光雨、黒天を染める



メインログ/雑談ログ

Trailer



浅葱島。
N市より遥か南、人工数百人の小さな離島。
空と海の他には何も無いようなこの島では今、奇怪な事件が続いていた。
次々と異形の魚が網に掛かり、怪物じみた生物が浜に打ち上げられ。島は常には無い不安な空気に満ちていた。

夏の日。
崩れ掛けた、それでも続いていた昨日と同じ今日という日。少年は一人の少女と出逢う。
それは奇跡か。運命か。或いは謀略か。
その邂逅は、彼の人生を永遠に変えてしまう。

Double Cross The 3rd edition『光雨、黒天を染める』
ダブルクロス――それは裏切りを意味する言葉。



Character


PC1:赤川 累あかがわ るい (キャラシート)(PL:いちま)

PC2:浅木 澪央あさぎ みお (キャラシート)(PL:ヤヒロギンジ)

PC3:有島 まひろありしま     (キャラシート)(PL:めかぶ)

GM:すきゃっと



Index


関連セッション
『街は胡蝶の夢を見る』
『吹けよ太刀風、墜ちよ禍津星』

Opening
【OP/赤川累】
【OP/有島まひろ】
【OP/浅木澪央】

Middle phase
【Middle1】
【Middle2】
【Middle3】
【Middle4】
【Middle5】
【Middle6】
【Middle7】
【Middle8】

Climax
【Climax】

Ending
【Ending】



Preplay


GM:というわけで始めていきましょう PC1の赤川君から!キャラシを貼って自己紹介お願いします!
赤川累:はぁい
赤川累(キャラシート)
赤川累:赤川累(あかがわ・るい)、ごく一般的な男子高校生です。
赤川累:一般的じゃない部分としては、母が病死していて父子家庭であることや、実家がキリスト教会であることや、
赤川累:あと生まれ育った地元が辺鄙な島であることなどが挙げられます。
赤川累:でもまあダブルクロス世界では誤差だよね。
GM:そうかな そうかも……
赤川累:勤勉な16歳高校生であり、現在は医者を目指して本土の医学部に入るため勉強しています。
赤川累:田舎の学校なのでおそらく進学指導はそんなに手厚くなく、自分で頑張らなきゃなとなってるんじゃないかなあ。
赤川累:将来的には島の診療所に勤めたいと思っています。
赤川累:あとこういう実家ですが神様などは信じておらず、何かにつけ主の教えを説いてくる父親にはちょっと反発しています。
GM:複雑な家庭だぜ
赤川累:自分の事をクールで理性的な人間だと思っており、当人はそういう感じに振る舞おうとすると思いますが、
赤川累:メンタルは普通なので、非常識な状況を前にすると割といっぱいいっぱいになるんじゃないかな。
GM:頑張ってほしい
赤川累:そこで出逢ったミステリアスヒロインに知らない世界の事を手引されていったり、逆に彼女の前でカッコつけようとしたりしたいな~と思います。
赤川累:あ、あと能力的にはモルフェウスとノイマンのインスタントボム・マンで、
赤川累:単体至近装甲無視アタックができます。それ以外のことはあんまりできません。
赤川累:そんな感じで!よろしくお願いします。
GM:よろしくお願いします!ハンドアウトはこちら!

シナリオロイス:斗星朔夜
君は浅葱島に暮らす少年あるいは少女だ。
夏休み。島はいつになく騒がしいが、君はごく普通の退屈な日々を過ごしていた。
そんな時、君は何気なく訪れた海辺で一人の少女と出会う。
島の人間ではない彼女は朔夜と名乗り、君達は束の間の交流を交わす。
だが突如として姿を現した異形の怪物――ジャームによって状況は一変する。
君は怪物に襲われ、或いは彼女を庇い――死んだ。


GM:死んじゃいましたね
赤川累:死んじゃった……
赤川累:せっかくなので庇って死にたいですね
GM:そうですね そのような予定となっております
GM:まあ生きてりゃいいことあるって!
赤川累:じゃあ前向きに死んでいきます
GM:ではお次にPC2の浅木さん自己紹介お願いします!
浅木澪央:はーい!
浅木澪央(キャラシート)
浅木澪央:浅木澪央(あさぎ みお)。浅葱島に住むごく普通の女子高生!
浅木澪央:島に古くから伝わる海神様を祀る神社の娘で、中学時代は全国クラスの水泳選手として鳴らしたこともあり運動神経抜群
浅木澪央:高校からは何故か水泳をやめて映研に入っちゃいましたが
浅木澪央:相変わらず島中を元気に駆け回っている褐色巫女幼馴染です
浅木澪央:距離感の近い褐色巫女ボーイッシュ幼馴染です
浅木澪央:しかし、幼馴染には島の誰にも明かしていない秘密があり
浅木澪央:その正体は代々海神の遺産をその身に宿し、レネゲイド拡散以前からFHと繋がりを持つオールドオーヴァードの末裔なのです
浅木澪央:島がクソ田舎すぎてFHの多数派とは全然付き合いが無くなって久しいので
浅木澪央:なんかごくごくたま~に起きる島のR事案を極秘裏に解決して回ったり
浅木澪央:もうそれUGN何じゃないの?みたいな活動をしながら、日々幼馴染の日常を陰から守っています
浅木澪央:たぶんアイツはいつか島を出ていってしまうけど、せめて立派なお医者さんになって帰ってくるまでは私がこの島を守らなきゃな
GM:盛りすぎ幼馴染
GM:大変な事ですよ
浅木澪央:という健気な気持ちで頑張っていきたいと思います!幼馴染が負けるはずがねえ!
浅木澪央:性能はフルディフェンス+復讐の刃の反撃特化型!
浅木澪央:特性上自分から攻撃することは殆どできませんが
浅木澪央:的にピッタリ食らいつき、クライマックスでは激情の早鐘も噛ませたC6反撃攻撃で何度でも切り刻みます!
GM:殴りたくねえ~~
浅木澪央:割と面倒くさい構成ですが、色んな意味で活かしていけたらいいな~と思います!色んな意味で!
浅木澪央:ガンバリマス!よろしくお願いします!!
GM:よろしくお願いします!浅木さんのハンドアウトはこちら!

シナリオロイス:北見菫
君は浅葱島に暮らす少女だ。
夏休みのある日、君は友人である病弱な少女、北見菫のもとを訪れる。菫は君の訪問を喜ぶが、どこか浮かない顔だ。
彼女の唯一の家族である父は島で唯一の診療所を営んでいるのだが、連日の怪魚騒ぎで解剖調査までさせられ、寝る間も無い程なのだという。
それはそれとして、君が気になっている幼馴染のPC1が、黒髪の美少女を連れ立って診療所にやって来た。君は内心穏やかでいられるだろうか。


GM:友達と仲良くしたり幼馴染にやきもきしたりしてね
浅木澪央:あたしがなんとかしなきゃ……
浅木澪央:ガンバリマス。黒髪美少女僕っ娘には負けません!
GM:頑張って勝ってください!楽しみにしてます!
GM:それではお次にPC3!有島さん自己紹介お願いします!
有島まひろ:はーい♡
有島まひろ(キャラシート)
有島まひろ:有島まひろ(ありしま・まひろ)。本土に住むごく普通の32歳!
有島まひろ:普段は専業主婦として2人の子供を育てつつ、こっそりUGNエージェントとして活動しています。
有島まひろ:エージェントとして任務に赴くときは、子供たちには「旅行に行くの~」って言い訳しているので、
有島まひろ:その結果、子供たちからは「いきなりどこかに遊びに行っちゃう能天気なお母さん」みたいな扱いを受けています。
GM:そんな扱いを
有島まひろ:息子(11歳)が最近、反抗期で…
有島まひろ:そんなママですが、幻想種:サキュバスのキュマイラ因子を持っており、
有島まひろ:他者から定期的に血とレネゲイドを供給してもらわないと暴走し、サキュバスとしての顔が色濃く出てきてしまいます。つまりは暴走です。
GM:さ……サキュバスママ!
有島まひろ:幸い夫もUGNエージェントなので、定期的に彼から供給を受けてるんですが…
有島まひろ:今回の任務は、離島に何日か滞在しなければいけないようなので、ちょっと心配。
有島まひろ:でも、出発前に夫からたくさん供給を受けておくので、
有島まひろ:血が足りなくなっちゃって、誰かから分けてもらう…なんてことにはならないはず!
有島まひろ:そしてシンドロームはキュマイラ/ブラム=ストーカーの白兵型。
有島まひろ:隠密しながらパッと舞ってガッとやってチュッと吸います。
有島まひろ:以上です!がんばろうね♡よろしくお願いします♡
GM:少年少女に混ざっていい人なのかこの人は……?
GM:よろしくお願いします!ハンドアウトはこちらです

シナリオロイス:ルキナ
君はUGNの正規職員だ。
内地の大学に送られてきた怪魚のサンプルを検査した結果、レネゲイドが検出された。
島には当然UGN支部も無いゆえ、君が調査のため島に赴くことになった。
君は唯一の正規職員として、この事件を捜査・解決しなければならない。


GM:唯一のエージェントとして頑張っていただきます
有島まひろ:はあーい
GM:あと謎の女とかと話したりするかもしれません
有島まひろ:募集のときとシナリオロイスの名前が変わってるなと思ったんですよ!
GM:実はそうなんです
有島まひろ:謎の女! 楽しみだな~
GM:あっそうだ このセッション一応大N市企画なんですが
GM:有島さんはN市に所属してるんですか?全然違うところですか?
有島まひろ:初出のキャラなので、どっちでもいいよ~って感じです
GM:じゃあボヤボヤさせときます!
有島まひろ:大N市企画であれば、大N市所属の方がいいのかな? シナリオに都合がいい方でOKです
有島まひろ:うい!



【OP/赤川累】

GM:朝。君は自室で目を覚ます。
GM:既に夏休みに入っているゆえに急ぐ必要は無いが、父親が毎朝朝食を作っている。
赤川累:(……ああ、そうか)
赤川累:鳴らない目覚ましに手をやりかけて、夏休みに入っていた事を思い出す。
GM:君がダイニングを訪れると、やはり父が既にいつも通り食事の準備を済ませているところだ。
赤川大輔:「おはようございます、累さん」
赤川大輔:君の父、赤川大輔だ。シャツにエプロンを付けてキッチンに向かっている。最近、髪には白いものが混じりつつある。
赤川累:「うん……おはよう、父さん」
GM:数年前に母が病気で他界して以来、家には君と父のみだ。
GM:食卓に並んでいるのはトーストと焼き魚。奇妙な取り合わせだが、いつものこと。この島で獲れるのは魚程度のものだ。
赤川累:特に談笑がある訳でもなく、戸棚から食器を取り出す。配膳くらいは手伝おうと。
赤川大輔:「ありがとうございます、累さん。それでは頂きましょうか」
赤川大輔:言って、席に着き、手を合掌の形に組む。
赤川累:無言のまま頷き、向かいの椅子に座る。
赤川累:……ちらり、と彼のその動作を見遣り。
赤川累:自分は普通に手を合わせて、「いただきます」と呟く。
赤川大輔:「……」少し咎めるような空気があるが、何も言わない。既に何年も幾度となく繰り返されてきたやり取りだ。
赤川大輔:「父よ、あなたの慈しみに感謝して、この食事を頂きます。ここに用意されたものを祝福し──」
GM:口数少ない、気まずい食事だ。テレビでニュースでも流せばマシだろうが、大輔はそれを許していない。
赤川累:何時もの事だ。ただ、食事の初めにある彼の祈祷は、互いの隔絶をはっきりと形にしているようで。
GM:やがて、大輔が口を開く。
赤川大輔:「……累さん」
赤川累:「……何」
赤川大輔:「進路の件。考え直して頂けましたか」
赤川大輔:静かな口調で、真っ直ぐに君を見つめて言う。
赤川大輔:大輔はこの島唯一の教会の神父だ。息子である君を後継にと願うのは、当然と言えば当然だろう。
赤川累:「……考えたさ」ため息交じりに、箸を置いて。
赤川累:「考えた上で、結論は変わってないよ。俺は、医者になろうと思う」
赤川大輔:小さく溜息を吐く。
赤川大輔:「……医者という職業は、人の助けになる立派な仕事です。それは分かります」
赤川累:「……なら、何が分からないって言うのさ」
赤川大輔:「累さんには、神の教えを以て、もっと多くの人を救ってほしいのです」
赤川累:「学費なら、奨学金で何とかする。特待生の枠が取れれば、家計に心配をかけるような事は……」
赤川大輔:「身体を治すだけでは、心は救えません。我々にはそれが出来るのですよ、累さん」
赤川累:「……」何度となく繰り返された問答だ。思わずまた溜息が漏れて。
赤川大輔:「我々に救いを求めている人は、大勢いるのです。分かりませんか」
赤川累:苛立ちを抑えて、慎重に言葉を選ぼうとする。
赤川累:分かってはいる。彼が純粋な善意から、こういう言葉を掛けているのは。
赤川累:「……そうだとしても、俺には向いてないよ」
赤川累:「俺はただ、父さんの息子ってだけだ。神様の声なんか聞こえないし、祈りで誰かを救えるなんて思ってもいない」
赤川累:「そんなやつに、勤まらないって分かるだろ」
赤川大輔:「それはまだあなたが若く、神の教えを理解していないだけです。いずれ分かる日が必ず来ます」
赤川大輔:「それまでに準備をしておいても悪くない。そうは思いませんか」
赤川大輔:そう言って、一枚の紙を差し出す。
赤川大輔:神学校のパンフレットだ。募集要項や学校開放の日程が書かれている。
赤川累:「年を取れば分かるなんて、そんなもん……」やや憤懣交じりの言葉を、途切らせて
赤川累:パンフレットをじっと見て。
赤川累:「……そんなもん、見てる暇ない」
赤川累:「二週間後にまた模試があるんだ。俺、そっちの準備で忙しいから」
赤川累:受け取りもしないまま、席を立つ。
赤川大輔:「……累さん。まだ話は……」
赤川累:「……父さんに救いを求めてる人は、いっぱいいるんだろ」
赤川累:「話だったら、俺じゃなくてその人たちにしてやりなよ」
赤川累:「……俺は、いらないから」振り向かず、拒絶を示す言葉を吐いて
赤川累:そのまま部屋を出ていく。
GM:背後からまだ呼ぶ声がしていたが、やがてそれも聞こえなくなっていった。
赤川累:玄関を出て数歩。口にしかけて留めた言葉が、胸の中に残っている。
赤川累:(……あんたがどれだけ祈ったって、母さんは救えなかっただろ)
GM:---
GM:外に出て海岸沿いを行くと、港の方が騒がしい。最近はよくあることだ。
GM:近頃のこの島では、奇怪な姿をした魚がよく網に掛かり、その話でもちきりとなっている。
GM:海神の祟りなどという老人や、企業の実験などと噂する若者もいるが、
GM:結局は特に実害もないので、近頃は皆不気味がりながらも慣れてしまいつつあった。
GM:陽射しの照り付ける海岸は人影少なく、白い砂浜が目に眩しい。
赤川累:居心地の悪さのあまり、つい出てきてしまった。……宛もなく、浜辺をぶらぶらと歩く。
GM:海は青々と美しく、他所の人間にとっては絶景と呼ばれるものだろうが、君にとっては物心ついたことから見慣れた光景だろう。
GM:君がそうして浜辺を歩いていると、小さく猫の鳴き声が聞こえる。
赤川累:(……猫か)別に、珍しくもないけれど。なんとなく、その声の出所を視線で追いかける。
?:「あはは!待ってくださいよ~……捕まえた!」
?:見ると、ひとりの少女が防波堤の上、白猫を抱き上げている。
?:美しい少女だった。
?:島では見慣れないセーラー服。透き通るような白い肌。黒髪が風に吹かれ、陽光に照らされて煌めき、踊る。
赤川累:(……美人だ)
赤川累:目に留めて、思わずそんな感想を抱いて。
?:「可愛いですね~……あ痛っ!」
?:楽しそうに白猫の頭を撫でて、引っかかれて手を離す。
赤川累:(……いや。待て、今の思考はのはよくない)
赤川累:(人を外見で判断するとか、そういうのは……)
?:「痛い……うう……どうして嫌われるんだろう……」
?:しょぼくれた顔で指をさすってから、ふと君に気付いて目を向ける。
赤川累:誰にともなく諌めるように言って、そのまま去ろうとする……よりも前。
赤川累:視線が交わる。
?:輝くような黄金の瞳だ。闇の中でも光って見えるのではないかと思えるような。
?:そして、にこりと笑いかける。
赤川累:「……」また、言葉を失いかけるけれど。何も言わないのも不気味がられるだろうと思って。
?:「こんにちは!」
赤川累:「えっと……君は、島の外から?」
赤川累:「あ、ああ……こんにちは」
?:「はい、そうなんです。外から来ました」
?:「あ、ちょっと、そこどいてくれますか?」
?:くいくい、と君の立ち位置を示してジェスチャーする。
赤川累:「えっ……?わ、わかった」疑問符を浮かべつつ、促されるままにそうする。
?:「よい、しょ、っと!」
?:防波堤から飛び降り、スカートを翻して砂浜に着地する。あまり運動神経はよくないようで、少しよろめいて。
?:「と、と……」
?:思い出したようにスカートを押さえ、
?:「……み、見ました?」
赤川累:「い……いや」ぼんやりと、その様子を目で追っていたが。少女の反応を見て、やや慌てて。
赤川累:「……見えていない。大丈夫だ」
?:「そうですか!それなら良かった!」素直に嬉しそうに笑う。
赤川累:やや目線を逸らし、言葉を選びつつ、そう返した。
?:「あなたは?」少し身を屈め、顔を寄せて。「この島の方ですか?」
赤川累:「……良くはない、かな。多分君は、もう少し無防備さを気遣った方がいい」
赤川累:「俺は、そうだよ。この島の住人だ」
?:「えっ……やっぱり見てました……?」さっと身を引き
?:「えっち!」
赤川累:「いや、待ってくれ、違う」
?:「あはは!すごい慌ててる!」けらけら楽しそうに笑う。表情がころころ変わる少女だ。
赤川累:「そういう意味じゃなく、そう……君は、飛び降りる前の段階で気をつけるべきだった」
?:「なるほど。次から気を付けます」こくこく頷き
?:「あなた、面白い人ですね。お名前は……あ、まず自分から名乗るのがマナーですね」
赤川累:「……な、何だよ。そんなに面白かったのか」
斗星朔夜:「僕は朔夜。斗星朔夜(ひつきぼし さくや)です」
斗星朔夜:「面白いあなた、お名前をお伺いしても?」
赤川累:「赤川累だよ。面白いという評価をされたのは、たぶん初めてだけど」
斗星朔夜:「累さん。よろしくお願いしますね!」にっこり笑う。
赤川累:「ああ。よろしく、斗星さん」こちらも、つられて笑みを浮かべて。
斗星朔夜:「この島はいいところですね。空気も美味しいし、皆のんびりしていて、何にも無くて……」
斗星朔夜:「あ、何にも無いって、住んでる人からしたらイラっと来ますよね……ごめんなさい」
斗星朔夜:「あれですよ、いい意味で!いい意味で何にも無いってことです!」
赤川累:「いい意味で何もない……ああ、騒がしくないとか、そういうこと?」
斗星朔夜:「そんな感じです!都会とは全然違いますよ~」
赤川累:褒め方にしては変だなと思いつつ、相手が失言だと思っているようなのでフォローする方向に話を合わせつつ。
赤川累:「じゃあ、君は都会から来たんだ。東京?」
斗星朔夜:「色んなところを転々としてるんです。東京にも行きましたし、海外にも。最近はN市ってところに住んでるんですけど……」
斗星朔夜:「この島に来たのは、少し、見たいものがあって」
赤川累:「へえ……」親の転勤とかかな、と思いつつ。「見たいもの?」
赤川累:この島にそんなものあったかな……と思索している。
斗星朔夜:「はい!」夢見る少女のような、僅かに頬を染めた美しい笑みを見せて。
斗星朔夜:「綺麗なものを、探しに来たんです」
斗星朔夜:ふわりと黒髪を靡かせて、くるりと回る。
斗星朔夜:「この島でなら、それが見られると思って」
赤川累:「……」君の方が綺麗だ、なんて。ひどく酔ったような言葉が脳裏を掠めて。念入りにそれを封殺して。
赤川累:「それって、この景色のこと?」海の方を手で示して。
斗星朔夜:「ええ、この海も空も、すっごく綺麗です。でも、そういうのじゃないんですよね」
斗星朔夜:「累さんはこの島、好きですか?」
斗星朔夜:小首を傾げる。
赤川累:「これよりも綺麗なもの、あんまりない気がするけど……」呟いて
赤川累:普段、あまり訊ねられるような事のない質問だ。少しだけ、言葉を探して。
赤川累:「……好き、なんだろうな」
斗星朔夜:「む、びみょうな答え」
斗星朔夜:「何か悩んでます?」
赤川累:「……まあ、少しね」
赤川累:「父と折り合いが悪いんだ」
斗星朔夜:「おや、お父さんと?」
赤川累:初対面の相手に話すような事ではないはずなのに。気づけば、そう零していた。
斗星朔夜:「家族は最も近い他人ですからね。それはさぞ大変でしょう」
斗星朔夜:「良かったら、お話聞きますよ?」
赤川累:「……まあね。だから」
赤川累:「もしもこの島を出て、本土のどこかに移り住んだなら、縁を切る事もできるんだろうな……と」
赤川累:「今、ふとそういう事を考えた」
斗星朔夜:「そんなにお父さんがお嫌いなんですか?」
赤川累:「……いや。多分、それも違う」
赤川累:「俺は、あの人に認められたいんだ」
赤川累:「だから……俺の帰ってくる場所は、やっぱりここにしかないなって」
赤川累:「そう思ったよ」
斗星朔夜:「……へえ……」目を細める。
斗星朔夜:「素敵ですね、あなた」
赤川累:「……いや、こっちこそ」
赤川累:「申し訳ないな。会っていきなり、こんな話を聞かせてしまって」
赤川累:素敵ですね、という言葉を。内心、どう受け止めていい物か迷いながら。
斗星朔夜:「いえいえ!いいんですよ!聞かせてくれてありがとうございます!」嬉しそうに笑い、
斗星朔夜:「それより、どうでしょう?その願い、もし叶うとしたら…… ……?」そこで何かに気付き、顔を海の方へ向ける。
赤川累:「……?」少女の言いかけた言葉に違和感を覚えつつも、こちらも目線をそっちへ。
GM:びしゃり、びしゃり、と。
GM:波打ち際から、海水を滴らせて、何かが這いあがってくる。
GM:それは怪物だった。
GM:奇形の鮫に無理やり脚を生やしたような異形。
GM:裂けた口には鋭利な歯が並び、唸り声とも空気の漏れる音ともつかぬ響きと共に、君達へと向かってくる。
赤川累:「え」あまりの事に一瞬、思考が停止する。
斗星朔夜:「うわっ!怪物!」
斗星朔夜:「きゃ~っ!怖いです!」
鮫ジャーム:「グッ……フシュルルル……」
鮫ジャーム:ガチガチと乱杭歯を鳴らしながら、君達に向けてよたよたと突進してくる。
赤川累:「ひ、っ……」一瞬遅れて、状況を理解する。顔色が恐怖に染まる。
赤川累:目の前の異形が、夢でも、映画の撮影でもなく、本物の脅威であると認識して。
赤川累:「逃げ、ないと──!」隣にいた少女に声をかけ、走り出そうと。
斗星朔夜:「……」恐怖で足でも竦んでいるのか、その場から動こうとしない。
鮫ジャーム:「ゴァアアアアッ!」
鮫ジャーム:立ち尽くす少女に向け、大顎を開いて飛び掛かる。
赤川累:「斗星さんっ……!」手を引こうとして、すぐそこに迫る怪物の歯が見えて。
赤川累:(どうすれば、いい。どうすれば──)考える途中で、身体が動いて。
赤川累:気づけば、少女への道を塞ぐように、怪物の前へと飛び出していた。
斗星朔夜:「あっ」
GM:ばつん、と、怪物の口が閉じられる。
赤川累:歯を食いしばり、ありったけの力を込めて殴りつける──なんて、思い描いたようにはいかなくて。
GM:左腕、肩、肺、心臓。身体の三分の一ほどが、一口で喰いちぎられる。
斗星朔夜:「累さん!?」
GM:驚いたような少女の声は、辛うじて聞こえたかもしれない。
赤川累:「────ぁ」激痛と、赤い色が意識を染める。
GM:目の前で自分の肉を咀嚼する怪物を前に、君の意識は闇に沈んでいく。
赤川累:最後にその声が聞こえて、残ったのは後悔だ。きっと、あの少女は助からない。
赤川累:どうすれば良かった。どうすれば、あの子を生かしてやれた。
赤川累:どうして俺はいつも、肝心な時に、こんなにも無力で──
赤川累:──そうして、赤川累は死んだ。
GM:---
斗星朔夜:「あらららら……累さん?累さーん?」
斗星朔夜:血塗れの身体をゆさゆさと揺さぶる。返事は無い。
鮫ジャーム:「ガァッ!」
鮫ジャーム:残った少女に食らいつこうとして、
鮫ジャーム:「……!?」
鮫ジャーム:見えない壁に阻まれ、それ以上進むことが出来ない。
斗星朔夜:「困りましたねえ……こんなつもりは……」
斗星朔夜:「……あっ!そうだ!」
斗星朔夜:名案が浮かんだというように、ぽん、と手を叩いた。
GM:---
斗星朔夜:「……ん……」
斗星朔夜:「……さん……!」
斗星朔夜:「累さん……!起きてください!」
GM:遠くから呼ぶような声がして。
GM:君の意識は、ゆっくりと覚醒する。
赤川累:(……あ、れ)
赤川累:五感が、世界が戻って来る。遠く呼んでいた少女の声が、今ははっきりと傍に聞こえて。
赤川累:砂浜の感触。そこからは、慌てたように体を起こす。
斗星朔夜:「累さん!よかった、目が覚めましたね!」
斗星朔夜:傍らに朔夜が寄り添い、君の手を握っている。
赤川累:「あ、ああ」どこか現実感のない様子で応じながら、少女の無事に安堵しつつ、周囲を見渡す。
赤川累:「さっきの……怪物、は」
斗星朔夜:「そこにいますよ」
鮫ジャーム:「ウゥウウ……」
鮫ジャーム:警戒するように距離を取りつつ、様子を伺っている。まだ健在だ。
赤川累:「っ……!」
GM:喰いちぎられたはずの君の肉体は元通りになっている。だが服は破れ、血はついたままだ。夢ではない。
GM:そして、朔夜が握る右手は────。
赤川累:(夢じゃない。だけど、だったら、俺は)死んだはずだ、と確認するように。食い千切られた部分を見て。
赤川累:──黒く、無骨な骨があった。
赤川累:自分の本来の腕よりも、更に一回り大きいそれが、食い千切られた自分の右腕に接合している。
赤川累:そして、焼けるような発熱と共に、いま目の前で。
赤川累:それを覆うようにして……筋肉が、神経が、皮膚が、再生していく。
斗星朔夜:「さ、累さん!」
赤川累:「何、が……」理解を越えた現象に、また思考が止まりそうになって。
斗星朔夜:背中から半ば抱き締めるようにして、君の手に手を重ねる。確かな体温と柔らかな感触が伝わって。
斗星朔夜:「やっつけましょう!」
斗星朔夜:そう言って異形の怪物を示す。
赤川累:できるはずがない、逃げるべきだ、と。
赤川累:口にするべきはずの言葉は、なぜか出てこなくて。
赤川累:今の自分になら、それができる。
赤川累:「ああ」理屈の通らない万能感があった。気づけば、そう答えていた。
赤川累:一歩、踏み出す。身体が軽い。思考は驚くほどに冴えている。
鮫ジャーム:「……ヴォァアアッ!」踏み出した君に、再び大顎で襲い掛かる。
赤川累:怪物を見据える。……今はそれが、随分と愚鈍に見えて。
赤川累:──次の瞬間。牙を躱し、喉元に拳を叩き込んだ。
赤川累:抉るような一撃、そして。
赤川累:撃ち貫いた一点から、その巨体が崩壊していく。
鮫ジャーム:「ガ……ッ……」
鮫ジャーム:ボトボトと、怪物の残骸が砂浜に落ちていく。
斗星朔夜:「わぁ……!」
斗星朔夜:ぱちぱちとはしゃいで拍手する。
斗星朔夜:「すごいです!本当に初めてなんですか?」
赤川累:自分が何をしたのか、まだ正しく理解してもいない。どこか現実味のない表情で、崩れていく怪物の姿を見て。
赤川累:……鼻をつく、灰の香りがして。
赤川累:「……斗星さん」
斗星朔夜:「はい!何でしょう?」
赤川累:「初めてだよ。こんな事は……俺は、何も知らない」
赤川累:この状況にあって、どこか異様なまでに落ち着いた彼女の様子に、流石に気付いている。
赤川累:「何が、あったんだ」
赤川累:「……俺は、どうしてしまったんだ」
斗星朔夜:「ふふ。累さん。あなたはね」
斗星朔夜:夏空の下、灰の香りの中。屈託のない美しい笑みを浮かべて。
斗星朔夜:「オーヴァードになったんですよ」



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
赤川累:斗星朔夜:〇好意 / 不可解 で!
GM:OK!



【OP/有島まひろ】

GM:有島さんのOPです。登場どうぞ!
有島まひろ:1d10+32
DoubleCross : (1D10+32) → 2[2]+32 → 34

有島まひろ:はーい♡
GM:---
GM:小さな船が、よく晴れた海上を進んでいく。
GM:それは小型のフェリー。月に一度の定期便の他は、本土から浅葱島への渡し舟はほとんどこれのみだ。
GM:君は通信機を手に甲板に立っている。
GM:この日の乗客は君とあと一人しかおらず、そのもう一人も早々に船室に引っ込んでから姿を見せない。
GM:そういうわけで、君は人目を気にすることなく今回の任務について説明を受けているところだった。
ミリア・リンドバーグ:「こ、今回はよろしくお願いします、有島さん……!」
ミリア・リンドバーグ:通信の向こうからオドオドした少女の声が聞こえてくる。今回のオペレーターらしい。
有島まひろ:「…あら。そんなに緊張しないで」初々しい声に、くす、と笑う。
有島まひろ:柔らかな生地のワンピースが女性らしいシルエットをなぞり、首元には華奢なネックレス。
有島まひろ:潮風が髪を撫でる。妙齢の女だ。
ミリア・リンドバーグ:「は、はひ……!申し訳ありません……!」
有島まひろ:「あらあら、泣かないの。なんにも悪いことしてないんだから」
ミリア・リンドバーグ:「なっ……なな泣いてはいません!大丈夫です……!」
ミリア・リンドバーグ:「ええと、そ、それでは……任務についてご説明しますね……!」
有島まひろ:「うん、よろしくね、ミリアちゃん。…あ、その前に」
有島まひろ:「有島さんじゃ、堅苦しいわ。女同士だし、まひろって呼んでいいのよ?」
ミリア・リンドバーグ:「へっ……!?ええ、そ、そうですか?そちらのほうがいいですか?じゃ、じゃあ……その……」
ミリア・リンドバーグ:「ま、まひろさん……?」
有島まひろ:「ええ、まひろです」
有島まひろ:「うん、こっちがいいわ」目を細める。「わがままを聞いてくれてありがと、ミリアちゃん」
ミリア・リンドバーグ:「へっ……えへへ……はい……!」照れくさそうだが、少なくとも緊張はほぐれたようだ。
ミリア・リンドバーグ:「それでは……こほん。 今回向かって頂くのは、浅葱島という離島です」
有島まひろ:「うふふ。…それでは改めて、任務について聞いてもいいかしら?」
ミリア・リンドバーグ:「重要施設や過去にR案件が発生した記録もないのですが、」
ミリア・リンドバーグ:「最近この島で、ある異変が起きているらしくてですね……」
有島まひろ:「異変?」
ミリア・リンドバーグ:「はい。何でも、浅葱島は漁業が盛んな島らしいのですが」
ミリア・リンドバーグ:「最近、次々と奇形の魚……怪魚が網にかかるそうなんです」
ミリア・リンドバーグ:「頭が二つだとか、角や足のようなものが生えているだとか……」
有島まひろ:「あら、なんだか怖いわねえ」困ったように首を傾げる。
有島まひろ:既に本土は遠く、眼前に広がるのは海面だけだ。
ミリア・リンドバーグ:「そうですよねえ……。あ、それでですね。島の皆さんも困って、本土の大学にサンプルを送って、調査を依頼したらしいんです」
有島まひろ:「なるほど。そこで発覚したのかしら?」
ミリア・リンドバーグ:「ええ。その解析の結果、レネゲイドが見つかった……というお話なんです」
ミリア・リンドバーグ:「魚はどうやら、EXレネゲイド、あるいはジャーム化している状態にあるらしい、と……」
有島まひろ:「……まあ」眉をひそめる。
有島まひろ:「EXレネゲイド…だけなら、ともかく。ジャームっていうのは怖いわね」
ミリア・リンドバーグ:「はい。放置できない事態ですよね」
ミリア・リンドバーグ:「魚だけならともかく、イルカやサメ、クジラなどがジャーム化したら、大きな被害が出るかもしれません」
ミリア・リンドバーグ:「島にはUGN支部もありませんので、エージェントのまひろさんに出張調査をお願いした、というわけなんです」
有島まひろ:「なるほどなるほど。分かりました」頷く。
有島まひろ:「離島でバカンスできるのかしらと思ってたけど、あんまりのんびりもできなそうねえ」
ミリア・リンドバーグ:「はい。残念ながら……」
ミリア・リンドバーグ:「あ、でも、海はとっても綺麗だそうですよ!」精一杯のフォロー。
有島まひろ:「ふふ、ありがと。いいわね、海、久しぶりだから…」
有島まひろ:「最近ねえ、上の子供が反抗期で、あんまり遊んでくれないの」
ミリア・リンドバーグ:「お子さんがいらっしゃるんですか?」
有島まひろ:「あら、誰かから聞いてなかった?」
有島まひろ:「うふふ、いるのですよー。上の子はもう小学5年生で、下は小学3年生」
ミリア・リンドバーグ:「ご夫婦でエージェントをされているとは……5年生!反抗期ですか。大変ですね」
有島まひろ:「大変なのよ~。何か良いお土産を買って行ったら、たまには優しくしてくれるかしら?」
有島まひろ:童顔のため、それくらいの年の子がいるような年齢には見えない。実際、早い年齢で産んでいるのだが。
ミリア・リンドバーグ:「今はこんな騒ぎですが、浅葱島の魚はとっても美味しいそうですよ!」
有島まひろ:「あら、いい情報をありがと」微笑む。「じゃあ、ささっと解決して、観光もできるようにがんばります」
ミリア・リンドバーグ:「はい、頑張ってくださいね!……あ、すいません、脱線しちゃいましたね」
ミリア・リンドバーグ:「島で調査を行える設備があるのは、診療所のみだそうでして」
有島まひろ:「診療所」
ミリア・リンドバーグ:「怪魚の解剖もそこで行っているそうです。UGNとレネゲイドの話も一通り伝えてありますので」
ミリア・リンドバーグ:「島に着いたら、まずはそちらに向かってください」
有島まひろ:「はあい。じゃあ、こちらの身分は明かしていいのね」
有島まひろ:「この島唯一の協力者になるのかしら…。まさか他にオーヴァードもいないだろうし」
ミリア・リンドバーグ:「はい、そうですね。ええと……北見耕三という医師ですね」
有島まひろ:「北見耕三さん、ね。分かりました」
ミリア・リンドバーグ:「島で唯一の病院の、唯一の医師だそうです、まひろさんのお力になってくれるはずです」
有島まひろ:「唯一づくしだわ」くすくす笑う。
有島まひろ:「ええ、現地ではそちらの方に協力を仰ぎます。ありがとね、ミリアちゃん」
ミリア・リンドバーグ:「はい!任務の概要はこんなところです!」
ミリア・リンドバーグ:「頑張ってくださいね、まひろさん。もし何かあれば連絡してください」
有島まひろ:「ありがと。頼りにしてるわ」
ミリア・リンドバーグ:「えへへ……それでは!」
有島まひろ:「ええ、また連絡します。じゃあね」
有島まひろ:優しい声音で言って、通信を切る。
有島まひろ:「………ふう」空を仰ぐ。
有島まひろ:「(…ジャーム化ってのは厄介ね、本当に…。死傷者が出てしまってからじゃ遅い)」
有島まひろ:「(……原因の解明、既に被害が起こっていたらその対処。…私と協力者一人でやりきれるかしら…?)」
GM:見渡す限りの海。島への到着はもうしばらくかかりそうだ。
GM:ふと気付けば、甲板にもう一人の乗客が上がってきている。
有島まひろ:「……あら」会話を聞かれていたかしら、とちょっと慌てる。
?????:「…………」
?????:真紅のコートを羽織った女が、長いブロンドの髪を靡かせてデッキから海を眺めている。
?????:海風に晒されているとはいえこの季節には些か速い服装ではあるが。
?????:スラリと伸びた長身に凛とした佇まいも相まって、暑苦しさよりもある種の涼やかさを感じさせる。
?????:当然の如く、パリコレモデルさながらのその装いは、この寂れた連絡船の甲板上ではあまりにも浮いていた。
GM:君は彼女を無視してもいいし、暇つぶしに話しかけてみてもいいだろう。
有島まひろ:「…あの」この年頃の女性特有の気安さで話しかけてみる。
有島まひろ:「こんにちは。素敵なコートね」
赤い服の女:「ああ、こんにちは」こちらも気安く笑顔を返す。
有島まひろ:「あなたも浅葱島に?」
有島まひろ:背の高い彼女を見上げるようにして聞く。
赤い服の女:「ええ。少し前までオーストラリアにいたのだけど、急いで来たから着替える暇もなくって」
赤い服の女:「しばらく来ない間に、一層暑くなったわね、この国の夏は」
有島まひろ:「まあ、オーストラリア」瞬き。「日本語、お上手ねえ」
有島まひろ:「コートを脱いだ方がいいんじゃないかしら? 熱中症になったら心配だわ」首を傾げる。
赤い服の女:「仕事柄、覚える機会に恵まれたのでね」
赤い服の女:「いえ、お構いなく。実のところこれくらいが丁度いいの」
有島まひろ:「まあ…。えっと…オシャレなのねえ」暑そうだな~と思うけどそこまで言えないので無難な発言。
赤い服の女:「見苦しくてかなわないという話なら、申し訳ないけれど」
有島まひろ:「あら」
有島まひろ:「いえ、あなたが大丈夫なら、いいのよ。変に口を出して、ごめんなさいね」
有島まひろ:「私、有島まひろって言うの。あの島、小さいでしょ。また再会するかもしれないから」
赤い服の女:「マヒロ……」
有島まひろ:「そうしたら、…そうね…」瞬き。「……無視しないでね」
有島まひろ:「ええ。まひろです。まひろさんって呼ばれることが多いの」にこにこしています。
赤い服の女:「もちろん、無視なんてしないわ。旅の出逢いは大切にする主義なの」
赤い服の女:同じく微笑を返し「私は、ルキナ」
有島まひろ:「ルキナさん……」ぽっと頬を染める。「……綺麗ねえ」
ルキナ:「どうも」苦笑して
ルキナ:「それが仕事だから当然ではあるのだけど、やっぱり面と向かって言われると嬉しいわね」
有島まひろ:「ま、やっぱりモデルさんなのかしら? そうかと思ったのよ!」
有島まひろ:「サインもらっちゃおうかしら…ご迷惑でなければ…」いそいそと鞄の中を漁っている。
ルキナ:「まあそんな所。貴方も島へは仕事で?」懐から常備しているマジックペンを取り出しながら
有島まひろ:「えっと、この手帳の一番裏のところに…」指し示しながら
有島まひろ:「私も、まあそんなところね」微笑む。
有島まひろ:「でも、いい島だと思うから。ゆっくりできたら、いいな……」
有島まひろ:潮風に髪をなびかせて、近づいてきた島を見て目を細める。
ルキナ:「そうね……ならお互い」サラサラと手帳にペンを走らせて
ルキナ:「頑張らなきゃね。お仕事、早く終わるように祈っているわ」それを有島さんに手渡す。
有島まひろ:「ありがとう。ルキナもね」微笑みながら受け取る。
有島まひろ:「そろそろ着くものね。じゃあ、また会えたら」
有島まひろ:そう言って、ルキナと別れて船室に向かう。
ルキナ:「ええ、ごきげんよう」その背に軽く手を降って
有島まひろ:「(………モデル…が一人で島に来るものなのかしら?)」首を傾げる。
有島まひろ:「(撮影クルーが先に来ている? …ううん。マネージャーもいないようだったけど…)」
有島まひろ:「……まあ。まずは北見耕三さんに話を聞いてから考えましょう」気を取り直す。
有島まひろ:「それに」手帳に書いてもらったサインを眺め直す。「…さっそく、ひとつお土産ができたしね」



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
有島まひろ:ルキナさんに 好奇心:〇/猜疑心 で取得します
GM:OK!



【OP/浅木澪央】

GM:登場をどうぞ!
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+9(1D10->9)(侵蝕率:31->40)した
北見診療所
GM:北見菫は、数年前に浅葱島に越してきた少女であり、君────浅木澪央の友人だ。
GM:病弱であり、付き添いが無いとあまり外出も出来ない彼女は、この日も君の来訪を大いに喜んだ。
北見菫:「来てくれてありがとう、澪央」
北見菫:ホットココアを手に微笑を浮かべる。線の細い、色の白い少女だ。
北見菫:「外、暑くなかった?」
浅木澪央:「や、めっちゃ暑いよ!スズばあちゃんのとこでアイス買って来ちゃったもん」
浅木澪央:「菫の分も買ってきたんだけど」手に持ったココアを見て
浅木澪央:「ま、冷凍庫にでも入れといて」
北見菫:「え、食べる食べる。今食べるよ~」受け取って。
北見菫:「クーラー掛けながらあったかいココア飲んで更にアイス食べるのがいいんじゃん」
北見菫:「自然を屈服させてる快感があるよね」
浅木澪央:よく日焼けした肌と、短く切り揃えられた焦げ茶色の髪
浅木澪央:活発な印象の少女だ
浅木澪央:「外出て正面から戦ってから言えよ」
浅木澪央:「んじゃあ今食べる?アイス」
北見菫:「誰かさんには言われたくないな~。うん、食べますよ」
北見菫:アイスを咥えて目を細めて。「迂回してばっかりじゃん、赤川くんに」
浅木澪央:ビニール袋から牛乳アイスバーを2つ取り出して、片方渡す「ほい」
浅木澪央:「ばっ……!はぁ~!?」
浅木澪央:「意味がわからんのですけど!私がアイツから何時逃げたというのかね!」
北見菫:「いつって……いつも……?」
北見菫:「いつまでお友達続ける予定なんですかねえ。あと5年?10年?」
浅木澪央:「ちーがーいーまーすー!むしろあっちが私の道を開けて……」
浅木澪央:「いや……ほら、それはさぁ……あれよ」
北見菫:「どれよ」
浅木澪央:「そもそも私と累はそういうのじゃないっていうか……そういう浮ついた関係ではなくね……」
北見菫:「……へえー……?」
浅木澪央:「こう……戦友?みたいな?殺るか殺られるかっつーか」
北見菫:「そうなんだ。へえー」
北見菫:「じゃあ私が貰っちゃおうかなあ」
浅木澪央:「……!!いやいやいやいや!ほんとに良いの菫!?」
浅木澪央:「そ、そういう……たまたま余ってたからみたいな決め方は……ほら!」
浅木澪央:「お姉さんよくないと思うぞ!自分を大事にしないと!」
北見菫:指先を唇に。「えー?だってこの島、他に全然男の子いないし?」
北見菫:「赤川くん、結構かっこいいし。将来は医者でしょ?」
北見菫:「いいと思うけどなー。それに」
浅木澪央:「う……」
北見菫:にやにやと意地の悪い笑みを浮かべて。「澪央は別に好きじゃないんでしょ?」
北見菫:「なら関係ないじゃん?」
浅木澪央:「ばっ……!関係はありますー!!」
浅木澪央:「大事な友達同士のことだし!それに……」
浅木澪央:しばらく目を泳がせて
浅木澪央:「好きじゃないとは……言ってないじゃん……」
北見菫:「おっ」
北見菫:「ようやく素直になった。偉いぞー。よしよし」頭を撫でる。
浅木澪央:「いやこれはそういう"好き"であるかは神のみぞ知るところであって……」ブツブツ言ってる
北見菫:「この島じゃ澪央を突っつくくらいしか娯楽が無いからなあ」溜息。
浅木澪央:「んだよー!私は暇つぶしかよ!」手を払い除けて
浅木澪央:「そんなに言うんだったら、菫も本土の学校目指せばいいじゃん」
北見菫:「んー……それは無理かなあ」少し困ったように。
北見菫:「お父さんがこの島に来たの、そもそも私の為なんだよね」
浅木澪央:「あ……」
浅木澪央:「……えーと、菫の身体のこと?」
北見菫:「そうそう。空気だけは綺麗じゃん?ここ」
北見菫:「でもその所為で、お父さんいっつも大変そうでさー。あり得ないでしょ、診療所ここしかないとか」
北見菫:「しかも最近は例の魚の騒ぎでもっと忙しそうでさ。夜も殆ど寝てないし、私にもあんまり構ってくれないしさあ」
浅木澪央:「まあ、そうねー。最近は高齢化もひどいし」
北見菫:「あーあ、早く良くなりたいなー。澪央が羨ましい」
北見菫:そう零して、
北見菫:「あ、ごめんね。愚痴っぽくなっちゃって」
浅木澪央:「んだよー水臭いぞ菫ー!」
浅木澪央:「ほら、私も病気のこと詳しくないのに勝手なこと言っちゃったしさ。おあいこってことで」
浅木澪央:「それに、島から出られないのは私も同じだしね」
北見菫:「一応巫女さんなんだっけ、澪央」健康的に焼けた肌を見て。
浅木澪央:「一応とはなんだ。ガチの巫女さんだから」
北見菫:「だって全然見えないし……お祭りとかやるの?」
浅木澪央:「やるよー。毎年漁開きの季節に」
浅木澪央:「菫、祭にも全然顔出さないんだもんなー。せめて初詣くらいくればいいのに」
浅木澪央:「私の巫女姿を見に行きますって言ったら、そっちの神様だってきっと許してくれるよ」
北見菫:「うーん、そっちじゃなくて、あんまり人が多いところはねー。澪央が巫女さんやってるのは見たいけど」
浅木澪央:「聖書にも書いてるぜ。主は巫女さん萌えであるって」
北見菫:「ここで見せてくれてもいいんだぞ」
浅木澪央:「……懺悔します」
北見菫:「汝の罪を許そう」
北見菫:「巫女さんって、やっぱり大変?代々やってるってことは、じゃあお母さんもそうだったの?」
浅木澪央:「あーらしいねー。私も小さい頃だったからあんまり覚えてないけど」
浅木澪央:「仕事自体は楽なもんなんだけどね、父さんの祝詞に合わせて棒振ってるだけだし」
浅木澪央:背負ってきた竹刀袋を指差す。
北見菫:「ふーん……あ、それじゃあさ」身を乗り出して
北見菫:「見せればいいじゃん、赤川くんに巫女服」
北見菫:「男の子ってそういうの好きなんでしょ?」
浅木澪央:「お、おお……?」
北見菫:「『累にだけ特別だよ……♡』とか言って。したらイチコロだって」
浅木澪央:「いやぁどうかな……あいつお硬いし……私なんて所詮中身の伴ってないコスプレ巫女だし……」
浅木澪央:みるみる自信が萎んでいく
浅木澪央:「そもそも累のお父さんが祭りに行かせてくれるかな……なんて……」
北見菫:「そういうところで自信無いんだからなあこの子は」
北見菫:「そもそも、お祭りでやる必要ないじゃん」
北見菫:「澪央の部屋か赤川くんちでやればいいんだよ。そっちのが特別感あるでしょ」
浅木澪央:「えっ……そ、それって……」
北見菫:「大体、私は冗談にしても、マジで高校で彼女出来ちゃったらどうするのよ」
北見菫:「夏休みでしょ?デートの一つくらい約束したの?」
浅木澪央:「………」
浅木澪央:「いや……してねー……けど……」段々声が小さくなる
北見菫:「…………」じっと責めるような目。
浅木澪央:「狭い島だし……しょっちゅうそのへんで会うし……」
北見菫:「ホントに私が貰っちゃおうかな」
浅木澪央:「か、神よ!後生ですから……!」どたどたと北見産の下半身に縋り付く
北見菫:「さーて、どうしよっかなー? ……うん?」
浅木澪央:「いや!もし菫が本気で好きなら話は別だけど……せめて猶予を……!」
GM:君達がそうしていると、下階、即ち診療所の方から物音が聞こえてくる。
浅木澪央:「高校の間……いやこの夏だけでも……!」「……おん?」
GM:僅かに漏れ聞こえてくる声は、聞き覚えのあるもの──赤川累のものに聞こえる。
北見菫:「あれ?赤川くん?」
浅木澪央:「!?」先程までの話のせいで急に意識し始める
GM:それにもう一人、誰か女性らしい声も。
北見菫:「……と……誰だろう」
北見菫:「行ってみる?」
浅木澪央:「近所のばあちゃんが熱中症にでもなったのかな……いかにもあいつっぽいけど……」
浅木澪央:「うん、とにかく言ってみよ」
GM:君達はそうして、狭い階段を二人で降りていく。



GM:シーン終了。
GM:ロイスの取得が可能です
浅木澪央:同年代の女子という発想を根本から除外して、下へと向かう
浅木澪央:ロイスはね—
浅木澪央:親友 北見菫 友情○/油断ならねえ で所得します!
GM:OK!



【Middle1】

GM:全員登場です。
有島まひろ:1d10+34
DoubleCross : (1D10+34) → 9[9]+34 → 43

赤川累:赤川累の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:36->46)
有島まひろ:あら
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+5(1D10->5)(侵蝕率:40->45)した
浅木診療所
GM:君、赤川累は、何とか拾い集めた怪物の残骸の引き渡しと、身体の検査の為、ひとまず診療所に向かうことにした。
GM:共にいた朔夜に色々訊ねたかもしれないが、朔夜は微妙に要領を得ない答えではぐらかすばかりで、碌に説明しようとしない。
GM:診療所を訪れると、丁度この島唯一の医者である北見耕三が、怪魚の解剖をしているところだった。
斗星朔夜:「お邪魔しまーす!」
赤川累:生臭い血の匂いが鼻をつく。鞄の中に押し入れたビニール袋には、赤黒い血肉が詰まっている。
赤川累:「あの、すみません」
北見耕三:「おや、累くん。どうかしたのかい?……と……君は……?」
北見耕三:眼鏡を掛けた白衣の男だ。40代半ば。蓄えた髭は剃る暇がないらしい。
斗星朔夜:「斗星朔夜です!初めまして!」
北見耕三:「ああ、どうもこんにちは、初めまして」
赤川累:「どうか、というか……そうですね」
赤川累:「そのまま話すと……ちょっと、正気を疑われるかもしれない」
北見耕三:「? どこか怪我でも?」
北見耕三:鼻をひくつかせて「……血の匂いがするようだけど」
赤川累:「ええ……まずは、これを」鞄の中身を開いて、北見さんに見せる。
北見耕三:「……これは……」少し驚いて
赤川累:サメの怪物だったものの残骸だ。所々に灰化した組織が混じっている。
北見耕三:「魚肉のようだけど……いや、これは……?」
赤川累:「……歩く、サメのような怪物でした」
赤川累:「俺と、斗星さんは……こいつに襲われて」
斗星朔夜:「そうです!危うく死ぬところだったんです!」
赤川累:(……危うく死ぬところだった、か)そんな筈はない。未だ浅薄な医学知識でも、あれが取り返しのつかない致命傷であった事は分かる。
GM:そこに、階段を下りてくる二人分の足音。
浅木澪央:元気のいい足音が上階から近づいてくる。
北見耕三:「……怪物……」
北見菫:「……あ、やっぱり赤川くんだ」
北見菫:菫が姿を見せる。
浅木澪央:「どしたよ累、また困ったおばあちゃんでも拾った?それとも子……」
浅木澪央:菫の背から顔を出し、化け物の肉を囲む三人を見て
浅木澪央:見覚えのない少女に視線が合わさる「ね……こ……?」
赤川累:「……あ、ああ」考え込む素振りを見せていたが、面を上げて
赤川累:「澪央、来てたのか」
浅木澪央:「……………」
斗星朔夜:「あ、こんにちは!」
斗星朔夜:黒髪、セーラー服の少女。赤川くんの隣にぴったりくっ付いている。
浅木澪央:「……こ、こんにち……」
浅木澪央:「……は!?」
斗星朔夜:「初めまして。斗星朔夜です!」ひらひら手を振る。
北見菫:「(知ってる子?)」小声で浅木さんに
北見菫:菫は元々信心深く、父に連れられてよく教会を訪れている。当然赤川くんとも顔見知りだ。
浅木澪央:「(いやいやいや知らん知らん知らん!)」小声なのにテンパって
赤川累:「……どうかしたのか?」明らかに様子のおかしい幼馴染に、思わず声をかける。
浅木澪央:「累……そちらの……ひきつぼしさん?とは」
浅木澪央:「どのようなご関係でございまするか……?」
赤川累:「うん? いや、さっき会ったんだ。島の外から来たらしい」
斗星朔夜:「さっき偶然出会って、怪物に襲われてるところを助けて頂きました」
斗星朔夜:「僕の命の恩人です。ね、累さん?」
赤川累:「ああ、まあ……恩着せがましい事を言うつもりはないけど、そういう側面もあるな」
浅木澪央:「あ、なるほど島の外から。良かった、つまりはいつもの人助け……」
浅木澪央:「……って!!」
浅木澪央:「化け物!?」
浅木澪央:大慌てで赤川くんの前に駆け寄る
斗星朔夜:「はい。そちらの……」肉片を示して。
赤川累:「正直、まだその辺りの事にも現実感がないんだ。この腕も、ここで診てもらおうと思って……」
北見耕三:「鮫のような怪物と言っていたが……うん?腕?」
北見耕三:「腕がどうかしたのかい?見せてごらん」
浅木澪央:「いや化け物って……無事?どこか噛まれたり……」ベタベタと赤川くんの身体を触りながら
赤川累:「な、何だよ……おい、そんな診察の仕方があるか」
浅木澪央:ボロボロのままの服と、むき出しの腕に触れて「……累、この腕……」
赤川累:やんわりと払い除けようとして、腕を掴まれ。
浅木澪央:掴んだ掌から、昨日まで感じることのなかった熱が伝わってくる
浅木澪央:「嘘……これって……」
赤川累:「……あまり、触らない方がいいかもしれない」
北見耕三:「……澪央ちゃん?」その様子を訝しがりつつ「累くん、その腕は……?」
赤川累:「……ええ、これが」するり、と澪央の手を振り払って。北見さんの方へ向かう。
浅木澪央:「あ………」
赤川累:「もう一つ、診て欲しかったものです」
赤川累:右腕を差し出して見せる。……再生こそ完了しているが、骨格が明らかに噛み合っていない。左腕と比べれば、明らかに大きくなっている。
北見菫:「ど、どうなってるの……?その腕……」
有島まひろ:…そこに、女の声が投げかけられる。
有島まひろ:「……その方じゃ、分からないんじゃないかしら?」気が付けば、入り口に寄りそうようにして立っている。
北見耕三:「! ……あなたは?」
赤川累:「……?」そちらを振り向く。見知らぬ人だ。
浅木澪央:冷や汗をかいたまま、辛うじて目線だけを入り口へ向ける
有島まひろ:「すみません、入り口を覗いたんですけど、皆さんの姿が見えなくって…」
有島まひろ:「そうしたら、会話が少し、聞こえたものだから」柔らかな微笑みを浮かべる。
斗星朔夜:「どちらの方ですか?」小首を傾げる。
赤川累:(知ってる人か?)浅木さんや菫さんにアイコンタクト。
北見菫:知らない、とかぶりを振る。
浅木澪央:「………」目線をあわせた後、小さく首を振る
有島まひろ:「ごめんなさいね、私、有島まひろと言います。本土から、この島に現れている怪魚の調査に参りまして」
北見耕三:「あ……!貴女が!ええと、確か……」バサバサと机の上の資料を漁って
北見耕三:「……U、G、N……の方ですか?」
GM:現地協力者である北見耕三には最低限の情報共有が既に為されている。有島さんが来るということも連絡済みだ。
有島まひろ:「ええ。──UGN、です」確かめるように言って、微笑を浮かべたまま頷く。
斗星朔夜:「あ、UGNの人!」納得したように、胸の前で手を合わせる。
浅木澪央:「UG、N……?」
浅木澪央:一瞬の思案、どこかで聞いた覚えがある
浅木澪央:(確かおじさん……連絡役のエージェントが言ってた)
浅木澪央:(FHの……天敵!?)
斗星朔夜:「大丈夫ですよ、皆さん。UGNは正義の味方です」
北見耕三:「遠いところをわざわざ……調査に協力して頂けるとか。ええと……」
有島まひろ:「…………」順に北見さん親子、浅木さんと斗星さんの反応を見やりつつ。
赤川累:「……すみません。寡聞にして存じ上げないのですが」
赤川累:「海洋生物の研究機関……みたいなものなんでしょうか」
浅木澪央:「わ、私も聞いたこと無いなー……」先ほどとは違う種類の冷や汗をかきながら
北見菫:「?」浅木さんの様子を不思議そうに見ている。
北見耕三:「私も資料を見ただけで、まだ実感が湧いていないのですが……」
北見耕三:「レネゲイド、というものを扱う政府機関……?というお話でしたね?」
有島まひろ:「ええ…、ふふ。順にお話していきましょうか」北見さんと、赤川くんに柔らかく笑いかける。
赤川累:「そう、ですね……お願いします」
有島まひろ:「ええ。安心してね、私は…あなたの身に起こったことの、プロだから」赤川くんの顔を覗き込む。
有島まひろ:「いま、少し、不安な気持ちもあるかもしれないけど…、大丈夫よ」
赤川累:「ありがとう、ございます」表情は深刻なまま。その微笑みに、どこか懐かしいものを覚えつつ。
有島まひろ:「うん、いい返事」にっこりと笑う。
有島まひろ:「ばかみたいな話かもしれないけど、大真面目な事なの…」そんな調子で。
有島まひろ:この世界に、レネゲイドウイルスという未知のウイルスがあること、それに感染し目覚めた超人を”オーヴァード”と呼ぶことを、
有島まひろ:端的に話す。
赤川累:「オーヴァード……」その言葉は、斗星さんの口から聞いたものだ。
有島まひろ:「……赤川くんは、その怪物に襲われた時に、オーヴァードになったんでしょうね」
北見耕三:「……」医師としての興味と驚きに満ちた顔で聞いている。
浅木澪央:「………(やっぱり間違いない、この人が、UGN……)」
北見菫:「(澪央……これ、ほんとの話なの……?)」
浅木澪央:「(……もし納得行かなかったら、あとで詳しく説明する)」
浅木澪央:「(菫は特別だから。でも……)」有島さんをちらりと見て
浅木澪央:「(……明日の朝覚えてなかったら、その時はごめん)」
北見菫:「……?」
有島まひろ:「…何があったのか、聞いてもいい?」
赤川累:「……」こく、と頷いて。
赤川累:「死んだ、と思ったんです」
赤川累:「あの怪物に、身体の……ここから、ここくらいまで」自分の上半身を、指でなぞり示しながら
有島まひろ:「……」
赤川累:「切り取られるように、がっと削られて……意識が、遠のいて」
赤川累:「……でも、死んでいなかった。すぐに目が醒めて」
赤川累:「見ると、食い千切られた体が、再生していました」
斗星朔夜:「あの時は本当に死んじゃったかと思いました……」
有島まひろ:「そう。……あなたは?」斗星さんを見やる。
斗星朔夜:「僕ですか?僕は……えーと……」
斗星朔夜:「ちょっと待ってくださいね」ぱらぱらとメモ帳をめくり
斗星朔夜:「……そう!UGNイリーガルの“アストロロギア”です!」
斗星朔夜:「たまたま、偶然、その場に居合わせたんですけど……」
斗星朔夜:「僕、戦いとか出来ないし……怖くて動けなくて……」
斗星朔夜:「そこを、累さんに助けて頂いたんです!」
赤川累:「……UGN。なら、君もオーヴァードだったのか」
有島まひろ:「まあ、そうだったの…」
斗星朔夜:「はい。リザレクトとワーディングの他は、本当に、大したことは出来ないんですけどね」
有島まひろ:「オーヴァードの力は、人によって差異があるものね……」
赤川累:「初めて聞いたぞ」さっきまで説明をはぐらかされた事と合わせて、やや非難するように。
斗星朔夜:「ごめんなさい。イリーガルっていっても、僕、あんまり詳しくなくて……」
赤川累:「……いや。そうなのか、悪かった」
赤川累:小さく頭を下げて。
浅木澪央:「本当に……」ふと
有島まひろ:「……」浅木さんを見る。
浅木澪央:「本当に……覚醒、しちゃったんだ……」心の内に留めていたはずの言葉が口をついてしまう
北見菫:「……? 澪央……?」
浅木澪央:「……あっ!」思わず口を抑えて
有島まひろ:「…あなたも、やっぱり」
有島まひろ:「オーヴァードなのね」
北見耕三:「……そうなのかい?澪央ちゃん……」
赤川累:「……え」その声が誰に向けられているか、二度見して。
赤川累:「は……?」
浅木澪央:「……………」
北見菫:「……澪央!?」
浅木澪央:周囲を見回し、流石に分が悪いと悟る
北見菫:「う、嘘……?」
北見菫:「あなたもその、超能力者?なの……?」
浅木澪央:「あー、まあ……そんなとこ」
浅木澪央:ドジッったな、と心のなかで舌打ちする
赤川累:「そんなこと、って……」
浅木澪央:けれど仕方がない。赤川累がこちら側に来てしまったということは
浅木澪央:これまで自分が戦ってきた理由の一つが、無くなってしまったということだから。
赤川累:「い……いつからだよ。お前も、俺みたいにどこかで死にかけたのか」
浅木澪央:「いや、うちはそういう家系なんだ。けどちゃんと目覚めた時期で言えば、中3の夏」
浅木澪央:「部活の最後の大会が終わって、島に帰ってきた後……かな」
浅木澪央:それ以来、自分はこの島を出ていない。
北見菫:「……」動揺した顔で二人を見ている。
赤川累:「…………そう、か」
浅木澪央:「……隠しててごめん。累も、菫も」
有島まひろ:「…私たちオーヴァードの存在は、混乱を防ぐために、世間には公表していないの」
有島まひろ:「だから……、皆を心配させないように、隠してたんでしょう」
浅木澪央:「………」
赤川累:「……いや」疑問は尽きないし、問い詰めたい事は幾らでもある。
赤川累:言葉になりきらない罪悪感が、それを押し留めた。
北見菫:「う、うん……別に……怒ってはないよ……」
北見菫:「びっくりは……したけど……」
浅木澪央:「いや……ちょっと!二人ともしんみりしすぎじゃない!?」
北見菫:「あ、ご、ごめん。えーと……どうぞ、お話続けてください」
赤川累:「あ、ああ……そうだ」
浅木澪央:「確かに私的には、人知れず島の平和を守るヒーロー気分が味わえなくなっちゃうから、残念っちゃ—残念だけど」
浅木澪央:「皆の美少女巫女さんがガチの超能力美少女巫女さんだったってだけの話なんだから、もっと喜びなって!あはは……」
有島まひろ:「まあ…、澪央ちゃん。一人でがんばってきたのね」微笑む。
赤川累:「……澪央しか、いないのか」
赤川累:「この島で、そういう役目を請け負っているのは」
浅木澪央:「……私が知る限りではね」
浅木澪央:「でも、島の外にはたくさんいる」
浅木澪央:「ですよね、お姉さん」
有島まひろ:「ええ。本土では、私たちUGNが、オーヴァードの力が悪用されることがないように活動している」
赤川累:「……」思い出せば、今も身の竦む思いがする。彼女は、ああいう化物を相手に、たった一人で戦ってきたのだ。
斗星朔夜:「FHっていう、悪い人たちがいますからね」
斗星朔夜:「とっても御立派です、エージェントの皆さんは」
赤川累:「……すごいんだな、澪央は」
浅木澪央:「………」一瞬朔夜を横目に見て
浅木澪央:「そんなこと無いよ。言ったでしょ。巫女さんの延長でやってるだけ」
浅木澪央:「それよりさ!聞いたでしょ!UGN!」
浅木澪央:「本土には累みたいにノコノコ巻き込まれて覚醒するやつが山ほどいるから」
浅木澪央:「そういう奴向けの支援プログラムも充実してるんだって!」
浅木澪央:「だから……さ、気にしなくていいよ。何も」
浅木澪央:「累は、今まで通り類の人生を歩いていける」
浅木澪央:「……ですよね?お姉さん?」
有島まひろ:「え…。あ、そうね…」
有島まひろ:「赤川くんが、そう望むなら、UGNは協力を惜しまないわ」
有島まひろ:「今まで通りの人生を歩めるように、全力でサポートする…」探るように赤川くんを見る。
赤川累:「……俺の事ばっかじゃないか」溜息を吐いて。浅木さんの方を見て。
赤川累:「そこまで心配して、気遣ってくれてるんだ」
赤川累:「こっちにも、少しくらい……心配とかさせてくれ」
有島まひろ:「……」ふ。と、安堵するようなため息をつく。
浅木澪央:「ばっ……そんなん十年速いっつ—の!」僅かに頬を綻ばせて
浅木澪央:「言っとくけどこの業界じゃ私のほうが先輩だから!ナメた口きいたらぶっ飛ばすから!」
有島まひろ:「ねえ…塁くん、澪央ちゃん…? お願いをしても、いいかしら」
浅木澪央:「ふえ?」
赤川累:「十年も差はないだろ。お前が覚醒したの、2年前だって話だし……」
浅木澪央:「うっさい!黙って聞け!」脇腹を小突く
赤川累:不服そうな視線を横目にやりつつも、黙って話の続きを聞く。
有島まひろ:「今、この島には、レネゲイドに感染した魚が大量に発見されている」
有島まひろ:「もう、赤川くんという被害者が出てる。そして、また巻き込まれる人が出てもおかしくない」
赤川累:「……あれも、レネゲイドの仕業だったんですか」
有島まひろ:「ええ。……だから」
有島まひろ:「早く原因を突き止めて、この島の平穏を…日常を取り戻さないといけない」
有島まひろ:「ずっと、島を守ってきてくれた女の子と、出会ったばかりの子を守れる男の子が味方になってくれたら、とても心強いわ」
有島まひろ:「協力してくれないかしら。私に、あなたたちの力を貸してください」
浅木澪央:「えと……」小恥ずかしそうに頬をかきながら
浅木澪央:「……私も、外からプロの方が来てくれるとは思っていなかったので、とても……心強いです」
浅木澪央:「正直、神社の文献とか当たっても全然原因が掴めなくて、お手上げ状態だったし……」
浅木澪央:「なので、私で力になれるならいくらでも協力します」
赤川累:「……むしろ、自分からお願いしようと思っていました」
赤川累:「どっちにしても、澪央はこの事件を何とかしようとするだろうし」
浅木澪央:「けど累は……」そこまで言って、隣の少年の意欲を見て小さく溜息を零し
赤川累:「その手伝い……と言っても、覚醒したての俺だけで、どこまで役に立てるかも分からない」
赤川累:「……俺は、何さ」隣にいる少女を見やり。
有島まひろ:「決して、無理はしないでいいの」
有島まひろ:「だって……」言いかけて、二人の様子を見守る。
浅木澪央:「……ま、そういう奴だよね。知ってた」
浅木澪央:「勝手に動かれる方が迷惑だし、うん、目の届くとこに居たほうがまだマシかな」
赤川累:「なんで保護者ぶってるんだよ」
有島まひろ:「ふふ」顔を綻ばす。
浅木澪央:「先輩だっつってんだろ」
浅木澪央:「ほれ」右手を差し出す
浅木澪央:「私はまひろお姉さんの助手で」
浅木澪央:「アンタは私の助手」
浅木澪央:「よろしくな。赤川少年」
有島まひろ:「あらあら」にこにこと笑う。
赤川累:「……はあ」溜息と共に、髪をかきながら
赤川累:応えて、左手を差し出す。
赤川累:「分かったよ、よろしく。浅木先輩」
斗星朔夜:「はいはい!僕もお手伝いしますよ!」二人の手に手を重ねて。
斗星朔夜:「累さんは言わずもがな命の恩人ですし……」赤川くんを見て
斗星朔夜:「澪央さんはずっと一人だったんですもんね。『どの組織』の保護も受けずに……」浅木さんを見る。
斗星朔夜:「すごいですよね。とっても頼りになります!」
斗星朔夜:「僕も足を引っ張らないよう頑張ります!」
浅木澪央:「そ……そうねっ?」目を泳がせて
浅木澪央:「うん、斗星さんも島に来たばっかで不安だろうし」
浅木澪央:「まとめて面倒見てやるか!ふははは!」
赤川累:「まあ、そうだな。異存はないけれど」斗星さんを見て
斗星朔夜:「わー!かっこいいです!先輩!お世話になります!」ぱちぱちと楽しげに拍手。
赤川累:「恩とかそういうのは……あんまり気にしないでくれ。本当に」
斗星朔夜:「えー?気にしますよぅ」
斗星朔夜:「だってあの時」赤川くんを見て
斗星朔夜:「ドキドキしましたから。すっごく」
赤川累:「俺は、君を危険な目に遭わせるために助けようとした訳じゃない。だから……」
赤川累:「……」
赤川累:「そうか」
赤川累:視線を逸らして、ただそれだけを口にした。
斗星朔夜:「あっ」間近に顔を覗き込んで。
斗星朔夜:「ドキドキしました?累さんも」
赤川累:「な」覗き込まれて、すこし狼狽えて。
赤川累:「ノーコメント、だ」
斗星朔夜:「えーっ」
赤川累:無心でそう答えて、逃げるように立ち去る。
北見菫:「(……澪央……?)」
北見菫:「(大丈夫なの……?)」
浅木澪央:「………………………」
浅木澪央:二人を見る瞳から、徐々に光が薄れていく
浅木澪央:「(いや……・これは…………)」
浅木澪央:「……菫」ぎこちなく首を向けて
浅木澪央:「ちょっと………ダメかもしれん………」力なく笑った
有島まひろ:「………まあ」ひとり首を傾げる。
有島まひろ:「(塁くんと澪央ちゃんは…2人でいれば大丈夫そうねって思ったのに)」
有島まひろ:「(……”アストロロギア”)」
有島まひろ:「(あの子が会話に混ざってから…)」
有島まひろ:「(……困ったわねえ)」



GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可!
有島まひろ:赤川くんにロイスとります。 庇護:〇/不安
赤川累:澪央ちゃんのロイスN面を罪悪感に変更
赤川累:有島まひろ:〇連帯感/脅威 で取ります
浅木澪央:協力者 有島まひろ ○親近感/警戒 で取ります
有島まひろ:購入は応急手当!
有島まひろ:1dx>=8
DoubleCross : (1R10[10]>=8) → 1[1] → 1 → ファンブル

有島まひろ:ファッ ファンブル
浅木澪央:同じく応急!
浅木澪央:2dx+1>=8
DoubleCross : (2R10+1[10]>=8) → 5[3,5]+1 → 6 → 失敗

赤川累:こっちも応急を
赤川累:2dx>=8
DoubleCross : (2R10[10]>=8) → 9[5,9] → 9 → 成功

赤川累:買えた!
浅木澪央:財産使うほどじゃないな……そのまま失敗!
有島まひろ:唯一神!
浅木澪央:やるじゃん
浅木澪央:以上!
有島まひろ:以上!
赤川累:こっちも以上!



【Middle2】

GM:情報収集シーンです。シーンPCは侵蝕順で有島さん、全員登場可能です。
有島まひろ:1d10+43 はーい
DoubleCross : (1D10+43) → 5[5]+43 → 48

赤川累:赤川累の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:46->53)
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+5(1D10->5)(侵蝕率:45->50)した
GM:---
GM:診療所からの帰り道。君──浅木澪央の端末に着信が入る。
GM:覚えのある、しかし久しく使われていない番号だ。
GM:FHとの『連絡役』。
GM:君の顔見知りの相手だ。しかし最後に会ったのも、もう数年前だろう。
浅木澪央:「うわ、なんか見計らったみたいだな……」
浅木澪央:「あの人ならやりかねないっていうか……」ぼやきつつも一呼吸、大きく息を吐いて
浅木澪央:電話に出る「……はい。浅木です」
連絡役:『もしもし、澪央ちゃんかい?』人の良さそうな中年の声。
連絡役:『いやあ、久しぶりだねえ。えーと……今、いくつになった?』
浅木澪央:「うん、久しぶり。オジサン」
浅木澪央:「しばらく音沙汰なかったのに、急にどうしたの?」
連絡役:『いやあ、うん。それがね?』
連絡役:『そっちに……浅木島に、他のセルのエージェントが向かったらしいんだよね』
連絡役:『確か所属は……“コピーキャット”セルって言ったかなあ』
浅木澪央:「外のセル……え、UGNじゃなくて?」
連絡役:『UGN?』不思議そうな声色。
連絡役:『うん。FHセルだけど……UGNがどうかしたのかい?』
浅木澪央:「いや、こっちの……」一瞬いつもの癖でごまかそうとして
浅木澪央:「……いや、隠すことじゃないか。今この島にUGNのエージェントが来てるの」
連絡役:『えっ……そりゃあまずい。どうしてだい?何かあった?』
浅木澪央:「最近の怪魚騒ぎ、本土でもちょっとはニュースになってるんじゃない?それを調べに。って話だけど」
連絡役:『そうか……しかしまあ、そっちは気を付けてもらうしかないかなあ』困ったように。
浅木澪央:「うん。言っておくけど、こっちも何か頼るつもりはないよ。あとが怖いし」
連絡役:『でも、向こうは頼る気みたいだよ』
浅木澪央:「組織のしがらみ?みたいの、そっちではあるかもしれないけど」
浅木澪央:「いや、頼るってのはおじさんに対しての話」
浅木澪央:「組織のしがらみ?みたいの、そっちではあるかもしれないけど」
連絡役:『俺は別に、仮なんて思っちゃいないよ。先代からの仕事だしね』
連絡役:『とにかく、“コピーキャット”のエージェント。島で接触してきたら、協力するようにって上からの指示だ』
連絡役:『借りはともかく、貸しは作っておいても損はないんじゃないかい?』
連絡役:『澪ちゃんも一応、FHの一員としてね』
浅木澪央:「……そっちではどうか知らないけど」
浅木澪央:「この島のFHは私一人だよ」
浅木澪央:「そのコピーキャット?って人が、この島にとって何かいいことしようとしてるなら喜んで協力する」
連絡役:『知ってるさ。だが君にとってはその島が世界の全てでも、世界にとってはその島もごく一部に過ぎないからね』
連絡役:『そしてFHは、世界を支配する組織だ』
連絡役:『よろしく頼むよ、澪央ちゃん』
連絡役:有無を言わさぬ様子で、通話は途切れる。
浅木澪央:「…………」しかめっ面で通話の切れた携帯を睨む
浅木澪央:「ほんと、毎度毎度言いたいことだけ言って……」
浅木澪央:乱暴に携帯を鞄に突っ込んで、再び歩き出す。
浅木澪央:(世界……)ふと、海を見る
浅木澪央:雲一つなく晴れ渡った空、遮るものなく続く水平線
浅木澪央:……その上に、蜃気楼のごとく揺らめく都市の影がある。
浅木澪央:力に目覚めた日から一日も消えることなく、自分だけが見える夢の街
浅木澪央:この先の人生で、あの街の先へ行くことはない。
浅木澪央猗蛇祇あさぎの巫女があの街へと向かう日は
浅木澪央:即ち、海へと還る日なのだから。
浅木澪央:「それでもやっぱり……私にとってはこの島が、世界よりも大事なんだよ」
浅木澪央:「だから誰であろうと……」
浅木澪央:視線を海から戻し、その先の言葉を飲み込んで、家路を急ぐ。

---

GM:情報収集に入ります。
GM:項目はこちら!

・怪魚について
≪情報:噂話≫難易度6

・ジャームについて
≪情報:UGN≫難易度6

・FHエージェントについて
≪情報:UGN≫≪情報:FH≫難易度7


GM:頑張って判定してね~
有島まひろ:ママはジャームについてを調べようかな
有島まひろ:調べていいかしら
GM:GMはいいわよ~
赤川累:じゃあそのあとで怪魚いこうかしら
有島まひろ:はーい、じゃあ〈情報:UGN〉でコネ使います。えい。
有島まひろ:3dx+1>=6
DoubleCross : (3R10+1[10]>=6) → 8[3,6,8]+1 → 9 → 成功

有島まひろ:できました!
GM:お見事!
浅木澪央:さすママ
赤川累:すごいすごい!
有島まひろ:えへへん
GM:二人もどうぞ~
有島まひろ:じゃあ、累くんに怪魚をお願いします
浅木澪央:累が怪魚行くなら、私は申し訳程度の情報:FHでエージェント調べます
赤川累:怪魚について、行きます 噂話で
赤川累:2dx+1>=6
DoubleCross : (2R10+1[10]>=6) → 9[8,9]+1 → 10 → 成功

有島まひろ:わーすごい!優秀
GM:えらい!
浅木澪央:やるじゃん
浅木澪央:2dx+1>=7
DoubleCross : (2R10+1[10]>=7) → 4[4,4]+1 → 5 → 失敗

赤川累:おやおや先輩
浅木澪央:ぐぬぬ……
GM:み……澪央!
浅木澪央:財産点2使う!
GM:金の力で……
浅木澪央:勝てばよかろうなのだ~~~!
GM:では全部クリアです 情報を開示していきます
有島まひろ:よかったよかった

・怪魚について
怪魚が浅葱島で捕獲されるようになったのは、およそ半年ほど前から。怪魚はゼロから発生したのではなく通常の魚が変異したものらしく、頭部や鰭など各部の数がおかしい、本来無いはずの脚や角、体毛などが生えているなど、多様な変異を見せている。
中には毒性を有するものもあるが、基本的には大きな害はない。(当然食べたがる者はいないが)
変異は内部の臓器にまで及んでおり、腫瘍のようなものが多く見られる。肺呼吸を得たものまでいたらしい。
怪魚からはいずれもレネゲイドが検出されている。いかなる現象やエフェクトによるものかは不明。


赤川累:進化してる……

・ジャームについて
砂浜に現れた怪物は、解剖の結果、ホホジロザメが変異したものだと分かった。
非常に大型ではあるが、変異の仕方自体はこれまでの怪魚と同じものだ。
砂浜に同じく変異したイルカらしい死骸が打ち上げられており、海の異変は深刻度を増していると見られる。
人間が長時間海に潜り続ければ同じように変異してしまう可能性も考えられるだろうが、浅葱島には海女やダイバーは特におらず、火急の危機は無いだろう。


・FHエージェントについて
オペレーターから、島にFHエージェントが潜伏している可能性ありとの情報が入った。
“コピーキャット”セルのエージェントとの話だが、詳細は不明。
“コピーキャット”セルは他セル内で利用された技術や研究、レネゲイドアイテムの回収・模倣を主な活動とするセルであるが、そのようなセルのエージェントがこの島に何を目的に訪れたのかは、やはり不明だ。


GM:これは一応仮に浅木さんが黙ってても有島さんにはミリアの方から何かいるらしいですよ!って連絡が入る形になります
有島まひろ:なるほど!
浅木澪央:なるほどね!
赤川累:ほうほう
喫茶店『メドレー』
GM:島に一軒しかない喫茶店は、無国籍でゴチャゴチャした内装と古ぼけた店構えが特徴であり、
GM:コーヒーの種類よりもむしろ昼食やサイドメニューのほうが充実しているようなぼんやりとした店であったが、
GM:何しろ島に一軒しかないため、島民に親しまれていた。
GM:君達は冷房の効いた店内に集まって、収集した噂や情報を共有するところだ。
有島まひろ:「おすすめされた、いちご味にしました」かき氷を前にして微笑む。
有島まひろ:「三人とも、ここは私がお金出すから。気にしないでね」
浅木澪央:「えー!?外からのお客さんに悪いですよ!」
赤川累:「ええ。お言葉はありがたいですが……」
浅木澪央:「私らなら大丈夫ですから……!なんならツケも効きますし!」
斗星朔夜:「いいんですか?ありがとうございます!」屈託のない笑顔。
浅木澪央:「ね、おっちゃん!!」厨房に向けてウインクする
有島まひろ:「朔夜ちゃんは、素直でよろしい」頭を撫でる。
斗星朔夜:「えへへへ……子供は素直に奢られるべきかと……」
赤川累:「ツケって……ツケなきゃいけないほど困ってるのかよ」心配半分、呆れ半分に
有島まひろ:「いいのよ、私が一番大人だし…。高校生達にお金を出させちゃ、悪いわ」
浅木澪央:「う……まあ、それじゃあ……お言葉に甘えて……」
斗星朔夜:「美味しいです!ナポリタン!」口の周りを赤くして。
有島まひろ:「うんうん、それでいいの」屈託なく微笑む。
斗星朔夜:「このぼんやりした味が何とも言えませんね~」
赤川累:「悪いなんて事は……」更に少し迷ってから。「……じゃあ、ご馳走になります」
有島まひろ:「どうぞ、召し上がって」言って、くすっと笑って。「私が作ったワケじゃないけど」
浅木澪央:「(ほんとに遠慮ないなこの子……)」ナポリタンを頬張る朔夜を横目に
浅木澪央:「……じゃあ、せっかくだし交換しませんか?私、裏メニューのイカスミマンゴーなんです」
有島まひろ:「あら」いちごの氷をしゃくりと食べながら、澪央ちゃんの方を向く。
浅木澪央:目の前には真っ黒なかき氷が置かれている
斗星朔夜:「イカスミマンゴー……!?」
赤川累:「お前、いきなりそんなキツいものを薦めて……」
浅木澪央:「店長のおっちゃんが私以外には出せないと豪語する秘伝の一品です!」得意げに
有島まひろ:「あら、累くん食べたことあるの?」
赤川累:「……少し。前に一度、交換させられて」思い出す。やや顔色が悪くなる。
斗星朔夜:「えーっ、気になります!僕にも一口恵んでください!」
有島まひろ:「ふふ、また食べれば美味しいかもよ~? 恵んでもらったら?」
斗星朔夜:「ナポリタンと交換です!ほら!」パスタを巻いたフォークを差し出す。
赤川累:「俺はもういいです」ぶんぶんと首を振り、自分のみぞれ味のかき氷に手をつける。
赤川累:「……どうしても好奇心が、というなら止めはしませんけど」以前の自分もそのクチだったからだ。
浅木澪央:「やっぱ累にはこの良さがわからないかなあー。んじゃあ朔夜ちゃんから」
浅木澪央:フォクにぱくつき、同時にかき氷を乗せたスプーンを差し出す
斗星朔夜:「あーん」雛鳥のようにスプーンにぱくつく。
斗星朔夜:「……」味わって。
浅木澪央:「どう?どう?」
斗星朔夜:「……まっっっっっ」
斗星朔夜:「……ずいですねコレ!!」
斗星朔夜:涙目で口元を押さえて。「何で平気で食べられるんですか!?」
赤川累:「……」ほら見ろ、と言わんばかりの目。
有島まひろ:「まあ」目をぱちくりする。
浅木澪央:「え……おかしいなあ……」悲しそうな顔
斗星朔夜:「あっ……いや……でも……」怪訝な顔。
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:「もう一口頂いてもいいですか……?」
浅木澪央:「……お!いいよいいよ!好きなだけ持ってって!」
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:また食べて、神妙な表情。
斗星朔夜:「……イケるかもしれませんね……」
浅木澪央:「でしょ~~~~!!」
有島まひろ:「あら。良かったわ」微笑んでその様子を見ている。
浅木澪央:「二口目からの中毒性がイカスミマンゴーのミソなわけ!」
斗星朔夜:「ビジネスチャンスを感じます。表メニューにするべきでは……?」
有島まひろ:「ふふ」穏やかに笑って。「……それじゃあ、そろそろ、マジメなお話もしましょうか」
赤川累:「そんなに……」驚いている。お世辞を言っているようには見えないし……。
浅木澪央:「累ももう一回食べてみればきっと……っと」
有島まひろ:「ねえ、累くんには、怪魚について調査をお願いしたけれど」
有島まひろ:「何か分かったかしら?」
赤川累:「ああ……はい。えっと」一度、スプーンを置いて
浅木澪央:居住まいを正し「ま、助手のお手並み拝見と行きましょうか」耳を傾ける
赤川累:「何点かあります。まず、あの魚の由来について」
有島まひろ:「うん」こちらもきりっとした顔をする。
斗星朔夜:「ふむふむ」口周りを拭いている。
赤川累:「特殊な品種……という訳ではなく、元々生息していたものが変異した物のようです」
赤川累:「鰭の形質や各種臓器の数、毒性など。その現れ方は様々で、傾向を掴み切るには至っていませんが」
赤川累:「……それら変異の原因については、いずれも。レネゲイドによるもののようです」
有島まひろ:「…なるほど」
赤川累:「それと、もう一つ。このように変異した魚が獲れるようになったのは、おおよそ半年前からのようで」
赤川累:「その頃に、この海自体に何かあったのではと考えられます。薬品を散布されるとか……具体的な内容までは、分かりませんが」
斗星朔夜:「怖い話ですねえ」もぐもぐとナポリタンを食べている。
浅木澪央:「ふーん、なるほどね」やや大げさに頷き
斗星朔夜:「じゃあ、泳ぐのはやめたほうがいいですか?せっかく綺麗な海なのに」
有島まひろ:「そうね。よした方がいいかもしれない」頷く。
有島まひろ:「こっちも、累くんと朔夜ちゃんを襲ったジャームのことを調べたんだけど」
浅木澪央:「初めてにしてはよく調べてんじゃん」にやけ顔で累くんの顔を覗き込む
赤川累:「泳ぐ、って……あの怪物を見て、まだそう思えるのは。ある意味すごいな……」
有島まひろ:「ホホシロザメが変化した姿だったそうなの。そばにはイルカも打ち上げられていたらしくて」
斗星朔夜:「サメ!」大げさに驚く。「イルカ!」
有島まひろ:「どちらも、海の奥深くで生きているような魚達でしょう」
赤川累:「あーはいはい、先輩のご指導のおかげですよ」覗き込んでくるのをそっと押し返しつつ。「ホホジロザメ……?」
有島まひろ:「どうも、思ってた以上に、海の異変は深刻のようなのよね……」嘆息する。
斗星朔夜:「そのうちクジラとかが怪物になっちゃったら大変でしょうね~。怪物っていうか、怪獣になっちゃいます」
赤川累:「ですよね。……長く暮らしているけど、流石に見た事はないです」
浅木澪央:「うーん、浅瀬で起こっていた異常が深海にまで広がっているのか……」
浅木澪央:「あるいは、深海こそが異常の根っこなのか……」
有島まひろ:「……もし、人間が長時間海にいても、同じように怪獣に姿を変えちゃうかも」
有島まひろ:「だから、みんなも気をつけてね」
斗星朔夜:「ひゃーっ、それは泳がない方がいいですね!」
斗星朔夜:「せっかく水着持ってきたのになあ」がっかりした様子。
赤川累:「それは……」血の気が引く。「……他の人達にも、伝えないと」
浅木澪央:「うん……オーヴァードなら多少は耐性があるかもしれないけど、私達も控えたほうがいいかもね」
浅木澪央:「あ、それならさ!菫のお父さんから伝えてもらおうよ!」
有島まひろ:「北見さんから? ああ……適任かも」
赤川累:「ちょうど俺も、それを考えてた。レネゲイドの事は明かせないにしても、何か危険な物質が検出されたと言ってもらえれば……」
斗星朔夜:「いいですね。先生の言う事なら皆さん聞いてくれそうです」
赤川累:「怪魚の存在自体は噂になる程度には広まっているんだ。信じて貰える土壌はある」
有島まひろ:「ね」朔夜ちゃんにニコニコ笑う。「島の子が協力してくれて、助かったわ」
浅木澪央:「島唯一のお医者さんの話なら、港の爺ちゃん達もちょっとは聞いてくれるでしょ」うんうんとうなずく
有島まひろ:「熱心なら人だったら、すぐUGNにスカウトしちゃいそう」ふふっと笑う。
浅木澪央:「いえいえそれほどでもぉ」照れくさそうに頬を掻く
浅木澪央:「う……UGN……」
浅木澪央:少しの間逡巡して
斗星朔夜:「おや、どうかしました?」小首を傾げる。
赤川累:「……うん?どうしたんだ」
有島まひろ:「……?」こちらも首を傾げる。
浅木澪央:「…………」真面目な表情でまひろさんに向き直る
浅木澪央:「……まひろさん。"コピーキャット"ってセルをご存知ですか」
有島まひろ:「…………!」
有島まひろ:先ほど、オペレーターのミリアちゃんから連絡を受けたばかりだ。
浅木澪央:「突然すいません。けど、教えてほしいんです」
有島まひろ:「ええ」探るような表情で、澪央ちゃんに向き直る。
浅木澪央:「"コピーキャット"って、何をやっているセルなんです?」
浅木澪央:「いえ、もっと具体的にいうと」
浅木澪央:「どんな悪事をやってきたのか、知りたいんです」
有島まひろ:「……それを私が答える、ということは」
有島まひろ:「なぜ、澪央ちゃんがそんなことを突然聞いたのかも、教えてもらうことになるけど」
有島まひろ:「いい?」
浅木澪央:「そのつもりです」真っ直ぐにまひろさんを見て
有島まひろ:「そう。……分かりました」コクンと頷く。
赤川累:「……」幼馴染の様子に、ただ事ではない気配を見て取ったが。何も言えず、ただ二人の言葉を聴いている。
斗星朔夜:「?」パスタを食べながら不思議そうにしている。
有島まひろ:「あ、セルって言うのはね、さっき話したFH…に属してる、活動グループのことで」累くんに言う。
有島まひろ:「”コピーキャット”も、そのセルのひとつ」
有島まひろ:「活動内容は、他のセルで利用されている技術だとか研究の成果を、盗んだり、マネしたり…だそうよ」
有島まひろ:「FH同士で食いつぶしあうのであれば、私たちには関係ない”悪事”が行われてることになるけど」
有島まひろ:「……どうして澪央ちゃんが、”コピーキャット”を知っていたのかしら?」
赤川累:「なるほど。一言にFHといっても、一括りになるものじゃないと……」
赤川累:「……」再び、彼女の顔を見る。言葉を待つ。
浅木澪央:「本土の知人から、連絡を受けました。"コピーキャット"のエージェントがこの島に入ったと」
赤川累:「本土の知人って……その人も、UGNの?」
斗星朔夜:「澪央さん、FHの動きを教えてくれるお知り合いが?」
浅木澪央:「累さあ、UGNの人だったら、こうして改めてマヒロさんに聞き直す訳がないと思わない?」小馬鹿にした動き
赤川累:別に、不思議な事ではないはずだ。彼女の家がそういう役目を負っているのであれば、外部にその筋の協力者がいること自体は。……一重に不可解なのは、彼女の言い淀むような態度だ。
赤川累:「っ……」
浅木澪央:「予感はあったけど、今の話でおおよそ納得いきました」
浅木澪央:「"コピーキャット"が、他所のセルの成果を模倣し、奪う者達なら」
有島まひろ:「…澪央ちゃん」眉をひそめる。
有島まひろ:「あなた……」
浅木澪央:「それは、この島に害を成すという事以外にはあり得ない」
浅木澪央:「何故なら」
浅木澪央:「この島唯一のFHエージェント、伊祖久邪之巫(いそくさのかんなぎ)にとって、この浅葱島こそが」
浅木澪央:「ただひとつ、守るべき成果であり、受け継ぐべき遺産だからです」
有島まひろ:「………」
斗星朔夜:「いそくさのかんなぎ……?」
有島まひろ:「………そう」
赤川累:「……そういう、事かよ」
赤川累:……別に、自分は良い。今更、どんな肩書があるから彼女を見る目が変わる、という訳じゃない。
赤川累:(問題なのは、有島さん……UGNがどう出るかだ)
浅木澪央:「まひろさん」
有島まひろ:「はい」
浅木澪央:「UGNと縄張り争いをするつもりはありません。私の敵は"コピーキャット"と、この事件の元凶……」
浅木澪央:「……もしかしたら、同じかもしれませんけど」
斗星朔夜:「……え~~っ!?」
斗星朔夜:「澪央さん、FHエージェントだったんですか~!?」
斗星朔夜:「やばいですよ有島さん!早く捕まえなきゃ!」
有島まひろ:「こら、朔夜ちゃん。お話は、まだ終わってません」
斗星朔夜:「だ、だってぇ……!」
浅木澪央:「……ですので、この島唯一のFHエージェントとして、UGNに」
浅木澪央:「停戦と同盟を申請します」
有島まひろ:「なるほど」
赤川累:(……こうなるのが、やはり自然な反応なのだろう)斗星さんの様子を見て。
有島まひろ:「そうね、それが………」そこまで言って、言葉を切る。
有島まひろ:「……いえ、そうだ」
有島まひろ:「澪央ちゃん、私と、少し二人でお話ししない?」
有島まひろ:「それで、答えを決めさせてほしいの。どうかしら」
浅木澪央:「…………」ちらりと、同年代のの二人を見て
赤川累:(どうする。もし、有島さんも……澪央をここで捕縛すると言い出したら)答えは出ない。そうなった時に、自分はどうすべきか……。
赤川累:(……と、そう来たか)
浅木澪央:「……わかりました」
有島まひろ:「うん、ありがと」微笑む。
赤川累:「……」浅木さんの顔を見て、少し考え込んで
有島まひろ:「じゃあ、朔夜ちゃん。ごめんね、少し累くんに、島の案内でもしてもらってきてくれる?」
赤川累:「分かりました。……だけど」まひろさんに向き直る。
有島まひろ:「あら」
有島まひろ:累くんを見る。
赤川累:「……今のは、澪央が自分から言い出さなければ分からなかった事で」
赤川累:「それは、自分の身分を明かす危険を取ってでも……貴方の力を借りたいと」
赤川累:「この島を、守るために」
赤川累:「……こいつは、そういう奴なんだ」
有島まひろ:「………」穏やかに微笑んで、累くんを見ている。
赤川累:「そんな行動より、何より……ずっと一緒にいたから、よく分かる」
赤川累:「だから……」言葉が途切れる。ただ感情的になって、子供のように、同情を誘うような事を言っているのに気付いて。
浅木澪央:「…………」少し頬を赤らめて目を伏せて
浅木澪央:「累」
浅木澪央:「いいよ。ありがと」すぐに顔を上げ、いつもの笑顔を向ける
斗星朔夜:「……」目を細めて赤川くんと浅木さんを見ている。
有島まひろ:「うん。累くん、ありがとう。大丈夫よ」微笑む。
浅木澪央:「また、夜にね」そう言って、眼で出ていくよう促す。
赤川累:「……」その笑顔を見返して。「……分かったよ」溜息をつく。
斗星朔夜:「行きましょうか、累さん?」
有島まひろ:「朔夜ちゃん、よろしくね」こちらも呼び掛ける。
赤川累:頷く。斗星さんと一緒に、立ち上がって。
斗星朔夜:「はい。有島さん、澪央さんがたとえFHの人でも、彼女にはイカスミマンゴーのご恩があるので、優しくしてあげてくださいね?」
有島まひろ:「あらまあ」呆れたように笑う。「そうね、かしこまりました」
斗星朔夜:「それでは~……外あつ!」赤川くんと喫茶店を出ていく。
有島まひろ:「……それじゃ」2人を見送って、澪央ちゃんを見る。
赤川累:出ていく間際にまた一度だけ、振り返って。
浅木澪央:「……はい」振っていた手を戻し、向き直る。
有島まひろ:「秘密のお話、しましょうか」穏やかに微笑んだ。



GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可です!
有島まひろ:ロイスはとりあえず保留にしようかな
赤川累:ロイスはこちらも保留かな……
有島まひろ:応急手当買います
浅木澪央:まひろさんのロイスをN:緊張に変えておきます
有島まひろ:1dx>=8
DoubleCross : (1R10[10]>=8) → 4[4] → 4 → 失敗

有島まひろ:無理でした…
浅木澪央:応急~!
赤川累:2dx>=8 こっちも応急!
DoubleCross : (2R10[10]>=8) → 8[5,8] → 8 → 成功

赤川累:買えたわね
浅木澪央:2dx+1>=8
DoubleCross : (2R10+1[10]>=8) → 7[4,7]+1 → 8 → 成功

浅木澪央:かえた!
GM:OK!
有島まひろ:優秀だわあ
赤川累:以上で!



【Middle3】

GM:ミドル3、全員登場です
有島まひろ:1d10+48
DoubleCross : (1D10+48) → 6[6]+48 → 54

赤川累:赤川累の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:53->63)
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+6(1D10->6)(侵蝕率:50->56)した
喫茶店『メドレー』

GM:赤川と斗星が去り、残された二人は静かに向かい合う。
有島まひろ:「……さて」
GM:店内に他の客はなく、静かなBGMと、時折厨房から食器の音が聞こえてくるばかりだ。
浅木澪央:「…………」緊張した面持ちで、まっすぐにまひろさんに相対する
有島まひろ:「ね、お隣に座ってもいいかしら?」
浅木澪央:「へ……?あ、はい!どうぞ……」
有島まひろ:「ありがと」ふふっと笑って、お尻を動かす。「よいしょ」
有島まひろ:かき氷も自分の前にずらして、隣に座る。
浅木澪央:「ええと、それで……話を……」
浅木澪央:不可解な動きに更に警戒が強まる
有島まひろ:「うん、先に言ってしまうと、同盟はオーケーです」
浅木澪央:「えっ」
有島まひろ:「ここで敵対してもしょうがないし。怪魚の解明と、コピーキャットの討伐を一緒にしましょう」
有島まひろ:「ふふ」悪戯っぽく笑う。
浅木澪央:「あ、えと、その……」しばらくあたふたして
浅木澪央:「……はい、有難うございます」
有島まひろ:「澪央ちゃんが、いま思ってること、当ててあげましょうか」少し身をかがめて、下から顔を覗きこむようにする。
浅木澪央:キリッとした表情に戻し、正面から
有島まひろ:「『なんで2人きりにしたんだよ~~』、でしょ」
浅木澪央:「うっ………」
浅木澪央:「あはは……わかります?」
有島まひろ:「うん、私だったら、そう思うだろうから」
有島まひろ:「だって…こうでもしないと」
有島まひろ:「累くんと朔夜ちゃんがいないときの澪央ちゃんと、お話できないんだもの」
浅木澪央:「私は……」
浅木澪央:「いつもの私ですよ。累達がいようがいまいが」
浅木澪央:「裏表のない美少女で通ってますんで」
有島まひろ:「本当に?」柔らかく笑う。
有島まひろ:「ずっと一人で島を守っていた女の子だってこと、みんな知ってるのかしら」
浅木澪央:「そ、それとこれとは……話が別というか……」
有島まひろ:「ううん、大切なことよ」
浅木澪央:「…………」
浅木澪央:「あの、それじゃあ」
有島まひろ:「うん」
浅木澪央:「まひろさんは……誰にも見せてない私に、何を聞きたかったんですか?」
浅木澪央:恐る恐るといった様子で
有島まひろ:「うん」微笑む。「……あなたが、どうしてそんなにがんばってるのかなって、思って」
有島まひろ:「すごく、色んなこと我慢してそうだったから」
有島まひろ:「ちょっと心配しちゃったの。ほら、私、おばさんだから」くすくす笑う。「お節介なの」
浅木澪央:「おばさんなんて、そんな……」
有島まひろ:「澪央ちゃん」
有島まひろ:「大丈夫?」
有島まひろ:心配そうに顔を覗き込む。
浅木澪央:「……大丈夫ですよ」
有島まひろ:「嘘ついちゃだめよ」
有島まひろ:「ね」
浅木澪央:「…………」
浅木澪央:「嘘じゃ……ないです……」
有島まひろ:「もう」手をそっと撫でる。
浅木澪央:「わっ」
有島まひろ:「よしよし」撫でてる。
浅木澪央:「まひろさん、何を……」手を引っ込めようとして
浅木澪央:「…………」
浅木澪央:なぜか出来ず、なすがままになる
有島まひろ:「もう、こんなにきれいな手をしてるんだから…」ため息まじりに。
有島まひろ:「あんまり強がってばかりだと、累くんは気付いてくれないかもしれないわよ?」
浅木澪央:「…………それは」目をそらしながら
浅木澪央:「それは、あいつが特別鈍感なんですよ」
浅木澪央:「まひろさんは気づいてるじゃないですか」ふてくされたように口を尖らせる
有島まひろ:「ふふふ、女の勘です」嬉しそうな顔。
有島まひろ:「あのね、停戦と同盟をオーケーしたのは」
有島まひろ:「澪央ちゃん、累くんがいるから、島を守っているんだろうなって思ったからよ」
浅木澪央:「…………」ぴくりと体が震える
浅木澪央:「………すごいですね、女の勘」
有島まひろ:「好きな人のこと、守りたいの」
有島まひろ:「分かるもの。私も」
浅木澪央:「まひろさんも?」
有島まひろ:「うん。初恋です」
有島まひろ:言って照れる。「……久しぶりに初恋とか言っちゃった」
浅木澪央:「えっえっ、それが今の旦那さんなの!?」
有島まひろ:「ばれちゃった~」きゃあきゃあと首をふるふるする。
浅木澪央:「すごいじゃん!映画とか漫画だけの話だと思ってた……」
有島まひろ:「ふふ。昔は、私もすごく無口だったんだけど」
有島まひろ:「言わないと、なんにも伝わらなかったから、がんばったの」
浅木澪央:「言わないと、伝わらないから……ですか」
有島まひろ:「そうです」肩を寄せる。「男の子って、すごく鈍感なんだもの」
有島まひろ:「かわいい女の子がいたら、すぐそっち向いちゃうし」
浅木澪央:「あはは……そうですよね……」
有島まひろ:「こんなにかわいい子が近くにいるのにね」
有島まひろ:優しく手を撫でる。
浅木澪央:「あ……」長い間忘れていた感触
浅木澪央:なんとも言えない懐かしさに、目尻が下がる
有島まひろ:「大丈夫よ、澪央ちゃん」
有島まひろ:「今、まひろさんの前にいる澪央ちゃんは、誰にも見られてない澪央ちゃんだからね」
浅木澪央:「………」
有島まひろ:「誰も、何にも聞いてませんからね」
有島まひろ:柔らかい手のひらの感触を重ねる。
浅木澪央:「……じゃあ、誰にも言わないでくださいね」その感触に体を預けて
有島まひろ:「うん」
浅木澪央:「伝える時は、ちゃんと……自分で言いますから」
有島まひろ:「うん、大丈夫」
浅木澪央:「……あいつ、お医者さんになるのが夢なんです」
有島まひろ:「お医者さん…」
浅木澪央:あいつのお父さんは、神父さんなんですけど……
浅木澪央:「あいつのお父さんは、神父さんなんですけど……」
浅木澪央:「神様は人を救っても、命を助けてはくれないからって」
浅木澪央:「多分、お母さんのこととか、色々あったからだと思うんですけど」
有島まひろ:「………」お母さん、という言葉に少し反応する。
浅木澪央:「あいつは、自分の納得行く方法で人を助けたいから、って」
有島まひろ:「…そうなんだ」
浅木澪央:「お医者さんになるには、本土で勉強しなきゃいけないじゃないですか。大学とか、研修医とか」
有島まひろ:「うん。…島を離れなきゃいけなくなっちゃうわね」
有島まひろ:「それも、長い間」
浅木澪央:「そしたらあいつ、きっと、この島じゃ満足できなくなると思うんです」
有島まひろ:「そっか」
浅木澪央:「今は、戻ってきて診療所で働くんだ—、って言ってますけど」
浅木澪央:「外の世界には、困ってる人がいっぱいいて」
浅木澪央:「あいつは、そういう人に手を差し伸べちゃうやつだから」
有島まひろ:そっと手を伸ばして、頭を撫でる。
有島まひろ:「……行っちゃうって、思ってるのね」
浅木澪央:「行ってほしくは、無いですけど」
浅木澪央:きっと、戻ってこない方が……幸せになれるんだろうな……って
浅木澪央:「きっと、戻ってこない方が……幸せになれるんだろうな……って」
有島まひろ:「……そっか」
有島まひろ:「そっか」
有島まひろ:少女の頭を撫でる。「それは、すごくさみしいわね」
浅木澪央:「さみしい……ですけど」
浅木澪央:「うれしいです……あいつが」
浅木澪央:「ずっと泣いてた時を知ってるから……そうじゃなくなるなら、うれしい」
有島まひろ:「……………」
有島まひろ:「…………。優しい子なのね」
有島まひろ:「でも…。澪央ちゃんは、それで、幸せなの?」
浅木澪央:「わかりません。けど」
浅木澪央:「好きな人のこと、私も守りたいと思うから」
有島まひろ:「……そっか」微笑む。「それを言われちゃうと、私も弱いな」
有島まひろ:「じゃあ、澪央ちゃん。もしね。もし、あなたが少しワガママになりたいと思ったら、私に言って」
浅木澪央:「まひろさんに、ですか?」
有島まひろ:「うん。年上の女として、あなたと一緒に、あなたのこと、考えるから」
有島まひろ:「澪央ちゃんが幸せになれる方法、探してあげる」
浅木澪央:「…………」一瞬はっとしたような表情になって
浅木澪央:「………ありがと」
浅木澪央:「けど、そうとなったら私、めちゃくちゃ甘えると思うんで」
浅木澪央:「覚悟しといてくださいね」
有島まひろ:「あら」くすくす笑って。
有島まひろ:「じゃあ、その時まで、『どういたしまして』は取っておきますね」
浅木澪央:「ふふふ」肩に頭を預けて
浅木澪央:「じゃあ、先に私がその台詞言えるように頑張ろーっと」
有島まひろ:「期待してますよ、この島のヒーローさん」優しく、その重みを受け止めた。

---

GM:喫茶店のすぐ近く。島を一望できる小高い山の上に、君達は登って来ていた。
斗星朔夜:柵に手を付いて、吹き抜ける海風に気持ちよさそうに目を閉じる。黒髪が靡く。
斗星朔夜:「こんなところがあったんですねえ」楽しそうに赤川くんに笑いかける。
赤川累:「ああ……他に、見晴らしのいい場所って言うと、ここかなって」
斗星朔夜:「累さんに案内してもらってよかったです!」
斗星朔夜:「やっぱり、綺麗な島ですねえ」眼下の景色を眺める。
赤川累:「どういたしまして、だ」並ぶように、柵の傍に立って。
赤川累:「……それで、君の探してる綺麗なものっていうのは」
赤川累:「この景色もやっぱり、"違う"のかな」
斗星朔夜:「そうですねえ」
斗星朔夜:「ここからの眺めはすごく綺麗ですけれど」
斗星朔夜:「僕が見たいものじゃあないですねえ」
赤川累:「……そうなんだ」
赤川累:「そう仄めかされると気になってくるな。君が探しているものが、何なのか」
斗星朔夜:「おっと」
斗星朔夜:ぴとり、と、君の唇に人差し指を当てる。
赤川累:「む」
斗星朔夜:「これで質問いっこです。順番、今度は僕からですよ」
赤川累:驚き、目を見開く。視線はかち合ったまま。
斗星朔夜:くす、と目を細めて悪戯っぽく笑む。
赤川累:「……わ、分かった。そういうルールだな」
斗星朔夜:「そうでーす」指を離して、腕を後ろ手に組んで。
斗星朔夜:「澪央さんがFHの人だって分かった時、あんまり驚いてなかったですね?」
斗星朔夜:「ご存知だったんですか?」
赤川累:口元に残る感触に、まだ少し心臓の早鐘が続いているのを感じながら。
赤川累:「……そういう訳じゃない。知らなかったさ」
赤川累:ゆっくりと首を振る。
斗星朔夜:「その割には、随分クールに見えましたけど」
赤川累:「そうか?これでも、驚いてはいたさ……ただ、まあ」少し言い淀んで。今はもういいか、と
赤川累:「……それ以上に、警戒したからさ。君達……UGNが、あいつに対してどう出るのか分からなかった」
斗星朔夜:「ふうん?」
斗星朔夜:「澪央さんのこと、随分と大事にされているようですが……おっと」
赤川累:「最悪、いきなりあの場で戦いが始まるかもしれないと考えたし……だから、あいつを守るためにはどうすればいいかって」
赤川累:「ずっと頭を回してた。それだけで……」
赤川累:「……まあ、大事だろ。そりゃあ」
斗星朔夜:「それじゃあ…… あ、質問。二つ目になっちゃいますね」
斗星朔夜:「今度は累さんからどうぞ」
赤川累:あっじゃあ一つ前の台詞取り消しで
赤川累:「……そうだな。なら、改めてだ」
赤川累:「君が探している物が何なのか、知りたい」
斗星朔夜:「……星です」
斗星朔夜:そう短く返す。
赤川累:「星……?」見上げるまでもなく、この昼間だ。
赤川累:太陽の他に輝くものは、頭上には一つもない。
斗星朔夜:「もう。空の星、じゃないですよ?」くすりと笑う。
斗星朔夜:「僕、人が好きなんです」
斗星朔夜:「人間の持つ、輝きが」
赤川累:「……変わった表現だな。何かの詩の引用?」
斗星朔夜:「いいえ」
斗星朔夜:「人の夢。感情。想い」
斗星朔夜:「そういうものの持つ輝きが、僕は何より好きなんです」
斗星朔夜:ひどく楽しそうに。
斗星朔夜:「それは闇の中でこそ、何よりも綺麗に、美しく光り輝くんです」
赤川累:「なるほど。人間観察、ってやつだ」
斗星朔夜:「それはまるで、そう────」
斗星朔夜:美しく笑う。
斗星朔夜:「────星のように」
斗星朔夜:夢見る、恋する少女のように。
赤川累:……その、ぞっとするような美しさに。数秒、時間が飛んだように見惚れて。
赤川累:「……やっぱり、詩人の才能がありそうだな。君」
赤川累:止まった時間をかき溶かすように、そんな世辞を吐いて。
斗星朔夜:「ふふ。照れちゃいますね」
斗星朔夜:「今度はこちらから、質問いいですか?」
赤川累:「すると、次は君の番かな……ああ、どうぞ」
斗星朔夜:ずい、と顔を間近に寄せて、輝く瞳で覗き込み。
斗星朔夜:「好きなんですか?」
斗星朔夜:「澪央さんのこと」
赤川累:「は」
赤川累:呼吸ともつかないような一音。それから、少しの静寂。
赤川累:「……それは」
赤川累:「恋愛という意味で、か」
斗星朔夜:「それは質問には数えないでおいてあげます。ええ、勿論」
斗星朔夜:「年頃の乙女が、Likeの有無を問うと思います?SNSじゃあるまいし」
斗星朔夜:「Loveを聞いてるんです、ラブ」
斗星朔夜:「恋愛という意味で、です」
赤川累:「……だったら、答えは否だ」
赤川累:「あいつとはずっと友達で……家族と同じくらい、大切に思ってるけど」
赤川累:「……そういうのじゃ、ない」
斗星朔夜:「本当ですか?よかった」息を吐いて。
赤川累:その目を見たまま、ゆっくりと答えを吐き切る。
斗星朔夜:「じゃあ、僕にもチャンスはあるって考えてもいいですね?」
赤川累:「な」
斗星朔夜:「あ、これ、質問に含まれますか?」
赤川累:「……含めなくても良いけれど」
赤川累:「その、何だ」
赤川累:「チャンス。機会。可能性……ああ、そういう意味であれば」
赤川累:「あるだろう、な。それは」
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:「……ぷ」
斗星朔夜:「あははははは!何ですかそれ!」噴き出すように笑う。
赤川累:「な、何だよ……!?」
斗星朔夜:「硬すぎですよ!そんな風に言いますか、普通?」
斗星朔夜:「やっぱり累さんは面白い人ですねえ」
赤川累:「……急にそんな質問を振って来るんだから」
赤川累:「なんだ。揶揄われてるだけだと思って、適当に返せば良かったのか?」
斗星朔夜:「……本気ですよ?」
斗星朔夜:「そう言えば、もっと喜ぶなり、動揺するなりしてくれますか?」
斗星朔夜:首を傾げる。
赤川累:「だったら、俺も誠実に回答しようとしただけで……」
赤川累:「…………君という奴は」
赤川累:「……悪い。本当に勘弁してくれ。俺は、こういう……冗談への対応が上手くない人間なんだ」両手を挙げて、降参するような。
斗星朔夜:「む」
斗星朔夜:「ですから、冗談ではないですよ」
斗星朔夜:「つれないですねえ。僕のような美少女が、好意を示しているというのに」
赤川累:「……そうか。分かった」
赤川累:「だったら、俺も。君の言葉に、冗談ではないものとして向き合う事にする」
斗星朔夜:「最初からそう言ってるのにー」
斗星朔夜:「どうして疑うのかなあ。……あっ」
斗星朔夜:「知りたいですか?理由」
赤川累:「最初からだからだよ。普通、もっと時間をかけて……」
赤川累:「……そうだな。聞きたい」
斗星朔夜:「ふふ。分かりました。それはですね……」
斗星朔夜:「……?」
斗星朔夜:そこで、何かに気付いたように言葉を止める。
?????:「……Acadie ma patrie~♪」
?????:丘の上へと続く階段を、一人の女が登ってくる
ルキナ:真紅のコートを羽織り、長いブロンドの髪を靡かせて
ルキナ:「Ton histoire je la vis~♪」
赤川累:「歌……?」登ってきた女性の方へと振り返って。
ルキナ:口ずさむ歌はラテン語だろうか、賛美歌のような響きだ
ルキナ:「La fierté je te la doisEn ……l'Avenir je crois ……♪」
斗星朔夜:「……」きょとんとした様子でそれを見ている。
ルキナ:サングラスを外し、少年と少女をその瞳に捉える
ルキナ:「…………」
赤川累:「えっと、こんにちは……?」
斗星朔夜:「……!!」
ルキナ:『Ave, Malice stella《堕ちよ、いと高き星》』
ルキナ:最後の歌詞は、上手く聞き取れず
赤川累:隣に立つ少女に。「知ってる人なのか?」と、問おうとして
ルキナ:──────瞬間、世界が凍りついた。
斗星朔夜:瞬きの間に、真夏の丘が純白の霜で覆われている。
斗星朔夜:そこへ、女を中心として、緩やかな弧を描いて光の波が広がり
斗星朔夜:その軌跡の内に入るすべてを、埒外の冷却現象の下に凍結粉砕していく。
斗星朔夜:「っ……! あぁああっ……!」
斗星朔夜:白く凍り付く世界が、累と朔夜のほんの寸前、見えない壁に辛うじて分断される。
斗星朔夜:「累さん……!」ひどく怯えた顔で、君に縋り付く。
斗星朔夜:「助けてください、累さん……!」
ルキナ:「……」小さく舌打ちし
赤川累:「な、っ……!」咄嗟に手を伸ばそうとして、壁に触れ
赤川累:右手に熱を込める。灰化、励起。しかしその壁を崩すことはできず、
ルキナ:「そこの少年」
ルキナ:「今すぐその女から離れなさい」
赤川累:「……聞くと思うか?」前へと踏み出す。目の前の女性を敵と認め、相対する。
斗星朔夜:「……」赤川くんの背中に隠れる。
赤川累:「最初に暴力を突き付けるのは、交渉とは言わないだろ」
ルキナ:「……もう一度言うわよ」
ルキナ:「今すぐこの場を離れるなら、見逃してあげる。これは交渉ではなく」
ルキナ:「命令。だから」
ルキナ:手をかざす。その指先を少女に定めて
ルキナ:「無視するのなら、容赦はしない」
赤川累:……恐怖はある。未知の敵を警戒すべきだという思考も。
赤川累:だが、それ以上に背を押し突き動かすものがある。握り締めたその右手から、響く声。
赤川累:お前が、やらねばならないと。────飛び出し、一息に間合いを詰めようと動く。
ルキナ:指を鳴らす。同時に
ルキナ:四方から甲高い凍結音を響かせて、冷気の渦が二人に襲いかかる。
GM:女と相対する赤川くんの、その背後。
GM:彼が気付かぬ間に、斗星朔夜の周囲の空間が、不規則に歪んでいる。
GM:極小オーロラが乱れ舞うようなそれは、世界がズレ、重なり合うかのように。
GM:冷気の渦が、虚空へと掻き消える。
斗星朔夜:「……」
赤川累:「──が、ぁっ」冷気に呑まれながら、振り返り。その光景を見た。
GM:空間の歪みは更に大きく広がり、女をも呑み込まんとする。
ルキナ:「……ッ」整った顔の前に手をかざす
ルキナ:"ルキナ"と呼ばれたその仮面が、一瞬だけ解け
ルキナ:次の瞬間には、空間の歪みの前に巨大な氷柱が出現し、激しく激突する
ルキナ:世界そのものが軋むかのような音が響く中で、少年の耳に、微かに
ルキナ:「もう一度、よく考えて」
ルキナ:「星を見るものは、同じように星に魅入られる」
赤川累:「っ、……!」
ルキナ:「そのせいで、側にある光を見失わないことね」
赤川累:辛うじて、その災害めいた攻撃から逃れ。息を乱し這いつくばっている。
ルキナ:声が遠ざかると同時、氷が粉々に砕け
ルキナ:女の姿は、こつ然と消えていた。
斗星朔夜:「……累さん!」
斗星朔夜:駆け寄って、君を抱き起こす。
赤川累:その言葉は確かに届いた。だが、その意味を読み解くよりも早く、後悔が来た。
斗星朔夜:「大丈夫ですか?累さん」
赤川累:彼女を守れなかったという、後悔が──
赤川累:「……って」
赤川累:「え」その目をじっと見入る。
赤川累:「無事、だったのか」
斗星朔夜:「何言ってるんですか」
斗星朔夜:「累さんが守ってくれたんじゃないですか」
斗星朔夜:そう言って、ぎゅっと君を抱き締める。
斗星朔夜:「ありがとうございます、累さん」
赤川累:「そんな、事は……」目の前で、冷気と共に虚空へ消えた少女の姿は。今も思い出せるほどに焼き付いている
赤川累:少女に向けられた感謝の言葉も、受け止められないまま。
赤川累:だが、彼女の温度は確かにそこにあって「……ああ」
赤川累:「無事で、良かった」だから、それが何よりの真実だ。
斗星朔夜:「……理由」
斗星朔夜:「……偶然出会った男の子に、一度……いえ、二度も命を助けられて」
斗星朔夜:「好きになる理由って、他に必要ですか?」
斗星朔夜:そう言って、君の手を取り、自分の左胸に当てる。
斗星朔夜:「聞こえますか?僕の心臓の音」
斗星朔夜:「ドキドキしてます。すごく」
斗星朔夜:白い冷気の中、頬を染め。
斗星朔夜:「殺されかけたから……だけじゃ、ないですよ」
赤川累:「あ、っ……」掌と骨を通して伝わってくる、その振動を聞いて。
赤川累:その視線を重ねて。
赤川累:「……俺が、二度。君を助けたのは」
赤川累:「君を好きだから、って訳じゃない」
赤川累:「誰が相手でも、きっとそうしていた」
斗星朔夜:「分かってますよ、そんなこと」
斗星朔夜:「だから、じゃないですか」
斗星朔夜:手を握ったまま、身体を寄せる。
斗星朔夜:「……累さん」見つめたまま。
斗星朔夜:「もう一つ、質問いいですか?」
赤川累:「……そう、か」
赤川累:「ああ」
斗星朔夜:「……」じっと、上目遣いに君を見て。
斗星朔夜:「累、って。呼んでいいかな」
赤川累:「……君が、そうしたいなら」
赤川累:「そうすると、いい」
斗星朔夜:「じゃあ、そうします」
斗星朔夜:嬉しそうに笑って。
斗星朔夜:「ありがとう、累」



【Middle4】

GM:ミドル戦闘シーンです。シーンPCは赤川くん。全員登場を推奨します
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+10(1D10->10)(侵蝕率:50->60)した
赤川累:赤川累の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:63->64)
有島まひろ:1d10+54
DoubleCross : (1D10+54) → 1[1]+54 → 55


---

GM:翌日。
GM:君達三人は事件の調査中に北見耕三から電話を受け、急ぎ診療所に足を運んだ。
GM:診察室に足を踏み入れると、そこでは耕三からの連絡であった通り、
GM:赤川累の父──大輔が、激しく苦しみ悶えているところだった。
赤川大輔:「ぐっ……ごほっ……」
赤川大輔:脂汗を浮かべながら、苦悶の表情で痛みに耐えている。
赤川累:「な、っ……」息を呑む。「父さん……!」
赤川大輔:「ぐ……あああぁああ……!が……あぁあ……!」
浅木澪央:「おじさん……!」遅れて診察室に入り、ベッドの横まで駆け寄る。
北見耕三:「菫!鎮静剤を持ってきてくれ!急いで!」
北見菫:「は……はいっ……!」
浅木澪央:「北見先生、一体どうして……?」
赤川累:狼狽し、その傍に駆け寄る。……その表情を間近に見て。
GM:耕三も必死に処置を施そうとしているようだが、激しく苦しむ大輔に、思うように手が付けられない状態のようだ。
北見耕三:「教会で突然倒れたらしいんだ……累くん、お父さんを抑えててくれ」
赤川累:「……先生。俺に何か、できることは」
赤川累:「は、はい……!」
浅木澪央:「あ、あの!私も手伝います!」
赤川累:その身体に触れる。……学生の身とはいえ、医師志望だ。基本的な応急処置くらいは学んでいる。
北見耕三:「ああ……澪央ちゃんはお湯を沸かしてくれるかな。それからガーゼとタオルを……場所分かるかい」
赤川累:だが、それだけだ。彼が苦しんでいる原因も明かせなければ、それを止める事もできない。
赤川大輔:「がはっ……!」咳き込み、夥しい血を吐く。
有島まひろ:「北見さん、私も手伝います。…それにしても」
浅木澪央:「はい、大丈夫です!部活で何度もお世話になりましたから、大体はわかります……!」
有島まひろ:「何か持病があったわけじゃ、ないんでしょう…?」
北見耕三:「はい。有島さんも抑えるのを手伝ってください……」
赤川累:「父さん……父さん……!」返り血を浴びる事もいとわず、呼びかける。
北見耕三:「ええ。そうなんです。そうなんですが……」
有島まひろ:暴れる身体を押さえながら眉をひそめる。
北見耕三:累たちの手前、言葉にするのは避けているようだが、表情から読み取れる。まるで分からない、と。
赤川大輔:「累……累」
赤川大輔:その手を掴む。
赤川累:「ああ、俺だ」
赤川累:「累だよ、父さん……」
赤川累:その脈と体温が伝わる。……こうして触れ合ったのは、どれほど振りだろう、なんて。意味のない思考が過って。
赤川累:記憶にあるよりも随分と、その腕は細く、頼りなくて。
赤川大輔:「済みませんでした、累さん……」掠れるような荒い呼吸を繰り返しながら口を開く。
赤川大輔:「あなたには、苦労ばかり……掛けてしまって……」
赤川累:「……!」
赤川大輔:再び激しく咳き込む。身体が跳ね、診察台を揺らす。
赤川累:「やめろよ、そんな……」
赤川累:「まるで、今から死ぬみたいなこと……なあ」
赤川累:「アンタの言葉を待ってる人が、まだいるんだろ……」
赤川大輔:「……」汗と血に塗れた顔に、穏やかな笑みを浮かべる。
赤川大輔:「……一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである……」
赤川大輔:「……しかし、もし死んだなら」
赤川大輔:「豊かに……実、を……」
赤川大輔:「ぐ」
赤川大輔:「あ、あぁあああああっ……!」
赤川累:「そうじゃ、ないだろ……俺はっ」
赤川大輔:絶叫と共に、みしみしと異音が響き渡る。
有島まひろ:「……!? 累くんっ」
赤川大輔:それは骨肉が軋む音だ。
赤川累:ずっと、彼の押し付けてくる言葉を、その示す道を疎ましく思っていた。その通りだ。だけど、それでも
有島まひろ:「離れて!」
北見耕三:「……何、だ……これは……」
浅木澪央:「先生、ガーゼとお湯……」部屋に戻るなり、その異変に気づき
浅木澪央:「累!」
赤川累:「俺は、アンタを尊敬してた!」離れようとはしない。むしろしがみついたまま、軋む音を遮るように叫ぶ。
赤川累:「嘘だろうと、何だろうと……アンタの言葉に、救われた人たちがいて」
赤川累:「それを見てきたから……! だから、俺は……っ!」
赤川大輔:体躯が見る間に肥大化し、肌は仄青く、爪は巨大な鉤状に。指の間には水かきのようなものが。
赤川大輔:顎は耳まで裂け、歯は鋭利な牙に。
赤川大輔:見る間に全身が異形へと変貌していく。
赤川累:「っ……!?」膨れ上がった肉体に、弾き飛ばされて。
赤川累:座り込んだまま、その姿を見上げる。
有島まひろ:「北見さん!」
有島まひろ:「逃げて!」
北見耕三:「……!? ……菫!」
北見菫:「や……澪央!累くん!」
赤川大輔:「ア……アァアア……」
浅木澪央:「……っ!菫も、早く!」ガーゼを放り投げて、壁に掛けてあった竹刀袋を手に取り
赤川累:「そん、な……」呆然として、その異貌を見て
赤川大輔:口から漏れるのは最早苦悶の声ではなく、獣の唸り。
浅木澪央:座り込んだ累くんを庇うように前に出る。
北見耕三:娘を連れて、急ぎ扉から部屋を出ていく。
有島まひろ:北見親子の退室を見届けたのと同時に、《ワーディング》を展開します。
赤川大輔:巨大な腕を振るう。ガラス棚が砕け散り、器材や薬の類が撒き散らされる。
赤川大輔:≪ワーディング≫では倒れない。理性も無い。獣化オーヴァードの暴走とも明らかに異なる。
GM:有島さんには分かります。彼は既にジャームだ。
有島まひろ:「………っ」累くんに何と言えばいいか分からない。
赤川大輔:「……ウゥウウウ……」君達を警戒しつつ、明らかな敵意を向けている。
浅木澪央:「まひろさん……」見当は付いている。それでもどこか縋るように
有島まひろ:「…澪央ちゃん」首を横に振る。
有島まひろ:「ここで止めなければならないわ。手伝ってちょうだい」
浅木澪央:「………」
浅木澪央:「…………はい」一言、漸く絞り出す
赤川累:「……父、さん」その異様な気配と殺気と、目の前に庇うように立つ幼馴染の姿を見止めて。
浅木澪央:「累も逃げて」振り返らずに
赤川累:「もう、"違う"のか」呟くように、誰にともなく問いかける。
浅木澪央:「ここは私とまひろさんでなんとかするから……累は」
赤川大輔:答えは無い。返ってくるのは意思なき獣の唸りだけだ。
赤川累:「俺の事も、分からないのか」その視線を受け止めて。
赤川累:「……そうか」ゆっくりと、立ち上がる。
浅木澪央:「……累?」
赤川累:「……澪央。俺は」
赤川累:「父さんにも、何もしてやれなかったけど」
赤川累:「"あの人だったもの"が、誰かを傷付けようとするのを止める機会なら」
赤川累:「まだ、ここにある。……やらせてくれ」
赤川累:「自己満足かもしれないけど」
浅木澪央:「累……」何か言おうとして、それを飲み込み
赤川累:「それでも……ここで逃げるよりは、ずっと後悔しないはずだ」
赤川累:数歩、歩み出して。彼女の隣に立つ。
浅木澪央:「……わかったよ。そういう奴だよね、累は。ならせめて」
浅木澪央:「あの人が累を傷つけるのだけは、私が止める」
浅木澪央:竹刀袋から、歪な木剣を取り出し構える。
有島まひろ:「…二人とも! 来るわ!」
赤川大輔:変わり果てた大輔が、咆哮を上げる。
GM:戦闘を開始します。

GM:セットアップから。
GM:距離は5メートルです
有島まひろ:なしです~!
赤川累:ないです!
浅木澪央:《スタートダッシュ》《フルディフェンス》
赤川大輔:無し。
浅木澪央:大輔さんにエンゲージしラウンド中のリアクションダイス+4 行動済みに
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+7(侵蝕率:60->67)した
GM:ではイニシアチブ。行動値12の赤川くんからです
赤川累:はい。マイナーで赤川大輔にエンゲージ
赤川累:メジャー、塵灰回帰/《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》《ブラストフォーカス》
赤川累:赤川累の侵蝕率を+12した(侵蝕率:64->76)
赤川大輔:≪魔獣の咆哮≫
赤川大輔:判定ダイス-3個
赤川累:うげ
赤川累:差し引き4個に
赤川累:4dx+1@7 命中
DoubleCross : (4R10+1[7]) → 10[5,5,8,8]+6[1,6]+1 → 17

赤川大輔:≪竜鱗≫
GM:ダメージどうぞ!
赤川累:2d10+27
DoubleCross : (2D10+27) → 14[6,8]+27 → 41

赤川累:装甲無視です
GM:げぇ~っ
有島まひろ:良いダメージ!
浅木澪央:よいぞ~
GM:装甲無視がつらい かなり減りました
GM:演出どうぞ!

赤川累:先に駆け出した澪央の影から、飛び出す。懐へ
赤川累:握り締めた拳を開き、異形の肌へと触れさせる動き。
赤川大輔:「グォアッ……!」咄嗟に払いのけんと爪を振るう。
浅木澪央:「あっ、バカ!無闇に突っ込めとは言ってないって!」遠く後方から声が響く
赤川累:「こ、のッ……!」腕が肩から熱を帯びる──埋め込まれた遺骨が発熱し、
赤川累:同時、無造作に振るわれた爪の動きを見切っている。屈むように身体を捩じり
赤川累:腹部に触れた掌を、引き下ろす。五指が食い込むようになぞった軌線が、灰の溝を刻む。
赤川大輔:「────ァアアッ!」甲高い悲鳴。のけぞるように後ずさる。
赤川累:姿勢を崩した。追撃を恐れて、こちらも転がりながら身を引く。立ち上がる。
赤川累:「っ、はあ……仕留め、損ねた」
赤川累:……ひどく動揺しているはずなのに、手足の動きはどこまでも冴えていて。そんな自分を不気味に思う。
有島まひろ:「累くん…」痛々しそうに呟く。
浅木澪央:「……もう、無茶し過ぎだってば」隣に並んで
赤川累:「……そっちこそ」先に飛び出して行っただろ、と軽口を飲み込みつつ。
浅木澪央:「……来るよ」

GM:イニシアチブ6、赤川大輔の手番です
赤川大輔:マイナー≪完全獣化≫+ ≪破壊の爪≫
赤川大輔:メジャー≪コンセントレイト:キュマイラ≫+≪鬼の一撃≫+≪増腕≫
赤川大輔:ガードした相手に追加ダメージ。対象は累くんと浅木さん!
赤川大輔:14DX7
DoubleCross : (14R10[7]) → 10[2,4,5,5,6,6,6,7,8,8,8,9,9,10]+10[1,3,3,5,6,7,8]+10[8,9]+10[3,9]+10[7]+10[9]+10[10]+10[9]+3[3] → 83

GM:やば
有島まひろ:エ~~~ッ!?
浅木澪央:なにそれ
赤川累:えええ
浅木澪央:《復讐の刃》
赤川累:い、一応の回避……
浅木澪央:オートでデバウラーを装備しリアクション不可の反撃
赤川累:3dx+1>=83
DoubleCross : (3R10+1[10]>=83) → 8[5,7,8]+1 → 9 → 失敗

浅木澪央:9dx8-6
DoubleCross : (9R10-6[8]) → 10[1,2,6,6,7,7,9,10,10]+10[2,5,10]+1[1]-6 → 15

浅木澪央:先に復讐ダメージ出しますね
GM:来いっ
浅木澪央:2d10+13 諸々有効
DoubleCross : (2D10+13) → 8[7,1]+13 → 21

GM:ギリギリ生きてる!
赤川大輔:ダメージ!
赤川大輔:9D10+14 ガード行ったキャラクターに+10ダメージ
DoubleCross : (9D10+14) → 51[8,5,5,4,2,7,6,10,4]+14 → 65

浅木澪央:死!リザレクト!
赤川累:死!リザレクトします
GM:固定値14なんだけどな……
赤川累:1d10
DoubleCross : (1D10) → 4

赤川累:赤川累の侵蝕率を+4した(侵蝕率:76->80)
浅木澪央:先に復讐分の侵蝕上げて……
赤川累:赤川累のHPを4にした(HP:27->4)
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+6(侵蝕率:67->73)した
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+3(1D10->3)(侵蝕率:73->76)した
浅木澪央:HP3で復活

赤川大輔:「ガァアアアアアッ!!」
赤川大輔:累の攻撃を受けて咆哮する。
赤川大輔:巨大な腕を滅茶苦茶に振り回し、辺りのものが次々に引き裂かれ、砕け散る。
赤川大輔:技術も理性も何も無い、ただ暴れるだけの攻撃だ。だが人外の膂力から繰り出されるそれは、この狭い室内にあって十分すぎる脅威だ。
有島まひろ:「2人とも…っ、逃げて…っ!」悲鳴のような声が上がる。
浅木澪央:その言葉が聞こえていないかのように、怪腕が作り出す嵐の中に、自ら飛び込む。
赤川累:「ぐ、っ……!」回避しようと動こうにも、物理的に叶わない。強かに殴りつけ、胸骨を砕かれる。吹き飛ばされる。
浅木澪央:肩口を怪物の爪に切り裂かれながら、続く一撃を木剣で受け止め
浅木澪央:瞬間、木剣の虚に"瞳"が開く
浅木澪央:歪に曲がりくねった木剣が幾重にも枝分かれして成長し
浅木澪央:鋭利な切っ先を目の前の怪物に次々と突き立てる。
赤川大輔:「ギッ……アアアァアッ……!?」
浅木澪央:「……お願い、倒れて……!」
赤川大輔:蒼白い肌から血飛沫が噴き出す。思わぬ反撃に怯んだのか、追撃の手が止まる。
赤川大輔:しかし、倒れはしない。文字通りの手負いの獣の目で、君達に殺意の唸りを上げる。
赤川累:「……ご、ほっ」二度目の"死"と再生。血を吐きながら、抉れた血肉が回復していく。立ち上がる。
浅木澪央:「……っ!それなら……」追撃を加えようとして、ようやく
赤川累:「澪央、お前……」身を削るような戦い方を目の当たりにして、思わず言葉が漏れる。
浅木澪央:傍らにいた少年が傷ついていることに気づく「あ……」
赤川累:「……いつも、そんな風にやってんのか」
浅木澪央:「……そうだよ。これが私のやり方」
赤川累:「……」あの暴力の嵐に、自ら突っ込んでいった少女の背を見ていた。
浅木澪央:「そんなことよりごめん。守るって言ったばかりなのに」
赤川累:その返答に、彼女のこれまでの戦いに、何と言ってやればいいか分からなくなって。
浅木澪央:「闘う時、隣に誰かいるってのはやっぱ慣れないや」場違いな笑みが溢れる。
浅木澪央:「でも次は大丈夫だから。安心して」
赤川累:「っ……!」その言葉に、痛ましそうな表情を浮かべるが
赤川累:「……早く、終わらせるぞ」今は、それしか言えなかった。

GM:イニシアチブ5、有島さんの手番です
有島まひろ:はーい!
有島まひろ:マイナーアクション。《完全獣化》《ハンティングスタイル》。3m進んで赤川さんに接敵します。
有島まひろ:メジャーアクション。《コンセントレイト:キュマイラ》《渇きの主》《血に飢えた跳躍》。
有島まひろ:赤川さんに攻撃!
GM:どうぞ!
有島まひろ:10dx@8+2
DoubleCross : (10R10+2[8]) → 10[1,2,3,3,7,8,9,10,10,10]+10[1,4,7,9,10]+10[1,10]+4[4]+2 → 36

有島まひろ:まあまあだな~装甲値無視!
赤川大輔:≪竜鱗≫……げぇ~っ
GM:こいつらみんな装甲無視してくる!
GM:ダメージどうぞ!
有島まひろ:4d10+9
DoubleCross : (4D10+9) → 32[9,8,7,8]+9 → 41

有島まひろ:うわっ!すごい出目でた
GM:ふぎゃ~~~っ
GM:えっすご……
有島まひろ:吸い上げちゃった
赤川大輔:HP0。戦闘不能です。復活エフェクトなし
有島まひろ:ヤッタ~!
GM:戦闘終了です。
浅木澪央:さすがまひろさん!
有島まひろ:演出します!
GM:演出どうぞ!

有島まひろ:(どうして)
有島まひろ:(累くんも、澪央ちゃんも……こんなに、つらい目に)
有島まひろ:事態を止められなかった、気付くことすらできなかった自分が情けない。
有島まひろ:せめて、彼に最後の一撃を与えることは、目の前の2人にはさせたくない。
有島まひろ:「そうね」
有島まひろ:「終わりに、しましょう」
有島まひろ:蝙蝠のような羽がワンピースを破って生え広がると同時、その身体が診療室の中に溶けるようにして搔き消える。
有島まひろ:千切れたワンピースがはらりと床に落ち──
有島まひろ:怪物の首元に纏わりつく夢魔となって、姿を現す。
有島まひろ:身を包む黒い影が、見る者を惑わすイブニングドレスのようなシルエットを形作る。
有島まひろ:「赤川さん。どうかせめて」
有島まひろ:「良い夢を」
有島まひろ:赤い舌が怪物となった父の青白い肌を舐める。
有島まひろ:白い牙が突き立てられる。
有島まひろ:かぷり
赤川大輔:「ガ……アッ……!?」
有島まひろ:怪物の血液を、その身に潜むレネゲイドもろとも吸い上げる。
赤川大輔:「グッ……ガッ……」
赤川大輔:異形の身体で暴れ、抵抗しようとするが、その動きも次第に弱々しくなっていく。
赤川大輔:「……」
有島まひろ:その身体を、細く白い腕が抱きしめる。──首元から生まれる甘い痛みに陶酔すればいい。
有島まひろ:「おやすみなさい」
赤川大輔:最後にその目を赤川累に向けたのは、僅かに残った人の意思か、或いはただの偶然か。
赤川大輔:腕の中で脱力し、崩れ落ちる。
赤川累:重なったその視線を受けて、
赤川累:「……おやすみ、父さん」
有島まひろ:侵蝕率17上昇。
浅木澪央:「…………」父と息子、その両方に掛ける言葉が見つからず
赤川累:呟く。……その巨体が崩れ落ちたのを見届けて
浅木澪央:ただ悼むように、静かに目を閉じる。
赤川累:自分もまた、力が抜けたように膝をつく。
浅木澪央:「ちょ、累!?」
浅木澪央:膝をついた累くんを支えて抱きかかえる
有島まひろ:「累くん……」怪物となった赤川さんを静かに横たわらせ、累くんに視線を向ける。
赤川累:「……澪央」抱きかかえられたまま、呟く。
浅木澪央:「累!しっかり!ひとまずベッド……は今使えないから……ええと……!」
浅木澪央:少年を抱えたままあたふたと考えを巡らせる。
赤川累:「これで、良かったのかな」
浅木澪央:「あ……」その言葉に、視線を少年へ戻して
浅木澪央:「……お父さんに、お別れ言えたよね」
赤川累:「……そうだな」小さく頷く。化物に変わる前の、彼の眼を思い出して。
浅木澪央:「良いわけない。けど」 ※2行上に追加
赤川累:「届いたと、思う」
有島まひろ:「………」2人に近づいて、2人まとめてそっと抱きしめる。
浅木澪央:「わっ」
赤川累:「あ……」
浅木澪央:「……まひろさん?」
有島まひろ:「2人とも、がんばってくれて、ありがとう」
赤川累:「有島、さん」
浅木澪央:「そんな……お礼を言うのはこっちの方で……」
有島まひろ:「ううん」
赤川累:その言葉の暖かさと、体温に、ずっと長い時間忘れていた影がちらついて
有島まひろ:「大丈夫、大人みたいにしなくても」
有島まひろ:「大丈夫………」それくらいしか言えなくて、あとは2人を抱きしめ続ける。
浅木澪央:「あ………」その暖かさに、自然と瞳が潤んで
赤川累:「っ……すみません、俺……」震えるような声で発して。抱き締められたまま、俯く。
有島まひろ:「うん。累くん、えらかった」
浅木澪央:或いは、母にそうされた記憶が二人に残っていたのなら、人目も憚らずに嗚咽を零したのかもしれないが
浅木澪央:「うん……」戸惑いの方が大きいままに、一筋だけ涙が頬を伝った。
赤川累:それ以上は何も言わない。ただ、ぽつりと
赤川累:診察室の白い床に、涙の粒が零れ落ちた。



GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です
有島まひろ:澪央ちゃんにロイス取得します。
有島まひろ:庇護:〇/不信感/ロイス
有島まひろ:以上で!
赤川累:まひろさんへのロイス感情を「〇連帯感/脅威」から「〇信頼/恥辱」に変えます
赤川累:以上で!
浅木澪央:まひろさんのロイスを 「○信頼/緊張」に変更します
浅木澪央:以上!



【Middle5】

GM:シーンPCは浅木さんです。
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+4(1D10->4)(侵蝕率:76->80)した

---

GM:診療所での一件があったその日。夜になって、君はようやく自宅に戻ってきた。
GM:玄関を開けた時から、異変に気付く。
GM:……人の気配だ。父のものではない。
浅木澪央:「ただいまー……」
浅木澪央:「……?」
GM:誰かが家の中にいる。
浅木澪央:「………」木剣の柄に手をかけながら、慎重に廊下を進む。
GM:廊下の先、台所の方から、小さな物音が聞こえてくる。
浅木澪央:「(見様見真似だけど、結界とか張ってるんだけどな……)」
GM:覗いてみると、そこでは一人の見知らぬ男が缶詰を開け、残り物の煮物を食べている。
浅木澪央:「……!?」
:「ん……おお」
:派手な赤い髪にタトゥーの、ガラの悪い男。
:地味な黒縁眼鏡だけが奇妙に印象から浮いている。
:「上がらせてもらってるぜ」
浅木澪央:変質者や、或いは近隣の老人ではない。粗末な結界でも、常人の侵入を防げる程度の効能があることはこれまでの生活で証明できている。
浅木澪央:「……どなたですか」
:気にした様子もなく、缶詰を傾けて汁を啜る。
:「あん?」
浅木澪央:「父なら明日まで帰ってきません」
:「お前……アレだろ?何つったっけ……イソクサノ……?」
浅木澪央:「もし私に用があるというのなら……」
浅木澪央:「……!その名前……」
:「話通ってんだろ?『連絡役』から」
シルバーパルサー:「“コピーキャット”の“シルバーパルサー”だ」
浅木澪央:「"コピーキャット"……」
シルバーパルサー:「腹減ってたんでな。勝手に貰った。駄目だったか?」
浅木澪央:「……ダメに決まってます。本土の人はもう少し行儀が良いんだと思ってましたけど」
浅木澪央:「それで、何の用ですか」構えを解かないまま
シルバーパルサー:「あー、悪り。ぶっ倒れそうだったんでな。田舎は大らかって聞いたし、セーフかと思ったわ」
浅木澪央:「私に、ではありません」
浅木澪央:「この島に、何の目的が合って来たのか」
浅木澪央:「答えてください。話はそれからです」
シルバーパルサー:「すげえ警戒されてんじゃん」
シルバーパルサー:「……そうだな。用があるのはこの島にじゃない」ぼりぼり頭を掻いて
シルバーパルサー:「この島にいるはずの奴に用がある」
浅木澪央:「この島にいる……?」
シルバーパルサー:に、と歯を見せて笑って。
浅木澪央:「……連絡役から聞いてないんですか?この島のFHは私一人で……」
シルバーパルサー:「“スターゲイザー”」
シルバーパルサー:「……知ってるか?」
GM:君には聞き覚えの無い名だ。
浅木澪央:「…………」記憶を探る、神社に残された文献、連絡役から聞かされる断片的な情報。
浅木澪央:FHとして、浅木澪央が知る情報は少ない。
浅木澪央:「……いいえ、聞いたことありません」
浅木澪央:「その人も貴方の仲間ですか?」
シルバーパルサー:「ま、一部で有名っつっても、基本は表に出てこない奴だからな」
シルバーパルサー:「仲間じゃない。獲物だ」
浅木澪央:「獲物?」
シルバーパルサー:「いや……俺たちにとっちゃある意味神様とでも言っていいかもな」
シルバーパルサー:「“スターゲイザー”はUGNに目を付けられてる、ヤバいオーヴァードだ」
浅木澪央:「……神様を狩る?意味が……」
浅木澪央:「……!」
シルバーパルサー:「世界中を渡り歩き、紛争や陰謀を裏から糸引きながら、何百年も生きてるって話もある」
シルバーパルサー:「まあ、奴の正体なんてのはどうでもいい。肝心なのは、だ」
シルバーパルサー:「奴が訪れたところには、必ず奴の使った道具や技術……それに情報が残される」
浅木澪央:「道具……技術?」
シルバーパルサー:「それは強力な遺産だったり、まだ発見されていないはずの未知の技術だったり、一国を揺るがしかねない極秘情報だったりする」
浅木澪央:「それって、そんなに価値があるものなんですか?」
浅木澪央:「遺産……」
シルバーパルサー:「どうやってそんなモンを一人で手に入れてるのかは知らねえけどな。ただ」
シルバーパルサー:「いずれも莫大な価値を生むモンであるのは確かだ。分かるだろ?奴は俺たち“コピーキャット”にとって」
シルバーパルサー:「最高の獲物であり、幸を齎してくれる神様でもあるってわけだ」
浅木澪央:「……つまり」
浅木澪央:「貴方はその"スターゲイザー"が暴れた後のおこぼれを漁るために、この島に来たと言うことですか」
シルバーパルサー:「御名答。ハイエナ野郎とでも言うか?」
浅木澪央:「別に……、貴方達にどういう思惑があろうと」
浅木澪央:「この島に危害を加えないのなら、干渉する筋合いもありません」
シルバーパルサー:「意外に物分かりが良いな。ああ、こっちは別にこんな島どうだっていい」
シルバーパルサー:「“スターゲイザー”さえ見つかればな……」
シルバーパルサー:「奴がここ数年は女の姿をしてるらしいってのと、この島に向かったってことだけは掴んでる」
シルバーパルサー:「心当たり、何かあるか?」
浅木澪央:「最近この島に来た、女の人……」
浅木澪央:心当たりはある。それも複数
浅木澪央:幼馴染が浜辺で助けた少女。怪魚事件の調査にやってきた女性。
浅木澪央:共にUGNだと名乗ってはいるが、実際の所その真偽を自分が確かめる術はない。
浅木澪央:「……いいえ、知りません。滅多に人の来ない島ですから」
シルバーパルサー:「ふぅん……」
シルバーパルサー:しばらく君の顔を見つめて。
浅木澪央:どの道、目の前の男を信用する方が難しい話だ
シルバーパルサー:「じゃあ、いい。邪魔したな」
浅木澪央:真実は、自分の目で確かめなければ……。
シルバーパルサー:空になった缶詰を置いて。
浅木澪央:「ちょっと待って下さい」
シルバーパルサー:「あん?」
浅木澪央:「食費分の情報は置いていってもバチは当たらないんじゃないですか」
シルバーパルサー:「……」
シルバーパルサー:「……そうだな。一食分の礼に、ひとつだけ忠告しといてやる」
シルバーパルサー:「もし“スターゲイザー”を見つけても、絶対に近寄らないほうがいいぞ」
浅木澪央:「それは、何故?」
シルバーパルサー:「仕事上、奴に関わった連中の話は嫌って程聞いてる」
シルバーパルサー:表情に嫌悪感が滲む。
シルバーパルサー:「UGNだろうが、FHだろうが」
シルバーパルサー:「普通に死ねれば、まだ幸せな方だ」
浅木澪央:「…………」
シルバーパルサー:「じゃあな。ご馳走さん」
シルバーパルサー:そう言い残して、がらがらと窓を開け、外に出ていく。
浅木澪央:「……次から次へと」
浅木澪央:散らかった台所から塩を一掴みし、大股で玄関へ出て
浅木澪央:「何なんだよ!バカーッ!!」出口へ向けて放り投げる。
浅木澪央:一呼吸、荒くなった息を整えて
浅木澪央:「("スターゲイザー"。今の事件……累のお父さんも、そいつが……?)」
浅木澪央:『UGNだろうが、FHだろうが』『普通に死ねれば、まだ幸せな方だ』
浅木澪央:「…………」シルバーパルサーの忠告が頭の中で反響する。それでも
浅木澪央:「……それでも、放っておけるわけない」
浅木澪央:「この島に手を出す奴は、誰であっても」
浅木澪央:「たとえ神様だって、許さないんだから……」
浅木澪央:そうあり続けたからこその、伊祖久邪之巫(いそくさのかんなぎ)なのだから
浅木澪央:「そうでしょ……母さん」
浅木澪央:抜いたままの木剣を、折れんばかりに強く握った。



GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可能です
浅木澪央:ロイス コピーキャット/シルバーパルサー/有為/○不信感 で取ります
浅木澪央:購入は応急
浅木澪央:4dx+1>=8
DoubleCross : (4R10+1[10]>=8) → 10[2,4,7,10]+6[6]+1 → 17 → 成功

浅木澪央:買えた!
GM:えらい
浅木澪央:前に買ったやつと合わせて二個分使います
浅木澪央:3+4d10
DoubleCross : (3+4D10) → 3+19[3,9,6,1] → 22

浅木澪央:HP22まで回復
浅木澪央:以上!



【Middle6】

GM:シーンPCは有島さんです。
有島まひろ:1d10+72 はーい
DoubleCross : (1D10+72) → 9[9]+72 → 81


---

GM:ジャーム────赤川大輔の遺体はそのまま北見診療所で保管され、解剖して身体を調べることとなった。
GM:翌日の昼。君、有島まひろはその進捗を聞くため、診療所に足を運んだのだが……
GM:「……ですから、北見先生、お願いです!」
GM:何やら言い争うような声が聞こえてくる。
有島まひろ:「……?」診療所の入り口まで来たところで、首を傾げる。
GM:「優秀な医師は常に足りていないんです!先生に戻って頂ければ、我が病院も安泰で……!」
GM:覗いてみると、スーツ姿の男と北見耕三が話している。
北見耕三:「……何度来ても無駄だよ。私はこの島を出る気はない」
有島まひろ:(えっと)どうしようかしら、と、顔を覗かせながら考える。
GM:「先生の腕をこんな島で燻らせていていいんですか!?先生なら、もっと多くの患者を救えるのに……!」
北見耕三:「くどいよ。もう帰ってくれないか。診察の邪魔になる」
GM:「……!」
GM:男は歯がゆそうに診療所を出ていく。途中で君を一瞥するが、何も言わずに去っていく。
北見耕三:「……」はあ、と息を吐いて、そこでようやく君に気付く。
北見耕三:「ああ……有島さん」
北見耕三:「申し訳ない。お見苦しいところを……」
有島まひろ:「いえ、とんでもありませんわ。こちらこそ、聞いてしまって…」
有島まひろ:「今の方は…本土から?」
北見耕三:「ええ……そうです。以前働いていた病院の者でして……」
北見耕三:「何度かこうして、ここに」苦笑する。
有島まひろ:「まあ」話しながら、促されるまま診療所の椅子に座る。
有島まひろ:「本土にいらしたことがあるんですね。私、てっきりこの島の出身なんだと思ってました」
北見耕三:「いいえ。私は数年前に、外から来たんです。菫と一緒に」コーヒーを手渡す。
北見耕三:「……失礼ですが、有島さん、ご家族は?」
有島まひろ:「あ、ありがとうございます」微笑んで、コーヒーを受け取る。
有島まひろ:「菫ちゃんと…」瞬き。「累くんたちから、身体が弱いって聞きました」
有島まひろ:「夫と、子供が2人。4人家族です」
北見耕三:「4人。それは賑やかでいいですね」笑みを零して「お子さんはおいくつですか?」
有島まひろ:「ふふ、長男が11歳で、下は女の子なんですけど…9歳になります」
有島まひろ:こちらも笑みをこぼす。「本当に賑やかで、毎日大変です」
北見耕三:「ああ、それはそれは。可愛い盛りでしょう」
有島まひろ:「ふふ。良い子に育ってほしいなって、思ってます」
北見耕三:「私のほうは、妻に先立たれまして。菫と二人暮らしなんです」
有島まひろ:「それは……」
北見耕三:「ああ、すみません。湿っぽいお話をするつもりでは」掌を振って。
北見耕三:「ともかく、菫には男の片親で不自由させてしまっている分、出来る限りのことはしてやりたいと思っていまして」
北見耕三:「この島に来たのもそのためです。ここは空気が綺麗ですからね。それにこうした診療所なら、いつでも傍にいられます」
有島まひろ:「そう、だったんですね」湯気の漂うコーヒーを両手で持って、ほうと息を吐く。
北見耕三:「……かえって、菫には退屈なのかもしれませんが。診療所などやっているだけマシですが、やはり元々島にいた人たちとは、意識が噛み合わないところもあって」
北見耕三:「……難しいですね、子育てというのは」苦笑してコーヒーを啜る。
有島まひろ:「ええ、本当に」こちらも苦笑を返す。
有島まひろ:「できれば、平穏に生きていてほしいだけなのに…」
有島まひろ:「はやく大人になろうとして、無理ばかりするでしょう。…困ってしまいます」
北見耕三:「ええ、全くです。ただ幸せであってくれたら、それだけでいいのですけどね」
北見耕三:「……UGN(おしごと)のこと、お子さんには何と?」
有島まひろ:「守秘義務がありますから」
有島まひろ:「子供たちは、今頃私のこと、能天気に旅行してると思ってますわ」ふふ、と笑う。
有島まひろ:「言えるわけもありません。…だから、」
有島まひろ:「決して、死ぬわけにもいきません」
有島まひろ:「この島で、今起こっていることは、必ず解決に導きます」
北見耕三:「……そうですね」頷く。医師とエージェント、遠い職業でありながら、どこか根底に似たものを感じたように。
北見耕三:「私も、赤川さんがどうしてこんなことになったのか……何が起きているのか」
北見耕三:「必ず、解き明かしてみせます」
有島まひろ:「ええ」にこりと笑う。
有島まひろ:「大人が頑張らなくちゃ、子供たちに顔向けできませんもの」



GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可能です
有島まひろ:北見さんにロイス取ろう!取ります
有島まひろ:北見耕三/誠意:〇/不安/ロイス
有島まひろ:購入判定は応急手当キット!
有島まひろ:3dx>=8
DoubleCross : (3R10[10]>=8) → 10[2,2,10]+7[7] → 17 → 成功

有島まひろ:超買えた! あとで累くんに渡します
有島まひろ:以上!



【Middle7】

GM:シーンPCは赤川くんです。
赤川累:赤川累の侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:80->86)

---

GM:夕刻。
GM:橙の陽光が波打ち際を染めている。
GM:辺りは静まり返り、ただ波の音と、微かにウミネコの声が聞こえるばかりだ。
GM:君──赤川累は、父の死の翌日、島の砂浜を歩いていた。
赤川累:「……」ぼんやりと海岸線を眺め、砂浜に足跡を残していく。
赤川累:何の宛があった訳でもない。ただ、誰もいなくなってしまったあの家に
赤川累:一人で居続けるのがいたたまれなくなって、逃げるように出て来ただけだ。
赤川累:……ぎゅる、と腹の音がなる。溜息を一つこぼして。
赤川累:自分の中の大きな何かが欠けてしまったつもりでも、結局こうして
赤川累:夕食の準備をしなきゃいけないとか、もうすぐあの家に帰って眠らなければいけないとか
赤川累:そういった雑事から逃れる事もできなくて、やがて元通りの生活に戻っていくのだ。
赤川累:母の時もそうだった。
赤川累:自分は何もできないまま、ただ彼女の死を傍で看取り、泣く事しかできなくて
赤川累:この浜辺で、宛もなく黄昏れていたのだ。……あの時と違うのは、
赤川累:このままずっとこうしていた所で。あの日の父のように、自分を迎えに来てくれる家族はもういない事だ。
GM: さく さく さく
GM:……その時、後方から。
GM:砂を踏み締める足音が聞こえてくる。
赤川累:「……?」振り返る。
斗星朔夜:そこには一人の少女が────斗星朔夜が立っている。
赤川累:「……斗星さん」
赤川累:「どうして、ここに?」
斗星朔夜:いつもの制服姿でなく、ラフなシャツにショートパンツ。息を切らしている。
斗星朔夜:「どうして、って……」
斗星朔夜:「探したからだよ」
赤川累:「それは……ああ、ごめん」
赤川累:「何か俺に用だったかな」
赤川累:なるべく平静を繕って、そう応じる。
斗星朔夜:「……何でですか?」
斗星朔夜:君を見据える。
赤川累:「なんで、って」少女とまた眼が合って、言葉に詰まる。
斗星朔夜:「……お父さんのこと、聞きました」
斗星朔夜:「どうしてそんな、平気な振りしてるの?」
赤川累:「……平気な振り、なんて」
斗星朔夜:「僕は」
斗星朔夜:「僕は、お父さんとお母さんの顔。よく覚えてないんです」
赤川累:「……」急にそんな話を切り出すので驚きはするが。黙って続きを聞こうとする。
斗星朔夜:「オーヴァードにはそういうこと、よくあって。だから、居ないことを悲しいとは思わないけど」
斗星朔夜:「……でも、累は違うでしょ」
赤川累:「……」観念したように、息を吐いて。
斗星朔夜:「累」
斗星朔夜:「僕の前では、本当の累を見せてよ」
赤川累:「……ああ、悲しいよ。当たり前だろ、そんなの」
赤川累:「…………俺は」
赤川累:「君を助けられた事で、いい気になっていたのかもしれない」
赤川累:「……こんな、訳の分からない力に助けられての結果で」
赤川累:「きっと澪央なら、こんな事は幾つもこなしてきたんだろうけど」
赤川累:「それでもさ」
赤川累:「学校の勉強くらいしかできない、こんな未熟な奴が」
赤川累:「……母さんの死に目に、祈る事すらできなかった俺が」
赤川累:「初めて、誰かの命に手が届いたんだ」
赤川累:「……少しは変われたのかもしれないと思ってた。でも、ダメだった」
赤川累:「俺は、父さんを……ただ、死なせてやる事しかできなかった」
赤川累:「……それが今、何よりも痛い」
赤川累:ぐ、と自らの右腕を掴む。食い入るように。
斗星朔夜:「……累」
斗星朔夜:「自分を責めないで」
斗星朔夜:「累は神様じゃないよ」
赤川累:「……分かってる。分かってる、けど……」
斗星朔夜:「……この世界には、助けられる人と、どうしても助けられない人がいて」
斗星朔夜:「累が目指してるお医者さんは、その助けられる人を、少しでも増やそうとする仕事なんだろうけど」
斗星朔夜:「でも……それでも。累が世界一優秀なお医者さんでも、世界一強いオーヴァードでも」
斗星朔夜:「一度ジャームになった人は……お父さんは、助けられなかったと思う」
斗星朔夜:「……累のせいじゃないよ」
赤川累:「……ありがとう」
赤川累:「でも、結局……父さんがああなった原因は、はっきりしないままだ」
赤川累:「一度ジャームになった人は救えない。だとしても」
赤川累:「これから、この島の誰かが父さんと同じようになるかもしれない」
赤川累:「だから……平気そうな振り、って訳じゃないけど」
赤川累:「立ち止まってばかりも、いられない」
斗星朔夜:「……はい」頷いて
斗星朔夜:「……累」
赤川累:「……ああ」
斗星朔夜:「キスしてもいいですか」
赤川累:「……俺は」その前に、答えを出す必要があるだろう。自分は既に、あの丘で彼女の想いを聞いた。
赤川累:「俺は、君の事を大事に思ってる」
斗星朔夜:「はい」
赤川累:「もしかするとそれは、自分が初めて助けられた相手だからっていう、押し付けもあるのかもしれないけど」
赤川累:「君には傷ついてほしくないと思ってる。これは、本当だ」
赤川累:「……だけど」
斗星朔夜:「……だけど?」
赤川累:「俺はまだ、君のことをちゃんと知らない」
赤川累:「君が俺を好いてくれるのは嬉しいけれど」
赤川累:「俺自身が、ちゃんと君を見た上で好きになったのか」
赤川累:「……自信がない。恥ずかしい話、ただ舞い上がっているだけかもしれない」
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:「……はあぁ~!?」
斗星朔夜:「何ですかそれえ~!」肩を掴んでがくがく揺さぶる。
赤川累:「うわわわ」
斗星朔夜:「女の子が勇気を出してきっ……キスしたいって言ってるのに!」
斗星朔夜:「そんなこと言います!?普通!」
赤川累:「ま、待って……」
斗星朔夜:「僕のこと好きじゃないんですか!?」
赤川累:「その言い分は分かる、最もだと思う、けど」
赤川累:「……好きだよ。ああ、好きだ。だけど、」
斗星朔夜:「だけど?」顔を寄せる。
赤川累:「君とは出逢ってまだ二日で、君はここの住人じゃなくて、ここを発てば次にいつ会えるのかも分からない」
赤川累:「そんな曖昧な状態で、君の気持ちを受け止められるなんて」
赤川累:「言い切ってしまったら、それは……嘘にならないかって」
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:「……ヘタレ」
赤川累:「……そう考えた。悪い、俺はこういう人間なんだ」
赤川累:「…………自覚はある」
斗星朔夜:「はぁー……」わざとらしく深々と溜息を吐いて。
斗星朔夜:「……じゃあいいです。これは、約束ってことにしておいてください」
赤川累:「愛想つかしても、文句は言わない」
赤川累:「……約束」
斗星朔夜:「はい」
斗星朔夜:「忘れないでくださいね。これから先、例え何があったとしても」
斗星朔夜:「僕はあなたに助けられた」
斗星朔夜:「僕が生きて、こうして呼吸をして、ご飯を食べて、夕陽を見て、キスもできるのは、あなたのお陰です」
斗星朔夜:「だから────」
斗星朔夜:少しだけ背伸びをして。
斗星朔夜:ほんの一瞬、奪うように唇を重ねる。
赤川累:「……!」
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:橙の陽光に照らされて、にこりと笑って。
斗星朔夜:「……責任」
斗星朔夜:「取ってくださいね」
赤川累:仄かに口元に残った感触に、目をしばたかせて
赤川累:「……君、随分と強引なんだな」
斗星朔夜:「あなたが消極的なんですよ」
赤川累:「やっぱり俺はまだ、君をちゃんと知らなかった」
斗星朔夜:「……それで?」
斗星朔夜:腕を後ろ手に組んで、首を傾げる。
斗星朔夜:「嫌いになりました?」
赤川累:「……ああ、分かった。観念しよう」
赤川累:「嫌いにはなっていないし、この約束の事はちゃんと覚えておく」
斗星朔夜:「ふふ。よかった」
斗星朔夜:「約束だから。忘れないでね?」
赤川累:「ああ、分かってる」夕陽越しのその微笑みが、目に焼き付いて。
赤川累:「……そろそろ戻ろう。日も暮れる頃だ。冷え込むぞ」
斗星朔夜:「はい。そうですね」
斗星朔夜:「……照れてます?」
赤川累:「……多少はな。あんな事をしたら、当たり前だろ」
斗星朔夜:「良かった」
斗星朔夜:「僕もです」
斗星朔夜:そう言って笑い、君の手を握って。
斗星朔夜:「行こう、累」
赤川累:こちらも、ほとんど同時に手を差し出していた。触れ合った指を、互いに絡め合って
赤川累:帰り道の砂浜には、二人分の足跡。
赤川累:脈が随分と速くなって、額は熱を帯びている。そんな温度に紛れて、悲しみの色が幾分と紛れていた自分に気付いた。



GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可能です
赤川累:斗星朔夜のロイスP面を「約束」に変更
赤川累:購入は応急で
赤川累:4dx>=8
DoubleCross : (4R10[10]>=8) → 9[1,2,3,9] → 9 → 成功

赤川累:持ってるやつと併せて2個自分に使います
赤川累:4d10+4
DoubleCross : (4D10+4) → 17[4,4,2,7]+4 → 21

赤川累:赤川累のHPを21にした(HP:4->21)
赤川累:以上で



【Middle8】

GM:情報収集シーン。全員登場を推奨します
赤川累:赤川累の侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:86->95)
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+2(1D10->2)(侵蝕率:80->82)した
有島まひろ:1d10+81
DoubleCross : (1D10+81) → 2[2]+81 → 83

GM: 
GM:ということでまずは情報判定です 項目はこちら!
GM:いずれも技能は≪情報:噂話≫≪情報:UGN≫<

・ジャームについて 難易度5
・島の環境について 難易度7
・異変の中心について 難易度9


GM:みんなで手分けしてどうぞ~
有島まひろ:一番の情報弱者です!
赤川累:財産2あるし異変の中心いこうかな
浅木澪央:こっちは財産吐き出したし島の環境かな
有島まひろ:ではジャームについて調べます~
有島まひろ:ジャームについて、≪情報:UGN≫で判定します。コネ使用。
有島まひろ:5dx+1>=5
DoubleCross : (5R10+1[10]>=5) → 9[1,3,7,9,9]+1 → 10 → 成功

有島まひろ:出目良かった… 成功です
浅木澪央:島の環境について。コネ:噂好きの友人使用 噂話で判定します。
浅木澪央:6dx>=7
DoubleCross : (6R10[10]>=7) → 10[3,6,7,8,8,10]+7[7] → 17 → 成功

有島まひろ:すごい!
浅木澪央:島博士と呼びな!
赤川累:すごいぜ
赤川累:こっちは素で情報:噂話で 異変の中心について判定します
赤川累:4dx+1>=9
DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 9[2,5,6,9]+1 → 10 → 成功

有島まひろ:わーっ優秀1
有島まひろ:だぜ!
GM:みんな優秀~
浅木澪央:やるじゃん
GM:では開示していきます

ジャームについて
現在、浅葱島では不調を訴える住民が続出している。
ジャーム化した赤川大輔を北見診療所で解剖した結果、各部の炎症や組織が変形が確認された。また腫瘍や結石のようなものも見受けられる。変化は急激にして強引なもので、例え戦闘で倒さなくとも長くは生きられなかっただろう。
また体組織の一部を本土UGNのRラボに送り検査を依頼した結果、ジャームの肉体としてはレネゲイド濃度が極めて薄いことが分かった。


島の環境について
住民の異変の原因は魚、さらに言えば海水にある。海水に含まれるレネゲイドが魚の身体に蓄積し、さらにそれを食べた住民の身体にも影響を及ぼしているものと見られる。
また、島の主な水源は本土からの海底パイプラインだが、一部の家庭や施設では古くからの海水淡水化設備が利用されている。魚を食べずともそちらの形で影響を受けた者も多いだろう。
正確な割合は不明だが、既に島の相当数の住民が潜在的にレネゲイドによる汚染を受けているものと思われる。


異変の中心について
怪魚の漁獲量と漁場を集計し、海流等と合わせ調査した結果、異変の中心となっている海域が特定できた。鏡岩と呼ばれる、島民には馴染み深い沖合の奇岩の付近だ。
ボート等で近付けば、海中の調査が出来るだろう。


浅木島沖合 船上
GM:北見の口添えもあり、怪魚の調査の為という名目を伝えれば、小型ボートはあっさりと借りることができた。
GM:今、君達はその船に乗り、一連の異変の中心と目される海域へと向かっている。
GM:陽は高く、まるで事件など何も起きていないかのように、青い空と海はいつも通りに美しい。
有島まひろ:ワンピース姿で操縦席に座っている。
斗星朔夜:「ボートに乗れるなんて思ってなかったです!」身を乗り出し、水飛沫に手をつけて楽しそうにしている。
有島まひろ:「よいしょっと……。うん、思い出してきた」独り言をつぶやきながら、ハンドルを動かしています。
有島まひろ:肉体で運転の判定してもいいですか?
GM:いいですよ!どうぞ!
有島まひろ:わーい!素振り!
有島まひろ:7dx
DoubleCross : (7R10[10]) → 9[4,4,4,6,8,8,9] → 9

GM:結構上手い!
有島まひろ:あっ、やったー! それなりに順調に進んでいます!
斗星朔夜:「まひろさん、船の運転まで出来るんですねえ」
赤川累:「おい、危なっかしいだろう。ライフジャケットだって着てないのに」朔夜ちゃんに
有島まひろ:「昔、エージェントの研修で習ったことがあって…」
斗星朔夜:「ええー?累は心配しすぎだよ」口を尖らせる。
有島まひろ:「…あら」操縦席のミラー越しに、こちらを見る赤川君の顔を見る。
浅木澪央:「へぇ~すごいなあ~!UGNのエージェントってこういう訓練もするんだ。地元の漁師並かも」
浅木澪央:「………」
斗星朔夜:「僕だってオーヴァードですもん。もし落ちたって平気ですよ~」
有島まひろ:「…あら」赤川君の反対側からくる澪央ちゃんも見る。
赤川累:「し過ぎてない。君、結構ぼんやりしてる所あるだろ」
赤川累:「それはそうだろうけど……」額を抑える。
斗星朔夜:「累に言われたくないです。なんか時々考え込んでて危なっかしいし」
斗星朔夜:「僕のほうがしっかりしてますよ~」
赤川累:「な……」少し心外そうな顔をして。
浅木澪央:「ほらほら二人とも」そこに割り込む形で
浅木澪央:「この辺は潮の流れが早いから、いくらオーヴァードだって流されたら大変だよ」
浅木澪央:「だからはい、ちゃんとこれ来なさい」ライフジャケットを二人に渡す。
有島まひろ:「……」心配そうに3人を見ている。
斗星朔夜:「ですってよ、累」指で突っつく。
赤川累:「……っと、ああ」突っついてきた朔夜に視線で抗議しつつ。「悪い、助かる」
斗星朔夜:「んしょ……ありがとうございます」ライフジャケットに袖を通しつつ「そういう澪央さんは着なくて大丈夫なんですか?」
浅木澪央:「ん?あーまあ、ね」若干歯切れ悪く
浅木澪央:「これでも中学の時は水泳で全国行ったこともあるからね!」
赤川累:「いや、確かにお前はめちゃくちゃ泳ぎ上手いけど……」
斗星朔夜:「え~!すごいですね!そうやって何かに打ち込める人って尊敬します!」
浅木澪央:「この程度の波は余裕だよ。累とは鍛え方が違うっての」
赤川累:「いくらオーヴァードだって危ない、って言ったのは自分だろ」
赤川累:「む……」
斗星朔夜:「まだやってるんですか?水泳」
赤川累:目を見るに、冗談や負けず嫌いの類で行ってる訳ではなさそうだと思って。引き下がる。
浅木澪央:「あー……ううん。高校入った時にやめちゃった」
斗星朔夜:「え~っ?何でですか?勿体なくないですか?」身を乗り出す。
斗星朔夜:「好きじゃないんですか?泳ぐの」
赤川累:「……」当時も、こうやって追求した覚えがある。全国に行くほどの選手で、泳ぐ事も大好きだったあいつが辞めた事を。
浅木澪央:「そりゃあ今でも好きだよ。この季節なら毎日学校帰りに泳いでるし」
有島まひろ:はらはらと3人を見ている。
赤川累:その時は結局、どこまでもはぐらかすような答えだったけれど。
浅木澪央:「でもほら、別に部活でやる必要はないかなーっていうか」
浅木澪央:「UGNでも、オーヴァードアスリートは一般人とは別枠なんでしょ?」
浅木澪央:「色々面倒だし……そもそも」
浅木澪央:「どの道、本土の大会にはもう出れないしね」水平線の向こうを見つめながら言う
斗星朔夜:黄金色の瞳でじっと覗き込む。「出たいですか?」
斗星朔夜:「出られるものなら」
斗星朔夜:大会に、という意味か。あるいは別の意味か。主語の無い問い。
浅木澪央:「んー……どうだろ」なんとなく眼を合わせづらい素振りで
浅木澪央:「どっちでも良いかな。私、なんだかんだこの島が好きだから」
赤川累:「……おい、それって」
浅木澪央:「ここにいられなくなるくらいなら、このままでもいい」
赤川累:「本土の大会には出れない、って……お前」
赤川累:「この島から出ちゃいけないのか? ……その、家の事とかで」
浅木澪央:「……………」
浅木澪央:「……そういうんじゃないよ。……ていうか」
浅木澪央:ぐい、と累くんの襟首を引き寄せて、内緒話の姿勢へ
赤川累:「……何だよ」
浅木澪央:「……ねえ、朔夜ちゃんとなんかあった?」
赤川累:「……」少し応答に迷って。……その反応だけで、付き合いの長い浅木さんには察する物があるかもしれないが
浅木澪央:「……あーはいはい」その反応を見て
赤川累:「……告白された」端的に伝える。
浅木澪央:「まああんまりしつこくすんなよ。さっきからデレッデレしちゃっ……」
浅木澪央:「……って………」
浅木澪央:「……こっ……こここ」
浅木澪央:「告白!!!!????」つい声が大きくなる。
斗星朔夜:「あっ」顔を赤くして。
斗星朔夜:「こら!」赤川くんの頭をひっぱたく。
赤川累:「うっ」
斗星朔夜:「二人でこそこそ話してると思ったら……そういうこと人に言います!?普通!」
浅木澪央:「さ、朔夜ちゃん……いいの?」
浅木澪央:「助けられた弱みで脅されたりしてない?」昨夜の肩を掴む
斗星朔夜:「ち、違いますよ!」かぶりを振って。
斗星朔夜:「なんていうか……その……」目を逸らし
赤川累:「ちょっと、落ち着けって澪央」
斗星朔夜:「僕から告白した……っていうか……」徐々に声は小さくなる。
浅木澪央:「朔夜ちゃんは会ったばっかりだから知らないかもしれないけど、こいつ結構スケベだよ?」
浅木澪央:「見たまんまの頭でっかちだし……いちいち一言多いし、それに……」
浅木澪央:「…………」
赤川累:「スケ……」
浅木澪央:「そ、そっか……」手を話す
有島まひろ:「みんなー、いいかしら~?」
有島まひろ:能天気な声がみんなの会話を割る。同時に、ボートのスピードが緩んでいく。
有島まひろ:「そろそろ、”鏡石”に着きそうなの。この辺で、ちょっと情報を整理しなおそうと思って……」
斗星朔夜:「あっ、そうですね!そうしましょう!」
赤川累:「あ、はい……」
浅木澪央:「あ………」遅れて顔を上げて
浅木澪央:「は、はい……そうですね」
有島まひろ:「まずは皆で島を守らなくっちゃ」振り向いて微笑む。
有島まひろ:「なあに、あとでまひろさんも混ぜてねえ」
浅木澪央:「あはは……」力なく笑う
有島まひろ:「えっと、それで、出発する前に話してたことを振り返る形になるけれど」
有島まひろ:「今回の怪魚事件だけど…怪物化した人間は、レネゲイドの濃度が低くて」
有島まひろ:「レネゲイドに汚染されているのは、やっぱりこの島の海水だった…ってことね」
有島まひろ:「運転しながら思ったんだけど」首を傾げる。「この島の人って、海水を生活水に使ってるのかしら?」
浅木澪央:「……殆どの家の水道は、本土からのパイプラインを通ってきた水が供給されてます」
赤川累:「……」頷いて。「……うちの家も、そうでした」
有島まひろ:「ああ、なら大丈夫か…」
斗星朔夜:「良かったですね~」
浅木澪央:「けど、古い家なんかは海水を濾過して使ってるとこもあって、そういう人は汚染が進んでいるかもしれないです」
赤川累:あ、すいません今の取り消し!
斗星朔夜:「ええ?それってー……ヤバくないですか?」
有島まひろ:「…良くなかったわね」ため息。
浅木澪央:「それに、この島の人はみんな近くの海で取れた魚を食べてるから」
浅木澪央:「魚の中で蓄積されたレネゲイドは、殆どの人が取り入れてると思います」
赤川累:「……」その推論を聞いて、ぽつりと。「うちにも、海水の淡水化装置がありました」
赤川累:「父の進行が早かったのは、多分……」
有島まひろ:「……そう」
斗星朔夜:「累……」その手を握る。
赤川累:「……ありがとう。大丈夫だ」
浅木澪央:「………」
浅木澪央:「……えと、一先ずですけど」
有島まひろ:「うん」
浅木澪央:「島の人には、カヴァーストーリーを流してくれるってUGNの人……ミリアさんでしたっけ?彼女が通信で言ってました」
浅木澪央:「ちょっと無理があるけど、近くでタンカーが挫傷したことにするって」
斗星朔夜:「うわ~、大掛かりですねえ」
斗星朔夜:「UGNも大変ですねえ」しみじみと言う。
有島まひろ:「……」ミラー越しに澪央ちゃんの表情を見ている。
浅木澪央:「漁港のおっちゃんたちとはひと悶着あるだろうけど、北見先生からも呼びかけてもらえれば、暫くは水や魚を口にする人は出てこないはずです」
赤川累:「……それで、その座礁が"起きた事になる"場所が」
赤川累:「いま向かっている"鏡岩"って訳だ」
浅木澪央:「うん。誤魔化しが効いてる間に、異変の大本を叩かないといけない」
GM:鏡岩は島からもその姿を見ることの出来る巨大な奇岩だ。鏡面めいて切り立ったその形状が名の由来と言われている。
赤川累:「ポイントごとの奇形魚の獲れた数や、海流を分析するに……この汚染の起源になってるのが、その辺りらしい」
有島まひろ:ボートはゆるゆるとスピードを下げたまま、鏡岩の周囲を走っている。
GM:海上を見ただけでは、周囲には何の異変も見受けられない。
GM:やはり海中を調べる必要があるだろう。
浅木澪央:「……けど、ちょっと納得できないことはあるんだよね」
斗星朔夜:「というと?」
有島まひろ:「納得できないこと?」
浅木澪央:「私、これでも浅葱島を管理してきた巫女だからね。島の主だったレネゲイドスポットは把握してるの」
浅木澪央:「鏡岩はご先祖様の代からそんな兆候なかったし、ほんの数ヶ月前の巡回でも特に異常はなかった」
有島まひろ:「…なるほど」
赤川累:「自然に起きた現象ではない、って事か」
斗星朔夜:「一体何が原因なんですかね~」
有島まひろ:「FH…コピーキャットが関連してるのかしら」
赤川累:「例の"コピーキャット"だかが、ここに何かを仕掛けたか……」岩の方を見遣る。「見た感じ、異変はないけれど」
浅木澪央:「外から来た誰かが関わっている……という可能性は、あると思う」
斗星朔夜:「……」
有島まひろ:「澪央ちゃん、何か心当たりがあるの?」
浅木澪央:「……実は、"コピーキャット"のエージェントから接触を受けました」
有島まひろ:「…あら」
斗星朔夜:「えっ!本当ですか!?」
赤川累:「なっ……」
赤川累:「大丈夫……だったのか」一応、同じFH側と認識されてはいるようだが。
浅木澪央:「診療所の、累のお父さんの件の直後にね。"シルバーパルサー"って奴」
浅木澪央:「何もなかったよ。缶詰勝手に食われただけ」
浅木澪央:「それで、そいつが言うには」
浅木澪央:「"コピーキャット"は島に危害を加える気はない、ということと」
浅木澪央:「"スターゲイザー"っていうヤバいオーヴァードを追ってきたらしい」
有島まひろ:」
有島まひろ:「スターゲイザー……?」初耳だ。
浅木澪央:「まひろさんも知らないんですね……」
斗星朔夜:「“スターゲイザー”……」
有島まひろ:「ええ。…朔夜ちゃんは?知ってる?」
斗星朔夜:「うーん……私、エージェントじゃありませんからねえ」
赤川累:(スターゲイザー……星を見る者)すこし考え込んで
斗星朔夜:「どんなオーヴァードって言ってました?その人」
浅木澪央:「どんな奴かは、聞いても要領を得なくてわからなかったんだけど、とにかくたちの悪い奴らしい。絶対関わるなって言われた」
赤川累:朔夜の方を一瞥。……まさか関係ないだろう、とかぶりを振って
斗星朔夜:「……え~?そんなたちの悪いやつを、どうしてその……“シルバーパルサー”さん?は」
赤川累:「分からない……FHのオーヴァード、って訳でもないのか? どこかのセルに所属しているとか」
斗星朔夜:「わざわざ追いかけてきたんですかねえ。復讐とかですかね?」
有島まひろ:「ううん、コピーキャットにとっては、いい獲物なんじゃない?」
有島まひろ:「強いオーヴァードの能力を得るセルなんでしょう」
浅木澪央:「本人が言うには、神様みたいなもんだって……居なくなった後のお宝を狙ってるとかなんとか」
赤川累:「神様……」
有島まひろ:「…こちらにはお宝とか思えなさそうねえ、なんだか」
斗星朔夜:「迷惑な話ですねえ」憤慨したように。
斗星朔夜:きっと島への迷惑を考えずに暴れようとする両者のことを言っているのだろう。
浅木澪央:「はい……」もう一度、まひろさんと朔夜ちゃんを交互に見て、意を決したように
赤川累:「……まあ、その話をそのまま信じる訳じゃないが。仮に事実だとするなら」
浅木澪央:「……そいつは何回か姿を変えてて、今は女の人の格好をしてるそうです」
赤川累:「数か月前からこの海を汚染していた犯人は、"コピーキャット"じゃなく"スターゲイザー"の方で」
赤川累:「"コピーキャット"はその足跡を追って後からやって来ただけ、って事か。……まあ、澪央の信用を得るために出まかせを言った可能性もあるが」
有島まひろ:「信用を得るための出まかせ……」言いながら、自分と朔夜ちゃんを交互に見やる。
有島まひろ:「で、私と朔夜ちゃんを疑わせようとしているなんて、ひどい話ね」
赤川累:「……女の格好。また漠然とした情報だな」
斗星朔夜:「ええ。その人、悪い人なんでしょう?信用できませんよ!」
浅木澪央:「……私もそう思ったんで、二人の事はそいつには言ってません」
浅木澪央:「けど、もし心当たりがあれば教えてほしいんです」
浅木澪央:「二人の他に、最近この島に来た女の人……狭い島だから、すぐ噂になるとは思うんだけど」
有島まひろ:「…いるわ。もう一人」
有島まひろ:「私が、この島に来たとき、外国人の女性と乗り合わせたの」
浅木澪央:「外国人、ですか……そんな人滅多に来ないのに……」
有島まひろ:「うん。ルキナっていう…芸能人。派手な見た目だったから、それこそ島で噂になってるかもしれない」
斗星朔夜:「ルキナ……外国人……それって……」累に目を向ける。
浅木澪央:「ううん……累は何か聞いてない?学校とかでさ」
有島まひろ:「赤いコートを着てて…。仕事とは言ってたけど、芸能人が一人で来るのかしら、って思ったの」
赤川累:「外国人……」あ、と声を漏らして。
有島まひろ:「ん?」
赤川累:「派手な見た目って、もしかして」
赤川累:「赤いコートを着て、ブロンドの……」
有島まひろ:「あ。そう、そうそう」
斗星朔夜:「会いました……その人!あれ、言ってませんでしたっけ!」
斗星朔夜:「襲われたんです、僕達!」
有島まひろ:「えっ」目を丸くする。「ええ!?」
浅木澪央:「……え!?初めて聞いたんだけど!?」
赤川累:「……ええ。すみません……伝えようと思っていたんですが、すぐに父の事があって」
有島まひろ:「だ、大丈夫だった…? ケガは?」
斗星朔夜:「僕、危うく殺されかけたんです。累が守ってくれて……」
斗星朔夜:「とっても怖かったです」
赤川累:「幸いにも、掠り傷くらいで。……確か、彼女は」あの女性の言動を思い返して
赤川累:「俺ではなく、朔夜さんを狙っていたようでした」
浅木澪央:「朔夜ちゃんを……?」
有島まひろ:「…知り合い…ってわけじゃ、ないでしょう?」
斗星朔夜:「ルキナって人のことは全然知りません!」
斗星朔夜:「いきなり襲ってきて……びっくりしました……」
有島まひろ:「そっか」顔をしかめる。「UGNだってバレてたのかしら」
斗星朔夜:「そうかもしれませんね……あれが“スターゲイザー”だとしたら、怖いですねえ」
浅木澪央:「…………」
浅木澪央:「……つーか」
浅木澪央:スパンッ!と累くんの頭をはたく
赤川累:「うわっ」
浅木澪央:「そこまで分かってんだったらちゃんと話しなさいよ!また朔夜ちゃんを襲ってきたらどうするつもりだったの!」
赤川累:「……悪かった。返す言葉もない」
斗星朔夜:「あ……お、怒らないでください!僕が言えばよかったんです!」
斗星朔夜:「ただでさえ、あんな事があって……他のこと考える余裕なんて、なくて当然ですよね」
斗星朔夜:「ごめんなさい。僕がしっかり伝えていれば……」
浅木澪央:「ほんっとアンタは昔っからさー……」
浅木澪央:「……………」
赤川累:「……それこそ、君が謝る事でもない」
有島まひろ:「……まあ、でも、これで状況は分かったわ」ため息。
浅木澪央:「………いや、こっちもごめん。累も大変だったもんね」
赤川累:「思い出したくもない出来事だっただろうし。……いや、澪央の言う事も最もだ」
有島まひろ:「スターゲイザーに気付かれる前に、早く調査を済ませた方がいい」
斗星朔夜:「そ、そうですね…… ……あの、それで」
赤川累:「お前の言う通り……皆に伝え損ねたせいで彼女が傷ついていたら、俺自身もっと後悔しただろうし」
斗星朔夜:周囲の海を見渡し。「どうやって調べるんですか?」
浅木澪央:「はい……とにかく、誰が関わっているにせよ、原因を突き止めないと……」
赤川累:「……ええ、そうですね」
有島まひろ:「それなんだけど」朔夜ちゃんに頷く。
浅木澪央:「…………」暫く海を見つめて
有島まひろ:「澪央ちゃんに、お願いしたくて」
浅木澪央:パンッ、と頬を叩いて前を向く。
浅木澪央:「はい、まひろさん!」
浅木澪央:「そのつもりで来てます。この中で一番深く潜れるのは私ですから」
赤川累:「……」今の所、それが最適だろうと言うのはわかる。自分が代わりにやると言った所で、役に立てるはずもない
斗星朔夜:「潜るんですか?直接……危なくないですか?」
浅木澪央:「猗蛇祇神社の巫女さんを舐めてもらっちゃあこまるなあ」ちっちっちと指をふる
浅木澪央:「例え汚染されてようと、島の海が私に牙を剥くなんてありえないよ。任せて任せて」
有島まひろ:「……澪央ちゃん」手を伸ばす。
赤川累:「……変に誤魔化さなくていい。危ないもんは危ないだろ」
有島まひろ:澪央ちゃんの手を握りたいです。
浅木澪央:「わっ……」その手を温かい感触が包みこむ
浅木澪央:「まひろさん?」
有島まひろ:「うん…」ぎゅっと握る。「…まひろさん、ここで待ってるからね」
有島まひろ:「気を付けてね」
赤川累:「危険だと分かった上で、こっちは任せるしかないというか……だから、なんだ」
赤川累:「身の危険を感じたら、すぐにこっちに引き上げろよ」
斗星朔夜:「澪央さん。ここで待ってますからね」
赤川累:「そうすれば、ここにいる皆が手を貸してやれる。……今のお前はもう、一人で戦ってるんじゃない」
浅木澪央:「………うん」まひろさんの手を強く握り返して
有島まひろ:「………」困ったように笑って。
浅木澪央:「うん、大丈夫」水底へと視線を伸ばす。
有島まひろ:「うん」背中を撫でるようにして一緒に水底を覗き込む。
有島まひろ:(澪央ちゃん)それで小さく囁く。
有島まひろ:(男の子って、勝手ね)
有島まひろ:(いろいろ終わったら、また秘密のお話しましょ)
有島まひろ:笑って、そっと送り出すように背中を撫でる。
浅木澪央:「…………」その言葉に、少しだけ目尻を潤ませて
浅木澪央:こくり、と小さく頷く。
有島まひろ:「ふふ」
有島まひろ:「行ってらっしゃい」
浅木澪央:「……はい。行ってきます」誰かに面と向かってこの言葉を言うのは、久しぶりな気がした。
GM:海面は穏やかで、君の知る海と何も変わらないように見える。
GM:だがその中で何が起きているのか。こうして船の上から眺めるだけでは、何も分からない。
GM:もしかしたら、既に海底では怪物の群れが泳ぎ回っているのかもしれない……そんな不気味な静けさがある。
浅木澪央:「よーっし!」そんな不穏さを露ほども感じない素振りで
浅木澪央:靴を勢いよく放り投げて、制服のブラウスとスカートを脱ぎ捨てる
浅木澪央:予め着込んでいた競泳水着に、抜身の木剣を握りしめて
浅木澪央:「とおおおぉりゃぁあああああ!!!!!!!」
浅木澪央:ボートの甲板いっぱいに助走をつけて、海の底へと飛び込んでいった。
GM:海は青く澄み切って、美しい珊瑚礁を色とりどりの魚たちが泳ぎ回る、楽園めいた幻想的な光景が広がっている。
GM:やはり君のよく知る浅葱島の海だが、よく見れば、魚たちの一部は身体の節々が奇妙に変形している。
GM:異変がこの辺りから広がっているのは間違いないだろう。とはいえ、それ以外には一目見て分かるような異常はない。
GM:もっと深く──海底まで探してみる必要がありそうだ。
浅木澪央:魚たちの様子を一瞥し、更に海の底へと潜っていく。
浅木澪央:陽光を反射して淡く光っていた海底が徐々に暗くなり、視界が群青に包まれていく
浅木澪央:島の巫女としての使命も、浅木澪央個人の恋も、海の底では身を沈める重荷でしかない
浅木澪央:心を軽く、ただ自分の心臓の音だけに集中する。
浅木澪央:今となっては記憶している中で数少ない、母の教えだ。
GM:……やがて君は、海の底にそれを見つける。
GM:一瞥しただけでは、ただの珊瑚かと見間違えただろう。
GM:だがそれは、海底の白砂に鎮座して、不吉な……自然物ではあり得ない赤く鈍い光を放っている。
GM:それは、骨だ。
浅木澪央:「……!」驚愕に息が僅かに乱れ、口の端から泡が漏れ出す。
GM:恐らくは人骨。指を含む掌の骨らしきもの。
GM:白いはずのそれは節々が赤く染まり、脈動するように明滅している。
GM:君はそれから、強いレネゲイドの気配を感じるだろう。恐らくはそれこそ、一連の異変の原因だ。
浅木澪央:「………」骨の周囲を確認する。簡単に撤去できるものか……
GM:骨は固定もされず、ただ海底に転がっているだけだ。恐らくは設置すらしていない。海上から放り込んだものだろう。その気になれば簡単に取り除ける。
浅木澪央:「………」手に持っている木剣で何回か突付き、異変がないのを確認して
浅木澪央:その骨に、恐る恐る手を伸ばす。
浅木澪央:赤く発光する人骨を、その手に掴もうとする。
GM:触れてみても、強烈なレネゲイドを感じる──君は知らないかもしれないが、ジャームのワーディングに近い──を感じるだけで、大きな異常は起こらない。重さとしても、君一人で問題なく持てる程度だ。
浅木澪央:「………」ほっと胸を撫で下ろし、骨を抱えて海上に上がっていく。
斗星朔夜:「……あ、戻ってきましたよ!」
有島まひろ:「!」身を乗り出す。
赤川累:「……! 澪央!」
浅木澪央:「ぶはっ!!みんなー!!なんかあったよー!!」
浅木澪央:大きく息を吸い込んで、引き上げた骨を掲げて見せる。
有島まひろ:「良かった…」ほっと胸を撫でおろす。
赤川累:「怪我はない……んだな? その骨は……?」
GM:正規エージェントである有島さんは、その骨を見て分かることがあります。
有島まひろ:なんだろう
GM:放たれているレネゲイド、その赤い輝きは、恐らくそれそのものではありませんが、“賢者の石”に極めて近い性質のものだと分かります。
有島まひろ:(……あれは)
浅木澪央:「よいしょっと」凄まじい速さでボートまで漕ぎ着き、甲板にそれを置いて
浅木澪央:「すんごい濃いレネゲイドを発してるけど、すぐ何かあるってわけじゃないみたい」
浅木澪央:「まひろさん、これ何かわかりますか?」自分もボートに上がりながら
斗星朔夜:「……骨?ですよね?これ」
有島まひろ:「…ん、んん…」
有島まひろ:「”賢者の石”って呼ばれるEXレネゲイドに近いもの、だと思う」
赤川累:「……人骨だろうな。恐らくは、オーヴァードの……」
浅木澪央:「賢者の……石……」
有島まひろ:「そうね」累くんに頷く。「高濃度のレネゲイドウイルスが、この骨の中に詰まってる」
斗星朔夜:「そんなものが海の中にあったってことですか?」
有島まひろ:「通常、賢者の石は、適合者のレネゲイドを爆発的に活性化させるんだけど──」
有島まひろ:「……そうね」澪央ちゃんに。「これ、どうやって見つけたの?」
浅木澪央:「海底に落ちてました。こう、ポイッと放り込んだみたいに無造作に」
有島まひろ:「……普通、偶然こんなものが落ちてるとは考えづらいわ」
有島まひろ:「誰かが、放り込んだんでしょう」
浅木澪央:「…………そう、ですよね。やっぱり」
有島まひろ:「いま、一番可能性が高いのは、スターゲイザー…ってことになるのかしら」
赤川累:「すると、この骨がまさに"コピーキャット"がありつこうとしている"落とし物"って訳ですか」
有島まひろ:「そう考えるのが自然ね……」
GM:────その時。
GM:君達全員を、凄まじい重圧感が襲う。
赤川累:「っ、……!?」
GM:全身のレネゲイドが無理やりに共鳴・励起され、衝動が掻き立てられる感覚。
GM:≪ワーディング≫だ。
浅木澪央:「……っ!?」
有島まひろ:「……!」
有島まひろ:周囲を見回す。
浅木澪央:「ぐぅ……!一体何処から……!?」
GM:発生源は浅葱島の方向。沖合の君達まで届くほどの規模。明らかにジャーム級の出力だ。
赤川累:「っ、ぐ……!」焼け付くような痛みの走る右腕を、押さえつけながら
浅木澪央:「……ヤバい!島が!!」
斗星朔夜:「これ……戻ったほうがよくないですか?」
赤川累:「……!」島の方へと振り返る。「何が……」
有島まひろ:翻すように操縦席に座って、猛スピードでボートを発進させます。
浅木澪央:「まひろさん!」
有島まひろ:「分かってる!」
有島まひろ:「しっかりつかまってて…飛ばすわよ!」
有島まひろ:水面をかき分けるようにして、猛然とボートが島へと進んで行く。
浅木澪央:「はい!」傍らにあった累くんの袖をつかもうとして
浅木澪央:「………」そっと手を引き、手すりを握る。
浅木澪央:「お願い……間に合って……」島の方向を睨んで、祈るようにこぼす。



GM:シーン終了。ロイスと~事前に買ってたってことで購入もOKです
有島まひろ:あ、前のシーンで買った応急手当を累くんに渡します。
有島まひろ:ロイスはなし!
赤川累:あっありがとうママ~ そう言えば自分もいっこ持ってた
赤川累:2d10+21 とりあえず貰った方を使います
DoubleCross : (2D10+21) → 16[10,6]+21 → 37

赤川累:全回復!
有島まひろ:よかった!
浅木澪央:ロイスはなし!
赤川累:ので自分が持ってたやつは澪央ちゃんにあげよう
有島まひろ:ブルーゲイルでも狙ってみようかな
有島まひろ:3dx>=20
DoubleCross : (3R10[10]>=20) → 7[4,5,7] → 7 → 失敗

有島まひろ:ダメ— おわりです
浅木澪央:やったー!累っていいヤツじゃん!
浅木澪央:早速使うね
浅木澪央:22+2d10
DoubleCross : (22+2D10) → 22+9[1,8] → 31

浅木澪央:全快!
赤川累:こっちもブルゲ狙おうかな
浅木澪央:医者の卵は伊達じゃないな
赤川累:澪央にしてはやけに褒めるじゃん
赤川累:4dx>=20 ブルゲ買うわよ~
DoubleCross : (4R10[10]>=20) → 10[4,4,8,10]+8[8] → 18 → 失敗

有島まひろ:惜しい!
赤川累:あっちょうど財産2点あるから……買える!
赤川累:誰が持つのがいいかな
赤川累:財産2->0 買いました
浅木澪央:うーんじゃあ何買おう
有島まひろ:防具ある?
浅木澪央:順当に防具買うのが一番かな
有島まひろ:それでいいんじゃないかしら
浅木澪央:ボデマ狙います
浅木澪央:4dx+1>=12
DoubleCross : (4R10+1[10]>=12) → 10[2,5,8,10]+5[5]+1 → 16 → 成功

有島まひろ:おお!優秀!
浅木澪央:やった!装備装備!
有島まひろ:ブルゲは累くん持ってて、敵に先手取れたらラッキ~な感じかしら
赤川累:じゃあこのまま持ってる!
有島まひろ:持ってて持ってて!



【Climax】

GM:クライマックスシーンです。全員登場。
赤川累:赤川累の侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:95->104)
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+6(1D10->6)(侵蝕率:82->88)した
有島まひろ:1d10+83
DoubleCross : (1D10+83) → 8[8]+83 → 91


---

GM:上陸すると、島からは既に火の手が上がっていた。
GM:そこら中から悲鳴と怒号が聞こえてくる。ワーディングは未だ止まず、そして、何より異様なのは。
GM:死体だ。ジャームに殺されたと思わしき島民、そして、異形のジャームと化した島民の骸が、あちこちに転がっている。
GM:ジャームは皆一様に、身体を大きく裂かれたり、穴を空けられたりして死んでおり
GM:それはまるで、内側から何かを無理やり引きずり出したかのように見える。
赤川累:「な……」
浅木澪央:「何……これ……」燃え落ちる家々、転がる屍、慣れ親しんだ島民達のそれを呆然と見つめる。
赤川累:「こんな、事が……」
GM:血の海に混じって、小さな足跡が続いている。
GM:それを追うに連れ、ワーディングの発生源にも、次第に近付いていく感覚がある。
斗星朔夜:「ひどいですね……!」
斗星朔夜:「まるで地獄絵図です……!どうしてこんなひどいことに……!」
赤川累:(……クソ、落ち着け……パニックになるな……)血の匂いの漂う道を歩きながら、自分に言い聞かせて
赤川累:歩きながら考える。父さんと同じように、皆も間に合わなかった……初めはそう思った。でも、本当にそれだけでこの惨状になるか?
浅木澪央:「坂井のおっちゃんに……あっちは、井波のおばちゃん……」異形と化した屍の中に、僅かにその身に残ったかつての残滓を見つけて
浅木澪央:「……そうだ、薫」
有島まひろ:「…まだ生き残ってる人がいるかもしれない。早く事態を解決しましょう」
赤川累:「……そう、ですね」有島さんの言葉が正しい。まだ間に合う人が、何処かにいるはずで。
浅木澪央:「……行こう」
浅木澪央:「(薫、お願い。せめてアンタは無事でいて……)」
GM:君達は凄惨な屍山血河の中をワーディングの中心に向かい、そして、それを目にする。
GM:────ぺた ぺた ぺた
GM:コンクリートで舗装された道を、裸足の少女が歩いていく。
GM:倒れ伏した、半魚人めいた異形……ジャームの胸に腕を突き入れ、臓物と共に『それ』を引きずり出す。
GM:それは赤く発光する、ごくごく小さな……砂金ほどの粒。
北見菫:「ふふっ」
北見菫:少女────北見菫は、血塗れの顔で笑って、その粒を大事そうに小瓶にしまう。宝物のように。
北見菫:小瓶には既に幾つもの粒が溜まっている。恐らくはその全てが、ジャーム化した島民から摘出したもの。
有島まひろ:「……っ!?」傍らの二人に視線を走らせる。
浅木澪央:「ああ、いた!すみ……」その人影を見て、一瞬だけ安堵の表情を浮かべた後に
浅木澪央:「………菫?」
赤川累:「……北見さん」
赤川累:「何を、しているんだ」
北見菫:「あれ?」首を傾げる。
北見菫:「三人とも、無事だったんだ」
赤川累:動揺はしている。彼女の振る舞いは明らかに異常で、父と同じように「戻れなく」なったのかもしれなくて。
赤川累:それでもかろうじて平静を繕えたのは、ここに来るまでに目に入った何人もの知人の骸があったからだ。
赤川累:ひどい慣れだ。……自分でもそう思うけれど。
北見菫:「良かったー。澪央たちはあんまり殺したくなかったから」
北見菫:「逃げた方がいいよ?この辺、危ないから」
浅木澪央:「殺す……って……」急激に口の中が渇いていくのを感じる。周囲の炎のせいではない。
浅木澪央:「す、菫こそ……こんなとこに居たら危ないって……」
北見菫:「私?私は大丈夫だよ」
北見菫:血に染まった顔で平然と話す。穏やかな笑みすら浮かべている。
赤川累:「……"澪央たち"は殺したくなかった、って」
赤川累:「その中には、どこまで入ってる」
北見菫:「赤川くんだって、一応友達だし?この島ではマシなほうだし。」
北見菫:「そっちの有島さんと斗星さん?も、外から来た人だもん。関係ないじゃん」
赤川累:「……坂井さんは、久川さんは、山本先生は」
赤川累:「ここに来るまでに見た、胸を抉られて死んでいた島の人たちは」
赤川累:「殺しても良かった側なのか?」
赤川累:「だから、そうしたのか?」
北見菫:「んー……」顎に手をやって。
北見菫:「まあ、そうかな」
北見菫:「嫌いだし。この島の連中」
赤川累:無意識に拳を握り固めたまま、じっと目の前の少女を見据える。
浅木澪央:「ね、ねえ菫……嘘だよね……?」今にも泣きそうな表情で
北見菫:「皆私のこと、余所者か、可哀想な子みたいな目で見るしさー」
北見菫:「大っ嫌い。こんな何も無い島」
有島まひろ:「…あなたの」
有島まひろ:「あなたのお父さんが、悲しんじゃうわよ。そんなこと言ったら」
有島まひろ:脳裏にこびりついている。娘のことを話すあの優しげな瞳が。
北見菫:「そんなことないですよ。お父さんはいつでも私の味方だから」
北見菫:「だよね?お父さん」
北見耕三:ずるり、と。
北見耕三:その言葉に応えるように、物陰から何か巨大なものが姿を現す。
北見耕三:……鯱。
北見耕三:そう見紛うような、つるりとした黒く巨大な身体。深く裂け、牙の並んだ顎。
浅木澪央:「そんな………北見……先生まで…………」
北見耕三:恐らくは北見耕三……だったものが、菫を守るように寄り添う。
有島まひろ:「………!」
赤川累:「っ……」その姿を見て、再び少女に向き直って
赤川累:「……それはもう、君のお父さんじゃない」
赤川累:「違うんだ」静かに首を振る。
北見菫:「何言ってんの?赤川くん」怪訝な顔をして。
北見菫:「お父さんはお父さんじゃん」
北見耕三:「……」
北見耕三:菫に身体を撫でられながら、牙を軋ませて君達を見据える。
有島まひろ:菫ちゃんの身体を注視する。何か今までと変わった様子はあるでしょうか。
GM:外見的には特に変化はありません。島の住人のように異形化している様子も無い。
GM:ただ、小瓶に集めている小さな粒は、先ほど見た人骨、そして“賢者の石”に近い輝きを放っています。
北見菫:「この島の連中とは、違うの」
北見菫:「私は“特別”だから。そう教えてもらったんだ」陽の光に赤い粒を透かして見る。
有島まひろ:「……教えてもらった? 誰に?」
北見菫:「ふふ!」嬉しそうな笑みを見せて。
北見菫:「天使様ですよ」
浅木澪央:「天……使……?」
北見菫:「私、毎日祈ってたの。病気が治りますように、この島から出ていけますように、って」
北見菫:「そうすれば、もうお父さんを私のせいで、こんなところに縛り付けておかずに済むでしょ?」
赤川累:「……そう騙った奴がいたんだろ」忌々し気に呟く。
北見菫:「そうしたらね、声が聞こえてきたんだ」
北見菫:「すごく綺麗な声だった。頭の中に直接、私だけに響いてきて……」
北見菫:陶酔するように目を閉じる。
北見菫:「この赤い宝石を集めなさい、って」
北見菫:「そうすれば、私の身体は治るんだって」
北見菫:「見て!」
北見菫:裸足のまま、血の海でくるりとターンし、黒髪とスカートをふわりと翻す。
北見菫:「私、こんなに元気になったの!」
有島まひろ:「天使様が、力をくれたのね」
浅木澪央:「………まひろさん、あの石ってやっぱり……」視線を菫から離さないまま
有島まひろ:「……ええ。海で見つけたあの骨と同じものでしょう」
浅木澪央:「…………」
斗星朔夜:「あの骨は遺産管理局の指定外遺産ですよ」
斗星朔夜:口を開く。
有島まひろ:「!」朔夜ちゃんを見ます。
赤川累:「遺産……?」
浅木澪央:「……朔夜ちゃん?」
斗星朔夜:「元“賢者の石”適合者の遺骨です。その力を数十年使い続けて、魂の芯まで石の力に染まった上で、ジャーム化した」
斗星朔夜:「そうなると、文字通り骨の髄まで変質しきって、遺骸そのものが更なる賢者の石を求め、周囲をレネゲイドで汚染して……」
斗星朔夜:「要するに、周囲の生物の体内を『濾過装置』に変えて、新たな石を作り出すようになるんです」
浅木澪央:「………よく……」背筋に怖気が走る
斗星朔夜:「まあ、まだレネゲイドの拡散から20年程度の『ここ』では、そうそう生まれようがない遺産ですよね」
浅木澪央:「………知ってるんだね……さっきはそんな素振り……」
浅木澪央:「……『ここ』では?それってどういう……」
斗星朔夜:「僕、ちょっと詳しいんですよ~。そういう能力なんです」
GM:話している間にも、遠くから聞こえてくる悲鳴は止まない。今も次々と、島内では新たなジャームが生まれ続けている。
北見菫:「……そろそろ行かなきゃ。これ、まだまだ沢山集めないといけないんだよね」
北見菫:「……どいてくれる?」
赤川累:「……つまり、北見さんをけしかけたのは」
赤川累:「その骸に残っていた思念……って訳か?」
斗星朔夜:「それはどうでしょう。あの遺産にそこまでの機能は無いと思いますが……」
北見菫:周囲に君達の気配を察知したジャーム達が次々と集まってくる。菫が一歩踏み出す。
有島まひろ:「分からないわ」
有島まひろ:「……分からないのよ」
浅木澪央:「………菫。一つだけ答えて」
浅木澪央:「いつから?」
浅木澪央:「いつから……アンタはそうなって」
浅木澪央:「島の皆が化け物になってくのを、いつから黙って見てたの?」
北見菫:「『そうなって』?」不思議そうな顔をするが、
北見菫:「天使様の声が聞こえたのは、少し前。おかしな魚が獲れるとかで、お父さんが忙しくなって……しばらくした頃」
北見菫:「でも、この島が嫌いなのは……」
北見菫:「最初からだよ」
浅木澪央:「そっ……か………」小さく俯いて
浅木澪央:どさっ
浅木澪央:背負っていた袋を解き、その中に収められていた木剣を構える。
浅木澪央:「……気付いてやれなくてごめん」
浅木澪央:「けど……私は」
浅木澪央:「この島のことが大好きだから」
浅木澪央:「菫のことも……大好きだから」
浅木澪央:「この先には行かせられない」
浅木澪央:柄を握る手に力を込めて
浅木澪央:「……ごめん」
北見菫:「……なんでよ」
北見菫:「行かせてよ。私は身体を治したいだけなの」
北見菫:「どいてよ」
浅木澪央:「どけないよ」
北見菫:「友達じゃないの?私達」
浅木澪央:「友達だから、止めてるんだよ」
北見菫:「……」
浅木澪央:「菫の身体を治す方法は、私が絶対探してみせる」
浅木澪央:「島の皆を犠牲にするなんて間違ってるよ……」
浅木澪央:「お願い、菫」
浅木澪央:「まだ引き返せる。ううん……もし手遅れだったとしても」
浅木澪央:「私が絶対守るから。だから……」
浅木澪央:「……わかってよ。菫……!」切っ先が震えている
北見菫:「……絶対なんて言葉、簡単に言わないで」
北見菫:「私の味方はお父さんだけ。ずっとそうだった。これまでも……これからも」
北見菫:「行こう、お父さん」
北見菫:「私達の幸せの、邪魔はさせない」
GM:少女の声に応えるように、漆黒のジャームが咆哮する。
GM:クライマックス戦闘を開始します。
エンゲージ []内は行動値



北見菫[11]北見耕三[5]

(5m)

赤川累[12]浅木澪央[5]有島まひろ[5]


(5m)

魚人ジャームA、B[13]

GM:菫が更に強烈なワーディングを放ち、周囲のジャーム化を促進させ、同時に君達の衝動を掻き立てる。
GM:衝動判定、難易度9です
赤川累:6dx>=9
DoubleCross : (6R10[10]>=9) → 10[5,5,6,7,9,10]+2[2] → 12 → 成功

赤川累:赤川累の侵蝕率を+5(2d10->1,4)した(侵蝕率:104->109)
浅木澪央:3dx>=9
DoubleCross : (3R10[10]>=9) → 10[1,10,10]+10[5,10]+3[3] → 23 → 成功

浅木澪央:えっマジか
有島まひろ:澪央ちゃんすご!
有島まひろ:3dx>=9
DoubleCross : (3R10[10]>=9) → 7[6,6,7] → 7 → 失敗

有島まひろ:2d10+91
DoubleCross : (2D10+91) → 11[3,8]+91 → 102

有島まひろ:こちらは失敗!
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+10(2D10->9,1)(侵蝕率:88->98)した

GM:セットアップから。
有島まひろ:なし!
GM:そうだ NPCカードが使用できます

NPCカード
斗星朔夜
≪妖精の手≫+≪妖精の輪≫
判定振り直し+更に振り直し
シナリオ3回まで


GM:仲良く使ってね
有島まひろ:良い子だな~
浅木澪央:有能じゃん
赤川累:助かるわ~
赤川累:セットアップ、ブルーゲイル使用します。行動値と侵蝕+5
赤川累:赤川累の侵蝕率を+5した(侵蝕率:109->114)
浅木澪央:『身削ぎ祓』《スタートダッシュ》《フルディフェンス》《フルパワーアタック》 戦闘移動し菫のエンゲージへ。
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+11(侵蝕率:98->109)した
浅木澪央:100%を超えたので、ラウンド中リアクションの判定ダイス+6、攻撃力+20、行動値0で行動済みに。
GM:ヤバ
浅木澪央:更にデバウラーが覚醒。命中0、攻撃ダイス+2
浅木澪央:以上!
GM:では行動値17に上がって赤川くんから
赤川累:はい。マイナーで戦闘移動、ジャームたちのエンゲージへ
浅木澪央:あ、エネミーズのセットアップはなし?
GM:無いです!
浅木澪央:理解!
赤川累:メジャー、塵灰回帰/《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》《ブラストフォーカス》 対象ジャームA!
GM:判定どうぞ!
赤川累:10dx+1@7 命中!
DoubleCross : (10R10+1[7]) → 10[1,1,1,2,3,3,4,4,8,9]+10[3,7]+4[4]+1 → 25

魚人ジャーム:≪復讐の刃≫
赤川累:ゲェーッ
魚人ジャーム:9DX7
DoubleCross : (9R10[7]) → 10[2,2,3,3,4,5,6,9,9]+10[7,9]+10[3,9]+4[4] → 34

GM:ダメージどうぞ!
赤川累:3d10+38 装甲無視です。
DoubleCross : (3D10+38) → 6[2,1,3]+38 → 44

赤川累:やる気ないわねダイス君
有島まひろ:固定値すげ
浅木澪央:やったか!?
GM:その出目では身体が強いのでまだ死にません~
赤川累:ウゲェ~
有島まひろ:え~!ズルい!
浅木澪央:まじかよ
魚人ジャーム:死ね!復讐!
魚人ジャーム:4D10+8
DoubleCross : (4D10+8) → 19[4,8,5,2]+8 → 27

魚人ジャーム:やったか!?
赤川累:ジャスト死ぬわね!
GM:身体を鍛えていれば死ななかった
有島まひろ:累くーん
赤川累:北見先生にロイス取って即昇華。復活します
北見耕三:≪餓鬼魂の使い≫
浅木澪央:ちゃんと服着てれば……
赤川累:赤川累のHPを12にした(HP:27->12)
有島まひろ:エ!?
浅木澪央:おい医者!
北見耕三:≪ポイズンマスター≫効果も乗ってランク5邪毒を付与します
赤川累:やだ~
有島まひろ:ズルじゃん!
赤川累:赤川累の侵蝕率を+12した(侵蝕率:114->126)
GM:演出どうぞ!

浅木澪央:左手に携えた猗蛇祇神社の御神体、歪に捻じれた木剣。
浅木澪央:植物にあるまじき硬度を持つその切っ先に、右手をかざす。
浅木澪央:「"───掛けまくも畏き、伊祖久邪の大神"」
浅木澪央:「"伊豆の水無瀬の夜刀浦の猗蛇祇灘に 禊祓給ひし時に 生り坐せる祓穢土の大神たち"」
浅木澪央:さ く
浅木澪央:祝詞を唱えるとともに、掌を深く斬りつけ
浅木澪央:「……ッ」そこから吹き出した血液が、木剣を伝っていく
浅木澪央:「"諸々の禍事・罪・穢あらむをば 祓給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと 恐み恐みも白す"」
浅木澪央:血を吸った木剣が一度、大きく脈動したかと思うと
浅木澪央:節々から一斉に緑が芽吹き、瞬きの間に枝ごと枯れ落ちる
浅木澪央:「"───彌榮 彌榮 布留部降り 睦狂いなむ 九頭龍 宇迦舟来り 塞ぎ削ぐ!!!"」
浅木澪央:同時に菫達の元へと駆け出し、その剣を振るう。
北見菫:「……へえ」
北見菫:「様になってるじゃん、巫女さん」
浅木澪央:表面を覆っていた木剣が腐り落ち、中から姿を表したのは
浅木澪央:緋色に輝き、生きているかのように波打つ、鋼の刃。
浅木澪央:「……アンタに見せんのは初めてだったね」
浅木澪央:「菫、祭に全然顔出さないんだもん」
北見菫:「言ったでしょ?出さないんじゃない。出せなかったの」
北見菫:「これからは、違う」
浅木澪央:「そっか………」大きく息を吸って
浅木澪央:「累!こっちは任せて!しばらく遊んでっから!!」大声で後ろに叫ぶ
赤川累:「ああ、分かってる」応じながら、逆方向へ走り出す。
赤川累:「友達、だもんな」彼女がこうなってしまった事が、誰にも明かせなかった心の闇にあるのなら。
赤川累:きっと、まずは彼女が向かうべきだ。かけてやれる言葉も、想いも、自分よりずっと多い。
赤川累:そうして、目の前の人の形を留めない化物を見据えて。
赤川累:……じりじりと、骨の芯から焦げ付くような痛みが走る。
赤川累:一度死んで、オーヴァードになったあの日から
赤川累:異様な熱を孕むようになったこの右腕。その苦痛と共に
赤川累:響いてくる声がある。自分にしか届かない言葉。
赤川累:この《ワーディング》の圏界に入ってから、そして、変わり果てた北見親子と対峙してから
赤川累:その声は、さらに大きくなっている。
赤川累:"哀れだ" "救いようもない"
赤川累:"お前がやれ" "誰かの手を汚させるな" "お前の手で終わらせてやれ"
赤川累:「……何が神様だ。何が天使だ」北見菫が聞こえたのが、この類の囁きなのだとしたら。
赤川累:「俺は。そんなものには縋らないし、従わない」
赤川累:「俺が、そうすべきだと思ったから」足音が、飛んで
赤川累:「こうしてるんだ」低くした姿勢から、一息に踏み込んでいる、掌底めいた突きを怪物の腹部へと繰り出して
赤川累:衝撃、それから一手遅れて。抉るような熱が走る。モルフェウスに分類される物質解体。触れた物を灰へと変える力。
魚人ジャーム:「ギャアッ……アァアアアッ!!」甲高い悲鳴と共に、鱗に覆われた身体が灰へと崩れていく。
魚人ジャーム:だが、ジャームの生命はそれだけでは終わらない。獣じみた反撃。力任せに鉤爪と水掻きを備えた怪腕を振り回す。
赤川累:「っ……!」歯を食いしばり、二歩目を踏み出す。撃ち込んだ掌を更に奥へと押し込む動きは
赤川累:「ぐ、がっ……!」続かない。剛腕に跳ね飛ばされ、背中を打つ。
GM:赤川の負った傷口が、急速に腐蝕していく。鯱めいたジャームの口から、猛毒の呼気が周囲に放たれている。

GM:イニシアチブ13、魚人ジャーム2体の手番です
魚人ジャーム:Aは赤川くんに≪コンセントレイト:キュマイラ≫+≪獣の力≫+≪銘なき刃≫
魚人ジャーム:9DX7
DoubleCross : (9R10[7]) → 10[1,5,5,8,8,9,9,9,10]+10[3,3,3,6,8,10]+10[2,8]+10[7]+5[5] → 45

赤川累:ええ~回避!
赤川累:5dx+1>=45
DoubleCross : (5R10+1[10]>=45) → 4[2,2,3,3,4]+1 → 5 → 失敗

魚人ジャーム:ダメージ!
魚人ジャーム:5D10+15+8
DoubleCross : (5D10+15+8) → 24[10,3,4,5,2]+15+8 → 47

赤川累:どうあがいても死!父さんのロイスを切って蘇生します。
魚人ジャーム:Bは≪コンセントレイト:キュマイラ≫+≪飛礫≫
魚人ジャーム:対象は~
魚人ジャーム:choice[浅木,有島]
DoubleCross : (CHOICE[浅木,有島]) → 有島

魚人ジャーム:有島さん!
有島まひろ:げええ
魚人ジャーム:9DX7
DoubleCross : (9R10[7]) → 10[1,1,1,2,5,5,6,9,9]+10[4,7]+1[1] → 21

有島まひろ:暴走リア不!
魚人ジャーム:ダメージ!
魚人ジャーム:3D10+4
DoubleCross : (3D10+4) → 21[6,9,6]+4 → 25

魚人ジャーム:やったか……!?
有島まひろ:あっ6点残って生存!
魚人ジャーム:クソ~ッ
有島まひろ:時代は白兵型というわけね
浅木澪央:硬いぞまひろさん!

魚人ジャーム:ジャームは更に暴れ回り、倒れた赤川を踏み付ける。
魚人ジャーム:「シャアァアアッ……!」
魚人ジャーム:獣のそれと化した脚が、骨肉を抉り、踏み潰す。
有島まひろ:「累くんっ……!」
赤川累:「があ、っ……!」胸骨の折れる感触。漂う毒気のせいか、再生速度が今までより鈍っている事にも気付いている。
斗星朔夜:「累!」
斗星朔夜:「負けないで……!まだやれますよね!」
斗星朔夜:「頑張って……!」
赤川累:(これ以上は、まずい……!)力を振り絞り、血を吐きながら
赤川累:その足を右手で掴む。灼けるような熱が怪物の足首に走る。
浅木澪央:「………」背後に苦戦の気配を感じながらも、眼前の菫から眼を離さない。
魚人ジャーム:怪物は悲鳴を上げて距離を取る、が、同時。
魚人ジャーム:有島が赤川に気を取られた隙に、更にもう一体。崩れかけた家屋から、貝殻めいた甲殻に覆われたジャームが姿を現す。
魚人ジャーム:焼け落ちた家の、未だ炎が燻る巨大な木材を、有島に放り投げる!
有島まひろ:(ダメ。まだ、覚醒したばかりの男の子に……)
有島まひろ:(────ッ!)
魚人ジャーム:「ギィイイイッ!!」
有島まひろ:燃え滾った木材が頭を抉る。脳が揺らされるような衝撃とともに、視界が点滅する。
有島まひろ:「……っ! いいわ…来なさい! 遊んであげる!」
有島まひろ:血を流しながら、果敢に言い放つ。

GM:行動値11、北見菫の手番です
北見菫:マイナー≪白熱≫素手変更
北見菫:メジャー≪コンセントレイト:ブラム=ストーカー≫+≪鮮血の一撃≫+≪ブラッドバーン≫+≪ブラッドボム≫+≪クロスバースト≫
北見菫:対象浅木澪央!
浅木澪央:『禍津神楽』《復讐の刃》こちらのリアクションを放棄し、デバウラーで菫へリアクション不可の反撃。
北見菫:面白いじゃん
北見菫:12DX7+4
DoubleCross : (12R10+4[7]) → 10[1,1,2,4,4,4,6,7,9,9,9,10]+10[3,5,6,7,9]+10[7,8]+10[6,7]+1[1]+4 → 45

浅木澪央:やってやるぜ
浅木澪央:15dx7
DoubleCross : (15R10[7]) → 10[1,2,2,2,3,5,5,5,7,7,7,8,8,8,10]+10[1,2,2,5,5,9,10]+4[3,4] → 24

北見菫:ダメージ!
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+6(侵蝕率:109->115)した
北見菫:5D10+32+20
DoubleCross : (5D10+32+20) → 27[4,1,9,7,6]+32+20 → 79

北見菫:更に5D10点HPロスト
浅木澪央:うおおお!
浅木澪央:3d10+33 諸々有効
DoubleCross : (3D10+33) → 14[4,7,3]+33 → 47

北見菫:結構減るが健在!
浅木澪央:まず最初の攻撃で死亡
浅木澪央:シルバーパルサーのロイスを昇華してHP14で復活
浅木澪央:ここで《激情の早鐘》次のメインプロセス終了まで判定のC値を-1する。下限6
北見耕三:ダメージ時≪餓鬼魂の使い≫で邪毒5付与
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+4(侵蝕率:115->119)した
浅木澪央:最悪!
浅木澪央:更に5d10点のロスト
浅木澪央:12-5d10
DoubleCross : (12-5D10) → 12-28[1,3,5,10,9] → -16

浅木澪央:死!父親のロイスを昇華して復活!
北見菫:こちらも14点ダメージ受けます

北見菫:「澪央……」
浅木澪央:「菫……!」
北見菫:小瓶を手にした菫の片腕から血が噴き出し、即座に凍り付いていく。
北見菫:生み出されるのは、血と氷で形作られた禍々しい大槍。
浅木澪央:「くっ……」その様子を痛ましい表情で見つめる
北見菫:「あなたのことが、羨ましかった」
北見菫:「私と違って、健康で。いつも楽しそうで。私に無いものを全部持ってて────」
北見菫:「自由で」
浅木澪央:「……違うよ、菫」
浅木澪央:「私の自由は、檻の中で好きに歩き回れるってだけ」
浅木澪央:「本当は、アンタの方がずっと」
浅木澪央:「……自由になれるはずだったんだ」
北見菫:「……」
北見菫:「……なら、止めないでよ」
北見菫:「私はこのおりを壊して、自由になるんだから」
浅木澪央:「だから、止めるってば……」
浅木澪央:「アンタにかせを付けたまま行かせるわけにはいかない」
浅木澪央:「友達……だからね」
北見菫:「……!」ぎり、と唇を噛み、体勢を低くして突きを放つ。
北見菫:巨大な槍が、澪央の身体を貫く。一拍遅れて槍は弾け、枝分かれした氷と血の棘が、内部からその身体を串刺しにする。
浅木澪央:「ふっ……ぎっ……!ぐぅぅうあああ!!!!」
北見菫:「あなたに!何が分かるって言うのよ!!この島で生まれたあなたに!!」
浅木澪央:身体から突き出した杭と共に、鮮血が撒き散らされる。
北見菫:「全部全部、壊してやる……!こんな島、最初から無かったことにしてやる……!」
浅木澪央:「やめ……てよ」
浅木澪央:その血を浴びて、神剣が再び脈動する。
浅木澪央:「こんな……島でもさ……」
浅木澪央:「帰って来たいって奴が、いるんだから……!」
浅木澪央:ねじれた刀身を槍に突き立てる。同時に
浅木澪央:枝分かれした刃が触手のようにうねり、槍をズタズタに引き裂きながら
浅木澪央:それを持つ菫の腕へと瞬く間に喰らいつく。
北見菫:「うっ……あ、あぁあああッ!!」
浅木澪央:「……"貪るものデバウラー"って呼ばれてる」
北見菫:傷口から噴き出した鮮血が、再び渦を巻くように槍を形成していく。
浅木澪央:「FHうえが勝手につけた名前だけどね。そいつはあたしの血が大好物なの」
浅木澪央:「泥仕合なら負けるつもりはないよ。菫」
北見菫:「……澪、央…………ッ……!」
北見菫:怒りの眼差しで君を睨み付ける。

GM:イニシアチブ5、有島さんの手番です
有島まひろ:はーい!
有島まひろ:まずマイナー。《完全獣化》《ハンティングスタイル》《襲撃迷彩》。
有島まひろ:隠密状態になりながら5m移動。累くんとジャーム達のエンゲージに入ります。
有島まひろ:メジャーアクション。《コンセントレイト:キュマイラ》《渇きの主》《血に飢えた跳躍》。
有島まひろ:対象はジャームB!白兵攻撃します。
GM:判定どうぞ!
有島まひろ:15dx@8+2
DoubleCross : (15R10+2[8]) → 10[1,1,1,4,5,5,6,7,8,8,8,8,8,10,10]+7[1,5,5,5,5,6,7]+2 → 19

有島まひろ:あっ
有島まひろ:待って!C値まちがえたので振り直していいですか?
GM:いいですよ!
有島まひろ:すいません!
有島まひろ:15dx@7+2
DoubleCross : (15R10+2[7]) → 10[1,1,2,2,2,3,3,4,5,6,6,8,10,10,10]+10[2,6,7,10]+10[4,7]+5[5]+2 → 37

有島まひろ:よっ良かった 37です
有島まひろ:そしてNPCカード使用します。
GM:OK!振り直しどうぞ!
有島まひろ:1dx@7+42
DoubleCross : (1R10+42[7]) → 1[1]+42 → 43 → ファンブル

有島まひろ:!?
GM:ナンチューコト
有島まひろ:ふ、振り直し!
浅木澪央:ま、まだもう一回あるから……!
有島まひろ:1dx@7+42
DoubleCross : (1R10+42[7]) → 1[1]+42 → 43 → ファンブル

有島まひろ:!?
GM:そんなことある?
GM:でも振り足しはえーと……
有島まひろ:以上です
浅木澪央:53かな?
有島まひろ:あ、そっか
GM:52+1で53
有島まひろ:はーい!
魚人ジャーム:ガード!
有島まひろ:ダメージするぜ!
有島まひろ:6d10+12-5
DoubleCross : (6D10+12) → 45[9,9,7,8,8,4]+12 → 52

浅木澪央:すごい
有島まひろ:装甲値無視です
GM:うげえ~っ
有島まひろ:ダメージロールの直前に、《渇きの主》の効果で24点回復してHP満タンに戻ります
GM:ゲッッ
GM:でもギリギリ死なない!
GM:演出どうぞ!
有島まひろ:ヌーーッ
有島まひろ:はい!

有島まひろ:ワンピースのファスナーを下ろしながら、身を空気に溶かす。
有島まひろ:蝙蝠のような羽を広げ、夢魔としての姿を発揮させながら、ジャームの前に姿を現す。
魚人ジャーム:「!」
魚人ジャーム:不意に現れた敵影に、棘の付いた尻尾で迎撃しようとする、が。
有島まひろ:「眠りなさい!」
有島まひろ:その尻尾を避け、研ぎ澄ました翼で包み込むように串刺しにする!
魚人ジャーム:「ギィァアアアアッ……!!」
魚人ジャーム:青灰色に変色した血液が噴き出し、甲高い悲鳴を上げる。
有島まひろ:「こんな悪夢、早く終わりにしなくちゃ…!」
有島まひろ:(こんな、化け物になるために)
有島まひろ:(あんな風に、子供にさせるために)
有島まひろ:(いたわけじゃない。北見さんは────!)

GM:イニシアチブ5、北見耕三の手番です。
北見耕三:マイナー≪骨の剣≫素手変更
北見耕三:メジャー≪コンセントレイト:エグザイル≫+≪オールレンジ≫+≪爪剣≫
北見耕三:対象は至近の浅木澪央!
浅木澪央:『禍津神楽』《復讐の刃》こちらのリアクションを放棄し、デバウラーで北見先生へリアクション不可の反撃。
北見耕三:12DX7 ドッジダイス-1個
DoubleCross : (12R10[7]) → 10[1,2,3,4,5,5,5,7,8,8,8,9]+10[3,5,7,7,9]+10[1,1,10]+10[7]+4[4] → 44

浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+6(侵蝕率:119->125)した
浅木澪央:15dx6
DoubleCross : (15R10[6]) → 10[1,2,3,3,4,5,6,6,7,7,7,8,8,9,10]+10[1,3,4,8,8,9,10,10,10]+10[1,3,3,5,6,10]+5[2,5] → 35

北見耕三:ダメージ!
北見耕三:5D10+12+13
DoubleCross : (5D10+12+13) → 32[7,7,10,6,2]+12+13 → 57

浅木澪央:4d10+33 諸々有効
DoubleCross : (4D10+33) → 21[8,5,1,7]+33 → 54

GM:いっっったい
GM:半分くらい削れました
浅木澪央:北見先生に 尊敬/悔悟○ でロイス所得し即昇華 HP14で復活

北見耕三:菫と対峙する澪央の横合いから、巨体が突進する。
北見耕三:それは鯱めいたジャームへと変貌した、北見耕三。
北見耕三:「ゴ、ァアアアアッ!!」
浅木澪央:「………ごめん、北見先生」
北見耕三:無数の牙が並ぶ大顎を開き、澪央へと喰らい付く。
浅木澪央:原型を留めなくなった槍から剣を引き抜き
浅木澪央:その大顎に向けて真一文字に剣を構え、自ら突き進む。
北見耕三:「グ、ガ……ッ!」
浅木澪央:「ぐっ……うぅああああ!!!!」
北見耕三:無数の醜悪な牙が、澪央の全身に突き刺さる。
浅木澪央:それでも、前へ。牙がより深く肉へ食い込むことも意に介さず
浅木澪央:不気味にのたうつ神剣を振り抜き、ジャームの顎門を引き裂く。
北見耕三:唸り声めいた悲鳴を上げる。深々と切り裂かれ、大量の血を流しながら、再び菫を守るように寄り添う。
北見菫:「澪央、あなた……」
北見菫:眉根を寄せる。
北見菫:「ここで死ぬ気?」
浅木澪央:「ハァ………ハァ……ッ」
浅木澪央:剣を杖代わりに、汗と血が混じり合った液体を滴らせて、漸くの所で立っている。
浅木澪央:「バカ……言うなっつーの。誰が死ぬもんか」
浅木澪央:「私は、ただ」
浅木澪央:「ここで友達一人守れないなら、死んだほうがマシってだけ」
浅木澪央:「……それだけなんだから」
北見菫:「ふざけないでよ……」
北見菫:「どきなさいよ!本当に殺すからね!!」
北見菫:菫が叫び、血の槍を高く掲げる。

GM:クリンナップフェイズです。
赤川累:邪毒の処理が入って死ぬ……ので、北見菫にロイスとって即時昇華。バステ回復します
浅木澪央:同じく死ぬのでバステ回復!まひろさんのロイスを昇華します!
有島まひろ:邪毒でHP16。生存。
GM:菫の所持しているEロイスの一部を公開します
GM:≪殺刃圏≫≪殺戮衝動≫
GM:クリンナップ時自身以外のキャラクターに2D10ダメージを与え、またクリンナップ時戦闘不能のキャラクターは死亡します。
浅木澪央:無茶苦茶してくるな
GM:2D10
DoubleCross : (2D10) → 14[8,6] → 14

赤川累:ぎゃー!
GM:ウッッ
有島まひろ:え、HP2で生存します
浅木澪央:ぐえ~!
魚人ジャーム:魚人が二匹とも死んだ……
赤川累:www
浅木澪央:魚人www
有島まひろ:wwww
GM:クソ~ッ ダメージ受けな!
赤川累:12点なので死ぬ!まひろさんのロイスを切って復活します
有島まひろ:ママはHP16点だったから生存
浅木澪央:死!菫のロイス切って復活します!

北見菫:血の大槍を大きく振るい、辺りに血液を撒き散らす。
北見菫:それは空中で急速に凍り付き、無数の刃となって周囲の全てを切り刻む。
北見菫:「もう……」
北見菫:「立ち上がって、こないで……!!」
魚人ジャーム:血の刃に切り刻まれ、ジャーム化した島民が絶命する。その身体の中心で、小さな石が不吉な赤い光を放っている。
赤川累:「ぐ、うっ……!」傍に居たジャーム諸共、斬り刻まれて倒れ込む。
有島まひろ:「っ!」翼を広げて繭のように覆い、身を守る。
浅木澪央:「かっ……ふ……」腹を大きくえぐられ、崩れ落ちる
赤川累:傷口を侵蝕する毒が、神経を蝕んでいく。失血は多く、意識が朦朧として
赤川累:「……は、あっ」それでもなお、掠れるような息をしながら立ち上がる
有島まひろ:「2人とも…」無理をしないで、もう止めてと、口から零れそうだった。
浅木澪央:「……………」地面に血溜まりが広がって行く。オーヴァードであっても致死量に近い量。見開かれた瞳が濁る。
赤川累:「化物、みたいだろ」身体のあちこちが拉げ、腐食しかけて、それでも生き続ける姿を北見菫の前に晒して。
浅木澪央:「ち……がう」
浅木澪央:《激情の早鐘》次のメインプロセス終了まで判定のC値を-1する。下限6
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+4(侵蝕率:125->129)した
赤川累:「こいつは、そういう病気なんだ。ウイルスが肉体を活性化させて、異常なまでに再生能力を引き上げる……」
浅木澪央:ドクン、と倒れ伏した身体が大きく跳ねる
北見菫:「……」
赤川累:「君が手に入れたものも、これと同じだ」
北見菫:「違う……」かぶりを振る。
北見菫:「私の力は……願いを叶える為に、天使様が……神様が、私にくれた……」
浅木澪央:「違う……よ」
斗星朔夜:興味深そうに頷きながら聞いている。
浅木澪央:心臓の鼓動が周囲にまで響く。全身から血を吹き出しながら立ち上がる。
浅木澪央:「二人とも間違ってる」
斗星朔夜:「澪央さん……!もう無理ですよ……!死んじゃいますよ!?」
浅木澪央:「累も……菫も……人間で」
浅木澪央:「……神様は人間の願いを叶えてなんかくれない」
浅木澪央:「……巫女さんが言うんだからホントだって。願いってのはさ」
浅木澪央:「自分で叶えるもんだよ。神様はそれを聞いてくれるだけ」
浅木澪央:「だから、菫」
浅木澪央:「ちょっと頭冷やしなよ。その間に」
浅木澪央:「アンタを誑かした天使モドキも、私がぶっ飛ばしてやる」
北見菫:「う、う……うぅうううう……!!」
北見菫:「今、更……」
北見菫:菫の血を糧に、更に鋭利に、凶悪に、血槍が形作られていく。
北見菫:「今更……後戻りできるか……!!」
赤川累:「……また、澪央の悪い癖だ」呆れたように、息を吐いて。
赤川累:倒れたジャームの骸を背に、引きずるような足取りで、二人の方へと歩き出す
赤川累:「"私達が"、だろ」

GM:ラウンド1終了。
GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
GM:エネミーはなし。
赤川累:ないです。ブルゲ切れて行動値12に下がっています。
有島まひろ:なしです!
浅木澪央:『身削ぎ祓』《フルディフェンス》《フルパワーアタック》ラウンド中リアクションの判定ダイス+6、攻撃力+20、行動値0で行動済みに。
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+8(侵蝕率:129->137)した
GM:ではイニシアチブ、行動値12 赤川くんの手番です
赤川累:はい。マイナーで戦闘移動、澪央ちゃんとエネミー達がいるエンゲージへ
赤川累:メジャー、塵灰回帰/《コンセントレイト》《インスタントボム》《コンバットシステム》《ブラストフォーカス》 対象は北見耕三!
GM:来い!
赤川累:10dx+1@7 命中!
DoubleCross : (10R10+1[7]) → 10[1,2,3,5,6,8,9,10,10,10]+10[1,1,4,8,8]+5[1,5]+1 → 26

北見耕三:ガード。
赤川累:NPCカードも使用します!
GM:何ィ~
赤川累:1dx@7+31 振り足しこうかな
DoubleCross : (1R10+31[7]) → 2[2]+31 → 33

有島まひろ:朔夜ちゃんサボッてない?
浅木澪央:やる気出して!
斗星朔夜:僕だって頑張ってますよ~
斗星朔夜:更にもう一回どうぞ
赤川累:1dx@7+41 もう1回の振り足しでこうか
DoubleCross : (1R10+41[7]) → 10[10]+5[5]+41 → 56

赤川累:あっだいぶ頑張ってる
斗星朔夜:ほら!30も増えましたよ~
赤川累:ダメージいきます!
GM:ダメージどうぞ!
赤川累:6d10+38 装甲無視
DoubleCross : (6D10+38) → 35[2,10,10,1,7,5]+38 → 73

浅木澪央:いいぞ~!
GM:ゲェーッ
北見耕三:HP0!復活エフェクトもありません。
赤川累:やった!邪毒されないぜ
赤川累:赤川累の侵蝕率を+12(侵蝕率:126->138)した

斗星朔夜:北見耕三の──ジャームの周囲の空間が、オーロラめいた輝きと共に歪む。
斗星朔夜:彼を360度取り囲むように現れたのは、無数の、引き絞られた状態の大弓。
北見耕三:「……!?」
斗星朔夜:逃げ場無く放たれた必中の矢が、ジャームの身体を穿ち、その場に縫い留める。
北見菫:「お父さん……!」
斗星朔夜:「今だよ!累!」
赤川累:「ああ」乱れる呼吸を抑えながら、集中を研ぎ澄まし
赤川累:一歩ずつ、ジャームの方へと近づいていく。変わり果てた姿となった北見耕三の姿を見て
赤川累:「……俺は、君のお父さんを尊敬していた」北見菫の方へ話しかける。
赤川累:「君の病を癒すために、手を尽くしていた姿を」
赤川累:「君だけじゃない。この島の人達にも……父さんにも」
赤川累:「手の届く限り、助けになろうとして」
北見菫:「そうだよ……」
北見菫:「お父さんはすごい人なの!立派な人なんだから!」
北見菫:「私の為に、こんな所になんて、いちゃいけないの!」
赤川累:「……だったら!」
赤川累:「君が、彼の偉大さを知ってるって言うんだったら……!」
赤川累:「そんな風になった姿を見て」北見耕三だったものの、口元。ぬらりと血に濡れた牙を見る。
赤川累:「変わってないなんて、言えるもんかよ……!」
北見菫:「そんな、風に……?」
北見菫:父に目をやる。漆黒の巨体、異形の怪物と化した父に。
北見菫:「……何言ってるの、赤川くん」
北見菫:「お父さんはお父さんじゃない」
北見菫:「だよね?お父さん」
北見菫:ジャームににこやかな笑みを向ける。
北見耕三:「……」
浅木澪央:「…………」痛ましさに顔を歪める
赤川累:「……ああ、こうなる前に」
赤川累:「もっとちゃんと話しておくべきだったんだ」
赤川累:「身近な家族だから、いつでも話ができて、いつまでも傍に居られるなんて」
赤川累:「そんなのは、ただの錯覚で」
赤川累:「その時が来てから、いつも後悔するんだ」もっとちゃんと気持ちを伝えておけば良かったと。
浅木澪央:「……ごめん、累」
浅木澪央:「楽にしてあげて」
赤川累:澪央の言葉に頷くと同時、その意思に応えるようにして
赤川累:右腕の熱が激しくなる。レネゲイドの活性化、灰化現象の加速。
赤川累:触れた物を崩壊させる異能……その対象は、もはや自身の血肉すらも例外ではなく
赤川累:再生した端から腕が綻び、崩れ落ちていき
赤川累:死を象ったような様相の、黒骨の右腕が露になる。
赤川累:歩みと共に、灰の帯を牽きながら
北見菫:「……!お父さん!」
北見菫:「お父さん!逃げて!お父さん!」
赤川累:縫い留められたジャームの前へと。
有島まひろ:「累くん……っ!」
GM:菫は血相を変えて叫ぶが、ジャームはまるで動くことが出来ずにもがく。
北見耕三:「グ……ガッ……」
北見菫:「やめて……赤川くん」
北見菫:「やめて……!」
北見菫:血を流すジャームの身体に縋りついて言う。
赤川累:「……ごめんなさい」もう届かない言葉を、北見耕三へ向けて
赤川累:「俺にはもう、貴方をこうする事しかできません」
赤川累:その少女の声を聞きながら、右腕を振り翳し
赤川累:「……さようなら」心臓へと突き立てる。
赤川累:────魂に重さなんてなくて。人はただ、死しては塵に還るものだ。
赤川累:目の前で、母だったものの骸が焼かれたあの日に。赤川累はそう理解した。
赤川累:だから。この力は彼とって、死そのものの象徴であり、
赤川累:あるいは、一人の人間の喪失に対する弔いだ。
赤川累:ず しゅっ!
赤川累:黒骨の突き立った一点から、
赤川累:北見耕三の肉体が灰へと変わっていく。
北見耕三:「────」
北見耕三:悲鳴すら上げず、ジャームの身体が灰へと散っていく。
北見耕三:ぼろぼろと崩れ落ち、風に舞って、そして。
北見菫:「あ…………」
北見菫:抱き留めようとした少女の腕には、何も残らない。
有島まひろ:(ああ)目を伏せる。
浅木澪央:「…………」灰の舞った空を暫し見上げて
浅木澪央:少女に目線を戻す。
北見菫:「……」
北見菫:「お父、さん」
北見菫:呆然と呟く。

GM:イニシアチブ11。北見菫の手番です
北見菫:マイナーでジェネシフト。
北見菫:120+6D10
DoubleCross : (120+6D10) → 120+34[4,3,8,5,6,8] → 154

北見菫:メジャー≪コンセントレイト:ブラム=ストーカー≫+≪鮮血の一撃≫+≪ブラッドバーン≫+≪ブラッドボム≫+≪クロスバースト≫
北見菫:Dロイス≪愚者の黄金≫を使用。
北見菫:対象は赤川累。
赤川累:そうなるよな……
浅木澪央:《獣王の献身》
浅木澪央:菫の攻撃対象をこちらに変更。
浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+3(侵蝕率:137->140)した
北見菫:14DX7+4
DoubleCross : (14R10+4[7]) → 10[2,3,3,3,3,3,4,4,4,7,7,7,9,10]+10[1,6,7,7,10]+10[4,9,10]+5[3,5]+4 → 39

浅木澪央:『禍津神楽』《復讐の刃》こちらのリアクションを放棄し、デバウラーで菫へリアクション不可の反撃。
浅木澪央:15dx6
DoubleCross : (15R10[6]) → 10[1,1,2,2,3,5,7,8,8,8,8,8,9,9,10]+10[1,2,3,5,6,6,7,8,10]+10[4,8,8,10,10]+10[8,10,10,10]+10[3,5,8,10]+2[2,2] → 52

浅木澪央:浅木澪央の侵蝕率を+6(侵蝕率:140->146)した
北見菫:ダメージ。
北見菫:4D10+40+20 更に6D10点ロスト
DoubleCross : (4D10+40+20) → 16[1,9,1,5]+40+20 → 76

浅木澪央:ダメージ
浅木澪央:6d10+33
DoubleCross : (6D10+33) → 34[6,8,8,1,4,7]+33 → 67

北見菫:まだ生きています。
浅木澪央:こちらは攻撃ダメージでHP0に
浅木澪央:更にこのあとブラッドボムのダメージが入ると死亡しますが
浅木澪央:………
浅木澪央:赤川累のロイスをSロイスに指定
浅木澪央:完全復活の効果を指定して昇華。HP満タンで復活します
GM:許可します。
浅木澪央:そしてブラッドボムダメージ
浅木澪央:29-6d10
DoubleCross : (29-6D10) → 29-36[9,4,5,10,7,1] → -7

浅木澪央:ダメか……
浅木澪央:戦闘不能。残ロイスゼロ。そのまま倒れます。
北見菫:2D10 愚者の黄金ダメージ
DoubleCross : (2D10) → 15[5,10] → 15

北見菫:さらにブラッドボムの反動ダメージでHP0に。
北見菫:≪不死不滅≫HP20で復活します。

北見菫:「……」
北見菫:「……お父さん」
北見菫:僅かに残った灰を見下ろして、ぽつりと呟く。
北見菫:一瞬の静寂。そして、
北見菫:菫の片腕が、内側から弾け飛ぶ。
赤川累:「……!」
有島まひろ:「………っ!?」目を見開く。
北見菫:自らの血肉を媒介として、殺意そのものが形を成したかのような、凶悪な紅槍が生み出される。
有島まひろ:「逃げなさい、二人とも!」叫ぶ。
浅木澪央:「菫……」表情を歪ませる
有島まひろ:「もう、戦わなくていいから!逃げて!」
赤川累:「……そうか」覚悟したように、呟く。……有島さんの声は聞こえているが、
北見菫:菫の身体を含め、周囲は冷気で白く染め上げられ、噴き出す血は瞬時に凍り付き、敵を穿つ刃となる。
赤川累:元より逃げおおせるような余力はない。
北見菫:「────赤川、くん」
有島まひろ:「だめよっ……、だめ……!」それでも、叫ばずにはいられない。
北見菫:クレバスが裂けるかのような異音と共に、血と氷の大槍を構える。
北見菫:「……死んで」
北見菫:冷気よりも凍て刺すような殺意と共に、地を蹴り、槍を振るう。
浅木澪央:ぞ ぶ っ
浅木澪央:血槍の切っ先が骨を刳り、肉を串刺しにする感触、しかしそれは
浅木澪央:赤川累のものではない。彼の眼前、飛び散った血が槍の冷気でそのまま静止している。
赤川累:「……な」刺すような凍気の中、目を見開く。
赤川累:「何、やってんだよ……!? 澪央……ッ!」
北見菫:「────」攻撃を放った張本人までもが、一瞬完全に硬直する。
北見菫:「澪、央……?」
浅木澪央:「かふっ…………悪い、ね……菫」
浅木澪央:胴体を串刺しにされながら、腕が凍りつくのにも構わず血の槍を抱え込む
斗星朔夜:「ああ……!澪央さん!」
北見菫:「あなた……何、やって……」
浅木澪央:「こいつは……殺させてあげられないん……だ」
浅木澪央:「私の……大事な……」
浅木澪央:「大好き……な、人……だから」
浅木澪央:「あ……」虚ろな表情から、一瞬呆気にとられるようにして
浅木澪央:「へへ……なんだ……結構簡単に……言えるじゃん……」
赤川累:「お、前……」
有島まひろ:「澪央ちゃん」
有島まひろ:「澪央ちゃん………」
北見菫:「馬鹿……」
北見菫:「ふざけんな!!馬鹿っ!!」
GM:澪央を貫いたままの血の槍と冷気は、静かに、だが確実にその命を蝕んでいく。
浅木澪央:「ふざけてないっての……」
浅木澪央:「先生は……間に合わなかったけど……」
浅木澪央:「島のみんなも……気付いてあげられなかったけど」
浅木澪央:槍を中心に、徐々に冷気が澪央の肉体を凍てつかせていく
赤川累:「待て……待てよ」
北見菫:「や」
北見菫:「やだ……やだ……」
北見菫:「やだやだやだ!!澪央!!」
浅木澪央:しかし、その侵蝕を押し止めるものがある
浅木澪央:どくん
浅木澪央:どくん どくん どくん どくん
浅木澪央:早鐘を鳴らす心臓が、血液が沸騰するほどの熱量を生み出す
赤川累:「待ってくれよ……なんで、いつもお前は」
赤川累:「そうやって、一人で覚悟決めて、傷ついて……」
浅木澪央:「まだ間に合うなら……まだ、この手の届くところにいるならさ」
浅木澪央:「何とかしないわけには行かないでしょ」
浅木澪央:「私は、この島を守る巫女さんで」
浅木澪央:「アンタ達の友達で……」
浅木澪央:「累の…………」
浅木澪央:凍てついた身体を、灼熱の血潮で以て動かす。
浅木澪央:神剣を逆手に掲げ
浅木澪央:「だから菫。私は」
浅木澪央:「アンタのことも諦めない!」
浅木澪央:ざ し ゅ
浅木澪央:自らに、深々と突き立てる。
北見菫:「澪……央……」
浅木澪央:「貪るものデバウラー、私の全部を喰わせてあげる。だから」
浅木澪央:「菫の中の悪いもんも、全部喰いつくして」
浅木澪央:緋色の刀身が、限界まで血を啜って真紅に染まり
浅木澪央:刹那、赤熱する無数の刃に枝分かれして血槍と化した菫の左腕を貪り喰らう。
北見菫:「ッ……あぁあああっ!!」
北見菫:白煙が噴き出し、鮮血が飛び散る。血の槍が根元から喰いちぎられ、菫は悲鳴を上げる。
北見菫:「……澪央!!」
浅木澪央:「へ、へ……」
浅木澪央:胴体に刺さった槍が蒸発する。支えを失い、そのまま崩れ落ちる。
北見菫:「あっ……あ……あぁあああぁ……」
北見菫:よろよろと、転びそうになりながら駆け寄る。
浅木澪央:凍りついていた傷口が溶け出し、溢れ出した液体が瞬く間に大きな血溜まりを作る。
北見菫:「やだっ……嫌……澪央……澪央!!」
浅木澪央:「す……み、れ……」
浅木澪央:「へへ……言えた、わ……好きだ……って。やっぱ……菫の言う……通り、で……」
浅木澪央:「こういう……のは……勢い……が、大事……ってこと……か……」
北見菫:「馬鹿……!何言ってんのよ……!こんな時に……!」
赤川累:「澪央……! おい、澪央……ッ!」崩れ落ちた少女の身体に近付いて
赤川累:抱えるように、背に腕を回す。冷たくなっていく体温を感じる。
赤川累:傷口が塞がらない。流れ出す血が、止まらない。
赤川累:「ッ、なんで……なんで、治らないんだよ……!」
北見菫:「澪央……わ……私……ご……ごめんなさい……私……私……!」
浅木澪央:「へへ……ちょっと……勢い付けすぎた……かも……」
赤川累:「なんでだよ! なんでこんな馬鹿なこと、一人で……!」
赤川累:「あれだけ、一人でやろうとするなって、言ったのに……! お前、は……!」
浅木澪央:「一人じゃ……ない……よ」
浅木澪央:累の頬に、血まみれの掌を添える
赤川累:「澪、央……」
浅木澪央:「みんな居なくなっちゃったけど……お父さんも……だけど」
浅木澪央:「まひろさん……が……きっと……助けて……くれる……し」
浅木澪央:「菫も……ちょっとは……頭……冷えた……だろうし」
浅木澪央:「……累は、一人じゃないよ」
赤川累:「っ……!」
浅木澪央:「だから、泣かなくて……いいから……」
浅木澪央:「大丈夫……だからね」力なく笑う
浅木澪央:「めそめそしてる……男は……」
浅木澪央:「モテねー……ぞ」
赤川累:「……それでも、俺は」
赤川累:「俺は……澪央に死んでほしくなかったよ」
赤川累:「お前が、こんな事をせずに済むように」
赤川累:「神様なんかじゃなくても」
赤川累:「お前も……菫も、父さんも、朔夜さんも、島の皆も」
赤川累:「助けられる、大人に、なりたかった、のに……」
赤川累:「ああ……」
赤川累:「結局、俺は……何もできてなくて」
赤川累:「護られてばかりじゃ、ないか……」
浅木澪央:「……できるよ」
浅木澪央:「累は……これから……じゃん」
浅木澪央:「これから、たくさんの人を……護って……救える人に……なるんだから」
浅木澪央:「私が……護りたかったのは」
浅木澪央:「そんな……累の未来……なんだから」
赤川累:「っ、馬鹿……野郎……!」
浅木澪央:「だから……へへ」
浅木澪央:頬に触れる掌から、熱が失われていく
浅木澪央:「へへ……私に張り合おうなんて……十年……速いっての」
赤川累:冷たくなっていく少女の手を、強く握る。その温度を感じて
赤川累:思い出す。……母が死んだあの日も、こうやって
赤川累:冷たくなっていく温度を、止める事ができなくて
赤川累:あるいは父のように、去っていく魂に祈りを捧げる事も
赤川累:自分にはその資格がないから
赤川累:ただ、見ている事しかできなかった。
浅木澪央:「……馬鹿。泣くなって言った……ばっかじゃん」
赤川累:「泣かない、わけ……ないだろ……!」
浅木澪央:「だーめ……許しませ……ん」
浅木澪央:ゆっくりと親指で累の口の端を持ち上げる
浅木澪央:「ヒーローは……泣いたり……しないんだから」
赤川累:「っ……」悲痛に引き攣った表情の、口元だけが吊り上がって
赤川累:「……最後まで、好き放題言いやがって」
浅木澪央:「うん……やっぱり……」掌から力が抜けていく
浅木澪央:累の手に握られる中を、静かに滑り落ちて
浅木澪央:「その顔が……一番すき……」
浅木澪央:地に落ちる。
赤川累:「…………」
浅木澪央:瞳から光が消える刹那
浅木澪央:いつかの、優しく抱きしめられた感触が蘇って
浅木澪央:(……ごめんね)
浅木澪央:(おかあさん)
赤川累:「……ああ」
浅木澪央:心臓の音は、そこで止まった。
赤川累:「ああああッ……!」
赤川累:憤懣の混じったような慟哭が漏れる。
北見菫:「……」
北見菫:「……澪央」
北見菫:「澪央……いや、うそ…… 澪央、澪央……?」
赤川累:異形の黒と化した右手を、壊れるほどにぎりぎりと握り締めて
赤川累:「何が……何がオーヴァードだ……!」
赤川累:「何が超人だよ……! こんな、こんな能力があっても、俺は……!」
有島まひろ:「……そうね」
有島まひろ:「その通りだわ」
斗星朔夜:「……累……」
北見菫:「澪央……み……」
北見菫:口から譫言のように漏れる声が、
北見菫:「────い、ぎっ」
北見菫:「あぁああああっ……!?う、あああああっ!!」
北見菫:悲鳴へと変わる。
北見菫:菫の身体で輝く、不吉な赤い光。
北見菫:彼女の血と一体化したそれは、“賢者の石”の────紛い物。
北見菫:貪欲にレネゲイドを求め続ける、溺れる愚者が掴み取った藁。
有島まひろ:「────!」それに気付く。
北見菫:「や、だ、もう、私……」
北見菫:「殺し、たく……」
赤川累:「……!」澪央の身体を庇うようにして、その前に立つ。
有島まひろ:「何がっ、何が、天使様よ……!」
北見菫:ぷつん、と灯りが消えるように、その目から意思の光が消え失せる。
有島まひろ:「紛い物の奇跡に縋らせて、人をもてあそんで……!」
北見菫:再び血槍が形作られ、立ち上がる。菫の意思とは関係なく、ただレネゲイドに飢えた怪物として。
赤川累:「北見さん……!クソッ!」
赤川累:「止まれよ……ふざけんなよ……! お前まで怪物になったら、澪央は何のために……!」
有島まひろ:「………っ!」
有島まひろ:(何で……何で、全部、終わった後なのよ────!)

GM:イニシアチブ5、有島さんの手番です。
有島まひろ:はい!
有島まひろ:マイナーで《ハンティングスタイル》《襲撃迷彩》。10m移動。
有島まひろ:メジャーで《コンセントレイト:キュマイラ》《渇きの主》《血に飢えた跳躍》。
有島まひろ:隠密状態から、菫ちゃんに白兵攻撃。
GM:どうぞ!
有島まひろ:15dx@7+2
DoubleCross : (15R10+2[7]) → 10[2,4,6,7,7,8,9,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[2,2,3,4,4,5,5,6,7,7,8,10]+10[3,5,9,10]+10[3,9]+5[5]+2 → 47

有島まひろ:よかった回った!
北見菫:ガード≪氷盾≫
有島まひろ:いいだろう
有島まひろ:じゃあダメージ出します
有島まひろ:5d10+7
DoubleCross : (5D10+7) → 17[2,4,3,2,6]+7 → 24

有島まひろ:グ、グーッ クソダイス
GM:出目が!
有島まひろ:お待ち!
GM:待ちます!
有島まひろ:ダメだ 手が無かった なんでもないです
有島まひろ:装甲値無視24ダメージ
有島まひろ:です!
GM:残念ながら……
GM:ガード値で生きてます!
有島まひろ:ですよね~~~

有島まひろ:身を溶かし、累くんと菫ちゃんの間に、姿を顕す。
有島まひろ:「菫ちゃん!」
有島まひろ:「思い出して、あなたのお父さんのことを、累くんのことを、澪央ちゃんのことを!」
北見菫:「アァアアアッ……!」
有島まひろ:「あなたを想った人たちのために────あなたが結んだ絆を信じて!」
有島まひろ:「そこにどんな想いがあるとしても…それは、あなただけのものよ」
有島まひろ:傷つけられることも厭わず、菫ちゃんの身体を抱きしめる。
北見菫:獣めいた絶叫と共に、槍を振り回す。周囲の全てが紙のように切断され、電柱がマッチ棒のように寸断されて倒れる。
北見菫:「アアアアア……ウ……ぁああああッ!!」
有島まひろ:「大丈夫よ」
有島まひろ:「大丈夫だから」
有島まひろ:こんなことしか言えない。薄っぺらい言葉だと笑われそうだ。彼女の心に届くかも分からない。
北見菫:腕の中で暴れ、肩口に噛みつく。
北見菫:完全に理性の無い、手負いの獣じみた様相で足掻き続ける。
有島まひろ:「……っ」一瞬、痛みに顔をしかめ、それでも腕を放さない。
有島まひろ:「ごめんね」
有島まひろ:「ごめん………」
有島まひろ:それは誰に向けた言葉なのか、自分でも分からなかった。
有島まひろ:───胸の中で藻掻く彼女の首筋に、自らの牙を突き立てた。
有島まひろ:悪いものを、すべて、飲み込むように。
有島まひろ:彼女の中で暴れ狂う毒を、因子を、吸収する。
有島まひろ:ここでイージーエフェクト《ブラッドリーディング》を使用してもいいでしょうか。
有島まひろ:菫ちゃんの感情を読み取りたいです。
GM:許可します。
北見菫:「……!」身体と思考を支配するレネゲイド自体が吸収され、その動きが鈍る。
北見菫:流れ出すその血から読み取れる感情は、
北見菫:苦痛。自傷。そして、後悔。
有島まひろ:「……うん」
有島まひろ:「大丈夫よ。反省できる子はね、良い子だから……」
有島まひろ:「絶対に、仲直り、できるから…」
有島まひろ:優しく頭を撫でる。
北見菫:「グッ……ウ……ウゥウウウ……!」
有島まひろ:「……ッ」
北見菫:ほんの一瞬、その血液から
北見菫:その精神から、彼女でない、何者かの影響を感じ取った瞬間、
北見菫:菫は身を捩り、腕を振り払って距離を取る。
有島まひろ:彼女に振り回されるようにして弾かれ、距離をとる。
有島まひろ:(……天使様)唇の端についた血を拭う。
有島まひろ:(いいわ。悪魔が相手よ)

GM: 
GM:クリンナップフェイズ。
GM:Eロイス≪殺刃圏≫≪殺戮衝動≫が起動中です
GM:菫以外のキャラクターは2D10のダメージを受け、戦闘不能状態のキャラクターは死亡します。
有島まひろ:先に
有島まひろ:邪毒の処理もしていいでしょうか…
GM:あっそうか
GM:有島さんはまだ邪毒あるんですね どうぞ!
有島まひろ:はい~ ただこれ食らうと戦闘不能になるので、
有島まひろ:北見さんのロイスをタイタス昇華して状態異常を回復します。
有島まひろ:HP10で生存します。
GM:では殺刃圏のダメージ。
GM:2D10
DoubleCross : (2D10) → 8[7,1] → 8

GM:低い!
赤川累:よ、よかった……!
赤川累:赤川累のHPを4にした(HP:29->4)
浅木澪央:みんなよかった~!
有島まひろ:HP2点で生存…
浅木澪央:残ロイス0、復活手段がなく現在戦闘不能状態のため
浅木澪央:死亡します。
赤川累:ウギャアア
有島まひろ:ウウウウウ

GM:ラウンド3
GM:セットアップから。
GM:エネミーはなし。
有島まひろ:なし!
赤川累:セットアップないです。
GM:ではイニシアチブ12、赤川くんの手番です。
赤川累:はい、マイナーはなしで
赤川累:メジャーは《コンセントレイト》《インスタントボム》 対象は北見菫で!
GM:どうぞ!
赤川累:6dx+1@7
DoubleCross : (6R10+1[7]) → 6[1,3,3,4,6,6]+1 → 7

赤川累:NPCカード使います
有島まひろ:出目
GM:振り直しどうぞ!
赤川累:1dx@7+11 1回目!
DoubleCross : (1R10+11[7]) → 6[6]+11 → 17

赤川累:1dx@7+21 2回目!
DoubleCross : (1R10+21[7]) → 5[5]+21 → 26

北見菫:ガード≪氷盾≫
GM:ダメージどうぞ!
赤川累:3d10+12 ダメージ
DoubleCross : (3D10+12) → 23[7,8,8]+12 → 35

赤川累:赤川累の侵蝕率を+5した(侵蝕率:138->143)
北見菫:HP0。
北見菫:復活エフェクトはありません。
GM:戦闘終了です。

赤川累:「……北見さん」意識のない少女を見て、呟く。
赤川累:「君が、まだ戻れるのか、まだ手の届く場所にいるのか」
赤川累:「俺には分からない、けど……」
赤川累:全身の再生が、ひどく鈍っているのを感じる。何度も無理な再生を繰り返した所為か、
赤川累:あるいは大切な繋がりを喪失したからか。
赤川累:紛い物の神様の声ばかりが、いっそう強く頭に響いて。
斗星朔夜:「────累」
斗星朔夜:君の黒い腕に、そっと手を添わせる。
斗星朔夜:「大丈夫。僕を信じてください」
赤川累:「……ああ」その声の言いなりにはならないけれど
斗星朔夜:手を退けると、君の黒腕に凄まじい力が宿っているのを感じる。
赤川累:「大丈夫だ」彼女の言葉であれば、きっと信じようと思う。
斗星朔夜:輪郭が幾重にもブレて見えるそれは、一つの腕が何十倍にも重なり合って強化されたかのような。
赤川累:僅かに回復した活力、それをそのまま移動へと転じて
赤川累:一息に少女の眼の前へ迫る。黒腕を突き立てる先は、少女の体内に埋められた石の中核。
赤川累:(……あんな覚悟を見せられて、期待されて)
赤川累:(俺が、諦める訳にはいかないだろ。だから……)最後まで、その手を伸ばし
赤川累:「戻って来い!北見菫……ッ!」突き砕く。
北見菫:「っ、が……」
北見菫:赤い輝きが消え、灰色になって散る。
北見菫:菫の身体を突き動かしていたレネゲイドと衝動が掻き消え、
北見菫:「……ごめん」
北見菫:「お父さん……」
北見菫:「澪央……」
北見菫:そのまま、力なく崩れ落ちる。

---

GM:バックトラック

Eロイス
≪殺刃圏≫
≪殺戮衝動≫
≪悪意の伝染≫
≪囚人の鳥籠≫
≪歪んだ囁き≫
≪ファイトクラブ≫
Dロイス
≪愚者の黄金≫

北見耕三
≪超越活性≫
≪超越活性≫

魚人ジャーム×2
≪さらなる絶望≫
≪さらなる絶望≫
≪さらなる絶望≫
≪さらなる絶望≫


GM:Eロイスは12個です。
有島まひろ:とりあえず振っちゃおう
GM:振りたい方はどうぞ!
有島まひろ:はい!
赤川累:振ります~
赤川累:143-12d10
DoubleCross : (143-12D10) → 143-63[9,2,8,9,7,3,10,2,2,4,2,5] → 80

有島まひろ:141-12d10
DoubleCross : (141-12D10) → 141-52[7,3,8,7,3,1,1,2,7,8,3,2] → 89

赤川累:1倍でいきます
浅木澪央:死亡してるので振りません。
赤川累:80-2d10
DoubleCross : (80-2D10) → 80-15[10,5] → 65

有島まひろ:1倍で!
赤川累:侵蝕分4点です
有島まひろ:89-6d10
DoubleCross : (89-6D10) → 89-35[5,1,6,6,7,10] → 54

有島まひろ:4点です
GM:シナリオ10点、いつもの5点を合わせてお二人に19点進呈します!
赤川累:いただきます~
有島まひろ:ありがとうございます~
有島まひろ:GMもGM経験点13点もらってね
GM:有難く頂戴します!
GM:浅木さんにも基本の15点贈呈!
浅木澪央:やったー!いただきます!
有島まひろ:GM経験点が18点になったよ!
GM:わ~い!



【Ending】

GM:菫が倒れると同時に、島全体を覆っていた≪ワーディング≫も霧散する。
GM:だが、既に島には大量のジャームが徘徊し、火の手も止まる気配を見せない。
GM:戦闘が終わっても、遠くからはまだ微かに家屋が焼け落ちる音や、島民の悲鳴が聞こえてくる。
有島まひろ:「累くんっ……!」累くんと菫ちゃんに駆け寄ります。
北見菫:「……」
北見菫:大量に出血し、意識も無いが、胸は僅かに上下し、呼吸もしている。
北見菫:生きている。それが幸か不幸かは、別の問題として。
有島まひろ:「………!」菫ちゃんを見て目を見開く。
有島まひろ:(まだ、“ジャーム”じゃない)
赤川累:「有島、さん……」肩で息をしながら、振り返り
赤川累:「ぐ、っ……」膝をつく。流し込まれた力で、無理矢理に体を動かしていた反動。
有島まひろ:「ばかね」累くんの肩を抱く。
有島まひろ:「…逃げてって、言ったのに」
赤川累:足元の少女……北見菫を見下ろす。あの石を砕く事で、纏っていた力が霧散したのと分かる。息も、ある。
赤川累:「……すみません。だけど」
赤川累:「……間に合って、良かった」
有島まひろ:「うん」
有島まひろ:「本当に、良かった……」
有島まひろ:そのまま、累くんを抱きしめます。
赤川累:「あ、っ……」
赤川累:そのぬくもりに、遠い懐かしさを思い出して。肩の力が抜ける。
有島まひろ:「…あなたが、生きてくれたこともよ」
有島まひろ:「つらい思いばかりさせてしまったわ」
赤川累:「……ええ。本当、に」
赤川累:「人の命を脅かそうとするものに、立ち向かう事が」
赤川累:「こんなに痛くて、苦しくて……勇気のいる事だったなんて」
赤川累:「俺は、何も知らなかった」
有島まひろ:「うん……」
赤川累:「……まひろさんも、朔夜さんも、澪央も」
赤川累:「こんな戦いを、いくつも……潜り抜けて。それでも、まだ誰かのために手を伸ばす事ができてる」
赤川累:「強いんだな、って」
赤川累:「悲しいくらい、強い……」
有島まひろ:目を伏せる。「……人と比べることじゃないわ」
有島まひろ:強く抱きしめる。
有島まひろ:「生きて、累くん」
有島まひろ:「生きて。皆、あなたに生きて欲しいから、戦ったの」
赤川累:「……はい」
赤川累:「分かってます。分かって、います……」
有島まひろ:「……それに」
有島まひろ:「あなただって、強い子よ」
有島まひろ:背中を撫でる。
赤川累:自分の未来を護るために戦ったんだと。誇らしげに笑っていた、少女の顔が目に浮かんで。
赤川累:「あ……」
有島まひろ:「頑張ったわ」
有島まひろ:「あなたが、どれだけ頑張って戦ったのか。全部、見てたから…」
赤川累:「……っ」喉元まで出かかった嗚咽を、呑み込んで。
赤川累:「……ありがとう、ございます」
有島まひろ:「……」目を細める。「……うん」
有島まひろ:「…累くん、まだ、頑張れる?」身を離して、顔を覗き込みます。
赤川累:「……ええ。大丈夫、です」
有島まひろ:「私は、生存者がいないか島を見てきます。…累くんは」
有島まひろ:「…ここにいて」
赤川累:「……」倒れている菫と、動かなくなった澪央を順に見遣り。
赤川累:「分かりました。……有島さんも、お気をつけて」
有島まひろ:「ありがとう」柔らかく微笑む。
有島まひろ:身を起こして、立ち上がる。
有島まひろ:唇を噛んで、動かなくなった澪央ちゃんの傍らに近づきます。
有島まひろ:流れる血をひと掬いして、ぺろりと舐める。イージーエフェクト《ブラッドリーディング》を使用。
有島まひろ:澪央ちゃんの生存状況、そして意識を失う瞬間の感情を読み取りたいです。
浅木澪央:浅木澪央の血液に残るレネゲイドの残滓は、完全に活動を停止している。
浅木澪央:有島まひろのエージェントとしての経験に照らし合わせても、蘇生の見込みはないと確信できてしまう。
浅木澪央:しかし、その血に残る僅かな熱が、末期の想いを伝えてくれる。
浅木澪央:親友と、最愛の人の行く末に対する不安と、同じくらいの信頼。
浅木澪央:確かに自分にできる精一杯をやったという自負と、少しの後悔。
浅木澪央:そして、最期まで寄り添ってくれたあなたへの感謝と、一抹の罪悪感。
浅木澪央:"おかあさん"と、何処かから聞こえた気がした。
有島まひろ:「………っ」
有島まひろ:最後の感情を読み取って、大きく目を見開く。
有島まひろ:何もできなかった無力感や自分への情けなさを覆い尽くすように、目の前の少女への思いがこみ上げる。
有島まひろ:「澪央ちゃん」
有島まひろ:「澪央ちゃん……」
有島まひろ:返事はかえってこない。触れた手の体温どんどん奪われ、冷たくなってゆく。
有島まひろ:(………女同士の話は、全部、秘密のままにするからね)
有島まひろ:(でも)
有島まひろ:(あなたが、自分の気持ちを伝えられて、良かった)
有島まひろ:(………)
有島まひろ:(…おやすみなさい)
有島まひろ:緩慢に身を起こし、その場から離れる。
斗星朔夜:「……後のことは、任せてください」
斗星朔夜:赤川累に寄り添うように立っている。
有島まひろ:「うん。…ごめんね、朔夜ちゃん」
斗星朔夜:「累くんのことは、僕がしっかり見ておきますから」
有島まひろ:「あなたが頼りよ。一緒にいてあげて」
斗星朔夜:「はい!」
斗星朔夜:「島の皆さんのこと、助けてあげてください。まひろさん」
有島まひろ:笑って頷く。
有島まひろ:踵を返し、赤くなった目元を誤魔化すように瞬きし、そのまま島の中へと進んでいった。



---



GM:かつては美しかった島の夜空を、炎の赤と煙の黒が染めている。
GM:辺り一面に転がる死体。菫に殺されたジャームと、ジャームに殺された住民たち。
GM:鼻をつく、物が焦げる匂いと、血と臓物の匂い。
GM:有島まひろはそんな地獄の中で、何とか数人の生存者を助け出し、火の手が及んでいない安全地帯まで誘導した。
有島まひろ:「………」たった数人。その事実が胸を苛む。
GM:もう、悲鳴すら聞こえてこない。それでもまだ生存者がいないかと、火の粉の舞う焼け落ちた住宅地を歩いていると、
GM:……そこに、女が佇んでいた。
GM:炎の影に照らされて、なお赤く染まった紅のコート。それは────。
有島まひろ:「……あ」煤と血に汚れた顔で、前を見る。
ルキナ:「……」その声に気づいて、顔を向ける。
有島まひろ:「あなたは」
有島まひろ:脳裏によぎる、さまざまな声。
有島まひろ:「"スターゲイザー"っていうヤバいオーヴァードを追ってきたらしい」「本人が言うには、神様みたいなもんだって……居なくなった後のお宝を狙ってるとかなんとか」「……そいつは何回か姿を変えてて、今は女の人の格好をしてるそうです」
ルキナ:女の周辺は、そこだけ季節が変わったかのように氷に閉ざされている。
ルキナ:足元には、ジャームと化した村人の亡骸が数体。
ルキナ:凍りついたまま、砕けて転がっている。
有島まひろ:「────…………っ」
有島まひろ:「”スターゲイザー”………!」
ルキナ:「…………それ」
ルキナ:有島まひろの周囲の気温が、急激に下がっていく。
ルキナ:「まさかとは思うけど、私に言ってるの?」
ルキナ:「冗談でも、言っていいことと悪いことがあるよ」
ルキナ:「………まひろ」
ルキナ:澄ました表情に確かな怒気を纏わせて、君に近づいてくる。
有島まひろ:「冗談だと思いたいのはこっちの方よ」
有島まひろ:「分かってるのよ。貴女が、あの人骨を海に置いて、怪魚事件を起こしたこと」
有島まひろ:「天使様なんて言って、菫ちゃんを覚醒させたのだって、貴女でしょう!」
ルキナ:「へえ、そこまで調べたんだ。流石UGN」
ルキナ:「なら、もう少し早く止めてほしかったな」
ルキナ:「こんなことになる前にね」
有島まひろ:「分かってるわよ………っ!」
有島まひろ:震える声で叫び、空気に身を溶かす。
ルキナ:「……」小さく舌打ち
有島まひろ:空中を浮遊して、上空から襲撃し、牙のように尖らせた翼で突き刺そうと仕掛ける。
ルキナ:その爪が、確かに女の胸を貫いた事を視認して
有島まひろ:「ああああああっ!」
有島まひろ:怒りに身を任せ、胸を貫く。
ルキナ:しかし、そこには肉を抉る重さも、吹き出す血潮の熱さも感じないことに気づく。
ルキナ:女の輪郭が陽炎となって崩れていき
ルキナ:その少し後方に、浮き上がるように現れる。
ルキナ:同時に、君の足元が氷で覆われ、身動きが取れなくなる。
ルキナ:「………ちょっとは頭冷えた?」
有島まひろ:「………っ」
ルキナ:「……やめてよ。こう見えて、普通に喜んでるんだけど」
ルキナ:「約束、守れたのなんて久しぶりなんだから」
有島まひろ:「…何の話…」
ルキナ:「船で話した時の約束」
ルキナ:「また会おう、って言って、本当に会えたのなんて」
ルキナ:「久しぶり……だからさ」
有島まひろ:「……やめてよ…。そんなこと言うの」
ルキナ:その表情は、何処か幼い少女のようで
ルキナ:聞いていた"スターゲイザー"のイメージとは、何処か食い違う。
有島まひろ:「………」
ルキナ:「……わかったよ。ネタばらししようか」
有島まひろ:「…ネタばらし?」
ルキナ:「まひろ。あなたは"スターゲイザー"の力についてなんて聞いてる?」
有島まひろ:「とにかく凶悪なオーヴァード。現れた場所に、遺産とか…お宝のような品物を残すって」
ルキナ:「そう。無数の遺産、遺物を何処からともなく取り出し、湯水のようにばらまく」
ルキナ:「無限の並行世界に干渉し、渡り歩き」
ルキナ:「そして、その全てに存在する自分と"繋がっている"、超弩級の時空超越者」
ルキナ:「それに対して、今私がやってるのはね」
ルキナ:サングラスを外して、君に放り投げる。
ルキナ:それは空中で姿を消すが……
ルキナ:「受け取って」
有島まひろ:「え?」
有島まひろ:言われるがまま、放物線の先と思われる場所に手を伸ばす。
ルキナ:君の手の中には、見えないだけで確かに折り畳まれたサングラスの感触がある。
有島まひろ:「……!」
ルキナ:「エンジェル・ハイロゥの単純な光学迷彩」
ルキナ:「あなたも同じことできるならわかるでしょ?」
有島まひろ:「…ええ」サングラスを柔らかく握る。
ルキナ:「この氷も、サラマンダーシンドロームの範疇で説明できる事象に過ぎない」
ルキナ:「……ま、ちょっと裏技は使ってるけど」
ルキナ:「私が本当に"スターゲイザー"なら、わざわざこんな事すると思う?」
有島まひろ:「………」
有島まひろ:「……ううん」嘆息する。「ごめんなさい」
有島まひろ:「頭に血が上っていたわ」
ルキナ:「……そ、良かった」
ルキナ:「いや、よく考えたら誤解を招く言動してたのは私だよね、こりゃあ」
ルキナ:「ちゃんとした自己紹介もしてないんだし」
有島まひろ:「そうよ、初対面の時から」
有島まひろ:「あなたはずいぶん謎めいた人だったから」
有島まひろ:「……UGNではないでしょう。FHというわけでもなさそうだし」
ルキナ:「少しくらい怪しいほうが、余計な奴らを巻き込まずに済むからね」
ルキナ:「ああいや、一応は……」
ルキナ:「………いいや。ちゃんと自己紹介しよう」
ルキナ:「"ルキナ"と、私の」
ルキナ:女の周囲にチリチリとオイズが走る
ルキナ:「……"ルキナ"」
ルキナ:「コードネーム"マリス・ルキナ"。本名プリエール・ジルエット」
ルキナ:「彼女は、フランスに拠点を持つ"アカディアン"というFHセルのセルリーダーで」
ルキナ:「遺産や希少なレネゲイドアイテムを盗み出し、独自のルートで売却することで大きな利益を得ていた」
ルキナ:「けれど、そのセルが持つ理念はFHとしては穏当なもので、手に入れた金銭は全て慈善事業の運営に充てられていた」
ルキナ:「……"アカディアン"は1年前、セルメンバーの背信に端を発する同士討ちで、すべての構成員が死亡し、壊滅した」
ルキナ:「"スターゲイザー"が仕組んだ通りに、ね」
有島まひろ:「……!」
ルキナ:「私は、"マリス・ルキナ"の最期に、彼女と約束を交わした」
有島まひろ:「約束?」
ルキナ:ノイズの感覚が短くなり、その姿をに異なる像が重なる
ルキナ:「一度だけ、この姿で"スターゲイザー"を討つ」
■キ■:「彼女と同じ様に……帰る場所を失って、ただ星を追い墜とすために、充てもなく彷徨う者」
■■■:女の姿が切り替わる。ブロンドの髪は雪のような灰色に、顔の右半分は大きな眼帯で覆われている。
"ディアスポラ":「"ディアスポラ〈亡郷者〉"として」
"ディアスポラ":「はじめまして。有島まひろ」
"ディアスポラ":いつの間にか、足元の氷は溶けている。
"ディアスポラ":「一応聞くけど……」
"ディアスポラ":「……あなたは、"スターゲイザー"じゃないよね?」
"ディアスポラ":意趣返しとばかりに薄く笑って聞く。
有島まひろ:「違うわよ」呆れたように答える。
有島まひろ:「はあ…」嘆息。「……そう。分かった。ええ、いえ、分からないことばかりだけど、分かった」
有島まひろ:「あなたは、"ディアスポラ"」
"ディアスポラ":小さく頷く
有島まひろ:「…私たちの敵は、”スターゲイザー”」
"ディアスポラ":「そういうこと」
有島まひろ:「充分だわ」
"ディアスポラ":「話が早いね。その感じだと」
"ディアスポラ":「居場所、目星がついてるってわけだ」
有島まひろ:「え?」
"ディアスポラ":「あれ、違うの……?」
有島まひろ:「今のいままであなたのことを”スターゲイザー”だと思ってた女よ」
有島まひろ:「他の誰がスターゲイザーかなんて………」
有島まひろ:「………」言い淀む。
"ディアスポラ":「マジか……カッコ悪いな……いや、うん」
"ディアスポラ":「どっち道、すぐわかるよ。アイツは」
有島まひろ:「どんな外見だか、知っているのね」
"ディアスポラ":「こっちも調べた。この一ヶ月、島に外から来た女は私達を入れて三人」
"ディアスポラ":「そしてアイツは、自分の"入れ物"を弄るってことは基本しない」
"ディアスポラ":「危機感ってやつとは縁がないからね」
有島まひろ:「ああ!」頭を振る。
有島まひろ:「ええ…ええ! 分かったわよ、私がどれだけ馬鹿だったのか……」
"ディアスポラ":「今のあいつの体は、三廻部朔夜。名字ぐらいは変わってるかもだけど」
"ディアスポラ":「格好は変わらないでしょ。気に入ってるらしいからね、セーラー服」
有島まひろ:「そうね、それで、とびっきり綺麗な黒髪で、可愛らしい顔をして」
有島まひろ:「いつも楽しそうにしていたわ……、そう、ああ、そうなの」
有島まひろ:少年に寄りそうようにしていた彼女が。それを見て遠慮がちにする少女の姿が。脳裏をよぎる。
"ディアスポラ":「……うん……朔夜はそういう子だ」
"ディアスポラ":「そういう子だったんだ……」
有島まひろ:「分かったわ。島の入り江にいる」
有島まひろ:「彼女はそこで……罪のない男の子と二人きり」
"ディアスポラ":「……成程ね」溜息をついて
有島まひろ:「案内するわ。行きましょう」
有島まひろ:「もう、これ以上の悲劇はこりごりよ」
"ディアスポラ":「うん、急ごう」君の横に並んで
"ディアスポラ":「それで漸く、私の仕事も片がつく」
"ディアスポラ":「この島での、だけどね」苦笑して、闇の中に駆け出した。



---



斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:「累くん」
斗星朔夜:君の傍ら、少女が顔を覗き込む。
斗星朔夜:「これから、どうします?」
赤川累:「ん」周囲にジャームがいないか警戒していた視線を、少女の方へと向ける。
赤川累:「これから……か」
赤川累:今や火の色と、血の匂いに染まったこの島で、沢山の人が死んでいって。その様子を見てきた。
赤川累:昨日までここにあった日常は、もうどこにもない。
赤川累:すなわちは、自分の帰る場所も。
赤川累:「……」
赤川累:「……それでも、澪央は言ってた」ぽつりと
赤川累:「俺はまだ、一人になった訳じゃない」
赤川累:「まひろさんも、菫も……君も。ここに居る」
斗星朔夜:「……累……」はにかむように笑う。
赤川累:「それに、まだ生き残ってる人もきっと、まひろさんが助けてきてくれる。だから……」
赤川累:「そういう人達が、普通に暮らしていける場所を護ること……それがきっと」
赤川累:「澪央のやりたかった事で、俺に期待してる事だと思う」
斗星朔夜:「……」微笑を浮かべて君を見て。
斗星朔夜:「やっぱり、素敵です。あなたは」
斗星朔夜:「……魔街、という場所があります」
斗星朔夜:「ジャームの局地的大量発生と、その隠蔽のため、UGNによって地図から消された場所」
赤川累:「……! それって」
斗星朔夜:「恐らくこの島は、それに近い措置を取られるでしょうね」
赤川累:「そう、か……」
斗星朔夜:「残念です。この島では綺麗なものを沢山見られたのに」
赤川累:すぐ元の暮らしに戻れると、思っていた訳じゃない。だけど、いつかは……という期待がなかったと言えば嘘になる。
赤川累:地図から消える……世界からなかったことにされるという事は、その"いつか"は二度と訪れないという事で。
赤川累:「そう、なんだな……」
斗星朔夜:「今日、ここでは沢山の星が生まれ、ほんの一瞬の輝きを見せて、消えていきました」
斗星朔夜:「恋人を討てずに食い殺された男の子。妹を守るために、ジャーム化した父親に刃を振るった姉」
斗星朔夜:「そんな幾つもの星の煌めきは、どれも素晴らしく、代えがたい美しさを放っていました。けれど……」
赤川累:「……。君は」違和感。あるいは、それがこの少女に対して初めて抱いた、明確な怒り
赤川累:「この惨状を見て……彼らを見て、まだ。そんな事が言えるのか」
斗星朔夜:「……そんな事……?」小首を傾げる。
斗星朔夜:「……けれど、やっぱり、累。あなたと、まひろさん。それに……」
斗星朔夜:「澪央さん。彼女の輝きは、ああ……」
斗星朔夜:大きく息を吸って、目を閉じる。うっとりと、恋に恋する少女のように。
斗星朔夜:「あなたを守って、あなたの腕の中で、息絶える……あの瞬間」
斗星朔夜:「分かりましたか?とても綺麗な表情で……きっと、そうですね」
斗星朔夜:「大切な誰かを思い出していたんでしょうね。彼女の経歴からするに、お母さんですかね」
赤川累:「……やめろ」
斗星朔夜:「ああ……なんて綺麗だったんでしょう。まるで星が瞬くようで……」
斗星朔夜:「累さん。あの光は、間違いなく」
斗星朔夜:「あなたが生み出した輝きなんですよ」
斗星朔夜:君の手を両手で握る。
赤川累:「やめろと言ってる!!!」制止するような怒声。
斗星朔夜:「っ……」
斗星朔夜:びくり、と身体を震わせる。
斗星朔夜:「な……なんですか」
斗星朔夜:「何でそんなにキレてるんですか……?」
赤川累:「……すまない。……君も、この島に来てから、辛いものを見てきたのは分かる」
赤川累:「それで、きっと……どこか調子がおかしくなっているんだろう……だけど」
赤川累:「それ以上、澪央の事を……彼らの生き死にを、見世物のように語られたら」
赤川累:「俺は、我慢できそうにない」
斗星朔夜:「ご……ごめんなさい……気に障ったなら謝ります」ぺこりと頭を下げる。
斗星朔夜:縋るように言う。「ごめんなさい。嫌いにならないで、累……」
赤川累:「……いや。こっちこそ、悪かった」
斗星朔夜:「僕が言いたかったのは……」
斗星朔夜:「あなたが、とても素晴らしい人だってことです」
斗星朔夜:「あなたと一緒にいれば、僕はきっと、もっと沢山の綺麗なものが見られると思うんです」
斗星朔夜:「累さん。僕と一緒に来ませんか」
斗星朔夜:手を伸ばす。
斗星朔夜:「二人でもっと沢山、綺麗なものを────」
GM:「……ゴ、ボッ」
GM:唐突に、君の耳に異音が飛び込んでくる。
GM:それは血混じりの咳の音。
赤川累:「何を、言って……」
赤川累:言葉が途切れる。音のした方を見る。
GM:そこには、一人の男が立っている。
シルバーパルサー:派手な赤い髪にタトゥーの、ガラの悪い男。
シルバーパルサー:その全身は血に塗れ、満身創痍と呼ぶにも生ぬるい状態だ。
シルバーパルサー:片脚と片腕は吹き飛び、臓物がこぼれ、今も肩口には深々と斧が──黒曜石の異様な大斧が突き刺さっている。
シルバーパルサー:「……」
シルバーパルサー:焦点の合わない目で、朔夜に腕を向ける。
赤川累:「生存者……!?」
シルバーパルサー:その腕に、凄まじいレネゲイドが収束していく。
シルバーパルサー:青白く輝く指先。辺りにイオン臭が漂い、激しく弾ける電光が幾度も雷鳴を轟かせる。
赤川累:「いや……」違う。あの状態で生きている時点でオーヴァードには違いないし、島の人間でもない。それに、彼が今しようとしている事は──
斗星朔夜:「ええーっ」
斗星朔夜:「あれでまだ生きてたんですか?軽くヒきますね」
シルバーパルサー:「……死……ね……」
シルバーパルサー:無数の雷を束ねたに等しい、超絶の電撃が放たれようとして────
赤川累:「く、そ……!」過去に二度、そうしたように。彼女を庇うように動こうとして
赤川累:────間に合わない。今度こそ。
GM:その頭上に、オーロラが輝く。
シルバーパルサー:「……!」
GM:直後、空間の裂け目から業火が噴き出す。
シルバーパルサー:「……」
GM:その炎は、1秒にも満たない解放。だがその一瞬で、“シルバーパルサー”の全身は焼け爛れ、溶解し、物言わぬ黒い骸と化す。
GM:どこかであり得た可能性。太陽の異常接近により、地球が跡形もなく消え去った世界。
GM:扉が開いた先は、そんな場所だった。
赤川累:「……! な」
赤川累:驚き、目を見開いて
赤川累:「君が……やったのか」
斗星朔夜:「怖かったです……!」君の腕に抱き着く。
斗星朔夜:「累、怪我はない?」
赤川累:直接の攻撃ができる類の能力はない、と聞いていた。……違和感が、更にはっきりとした形を取る。
赤川累:それに、今の光は────
赤川累:「……あの時も」
赤川累:「丘の上で襲われた時の光……あれも、君がやったのか」
斗星朔夜:「? ああ……」
斗星朔夜:「そうですよ!あの時も死ぬかと思いました……」
斗星朔夜:「でも、累が守ってくれたんですもんね」
赤川累:「……」頷けない。……守った?自分が?
赤川累:「……そんな力があるんなら、どうして」
赤川累:「どうして、さっきの戦いで使わなかったんだ」
斗星朔夜:「それは勿論、皆さんの活躍が見たくて……」
斗星朔夜:「あっ、これ言うと怒られるかな」小声で言って
斗星朔夜:「累くんは知らないでしょうけど……」
斗星朔夜:「オーヴァードは侵蝕率が高まらないとそうそう強いエフェクトは使えないんです」
斗星朔夜:「強い攻撃をすれば、それだけリスクも大きい……気軽には全力を出せないものなんですよ」
赤川累:「活躍が……って」理解が追い付かない。わざと手を抜いた?自分達に激しい戦闘をさせるために?
斗星朔夜:「どうしました?累」
赤川累:「……」言葉が続かない。続く説明も、どこか言い訳のように聞こえてしまって。
浅木澪央:その時
浅木澪央:「……………ケホッ………」
浅木澪央:君達の側に安置された、浅木澪央の遺体
浅木澪央:その口元から、漏れるはずのない音が響く
赤川累:「……!?」
浅木澪央:と く ん
浅木澪央:とくん とくん とくん
赤川累:「澪央……!」その様子に気付く。僅かな期待と共に、彼女の手首を握る。
浅木澪央:近寄ると、ほんの僅かに
浅木澪央:しかし明らかに、止まったはずの心臓が動いていることが確認できる
赤川累:「あ……い、生きて……」
浅木澪央:浅木澪央が受け継ぐ遺産は、その血に流れる"資格"そのものだ
浅木澪央:古き民の血、海底に没した遺産文明の残滓
浅木澪央:曰く、それに確固たる実態はなく、強いて言うならば、
浅木澪央:悠久の時を経て、再び地上に浮き上がらんとする、都市の意志こそが"遺産"であるとされる。
浅木澪央:他の遺産とは一線を画すその"本体"から供給される生命力は、時に絶対的な死の運命すら、遠ざけ得るものだった。
浅木澪央:ヒュウ、ヒュウと
浅木澪央:弱々しい吐息が、唇から漏れる
赤川累:あんな会話までして、そんな事ってあるのかよ……なんて。悪態のような言葉と、それ以上の歓喜が胸に湧き上がって
赤川累:「澪央……! 澪央が生きてる! 朔夜さん!」
浅木澪央:鼓動が徐々に力強くなり
浅木澪央:手首を握る君の手を、ゆっくりと
浅木澪央:握り返して───
GM:  ぞ    ぶ   
GM:それは、かつて鬼を切ったとされる太刀。
GM:邪悪な魔術を断ち終わらせるとされる、古来より伝わる魔剣であるが
GM:今、この場において重要なのは、
GM:それがただ単に、人体を破壊するに足る一振りの刃だということ。
GM:鈍く光る刃が、浅木澪央の心臓に突き立てられて────
GM:その鼓動を、永遠に停止させる。
赤川累:「────え」
浅木澪央:「─────────」
浅木澪央:君の手を握り返すはずだったその掌から
浅木澪央:今度こそ、永遠に熱が失われ
浅木澪央:地に落ちる。
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:無感情な笑みと共にそれを眺めている。
赤川累:「……なん、で」冷たくなっていく手を握ったまま。その視線は
赤川累:隣の少女へと向けられている。
斗星朔夜:「ええ?何でって……変なこと聞きますね」
斗星朔夜:「せっかく、あんなに綺麗に退場した役者が」
斗星朔夜:「もう一度舞台に上がってくるなんて、興醒めじゃないですか」
斗星朔夜:「でしょう?」
赤川累:「な……」ぞわり、と背筋を伝う悪寒。
赤川累:あるいは宇宙の深淵にも似た、理解を越えた思考と価値観。その一端に触れてしまったような。
斗星朔夜:「それにー」
斗星朔夜:ぐい、と、地に落ちた澪央の手を無造作に引いて。
斗星朔夜:「どうせあの状態じゃ、ジャームですよ?決まってます!」
斗星朔夜:ふっ、と、動かないままの彼女の身体が掻き消える。
斗星朔夜:同時に、少し離れた海上に転移。
斗星朔夜:糸の切れた人形のように、水飛沫を立てて海に落下する。
斗星朔夜:「累さん、トドメ刺せましたか?自分で手を下した僕の優しさに感謝してほしいくらいなんですけど~」
斗星朔夜:むっと頬を膨らませる。
斗星朔夜:「まあ、ジャーム化した幼馴染に引導を渡せるか葛藤する累を見るのも────」
斗星朔夜:「かなり楽しそうではありますけどね」
赤川累:「……」そう楽しそうに語る、眼を見る。……初めは、菫や他のジャーム化した人々にも似て、どこか精神を病んでいるのかと思っていた。
赤川累:だけど、これまでの彼女の行動が。あまりにも苦悩や葛藤の見えないその口ぶり、振る舞いが
赤川累:どこかおかしいと告げている。もっと、自分が疑いもしなかったくらい根本的な部分から。
赤川累:GM、ここで《インスピレーション》を使用したいです。質問内容は
赤川累:「斗星朔夜は、この島での事件を引き起こした張本人ですか?」で。
GM:許可します。
GM:君の心の片隅の違和感、記憶のひとつひとつが、刹那、パズルのピースを組み合わせるかのように結び付き
GM:その答え、一つの真実を導き出し、逃れようのない事実として、君自身に突き付ける。
GM:“遺産”を海に投下し、菫を利用し、歪んだ思考を植え付け、
GM:島を滅ぼし、住民を、君の父を、浅木澪央を殺した全ての元凶は、
GM:目の前の少女────斗星朔夜と名乗る、彼女だ。
赤川累:「──────ああ」
赤川累:ひどく冷めた眼差しで、目の前の少女を見る。
斗星朔夜:「?」
斗星朔夜:「累?」
斗星朔夜:きょとんとした顔で君を見る。
赤川累:「俺は……初めから全部、間違えていたんだな」右の拳を握る。その腕が、烈しい熱を帯びて
赤川累:崩れ落ちる。黒色の骨が夜風に晒される。
斗星朔夜:「どうしたんですか?累……」
斗星朔夜:馴れ馴れしく君に触れようとする。
赤川累:躊躇なく、その右腕を振るう。
斗星朔夜:「きゃ……!」
斗星朔夜:掠めた腕の一部が灰と化し、遅れて血が滲む。
斗星朔夜:「な、何を……?」
斗星朔夜:「累!何するんですか!」
赤川累:「……何するんですか、だって?」
赤川累:「こっちの台詞だ。君が……」
赤川累:「君が、全部始めた事なんだろう……! この島の海を汚染したのも! 北見さんを唆したのも!」
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:「……?」
斗星朔夜:怪訝な顔を浮かべる。
斗星朔夜:「それの、何が悪いんですか!」
赤川累:「分からないのか。……ああ、本当に」その、悪意一つないという顔色を見て。
赤川累:「そういう奴なんだな」
斗星朔夜:「あなただって見たでしょう?星を!こんなに沢山の星が墜ちるのを!」
斗星朔夜:「夜空を染めても足りないくらいの、星の輝きが!素晴らしいと思わないんですか?」
赤川累:「やっぱり俺は、君の事を何も知らなかった」
斗星朔夜:「あなたなら……累なら、分かってくれると思ったのに……!」
赤川累:「……澪央や、北見先生や、まひろさんや」
赤川累:「皆の覚悟を、生き方を……眩しいと思わなかったと言えば、嘘になる」
斗星朔夜:「……!やっぱり!そうですよね!」
赤川累:「だけど、違うだろ」
斗星朔夜:「何が……?」
斗星朔夜:「な、何が違うんですか……?」
赤川累:「家族や友達が苦しんでいる時に、自分はただ見ているだけなんて」
赤川累:「助けられる手があるのに、差し伸べないなんて」
赤川累:「……ましてや、それを引き起こしたのが自分自身だなんて」
赤川累:声に混じった怒りの半分は、自分自身へと向けられている。……この少女の一番傍にいて、何一つ気付けなかった自分は
赤川累:きっと、どうやっても贖えないほど罪深い。
斗星朔夜:「じゃ、じゃあこれからは、関係ない人を選んで見ればいいじゃないですか!」
斗星朔夜:「そうですよ!それがいいです!それなら累も大丈夫ですよね?」
赤川累:「そんなの、何より苦しくて辛い事だろう……知らない人だって、同じだ」
斗星朔夜:「一緒に……」
斗星朔夜:「一緒に来てください、累」
斗星朔夜:不安そうな、捨てられた迷い犬のような顔で君を見る。
斗星朔夜:「僕と一緒に……これからも沢山、星を見ましょう」
赤川累:「……ああ」一緒に、と執拗に繰り返して
赤川累:不安そうな目の色を浮かべる少女を見て、理解する。
赤川累:「君は、一人なんだな」
斗星朔夜:「……!」
斗星朔夜:一瞬、ひどく傷付いた顔をして。
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:「……そうです」
斗星朔夜:「僕、友達、いなくて。だから」
斗星朔夜:「だから、あなたに一緒に来てほしいんです」
斗星朔夜:「あなたのことが好きなんです、累」
斗星朔夜:「恋というのがこんなに素敵なものだとは、思いませんでした」
斗星朔夜:「ご飯を食べている時も、お風呂に入っている時も、いつもあなたのことを考えちゃうんです」
斗星朔夜:「好きです。愛しています、累」
斗星朔夜:「……何がいけなかったんですか?言ってください。僕、あなたの為なら何でもしますから」
斗星朔夜:「き……キスじゃ足りないなら、もっと先のことだって……累なら、いいですから……」
斗星朔夜:「だから、お願いです……」
斗星朔夜:縋るように言う。
斗星朔夜:「一緒に来てください」
赤川累:「……ああ」
赤川累:「こういうのは、終わってから分かるもんだな」
赤川累:「あの時は答えられなかったけど」
赤川累:「俺は、君のことが好きだった」
赤川累:「……好きだったよ」
斗星朔夜:「……!」
斗星朔夜:「なら……!」
赤川累:「無理だ」
赤川累:「俺は、君と同じにはなれない」
斗星朔夜:「…………」
斗星朔夜:ほんの一瞬の明るい笑みが、また見る間に萎れていく。
斗星朔夜:「なん、で……」
赤川累:「傷つき、苦しみ、必死で藻掻いている誰かを見て」
赤川累:「君のように平気では居られない」
赤川累:「……君を助けたのと同じだ」
赤川累:「言っただろう。君だけが特別だったんじゃないって」
斗星朔夜:「……」
斗星朔夜:両の目から透明な雫が溢れ、零れ落ちる。
斗星朔夜:「嫌……」
斗星朔夜:「何で……何でですかぁ…………」
斗星朔夜:駄々を捏ねる子供のように、何度もかぶりを振る。
斗星朔夜:「好きなのに!」
斗星朔夜:「こんなに好きなのに……!どうして来てくれないんですか……!」
赤川累:「……それが分からないから」
赤川累:「君はずっと一人なんだろう。これまでも、これからも」
赤川累:「澪央を、父さんを……北見先生を、罪のない沢山の人達を、あんな風に死なせて」
斗星朔夜:「うっ……ぐっ……」
斗星朔夜:「うぅ……うぅうううううう…………!!」
斗星朔夜:朔夜の────“スターゲイザー”の背後の空間が、歪んでいく。
斗星朔夜:現れるのは、視界を埋め尽くすほどの、夥しい武装の数々。その一つ一つが、凄まじいレネゲイドを帯びている。
斗星朔夜:それら全ての切っ先が、赤川累に向けられる。
斗星朔夜:「もう一度だけ、聞きます」
斗星朔夜:「あなたが好きです」
斗星朔夜:「……僕と一緒に、行きましょう」
赤川累:「……だったら、俺は」
赤川累:少女へ向けて、右腕を振り翳す。
赤川累:「今、殺したいほど腹を立てている」
赤川累:「皆の仇である君と、蒙昧な俺自身が」
赤川累:「どうやっても許せそうにない」
斗星朔夜:「うぅううう……!」
斗星朔夜:「ひぐ……!うう、うぁああああ……!」
斗星朔夜:「バカバカバカ!累くんの、バカ……!」
斗星朔夜:「嫌いです!!あなたなんて……!!」
斗星朔夜:「嫌い、嫌い……」
斗星朔夜:「うぅううう……!!」
斗星朔夜:ぼろぼろと涙を零し、嗚咽と共に泣きじゃくり。
斗星朔夜:「大っ嫌いです!!」
斗星朔夜:叫び、一斉に“遺産”を解放しようとした、瞬間。
赤川累:「ッ……!」
赤川累:無謀と知って尚、逃げようとはしていなかった。抑えの利かない罪悪感と怒りがそうさせた。
"ディアスポラ":しかし、その遺産が射出されることはない。
"ディアスポラ":遺産が浮かぶ、異次元へと繋がる門
"ディアスポラ":その周囲の大気ごと、凍りついている。
斗星朔夜:「……!!」表情を変える。「この能力……!」
"ディアスポラ":ゴトッ、と次々に大きな音を建てて遺産が落下し、砕け散る。
"ディアスポラ":「"スターゲイザー"……」
"ディアスポラ":眼帯を外した右目で、彼女を睨む。
斗星朔夜:「また、あなたですか…!!」
赤川累:「これ、は……」見覚えがある。あの丘の上で、襲撃を仕掛けてきた女の。
赤川累:乱入者へと視線を向ける。……姿こそ変わっているが、その声音と立ち振る舞いは、あの丘の乱入者と同じもの。ノイマン・シンドロームに類する分析力がそう判断を下す。
"ディアスポラ":そこにあるのは、空洞。そして、静かに浮かぶ、青ざめた月。
"ディアスポラ":それは、"スターゲイザー"が用いるものと同じ様に異なる世界への扉である。
"ディアスポラ":零下8000度。星すらも凍り墜ちる、異界の物理法則。
"ディアスポラ":かつて、彼女の恋人だった男が目にし、用いたその力を
"ディアスポラ":全ての冬の景色を、その瞳で捉えた全てに押し付ける。
"ディアスポラ":「今更アンタにかける言葉はない」
"ディアスポラ":「"朔夜"からさっさと出ていけ」
斗星朔夜:「うぅ、ぐ、ううう……!」
斗星朔夜:埒外の凍結現象の中、並行世界を幾重にも重ね合わせた空気の壁で、自らの身を守る。
斗星朔夜:「……累!!」強引に赤川を拉致しようと、腕を伸ばす。
"ディアスポラ":「まひろ!」
有島まひろ:「──させないわ」
有島まひろ:少女の背後に、宵闇から夢魔が姿を現す。
有島まひろ:そのまま腕を絡めて、少女を抱きすくめる。
斗星朔夜:「っ……!?」
赤川累:「まひろさん……!」
有島まひろ:「悪い子ねえ───朔夜ちゃん」
有島まひろ:「去り際が分かってこその、良い女よ」
有島まひろ:大きく広げた翼が、繭のように少女を包み───全身を穿ちて磔へと処す。
斗星朔夜:「あ、ッ……!」
斗星朔夜:空間を歪めて攻撃しようとしたその動きが一瞬、止まる。
有島まひろ:「累くん!」
有島まひろ:「あなたが、終わりにしなさい!」
赤川累:「……! はい!」その声に応じて、
赤川累:氷漬けになった遺産を踏みつけ、磔になった少女の元へ一息に駆ける。
斗星朔夜:「累……!」
赤川累:翳す右腕。今なお血肉の再生を続けては灰へと還し続ける、異様なまでに濃いレネゲイドを帯びた黒骨──今なら理解できる。
赤川累:これは、彼女が自分に贈ったものなのだろう。一度は命を落とした自分を、
赤川累:もう一度"舞台"へと上げるために。
斗星朔夜:磔にされたまま、君に目を向ける。懇願と恐怖、そして恋慕の目を。
赤川累:──視線が交わる。黄金色に輝く、その眼を見て
赤川累:「……約束をしたな。君が生きているのは、俺のお陰で」
赤川累:「だから、"そうなったこと"に責任を取るって」
赤川累:「だから、」肘を引く。少女の心臓へ、貫手めいて突き立てる。
赤川累:「──これが、その履行だ」発熱。触れた物を灰へと還すその呪いが
赤川累:"スターゲイザー"の肉体へと送り込まれる。
斗星朔夜:「あ────」
斗星朔夜:自らの身体を見下ろす。翼に磔にされたまま、穿たれた胸から見る間に全身が灰へと崩れていく。
斗星朔夜:「やだ、僕、まだ」
斗星朔夜:「累────」
斗星朔夜:最後に赤川累へと伸ばそうとしたその腕も、
斗星朔夜:海風に吹かれて、微塵に散った。
GM:後には、凍り付いた海が軋む音だけが残る。
赤川累:「……」舞い上がった、その灰を見上げて
赤川累:それから、二人の方へと向き直る。
有島まひろ:トン、と地面に着地。
赤川累:「……有島さん」
有島まひろ:「累くん…良かった」
斗星朔夜:「はあ……」
斗星朔夜:三人の後方から、溜息。
有島まひろ:「───!?」
赤川累:「……な」
斗星朔夜:防波堤に腰掛けて、足をぶらぶらさせている。先程までと何も変わらない様子の“スターゲイザー”が。
赤川累:「そんな、はずが……」確かに、命を奪った感触があった。幻覚の類とは思えない。
"ディアスポラ":「ちっ、今回はこのパターンか」
"ディアスポラ":大きく舌打ちして、二人の前に出る。
有島まひろ:「…このパターン?」
"ディアスポラ":「負け惜しみを言い捨ててくパターン」
斗星朔夜:「負け惜しみじゃないですし~」
斗星朔夜:「今回も目的は果たしましたから。そもそも、目を付けてたのは菫さんだけですし」
斗星朔夜:「そこの赤川さんは偶々会って拾ってあげただけですし~?」
斗星朔夜:「これで勝ったなんて思わないでくださいね」
赤川累:「……本当に、"スターゲイザー"なのか」
赤川累:言動も、振る舞いも、容姿も。とても別人のそれには見えない。
斗星朔夜:「……朔夜って呼んでくれないんですか?」
斗星朔夜:いかなる感情からか、目を細めて赤川を見て。
斗星朔夜:それから、気を取り直すように“ディアスポラ”に視線を移す。
斗星朔夜:「あなたも懲りないですねえ。何度邪魔しても無駄って分からないんですか?」
"ディアスポラ":「……そんなことないよ」
"ディアスポラ":「少なくとも今回は、アンタが本当に欲しいものを奪ってやった」
"ディアスポラ":少年を一瞬横目に見て
"ディアスポラ":「ざまーみろだ」
斗星朔夜:「…………」
斗星朔夜:口元をわななかせて。
斗星朔夜:「……まひろさんも、次に邪魔したら容赦しませんからね!」
有島まひろ:「あらまあ」
有島まひろ:微笑む。「いくらでも相手してあげる。良い女になっておいでなさい」
斗星朔夜:「……よ、余裕ぶってられるのも今のうちですよ……!」
斗星朔夜:再び、周囲の空間が歪み始める。
赤川累:「……。次に、って言ったか」
赤川累:「君はまた同じ事を続けるんだな」
赤川累:「この島とは、また別のどこかで」
斗星朔夜:「当り前じゃないですか」
斗星朔夜:「あっ」
斗星朔夜:「……い……今更心変わりして一緒に来たいなんて言っても、遅いですからね!」
斗星朔夜:「僕、あなたのことなんて大っ嫌いですから!」
斗星朔夜:「ま、まあ……どうしてもって泣いて謝るなら、許してあげなくもないですけど……?」
斗星朔夜:ちらりと顔色を伺う。
赤川累:「……変わらないよ」
赤川累:「俺の答えは、さっき伝えた通りだ」
斗星朔夜:「そっ……」
斗星朔夜:「そうですか!まあ、どうせ、許してあげるつもりなんて無かったですけど!!」
斗星朔夜:“スターゲイザー”の輪郭が、次第に薄くなり、消えていく。
赤川累:「……だから。君がまだ、同じ事を繰り返すなら」
赤川累:「俺は君を止める。今日と同じように……たとえ君が不死身だろうと」
赤川累:「今日と同じように、何度でも殺してやる」
斗星朔夜:「……ふん!やれるものならやってみてくださいよ!どうせ無理だし、無駄ですけどね!」
斗星朔夜:「今度会った時は、全員ただじゃおきませんからね!首を洗って待っててください!」
斗星朔夜:「ばーかばーか!!」
斗星朔夜:「覚えてろー!!」
斗星朔夜:捨て台詞を残し、その身体が次元の狭間、どこか別の世界へと消える。
赤川累:「……忘れられるもんかよ」怒りと呆れの混じった声音で、呟いて
有島まひろ:「………不死身なのね。お得意の遺産の力?」
有島まひろ:虚空を見ながらぽつりと呟く。
"ディアスポラ":「いや、あれはそういうのとは違うみたい」
"ディアスポラ":「言ったでしょ。次元を超越してるって」
"ディアスポラ":「重なり合う世界の数だけ、あいつは存在するってこと。同じ力と記憶を持ってね」
有島まひろ:「あらあら、困ったさんね……」
有島まひろ:「世界の数だけ殺さなくちゃ、止まらないのね」
"ディアスポラ":「ふふ、素面でそう言った奴には始めて会ったよ」まひろさんに笑いかけて。
赤川累:「貴方は……」"ディアスポラ"に向き直る。
赤川累:「あいつを……"スターゲイザー"を、追いかけているんですか」
赤川累:「俺が、彼女と一緒に居た時……攻撃してきたのも」
"ディアスポラ":「ああ、あの時は悪かったね。少年」赤川くんに向き直る。
"ディアスポラ":「ま、キミが近くにいなかったら仕留めれてたんだけど」
"ディアスポラ":「そこはアイツが一枚上手だったか」
赤川累:「……」
赤川累:「俺が、彼女を守ろうとしなければ……」唇を噛む。今日だけで、幾つの事を悔いたかも分からないけれど。
有島まひろ:「累くんのせいじゃないわ」
有島まひろ:「自分を責めないでね」そっと言う。
"ディアスポラ":「……いや、ごめん。私も責めたいわけじゃなくて」バツが悪そうに目を逸らす。
赤川累:「……それは」
赤川累:「すみません……無理です。きっと」
赤川累:「あそこでああしていれば、なんて。意味のない事だと分かっていても」
赤川累:「……考えずにはいられない」
赤川累:「だけど」
赤川累:「そんなものに、圧し潰されて折れるつもりもない」
赤川累:「俺が、ちゃんと前を見てなきゃ……あいつに申し訳が立たないから」
有島まひろ:「…そっか」累くんを見て目を細める。
"ディアスポラ":「ヒョロい見た目の割に良いこと言うじゃん」にっと笑って
"ディアスポラ":「私は、"ディアスポラ"。アイツを……」
"ディアスポラ":「私の家族から……"朔夜"から追い出すために、奴を追っている」
赤川累:「追い出す……?」
"ディアスポラ":「身体を乗り換えてるんだよ。何百年もの間ね」
赤川累:「……! じゃあ、貴方の家族は……」
"ディアスポラ":「……朔夜は、今のあいつのお気に入りってわけ」
"ディアスポラ":「可愛かったでしょ?」
赤川累:「ッ……」
"ディアスポラ":「けど、本当の朔夜はもうどこにもいない。どこの世界にも」
"ディアスポラ":「だからせめて……」
"ディアスポラ":遠く、海の果てを見つめる。
赤川累:自分が、変わり果てた父と対峙した時の事を思う。
赤川累:あの時、自分の背を押したのは。彼であったものに人殺しなどさせるまいという決意だった。
赤川累:……だから、目の前の女性の痛みは、推し量って余りある。
"ディアスポラ":「……少年。キミもアイツを追うなら、また会うこともあるでしょ」
"ディアスポラ":「悪いけどこれでもFHなんでね、キミらとは一緒に行けない」
有島まひろ:「あら、そうだったの」
"ディアスポラ":「ま、もう組織に義理も繋がりもないんだけど」
"ディアスポラ":「……私は、"ディアスポラ"だから」
赤川累:「……でも、一緒に戦う事はできる。今日みたいに」
赤川累:「そう考えていいんですね」
"ディアスポラ":「キミらが生きてればね」小さく微笑んで
"ディアスポラ":一歩踏み出し、海の方へと歩いていく。
有島まひろ:「また会いましょう」
有島まひろ:「…いいじゃない。二回だって三回だって、珍しくがあったって」
"ディアスポラ":「うん、また」振り返らずに手をふって
"ディアスポラ":「約束だ」
有島まひろ:「ええ。約束」微笑んで見送る。
"ディアスポラ":そう言って、朝日の景色にその姿を溶かして行った。
有島まひろ:「………」朝日に目を細める。
赤川累:「……」消えていった黒色を、見送って
有島まひろ:「さて、私はもうひと頑張りね。支部に連絡して……」
有島まひろ:「…できることをしなくちゃね。累くんは、どうする? ここに居てもいいわ」
赤川累:「俺は……」
赤川累:「故郷も、家族も、友達も……沢山の物を。取りこぼして、なくしました」
有島まひろ:「……うん」
赤川累:「それを引き起こして、見世物みたいにした"スターゲイザー"の事が許せないし」
赤川累:「貴方の言った通り……世界の数が尽きるまで殺し続ける事で終わらせられるんだったら、きっとそうします」
赤川累:「……でも」
有島まひろ:「でも?」
赤川累:「それだけじゃ足りない。俺がなりたいのは、復讐者じゃなくて」
赤川累:「誰かの生活を護るために戦える大人だ。……貴方や、澪央みたいに」
有島まひろ:「そっか。…そうよね、累くんは、お医者さんになりたいんだもの」
赤川累:「はい。……だから、お願いします」頭を下げる。
有島まひろ:「ん?」
赤川累:「俺にも、UGNの仕事を手伝わせてください」
有島まひろ:「あらあら」目を細める。「頼もしいこと」
有島まひろ:「頭を下げるようなことじゃないわ。むしろ、こっちからお願いしたいくらい」
有島まひろ:「UGN…私たちは、日常を脅かす者から皆を護る盾───」
有島まひろ:「────まずは、人々の日常を守らなくちゃね。…行きましょう」
有島まひろ:「まだ生存者がいる可能性もあるわ。ふふ、びしばしいきますからね」
有島まひろ:柔らかく笑って、踵を返し、街中へと引き返す。
赤川累:その言葉を聞いて、頷き。肩を並べて歩き出す。
赤川累:……昨日と同じ今日、今日と同じ明日。そんな日常は、瞬く間に崩れ去って
赤川累:この世界は、そんな悪意と理不尽と……どうしようもない物で満ちているのだと知った。
赤川累:だけど、それだけじゃなくて。
赤川累:そんな悪意と理不尽から、何も知らない人々を守るために、命と心を削って戦っている人達がいて。
赤川累:自分の命は、この手に残ったものは。そういう尊い人達の戦い────"スターゲイザー"が喩えるところの「星の輝き」が
赤川累:かろうじて守り通した一掬いだ。
赤川累:(……だから、教えてやる。俺が証明になってやる。"スターゲイザー")
赤川累:(何もかもが他人事で、観測者ぶっている君に)
赤川累:(その光は、ただ遠いそらで輝くだけのものじゃなく)
赤川累:(お前のいる場所まで届く、熱になるって事を)
赤川累:決意と共に握り締めた拳が、じりと灼けついて
赤川累:朝日と共に島へと吹き込んだ海風が、灰の匂いを運んでいった。






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:その後、浅葱島はUGNの魔街指定を受けた。
:生き残った島民は記憶処理の上、強制退去となり、
:島はUGNによる大規模な"掃除"を行った後、封印される。
:事件から数日。
:島民の退去は迅速に完了し、有島たちUGNの職員も、掃討準備のために一時撤収を済ませていた。
:そして───

猗蛇祇神社 本殿

:猗蛇祇神社は、浅葱島の漁港近くの入り江に拝殿を持つ、島唯一の神社である。
:しかしその本殿は、島の裏手、切り立った崖に口を開けた洞窟の中に建てられており
:神職を除いて、余人が立ち入ることはない聖域となっている。
:そこに佇む……否
:横たわる人影が、二つ。
魚人ジャーム:一つは、魚人のような姿をしたジャーム。
魚人ジャーム:全身水浸しの上、至る所に傷を負い、既に息絶えている。
魚人ジャーム:その命を賭して、もう一つの人影を運んできたのだ。
:ジャームの遺体から一段高い位置にある祭壇へ、巫女の装束に身を包み、眠るように安置されている亡骸。
浅木澪央:海へと落とされたはずの、浅木澪央である。
???:かつ かつ
???:そこへ、革靴の音を響かせて、新たな人影が現れる。
連絡役:「ああ、澪央ちゃん。やはり間に合わなかったか」
連絡役:冴えない風貌の、小太りの男
連絡役:本土と島の連絡を担っていたエージェントだ
連絡役:「まあ、もとより湊人を置いてはいたが」傍らのジャームの遺体を一瞥する。
連絡役:「"衛星細胞"も考えものだな。無能の影は無能にしかならないか」
:FHは世界の裏側に根を張る巨大な組織である。
:しかしその内情は、数多のセルやエージェントが独自の裁量を持ち、自らの理想に従って活動する"個"の集まりであり
:彼らの掲げる『己の欲望のためにレネゲイドの力を用いるべし』という理念は、そのスタンスを保障している。
:本来、彼らの間に横の繋がりというものは希薄であり、利害が衝突すれば公然と殺し合いも行われる。
:故に、複数のセルを統括し、状況を調整し、命令を伝達する"連絡役"には、他の組織とは一線を画す権限と地位が与えられる。
:それこそが、"リエゾンエージェント"と称される上級幹部。
"ロレム・イプサム":「"スターゲイザー"も、つくづく余計なことしかしない女だ」
"ロレム・イプサム":「まあ、元より票合わせで据えられた名ばかりの"ロード"……」
"ロレム・イプサム":「不自由させられる分、役得は有効に使わせてもらうとも」
"ロレム・イプサム":ぱちん、と指を鳴らす
:本殿の奥、神体を封じる祠の扉が開き
:中から、人間の腰ほどの高さの生き物が這い出してくる。
????:大きな殻を背負った、ウミウシとイソギンチャクが合体したようなグロテスクな生物。
????:触手を動かしながら、ゆっくりと浅木澪央の亡骸に近づいていく。
"ロレム・イプサム":「大いなる"海棲リマ"の末裔といえども、血が汚れればこうも下等な怪異に成り下がるか」
"ロレム・イプサム":「だがいいさ。必要なのは"繋がり"だ」
"ロレム・イプサム":「さあ……」
????:化物の触手が浅木澪央の胸元、鬼切りの遺産に穿たれた傷口に触れると
????:淡い光とともに、その体が澪央の亡骸に溶けていく。
????:《Eロイス:血の花嫁》
浅木澪央:「…………ん……」
浅木澪央:「…………あれ、ここは……」
"ロレム・イプサム":「おはよう。澪央ちゃん」冴えない表情で笑いかける。
浅木澪央:「え、オジサン……?どうしてここに……」
浅木澪央:キョロキョロとあたりを見渡して
浅木澪央:「いや、それよりも」
浅木澪央:「みんなは……菫は?累はどうしたの?」
"ロレム・イプサム":「みんな居なくなってしまった。君を置いてね」
"ロレム・イプサム":「この島にはもう誰も居ない」
浅木澪央:「え……」
浅木澪央:「そっか………私、一人になっちゃったんだ」
浅木澪央:「これからずっと……」
"ロレム・イプサム":「いいや」澪央の肩に手を添えて
"ロレム・イプサム":「そんなことはない。君はもう自由なんだ」
浅木澪央:「自由……?」
"ロレム・イプサム":「ああ。この島はもう君を縛らない。何故なら」
"ロレム・イプサム":「この島自身が君なんだ。いや、もっと大きな物に、君は繋がっている」
"ロレム・イプサム":「君はもう、どこにでも行けるんだ」
浅木澪央:「本当……?」表情を綻ばせる。
"ロレム・イプサム":「ああ、本当だとも」
"ロレム・イプサム":「さあ、君の望みを言って見るといい」
"ロレム・イプサム":「我々はFH」
"ロレム・イプサム":「その欲望を、私は肯定しよう」
浅木澪央:「私は……」
浅木澪央:「外に出て、色んな所に行きたい。そして」
浅木澪央:笑う。その笑顔は稚気に溢れて
浅木澪央:しかし、生前に有った何かが、致命的に抜け落ちている。
浅木澪央:「累と、ずっと一緒にいたい!」
"ロレム・イプサム":「ああ」満足そうに目を細めて
"ロレム・イプサム":「叶うよ」
"ロレム・イプサム":「君の願いは、きっと叶う」
:水平線を赤く染めて、太陽が沈む。
:そして、天上に輝き嗤う、その月こそは──────







Double Cross The 3rd edition
『光雨、黒天を染める』
終劇



次回
『澪引くは闇霧航路ローレライ
へ、続く