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Trailer



“スターゲイザー”。

数多の並行世界を渡り歩き、児戯が如く人に、世界に破滅を齎す超越者。

時には、旧き呪いの血を呼び覚まし。
時には、胡蝶の繭で街を眠らせ。
時には、晩夏にすらも深雪を降らせ。
時には、三千世界の鴉を集わせ。
時には、禍津星として望郷を滅ぼし。
時には、虚飾に塗れた古城を落とし。
時には、終わりし世界に猶予を与え。
時には、浅葱の穹を光雨で染めて。

数多の悲劇と争いを生む、その目的は唯一つ。
人の魂の放つ輝き──『星』を見ること。
月無き朔夜の暗闇にこそ、星が美しく輝くように。
人の魂もまた、絶望の中にあってこそ、最も強く光り輝く。

それならば。

何より深き絶望の底。
世界の終わり。滅亡の瀬戸際、逃れ得ぬ破滅を前にした時。
果たして其処に、どんな星が輝くのだろうか。


「──楽園の十三人、ですって」
「十三人が合わされば、世界を滅ぼせるとかって。僕はその一人なんだとか」
「失礼しちゃいますよね。皆忘れてるのかなあ」

「世界の一つや二つくらいくらい、僕なら簡単に滅ぼせますよ」


解き放たれた黙示録の使徒。
凡ゆる法則を捻じ曲げ、それぞれが彼方の世界を滅ぼしてきた“災厄存在”の軍勢。

人の悪意の窮極の具現、世界を数度焼き尽くして有り余る暴力。
31メガトン級核ミサイル、B-94“ベラ・ジュニア”──各国に配されたその数、127基。

決して逃れ得ぬ破滅。国を、文明をも死に至らしめる病。
『生まれてはならなかったオーヴァード』──“マスタールイン”。


滅亡までの猶予は残り僅か。押し寄せる数多の破滅の渦に、抗う手立てはあまりにも少ない。
希望の糸はどこまでもか細く、絶望の淵はどこまでも深い。
地を這う人の身にあって、天命に抗うその愚行を、超越者は何より求め、そして嗤うだろう。


されど無辺の荒野に、征くべき路を開く者がいるならば。
立ち込める迷霧を裂いて、撃鉄を起こす者がいるならば。
嵐の中、波濤を越えて、澪引かんとする者がいるならば。
帰る故郷を失って、それでも戦い続ける者がいるならば。


いつか必ず、星にすら手が届く。



Double Cross The 3rd edition『星を見る者』
ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。











Index


関連セッション
『街は胡蝶の夢を見る』
『吹けよ太刀風、墜ちよ禍津星』
『光雨、黒天を染める』

Opening
【OP/鳩山依鈴】
【OP/千原海智】
【OP/赤川累】
【OP/“ディアスポラ”】

Middle phase
【Middle1】
【Middle2】
【Middle3】
【Middle4】
【Middle5】
【Middle6】
【Middle7】
【Middle7】
【Interlude】

Climax
【Climax】

Ending
【ED/鳩山依鈴】
【ED/赤川累】
【ED/“ディアスポラ”】
【ED/千原海智】

Preplay


GM:というわけでスターゲイザー討伐セッション『星を見る者』始めていきます!
千原海智:イエーイ!
鳩山依鈴:ワオワオ!
GM:まずはPC1の千原くん自己紹介お願いします~
千原海智:はーい!
千原海智(キャラシート)
千原海智:千原海智(ちはら・かいち)です。男。星辰館高校の2年生。
千原海智:現在は未覚醒で、シナリオ中にオーヴァードになる予定です。
千原海智:自分は世界に愛されており、自分が関わると全ての物事を解決してしまうんだ豪語する、恐るべきまでの自信家です。
GM:とんでもねえやつだ
千原海智:逆に言えばどんなトラブルも解決できるという不屈の精神を抱いており、トラブルに遭遇してもなかなかメゲません。
GM:主人公野郎め
千原海智:でも知らないところでカラオケ会とかあるとものすごくヘコみます。
GM:そうなんだ……
千原海智:チヤホヤされたがりだから……
千原海智:実は数日前からの記憶がすっぽりと抜け落ちており、「気付いたら大N市で高校生活を送っていた」という状況で、
千原海智:クラスメイト等の顔や名前も把握しているものの、数日前以前のエピソード等については、データがそのまま脳内にあるような不思議な状況です。
GM:そんなことある?
千原海智:というのも、実はコイツは危機的状況にある異世界に呼ばれていろんな異世界を渡り歩いてる特異点存在で、
千原海智:今回も、この世界に呼ばれて召喚されてきちゃったみたいです。呼ばれた際に記憶などは吹っ飛びました。
GM:やっぱりとんでもないやつだった
千原海智:覚醒したら、ウロボロス/キュマイラのクロスブリードとして、白兵攻撃ができるようになる予定です。
千原海智:基本的には不確定な切り札くんの性能なんで、単純明快単体攻撃マンです!カバーリングもあるよ!
千原海智:あと今回、GMからの指示に基づき、思い出の一品として「部屋に転がってた天体望遠鏡」を所持しています。
千原海智:理由は不明ですが、妙に思い入れがあるみたいです。
千原海智:そんな感じ!
GM:一体なんなんだろうねえ
千原海智:なんなんだろうね~
GM:そんな千原くんのハンドアウトはこちら!

PC1 千原海智
シナリオロイス:三瀬川りんか

UGNイリーガル、三瀬川りんか。
彼女は別世界へと繋がる『窓』を開き、物理法則すら捻じ曲げる異邦の存在を呼び寄せる能力を持っている。
下校中にジャームに襲われた君は、彼女に助けられ、そしてオーヴァードとして覚醒して彼女を助けることとなる。
戸惑いながらもUGNを案内し、オーヴァードについて教える三瀬川。
クラスメイトとして、同じオーヴァードの先輩後輩として、君と彼女は小さな再会の約束をする。
だが、約束が守られることはなかった。
三瀬川りんかは“スターゲイザー”に拉致され、姿を消す。
彼女は被強制的に能力を解放させられ、世界滅亡の因子を際限なく撒き散らし続ける災厄の匣となった。
UGNの第一目標は、“スターゲイザー”の討伐。
しかしそれが叶わなかった場合の次善策は――
三瀬川りんか殺害による、事態の収拾だった。


GM:なんか女の子と知り合いになるらしいですよ よかったね!
千原海智:さっ三瀬川さん!!
千原海智:出会いとともに殺害が予告されることある?
GM:実はみつせがわです
千原海智:何ィ!
千原海智:失礼しました
GM:会ったばかりだからしょうがないよね
千原海智:これからいろんなこと知り合っていくもんね…
GM:ということでボーイミーツガルってもらいます
千原海智:キャ~~!
千原海智:任せてください 出会って即チューですよ
GM:ヤバ……
千原海智:フフッ……
GM:そんな感じで始めていきましょう!よろしくお願いします!
千原海智:は~い!よろしくお願いします!

GM:ではPC2の鳩山さん、自己紹介お願いします!
鳩山依鈴:はい!
鳩山依鈴(キャラシート)
鳩山依鈴:はとやま・いすず。
鳩山依鈴:UGN日本支部長、霧谷雄吾直属の日本支部エージェントです。
鳩山依鈴:雄吾さんの……あ、えっと
鳩山依鈴:霧谷雄吾の半私兵として運用される、深淵の切り札(トランプカード)。
GM:雄吾さん……?アンタまさか……
鳩山依鈴:能力特性上、任務-任務間のクールタイムが長く
鳩山依鈴:任務終了しても帰投せず足取りがつかめないことも多いため
鳩山依鈴:情婦だと口さがない噂をする人も居ます。困ったものですね
GM:なんて卑しい女なの……!
鳩山依鈴:性能としては、RECDロイスを含む、判定振り直し手段を5種搭載しており
鳩山依鈴:高達成値によって色々します
GM:ヤバい構成
鳩山依鈴:250点では具体的に、通常射撃、カウンター射撃、RC回避、交渉による判定妨害を。
鳩山依鈴:スターゲイザーとは『街は胡蝶の夢を見る』で遭遇、
鳩山依鈴:交戦済みです。今回こそは着実にケリを付けたいと思います。
鳩山依鈴:よろしくお願いします!
GM:因縁の相手その1!よろしくお願いします!
GM:そんな鳩山さんのハンドアウトはこちら!

PC2 鳩山依鈴
シナリオロイス:蒼井昴

君はUGN日本支部のエージェントだ。
君には幼馴染がいた。蒼井昴。明るいムードメーカーで、ややミーハー気味なのが玉に瑕の、君と仲の良い少女だった。
彼女もオーヴァードに覚醒し、エージェントとしても君と同期となり、互いに切磋琢磨の日々を送っていた。

そのはずだ。

現在。街中で偶然彼女と出会った君は、その瞬間まで彼女のことを、その存在自体を完全に忘却していた。
そして彼女は、君の知る姿とはかけ離れた、暗い声色で言葉を発する。
「マスタールインが来る。決して逃れ得ぬ破滅が」
それ以来、君の意識に病理が巣食うようになる。常に付き纏う破滅のイメージ。そして、マスタールインの名が。


GM:幼馴染だって~
鳩山依鈴:誰!
鳩山依鈴:知らない……
GM:知ってるでしょ
GM:とにかく実はいた幼馴染と会ってもらいます
GM:頑張ってくださいね!
鳩山依鈴:がんばります!

GM:ではPC3の赤川くん、自己紹介をお願いします。
赤川累:はーい
赤川累(キャラシート)
赤川累:赤川累、17歳。田舎の島に住むごく普通の高校生……だった事があります。
赤川累:今は色々あって故郷が壊滅し、家族や幼馴染や一通りの知り合いを失ったりしたので
赤川累:N市へ引っ越して"シンダーテイカー"というUGNイリーガルをやっています。正規人員を目指してがんばるぞ。
GM:かわいそう がんばってほしい
赤川累:概ね堅苦しく真面目な性格であり、所々に若さゆえの未熟があったりしますが、前回の事件で多少は成長したんじゃないかな。
赤川累:そういう所も出していけたらなと思います。
赤川累:能力は手に触れたものを灰に変えるタイプのモルフェウス。
赤川累:右腕に由来不明の遺産の骨が移植されており、基本的にこれを使った格闘戦で戦います。
GM:一体どこから来た遺産なんでしょうねえ
赤川累:データ的には行動値15から良い火力の単体攻撃を打てます。
赤川累:250点になるにあたって回避能力も得たよ。
赤川累:あとはシナリオ1回のインスピレーションが搭載されているわ。
赤川累:そんな感じ!今回はなんか知ってる子が例によってなんかまたヤバいことしようとしてるらしいので
赤川累:頑張って止めたいと思います
GM:OK!そんな赤川くんのハンドアウトはこちら!

PC3 赤川累
シナリオロイス:“スターゲイザー”

君はかつて“スターゲイザー”により多くのものを奪われた。
UGNイリーガルとなってまだ日が浅い君に、極めて重要かつ危険な任務が与えれた。
それはN市市街地で展開し、今も尚広がり続けようとしている“歪曲汚染領域”をの侵蝕を食い止め、発生源を停止させるというものだった。
君がこの任務に選抜された理由は二つ。
一つは、君が事態の発生時、その場で状況を目撃したため。
そしてもう一つは、君がこの事態の元凶と目されるオーヴァード――“スターゲイザー”と接触経験のある、数少ない人員だからだ。
君は急遽編成された対策班の一員として、その領域に足を踏み入れる。
今度こそ、何も奪わせないために。


GM:なんか知ってる子が例によってなんかまたヤバいことしようとしてるらしいので
GM:がんばって止めてください
赤川累:とんでもないぜ
赤川累:頑張るわ!悲劇は繰り返させない!
GM:がんばれ~

GM:最後!PC4のディアスポラさん自己紹介お願いします。
"ディアスポラ":はーい!
"ディアスポラ"(キャラシート)
"ディアスポラ":流浪のFHエージェント、"ディアスポラ"です。
"ディアスポラ":元々は"アラボト"というセルで造られた複製体兵士でしたが、崩落戦で色々あった結果所属していた部隊が壊滅し
"ディアスポラ":その後は"ディアスポラ"という新興のセルに双子の姉と一緒に拾われました。
"ディアスポラ":恋人もできて、セルのみんなも家族同然に大切に思える人たちで、ずっと一緒に居るために頑張っていたのですが
"ディアスポラ":"スターゲイザー"の暗躍によりそのセルも崩壊しました。セルリーダーと姉は死亡し、恋人と仲間の女の子二人はジャーム化。
"ディアスポラ":セルリーダーの妹、三廻部朔夜は"スターゲイザー"の依代となり、自分一人だけが生き残りました。
GM:かわいそうすぎる
"ディアスポラ":それから3年間"スターゲイザー"の足取りを追い世界中を旅して、つい最近N市に戻ってきました。
"ディアスポラ":今の目的は"スターゲイザー"を完全に滅ぼすこと。
"ディアスポラ":最後の"ディアスポラ"として、あらゆる世界から彼女の存在を消し尽くすまで戦い続けます。押忍っ。
GM:壮絶な覚悟
"ディアスポラ":能力は元々エン/モルの隠密使いで、強力な観測能力を持つアーティファクトに適合した銃使いでしたが
"ディアスポラ":ジャーム化した恋人をその手で殺した時にアーティファクトと彼の力の一部が融合し、
"ディアスポラ":エン/モル/サラの広域凍結能力者に変異しました。零下8000度の異界の冷気でどんな物でも凍りつかせます。ガンバリマス。
"ディアスポラ":データ的には隠密を起点にした射撃RCスイッチ型。シーン攻撃の《コキュートス》と単体用の《見えざる死神》を使い分け
"ディアスポラ":両方に《デスストーカー》とエンブレムの攻撃力ボーナスを乗せてそこそこの火力をばら撒きます。
"ディアスポラ":一応《砂の加護》持ってるので支援もできる!意外と気の利く女としてがんばります。よろしくお願いします!
GM:できる妹を持ってお姉ちゃん嬉しいよ
"ディアスポラ":手のかかる姉に鍛えられたからね
GM:そんなディアスポラさんのハンドアウトはこちらです

PC4 “ディアスポラ”
シナリオロイス:“セプテントリオン”

“デイブレイカー”セルは、“スターゲイザー”に全てを奪われ復讐を誓った者達の共同体であり、今の君が身を寄せる場所だ。
復讐の為なら手段を選ばないセルリーダー“セプテントリオン”が掲げたのは、資金・情報・戦力すべてを注ぎ込んだ総力戦で、今度こそ“スターゲイザー”を抹殺すること。そこにはUGNとの協力も含まれていた。
直接攻撃に打って出た“スターゲイザー”に対し、UGNもこれまでに類を見ない程の精力を注いで本格討伐に挑む姿勢を見せている。
これを逃せば、次の機会は二度と無いかもしれない。
“スターゲイザー”を倒す。
君の願いは今、ようやく叶おうとしている。


GM:スタゲを潰して下さァい……
"ディアスポラ":ギャハハ!これで"スターゲイザー"もおしまいだぜぇ~!
GM:復讐者として頑張ってくださいね。よろしくお願いします
"ディアスポラ":みんなの無念を背負ってがんばります!よろしくお願いします!



【OP/鳩山依鈴】

GM:登場侵蝕をどうぞ。尚、このセッションでは登場ダイスを1D10と1D3+3から選択できます。
鳩山依鈴:なるほど じゃあ安定する方にしようっと
鳩山依鈴:侵蝕率+4(1d10->4) (侵蝕率:30->34)
鳩山依鈴:あ、間違えたけどいいか……w
GM:あっ まあよし!
N市 市街
GM:激務で知られるUGN職員、更に一握りの日本支部に所属するエージェントであっても、休暇というものは存在する。
GM:この日君は、忙しい任務の合間を縫って街に出てきていた。
鳩山依鈴:買い物した紙袋を提げて、カフェに入っている。
鳩山依鈴:別に高級店というわけでもない、普通のチェーンのカフェテリア。
鳩山依鈴:官僚としてのカヴァーを持ち、そのカヴァー並みのワークスを持つ身からすれば、
鳩山依鈴:十分なほどに高給取りではあるが、普段の食事のグレードを過剰に上げることはない。
鳩山依鈴:長期の滞在任務が多く、満足にそこで食事を取れるかは未知数だからだ。
鳩山依鈴:「……あと何が必要だったかな」
鳩山依鈴:たまの休みに、買い溜めしている。主には量産品のシャツや下着類、日用品。
鳩山依鈴:それからブランド物の下着。
鳩山依鈴:あとは——
???:「……」
???:「依鈴」
???:不意に、名前を呼ばれた。
鳩山依鈴:「……え」
鳩山依鈴:こんなところで、知り合いに。しかも
鳩山依鈴:依鈴、と呼ぶような?
???:そこには、一人の女が立っている。
???:賑やかなカフェからは明らかに不釣り合いな、強烈な負の空気を纏った女。
???:君には見覚えのない相手……に、思える。
鳩山依鈴:「……」
鳩山依鈴:「どちら様?」
???:「……忘れたの?」
???:「あたしだよ、あたし」
???:「蒼井、昴」
GM:その名を耳にした瞬間。
GM:君の脳裏に、鮮やかな記憶が蘇ってくる。



数年前 北海道 レストラン
蒼井昴:「日本支部エージェントってさあ」
蒼井昴:「やっぱ、給料いいのかね」
蒼井昴:ぱきん、と茹でたカニの脚を折る。
鳩山依鈴:「そりゃそうでしょ……ただ忙しいだけなら」
鳩山依鈴:「誰も目指さない」
鳩山依鈴:「きっと良いものばかり食べてるんでしょう」
蒼井昴:「えぇ~。いいよな~」
蒼井昴:「あたしらはこういう時しかカニも食えないのに……」
蒼井昴:ちゅるん、と身を啜る。
蒼井昴:「あたしがなったら三食美味いもの食べてやる」
鳩山依鈴:「昴はなりたいの?」
蒼井昴:「そうだなあ……」
GM:蒼井昴は、君の幼馴染だ。
GM:幼少期の家が近く、小学校から一緒だった。一度高校で別れたが、共にオーヴァードとして覚醒し、UGNで再会した。
GM:君達は任務で北海道を──当時まだ支部の配備が満足ではなかった──訪れ、それを終わらせ、帰る前に休息を取っていた。
蒼井昴:「でも、すごい忙しいんでしょ?あれって」
鳩山依鈴:「らしいね。FHが日本を集中攻撃してるとか」
蒼井昴:「お金稼いでも、使う暇がないんじゃ本末転倒だよな~」
蒼井昴:頭の後ろで手を組んで。
蒼井昴:「依鈴はどう?」
鳩山依鈴:「私?いや、私は……」
鳩山依鈴:蟹の空のハサミをつまみ上げて、掌の上に乗せる。
鳩山依鈴:もう片手で、蒼井昴に向けて指で弾く。
鳩山依鈴:ハサミが消失する。
鳩山依鈴:「こんな……手品にしか使えないような能力じゃ」
鳩山依鈴:数秒後、虚空から出現して飛んでいく。
鳩山依鈴:「そもそも無理でしょう、日本支部のエリートなんて」
鳩山依鈴:“インタリム・シューター”。彼女のコードネーム。
鳩山依鈴:暫定の射手。発射した弾丸の出現を遅らせるだけの、つまらない能力者。
蒼井昴:「それもそっかあ……」溜息を吐いて。周りに人が居ないのをいいことに、指先から炎を出してカニを炙る。
蒼井昴:「あたしもなあ。火ィ出せるくらいじゃなあ」
蒼井昴:「ゴロゴロいそうだしなあ」
蒼井昴:「三食カニは夢のまた夢かあ」肩を竦める。
鳩山依鈴:「別に、なりたいわけでもないわ」
鳩山依鈴:「守りたいものを、守れればそれでいいでしょ」
蒼井昴:「んー……」炙ったカニを冷まして。
蒼井昴:「依鈴の守りたいものって、何?」
鳩山依鈴:「人類……なんて言われてもピンとこないけど」
鳩山依鈴:「……仲間かな」
鳩山依鈴:「一緒に戦う人のことは守りたいなって思う」
鳩山依鈴:「昴とか……」
蒼井昴:「うお、急にハズいこと言うなあ……!」
鳩山依鈴:「昴は?」水を飲みながら。
鳩山依鈴:「カニ三昧の生活だけ?守りたいの」
蒼井昴:「まあ……あたしもそうかなあ」
蒼井昴:「仲間っていうか……家族とか知り合いのことは守りたいなーって思うよ」
蒼井昴:「勿論、依鈴もね」
蒼井昴:悪戯っぽく笑う。
鳩山依鈴:「ふふ」額をくっつける。「ありがと」
鳩山依鈴:「もしかしたらさ、これから」
鳩山依鈴:「バラバラのとこに行くかもしれないけど」
鳩山依鈴:「死なないでね?無事にまたこうやってさ」
鳩山依鈴:「ご飯食べよう」
蒼井昴:「おお……うん、ふふ、そうね」くすぐったそうにしながらも、頷く。
蒼井昴:「転属多いからなー、うち……」
蒼井昴:「あ、てかてか、聞いた?」パッと噂話に移行する。
鳩山依鈴:「うん?」
蒼井昴:「新しい監査部局長の話」
鳩山依鈴:「何……悪い噂でもあるの?」
蒼井昴:「あー、何か一時期左遷されてたとか聞いたけど……そうじゃなくて」
蒼井昴:「イケメンなんだって!」
蒼井昴:明らかにテンション高く言う。
鳩山依鈴:「……何それ」苦笑する。
蒼井昴:「仕事もすっごい出来るらしいよ。会ってみたいな~」
鳩山依鈴:「興味ないな~……」
蒼井昴:「あ、待って。監査部局長って多分給料いいよね」一人で勝手に盛り上がっている。
鳩山依鈴:「まあそりゃ稼いでるとは思うけど……」
蒼井昴:「結婚したら玉の輿じゃん。自分が日本支部とか行かなくても、三食カニ食べ放題だよ!」
鳩山依鈴:「監査部局長とお近づきになれるならそれ、もうだいぶ出世してない?」
蒼井昴:「う……」
蒼井昴:「……霧谷さんだっけ。合コンとか出てないのかな」
鳩山依鈴:「出るわけないでしょ……」
蒼井昴:「はーあ。自分で出世するしかないのかあ」溜息を吐いて、カニの殻を片付ける。
蒼井昴:「流石にカニも飽きてきたなあ。三食は無理かも」
鳩山依鈴:「飽きっぽいんだから……」
鳩山依鈴:「この分じゃイケメン監査部局長のことも明日には忘れてそう」
蒼井昴:「この近く、美味しい海鮮丼屋あるらしいよ」椅子を引いて。
蒼井昴:「帰る前に寄ってかない?」
鳩山依鈴:「え、いや、今食べたでしょ……?」
蒼井昴:「せっかく北海道来たんだからさー!帰る前に色々食べなきゃ損じゃん!」
蒼井昴:「今別に彼氏とかいないっしょ?」
鳩山依鈴:「居ないけど……何の関係があるの」
蒼井昴:「太ってもいいかなって……」
鳩山依鈴:「太ったら作れなくなるでしょうが」
鳩山依鈴:「今は居ないけど、私だって」
鳩山依鈴:「欲しいわよ、彼氏」
蒼井昴:「へー……依鈴も一応あるんだ、そういうの」
蒼井昴:「全然興味ないのかと思ってた」
鳩山依鈴:「見合う相手が居ないだけ」
蒼井昴:「かぁ~~!」
蒼井昴:「これだよ」
蒼井昴:「言っとくけど、絶対あたしの方が先に彼氏作るからね」
鳩山依鈴:「別に競争してないけど……」
蒼井昴:「こいつーっ!」髪をわしゃわしゃ撫でて。
鳩山依鈴:「や、ちょっと!」
鳩山依鈴:「カニ触った手で止めてって!」
蒼井昴:「あはは!行こ行こ!支部にお土産買ってかなきゃ」笑って、さっさと歩き出す。
鳩山依鈴:「もう……」呆れたように笑って、後に続いた。

---

GM:……彼女との記憶が、閃光のように蘇ってくる。
GM:蒼井昴。君の幼馴染。親友でもあったはずだ。
GM:何故忘れていたのか、まるで覚えがない。彼女に関する記憶は、ある日を境にぱったりと途切れている。
蒼井昴:「……」
蒼井昴:「思い出した?」
鳩山依鈴:「……ええ」
鳩山依鈴:「“思い出した”」
鳩山依鈴:「思い出したって、どういうこと……?」
鳩山依鈴:「なんで、私……」
蒼井昴:目の前の女は、面影こそ残しているものの、かつての蒼井とはまるで別人だ。
蒼井昴:君に呆れられるほどの頻度で美容院に通って整えていた髪は乱れ、肌は死人のように青ざめて。目には生気がなく、深い隈が刻まれている。
鳩山依鈴:「……昴」
鳩山依鈴:「会えて嬉しい、って言うべきなのでしょうけど」
鳩山依鈴:「随分と、雰囲気が違う。分からなかった」
蒼井昴:「……そうかな」
蒼井昴:「あたしは、あたしだよ」
蒼井昴:「何も変わらない」
蒼井昴:感情の無い声。台本でも読み上げるかのように言う。
鳩山依鈴:「……」
鳩山依鈴:「何か、問題を抱えているなら言って」
鳩山依鈴:「私は、今、ある程度解決できるところにあると思ってる」
蒼井昴:「……解決?」
蒼井昴:「無理だよ」
蒼井昴:嘲るような、それでいて卑屈な笑み。かつての彼女からは考えられない表情。
蒼井昴:「ねえ、知ってる?依鈴」
蒼井昴:「この世界ってね、もうすぐ終わっちゃうんだよ」
鳩山依鈴:「……そういう噂があることは知ってる」
鳩山依鈴:「だけどさ」
鳩山依鈴:「そうさせないのが、私達じゃない。違う?」
蒼井昴:「……はは」
蒼井昴:「私達……ね」
蒼井昴:何が可笑しいのか、くぐもった笑いを漏らして。
蒼井昴:「ううん。そういうの、全部。意味無いんだよ、もう」
蒼井昴:「何もかも滅ぶんだ。それでおしまい」
鳩山依鈴:「……昴」
鳩山依鈴:「何か、見たの?」
鳩山依鈴:未来視能力者の中には、精神を病んだものも居るという。
鳩山依鈴:その絶望の未来を、彼女も垣間見たとすれば——
蒼井昴:「……」
蒼井昴:君の問いに、顔を寄せて。
蒼井昴:暗く、囁くような声色で言う。
蒼井昴:「“マスタールイン”が来る」
蒼井昴:「決して逃れ得ぬ、破滅が」
鳩山依鈴:「“マスタールイン”?」

GM:鳩山さんは≪意志≫で判定をお願いします。
GM:判定難易度は30。
鳩山依鈴:4dx+5>=30
DoubleCross : (4R10+5[10]>=30) → 9[1,8,8,9]+5 → 14 → 失敗

鳩山依鈴:突破出来なくもないが……
鳩山依鈴:うーむ
GM:ここで突破しておくと
GM:有利といえば有利ですが
GM:どの道、またシーン毎に同じ判定を行ってもらいます
鳩山依鈴:つら……
鳩山依鈴:じゃあ止めておこ……

GM:その名を聞いた瞬間、君の胸の内で、何かが首を擡げる。
GM:近い感情を一言で言うならば……それは、不安。
GM:世界の破滅というイメージ。そして知らぬはずの“マスタールイン”の名が、僅かに胸をざわつかせる。
鳩山依鈴:胸元を押さえる。
鳩山依鈴:「……今、何か、したの……?」
蒼井昴:「……」それだけ言って、身を離して。
蒼井昴:「じゃあね、依鈴」
鳩山依鈴:「待って!」
蒼井昴:君の質問には答えず、踵を返す。
蒼井昴:「最後に会えて、よかった」
鳩山依鈴:「昴……!何を、最後……?」
蒼井昴:そう言い残してカフェを出ていき。その姿はすぐに雑踏に紛れてしまう。
鳩山依鈴:「……」その姿を見失い。
鳩山依鈴:「……どうにも、私は、呪われているかも」
鳩山依鈴:胸を抑えたのとは逆の手。取り出しかけた拳銃を再びしまう。
鳩山依鈴:あのときと同じだと思う。
鳩山依鈴:かつての先輩の——夢見鳥つばさの時と。
鳩山依鈴:また、しばらく居なくなって、変わり果てて舞い戻る。
鳩山依鈴:自らの銃弾は、放たれた時より全く変わること無く、時をこえていくというのに。
鳩山依鈴:「これが報いならば受ける。だけど、それは」
鳩山依鈴:「あなたをそうしたものにも返さなければ」
鳩山依鈴:「そうでしょう、昴……」
鳩山依鈴:買い物袋を拾い上げて。街中に繰り出す。
鳩山依鈴:決して逃れ得ぬ運命が来るのなら、
鳩山依鈴:それを迎える準備が要る。
GM:……その日以来、君の意識の片隅に、小さな病理が巣食うようになる。
GM:どんな時も常に付き纏う、破滅のイメージ。
GM:そして、“マスタールイン”の名が。



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
鳩山依鈴:幼馴染/蒼井昴/尽力/悔悟:○/ロイス
鳩山依鈴:これで!
GM:はい!



【OP/千原海智】

N市
GM:昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
GM:世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
GM:だが、世界はすでに変貌していた──。

GM:放課後。
GM:星辰館高校は、市内有数の生徒数を誇る大きな学校だ。
GM:様々な地区から様々な生徒が登校してきて、帰る場所も様々だ。
GM:HR終了のチャイムと共に多くの生徒が校門から出て、それぞれの帰路に着いていく。
GM:君もそんな、ごく普通の生徒たちの一人だ。
GM:少なくとも、表向きは。
千原海智:だって、誰が信じるだろう。「実は数日前からの記憶がすっぽり抜けている」だなんて。
千原海智:スマホのアドレス帳には家族やクラスメイトの名前が並び、ラインの会話記録もあるにはあった。
千原海智:しかし写真アルバムには一枚もデータが無かったし、こうして歩く帰路の道のりにしたって、
千原海智:『そういうもの』として、機械的に脳内にインプットされたものをただ辿っているかのようだ。
千原海智:しかし!
千原海智:それでヘコたれるような僕ではない!
千原海智:これはこれ!それはそれ!
千原海智:学園生活は謳歌するもの!
千原海智:今日の良い事は、隣の席の佐々木さんが教科書を見せてくれたこと。明日もきっと良い事があるに違いない。
千原海智:そんな風に、置かれた状況に反してえらく能天気な調子で、スクールバックを片手に帰路に着いています。
GM:君がそうして、記憶にある通りの自宅への道を歩いていると。
GM:……ガガガガガ……
GM:前方から、工事の音が聞こえてくる。
GM:運が悪い事に、どうやら通行止めになっているらしい。
千原海智:「……あれ」首を傾げる。
千原海智:「朝、工事の看板とかあったっけ……?」
千原海智:言いながら、通れないものはしょうがないので、迂回する道を探します。
千原海智:「ま~いっか。これで近道が見つかったら儲けもんだしね」
千原海智:「探索、探索~♪」
GM:しかし。
GM:そうして君が迂回しようとした道で、更に交通事故の見分をしていたり、不発弾処理か何かをしていたり。
GM:結局君は、かなりの大回りをして、普段まるで使ったことのない道を通ることになるのだった。
千原海智:「……………」
千原海智:スマホの地図アプリを片手に、とにかく大回りをしていることだけは把握する。
千原海智:「どうしてだい道路……僕のことが嫌いなのかな…? むしろ好きなのかな…?」
千原海智:「そんなに歩いてほしかったのかな……?」
GM:そうして君が地図とにらめっこしながら、道路を踏んづけていると。
三瀬川りんか:「くっ……くぅっ……」
GM:前方から、微かな声が聞こえてくる。
千原海智:「アイ…ラブ……ウォーク……」「……ん?」
GM:見ると道の先、自動販売機の前で、小さな少女がぴょんぴょんとジャンプを繰り返している。
GM:どうやら自販機の下にはコンクリートブロックが噛ませてあり、少し高めになっていて、
GM:小学生と見紛うような──制服は君と同じものだが──少女では、最上段のボタンに手が届かないらしい。
三瀬川りんか:「も……もうちょい……!」
三瀬川りんか:ぴょこぴょこと跳ねる度に、身体に似合わぬ大きなリュックがぼふぼふ跳ねている。
千原海智:「………」その様子を見て目をぱちぱちし。歩み寄りながら、彼女に声をかける。
千原海智:「へいへい、そこのお嬢さん」
千原海智:「僕が君の代わりにボタンを押すのと」「僕が君を持ち上げてボタンを押させてあげるの」
千原海智:「どっちがいい?」
三瀬川りんか:「へっ……わ、わ!」急な声に驚いて転びそうになって。
三瀬川りんか:「とと……えっと……」
三瀬川りんか:君の顔をじっと見て。
三瀬川りんか:「……千原くん?」
三瀬川りんか:同じクラス────だったはずの、君の名を口にする。
千原海智:(ん)そうだったっけ、と、脳内データベースを探る。
千原海智:同じクラスだった気もする。この数日間では会話してない。
千原海智:「そうだよ」データベースから名前が引っ張り出てきた。「三瀬川さん?」
三瀬川りんか:「うん。三瀬川だよ~」
三瀬川りんか:「いいとこ通りがかってくれました!め~っちゃ困ってたんだよねえ」
三瀬川りんか:「それそれ!それ押して!」
三瀬川りんか:自販機の最上段のおしるこを指差します
千原海智:「何々、これ?」おしるこの隣のブラックコーヒーを示す。
三瀬川りんか:「わたしブラックなんて飲めないよ~、右右、おしるこ」
千原海智:「ははは、ごめんごめん」
千原海智:おしるこのボタンを押す。
千原海智:「今、三瀬川さんのことからかったの分かった?」
三瀬川りんか:「やた!」出てきた缶を手に取って。「えっ……そうなの……?」愕然とした顔。
千原海智:「うん」
千原海智:「わざと間違ったの指さしたの」
三瀬川りんか:「ひどいよー!マジでコーヒー押されたらどうしようかと思ったじゃん!」
三瀬川りんか:明るい茶色の髪。表情と身体がよく動く。どことなく小型犬を思わせる少女だ。
千原海智:「うん、三瀬川さん、そのまま僕に騙され続けそうだったから、罪悪感がね」
三瀬川りんか:「じゃあ最初からからかうなよな~」口を尖らせて。
三瀬川りんか:「でも助かっちゃった。ありがとね、これお礼!」君に軽くジュースを放る。
三瀬川りんか:「さっき間違えて押しちゃったやつだけど」
千原海智:「お」ジュースを受け取る。「そりゃ悪い…って」
千原海智:「…三瀬川さん、ドジっ娘属性?」
三瀬川りんか:「ドジじゃないよ!ジャンプして上の押そうとしてたら身体で押ささっちゃって……」
三瀬川りんか:「……これドジっていうのかな……?」
三瀬川りんか:「てか、千原くん初めて話すよね?家こっちなんだ?」
千原海智:「あ、よくぞ聞いてくれたね!」バチーン!と芝居がかった仕草。
千原海智:「いつも通り歩いて帰ろうと思ったら、何でか今日は道路が僕を離してくれなくてね」
千原海智:「通行止めに交通事故、あらゆる障害が僕を大回りにかきたてたのさ」
三瀬川りんか:「君テンション高いな~……ええー、ツイてないねそりゃ」
三瀬川りんか:「じゃあこの辺の道、よく分かんないんじゃない?」
三瀬川りんか:「一緒に帰ろっか」
千原海智:「お」目をぱちぱち。
千原海智:「いいの? 君に寄り道させるのは申し訳ないよ」
三瀬川りんか:「いいのいいの。千原くんとも話してみたいしね~」
三瀬川りんか:「普段何してんの?千原くんって」既に歩き出している。
三瀬川りんか:「部活とか入ってたっけ」
千原海智:「もしかして、僕のこと好きに……」ふざけようとして、先に歩きだされたので言葉を遮られる。
千原海智:「入ってないよ。帰宅部」
三瀬川りんか:「じゃあわたしと同じだ」笑って。
三瀬川りんか:「じゃあ、帰宅して何してんの?趣味とかは?」
千原海智:「いい質問だね!」
千原海智:「三瀬川さん、天体観測ってしたことある?」
三瀬川りんか:「天体観測?」首を傾げて。
千原海智:小柄な彼女の歩幅に合わせて歩いている。
三瀬川りんか:「ううん。ないない。全然ない」
三瀬川りんか:小さな足でちょこちょこと歩いている。
千原海智:「そっか…。じゃあ、天体望遠鏡の使い方は分かんないか」
千原海智:「誰か、使い方を知ってる人を探してるんだ。ネットで調べてもよく分からなかったから」
三瀬川りんか:「なんじゃそりゃ?」
三瀬川りんか:「千原くんが天体観測が趣味で、その為に望遠鏡を買った~、とか」
三瀬川りんか:「そういう話じゃなくて?」
三瀬川りんか:「無いの?説明書的なの」
千原海智:「そういう話なのかなあ。部屋に天体望遠鏡があったんだよね」
千原海智:「望遠鏡しかない」
三瀬川りんか:「ヤバい部屋だね」
千原海智:「何だと! ほぼ初対面の僕に向かって失礼なことを言うね!」
三瀬川りんか:「だってヤバいじゃん!望遠鏡しかない部屋!天文台かよ~」からから笑って。
三瀬川りんか:「部屋にあったってことは、家族とか知り合いのじゃないの?」
千原海智:「そうなのかなあ……? そうなのかな?」首を傾げる。全く心当たりがない。
千原海智:「しかしまあ、僕の部屋にあるってことは、僕が自由に使っていいという事じゃないか」
三瀬川りんか:「うーん、それは確かに?」腕組みして
千原海智:「天体観測が趣味って、なんかカッコいいし」
三瀬川りんか:「あっ分かる!さっき天体観測が趣味なんだ、かっこいい~!って言おうとしたもん」
千原海智:「カッコいいよね?」
千原海智:「だよね!」嬉しそう。
三瀬川りんか:「かっこいいわ……」頷く。
三瀬川りんか:「でも使い方わかんないんでしょ~?趣味って言えないじゃん」
千原海智:「そうなんだよ! これは大問題だよ」
三瀬川りんか:「あっ!」手をぽんと叩いて。
千原海智:「んっ?」三瀬川さんを見る。
三瀬川りんか:「はいはい!閃きました。言っていい?」挙手
千原海智:「どうぞどうぞ。プリーズプリーズ」手で促す。
三瀬川りんか:「今度わたしにもその望遠鏡見せてよ。二人がかりで使い方調べるの」
三瀬川りんか:「三人寄れば文殊の知恵って言うじゃん。二人でもそこそこ……」
三瀬川りんか:「……」
千原海智:「……」
三瀬川りんか:「もんじゅって何だろ?」
千原海智:「えっ?」
千原海智:「そこ?」
三瀬川りんか:「えっ……」
三瀬川りんか:「気になって……」
千原海智:「僕、今けっこうドキッとしたのに……」
千原海智:「二人きりの青春ドキドキチャンス……」
三瀬川りんか:「何なんだろ?あとでググろ」首を傾げて
三瀬川りんか:「とにかく、それで使い方が分かれば」
三瀬川りんか:「わたし達二人とも今度から、天体観測が趣味です~って人にドヤ顔できるよ」
千原海智:「………あ、一緒に調べてはくれるんだ?」
三瀬川りんか:「えっ、うん。忙しい?」
千原海智:「ううん」笑う。「嬉しい」
三瀬川りんか:「やったやった。じゃあ今度やろうね」嬉しそうに言って。
三瀬川りんか:「いつがいいかな~、星が出てる時がいいのかな……」
GM:そんな会話をしながら、君達は薄暗い高架下に差し掛かる。
三瀬川りんか:「あと晴れた日に……」
三瀬川りんか:「……!」
GM:不意に、三瀬川が表情を変える。
千原海智:「そうだねえ、夜空が綺麗な時……」スマホの天気アプリを開こうとして、その様子に気付く。
千原海智:「?」
GM:その視線の先には────
ジャーム:バタフライ:「イ、イィイイイッ……!」
ジャーム:バタフライ:高架下から飛び出してくる、一体の怪物。
ジャーム:バタフライ:それは巨大な、2mほどもある蝶だ。
ジャーム:バタフライ:六本の脚は、その全てが人間の腕の形をしている。明らかな異形。
千原海智:「……っえぇ!?」
三瀬川りんか:「……!下がって!」
三瀬川りんか:ジャームから庇うように、君の前に出て。
千原海智:「何あのモンスター…って、」「三瀬川さん!」
三瀬川りんか:咄嗟に≪ワーディング≫を展開しようとするが────
三瀬川りんか:「……!」
GM:頭上を走るのは交通量の多い国道だ。
GM:ここで≪ワーディング≫など使えば、大惨事を招きかねない。
千原海智:「ケーサツ、通報、救急車、CG……!?」後ろでワタワタとしている。
三瀬川りんか:「ッ……千原くん!」張り詰めた声を上げて。
千原海智:「はいっ!」
三瀬川りんか:「出来れば……見ないようにして……!」
三瀬川りんか:表情を苦渋に歪めて。
千原海智:「な、何言ってんの…? 逃げ、」
三瀬川りんか:瞬間────
三瀬川りんか: び し り
三瀬川りんか:世界に、穴が開く。
千原海智:「───……!?」
三瀬川りんか:空間そのものに黒いヒビが走り、広がり、どす黒い穴となり。
三瀬川りんか:どこまでも続くかのようなその洞を抜けて、『それ』が姿を現す。
GM:それは女だ。
GM:全身の皮を剥がれた、血塗れの女。
GM:「ぃひ……ひひ、ひ……」
GM:巨大な錆びた鋏を携え、不吉な笑いを零し。
GM:掻き消えるように姿を消す────同時。
ジャーム:バタフライ:「ギッ……アァアアアアァッ!?」
GM:蝶の怪物の体内から、鋏の刃が現れる。
GM:「アハハハハ……」
GM:じょぎ、じょぎと。刃が蝶の身体を切り裂き。
GM:その内臓を撒き散らして、女が体内から姿を現す。
GM:「アッハハハハハハハ……!!」
千原海智:「…………!」その壮絶な光景から、目を逸らせるはずもなく。
千原海智:動揺して立ち尽くしたまま、茫然と、すべてを見てしまう。
ジャーム:バタフライ:「……ギ…………」
GM:力尽きた怪物の身体を裁断し、縫い合わせ。女は『服』を作っていく。
GM:「ウフ……ゥフフフフフ……」
GM:蝶の体液と臓物に塗れた、グロテスクなドレスを身に纏い、満足気に笑って。
GM:開いた『窓』が閉じると共に、女の姿も虚空に溶けるように消えていく。
三瀬川りんか:「…………」
千原海智:「…………」「………ワオ」
三瀬川りんか:能力の使用負荷で、荒い息を吐いて。小さな背中が上下する。
三瀬川りんか:君を振り向いて。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……見た?」
千原海智:瞬きする。
千原海智:「……見るつもりはなかったんだけど」
千原海智:「ついうっかり」
三瀬川りんか:「……だよね……」俯いて。
三瀬川りんか:「ごめん……わたしのせいだ」
千原海智:「え?」
三瀬川りんか:「……まずは、その……」
三瀬川りんか:「嫌なもの見せて、ごめんね」
千原海智:「……いや、待って」
千原海智:「違うだろ。いやいや、それは違くないか三瀬川さん」
千原海智:「今、ちょっと何ひとつ分かっていないし、いやまあ結構ドキドキしてるんだけど」
千原海智:「でも、君が僕を助けたことくらいは分かった」
千原海智:「あ。つまり何をひとつは分かっている訳だね」
三瀬川りんか:「……それは、そうなんだけどさ……」気まずそうに。
三瀬川りんか:「……でも、ごめん。これからちょっと、来て貰わないといけないところがあるんだ」
千原海智:「…………」彼女に何か言おうとして。
千原海智:「…ん? え?」
三瀬川りんか:「……大丈夫。明日には多分、全部忘れてるから────」
三瀬川りんか:事後処理と記憶処理の手配のため、端末からUGNに連絡を取ろうとして。
三瀬川りんか:その身体が、不意に弾き飛ばされる。
三瀬川りんか:「……ッ……あ……!?」
千原海智:「─────!」
ジャーム:バタフライ:飛び込んできたのは、巨大な影。
ジャーム:バタフライ:先程死んだ筈の怪物と似た……いや、まるで同じ異形の蝶。
ジャーム:バタフライ:「ギィイイイッ……!」
千原海智:「もう一体……!?」
ジャーム:バタフライ:巨大な腕を振り回し、我武者羅に暴れ回る。
三瀬川りんか:「う……ぐっ……!」
三瀬川りんか:咳き込み、起き上がろうとするが、先程の能力負荷と攻撃のダメージで、呼吸すらままならない。
千原海智:「いやいやいや…いやいや待て待て」「待て待て待て待て」
ジャーム:バタフライ:「イィイイイ、イィイイイイイッ!!」
ジャーム:バタフライ:甲高い咆哮を上げて、倒れた三瀬川に突進する。
三瀬川りんか:「……千原、くん……」
三瀬川りんか:「……逃げて……」
ジャーム:バタフライ:振り上げられた異形の腕が、三瀬川を引き裂かんと迫る。
千原海智:小柄な少女が、巨大な怪蝶に蹂躙されようとするその光景を見る。
千原海智:「逃げる、だなんて」「そんな事!」
千原海智:「この僕が─────するはずないだろう!」
千原海智:スクールバックを投げ出して、なりふり構わず三瀬川さんの前に飛び出した。
三瀬川りんか:「……!駄目……!!」
三瀬川りんか:背後から悲鳴に近い声が聞こえる。
千原海智:「駄目なものか!」
千原海智:迫りくる怪蝶を見定める。
千原海智:「僕に、不可能は」
千原海智:「無い!」
千原海智:───そう叫ぶと同時。
千原海智:漆黒の影が空間に爆発的に発生し、一気に怪蝶を呑み込んだ。
ジャーム:バタフライ:「────!?」
千原海智:それは彼女を救いたいという渇望であり、目の前の障害となるものをすべて奪いつくすという飢餓の衝動。
千原海智:周囲すべてを呑み込まんと溢れた漆黒の影の波は、やがて怪蝶に食らいつく獣の形に収縮する。
千原海智:その能力の使い方は身体が知っていた。脳内データベースを参照する必要はまったく無い。
ジャーム:バタフライ:「ギ、ギッ……!!?」
千原海智:「悪いが」
千原海智:「その中身を見せてもらうッ!」
千原海智:影を獣を操る右手をグッと握りこめば、影の獣が大きく口を開けて怪蝶の身体を噛み砕き、引き裂ききる。
ジャーム:バタフライ:「ィ、ギ……ギャァアアアアァアッ!!」
千原海智:鋏で切り裂くよりも、その牙は乱暴に。蝶の体液と臓物をまき散らす。
ジャーム:バタフライ:甲高い絶叫と共に、異形の蝶は引き裂かれて絶命する。
三瀬川りんか:「…………!」
三瀬川りんか:目を見開いて、その光景を目の当たりにする。
千原海智:影の獣が、誰にも聞こえない咆哮をあげた。
千原海智:それを契機に、あっさりと獣は消失し、右手は元に戻る。
GM:三体目は……現れない。辺りには元の静けさが戻ってくる。
千原海智:「…………」
三瀬川りんか:「……千原……くん……」呆然として。
三瀬川りんか:「……オーヴァード……だったの……?」
千原海智:「…三瀬川さん」彼女を振り返る。
千原海智:「………」
千原海智:「オーヴァー……」「……何?」
三瀬川りんか:「うぇっ……」
千原海智:「えっ」
三瀬川りんか:「……い、今覚醒したの……?」
千原海智:「え? え、うん」「たぶん」
千原海智:「いや~~、僕もまさか、僕にスーパーヒーローの才能まであったとは思わなかったけど」
千原海智:「人生、何事も挑戦だね。やってみるもんだ」うんうん、と頷いている。
三瀬川りんか:「えぇ……?」
三瀬川りんか:「それにしては自信満々で……」
三瀬川りんか:「いや……ううん。ごめん……分かった」
三瀬川りんか:立ち上がり、スカートの後ろを払って。
三瀬川りんか:ぐい、と君の手を引く。
千原海智:「おいおい、大丈夫? 怪我は?」
千原海智:「うおっ」
三瀬川りんか:「大丈夫。もう直ったから」
三瀬川りんか:「それより、一緒に来て」
千原海智:「えっ、いやいや。いや……え? どこに?」
千原海智:「君の家?」
三瀬川りんか:「わ……わたしそんなに大胆じゃないよ!」
三瀬川りんか:「……さっき行こうって行ったとこ。要件は……」
三瀬川りんか:影に引き千切られた、蝶の死骸に目をやって。
三瀬川りんか:「……ちょっと、変わっちゃったけど」
三瀬川りんか:困ったような顔をした。

???:その様子を、物陰から伺う影。
???:千原くんの腕を引いていく、三瀬川りんかをじっと見つめて。
???:「……」
???:その口元に、笑みを浮かべた。

数時間後 UGN支部
GM:それから君は三瀬川に連れられ、UGNに赴いた。
GM:状況報告と、簡易的な検査。オーヴァードやレネゲイド、UGNに関しての最低限の講習を受け
GM:ひとまず解放される頃には、既にすっかり日が暮れていた。
GM:冷え込んだ冬の夜。君達は支部を出てくる。
三瀬川りんか:「……何かさあ」
千原海智:「ん?」
三瀬川りんか:訝しむようなじっとりとした目で君を見る。
三瀬川りんか:「ホントに今日覚醒したんだよね?」
千原海智:「検査でも出ただろ。正真正銘の初心者オーヴァードだったよ」ハンズアップ。
三瀬川りんか:「妙にコメント詳しい感じだったけど」
千原海智:「そうかなあ。さすがに13も支部があるのは多すぎるって思っただけで…」
三瀬川りんか:「それはわたしも思うけど……」
三瀬川りんか:「ちぇ~っ」
三瀬川りんか:「もっと先輩ヅラできると思ったのにさ~」
千原海智:「したかったの? 先輩ヅラ」
三瀬川りんか:「したくないの?」
千原海智:「そりゃあ」
千原海智:「したいね」
三瀬川りんか:「ほらぁ!でしょー?」けたけた笑って。
三瀬川りんか:「……でも、冗談は置いといてさ……」
千原海智:「何、三瀬川先輩」
三瀬川りんか:「ごめんね。巻き込んじゃって」
千原海智:「……」ぱちぱち。
三瀬川りんか:目を伏せる。「わたしがもっと上手くやれてれば、こんなことにならずに済んだかも」
千原海智:「あんなモンスター……いや、ジャームだっけ。ジャームの襲来は予想できなかっただろ」
千原海智:「《ワーディング》っていうのを使わなかったのも、三瀬川さんが民間人に被害が及ばないよう判断したから」
千原海智:「十分上手くやれてたって」
三瀬川りんか:「……そうだけどさー……」
三瀬川りんか:小さな身体をもっと小さくするようにして。
三瀬川りんか:「何かもっと、もっとさあ……」
千原海智:「んーー………」
千原海智:「ていうかむしろ、僕としては」
千原海智:「僕がこういう能力を手にするのは当たり前だと思うからね!」
千原海智:「そのタイミングが今日だったというだけだろう!」
三瀬川りんか:「当り前って」
三瀬川りんか:「ええ……?そんなん言う人初めて見た……」
三瀬川りんか:「なんでそう思うの?」
千原海智:「そりゃあ」
千原海智:「僕が、千原海智だからだよ」
三瀬川りんか:「???」
三瀬川りんか:「わたしだって三瀬川りんかだけど?」
千原海智:「ん???」
千原海智:「君も世界を救う存在だということかい?」
三瀬川りんか:「????」
千原海智:「????」
三瀬川りんか:「え、千原くんって世界を救う存在なの?」
千原海智:「そうだよ!当たり前だろ」
三瀬川りんか:「知らんて~そんなの!知らん知らん!」
千原海智:「何……おかしいな…こんなに世界と愛し愛されているというのに」
三瀬川りんか:「何だよそれー」思わず笑って。
三瀬川りんか:「えー、じゃあ、これまでに世界を救ったご経験は?」
千原海智:「…………」
千原海智:「…………………」
千原海智:「記憶上はないが、きっとあるに違いないさ!」
三瀬川りんか:「無いじゃんか!」
千原海智:「まあそうなんだけど……」
千原海智:「僕ももうちょっと、根拠を示したかった」
三瀬川りんか:「すごいね君」
三瀬川りんか:「バンドメンバー募集、当方ボーカルみたいな自信だね」
千原海智:「えっ」
千原海智:「普通じゃない? それ」
三瀬川りんか:「もうまず基準が違うんだよなあ」
三瀬川りんか:笑って、息を吐いて。
三瀬川りんか:「……あのさ、マジメな話さ」
千原海智:「ん?」彼女に視線を向ける。
三瀬川りんか:俯いて、上目がちに君を見る。
三瀬川りんか:「……千原くんは怖くないの?こんなことになって……」
三瀬川りんか:「こんな、わけの分かんない力に目覚めちゃってさ」
千原海智:「なんでだよ」白い息を吐いて笑う。
千原海智:「君を守れたんだぞ」
三瀬川りんか:「……」
千原海智:「それに、スーパーヒーローみたいな力に目覚めて、クラスの女子と秘密を共有してるなんて」
千原海智:「青春ドキドキチャンスすぎるだろ」
千原海智:「すごく……ドキドキの予感がするだろ? ライバルキャラっぽい人とかいるのかな」
三瀬川りんか:吐き出した白い息が、夜風に流れていく。ほんの僅かに胸を高鳴らせて。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……千原くんはバカだなあ」
三瀬川りんか:困ったように、楽しそうに笑う。
千原海智:「何だよ、僕は本気だぞ!」
三瀬川りんか:「それはめっちゃ伝わってる」
千原海智:「えっ、うん」
三瀬川りんか:「もう……」呆れたように零して。
三瀬川りんか:「……何かさあ」
千原海智:「何?」
三瀬川りんか:「いや……」
三瀬川りんか:「君と話してると、マジメに悩んでるのがばかばかしくなってくるなあ、って」
千原海智:「んん? 何、何かで悩んでるの?」
三瀬川りんか:「んーん、いいんだー」かぶりを振って。
三瀬川りんか:「言ったでしょ。もうばかばかしくなったから」
三瀬川りんか:ふっと息を吐いて、冬の夜空を見上げる。
三瀬川りんか:「……めっちゃ星出てる」
千原海智:「え?」
千原海智:空を見上げる。
千原海智:「おっ!ほんとだ」
GM:頭上では冬の澄んだ空気に、無数の星々が瞬いている。都市であるN市でこんなに綺麗な星空が見られるのは珍しい。
千原海智:「おお~~~……、ビューティフル………」
三瀬川りんか:「千原くん、なんか星座とか分かる?」
三瀬川りんか:「わたしは全然」
千原海智:「三瀬川さんって、星座とか……」
千原海智:「……今、同じこと聞こうと思ったんだ」
三瀬川りんか:「ダメダメじゃん」くつくつ笑って。
三瀬川りんか:「ねえ、言ってたやつさ」
千原海智:「天体観測?」
三瀬川りんか:「そうそう」
三瀬川りんか:「やろうね」
千原海智:「うん。やろう」
千原海智:「二人でカッコつけよう」
三瀬川りんか:「やろやろ。オシャレインテリぶろうね」
三瀬川りんか:「……じゃあ」
三瀬川りんか:帰路に差し掛かり、足を止める。
三瀬川りんか:「明日、学校でね」
千原海智:「うん………」「……あ、」
千原海智:「いや、待って。ちょっと待ってて。一瞬」
三瀬川りんか:「? なになに」
千原海智:「一瞬だけ!」そう言って、ぱたぱたと駆けていって、
千原海智:数分もせずすぐに戻ってくる。
千原海智:「三瀬川さん!」
三瀬川りんか:「何だよぉ。寒いよ~」
千原海智:「ごめんごめん。これ」
千原海智:手に持っていたものを、放るように渡す。ホットのココア缶。
三瀬川りんか:「おっ」キャッチして。
三瀬川りんか:「あったかい!」
千原海智:「そうだろ!」嬉しそうに言う。「今日くれた、ジュースのお返し」
三瀬川りんか:「え~?お返しのお返しじゃん」
千原海智:「それで、僕を助けてくれたお礼」
千原海智:「どっちかっていうと、お礼の方が本命」
三瀬川りんか:「……」一瞬、きょとんとした顔をして。
三瀬川りんか:「……ふふ」
千原海智:「これでおあいこ」
千原海智:「で、どうかな。どう?」
三瀬川りんか:「そっかそっか」嬉しそうに笑みを零す。
三瀬川りんか:「それじゃあ、謹んでお受け取りしましょう」両手で缶を包むように持って。
三瀬川りんか:「気が利くなあ、千原くんは」
千原海智:「命の恩人だからね、三瀬川さんは」
三瀬川りんか:「へへへ」冷えた頬に温かな缶を当てて。
千原海智:その様子に目を細める。
千原海智:「じゃあ、また明日。学校で」
三瀬川りんか:「……うん。またね、千原くん」
三瀬川りんか:片方の手を振って。
三瀬川りんか:「やろうね、天体観測」
千原海智:「もちろんだ! 望遠鏡の謎を解き明かそう」
千原海智:手を振り返す。「気をつけて。三瀬川さん」
三瀬川りんか:「千原くんもね。なんか君、危なっかしいからなあ」
三瀬川りんか:笑いながら言って、君とは別の道を歩いていく。
GM:そうして、君達は別れた。
GM:今日は昨日とは違ったが、明日また、変わらず会えると信じて。
GM:その小さな約束が、脆く裏切られるとも知らずに。
GM:頭上ではただ、夜空に冬の星々が瞬いていた。



GM:シーン終了です。
GM:ロイス取得のみ可能です。
千原海智:シナリオロイスである三瀬川りんかさんにロイスを取ります
千原海智:世界救済仲間/三瀬川りんか/友情:〇/不安/ロイス



【Masterscene】

GM:ぱちん、と電気を着けると、無人の部屋がぱっと明るくなる。
三瀬川りんか:「ただいまー」
三瀬川りんか:身寄りのない三瀬川に、UGNから提供されたマンションの一室。
三瀬川りんか:当然返事する者がいないのは分かっているが、今日のその声は、普段より少しだけ明るい。
三瀬川りんか:「はあ、さむさむさむ……」
三瀬川りんか:靴を脱ぎ、荷物を置いて。暖房のスイッチを入れて、まだ起動する前から手を翳してこすり合わせる。
三瀬川りんか:「うー……」
三瀬川りんか:なかなか点かない暖房に、不満げな顔をして。
三瀬川りんか:一度は置いたココア缶を、再び手に取る。
三瀬川りんか:寒い夜道を歩いてきたが、まだ僅かに、ぬくもりが残っている。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……千原くん、かあ」
三瀬川りんか:ぽつりと零して。
三瀬川りんか:「……ふふっ」
三瀬川りんか:「変なやつ……」
三瀬川りんか:小さく笑って、ようやく灯った暖房に手を翳そうとして。
???:「こんばんは」
三瀬川りんか:「ふっ……わっ……!?」
三瀬川りんか:不意に背後から聞こえた声に、びくりと背を跳ねさせ、振り返る。
???:そこに……鍵を掛けた筈の室内、食卓の椅子に、一人の少女が我が物顔で座っている。
???:美しい少女だ。長い黒髪に、輝くばかりの金色の眼。どこか浮世離れした雰囲気。
???:「いい夜ですね」
???:にこりと微笑む。
三瀬川りんか:「ああ……はい、そうですね……」
三瀬川りんか:「……い、いやいや……!じゃなくて!」
三瀬川りんか:慌てて距離を取る。
三瀬川りんか:「誰ですか、あなた……!?」
三瀬川りんか:少女のセーラー服を目にして「うちの制服じゃ……ないですけど……」
三瀬川りんか:「ど、どこから入ったんですか……何のご用ですか!?」
三瀬川りんか:「あれです……ケーサツ呼びますよ!」
三瀬川りんか:無意識に縋るように、両手で缶を握り締める。
???:「すいません、申し遅れましたね」
???:「僕は虚空蔵小路朔夜といいます」
三瀬川りんか:「こくぞ……?」
???:「“スターゲイザー”のほうが、通りがいいでしょうか?」
スターゲイザー:そう言って笑い掛ける。
三瀬川りんか:「“スターゲイザー”……って……」
三瀬川りんか:「……な、なんか聞いたことあります。悪い人だって……」
“スターゲイザー”:「む。失敬な」
“スターゲイザー”:「僕のほうはあなたを知っていますよ、“アップサイド・ダウン”、三瀬川りんかさん?」
三瀬川りんか:「……え……」
“スターゲイザー”:「ええ。もう、それはよく」
“スターゲイザー”:「知ってびっくりしましたよ。こんな人生を送っている人がいるだなんて」
三瀬川りんか:「……ッ……!」その言葉に、一瞬で青ざめる。
“スターゲイザー”:「7歳の頃、道路に飛び出して……それを助けようとしたご両親を亡くされてますよね?」
“スターゲイザー”:「一人になった貴女をようやく引き取ってくれたご親族の一家も、覚醒時の能力暴走で殺害……」
三瀬川りんか:「や」
三瀬川りんか:やめて。それだけの言葉が、ひどく掠れた喉からは出てこない。
“スターゲイザー”:「それからも……うわぁ、ひどいですねえ」
“スターゲイザー”:資料のようなものをぱらぱらと捲って。
“スターゲイザー”:「近所の住人、学校の友人、支部の同僚……」
“スターゲイザー”:「ひぇ~、何人死んでるんですか?これ」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:凍り付いたように立ち尽くし、動悸と共に不規則な呼吸を繰り返す。
“スターゲイザー”:「これ全部、貴女の仕業なんですか?」
三瀬川りんか:「ち……」
“スターゲイザー”:「違わないでしょう?」
“スターゲイザー”:「ひどいですねえ。こんな人がいるんですねえ」
“スターゲイザー”:「“特異点”が自分にとって有益な因果を呼び寄せる存在だとすれば……」
“スターゲイザー”:「当然、その逆も存在する。いや~、勉強になりました」
三瀬川りんか:「ち、が……」
三瀬川りんか:「わた、しは……そんなのじゃ……」
“スターゲイザー”:「僕だったら、とてもとても。こんな風にのうのうと生きてられないですよ~」
“スターゲイザー”:「すごい面の皮の厚さですね、三瀬川さん」
三瀬川りんか:「…………」
“スターゲイザー”:「でも、大丈夫です!」
“スターゲイザー”:ぱん、と手を合わせて。
“スターゲイザー”:「あなたのその、殺すしかできない力……」
“スターゲイザー”:「僕なら、有益に使ってあげられます」
GM:瞬間、三瀬川の首元に、虚空から首輪が現れる。
三瀬川りんか:「……っ!?」
三瀬川りんか:反射的に外そうとするが、当然出来るはずもない。
GM:文様の描かれた、恐らくは“遺産”であろうもの。
GM:それが燐光と共に起動し、レネゲイドを放って三瀬川に浸透させる。
三瀬川りんか:「あ、ッ……!?うあ、あぁあああああぁあッ……!?」
三瀬川りんか:絶叫と共に、三瀬川の傍らに巨大な『窓』が開く。
三瀬川りんか:普段彼女が使うものとは比べ物にならない規模のそれから、無数の異形たちが解き放たれる。
三瀬川りんか:棺桶を担いだ白骨の葬列。首の無い六枚羽の鳥。輪郭が常にぼやけ続けている人影。鱗も目も無い巨大な蛇。朽ち果てた十字架を背負った男。
三瀬川りんか:部屋を破壊し、外に飛び出して。すぐに悲鳴が聞こえてくる。その間も、更なる流出は止まらない。
“スターゲイザー”:「あはは」
“スターゲイザー”:響き渡る人々の悲鳴と断末魔を聞きながら、少女は楽し気に笑う。
“スターゲイザー”:「いや~」
“スターゲイザー”:「楽しくなりそうですね」
三瀬川りんか:叫び続ける三瀬川の足元に、小さな缶が転がり落ちた。



【OP/赤川累】

GM:赤川くんのOPです。登場侵蝕をどうぞ。
赤川累:赤川累の侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:40->49)
N市 星辰館高校
GM:HR終了の鐘が鳴る。
GM:教室をざわめきが包む。部活動に赴く者、帰宅の準備をする者、ただ目的も無く友人と話している者────
GM:君もそんな生徒の一人だ。
赤川累:几帳面に一冊ずつ教科書類を鞄に詰めて、立ち上がる。
GM:「累、今日何か予定あんの?」
GM:顔見知りの男子生徒が気安く君に話しかけてくる。
赤川累:部活動には入っていない。代わりにではないが、何もない放課後であれば、大抵はUGNの訓練施設に向かう所だが。
GM:「駅前に新しくカラオケ出来たらしいからさあ、行ってみねえ?」
赤川累:その例外が、例えば彼だ。転校して来て以来、何かとよく話しかけてくる。孤立しそうなのを気遣ってくれているのか。
赤川累:「まあ、ある……といえるほどの予定はないかな」
赤川累:「新しいカラオケ。それは」
赤川累:「君と以前行ったカラオケと、何か違う所があるのか?」
赤川累:単純な疑問としてそう口にする。
GM:君が答えた瞬間。
GM:彼の姿が消える。
赤川累:「……は?」一瞬、目を見開いて。
GM:彼だけではない。
GM:まるで映画のコマが不意に飛んだかのように、教室には君以外、誰もいなくなっている。
GM:窓から見える校庭も、その向こうの街並みにも、およそ人の気配の一切が消え失せている。
赤川累:深呼吸ひとつ、周囲を見渡す。未だ場数は少ない身だが、慌てても何にもならないことは理解している。
赤川累:「……何だってんだよ」呟いて、廊下へと駆け出す。どこかにまだ残っている人がいないかと
赤川累:空の教室の横を幾つも通りながら、校舎外へと走り向かう。並行して片手で端末を操作し、支部への連絡を試みる。
GM:走り出そうとする君の眼前に、人影が現れる。
赤川累:「──っ、と」足を止める。
GM:それは一人の、君と同じ制服姿の少女。
GM:世界全てを包むかのような、痛いほどの静寂の中、口を開く。
“スターゲイザー”:「お久し振りですね」
“スターゲイザー”:「累さん」
赤川累:「……君の仕業か」
“スターゲイザー”:「そんなに怖い顔しないでくださいよ」
“スターゲイザー”:「ただの、ちょっとした演出です」ブレザーにスカート姿で軽やかに歩き、机のひとつに腰掛ける。
赤川累:「何が目的だ? 皆に何をした」
赤川累:構え、敵意を向けてはいるが、まだ攻撃はしない。
赤川累:単純に情報が足りないし、目の前の彼女を殺しても大して意味がないと分かっている。
“スターゲイザー”:「怒らないでくださいよ」
“スターゲイザー”:「ただ……」
“スターゲイザー”:「二人きりでお話したかったんです。貴方と」
“スターゲイザー”:首を傾げるようにして、上目遣いに君を見る。
赤川累:「……怒るな、というのは無理な話だ」
赤川累:「言っただろ。君がした事を、俺は絶対に許せない」
赤川累:「だけど、話くらいは聞いてやる。……話がしたかっただけ、と言うなら」
赤川累:「彼らの命を奪うまではしてないんだな?」確認するように。
“スターゲイザー”:「いい人ですねえ、累さんは」質問には答えず、くすりと笑う。
“スターゲイザー”:「本当に、いい人すぎて、呆れてしまうくらいです」
GM:静寂の中、傾いた西日が教室に差し込んで、君と少女を照らしている。
赤川累:「……君に心配される筋合いはない」
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「累さん」
“スターゲイザー”:「もうすぐ、貴方の世界は終わります」
“スターゲイザー”:「僕が終わらせます」
赤川累:「それは……」いっそう表情が険しくなる。「"オーガン"とかいうやつの事か」
“スターゲイザー”:「はあ?」嫌そうな顔をして。
“スターゲイザー”:とん、と机を飛び降りて、君の額を指ではじく。
赤川累:「心外です、とでも言いたそうだな」
“スターゲイザー”:「誰も彼も、みんな二言目にはそれですね」
“スターゲイザー”:頬を膨らませて「あんなつまらないもの、どうでもいいです。関係ありません」
赤川累:「つまらないもの……まあ、そうだろうな」
赤川累:「君の仕業にしては、らしくはないと思っていた」
赤川累:死地における人の輝き。星の光を見る事こそが彼女の目的であるなら、均一化された世界はその意に反するだろうと。
“スターゲイザー”:「僕が言いたいのは、累」
“スターゲイザー”:「貴方だけなら、特別に」
“スターゲイザー”:「助けてあげてもいいってことです」
赤川累:「……つまり、命乞いが見たいのか?」
“スターゲイザー”:「……僕、そんなに性格悪そうに見えます?」
赤川累:「世界を滅ぼす事を見過ごして、自分だけは助けてくれって方を選ぶんだ」
赤川累:「命乞いと違わないだろ、それは」
“スターゲイザー”:「ただの善意で言ってるんですよ?だって、世界が滅ぶのはもう決まってることですし」
“スターゲイザー”:「貴方には止められませんから」
赤川累:「……それも分からないな」
赤川累:「世界を滅ぼした先に、君の見たいものはないはずだ。違うか?」
“スターゲイザー”:「滅んでしまうような世界なら、どうせ他と変わりませんから」
“スターゲイザー”:「他の世界を見ればいいだけです。僕にはそれが出来ますから」
赤川累:「止めてくれるのを期待してるような言い草だ」
“スターゲイザー”:「ええ、それは勿論」
“スターゲイザー”:にっこり笑って両手を広げる。
“スターゲイザー”:「全力で抗ってほしいんですよ」
赤川累:「……」その笑顔を睨みつける。
“スターゲイザー”:「世界中の人達に。全力で、命を懸けて抗ってほしいんです」
“スターゲイザー”:「それが何より、僕の見たいものですから」
“スターゲイザー”:「ああ、折角なら」
“スターゲイザー”:「貴方もやってみますか?」
“スターゲイザー”:「頑張って、頑張って。それでも無理だって分かった時は────」
“スターゲイザー”:「その時こそ、僕に申し出てください」
“スターゲイザー”:「ちゃんと助けてあげますから」
赤川累:「……君の期待に応じるのは癪だが」
赤川累:「元より選択の余地はない。俺が進むと決めた道は、そういう道だ」
“スターゲイザー”:笑みを深めて君を見る。
赤川累:「……正直に言って、君に僅かながら憐憫を覚えた事はある」
赤川累:「だけど。……いや、だからこそ」
赤川累:「君は滅ぶべき怪物だ」
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:笑みが一瞬途絶えて。
“スターゲイザー”:「……そうですか。そうですか」
“スターゲイザー”:「それなら英雄らしく、退治してみせてくださいよ」
“スターゲイザー”:「楽しみにしてますから」
赤川累:「ああ。……こっちも予言してやる」
赤川累:「終わるのは世界じゃない。君の方だ」
GM:「知り合いがそこでバイトしててさあ、ポテト山盛りと三時間無料のクーポン貰って……」
GM:「……累?」
GM:気付けば、元通りの喧騒が戻ってきている。
赤川累:「──ああ」
赤川累:僅かな間があって、"戻った"のだと理解する。
GM:教室には何事もなかったかのような生徒たち。知人の男子が不思議そうに君を見ている。
赤川累:「いや、悪い。……少し、急な用事を思い出した」
GM:「ええ~?何だ、またかよ?」
GM:「じゃあ、また今度な」
赤川累:「年末も近くて、ちょっとな。立て込んでいるというか……」
赤川累:「色々落ち着いたら、また付き合うよ」
赤川累:そう告げて、教室を出ていく。
赤川累 自宅 マンション
GM:その日の夜。君が支部に一応の報告を終えて帰宅した頃。
GM:部屋の外から、幾つもの悲鳴と破砕音が聞こえてくる。
GM:車のクラクション。サイレンの音。地響き。
GM:外で何か、明らかに異常な事態が起きている。
赤川累:(……まさか、もう始まったのか?)
赤川累:嫌な予感を覚えつつ、ベランダへ出て外を見る。
GM:そこは既に、地獄絵図と化していた。
GM:地上も空中も、無数の異形が闊歩し、人々を襲っている。
GM:見知った街並みが巨木に覆われ、逃げ惑う人々をぼろぼろのドレスの少女達が切り刻む。
GM:走って逃れようとした者が、一瞬で腐り落ち白骨化する。巨大なビルを、さらに巨大な甲虫が緩慢に貪っている。
GM:現実離れした光景。視界で次々と人が死んでいく。
赤川累:「な……っ」
赤川累:息を呑む。対応を思考し始めると同時、身体が動き出している。
赤川累:左手で連絡端末を起動しながら、右手を振るった。手の届く距離にいた異形の数体が黒い灰に変わる。
GM:「う……く、ぁ……」
GM:行く手に、一人の女性が倒れている。
GM:見覚えのある背格好。確か、君の部屋の隣人だ。
赤川累:「っ、貴方は……」僅かに足を止めて、様子を見る。この汚染度であれば、覚醒に伴うジャーム化すらも考えられる。
GM:見ると、女性は正中線から半分が、老人のように干からびて────いや。恐らくは実際に、老化している。
赤川累:「なっ」絶句。周囲に近付いてきていた羽虫の異形を叩き落としながら、駆け寄る。「大丈夫ですか!」
GM:「く、がっ……」
GM:急速な身体の変化によるものか、ごぼり、と吐血する。
GM:駆け寄った君に、女性が震える腕を上げる。
GM:「う」
GM:「ぇ」
赤川累:「──!」振り返り、空を見上げる。
GM:その指が差した先、君の後方から、一羽の鳥が飛び掛かってくる。
GM:ただの鳥ではない。首が無く、羽は六枚。
GM:スクリューのように回転し、君へと突進する。
赤川累:一歩も動かない。集中、静かにその回転を見極めて右手を差し込む──胴体を掴んで、能力を起動する。
GM:「……!」
GM:灰が舞う。半身を失ってぐったりと動きを止め。
GM:……そして、瞬時に再生する。
GM:その鳥だけではない。倒したはずの他の異形たちも、皆再生し、あるいは最初から能力が効いていない。
赤川累:「ぐ、っ……!?」出力が足りないか? 呼吸を整え、意識を更に右手先に集中させて。
赤川累:(──違う。効いてない)途中でそう判断して、掴んでいた鳥を蹴り飛ばす。
GM:「……!」鳥がばたばたと翼を羽搏かせ、そして空中で方向を転換。
GM:倒れている隣人に文字通り『突っ込む』。女性の身体に飛び込んで、姿を消すように同化する。
GM:「あ、が、ぎぃっ……!?」
GM:女性は一瞬、激しく痙攣して。
GM:その背から、鳥と同じ六枚の翼が生えてくる。
赤川累:「……!」止めようと伸ばした手が掠め、空を切った。判断を悔いる間もなく、その光景を目撃する。
GM:「……」女性はぎょろりと感情を失くした目で君を一瞥し、羽を動かして飛び去って行く。
GM:そうしている間も、殺戮は止まらない。悲鳴が響き渡り、次々と人が死んでいく。
赤川累:(……犠牲者と同化して、感染している? クソ、厄介な能力だ)
赤川累:(まだ無事な人の避難……その為にも、安全なエリアを把握する必要がある)
赤川累:思考を止めるな、と教えられた。動揺と後悔を今は呑み込んで、走り出す。
千原海智:1d10+31
DoubleCross : (1D10+31) → 8[8]+31 → 39

千原海智:それと同時、頭上から何かの悲鳴、爆発音、窓ガラスが割れる音。
千原海智:「うおおっ!?」
千原海智:雑居ビルの窓から吹き飛ばされるようにして、少年が落下してくる。
赤川累:音に反応して見上げ、刹那に視線が交わる。……正気の人間の目だ、異形化もしていない。
赤川累:そう判断するや、落下地点へと動いてその身体を受け止める。
千原海智:「どっどいてどいて……」そう悲鳴を上げた直後、予想していた痛みはなく、身体を受け止められる。
赤川累:「無事ですか? いや、この状況で無事と言えるはずもないだろうけど……」
千原海智:「君こそ!」
千原海智:受け止められたままの姿勢で言う。
千原海智:「無事かい? 僕ならある程度守れると思うから、一緒にいるといい!」
赤川累:「……君こそ、と来たか」
千原海智:「うん? うん」
赤川累:「守れる……ああ」この状況で他人を気遣う余裕のある人間。いや、この余裕はそれだけではないだろう。
赤川累:「心配はいらない。俺も、君と同じだ」
千原海智:「同じ? っというと……もしや」
千原海智:「オーヴァード………の方面で?」
赤川累:「あの高さから落ちてきた君を受けて、無事だった……だけじゃ通じないか? ……ああ、いや」
赤川累:「そこまで分かってる方か」この状況で急に覚醒した人間ではない、ということ。
赤川累:「そう、俺もオーヴァードだ」
赤川累:「UGNイリーガル、"シンダーテイカー"。赤川累」
千原海智:「ふむふむ」得心した顔で、ぴょんっと身を起こして立ち上がる。
千原海智:「僕は千原海智! シンダーテイカーっていうのが、なるほど。君のコードネームになるんだろ?」
千原海智:「実はこちらは今日オーヴァードになりたてのド新米でね。コードネームも何もない」
赤川累:「ああ。呼びにくければ、好きな方で呼んでくれていい」
赤川累:「……なるほど。そりゃ災難だ」
赤川累:「まあ……俺だって大概な方だったかもしれないが。初日はここまでじゃなかった」独り言めいて呟きながら。
千原海智:「いや、幸運だよ!」
千原海智:「こんな事態でも」周囲を見回す。「誰かを守る術がある」
赤川累:その目を見て。「……なら、頼る事にしよう。この状況だしな」
千原海智:「…………ん」見回して、ふと気づく。
赤川累:「だが、覚醒したばかりの力はまだ不安定だ。異変を感じたらすぐに言ってくれ……うん?」
GM:新たな獲物を探しているのか、徘徊する一体の異形。
GM:臓物を身に纏い、巨大な錆びた鋏を引きずるその女に、君は見覚えがある。
千原海智:「…………」累くんの言葉に、答えず。
千原海智:それは、三瀬川りんかが自分を守るために召喚した存在だ。間違いなく同一存在で、あるはずだ。
千原海智:「あれは………」低い小さな声で呟く。
GM:その時、赤川くんの端末に通信が入る。
GM:UGNの緊急回線だ。
赤川累:「……! 通じたか」完全な通信遮断まではされていなかった事に安堵しつつ、通話に出る。
GM:『当該地区内の全UGN職員に通達です』
GM:『現在、未確認ジャームの大量発生により、市街地に甚大な被害が出ています』
GM:『高レベルの法則変動と現実改編も確認されており、UGNでは被害の拡大を防ぐべく』
GM:『当該地域の隔離と封鎖を決定しました』
GM:『地区内の職員は可能な限り民間人を救助しつつ、速やかに避難してください』
GM:『繰り返します。以下の地区内の────』
赤川累:「……」魔街、という言葉が脳裏を過ぎる。今この惨状を見れば、その判断も妥当なのだろうが。
赤川累:聞いてたな?と、千原くんの方を見る。
千原海智:「ああ!」頷きます。
千原海智:「僕らで世界を救わなければいけないようだね!」
赤川累:「世界を……」急にそんな言葉を吐くものだから、一瞬目を丸くして。
赤川累:「ああ、そうだ」
赤川累:「この世界を、終わらせる訳にはいかない」
千原海智:「よし、行こうじゃないか赤川くん……」
赤川累:理を欠いた強がりだろうか?結局、"スターゲイザー"の無尽蔵性を打破する手は見つかっていないし、この街は何もできない内からこの惨状だ。
赤川累:(……いいや、違う)胸ポケットに手を当てる。今は何処にもない神社のお守りが入っている。
赤川累:(今はそう見えないだけだ。目の前の灰を払い続ければ、いつかは希望が見えてくる)
千原海智:「赤川くん?」振り向いて聞く。
千原海智:「どこに行けばいいかな」
赤川累:「ああ。そうだな、ここからの避難経路は──」
赤川累:端末から得た情報を元に、彼を先導していく。



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得可能です。
千原海智:僕も取れるのかな? でも保留にするねっ
赤川累:"スターゲイザー":憐憫/〇脅威 で。



【OP/“ディアスポラ”】

GM:ではディアスポラさんのOPです。登場侵蝕をどうぞ。
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(1D10->3)(侵蝕率:39->42)した
N市内 バー『エルゴプラクシー』
GM:薄暗い照明の、小さな店内。
GM:テーブルの間隔は広く、客同士の顔は見えづらく、会話も聞き取りづらい。
GM:この店は、君達が──“デイブレイカー”セルが、N市での密会場所として使っている店だ。
GM:“スターゲイザー”によって多くを奪われた者たちの共同体。
GM:彼──今は彼女を倒す為ならば、手段を選ばぬ復讐者たち。
GM:オーヴァードとパトロン等多くの協力者によって成り立つ、“スターゲイザー”を殺す為の組織。
GM:それが“デイブレイカー”セルだった。
“セプテントリオン”:「来たかい、“ディアスポラ”」
“セプテントリオン”:一人の老婆がテーブルに着き、君を待っていた。
"ディアスポラ":「おまたせ、"セプテントリオン"」入り口からまっすぐテーブルへ近づく。
"ディアスポラ":灰色の髪に厚手の黒いコート、右眼を大きな眼帯で隠した女。
"ディアスポラ":「外、寒いね」マフラーを外して椅子にかける。
“セプテントリオン”:咥え煙草から紫煙をくゆらせ、真っ白な長髪を揺らす。顔には年月を経た深い皺が刻まれているが、その眼光は恐ろしく鋭い。
“セプテントリオン”:“セプテントリオン”。“デイブレイカー”セルのリーダー。彼女もまた、“スターゲイザー”に全てを奪われた復讐者。
“セプテントリオン”:「全くだ。奴もどうせなら南国に行きやがれってんだよ」
"ディアスポラ":「あんまり田舎に行かれても大変だけどね。追いかける方としては」
“セプテントリオン”:煙を吐き出す。外からは見えないが、片脚は義足だ。
“セプテントリオン”:「“イデア”から情報があった」
"ディアスポラ":「へえ……」
"ディアスポラ":「すごいね。堂々と内輪揉めしてるセルなのにそんな上の方ともコネがあるんだ」
"ディアスポラ":「あ、ミルクセーキ一つ」水を運んできた店員に注文を告げて
“セプテントリオン”:「コネなんてモンじゃあないよ」
“セプテントリオン”:「そもそも奴はリエゾンだろう。連絡は仕事の内さね」
"ディアスポラ":「ふーん、上の立場ってのも中々大変だ」
“セプテントリオン”:「……それに、ハッ……あの小僧、アタシに何て言ったと思う?」
“セプテントリオン”:「『お前ほどの女が過去に縋り続けるのは見るに堪えん』」
“セプテントリオン”:「『終わったらまたやり直せ、俺がエスコートしてやってもいいぞ』」
“セプテントリオン”:「……だとさ。全く、馬鹿馬鹿しい」
“セプテントリオン”:ジントニックを口に運ぶ。
"ディアスポラ":「あははは!なにそれ!いい趣味してるねそのオッサン」
"ディアスポラ":「てかいい話じゃん。リエゾンにそこまで言わせる女なんて中々いないでしょ」
“セプテントリオン”:「アンタまで馬鹿言ってんじゃあないよ、全く……」息を吐いて。
“セプテントリオン”:表情を変える。
“セプテントリオン”:「……奴が動いた」
"ディアスポラ":「………」にやけていた表情が消える
"ディアスポラ":「どこ?市内?」
“セプテントリオン”:「ああ。今度は逃げも隠れもせず、表舞台に出てきたらしい」
“セプテントリオン”:「どこもとんでもない騒ぎになってる。UGNもとうとう、奴を殺すのに本腰を入れざるを得ないくらいにね」
“セプテントリオン”:「絶好の機会だ。これを逃したら、次に同じようなチャンスがあるか分からない」
“セプテントリオン”:「少なくとも、アタシが生きてる間にはね」
“セプテントリオン”:“セプテントリオン”が首から下げたロケットを開く。その中身の写真が、彼女が30年以上前に失った夫と子供であることを、君は知っている。
"ディアスポラ":「ああ、閉鎖されてたとこか。最近この規模の事件多すぎて紛らわしいよね」
"ディアスポラ":「………」
"ディアスポラ":「ねえ、"セプテントリオン"」
“セプテントリオン”:「何だい」
"ディアスポラ":「実際どうする?本当にここで」
"ディアスポラ":「……ここで、"スターゲイザー"に引導を渡すことができたなら」
"ディアスポラ":「アンタはその後、どうやって生きていくのかなって」
"ディアスポラ":「私ね、一緒になッた"デイブレイカー"にはなるべく聞くことにしてるんだ」
"ディアスポラ":「アンタとは連絡でしか会ってなかったから聞きそびれてたけど」
"ディアスポラ":「これが最後って言うなら……」
“セプテントリオン”:「やる前から勝った後の心配をする奴がいるかよ」呆れたように。
"ディアスポラ":「えーいいじゃんかー」口を尖らせる
“セプテントリオン”:「皮算用はよしときな。ツキが落ちる」
"ディアスポラ":「ツキなんてあいつと関わった時点でどん底でしょ。私達みんな」
“セプテントリオン”:「それに、どうするも何も……」
“セプテントリオン”:「アタシの人生は、もう終わってんのさ。三十年前のあの時から」
“セプテントリオン”:「アンタはどうなんだい、“ディアスポラ”」
“セプテントリオン”:「奴を倒して、それから、どうする」
"ディアスポラ":「そうだなぁ……」運ばれてきたミルクセーキに口をつけながら
"ディアスポラ":「……昔、古本屋をやってたんだ。この街で。姉貴と、セルのみんなと」
"ディアスポラ":「こっちに来てから一度も行ってないけど、一応店の権利だけは手元に残してる」
"ディアスポラ":「また始めてみようかな。そこから」
“セプテントリオン”:「……」
"ディアスポラ":「その程度のもんでさ、私だって将来に当てなんかないし」
"ディアスポラ":「何が楽しかったのかなんて、大して覚えてもいないけど」
"ディアスポラ":「それでも、悔しいでしょ。私はこうして生きてるんだから」
"ディアスポラ":「生き残っちゃったんだから、幸せにならなきゃ、みんなに悪いよ」
“セプテントリオン”:煙を吐き出して。
“セプテントリオン”:「……希望を持つってのは、いいことだ」
“セプテントリオン”:「奴をぶっ殺す、いざって時に」
“セプテントリオン”:「捨てられる物が一個、増える」
“セプテントリオン”:その眼は、憎悪に濁った復讐鬼の眼だ。
"ディアスポラ":「………」その眼を、憐れみとも憧憬ともつかない表情で見つめて
“セプテントリオン”:「……連中は好きじゃあないが、手段を選んじゃいられない」
“セプテントリオン”:「“デイブレイカー”セルは、UGNに協力する」
“セプテントリオン”:「こっちの情報と戦力を手土産にね」
“セプテントリオン”:「すぐ動くよ。準備は」
"ディアスポラ":「聞くまでもないでしょ」
"ディアスポラ":「例え夢の中でだってアイツを殺せるっての」
“セプテントリオン”:「そうかい」
“セプテントリオン”:紙幣をテーブルに置き、席を立つ。義足が軋む音が聞こえる。
"ディアスポラ":「ねえ」すれ違いざまに彼女を呼び止める。
"ディアスポラ":「私からも一つ贈らせてよ。"セプテントリオン"」
“セプテントリオン”:「?」少し足を止める。
"ディアスポラ":「余計な約束お荷物
"ディアスポラ":「いざって時に捨てられるもの、多いほうが良いでしょ」
"ディアスポラ":「うちの店、一人で切り盛りするにはちょっと広いんだよね。今度は洋書も置きたいし、詳しい奴が欲しかったんだ」
"ディアスポラ":「全部終わったら、うちで雇ってあげてもいいよ。おばあちゃん」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「……ハッ」
“セプテントリオン”:「考えといてやるよ。お嬢ちゃん」
“セプテントリオン”:振り返らず言って、店を出ていく。
"ディアスポラ":「………」それを見送って、しばらく後
"ディアスポラ":懐から古ぼけたナイフを取り出す。使い込まれて傷だらけになった柄に
"ディアスポラ":ストラップがくくりつけられて、その先にこれまた古ぼけたキャラ物の缶バッチが結ばれている。
"ディアスポラ":一つは、かつて恋人に引導を渡した、姉の形見
"ディアスポラ":もう一つは、本当になんでも無い理由で気まぐれに譲り受けた、妹の思い出
"ディアスポラ":「朔夜……」
"ディアスポラ":"ディアスポラ"は、"スターゲイザー"を許さない。自分たち家族の中からその存在が消えるまで、決して
"ディアスポラ":だから、奴のせいで失われたものなんて、なにもあってはならない。
"ディアスポラ":自分たちは、自らのエゴと業で、自らを滅ぼしたのだ。星に魅入られずとも、きっと。
"ディアスポラ":だからこれは、"スターゲイザー"に対するものではない。
"ディアスポラ":あの時、何もできなかった自分自身への
"ディアスポラ":復讐だ。



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得可能です。
"ディアスポラ":セルリーダー "セプテントリオン" 憧憬/憐憫○ で所得します!
"ディアスポラ":以上!



【Middle1】

GM:合流シーンです。全員登場。
千原海智:1d10+39
DoubleCross : (1D10+39) → 1[1]+39 → 40

"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+1(1D10->1)(侵蝕率:42->43)した
赤川累:赤川累の侵蝕率を+4(1d3+3->1+3)した(侵蝕率:49->53)
鳩山依鈴:侵蝕率+4(1d3+3->1+3) (侵蝕率:34->38)
N市UGN 歪曲汚染領域緊急対策本部
GM:街に、巨大なドーム状の壁が聳え立っている。
GM:直径は十数キロはあるだろうか。上方は地上からでは霞んで見えない。
GM:物理的・空間的に隔絶された、あまりにも巨大な壁。一般人が一夜にして現れたそれを見れば、未知の異能の存在を確信し得るであろうものだが、
GM:この状況で何よりも異例であるのは、それが本来異能を秘匿すべき立場である、UGNによって築かれたものということだ。
GM:ドームの外では、人気の消え失せた市街地に幾つもの仮設テントが設置され、大勢のUGN職員が慌ただしく行き交っている。
GM:その内の一つ、この事態への急造の対策本部とされたテントでは今、招集された人員に対するブリーフィングが始められようとしていた。
GM:日本支部エージェント、“ミストミストレス”鳩山依鈴。
GM:事態解決への協力を申し出たFHエージェント、“セプテントリオン”と“ディアスポラ”。
GM:そして、事態との関連性により異例の招集を受けた二人のイリーガル。“シンダーテイカー”赤川累と、まだ覚醒したばかりの千原海智。
朝霧鏡花:「では」
朝霧鏡花:スクリーンの横で口を開くのは書生めいた学生服姿の少女。日本支部チルドレン、“フォーマルハウト”朝霧鏡花。
朝霧鏡花:「状況を説明します」
朝霧鏡花:「現在、N市市街の複数の地区に渡り、未確認存在による物理法則の異常や民間人の殺傷など、甚大な被害が発生しています」
朝霧鏡花:「当初この未確認存在はジャームであるとされましたが、レネゲイドが一切検出されない個体も多く、仮に『災厄存在』と呼称されています」
GM:スクリーンに映し出される異形の群れ。千原と赤川には見覚えのあるものもあるだろう。
朝霧鏡花:「UGNでは当該区域を『歪曲汚染領域』として、封鎖を決定しました」
朝霧鏡花:「モルフェウス・バロール・オルクス能力者を中心とした物理・空間・概念的封じ込めは今のところ順調ですが、常に内側から攻撃と侵食を受けており、作業に当たっているオーヴァードは殆ど不休の状態にあります」
朝霧鏡花:「また、事態の発生から住民の避難と封鎖が完了するまでには27分を要しましたが、その間で領域内の居住者の94%が死亡あるいは行方不明となっています」
鳩山依鈴:「……早く避難を済ませられたのではなくて」
鳩山依鈴:「その必要が減じたせい、といったことろ」
赤川累:「……」表情が歪む。自分達がここへ連れて来られたのも、僅か数人という所だった。
朝霧鏡花:「……平たく言えば、そういうことですね」目を伏せる。
朝霧鏡花:「現在、ほぼ同様の事態がサンフランシスコ・上海・ベルファスト・サンクトペテルブルク・サンパウロ・コルカタ・カイロで発生しており」
朝霧鏡花:「特にベルファストは初動の遅れ、サンパウロは第一次封じ込め処理の失敗、コルカタは人口過密地域での領域展開により、数十キロ範囲での封鎖や数十万単位の犠牲者が出ています」
鳩山依鈴:「ここは、有数のオーヴァード過密地域だからこそ、出来たようなものね」
鳩山依鈴:「この動きを他の都市に求めるのは酷でしょう」
鳩山依鈴:「……本来、隠匿を旨とする我々の方針と、あの壁は相容れないけれど」
鳩山依鈴:「記憶処理部隊としても、“何かよく分からないもの”の被害に遭った様々な記憶よりは」
鳩山依鈴:「“壁を見た”に統一される方が、事後処理としてもマシみたいね」
千原海智:「他の地域でも、その…”災厄存在”っていうのが来ているんだね?」
千原海智:「それは……。誰のせいなのかは、分かっているのかな」
赤川累:「誰のせい、って。それは……」"ディアスポラ"を見る。彼女がここに来ているという事は、間違いないのだろう。
"ディアスポラ":机の上に足をかけて座り話を聞いている。赤川くんの視線に気づいて小さく手をふる。 
朝霧鏡花:「ええ」頷く。
朝霧鏡花:「この一連の事態の原因は、一人のオーヴァードにあります。コードネームは“スターゲイザー”」
GM:スクリーンに写真が映し出される。セーラー服姿で屈託無く笑う、美しい黒髪の少女だ。カメラに向かってピースしている。
"ディアスポラ":「舐めた写真使ってんねぇ」椅子に背をもたれた状態で頭の後ろに手を組み、苦笑する。
千原海智:「……」
千原海智:「この子?」
赤川累:「ああ。違いない」
赤川累:「彼女が"スターゲイザー"だよ」
千原海智:「もっと悪魔みたいな人かと思った……」
赤川累:「本当に狡猾なものは、見た目でそうと分かるようになってないという事さ」千原くんに。
千原海智:「ふむ」赤川くんと視線を合わせる。
鳩山依鈴:「外見を変更する能力も、持っていると推定されますけど」
鳩山依鈴:「ここしばらくは、この姿で固定されているらしいわ」
“セプテントリオン”:「……」
朝霧鏡花:「これまでに愉快犯的な犯行を繰り返して大きな被害を出している、極めて危険なオーヴァードです。能力は複数の並行世界を移動し、自身や物品を自在にやり取りすること」
朝霧鏡花:「彼女からN市UGN宛に、犯行声明が届いています」
朝霧鏡花:「『三瀬川さんは預かりました。返して欲しかったら取りに来てください』」
千原海智:「!」
千原海智:ガタンと立ち上がる。
赤川累:「……君の知り合いか」
千原海智:「……うん。クラスメイトだ」
"ディアスポラ":「で、その三瀬川って子が」
"ディアスポラ":「何だって"スターゲイザー"に名指しで狙われちゃったのかな」
"ディアスポラ":「部外者にもわかるように説明お願いしまーす」
朝霧鏡花:千原と“ディアスポラ”を一瞥して「……三瀬川りんか。N市在住のUGNイリーガルです」
朝霧鏡花:「能力は異空間から未確認存在を召喚すること。以前から研究部でも謎の多い能力と目されていましたが」
朝霧鏡花:「複数の証言から、現在出現している災厄存在と、彼女が行使するものが同一である可能性が極めて高いと見られます」
鳩山依鈴:「“泥黎氾濫ボーダーブレイカー”、だったかしら。今の状況を鑑みるに」
鳩山依鈴:「これを引き起こすため、と判断するのが現時点では妥当だと思う」
朝霧鏡花:「はい。本来の彼女の能力では、異空間に通じるゲートを彼女自身の意思で閉じれば、同時に災厄存在も消失していました」
朝霧鏡花:「現在の状況から推測するに、今の彼女は精神操作等で“スターゲイザー”に協力している、強制的に能力を使用させられている、既にジャーム化しているなどの状態にあると考えられます」
千原海智:「…………っ」眉を吊り上げ、グゥッと拳を握る。
鳩山依鈴:「……3つ目は、まだ分からないでしょう」
赤川累:「……何にしても、この状況を収束させるには。彼女が開いているゲートを閉じさせる必要がある訳ですか」
"ディアスポラ":「はは、一緒くたにして言っていい話じゃなくない?UGNさん」
"ディアスポラ":「3つでだいぶ違うでしょ、対処の仕方が」
鳩山依鈴:「……本来はね」
千原海智:「何?」
鳩山依鈴:「ただ、この状況が、際限なく拡大するようであれば」
鳩山依鈴:「3つとも対処を同じにする、という話も出てくる」
朝霧鏡花:「……」瞑目し、息を吐く。
鳩山依鈴:「勿論、それを絶対是とするわけじゃないけれど」
鳩山依鈴:「私達が、それを、可能性の俎上にあげなければならないほどの」
鳩山依鈴:「そういう状況よ、今は。FHセルの協力を、全面的に歓迎するくらいにはね」
"ディアスポラ":「ま、そうでもないとお呼びがかからないんだろうとは思ってたけど」
"ディアスポラ":「思った以上に切羽詰まってるみたいだね。この街のUGNも」
千原海智:「……分からないな。分からない」
千原海智:「もっと、分かりやすい言葉で言ってくれないと」
鳩山依鈴:「彼女を殺してでも止める必要があるかもしれない」
千原海智:「………」
朝霧鏡花:「……勿論、“スターゲイザー”の討伐が第一目標ですが」
朝霧鏡花:「……それが困難な場合の次善策としては、そうなります」
千原海智:張り詰めた顔のまま、鳩山さんと視線を交差させる。
鳩山依鈴:「……言わずにやられる方が嫌でしょ」
鳩山依鈴:「勿論、そうしないつもりでいる」
鳩山依鈴:「今はね。それで、そうさせないためにも」
鳩山依鈴:「あなた達の力を借りたい」
赤川累:「……仮にそういう手段で一時的に解決したとしても。あいつが残ってる以上は」
赤川累:「また他の誰かが、他の方法で犠牲になるだけだ」
赤川累:「困難だろうと、不可能に見えようと……やるしかない。そういう話でしょう」
"ディアスポラ":「どの道私らは"スターゲイザー"を仕留められないなら協力する理由もない」
"ディアスポラ":「あんたらの言う次善策は私らにとっては完全な失敗、そうでしょ?」
"ディアスポラ":隣の"セプテントリオン"に水を向ける
“セプテントリオン”:「そういうことだ。それじゃあ協力した意味がない」
鳩山依鈴:「誰にとってもよ」
“スターゲイザー”:「くす」
“スターゲイザー”:「くすくす。ひっどーい」
“スターゲイザー”:唐突に、部屋に少女の声が響く。
千原海智:「え」顔を上げる。
赤川累:「っ。相変わらず……!」苦虫を噛み潰したような表情になる。
“スターゲイザー”:「何の罪も無い女の子を殺しちゃうかもって相談ですか?」
“スターゲイザー”:「UGNって残酷ですね〜」
鳩山依鈴:「……先に言っておくべきだった」
鳩山依鈴:「ここから先、私達には」
鳩山依鈴:「安息の時間はないのかもしれない」
“スターゲイザー”:宙空に浮かび、くすくすと笑みを零す少女。その姿は、スクリーンに映し出されたものと全く同じ。
千原海智:「君は……」スクリーンと全く同じ表情で笑う、その少女を見る。
朝霧鏡花:「ス────」
"ディアスポラ":「………」チリ……と頭の奥がひりつき、周囲に冷気が漏れ出す。
GM:瞬間。
GM:ゴ
GM:  ガガガガガガガガガ!!
GM:閃光と轟音。辺りを衝撃が襲い、放たれた砲撃の嵐が、少女の身体を一瞬で引き裂いて肉塊に変える。
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:会議室の壁に大穴が空き、煙が立ち込める。“セプテントリオン”の周囲には、戦艦に搭載されるような巨大な機関砲が数基。
鳩山依鈴:銃を構えたまま、イリーガル2人をかばう位置取りに。
“スターゲイザー”:「挨拶にしては乱暴ですねえ」
“スターゲイザー”:白煙の中、自らの死体の傍らに佇む無傷の少女。
“スターゲイザー”:「そんなに僕と会いたかったんですか?ジェシカさん」
“セプテントリオン”:「……“スターゲイザー”」
“セプテントリオン”:深い憎悪と共に、“セプテントリオン”がその名を口にする。
“スターゲイザー”:「いい加減に学習してほしいですよねえ。何度殺しても無駄なんですって」
“スターゲイザー”:呆れたように肩を竦め
“スターゲイザー”:「あなたにも言ってるんですよ?猪祈さん」
“スターゲイザー”:“ディアスポラ”に目を向ける。
"ディアスポラ":「やめろって言ったよね」周囲の温度が急激に下がっていく
"ディアスポラ":「アンタが呼んでいい名前じゃない」
“スターゲイザー”:「うひゃ~、怖いですねえ」
“スターゲイザー”:「うわ、ていうか揃い踏みじゃないですか?いよいよ本気で僕をやっつける気になった感じですか?」
“スターゲイザー”:面々を見回して。
“スターゲイザー”:「累さんに、鳩山さんまでいるんですか。うわ〜、楽しみですねえ」
“スターゲイザー”:ニコニコ笑いながら視線を移し、
千原海智:「………」
“スターゲイザー”:「……あれ、三瀬川さんと一緒にいた人」
“スターゲイザー”:「あなたもいるんですか」
千原海智:「千原海智だよ」
千原海智:「君にとっては残念ながらね」
“スターゲイザー”:「初めまして。虚空蔵小路朔夜です」
“スターゲイザー”:「残念だなんて。そんなことないですよ~」
“スターゲイザー”:「もしかしてアレですか?三瀬川さんを助けようとしてくれちゃったり?」
千原海智:「そうだよ。僕は彼女を助ける」
千原海智:「で、君を倒す。そういうストーリーだ」
“スターゲイザー”:「わあ……!」両手を合わせて。
“スターゲイザー”:「素敵です!聞きましたか皆さん?」
“スターゲイザー”:「主人公ですよ~!白馬の王子様ですよ!」
“スターゲイザー”:「いいですねえ、王道は何回やってもいいから王道なんですよ~」
赤川累:「……こういう奴なんだ」千原くんに。「人の生き死にを、映画か何かのように思ってる」
鳩山依鈴:「聞いたでしょう。それはつまり、あなたは壇上に上がるってこと」
"ディアスポラ":「あんまりオススメはしないかな。演出家のクセが強すぎるから」
“スターゲイザー”:「三瀬川さんは貴重な存在です。僕でも届かないような世界に窓を開くことができる」
“スターゲイザー”:「彼女自身も知らないでしょうが、あの窓から出てくるモノは、一つ一つが世界を滅ぼした災厄そのものです」
“スターゲイザー”:「でも、そんなものを呼び出せる力を持った三瀬川さん自身が、この世界にとっての何よりの災厄ですよねえ」
“スターゲイザー”:「いや〜、エモいと思いません?」
千原海智:「………」
千原海智:「三瀬川さんは、僕の命の恩人だ」
千原海智:「彼女は、僕を守るために、あいつらを呼んでた。災厄なんかじゃない」
千原海智:「二度とそんなことを口にするな」
“スターゲイザー”:「え~?貴方たち、昨日今日会ったばっかりでしょう?」
“スターゲイザー”:「そんなに怒らないでくださいよ~。貴方だって三瀬川さんのこと、どうせよく知らないでしょう?」
赤川累:「誰かを大切に思うようになるのは、時間だけの問題じゃないだろ」
赤川累:「君はそれを知っているものと思ってたけどな」
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「……ふん!知りませんよ、そんなの!」そっぽを向く。
朝霧鏡花:「……。……何が目的だ。“スターゲイザー”」
“スターゲイザー”:「目的?それは勿論、皆さんの頑張る姿を沢山見たいっていうのが一番ですけど……」
“スターゲイザー”:「もう一つは、ムカつくじゃないですか」
朝霧鏡花:「何が」
“スターゲイザー”:「楽園の十三人、ですって」
“スターゲイザー”:「十三人が合わされば、世界を滅ぼせるとかって。僕はその一人なんだとか」
“スターゲイザー”:「失礼しちゃいますよね。皆忘れてるのかなあ」
“スターゲイザー”:目を細め、君達を見る。
“スターゲイザー”:「世界の一つや二つくらいくらい、僕なら簡単に滅ぼせますよ」
鳩山依鈴:(もしかしたら、私達は)
鳩山依鈴:(そういう呼称を与えることで、彼女を、積極被害をもたらす存在へと)
鳩山依鈴:(引き上げてしまったのかも……)
"ディアスポラ":「ああ、全く同感だね」一歩前に出る。
"ディアスポラ":「アンタに楽園なんて似合わない」どこからともなく、キュウゥゥ……という高音が響く。
"ディアスポラ":「一足先に地獄に行きたいってんなら私が手伝ってやるよ」
“スターゲイザー”:「あ、ちょっと……!やめ……!」
"ディアスポラ":次の瞬間、"スターゲイザー"が浮いていた空間に巨大な氷柱が突き立ち
"ディアスポラ":凍りついたまま、透明な檻の中に囚われる。
"ディアスポラ":「何度でもね」
“スターゲイザー”:「────」
"ディアスポラ":氷柱がひび割れ、その中身ごと粉々に砕け散る。
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「あーあ」
“スターゲイザー”:砕けた自らの破片を見下ろして、既に新たな少女が会議室の椅子に座っている。
“スターゲイザー”:「いい加減やめてくれません?ちょっとイラっと来るたびに殺すの」
"ディアスポラ":「良いだろ。減るもんじゃないんだから」軽口と裏腹に、忌々しげに吐き捨てる。
千原海智:「……スターゲイザー」呼びかける。
“スターゲイザー”:「何ですか?えーと……千原さん?」
千原海智:「さっきの君の質問に答えるよ。…三瀬川さんのことは、確かによく知らない」
千原海智:「今日はじめて話したし、彼女の悩みだって結局聞けず仕舞いだ」
千原海智:「でも、約束したんだ。一緒に天体観測するって」
千原海智:「彼女を助ける理由は、それで十分だ。……それに」
千原海智:「宣言するけれど!」
千原海智:「君が世界を簡単に滅ぼせる存在だというのなら───僕は」
千原海智:「それより簡単に、世界を救うことのできる存在だ!」
千原海智:「もうストーリーはハッピーエンドで決まっているんだよ、スターゲイザー!」
“スターゲイザー”:「……ふ」
“スターゲイザー”:「ふふっ……ふふふ……!」
“スターゲイザー”:「あは……あははは!あはははははは!」
“スターゲイザー”:「えっへぇ~~?」
“スターゲイザー”:「さっきオーヴァードになったばっかりなのに、大きく出ましたねえ」
千原海智:「そりゃあそうだよ」
千原海智:「オーヴァードになったばかりでも、今まで世界を救ったことがないとは限らないじゃないか」
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「何言ってんですか……?」
“スターゲイザー”:「大丈夫なんですか……?この人……」
千原海智:「なんだと!」
千原海智:「そっちこと、オーヴァードでしか世界を語れないなんて……視野が狭すぎるんじゃないか!」
“スターゲイザー”:「ふふっ……ああ、可笑しい……笑わせて頂きました」
“スターゲイザー”:「出来るといいですねえ、天体観測?本当に出来れば、ですけど」くすりと笑んで
“スターゲイザー”:「……この世界の127カ国、それぞれの首脳陣に、ちょっとしたプレゼントをしてきました」
“スターゲイザー”:「B-94“ベラ・ジュニア”。こことは別の世界から持ってきた、31メガトンの核ミサイルです」
千原海智:「えっ」
“スターゲイザー”:「世界を何回か灰にしてもまだ余る数ですけど……みんなに配らなきゃ不平等ですもんね?」
“スターゲイザー”:「楽しみですねえ。これから先、どこが最初に我慢出来なくなるのかなあ?」
千原海智:「オーヴァード以外のことでも語ってきた………!」
千原海智:「視野が広い……っ!」愕然としている。
"ディアスポラ":「感心してる場合か」眼帯に手をかける。
朝霧鏡花:「……諜報部に確認を」小声で通信端末に言う。
“スターゲイザー”:「天体観測の時、世界が焼き尽くされてないといいですねえ。そうでなくても、何発か撃ったらもう夜空なんて見えないでしょうけど……」
“スターゲイザー”:「それでは皆さん、是非是非頑張ってくださいね」
“スターゲイザー”:「世界が滅ぶ瀬戸際ですよ?皆さんの本当の輝きを見せてください」
“スターゲイザー”:「それだけが僕の望みですから」
“スターゲイザー”:「……あ、あとこれお役立ちアイテム。使ってください」
“スターゲイザー”:小さなタブレット型端末を千原に押し付けて、煙のように姿を消す。
千原海智:「わっ」押し付けられる。
赤川累:「……まあ、ろくでもないのに目を付けられたな。君」千原くんに。
鳩山依鈴:「まあ、その観点で言えば、私達は運命共同体よ」
千原海智:「顔だけは可愛いのが卑怯だな、あの子」
赤川累:「違いない。……それに、あの啖呵は上等だった」
千原海智:「サンキュ」赤川くんに笑う。
赤川累:「……あの身体も、別の人間から奪ったものらしいけどな」
"ディアスポラ":「ま、それは同感。二人共にね」千原くんと赤川くんに近づいて。
"ディアスポラ":「また会ったね少年。無事で良かった」赤川くんへ一言かけた後
"ディアスポラ":「そっちの彼も、結構見所あるじゃん」
千原海智:「どうも。ディアスポラさんって呼べばいいかな?」
赤川累:「ええ。まずは良かったです、お互い無事なこと」
赤川累:「それに、UGNとの協力も無事に取り付けられたみたいで」
"ディアスポラ":「まあ、コネならそれなりにあるからね。私もあのおばあちゃんも」
"ディアスポラ":後ろ手に"セプテントリオン"を指差す。
赤川累:「……」視線をそちらに向ける。先ほどのやり取りと、彼女の剣幕を思い出して。
赤川累:「当たり前と言えば、当たり前だろうけど……ずっと一人って訳でもなかったんですね」
赤川累:「少し安心しました」
"ディアスポラ":「……一人なんかじゃなかったよ」
"ディアスポラ":「ずっとね」右目の眼帯に触れる
赤川累:「……」何かを察するが、それ以上追及はしない。
鳩山依鈴:「一人でできることなんて限られてるでしょう」
鳩山依鈴:「むしろ、限られてるべきだと思う。私達は、そうあるべき」
鳩山依鈴:「一人で全てを思い通りにできるなんて、思い上がりよ」
赤川累:「ええ、違いない。……俺達が止めようとしているのも、そういうものだ」
"ディアスポラ":「あ、私のことは好きに読んでいいよ」千原くんに向けて
千原海智:肩をすくめるようにして返事する。
"ディアスポラ":「呼びにくかったら……うん、今から適当に名前考えるし」
千原海智:「好きなように呼ぶさ、お姉さん」
千原海智:「そして、あなたは鳩山さん」鳩山さんに向けて、押し付けられたタブレットを掲げあげる。
千原海智:「これ、何かな。見ていい?」
鳩山依鈴:「ええ。ごめんなさい、名乗りが遅れた」
鳩山依鈴:「日本支部の鳩山依鈴です。“ミストミストレス”」
鳩山依鈴:「どうぞ」と手を出す。「あまり、そういうのにまで仕込む印象はないけど」
鳩山依鈴:「何かあればすぐ手を離してね」
千原海智:「オーケイ。ドキドキの一瞬ってわけだ」
千原海智:言いながらタブレットを操作します。普通のタブレットなのかしら
GM:タブレット自体は市販品とそう変わらない。いくつかのアプリがインストールされていて、中でもマップアプリには目的地が指定されている。ここに来い、と言っているように。
千原海智:それを皆に見せます。
千原海智:「ラブレターみたいだよ、どうやら」
“セプテントリオン”:「……奴のやりそうなことだ」吐き捨てるように言う。
鳩山依鈴:「……私達がゲームのコマか」
"ディアスポラ":「降りれない勝負をゲームって呼べるんならね」
赤川累:「誘い出してるのか。……あいつの場合、本当に手掛かりを置いて居そうだな。あるいは、餌と罠は一緒かもしれないけど」
赤川累:「何にしても、そこを調べる必要はあるでしょうね」
朝霧鏡花:「……“スターゲイザー”に関しては、“デイブレイカー”セルから情報提供があるそうです」
朝霧鏡花:“セプテントリオン”に視線を送る。
鳩山依鈴:「……そうね。まずはそれを聞かせて」
千原海智:「ふむふむ?」セプテントリオンに視線を向ける。
“セプテントリオン”:「……」急ぐ様子もなく、ゆっくりと煙草を吸い、煙を吐き出してから。
“セプテントリオン”:「“ディアスポラ”。アンタもよく聞いときな」
"ディアスポラ":「言われなくても聞いてるってば」受け取ったタブレットをいじりながら
“セプテントリオン”:「まず第一に」
“セプテントリオン”:「恐らく、“スターゲイザー”を完全に殺し切ることは出来ない」
"ディアスポラ":「はあ?」
"ディアスポラ":「いきなりらしくないんじゃないの"セプテントリオン"」
"ディアスポラ":「今度こそ奴を抹殺するって言ってたのはどの口でしたっけ?」
“セプテントリオン”:「婆さんの話は最後まで聞くもんだ」
鳩山依鈴:「それが出来るに越したことはないんだけどね。というと?」
“セプテントリオン”:「……だが、倒すことなら出来る」
“セプテントリオン”:「“スターゲイザー”の能力、並行世界移動は、ああ見えて何もかも自由に行えるわけじゃない。そこにはちゃんとルールがある」
“セプテントリオン”:「並行世界の広がりはよく『分岐』という言葉で表現されるが────」
“セプテントリオン”:資料の裏にペンで図を描く。
千原海智:「並行世界移動……あの、殺してもすぐにピンピンとしてたのも」
千原海智:「それによるものなんだね」
鳩山依鈴:「ええ。正確には死んでいないのではなくて」
鳩山依鈴:「死ぬたびに、別の並行世界からの彼女が登場している」
赤川累:「ああ。あいつは並行世界の自分と意識を共有してる」
赤川累:「一人が死んでも、替えの利く尻尾が千切れた程度の感覚なんだろう」
鳩山依鈴:「世界が一つしかない我々からすれば、同じようなものだけどね」
"ディアスポラ":「無限に連なる並行世界の数だけ残機があるってわけ」
赤川累:「……失礼。それで、その『分岐』がどうしたんです?」
“セプテントリオン”:「端的に言えば、奴が一度に移動出来るのは、そうして分岐──枝分かれした、ひとつ『隣』の世界だけだ」
千原海智:「ふむふむ?」資料の裏に書いてる図を覗き込む。
“セプテントリオン”:「あくまで今いる枝を辿るだけ。隣の枝や別の木に、直接ジャンプすることは出来ない」
鳩山依鈴:「……つまり、殺し切るのでなく倒すというのは」
鳩山依鈴:「この世界に干渉可能な範囲からの“スターゲイザー”の全排除、ということ?」
“セプテントリオン”:「日本支部エージェントともなると、理解が早いね」
赤川累:「よく分かったもんだな、そんな法則……」老婆の執念に感心したように独り言つ。
"ディアスポラ":「……………」
“セプテントリオン”:「遠くの枝に行こうとすれば、それだけの回数の移動と、それに伴う時間が必要になる」
“セプテントリオン”:「そもそも、分岐が……アタシは『縁』って呼んでるがね、それが繋がってない世界もあるらしい」
鳩山依鈴:「……さっきもそう言ってた」
鳩山依鈴:「僕でも届かないような世界に窓を開くことができる、って」
千原海智:「………言ってたね」
“セプテントリオン”:「そう。恐らくその世界とは、『縁』が繋がってないんだ」
鳩山依鈴:「並行世界が無限だとしても、私達が観測できる彼女の存在は無限じゃない」
“セプテントリオン”:「恐らくそういう都合で、奴が渡れる『枝』……並行世界が増殖する時間は、アタシたちの想像よりは遅い」
“セプテントリオン”:「新たな分岐が生まれるよりも速く、奴が渡れる『枝』、そこから現れる奴を、瞬間的に全て刈りつくす」
“セプテントリオン”:「全ての『縁』を失えば、奴はもう二度と、この世界には渡って来られない」
"ディアスポラ":「……でも、それってさ」
"ディアスポラ":「私達からは見えないだけで、私達の"縁"の外には、まだアイツが存在してるってことなんじゃないの」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「恐らく、そうだろうね」
“セプテントリオン”:「不満かい?」
千原海智:「不満だな!」
千原海智:「それじゃあ、しこりが残る。ハッピーエンドとは言い難いんじゃないか?」
"ディアスポラ":「うおっ、急に出てきたな……でも、私もそう思う」
"ディアスポラ":「私の知らない、もう手の届かないところで」
"ディアスポラ":「"ディアスポラ"が……朔夜が弄ばれているとしたら、我慢できない」
"ディアスポラ":「……アンタだってそうなんじゃないの?"セプテントリオン"」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「……全ての世界で奴を殺し切る方法は、今でも分からない」
“セプテントリオン”:「だがね」
“セプテントリオン”:「それは恐らく、奴にとって死ぬより最悪の結果になる」
"ディアスポラ":「死ぬよりも……?」
“セプテントリオン”:「……思わないかい?この世界から排除されそうなら、全て殺し切られる前に、さっさと逃げて回復を待てばいい」
“セプテントリオン”:「今回、それが出来ないのは────」
“セプテントリオン”:「奴がまだ、ジャームじゃないからだ」
“セプテントリオン”:「……信じ難いがね」煙を吐く。
赤川累:「『この世界』から遠く離れたくない……って事ですか?」
“セプテントリオン”:「逃げられない、って意味じゃあ同じだ」
“セプテントリオン”:「“星を見る者”。その名が示す通り、奴は人を弄び、その感情の輝きを見ることを何よりの喜びとしてる」
“セプテントリオン”:「そのクソッタレのお遊びこそ、奴にとっては唯一残った人間性の拠り所なんだ」
“セプテントリオン”:「そいつを失えば、恐らく奴はジャーム化する」
“セプテントリオン”:「“スターゲイザー”はそれを何よりも恐れてる。だから中々表舞台に姿を現さなかったし──」
“セプテントリオン”:「今回に限って言えば、たとえ負けそうになったとしても、逃げられない」
"ディアスポラ":「……よくわかんないな」
"ディアスポラ":「今回と、今までと、一体何が違うっての?」
“セプテントリオン”:「これまでUGNやアンタが関わった件を思い出してみな」
“セプテントリオン”:「奴が姿を見せる時はいつだって、既に目的自体は果たした後なんだ」
“セプテントリオン”:「その後で殺されようと、何の痛手でもない。だから殺されようが気にしないし、煽るだけ煽ってさっさと撤退する」
"ディアスポラ":「………」少なくない事例を思い出す。中国、中東、フランス、そしてN市へ戻ってきてから
"ディアスポラ":リベレイターズ事件、浅葱島の事件、たしかに奴が姿を見せた時には仕込みは全て完了していた。自分たちの時でさえ。
鳩山依鈴:「だからこそ、私達は後手に回ってきた」
鳩山依鈴:「その端末を倒しても、状況は何も変わらなかった」
“セプテントリオン”:「だが、今回は違う」
赤川累:「それが、今回はまだだと? ……既に十分取り返しのつかない事態になっているように見えるけれど」
“セプテントリオン”:「まだ何も終わっちゃいないだろ」
“セプテントリオン”:「世界も、その子もね」
赤川累:「……なるほど。そうか」今度の目的は世界を滅ぼす事だと。確かに彼女はそう言った。
鳩山依鈴:「恐らくは、仕込みの大きさのせいか」
鳩山依鈴:「世界を一人で滅ぼせることを見せるために、準備に時間がかかっている」
鳩山依鈴:「そういう意味では、それを見越した、“十三人”呼ばわりだったのかもしれない」
朝霧鏡花:「……そもそも、言葉通り“スターゲイザー”の脅威を見せつける為だと言うなら」
朝霧鏡花:「当人が表に出て、こうして喧伝しないと意味がないわけですからね」
"ディアスポラ":「奴を焚き付けて身の丈に合わない無理をさせるために、枠に落とし込んだってこと?」
"ディアスポラ":「だとしたら相当やばいね、未来から来たナントカっていう人も」
“セプテントリオン”:「……アタシら“デイブレイカー”は、この時の為に準備をしてきた」
“セプテントリオン”:「40mm自動機関砲台250基。戦闘ドローン165機。AIDA搭載型自律戦闘ロボット、“ゴグマゴグ”38機。同じくAIDA搭載型完全自律カスタムB2爆撃機、2機。TNT換算50キロトンの各種爆薬。そして25人の精鋭エージェント」
“セプテントリオン”:「我々の総力を以って、“スターゲイザー”を殺し尽くす」
鳩山依鈴:「……呆れた戦力」
鳩山依鈴:「よくも私達に気取られず、そこまで集めたものだと思う」
"ディアスポラ":「まー、メンバーの私も知らなかったけどね」呆れたように嘆息
赤川累:「……こっちの数はともかく。予想はついているんですか?」
赤川累:「この世界から"スターゲイザー"を排除し切るために、倒す必要のある数」
“セプテントリオン”:「大雑把な計算だが、恐らく、10分間に約5000から2万体」
“セプテントリオン”:「逃げられなければ、十分に殺れる数だ」
赤川累:「タイムリミット付きか」
鳩山依鈴:「……思ったよりも猶予はないか」
"ディアスポラ":「2万、か。それなら……」眼帯に触れて
"ディアスポラ":「ギリギリ視界に収まる数かもね」
千原海智:「収まるのかい、すごいな」
赤川累:「まあ……無限よりはよっぽど扱いやすい数だ。それは間違いない」
鳩山依鈴:「頼もしい言い方」くすりと笑って。
赤川累:「逆に、俺はあまり向かない作戦かもしれませんけどね。弱音ではなく、客観的な適性として」
“セプテントリオン”:「それから、最後に」
“セプテントリオン”:「アンタ達、伝えてた物は持ってきたかい?」
“セプテントリオン”:「自分にとっての、思い入れのある品」
赤川累:「……ええ。ありましたね、そんな通達」こちらに来る途中の連絡文だ。
千原海智:「ああ、ようやく分かりやすい話に戻ってきて助かった」
"ディアスポラ":「あの通達、セルメンバーだけじゃなかったんだ」
赤川累:「取りに戻っているどころではなかったけど。幸い、肌身離さず持っていましたよ」
鳩山依鈴:「……あれ、何なの?」
“セプテントリオン”:「直接戦う場合、“スターゲイザー”の最も厄介な能力は、遺産の使用や防壁の展開、手駒の召喚じゃない」
“セプテントリオン”:「相手を直接、別の並行世界に飛ばすことだ」
“セプテントリオン”:「面白みに欠けるからか、普段はほとんど使わないがね。なりふり構わなくなれば分からない」
“セプテントリオン”:「本来、喰らえば一発で終わりだ」
鳩山依鈴:「……ええ。それをされたという事例は聞いてる」
鳩山依鈴:「本人からの報告書を読んだ」
千原海智:「本人からの?」
鳩山依鈴:「……帰ってきたということよ」
"ディアスポラ":「あーそういえばそんなこと言ってたっけ、あのおっさん」
"ディアスポラ":「でもあれってかなり特殊な事例でしょ。帰ってきたのも"スターゲイザー"の力だって話だったけど」
鳩山依鈴:「ええ、我々が帰還できるとは限らないでしょうね。ここで問題なのは」
鳩山依鈴:「彼女がそれを出来て、手段として行いうるということ」
赤川累:「つまらないからやらないだけで、あいつにとってはそう難しい芸当じゃないってことか」
赤川累:「それで……思い入れのある品と、どう結びつくんです? この話」
“セプテントリオン”:「今回に限っては、対抗策がある」
“セプテントリオン”:机に小さな装置を置く。未起動状態の、四角い箱のような機械。
“セプテントリオン”:「アタシ達は奴に対抗する手段をずっと練ってきた。人為的に並行世界に移動する手段を開発しようとして……」
“セプテントリオン”:「結局、それは叶っていないがね。だが、これはその副産物だ」
“セプテントリオン”:「“境界攪拌器”とでも言おうか。一時的に、並行世界との境界を曖昧に出来る」
“セプテントリオン”:「自分から移動することは出来ないが、奴に飛ばされた場合……」
“セプテントリオン”:「恐らく、元の世界への『引力』が働くはずだ。精神を強く持って、『縁』を強く手繰り寄せれば」
“セプテントリオン”:「こちらに帰ってこられる……」
“セプテントリオン”:「筈だ」
千原海智:「筈か!」
千原海智:「断言してほしいところだね!」
"ディアスポラ":「ぶっつけ本番ってわけか」
鳩山依鈴:「試してみるわけにはいかないものね」
鳩山依鈴:「彼女に頭を下げてお願いすれば、或いはかな」
"ディアスポラ":「ま、そんな真似するなら死んだほうがマシな連中ばっかだしね。仕方ないか」
“セプテントリオン”:「そういうことさ。要は信じて気をしっかり持てってことだよ」
赤川累:「信じる、ね……」目の前の機械を見やって。
赤川累:「その機械を、って訳にはいきませんけど。……あいつとの縁と、それに」"セプテントリオン"を見て。
赤川累:「ここまでの準備をした貴方の執念は、信じる事にしますよ。俺は」
"ディアスポラ":「大体わかったよ。要はその帰って来るための楔が」ストラップの付いたナイフを取り出す「これってわけだ」
鳩山依鈴:「……私以下、UGNスタッフには所持を徹底させてる」
鳩山依鈴:「そちらのセルも、持ってて貰ってるはずだけど」
“セプテントリオン”:「そうだ」自身のロケットを手に取る。
“セプテントリオン”:「アタシからは以上だ。ここまで手の内を明かしたんだ、しっかり働いとくれよ、UGN」
千原海智:「徹底してるの?」赤川くんに聞く。
鳩山依鈴:「“シンダーテイカー”は、さっき。肌身離さず持ってると聞きました」
赤川累:「ええ。今もここに」胸のポケットに手を置いて。
千原海智:「じゃあ鳩山さんも?」
鳩山依鈴:「……ええ」スーツの上着を開き、胸ポケットを指す。
鳩山依鈴:「縫い付けてある」
千原海智:「わお」思わず顔を両手で覆い、指の間からそれを見る。
鳩山依鈴:「千原くん、あなたは?」
鳩山依鈴:「なにか、拠り所になるものはある?」
千原海智:「そうだな……すごく偶然なんだけど」
千原海智:ポケットをごそごそと漁り、それを取り出す。
千原海智:星のチャームが揺れるストラップ。
千原海智:「これ。たまたま偶然、マジックに成功したんだ」
赤川累:「マジック……?」
千原海智:《イージーフェイカー:テクスチャーチェンジ》を解除。本来の姿に戻します。
千原海智:袖口から伸びる右手が影に包まれ、ストラップと呑み込む。
千原海智:影の獣がもぐもぐとストラップを食べて、地面にぺいっと吐き出せば、それは小さな天体望遠鏡に変化していた。
千原海智:「ね! マジック。僕の能力でこういうことできるかな?ってふとひらめいて、やってみたら出来たんだよね。それで───」
千原海智:「これで三瀬川さんと天体観測をするって約束したんだ」
鳩山依鈴:「……成程」柔らかく微笑む。「それはいい縁だ」
赤川累:「……覚醒してまだ1日経たないんだったか。そこまで使いこなしてるのは、頼もしいな」素直に感心して。
"ディアスポラ":「イカサマの間違いな気もするけど」呆れたように
千原海智:「ふふふふ」また影の獣がガブリと望遠鏡を呑み込み、ストラップに戻している。
鳩山依鈴:「大事にしてね。それも、約束も」
千原海智:「ああ、勿論」
朝霧鏡花:「……」君達を見て。
朝霧鏡花:「……歪曲汚染領域を閉ざす結界は、ほんの一瞬、一箇所開くだけでも重篤なリスク足り得ます」
朝霧鏡花:「既に先遣隊が二陣、未帰還となっていることも踏まえ……人員は最低限に限定されます」
朝霧鏡花:「……上からは」
朝霧鏡花:「出立前に、遺書を用意しておくように、と」
赤川累:「……そりゃ、気の利いた話ですね」
鳩山依鈴:「私達が失敗した時点で、伝える先も無さそうなものだけどね」
朝霧鏡花:「……すいません。僕は今回、ここに残るよう言われています」
朝霧鏡花:「災厄存在が結界を抜けた時に、対処できる人員が必要ですから」
鳩山依鈴:「謝ることじゃないでしょう」
鳩山依鈴:「鏡花ちゃんの出来ることをして」
朝霧鏡花:「……はい」
朝霧鏡花:「……皆さん、どうかお気を付けて」悔しさの滲む表情で君達を、特に先輩である鳩山を見据える。
千原海智:「ふぅむ。書くの?遺書」
赤川累:「いや、俺は書かない」
千原海智:「良かった! 実は、僕もなんだ」
赤川累:「こんな時に、後の憂いを断つもんじゃないからな。伝えたい言葉は、戻って来てから直接言うよ」
赤川累:「そういう気持ちがオーヴァードを繋ぎ止めるんだ。覚えておくといい」先輩の受け売りだけどな、と笑って。
千原海智:「ほお~~~、なるほど…。伝えたい言葉を直接伝えたい気持ちね……」素直に聞いている。
鳩山依鈴:「“ディアスポラ”。あなたは?」
"ディアスポラ":「私も別に。遺すものも、伝えたい人もいないし。……ああ、その代わり」
"ディアスポラ":名前とロッカー番号の書かれたメモを朝霧さんに渡す
朝霧鏡花:「……」受け取って「これは……」
"ディアスポラ":「もしもの時は、そこに入ってる荷物をその人の住所に届けてあげて。クリスマスの朝に」
"ディアスポラ":「UGNのエージェントだから、その名前だけでわかると思う」
朝霧鏡花:「……分かりました」頷く。「必ず」
"ディアスポラ":「どうも。あ、何か聞かれても上手くはぐらかしてね。クリスマスカードには「旅に出ますゴメンね♡」って書いてるから」
千原海智:「FHとUGNって敵対してるんじゃないの? 仲良い人がいるんだ」
"ディアスポラ":「組織の都合と個人の友情は別ってこと。特にFHうちはね」
"ディアスポラ":「友達も何人かはいるけど……」仮面と銀碗の少女を思い浮かべて
"ディアスポラ":「その人とは、約束があったから」
千原海智:「じゃあ、僕と一緒だね。約束仲間」笑う。
千原海智:「お互い、一番良い形で約束を果たそうよ」
"ディアスポラ":「ふふ、生意気」笑い返して
"ディアスポラ":「けど、そうだね」
"ディアスポラ":「それが一番いい」表情を引き締めて歩いていく。
千原海智:「……」それを見送る。
千原海智:「……笑うと可愛くてドキドキしちゃう……」
鳩山依鈴:「こら」笑う。「三瀬川さんはいいの?」
千原海智:「なっ」ドギマギしている。「ななな…な」
千原海智:「み、三瀬川さんは今日会ったクラスメイトで、まだドキドキチャンスじゃないので…」
赤川累:(ドキドキチャンス……?)
鳩山依鈴:今日会った、という言い方に、わずかに引っかかりを覚えるが。
鳩山依鈴:「……そう。どうにもお節介だったかな」
千原海智:「せ…青少年は繊細なのです…!」
鳩山依鈴:「隣の青少年は落ち着いてるけど?」
千原海智:「むぅっ」
赤川累:「まあ、俺は……一度そういうので痛い目を見たので」
千原海智:「……あまり触れない方が良い話?」
赤川累:「……今はそうも言ってられないかな。後で時間があったら話そう」
千原海智:「んん、了解」
千原海智:「鳩山さん、いじらないで…! 微笑まれるとドキドキしちゃうの…!」
鳩山依鈴:「あら。男子高校生トークだ」
赤川累:「最も、これは俺の話だ。どうか、君は今のままでいてくれよ」
千原海智:「分かった。後で聞くし僕は僕のままでいる。それは任せてほしい」
千原海智:「じゃ、僕も先に行くね。ディアスポラさんを見失っちゃうとよくない」
千原海智:にこっと笑って、そのまま退出していく。
赤川累:「頼もしいな」笑って。「ああ、そうだな。少し待たせ過ぎた」
赤川累:一礼して、その後に続く。
鳩山依鈴:彼らが去ったのを見送って。
鳩山依鈴:「……鏡花ちゃん」
朝霧鏡花:「……鳩山さん……」
朝霧鏡花:「帰ってきてくださいね」
鳩山依鈴:「ええ。そのつもりだけどね。二つ」
鳩山依鈴:「一つ目、私の遺書だけど、こちらで借りてる部屋の金庫にある」
鳩山依鈴:「私が死んだ場合の、”この能力の取り扱い”を含めて、ね」
鳩山依鈴:「みんなないって言うから、言い出しづらくって」
朝霧鏡花:「……」「……はい」頷く。特殊な能力を持つ鳩山でなくとも、日本支部所属ともなれば遺書程度は用意している。
朝霧鏡花:「……もう一つは?」
鳩山依鈴:「“マスタールイン”の調査をお願い」
鳩山依鈴:「……ここのところ、ずっと、夢を見る」
鳩山依鈴:「逃れられない、破滅のイメージを。その名前を」
朝霧鏡花:「……」
朝霧鏡花:「……“マスタールイン”?」眉を顰める。怪訝そうに……あるいは、僅かな不安を覚えたかのように。
朝霧鏡花:「聞き覚えの無い名前ですが……マスターエージェントですか?」
鳩山依鈴:「いえ。それすらも分からないの」
鳩山依鈴:「ごめんなさい。要領を得ないことを言っているとは承知しているけど」
鳩山依鈴:「……嫌な予感がする」
朝霧鏡花:「……当たりますからね、鳩山さんの嫌な予感」苦笑して。
朝霧鏡花:「分かりました。こちらで調べておきます」
鳩山依鈴:「当てたくないんだけどなあ」笑って。
鳩山依鈴:「未来を当てるの、これだけでいいんだけど」銃を叩いて。
鳩山依鈴:「とにかく、よろしくね。お互いに出来ることを」
朝霧鏡花:「ええ。待ってますから」
朝霧鏡花:「帰ってきたら、休んでどこか出掛けましょう」
鳩山依鈴:「ああ、それはいいわね……ああ、そうだ」
鳩山依鈴:「カニでも食べに行きましょうよ」



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得と購入が可能です。
赤川累:千原海智:〇尽力/不安 で取ります。
千原海智:わ~い
赤川累:購入どうしようかな……ボディアーマー狙おうか
赤川累:2dx+3>=12 エイッ
DoubleCross : (2R10+3[10]>=12) → 6[2,6]+3 → 9 → 失敗

赤川累:おしまい。
"ディアスポラ":同行者 赤川累:安堵○/心配 で取ります
千原海智:スターゲイザーに 隔意/脅威:〇 で取得します
"ディアスポラ":スニーキングスーツ狙おうかな。《砂の加護》も使って
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:43->46)した
"ディアスポラ":4dx+3>=10
DoubleCross : (4R10+3[10]>=10) → 9[2,7,9,9]+3 → 12 → 成功

"ディアスポラ":買えた!装備します
千原海智:アームズリンク!
千原海智:1dx+6>=15
DoubleCross : (1R10+6[10]>=15) → 9[9]+6 → 15 → 成功

鳩山依鈴:アームドスーツ?
千原海智:そうだ
千原海智:でも買えたので…かえました
鳩山依鈴:ロイス保留で、赤川くん用の防具かしら
赤川累:もしあればうれしい程度!
鳩山依鈴:ボディアーマーを。
鳩山依鈴:3dx+1>=12
DoubleCross : (3R10+1[10]>=12) → 8[5,7,8]+1 → 9 → 失敗

鳩山依鈴:ダメ!
鳩山依鈴:以上!



【Middle2】

GM:全員登場です。
千原海智:1d10+40
DoubleCross : (1D10+40) → 7[7]+40 → 47

千原海智:あっ間違えた まあ…いいや!
赤川累:赤川累の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:53->59)
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+6(1D3+3->3+3)(侵蝕率:46->52)した
鳩山依鈴:侵蝕率+5(1d3+3->2+3) (侵蝕率:38->43)



GM:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
GM:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
GM:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



GM:シーン終了です。






【Middle3】

GM:全員登場です。
赤川累:赤川累の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:59->65)
千原海智:1d3+3+47
DoubleCross : (1D3+3+47) → 3[3]+3+47 → 53

鳩山依鈴:侵蝕率+4(1d3+3->1+3) (侵蝕率:43->47)
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+5(1D3+3->2+3)(侵蝕率:52->57)した



GM:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
GM:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
GM:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



GM:シーン終了です。



【Middle4】

GM:全員登場です。
赤川累:赤川累の侵蝕率を+5(1d3+3->2+3)した(侵蝕率:65->70)
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+5(1D3+3->2+3)(侵蝕率:57->62)した
千原海智:1d3+3+53
DoubleCross : (1D3+3+53) → 1[1]+3+53 → 57

鳩山依鈴:侵蝕率+4(1d3+3->1+3) (侵蝕率:47->51)

---

GM:鳩山さんは難易度15の≪意志≫判定を行ってください。
鳩山依鈴:えっはい
鳩山依鈴:4dx+5>=15
DoubleCross : (4R10+5[10]>=15) → 9[5,6,8,9]+5 → 14 → 失敗

鳩山依鈴:届かないよ~
GM:それではあなたはこれ以降、それまで抱いていた不安感が更に増大します。
GM:更に、他者に“マスタールイン”と世界の破滅について伝えねばならない強迫観念に苛まれることになります。
GM:またこれ以降、エフェクト≪妄想の写し身≫が使用不可能になります。
鳩山依鈴:マジかよ……
歪曲汚染領域 内部
GM:君達はテントの中で目を覚ます。
GM:辺りは元の街並み────とは、言い難い。
GM:ビルや家屋は樹木に覆われ、まだ事態発生から数日と経っていないというのに、まるで数百年を経たかのように朽ち果てている。
千原海智:「あれ?」
GM:持ち込んだ物資は減っているが、ブリーフィング以降の記憶はない。
GM:時刻を確認すると、領域への侵入から、既に28時間が経過していた。
千原海智:「ん? え?」キョロキョロしている。
"ディアスポラ":「……まさかとは思うけど」くたびれたインナーの襟を整えてコートを羽織る
"ディアスポラ":「ずっと寝てましたってことはないよね」
赤川累:身を起こす。何度か咳をする。……喉が渇いている、と分かる。
赤川累:「……すみません。何も覚えていなくて」
赤川累:深刻な表情で、時刻を再確認した後。「何か分かる人は……?」
千原海智:「あっ、皆も覚えてないんだよね!」
千原海智:「良かった、僕だけかと思った。みんなで打ち合わせして、領域に侵入しようとしたことは覚えてる」
赤川累:「俺もそこまでです」端末を開く。何か、眠っている間に連絡が届いていないかと。
鳩山依鈴:「……領域自体に、そのような効用があるとは聞いたことがないけど……」
鳩山依鈴:「……これも、“マスタールイン”の影響……?」独り言つ。
千原海智:「記憶を無くした時のコツは、あまり気にしないようにすることなんだけど」
千原海智:「そうも言ってられないよね」
"ディアスポラ":「そんなしょっちゅう無くしてんの?」怪訝な目で見て
千原海智:「記憶にある限りは二回目だね!」
GM:端末────“スターゲイザー”に渡されたタブレットを確認すると、アプリのひとつに通知マークが出ている。
GM:『スタゲちゃんずかん』と書いてあり、デフォルメされたセーラー服姿の少女がマスコットになっている。
千原海智:「何それ」累くんと一緒に画面を覗く。
"ディアスポラ":「絶妙に憎たらしいなこの絵柄……」
赤川累:「……態々作ったのか、これ」呆れを隠さない様子で、それを開く。
GM:元々は何もデータが入っていなかったアプリのはずだが、起動してみると、今は4項目のデータが記入されている。
GM:どうやら、君達が交戦した災厄存在の記録らしい。

【邪龍ヴルテラ】

禁忌指定魔術の研究により帝都を追放された魔導士、祠堂愛華が復活させた、千年前に封印された世界唯一の“邪龍”。
無限の再生力と死の瘴気(訳注:放射線)を操る力を併せ持ち、復活から三日で“白の帝国”全土を二度と人の住めない土地へと変えた。
核である心臓を破壊するには聖剣が必要だが、封印中に“世界拡散現象”を繋ぎ止めるための楔として既に使用されており、為すすべなく世界は滅びた。


【よしひめ】

光と水と僅かな栄養で増殖する、ナノマシン制御植物。
全国的な増殖食品ブームにあやかり、青森県弘前市で地域振興の一環として製造された人工林檎。元品種は“サンふじ”。
地域の期待と裏腹に売上は芳しくなかったが、ある一般家庭での自己複製の過程でバグが発生。リミッターが損傷してあらゆるバイオマスを栄養に際限無く増殖を始め、約2ヶ月で世界は樹海に呑まれた。


【ゴライアス】

粘菌コンピュータ群によって死体に意識を持たせ動作させる技術“ネクロマンシー”と、それにより造られる生体兵器“アンデッド”。
ゴライアスとは複数の死体を繋ぎ合わせて製造される巨人型のアンデッド全般を指す言葉。装備や改造の拡張性も高い、アンデッドでも特にポピュラーな形式。
単体では単なる兵器としての性能しか持ち合わせないが、ネクロマンシーの蔓延はそれ自体が戦争の激化を著しく加速させ、文明崩壊の原因になり得る危険な技術。


【脳喰い】

人の記憶を喰らう存在。蜂あるいは腹を曲げたトンボのような姿をしている。
その性質自体も脅威だが、繁殖力も極めて高く、確認から一年で世界人類の大半が幼児か白痴のような人間しかいない状態に成り果てた。
どこかの研究の失敗作とも、神が人から知恵の実の害を除く為に放った獣とも言われたが、詳細は不明。


鳩山依鈴:「……何、これ?」
赤川累:「……」二度、その文章を頭から終わりまで読み返す。
千原海智:「交戦記録みたいだね。モンスターを撃破すると項目が明らかになるのか」
"ディアスポラ":「あいつが中学生の時に書いたノートの落書きとかじゃないよね……」
赤川累:「……これが、お役立ちアイテムってわけか?」
赤川累:「交戦記録。しかし、大層なものと戦ったにしては……」皆を見る。目立って外傷の様子は見られない。
千原海智:「僕ら、よほど強かったんじゃないか?」
鳩山依鈴:「……」朝霧鏡花に通信を試みる。
朝霧鏡花:『鳩山さん。ご無事ですか?』
朝霧鏡花:『定期連絡が無いから心配しましたよ』
GM:第四支部製の通信端末から声が聞こえる。先陣の壊滅を受け急遽開発された、レネゲイドに反応して内部に極小のディメンジョンゲートを生成して通信を可能としたものだ。
鳩山依鈴:「……これ、何回目の連絡?」
朝霧鏡花:『えっ……』
朝霧鏡花:『5回目、ですが……』
鳩山依鈴:「……分かった。5回目なのね?」
朝霧鏡花:『はい……』
朝霧鏡花:『……何か、ありましたか』
鳩山依鈴:「私達は、この連絡を1回目だと認識してる」
朝霧鏡花:『……!?』
鳩山依鈴:「領域突入直前からの記憶がない」
鳩山依鈴:「私達の4回の定期連絡の内容を逆展開してもらえる?」
朝霧鏡花:『……能力を受けましたか』
鳩山依鈴:「恐らくね」
鳩山依鈴:端末をスピーカーモードに。
赤川累:「4回目の時点までは覚えてたって事か。その後に"何か"を喰らった……」
朝霧鏡花:朝霧が話すには、君達が災厄存在と戦ったのは確かであるらしい。
朝霧鏡花:たとえ記憶が無くとも、侵蝕率は高まっている筈だという。
朝霧鏡花:また、これまでの君達の歩みから推察するに、
朝霧鏡花:交戦を避けて慎重に進んでいるにしても、もうとっくに領域内を逆側の端まで移動しきっていてもおかしくないはずだ。
朝霧鏡花:恐らく、空間と時間が歪んでいる可能性が大きいという。
朝霧鏡花:「……それから……」
朝霧鏡花:「……今、スピーカーですか?」
千原海智:「そうだよ」端末に向かって声を掛ける。
朝霧鏡花:「鳩山さん。例の件、もう一度お話した方がいいですよね」
鳩山依鈴:「……お願い」
鳩山依鈴:「全員に伝達するべきだと感じる」
赤川累:「例の件……?」
千原海智:「……さっき、鳩山さんが呟いてたやつ?」
千原海智:「マスタールインって言ってたでしょ」
"ディアスポラ":「マスタールイン……」
"ディアスポラ":「……FHにそんな奴いたかな……」
鳩山依鈴:「あれ、私、言ってたっけ」
鳩山依鈴:「ヤダな、聞かれてた……?」
千原海智:目をぱちぱちして頷く。
赤川累:「マスターエージェント……だけど、FHでも名が知られてないのか」
朝霧鏡花:「……結論から言えば、極めて不自然です」
鳩山依鈴:「不自然?」
朝霧鏡花:「データベースに“マスタールイン”の名はありましたが、」
朝霧鏡花:「名前だけ、です」
朝霧鏡花:「既に討伐済み、と。それだけで」
朝霧鏡花:「詳しい能力も、交戦記録も、何もありません」
鳩山依鈴:「……討伐済みであるにも関わらず?それは……」
GM:ここで鳩山さん以外の3人は
GM:≪意志≫難易度30で判定してください。
赤川累:4dx+5>=30
DoubleCross : (4R10+5[10]>=30) → 9[3,7,9,9]+5 → 14 → 失敗

千原海智:2dx+1>=30
DoubleCross : (2R10+1[10]>=30) → 10[9,10]+7[7]+1 → 18 → 失敗

"ディアスポラ":2dx+1>=30
DoubleCross : (2R10+1[10]>=30) → 8[7,8]+1 → 9 → 失敗

GM:ではあなた達はその会話を聞いて、“マスタールイン”の名に言い知れぬ不安を抱き、漠然とした世界の破滅のイメージを抱くことになります。
千原海智:「………」眉を寄せている。
赤川累:「……」表情が強張る。額に手を当てて、何かを思い出そうとするかのように呟く。「マスタールイン……マスタールインか……」
赤川累:自分が感じている脅威の根となるものが何なのか、探し当てるように。……果たして、見つかる事もなく。
"ディアスポラ":「………」ふと、脳裏にある種見慣れた風景が垣間見える。すべての熱が消え失せた、荒涼たる冬の世界。
"ディアスポラ":(けど……これは……)
"ディアスポラ":(あれとも違う。もっと得体の知れないなにか……)
鳩山依鈴:「……改竄の可能性は?」
鳩山依鈴:「これだけの不安を掻き立てる相手が、情報がないというのは奇妙でしょう」
朝霧鏡花:「十分にあり得るかと」
朝霧鏡花:「こちらでも引き続き調査を進めます。……ですが、そもそも」
朝霧鏡花:「皆さん。任務の続行は可能ですか?」
鳩山依鈴:「……ええ。こちらは大した損耗もない」脳にチリチリとした痛みを感じる。
鳩山依鈴:「みんなは?どうかな?」
赤川累:「ええ。続けましょう」
赤川累:「この状況に不安がない訳じゃありませんが。元々、石橋を叩いて渡る余裕もない状況だ」
赤川累:「立ち止まってる内に、守るべきものがなくなったんじゃ意味がない。……大分時間も食わされた」
"ディアスポラ":「アンタらが抜けるって言っても私達は行くけどね」
"ディアスポラ":「そうでしょ、"セプテントリオン"」
“セプテントリオン”:「……ああ」がさり、と物音。
“セプテントリオン”:茂みを掻き分けて姿を現す。両手には汲んできたらしい水。既に一足先に状況も理解しているらしい。
“セプテントリオン”:「当然だろ。何年待ったと思ってる」
千原海智:「………」
千原海智:神妙な顔で口を開く。「……も」「もしかしたら………」
千原海智:「もしかしたらなんだけど……」「何故か。僕は、今、世界が滅ぶイメージを抱いてしまった」
千原海智:「僕は、世界に嫌われてしまったのかもしれない………」苦渋の色に満ちた声で言う。
鳩山依鈴:「……じゃあ、お仲間かもね、私たち」
赤川累:「……変なやつ」
赤川累:「で、良いのか?嫌われたままで」
千原海智:「良くない!」
千原海智:「嫌われるのは…すごく嫌だ!」「怖いし…」
千原海智:「…仲間って何?」
"ディアスポラ":「……私達も同じってこと」
鳩山依鈴:「ええ。同じ夢を見てる」
鳩山依鈴:「世界が滅ぶイメージを……この様子だと、全員?」
朝霧鏡花:『……あの』
朝霧鏡花:『一度、鳩山さんには言ったんですが……』
朝霧鏡花:『……僕も、です』
赤川累:「……そのようですね」
赤川累:皆を見渡しつつ、首肯する。
"ディアスポラ":「うん。漠然として、なんとも説明しにくいけどね」
千原海智:「えっ!」
千原海智:「な……なら、じゃあ、何か、敵の攻撃によるものだよ!」
千原海智:「僕が世界に嫌われるはずないし…多分……いきなり同じ夢を見るなんて、変だしね」
“セプテントリオン”:「少なくとも、偶然じゃあないだろうね」
赤川累:「少なくとも、一度記憶を失ったのは確かだ。認識に作用する力を持った敵がいてもおかしくない」
鳩山依鈴:「だとしても、今出来ることは限られてる」
鳩山依鈴:「そういう力を持つ、災厄存在が居るとするのなら」
鳩山依鈴:「結局は、排除しないといけない。これまで、やってきただろうことと、同じ」
鳩山依鈴:(——いや)
鳩山依鈴:(私が、記憶を失ったのは、本当に、さっきの一度?)
鳩山依鈴:(“マスタールイン”の話を聞いたのは、昴から……)
朝霧鏡花:『……では、任務は続行するんですね』
千原海智:「するする、するよ」
鳩山依鈴:「……ええ。そのつもり」
鳩山依鈴:「実際、記憶を失った原因の、あたりがないわけでもない」
"ディアスポラ":「何度も言わせんなっての」
朝霧鏡花:『……分かりました。何かあればすぐに連絡を』
朝霧鏡花:『お気を付けて、皆さん』通信は終わる。
“セプテントリオン”:「……さて」義足をさすって。
“セプテントリオン”:「行くかい」
鳩山依鈴:「……ええ。行きましょう」
"ディアスポラ":「うん。ここで考えてても仕方がない」
千原海智:「う~ん、もっとカッコいいストーリーのはずだったんだけど……」
千原海智:「分かった。行く行く」
赤川累:「俺は問題ありません。遅れを取り戻しましょう」
“セプテントリオン”:「じゃあ、出発だ」
“セプテントリオン”:「時間が惜しい」

---

GM:choice[千原,鳩山,赤川,ディアスポラ]
DoubleCross : (CHOICE[千原,鳩山,赤川,ディアスポラ]) → 鳩山

GM:君達は、鬱蒼とした樹海に呑まれた街並みを進んでいく。
GM:まるで見たことのない植生が広がり、異様に歪んだ建造物たちはさながら異世界めいて、正気を蝕まんばかりだ。
GM:災厄存在との遭遇を避け、慎重に進む君達の────
GM:否、鳩山依鈴の前方に、
GM:君が心の奥底で、最も恐れている敵が現れる。
GM:“リヴァイアサン”、霧谷雄吾。
GM:ただしその表情からは生気が感じられず、濁った瞳から、君に明らかな敵意を向けている。
鳩山依鈴:「……え」
GM:他の者には、その姿は見えない。
鳩山依鈴:「雄吾さん……?何が……?」
赤川累:「……どうかしました?」足を止めた鳩山さんに声をかける。
“リヴァイアサン”:カチリ、と音がして。
“リヴァイアサン”:手にした銃の撃鉄を起こす。
鳩山依鈴:「待って、何を——!」
“リヴァイアサン”:銃を“ディアスポラ”に向け……引き金を引く。
“リヴァイアサン”:弾丸は、出ない。
“リヴァイアサン”:だが明後日の方向から飛来した銃撃が、彼女の身を貫く。
GM:“ディアスポラ”にとっては、完全に不可知の攻撃だ。
"ディアスポラ":「──────」背後から心臓を穿たれ、声もなく斃れる。
"ディアスポラ":「……ぅ………………ぁ……っ…」ヒュウヒュウと息を漏らしながら、身体を痙攣させる。
鳩山依鈴:「……っ」
鳩山依鈴:「なんで……なんで、それを」
鳩山依鈴:「なんで、雄吾さんが……」
千原海智:「な……っ」「鳩山さん…?」彼女が瞠目して見る方向には、何もない、ように見える。
“リヴァイアサン”:「……」
鳩山依鈴:「どうして、どうして……!えっ?」
赤川累:「……鳩山さん、俺達には"それ"が見えていません」
赤川累:「何があるんですか、そこに」
赤川累:彼女が声をかけている方向を指し示して言う。
“リヴァイアサン”:銃口から燻る硝煙。感情の無い瞳。
“リヴァイアサン”:リロードして、再び君達に銃を向ける。
鳩山依鈴:「……雄吾さんが」
鳩山依鈴:「……いえ。“リヴァイアサン”が」
赤川累:「"リヴァイアサン"って、日本支部長の……」
鳩山依鈴:「銃を、構えて……私の力を、使って……」
鳩山依鈴:「私は、何を見てるの……?」
赤川累:「……偽物でしょうね、それは」後ろに倒れている"ディアスポラ"を僅かに見やり。「だけど実体はある」
赤川累:「理屈は分からないけど。本当に厄介な能力だって事はだけ分かるな」悪態を吐いて、構える。
GM:ミドル戦闘を開始します。

GM:このセッションの進行について説明します。
GM:このセッションではミドルシーンにおいて、通常の情報収集は存在しません。
GM:敵として出現する災厄存在はEロイス≪災厄存在≫を所有しています。
GM:このEロイスを持つエネミーは、そのエネミーに応じた特定の手段を用いなければダメージを与えられない、もしくは何度でも復活します。
GM:また、通常ルールのエフェクトの所有制限に縛られず、その他様々な特殊能力を持ちます。
GM:PCは戦闘中、メジャーアクションを消費することで、災厄存在を倒す方法を知ることができます。
GM:使用技能は任意の≪情報≫です。
GM:ミドル戦闘後、エネミーの所有しているEロイス数に応じて、即座に侵蝕率を減少することができます。
GM:また、災厄存在を1体倒すごとに、経験点5点を獲得します。こちらの使用はシーン間で行ってください。
GM:ここまでで何かご質問はありますか?
千原海智:経験点獲得してシーン間で使用する、という点に関してなんですけど
千原海智:これは、今回のセッション中、その経験点による成長は永続するって理解で大丈夫でしょうか?
GM:その通りです!
千原海智:了解です!
赤川累:こちらは質問ないです~
"ディアスポラ":大丈夫!
鳩山依鈴:OK!
GM:ではやっていきましょう~

GM:エンゲージはこちらです。
エンゲージ []内は行動値



赤川[15]ディアスポラ[13]鳩山[6]千原[2]

???[9]エンゲージ不明


GM:今回の情報難易度は13です。
GM:セットアップから!
赤川累:ないです。
"ディアスポラ":なし!
鳩山依鈴:なし
千原海智:なし!
GM:あ、忘れてた
GM:NPCカードが使用可能です。

“セプテントリオン”
判定直後に使用。判定達成値を+5する。1シーン1回まで使用可能。


"ディアスポラ":助かる~
赤川累:ちょうべんり!
鳩山依鈴:えらい
千原海智:いいひと!
GM:こいつつよ……忘れてたこいつがこんなにつよいの
GM:つよすぎるので情報難易度が15になります
鳩山依鈴:www
千原海智:www
鳩山依鈴:そんな調整ある?
千原海智:使わせようとしてきてる
"ディアスポラ":ひどい!
赤川累:あ、そういえばいっこ質問忘れてた
赤川累:ここの情報判定ってコネ使えます?
GM:あ、そうそう
GM:コネも財産も使用可能です。
赤川累:やったあ
千原海智:よかった~
GM:では行動値15、赤川くんの手番です
赤川累:はい。マイナー、5m前方へ移動。
エンゲージ []内は行動値



ディアスポラ[13]鳩山[6]千原[2]

(5m)

赤川[15]

???[9]エンゲージ不明


赤川累:メジャーで情報判定をします。コネ:UGN幹部使用。
赤川累:4dx>=15 情報:UGN
DoubleCross : (4R10[10]>=15) → 9[1,5,8,9] → 9 → 失敗

赤川累:財産1とセプテントリオンさん使用します。
GM:チィ~ッ
GM:では情報判定クリアです。公開します
赤川累:財産6->5

【災厄存在:赤い影】
災厄存在の本体は、鳩山依鈴の網膜に寄生し、そのレネゲイドを利用して攻撃を行っている。
倒すには鳩山の眼球ごと攻撃し、取り除かなければならない。


“セプテントリオン”:「……そこの坊主!」
赤川累:「っ、何です!?」
“セプテントリオン”:虚空から幾つものドローンを展開し、周囲を精査する。
“セプテントリオン”:「こっちからは何も見えない。ステルス化してる敵がいるわけでもない!」
“セプテントリオン”:「そっちから何か分からないか!」
赤川累:姿の見えない相手に対して、散開する動きを取りつつ鳩山の示した地点へと足を向けて。「いえ──」
赤川累:「触れるどころか、何かが動く気配もない。むしろ、これは……」振り返り、鳩山さんの方を見る。
赤川累:「理屈を超えたレベルの隠密か。そうでなければ」
赤川累:「観測者の中にいるパターンだ」
GM:鳩山の瞳、その瞳孔の中で、小さな影が僅かに蠢く。
赤川累:「……何か感じませんか?自分の内側に、違和感のようなもの」
鳩山依鈴:「……攻撃の瞬間」
鳩山依鈴:「レネゲイドを使われているような……それが」
鳩山依鈴:「それが、私の体に居る?」
“リヴァイアサン”:「……」鳩山の視界では、今も“リヴァイアサン”が──最愛の相手が銃を構えている。
赤川累:「小さな影が、今」鳩山の眼を指し示す。「……貴方の瞳孔の中に」
鳩山依鈴:「ああ、じゃあ、これは」彼女にとっては視界の先。
鳩山依鈴:彼らにとっては何もないところを見て。
鳩山依鈴:「実在はしてないのね。よかった」
千原海智:「いや……いや、そういうことじゃないだろ」
赤川累:「……種は割れた。けど、これを解くとなると……」
鳩山依鈴:「眼に居るのならば、対処は簡単でしょう」
鳩山依鈴:「こっちには《リザレクト》があります」
鳩山依鈴:「お願いね……といっても、多分」
鳩山依鈴:「あなた達には刺激が強いかな……」男の子2人を見て。
鳩山依鈴:抗レネゲイド作用をもたらす、特注の上着を脱ぐ。シャツ姿に。
鳩山依鈴:「お願いできる?」傍らの"ディアスポラ"へと。
赤川累:「……冗談言ってる場合ですか」僅かに苦々しい表情を浮かべて、そう応じる。
"ディアスポラ":「当然」彼女の背後から音もなく現れる。
"ディアスポラ":先程銃を受けて倒れた影は、雪の塊となって解けて消えている。

鳩山依鈴:ということで、イニシアチブで防具を脱ぎます。
GM:では行動値13、ディアスポラさんの手番です。
"ディアスポラ":はい!
"ディアスポラ":《陽炎の衣》隠密化
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:62->65)した
"ディアスポラ":すいませんGM。今更ですけど今回隠密中に自分にオートエフェクト打つのはOKですか?
GM:自分ならいいということにします!
"ディアスポラ":ありがとうございます!
"ディアスポラ":『シャドウプレイ・スキュア・ツインピース』《見えざる死神》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》判定に《砂の加護》《砂塵霊》
"ディアスポラ":ナイフを装備して鳩山さんに攻撃します。
GM:判定どうぞ!
"ディアスポラ":11dx7+1
DoubleCross : (11R10+1[7]) → 10[1,1,3,4,4,4,7,7,8,8,10]+10[3,4,4,5,10]+10[8]+10[9]+10[7]+10[8]+1[1]+1 → 62

鳩山依鈴:私に殺意ない……?
GM:迷いがない
GM:鳩山さんはリアクションしますか?
"ディアスポラ":不意打ちの恨みじゃ~
鳩山依鈴:ガードしますね ガード値ないけど
GM:ではダメージをどうぞ。
"ディアスポラ":7d10+36+2d10
DoubleCross : (7D10+36+2D10) → 31[4,3,3,7,4,7,3]+36+9[5,4] → 76

千原海智:殺意満々じゃん
GM:強すぎ
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+10(侵蝕率:65->75)した
鳩山依鈴:私は死ぬわよ!リザレクトします~
鳩山依鈴:これ別に私がリザレクトしたからと言って
鳩山依鈴:敵も回復しちゃうことはないよね……?
GM:それは大丈夫です!
鳩山依鈴:侵蝕率+3(1d10->3) (侵蝕率:51->54)
GM:『赤い影』のHPは1。
GM:死亡します。復活もありません。
鳩山依鈴:オーバーキルやんけ!
赤川累:めっちゃ貧弱!
千原海智:何~ッ
"ディアスポラ":マジかよ
GM:戦闘終了です。

"ディアスポラ":「……ッ」口元から一筋、血が伝う
"ディアスポラ":不意打ちの銃弾は確かに"ディアスポラ"の背後から心臓に当たった
"ディアスポラ":そのまま弾丸が心臓を貫いていれば、この程度では済まなかっただろう。しかし
"ディアスポラ":口から白い息が漏れる。着弾の瞬間、体組織を凍結させて弾丸を急所から逸らした。その名残
"ディアスポラ":(また助けられちゃったな……歩人さん)
"ディアスポラ":「……下手に動かないで」鳩山さんを後ろから羽交い締めにし、ナイフの切っ先をその左目に突きつける。
"ディアスポラ":「"治りやすいように"斬りはする。けれど」
"ディアスポラ":「きれいな顔に、傷はなるべく遺したくないからね」
鳩山依鈴:「あはは。ありがたいな」
鳩山依鈴:「大丈夫」眼前のナイフをまじまじと見る。
鳩山依鈴:「目は逸らさないわ」
"ディアスポラ":「………」
"ディアスポラ":ぐりっ
"ディアスポラ":ナイフの切っ先が眼球に突き刺さり
鳩山依鈴:「あぐっうっ!!!」
"ディアスポラ":瞬時に、網膜の表面を凍結させる。
千原海智:「……っ」顔を歪ませる。
鳩山依鈴:「ああっ……!ぐっ……!」
GM:鳩山の眼球から、空中に赤い靄が噴出する。
"ディアスポラ":そのままナイフを振り切り、靄へと投擲。
GM:血液ではない。煙がまるで意志を持ったかのように苦しみ藻掻く動きを見せ、
GM:ナイフに切り裂かれて完全に霧散する。
"ディアスポラ":煙るような赤い靄は、霧散する中で凍りつき
"ディアスポラ":細かな赤い砂となって地に落ちた。
鳩山依鈴:「ふうう……っ!」自分の袖を噛んで漏れ出る悲鳴を押さえて。
鳩山依鈴:「……」
赤川累:飛び出した赤い靄を目で追って、無力化した事を確認して。
鳩山依鈴:「……どう?」
"ディアスポラ":「大丈夫。仕留めた」ナイフを拾い、その血を拭う。
鳩山依鈴:「さっすが」
"ディアスポラ":「………ごめん」蹲る鳩山さんに手を差し出す。
鳩山依鈴:「先に傷つけたのは私でしょう」その手を取って。
鳩山依鈴:「あなたが謝ることじゃない。むしろ、よくやってくれた」
鳩山依鈴:「最小限の被害で食い止められたと言っていいと思う」
"ディアスポラ":「……うん」
"ディアスポラ":鳩山さんの顔に手を伸ばし
"ディアスポラ":こびりついたままの血を指で拭う。
"ディアスポラ":「……………」顔を近づけ、先程斬り裂かれたばかりの瞳を覗き込んで
"ディアスポラ":「うん、大丈夫。治ってる」安堵したように笑う。
"ディアスポラ":「綺麗だよ。依鈴」
鳩山依鈴:「そう。まだ見えないからちょっと不安だった」
千原海智:「……こういうことばっかりしてたのかな、僕ら?」
赤川累:「あの図鑑の情報が事実なら、そうでもなさそうだけど」周囲を警戒していたが、これ以上付近に敵はなさそうだと戻って来て。
鳩山依鈴:「ありがとう、“ディアスポラ”……でいいのかしらね、呼び名は」
"ディアスポラ":「うん、それでいい。名前は……」
"ディアスポラ":「また会えた人にだけ、教えることにしてるんだ」
鳩山依鈴:「ああ、いいわね、それ」
鳩山依鈴:「帰還の楽しみが一つ増えちゃった」
鳩山依鈴:「……図鑑は?増えてる?」
赤川累:「ああ……そういえば。これで今のが載っていれば、多少はこの図鑑の裏付けになるか」端末を開く。
GM:端末には新たな項目が増えている。それは『赤い影』と名付けられているらしい。
赤川累:「増えてますね」皆の方へ画面を見せる。
鳩山依鈴:「……なるほど。どうにも、本物のよう」
鳩山依鈴:「こんなにもリアルタイムでってことは、これも全部監視されているのかな。そこは癪ね」
“セプテントリオン”:「全くだ」
“セプテントリオン”:「これ以上、奴の掌で踊らされるのは御免だよ」
千原海智:「……早く目的地に辿り着きたいね」
千原海智:「刺激が強いよ…こういうのは。あんまり嬉しいものじゃない」
赤川累:「ああ、その感性は大事にしていい」
鳩山依鈴:「ええ。慣れたくはない」
"ディアスポラ":「うん、こんなことばっかやらされてたら身が持たないし、それに……」
"ディアスポラ":先程の鳩山さんとの会話を思い出す。
"ディアスポラ":「(ああして話せたことも、覚えてないんだとしたら)」
"ディアスポラ":「(少し、嫌だな……)」
赤川累:「こんな場所に慣れれば、それだけ人から遠のく。……忌まわしい物への嫌悪感が、オーヴァードを日常へ引き戻すんだ」千原くんに言う。
千原海智:「……君は?」
千原海智:「君はどうなんだ、赤川くん」
赤川累:「俺?」
千原海智:「経験からくるアドバイスにしては、他人事みたいな口ぶりじゃない?」「気のせいかな」
赤川累:「……バレたか。これも、教わった言葉そのままだからな」
赤川累:「実は、先輩って言うのをやるのは初めてでさ。こんなに早くやる事になるとは思わなかった」
千原海智:「あ、そうなんだ?」
赤川累:「少しはらしくしようと思ってたんだけどな。まだまだ拙かったみたいだ」自重するように薄く笑う。
千原海智:「らしくしようとしてくれてありがとうって言うべきかな」こっちも笑う。
千原海智:「君のこと、あとで話をしよう…って言って、結局したのかどうかも覚えてないからね」
千原海智:「覚えてるうちに、じっくり話そう。話せる所でね」言いながら、先に進んで行く。
赤川累:「どういたしまして。……ああ。そうだな、次は忘れないように注意しよう」



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得と……あと購入も可能にします ここまでのどこかで拾ったか用意してた感じ
千原海智:累くんに取得しておこう 友情:〇/疎外感
千原海智:応急手当買います~
千原海智:1dx+6>=8
DoubleCross : (1R10+6[10]>=8) → 3[3]+6 → 9 → 成功

千原海智:やった 鳩山さんに挙げます
鳩山依鈴:わーい
千原海智:使って使って! こちら終わりです
鳩山依鈴:ロイス取ろう
鳩山依鈴:同行者/"ディアスポラ"/信頼:○/不安/ロイス
赤川累:こっちも応急かなあ。戦闘多そうだし
赤川累:3dx+3>=8
DoubleCross : (3R10+3[10]>=8) → 10[4,7,10]+3[3]+3 → 16 → 成功

赤川累:買えた!使いたい人いたら使って良いよ~ いなければこのままもっとく
赤川累:ロイスは保留で。以上です。
"ディアスポラ":同行者 鳩山依鈴 親近感○/負い目 で取得
"ディアスポラ":応急にしとこうかな。何個あってもいい
"ディアスポラ":2d10+3>=8
DoubleCross : (2D10+3>=8) → 7[1,6]+3 → 10 → 成功

"ディアスポラ":こちらも成功!以上!
鳩山依鈴:じゃあとりあえず使わせてもらお
鳩山依鈴:3+2d10
DoubleCross : (3+2D10) → 3+15[9,6] → 18

千原海智:良い出目だ~
鳩山依鈴:赤川くんのももらう~
赤川累:もってって~
鳩山依鈴:18+2d10
DoubleCross : (18+2D10) → 18+14[10,4] → 32

鳩山依鈴:MAX26まで全回復しました
千原海智:よかった~
"ディアスポラ":じゃあ私のは残り!いつでも使っていいからね~
鳩山依鈴:こっちも応急かっとこ
鳩山依鈴:3dx+1>=8
DoubleCross : (3R10+1[10]>=8) → 5[3,4,5]+1 → 6 → 失敗

鳩山依鈴:失敗だ
鳩山依鈴:おわり!
GM:忘れるところだった シーン終了処理です
GM:Eロイス分侵蝕率を減少できます。今回は≪災厄存在≫1個だけ。また経験点5点を全員に差し上げます。
GM:振りたくばお振りなさい!
"ディアスポラ":振る!
"ディアスポラ":75-1d10
DoubleCross : (75-1D10) → 75-5[5] → 70

赤川累:振ります~
鳩山依鈴:やった~振ろう
鳩山依鈴:54-1d10
DoubleCross : (54-1D10) → 54-4[4] → 50

赤川累:70-1d10
DoubleCross : (70-1D10) → 70-2[2] → 68

千原海智:振っておくか~
千原海智:57-1d10
DoubleCross : (57-1D10) → 57-4[4] → 53

赤川累:経験点使用もするなら今なのよね
GM:あっそうですね
GM:次回開始前でもいいよ
赤川累:あ、じゃあそうします!
GM:はーい
千原海智:そうしま~す!



【赤い影】

赤いガス状の生命体。人の網膜に寄生し、読み取った記憶からその者の最も恐れる姿を映し出す。
寄生対象が一般人の場合は自傷と破壊行動を引き起こすだけだが、オーヴァードの場合はレネゲイドを利用して周囲に攻撃する。
正体が知られていない発生初期に広域破壊能力を持つオーヴァードに感染して大惨事を引き起こした他、大国の首脳を含む多くの民衆をノイローゼに陥らせ、悲劇を招いた。




【Masterscene】

国際宇宙ステーション“やたがらす”
UGNやたがらす支部 オペレーションルーム
GM:「もう聴いた?アレだよ。いや、アレで分かるっしょ?」
GM:衛星軌道上に浮かぶ国際宇宙ステーション、“やたがらす”。
GM:ここを拠点とするUGNやたがらす支部は、無重力化での実験施設や軌道上で戦うエージェントのための補給施設など、様々な設備を備え、業務を行っている。
GM:「みゅ~☆みんの新譜だって!それ以外にないっしょ!?」
GM:軌道上からの監視任務もそのひとつ。だが、そのような形で確認できる事態など、オーヴァードの犇めく昨今においても数か月に一度あるかないか。
GM:「はあ~?まだ?あり得ん……何の為に生きてんの?」
GM:要するに閑職だ。貴重な大型回線設備も、こうして地上との通話に浪費している。
GM:「じゃあ同時試聴しようよ。公式でYoutubeにPV上がってるから」
GM:眼下に広がる青い星の美しさも、四六時中見ていればただの日常だ。
GM:「……」
GM:曲の最高潮で、一瞬画面に集中して。
GM:「……いやぁ~……」溜息を吐く。
GM:「そうっしょ?めっちゃ良かったっしょ?」
GM:「特にラスサビ前のタメからの爆発が……」
GM:「……あれ」
GM:見下ろした地球に、雲が広がっている。
GM:目を離したのはほんの僅か、数秒だけのはずだ。
GM:だが、ぽっかりと空いた目を中心に、白く巨大な、分厚い雲が渦を巻き。数秒前まで晴れていたはずのアメリカ大陸の上空を覆っている。
GM:「ハリケーン……って……は?こんないきなり……」
GM:「ご、ごめん!ちょっと切る……」
GM:「よ……」
GM:出来の悪い合成映像を見ているかのように。
GM:全く同じ形の渦が、無数に地球に発生……いや、コピーアンドペーストを繰り返すかのように『配置』されていく。
GM:数秒としない内に、地球の青い空は完全に、真っ白な雲の渦に覆われていた。
GM:「……こっ……」
GM:「こちら“やたがらす”!“ゆづるは”!聞こえる!?柳生!!」
GM:「そっちは、そっちから見て、どうなって────」
GM:眼下に広がる地球の空で、夥しい数のハリケーンの『目』が、不気味に宇宙そらを見つめていた。



【Middle5】

GM:全員登場です。
鳩山依鈴:侵蝕率+5(1d3+3->2+3) (侵蝕率:50->55)
千原海智:1d3+3+53
DoubleCross : (1D3+3+53) → 1[1]+3+53 → 57

"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+6(1D3+3->3+3)(侵蝕率:70->76)した
赤川累:赤川累の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:68->74)
赤川累:情報:UGNを成長させます。技能値0->5に。5点消費で所持経験点は0に。
千原海智:意志2lv取得します。(0→2) 4点消費で1点余ります。
鳩山依鈴:意志を3→5に、残り1点をプール。
"ディアスポラ":意思技能を2伸ばします(0→2)4点消費で1点残します。

---

GM:地平線まで続く湖。
GM:所々顔を出したビルの残骸が無ければ、ほんの数十時間前までここが市街地だったなどと、誰も信じられないような光景が広がっている。
GM:遥か遠くで、巨大な────とてつもなく巨大な、首の無いキリンのようなシルエットの『何か』が、天蓋すれすれを掠めながらゆっくりと歩いていく。
GM:マップ上では目的地まで数キロとなっているはずだが、辿り着く気配はまるで皆無だ。
“セプテントリオン”:「……」煙草をふかす。
千原海智:「……なんだろうね、あれ。キリン魔人?」遠くを見ながら軽口を叩く。
"ディアスポラ":「人じゃないでしょ、流石に……」少々自信なさげに答える
“セプテントリオン”:「急がなきゃならんのは確かだが────」
“セプテントリオン”:「この調子じゃあ、この空間がどこまで続いてるのかも分かりゃしないね。永遠に続いてるのかもしれん」
赤川累:「……永遠に、か」呟く。「ここまで歪曲した空間だ。あり得ないとは言えないけれど……」
鳩山依鈴:「……ええ。封鎖区域の範囲を鑑みるに、一日で踏破出来る距離のはず」
鳩山依鈴:その左眼には、当て布が巻かれている。
鳩山依鈴:「記憶のないとされる期間で、私たちが何をしていたかが分からないから、断言は出来ないけど」
鳩山依鈴:「記録を残しながら行きたいかな、これからは」
"ディアスポラ":「そうだね。消えるのが私らの頭の中だけだといいんだけど」
千原海智:「記録っていうと…写真とか?」
鳩山依鈴:「ええ。後は音声記録、それから物理的なメモ」
鳩山依鈴:「可能な限り残しましょう、たとえ、この先使わなかったとしても」
鳩山依鈴:「そういうものが残ること自体も、悪くないでしょう?」
千原海智:「良いね!旅の思い出になるもんね」
千原海智:「写真なら僕のスマホで撮っていい? アルバムのデータが空っぽでさ」
鳩山依鈴:「ええ、後でちょうだいね?」
千原海智:「えっ、それって連絡先を交換するってこと…?」
鳩山依鈴:「あ、いけない?」
千原海智:「滅相もありません!」
千原海智:「よろしくお願いします!」
赤川累:「旅の思い出、って……」周囲を見渡す。「思い出に残したくはないかな、あまり」
"ディアスポラ":「そうつれないこと言うもんじゃないよ。少年」
赤川累:「つれないも何も……ピクニックじゃあないんですから」やや不服そうに。
赤川累:「別に、親しくなる事を否定はしませんけど……」
"ディアスポラ":「なら良いじゃない。どんなしょうもない思い出だって、手元に残るのならその方が良い」
"ディアスポラ":「全部無くしてからじゃ遅いんだからさ」
赤川累:「……そりゃ、そうですけど」
“セプテントリオン”:「緊張感の無い……」呆れたように。
鳩山依鈴:「ずっと緊張しててもらうわけには行かないでしょう」連絡先を交換しながら。
鳩山依鈴:「いざというときまでは、リラックスしておきましょうよ」
“セプテントリオン”:「どうにも四六時中敵だらけのFHうちとは、感覚が違うようだね」
千原海智:「よし、撮るよ~」自撮り。
千原海智:場にいる四人が振り向くタイミングを狙って、パシャパシャとシャッターを押します。
千原海智:「…赤川くんは」その写真を見ながら。
千原海智:「色々あった人なんだよね」
赤川累:「って、いきなり撮るのか!いいけど……」
赤川累:「うん?色々……まあ、そうだな」
赤川累:「別に、極端な生い立ちとかそういうのじゃないけど」
赤川累:「全部、ほんのここ数か月であった話だ」
千原海智:「うん」瞬き。
赤川累:「その全ての始まりは、あの"スターゲイザー"と出逢ったからだった」
“セプテントリオン”:「……ほう?」目を細める。
赤川累:「だから、じゃないが。……君が俺のようにならないといいなとは、思ってる」
千原海智:「一体、何があったの?」
赤川累:「……なんだ、そっちも興味あるんですか」やや意外そうに"セプテントリオン"を見つつ。
“セプテントリオン”:「ここにいる以上、事情はあると思ってたがね」
“セプテントリオン”:「そりゃあ、あるさ。奴に関する事なら何でもね」
赤川累:「今はこの街に住んでるけど──俺の出身は、もともとN市じゃなくて」
赤川累:「……そこまで熱心に情報を集めてるなら、知ってるだろう」
赤川累:「浅葱島」
“セプテントリオン”:「……ああ」
“セプテントリオン”:「お前さん、あそこの生き残りか」
赤川累:「……」頷いて。「俺の生まれ育った故郷であり、"スターゲイザー"の手で魔街化した場所だ」
千原海智:「魔街?」
鳩山依鈴:「もはやレネゲイドの隠匿が、完全に不可能になった場所のことよ」
鳩山依鈴:「そうなれば、私たちはそこを封鎖するしか出来ることがなくなる」
赤川累:「今のこの区画みたいにな」
千原海智:「………」思わず目を見張る。
赤川累:「……何なら。あそこも、ここまでひどい状況じゃあなかったけど」
赤川累:「狭い田舎だったからな。誰も彼も知った顔だ」
赤川累:「怪物になった知り合いを何人も手にかけながら、生き残りを探して、必死で駆け回って……」
赤川累:「……それを一番傍で、見世物として楽しく眺めてたのがあいつだよ」
“セプテントリオン”:「……いかにも奴のやりそうなことだ」吐き捨てるように言う。
鳩山依鈴:「ええ。それを、容易く出来るのが、“スターゲイザー”」
千原海智:「……みんな、スターゲイザーに会ったことがあるんだっけ?」
鳩山依鈴:「ええ。私は任務で、一度」
鳩山依鈴:「結局、全てが終わった後の、後処理くらいだけど」
鳩山依鈴:「……そうだな。ポジティブに言おうとすれば、今日の対スターゲイザーへのUGNの対応体制の」
鳩山依鈴:「一助くらいにはなれたかもね」
鳩山依鈴:「……あと2人の方は」
鳩山依鈴:「あまり聞かないほうがいいのかな」
千原海智:(…そう言うけどさ)平然と言う鳩山さんの、その左目を覆う当て布に眉をしかめる。
千原海智:(そういう怪我を負ったの、初めてじゃないんじゃないの…) 内心、独り言つ。
"ディアスポラ":「別に隠してるわけでもないよ。大して面白い話でもないだろうけど」
“セプテントリオン”:「……あまり人に話すようなことじゃないがね」息を吐いて。「まあ、セルの連中には話してることだ」
“セプテントリオン”:「それに……人に話すってのは、確認になる。自分のすべきことの確認にね」
“セプテントリオン”:「アタシは34年前、“スターゲイザー”に旦那と子供を奪われた」
“セプテントリオン”:「当時はまだ奴は違う姿で、アタシもオーヴァードじゃあなかったが……」
鳩山依鈴:「“起源拡散”よりずっと前ね。当然のように、その頃から活動をしている……」
赤川累:「……レネゲイド拡散が起きる前か」呟く。
“セプテントリオン”:「……それ以来、奴を殺す為に追い続けてる」
“セプテントリオン”:「“デイブレイカー”セルはそういう連中の集まりで」
“セプテントリオン”:「そっちの“ディアスポラ”もその一人だ」
"ディアスポラ":「そういうこと。崩落戦の直後だから、三年くらい前かな」
鳩山依鈴:「崩落戦。ここN市で起きた、FHの大規模テロ事件よ」千原くんに小声で。
千原海智:「ああ」瞬き。「……UGNもFHも大暴れしたっていう」
赤川累:「表向きは大震災って事になってる。そっちは聞いた事あるだろ?」
千原海智:「………」「…………そうなの?」
千原海智:「ゴメン初耳」
“セプテントリオン”:「……ああ?」眉を顰める。
鳩山依鈴:「……遠くから越してきた?」
“セプテントリオン”:「お前さん、見たところ十代そこらだろう」
“セプテントリオン”:「余所に住んでたとしても、あのニュースを知らないなんてあるかい」
“セプテントリオン”:「海外でだって、当時は大震災としてニュースになってたよ」
千原海智:「…そ、そうなの?」
"ディアスポラ":「……もしかして君」
赤川累:「何か事情があるのか?……いや、無理に詮索するつもりはないが」
千原海智:「………あーーー」
千原海智:「いや~、実はさ」「僕」
千原海智:「実は、数日前からの記憶がまったくなくってさ」
千原海智:「えっと……記憶喪失ってやつ?」
鳩山依鈴:「……それが、覚えている限りの1回目ってこと?」
千原海智:「あ、そう! さすが鳩山さんは察しが良いね」
鳩山依鈴:「驚いた。そうは見えないから」
赤川累:「記憶喪失、って……」やや唖然として。「病院には行ったか?」
千原海智:「病院!」
千原海智:「学校行かなくちゃなって思ってて、それどころじゃなかったね」
“セプテントリオン”:「……」呆れ顔で千原くんを見ている
赤川累:「それどころじゃない、って……」頭をかく。
千原海智:「まあそんな、心配するようなことじゃないよ! 大丈夫さ」
"ディアスポラ":「一般常識みたいなのは無くなって無いんだね。本当に"何やってたか"っていう記憶だけが無くなってる……」
千原海智:「ディアスポラさんまで、さすが! 推理力があるね」
赤川累:「もしかすると……誰かに記憶処理をされた可能性もあるな。この状況では検査のしようもないけど」
鳩山依鈴:「UGNでも、そこまでの強度の記憶処理はしない……というか」
鳩山依鈴:「ほぼ不可能なはずだけど」
千原海智:「それは、僕も違うと思う!」
鳩山依鈴:「あら。どうして?」
鳩山依鈴:「覚えてないのに?」
千原海智:「ふふふ」石が積み重なって、少し高台になっているところにトントンと駆け上る。
千原海智:「確信があるんだ」
赤川累:「……?」それを見上げる。
千原海智:みんなを振り向く。「恐らくこれは、世界からの僕への挑戦状だね!」
千原海智:「この事態こそが、挑戦状なのかもしれない。かっこよく解決してみせろってね」
千原海智:「…そうすれば、きっと記憶喪失だってなんだって、全部解決するさ!」
赤川累:「……何というか。大物ってのは、こういうのを言うんだろうな」
"ディアスポラ":「まあ、あんまり心配いらなそうなのはわかったよ」
“セプテントリオン”:「……。能力の面に置いては、一先ず置いといてやる。UGNに選ばれて、ここまで生き延びてきたんだからね」
“セプテントリオン”:「アタシが気になってたのは、動機だ」
千原海智:「動機?」
“セプテントリオン”:「その……」煙草の先で千原くんを指して
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「よく分からん話。『それだけ』か?」
鳩山依鈴:「……スターゲイザーほどの脅威を排除するにたるには、相応の信念が必要」
鳩山依鈴:「そう言いたいのよね」
鳩山依鈴:「あなた達流に言えば、欲望」
“セプテントリオン”:「そうだ。……そこまで言わずともな、」
“セプテントリオン”:「そっちは納得できるのかい?こんな説明で」
鳩山依鈴:「UGNとしての見解で言えば、全く納得出来ない」
鳩山依鈴:「一番納得できないのはね」
鳩山依鈴:「ここまでの挑戦状を……試練を与えられて」
鳩山依鈴:「辛い目に遭うかもしれないことが然るべき人なんて、居てほしくない」
千原海智:高台に登ったまま瞬きする。
鳩山依鈴:「本来、守られるべき存在だと思ってるのよ。だけど」
鳩山依鈴:「もう一つの見解で言えば。鳩山依鈴としての、個人的な見解だとね」
鳩山依鈴:「もう一つの説明の方なら、とっても納得がいく」
鳩山依鈴:「……三瀬川さんを助けたい」
千原海智:「当たり前だろ!」
鳩山依鈴:「そっちの理由は、とても好きよ、私」
千原海智:「そうだね。そういう意味で言えば、僕の記憶なんて実はどうでもいいんだ」
千原海智:「彼女を助けたい。うん」頷く。「ここに来てから、それしか考えてなかったよ」
鳩山依鈴:「ふふ」微笑んで。「感心だ」
鳩山依鈴:「大事に思う人のため、なら。あなた達も納得せざるを得ないんじゃない?」
“セプテントリオン”:「……ま、そういうことなら分かるよ」煙草を揉み消す。
“セプテントリオン”:「アタシらの目的は復讐だけじゃない。自分と同じような人間を増やしたくないってのは、共通の想いだからね」
鳩山依鈴:「ええ、理解してる。“デイブレイカー”って、そういうつもりでしょう」
鳩山依鈴:「終わる夜じゃなくて、来る朝を見てる名前だ」
"ディアスポラ":「ふぅむ……ということは」腕を組んで顎に手を当てる。
"ディアスポラ":「その三瀬川って子は、キミの恋人なの?」
千原海智:「ちっ」
千原海智:「違いますけどね!」
"ディアスポラ":「ほんとかぁ~?」
千原海智:動揺して赤面して、高台から降りてくる。
千原海智:「僕はいつでもウェルカムだよ~!ドキドキしたいよ~!」
千原海智:「むしろアッチがさあ……」
千原海智:「………」
千原海智:トン、トンと。軽いステップを踏むように歩いて、赤川くんの前にいる。
赤川累:「……何だよ?」
千原海智:「……いやさ」困ったように笑う。
千原海智:「仲良くしたいじゃん?」
赤川累:「拒絶してるつもりはないけど……」
赤川累:「……いいや、聞こう。何が足りないのさ?」両手を広げる。
鳩山依鈴:「自分だけ好きな子の話をされて恥ずかしいんじゃないの?」くすりと笑って。
鳩山依鈴:「好きなタイプでも教えてあげたら?」
赤川累:「……そういう事なのか?」首を傾げながら千原くんを見る。
千原海智:「おっ」「聞けば教えてくれるの?」
千原海智:「じゃあ…後で二人で話し合います。お姉さま方には内緒で」赤川くんと肩を組む。
赤川累:「そういう訳じゃ……いや、まあ」かぶりを振る。「分かった、付き合おう」
"ディアスポラ":「なーんだ、せっかくお姉さんたちの好きなタイプも教えてあげようと思ったのにな」
千原海智:「うえっ!?」素の大声。
鳩山依鈴:「ほら、からかわないの」
鳩山依鈴:「あとさり気なく巻き込まないでよ」
“セプテントリオン”:「本当に緊張感の無い……」嘆息。
"ディアスポラ":「はいはい。ま、良いけどねー実は私は少年の好みのタイプ知ってるし」
"ディアスポラ":「……まあ、今もそうなのかは知らないけど」赤川くんの顔を見て
赤川累:「……別に、言いふらしたければ言ってもいいですよ」肩をすくめる。
"ディアスポラ":「ばーか、言わないよ。身内の恥みたいなもんだし、それに」
"ディアスポラ":「あの後、何かあったでしょ」笑いかける
"ディアスポラ":「少しだけ吹っ切れた顔してる」
赤川累:「まあ、男子三日会わざればって事で。……それも、聞きたければ今度話しますよ」

---

朝霧鏡花:『……そうですか。そちらはご無事で何よりです』
GM:君達は端末を介して朝霧との通信を行っている。
朝霧鏡花:『ですが、こちら……いえ』
朝霧鏡花:『結界の外は、かなりまずい事態になっています』
鳩山依鈴:「……というと?」
朝霧鏡花:『現在、外では全世界規模で巨大なハリケーンが発生しています』
朝霧鏡花:『過去類を見ない規模……というよりも、恐らくは』
朝霧鏡花:『“スターゲイザー”が、並行世界から同じハリケーンを幾つもこの世界に集めてきたものと見られます』
千原海智:「ハリケーン?」
赤川累:「全世界で、って……」
鳩山依鈴:「……本当に、手段には事欠かないのね」
赤川累:「あいつの性格を考えるなら……これだけ色々な手段を行使できる、ってアピールのつもりなのかもな」
"ディアスポラ":「……けど、確かに"本気"すぎる」
鳩山依鈴:「……それ自体は、純然たる自然現象であるほうが拙い」
鳩山依鈴:「レネゲイドによる解決手段を見込みづらいわ」
鳩山依鈴:「大規模自然災害は、観測の”目”が多すぎる」
朝霧鏡花:『ええ。瞬間風速も降水量も、観測史上最高を優に超えるものです。全世界で凄まじい被害が出ています』
朝霧鏡花:『ハヌマーン能力者の起用も案には出ましたが……』
朝霧鏡花:『そもそもハリケーンは、核兵器よりも圧倒的に巨大なエネルギーを有していますからね』
朝霧鏡花:『オーヴァードでも太刀打ち出来ません』
千原海智:「えっ、そうなんだ……」
鳩山依鈴:「事態が深刻化すれば、その核兵器自体を」
鳩山依鈴:「ハリケーンの迎撃に使う、という選択を始める国家が出るかも知れない」
鳩山依鈴:「そうなれば、ボタンを押すハードルが著しく下がる」
鳩山依鈴:「使うことが前提になってしまった上で、何に使うかを選ぶ段階は、終わりの一歩手前よ」
"ディアスポラ":「うへぇ……どこのB級映画だよって感じ」
"ディアスポラ":「まあ、どうせアイツのことだし」
"ディアスポラ":「そうやって一時的に勢いを弱めたとしても、そこを見計らって『おかわり』を持ってくるのがオチだよ」
赤川累:「果たして大元を叩く以外、解決にはならないって事だ」
朝霧鏡花:『……とはいえ、こちらはこちらで何とか対応するしかありません。結界内が無事なのは幸いでした。そちらの任務遂行をよろしくお願いします』
朝霧鏡花:『……それから』
朝霧鏡花:『“マスタールイン”の件です』

GM:本来シーン開始時に行ってもらう判定なのですが、ここでお願いします
GM:≪意志≫で判定。難易度は、鳩山さんが7。他3人が15です
千原海智:2dx+2>=15
DoubleCross : (2R10+2[10]>=15) → 5[2,5]+2 → 7 → 失敗

赤川累:4dx+5>=15
DoubleCross : (4R10+5[10]>=15) → 10[1,4,5,10]+3[3]+5 → 18 → 成功

赤川累:やった!
鳩山依鈴:すご
千原海智:累くん…!
"ディアスポラ":2dx+3>=15
DoubleCross : (2R10+3[10]>=15) → 10[9,10]+8[8]+3 → 21 → 成功

"ディアスポラ":わお
鳩山依鈴:えっみんなすご
千原海智:ディアスポラさん……!?
鳩山依鈴:4dx+7>=7
DoubleCross : (4R10+7[10]>=7) → 8[4,4,6,8]+7 → 15 → 成功

千原海智:エ~~ッ
千原海智:僕!!
鳩山依鈴:意志よわいのね♡
GM:では千原くんは、これまでに漠然と抱いていた不安感が更に増大し、他人に“マスタールイン”と世界の破滅について話したい衝動に駆られるようになります。

千原海智:「……」その言葉を聞いた途端、言い様のない感情にかられ、眉根を寄せる。
朝霧鏡花:『やはり情報は極めて乏しいですが、辛うじて“マスタールイン”に対する対処法についての資料を見つけました』
朝霧鏡花:『資料によれば、“マスタールイン”とは直接の接触を避け、遠距離からの狙撃、もしくは高高度爆撃によって対処する、と』
赤川累:「……ちなみに、どこに残ってたんですか?その資料」
鳩山依鈴:「能力については存在しないのに」
鳩山依鈴:「対処法についてだけ存在する?」
朝霧鏡花:『はい。入手元は本部です。そちらには他にも情報があるようでしたが……』
朝霧鏡花:『セキュリティクリアランスで閲覧できませんでした。ただ、これ……』
朝霧鏡花:『ちょっと、妙なんですよね』
"ディアスポラ":「妙ねえ……今の時点でだいぶ変ではあるけど」
朝霧鏡花:『閲覧資格が特殊なんです。支部長や本部エージェントなどの役職で制限が掛けられているのではなくて』
朝霧鏡花:『特定の能力を保有する、もしくは訓練を受けたエージェントのみが閲覧可能、となっているんです』
赤川累:「特定の能力……?」
鳩山依鈴:「具体的になにか、も分からない?」
朝霧鏡花:『……以前に同じタグの資料に関わったことがあります。その時は……』
朝霧鏡花:『区分は、情報災害でした』
"ディアスポラ":「んー、つまり」
"ディアスポラ":「その情報に触れただけで"汚染"される恐れがあるから、耐性のある奴しか知っちゃダメ。ってことかな?」
朝霧鏡花:『恐らくは。僕が以前に関わったものはオリジン:サイバーのRBでしたが……そのような類かもしれません』
鳩山依鈴:「……鏡花ちゃんは」
鳩山依鈴:「記憶の欠落時期はある?」
朝霧鏡花:『ありません』言い切る。『それは恐らく、“災厄存在”の能力であって……』
朝霧鏡花:『“マスタールイン”の能力ではない』
鳩山依鈴:「“脳喰い”の方と見るのが妥当かな。分かった。逆に言えば」
鳩山依鈴:「記憶が消えるよりもひどいことなのかもね」
朝霧鏡花:『……』一瞬、不安を覚えたかのような沈黙が落ちる。
赤川累:「……最初に"マスタールイン"の話が出た、あの時」
赤川累:「全員が世界が滅ぶイメージを見た。あれが、そうなのかも」
赤川累:「いや。それだけ、という事はないだろうけど……」
千原海智:「…ていうか、なんで”マスタールイン”の話してるんだっけ、僕ら?」
鳩山依鈴:「なんでって……」
鳩山依鈴:「……」
鳩山依鈴:「あれ」
鳩山依鈴:「……なんで……?」
千原海智:「……鳩山さん?」
赤川累:「……」答えられない。
朝霧鏡花:『……鳩山さんが調査を……いえ』
朝霧鏡花:『今回の任務とは……関係が……?』
“セプテントリオン”:「……どうにも気味が悪いね」
"ディアスポラ":「……それだけ、不安だったんでしょ」
"ディアスポラ":「一人で抱えるのが怖くて、誰かと共有せずにはいられない」
赤川累:「……不安。今、この世界で起きている状況よりも?」
鳩山依鈴:「……ええ。だけど、優先順位は違えてないはず」
鳩山依鈴:「私たちの成すべきことは、”スターゲイザー”を撃退して」
鳩山依鈴:「“アップサイド・ダウン”を救い出すこと。それは変わらない」
鳩山依鈴:「変わらないはずなのにね」
"ディアスポラ":「そうやって広まっていく呪いなのかも。もしかすると、私達も……」
赤川累:「……判断の優先順位を狂わせる呪い、って事ですか」
朝霧鏡花:『……とにかく、こちらでは何とか閲覧権限を持つ人員を探してみます』
朝霧鏡花:『何か分かり次第連絡します。それでは』
朝霧鏡花:通信は終わる。
“セプテントリオン”:「……」
千原海智:「一度」
千原海智:「一度帰りませんか?何だか嫌な予感がします」
千原海智:「え?」
“セプテントリオン”:「……ここまで来て、何言ってんだい。アンタ」
鳩山依鈴:「帰る……?」
赤川累:「……」じっとその眼を見る。
千原海智:「い、いや、待って? あれ、おかしいんだ」
"ディアスポラ":「帰るって……」
"ディアスポラ":「今更怖気づきでもした?」
"ディアスポラ":「これだからUGNは、肝心なところで信用できない」
鳩山依鈴:「……何を」
鳩山依鈴:「……何を?」
鳩山依鈴:「何を言い出すかと思えば……」
鳩山依鈴:「元々この任務はUGNのものでしょう」
鳩山依鈴:「ここにいられるのは我々の厚意によるものだと、忘れないでほしいけど」
赤川累:「……発破をかけるにしたって、ちょっと余計な棘が過ぎましたよ。今の」
"ディアスポラ":「いや違……違う、待って」
鳩山依鈴:「……待って」
鳩山依鈴:「話を聞かないで」
赤川累:「いい加減にしてくださいよ。俺はさっさと“スターゲイザー”を倒しに行かないといけないんです」
赤川累:「その他の余計な雑事に煩わされている暇は無いんだ」
千原海智:「……」口を、閉じようとする。
赤川累:「……何だよ、今の」
鳩山依鈴:「マズい。今、これ、私の言葉は、どこまで」
GM:その時。
GM:しゅうしゅうと、何かが溶け落ちるような音がする。
千原海智:「……なになに、今度は」
GM:見ると後方、それまで抜けてきた鬱蒼とした森の木々が、見る間に腐り落ちていく。
千原海智:「い……いやいやいやいや」
GM:それは蜘蛛、蛇、蠍、蜥蜴、蛭────悍ましい、大量の毒虫の集合体。
GM:触れた瞬間、透明な水が瞬時に濁り、汚染されていく。
赤川累:「何、が……」
“セプテントリオン”:「……どうなってんだい、こりゃ……」
千原海智:「逃げましょう」
鳩山依鈴:「倒しましょう」
千原海智:「……っ!」バッ、と鳩山さんを見る。
鳩山依鈴:「……!」首を振る。
赤川累:「触れたらまずい類でしょう、あれは」
"ディアスポラ":「だったら……」眼帯に指をかける
赤川累:鳩山さんの顔を見て。「……またか」
赤川累:「千原くんの能力なら何とかなりそうだ」
赤川累:「……違う。言ってない」
赤川累:「戦いましょう。的が大きい分、火力が必要だ」
赤川累:「白兵戦で行くべきかと」
赤川累:目を閉じて、静かに首を振る。
千原海智:「そうだよね。君に『千原くん』なんて呼ばれたこと、まだ無いし……」
"ディアスポラ":「みんなは下がって、私が……」
"ディアスポラ":「私の能力は侵蝕負荷が大きい」
"ディアスポラ":「“スターゲイザー”を倒すまで、温存しておきたい」
"ディアスポラ":「貴方たちがやって」
"ディアスポラ":「……!」口を抑える
GM:大量の毒虫が津波のように押し寄せ、一つの生き物のように蠢く。
赤川累:「……みんな、頭じゃ分かってるんだろ」
千原海智:「……うん。分かってるさ」赤川くんに頷く。「分かってる」
赤川累:「"言わされてる"って、この感覚」
赤川累:「操られてはいるが……完全に乗っ取られた訳じゃない」今はまだ、という言葉を飲み込んで。
赤川累:「そういうものと分かっていれば、対処のしようはある……はずだ」
千原海智:「鳩山さん、倒した方がいい? 僕の能力で」ヘラッと笑う。
“セプテントリオン”:「そんな事を言って、保証はあるのかい」
“セプテントリオン”:「それで事態が悪化したら、責任は取れるのか」
“セプテントリオン”:「……!」
“セプテントリオン”:自分の口を塞ぐ。
鳩山依鈴:メモを取り出して記し、見せる。《言葉を信じないで》
千原海智:それを見て頷く。
エンゲージ []内は行動値



赤川[15]ディアスポラ[13]鳩山[6]千原[2]

(10m)

ザッハーク[3]


GM:この戦闘での情報難易度は8/12です。
GM:セットアップから。
赤川累:ないです。
鳩山依鈴:なし。
"ディアスポラ":なし!
千原海智:なしです
GM:ではイニシアチブ15、赤川くんの手番です
赤川累:マイナーで3m前方へ戦闘移動。
赤川累:メジャーで情報判定します。
赤川累:情報:UGN、コネ使用で
赤川累:5dx+5
DoubleCross : (5R10+5[10]) → 9[2,3,7,7,9]+5 → 14

GM:ほう……
GM:見事なものですね
赤川累:貴様に貰った経験点のおかげよォ~
GM:では情報を開示します

【ザッハーク】
≪災厄存在≫の効果により、戦闘不能時、即座にHP1で復活する。赤川くんの攻撃でのみ、遺産の力で再生を阻止し、とどめを刺すことができる。


赤川累:……これが達成値8の方?
GM:また、付近に目には見えない『何か』が存在している。
GM:難易度9の≪知覚≫判定で居場所を割り出し、RCによる攻撃で撃破することが可能。
GM:知覚判定は手番消費無しで行えます。

GM:毒虫の群れは様子を伺うように蠢いている。
GM:際限なく零れ落ち、湖に落ちる傍から新たな毒虫が生まれ続けている。
赤川累:押し寄せる毒の波に向かって踏み出す。攻撃の為ではない。……あの声の主は、白兵戦をさせるように仕向けていた。
赤川累:(……何か、居る。他に)その気配を感じ取ったからだ。
GM:その気配に背後を振り返ると、一瞬、景色が歪む。
GM:光の屈折にほんの僅かな違和感がある。何か、目には見えないものが潜んでいる。
赤川累:呼吸を抑え、揮発した毒水を吸わないように注意しながら。視線を彷徨わせ……その歪みを見つける。
赤川累:「……あそこに、何かあります」皆に見えるよう、その地点を指で示して。
赤川累:「……いえ……」
赤川累:「見間違い……気のせい、だったかも。すいません」
千原海智:「………」
赤川累:「……またか。クソッ」
赤川累:「分かっちゃいても、厄介だな。これは……」
千原海智:「ははは…」「僕も珍しく、イライラしてきたよ。これホントね」
赤川累:知覚判定もこのままできますか?
GM:いいでしょう
赤川累:3dx+1>=9 知覚
DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 10[1,7,10]+5[5]+1 → 16 → 成功

鳩山依鈴:やった!
千原海智:イエ~イ!
"ディアスポラ":すごい!
赤川累:悪は暴かれる
GM:では発見することが出来ます。
エンゲージ []内は行動値



ディアスポラ[13]鳩山[6]千原[2]オネスト[21]

(3m)

赤川[15]

(7m)

ザッハーク[3]


GM:同エンゲージにもう一体の災厄存在がいます。
GM:手番は既に放棄済み。

GM:君は仲間たちを取り巻くようにして、光の中で透明な何かが蠢く様を目にする。
赤川累:見出した歪みの元を辿り、"それ"を見つける。
赤川累:「……どこにもいません」
赤川累:「やはり気のせいでした」
赤川累:「いいえ」大きく、首を振る──言葉以外の動作には干渉されていない筈だ、今までのところは。
赤川累:「そこにいます、もう一体」
千原海智:「信じるよ、赤川くん」
千原海智:「”いる”って方を」
赤川累:指で指し示す。「泳いでる。透明なやつが」
赤川累:「いない、いない、いない」
赤川累:「何もいない」
赤川累:「間違いだ。すまない。忘れてくれ」
赤川累:「……随分と急に、口数が多くなった。これはつまり」
赤川累:「怯えてるんだろうな。当たりだ」
千原海智:「ハハ。ちょっとスッキリした」
"ディアスポラ":「………」口を噤んだまま、赤川くんの肩に手を置く

GM:行動値13、ディアスポラさんの手番です
"ディアスポラ":マイナー《陽炎の衣》隠密化
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:76->79)した
"ディアスポラ":『スノウ・クイーンact.Ⅰ』《コキュートス》《光の手》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》
"ディアスポラ":オネスト、ザッハークに攻撃します。
GM:判定どうぞ!
"ディアスポラ":9dx7+1
DoubleCross : (9R10+1[7]) → 10[1,2,3,4,4,5,6,8,9]+10[8,10]+10[4,7]+10[10]+4[4]+1 → 45

千原海智:えっすご
"ディアスポラ":ガードした場合放心付与です
ザッハーク:ガード
オネスト:ドッジ
オネスト:1DX
DoubleCross : (1R10[10]) → 1[1] → 1 → ファンブル

GM:ダメージどうぞ!
"ディアスポラ":5d10+26+3d10
DoubleCross : (5D10+26+3D10) → 25[8,6,8,2,1]+26+12[3,2,7] → 63

"ディアスポラ":諸々有効!
GM:嘘……
千原海智:すごいダメージ
ザッハーク:半分以上削れます
オネスト:即死。復活もありません
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+8(侵蝕率:79->87)した

"ディアスポラ":赤川くんと千原くんへ、自分の後ろに下がるよう目配せする。
千原海智:「………」無言で下がる。
赤川累:彼女の能力は既に知らされている。頷き、その視界から身を隠す。
鳩山依鈴:「やめて」
鳩山依鈴:「攻撃しない方がいい。危険よ」
鳩山依鈴:ふ、と鼻を鳴らす。
鳩山依鈴:元より、これから先。事態の解決まで発言する気がない。
鳩山依鈴:どうぞ、とジェスチャーだけ。
"ディアスポラ":眼帯へと指をかけ、隠されていた右目を晒す。
"ディアスポラ":小さく頷き、ゆっくりと
"ディアスポラ":その瞳を開く
"ディアスポラ":透明な何かを睨み「(アンタが何を語らせようと関係ない)」
"ディアスポラ":「(次にこの口を操るよりも)」その眼窩に、青褪めた月が昇る
"ディアスポラ":「(私の"光"の方が速い!)」
"ディアスポラ":冬の月が、森に蠢く影と毒虫を視界に収め
"ディアスポラ":瞬きの間に、世界は氷に閉ざされた。
"ディアスポラ":キュゥゥゥゥゥウウウウ………
"ディアスポラ":氷塊が収縮する甲高い音が鳴り響く
"ディアスポラ":零下8000度、汎ゆるものを凍てつかせる異界の冷気は
"ディアスポラ":その実、光を媒介として周囲の熱を感知し、貪り、糧とする異端の生命体だとされている
"ディアスポラ":少なくとも、この瞳の元の持ち主はそう定義していた。
"ディアスポラ":「災厄だかなんだか知らないけど……」
"ディアスポラ":「偉そうな口は、私の"冬"を乗り越えてから叩けっつ—の!!」
"ディアスポラ":破砕音。景色そのものにヒビが入り、次の瞬間には細かな氷の粒子となって砕け散る。
ザッハーク:「……!」毒虫の群れが瞬時に凍り付き、悪趣味な氷像と化す。
ザッハーク:だが、僅かに生き残った毒虫たちが再び増殖し、際限なく溢れ出す。
"ディアスポラ":「や」
"ディアスポラ":「やめろ」
"ディアスポラ":「やめろやめろやめろ!」
"ディアスポラ":「やめ、助け、やめっ……」
"ディアスポラ":ガブッ!!!
"ディアスポラ":舌を噛みちぎる。
千原海智:「っ!」
オネスト:「────」氷の地獄の中、何か、声なき悲鳴が聞こえて。
オネスト:乱反射する粒子の中、僅かな光の歪みが消えていく。
鳩山依鈴:「……っ」口に出すつもりはなかったが、思わず、息を呑む。
鳩山依鈴:(あの、出力……)
"ディアスポラ":「……ペッ」血の塊を吐き出す。
"ディアスポラ":「痛っ……ひょっほひゃりひゅぎふぁ……」舌先のリザレクトは始まっているが、痛みに顔をしかめる。
千原海智:「……ちょっとやりすぎた?」
鳩山依鈴:「……後でお説教ね」
“セプテントリオン”:「……やれやれ」嘆息して
“セプテントリオン”:「もう喋ってもいいのかね」
鳩山依鈴:「……さあね。まあ、でも、どうせ、みんなそろそろ」
鳩山依鈴:「言葉無しでも連携が取れてきた頃かも」

GM:行動値6、鳩山さんの手番です。
鳩山依鈴:マイナーで1m右へ。
鳩山依鈴:メジャー《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。ザッハークを攻撃。
GM:どうぞ!
鳩山依鈴:7dx7-1
DoubleCross : (7R10-1[7]) → 10[2,4,5,5,9,10,10]+10[2,4,8]+10[10]+3[3]-1 → 32

GM:振り足しありますか?
鳩山依鈴:《剣精の手》だけ使うか。
鳩山依鈴:1dx7+39
DoubleCross : (1R10+39[7]) → 10[10]+4[4]+39 → 53

鳩山依鈴:やったね
GM:ゲ~ッ
ザッハーク:ガード。
GM:ダメージどうぞ!
鳩山依鈴:6d10+9 諸々有効
DoubleCross : (6D10+9) → 33[5,10,6,1,8,3]+9 → 42

GM:ギャァ~~ッ
ザッハーク:HP0。
ザッハーク:≪災厄存在≫によりHP1で復活します。

鳩山依鈴:毒虫に向けて、銃を構える。
鳩山依鈴:「CWクロックワイズ——」
鳩山依鈴:「0.5/0.4/0.3/0.2/0.1s」立て続けに、5発。
鳩山依鈴:5度の銃声のみ。銃弾は発射されない。
鳩山依鈴:最後に一発。
鳩山依鈴:最後の一発のみが飛び
鳩山依鈴:着弾の瞬間、6発に増える。
鳩山依鈴:同時に同じ場所に存在することとなった、その6発の弾丸が、
鳩山依鈴:互いに衝突しあい、暴れ、
鳩山依鈴:周囲に破壊を撒き散らす。
鳩山依鈴:最後の一発だけが、今を撃つ弾丸。
鳩山依鈴:最初の5発は、それぞれ着弾時刻を未来にずらし、
鳩山依鈴:同時着弾を企図したもの。
ザッハーク:毒虫たちが暴れ回る弾丸に撃ち抜かれ、体液を撒き散らす。まるで砲撃でも受けたかのように吹き飛び、大きくその体積を減じさせる。
鳩山依鈴:「……うん。どうにも、撃ち切れないみたいね、これ」
鳩山依鈴:「普通のやり方じゃダメかな」
ザッハーク:だが。泉が湧き出るかのように、再び際限なく再生し、周囲に溢れ出していく。
ザッハーク:何らかの方法で、完全に原型を無くして浄化する必要があるだろう。
鳩山依鈴:侵蝕率+6 (侵蝕率:55->61)

GM:行動値3、ザッハークの手番です
千原海智:イニチアチブで防具を脱いでもいいですか?
GM:いいですよ!
千原海智:では脱ぎます!アームドスーツを脱いで行動値が2→4になります
GM:では行動値4、千原くんの手番です
千原海智:マイナーなし。メジャーで3m前方へ戦闘移動します。
千原海智:赤川くんと同じエンゲージに入って終わり。
GM:演出しますか?
千原海智:カットでOK!

GM:では行動値3、ザッハークの手番です
ザッハーク:マイナーなし
ザッハーク:メジャー≪コンセントレイト:ソラリス≫+≪アドレナリン≫+≪タブレット≫+≪多重生成≫
ザッハーク:素手で攻撃します 対象はPC全員
ザッハーク:25DX7
DoubleCross : (25R10[7]) → 10[1,1,2,2,2,2,2,2,3,4,4,4,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9]+6[2,2,3,4,6,6,6] → 16

GM:嘘……
千原海智:もしかして避けられるのでは?
鳩山依鈴:25個もあるのに
"ディアスポラ":いけるんちゃうか?
赤川累:ドッジしちゃうか~
千原海智:9dx+1>=16 ドッジします
DoubleCross : (9R10+1[10]>=16) → 10[4,4,5,6,7,8,9,10,10]+10[5,10]+4[4]+1 → 25 → 成功

千原海智:ウェ~~イ
GM:ふざけんな!
鳩山依鈴:すごっ
鳩山依鈴:でもこれ素手なのか
鳩山依鈴:一応素ドッジしよ
"ディアスポラ":ドッジ
鳩山依鈴:1dx+1>=16
DoubleCross : (1R10+1[10]>=16) → 2[2]+1 → 3 → 失敗

"ディアスポラ":3dx+1>=16
DoubleCross : (3R10+1[10]>=16) → 10[5,10,10]+8[7,8]+1 → 19 → 成功

赤川累:3dx+1>=16 回避よ
DoubleCross : (3R10+1[10]>=16) → 10[1,6,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗

"ディアスポラ":やった!
千原海智:1~!
GM:こっこいつら!
鳩山依鈴:あ、侵蝕ボーナスあった
赤川累:足りんかったわね
鳩山依鈴:もう一個ふろ
鳩山依鈴:1dx+1>=16
DoubleCross : (1R10+1[10]>=16) → 5[5]+1 → 6 → 失敗

鳩山依鈴:ダメ~
千原海智:じゃあ《軍神の守り》で累くんをカバーリングします。
GM:(NPCカード使えるけど黙っとこ)
鳩山依鈴:あっ
千原海智:あっ
鳩山依鈴:やさしいGM!
赤川累:えっそうじゃん
赤川累:使ってもいい……?
千原海智:使って使って!
鳩山依鈴:おばあちゃんありがと♡
赤川累:使う!
GM:クソが代
GM:セプテントリオンのNPCカード効果で達成値が+5されます
千原海智:ウェ~イ
"ディアスポラ":おばあちゃん大好き♡
鳩山依鈴:私だけダメージわよ
GM:だが貴様は死ね!鳩山依鈴ーーッ!
GM:1点でもダメージが入れば
GM:≪毒持つ獣≫+≪ポイズンマスター≫で邪毒12を与えます
鳩山依鈴:エーッ
鳩山依鈴:先に知りたかった……
鳩山依鈴:いいさ……来な!
GM:2D10-5
DoubleCross : (2D10-5) → 12[3,9]-5 → 7

GM:…………
鳩山依鈴:装甲15点
千原海智:ウェ~~イ
鳩山依鈴:無傷ですね
"ディアスポラ":………
赤川累:やった~
GM:ギィ~~~~ッッ!!
"ディアスポラ":かわいいね

ザッハーク:毒虫の群れが大きく震え、周囲に毒液と自身を構成する猛毒の生物たちを撒き散らす。
ザッハーク:だが、“ディアスポラ”と鳩山の攻撃で、その体積は大きく減っている。必然、回避も容易となる。
鳩山依鈴:未だ硝煙をたなびく、銃を構える。
鳩山依鈴:迎撃の弾丸の必要もない。先程の火への警戒があれば、それだけでコントロールできる。
"ディアスポラ":毒虫達に飲み込まれた輪郭が霧散していき、数m離れた地点に無傷で姿を表す。
“セプテントリオン”:虚空から盾を展開し、自分とその隣の赤川を守る。
赤川累:「……!」咄嗟に盾の防御圏内へと飛び込み、身を隠す。
“セプテントリオン”:「坊主。お前さんの能力なら殺れるんじゃないか」顎で毒虫の塊を示し。「試してみる気は?」
赤川累:「同じ事を考えてました」頷き、前に踏み出す。
赤川累:手袋を外す。黒い手が異界の風に晒される。「やってみましょう」

GM:クリンナップ。
GM:邪毒は……
GM:いない……
GM:なんでいないの……?

GM:2ラウンド!セットアップから!
鳩山依鈴:なし
"ディアスポラ":なし!
赤川累:ないです
千原海智:なし!
GM:では行動値15、赤川くんの手番です
赤川累:はい。マイナーで敵にエンゲージして
赤川累:メジャー、《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》
赤川累:ザッハークを攻撃。
赤川累:6dx+6+9@7 命中
DoubleCross : (6R10+6+9[7]) → 10[3,5,5,7,7,7]+10[4,7,10]+10[6,10]+1[1]+15 → 46

千原海智:え~すごい!
ザッハーク:ガード!
赤川累:5d10+15 装甲無視
DoubleCross : (5D10+15) → 20[7,3,2,4,4]+15 → 35

赤川累:赤川累の侵蝕率を+8した(侵蝕率:74->82)
ザッハーク:死にます。復活もできません
GM:戦闘終了です。演出どうぞ

赤川累:猛毒の波が押し寄せて、引いた。その間隙を縫って飛び出している。
赤川累:群の中核へと迫り、片腕を差し伸ばす。能力起動、塵灰回帰──その熱は、モルフェウスの破壊者としての側面に分類される異能。
赤川累:触れた物質の一切を黒い灰へとつくり変える。
赤川累:その出力は全開ではない。訓練によって制御精度を向上させた今、この程度でその袖が焼け落ちる事もなく。
赤川累:掌の一点に集中させ、触れた先からレネゲイドを送り込む。
赤川累:毒虫の群れの間を、黒い風が吹き抜ける。それは黒灰へと死に崩れた、彼ら自身の骸。
ザッハーク:「……!!」
ザッハーク:のたうち回り苦しむ毒虫たちが、再生するそばから灰へと変わっていく。
ザッハーク:やがて、最後の一匹が力尽き。
ザッハーク:再生は止まる。夥しい毒虫の群れは、灰へと変わって舞い、崩れ落ちる。
赤川累:「……止まったか」それ以上再生しない事を確認して。手に付いた灰を払いながら、立ち上がる。
千原海智:「はあ…」瞬きする。「散々な目にあったね」
鳩山依鈴:「……終わったと思いたいな、これで」
鳩山依鈴:「お疲れ様」
"ディアスポラ":「……うん、お疲れ」
“セプテントリオン”:「……やれやれだね」煙草に火を付ける。
赤川累:「ええ、お疲れ様です。……随分、手をかけさせられたな」
千原海智:「いろんな生物がいるものだね」
鳩山依鈴:「そうそういないと思うんだけどなあ」
千原海智:「どうせならもっとこう…分かりやすい奴と戦いたい」
鳩山依鈴:「ハリケーンとか?」茶化すように。
千原海智:「自然災害は立ち向かえないって話してたでしょうっ」
赤川累:「こっちは……ああ、更新されているな」図鑑を確認して、呟く。「例によって、これから役に立ちそうな情報は載ってないけど」
鳩山依鈴:「ごめん、ごめん。……図鑑は撃破の証明程度ね、これ」
"ディアスポラ":「二度も三度も出会いたくないしね。あんなヤツ」
“セプテントリオン”:「同じ奴がまた出てこないって保証もないけどね」
千原海智:「うわ、それ最悪」
鳩山依鈴:「倒したやつの顔をまた見るの、気分悪いものね」
赤川累:「全く未知の相手よりは対処しやすい気もしますけどね。ここの敵、初見殺しのようなのが多いし……」
"ディアスポラ":「………」
"ディアスポラ":「えと……みんなわかってると思うけど」口元を押さえながら、どこかバツが悪そうに。
鳩山依鈴:「うん?」
"ディアスポラ":「アンタ達のこと、それなりに信用できる奴だと思ってる。知ってる顔もいるし……」
"ディアスポラ":「それに、こういう時アテにされるのも、悪い気はしない」
赤川累:「……さっきの言葉、気にしてるんですか?」
"ディアスポラ":「……悪い?」
"ディアスポラ":「はっきり言っておいたほうが良いでしょ。次またこういう事が起こる前にさ」目を逸らす。
鳩山依鈴:「まさか。可愛い所あるのね」
鳩山依鈴:「大丈夫よ。みんな、ちゃんと分かってる」
赤川累:「同じ事を思ってました」
千原海智:「そうそう。それに、倒してくれた訳だしさ!」
"ディアスポラ":「そ、か……うん」
"ディアスポラ":「なら、良かった」顔を背けて遠くを見る。
千原海智:「照れてる、照れてる」
鳩山依鈴:「ふふっ」
"ディアスポラ":「照れてないし」
GM:君達がそんな風に話していた時。
GM:ザ……ザザッ……
GM:不意に、通信機からノイズが走る。
GM:この通信端末は、領域内での通信を可能にする為、極めて限定的な機能のみに絞られている。
GM:通信できるのは、UGNの同型の通信端末のみ。
GM:発信元は、朝霧ではない。
鳩山依鈴:「……もしもし?」
GM:『……繰り返す』
GM:『こちらはUGNエージェント“痕抉り”』
GM:『繰り返す』
GM:『部隊は壊滅。生存者は俺だけだ』
GM:『至急、救助を求む────』



GM:シーン終了。
GM:まず終了時処理です
GM:≪災厄存在≫×2、≪超越活性≫でEロイスは3個。
GM:振りたい人はどうぞ。
千原海智:振りません~
"ディアスポラ":振る!
赤川累:振るわ!
"ディアスポラ":87-3d10
DoubleCross : (87-3D10) → 87-18[5,4,9] → 69

鳩山依鈴:ガンガン振っちゃお
赤川累:82-3d10
DoubleCross : (82-3D10) → 82-17[3,9,5] → 65

鳩山依鈴:61-3d10
DoubleCross : (61-3D10) → 61-22[2,10,10] → 39

"ディアスポラ":よーしよし
千原海智:ガンガン減ったね
鳩山依鈴:初期値に近づいてきたわよ
赤川累:ひろがる侵蝕差
GM:災厄存在を2体倒したので、経験点は10点差し上げます。
鳩山依鈴:わーい
千原海智:わ~い
赤川累:もぐもぐ
"ディアスポラ":うれし~
GM:あとはロイス取得のみ可能です。
千原海智:う~んう~ん 保留します
赤川累:こっちもロイス保留で~
鳩山依鈴:-同行者/千原海智/親近感:○/不安/ロイス
鳩山依鈴:これで!
"ディアスポラ":こっちも保留!



【ザッハーク】

毒を持つ生物の集合体。僅かな肉片からでも瞬時に再生し増殖する。また、常時蠱毒のような状態にある故か、帯びた毒は自然界のそれよりも極めて強力。
生物に対する直接的な害は勿論、土壌や水質に対する汚染が重篤な影響を齎す。
駆除されず最大まで成長し続けた場合、大都市をも飲み込む毒虫の津波と化す。


【オネスト】

実体を持たない概念生命。空気と光に溶け込み、人間の精神のストレスを糧とする。
発話機能を支配し、本人の思ってもいないことを言わせて共同体に不和を生じさせ、効率的に大量の精神的負荷を生み出して捕食する。
この存在が蔓延した世界では、社会が社会として(家族という最小構成単位ですら)成り立たず、またオーヴァードのジャーム化率も飛躍的に高いものとなる。




【Middle6】

GM:シーンPCは千原くんです。
千原海智:1d3+3+57 出る~
DoubleCross : (1D3+3+57) → 3[3]+3+57 → 63

赤川累:赤川累の侵蝕率を+5(1d3+3->2+3)した(侵蝕率:65->70)
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+6(1D3+3->3+3)(侵蝕率:69->75)した
鳩山依鈴:侵蝕率+5(1d3+3->2+3) (侵蝕率:39->44)

---

GM:救難通信を受けた君達は、一通りの相談を経て、全員で通信の発信元に向かうこととなった。
GM:木々の浸食を受けていない、荒廃したビル街。朽ちかけたオフィスの一室に、UGNエージェント“痕抉り”は居た。
“痕抉り”:「いやァ~……」
“痕抉り”:「いやいやいやいや……」
“痕抉り”:「まさか本当に助けが来てくれるとは……」
“痕抉り”:「もう駄目かと思ったよ。世界が滅ぶまでこのままかと」
GM:周囲には焚火の跡や、廃材や木材など様々な素材を組み合わせて作られた道具の数々。
GM:服もかなり傷んでボロボロだ。ほんの数日ここに居ただけのはずだが────。
千原海智:「こちらこそ!」
千原海智:「偽装情報とかじゃなくて、まさか本当に居てくれるとは……」
赤川累:「お人好し、だなんて言いっこなしでしょう。貴方だってリスクを負ってこんな場所まで来てる」
赤川累:「……追われてはいませんか? 今は」周囲を見渡しつつ、目の前の男に確認する。
“痕抉り”:「うん。大丈夫だ。ここには他のジャームは入ってこない」彼が領域に入った時点では、恐らくまだ呼称はジャームのままだったのだろう。
鳩山依鈴:「……日本支部の“ミストミストレス”です。状況報告をお願い」
“痕抉り”:「あ、はい。改めて、本部エージェントの“痕抉り”です」
千原海智:「本部!」
鳩山依鈴:「アメリカのUGN本部よ。各国支部の上に位置してて」
鳩山依鈴:「一般のエージェントでも、支部長クラスの権限を持つわ」
千原海智:「へぇ~っ、じゃあこの街に13人いる支部長くらいの……」「……強くて凄い人ってことだね?」
"ディアスポラ":「その口ぶりだと第一陣ってとこかな」
“痕抉り”:「第一陣……」不安な顔をして「……君達は第何陣なんだ?」
千原海智:「僕達って何陣?」
"ディアスポラ":「確か私らの前に二組入ってるって言ってたから……」
鳩山依鈴:「……第三陣です」
“痕抉り”:「三……そうか……」息を吐く。「まだ、三か……良かった……というべきなのかな……」
“痕抉り”:「……順を追って説明します」
“痕抉り”:「俺達第一陣は、調査を目的として結界に入りました」
“痕抉り”:「が、途中で何度もジャームの襲撃を受け、20人いた部隊は半数以上が死亡」
“痕抉り”:「残った隊員はここに逃げ込みました」
鳩山依鈴:「……現在では、“災厄存在”と呼称されるに至りました」
鳩山依鈴:「既存のジャームの法則をさえ、逸脱するものと」
千原海智:「残った隊員……」
千原海智:今、ここに居るのはどう見ても彼だけだ。
“痕抉り”:「ああ……成程」頷く。「確かにあれは……ジャームとは異なる、もっと別の……」一瞬、恐怖に顔を引きつらせて。「……」
“痕抉り”:「……この一帯は、他のジャーム……ああ、いや、災厄存在、が入ってこられない安全地帯です。何とか命拾いした、と思った矢先────」
“痕抉り”:「……」
“痕抉り”:俯く。
“痕抉り”:「……アレが」
“痕抉り”:「アレが来たんだ」
“痕抉り”:その声と身体は、小さく震えている。
千原海智:「……アレ?」
赤川累:「ここへは災厄存在は入って来られない、って言いましたね。だったら……」
“痕抉り”:「……」
“痕抉り”:「“マスタールイン”」
鳩山依鈴:「……!」

GM:PC全員は意志判定を行ってください。
千原海智:難易度はありますか?
GM:鳩山さん・千原くんは難易度7。赤川くん、ディアスポラさんは難易度15です。
千原海智:3dx+2>=7
DoubleCross : (3R10+2[10]>=7) → 8[5,7,8]+2 → 10 → 成功

赤川累:4dx+5>=15
DoubleCross : (4R10+5[10]>=15) → 7[3,3,6,7]+5 → 12 → 失敗

"ディアスポラ":2dx+3>=15
DoubleCross : (2R10+3[10]>=15) → 6[5,6]+3 → 9 → 失敗

鳩山依鈴:4dx+7>=7
DoubleCross : (4R10+7[10]>=7) → 6[1,1,2,6]+7 → 13 → 成功

GM:では成功した二人は変化なし。
GM:失敗した赤川くんとディアスポラさんは、これまでに漠然と抱いていた不安感が更に増大し、他人に“マスタールイン”と世界の破滅について話したい衝動に駆られるようになります。
赤川累:また!
"ディアスポラ":え~ん

“痕抉り”:「……“マスタールイン”だ。あいつ、あいつが来て……」
“痕抉り”:「……皆、皆殺された……」
“痕抉り”:「残ったのは……俺一人だけだ」
赤川累:「……っ」顔を顰める。「やっぱり、"マスタールイン"が居るのか。ここに」
"ディアスポラ":「……アンタは、見たんだね」
"ディアスポラ":「"マスタールイン"を」
“痕抉り”:「……う……」恐怖の記憶を思い出したのか、がたがたと幼子のように震えている。あらゆる精神攻撃に対する訓練を受けている筈の、本部エージェントが。
赤川累:「それは……どんな能力でした?いや、何が見えたかだけでもいい」
赤川累:「教えてくれ」
鳩山依鈴:「……待って」
鳩山依鈴:「本当に、知っていいの?」
千原海智:「鳩山さん……」
“セプテントリオン”:「……」
鳩山依鈴:「マスタールインの能力を知ることが、トリガーになる危険性がある」
鳩山依鈴:「私たちは、その可能性について話したはずでしょう」
赤川累:「……」瞬きをする。
赤川累:「……だからって、どうやって知らないまま対処するんです。……なんて」額を抑える。
赤川累:「……違うな、これも」
赤川累:「どうしても、聞きたくなった。……知らなきゃいけないと思った」
"ディアスポラ":「……いや、正直に言えば」
"ディアスポラ":「怖くなった……のかも」
赤川累:「……」少し間があって、頷く。
鳩山依鈴:「……気持ちは同じよ」
鳩山依鈴:「それのもたらす荒廃が、どういったものなのか」
鳩山依鈴:「知らないままでいる、というのも、怖い」
“痕抉り”:「……」
“痕抉り”:「……す……」
“痕抉り”:屈み込み、自分の身体を抱き締めるようにして。
“痕抉り”:「すまない……」
“痕抉り”:「思い出したく、ないんだ……」
“痕抉り”:「お、恐ろしいんだ……」
“痕抉り”:「俺が、俺でなくなってしまいそうで……」
“痕抉り”:「お、恐ろしくて……たまらない……」
“痕抉り”:「“マスタールイン”のことを考えるだけで、気が狂ってしまいそうで……」
千原海智:「そっか。あなたも、怖いんだ」痕抉りさんの傍にしゃがみ込む。
鳩山依鈴:「……恐怖は当然の感情です」
鳩山依鈴:「このような状況ですから。むしろ、感じなくなってしまったときのほうが怖い」
鳩山依鈴:(——とはいえ)
鳩山依鈴:(本部エージェントが、ここまで?)
赤川累:「……朝霧さんが見つけた対処法は、きっと正しいものだったんでしょうね」
赤川累:「伝聞の情報だけでこの影響だ。直に目撃でもしようものなら……」
"ディアスポラ":「無理して聞くのは、お互いのためにも良くなさそうだね……」どこかすっきりとしない表情で
鳩山依鈴:「……知ったら、私たちも同じ様になるのかも」
“痕抉り”:「……っ……」吐き気を堪えるように口元を抑え。「すまない……」
千原海智:「………災難だね」瞬きする。「その、”マスタールイン”もさ」
鳩山依鈴:「?」目を見開いて。「というと?」
千原海智:「だってさ、どんな奴かもわからないなら」「悪気なく、能力持っちゃった可能性だってあるんじゃない?」
千原海智:「もしそうだったら、僕だったら泣いちゃうよ。みんなに怖がられちゃうんだもん」
鳩山依鈴:「……ああ。そっか」
鳩山依鈴:「その可能性、ぜんぜん思い当たってなかった……」
赤川累:「……凄いな、君は」呟く。
千原海智:「え? そう?」
千原海智:「凄い?」ちょっと嬉しそう。
"ディアスポラ":「呑気というか……ある意味大物かもね、キミ」呆れつつもどこか安堵した表情
赤川累:「"そうかもしれない"って可能性の段階から、会ってもいない相手にそこまで同情できるんだ。……ましてや、この状況でな」
赤川累:「皮肉じゃない。褒めてるぞ」
鳩山依鈴:「……”可能性を排除しない”力」
鳩山依鈴:「私たちが、ともすれば、失いかけてしまうもの」
千原海智:「やだな~皆。そんなに褒めるなんて…そんな…ふふふ」嬉しそう。「はっはっはっは」
千原海智:「まあ、初対面の女の子を追いかけて、ここまで来るくらいだからね」
"ディアスポラ":「うん、今のはちょっと偉かったぞ少年。そう考えると、"マスタールイン"も少し可愛く思えてきたかも」
千原海智:「恐怖も薄れるかな?」
千原海智:痕抉りさんにニコッと笑う。
千原海智:「ともかくさ、僕らはあなたを助けに来たよ」
“痕抉り”:「……」その言葉に、大きく息を吐いて呼吸を整え、頷く。「……ああ……。 ……ひとまず省略して……続きを話してもいいかな」
千原海智:「ああ、こっちこそ横やりしてごめんね」「どうぞどうぞ」
鳩山依鈴:「……ええ。お願い」
“痕抉り”:「……部隊が全滅して、俺だけ生き残って、それから……」
“痕抉り”:ボロボロになったスーツと、改造を施され小さな生活拠点と化したオフィスを見回し。
“痕抉り”:「それから、俺は、ここに3年いる」
鳩山依鈴:「……は?」
千原海智:「……え?」
"ディアスポラ":「三……年……?」
赤川累:「……どういうことです?」
“痕抉り”:「俺は君達に……謝らなくちゃならない」
“痕抉り”:「巻き込んでしまって……ここに引き込んでしまって、すまない」
赤川累:「……考えてみるまでもなく、変だとは思った。こんな場所に、都合よく災厄存在を寄せ付けない空間があるなんて」
赤川累:「何なんですか、ここは」
“痕抉り”:「……この一帯には、他の災厄存在は入ってこられない、と言いましたね」
“痕抉り”:「『他の』です」
赤川累:「……!」
千原海智:「………え」「それって…」
“痕抉り”:「この地帯は、一体の災厄存在によって支配されている」
“痕抉り”:「だから、他の敵は入ってこないんだ」
"ディアスポラ":「クソッ……つまりアンタは」小さく舌打ちして
"ディアスポラ":「撒き餌ってわけ……?新しい餌をおびき寄せるための」
鳩山依鈴:「……あなたは、何?」
“痕抉り”:「……ん?」
“痕抉り”:「あ、ちょっと待って待って!」かぶりを振って。
“痕抉り”:「お……俺じゃないですよ!俺はただ巻き込まれた被害者です!」
“痕抉り”:「いや……結果的には……」
“痕抉り”:「そう……撒き餌……その通りになっちゃいましたが……」
“痕抉り”:「……すいません……」
“痕抉り”:肩を落とす。
千原海智:「なっちゃったの!?」
千原海智:「ガッカリしてないで! ぼ、僕達がどうしたらいいのか教えてよ!」ゆさゆさ揺さぶる。
“痕抉り”:「……この一帯の時間は、内から外に向かうにつれて、延伸化してるんだ」
“痕抉り”:「蟻地獄のようにね……。一度入ったら、抜け出せない仕組みになってる」
鳩山依鈴:「……入るは易し、出るは難しか」
赤川累:説明を聞いて、試しに後ろに数歩下がってみる。
GM:すぐに身体的に分かる変化は無い。だが“痕抉り”の様子がそれを如実に示している。
"ディアスポラ":「ほんの数歩じゃわかんないか……いや、それだけ広いってことなんだろうね」
"ディアスポラ":「そいつの巣がさ」
“痕抉り”:「……俺は何度もそいつと戦いました。この空間の主と」
“痕抉り”:「だが……俺の能力じゃ相性が悪くて、どうしても倒せない」
“痕抉り”:「だから……助けを求めてしまった。奴を倒せるだけの戦力があれば、この空間を抜け出せるはずです」
“痕抉り”:「……多分」
赤川累:「何度も戦って、無事なんですか。攻撃能力はあまりない?」
鳩山依鈴:「……特定のルールでしか倒せない“災厄存在”も、確認されている」
鳩山依鈴:「でも、私たちに、その手札があるかどうかは」
鳩山依鈴:「正直、賭けね」
“痕抉り”:「攻撃能力は、並のジャーム程度」
“痕抉り”:「ただ……何と言ったらいいのかな……」
“痕抉り”:「俺の攻撃は通じなかった。それに……」
“痕抉り”:「あいつの付近は、完全に時間流が狂ってる」
“痕抉り”:「一瞬を数百時間に感じたり、逆に気付けば餓死しそうになっていたり、同じことを何度も繰り返すことになったり……」
“痕抉り”:「……一人では、まともに戦うことも出来なかった」
千原海智:「……でも、3年間も生き延びたんだね」
千原海智:「すごいじゃん。本部エージェント」
“痕抉り”:「えっ」
“痕抉り”:「えっ……へへ……えへ……そうかな……」
“痕抉り”:「すごいかなァ……俺……」
千原海智:「そうだよ!」
千原海智:「自信持ちなよ、痕抉りさん!」ばしばしと腕を叩く。
“痕抉り”:「そ、そう?そうだよね?へへ……へへへっ……」
赤川累:「……まあ、同感かな。並のオーヴァードであれば、ジャーム化してもおかしくないような精神負荷でしょう」
“痕抉り”:「君達もすごいよ。その人数でここまで辿り着くなんて」
“痕抉り”:「俺たちは20人で全滅だったのに……」
“痕抉り”:「……」
“痕抉り”:「やっぱ……俺……」
“痕抉り”:「……すごくないかも……」
“痕抉り”:どんよりと沈みこむように膝を抱える。
千原海智:「情緒が不安定だな~!」
赤川累:「不安定にもなるだろ。こんな場所でずっと一人だったんじゃ」
鳩山依鈴:「直接解決を図りましょうか」呆れたように笑って。
鳩山依鈴:「原因を取り除くほうが速いでしょう」
"ディアスポラ":「……そうだね。聞いたところだと」
"ディアスポラ":「近づくのはNG。それでいて、敵に攻撃を届かせるには周囲の時間流を突破する何らかの手段が必要、と」
“セプテントリオン”:「時間流ね……」
赤川累:「ええ」頷いて、"痕抉り"の方を見る。「……もし無理でなければ、貴方にも手伝って欲しいんですが。いけますか?」
“痕抉り”:「ああ……勿論」
千原海智:「オッケ!」立ち上がる。
千原海智:「じゃあ、やろうか!」
“痕抉り”:「これでも戦闘力には自信があるんだ。本当だよ」
鳩山依鈴:「信じる」
鳩山依鈴:「賭けになるとは言っても、もうベットは済んでるんだから」
鳩山依鈴:「この札で行きましょう」
“痕抉り”:「……ありがとうございます」頷いて。
“痕抉り”:「早速案内します。奴はこの空間の、中心部にいる」
GM:“痕抉り”に先導され、君達は荒廃したビルの谷間を進んでいく。

---

GM:廃墟街を抜けると、一面の荒野が広がっていた。
GM:膨大な時間の流れで、鉄と鋼の建築すら風化した荒涼の風景。
GM:更にそこを進んでいくと、一帯の中心部に辿り着く。
GM:荒野すら尽き果て、あるのはただ一面の砂。どれ程の時間が圧縮されたのか、擂鉢状の砂漠が広がっている。
GM:そこを泳ぐ、一匹の巨大な魚。
GM:板皮類と呼ばれる、骨盤の鎧を持つ古代魚に似た魚だ。自動車ほどの大きさがある。
GM:近付く君達を気にする様子もなく、悠然と砂の中を泳いでいる。
“痕抉り”:「……あいつだ」
“痕抉り”:砂を踏み締めて言う。
"ディアスポラ":「あれがここのヌシってわけか」肩目を細める
鳩山依鈴:「……まさに蟻地獄なわけね」
千原海智:「おお~っ、ゲームに出てきそう」
赤川累:「ゲームをやった記憶もないのにか?」
千原海智:「!」「確かに!」
赤川累:「納得するんだ……」
千原海智:「えっ!?」
赤川累:「いや、悪い。意地悪い事を聞いたよ」僅かに笑みを零しながら。
千原海智:「…? 小悪魔……??」ドキドキしながら言う。
“セプテントリオン”:荒廃した周囲を見回し「……戦ってる間に、寿命が来なきゃいいがね」
赤川累:表情を引き締め、構える。「ええ。片付けましょう、こっちまで呑まれる前に」
鳩山依鈴:「……ええ。先ずは、見定める……しかし」
鳩山依鈴:「お喋りできるって、いいわね、本当」
“痕抉り”:「?」
鳩山依鈴:「なんでもない。後で教えるわ」
鳩山依鈴:「生き延びられればね」
"ディアスポラ":「生き延びるさ」
"ディアスポラ":「ルーレットでイカサマできるのはディーラーだけじゃないんだからね」

GM:ミドル戦闘を開始します。
エンゲージ []内は行動値



赤川[15]ディアスポラ[13]鳩山[6]千原[2]

(10m)

刻喰らい[0]


GM:この戦闘の情報難易度は8です。
GM:セットアップから!
千原海智:なしです!
鳩山依鈴:なし
赤川累:ないです
"ディアスポラ":なし!
GM:ではイニシアチブ
刻喰らい:≪スピードフォース≫
刻喰らい:行動します
千原海智:きゃ~っ
鳩山依鈴:時間を操りやがって!
刻喰らい:マイナー≪魔王の外套≫
刻喰らい:暴走し、シーン間受けるダメージを-30
鳩山依鈴:ヒョワ……
刻喰らい:メジャー≪コンセントレイト:オルクス≫+≪形なき剣≫+≪要の陣形≫+≪かまいたち≫+≪疾風迅雷≫+≪巨人の斧≫
刻喰らい:1D4
DoubleCross : (1D4) → 4

刻喰らい:ディアスポラ以外に攻撃。
千原海智:ヒャ~ッ
"ディアスポラ":ゲ~ッ!
刻喰らい:5DX7 ドッジ不可
DoubleCross : (5R10[7]) → 10[3,4,5,9,10]+10[2,7]+2[2] → 22

千原海智:ガードするしかないよ~
赤川累:一応のガード
鳩山依鈴:ガード
刻喰らい:ダメージ!
刻喰らい:3D10+22
DoubleCross : (3D10+22) → 16[6,4,6]+22 → 38

赤川累:戦闘不能!リザレクトします
千原海智:装甲有効ですっけ?
GM:装甲は有効です
鳩山依鈴:装甲で15点引いて23点
鳩山依鈴:3点残りました
赤川累:赤川累の侵蝕率を+2(1d10->2)した(侵蝕率:70->72)
千原海智:じゃあ生き残る!HP12点残ります
赤川累:赤川累のHPを2にした(HP:27->2)
GM:そしてギリギリ思い出しました
GM:NPCカードが使用可能です

NPCカード
“痕抉り”
ダメージロール直前に使用する。与えるダメージ+25。シーン1回まで使用可能。


"ディアスポラ":ギリギリ!

刻喰らい:巨大魚の周囲の光がオーロラめいて歪み、不可解な闇が差し込む。
刻喰らい:それは時空の捻じれが生み出す光景。
刻喰らい:ひとたび砂から跳ねた……瞬間。
刻喰らい:君達三人の目の前に、『それぞれ同時』に現れる。
千原海智:「っ!?」
刻喰らい:その時には既に、巨大な鰭が君達を打ち据えている。
鳩山依鈴:「時間を操れるのなら——」迎撃の銃弾。
鳩山依鈴:「同じ時間軸に、同時に存在させることも出来る!」
鳩山依鈴:止めきれず、撃ち叩かれるが。それでも致命傷は逸らす。
千原海智:反射的に右手を前に構える。同時に肩から影へと変化し、盾のように広がり身を護る。
千原海智:「いっ……」盾を削られつつも、こちらも致命傷は避ける。
赤川累:「っ!」動作の読みも利かない時空改変。咄嗟に防御姿勢を取るが、
赤川累:諦めて再生の準備に切り替えた。叩き伏せられ、血を流す。
赤川累:「ぐ、っ……」砂を掴みながら、歪んだ腕の骨を嵌め直し、立ち上がる。
刻喰らい:魚は再び砂へと潜航する。だが時空の歪みは更に範囲を広げ、君達を呑みこみ、その動きを狂わせる。
刻喰らい:即ち、速きを遅く、遅きを速く。

GM:行動値2
GM:千原くんの手番です。
千原海智:時間がくるってる!
千原海智:メジャーで、〈情報:噂話〉でコネ使って判定します
千原海智:4dx+2>=8
DoubleCross : (4R10+2[10]>=8) → 9[7,8,8,9]+2 → 11 → 成功

GM:では成功!情報を開示します
千原海智:成功した!

【刻喰らい】
この災厄存在は、通常とは違う時間流を泳ぐことで、外部からの攻撃を著しく減衰させている。
時間に干渉する能力者のみが、この防御を貫通してダメージを与えることが出来るだろう。


GM: 
GM:打ち据えられた瞬間、君はその攻撃と存在の本質を理解する。
千原海智:「……っ」
GM:その魚は『今』目の前にはいない。
千原海智:広げた影の盾が食い破られた時に、それが『今』分かっただけのことであると、
千原海智:感覚的に理解する。
千原海智:即ち、時間軸を操れる人間でなければ、こいつに太刀打ちできないということだ。
千原海智:「っ鳩山さん!」「こいつ!」
千原海智:「3秒後にいる!」
鳩山依鈴:「それ——」驚きに顔を開いて。「確かなの?……いや」
鳩山依鈴:「……“分かった”」

GM:行動値6、鳩山さんの手番です。
鳩山依鈴:マイナーなし、《コンセントレイト》《カスタマイズ》。
鳩山依鈴:7dx7-1
DoubleCross : (7R10-1[7]) → 10[1,2,5,6,6,7,9]+10[7,8]+4[3,4]-1 → 23

GM:振り足しありますか?
鳩山依鈴:もう1枚位は切っておくか。
GM:ちなみに
鳩山依鈴:おっと
GM:刻喰らいは常時エフェクトで≪拒絶領域≫も所持しています
鳩山依鈴:めちゃ硬じゃん
"ディアスポラ":あっごめんなさい!
"ディアスポラ":振っちゃったけど《砂の加護》《砂塵霊》あげてもいいですか?
GM:なんだとぉ……
GM:いいでしょう お振り直しなさい!
鳩山依鈴:わーい!何個増えるのかな
"ディアスポラ":優しい!ありがとうございます~!ダイス+3
"ディアスポラ":ダメージ+8です1
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+6(侵蝕率:75->81)した
鳩山依鈴:10dx7-1
DoubleCross : (10R10-1[7]) → 10[3,5,5,6,7,8,9,9,9,10]+10[1,6,6,8,8,8]+5[2,2,5]-1 → 24

鳩山依鈴:1しか変わってない!
鳩山依鈴:使うよ……!《剣精の手》!
鳩山依鈴:1dx7+29
DoubleCross : (1R10+29[7]) → 6[6]+29 → 35

鳩山依鈴:セプテントリオンも使おう
千原海智:使おう使おう
GM:では達成値40ですね
刻喰らい:ガード≪魔人の盾≫
GM:ダメージどうぞ。
鳩山依鈴:“痕抉り”の効果も使って抜きに行くわよ
鳩山依鈴:5d10+34 もろもろ有効
DoubleCross : (5D10+34) → 16[1,3,9,2,1]+34 → 50

鳩山依鈴:低……低くない?
刻喰らい:≪魔人の盾≫の効果で50軽減
千原海智:え~ッ
刻喰らい:生きてます。
鳩山依鈴:しゅん……
"ディアスポラ":ぐぬぬ

鳩山依鈴:目の前の魚に、銃を向け、構える。
鳩山依鈴:そのまま見える通りに照準を合わせて。
鳩山依鈴:「——CW/3s」
鳩山依鈴:銃声だけが起きる。
鳩山依鈴:そこからきっかり3秒後。
鳩山依鈴:ガンッ!
鳩山依鈴:銃弾が怪魚を捉えた音。
鳩山依鈴:ーー彼女の能力は、時間歪曲射撃。
鳩山依鈴:時間を領域であると定義して、その隔たりを繋げて。
鳩山依鈴:過去や未来へ狙撃していたことになる銃弾を作り出すもの。
鳩山依鈴:それは時間流を泳ぐ存在でさえも、過たず捉えることが出来る。
鳩山依鈴:だが。
鳩山依鈴:侵蝕率+6 (侵蝕率:44->50)
刻喰らい:狙いは過たず、銃弾は巨大魚を捉えたかに見えた。
刻喰らい:だが。
鳩山依鈴:「ダメね……手筋の読みはいいんだけど」
鳩山依鈴:「札の強さが足りない」
千原海智:「むっ」
刻喰らい:着弾の瞬間、巨大魚が姿を消す。
刻喰らい:銃弾は目標を失って、ただ砂を撃ち抜く。
刻喰らい:次の瞬間には再び現れ、砂に潜る。
千原海智:「む~~~っ」
鳩山依鈴:「……あなたは悪くない」
鳩山依鈴:「ごめんね。期待に答えられなくて」
刻喰らい:着弾の瞬間、時間を消し飛ばした。時間を泳ぐ魚にとってそれは、通常の魚が水面からジャンプするような荒業だろうが。
刻喰らい:それでも、攻撃を防いだ。

GM:行動値13、ディアスポラさんの手番です。
"ディアスポラ":マイナーで《陽炎の衣》隠密化
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:81->84)した
"ディアスポラ":『シャドウプレイ・スキュア』《見えざる死神》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》ナイフで刻喰らいに攻撃
GM:どうぞ!
"ディアスポラ":9dx7+1
DoubleCross : (9R10+1[7]) → 10[3,3,4,4,4,5,6,6,7]+10[10]+5[5]+1 → 26

刻喰らい:ガード。エフェクトなし
GM:ダメージどうぞ
"ディアスポラ":3d10+28+2d10
DoubleCross : (3D10+28+2D10) → 8[1,5,2]+28+11[8,3] → 47

"ディアスポラ":出目ひっく
刻喰らい:≪拒絶領域≫+≪魔王の外套≫ でダメージ軽減は60点
刻喰らい:無効化します
千原海智:60点も軽減!
鳩山依鈴:オゴーッ
鳩山依鈴:無理でしょ
"ディアスポラ":さては滅茶苦茶超越活性してやがるな……
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+4(侵蝕率:84->88)した

"ディアスポラ":ナイフを手元でくるくると遊ばせる。
"ディアスポラ":その軌跡に重なるように小さな氷の刃がいくつも生み出され
"ディアスポラ":「よっ!」巨大魚の泳ぐ先へ、時間差をつけて次々と投擲する。
刻喰らい:氷の刃は魚の身体を捉えるが、傷付けることなくその場に落ちる。
刻喰らい:そこにいるように見えて、そこにはいないのだ。気にした様子も無く、悠然と泳いでいる。
"ディアスポラ":氷の刃は、落ちた先から周囲の砂を凍結させていくが
"ディアスポラ":やがてその侵蝕が早回しのように加速し、逆にピークを過ぎて解凍、溶け出していく。
"ディアスポラ":「……うん、こりゃ無理っぽい」
"ディアスポラ":「おとなしく次のドローを待った方が懸命かな」
赤川累:「……同意見ですね」一連の攻防を観察していた。途中まで掲げた自分の右手を下ろす。
赤川累:「俺の能力は、直に触れなきゃ使えない。まあ、相性最悪だ」
赤川累:「……札が悪いって言ってましたけど」鳩山さんの方を見る。「引き直せばいけるレベルですか、それ」
鳩山依鈴:「行ける……いえ」
鳩山依鈴:「行くまで回す」
鳩山依鈴:「当たりを引くまで撃ち続けるわ」
千原海智:「………む」砂漠を眺める。
赤川累:「頼もしいな。……すみません、頼ります」
“痕抉り”:「……行けるのかなあ……本当に……」弱気な顔。

GM:行動値15、赤川くんの手番です。
赤川累:待機します!
GM:ではクリンナップフェイズです

刻喰らい:≪災厄存在≫
刻喰らい:古代魚がその大顎を開く。
刻喰らい:「■■■■■■■■■■■■ーーーッ!!」
刻喰らい:名状しがたい、可聴域を越えた咆哮が轟き。
刻喰らい:周囲の砂が、光が、空間が──ありとあらゆるものが、その口に吸い込まれていく。
刻喰らい:視界の全てが、激しく歪み崩れていく。
刻喰らい:巨大魚が、『時間』を喰らっている。
 : 
 : 
 : 
 : 
赤川累:「……札が悪いって言ってましたけど」鳩山さんの方を見る。「引き直せばいけるレベルですか、それ」
 : 
 : 
 : 
鳩山依鈴:「ごめんね。期待に答えられなくて」
 : 
 : 
千原海智:「3秒後にいる!」
 : 
 : 
 : 
 : 
刻喰らい:その時には既に、巨大な鰭が君達を打ち据えている。
 : 
 : 
 : 
 : 
 : 
 : 
 : 
 : 
 : 
"ディアスポラ":「生き延びるさ」
"ディアスポラ":「ルーレットでイカサマできるのはディーラーだけじゃないんだからね」
GM:瞬間。
GM:気付けば、全てが元に戻っている。
GM:攻撃を受けた傷。撃ち込んだ弾薬。破壊された地形。全てが、数分前まで巻き戻っている。
GM:そのままなのは、記憶だけだ。『今』から数分後までの記憶。
千原海智:「……っわ!?」
千原海智:光から庇うように、両腕を前に出していた。瞬きする。
“痕抉り”:「……喰われた……!」
鳩山依鈴:「……喰われたって……」
“痕抉り”:「『これ』だ!俺は『これ』を何度もやられたんだ……!」
赤川累:「…………今の、は」
“セプテントリオン”:「……全く……馬鹿げてるね」
赤川累:何度も瞬きして、周囲を見渡す。「……そうか」
赤川累:「一人じゃどうにもならないはずだ」
鳩山依鈴:「……当てるまでやるとは言ったけど」
鳩山依鈴:「毎回山を戻すのね。カウンティングはさせないってわけだ」
"ディアスポラ":「……ああ、確かに"打つ手なし"なら、これほど堪える仕打ちもないや」
千原海智:「いや~~皆さん」周囲を振り向く。「理解が早いことで……」

GM:HP、侵蝕率、エフェクト使用回数等、全てを戦闘開始時に戻してください。
千原海智:戻しましたっ
赤川累:赤川累のHPを27にした(HP:2->27)
鳩山依鈴:戻!
"ディアスポラ":戻し!

GM:1ラウンド目を開始します。
GM:セットアップから。
千原海智:なしです
赤川累:ないです
鳩山依鈴:なし
"ディアスポラ":なし
GM:ではイニシアチブ
刻喰らい:≪スピードフォース≫
刻喰らい:行動します
刻喰らい:マイナー≪魔王の外套≫
刻喰らい:暴走し、シーン間受けるダメージを-30
刻喰らい:メジャー≪コンセントレイト:オルクス≫+≪形なき剣≫+≪要の陣形≫+≪かまいたち≫+≪疾風迅雷≫+≪巨人の斧≫
刻喰らい:DoubleCross : (1D4) → 4
刻喰らい:ディアスポラ以外に攻撃。
鳩山依鈴:一緒じゃん……
刻喰らい:DoubleCross : (5R10[7]) → 10[3,4,5,9,10]+10[2,7]+2[2] → 22 ドッジ不可
千原海智:一緒じゃん………
千原海智:ガードします
鳩山依鈴:あっこれ振ってないのか
鳩山依鈴:ガード。
赤川累:ガード!
刻喰らい:ダメージ!
刻喰らい:DoubleCross : (3D10+22) → 16[6,4,6]+22 → 38
千原海智:12点生存!
"ディアスポラ":一緒……
鳩山依鈴:3点残って生存します
赤川累:同じくリザレクトで
赤川累:赤川累の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:70->77)
赤川累:赤川累のHPを7にした(HP:27->7)

刻喰らい:巨大魚の周囲の光がオーロラめいて歪み、不可解な闇が差し込む。
刻喰らい:それは時空の捻じれが生み出す光景。
刻喰らい:ひとたび砂から跳ねた……瞬間。
刻喰らい:君達三人の目の前に、『それぞれ同時』に現れる。
刻喰らい:その時には既に、巨大な鰭が君達を打ち据えている。
刻喰らい:先程と、全く同じ攻撃。
赤川累:既に見た攻撃、だが。有為な防御手段がある訳ではない。
赤川累:「が、っ……!」再生を頼みに、受け、弾き飛ばされる。
鳩山依鈴:ギリギリまで引きつけて、それを見やる。
鳩山依鈴:直前で掠らせながら攻撃を受け流して。
千原海智:反射的に右手を前に構える。同時に肩から影へと変化し、盾のように広がり身を護る。
千原海智:「……」盾を削られつつも、致命傷は避ける。そして。その攻撃が同じであることを理解する。
千原海智:「───ってことは!」「未来を」
千原海智:「変えてやる!」
鳩山依鈴:「……ええ、お願い!」
赤川累:「……寸分違わず同じとは。いや」先程と同じように、腕を嵌め直しながら。再生速度の差異を感じ取る。
赤川累:「ああ、変えられる。こっちの行動までさっきと同じに固定化できる訳じゃない」
"ディアスポラ":「そういうことだよ、少年」陽炎とともに姿を表す。"セプテントリオン"と共に退避していた。
"ディアスポラ":「仮に手札が同じだとしても」
"ディアスポラ":「何をしでかすかわからないのが"鬼札"ジョーカーだ。行ってきな」
刻喰らい:魚は再び砂へと潜航する。だが時空の歪みは更に範囲を広げ、君達を呑みこみ、その動きを狂わせる。
刻喰らい:即ち、速きを遅く、遅きを速く。

GM:行動値2、千原くんの手番です。
千原海智:は~い
千原海智:マイナーで《破壊の爪》。素手のデータ変更。
千原海智:メジャーで《獣の力》《獣王の力》《シャドーテンタクルス》。
千原海智:刻喰らいに攻撃します。
GM:判定どうぞ!
千原海智:10dx@7+6
DoubleCross : (10R10+6[7]) → 10[1,3,3,3,4,5,7,8,8,9]+10[1,1,4,7]+10[9]+10[10]+4[4]+6 → 50

GM:まっマジ?
千原海智:うお~っまわった!
鳩山依鈴:ひゅう!
刻喰らい:ガード≪魔人の盾≫!
千原海智:ダメージだしますっ
GM:ダメージをどうぞ!
千原海智:6d10+29+3
DoubleCross : (6D10+29+3) → 33[1,3,4,9,9,7]+29+3 → 65

GM:ギャ~ッ
千原海智:装甲有効でやんす!
刻喰らい:ガードはぶち抜かれますが……ダメージ軽減で無傷!
千原海智:チェ~~ッ
刻喰らい:ただし≪魔人の盾≫は使い切りました
千原海智:イエ~イッ

千原海智:鳩山さんに声を掛けられると同時、影と変化した右手を砂漠の中に打ち付ける。
千原海智:影の獣が唸りをあげて砂漠を駆け抜け、巨大魚を追う。
千原海智:(───知ってる)(3秒後!)
刻喰らい:巨大魚が、砂上に顔を出す。
千原海智:その瞬間を逃さず、影の獣が大きく口を開いて頭上から巨大魚を食らわんと襲い掛かる。
千原海智:「食らえッ!」
刻喰らい:「────!」
刻喰らい:巨大魚が一瞬、姿を消す。
刻喰らい:獣に喰らい付かれる瞬間、その存在を時間軸から消し去る。
刻喰らい:だが────それは荒業だ。繰り返し使えるものではないと、君は先程の攻防で既に知っている。
千原海智:「よっしゃっ」だから、快哉を叫ぶ。
千原海智:「あとは…っ」「任せた!」

GM:行動値6、鳩山さんの手番です。
鳩山依鈴:マイナーなし、メジャー《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。
GM:判定どうぞ!
鳩山依鈴:7dx7-1
DoubleCross : (7R10-1[7]) → 10[2,4,5,5,6,7,9]+10[5,8]+10[10]+10[10]+4[4]-1 → 43

GM:ゲッ素で回してきた
鳩山依鈴:あっ回ったな……このままで行けそうだな~
GM:振り足しありますか?
鳩山依鈴:このままで行きます。
刻喰らい:エフェクト無しでガード。
GM:ダメージをどうぞ
鳩山依鈴:これ、NPCカードは
鳩山依鈴:使用回数回復してます?
GM:してます!
鳩山依鈴:では“痕抉り”の効果を使って、ダメージ出します
鳩山依鈴:5d10+34
DoubleCross : (5D10+34) → 24[5,1,9,4,5]+34 → 58

GM:ギャア~~ッ
千原海智:オオッ
"ディアスポラ":どうだ!
刻喰らい:HPは40。
刻喰らい:戦闘不能です。復活エフェクト無し。
刻喰らい:戦闘終了です。
千原海智:オオ~~~!!
赤川累:やった!
鳩山依鈴:やったね!
"ディアスポラ":アヤッター!

鳩山依鈴:「ごめんね。あなたにババを引かせちゃって」
鳩山依鈴:千原くんの頭に手を置いて、軽く撫でる。
千原海智:「えっ」
千原海智:「……!?」「!!?」動揺したり赤くなったりしている。
鳩山依鈴:「……譲ってもらったチャンスは、必ず決める」
鳩山依鈴:目の前に居ない魚に、銃を向け、構える。
鳩山依鈴:そのまま見えない未来に照準を合わせて。
鳩山依鈴:「——CW/3s」銃声。3秒後。
鳩山依鈴:砂の中で、くぐもった音。
鳩山依鈴:「今回の札は、強いと思うけど?」
鳩山依鈴:「そっちも、結果を開けてもらえるかしら」
刻喰らい:「■■■■■■■■■■■■■■ーーッ!?」
刻喰らい:砂の中から、巨大魚が飛び出してくる。
刻喰らい:その胴体には大穴が穿たれ、青灰色の血を撒き散らしている。
鳩山依鈴:「——ヒット」
“痕抉り”:「良し」
“痕抉り”:その傷口に、遠隔からレネゲイドを注ぎ込む。
“痕抉り”:「おまけだ」
刻喰らい:ズ ルッ
刻喰らい:巨大魚の体表を滑るように、傷口が移動する。
刻喰らい:胴に空けられた大穴が、頭に空けられた大穴へと変わる。
刻喰らい:「────────」
刻喰らい:能力が解除されると同時、ばしゃり、と夥しい血を噴き出し。
刻喰らい:地響きと共に落下、びちびちと跳ね、砂の上で動かなくなる。
鳩山依鈴:「——バースト」
千原海智:「っ………」顔を赤らめ、撫でられたところに手をやっている。
鳩山依鈴:ふう、と息を吐いて、振り向く。
千原海智:「……お見事…」
鳩山依鈴:「私、こういう能力者なの……いや、まあ」
鳩山依鈴:「後でゆっくり説明したほうが良いかな」
千原海智:「あっ」
千原海智:「後でゆっくり………??」
千原海智:「それは…二人きりで……?」
鳩山依鈴:「え?」
"ディアスポラ":「なんでだよ」後ろから千原くんの頭を小突く
千原海智:「ギャッ」
赤川累:「ともあれ、仕留めたか。……どうなるかな、この空間」崩れ出したりしないかと、周囲を見渡して。
“痕抉り”:「た、倒した…………」脱力してへたり込む。
“痕抉り”:「ありがとう……!あんた達のお陰だよ……!」
“痕抉り”:「やっと出られる……もう駄目かと……世界の終わりかと思ったよ……」
鳩山依鈴:「お疲れ様です。いえ、あなたの援護がなければ」
鳩山依鈴:「勝負を決定づけられなかった。感謝してる」
赤川累:「ええ。……あんなのを何度も喰らって、よく心折れずに耐えていられたものだと」少し疲れた様子で。
千原海智:「いやっ……」「ダメ……!微笑みが眩しい……!」
千原海智:「あの人罪深くない…?」
"ディアスポラ":「アンタももっと頑張ればご褒美くれるかもよ」
千原海智:「えっ……!?」
“痕抉り”:「えっ……えへっ……へへ……そう?そうかなあ……」
“痕抉り”:「……あんた達、ここから任務を続けるのかい?」
鳩山依鈴:「ええ。私たちにとっては、ここはゲームの終わりじゃない」
鳩山依鈴:「胴元の鼻柱をへし折りに来たのよ」
“痕抉り”:「なら、俺も手伝いますよ」
“痕抉り”:「元々その為に来たんだ。とはいっても……」
“痕抉り”:「3年もブランクあるからな……もしかしたら……」
“痕抉り”:「全然……何の役にも……立たないかもしれないけど……」
赤川累:「今のは十分、動けていたように見えますけど」
赤川累:同意を求めるように皆へと視線を送って。
千原海智:「動けてたよ! こう、ブワ~ッって」傷が移動する仕草。
鳩山依鈴:「ええ、とても助かる」
鳩山依鈴:「協働を感謝します。とても心強い」
“セプテントリオン”:「……まあ、戦力は多い方がいいのは確かだろうね」
"ディアスポラ":「さっきの奴とは相性最悪だったけど、この先役立ってくれそうだしね」
“痕抉り”:「そっ……そうですか……?そんなにか……いやぁ……そこまでとはね……ふふ……」
赤川累:頷く。「これまでを見るに、災厄存在ってのは能力の相性に依存する部分が大きい」
赤川累:「少人数じゃ、どこかで詰みに行き当たるかもしれない。そのリスクを減らすという意味でも、願ってもない申し出です」
“痕抉り”:「分かりました!一緒に行きましょう!世界が終わる前に頑張らないと!」
“痕抉り”:「それで……えーと……」見回して「……どっちに行ったら?」
千原海智:「情報が不安定だな~」
千原海智:「目指してる場所があるんだ。そこまで一緒に来て」
“痕抉り”:「場所が分かってるのか。了解だ。ついて行くとも」
GM:マップに従い、歩き出す一同。
GM:そんな中“ディアスポラ”は、ふと何かが足元に落ちているのに気付く。
"ディアスポラ":「ん?」
GM:それは小さなペンダント────ロケットだ。
GM:“セプテントリオン”が大事にしているもの。激戦で紐が切れたらしい。
鳩山依鈴:「……どうしたの?」
"ディアスポラ":「……まったく、あのお婆ちゃん」屈んでそれを拾い上げます。
"ディアスポラ":「人には肌身離すなって言ってたくせに自分はこれなんだから、しょうがないなあほんと」
赤川累:「……」その様子を見て。ふと不安になって、自分の胸ポケットを確かめる。
千原海智:「あ、セプテントリオンさんの? 落ちてるってさ…」
"ディアスポラ":「"セプテントリオン"!落とし物!」ロケットを投げ渡す。
“セプテントリオン”:「……ん?」
“セプテントリオン”:受け取って、自分の胸元を確認して。
“セプテントリオン”:「……ああ……」それでようやく気付いたように。
“セプテントリオン”:「悪いね」紐が切れたロケットを、コートにしまい込む。中の写真を確認することもしない。
"ディアスポラ":「もう、勘弁してよね。いくら先が短いって言ってもさ、戦ってる途中で消えられたらすわりが悪いでしょ」
"ディアスポラ":「勝利の瞬間ぐらいは……」
"ディアスポラ":「……?」その様子に、少し違和感を覚えて
"ディアスポラ":「"セプテントリオン"、本当に大丈夫?」
“セプテントリオン”:「うん?」振り返る。「何だい」
“セプテントリオン”:「今にも死にそうなババアにでも見えるかね」
“セプテントリオン”:煙を吐き出す。その姿は君が知っているものと変わらない。
"ディアスポラ":「はは、冗談下手すぎ。向こうの少年連中に同じこと言わないでよ?こっちが気の毒になるから」
"ディアスポラ":「……まあ、そんだけ減らず口が叩けるなら大丈夫か」不安を振り払うように横に並んで
"ディアスポラ":「ごめん、なんでも無い。行こ」
“セプテントリオン”:「……ああ」
“セプテントリオン”:「休んじゃいられない。アタシらは」
“セプテントリオン”:「奪われたモンを、取り戻すんだからね」
“セプテントリオン”:片脚は義足ながら、確かな足取りで歩いていく。
"ディアスポラ":「取り戻す、か。うん」その少し後ろに付いていく。
"ディアスポラ":「(…………取り戻す?)」
"ディアスポラ":「(アイツを、"スターゲイザー"を倒せたとして……)」
"ディアスポラ":「("セプテントリオン"。それでアンタに戻ってくるものって)」
"ディアスポラ":「(一体何……?)」
"ディアスポラ":喉の奥に微かな疑念を張り付かせながら、歩みを進めた。



GM:シーン終了。
GM:まずは終了時処理。
GM:Eロイスは≪災厄存在≫で1つです。
GM:振りたくばお振りなさい!
鳩山依鈴:私むしろ攻撃侵蝕あげてなかった
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:44->48)
鳩山依鈴:ふらんとこ 一人だけ低すぎ
赤川累:振るわ!
赤川累:77-1d10
DoubleCross : (77-1D10) → 77-1[1] → 76

赤川累:赤川累の侵蝕率を76にした(侵蝕率:77->76)
千原海智:振る!
千原海智:74-1d10
DoubleCross : (74-1D10) → 74-7[7] → 67

"ディアスポラ":ふる!
"ディアスポラ":75-1d10
DoubleCross : (75-1D10) → 75-10[10] → 65

GM:災厄存在は1体なので、経験点は5点差し上げます。
GM:そしてロイス・購入可能です。
千原海智:ロイス保留で…
千原海智:応急手当狙おう
千原海智:2dx+6>=8
DoubleCross : (2R10+6[10]>=8) → 8[4,8]+6 → 14 → 成功

千原海智:買えた 使います
千原海智:2d10+12
DoubleCross : (2D10+12) → 16[7,9]+12 → 28

"ディアスポラ":応急私も余ってるから使う人はどうぞ~
鳩山依鈴:ロイスはパスして
鳩山依鈴:応急買おう
鳩山依鈴:3dx+1>=8
DoubleCross : (3R10+1[10]>=8) → 10[2,9,10]+10[10]+7[7]+1 → 28 → 成功

鳩山依鈴:すごいの買えちゃった
千原海智:すご…
鳩山依鈴:本当は雄吾さん用のやつだったのかも……
赤川累:ううーんこっちもロイス保留。
赤川累:ボディアーマー買っておこうかなあ
赤川累:3dx+3>=12
DoubleCross : (3R10+3[10]>=12) → 10[4,6,10]+7[7]+3 → 20 → 成功

鳩山依鈴:すごいすごい
赤川累:買えたわね
千原海智:良い出目だわ~
鳩山依鈴:私侵蝕低いし
鳩山依鈴:他の人に回すわよ
鳩山依鈴:応急
千原海智:累くん使ったらどうかしら
赤川累:じゃあもらおうかしら!
鳩山依鈴:じゃあパス!
赤川累:2d10+7 応急手当!
DoubleCross : (2D10+7) → 18[10,8]+7 → 25

赤川累:赤川累のHPを25にした(HP:7->25)
赤川累:ほぼ全快!
赤川累:流石に高級なので回復量がすごかった
千原海智:さすが情婦の応急手当
"ディアスポラ":ロイスは保留
"ディアスポラ":うーん私も応急にしとこう
"ディアスポラ":2dx+3>=8
DoubleCross : (2R10+3[10]>=8) → 9[5,9]+3 → 12 → 成功

"ディアスポラ":買えた!応急2個持ってます
"ディアスポラ":以上!



【刻喰らい】

太古から生き続ける巨大魚。
時間流を泳ぎ、次元の狭間に生息しているが、時折餌となる『時間』を求めて基底現実に浮上する。
巣とした周囲は時間の流れが淀み、歪み、外に出ることは出来なくなる。
PC達が遭遇したのは稚魚であり、天文学的な時間を掛けて成魚となったものは体長数十キロメートルのサイズに及び、巣の範囲もそれに従って大きくなる。




【Masterscene】

誰かの記憶
 :生れ落ちて、初めて目にしたその時から。
 :この世界は限りなく美しかった。
 :空の青さは、一日だって同じ色ではなかった。
 :海と大地はどこまでも広がっていて、果てが無く。一歩進むたびに、私に新たな驚きを齎してくれた。
 :春には花を愛で、夏には虫と戯れて。
 :秋には紅葉を眺め、冬には雪で遊んだ。
 :自然が造った生きとし生ける獣や鳥、魚たちは、どれも色とりどりの命に満ち満ちていたし、
 :人の造りしものは、芸術や文化や物語から、無機質なビルの立ち並ぶ街まで、何もかも私の心を揺さぶった。
 :何もかもが美しくて、素晴らしくて。
 :私はこの世界で生きるのが、大好きだった。
 : 
 :いつか、不思議に思って、父に聞いてみたことがある。
 :この世界はいつからあって、いつまで続いているのかと。
 :父は笑って答えた。
 :この世界は、私が生まれるずっと前からここに在って。
 :私がいなくなってからも、変わらずにずっと在り続けるのだと。
 :それを聞いて、私は驚いた。
 :ああ、それは何て────
 :何て許し難い、理不尽なのだろう。



【Middle7】

GM:全員登場です。
GM:登場侵蝕をどうぞ。
赤川累:赤川累の侵蝕率を+4(1d3+3->1+3)した(侵蝕率:76->80)
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+5(1D3+3->2+3)(侵蝕率:65->70)した
千原海智:1d3+3+67
DoubleCross : (1D3+3+67) → 2[2]+3+67 → 72

鳩山依鈴:侵蝕率+4(1d3+3->1+3) (侵蝕率:48->52)
元“刻喰らい”支配領域 外縁部
GM:巨大魚の支配領域の縁まで辿り着いた君達は、
GM:他の災厄存在の少ないここで、一度休息を取ってから進むこととした。
GM:拠点の警護と物資の点検等を他のメンバーに任せ
GM:千原と赤川の二人は、付近で使えそうな物資を探しに来ていた。
千原海智:「応急セットとかがいいのかな」ガサゴソと漁っています。
赤川累:「……あの人が3年も使ってたなら、物資も尽きてるかと思ったけど」
赤川累:「そうでもないな。時空の歪みが戻った影響か」
千原海智:「そうだねえ」落ちていたクッキーの箱を拾い上げる。「3年も経ったとは思えないや、確かに」
千原海智:「……しかし」累くんを見る。
赤川累:「何だ?」手を止めて、視線を返す。
千原海智:「ようやく二人っきり、だね」わざとらしく言う。
赤川累:「……」一瞬、意味が汲み取れないという風にまばたきをして。
千原海智:「ほらほら、話しただろ。好きなタイプの話でもしようとか」
千原海智:「聞けば教えてくれるって言ってた」
赤川累:「……ああ、そうだった」
赤川累:「タイプっていうか……まあ、あれだ」頭をかく。
千原海智:「うん」何も入ってない棚に腰かける。
赤川累:「好きだった人の話ならできる」
赤川累:「色恋絡みで痛い目を見た事がある、って言っただろ」
千原海智:「ああ…。言っていたね」
赤川累:「何、大した話じゃない……って言えたら良かったんだけど」
赤川累:「どう取り繕っても、その表現は無理があるな」
赤川累:「それでもまあ、他人事と思って聞いてくれ」
千原海智:「うん。聞く」
赤川累:「最初にこの力を手に入れた時、女の子を助けたんだ」
千原海智:「へえ……」僕と同じだ。と思う。
赤川累:「UGNイリーガルの……まあ、俺はその時、UGNなんて知らなかったんだけど」
赤川累:「怪物に殺されそうになってたもんだから、無我夢中でさ」
千原海智:「凄いな。ヒーローじゃないか」
赤川累:「ヒーロー、そうだな」自嘲するように笑う。「自分でも少し、そう思ってたのかも」
千原海智:「………?」瞬き。
赤川累:「何、まあ……最初にそういう事があってさ」
赤川累:「彼女と一緒に過ごしたのは数日だったけど。俺はその子に惹かれてた」
赤川累:「ミステリアスで、少し間の抜けてて……思いやり深くて」
赤川累:自分ではない、誰か他人の感情をなぞるような口ぶりで言う。
赤川累:「それに、可愛かった」淡々と。
千原海智:「可愛いのは、大事だ」
赤川累:「……まあな」
千原海智:小さく笑う。
赤川累:「ただ、今となっては……」
赤川累:「見る目がなかった、としか言いようがない」
千原海智:「………」「何で?」
赤川累:「……」
赤川累:「演技が上手い訳でもないからな。途中に幾つも、違和感はあったんだ」
赤川累:「あり得ない、と思っていたから。可能性を排除していた。気付けなかった」
赤川累:「その子が、”スターゲイザー”だった」
千原海智:「え」
千原海智:ぽかんとする。
赤川累:「……気付いたのは、全部終わった後だ」
千原海智:「……いや……だって、君の故郷は、そいつの手で…」
赤川累:「まあ、そういう反応になるか」苦々しい表情で、千原くんを見る。
赤川累:「どちらも事実さ」
千原海智:「………」
赤川累:「仲間だと思ってたやつが、実は敵だった」
赤川累:「この業界でいう、ダブルクロスってやつさ」
千原海智:「ダブルクロス……」「………」
千原海智:「………君の好意が」
千原海智:「あの子の遊び道具にされたの?」
赤川累:「まあ……」少し遠い眼をして「あいつにとっちゃ、人間なんてどれも遊び道具のようなものだけど」
千原海智:「赤川くん」
千原海智:「君が感じた怒りは、君だけのものだろ」
千原海智:「スターゲイザーが、たとえ人間を全部おもちゃとして扱ってるとしてもさ…! その…」
千原海智:「………」
千原海智:視線を落とす。
赤川累:「……ああ」
赤川累:「そうだな。……俺は、あいつを憎んでる」
赤川累:「付け加えるなら……俺だけのもの、と言うには。あいつのしでかした事は、少し大きすぎるかもしれない」
赤川累:「死んだ人間は、恨み言も吐けないからな」
千原海智:「……そっか」
千原海智:「だから、倒したい?」
赤川累:「……いいや」
千原海智:赤川くんを見る。
赤川累:「少し難しいんだけどさ」
千原海智:「うん」
赤川累:「復讐を目的に生きる人間を復讐者だと定義するなら」
赤川累:「俺は、ディアスポラさんやセプテントリオンさんとは違う」
赤川累:「俺が生きてるのは」
赤川累:「この先、理不尽な力に命を奪われるかもしれない人間を、少しでも多く助ける為だ」
千原海智:「………」
赤川累:「……お前はそういう人間になれ、って」
赤川累:「そう言ったやつがいたからな」
赤川累:どこか遠い場所を見ながら言う。
千原海智:「君………」
千原海智:「かっこいいな」
千原海智:心からといった調子で言う。
赤川累:「……そうか。ありがとう」少し戸惑うような色を浮かべながら、そう応じて。
赤川累:「まあ、だからさ」
千原海智:「うん?」
赤川累:「君も、そういう……俺が助けたい人間の、一人だ」
千原海智:「………」
千原海智:「僕さ」
赤川累:「……うん」
千原海智:「君からしたら、僕はなんてお調子者に見えるんだろうなあと…君に嫌われてるかとすら思ってた」
赤川累:「そりゃ……」意外そうに、目を見開いて。「そう思わせてたなら、悪かった」
千原海智:「仲良くしたいって言ったのは、そういうことでさ……」
千原海智:「えっと………」
赤川累:「元々、愛想の良くない奴なんだ。……それに、こんな状況で、正直あまり余裕もなかった」
赤川累:反省するように言ってから、言葉を待つ。
千原海智:「……どうしよう」
千原海智:両手を広げる。「ハグでもしとく?」
千原海智:「親愛の証に」
赤川累:「……君、そういう文化圏で育ったのか?」
千原海智:「えっ」
赤川累:「いや。……違う、冷やかした訳じゃないんだ」
赤川累:「なくした記憶の手掛かりになるかもしれないと思って……」
千原海智:「…ふっ」噴き出して笑う。「ふふふふっ」
赤川累:「な、なんだよ……」
千原海智:「赤川くん、君、ほんっとうに、良い奴だな! 心底…」
千原海智:「君は、復讐なんかしちゃあいけないよ。そういう人だと思う」
赤川累:「……少し、むず痒いな。そこまで言われると」
千原海智:「それでも言うよ! 僕はね」
千原海智:「ねえ、だから、一緒に戦ってくれ。僕と、僕が助けたい女の子を助けるために」
赤川累:「ああ」
赤川累:「"シンダーテイカー"は、君達を守るために全力を尽くす」
赤川累:「復讐のためじゃなく。あいつにこれ以上……少しでも、何かを奪わせないために」

---

歪曲汚染領域内 仮設テント
鳩山依鈴:「……仮の住まいとしては及第点かな」
鳩山依鈴:「これよりひどい状況の野営地なんて、いくらでもあるから。むしろこの環境でこれは出来すぎなくらい」
"ディアスポラ":「ま、確かに雨漏りとかしないだけ良いかも知んないけど」
"ディアスポラ":「やっぱお風呂入りたいな—お風呂。簡易シャワーじゃなくてさ」
鳩山依鈴:「いいわね、それ。おばあ様が持ってきてくれてればな」冗談めかして。
鳩山依鈴:「まあでも、お互い沁みちゃうかしらね」巻いた布を撫でて。
鳩山依鈴:「舌は治った?」
"ディアスポラ":「うん?まあ、ね」先ほど淹れたコーヒーを口に運んで
"ディアスポラ":「っ……!」顔をしかめる。
鳩山依鈴:「……もう」
鳩山依鈴:「見せて」
"ディアスポラ":「っ~~……え?」
"ディアスポラ":「いや、いいよ。もう治ってるし」僅かに後ずさる
鳩山依鈴:顎を掴んで、開かせて。
"ディアスポラ":「わわっ」
鳩山依鈴:覗き込む。「やっぱり。まだ治りきってないでしょう」
鳩山依鈴:「《リザレクト》で形成される再生は、あくまで最低限のもの」
鳩山依鈴:「死からは遠ざけてくれるけど、万全の回復には本体の回復力に頼るしかない」
"ディアスポラ":「……………」目をそらす
"ディアスポラ":「だってムカついたんだもん。私の口から情けない台詞ばっか吐かせやがってさ」
鳩山依鈴:「無理を通す必要が出てくるのも分かる」
鳩山依鈴:「私たち、無事で戻れるかも分からないからね。でも、すぐに身を切るのはやめにしましょう」
鳩山依鈴:「男の子が真似する」
"ディアスポラ":「う……それを言われると弱る」
鳩山依鈴:「格好をつけたがっちゃうからね、あなたみたいな子が頑張っちゃうと」
"ディアスポラ":「そういうもんかなあ……まあ、うん」
"ディアスポラ":「わかったよ。気をつける」不承不承といった様子
鳩山依鈴:「ありがとう。いい子ね」茶化すように言って。
鳩山依鈴:「……一つ聞いてもいい?“ディアスポラ”」
"ディアスポラ":「……なに?」
鳩山依鈴:「“ディアスポラ”。UGNは、各国で発生した」
鳩山依鈴:「惨劇の痕に現れるもの、そして残される凍結痕に、その名前をつけて呼んだ」
"ディアスポラ":「………」
鳩山依鈴:「私は、ここでそれを見た。あなたは——」
鳩山依鈴:「“ウィンターマスター”?」
"ディアスポラ":「久しぶりに聞いたな……その名前」
鳩山依鈴:「ああ、別にね。だったら協働できない、とかではないのよ」
鳩山依鈴:「だとすれば、合点がいくってだけ」
"ディアスポラ":「“ウィンターマスター”は死んだよ。"カリポリス"に嵌められて始末された」
"ディアスポラ":「UGNの資料にもそう書いてあるんじゃない?」
鳩山依鈴:「ええ。そうなってる」
鳩山依鈴:「ただ、当時の調査資料は、信憑性が疑わしいとの結論が査察部門から出ている」
鳩山依鈴:「事件担当者か、もしくはそれの記録係に、情報改竄の意図があったのではないか?と」
鳩山依鈴:「どちらも今は居ないから、真相までは分からないけどね」
"ディアスポラ":「やっぱ日本支部長の側近ともなると詳しいね……でも、さ」
"ディアスポラ":「……その人は」
"ディアスポラ":「その人は、"ウィンターマスター"じゃなかったよ。そうなる前の」
"ディアスポラ":「一人の人間として私達と生きるために、一度捨てたものを拾おうとしてくれた」
"ディアスポラ":「だから私も拾ったの」
"ディアスポラ":「あの人は、私にたくさん温かいものを残してくれたから」
"ディアスポラ":「最後に残った一番冷たいあの人を、この眼に焼き付けた」
鳩山依鈴:「……その眼、そういうこと」
鳩山依鈴:「……余計な詮索をしたかな」
"ディアスポラ":「ううん、いいよ全然」
"ディアスポラ":「好きな男の話なんだから、いくらしたって気にならないでしょ」
鳩山依鈴:「ふふっ。なるほど、なるほど」
"ディアスポラ":「だいたいそれを言うなら……その」
鳩山依鈴:「じゃあこうかな。妬けちゃう……うん。何?」
"ディアスポラ":眼帯をしたままの鳩山さんの左目を見る
"ディアスポラ":「その、さ、依鈴の眼の中に変な奴が入ってた時」
"ディアスポラ":「誰か……呼んでたじゃん」
"ディアスポラ":「それってやっぱりあの人なの?ええと……FHでもさ」
"ディアスポラ":「"ミストミストレス"の別名ゴシップはそこそこ聞こえてくるっていうか……」
鳩山依鈴:「なっ」
鳩山依鈴:「いや、あのっ!」
鳩山依鈴:「確かに、あの時見えたのは雄吾さんだったけど……」
鳩山依鈴:「そもそも、あれは、最も恐れる姿を映し出すものでしょう!」
"ディアスポラ":「えっでも」
鳩山依鈴:「それが自分の上官になったところで、そこまでおかしくはないでしょう」
鳩山依鈴:「ないでしょ……?」
"ディアスポラ":「そう……かな?私だったら」
"ディアスポラ":「大好きな恋人や家族ががジャームになって、仲間を傷つけてしまうとしたら」
"ディアスポラ":「すごく怖いと思うけどな」
"ディアスポラ":「自分がその人の前に立ってしまうことが、一番怖い」
鳩山依鈴:「……ええ」
鳩山依鈴:「もしかしたら、私達、似た者同士なのかもね」
鳩山依鈴:鏡写しのような、眼帯の眼で顔を見て。
"ディアスポラ":「はは、かもね。お揃いだし」小さく笑って
"ディアスポラ":「まだ痛む?」左目を指差す
鳩山依鈴:「ふふ……いえ、もう、痛くないけど」
鳩山依鈴:「そう言われると、もうしばらく着けてたくなっちゃうかな」
"ディアスポラ":「うんうん、無理はしない方が良いよ。《リザレクト》の再生はあくまで最低限のものなんだし」
"ディアスポラ":「万全の回復には本体の回復力に頼るしかないんだからね」どこか得意げに
鳩山依鈴:「それは、それは。勉強になります」
鳩山依鈴:「真似をしたがるのは、男の子に限らないみたいで」
鳩山依鈴:「まあ、先達としては悪い気はしないけど」
"ディアスポラ":「何だよそれー」頬を膨らませ
"ディアスポラ":「まあ任せて。片目分ぐらいは私が面倒見てあげる」眼帯に軽く触れる
"ディアスポラ":「私、慣れてるからさ」
鳩山依鈴:「もう。よく回る舌」

---

GM:物資を探す千原と赤川の二人は、小さな古びたビルの前に差し掛かる。
GM:大きな鉄の扉は閉ざされている。中に食料や物資がありそうにも見えないが──
GM:赤川は、ほんの僅かに漂ってくるその『匂い』に気付く。
赤川累:「……待て」足を止める。
千原海智:「え?」
GM:扉の向こうから。それは人によっては気付かない程度のものだが……
GM:常人より、あるいは並のエージェントよりも多くのそれに触れてきた君には、その正体が分かる。
GM:死の匂いだ。
赤川累:「……妙な匂いがする」
赤川累:眉根を寄せて、慎重に周囲を見渡したあと。
赤川累:「あの向こうで、人が死んでる。多分な」千原くんに言う。
千原海智:「……!」
千原海智:その言葉に目を丸くする。
赤川累:「それで、この状況で見つかる死体と言ったら」
赤川累:"痕抉り"の話を思い出す。彼がここに逃げ込んだ後、その大半が"マスタールイン"の手で殺戮されたと。
千原海智:「……でも、"痕抉り"さんの知り合いだとしたら…」
赤川累:「……ああ」その名前を口にする事を躊躇して。
千原海智:「何か、大切なものを持ってるかもしれない。せめて、それだけでも持ち帰れないかな」
赤川累:「……」逡巡する。リスクのある行為ではあるが。
赤川累:「……開けよう。もしかしたら、あの人がそう思っただけで」
赤川累:「他に生き残りがいたかもしれない。そもそも、時空が歪んでたんだから」
千原海智:「!」嬉しそうにする。
赤川累:「……ちゃんと警戒はしろよ」その表情を見て、諌めるように言い。
赤川累:静かな足取りで扉へと近づき、開けようとする。
千原海智:「イエッサー!」
千原海智:累くんについていきます。
GM:君達の力なら、扉は容易く開くことが出来る。一般レベルの施錠がなされているだけだ。
GM:薄暗い室内を進んでいくと、千原にも分かるほどの染み付いた死臭が、徐々に強まっていく。
GM:建物の奥、君達は果たしてそれを見つける。
赤川累:目を細めて、闇の中を注視し進む。……足を止める。
千原海智:「ぅ」死臭に顔をしかめ、口元を押さえる。
千原海智:「……何?」
GM:碌な隠蔽も施されていない、無造作に積み上げられた死体の山。
GM:その数は約十体ほど。いずれも白骨化、あるいは干からび切っている。
GM:二人は≪知覚≫難易度5で判定してください。
赤川累:4dx+1>=5
DoubleCross : (4R10+1[10]>=5) → 7[1,2,5,7]+1 → 8 → 成功

千原海智:2dx+1>=5
DoubleCross : (2R10+1[10]>=5) → 6[2,6]+1 → 7 → 成功

GM:では二人とも気付きます。
GM:死体を注視すると、あることが分かる。
GM:どの死体も、頭に一発、脳幹に的確に穴を空けられて死んでいる。他に外傷はどこにもない。
GM:神業の射撃手によるものだろうか?
GM:否。
GM:そんな芸当を容易く行える能力を持つ人物に、君達は心当たりがある。
GM:僅かな傷跡を操作し、致命傷に変えることの出来る能力者。
GM:UGN本部エージェント“痕抉り”。
GM:今、仲間と共にテントに居るはずの彼の能力なら、或いは可能だろう。
赤川累:「……白骨化したのは時間経過の影響、だろうけど」
千原海智:「うん」ぎこちなく頷く。
赤川累:「この傷は、それより前に受けたものだ」
千原海智:「………この傷、綺麗すぎるよね」
赤川累:「ああ」
赤川累:「この数の人間を殺して、普通」
赤川累:「攻撃がどれも一撃だけ、って事はない」
赤川累:「かえって不効率だ」
千原海智:「いやあ……ちょっと待ってくれよ…」
千原海智:「なんかの間違いだよ、気のせいってことにならないかな? 災厄存在の力じゃないのかな……」
赤川累:「同士討ちをさせる能力って可能性はあるかもな」
赤川累:「もし、そうだとしても」
赤川累:「彼が今もその力の影響下にある可能性は否定できない」
千原海智:「………っ」累くんの顔を見る。
赤川累:「……もう少し調べていたいけど。戻るぞ」
千原海智:「痕抉りさんが……っ、…………っ」言葉を続けることができず。
千原海智:「分かった! 戻ろう!」
赤川累:「あの二人、さっきの戦いの傷がまだ癒えてない」
千原海智:「ああっ……その通りだね! 最悪だ……!」
千原海智:頭をかきむしるようにして、テントに向かって駆け出す。

---

“痕抉り”:「いやぁ……それにしても」
“痕抉り”:レーションの包みを破って、中身を齧る。
“痕抉り”:「結局レーションしかないの、ちょっとがっかりですよねえ」
“痕抉り”:「3年もサバイバルしてると、パンとか米とか、香辛料が恋しくて……」
“セプテントリオン”:「あるだけマシだと思いな」呆れたように。
“セプテントリオン”:「煙草ならあるよ」
“痕抉り”:「あ、僕吸わないので……」
鳩山依鈴:「コーヒーならありますから」
鳩山依鈴:「香りが一番強いのはそれかな」
“痕抉り”:「コーヒー!いいですねえ!頂きます!」
“痕抉り”:「カフェインも久し振りだなァ……早く外に出たいですよ」
“痕抉り”:「世界が終わってなければ、ですけど」
鳩山依鈴:「まあ、その辺の楽しみは脱出後ってことでしょう」
鳩山依鈴:「終わらせないのが仕事ですから」
"ディアスポラ":「へへ、残念だったねお婆ちゃん。味方にできなくて」
“セプテントリオン”:「フン……アンタはガキだから吸えないだけだろ」
鳩山依鈴:「子供の前では禁煙してくれって言いたいところだけどね」
鳩山依鈴:「まあ、2人が居ないうちは大目に見ようかな」
赤川累:そこへ、急ぎ足で戻って来る。取りに行ったはずの物資も持たないまま。
千原海智:テントの入り口を乱暴に開けて、慌てたように皆を見回す。
“セプテントリオン”:「噂をすればだ」紫煙を吐き出す。
鳩山依鈴:「あら。短い一本だったかな……お帰りなさい」
鳩山依鈴:「……」
鳩山依鈴:「……何か?」
"ディアスポラ":「どしたの?そんなに慌てて」
千原海智:「あっ………」「…………」荒い息を吐きながら、全員の無事を確認。安堵するが。
“痕抉り”:「?」
“痕抉り”:「何かあったかい?」
“痕抉り”:首を傾げる。
“痕抉り”:「ひょっとして、何かに襲われたとか……?」
赤川累:「……いえ、少し」全員を見渡し、無事を確認する。"痕抉り"の顔を見て、少し言葉に迷って。
“痕抉り”:「……」
“痕抉り”:二人のその様子を見て。
赤川累:視線が交わる。……その猜疑心を、きっと見抜かれただろう。
赤川累:仮にも本部エージェントを相手とするなら、そう見積もるべきだ。
“痕抉り”:「ああ~」
“痕抉り”:「あっちの方にいったのか」
“痕抉り”:「見たのかい?もしかして」
鳩山依鈴:「……何を」
千原海智:「……見た……」
赤川累:「見たって、何をです?」息を吐く。「……なんて、誤魔化す段階でもないか」
“痕抉り”:「いやいや、そう慌てなくてもいいよ」
“痕抉り”:「コーヒー飲むかい?あれにはちょっとした訳があるんだ」
“痕抉り”:二人分のマグカップを机に並べ、コーヒーを注ぐ。
GM:戦闘開始です。
赤川累:「……端的に報告します。俺達が見たのは」その誘いには応じず。
赤川累:「大量の白骨化した死体。致命傷は、それぞれ一つ」
"ディアスポラ":「………」片目で二人の表情を追う。
GM:セットアップから。
千原海智:ありません
赤川累:ないです。
鳩山依鈴:なし
"ディアスポラ":なし
“痕抉り”:机の下で拳銃を抜く。
千原海智:「すごく綺麗な傷だった」
鳩山依鈴:「……それ」
鳩山依鈴:「降ろして」
千原海智:「誰かが、かすり傷を移動させたみたいに……」
GM:行動値22、“痕抉り”の手番です
エンゲージ []内は行動値



赤川[15]ディアスポラ[13]鳩山[6]千原[2]
(1m)
痕抉り[22]


“痕抉り”:メジャー≪コンセントレイト:ブラム=ストーカー≫+≪赫き弾≫+≪鮮血の修羅≫+≪要の陣形(未知なる陣形)≫
“痕抉り”:対象はPC全員
“痕抉り”:14DX7+11
DoubleCross : (14R10+11[7]) → 10[1,1,3,3,3,5,5,6,6,8,9,9,9,10]+10[3,4,4,6,9]+10[7]+10[8]+10[7]+10[7]+4[4]+11 → 75

鳩山依鈴:本部エージェントかよ
"ディアスポラ":伊達じゃないってわけね
千原海智:ウニャ~
鳩山依鈴:1dx+1 ドッジ
DoubleCross : (1R10+1[10]) → 3[3]+1 → 4

"ディアスポラ":2dx ドッジ
DoubleCross : (2R10[10]) → 7[5,7] → 7

千原海智:10dx+1>=75 ドッジ
DoubleCross : (10R10+1[10]>=75) → 7[1,1,1,1,2,4,4,7,7,7]+1 → 8 → 失敗

赤川累:5dx+1 ドッジ
DoubleCross : (5R10+1[10]) → 8[2,2,5,5,8]+1 → 9

千原海智:《軍神の守り》。ディアスポラさんをカバーリングします
“痕抉り”:UGN本部エージェントエンブレム≪マスターキラー≫により
“痕抉り”:対象がFHワークスを取得、もしくはFHイリーガルのエンブレムを取得している場合与えるダメージ+5、マスターエージェントのエンブレムを取得している場合更に+15(合計20)します
鳩山依鈴:正義の部隊になんてこと言うんだ
鳩山依鈴:いるわけ無いでしょう、そんな人が
"ディアスポラ":有り難し!
千原海智:そうだぜそうだぜ!
"ディアスポラ":そんな奴いるわけ……あっ
“痕抉り”:ダメージ。
“痕抉り”:8D10+20
DoubleCross : (8D10+20) → 49[7,2,5,10,7,5,3,10]+20 → 69

“痕抉り”: 1点でもダメージを受けた場合、クリンナップ時にHPを90点失います
千原海智:ヒッヒエ~~ッ
赤川累:お前あいつ抜けるんちゃうかそのダメージ
赤川累:倒れます。リザレクト
千原海智:死にます!リザレクト
千原海智:1d10+74
DoubleCross : (1D10+74) → 9[9]+74 → 83

千原海智:ギャッ
"ディアスポラ":千原くん……!
赤川累:赤川累の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:80->87)
赤川累:赤川累のHPを7にした(HP:25->7)
鳩山依鈴:リザレクト。
鳩山依鈴:侵蝕率+5(1d10->5) (侵蝕率:52->57)
“痕抉り”:ダメージを受けた三人に≪餓鬼魂の使い≫
“痕抉り”:邪毒3を付与。
千原海智:きゃ~~っ
赤川累:めっちゃ殺してくる!
赤川累:クリンナップまでに息の根をとめなくちゃ……
千原海智:ディアスポラお姉さまを守れただけ…俺は満足…
"ディアスポラ":千原……仇は取るぞ

“痕抉り”:瞬時に拳銃を抜き撃つ。
“痕抉り”:高速の連射。居並ぶ面々を次々と撃ち抜く。
“痕抉り”:それ自体は単なる射撃攻撃に過ぎない。だが。
“痕抉り”:腕や脚を貫いた傷跡が、ひとりでに動き始める。
“痕抉り”:皮膚の上を滑るようにして、次第に上へ。
千原海智:「!」能力を発動させる余裕もなく、本能的にディアスポラさんの前に飛び込む。
鳩山依鈴:「……!」とっさに回避し、肩を掠めるに留めるが。
鳩山依鈴:「違う、この、回避では……!」
“セプテントリオン”:「ぐ……」腕を滑るように弾痕が移動していく。
赤川累:「っ……!」最大限に警戒はしていたはずだ。それでも、この距離では間に合わない。
赤川累:「っ……!」咄嗟に、体内を蠢く傷口を掴む。発熱。自分の肉体ごと灰化させる。
赤川累:それでも、移動速度が一時的に鈍るばかりだ。先送りに過ぎない。肉体の再生に伴って、傷口は再移動を始める。
“痕抉り”:傷が、致命の箇所へと近付いていく。
"ディアスポラ":ナイフを抜き放ち、刃を弾丸に沿わせて弾こうとする。しかし
"ディアスポラ":距離が近すぎる。魔眼も先程開いたばかり、そこへ───
千原海智:そこに飛び込んだ少年が、代わりとなって胸元に銃弾を受ける。
千原海智:「うぅっぐ!」
"ディアスポラ":「なっ!?アンタ!!」
“痕抉り”:「参ったなァ。ハハ」
“痕抉り”:「一人損ねたか」
"ディアスポラ":自分を庇った少年の肩を掴んで支える。
千原海智:「だって……やりすぎてたでしょ、さっき……!」
千原海智:「またあんな、舌を噛み切るみたいなムチャされちゃ、たまんないしね…!」
"ディアスポラ":「だからって自分から飛び込んでくるやつがいるかって……ああもう!」
"ディアスポラ":「良くわかったよ!真似されたらたまったもんじゃない!」
鳩山依鈴:「ゲフッ……!」肺に穴が空き、血を吐く。
鳩山依鈴:「じ……自分が、何をしているのか」
鳩山依鈴:「話す、つもりは?」
“痕抉り”:「さぁね。多分ジャームなんだろうと思うよ」
“痕抉り”:「でも、どうでもいいことだろう?あんたらはもうすぐ死ぬし、それに」
“痕抉り”:「世界は滅ぶんだ」
“痕抉り”:銃をリロードし、平然と言い放つ。

GM:行動値15、赤川くんの手番です
赤川累:待機します。
赤川累:演出とかは特になしで。
GM:では行動値13、ディアスポラさんの手番です
"ディアスポラ":マイナー《陽炎の衣》
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:70->73)した
"ディアスポラ":メジャー『シャドウプレイ・スキュア・ツインピース』《見えざる死神》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》《砂の加護》《砂塵霊》ナイフを装備して痕抉りに攻撃
GM:判定どうぞ!
"ディアスポラ":12dx7+1
DoubleCross : (12R10+1[7]) → 10[2,2,4,4,4,4,6,6,6,6,7,8]+10[3,7]+10[7]+10[7]+10[9]+10[10]+2[2]+1 → 63

"ディアスポラ":フッ
“痕抉り”:≪リフレックス:ブラム=ストーカー≫+≪死者の肉体≫
“痕抉り”:ドッジします
"ディアスポラ":何ィ
“痕抉り”:7DX8>=63
DoubleCross : (7R10[8]>=63) → 10[1,3,5,6,8,8,10]+10[7,8,9]+10[3,8]+3[3] → 33 → 失敗

GM:チッ……
GM:ダメージどうぞ!
"ディアスポラ":7d10+36+2d10 諸々有効
DoubleCross : (7D10+36+2D10) → 41[4,6,6,5,5,7,8]+36+6[3,3] → 83

GM:ゲェッ!?
GM:めちゃめちゃ削れました
"ディアスポラ":しぶといぜ

"ディアスポラ":「寝言は」ナイフを足元にかざす
"ディアスポラ":銃撃を受けた仲間たちの血が流れ出てできた血溜まり、その中に刃を浸し
"ディアスポラ":「寝て言え!」
"ディアスポラ":瞬時に振り上げる。巻き上げられた血は空中で凍りつき鋭利な刃と化して
"ディアスポラ":リロードの隙を見せた"痕抉り"へと次々に突き立てられる。
“痕抉り”:「が、ゲハッ……!」傷を移動させダメージを逃そうとするが、凍結に阻まれ叶わない。
“痕抉り”:「は……ハハッ……寝言ね……」
“痕抉り”:「そうだよ……もう、俺さあ……」
“痕抉り”:「アタマん中で五月蠅くて五月蠅くて……全然寝れねえんだよ……」
“痕抉り”:「参るよなあ……!?ホント……!」
“痕抉り”:がりがりと頭を掻き毟る。
"ディアスポラ":「だったら寝かしつけてやるよ」ナイフを逆手に構える。
"ディアスポラ":「そっちも慣れてるからな。私は」

"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+10(侵蝕率:73->83)した
GM:行動値6、鳩山さんの手番です。
鳩山依鈴:(……私達も)その様子を見やる。(いつ、こうなるか)
鳩山依鈴:マイナーなし、メジャー《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。
鳩山依鈴:7dx7-1
DoubleCross : (7R10-1[7]) → 10[2,3,4,5,6,7,8]+5[4,5]-1 → 14

鳩山依鈴:へろへろ……
GM:振り足し等ありますか?
千原海智:バアつかってもあれかあ
鳩山依鈴:『深淵の切り札』使います。最後の4を10に。
鳩山依鈴:侵蝕率+3 (侵蝕率:57->60)
鳩山依鈴:1dx7+19
DoubleCross : (1R10+19[7]) → 5[5]+19 → 24

鳩山依鈴:もー!
鳩山依鈴:《剣精の手》。5を10に。
鳩山依鈴:侵蝕率+2 (侵蝕率:60->62)
鳩山依鈴:1dx7+29
DoubleCross : (1R10+29[7]) → 2[2]+29 → 31

鳩山依鈴:こいつ……
鳩山依鈴:うーん
鳩山依鈴:《妖精の手》。
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:62->66)
GM:リソース注いで来るな……
鳩山依鈴:1dx7+39
DoubleCross : (1R10+39[7]) → 6[6]+39 → 45

鳩山依鈴:マジで回らんな……
鳩山依鈴:セプテントリオンのNPCカードを使用します。
鳩山依鈴:達成値+5。
GM:では達成値50ですね
GM:避けろピカチュウ!
“痕抉り”:≪リフレックス:ブラム=ストーカー≫+≪死者の肉体≫
“痕抉り”:7DX8>=50
DoubleCross : (7R10[8]>=50) → 10[2,3,5,6,7,7,8]+6[6] → 16 → 失敗

GM:クソ~~ッ
GM:ダメージどうぞ!
鳩山依鈴:逆にもったいなかったな……まあ当たっただけ良し!
鳩山依鈴:6d10+9
DoubleCross : (6D10+9) → 20[3,2,2,2,9,2]+9 → 29

鳩山依鈴:出目もヘロヘロなんだけど!
鳩山依鈴:何これ!
“痕抉り”:しかし……ドッジ型ゆえに死ぬ!

“セプテントリオン”:「……“ゴグマゴグ”!」
“セプテントリオン”:虚空から数体の、3メートルほどの鋼の巨人が姿を現す。
“セプテントリオン”:AIDA搭載型自律戦闘ロボット、“ゴグマゴグ”。
“セプテントリオン”:一体が“痕抉り”を拘束し、残りが一斉に銃撃を加える。
“痕抉り”:「は、ハハッ……!」受けた銃創が身体を滑り落ちるように無効化されていく。
“痕抉り”:だが、リソースは確実に削れている。
鳩山依鈴:「もうすぐ死ぬ、はありえない」
鳩山依鈴:追い打つように牽制の銃撃を入れながら。
鳩山依鈴:「CCWカウンタークロックワイズ/——」
鳩山依鈴:「10sテンセカンズ」銃口とは別の方向。
鳩山依鈴:虚空から弾丸が出現し、穿つ。
鳩山依鈴:傷口の移動は、精密に敵にもたらすのであれば。
鳩山依鈴:ある程度の自意識をもって行使しているはずだ。
鳩山依鈴:凍結して感覚が麻痺し始めている中で、まったく知覚の外から
鳩山依鈴:今ではない場所から作られた傷跡に対しては。
鳩山依鈴:対応が遅れる。対応が遅れれば、
鳩山依鈴:続いている飽和攻撃で全てが終わる。
鳩山依鈴:きっかり10秒後。
鳩山依鈴:銃を再び突きつけて引き金を引く。
鳩山依鈴:銃声のみ。銃弾は発射されない。
鳩山依鈴:10秒前にすでに発射しているからだ。
鳩山依鈴:時空を歪曲させて、10秒後から撃っていた。
鳩山依鈴:そういうことになっている。
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:66->70)
“痕抉り”:「────!?」
“痕抉り”:いつの間にか穿たれた弾痕に、瞠目する。
鳩山依鈴:「ほら。私達の未来は、ちゃんとあったでしょ?」
“痕抉り”:(ダメージを────いや)
“痕抉り”:思考の停止はほんの一瞬。だが。
“痕抉り”:「がっ……あぁあああああっ!!」
“痕抉り”:間断なく続く銃撃の前に、一手の遅れで蜂の巣と化す。
“痕抉り”:「……っ……ふ……」
“痕抉り”:そのまま、倒れ伏す。
“痕抉り”:「……」
千原海智:「………っ!」瞬きする間もなく、ただそれを見ていた。
千原海智:「"痕抉り"さん………」「………ジャームだったの?」
鳩山依鈴:「……どうかしらね」
千原海智:「これも災厄存在…だったり…………」
赤川累:「ふ、う……っ」腹部を抑える。傷痕の移動が止まった。
鳩山依鈴:「過度の侵蝕状態にあるものと、ジャームをはっきりと峻別する手段は、実のところない」
鳩山依鈴:「帰還してから、それでも侵蝕状況が戻らなければ、というのが、私達の出来る判断でしかない」
千原海智:「帰還してから……」
"ディアスポラ":「帰還してからって、まさか」
"ディアスポラ":「コイツ連れて帰る気?」
"ディアスポラ":ナイフを握りしめたまま、倒れた痕抉りの首元に手を当てて脈を見ている。
鳩山依鈴:「可能であればね」
赤川累:「後は……災厄存在として数えられてるなら、あの図鑑に記録されるはずだけど」
赤川累:「さっきも言ったように、何かに精神汚染を受けていた可能性もあるし……」言いながら、図鑑を開いて確認する。
赤川累:言いながら、薄い可能性だとは思うが。もし何かが憑依していた場合、脅威は去っていない訳だ。
赤川累:続けて別の誰かが操られる可能性もある。
千原海智:「えっ」「えっ」皆をキョロキョロ見る。
“痕抉り”:「……ゴホッ……」
“痕抉り”:咳き込む。まだ息がある。
鳩山依鈴:「どう?記載は?」
GM:端末に更新は何もない。
赤川累:「……いえ」首を振る。
赤川累:「災厄存在の影響、という訳ではなかったようです」
千原海智:「よ………」ヘナヘナと壁に寄りかかる。「良かった………」
千原海智:「てっきり殺すのかと……」
鳩山依鈴:「……もう一つの可能性も考えてしまうけど」
鳩山依鈴:「そっちじゃないといいな」
赤川累:「あいつ、ですか」マスタールイン、と口には出さないが。
赤川累:世界は滅ぶ、と信じ切ったようなあの言葉に。自分の中に芽生えた不安と重なるものを感じる。
"ディアスポラ":「そういえば、会ったって言ってたっけ」
“痕抉り”:「ははっ……」
“痕抉り”:「あははははは!」
“痕抉り”:「あはははは!あは!あはははははは!」
“痕抉り”:突然、狂ったように笑いだす。
千原海智:「なっ」ビクリとする。
鳩山依鈴:「……っ」
千原海智:「何で笑うんだよ…!?」
赤川累:「……」どこか憐れむように、それを見下ろす。
“痕抉り”:「あんた達、よく分かってるじゃないか」
“痕抉り”:「そうだよ。その通りだ」
“痕抉り”:「……世界は終わらない?君達が救うだって?」
“痕抉り”:「くっ……くく……ははは……!」
“痕抉■”:「いいや、いいや……」
“■抉■”:「終わるんだよ、世界は」
“■■■”:「もう決まってるんだ。だって……」
“■■■■”:「奴が」
“■■■■■”:「奴が、すぐ、そこまで」
“■■■■■■”:「来て……」
"ディアスポラ":「な……こいつ……!」首元にナイフを突きつけていたナイフの刃先に力を込めようとして……
“■■■■■■■”:「…………」
GM:“痕抉り”の身体から放たれるレネゲイドが、
GM:急速に変質していく。
GM:衝動による暴走────違う。
GM:まるで、別人のそれへと。
千原海智:「……っ」
赤川累:「これは……!」警戒し、咄嗟に身を引こうとする。
鳩山依鈴:「……離れてっ!」
"ディアスポラ":首筋に刃を立てようとするが、指先が震えて言うことを聞かない。
"ディアスポラ":「何だ、これ……くそっ!」刃を翻して飛び退く
“■■■■■■■”:「……」
“■■■■■イ■”:「ふふっ」
“■ス■■■イ■”:「そうよ」
“■ス■ー■イ■”:「この世界は、終わらなくちゃいけないの」
“■ス■ー■イン”:「そういうことになってるのよ」
“■スター■イン”:「いいえ」
“マスター■イン”:「わたしが────」
“マスタールイン”:「終わらせる」
“マスタールイン”:別人の口調。別人のレネゲイド。
“マスタールイン”:動けるはずのない身体で、“痕抉り”が──
“マスタールイン”:──だったはずの『何か』が、起き上がる。

鳩山依鈴:「……この間は、ぼかされたけど、もう一度聞く」
鳩山依鈴:「……あなたは、何?」
GM:戦闘を再開します。
GM:邪毒・≪鮮血の修羅≫は解除されています。
GM:行動値2、千原くんの手番です。
千原海智:一応確認なんですけど 情報判定の必要はありますか?
GM:ありません。
千原海智:はーい
千原海智:ではマイナーで《破壊の爪》。
千原海智:メジャーで《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《シャドーテンタクルス》。
千原海智:マスタールインに攻撃します
千原海智:11dx7+6
DoubleCross : (11R10+6[7]) → 10[1,2,4,4,5,6,7,7,7,8,9]+10[3,6,6,6,9]+4[4]+6 → 30

千原海智:ムッ 普通
“マスタールイン”:暴走中につきリアクション不可です。
GM:ダメージをどうぞ
千原海智:暴走中!
千原海智:ダメージ出します
千原海智:4d10+20
DoubleCross : (4D10+20) → 24[3,8,5,8]+20 → 44

千原海智:装甲有効です!
“マスタールイン”:まだ生存しています。

千原海智:「君は」「君が───……」
千原海智:「マスタールイン…?」
千原海智:心臓の奥を掴まれたような恐怖に苛まれている。だから、"そう"だと直感した。
“マスタールイン”:「ええ。そう呼ばれてるわ」
鳩山依鈴:「……!」
“マスタールイン”:「でも、どうせ名前も思い出せないから、いいかなって」
千原海智:「き、君が…そうだとして…」
千原海智:「どうして、世界を終わらせようとするんだ!」
“マスタールイン”:「どうしてって……」
“マスタールイン”:「だってほら、見て」
“マスタールイン”:朽ち果てた周囲を見渡す。
“マスタールイン”:「綺麗でしょ?」
千原海智:「え」
千原海智:「え……?」「これが……?」
“マスタールイン”:「?」
“マスタールイン”:「貴方達も綺麗よ?」
“マスタールイン”:「だから、ね?ほら」
“マスタールイン”:「全部無くさなきゃダメじゃない?」
千原海智:「んな……っ」「な………っ」
鳩山依鈴:「手を止めないで!」
“マスタールイン”:会話しているだけで、魂の底から何かが引きずり出されるような感覚がある。
“マスタールイン”:全てが蝕まれ、自分が自分でなくなっていくかのような。
千原海智:「……っ」「そんな、悲しいことを言うなよ…っ!」
千原海智:「僕は、君だって」「救いたいんだ……!」
千原海智:右手が、肩先から影の獣へと変化する。
千原海智:それはマスタールインに圧されたように威嚇の唸りを上げたものの、
千原海智:すぐにその存在へと牙を剥く。
千原海智:『───■■■!!』獣が誰にも聞こえない咆哮を上げ、”痕抉り”として負傷した箇所に追い打ちをかけるよう食らいつく。
“マスタールイン”:「ああ~、やめてよ」食い千切られた自分の身体を見下ろす。
“マスタールイン”:傷跡が動く様子はない。
“マスタールイン”:「そんなことしたら、死んじゃうよ」
千原海智:「………っ」困り切った顔。「分かってるよ…!」
千原海智:攻撃を浴びせたはずなのに、途方もない空虚な心地にかられ、立ち尽くす。

GM:クリンナップ。邪毒は解除済み。
赤川累:まって待機中!
GM:そうだ!どうぞ!
赤川累:はいさ、マイナー、"マスタールイン"にエンゲージ。
赤川累:メジャー、塵灰回帰/《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》《ブラストフォーカス》。対象は"マスタールイン"
GM:判定どうぞ。
赤川累:8dx+6+9
DoubleCross : (8R10+6+9[10]) → 10[2,3,4,8,10,10,10,10]+8[1,2,7,8]+15 → 33

“マスタールイン”:暴走中です。
GM:ダメージどうぞ
赤川累:4d10+27 装甲無視!
DoubleCross : (4D10+27) → 22[10,2,5,5]+27 → 49

赤川累:赤川累の侵蝕率を+12した(侵蝕率:87->99)
“マスタールイン”:まだ生きています。

赤川累:自分の中の恐怖を抑え、呼吸を整える。
赤川累:「……もう一人、自分が世界を滅ぼすんだって言ってるやつがいてさ」
赤川累:直感で、言葉を交わすべきではない類の相手と分かる。それでも、これは訊ねておく必要があると判断した。
赤川累:「知ってるか? 黒い髪の女の子。"スターゲイザー"って名乗ってる」
“マスタールイン”:「知ってるよ。朔夜ちゃんでしょ?」
“マスタールイン”:「友達だよ」
赤川累:「……驚いたな」
赤川累:「あいつの事を友達と呼ぶ奴が──いや」ごく自然に会話を交わしている、その呼吸のまま
赤川累:歩幅が飛んだようにして間合に居る。
“マスタールイン”:避けようともしない。突っ立っている。
赤川累:「そういう風に思ってる奴自体は」掌を突き立てる。肋骨の隙間
赤川累:「いてもおかしくないか」
赤川累:能力起動──死を呼ぶ熱が、肉体を侵略する。
“マスタールイン”:「げぶっ」
“マスタールイン”:吐血し、バランスを崩してたたらを踏む。
“マスタールイン”:胸の一部が灰に置換され、崩れ落ちる。
“マスタールイン”:「ぞうがな?」口から血を垂らしながら、気にする様子も無く首を傾げる。
“マスタールイン”:「ぢょっと変わってるけど、いい子だよ?」
“マスタールイン”:「わたし、誰とでも友達になれるねって、よく言われるんだ」
“マスタールイン”:「貴方も友達になりましょうよ」
“マスタールイン”:血の滴る手を差し出す。
赤川累:「悪いが、趣味が合わなさそうだ」
赤川累:一蹴しながらも、その言葉に精神を揺さぶるような力を感じる。あるいは、そういう能力か。
千原海智:「………」弱り切った顔でその光景を見ている。

GM:クリンナップは無し。
GM:ラウンド2、セットアップから。
千原海智:なしです
赤川累:ないです。
"ディアスポラ":なし
鳩山依鈴:なし
“マスタールイン”:なし。
GM:イニシアチブ。行動値22、“マスタールイン”の手番です
GM:“マスタールイン”はEロイス≪虚実崩壊≫により、Eロイス≪衝動侵蝕:恐怖≫のタイミングをメジャーアクションとし、使用回数の制限が無制限となっています。
GM:この衝動判定に失敗したPCは、GMの指示した難易度で別途≪意志≫による判定を行います。
“マスタールイン”:メジャー ≪衝動侵蝕:恐怖≫
“マスタールイン”:難易度11で衝動判定を行ってください。
千原海智:4dx+3>=11
DoubleCross : (4R10+3[10]>=11) → 9[2,3,8,9]+3 → 12 → 成功

千原海智:2d10+94
DoubleCross : (2D10+94) → 12[10,2]+94 → 106

赤川累:5dx+5>=11 意志。思い出の一品使用。
DoubleCross : (5R10+5[10]>=11) → 9[1,1,2,3,9]+5 → 14 → 成功

赤川累:赤川累の侵蝕率を+17(2d10->10,7)した(侵蝕率:99->116)
鳩山依鈴:5dx+7>=11
DoubleCross : (5R10+7[10]>=11) → 10[3,8,8,10,10]+2[1,2]+7 → 19 → 成功

鳩山依鈴:侵蝕率+14(2d10->5,9) (侵蝕率:70->84)
"ディアスポラ":3dx+3>=11
DoubleCross : (3R10+3[10]>=11) → 7[1,5,7]+3 → 10 → 失敗

"ディアスポラ":げっ
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+9(2D10->6,3)(侵蝕率:83->92)した
GM:では、失敗したディアスポラさんは難易度7で判定を行ってください。
"ディアスポラ":3dx+3>=7
DoubleCross : (3R10+3[10]>=7) → 10[3,7,10]+6[6]+3 → 19 → 成功

GM:では何もありません。
"ディアスポラ":さっき出てくれよ…
千原海智:すご…

“マスタールイン”:「ねえ、皆。一緒に行かない?わたし、見たいものがまだ沢山あるの」
“マスタールイン”:「ここは日本でしょう?日本っていったら……そうね」
“マスタールイン”:「富士山でしょ?東京タワー、サムライ、ゲイシャ……」
“マスタールイン”:「ニンジャって本当にいるの?」
“マスタールイン”:「全部気になるわ。どれも見てみたいなあ」
“マスタールイン”:血塗れの顔でにこやかに話している最中も、周囲には凄まじいレネゲイドが放たれている。
“マスタールイン”:単なるワーディングに近いもの。だがそれが悍ましいほどに心の奥底を掻き毟り、恐怖を呼び起こす。
千原海智:「それっ、世界を終わらせたい人の言葉とは、思えないけどね……!」
千原海智:ポケットに入れていたキーホルダーを痛いほど握り、その痛みで恐怖を誤魔化す。
千原海智:顔をしかめる。彼女のレネゲイドにあてられ、自身のレネゲイドが沸き立つ実感がある。
赤川累:「っ……!」足が竦むような感覚。確かに芽生えたその恐怖を誤魔化すために、早く目の前の相手を打ち払いたいと
赤川累:自身の内なるものが、過剰なまでの出力を要求する。
赤川累:熱が走る。震える右腕、その皮膚が。黒い灰となって綻び落ちていく。
鳩山依鈴:「……自分で、滅ぼすつもりであって、よくものうのうと言う」
鳩山依鈴:自分の最悪の予想——妄想を思い描く。それに比べれば。
鳩山依鈴:この結果は、ただ、恐ろしいだけだ。それならばやりようはある。
“マスタールイン”:「だって、自分で見てみなきゃ分からないでしょ?本当に滅ぼしたほうがいいのか」
“マスタールイン”:「だけどきっと、すごく楽しいんだろうなあ」少女のような顔で笑う。
"ディアスポラ":「ぅ、ハァ……ッ……ハァ……ッ」呼吸が乱れる。左目から意識しない内に涙が溢れている。
"ディアスポラ":同種の圧力、破滅を予感させるレネゲイドをかつて浴びたことがある。努めて凍りつかせていた感情が溶け出しそうになる。
"ディアスポラ":「くっ……う……」根を閉じて、ナイフを刃ごと握り込む
"ディアスポラ":「(……緋雁……朔夜……)」
"ディアスポラ":「(……許さない)」
"ディアスポラ":「(こんなところで……泣くのも、逃げるのも……私は、許さない)」
"ディアスポラ":眼前の少女を睨む。恐怖を怒りで塗りつぶしてゆっくりと立ち上がる。

GM:行動値15、赤川くんの手番です。
赤川累:待機します。
GM:では行動値13、ディアスポラさんの手番です。
"ディアスポラ":マイナー《陽炎の衣》
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:92->95)した
"ディアスポラ":メジャー『シャドウプレイ・スキュア・ツインピース』《見えざる死神》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》《砂の加護》《砂塵霊》
"ディアスポラ":ナイフでマスタールインに攻撃します
GM:判定どうぞ!
"ディアスポラ":13dx7+1
DoubleCross : (13R10+1[7]) → 10[1,1,2,2,3,3,5,6,6,8,8,10,10]+10[1,4,9,9]+10[8,10]+10[8,10]+4[2,4]+1 → 45

“マスタールイン”:暴走中です
GM:ダメージをどうぞ
"ディアスポラ":5d10+36+2d10
DoubleCross : (5D10+36+2D10) → 34[6,8,7,6,7]+36+8[4,4] → 78

"ディアスポラ":諸々有効!
“マスタールイン”:HP0。復活エフェクトはありません
GM:戦闘終了です。

"ディアスポラ":マスタールインが差し出した腕。その手首に
"ディアスポラ":一筋、冷ややかな銀閃が走って、それを斬り落とす。
“マスタールイン”:「あっ」
“マスタールイン”:断面から血が噴き出す。
“マスタールイン”:「何をするの?」
"ディアスポラ":「そんなにお友達になりたいなら」いつの間にかマスタールインの眼前へと近づいている。
"ディアスポラ":「握ってやるよ」血が滴る手首の断面に刃を突き立て、自らの右手でがっしりと握り込む。
“マスタールイン”:「……?」ぼんやりした顔をしている。
"ディアスポラ":ナイフを中心として、滴る血がみるみる凝固していき
"ディアスポラ":それは"マスタールイン"の血管を登って、瞬く間に血液を凍らせていく。
“マスタールイン”:「あっ……!あっ……!」
“マスタールイン”:「さては貴方、悪者ね!」
"ディアスポラ":「ああそうだよ。悪者だ」
"ディアスポラ":「これから何万人も殺すんだ」
“マスタールイン”:「そんな……綺麗なお顔をして……許さない!」
“マスタールイン”:「やっつけてや」
“マスタールイン”: ぱ き ん
“マスタールイン”:その顔が、全身が凍り付く。
“マスタールイン”:物言わぬ氷像と化し。
“マスタールイン”:同時に、周囲に放たれていた膨大なレネゲイドも停止する。
"ディアスポラ":氷像と化したそれを靴の裏で蹴り出して、ナイフを引き抜く。
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+10(侵蝕率:95->105)した
千原海智:「……あっ」
千原海智:「………」困った顔。「死んだの…?」
鳩山依鈴:「……どう、だろ」
GM:君達の抱いていた恐怖と不安は、急激に掻き立てられることは無くなったにせよ、未だ胸から晴れてはいない。
鳩山依鈴:「もう、自分の感覚を信用できなくなってくるけど」
赤川累:「本体、には見えなかったけど」周囲を見渡す。
赤川累:「もうこの辺りにはいない……と、思いたい」
鳩山依鈴:「うん。本当にこれで全て終わりとは思い難い」
鳩山依鈴:「……私達、願望ばっかりだな」
赤川累:「悲観よりはいいんじゃないですか。多分ね」
"ディアスポラ":「……………いや」いくらか落ち着いた様子で
"ディアスポラ":「……ごめん。もう少し情報を引き出せたかも知れなかったのに」
"ディアスポラ":「一刻も早く、ここから消さなきゃって……」
"ディアスポラ":「これも、怖かったってことなのかな……」
赤川累:「……でも。実際、あのまま会話を続けるのは危険だったと思います」
赤川累:「あれが与えてくるものを、単なる不安感と一緒にしない方がいい。きっと」
鳩山依鈴:「大丈夫。おかしなことじゃない」
鳩山依鈴:「私達に怒られるかもって、怖がらなくていい」
千原海智:痕抉りさんの氷像を覗き込む。
千原海智:「……連れ帰れない、よね」
“セプテントリオン”:「……」凍り付いた死体を見下ろす。
千原海智:「……」
千原海智:「ここが綺麗だってさ。あの子……あの子、なのかは分からないけど」
"ディアスポラ":「……多分、コイツは」痕抉りの亡骸を見下ろして
"ディアスポラ":「最初から"アイツ"じゃあなかったはずだ」
千原海智:「ん、うん」頷く。「そうだね」
"ディアスポラ":「きっと、帰るところがあった」
"ディアスポラ":「連れ帰ることはできなくなっちゃったけど」
"ディアスポラ":「欠片だけでも、持ち帰って弔うくらいはできる。いいよね?」
鳩山依鈴:「……ええ。それから、思いも」
鳩山依鈴:「“帰りたい”、という願いは、私達で引き継ぐ」
千原海智:「うん」
赤川累:「……」頷く。
GM:丁度その時、端末に朝霧からの通信が入る。
千原海智:「……あれ」通信音に気付く。「鳩山さん、通信?」
朝霧鏡花:『……ご無事ですか?皆さん』
鳩山依鈴:「鏡花ちゃん。お疲れ様」
朝霧鏡花:『その口調だとまだ大丈夫ですか。…………。』
朝霧鏡花:『……何から話したらいいのか……』
朝霧鏡花:しばらく迷って。
千原海智:「何…?」口をへの字に曲げる。
朝霧鏡花:『……まず、“マスタールイン”に関する資料の閲覧許可を持つエージェントが見つかりました。丁度臨時査察部の部長が資格を持っていたらしく……』
朝霧鏡花:『電子上でのコピーは許可されていないので、アナログで送りますね』
鳩山依鈴:「……“マンハンター”か。よく許可を取り付けたわね……」
千原海智:「アナログ?」首を傾げる。
千原海智:「どうやって?」
朝霧鏡花:『端末の転送機能をオンにしてください』
GM:言われた通りにすると、端末から極小のゲートが生成され、中から紙の資料が出てくる。
千原海智:「わっ」驚くが、皆驚いてないので思わず口元を両手で塞ぐ。
鳩山依鈴:「……この通信機自体が、極小のゲートを開いて通信を繋いでる」
鳩山依鈴:「それを活かせば、物の輸送もできるってこと」
鳩山依鈴:「……大きさの限界はあるけどね」
千原海智:「へ~~……それは便利なことで…」
赤川累:「つくづく、外と繋がるのは幸いだな……」呟く。
朝霧鏡花:『目を通したら、すぐに処分をお願いします』
"ディアスポラ":「処分か……こういう時ばかりは、火種持ってて助かったなって思っちゃうかな」"セプテントリオン"を見て
鳩山依鈴:「処分ね。了解。ところで」
鳩山依鈴:「”関係会社”にも展開しても?」
鳩山依鈴:「私一人で見たほうがいいのかしら」
朝霧鏡花:『ええ。今は必要な処置かと』
鳩山依鈴:「了解」
朝霧鏡花:『詳しくは、資料を見た後で話します』
GM:以下が資料の内容となる。




項目名:“マスタールイン”

概要
“マスタールイン”はFHマスターエージェントの一人です。
UGNにより既に討伐・処理が終了しています。






“マスタールイン”対応プロセス



“マスタールイン”が出現したという情報が報告された場合、速やかに以下のプロセスαに従って処理してください。

“マスタールイン”の現在地が確認出来ている場合、最低500m以上の距離を保ち、狙撃、もしくは長距離RC攻撃によって処理してください。
この際、目標に近付く、会話を交わす、意思疎通を図る等の行動は固く禁止されています。
また、目標が攻撃を察知している場合、攻撃手に何らかの方法で交信を図ろうとする恐れがあります。その兆候が確認出来た場合、直ちに攻撃を中止し、交信を受けた攻撃手に記憶処理を行ってください。

狙撃が困難、または正確な現在地が特定出来ない場合、高高度からの爆撃が承認される場合があります。
この際においても、パイロットは目標からの交信を回避するよう努めてください。

いずれの手段を行使する場合においても、処理に当たる職員には対象が“マスタールイン”であることを知らせないことが最も望ましい形となります。
基本的には『危険ジャームに対する攻撃』というカバーストーリーを用い、上記のプロセスを実行させてください。







以下の情報は、ランクⅢの対情報災害資格を持つ正規エージェント、もしくは後述のフェイズ2以降の状態にある職員にのみ閲覧が許可されます。
このデータを複製する場合、通信本部アデプタスによる精査と、2名以上の評議員による承諾が必要です。
このデータは必ずスタンドアローンの状態で保管し、サーバーは常に最高ランクのセキュリティ下に置いて下さい。








“マスタールイン”はFHマスターエージェント、或いはそれが齎す一連の現象の総称です。
UGNにより既に討伐・処理が終了しています。
20■■年■月■日、ロシア領カルミナ共和国ブルゴスクで初めて存在が確認されました。

職員との交戦においては、攻撃し能力の対象としたものを金属・非金属問わず錆び付いたかのような状態にする能力が確認されています。
この能力を受けた対象は、非生物であれば著しい劣化やエネルギーの喪失、生物であれば体調不良、皮膚や関節の硬質化、臓器不全などの状態に陥ります。

また、“マスタールイン”は常に周囲に強力な精神汚染領域を展開していると見られます。
この能力下で“マスタールイン”の名前を認識した人間は、『世界の破滅』に関するイメージを強く想起させられます。
また、“マスタールイン”の存在を恐怖と共に意識し続ける状態となり、大きな精神的ストレスを受けることとなります。
能力の影響下に置かれた(以下、感染と呼称)以降の経過時間とストレス状態により、以下のように症状が進行します。

【フェイズ1】
世界の破滅に対するイメージを想起し、漠然とした不安感を抱くようになる。
“マスタールイン”というワードを常に意識させられ、それを大きな恐怖の対象と感じる。

【フェイズ2】
フェイズ1の症状が悪化。
更に、会話、文字媒体などの手段を用い、他の人間に世界の破滅と“マスタールイン”について伝えようとする強迫観念に駆られる。
この時点で能力の媒介・感染源となり得る。

【フェイズ3】
症状が更に悪化。
自暴自棄となり、暴力的破壊衝動が喚起される。
多くの場合、他の感染者と共に徒党を組み、コミュニティに暴動状態を発生させる。
オーヴァードの場合、衝動が常に暴走状態となる。
また、意識内(感染者は多くの場合『頭の中』と表現する)に別の人格の形成を感じ、幻聴等の症状を受ける。

【フェイズ4】
オーヴァードのみの症状。
形成された“マスタールイン”としての意識に支配され、元の人格が消失、同時にジャーム化する。
新たな“マスタールイン”そのものとなり、レネゲイドの性質と共に能力も変化、自ら精神汚染領域の展開を始める。
フェイズ4の保有者が一人でも生存している限り、感染の拡大を止めることはできない。

精神汚染能力の効果範囲に限界は確認されておらず、有効範囲は全世界と見られています。
発見時、ブルゴスクでは大量の感染者が生み出されており、大規模な暴動が発生していました。
UGNは能力の発生源として最初の“マスタールイン”を討伐しましたが、その時には既に他のフェイズ4個体が発生していたものと見られます。
感染者の増加は収まらず、暴動はカルミナ共和国全土に拡大。統治機構の瓦解により完全な無政府状態となり、更にインターネットにより世界各地に飛び火しつつありました。
対応に当たった職員も立て続けに感染者となり、エージェントからフェイズ4進行者が発生する事態となりました。

UGNでは事態を重く受け止め、核攻撃による“マスタールイン”根絶を承認。
攻撃は成功し、“マスタールイン”とカルミナ共和国に関する全ての情報は大規模な記憶処理を伴う形で抹消されました。
現在、当時の事態を把握しているのは対情報災害資格を持つ3名のエージェントと、非オーヴァード評議員である■■氏のみです。






GM:──マスターエージェント。
GM:数多のFHエージェントの中でも、特定分野において最強の座にあることを意味する称号。
GM:彼らはある特定の能力において、他のあらゆるエージェントを──時にはリエゾンロードすらも──凌駕する。
GM:それは特定の行為やシンドロームの能力、あるいは特定状況下での戦闘力など、様々だ。
GM:“マスタールイン”の場合、それは──
GM:世界の、破滅。

GM:フェイズ4の意思判定に失敗したPCは、現在のロイスに上書きする形でEロイス【無限を継ぐ者】【傲慢な理想】【傲慢な理想】【傲慢な理想】を獲得。
GM:ジャーム化し、ロストします。
GM:また鳩山さんは、当時蒼井昴がカルミナ共和国での任務に就いていたことを思い出します。
GM:この世界での彼女は既に“マスタールイン”となり、UGNに討伐され、その記録も記憶も完全に抹消されています。

朝霧鏡花:『……現在』
朝霧鏡花:『世界中で、異常な災害が発生しています』
千原海智:「…ハリケーンだけじゃなくて?」
赤川累:「……」黙って聞いている。
鳩山依鈴:「……」あまりそちらに気を向けては居ない。
朝霧鏡花:『アジア圏で蝗害とネズミの大量発生。各地の湾岸部では、海面の上昇とそれに伴う大津波による壊滅的な被害』
朝霧鏡花:『赤道直下での豪雪。死人が蘇り人を襲うようになる現象の拡大……』
朝霧鏡花:『ヨーロッパでは未発見のウィルスの蔓延。アメリカ西海岸では不明巨大海洋生物の出現と、大規模な精神汚染』
"ディアスポラ":「それって……」青褪めた顔で
"ディアスポラ":「……"誰の"仕業?」
朝霧鏡花:『“スターゲイザー”でしょうね』
"ディアスポラ":「……本当に」
"ディアスポラ":「本当に、それだけなのかな……?」
朝霧鏡花:『いいえ』
朝霧鏡花:『ハリケーンを始めとしたこれらの災害により、全世界で人々の不安……ストレスと言いましょうか。は、極めて大きなものとなっています』
朝霧鏡花:『全世界で異常な速度で暴動が発生、拡大しています。そこに……』
朝霧鏡花:『暴動と共に、人々の間に……常に“マスタールイン”の名が』
朝霧鏡花:『……恐らくスターゲイザーは、核と共に世界中に“マスタールイン”の宿主をばら撒いていたものと見られます』
朝霧鏡花:『“マスタールイン”は会話の無い文字媒体でも感染します。封じ込めと情報封鎖が裏目に出ました。UGNでも後手に回り……』
朝霧鏡花:『現在の感染者数は、およそ15億人と推計されています』
赤川累:(……こうしてその情報が、この場に伝えられた事も)
赤川累:(それ自体があるいは、"マスタールイン"の能力影響か……)朝霧が無用な不安を煽っている、と言う訳じゃないが。
赤川累:世界中が恐慌に陥っている……それを知ってどうすればいい、という。八つ当たりめいた感情が湧いてくる。理性でそれを否定する。
鳩山依鈴:「……私達が、フェイズ2で抑えられているのは」
鳩山依鈴:「想いを結ぶ縁があるからだと思う」
鳩山依鈴:「それを、ストレス状態にある市民に求めろというのは酷極まりない」
鳩山依鈴:「遅かれ早かれ、じきにフェイズ3へ以降する」
鳩山依鈴:「それから、4へ——」
千原海智:「ダメだろ!」
千原海智:「それは……そんなことさせる訳にはいかないだろ…」
鳩山依鈴:「……私ね」
鳩山依鈴:「宿主に会った」
鳩山依鈴:「ここへ来る前」
鳩山依鈴:「レネゲイドウイルス以来の大感染。そのキャリアにね」
朝霧鏡花:『……』
朝霧鏡花:『それは……』
朝霧鏡花:『……お知り合いですか?』
鳩山依鈴:「ええ。同僚で、親友だったのだけど」
鳩山依鈴:「この世界では忘れられていたんだと思う」
鳩山依鈴:「UGNは、いい仕事をする組織ね」
鳩山依鈴:「全部の世界でやれてれば、称賛10割で言えたんでしょうけど、まあ、出来ないのは知ってる」
朝霧鏡花:『……』
朝霧鏡花:『……UGN本部から、皆さんへ直接の指令が出ています』
千原海智:「…指令?」
鳩山依鈴:「……聞かせて」
朝霧鏡花:『諜報部によれば、既にフランスが核攻撃を決定しました』
朝霧鏡花:『クラッキングにより何とか寸前で阻止しましたが、他の国でも、今この瞬間に核が行使されてもおかしくない状況です』
朝霧鏡花:『最初の一発が放たれれば、後は雪崩落ちるしかありません』
鳩山依鈴:「撃たせるための札ってわけね。強力な怪物の仕業ではなく」
鳩山依鈴:「自分たちで頭を撃ち抜くところを見せろと」
赤川累:「いかにもあいつらしい趣味だ。……それで?」
朝霧鏡花:『UGNでは現在、フェイズ4の保有者を総力を挙げて処理・発生を阻止しています』
朝霧鏡花:『しかし、最後の……そして、恐らく最初の感染源は、今皆さんのいる、歪曲汚染領域の只中にいます』
朝霧鏡花:『恐らく……先程鳩山さんの話にあった……』
鳩山依鈴:「……昴」
"ディアスポラ":「依鈴の、友達……か」
朝霧鏡花:『……手遅れになる前に、感染源を断たなければなりません』
朝霧鏡花:『それが出来るのは、今、領域内にいる皆さんしかいません』
赤川累:「……フェイズ4の保有者が一人でも生存している限り、感染の拡大を止めることはできない」先程見た資料の言葉を繰り返して。
赤川累:「逆に言えば、それを断ちさえすれば……」
“スターゲイザー”:「そういうことですねえ」
千原海智:「え」
"ディアスポラ":「!!」
赤川累:「……」
鳩山依鈴:「……本当に、あなたは」
鳩山依鈴:「最悪のタイミングで来る」
“スターゲイザー”:不意に君達の前に姿を現す。美しいテーブルと椅子に座って、紅茶を飲みながらパンケーキを食べている。
“スターゲイザー”:「あっはっはっは。ようやく筋書きに辿り着いてくれましたね~」
“スターゲイザー”:「だいぶ待たされて退屈しちゃいましたよ~」
“スターゲイザー”:「食べます?」フォークに刺したパンケーキを千原くんに差し出す。
千原海智:「………いらないよ」眉を寄せている。
赤川累:「退屈か。そりゃ悪かったな」吐き捨てるように言う。
鳩山依鈴:「もうお腹いっぱいなの」
鳩山依鈴:「消化に悪いものばかり寄越されてね」
"ディアスポラ":「飽きたんなら一足先に帰ったら?」
"ディアスポラ":「今なら豪華送迎付きで送ってあげるんだけど。地獄行きのね」
“スターゲイザー”:「やですよ。本番はこれからでしょう?」
“スターゲイザー”:「大目的がハッキリしてた方が、ジャンプでも人気になるじゃないですか」自分で食べる。
“スターゲイザー”:「皆さんにはこれから、僕と“マスタールイン”ちゃんを頑張って倒していただきます!」
“スターゲイザー”:「あ、鳩山さん的には蒼井さんって言った方がいいですか?」
鳩山依鈴:「……」
鳩山依鈴:「わざわざ、そうであった世界から持ってきたの?」
“スターゲイザー”:「それ以外にないでしょう?」
“スターゲイザー”:「頑張ったんですよ?鳩山さんがやる気を出してくれるかなって……」
鳩山依鈴:「……そう。ご配慮痛みいる」
鳩山依鈴:「人の気持ちは分からないくせに、こういうところは、ちゃんと当ててくるのね」
“スターゲイザー”:「でも、難しいですかね~?僕一人でもめちゃ強なのに……」
“スターゲイザー”:「というわけで、モチベーションを出してもらおうと思いまして」
“スターゲイザー”:「こんなものをご用意しました!」タブレットを取り出し
“スターゲイザー”:「どうぞ、千原さん」
“スターゲイザー”:差し出す。
千原海智:「…………」
GM:液晶には映像が映っている。ライブ映像のようだ。
千原海智:「君を」
千原海智:小さく言う。低い声で。
千原海智:「……許せなくなる」
千原海智:「…気がする」
GM:一人の少女が拘束されている。その背後にはどす黒い大穴が開き、無数の異形が今も引っ切り無しに現れ続けている。
千原海智:「…………………」心臓がばくばくと鳴っている。なんの感情かも分からないが。
千原海智:しかし、その映像を見る。
GM:能力を強制的に行使させられているようで、その様子には生気がない。必死に抵抗したのか、拘束された手足には乾いた血の跡がある。
“スターゲイザー”:『三瀬川さ~ん?』
“スターゲイザー”:端末の向こうで、もう一人の“スターゲイザー”が少女を起こす。
“スターゲイザー”:『ほらほら、カメラ回ってますよ~』
三瀬川りんか:『……』
“スターゲイザー”:『ほら、千原さんですよ!貴女の為に来てくれたんですって!』
“スターゲイザー”:カメラを指差す。
千原海智:「…………」心臓がばくばくと鳴る。
三瀬川りんか:『……』
三瀬川りんか:『……千原……』『くん…………?』
三瀬川りんか:ぼんやりと目を開き、掠れた声を漏らす。
三瀬川りんか:その髪は乱れ、真っ白に染まっている。
千原海智:「───っ」
千原海智:「…………」手足が急激に冷えるような感覚があった。こちらも返事をしようとして、声が出なくて、一度息を吐く。
千原海智:「………」「…三瀬川さん」
千原海智:「三瀬川さん!」
三瀬川りんか:『……嘘……』朦朧とした様子で。『……何で……?』
三瀬川りんか:『……来てくれたの……?』
千原海智:「来たさ!…ああ、来たさ、君を救いに!」
三瀬川りんか:『……ああ……』息を漏らすように。
三瀬川りんか:『良かった……』
三瀬川りんか:『千原、くん。すぐに……』
三瀬川りんか:『急いで、ここに来て……』
三瀬川りんか:『殺して』
千原海智:一瞬、思考が止まり。
千原海智:いろいろな感情が湧き上がり、今とるべき様々な行動の選択肢が次々に脳裏をよぎり、
千原海智:拳を握り、だけど、息を吸った。
千原海智:「……バカだ。バカだな、三瀬川さんは」
千原海智:「僕が、なんのために、ここに来たと思ってる」
千原海智:「君との約束を果たしに来たんだ」
三瀬川りんか:『……』
三瀬川りんか:『無理だよ……』
三瀬川りんか:『私のせいで、沢山の人が死んで……』
三瀬川りんか:『これまでもそうだった。だけど』
三瀬川りんか:『もっともっと沢山の人を助ければ、辻褄は合わせられるって』
三瀬川りんか:『こんな私でも、生きていていいんだって。そう思えるんじゃないかって』
三瀬川りんか:『でも』
三瀬川りんか:『もう──』
千原海智:「無理じゃないよ!」
千原海智:「それ以上言うなよ、絶対言わないで、二度と殺してくれとか言うな!」
三瀬川りんか:『……』
千原海智:「君のせいで人が死ぬわけがあるか、…君が、誰かを助ければ、生きることができるというなら」
千原海智:「僕が、この千原海智が!」
千原海智:「今から! 当たり前みたいに、世界を救ってやる!」
“スターゲイザー”:「わぁ~!」パチパチと拍手している。
三瀬川りんか:『……』
千原海智:「だからっ…」言葉を続けようとして。
三瀬川りんか:『やだよ……』
三瀬川りんか:『私……もう、そんなの……無理だよ……』
三瀬川りんか:『殺してくれないなら……』
三瀬川りんか:『助けになんて、来ないで』
千原海智:「な……っ」
“スターゲイザー”:『もう~~~!三瀬川さん!』
“スターゲイザー”:『せっかく千原くんが励ましてるのに!こら!』
“スターゲイザー”:『駄目じゃないですか!おしおきです!』装置の出力を上げる。
三瀬川りんか:『うっ……あぁああああああっ!!』
三瀬川りんか:悲鳴と共に、空間の穴が拡大する。
千原海智:「…!」「やめろよ…!」
千原海智:傍らのスターゲイザーに掴みかかる。
“スターゲイザー”:「あわわわ」映像を切る。
“スターゲイザー”:「気に入りませんでしたか~?おかしいなあ……」
千原海智:「何で彼女を…っ」手が空を切る。
千原海智:「…………」
“スターゲイザー”:「でもそんなに怒ったって、貴方に何が出来るんですか~?」空中を浮遊しながらクスクス笑う。
“スターゲイザー”:「オーヴァードになったばかりの、あなたに」
“スターゲイザー”:「三瀬川さんにも会ったばかりの、あなたに」
千原海智:「……ああ」
千原海智:「そうだね………」拳が震える。痛み等分からないほどに握りしめる。
千原海智:「……君はさ、スターゲイザー」
千原海智:「今、世界を、美しいと思ってる?」
“スターゲイザー”:「?」
“スターゲイザー”:「世界なんて知りません。ドブ川は汚いし、花畑は綺麗なんじゃないですか?」
“スターゲイザー”:「僕が綺麗だと思うのは、人の魂の輝き──」
“スターゲイザー”:「『星』だけですよ」
千原海智:「……そう」
千原海智:「だったら、やっぱり………僕は」
千原海智:「君を。許せないよ」
“スターゲイザー”:「ふふふ……いいですねえ……」
“スターゲイザー”:「ヒロインを助けるヒーローはそうでなくちゃいけませんからね」
千原海智:「………」分からない。そんな言葉をかけられたところで。
千原海智:これまでの戦闘ではほとんど動けていなかったし、結局、今、彼女に何か反撃できているわけでもない。
千原海智:少年漫画のヒーローだったら、ここまで事態が進行するまでに、彼女のことだって助けて、ハッピーエンドを迎えていられたんじゃないだろうか。
“スターゲイザー”:「貴方の星は、一体どんな色で燃えるんですかね?」
“スターゲイザー”:「楽しみです」にっこりと笑って。
“スターゲイザー”:「さて!そういうことなので」ぱし、と掌を合わせ
“スターゲイザー”:「そろそろ行きましょうか」
“スターゲイザー”:「“セプテントリオン”さん」
“セプテントリオン”:「……」
"ディアスポラ":「…………は?」
“セプテントリオン”:無言のまま、煙草の煙が揺れる。
"ディアスポラ":突然出てきた名前に一瞬呆気にとられて
"ディアスポラ":「"セプテン、トリオン"……?」ゆっくりとそちらを振り向く
“セプテントリオン”:ゆっくりと歩み出し、
“セプテントリオン”:“スターゲイザー”の隣へと。
"ディアスポラ":「ちょ、ちょっと……!」
"ディアスポラ":掴もうとした腕が空を切る。
“セプテントリオン”:「……“ディアスポラ”」
“セプテントリオン”:「アンタ、考えたことはあるかい?」
"ディアスポラ":「アンタ、ふざけ……は?考えたこと……?」
“セプテントリオン”:「自分で考えなくても、腰抜けに言われたことはある筈だ」
“セプテントリオン”:「仮に“スターゲイザー”を倒して、復讐を遂げたとしても……」
“セプテントリオン”:「それで、失ったものが戻ってくるのか?」
“セプテントリオン”:「ってね」
"ディアスポラ":「っ………」
“セプテントリオン”:「……三十年は」
“セプテントリオン”:「アタシには、長すぎた」
"ディアスポラ":ゴクリと唾を飲む「けど……」
"ディアスポラ":「けど、アンタは言ってたじゃない!取り戻すって!それを……!」
“セプテントリオン”:「そうだよ」
“セプテントリオン”:「……そうするのさ」
GM:“スターゲイザー”と“セプテントリオン”の輪郭が、薄れていく。
“スターゲイザー”:「それでは僕たちはこの辺で失礼しますよ~」
“スターゲイザー”:「待ってますからね、皆さん!それでは!」
"ディアスポラ":「……そん、な……」伸ばしかけた手が力なくしなだれる
鳩山依鈴:「CCW——2W」
鳩山依鈴:未来からの狙撃を試みる。それは、可能な限りの最大。
鳩山依鈴:2週間後。現状で、まだ、未来があると信じる、極限からの。
GM: 
GM:         ────カチンッ
GM: 
GM:引き金を引く、虚しい音だけが響く。
GM:弾丸は──返ってこない。
鳩山依鈴:「未来が」
鳩山依鈴:「無いのか」
GM:既に、“スターゲイザー”達の姿は無い。
GM:辺りに静寂が訪れる。
千原海智:「………っ!ああ、ああーーー!もう!」
千原海智:握りしめていた拳をブンッと振りあげるが、行き場なくさまよい、代わりに声を上げる。
"ディアスポラ":「……………」二人が消えていった虚空を見つめたまま
"ディアスポラ":「………ばか……」
"ディアスポラ":「私の………ばか……」
"ディアスポラ":「節穴は……どこまで行っても節穴、か……」拳を握りしめる
鳩山依鈴:「……話を」
鳩山依鈴:「話をしましょう」
鳩山依鈴:「……これからの」
鳩山依鈴:「……これから?」
鳩山依鈴:私は、この先。未来から、弾丸を呼べるだろうか。
鳩山依鈴:もし、より近い未来を選んで、それが来なければ。
鳩山依鈴:それは確定に他ならない。知ってしまうことに。
鳩山依鈴:「……怖いわよね、みんな、今」
鳩山依鈴:「私もそう」
千原海智:「……………」
赤川累:「……今?」
赤川累:「ずっとでしょう、そんなもの。大なり小なり、噛み殺して来ただけだ」
千原海智:「……赤川くん」
赤川累:「それでも、俺達は……」言葉が続かない。
赤川累:千原くんの方を見る。
千原海智:「うん。あのさ」
千原海智:「………僕にはもう、可愛く見えないよ、彼女………」
赤川累:「……」
赤川累:「……それも、丁度良いだろ」
赤川累:「これから殺す相手なんだ」
赤川累:表情を変えないまま、そう言う。
千原海智:「…………」
千原海智:「………そうだな」
千原海智:(本当に?)脳裏によぎった言葉を、胸に押し込んだ。



GM:シーン終了です。
GM:ロイス・購入可能。
千原海智:4dx+6>=8 応急手当買います
DoubleCross : (4R10+6[10]>=8) → 10[1,5,7,10]+5[5]+6 → 21 → 成功

千原海智:2d10+5 使う
DoubleCross : (2D10+5) → 14[7,7]+5 → 19

赤川累:応急買います。
赤川累:5dx+3>=8
DoubleCross : (5R10+3[10]>=8) → 8[1,4,4,6,8]+3 → 11 → 成功

赤川累:即使用で
赤川累:7+2d10
DoubleCross : (7+2D10) → 7+13[8,5] → 20

赤川累:赤川累のHPを20にした(HP:7->20)
"ディアスポラ": "セプテントリオン"のロイスを 憧憬/悔悟○ に変更
鳩山依鈴:私も応急かな~
鳩山依鈴:4DX+1>=8
DoubleCross : (4R10+1[10]>=8) → 7[4,6,6,7]+1 → 8 → 成功

鳩山依鈴:買えた 男の子たくさん食べるだろうからあげるよ
千原海智:食べていい?
赤川累:こっちはいいよ~
千原海智:じゃあ食べる!
千原海智:19+2d10
DoubleCross : (19+2D10) → 19+7[1,6] → 26

"ディアスポラ":私も2個持ってるから足りなかったら食べていいよ
赤川累:あっじゃあいっこもらう
千原海智:もいっこ食べる!
千原海智:26+2d10
DoubleCross : (26+2D10) → 26+10[9,1] → 36

赤川累:2d10+20
DoubleCross : (2D10+20) → 11[8,3]+20 → 31

赤川累:赤川累のHPを27にした(HP:20->27)
赤川累:全快
"ディアスポラ":私は試しにブラスギアス買ってみる
"ディアスポラ":手配師使用してダイス+3
千原海智:あと4点足りなかった… でもだいたい治った!
"ディアスポラ":7dx+3>=20
DoubleCross : (7R10+3[10]>=20) → 10[4,5,5,6,8,9,10]+6[6]+3 → 19 → 失敗

"ディアスポラ":ちょうど良く財産1あるから買っちゃおっと



【Masterscene】

数十時間前 歪曲汚染領域内 仮設テント
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:夜。テントの入り口で、一人煙草をふかしている。
“セプテントリオン”:結界の中では夜空も見えはしない。視線の先は、簡易ベッドで眠る“ディアスポラ”の寝顔。
“セプテントリオン”:「……やれやれ」
“セプテントリオン”:ずれた毛布を掛けてやって。
“セプテントリオン”:「寝顔は本当のガキみたいだね」
“セプテントリオン”:煙と共に息を吐く。
“セプテントリオン”:「(……もし)」
“セプテントリオン”:思考する。
“セプテントリオン”:「(もしも娘が居たら、こんな風だったのかね)」
“セプテントリオン”:一瞬浮かんだそんな考えを、即座に否定する。
“セプテントリオン”:「(……馬鹿馬鹿しい。腑抜けたか、“セプテントリオン”)」
“セプテントリオン”:「(アタシはもう全部失くした。取り戻すことも、新しく得ることも無い)」
“セプテントリオン”:「(古本屋だって?あり得ない)」
“セプテントリオン”:「(……“スターゲイザー”を殺す)」
“セプテントリオン”:「(アタシの人生は、その為だけにある)」
“セプテントリオン”:眉間に皺を寄せ瞑目し、何千何万回繰り返してきたか分からぬ自問自答を終え。
“セプテントリオン”:目を開けると、そこに夫が居た。
???:「ジェシカ、そっちのピーマン取ってくれるかい?袋に入ってる」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:硬直する。
“セプテントリオン”:文字通りの瞬く間に、景色が切り替わっていた。
“セプテントリオン”:記憶よりだいぶ古びた、とっくに焼失したはずの我が家。
“セプテントリオン”:そして、記憶よりだいぶ年老いてはいるが────
“セプテントリオン”:記憶の通りの夫が。
“セプテントリオン”:自分の手で殺したはずの、最愛の相手が。
“セプテントリオン”:キッチンに立ち、ピザ生地を捏ねている。
“セプテントリオン”:「……は」
“セプテントリオン”:夢。
“セプテントリオン”:では、ない。
“セプテントリオン”:幻覚能力への耐性訓練は受けている。空気も、感覚も、あまりにも『本物』すぎる。
???:「……ジェシカ?」
???:夫が不思議そうに振り返る。
???:「どうしたんだい?そんな顔して」
“セプテントリオン”:「………………」
“セプテントリオン”:「……ケビン?」
ケビン:「そうだけど……何だい、ボケが始まったなんてのはやめてくれよ?」
ケビン:笑って、袋からピーマンを取り出し、輪切りにしていく。
ケビン:「今日はダニー達が来るんだから、盛大に出迎えてやらないと」
ケビン:口にしたのは、息子の名前だ。あの日、自分の腕の中で死んでいったはずの。
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「ダニー……」
“セプテントリオン”:「……達、って……他には誰が?」
ケビン:「イザベラとマイケルに決まってるだろ?」
ケビン:「おいおい、義理の娘と孫の名前まで忘れたのかい?」
ケビン:呆れたように笑う。
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「…………ま、ご…………?」
ケビン:「……本当に大丈夫?」
ケビン:心配そうに顔を覗き込まれて。
ケビン:「覚えてるかい?ダニーのやつ、小さい頃はピーマンが大っ嫌いでさ」
ケビン:「よく君に泣くまで怒られて、無理やり食べさせられてただろ」
ケビン:ピーマンをピザにトッピングしながら。
ケビン:「覚えてるかい?」
“セプテントリオン”:「…………」
“セプテントリオン”:「……ああ……」
“セプテントリオン”:掠れた声が、喉から漏れる。
“セプテントリオン”:「そうだった……わね……」
ケビン:「良かった。それにしてもマイケルはあの歳でもう食べられるんだから、手の掛からないいい子だね。イザベラに似たのかな」
ケビン:朗らかに笑って。
ケビン:「さ、君も手伝ってくれよ。まだまだ準備は沢山あるからね」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「……ええ」
“セプテントリオン”:「そうね……」
“セプテントリオン”:頷き、一歩踏み出したその瞬間。
“セプテントリオン”:何も無い、一面の荒野に立っている。
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:人の気配に、ゆっくりと振り向く。
“セプテントリオン”:セーラー服の少女が、にこやかな笑みを浮かべ、そこに立っていた。



【Interlude】

GM:世界が────日常がその形を完全に保てなくなるまで、最早時間は無い。
GM:“セプテントリオン”は姿を消した。“デイブレイカー”の助力は期待できず、結界内にはUGNの増援も入ってこられない。
GM:“マスタールイン”、そして“スターゲイザー”を、君達だけの力で倒さねばならない。
GM:君達は、覚悟を決めなければならない。
鳩山依鈴:「……ご飯、食べましょう」
千原海智:「……ゴハン?」
鳩山依鈴:残り少なくなった支給品を開ける。「ええ。ちゃんと頭回さないと」
鳩山依鈴:「飢えてると、ロクな方に考えが行かなくなる」
赤川累:「……ええ、そうですね」
千原海智:「………うん」支給品を受け取る。
千原海智:「……ディアスポラさんも」
"ディアスポラ":「………うん」受け取りはするが
"ディアスポラ":「………」封を開けずにポケットにしまう
千原海智:「………」そのディアスポラさんの様子を見ながら、咎めることもできず。
鳩山依鈴:「本当はここで、料理の一つでもしてみせたほうがいいんでしょうけど」
鳩山依鈴:「雄吾さんのようには行かない。それで我慢してね」
千原海智:「雄吾さんて……誰? 恋人?」軽く笑って、支給品の栄養バーを齧る。
鳩山依鈴:「上司よ。UGN日本支部長。“リヴァイアサン”」
鳩山依鈴:「あの人、料理が趣味で。作戦前に、フルコースを振る舞うこともある」
赤川累:「へえ……立場の割に距離の近い人とは聞いてましたけど、そこまで」
千原海智:「ふうん。食べたいなあ、フルコース」
千原海智:栄養バーをもそもそと食べている。
鳩山依鈴:「じゃあ、帰ってからお願いしてみるわね」
"ディアスポラ":「帰ったら……か……」
鳩山依鈴:「……状況を整理しましょうか」
千原海智:「………うん」
鳩山依鈴:「私達のここへ来た目的は二つ」
鳩山依鈴:「“スターゲイザー”の撃破。“アップサイド・ダウン”の……三瀬川さんの救出」
千原海智:「………」暗い表情。
鳩山依鈴:「どちらも想定外の事態が発生してる」
鳩山依鈴:「前者に対しては、彼女と協力関係にあると見られる“マスタールイン”の存在」
鳩山依鈴:「“セプテントリオン”の離脱」
"ディアスポラ":「…………」
鳩山依鈴:「後者に関しては、あの映像を見る限りでは」
鳩山依鈴:「彼女はすでに危機的状況にある」
千原海智:「………んん」
千原海智:「来ないでって言われちゃったしね」
赤川累:「……」
鳩山依鈴:「でもね。失敗じゃない」
鳩山依鈴:「来ないでって言われたんでしょう。それは、話す元気はあるってこと」
"ディアスポラ":「……まあ、そだね」
千原海智:「……そうなの? そう?」
"ディアスポラ":「少なくとも、生きてはいる」
赤川累:「ええ」
千原海智:「うん」頷く。「…それは確かに、そうだ」
鳩山依鈴:「それがね。どれだけ得難いことか。みんなよく知ってる」
千原海智:「……そうだよね」
千原海智:「………あのさ。でも」
鳩山依鈴:「うん?」
千原海智:「彼女、三瀬川さん、『自分のせいで何人も人が死んだ』って言ってただろ」
千原海智:「『これまでも』って。あれはどういう意味なのかなー………」
千原海智:「僕の知らない話をされると、僕は何にも言えなくなっちゃうんだよ」
赤川累:「……元々、特異な能力だったとは聞きましたけど」ブリーフィングの内容を思い出す。スターゲイザーすらも届かない異界の窓に接続できる素質があったと。
赤川累:「過去にも、今回ほどの規模ではないにしろ……暴走したような事が?」
鳩山依鈴:「……あなたには、もっと」
鳩山依鈴:「いい、三瀬川さんの思い出を、知っていってほしいけどな」
鳩山依鈴:「……なんて、言ってられる状況でもないか」
千原海智:「その言い方だと、彼女が悪い人みたいだろ…」
千原海智:「…何?」
鳩山依鈴:「彼女はね。UGNに保護される前から、何度も、能力暴走を引き起こしたと見られてる」
鳩山依鈴:「両親。親族……保護されてからもか」
鳩山依鈴:「周囲の人々を、何度か巻き込んだこともあるって」
千原海智:「………あの能力を……」
赤川累:「……」
鳩山依鈴:「……ええ。きっと、そのことを指してるんだと思う」
千原海智:「………街の中で、たくさんの人が犠牲になるところを見たよ」
千原海智:「そっか」瞬き。「そうなんだ……」
"ディアスポラ":「……けど」
"ディアスポラ":「それって別にあの子のせいじゃなくない?どう考えても個人の手に負えないでしょ、アレ」
鳩山依鈴:「本人はそう考えていなかったんでしょう」
赤川累:「罪悪感だって、そうそう自分の手には負えないもんでしょ」
赤川累:「人によるかもしれないけど。鳩山さんの言う通り、彼女はそうだった」
鳩山依鈴:「ただね、彼女は、“だからこそ”」
鳩山依鈴:「それより多くの人を救う、と。イリーガルとしての活動を行っていた」
"ディアスポラ":「あーはいはいそういう子ね。何となくわかったわ。罪悪感で戦う子ってのも知らないわけじゃないしね」遠くを見る。
千原海智:「………彼女、悩んでるって言ってたんだ」
千原海智:「その事だったのかな」
千原海智:「また会えたら、聞こうと思ってたんだけど…………」
鳩山依鈴:「じゃあ、また会いましょう」
鳩山依鈴:「あれが最後は嫌でしょう、お互い」
千原海智:「…………」ぐぅっと後ろに倒れる。戦闘で破れたテントの切れ目から、空が見えた。
千原海智:「うん」
鳩山依鈴:「会って、話して、分かり合う」
鳩山依鈴:「分かり合えなくても、分かろうとする」
千原海智:「そして、星を見る」
千原海智:「………でもさ、僕一人じゃ無理なんだ。今までの災厄存在だってそうだったし」
鳩山依鈴:「約束したんだったわね」
千原海智:「そう! 約束をさ…果たしたいんだ」
千原海智:「皆がいないと無理なんだよ」姿勢を戻して皆を見る。
赤川累:「いるだろ」
赤川累:「それとも、何さ。ここまで来て、今から君を置いて逃げ帰るとでも?」
千原海智:「思って……」「なかった!」目をきらめかせる。
赤川累:「つまり、無理じゃあないって事だ」
赤川累:「……実を言うとだ。俺は……」少し言葉に迷う。
赤川累:「どうも、特別扱いを受けてる。"スターゲイザー"に」
千原海智:「………特別扱い」
赤川累:「これから滅ぶ世界で、お前だけは助けてやる……って。この事件が始まる前に、そう言われた」
"ディアスポラ":「ははっ……」俯いたまま笑う
千原海智:「うぇっ……」「本気?」
赤川累:「……一応、あんな事があったからな。余計な隠し事は、不和を生むかと思った」
赤川累:「"セプテントリオン"も、どこかで別の誘いを持ち掛けられたんだろう」
"ディアスポラ":「……あいつさ、意外と一途なとこあるんだよ」
"ディアスポラ":「"スターゲイザー"じゃないよ?奴に乗っ取られる前の、あの体の持ち主の方」
赤川累:「……」
千原海智:「……………え?」
鳩山依鈴:「それがあなたの隠しごとか」
赤川累:「一応、俺は聞いてましたけどね」
千原海智:「えっ」
赤川累:「……君にも言ったんだけどな。"あの身体も、別の人間から奪ったものらしい"って」
千原海智:「いや、でも…それがこんな身近にいるなんて…」
鳩山依鈴:「逆に言えば、手の届くところにいるってこと」
鳩山依鈴:「こちらに関心を持ってる。相手に影響も与えず、物事を観測することは出来ない」
千原海智:「……そっか」
"ディアスポラ":「朔夜……今のスターゲイザーは、私の妹分だったんだ。実際に血が繋がってるのはセルリーダーとだけだったけど」
"ディアスポラ":「崩落戦が終わった後に立ち上げた小さなセルで、吹けば飛ぶような零細だったけど」
"ディアスポラ":「皆家族のように思ってたし、一緒にいるだけで楽しかった」
"ディアスポラ":「けどさ、馬鹿正直にそう思ってたのは私だけで、他のみんなは少し違ってたみたい」
千原海智:「少し違ってた?」
"ディアスポラ":「みんな一番大事な人がいて、その人のためなら」
"ディアスポラ":「他の全部を裏切れたってこと」
"ディアスポラ":「今の"セプテントリオン"みたいにね」
"ディアスポラ":「結局、最後まで選べなかった私だけが生き残って」
"ディアスポラ":「守れたはずのあの子……朔夜も、持ってかれちゃった」
千原海智:「…………君は」
千原海智:「全員、大切だったんだね」
"ディアスポラ":「ガキだっただけだよ」力なく笑って
鳩山依鈴:「一つを選べるのが大人だってなら」
鳩山依鈴:「私もまだ大人じゃなくていいかな?」
千原海智:「……何を選ぶのを、やめようとしてる?」
鳩山依鈴:「……ビビって逃げ帰らないって約束してくれるかな」
千原海智:「ん」頷く。
鳩山依鈴:「私の能力は、時空を超えて弾を撃てる」
鳩山依鈴:「未来から撃ったことに出来るの」
千原海智:「ああ……」そういう仕組みだったのかと思う。
鳩山依鈴:「今、この場に銃弾が来れば。あとから撃って、辻褄を合わせられる」
鳩山依鈴:「……さっき。試した」
赤川累:先ほどの言葉を思い出す。「……未来がない、って。じゃあ、あれは」
鳩山依鈴:「設定は2週間後」
千原海智:「2週間後………」
"ディアスポラ":「……そっか」
"ディアスポラ":「撃てなかったんだ」
鳩山依鈴:「ええ。可能性は3つ」
鳩山依鈴:「私達に、2週間後の未来なんて存在しないか」
鳩山依鈴:「私が、それまでに死んでいるか」
"ディアスポラ":「………もう一つは?」
"ディアスポラ":「見せ札を捲る時って二種類あるよね」
鳩山依鈴:「大丈夫よ。ブラフじゃない。全部開ける」
鳩山依鈴:「私が、ただ怖がっているだけ」
鳩山依鈴:「3つ目の可能性を、言い出すことも怖くってね」曖昧げに笑う。
鳩山依鈴:「えっとね。要は。実は私も怖い」
千原海智:「……うん」
鳩山依鈴:「いつもなら言わずにおくんだけどね。特別」
赤川累:「……恐怖が能力に作用した、って事ですか」
赤川累:「ビビッて逃げ帰るには、少し希望のありすぎる話ですね。それ」
鳩山依鈴:「本当はね。私だけ遺書も書いてる」
鳩山依鈴:「ズルい女でしょ?」
千原海智:「………」困った顔をする。「……難しいこと聞くなあ」
赤川累:「自分で書かないって選んだだけなんで。それは別に」
赤川累:「立場がある人なら、その自由がない事もあるだろうし……」
"ディアスポラ":「いいや、ズルいよそれ」くすりと笑って
"ディアスポラ":「死んだ後だと思って好き勝手書いてるでしょ。一回経験あるからわかるよ」
千原海智:「あるの?」
"ディアスポラ":「あるよ、受け取った経験がね。ビデオレターだけど」
千原海智:「………そっか。僕には想像もつかないくらい、つらい気持ちになるだろうな」
鳩山依鈴:「……ええ。だから、私もズルはなし」
鳩山依鈴:「お互い、開いて、分かりあったでしょう。どうせ、相手は」
鳩山依鈴:「ズルの塊よ」
千原海智:「ははは」クスッと笑う。「ほんとにね。何、あれ」
鳩山依鈴:「なしにしましょうよ、そんなの」
"ディアスポラ":「ああ、本当に」
"ディアスポラ":「イカサマ勝負じゃ話になんないからね」
千原海智:「もう皆隠し事なし? いいね、良かった! 隠し事されると傷つくもんね」
鳩山依鈴:「隠したそれも出してね」ポケットを指して。
鳩山依鈴:「ちゃんと食べること」
千原海智:「鳩山さんが傷ついちゃう?」
鳩山依鈴:「ええ。傷ついちゃうかな?」
鳩山依鈴:「私のお願い、聞いてくれてないってことだもん」
"ディアスポラ":「うへぇ、わかったよ。わかりました」ポケットから携帯食料を取り出す
"ディアスポラ":「お姉ちゃんに泣かれたら大変だからね。ちゃんと食べます」包みを開いて一口齧る。
千原海智:「はは。良かった」それを見て目を細める。
千原海智:「食べ終わったら、出発だね」
GM:地図に示された終着の地は近い。
GM:滅びの刻が迫る中、君達は再び歩き出した。



GM:経験点を使用できるタイミングはここが最後です。
千原海智:《万象の虹》LV1獲得、1点余ったので〈情報:UGN〉でLV1とります。
赤川累:インスピのレベルを1->3、意志4->6、情報5->6 15点消費です
鳩山依鈴:《戦局判断》LV1、情報:FH LV1で16点使い切ります
"ディアスポラ":感覚を6->7、意思を3->5、RCを1->2 で16点使用します。



【Climax】

GM:クライマックスシーンです。
GM:全員登場。
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+4(1D3+3->1+3)(侵蝕率:105->109)した
鳩山依鈴:侵蝕率+5(1d3+3->2+3) (侵蝕率:84->89)
千原海智:106+3+1d3
DoubleCross : (106+3+1D3) → 106+3+1[1] → 110

赤川累:赤川累の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:116->122)
歪曲汚染領域 中心部
GM:一足先に、世界が滅び果ててしまったかのような。
GM:見渡す限り何も無い、一面の荒野。
GM:時刻は夜のはずだが、上方は結界に覆われ、空を望むことすらできない。
GM:君達はその中心で、“スターゲイザー”達と対峙していた。
“スターゲイザー”:「やぁ…………」
“スターゲイザー”:「…………っと来ましたねえ。待ちくたびれましたよ」
千原海智:「いいじゃん。1時間くらい遅れたって許すくらいの気持ちでいてよ」軽口を叩く。
GM:彼女の背後には、二つの人影。
GM:一つは紫煙をくゆらせる“セプテントリオン”。そしてもう一つは。
“マスタールイン”:「……」
“マスタールイン”:蒼井昴────否。
“マスタールイン”:“マスタールイン”。
鳩山依鈴:「……昴」
“マスタールイン”:「……?」
“マスタールイン”:辺りを見回す。
“マスタールイン”:「誰?それ?わたし?」
“マスタールイン”:「違うよ。わたしは……ええと……そう」
“マスタールイン”:「“マスタールイン”」
鳩山依鈴:「それはコードネームでしょう」
鳩山依鈴:「それも、マスターの名前なんて。誰かに与えられたものでしか無い」
鳩山依鈴:「蒼井昴としての名は、もう無しにするつもり?」
“マスタールイン”:「蒼井……昴……?」
“マスタールイン”:不思議そうな顔をして。
“マスタールイン”:「ごめんなさい、分からないわ」
“マスタールイン”:「ああ……もしかしたら」
“マスタールイン”:「もう無くなっちゃった人なのかも」
“マスタールイン”:「でも大丈夫。あなたも、みんなも、そうなるから」
“マスタールイン”:笑顔で言う。
鳩山依鈴:「私の所に、来たあなたは」
鳩山依鈴:「そう、名乗ったのよ。私の名前を呼んだ」
鳩山依鈴:「もう、それは望めない?」
“マスタールイン”:「……?」
“マスタールイン”:「今、初めて会ったわよね?」
“マスタールイン”:「忘れてしまったのかな……」
“マスタールイン”:「だったら、ごめんなさいね」
鳩山依鈴:「いえ。いいわ」
鳩山依鈴:「お互い様だもの」
“マスタールイン”:「そうなの?」
鳩山依鈴:「うん。そうなんだ。ひどいよね」
鳩山依鈴:「ひどい」
“マスタールイン”:「そんなことないわ。あなた、とっても素敵な人だもの」
“マスタールイン”:「すごく」
“マスタールイン”:両手を合わせて。
“マスタールイン”:「滅ぼしちゃいたくなる」
鳩山依鈴:「ごめんなさい。私、それをさせてはあげられない」
鳩山依鈴:「あなたは、とても」
鳩山依鈴:「素敵な人だったから」銃を構える。
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:その間にも、視線は“ディアスポラ”に注がれている。
"ディアスポラ":「もしかして」視線を合わせて
"ディアスポラ":「アンタも忘れちゃった口だったりする?お婆ちゃん」
“セプテントリオン”:「……まさか」
"ディアスポラ":「それとも」
"ディアスポラ":「思い出しちゃった?」
“セプテントリオン”:瞑目して。
“セプテントリオン”:「“捨てた”んだよ」
“セプテントリオン”:煙を吐き出す。
"ディアスポラ":「……へえ、なんだ」
"ディアスポラ":「迷惑なだけかと思ってたけど、抱えるくらいには大事に思ってくれてたんだ」
“セプテントリオン”:「……はッ」
“セプテントリオン”:口元に苦々しい笑みを浮かべて。
“セプテントリオン”:それも一瞬のこと。
“セプテントリオン”:「許されようなんて思っちゃいない」
“セプテントリオン”:「アタシは正義の味方じゃあない」
“セプテントリオン”:「FHは己の欲望のために生きる連中の集まりで」
“セプテントリオン”:「アタシもその一人だ」
“セプテントリオン”:虚空から巨大な砲台が姿を現す。
“セプテントリオン”:「“ディアスポラ”」
“セプテントリオン”:「帰るなら今だよ」
"ディアスポラ":「………やめなよ、それ」足元に少しずつ霜が降りていく
"ディアスポラ":「正義とか悪とか、欲望とか、そんなお題目で諦めたふりしないでよ」
"ディアスポラ":「私は最初っから、アンタを責める気はない。だから」
"ディアスポラ":「許すも許さないもない。きっと、他の"デイブレイカー"だってそう」
"ディアスポラ":「アンタが裏切ったのは」
"ディアスポラ":「アンタ自身の30年と、それまでにアンタが失った全てだ」
“セプテントリオン”:「…………」
"ディアスポラ":「教えてよ。"セプテントリオン"」
"ディアスポラ":「そこまでして、アンタの抱えてきたものを全部捨てて」
"ディアスポラ":「それでも拾いたかったものって何?」
“セプテントリオン”:答えない。何も。
“セプテントリオン”:咥えた煙草が燃え尽きていく。
"ディアスポラ":「………」足元から、パキパキとひび割れた音が響く
"ディアスポラ":「……あの時とは違うものが一つだけある。私の眼は節穴のままだけど」
"ディアスポラ":「私はもう、この目で見たものを簡単に信じたりしない」
"ディアスポラ":「私はが信じているのは、目の前にある理不尽じゃなくて」
"ディアスポラ":「その先の未来だ。節穴の眼にはその方がお似合いだ」
"ディアスポラ":「"セプテントリオン"、アンタが捨てたもんは、私が拾っておいてやる」
"ディアスポラ":「ぶん殴って熨斗付けて叩き返す。年寄りだからって容赦しないから覚悟しな、お婆ちゃん」
“スターゲイザー”:「……いやあ~、皆さんやる気十分で何よりですね!」
“スターゲイザー”:状況に見合わぬ、明るく能天気な、神経を逆撫でる声。
“スターゲイザー”:「“マスタールイン”に“セプテントリオン”……」
“スターゲイザー”:「そしてこの僕“スターゲイザー”!」
“スターゲイザー”:「これはもうめ~っちゃ絶望的ですね~」
赤川累:「……友達ができたって聞いたけど」"マスタールイン"から視線を戻しながら。
赤川累:「ジャームだろ。その中でも、特別深く汚染された部類の」
“スターゲイザー”:「む」
赤川累:「いかにも君の嫌いそうな手合いに見えるけどな」
赤川累:「寂しさが紛れるなら何だっていいのか?」
“スターゲイザー”:「失敬な。利用してるだけですよ」
“スターゲイザー”:「友達はいないんじゃない。作らないだけですから!」
“マスタールイン”:「……?」
“スターゲイザー”:「それで、どうですか?累さん」
“スターゲイザー”:「世界中が大変なことになってますよ。ヤバいです」
赤川累:「知ってるさ。君の仕業だろ」
“スターゲイザー”:「ええ!すごいでしょう?」
“スターゲイザー”:「特異点の形は人やモノ、場所など様々ですが」
“スターゲイザー”:「今この瞬間、この時間こそまさに未確定の可能性の塊、因果の分岐点……特異点と言えるでしょうね」
“スターゲイザー”:「それで」
“スターゲイザー”:「どうですか?」
“スターゲイザー”:首を傾げて、金の瞳が覗き込む。
“スターゲイザー”:「考えは変わりましたか?」
赤川累:「そう見えるか?」表情を変えないまま、見つめ返す。
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「死にますよ?貴方」
赤川累:「可笑しな話だな」
赤川累:「誰より沢山死んでて、誰より沢山殺してる君が。命の惜しさを説くなんて」
赤川累:「……君を憐れんでるって言っただろ」
赤川累:「あの日。浅葱島が地獄になった日」
赤川累:「何がいけなかったのか知りたいと、必死に乞う君を見て」
赤川累:「考えはしたんだよ。我ながら、呆れた話だけど」
赤川累:「もしかしたら、君を更生させる道もあったのかもしれないと」
“スターゲイザー”:「……」
赤川累:「仮定の話だ」
赤川累:「……もっと早く。君が人々に災厄を振りまく、その前に出逢えていたら」
赤川累:「だけど、無理だ。他ならぬ君が否定した」
赤川累:「"スターゲイザー"の能力を、神に喩える奴もいるけど」
赤川累:「決して神そのものじゃない。一度、自分の手で起こした事を」
赤川累:「無かった事にはできない。……君の咎は」
赤川累:「君が、喚び起こした人々の怒りは」
赤川累:「君の力でも、決して消せない」
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「……ああ」
“スターゲイザー”:「ああ、ああ、ああ」
“スターゲイザー”:「……あーーーー!!」
“スターゲイザー”:「……ああ、そうですか!そうですかそうですかそうですか!」
“スターゲイザー”:「分かりましたよ!そんなに言う事が聞けないならいいですよ!」
“スターゲイザー”:「現実ってものを教えてあげますから!」
“スターゲイザー”:怒りに任せ、“スターゲイザー”が腕を振るう。
“スターゲイザー”:瞬間、無辺の荒野に光が満ちる。
“スターゲイザー”:空間が歪んでいる。空を覆いつくす、視界を埋め尽くさんばかりのそれは、全てがレネゲイドを帯びた“遺産”。
“スターゲイザー”:その切っ先は、上空に向けられている。
“スターゲイザー”:「ほら」
“スターゲイザー”:「幕を開けますよ」
GM:閃光。
GM:轟音。
GM:夥しい数の“遺産”が、一斉に解き放たれる。
GM:その超絶の破壊力を前に、UGNが築いた結界に罅が走り、そして粉々に砕け散る。
GM:遥かな地平の向こうで、災厄存在たちが檻から解き放たれ、四方へ──N市へ、外の世界と散っていく。
千原海智:「…………ッ!」上空を見上げる。砕け散った破片が舞い、災厄存在たちが飛び交うのを見る。
赤川累:「……言葉とは裏腹に、納得してない奴の反応だな。それは」呟き、右手の手袋を脱ぎ捨てる。
赤川累:飛翔するそれらを見上げては、すぐに視線を戻し。
鳩山依鈴:「本当に、私たちの努力を……」
鳩山依鈴:「一瞬で無に帰してくれる」
"ディアスポラ":「……いや」
"ディアスポラ":「ゼロじゃないでしょ」
"ディアスポラ":「私達はここにいる」
“スターゲイザー”:「へぇ~」
“スターゲイザー”:「やる気ですねえ、猪祈さん」
“スターゲイザー”:「これから貴方達をやっつけるのに、多く見積もっても10分ほど」
“スターゲイザー”:「……あ、何でしたっけ?貴方達の予測だと……10分で2万人?」
“スターゲイザー”:「あははは!舐めプを元に計算されても、困っちゃいますねえ」
“スターゲイザー”:「その時間で僕が呼び出せる僕の数は、ひい、ふう……」
“スターゲイザー”:「現状、12億7928万3851人います」
“スターゲイザー”:「さて、殺しきれるか試してみますか?」
鳩山依鈴:「“セプテントリオン”の計算でしょう、それ。元々」
鳩山依鈴:「有限であることさえ、嘘だってことが一番怖かったのだけど」
鳩山依鈴:「そこは対処の余地があるってこと。情報提供に感謝しようかな」
"ディアスポラ":「……ああ、舐められてんのは百も千も億も承知だっての」
"ディアスポラ":「試す必要もない」
"ディアスポラ":眼帯に隠された右目に手をかざす
"ディアスポラ":「ブッ殺す」
“スターゲイザー”:「うわぁ~……!」目を輝かせる。
“スターゲイザー”:「やっぱり皆さん、流石ですね……!」
“スターゲイザー”:「ここまで綺麗な『星』は、滅多に見られませんよ……!」
“スターゲイザー”:「う~ん、でも……」
“スターゲイザー”:「これを見ても、まだ同じことが言えますかね?」
“スターゲイザー”:わくわくした顔で、腕を振るう。
千原海智:「今度は、なになに……」嫌そうな顔。
赤川累:「バリエーションの豊富さは散々見たからな。それ自体は今更、驚く事でもないけれど……」
赤川累:辟易した様子で呟きながら、その異変へと注意を向ける。
GM:空間が、歪む。
どどんとふ:「-」がログインしました。
-:風が吹く。
-:青褪めた光と共に、触れたものを引き裂かんとする太刀風が。
"ディアスポラ":「この……風……」
-:……君たちはそれを知っている。
-:蒼白の輝き。激烈な冷気。空間が上げる悲鳴のような、摂理の軋む音。
-:この現象そのものを、ではない。その制御された一端……零下8000度の異界冷気が刹那にもたらす結果を、君たちは既に目撃している。
"ディアスポラ":「そん、な」
-:そして、君は
-:——君だけは分かるはずだ。
-:この超低温の中心に……温度低下の一現象のみにて、世界すら噛み砕かんとするその顎門のただ中に、
-:破滅の空に冴え渡る、凍てつく月の下に
"ウィンターマスター":誰が、立っているのか。
"ディアスポラ":間違えるはずがない。忘れるはずもない。
"ディアスポラ":ずっと見てきたのだ。瞼の裏に焼き付いた、その姿を
"ディアスポラ":自分の手で殺した筈の、最愛の人を
"ウィンターマスター":「——」
"ウィンターマスター":身じろぎをした。微かな所作。それすら君は見覚えているだろう。
"ディアスポラ":「……あ……」唇が震える。極寒の荒野に一人投げ出されたように
"ディアスポラ":凍えながら、その名を紡ぐ
"ディアスポラ":「───歩、人……さん」
"ウィンターマスター":「……」
"ウィンターマスター":「……うるさい」
"ディアスポラ":「え……?」
"ウィンターマスター":「どこに……隠れていた? こんなに……沢山……」
"ウィンターマスター":「命が」
"ウィンターマスター":「……蠢いて」
"ウィンターマスター":甲高い金属音が辺りに鳴り響き始める。それが世界の壊れ始める音に聞こえたのだとしたら、それは誤認だ。
"ウィンターマスター":彼の出現と同時、世界はきりきりと壊れつつある。その破綻が、ようやく君たちが知覚できる範疇に収まったにすぎない。
"ウィンターマスター":一歩踏み出す。生命を滅ぼす風が吹く。
"ウィンターマスター":「……何故生きている?」
"ウィンターマスター":「お前のことなど知らん」
"ウィンターマスター":「命があるならば……お前も奴の可能性だ」
"ディアスポラ":「あ………」
"ディアスポラ":"セプテントリオン"と対峙した時の闘志は、意気は、欠片も鈍ってはいない
"ディアスポラ":両の脚は地面をしっかりと踏みしめ、心臓の鼓動は驚くほど平常に、戦いの鼓動を響かせている
"ディアスポラ":それでも、それらの働きとは一切関係なしに
"ディアスポラ":左目から一筋、涙が溢れる。
"ウィンターマスター":風が、冷気が、指向性を持った。声を掛けてきたというその理由で、それを『最も活発な命である』と断じたから。
"ウィンターマスター":それを滅ぼすべく。……零下8000度。純白に輝く光条が、"ディアスポラ"へと伸びる。
"ウィンターマスター":その熱を永遠に奪い去るために。
"ディアスポラ":「──────」眼を閉じる
"ディアスポラ":まるで暖かさすら感じるその光に身体を投げ出す。光条が投げ出されたその身に巻き付くように屈折し
"ディアスポラ":線虫のごとく絡みつく。その刹那
"ディアスポラ":───光が、裂ける。
"ウィンターマスター":「————」
"ディアスポラ":手の内から閃いた銀の刃が、純白の光条を中心から真っ二つに切り裂いて
"ディアスポラ":地に落ちたそれは、蚯蚓のようにジタバタともがいた後、霧散する。
"ウィンターマスター":「……識っている。見えているのか」
"ウィンターマスター":その力の正体を知っているのは、ごくごく一部だ。たとえば、無二の信頼を寄せられる相手。
"ディアスポラ":「見えるよ。そりゃ」眼帯を捲る
"ディアスポラ":「ずっと見てきたんだ。貴方と同じ景色を」左目の虚ろに月が浮かぶ
“スターゲイザー”:「歩人さん~~!」馴れ馴れしく肩に抱き着く。それだけで瞬時に氷像と化すが。
“スターゲイザー”:すぐに『次』が出てくる。「来てくれたんですね……!僕、とっても嬉しいです!」
“スターゲイザー”:「あの人たちがいじめるんですよ……!やっつけてくださいよ~!」“ディアスポラ”達を示す。
“スターゲイザー”:「貴方の能力も知ってるみたいです!もしかしたら」
“スターゲイザー”:「“スターゲイザー”の仲間かも……!」
"ウィンターマスター":「……」 あるいは、その無限の冬風を隔てた先の眼が、その目を捉えたかもしれない
"ウィンターマスター":だが、一瞬だ。風はいよいよ、冷たい殺意を孕んで荒れ狂う。
"ウィンターマスター":「"スター"……」 「……"ゲイザー"……!」 その名を、確かに憎悪と共に唸り呼ぶ
"ディアスポラ":「歩人さん。私のことはどうでもいい。けど話が通じるなら聞いて」
"ディアスポラ":「そいつが"スターゲイザー"だ」青年にすがりつく少女に切っ先を向ける。
"ウィンターマスター":「ならば、お前はどうだというんだ」 「お前は」 「お前は?」 君と、そして背後に立つ全ての者に怒りを向けて
"ディアスポラ":「───"ディアスポラ"」
"ウィンターマスター":「"スターゲイザー"は生命として無限に存在する。ならば、命すべて、世界より排するほかない」
"ウィンターマスター":「世界を冬に塗り潰すことで、"スターゲイザー"の排除は真実完成する。命があるならば……お前も奴の可能性だ」
"ウィンターマスター":そして、君が口にしたその単語にすら、もはや反応はない。その背後から、煌々と"全ての冬"が溢れ出す。
"ディアスポラ":「私は、"ディアスポラ"。あなた達に拾われた……」
"ディアスポラ":「あなたに守られた"命"」
"ディアスポラ":「だから私は、絶対に」
"ディアスポラ":「あなただけには、殺されてあげない」
"ディアスポラ":涙を拭う。唇を切り結んで目の前の面影を睨みつける。
GM:……今まさに、世界の全ては未曽有の暴風雨に覆いつくされているはずだ。
GM:だが辺りは静寂に包まれ、破れた結界の向こうの夜空には、一欠片の雨雲も見えない。
GM:台風の目。そこから、おぞましいほどに美しい、満天の星空が輝いている。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:拘束されたまま、ぼんやりと千原に目をやる。
三瀬川りんか:「……千原くん……」
三瀬川りんか:「……殺しに来てくれたの……?」
千原海智:吹きすさぶ暴風雨の中、穏やかすぎるその空間を、てくてくと歩む。
千原海智:「……三瀬川さん」
千原海智:困ったように笑う。「……殺さないよ」
千原海智:「もう二度と言うなって言っただろ。それ」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……じゃあ……どうして……?」
千原海智:彼女の様子を確認。拘束を解くことはできるだろうか。
三瀬川りんか:三瀬川の背後の空間の穴からは、今も新たな災厄存在が現れ続けている。
三瀬川りんか:“遺産”である首輪を破壊すれば、能力は止められるだろうが
三瀬川りんか:そこに至るまでには、“マスタールイン”と“ウィンターマスター”が立ち塞がっている。
千原海智:その距離を確認し。ふうと息を吐く。
千原海智:「どうしても、何も」
千原海智:「君を迎えに来た。君を助けに来た。君との約束を果たしに来た」
三瀬川りんか:「……」
千原海智:「それだけなんだよ。……いやさ」
千原海智:「僕は絶対に君を救えると思ってたけど、今回は、まさかこんなにキツい状況になると思ってなかったよ!」
千原海智:「このままじゃ、世界が終わるんだってさ。外ではハリケーンが渦巻いてて、デカい怪物がうろうろしててさ」
千原海智:「核攻撃の心配までしなきゃいけない。まさかこんなことになるとは思ってなかったよ」
千原海智:「そんなの……この僕をもってしても……」
千原海智:「想像すらつかない」
三瀬川りんか:「……じゃあ……」
千原海智:「ん?」
三瀬川りんか:「途中で、やめればよかったでしょ……」
三瀬川りんか:「わたし達、まだ、会ったばかりなのに……」
三瀬川りんか:「どうして、そこまで」
千原海智:「どうしてかな」笑う。
千原海智:「君とはこないだ初めて話をしたばっかりだ。君の悲しい過去も知らないし、なんで悩んでるかも気付けなかった」
千原海智:「三瀬川さんだって、僕のこと知らないと思う。……さっきはすごくカッコ悪かったんだよね……僕」
千原海智:「……でも。でもだよ」
千原海智:三瀬川さんを見る。
千原海智:「君を助けなきゃって思って。ようやく君に会いに来れた。ようやく言葉を交わせた」
千原海智:「嬉しいんだ。嬉しいんだよ、僕は! 君と話せて……」
千原海智:「世界がどうなってるかも関係ないよ!」
千原海智:「想像もつかない、そんな世界のことを心配するよりも───僕は、君ともっと話がしたい!」
千原海智:「それだけだ。だから会いに来た!」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……ばか……」
三瀬川りんか:俯く。
三瀬川りんか:「ばかだな、千原くんは……」
千原海智:「………へへ」笑う。「実は、僕もそう思ってるんだ」
三瀬川りんか:「……本当に、ばかだよ……」
三瀬川りんか:震える声で、零すようにそう言って。
三瀬川りんか:「……千原くん。……聞いてくれる?」
千原海智:「なに?」
三瀬川りんか:「……わたしね」
三瀬川りんか:「君が……ううん。誰に何て言われても」
三瀬川りんか:「……やっぱり、本当は。生きてちゃいけない人間なんだと思う」
三瀬川りんか:「これまで、わたしのせいで沢山の人が死んで」
三瀬川りんか:「今……この瞬間も、数えきれない人を殺していて」
三瀬川りんか:「それで……」
三瀬川りんか:「それで、きっと。生きている限り、この先もそうなんだと思う」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「でもね」
千原海智:「…うん」
三瀬川りんか:「……でもね、千原くん」
三瀬川りんか:「……それでも」
三瀬川りんか:「それでも、わたしは」
三瀬川りんか:「……生きていたいって……思っちゃうんだ……」
三瀬川りんか:ぼたぼたと、乾いた荒野に雫が落ちる。
千原海智:「いいんだよ。いいんだ」
千原海智:「生きててよ、三瀬川さん」
千原海智:「僕はそれが、嬉しいんだ」
三瀬川りんか:涙でぐしゃぐしゃの顔を上げて、君を見る。
三瀬川りんか:「……お願い……千原くん」
三瀬川りんか:「……助けて」
千原海智:「当たり前だ!」
千原海智:「その言葉を…っ、僕が、どれだけ待ってたと思ってる!」
千原海智:「絶対……っ、絶対に、生きて!君を助ける! 君を救いきってやる!」
千原海智:「君の周りで人が死ぬことなんて、全部偶然だって、君のせいなんかじゃないって」
千原海智:「思い知らせてやるからな!」
“スターゲイザー”:「くす」
“スターゲイザー”:星空の下で、“星を見る者スターゲイザー”が笑う。
“スターゲイザー”:「これで役者は揃いました」
“スターゲイザー”:「さて、それじゃあ、始めましょうか」
“スターゲイザー”:「──クライマックスです」

エンゲージ []内は行動値



赤川[15]ディアスポラ[13]鳩山[6]千原[2]
(5m)
“マスタールイン”[1004]“ウィンターマスター”[7]
(5m)
“スターゲイザー”[45]“セプテントリオン”[10]三瀬川りんか[-]


GM:エンゲージは封鎖されており、“マスタールイン”と“ウィンターマスター”を排除しない限り、“スターゲイザー”のエンゲージに移動することはできません。
GM:三瀬川りんかは行動しません。三瀬川りんかと同じエンゲージに入り、メジャーアクションを用いて判定、遺産である首輪を破壊することで助け出すことができます。
GM:“マスタールイン”はEロイス≪予告された終焉≫を使用しています。
GM:対象はこの世界。
GM:エンディングシーンまでに“マスタールイン”が生存していた場合、この世界は破滅します。
GM:また、今も三瀬川の能力で災厄存在は出現し続けており
GM:ラウンド毎にダイスロールで新たな災厄存在が出現します。これはエネミーとしてはカウントせず、ランダムで特殊な効果を齎します。
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 10

GM:・ラウンド中、リアクション判定のC値-2
GM:この効果は全員に適応されます。
"ディアスポラ":エネミーも?
GM:そうですね
"ディアスポラ":なるほどね…
千原海智:イヤ~ン
GM:ではセットアップから!
千原海智:なしです
赤川累:こちらはないです。
"ディアスポラ":なし!
鳩山依鈴:《戦局判断》。千原くんの行動値を+3。
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:89->93)
"ウィンターマスター":《苛烈なる火》。HPを5失い、ラウンド中攻撃力+12
千原海智:やった~ 行動値2→5です
“スターゲイザー”:なし。
“マスタールイン”:なし。
“セプテントリオン”:なし。

"ウィンターマスター":青白い輝きが、埒外の冷気を放ち続けている。"彼"の周囲の足元には、もはや鋭い氷の柱すら林立し始めている。
赤川累:「……君は」異界めいたその光景の向こうに立つ、"スターゲイザー"を睨む。
赤川累:"ディアスポラ"が呼び出すものと同質の、蒼白色の凍気。
赤川累:一目で絆を持つ者ではないと確信できる、桁外れの殺意。
赤川累:……そして、今の彼女との会話。
赤川累:「今度は、何を連れて来た?」
“スターゲイザー”:「くすくす。猪祈さんからお話、聞いてないですか~?」
“スターゲイザー”:「“ウィンターマスター”さんですよ」
“スターゲイザー”:「FHマスターエージェント。とっても強いオーヴァードだった人で……」
“スターゲイザー”:「猪祈さんの、元カレです」
鳩山依鈴:「……!」
"ディアスポラ":「…………」口を噤んだままスターゲイザーを睨む
千原海智:「ウィンターマスター…?」
鳩山依鈴:「それが、”本物”ってわけ」
鳩山依鈴:「彼女の、継承したものの」
"ディアスポラ":「………一つ」
"ディアスポラ":「訂正しとくよ。元カレじゃなくて」
"ディアスポラ":「今だって、ずっとここにいる」眼帯に指を這わせる
“スターゲイザー”:「うわ~、美しい愛情ですね~」
“スターゲイザー”:「可哀想な人なんですよ~?ねえ、猪祈さん?」
“スターゲイザー”:「仲間を失って……それでも貴女を必死に護ろうとして……」
“スターゲイザー”:「まあ、無理だったんですけどね」
“スターゲイザー”:「僕を殺そうとして、頑張って頑張って……」
“スターゲイザー”:「それでも結局『コレ』ですもんねえ」ジャームを見遣る。
“スターゲイザー”:「悲劇です。めっちゃ泣けますね……」ぐすん、と泣き真似をする。
"ディアスポラ":「………」
"ウィンターマスター":"スターゲイザー"の言葉に反応する様子はない。彼女の言葉が耳に入らないのか、……臨戦状態に伴い、誰の言葉も耳に入らないのか。
千原海智:「あの人は……」唖然とする。
千原海智:「朔夜って人にとっても、家族だったんだよね…」
鳩山依鈴:「いいえ。違う」
鳩山依鈴:「どれだけ同じ能力でも。どれだけ同じように見えても」
鳩山依鈴:「あれは、並行世界から連れてこられたものであって」
鳩山依鈴:「この世界で、命を全うしたものとは、別のもの」
千原海智:「………。……難しいな」
鳩山依鈴:「難しいのは分かってる。本当に、難しければ」
鳩山依鈴:「私がやろうか、“ディアスポラ”」
鳩山依鈴:猪祈、とは呼ばない。
鳩山依鈴:それは再会の時に、伝えてくれると約束した名だ。
鳩山依鈴:ズルをして知るものではない。
"ディアスポラ":「……わかってる。わかってるよ、依鈴」
"ディアスポラ":「あの人は、私の歩人さんじゃない。それでもさ」
赤川累:「……俺も鳩山さんほど割り切れませんね。ただ」
赤川累:「家族だとしたら、尚更。こんな舞台で玩ばれるのは見ていられない」
千原海智:「………」累くんを見やる。
"ディアスポラ":「ふふ、ありがと少年。でも私は……ちょっと違うかな」
"ディアスポラ":「こんな場面でおかしいかもだけど、私、初めてアイツに少しだけ感謝してるかも知れない」
千原海智:「感謝?」
"ディアスポラ":「どんな形でもさ。眼を開いてまたあの人を見れたのなら」
"ディアスポラ":「嬉しいよ。それが手の届かないものだとしても、間違ったものだとしても」
"ディアスポラ":「だから、大丈夫。目を逸らしたりはしない」
鳩山依鈴:「お熱いなあ。冬が目前でも寒くないかな、それなら」
鳩山依鈴:「でも少し寂しい。感謝するならさ」
鳩山依鈴:「“私たちを引き合わせた事”にもしてよ」
鳩山依鈴:私たちは、だって、ここまで。やってこれた。
鳩山依鈴:ここまで、みんなで戦ってきて得た、経験の蓄積は。
鳩山依鈴:この局面への解答を、導き出せると信じている。
千原海智:「…そうだよ」
千原海智:「一人で戦うのは無理って、僕も言ったろ」
千原海智:「ね!赤川くんもさ」
赤川累:「……感謝なんて言い出したら、俺。あいつに命拾われてるんだけどな」呟いて、右手を開く。
赤川累:「まあ、何だ。どこまでも折れずに立ち向かう人間をご期待らしいんだ」
赤川累:「応えてやるとしよう。それが、あいつへの礼だ」
"ディアスポラ":「うん……そだね」小さく笑う
"ディアスポラ":「……依鈴」
"ディアスポラ":それから二人の少年を見て「あー……」
"ディアスポラ":「累、海智」
千原海智:「おお!」
千原海智:「な…名前呼ばれるのなんて初めて」ドキドキする。
"ディアスポラ":「私も手伝うよ。アンタ達がちゃんと決着付けられるように」
"ディアスポラ":「だから、アンタ達も少しだけ力を貸して」
鳩山依鈴:「あら、名前で呼んでほしかったんだ」
赤川累:「……好きな方で呼んでくれれば。ただ、まあ」
赤川累:「少年呼びよりはずっと良いな」
千原海智:「んんっ」咳払い。「……うん。もちろんだ!」
千原海智:「力を貸す。力を貸してほしい!」
赤川累:「ええ。あいつの紡いできた一切を、ここで終わらせる」
鳩山依鈴:「届かせましょう。落ちる星に、祈りを」

GM:イニシアチブ。行動値1004、“マスタールイン”の手番です
"ウィンターマスター":の、前に
"ウィンターマスター":《時間凍結》。メインプロセスを行います。
GM:行動をどうぞ。
"ウィンターマスター":マイナーで、Eロイス:ありえざる存在 により取得した《陽炎の衣》を使用。隠密状態に。
"ウィンターマスター":メジャーアクションで《コンセントレイト:バロール》+《黒の鉄槌》+《コキュートス》。対象は"マスタールイン"、三瀬川りんかを除く全員です。
"ウィンターマスター":さらに判定直前にオートアクションで《極圏の覇者》。
"ウィンターマスター":16dx7+6
DoubleCross : (16R10+6[7]) → 10[1,1,2,2,2,2,4,6,6,6,7,8,9,9,9,10]+10[2,4,5,7,9,9]+10[2,9,9]+10[2,8]+10[10]+3[3]+6 → 59

"ウィンターマスター":リアクションどうぞ。
“スターゲイザー”:避けません。ガード。
“セプテントリオン”:ガード≪グラビティガード≫
“セプテントリオン”:≪カバーディフェンス≫でスターゲイザーをカバー。
千原海智:12dx+1>=59 ドッジ
DoubleCross : (12R10+1[10]>=59) → 10[1,2,4,5,6,6,7,8,8,8,9,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗

鳩山依鈴:C値さがってるよ!
GM:ドッジC値は-2されてるよ~
千原海智:あっそうだ
赤川累:5dx+1@8>=59 ドッジ
DoubleCross : (5R10+1[8]>=59) → 7[2,3,4,7,7]+1 → 8 → 失敗

"ディアスポラ":4dx8+1>=59 ドッジ
DoubleCross : (4R10+1[8]>=59) → 7[5,6,6,7]+1 → 8 → 失敗

千原海智:12dx@8+1>=59 ドッジ
DoubleCross : (12R10+1[8]>=59) → 10[1,2,3,3,4,6,6,7,8,8,10,10]+5[1,2,4,5]+1 → 16 → 失敗

千原海智:かわんなかった…
鳩山依鈴:3dx8+1 ドッジ
DoubleCross : (3R10+1[8]) → 10[6,7,8]+5[5]+1 → 16

千原海智:《軍神の守り》でディアスポラさんをカバーします
"ウィンターマスター":ではダメージ算出
"ウィンターマスター":6d10+36
DoubleCross : (6D10+36) → 36[5,4,9,7,1,10]+36 → 72

"ウィンターマスター":装甲・ガード値共に有効です。
鳩山依鈴:死!《リザレクト》します
鳩山依鈴:侵蝕率+4(1d10->4) (侵蝕率:93->97)
千原海智:140点くらう~倒れる! ウィンターマスターさんに 尽力:〇/隔意 でロイス取得して昇華、復活します。
赤川累:倒れます。千原くんのロイスを切って復活。
赤川累:赤川累のHPを12にした(HP:27->12)
“セプテントリオン”:3D10
DoubleCross : (3D10) → 17[2,9,6] → 17

“セプテントリオン”:≪デモンズシード≫を取得している人は名乗り出てください
鳩山依鈴:ない!
千原海智:ないよ~
"ディアスポラ":えっはい持ってます
“セプテントリオン”:では≪魔王の石板≫で受けるダメージを常に-5します
“セプテントリオン”:ガードと装甲で減らして2倍、生存しています

GM:行動値1004、“マスタールイン”の手番です
“マスタールイン”:マイナーなし。
“マスタールイン”:メジャー≪鮮血の鎖≫+≪鮮血の鎖≫+≪封印の呪≫+≪要の陣形(未知なる陣形)≫+≪死神の瞳≫+≪衝動侵蝕:恐怖≫
“マスタールイン”:命中で次に行う判定のC値+2、次に受けるダメージ+5D、衝動判定が発生、衝動判定失敗でフェイズ進行判定が発生。
“マスタールイン”:対象はPC全員と
“マスタールイン”:choice[ウィンターマスター,スターゲイザー,マスタールイン]
DoubleCross : (CHOICE[ウィンターマスター,スターゲイザー,マスタールイン]) → ウィンターマスター

“マスタールイン”:ウィンターマスター。
“マスタールイン”:202DX
DoubleCross : (202R10[10]) → 0[] → 0

“マスタールイン”:200DX
DoubleCross : (200R10[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,2,3,3,4,5,6,6,6,7,7,8,8,8,8,9,9,10,10,10]+8[3,6,8] → 28

“マスタールイン”:200DX
DoubleCross : (200R10[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[2,3,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,6,6,8,8,9,9,9,10,10,10,10,10,10]+10[2,4,6,6,7,10]+5[5] → 35

“マスタールイン”:200DX
DoubleCross : (200R10[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,2,2,3,3,4,4,5,6,6,6,6,6,8,8,8,8,10]+2[2] → 22

“マスタールイン”:200DX
DoubleCross : (200R10[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+9[1,1,2,2,3,3,4,4,4,5,5,5,6,7,8,9,9,9] → 19

“マスタールイン”:200DX
DoubleCross : (200R10[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,2,3,3,3,4,4,4,5,5,5,6,7,7,8,9,9,9,9,9,9,9,10,10]+10[6,10]+1[1] → 31

“マスタールイン”:8DX
DoubleCross : (8R10[10]) → 8[1,1,2,5,5,6,6,8] → 8

“マスタールイン”:達成値35です
"ウィンターマスター":ドッジします。
"ウィンターマスター":6dx8=>35
DoubleCross : (6R10[8]>=35) → 10[1,3,4,7,9,9]+5[5,5] → 15 → 失敗

千原海智:12dx@8+1>=35 頑張ってドッジ
DoubleCross : (12R10+1[8]>=35) → 10[1,1,1,2,2,2,2,4,5,6,7,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗

赤川累:ドッジします
赤川累:5dx+1@8>=35
DoubleCross : (5R10+1[8]>=35) → 10[2,7,7,9,9]+10[1,8]+5[5]+1 → 26 → 失敗

"ディアスポラ":4dx8+1>=35 ドッジ
DoubleCross : (4R10+1[8]>=35) → 10[6,7,9,10]+10[2,10]+5[5]+1 → 26 → 失敗

鳩山依鈴:これ衝動侵蝕は
鳩山依鈴:回避の有無関係ないですよね
GM:そうですね
GM:いや……
GM:ややこしいので回避したらOKにしましょう
赤川累:なるほど
鳩山依鈴:はーい
"ディアスポラ":理解
千原海智:はあい
“マスタールイン”:命中で次に行う判定のC値+2、次に受けるダメージ+5D
“マスタールイン”:PCは衝動判定が発生します。難易度は15。
赤川累:じゃあ《勝利の女神》自分の達成値+18して回避成功にします
赤川累:赤川累の侵蝕率を+4した(侵蝕率:122->126)
鳩山依鈴:じゃあ回避狙おう。
鳩山依鈴:『0』:《リフレックス:オルクス》《幸運の守護》。
鳩山依鈴:8dx6
DoubleCross : (8R10[6]) → 10[2,2,5,5,5,7,8,10]+5[1,2,5] → 15

鳩山依鈴:低……
GM:低い……
千原海智:C値6なのに…
鳩山依鈴:侵蝕率+3 (侵蝕率:97->100)
"ディアスポラ":かなしい…
鳩山依鈴:ここから振りたししたくねえ~ 受けます!
GM:では赤川くん以外は難易度15の衝動判定をどうぞ
千原海智:5dx+2>=15
DoubleCross : (5R10+2[10]>=15) → 8[1,5,6,6,8]+2 → 10 → 失敗

千原海智:ニャ~ッ
鳩山依鈴:これって
鳩山依鈴:リアクション?
GM:これは……
GM:リアクションではないかな……?
GM:別枠ということで
鳩山依鈴:はーい
鳩山依鈴:えっとじゃあ
鳩山依鈴:次に行う判定……?
千原海智:112+2d10
DoubleCross : (112+2D10) → 112+9[4,5] → 121

"ディアスポラ":C値-2ってここで適用するのかな
GM:順番の表記を変えればよかったな……これは
GM:いや……う~ん
GM:この次でいいよ!
鳩山依鈴:はーい
"ディアスポラ":理解!
鳩山依鈴:7dx+7>=15
DoubleCross : (7R10+7[10]>=15) → 9[1,2,4,5,6,7,9]+7 → 16 → 成功

鳩山依鈴:侵蝕率+15(2d10->7,8) (侵蝕率:100->115)
"ディアスポラ":4dx+6>=15
DoubleCross : (4R10+6[10]>=15) → 5[1,2,2,5]+6 → 11 → 失敗

"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+20(2D10->10,10)(侵蝕率:109->129)した
鳩山依鈴:ヤバッ
千原海智:猪折ちゃん!
"ディアスポラ":最悪
赤川累:悪い方の1%!
千原海智:元カレが攻撃食らったから…
GM:千原くんとディアスポラさんは難易度7の意志判定を行ってください。
千原海智:5dx+3>=7
DoubleCross : (5R10+3[10]>=7) → 10[4,4,5,5,10]+8[8]+3 → 21 → 成功

"ディアスポラ":4dx+6>=7
DoubleCross : (4R10+6[10]>=7) → 8[4,5,7,8]+6 → 14 → 成功

GM:チィ~~ッ
千原海智:ここでこんなとは
GM:では何も起こりません。

GM:行動値45、“スターゲイザー”の手番です。
“スターゲイザー”:楽しそうに見物しています。

GM:行動値15、ディアスポラさんの手番です。
"ディアスポラ":待機します
GM:あ、上がって同値だった 同じく15の赤川くんも手番です
赤川累:マイナーで戦闘移動、マスタールイン達のエンゲージへ
赤川累:メジャー、《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》《ブラストフォーカス》 マスタールインを攻撃
GM:判定どうぞ!
赤川累:10dx+6+12@7 命中
DoubleCross : (10R10+6+12[7]) → 10[1,2,4,4,5,5,7,7,8,10]+10[1,3,5,8]+6[6]+18 → 44

“マスタールイン”:暴走中。リアクション不可です
GM:ダメージ算出をどうぞ
赤川累:5d10+38 装甲無視
DoubleCross : (5D10+38) → 24[3,6,2,9,4]+38 → 62

赤川累:赤川累の侵蝕率を12にした(侵蝕率:126->12)
赤川累:あっまちがい
赤川累:赤川累の侵蝕率を+12した(侵蝕率:126->138)
“マスタールイン”:割と削れますがまだまだ元気です

GM:行動値10、セプテントリオンの手番です
“セプテントリオン”:マイナー無し。
“セプテントリオン”:メジャー≪コンセントレイト:バロール≫+≪黒星の門≫+≪黒の咆哮≫+≪黒の鉄槌≫+≪因果歪曲≫+≪アキュラシー≫
“セプテントリオン”:対象は赤川くん以外の3人。
“セプテントリオン”:12DX7+10
DoubleCross : (12R10+10[7]) → 10[2,3,4,4,5,5,5,5,8,8,9,10]+5[1,1,3,5]+10 → 25

GM:ひっく
GM:リアクションどうぞ
"ディアスポラ":くっそーC値デバフがなければ避けれそうなのに
千原海智:12dx12+1>=25 ドッジドッジ
DoubleCross : (12R10+1[12]>=25) → 10[1,1,1,2,3,4,4,5,7,8,8,10]+1 → 11 → 失敗

"ディアスポラ":4dx+1>=25 ドッジ
DoubleCross : (4R10+1[10]>=25) → 10[6,6,9,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗

鳩山依鈴:あ、じゃあ使いどきかな
千原海智:あっ12じゃなくて10か
千原海智:あっいや暴走中だから避けられないや!なしです すいません
鳩山依鈴:《リフレックス:オルクス》《束縛の領域》。
鳩山依鈴:2人とも暴走じゃんね
"ディアスポラ":私も暴走中だった!普通に当たります
鳩山依鈴:8dx7+1>=25
DoubleCross : (8R10+1[7]>=25) → 10[2,3,5,5,6,7,8,9]+6[3,5,6]+1 → 17 → 失敗

鳩山依鈴:だから低いんだよいつもよ……
鳩山依鈴:『深淵の切り札』。
鳩山依鈴:3を10に。
鳩山依鈴:1dx7+21>=25
DoubleCross : (1R10+21[7]>=25) → 10[7]+3[3]+21 → 34 → 成功

GM:なんだとぉ……
鳩山依鈴:成功。攻撃を失敗させます。
千原海智:お姉さま!
GM:小娘がァ~~ッ
GM:では失敗!
"ディアスポラ":素敵!
鳩山依鈴:侵蝕率+7 (侵蝕率:115->122)
鳩山依鈴:侵蝕率+3 (侵蝕率:122->125)

GM:鳩山さんの侵蝕率が100を越えたので、更に行動値+3して行動値8、千原くんの手番です
千原海智:マイナーで《破壊の爪》。
千原海智:メジャーで《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《シャドーテンタクルス》。
千原海智:ルインちゃんに攻撃します
GM:判定どうぞ!
千原海智:12dx9+6
DoubleCross : (12R10+6[9]) → 10[1,1,3,4,6,7,7,7,9,9,9,10]+10[1,1,5,9]+7[7]+6 → 33

千原海智:おお!けっこう回った
GM:ヤベ~~
鳩山依鈴:えらいえらい
GM:C値は8で行けますが振り直しますか?
GM:このままでもいいです
千原海智:事故りそうだからこのままで!
“マスタールイン”:暴走中。
GM:ダメージどうぞ!
千原海智:4d10+24+3
DoubleCross : (4D10+24+3) → 27[3,5,10,9]+24+3 → 54

千原海智:装甲有効です
GM:ゲェ~~
“マスタールイン”:半分を切りました
千原海智:やった~

GM:行動値7、“ウィンターマスター”の手番です
"ウィンターマスター":マイナーで《陽炎の衣》+《氷の回廊》。隠密状態になり、1m後退。
"ウィンターマスター":メジャーで《コンセントレイト:バロール》+《黒の鉄槌》+《コキュートス》。対象は三瀬川りんかを除く全員です。
"ウィンターマスター":判定直前にオートアクションで《極圏の覇者》。
"ウィンターマスター":16dx9+6
DoubleCross : (16R10+6[9]) → 10[1,1,3,3,4,7,8,9,9,10,10,10,10,10,10,10]+10[2,2,4,4,4,7,9,9,10]+7[1,2,7]+6 → 33

"ウィンターマスター":リアクションどうぞ
千原海智:暴走リア不です
"ディアスポラ":リア不!
鳩山依鈴:『0』:《リフレックス:オルクス》《幸運の守護》。
“マスタールイン”:暴走中。
赤川累:6dx+1@8>=33 ドッジ
DoubleCross : (6R10+1[8]>=33) → 10[4,4,5,6,8,8]+6[6,6]+1 → 17 → 失敗

“スターゲイザー”:避けません。ガード。
鳩山依鈴:9dx5>=33
DoubleCross : (9R10[5]>=33) → 10[1,1,1,3,3,3,5,6,10]+4[1,4,4] → 14 → 失敗

鳩山依鈴:おかしくない?
鳩山依鈴:受けるよもう……
“セプテントリオン”:ガード≪グラビティガード≫ ≪カバーディフェンス≫でスターゲイザーをカバー
GM:ダメージ算出どうぞ。
"ウィンターマスター":4d10+36
DoubleCross : (4D10+36) → 26[10,1,5,10]+36 → 62

"ウィンターマスター":装甲・ガード有効です
“セプテントリオン”:3D10 グラビティガード
DoubleCross : (3D10) → 19[7,3,9] → 19

"ディアスポラ":我々はダメージ+5Dよね
千原海智:そうでしたわね
GM:そうなっております
千原海智:もうこの時点で死ぬんですけど…
鳩山依鈴:そうね……
“マスタールイン”:かなり瀕死です
"ディアスポラ":ダイスは個別でふるのかな
GM:じゃあこっちで振っちゃお
GM:5D10
DoubleCross : (5D10) → 33[9,7,8,8,1] → 33

赤川累:戦闘不能に。"セプテントリオン"に 同情/〇脅威 でロイス取得。昇華して復活
“セプテントリオン”:装甲・ガードで減らしてまだやれます
鳩山依鈴:死にます~ "ディアスポラ"のロイスを昇華して復活。
千原海智:死にました!累くんロイス昇華して復活。
鳩山依鈴:侵蝕率+3 (侵蝕率:125->128)
鳩山依鈴:ドッジ分侵蝕
"ディアスポラ":戦闘不能。鳩山さんのロイスを昇華して復活

GM:イニシアチブ。
“マスタールイン”:≪加速する刻≫
鳩山依鈴:最低……
“マスタールイン”:≪加速する刻Ⅱ≫
鳩山依鈴:最低以下!
“マスタールイン”:≪衝動侵蝕:恐怖≫を2回行います
千原海智:ヤダ~ッ
"ディアスポラ":何を言っているんだ…
“マスタールイン”:まずPCは全員難易度16の衝動判定を行ってください。
赤川累:エエ~ッ
鳩山依鈴:難易度上がってる……
千原海智:ヒェ~ッ
"ディアスポラ":やるしかねえ
千原海智:5dx+3>=16
DoubleCross : (5R10+3[10]>=16) → 6[1,2,3,5,6]+3 → 9 → 失敗

赤川累:7dx+7>=16 意志
DoubleCross : (7R10+7[10]>=16) → 10[5,6,7,8,9,9,10]+7[7]+7 → 24 → 成功

千原海智:ウオ~~ッ死
赤川累:1回目は成功
赤川累:赤川累の侵蝕率を+8(2d10->3,5)した(侵蝕率:138->146)
千原海智:121+2d10
DoubleCross : (121+2D10) → 121+16[6,10] → 137

鳩山依鈴:7dx+7>=16
DoubleCross : (7R10+7[10]>=16) → 9[1,3,5,6,7,8,9]+7 → 16 → 成功

鳩山依鈴:侵蝕率+6(2d10->2,4) (侵蝕率:128->134)
"ディアスポラ":4dx12+6>=16
DoubleCross : (4R10+6[12]>=16) → 7[2,2,6,7]+6 → 13 → 失敗

"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+19(2D10->9,10)(侵蝕率:129->148)した
千原海智:ディアスポラちゃん~!!
鳩山依鈴:ディアスポラちゃん……?
"ディアスポラ":何なのこの出目
赤川累:7dx+7>=16 意志2回目
DoubleCross : (7R10+7[10]>=16) → 8[1,2,5,6,6,7,8]+7 → 15 → 失敗

赤川累:ゲーッ
赤川累:赤川累の侵蝕率を+14(2d10->5,9)した(侵蝕率:146->160)
赤川累:暴走します
GM:失敗した3人は難易度7で意志判定を行ってください。
"ディアスポラ":4dx+6>=16 2回目
DoubleCross : (4R10+6[10]>=16) → 9[2,5,6,9]+6 → 15 → 失敗

鳩山依鈴:2回目待ったほうがいいかな
GM:2回目はまだ待ってね
"ディアスポラ":あっごめんなさい
千原海智:累くんも2回目はまだだって~
赤川累:あっそうなの ごめん
赤川累:じゃあまだ暴走してないです
千原海智:5dx+3>=7
DoubleCross : (5R10+3[10]>=7) → 7[1,2,4,5,7]+3 → 10 → 成功

"ディアスポラ":4dx+6>=7
DoubleCross : (4R10+6[10]>=7) → 10[1,1,6,10]+3[3]+6 → 19 → 成功

“マスタールイン”:2回目。
“マスタールイン”:難易度17の衝動判定を行ってください。
"ディアスポラ":小刻みに上げてるんじゃないよ
千原海智:ちょっとずつ近づいてくる
鳩山依鈴:きっつ……
千原海智:6dx+3>=17
DoubleCross : (6R10+3[10]>=17) → 10[4,5,6,8,9,10]+8[8]+3 → 21 → 成功

千原海智:えっやった~まあ暴走してるんだけど
赤川累:私はさっきの結果そのままかな フライングしてごめんね
鳩山依鈴:8dx+7>=17
DoubleCross : (8R10+7[10]>=17) → 9[1,2,4,6,6,8,8,9]+7 → 16 → 失敗

鳩山依鈴:暴走します。
"ディアスポラ":私もさっき振った結果のままで!
千原海智:137+2d10
DoubleCross : (137+2D10) → 137+11[4,7] → 148

鳩山依鈴:侵蝕率+13(2d10->10,3) (侵蝕率:134->147)
鳩山依鈴:妄想の変異暴走で行動値-10。
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+16(2D10->10,6)(侵蝕率:148->164)した
"ディアスポラ":だから高いって
赤川累:い、いのりちゃん……
鳩山依鈴:なにそれ……
“マスタールイン”:失敗したPCは難易度7で意志判定を行ってください。
鳩山依鈴:8dx+7>=7
DoubleCross : (8R10+7[10]>=7) → 6[1,2,2,2,3,4,4,6]+7 → 13 → 成功

"ディアスポラ":4dx+6>=7
DoubleCross : (4R10+6[10]>=7) → 10[2,5,7,10]+2[2]+6 → 18 → 成功

赤川累:7dx+7>=7 意志
DoubleCross : (7R10+7[10]>=7) → 10[4,5,6,6,8,9,10]+10[10]+8[8]+7 → 35 → 成功

鳩山依鈴:すごいことしてる
千原海智:え~すごい出目
GM:こいつらァ~ッ
赤川累:5倍も成功しちゃった

GM:では行動値0、鳩山さんの手番です。
鳩山依鈴:マイナーで暴走解除
鳩山依鈴:《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》
鳩山依鈴:ルインを攻撃。
GM:判定どうぞ!
鳩山依鈴:12dx7-1
DoubleCross : (12R10-1[7]) → 10[1,1,2,3,4,4,6,6,7,7,7,8]+10[1,2,7,9]+10[4,7]+4[4]-1 → 33

鳩山依鈴:このままで行きます。
“マスタールイン”:暴走中。リアクション不可
GM:ダメージ算出どうぞ
鳩山依鈴:4d10+9 装甲有効
DoubleCross : (4D10+9) → 24[9,6,2,7]+9 → 33

“マスタールイン”:残りHPは22.
“マスタールイン”:倒れます。復活エフェクトなし。
鳩山依鈴:やった!
千原海智:よかった~!
"ディアスポラ":や、やった……!
赤川累:よかった……
赤川累:状況は何もよくはないが
GM:“マスタールイン”の戦闘不能により、感染フェイズ進行による全ての影響が解除されます。

GM:待機していたディアスポラさんの手番です。
"ディアスポラ":マイナーで《陽炎の衣》隠密化
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:164->167)した
"ディアスポラ":メジャーで『スノウ・クイーンact.Ⅱ』《コキュートス》《光の手》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》《砂の加護》《砂塵霊》
"ディアスポラ":エネミー全員に攻撃します
"ディアスポラ":16dx7+2
DoubleCross : (16R10+2[7]) → 10[1,2,2,4,5,6,6,6,6,7,8,8,8,9,10,10]+10[1,2,3,9,9,10,10]+10[3,7,7,9]+10[1,10,10]+6[1,6]+2 → 48

鳩山依鈴:よさげ!
"ディアスポラ":そこそこ
GM:待たれよ
千原海智:待ちし者
GM:くっ受けるしかねえ
"ディアスポラ":そうだろうそうだろう
“スターゲイザー”:避けません。ガード。
"ウィンターマスター":ドッジ
"ウィンターマスター":6dx8=>48
DoubleCross : (6R10[8]>=48) → 10[2,2,3,8,8,10]+7[4,5,7] → 17 → 失敗

"ウィンターマスター":命中
“セプテントリオン”:ガード≪グラビティガード≫ ≪カバーディフェンス≫でスターゲイザーをカバー
GM:ダメージどうぞ!
"ディアスポラ":ダメージだします。エンブレム <トラッパー> <スキャッター>の効果でダメージ+3d10、ガードで放心付与
"ディアスポラ":5d10+48+3d10 諸々有効
DoubleCross : (5D10+48+3D10) → 41[10,9,7,10,5]+48+18[2,7,9] → 107

千原海智:すごい~~っ
GM:ええ………………
"ウィンターマスター":《死神の瞳》の効果
"ウィンターマスター":5d10
DoubleCross : (5D10) → 33[4,7,6,9,7] → 33

"ウィンターマスター":計140ダメージ。戦闘不能です。
"ウィンターマスター":《燃える魂》。HP20で復活
"ディアスポラ":あ、歩人さん…!
“セプテントリオン”:3D10 ガード値
DoubleCross : (3D10) → 13[4,2,7] → 13

“セプテントリオン”:2倍にして……死ぬ!
“セプテントリオン”:≪蘇生復活≫
“セプテントリオン”:HP1で復活します
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+14(侵蝕率:167->181)した

"ウィンターマスター":中空に浮かぶ蒼白のゲートの縁から、純白の亀裂が走っている。冷気と共に流れ込む異次元の物理法則が、この世界を侵蝕している。
"ウィンターマスター":不意に、その門の前に立つ人影の周囲に、不可解な人工光が煌めいた。
"ウィンターマスター":「起きろ。——シャドウプレイ」
"ウィンターマスター":その輪郭が、凍てつく風の中に消える。刹那の後、君たちの視界が白む。空気中の水分が凍って、などという、文字通り生ぬるい現象ではない。
"ウィンターマスター":光だ。ゲートより溢れ出る光が、周囲に存在する生命の持つ熱を、根こそぎに奪い尽くそうとしている。
"ウィンターマスター":この世界では有り得ない、絶対零度よりも遙か底、奈落の値へ。
『声』:『くす』
『声』:『くす くすくす』『あはは』
『声』:同時、三瀬川により開かれたゲートから、何かが漏れだす。
『声』:実体のない声が、君達の意識に直接語り掛けてくる。
『声』:『来るよ』『避けなきゃ』『三歩前』『二歩右だよ』
『声』:無視しようとしても、無理やりに思考が引きずられる。感覚が鋭敏化し、そして、
『声』:視界内がブレる。一瞬先の未来で、何が起きるか見えている。
千原海智:「なんだッこれ……」彼らの声に耳を傾けると同時、世界が滅びる未来を幻視。
鳩山依鈴:「——これが災厄存在ってわけか」
鳩山依鈴:(未来が見えることが、災厄だというなら)
鳩山依鈴:(私はどうなのかしらね)
鳩山依鈴:元々、予測という意味では人よりも慣れている。一瞬で凍りつき、再生。
鳩山依鈴:それは回避の末だ。回避できたから、《リザレクト》だけで済んだ。
鳩山依鈴:「“マスターエージェント”。特定分野において卓絶した能力を持つ者」
鳩山依鈴:「それが“冬”を冠するとこうもなるのね。生命の繁栄を許さない、寒々しい存在に……」
赤川累:「──これは」災厄存在。その声を宛にしていいものか──"未来のようななにか"を幻視させる怪異である可能性を疑い、僅かに逡巡する。
赤川累:(だが、いずれにしても)光速。完全な回避は不可能な性質の攻撃──少なくとも自分には。
赤川累:左腕を突き出すようにして、身体の一部だけを凝結させる。触れた凍気が浸透するより早く、その部位を灰化させ斬り落とした。
赤川累:治すために付けた傷だ……そういう訓練をしている。すぐに再生が始まる。
“セプテントリオン”:「ぐ……うっ……!」虚空から無数の爆薬を展開し、爆炎の壁で辛うじて冷気を推し留める。
“スターゲイザー”:「頑張ってくださいね、おばあちゃん~」
"ディアスポラ":「けどこれ、今回ばかりは悪いことばかりでも無いっぽいね」一瞬先に訪れる光の筋を視認し
"ディアスポラ":自分には避けられないと悟る「避けれるやつは避け───」
千原海智:同時、ゴポゴポと"ディアスポラ"の影が足元で沸き立ち、繭のように彼女を包む。
千原海智:光によって一瞬で影は霧散。その代わり、ディアスポラは無傷で居ることができるだろう。
"ディアスポラ":「……っ!……サンキュ、海智」
千原海智:「いいえ! 僕も早く君を名前で呼びたいからね!」
千原海智:「恋人に傷つけられちゃ可哀想でしょ、それに……」
"ディアスポラ":「それに?」
千原海智:「………」ちょっと逡巡する。「なんか…あっち行っちゃいそうで」
千原海智:「君が…」
"ディアスポラ":「……え」キョトンとした顔で眼を瞬かせる
"ディアスポラ":「ふ……あはは!無い無い。そんな心配いらないよ。だって」
"ディアスポラ":純白の光条を背に立つ"ウィンターマスター"を見る。
"ディアスポラ":正しくは、その傍らに侍る影を
"ディアスポラ":「向こうの席は埋まってるみたいだから」
千原海智:「……」口を曲げる。「……そりゃあ、怒って当然だ」
"ウィンターマスター":「……熱。熱。熱。熱」 忌々しげに、あるいは苦しげに、もしくは数えるように呟く
"ウィンターマスター":「静かに……静かに、するんだ……!」
“マスタールイン”:「あはは!すごいすごい!綺麗な雪!」
“マスタールイン”:屈託なく笑う。明るい顔ではあっても、かつての蒼井昴とは決定的に違う笑み。
“マスタールイン”:「綺麗だなあ。わたしも負けてられないな」
“マスタールイン”:“マスタールイン”の身体から、刃の付いた錆びた鎖が幾本も伸びる。
“マスタールイン”:それは君達と“ウィンターマスター”に突き刺さる。
“マスタールイン”:「見せてあげるね」
“マスタールイン”:「わたしが見てるものを」
鳩山依鈴:「……昴ッ!」
“マスタールイン”:痛みは無い。だが、刃から急速に侵蝕するように、肌が、身体が『錆び付いて』いき。
“マスタールイン”:同時に、彼女の思考が流れ込んでくる。
“マスタールイン”:数十億の人間の思考を経て、恐怖を吸って肥大化した、絶対的な『滅び』のイメージ。
“マスタールイン”:元は単なる人のものだったはずのそれは、集合的無意識の中でレジェンド種のレネゲイドビーイングに近い存在となって。
“マスタールイン”:他人の意識を直接脳内に植え付けられるかのような、新たな何かが頭の中で産声を上げるような。悍ましい感覚が君達を襲う。
鳩山依鈴:「……っ」
鳩山依鈴:——滅びのイメージを、鮮烈に想像してしまえる。
鳩山依鈴:荒涼の景色と、そして。
鳩山依鈴:         ────カチンッ
鳩山依鈴:引き金の音。
鳩山依鈴:正しく表現するならば、引き金の音の後に、何も起こらないこと。
鳩山依鈴:「これが、あなたの見たものなのね」
鳩山依鈴:「私が、拒んだもの」
“マスタールイン”:「お姉さん?」
鳩山依鈴:「世界と私を守るために、切り捨てられたもの」
鳩山依鈴:「……一緒に行けたら良かったなんて」
鳩山依鈴:「今更虫がいいか」引き金の音。銃声。
鳩山依鈴:鎖を撃ち壊す。
"ディアスポラ":「未来は……」脳裏を染め上げた破滅の風景、その遠くで銃声を聞く
"ディアスポラ":体内のレネゲイドがざわつき巡る。だが、それが何だというのか
"ディアスポラ":激情に自ら身を委ねる。自分にとっての破滅それは、とっくの昔に過ぎ去った。
"ディアスポラ":「大丈夫、まだ見える」
千原海智:「ッ……、君は……ッ、もうどこにもいないんだな……」彼女の思想が体の中に流れ込む。
“マスタールイン”:「? あなた達、みんなそういうこと言うのね」
“マスタールイン”:「わたしなら、ここにいるじゃない」
“マスタールイン”:「ここで生きてる。こんなに素晴らしいことはないわ」
赤川累:「自分の名前も忘れてしまってもそう言えるのは」思念が流れ込んでくるよりも早く。纏わりつく鎖を掴み、燃やした
赤川累:焔も煙もない。ただ、黒く朽ちたという結果があるだけの。
赤川累:「幸福というより、ただの行き詰まりだな」
赤川累:その灰は、極低温の渦中にあっても凝結する事なくただ風に吹き飛ぶ。
赤川累:あるいはそれすらも、彼女の眼には美しい景色の中の彩色の一つと映っているのだろうが
赤川累:彼女がそれに見惚れた一瞬の内に、踏み込んだ。その右腕に、焼け落ちるような痛みが走る。
赤川累:否、実際に焼け落ちている。灰化現象を呼び起こす右腕、その出力が高まれば自身の肉体の再生速度をも上回り朽ちさせる。
赤川累:残るのは、死を象るような黒骨。
赤川累:そうでありながら、それが孕む熱はこの場に在るどの生命よりも強い。
赤川累:死を送る温度が、"マスタールイン"の肉体を抉り貫く。
“マスタールイン”:「わっ」
“マスタールイン”:腹部に大穴を開けられ、臓腑が灰へと崩れ落ち。
“マスタールイン”:それでも表情を変えない。傷口が錆びついていく。
“マスタールイン”:「何するの? やめてよ」
“マスタールイン”:きょとんとした顔を赤川に向ける。
“スターゲイザー”:「ほらほら、早く!やっつけてくださいよ!」
“スターゲイザー”:“セプテントリオン”の袖を引く。
“スターゲイザー”:「約束でしょう?もう忘れちゃいましたか?」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:無言のまま、ゲートを開く。
“セプテントリオン”:現れるのは、黒く巨大な鋼の翼。
“セプテントリオン”:AIDAに制御された爆撃機。虚空から飛び立ち、君達に向けて、火薬を満載したその胎を開く。
鳩山依鈴:銃声が、断続的に響く。
鳩山依鈴:弾丸は発射されない。
千原海智:「セプテントリオンさん…! ダメダメ、ダメだろ…!」恐怖に揺さぶられながら、叫ぶ。
"ディアスポラ":「ヤバ……ッ!虎の子出してきやがった……!」
千原海智:「虎の子ォッ?!」
鳩山依鈴:「——大丈夫」間断なく銃声だけ鳴らし続けながら。
千原海智:「大丈夫って……」小声。「撃てなくなってるのに……」
鳩山依鈴:「予想外の兵器じゃなかった。あの時は正直に申告してくれたのかしら?」
鳩山依鈴:「B-2はステルス性向上のために、エンジンが奥まった所に配置されてる」
鳩山依鈴:「大きく曲がったエアインテークから吸気するようになってるのよね」
鳩山依鈴:「調べた。”味方”の戦力は、ちゃんと把握しようと思ってね」
千原海智:「つ…つまり? エアイン…それが? 僕らはどうしたらいいの?」
"ディアスポラ":「はは……意地が悪いよね全く……」
鳩山依鈴:「そうね。じゃあ、3秒後」
鳩山依鈴:「伏せて」
千原海智:「伏せる!」
"ディアスポラ":「はいよ」千原くんの頭を押さえつけるように一緒に伏せる。
千原海智:「ギャッ」
鳩山依鈴:きっかり3秒後。
鳩山依鈴:何かが何度も何度もぶつかり合う、くぐもった音が響く。
鳩山依鈴:大量の銃弾が出現し、エアインテークに殺到。
鳩山依鈴:無理矢理に跳弾。エンジンルームに侵襲する。
鳩山依鈴:内部で衝突を繰り返して、破壊の限りを尽くし。
“セプテントリオン”:爆撃機から炎が噴き出す。
鳩山依鈴:「未来からは撃てなくても」
鳩山依鈴:「未来を手繰り寄せることは出来る」
鳩山依鈴:「予測の通りに、置いておいただけ」
“セプテントリオン”:君達の上を取る寸前、バランスを崩して荒野に墜落し
“セプテントリオン”:大爆発を起こして、微塵に大破する。
“セプテントリオン”:「……」飛んできた破片が頬を掠める。
“セプテントリオン”:「……どうやら」
“セプテントリオン”:「想像以上のインチキみたいだね」
千原海智:「………!」伏せながら頭上の大爆発を見る。
鳩山依鈴:「これからこっちに降ってもいいですけど?」
鳩山依鈴:「私、寛大よ。結構」
鳩山依鈴:「穏健派筆頭の私兵なので」
“セプテントリオン”:「冗談じゃない」煙を吐いて。虚空から砲台とドローンを展開する。
“セプテントリオン”:「こっちも、タネならまだまだあるんでね」
千原海智:「ウワッ」顔をしかめながら、起き上がる。
千原海智:「未来を手繰り寄せることはできる、ね……」「よし!」
千原海智:「マスタールイン!」だだだっと走りながら声を上げる。
千原海智:「さっきから君の思いがこっちに流れ込んできて止まらないよ! だから、いろんな…君の気持ちが分かった!」
“マスタールイン”:「そうなの?」
“マスタールイン”:「嬉しいなあ。じゃあ、一緒に来てくれる?」
“マスタールイン”:手を差し出す。
千原海智:「いやっ……」手が止まる。
千原海智:「悪いけど、ちょっと僕には分かんないんだよね…このボロボロになってる世界も美しい~とかはさ…」
“マスタールイン”:「ええ~!?」
“マスタールイン”:「何でわかんないのかなあ……」
千原海智:「滅ぶのは困るでしょ!」
千原海智:「だって…世界が無くなっちゃうんだよ!」
“マスタールイン”:「でも、わたしより先に滅ぶならいいわ」
千原海智:「えっ、なんで?」
“マスタールイン”:「あなたは、好きな本は最後まで読みたいと思わない?」
千原海智:「そりゃそうだろ」うんうんと頷く。
“マスタールイン”:「でも、わたしだけ続きを見られずに、途中で死ぬなんて……」
“マスタールイン”:「そんなの、嫌だわ。そうでしょう?」
千原海智:「……独占したがり?」
“マスタールイン”:「?」
千原海智:「いや、僕、君とは正反対のことを考えるんだ」
“マスタールイン”:「正反対?どんな?」
“マスタールイン”:「あなたはこの世界が嫌いなの?」
千原海智:「ううん、大好きだよ。世界も僕のことが好きだと思う」
“マスタールイン”:「それなのに、あなたがいなくなっても世界は続くのよ?」
“マスタールイン”:「嫌でしょう?そんなの」
千原海智:「違うよ! それが楽しいんだろう!」
“マスタールイン”:「…………?」
千原海智:「僕がいなくなった後も、世界は続いて、もっともっと面白くて美しいことが続くんだ」
千原海智:「そこに僕の残した物語が刻まれる」
千原海智:「好きな本を最後まで読んだら、そのあとの物語を考えない?」
“マスタールイン”:「……でも……どんな物語だって、わたしが読めないなら、意味は無いわ」
千原海智:「分かり合えないなあ」
千原海智:言いながら、右手が影に染まっている。
“マスタールイン”:「分かり合えないわ」
“マスタールイン”:困った顔をして。「もっと見せてあげなきゃ、ダメなのかな」
“マスタールイン”:錆びた鎖が、君へと放たれる。
千原海智:足元から、影の獣が大地を這うように滑り、空間に散らばったレネゲイドを食らいながら膨張していく。
千原海智:「そりゃ勘弁」
千原海智:「さっきから、世界がなんにもなくなって、僕だけが取り残されてるイメージに囚われちゃってさ」
千原海智:熱を孕む黒い灰と、純白の冷気を喰らい、その身体には紅蓮の焔が灯る。
千原海智:錆びた鎖と交差するように、影の獣がマスタールインの眼前まで一速に駆け抜け、飛び掛かった。
千原海智:「つらいんだ。すごく」
千原海智:女にのしかかり、首筋を食い千切る。
“マスタールイン”:「ぐ、げ」
“マスタールイン”:ごぼり、と血を吐く。
“マスタールイン”:「……やめてよ!」振り払って。
“マスタールイン”:「だったら一緒に来ればいいわ!」
“マスタールイン”:「そうすれば寂しくない。わたしだって楽しいわ」
千原海智:「ははは、ようやく怒った!」
千原海智:「いいね、そういう調子なら、友達になれそうだ」
赤川累:「ふ、ふ」
赤川累:「俺達が感じてた恐怖の出所にあるモノは、こんな子供の理屈だったのかと」
赤川累:「そう思うと、少し笑えてきた。……その喩えに乗るなら、君のしようとしている事は」
赤川累:「他の誰かが読んでる本を、途中で取り上げようとしてる訳だ」
“マスタールイン”:「……わたしは取り上げられたくないもの」
赤川累:「だからと言って同じ事を繰り返せば……なんて、今は子供の躾をしている場合でもない」
鳩山依鈴:「ええ。もっと子供に付き合わされてるんだから、私たち」
鳩山依鈴:「おもちゃ箱をひっくり返すだけして、片付けない子にね」
鳩山依鈴:「……しっかし」
鳩山依鈴:「——次回へ続くトゥ・ビィ・コンティニュード、か」
鳩山依鈴:「それがあなたのあり方なのね、千原海智」
鳩山依鈴:「そういうの、好きかも」
千原海智:「……えっ、好き?!」
鳩山依鈴:「あら?なにかおかしなこと言った?」
千原海智:「あっ、いえっ、何でもないです………」
"ウィンターマスター":……しばし"マスタールイン"から与えられた終滅のイメージにより行動が鈍化していたが
"ウィンターマスター":それの弱まりと同時、ゲートから発せられる冷気はさらに激しさを増し、代わりに指向性を失う。
"ウィンターマスター":荒れ狂う銀の太刀風が、地面すら無軌道に削り取る。
"ウィンターマスター":「……眠……れ……全て、冬の下に……」
"ウィンターマスター":「全て……!」
"ウィンターマスター":飛び退くような動きと同時、またその姿が掻き消える。あるいはゲートの中に飛び込んだように見えたかもしれない。
"ウィンターマスター":だが違う。"ウィンターマスター"が退転することはない。熱奪う光は荒れ狂うような動きで、周囲の全てに喰らいかかる。先程は無視した"マスタールイン"にも。
"ウィンターマスター":無策に受ければ刹那に凍結崩壊する、銀光の鞭が無数。すべての熱を引き裂き、冬の深淵へ沈めるために。
鳩山依鈴:銃弾の迎撃。その熱——分子運動。力学的エネルギーが、
鳩山依鈴:全て奪われて、地に伏す。
鳩山依鈴:「駄目か。予測はできても、対応しきれない」
“マスタールイン”:「わ、わ、わ……」急速に進行する錆と極光とがぶつかり合う。傷口からその身体が凍結していく。
赤川累:「……っ!」無数の光条の中の中で、被害を最小に留める位置へ動く。
赤川累:「……使用者の間近までは巻き込めないかと思ったが」計算できる最小限の被害。その上で、腹部と幾つかの関節が凝結している。
赤川累:「そこまで甘くはないか」
千原海智:「ッ…!」影の獣が冷気を喰らおうと牙を剥くが、エネルギーに呑み込まれ霧散。
千原海智:「つよっ…くない!?あの人!」
“セプテントリオン”:「ぐ、あぁっ……!」ゲートと爆薬とで冷気を防ごうとするが、土台不可能な話だ。義足から伝わった冷気に、身体を貫かれる。
“スターゲイザー”:「さっすが歩人さんですね~!」
“スターゲイザー”:「やっぱり本家は違いますね~?」“ディアスポラ”に目を向ける。
鳩山依鈴:「ふ、んっ……!今は、ねっ!だけど!」
鳩山依鈴:「……季節は巡る」その相殺に助けられて、致死だけは凌ぐ。
"ディアスポラ":「……くっ……う……」自らの魔眼を開く。暴れまわる銀光をその目で捉え
"ディアスポラ":その光を相殺する。しかし、薙ぎ払われた太刀風の冷気は完全には押し止められない
"ディアスポラ":「本家……はは、冗談」
"ディアスポラ":「私の歩人さんはもっと強かったっつ—の」
千原海智:「わあ…アツアツ」
鳩山依鈴:「ほら。春の陽気でしょ」強がって笑う。
"ウィンターマスター":「熱、熱、熱……命……」
"ウィンターマスター":「……」 唸るように言葉を漏らしながら、しかしその眼は、自らの力を半ばながらも食い止めた、同種の光へと向けられる

“マスタールイン”:「……ああ~……もう……」
“マスタールイン”:傷付いた自分の身体を見下ろして、困った顔をする。
“マスタールイン”:「何で言うこと聞いてくれないの?ケンカしたいわけじゃないのに……」
“マスタールイン”:「……絶対、一緒に来てもらうから」
鳩山依鈴:「いいえ。私たち、喧嘩ばかりだったのよ」
鳩山依鈴:「すっかり、忘れてたけどね」
“マスタールイン”:「……?」
“マスタールイン”:「喧嘩ばっかりだったなら、忘れたほうがよかったんじゃない?」
鳩山依鈴:「いいえ。それもね」
鳩山依鈴:「綺麗な思い出なのよ。今となっては、全てね」
鳩山依鈴:「分からない?」
“マスタールイン”:「……全然、分かんないなあ」
“マスタールイン”:「分かってもらうしか、ないか」
“マスタールイン”:周囲に津波のようなレネゲイドが解き放たれる。
“マスタールイン”:全てを呑み込む“マスタールイン”の思考が、剥き出しのまま解放される。
“マスタールイン”:それは君達の魂を鷲掴みにし、根源からの恐怖を掻き立て、精神を噛み砕く。
鳩山依鈴:「……っ」それをもろに受ける。
鳩山依鈴:荒廃の未来への恐怖。それは、誰しもが持ち得るものであるが。
鳩山依鈴:鳩山依鈴にとっては、人一倍だ。
鳩山依鈴:未来無くとは成立し得ない能力を、常に、握っている身としては。
鳩山依鈴:その手の盲念に捕らわれることは、より、深く。
千原海智:「…っ!また…!」先ほどより強い孤独感、恐怖に苛まれる。
千原海智:「これで一体何が分かるんだっていうのさ…!」
千原海智:「一方に押し付けてるだけじゃないか…」
"ディアスポラ":「っ、ああっ……!」魔眼から流れ込む力が行き場を失い、自らの身体をも凍てつかせ始める
"ディアスポラ":「いいさ……丁度いい」
"ディアスポラ":「あの人に勝つなら……これくらいなきゃね……!」
赤川累:「ぐ、っ……!」先程とは異なって、物質を介在しない精神干渉。回避の術はない。
赤川累:……マスタールインが幻視させる滅亡は、未来のものだ。故に、
赤川累:赤川累はそこで、地獄となった故郷の景色に再会する訳ではない。
赤川累:海風の中に消え、世を去ったそれらは既に「過去」である。そう認識している。
赤川累:だから、彼が見たそれは、ある一つの家庭のものだった。……リビングの白い壁紙とカーペットに、無数の爪痕が刻まれている。
赤川累:不快感。血痕。焼け落ちる音。腐り落ちるような匂い。
赤川累:その中央。子供らを庇うようにして斃れる、父母の死体がある。
赤川累:悲鳴すらもなく、静寂が支配する──誰一人動かなくなったその場所で、黒い灰ばかりが風に舞っている。
赤川累:……知った場所だ。
赤川累:「浅葱島で起きた最後の事件」を解決した後に一度だけ、招かれてこの家を訪れた事があった。
赤川累:つまりこの光景は。自分の恩人と、自分達があの場所で守り抜く事ができた少女の──
赤川累:「……結局、『世界を救う』ってつもりでいても」不愉快な汗を拭う。
赤川累:「こういう時に浮かぶのは、知り合いの顔なんだな。……俺は」
赤川累:「顔を知らない誰かよりも、よく知った相手の死の方がずっと恐ろしい」
赤川累:「あの日、取り零さなかった物すらを失ってしまう事が……何より恐ろしい」
鳩山依鈴:その声を聞いて、深みより顔を上げて。
鳩山依鈴:「その方が、ずっといいでしょう。忘れてしまうよりは」
赤川累:「……忘れませんよ。忘れるものか」
赤川累:「俺が生きてきた、ちっぽけな世界は。もう滅んだ」
赤川累:「それでも」
赤川累:「俺の生まれ育った世界には……そこにあった繋がりには、意味があったんだと」
赤川累:「証明してやる。俺が、赤川累が」
鳩山依鈴:「繋がりに、意味はあった、か」
鳩山依鈴:「ありがとう。初心を思い出した」
鳩山依鈴:「私も、初めは。ただね」
鳩山依鈴:「仲間を。一緒に戦う人のことは守りたいって」
鳩山依鈴:「それだけだったな」
千原海智:「カッコいいな、やっぱり。赤川くんは」顔を上げる。
赤川累:「言っておくけど、君も大概だぞ」笑みを浮かべ、千原くんに応じる。
千原海智:「えっ」瞬き。「そう?」
赤川累:「ああ。三瀬川さんの眼にも、きっとそう見えてる」
千原海智:「………そりゃ、僕もやる気沸いてきちゃうな」照れ笑いする。
鳩山依鈴:「ええ。二人とも、カッコいいわよ。だからね」
鳩山依鈴:「負けてられないな」銃を構える。
“マスタールイン”:銃口を向けられて、無防備に佇んでいる。
鳩山依鈴:「——私はね、“マスタールイン”。蒼井昴」
鳩山依鈴:「全てを綺麗とは思えない」
鳩山依鈴:「あなたのようにはなれないし、なる気もない。もっとね」
鳩山依鈴:「悪くて、浅ましいのよ」
“マスタールイン”:「……そうなの?」表情を曇らせる。
“マスタールイン”:「何だか……可哀想ね」
鳩山依鈴:「ううん。そうじゃない」
鳩山依鈴:「綺麗って言葉は、誰にもじゃなくて、自分だけに言ってほしいの」
鳩山依鈴:「特別でありたい。そして」銃声。
鳩山依鈴:「あなたの特別でありたかったな」
鳩山依鈴:「ゼロ」
鳩山依鈴:それは削ぎ取られた記憶からの——過去からの弾丸でもない。
鳩山依鈴:それは荒廃を見せる破滅からの——未来からの弾丸でもない。
鳩山依鈴:ただの、何の異常性もない、今を生きる弾丸。
“マスタールイン”:「が……は……っ……」
“マスタールイン”:弾丸が、胸を撃ち抜く。
“マスタールイン”:口から血が零れ、そして。
“マスタールイン”:その身体から、錆びた鎖が伸びる。
“マスタールイン”:刃は鳩山依鈴に向け、一直線に伸びて────
“マスタールイン”:頭部を貫く寸前で、ぴたりと止まる。
“マスタールイン”:「………………」
“マスタールイン”:ぽつり、と、錆びた鎖に火が灯る。
“マスタールイン”:自然のものより遥かに鮮やかな、紅の炎。瞬く間に燃え上がり、鎖を焼き尽くしていく。
“マスタールイン”:それは、“マスタールイン”の能力ではない。
■■■:「………………」
■■■:「……日本支部エージェントってさ」
■■■:「……やっぱ、給料いいわけ」
鳩山依鈴:「……まあ、結構」
■■■:「……じゃあ……」
■■■:「毎日、いいモン食べてるんだ」
鳩山依鈴:「それがね、そうでもない。長期の滞在任務が多くって」
■■■:「……じゃあ、カニは?」
鳩山依鈴:「またそれ?どうせ、すぐ飽きて忘れるでしょう」
鳩山依鈴:「どうしても食べたいなら、”今度”奢るわ」
鳩山依鈴:それは未来を示す単語だ。
鳩山依鈴:荒廃の未来ではなく、今と地続きの未来の。
■■■:「依鈴の今度って、一体いつなのよ」「でも、まあ……」
■■■:血に濡れた顔に、かつてと同じ笑みを浮かべて。
蒼井昴:「楽しみだ」
蒼井昴:そう言って、ゆっくりと崩れ落ちる。
鳩山依鈴:それを抱きとめて、その場に下ろす。
鳩山依鈴:「……」
鳩山依鈴:「並行世界の別人で、本人じゃない」
鳩山依鈴:「そう言ったのにね。これじゃあ説得力、ないかな」泣きそうな顔で笑って、振り向く。
千原海智:「………そんなことないよ」
赤川累:「……本人じゃなくても」
赤川累:「同じ記憶と姿を持った相手を尊重したいと思うのは……至って普通の感情だ。人間としての」
千原海智:「そうだよ……忘れてたとしても、思い出せたんだしさ」
鳩山依鈴:「ちょっと待って、待って」
千原海智:「うぇ?」
鳩山依鈴:「私、カッコいいとこ見せるって言ったのに」
鳩山依鈴:「泣かせに来ないでよ」
鳩山依鈴:「恥ずかしい……」
"ディアスポラ":「ふふ、なにそれ。勝手だなぁ依鈴は」小さく吹き出して
"ディアスポラ":「約束、何なら私も付き合うよ」
"ディアスポラ":「好きだから。カニ」
鳩山依鈴:「いいわね。みんなで行きましょう。奢るわ」
"ディアスポラ":「オッケー、ならみんな少しの間目を閉じてて」前へ歩み出る
"ディアスポラ":「すぐに終わらせるから」
千原海智:「む」顔を両手で覆う。指の隙間から彼女の姿を見、瞬き。
赤川累:「この事件が片付いてしばらくは忙しそうですけど」目を閉じる。「それも"今度"の約束ですかね」
赤川累:口走ったその言葉が、今はやけに軽い事に気付いて。呪いがもうそこにない事を理解する。
"ディアスポラ":彼方を睨む。"スターゲイザー"、"セプテントリオン"そして
"ウィンターマスター":「…………」
"ディアスポラ":次元の裂け目を背に、明確な敵意を持ってこちらを見つめる青年
"ディアスポラ":「……歩人さん」
"ディアスポラ":「もう二度と口にすることはないって思ってたんだ。あの時に」
"ディアスポラ":「歩人さんと一緒にいた日々に、もう十分すぎるくらい助けてもらったから」
"ディアスポラ":「もう二度と会えなくても、名前を呼べなくても平気だって」
"ディアスポラ":「けどやっぱりさ、その顔を前にすると」
"ディアスポラ":「我慢できなくなっちゃった。だから、言うね」
"ウィンターマスター":見ている。確かに、その眼はもはや君の知る色ではないだろうが。
"ウィンターマスター":それでも言葉紡ぐ君を、荒れ狂う凍気の壁の向こうから、見ている。
"ディアスポラ":「──────」すぅ……と大きく息を吸って
"ディアスポラ":「歩人さん」
"ディアスポラ":「歩人さん、歩人さん、歩人さん、歩人さん」
"ディアスポラ":「歩人さん、歩人さん、歩人さん、歩人さん、歩人さん、歩人さん!……歩人さーーーーん!!」
"ディアスポラ":一生分のそれを吐き出す勢いで男の名を連呼する。
"ディアスポラ":「大好き」
"ウィンターマスター":男は動じない。何か反応を返すようなこともない。
"ディアスポラ":泣きそうな笑顔で、眼帯に手をかける
"ディアスポラ":「……うん、満足した」ほんの少し名残惜しいけど、今度こそ
"ディアスポラ":「さようなら」
"ディアスポラ":そして、虚空に月が昇る。
"ディアスポラ":"ウィンターマスター"
"ディアスポラ":この世界の外側、埒外の物理法則を有する超極寒の異界への門を開き、そこから溢れる破滅的な冷気を操る広域殲滅能力者。
"ディアスポラ":青褪めた月光に照らされたものは、一切の例外なく白銀の帳の中で眠りにつく。故に、"すべての冬"。
"ディアスポラ":"ディアスポラが振るう力はそれと同質のものでこそあれ、その出力には埋めがたい隔たりがある
"ディアスポラ":彼女の右目に埋め込まれたそれは彼が用いた魔眼のほんの一欠片にすぎず、
"ディアスポラ":彼女が知るそれは、彼が垣間見た世界のほんの一部に過ぎない。
"ディアスポラ":しかし、それ故に
"ディアスポラ":"ウィンターマスター"では成し得ない変質、持ち得なかった変異を彼女の"冬"は獲得している。
"ディアスポラ":それは───
"ディアスポラ":「歩人さん、わかる?」
"ディアスポラ":「雪が降ってきた」
"ウィンターマスター":「…………」 動きはない。何らかの対応を取る様子も。彼はそれを認識していない。
"ディアスポラ":雪。氷晶化した水蒸気による降水現象。
"ディアスポラ":零下8000度の絶凍の大地において、それが降ることはない
"ディアスポラ":対流も蒸発もすることのない永遠の氷の世界では無用の現象、それが
"ディアスポラ":彼女の景色の中に、しんしんと降り積もる。
"ディアスポラ":空から静かに舞い落ちる雪は、敵味方の区別なくその上に舞い落ちて
"ディアスポラ":熱に触れて、溶ける。
"ディアスポラ":その瞬間──────
"ディアスポラ":光が、消える。
"ディアスポラ":純白の雪景色が、一転
"ディアスポラ":黒く、黒く、雪が降り積もる程に黒くに塗り潰されていく
"ディアスポラ":"彼"の解釈によれば、それは虫なのだという
"ディアスポラ":指向性を持ち、あらゆる熱源に群がって捕食する概念生命体
"ディアスポラ":白銀の光条は、そのようなものなのだと
"ディアスポラ":"ウィンターマスター"は、自らの力でその方向性を制御したが
"ディアスポラ":ならば、その虫から
"ディアスポラ":より強い熱を見定めるその虫から、"視覚"を剥奪すればどうなるのか
"ディアスポラ":イージエフェクト《見放されし地》
"ディアスポラ":それは、最も身近な熱を喰らう。
"ディアスポラ":即ち、最もありふれた熱媒である光を。
"ウィンターマスター":「……、!」
"ディアスポラ":「アンタ達、絶対に眼を開けないでよ」
"ディアスポラ":「脳みそまで食われちゃうかもしれないから」
"ディアスポラ":盲目の"虫"は本能のままに光を喰らい
"ディアスポラ":文字通り光の速度で移動する。その闇を見た者がいたのなら、その瞬間
"ディアスポラ":その瞳の内側の"熱"までも、貪り尽くされるだろう。
“セプテントリオン”:「ぐ……お、ああぁああっ……!」咄嗟に翳して完全に凍り付き、無用の重荷と化した片腕を、自ら割り砕く。
"ウィンターマスター":ひときわ強く、まるで目を見開くように、蒼白の門が輝いた。迫る力、暗黒の光条の正体を、それを無防備に受ける直前に理解できる。
"ウィンターマスター":対抗するように強烈な光が発せられる——あまりに遅い。その半身の熱を奪われた所で、砕けるように姿が消えた。
"ウィンターマスター":そして、目も眩むほどの光が発せられ、君の放った攻撃は全滅する。
"ウィンターマスター":……ゲートの輝きはすぐに元の強さへ戻り、ノイズが走るような光と共に、半身を庇うように立つ"ウィンターマスター"が姿を現す。
"ウィンターマスター":単純な話。光を阻んだのだ。ゆえにその存在はまだ喰らい尽くされていない。
"ウィンターマスター":それがいかなる力によるものか? 君だけは当てがつくだろう。
"ディアスポラ":「………」黒く塗りつぶされていた景色が、一瞬の閃光とともにもとに戻る。
"ディアスポラ":「……みんな、もう眼開けていいよ」
千原海智:「………」全身が途方もない寒気に包まれながら、やわやわと目を開く。
赤川累:「……」膝をついて、その冬が過ぎるのを待っていた。白い息を吐いて、立ち上がり。その光景を見渡す。
"ディアスポラ":「全くさ……」
"ディアスポラ":「ズルいよね。そっちは仲が良さそうで」
"ディアスポラ":「ちょっと妬けてきたかも」
鳩山依鈴:目を見開いて。「あら、まだ恋人自慢、終わってないのね」
鳩山依鈴:「続けてくれていいわよ。満足行くまで」
"ディアスポラ":「そう?じゃあお言葉に甘えたいとこだけど」
千原海智:「うぇくし」クシャミ。
鳩山依鈴:「……程々がいいみたいね」
"ディアスポラ":「ふふ、そうみたい」
千原海智:「僕にはちょっと早いかも」鼻をこする。

GM:クリンナップ。
GM:次のラウンドに移ります。
GM:ラウンド2
エンゲージ []内は行動値



ディアスポラ[15]鳩山[6]千原[2]
(5m)
“ウィンターマスター”[7]赤川[15]
(5m)
“スターゲイザー”[45]“セプテントリオン”[10]三瀬川りんか[-]


GM:セットアップから。
千原海智:なしです~
赤川累:ないです
"ディアスポラ":なし!
"ウィンターマスター":《苛烈なる火》
"ウィンターマスター":HPを5失い攻撃力+12
鳩山依鈴:もっかい《戦局判断》。千原くんの行動値+6。
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:147->151)
千原海智:行動値2→8になりました
GM:災厄存在ダイスを振ります
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 3

GM:ラウンド中、侵蝕率999%まで≪リザレクト≫が可能になる。ただし戦闘不能から復活する際(タイタスの昇華、その他の復活エフェクトも含む)、侵蝕率がさらに1D10増加する。
千原海智:なんだってえ~

GM:囁く声が消えていく。だが同時に、開かれた窓から新たな災厄存在が這い出して来る。
GM:骨のように白い茨。血のように赤い薔薇。
GM:触手のようにするすると地を伝わり広がって、辺り一面を覆いつくす。
GM:君達の流した血を吸って、薔薇は真紅の花を咲かせ。そしてもっと血を流せと言わんばかりに、君達の衝動を掻き立て、手足に這いあがって無理やり傷を癒していく。
千原海智:「うわうわうわ!?」それを振り払おうとしている。「何これ!」
"ディアスポラ":「くっ……ありがた迷惑ってやつか……」絡みつく茨を凍らせて引きちぎる
赤川累:「くそ、こいつら……!」何度かその触手を焼き切って振り払うが、際限なく伸び上がって絡み付いてくるそれから逃れる事はできない。

GM:行動値45、“スターゲイザー”の手番です
“スターゲイザー”:君達の奮闘を楽しそうに眺めている。

GM:行動値15、赤川くん、ディアスポラさんの手番です。
赤川累:ではこちらから
赤川累:あ、いや
赤川累:先にウィンターマスター倒さないと行けないんだった
赤川累:やっぱり先に猪祈ちゃんおねがい~
"ディアスポラ":ではこっちの先手!
"ディアスポラ":マイナー《陽炎の衣》隠密化
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:181->184)した
"ディアスポラ":メジャー『シャドウプレイ・スキュア』《見えざる死神》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》
"ウィンターマスター":本来は《燃える魂》復活後の致命傷には《時の棺》を使うルーチンですが
"ウィンターマスター":隠密状態なのでできない!
"ディアスポラ":ナイフで"ウィンターマスター"に攻撃します
"ディアスポラ":11dx7+1
DoubleCross : (11R10+1[7]) → 10[1,1,1,2,2,3,4,5,6,8,10]+4[4,4]+1 → 15

"ディアスポラ":ここで腐ったか…
"ウィンターマスター":ドッジします
"ウィンターマスター":6dx=>15
DoubleCross : (6R10[10]>=15) → 10[3,3,6,8,9,10]+2[2] → 12 → 失敗

"ウィンターマスター":くっ……
"ディアスポラ":信じてたよ歩人さん
"ディアスポラ":ダメージ出します
"ディアスポラ":2d10+34+2d10 諸々有効
DoubleCross : (2D10+34+2D10) → 18[10,8]+34+7[5,2] → 59

"ウィンターマスター":残HP15。防御手段なし。戦闘不能。
"ウィンターマスター":蘇生手段もなし!
"ディアスポラ":さよなら……
GM:冬村……
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+4(侵蝕率:184->188)した

GM:同じく行動値15、赤川くんの手番です。
赤川累:はい。マイナーでスターゲイザー達のいる位置に戦闘移動、エンゲージ
赤川累:メジャーで《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》対称はセプテントリオン
GM:判定どうぞ
赤川累:12dx@7+6+9
DoubleCross : (12R10+6+9[7]) → 10[3,3,6,6,7,7,8,8,8,8,9,9]+10[1,5,7,7,7,10,10,10]+10[2,2,3,5,8,9]+5[4,5]+15 → 50

“セプテントリオン”:ガード≪グラビティガード≫
GM:ダメージどうぞ
赤川累:6d10+24 装甲無視
DoubleCross : (6D10+24) → 39[4,3,8,8,8,8]+24 → 63

“セプテントリオン”:3D10 ガード
DoubleCross : (3D10) → 22[6,10,6] → 22

“セプテントリオン”:耐えきれません。HP0
赤川累:赤川累の侵蝕率を+8した(侵蝕率:160->168)
“セプテントリオン”:復活エフェクトはありません。
GM: 
“セプテントリオン”:≪ワームホール≫
GM:いや……
GM:遅かったな……!1ダメージにしかならない
GM:ディアスポラ……貴様が隠密でさえなければ……
GM:使わずに倒れます。

"ウィンターマスター":「……来るんだ……」
"ウィンターマスター":不意に、彼が声を漏らす。
"ウィンターマスター":敵意のない、落ち着いた声だった。君の記憶の中の声で、君に向けて、手を差し伸べて。
"ウィンターマスター":「理解した。お前が俺と、相似する力を持つことを。ならば……協力できるはずだ」
"ウィンターマスター":「可能性を殺す。この世界から熱を奪い尽くす」
"ウィンターマスター":「奴を、"スターゲイザー"を排するには、それしかない」
"ウィンターマスター":「……来い」
“スターゲイザー”:「ほらほら!言われてますよ!」
“スターゲイザー”:「どうするんですか~?猪祈さん~」
"ディアスポラ":「………」囃し立てる声には耳を貸さず
"ディアスポラ":ゆっくりとその足を踏み出す。
"ディアスポラ":パキ、パキと凍結した水たまりを砕いて、"ウィンターマスター"へと近づいていく
"ディアスポラ":「……あなたは」
"ディアスポラ":「そうやって、ずっと一人で戦ってきたんだね」
"ウィンターマスター":「そうだ。この力に、『全ての冬』に耐えられる者が、俺以外にない限り。そうするしかない」
"ディアスポラ":「……けど、寄り添おうとする奴は居たはずだよ」
"ディアスポラ":彼の足元の影をちらりと見て
"ディアスポラ":「あなたが消してきた熱は、貴方を温めてくれる誰かかも知れなかったのに」
"ウィンターマスター":「耐えられなかった。たとえ俺の意に伴おうとする者でも、俺の、力には」
"ウィンターマスター":「……お前は違うはずだ。俺と同じ異界を見る眼があるならば」
"ウィンターマスター":歩み寄る。ごうごうと命を奪い尽くす風が吹き続けている
"ディアスポラ":「ふふ、それそれ」苦笑する
"ディアスポラ":「そういう言葉がさ、言って欲しかったんだよ。私はさ」
"ディアスポラ":「私の力が必要だって。力を貸してくれって」
"ディアスポラ":「……ずっと一緒にいようって」
"ディアスポラ":「でもね、私の歩人さんはそういうこと言ってくれないんだ」
"ディアスポラ":「きっとこういう時は……」
"ディアスポラ":「"もうこんなことはやめろ、今ならまだ引き返せる"とか、"後は俺がやるから下がっていろ"とか」
"ディアスポラ":「そうやって、私を連れて行ってなんかくれないんだ」
"ウィンターマスター":命を奪う、全ての冬の風は止まらない。先程の君の攻撃で崩れかけた身体も、元の人の形に戻ろうとしている……あるいは、その氷により傷を補いながら。
"ウィンターマスター":返応はない。彼はただ、手を差し出している。
"ディアスポラ":「ねえ、私の知らない歩人さん」再び、魔眼が開く。
"ディアスポラ":「寒いでしょ?」
"ディアスポラ":漆黒の雪が瞬く。再び、その視界を暗黒に染める。
"ディアスポラ":差し出された手に、自らの手を伸ばして
"ディアスポラ":掴まずに、更に一歩踏み込む
"ウィンターマスター":今度は遅れない。手の内を知っている。蒼い満月を思わすゲートがいっそうの輝きを放ち、熱奪う光が指向性を持ってその黒い雪を埋め尽くしにかかる。
"ディアスポラ":その体を、両手で抱きしめる。
"ウィンターマスター":だが、出力が落ちている。先程までなら衝突すれば君は退けられていただろう。そうなっていないのは。
"ウィンターマスター":「……っ……」 驚いたような吐息が君の耳元から聞こえたことからも、明白だ
"ディアスポラ":「……暖めてあげる」その吐息が漏れた刹那
"ディアスポラ":青年の知覚に、今まで感じたことのない熱が灯る
"ディアスポラ":未だ完全には晴れない視界の中で、その熱源だけははっきりと分かる
"ディアスポラ":自らの左胸、遥か昔に凍てついていたであろうその心臓に
"ディアスポラ":背中から、一振りの刃が突き立てられている。
"ウィンターマスター":熱。
"ウィンターマスター":長らく感じることの叶わなかった、体内への熱。人にとっては冷たい刃であったとしても、
"ウィンターマスター":「……あ、ぁ……」
"ウィンターマスター":その身には余りにも温かい。長らく向けられることのなかったそれに、
"ウィンターマスター":辺りを照らす蒼の月光は、急速にその力を失い始める。吹き荒れていた、冷たく乾いた冬風が、凪ぎ始める。
"ディアスポラ":嘗てこの世界の彼にそうしたのと同じ様に、更に深くへと刃を立て
"ディアスポラ":より力強く抱きしめる。
"ディアスポラ":「歩人さんのやり方じゃ、だめだよ」
"ディアスポラ":「私は、もう何も捨てたくない。あんな奴のために何も失いたくない」
"ディアスポラ":「拾い続けるって決めたんだ。だからさ」
"ディアスポラ":「後は私に任せて、先に休んでいいよ」
"ディアスポラ":「"スターゲイザー"は私が倒す」
"ウィンターマスター":「…………」
"ディアスポラ":「だから、おやすみなさい」彼の胸に顔を埋めて
"ディアスポラ":「よく頑張ったね。歩人さん」
"ウィンターマスター":その最期の言葉は、君への抵抗でもなく、君の決意への反応でもなく、君の言葉への返事でもなく、まして君の名を囁くようなものでもなく
"ウィンターマスター":「……寒かった」
"ウィンターマスター":「ずっと——」
"ウィンターマスター":子供のように拙い口調で、そう漏らし
"ウィンターマスター":閉じゆく門と共に、君の腕の中で、氷の欠片と砕けて消えてゆく。
"ウィンターマスター":それもいずれ、全ての冬の残り風に吹かれて霧散し
"ウィンターマスター":"ウィンターマスター"は、この世界から消滅した。
"ディアスポラ":風に消えた最後の一欠片に手を伸ばして
"ディアスポラ":溶けたそれを、唇に添える。
"ディアスポラ":「………うっし」
"ディアスポラ":小さく頷いて、残る敵へと向き直る。

赤川累:黒い灰が、夜空に翻る。足元より絡み付く蔦を振り払いながら
赤川累:一歩ずつ、刻むように歩を詰める。
“セプテントリオン”:「……」冷気の中で息を吐き、君を見据える。
赤川累:その緩慢さは、相手に降伏という選択肢を与える為の。
赤川累:「……もう限界だろ」
赤川累:「貴方がそっちに付いた事情、詳しくは知りませんけど」
赤川累:「……"あんな奴のために何も失いたくない"」
赤川累:背中越しに、僅かに"ディアスポラ"の方を見て。
赤川累:「俺だって同意見だ」
“セプテントリオン”:背後には“スターゲイザー”。長年追い求めた仇であるはずの相手を、庇うように立つ。
“セプテントリオン”:「ナマ言ってんじゃないよ、小僧」
“セプテントリオン”:虚空から無数の砲台が現れる。
“セプテントリオン”:「殺す気で来な」
“セプテントリオン”:赤川に向け、砲台が一斉に銃火を噴く。
赤川累:その目を見据える。洗脳された訳ではない眼差しだと理解する。……彼女は、自分の意思で。
赤川累:「……勝手な人だ」呟く声を置き去りにして、
赤川累:身を屈め加速した。砲台の射線を潜り抜けると同時、右手を地に付けるような動作。
赤川累:瞬時に灰化させた地面を掬い上げるようにして、砲手の視界を奪う。
“セプテントリオン”:「ッ!」
赤川累:「だったら、こっちも勝手にするさ」
赤川累:奪われた視界の中で、一手
赤川累:“セプテントリオン”の眼前、熱を帯びた風が頬を撫でる。
“セプテントリオン”:「……!」
赤川累:過ぎてからそれが、暗中に展開されたかもしれない防壁を朽ちさせ崩すための物だったと分かるだろうが
赤川累:気付いたときには既に、続く掌底の一撃が"セプテントリオン"を捉えている。
赤川累:熱はない。……本命として撃ち込まれたのは、左腕だ。
“セプテントリオン”:「がッ……!」甚大なダメージを負った身体では、到底回避など叶わない。
“セプテントリオン”:倒れると同時、冷気で疲労した義足が半ばから折れる。
赤川累:「……別に、慈悲をかけた訳じゃない。これは」
赤川累:「俺達の目的の問題だ」
“セプテントリオン”:「……ゴホッ……!」必死に立ち上がろうとするが、それも出来ない。
赤川累:「こいつのせいで死ぬ人間を、一人でも減らす。その為に戦ってる」
赤川累:「……貴方は、それが分かる人だと思ったんですがね」
“セプテントリオン”:「……」朦朧とする意識の中、荒い息を吐く。
“セプテントリオン”:「……“スターゲイザー”……」
“スターゲイザー”:「何ですか~?」
“セプテントリオン”:「約束は……果たしたはずだ」
“セプテントリオン”:「アタシを……あの場所に……」
赤川累:その言葉を聞いて、ひどく苦々しい表情になる。
“スターゲイザー”:「ええ~~~?」
“スターゲイザー”:「約束したのは、僕を最後まで守れたら、ですよね?」
“スターゲイザー”:「途中で脱落されたら、約束と違いますよぉ」
“スターゲイザー”:「ほら、まだ立てるでしょう?頑張って頑張って!ジェシカさん!さあ!」
“セプテントリオン”:「…………」
“セプテントリオン”:折れた義足で立ち上がろうとして。
“セプテントリオン”:「……く……」
“セプテントリオン”:力尽き、倒れ伏して意識を失う。
“スターゲイザー”:それをつまらなそうに見下ろす。
“スターゲイザー”:「あぁ~あ」
“スターゲイザー”:「全然ダメじゃないですか」
“スターゲイザー”:「まあ、最初からアテになんてしてませんけど~」
赤川累:……彼女が、律儀に約束なんて守る柄じゃないと。自分はただ玩ばれ、利用されるだけの立場だと。
赤川累:分かっていた筈だ。何より彼女に執着し、その行いを見て来た"セプテントリオン"には。
赤川累:それでも……分かっていて尚、彼女にとっては抗えない力があったのだろう。その提案には。
“スターゲイザー”:「……さて、ふう!」
“スターゲイザー”:一人になって、スカートの埃を払って、君達を見る。
“スターゲイザー”:「やりましょうか?」
赤川累:「……"あの場所"っていうのは」
赤川累:「また別の世界の事か?」
“スターゲイザー”:「え?ああ、ジェシカさんのご家族が生きてる並行世界ですよ~」
“スターゲイザー”:「見せたらすぐに乗って来てくれましたよ。いやあ……チョロかったですね~」
赤川累:可能性として、考えなかった訳じゃない。失った物を取り戻せると吹き込んで、人の心を食い潰すような真似を。
赤川累:あるいは、自分がそう囁かれる事も。
“スターゲイザー”:「昔はああじゃなかったと思うんですけど。老いというのは残酷ですねえ……」しんみりした顔。
赤川累:「残酷なのは君自身だろうに」
赤川累:倒れ伏した"セプテントリオン"を見やる。
“スターゲイザー”:「ええ~?僕は選択肢を与えてるだけですよ?」
“スターゲイザー”:「誘惑を断ち切り……毅然として立ち向かう人の姿が見たいんですよ!」
“スターゲイザー”:「見ました?今の猪祈さん」
“スターゲイザー”:「めっちゃ良かったですよね~~!」
赤川累:「そもそも奪ったのが君だという前提を」
赤川累:「忘れて、都合のいい部分だけを切り出して」
赤川累:「その責任転嫁が、ここまでの事を繰り返してもジャーム化していない秘訣か?」
赤川累:「興味深いけど、あまり参考にしたくはないな」
“スターゲイザー”:「……随分棘のある言い方ですね」
赤川累:「世界を滅ぼそうとしておいて、棘の一つも向けられないと思っていたのか?」
“スターゲイザー”:「そんなに僕が嫌いですか?」
赤川累:「ただの好き嫌いで君を倒しに来たつもりはないが」
赤川累:「その答えは、もう何度も伝えたはずだろ」
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「……そうですか」
“スターゲイザー”:「ああ、そうですか。そうですか」
“スターゲイザー”:「……いいですよ。やってみてくださいよ」
“スターゲイザー”:「本当に、僕を!一人残らず!12億回!最後の一人になるまで殺せたら!」
“スターゲイザー”:「その時は泣いて土下座して謝ってやりますよ!!」
“スターゲイザー”:空間が歪み、夥しい数の“遺産”が現れる。

GM:行動値8、千原くんの手番です。
千原海智:は~い
千原海智:マイナーで暴走解除。
千原海智:メジャーで《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《シャドーテンタクルス》《暴食の神蛇》。
千原海智:スターゲイザーに攻撃します 攻撃に対するリアクションにエフェクト使用不可
GM:ゲェ~ッ
GM:判定どうぞ!
千原海智:ヘヘ~ン
千原海智:12dx7+6
DoubleCross : (12R10+6[7]) → 10[3,3,3,5,5,5,6,6,7,8,8,10]+10[2,4,8,9]+5[1,5]+6 → 31

“スターゲイザー”:18DX ドッジ
DoubleCross : (18R10[10]) → 10[1,1,2,3,5,5,5,6,6,7,7,7,8,9,9,10,10,10]+10[3,6,10]+3[3] → 23

千原海智:あ、あぶね~~
千原海智:ダメージ出します
GM:くっ……ダメージどうぞ!
千原海智:4d10+24+3 装甲有効・エフェクトの効果で得た装甲値は無効
DoubleCross : (4D10+24+3) → 17[6,4,4,3]+24+3 → 44

千原海智:44ダメージです
“スターゲイザー”:HPが1279283808になりました
千原海智:やった~~

千原海智:「……ようやく、あの子と戦えるって訳か」空に浮かぶ無数の遺産を眺める。
千原海智:「本当の星だったらいいのにね、あれ」
千原海智:「僕の力でどれだけやれるか分かんないけど」右手の獣が、空間に散ったレネゲイドを喰いながら、少しずつその姿を変化させている。
千原海智:冬の冷気を取り込んだ箇所は時折純白に光り、そして更なる変化を目指してボコボコと泡立つ。
千原海智:「やってみるか!」
千原海智:腕を構え、握りこむ。
“スターゲイザー”:「おや」君に気付き、見下ろす。「来ますか、千原さん」
千原海智:「うん、行くよ」
千原海智:同時、影から無数の弾丸が発射。あるいは時空を超え、あるいは空間に突如出現した門を潜り抜けて、その軌道を無秩序に変化させて。
千原海智:あるいは空へと落ちる流星群のように、その影の弾丸は”スターゲイザー”を狙う。
“スターゲイザー”:「うわっ」空間に防壁を展開するが、不規則な軌道に惑わされ、腹を貫かれる。
“スターゲイザー”:「ウロボロスですか。僕の真似もしてみます?」
千原海智:「え、真似されたいの?」
“スターゲイザー”:「あはは。出来るものならやってみてくださいよ」
“スターゲイザー”:背後から迫る弾丸を、避けずに受ける。胸を撃ち抜かれて。
“スターゲイザー”:「貴方にこんなことできます?」余裕の表情。それまでの“スターゲイザー”が絶命すると同時に、その場にまた新たな“スターゲイザー”が現れ。
“スターゲイザー”:そのまま地に落ちる。
“スターゲイザー”:その首は、鋭利な刃物で切断されている。
“スターゲイザー”:「……」
千原海智:「うえッ……」顔をしかめる。
“スターゲイザー”:一拍遅れて、新たな“スターゲイザー”が現れ。
“スターゲイザー”:その死体を見下ろす。
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「………………………………は?」
千原海智:「……え?」
GM:PC全員は≪知覚≫で判定を行ってください。
千原海智:6dx+1
DoubleCross : (6R10+1[10]) → 6[1,1,2,3,6,6]+1 → 7

鳩山依鈴:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 5[2,3,3,4,5] → 5

赤川累:6dx+1
DoubleCross : (6R10+1[10]) → 9[1,3,5,7,9,9]+1 → 10

"ディアスポラ":10dx
DoubleCross : (10R10[10]) → 8[1,2,2,4,6,6,7,8,8,8] → 8

GM:難易度は999。または、本来知れるはずのないことを知ることの出来るエフェクトがあれば使用可能です。
千原海智:そんなエフェクトが…っ!?
"ディアスポラ":そんなもんどこにあるっていうんだ……?
赤川累:仮にそんなエフェクトがあったとして
赤川累:それがメジャーアクション消費のやつでもつかっていいです?
GM:可能です
赤川累:そっか~
千原海智:な…まさか!?
赤川累:《インスピレーション》。残り使用数5->4
赤川累:赤川累の侵蝕率を+2した(侵蝕率:168->170)
GM:では赤川くんだけが成功し
GM:マスターシーンを見ることができます。

【Climax/Another】


阿形雪実:該当区域内、高層ビル屋上。街を見下ろすその位置に、少女が立っている。
阿形雪実:遠景。遠い先には、空間を丸ごと隔絶していたドーム状の壁。裸眼でもはっきり見える。そういう能力だ。
阿形雪実:「はーいオッケオッケー。状況、確認できてまーす。も、マジヤバかったわ~。ここからね、ここから!」
阿形雪実:時間と空間のはざまとでも呼ぶような、未だ人類が観測し得ない次元への干渉。
阿形雪実:その力でドームの全景を見渡せる位置から、時空の断絶する『壁』の綻びを都度修正する。それが今回の任務だが……。
阿形雪実:「好き勝手やってくれちゃってさあ、何が楽しいんだかもう……」
阿形雪実:絵の具を水中に垂らしたかのように。墨のような、黒い霞のようなとしか形容できないそれが、そこかしこ、空中に現れる。
阿形雪実:「……『あれ』に入ってった人、皆々お疲れ様ね。後はあたしたちも手伝うかんね」
阿形雪実:──スターゲイザーに言いたいことはたくさんある。本当にたくさんあるが。
阿形雪実:すぅ。深呼吸。まずは。
阿形雪実:黒い『霞』が、一息に数多の杭の形を取り遠い眼下のスターゲイザーへと撃ち出される!
阿形雪実:「ここの保全、こっちは【ピー】時間ぶっ続けだっつーの! 乙女の美容時間返せバーーーッッッカ!!」

“スターゲイザー”:「が、はッ……!?」
“スターゲイザー”:胴体に風穴を空けられ、瞠目する。
“スターゲイザー”:「何が────」



東亜純:青黒く巨大な脚が駆ける。飛びかかる姿は、ヒトによく似た奇形の猿。
東亜純:「───しゃあッッッ!!!!」
東亜純:力任せの一撃が、猿の腕から繰り出される。類人猿の暴虐が、ヒトに焦がれた少女を貫く。
東亜純:「……《スターゲイザー》。キラキラしたもの、見せられてるかな、あたし!」
東亜純:瞳をきらめかせ、頬を紅潮させて笑う。焦がれる少女のように。
東亜純:「少なくとも、あたしはドキドキしてるから。おんなじくらい、ドキドキ、キラキラ、してもらわなきゃ!」



楠一重:赤い刃が、背後から深々と心臓を貫く。
楠一重:「もう一度言うわ」
楠一重:「これはアンタがしでかした事」
楠一重:「世界の果てまで逃げても」
楠一重:「その境界を超えて逃げても」
楠一重:「何をしようと同じことだわ」
楠一重:「……必ず、追いつくのよ」
楠一重:獣の膂力で突き刺さった鎌刃を振るいあげ、
楠一重:"スターゲイザー"の体が宙へと舞い上がる。
楠一重:「アンタは」
楠一重:「"狙いの的"よ」
三日月ユウキ:宙に飛ばされた“スターゲイザー”の体に、無数の穴が開く。
三日月ユウキ:血によって浮かび上がるのは不可視の矢。知覚不能故に必中。
三日月ユウキ:技術と努力によって魔技にまで押し上げられた射撃が“スターゲイザー”に襲いかかる。
三日月ユウキ:「もう一度言ってやろう、“スターゲイザー”」
三日月ユウキ:「世界すら滅ぼす力を持ちながら、たった一人の人間を救うことも考えない」
三日月ユウキ:「お前のような人間に寄り添うものなど、三千世界……いや。その先全てに手を伸ばそうと、一人たりとも現れはしない」
三日月ユウキ:「おまえは強い。だが、どれだけ広大に見えようと、地は一つ。星は無限」
三日月ユウキ:「星に手を伸ばし続けたならば、その中にいつか必ず、お前を滅ぼす者が現れる……今がその時だ」
三日月ユウキ:「月の光に抱かれて眠れ」
三日月ユウキ:姿を見せぬまま、不可視の狙撃手が謳った。



木虎ツグミ:バチリと、雷鳴が響く。
木虎ツグミ:「世界が危ないのだって、勿論そうですけど」
木虎ツグミ:口を開いたのは、金色の瞳の少女。その瞳が瞬時に鋭く尖る。
木虎ツグミ:「あのとき、ミアちゃんにしたこと。しようとしてたこと」
木虎ツグミ:真っ直ぐに伸びた人差し指の先。そこに絡まるように黄金色の雷が収束していく。
木虎ツグミ:「まだ謝ってもらってませんし、許してもいません」
木虎ツグミ:かつては、届くことなく終わった爪と牙を。今度こそ彼女に突き立てようと。
木虎ツグミ:「だから、私のこれはその分です!」
木虎ツグミ:雷獣が吠える。轟雷が駆ける。
木虎ツグミ:「ミアちゃん、お願いします!」
ミアセラ:「うん──ツグミ……!」
ミアセラ:少女が胸に当てた拳を握る。
ミアセラ:「今度は、私も……!」
ミアセラ:見えざる神の手が振るわれ、確率が捻じ曲げられ、収束する。
ミアセラ:三千世界の断片が、少女の意志により星に追いつく。
ミアセラ:雷獣が爪牙を振るうたびに、“スターゲイザー”が自ら示し合わせたかのようにその先に出現。成すすべなく引き裂かれ、焼き尽くされる。



士騎朝輝:「あーあぁ。通りすがったようだなぁ、お互いに」
士騎朝輝:氷のように冷たい透明な声は、ただ一度だけ邂逅した世界の敵に気安く向けられた。
士騎朝輝:「久しぶり。なんて言う仲じゃない。見過ごしてもやれないぜ」
士騎朝輝:遠間から視線を突き刺す。喉に眉間に動脈に各種臓器、アキレス健。知る限りの急所を、端から目で追っていく。
士騎朝輝:殺意と共に村雨丸を走らせる線を脳内で構築し……そのイメージを実行するために肉体を駆動させた。
士騎朝輝:周囲を凍らせながらの爆発的加速移動。刹那の内に敵を刃圏に収める。
士騎朝輝:白い超低温電荷を散らしながら振り抜いた霜刀の連撃が、急所から急所へと線を刻んでいく。
士騎朝輝:敵体を通りすがった村雨丸が殺意と共に氷と霧を生み出し続ける。
士騎朝輝:「とは、やってみても、あんたはこちらに知覚させることなく次が出てくる体質だったよなぁ。じゃあ、それなりに嫌がらせはさせてもらうぜ」
士騎朝輝:気が付けば視界が白い氷霧の輝きに包まれている。向き合う互いしか認識が出来ない絶凍空間。
士騎朝輝:「さぁ、これで、あんたが星の光を見ることはない。スターゲイザー」



空木一姫:静かに鯉口を切る──《ワーディング》。薄い闇が、鞘の内から這い寄り出づる
空木一姫:肩に担ぐように構える黒の大太刀が稲妻をまとう。
空木一姫:ダ、と一歩目を踏み込む音と共に、紫電に解けた身体が疾駆。
空木一姫:夜色の刀が袈裟に振るわれる。その軌跡を追うように稲妻が走り抜けて。
空木一姫:暗く、夜へと塗りつぶされた空間の中で、金色に輝く双眸が月のように輝いた。
空木一姫:「"五光──虚技ウツロギ"」声は後から。
空木一姫:「"衣繍夜光"」
空木一姫:喰らう、喰らう。レネゲイドを蚕食する蛇の影。身体の内より、"スターゲイザー"を侵し続ける。
空木一姫:尾を喰らう/大喰らう蛇の食事は終わることはない。
空木一姫:この世界から、その存在が消えるまで。



北見菫:……腕の感覚が、無い。
北見菫:全身から夥しい血を流す。結んだ髪は解け、血で頬に張り付いている。
北見菫:覚醒して日が浅く、能力としての特異性も、受け継いだ技術や“遺産”もない。
北見菫:こんな自分が挑むなど、到底無理な任務。不可能な相手だったのかもしれない。
北見菫:だが、いくら正しくても、それはただの理屈だ。
北見菫:──私の感情は、違う。
北見菫:流れ落ちた血が収束し、無数の槍と化す。
北見菫:“スターゲイザー”を貫き、凍結し、穿つ。
北見菫:その身体の血液を支配し、更に巨大な槍となり、また新たな“スターゲイザー”を殺す。殺す。殺し続ける。
北見菫:「……“スターゲイザー”」
北見菫:荒い息を吐き、超越者を見据える。
北見菫:「私のお父さんと」
北見菫:「私の島の皆と」
北見菫:「私の親友と──」
北見菫:「私の人生の、仇よ」
北見菫:四方から放たれた血槍が“スターゲイザー”を貫き、氷砕した。



羽鳥七海:「はぁ……はぁ……!」
羽鳥七海: 超越者と、その戯れたる異形のジャーム群を前にして、殿を務める一人の女性。
羽鳥七海:「この、程度……っ」
羽鳥七海: 制服姿ではない。その体格も声色も、よりたおやかな女性らしいものに成長している。
羽鳥七海: 変わらないのは、その両脚から顕れる異形の虫と――自らの分を弁えながらも、決して諦めを見せない瞳。薄桃色のロングスカートが、静かに翻る。
羽鳥七海:「く、ぅっ!」
羽鳥七海: ジャームの攻撃。吹き飛んだ女が、土煙を巻き上げながら瓦礫の海に沈む。
羽鳥七海: 呻き倒れる女めがけて、蝶のジャームの異形の腕が迫り――
羽鳥七海:「異脚象形」
羽鳥七海: 女が呟く。
羽鳥七海:「《ミストミストレス》」
羽鳥七海: ばちり、と。
羽鳥七海: 巻き上がった瓦礫が、土煙が、翠緑色の輝きを放つ。
羽鳥七海:『ギシァァッァアアアッッ!』
羽鳥七海: 羽鳥の能力を介し、粉塵に伝播した恐るべき古代ナナフシの鋭脚が、土煙の中を埋め尽くすほどの予測不能の鏃となって、ジャーム達を微塵に引き裂く。
羽鳥七海:「《スターゲイザー》! 私達みんなの、貴い星の輝きは! 貴方が消費するためのものじゃない……!



林藤はるか:夜闇。地上すれすれに浮かぶ星々のような、薄緑色の燐光が取り巻いている。
林藤はるか:一見して弱く儚い、季節外れの蛍の光は、見た目通りの光景ではない。
林藤はるか:UGN部隊の包囲網である。
“スターゲイザー”:「……り……林藤さん……!」
“スターゲイザー”:「一緒に来てくださいよ!僕ならあなたの身体だって、簡単に治してあげますよ!」
林藤はるか:『美しいものを見たい。他の誰よりも自分自身が幸せでありたい』
林藤はるか:『すみません』
林藤はるか:『あの時は言えませんでしたけれど、私個人はその考えに、とても共感できます』
“スターゲイザー”:「……!」目を輝かせる。
林藤はるか:攻撃を行うことはない……その光や、声自体は。
“スターゲイザー”:「だったら……!」
“スターゲイザー”:「何も問題無いですよね!僕達、きっと仲良く出来ますよ!」
林藤はるか:『誰かと仲良くなりたいのなら……どうして、世界を滅ぼしたりとか、人を傷つけたりとか』
林藤はるか:『そういうことばかりをしてしまうのでしょう?いくつもの世界の人達にそうして嫌われた経験があるはずなのに』
“スターゲイザー”:「だっ……だって……!」
林藤はるか:『……そうしなければ』
林藤はるか:『誰も』
林藤はるか:『あなたに構ってくれる者がいないからです。違いますか?』
林藤はるか:蛍が点灯する僅かな光点を除いた影の空間。その全てを縫って
林藤はるか:攻撃を仕掛けている者がいる。絶え間なく。
“スターゲイザー”:「……」ひゅっ、と、息を吸い込む音。
“スターゲイザー”:「違……」
“スターゲイザー”:「僕は、本当に好きで──」
田井中次郎:蛍の光に紛れ、まるで白昼の悪夢が如く。
田井中次郎:全身を影の装甲に包んだ男が、背後に迫っている。
“スターゲイザー”:「あ」
田井中次郎:爆炎と共に、拳が叩き込まれる。レネゲイドを喰らう黒炎がその身体を這いずり回り、焼き尽くしていく。
“スターゲイザー”:「が……あぁああああッ!!うわぁああああああっ!!」
林藤はるか:『あなたを否定することはできません。なので』
林藤はるか:『あなたのしたことには』
林藤はるか:『代わりに怒ってもらいます』
“スターゲイザー”:「林藤さん!!やだ!!やだ!!」
“スターゲイザー”:「助けてください!!や、やだ……!!林藤、さ……」
“スターゲイザー”:伸ばしたその手も炎に焼き尽くされ、やがて力尽き崩れ落ちる。



“スターゲイザー”:「ま……待ってください!舞さん!僕たち友達ですよね!?許してくれたらまた皆に────」
箕中舞:対峙する少女の言葉は耳に入っていない。薬物精製能力を使用した徹底的な自己催眠。
箕中舞:限界を超えた速度で接近、過集中から抜刀斬を放つ。細身の機械剣が空気音とともにカートリッジを吐き出すと同時、傷口から流れ込んだ神経毒が呼吸と思考を阻害する。
箕中舞:サイレンサーで抑えた連続する射撃音。爆薬、再生阻害用の硬化反応剤、細胞毒。
箕中舞:「──っ、よし次!」
箕中舞:剣を鞘に戻す。インジェクトリボルバーのトグルを回す。
箕中舞:──頬に刻まれた、"蔓薔薇ランブラ"のタトゥーに触れる。



茨木律華:封鎖された市街の一区画を、無数のレネゲイド層によって織り成された巨大な円蓋ドームが覆っている。
茨木律華:再三にわたって内部からの破壊的な熱波と無数の遺産級斬撃によって罅の入るそれの崩壊を、包囲する数百人のオーヴァードが抑え込み、あるいは崩壊した矢先から修復を繰り返す。
茨木律華:円蓋の内側には、セーラー服姿の少女──"スターゲイザー"の遺体が無数に積み上がっていた。
茨木律華:そして今も尚、そこで行われている戦闘によって断続的に殺害され、その数を増やし続けている。
茨木律華:「……逃げられると、思うな」
茨木律華:円蓋の天頂に。コートを着た眼帯の女が立っている。苦し気に白い息を零しながら、檻たる円蓋の制御に力を注ぐ。
茨木律華:「今日、ここで。アンタを確実に終わらせる為に、ずっと準備してきた」
茨木律華:元よりセル内でも、"プロミネンス"や"ヴィンターミュートⅡ"には戦力として数段劣った。遺産たる供花を失った今、更にその出力は低下している。
茨木律華:だから彼女は、一人では戦わない事にした。
茨木律華:この二年間。あらゆる手を尽くして、復讐ねがいを果たす為の協力者を探し続けた。
茨木律華:「理に適ってるでしょ。……でもね、昔の私ならきっと選べなかった」
茨木律華:「これは、あの子が遺してくれた道」
茨木律華:眼帯に触れる。あの日以来ずっと、その虚ろな眼窩の喪失を埋めるものはない。
茨木律華:「そこで殺し切られるまで。アンタの星空は、私達が、鎖す」



-:遙か上空より投下されたコンテナから、白い風が溢れ出る。
-:開いた蓋から姿を現すのは、一人の青年だ。太陽の光に眩しげに目を細める。それはUGNに身柄を拘束された重犯罪危険オーヴァードだった。
-:本来であれば処断されているところ、同じく危険オーヴァードとの戦闘投入を条件として、その生存を認められている。
-:その待遇は、彼の口からの提案だったという。
冬村歩人:コードネーム"ヴィンターミュートII"。
冬村歩人:「……久しぶり」
冬村歩人:苦み走った笑みを浮かべる。その言葉は偽りではない。肉体が"スターゲイザー"のものになって以降、何度となく接触・交戦・虐殺してきた。
冬村歩人:「お前も変わらないな。いつまでもいつまでも……」
冬村歩人:「ああ、生憎と俺も変われない。あの日々に拾ってしまった温もりは、結局」
冬村歩人:「俺の心臓を動かし続けている」
冬村歩人:自らの左胸を押さえる。そこに宿る熱が、何故だかその一瞬、ひどく愛しく感じた。何かの兆しだろうか。それとも、錯覚だろうか。
冬村歩人:どちらであっても変わりはしない。懐く気持ちも、すべきことも。
冬村歩人:「それじゃあ、また」
冬村歩人:「始めるとしようか。付き合ってもらうぞ、俺の自己満足な贖いに」
冬村歩人:青く細い眼差しが、"スターゲイザー"を射竦める。
冬村歩人:「冬がお前を覆い尽くす時まで」
冬村歩人:「さあ……」
冬村歩人:——零下6000度。異界へ繋がる蒼月が光を放ち、殺戮の牙を剥く。
冬村歩人:「"全ての冬"が来るぞ」



GM:“スターゲイザー”により世界の境界が曖昧になった故の、一瞬の偶然か。
GM:或いは、レネゲイドが世界の壁を越え、真実を垣間見せたのか。
GM:君はその光景を刹那の内に幻視し、そして理解する。
GM:戦っているのは、君達だけではないと。
“スターゲイザー”:「う……ぐぅぅうううっ!!あぁあああああッ!!」
“スターゲイザー”:斬られ、潰され、焼かれ、砕かれ。
“スターゲイザー”:幾千幾億の世界で、一瞬の間断もなく殺され続ける。
“スターゲイザー”:「ま、ずい……!!まずいまずいまずいまずい!!」
“スターゲイザー”:「掌握範囲を限定──り、リソースを特異点に集中──」
“スターゲイザー”:「枝を切り離さないと、全部……ぎっ……!うあぁあああぁあああっ!!」
“スターゲイザー”:文字通りの無限の苦痛の中で、ようやく理解する。
“スターゲイザー”:並行世界は、その可能性は、最早“スターゲイザー”の味方ではない。
赤川累:「……言っただろ」その光景を視て、僅かに立ち眩みながら。
赤川累:「君の咎は。君が幾多の世界で紡いできた業は」
赤川累:「決してなかった事にはできないと」
千原海智:「うおっ」スターゲイザーを攻撃していた影の獣が、彼女の肉体を通じて次々と膨大なレネゲイドを喰らい始める。
千原海智:それはここにないレネゲイド因子だ。恐らく並行世界の、彼女を射止めたオーヴァードの。
千原海智:「なんかよく分かんないけど………」「………チャンス?」
"ディアスポラ":「……そっか」一瞬、右の瞳に凍土以外の光景が映った。友の、愛しい人の、家族の姿を
"ディアスポラ":「みんな、戦ってたんだね」
“スターゲイザー”:「はぁっ……はぁぁっ……!」
“スターゲイザー”:「う……嘘だ……僕が、こんな……」
“スターゲイザー”:「あり得ない…………」
鳩山依鈴:「……並行世界の別人は」
鳩山依鈴:「友人になれる、ってことか。ああ、それは、いつ来るかは、分からないけど」
鳩山依鈴:「いい未来ね」
千原海智:「いいね! いろんな世界に仲間がいて、皆、世界を救おうとしてる」
千原海智:「それで、僕らがいる! やれる気がしてきたよ!」
GM:“スターゲイザー”のHPが1279283808から???に減少しました。

GM:三瀬川りんかを助け出す判定を行うには、PCが三瀬川と同じエンゲージに入り、エンゲージ内に他にエネミーがいないことが条件となります。
GM:この判定は任意の能力値を使用し、また、エフェクトを使用することはできません。
GM:タイタスの昇華・Dロイスの効果は使用可能です。
GM:判定難易度は25です。
GM:また、“マスタールイン”が戦闘不能になったため、感染フェイズ進行による影響は全て取り除かれています。

千原海智:「あっ」
千原海智:「その前に、一応言っておきたいんだけどさ。スターゲイザー」
“スターゲイザー”:「……」顔を上げる。「……何ですか」
千原海智:「諦めて、えーと、なんて言うんだっけ…投降?するなら、今だと思うんだけど」
千原海智:「どうかな?」
“スターゲイザー”:「は……」
“スターゲイザー”:「はぁああああ!?何ですかそれ!!」
千原海智:「えっ…」
千原海智:「ええっ!何ですかって何だよ!」
“スターゲイザー”:「ぼっ……僕が負けると!?貴方たち勝てるとでも思ってるんですか!?」
千原海智:「うん」頷く。「すっごい思ってる」
“スターゲイザー”:「な…………」
“スターゲイザー”:「……高々残機を削ったところで……調子に乗ってもらっちゃ困りますね……!」
“スターゲイザー”:空中から現れた豪奢な聖剣をひっ掴み、切っ先を君に向ける。
“スターゲイザー”:「僕は“スターゲイザー”ですよ!!貴方たちなんかに負けるわけがないでしょう!」
“スターゲイザー”:「どこからそんな厚顔な自信が来るんですか?恥ずかしい人ですね!すぐに現実を教えてあげますよ!!」
千原海智:「な…なんであんなに怒っちゃったの…!?」
赤川累:「子供だからだろ。自分は間違ってました、が言えないんだ」
千原海智:「そ…それじゃ友達もできなくなっちゃうじゃないか」
赤川累:「いないんじゃなくて、作らないだけ……って強がってたけど」
赤川累:「なんでだろうな。本当は寂しくて……そう感じる心は確かに残っていて」
赤川累:「それでも、そうなってしまったのは。何故だろうな」
赤川累:どこか憐れむように呟きながら、"スターゲイザー"の軍勢に対峙する。

GM:行動値6、鳩山さんの手番です。
鳩山依鈴:マイナーで5m前進
鳩山依鈴:メジャー《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。スターゲイザーを攻撃。
GM:判定どうぞ!
鳩山依鈴:12dx7-1
DoubleCross : (12R10-1[7]) → 10[2,3,3,4,4,5,7,8,8,8,9,10]+10[1,7,7,8,9,9]+10[4,5,6,8,9]+10[1,8]+1[1]-1 → 40

鳩山依鈴:あっいい感じ……
千原海智:よかった~
GM:回しおったな……
鳩山依鈴:《剣精の手》使います
鳩山依鈴:1dx7+49
DoubleCross : (1R10+49[7]) → 10[10]+5[5]+49 → 64

鳩山依鈴:OKOK これで!
鳩山依鈴:侵蝕率+2 (侵蝕率:151->153)
“スターゲイザー”:ドッジ!
“スターゲイザー”:18DX>=64
DoubleCross : (18R10[10]>=64) → 10[1,1,2,2,2,2,3,3,3,4,4,5,7,8,9,9,10,10]+9[2,9] → 19 → 失敗

GM:ダメージどうぞ!
鳩山依鈴:7d10+9 装甲有効
DoubleCross : (7D10+9) → 36[4,10,8,2,7,4,1]+9 → 45

GM:ギィ~ッ
“スターゲイザー”:装甲で減らしてまだ元気です

鳩山依鈴:豪奢な聖剣の切っ先。あるいは、討魔の妖刀の。
鳩山依鈴:あるいは、皆射の大弓の。魔人の炎腕の。
鳩山依鈴:古龍の石斧の。巨人の投石の。
鳩山依鈴:その先端が、同時に撃ち抜かれる。
“スターゲイザー”:「────!?」
鳩山依鈴:それで壊れるようなレネゲイドアイテムは存在しないが、
鳩山依鈴:それを支える腕は別だ。その手から取り上げるように吹き飛ばす。
“スターゲイザー”:「な……」
鳩山依鈴:「恐ろしい遺産よね、それ——人の手には余るほどの」銃声。
鳩山依鈴:「でもね」銃声。「慣れた」
“スターゲイザー”:「慣れっ……」
鳩山依鈴:「もう、UGNは、ある程度遺産の種別さえを分類できる」
鳩山依鈴:「あるいは、あなたが野放図に持ち込んだからかもね」
鳩山依鈴:「いつまでも、いつまでも」銃声。銃声。
鳩山依鈴:「そんなやり方が通用すると、思ってもらっては困るのよ」
鳩山依鈴:「もう、そろそろ、いいじゃない」
鳩山依鈴:カチ。弾切れ。「終わりにしたって」
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:153->157)
“スターゲイザー”:「げぅっ……」「うぁっ……!あっ……!」次々と再生しては撃ち抜かれて。
“スターゲイザー”:「な……慣れた……?通用しない…………?」
“スターゲイザー”:「み……」
“スターゲイザー”:「認めない…………!」

GM:クリンナップ。
GM:ラウンド3。
GM:災厄存在ダイスを振ります
GM:1D10
DoubleCross : (1D10) → 7

GM:あ……
千原海智:えっなに
"ディアスポラ":な、なんだよ…
GM:・ラウンド中、最初に他のキャラクターにダメージを与えたキャラクターに5D10ダメージ
千原海智:あっやった~

GM:世界に空いた黒い穴から、新たな災厄存在が現れる。
GM:宙に浮遊する純白の球体。表面はすべすべしていて、直径3メートルほど。
GM:何もせず、ただその場に浮かんでいる。

GM:セットアップから!
赤川累:ないです
"ディアスポラ":なし!
千原海智:なしです
鳩山依鈴:なしで!
“スターゲイザー”:なし。
GM:行動値45、スターゲイザーの手番です
“スターゲイザー”:マイナーなし
“スターゲイザー”:メジャー≪コンセントレイト:オルクス≫+≪マルチウェポン≫+≪ヴァリアブルウェポン≫+≪形なき剣≫+≪オーバーロード≫+≪要の陣形(未知なる陣形)≫+≪原初の赤:伸縮腕≫
“スターゲイザー”:栄光と勝利の槍・フォールンブレイド・フォールンランス・鬼切りの古太刀で攻撃
“スターゲイザー”:栄光と勝利の槍をオーバーロード
“スターゲイザー”:対象はPC全員
“スターゲイザー”:18DX7-1-1 ドッジダイス-2個
DoubleCross : (18R10-1-1[7]) → 10[1,2,2,3,3,4,4,4,6,6,7,8,9,9,10,10,10,10]+10[3,3,4,4,5,6,10,10]+4[2,4]-2 → 22

“スターゲイザー”:≪妖精の手≫
“スターゲイザー”:1DX7+28
DoubleCross : (1R10+28[7]) → 10[8]+1[1]+28 → 39

GM:リアクションどうぞ!
"ディアスポラ":暴走リア不
赤川累:こちらも暴走。
鳩山依鈴:《リフレックス:オルクス》《幸運の守護》
千原海智:14dx+1>=39 ドッジ
DoubleCross : (14R10+1[10]>=39) → 10[1,1,2,2,3,4,4,5,5,7,7,8,9,10]+10[10]+1[1]+1 → 22 → 失敗

千原海智:《軍神の守り》ディアスポラちゃんカバーします
"ディアスポラ":ありがと~!
千原海智:ヘヘッ…
鳩山依鈴:8dx7>=39
DoubleCross : (8R10[7]>=39) → 10[4,5,8,8,8,8,10,10]+10[4,4,5,6,8,9]+5[1,5] → 25 → 失敗

赤川累:《勝利の女神》鳩山さんの達成値を+21
GM:何ィ
赤川累:赤川累の侵蝕率を+4した(侵蝕率:170->174)
鳩山依鈴:ありがと~! 達成値46です
GM:チィッ!ダメージ出します
“スターゲイザー”:ダメージ時にフォールンサラマンダー・フォールンサラマンダー・フォールンサラマンダー・フォールンサラマンダー・フォールンサラマンダー
“スターゲイザー”:4D10+11+11+11+9+10+15D10
DoubleCross : (4D10+11+11+11+9+10+15D10) → 19[4,4,5,6]+11+11+11+9+10+62[4,5,1,1,3,1,1,9,6,4,3,3,3,10,8] → 133

千原海智:スゲ~~死ぬ 佐々木さんロイスタイタス化して昇華、復活します
赤川累:戦闘不能。「並行世界で戦っている人達」に 〇連帯感/不安 でロイス取得。昇華復活します

“スターゲイザー”:「これを見ても、まだ」
“スターゲイザー”:周囲全ての空間を埋め尽くす、莫大なレネゲイドを帯びた武具の数々。
“スターゲイザー”:それらが一斉に眩く輝き、白昼のような光が辺りを照らし出す。
“スターゲイザー”:「同じことが言えますかね!」
“スターゲイザー”:自らのレネゲイドで強制的に暴走させられた“遺産”の大群が、地上に向けて降り注ぐ。
“スターゲイザー”:一撃一撃が巨大なクレーターを穿つ、破壊の暴風。それが流星雨のように、尽きることなく放たれ続ける。
“スターゲイザー”:「あははははは!! あはは……! あっはははははは!!」
“スターゲイザー”:破壊の嵐の中で、ひどく楽しげに、高らかに笑う。
"ディアスポラ":「その馬鹿みたいな物量もいい加減慣れたもんだけど……痛っ……」魔眼を開き武具の雨を凍りつかせようとするが敵わない。
"ディアスポラ":過剰に異界の冷気を溢れさせた反動、すべての冬は観測者の半身をも侵していく「……あと一回ってとこか」
千原海智:影の獣から小さな星々のような光点が溢れ、飛び交い、遺産の軌道を逸らす。
千原海智:「おっ、なんか綺麗なの出てきた」
"ディアスポラ":「ありがと。助かった」千原くんの影に守られる。
千原海智:「へへへ」その光点は蛍のように光り、武具の衝撃を逸らし続けた。
赤川累:「初めて見せるような言い方だけど」空間を埋め尽くすように殺到するそれらに向かい、拳を突き出す。幾つかの武具の切先が灰化する。無論、その全てを防ぐ事はできないが
赤川累:「前に似たような芸を見せてもらったな」そこから与えた衝撃が、密集する遺産群を連鎖的に弾き飛ばす。その結果が、僅かな安全地帯を背後に生み出した。
赤川累:「君風に言うなら、それは」その余波が、自身をも致命傷から身を守っている。血を流しながら立ち上がる。「ネタ被りってやつだ」
鳩山依鈴:「……!」そもそもの、攻撃の瞬間。
鳩山依鈴:一発の銃弾を撃った。その狙いは遺産の相殺ではなく、
鳩山依鈴:観測者の眼。
鳩山依鈴:それは迎撃に阻まれて届くことはない。ただ、灰化の衝撃で弾けた。
鳩山依鈴:中途で塵になり、視界を奪う。まるで、全てが綺麗に着弾したかのように。
鳩山依鈴:「こっちも、助けられちゃったかな」赤川くんに。
赤川累:「どうも……偶々、やれそうだったので。でも、二度はできないかも」
“スターゲイザー”:「ふふん!あと何回そうやって耐えられますかね!言っておきますが、僕のコレクションは尽きませんから────」
GM:瞬間。
GM:  ヂ リ ッ
GM:空気の燃え尽きる音と共に、“遺産”とは真逆の方向から一条の光が放たれる。
GM:5D10
DoubleCross : (5D10) → 30[6,9,5,4,6] → 30

GM:ゲッ…………
“スターゲイザー”:「がッ!?」
“スターゲイザー”:一瞬で胸を貫かれ、溶解し、全身が火薬にでも変化させられたかのように破裂する。
鳩山依鈴:「災厄存在は、別にあなたのコントロールの下にあるわけでもないのね」
鳩山依鈴:「あなたのコレクションじゃない。先に尽きるのは命運の方なんじゃないかな」
赤川累:「そのようだな。早く閉じた方が良いんじゃないか?」
GM:光を放ったのは純白の球体。あらゆる争いと暴力を許容しないという形の『災厄』。
千原海智:「三瀬川さん……」
千原海智:「君があれを呼んでくれたのかな?」
三瀬川りんか:「……」千原に目を向けはするが、答えられる余裕は無い。ただ必死に耐え、『窓』を閉じようとしている。
“スターゲイザー”:「ふ……ふざけ……ふざけたことを……!」

GM:行動値15、ディアスポラさんの手番です。
GM:赤川くんもだった
赤川累:エンゲージは同じなので、マイナーで暴走解除しつつ
赤川累:メジャー、塵灰回帰/《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》《ブラストフォーカス》
赤川累:対象はスターゲイザー
GM:判定どうぞ!
赤川累:13dx+6+9@7
DoubleCross : (13R10+6+9[7]) → 10[3,4,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,9]+10[1,3,7,10]+10[5,10]+5[5]+15 → 50

千原海智:良い出目!
GM:ゲェ~~
"ディアスポラ":出目もいい!
“スターゲイザー”:18DX7 ドッジ
DoubleCross : (18R10[7]) → 10[2,2,2,4,4,4,6,7,8,8,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,1,3,4,5,5,7,8,8,8,10]+10[2,2,8,8,9]+4[1,4,4] → 34

“スターゲイザー”:回ったのに!
赤川累:えっC7なの
鳩山依鈴:C値どこから
GM:あっ違うわ
GM:まあ結局ダメ!
赤川累:OK!
赤川累:6d10+44 装甲無視
DoubleCross : (6D10+44) → 33[6,1,3,7,8,8]+44 → 77

GM:グァアアアッ
赤川累:赤川累の侵蝕率を+12した(侵蝕率:174->186)
“スターゲイザー”:メチャメチャ喰らい、一定HPを下回ります

赤川累:無数の遺産が着弾した光と煙の中を走り抜ける。元より、距離はそう離れていなかった。
赤川累:右腕が再生した端から灰化を続けている。最大に近い出力まで上げれば自ずとそうなる遺産。
赤川累:灼けるような痛みが走るが、問題にはならない──問題なく動けるように、この4か月で訓練を繰り返した。
赤川累:"スターゲイザー"の間を抜け、繰り返し右腕を振るう。黒い帯が尾を引いて、少女の躰が崩れ落ちる。
赤川累:「君のその力は、あるいは」呟く。
赤川累:「本来隔てられた世界を越えて、人を繋ぐ結び目にもなり得た」
赤川累:黒い塵となって吹く、かつて恋した少女の死灰の中を駆けながら。手を止める事なく。
赤川累:「あるいは、いま君を殺し続けている彼ら全員と」
赤川累:「友達になる事だってできたかもしれないな」
“スターゲイザー”:「あ、が……!」「うぐっ……!」
“スターゲイザー”:「やめ、やめてくださいよ!累さん……!」
赤川累:「……やめる?いいや」
赤川累:「分岐点は幾つもあったはずだ」
赤川累:「やめなかったのは、君の方だろ」
赤川累:「詫びも、許しも必要ない。君はもう引き返せない」
赤川累:「ただ、後悔しろ」
“スターゲイザー”:「う……うぅうううう……!!」
“スターゲイザー”:「…………誰が!!するものですかっ!!」
赤川累:「人が死ぬ間際にできる事は、二つある」──稼働が限界を超えた。足を止め、叫ぶ少女を振り返る。
赤川累:「誰かに自分の想いを託す事と」
赤川累:「自分が辿ってきた道を省みる事だ。……君には後者しかないみたいだけどな」

GM:イニシアチブ。
“スターゲイザー”:≪加速する刻≫
“スターゲイザー”:メジャーで10メートル後方に移動
“スターゲイザー”:≪加速する刻Ⅱ≫
“スターゲイザー”:マイナーで聖剣の王者を起動
“スターゲイザー”:メジャー≪コンセントレイト:オルクス≫+≪マルチウェポン≫+≪ヴァリアブルウェポン≫+≪形なき剣≫+≪オーバーロード≫+≪要の陣形(未知なる陣形)≫+≪原初の赤:伸縮腕≫
“スターゲイザー”:聖剣の王者・鬼切りの古太刀・フォールンブレイド・フォールンブレイドを使用
“スターゲイザー”:聖剣の王者をオーバーロード
“スターゲイザー”:対象はPC全員。
“スターゲイザー”:18DX5
DoubleCross : (18R10[5]) → 10[1,1,2,2,3,3,3,3,5,5,5,6,6,7,7,7,8,10]+10[1,2,2,3,4,5,7,9,9,10]+10[1,1,4,4,5]+10[7]+10[8]+10[8]+10[9]+10[9]+2[2] → 82

GM:リアクションどうぞ
"ディアスポラ":暴走リア不
千原海智:14dx+1>=82
DoubleCross : (14R10+1[10]>=82) → 9[1,1,2,3,3,3,4,4,5,5,5,6,6,9]+1 → 10 → 失敗

千原海智:無理だよ~ ドッジでした
赤川累:6dx+1>=82 回避
DoubleCross : (6R10+1[10]>=82) → 10[1,4,8,8,10,10]+8[2,8]+1 → 19 → 失敗

鳩山依鈴:回避分の侵蝕が勿体ないな~
鳩山依鈴:というか前回分上げてないな
鳩山依鈴:侵蝕率+3 (侵蝕率:157->160)
鳩山依鈴:素ドッジ
鳩山依鈴:3dx>=82
DoubleCross : (3R10[10]>=82) → 4[1,3,4] → 4 → 失敗

“スターゲイザー”:ダメージ
“スターゲイザー”:9D10+15+15+10+9+9
DoubleCross : (9D10+15+15+10+9+9) → 39[3,7,8,2,1,1,9,1,7]+15+15+10+9+9 → 97

"ディアスポラ":死!累くんのロイスを昇華して復活!
赤川累:戦闘不能。"スターゲイザー"のロイスを切って復活。
千原海智:死!初期ロイス・世界のロイスを昇華して復活!
鳩山依鈴:死にます。蒼井昴のロイスを昇華。
鳩山依鈴:P尽力にしておきます。

“スターゲイザー”:「はっ……はあっ……!」
“スターゲイザー”:鳩山と赤川の猛攻に、耐えきれないというように距離を取る。
“スターゲイザー”:「も、もう……!」
“スターゲイザー”:「もう許せません……!」
“スターゲイザー”:「墜星────」
“スターゲイザー”:ほんの一瞬、世界の境界が揺らぎ、どこか知らない場所──恐らく別の世界が覗いて。
“スターゲイザー”:「……!」
“スターゲイザー”:躊躇うような表情と共に、元に収まる。
“スターゲイザー”:「うぅううっ……!」
“スターゲイザー”:代わりに、紅と黄金で彩られた巨大な聖剣を握る。
“スターゲイザー”:一振り──ではない。その輪郭は幾重にもブレて揺らめいている。
“スターゲイザー”:無数の世界に無数に存在するその剣を、今この瞬間、この場所に、全てが『そこにある』ように重ね合わせている。
“スターゲイザー”:「あぁああああッ!!」
“スターゲイザー”:聖剣の力が解放される。暴走し、自らの刀身を砕いて荒れ狂うその力が、辺りの全てを破壊し尽くす。
千原海智:「ッわ───……」影の獣が再び蠢き、発動しようとするが、しかし間に合わず。
千原海智:聖剣に呑み込まれ、直後足元から再生を果たす。
千原海智:「……なにアレ! 今までとけた違いじゃない!?」
鳩山依鈴:「ええ……マズいかも。形振り構わなくなってきた……」
鳩山依鈴:対レネゲイド装備であるはずのスーツがボロボロになる。
鳩山依鈴:「けどそれは、追い込まれてる証拠ってこと」
"ディアスポラ":「でも……なんか」聖剣が放つ極光を辛うじて避けるも、衝撃波と瓦礫に打ち据えられる。
"ディアスポラ":「一瞬、違うものが見えたような……」
赤川累:もはや斬撃とも呼べない純粋な破壊の波の中で、腕を翳す。護ったのは急所であり、その胸のポケットの中にあるものだ。
赤川累:「ええ。……何かを使おうとして、躊躇した。そう見えました」
赤川累:「あるいは、それが"セプテントリオン"の言っていた奥の手だったのかも」
鳩山依鈴:「なるほど。あなた達の観察眼を信じる」

GM:行動値15、ディアスポラさんの手番です。
"ディアスポラ":待機します!
GM:では行動値6、鳩山さんの手番です
鳩山依鈴:こちらも待機。
GM:行動値2、千原くんの手番です
千原海智:マイナーなし。メジャーで10m全力移動。
千原海智:三瀬川さん・累くんのエンゲージに入り、三瀬川さん救出の判定を行います。
GM:技能は任意の能力値、難易度は25です。
千原海智:〈白兵〉で判定。
GM:あっ能力値だけですね
千原海智:あ、なるほど!失礼しました
GM:肉体・感覚・精神・社会でどうぞ
千原海智:じゃあ【肉体】でやります!また、判定直前にDロイス《特異点》の効果を使用。
千原海智:達成値+20します
GM:判定どうぞ。
千原海智:侵蝕ボーナス入ります?
GM:それは入ります!
千原海智:14dx+20 ではこう!
DoubleCross : (14R10+20[10]) → 10[1,1,2,2,3,5,6,6,7,7,8,9,10,10]+8[4,8]+20 → 38

GM:では判定に成功。
GM:遺産と拘束を破壊し、三瀬川りんかを助け出すことができます。
千原海智:助け出します!

千原海智:「………」スターゲイザーが距離を開いた。つまりそれは、
千原海智:彼女を救い出すチャンスが生まれたということだ。
千原海智:聖剣から放たれた極光が収まるにつれ、無防備となった彼女への筋道が明らかになる。
鳩山依鈴:「……行って」目配せして。
千原海智:「ああ!」頷き、駆け出す。
千原海智:漆黒に染まる影の獣が咆哮をあげた。歴戦の戦士のようには行かない。なりふり構わず、戦場を駆け抜ける。
千原海智:「三瀬川さん!」
千原海智:「…三瀬川さん!」
千原海智:「迎えに来た!」
三瀬川りんか:「……!」
三瀬川りんか:僅かに顔を上げる。
三瀬川りんか:その四肢は空間の歪みに拘束され、首には強制的に能力を行使させる首輪が嵌められている。
三瀬川りんか:「……千原、くん……」
千原海智:そして彼女の前に辿り着く。
三瀬川りんか:「……本当に」
三瀬川りんか:「来てくれたんだ……」
千原海智:「うん。君が、生きていてくれたからね」
千原海智:彼女の首に手を伸ばし、その首輪に触れる。
三瀬川りんか:「……いいのかな。本当に」
千原海智:「……」手が止まる。
三瀬川りんか:「わたし……こんな風に、千原くんに助けてもらえる資格があるのかな」
三瀬川りんか:「わたしの近くにいたら……千原くんだって……」
千原海智:「……僕は」「僕は、死なない………いや」
千原海智:「違うな。そうじゃないよね」
千原海智:「三瀬川さん。僕は、別に」
千原海智:「君のせいで死んだって、いいよ」
三瀬川りんか:「……!?」
三瀬川りんか:「いっ……」
三瀬川りんか:「いい訳ないでしょ!?」
千原海智:「いや、いいよ! 全く構わない!」
三瀬川りんか:「構うよ!!」
三瀬川りんか:「い、意味わかんない……!なんで……!?」
千原海智:「だって、僕ほどの人間が、死ぬまでの出来事が起こるんだぞ」
千原海智:「それは…まあ、世界がそういう風にした方が良いと思ってるということだから…」
千原海智:「まあ悲しいけど……」
千原海智:「でも、それで君が生きてくれるなら、僕としては全く構わないことなんだよ」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「なんで、そこまで……」
三瀬川りんか:戸惑いの顔で君を見る。
千原海智:「そりゃあ…」
千原海智:「ううんと……」
千原海智:「それだけ……君のことが、好きだからだと…」
千原海智:「それだけなんだけど……」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:死人のようだった顔色に朱が差す。
三瀬川りんか:「……だ……だから……」
三瀬川りんか:「会ったばっかりじゃん……!わたし達……!」
千原海智:「だ、だから!」
千原海智:こちらもみるみると顔が赤くなる。「だからっ、僕だって…こんなことを言いたくはなかったし…」
三瀬川りんか:「じっ……自分で言っといて照れないでよ!!」
三瀬川りんか:「こっちまで恥ずかしくなるじゃん……!」
千原海智:「照れるだろ、フツー…!しょうがないだろ…!」
千原海智:「ぼ、僕だって、ここでこんな事を言うつもりじゃなかったんだって…!」
千原海智:「青少年の繊細な…この……感情が……」
三瀬川りんか:「も~~~~~……!ホントに何なのさ、君…………!」
三瀬川りんか:呆れたように言って、それから、ほんの僅かに笑みを浮かべる。
千原海智:「………」赤面し、目を逸らしている。
三瀬川りんか:「はあ…………」
三瀬川りんか:「……もう。いいよ」
三瀬川りんか:「……助けて。千原くん」
千原海智:「………」
千原海智:「うん」
千原海智:「観念したね」
三瀬川りんか:「……うん」
三瀬川りんか:「もう、逃げないよ」
千原海智:改めて手を伸ばし、その首輪に触れる。
千原海智:瞬時に影の獣が喰らいつき、その首輪を噛み千切ろうとする。
三瀬川りんか:「……この力からも。私の運命からも」
三瀬川りんか:「君からも。もう逃げないから」
三瀬川りんか:「責任、取ってよね」
GM:首輪が砕け散る。
GM:同時に黒い窓が閉じられ、災厄存在たちが消滅していく。
千原海智:「……はあ、はーー……」全力で能力を使用し、その負荷に荒い息を吐く。
千原海智:「……………」
千原海智:「…責任重大だ」はにかむようにして笑う。
千原海智:「僕には、君の運命くらいの試練がちょうどいいさ」
千原海智:「つまり……一緒に生きていけるってことだね」
三瀬川りんか:「生き……」
三瀬川りんか:「そ……そこまで言う……?」
千原海智:「………」
千原海智:「………えっ」
千原海智:「あっ」
千原海智:「い、いや、いやこれは!その!そういう意味じゃ…そっそういう意味になるのかな!?」
千原海智:「わ…分かるだろ! 察してよ!」
三瀬川りんか:「ねえ~~~……!ほんとに何なの君……!」
千原海智:「な、なんで怒るかな? 良いこと言っただろ!」
三瀬川りんか:「いい加減にしてよ……!こっちだって色々……あれなんだからね……!?」
千原海智:「あれって何さ…!」
三瀬川りんか:「あれはあれでしょ!?察してよ!」
千原海智:「僕と同じこと言うなよ!」
“スターゲイザー”:「な……なっ……!」
“スターゲイザー”:空気に溶けるように消滅していく災厄存在たちを見て、愕然とする。
“スターゲイザー”:「さ……させませんよ……!!」
“スターゲイザー”:「三瀬川さんは僕のです……!」
“スターゲイザー”:君達に向け、夥しい数の遺産を展開して──
GM:NPCカードが使用されます。
GM:“アップサイド・ダウン” 三瀬川りんか
GM:コンボ【泥黎氾濫(ボーダーブレイカー)】
三瀬川りんか:≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:魔獣の衝撃≫+≪原初の紫:砂の加護≫+≪原初の黒:リミットリリース≫
三瀬川りんか:“スターゲイザー”  罰/○恐怖
三瀬川りんか:家族 幸福感/○罪悪感
三瀬川りんか:災厄存在 親近感/○嫌悪
三瀬川りんか:ロイスを3つ昇華して、C値を-3します
赤川累:「そりゃないだろう」二人への射線を塞ぐように立つ。
赤川累:「星の輝き、主人公の活躍。君がこんな事態を起こしてまで見たかった光景のはずだ」
赤川累:「どうして怒ってる? いつものように感動してみせないのか」
“スターゲイザー”:「ぐっ……うぅううう……!」
赤川累:「……結局のところ、君は。別に星の輝きそのものが好きな訳じゃないんだろ」
“スターゲイザー”:「……何ですって……?」
赤川累:「その輝きが消える瞬間が好きなだけだ」
赤川累:「そうでなきゃ説明がつかないだろ」
“スターゲイザー”:「……違う!!違います!!僕は!!僕は────」
赤川累:「世界の滅亡を止めると期待してる、なんて言っていたが。今のはただ」
赤川累:「自分の思う結果に至らなかった事に苛立ってるだけだ。彼が、俺達が、折れず辿り着いてしまった事に」
三瀬川りんか:22DX2+2
DoubleCross : (22R10+2[2]) → 10[1,1,1,2,3,4,4,5,5,5,5,6,6,7,7,7,8,8,8,10,10,10]+10[1,1,1,3,3,3,5,5,6,6,7,8,8,8,9,10,10,10,10]+10[1,1,2,2,3,3,4,4,4,6,6,6,7,8,8,9]+10[1,1,2,3,3,3,3,5,5,6,7,9,9,10]+10[1,2,4,4,4,4,4,7,8,9,9,10]+10[1,2,2,4,5,6,6,6,7,8,10]+10[1,2,4,6,7,8,8,9,9,10]+10[2,2,3,3,3,4,7,9,9]+10[1,2,3,3,3,3,4,4,10]+10[3,3,4,7,7,9,10,10]+10[5,5,7,7,8,9,9,10]+10[1,2,2,5,6,7,8,10]+10[1,1,3,3,4,5,9]+10[5,5,6,8,8]+10[1,2,2,6,10]+10[2,4,7,7]+10[3,6,7,8]+10[2,2,3,5]+10[1,2,5,8]+10[4,5,6]+10[3,5,9]+10[2,5,9]+10[5,5,8]+10[5,9,10]+10[3,3,4]+10[3,4,6]+10[1,1,4]+1[1]+2 → 273

三瀬川りんか:≪原初の白:妖精の手≫
三瀬川りんか:1DX2+282
DoubleCross : (1R10+282[2]) → 10[7]+10[3]+10[3]+1[1]+282 → 313

鳩山依鈴:三瀬川りんかの判定に《妖精の手》。
鳩山依鈴:「海智くん、よく出来ました。これで、私たち」
鳩山依鈴:「次に続ける」
三瀬川りんか:1DX2+322
DoubleCross : (1R10+322[2]) → 10[7]+1[1]+322 → 333

鳩山依鈴:その判定に《妖精の手》《妖精の輪》。
三瀬川りんか:1DX2+342
DoubleCross : (1R10+342[2]) → 10[8]+10[4]+10[8]+10[10]+10[7]+10[5]+10[6]+10[8]+10[5]+10[5]+10[9]+10[7]+10[2]+10[2]+10[4]+10[9]+10[5]+10[7]+10[5]+10[9]+10[8]+1[1]+342 → 553

鳩山依鈴:「それから、もう一つ」
鳩山依鈴:「羨ましい」
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:160->164)
鳩山依鈴:侵蝕率+8 (侵蝕率:164->172)
千原海智:「う……」
千原海智:「……皆…ハッピーエンドが訪れるし、」
千原海智:「その先も物語は続く!」
千原海智:「これで終わりにはさせないよ!」
千原海智:三瀬川さんの判定に対し、《万象の虹》を使用してコピーした《妖精の手》を使用します
三瀬川りんか:1DX2+562
DoubleCross : (1R10+562[2]) → 10[4]+10[3]+10[10]+10[3]+10[8]+10[7]+10[7]+10[3]+10[9]+10[5]+10[9]+10[7]+10[10]+1[1]+562 → 693

“スターゲイザー”:18DX>=693 ドッジ
DoubleCross : (18R10[10]>=693) → 10[2,3,3,3,4,5,6,7,7,7,7,8,9,9,9,9,10,10]+7[3,7] → 17 → 失敗

三瀬川りんか:ダメージ算出します
三瀬川りんか:70D10+5
DoubleCross : (70D10+5) → 385[8,7,4,10,1,1,1,4,3,2,1,10,3,9,2,9,4,10,6,10,6,7,7,4,4,4,1,5,3,8,6,9,6,2,9,4,5,5,10,4,7,5,3,10,6,2,8,9,1,5,3,5,5,7,1,4,9,10,7,7,6,2,9,4,3,7,5,8,3,10]+5 → 390

千原海智:「だからっ……その」
千原海智:「まだまだ、世界は終わらない!」
“スターゲイザー”:HP0。
“スターゲイザー”:≪蘇生復活≫し
“スターゲイザー”:エフェクト≪多次元移動者≫を使用します

≪多次元移動者≫
タイミング:オート
技能:-
難易度:自動成功
対象:自身
射程:至近
侵蝕値:0
制限:-

シーン中、“スターゲイザー”は復活する度に別のエネミーとして登場する。
エフェクトの使用回数制限はリセットされるが、デバフ・バッドステータス等は継続する。
このエフェクトの宣言は打ち消されない。

またこのエフェクトはエネミーエフェクトとして扱わず、制限:「-」として扱う。
このエフェクトをPCが使用した場合、シーン中、“スターゲイザー”への攻撃判定において常にC値が-3される。


GM:また、特殊ルールが追加されます。

“スターゲイザー”が行う全ての攻撃に対して、リアクションとしてドッジ・ガードに加えて「カウンター」を行うことが可能。
メジャータイミングのエフェクトを使用して判定可能。
対象に攻撃を行う。対決に勝利した側の攻撃が命中する。
複数を対象にした攻撃の場合、個別に処理する。複数人が成功した場合、ダメージは合計を一度のタイミングで与える。
行動済みでも宣言でき、宣言しても行動済みにならない。


“スターゲイザー”:「いいえ!!いいえ!!」
“スターゲイザー”:「終わるんですよ!!今!ここで!!」
“スターゲイザー”:限界までレネゲイドを引き絞られた遺産が放たれる、瞬間。
“スターゲイザー”:「えぅ」
GM:巨大な柱が降ってきて、その身体を瞬時に押し潰す。
GM:遥か上方まで伸びたそれは、正確には柱でなく────脚。
GM:想像を絶するほど巨大な、首の無いキリンのような異形が、“スターゲイザー”達を次々に踏み潰す。
“スターゲイザー”:「ふ、ざ……げぅっ」「こん……な……」
千原海智:「……あっ」「キリン魔人」
三瀬川りんか:「……」“スターゲイザー”に向けて手を翳している。遥かな上空に開かれた窓。今度は三瀬川自身の意思で。
三瀬川りんか:「……言ったでしょ」
三瀬川りんか:「逃げないって」
三瀬川りんか:窓が閉じられると共に、異形も消えていく。
“スターゲイザー”:「が……は……っ……」
“スターゲイザー”:黒髪をゆらりと揺らして、血塗れで立ち上がる。
"ディアスポラ":「この子達は……私達は先に進む。終わるのは……」
"ディアスポラ":「アンタの馬鹿げた道楽と、朔夜その子の悪夢だけだよ。"スターゲイザー"」
“スターゲイザー”:「…………」フラフラとたたらを踏んで、天を仰ぎ。
“スターゲイザー”:「…………いいえ」
“スターゲイザー”:「……もう、いいです」
“スターゲイザー”:「見たいものは十分に見られました。大満足です」
“スターゲイザー”:「ですから、さっさと」
“スターゲイザー”:「退場してください」
GM:君達の視界が歪む。
GM:ぐにゃりと暗転し、全てが全てと混ざり合い、そして────

---

蒼井昴:「……それで、その男何て言ったと思います?」
夢見鳥つばさ:「何て言ったの?」
蒼井昴:「オーヴァードとは恋愛できません~って。アンタもオーヴァードだろって!」
GM:君は友人と先輩と共に、最近新しく出来たカフェで昼食を食べている。
夢見鳥つばさ:「あ~……でも多いよね、そういう人」
蒼井昴:「意味わかんないんですけど~……依鈴はどう思う?」
鳩山依鈴:「……そんな事言ってくる人」
鳩山依鈴:「そもそも、その時点で分かって運がいいじゃない」
鳩山依鈴:(……何)
鳩山依鈴:(何なの、これ)
鳩山依鈴:(……私は、何を?)
夢見鳥つばさ:「まあ、それはそうかも……」
夢見鳥つばさ:「深く付き合ってから言われても、ねえ」
GM:胸の内で抱いた疑問と違和感も、徐々にぼんやりと溶けていく。
鳩山依鈴:「つばさ先輩こそ、どうなんですか」
鳩山依鈴:「例の幼馴染とは」
夢見鳥つばさ:「え~……?ふふ……」
夢見鳥つばさ:「どうしよう。言っちゃおうかな」
蒼井昴:「え、何何」
蒼井昴:「何ですか?何かあるんですか?」
夢見鳥つばさ:「いやぁ……じ、実はね?」
夢見鳥つばさ:君達に顔を寄せて、声を潜めて。
夢見鳥つばさ:「……プロポーズされたの」
鳩山依鈴:「えっ」
鳩山依鈴:「ええっ……」
蒼井昴:「ええ~~!?」
蒼井昴:「ウソ……!おめでとうございます、先輩!」
鳩山依鈴:「ええ、おめでとうございます。なんだ、何というか」
鳩山依鈴:「ようやくって感じではありますけど」
夢見鳥つばさ:「やあ……ふふ……」もじもじして。「ありがとう。恥ずかしいなあ、何だか」
蒼井昴:「いや……あたしも……嬉しいけどお……」
蒼井昴:「はあ~~~~……!」
蒼井昴:溜息を吐いて机に突っ伏す。
蒼井昴:「じゃあもう独身あたしだけじゃん……」
蒼井昴:「まだ素敵な彼氏も見つかってないのにさ~……」
鳩山依鈴:「えっ」
鳩山依鈴:思わず口をついて出る。
鳩山依鈴:何もおかしくはないはずなのに。本当に?
蒼井昴:「……何よ?」
蒼井昴:「知ってるでしょ、依鈴だって。嫌味か!?こいつ!」
鳩山依鈴:「いや……」
鳩山依鈴:「昴に彼氏が全然できない話じゃなくて」
鳩山依鈴:「その……えっと」
蒼井昴:「全然出来なくはないし!……何?」
夢見鳥つばさ:「?」カフェオレを飲んでいる
鳩山依鈴:「私、独りじゃないんだっけ……?」
蒼井昴:「……」
蒼井昴:「……はあ……?」
蒼井昴:「えっ、マジで嫌味か?」
蒼井昴:「一発殴っていいやつですかね?先輩」
夢見鳥つばさ:「もう、蒼井ちゃん……」
夢見鳥つばさ:「鳩山ちゃんもそんなこと言うものじゃないわ」
夢見鳥つばさ:「あ……違うか」
夢見鳥つばさ:「もう、霧谷ちゃんだったわね」
夢見鳥つばさ:「依鈴ちゃんにしたほうがいいかな……?」首を傾げて
夢見鳥つばさ:「あなた達、誰が見ても素敵なご夫婦じゃない」
霧谷依鈴:「……ええ、ちょっと、慣れないので」
霧谷依鈴:「そっちのほうが助かります」
霧谷依鈴:「……」
霧谷依鈴:(私、が?)
蒼井昴:「はぁ~……まさか幼馴染が日本支部長と結婚するとはな~」
蒼井昴:「……そういえば日本支部長って相当稼いでんじゃない?玉の輿ってやつじゃん」
霧谷依鈴:「別に、そういうのが目当てじゃないわ」
霧谷依鈴:「ただ、支えたいなって思っただけで……」
夢見鳥つばさ:「まあ……」
蒼井昴:「かぁ~~……!」
蒼井昴:「これだよ」
蒼井昴:「実際、普段どんな感じなの?雄吾さんって」
霧谷依鈴:「どういう感じって……」
霧谷依鈴:「忙しくしてる……?」
蒼井昴:「いや……それはみんな知ってるって……」
夢見鳥つばさ:「プライベートでは?どんなところを好きになったの?」物腰は穏やかだが俄然食い付いてくる。
霧谷依鈴:「ちょ、ちょっと、先輩」
霧谷依鈴:「圧が強い」
夢見鳥つばさ:「でも……気になるじゃない?ねえ?」
蒼井昴:「そうそう。どうなん?」
霧谷依鈴:「ど、どんなところって……その……」
霧谷依鈴:「……全部……?」
夢見鳥つばさ:「……!」手を口に当てている。
蒼井昴:「うっわぁ~~~…………」
霧谷依鈴:「えっ、だって、そういうのってそういうのじゃない……」
霧谷依鈴:「そういうのじゃないの……?」
蒼井昴:「デレッデレじゃん……」
蒼井昴:肩に手を置いて。
蒼井昴:「お幸せに」
霧谷依鈴:「分かってる。昴の分までね」
霧谷依鈴:「昴の、分まで」
蒼井昴:「既に諦めムードを漂わせるんじゃねえ!!」
霧谷依鈴:「それから、つばさ先輩の、分まで」
霧谷依鈴:……どうして。
霧谷依鈴:そんな事を言ったんだろうか。
霧谷依鈴:まるで、二人が。
霧谷依鈴:これ以上の幸せを、掴めないかのような。
夢見鳥つばさ:「え~?私もこれから結婚するしなあ」
蒼井昴:「結局あたしだけじゃん……!」
蒼井昴:「くそ~……いい、分かった分かりました!もう今日は飲むぞ!先輩、依鈴、最後まで付き合ってよね」
蒼井昴:「つばさ先輩の独身さよなら会ってことで」
霧谷依鈴:「えー?遅くなると雄吾さんが心配するしなあ」
蒼井昴:「話聞いてたか!?なあ!流れ分かってる!?」
霧谷依鈴:「冗談。分かってる。最後まで付き合うわ」
霧谷依鈴:「最後まで」
霧谷依鈴:最後まで。
GM:友人達との、穏やかで満ち足りた時間が過ぎていく。
GM:何も疑問に思うことなど無い。
GM:最初からこれが、あるべき幸福の形なのだから。

---

GM:朝。君は自室で目を覚ます。
GM:既に夏休みに入っているゆえに急ぐ必要は無いが、父親が毎朝朝食を作っているはずだ。
GM:君がダイニングを訪れると、やはり父が既にいつも通り食事の準備を済ませているところだった。
赤川大輔:「累さん。おはようございます」
赤川累:「……」いつものようにリビングに降りて来て、ふと立ち止まる。
赤川累:「……ああ。おはよう、父さん」
赤川累:漠然とした不安。住み慣れた自分の家であるはずなのに、どこか間違っているような。
赤川景:「おはよう、累」
赤川景:「夏休みでもきちんと起きてきて、感心ですね」
赤川累:「母さん。具合は大丈夫?」
赤川累:病持ちの彼女を気遣う言葉をかけて、席につく。
赤川景:「心配しすぎですよ」笑って。
赤川景:「今日、お父さんと一緒に病院に行くけれど。それもただの定期健診ですから」
赤川累:「そう……かもしれないけど」
赤川大輔:「そう心配しなくても、大丈夫ですよ」
赤川大輔:君の前にベーコンエッグの皿を出して。
赤川大輔:「治らない病気じゃないんですからね」
赤川累:(……そうだ。母さんの病気は、ずっと快方に向かってる)
赤川累:(それが、どうして今になって。こんなに不安になってるんだ)
赤川大輔:「それより、累さん」
赤川累:「……うん」
赤川大輔:「今度三者面談があるでしょう」
赤川大輔:「もう進路は決まっているのかな?」
赤川累:「……」その質問自体が意外だ、とでもいう風に。眼を見開く。
赤川大輔:「……累さん?」
赤川累:「……俺は、医者になりたい。悪いけど」
赤川累:「ここの教会を継ぐ気はないよ」
赤川大輔:「……そうですか」その答えに、少し落胆の色を見せるも。
赤川大輔:「……ええ。気にすることはありませんよ」
赤川累:「……本当にいいの?」
赤川大輔:「あなたの人生。あなたの決めるべき道です」
赤川大輔:「私達に気兼ねする必要など、どこにもありません」
赤川累:「いや。……ありがとう、父さん。分かってくれて」
赤川大輔:「……しかし」
赤川大輔:「医者になるのは大変ですよ。累さん、勉強の方は……」
赤川景:「大輔さん」服の裾を引く。
赤川大輔:「……何だい?今大事な話を……」
赤川景:「今日はその辺りにしてあげて」くすりと笑って
赤川景:「ほら、今日は……」
赤川大輔:「……ああ……」
赤川大輔:「しまった。そうでしたね。すっかり忘れていたな」
赤川累:「勉強は大丈夫だけど……何?」首を傾げる
赤川大輔:「累さん。また今度お話しましょう」
赤川景:「今日は約束してるんでしょう?」
赤川景:「澪央ちゃんと」
赤川累:「約束……ああ」時計を見上げて、頷く。
赤川累:「大丈夫、覚えてるって。食べたらすぐ行くからさ」
赤川景:「気を付けていってらっしゃいね」にこにこ笑って君に言った。

GM:朝食を済ませ、身支度を終え。
GM:君は幼馴染との待ち合わせ場所に向かった。
赤川累:待ち合わせの時間よりも15分ほど早く到着して、辺りを見渡す。
浅木澪央:島の港から少し離れた、小さな砂浜
浅木澪央:夏の日差しに照らされ、星のように輝くその光を浴びて
浅木澪央:テトラポットの上に腰掛け、海の向こうを眺めている
赤川累:どこか気難しそうな顔で、何度か腕時計に視線を落としながら。その海岸を歩いて
赤川累:その背中を見つける。
赤川累:「よう」
赤川累:「何見てるんだ?」
浅木澪央:「んー?」後ろを振り返って
赤川累:テトラポットの下から声をかけて、同じ高さへと登っていく。
浅木澪央:「って下か!」
赤川累:「下かって何さ。上から来ると思ったのかよ」
浅木澪央:「来ることもあるかも知んないじゃん。ほら、あの雲の辺りとかからさ」
赤川累:「死ぬだろ、それ。ついでにお前も下敷きだ」
浅木澪央:「んだよ夢がないなぁ!」
赤川累:「……そういうものなのか。難しいな、夢」
浅木澪央:「早かったね。累」冷えたラムネの瓶を手渡す
赤川累:「ん、ありがと」受け取って
赤川累:「……待たせるのは悪いと思ったんだけど」
赤川累:「どれくらい前に来てた?」
浅木澪央:「んー私は気が利くのでいま来たとこって言いたい所だけど」
浅木澪央:「30分くらい前かな。港の方でお祓いの仕事あったから、その足でね」
浅木澪央:「んで、ずっと海見てた」
浅木澪央:「イメトレってやつ?次の大会も近いしね」
浅木澪央:「すごくない?全国だよ全国」
赤川累:「そりゃ、退屈させちゃったな。詫びって訳じゃないけど、昼は奢るぞ」
浅木澪央:「お、そっちも気が利くじゃ~ん」
赤川累:「何食べたい?って言っても、店は一つしかないけど」
赤川累:「学校じゃずっと宣伝されてるもんな。まさかうちから全国選手が出るなんて思わなかったんだろ」
浅木澪央:「メドレーのメニュー粗方制覇しちゃったしなあ。新しいかき氷のトッピングを開拓してもいいけど」
浅木澪央:「もっとガッツリ食いたい気分……」
浅木澪央:「ふふん、この前なんてオリンピックの強化委員会の人から名刺もらっちゃった」
赤川累:「うえ、凄いな」
赤川累:「澪央がテレビの向こうの人になっちゃうかもしれないのか」
浅木澪央:「サインもらっとくなら今の内だぞー」
赤川累:「有名になったらしてくれなくなるのか?」
赤川累:「そりゃちょっと寂しい話だな」
赤川累:意地の悪い笑みを浮かべて言う。
浅木澪央:「えっ……!うう~ん………」
浅木澪央:「そうは言ったって、累だってお医者さん目指してるわけでしょ」
赤川累:「いや、悪い。悩ませるつもりはなかったんだけど……」
浅木澪央:「私も設備の良い東京の大学来ないかって誘われてるし、お互い高校出たら島に居なくなっちゃうし……」
赤川累:「ん? それはな」
浅木澪央:「あ、じゃあ」
赤川累:「……ああ」そういう事か、と頷いて。
浅木澪央:「一緒に住めばいいじゃん。ね!そうしよ」
赤川累:「確かに今の生活が変われば、こうやって会える機会も減るだろうけど……」
赤川累:「……」
浅木澪央:「向こうの家賃高いしさ~!累が一緒なら寝坊の心配もなくて安心!」
赤川累:口元に手を当てて、数秒。考え込んで。
赤川累:「……もしかして、今のは」
浅木澪央:「いやー我ながら名案だな~」
赤川累:「プロポーズ……なのか?」
赤川累:真剣な表情で言っている。
浅木澪央:「へっ!?プッ……」赤くなって
赤川累:「えっ……いや」
浅木澪央:「プ、プロポーズ……って言うと……その、大げさかもだけど……」俯いて小声で呟く
浅木澪央:「でもでも……そういう気持ちがないかと言われると……嘘に、なるわけでして……」
赤川累:「ち、違ったか……? それは……ああ、いや」こちらも伝染したように、赤面して
赤川累:「あ……ああ」続きに耳を傾ける。
浅木澪央:「そりゃあ私も……誰にでもこういうこと言うわけじゃないし……?」
浅木澪央:「累だから言ってるわけで……つまり……」
赤川累:「そう、だよな……いや、分かってる」
浅木澪央:「うん、だから……」
赤川累:「待ってくれ。……今度は」
赤川累:「今度、そういう機会があったら」
赤川累:「俺の方から先に言いたいと、思ってた」
赤川累:「だから……」懊悩するように額をかいてから、君と目を合わせて
浅木澪央:「あ、うん……」視線が交錯する
赤川累:「俺も、正直。同じような不安があった」
浅木澪央:海の碧を写し取ったような瞳を潤ませて君を見つめる。
赤川累:「このままそれぞれの道に進んでいったら、今みたいには会えなくなるんじゃないかって」
赤川累:「……俺はもう少し自制の効く性格だと思ってたんだが。そうでもないらしい」
赤川累:「澪央と、このまま一緒に居たいと……そう思ってる」
浅木澪央:「……っ、累……それって……」
赤川累:「だから……」
浅木澪央:息を呑み、ますます頬を紅潮させて
赤川累:「卒業したら、結婚しないか」
赤川累:「……指輪。用意できてないのは、悪いけど」
赤川累:「いつか、ちゃんとしたのを用意するから……その」
浅木澪央:「………………」
浅木澪央:「………………うん」
浅木澪央:「……私も」
浅木澪央:「私も、塁とずっと一緒にいたい」
赤川累:「あ……」
赤川累:不意に、脳の奥で火花が散った。
赤川累:違和感。いや、既視感。
赤川累:少女のその願いの詞を、ずっと前にもどこかで聞いたことがあったかのような。
浅木澪央:「ね……ずっと先の話していい?」君の手を握る
赤川累:……最も、在るかも分からないその過去は。
赤川累:いま目の前にある幸福に比べれば、あまりに些細で。
赤川累:「……先の話?」
赤川累:その手を握り返して、問い返す。
浅木澪央:「最初に借りる部屋はちょっと広めがいいかな。菫も遊びに来るかも知れないし」
浅木澪央:「そんで、式は累のとこの教会で挙げたいな。お父さんには悪いけど」
赤川累:「いいのか?そりゃ、うちの両親は喜ぶだろうけど……」
浅木澪央:「だって家で挙げたら私が仕事しないといけなくなるし、それに」
赤川累:「澪央の好きな方を選べばいいんだぞ」
浅木澪央:「ドレスも着てみたかったし……じゃあ」
浅木澪央:「累はどっちが見たい?ウェディングドレスと白無垢」
赤川累:「そう来たか」
赤川累:「……」君の顔を見たまま、少し考え込んで
赤川累:「……後で、ブライダルの資料を取り寄せるか」
赤川累:「今ここで決めるよりも。二人で選んだ方が、きっといい思い出になる」
浅木澪央:「ふふ、かもね……累らしいや」
浅木澪央:「きっとその後は忙しくてしばらく島に帰ってこれないだろうしね」
赤川累:「……そうだな。それは少し寂しいけど」
赤川累:「こんな話をしていたら、期待の方がずっと大きい」
浅木澪央:「……うん」
赤川累:「……ありがとうな。その」
赤川累:「お前のおかげだ。こうやって、先の事を考えて」
赤川累:「幸せな夢を、見られるのは」
赤川累:(……夢?)自分が口走った言葉に、また微かな違和感を抱く。
浅木澪央:「……ばーか」肘で君を小突く
赤川累:「うっ……なんだよ」
浅木澪央:「これから現実にするんだろー?寝ぼけたこと言ってんなっての」
赤川累:「わ……分かってるって!ほら」
赤川累:立ち上がって、テトラポットから一歩降りる。
赤川累:そうして、君がいる方へと手を差し伸べる。
赤川累:「行くぞ」
赤川累:「こういう事になった以上……ほら」
赤川累:「色々、準備も必要だろ。家族への報告とかも」
浅木澪央:「うん……よっと」その手を取って、同じ様に砂浜へと降りていく
浅木澪央:「ほ、報告って……気が早いなあもう……!」また赤くなって
赤川累:「な、何さ……急かしたのはそっちだろ……!」
浅木澪央:「我慢できないって言ってたのは累の方じゃん!」
赤川累:「それはそうだけど……!」
浅木澪央:「ま、私が美少女過ぎたのが悪いんだもんね~!累のせいじゃないよ」
赤川累:「はいはい、その通り。お前が可愛いすぎるのが悪い」
浅木澪央:「うんうん。ちゃんと責任はとってやるから、安心しときなさい」上機嫌で
浅木澪央:「……」
浅木澪央:「……いつか、さ」海の向こうを見る
浅木澪央:「卒業して、結婚したら、しばらくは向こうで暮らすだろうけど」
浅木澪央:「いつかまた、この島に帰ってこよう」
赤川累:「また戻って来たい?」同時に発された言葉が重なる。
浅木澪央:「きっとその頃にはこの島、今以上に年寄りだらけだろうから北見先生だけじゃ追いつかなくなってるかもだしさ」
浅木澪央:「島の反対側に小さな診療所を建てて」
浅木澪央:「そこで累と、二人の、その……子供と……一緒に」
赤川累:「……うん」
浅木澪央:「ド田舎で、めっちゃ不便で、めんどくさいしきたりとかも多いけどさ」
赤川累:「俺も、別に……医者になりたいって言ってもさ」
浅木澪央:「それでもやっぱり、この島が好きだから」
赤川累:「世界中の病に倒れてる子供を助けて回りたい、なんて思ってる訳じゃない」
赤川累:「そうじゃなくても……父さんや、北見先生みたいに」
赤川累:「地球規模で見れば、全然何か特別な事がある訳でもないこんな田舎で」
赤川累:「それでも、そういう居場所を守りたいって人がいて」
赤川累:「そういう一人一人のおかげで、この島は何とかなってる」
赤川累:「俺が憧れたのは、そういう生き方だし……」
赤川累:「それにさ」
赤川累:「競技場のレーンを泳いでる澪央もかっこいいけど」
赤川累:「ここの海を自由に泳いでるのが、やっぱり似合ってる……っていうか」
赤川累:「綺麗だと思うからさ」
浅木澪央:「ばっ……恥ずかしいこというなよ……!」顔を背けて
浅木澪央:「……けど、うん」
浅木澪央:「私、信じるよ。累の夢が」
浅木澪央:「憧れた生き方が、ちゃんと叶うって信じる」
浅木澪央:「私が、一番近くで見ていてあげる」
赤川累:「……ふふ」笑みを零す。
赤川累:「ああ。ありがとう、澪央」
赤川累:「安心してくれ。ちゃんと叶えるから」
浅木澪央:「うん」少し背伸びをして、君へと口付ける。
浅木澪央:それはほんの一瞬で、すぐにはにかんだ笑顔を見せて
浅木澪央:「約束、だからね」
GM:昨日と同じ今日。今日と同じ明日。幼馴染との、平穏だけれど、満ち足りた日常。
GM:何も疑問に思うことなど無い。
GM:最初からこれが、あるべき幸福の形なのだから。

---

GM:……薄暗がりの中で、小さなオレンジの火が燃えている。
GM:ぱちぱちと火花を散らして燃焼し、最後にはぽとりと地に落ちる。
風祭緋雁:「ああー」
風祭緋雁:自分の線香花火を見て。
風祭緋雁:「終わっちゃった」
GM:夏。
GM:三廻部シュウの突然の思い付きに緋雁をはじめとした何人かが同調し、
GM:君達“ディアスポラ”の面々は、近所の公園でささやかな花火大会を行っていた。
■■■■:「はいー、緋雁の負け—」
"ディアスポラ":この景色を、自分は見たことがある。
風祭緋雁:「負けとか無いし。こんなの運じゃん運」
"ディアスポラ":"すべての冬"を選ぶ前に垣間見た、泡沫の夢
"ディアスポラ":だからこの時の自分はまだ、"ディアスポラ"ではなくて
風祭猪祈:「じゃあ一番早く落ちた緋雁が片付けお願いね」
風祭緋雁:「何それ!聞いてないし~」
箕中舞:「あぅ……また先っぽだけ燃えちゃった……」
箕中舞:棒花火の先端に火をつけようと悪戦苦闘している。
茨木律華:「……何やってんの。貸しなさいよ」横から箕中の腕を掴む。強引にライターで火を点ける。
箕中舞:「あっ わっ」
茨木律華:「ほら」強引に手を添えて握り直させる。
箕中舞:鮮やかな火花が噴き出す。
箕中舞:「あ、ありがと律華ちゃん。いつもごめんね……?」
箕中舞:困ったように笑う。
三廻部シュウ:「肉焼けたぞー」自分から言い出しておいて、既に花火そっちのけでバーベキューを焼いている。
三廻部朔夜:「見てください!ほらほら!」両手に花火を持ってくるくる回る。
風祭緋雁:「おお、すごいすごい」
茨木律華:「ばっ……危ないでしょ!」
茨木律華:飛び散った火花を避けるように、朔夜から距離を取る。
箕中舞:「危ないよぉ……」
風祭猪祈:「ああもう、危ないぞー朔夜」
三廻部シュウ:「服とか燃やすなよー?こんなんで通報されたらマジで笑えねーからな」
三廻部朔夜:「はぁっ……はぁっ……疲れた……」
茨木律華:「疲れた……じゃないわよ。馬鹿なの?」
箕中舞:風向きの変化に気付かず、朔夜ちゃんの振り回している花火からの煙が気管に入る。
箕中舞:「けほっ、えっほ……うぇぇ……」
風祭緋雁:「ああ、舞が死にかけてる」
風祭猪祈:「ほらー、舞ちゃんむせちゃったじゃん。一人ではしゃぎすぎ」
三廻部朔夜:「ええっ……ご、ごめんなさい、テンション上がっちゃって……!」
茨木律華:「あー、もう……ちゃんと周り見てないから!」舞ちゃんの背中をさすってやる。
箕中舞:「うう~~」涙目で律華ちゃんにすがりついてもたれかかる。
冬村歩人:「全く騒がしいな……」 追加の食材と飲料の入ったビニール袋を手に、やれやれと戻ってくる
冬村歩人:「一応近所から人が顔を出したりはしていなかったが、ほどほどに」
三廻部シュウ:「おーおかえり歩人、焼けてるぞ肉」
冬村歩人:「ああ。適当に取っといてくれ。ほら」
冬村歩人:買ってきた飲み物を、メンバーに順々に渡していく
箕中舞:「あ……冬村さん。ありがとうございます」
箕中舞:鼓動を落ち着けるように、こくこくとジュースを燕下していく。
風祭猪祈:「ありがと。そっち持とうか?歩人さん」大きなビニール袋の片方に手を伸ばす
冬村歩人:「大丈夫。どうせシュウのだ」 笑って荷物をシュウの作業台に置き
風祭猪祈:「そっか、じゃあいいや」
風祭緋雁:「歩人さんは気が利くな~」
三廻部朔夜:「ありがとうございます。お兄ちゃんも見習ってほしいなあ」
茨木律華:「ありがと。……そうね、助かるわ。常識のある大人がいると」
三廻部シュウ:「俺だってあんだろ!常識!」
三廻部シュウ:「今もこうして……一人で肉を焼いている……!お前らの為に……!」
茨木律華:「ない事の方が多いでしょ」しれっと言う。
箕中舞:「えっと……シュウさんは」
箕中舞:「かっこいい……ですよ!」
箕中舞:肉を焼くのを微妙な手つきで手伝い始めます。
三廻部シュウ:「だよな!?そうだよな!そう……」
三廻部シュウ:「なんか雑だな……褒め方……」
箕中舞:「そ、そんなことは……」あせあせ
三廻部朔夜:「あんまり甘やかさないでくださいよ?すぐ付け上がるんだから」
冬村歩人:「常識があればその雑さの理由も分かるだろ」 皿に取った肉を一口 「いつもの味だ」
風祭緋雁:「うん」肉を頬張る。「いつも通り普通に……普通に美味しい」
箕中舞:「でも、"聖櫃"の時に私達がなんとかなったのも、シュウさんが色々気づいてくれたおかげだし……」
箕中舞:「こういう日くらいは……じゃないですか?」
三廻部シュウ:「流石舞は話が分かるな……」
三廻部シュウ:「俺の味方はお前だけだよ……」
風祭猪祈:「舞ちゃん、気持ちはわかるけど」
風祭猪祈:「程々にしとかないとダメだよ。放っとくと向こう十年はそのネタだけで集られちゃうから」
冬村歩人:「まあ、こいつの気まぐれがなければこうすることがなかったってのも確かだけどね」
冬村歩人:「それに伴う諸々の手間出費もせずに済んだということだ」
茨木律華:「……そうね。シュウさんも、あんまり舞を甘え先にしないで。この子が押しに弱いからって」
三廻部シュウ:「な……何故俺が悪いみたいに……」
箕中舞:「10年くらい平気だけどなぁ……あ、焼けてる」
箕中舞:ひょいひょいと肉をトングで拾って律華ちゃんへ渡す。
箕中舞:「はい、どうぞ」
茨木律華:「いや私ばっかり……もらうけど!」
箕中舞:「えへへ……」
茨木律華:「皆にもちゃんと分けなさいよ」
箕中舞:「わかってますよーだ」
茨木律華:「ならいいけど」一口、肉を口に入れて。「ん、ちゃんと焼けてる」
風祭緋雁:「あっもう肉無い。猪祈焼いて~」車椅子から箸を振る。
風祭猪祈:「緋雁はもっと野菜食え」ピーマンや玉ねぎをよそう
風祭緋雁:「うぇ~~っ!やめてよ~~!」
風祭緋雁:「妹が虐める!」
風祭猪祈:「妹じゃないし」
風祭猪祈:「妹の健康管理をしてあげるのも姉の役割と……」
風祭緋雁:「あたしが姉だから必要ないよ!ねえ肉は~?」
冬村歩人:「俺たちとしてはもうここにあるものを楽しむしかない……ほら、これ」 猪祈にバランス良く食材を持った取皿を渡す
風祭猪祈:「あ、ありがと。歩人さん」笑顔で受け取る
風祭猪祈:「はい、歩人さんの分焼いといたよ」一番いい肉をよそって渡す
冬村歩人:「おっと、ありがとう。気が利くな」
三廻部シュウ:「お前ら……俺をナメてられるのも今の内だぞ……」
三廻部シュウ:時計を確認して「見ろあれを!向こう!ほら!」
箕中舞:「?」
GM:数秒経つと、遠くの空に火の玉が打ち上がり、
GM:夏の夜空に大輪の花を咲かせる。
茨木律華:「……何?」そちらを見る。「って」
風祭緋雁:「うわ、ホンモノの花火だ!」
風祭猪祈:「わあ……」
三廻部朔夜:「いやこっちが偽物でもないですけど……えっ、えっ、何……?」
箕中舞:「…………わぁ」
冬村歩人:「ほお……」「これか、狙いは」
茨木律華:「……」黙ってそれを見上げている。
三廻部シュウ:「そういうことよ」自慢げに腕を組んで。
三廻部シュウ:「花火って言ったらやっぱりこれだろ」
茨木律華:「……綺麗ね」薄く笑って
箕中舞:茨木律華に寄り添い、目を伏せるようにして。「なんだか、思い出すなぁ」
茨木律華:「……ええ」舞ちゃんに応じて。
風祭緋雁:「うん、綺麗綺麗」
風祭猪祈:「……そだね」
冬村歩人:「だな。全く良くあんなのを思いつくよ」
三廻部シュウ:「いや~、奮発した甲斐があったわ」
茨木律華:「ありがと、シュウさん。ちょっと感謝してるわ、今」
GM:花火は次々に打ちあがり、色とりどりの色彩で夜空を染めていく。
三廻部朔夜:「うん。綺麗……」
三廻部朔夜:「……」
三廻部朔夜:「……奮発……?」
風祭猪祈:「……え、待って」
箕中舞:「……え、これ。近くでお祭りやってるとかじゃなくて……!」
箕中舞:「シュウさん、すごい……!」
箕中舞:勘所を外した感嘆!
風祭猪祈:「……いや、すごいとか以前に……」
冬村歩人:「……」 ちらりと並んでいる食材を見て、その中に『奮発』していそうなものがないことを確認し
茨木律華:「……えっ」
茨木律華:「待って……何。どういうこと?」
三廻部シュウ:「え、当り前だろ」
三廻部シュウ:「自分たちの為にやるから特別なんだろ~?」
箕中舞:「わーっ! ありがとうございます……!」
三廻部シュウ:「いやあ、そんなに喜んで貰えるとは……リーダーとして嬉しい限り」
冬村歩人:「……」
冬村歩人:「良くそんなことを思いつくな……」 呆れの滲んだ笑みを浮かべ
茨木律華:「ほ……ほんとにやるやつがいるか!」
茨木律華:「いや綺麗だったけど……綺麗だったけどさ!」
箕中舞:「……?」
箕中舞:「どうしたんですかみんな」
箕中舞:周囲の反応が少し自分とは違ってきていることに気付く。
風祭猪祈:「……舞ちゃん、打ち上げ花火が一発いくらするか知ってる……?」
箕中舞:「え……手りゅう弾が3000円くらいだから……」
箕中舞:空を見上げながらうんうんと頭をひねって火薬の量とかを考えている。
三廻部シュウ:「い、いいだろ去年がっぽり儲けたんだからよ……」
冬村歩人:「儲けたら儲けたでちゃんとした無駄遣いをして良い訳じゃないだろ」
三廻部朔夜:「お……お兄ちゃん!?」
三廻部朔夜:「いくら使ったのこれ!?ねえ!?お兄ちゃん!?」
三廻部シュウ:「まあ……大体……■■■■万円くらい……」
箕中舞:「!!!??」
風祭緋雁:「わあ~、ヤバいね」
冬村歩人:「あれだけ死にそうな思いをして手に入れた分だぞ……あとどれだけ残ってるんだ」
三廻部朔夜:「……」へなへなと頽れる。
風祭猪祈:「………」頭を抱える
茨木律華:「ば……馬鹿!」
茨木律華:「なんで相談しなかったのよ!?」
三廻部シュウ:「え……?」
三廻部シュウ:「サプライズだし……」
茨木律華:「花火よりも■■■■万円が溶けた事の方がずっとサプライズよ!」
箕中舞:ふらふらと目を回している。
三廻部朔夜:「……誰か……」「何とかしてください……」
冬村歩人:「いつまでも仕方のない奴だ」 花火を見上げながら肉を食べる
箕中舞:「しゃ……写真!」
箕中舞:「撮りましょう! 花火上がってるうちに!」
風祭緋雁:「おお、写真写真」
箕中舞:「並んで……! シュウさんはその位置でいいですから」
箕中舞:荷物からカメラを取り出してセットする。
三廻部シュウ:「おお」ピースする。
茨木律華:「ああ、もう……しょうがないわね」
茨木律華:崩れ落ちた朔夜の手を引いて、一緒に写真に写り込む。
三廻部朔夜:「うぅ……」泣きそうになりながらピースする。
三廻部シュウ:「別にいいだろ?金なんて、使ったらまた稼げばいいんだよ」
三廻部シュウ:「また俺達でデカいことして、それで来年もこうやって花火を見る」
三廻部シュウ:「どうだ?楽しそうだろ」
三廻部シュウ:少年のように悪戯っぽく笑う。
箕中舞:「10秒先です!」
箕中舞:フレーム内に駆け込む。
冬村歩人:「喉元すぎれば熱さを忘れるってのはこういう奴のための言葉って訳だ」
風祭猪祈:「………はあ」仕方ないという風に笑って
風祭緋雁:「いぇ~い」ふにゃふにゃと笑う。
茨木律華:「そこまで言うからには、次の仕事の宛もあるんでしょうね?」
三廻部シュウ:「無い!」
茨木律華:「知ってた!」
箕中舞:「はい、チー」カシャッ
箕中舞:言い終わる前にフラッシュが焚かれる。
箕中舞:「あ……えっと…………」
箕中舞:「…………へへ」 媚びるような目で茨木律華を振り返る
茨木律華:「いま早くなかった?」作りかけのピースサインを浮かべて
風祭猪祈:冬村の腕に手を絡める「……えっ、もう?」
三廻部朔夜:「目瞑った気がします……」
箕中舞:「ごめーん!!」
冬村歩人:猪祈の隣に立ち
冬村歩人:「どこもかしこも締まらないなあ」 自然に身を寄せつつ
冬村歩人:「ま、良いさ。撮り直そう撮り直そう。まだ花火は上がってるし」
冬村歩人:「失敗すれば撮り直せば良いし、金を■■■■万円使ったのも取り返せば良い」
冬村歩人:「俺たちが揃っていればできる」
冬村歩人:傍らの猪祈に目を向け 「な」
風祭猪祈:「……うん」青年の方に頭を預けて
風祭猪祈:「…………うん……」
風祭猪祈:「また来年、ここで写真を撮ろう」
風祭猪祈:そのことを心から信じられる。
風祭猪祈:「再来年も、その次も。そのまた次も、一緒に」
風祭猪祈:自分たちは困難を乗り越えてここに立っていて、これから先も、きっと乗り越えられる
風祭猪祈:「家族、みんなで」
風祭猪祈:そう思っているはずなのに
風祭猪祈:確かに今、この光景を観る左目と、虚ろの右目
風祭猪祈:その両方から、涙は止めどなく流れ続けた。
GM:家族と過ごす、掛け替えのない日常。本来の『望郷』の形。
GM:何も疑問に思うことなど無い。
GM:最初からこれが、あるべき幸福の形なのだから。

---

GM:千原くんは難易度0の≪意志≫判定を行ってください。
千原海智:7dx+3>=0
DoubleCross : (7R10+3[10]>=0) → 9[2,4,5,5,6,7,9]+3 → 12 → 成功

GM:意志判定に成功したので、以下の効果から一つを選んで取得できます。

・タイタスを3つまでロイスに変更する 既に昇華したタイタスも選択できる
・全てのエフェクトの使用回数が全回復する
・経験点を20点得て、即座に成長する
・侵蝕率を50%減少させる
・シーン中、全ての判定の達成値に+5する


千原海智:・タイタスを3つまでロイスに変更する 既に昇華したタイタスも選択できる を選択します
GM:ではこの場でどうぞ。
千原海智:初期ロイスの佐々木さん、初期ロイスの世界、そして赤川くんに取得していたロイスを
千原海智:タイタスからロイスに変更。
GM:了解です。

GM:ほんの一瞬、視界が歪み────
GM:そして、すぐに戻ってくる。
GM:辺りは元居た荒野。
GM:だが鳩山、赤川、“ディアスポラ”の三人は、いずこかへと消え失せている。
千原海智:「………ッ?!」
三瀬川りんか:「……千原くん……!?」
三瀬川りんか:「だ、大丈夫なの……?」傍らから三瀬川が不安そうな顔で見上げる。
千原海智:三瀬川さんが呼び出した災厄存在がスターゲイザーを確かに穿ち、
千原海智:そして、その直後……。スターゲイザーが、何かをした。
千原海智:「…う、うん」きょとんとしています。「僕は…ね」
三瀬川りんか:「皆、いきなり消えちゃって……」
三瀬川りんか:「千原くんだけすぐに戻ってきた……けど……」
三瀬川りんか:視線は“スターゲイザー”へ。
千原海智:「…スターゲイザーは……?」そちらを向く。
“スターゲイザー”:セーラー服姿の、無傷の“スターゲイザー”が荒野に佇んでいる。
“スターゲイザー”:「……僕……」
“スターゲイザー”:「レネゲイドビーイングって、好きじゃないんですよね」
千原海智:「………」無傷であることに顔をしかめる。
千原海智:「…レネゲイドビーイング?」
千原海智:その用語は、UGNから説明を聞いたから分かる。
“スターゲイザー”:「ええ。レネゲイドによって意思を得た、人でない存在……」
“スターゲイザー”:「彼らは大抵、ただそう生まれたというだけで、積み重ねた人生も、自我も薄いですから」「まあ、わざわざUGNに入るのなんかは例外でしょうけど……」
千原海智:「………??」きょとんとしている。
千原海智:「そうなんだ……?」
“スターゲイザー”:「彼らは自分の意志や経験でそうなったのではなく……元からそういう存在として生まれたんですよ。言ってること分かります?」
千原海智:「全然分かんない。なんだよいきなり!」
千原海智:「皆を返せ! どこにやった!」
“スターゲイザー”:「千原さん。あなたの話をしてるんですよ?」
千原海智:「はあっ!?」
三瀬川りんか:「……千原くんレネビなの!?」
千原海智:「そ……そうなの!?」
“スターゲイザー”:「違います」
千原海智:「えっ!?」
三瀬川りんか:「違うんだ……」
千原海智:「な…何だよ!」
“スターゲイザー”:「ただ、ある意味ではそれに近い存在だということです」まるで重力が無いように、軽やかに歩み寄る。
三瀬川りんか:「……!」君の裾を掴む。
千原海智:「!」三瀬川さんを庇うように前に出る。
“スターゲイザー”:「あなたの素性を探ってみて、驚きましたよ」
“スターゲイザー”:「他のどの並行世界にも、あなたと同じ人間は存在しませんでした」
千原海智:「……え」瞬きする。
“スターゲイザー”:「所謂特異点、ということですか。それにしても」
“スターゲイザー”:「この世界にすら、貴方が居たという痕跡は存在しない……いえ、正確には」
“スターゲイザー”:「存在しなかった。ほんの数日前から、突如として存在の根拠が『後付け』されている」
“スターゲイザー”:「自分でも知ってたんでしょう?少しは」
千原海智:「…………」
三瀬川りんか:「……千原くん……?」君の顔を見る。
千原海智:「……数日前、部屋で目覚めたんだ。で、学校に行かなくちゃって思った」
千原海智:「そうプログラムされてるみたいにね。それより前の記憶は一切無かった」
三瀬川りんか:「……!」
千原海智:「脳内にデータベースがあるみたいでさ。そうやって生活してた…」
“スターゲイザー”:「……あっは!」
“スターゲイザー”:「やっぱり。そういうモノとして生まれたんでしょう、あなた」
“スターゲイザー”:「過去にも並行世界にも、あなたという人間は存在しない」
“スターゲイザー”:「大事に持ってる、その望遠鏡」
“スターゲイザー”:キーホルダーを指差す。
千原海智:「!」
“スターゲイザー”:「どこから来たのか知りたくないですか?」
千原海智:「知ってるの?」
“スターゲイザー”:「ええ。知っていますよ」
“スターゲイザー”:「あらゆる並行世界を観測できるんですから。同じものがあればすぐに分かります」
千原海智:「そりゃ…知ってるなら教えてほしいよ! なんでこれを持ってるのか、分からないんだ」
“スターゲイザー”:くすり、と笑って。
“スターゲイザー”:「無かったんですよ」
千原海智:「…え?」
“スターゲイザー”:「それと同じものは、ありとあらゆる並行世界の、どこにも存在しません。どこのメーカーでも、どんな職人も、そんなものは作っていないんです」
“スターゲイザー”:「ただ、記憶の無いあなたの心の拠り所として、そう設定されただけのモノです。あなた自身と同じようにね」
千原海智:「………」
千原海智:眉を寄せる。「………そう」
“スターゲイザー”:「この街は特異点です。特異点は、自ら望んだ結果を呼び寄せる」
“スターゲイザー”:「滅亡の危機に際して、街自体が『それを救える人物がここにいた』という可能性を寄せ集め、その結果として造られたのが────」
“スターゲイザー”:「あなたです。千原海智」
“スターゲイザー”:「どこにも居場所のない、偽物の、空っぽの人間」
“スターゲイザー”:「世界を救うためにそう作られただけの、ただのシステム」
“スターゲイザー”:「ウロボロスシンドロームはその現れですか?」
“スターゲイザー”:「人の模倣がお得意のようですからね」
“スターゲイザー”:くすくすと笑う。
千原海智:「……はは」笑う。「なるほど?」
三瀬川りんか:「……千原くん……」
“スターゲイザー”:「空っぽのあなたでは、星の輝きを放つことなど出来ない」
“スターゲイザー”:「あなたにとって、戦う意味なんてどこにも無いんですよ」
“スターゲイザー”:「分かったら、帰ったらどうですか?今なら見逃してあげるかもしれませんよ」
千原海智:「君を倒そうが、倒すまいが。この世界にぽっと出で現れた僕には、特に関係もないだろう」
千原海智:「そう言いたい、のかな」
“スターゲイザー”:「ええ、そうですよ?」
“スターゲイザー”:「そうする義務もないでしょう?家に帰って、ニュースでも見ていたらいいんじゃないですか?」
千原海智:「そっか。それで君も、僕に興味はなくなるわけね」
千原海智:「人間じゃないから……なるほど、なるほど」
“スターゲイザー”:「納得しましたか」
千原海智:「うん。したよ」
“スターゲイザー”:「理解もできました?」
千原海智:「できたよ。世界が、なんで僕をここに寄越したか、ずっと気になってたからね」
千原海智:「世界を救うためだったんだ」
“スターゲイザー”:「ああ、良かった」
“スターゲイザー”:「じゃ、お帰りください」
千原海智:「だからさ」
千原海智:「それをそのままやり遂げるだけだろ?」
“スターゲイザー”:「…………」
“スターゲイザー”:「…………は?」
“スターゲイザー”:「話聞いてました?」
千原海智:「聞いていたさ! 全部聞いていた!」
千原海智:「この世界がどれだけ分岐しようとも、僕の存在はここに唯一無二!」
千原海智:「つまり……僕の運命を、僕の使命を決められるのは」
千原海智:「ここにいる、この千原海智だけだってこと!」
“スターゲイザー”:「は……はぁっ…………!?」
千原海智:「天体望遠鏡がうんぬんかんぬんとかは悪いけど聞かなかったことにしようと思う!」
“スターゲイザー”:「なぁっ……!?」
千原海智:「並行世界にはなくったって」
千原海智:三瀬川さんを指す。「彼女が開く窓の外にはあるかもしれないじゃないか!」
千原海智:「君が見つけられないだけじゃないの?ちゃんと探した?」
三瀬川りんか:「……」息を呑む。「……千原くん……!」
“スターゲイザー”:「探し!!ましたよ!!」
千原海智:「え~っ、嘘だあ。もっとカッコいい秘密があるに違いないって」
“スターゲイザー”:「な、何なんですかこの人……」
“スターゲイザー”:「意味が分からない……どうしてそんな理由で僕の邪魔をするんですか……?」
“スターゲイザー”:「勝手に与えられた理由で!死ぬかもしれないんですよ?嫌でしょう?そんなの!」
千原海智:「君は……」
千原海智:「それが分かってて、こんなことしてるの?」
千原海智:「人に嫌な思いをさせて、困難に立ち向かわせて、嫌だ嫌だって言わせて」
千原海智:「それが君にとっての星の輝きってやつ?」
“スターゲイザー”:「っ……!」
“スターゲイザー”:「あなたみたいな人は違うんですよ!」
“スターゲイザー”:「全然好きじゃない!もっとこう……!」
“スターゲイザー”:「泣いたり怒ったりしながら傷ついて必死に立ち向かってほしいんですよ!」
“スターゲイザー”:「何なんですかあなたは!全然面白くないです!」
千原海智:「おもっ…面白くない!? 失礼だぞ!」
千原海智:「僕は…ジョークも上手い!」
三瀬川りんか:「うん。千原くんは面白いと思うよ」
千原海智:「ありがとう!」
三瀬川りんか:隣に並び立つ。
三瀬川りんか:「いや……ジョークは……」
三瀬川りんか:「どうだろう……知らないけど……」
千原海智:「ええっ……」「………いや、こんな話じゃなくて」
千原海智:「だいたい、スターゲイザー。僕に世界を救う理由がないとか言ってたけど」
千原海智:「あるよ。もう十分にある」
“スターゲイザー”:「? ……何ですか、それは」
千原海智:「まずは、三瀬川さん」
千原海智:「赤川くん」
千原海智:「鳩山さん」
千原海智:「ディアスポラさん」
千原海智:「セプテントリオンさん」
千原海智:「朝霧さん」
千原海智:「痕抉りさん」
千原海智:「学校の皆」
千原海智:指折り数える。
千原海智:「…あと……UGNの人たち。街に生きる人たち」
千原海智:「世界に生きる人たち。並行世界に生きる人たち」
千原海智:「彼らの思いを聞いた。彼らの物語を続けたい」
千原海智:「世界はそのために、僕をこの場所に呼んだ」
千原海智:「だから、僕はここにいる。スターゲイザーを倒すために」
千原海智:「………こういうの、なんていうか知ってる?」
“スターゲイザー”:「……知るわけないでしょう。何なんですか」
千原海智:「絆って言うんだよ」
千原海智:「美しくない?」
千原海智:スターゲイザーに対して、
千原海智:スターゲイザー/無関心:〇/無関心/ロイス このロイスを、
千原海智:取得しません。
“スターゲイザー”:「…………!」顔を顰め、何も言えずに黙り込む。
“スターゲイザー”:言い返したくとも、“スターゲイザー”には、それだけは絶対に否定することが出来ない。
千原海智:「………僕は、君を許せない。酷いことをしたから」
千原海智:「だから、キミにだけは、絆を持たないことにした」
“スターゲイザー”:「………………」
千原海智:「……そろそろ」
千原海智:「話は終わり? だったら、皆を返してくれないか」
“スターゲイザー”:「……ふん……!そんなの、こっちから願い下げです!必要ありません!」
“スターゲイザー”:「嫌ですね。いくら大口を叩こうと、所詮あなた一人では僕には勝てません」
“スターゲイザー”:「あなたのお仲間は永遠に帰ってきませんよ。だって、今、彼らは」
“スターゲイザー”:「もう、幸福な結末エンディングシーンの最中なんですから」

---

GM:“ディアスポラ”さんは難易度15の≪意志≫判定を行ってください。失敗した場合、侵蝕率+1D10で再挑戦することが出来ます。この判定に成功しない場合、戦闘に参加することが出来ません。
"ディアスポラ":《砂の加護》を使用しても大丈夫ですか?
GM:大丈夫です。
風祭猪祈:では使います!ダイス+5
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:188->191)した
風祭猪祈:11dx+5>=15
DoubleCross : (11R10+5[10]>=15) → 10[3,3,3,4,6,7,9,9,9,10,10]+8[5,8]+5 → 23 → 成功

風祭猪祈:やったね
GM:では、成功です。
GM:あなたは全てを思い出してしまいました。

---

風祭緋雁:「……猪祈?」
風祭緋雁:行儀悪くもむもむと肉を咥えながら、君を見る。
風祭緋雁:「どうかしたの?」
風祭猪祈:「………あ」
風祭猪祈:頭の中にかかっていた靄のようなものが晴れていくのを感じる
風祭猪祈:暖かな暗闇を映すだけだった右目に
風祭猪祈:星のない、極寒の荒野の風景が浮かび上がってくる
風祭猪祈:「………ごめん」
風祭猪祈:「もう、行かなきゃ」
風祭緋雁:「……」
風祭緋雁:「……もういいの?」
風祭猪祈:「うん、これで十分」
風祭猪祈:「いや、最初から十分すぎるほど貰ってたんだから」
風祭猪祈:「ちょっと、余分なくらい」困ったように笑う
風祭緋雁:「……そっか」
風祭緋雁:「猪祈」君を手招きする。
風祭緋雁:「屈んで」
風祭猪祈:「ん……」招かれるままに近づいて、屈む
風祭緋雁:車椅子から身を伸ばし、君を抱き締めて。ぽんぽんと頭を撫でる。
風祭緋雁:「よしよし」
風祭緋雁:「頑張るんだよ」
風祭猪祈:「………なんだよ、もう」少しの間撫でられるままになった後
風祭猪祈:それを振り払って立ち上がる
風祭猪祈:「言われなくても頑張るよ。あいつら超手が掛かるから、私が付いててあげないとね」
風祭猪祈:「行ってくるよ、お姉ちゃん」
風祭緋雁:「うん。行ってらっしゃい」
風祭緋雁:「肉、猪祈の分もあたしが食べちゃうからね」へへ、と笑って
風祭緋雁:「みんなー、猪祈、帰るってさー」
風祭緋雁:遠くで花火をしている面々に呼び掛ける。
風祭猪祈:「ちょ、やめろって……!黙って行くつもりだったのに……!」
三廻部朔夜:「え、もう行っちゃうんですか?猪祈さん」
箕中舞:「ほえ? ……ん」
箕中舞:ごくん、と口にしていたものを飲み下し「……そう」弱弱しく笑う。
茨木律華:「黙って、って……勝手に居なくなられる身にもなってよね」
茨木律華:わざとらしく溜息を吐いて、肩を落とす。それから、ゆっくりと向き直って。
風祭猪祈:「ああもう……けど、うん」
三廻部シュウ:「……歩人がいなくても平気か?一人じゃ危ないだろ」
風祭猪祈:「大丈夫、大丈夫だけど……うん」
風祭猪祈:「……どうせなら一つだけ、心残りを果たしてもいいよね」
風祭猪祈:少し歩いて、火を囲む皆へ向き直る。
風祭猪祈:これは或いは夢で、或いは遠いどこかの自分を一瞬だけ垣間見ているだけかも知れないけど
風祭猪祈:それでも、と嘗ての自分が贈ることのできなかった言葉を紡ぐ。
風祭猪祈:「シュウ兄さん」
風祭猪祈:「律華ちゃん」
風祭猪祈:「舞ちゃん」
風祭猪祈:一人ひとり、名前とともにその顔を焼き付ける
風祭猪祈:「緋雁」
風祭猪祈:「歩人さん」
風祭猪祈:「……朔夜」
風祭猪祈:「大好き。さようなら」
風祭猪祈:「元気でね」
箕中舞:その別れの意味が分かっているのかいないのか、ぼうっとした視線で
箕中舞:「……うん」
箕中舞:「負けないで」
三廻部朔夜:「また会いましょう」
三廻部朔夜:にこやかに笑う。“スターゲイザー”と同じ顔、けれど確かに異なる笑みで。
茨木律華:「……」じっとその眼差しを、見つめ返して。
茨木律華:「アンタが自分で決めた事なら、応援するしかないでしょ」
茨木律華:「ちゃんと掴みなさいよ」
茨木律華:いつも通り不愛想に、そう言い捨てる。
三廻部シュウ:「風邪ひくなよ」
三廻部シュウ:穏やかな顔で、煙草の煙を吐き出す。
風祭緋雁:「元気でね、猪祈」
風祭緋雁:背伸びをして、とん、と君の胸を叩いて。
風祭緋雁:「一緒だからね」
風祭猪祈:「……うん」胸元を押さえて
風祭猪祈:「…………」最後に、愛する青年の顔を見る
風祭猪祈:彼が何かを言い出す前に、発つことに決めた
風祭猪祈:別れはとうに済ませたし、そうでなくとも
風祭猪祈:彼とは、同じ景色を見ているのだから
■■■■:「私は」
"ディアスポラ":「私は、"ディアスポラ"」
"ディアスポラ":「ここで花火は見れないけど」
"ディアスポラ":「約束があるんだ、クリスマスの。だから帰らなきゃ」
"ディアスポラ":「私の故郷へ」
"ディアスポラ":一際大きく、空に大輪の花が咲いて
"ディアスポラ":それが散る頃には、少女の姿は消えていた。
"ディアスポラ":足元に僅かな雪の名残を残して。

---

GM
以下からひとつ選択して効果を得ることができます。

・タイタスを3つまでロイスに変更する 既に昇華したタイタスも選択できる
・全てのエフェクトの使用回数が全回復する
・経験点を20点得て、即座に成長する
・侵蝕率を50%減少させる
・シーン中、全ての判定の達成値に+5する


"ディアスポラ":・経験点を20点得て、即座に成長する を選択します。
GM:了解です。この場で成長を行ってください。
"ディアスポラ":4点でRCを2=>4、1点で思い出の一品をカスタマイズしブランケットに指定
"ディアスポラ":15点で"ディアスポラ"に感情:袂別でメモリーを所得します。
"ディアスポラ":以上!
GM:了解です。

---

GM:赤川くんは難易度15の≪意志≫判定を行ってください。
失敗した場合、侵蝕率+1D10で再挑戦することが出来ます。この判定に成功しない場合、戦闘に参加することが出来ません。

赤川累:7dx+7>=15 意志。思い出の一品使用
DoubleCross : (7R10+7[10]>=15) → 4[1,2,2,3,4,4,4]+7 → 11 → 失敗

赤川累:げっ弱……
赤川累:再挑戦します
赤川累:赤川累の侵蝕率を+2(1d10->2)した(侵蝕率:186->188)
赤川累:7dx+7>=15 意志
DoubleCross : (7R10+7[10]>=15) → 10[2,5,5,7,7,10,10]+9[7,9]+7 → 26 → 成功

GM:では、成功です。
GM:あなたは全てを思い出してしまいました。
赤川累:あ、後ここでもし可能だったら
赤川累:インスピレーションの余りを使用してもいいでしょうか。2回ほど
GM:どうぞ。
赤川累:ありがたく。じゃあ
赤川累:これは夢や幻覚ではなく、どこかに存在する並行世界ですか?と
赤川累:自分が元の世界に戻った場合、「この世界の赤川累」はどうなりますか?の二つで
GM:この世界は夢や幻覚でなく、どこかに存在する並行世界です。
GM:ただし、そこに生きる人々は、今の君と同じように、今の自分や君の存在に心の底で違和感を抱いている場合があります。
GM:また、君が元の世界に戻った場合、この世界の赤川累は元の通りに戻ってきて、周囲の違和感もそれに従って解消されます。
GM:今の君のように記憶は統合され、不都合が起こることはありません。
赤川累:ありがとうございます。 残り4回->2回
赤川累:赤川累の侵蝕率を+4した(侵蝕率:188->192)
GM
以下からひとつ選択して効果を得ることができます。

・タイタスを3つまでロイスに変更する 既に昇華したタイタスも選択できる
・全てのエフェクトの使用回数が全回復する
・経験点を20点得て、即座に成長する
・侵蝕率を50%減少させる
・シーン中、全ての判定の達成値に+5する


赤川累:タイタスをロイスに変更します。千原くん、セプテントリオン、並行世界のみんなの3つ。
GM:了解です。

---

赤川累:「……迷ったな」ふと。
赤川累:通学路としても使っている、通い慣れた坂道を歩く途中。足を止めて言う。
浅木澪央:「へ?」
赤川累:「また、途中で踏み外してた」
赤川累:「しっかりしろって、言われたんだけどな」
浅木澪央:「なにそれ、哲学的なやつ?」絡めあった右手をぎゅっと握る
赤川累:「そう上手くはやれないらしい」自嘲するように笑って、呟く。
浅木澪央:「………」その顔をじっと見つめて
浅木澪央:「えいっ」額を指で弾く
赤川累:「うわっ」
浅木澪央:「累はすぐ思い詰めるからなー、若いうちからそんなんじゃモテないぞ」眉間のシワを揉み解す
浅木澪央:「いつまでも面倒見てられるわけじゃないんだから、一人でも……」
浅木澪央:「……?」
浅木澪央:「……変なの、ずっと一緒って約束したばかりなのに」口元を抑える
赤川累:「……悪い、澪央」
赤川累:笑いもせず、じっと君を見つめたまま。
赤川累:「手、離すぞ」
浅木澪央:「あ……」
赤川累:彼女と繋いでいた右手を解く。その掌が見る間に黒く、焼け落ちて
赤川累:黒い骨の五指が風に晒される。
浅木澪央:「……その、腕……」
赤川累:「……ちょっとした病気でな」
赤川累:「お前の手を取るべきなのは、もっと綺麗な手だ」
赤川累:「人の命を奪った事もないような」
赤川累:「……それに。この世界は、幸福だけど」
赤川累:「俺が探してる物じゃない」
浅木澪央:「……ふふ、なにそれ」
赤川累:「……冗談じゃないぞ。どこの世界に行ったって、俺はこんな妙な冗談は言わない。多分な」
浅木澪央:「累の手だってそうでしょ?今は違っても」
浅木澪央:「これからきっと、沢山の人を救う筈なんだから」
赤川累:「……ああ」その言葉を聞いて、泣きそうな顔になって。頷く。
赤川累:「その夢はきっと叶える」
赤川累:「だけど、それは。今ここに居るお前との約束じゃない」
浅木澪央:「……私が見ていなくても大丈夫?」
赤川累:「……いつまでお姉さんぶるんだよ」
赤川累:「大丈夫に決まってる」
浅木澪央:「……そっか」
赤川累:「……続きが欲しいんだ」
赤川累:「どっちの世界も、本当に存在していて」
赤川累:「俺がこっちに移動したからって、どちらかが無くなる訳じゃない」
赤川累:「だったら……必要だろ」
赤川累:「元の世界のあいつの想いを、受け取って進む奴が」
赤川累:「浅葱島おれたちの物語をさ。あれきりで終わらせたくない」
赤川累:この島であって、この島ではない。遠い故郷を想いながらそう口にする。
浅木澪央:「……なんだか妬けちゃうな」寂しげに笑う
浅木澪央:「その人のこと、全然知らないけどさ」
浅木澪央:「きっと、幸せだったんだね。累に」
浅木澪央:「あなたにその気持ちを、託すことができたんだから」
赤川累:「……ああ。満足そうな顔だった」
赤川累:「だから、最後までちゃんと。幸せなままにしてやらないとだ」
赤川累:「それができるのは……本当の意味で、あいつの続きをやれるのは」
赤川累:「今ここにいる俺だけだ」
赤川累:「……ああ、それとな」
浅木澪央:「ん、それと?」
赤川累:「正直。俺だって少し、嫉妬してる」
赤川累:「これから君と一緒に未来に進めるやつのことが、羨ましくて仕方ないさ」
浅木澪央:「……ほう?ほうほう……ふーん……」
赤川累:そう言って、微かな笑みを浮かべて。
赤川累:「ちゃんと幸せにしてもらえよ」
浅木澪央:「ま、そうだよねえ~!私ってば超絶美少女な上に気が利いて頼りにもなるし!」
浅木澪央:「……うん、だからさ」
浅木澪央:「累に心配されなくても、勝手に幸せになるよ。私は」
浅木澪央:「だから私も、心配しない」
赤川累:「……そうか。ああ、そうだな」
赤川累:「俺達には、それくらいが丁度いい」
赤川累:「じゃあな」何時もと変わりない気安さで、そう言って手を振る。
赤川累:背を向ける。坂道を下り、歩き出す。
赤川累:不意に、強い海風が吹いて
赤川累:その姿が消えている。
赤川累:潮にの香りに混じって、黒い灰の残り香が風を漂うが。
赤川累:それもやがて、初めからなかったもののように掻き消える。
浅木澪央:「………累ー!」その刹那、おそらく少年の耳には届かなかっただろうが
浅木澪央:「じゃあな!!負けんなよーーー!!」
浅木澪央:残響だけが、碧い空へと吸い込まれていった。

---

GM:鳩山さんは難易度15の≪意志≫判定を行ってください。
失敗した場合、侵蝕率+1D10で再挑戦することが出来ます。この判定に成功しない場合、戦闘に参加することが出来ません。

鳩山依鈴:8dx+7>=15
DoubleCross : (8R10+7[10]>=15) → 10[3,4,6,9,9,9,10,10]+9[8,9]+7 → 26 → 成功

GM:では、成功です。
GM:あなたは全てを思い出してしまいました。
GM:以下からひとつ選択して効果を得ることができます。

・タイタスを3つまでロイスに変更する 既に昇華したタイタスも選択できる
・全てのエフェクトの使用回数が全回復する
・経験点を20点得て、即座に成長する
・侵蝕率を50%減少させる
・シーン中、全ての判定の達成値に+5する


鳩山依鈴:エフェクトの使用回数を全回復します。
GM:了解です。

---

蒼井昴:「すいませんビールと枝豆追加で!二人は何か頼みます?」
夢見鳥つばさ:「私はカルーアかなあ……依鈴ちゃんは?」
霧谷依鈴:「まだ飲むの?……私は、その」
霧谷依鈴:「……えっと」
霧谷依鈴:「仕事が残ってるんですよね」へらっと笑う。
霧谷依鈴:「雄吾さんからの仕事が」
蒼井昴:「仕事ぉ!?」
夢見鳥つばさ:「……そうなの?」
蒼井昴:「何だよ~!最後まで付き合うって言ったじゃんかよ~!」ゆさゆさと揺さぶる。
霧谷依鈴:揺さぶられて。「言ったけどさあ」
蒼井昴:「うっ……吐きそう……」
霧谷依鈴:「全く……ほら」背中をさする。
蒼井昴:「うぅ……」ぐったりして
蒼井昴:「……そりゃ日本支部は忙しいだろうけどさあ」
蒼井昴:「こんな時間にまで仕事することないじゃんか……」
霧谷依鈴:「すっかり星が見える時間なのにね」
蒼井昴:「こうやって会えたのだって、久々なのにさ」
霧谷依鈴:「ええ。久々に会えた。昴にも、つばさ先輩にも」
蒼井昴:「……最後までいろよなぁ……」いじけたように言う。
夢見鳥つばさ:「そうね。本当に久しぶり」
霧谷依鈴:「ごめんね。最後まで居られなくって」
霧谷依鈴:「本当は、居てあげたかった」
夢見鳥つばさ:「いいのよ」笑って。「依鈴ちゃんの選んだことだもの」
夢見鳥つばさ:「楽しかったわ。とっても」
夢見鳥つばさ:「ほら、昴ちゃんもいじけてないの」
霧谷依鈴:「ええ。ありがとうございます」
霧谷依鈴:「私の選択を、尊重してくれて」
霧谷依鈴:「寒いでしょう」スーツを脱いで、昴に被せる。
蒼井昴:「う~……」居酒屋の畳に寝転んで、君を見上げる。
蒼井昴:「……依鈴」
霧谷依鈴:縫い付けられた内ポケットの刺繍を見る。「うん。何?」
蒼井昴:「……今、依鈴……」
蒼井昴:「……幸せ?」
蒼井昴:ぽつりと零すように問う。
霧谷依鈴:「ええ。とても」
霧谷依鈴:「仕事も好き。辛いことも多いけどね」
霧谷依鈴:「友人だって居る。昴ほどじゃあないかもだけど」
霧谷依鈴:「同僚にだって、恵まれてると思う。つばさ先輩みたいに慕われたいけど、そこは自信ないな」
夢見鳥つばさ:「出来るわよ、依鈴ちゃんなら」
夢見鳥つばさ:「私なんかよりずっとね」
霧谷依鈴:「ありがとうございます。それから」
霧谷依鈴:「この人のために、捧げられるって人もいる」
霧谷依鈴:「2人から見ても」
霧谷依鈴:「霧谷依鈴は幸せに見える?」
夢見鳥つばさ:「ええ」にこりと微笑む。「とっても」
蒼井昴:「はぁ……」深々と息を吐く。
蒼井昴:「……不本意ながらね」
蒼井昴:「くそ~!」手足をじたばたさせて
霧谷依鈴:「本意でいてくれてもいいでしょう」
蒼井昴:「……だって、悔しいじゃんか」
蒼井昴:目を逸らす。
蒼井昴:「もう、あたしがいなくても平気みたいでさ」
霧谷依鈴:「そうじゃないの。私さ、昔」
霧谷依鈴:「短かったでしょ。髪」
蒼井昴:「? ああ、うん」
霧谷依鈴:「なんで伸ばして結わえてるか、自分でも分からないところがあったんだけどね」
霧谷依鈴:「多分、どんなときでも、明るく、余裕を持ったエージェントになろうって」
霧谷依鈴:「決めたときに、誰かを参考にしたんだと思う」
霧谷依鈴:「もう、すっかり忘れちゃったけどね。その時のことは」
蒼井昴:「へえ~……そうなんだ」
蒼井昴:「そんな人いたわけ?」
夢見鳥つばさ:くすくす笑って。
夢見鳥つばさ:「昴ちゃん」
夢見鳥つばさ:「髪、髪」
蒼井昴:「へ? 髪……?」
蒼井昴:自分の頭に触れて。
蒼井昴:「……」
蒼井昴:「……あたしか!?」
霧谷依鈴:「そういうところに気づくことが」
霧谷依鈴:「彼氏作る第一歩だと思うんだけどな」
蒼井昴:「うっ……!うるさいな……!すぐ出来るっての!これも可愛げでしょ!可愛げ!」
霧谷依鈴:「自分で言っちゃう?」くすりと笑って。
霧谷依鈴:「……私、いつもね。頼れる誰かに甘えてきて」
霧谷依鈴:「自分一人では、やれたか怪しい」
蒼井昴:「……」君の顔を見る。
霧谷依鈴:「多分、ここからだって……出られないかもしれない」
霧谷依鈴:「繭の中みたいにね」
夢見鳥つばさ:「……」ほんの少し目を伏せる。
霧谷依鈴:「だからね」被せたスーツに手をかける。
霧谷依鈴:そこにはお守りが縫い付けられている。
霧谷依鈴:あるジャームの吐糸残滓によって編まれた、病気平癒のお守り。
霧谷依鈴:ここではない世界の”病”が、いつか癒えますようにと。
霧谷依鈴:「だからね、私はね」
霧谷依鈴:「自分の足で、行く前に」
霧谷依鈴:「紹介したい人がいるの」
霧谷依鈴:「迎えに来て」
蒼井昴:「……? 紹介……?」
霧谷依鈴:“境界攪拌器”は、一時的に。
霧谷依鈴:並行世界との境界を曖昧にする。
霧谷依鈴:精神を強く持って、『縁』を強く手繰り寄せれば、
霧谷依鈴:引力が発生する。
霧谷依鈴:同じく縁を持つものへの。
霧谷依鈴:“今”を生きるものへの。
GM:世界の境界が僅かに歪み、ここではないどこかの景色が映し出される。そして。
"ディアスポラ":「……参ったな」
"ディアスポラ":首の裏に手を当てて、困惑した様子で現れる
夢見鳥つばさ:「……あら……?」
霧谷依鈴:「ごめんね。そっちで忙しかったかな?」
霧谷依鈴:「会いたくなっちゃって」
"ディアスポラ":「ううん、助かったよ」
"ディアスポラ":「あんなにカッコつけて出て行ったのにさ、思いっきり迷っちゃって」
"ディアスポラ":「膝抱えて泣いてたとこ」
蒼井昴:「えっ!?誰この子!?」
蒼井昴:「知り合い……?」
霧谷依鈴:「ええ。説明する、けど——」
霧谷依鈴:「みんな来てからがいいかしら」
赤川累:「……セプテントリオンの仕事は、間違ってなかったな」
赤川累:「縁を辿って呼びかけた声は、ちゃんと届くらしい。おかげで、迷わずに来れた」
霧谷依鈴:「そうね。境界撹拌機が機能しなかったら、どうしようかと思った」
蒼井昴:「うわっ、男子高校生」
赤川累:「……で、この状況は」やや居心地悪そうに、周囲を見渡す。
"ディアスポラ":「もしかして、こっちこそ邪魔しちゃった?」
蒼井昴:「……紹介したいって、この二人?」
赤川累:「紹介……? 何だって紹介したんです?」
霧谷依鈴:「ううん。こっちも今帰るとこ」
霧谷依鈴:「それからね。二人だけじゃない」
千原海智:そこに天井から落ちるようにしてやってくる少年と少女がある。
千原海智:「おあっ!」畳に尻餅。
三瀬川りんか:「うぎゃーっ」
霧谷依鈴:「あっ」
霧谷依鈴:「ごめん、そんなふうに出てくるとは思わなかった……!」
赤川累:「うおっ、と!」咄嗟に支えようとする。
千原海智:「いやん……」
千原海智:赤川くんに支えられてときめく。
赤川累:「どういう反応だよ、それ……」困惑した様子。
三瀬川りんか:「千原くん……?」
三瀬川りんか:「えっどこここ……!?居酒屋……!?」きょろきょろ見回す。
"ディアスポラ":「お、来た来た」くつくつと笑う
霧谷依鈴:「ごめんなさいね。呼んじゃって」
霧谷依鈴:「でも、来てくれてありがとう。応えてくれて」
千原海智:「ここが……鳩山さんのエンディングシーン?」
千原海智:「そう言ってたよ。あの子が」
霧谷依鈴:「いいえ」
千原海智:「ん?」
霧谷依鈴:「霧谷依鈴のエンディング」
霧谷依鈴:「それでね」
鳩山依鈴:「鳩山依鈴のクライマックス」
千原海智:「……クライマックスの後は?」
鳩山依鈴:「さあ?それはまだ、この世界ではわからない」
鳩山依鈴:「次回に続くとしましょうか」
鳩山依鈴:「紹介するね。私たちの今の任務の協力者」
千原海智:「千原海智です!」
三瀬川りんか:「あ、三瀬川りんかです……?」
"ディアスポラ":「どうもー"ディアスポラ"でーす」小さく手をふる
赤川累:「赤川累。……いや、任務協力者なら"シンダーテイカー"の方がいいのかな」
鳩山依鈴:「いいのよ、それから友人って言おうとしてたんだから」
赤川累:「そっか。じゃあ、両方です」
鳩山依鈴:「今ね、この子たちと一緒に、世界を救う仕事をしてる」
夢見鳥つばさ:「こんばんは。夢見鳥つばさです」穏やかに会釈する。
蒼井昴:「え、あ……ども、蒼井昴です……」
鳩山依鈴:「つばささんはね、私の先輩」
鳩山依鈴:「これの縁になったもの」スーツのポケットを指して。
鳩山依鈴:「昴はね、私の」
鳩山依鈴:「一番の友人。一度、会わせたくって」
鳩山依鈴:「こういう子なの」
千原海智:「……そっか」
蒼井昴:「きゅ、急にハズいこと言うなあ……」
蒼井昴:「……世界を救う仕事って?」
蒼井昴:「いつもやってるやつじゃないの?」
鳩山依鈴:「ええ。いつもやってるやつよ」
鳩山依鈴:「何ら特別なことじゃない」
赤川累:「……ああ」納得したような声を漏らして。「いえ、失礼しました。事情も分かってなさそうなのに……」
赤川累:じろじろと見つめてしまった事に頭を下げる。
"ディアスポラ":「ふーん、こういう人だったんだね」
千原海智:「じゃあ、つばさんと、昴さんも追加しなくちゃ」
千原海智:指折り数えている。
夢見鳥つばさ:「追加?」
千原海智:「うん」笑う。「皆のために世界を救うんだ」
蒼井昴:「そっか。まあ……」面々を見回して。
蒼井昴:「いい人そうじゃん」
鳩山依鈴:「ええ、いい人よ」
蒼井昴:「彼氏にはちょっと若すぎるけど……」
鳩山依鈴:「彼氏じゃない!」
蒼井昴:「いや……」二人を見て「私の彼氏として……」
千原海智:「……えっ」
鳩山依鈴:「……ええ」
赤川累:「……ええと」
赤川累:「まあ、若過ぎて不適当だって言うなら、ちょうどいい……のか……?」
鳩山依鈴:「いや、真に受けなくていいから」
蒼井昴:「あと3年待てばアリか……?」
"ディアスポラ":「おいやったじゃん、モテてんぞ」
赤川累:「何もやってませんけど……」
千原海智:「いやっ…あっ三瀬川さんその顔やめて……」
三瀬川りんか:「……」
蒼井昴:「はあ……なるほどね。まあ、分かったよ」
蒼井昴:「安心した。結構ね」
蒼井昴:「……本当はさ、今日……」
蒼井昴:「ずっと会えないからって、あたしのこと忘れんなよって」
蒼井昴:「そう言おうと思ってたんだけど。でも」
蒼井昴:一つに結った髪を揺らして。
蒼井昴:「……心配ないみたいね」
鳩山依鈴:「忘れないわよ。二度と」
鳩山依鈴:「……ありがとうね」
鳩山依鈴:「我儘に、付き合ってもらった」
鳩山依鈴:「みんなに感謝してる。どうしても、顔を合わせたくなって」
鳩山依鈴:「これでね、私」
鳩山依鈴:「自信が持てる。未来への」
蒼井昴:「うん。あたしも」
蒼井昴:「依鈴のこと、もう心配しなくて済みそう」
蒼井昴:「信じられるよ」
蒼井昴:肩を軽く叩いて。
蒼井昴:「残ってるんでしょ?仕事」
蒼井昴:「行ってきな」
鳩山依鈴:「ええ。行ってくる」
夢見鳥つばさ:「気を付けてね」笑って
夢見鳥つばさ:「……鳩山ちゃん」
鳩山依鈴:「はい。先輩」
鳩山依鈴:「じゃあ、みんな」
鳩山依鈴:「一緒に来てくれる?」
鳩山依鈴:ひらひらと手をふる。「ほら」
"ディアスポラ":「聞くまでもないでしょ」小さく笑う
"ディアスポラ":「帰り道は一緒なんだからさ」
赤川累:「そりゃもちろん。ここまで来たら、誰か一人の、って訳じゃないですから」
赤川累:「続きをやりましょう。俺達の物語の」
千原海智:「うん」頷く。「行こうか」
千原海智:右手が変化、影となって大きく広がり、僕達を包む。
千原海智:「最終回にはまだ早いからね!」
千原海智:そして、世界が暗転した。

---

“スターゲイザー”:「……消えた……?」
“スターゲイザー”:誰もいなくなった荒野を見回して、訝し気な顔をする。
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:だが、それはやがて笑みに。
“スターゲイザー”:「ふ……やはり特異点と言えど、多重次元の引力には勝てなかったわけですか」
“スターゲイザー”:「ふふっ……あはははは!やったやった!やったーー!!」飛び跳ねて喜ぶ。
“スターゲイザー”:「勝ちです!僕の勝ちです!!ざまーみろです!わーい!あはははは!」
“スターゲイザー”:「やっぱり!!世界は!!僕の物なんですよ!!」
“スターゲイザー”:勝ち誇り哄笑した、その時。
千原海智:僕達がちょうどスターゲイザーの真上に落ちてくる。
“スターゲイザー”:「────は……!?」
千原海智:「わ……っと」絨毯のように広がっていた影が霧散。着地は各々に任せる。
千原海智:「…やあ、お待たせ。スターゲイザー! 皆を連れてきたよ」
“スターゲイザー”:「な……な……ッ……!?」
“スターゲイザー”:「何で……!?」
“スターゲイザー”:「脱出できるわけない……!」
“スターゲイザー”:「僕と同じ力を持ってるとでも……!?」
千原海智:「同じ力なの? 境界……攪拌……」鳩山さんを見る。
鳩山依鈴:「いいえ。誰しもが持ってる力よ」
鳩山依鈴:「絆を紡ぐ力」
鳩山依鈴:「在りたいと。進もうと願う力」
鳩山依鈴:「星は生きてるの」
"ディアスポラ":「私達は脱出してきたんじゃなくて」空中に何段もの薄氷を生み出して勢いを殺し、静かに着地する。
"ディアスポラ":「帰ってきただけ」千原くんを見て
"ディアスポラ":「そいつが、手繰り寄せてくれた」
千原海智:「ふふふ!」にこっと笑う。
“スターゲイザー”:「……!」その時気付く。千原海智のもとで小さく光るその機械に。「……ジェシカさんですか……!」
“スターゲイザー”:「完全に折ったはずなのに……!最後の最後まで邪魔をする……!」
赤川累:「そうやって、輝きの消えたものに興味を失うから見落とす」
赤川累:「星の引力は、目には見えないからな」
鳩山依鈴:「さっきも言ったはずよね。慣れたって」
鳩山依鈴:「私たち、もう、こういう展開には慣れっこで。懲り懲りなの」
“スターゲイザー”:「さ……さっきから……!ベラベラ偉そうに……!」
“スターゲイザー”:「勝ち誇ったように啖呵切ってくれちゃってますけどね!!」
“スターゲイザー”:「勝つのは僕ですよ!!僕なんです!!」
“スターゲイザー”:「あなたたちはここで!火に惹かれた虫みたいに!燃え尽きて死ぬ運命なんですよ!!」
"ディアスポラ":「やってみなよ。"スターゲイザー"」
"ディアスポラ":「空の星は、燃えて輝くものだけじゃない」
"ディアスポラ":「迷いながら進むやつがいて、そこに寄り添うやつがいて」
"ディアスポラ":「輝いてなんかいなくても、そうやって世界は廻っているんだ」
鳩山依鈴:「あなたが灯火だというのなら」
鳩山依鈴:「風前のその最後の輝きを、私たちが観測する」
鳩山依鈴:「見届けるのは私たちの方だ。今日こそはね」
赤川累:「最も、君のその生き方を星と呼ぶには」
赤川累:「幾分、輝きが足りない気がするけどな」
赤川累:「星の光に近付き過ぎた観測者は、その身を焼かれる」
赤川累:「お前に相応しいのは、光じゃない。黒い灰の色だ。"スターゲイザー"」
千原海智:「さっきも言ってくれたよね。僕は世界を救うために作られた存在って」
千原海智:「そんな僕がここにいる。そして、ここには僕を助けてくれた皆がいる!」
千原海智:「改めて宣言しよう!」
千原海智:「もうストーリーはハッピーエンドで決まっているんだよ、スターゲイザー!」
“スターゲイザー”:「……」怒りに満ちた表情で、君達を見据える。
“スターゲイザー”:「……ハッピーエンドですか。そうですか。ええ、僕も大好きですよ。ハッピーエンド」
“スターゲイザー”:「ですがね!」
“スターゲイザー”:「……“マスタールイン”はどうしようもないジャームでしたが……一つだけ共感できるところもありました」
“スターゲイザー”:「どんなに美しく烈しい星の輝きでも……」
“スターゲイザー”:「僕が!!」
“スターゲイザー”:「見れなきゃ!!」
“スターゲイザー”:「何の意味も無いんですよ!!」
“スターゲイザー”:「それが出来ないのなら、こんな世界────」
“スターゲイザー”:「ぶっ壊してやります!!」
GM:クライマックス戦闘を再開します。
エンゲージ []内は行動値



赤川[15]ディアスポラ[15]鳩山[6]千原[2]
(5m)
“スターゲイザー”[45]


GM:第4ラウンド。
GM:セットアップから。
"ディアスポラ":なし!
千原海智:なしです~
鳩山依鈴:なし。
赤川累:なしです
“スターゲイザー”:なし。
GM:イニシアチブ。
“スターゲイザー”:≪加速する刻≫
“スターゲイザー”:手番を行います
“スターゲイザー”:≪サイレンの魔女≫+≪悪食の大風≫+≪援護の風≫+≪ウィンドブレス≫
“スターゲイザー”:対象はPC全員。
“スターゲイザー”:対決に敗北したり相手にダメージを与えられなかった場合、シーン間判定ダイス-3個。今回この効果は全員にダメージを与えられなかった場合起動します
“スターゲイザー”:24DX+9
DoubleCross : (24R10+9[10]) → 10[1,1,2,4,4,4,5,5,5,6,6,6,6,7,7,7,8,8,8,8,8,9,10,10]+8[5,8]+9 → 27

GM:リアクションをどうぞ。
千原海智:オートアクション。《異世界の因子》を使用し、《多次元移動者》をコピー。使用します。
千原海智:シーン中、“スターゲイザー”への攻撃判定において常にC値が-3されるようになったよ!
"ディアスポラ":再開前にかかってた暴走って継続しますか?
GM:解除されてていいですよ!
"ディアスポラ":やった!
赤川累:リアクションは、特殊ルールにのっとってカウンターを行います。
鳩山依鈴:では、カウンターを宣言します。
千原海智:カウンターを宣言します。
"ディアスポラ":同じくカウンターを宣言
GM:来やがれ~ッ
鳩山依鈴:《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。
赤川累:《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》《ブラストフォーカス》で判定
千原海智:《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《シャドーテンタクルス》で判定します
"ディアスポラ":メインプロセス使っていいとのことなので、マイナーで《陽炎の衣》
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:191->194)した
"ディアスポラ":《見えざる死神》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》ナイフ使用で判定します
鳩山依鈴:13dx7-1>=27
DoubleCross : (13R10-1[7]>=27) → 10[1,3,3,4,4,4,5,7,8,9,9,9,9]+10[2,4,6,7,7,10]+10[5,9,9]+10[1,7]+10[7]+10[9]+6[6]-1 → 65 → 成功

赤川累:13dx+6+9@7>=27
DoubleCross : (13R10+6+9[7]>=27) → 10[1,1,1,3,4,4,5,7,8,9,9,10,10]+10[3,5,5,9,10,10]+10[4,5,7]+3[3]+15 → 48 → 成功

赤川累:赤川累の侵蝕率を+12した(侵蝕率:192->204)
千原海智:14dx@4+6>=27
DoubleCross : (14R10+6[4]>=27) → 10[1,3,4,4,4,6,6,7,8,8,10,10,10,10]+10[2,2,3,3,5,5,5,6,8,8,10,10]+10[1,1,4,5,5,6,6,7]+10[3,6,8,8,9,10]+10[2,3,4,6,8]+10[1,4,9]+10[2,4]+10[7]+10[4]+2[2]+6 → 98 → 成功

"ディアスポラ":14dx7+1>=27
DoubleCross : (14R10+1[7]>=27) → 10[4,4,5,6,6,6,7,7,7,8,8,9,10,10]+10[2,5,6,6,7,8,9,10]+10[1,4,5,7]+10[9]+6[6]+1 → 47 → 成功

千原海智:すごい回るじゃん!
GM:ぜ、全員成功させてくる
GM:では“スターゲイザー”の攻撃は全失敗でダメージはありません。
GM:各自ダメージを算出してください
千原海智:10d10+28+10+3 装甲有効
DoubleCross : (10D10+28+10+3) → 57[3,5,9,1,5,7,10,9,5,3]+28+10+3 → 98

赤川累:5d10+44 装甲無視
DoubleCross : (5D10+44) → 31[9,4,10,6,2]+44 → 75

"ディアスポラ":5d10+34+2d10 装甲有効
DoubleCross : (5D10+34+2D10) → 23[4,2,4,7,6]+34+9[4,5] → 66

鳩山依鈴:7d10+9 装甲有効
DoubleCross : (7D10+9) → 28[5,9,1,7,1,4,1]+9 → 37

GM:C(98+75+66+37)
DoubleCross : 計算結果 → 276

“スターゲイザー”:≪クレンジング≫
“スターゲイザー”:276-2D10
DoubleCross : (276-2D10) → 276-19[9,10] → 257

“スターゲイザー”:即死します
“スターゲイザー”:≪イモータルライフ≫で復活
“スターゲイザー”:2D10
DoubleCross : (2D10) → 6[5,1] → 6

"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+4(侵蝕率:194->198)した
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:172->176)

“スターゲイザー”:「どいつも……こいつも!!」
“スターゲイザー”:「報いを受けろだとか!!反省しろだとか!!裁きが下るだとか!!」
“スターゲイザー”:「そんなこと……僕が知ったことじゃないんですよ!!」
“スターゲイザー”:「何ですか皆で寄ってたかって!!」
“スターゲイザー”:「こんな女の子に……!!恥ずかしいと思わないんですか!?」
“スターゲイザー”:「ふざけないでくださいよ!!反省なんて……するわけないでしょ!!」
“スターゲイザー”:空間の歪みと共に、衝撃波が解き放たれる。無数の世界から空気を重ね合わせ圧縮する、普段は防御に使う技。
“スターゲイザー”:その最大出力を解放し、君達に直接ぶつける。埒外の暴風が荒れ狂い襲い掛かる。
"ディアスポラ":「……そんな女の子を」
"ディアスポラ":「散々弄んだのはアンタだろうが」一瞬の閃光、その刹那に
"ディアスポラ":「いい加減返せよ。その子はアンタには勿体ない」
"ディアスポラ":迫りくる暴風が、吹き荒れる姿そのままに空気ごと凍りついている。
“スターゲイザー”:「な……っ……!?」
鳩山依鈴:その間隙に、本体を数度の銃弾が襲う。
鳩山依鈴:凍結を見越して、着弾を遅らせたもの。
“スターゲイザー”:「げぅっ……」
“スターゲイザー”:血を噴き出し絶命、新たな少女が現れる。
“スターゲイザー”:「う、ぐぅうううっ……!鳩山さん……!」
鳩山依鈴:「そう。現れるのはそこ。だったら」
赤川累:更なる出現と同時、既にその頭上を取っている。凍結した空気を足場に飛び上がっていた。
“スターゲイザー”:落ちる影に気付き、見上げる時にはもう遅い。
赤川累:その次を認識する間もなく。黒い風が吹いて、少女の躰が崩れ落ちる。
“スターゲイザー”:「あ、あぁああああっ……!!」
“スターゲイザー”:溺れるように腕を振って足掻いて、灰へと崩れる。
“スターゲイザー”:「こ、の……!あなた達……!」
“スターゲイザー”:やや距離を取って、再び復活。
赤川累:見えている。再出現に伴う時空の歪み。撹拌機によって曖昧化したその境界を、今ならば知覚できる。
赤川累:「次はそっちだ、千原くん!」
千原海智:「ああ!」
千原海智:"スターゲイザー"を取り巻く空間が、少しずつ歪んでいき、無数の世界の扉が開く。
“スターゲイザー”:「────!?」
千原海智:「………ウロボロスは模倣の力?」
千原海智:「違うね」
千原海智:「これは僕の力。僕だけの力」
千原海智:「星の輝きを届ける力だ!」
千原海智:右手に宿る獣の影が膨張を続ける。
千原海智:並行世界から届くレネゲイドを喰らい続け、その輪郭が揺らぎ、名も知らぬ人々の姿が陽炎のように映る。
千原海智:それは少女であり少年であり、青年であり婦人であり老人であり。
千原海智:炎、氷、風、毒、光、闇、時間、───あるいは名前をつけることもできない、一人一人が抱く、特別な力。
千原海智:何十万の、何百万の、何億ほどの、
千原海智:超人達の力がその腕に集い、極光となって輝く。
“スターゲイザー”:「何、ですか、これ……!」
“スターゲイザー”:「三瀬川さんに近い……いえ……」
“スターゲイザー”:「これは……僕の……?」
千原海智:「見せてあげるよ」
千原海智:「星の」
千原海智:「輝きを!」
千原海智:極光が、その輪郭を常に変化させながら、刃と化して少女を呑み込む。
“スターゲイザー”:「ぎゃっ……あぁああああああっ!!」
“スターゲイザー”:幾重もの悲鳴が重なる。新たに復活する度に極光に焼き尽くされ、死んではまた復活する。
“スターゲイザー”:炎に飛び込む虫のように。
“スターゲイザー”:「が……は……っ……」
“スターゲイザー”:光が消えると、そこには少女が立っている。顔は同じだが、美しく長い黒髪────ではない。
“スターゲイザー”:肩で切り揃えられたショートカットの少女が、君達を睨みつけている。
“スターゲイザー”:「…………許しません…………!」

“スターゲイザー”:≪加速する刻≫
“スターゲイザー”:手番を行います
“スターゲイザー”:マイナー≪インフィニティウェポン≫+≪ジャイアントウェポン≫
“スターゲイザー”:攻撃力23のビル街を作成します
“スターゲイザー”:メジャー≪コンセントレイト:モルフェウス≫+≪咎人の剣≫+≪ストライクモード≫+≪ギガノトランス≫+≪大喰らい≫+≪オーバーロード≫
“スターゲイザー”:対象はPC全員。
“スターゲイザー”:対決に敗北したり相手にダメージを与えられなかった場合、シーン間判定ダイス-5個
“スターゲイザー”:15DX7
DoubleCross : (15R10[7]) → 10[1,2,2,3,3,5,6,6,6,7,7,9,9,10,10]+10[2,5,6,7,7,8]+10[2,3,10]+10[7]+6[6] → 46

GM:リアクションをどうぞ。
鳩山依鈴:『JAN 1, 2021』:《リフレックス:オルクス》《束縛の領域》。
鳩山依鈴:9dx7+1>=46
DoubleCross : (9R10+1[7]>=46) → 10[1,1,2,3,3,7,8,8,9]+10[3,5,8,9]+10[5,8]+10[8]+6[6]+1 → 47 → 成功

鳩山依鈴:素で成功しちゃった 成功です
GM:素で成功するな!!
GM:では判定は失敗。
鳩山依鈴:侵蝕率+7 (侵蝕率:176->183)

GM:行動値15、“ディアスポラ”さんの手番です。
"ディアスポラ":マイナー《陽炎の衣》隠密化
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+3(侵蝕率:198->201)した
"ディアスポラ":メジャーで『ウィンターマスター』《コキュートス》《光の手》《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》《砂の加護》《砂塵霊》
"ディアスポラ":これにインフィニティエクリプスを使用。リアクション不可とします。
GM:ギャア~~ッ
GM:判定どうぞ……
"ディアスポラ":18dx7+4
DoubleCross : (18R10+4[7]) → 10[1,1,2,3,3,3,4,4,5,6,6,6,6,8,9,9,9,9]+10[3,4,4,5,10]+10[10]+3[3]+4 → 37

“スターゲイザー”:リアクション不可。
"ディアスポラ":ダメージ出します
"ディアスポラ":4d10+48+3d10
DoubleCross : (4D10+48+3D10) → 27[9,9,6,3]+48+11[8,2,1] → 86

“スターゲイザー”:HP0
“スターゲイザー”:≪魂の錬成≫で復活します
"ディアスポラ":"ディアスポラ"の侵蝕率を+14(侵蝕率:201->215)した

“スターゲイザー”:「もういいです……手段は……選びません……!」
“スターゲイザー”:辺り一帯が不意に闇に包まれる。
“スターゲイザー”:上空、揺らぐ境界。
“スターゲイザー”:その向こうに、逆さまになった街がある。
千原海智:「ワオ」上空を見上げる。
“スターゲイザー”:「全員、まとめて……!」
“スターゲイザー”:「ぺしゃんこになってください!!」
“スターゲイザー”:絶叫と共に、巨大なビル街が君達に向けて落ちてくる。
鳩山依鈴:その向こうから、一つ。
鳩山依鈴:ふと、落ちてくるものがある。
鳩山依鈴:ビル街ではない。一発の弾丸。
鳩山依鈴:それが、次元を操るものの脳を穿つ。
鳩山依鈴:境界が曖昧になり、消える。
“スターゲイザー”:「あっ」
“スターゲイザー”:がくがくと痙攣し、崩れ落ちる。
鳩山依鈴:「あなたの次元移動も、自動的じゃない」
鳩山依鈴:「あなたの飢えたる衝動のままに、繰り出されてるなら」
鳩山依鈴:「その脳を止めれば、止まるでしょう……けど」
鳩山依鈴:転がってきた薬莢を拾い上げる。
鳩山依鈴:自分のものではない。少なくとも今の所持品では。
鳩山依鈴:「——ああ、きっと」
鳩山依鈴:「どこかの私か、いつかの私が。そうした」
鳩山依鈴:あるいは並行世界の。
鳩山依鈴:そしてあるいは、はるか未来の。
鳩山依鈴:どちらにせよ、それは福音の嚆矢であり。
鳩山依鈴:二の矢が来る。
“スターゲイザー”:「っ……!鳩山さん……!どこまで、僕の邪魔を……!」
“スターゲイザー”:赤縁の眼鏡を掛けた“スターゲイザー”が現れる。
“スターゲイザー”:「わざわざ“マスタールイン”まで用意したのに……!最悪です……!!」
"ディアスポラ":"マスタールイン"。万象に破滅を齎す者
"ディアスポラ":それは彼女の世界においても同様である。冬の瞳は確かに
"ディアスポラ":自らの破滅を垣間見た。それは現実にはならなかったが、ひとたび観測したのなら……
"ディアスポラ":「そうそう、そいつにも感謝しなくちゃね」魔眼を開く
"ディアスポラ":「お望みの"星の終わり"を、アンタに見せてやる」
"ディアスポラ":虚空に月が昇る。青褪めた満月が荘厳な光を放つ
“スターゲイザー”:「……!!」
"ディアスポラ":その世界の夜空に、星は存在しない。
"ディアスポラ":零下8000度、恒星すら凍り堕ちる静寂の宇宙。
"ディアスポラ":その暗黒を照らすものは存在しない。ならば何故、その月は輝くのか。
"ディアスポラ":彼曰く、それは虫なのだという。
"ディアスポラ":太陽なき世界、あらゆる熱を虫が貪り尽くした先、冷たい光の満ちる果てに
"ディアスポラ":その世界の破滅はある。
"ディアスポラ":「"冬"は終わる」
"ディアスポラ":「すべて、融け落ちろ」
"ディアスポラ":絶対零度を超えた先、すべてのエネルギーが収縮した末に訪れる負温度(マイナスゼロ)
"ディアスポラ":それは、極低温からの一斉反転。あらゆる正の温度よりも熱いエネルギーの爆発
"ディアスポラ":灼熱の春の到来である。
"ディアスポラ":「燃えろ!"スターゲイザー"!」その視界に重なった景色のすべてが
"ディアスポラ":太陽に飲み込まれたかの如く灼熱に包まれ、塵も残さず燃え尽きる。
“スターゲイザー”:「が────」「……!!」「待」「ぎッ……」
“スターゲイザー”:皮膚が、肉が、骨が、命が。
“スターゲイザー”:極限の零、刹那と須臾の内に灼け果てる。
“スターゲイザー”:それでも復活し続けねばならない。そうせねば、この世界との『縁』が途切れてしまうから。
“スターゲイザー”:「うぁぁあああッ……!!」
“スターゲイザー”:元より、“ディアスポラ”の出力を正面から受け切れていた訳では無い。
“スターゲイザー”:これまで余裕を見せられていたのは、偏にその命が文字通りの無限であり、その気になればいつでも逃げだせた故であり
“スターゲイザー”:今、この局面に至っては。その攻撃は、文字通りの致命となる。
“スターゲイザー”:「……う、ぅう…………!」
“スターゲイザー”:焦土と化し燻る荒野に、“スターゲイザー”が現れる。
“スターゲイザー”:その身体は、最初から片腕を失っている。
“スターゲイザー”:既に、そのような個体までをも引きずり出さねばならないところまで追いつめられている。
“スターゲイザー”:「…………う……」
“スターゲイザー”:「うぁああああああああああッ!!」
“スターゲイザー”:半狂乱の絶叫と共に、周囲の景色が歪曲する。
“スターゲイザー”:「……“まろうど”!!」
GM:地響きと共に、胎児の死体を無数に繋ぎ合わせたような、醜悪な巨体が姿を現す。
“スターゲイザー”:「“マスターレイザー”!! “ウル”!! “血腥恶魔”!!」
GM:吹き荒れる影の嵐の中に、二つの人影。金の短髪に長身、全身に鏡を身に着けた女と、細身の弓を携えた男。
“スターゲイザー”:「“カヴァーチャ”!! “崩天戟”!! “ワイルドハント”!! “ジェノサイダル・エンジン”!! “ミミックマスター”!! “シュヴァルツヴェルダー”!!」
“スターゲイザー”:「ああ、もう!!誰でもいいです!!やっつけてくださいよーーっ!!」
GM:荒れ果てた荒野に、次々にジャーム達が姿を現す。
GM:いずれも“ウィンターマスター”や“マスタールイン”に劣らぬ凄まじいレネゲイドを放つ、“スターゲイザー”の切り札達。
GM:ジャームの軍勢が、君達を取り囲む。
千原海智:「なんか色々出てきたよ…!?」
赤川累:「……まだこれくらいの手札はあったか」
"ディアスポラ":「やば……切り札切るのがちょっと早かったかも……」
鳩山依鈴:「まだ切りきってないでしょう?」
鳩山依鈴:「私たちが持つ、一番の札は、絆そのもの」
鳩山依鈴:「使い切る前に、終わらせましょうよ」
赤川累:「そう、ですね。それは、奴らにはないものだ」
"ディアスポラ":右目を抑える。燃え落ちる世界の熱が半身を侵す。
"ディアスポラ":「……そだね。うん、きっとまだ手はある」
"ディアスポラ":「"鬼札"ジョーカーはまだ切れてない」
千原海智:周囲の軍勢を見渡す。「…うん」
千原海智:「これくらいで、諦めてたまるか!」
“スターゲイザー”:「あははは……!なぁ~~~にが絆ですか!」
“スターゲイザー”:「もうとっくに限界のくせに!あなた達の頑張りはもうお腹いっぱいです!」
“スターゲイザー”:「ジョーカーなんて、例えあっても切らせませんよ!あなた達の手番はもう来ません!」
“スターゲイザー”:「せめて最後の輝きで、僕を楽しませて……」
GM:「────捌刃」
GM:電光が迸り、巨大なジャームの身体が両断される。
“スターゲイザー”:「は」
GM:蒼い炎に包まれ浮遊する、無数の日本刀。血飛沫を浴びてそこに立っているのは。
朝霧鏡花:「“海底撈月”」
朝霧鏡花:刀を鞘に納め「遅くなりました、鳩山さん、皆さん」
千原海智:「朝霧さん…!」
朝霧鏡花:「……だけじゃないですよ」
朝霧鏡花:そう言って振り返る。
鳩山依鈴:「鏡花ちゃん。だけじゃないって?」
GM:血の槍が放たれ、ジャームが串刺しにされる。
GM:一拍遅れて、内部から解き放たれる極低温の冷気。飛び散った血が新たな血槍となって、更に周囲を襲う。
北見菫:「……赤川くん!」
赤川累:「……北見さん」
赤川累:少し力が抜けたように笑う。
"ディアスポラ":「あの子、あの時の……」地獄と化した島で見た面影を思い出す
北見菫:「意外と元気そうね。良かった」
赤川累:「そっちこそ。怪我しなかったか?」
北見菫:「この程度。じっとなんてしてられないわよ。あいつがいるんでしょ?それに──」
北見菫:不意に他方を見遣る。
赤川累:促されて、そちらを見る。
有島まひろ:空間が歪み、現れるは蝙蝠の羽。ジャームの間を舞い牙を剥く夢魔の姿がある。
有島まひろ:「累くん、猪折ちゃん!」
赤川累:「有島さんも……」
赤川累:「……ああ。無事でよかった」
"ディアスポラ":「まひろ……」安心したように笑う
有島まひろ:「二人とも、まひろさんがいなくても大丈夫かしら?」悪戯っぽく笑う。
赤川累:「それは……」
赤川累:「……いえ。いてくれると頼もしいですね。とっても」
"ディアスポラ":「ま、もちろん私らだけでも余裕だったけど」
"ディアスポラ":「……隣りにいてくれるなら、もっと余裕かも」
有島まひろ:「ふふふ」くすくすと笑う。
GM:次々とオーヴァード──UGNエージェント達が現れ、ジャームの軍勢と交戦を始める。
GM:剣閃に銃声、無数の能力が飛び交い、辺りはすぐに戦場の喧騒に包まれる。
三瀬川りんか:「……こんなに……!」
赤川累:「皆さんが来たって事は。外、大丈夫そうですか?」
朝霧鏡花:「ええ。結界も災厄存在も消失して、もう来られない理由は無いですからね」
朝霧鏡花:「それでも、すぐにこれだけの人数を動員できたのは────」
朝霧鏡花:少し悪戯っぽく笑って。「話します?本人と」
朝霧鏡花:そう言って、鳩山に通信端末を手渡す。
鳩山依鈴:「えっ」
鳩山依鈴:「えっうん」
鳩山依鈴:動揺しながら通信端末を取って。
霧谷雄吾:『お疲れさまです。鳩山さん』
霧谷雄吾:その声は、君がよく知るものだ。
鳩山依鈴:「——お疲れさまです」
霧谷雄吾:『ここまで、よく耐え抜いてくれましたね』
鳩山依鈴:「ええ、はい。それはきっと、私の力じゃなくて」
鳩山依鈴:「みんなのおかげです。一緒に、戦ってくれた仲間」
鳩山依鈴:「死んでいった仲間と、そうだったものと」
鳩山依鈴:「……雄吾さんのかな」
霧谷雄吾:『……ええ。それがUGNです。日本支部長として、望外の言葉です』
霧谷雄吾:『ここで我々の全勢力を傾けない理由はありません。私が現場に出られないのが残念なくらいですが……』
霧谷雄吾:『好機は今しかありません』
霧谷雄吾:『“スターゲイザー”は、ここで必ず倒します』
鳩山依鈴:「大丈夫。分かってます」
鳩山依鈴:「あなたの切り札としての責務を全うします」
鳩山依鈴:「“リヴァイアサン”」
霧谷雄吾:『はい。貴女にお任せします』
霧谷雄吾:『“ミストミストレス”』
“スターゲイザー”:「う、ぎ……!あぁああああ……!」
“スターゲイザー”:間断ない攻撃を受け、次々と倒されていく。
千原海智:「お~~…」ひとり呟く。「オールスターだねえ」
“スターゲイザー”:新たに現れたその影は、黒髪の少女ではなく。
“スターゲイザー”:「はぁっ……!はぁっ……!」
“スターゲイザー”:あどけない少年の姿。
GM:“ディアスポラ”だけは、それに見覚えがある。
“スターゲイザー”:「こんな個体まで……持ち出さなければならないなんて……!」
"ディアスポラ":「……黒田水月……」
赤川累:「変わった……?いや」
赤川累:「尽きたのか、あの躰が」
"ディアスポラ":「そっか……」
鳩山依鈴:「……じゃあ、きっと」
鳩山依鈴:「あなたの家族は開放された」
"ディアスポラ":「うん、朔夜は……」
"ディアスポラ":「あの子はもう、"スターゲイザー"じゃない」
"ディアスポラ":ナイフの柄をぎゅっと握り込む
千原海智:「……そっか」
“スターゲイザー”:「何を……勝ち誇っているのやら……」
“スターゲイザー”:「おれは“スターゲイザー”ですよ……?全員纏めて……」
“スターゲイザー”:「ぶっ殺してやります」

“スターゲイザー”:≪加速する刻≫
“スターゲイザー”:マイナー≪ハンティングスタイル≫+≪破壊の爪≫
“スターゲイザー”:メジャー≪コンセントレイト:キュマイラ≫+≪餓狼の顎≫+≪ワールドデストラクション≫+ ≪形なき剣≫+≪要の陣形(未知なる陣形)≫
“スターゲイザー”:対象はPC全員。
“スターゲイザー”:対決に敗北したり相手にダメージを与えられなかった場合、シーン間判定ダイス-5個
“スターゲイザー”:10DX7
DoubleCross : (10R10[7]) → 10[2,2,2,2,4,4,6,8,10,10]+5[2,3,5] → 15

千原海智:カウンターを宣言します。
赤川累:カウンターを宣言します。
"ディアスポラ":カウンターを宣言します。
鳩山依鈴:カウンターを宣言します。
千原海智:《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《シャドーテンタクルス》。
赤川累:《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》で判定。
鳩山依鈴:《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。
千原海智:14dx4+6
DoubleCross : (14R10+6[4]) → 10[1,3,4,4,5,5,5,6,6,6,6,8,8,10]+10[2,3,5,6,6,7,7,7,8,8,10,10]+10[3,4,5,5,6,6,7,8,8,10]+10[1,1,4,4,6,6,8,9,10]+10[5,5,6,6,7,9,9]+10[2,7,7,8,9,10,10]+10[3,4,5,6,10,10]+10[1,5,6,6,10]+10[2,3,5,8]+10[2,9]+10[7]+10[6]+1[1]+6 → 127

赤川累:13dx+6+9@7>=15
DoubleCross : (13R10+6+9[7]>=15) → 10[1,1,3,3,4,5,5,5,7,7,7,7,9]+10[3,3,6,9,10]+6[4,6]+15 → 41 → 成功

鳩山依鈴:13dx7-1>=15
DoubleCross : (13R10-1[7]>=15) → 10[1,1,2,2,2,5,7,8,8,8,9,10,10]+10[1,1,2,4,9,10,10]+10[1,6,9]+10[7]+10[9]+5[5]-1 → 54 → 成功

"ディアスポラ":マイナーでジェネシフト
"ディアスポラ":215+1d10
DoubleCross : (215+1D10) → 215+3[3] → 218

"ディアスポラ":げっ
鳩山依鈴:いいよいいよ
鳩山依鈴:素振りしな
"ディアスポラ":ありがとうお姉ちゃん……!
"ディアスポラ":使用できるエフェクトがないので素振りします。ナイフで攻撃
"ディアスポラ":12dx+1>=15
DoubleCross : (12R10+1[10]>=15) → 10[1,1,1,2,2,3,4,6,7,8,10,10]+8[5,8]+1 → 19 → 成功

鳩山依鈴:自前で成功してる!
千原海智:えらい~
"ディアスポラ":や、やった!
GM:こいつら~~~~~~~
GM:では攻撃は全失敗です。
GM:ダメージ算出をどうぞ
鳩山依鈴:6d10+9 装甲有効
DoubleCross : (6D10+9) → 33[7,3,4,1,9,9]+9 → 42

千原海智:13d10+28+10+3 装甲有効
DoubleCross : (13D10+28+10+3) → 69[6,8,1,3,1,10,1,6,1,4,9,10,9]+28+10+3 → 110

赤川累:5d10+24 装甲無視
DoubleCross : (5D10+24) → 22[5,4,6,6,1]+24 → 46

"ディアスポラ":2d10+2 装甲有効
DoubleCross : (2D10+2) → 7[5,2]+2 → 9

GM:C(42+110+46+9)
DoubleCross : 計算結果 → 207

“スターゲイザー”:HP0。
“スターゲイザー”:≪魔獣の証≫で復活します

“スターゲイザー”:「オォオオオオッ……!」
“スターゲイザー”:少年の姿が一瞬で膨張し、巨大で醜悪な獣のそれへと変わる。
“スターゲイザー”:「ぐ、あぁああッ!!」
“スターゲイザー”:獣が文字通りの分身と共に、全員に一斉に飛び掛かり、爪牙を振るう。
“スターゲイザー”:鋼鉄を容易に引き裂く、恐るべき暴力ではあるが──それまでと比べ、あまりにも単純な攻撃。
鳩山依鈴:「CW/1s」銃声。
鳩山依鈴:銃弾は発生しない。1秒後。
鳩山依鈴:「0,CCW/1s」銃声。
鳩山依鈴:過去から、現在から、未来から。全く同じ軌道の弾丸が発射される。
鳩山依鈴:それは真なる3点バースト。破壊力を幾条にも高める。
“スターゲイザー”:「ぐっ、ガッ……!」
“スターゲイザー”:鋼鉄より強固な獣の身体が貫かれ、体勢を崩す。
鳩山依鈴:1秒後に、構えて撃つ。銃声のみ。
鳩山依鈴:「もう、次元超越のタネは切れたのかしら」
千原海智:その瞬間、右手に宿る獣が咆哮を上げて飛び掛かる。
千原海智:レネゲイドが凝縮されつくした光が、影の身体の中で明滅し続ける。
千原海智:『──────■■■■■───!!!!』誰にも聞こえない声。
“スターゲイザー”:「……! グォオオオオッ!!」
“スターゲイザー”:咆哮と共に迎撃。二頭の獣が喰らい合い、血と影を散らして殺し合う。
千原海智:「まだ諦めてないのはすごいね」
赤川累:「さっきまでの派手さに比べれば、幾分と」拮抗する二頭、その巨体の背後へ回り込んでいる。
赤川累:「ありきたりなやつになって来た」黒い腕を振るう。丸太のように太い魔獣の脚が、風に掻き消える。
赤川累:「底はもうすぐかな」
"ディアスポラ":支えを失い仰向けに倒れていく獣の直上から
"ディアスポラ":分厚い雲間を裂いて届き出した陽の光に紛れて、小さな影が躍りかかる。
"ディアスポラ":凍結能力は暫く使えない。単純な光学欺瞞。
"ディアスポラ":しかしそれが、彼女の本来の戦い方だった。
"ディアスポラ":獣の反応を許さぬままに懐に潜り込み、心臓にナイフを突き立てる。
"ディアスポラ":「その姿になってくれて助かったよ」
"ディアスポラ":「最後にようやく、アンタを心から憎いって思える」
“スターゲイザー”:「ガッ……!」
鳩山依鈴:「引金一発で、何発も同時に炸裂するの」
鳩山依鈴:「そうね。さしずめ、4ラウンドバーストかしら」
“スターゲイザー”:「…………」
“スターゲイザー”:急所を穿たれ、巨大な獣が地響きを立てて倒れる。
鳩山依鈴:「私たちの未来の種は、尽きない」
“スターゲイザー”:その死骸を踏み付けるように、空中から現れるのは
“スターゲイザー”:ストライプの入った黒のスーツに同じ柄のハット。赤い丸サングラスにネクタイ。細身で長身の、年老いた男。
“スターゲイザー”:「……少々おいたが過ぎる様だね」
“スターゲイザー”:「仕置きの時間だ」

“スターゲイザー”:≪加速する刻≫
“スターゲイザー”:メジャー≪コンセントレイト:サラマンダー≫+≪コキュートス≫+≪デボラスフレア≫+≪バーストブレイク≫
“スターゲイザー”:3DX7 HPダメージ軽減エフェクト使用不可
DoubleCross : (3R10[7]) → 10[2,7,9]+10[2,10]+4[4] → 24

GM:リアクションをどうぞ。
鳩山依鈴:その前に
鳩山依鈴:《妄想の写し身》。
鳩山依鈴:私に対する攻撃判定のダイス1個を
鳩山依鈴:1に変更します。
鳩山依鈴:2回めの10を1に。
GM:何だと……
GM:では達成値は12になります
鳩山依鈴:侵蝕率+5 (侵蝕率:183->188)
鳩山依鈴:そしてリアクション。
鳩山依鈴:カウンターを宣言します。
"ディアスポラ":カウンターを宣言します。
赤川累:カウンターを宣言します。
千原海智:カウンターを宣言します。
鳩山依鈴:《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。
赤川累:《コンセントレイト》《インスタントボム》で判定。
"ディアスポラ":素殴り。ナイフで攻撃。
千原海智:《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《シャドーテンタクルス》。
鳩山依鈴:12dx7-1>=12
DoubleCross : (12R10-1[7]>=12) → 10[1,1,2,5,5,7,8,8,8,9,9,9]+10[3,4,5,6,6,7,10]+10[1,10]+10[7]+6[6]-1 → 45 → 成功

赤川累:7dx+6+9@7>=12
DoubleCross : (7R10+6+9[7]>=12) → 10[3,3,4,4,4,7,7]+10[4,10]+1[1]+15 → 36 → 成功

赤川累:赤川累の侵蝕率を+5した(侵蝕率:204->209)
"ディアスポラ":12dx+1
DoubleCross : (12R10+1[10]) → 10[1,2,2,3,3,4,4,6,8,9,10,10]+5[3,5]+1 → 16

千原海智:14dx4+6
DoubleCross : (14R10+6[4]) → 10[1,1,1,2,2,3,3,6,7,7,9,9,9,10]+10[1,1,3,5,10,10,10]+10[3,3,7,8]+10[3,6]+10[8]+10[9]+2[2]+6 → 68

赤川累:後さっきの侵蝕分上げ忘れてたので上げます
赤川累:赤川累の侵蝕率を+8した(侵蝕率:209->217)
GM:鳩山依鈴……!お前さえ……!いなければ~~~~ッ!!
GM:ダメージを出しやがれ~~~~~~~~ッ
赤川累:4d10+24 装甲無視
DoubleCross : (4D10+24) → 6[1,3,1,1]+24 → 30

鳩山依鈴:5d10+9 装甲有効
DoubleCross : (5D10+9) → 37[7,5,6,9,10]+9 → 46

千原海智:7d10+28+10+3 装甲有効
DoubleCross : (7D10+28+10+3) → 33[8,2,5,3,8,5,2]+28+10+3 → 74

"ディアスポラ":2d10+2
DoubleCross : (2D10+2) → 11[5,6]+2 → 13

GM:C(30+46+74+13)
DoubleCross : 計算結果 → 163

“スターゲイザー”:HP0
“スターゲイザー”:≪燃える魂≫で復活します

“スターゲイザー”:跳躍。空気中の水分を凍らせ足場とし、宙空に留まる。
“スターゲイザー”:赤のサングラスを外す。双眸は白く冴え輝き、眼下のすべてを睥睨して。
“スターゲイザー”:空間中央上方の歪みは暗い魔眼となり、その端から青白い光が溢れ始める。
“スターゲイザー”:三日月のような細さであって、既にそれを裸眼で直視できるものは存在しないだろう。
“スターゲイザー”魔眼を持つ者ひとりを除いては。
“スターゲイザー”:「元より並行世界接続こちらは」
“スターゲイザー”:「私の専門分野だろう?“ディアスポラ”」
“スターゲイザー”:光は、冷気そのものだ。零下八千度。現世物理法則に於いては到底有り得ない、何もかもを奪い尽くす虚数温度。
“スターゲイザー”:それが溢れ出る。知覚可能な音域ギリギリの高音で、すべてが軋む。許容しきれぬマイナスの質量に、世界そのものが震え叫ぶ。
"ディアスポラ":「いいや、違うよ」
"ディアスポラ":「アンタはただ眺めていただけ。ポップコーンとコーラ片手に、ありのままをただ見ただけ」
"ディアスポラ":「その手で触れようとしない奴に、その世界のことがわかるわけないだろ」
"ディアスポラ":「そこは、私と」魔眼は開かない。一度臨界を超えた今、世界が再び凍りつくには相応の時間を要する。
"ディアスポラ":「あの人の世界だ。見てんじゃね—よ出歯亀野郎」
"ディアスポラ":しかし、それを視認することはできる。あらゆる熱を奪う光条を
"ディアスポラ":本来、知覚した瞬間には命はないそれを、『誰にでも視認できる』ように色を付ける。
"ディアスポラ":「みんな!あの光がこの冷気の正体!」
"ディアスポラ":「見やすくしといたから、後は上手く避けて!!」
鳩山依鈴:「いい“演出”と“監督”ね」
鳩山依鈴:「——CCW/2W」
千原海智:「!」影が鞭のようにしなり、何条もの光筋に絡みついて霧散させ、更に筋道を作る。
千原海智:「つめたっ」顔をしかめる。「じゃあ僕は…これって演出補佐?」
鳩山依鈴:くすりと笑って。「主演男優でしょうに」
赤川累:「異界への接続が領分、か。それはそうだろうが」身体が沈む。可視化され、さらに拡げられた光条の隙間を縫って
赤川累:「持って来るだけ持ってきて、力まかせにしか使いこなせないのも君の常だっただろ」
赤川累:「見えてれば、なんて事はない」一息に駆け上がり、辿り着く。
赤川累:漆黒の腕が、獣爪めいて疾り肉体を抉る。老人の影がまた一つ霧散する。
千原海智:「ふふふ」笑い返す。「ダブル主演男優かもね!」
赤川累:「ダブル主演? そりゃ少し、約束が違うんじゃないか」千原くんの方へ振り返りながら。
赤川累:「俺は君を助けるって言ったんだぜ」
千原海智:「…ワオ」
千原海智:「じゃあ……」ムズムズとする。「……お言葉に甘えちゃおうかな!」
鳩山依鈴:「じゃあ、私はスポンサー」
鳩山依鈴:彼女の信じられる最大出力。それは、今は。
鳩山依鈴:確かに見える。地中より出現したような不可解な軌道で。
鳩山依鈴:上昇し、空間の歪みを裂く。
鳩山依鈴:地表には薄い、ゲートの痕。それがすぐに消える。
“スターゲイザー”:「────!」
“スターゲイザー”:咄嗟に光条を向けようとするが、間に合わない。“ウィンターマスター”と異なり、所詮はただ力任せに開いているだけの力だ。
鳩山依鈴:「どうにも、未来の私は、悪い女みたいで」
鳩山依鈴:「元セルリーダーと、“契約”を結んだみたいね」
鳩山依鈴:「このときに向けて、ゲートを開けと」
鳩山依鈴:「星示すための”星”と。“北斗七星”セプテントリオンと」
"ディアスポラ":「……なんだよ」小さく笑って
"ディアスポラ":「ちゃっかり長生きしてんじゃん」
鳩山依鈴:「それから、スポンサーだから」
鳩山依鈴:銃を構えて。
鳩山依鈴:「権利がある。出来の悪い役者はね」
鳩山依鈴:「fire」スターゲイザーを撃ち抜く。
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:188->192)
“スターゲイザー”:「が、は……っ……」
“スターゲイザー”:血を吐き、崩れ落ちる寸前で、口元に笑みを浮かべる。
“スターゲイザー”:そのまま倒れて────
“スターゲイザー”:赤川累の姿が、消える。
“スターゲイザー”:新たな“スターゲイザー”も、どこにも現れない。
"ディアスポラ":「……」辺りを見回し
鳩山依鈴:「……えっ?」
鳩山依鈴:「どういうこと……?」
"ディアスポラ":「……打ち止めってわけじゃないよね」
千原海智:「赤川くん……?」

---

GM:……教室の窓から、橙の西日が射し込んでいる。
GM:気付けば君は、誰もいない教室に佇んでいる。
GM:いや、正確にはもう一人。
赤川累:「……何が」
赤川累:周囲を見渡す。そして、いつか似たような状況を体験した事を思いだして。
“スターゲイザー”:「……累さん」
赤川累:その人影に視線を向ける。
赤川累:「……何の真似だ?」
“スターゲイザー”:黒髪の少女──恐らく、最後の最後に残しておいた、その肉体としての個体。
“スターゲイザー”:「……お願いがあるんです」
赤川累:「俺一人が相手なら、慈悲をかけてもらえるかもしれないと」
赤川累:「そう思ったのなら、期待には応えてやれない」
赤川累:「こんな話をする時期も、もうとっくに過ぎたはずだ」
“スターゲイザー”:「…………」
“スターゲイザー”:「……一緒に……来てください、累さん」
“スターゲイザー”:「もう……悪いこともしませんから」
“スターゲイザー”:「何でもします。あなたが望むことなら、何でも……」
赤川累:「……」
“スターゲイザー”:「だ、だから……!」
“スターゲイザー”:「僕と一緒に来てよ……!累……!」
赤川累:何も言わず、冷たい眼差しを向けて。その言葉を聞いている。
“スターゲイザー”:「も、もう、僕……」
“スターゲイザー”:「嫌なんです……」
“スターゲイザー”:「一人ぼっちは……嫌…………」
“スターゲイザー”:「お願いです……!」
“スターゲイザー”:君に縋り付く。
“スターゲイザー”:「累しかいないの……!お願い……!」
赤川累:「……”13人も必要ない。1人で全てできるって事を証明したい”だったか」
赤川累:「結局の所、どっちだったんだ?君は」
赤川累:「一人で何でもできる、孤高の神様でいたいのか」
赤川累:「他の誰かと繋がった、数ある一人の人間でいたかったのか」
赤川累:「君の願いはちぐはぐだ。言葉も、心も」
“スターゲイザー”:「うぅ……うううう……!」
“スターゲイザー”:「ひどい……ひどいこと、言わないでよ……!」
赤川累:「……その能力で。無数の世界の自分と重なり合った結果、そういう風になったんだとしたら」
赤川累:「そこは憐れむべきかもしれない」
“スターゲイザー”:「累……」
“スターゲイザー”:「ねえ……」
“スターゲイザー”:「お願いだから……」
赤川累:「……どうして答えない?」
“スターゲイザー”:「分かんないよ……!」
“スターゲイザー”:「そんなの、今更……!分かんない……!」
“スターゲイザー”:「僕は綺麗なものが見たくて……それだけ……それだけなのに……!」
赤川累:「……それだけ、か」
赤川累:「君の世界には、それしかないのか」
“スターゲイザー”:「だって……だって、仕方ないでしょ!誰も友達になってくれないから!」
赤川累:「友達がいらないって言ったのも君だ」
赤川累:「全部、君が選んできた結果だ」
“スターゲイザー”:「うぅううう…………!」幼児のように泣きながらかぶりを振る。
“スターゲイザー”:「……やだ……」
“スターゲイザー”:「真っ暗で……寂しくて……」
“スターゲイザー”:「嫌……」
“スターゲイザー”:「星の無い夜空なんて……」
“スターゲイザー”:「耐えられない……」
赤川累:「……後悔しているか?」
赤川累:「自分がこれまで、幾つもの星を食いつぶして、光を奪って来た事を」
赤川累:「今、どう思う」
“スターゲイザー”:「…………」
“スターゲイザー”:「……僕には……」
“スターゲイザー”:「それが、必要だったから」
“スターゲイザー”:「でも」
“スターゲイザー”:「……貴方がしろというなら、します」
赤川累:「……そうか」
赤川累:《インスピレーション》を使用します。
赤川累:彼女はいま自分が言った言葉を、本当に守れますか?
GM:今は本心から反省していても、“スターゲイザー”が最後に残ったロイスを守る為には、『星』を観測し続けるしかありません。
GM:いずれまた、必ず同じことを繰り返すでしょう。
“スターゲイザー”:「……後悔してます。もう、二度としません」
“スターゲイザー”:「心を入れ替えて……人の為に尽くします」
“スターゲイザー”:「そうです……!UGNに入ってもいいです!」
“スターゲイザー”:「僕の力があれば、きっと助かりますよね?」
“スターゲイザー”:「だから、累さん。皆にもそう伝えてください!」
“スターゲイザー”:笑顔で君に語り掛ける。
赤川累:「ああ。……朔夜さん」
赤川累:「やはり、君は」
赤川累:右手を開く。灰の熱が迸る。
赤川累:「嘘吐きだな」
“スターゲイザー”:「え────」
赤川累:先ほどまでの、冷たい眼差しではなく。どこか哀しい色を浮かべて
赤川累:それでも確かに、目の前の彼女の命を奪うために。それを振るう。
“スターゲイザー”:「……!!」
“スターゲイザー”:寸前でそれを躱して。目を見開いて赤川を見る。
“スターゲイザー”:「……」
“スターゲイザー”:「……なんで」
“スターゲイザー”:ぼろぼろと、大粒の涙が零れ落ち。
“スターゲイザー”:「なんで、どうして……」
“スターゲイザー”:「なんでぇええええっ……!!」
GM:ぐにゃりと視界が歪む。
赤川累:「分かるんだよ。……分かってしまうんだ」
赤川累:「君がくれた力の一つだ」
GM:次の瞬間には、君達は元の荒野へと戻ってきている。
“スターゲイザー”:「うぅっ……ぐ……うぅううううう…………!」
千原海智:「……っ、赤川くん!」戻ってきた彼に声をかける。
赤川累:「……ああ」皆の方へと振り返る。
赤川累:「悪い、ちょっと呼び出されてた」
鳩山依鈴:「それで?結果は……いや」
鳩山依鈴:「聞くまでも無さそう」
"ディアスポラ":「良かった。無事で……」安堵した後、その奥の少女に目を向けて
"ディアスポラ":「……朔夜……」
GM:周囲のジャーム達は、既にUGNによって抑え込まれつつある。
“スターゲイザー”:「み……ミサイルは……」ふらふらと立ち上がり、周囲を見回して。
“スターゲイザー”:「核ミサイルは……?どうしてまだ……一発も発射されないんですか……!?」
“スターゲイザー”:「“マスタールイン”も……“ウィンターマスター”も……“セプテントリオン”も……!」
“スターゲイザー”:「みんな、誰もかれも、役に立たない……!」
千原海智:「どうしてって……発射されなくても良くなかったからじゃない?」
千原海智:「他の人も、いなくなっちゃった」
千原海智:「……だから」
千原海智:「君はもう、本当に一人だよ」
“スターゲイザー”:「う」
“スターゲイザー”:「うぅうううううぅうぅう…………」
“スターゲイザー”:「うぁあああぁああああっ……!!」
“スターゲイザー”:地面に爪を立てながら泣きじゃくり。
“スターゲイザー”:「……うぐ、うぅううううっ!!」
“スターゲイザー”:顔を上げ、敵意と憎悪の目で君達を見る。
“スターゲイザー”:「僕のいない世界なら……」
“スターゲイザー”:「手の届かない星なら……」
“スターゲイザー”:「そんな、そんなの……」
“スターゲイザー”:「無い方が、マシですよ!!」
“スターゲイザー”:≪加速する刻≫
“スターゲイザー”:マイナー ≪縮地≫+戦闘移動
“スターゲイザー”:別の並行世界まで移動します
“スターゲイザー”:オートアクションで世界を装備します。
“スターゲイザー”:攻撃力・ガード値は99999。
“スターゲイザー”:メジャーアクションでコンボ【墜星剣アストロロギアス】
“スターゲイザー”:≪コンセントレイト:オルクス≫+≪形なき剣≫+≪冥王の臓腑≫+≪病める探求≫≪拡散する世界≫
“スターゲイザー”:対象はPC全員と、この世界。
“スターゲイザー”:ドッジダイス-4個 対決に敗北したり相手にダメージを与えられなかった場合、シーン間判定ダイス-3個 メインプロセス後に暴走。
“スターゲイザー”:5DX6
DoubleCross : (5R10[6]) → 10[1,3,5,9,10]+10[5,9]+1[1] → 21

“スターゲイザー”:≪妖精の手≫
“スターゲイザー”:1DX6+30
DoubleCross : (1R10+30[6]) → 1[1]+30 → 31 → ファンブル

“スターゲイザー”:≪妖精の輪≫≪妖精の手≫
“スターゲイザー”:1DX6+40
DoubleCross : (1R10+40[6]) → 10[10]+10[6]+2[2]+40 → 62

GM:リアクションをどうぞ。
鳩山依鈴:《妄想の写し身》。
鳩山依鈴:妖精の輪で変更した10を1に。31まで戻します。
鳩山依鈴:侵蝕率+5 (侵蝕率:192->197)
GM:では達成値は31。
赤川累:カウンターを宣言します。
鳩山依鈴:カウンターを宣言します。
"ディアスポラ":カウンターを宣言します。
千原海智:カウンターを宣言します。
赤川累:《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》で判定。
鳩山依鈴:《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》。
千原海智:《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《シャドーテンタクルス》。
"ディアスポラ":念の為マイナーでジェネシフト。メジャーで素殴り。ナイフで攻撃
赤川累:13dx+6+9@7>=31
DoubleCross : (13R10+6+9[7]>=31) → 10[1,1,2,2,3,5,8,8,10,10,10,10,10]+10[1,7,8,8,9,9,9]+10[2,3,4,5,5,10]+10[7]+5[5]+15 → 60 → 成功

赤川累:赤川累の侵蝕率を+8した(侵蝕率:217->225)
鳩山依鈴:13dx7-1>=31
DoubleCross : (13R10-1[7]>=31) → 10[1,2,2,4,5,5,6,6,7,8,9,10,10]+10[4,5,6,8,9]+10[3,9]+10[8]+4[4]-1 → 43 → 成功

千原海智:14dx4+6>=31
DoubleCross : (14R10+6[4]>=31) → 10[3,5,6,6,6,7,7,7,7,8,8,8,10,10]+10[1,1,1,1,1,3,3,4,5,5,7,8,10]+10[1,1,4,8,8,10]+10[4,6,8,10]+10[2,6,8,8]+10[5,8,8]+10[5,7,9]+10[1,4,6]+10[4,9]+10[2,7]+2[2]+6 → 108 → 成功

"ディアスポラ":218+1d10
DoubleCross : (218+1D10) → 218+9[9] → 227

"ディアスポラ":12dx+1>=31
DoubleCross : (12R10+1[10]>=31) → 10[1,1,2,4,6,6,6,7,7,9,10,10]+8[5,8]+1 → 19 → 失敗

鳩山依鈴:《妖精の手》。ディアスポラの判定ダイス最後の5を10に。
鳩山依鈴:侵蝕率+4 (侵蝕率:197->201)
"ディアスポラ":ありがとう!
"ディアスポラ":1dx+21>=31
DoubleCross : (1R10+21[10]>=31) → 3[3]+21 → 24 → 失敗

鳩山依鈴:《妖精の手》《妖精の輪》。ディアスポラの判定ダイス最後の3を10に。
鳩山依鈴:侵蝕率+8 (侵蝕率:201->209)
"ディアスポラ":1dx+31>=31
DoubleCross : (1R10+31[10]>=31) → 9[9]+31 → 40 → 成功

GM:こ、こいつら……
“スターゲイザー”:4D10+99999
DoubleCross : (4D10+99999) → 24[8,2,9,5]+99999 → 100023

GM:この攻撃は失敗します。
GM:ダメージ算出をどうぞ。
赤川累:7d10+24 装甲無視
DoubleCross : (7D10+24) → 51[4,8,4,7,10,9,9]+24 → 75

千原海智:11d10+28+10+3 装甲有効
DoubleCross : (11D10+28+10+3) → 61[4,9,6,4,3,9,1,9,9,4,3]+28+10+3 → 102

"ディアスポラ":5d10+2 装甲有効
DoubleCross : (5D10+2) → 25[6,4,2,7,6]+2 → 27

鳩山依鈴:5d10+9 装甲有効
DoubleCross : (5D10+9) → 25[5,4,7,5,4]+9 → 34

GM:C(75+102+27+34)
DoubleCross : 計算結果 → 238

“スターゲイザー”:HP0
“スターゲイザー”:≪蘇生復活≫で復活しますが
“スターゲイザー”:≪悪食の大風≫≪大喰らい≫≪餓狼の顎≫≪冥王の臓腑≫≪変異暴走:飢餓≫のデメリットにより
“スターゲイザー”:判定ダイス-21個。判定不能になります
GM:戦闘終了です。

“スターゲイザー”:地平線まで、視界の──否、世界の全てが歪む。
“スターゲイザー”:歪曲は高速で収縮、収束していき、“スターゲイザー”の手元へと向かう。
“スターゲイザー”:その手の中に、『全て』がある。
“スターゲイザー”:何かを破壊したければ、同じだけの質量を衝突させればいい。
“スターゲイザー”:それが世界ならば──世界そのものをぶつければいい。
“スターゲイザー”:“スターゲイザー”の最後の切り札。それは、並行世界ひとつをリソースとした、世界を絶つ刃。
“スターゲイザー”:掌から溢れ出す膨大な光。それは巨大な剣にも似て。
“スターゲイザー”:極限の輝きと色彩が、あらゆる境界を融かし、砕いていく。
三瀬川りんか:「や……ヤバくない?あれ……」
千原海智:「……あれが、マジのガチの切り札ってところかな?」
赤川累:「……他の世界そのものを武器にしてるのか」
鳩山依鈴:「ヤバいけど、そもそもが過剰よ」
鳩山依鈴:「彼女の打つ手段すべてが、まともに受けていてはひとたまりもなかった」
"ディアスポラ":「……つまり」
"ディアスポラ":「イカサマにはイカサマで迎え撃つしか無いってことか」
“スターゲイザー”:「うわぁああああぁあッ!!」
“スターゲイザー”:大粒の涙を零しながら、極光を解放せんと腕を振るう。
“スターゲイザー”:「墜ちろ────」
“スターゲイザー”:「“アストロロギアス”!!」
“スターゲイザー”:膨大な光が放たれ、君達を、世界を、全てを呑み込まんとする。
千原海智:それと同時、空間に、大量の歪みが生じる。
千原海智:それはこの世界から枝分かれに広がる、数えきれない並行世界へと続く穴。
千原海智:そこから届くレネゲイドの因子が、右手に集まり続ける。
千原海智:右手に宿る膨大な光は止まることを知らず、爛々と輝きを増す。
千原海智:つまりそれは、無数の世界に在る絆を質量に変えた、世界を救う力。
千原海智:極限の輝きが、盾のように広がって、スターゲイザーの放つ光と衝突する。
“スターゲイザー”:「……!? な……!?」切り札を受け止められ、驚愕に瞠目する。
“スターゲイザー”:「……その……力……!」
"ディアスポラ":「……つーわけで海智」その輝きに目を細めて、後ろから呼びかける
"ディアスポラ":「頼むよ、アンタが"鬼札"ジョーカーだ」
"ディアスポラ":「世界を救ってくれ。私達も手伝うからさ」
"ディアスポラ":千原くんに希望○/待望でロイスを所得します。
千原海智:「ああ!」にんまりと笑う。
千原海智:「僕が在る限り、世界が滅ぶ未来なんて確定させやしない」
千原海智:「切り札って、そういうものだろう!」
千原海智:「だから……ッ」光が溢れ、視界を覆う。眉根を寄せ、膨大な力を受け止め続ける。
千原海智:「これくらい…、どうってことない…!」
鳩山依鈴:「どうってことなくすために、私たちが居る!」
鳩山依鈴:「世界を救う仕事よ、これ。いつもやってるね」
鳩山依鈴:「CCW/2W——“ゴグマゴグ”」
鳩山依鈴:彼女は未来の可能性を手繰り寄せる。
鳩山依鈴:未来に撃ったものを、現在へと引き寄せる力。
鳩山依鈴:今手元にある必要などどこにもない。
鳩山依鈴:およそ人では取り扱えない、大口径の銃弾が殺到する。
鳩山依鈴:“敵対者”と名付けられたそれが、光を押し返す一助となる。
鳩山依鈴:「“ミストミストレス”鳩山依鈴が、あなたを助ける」
鳩山依鈴:その力は、あるいは。
鳩山依鈴:彼方の世界にあっては、”災厄存在”と呼ばれたかもしれないもの。



【ミストミストレス】

特殊能力者—— “オーヴァード”による治安維持組織、UGNの構成員。その能力。
時空歪曲により現在から未来へと飛ばす銃弾を放つのみならず、未来から“撃った”という結果を引き寄せ、現在に銃弾を送ることも出来る。
それは強烈な未来確定であり、術者が無差別に使用すれば、倒れた後も視認・予測不可能な長期の“汚染”が継続する可能性がある。




“スターゲイザー”:「う、あぁあああッ……!?」
“スターゲイザー”:世界を砕く力を持っていても、その肉体は人のそれに過ぎない。銃弾の防御にリソースを割き、極光の集中が散漫になる。
赤川累:「……遠いな」呟く。
赤川累:"シンダーテイカーの戦闘能力は、手で触れたものを灰化させる物質変成。しかしこの極光が他の世界の可能性なら、それを滅ぼす事は許されず
赤川累:一瞬の内に隣り合う世界の境界付近へと移動した、彼女の本体を捉えるには遠い。
赤川累:「ああ。……それでも、何故か今は」右手を翳す。「やれない気がしない」
赤川累:「君達がいるからかな」
赤川累:不意に。
赤川累:極光を振るう"スターゲイザー"の右腕に、何かが纏わりつく。
赤川累:……白い、骨のような石塊だ。それがギプスめいて、少女の腕の動きを妨げる。
“スターゲイザー”:「────ッ!?」
赤川累:右手の灰化能力が、遺産によって与えられた物ならば。これは、
赤川累:物質変成能力者として他の道を試行し求めた、ごく地道な訓練の結果としての力。
“スターゲイザー”:「何、ですか、これ……!!」
赤川累:遺産の出力を介さないそれは、実戦で使うにはあまりにも微弱で、だからこの汚染領域の戦いで行使する事もなかったが。……今になってそれが変わったのは。
赤川累:──人はただ、死しては塵に還るものだ。後には魂なんて残らない。
赤川累:そう信じていた。この力は、無情な死の表象だ。
赤川累:それが変わったのか。……今は、その灰の後に続くものを信じられる。滅ぼすだけでなく、新しく何かを作り出す力が、自分の中にあるのだと。
赤川累:「同じ言葉を重ねるのは、あまり格好が付かないんだけどな」
赤川累:"スターゲイザー"に応じる。
赤川累:「絆だよ。皆に貰った」
“スターゲイザー”:『剣』を振るう腕が阻害され、遥か上空、明後日の方向に破壊の光が拡散する。
千原海智:「ッうあ!」こちらも広げていた光が、衝撃が無くなったことで勢いのままに溢れだし、拡散する。
千原海智:能力負荷のフィードバックが襲い、空回りするようにたたらを踏む。
"ディアスポラ":よろめいた千原くんの腕を掴み、しゃんと立たせる。
千原海智:「わ…っ」
"ディアスポラ":「ほら、休んでる暇ないよ」にやりと笑って
"ディアスポラ":「アイツんとこ行けるのはアンタだけなんだから」
"ディアスポラ":魔眼を開く。連続使用限界を超えた4回目の最大出力。
"ディアスポラ":零下8000度には程遠い、破滅の光とは言い難いそれは
"ディアスポラ":しかしそれ故に、人が踏破し得る道となる。
"ディアスポラ":天に開いた次元の裂け目に向かって、氷の階梯が伸びていく。
"ディアスポラ":「門の手前までは送ってあげる」
"ディアスポラ":「そっから先は、アンタの手で切り拓け」
千原海智:「………っ」眼前に広がる氷の階梯と、そしてそれを生み出した彼女をまじまじと見る。
"ディアスポラ":少年の背をとんと叩いて
"ディアスポラ":「行ってらっしゃい」
千原海智:「ああ……っ」笑う。「行ってくる!」
千原海智:風のように駆け出し、まっしぐらに階梯を登る。
“スターゲイザー”:「く、来る……!来ないでください……!」
“スターゲイザー”:「う、うぅうっ……わぁあああああっ!!」
“スターゲイザー”:再び世界が歪み、更にもう一振りの『剣』が姿を現す。
“スターゲイザー”:「何が“次回へ続く”ですか!!」
“スターゲイザー”:「あなたは今!ここで!今すぐに!!」
“スターゲイザー”:「打ち切られて最終回ですよ!!」
“スターゲイザー”:再び破滅の極光、世界そのものを刀身とした刃が解放される。
千原海智:「……ッ!」先ほどの相討ちで、オーヴァードの力は出し尽くしている。反撃する術は持たない。
千原海智:しかし、足を止めることもない。
千原海智:「僕たちの戦いはこれからだ? そうだね」
千原海智:「これからなんだよ!」
三瀬川りんか:「……千原くん!!」
三瀬川りんか:世界を砕く光の前に、黒い大穴が開く。
三瀬川りんか:それは三瀬川の能力。その向こうから出てくるものは────何も、無い。
三瀬川りんか:“アップサイド・ダウン” 三瀬川りんかの能力は、世界を滅ぼす災厄存在を召喚すること……
三瀬川りんか:では、ない。
三瀬川りんか:その能力の本質は、『窓』を開くことだ。
三瀬川りんか:どこにでも通じるその黒い穴は、どんな災厄存在すらをも封じ込める、絶対にして究極の虚無。
三瀬川りんか:形の無い闇そのものが溢れ出し、“スターゲイザー”の放つ極光を受け止め、喰らっていく。
三瀬川りんか:「行って!千原くん!」
千原海智:「ああ!」
三瀬川りんか:「初めて会った時、言ってたよね。君」
三瀬川りんか:「嘘じゃないって、わたしに見せてよ」
三瀬川りんか:笑みを浮かべて。
三瀬川りんか:「救ってくれるんでしょ、世界!」
千原海智:「そうだ!」
千原海智:「僕は正真正銘、世界を救う───主人公で」
千原海智:「だから、見ててくれ!」
千原海智:階段を駆け上がり、そして、彼女の元まで辿り着く。
千原海智:”星を見る者”の前に。
“スターゲイザー”:「ッ……!!」怯えた顔で君を見る。
千原海智:「さあ、最後にしよう。スターゲイザー」
千原海智:「君のワガママには、もう世界も付き合っていられないみたいだ」
“スターゲイザー”:「何なんですか……」
“スターゲイザー”:「いきなり出てきて……全然関係も無いくせに……!」
“スターゲイザー”:「一体!あなたは!何者なんですか!!」
千原海智:「僕は─────千原海智!」
千原海智:「世界を愛し、世界に愛されてて、好きなものはこの世の全部!」
千原海智:「そして……」
千原海智:右手を振りかぶる。腰を回転させ足を引く。
千原海智:影の獣がそこに宿った。
千原海智:「君を倒す物語の、主人公だ!」
千原海智:それまでの物語もない、因縁もない、由来もない、ただの打撃が。
千原海智:たったそれだけの、すべての絆を集めたその一撃が、
千原海智:少女の顔面を殴り飛ばした。
“スターゲイザー”:「ぎっ……あぁああああああぁああっ!!」
“スターゲイザー”:時空を支配する超越者に、その拳は届く。
“スターゲイザー”:軽々と宙を舞い、吹き飛ばされて転がり。
“スターゲイザー”:世界を砕く光も消え失せて。
“スターゲイザー”:そして、
“スターゲイザー”:ただの無力な少女だけが残った。

---

“スターゲイザー”:「ぐ……」
“スターゲイザー”:「うぅうううう……うぅうううううううううう………………」
“スターゲイザー”:最早手駒であるジャームも、一人の味方も居ない。
“スターゲイザー”:君達とUGN部隊に完全に包囲され、地面に蹲り、這い蹲って嗚咽を漏らす。
“スターゲイザー”:「くっ……う…………!うぅうううう……!」
“スターゲイザー”:恥辱か、憤怒か、屈辱か。あるいはその全てか。地に爪を立て、がりがりと掻き毟る。
“スターゲイザー”:「す…………」
“スターゲイザー”:「…………すみません、でした…………」
“スターゲイザー”:額を地面に擦り付けて、唸るように言う。
千原海智:「……え?」地面に降りて、歩み寄りながら、そんな彼女の言葉を聞く。
“スターゲイザー”:「許して……ください…………」
“スターゲイザー”:「ぼ…………」
“スターゲイザー”:言葉を詰まらせながら。
“スターゲイザー”:「僕が……僕が悪かった……です…………」
“スターゲイザー”:「で、ですから…………」
“スターゲイザー”:ぶるぶると震え。
“スターゲイザー”:「殺さないで……」
“スターゲイザー”:「殺さないでください……」
“スターゲイザー”:「お願いです……お願いします…………」
千原海智:「………」困って、自分以外の仲間に視線を向ける。
鳩山依鈴:「呆れたと言うか、何というか」
鳩山依鈴:「いっそ、清々しいのかもね」
赤川累:静かにそれを見下ろし、呟く。
赤川累:「……反省しているから、許す。なんて」
赤川累:「その分岐点は、もうとっくの昔に過ぎたはずだ」
赤川累:「何百年か、数千年か。あるいは君も覚えていないくらい昔にな」
“スターゲイザー”:「もっ……!もう皆さんの邪魔はしません……!」
“スターゲイザー”:「平穏に……ただの人間として生きますから……!」
“スターゲイザー”:「UGNの皆さんが望むなら……異世界の技術や装備も、全員分だってご提供します……!」
“スターゲイザー”:「監獄に入れてくださっても構いませんから……!」
“スターゲイザー”:「で、ですから……」
“スターゲイザー”:「お願いします……この世界に、いさせてください…………!」
"ディアスポラ":「もうやめてよ。"スターゲイザー"」少女の目の前に立って
"ディアスポラ":「その子の顔で……その声で」
"ディアスポラ":「これ以上無様な言葉を吐かないで」
“スターゲイザー”:「うぅっ……う、うぅうううう……!」涙と土に塗れた顔を上げる。
“スターゲイザー”:「じゃあ、どうすればいいっていうんですか!?」
“スターゲイザー”:「どうすれば許してくれるっていうんですか!?」
“スターゲイザー”:「教えてくださいよ!ねえ!」
“スターゲイザー”:「土下座までしてるのに……!なんで許してくれないんですか……!?」
“スターゲイザー”:「おかしいですよ……!何がいけないんですか……!?服でも脱げばいいんですか!?」
鳩山依鈴:「……この期に及んでも、あなたは」
鳩山依鈴:「人を理解できないんだ」
“スターゲイザー”:「だって……だって誰も教えてくれないじゃないですか!!」
鳩山依鈴:「目が曇ってしまっていては、そもそも、星の輝きだって」
鳩山依鈴:「ちゃんと見れてはなかったんじゃないのかしらね」
千原海智:「………」困り切った顔をして聞いている。
“スターゲイザー”:「はぁ……!はっ……!はっ……!」過呼吸気味になりながら、視線を巡らせる。
“スターゲイザー”:「嫌だ……!!」
“スターゲイザー”:「やだやだやだやだやだぁっ!!」
“スターゲイザー”:「死にたくない!!」
“スターゲイザー”:「死にたくないんですよぉっ!!」
“スターゲイザー”:泣きながらかぶりを振って、弱々しく地面を殴り付ける。
“スターゲイザー”:「やだ……」
“スターゲイザー”:「やだぁ~~~~~~………………」
“スターゲイザー”:うつ伏せになり、しゃくりあげながら背中を震わせる。
"ディアスポラ":「………」その小さな背中を痛ましい表情で見て
"ディアスポラ":「………アンタはこれまで、それこそ星の数ほどの罪を犯してきた」
"ディアスポラ":「いまさら何をしたって、例え世界を救ったって許されるわけがない」
“スターゲイザー”:「いの……ディ、“ディアスポラ”さん……」
“スターゲイザー”:「お願いです……」
“スターゲイザー”:「三廻部朔夜さんを……連れてきますから……」
“スターゲイザー”:「いえ、他の仲間も!全員!」
“スターゲイザー”:「生きた状態でお返ししますから……!」
“スターゲイザー”:「そうすればもう怒る理由ないですよね?ね……!?」
“スターゲイザー”:「許してくれますよね!?“ディアスポラ”さん……!」
"ディアスポラ":その足元にナイフを放り投げる。
"ディアスポラ":縋りつこうとしていた指先のすぐ近くに突き刺さる。
“スターゲイザー”:「ひぃっ……!」
"ディアスポラ":「その子が最後の朔夜でしょ」
"ディアスポラ":「累を誘って逃げるために、わざわざ一人残しておいた。違う?」
“スターゲイザー”:「……すっ……そっ……そうです……」
“スターゲイザー”:こくこくと頷く。
"ディアスポラ":「あの子、口では色々言ってたけど、シュウ兄さんのこと大好きだったからさ」
"ディアスポラ":「きっと同年代の男子なんて興味もなかったと思う」
"ディアスポラ":少女の前にかがみ込んで、その目を見つめる
"ディアスポラ":「アンタ、あの子から初恋も奪ったんだね」
“スターゲイザー”:「……」しゃくりあげながら涙を流している。
“スターゲイザー”:「ご、ごめんなさい……ごめんなさいって言ってるじゃないですかぁああ……!」
“スターゲイザー”:「これ以上僕にどうしろって言うんですかぁあ……!!」
"ディアスポラ":「……だから、いらないって。謝罪も。仲間も返してほしくなんかない」
"ディアスポラ":「だってどっかの別の世界から持ってくるんでしょ」
"ディアスポラ":「この期に及んで、私達ディアスポラから家族を奪わないでよ」
“スターゲイザー”:「じゃあ、何なんですか!僕はどうしたらいいんですか!?」
“スターゲイザー”:「そんなことも分からないのって言われても……分かんないんだから仕方ないじゃないですか!!」
"ディアスポラ":「死んで」地面に刺さったナイフを指差す
“スターゲイザー”:「……!」
“スターゲイザー”:絞った喉から息を吸う、か細い音が漏れる。
"ディアスポラ":「このまま捕まっても、綺麗に死ねればまだマシな方。本当なら実験台にされてグチャグチャにすり潰されたとしてももまだ足りない」
"ディアスポラ":「"スターゲイザー"の罪は無数にあっても、その体に罪はない。だから」
"ディアスポラ":「ここで綺麗に死んでくれるなら」
"ディアスポラ":「他の奴には手は出させない」
"ディアスポラ":「アンタが死ぬまでの間、アンタを守ってあげる」
“スターゲイザー”:「…………」
“スターゲイザー”:荒く不規則な呼吸。震える手でナイフを握って。
“スターゲイザー”:「はぁっ……はぁ……はぁあっ……!」
“スターゲイザー”:恐る恐る、その切っ先を喉に向けて。
“スターゲイザー”:「…………」
“スターゲイザー”:「………………!」
“スターゲイザー”:「ふざっ…………!なぁっ!!」
“スターゲイザー”:乱暴にナイフを投げ捨てる。
“スターゲイザー”:「ふざけないでくださいよ!!」
“スターゲイザー”:「しにっ……死にたくないって言ってるでしょう!?」
“スターゲイザー”:「嫌です!!絶対に……絶対に嫌!!」
“スターゲイザー”:「クライマックスはまだこれからなのに……!」
“スターゲイザー”:「これから先、まだまだこの世界には、楽しいことが山ほど、沢山、数えきれないほどあるのに……!!」
“スターゲイザー”:「ぼ、僕だけ……!」
“スターゲイザー”:「よりによって、僕だけ見られないなんて……!」
“スターゲイザー”:「そんなの、最悪すぎます!!死ぬより余程────」
鳩山依鈴:銃声。胸に一発。
鳩山依鈴:「あなただけじゃない」
鳩山依鈴:「この世界を見たくても、見られなかった人は、たくさん居る」
“スターゲイザー”:「……あ……?」
“スターゲイザー”:呆然と、自分の胸を見下ろして。
“スターゲイザー”:「げぶっ」
“スターゲイザー”:口から血を吐く。
“スターゲイザー”:「い……痛い……!痛い、痛い痛い痛い……!痛いぃぃいい……!」
“スターゲイザー”:「や、やだ……!やだ、やだやだやだやだぁあぁっ!」
“スターゲイザー”:胸を押さえ、地面を掻き毟る。
鳩山依鈴:「選択肢は色々あるわよ、そりゃあ」
鳩山依鈴:「どんなジャームであっても、どれだけの被害をもたらした邪悪なものであっても」
鳩山依鈴:「確保可能なら、監獄に入れるなり、凍結処置を施すなり。出来るわ」
鳩山依鈴:「だけどね、そうしないでいい許可を取り付けてる」
千原海智:「……」鳩山さんを見る。
鳩山依鈴:「あなたのしるしを、残す必要がないと」
鳩山依鈴:「”第二のスターゲイザー”を発生させないと」
鳩山依鈴:「そう決めてるの」
“スターゲイザー”:「うぅっ……!うぐぁああ……!うぁああああぁあぁっ!!」末後の激痛にのたうち回るが
“スターゲイザー”:「や、だ……!嫌、だ…………」
“スターゲイザー”:徐々にその抵抗も弱々しくなっていく。
鳩山依鈴:「何か、最後に。言っておきたいことは?」
鳩山依鈴:“スターゲイザー”に向けてではない。
鳩山依鈴:それを見下ろす少年たちに。
赤川累:「……いえ」視線を逸らさないまま、首を振る。
赤川累:「さっきの時に、もう十分。話しましたから」
"ディアスポラ":「……私も」放り投げられたナイフを拾い、丁寧にしまう。
"ディアスポラ":「とっくの昔に、別れは済ませてある」
千原海智:「……うん」困った顔。
千原海智:「またどこかで…会った時には」
千原海智:「楽しい話が、できると良いね」
鳩山依鈴:「転生?ロマンチックね」
千原海智:「ロマンチストなんだ」
“スターゲイザー”:「……お願い、です……」
“スターゲイザー”:「僕、だけ……」
“スターゲイザー”:「仲間外れにしないでぇぇえっ……!!」
千原海智:「さようなら。スターゲイザー」
鳩山依鈴:再びの銃声が、今度は、断末魔もなく。
鳩山依鈴:命を摘む。
“スターゲイザー”:「…………」
“スターゲイザー”:頭に空いた孔から、ひとたび血が噴き出して。
“スターゲイザー”:力無く崩れ落ち、絶命する。
“スターゲイザー”:そして、もう二度と現れることはなかった。
赤川累:「……分からない、って言ったくせに」呟く。
“スターゲイザー”:ロイス/『星』 ◯憧憬/執着
“スターゲイザー”:ロイスがタイタス化されます。



GM:バックトラックに入ります。
GM:Eロイスはこちら。

痕抉り
≪超越活性:鮮血の修羅≫
≪超越活性:鮮血の修羅≫
≪超越活性:鮮血の修羅≫
≪悪意の伝染≫
≪惨劇の輪廻≫
≪さらなる絶望≫


“マスタールイン”Ω
≪無限を継ぐ者≫
≪傲慢な理想≫
≪傲慢な理想≫
≪傲慢な理想≫
≪予告された終焉≫
≪虚実崩壊≫
≪衝動侵蝕:恐怖≫

“マスタールイン”α
≪無限を継ぐ者≫
≪傲慢な理想≫
≪傲慢な理想≫
≪傲慢な理想≫
≪虚実崩壊≫
≪衝動侵蝕:恐怖≫
≪予告された終焉≫

“ウィンターマスター”
≪ありえざる存在≫

災厄存在
≪災厄存在≫
≪災厄存在≫
≪災厄存在≫
≪災厄存在≫


GM:25個です。振りたくばお振りなさい!
赤川累:すご!振ります
千原海智:振ります~!
"ディアスポラ":振るぜ!
鳩山依鈴:振るよ!
赤川累:225-25d10
DoubleCross : (225-25D10) → 225-141[3,9,5,1,6,6,8,8,8,5,4,4,2,6,2,3,10,8,6,5,9,2,9,9,3] → 84

千原海智:213-25d10
DoubleCross : (213-25D10) → 213-134[3,6,6,9,10,7,7,7,2,9,2,4,3,8,3,2,2,4,3,8,5,10,5,2,7] → 79

鳩山依鈴:209-25d10
DoubleCross : (209-25D10) → 209-118[4,8,6,7,3,4,7,1,1,2,6,2,2,2,5,6,8,3,9,7,4,8,4,8,1] → 91

"ディアスポラ":まず"ディアスポラ"のメモリーで10減らします
"ディアスポラ":217-25d10
DoubleCross : (217-25D10) → 217-163[4,6,8,9,6,5,8,10,4,5,3,8,7,10,4,10,7,9,3,4,10,5,10,7,1] → 54

千原海智:79-4d10 一倍ぶりしよ
DoubleCross : (79-4D10) → 79-14[3,6,2,3] → 65

鳩山依鈴:1倍振りします
鳩山依鈴:91-3d10
DoubleCross : (91-3D10) → 91-18[5,3,10] → 73

"ディアスポラ":ロイス4、2倍振り
"ディアスポラ":54-8d10
DoubleCross : (54-8D10) → 54-68[9,7,7,8,9,8,10,10] → -14

赤川累:2倍で
赤川累:84-10d10
DoubleCross : (84-10D10) → 84-59[8,9,2,1,5,9,6,4,7,8] → 25

"ディアスポラ":3点で帰還!
赤川累:こちらも3点です~
千原海智:4点帰還!
鳩山依鈴:5!

Dロイスは
セプテントリオン
申し子

ウィンターマスター
想い人
変異種

スターゲイザー
秘密兵器
秘密兵器
秘密兵器
遺産継承者
遺産継承者
遺産継承者

古代種

錬金術師


GM:11個。
GM:シナリオ10点、いつもの5点に侵蝕ぶんを合わせて贈呈します。
GM:26+侵蝕!何点かな?
千原海智:30点!
赤川累:29!
鳩山依鈴:31!
"ディアスポラ":29!
鳩山依鈴:あれ、これ+25?
千原海智:あ、これにEロイス分+25か
GM:あっそうですね
鳩山依鈴:じゃあ56!
千原海智:じゃあ55点!
赤川累:あ、じゃあ54
"ディアスポラ":54!
GM:GMは73点いただきます
千原海智:もらって~!
GM:というわけで進呈!皆さんお疲れさまでした!
鳩山依鈴:おつかれさまでした!
千原海智:ありがとうございまーす!おつかれさまでした~!
"ディアスポラ":お疲れさまでした!楽しかった~!
赤川累:お疲れ様でした~!超楽しかった!



【ED/鳩山依鈴】

某県某所 UGN所有邸宅
GM:斯くして、世界を揺るがした事件は収束を迎えた。
GM:全ての感染源を失った“マスタールイン”は沈静化し、ハリケーンや無数の災害も、UGNの手によって被害は最小限に抑えられた。
GM:“スターゲイザー”の予想に反して、滅亡の危機に瀕しても、核ミサイルは放たれることもなく、回収は順調に進んでいる。
GM:新たな“スターゲイザー”が現れたという報告も、無い。
GM:最大の功労者である君達は今、日本支部長である霧谷雄吾の私邸のひとつに招かれ、フルコースによる歓待を受けていた。
GM:テーブルには、カニをメインとした豪華な料理の数々が並んでいる。
鳩山依鈴:キッチンの方からエプロン姿で出てくる。
鳩山依鈴:「手伝うって言ったのに」
鳩山依鈴:「追い出されちゃった」
千原海智:「こっちこっち、おいでよ」手招きする。
"ディアスポラ":「良かったじゃん。モタモタしてたら依鈴の分無くなってたよ」
"ディアスポラ":中央に盛られたタラバガニの脚を豪快に千切って皿に盛っていく
鳩山依鈴:「そうかも。食べざかりの子たちばっかりだもんね」
鳩山依鈴:「海智も、累も、猪折も」
赤川累:「そこまでがっつきませんよ……って、もう結構減ってる」
鳩山依鈴:「えーっ、ちょっと、早いよ~!」
"ディアスポラ":「カニの前では速さだけが全てだよ」
赤川累:「よくそんなに喉が通るな……俺、まあまあ緊張してるんだけど……」
千原海智:「カーニ、カーニ」
鳩山依鈴:「後で紹介しましょうか。私から口利きする」
鳩山依鈴:「正規エージェントに推薦しておくわ」
赤川累:「こんな席、普通に初めてだし……紹介?」
鳩山依鈴:「私が保証する。いいエージェントになれると思う」
赤川累:「えっ、それは」目を見開く。「願ってもない、ですけど」
赤川累:「ええと……ありがとうございます。よろしくお願いします」礼をする
鳩山依鈴:「指導役に恵まれてるのかもね」
赤川累:「……そうですね。本当に」
赤川累:「自分がここまでやって来れたのは、人の縁に恵まれたお陰です」
赤川累:「勿論、今回もね」
鳩山依鈴:「まあ、あとはちょっとそういう硬すぎるところかな」蟹の足を割って。
千原海智:「真面目だよねー、赤川くん」カニの脚をぱきんと折りながら言う。
赤川累:「……む。そうかな」
赤川累:「よく言われるけど……」
鳩山依鈴:「張りつめ過ぎると緊張がイリーガルの子にも伝わっちゃうからね」
鳩山依鈴:「私も昔はそうだった」身を食べながら。
赤川累:「ああ……」任務中の彼女の姿を思い出して、どこか納得するように頷く。
千原海智:「ちょっとくらい僕たちを真似した方がいいよ」
千原海智:「ねえ、猪折さん」
赤川累:「君が先輩っぽい顔をするのは何か違わないか?」
千原海智:「何だとう」
"ディアスポラ":「へ?ああ、うん」カニの殻を剥くのに夢中になっていた
鳩山依鈴:「そんなにカニ好きだった?」
"ディアスポラ":「昔はそうでもなかったけど……何かあるとよくみんなで食べてたから」
"ディアスポラ":「何となく落ち着くなって」
"ディアスポラ":「まあ、後普通に美味いし」足から身をズルリと抜いてむしゃぶりつく
千原海智:「思い出の味? いいね」
鳩山依鈴:「まあ、じゃあ似たようなものかな」
鳩山依鈴:「昔ね、日本支部のエージェントになったら」
鳩山依鈴:「三食カニ食べれるんだろうなって言ってた子がいたのよ」
鳩山依鈴:「本当に、それが最初に来るんだから、バカみたいで」鋏を割りながら苦笑して。
千原海智:「それ………飽きそうじゃない?」
赤川累:「そんなにカニ好きだったんですか?その人」
鳩山依鈴:「いや。絶対次の日には飽きてた」
赤川累:「ええ……」
"ディアスポラ":「はは、なにそれ。うちの姉貴みたいな奴が他所にもいるとはね」
千原海智:「多くない? カニ好きな人」身を啜りながら笑う。
鳩山依鈴:「まあ美味しいからね」
赤川累:「まあ、そう嫌いな人はいないだろうけど」
赤川累:「うちの島は漁業は盛んだったけど。カニは獲れなかったな……大体いつも魚だった」
鳩山依鈴:「まあ、北の方よね、穫れるの」
鳩山依鈴:「雄吾さんに言ってみるものね。まさかやってくれるなんて」
鳩山依鈴:「それだけみんなが感謝されてるのかも」
"ディアスポラ":「……ていうか、これだけ食っといて今更だけど」
"ディアスポラ":「私、普通に来てよかったのかな?一応FHなんだけど……」
鳩山依鈴:「所属は?」
鳩山依鈴:「セルの名前」
"ディアスポラ":「所属は……"デイブレイカー"、になるのかな。寄り合いみたいなもんとはいえ、ね」
赤川累:「……そういえば、結構特例なのかな。この状況」その指摘で、今更思い出したようにディアスポラさんを見る。
鳩山依鈴:「まあ、イリーガルにまでってのは多くはないと思う」
鳩山依鈴:「それだけ大きなことをしたってことよ」
千原海智:二人の話を聞きながら、皿に盛られたチキンナゲットを口に運んでいる。
鳩山依鈴:「じゃあ、セルの目的は?」
"ディアスポラ":「"スターゲイザー"の抹殺だけど……」
鳩山依鈴:「じゃあ、それ、存在しないと同じでしょ」
鳩山依鈴:「無所属のフリーランスオーヴァードよ」
鳩山依鈴:「”そういうことになってる”」
"ディアスポラ":「はは、それはそれは」カニグラタンを口に運ぶ
"ディアスポラ":「ホント気が利くね依鈴は。いいお嫁さんになれるよ」
鳩山依鈴:「何?それ、口説いてるの?」
"ディアスポラ":「んー?口説いてるって言ったら一緒に来てくれる?」
鳩山依鈴:「どこに。無職なんでしょう、今」
鳩山依鈴:「あなたがこっち来てよ」
"ディアスポラ":「おっと、口説かれてんのは私だったか」
"ディアスポラ":「悪いけど、気が向いたらってことにしてもらえるかな」
"ディアスポラ":「こちとら勝手気ままなフリーランス生活を楽しみたいんで」
"ディアスポラ":「仕事の当てが無いわけでもないしね」
鳩山依鈴:「あーあ。振られちゃったか」
鳩山依鈴:「あとで慰めてもらおう」
千原海智:「ブッ」鍋のスープを噴く。
鳩山依鈴:「あら、どうかした?詰まらせた?」
"ディアスポラ":「ちょ、やめなよ……子供の前で……」
鳩山依鈴:「え?」
赤川累:「……大丈夫か?」千原くんの背を擦っている。
千原海智:「……刺激が……強い………」むせている。
赤川累:「そんなに辛かったか……?」
千原海智:「えぇっ……、まさかの鈍感ボーイ……」
"ディアスポラ":「ほら見ろこれ、こいつら初心なんだからさ……」
赤川累:「鈍感って……君が気にしすぎなだけじゃないのか」
赤川累:「それと、猪祈さん。……って呼んでいいのかな。今はもう」
"ディアスポラ":「ん、ああそだね。累」
"ディアスポラ":「風祭猪祈。それが私の、最後の"ディアスポラ"の名前」
赤川累:「勝手気ままに暮らすのはいいですけど。じゃあ、こっちも勝手を一つ」
赤川累:「できれば、UGNに目を付けられるような事はしないでほしいかな」
赤川累:「貴方と敵になるとか、嫌なので。個人的に」
赤川累:「……風祭猪祈」呟く。「良い名前ですね」
"ディアスポラ":「……なんだよ。今日は口説いてくるやつばっかかよ」そっぽを向いて
鳩山依鈴:「FHのカヴァーネームだけどね、名字、それ」茶化すように。
"ディアスポラ":「まあ名字はね。私がいなくなったあと誰かが使ってるかも知んないし」
"ディアスポラ":「けど名前はいいセンスしてるでしょ。姉貴が付けてくれた自慢の名前だ」
千原海智:「その名前で呼べるようになって良かったよ」
千原海智:「猪折さんって。ね」
鳩山依鈴:「そうね。コードネームだけじゃ味気がない」
鳩山依鈴:「猪祈」
"ディアスポラ":「な……なんだよみんなして……」
"ディアスポラ":「ちょ、やめて。そういうくすぐったいの慣れてないから」
赤川累:「……。初めて会った時は、すごい大人びてるなって思ってたけど」
赤川累:浅葱島でのことを言っている。
赤川累:「今思うと結構取り繕ってたんですね、あれ」
"ディアスポラ":「やめろ!その分析!」
"ディアスポラ":「だいたい海智!私のこと呼び捨てにする前になー!」
千原海智:「んっ」
"ディアスポラ":「りんかちゃんはどうなんだよ!まだ『会ったばっかりなんで~』とか言ってるわけ?」
千原海智:「グッ」能天気に蟹食べていたが詰まらせる。
千原海智:「そっ……それこそ今話す話題じゃなくない!?」
鳩山依鈴:「何言ってるんだか」ワインを煽りながら。
鳩山依鈴:「それほどいいツマミなんてそうそうないわよ」
千原海智:「だ…だぁって会ったばっかなのは事実だし……」目を逸らす。
赤川累:「その、会ってばっかの相手に命を懸けたんだろ」
赤川累:「それよりハードルの高い事ってそうないと思うけどな」
"ディアスポラ":「そうそう、もう一線超えちゃってるわけよアンタ達」
千原海智:「いっ……」赤面している。「そういう言い方は青少年の教育に悪いですけれども…!」
"ディアスポラ":「責任取ってやんなきゃ可愛そうだと思わんかねぇ……」シャンメリーを煽る
鳩山依鈴:「猪祈、酔ってる?」
鳩山依鈴:「お酒出してないはずなんだけどな……」
"ディアスポラ":「はあ~?酔ってないし」
"ディアスポラ":「てかなんで酒が出ないのさ。どう見てもオトナのオンナでしょうが私!」
鳩山依鈴:「身体年齢を推定した結果、高く見積もっても19歳相当」
鳩山依鈴:「それがうちの結論です。酒類の提供はなし」
"ディアスポラ":「ちぇー」
千原海智:「い…いやでもさ………」
千原海智:「引かない?」
鳩山依鈴:「内容によるかな。何?」
千原海智:「いや……その…」
千原海智:「いきなり…会ったばっかの相手と…ドキドキ~な感じになるのは」
千原海智:「いかがなものかと僕も悩んだりはあるわけでして………」
千原海智:「……とかこういう風に言うのが引くよね!? なんでもないなんでもない」
赤川累:「……それは、まあ」何かを思い出すような顔。「一理あるが……」
鳩山依鈴:「あははっ!」
鳩山依鈴:「かわいいな~」
千原海智:「くっ……」赤面している。
赤川累:「……いや。だからって、時間をかけすぎるのも良くないからな」
赤川累:「今の関係に慣れ過ぎると、膠着するというか……思うように進まなくなる事もある」
赤川累:「……らしいぞ」
千原海智:「……赤川くん…手練れの意見」
赤川累:「……まあ所詮、失敗したやつの話だからな。半分に聞いといてくれ」
鳩山依鈴:「そうそう。誰かに取られちゃうかもよ?」
鳩山依鈴:「三瀬川さん、男の子に人気が出るタイプと見た」
"ディアスポラ":「女の子は気が短いからなあ~」
千原海智:「えっえっ」お姉さん二人を交互に見ている。
"ディアスポラ":「まあ、自分のペースでやりな少年。こういうのは人それぞれだからさ」
"ディアスポラ":「……手遅れにならない限りは、ね」
千原海智:「……」猪折さんを見る。「そうだね、人生何が起きるか分からないってのは…ものすごく学んだしね」
鳩山依鈴:「まあ、でも」
鳩山依鈴:「それが楽しい」
千原海智:「うん」笑う。
"ディアスポラ":「ま、それに」つられて笑って
"ディアスポラ":「人生何が起こったって、そうそう変わらないもんだってあるよ」カニの足を箆で掬って
"ディアスポラ":「カニの味とかね」
鳩山依鈴:「結局それ?」
鳩山依鈴:「でも雄吾さんの特別美味しいと思うんだけどな……」
鳩山依鈴:ワインを煽る。
千原海智:「…本当にただの上司?」
鳩山依鈴:「ええ~?うん……」
赤川累:「ちょっと言い淀んだ……」
鳩山依鈴:「違う、違う、そうじゃなくて」
鳩山依鈴:「いや……そのね」ワインを飲む。
千原海智:「はあ」
鳩山依鈴:「いや、なんか……」
鳩山依鈴:「暑くない?」
赤川累:「え?」
"ディアスポラ":「え……?」
千原海智:「え?」
赤川累:「そうでもないと思いますけど……」皆を見渡して。「暖房下げた方がいいかな」
鳩山依鈴:「んー」頬は既に赤らんで上気している。
"ディアスポラ":「ちょっと依鈴……そっちこそ酔ってない?」
鳩山依鈴:「え?酔ってるけど」
鳩山依鈴:「私、普通に開けてるし……」
"ディアスポラ":「大丈夫?水持ってこようか?」
千原海智:「わっ」ワインの酒瓶を見る。
千原海智:「お酒って、一人でこんなに飲んで大丈夫なの?」
千原海智:だいぶ嵩の減った瓶を見せる。
赤川累:「えっ……うわ、こっちも空なのか」もう一つの空き瓶を手に取って
鳩山依鈴:「大丈夫、大丈夫」着けたままだったエプロンを外す。
千原海智:「ん?!」エプロンを外してるのを見る。
"ディアスポラ":「ああもうこんなとこに捨てて……人ん家だろ一応……」無造作に放り投げられたエプロンを拾う
鳩山依鈴:スーツを脱いで席に掛ける。
千原海智:「鳩山さ………」
赤川累:「ほら、水持って来ましたよ……って」グラスを手に戻って来て
鳩山依鈴:「暑っつ……」シャツをパタパタと。
赤川累:その姿が目に入り、僅かに硬直。
赤川累:「……えっ!鳩山さん!?」
鳩山依鈴:「ん?呼んだ?」
赤川累:「呼びましたけど……いやこっち向かないで!」
千原海智:「いや……いやいやいや」猪折さんに視線で救いを求める。
"ディアスポラ":「うわっ、依鈴!?」
赤川累:「い……猪祈さん!この人お願いしてもいいですか!?」
"ディアスポラ":「ちょっ、パタパタやめろ!見えちゃうから!」
千原海智:「そのパタパタやめさせてっ」
千原海智:「僕らは…お外に行ってきますのでっ!」
赤川累:「この人いつも霧谷さんの家でこんな事やってるのか……?」
赤川累:「あ、そうだな!そうします!」千原くんと一緒に出ていく。
"ディアスポラ":「あっこら待て!酔っ払いを押し付けんな!」
"ディアスポラ":「たく何なんだよもう……」へべれけになった鳩山さんを抱える
"ディアスポラ":「重っ」食卓からリビングのソファーに連れていき、静かに寝かせる。
"ディアスポラ":「……なんか久しぶりだな。これ」
"ディアスポラ":「ま、普段ちゃんとしてるだけまだマシか……」どこか泣きそうな顔で笑って
"ディアスポラ":「ちょっと待っててね。キッチンからリヴァ……霧谷さん呼んでくるから」
"ディアスポラ":その頭を小さく撫でてから、厨房の方へと向かっていく。
鳩山依鈴:「……ん。昴?」
鳩山依鈴:頭を触られた感覚に、起き上がって。
鳩山依鈴:傍らに置いてあったペットボトルを開けて、水を飲む。
鳩山依鈴:「……いや」
鳩山依鈴:「違うか」
鳩山依鈴:スーツがないことに気づく。
鳩山依鈴:「ああ、手元にないと落ち着かないんだけどな……」
鳩山依鈴:自らの銃のことを思う。それから、それが最後に撃った者のことを。
鳩山依鈴:“スターゲイザー”。
鳩山依鈴:最初の一撃。本当は、絶命させるつもりだった。
鳩山依鈴:だが、彼女の身体は、たしかにあの時。
鳩山依鈴:《リザレクト》の兆候を示していた。
鳩山依鈴:恐らく、ジャームではなく。
鳩山依鈴:「私が撃つべきだったんでしょう、最初から」
鳩山依鈴:もしも、彼女に本当に更生の余地があったとしても。
鳩山依鈴:それはもう過ぎたことだ。選べない未来だ。
鳩山依鈴:「あの子達には、まだ早い」
鳩山依鈴:大人にしか出来ないことがあると。そう信じている。
鳩山依鈴:それはあるいは、今、体を巡る酔いなのかもしれなくて。
鳩山依鈴:再びソファに倒れ込んだ。
鳩山依鈴:そしてようやく、私たちは。
鳩山依鈴:悪夢を見ずに、眠ることが出来る。
鳩山依鈴:星を見るものは、もういない。
鳩山依鈴:ロイスを取得します。-“スターゲイザー”/無関心:○/悔悟/ロイス
鳩山依鈴:これをタイタスに。



【ED/赤川累】

N市 有島家 ダイニング
GM:年の瀬も迫るある日。この日、共にUGNエージェントである有島夫妻の自宅では、ささやかなクリスマスパーティの準備が行われていた。
GM:学校帰り、君は同級生で有島家に身を寄せている北見菫と共に買い出しを済ませ、その足で他の参加者より一足先に会場を訪れていた。
北見菫:キッチンの方から制服にエプロン姿で出てくる。
北見菫:「手伝うって言ったのに……」
北見菫:「追い出されちゃった」
赤川累:「その手じゃ大変じゃないか?」テーブルに食器を並べながら
赤川累:彼女の、肘の辺りで折れた服の袖を見て言う。
北見菫:「もう慣れた……って言うと嘘になるけど」
北見菫:「別に問題ないわ。助けてくれる人もいるし」
北見菫:エプロンを脱いで片腕で畳む。
北見菫:「赤川くんこそ」
北見菫:「怪我はもういいわけ?」
赤川累:「……それは良かった」少し緩んだ表情で。
赤川累:「ああ。……一応、まだ治療途中って事にはなってるけど」
赤川累:「任務が回ってこないってだけだ。日常生活くらいは何も問題ない」
北見菫:「ふぅん……」
北見菫:少し身を寄せて、腕の辺りを強めに触る。
赤川累:「うぐっ」
赤川累:呻くような声を漏らして、飛び退く。
赤川累:「なっ……何するんだよ」
北見菫:「あ、ほら。やっぱり痛いんじゃない」
北見菫:悪戯っぽく笑んで「まひろさんも言ってたでしょ?今日はゲストなんだからって」
北見菫:「買い出しだけで十分だから、もう大人しく座ってなよ」
赤川累:「……。分かったよ、お言葉に甘えます」
赤川累:「どうせあの人が出てきたら押し切られるし……」
北見菫:「聞き分けが良くて結構」
北見菫:「私も手伝いたかったのになあ」対面に座って。
赤川累:「……もう馴染んでるのか?ここの人達とは」
北見菫:「……そうね……」少し思案して。
北見菫:「仲良くやれてると思うわ、私としては。まひろさんは……まひろさんだし」
北見菫:「皆人さんは……少し無口で怖いところもあるけど、でも、優しくて素敵な人なのは分かるし」
北見菫:「二人は可愛いしね。私、一人っ子だから。弟妹ってはじめて」
赤川累:(……流石にまだ「お父さん」じゃないんだな)
赤川累:「この年で後から弟妹ができるってのは、確かに不思議な気持ちかもなあ」
北見菫:「そうでしょ?結婚して義理で……っていうのも違うだろうし」笑って
赤川累:「でも、本当に良かったよ。楽しくやれてそうで……その」
赤川累:「……怒ってるとか、許さないとか。色々言ったけどさ」
赤川累:「結局のところ、俺は……君には幸せに生きていて欲しいんだと思う」
北見菫:「え……」少し驚いた顔をして「……あの時のこと、気にしてたんだ?」
赤川累:「……まあ、多少は」
赤川累:「君は俺を許すって言ってくれたけど……」
赤川累:「そう言えば、逆は言ってなかったな……と思ったし……」
北見菫:「赤川くんらしいな」
北見菫:「別に、気にしてないよ。赤川くんはそれくらい言って当然だし……」
北見菫:「……言ったでしょ。幸せになるよ、私は」
北見菫:「赤川くんにそうやって気にされてると、幸せポイントが下がるでしょ」
北見菫:「だから、まあ。そう思ってくれてるならさ、気にしないでよ」
赤川累:「……ああ。分かったよ」
赤川累:「心配しないでおく」
北見菫:「うん。そういうことで」
赤川累:「……」少し、遠い目をして。
赤川累:「……今のと、同じような話をさ」
赤川累:「あいつとの戦いで、別の世界に行った時。そこの澪央としたんだ」
北見菫:「……えっ……」
赤川累:「……いや。悪い。そんな話をされても困るだろうけど」
北見菫:「……待って。前提がちょっと分かんないんだけど……」
北見菫:「……いや、ううん。続けて?」
赤川累:「えっ……」
赤川累:「ああ……えっと」
赤川累:「……飛ばされたんだよ。あいつは、色んな並行世界の可能性に干渉できる能力があったから」
赤川累:「追い詰められた時に……多分、俺達の戦意を削ごうとしたんだろう」
赤川累:「俺の父さんも母さんも、澪央も……みんな生きていて」
赤川累:「学校も、メドレーも、砂浜も……浅葱島の何もかもが、そのまま残ってる」
赤川累:「そういう、分岐した可能性の世界」
北見菫:「……」
北見菫:「……そっか」
北見菫:「どこかには……あるんだね。そんな世界も」
赤川累:「……それでさ。ちょっと、安心したんだ」
赤川累:「ああ。……ここにいる俺達は、できなかったけど」
赤川累:「そういう未来に辿り着けた可能性も、ちゃんとあるって」
赤川累:「……それを、見たから。君には伝えておきたくなった」
北見菫:「うん……」
北見菫:「……よく、戻ってこられたね。赤川くん」
北見菫:「私だったら、無理だったかもな」
赤川累:「……そりゃ。名残惜しくないって言ったら、嘘になるけどさ」
赤川累:「俺ひとりが移ったって、こっちの世界が消える訳じゃないんだ」
赤川累:「そしたら……こっちの澪央は、誰のために死んだんだってなるだろ」
北見菫:「……そうね」
北見菫:目を伏せる。「私達、あの子に生かされたのだもの」
北見菫:「ちゃんと生きて、幸せにならなきゃ。申し訳が立たない」
北見菫:「……赤川くんが戻って来てくれて、良かったわ」
北見菫:「寂しいから」笑って。
北見菫:「私、友達少ないし」
赤川累:「……ああ」こちらも微笑む。「そう言ってもらえるなら、頑張って戻って来た甲斐があったな」
北見菫:「……」
北見菫:「……倒したのよね、あいつ」
北見菫:瞑目する。
赤川累:「ああ。完全に、最後の一人まで……って訳じゃないけど」
赤川累:「この世界に現れる事は、二度とない」
北見菫:「……そう」
北見菫:「……一つ、肩の荷が下りた気分。ありがとうね、赤川くん」
赤川累:「君だって手伝ってくれただろ。ありがとう、はお互い様だ」
北見菫:「……」
北見菫:手を伸ばし、君の手を取る。
北見菫:握って、裏表確認するように眺める。
赤川累:「……っと」されるがままになって
赤川累:「何を……?」
北見菫:「あいつに貰ったんでしょう?これ」ごつごつした骨の感触を確かめるようにして。
北見菫:「そのままなのね」
赤川累:「……嫌か?」
赤川累:「こういう物が、残るのは」
北見菫:「別に、そういう訳じゃないわ。私の力だって、元々はそうだし」
北見菫:「でも……赤川くんはどう思うのかなって」
北見菫:「好きだったんでしょ?あいつのこと」
赤川累:「……ああ」
赤川累:「騙された、なんてみっともない事を言うつもりもない。あいつが見せた優しさに、心惹かれてた事があった……それは、事実だ」
赤川累:「それでも、俺は"スターゲイザー"の事を許せなかった。だから殺した」
赤川累:「どちらも本当の事で、どちらかだけが立つなんて事はない」
赤川累:「……その上で」
赤川累:「誰がどういう意図で齎した力なのか、なんてのは。拘る必要がないと思ってる」
赤川累:「結局は、どう使うかだ。……あいつの並行世界を移動する能力だって、良識のある人間が持っていれば幾らでも世界の益になったはずだし」
赤川累:「この腕だって、ろくでもない暴力に使う道は幾らでもある」
赤川累:「だけど、俺はあいつとは違う」
赤川累:「"シンダーテイカー"で、赤川累だ。……だから、何も問題はない」
北見菫:「……それも、赤川くんらしいな」
北見菫:微笑して。
北見菫:「そうね。そうだと思う」自らの失くした片腕に、ほんの一瞬視線をやる。
赤川累:「褒め言葉……で良いのか?それは」
北見菫:「さあ。どっちだと思う?」
赤川累:「質問したのはこっちなのに……」
北見菫:「じゃあ、もう一個質問」
北見菫:「赤川くんってさ」
北見菫:じっと顔を見て。
赤川累:「ん」
赤川累:目を合わせる。
北見菫:「彼女いるの?」
赤川累:「……な」まばたきをする。
赤川累:「いない、が」
赤川累:「……なんで急にそんな事を」
北見菫:「……あはははっ!」その顔を見て、愉快そうに笑って。
北見菫:「聞いただけよ。……あ」玄関からのチャイムの音を聞いて。
北見菫:「風祭さんかな……はーい」
北見菫:ぱたぱたと出ていく。
赤川累:「君ってやつは……本当に……」額を抑える。
赤川累:「ああ、もうそんな時間か」立ち上がり、一緒に玄関へ向かう。
赤川累:ふと、部屋を出る前に足を止める。誰もいないリビングを見やって。
赤川累:(……いくら、そういう能力だったとはいえ。悪い冗談だ)
赤川累:壁にはクリスマス向けの飾り付けが施され、キッチンからは暖かい料理の匂いが漂っている。
赤川累:名残惜しむでもなく、そのまま扉を閉めて。
赤川累:もう一人の友人を迎えるため、今度こそ玄関へ向かった。



【ED/“ディアスポラ”】

市内 UGN某支部 面会室
GM:歪曲汚染領域の消失、及び“スターゲイザー”討伐戦から数日。
GM:君はUGNの面会室を訪れていた。
GM:強化ガラスの向こうには、一人の老婆。
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:腕には簡易的な拘束。たった数日で随分と老け込んだように見える。
GM:“セプテントリオン”の命に別状は無かったが、事態の経緯からUGNによって今も取り調べを受けている。
"ディアスポラ":「よっ、どうよ?体の調子は」
"ディアスポラ":気安い態度で声をかけ、椅子に座る
“セプテントリオン”:「……良いように見えるのかい」
“セプテントリオン”:「ここじゃあ煙草も碌に吸えやしない」
"ディアスポラ":「ああ煙草ね、差し入れに持ってきてあげようかと思ったけど入り口で取り上げられちゃった」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「……何しに来た?」
"ディアスポラ":「何しにって」
"ディアスポラ":「セルリーダーのお見舞いに来ちゃ悪い?」
“セプテントリオン”:「セルリーダー?」忌々しそうに言って、せせら笑う。
“セプテントリオン”:「裏切り者ダブルクロスの間違いだろう」
“セプテントリオン”:「大体、もう“スターゲイザー”は倒されたんだろう」
“セプテントリオン”:「“デイブレイカー”にも意味は無い。アンタとアタシも、もう何の繋がりも無い」
“セプテントリオン”:「殺しに来たってんなら、ま、その程度は受け入れてやるがね」
"ディアスポラ":「減らず口吐けるだけの元気はあるみたいで安心したよ」
"ディアスポラ":「今日来た理由、いくつかあるけど」
"ディアスポラ":「まずは色々、確認したかったんだよね」
"ディアスポラ":「直接アンタの口からさ」
“セプテントリオン”:「……」僅かに視線を動かす。
"ディアスポラ":「"スターゲイザー"を追い詰めた時、私達は全員違う世界に飛ばされた」
"ディアスポラ":「……そこでは、こっちで私達が失ったすべてがあった」
"ディアスポラ":「まるで今までのことが全部夢みたいに、これが当然の幸せなんだって言い聞かせるみたいに」
"ディアスポラ":「アンタも、それを見せられたの?」
“セプテントリオン”:「…………」
“セプテントリオン”:しばらく、重苦しく黙り込んで。
“セプテントリオン”:「……旦那と、息子が居たよ」吐き出すように零す。
“セプテントリオン”:「もう二度と戻ってこないものを見せられて……」
“セプテントリオン”:「ずっと支えにしてきたもんが、簡単に折れちまった」
“セプテントリオン”:「軽蔑するかい」
"ディアスポラ":「………」
"ディアスポラ":「……いや、別に。仕方ないんじゃないかな」
"ディアスポラ":「私だって、あっちにいられるならずっといたかったし」
"ディアスポラ":「けど、私の目的は最初から取り戻すことじゃなくて」
"ディアスポラ":「これ以上、私の家族をあいつの好きにさせたくないってだけだったから」
"ディアスポラ":「それに、迎えに来てくれる奴もいたしね」
“セプテントリオン”:「……そうかい」瞑目する。
“セプテントリオン”:「……アンタのほうが、ずっとセルリーダーに向いてたのかもね」
"ディアスポラ":「やめてよ。それこそ柄でもない」
"ディアスポラ":「私じゃ30年も保たないよ。自分も組織もさ」
"ディアスポラ":「ねえ、"セプテントリオン"」
“セプテントリオン”:「……」
"ディアスポラ":「30年ぶりに見せられて思い出したんじゃない?教えてよ」
"ディアスポラ":「アンタとその家族ってどこに住んでたの?」
"ディアスポラ":「ほら、前聞いた時忘れたねとか言ってはぐらかしたじゃん」
“セプテントリオン”:「……何だってそんなこと聞くんだい」
"ディアスポラ":「そりゃ勿論、一緒に行こうと思って」
“セプテントリオン”:「……ああ?」
“セプテントリオン”:眉間に皺を寄せる。
"ディアスポラ":「先に言っとくけど、アンタ、思ってるより早くここを出られるよ」ニヤリと笑って
"ディアスポラ":「"デイブレイカー"の存在意義が無くなったとはいえさ、そのリーダーが土壇場で裏切ってたとなったら」
"ディアスポラ":「下っ端の私達にも変な疑いがかかるんだよね。そういうの、正直面倒なんで」
"ディアスポラ":「お婆ちゃんには、"スタ—ゲイザー"の懐に潜り込んだ第一級の功労者ということになってもらいます」
“セプテントリオン”:「ああ!?」
“セプテントリオン”:「何を馬鹿なこと……!」
"ディアスポラ":「司法取引ってやつ。ま、後で別のお姉さんから何かしら要求されるかも知れないけど」
"ディアスポラ":「その辺の材料ならいくらでもあるでしょ。"イデア"も一目置く女傑サマなんだし」
"ディアスポラ":「不本意かもだけど、私らを助けると思って呑んでくれると嬉しいな」
“セプテントリオン”:「…………」
“セプテントリオン”:身を乗り出した体勢から座り直し、煙草が無いのに気付いて苛立たし気にトントンと指を動かす。
“セプテントリオン”:「……とんでもない屈辱だよ」
"ディアスポラ":「ふふふ、いい気味だ」
"ディアスポラ":「でさ、多分年が明けたらすぐ出られると思うんだよね」笑顔で身を乗り出して
"ディアスポラ":「それまでは私もこっちでゆっくりしたいしさ。そしたら」
"ディアスポラ":「一緒に行こうよ。アンタの故郷へ」
"ディアスポラ":「旦那さんと息子さんに、終わったよって報告しよう」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:観念したように、長く、大きく息を吐いて。
“セプテントリオン”:「……何も無いところだよ」
“セプテントリオン”:「カンザスってのは」
"ディアスポラ":「アメリカじゃん!行ったこと無かったからラッキー」
"ディアスポラ":「あ、じゃあ途中でニューヨーク寄っていい?」
“セプテントリオン”:「好きにすりゃいいだろ……何なんだい全く……」もう抵抗する気も無い様子で言う。
"ディアスポラ":「グランドキャニオンも行きたいし、本場のディズニーも行きたいな~」
“セプテントリオン”:「おい……」
“セプテントリオン”:「何か理由があるのかと思ったら……」
“セプテントリオン”:「ただの観光じゃないか」
"ディアスポラ":「え~だってさ~」頬を膨らませて
"ディアスポラ":「今までアイツを追ってばっかでそんなことしてる暇なかったじゃん」
“セプテントリオン”:「……だからこれからするってのかい?」
"ディアスポラ":「そうだよ。私さ」
"ディアスポラ":「どっちみち、また旅に出ようと思ってたんだ」
“セプテントリオン”:「旅?」
"ディアスポラ":「アイツを追いかけて、戦って、また追いかけて」
"ディアスポラ":「間に合わなくて、足早に通り過ぎた街にもう一回行くの」
"ディアスポラ":「そこで今度は、目一杯遊んで楽しむんだ」
"ディアスポラ":「それを私の、私が守れなかった人たちの、最後の復讐にする」
“セプテントリオン”:「……」息を吐いて「……いいのかい」
“セプテントリオン”:「古本屋ってのは」
"ディアスポラ":「いーの!古本屋は全部終わった後!」
"ディアスポラ":「ね、良かったら一緒に行こうよ。カンザスの後もさ」
“セプテントリオン”:「……そりゃあ」脱力するように僅かに笑って
“セプテントリオン”:「“スターゲイザー”の奴も、さぞかし悔しがるだろうね」
"ディアスポラ":「ふふ、でしょ?」
"ディアスポラ":「一人より二人の方がさ、楽しそうで仲間に入りたくなるじゃない」
"ディアスポラ":「絶対にその方が悔しがるよ。アイツも」
“セプテントリオン”:「……そうかもね」
"ディアスポラ":「じゃあほら、手出して」
“セプテントリオン”:「?」言われた通りにする。
"ディアスポラ":強化ガラスの下に小さく開けられた小窓から、その手の中に何かを渡す。
"ディアスポラ":それは、古ぼけた鍵だ
“セプテントリオン”:「……何だい、こりゃ」
"ディアスポラ":「うちの店の鍵」ポケットから同じものを取り出して見せる。
"ディアスポラ":「二人で報告して、二人で旅をして」
"ディアスポラ":「最後に、二人で帰ってこよう」
"ディアスポラ":「そしたら晴れて、風祭古書店の営業再開ってわけ」
“セプテントリオン”:「……どうにも」
“セプテントリオン”:掌の中の鍵を見て。
“セプテントリオン”:「中々死ねそうにないらしいね」
“セプテントリオン”:「……一つ、条件がある」
"ディアスポラ":「お、なになに?聞くだけ聞いとこう」
“セプテントリオン”:「……」
“セプテントリオン”:「ジェシカ・マイヤーズ」
“セプテントリオン”:「……次に会う時は、“セプテントリオン”コードネームは無しだ」
“セプテントリオン”:「アンタは」
"ディアスポラ":「……へへ」ふにゃりと笑って
"ディアスポラ":「猪祈」
"ディアスポラ":「風祭猪祈だよ」
“セプテントリオン”:「……ふん」口元に笑みを浮かべて
“セプテントリオン”:「いい名前じゃないか」



【ED/千原海智】

深夜 星辰館高校 屋上
GM:事件からしばらくが経った。
GM:能力の連続使用を強制された三瀬川りんかは、重篤な侵蝕負荷によりしばらくの入院を余儀なくされたが
GM:幸いジャーム化の兆候もなく、体力の回復と共に退院の運びとなった。
GM:肉体よりも精神への負荷が大きく、未だカウンセリングが続いている状況だが
GM:この夜、君達二人は、密かに高校の屋上へと忍び込んでいた。
GM:その理由はただ一つ。約束を果たす為だ。
三瀬川りんか:「……ほんとにバレないかな……?」
三瀬川りんか:暖色のコートにマフラー、手袋。しっかり防寒着を着込んで、寒空の下で辺りを見回している。
千原海智:「だーいじょうぶだいじょうぶ。何度も確認したでしょ」
千原海智:ダッフルコートにマフラーを巻き付けた格好で、天体望遠鏡を覗き込みながらなおざりに返事。
三瀬川りんか:「でも……千原くんは知らないかもだけどさ」
三瀬川りんか:「ここの会長、すっごい怖いんだよ……?」
千原海智:「えっ」振り返る。
三瀬川りんか:「あんまり怒鳴ったりはしないんだけど……」
三瀬川りんか:「それが逆に怖くてさあ……」
三瀬川りんか:「ご、ごめんなさい~って気持ちになる……」
千原海智:「そ…そうなの?」ホワンホワンとイメージする。仏頂面の眼鏡の男子生徒。
三瀬川りんか:「見つからないといいなあ……」両手を擦りながら言って
三瀬川りんか:「……どう?見えた?」
千原海智:「……まあ、でもさ。その会長だって」
千原海智:ニコッと笑う。「これを見たら機嫌直してくれるはずだよ」
千原海智:「見えた見えた! すごいよ」
三瀬川りんか:「えっ!どれどれ!?」
千原海智:場所を譲り、スコープを覗かせる。
千原海智:ピントが合って、煌々と輝く惑星が見られるはずだ。
三瀬川りんか:望遠鏡を覗き込み、息を呑む。
三瀬川りんか:「……ほんとだ……!すごい……!」
三瀬川りんか:「こんなに見えるものなんだね……!?」
千原海智:楽しそうにするその姿を見て、思わず頬が緩む。
千原海智:「…ああ、図書室から拝借した本で調べれば、何の星かも分かるはず…」
三瀬川りんか:「……読める?」暗がりで首を傾げる。
千原海智:「……読めないか」苦笑する。
千原海智:「いや……正直なところ」
千原海智:「星が覗けるだけで、嬉しくて。名前が分からなくてもいいやって気分」
千原海智:彼女の顔を覗き込んでそう言う。
三瀬川りんか:「そうだよね。わたしも、こんなに綺麗なら別に何の星だっていいなあ」
三瀬川りんか:「分かったところで、そっかあ、くらいだしね」スコープを覗きながら
三瀬川りんか:「でもヤバいねこれ。着替える時、ちゃんとカーテン閉めなきゃなあ」
千原海智:「うん……」
千原海智:「………」
千原海智:「……何言ってるの?!」
三瀬川りんか:「えっ……これで覗かれたらやだなって……」
三瀬川りんか:「あっ……違うよ!?」
三瀬川りんか:「ちゃんといつも閉めてるからね!?」
千原海智:「そっ」若干声が裏返る。
千原海智:「そういう意味でもないってば!」
三瀬川りんか:「えっちなこと考えないでよね!」
千原海智:「分かってるなら言うなよ!」
三瀬川りんか:「千原くんが反応するから悪いんじゃん!」
千原海智:「ひっ…人がせっかく……センチメンタルな気分になっている時に…」
三瀬川りんか:「なってたんだ、センチメンタル」
千原海智:「……」照れ隠しに首の後ろをかく。暗がりで赤面がバレなければいいなと思っている。
千原海智:「そりゃまあ…三瀬川さんとゆっくり話すのも久々だしさ」
三瀬川りんか:「……そっか……」
三瀬川りんか:「うん、そうだよね……」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……あの……」
千原海智:「……」
千原海智:「は……」
千原海智:「はい」
三瀬川りんか:「い、いや……!」
三瀬川りんか:「ふ……二人しかいないんだから……恥ずかしい空気にするのやめてよ……!」
三瀬川りんか:「分かんないじゃん……!どうしたらいいか……!」
千原海智:「は……」
千原海智:「ぼっ、僕のせいか!?」
千原海智:「そんなこと言われても僕だってどうしたらいいか分かんないんだよ!」
三瀬川りんか:「千原くんのせいでしょ!?いきなり……いきなりそういう意識させるようなこと言わないでよ!」
千原海智:「いっ……意識…」
千原海智:「……でも君だってさっきヘンなこと言っただろ!」
三瀬川りんか:「いや、あれは……つい出ちゃったっていうか……」
三瀬川りんか:「わざとじゃないっていうか……」
千原海智:「つ…ついエッチなこと言う!?普通!?」
三瀬川りんか:「エッチじゃないって言ってんじゃん!じゃ……じゃあ何!?千原くんはしないわけ?着替え!」
千原海智:「そういう話はしてないだろ! 着替えるし窓だって閉めるよ!」
三瀬川りんか:「も~~~~~……!何なのさ君は……!」
三瀬川りんか:「普段はあれだけ自信満々なくせしてさ……」
千原海智:「………」
千原海智:「………そりゃ」アスファルトに座る。
千原海智:「君のせいだろ」
千原海智:「君のせいだ」ぼそぼそと言う。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……な、何……」
三瀬川りんか:「わっ……わたし…………?」
三瀬川りんか:「べ……別に……何もしてないし……」
千原海智:「だったら、やっぱり君のせいだろ……」
千原海智:「さっきも言ったけど、どうしたらいいか分かんないんだよ…」
三瀬川りんか:「……」
千原海智:「………」
千原海智:「いや…やっぱなんでもない。忘れて」そっぽを向いている。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……はっ……はぁ~……!?」
千原海智:「……」
千原海智:「えっ」
三瀬川りんか:「なっ……何それ……!」
三瀬川りんか:「そこでヘタれるの!?信じらんないんだけど!」
三瀬川りんか:「せ……せっかくドキドキしたのに……!」
千原海智:「ドッ……」
千原海智:「………キドキしてるよ!僕は、ずっと!」
千原海智:「ここに来た時から……」
三瀬川りんか:「そんなの……わたしだってしてるよ!」
三瀬川りんか:暗がりでも分かるほど顔を赤く染めて。
三瀬川りんか:「うぅ~~~っ……!」
千原海智:「………」瞬きして。
千原海智:「三瀬川さん……」
三瀬川りんか:「……ふざけんなよな!責任取ってよ!ちゃんと!」
千原海智:「三瀬川さん!」
三瀬川りんか:「……っ……!」
千原海智:「えっと……つまり………」「その」
千原海智:「好きだよ!」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……」ゆっくりと俯く。
三瀬川りんか:「……聞こえない」
千原海智:「……っ」
三瀬川りんか:「もっとちゃんと言ってくれなきゃ……聞こえない」
千原海智:「………」頬を染めて、珍しく弱った顔をして、観念したように視線を地面に落とし。
千原海智:「好きだ」
千原海智:「好きだ、好きだ、好きだ!」
千原海智:「………」息を吐いた。「………この数日間で、出会った、誰よりもさ」
千原海智:「ドキドキしてるんだよ。……だから、つまり…」
千原海智:「君に恋してる」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:無言のまま駆け寄って、飛び付くように抱き着いて。
三瀬川りんか:目いっぱい背伸びをして、ほんの一瞬唇を重ねる。
千原海智:「わっ………」「………!」
千原海智:目が見開かれる。
三瀬川りんか:「……わたしも」
三瀬川りんか:泣きそうな顔で笑って。
三瀬川りんか:「……大好き。千原くん」
千原海智:「うん」
千原海智:「……ありがとう」
千原海智:少し戸惑うような間が開いて、それでも彼女の小柄な体をぎゅっと抱きしめる。
三瀬川りんか:「わ……」
三瀬川りんか:小さな声を漏らす。
千原海智:「……実は」
千原海智:「結構前から、こうしたくて………」
千原海智:「ようやくできた」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……い、言い方……」
三瀬川りんか:「もうちょっと……かっこよく出来ないわけ……?」
千原海智:「…………」
千原海智:「はっ、はぁあ~~~!?」
千原海智:「僕がかっこよくない訳ないだろ!」
千原海智:「今だってかっこよかった!」
三瀬川りんか:「実は……じゃないよ!もっと……ずっと君を抱き締めたかった……とか……あるでしょ!?」
千原海智:「そ…そんなコテコテなセリフ言う人いないだろ!」
三瀬川りんか:「コテコテなくらいがいいの!分かんないかなあ……!」
千原海智:「分かんないよ……、分かんないの!」
三瀬川りんか:「はぁ……もう~~……」火照った顔を両手で覆って。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「うわーーー……」
三瀬川りんか:「……しちゃったね」
三瀬川りんか:「キス……」
千原海智:「………っ」
千原海智:「な……」口をパクパクさせる。「き、君からしておいて……」
三瀬川りんか:「そっ……そうだけどさ……!」
三瀬川りんか:「ほんとにしちゃったのかあ……って、思って……」
千原海智:「……三瀬川さん」
三瀬川りんか:「……」
千原海智:「真面目な話さ」
千原海智:白い息が夜空に溶ける。「……なんで、僕がここに居るかって事を、考えてたんだ」
三瀬川りんか:夜闇の中、君の顔を見る。
千原海智:「僕が…この世界に、スターゲイザーを倒すために呼ばれたんなら、もう、役目は終わっただろ」
千原海智:「でも、この世界に居る」
三瀬川りんか:「……役目……」
千原海智:「うん。役目だ。僕がここに居るのは、まだ果たすべき使命が終わってないからだ」
千原海智:「……それが何か、考えてた」
千原海智:三瀬川さんに視線を合わせる。
三瀬川りんか:「……答えは、出たの?」
千原海智:「うん」
千原海智:「君だよ」
三瀬川りんか:「……」
千原海智:「三瀬川さん。僕は…」
千原海智:「君を救いきる」
千原海智:「君の、その最悪な運命を、根っこから変えてやる」
三瀬川りんか:「っ……!?」
三瀬川りんか:「む────」
千原海智:「無理じゃ」
千原海智:「ない!」
三瀬川りんか:「…………!」
三瀬川りんか:目を見開く。
千原海智:「この僕を誰だと思ってる! 千原海智だぞ」
千原海智:「もう二度と、周りで人が死ぬとか────自分が死ぬとか、そんな下らないこと、一切考えられないようにしてやる!」
千原海智:「解決法はある! 絶対に!」
三瀬川りんか:「っ……」
三瀬川りんか:運命を変える。途方もない、根拠もないその言葉が。
三瀬川りんか:彼の口から発せられているというだけで、信じられてしまう。
三瀬川りんか:いや──根拠なら、既にあるのだ。
三瀬川りんか:彼はもう、少なくとも一度、世界を救ったのだから。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「本当に」
千原海智:「…ん」
三瀬川りんか:涙が滲み、零れ落ちる。
三瀬川りんか:「……出来るの……?」
千原海智:「出来るよ」
千原海智:頬に手を寄せて、涙を拭う。
千原海智:「好きな女の子を、何度も泣かせたくないんだ」
千原海智:「君に、笑っててほしいんだ」
三瀬川りんか:「……う……」
三瀬川りんか:その言葉とは裏腹に、胸に頭を預けて、涙が止めどなく溢れてくる。
三瀬川りんか:「千原くん……」
三瀬川りんか:「千原くん、千原くん……千原くん……!」
千原海智:「うん」少女の背に手を回して、丸い頭を撫でる。
三瀬川りんか:「わたし、もう……」
三瀬川りんか:「やだよ……誰かを殺しちゃうのも……不幸にするのも……」
千原海智:「……うん」
三瀬川りんか:「……助けて……千原くん……」
千原海智:「助ける」
千原海智:「もう絶対に離さないし、絶対に悲しませない」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……うん……」
三瀬川りんか:顔を上げ、君を見て
三瀬川りんか:「……信じる」
三瀬川りんか:涙に濡れた顔で笑う。
千原海智:その表情を見て、柔らかく目を細めて、
千原海智:もうどこにも行かないようにと、強く抱き締める。
千原海智:「………だからさ、三瀬川さん」
千原海智:「僕が……君を救いきったとして。この世界に居る意味が、全部無くなったとしてさ」
千原海智:「その時、僕がどうなるかは分からなくて…また、別の世界に呼ばれることもあるのかもしれない」
千原海智:「また、全部忘れちゃうのかもしれない」
三瀬川りんか:「……」表情に不安げな陰が差す。
千原海智:「……そんな僕をさ」
千原海智:「逃げられないように、捕まえていてくれる?」
三瀬川りんか:「……それ」
三瀬川りんか:「女の子が言うやつじゃない?普通」不満げに口を尖らせて。
三瀬川りんか:「でも、いいよ」
三瀬川りんか:君の手を握る。
千原海智:「うん」握られる。
三瀬川りんか:「離さないから」
千原海智:「うん」
千原海智:「僕を捕まえた責任、とってくれ」
三瀬川りんか:「うん」
三瀬川りんか:「一生かけて、とってあげる」
千原海智:「……」夜風に息が流れる。「………よし」
千原海智:「話はまとまった!」
千原海智:大きな声でそう言って、ひょいっと三瀬川さんを横抱きに抱え上げる。
三瀬川りんか:「ひあっ!?」
三瀬川りんか:「何するの!!」鳩尾に肘を打ち込む。
千原海智:「ぐふっ」良い声が上がる。
千原海智:「な…何って……出発だよ!善は急げだろ!」
三瀬川りんか:「離し……出発?」尚も暴れようとしてたが「……どこに?」
千原海智:「君を救う方法を探さなくちゃいけないだろ?」
千原海智:「この世界じゃ狭すぎる。他の世界に視野を広げていかないとね」
三瀬川りんか:「他の世界……って……え……?」
千原海智:「ついでに」影から這い出した獣が、うにょうにょと天体望遠鏡を食べて、キーホルダーに変える。
千原海智:「こいつの由来も知りたいし……」
千原海智:「さ、よろしくたのむよ三瀬川さん!」
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……わたしの!?」
千原海智:「そう!その通り! 君の窓から世界に飛び出そう!」
三瀬川りんか:「やっ……やだよ!どこに繋がるかも分かんないんだよ!?」
三瀬川りんか:「即死とかしたらどうするの!」
千原海智:「大丈夫だよ!」
三瀬川りんか:「根拠は!?」
千原海智:「根拠は……」
千原海智:「僕だ!」
三瀬川りんか:「だと思った……」
千原海智:「話が早くて助かるよ」予備動作もなく、軽々と屋上のフェンスに上がる。
三瀬川りんか:「ちょっ……ちょっちょっちょっと待って」
三瀬川りんか:抱えられたまま「怖いんだけど!一旦降ろして!」
千原海智:「三瀬川さん!」
三瀬川りんか:「なに!」
千原海智:彼女の唇を塞ぐ。
三瀬川りんか:「…………!」
三瀬川りんか:瞠目して、言葉は止まる。
千原海智:「……」口を離す。
千原海智:「絶対に離さないし、ずっとそばにいる」
千原海智:「僕に捕まったんだ。諦めて」
千原海智:星の光を浴びて笑う。
三瀬川りんか:「……」
三瀬川りんか:「……捕まっちゃったなあ」
三瀬川りんか:頬を染めて、観念したように笑う。
千原海智:「そうさ。つまり……君の最悪な運命も、これまでさ」
GM:下方に、どこに続くとも分からない、真っ黒な『窓』が現れる。
千原海智:「僕らの未来は、ハッピーエンドに決まってる」
千原海智:その『窓』を見て、挑戦的に笑う。
三瀬川りんか:己の人生を狂わせてきた、その『窓』を見下ろして。
三瀬川りんか:「……怖くない?千原くん」
千原海智:「何でだい?」
千原海智:「次の物語に出会える嬉しさで、ワクワクしてるんだよ」
三瀬川りんか:「……そっか」
三瀬川りんか:その胸に頭を寄せて。
三瀬川りんか:「じゃあ、わたしも」
千原海智:「ああ」
千原海智:「次の世界でも、綺麗な星を見よう」
千原海智:夜空には無数の星々が輝く。
千原海智:フェンスを蹴り飛ばす。
千原海智:その『窓』は、僕の命を救った『窓』だ。
千原海智:だからきっと大丈夫。世界は僕らに味方している。
千原海智:二人の身体が、窓の中に入って、そうして消えた。








Double Cross The 3rd edition
『星を見る者』
END

and

To Be Continued







GM:全行程終了です。
GM:皆さんお疲れさまでした!
千原海智:おつかれさまでした!ありがとうございました~!
"ディアスポラ":お疲れさまでした!最高でした~!
赤川累:お疲れ様でした!めちゃめちゃ楽しかった~
鳩山依鈴:お疲れさまでした!楽しかった~!