……」
ミルシュカ:『とにかく、ゲート地点まで撤退しま(ザ)う…… ……ナビ(ザザ)ート……す……の……』
ミルシュカ:『……皆(ザザ)ん? ……聞……』
アッシュ:「……おいおいミルシュカ、機嫌損ねたからってジョークがキツいぜ?」
ミルシュカ:ノイズと共に、ぷつりと通信が途絶する。
アッシュ:「……ジョークじゃないのはもっとキツいな」
エミリア:「…………? どうしたんでしょうか?」ルカを見上げる。
ルカ:「おれも知りたい」しかめっ面をしている。
クレア:「妨害か障害か。《ワーディング》すら突破する通信を簡単にどうこうできるとは考えにくいが」
デュバリー:眉をひそめる。タッピング&オンエアで無線通信の状況を知りたいです
GM:無線は通じません。何か強力なジャミング……というよりは、周囲の磁場が滅茶苦茶に荒れ狂っているのが分かります。
デュバリー:「その考えにくい状況。でも人為的なものじゃない。根本的に、磁場がめちゃくちゃになってる」
デュバリー:不快げな表情 「とても異常事態」
GM:ぽつり、と誰かの頬に水滴が落ちたかと思うと、すぐさま雨脚は勢いを強め、土砂降りの豪雨となる。
GM:稲光。遠くで雷が樹木に落ちて、引き裂けるような音と共に燃え始める。
ルカ:「……おいおい」「このままじゃ、撤退できないんだな?」
ルカ:「だからといってここに残るのも危ないって?」
エミリア:「わわわわわ……」両手で頭を覆いながら、ルカの背に隠れる。
デュバリー:「ルカ、よくわかってる。……どうする?」
GM:その時、君達の身体を重圧が包み込む。
デュバリー:「雨は嫌いじゃないけど、立ち尽くすよりは前進か後退か……」
ルカ:「……」エミリアに苛々する。「こういう時は、最年長が決めるのが……」
クレア:「……台風、大陸のこの位置で……?」フードを被ろうとし
GM:それはレネゲイドによるもの。《ワーディング》だ。だが君達の誰もが……戦歴の長いアッシュやギルトレットですら、一度も味わったことのない感覚だ。
GM:明らかに人間のものではない。かといって、単にジャームによるものでもない。
GM:もっと、何か人でない存在が──その存在を誇示しているかのような。
アッシュ:「ギル、こういうタイプに会った覚えあるか?」
アッシュ:唯一自分より線歴が長いはずの彼に、端的に問いかける。
ギル:「いや……初めてだ、こんな感覚は」
ギル:「おそらくタダのジャームでもない……これは一体……」
GM:黒雲の狭間、引っ切り無しに瞬き続ける稲光に照らされ、巨大なシルエットが浮かび上がる。
GM:生き物のような、機械のような。人によっては空飛ぶ円盤を思い浮かべるかもしれない。
GM:とても人の手が届かない、遥か上空。そしてそこから伸びるアーチ状の、柱のようなもの……恐らくは、脚。
GM:君達は今、巨大な……果てしなく巨大な蜘蛛の腹の下にいるかのような状況にあった。
GM:『脚』の先は見えない。地平線に霞んでいる。接地点は、恐らく数十キロは先だろう。
ルカ:「…………」「………あ?」
ハミース:「おいおいおいおい……」
デュバリー:「なにこれ」
クレア:「ここまでとはな……」
ギル:「初めて見るな。僕の鉄王よりも大きいオーヴァードは」
ルカ:「オーヴァードなのかよ、あれは……」
アッシュ:「流れからするにそういうことだろ」
GM:脚と脚の間、急速に広がる台風めいた雨雲の下。半径数十キロにも及ぶ範囲全てがその異様な《ワーディング》の勢力圏にあると、肌で理解できる。
GM:アイギスの面々ならば知っている。アーデルハイドの《ディメンジョンゲート》は、戦闘状態や《ワーディング》下など、レネゲイドが緊張状態にあると使用できない。
GM:つまり君達は今、帰る手段を失い、敵地において完全に孤立した状態にあった。
デュバリー:(……"荒御魂"か。知りたかったのはガリオ・ネルソンのことなのに、大ごとになっちゃったな) 嵐に目を細めながら、上を見上げつつ
ギル:「これが日本軍の新兵器か……」
アッシュ:「なるほど、自信もあるわけだぜ」
ルカ:「呑気に言ってる場合かよ…」「…じゃあ、何か」
ルカ:「あれをどうにかするのがおれたちの任務ってわけか?」
クレア:「あれが日本軍の新兵器だと言うなら、そういうことになるな」
ギル:でっかい蜘蛛はこっちに攻撃してきたりはしないんでしょうか
GM:今のところはありません。ただし落雷は明らかに自然現象ではあり得ない頻度で発生しており、この場に居れば雷に打たれるのも時間の問題だと分かります。
デュバリー:「地平線の彼方まで逃げるのと、今目の前にあるあれを倒すのなら……どう?」
デュバリー:「どっちになる?」 アッシュに、回答の分かりきった問いを投げかける
アッシュ:「どっちみち、逃げたところで雷に打たれて終わりだろ」
アッシュ:「それに、前から思ってたんだよな」
アッシュ:「せっかく英雄って呼ばれるんなら化け物の一匹くらい退治しておきたいってさ」
デュバリー:「ん」 首を傾げるように頷く どこか嬉しそうに
ルカ:「……バケモノね」皮肉っぽく一人ごちる。
GM:豪雨と雷鳴の中、遥か暗雲の向こう。巨大な蜘蛛が咆哮する。
GM:大日本帝国陸軍、『荒御魂』試作第八号。
GM:号を、“タケミカヅチ”と言った。



GM:シーン終了。
GM:ロイス・購入可能です。
ギル:応急手当ほしい丸
アッシュ:ロイスはまだ保留!購入は応急手当キット!
アッシュ:4dx+2>=8
DoubleCross : (4DX10+2>=8) → 10[2,4,9,10]+10[10]+3[3]+2 → 25 → 成功

アッシュ:なんかすごい回った ギルにパス!
ギル:4DX+3 応急手当
DoubleCross : (4DX10+3) → 8[5,6,7,8]+3 → 11

ギル:変えた!自分で使います
ギル:11+2d10
DoubleCross : (11+2D10) → 11+5[1,4] → 16

ギル:アッシュくんのももらう
ギル:2d10+16
DoubleCross : (2D10+16) → 14[4,10]+16 → 30

アッシュ:ナイス回復。こっちは以上!
ギル:私は以上で
クレア:予備の日本刀買おう
クレア:4dx+3>=11
DoubleCross : (4DX10+3>=11) → 5[2,3,4,5]+3 → 8 → 失敗

クレア:こちらも以上!
ルカ:ロイスは保留にします
ルカ:クレアくんの日本刀目指してみよう
ルカ:4dx+1>=11
DoubleCross : (4DX10+1>=11) → 8[1,1,5,8]+1 → 9 → 失敗

ルカ:財産点2点払って買っちゃおうかな
ルカ:そしてクレアくんにパス
クレア:あっ嬉し~!
クレア:グミあげるね
ルカ:わーーい
ルカ:施しなど受けん…
クレア:そんな…
ルカ:こちらも以上!
デュバリー:ウウ~ン ロイスは保留として……
デュバリー:ぶるーげいる
デュバリー:コネ:手配師をつかう
デュバリー:8dx>=20
DoubleCross : (8DX10>=20) → 10[1,2,3,5,5,5,5,10]+4[4] → 14 → 失敗

デュバリー:財産6ぴったり吐いて購入。以上



【Climax/ENCOUNTER】

GM:全員登場です。
ギル:わーい
ルカ:ルカの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (112 → 117)
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (72 → 78)
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (106 → 112)
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (89 → 93)
ギル:従者Bの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (0 → 5)
ギル:ごめんよ従者。まちがえちゃった
ギル:十字架を背負って生きてね
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (103 → 107)



GM:雷雨は更に勢いを増しつつあった。
GM:引っ切り無しに続く落雷に、あちこちで火の手が上がっては、豪雨により消し止められていく。
GM:異質な《ワーディング》が弱まる気配はない。新たな敵を警戒する必要こそ無いが、君達がここから出ることも出来ない。
GM:下手をすれば、ゲートが無い以上、この中国大陸から脱出することすら叶わないかもしれない。
GM:巨大な蜘蛛の本体は、遥か雲上に霞んでいる。
GM:空を飛べるオーヴァードでもいれば手が届くだろうか。だとしても、雷に打たれることになるだろうが。
GM:本体を支える脚部は、遥か地平線の向こうだ。オーヴァードは瞬発力には優れるが、持久力は然程でもない、そこまで体力が持つだろうか。
ギル:「飛びかかるのは無理がありそうだ。足元まで近づいてみるかい?」
デュバリー:「無策で高度を取れば落雷に狙われる。背の高い樹がやられるのと同じ」
デュバリー:「現実的な案はそれかもしれないけど、くたびれそう」
デュバリー:「もうちょっと考えて、何も出なければ歩こう。何かある?」
クレア:「脚を一つ潰した程度ではびくともしなそうだな」
ルカ:「クレア、あんたの狙撃はどこまで届くんだ?」
クレア:「こいつでは届かない」ライフルを掲げて
アッシュ:「つまり、奥の手の方なら届くのか?」
クレア:「そうだな。雲の上、本体まで2000~5000mと言ったところか」
クレア:「充分射程内だ」
アッシュ:「流石」
クレア:「とはいえ何発も撃てるものではない」
ハミース:「届くかどうかじゃねーだろ」
ハミース:「殺せっかどうかだ」
アッシュ:「まあなー。流石にこの図体をクレアだけでってのは無茶だし」
クレア:「ああ。おまけにこの雲で狙いも定まらない。無駄弾を撃つのは避けたいところだ」
エミリア:緩くウェーブの掛かった髪をずぶ濡れにして、犬のように身を震わせ水を払う。
ハミース:「こっちが見られてねえなら、隠れて凌ぐってのもありだと思うがな」
ギル:「ルカくんはどうだい?僕たちの知らないとんでも能力があったりは?」
ルカ:「それがあったらおれも教えてもらいてえよ」むっつりとした表情になる。
ルカ:「肉体変化と近接戦闘しかできない。無理だ」
ギル:「ミルシュカとの通信も回復しないし……やっぱり歩くしかなさそうだね」
GM:……ジリリリリリリ ジリリリリリリ
GM:雨音に混じって、微かに何か聞こえてくる音がある。
GM:電話のベルだ。
デュバリー:「クレアにつついてもらって反応を見るだけ見る、というのも」
デュバリー:「……」 雨音の合間の異音に気付き、唐突に口を噤む
GM:見ると半壊した廃屋の中、古めかしい電話が鳴り響いている。
GM:雨に打たれ、今にも壊れそうだ。いや、そもそもこんな場所に都合よく電気が通っているものだろうか?
GM:豪雨の中、ベルは鳴り続けている。まるで誰かの応答を待っているかのように。──だとすれば、誰が?
ルカ:「……隊長が奥の手を使って連絡してきた可能性は?」
ギル:「僕は聞いたこと無いね」
ハミース:「……無くはねえが、誰の奥の手でも言えるなそりゃ」
クレア:「だとしたら無線機の方に連絡しそうなものだが……」
アッシュ:「とりあえず一つ、分かることがあるぜ」
アッシュ:「相手が誰か知りたいなら受話器を取ればいいんだ」
アッシュ:そう言うのが早いか、勝手に受話器を取る。
デュバリー:じっとその様子を見ている
ルカ:「………」いいのかよ、という顔をする。
ハミース:「おいバカ……」
ハミース:「やるにしてもお前じゃねえだろ……」
ギル:「たしかに。僕が出たほうが良かったかもしれないね。もしかしたら妹からかも」
ルカ:「はあ? 急にジョーク言うのはやめろよ」
GM:僅かなノイズの後、通話が繋がる。
???:『通じましたか』
???:変声機を使っているのか、男か女かも判然としない声。
アッシュ:「通じてるぜ、ムッシュー?もしくはマドモアゼル」
???:『御機嫌よう。“死なない女”に変わって頂けますか?』
アッシュ:それを聞き、デュバリーへと視線を投げる。
デュバリー:ぱちりと瞬き、ぽつぽつ近づく
デュバリー:「私?」
ギル:「君の娘かい?」
エミリア:「まあ、娘さんが?」
ハミース:「心当たりねーのかよ」
デュバリー:「ない。"娘"にしても、こんなことができる子は」
デュバリー:言いながら受話器を受け取る 「いないはずだけど。こんにちは」
デュバリー:「デュバリー。"メリュジーヌ"。"死なない女"。あなたは?」
???:『こんにちは、初めまして、“死なない女”』
???:『ああ、“メリュジーヌ”の方がよろしいですか?』
デュバリー:「好きなように呼んで。どれもわたしを示すことに変わりはないから」
???:『私のことは“アレンデ”とお呼びください』
デュバリー:「あなたは"アレンデ"ね」 知ってる? と周囲の面々に目を向ける
アッシュ:無言で肩をすくめ、首を横に振る。
ハミース:首を振る。
ギル:「聞いたことのない名だ」
エミリア:「?」
ルカ:「ピンともこないな」
ハミース:「姫様が知らなきゃ誰もわかんねえだろ」
クレア:「……」無言で同意する
アレンデ:『さて、状況が状況ですから、単刀直入にお話します』
アレンデ:『あなた方の手助けをさせてください』
デュバリー:「手助けを」
デュバリー:雨に濡れながら頭上を見上げ 「それ自体はとても歓迎。だけど、どういう?」
ギル:「君のファンが増えたのかもしれないね」アッシュに
アレンデ:『そうですね……』
アレンデ:『少し、胸襟を開いてお話しましょうか。こちらとしても、その兵器……』
アレンデ:『“タケミカヅチ”というのですが。その存在は、都合が悪いのです』
デュバリー:「うん。あの兵器の存在は都合が悪い。わたしたちと同じだね」
デュバリー:周囲の面々に伝わるよう復唱しながら、自身の胸襟のあたりを無意識に撫でている
アッシュ:「オレのファンってよりは駆け込みの依頼主みたいだな」
ハミース:「つーかマジで兵器なのかよあれ」
アレンデ:『ええ。ですので、あなた方に打倒して頂きたい』
アレンデ:『これは一種の、アイギスへの依頼とお考え下さい』
デュバリー:「壊すのはわたしたちがやる。"アイギス"への依頼ということだと、わたしに連絡するのは不適当だと思うけど……」
アレンデ:『アイギス本部に連絡しても、今のあなた達には届かないでしょう?』まるでこの状況を最初から予期していたかのような口ぶり。
デュバリー:「細かいところはなんとかする。で、そのためにあなたは何を?」
アレンデ:『あなた方は“タケミカヅチ”を倒す。私はその方法を教えると同時に、この状況からのあなた方の生還に協力する』
アレンデ:『ただし、私の正体については詮索しない』
デュバリー:「方法と、その後の帰還について協力してくれて、代わりに……」
デュバリー:わずかに眉をひそめる 「……正体について探らない」
アレンデ:『私にとっては、あくまで“タケミカヅチ”の排除が最重要です』
アレンデ:『どうでしょう。引き受けて頂けますか?具体的な方策については、意思確認の後ということで』
デュバリー:「少しだけ待って。決を取る」
デュバリー:受話口を押さえ、皆へ 「連絡してきた"アレンデ"は、何があってもあの怪物みたいな兵器……"タケミカヅチ"って言うみたいだけど、あれを排除したい」
デュバリー:「そのための手段と、その後わたしたちが生還する方法があると言っている。その代わりに、無用の詮索はしない」
デュバリー:「わたしとしては、良い話だと思う。どう?」
ハミース:「……最後の一項がキナ臭いがね」
ギル:「僕は構わないよ」
ギル:「このまま死んだら正体を探る事も当然できない。どんな方法か聞くだけ聞いてみよう」
アッシュ:「賛成。脚の根元まで歩いてくより話が早そうだし」
ルカ:「おれも構わない。ここで死ぬよりよっぽどマシ」
クレア:「待っていても状況は好転しなそうだしな」
ハミース:「アッシュ・ノイ・ジラード麾下臨時メンバーの総意として受けるつっとけ」
デュバリー:頷いて、受話口の手をどける 「アッシュ・ノイ・ジラード麾下臨時メンバーの総意として、受ける。方法を教えて欲しい」
アレンデ:『それは良かった』
アレンデ:『その地点から500メートルほど北西にある廃墟に、人数分の車両が用意してあります』
デュバリー:「北西の廃墟に車両」
ルカ:「どっちだ?」
デュバリー:ある一方の草がざわざわとゆらめく。植物ほど方位に敏感なものはないのだ。
クレア:「デュバリーの道案内は方位磁石よりよほど正確だ」乱れた磁場で使い物にならないコンパスをしまう。
アレンデ:『それを使って、各自分かれて“タケミカヅチ”の脚部に移動、破壊してください。片側に絞って破壊すれば、構造上4本から5本程度で自立できなくなる筈です』
アレンデ:『ただし、脚部は強力な自己再生能力を備えています』
デュバリー:「それに乗って、片側の脚部数本に分かれて移動して、破壊する。そうすれば自立できなくなる。だけど、脚には再生能力があって……」
ハミース:「マジで何者だこいつ……?」
アレンデ:『一度崩しても、脚部を破壊してから本体に向かっていては、その間でまた体勢を立て直されてしまうでしょう』
デュバリー:「……自立できなくなってから本体に向かっても、再生して立ち上がってしまう」
アレンデ:『落ちてくる本体を待ち構え、堅牢な装甲を破壊して機能を停止させる役割を担う人員が必要です』
デュバリー:「『脚部を破壊する班』と『落ちてきた本体を破壊する班』に分かれる必要がある。その認識で良い?」
アレンデ:『理解が早くて助かります』
デュバリー:「実行できるかは分からないけどね」
アレンデ:『本来、神霊級のレネゲイドビーイングを倒すことなど不可能に近いですが。“荒御魂”シリーズは、霊を兵器に無理やりに定着させている状態です』
アレンデ:『本体を破壊すれば、すぐに動きを止めるはずです』
アレンデ:『その役目を行えるのは……』
アレンデ:『……そちらにエミリアという少女がいますね?』
デュバリー:「エミリア」
デュバリー:「……いるけど」
ギル:「彼女の家族かい?」
デュバリー:受話口を押さえて 「詮索はダメ」
ギル:「ごめん。つい気になって」
アレンデ:『ふふ。結構ですよ』
アレンデ:『それと……何と言いましたか。トライブリードの……』
デュバリー:「ルカ?」
ルカ:「あ?」怪訝な顔をする。
アレンデ:『ああ、そうです。斑鳩・フォード』
アレンデ:『その二名が居れば、十分に果たせるはずです』
デュバリー:「……エミリアとルカがいれば、本体の破壊ができる?」
エミリア:「……?」目を瞬く。
エミリア:「わたしですか……?」
ルカ:「…冗談だろ」
アレンデ:『それが最適かと』
デュバリー:少し考えて 「さすがに話が突飛過ぎる。もう少し具体的な情報が欲しいんだけど」
ギル:「そうだね。アッシュならわかるけど……なぜルカくんなんだ?」
アレンデ:『彼でなければ出来ないからです。正確には、彼と彼女』
アレンデ:『信頼に乏しいのは分かりますが……。では、そうですね』
アレンデ:『もう一つ、条件をお出ししましょう。ああ、これは復唱せずに結構ですよ』
アレンデ:『──ガリオ・ネルソン』
デュバリー:何か言おうとしていた口がきゅっと閉じられる
アレンデ:『従って頂ければ、成功した暁には彼の所在をお教えします』
アレンデ:『如何でしょう。悪くないお話だと思うのですが』
デュバリー:「……アッシュ・ノイ・ジラード麾下臨時メンバーの総意として、受けると言った以上」
デュバリー:「それを理由に横に振っていた首を縦に振り直すことはできない。それはわたしにとっても、意味が大きい」
デュバリー:「その上で改めて、皆に確認を取る」
デュバリー:再び受話口を押さえて 「"アレンデ"は、ルカ……正確にはトライブリードのオーヴァードと、エミリアがいれば」
デュバリー:「あの空の上の本体を破壊できると言っている。だから……」
デュバリー:「彼の提案に乗るなら、ルカとエミリア……場合によっては他のメンバーも残して、残りのメンバーであの脚を折りにいく、という作戦を取ることになる」
ルカ:憮然とした表情をしている。
アッシュ:「それでオレじゃなくてルカをご指名って訳だ」
デュバリー:「うん。わたしもいちおう、トライブリード? らしいけど、乱暴には向かないからね」
ハミース:「待て待て待て……彼かは分からんだろ」
ハミース:「美女かもしれん」
デュバリー:「……うん。男だと決めつけてた。軍の内情に詳しすぎたから。美女の可能性は否定できない」
デュバリー:「彼または美女に訂正しておく」
エミリア:「わたしですか……」困惑と緊張の表情。
ルカ:「あんた、何かできんのか」
ルカ:エミリアに言う。
エミリア:かぶりを振る。
エミリア:「わ……わたし、自分に何が出来るかも分からないんですが……」
クレア:「自分たちはエミリアの性能を何一つ知らない。本来であれば、性能を信頼できない者に部隊の命を預けることはできない」
エミリア:「……」
クレア:「とはいえ、この作戦で最も命を危険に晒すのは、本体に肉薄するエミリアとルカだ」
クレア:「ルカ、君はどう思う」
ルカ:「…さっきも言った通り、おれは奥の手のトンデモ能力なんてものは持ち合わせていない」
ルカ:「残念ながら。……。その上で、依頼主のオーダーなんだろ」
デュバリー:「そうだね。怪しい依頼主ではあるけど」
デュバリー:「最低限の筋道は通ってるようにも聞こえる」
ハミース:「ほかに選択肢がありゃあともかくな……」
アッシュ:「んー」
アッシュ:「なんか話進んでってるけどさ」
アッシュ:「ルカとエミリアがそれをやるかどうか決めるのが先じゃね?」
アッシュ:「今してたの、『やれるかどうか』の話だろ?」
ルカ:「ああ、おれは『やる』でいいよ」
ギル:「僕もアッシュと同意見だ。ルカはアイギスのメンバーだからいいとしても、エミリアはそうじゃない」
ギル:「彼女の意思を尊重するべきだと僕は思う。大丈夫、大方流れはわかったんだ。君が居なくてもなんとかなるさ」
エミリア:「わたしは……」逡巡するように僅かに視線を彷徨わせ
ルカ:「……」エミリアを見る。
エミリア:「……わたし、まだ、全然……何も分かりません」
エミリア:「自分がどうしてここにいるのか。自分が何者で、何が出来るのか」
エミリア:「でも……」
エミリア:「でも、ルカに、皆さんに助けて貰ったのは分かります」
エミリア:「だから……その、ええと……」
エミリア:「わ、わたしに出来ることがあるなら……やってみたいです。やらせてください!」
エミリア:たどたどしく、必死に言葉を発する。
ルカ:「……だってよ」
クレア:「……いいのか。ルカ」
クレア:「君が言ったように、君自身がアレを打倒する奥の手を持っているわけではない」
クレア:「つまりそれは、彼女自身が覚えていない秘められた力に君のすべてを賭けるということだ」
クレア:「君は一体、彼女の何を信じる?」
エミリア:「……」ルカを見上げる。
ルカ:「……希望だとか運命だとか」
ルカ:「ここで、そういうそれっぽいことを言えれば良かったんだけどな」
ルカ:「特に信じることもない…ただ、なるようになると思ってる」
ルカ:「それでいいと思ってる」
クレア:「その結果死ぬことになってもか?」
ルカ:「…その時は好きなだけおれを恨んでくれ」
デュバリー:「それ、ここが市街だったら、褒められたことじゃないけど」
デュバリー:「場所が場所だからね。……話はまとまった。それで進める」 受話口へ
アレンデ:『それは良かった。何よりです』
アレンデ:『では、あなた方の健闘を祈っていますよ』
ルカ:「……悪いなエミリア」
ルカ:「あんたを助けたのが英雄じゃなくてよ」
エミリア:「? どうしてですか?」
エミリア:「わたしはルカで良かったですよ!優しいし……それから……」
エミリア:「……」
エミリア:「……大きいし!」
ルカ:「………どこが良いんだよ…」苛立ちを押し殺しながらそれだけ言う。
ギル:「アッシュ、君が小さいと言われてるわけじゃないよ。怒らないで」
アッシュ:「優しさは美徳だけど、ギルのはたまに美徳の範疇から外れるんだよな」
アッシュ:「つまり、一応言うけど、大きなお世話ってことだ」
ギル:「ルカにも言われたし、少し気をつけたほうが良さそうだね」
クレア:「なら、早速出発するか」どこか憮然とした表情で
クレア:「みんな。また会おう」

GM:クライマックス、FS判定に入ります。
GM:Eロイス《悪意の伝染》《暴食の胃袋》が使用されています。
GM:このシーンに他のキャラクターは登場できず、また“タケミカヅチ”への攻撃判定は常にダイス-2、クリンナップごとに全員1D10のダメージを受けます。
ギル:大変だなあ
GM:判定項目はこちらになります。

目標:巨大兵器“タケミカヅチ”を撃破せよ
終了条件 3ラウンド経過
完了値30
難易度7
最大達成値30
破壊側:《運転:二輪/四輪》もしくは任意の《情報》
護衛側:《回避》もしくは《知覚》


GM:今回は破壊側の4人と護衛側のルカさんで別の判定を行って貰います。
ルカ:守る側だぜ
ギル:ルカくんとおしゃべりできないの寂しいよ~
ルカ:ギルくん…… キュン
GM:というわけで始めていきましょう
ルカ:オス!
GM:異様な、神霊のワーディングが君達のレネゲイドを乱し、衝動を掻き立てる。
GM:衝動判定、難易度9。同時にEロイス《堕落の誘い》
GM:この衝動判定に失敗した場合、侵蝕率100未満の場合100まで上昇します。
デュバリー:7dx+1>=9
DoubleCross : (7DX10+1>=9) → 10[2,5,7,8,8,9,10]+1[1]+1 → 12 → 成功

デュバリー:2d10
DoubleCross : (2D10) → 15[5,10] → 15

デュバリー:デュバリーの侵蝕率を15増加 (93 → 108)
ルカ:3dx+2+1>=9 意志判定、思い出の一品で+1
DoubleCross : (3DX10+3>=9) → 10[4,4,10]+6[6]+3 → 19 → 成功

ルカ:117+2d10
DoubleCross : (117+2D10) → 117+7[2,5] → 124

クレア:2dx+1>=9
DoubleCross : (2DX10+1>=9) → 5[2,5]+1 → 6 → 失敗

クレア:失敗したので侵蝕100に
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を22増加 (78 → 100)
クレア:2d10
DoubleCross : (2D10) → 17[7,10] → 17

クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を17増加 (100 → 117)
アッシュ:6dx+1>=9
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 8[1,4,5,7,8,8]+1 → 9 → 成功

アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を2d10(→ 13)増加 (112 → 125)
ギル:11DX+1
DoubleCross : (11DX10+1) → 10[2,3,3,3,4,5,5,9,9,9,10]+5[5]+1 → 16

ギル:ぼぼぼ
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を2d10(→ 7)増加 (107 → 114)
GM:ラウンド1
GM:ハプニングチャートを決定します
GM:1D5
DoubleCross : (1D5) → 5

GM:チッ……
ギル:スカートめくれたり雨に濡れて服が透けたり
GM:⑤チャンス到来。ラウンド中進行判定ダイス+5個
GM:命拾いしたな
デュバリー:やったわ
ルカ:やったーー!
アッシュ:早速!
クレア:よしよし
GM:ではセットアップから!
デュバリー:なし!
ルカ:なしです!
アッシュ:無し!
クレア:なし!
ギル:ないよ!
“タケミカヅチ”:Eロイス《破滅の足音》
“タケミカヅチ”:1D10+1 ラウンド後のクリンナップにPC全員は戦闘不能になります
DoubleCross : (1D10+1) → 8[8]+1 → 9

GM:バカ!
ルカ:良かった~~~
アッシュ:足元が見えていないご様子で

GM:ではイニシアチブ
GM:行動値10、ギルトレットさんの手番です。
ギル:デュバリーさんが張り切りたいらしいから待機しようかな
GM:では行動値9 クレアさんの手番です。
クレア:こちらも待機します
GM:行動値8 アッシュさんの手番です
アッシュ:同じく待機します
GM:こいつら~~
GM:行動値6 デュバリーさんの手番です
デュバリー:進行判定! 使用技能は<情報:裏社会>です。
デュバリー:マイナーで《オリジン:ヒューマン》。メジャーで《領域の声》。
デュバリー:16dx+6
DoubleCross : (16DX10+6) → 10[1,2,2,2,2,3,3,5,6,7,8,8,8,9,10,10]+8[1,8]+6 → 24

デュバリー:どんなもんじゃい
アッシュ:流石!
ギル:ほう……
クレア:やりますね
GM:なんだとぉ……
ルカ:やるようじゃな
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を3増加 (108 → 111)
GM:では進行値は3/30になります。

GM:豪雨の中、アイギスの面々は車を出した。悪路を走らせる運転技術のみならず、慣れぬ土地の地理を把握する術も要求されるだろう。
デュバリー:ことそういう分野で言えば、植物との共感能力を持つデュバリーは一日の長がある。草木の声を聞くのに言語はいらない。
デュバリー:背の低い草の密集した筋……すなわち人の行き交う道路を先読みし、時に断絶した道を躱しながら、目的地を目指す。
デュバリー:「……この先、落雷で橋が落ちてる。川の水かさも上がってて、道なりには行けない」
デュバリー:「川沿いを上流に。多分別の道があって、そっちは石製の橋がある。そこから渡れるはず」 目を閉じて、後部座席から端的な指示を送り続ける

GM:行動値3 ルカさんの手番です。
ルカ:進行判定。《回避》で判定します!
ルカ:(5+3+5)dx
DoubleCross : (13DX10) → 10[2,3,4,5,6,6,7,9,9,10,10,10,10]+6[2,3,5,6] → 16

ルカ:1回回った よしよし
GM:では進行値は5/30
GM:イベントが発生します。
ルカ:おおっ
ギル:なんだろー

・進行値4
雷雨が激しさを増す。滝のような豪雨と降り注ぐ雷に、移動すらままならない。
以降の難易度を10に変更し、失敗で2D10のダメージを受ける。


ギル:あらあら
クレア:ぐえ~
デュバリー:難易度上がるタイプであったか……
アッシュ:キツイやつ来ちゃった
ルカ:ヤババ

エミリア:「……」
エミリア:雨に打たれながら、雲間の“タケミカヅチ”本体を見上げている。
ルカ:「………」「…エミリア」
エミリア:「あ……はいっ!」ルカを振り向く
エミリア:「何でしょうか!?」
ルカ:「…なんだよその反応は」
エミリア:「何だよとは……!?」
エミリア:「普通にしているつもりです!変ですか?」
ルカ:「……やたら元気だけどよ」
ルカ:雨に打たれてびしょ濡れで、嫌そうに顔をしかめる。「怖くないのか?」
エミリア:「怖いです!」頷く。
ルカ:「……。…おい」ムスッとする。
ルカ:「怖いなら、他の奴らと一緒に行っても良かったんじゃないのか」
エミリア:「?」その表情には気付かない様子で
エミリア:「ここで待つのがわたしの役目ですから」
ルカ:「役目…」
エミリア:「それに、ルカと一緒なので、一人より怖くないです」
ルカ:「……あのなあ」
ルカ:「おれじゃなくて、デュバリーとか、アッシュとか」
ルカ:「ああいうやつに懐いた方がいい」
エミリア:「……?」
エミリア:首を傾げて。
エミリア:「わたしを助けてくれたのはルカですよ?」
ルカ:「そんなの、偶々だろ」
エミリア:「でも本当のことです」
ルカ:「雛鳥じゃないんだぞ、あんた」
エミリア:「? はい。人間ですよ?」
エミリア:「多分……?」自分の手足を眺める
ルカ:「………」調子が狂っている。「……あんたを」
ルカ:「あんたを信じてる訳じゃないと言ったんだ、おれは。さっき」
エミリア:「はい」
ルカ:「もっとあんたを思いやってくれる人間の傍にいた方がいいよ」
ルカ:「それはおれじゃない。別のやつだ」
エミリア:「……どうしてですか?」
エミリア:「わたしはルカの傍にいたいです」
ルカ:「……それは勘違いだ。一時的な」
エミリア:「違います!」
ルカ:「違わない!」
エミリア:「どうして分かるんですか!」
ルカ:「……いいだろ。もう。とにかくそうなんだよ」
ルカ:かったるそうに瓦礫に座る。「……悪い。あんたに怒鳴ってもしょうがない」
エミリア:「うう~……」不満げに唸る。
エミリア:「全然分かりません」
ルカ:「分かってくれ」それきり話をする気はないというようにムスッと黙る。
エミリア:「……怖いですか?ルカも」
ルカ:「……」
ルカ:「分からない」
エミリア:座り込んだルカの顔を、両手で包むようにして掴む。
エミリア:両の親指で、口角をぐにゃりと曲げさせる。
ルカ:「………」ものすごく不機嫌そうな顔になる。
エミリア:「さっき気付きました」
エミリア:「怖いなと思って、そういう顔をしていると……余計に怖くなります」
エミリア:「だから、笑っていたほうがいいと思います!」
エミリア:「ほら!」
エミリア:ルカの顔をぐにぐにと弄くりながら、自分もにこにこと笑う。
ルカ:「やめろ…やめろ」
ルカ:嫌そうに振り払う。「だいたい、怖いとは言ってないだろ…」
エミリア:「? じゃあ、どうしてそんな顔をしているのですか?」
ルカ:「……言いたくない」エミリアから視線を逸らして、逃げるように離れる。

GM:行動値0 待機していたアッシュさんの手番です
アッシュ:どっちにするかな……
アッシュ:コネ入れたら僅差で情報のが上か。コネ使って情報:アイギス振ります。
アッシュ:11dx+1>=10
DoubleCross : (11DX10+1>=10) → 8[1,1,2,3,3,5,5,6,6,7,8]+1 → 9 → 失敗

アッシュ:マジか、回んない
ギル:そうとう運悪いね
ルカ:財産点使えるんでしたっけ…?
GM:これは……無理かな……
アッシュ:ごめんデュバリー、妖精の手頼んでもいい?
デュバリー:許可です。《妖精の手》!
アッシュ:ありがとう!!
アッシュ:1dx+11>=10
DoubleCross : (1DX10+11>=10) → 7[7]+11 → 18 → 成功

アッシュ:これで成功!
ルカ:おおっいい感じ!
GM:デュバリーの侵蝕率を4増加 (111 → 115)
GM:では成功!
GM:進行値は7/30になります。

アッシュ:車庫にあったバイクに跨り、一人で蜘蛛の脚を目指す。
アッシュ:しかし途中、雷の影響で崩れたらしい瓦礫によって道が荒れている。徒歩ならまだしもバイクではキツそうだ。
アッシュ:「あー……」
アッシュ:どうするか一瞬辺りに視線を巡らして。草臥れたような枯れ木が目に留まる。
アッシュ:「丁度良いや。行けるかな」
アッシュ:その幹を軽くノック。次いで声をかける。
アッシュ:「もしもしデュバリー?聞こえたらで良いんだけどさ、道案内してくれない?」
アッシュ:木に口は無い。故に答えが返るわけではないが。
アッシュ:雷雨の中、不自然な方向へと枝が揺れる。まるでこちらへ行けと指し示すように。
アッシュ:「merci.流石、頼れる女」
アッシュ:「キミも助力感謝するぜ」 そう幹を軽く撫でた後、再びバイクを発信させる。

GM:待機していたクレアさんの手番です。
クレア:情報:アイギスで判定します。コネ使用。
クレア:13dx+1>=10
DoubleCross : (13DX10+1>=10) → 10[1,2,5,6,6,6,7,8,8,9,9,9,10]+10[10]+1[1]+1 → 22 → 成功

クレア:フ……
GM:強い
ルカ:すごーー!
アッシュ:最強!
GM:では進行値は10/30
GM:イベントが発生します。

・進行値8
“タケミカヅチ”脚部に近付く。障壁のように電流が渦巻いており、外敵の接近を阻んでいる。
以降の破壊側の使用技能を《回避》《知覚》に変更する。



クレア:用意された車の一台を運転し、"タケミカヅチ"の脚の一本へと向かう。
クレア:脚へ向かう道は、予めデュバリーが全員分の目印を付けてくれていたようだ。
クレア:尤も、道中のサポートは先程バイクを駆って別れたアッシュを優先するだろう。個人の感情を抜きにしても、それが妥当だ。
クレア:「問題ない。弾丸を飛ばす道筋と同じ」
クレア:「どう進むべきかは視えている」垂れ下がった前髪の間から、覗いた右眼が、一瞬金色に光る。
クレア:木々が入り組んだ森の中を縫って、車は進んでゆく。
クレア:「……これか」やがて、その巨大な足元へとたどり着き
クレア:電流に包まれたそれを見上げる。「問題はここからだな」

GM:待機していたギルトレットさんの手番です。
ギル:マイナーは特に無し。メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》
ギル:精神でダイスを振るよ。ついでにC値も下がる
ルカ:《砂の加護》いる?
ギル:もう他にやる人以内なら貰っちゃおっかな
ルカ:このラウンドは他にいないからね じゃああげる!
ルカ:判定ダイス+4してね
ルカ:ルカの侵蝕率を3増加 (124 → 127)
ギル:わーい。合計ダイス20個になるかな。振ります
ギル:20DX7+1 回避で判定
DoubleCross : (20DX7+1) → 10[1,2,2,4,4,5,5,5,5,6,6,7,7,8,8,8,9,9,10,10]+10[1,2,4,4,6,7,8,9,10]+10[3,7,7,9]+10[2,5,8]+10[8]+1[1]+1 → 52

ルカ:ヤバ
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を6(→ 6)増加 (114 → 120)
クレア:ヤッバ
GM:ヤバすぎるっちゃ
アッシュ:最強すぎる
デュバリー:やりたい放題
ギル:ルカくんの助けがあってこそだぜ
GM:最大達成値に到達、進行値は14/30になります
GM:進行イベントが発生します

・進行値14
脚部の破壊に移る。
以降、破壊側は通常の進行判定の代わりに攻撃判定を行い、ダメージを達成値として進行値を算出する。
以降の最大達成値を無制限に変更する。



GM:近づいてみると、脚部はあまりにも巨大だ。さながら聳え立つ塔じみて、とても兵器の一部とは思えない。
GM:周囲には外敵の接近を拒むように、高圧の電流が渦を巻き、空気中で激しく弾けて輝いている。
ギル:「雷雨がどんどん激しくなってる。もたもたしている余裕はないな」車のアクセルを踏み込み、更に加速して電流の障壁へ突っ込む。
ギル:同時に影の中からへし折れた、ねじ曲がった、あるいは途中で切り落とされた無数の銃身が浮かび上がり
ギル:襲いかかる電撃を車両に当たらないよう誘導する。
ギル:「こいつと僕は相性がよくて助かった。他の皆も無事にたどり着けているといいけど……」

GM:クリンナップ
GM:《暴食の胃袋》により全員に1D10ダメージを与えます
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 10

GM:ホッホ
ルカ:ピッタリHP0になるんじゃが~~
ルカ:初期ロイスのレネゲイドウイルスへのロイスをタイタス昇華、復活します。
ギル:えーっつよ
ギル:HP20になるよ。応急手当ありがとう
デュバリー:死ぬのジャ
デュバリー:"タケミカヅチ"に 好奇心/○脅威でロイスを取ります。即座にタイタスにして昇華、復活
デュバリー:デュバリーのHPを11に変更 (9 → 11)
クレア:死!荒御魂にP:興味○/N:驚異でロイスを取って即昇華。HP11で復活します。
アッシュ:死なのでアイギスに〇信頼/隔意で取って昇華します
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードのHPを13に変更 (0 → 13)

GM:ラウンド2
GM:ハプニングチャートを決定します
GM:1D5
DoubleCross : (1D5) → 5

GM:おい!!!!!
GM:⑤チャンス到来。ラウンド中進行判定ダイス+5個
ルカ:ヨッシャー
クレア:チャンス継続
GM:貴様ら~~~~
ギル:デュバリーさんがダイスと寝てるのかもしれない
GM:セットアップから!
ルカ:ありません!
クレア:《剣の王城》6LV シーン中、日本刀を6本入手。モルフェウスのエフェクトを組み合わせた攻撃の攻撃力+12
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を4増加 (117 → 121)
アッシュ:Lever l'ancre:加速装置Lv3+ヴァジュラLv3→極限暴走Lv1+背徳の理Lv3
アッシュ:行動値+9、攻撃力+9、暴走、判定D+6
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を8増加 (125 → 133)
デュバリー:なし!
GM:ではイニシアチブ 行動値10 ギルトレットさんの手番です。
ギル:やるかー
ギル:難易度はいくつなんだろ
ルカ:あれ、アッシュくんからでは?
GM:あっそうだ!
ギル:あっそうだ
GM:失礼 加速したアッシュさんの手番ですね
アッシュ:そうだった
アッシュ:ミカヅチどうしようかな せっかくだし使うか
ルカ:使って使って!
アッシュ:ていうかアレだ。100超えたから全部レベル上がるじゃん
アッシュ:行動値と攻撃力が3増えて、ダイスも2増えて、それからメジャーでコンボ
アッシュ:Ramer les rames:コンセントレイト:ウロボロスLv3+シャドーテンタクルスLv1+アームズリンクLv2+ミカヅチLv2
アッシュ:C値-3、射程10m、判定D+2、ダメージ+3D。
GM:判定どうぞ!
アッシュ:16dx7
DoubleCross : (16DX7) → 10[1,1,1,2,2,2,2,3,4,4,5,7,7,9,10,10]+10[1,3,4,8,8]+5[4,5] → 25

アッシュ:腐ったな……
“タケミカヅチ”:ガード《磁力結界》LV5
GM:ダメージどうぞ!
アッシュ:お前ガードするんだ……
アッシュ:3d10+11+12+3d10
DoubleCross : (3D10+11+12+3D10) → 14[3,10,1]+11+12+13[3,1,9] → 50

“タケミカヅチ”:50-5D10-8
DoubleCross : (50-5D10-8) → 50-22[3,6,4,6,3]-8 → 20

GM:くっ
GM:進行値3、17/30ですね
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードの侵蝕率を11増加 (133 → 144)
アッシュ:よしよし

アッシュ:「さて」 乗ってきたバイクから降りて、脚へと歩み寄る。
アッシュ:ほとんど柱のように聳え立つソレに向け、剣を抜く。
アッシュ:「オレが今まで見てきた中でも一番の化け物だからな」
アッシュ:「手抜き無し、初手から全力だ」
アッシュ:剣が影に覆われる。雷が影を内部から押し上げる。
アッシュ:本来の鈍い鋼の輝きとは程遠い、黒い刀身を照らす青の輝き。
アッシュ:「こいつも名前つけてやろうかな。アサギリのアレかっこよかったし」
アッシュ:「ノアの相棒とか。そんなん居なかったかな」
アッシュ:脚はデカい分当てやすい。故に、軽口を叩きながらゆっくりと出力を上げていく。
アッシュ:「この手の詳しいのはデュバリーか、ギルかな。後で聞いてみるか」
アッシュ:――そして、その刀身が普段の二倍ほどまで膨れ上がったタイミングで。
アッシュ:「そろそろいいか」
アッシュ:「行くぞ、相棒」
アッシュ:一閃。普段の戦闘ならそうそう行えないほど、理想的な太刀筋。
GM:古の巨塔を思わせる脚部が大きく抉り取られ、血飛沫のように電流が噴き出し弾け飛ぶ。
GM:空高くまで続く脚がたたらを踏み、地響きが巻き起こった。
アッシュ:「はは!良いな」
アッシュ:「化け物退治らしくなってきた!」
アッシュ:自分の何万倍かも分からない蜘蛛を相手に。獲物を目の前にした肉食獣のように笑った。

GM:行動値10、ギルトレットさんの手番です。
ギル:はーい
ギル:マイナーで戦車に搭乗。
ギル:メジャーで《マルチウェポン》《無形の影》《コンセントレイト:ウロボロス》
GM:判定どうぞ!
ギル:戦車砲と大口径機関砲を使って攻撃するよ
ギル:ガード不可装甲無視。では判定
ギル:16DX7
DoubleCross : (16DX7) → 10[1,1,1,1,2,3,4,5,6,6,7,9,9,10,10,10]+10[1,1,8,8,9,9]+10[2,6,9,9]+10[5,8]+3[3] → 43

“タケミカヅチ”:ガード不可なのでリアクション放棄。
GM:ダメージどうぞ!
ギル:5d10+36
DoubleCross : (5D10+36) → 30[8,3,8,1,10]+36 → 66

GM:ぐえええ強すぎる
GM:進行値7……7?? 24/30になります。
GM:進行イベントが発生します。
ギル:やった!デュバリーも役に立てるよ
デュバリー:ほんとかなあ

・進行値20
“タケミカヅチ”が抵抗し、反撃を始める。
以降、クリンナップフェイズ毎に達成値25、ダメージ50の攻撃を全員に行う。リアクション可能。


ルカ:ww
ルカ:えぐいのだった
ギル:デュバリー!
クレア:めちゃくちゃ
アッシュ:キッツいが!
ギル:まあクレアくんがなんとかしてくれるでしょ
デュバリー:鬼

ギル:「敵を見上げるのは久しぶりだね、鉄王」隣で唸りを上げる巨人に声をかける
ギル:「だが問題ない。すぐに向こうから頭を垂れるからね」
ギル:「これだけ大きければ狙いを付ける必要もない。……全開で行くぞ!」
ギル:鉄王の全身から無数の銃口が姿を表し、砲撃、爆撃、銃撃、あらゆる手段の攻撃が一斉に"タケミカヅチ”へと放たれる
ギル:雷による轟音すらかき消す、戦場の嵐がそこにはあった。
ギル:ギルトレット・レッドフォードの侵蝕率を9(→ 9)増加 (120 → 129)
GM:爆風と轟音。耳を劈く異音とと共に、電磁力で護られた超硬質の脚部が引きちぎれる。
GM:大きく地面を揺らし、家屋を薙ぎ倒しながら脚先が落下する。
GM:だが残りの脚は七本。未だ本体は遥か上空に健在だ。

GM:行動値9 クレアさんの手番です。
クレア:マイナーなし
クレア:《カスタマイズ》LV4《コンセントレイト:モルフェウス》LV4《魔弾の射手》LV3更にオートで《オーバーロード》LV2
クレア:作成した日本刀を2本使用して"タケミカズチ"に攻撃。そのうち一本を《オーバーロード》対象に指定。メインプロセス終了後に二つとも破壊。
GM:判定どうぞ!
クレア:16dx7+5
DoubleCross : (16DX7+5) → 10[1,1,1,2,2,3,6,6,7,8,8,8,9,10,10,10]+10[1,1,4,5,6,9,9,10]+10[2,4,9]+1[1]+5 → 36

“タケミカヅチ”:ガード《磁力結界》LV5
クレア:最後の《剣精の手》
クレア:振りたします。
クレア:1dx7+45
DoubleCross : (1DX7+45) → 2[2]+45 → 47

クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を5増加 (121 → 126)
GM:ダメージどうぞ!
クレア:5d10+51 装甲ガード有効
DoubleCross : (5D10+51) → 25[2,8,5,6,4]+51 → 76

GM:ヤバ
GM:耐えろ!!
“タケミカヅチ”:76-5D10-8
DoubleCross : (76-5D10-8) → 76-29[9,2,8,3,7]-8 → 39

GM:進行値4
クレア:耐えやがった!
GM:28/30になります。
クレア:クレア・アップルシードの侵蝕率を10増加 (126 → 136)

クレア:雷の音に混じって、遠くで轟音が響くと同時に、"タケミカズチ"がわずかに揺らぐ。
クレア:「始まったか」
クレア:それを聞いて、担いでいたライフルを地面に落とす。
クレア:すると、クレアの足元で大きな振動とともに、金属を打ち付けるような音が数度響く。
クレア:上空を見据え「"リッケンバッカーmodel-620"対象を破壊する」
クレア:空に手をかざすと同時に、地中から赤熱した鋼鉄の杭が何本もせり上がってくる。
クレア:血の底で錬鉄され、鍛造された巨大な鉄杭。その大きさは"タケミカズチ"の脚に比べれば遠く及ばないが
クレア:戦艦ルイジアナの砲塔をゆうに超える全長。おおよそ個人が武器とするには巨大すぎる代物だ
クレア:鉄杭の内、二本が空中に浮き上がり、狙いを定める。
クレア:「雷は、天からのみ落ちるとは限らない」
クレア:空へと伸ばした腕を中心に、力場が渦巻く。純白の軍服の袖が破れ、素肌が露出する。
クレア:その右腕は普段見えている青白い顔とは別人のような浅黒い肌。
クレア:いや、真実別人のものなのだろう。肩口に縫合痕が見える。
クレア:風がうずまき、髪に隠れた金色の右眼が顕になる。それを見開いて標的を見据える。
クレア:「自分はこの命がある限り、"自分たち"の性能を証明し続ける」
クレア:「墜ちろ。"Flower of Kent"」
クレア:言葉と同時に、二本の鉄杭が螺旋を描きながら天へ向かって落下する。
クレア:標的を中心とした重力誘導。本来発射の瞬間から減速するはずのそれは
クレア:標的に近づくほどその速度と威力を増して、激突する。
GM:雨音をかき消す轟音と共に、天まで伸びる巨大な脚が半ばから粉砕される。
GM:巨体がバランスを崩し、大きく傾ぐ。後ずさりするように足を動かし、地震のように辺りが揺れる。
GM:上空から甲高い咆哮が響き渡った。或いはそれは、悲鳴か。

GM:行動値6 デュバリーさんの手番です
デュバリー:待機します。いよいよ崩れゆく"タケミカヅチ"を尻目に、その中心へ視線を向ける。
GM:行動値3 ルカさんの手番です。
ルカ:護衛側なので《回避》で判定します!
ルカ:オートで《砂の加護》。判定ダイス+4。
ルカ:(8+4+5)dx
DoubleCross : (17DX10) → 10[2,2,2,2,2,3,4,4,5,6,7,7,8,8,10,10,10]+6[1,4,6] → 16

GM:優秀~~
ルカ:やったーーー
ルカ:ルカの侵蝕率を3増加 (127 → 130)
GM:進行値は29でストップし、最後の進行イベントが発生します。
ルカ:なんだ~!?

・進行値29
“タケミカヅチ”本体が地上に落下する。
再生し、体勢を立て直す前に破壊しなくてはならない。
以降の難易度を99に変更し、破壊側は判定を行うことが出来ない。
護衛側の使用技能を《白兵》《射撃》《RC》に変更する。


ルカ:99!?
ルカ:……99!?!?
GM:頑張ってね

エミリア:豪雨の中、瓦礫に座り込むルカの顔を見つめる。
エミリア:「……どうして、そんな顔をしているのですか?」
エミリア:「ルカはここに居たくないように見えます」
ルカ:「……」崩れた瓦礫、雨でぐしゃぐしゃになった地面を眺める。
ルカ:「こんなところ、居たい人間の方が少ないだろ」
エミリア:「……ルカは……」
エミリア:「ルカは、どうして戦っているのですか?」
エミリア:「ハミースさんに聞きました」
エミリア:「アイギスは、傭兵の集まりだって」
エミリア:「傭兵はお金の為に戦うって……ルカもそうなのですか?」
ルカ:「……その説明は、だいぶ雑だ」
ルカ:「あんたもオーヴァードなら知っておいた方がいいよ。オーヴァードっていうのは特別な存在で…」
ルカ:「普通の生き方ができなくなる。だいたいは国に捕まって兵器扱いだ」
ルカ:「運が良ければ英雄になれる。あのアッシュみたいに」
エミリア:「…………」
ルカ:「…アイギスには、そういう生き方ができない奴らが集まってる」
エミリア:「ルカも、ですか?」
ルカ:「そうだよ。おれは…、偶々アイギスに拾われただけだ」
ルカ:「だいたい、おれが戦う理由なんか聞いてどうする」
ルカ:「あんたのためになるような言葉はひとつも吐けないよ」
エミリア:「知りたいからです」
エミリア:「ルカはわたしを助けてくれましたから。その人が何を考えているのか、気になるのは当然です」
エミリア:「……じゃ、ないでしょうか……?」
ルカ:「助けてない」
エミリア:「えっ」
エミリア:「助けましたよ!!」
ルカ:「……じゃあ言い方を変えてやる」
ルカ:「あんたはまだ、助かっちゃいない」
ルカ:「今が死ぬかもしれない状況なのは変わってないだろ。だいたい、あんなのと戦わされてるんだ」雲上にいる怪物を見上げる。
エミリア:「それは、ルカも一緒じゃないですか」
ルカ:「おれはいいんだよ」
エミリア:「なんでですか!」
ルカ:「言いたくない…って言うのも何度目だ?」
エミリア:「なんで言いたくないんですかーっ」ルカの肩を掴んでゆさゆさ揺さぶる。
ルカ:「……」渋面で揺さぶられる。
エミリア:「はぁ……はぁ……」息切れして
エミリア:「……わたし……」
エミリア:「何も思い出せませんけど、ひとつだけ覚えていることがあるんです」
ルカ:「……なに」少女を見る。
エミリア:「……誰かに教わったのか、自分で知ったのかは分かりません。でも」
エミリア:「『生きることは、戦うことだ』って」
エミリア:「ルカは……」
エミリア:じっと瞳を見つめる。
エミリア:「……戦いたく、ないのですか?」
ルカ:「………」
ルカ:「………そうかもな」
エミリア:「……」
エミリア:「分かりました!」
エミリア:大きく頷く。
ルカ:「それはどうも」話は終わったんだなと思う。
エミリア:「それなら、大丈夫です。ルカは無理しないでください」
エミリア:「わたしが、ルカの代わりに戦いますから!」
ルカ:「…………」
ルカ:「……………はぁ?」
エミリア:「わたしは、ルカに助けて貰いましたから。今度はわたしが助ける番です」
エミリア:「心配しないでください。わたし、頑張りますから!」
ルカ:「…………」開いた口が塞がらない。啞然とする。
ルカ:「………。………。じゃあ」
ルカ:「じゃあ、エミリア。こうしよう」
エミリア:「何でしょうか!」しゅっしゅとシャドーボクシングをしている。
ルカ:「ともかく……ともかく、あんたはこの場を生き延びる。おれも生き延びれたら生き延びる」
ルカ:「それで、だ。無事に生き延びたら、とにかくアイギスの色々なやつらと話すといい」
ルカ:「それで……あんたが、他にやりたい事がどうしても見つからなかったら」
ルカ:「そしたらあんたの話を聞いてやってもいい」
エミリア:「…………!」
エミリア:その言葉に、ぱっと表情を輝かせる。
エミリア:「本当ですか!?」
ルカ:「……言っておくが、たぶん気の迷いだよ。あんたの、おれに対する感情は」
エミリア:「それでも、嬉しいです!」
エミリア:「約束ですよ!絶対──」
GM:不意に、視界が陰る。
GM:轟音。
GM:地面が激しく揺れ、凄まじい土煙が巻き起こる。
ルカ:「…ッ」振動に耐える。
エミリア:「あ、わ、きゃ!?」
エミリア:背後からの衝撃に、つんのめるようにして倒れる。
ルカ:「大丈夫か、おい」倒れた彼女を引っ張り上げるようにして起こす。
エミリア:「あ……ありがとうございます……」
GM:よろよろと立ち上がったエミリアの背後、土埃が晴れていく。
GM:そこに、異形が鎮座していた。
GM:遥か上空に居た時は分からなかったが、高層ビル程もある巨体。
GM:身体は鋼鉄に覆われ、周囲には呼気のように電流が走っている。
GM:“タケミカヅチ”の本体だ。別動隊が脚部の破壊に成功したのだろう。
ルカ:「…『本体』か」しかめっ面で言う。「これを倒せって?」
エミリア:「……!」その異様に気圧されるようにしつつ、拳を握りしめる。
ルカ:「……何かできそうか、あんた」
エミリア:「……見ててください!」
ルカ:「あ?」
エミリア:巨体に走り寄り、拳を振りかぶる。
エミリア:「やぁーっ!」
ルカ:「あ!?」
ルカ:止めようとします。「オイ……」
エミリア:放たれた拳が、分厚い鋼鉄の壁めいたボディに当たる。
エミリア:「………………!!」
エミリア:びくともしない。

GM:クリンナップ
GM:“タケミカヅチ”が全員に攻撃します。達成値25、ダメージ50
ギル:おぎゃあ
ルカ:ドッジできないっけ
クレア:ヒェ~
クレア:リアクション可のはず
デュバリー:まず自分がドッジします。《ゲットダウン》
デュバリー:4dx+23
DoubleCross : (4DX10+23) → 10[1,4,6,10]+6[6]+23 → 39

ルカ:えーすご
デュバリー:で、あとは皆の様子を見守る
アッシュ:ほぼ確定で避けれるじゃん
ギル:実はHPが現在20。装甲値が33あるので残りHP3で義理耐えます
ルカ:ドッジします
ルカ:9dx>=25
DoubleCross : (9DX10>=25) → 10[4,5,5,6,8,8,9,9,10]+10[10]+4[4] → 24 → 失敗

ルカ:あーーーっくやしい
ギル:惜しい
クレア:暴走リア不!さっき解除しとけばよかったな
アッシュ:あ、ヤバ。オレも暴走
ギル:アッシュくん!
デュバリー:ヴァジュラはな……
ルカ:アッシュくんには砂塵の城壁つかうか
アッシュ:頼む!
ルカ:使っていい……よね?!
クレア:使って使って!
GM:よかっちゃよ!
デュバリー:んじゃルカくんはラスト《妖精の手》で凌いでおくれ。一応《運命の切り替え》は取っておこう
ルカ:ありがとう!では《砂塵の城壁》。アッシュくんのダメージを0にします
ルカ:あざす!
アッシュ:助かる!
デュバリー:デュバリーの侵蝕率を4増加 (115 → 119)
ルカ:1dx+30
DoubleCross : (1DX10+30) → 8[8]+30 → 38

ルカ:ワーイ
ルカ:ドッジ成功しました!砂塵の城壁により8ダメージもらいHP7になります
ルカ:1d10 砂塵の城壁分の侵蝕率
DoubleCross : (1D10) → 9

ルカ:ルカの侵蝕率を9増加 (130 → 139)
アッシュ:あ、後取るタイミングを逃していたのでルカに〇興味/心配でロイスを取得します
クレア:私は食らってHP0
クレア:ルカくんにP:心配○/N:憤懣でロイス取って即昇華し復活します。
GM:《暴食の胃袋》により1D10ダメージが入ります
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 9

GM:殺意ヤバ
ルカ:死んだワン
アッシュ:HP残り4で耐える
デュバリー:11から9減って残り2
クレア:HP2で生き残り!
デュバリー:デュバリーのHPを2に変更 (11 → 2)
アッシュ:アッシュ・ノイ・ジラードのHPを4に変更 (13 → 4)
ルカ:タケミカヅチに 畏怖/脅威:〇 でロイス取ってタイタス昇華!復活します
ギル:流石に死ぬワニ
ギル:朝霧さんにシナリオロイスを取っていないことに気づいたので取って昇華しよう
ギル:“破軍”朝霧珂雪/P:懐旧/N:脅威/ロイス これを取得して昇華。
ギル:HP11で復活します。一回は耐えるぞ

GM:ラウンド3
GM:ハプニングチャートを決定します
GM:1D5
DoubleCross : (1D5) → 3

GM:③一か八かのチャンス。このラウンド中、最大達成値と難易度に+10
GM:もうほぼ意味は無いが……
デュバリー:難易度、109になっちゃった
ルカ:そんな
GM:そうだ 意味あるわ
ギル:なんてこった
GM:難易度109です
ルカ:いやいやいやいや
ギル:ルカくんがんばえ~
GM:セットアップ!
ギル:なにもなし。俺たちは無力
デュバリー:何もしないをしているのよ
ルカ:ありません!
アッシュ:オレも今度は何もなし
クレア:なし!
アッシュ:頑張れよ、ルカ
GM:では破壊側は判定不可なので、ルカくんの手番になります

GM:小さく鈍い音が鳴り響いている。
エミリア:「……っ…… ……!」
エミリア:豪雨の中、何度も鋼鉄の巨体を殴りつけている。
エミリア:だが、まるで効果は無い。ただ拳の皮膚が破れ、血が滲んでいくだけだ。
ルカ:「おい……」何か起きるのではないかとそのまま見ていたが、やがて制止に入る。
ルカ:少女の拳を手で掴む。
ルカ:「もういいだろ。効いてない」
エミリア:「はっ……はっ……」荒い息を吐きながら、ルカの制止を振り払おうとする。
エミリア:「大丈夫、ですから」
エミリア:「ルカは下がっていてください」
ルカ:「いや…」
ルカ:「おれがやる。そういう能力だ。あんたは下がっててくれ」
エミリア:「わたしだってオーヴァードのはずです!」
エミリア:「ルカは戦いたくないんでしょう!何とかするって言ってるじゃないですか!」
ルカ:「……できてないだろ」
ルカ:「さっきから普通に殴ってるだけだ」
エミリア:「……できますよ!これから……!」
ルカ:「………」
ルカ:「………」嫌そうな顔をする。「………言い方を変える」
ルカ:「この間、妹を亡くしたばっかで」
ルカ:「さっきから、あんたが似たような行動をとるのが見ていられない」
エミリア:「……は……」
エミリア:「な……」
エミリア:振り上げていた拳を下ろし、大人しくなる。
エミリア:「……」
ルカ:「……ありがとうよ」
エミリア:「……それで、ずっと……」
エミリア:「そんな顔をしていたんですか?」
ルカ:「……」
ルカ:「………」苛々している。自分に。「こんな話聞かせられても」
ルカ:「あんたが困るだけだろ」
エミリア:「どうしてですか」
エミリア:「困りません。わたしは」
エミリア:「わたしが言ったんです。ルカのことが知りたいと」
ルカ:「やめてくれ。特に知る価値もない」
ルカ:「……妹は」
ルカ:「……いや」「あんたは、妹とだいたい同じ年頃なんじゃないかと思う。背丈も似てる」
ルカ:「おれは、あんたを妹と重ねないって自信がない。それがいやなんだ」
ルカ:「あんたにも、妹にも、失礼だ。それは」
エミリア:「どうして嫌なんですか」
エミリア:「……」
エミリア:「わたしは……」
ルカ:「………」
エミリア:「自分のことを覚えていませんが。ルカの妹さんなのですか?」
ルカ:「違う」
エミリア:「そうですよね」
エミリア:「それなら、気にしません。わたしは」
ルカ:「………」豪雨が全身を打つ。表情を覆い隠す。
エミリア:「だって、違う人なのでしょう?わたしと、ルカの妹さんは」
エミリア:「わたしは、自分のことが何も分かりませんが……」
エミリア:「わたしはわたしです」
エミリア:「ルカも、ルカです」
エミリア:「ルカに助けられたのはわたしで、わたしを助けたのはルカです」
エミリア:「違いますか?」
ルカ:「……助けてないよ」
エミリア:「助けましたよ!」
エミリア:「わたしはそう思ってます」
ルカ:「……出会った、くらいにしてくれ」
ルカ:「そっちの方が気が楽だ」
エミリア:「だって……!」反論しようとして「……分かりました。そういうことにします」口をもごもごさせる
ルカ:「うん。……じゃあ、エミリアさんよ」
ルカ:「この場は、おれに任せてもらってもいいか」
エミリア:「……」
エミリア:「は!?」
エミリア:「なんでそうなるんですか!!」
ルカ:「じゃああんた、殴る以外のことができるのかよ…」
エミリア:「これから試します!アッシュさんみたいに電気を出すとか……デュバリーさんみたいに植物を……うねうねさせるとか……!」
エミリア:腕を前に出して構える。何も起きない。
ルカ:「……よし」
ルカ:もう話は終わりだと言わんばかりにずいと踏み出す。
エミリア:「まっ……待ってください!待って!」
エミリア:ぐいぐいと服を引っ張る。
エミリア:「分かりました!それじゃあ……」
エミリア:「一緒にやりましょう!」
ルカ:「…………」
ルカ:無視して変なことされた方が困る、と思った。
ルカ:「一回だけだぞ」
エミリア:「……!」ようやく意見が通って、嬉しそうな顔をする。
エミリア:「はい!!」
ルカ:「………」笑顔から目を逸らすようにした。
エミリア:「ハミースさんに聞きました。オーヴァードには、他の人の能力を底上げするタイプの人もいるって」
エミリア:「わたしも多分、そのタイプなんじゃないでしょうか!」
エミリア:「……多分……」
エミリア:「恐らく…………!」
ルカ:「……あんたと出会ったとき」
ルカ:「コンクリートから植物が生えてる光景を見た。普通なら有り得ない」
ルカ:「あんたがやった事かもしれない。……そういうの、イメージしてみたら」
エミリア:「……分かりました!やってみます!」
エミリア:ルカにひっついたまま、うんうんと唸る。
ルカ:「………」溜息をつく。
ルカ:(……あの時。なんで)
ルカ:(なんでおれだけあの場にいたんだろうな)
ルカ:こいつに呼ばれたのか。…いや。考えるだけばかばかしいことだった。意味なんかつけたくなかった。
ルカ:思考をやめて、己の能力を使うことだけに集中した。
ルカ:では判定に移ります!

FS判定

目標:巨大兵器“タケミカヅチ”を撃破せよ
終了条件 3ラウンド経過
完了値29/30
難易度109
最大達成値制限なし
使用技能:《白兵》《射撃》《RC》


ルカ:《白兵》で判定。オートアクション《砂の加護》を使用し、ダイス+4個。
ルカ:またデリュージュさんのロイスをタイタス化した状態で未使用だったため、こちらを昇華しダイスを+10個します
ルカ:ではいくぜ!
GM:NPCカードが使用可能です。

NPCカード:エミリア

トライブリードのオーヴァードが行うメジャーアクションの判定ダイスを+100個、C値を-10(下限2)


ルカ:エッ
ルカ:???
ルカ:ではエミリアのNPCカードを使います
ルカ:ダイスを+100個し C値を2まで下げて
ルカ:いくよー
ルカ:(9+4+10+100)dx2+8>=109
DoubleCross : (123DX2+8>=109) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,7,7,7,7,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,2,2,2,2,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,9,9,9,10,10,10,10]+10[1,1,1,2,2,3,3,4,4,4,4,5,5,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,10]+10[1,1,2,3,3,3,3,3,4,4,5,5,6,6,6,7,7,7,7,7,8,8,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,1,2,3,3,4,4,4,4,4,4,5,5,6,6,6,6,6,8,8,8,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,1,2,2,3,3,4,4,4,5,5,6,7,7,7,7,8,8,8,8,9,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,2,2,2,2,2,2,3,3,3,5,5,5,6,6,7,7,7,7,8,8,8,9,10,10,10]+10[1,2,2,2,3,3,3,3,4,5,5,6,6,6,7,7,8,8,8,8,10,10,10,10,10]+10[1,2,3,3,3,4,5,5,6,6,6,7,7,7,8,9,9,9,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,2,2,3,3,3,3,3,3,3,4,5,5,6,7,7,8,8,10,10]+10[1,1,1,1,2,2,2,2,3,3,4,5,5,5,6,8,9,10,10]+10[1,1,3,3,5,5,6,7,7,8,9,9,9,10,10]+10[1,1,2,6,6,7,8,8,8,10,10,10,10]+10[1,1,3,4,4,4,5,6,8,10,10]+10[1,2,3,3,4,6,7,8,8]+10[1,3,3,6,7,7,8,9]+10[2,4,4,5,10,10,10]+10[3,4,4,4,5,7,9]+10[1,3,3,5,6,9,10]+10[2,2,3,3,5,5]+10[1,2,2,4,4,9]+10[2,2,2,6,7]+10[2,4,5,7,9]+10[2,5,5,7,9]+10[2,3,4,8,8]+10[2,2,2,4,8]+10[1,1,2,3,4]+10[1,7,8]+10[6,6]+10[1,8]+10[5]+10[7]+10[10]+10[8]+10[9]+1[1]+8 → 439 → 成功

ルカ:達成値439!
GM:では判定成功。
GM:完了値30/30に到達しました。
ルカ:やった~~!
GM:クライマックス、FS判定終了です。

ルカ:みるみる内に、右半身が、戦場の瓦礫を組み合わせた異形へ変化していく。
ルカ:あの日、メイの死とともに失った箇所を、あの日の光景で埋め尽くしていく。
ルカ:己に宿ったモルフェウス因子は、もっと自由自在に形を変えることができるのだという。
ルカ:しかし能力を発動すると、無意識にか、どうしてもこの形状に落ち着いてしまうのだった。
ルカ:(……今のところ、なにも変わらないけど)後ろにひっつく少女を一瞥する。
ルカ:「エミリア。もういいか」
エミリア:「……!」
エミリア:ルカにくっついたまま、深く集中している。
GM:その時、不意にルカの視界に何かがちらつく。
GM:蝶だ。エミリアと出会った時と同じ、燐光を放つ蝶が周囲を舞っている。
ルカ:「エミリア……」呼びかけようとして、それに気付く。
ルカ:「…………」
GM:同時に、エミリアに触れられた箇所から、何かが流れ込んでくる。
GM:熱──いや、レネゲイドだ。
GM:それも、想像を絶する程の。
GM:全身の血流が沸騰するかのような感覚と共に、全能感にも近い高揚が湧き上がってくる。
ルカ:「………っ」狼狽える。生命そのものを直接注ぎ込まれたらこんな感覚に陥るんじゃないかと思った。
GM:ルカの身体から溢れ出したレネゲイドが周囲で荒れ狂い、廃墟が見る間に生命で、草木で覆われていく。
GM:膨大なレネゲイドが鳴動し、大気そのものが震えるかのような音が響き渡る。
ルカ:「エミリア。なんだ、これ」呻くような声が漏れた。叫び出したいような感覚が絶え間なく襲う。
エミリア:「え……や……やってみてますが……どうですか……!?」
ルカ:「…………」息を吐いた。「……すごいよ」
ルカ:「英雄にでもなったみたいな気持ちだ」
エミリア:「…………!」
エミリア:「初めてルカに褒められました」
エミリア:場違いに嬉しそうに、花が咲くように笑う。
ルカ:「……」口をへの字に曲げる。「まだだ」
ルカ:「こいつを倒して終わらせるまで、とっておいてくれ」
エミリア:「……はい!」
エミリア:「やりましょう!わたし達なら出来ます!」
ルカ:「うん」
ルカ:目の前の巨体を改めて見上げる。圧倒的な存在が、今は小さく見えた。
ルカ:どうやったら倒せばいいか分かる。大地を蹴ってこの鋼鉄の身体を駆け上がり、右腕を振り上げて、自らの力をそのまま叩きつけてやればいい。
ルカ:(そうか)
ルカ:イタリアの守護聖人、フランスの英雄。あの華々しい超人達の気持ちが、今なら分かる気がした。
ルカ:(気持ち良いよな。すごく)(………)
ルカ:(……だとしても)
ルカ:世界で自分だけが動いているような気持ちで、地平線に広がる鋼鉄の蜘蛛を見下ろした。
ルカ:満たされたレネゲイドによって、瓦礫で出来た腕がより鮮烈に、凶悪に、相手を壊す形状と変化していく。
ルカ:(だとしても──────)(これで、英雄になれるとして)
ルカ:(それでおれは、何を得るっていうんだ)
ルカ:答えはない。
ルカ:ただ、化け物を壊し尽くした。
GM:衝突と同時、爆発的な破壊が迸った。
GM:隕石でも墜ちたかのような轟音と衝撃。“タケミカヅチ”の鋼鉄の巨体が一撃で粉砕され、尚有り余る破壊の嵐が地面をクレーター状に陥没させる。
GM:巻き起こった衝撃波と上昇気流が、分厚く立ち込めた雨雲を瞬時に吹き飛ばした。豪雨は消え去り、快晴が広がる。差し込んだ陽光がルカを照らし出した。
ルカ:「エミリアっ………」青空の下。晴れ渡って明るい陽の下で、ようやく彼女をまともに見た。
エミリア:「ルカ!」
エミリア:ずぶ濡れのまま、水滴が光を反射して輝いて。それより明るい笑みを浮かべる。
ルカ:「………」
ルカ:こちらも、久しぶりに笑った。
エミリア:「ルカ!!」そのまま君に走り寄り、飛び付くように抱き着く。
ルカ:「うわっ……やめ、やめろっ」
エミリア:「やりましたね!ルカ!」
ルカ:「ああ、うん……」たたらを踏みつつ、どうにか転ぶのは阻止する。
ルカ:「………似てないな」
エミリア:「?」にこにこと嬉しそうに笑いながら
エミリア:「生き延びましたよ!わたし達!」
ルカ:「………」しかめっ面をする。言うつもりがなかった。「うん」
エミリア:「約束通り、お話を聞かせてください!」
GM:想像を絶するエネルギーを行使した反動か、全身が鉛のように重く、深い疲労感がのしかかってくる。
ルカ:「はあ?それはアイギスに戻って、あんたが色々な奴と話をして…」
ルカ:「いや…。それより前に仲間と合流を………。………」膝をつく。
エミリア:「あれ!?ルカ!」
エミリア:「どうしましたか!ルカ!」
エミリア:「お腹が痛いですか!?」
ルカ:「…………違…」姿勢を保っていられず、ずるずると倒れ込む。
ルカ:「………」何をか言おうとしたものの、それも敵わず、そのまま意識を手放した。
GM:耳元で騒ぎ立てるエミリアの声を聞きながら、君の意識は沈んでいく。
GM:その間際、抜けるような青空の中、近づいてくる仲間たちのエンジン音が聞こえた。



GM:クライマックス終了。
GM:バックトラック
GM:Eロイスはこちらです

Eロイス
《悪意の伝染》
《破滅の足音》
《堕落の誘い》(2個換算)
《暴食の胃袋》
《飢えの淵》
《餓鬼の晩餐》


GM:7個です 振りたい人はどうぞ
ギル:振っちゃお~
デュバリー:多いな……w
クレア:ふるぜ!
ルカ:振る振る! 最後に使った砂の加護で侵蝕率142
ルカ:142-7d10
DoubleCross : (142-7D10) → 142-45[7,9,5,6,5,6,7] → 97

ルカ:1倍振りしよう
ルカ:97-3d10
DoubleCross : (97-3D10) → 97-24[7,7,10] → 73

ギル:129-7d10
DoubleCross : (129-7D10) → 129-40[6,7,5,2,8,8,4] → 89

ギル:1倍振りで
ギル:89-3D10
DoubleCross : (89-3D10) → 89-14[2,5,7] → 75

ギル:いい感じに戻ってきたぜ
アッシュ:振る!
アッシュ:144-7d10
DoubleCross : (144-7D10) → 144-44[6,8,8,1,3,9,9] → 100

アッシュ:残り3で1倍振り!
アッシュ:100-3d10
DoubleCross : (100-3D10) → 100-14[3,1,10] → 86

クレア:136-7d10
DoubleCross : (136-7D10) → 136-36[4,5,8,2,6,1,10] → 100

クレア:ロイス2、等倍振り
クレア:100-2d10
DoubleCross : (100-2D10) → 100-12[9,3] → 88

ギル:5点クス
ルカ:5点!
アッシュ:5点~
クレア:5点!
デュバリー:ロイスだけで帰るのも微妙 振ろう
デュバリー:119-7d10
DoubleCross : (119-7D10) → 119-26[2,6,1,3,10,3,1] → 93

デュバリー:オッ、いい感じに腐ってんじゃん 等倍振り
ギル:ひくくない?
デュバリー:93-3d10
DoubleCross : (93-3D10) → 93-12[5,2,5] → 81

デュバリー:これ死ぬほど侵蝕かさんだところからの帰還だったら叫んでたな……w
デュバリー:ともあれ5点!
GM:では全員帰還!
GM:経験点を計算します
GM:通常5点、シナリオ10点

Dロイス
《遺産継承者》
《複製体》
《変異種》

Eロイス
《悪意の伝染》
《破滅の足音》
《堕落の誘い》
《暴食の胃袋》
《飢えの淵》
《餓鬼の晩餐》

バウンティ

・第三師団を撃退……10点
・2ラウンド以内に戦闘終了……3点
・“躄り六十握”の戦闘不能 ……3点


GM:40点になります
GM:40点??
アッシュ:でっか!
ルカ:すっ すご~~~~~
クレア:すっごーい!
デュバリー:ワ~イ
GM:全員侵蝕点が5点なので 計45点になりますね
デュバリー:経験上、次回までに使える経験点はそれとは別に(30点まで!とか)設定した方が良いですよw
GM:まあまだ……160なので……とりあえず大丈夫かな……
ルカ:だ 大丈夫……?
アッシュ:嬉しいが……良いのかな……
ギル:やったー!45点だー!
デュバリー:ほら絶対悪いことするよコイ
デュバリー:ツ
ギル:心配してる人ばっかりだとGMが不安になるでしょ!
ルカ:ひとまず頂きます ワーイ
クレア:むしゃむしゃ
クレア:経験点おいしいです
GM:また、報酬点が16点なので 使用用途を決定してください。
ルカ:みんなで相談して決めようね
アッシュ:決めましょうね
ギル:主砲以外でね

戦艦ルイジアナ
5ポイントで1LV上昇 最大LV3

・娯楽室 LV0
バックトラック時ダイス+(LV)個
・医務室 LV0
シーン終了時HPを(LV)D回復してよい。
・厨房 LV0
戦闘中メジャー判定ダイス+(LV)個
・弾薬庫 LV0
調達判定達成値+(LV×2)
・主砲 LV0
(LV)分メラニーの機嫌が良くなる。


アッシュ:とりあえず娯楽室は上げたいですよね
クレア:ですね~
デュバリー:全部注ぎ込んじゃっても良いかな~くらい思ってます 他との効果量見比べても
デュバリー:さもなくば厨房と割り振るかな? という感じ
ルカ:とりあえず娯楽室一気に上げちゃってもいいかもしれませんね
ギル:私は娯楽室でいいよ!
アッシュ:私もとりあえず全ぶっぱで良いかなーと思います
クレア:よきかと!
GM:では娯楽室のレベルが3になり、残り1点は持ち越しになります。



【ED/デュバリー(A)】

GM:“タケミカヅチ”が撃破され、本部との通信が回復、《ディメンジョンゲート》による帰投も可能となった。
GM:アイギスの面々はそれぞれ帰還していったが、君──デュバリーにはその前に、ここ満州でするべきことがあった。
GM:アレンデを名乗る通信相手からの情報を元に、君はその場所へと向かった。
中国 満州 白魂戯馬酒店

GM:荒れ果てた戦場とは打って変わって、整備された都市区画。
GM:満州内でも一、二を争う高級ホテル。その一室に、ガリオ・ネルソンは潜伏中だという。
GM:外観から内装に至るまで美しく整えられたホテルだが、戦時ゆえか客足は少ないようだ。エレベーターを昇り、長い廊下を通って、君はその部屋の前に立っている。
デュバリー:(……あまり得意な場所じゃないな) 内心ぼやく
デュバリー:地上から遠い人工建造物。自分の能力を発揮するには悪い場所だ。スカートの下、腿に括り付けたデリンジャーに、果たしてどれだけ話を進める力があるか。
デュバリー:(まあ、最悪《ワーディング》でもしてしまえばいい)
デュバリー:(わたしが"アイギス"に所属しないのは、こういう時に勝手をするためだ)
デュバリー:少し呼吸をして、チャイムを鳴らす。
GM:……返事はない。待ってみても、再び鳴らしてみても同じだ。
GM:鍵は開いている。
デュバリー:デリンジャーでドアを撃ち抜こうとして、それに気付く。
デュバリー:室内の気配に気を使いつつ、静かに中へ。
GM:足を踏み入れると、室内は静まり返っている。
GM:部屋の中央、ベッドの上に一人の男。
デュバリー:「……」
デュバリー:「……確かに潜伏"していた"んでしょうけど」
デュバリー:つかつかと歩み寄って様子を伺う 「話が聞けなきゃ意味がない」
GM:撫でつけた黒髪。元より白かったであろう顔は更に血の気を失い、蒼白。
GM:両の目は見開かれた状態で、引き攣ったように固まっている。
GM:どこにも外傷はないように見えて、シーツには赤黒いシミが広がっている。
GM:背後から、心臓を一刺し。
GM:……死んでいる。
GM:ガリオ・ネルソンが。
デュバリー:「確かに、所在は教えてくれたね」
デュバリー:「死体の、だったけどさ」 その外傷を確かめつつ
デュバリー:気付く。背後から心臓を一刺し。それは……
デュバリー:(ラナと同じ手口)
デュバリー:息を吐いて。死体を見下ろす。生前の風体など、もはや推測しかできない。
デュバリー:彼に何があったのかも、同じく。……ただしこちらには、それ以上の"手"がある。
デュバリー:(……筆記具。手帳の類が良い。別に機密情報なんて書かれてなくても)
デュバリー:(人間が一番ものを考えるのは、書く時だ。その時間が染み付いた物品が……) 「……あった」
デュバリー:ペンと手帳を懐から取り出し、ポケットに入れる。デリンジャーも腿のホルスターに収め直して。
デュバリー:「オーヴァードは常識を超えるもの」
デュバリー:「死者の口だってこじ開ける」
デュバリー:「……逃がさないよ」
デュバリー:扉が閉められ、薄暗い部屋は、死と静寂で満たされる。



【ED/アイギス】

フランス シェルブール港
GM:"タケミカヅチ"との戦闘後に意識を失った君──ルカは、その後戦艦ルイジアナの医務室で検査を受けることとなった。
GM:幸いにして、極度の疲労と戦闘によるダメージの他には、大きな異常が見つかることはなかった。
GM:エミリアも検査を受けたが、オーヴァードであること以外には、分かったことは殆ど無かった。
GM:少なくとも身体の作りは人間である──らしい。
GM:中国での任務から帰還して、一週間ほど。
GM:アイギスの面々は船上から港に降りて、ささやかなホームパーティーのようなものを行っていた。
GM:音楽を趣味とする船員たちのアマチュアらしい演奏が響く中、肉より海産物が多めの鉄板から食欲をそそる匂いが漂ってくる。
GM:が、そんな和やかな空気をよそに、君は会場のはずれの古い倉庫に一人でいた。
GM:いや、正確には、二人。
エミリア:「……何をしているのですか?」
エミリア:興味深そうに、じっと君の手元を見つめている。
ルカ:「………何でここにいるんだよ」
ルカ:カラースプレーを倉庫の壁に吹きかけたところで、手が止まる。
エミリア:「ルカの姿が見えなかったので!探しました!」
ルカ:「必要ない…」
エミリア:「そして見つけました。何をしているのですか?」
エミリア:「塗装ですか?」
ルカ:「ちがう」
ルカ:「……こうして」手を動かす。
ルカ:白いスプレーが、羽根を広げた鳥のシルエットを描く。
エミリア:「わ……!」目を輝かせる。
エミリア:「すごいです!ルカは画家なのですか!?」
ルカ:「そんな大げさなものじゃない。ただの趣味」手慣れた様子で、白い鳩を描き始める。
ルカ:「無許可で描いてるから、見つかったら捕まるかもな」
エミリア:「えっ……そうなんですか!?」
エミリア:「それは……」
エミリア:「よくないことなのでは……!?」
ルカ:「そうだよ。あんたも巻き込まれないうちに逃げた方がいい」
エミリア:「…………!」
エミリア:「…………」きょろきょろと辺りを見回して、逡巡する。
エミリア:「だ……大丈夫です。わたしは、黙っていてさしあげます」
エミリア:「使われていない倉庫のようですし。迷惑がかかる方もいないでしょう」うんうん頷く
エミリア:「なのでわたしにもやらせてください」
ルカ:「………はあぁ?」げっそりとした顔をする。
ルカ:足元に置いた紙袋から、何色ものカラースプレーが覗いている。
エミリア:「なっ……なんですか!」
エミリア:「いいじゃないですかちょっとくらい!」
ルカ:「…やだって言ったら」
ルカ:エミリアを見る。
エミリア:「嫌です!!」
エミリア:「やりたいですやりたいです!!」
エミリア:「やりたいやりたいやりたいやりたい!!」
ルカ:「騒ぐな!騒ぐなっ」
ルカ:「分かったから…。いいけど、服が汚れても知らないからな」
エミリア:「本当ですか!?」
エミリア:すぐに笑顔になる。
エミリア:「ありがとうございます!ルカ!」
ルカ:「はいはい……。じゃあどうぞ」
ルカ:その場をどいて、完全にエミリアに任せてみる。
エミリア:「わぁ……!」
ルカ:「好きな色使っていいから、自由に描いてみたら」
エミリア:「はい!」
エミリア:白色の缶を手に取って、両手で握りしめる。
エミリア:背伸びをして、よろめきつつ見様見真似でスプレーを壁に吹き付ける。
エミリア:何の形でもない白の線が引かれた。
エミリア:「……塗れました!」
エミリア:「ルカ!塗れましたよ!」
ルカ:「……なんだそれ」
エミリア:「……何って……」
エミリア:「……」
ルカ:「……」
エミリア:「……何でしょう……?」
ルカ:「…返せ」
エミリア:「ま!まだ始めたばかりじゃないですか!!」
ルカ:「じゃあ、なんか……なんだよ。名前のあるやつ描いてくれ」
ルカ:「花とかでいいから…」
エミリア:「わ……分かりました!見ていてください!」
エミリア:ぎこちなくスプレーを構えながら、悩ましげに唸っている。
ルカ:向いの倉庫の壁に寄りかかって、呆れた顔でそれを見ている。
デュバリー:「……」
デュバリー:「……何か悩んでるの?」
デュバリー:二人の横から、静かな声
デュバリー:気配らしい気配もなく、当たり前のように近寄ってきていた。飾り硝子のような眼が、無感情で君たちを見る。
ルカ:「……いつの間に……」
エミリア:「あっ……デュバリーさん!こんにちは!」
デュバリー:「こんにちは」
エミリア:「花の……」
エミリア:「……意味を……」神妙な顔
デュバリー:「花言葉?」
ルカ:「いや……。子供が壁に落書きしようとしてるだけ」
デュバリー:「ふうん。落書きなんて」
デュバリー:壁を見上げる 「いけないんだ」
エミリア:「わっ………………!」
エミリア:「わ……わたしは……子どもじゃないので……落書きでは……ないです……」後ろめたそうにぼそぼそ言う
ルカ:「………」ほら言っただろ、という顔でエミリアを見る。
エミリア:「…………それにルカもやってました」
ルカ:「おれは不良だからいいんだ」
エミリア:「な!?」
エミリア:「そんなのずるいです!!」
デュバリー:「どっちもよくないよ。まあ、別に怒る人もいないだろうけど」
ルカ:「……」
デュバリー:「ルカを探してたの」
ルカ:「おれ?」
デュバリー:「新しく来た子が周りに馴染めなくて、みんなで楽しく、っていう時間に距離を置いて一人で時間を潰すのはよくあること」
ルカ:「うるせ」
デュバリー:「でも結局、何事もみんなで協力するのが一番だから。そういう子に気付いたら、声をかけるようにしてる」
エミリア:「ルカに気を遣ってくださってるんですね!」
エミリア:「ありがとうございます!デュバリーさん!」
デュバリー:「どういたしまして。癖みたいなもの」
デュバリー:「複雑な子を受け入れる機会は多かったから」
ルカ:「……」眉間に皺が寄っている。「……複雑な子ね」
ルカ:「デュバリー、あんたに聞きたいことがあったんだけど、じゃあついでにいいか」
デュバリー:「うん。何?」
ルカ:「……」エミリアを一瞥して、目を逸らす。「"花売り"って言ってただろ」
ルカ:「そういう意味?」
デュバリー:「そうだね。そういう意味」
エミリア:「うーん……」再びスプレーを手に壁に向かっている。
ルカ:「協力組織の代表って言うのも」
デュバリー:特に起伏なく答える 「少なくとも、お花屋さんの組合とかではないね」
ルカ:「そうか。それを確かめたかっただけ」
デュバリー:「うん。だから、もしそっちの相談があったら乗るよ」
ルカ:「…ないよ」憮然とする。
デュバリー:その顔をまじまじ見て、何か得心し 「……うん。わかった」
ルカ:「何が?」
デュバリー:「別に恥ずかしがってるとかじゃなくて、本当にないってこと」
デュバリー:「みんな戦場に出るんだから。知りたいことがあるのに、無理に隠して生きて、結局分からないまま死んじゃうのは未練でしょ」
デュバリー:「押し売りはしないけど、必要な人には売りたいと思ってるから。気が変わったら気軽に言ってね」
デュバリー:本当に花でも売り買いするような口調だ
デュバリー:「まだ絵、描いてる?」
ルカ:「……ああ」
デュバリー:「うん。じゃあ完成したら戻ってきなね」
デュバリー:「ごはん、美味しいよ。……エミリアも。またね」
ルカ:「どうも」呆れたような顔で彼女を見送る。
エミリア:「あっ……はい!」振り返り「ありがとうございます!デュバリーさん!」
デュバリー:ひらりと手を振ってその場を後にする
ルカ:「……」去った女を見送る。いつまで経っても彼女の年頃が分からない。
エミリア:「……ルカはご飯を食べないのですか?」
エミリア:明らかに自分が食べたそうな口調。
ルカ:「………あんたがおれの代わりまで食ってきてくれるか」
エミリア:「……ま、まだ描き終わってませんから……」
ルカ:「絵を描くのにも、体力はいるからな」
ルカ:「腹ごしらえしてきてからの方が良い絵が描ける」
エミリア:「で……でも……」おろおろと迷っている。
クレア:「なら、ここで食べていけばいい」
クレア:二人の背後にいつの間にか立っている
ルカ:「うわ」ビビる。
エミリア:「あっ……クレアさん!」
エミリア:「こんにち……」鼻をひくつかせる
クレア:「姿が見えないと思ったらここにいたのか」両手に皿を持っている。
クレア:皿の上には、チーズと生ハムが乗ったメロンと鮭のムニエル。
エミリア:「…………」視線を釘付けにされている。
ルカ:「……腹ごしらえ?」
クレア:「焼けたら持ってくるようにデュバリーに頼まれていたんだが、どうやら広場に戻ったみたいだからな」
クレア:「せっかくだから君たちが食べるといい」
エミリア:「いいんですか!?ありがとうございます!」
エミリア:「良かったですね、ルカ!」
ルカ:「……良かったな。まったく」
エミリア:「いただきます!」皿を受け取って、むしゃむしゃと食べるのに集中しはじめる。
クレア:「君はアメリカの出身だったな。肉のほうが良かったか?」手をつける様子のないルカくんを見て
ルカ:「……んん、まあ………」
ルカ:「いや、気を遣ってもらう必要はないよ」
ルカ:「あんたも…大概、人の面倒を見るのが好きだよな」
クレア:「気を遣ったつもりはない」
ルカ:「そうかよ」首の後ろをかく。
クレア:「食べないともったいないと思って……」
ルカ:「……大丈夫だよ」
クレア:「そうか。なら良い」そうして、スプレーが塗りたくられた壁に目を向ける。
ルカ:「……あんたも何か描きたいとか言い出さないよな」
クレア:「グラフィティだな。以前ニューヨークのダウンタウンで見た」
ルカ:「知ってるのか」瞬きする。
クレア:「その時一度描いているところに混ぜてもらったが、全く上手く行かなかった」
クレア:「彼ら曰く、絵は人生経験と社会への反骨心が物を言うらしいからな。どちらもない自分には向いていないということだろう」
ルカ:「……なあ、じゃああんた、アメリカ人?」
ルカ:「アップルシードって言うから気になってた」
クレア:「そうだな。生まれたのはアメリカだ」
クレア:「国籍は持っていないから、アメリカ人とは言えないかもしれないな」
ルカ:「……?」怪訝な顔をする。
ルカ:「誰かの隠し子みたいな言い方だな」
クレア:「公にできない子供という意味では間違ってはいない」
クレア:「だが、大したことじゃない。実際のところは君とそう変わらないよ」
クレア:「一緒に育った兄弟がいて、今は自分だけがここにいる」
ルカ:「………」
ルカ:「そうか。……なあ、あんたは」
ルカ:「戦場で勝ち抜いて、生きたいって思ってる?」
クレア:「……それは」少し考えて
クレア:「どちらかといえばそうだが、正確な表現ではない」
クレア:「自分は生きなければならない。託された以上、それは願いではなく」
クレア:「義務だ」
ルカ:「………」
クレア:「……その上で」
ルカ:「ん」
クレア:「自分はできる限り、この生を楽しみたい。戦うだけではなく、食事や音楽も、彼らのやりたかったことが聞こえる限りは」
クレア:胸のあたりを抑えて、ぎこちなく口元を歪める
クレア:全くの無表情だが、笑っているように見せたいのだというのがかろうじて伝わる
クレア:「でなければ、あいつらに悪い」
ルカ:「………」その様子を見て、また首の後ろをかく。「……そうか」
ルカ:「……大切なことを言ってると思うよ、あんた。…それで」
ルカ:「それなら余計に、こんなところに留まらせたら悪い」
ルカ:クレアの肩を叩く。「皿は後で返すから。みんなのところに早く戻れよ」
クレア:「そうか、わかった」叩かれた肩をしばらく見つめて
クレア:「絵ができあがったら、また見にこよう」
ルカ:「……それはいい…」
ルカ:また壁にもたれかかって、少年を見送る。
クレア:最後のつぶやきは聞こえていない様子で、二人に手を降って離れていく。
エミリア:「もご……ごちそうさまでした!」
エミリア:頬を膨らませたままクレアを見送り
エミリア:「……あっ!ルカ!全然食べてないじゃないですか!」
エミリア:「勿体ないですよ!わたしが貰っていいですか!?」
ルカ:「……どうぞ」
ハミース:ふと、煙臭い匂いがする。
ハミース:葉巻を吹かしながら、褐色肌の男性が歩いてくる。
エミリア:「本当ですか……あっ、ハミースさん!」
ハミース:「あ……?んだよ人居んのか」
ハミース:「おう、新入りども」エミリアに手を振る。「元気?」
エミリア:「はい!元気です!」
ハミース:灰を落とし消して。「そりゃ結構」
ルカ:「……」ムスッとしている。
ハミース:「聞いたぜ?お前があのデカブツやったんだって?」
ルカ:「そうだよ」青いスプレーを手に取りながら振り向く。
エミリア:「わたしとルカでやりました!」
ハミース:「そうかそうか、偉いなエミリアは……」
エミリア:「えへ、えへへへへ……」
ルカ:「……」無視して青いスプレーで、壁を一面塗り始めている。
ハミース:つかつかと歩み寄って。「アイギスにタダ飯喰らいは要らねえ」
ルカ:「あ?」
ハミース:「それから俺の持論では、オーヴァード戦にマグレはない」
ハミース:「勝つやつが勝つように出来てる」
ルカ:「……」ハミースの顔をじっと見る。
ハミース:「俺は出来るやつには正しく評価をするってだけだ」
ハミース:「頭のイカれた王様マリクは例外だけどな」
ルカ:「……タダ飯喰らいになるつもりはない」
ルカ:「そりゃ、褒めてもらってんのか…何の話してんだ、あんた?」
ハミース:「その突っ張りがいつまで持つかも見ものだが……いずれ分かるさ」
ハミース:壁のグラフィティを見て。
ハミース:「グラフィティのルールは知ってるよな、バッドボーイ」
ハミース:白いスプレー缶を手に取って。「上手いやつは上書きしてもいい」
ルカ:「……言ったな」
ルカ:「つまり、下手なやつは消されてもいいってことだぜ、オッサン」
ハミース:「言うねえ」そのままスプレーを置く。「止めだ」
ハミース:「誰が今回のお前を上書けるか。次な、次」
ルカ:「あぁぁ?」デカい声が出る。
ルカ:「おい、ケンカ吹っ掛けておいて逃げるなよ」
ハミース:「喧嘩腰になんなよ」ひらひらと手を振る。
ハミース:「俺たちゃ味方だろうに」
ルカ:「なんでオッサンの説教聞かなきゃならないんだよ…」苛々しながら、青く塗りつぶした壁に白いスプレーで雲を描いている。
ミルシュカ:「あれ、ハミースさん?」ひょい、と入り口から顔を出す。
ミルシュカ:「何の話してたんですか?」
ハミース:「うん?ストリートのお作法の話」
ミルシュカ:「?」もう一人の同行者に顔を向ける。
ギル:「ははは。言ったろ?ミルシュカ。ハミースは最初は刺々しいけど、実力は素直に認めてくれるって」
ハミース:「地獄耳かましてんじゃねえよ耄碌しといて」
ギル:「パーティーの会場で聞かれたくない話をしてるほうが悪いんじゃないかな?」
ハミース:「あークソ……おちおち吸えもしねえ」
ハミース:「せいぜいよろしくやってろ」ひらひらと手を上げてその場を後にする。
ルカ:「クソキザ野郎…」ハミースを見やりつつ。
ギル:大きな皿に山盛りの料理を持ってきています。ミルシュカさんと合わせて二皿。
エミリア:「す……すごいです……!ルカ!見てください!」
ルカ:「あぁ?」
ギル:「ほら。二人の分を持ってきたよ。デュバリーから、ここで食事も取らず絵を描いてるって聞いてね」
エミリア:「ありがとうございます……!こんなに沢山……」
ギル:「折角のパーティーだ。楽しまないと損だからね」
ルカ:「……じゃあそこのエミリア連れて戻ってくれよ…」
エミリア:「なんでですか!!」
ギル:「いいのかい?君の大切なお姫様を連れて行っても」
ギル:「彼女は嫌がってるみたいだけど」
ルカ:「そんなのじゃない」
ミルシュカ:「へえ~?」面白そうな顔。
ルカ:「面白そうな顔するのやめろ」
ミルシュカ:「だって……面白そうだから」
エミリア:「ルカ、面白いそうですよ!良かったですね!」
ギル:「そうだね。ずっと不機嫌な顔をしていたから心配していたけど、これなら大丈夫かな」
ルカ:「……気を遣うやつばっかりだな…」
ルカ:「大丈夫だよ、大丈夫…。ご覧の通り、好きなことしているだけだ」
ルカ:壁には青空ができている。エミリアが最初に描いたなんでもない白い何かも、いつのまにか雲だったことにされている。
ギル:「ルカくんがそれだけ危うく見えたってことさ。うん。でも、君は君で楽しんでるみたいだからね」
ミルシュカ:「グラフィティってやつ?へえ~、上手じゃない」
ルカ:「そりゃどうも」
ギル:「戦士にも息抜きは必要だ。君が安らげる場所を見つけられてよかった」
ミルシュカ:「そうですね。来たときはあなた、もっと元気無かったから」
アッシュ:「そうそう。戦場以外で気を張るやつは逆に長生きできないぜ」
ミルシュカ:「わ!?」
アッシュ:いつの間にかその場に紛れて、大皿からfritesをつまみ食いしている。
ミルシュカ:「いきなり出てこないでよ……」
ルカ:「……オーヴァードってのは気配を消して現れるものなのか……?」
ギル:「こらアッシュ、それはルカくんのだよ。欲しかったら自分で取ってこなくちゃ」
アッシュ:「えぇー。こんだけあるんだし良いじゃんか」
ミルシュカ:「こっちでいいならあげる」片手に持ったケバブを差し出す。
アッシュ:「お、merci」 受け取って大きくかぶりつく。
ギル:「食べざかりにはこれでも足りないくらいさ。それじゃルカくん、料理はここにおいておくよ。特にキッシュは絶品だ、僕の故郷の味とよく似ててね」
ギル:「ちゃんと食べてくれよ。それじゃあまた」
エミリア:「ありがとうございます!」口の周りを汚しながら手を振る。
ルカ:「……家族の話が好きなやつだな…」ギルトレットを見送る。
ルカ:食事には手をつけないまま、壁にスプレーを吹きかけだす。青空に巨大な蜘蛛が現れる。
アッシュ:「あー。まあギルのアレはいつもだから」
アッシュ:「聞き流すくらいで良いぜ」 ごくんとほお張った分を飲み込んで。
ルカ:「ふうん」アッシュの言葉に(変なところ冷たいな)と思いつつ、蜘蛛を塗りつぶす。
ミルシュカ:「あ……これ、この前のやつ?私は見られなかったのよね」
ルカ:「そう、こないだやっつけた新兵器」
エミリア:「大きかったです、とても」
ルカ:「…んで、英雄サンは何しに来たんだよ」
ルカ:「ミルシュカと二人で抜け出すならどうぞ」
ミルシュカ:「え?なんで私?」
アッシュ:「気を利かせてくれたとこ悪いけど、話があるのはアンタの方だ」
ルカ:「なんだよ」ぶっきらぼうに返す。
アッシュ:「あー。回りくどくすんのめんどくさいし直球で聞くけど」
アッシュ:「ルカってオレのこと嫌い?なんかずっと当たりキツいじゃん」
ルカ:「……」アッシュの顔を見る。
ルカ:「嫌い」
ミルシュカ:「……」二人の顔を見比べる。
アッシュ:「やっぱか。それってなんで?」
ルカ:「理由聞いてどうすんだよ。直す努力してくれるのか?」
アッシュ:「出来そうな範囲ならな」
ルカ:「じゃあ無理だと思うよ」
ルカ:「…あんたって、生まれた時からずっと国に育ててもらってたんだろ」
ルカ:「それで才能にも溢れて、今やすっかり国を背負う英雄様だ」
アッシュ:「ま、否定はしないよ」
ルカ:「そうだろうな。…おれの妹と正反対だ」
ルカ:「国を背負って戦わされてたオーヴァードだっていうのは同じなのに、扱いは天と地の差」
ルカ:「だから嫌な気持ちになる。あんた見てると」
アッシュ:「……なるほどね」
アッシュ:「納得した。そりゃ無理だな」
ルカ:「話が早くて助かるよ」
アッシュ:「で、もう一個質問なんだけどさ」
ルカ:「なんだよ…」立ち去ってもらえるかと思っていたので顔をしかめる。
アッシュ:「アイギスの連中も嫌いか?」
ルカ:「……」
ルカ:「嫌い。……って言ったら?」
ルカ:「ここから追い出すか?」
アッシュ:「いや?オレにそんな権利はないよ」
アッシュ:「でもそうだな。戦場から降りるか、いっそフランスうちに来るか」
アッシュ:「その辺をおススメするな」
ルカ:「うちって…フランス軍か?」
ルカ:「なんであんたの世話にならなきゃいけないんだよ…」
アッシュ:「いや。軍ってより国そのものだな」
ルカ:「……どっちかっていうと、その優しい心はエミリアに向けてやってくれ」
アッシュ:「別に優しさだけで言ってんじゃねーって。まあ聞けよ」
アッシュ:「戦場ってのはあっさり命が消える場所だ。アンタももう知ってるだろうけどさ」
ルカ:「……」
アッシュ:「そんなとこをたった一人で生き抜けるヤツは稀にしかいない。"デリュージュ"だってそうだったろ?」
ルカ:「…それで?」
アッシュ:「だから隊を組む。だから仲間を作る。アイギスも日本の師団もそうだ」
アッシュ:「そんでそれは誰かに命を預けるってことだ」
アッシュ:「アンタが嫌いな相手に命を預けるのも、アンタに嫌われてるヤツがアンタに命を預けるのも」
アッシュ:「それだけでクソほどリスキーなのは分かるだろ?」
アッシュ:「オレ達は割と感情的な生き物なんだよ。ソイツ個人の人格に関わらずな」
ルカ:「……つまり」
ルカ:「おれが今後、アイギスの兵士としてあんたが肩を並べて戦うなら…仲良くするべきだって?」
アッシュ:「いや?オレ相手なら別にいいよ」
アッシュ:「オレはその程度じゃ負けねーから」
ルカ:「はは」皮肉っぽく笑う。「そういうとこ」
ルカ:「嫌いだよ」
アッシュ:「えぇ……。だってそうだろ、傭兵と肩並べて戦うなんてのはさ」
アッシュ:「いきなり背中から刺されても文句言うなって話じゃん」
アッシュ:まるで宿題に文句を言う学童か何かのように口を尖らせる。
ルカ:「…あんた、戦うこと自体を楽しんでる?」
アッシュ:「半分正解」
アッシュ:「オレは戦って、その上で勝つことを楽しんでるんだよ」
ルカ:「…それが」
ルカ:「あんたが、あの化け物達とやり合って得てるものなのか」
アッシュ:「ああ」
アッシュ:「オレがソイツらに勝ったっていう事実と、オレは負けないっていう証明」
アッシュ:「オレが戦場に求めるものはそれだけだ」
アッシュ:「それ以外のものは全部、後から勝手についてきた」
ルカ:「……そうか」ビビッドな巨大蜘蛛のグラフィティを改めて見やる。
ルカ:「……お気楽だな。勝者だから言える言葉だ」
ルカ:(おれにはそんな高揚感なんて)(………)
ルカ:「…おれはアイギスに残る。…傭兵同士では仲良くやってやるよ」
ルカ:「あんたがオススメするとおり、戦場から降りた方が良かったか?」
アッシュ:「いや。アイギスの方と仲良くしてくれるんなら文句ないよ」
アッシュ:「アイツらもベテランだし、そっちで連携取れるならミス出るようなことないだろ」
ルカ:「ミスを出しそうなやつだと思われてたワケ?」
アッシュ:「チーム内の不和ってのはそれだけデカいんだよ、ルーキー」
アッシュ:そう言って踵を返し、ふらりと手を振る。
アッシュ:「ともかく死ぬなよ、ルカ。アンタがどうあれ、オレはアンタのことかなり気に入ってるし」
アッシュ:「味方サイドから死人が出るなんてゴメンなんだ」
ルカ:「あんたに気に入られても何も嬉しくねえよ!クソ」
ルカ:掴みかかる直前までいっていた拳を壁を叩きつける。
エミリア:「わっ」びくりと肩を震わせる。
ミルシュカ:「あんたもうちょっと言い方ってもんが……ごめんなさい、ルカさん!」アッシュの後を追う。
ルカ:「………ち」舌打ちする。
ルカ:「…エミリア、あんたも戻れよ。じゃなきゃおれが消える」
エミリア:「えっ……えっ……」頬にスプレーをつけたまま目を丸くする。
エミリア:「その前に見てください!ほら!」
エミリア:誇らしげに壁を示す。
ルカ:「……なに」
ルカ:しかめっ面で壁を見る。
エミリア:青空に描かれた蜘蛛のグラフィティの横に、花弁の大きさも不揃いな、不格好な白い花が描かれている。
エミリア:「どうですか!」胸を張る
エミリア:「出来ましたよ!わたしにも!」
ルカ:「………」
ルカ:「…………そうだな……」息を吐くように言う。
ルカ:「………」
ルカ:「エミリア」
エミリア:「はい!」
エミリア:「なんですか?」
ルカ:「………"勝者は上書きしていい"んだ」
ルカ:「この蜘蛛も埋め尽くすくらい、描いていいよ。その花」
エミリア:「……?」首を傾げる。
エミリア:「でも、わたしは」
エミリア:「ルカの横がいいです」
ルカ:「……なんで」
エミリア:「なんで……?」
ルカ:「おれはあんたを助けてないし、おきれいな英雄でもない」
エミリア:「でも、ルカはルカです」
エミリア:「この絵、とっても素敵です」
エミリア:「上書きしてしまうなんて、勿体ないですよ」
エミリア:「それに……絵も、色も」
エミリア:「沢山あった方が、楽しいと思います」
ルカ:「……そうか」
ルカ:壁に描かれたグラフィティ・アートを見る。
ルカ:「………じゃあ。いろんな色で、描くか」カラースプレーを数本手に取る。
エミリア:「いいんですか!?」
ルカ:「おれのきれいな花で、そのヘタクソな花が目立つようにしてやる」
エミリア:「わたしも!わたしも負けませんよ!」
ルカ:「はいはい」
ルカ:言い合いながら、エミリアより高いところに色とりどりの花を描いていく。くすんだ倉庫の壁がカラフルに埋められていく。
ルカ:生きることは戦うことだと彼女は言った。彼女は戦うつもりらしい。自分は分からない。
ルカ:しかし、それでも。
ルカ:あの日、間違いなく死んだはずの自分が、まだこうして再び生きている。理由は、まだ見つかっていない。



【ED/アッシュ・ノイ・ジラード】

フランス パリ パティスリー『ラデュレ』
ミルシュカ:パリ。シャンゼリゼ通りの一画、パティスリーの一席。
ミルシュカ:二人掛けの席で向かい合い、マカロンを口に運ぶ。
ミルシュカ:「美味しい……!」
ミルシュカ:「やっぱり最高ねー、ここのマカロンは」
アッシュ:こちらも大きく開けた口にマカロンを放り込んで。
アッシュ:「ん……分かる。季節限定がまた美味いんだよな」
アッシュ:「次は何味が出るんだっけ」
ミルシュカ:「苺だったかな……?私もここ最近、来られてなかったしな……」
アッシュ:「良いな、苺。出たらまた食べに来ようっと」
ミルシュカ:「……ところで」
アッシュ:「うん?」
ミルシュカ:「アッシュ、もう身体は大丈夫なの?」
ミルシュカ:「怪我してたでしょ、スロベニアでも、中国でも」
アッシュ:一度何のことだろうといったように瞬きを言った後、得心して。
アッシュ:「オーヴァードを舐めてもらっちゃ困るな。あの程度の傷、一日あれば余裕だぜ」
ミルシュカ:「一日?はー……」じろじろとアッシュの身体を見て
ミルシュカ:「やっぱり凄いのね、《リザレクト》って」
アッシュ:「まあ耐久力と再生力がオーヴァードの一番の武器だからな」
アッシュ:「そうでなきゃオレだってこんなにハードワークせずに済んでるさ」
ミルシュカ:「そうかもね」笑って
ミルシュカ:「……エミリアちゃんの話、聞いた?」
アッシュ:「オーヴァードってことしか分からなかったんだっけ?」
アッシュ:「記憶も所属も素性も不明のまんま、って」
ミルシュカ:「うん。検査では、身体的には異常無し……らしいんだけど」
ミルシュカ:くるくるとフォークを回して
ミルシュカ:「数値がおかしいんだって」
ミルシュカ:「出力。レネゲイドの濃度って言ったらいいのかな」
ミルシュカ:「ルイジアナの……っていうか、今の技術だと、レネゲイド自体をそんなに詳しく調べるのは、難しいらしいんだけど……」
ミルシュカ:「純粋な出力で言えば、多分キミより上」アッシュを見て
ミルシュカ:「もしかしたら、“リッケンバッカー”クラスかもって。いや、それ以上かもしれない」
アッシュ:「へえ?」
アッシュ:「面白いな。表立っては全然目立ってなかったし、支援系か?」
アッシュ:「まあ、そもそもルカがあの蜘蛛を吹っ飛ばせた時点でそりゃ普通じゃないだろうけどさ」
ミルシュカ:「みたいね。ルカさんを強化することで、“タケミカヅチ”を破壊するほどの出力を出したんじゃないかって……」
ミルシュカ:「まあ、コントロールの方は全然らしいけどね」アイスティーを口に運ぶ。
ミルシュカ:「予想外に危ない拾い物だったかもよ、あの子」
アッシュ:「ま、拾えただけマシだろ」
アッシュ:「他のヤツらに拾われたら危ないどころの騒ぎじゃなかったかもだぜ」
ミルシュカ:「流石、懐が広いことで」肩を竦める。
ミルシュカ:「ま、そうよね。拾ったからには、ちゃんと面倒見てあげなきゃ」
ミルシュカ:「……本当、入隊したばっかりだっていうのに、メチャクチャなことだらけ」
ミルシュカ:溜息を吐く。
ミルシュカ:「退屈しないわ」
アッシュ:「タイミングが絶妙だったよな」 カラカラと笑って。
アッシュ:「でもそこで出てくるのが『退屈しない』な辺り、きっとキミは長続きするぜ」
ミルシュカ:「そうかしら。そうだといいんだけど」
ミルシュカ:マカロンを一口齧って、それからアッシュを見る。
ミルシュカ:「……私」
ミルシュカ:「ここだけの話、実は結構お嬢様だったのよね」
アッシュ:「やっぱり?」
ミルシュカ:「V&Vインダストリって、分かる?」
GM:知っている名だ。
GM:兵士なら、というより、フランス国民ならば大抵が知っているだろう。
GM:V&Vインダストリ。フランス国内最大の兵器メーカー。
GM:……だった。
GM:それも十年ほど前までの話だ。オーヴァードの登場による戦争と時代の変化に付いていくことがず、今のV&Vは倒産寸前というのが現状だ。
アッシュ:「そりゃまあ、フランス生まれで、フランス育ちで、空軍所属だからな」
アッシュ:「それで知らなきゃ記憶喪失か何かだろ」
ミルシュカ:「そっか。うち、結構な老舗でさ」
ミルシュカ:「お爺ちゃんの、そのまたお爺ちゃんの代……剣と鎧で戦ってた時代から、ずっと武器を作ってきたんだって」
ミルシュカ:「いつか私にこの会社を丸ごとやるって、誇らしげに語るお父さんのことが、私、大好きだったの」
ミルシュカ:「でも……知ってるでしょ?今じゃもうウチ、ほとんど潰れかけでさ」
ミルシュカ:「お父さんも、お酒ばかり飲むようになって……殆ど帰ってこなくなっちゃった」
ミルシュカ:「……でさ、私……思ったんだよね」
ミルシュカ:「お父さんをそんな目に合わせたオーヴァードのことが、許せない」
ミルシュカ:「必ず、一人残らず根絶やしにしてやる……」
ミルシュカ:「……」
アッシュ:「……」
ミルシュカ:「……とか」
ミルシュカ:「言ったらビビる?」
アッシュ:「笑う」
ミルシュカ:「何よ、もうちょいびっくりするかと思ったのに……」
アッシュ:「いやまあ、マジでそう思ってるならびっくりだしとんだ女優として転職をおススメするけどさ」
アッシュ:「そうじゃないだろ、キミ」
ミルシュカ:「ま、そうね」頷いて
ミルシュカ:「……父さんは多分、信じてたのよね。信じたかったんだと思う」
ミルシュカ:「これからも昨日と同じ今日、今日と同じ明日が来て、それがずっと続いていくんだって」
ミルシュカ:「とっくに変貌している世界に気付かなかった。ううん、気付こうともしなかった」
ミルシュカ:「……だからね、私は知りたかったの」
ミルシュカ:「これからの、変わっていく世界のことが」
ミルシュカ:「あなた達、オーヴァードのことが」
ミルシュカ:「それでアイギスに入ったんだ」
アッシュ:「なるほどね」
アッシュ:「だとしたら、キミの選択は大正解だぜ。ミルシュカ」
アッシュ:「オレもアイギスも、現在の戦場では相当な注目株だ」
アッシュ:「休む暇なく最前線を駆ける羽目になる。勿論これからはキミも」
アッシュ:「Bienvenueようこそ,変わっちまった世界と忙しない戦場に」
アッシュ:そう言って、最初に会った時のように手を差し出す。
ミルシュカ:「……あなたと一緒にいれば」
ミルシュカ:「これからずっと、退屈しないで済みそうだわ」
ミルシュカ:その手を取って、握る。
アッシュ:「もちろん」
アッシュ:「なんたって、オレは負けるのの次に逃げるのが嫌いだからな」
アッシュ:「イヤでも付き合ってもらうぜ」
ミルシュカ:その顔を見て、楽しそうに笑った。
ミルシュカ:「私もよ」



【ED/デュバリー(B)】

フランス パリ 娼館
ハリエット:「……そうですか」
ハリエット:「ガリオ・ネルソンは、もう……」
GM:頼りない照明の照らす室内で、ハリエットが表情を曇らせる。
デュバリー:「口封じだね」
ハリエット:「同じ相手でしょうか」
デュバリー:「そうだと思ってる。そして、そうであれば、フランスで殺し、満州でも殺せるような存在は……」
デュバリー:「限られてくるはず。そちらからも真っ当に調査を進めてみるつもり」
ハリエット:「……」
ハリエット:「……気を付けてくださいね、デュバリーさん」
ハリエット:不安げに君を見る。
ハリエット:「もしかしたら、デュバリーさんまで……」
デュバリー:グラスコップに注いだウイスキーの中で、氷が揺れる。仄暗い灯りを乱反射して。
デュバリー:しばし応えない。彼女にも視線を向けない。確かに今回の相手は、危険……というよりは未知過ぎる。目的も、殺人の手段もわからないとなれば、軽率な慰めなど上滑りするばかりだろう。
デュバリー:だが、やがてコップを僅かに傾け、舐めるほどにウイスキーを飲むと、ようやく口を開く。
デュバリー:「気をつける。十分に」
デュバリー:「"死なない女"であり続けたいからね、わたしは」
ハリエット:「……」まだ何か言いたげに視線を向けて、だが結局は目を伏せて呑み込んで。
ハリエット:「……それで、何か……持ち帰って来られましたか?ネルソンの……」
デュバリー:ポケットから手帳とペンを出す。彼のものだ。
デュバリー:「頼める?」
ハリエット:「はい。『聞いて』みますね」
ハリエット:手帳とペンを手に取り、静かに目を閉じて、集中していく。
ハリエット:「…………」
デュバリー:ウイスキーを飲みながら、彼女の様子を見守る。樹の香りが芳しい。
ハリエット:「……表層感情は……」
ハリエット:「……恐怖。不安、焦り……」
ハリエット:「……死への恐怖。追われている……?多分、ラナさんの死を知っている……」
デュバリー:(ラナと似たところか。"高揚"がないのは、元々彼が知っていた秘密で、こうなったから……)
ハリエット:「……。……番号……?」眉根を寄せる。
デュバリー:「……教えて」
ハリエット:「……パスワード? 座標……いえ……」
ハリエット:「……口座です!隠し口座……!」
ハリエット:「メモをお願いします。バークレイズ銀行の……」
ハリエット:僅かに熱を帯びた様子で、ハリエットが口座番号を読み上げていく。
デュバリー:手近の紙を取り、ペンを走らせる。内容は即席で考えた簡単で稚拙な暗号。
ハリエット:「中身は…… ……」
デュバリー:「……何?」
ハリエット:「『秘密』『持ち帰らなければ』『交渉材料』……」
ハリエット:「……」
ハリエット:「……『現像』?」
ハリエット:「……分かりました、ネガです!写真のネガ!」
デュバリー:「ネガフィルムね。確かにそれらしい」
デュバリー:「何か世に出てはいけないものを焼きつけたフィルムが、そこに眠っているっていうわけ。核心だね」
ハリエット:「……少し、待ってくださいね」難しい顔をして集中を高める。
デュバリー:「……まだ何か分かるの?」
ハリエット:「既に、大分『遠ざかって』いて……本人の拒絶も強いです」
ハリエット:「でも、もう少しで内容が……」
ハリエット:「…………ッ!!」
ハリエット:不意にハリエットが目を見開き、ペンとメモ帳を取り落とした。
ハリエット:数歩後ずさるようにして、棚に背をぶつける。
デュバリー:「ハリエット」
デュバリー:名前を呼んで立ち上がる。テーブルを周って、彼女のもとへ。
デュバリー:「ねえ」
ハリエット:「…………!」一気に顔面を蒼白にして、かぶりを振る。僅かに震えてすらいる。
デュバリー:「ハリエット」 もう一度名前を呼んで、空になった両手をしっかりと握る。冷たく細い手。
ハリエット:「……デュバリー、さん」
ハリエット:戦慄く唇で、小さな声を漏らす。
ハリエット:「……引きましょう……」
デュバリー:「…………」 怯える眼を真っ直ぐに見返す
ハリエット:「わ……私達の手に負えることじゃ、ありません……」
ハリエット:「これ以上足を踏み入れたら、デュバリーさんまで……」
デュバリー:「……何が見えたか」
デュバリー:「わたしはあなたに訊かない。あなたも忘れてくれていい」
デュバリー:「その上で、はっきりさせておくけど、わたしは引かない」
ハリエット:「……っ……どうして……!」
デュバリー:金色の飾り硝子のような眼が、その瞳を見ている。
デュバリー:「ラナが死んだから」
デュバリー:「つまり、これを放って置けば、これから先何人も、同じ理由で死ぬ可能性がある」
デュバリー:「引くということは、その可能性を看過すること」
デュバリー:「わたしは皆を守る"メリュジーヌ"だから、引けない」
ハリエット:「…………!」
ハリエット:口を開き、デュバリーを見る。
ハリエット:感情のままに叫び出してしまうのを、必死に堪えるような表情。
デュバリー:「ありがとう、ハリエット。あなたの力は十分役に立ったし、これからも頼ることはあると思う」
デュバリー:「でも、この件はもう大丈夫。忘れて。元の通りの生活に戻って」
デュバリー:「……お客様を宛てても良い。タイミングの丁度良い人に心当たりがある」
ハリエット:「待ってください」
デュバリー:「……ハリエット」
ハリエット:ぎゅっと強く目を瞑って、それから涙の滲む、殆ど睨み付けるような視線でデュバリーを見る。
ハリエット:「……そんな都合の良い優しさ、嬉しくありません」
デュバリー:「都合の良い優しさ……」
デュバリー:瞬きして、少し首を揺らす。あまり飲み込めてはいない
ハリエット:「……ずるいです、デュバリーさんは」
ハリエット:「……私の『聞いた』ものを聞いて、それからもう一度よく考えてください」
ハリエット:「あなたと、ここにいる皆の為に。どうするべきか」
デュバリー:「わかった。なら、聞く」
デュバリー:「教えて、ハリエット。何がそんなに怖ろしかったのか」
ハリエット:「……」
ハリエット:呼吸を整えるように、深く息を吐く。
ハリエット:「私の力では、直接映像を見ることは出来ません。既に残留思念が薄まっているのもあり、ネガの中身自体は分かりませんでした」
ハリエット:「……でも、その中身について、強く関連付けれらた言葉がひとつ」
ハリエット:デュバリーを見て、息を吸い、意を決したように口を開く。
ハリエット:「……プロホロフカ」
ハリエット:「“プロホロフカの惨劇”」
デュバリー:「――――」
デュバリー:――それが『何だった』のか? 知る者はいない。だが、『何が起こった』のか? ……知らぬ者はいない。
デュバリー:それはオーヴァードを中心として回り始めたこの時代の始点。レネゲイドウィルスの根源の名。
デュバリー:「……“プロホロフカの惨劇”」
デュバリー:「それに関連していると思しきネガフィルム」
ハリエット:静かに頷く。
デュバリー:「……そして、それを『交渉材料』にしようとしていた……ガリオ・ネルソン」
ハリエット:「……ラナさんとネルソンはきっと……その秘密に関わって殺された……」
デュバリー:頷く。そして理解する。この件から手を引いた方が良いというハリエットの発案は、まったく理に適ったものであった。
デュバリー:「ハリエット。その」
デュバリー:名前だけ呼んで、少し言葉に迷ったが、結局
デュバリー:「ありがとう。話してくれて」
デュバリー:感謝を選んだ。勇気を出してくれたことへの感謝。
ハリエット:「……」不安そうにその顔を見る。
ハリエット:「……どうするつもりですか?」
デュバリー:ソファに座り直し、ウイスキーを唇に含む。薄い舌で弄ぶように味わい、飲み込んで。
デュバリー:「わたしが一匹で、餌を嗅ぎ当てた犬みたいに走り出しては、思うつぼ。それはしない」
デュバリー:「ハリエットの情報は裏技だから。あくまで表向きは、ガリオ・ネルソンの死の周辺から情報収集をすることにする」
ハリエット:「……大丈夫、なんですか」
デュバリー:「そうだね。そんな悠長なことをして、他の連中がこれを探り当てて、結局何が何だかわからないままに終わったら意味がない」
デュバリー:「ラナに顔を向けられない。……だから、わたしはわたしで動く」
ハリエット:「違います。デュバリーさんは大丈夫なのかと聞いてるんです」
デュバリー:コップを置く 「大丈夫だよ。ある意味一番安全な所に、わたしは行くんだから」
デュバリー:「最速の機動と、最高の戦力」
ハリエット:「……それって……」
デュバリー:「うん。この情報を掴んで動くのは、わたしたちじゃない」
デュバリー:「"アイギス"だ」



【MasterScene】

アメリカ アップル・ディスコルディア社 社長室
GM:アップル・ディスコルディア社は、世界トップクラスのシェアを誇る、今最も勢いのある軍需企業だ。
GM:その、本社社長室。美しい調度品の備えられた、豪奢な部屋。
GM:来客用のソファに腰掛ける、一人の男がいた。
GM:仕立ての良いスーツで着飾ってはいるが、全身から漂う死と暴力の匂いは、到底隠しきれるものではない。
GM:兵士だ。それも、かなりの熟練。
朱劉帆:「噂で聞いたんですがね」
朱劉帆:「“デリュージュ”がもう死んでるってのは、ありゃあ、マジなのかな」
エリス・ディスコルディア:「……ええ」その向かいに座る、妙齢の女性。
エリス・ディスコルディア:「……こちらでもそう聞いています」
朱劉帆:「おいおい……奴が出てるヌードルのCM、今朝見たばっかりだってのに」
エリス・ディスコルディア:「残念だとは思いますが……そもそも、広告塔にするにはリスクですから」
朱劉帆:「イタリアも勝手なことだ。英雄様も草葉の陰で泣いてますよ」
朱劉帆:「いや、あの守護聖人様なら、死後も国が守れるなら本望かな」
エリス・ディスコルディア:「……私は、かの国の判断を支持していますよ」
エリス・ディスコルディア:「反発もあるでしょうけど。国を守るための手ではありますから」
朱劉帆:「流石、経営者としての目線をお持ちでいらっしゃる」
エリス・ディスコルディア:「若輩ですが、一応、これでも最高経営責任者ですから」
朱劉帆:「しかし、やったのはアイギスって話じゃあありませんか」
朱劉帆:「奴ら、このところますます勢力を伸ばしてるらしい」
朱劉帆:「お宅も気が気じゃないンじゃありませんか」
エリス・ディスコルディア:「どうでしょう?」あいまいげに微笑んで。
エリス・ディスコルディア:「傭兵としての目線では、彼女らは脅威ですか?」
朱劉帆:「さて。脅威って言い方はどうでしょうね」
朱劉帆:「あっちは組織、こっちは個人。同業だが需要が違うでしょう」
エリス・ディスコルディア:「ああ、なるほど。個人事業主の目線」
朱劉帆:「戦力って意味なら……」
朱劉帆:「まずは“鉄王”でしょう。イカれちゃいるが、アイギスっていえばまずは奴だ」
朱劉帆:「ああ、それに……あんたのとこの秘蔵っ子もいましたね。例の、アップルシード」
朱劉帆:「どうなんです、性能としては」
エリス・ディスコルディア:「あら」その目に笑みをたたえて。
エリス・ディスコルディア:「いけませんよ、秘密なんですから」
エリス・ディスコルディア:「私に子供はいません。そういう事になっています」
朱劉帆:「そいつは失敬」肩を竦める
エリス・ディスコルディア:「……ですけど、どうしても知りたいのなら」す、と一枚の紙を渡す。
エリス・ディスコルディア:「目線を合わせて、ということで。仕事の依頼です」
朱劉帆:「あー……」その紙を見もせずに
朱劉帆:「そういうことなら、すいませんが、大分先になるかもしれませんよ」
朱劉帆:「ここのところ、ちょいと仕事が詰まってましてね」
エリス・ディスコルディア:「他の国の依頼を受けてもらっても構いませんよ」
エリス・ディスコルディア:「ただし。彼女らと出会うのであれば」資料をとんとんと叩く。
エリス・ディスコルディア:アイギスのメンバーの写真。舞・R・アーデルハイドの写真を。
エリス・ディスコルディア:「可能な限り、戦力を削いで下さい」
朱劉帆:「……ほう?」契約条項を隅まで読み込んで
朱劉帆:「成程、今後はアイギスを倒せば特別ボーナスと」
エリス・ディスコルディア:「悪い話ではないでしょう?」
朱劉帆:「そりゃ、ライバルを潰せれば願ったり叶ったりだ。私は構いませンがね」
朱劉帆:「……どこからの依頼です?これ」
エリス・ディスコルディア:「決まっているじゃありませんか、そんなの」
エリス・ディスコルディア:「ディスコルディア社としての依頼です。それ以外にありますか?」
朱劉帆:「……。 ……まあ、そりゃあそうだ」ペンを取り出し、用紙にサインを書き込む。
朱劉帆:「しかし、アイギスか。思い出しますね」
朱劉帆:「ご存知ですか?舞・R、あー……」
朱劉帆:「何だったかな……アデレード?」
エリス・ディスコルディア:「アーデルハイド……他の女の話ですか?」
エリス・ディスコルディア:「それは少し、妬いてしまいます」冗談めかして。
朱劉帆:「ああ、そうだ。よくご存知で」
朱劉帆:「あの時の争奪戦は凄かった。何人死んだことか」
朱劉帆:「そこら中が躍起になって…………」
朱劉帆:「……ああ、そういえば」
朱劉帆:「御社も参加していましたか?」
朱劉帆:片目を開いてエリスを見る。
エリス・ディスコルディア:「社歴にはありませんね」
エリス・ディスコルディア:「成果がなくては書けませんから」
朱劉帆:「クハッ!それは残念でしたね」
朱劉帆:「まだ未練がおありで?」
エリス・ディスコルディア:「ありますよ?」
エリス・ディスコルディア:「得られて居ないもの全てには、等しく」
朱劉帆:くつくつと愉快そうに笑う。
朱劉帆:「ああ、流石です。そうでなくちゃあいけない」
朱劉帆:紅茶を一気に飲み干して、ソファから腰を上げる。
朱劉帆:「首で良ければ早い内に持ってきますが、如何です」
エリス・ディスコルディア:「それはかの国の判断次第でしょう」
エリス・ディスコルディア:「“Espoir”をどう扱うかは」
朱劉帆:「それなら、祈っておきましょう」
朱劉帆:目を細め、獣めいた笑みを浮かべる。
朱劉帆:「アイギスか」
朱劉帆:「楽しみだ」







Double Cross The 3rd edition
リプレイ・リバース
Case01『邂逅/ENCOUNTER』
END

Case02『叢林死行/HOW TO GENOCIDE』
To be continued