ティタノマキアの暁
メインログ/雑談ログ
Trailer
文明の蛍光に溢れる街並みから、夜空の星を数えられないのは
闇に輝く光の海という贅沢を、神が二つも許さなかったからだ。
その夜、セイクリッドピラーへの攻撃は始まった。
ジェネシスはその直前より『シャットダウン』を仕掛けられ、
キングダムは他ならぬ至上王が引き起こす滅亡の中にあり、
メサイアは常の通り一丸たることを知らない。
ノヴァリスが平時以上の混乱の渦中にあったこの瞬間は、堅固なる防護を誇るピラーがかつてなく脆かった瞬間だとも言え、
その強襲は問題なくノヴァリスの芯を手折ることだろう。
そう。
完全なる計画が、力ある雷霆が、遺された名が、この上ない毒が。
決して劇的な局面を迎えることなく、この夜、戦いを妥当に終結させる。
ノドスチルドレン、十律者9th、"マスターゼウス"。
彼にはその確信があった。
――だがこの地にて、妥当なる理路が妥当なる結果を許すことが、果たしてどれほどあっただろうか。
激動し続ける学園都市から、塔を焼く雷嵐へ迫る星は四つ。
それぞれに、夜を果てまで照らす力がなくとも――
ダブルクロス3rd Edition
『 ティタノマキアの暁 』
ダブルクロス、それは――危難に輝く二つの星冠。
Character
“ウォーレン”/齋藤リッコ
(キャラシート)(PL:すきゃっと)

“バリスティックジェリー”/後藤スダチ
(キャラシート)(PL:珪素)

“スクランブル”/四之宮サヨリ
(キャラシート)(PL:明寝マン)

“スブ・ロサ”/綾云媛
(キャラシート)(PL:DT)

GM:馴染
Index
関連ログ
『Go Underground / 未解明深淵紀ファウセット Quest I : ある結末』
『Hesitates is Lost / アマルテイアの暗闇』
『キングダムの落日』
Opening
【◆ Opening 01 Scene Player:四之宮サヨリ】
【◆ Opening 02 Scene Player:齋藤リッコ】
【◆ Opening 03 Scene Player:後藤スダチ】
【◆ Master Scene】
【◆ Opening 04 Scene Player:綾云媛】
Middle phase
【◆ Middle 01 Scene Player:齋藤リッコ】
【◆ Middle 02 Scene Player:四之宮サヨリ】
【◆ Middle 03 Scene Player:後藤スダチ】
【◆ Middle 04 Scene Player:綾云媛】
Climax
【◆ CRIMAX Scene Player:齋藤リッコ】
Ending
【◆ Ending 01】
【◆ Ending 02】
【◆ Ending 03】
【◆ Ending 04】
【◆ Master Scene 2】
【◆ Master Scene 3】
Preplay
GM:それではセッションを開始します。まずはPC番号順に自己紹介をお願いしていく所存です。
GM:PC1、齋藤リッコ! 人物と性能の自己紹介をどうぞ
齋藤リッコ:はい!
齋藤リッコ:(キャラシート)
齋藤リッコ:齋藤リッコです。齋藤はいちばん難しいほうの齋藤です
齋藤リッコ:キングダムの三年生。キングダムの色んなことには全く関係ない普通の生徒です
GM:大変なことになってるねえ キングダム
齋藤リッコ:最近はバナナを育てたりアイドルをやったりリエゾンロードを倒したりしてました
GM:だんだん普通じゃない指数の上がっていく実績
齋藤リッコ:オーヴァード派遣事務所『ウォーレン』の社長をしており、最近はTVCMなどしているのでそれなりに知名度は上がってるかも
齋藤リッコ:以前友人を星徒として失っており、その際の関係から葬送係としても活動するようになりましたが……
齋藤リッコ:今回はその辺のあれを……あれするかも
GM:するのか……あれを……
GM:『以前』の件はこのログをチェックだぜ
齋藤リッコ:性能的にはバロール/サラマンダーのRC。
齋藤リッコ:いつもはミドル判定がちょっと強かったりカバーリングが出来たりしますが
齋藤リッコ:今回は殺さなきゃいけない奴が出てくる気がするので殴りと時の棺に全振りしています
齋藤リッコ:そんな感じです!よろしくお願いします!
GM:殺意が高いよ~ ではそんな殺しのリッコのハンドアウトはこちら!
ハンドアウト
PC1:齋藤リッコ
シナリオロイス…"ボレロス"テスラ・タイタニス 推奨感情…指定なし
シャムロック自由学園の生徒会長からの指名依頼という時点で、君にはある種の予感があったかもしれない。
その内容は、"ボレロス"テスラ・タイタニスの確保。
シャムロックの後援を受けつつ、現在ノドスチルドレンと同行しているという彼女を確保することが、君への依頼だ。
……なぜ彼女はノドスチルドレンと同行しているのか? なぜ彼女の所在を知っているのか? なぜシャムロックが主体となり動かないのか?
疑いも多い依頼である。これに対し、君は――
齋藤リッコ:テスラ・タイタニス……殺す!!
GM:何故……
齋藤リッコ:会長も一年ぶりだ
GM:留年中で~す
齋藤リッコ:めちゃめちゃがんばります!がんばるぞ
GM:頑張ろう! よろしくお願いします!
GM:それでは次、PC2の後藤スダチさん! 自己紹介をどうぞ
後藤スダチ:(キャラシート)
後藤スダチ:オフィサー営業本部、後藤スダチ!
後藤スダチ:元は理事会側の生徒でしたが、八月革命の混乱で帰還できず
後藤スダチ:そのままノヴァリスで働く羽目になってしまいました。
GM:頑張っているぜ
後藤スダチ:文化祭を実行したり大規模汚職事件でノドスの関与を暴いたりしています
GM:頑張っているぜ……!
後藤スダチ:ノヴァリスに染まっていない常識人という自負こそあるのですが、
後藤スダチ:ちょくちょく他人の扱いが雑だったり辛辣な物言いがでることがあり、善良になりきれないところがあります
後藤スダチ:性能的には世にも珍しい、素早いピュアソラリス。
後藤スダチ:AIDAの恩恵で行動値を増やし、AIDAの恩恵でダイスまで増えて
後藤スダチ:火力増加と行動値増加を色んな対象にかけて、範囲攻撃も一度だけできるのだ。
GM:AIDAとソラリスをバッチリキメている!
後藤スダチ:性能はディクテオンの時とまったくもって変化なし!
後藤スダチ:後藤スダチは不気味に戦闘能力が変化したりしないのだ
GM:あんまり経験点が多いとアンコントローラブルでこわいのだ
後藤スダチ:ディクテオン基地でノドスにも遭遇してるけど
後藤スダチ:メチャクチャ性格が悪くていやな感じ!もう会いたくないな
後藤スダチ:よろしくお願いします!
GM:そうだねえ ではそんなスダチちゃんのハンドアウトはこちら!
ハンドアウト
PC2:後藤スダチ
シナリオロイス…"ステルペス" 推奨感情…好奇心/脅威
ある朝起床した君は、薄暗い自室の中で、すべての電子的権限が剥奪されたことに気付いた。
下手人はすぐに、君の通信端末を介して高らかに名乗りを上げた。ノドスチルドレン、"ステルペス"。彼は君のみならず、全ての生徒から権限を掠奪し、その機能を完全に停止させたと嘯く。
他方で、ごく原始的な手段により、君はジェネシス警備部員からのコンタクトを受ける。
彼女の言を信じるならば、ジェネシスという学園はこの事態を『ジェネシス・シャットダウン』と称して対策を行っており、君は知らぬ内に『再起動要員』の肩書を与えられていたらしい。
そんな君の為すべきことは一つ。ジェネシスより発行された『コードC』を、セイクリッドピラーにて実行することである。
その実行地点がどこかも、現状では分からないのだが……
後藤スダチ:ノドスじゃん!!!
GM:どうも ノドスチルドレンです
後藤スダチ:ヤダーッ
GM:しかもジェネシスをひっくり返してやったぜ ヘッヘッヘ
後藤スダチ:こんなド級のトラブルに応対するのが私でいいのかな……
後藤スダチ:今度こそ営業本部長が出てこないとおかしいレベルの事態な気がするけど
GM:忙しいのかも
後藤スダチ:営業本部長がいないなら私が頑張るしかない……!
GM:これは営業の仕事ではなさそうだしな……
GM:こんな感じで頑張ってください。よろしくお願いします!
GM:では次、PC3の四之宮サヨリさん! 自己紹介をお願いします!
四之宮サヨリ:はい、合コン委員会副委員長を務めさせていただいております、四之宮サヨリです
四之宮サヨリ:(キャラシート)
四之宮サヨリ:実はもう3年生を越え、本来なら卒業してる年齢なんですけど……色々あったため、現在留年中です
GM:卒業、伸びがち~
四之宮サヨリ:その際に合コン委員会も様々な活動を追加で行うようになり、サポートの為便宜的に副委員長の立場のまま……もうこんな時期になってしまいましたね
四之宮サヨリ:基本的には式典や裏方メインで活動しており、あまり表に出ることはありません
GM:頼れるサポーターなんだなあ
四之宮サヨリ:おっとりとしていて優しく、世話焼き。代償として私生活はカス!
四之宮サヨリ:根っこは粗雑ぎみなので、脳内処理能力を超えるとたまにバグります。
GM:今回は全体的に公なので破滅的なお姉さんにならずには済みそう
四之宮サヨリ:なんとか取り繕えそうですね
四之宮サヨリ:8年前に弟をノドス学区消失で失っており、合コン委員会は立ち上げからのメンバーとして在籍しています
四之宮サヨリ:その辺りもようやく今回ノドス側と邂逅することが出来そうなので、どうなるかな……
四之宮サヨリ:性能は……この……経験点ドカ食い武器を……
四之宮サヨリ:バベルを振り回す事しか考えていません、いたって普通のアタッカーです
GM:武器が普通じゃなさすぎる
四之宮サヨリ:素敵な大きい武器だと思います♡
四之宮サヨリ:最低限バリクラ、範囲を持ち合わせているので、打点面含め不足することは無いかと思います
GM:怖……
四之宮サヨリ:という感じです!演出もデカ武器振り回して雷撃を掃射します。マスターゼウスに負けないぞ
GM:OKです。ではそんなサヨリさんのハンドアウトはこちら!
ハンドアウト
PC3:四之宮サヨリ
シナリオロイス…"アルゲス" 推奨感情…執着/憤懣
多腕作業巨大建機、『ヘカトンケイレス』。
それはノヴァリスの始まりにセイクリッドピラー建設へ携わったという逸話を持つ社会人である。
長らくメサイア深層に封印されていると目されていたそれは、ラス・ヴィダスの企業複合体やジェネシスとの共同探査プロジェクトの末に発見された。
それに際し問題となったのは、発掘ルートの間近に位置する合コン委員会の管理するカタコンベの存在だ。
君は委員会代表としてその回収計画に関与し、幾度とない折衝を経て、どうにかカタコンベを傷つけない発掘ルートを確定することができた。
……そしてその努力は、計画の完了を目前にヘカトンケイレスを強奪すべく乱入してきたノドスチルドレン"アルゲス"により、霊廟共々破壊されることとなる。
君は彼の行いのゆえを知り、そして報いを与えねばならない。
四之宮サヨリ:何やってくれてるんですか?!
GM:霊廟ぶっ壊しノドスです
四之宮サヨリ:ゆ、許せねぇ~~~~
GM:一応、何もかもを消し炭にした訳ではなく、一部をぶっ壊したくらいの感じだとは思っておいてください。
四之宮サヨリ:理解です
GM:いいだろ俺は生きてるんだし……
四之宮サヨリ:でも許せへんので怒っちゃいますよ!
GM:報いを与えてやってください。よろしくお願いします!
GM:ではラスト、PC4の綾云媛さん! 自己紹介をお願いします
綾云媛:はい!
綾云媛:(キャラシート)
綾云媛:皆さんはもちろん、最高生徒会長の下に12の行政寮と、それを統括する学務執行寮が置かれていることはご存知だと思いますが……
綾云媛:あのセッションで……出てないな。ツイッターで出てました
GM:オーヴァード・ノヴァ運営委員会アカウントをよろしくね
綾云媛:その中で外への防諜と広報活動を司る、安全保障寮。その寮長です。
綾云媛:今の表向きのお仕事は海賊部みたいな特権もってるとこにバリバリ対抗して外のコンテンツの利権を争うことです。
GM:外への防諜ってそういう
綾云媛:実際には係争中のポーズを維持したまま現状維持を続けさせてます 楽なお仕事だぜ
GM:悪徳役人だぜ
綾云媛:キングダムからの出向だから……キングダムに利益供与しっぱなし!
GM:悪徳役人です!!
綾云媛:元は探索王を名乗っていました。補導団の団長であり……
綾云媛:健全な精神を育むと称して学区外を渡り歩いていました まあ……
綾云媛:斥候してたんですけど……
GM:タイホした方が良いですよ!!!
綾云媛:普通に武闘派なので内勤はタルいな~と思ってます
綾云媛:寮ができたのも星室庁の正式発足時なので……全然忠誠がないです
綾云媛:生前の生徒会長とか面識ないし……
GM:虫下しを出します!!!!
綾云媛:警戒心と猜疑心の塊ですが……涙だけ至上の価値においてます
綾云媛:なんか……遺産のせいで泣けなくなったので
GM:なるほどなぁ
綾云媛:性能は……経験点のドカ食い素手を使います
綾云媛:実質130点かな……
GM:なんだそのアイテム欄にあるヤベ~やつとヤベ~やつは
綾云媛:原初の混沌2度使いしたスカルスローンと極光剣を《物質合成》して
綾云媛:攻撃力69の素手として使える武器を作って 《餓狼の爪》連打します。
綾云媛:直接命中力はない!復讐の刃しかないです
GM:狂ってる
綾云媛:そんな感じ!よろしくおねがいします~
GM:よろしくお願いします! そんな云媛さんのハンドアウトはこちら!
ハンドアウト
PC4:綾云媛
シナリオロイス…"マスターゼウス" 推奨感情…尽力/憎悪
至上王の暴政にて傾くキングダムへ目を光らせる。
不明の手段により機能を停止したジェネシスへ生徒会の調査員を差し向ける。
その他、平穏を知らぬノヴァリス全土に、意識を払うべき事態はいくらでもある。
ただ十分過ぎるくらいに賑やかなトラブルを前触れとして、本物の嵐が来ることへ、警戒以上の想定ができた者がいなかっただけだ。
……星を遮り夜空に広がる、装甲の雲霞。
それらが人間サイズの機動兵器の大群と気付くのに、どれほどの時間が必要だっただろうか。
それは"ノヴァリスの大十字冠"が発生した事件以来二度目となる、ノドスによるピラーへの直接攻撃の始まりであった。
君はこれを、必ずや退けなければならない。
綾云媛:許せねえ……
GM:君たちのピラー……ブッ折っちゃいま~す
綾云媛:そんなことをされたら……あたしの責任問題になりかねないだろ
綾云媛:守って見せる……この地位を!
GM:悪徳役人なんだよ モチベーションが
GM:という訳で、当セッションは以上4名でやっていきます。よろしくお願いします。
綾云媛:よろしくおねがいします~
齋藤リッコ:よろしくお願いします!
四之宮サヨリ:よろしくおねがいします!
【◆ Opening 01 Scene Player:四之宮サヨリ】
GM:オープニングは時系列順でやっていきます。まずはサヨリさん!
GM:ダイスを振って侵蝕率を上げ、シーンに登場してください
四之宮サヨリ:四之宮サヨリの侵蝕率を1D10(→ 8)増加(37 → 45)
GM:"ヘカトンケイレス"、と呼ばれる3機の巨大建造機があった。
GM:それはセイクリッドピラー建造の折に特に能力を発揮した3体の初期社会人で、その過剰すぎる性能と劣悪すぎる燃費ゆえに、
GM:ピラー建造が完了して早々に封印されたという曰く付きの社会人群である。
GM:その存在がメサイア地下にて発見されたのは半年前。回収を行うことは数十分で決定し、その過程でカタコンベへ影響が出ることが判明したのは2ヶ月ほど前……
GM:以来君たち合コン委員会は、回収を主導するラス・ヴィダス企業体やメサイア部活動と幾度とない折衝を経て、どうにか安全な発掘計画を策定したのである。
GM:メサイア地下、深部。
GM:掘り下げられた巨大な竪穴の側面に設けられた足場に、君は立っていた。
GM:この数日は、回収される"ヘカトンケイレス"の機体がカタコンベの側面を掠めるもっとも危険なタイミングであり
GM:合コン委員会のメンバーは代わる代わるその立ち会いを行っていた。そして今日が、君、四之宮サヨリの番だったという具合である。
村前カギョウ:「任せていただいてもよろしいですのに」
村前カギョウ:「律儀なことですね」
村前カギョウ:君の隣に立つ彼女は、ラス・ヴィダス企業体所属生徒の村前カギョウという。
村前カギョウ:合コン委員会との折衝役であり、特にカタコンベ保安に関するラス・ヴィダス側の責任者だ。

四之宮サヨリ:「……大事な場所ですから。私含め皆、自らの目で確認しておきたいのです」
四之宮サヨリ:そう言って、回収が行われる縦穴を覗き込む。
四之宮サヨリ:……眼が眩んでしまうほどの暗黒が広がっている。少しの寒気。
GM:上方の空は曇天である。壁面に設けられた作業灯は十分に明るいが、それでも竪穴はどこか薄暗い。
村前カギョウ:そんな中でもサングラスを外さぬカギョウが、同様に底を見る 「……そろそろ目視できる頃合いかしら」
四之宮サヨリ:若干足が竦むのは、ここ数日企業側に勝手な動きが起きないか、別の委員が出ている間も気を張らせ続けていた事も原因の一つだろう。
村前カギョウ:「"ヘカトンケイレス"――」
四之宮サヨリ:(それも、大体は今日で終わり。上手く傷つけずに取り出せれば……)
GM:作業機械が駆動し、やがてそれは姿を表す。
GM:"ヘカトンケイレス"。
GM:上方から見たその姿は、機械というにも異形だし、動物に例えることも難しいものだった。
四之宮サヨリ:「……セイクリッドピラー建設に携わった超大型社会人。調査段階の写真では見ていましたが……」
GM:敢えて言うなら、中枢部のシルエットは亀のそれを想起させる。そこから巨大な作業腕――一つ一つが幹線道路にも匹敵するほどの大きさである――が複数伸びている。

四之宮サヨリ:「改めて実物を見ると……どことなく威圧的と言いますか」
村前カギョウ:「十字冠があると、私たちはどうも危機感というものを忘れがちですが」
村前カギョウ:「それでもこの質量には、危機感に訴えかける『説得力』があるという所かしら」
四之宮サヨリ:「はい。本来行った偉業を鑑みれば感謝すべきではあるのですが……恐ろしいものを感じてしまいます」
村前カギョウ:「もちろんご安心なさい。機能は完全に停止しています。というより、もし動かせればこの回収はもっとシンプルに済んだことでしょう」
村前カギョウ:「ああ、あと……」 ちらりと君を見る 「この回収ルートの近くに、カタコンベなんてものがなければ」
四之宮サヨリ:「……それに関しては、此方も申し訳なく思っています。この社会人がノヴァリスの歴史を語る上で重要な機体である事も、ですが───」
四之宮サヨリ:「どうか、ご理解いただければ。貴女方が考えるのと同じほど、私達側にも譲れないものがあるのです」
四之宮サヨリ:「……と、貴女とのこういう話も何度目でしょうか。これで何もかも終わってしまえば、言い争う事も無くなるのですけど……」
四之宮サヨリ:「すべて片付いた後は、言い合い無しでお茶でもどうですか?お菓子もこちらで質の良いものを用意しましょう」
村前カギョウ:これまでの折衝の中で、貨幣経済上の利得を何よりも重視する彼女、ないし彼女の所属する企業体と、合コン委員会の尊ぶ精念が対極にあることを、君たちは十分に理解し合っていた。
村前カギョウ:村前カギョウも同様の所で、だから君の落ち着き払った返事と誘いには、なんともバツの悪そうにサングラスをかけ直す。
村前カギョウ:「……こちらの休暇とそちらの予定が合うようでしたら、考えても構いません」
四之宮サヨリ:「ふふ……苦労があるのはお互い様、ですからね。小さいですが、お疲れ様会でもしましょうか」
村前カギョウ:「どうせなら次の利益に繋がる話でもできれば良いのですが」
村前カギョウ:「まあ、そうでなくともたまには……失礼」
村前カギョウ:話している途中で、彼女の通信端末が音を建てた。耳孔内のイヤホンに手を当て、何やら応答をする。
村前カギョウ:「……何です? 地上警備を突破して……」
GM:重々しい作業機の駆動音が響き、"ヘカトンケイレス"の巨体はゆっくりと竪穴を上がっていく。
村前カギョウ:「……戦闘機械の群団が……!?」
GM:曇天の上空を、影がよぎった。
四之宮サヨリ:「……え?」通信を邪魔する訳にはいかないと押し黙っていたが、聞こえてきたその声に反応して───
GM:その影の主は、人型サイズの機械であり、その群れであった。その巨大な竪穴を続々と降下してくる。
村前カギョウ:「……大丈夫です。このメサイアで襲撃を想定しないなんてことは有り得ません」
村前カギョウ:彼女は君に視線だけを向けながら言う 「作業穴内にも警備は複数準備しています。迎撃にはこの上なく十分な量のはず……」
GM:彼女の発言通り、影の主である攻撃機の群れは次々と破壊され、爆散し、その破片を"ヘカトンケイレス"の通ってきた虚空へと撒き散らしていく。
四之宮サヨリ:(けど、既に地上警備も突破されている、降りた機械も含め、何が……)
GM:それは一般的な社会人とは全く違う形状をしていた。"ヘカトンケイレス"とも似て非なる、どこか有機的なデザインを孕んだ装甲機械。
村前カギョウ:恐らく報告は続いているのだろう。カギョウの表情は目に見えて険しくなってくる
四之宮サヨリ:静かに巨大なアタッシュケースに手を添え、隣の少女の動きにも気を払う。短いながらの腐れ縁、有事には抱えてでも逃がさねば。
村前カギョウ:「……サヨリさん。荒事の方はどれほど?」
四之宮サヨリ:「……ある程度は。カタコンベ侵入者撃退用の巨大武装を常に携帯しています」
四之宮サヨリ:「緊急時です、指示を頂ければ直ぐに動きます。カギョウさんの方は大丈夫ですか?」
村前カギョウ:「私も当然、ラス・ヴィダスでやってきた身です。多少と言わず戦える自負はありますが」
村前カギョウ:「あなたを守る自信はない……このまま行けば、恐らくここまで累が及びます」
四之宮サヨリ:「……敵は相当やり手のご様子。了解しました」
村前カギョウ:「もう少し上方に移動しましょう。どうせ"ヘカトンケイレス"がなまなかなことで壊れることはありませんし、目当ては機構そのものよりも内蔵データです」
村前カギョウ:「原初の理事会のデータ、そしてピラーの建造計画……構造データが残っている可能性がある。それを回収できれば我々としては問題はない」
四之宮サヨリ:「移動場所含め、お任せします。私としても最低限カタコンベが無事であれば、後は他に任せることが出来ますが……」
村前カギョウ:「ですが、回収機械が被害を受け、"ヘカトンケイレス"がこの回収溝の壁面に接触すれば」
村前カギョウ:「カタコンベへの被害は免れません……」
村前カギョウ:話しながら、既に早足で歩き始めている。階段を登り、上層へ。
四之宮サヨリ:「……全く、此処までようやくやってきたのに、迷惑な乱入者もいたものですね」
四之宮サヨリ:彼女を追い、階段を上がる。竪穴に落ち行く機械の破片を注視しながら。
四之宮サヨリ:「……見たことないタイプの社会人ですね……そちらに何か続報はありますか?」
GM:今のところ、迎撃そのものは機能しているようだった。襲撃を仕掛けてきた機械群が、君たちの所まで無事に姿を表すことはない。
村前カギョウ:だが、その事実に反してカギョウの表情は依然優れない 「……迎撃機構そのものが破壊され始めています」
村前カギョウ:「もし相手に十分量の物量があるのだとしたら、迎撃機構の配置を見極めて、その対策をした後に……」
村前カギョウ:「本命がいらっしゃる」
四之宮サヨリ:「……そこまで、ですか。ラス・ヴィダス。ジェネシス、メサイア合同での機構を、こうも容易く……」ここまでの戦力、私が出て何ができるか……分からない。理解しえないまま上へ走る。
村前カギョウ:「生半可な戦力ではない。ですが、データの上では、このタイプの社会人のことは知っています。我々の専門ですからね」
村前カギョウ:「『彼ら』は恐らく……」
GM: バヂリ、と
GM:頭上で電光が爆ぜた。次の瞬間、光の帯が君たちの進路を絶った。
GM:それが光の帯ではなく、巨大な雷の刃であったと君は理解できる。
四之宮サヨリ:「あっ、ぶないっ……!」
四之宮サヨリ:嫌な予感が働いたのか、先行するカギョウの手を思い切り引き、背後へ飛ぶ。
"アルゲス":何故ならば、上空にその持ち主がいたからだ――その人型はスラスターで浮揚し、剣を振り抜いた格好で君たちを機械の眼にて捉えていた。

村前カギョウ:「っくあ……!?」 間一髪、君に手を引かれその刃を免れる。攻撃余波でその帽子が吹き飛んだ。
"アルゲス":『仕損じたか』
"アルゲス":男声である。無機質ながら鉱石のように刺々しい装甲の機体は、光を湛えた刃を手に、明確に君たちに向けてそう言った。
四之宮サヨリ:「どうやら、もう此処まで来てしまったようです……無事ですか、カギョウさん」
四之宮サヨリ:「それに……声、貴女の言った『彼ら』」
四之宮サヨリ:心音が高鳴る。それは自らが最も望んでいた邂逅であり、この場では出会いたくないノヴァリスの敵。
村前カギョウ:「私はっ、大丈夫……それよりも回収機構の防衛を!」 サヨリと同時、通信端末の向こうの相手にも叫んでいる
四之宮サヨリ:「……ノドスの、方ですね」
四之宮サヨリ:私が直接相対したことは無い。しかし話は聞いており、其処に僅かな望みすらも見た。
四之宮サヨリ:(落ち着け……落ち着け。身内の安否を聞くよりも、今は───脅威として、対応しないと)
村前カギョウ:「ええ! 『ノドスチルドレン』……しかも"十律者"、マスターゼウスの傘下勢力です!」
村前カギョウ:「半年前ジェネシスの基地にて活動していたきり、表立った活動はしていなかったはずですが……!」
"アルゲス":『"アルゲス"だ』 その声は冷たく、また眼部センサーも実態以上に冷たい光を帯びているようだった
"アルゲス":『一括に扱うな』
四之宮サヨリ:「……すみません。貴方の名前を、私は知らなかったもので」
"アルゲス":『それでいい』
四之宮サヨリ:裏手にタブレットを操作し終える。いつでもアタッシュケースを変形させ、攻撃に転じる準備。
"アルゲス":『覚え、詫び――』
"アルゲス":『ここから消えろ』
"アルゲス":スラスターが爆ぜ、君たちへ肉薄せんとする……その直後、紫の魔眼がその四肢を抑え込んだ。
村前カギョウ:「サヨリさん!」
四之宮サヨリ:「っ、く───?!」
村前カギョウ:手を掲げている。察するに彼女の能力なのだろう
村前カギョウ:「お願いします!」
四之宮サヨリ:「───ええ、ええ!僅かな隙、見逃しませんとも……!」
四之宮サヨリ:自らの体躯の裏で低い唸り、鈍い輝きと共に巨大砲塔が形成され───
四之宮サヨリ:「雷撃、開始っ……!」
四之宮サヨリ:空気を震撼させる轟音と共に、天衝く雷が幾条もアルゲスの機体へと発せられる。
四之宮サヨリ:(あまり竪穴内では使いたくなかったですが……そうも言ってられません……!)
"アルゲス":『っぐお、おお……おおおお……ッ!』
"アルゲス":放たれる雷は機動不可能な"アルゲス"の機体に直撃する。装甲は弾け、節々から内部回路の破損した火花が散り、剣を構えた態勢も保てなくなる。
"アルゲス":その攻撃を受けながら、彼は――
"アルゲス":『……はは』
四之宮サヨリ:爆撃の如き炸裂光が続く。壁を少しずつ崩し、動きの縛られたアルゲスを只管に破壊し続けて───
"アルゲス":『ははッははは……!!』
"アルゲス":笑う。そして、零すように一言
"アルゲス":『……解った』
四之宮サヨリ:「っ……何が、ですか!私は何も分かりません!」
四之宮サヨリ:「貴方に、貴方達に!言いたいことは、聞きたいことは、幾つもあります!でも…………!」
四之宮サヨリ:雷撃のエネルギーが一度尽き、一瞬の静寂が訪れて。
四之宮サヨリ:「……敵意を持って襲われたら、こうするしかないじゃないですか……!」
"アルゲス":君の言葉に反応することはない。
"アルゲス":ただその言葉を最後に、"アルゲス"の機体は爆ぜ、バラバラに破壊され、断片となって他の攻撃機と同様、下方の暗闇へと消えていった。
四之宮サヨリ:「……………………」
四之宮サヨリ:(……これで、本当によかったのでしょうか)
GM:……静寂である。いつの間にか襲撃は止み、炎と煙の焦げ臭さだけが残っている。
村前カギョウ:「……ひとまずはやり過ごせたようです」 カギョウも通信端末越しに報告を聞き、嘆息を吐いている
村前カギョウ:「サヨリさん、お怪我は?」
四之宮サヨリ:小さく、目元を拭う。
四之宮サヨリ:「問題ありません、互いに……まずは無事でよかったです。先程は助かりました」
村前カギョウ:「いいえ」 吹き飛ばされた帽子をかぶり直す 「私一人では凌げなかったでしょう……」
村前カギョウ:「あなたの火力があったからこそ、私は足止めに専念できました。……痛む所でも?」
四之宮サヨリ:「外傷は、何も。だから……心配しないでください。まずは安全を確保しましょう」
四之宮サヨリ:「腕、痛みませんか?無理に引っ張ってしまったから……」
村前カギョウ:「……分かりました」 少し思わしげな表情を浮かべはするが、そこまでだ
村前カギョウ:「いいえ、おかげさまで私は大丈夫。回収機構もどうにか無事ですが……防衛関連の被害が甚大です」
村前カギョウ:「特に今の、"アルゲス"というのの攻撃余波で、センサー類が焼かれています。……警備人員もだいぶ離脱してしまったようです」
村前カギョウ:困ったような笑い 「仕切り直しですね。もう少しお付き合い願うことになりますわ」
四之宮サヨリ:「こうなっては仕方ありません、お疲れ様会はもう少し後、ですね」
四之宮サヨリ:立ち上がり、土埃を払いながら。侵入者の来た方向を見遣る。
村前カギョウ:「ええ。今日の所は撤収しましょう。被害計算をしないと……」 その声が切れ、彼女も上空を見上げている
村前カギョウ:耳元に手を当てているのは、そこに通信機が埋め込まれているからだ
村前カギョウ:「……何ですって?」
村前カギョウ:「報告は正確に――」
GM: バヂリ、と
GM:頭上で電光が爆ぜた。次の瞬間、穴の外から放たれた雷の刃が、村前カギョウの身を焼き飛ばした
GM:当然、彼女も十字冠を持つ身である。雷の刃の晴れた後にその姿がなくとも、それが死を意味する訳ではない。
GM:だが、それが意味するのは……
四之宮サヨリ:「っ───?!」反応が、一切間に合わなかった。ひらり手元に落ちて残るのは、彼女の帽子だけで。
"アルゲス":君の見ていた穴の向こうの曇天から、再び彼が姿を現したという事実だ。
"アルゲス":『二手を要する』
四之宮サヨリ:「……もう、本っ当に……!」
"アルゲス":『"ブロンテス"の読み通り。癪だな』
四之宮サヨリ:重苦しい音が響く。砲塔を再び向ける。
"アルゲス":スラスターから白い火を噴き、再び君へと迫る。その背後からは、やはり複数の戦闘機体群
"アルゲス":先ほどよりも数が多い。迎撃が機能しきっていないのだ
四之宮サヨリ:(カギョウさんは……無事であることを祈りましょう、問題は、今ここで私が撃退が可能かどうか……!)
"アルゲス":『……解っていないな』
四之宮サヨリ:「何を、ですか……!」
"アルゲス":『お前ではこれを阻みきれんだろう。その立派な砲は大したものだが』
"アルゲス":『先ほどと同じようには行かん。まだやるつもりか?』
四之宮サヨリ:「……解かっていますよ。先は二人合わせてようやく貴方……アルゲスさん一人を止めるだけでした」
四之宮サヨリ:「それでも、この先には守らなければいけないものがある」
四之宮サヨリ:「隣で暫く時間を共にした仲間にも、やるべきことと為すべきことがあった、だから……」
四之宮サヨリ:「足掻きます───油断していると、全部撃ち落としてしまいますよ?」ただ逃げ帰ったでは、彼女に合わせる顔が無い。
"アルゲス":『そうか。刃向かう気骨は悪くないが……』
"アルゲス":『状況はもう決した』
GM: ギ ギ、ギギギギ――――
GM:竪穴に、金属の悲鳴が響き渡る。
四之宮サヨリ:「この音……貴方達、まさか!」
GM:それは地下……君と"アルゲス"の相対する地点よりもさらに深く、闇の下から響く、いや、轟いてきていた。
GM:大地が揺れる。竪穴の壁に据え付けられた施設が、振動に耐えきれずあっけなく脱落していく。
GM:それすらも儚く弾いて、その巨身がゆっくりと動き出す。
四之宮サヨリ:「きゃっ……!」
四之宮サヨリ:武装をケースに戻し崩れる足場を駆けながら、僅かに無事である場所へと逃げ込んで。
GM:ヘカトンケイレス――
GM:先ほど見下ろした巨大な機構が、恐ろしく緩やかな動きで、そのアームを内壁に食い込ませている。
GM:自律し、動き始めている。
四之宮サヨリ:「嘘……」
四之宮サヨリ:「ヘカトンケイレスが、動いて……?!」
"アルゲス":『守らなければいけないものがある、か』
"アルゲス":その声は蔑むようでもあり、憐れむようでもある。少なくとも今ここで起きている現象に対する驚きはない。
"アルゲス":『俺たちがかつてできなかったそれを、お前たちができるものか』
四之宮サヨリ:驚愕と、浮かんだ最悪の予感に冷や汗が垂れる。
"アルゲス":光を湛えた剣が、君に向けて振り上げられる。
"アルゲス":『圧倒的な力がある』
四之宮サヨリ:「くっ……!」(間に合わ、ない……!)
"アルゲス":『全てはその力の前にあるか、後ろにあるか』
"アルゲス":『――お前は前に立っていた』
四之宮サヨリ:緊急移動の為にケースに戻した武装は、展開にまで時間が掛かる。目の前の脅威に対して、致命的な隙。
"アルゲス":雷の刃が、振り下ろされる。
GM:……それが君の、十字冠による離脱直前に見た光景だ。
GM:君は"アルゲス"を名乗る彼に、その背後の霊廟もろとも斬撃された。そこに残った深い破壊の斬痕が、その事実を何より明瞭に物語る。
GM:突如機動した"ヘカトンケイレス"はその回収現場から自ら駆動し、セイクリッドピラーへと向かっているという情報がある。
GM:委員会の面々は、君を休ませようとした。だが――君はそうはしなかった。
四之宮サヨリ:身体の焼き切られた痕を服越しに手でなぞりながら、一部を破壊されたカタコンベを後にする。
四之宮サヨリ:(修繕、並びに再警戒。今の委員会の面々ならば、十全にこなせる筈)
四之宮サヨリ:痛みが響く。身体よりも、それ以上に。
四之宮サヨリ:彼らと会って、攻撃する事でしか対処できず、止める事すらできなかった自分の未熟さに心が痛む。
四之宮サヨリ:それに……合同カタコンベは、ノドスの生徒たちの為のものであると同時に、彼らだけを祀ったものでは無い。
四之宮サヨリ:「だから、謝ってもらわないといけません。彼に、彼らに」この破壊に対する、謝罪を。
四之宮サヨリ:そして───
四之宮サヨリ:「その後にでも……お話、聞けたらいいな」
四之宮サヨリ:随分とまあ、危機感の無い思考だとは思う。それでも、漸く会えたのだ。
四之宮サヨリ:「だから……行かなきゃ」
四之宮サヨリ:ヘカトンケイレスが向かうピラーへと、決意を持って足を進める。
四之宮サヨリ:……その先に、きっと彼らは居る。
GM:シーンを切ります。シナリオロイスを取得してください。
GM:対象は"アルゲス"、推奨感情は執着/憤懣です
四之宮サヨリ:アルゲスに対して〇執着/憤懣で取得します!以上!
【◆ Opening 02 Scene Player:齋藤リッコ】
GM:リッコちゃんのオープニングシーンです。ダイスを振って侵蝕率を上げ、登場してください
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 9)増加(35 → 44)
齋藤リッコ:メサイアの片隅、オーヴァード派遣会社『ウォーレン』の事務所。
齋藤リッコ:経営規模に見合わぬ豪華な床材や調度品の類いは、グレート・バビロン会計の手腕によるものだ。
齋藤リッコ:ついこの前まではどこもかしこも新築同然といった風情で、家主としても据わりが悪かったが……最近はようやく馴染んできたところだ。
齋藤リッコ:今日は従業員も休みで、事務所にいるのはリッコ一人だ。顔馴染の情報屋から買い付けた各所の情勢を見て、頭を捻っている。
齋藤リッコ:「うーん……」
齋藤リッコ:以前の依頼人からお礼として大量に貰った炭酸コーヒーを啜って、唸るように漏らす。
齋藤リッコ:「キングダム……何か大変なことになってるけど……」
齋藤リッコ:「帰った方がいいのかなぁ……でも行ったところで何か出来るのかな……」
齋藤リッコ:腕組みをして、母校の荒れ具合に頭を痛めている。
GM:そんな風に君が過ごしている所に、来客を告げるチャイムの音が響く。
GM:もちろん、この時間に何かの約束をしていたということはない。そして来訪にあたってチャイムを鳴らすという理路整然とした挙動からして、メサイアにいがちな暴徒でもないはずだ。
齋藤リッコ:「あっ」新たな依頼人だろうか?軽く服装を正して入り口に向かう。
齋藤リッコ:「はい! いらっしゃいませ、オーヴァード派遣会社『ウォーレン』です」
齋藤リッコ:にこやかな笑みを浮かべて扉を開く。
棚エアリ:「はい、こんにちは」 そんな君を迎えたのは、朗らかな笑みの女生徒

執事風の先住市民:と、その隣に立つ背の低い執事服のウサギ型先住市民である。ぺこりと頭を下げる

齋藤リッコ:「……えっ……」
齋藤リッコ:笑みが固まり、その場に硬直する。思ってもない来客だった。
齋藤リッコ:「……会長……さん……?」
棚エアリ:「わー、もうだいぶ間が空いたのに、覚えておいてくれて嬉しいです。はい」
棚エアリ:少し姿勢を正す 「シャムロック自由学園生徒会、生徒会長の棚エアリです」
棚エアリ:「今日はまさに、あなたにご依頼をしたくて来ちゃいました。……お話し、できますか?」
齋藤リッコ:動機が早くなる。彼女自身の咎ではないが、その存在はリッコにとって最も忌まわしき記憶と密接に結びついていた。
齋藤リッコ:シャムロック。ファウセット。星徒。テスラ・タイタニス。そして──。
齋藤リッコ:「……あ……」
齋藤リッコ:だが、それも束の間。すぐ我に返って。
齋藤リッコ:「……ええ、勿論! ホントにお久し振りですね……!」
齋藤リッコ:「一年振りですか? どうぞ中へ…… ……あっ」そこでようやく同行者の存在に気付き「失礼しました、そちらの方は……」
棚エアリ:君の内心の動揺に、彼女が表立って触れることはなかった。だがわずかに細めた目で、君の様子は漏らさず見ている。
棚エアリ:「彼は生徒会の執事役なんです。今回は単なる付き人だと思ってもらえれば」 見れば背嚢を背負っている。荷物持ちらしい
棚エアリ:そう言って事務所へと一人と一匹は足を踏み入れます。執事役だという先住市民が、シャムロック産の保存の利くお菓子をお土産に差し出してくる
齋藤リッコ:「そうなんですね……あっ、どうもご丁寧に……! お二人ともどうぞそちらに」お土産を受け取り、革張りのソファ──めちゃくちゃ寝心地が良い──に案内する。
齋藤リッコ:「今お茶を淹れますね。ちょっとお待ちを……今日はあたししかいなくて……」
棚エアリ:「お構いなくー。……良い事務所ですね! うちなんかよりずっと立派かも」
棚エアリ:淑やかな所作でソファへ腰を下ろす。執事のことも手招きして、隣へと座らせた
齋藤リッコ:「いやぁ……あたしも未だに緊張するんですよ、ここ……」苦笑しながら来客用の紅茶を用意する。
齋藤リッコ:キングダムの制服にコートを羽織った姿。容姿はかつてとそう変わらないが、細かな身のこなし、そして纏っているものは、一年前とはまるで別人だ。
棚エアリ:「あっ、紅茶は二人分で大丈夫です! この子、カフェインが駄目で」
齋藤リッコ:「あっ、そうなんだ! ジュースなら大丈夫ですか?」
棚エアリ:「いえ、どうかお構いなく……! あんまり水分も取らないんですよ」
齋藤リッコ:「えっ、そうなんだ……? じゃあ……はい……」マナー的に良いのだろうか?と思いつつ学生なのでよく分からない。
齋藤リッコ:「お待たせしました」とりあえず二人分の紅茶を出しつつ、申し訳程度にお茶菓子とお土産に頂いたものを添えている
齋藤リッコ:「……エアリさん、わざわざこちらまで? 呼んでくださったらこちらから……」
棚エアリ:「いえ、そんな。……リッコさんが以前とあまり変わりがなければ、もしかしたらそうしたかもしれませんが」
棚エアリ:「起業なさって、事務所まで構えて! そんな人を呼びつけるのはさすがにちょっと気が引けちゃいます」
執事風の先住市民:エアリは紅茶を口にしつつ、隣の執事の頭をもすもすと揉んでいる
齋藤リッコ:「えぇ~っ!? いやいや……そんな大したことじゃ……」言いつつ照れ照れしている
棚エアリ:(まあ、この明らかに非実用面で充実した調度は全然リッコさんのセンスではないし、十中八九パトロンがいるんでしょうけど……)
棚エアリ:「……それに今回の依頼はあまり表沙汰にしたくない……っていうと物騒な感じになっちゃうかな」
棚エアリ:「シャムロック内でもあまり知られたくはなかったので、ちょうどよかったんです」
齋藤リッコ:「……」その言葉が含むところに、表情が真剣なものに切り替わる。
齋藤リッコ:「ご依頼ですね……聞かせて頂けますか?」
執事風の先住市民:背嚢から写真を一枚取り出すと、エアリへ手渡す
棚エアリ:エアリは手元でもう一度その写真を見て、わずかに表情を翳らせるが
棚エアリ:口を閉ざすことはない 「……勿体つけることではないですよね」
棚エアリ:「シャムロック自由学園、前生徒会会長」
棚エアリ:「コードネームを"ボレロス"。名をテスラ・タイタニス――私は彼女と、その残存する配下を『フォモーリアン』と定義しましたが」
棚エアリ:何か政治的な要素を含む言い回しを口にしかけ、首を振る 「すみません、ともかく」
棚エアリ:「彼女を発見しました」
GM:差し出された写真には、確かにその姿がある。美しく、だがぞっとする恐ろしさを帯びた、緑のドレスの少女。
GM:どこか暗い空間で、何かを話しているかのような横顔だ。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:驚きは無かった。彼女がここに姿を現した時点で、どこかで予感は、予想はしていた。
齋藤リッコ:それでも、息が詰まる感覚があった。
棚エアリ:君の表情を、つぶさに、しかしそうと悟られぬよう観察しながら、言葉を続ける
棚エアリ:「今現在の彼女の所在と、そして今後の行動は、ほぼ間違いのない精度で把握できています」
棚エアリ:「二度とはない機会です。私としてはここで蹴りをつけたいのですが……」
棚エアリ:「色々ありまして、シャムロックとして大々的に動くということがしづらい状態でもあります。……ほら、キングダムのこととかね」
齋藤リッコ:「……。 ……そう、ですね」
齋藤リッコ:写真を見る自分の感情がどういうものなのか、自分でも分からない。あの日の燃え滾るような憎悪と憤怒は、この一年で燻り続け、既に己と同化してしまっていた。
齋藤リッコ:「……ひとつお聞きしてもよろしいですか?」
棚エアリ:「はい、何なりと」
齋藤リッコ:「エアリさんの立場から、今動くのが難しく……外部の手を借りたいというのは、よく分かります」
齋藤リッコ:「……でも。……どうしてあたしを?」
齋藤リッコ:棚エアリのような卓越した観察眼は無い。だが、その真意を少しでも探ろうと、真正面からその瞳を見据える。
棚エアリ:かすかな笑み 「『あの件』に関与していて、単純に実力も申し分ない人材、あと外部の傭兵生徒ということであれば、礼希さんなどもいますね。……もちろん候補には挙がりましたよ」
棚エアリ:「ただ今回リッコさんに声をかけたのは、それ以上に適切だと考えたからです」|
齋藤リッコ:「……適切?」
棚エアリ:「……今回の依頼は、彼女の身柄の確保です」
棚エアリ:「この依頼を以て、テスラ・タイタニスはどのような経緯を経たとして最終的には私たちの手で確保し」
棚エアリ:「その後は完全な拘束を行い、表に出ることは絶対にありません」
棚エアリ:「――事実として、私たちはそういった幽閉拘禁を行えます」
棚エアリ:「そしてこれは、決意でもある……」 いつの間にか、その口元から笑みは消えている 「テスラ・タイタニスは我々の手元で終わり、二度と世に出ることはない」
棚エアリ:「『終わる』んです、彼女にまつわる全ては。……それに」
棚エアリ:「あなたが関与できるなら、そうするべきだと、私は思った」
GM:直接的にそういった言葉を使ってはいないが、要は『筋を通す』というたぐいの話だと、君は理解できるだろう。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:薄ら寒いものを感じる。だがそれは事実だろうと思った。棚エアリという少女は、表面上どれだけ人当たりが良く見えても……指導者として、そういった手段を使うことを辞さぬだろうと感じられる。
齋藤リッコ:だが、同時に。
齋藤リッコ:「エアリさん……」
齋藤リッコ:「……やっぱり、優しいですよね」
棚エアリ:「……」
棚エアリ:僅かに目を見開き、そして困ったように眉根を下げる
齋藤リッコ:向き合ったまま、深々と頭を下げる。
齋藤リッコ:「……ありがとう、ございます」
棚エアリ:「わわ」 慌てる
齋藤リッコ:「……本当に。感謝します。あたしを選んで頂いて」
棚エアリ:「あ……頭を上げてください。私がお願いする方なんですよ! いえ、もちろんご依頼のお金は用意していますけど……」
棚エアリ:両手を振る 「それに、『それだけ』で選んだわけじゃない……今のあなた、そしてこの事務所になら、十分任せられるということは、下調べで確認済みですとも」
棚エアリ:「近くに棲んでる子からも評判良いし……」 もにょもにょ
齋藤リッコ:ゆっくりと顔を上げ、小さく息を吐く。
齋藤リッコ:「……あなたが信頼して任せてくれた以上……」
齋藤リッコ:「この依頼、必ず果たします」
齋藤リッコ:手を取って、頷く。
齋藤リッコ:「絶対に……!」
棚エアリ:「あわわ……」 手を取られてまた慌てる 「お、お願いします……!」
齋藤リッコ:彼女が情だけで動く人間ではないことは分かっている。その言葉は大部分が事実なのだろう。だが、それでも自分を選んでくれたことが嬉しかった。
齋藤リッコ:一年前のあの日。己の無力に打ちひしがれて、力を求め続けてきた。
齋藤リッコ:この一年で、ノヴァリスも、己自身も、何もかもが変わった。
齋藤リッコ:だが、眠らぬまま迎えた朝のように。齋藤リッコの世界は、あの日からずっと地続きのままだ。そういう感覚があった。
齋藤リッコ:焦がれ、鍛え、あらゆる準備を怠らずとも、待ち受けていた運命の瞬間はいとも容易く過ぎ去って、二度と戻りはしない。
齋藤リッコ:きっと人生とはそういうものだ。己の与り知らぬところで、その瞬間が過ぎ去ってしまう覚悟もしていた。
齋藤リッコ:それでも今再び、運命はこうしてリッコの腕の中に巡ってきた。それはこの上ない僥倖だった。
齋藤リッコ:それを齎してくれたのは棚エアリその人で、それを掴み取れたのはこの一年、血反吐を吐きながら駆けずり回った故だろう。
齋藤リッコ:来たるべき時が来たのだ。そう思った。
齋藤リッコ:スマートフォンのメッセージアプリを開く。
齋藤リッコ:ずらりと並ぶフレンドの一覧、ずっと『オフライン』の欄から動かないアカウント。
齋藤リッコ:一年前から未読のままのチャットに、新たにテキストを送信した。
齋藤リッコ:『レド』
齋藤リッコ:『行ってくるね』
GM:シーンを締めます。シナリオロイスを取得してください
GM:対象は"ボレロス"テスラ・タイタニス です。感情は任せます
齋藤リッコ:テスラ・タイタニス 尽力/〇排除 で取得します!
【◆ Opening 03 Scene Player:後藤スダチ】
GM:オープニングです。侵蝕率ダイスを振って登場してください
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(33 → 38)
GM:その夜、君は自室でいつもどおりか、いつもよりも幾分か穏やかな眠りを迎えたはずだった。
GM:だからその朝、覚醒直後の微睡みの中でも、自室が、そしてその周囲が異常なほどの静けさに包まれていることにも、ほどなく気付けたことだろう。
GM:定時に目を覚ますのにアラームを使っていたなら、それは一切音を発しなかった。カーテンや窓を開くたぐいの自動装置は沈黙したままだ。照明は落ちたままで、空調も止まっている――
後藤スダチ:「んー……?」カーテンの隙間から差し込む日光の眩しさに、違和感を覚える。
後藤スダチ:日の高さが妙だ。自分の住む階の窓から差し込むような角度になっている。
後藤スダチ:「えっ、嘘……?やっば!」
後藤スダチ:当然、そのすぐ後に頭に浮かぶのは『寝坊したかもしれない』という危惧だ。携帯端末を見る。
後藤スダチ:「充電切れ……!?いや、そんなはず――」
後藤スダチ:寝間着はベージュ色のゆるいネグリジェだったが、ほとんど無意識にベッドの上に脱ぎ捨てている。洗面所に向かう。
GM:そこには何も表示されていない。充電切れ、が起きれば確かにそのような表示になるだろうが
GM:『そんなはずがない』可能性もありはした。例えば外部からの工作、潜入。それにしたって『なぜ』『どうやって』の障壁は揺るぎない。
後藤スダチ:電気のスイッチを入れて、顔を洗い、櫛を掴む。
GM:洗面所も同様の状態である。幸いにして水道は出たが、その他の電気的な機能は一切働いていない。もちろん水も出るだけで、温度調整のようなことは不可能だ。……浄水は機能しているだろうか?
後藤スダチ:急いで髪をとかしながら、自動的なルーチンで照明のスイッチを入れていて、やはり電気がついていないことを認識する。
後藤スダチ:(……停電。停電だ……どれくらいの規模で、何が原因で)
後藤スダチ:だが、その時点では、異常を認識したことで却って安堵したかもしれない。
後藤スダチ:営業本部の業務に遅刻してしまったとしても、少なくとも、自分の責任は幾分少ないからだ。
後藤スダチ:(いや、言い訳しない)顔を拭く。三つ編みはまだ編めていないが、後でいいだろう。
後藤スダチ:(なんらかのインフラ障害が起こっているなら、即時対応もオフィサーの仕事なんだから)
後藤スダチ:下着の上に急いでシャツだけを羽織り、カーテンの隙間から町並みを見る。
GM:静まり返っている。
後藤スダチ:「……」
GM:音がない、というだけの話に留まらない。生徒の気配の一つもない。
後藤スダチ:このマンションや、この区画、といった規模ではないことは一目で分かった。
GM:その一方で、自動巡回する清掃機械の類は問題なく町を動き回っているように見える。
GM:そうこうしている内に、君の携帯端末がおもむろに光を帯びた。
後藤スダチ:「嘘でしょ……?」手では胸元のボタンを閉じながら、街の異変に絶句している。
GM:画面は黒いまま。ただ、室内照明の類も点いていないものだから、それが光を帯びたことは分かった。
後藤スダチ:すぐさま端末を取り、動作を再確認する。
GM:君の操作を受け付ける気配はない。システムUIが点いたり消えたりしていたが、突如として動画サイトのインターフェースが……当然何も操作していないのに表示されて
後藤スダチ:「充電切れじゃないよね、絶対……こんな表示になることないんだから……?」
"ステルペス":その最中に、不気味に青黒い機械の影が表示された。
後藤スダチ:「うわあ」
"ステルペス":『……お』
"ステルペス":『おはよう……』『……ございま~~~~す!!』
後藤スダチ:さすがに、もう寝ぼけてはいない。その機体を見れば、すぐに思い出すことができた。
後藤スダチ:ノドスチルドレン"ステルペス"。ディクテオン基地監査の際に遭遇した、強大な電子戦能力者だ。
GM:場違いに明るい、ノイズ混じりの男声は、言葉を続ける。
"ステルペス":『いや、どうもどうも、初めまして……"ステルペス"です! こんな怖~い顔で失礼! セオリー通り心は優しいから安心してほしいな!』
後藤スダチ:制服とスカート、そして装備を身に着けつつ、動画からは目を離さないでいる。
"ステルペス":『いや~、こんなたくさんの人に向けて喋るの、初めてだから緊張するな……ジェネシス全員の個人端末と、公的な映像端末全部にこの放映を行ってます』
後藤スダチ:("ステルペス"がこんなことをした?たった一人のオーヴァードが……?)
"ステルペス":『ノドスの生徒はもうみんな死んじゃって、知ってる顔しかいないからさ~! ははは!』
"ステルペス":『…………』
"ステルペス":『……反応が見えないけどウケた前提で話を進めるね!』
後藤スダチ:確かに、"マスターゼウス"の一派は現在確認されるノドスチルドレンには珍しい規模の『チーム』だった。だが、その上でも。
後藤スダチ:(……ジェネシスを、相手に?)
"ステルペス":『ジェネシスのデータベースにあった、生徒の平均的な起床時間から一時間は待ってこの放送を発信しているから、きっとみんな聞いてくれてることだと思うけど』
後藤スダチ:確かなことは、自分の想定や対応能力を越えた何かが起こっているということだけだ。
"ステルペス":『ちょっとジェネシスを乗っ取らせてもらいました! これから趣味のデータ収集とかたくさんさせてもらったり、あと頼まれてる仕事をテキトーにやったりするけど』
"ステルペス":『君たち……ジェネシス生徒には』
"ステルペス":『――ジェネシス生徒だからこそ』
"ステルペス":『絶対に解決できないので』
"ステルペス":『古式ゆかしい紙の本でも読みながら時間を潰しといてよ! 大丈夫、危害を加える気は一切ないからさ!』
後藤スダチ:「冗談でしょ……!」画面の相手にツッコミを入れても無意味だと分かっていながら呟く。
"ステルペス":『あっ紙の本なんてないのかな~ここ……ハハハ。本当色んな技術があってすごいよね』
"ステルペス":『じゃあ、そういうことで! もし許可なく外に出たりしたら、その時は遠慮なくジェネシスの防衛機構を使って排除捕囚するので、そこもよろしく!』
"ステルペス":『また1時間くらい後になったら生放送するかも! それじゃまた~!』
"ステルペス":『ハハハハハ……!』
後藤スダチ:「…………」ほとんど紙一重のタイミングだったかもしれない。
後藤スダチ:"ステルペス"のついでのような警告が流れる、ほんの直前に、ドアノブに手をかけていた。一刻も早く出勤する必要があると感じていた。
後藤スダチ:(――そうだ)(電子機器だけが機能不全になっているなら)
後藤スダチ:(生徒が一人も外にいないのはおかしい)
GM:……彼の雑音混じりの笑い声が途絶えると、画面上には『~ このLIVE放送は終了しました アーカイブの準備をしばらくお待ち下さい ~』という表示だけが残っていた。
GM:当然ながら、操作は一切受け付けない。分かるのは、君の通信端末が十分に充電されていたということだけだ。
後藤スダチ:ドアノブから手を離す。出てはいけない。
後藤スダチ:後藤スダチはオフィサーの営業本部所属だ。ある程度の脅威になら、対処できる自信はある――だが、自分だけが『例外』だと過信できるほどではない。
後藤スダチ:「ど」
後藤スダチ:「どうしよう……!」
後藤スダチ:(どうやってこの状態から外に連絡を取る……!?)
後藤スダチ:(本部長や会長がこの事態に何も対応していないはずがない)
後藤スダチ:(こういう時こそ、環境管理会が何もかもをメチャクチャにしてくれるのを期待するべきかもしれない)
後藤スダチ:(だけど、私は?)
後藤スダチ:(何がこの状況で『最善』になる!?)
後藤スダチ:ネット回線。緊急無線機器。携帯端末以外の、まだ触っていなかった連絡手段を次々と起動させようと試みる。
後藤スダチ:無駄だと分かっていても、可能性がゼロになるまでは動きを止めるわけにはいかない。
GM:それらの試みの最中のことだった。
GM:コン、コン、と。硬質な金属音がどこからか聞こえてくる。
GM:少なくとも、室内のどこかからか……という目測を、ベッド脇の床下から、と断定にするまで、そう時間はかからなかった。
後藤スダチ:「……」まず頭に過ぎったのは、攻撃の可能性だ。
後藤スダチ:だが、この状況でわざわざ床下から何かを仕掛けてくるというのは、攻撃の性質からして合理的ではないように思う。
後藤スダチ:「だ……誰か、そちらにいらっしゃいますかー……?」
後藤スダチ:銃を構えたまま、恐る恐る床下に呼びかけてみる。
泣き声:「……ぁっ……」
GM:君が返事をすると、音は止み、泣きそうな声が返ってくる。
泣き声:「ほっ……ほんとに反応あった……ほんとだったんだこれ……!」
後藤スダチ:「生徒の人なら何でも言ってください!私はオフィサー営業本部主任、後藤スダチです!」
泣き声:「あっ……あっあっ」 おどおどした半泣きの、幼い少女の声 「せ、生徒! 生徒です……えっ、営業本部主任ぅ……!?」
泣き声:「すっ……すごい! ……あっ、あ、あたし、あたしはその」
泣き声:「警備部所属の……警備員……ハ、ハイト・ワトソンと言います……」

後藤スダチ:「ハイト・ワトソンさん!大丈夫です、落ち着いて」
後藤スダチ:「今、危険だったり、即座に助けが必要な状況にありますか?」
ハイト・ワトソン:「そ……そういうわけではない、と思います……狭くて暗くて、すごく怖いですが……」
後藤スダチ:「じゃあ音の通り床下にいるんですね。大丈夫です。床上は私の部屋ですけど」
後藤スダチ:「一応、この部屋の中なら安全は確保されてる……と、思います!」
ハイト・ワトソン:「へ、部屋に……ほんとに繋がってる……」
後藤スダチ:床を剥がしてハイトを救出することを考える。そもそも、どうしてそんなところにいたのだろうか?
ハイト・ワトソン:「これに書いてある内容、ほんとのほんとに全部ほんとなの……?」
後藤スダチ:「えーっと、バールとかあればよかったんだけどな……そんなのメサイアの住宅くらいにしかないか」
ハイト・ワトソン:「あぅ、あの……多分なんですけど、特に破損なく……そ、そちらから開けられると思うんです」
後藤スダチ:「え?そうなんですか」
ハイト・ワトソン:「こ、こっちで留め金を外したので、後はそちらから……お願いします……ぅぅ……」
GM:見ると、確かにスライド開閉が可能そうな機構が確かにありそうだ。
後藤スダチ:ベッド脇のカーペットを剥がすと、確かに点検口のような構造があったことに気付く。
GM:あるいは彼女が『留め金』なるものを外したからかもしれない。
後藤スダチ:(これ、元からあったっけ……?引っ越してきてからカーペットの下なんて見たことない)
後藤スダチ:(気付かなかったな……)
後藤スダチ:言われた通り、開いてみる。警戒したり疑うよりは、今はとにかく事態を打開する何かが欲しい局面だ。
GM:床を外した下は、想像したような空洞ではなかった。それは当然のことで……
ハイト・ワトソン:「……あ」
ハイト・ワトソン:まさしくその泣き声の主が、声の通りに泣きそうな顔で、ホコリまみれになりみっしり詰まっていたからである。
ハイト・ワトソン:「開いたあ……」
後藤スダチ:「よかった!……っというか、ハイトさんはどうしてこんなところに!?」
後藤スダチ:「バロールかオルクスの転送事故ですか?とにかく、上へどうぞ」
ハイト・ワトソン:「っひく……ま……マニュアル通りなんです」
後藤スダチ:(着替えていてよかったな……)ネグリジェはだいぶヘタっていたので、その状態を見られていたらだいぶ恥ずかしかった。
ハイト・ワトソン:ずりずりと這い出てくる、全体的に野暮ったい印象の彼女は、小脇に小さな冊子を抱えている
ハイト・ワトソン:「え、えっと……うぅ……空気……」 すう、はあ、と浅く何度も呼吸をして
後藤スダチ:「あらら、こんなホコリまみれに……ちょっと待っててね、ブラシ持ってくるから……」
後藤スダチ:ハイトが呼吸を落ち着かせる間に、ブラシと、大きめのタオルと、水に濡らした小さいタオルを持ってくる。
ハイト・ワトソン:「あ、ありがとうございます……」 おどおど 「や、優しいですね……もっと厳しい人かと思ってました」
後藤スダチ:「ええっ、誰からそんな噂を……いや、まあ、その」
後藤スダチ:「顧客に親切にするのが、営業本部の仕事みたいなものですし、まあ、一応……」バツの悪そうな顔。
ハイト・ワトソン:「そうなんですね……営業の人ってほんとは怖くないのかな……」
ハイト・ワトソン:狭苦しい床下から脱し、君から優しくされたようで、ハイトはずいぶん落ち着いたようだった。まだ少し呼吸は荒いが
ハイト・ワトソン:「じゅ……順番に話します」 と、自主的に話を始めるくらいには、自分のするべきことに対して自覚的らしい
ハイト・ワトソン:「あたしは……何の権限もない、ただ今、この一帯の住居に関して、当直だっただけの、ただの警備部の生徒です」
ハイト・ワトソン:「今、ジェネシス全体……たぶん全体……? が、すごく大変なことになってますけど、それについて知ってるわけでもありません」
ハイト・ワトソン:「ただ、警備室で待機してたら、全部の機器がダウンすると同時に、これが落ちてきて……」
後藤スダチ:「……その冊子ですか?」
GM:ハイトは小脇に抱えていた小さな冊子を見せる。ホチキス留めされたA4紙数枚に、表紙も中身も手書きらしい、ひどく原始的な冊子。
後藤スダチ:「確かに、システムダウンした状況でも読める……"ステルペス"が言ってたみたいな『紙の本』だ」
GM:表紙には『ジェネシス・シャットダウン対応覚書』とだけ書いてある。
ハイト・ワトソン:「少なくとも、これを書いた人は……今のこの状態に『シャットダウン』と名付けて、想定をしていました」
後藤スダチ:(閉鎖。停止。休業。……終了)
ハイト・ワトソン:「『発生する可能性はきわめて低いが、ジェネシス・インダストリアル・アカデミーの経緯を踏まえれば、決して回避できず、その可能性を排除しきれない事態』、って、これには書いてあります」
後藤スダチ:ノヴァリスのネーミングとしてはシンプルに過ぎるが、まさしく、今のジェネシスを言い表すような名前だ。
後藤スダチ:『終了』だけは当てはまってほしくないな、とも思う。
後藤スダチ:「……回避できない。確か、さっきの"ステルペス"もそんなこと言ってたような……」
後藤スダチ:ほとんどパニック状態のまま、身支度と並行で聞いた宣戦布告を思い出している。
ハイト・ワトソン:「そ、そんなことあるんですかね。ジェネシスって、あたしが分からない所で、なんでもやってるイメージがあるんですけど……」
後藤スダチ:「ジェネシス生徒は、ジェネシス生徒だからこそ、絶対に解決できない……」
ハイト・ワトソン:「そ、それであたしは……この冊子の指示に従って、床下とか壁の隙間をずっとずっと伝って……ここまで来たんです」
ハイト・ワトソン:「そうすれば、『再起動要員』の居室にたどり着くからって……あなたがそうだったんですね」
後藤スダチ:「え!?」
後藤スダチ:「いや、そうなんですか?」
ハイト・ワトソン:「えっ……」
ハイト・ワトソン:一気に不安そうな顔になる 「ち……違うんですか」
後藤スダチ:身に覚えがないことはもちろんのこと、オフィサーにはそもそもそんな役職は存在しない。
後藤スダチ:「すみません、お力になれればよかったんですけれど、全然知らないです」
後藤スダチ:「なんか……来るまでのどこかで道が分岐してたりとか、そんなことではないんですよね?」
ハイト・ワトソン:「そんなことは……うう、ないであって欲しいですけど……」
後藤スダチ:仮に本当にそうだとしても、自分の部屋が『ハズレ』なのは申し訳ないし、なんだか許せないな……と思った。
ハイト・ワトソン:きょろきょろと居室を見回し、やがて壁の一点に手をかける
ハイト・ワトソン:「マニュアル通りなら、ここに……あ」
後藤スダチ:「『再起動要員』を探すことなら、私もお手伝いします。冊子には他にヒントみたいなことは書かれていないんですか?」
後藤スダチ:「あっ」
GM:ハイトが手を当てていた壁の一部が、綺麗に四角く沈み込む。
後藤スダチ:「ええ~~っ」
後藤スダチ:「どうなってるの私の家!?床下といい壁といい!」
GM:そこはカーペットの下にあった出入り口のように、スライド機構によってずれ、そこにほんの小さな空間が現れた。
ハイト・ワトソン:「や、やっぱりその……」
後藤スダチ:「いやだよ~~、まさかカメラとか仕込まれてないよね……!?」
ハイト・ワトソン:「スダチさんが『再起動要員』なのは間違いないと思います……えっと、えっと」
ハイト・ワトソン:ぱらぱら冊子をめくり 「要員の権限によっては、その事実を知らされていない場合があるので、説明すること……って」
ハイト・ワトソン:「書いてあるので、そのお……すみません……」
後藤スダチ:「そんなことあります!?私が、知らないうちに全然知らない役職になってるって……!?」
ハイト・ワトソン:「わ、分かりません……あたし、この冊子の奴隷なので……」
ハイト・ワトソン:「奴隷ですみません……」 縮こまっている
後藤スダチ:文化祭実行監理官の時とは全く違う。不可解極まる話だし、この事態と役職名からして、すごく嫌な予感もする。
後藤スダチ:「待ってください。そもそもですよ」
後藤スダチ:「『再起動要員』は一体何をするのための、どういう役職なんでしょうか?」
ハイト・ワトソン:「ええと、ええと」 わたわたと冊子をめくる 「これにも、そんなに大したことは書いてないんですけど」
ハイト・ワトソン:今開けた壁から、手のひらに収まる程度の記録媒体を取り出す。ごく一般に市販されているものだ 「……これがすごく重要で」
ハイト・ワトソン:「この中に、『コードC』という……何かの実行データが入っています」
後藤スダチ:「はい、はい」段取りとして必要な話なのだろう、と認識する。
後藤スダチ:「コードC……」これも聞いたことがない――というより、シンプルすぎて特定できないような名称、というべきか。
ハイト・ワトソン:恐らくは冊子に書いてある通りの内容を読み上げているのだろう 「それを、セイクリッドピラーにて実行すれば……」
ハイト・ワトソン:「シャットダウンは解除されます……」
後藤スダチ:「そんなことが……」
ハイト・ワトソン:「『再起動要員』の居室は無電源でも離脱が可能になっているので、警備部生徒はそのピラー行きをサポートするように……」
後藤スダチ:「あるんでしょうか?何か、仕組みとか根拠とかについて解説されているページはありませんか?」
ハイト・ワトソン:「……い、いえ、その……」
ハイト・ワトソン:「これだけ……これだけです。あとは、警備部生徒向けの、『シャットダウン』中でも使える交通手段とかの情報で……」
ハイト・ワトソン:困りきった顔で、一応小冊子を君に差し出してくる
後藤スダチ:どうにも都合が良すぎる話のような気がしてきた。オフィサーとはいえ『それなり』の役職でしかない自分が、知らない間にジェネシスの危機を救う唯一の要員になっていて――
後藤スダチ:そして何もかも不可解なこのジェネシス全体の機能停止を、『コードC』という不可解なコードを実行すれば、解除できてしまう。
ハイト・ワトソン:「ただ……あっ、こ、個人的な推測ではあるんですが」
後藤スダチ:「……」難しめの顔でパラパラと小冊子をめくって、ハイトの言う通りの内容であることを確認している。
ハイト・ワトソン:「あたしがもしその、仕事をサボっていたり、怖がって動かなかったら……この冊子はもう、全部、無駄になってしまいます」
ハイト・ワトソン:「あたしは、ジェ、ジェネシスはそんなことはしないと思っていて……」
後藤スダチ:「……そうですね。ただのイタズラで済ませるにしては……」
後藤スダチ:床と、壁の穴を見る。「何もかも、正確に予知されすぎている……」
ハイト・ワトソン:「もしこれが本当なら……たぶん、同じような解決手段が複数、同じように走っているんじゃないかと思いますし」
後藤スダチ:「あり得ないような予知。……全知か」
ハイト・ワトソン:「もしこれがウソなら……もう、本当に、あたしとスダチさんがめちゃくちゃ嫌われてるか、狙われてるかっていうことだと思ってて……」
後藤スダチ:自分は直接見たことはないが、そうした『何か』は、このノヴァリスに現にあったらしいと聞く。
ハイト・ワトソン:「ど、どっちにしても……なんか……」
後藤スダチ:例えば断片的に発見されてきた『バベルの書』。例えば環境管理会初代会長、最中ミユキ。
ハイト・ワトソン:「あたしたちが動かなくても、案外何とかなったりするんじゃないでしょうか……」
ハイト・ワトソン:ハイトは相変わらず背を丸めて、オドオドした様子ではあるが、ひとまず為すべきことを済ませたためか、今はどこか落ち着いていた。
後藤スダチ:「……とにかく、わかりました。私がセイクリッドピラーに向かうこと自体は損ではないですし」
後藤スダチ:「この冊子の移動手段に従って離脱に失敗したなら、どのみち冊子の予測は外れていたということになります」
ハイト・ワトソン:「あっ、い、行く感じですね……?」
ハイト・ワトソン:「だったらあたしも手伝いをしないと……MT車とか、動かせないですもんね」
後藤スダチ:「あはは……営業本部の私が、『なんか怖いから出動しません』とか言ってられないですし」
後藤スダチ:「他にこの事態をどうにかできるアイデアはないですから」
後藤スダチ:「……あっ!ハイトさんも来てくれるんですか?」
ハイト・ワトソン:「うう……まぶし……」
ハイト・ワトソン:「は、はい。足以外にはなれないと思いますけど……それには、ちゃんと手伝うようにって書いてありますし」
ハイト・ワトソン:「ほ、ほんとはこの騒ぎとか、全部ウソで……あたしたちを試す、テストみたいなものなんじゃないか……」
ハイト・ワトソン:「もしそうだったら、あたし一人動かなかったらどうなるか、怖いですよお」
後藤スダチ:(あながち被害妄想というわけでもないかもな……世界全部が変わっているように見えるなら)
後藤スダチ:(自分達だけが変化の対象である可能性のほうが高い――)
後藤スダチ:たとえばムセイオンのアトリエのような、奇妙な仮想空間に二人を取り込む能力。あり得そうだ。その可能性を踏まえた上で行動する必要はある。
後藤スダチ:「私、MT車運転できないんですよ」
後藤スダチ:「ハイトさんがいてくれるとすごく助かります。……こんなの、一人だと普通に怖いし……」
後藤スダチ:「まずは脱出を成功させましょう」
ハイト・ワトソン:「うう……空き時間ヒマだからって資格集めなんてするんじゃなかった……」
ハイト・ワトソン:「……でも、一人だと怖いんですね。主任さんも……」
ハイト・ワトソン:オドオドとした様子が数分で抜けることはないが、それでも面持ちはずいぶん上向きになったように見える
ハイト・ワトソン:「い、一緒に行きましょう……とりあえず、行けるところまで……」
後藤スダチ:「あはは、怖いですね~。最悪でも私が十字冠離脱するだけだから、って本当は言いたかったんですけどね」
後藤スダチ:「……こんなので、安心してもらえるかどうか分かりませんけど」銃にマガジンを、腕の機械にスライムのカプセルを装填する。
後藤スダチ:「あんまりしたことないですよ、十字冠離脱」
後藤スダチ:「怖いので」
ハイト・ワトソン:「イヤですよ~あたし痛いのは……!」
ハイト・ワトソン:「無事故で行きますっ、無事故で!」
後藤スダチ:「あ、待った。その前に一つだけ!」
後藤スダチ:「三つ編み結ぶ時間だけ、いいですか?」
GM:シーンを切ります。シナリオロイスを取得してください。
GM:相手は"ステルペス"、推奨感情は好奇心/脅威です。
後藤スダチ:協力者/ハイト・ワトソン/連帯感:◯/猜疑心/ロイス
後藤スダチ:敵対者/"ステルペス"/好奇心/脅威:◯/ロイス
ハイト・ワトソン:しゅ、主任の人がロイスまで取ってくれた……!
ハイト・ワトソン:法定速度……超えます
後藤スダチ:超えないで
【◆ Master Scene】
GM:ノヴァリス、上空。
GM:灰色の雲の中、雷光煌めくその最中に、銀と紫の人型機があった。
"マスターゼウス":「計画通り、か」
GM:"マスターゼウス"のノヴァリスにおける機体は、イオノクラフト効果による単独飛行能力を持ち、更に強力な電磁欺瞞を行うことができる。
GM:彼は戦闘に対し実践的な能力についてこそ著しく出力を欠く一方で、そういった小器用な性能には秀でていた。
"ブロンテス":『ええ。"アルゲス"による"ヘカトンケイレス"3機の回収』
GM:ノドスチルドレン11th、"アルゲス"。ノドス第二の剣士。
GM:それが"マスターゼウス"による再生産を前提としたものであっても、彼はその強襲強奪を成功した。
"ブロンテス":『"ステルペス"はジェネシスを掌握し、そのリソースを以てピラーへの攻撃を開始』
GM:ノドスチルドレン17th、"ステルペス"。電子戦闘の天才。
GM:かつて、ノドス防衛の折には持て余されていた彼も、このノヴァリスにおいては無二の破壊力を誇る。
"ブロンテス":『"ボレロス"による"ヘカトンケイレス"運用も予定通り。おっしゃる通り、我らの戦果は予定通りです』
GM:ノドスチルドレン19th、"ブロンテス"。不世出の指し手。
GM:彼ほど冷徹で信の置ける作戦立案実行者はない――この上なく盲酔していた師を滅ぼした、とある学園の生徒たちが関与しない限り。
"ブロンテス":『ご不安ですか?』
GM:"ステルペス"の設けた秘匿電子通信を介し囁く彼に、"マスターゼウス"はやはり静かに返す。
"マスターゼウス":「戯言を口走る猶予はあるようだな」
"マスターゼウス":低く、唸るような声だ。彼は続ける。
"マスターゼウス":「計画通り、最終量産に入る。"ステルペス"の手綱を握っておけ」
"ブロンテス":『ご随意に。彼も今回に関して言えば作戦を守るとは思いますが』
"マスターゼウス":「さてな」
GM:そうして静寂が訪れる。
GM:沈黙への断りも、通信の切断も行わない。どちらも無為だからだ……ただ"マスターゼウス"は雷雲の中、決行の時を待つ。
"マスターゼウス":(ご不安ですか、か)
"マスターゼウス":(……誰しもかつてないほどに重大な手を打つ時は)
"マスターゼウス":(指に震えの一つも起こって当然だろう)
GM:……空が暗い。
GM:曇天ゆえではない。夜天がためである。
GM:だから足元、雲と空を隔てた地上には、人工の光が瞬いている。
GM:繁栄の星々――
"マスターゼウス":「時間だ」
"マスターゼウス":短くそれだけを"ブロンテス"へ告げ、"マスターゼウス"は宣言する。
"マスターゼウス":「啓け、セトの門――Thantifaxath、Abraxas、Jibril」
"マスターゼウス":「機神、開工」
"マスターゼウス":「──"ゼウス・ガマリエル"」
"マスターゼウス":
"マスターゼウス":(強い者は、震えない訳ではない)
"マスターゼウス":(それを人に悟られないだけだ)
"マスターゼウス":(……『お前』だって……)
"マスターゼウス":(そうだったはずだろう……?)
【◆ Opening 04 Scene Player:綾云媛】
GM:云媛さんのオープニングです。侵蝕率ダイスを振って登場してください。
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を1D10(→ 5)増加(28 → 33)
GM:夜。セイクリッドピラー。
GM:生徒会の防諜を担う安全保障寮といえど、24時間常に同じ速度で回転を続ける訳ではない。
GM:キングダムが滅亡への傾斜を下り続ける横で、ジェネシスは経緯不明の機能停止を果たし、メサイアからは常のように無数の真偽問わぬ情報が雪崩れ込む。
GM:そんないつもより慌ただしい日中を終え、打てる手は一通り打ち、どうにか落ち着いた頃合の時間帯だった。
エイヴ・ド・レスタイム:「夕食何か頼みます?」
エイヴ・ド・レスタイム:エイヴ・ド・レスタイムは、安全保障寮に所属する生徒の一人だ。何人かいる君の身近にて勤める生徒の一人でもあり
エイヴ・ド・レスタイム:今日は特に関与が多かったものだから、その流れでそんな話題を振られた。

エイヴ・ド・レスタイム:「今から買いに出るのも面倒でしょうし。インスタントは力入りませんよ」
綾云媛:「そうですね……そんな時間ですか」
エイヴ・ド・レスタイム:「さすがに今から事が大きく動くことはないでしょうけど」
エイヴ・ド・レスタイム:「ま、今夜は安全! なんて断言できる夜が来た試しはありませんからね。何か入れとかなきゃ」
綾云媛:「まあ、それもそうですね。そもそも……」
綾云媛:「来たとて、取れる手立ては限られていますから」
エイヴ・ド・レスタイム:「ジェネシスに人手、かなり割きましたからね~。何も分かんないもんですから」
綾云媛:「本当は、発情犬どものハンドラーでもしたいんですけどもね」防衛寮長を含意している。
綾云媛:「ああいうのの方がこういう局面で動かすには楽です」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ! またそんなこと言って、駄目ですよ。壁を挟んでても仲良くしなきゃ~」
綾云媛:「私のようなのがスタンスを崩しては終わりですから」
綾云媛:「新参者がへこへこしていたら、全然張り合いなく漫然と働くでしょう?」
エイヴ・ド・レスタイム:「そんなことないですよ~。優しくしてもらったら誰だって嬉しいけどなあ」
エイヴ・ド・レスタイム:もちろん、発言がそのまま彼女の本音である保証はない……彼女はメサイアの出身であり、君よりも古参の一人だ
エイヴ・ド・レスタイム:年齢も下で、その笑みの下に牙を感じたことはほとんどない。だがそんな彼女が君の首筋に興味がないという証拠も、当然ないものだ
綾云媛:「有能な相手には優しいですよ、私」ニコニコと口だけで笑う。
綾云媛:その獰猛さを隠さない目が、笑みを湛えることはまずない。「いけない。食事でしたね」
エイヴ・ド・レスタイム:「それで基準が優しければ助かるんですけどね~」
エイヴ・ド・レスタイム:「ええ。とりあえず今の時刻ならまだ何でもやってますよ」 スマホでノーヴァーイーツを開いているぞ
エイヴ・ド・レスタイム:「ピザパスタはなんか地味ですよね。何がいいかな~。希望なきゃ勝手に頼んじゃいますよ? マカロンとか」
綾云媛:「力入れさせる気ないですよね。マカロン」
エイヴ・ド・レスタイム:「なんでハンバーガー屋でマカロン売ってるんだろ……」
綾云媛:「まあ、そういうのも需要です」
綾云媛:「外から来た、あのパンにクリームを挟んではみ出させるやつ」
綾云媛:「あれ一瞬で廃れましたね」
エイヴ・ド・レスタイム:「マリトッツォ? 確かに店なくなってる気がしますねー。お好きでした?」
エイヴ・ド・レスタイム:「あれ要はクリームじゃんって感じだったんですけど私的には……」
綾云媛:「食べたことないですね。構成材料が既存の菓子と変わらなかったので……」
綾云媛:「挑戦に至る要素がないなと思いました」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ! 確かに~」
エイヴ・ド・レスタイム:「ま~でもそれ言ったらマカロンも砂糖で砂糖焼いて砂糖挟んだみたいな感じですしね」
綾云媛:「まあでも……」
綾云媛:「話してると糖分も欲しくなりますね」
エイヴ・ド・レスタイム:「マカロンタ~イム確定!」
エイヴ・ド・レスタイム:シャッシャと操作して、注文完了を示すかのように通信端末を放り投げる
エイヴ・ド・レスタイム:「糖分だけは保証コースです! そんなに待たずに来るでしょう」
エイヴ・ド・レスタイム:「しかし、表向きはアレコレ変えてみても結局内側は変わってない、か……」
綾云媛:「あっ他はないんですね……まあいいか」
エイヴ・ド・レスタイム:PCチェアに座ったままくるくる回る
エイヴ・ド・レスタイム:「今日もま~、ジェネシスが止まったり、キングダムが焼けたり、メサイアでカメ機械とウサギ機械が追いかけっこしたり」
エイヴ・ド・レスタイム:「色々聞きましたけど、結局今までみたいにな~んにもなく明日が来て、また別の話に追い立てられたりするんですかね~」
綾云媛:「まあ、内側まで変えるのは大きな変革ですからね」
綾云媛:「やりがたっても受け入れられませんよ」
綾云媛:「バカなことをやろうとしただけの落伍者だけ残るでしょうね」
エイヴ・ド・レスタイム:「別に私はそれでもい~んですけど。まだ退屈はしてないし、お給料多いし」
エイヴ・ド・レスタイム:「云媛娘々的にもそれでい~んですか?」 今度は背もたれに胸を押し付けて回り始める
エイヴ・ド・レスタイム:「なんかもっとバリバリしたりとかは……」
綾云媛:「娘々……」少し不快げに顔を歪めて。
綾云媛:「……まあ」ギリギリと指を鳴らす。
綾云媛:「そっちのほうが向いている自覚はありますけども」
綾云媛:「古巣はそうである本質を繕おうとするところはいささか苦手でしたし」
エイヴ・ド・レスタイム:「オホッホホ……」 君の腕を見て口元がにやつく
エイヴ・ド・レスタイム:「案外あれじゃないです? あの山……主席執行官のとこの!」
エイヴ・ド・レスタイム:崑崙山のことだ 「そっち向きだったりするんじゃないですか~?」
綾云媛:「ふふ……」
綾云媛:「私相手じゃなければ問題発言ですよそれ?」
綾云媛:これ自体が問題発言である自覚はない。
エイヴ・ド・レスタイム:「寮長殿の海より深い寛容さには頭が上がったり下がったりしませんわ~」
エイヴ・ド・レスタイム:クルクル椅子を回しながら、床を蹴ってキャスターで窓際まで滑っていく
GM:もちろんその挙動にさしたる意図はなかった。お~怖い怖い、と口に言う代わりに、動作で示したという、ただそれだけの動きである
エイヴ・ド・レスタイム:「……あれ」
GM:だが結果的に、その瞬間エイヴが窓際にいたことで、彼女は第一の発見者となった。
エイヴ・ド・レスタイム:「なんだあれ」
エイヴ・ド・レスタイム:背もたれの足をまたいだまま、背を反らすような格好で空を見ている
綾云媛:「なんです?そちらから届けでも……」窓辺に寄っていく。
GM:夜空に浮かぶ雲の色は、概ね灰色であるが
GM:このセイクリッドピラー周辺においては、常に光を放つ『ノヴァリスの大十字冠』の影響もあり、白昼と同様の色彩を見せることがしばしばあった。
GM:だからその雲の異常性に、エイヴも君もひと目で気付くことができた。
GM:光を反射しているのだ。さながら金属のように。
エイヴ・ド・レスタイム:「……雲……」
エイヴ・ド・レスタイム:「っぽくないよなあ。しかも何だ。動いてる……風に流されて、もないですね。周りと速度が違う」
エイヴ・ド・レスタイム:椅子を蹴って元の場所へ転がし、君よりも20cm以上の長身を背伸びさせて夜空を見上げる。
綾云媛:「……その手のと誤認されうる催しの事前申告は?」
綾云媛:「まあ……無許可である可能性のほうが高いでしょうが」まだ異常性を認識しているわけではない。
エイヴ・ド・レスタイム:「ないはずです。メサイアの目からもそんな感じの報告はまあなかったはず……」
エイヴ・ド・レスタイム:「……シンプルに『何』ですかね? 雲の高度と密度で、金属で……」
エイヴ・ド・レスタイム:「んー……?」 通信端末で最新の情報を探り始める彼女の横で、君はそろそろ気付いても良いだろう
GM:それが人型サイズの機械の集団であり、全てが雲霞のように飛行し、隊列を組み
GM:今まさに、セイクリッドピラーへ接近しつつあるということに。
綾云媛:「……“兵器”」
エイヴ・ド・レスタイム:「へ?」
GM:『結論』を口にした瞬間
GM:ズゥ、とピラー全体がわずかに揺れた。
GM:あり得ざる現象だった。このセイクリッドピラーをわずかながらも『揺らす』ことができるものなど、そうありはしない。
エイヴ・ド・レスタイム:「うおっと……」
綾云媛:「……」咄嗟に低く構えている。
GM:それに少し遅れて、警報が鳴り響き始める。焦燥した声が辺りに響いた。
放送:『ほ……報告します! こちら放送室! 本放送はセイクリッドピラー内全体に向けて発せられています!』
放送:『攻撃です! セイクリッドピラーが、そ、その……攻撃、としか言えない現象を……受けています!』
放送:『また、各種防衛設備、特に作動するはずの防空設備が、探査、迎撃ともに一切機能していません! 不測の事態が想定されます。これは訓練ではありませんっ!!』
エイヴ・ド・レスタイム:「…………」
エイヴ・ド・レスタイム:まばたきをする 「……訓練じゃないって釘刺されちゃいましたね」
綾云媛:「釘を差さないと信じないでしょうからね」
綾云媛:「エイヴさんは……戦闘力はありましたっけ?」これまでに関心を抱いていない証左。
エイヴ・ド・レスタイム:「寮長には敵わない程度……じゃ参考にならないか。まあ多少はやれますよ」
エイヴ・ド・レスタイム:ぐいぐい肩を回している
綾云媛:「助かります。あまり守ってあげることは得意ではないので……」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハハ! 私も同じですよ。鈍ったりしてたら置いてきますからね?」
綾云媛:「私相手でなければ問題発言ですよ」返しながら。
綾云媛:「あとの問題は……これがどちらの管轄かというところですか」
綾云媛:「今やることは変わりませんけど。事後の問題としてですが……」
綾云媛:「内か……外か」
GM:君が思案を続ける内にも、警報は鳴り続けている
放送:「げ。現在ピラー上層に無数の戦闘機械が取り付き……」
放送:「データ照合の結果、ノドスチルドレンの関与の可能性が大きい、とのことです! 特に上部階層にいる方はすぐに避難してください!」
放送:「ま、また現在、メサイア方面から巨大な機械が接近しているという情報もあり、皆さん落ち着いて適切な対応を……」
放送:「……え……」
GM:放送がにわかに沈黙する。そして、
放送:「ど……どっち……?」
GM:その言葉を最後に、放送はブツリと途切れた。前後して、ピラー全体がひときわ大きく揺れ動き、照明が明滅する!
エイヴ・ド・レスタイム:「うおおっと……!」 さすがにそれは想定していなかった様子で、姿勢を崩し窓に手をつく
エイヴ・ド・レスタイム:「こ、これはちょっと……かなり大ごとですね……!?」
綾云媛:「ノドス……」低く呟く。「こっちか」
エイヴ・ド・レスタイム:「こっち? こっちってどっちですかね!? そういや放送の子もどっちって言ってたな……突っ込みの先取り……?」
綾云媛:「今のうちですよ。そういう軽口叩けるの」
綾云媛:「ノドスが、一度失敗したという攻撃を仕掛けてくる――」
綾云媛:「前以上の本気という意味です」
エイヴ・ド・レスタイム:「うへぇ……そりゃそういうことになりますか」
エイヴ・ド・レスタイム:「あとはどんな手で来るかってことですが、メサイア方面から来てる大型機械ってのが気になります」
綾云媛:「心当たりは?」
綾云媛:「たしかそっちの出でしょう」
エイヴ・ド・レスタイム:「ええ~……メチャクチャ厳しいです。確信を持って言えるのはゼロ。信頼度を下げれば12個くらい候補が出ますが、今それ全部聞きたい気分じゃないでしょ」
エイヴ・ド・レスタイム:話しながら、手近なタブレットで映像を開いている 「今日だってメサイアの方で、ビルよりでかいカメとウサギのロボが追いかけっこしてたって話上がってたんですよ。なんでまあ……」
綾云媛:「それも聞きたい気分じゃないですけど……」
エイヴ・ド・レスタイム:「百聞は一見にしかずってことで。はい」 タブレットを目の前に差し出してくる 「メサイア方向のカメラ映像です。これでまあ何かは……」
エイヴ・ド・レスタイム:「……あん?」
GM:……ごくシンプルな事実として
GM:君は確かに、カメラ映像で確認することができた。メサイアから接近してくる、巨大な機械の姿。
GM:地上。なるほど言われてみればカメの甲羅に見えなくもない中枢部から、無数の腕を生やした巨大機械。それが3機。
GM:なまなかな道路よりも太く頑強な腕が、ピラーの根本を破壊し、その壁部に食いついて、登攀し始めている。
綾云媛:「えっ」
エイヴ・ド・レスタイム:「……あ、そっちも派手なんすけど……ちょっとカメラ変えるか」
GM:エイヴが横から何か操作すると、別のカメラ映像に切り替わる。それは夜の空を写しており、その中央に――
GM:何か。
GM:途方もなく甚大な建造――と表現する他ない、何かが浮揚している。

エイヴ・ド・レスタイム:「……メサイアから来た巨大機械って……」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハハ……どっちのことなんですかね……?」
綾云媛:「……ふむ。概ね状況は把握しました」
綾云媛:「逃げましょう」
エイヴ・ド・レスタイム:「躊躇ねえ~!」
綾云媛:「あっ軽々落とせます?やっていただく分には歓迎ですけど……」
綾云媛:「私は無理だと思うので。迎撃よりも確実な手段を選ぼうと思いますよ」
エイヴ・ド・レスタイム:「で……できませんよ私も!? 目の前の相手をぶっ飛ばすくらいですから……」
綾云媛:「ええ。であれば余力を残して、使える人たちと連携したいです」
エイヴ・ド・レスタイム:「連携……」「……あ!」
エイヴ・ド・レスタイム:「地平の果てまで逃げるという話ではない!?」
綾云媛:「地平の果ては断界ですよここ」
エイヴ・ド・レスタイム:「それもそっか……」
GM:ズン ズン ピラー全体を揺るがす震動は間断なく続き、心なしか君たちに近づいてきているように思える。
綾云媛:「別に柱ごとき……捨ててよくないですか?迎撃機能が働かないのなら細長い棺桶……オベリスクですっけ。あれです」
GM:つまり、何かは知らないがあの多腕巨大機械が、ピラーにツメを食い込ませて登っている。それによる震動が、今君を震わせているものなのだ。
綾云媛:「たしか“ボード”とやらは避難させてあるんでしょう?」
エイヴ・ド・レスタイム:「そりゃそうですけど……でも攻撃を仕掛けてるってことは」
エイヴ・ド・レスタイム:「なーんか意味があるんじゃないですか? ……男子の早とちりなんですかね。アッハッハ!」
綾云媛:「高いところが好きなんでしょう」
綾云媛:「上になりたがる生き物らしいですから、男子は」
エイヴ・ド・レスタイム:「納得~」
エイヴ・ド・レスタイム:「てことは空のアレも男子なんですかね……」
綾云媛:言いながらも、離脱の準備を整えている。「……問題は」
エイヴ・ド・レスタイム:「あ、いや、ナシナシ。深堀りはしません」
エイヴ・ド・レスタイム:「私は云媛寮長にお供しますとも」
綾云媛:「見目麗しき私達が目をつけられるか否か」
エイヴ・ド・レスタイム:「……」
綾云媛:「今ばかりはお眼鏡に叶わないとうれしいですね」
エイヴ・ド・レスタイム:君に続きつつ 「寮長のこと、背低くて可愛いと思ってますよ、私」
エイヴ・ド・レスタイム:「かないませんな~」
綾云媛:「ご存知です?飢えた獲物から確実に逃げる方法」
綾云媛:「隣の人間の脚を撃てばいいんですよ」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ、寮長についていきますってば!」
エイヴ・ド・レスタイム:「なんで脚はやめてくださいね! 生徒会制服の白パンツも今ここで働いてる理由の2割くらいなんで!」
綾云媛:「是非そうしてください。では……」
綾云媛:「戦略的転身と参りましょう。いや、止めますかこういうの」
綾云媛:「逃げましょう。無様に、情けなくも」
綾云媛:やはり目に笑みを込めることなく、冗談めかしてそう告げた。
GM:シーンを切ります。シナリオロイスは"マスターゼウス"ですが……
綾云媛:ノドスの襲撃者として取っておきましょう
GM:そうですね! まだ名前はわからないのでとりあえずそんな感じでお願いします
綾云媛:ノドスの襲撃者/感嘆/殺意:○
GM:コワ
綾云媛:エイヴちゃんにもとっちゃお
綾云媛:部下/エイヴ・ド・レスタイム/好感/警戒:○
エイヴ・ド・レスタイム:かわいいって褒めといてよかった~
【◆ Middle 01 Scene Player:齋藤リッコ】
GM:全員登場ですが、登場ダイスは登場タイミングで振りましょう、まずはリッコちゃんからでお願いします!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 3)増加(44 → 47)
GM:シャムロック自由学園生徒会長は、"ボレロス"テスラ・タイタニスの身柄確保にあたり、君を後援すると言っていた。
"バズヴ・カタ":「……まとめると」
"バズヴ・カタ":「テスラ・タイタニスは"マスターゼウス"以下ノドスチルドレンと行動を共にしており、その狙いはセイクリッドピラーだ」
"バズヴ・カタ":「彼らはピラー破壊の計画を立て、実行に移している」
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:「なんで!?」
"バズヴ・カタ":「分からない。私も、ノドスのことは詳しくないし」
"バズヴ・カタ":「エアリからそれ以上の情報は受け取っていない。彼女が不要と判断したのなら、それに従うまでだ」
GM:シャムロック自由学園、武装防衛線力。通称"フィオナ騎士団"。
GM:黒い鎧をまとった長身の少女は名を"バズヴ・カタ"といい、フィオナ騎士団団長にして、棚エアリの腹心であるという。
GM:いくばくかの情報と、彼女の率いる何人かの騎士団が、今回君に与えられた後援であった。
"バズヴ・カタ":「だが、ともかく……」
"バズヴ・カタ":「事実ではあるらしいな」
GM:時刻は夜。場所はセイクリッドピラーの足元。
GM:ピラーは、異形の巨大機械にまとわりつかれ、見事に襲撃を受けていた。
GM:辺りはすっかり騒然としている。
齋藤リッコ:「め、滅茶苦茶なことになってる……」壮絶な光景を呆然と見上げる。
齋藤リッコ:「タイタニスがノドスと手を結んで…… ていうかピラーを破壊って……」諸々の覚悟はしてきたが、予想外の大きな事態に動揺が大きい。
齋藤リッコ:「どうしてそんな…… ……いや……その辺は最初からずっと『どうして』か……」
"バズヴ・カタ":「……行けるか?」 君を見下ろす
"バズヴ・カタ":「私も、目の前で見ると想像以上で結構びっくりしている」
齋藤リッコ:「うん! とにかく……」上を見て「……これ!止めなきゃよね!」
齋藤リッコ:「よろしくお願いします! えーと……何て呼んだらいいかしら」
"バズヴ・カタ":「……ああ」 少し間があったが、すぐ頷く 「バズヴでいい。発音しづらければバズウでも何でも」
"バズヴ・カタ":「聞き間違えることはないからな。……エアリもずっと発音を微妙に間違えている」
齋藤リッコ:「そ、そうなんだ…… バズヴちゃんね!とりあえず……」ピラーを見遣る「……えーと……どうしよう?中入る?」
"バズヴ・カタ":「そうしよう。……騒がしくはあるが、何にせよピラーの者と話をするべきだと思う」
齋藤リッコ:「うん!急に倒壊とかしなきゃいいけど……」不安げに見上げつつロビーに足を踏み入れる。
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を1D10(→ 2)増加(33 → 35)
GM:……セイクリッドピラー、ロビー。
GM:有事には避難設備としての機能を期待されたその空間は、流石というべきか頑強な構造になっており内装に目立つ傷はなく、
GM:"ヘカトンケイレス"の登攀による激しい震動により調度品が落下・転倒している以外の乱れは見当たらなかった――設備としては、だが。
パニックの生徒:「一体何がどうなってるんですか!」
パニックの生徒:「あいつに家を潰されたんだけどどうしてくれるの!?」
震える先住市民:「こ、このあたりは大丈夫なのかなあ。みんな不安がってるよ」
逃げ出したい生徒会員:「し、静かに、静かに! 現在調査中なので続きは明日……!」
GM:人の方は、この有り様である。元々セイクリッドピラーは、ノヴァリスの中心としての存在感と物理的な威容により……
GM:……たまに生徒に襲撃されることがあっても、近辺住民には頼れる安心のシンボルのように思われていた所がある。
GM:いざという時に頼れる、文字通りの柱。……その『柱』の方に『いざという時』が来てしまえば、かように騒ぎ立てる者が殺到するという次第だ。
エイヴ・ド・レスタイム:「騒ぎすごいですね~」
エイヴ・ド・レスタイム:角を一つ曲がれば騒動の最中に突っ込むことになるという所で、影から様子を伺っている。
綾云媛:「引き返したほうがいいですかねこれ」
綾云媛:「まだ外のの相手のほうがマシでは」
エイヴ・ド・レスタイム:「いやいや! どう考えてもこっちの方が可愛いもんでしょ! ……後のことを考えなければ」
綾云媛:「じゃあ先出てくださいよ」
エイヴ・ド・レスタイム:「え、ええ~……ここは寮長がバシッと鶴の一声を決めてくれるんじゃないですか?」
エイヴ・ド・レスタイム:「見てみたいな~、鶴のように美しい寮長から出る、生徒の混乱をぴしゃりと止める冴えた一言!」
エイヴ・ド・レスタイム:声色は軽薄だ。しないだろうな~と思っている
綾云媛:「混乱を止めることはできますけど」
綾云媛:「恐慌で塗り替えてもよいのでしたら……?」
エイヴ・ド・レスタイム:「既にあんなに恐慌してるのに……!?」
エイヴ・ド・レスタイム:そう言って、ため息 「いや……どうするべきかっていう話をするのなら、ですよ。それはもちろん……ね?」
綾云媛:「そうですね、ここに来ている中で……」
綾云媛:「有用そうな生徒をつまむべきでしょうね」
エイヴ・ド・レスタイム:「つまむ……?」 親指と人差し指をぱくぱくする 「……有用そうなってことは、徴発する?」
綾云媛:「まさか。そんな権限はありません」
綾云媛:「“お願い”します」
エイヴ・ド・レスタイム:「おお~」 頷いている 「文字通りに受け取って良いならすごく穏当で良心的ですね」
エイヴ・ド・レスタイム:「まあ、事を解決に向けて進めるならそうするしかないか……」 通信端末を見る
エイヴ・ド・レスタイム:「ピラーへの攻撃の混乱に巻き込まれて自由に動けない子も多いですしね」
エイヴ・ド・レスタイム:「仕切りはこっちがやるので、バシッと一声決めてもらえます?」
綾云媛:「ふむ。まあいいでしょう」
エイヴ・ド・レスタイム:「じゃ、行きましょうか。これ帰りいつになるのかな……」
GM:一つ嘆息を吐くと、エイヴは胸を張って角から出て、群衆の前に姿を見せる。騒ぎは一層大きくなるぞ。
逃げ出したい生徒会員:「あ、あんたは安全保障寮の……!」
パニックの生徒:「ちょっと! どうなってるんですか! 責任を取ってくれるんですか!?」
パニックの生徒:「こんなことでは枕を高くして眠れないんだよ!」
震える先住市民:「背が高いねえ」
エイヴ・ド・レスタイム:「あ~……お静かに! 皆さん! どうか落ち着いて! お静かに……!」
エイヴ・ド・レスタイム:その声は荒々しくないが、よく通るものだった。騒ぎがにわかに落ち着いた所で、さらに強く言葉を発する。
エイヴ・ド・レスタイム:「現在のトラブルにつきまして……我々安全保障寮から!」
エイヴ・ド・レスタイム:「お知らせがあります! ……どうぞ!」
エイヴ・ド・レスタイム:振り返り君を手で呼ぶぞ。
綾云媛:「本当に仕切りだけして投げますね……」渋々と言った顔で姿を表す。
逃げ出したい生徒会員:「あ、あんたは安全保障寮の……!」
パニックの生徒:「なんだ!? もっと責任を取ってくれるのか!?」
パニックの生徒:「いつになったら事態は解決するんですか!」
震える先住市民:「おなかを冷やしそうだねえ」
綾云媛:「皆様、この度は申し訳有りません!」深々と頭を下げる。
パニックの生徒:「おおっ……」 比較的冷静な生徒がどよめくものの
綾云媛:「我々の不行届きにより、皆様にご苦労とご心配を掛けていることをお詫び申し上げます」
パニックの生徒:「謝って済む問題かー!」「頭を下げても下がった株価は戻らないんだぞ!」 野次も増える!
綾云媛:「はい、はい……!それはご指摘の通りと重く受け止めておりますが……!」
綾云媛:「重ねて陳謝いたします!」
綾云媛:「我々にはこの事態を解決に足る十分な戦力があるとは言い難い状況ですので……!」
綾云媛:「ここの安全さえも保証出来ない状態にあります!」
パニックの生徒(野次):「陳謝を重ねられたって重なった赤字は黒くならないんだぞ~!」「責任感が足りないんじゃないか!」「」
綾云媛:「腕に自信のない方は早急にご避難頂きたく!」
綾云媛:ぺこぺこと頭を下げている。そのたびにぴょこぴょこと二つ結びの髪が揺れる。
震える先住市民:「やめましょうよ。避難しましょうよう」
パニックの生徒(一般):「ひ、避難……?」 パニックだが比較的善良そうな生徒がおずおず問う 「ほ、本当に危険なんですね?」
綾云媛:「はい!これは訓練ではなく……非常事態です!」
パニックの生徒(一般):「訓練ではない……!」
パニックの生徒(一般):「訓練はいっぱいやったけど非常事態は始めてだよ……」「絶対安全のはずだからピラーの脇に不法居住してたのに!」
パニックの生徒(野次):「そんなことで私たちの財産を守れるの!?」「非常時になんだその服は!」
綾云媛:「申し訳有りません!申し訳有りません!」
四之宮サヨリ:四之宮サヨリの侵蝕率を1D10(→ 6)増加(45 → 51)
パニックの生徒(野次):「ちょっと腹筋の筋が綺麗だからって!」「よく見たら髪も綺麗ね!」
四之宮サヨリ:「……役員の方に文句を言うのも当然の状況なのかもしれません、ですが……」
パニックの生徒(野次):「……?」 野次を飛ばしていた生徒たちが、声の主を振り返る
四之宮サヨリ:生徒を割って、歩みを進める。背後の方に居た生徒は既に一部、誘導を終え別の場所に避難を始めている。
震える先住市民:「おおきいひとだねえ」
パニックの生徒(一般):「だ、誰だなんだ?」「あなたも文句を言いにきたの?」
四之宮サヨリ:「……既にこの周辺は危険と思ってよいでしょう。まずは避難第一、ピラーに次いだ第二避難先へのルートは既に確保しています」
四之宮サヨリ:(ヘカトンケイレス用に……と思っていたのですが、状況は更に混沌としていますね)
綾云媛:「あれは……」
パニックの生徒(一般):「避難ルート……安全なの?」「避難が上手い人?」
四之宮サヨリ:生徒の端末に避難先へのルートを送信しながら、先住市民に視線を合わせて。
震える先住市民:「そっちにいけばいいのかな?」 朴訥な目
四之宮サヨリ:「はい……私がここまで来る間に、被害の少ない道を調べておきましたから」
四之宮サヨリ:「だから、安心して。まずは先に行ったみんなを追ってください」
震える先住市民:「みんなも避難させてくれたんだねえ。じゃあ……そうしようかなあ」
震える先住市民:「ありがとうねえ、大きいお嬢さん」 よちよちと君の開けた道を歩いてピラーの外に向かっていく
四之宮サヨリ:「生徒の皆さんも、順次移動を!十字冠があるとはいえ、被害に会えば苦痛は免れません!」通る声で、次々と呼びかけていく。
パニックの生徒(野次):「……そ、そんなことをして我々の不平をうやむやにしようとしているのでは!?」「ハッ……そうかも……!」
パニックの生徒(一般):「……わざわざ騒ぐのが目的みたいなやつに付き合うことはないね。行こう行こう!」「うう……痛いのはイヤだからな……」
GM:まずは先住市民が去り、それに釣られるようにパニックの生徒も大半がその場を後にしていく。
逃げ出したい生徒会員:「……わ、私も続きたいけどな……」 漏らしつつも云媛が前に立つ以上下手に動けない状態だ
四之宮サヨリ:「……やはり、前に出るのは慣れませんね。ミチカさんやミルキさんに任せすぎでしたか……」
綾云媛:嘆息して。「さすがと言ったところですね。案内はお手の物のようで」
綾云媛:「合コン委員会の方ですね?」
四之宮サヨリ:「はい。副委員長の四之宮サヨリです。ええと……安全保障寮の方でしょうか」
綾云媛:「はい!寮長の綾云媛と申します。先日は委員会の皆様にはお世話になりました」
四之宮サヨリ:「ああ、あの、確か報告にあった……いえ、こちらこそ」少々の苦笑いの後、表情を戻して。
エイヴ・ド・レスタイム:「同じく保障寮のエイヴ・ド・レスタイム。私は特にお世話にはなってないですけど~」 云媛に大体を任せ存在感を消していたが、後ろからようやく出てくる
四之宮サヨリ:「一先ず、状況の確認を行いたいのですが……」
四之宮サヨリ:混沌としたピラー上空を眺める。小さく溜息。
四之宮サヨリ:「……どうにも、事態は一言では言い表せぬご様子。手伝えることがあれば、此方で対応します」
綾云媛:「はい!こちらとしても心強い味方と心得ています」
綾云媛:「あなたのような腕に覚えのある有志の登場を心待ちにしておりました!」朗々と告げる。
エイヴ・ド・レスタイム:(うわっめちゃくちゃ強引だし)(全然受け入れてるし)
綾云媛:周りに聞えよがしにしている。
四之宮サヨリ:「……といっても、故あって此方の人員の殆どはカタコンベ内、外に居た方々には避難誘導を行ってもらっていますので」
四之宮サヨリ:「現状、委員会でピラー付近に居るのは私一人。それでも構いませんか?」
綾云媛:「はい!依然として不足は否めませんが……」
綾云媛:「それでも心強いことは限り有りませんので!」
パニックの生徒(野次):「合コン委員会を戦力に……?」「なんだそのふしだらな略称は!」 彼らもばっちり君たちの会話を聞いているぞ
パニックの生徒(野次):「合コン委員会を味方につけているのに何だその女子力のなさは!」「そんなことで本当に安全を確保できるの!?」 ワイワイ
四之宮サヨリ:「分かりました。では……"スクランブル"四之宮サヨリ。これより安全保障寮の指揮下に入らせていただきます」野次の生徒もそろそろ危険を自覚し去るだろうと、にっこり無視を決めている。
齋藤リッコ:その時、フィオナ騎士団の面々と共にどやどやと正面入口からロビーに入ってくる。
齋藤リッコ:「あれ!?まだ結構人いる!」野次馬を見て「なんで?危ないわよここ!」
綾云媛:「……キングダム生が、フィオナ騎士団と……?」
パニックの生徒(野次):「権利の主張を止めたら権利が失われてしまうんだ!」「そっちだって危ないぞ!」
四之宮サヨリ:「……あら、もしかしてリッコさんですか?」
齋藤リッコ:「……あれ?サヨリさん?」合コン委員会絡みでの顔馴染だ「どうしてこんなとこに……」
齋藤リッコ:「と……そっちは最高生徒会の子?」
綾云媛:(この生徒……どういう繋がりを……?)
エイヴ・ド・レスタイム:(……あ!)(あの安っぽいCMの子……!)
"バズヴ・カタ":リッコの背後に、更に複数の団員を率い立っている 「……知り合いなのだろうか?」
綾云媛:「はい。安全保障寮長の綾と申します」一礼して。
四之宮サヨリ:「どうして、となると少々ややこしくなるのですが……そちらは……ええと、フィオナ騎士団……シャムロックの方ですね」
綾云媛:「あまりこちらにいらっしゃる方々ではないと存じていますが」
"バズヴ・カタ":「そうだ。今ここにいる私たちは、シャムロック自由学園としての判断で彼女に従っている」
"バズヴ・カタ":「独自に意向を持って動くつもりはないことはお断りしておこう」
綾云媛:「?」
綾云媛:「あなた……」
綾云媛:「なんなんです?」思わず率直な感想を口にする。
齋藤リッコ:「えーと……CMで見たことない? オーヴァード派遣会社の者なんだけど……」
齋藤リッコ:「『ウォーレンにお任せを!』」グッとポーズする。不本意ながら最近は持ちネタとしてほぼ芸人扱いで番組に呼ばれたりしている
綾云媛:「すみません、CMはブロックしていまして……」
綾云媛:「有名なんですね」
齋藤リッコ:「あっそっか……」若干の凹み「まあ詳しく話すと長くなるんだけど……今ほら、大変なことになってるでしょ」
齋藤リッコ:「助っ人だと思ってくれていいわ」
エイヴ・ド・レスタイム:「私は見たことありますよ、元の動画も!」 加工後の弄り回されてるやつの方をブックマークしている
綾云媛:「元……?」
齋藤リッコ:「元……?」
エイヴ・ド・レスタイム:「ゴホゴホ」 咳払い
四之宮サヨリ:「……ええと、いいですか?」
四之宮サヨリ:「彼女……齋藤リッコさんにはこちら合コン委員会の方で何度もお世話になっていますので、実力の方も申し分ないかと思います」
四之宮サヨリ:動画の件については知っているので、彼女が気付いてショックを受けないようになんとか割り込ませる。
綾云媛:「……ああ」ようやく得心が行ったように。「葬送係というやつですか?」
齋藤リッコ:「そうそれ!知ってるなら話は早いわね」
齋藤リッコ:「まあ要するに、今ピラーを襲撃してる犯人の中に、こっちで今まで追ってた相手が居てね」
齋藤リッコ:「それを捕まえに来たってわけ。勿論それ以外でも協力するつもりよ」
"バズヴ・カタ":特に言葉を付け加えることはない。リッコに従うつもりのようだ
綾云媛:「……この中に……?」
四之宮サヨリ:「……やはり、様々な事情が重なっているようですね」
綾云媛:「まあ、目的よりも……その意思と実力をこそありがたく思っております!」
綾云媛:「キングダム生の王鍵は貴重な戦力この上ありませんから……」
齋藤リッコ:「あっ……」気まずそうな顔
齋藤リッコ:「あー……ごめん、あたし王鍵は持ってなくて……」
綾云媛:「えっ?」
綾云媛:「……」
綾云媛:「……失礼しました!協力の意思にこそ甚大なる感謝をしております!」
齋藤リッコ:「気まずっ…… あ、う、うん……頑張るからね……?」
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 3)増加(38 → 41)
パニックの生徒(野次):「ま、待った!」
四之宮サヨリ:「少なくとも、彼女は星徒との戦闘は幾度とも経験済み。戦闘経験に関しては諸王の方と比べても遜色なく……?」少々様子が変わった野次に耳を傾けて。
パニックの生徒(野次):騎士団の数に躊躇していた野次生徒たちが、改めて声を上げる。
パニックの生徒(野次):「なんだかよい感じに話がまとまりつつあるけど、それで危険な所に行って十字冠離脱したら……」
パニックの生徒(野次):「ピラーの外に行ってしまうんじゃないの?」「つまり……"逃げ"……!?」
齋藤リッコ:「何?急に……」
パニックの生徒(野次):「このまま逃げられても困る! 予想される被害に対する金銭的保障を約束してくれないと……!」
齋藤リッコ:「うわーっ何よこいつら!?」
綾云媛:「よい感じに話がまとまりたくないんですね」
四之宮サヨリ:「ううん、この人たちは本当に……」耐えきれずに、大きくため息。そろそろどうしてやろうかと算段を立てている。
齋藤リッコ:「ちょっと!あんた達状況わかってんの!?ほんとに危ないから逃げた方がいいって言ってるでしょ!」
パニックの生徒(野次):「こちらもまとめてほしいだけだ! あわよくばこれでこの前の負け分を取り返してもう一度……!」
四之宮サヨリ:(ギャンブルでスってるだけじゃないですか)
綾云媛:「うーん。この人数ならやってしまったほうが早いですかね……?」
GM: ……ブオオオ……
GM:不意に、後方から大質量を駆動させるエンジン音が聞こえて来た と、思った瞬間
GM:ギャリイイイイインンン!!!!
パニックの生徒(野次):「エ!?」
GM:ガラス張りの大窓を突き破り、大型のジープがロビーへと乱入!
ハイト・ワトソン:「ぶれ、ぶれ、ぶれ」
ハイト・ワトソン:「ブレーキがあああ!!」
齋藤リッコ:「おわぁあーーーーーーーーー!?!?」
後藤スダチ:「ハイトさん!」
後藤スダチ:「本当にMT車運転できるんだよね!?」
ハイト・ワトソン:「ブレーキが3個あって10秒ごとに切り替わるんですううううう!!!」
ハイト・ワトソン:「MT車がそんな仕様だったなんて全然全然知らなくてええええええ!!」
ハイト・ワトソン:「AT専用以下のクズでごめんなさいいいいいいい!!」
後藤スダチ:〈セイクリッドピラーの皆様!!!!ご迷惑をおかけしております!!!!!〉車載スピーカー音量を最大だ!
後藤スダチ:〈現在当車は暴走しています!大変危険ですので避難してください!!〉
齋藤リッコ:「アァーーッ耳が!!!!!」
綾云媛:「ふむ。敵ではなさそうですね……」
綾云媛:「ただの一般通過暴走テロですか」
四之宮サヨリ:「……まあ、よくありますね。メサイアの方では……」
パニックの生徒(野次):「声の主に比べて音がでかすぎる!!」 耳を塞ぎ硬直する野次生徒たちに、ドキドキランダムブレーキカーが迫り
後藤スダチ:「ハイトさん、もう一度落ち着いてマニュアル通りにやりましょう!」
後藤スダチ:「切り替え周期のパターンを特定すれば確実なはずです!ランプの色は赤ですか!?黄色ですか!?」
ハイト・ワトソン:「は、はい! 分かりました! ええと、ええと、ランプの、色は」
ハイト・ワトソン:「緑ですうううううう!!」
後藤スダチ:「あと、絶対忘れちゃいけないのは『ポーン!』の音が鳴った時にはサイドのレバーを引いて……」
後藤スダチ:もはや前方を確認できない状態なのだ!
パニックの生徒(野次):「ウギャアアアア!!!」
GM:轢殺――! 暴走カーを前に回避を怠るなどという危機管理能力の低さの持ち主は、当然こうなる!
四之宮サヨリ:「あっ……」
GM:ハイトとスダチがパニックのまま野次を飛ばしていた生徒たちを十字冠離脱させる。そのまま車は壁へと突っ込み……停止!
後藤スダチ:「ああ!また轢った!」
四之宮サヨリ:聞こえる声と目の前の状況を、半ば呆れ顔で見守る。
齋藤リッコ:「ひぇ~~~~……」大惨事に顔面蒼白になっている
GM:ジェネシス最新エアバッグが二人を天国のような包み心地で守るので、当然無傷です。
後藤スダチ:「ギュムーッ!搭乗者以外の安全も保証してほしい~~」ふんわりと衝撃吸収……
ハイト・ワトソン:「うう……今日だけでキルスコアを85962590838572454も稼いでしまいました……」
四之宮サヨリ:「まあ、この際です。どうやってもお金渡さないと逃げなさそうな雰囲気でしたし、下手したら火事場泥棒もあり得ましたから……」
後藤スダチ:完全に観念し、両手を上げて車外に這い出します。「と、投降します」
ハイト・ワトソン:「ごめんなさい……ごめんなさい……私が悪いんです。スダチさんのキルスコアは2割だけにしてあげてください……」
後藤スダチ:「申し訳ありません……!オフィサー営業……いや、ジェネシスインダストリアルアカデミーの後藤スダチです……」
綾云媛:鋭い眼光のまま、じりじりと搭乗者の2人のもとに寄っていって。
齋藤リッコ:「えっ……オフィサー!?」
四之宮サヨリ:「おや、中々の重役が……」
齋藤リッコ:「どうしてそんな重役がこんな凶行に……」
後藤スダチ:「今回の出来事は業務外のことですので、どうか……私個人の責任でご容赦を……!」
綾云媛:「……この度は……」
綾云媛:「ありがとうございます!」
後藤スダチ:「え!?」
ハイト・ワトソン:「エッ!?」
齋藤リッコ:「えぇ……?」
綾云媛:がっと手を握る。「これで彼女らの金銭保証の請求先が……」
綾云媛:「最高生徒会からあなたがたに移ります!献身に極めて感謝を申し上げます!」
後藤スダチ:「やめてやめてやめて!」
後藤スダチ:「絶対払えないですから!あの、聞いて下さい」
後藤スダチ:「確かに我々は車両暴走事故を起こしてしまったかもしれません。しかし今回こんなカスの車を使わざるをえなかったのは緊急避難的な側面もありまして……!」
ハイト・ワトソン:「うぅぅええ……」 ボロボロ泣きながらこくこく頷いている
四之宮サヨリ:「ええと、混乱しているようですし……ひとまず落ち着いて……飲み物、必要ですか?」
四之宮サヨリ:手持ちの水筒からお茶を汲み、二人に差し出しながら。
ハイト・ワトソン:「うう……ごっくりごっくり……」 がぶがぶお茶を飲む
齋藤リッコ:「一見まごうことなき自爆テロリストだけど……何か訳ありみたいね」
綾云媛:「自爆テロリストも理由があってやっているはずですからね」
後藤スダチ:「……最高生徒会では確認できていませんか?ジェネシス学区全体が機能不全を起こしています」
綾云媛:「そうですか、ジェネシスが機能不全に……」
綾云媛:「最高生徒会と似たような状況というわけですか」
齋藤リッコ:「えっ……そんなことになってんの!?」
後藤スダチ:「そうです!こんな車しか残っていなかったのが何よりの証拠!」
後藤スダチ:「本来ならこんなのより遥かに安全で確実な自動制御車がいくらでもあるんですよ!?」
エイヴ・ド・レスタイム:「……事実ではありますね。一応確かめましたが、ジェネシスの諸機能停止は今も続いてます」
後藤スダチ:「あ、ありがとうございます!」素早く一礼する。最高生徒会側からのフォローが嬉しい!
四之宮サヨリ:「よしよし……って、相当な状況ですね。あのジェネシスが……そんなことあり得るんですか?」
綾云媛:「ジェネシスも今まさに巨大な機械にビルがよじ登られているんですか」
エイヴ・ド・レスタイム:「詳しい情報は秘匿調査中なんで話せませんが……」 実際は何も掴んでいないだけなのだ
齋藤リッコ:「さすが最高生徒会は既に動いてるのね……」信じている
後藤スダチ:「セイクリッドピラーも何らかの攻撃を受けているのは、ここに来る途中でも確認しました……けれど!」
後藤スダチ:「ジェネシスの方が大事件です!学区全体が、非現実的な規模のシステムハックを受けています!」
後藤スダチ:「私以外の生徒は外出すらできていません。オフィサーすら、問題への対処が著しく遅れている可能性が高いです」
ハイト・ワトソン:こくこく頷いている 説得力があるかはさておき、必死だ
後藤スダチ:「はぁ、はぁ……私と、こちらのハイト・ワトソンさんは」
後藤スダチ:「だいぶ奇跡的な確率の偶然で、ここに辿り着けたんだと思います。問題を解決できそうな手段は、現時点ではセイクリッドピラーにしかありません」
齋藤リッコ:「ジェネシスみたいなオール電化なとこがそんなことになったら……なんか……」
齋藤リッコ:「大変じゃないの?」ぼんやりしたイメージ「スマホのアラーム止まって寝坊したり……」
綾云媛:「そこは致命ではないと思いますが……」
四之宮サヨリ:「恐らく……日常生活どころか、考え得る活動の殆どが停止すると言っても過言ではないですね」
齋藤リッコ:「崑崙とかキングダムとは訳が違うもんね……」
後藤スダチ:「この人が安全保障寮長の綾云媛さんで、この人が合コン委員会副委員長の四之宮サヨリさんだよ」などと、ハイトちゃんに教えてあげています。
ハイト・ワトソン:「ひいい、立派な人ばっかりです……すみません……ただの警備部生徒で……」 恐縮し、スダチちゃんの影に隠れている
後藤スダチ:「この人は……?」リッコを紹介しようとして、訝しむ。
後藤スダチ:(誰だろう……)
"バズヴ・カタ":「……信じても良いと思う」 リッコの耳元で告げる 「今回の敵のノドスチルドレンの中に、そういうことが得意な者がいると聞いている」
"バズヴ・カタ":「ピラーへの攻撃と合わせて、ジェネシスを撹乱し、救援を絶っているのかもしれない」
齋藤リッコ:「うぇっ……直接繋がってるってこと?なるほどね……」
綾云媛:「つまり……両者の事件は連携によるものだと?」
四之宮サヨリ:「ノドス……そちらにも関わっているのですね」
四之宮サヨリ:「ピラーを登攀する巨大機械については、こちらが知っている情報をお話できます」
後藤スダチ:「あっ、そうですノドス!これは確実です!」
後藤スダチ:「以前の事件で確認された、ノドスチルドレン17th"ステルペス"!ご丁寧に学区内で宣戦布告ライブ配信を放送しています」
齋藤リッコ:「ライブ配信!?」
ハイト・ワトソン:「やばかったです……ジェネシス生の平均起床時間を把握してました……」
後藤スダチ:「ただ、敵の正体が分かっていても、敵がどこから、具体的に何を仕掛けているかということは全く判明していないので……」
後藤スダチ:「ジェネシスそのものの機能が停止している以上、そうした調査を学区内で行うことは後回しにするしかありませんでした。すみません」
齋藤リッコ:「そのめっちゃ大変な事態が……」
齋藤リッコ:「……ピラーに来れば解決できるの? ……なんか……そういう機能とかあるんだっけ?」怪訝そうに
後藤スダチ:「え~~と、それは本当に私もよく分かってません……『コードC』というものをピラーで実行すれば事態を収拾できる……らしいんですけど……」
齋藤リッコ:「コードC……誰か聞いたことある?」
四之宮サヨリ:「……云媛さん、今の言葉に聞き覚えは?」
綾云媛:「いえ……」
後藤スダチ:ハイト・ワトソンが発見した奇妙な冊子と、その内容がこれまで起こったことに異常なほど符合することを、掻い摘んで説明する。
齋藤リッコ:「なにそれ!気味悪~~!」
ハイト・ワトソン:「わ、私も……こんな冊子に書いてある通りにしただけで……」
後藤スダチ:「……という感じで、最高生徒会のどなたかなら心当たりがあるのではないか、と来てみたんですけれど」
エイヴ・ド・レスタイム:「……私も知りません。正直何かのイタズラじゃないかとも思わないではないですが」
エイヴ・ド・レスタイム:「絶対にあり得ないか~って言われると、まあ……」 頭上を見上げる 「ピラーはまだ不詳な場所も多いです。旧理事会関係の設備は一筋縄じゃいきません」
綾云媛:「とはいえ、何らかの作為がなければ……戒厳下のジェネシスを脱出できたことにも説明がつきません」
齋藤リッコ:「未来予知?そんなこと出来るオーヴァード……」いくつか思い出して「……いない訳じゃないけど……」
綾云媛:「どういう交友してるんですか?」
後藤スダチ:「説明が長くなりましたけれど、とにかく、私達の目的は断じて!セイクリッドピラーへの自爆轢殺テロ突撃などではなかったんです!」
後藤スダチ:「それだけはどうかご理解ください……!」
齋藤リッコ:「う~ん、不幸な事故だったのね……」
ハイト・ワトソン:「不幸です……」
四之宮サヨリ:「それはもう、充分に。必死な顔を見ているだけで分かります」
齋藤リッコ:「いや……実はここで自爆轢殺テロを起こすのもその予言のうち……?」
綾云媛:「そこはしっかり理解しております!被害があったのはピラーではなく……」
綾云媛:「ピラーに集っていた頑迷な群衆だけですから!」
後藤スダチ:「本当にすごい車だったんですから!解体してどんなシステムだか見てみますか!?」
四之宮サヨリ:「ええと、今はそれどころではないので、とりあえず……私の方の話もしてしまいますね」
後藤スダチ:「お願いします」
齋藤リッコ:「サヨリちゃんもノドス関連でここに?」
エイヴ・ド・レスタイム:「実際私は一番そっちが気になってました。慈善の避難勧告……の割にはちょっと踏み込みすぎでしょう?」
四之宮サヨリ:「ええ、あのピラーを登る巨大機械……ヘカトンケイレス。元々はピラー建造に関わった大型社会人の発掘がカタコンベ付近で行われていたのですが」
四之宮サヨリ:「ジェネシスの方であれば、耳に挟んでいたかもしれません。共同での発掘作業でしたから」
綾云媛:「ピラー建造に……」
齋藤リッコ:「……えっ、都市伝説じゃなかったの?あれって……」
後藤スダチ:「土木建設部がいくらか技術や機材の供与をしていたはずですね。オフィサーの承認も下りています」
四之宮サヨリ:「……その発掘中、ノドスチルドレンの"アルゲス"さんの襲撃に会いヘカトンケイレスが起動、恐らく操作され、ピラーに向けて進撃を開始しました」
齋藤リッコ:「お……思ったより大変なことになってる!!」
後藤スダチ:「"アルゲス"……あいつか!」
綾云媛:「ご存知で?」
四之宮サヨリ:「カタコンベも一部崩壊してしまい、そちらに人員を多く裂く羽目になっているのですが……と、以前にもお会いしたことが?」
後藤スダチ:「はい。"ステルペス"と同時に確認されたノドスチルドレンです。だんだん分かってきた。……これは」
後藤スダチ:「……偶然じゃない。ノドスチルドレンの『チーム』が、意図して同時多発的に、各学区で行動を起こしているはず……!」
ハイト・ワトソン:(やっぱりスダチさん、すごい人なんだな……)
後藤スダチ:「サヨリさん、話を続けてください。その後何が起こったんですか?」
四之宮サヨリ:「いえ、お話は殆どここまでです。襲撃時に交戦した結果、一度転送されていまして……復帰してすぐ此方に向かい、この状況です」
綾云媛:「……敗北を?」
四之宮サヨリ:「後は……"ブロンテス"という方についても、アルゲスさんの口から出ていました、そちらについても何か知っていますか?」
後藤スダチ:「……私は名前だけしか知りませんけれど、聞いてはいます」
後藤スダチ:「以前、営業本部の業務でジェネシス内の資源採掘基地への立ち入り調査を行ったことがあります」
後藤スダチ:「――基地は、ノドスチルドレンの巣窟でした。彼らが基地機能を支配し、資源を巧妙に横領して、機械兵を大量生産していたんです」
齋藤リッコ:「た……大変じゃないの!」
ハイト・ワトソン:「あ、そっちは聞いたことあります……」 小声で漏らす
後藤スダチ:「その際に、共同で作戦行動を取っていたノドスは、少なくとも四名」
後藤スダチ:「11th"アルゲス"。17th"ステルペス"。19th"ブロンテス"」
後藤スダチ:「そして、9th"マスターゼウス"」
エイヴ・ド・レスタイム:「……ノドスのその、一桁番号まで」 嫌な顔 「複数いるってだけで厄介なのに」
四之宮サヨリ:「最低でもその四人がチーム……ということですか」
齋藤リッコ:「ノドスって……マスターエージェントまでいるの?」
綾云媛:「ピラーの襲撃は2度目ですから。やるとなればそれなりとは思っていましたが」
四之宮サヨリ:「……先に述べた通り、一度アルゲスさんと戦闘し……撃退したものの、即座に発生した二機目の同機体に敗北しました。最初から何もかも予定通りといったような言葉と共に……」
齋藤リッコ:「……サヨリさんが……」その実力の程は知っている。相手は予想以上の手練れだと確信する。
後藤スダチ:「……こういう言い方は癪ですけれど」
後藤スダチ:「このチームは『頭のいい』敵です。最初の基地占拠も、メサイアでの"ヘカトンケイレス"奪取も……」
後藤スダチ:「一つ一つが大きな事件でありながら、より大きな流れのための布石を作るように動いているように見えます」
綾云媛:「マスターエージェントの称号が、本物かどうかは存じませんが……」
綾云媛:「ノドスの人間が、その個体が“マスター”を名乗ることを許している」
綾云媛:「もはや真贋を問わず脅威とみなしたほうがいいかと」
四之宮サヨリ:「……現状見える範囲では、ジェネシス停止からのピラーへの集中的な破壊活動、更にこれ以上の思惑があるかもしれない……と」
後藤スダチ:「えっと……この場合、どの問題への対処を優先したほうがいいでしょうか?」
後藤スダチ:「オフィサーとしてはジェネシスの復旧が可能ならたいへん助かるのですけど……」
エイヴ・ド・レスタイム:「え!? ピラーじゃなくてですか?」
綾云媛:「そちらじゃないですか?」
綾云媛:「ピラーを守れても戦力は増えませんから」
エイヴ・ド・レスタイム:「……」 少し遅れて 「ああ~」
四之宮サヨリ:「少なくとも、ジェネシスの被害は甚大ですから、それに……」
綾云媛:「とはいえそちらを解決するための問題は……」
綾云媛:「その糸口がつかめていないことですね。何をすれば復旧できるのか……」
綾云媛:「分かっていないのが実情ですね。かつての襲撃で彼らが目的としていたものは……すでにピラー内には有りません」
綾云媛:「そしてその事自体は、他ならぬノドスも知っていますから」
後藤スダチ:「そもそも、そのう……セイクリッドピラーをよじ登られた場合、何か困ることってあるんでしょうか……?」
後藤スダチ:「恥ずかしながら私、セイクリッドピラーが具体的に何で、どういう機能を持っているのか全然知らなくて……」
齋藤リッコ:「確かに。これだけ本腰を入れて壊しに来てる以上、何かあるのは分かるけど……」
四之宮サヨリ:「ピラー側を襲うだけならば、ジェネシスを停止させる必要が無い。とすると、関連する何かがあるのか……」
エイヴ・ド・レスタイム:「物的被害は大きいでしょうけどねえ。ノヴァリス生徒はいいとして、先生が避難しそこねてたりしたらそっちもダメージ出るかもしれません」
エイヴ・ド・レスタイム:「が、私もパッと出るのはそれだけです」 両手を挙げる 「あとは実地で調べて何か分かるかどうか」
綾云媛:「ああ……居ましたねそんな人達……」
後藤スダチ:「え!?そんな感じの扱いなんですか」
四之宮サヨリ:「も、もっと大事にしているものかと……」
後藤スダチ:「なんかもっと尊敬されて……大事に扱われてるゲスト的な人たちなのかと……(ユージン先生を除いて)」
齋藤リッコ:「最高生徒会って星室庁と仲良いんじゃないの……?」
綾云媛:「だって……外患であることには変わらなくないですか?」
齋藤リッコ:「がっ……外患!?」
綾云媛:「警戒してしかるべきでは。他の寮長がどう考えているかは知りませんけど」
齋藤リッコ:「なんてことを……」ドン引きしつつ
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ、もちろんそこ踏まえても大事なゲストですから必要なら助けますよ~?」
四之宮サヨリ:「た、確かに言われてみるとそうなのかもしれませんが……私もお世話になっているので、可能であればお助けしたいところ、ですね」
後藤スダチ:(先生の扱いってこんなだったんだ……次会った時は少し優しくしてあげないとな……)
齋藤リッコ:「……ていうか、ノドスの連中は今まさに下方は無視してよじ登ってるわけでしょ?ピラーの重要な機能が上の方にあるとしたら……」
齋藤リッコ:「スダチちゃんの言う……コードC?関係の機能も上の方にあるんじゃないの?」
後藤スダチ:「ええ~~っ」
後藤スダチ:「それは相当困る!そもそもコードCを実行していいのかどうかも分からないのに」
綾云媛:「倒れてからでは調査は難しそうですね」
後藤スダチ:「どうにか破壊的な手段で引き剥がせないですか?"ヘカトンケイレス"のこと」
四之宮サヨリ:「…………そうだ」
四之宮サヨリ:思い出したかのように、言葉を零して。
"バズヴ・カタ":「来がてら見たが、かなり厳しそうだった。何か手が?」
四之宮サヨリ:「いえ、同席していたラス・ヴィダスの方が内臓データの回収について躍起になっていたので」
四之宮サヨリ:「つまり、内部のデータに干渉する手段が既に存在し、実行可能であるということ。確認を取れれば、操作権限についても情報を得られる可能性があります」
齋藤リッコ:「えーと、つまり」首を捻って「……なんとかすれば止められるかもってこと?」
後藤スダチ:「……確かに、プロジェクトにはラス・ヴィダスが大きく噛んでたんですよね?」
後藤スダチ:「あれだけ大きな兵器なんて、そのまま売るにも解体して売るにも難儀しそうなのに」
四之宮サヨリ:「元々は原初の理事会のデータ、そしてピラーの建造計画、構造データを入手するつもりだったみたいですが……」
綾云媛:「それはそれで完全に由々しき防衛上の問題ですが……」
後藤スダチ:「ラス・ヴィダスが利益目的以外であの規模のプロジェクトをするはずがないし……データ部分に売れるものの『アテ』があったってことか……」
四之宮サヨリ:「それに関しても、入手できればコードC関連の情報を得られるかもしれません」
エイヴ・ド・レスタイム:「本当にそのコードCの実行をピラーで行う必要があるなら……そもそもあの大物が知ってるかもしれないってわけですね」
エイヴ・ド・レスタイム:「話が通じればいいんですけどねえ。……結局大仕事になりそう」
綾云媛:「こちらの対処が先決という結論になってしまいそうですが……」
綾云媛:「それでもご助力を頂けるとの認識で?」
後藤スダチ:「あはは……そ、そうですね……セイクリッドピラーへのアクセスに関しては完全にお願いしなきゃいけない立場ですし」
後藤スダチ:「あと……」後ろを振り返る。「結構人轢いちゃったので…………」
ハイト・ワトソン:「こ、このままじゃあたし、人を轢いただけの人になっちゃいます」
ハイト・ワトソン:「どうかジェネシスのこともお願いしますよう……うぅ……」
四之宮サヨリ:「よかった……どうにかお話、纏まってきたみたいですね」
齋藤リッコ:「私も勿論オッケー。いいわね、糸口が見えてきた感じ」
後藤スダチ:(この緊急事態にすごい落ち着きだ……)
後藤スダチ:(キングダムの制服だけど、きっと有名な王様の誰かなんだろうな……)
齋藤リッコ:「……でも、まとまったのを混ぜ返すようで悪いんだけど……」
齋藤リッコ:「この件に関わるなら、耳に入れておいた方がいいことがあるの」
四之宮サヨリ:「……というと?」
綾云媛:「追っているという相手ですか?」
綾云媛:「先程挙がった中にはいらっしゃるわけではない?」
齋藤リッコ:「……どこまで話していい?」バズヴさんに小声で
"バズヴ・カタ":「フォモーリアンの件は、既にある程度広く知られている」
GM:君たちも噂くらいは聞いたことがあるかもしれない。旧シャムロック生徒会……フォモーリアン。条件さえ揃えば生徒すらジャームに変成し、それを操るということができる少女が首魁の組織だ。
"バズヴ・カタ":「そして、その先のことも、話す必要があると思う。彼女たちと行動を共にするなら」
"バズヴ・カタ":「……情報の供与を止めるように、エアリには言われてない。なので、任せる」
齋藤リッコ:「あたし隠し事苦手だから全部話しちゃうわよ……?」不安げに「……分かったわ」
後藤スダチ:「えっと、フォモーリアンって……あの?」
後藤スダチ:死のないノヴァリスにおいて、ほとんど怪談のような存在だ。神聖二重冠発現下に限定されるとはいえ、まさか生徒を、意図的にジャーム化しようとする者がいるなど。
四之宮サヨリ:「フォモーリアン……そう、そっか。レドさんの件の……」
四之宮サヨリ:葬送係と動く齋藤リッコの情報は、立場上確認している。彼女が失った友人の事も。
綾云媛:「……それでようやく得心が行きました。どうしてキングダム生がそちらの方々と行動をともにしているのか……」
齋藤リッコ:「うん。人も増えたし改めて。あたしは“ウォーレン”、齋藤リッコ。齋藤はいちばん難しい齋藤ね」
後藤スダチ:「日本人だ……齋藤のむずかしさに拘る人なんて、日本人しかありえない」
ハイト・ワトソン:(斎藤……齊藤かな……)
齋藤リッコ:「あたしが追ってる相手って言うのが、さっきバズヴちゃんからあったその“フォモーリアン”の首魁、テスラ・タイタニスって女」
齋藤リッコ:「そのタイタニスが、ノドスと協働してるって情報があって、あたし達はここに来たの」
齋藤リッコ:「皆もう知ってるかもしれないけど……“フォモーリアン”は生徒をジャーム化させるすべを持ってる」
齋藤リッコ:「つまり、この件に関わるなら……」一度息を吸って「……十字冠による転送が効かなくなる可能性がある」
齋藤リッコ:「命懸けになるかもしれない。本当の意味で」
"バズヴ・カタ":静かに立っている。沈黙により彼女の言葉を肯定し、また理解していることを示す。
ハイト・ワトソン:こちらは青ざめている。ただでさえ場違いな所に来てしまった気分だったのに、告げられた情報は完全にオーバーキルだ。
後藤スダチ:その真剣な語り口にどこか気圧され、言葉を挟むことも控えていたが。
後藤スダチ:「ま、またまた~……」
後藤スダチ:「なんでそんな人達が、よりによってノドスと協力するんですかっ!心配のしすぎですよ!」
後藤スダチ:「今回来てる"マスターゼウス"とか"アルゲス"って、とんでもなく性格が悪くて、女の子見ただけでアレルギー発症するような連中なんですから」
後藤スダチ:「ノヴァリス生徒の協力者なんているわけないですって!」
後藤スダチ:欺瞞だ。ディクテオン基地で、現に彼らはネヴァノ・ディクテオンを自らの意思で『協力』させているし、その事実を知っている。
後藤スダチ:「心配しなくたって、オフィサーとしてやるべきことはやります!安心してください!」
四之宮サヨリ:「……そっか、そんな苛烈な性格だったんですね、アルゲスさんは……」確かに言葉は強いけれど、そこまでではないと思っていたが。
齋藤リッコ:「……あたしも正直そう思いたいけど……残念ながら確かな情報よ」かぶりを振る
齋藤リッコ:「情報元は……」少し迷って。そこは言わないようにしようと思っていたのだが、結局「……シャムロックの生徒会長、棚エアリさんだから」
綾云媛:「まあ、確かな筋ではあるでしょうね、それは」
エイヴ・ド・レスタイム:「完全にシャムロックの筋からの情報なんですね。ま、連中はそもそもそこの出身なんだし、始末をつけるのは整合性あるのか……」
後藤スダチ:「でも、そんなこと言われたって……」
後藤スダチ:「……じゃ、じゃあ、やめます?」
ハイト・ワトソン:「!」
後藤スダチ:「めちゃめちゃ怖いですよ……?ジャーム化って……」
ハイト・ワトソン:「あ……あたしはその……む、無理です」 泣き声である。スダチを最初に呼んだ時のようだ
ハイト・ワトソン:「全然弱いし……ジャームとか、想像もつかないから」
ハイト・ワトソン:「……で、で、でも、スダチさんがやめちゃうなら……」
ハイト・ワトソン:「め……めちゃくちゃ迷惑を皆さんにかけますけど……やらないといけないのかな……って」
ハイト・ワトソン:「こ、ことに……うう……なるんですかね……?」
後藤スダチ:「やめてよお!そういうの……そういうのは、ないじゃん!」
後藤スダチ:「やめるなら二人でやめるでしょ、こういう時って!二人とも怖いんだから……!」
ハイト・ワトソン:「ご、ごめんなさぃ……! じゃ、じゃあ……」
ハイト・ワトソン:「やめます……!?」
後藤スダチ:「いや、うん、その……っ」
後藤スダチ:胸を押さえて苦しがっている。
齋藤リッコ:「あ、あたしは……やめるのも全然いいと思うけど……」罪悪感を刺激されつつ
綾云媛:「止めますか。みんなで逃げましょう」
綾云媛:「そしてこの日のことは胸にしまっておく。どうです?」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ」
四之宮サヨリ:「…………」
四之宮サヨリ:「……リッコさんは、決して破れかぶれなんかじゃなくて」
四之宮サヨリ:「例えジャーム化を齎す生徒が相手であっても。確かな意思で対峙するために来た……そうですよね?」
四之宮サヨリ:事情を知る者として、瞳をまっすぐに見る。
齋藤リッコ:「?」不思議そうに
齋藤リッコ:「……そりゃそうでしょ。負ける前提ならそもそも来ないわよ」
齋藤リッコ:「元々……あたしとバズヴちゃん達だけでやるつもりだったし」
齋藤リッコ:「だから、逃げるなら全然大丈夫よ」
齋藤リッコ:落ち着いた様子で言う。
齋藤リッコ:「もし来てくれるなら、それはそれですごくありがたいけどね」
四之宮サヨリ:「…………では」出会った頃よりずっと強くなった彼女を、頼もしく思いながら。
四之宮サヨリ:「私は、リッコさんと共に向かいましょう。ジャーム化のリスクを負ってでも……やりたいことがありますから」
後藤スダチ:「……齋藤リッコさん。あと、サヨリさんも……そういう自信があるのは本当に……すごく立派なことだと思う……けど」
後藤スダチ:「…………言ってくれないかな……」
後藤スダチ:「敵はジェネシスを機能停止に追い込んだほど、情報戦に長けているから……『もしかしたら、シャムロックが得た情報が間違っていたかもしれない』……」
後藤スダチ:「もし本当だとしても、今回じゃなくて、もっと先の作戦を見据えた協力関係かもしれない……」
後藤スダチ:「……だから、『フォモーリアンと確実に交戦するわけではない』……」
後藤スダチ:ノヴァリスへの帰属意識が薄いとはいえ、ハイト・ワトソンが感じているような使命感は、自分にだってある。
後藤スダチ:可能なら、『進みたい』のだ。だが、一つしかない命を懸ける『ほど』ではない。たぶん、誰だってそうだ。
齋藤リッコ:「うーん……」考え込んで「悪いけどそれは言えない。嘘になるし、たぶん結局あなたの為にならないから」
齋藤リッコ:「でも、そうやって悩むってことは……」
齋藤リッコ:「正直マジで行きたくないけど同時に行かなきゃいけないような気がしてて誰かに背中を押してほしい感じの状態ってことよね?」
後藤スダチ:「そう……です!」ぎゅっと目をつぶる。
綾云媛:「率直……」
エイヴ・ド・レスタイム:「堂々としてますねえ、たくさんの意味で」
綾云媛:「では、こういうのは如何ですか?」
綾云媛:「もしも実際に交戦し、危機に及んだ場合……」
綾云媛:「それを持ち帰って伝える人材が必要です」
綾云媛:「後衛が望ましい。そして……鈍重な巨大兵装を持つものでは適任ではありません」
綾云媛:「危険度は他のポジションより低いですが……該当する人が同道頂けると我々は助かります」
後藤スダチ:「いっ……いいんですね!?こんな私でも……!真っ先に逃げますからね、私は!」
後藤スダチ:「あと可能だったら他の皆さんも逃げてくださいよ!齋藤リッコさんもです!」
齋藤リッコ:「あはは……ありがと。心配しなくてもそうするわ」
ハイト・ワトソン:「あ……あたしは一番に逃げます!」
ハイト・ワトソン:「車も運転できるのでスダチさんよりも速いですからね!」
後藤スダチ:「私のほうが速いし!行動値も10あるし!」
綾云媛:「そこで張り合わなくても……」
四之宮サヨリ:「……フィオナ騎士団のバズヴさん、一つ確認してもよろしいでしょうか」
四之宮サヨリ:「フォモーリアンについて追っていた貴女方であれば、緊急時の対応にも長けているのではないかと考えるのですが」
"バズヴ・カタ":「……嘘が苦手なのは彼女と同じなので、白状をするが」
"バズヴ・カタ":「生憎、特段の対策があるわけではない。確かにかつて私たちは彼女を討ち果たしたが、二度目はないだろう」
"バズヴ・カタ":「ただし、緊急の離脱手段は、ある」 目を閉じる 「……あるが、あまり使いたくはない。最後の手段だと思って欲しい」
齋藤リッコ:「そうなの?初耳……」
後藤スダチ:「……」確かにフォモーリアンの危険性を最も知る彼女らなら、最悪の事態を想定した備えはしてこの任務に臨んでいるのだろう。
後藤スダチ:銃で武装した立てこもり犯の拠点に突入する特殊部隊が丸腰でないように、だ。
四之宮サヨリ:「ありがとうございます。例え最後の手段であっても……確かにある、のですね」
後藤スダチ:心配なのは、その備えのない自分達がフィオナ騎士団の足手まといにならないかどうか――
後藤スダチ:「……慎重にやりましょう」
後藤スダチ:「命が一番大事!慎重すぎて間に合わなかったら、もうその時はその時って感じで……」
四之宮サヨリ:「勿論。これ以上の犠牲者が出るのは、何より望まない事ですから」
齋藤リッコ:「まあ、本当にマジのマジでヤバいって時は、あたしが皆のこと守るわ」
齋藤リッコ:「それでもダメならバズヴちゃんの奥の手なり、一目散に逃げるなりしましょうよ」
齋藤リッコ:「それでどう?」
エイヴ・ド・レスタイム:「……まあ、もう逃げた方が分が良いだろ、から、やってみるか、くらいにはなりましたね」
エイヴ・ド・レスタイム:「寮長的には?」
綾云媛:「私は皆さんにお力添えをお願いする立場ですから」
綾云媛:「皆さんが共に来て頂けるのであれば、これに勝る喜びは有りません」
綾云媛:報酬はお約束できませんが、と加えて。
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ、感謝してますって寮長も」
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:周囲から視線を外して、ピラーを貫くエレベーターを見遣る。
齋藤リッコ:上方、断続的に聞こえる破砕音。闇は濃くなりつつあり、天を衝くかの如く聳えるピラーの天辺を見通すことは出来ない。
齋藤リッコ:根拠は無い。だが確かに感じる。肌が粟立つような感覚。底冷えするような怒りが、心の底に沈めていたかつての感情が蘇ってくる。
齋藤リッコ:(……どこにいる……?)
齋藤リッコ:(テスラ・タイタニス……)
齋藤リッコ:遥か天柱の根元、その身は矮小な蟻の如く。
齋藤リッコ:築いた全てを重ねたとして、その牙は喉元へと届くだろうか。
GM:シーンを終了します。ロイス取得のみ可能です
綾云媛:保留しとこうかな~
四之宮サヨリ:保留します!登りながら育みます
後藤スダチ:じゃあ私も保留しよう……!
齋藤リッコ:さっきのシーン……エアリさんに取りたかったので取っておこう
齋藤リッコ:棚エアリ 〇連帯感/不信 で取得します
棚エアリ:ありがと(ギュッムニ♡)
齋藤リッコ:あっあっ……
【◆ Middle 02 Scene Player:四之宮サヨリ】
GM:当セッションでは基本的に全員の登場を推奨します。侵蝕率ダイスを振って登場してね
四之宮サヨリ:四之宮サヨリの侵蝕率を1D10(→ 4)増加(51 → 55)
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(47 → 52)
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 1)増加(41 → 42)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を1D10(→ 9)増加(35 → 44)
GM:まずはこちらをご覧ください
■ Floor.1 セイクリッドピラー Around 30
... 【攻略】判定を4種クリアすることでフロアを突破。
・【攻略】 生徒を追う戦闘機械群の殲滅
攻撃を行い、合計50ダメージを与える(装甲5 範囲攻撃である場合ダメージ2倍)
→ 成功報酬:セイクリッドピラーへの毎ターンダメージ-4d10
・【攻略】 重装甲戦闘機械の破壊
攻撃を行い、合計20ダメージを与える(装甲15)
→ 成功報酬:次ターン、【攻略】 補給機械の破壊 が出現
・【情報】 近辺階層の構造
任意の<情報:>判定で達成値10
→ 成功報酬:次ターン、【攻略】 主力部隊の殲滅 が出現
・【情報】 コードC
任意の<情報:>判定で達成値12
→ 成功報酬:次ターン、複数の判定が出現
GM:みなさんは毎ターン、1人につき1回何らかの判定に挑戦することができます。
GM:そうしてすべての【攻略】判定をクリアすることで、フロアボスとのミドル戦闘に挑み、それに勝利することでフロアを突破できます。
GM:1シーンにつき1フロアを突破し、全3フロアを突破することで、クライマックスシーンへ入ることができます。これがひとまず、当セッションにおけるゲーム的な目標と思っておいてください。
齋藤リッコ:なるほどな~
綾云媛:ふんふん
四之宮サヨリ:ミドルボスとの戦闘も3回ある、とするとリソースの使い方も大事ですね
後藤スダチ:4つ全部クリアしないといけないんですね
GM:そう! また、【攻略】判定はだいたい「攻撃を行い、合計XXダメージを与える」となっています。これは一人で目標ダメージを達成しなくても、与えたダメージは残存して蓄積するものと思ってください。
GM:あと、メジャーアクション以外のエフェクトはラウンド進行に準じます。1ラウンド1回のエフェクトは1ターンに1回だし、セットアップエフェクトの効果を乗せられるのも1ターンにつき1回だけです!
GM:まあ、この辺りはなんとなくやっていく内に見えていくでしょう……なので、ターンが過ぎると何が起こるかを続けて説明します。
GM:このシステム、制限時間は特に明示的に設定されていませんが、毎ターンみなさんが判定を行う前に、セイクリッドピラーに対する攻撃が行われます。
GM:この攻撃に対して、一般的なエフェクトを使ってダメージを減らしたりカバーリングしたりといったことはできないものとしてください。
GM:とはいえ、セイクリッドピラーの耐久力初期値は20000あります! 一朝一夕であっけなくブッ壊れてしまうようなものではもちろんありません。
齋藤リッコ:固すぎる!
後藤スダチ:でも神格なら……?
四之宮サヨリ:お固いのですね♡
綾云媛:セイクリッドピラー持ってノドス殴ればワンパンできるのかな
GM:ゼウスが探すべきだったの、神格Dロイス持ちレネゲイドビーイングだったのかもしれん
GM:という訳で、ミドル進行のルールは以上! 判定したり攻撃したりして攻略を進める。のんびりしてるとピラーがぶっ壊れる! そういう感じに思っておいてください。
GM:また、本判定中、以下のNPCカードが使用可能です。
[NPCカード:"バズヴ・カタ"]
【運命の三相】
1シナリオ3回、判定のダイスを振った直後、そのダイスの目を一つ10にする。
(扱いは《妖精の手》に準じる)
[NPCカード:エイヴ・ド・レスタイム]
【パワー・プライスレス】
1ラウンドに1回、誰かがダメージを与えた直後、財産点を10まで消費する。[消費した財産点]分、ダメージを受けた相手のHPを減らす。
後藤スダチ:つよーい!
齋藤リッコ:やった~~
四之宮サヨリ:つよい!
GM:[NPCカード:"ハイト・ワトソン"]
【ハイティノート】
<運転:><芸術:><知識:><情報:>の達成値を常に+2する。
綾云媛:べんり
GM:……ゆっくりと上昇していたピラーのエレベーターが、指示していない階層で停止した。安全上の事由であるという電光掲示が表示されている。
エイヴ・ド・レスタイム:「ここまでか。もうちょっと進めれば良かったんですけどね……あとは階段ですよ」
齋藤リッコ:「あちゃ~~……流石にそうなるか……」
四之宮サヨリ:「思った以上に上がれたのだけは幸運でした。ピラーも相当に頑丈な様子ですね」
後藤スダチ:「でも、階段でこの高さを?普通のビル何階建て分くらいになるんだろう……」
エイヴ・ド・レスタイム:手元の端末を見ている 「この辺の階層はまだ安全っぽいです。実際に相手の機械が入り込んでて騒がしいのはもうちょい上の方……」
エイヴ・ド・レスタイム:「10階以上は昇ることになりますかねえ。別のエレベーターが生きてるとかあればいいんだけど……」
齋藤リッコ:「まあ、あのウジャウジャカニオバケみたいに外壁よじ登るよりはずっとマシでしょ!」
綾云媛:「ふむ……ある程度は仕方がないですね」
後藤スダチ:「10階なら意外と……大丈夫か。体力に自信があるわけじゃないけど……」
綾云媛:「普段は1F登るのも嫌なんですけど……」
四之宮サヨリ:「とはいえ、この階層にまで機械兵が降りてきている可能性もありますから、油断せずに進みましょう」
エイヴ・ド・レスタイム:「頼もしい! ……ついでに、今上がってる間に、相手の陣容についてちょっと分かったので、ざっくりご説明します」
エイヴ・ド・レスタイム:端末を見ながら、エレベーターを出て歩き始める 歩きスマホだ
齋藤リッコ:「おお、さすが優秀……」
後藤スダチ:「お願いしま~す」
エイヴ・ド・レスタイム:「今回の襲撃に関与してると想定できるノドスチルドレンは、現状で4名。みんな過去にノヴァリスで活動を確認されてます」
後藤スダチ:「さっき話した、ディクテオン基地の人達ですよ、たぶん」サヨリさんにひそひそと言う。
四之宮サヨリ:「成程、既に出会っていると云う……」
エイヴ・ド・レスタイム:「えーと……一番上から行きますか。"十律者"とか呼ばれるノドスチルドレンのトップ10人の一人、"マスターゼウス"。大量の戦闘機械を生産して仕掛けてくるのはソイツのやり方なんですね」
後藤スダチ:「……ナンバーの小ささが強さとは限らないけれど」
後藤スダチ:「ノドス側が、他のチルドレンと区別して10人の名称を分けているってことは、少なくともそうするだけの理由があるってことですよね……」
後藤スダチ:(……それに)
後藤スダチ:("十律者"はコニーちゃんが大型機の量産を始める前からこのノヴァリスに現れていた)
後藤スダチ:(きっと、ただ力が強い以上の大きな意味がある……)
綾云媛:「なるほど。ゼウスの数多い権能から、多産を抜き出している訳ですね」
綾云媛:「最も、他のモチーフも噛んでいても驚きはしませんが……」
齋藤リッコ:「あっ、メチャクチャ不倫してるってやつ?」
綾云媛:「そうですね」
四之宮サヨリ:「……神話編纂の際、各地でゼウスの子!を作り上げることで格を上げていたらしいですからね」
四之宮サヨリ:「結果、関係性が複雑なことに……」
"バズヴ・カタ":「主神の権威付けとしての同一視、親族化が、後世からみて尋常ならざる系譜を生み出した……ということだな」
齋藤リッコ:「ゼウスっていうからにはすごい雷を出せる!なイメージだったけど、その感じだと直接戦闘はどうなのかしら?」
エイヴ・ド・レスタイム:「ああ、なんか戦闘能力については不明瞭です。直接攻撃を放つ、みたいなことをしたデータはなくて……」
四之宮サヨリ:「……直接戦闘力が全く無い、と見るのは短絡的ですかね。隠し持っている可能性も考慮しておきましょう」
エイヴ・ド・レスタイム:「ジェネシス、キングダム等で目撃記録があります。強盗みたいなマネばっかして、性格は最悪みたいです。現在位置は不明ですが……」
エイヴ・ド・レスタイム:ちらりと上へ目線を向ける。先ほど、上空は雲の合間に見かけた、人型ですらない巨大な機械のことを思い出しているのだと云媛は分かるだろう。
綾云媛:「……ああ」視線に気づき。
綾云媛:「“ヘカトンケイル”を解放した者、でもあるわけですか」
齋藤リッコ:「え~と?」スマホで神話関連の電子書籍を開く。ノヴァリスにはやたらと神話を擦りたがる人間が多いので最近買った。
齋藤リッコ:「『ティタノマキアの際、ゼウスは三人のヘカトンケイルを幽閉から助け出した』……ホントだ」
後藤スダチ:「へー、そうなんだ……」電子書籍を横から覗いている。
齋藤リッコ:「『ヘカトンケイル達はその恩に報い、ティターンとの戦いで一度に300の大岩を敵に投げ付けて支援した』……」
齋藤リッコ:「300も!?」
後藤スダチ:「ヘカトンケイルの"ヘカト"はヘクトから来ているとすると……3人で、300個の大岩を投げたから、1人につき100本の腕の巨人ってことか……」
後藤スダチ:神話知識はそれほどない。ぼんやりとヘカトンケイルのことを考えている。
齋藤リッコ:「あっ!すごいIQを感じる……!」
綾云媛:「ゼウスって死ぬんですっけ?どうせなら死の所以をぶつけてやりたいですけど」
"バズヴ・カタ":「いかにエピソードが歪んでいても、まがりなりにも神話体系の主神にして最高神となれば」
"バズヴ・カタ":「死のエピソードはないか、あるにしても限りなく曖昧なのではないか?」
四之宮サヨリ:「確か……テューポーンがゼウスを一度打ち破ったお話はありますが……」あくまで死せず、神の連合とゼウスにその後敗走している。
齋藤リッコ:「この本には載ってないわね…… オーディンもキリストも死ぬのにな~」
"バズヴ・カタ":(キリストは神ではないぞ) 口出ししそうになったが、脇道に逸れるので内心に留めることを知る女である
綾云媛:「なるほど。まあ、それならばそれで構いませんが」
綾云媛:「末路を私達で描けるのですし。英雄譚にでもしてしまいましょうか」
エイヴ・ド・レスタイム:「で、次は"アルゲス"。剣を使う戦闘系チルドレンです。ノヴァリス内ではさっきのゼウス以上に目撃例は少ないんですが……」
四之宮サヨリ:「……私が会ったお相手ですね」
エイヴ・ド・レスタイム:「ジェネシス、ディクテオン基地での件のほか……ええ。つい昨日メサイアに姿を現して、ヘカトンケイレスの発掘現場を強襲しましたね」
エイヴ・ド・レスタイム:「あと今の所在も分かってて、ピラーの上の方の階で、抵抗する生徒に攻撃してるっぽいです」
後藤スダチ:「げっ、待ち伏せされてるの!?」
後藤スダチ:「ヘカトンケイレスがピラーに取り付いてるってことは……敵も戦力を分断してるわけがないか、よく考えたら……!」
後藤スダチ:髪を無意識にぐしゃぐしゃと掻こうとしたが、気付いて手櫛で直す。
四之宮サヨリ:「……急いで向かいたいところですね」
四之宮サヨリ:「抵抗する生徒さん方が居るとはいえ、彼単体での戦力的にも脅威です」
綾云媛:「しかし……かの合コン委員会の副委員長様が遅れを取る相手なのですよね」
綾云媛:「次にやって勝つ保証はあるので?」
齋藤リッコ:「いくら奇襲だったにしても……サヨリちゃんを一度は退けた相手でしょ?」腕組みして「厄介ね……」
四之宮サヨリ:「だからこそ、味方が多いうちに手を打ちたい。上階の生徒が無事なうちに……前回抗ったのは二人でしたが、今回は一緒に戦ってくれる皆さんも居ますから」
エイヴ・ド・レスタイム:「まあ、これは明確に接触を避けられなさそうな相手ですし……逆にゴタゴタしてない状態で排除できればベストですね」
四之宮サヨリ:「……それに、秘策自体はあります。威力と範囲であれば、彼に見せていない分まで」口元に人差し指。小さくウィンクを返して。
エイヴ・ド・レスタイム:「頼もしい限りです! まあ、遭遇せずに済むことを祈るだけ祈りましょう~」
エイヴ・ド・レスタイム:「で、"ステルペス"。電子戦を得意としてて、ジェネシスにはディクテオン基地の一件のあと、何度となくちょっかい出してたみたいですね。ハッカー相手に遊ぶみたいな感覚で……」
エイヴ・ド・レスタイム:「今現在の所在は不明ですが、ジェネシスは依然として電子制圧されていて……」
後藤スダチ:「むう」
エイヴ・ド・レスタイム:「……多分ジェネシス内のリソースが、今ピラーに対する攻撃に利用されてます。防空設備とかが停止してるのはそのへんが原因です」
綾云媛:「“アルゲス”も“ステルペス”も、ゼウスの解放したキュクロプスの名ですから」
綾云媛:「やはりすべてが連立していると見るほうが妥当でしょうね」
四之宮サヨリ:「つまり、ジェネシスを解放できれば……戦局はその時点でこちらの有利に働く、ですか」
エイヴ・ド・レスタイム:「ジェネシスの制圧からの開放は間接的にピラーの防衛にも繋がると言えるでしょう。なので、あなたたちをピックできたのは結果的に運が良かったと言えると思いますが……」
エイヴ・ド・レスタイム:スダチと、その後ろで小さくなっているハイトを順番に見る
綾云媛:「むしろ、防空施設が生きていれば、この攻撃はできなかった可能性もありますね」
エイヴ・ド・レスタイム:「そういうことです。ピラーに空飛んでケンカ売ろうとしてくる連中なんて年中掃いて捨てるほどいますが」
エイヴ・ド・レスタイム:「大体は事前に排除されています。今回はその辺も予め押さえられてたってわけですねえ」
四之宮サヨリ:(というより、掃いて捨てるほどにはいるんですね……)
齋藤リッコ:「一体いつから仕込んでた作戦なのかしら。かなり周到よね……」
後藤スダチ:「……ネーミングセンスの話」
後藤スダチ:「本当に偶然なのかな」
齋藤リッコ:「って言うと?」
後藤スダチ:「もしも、今回の……ピラー攻略の鍵になる兵器が"ヘカトンケイレス"なのを最初から見込んでいて……」
後藤スダチ:「それを使役する者として、"マスターゼウス"と名乗りはじめたんだとしたら」
後藤スダチ:「いつからこんなことを計画していたんだろう……」
齋藤リッコ:「……逆算して自分のコードを付けたってこと?だとしたら……ものすごい気合ね……」
後藤スダチ:「……私が"マスターゼウス"と話したのは一度だけだけど」
後藤スダチ:「そういう自己顕示をするようなタイプだと思う……。気付く人間には伝わる威圧効果を狙ってくるような」
齋藤リッコ:「どんだけ性格悪いのそいつ……?」
後藤スダチ:「だから、今回を凌げば勝ち、って見込みもあんまりしたくないかな……そういう油断をさせることまで含めた名付けかもしれない」
齋藤リッコ:「チームでコードを統一するのは分かるけどね、モチベ上がるし。クラスTシャツみたいな……」
四之宮サヨリ:「見えるものから、見えないものまで。常に遠い先の一手を考えて駒を動かすタイプですか……」
四之宮サヨリ:(……なら、登る私たちの事もある程度は想定済みなのでしょうね)
ハイト・ワトソン:「そ、そんな相手なんですね……」 4頭身くらいに縮こまっている
綾云媛:「もしそうなのであれば、朗報もありますよ?」
綾云媛:「これを挫けば潰えるということです」
エイヴ・ド・レスタイム:「で、最後の一人は"ブロンテス"。これは副委員長さんが名前を聞いたという以上の確認はできていないので、表に出てくるとは限りませんが、一応です」
後藤スダチ:「"ブロンテス"のことは私も全然知らないんですよね」
エイヴ・ド・レスタイム:「キングダムに関連する事件にいくつか強く関わってるらしいですが、詳細はなんとも……」
後藤スダチ:「そもそも表舞台に姿を現すユニットではないのかもしれませんね。秘密裏に何かを遂行するタイプか、部隊のオペレーターかも?」
エイヴ・ド・レスタイム:「正直明らかにこの場に関わってるのがもう3人もいるので、出てこないことを祈るばっかりですねえ」
四之宮サヨリ:「……アルゲスさんも、私が一度撃破した際にブロンテスの読み通りと仰っていました。スダチさんの考える通りかもしれません」
後藤スダチ:「だったらいいなあ」できるだけ悲観的予測をしたくないのだ。
齋藤リッコ:「ゲ~ッ……生産系にすごいハッカーに暗躍するやつまでいるの? 嫌なチーム……!」
綾云媛:「とはいえ、実働が1人だけとも思い難いですけどね」
綾云媛:「全員一定以上の戦闘能力を備えていても驚きはしません」
エイヴ・ド・レスタイム:「そうですねえ。いかに物量があるとはいえ、じゃあそれを率いる側が弱いかっていったら、ねえ寮長?」
綾云媛:くすくすと笑いながら。「しかし、こればかりではないのでしょう?」
綾云媛:「ノドス以外にも、この企みに遵う存在がある……」
エイヴ・ド・レスタイム:「ええ、そうです。今話したノドスチルドレンとは別に……"ボレロス"テスラ・タイタニスって女子がいます。リッコさんが説明してくれましたが、改めて」
後藤スダチ:「イヤッイヤッ」嫌がる
後藤スダチ:「忘れようとしてたのに~!」
エイヴ・ド・レスタイム:「テスラはオーヴァードを任意にジャーム化させ、さらにジャーム化した相手をある程度操作する能力を持ちます。シャムロックからの情報供与もあり、これは確定です」
"バズヴ・カタ":ゆっくりと頷く
後藤スダチ:「やだ!」
綾云媛:「いやと申しましても……」
エイヴ・ド・レスタイム:「まあまあ、さすがに十字冠の制約を超越するほどではないので……実際に遭遇して生還している人の方が多いわけですから」 なだめる
後藤スダチ:「うう……生還している人のほうが多い……」多少落ち着く。
四之宮サヨリ:(……そして、リッコさんの友人の仇でもある)
四之宮サヨリ:言葉には出さず、彼女の表情へ静かに視線を移す。
齋藤リッコ:「……かなり精度の高い従者使いでもある。そうやって自分は表に出ずに暗躍してるってわけ」
齋藤リッコ:冷静そうな表情で言う。少なくとも表面上は。
齋藤リッコ:「……でも、今回は本体が来てる…… ……なのよね?」バズヴさんに
"バズヴ・カタ":「間違いない」 同意する 「従者の操作ではどうしても能力限界がある。だが今回は、エアリの予想では……」
"バズヴ・カタ":「"ヘカトンケイレス"だな?」
綾云媛:「あの巨体をジャーム化させて操作するには、本体でないとならなかった」
綾云媛:「ということですか?」
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:「そういうことなの!?」
エイヴ・ド・レスタイム:「ええはい。あの三体の"ヘカトンケイレス"は彼女の能力により操作されているものと予測できます。……本来は動くものじゃないというのは、あの村前という生徒からも聴取済みです」
四之宮サヨリ:「……あ、あの規模の操作まで可能なのですか……?」
後藤スダチ:(……。そうか、フィオナ騎士団まで直接出てきているのは……)
後藤スダチ:(今回だけが、本体を捕らえる確実な機会だったんだ)
後藤スダチ:(……)
後藤スダチ:(……テスラ・タイタニスを捕まえないと、これからもどんどん犠牲が拡大するから……)
エイヴ・ド・レスタイム:「で、事実現在は"ヘカトンケイレス"のうち一機に搭乗していることが映像確認されている」
齋藤リッコ:「乗ってるの……あれに!?」
エイヴ・ド・レスタイム:「みたいです。映像そのものは共有されてませんが……一応内側にデリケートな物資を搭載する空間もあるようなので」
エイヴ・ド・レスタイム:「壁を昇ってる間はそこに収まってるんじゃないですか? ……ただ、ノドスチルドレンと行動を共にしている理由は不明ですね」
エイヴ・ド・レスタイム:「あとまあ、他の"フォモーリアン"メンバーも、数少ないにしてもいるはずなのが、今回どこにも見当たらないので……」
四之宮サヨリ:「……従者使いが本体を出してまで、ノドスの方と共に行動する理由……」
エイヴ・ド・レスタイム:「案外、一人になってノドスと同盟組んでるみたいな、そういう話なのかもしれないですね」
齋藤リッコ:「あいつの目的は、ノヴァリスの生徒をジャームにすること…… 本人は『結論』なんて言ってたけど」
齋藤リッコ:「ノドスの目的は…… ノヴァリスを滅茶苦茶にすることなのよね? うーん……」
ハイト・ワトソン:「こ、怖すぎる……」 震えている
後藤スダチ:「怖いね……」
後藤スダチ:顔面蒼白だ。
四之宮サヨリ:(……彼らが皆そう思っているとは、考えたくないですが……)
綾云媛:「ノヴァリスの生徒が皆ジャームになれば、ノヴァリスは滅茶苦茶ではありますね」
齋藤リッコ:「そうなんだけど……」首を捻って「……そんなこと出来るの?」
綾云媛:「普通は無理だと思いますが……」
齋藤リッコ:「ピラーを攻撃してるのが……その理由、とか……? うーん……」
四之宮サヨリ:「……内情を考えてばかりでも進みません、分かっていることを話しましょうか」
四之宮サヨリ:「少なくとも、ヘカトンケイレスと相対するうえで……内部の彼女との交戦は避けられなさそう、というところですね」
後藤スダチ:「……"アルゲス"もいる。"マスターゼウス"が生産する大量の機械兵だって」
後藤スダチ:「でも、ピラーを上がらなきゃいけない以上、回り込んで手薄なところから突破なんてこともできないから」
後藤スダチ:「障害を一つずつ片付けるしかない……のが現状だよね?」階上の方向に視線を向ける。
後藤スダチ:「そもそもこの襲撃が大規模な陽動で、敵が別のところで目的を達するつもりでいるなら……」
後藤スダチ:「最初から負けていることになる。今、私達は手分けできるほどの頭数もいないんだから」
エイヴ・ド・レスタイム:「そういうことです! とりあえず今は障害の数と種類を確認させていただきました」
綾云媛:「そうなりますね。それから……コードCの情報も探っていきたいところです」
綾云媛:「別の所は、別の方にやってもらうしかないですよ」
綾云媛:「案外誰かしらは居るものです。陽動かも知れないからと気を散らすよりはいいでしょう」
四之宮サヨリ:「私達にできるのは……目の前の事柄だけですからね」
齋藤リッコ:「とにかく頑張るしかないってことね。分かりやすいわ」
エイヴ・ド・レスタイム:「相手の目的が明確になってくれればいいんですが……何にせよ今は、ノヴァリスの生徒を攻撃し、設備を破壊する彼らを追い払ってやる必要があるのは違いないです」
エイヴ・ド・レスタイム:「話してる内に相手の階層も近づいてきました。……やりますか」 ぐるぐる肩を回す
齋藤リッコ:「うん、やろう」既に準備万端で頷く。
後藤スダチ:「頑張ってみるか。考えるのは戦いながらだってできる……」銃のスライドを引く。
四之宮サヨリ:手を合わせ身体を大きく伸ばす。首をコキリと鳴らして。
四之宮サヨリ:「……やってやりましょう。私にとってはリベンジマッチ同然です」次こそは、目的を必ず果たすために。
■ Floor.1 セイクリッドピラー Around 30
... 【攻略】判定を4種クリアすることでフロアを突破。
・【攻略】 生徒を追う戦闘機械群の殲滅
攻撃を行い、合計50ダメージを与える(装甲5 範囲攻撃である場合ダメージ2倍)
→ 成功報酬:セイクリッドピラーへの毎ターンダメージ-4d10
・【攻略】 重装甲戦闘機械の破壊
攻撃を行い、合計20ダメージを与える(装甲15)
→ 成功報酬:次ターン、【攻略】 補給機械の破壊 が出現
・【情報】 近辺階層の構造
任意の<情報:>判定で達成値10
→ 成功報酬:次ターン、【攻略】 主力部隊の殲滅 が出現
・【情報】 コードC
任意の<情報:>判定で達成値12
→ 成功報酬:次ターン、複数の判定が出現
GM:ルールは先程説明した通り。まずは1ターン目です。皆さんの行動前に、セイクリッドピラーに対する攻撃が行われます
後藤スダチ:やめて~
四之宮サヨリ:ライフで耐えて~
綾云媛:ずる!
齋藤リッコ:折れちゃうよ~
GM:まず"ヘカトンケイレス"1機につき1500ダメージ。現在3機いるので4500ダメージですね
齋藤リッコ:オワーーッ
綾云媛:デカすぎない?
後藤スダチ:4500人も!?!?!?
四之宮サヨリ:ダメージがでかすぎる!
綾云媛:4d10軽減、雀の涙
GM:さらに"マスターゼウス"の送り込んだ戦闘機械群が50トループおり、1トループあたり1d10ダメージを与えるので、50d10のダメージを与えます
綾云媛:???
齋藤リッコ:でかいって!!
四之宮サヨリ:多い!
GM:50d10
DoubleCross : (50D10) → 275[3,6,10,5,2,1,1,8,2,8,10,6,2,3,1,2,7,7,3,9,3,8,9,5,6,4,8,10,5,4,10,3,10,3,5,3,5,6,10,8,2,1,5,5,9,3,7,10,5,7] → 275
後藤スダチ:コラ~~
齋藤リッコ:こんなになっちゃった……
後藤スダチ:こんなの……ダブルクロスじゃない!!
GM:C(20000-4500-275)
DoubleCross : c(20000-4500-275) → 15225
後藤スダチ:こんなの間違ってる!!!
四之宮サヨリ:1/4削られてる!
GM:セイクリッドピラー耐久力 残り15225
綾云媛:ヒエ~ッ
後藤スダチ:もう15225人しか残ってない!
GM:セイクリッドピラー耐久力って言ってるんだよなあ
GM:ノヴァリスででかい数を見ると単位を『人』だと思ってしまう病が流行っている……
GM:では以上を踏まえて判定の方をお願いします。1ターンにつき1人1回! 4人判定したらまたピラー殴ります
齋藤リッコ:殴らんといて
綾云媛:ヤダ~
後藤スダチ:ピラーを殴ってそうな男
四之宮サヨリ:ピラーちゃん泣いちゃう
齋藤リッコ:最強エフェクト災厄の炎があるので戦闘機械群の殲滅かな~
後藤スダチ:私は今回の4つの判定なら全部得意かも?他の人から得意分野決めてもらっていいかもです
綾云媛:重装甲戦闘機械の破壊くらいしかいけそうにないかも 社会は財産がないので
四之宮サヨリ:どうしよう、社会が割と終わってます
後藤スダチ:範囲攻撃もできるし、装甲貫通もできるし、ピュアソラだから社会も強い
齋藤リッコ:こいつ……無敵か
後藤スダチ:でも情報収集チームくらいは持ってきてもよかったな……
GM:キャラコマたちの右に使えるNPCカードも置いてあるのでよろしくね
綾云媛:妖精あれば目標値10やつはいけるか
後藤スダチ:ハイトちゃんが猛威を振るうぜ
四之宮サヨリ:そうすると……
綾云媛:実質8/10なんだ
四之宮サヨリ:私も得意なのは期待値で突破できそうな予感がする重装甲くらいなので、どちらが行くか……みたいなとこですかね
綾云媛:私は重装甲なら武器固定値でいけます
四之宮サヨリ:つよっ!
後藤スダチ:わ、私以外に情報が得意なやつはいないのか
綾云媛:いないかも……
後藤スダチ:オデ率が異様に高いタイプの四天王?
齋藤リッコ:固定値あるから情報もそこそこはいけます
後藤スダチ:リッコちゃん!
綾云媛:よかった
四之宮サヨリ:さすがね……
綾云媛:でも範囲行ってほしいんだよな
後藤スダチ:情報ノヴァリス4もあるじゃん!
後藤スダチ:言ってよ~
四之宮サヨリ:精神は強いのに、精神だけしかないです
後藤スダチ:心が強えんだ
齋藤リッコ:でも今回紡ぎの魔眼置いてきちゃったからかなりオデ寄りになってる
四之宮サヨリ:云媛さん55ダメージ出せそうかな、どうかな
後藤スダチ:とにかく私はコードCやってみます 一応情報FHが1あるからクリティカルしなくてもOKだし
綾云媛:55は無理!
綾云媛:攻撃エフェクトないから 伸びない
四之宮サヨリ:なるほど……
四之宮サヨリ:Cお願いします!
四之宮サヨリ:あっ
四之宮サヨリ:セットアップエフェクトの使用とかは大丈夫なのかしら
GM:大丈夫よ~
四之宮サヨリ:スダチさんがソラリス最強エフェクトを所持しているため……
後藤スダチ:そうでした
後藤スダチ:火力が問題なら私が支援できるのだ
GM:全部の判定に活性の霧をバチバチ乗せるのは無理だけど 1ターン1回の使用なら大丈夫
後藤スダチ:どちらに《活性の霧》します?
綾云媛:あっなるね
齋藤リッコ:私は自前で行けるはず……おそらく多分
後藤スダチ:攻撃力は21伸びるよ
齋藤リッコ:伸びすぎ!!
綾云媛:いや……話が変わってくるかもしれない 必ずしもリッコちゃんが範囲行かなくてもいいわけですよね その場合
後藤スダチ:そうそう
綾云媛:社会側やってもらえるかも
後藤スダチ:リッコちゃんが情報やれるほうがいいかなと思って
四之宮サヨリ:云媛さんに固定値で重装甲突破してもらって、私が21バフ貰って55の方か……?リッコさん情報強めだから
齋藤リッコ:確かにの蟹
綾云媛:サヨリさんどれくらいあるんですっけ
後藤スダチ:胸囲の話かな
四之宮サヨリ:現在22+1d10、なので固定値は27~8前後かしら
後藤スダチ:50ダメージ行けそうな気もするけど、装甲5あるのか
齋藤リッコ:う~ん微妙なところ
後藤スダチ:ダイス目分のダメージで10行けるかな……確率的には高いとは思うけど
綾云媛:43+1d10+ダメージダイスになるわけ
四之宮サヨリ:です!
後藤スダチ:まあさすがに行けるでしょ……多分……
齋藤リッコ:20くらい出たとして3D10ならまあ……
後藤スダチ:とにかく綾さんが現状重装甲以外の選択肢なさそうなので
後藤スダチ:範囲サヨリ、重装甲綾、階層リッコ、Cスダチは確実かなと思います
綾云媛:がよさそう?
齋藤リッコ:よいかとおもわれます
後藤スダチ:サヨリさんがダイス1個で達成値8出すよりは、範囲で50ダメージ出す方が望みがあるのは明白
後藤スダチ:では《活性の霧》をサヨリさんに使用したいです。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を3増加(42 → 45)
四之宮サヨリ:ウオオ、私やります!
四之宮サヨリ:ではやっていきましょう、【攻略】 生徒を追う戦闘機械群の殲滅
GM:良いでしょう。判定をどうぞ!
四之宮サヨリ:零距離射撃、コンセントレイト、コントロールソート射撃。ちょっとでもダイスを増やす!
四之宮サヨリ:10dx7+2
DoubleCross : (10DX7+2) → 10[2,2,3,4,5,6,6,7,7,9]+10[5,8,9]+10[7,7]+10[4,7]+3[3]+2 → 45
四之宮サヨリ:よーし!
齋藤リッコ:えらい!
後藤スダチ:見事な達成値!
GM:ではダメージをどうぞ……!
綾云媛:いいかんじ~
四之宮サヨリ:5d10+22+21+1d10
DoubleCross : (5D10+22+21+1D10) → 23[6,10,1,1,5]+22+21+1[1] → 67
齋藤リッコ:やったね
後藤スダチ:ウオオオ、副委員長最強!!!
綾云媛:いえ~い
四之宮サヨリ:ダメージダイス若干しょんぼりしてるけど……!バフのお陰もあり突破!
GM:装甲は5なので62ダメージ……50ダメージを超過しています。突破!
GM:演出等は後で整理しつつやりましょう。続けて判定をどうぞ!
齋藤リッコ:やっちゃおう ・【情報】 近辺階層の構造
任意の<情報:>判定で達成値10
齋藤リッコ:情報ノヴァリスで コネ:学園通の友人使用
齋藤リッコ:4DX+4>=10
DoubleCross : (4DX10+4>=10) → 10[4,9,10,10]+7[6,7]+4 → 21 → 成功
綾云媛:つよ~
四之宮サヨリ:何でも知っている
GM:す、すごい理解度だ……
齋藤リッコ:うちの庭みたいなもんだから(笑)
綾云媛:どれだけ女を作ってるんだ
後藤スダチ:「友人」
後藤スダチ:【情報】 コードC 〈情報:FH〉で判定します
後藤スダチ:あとNPCカードの効果も
ハイト・ワトソン:使ってください……!
後藤スダチ:ハイトちゃんの効果は常に発揮されていると理解していいんですよね?
GM:発揮されています。ノート見せてあげます
後藤スダチ:やった~
後藤スダチ:6dx+1+2>=12
DoubleCross : (6DX10+3>=12) → 9[2,3,5,6,7,9]+3 → 12 → 成功
後藤スダチ:ちょうど成功!危なかったな……
綾云媛:ひゅう!
四之宮サヨリ:やった~!
齋藤リッコ:わ~~い
GM:問題なくクリアです。では最後……重装甲戦闘機械の破壊!
綾云媛:・【攻略】 重装甲戦闘機械の破壊
攻撃を行い、合計20ダメージを与える(装甲15)
GM:ろくな武器も持たぬお前に何ができるのだね……
綾云媛:適当な武器を持たなきゃ……原初の混沌を使用して、蓋革の肉(極光剣)を取得。
綾云媛:素殴りします。
GM:ヒィィ
綾云媛:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 9[6,7,8,9] → 9
綾云媛:1d10+35
DoubleCross : (1D10+35) → 10[10]+35 → 45
GM:怖
四之宮サヨリ:ひ、ひえっ……
綾云媛:サラマンダーエフェクトを組み合わせるすべがないので 普通に装甲有効
後藤スダチ:攻撃力すご
齋藤リッコ:やばい
GM:抜かれてんだよなあ固定値でなあ 突破です!
GM:ではまず情報を開いていきましょう
【情報】 近辺階層の構造
セイクリッドピラー内は未だにノヴァリスを去った理事会の権限が強く影響している。
現在の30階付近を更に上階へ進み34階から35階の広範囲は、特に『全ノヴァリス養護教諭長』を自称していた一人の理事メンバーにより生徒の立ち入りを厳しく制限されていた階域で、ほとんど調査が進んでいない。
その一方で、その階層付近から避難してきた生徒の証言によれば、この階域の本来封鎖されていた扉が開放され、"ステルペス"の存在が示唆されていたという。
GM:学園なんだから養護教諭がいる……学園がいっぱいあれば養護教諭もいっぱいいる……
GM:ならば養護教諭の長もいる! 何もおかしくはありませんね
後藤スダチ:理事会までノヴァリス生徒みたいな発想するな
四之宮サヨリ:なるほどなぁ
【情報】 コードC
コードCに関する記録は一切なく、実態は未だ不明なものの、その用途についてはある程度予測がついてきた。
ジェネシスがいまだ電子的制圧から復帰していないこと、コードCをピラーで実行しなければいけないということは、
常識では考えられないジェネシスの制圧は、現在のジェネシスとは別系統の権限――旧理事会権限による働きかけが鍵になっていると考えられる。
そうであれば、コードCはその旧理事会権限を停止する機能をもっており、それによりジェネシスを復旧することができるのかもしれない。
もちろんその場合は、現状で権限を握っているであろう"ステルペス"との直接衝突は避けられないだろうが、
逆説的に"ステルペス"が現在防衛している地点こそが、旧理事会権限の鍵であり、コードCの実行地点と考えることができる。
綾云媛:なるほどなあ
後藤スダチ:ほえ~、一体誰が準備したんだろうこんなもの
GM:
GM:また、判定の成功を受けて以下の判定が登場しました。次のターンで挑戦できます。
■ Floor.1 セイクリッドピラー Around 30
... 【攻略】判定を4種クリアすることでフロアを突破。
・【攻略】 補給機械の破壊
攻撃を行い、合計30ダメージを与える(範囲攻撃である場合ダメージ2倍)
→ 成功報酬:【攻略】 主力部隊の殲滅 のダメージ減少効果消滅
・【攻略】 主力部隊の殲滅
4d10点のダメージを伴う攻撃を受けた後に攻撃を行い、合計50ダメージを与える。被ダメージを常に-5d10
→ 成功報酬:全PCが経験点を5点取得。経験点の使用は、非戦闘時であればいつでも良い
・【情報】 "ヘカトンケイレス"
任意の<情報:>判定で達成値11
→ 成功報酬:"ヘカトンケイレス"一機辺りのダメージを300減少
・【補給】 物資調達
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが購入判定を実行できる
・【補給】 補給線確保
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが財産点5を得る
GM:現状、【攻略】判定を2種クリアしているので、
GM:「・【攻略】 補給機械の破壊」と「・【攻略】 主力部隊の殲滅」をクリアできれば、このフロアのボスと戦って突破することができるということですね
後藤スダチ:おお
綾云媛:こんどは4/5でいいというわけね
齋藤リッコ:なるほどな~
後藤スダチ:ぜひこのアイテム購入したい!みたいなのって皆さんあります?
綾云媛:絶無です
後藤スダチ:私もない!装備は十分持ってるし
四之宮サヨリ:照準器くらいだから優先度低めです
齋藤リッコ:特にないかな~
GM:自立してるなあ
後藤スダチ:今回、購入判定なくても財産点を火力に変換できるNPCがいるから
後藤スダチ:この五種の中でスキップするとしたら物資調達かなあという考えです
綾云媛:財はほしいが購入判定は別にというわけね
齋藤リッコ:あ~~でも
齋藤リッコ:これ通常の購入判定はここ以外だと出来ないんでしょうか?GM
GM:できません!
GM:なんか最近シーン終了時にいつも購入判定やらせてあげるとアイテムだぶつくなということに気付きました。
後藤スダチ:わかる
齋藤リッコ:ナンチューコト
四之宮サヨリ:なるほどね
綾云媛:ダレがちにもなるしね
齋藤リッコ:ミドルでボス戦が何回かあるなら回復は確保したいかもですね
齋藤リッコ:特に私は……時間が凍結できなくなる!
綾云媛:あっそうか 時間凍結用はほしいね
四之宮サヨリ:必須アイテムだ
後藤スダチ:そこはでかいなあ
GM:カチーン
GM:その辺の機会は今後もあったりするかもと言いつつ 雑談タブで話した演出の方に入っていきましょう。
後藤スダチ:YES
齋藤リッコ:GO
執行者Cu型:執行者――と呼ばれているらしかった。
執行者Cu型:重厚な装甲を持ち、どこか有機的なデザインを帯びた、人型の戦闘機械群。複数の種類がある中でも
執行者Cu型:特に頑強な装甲と直接的な破壊力を持つ一団が、ピラーの内部構造を破壊しながら、何らかの意図を伴い機動していた。
エイヴ・ド・レスタイム:「……この辺の階層で、機械に追われてる子たちがいる、って話はありましたね」
エイヴ・ド・レスタイム:「あいつらの先かな。やっつけられます? 結構な集団ですけど……」
執行者Cu型:エイヴが状況を伝える間にも、戦闘機械群の一部は君たちの方を認識する。どちらにしても交戦は避けられない所だろう
後藤スダチ:「距離を取ってください」以前の交戦経験と照らし合わせ、執行者の種類を推測する。
齋藤リッコ:「うわ、近くで見ると結構でっかい……」
綾云媛:「数が多いのは面倒ですね」
四之宮サヨリ:「……多いですが、やれない数ではありません。少々支援を頂ければ、充分に」
後藤スダチ:「強力な打撃で、普通なら一発でリザレクトを余儀なくされます」
後藤スダチ:「ただ、距離を取ったとして……銃弾が通るような装甲じゃないんですけど」
四之宮サヨリ:「ふふ……私、結構強い武器を携帯しているので」
四之宮サヨリ:にこりと笑み、巨大なアタッシュケースに命令を開始。
後藤スダチ:「動きを止めます」
後藤スダチ:強い武器、ということは、ある程度の貫通力か、範囲殲滅力を持つものだと認識する。
四之宮サヨリ:「ええ、ではその内に。粗方仕留めてしまいましょう」
後藤スダチ:(……学習データリンク!)執行者の機体は、まるでそういう生物であるかのように、一体一体が微妙に構造が異なる。
後藤スダチ:――その点において、一般的な機械兵よりもパターン化が通じにくく、対処が困難であるが。
後藤スダチ:だが、ディクテオン基地において、この種別の執行者とは何度も交戦した。ゲル状外部思考デバイスによる自動学習推測は、不可能ではない。
執行者Cu型:無機質に眼球位置のカメラを光らせ、君たちへと肉薄せんとする白兵機体!
後藤スダチ:タタタタタタ、という軽い銃声が鳴る。
後藤スダチ:フルオート射撃によるゲル弾の掃射だ。一体につき2発から3発。
後藤スダチ:ダメージを与えるための射撃ではない。ゲルを駆動部に浸潤させ
後藤スダチ:その猛烈な突進機動を『滑らせる』ための、時間稼ぎの連射である。
後藤スダチ:「ゲルはすぐ蒸発します!持って3秒です!」
執行者Cu型:君の目論見は通る。元より重装甲と打撃力に特化したこの機体は、そういった絡め手に対する柔軟性を持ち合わせていない。
齋藤リッコ:「……動きが鈍ってる! 変わった弾ね……」
綾云媛:(……なるほど。小器用に上手い……)
四之宮サヨリ:「───はい!」彼女が動き出すと同時にケースが開き、既に変形が開始している。
執行者Cu型:……一方で、その機構の単純さゆえに突破も叶うだろう。それは時間稼ぎに過ぎない。遠からず攻撃が来る……!
後藤スダチ:保水性の高いポリマーとはいえ、重装甲型執行者の出力は高い。機関部の熱で水分を失ってしまえば、潤滑効果も望めなくなる。
四之宮サヨリ:複雑な機構が即座に組み上がり、巨大な塔を模す砲が姿を顕す。
四之宮サヨリ:「起動展開。位置、目算により設定、全選択」
四之宮サヨリ:エネルギー充填開始。使用者本人のレネゲイドから遠隔的に注がれるそれは、3秒もあれば十二分に足り得る。
四之宮サヨリ:静かに唸る砲の先は、執行者ではなく天へと向けて。そのっ先端が眩く輝く。
四之宮サヨリ:「墜ち、なさい……!」脳波による命令、掃射。唸りは更に激しさを増し───
四之宮サヨリ:───雷轟。放たれた閃光と遅れて届く破壊音に、フロアが震撼する。
齋藤リッコ:「うぉあ……!」ビリビリと鼓膜が震え、たまらず耳を塞ぐ。
四之宮サヨリ:その先は、過たず全てが執行者の頭上へ。奔り墜つ雷柱が、機械の体を焼き貫く。
執行者Cu型:激しい落雷! 戦闘機械群も、今まさに落ちんとする雷を見上げ、認識する以上のことはできない。
執行者Cu型:その雷に射貫かれ、執行者たちは次々に焼かれ、砕け、機能停止していく。
後藤スダチ:「やばすぎる……」
綾云媛:「まあ……これでは先に内側から壊されてしまいそう!」
綾云媛:「お見事です!」
四之宮サヨリ:「さ、流石に大丈夫でしょう……外からの攻撃、あれだけ耐えてますから」
エイヴ・ド・レスタイム:「あはは、まあまあ……もう散々壊されてるし大丈夫でしょね」
後藤スダチ:「RPGでこういう魔法あるよね?武器でできるんだなあ……」
後藤スダチ:「てっきり普通の砲撃だと思ってました」
四之宮サヨリ:「そちらも可能ですが、やはり精密に落とすならこれですね。正面切ると向こうに襲われてる子が居るかもですし……」
齋藤リッコ:「ナイス連携、二人とも!」黒焦げになった機械の残骸を見遣る
齋藤リッコ:「サヨリちゃんがやるのは知ってたけど……スダチちゃんも全然やれるじゃない! てっきりデスクワーク派なのかと思ってたわ」
ハイト・ワトソン:こくこく頷いている 「す、すごいっですね……!」
後藤スダチ:「一応、基地でも交戦したタイプだったから……数は多かったけれど、サヨリさんの武器があればなんとかなりそう」
四之宮サヨリ:「稼いでくれた時間、本当に助かりました。この状況で情報は一番の武器、ですからね」
後藤スダチ:「どういたしまして!火力部分を担当してくれる人がいるなら、私もずっとやりやすいです」
GM:雷が止んだ後も、静寂が戻ってくる……訳ではない。依然上方からは破壊音が間断なく聞こえてくるし、"ヘカトンケイレス"による震動が途絶えることはない。
後藤スダチ:「ひえ~……上は一体どうなっちゃってるんだろ」
GM:だが、少なくとも一帯には静寂が戻った。そしてそうなれば、別の音が君たちに駆け寄ってくる。
逃げていた生徒会生徒:「はあはあ……あっ、やっぱり敵じゃなさそうな人!」
逃げていた生徒会生徒:「た、助かりました! もうこっちも後がなくって……!」 制服は一般的な生徒会所属生徒のものだ
齋藤リッコ:「あっ、逃げてきた感じの子!」
逃げていた生徒会生徒:「あっ、寮長もいる」
綾云媛:「居ますよ~」手を振る。
四之宮サヨリ:「よかった……とりあえず、ご無事のようですね」
綾云媛:「何がありました?外のと今のくらいですか?」
後藤スダチ:「オフィサー営業本部の後藤スダチです!ここからエレベーターまでの安全は確保しましたので!エレベーターが動くなら脱出できますよ」
齋藤リッコ:「あっ、ネームバリューで安心感を与えている……なるほど……」感心している
逃げていた生徒会生徒:「何かありましたっていうか、とにかく防御固めつつ逃げる経路を探すのに手一杯で……私たちだけならまだやりようがあったんですけど」
逃げていた生徒会生徒:「脱出! よ、良かった~……みんな! 先生! 寮長の部隊です! ジェネシスのオフィサーも!」 と、自分が走ってきた方を振り返る
逃げていた生徒会生徒たち:その声に呼ばれて、何人かの生徒会生徒がそっと姿を現し、最後尾から
ハセル・セネヴ:「ほんとだ。来てくれたね、助け。助かったな……」
ハセル・セネヴ:情報量のないことをぼやく、覇気のない青年が姿を見せる

齋藤リッコ:「うわっ、急に儚げなイケメンが出てきた!」
後藤スダチ:「思っても言わないの、リッコちゃん……」
ハセル・セネヴ:「うん、急に儚げなイケメンが出てきてごめん。ハセル・セネヴです。職員室所属で、先生をやっていて……」
四之宮サヨリ:「あら、その名前。確かミチカさんから一度聞きましたね……」
ハセル・セネヴ:「……たまたま上の階にいたら、巻き込まれちゃって。助かったよ。ほら僕、十字冠ないから……」
綾云媛:「……なるほど。それで皆さんは離脱するわけにも行かなかったと」
逃げていた生徒会生徒:「そ、そうなんですけど……でも先生のおかげで助かった所もあります! 襲ってきた機械もいくらか撃退できましたし……」
逃げていた生徒会生徒:「みんなで合流して、あと重要な書類とかデータとか!」 色々持っている
齋藤リッコ:「先生を守ったうえにそこまで?超お手柄じゃない!」
ハセル・セネヴ:「守ってもらっておいてタダで帰ったとなったら、さすがに悪いしね。反撃は戦力的に難しかったけど」
後藤スダチ:「みんな無事でよかった……!実は私達もこれから上の制御を奪還する必要があるんです」
後藤スダチ:「何か有益な情報があるなら、どんなものでも欲しいと思っていました」
ハセル・セネヴ:「みんなできる限りのことはしてくれたと思う」 頷く 「どう? ピラーについての情報で、何かあるかな」
綾云媛:「……」不機嫌そうだが、実際に情報優位なのは相手方なので押し黙っている。
GM:ということで生徒会の子たちに話を聞いたり、パパッと情報交換した感じで、情報収集判定の内容をゲットした感じにしてください
齋藤リッコ:しました
ハセル・セネヴ:「……不思議な取り合わせだと思ったけど、君たちも色々あったんだねえ」 したので、しみじみと言う
四之宮サヨリ:「本当に、まさかこんなことになってしまうとは……」
後藤スダチ:「まさかセイクリッドピラー内に前ノヴァリス養護教諭長を自称する理事会メンバーによる立ち入り制限区域があって、"ステルペス"がそこを占拠している可能性が高いなんて……!」
後藤スダチ:「驚きの新事実……!」
逃げていた生徒会生徒:「さすが営業本部のオフィサー主任……まとめがうまい」
綾云媛:「皆さんの伝達力と把握力が高くて助かります」
後藤スダチ:「オフィサー提出資料用に情報を録音しないといけないので、改めて全部言いました」
四之宮サヨリ:「ご苦労様です、やっぱりオフィサーって大変なんですねぇ」
齋藤リッコ:「全ノヴァリス養護教諭長……?」
齋藤リッコ:「養護教諭って……あれよね? 保健の先生……」
ハセル・セネヴ:「うん、保健室の先生だね。お医者さんの先生は職員室にもいるけど……」
ハセル・セネヴ:「理事会の人となると、どんな感じになるんだろうね」
後藤スダチ:「でも、確かにジェネシス学区全体に優越する権限といえば、理事会のシステムしか考えられないか……」
齋藤リッコ:「全ノヴァリスの保健の先生の長ってなると……」
齋藤リッコ:「やっぱり保健室も超デカいのかしら……」
綾云媛:「……理事会であるならば、医師で一切問題がない気もしますが……」
四之宮サヨリ:「……理事会の、保健教諭……飴と鞭の飴部分を担当していたりするのかしら……」
綾云媛:「保険医って飴なんです?」
綾云媛:「ああ、そうでした。失礼。メサイアの自称医療機関は……」
綾云媛:「風俗業まがいでしたね」
後藤スダチ:「綾さん!言い方言い方!」
四之宮サヨリ:「う”っ」冷や汗と共に、表情が固まる。
齋藤リッコ:「えっ……そうなの……?」
後藤スダチ:「そんなことないからね!第13保健室とかはジェネシスとも業務提携してるし……!」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ! そういう不埒な連中もいるってだけですからね~」
エイヴ・ド・レスタイム:「本気にしちゃあダメですよ! 寮長のお茶目なジョークです」
後藤スダチ:(怖~~)
四之宮サヨリ:「まあ、その、いっぱい人がいると、いろんなことがあって…………」
綾云媛:「否定はしてない……」
齋藤リッコ:「そうなんだ……」その割にはサヨリさんが痛い声を上げていたな……と思っている
四之宮サヨリ:「その、メサイアへのイメージを悪く思わないでいただければ……」
ハセル・セネヴ:「学校ごとの差異はさておき、僕の知る一般的な保健室の先生、養護教諭というと、医療的な知識が求められるのはもちろんだけど」
ハセル・セネヴ:「まだまだ未成熟な生徒の心や身体に関する丁寧なフォローをする役回り、という面が強いと思う」
後藤スダチ:「肩書きの厳密な意味合い以上に、理事会の中でそう名乗れるだけの特権ある立場だったことの方が重要かもしれません」
ハセル・セネヴ:「まあ、その自称をしていた理事会の人がそう認識していたかは定かではないけどね。確かにあの辺りは長らく、僕らの誰も入れなかったから」
四之宮サヨリ:「確かに、精神や身体のケアは大事ですが……正当な方法でそれを行っていたかは別、ですか」
後藤スダチ:「……ハセル先生。理事会の権限は、今は先生に部分的に受け継がれていると聞いていますけれど」
後藤スダチ:「それでも、問題の階層に立ち入ることはこれまでできなかったんですか?」
ハセル・セネヴ:「うん。そもそも権限の譲渡も、そこまで制御できているものではないみたいだからね」
ハセル・セネヴ:「『再設定』ではなく『権限譲渡』という形式を取らなければいけないくらいには、理事会の遺したシステムを、僕たちはまだ脱しきれていないわけだから」
ハセル・セネヴ:「……まあ、技術的なことはそこまで詳しくないんだけど。どもかくそういう所はあるんだ」
後藤スダチ:「ううん、こういうシステムって1から再構築するとどんな予期しない挙動が起こるかわからないですもんね」
ハセル・セネヴ:「極端な話、理事会として管理している権限とは別に、個人的な鍵を一つ設けていて、その鍵を持ち去ってしまえば、もう入れない訳だからね」
綾云媛:「長というのはそういうものですしね」
綾云媛:「一般の人員に比べて、優越した管理権限を持っているものです」
ハセル・セネヴ:「まあ、今は入れるみたいだけど……"ステルペス"だっけ? ノドスの子か……」
後藤スダチ:「でも、だとしたら、"ステルペス"はどうやってその封鎖を突破できたんだろう……」独り言のように考え込んでいる。
後藤スダチ:「何かタネがあるとしたらともかく、単純にそれができてしまうようなシステム干渉能力がある場合のほうが問題だな……」
齋藤リッコ:「そこに何があるかは分からないけど……少なくとも“スペルテス”が占拠するだけの理由があるってことよね?」
齋藤リッコ:「勿論、単純に下層からの侵入を防いでるのかもしれないけど……」
後藤スダチ:「今のところそれが一番妥当な推測になると思う。セイクリッドピラー内に、学区管轄の上位システムがあって」
後藤スダチ:「技術都市のジェネシスなんかは特に、そのシステムへの依存度が高いってことなんじゃないかな……」
後藤スダチ:――例えば、ジェネシス生はその全員が生徒投票権という形で学籍の管理が行われている。
後藤スダチ:他にそのような学区はない。何らかの形で生徒全員をシステム側で把握できる状態にあり、学区単位の封鎖という芸当も可能だった、という事かもしれない。
ハセル・セネヴ:「……それじゃあ君たちは、引き続きピラー上層に向かうんだね?」
ハセル・セネヴ:「本当は僕も手助けできれば良かったんだけど、ちょっと疲れていて」 具体的には侵蝕率がもう結構高いのだ 「見送ってあげることしかできないのは申し訳ない」
四之宮サヨリ:「……いえ、ここまで生徒さんたちを守っていただき、ありがとうございました」
綾云媛:「逆だと思いますが……」
綾云媛:「うちの生徒が守ってたんでしょう」
後藤スダチ:「お気になさらず!というか、ピラーにいると本当に……すごく!危険なので!」
後藤スダチ:「生徒の皆さんともども避難してもらったほうがいいと思います!」フォモーリアンがとにかく怖いのだ!
逃げていた生徒会生徒:「そんなこと……う、うーん……」 確かに守っていたのだが、なぜか精神的には逆な感じになってしまっているぞ
齋藤リッコ:「うん、あとは任せてください!」
齋藤リッコ:「そんな儚げな感じで一緒に来られても不安だし……!」
四之宮サヨリ:「と、とにかく!下に降りる際も気を付けてくださいね。何が起こるか分かったものでは無いので」
四之宮サヨリ:「私たちはこのまま上に上がり……情報通りなら、最初にステルペスさんと相対しそうですね、階層も近いですし」
後藤スダチ:「あ、営業本部へのお問い合わせですけど、今はジェネシス全体が通信不調の状態なので、サポートは後日という形でご容赦いただければ……」
ハセル・セネヴ:「うん、分かった。ジェネシスの大変そうな話は僕らも聞いていて、先生も何人か出てたはずだから……」
ハセル・セネヴ:「……彼らはそういうタイミングも狙ってたのかな? まあ、ともかく」
後藤スダチ:「一応名刺だけお渡ししておきます」
ハセル・セネヴ:「儚げなイケメンらしく後は君たちに託すとするよ」 名刺を受け取り 「今は目の前のことを頑張って欲しい」
ハセル・セネヴ:「後のことなんて、大抵なんとかなるものだからさ」
綾云媛:「ずっと自称してる」
齋藤リッコ:「気に入ってる……?」
四之宮サヨリ:「でも確かに、見た目は本当に麗しいですもんね……」そこはかとなくキラキラエフェクトが見えなくもない。
ハセル・セネヴ:「こう見えて血気は盛んなんだけどね。……あ、そうそう」 去り際に
ハセル・セネヴ:「ノドスの子たちと同行してる女の子がいるんだよね」
綾云媛:「何……?」
齋藤リッコ:「……!」
ハセル・セネヴ:「その子のことは……どう思ってるのかな、君たちは」
齋藤リッコ:「……」「……どうしてそんなことを?」
ハセル・セネヴ:「……今までそんなケースはあんまり聞かなかったから、単純に気にかかって」
ハセル・セネヴ:「いわゆる星徒ではないんだよね。無事な十字冠が確認されている」
後藤スダチ:「……必ずしも」
後藤スダチ:「望んでノドスに協力しているわけでは、ないかもしれません」
後藤スダチ:「そういうケースを見たことがあります。同行している生徒がフォモーリアンなら……最悪ですし、絶対に遭遇したくない相手ですが」
後藤スダチ:「けれどこれまでの情報をすり合わせてみても、その女生徒……テスラ・タイタニスが、今回の敵と共同作戦をとるメリットはとても少ないです」
後藤スダチ:「だから同情するとか、話し合いたいということでは……ないですけど。ただ、私達には見えていない事情があるのではないかと思っています」
ハセル・セネヴ:「……うん」 頷き 「分かった」
ハセル・セネヴ:「そうであればいいんだ。ごめんね、変なことを聞いて」
後藤スダチ:(……リッコちゃん)
後藤スダチ:彼女は、テスラ・タイタニスを討つために来た。ジャーム化のリスクも承知の上で。
後藤スダチ:そこにどんな動機があるのかは分からない。少なくとも、何か大きな影があるのだろうとは思う。
齋藤リッコ:「『どうしてノドスと協力しているのか』……」
齋藤リッコ:ぽつりと呟くように言う
齋藤リッコ:「……そうね」
後藤スダチ:ハセル・セネヴに告げた答えは、本心ではあるが、ある意味で優等生的な答えだ。ただ、齋藤リッコにその理由を言わせてしまうよりは良いのだろう、とは思った。
後藤スダチ:(……このまま行かせていい。これから何をする予定だろうと、先生に関係はないから)
ハセル・セネヴ:「それでは、頼んだよ。とりあえず、ピラーだけは守ってくれると嬉しいかな」
ハセル・セネヴ:「ピラーが壊れちゃうとさ、多分君たち、卒業とかできなくなっちゃうし……僕も個人的に、約束があるんだ。任せるしかできないのはやっぱり複雑だけど」
ハセル・セネヴ:「ここは任せる。頑張ってね」
四之宮サヨリ:「……お任せを。応援された以上は、必ず。取り返してみせます」
綾云媛:「言われずともですから、さっさと出ていってください」
綾云媛:「うちの生徒にこれ以上リソースを割かせたり……誑かしたりしないでくださいね」
ハセル・セネヴ:「そんなの、したことないよ。大丈夫」
ハセル・セネヴ:云媛に返しつつ、生徒会生徒たちと一緒に君たちが進んできた道を去っていきます。
四之宮サヨリ:……そう聞こえの良い言葉を吐きながら、心では思う事がある。
四之宮サヨリ:(……ノドスとの協力、か)
四之宮サヨリ:先程、話の流れを切り、考えないようにしたことをまた思う。
四之宮サヨリ:(テスラ・タイタニスがどのような理由でそう在るのかは分からない、けれど)
四之宮サヨリ:(もし……もし)
四之宮サヨリ:(弟が生きて、彼らの誰かがそうだとして)
四之宮サヨリ:(協力を迫られたら、私は……そうしないことが、できるのか)
四之宮サヨリ:「さ、行きましょう。遅れていたら、ピラーがまた被害に会っちゃいますから」ふるふると頭を小さく振ってから、いつも通りに前を向く。
■ Floor.1 セイクリッドピラー Around 30
... 【攻略】判定を4種クリアすることでフロアを突破。
・【攻略】 補給機械の破壊
攻撃を行い、合計30ダメージを与える(範囲攻撃である場合ダメージ2倍)
→ 成功報酬:【攻略】 主力部隊の殲滅 のダメージ減少効果消滅
・【攻略】 主力部隊の殲滅
4d10点のダメージを伴う攻撃を受けた後に攻撃を行い、合計50ダメージを与える。被ダメージを常に-5d10
→ 成功報酬:全PCが経験点を5点取得。経験点の使用は、非戦闘時であればいつでも良い
・【情報】 "ヘカトンケイレス"
任意の<情報:>判定で達成値11
→ 成功報酬:"ヘカトンケイレス"一機辺りのダメージを300減少
・【補給】 物資調達
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが購入判定を実行できる
・【補給】 補給線確保
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが財産点5を得る[15:56]
GM:ではまずターンが始まるタイミングで……セイクリッドピラーへの攻撃が発生します
綾云媛:忘れてもいいのに……
後藤スダチ:やめてくれェ~
GM:セイクリッドピラー耐久力 残り15225。ここに……
GM:"ヘカトンケイレス"1機につき1500ダメージ そして"マスターゼウス"の送り込んだ戦闘機械群が、先程の判定で46トループになったので、46d10
GM:46d10
DoubleCross : (46D10) → 249[2,3,4,2,9,3,8,6,6,3,7,6,9,5,3,5,2,8,9,6,8,5,6,3,5,4,6,9,4,5,3,9,9,3,8,7,5,2,2,1,9,7,1,6,9,7] → 249
後藤スダチ:死にすぎ!!!!!
齋藤リッコ:減ったけど誤差!!
GM:またでかい数を見ると死人の数だと思ってしまう症候群が発生してる……
GM:C(15225-4500-249)
DoubleCross : c(15225-4500-249) → 10476
綾云媛:もう半分じゃんッ
GM:セイクリッドピラー耐久力 残り10476
四之宮サヨリ:あと2回耐えられるか……?
GM:ということでこの結果を踏まえて判定に移っていきましょう。【攻略】判定2種をクリアできればボスに進めます!
GM:のんびり次のターンまでかかるともう一回殴ります
齋藤リッコ:・【情報】 "ヘカトンケイレス"振ります
後藤スダチ:ハイト・ワトソンも応援しています
齋藤リッコ:4DX+4+2>=11 ノヴァリス コネ込み
DoubleCross : (4DX10+6>=11) → 10[1,3,7,10]+2[2]+6 → 18 → 成功
綾云媛:応援いらないほど強い
四之宮サヨリ:リッコさん……!
GM:強靭~
後藤スダチ:サヨリさん、支援いりますか?
後藤スダチ:必要ダメージ量はさっきより少ないので、計算上はなくても届きそうではありますけども
四之宮サヨリ:軽減系無し30なら普通に行けるはず!
後藤スダチ:了解です~
四之宮サヨリ:と、その前に先の上げ忘れで侵蝕61になります、これでダイスちょっと増える。
四之宮サヨリ:というわけで・【攻略】 補給機械の破壊!
四之宮サヨリ:コンソとコンセで行きます
四之宮サヨリ:10dx7+2
DoubleCross : (10DX7+2) → 10[1,1,3,3,4,5,8,8,9,10]+3[2,2,3,3]+2 → 15
四之宮サヨリ:うそ!?
四之宮サヨリ:3d10+22
DoubleCross : (3D10+22) → 12[4,3,5]+22 → 34
四之宮サヨリ:あぶね~~~~~侵蝕65!
綾云媛:ギリだ
齋藤リッコ:危なかった
GM:ハラハラさせてくれるじゃん
後藤スダチ:助かった~
綾云媛:・【攻略】 主力部隊の殲滅 やります
綾云媛: 4d10点のダメージを伴う攻撃を受けた後に攻撃を行い、合計50ダメージを与える。被ダメージを常に-5d10
綾云媛:これの被ダメージが消滅するというわけですね
GM:そういうことです。まずはお前にダメージを与えます。これは色々省略していますが、任意の射程からの、自動成功する攻撃と思っておいてください
綾云媛:すべてを理解しました
GM:で、ダメージ
GM:4d10
DoubleCross : (4D10) → 26[10,8,1,7] → 26
綾云媛:《復讐の刃》します!
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を6増加(44 → 50)
GM:フフ……(特に意味はないが意味深に笑う)
綾云媛:4DX9
DoubleCross : (4DX9) → 7[1,3,3,7] → 7
綾云媛:綾云媛のHPを26減少(29 → 3)
綾云媛:1d10+35 ダメージ
DoubleCross : (1D10+35) → 9[9]+35 → 44
GM:これ復讐プロセスいらなかったんちゃうか……?
綾云媛:ちょっと足りないし……
GM:ではこの後に攻撃もどうぞ……!
綾云媛:素殴りします!
綾云媛:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 9[3,5,9,9] → 9
綾云媛:1d10+35
DoubleCross : (1D10+35) → 3[3]+35 → 38
後藤スダチ:ダイスダメージ3しか出てないのに
GM:殴るのがうますぎる
四之宮サヨリ:武器がヤバい
綾云媛:相手が動かなければね
後藤スダチ:【補給】 補給線確保 にチャレンジします
GM:という訳でこの判定もクリアです。全員が経験点を+5! 戦闘時以外ならいつ使ってもよいので忘れないように
後藤スダチ:さっき忘れてましたけどAIDAの恩恵で【社会】ダイスは+3個です!オラッ
GM:ヒ~ッ 社会強者
後藤スダチ:9dx+9>=8
DoubleCross : (9DX10+9>=8) → 10[1,6,6,6,6,6,7,9,10]+6[6]+9 → 25 → 成功
GM:調達がでかすぎる
四之宮サヨリ:攻撃ダイス振ってるくらいある
GM:補給線確保に成功! 全員が財産点を5得ます
後藤スダチ:ワーイ
四之宮サヨリ:ありがたい……
齋藤リッコ:スダチちゃんが稼いだ金!
綾云媛:やった~
綾云媛:綾云媛の財産を5増加(0 → 5)
後藤スダチ:財産点は8になりました
齋藤リッコ:財産11です
四之宮サヨリ:7に!これで私もお金持ちよ
GM:で、全ての【攻略】判定にクリアしたので、当フロアはクリア! 演出の後に戦闘が発生します。ルール上は ・【補給】 物資調達 をしても良いですが、まあそれはないでしょう……ピラー殴るからね
GM:んでもって、リッコちゃんの開けてくれた情報項目を公開します
【情報】 "ヘカトンケイレス"
"ヘカトンケイレス"は埒外の巨体と膂力を伴っており、その多腕による運動性能は、体格に比してきわめて精確である。
他方、今回のような建造への登攀に際しては、既存構造物外壁への腕部の固定が前提となっている。本機は姿勢制御性能にこそ優れてはいるものの、飛行や浮揚等の能力は今のところ確認されていない。
であるならば、腕部を固定している外壁を逆に破壊してしまえば、"ヘカトンケイレス"の運動能力を奪い、脱落させることが可能であるはずだ。
もちろんそれにより"ヘカトンケイレス"を破壊できるかどうかは別問題――おそらく不可能――だが、少なくとも目下の所はその脅威を退けることができる。
これには単なる時間稼ぎというだけでなく、"ヘカトンケイレス"を操作しているテスラへの負担を増し、攻撃性能を落とすという副次的な効果も期待できる。
綾云媛:壁壊しとる
後藤スダチ:足場の方を壊すのか 面白い攻略だなあ
齋藤リッコ:ピラーを壊せばピラーには登れなくなる!
四之宮サヨリ:た、確かに……!
綾云媛:やっぱりバベルしかないよ
GM:いくつか撃退アイディアが出た中で、情報収集の結果これなら行けるだろ! という確信に至ったという感じですね
GM:上階へ昇るための大階段を、強力な戦闘機械群が陣取っていた。
執行者Cu型:先ほど交戦した重装甲の前線維持機体。そしてその背後に……
執行者Ba型:レンズのような機構を頭部に据えた別型が構えている。
執行者Ba型:迂闊に接近すれば、その特徴的な頭部から魔眼による砲撃を降り注がせてくる。そうなればダメージを受けるのはもちろん、ピラー内部にも大いに被害が広がるだろう。
"バズヴ・カタ":「どうする」 "バズヴ・カタ"が君たちに言う 「多少の無理で突破できる陣営には見えない」
綾云媛:「とはいえ、無視して通るのも難しいでしょう」
四之宮サヨリ:「あの型は初見ですが……交戦経験の程は?」
後藤スダチ:「あれは対集団の砲撃機です」
後藤スダチ:「連携して動こうとすると、まとめて攻撃を受けることになります。さっきみたいな芸当は難しいかも……」
"バズヴ・カタ":「陣取っている位置が問題だ。迂闊に攻めて階段を崩されると、上階へ行くのに苦労することになる」
齋藤リッコ:「何体出てくんのよ……これホントに“マスターゼウス”だけで出してるわけ?」
エイヴ・ド・レスタイム:「うーん、以前の出現報告のデータに比べると量は多いですが……」
エイヴ・ド・レスタイム:「質はそんなに変わってないので、まあそうだと思いますよ。……誰行きます?」
エイヴ・ド・レスタイム:「反撃を受けるのは避けられなさそうですが……」
綾云媛:「そうですね、射撃戦に持ち込むよりは……」
綾云媛:「お互いに援護を通せない近接戦に持ち込むべきですかね?」
綾云媛:「前衛を押し上げて、その後に排除しますか」
エイヴ・ド・レスタイム:「突っ込みますかァ~」
四之宮サヨリ:「近接戦……ですか。被弾覚悟になりますが、この中で得意な方は……」
齋藤リッコ:「あたし行ってもいいけど……誰か自信ある?」
綾云媛:「ふむ。お任せ頂いても?」
綾云媛:「この後うちの生徒に遭遇した時に……」
綾云媛:「けが人を抱えていながら私だけ無傷だと印象が悪いので」
齋藤リッコ:「そ……そんな理由……?」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ! お願いしてくれたら傷くらいつけますのに!」
後藤スダチ:「でも、綾さんの方は大丈夫なんですか?」
綾云媛:「お役人風情に務まるかご心配なんですね」
後藤スダチ:「え~っ、そんな悪口言ったつもりないのに!」ショックを受ける。
綾云媛:「そこは問題なく。私、寮長の中なら多分2番目に強いですよ」
齋藤リッコ:「大丈夫でしょ、態度はふざけてるけど……」
齋藤リッコ:「調息も体運びも普通じゃないし、この子」
ハイト・ワトソン:「ちょ、調息……体運び……?」 なにもわかっていない
綾云媛:「ふふ……光栄です」
四之宮サヨリ:「……では、お任せします。できれば怪我はして欲しくないのが本音ですけれど、ね」
綾云媛:とん、とん、と。軽やかな足取りで執行者の方へと駆ける。
執行者Cu型:重装戦闘機の眼が、君を捉え、スラスターから火を吐き方向を転換する
執行者Ba型:さらには魔眼の砲口も明るい紫の光を帯び……
綾云媛:す、と身をかがめる。重装機が掩蔽となるような位置取り。
綾云媛:その動きは、目の前の敵の攻撃から逃れられるようなものではないが――
執行者Ba型:……発射! 一つ一つが君一人を飲み込んで十分な大きさの魔眼砲弾が、次々に降り注ぐ
執行者Cu型:確かに遮蔽はある程度の防御にはなるだろう。しかし全て攻撃を防ぐほどには至らないし、何より重装機の攻撃射程だ。頑強な腕を君めがけて振り下ろしてくる。
綾云媛:それを両腕で受けて。「……っ!」
綾云媛:一瞬苦悶の表情を浮かべるが、すぐに歯を見せて笑う。
綾云媛:「嚆べ」
綾云媛:「“ナルテークス軸心髄”」
綾云媛:呟くと同時、獣の咆哮が無数に轟く。
執行者Cu型:無機質な眼は、それに怖じることはない。だが……
綾云媛:全身から、沸き立つように不完全な獣の群れが生まれ出ていく。
綾云媛:それらが組付き、絡みつき。食い荒らす。
綾云媛:その構造体の強度保証部位を探りまわるように這い回り、削り、巨躯をも押し出す。
執行者Cu型:彼らは構造自体、外見以上のものはない。たとえばオーヴァードらしい自己再生能力も、多少は兼ね備えている。
執行者Cu型:ゆえの重装型であり、しかしそれは攻撃を『受ける』性能も踏まえてのことだ。斯様に全身をまさぐられ、弱点を食い破られては為すすべもない。
執行者Ba型:砲撃型は更にその傾向が著しい。内部に通じる砲口はあまりに分かりやすく、そして単純に大きい。その攻撃を凌ぐすべはない!
綾云媛:咆哮は止まない。集団での狩りのように、追い立て、追い詰め、食らいつく。
齋藤リッコ:(王鍵…… それも、かなりの出力……)
四之宮サヨリ:「遺産……王鍵!確かに、最高生徒会側に居てもおかしくない……!」
後藤スダチ:「綾さん!傷は大丈夫!?」物陰から戦況を見据えつつ叫ぶ。
綾云媛:しばらくして、相手が動かなくなったのを確認してから。血の唾を吐く。
綾云媛:「はい。軽傷です」
エイヴ・ド・レスタイム:「あのくらいの負傷はむしろ気持ち良いくらいに思ってるタチですよあの人」 ヒソヒソ
綾云媛:血の塊を腹から体に戻しているように見える。「聞こえてますよ」
四之宮サヨリ:「そ、そんな性癖なんですか……?」
齋藤リッコ:「思った以上の武闘派ね……」
四之宮サヨリ:「ええ……しかしこれで二番目を自称するとは、一番はどれ程の方なのか……」
後藤スダチ:「よかった……!王鍵ってことは、キングダムのご出身だったんですね」
後藤スダチ:(名前とか言動でてっきり崑崙山だと思ってた……言わなくてよかった)
執行者Cu型:食い荒らされた機械群は、損傷の大小こそあれど、どれもぴくりとも動く様子はない。完全に無力化されたと見て良いだろう。
綾云媛:「ああ、ええ。以前は探索王を拝命していました」
後藤スダチ:「王様だったんですか!?じゃあリッコちゃんも知り合いだったりするのかな」
齋藤リッコ:「いや、全然……?」かぶりを振る「初対面だし……」
綾云媛:「さすがに生徒全員と知己というわけにも行きませんから」
後藤スダチ:「あれ」
後藤スダチ:「あのー……勘違いしてたかも。リッコちゃんは王様だったりとか……」
四之宮サヨリ:「え?」
後藤スダチ:「完全にそのくらいの風格出てたから……」
齋藤リッコ:「き……キングダム生ならみんな王様ってわけじゃ……ないのよ……?」若干傷付いている
齋藤リッコ:「いや……学校の本来の目的的にはまあ……そうなんだけど……」
四之宮サヨリ:「でも確かに、最近の実力の上がりっぷりはお話にもよく出ますし……勘違いされちゃうのもおかしくないのかも」
齋藤リッコ:「でも……王鍵だけがオーヴァードってわけじゃないし……」一人で傷付き続けている
綾云媛:「王鍵持ちではないそうですから……とはいえ、当たりは付いています」
綾云媛:「救伐騎士団あたりの所属なのでしょう?」
綾云媛:「外での活動も多く、実力者であれば頷けます」
後藤スダチ:「そうか、あそこも有名だよね、救伐騎士団」
齋藤リッコ:「いや、全然……?」かぶりを振る
綾云媛:「……?」
綾云媛:「部活動は何を……?」
齋藤リッコ:「何人か諸王のところにお世話になったけど……」
齋藤リッコ:「部活って括りだと今は……特には……」
綾云媛:「?????」
綾云媛:「あるんですか?そんなこと……」
四之宮サヨリ:「委員会の活動を手伝ってもらう事も多いですが……確かに珍しいですよね、キングダムの人で、となると」
"バズヴ・カタ":「……そもそも」
"バズヴ・カタ":「その手の方向の組織に属し、実力ある生徒であれば、シャムロックもやすやす依頼は託せない」
後藤スダチ:「た、確かに……!」
"バズヴ・カタ":「齊藤リッコは無所属の特に肩書のない一般生徒だ」
齋藤リッコ:「バズヴちゃん…………!」
齋藤リッコ:「そうなんだけど…………!そうなんだけどさ……!」
齋藤リッコ:「何だろう……なんか言い方っていうか……配慮っていうかさ……!」
後藤スダチ:「ごめん!なんか傷つける方向の話の振り方しちゃって……!」
綾云媛:「ああ……なるほど」
綾云媛:(そういうことにして、各地で動きやすくしているのですね)リッコちゃんに小声で。
綾云媛:(理解しました。これ以上は言及いたしませんとも)
齋藤リッコ:「(違うけど……!?)」
"バズヴ・カタ":少し考えて 「……無所属の特に肩書のない一般生徒だが」「性格が良い」
齋藤リッコ:「いや配慮はすごく感じるけど……!ありがとね!!」
四之宮サヨリ:「リッコさんは、誰かの為に戦えるいい子なのは間違いないですよ、それは保証します」
齋藤リッコ:「いや……いいのよ。実際最近、キングダムには全然帰ってないし……」
齋藤リッコ:「ただちょっとPTSDって言うか……それだけだから……」
後藤スダチ:「そうそう!人間なんて性格いいのが一番なんだし!」
GM:そうこうと話していると、
GM: ズゥ、ン …… !
GM:おもむろにピラーが大きくゆれる。辺りの調度がガクガクと震えて落下し、照明がガクンと外れる。
四之宮サヨリ:「きゃっ……」
GM:"ヘカトンケイル"の影響であることは疑う余地もない。今回は特に、その構造上震動が君たちのいる場所へダイレクトに伝わる箇所へ、腕を固定したのかもしれない。
後藤スダチ:「わああああ」とっさにハイトちゃんを支える。
ハイト・ワトソン:「ひうううぅぅ」 転びかけた所を支えられ、そのままスダチちゃんにしがみつく
齋藤リッコ:「おっとっと……」サヨリさんの手を取って
齋藤リッコ:「かなり揺れたわね……そろそろヤバいかしら」
四之宮サヨリ:「っと、ありがとうございます……力、強くなりましたね」
綾云媛:「昇るだけでこれが……」
ハイト・ワトソン:「ち、ち、ち、近付いてるからなんですかね……? それとも今回がたまたまですか……?」
後藤スダチ:「ピラーが壊れるなんて想像してなかったけど」
後藤スダチ:「本当になっちゃうのかも……。折れたら……どうなるんだろう?」
綾云媛:「まあ、ここから落下することになるでしょうね」
エイヴ・ド・レスタイム:「あとは、卒業できなくなる、とはさっきの先生も言ってましたねえ。具体的なとこは分かりませんが……」
四之宮サヨリ:「実のところ、大変困りますね、私も留年して卒業待ってもらってる身ですから……」
齋藤リッコ:「あたし達はともかく……ノヴァリスが大変なことになるのは確かよね」
綾云媛:「しかし……昇るだけで壊しそうな勢いですね、あれは」
後藤スダチ:「"ヘカトンケイレス"はあの巨体と装甲だし、しかも三機もいる」
後藤スダチ:「一体ずつ集中攻撃して破壊するのは時間がかかりすぎる……」
後藤スダチ:巨大兵器の出現記録やスペック情報は、他学区で目撃されたものも含めてオフィサーは可能な限り調査をしている。
ハイト・ワトソン:「クラッキングする……とかも現実的じゃないんですよね。そもそも動いている手段が、じゃ、ジャーム化によるものみたいですし……」 得た情報はこまめにノートへ整理している
後藤スダチ:全く未知の兵器だとしても、ある程度の目安を立てられる程度の勘は培っていた。今の自分達の総戦力を加味しても、かなりの時間、総攻撃を続ける必要があるはずだ。
齋藤リッコ:「……っと」端末を見て「ちょっといい?」
四之宮サヨリ:「リッコさん……何か気付いたことが?」
齋藤リッコ:「いくつかツテを辿ってみて……何人かに“ヘカトンケイレス”のデータとか対策案を送ってもらったんだけど。これ見て」
齋藤リッコ:全員にデータを送ります
後藤スダチ:「……!これって……」
エイヴ・ド・レスタイム:「ほほう……」 受け取る
四之宮サヨリ:「……ふむ……」
"バズヴ・カタ":「……」 エイヴの端末画面を後ろから覗き込んでいる
齋藤リッコ:「やっぱりかなり堅いみたいね。外からの攻撃で壊すのは厳しそう」
齋藤リッコ:「ただ、今のところ飛んだり浮いたりって機能を使ってた記録は無くて……機械系の子の所見でも、そういうパーツは見当たらなそうみたい」
綾云媛:「でしょうね。やれるならばやっているはず」
後藤スダチ:「相当精密に構造計算してる。物理学者の友達もいるの?」ファイルを切り替えながら確認していく。
齋藤リッコ:「あー……」少し目を泳がせて「……まあ、仕事上知り合いは多いから」
四之宮サヨリ:「つまり、やはりピラーを登るにはあの脚しかない、ということですか」
齋藤リッコ:「うん。見たまんまあの脚でしがみついて登ってるみたい」
後藤スダチ:「他の機構で登ってたらあの大量の脚が丸々無意味な構造ってことになっちゃうしなあ」
齋藤リッコ:「で、ミサイルとかで攻撃してみたら?って提案があったんだけど……強度上、それだと先にピラーの壁が壊れちゃうんじゃないかって」
綾云媛:「脚部は当然、他の部位よりも構造的には堅牢でしょうね」
四之宮サヨリ:「そうですね、いくら丈夫だとしても既にピラーは攻撃され破損している状態ですし……」
齋藤リッコ:「でも、それって……逆に行けると思わない?」
四之宮サヨリ:「……え?」
綾云媛:「……まさか」
ハイト・ワトソン:「逆に……」
四之宮サヨリ:「も、もしかして……」
四之宮サヨリ:「ピラー側を壊す、と……?」
齋藤リッコ:「うん。しがみついてる壁のほうを壊しちゃえば、掴むものが無くて落っこちるしかないでしょ?」
齋藤リッコ:「飛べないんだから」
綾云媛:「先程の執行者と同じですね。階段を壊されては、我々は登れなくなる」
四之宮サヨリ:「た、確かに理屈ではそうですが……いや、それしかないなら……」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ! 確かにそれができるなら……同じ壊れるでも、破損の加減をこっちで調整することもできますね!」
後藤スダチ:「そ、そんなことよく考えつくなあ……防衛対象を逆に壊すことで守るなんて……」
後藤スダチ:「でも現実的だし、敵の性能に関係ない対処ができるのはいい……!三箇所の壁を壊すだけなら、防衛も間に合うかも!」
綾云媛:「……普段から壊そう壊そうと考えてます?」
齋藤リッコ:「何でそうなるのよ……!? あたし一人のアイデアでもないし!」
齋藤リッコ:「どうかしら。試してみる価値はありそうじゃない?」
綾云媛:「そうでした。是非お名前を控えさせてください……」
綾云媛:「潜在的な不穏分子として把握しておきますから……」
エイヴ・ド・レスタイム:「じゃあ普段から壊そう壊そうって考えてる友達はいらっしゃるんだ。……アリだと思いますよ、私は」
エイヴ・ド・レスタイム:「理論は知りませんが直感がアリだと思ってます」
四之宮サヨリ:「……こんな状況です、やってみるしかないですね」
齋藤リッコ:「まあ、もしダメであたし達がただピラーをぶっ壊しただけになったら……」
齋藤リッコ:「その時は大人しく怒られましょう」
綾云媛:「私は怒る側なんですけどねえ」
エイヴ・ド・レスタイム:「どうせそれ失敗したらもっと派手にぶっ壊されるんですし、分かんないでしょ~」
綾云媛:「そうですね、そこはご心配なく。ノドスのせいにしますから」
齋藤リッコ:「ええ……汚職の現場が……」
四之宮サヨリ:「リッコさん、見て見ないふりをするのも大事ですよ」
四之宮サヨリ:「そもそも襲ってきているのは彼らなのですから、ちょっとお灸を据えると思って」
後藤スダチ:(そもそもノドスはこっちにいないから責任被せたところで分からないよなあ)
齋藤リッコ:「まあとにかく……壁を壊すにしても、まずは上に登らないとよね」
綾云媛:「ええ。そうと決まれば……急ぐしか有りません」
後藤スダチ:「この作戦のいいところは、ここまで登ってきた労力も無駄にならないところだね」笑う。
ハイト・ワトソン:「そ、それは確かにそうかも……ここまで昇ってきたからできるんですもん」
GM:……『全ノヴァリス養護教諭長』が管理していたフロアが近い。
GM:そこには"ステルペス"の存在がある。恐らくはそこからジェネシスへ何らかの仕掛けをしたのだろうというのが現状の見立てだ。
GM:だが、そこへ到達する直前の階段にて、一つの機影がおもむろに差した――君たち二人は、その姿を知っている。
"アルゲス":「……早いな」
"アルゲス":「想定よりも群れが大きい」
後藤スダチ:「……"アルゲス"!」反射的に、これまで以上の警戒態勢を取る。
齋藤リッコ:「うそっ……こいつが!?」
四之宮サヨリ:「……アルゲス、さん。此方としても、思っていたより早い再開でした」
四之宮サヨリ:「もう少し上で会うものかと」
"アルゲス":剣を持った、鋭利な人型の戦闘機械。今までの戦闘兵器群と違い、明確に意志を帯びている。"アルゲス"だ。
齋藤リッコ:「この最近のガンダムみたいなやつが……!?」にわかイメージだ
"アルゲス":「娯楽を楽しむ余暇のあって良うことだ」
綾云媛:「ふむ……」
後藤スダチ:「身体は大きいけど、すごく素早いし……技も使う!剣の間合いに注意して!」
四之宮サヨリ:「ええ、一度戦っていますから……分かって、います」
四之宮サヨリ:静かに、武装を展開する。心を必死に落ち着けて。
"アルゲス":「再会なぞした所でよ。俺とお前たちの関係は変わらない」
"アルゲス":「俺は斬り、お前たちは斬られる。……ここから先に、痛みを支払わず進めると思うな」
後藤スダチ:「相変わらず偉そうな台詞ばっかり……!そういうの練習してる?」
四之宮サヨリ:「……ただ斬られる訳にはいきません、私には、貴方に聞きたいことも沢山ありますから」
"アルゲス":「……ほう?」
"アルゲス":その言葉に、"アルゲス"は改めてサヨリを見る。そして、何かに気付いた様子で声を上げた
"アルゲス":「……お前! ノヴァリスの中でも辛気臭く墓参りしてる連中か?」
四之宮サヨリ:「…………」
"アルゲス":「なんとかコンベという……こっちだと死者は『楽園の300人』とか呼ばれてるんだったか? ハハハ……!」
齋藤リッコ:「はぁ!? 何こいつ!? 性格最悪!!」
後藤スダチ:(うん……最悪なんだよ……!)悪口に付き合いたくないので黙っているが、前々から最悪だと思っている。
四之宮サヨリ:「間違っていません。あなた方の事も、革命や紛争の中で失った子も」
四之宮サヨリ:挑発に乗ることなく、静かに言葉を紡ぐ。
四之宮サヨリ:「……そして」
四之宮サヨリ:動悸が激しい、言っていいのか逡巡して、それでも。
四之宮サヨリ:「っ……ノドスの、人たちの中に、は……私の……弟が、いる」
"アルゲス":「ほお……」
"アルゲス":「――死んだよ、そいつは」
"アルゲス":斬り捨てるように言う
四之宮サヨリ:「…………まだ、名前も言っていないのに、そんな、筈…………」
"アルゲス":「ああそうだ。実際は知らん」
"アルゲス":「だが何せ生存数はほんの僅かだ。まあ死んでるだろ。それとも無様に期待だけ抱いて失望を先延ばしするほうが良かったか?」
四之宮サヨリ:分かっている。死んでいると思ってこれまで歩んできて、それでも、僅かな希望が目の前に灯っていて。
四之宮サヨリ:だから、結末が分かっているとしても、問うしかできない。
四之宮サヨリ:「弟は……四之宮ユイは……本当に、死んだのですか」
"アルゲス":「知らんと言ってるだろ。俺は生きてる連中の中でも大して強くないやつの顔や名前に興味はない」
"アルゲス":「"ステルペス"も似たようなもんだ。もし知りたければ、空の上の我らが"マスターゼウス"に土下座でもしてろよ」
"アルゲス":「もちろん」 剣が雷光を纏う 「ピラーがブチ折れた後での話だがな」
四之宮サヨリ:「……そうです、か」
四之宮サヨリ:大きく肩を、顔を落としてから、ふつふつと湧き上がる感情を制御して。
齋藤リッコ:「……落ち着いて、サヨリちゃん……!」苦虫を嚙み潰したような顔で言う
齋藤リッコ:「気持ちは分かるけど……動揺したらこいつの思う壺よ!」
齋藤リッコ:「会ったばっかりだけど分かるわ!こいつが最悪なヤツなのは!!」
後藤スダチ:「仮に生きていたって口先ではなんとでも言う!言ったでしょう!?そういう手段も使ってくる連中なの!」
後藤スダチ:「今わかったことは、弟さんの安否じゃなくて――」
後藤スダチ:「こいつらとは交渉も和解もできないってこと!戦うしかない!」
四之宮サヨリ:そうして暫くして上げた顔は、凍ったように笑っている。
四之宮サヨリ:「では、上のゼウスを名乗る当人に聞きましょう。貴方をここで叩き落してでも、必ず」
四之宮サヨリ:「───心と剣を折られる準備はよろしいですか?アルゲスさん」
"アルゲス":「……ハハハハ! よりによって俺にそれを問うか!? そんなものは――」
"アルゲス":言いかけ、一瞬ぴたりとその言葉と動作が止まった。次の瞬間、猛烈にスラスターから火を噴き、上方へ退避する。
GM:その瞬間、辺り一面が急に静寂に帰したように感じたかもしれない。
齋藤リッコ:「急に何…… ……ッ!?」
GM:それは、膨大な気圧の変化により聴覚を乱されたからだ。そしてその気圧の変化は、大質量の急接近によりもたらされた。
GM:爆発――
四之宮サヨリ:(何か、来る……!)
綾云媛:「……!」
GM: ――では、ない。外壁が外側から破砕されるという現象があるとすれば、それは爆発であろうという固定観念が、そう錯覚させたのだろう。
GM:その空間に、壁の外から突き込まれているのは、緑の装甲構造。
齋藤リッコ:「嘘でしょ──」「これって……!」
後藤スダチ:「新手!いや……!」
GM:至近から見るそれは柱のようなものにしか見えないが、遠くから見た時、それらが『腕』と呼ばれることを、君たちは知っている。
後藤スダチ:照準は"アルゲス"を追っているが、それが凄まじい脅威であろうことも、言うまでもなく直感できた。
後藤スダチ:「"ヘカトンケイレス"が……直接……!」
四之宮サヨリ:「っ、ヘカトンケイレスまで相手をしなければいけないとは……!」
"アルゲス":「――"ブロンテス"! ナメるなよッ!!」 怒声
"アルゲス":「俺だけでは足りないばかりか……"ヘカトンケイレス"のみならず」
"アルゲス":「……『あの女』も投入するだと!?」
齋藤リッコ:「……」その言葉に肌が粟立つ。「あの……女……?」
GM:……ぞくり、と。
GM:身体の芯を凍った手で掴まれるような、底冷えするような感覚を君たちは覚える。
後藤スダチ:「う」「嘘でしょ」
綾云媛:「ぐっ……う……!?」
四之宮サヨリ:(気配)(重く、昏い)
GM:まだ、何かをされた訳ではない。ただその存在の纏う――気配とか、雰囲気とかしか言いようがないものが、君たちの本能をひどく震え上がらせている。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:その異様な感触に、大きな反応や驚愕は無かった。この場で唯一、二度目であるからだ。
齋藤リッコ:ただ凍り付いたように瞠目し、破壊された外壁に空いた穴を見つめている。
GM:……装甲の腕を、ゆったりとした足取りで穏やかに歩む者がいる。
GM:高度のせいで、ごうごうと吹き込む風の中、全てが止まっているように見える。緑の衣の少女。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「――――」

四之宮サヨリ:(……本能的な危険信号。成程、これが……)
後藤スダチ:(強い敵。異質な敵。そういう存在は何人か見てきた……)
後藤スダチ:(だけど)
後藤スダチ:(怪物)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:"ボレロス"テスラ・タイタニスは、美しく禍々しく、笑みを浮かべている。
◆ 1R
[[0] "ヘカトンケイレス"/[13] "ボレロス"テスラ・タイタニス]
│
5m
│
[[8] "アルゲス"]]
│
5m
│
[PC]
"バズヴ・カタ":「テスラ・タイタニス……」
"バズヴ・カタ":「……陣形を取れ。この場において、主力は私たちではない」
"バズヴ・カタ":憎々しげにその名を呟いたのも束の間、落ち着き払ったその声は、後続していた騎士団員に一つ指令を出した。
"バズヴ・カタ":「……彼女のレネゲイド干渉は、抗いようのない現象ではなく、紛れもなく彼女の能動的行動による結果だ」
"バズヴ・カタ":「特に、視線を中心とした感覚野による意識のベクトルなくして、その干渉は成立しない」
"バズヴ・カタ":「つまり、気を逸らせば庇い立てられる」
GM:NPCカードが追加されます。
[NPCカード:フィオナ騎士団]
【防風陣形】
1シナリオ6回、単体が受ける攻撃を無効化する。1度のメインプロセス中に複数回使用することで、複数の対象への攻撃を無効化することができる。
(扱いはエフェクトを用いないカバーリングに準じる)
齋藤リッコ:つ……強すぎる
四之宮サヨリ:6回も……!
後藤スダチ:めちゃくちゃ強い
GM:さらに、対"ヘカトンケイレス"攻撃についても少し解説しましょう。実際の所、"ヘカトンケイレス"にもHP等の値は設定しているので、撃破することは可能なんですが……
GM:あなたたちはもう一つ、この厄介なジャイアントロボを切り抜ける手段を見出しています。
[特殊ルール:対"ヘカトンケイレス"]
"ヘカトンケイレス"との交戦時、『固定点狙い』を攻撃直前に宣言することで、装甲値・ガード値を無視してダメージを蓄積できる。
このダメージは"ヘカトンケイレス"に与えられない代わり、"ヘカトンケイレス"のHPの半分以上の値まで蓄積した場合、"ヘカトンケイレス"をシーンから退場させることができる。
退場した"ヘカトンケイレス"は、以降セイクリッドピラーへの攻撃に参加しない。
ただしこの手段を取った場合、今後のシーンで退場した"ヘカトンケイレス"が再登場する可能性がある。
また、この手段を取った場合、与ダメージの半分の値だけセイクリッドピラーの耐久力を減少させる。
齋藤リッコ:また登ってくるんだ……
四之宮サヨリ:ピラー、耐えてくれ……
GM:可能性としてはそうなります。破壊してないので……
GM:最後に、現状の勝利条件ですが、ここは特に変わった所はありません。登場している全員をやっつけてください。
後藤スダチ:みんな やっつけろ
齋藤リッコ:ヒ~~
四之宮サヨリ:コワス...
GM:よし、忘れ物はないな……何か質問等発生したらいつでもどうぞ。
GM:改めて戦闘を開始します。
GM:まずはセットアッププロセスです。ある人は宣言なさい!
GM:エネミーは全員ありません。シンプル
齋藤リッコ:怨念の呪石使用、暴走します
綾云媛:《先陣の火》。行動値を+10します
四之宮サヨリ:何も……ないです!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を3増加(52 → 55)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2増加(50 → 52)
後藤スダチ:《アクセル》《活性の霧》。対象は自分でいいかな……!
後藤スダチ:行動値は+8、攻撃力は+21。
GM:結構速くなるじゃねえか……
◆ 1R
[[0] "ヘカトンケイレス"/[13] "ボレロス"テスラ・タイタニス]
│
5m
│
[[8] "アルゲス"]
│
5m
│
[[11]四之宮サヨリ / [18]後藤スダチ / [6]齋藤リッコ / [15]綾云媛]
GM:では行動値順に行きましょう。イニシアチブ割り込みも特にないね?
GM:スダチちゃんの手番! どうする?
後藤スダチ:テスラちゃん範囲攻撃してくるんだっけ……!
後藤スダチ:ちょっと昔の戦いを確認させてください
GM:過去の戦闘では異形の祭典などと言ってきました
後藤スダチ:じゃああんまり関係ないか。
後藤スダチ:あと別にラピッドファイアの範囲化にはマイナーアクションも関係なかった。
後藤スダチ:5m後退して、ヘカトンケイレスとテスラのエンゲージに攻撃を試みます。
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》。
後藤スダチ:ヘカトンケイレスに対しては固定点を狙っていきます。かしこく戦うぜ
後藤スダチ:7dx7+5+3
DoubleCross : (7DX7+8) → 10[2,2,3,5,5,10,10]+10[1,7]+5[5]+8 → 33
後藤スダチ:ダイスボーナスない割にはまあまあ!
後藤スダチ:あと侵蝕率はセットアップで4上昇してました。今上げます。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(45 → 49)
GM:テスラ、"ヘカトンケイレス"共にガードです。テスラは《歪みの体》を宣言。ダメージをどうぞ
GM:違う、ヘカトンケイレスはガードしない そのまま入ります
後藤スダチ:おお
後藤スダチ:固定点狙いの場合は関係ないけど、一応命中で装甲-5です
後藤スダチ:テスラちゃんの装甲を剥いでやるぜゲヘヘ
GM:謎の装甲点8が……!
後藤スダチ:4d10+9+1d10
DoubleCross : (4D10+9+1D10) → 20[3,4,8,5]+9+9[9] → 38
後藤スダチ:本当にふつうのダメージ
GM:固定点狙いに38点のダメージ蓄積。テスラもガードとちょっと剥げた装甲でダメージは阻みます
GM:とはいえテスラ側にはそれなりに手応えがあると見て良いでしょう
後藤スダチ:人型サイズ敵だからなあ
後藤スダチ:普通の24点(ピュアソラ基準)のオーヴァードなら十分死んでるダメージは入れているぜ!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(49 → 53)
後藤スダチ:行動は以上です!
GM:オーヴァード内でも一番貧弱な値なんだよなあ
GM:では続いて云媛ちゃんの手番です。どうする?
綾云媛:マイナーでアルゲスにエンゲージして……
綾云媛:一応素殴りしよう。固定値もエフェクトもないけど……
"アルゲス":無礼られてる……!
綾云媛:4DX
DoubleCross : (4DX10) → 9[2,4,9,9] → 9
綾云媛:ふふん 堂々の9
GM:こんなんでも素回避だと全然当たる余地あるからな しっかり《ゲットダウン》します
綾云媛:そんな……
後藤スダチ:そうこいつはゲットダウン使ってくるのだ……!
四之宮サヨリ:ぐええ~っ
"アルゲス":5dx+19
DoubleCross : (5DX10+19) → 6[1,2,3,6,6]+19 → 25
齋藤リッコ:高すぎんか!?
四之宮サヨリ:た、高い……!
後藤スダチ:技能ヤベ~
"アルゲス":何の問題もないね
綾云媛:固定値だけで……
◆ 1R
[[0] "ヘカトンケイレス"/[13] "ボレロス"テスラ・タイタニス]
│
5m
│
[[8] "アルゲス"/[15]綾云媛]
│
5m
│
[[11]四之宮サヨリ / [6]齋藤リッコ]
│
5m
│
[[18]後藤スダチ]
GM:イニシアチブを進めます。"ボレロス"テスラ・タイタニスの手番
"ボレロス"テスラ・タイタニス:マイナーで《オリジン:レジェンド》
"ボレロス"テスラ・タイタニス:これが欲しかったんだろ……? メジャーで《コンセントレイト:ブラム・ストーカー》+《ハザードコール》+《細胞侵蝕》+《異形の祭典》+《鮮血の鎖》+《ブラッドウェブ》(《異形の祭典》は1シーン1回)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:命中時ダメージなし。ただし命中すると、重圧・邪毒5付与、次判定のC値+1、ラウンド中戦闘移動・全力移動・ドッジ時に10ダメージ、そして侵蝕率+20です。
齋藤リッコ:何言ってんだお前!
四之宮サヨリ:やめやめろ!
後藤スダチ:イヤッイヤッ
"ボレロス"テスラ・タイタニス:今ラウンドの対象は4名全員。判定をします
"ボレロス"テスラ・タイタニス:9dx7+10
DoubleCross : (9DX7+10) → 10[1,2,2,6,7,7,8,9,9]+10[1,3,7,7,10]+3[1,2,3]+10 → 33
後藤スダチ:キャアー
"ボレロス"テスラ・タイタニス:リアクションをどうぞ
齋藤リッコ:暴走しております
四之宮サヨリ:ひええ……
四之宮サヨリ:い、一応ドッジ……
後藤スダチ:ただでさえ肉体は貧弱なのに《活性の霧》とかいうエフェクトのせいで振れるダイスはゼロ!
綾云媛:4dx>=33 ドッジ
DoubleCross : (4DX10>=33) → 8[1,3,5,8] → 8 → 失敗
後藤スダチ:自動命中します!
四之宮サヨリ:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 9[4,9]+1 → 10
四之宮サヨリ:だめだめ!
"ボレロス"テスラ・タイタニス:では以上の効果を余すことなく受ける……
"バズヴ・カタ":か、NPCカードで凌いでください。カバーリングも君たちは持ってないからね……!
齋藤リッコ:守ってほしいです フィオナ騎士団に……
四之宮サヨリ:カバー……お願いしたほうがいいですよね!お願いします!
GM:拒むんですか……? 祝福を……
綾云媛:カバーもらいます!
後藤スダチ:ぐえー、祝福されるンゴ
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を20増加(53 → 73)
四之宮サヨリ:くっ、私も受けます……
GM:アハハ……ウフフ……
四之宮サヨリ:四之宮サヨリの侵蝕率を20増加(61 → 81)
四之宮サヨリ:様々なデバフが~
GM:リッコちゃんはどうする?
齋藤リッコ:カバー貰います!
GM:ではフィオナ騎士団のカバーリングは残り4回
GM:イニシアチブを進めましょう。サヨリさんの手番です。どうする?
四之宮サヨリ:マイナーで重圧だけ一応解除!ヘカトンケイレスのエンゲージを殴りに行きましょう
四之宮サヨリ:メジャーでコントロールソート射撃、コンセントレイト、神機妙算!
四之宮サヨリ:11dx8+2
DoubleCross : (11DX8+2) → 10[1,2,3,3,3,6,7,8,9,9,10]+10[4,4,4,8]+10[10]+1[1]+2 → 33
四之宮サヨリ:ほほほ
GM:回しおる……テスラはガードします。《歪みの体》
後藤スダチ:やっぱりコンセントレイトはLV3にしておくに限る!
四之宮サヨリ:4d10+1d10+22
DoubleCross : (4D10+1D10+22) → 27[9,9,6,3]+4[4]+22 → 53
四之宮サヨリ:あっすみません
四之宮サヨリ:!
四之宮サヨリ:固定!
GM:何っ
四之宮サヨリ:固定点です
GM:あっ 大丈夫です OKOK
四之宮サヨリ:失礼しました、ひとまずこれで!諸々有効ですが、スダチちゃんのお陰で装甲-5が入ってます、侵蝕は7上昇して88
綾云媛:これで我々の手で91人も……
GM:固定点へのダメージ蓄積は現在91点。テスラはガードでダメージを減らしますが、実はこのままだと死んでしまうので
"ボレロス"テスラ・タイタニス:持ってて嬉しい《デモンズウェブ》
後藤スダチ:うれしくない!
"ボレロス"テスラ・タイタニス:6d10
DoubleCross : (6D10) → 37[9,7,7,4,9,1] → 37
綾云媛:死んでいいよ~
"ボレロス"テスラ・タイタニス:被ダメージを8まで減らしました。無事生存
齋藤リッコ:減りすぎ
四之宮サヨリ:ぐええ
GM:イニシアチブを進めます。"アルゲス"……こいつはエンゲージされると目の前の相手を斬るしかできない
"アルゲス":メインプロセス開始時にエンブレム:ムーンドッグ発動。シーン中、攻撃力+5です。これは累積します
"アルゲス":そしてメジャーアクション。《アタックプログラム》+《鮮血の一撃》+《ブラッドボム》で攻撃します。HPを3消費
"アルゲス":攻撃が命中した場合、更に1d点のHPを失い、同量のHPをこちらも失う攻撃です
"アルゲス":対象は綾さん。判定をします
綾云媛:ピュアブラックドッグじゃない……?
"アルゲス":7dx+29
DoubleCross : (7DX10+29) → 9[1,4,5,5,8,8,9]+29 → 38
"アルゲス":リアクションをどうぞ
綾云媛:《復讐の刃》します
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を6増加(52 → 58)
綾云媛:4dx9
DoubleCross : (4DX9) → 10[1,5,9,10]+5[2,5] → 15
"アルゲス":4d10+13+5
DoubleCross : (4D10+13+5) → 17[5,4,3,5]+13+5 → 35
綾云媛:2d10+35
DoubleCross : (2D10+35) → 17[8,9]+35 → 52
綾云媛:いいかんじ
"アルゲス":こっちの方が全然痛い……
"アルゲス":あとはブラッドボム分です。リザレクト後に持っていってね
"アルゲス":1d10
DoubleCross : (1D10) → 4
綾云媛:リザレクトします
綾云媛:綾云媛のHPを1D10(→ 2)に変更(3 → 2)
綾云媛:ピイイ……もう一回します
綾云媛:綾云媛のHPを1D10(→ 2)に変更(2 → 2)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を4増加(58 → 62)
"アルゲス":やったぜ多重殺害剣!
"アルゲス":で、実は以前持っていたEロイス《黒き歓び》もありません……もうお気付きかと思いますが、こいつは前回から性能が変わっています
綾云媛:なんだと……
四之宮サヨリ:データが通用しない……?!
後藤スダチ:そんな~
齋藤リッコ:男子三日会わざればってこと!?
GM:そういうこと!
GM:イニシアチブを進めましょう。リッコちゃんの手番です。どうする?
齋藤リッコ:殴りに行くしかできない!マイナーでアルゲスのエンゲージまで移動します
齋藤リッコ:メジャーでアルゲスに《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》 攻撃します
齋藤リッコ:7DX7+6
DoubleCross : (7DX7+6) → 10[1,3,5,6,7,8,9]+10[6,8,10]+3[2,3]+6 → 29
齋藤リッコ:う~ん……普通なら当たるが……
綾云媛:バズヴさん使っちゃう?
齋藤リッコ:シナリオ3回……う~ん どうだろう……
齋藤リッコ:貰います!バズヴさんのNPC効果!
GM:OK! 妖精の手と同じ扱いをしてください。
齋藤リッコ:1DX7+36
DoubleCross : (1DX7+36) → 3[3]+36 → 39
齋藤リッコ:まあよし
"アルゲス":《ゲットダウン》します
"アルゲス":5dx+19=>39
DoubleCross : (5DX10+19>=39) → 9[1,3,6,7,9]+19 → 28 → 失敗
四之宮サヨリ:怖~~~
齋藤リッコ:コワ~~……
"アルゲス":スリリング~ ダメージをどうぞ!
綾云媛:あぶない
齋藤リッコ:4D10+15+2D10 ダメージ
DoubleCross : (4D10+15+2D10) → 34[5,9,10,10]+15+4[1,3] → 53
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を6増加(55 → 61)
"アルゲス":痛い! かなり蓄積しています。2回しか当たってないのにな……!
"アルゲス":とはいえ息はあるぞ。絶対に斬ってやる……
後藤スダチ:諦めたほうが身のためだぜ
GM:イニシアチブを進め、最後に……"ヘカトンケイレス"!
GM:"ヘカトンケイレス"については、完全にオリジナルの能力値を持つヴィークル+武器として扱っています。エフェクトが強いから強いとかではなく、超強いアイテムなので強いという扱いですね
"ヘカトンケイレス":なので、使用エフェクトも意外と控えめです。マイナーなし
"ヘカトンケイレス":メジャーで《伸縮腕》+《怒涛の大蛇》+《アタックプログラム》+《バリアクラッカー》
後藤スダチ:怒涛の大蛇まで!
四之宮サヨリ:控えめ……?
"ヘカトンケイレス":横に邪悪なやつがいるから……装甲・ガード無視のシーン攻撃です。対象はPC全員。判定します
齋藤リッコ:ぐあ~~~
四之宮サヨリ:や、やばいかも……!
"ヘカトンケイレス":30dx+6
DoubleCross : (30DX10+6) → 10[1,1,1,1,2,2,2,2,2,3,3,4,4,4,4,4,5,5,5,6,6,6,6,7,7,7,7,9,9,10]+1[1]+6 → 17
"ヘカトンケイレス":リアクションをどうぞ
齋藤リッコ:避けられない 暴走しているから……
後藤スダチ:私もドッジダイス依然として1個も触れません さっきはマイナス1個だった
四之宮サヨリ:ガ、ガード……ガードします。
綾云媛:ガード無視じゃない?
綾云媛:5dx>=17 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=17) → 10[1,1,5,8,10]+8[8] → 18 → 成功
綾云媛:よけちゃった
後藤スダチ:つよーい
"ヘカトンケイレス":成功してるやつおるな
齋藤リッコ:すごい
四之宮サヨリ:ダメージ受けるかもだけど……死なないならいいか!
四之宮サヨリ:避けてみます!
綾云媛:あっそうか 邪悪なコンボだ
四之宮サヨリ:3dx+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 6[1,5,6]+1 → 7
四之宮サヨリ:だめ!
GM:(最初のやつなら一回は回ってる……)
後藤スダチ:一応ドッジだけ判定させてください ダイス0個でも意味はあるから……
後藤スダチ:0dx11+1>=17
DoubleCross : (0DX11+1>=17) → 自動失敗
綾云媛:C値上昇消費だ
四之宮サヨリ:こうなるんだ……
齋藤リッコ:なるほど……
GM:狡猾なオフィサーめ
四之宮サヨリ:とはいえ、まずはドッジしたので10点受けます。邪悪な術により……
後藤スダチ:えへへ
後藤スダチ:あ、そうか邪悪な術で10点受けるんだった
後藤スダチ:おのれテスラ・タイタニス~ッ
四之宮サヨリ:HP23
後藤スダチ:殺してやる……殺してやるぞ
"ヘカトンケイレス":ダメージを出します
"ヘカトンケイレス":2d10+70
DoubleCross : (2D10+70) → 13[7,6]+70 → 83
後藤スダチ:邪悪な術関係なかった
齋藤リッコ:固定値がでかすぎる
後藤スダチ:殺してやるぞ……ヘカトンケイレス
綾云媛:それはさすがにデカすぎ
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 2)増加(73 → 75)
四之宮サヨリ:ぎゃっ……
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 1)増加(61 → 62)
四之宮サヨリ:リザします、ひええ……
後藤スダチ:邪毒でさらに死んじゃうHPだぜ
齋藤リッコ:齋藤リッコのHPを1に変更(28 → 1)
"ヘカトンケイレス":装甲・ガード無効です。攻撃ダイスとダメージ固定値をあわせて100さ
四之宮サヨリ:リザ……します、やばいなここから二連続か
四之宮サヨリ:1d10+88
DoubleCross : (1D10+88) → 7[7]+88 → 95
四之宮サヨリ:ぐえ~~
GM:そして一通り行動が終わったのでクリンナップです。邪毒があるならHPを減らしてね
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(75 → 80)
四之宮サヨリ:リザレクトします……
後藤スダチ:ぐえー、死んだンゴ
四之宮サヨリ:95+1d10
DoubleCross : (95+1D10) → 95+5[5] → 100
綾云媛:はわわわわ
四之宮サヨリ:あわわわわ
後藤スダチ:サヨリさん、もう100行っちゃったの!
齋藤リッコ:オワ~~ッ
四之宮サヨリ:フェイタル解放されちゃった……
GM:本セッションは十字冠離脱による特別なペナルティはありませんけど、それはそれとして、100超えてリザレクトしたらシーンアウトですからねッ
後藤スダチ:登り直しができるの優しいね
後藤スダチ:明さんvs雅様みたい
四之宮サヨリ:ひええん……
後藤スダチ:(テスラ・タイタニスが出た)
後藤スダチ:――ノヴァリスに来る前、テレビで通り魔や車の暴走事故のニュースを見て、子供心に思っていたことがあった。
後藤スダチ:私なら、そういう時、絶対に逃げてみせる。走って逃げて、物とかも投げて、通り魔に刺されないように抵抗する。
後藤スダチ:今は分かっている。当事者は、そんなことはできない。
後藤スダチ:(……分かっていたのに!実際に会ったら、こんなことになるって――)
後藤スダチ:オーヴァードになって、戦闘訓練を積んだ今だって、反射的に逃げることなんてできていない。
後藤スダチ:自分の思考とは独立した外部思考デバイスが、半ば自動的に戦闘マニューバを実行する。
後藤スダチ:脅威から離れるのではなく、脅威を排除することを優先する。ノヴァリスの、尋常の危機に対してなら、それが正しい反応だから。
後藤スダチ:(頭。腹部。……防御用の武装はない。一発で)
後藤スダチ:(転送)(させる)
後藤スダチ:――ダダダダダダダダダ!!!
後藤スダチ:結果として、誰よりも速く掃射を浴びせた。全く不本意な反応だった。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「…」 何かの囁きと共に差し伸べられかけていた手が翻り、自らの身を守るように掲げられる
"ボレロス"テスラ・タイタニス:それは……意外なくらいに単純な防御動作だ。結果として命中した弾丸は、確かに沈み込むように消えていっているが
後藤スダチ:(防げない。素人だ――)閃光じみた意識の断片で、そう思った。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:完全に防御しきれているようには見えない。血肉が散る
後藤スダチ:「……ッ!!」首を絞められたような息が喉から漏れた。恐怖し、他の人員を取り残して退避。柱の陰に隠れる。
後藤スダチ:「……貫通していない!肉体に……」
後藤スダチ:「銃弾を取り込んだ!エグザイル能力者……!」
後藤スダチ:退避したのは、今見た脅威を共有するためだった、という大義名分を後付けする。
後藤スダチ:「注意して!運動エネルギー攻撃は減衰される!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……痛い」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「ふふ」 かすかな笑い声 「こんな思いをするなんて」
後藤スダチ:(怖い、怖い、怖い、怖い、怖い!)
後藤スダチ:弾倉をリロード。映像情報を解析に回す。危険だ。攻撃を受けて、次は何をしてくる?
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「でも仕方ないですよね……あなたたちは」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「誰も、誰も」 「私の『結論』から逃げ続けているのですから」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「私が……直々にでも。導いて差し上げないと……」
"アルゲス":「……気狂いめ。剣が醒める」
"アルゲス":テスラの前方で"アルゲス"が、苛立たしげに剣を構える。斬撃をくれてやる相手を見繕っているのだ
綾云媛:「――剣の機嫌など」悠然と歩み出る。
綾云媛:「己と相手以外に左右されるんですか?」
"アルゲス":「雑音がまた一つ……」 冷たいカメラ眼が、君を見下ろす
"アルゲス":「"己"の裡に調子のおかしいのが混じっていれば否応なく気にかかるものだ」
"アルゲス":「意識から追い払うには体を動かすに限る」
綾云媛:(……己……?)
綾云媛:引っかかりを覚えながらも、腕を振る。
綾云媛:一対の大蛇が生み出で、敵手へと絡みつこうとする。
"アルゲス":非常に効率的で無駄のない、最短動作で刃が滑った。その蛇はあえなく払い落とされる
"アルゲス":反して、漏れる声は憎々しい 「……そちらにもふざけた奴が混じっているようだな」
綾云媛:「ふむ」それは髪が変じたものだ。端が僅かに寸断されている。「小手調べにもなりませんか」
綾云媛:「愛と平和の軍団とやらを捕まえて、ひどい言いようじゃないですかそれは?」
"アルゲス":「その戯れぶりが如何ほど持つか――」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:――ぞくりと。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:その姿を最初に一目見た時のような寒気が襲ってきた。違うのは、それがより冷たく、より深くを握っているような感覚があることだ。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:手を差し伸べている。君たちへ。君たちを今いる所から連れ出すように。今よりもずっと自由な所へ解き放つように。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:……それだけで、自らの内側で常は確かに制御しているレネゲイドの存在感が自ずと沸騰し、枷を破ろうと暴れ始める。
後藤スダチ:「うぁぁぁぁっ……!」柱の陰で頭を抱え、震えている。
齋藤リッコ:「まずい──」
綾云媛:「……!」
四之宮サヨリ:(来る)(ここは……)
四之宮サヨリ:(……受ける)
後藤スダチ:寒気や恐怖の反応とも異質な、精神の震えなのではないかとすら思う。どんなエフェクトならば、こんなことができるのか?
後藤スダチ:(ふ、普通じゃない……エグザイル能力者としても……オーヴァードとしても……!)
後藤スダチ:「はーっ、はーっ……!」
"アルゲス":「……こんなにつまらない話があるか?」
"アルゲス":「戦闘ではなく調教に近い。屈服という結果が同じであっても……あまりに寒々しい」
フィオナ騎士団員:「リッコさん……!」 騎士団員の一人が、リッコを庇った。行いそのものは物理的な遮蔽となっただけだが
フィオナ騎士団員:翻るドレスが、振る舞いが、そして彼女がシャムロック所属生徒であるという事実が、ごく自然にテスラの意識を僅かに逸らすのだ。これを以て、その決定的な結果をかわすことができる
齋藤リッコ:「ッ……あなた……!」
齋藤リッコ:思わず駆け寄ろうとして、止める。何の為に彼女が自分を庇ったのか、今自分が何をすべきなのか、分からないはずはない。
齋藤リッコ:「……あ……」
齋藤リッコ:そこでようやく、自分の腕が不随意にがくがくと震えていることに気付いた。タイタニスの能力によるものではない。それが怒りによるものか、恐れによるものかも分からない。
齋藤リッコ:「……ありがとう」
齋藤リッコ:震えを無理やり押し殺して、息を吐く。
齋藤リッコ:「……大丈夫」
齋藤リッコ:「行ける」
フィオナ騎士団員:「私たちも……『あなた以外にいない』と思っている。私に大した力はないけど……」
フィオナ騎士団員:かすかに笑うその身の端は、能力の暴走によるものか、奇怪な変異が始まっている 「……そう言ってもらうことはできる」
綾云媛:……同様の掩蔽の結果として、自分もその災禍を免れた。対応できたわけではない。
綾云媛:「こちらが前に立つと言っていながら……このザマか」
綾云媛:後ろを一瞬見やり、苛立たしげに歯を軋ませる。
"バズヴ・カタ":綾が視界の端に見た彼女たちの長の表情に、揺らぎはない。『想定の内』と言外に告げている
四之宮サヨリ:……四之宮サヨリは所属セルでの実験によって、過剰なまでの精神耐性を習得している。
四之宮サヨリ:恐怖はある、濁り沸き立つ感覚も、臓腑を握られているような気持ち悪さも。
四之宮サヨリ:だが、"まだ耐えられる"。自らの容量は自分が一番に理解しているし、何よりも。
四之宮サヨリ:一拍で以って呼吸を落ち着ける。温和な表情で、テスラ・タイタニスに語る。
四之宮サヨリ:「……貴女はなぜ、ノドスの皆さんに協力を?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「…………」 返答はない。穏やかな笑みだ
"ボレロス"テスラ・タイタニス:……あるいは君が、その威圧的な恐怖に屈さず目を凝らすことができれば、その笑みに少しばかりの硬さがあることに気付けたかもしれない
"ボレロス"テスラ・タイタニス:どちらにせよ、返答はない。これ以上意識を無防備に向ければ、再び自らの芯をその冷たく差し伸べられた手で握り竦められるかもしれない
四之宮サヨリ:(何かある、か。けれど───)
四之宮サヨリ:(彼女の思想とは)(今の彼とは)
四之宮サヨリ:(相容れない)
四之宮サヨリ:これまでの出来事に置いても、できるだけ務めていた温和な表情が───初めて、凍った。
四之宮サヨリ:「バベルをバビロンへ。聖塔を建造」
四之宮サヨリ:命令を受諾し、古代の砲塔がさらに変形する。
四之宮サヨリ:最早最初のアタッシュケースの容量の一切を度外視したかのような大質量。
四之宮サヨリ:───まるで、神殿の如き威容。
四之宮サヨリ:「……天地を繋ぐ塔」
四之宮サヨリ:建造物が如き武装が、彼女の背後に建つ。
四之宮サヨリ:「天命版より伝令。採決、秩序の下に破壊せよ」
四之宮サヨリ:タブレットの文字をなぞると共に、塔の上部に光が満ちる。満ちて、埋め尽くして───
四之宮サヨリ:「神の掟」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:その明確な攻撃予兆へ、再び差し伸べていた手を自らの前にかざす
四之宮サヨリ:───爆発した。
四之宮サヨリ:室内であるにも関わらず巻き起こる雷嵐が、テスラ・タイタニスの周囲を壮絶に刻み続ける。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……ッ……」 激しい嵐に、血肉が焦げ、削れる。しかしそれを無防備に受け続ける訳でもない――
"ボレロス"テスラ・タイタニス:――千切れたそれらが渦を巻き、薄くも強固な赤い壁と化して、その攻撃を凌ぐ。それはテスラの容姿、色彩に対し妙に不釣り合いな防壁ではあったが
"ボレロス"テスラ・タイタニス:どうあれ彼女は、依然立っている。そしてその横、"ヘカトンケイレス"は……
"ヘカトンケイレス":防御らしい動きも見せない。君ほどの攻撃の余波が及ぼうとも、さしたる損傷にはならないと判断されているのだろう
四之宮サヨリ:(……底が)(見えた)ひどく冷淡に、彼女の傷を確認し続ける。恐怖を尚埋める怒りは、収まらない。
"アルゲス":(……先ほどからまともに"ヘカトンケイレス"が傷を受けていない。怖じているのか? テスラと並んだ存在感に……)
"アルゲス":(心境は察するが、もしその恐れを戦闘判断にも持ち込んでいるのだとしたら、信じ難く惰弱だな……!)
"アルゲス":(とはいえ、この局面で脅威はやはり、その未練女か)
"アルゲス":剣が揺れた。それは初動だった。滑らかに滑る剣閃は、無駄なくそれでいて君を逃さず正中より流れ込む
"アルゲス":「どけ」
"アルゲス":刀身より雷流が噴水のように溢れ出し、綾を襲う!
綾云媛:それに反応できないように見えた。
綾云媛:半分は正しい。その雷流を、刀身とともにしとど受けた。
綾云媛:刀身を受けられる距離まで詰めていた。
綾云媛:「お前がどけ」
"アルゲス":「……!」
綾云媛:傷口から、猟犬のような構造体が湧き出し、組み付く。
綾云媛:退避の隙を与えない。刀身を握り込んでいる。
"アルゲス":「ぐ、傷が爆ぜ、っや違……!?」
綾云媛:「そっちが私の臓腑に当ててきたんだろ?」
綾云媛:無論、無事であるはずもない。肉体は再生を繰り返している。
"アルゲス":「何だ、その力は……!」
"アルゲス":……綾が受けた傷の中で、雷は既存法則に沿って流れ抜けることなく、まるで君を傷つけ、痛めつける意志を持っているかのように暴れているのを感じるだろう
"アルゲス":その雷撃は純粋なエネルギーではなく、傷つけた者を内部よりさらに殺傷するという方向性を伴っている
綾云媛:それをも犯し返している。全身が獣の獣性を備えているかのように。
"アルゲス":「っぐおお……!!」
綾云媛:「では……一騎打ちと参りましょうか」
綾云媛:全く思ってもないことを告げる。それが“次”への布石。
"アルゲス":「っ……騎打ちだとオ……!? 舐めたことを……!」
"アルゲス":「俺がこの、オーヴァード殺しの剣をどう身に着けたかア……!」
"アルゲス":激昂の滲む言葉が君に向けられる。……君一人に。
齋藤リッコ:……視界の中、高所ゆえの強風に煽られ、テスラ・タイタニスの長髪が揺れている。
齋藤リッコ:その輪郭が陽炎のように揺らめいて見える。視線を逸らせず、食い入るように見つめて。
齋藤リッコ: 追い続けてきた仇が、今、目の前にいる。待ち焦がれた邂逅、ようやく訪れた清算の場。
齋藤リッコ: (……こんな時、漫画の主人公なら)
齋藤リッコ: (憎い相手の名前を叫んで、形振り構わず向かって行って……復讐を果たそうとするのかな)
齋藤リッコ: 呼吸は浅く、鼓動は早く、瞳孔は開いている。だがどこか胸の内には、自分でも不思議なほどの静けさがあった。
齋藤リッコ: (どうして……私、あんなに憎かったはずなのに)
齋藤リッコ: (殺したいほど憎いはずなのに)
齋藤リッコ: 炎のような激情も、氷のような冷徹さもそこには無い。
齋藤リッコ:心を占めるのは混乱と、それを鎮めようとする思考。焦燥と呼ぶのが最も近いか。
齋藤リッコ: ほんの数秒、小さな魔眼を生成する。暫時燃え盛る炎を見つめて。
齋藤リッコ: (……乱れてるな)
齋藤リッコ: あの日から、己のレネゲイドと向き合い続けてきた。
齋藤リッコ:バロール能力により圧縮された時間の中で、実時間より遥かに長く、偏執的なまでに重ねてきた鍛錬。
齋藤リッコ:その火の揺らめきは自己分析より遥かに雄弁に、己の精神状態を物語っていた。
齋藤リッコ:小さな火が消えると共に、口を開く。
齋藤リッコ:「……テスラ・タイタニス」
齋藤リッコ:自分の声が震えているのを感じる。上手く呂律が回らない。
齋藤リッコ:「覚えてる? あたしを」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:君の見る中で、防壁として渦巻いていた血肉が、少しずつその傷を塞いでいる
"ボレロス"テスラ・タイタニス:その様は……オーヴァードという基準に照らして見ると、意外なくらいに現実的だった
"ボレロス"テスラ・タイタニス:微笑みを浮かべた目が君を見返す
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「もちろん」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「あなたにもう一度会う時を」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「私は待っていましたよ」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:……手が 白い手が、差し伸べられる。あの日と同じように
齋藤リッコ:「……そう」
齋藤リッコ:「あたしもよ」
齋藤リッコ:「聞きたいことがある」
齋藤リッコ:「あんたの目的は、何?」
齋藤リッコ:「どうしてこんなことをするの?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「それ以外にないからです」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:簡潔な返答
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「今も、昔も、私の道はずっと一本伸びる道ですもの」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「私が歩む道は至るべき所に向かうための一本の道であり……その道行きを確かにするために、皆様を『結論』へ導いた」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……これでいいですか?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:返答の最後の言葉は、どうしてか突き放すような色を帯びている
齋藤リッコ:「全然分からない、それじゃ」
齋藤リッコ:友人の仇、それ以上に、ノヴァリスで誰を差し置いても最も危険と言っていい相手を前に、あまりに悠長に過ぎる行為を──会話を続けようとする。
齋藤リッコ:「至るべき所って何なの? あんたにとって星徒って、ノヴァリスって何なの」
齋藤リッコ:テスラの声色と対照的に、こちらは縋るようなものを帯びつつあった。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……そんなに私のことを思ってくださるのなら」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「他にするべきことがあるのではなくて?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:薄ら冷たい感覚が、再び君の芯に滲み始める
フィオナ騎士団員:「リッコさん……!」
フィオナ騎士団員:後方から、君を慮る声。言葉にして明示的に制止しようとはしないが、声色は言葉以上に雄弁だ
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:テスラのその対応に対して、今更、ようやく──この時になって、激しい怒りが湧き上がってくる。
齋藤リッコ:「バズヴちゃん」
齋藤リッコ:「まずあの“アルゲス”とかいうのをどかそう」「いつでもいい。一発仕掛けて」
齋藤リッコ:“アルゲス”当人に隠そうともせずに言い放つ。
"バズヴ・カタ":返事はない。ただ迅速にその鎚を振りかざし、"アルゲス"へと振り下ろしている
"アルゲス":「チッ、素人が、お前も――」
"アルゲス":悪態を突きながら装甲で受け止めている。……事実として、バズヴの直接戦闘力は外見印象に反して低い
"アルゲス":だが、"アルゲス"にとっては不運にも、綾が悪しき前例となった。舐め腐った素人と思っていた相手が、次の瞬間文字通りに牙を剥くのを彼はまさに体験している。軽々にあしらうことができない……!
齋藤リッコ:“アルゲス”がバズヴの攻撃を捌いた瞬間──
齋藤リッコ:既にその間合いの内側へと入り込んでいる。間隙を縫った、刹那の時間加速。
齋藤リッコ:リッコの掌が“アルゲス”の装甲に触れて。
齋藤リッコ:軋み、破り、砕ける不協和音が鳴り響く。
"アルゲス":「ぐおおっ……!?」
齋藤リッコ:機体の内側に直接生成された魔眼、四方八方に伸びる氷柱が、装甲と内部構造を食い破っている。
齋藤リッコ:「そこ」
齋藤リッコ:「どいてよ」
"アルゲス":「内部、から……お前ッ!」
"アルゲス":攻撃、というよりもその言葉に対する怒りが滲んでいる 「俺とやるなら……俺を見ろ……!!」
"バズヴ・カタ":「……! いや、駄目だ急くな……!」
"バズヴ・カタ":背後より声。同時に、奇妙な静寂感――それはつい先程、君たちが味わったものでもある
齋藤リッコ:「ッ!」
"ヘカトンケイレス":振り下ろされる巨腕が運ぶ重厚な気流による気圧の局所変動が、音を奪うのだ。すなわち、直後には……
齋藤リッコ:咄嗟に“アルゲス”の追撃圏から逃れる。逆に言えば、辛うじてそれしか出来なかった。
"ヘカトンケイレス": ……ガ ア ア ラ ラ ラ ラ ララッッ!!!
"ヘカトンケイレス":突き込まれた腕とは違う、第三の巨腕が、無造作に空間の横から全てを破砕して辺りを無造作に薙ぎ払いに来た
"ヘカトンケイレス":攻撃 というよりも無造作な挙動であり、機械本来の用途に沿った土木作業めいてすらある
"ヘカトンケイレス":事実として、"ヘカトンケイレス"に『攻撃』というべき能力は備わっていないのだろう。ただ事実として、大規模な破壊が発生すれば、否応なくその場にいる者は巻き込まれる。その効果を狙った一撃だ
齋藤リッコ:「っ……あ……!」衝撃に吹き飛ばされ、瓦礫の破片に散弾のごとく肉を穿たれる。
綾云媛:「チッ……!」間隙を縫うように、それをいなすが。
綾云媛:(後衛は……無理か)
後藤スダチ:薙ぎ払いで押し寄せた土砂は、当然、柱の後ろにいる後藤スダチも巻き込んでいる。
後藤スダチ:「ひっ……う!」散弾の直撃めいた威力だった。
後藤スダチ:大量のゲルを防御に回すが、潜伏していられない。"アルゲス"とテスラ・タイタニスの視界内へと弾き出される。
四之宮サヨリ:(避けられない……!)
四之宮サヨリ:「ご、うぇっ……」まともに横薙ぎに喰らい、砲塔ごと吹き飛ばされる。
四之宮サヨリ:「っ……」瓦礫を蹴って着地に成功するも、侵蝕過多が目に取るように理解できる。
四之宮サヨリ:(これは……次で飛びます、か)蝕むものを想定し、口から血溜まりを吐いて。
"アルゲス":「……クソが」 片や"アルゲス"は単純に後方へ跳躍した結果、無傷である。その背後のテスラに至っては、言うまでもなく
齋藤リッコ:夥しい血液が流れ落ちる。リザレクトを待つことすら惜しい。傷口を凍結させ、あるいは無理やり焼き塞ぎ、後方のタイタニスを見据える。
齋藤リッコ:「邪魔……しないでよ……!」
後藤スダチ:「大丈夫だ……大丈夫」自分に言い聞かせる。確かに絶大な威力だが、今の戦局でこちらは、大きな問題ではない。
後藤スダチ:(今怖いのは、身体の痛みのほうじゃない……)テスラ・タイタニスの状況を確認しようとする。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……もし」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「もっと大きな力があれば、こんなことがあっても、自分の力で問題なく対処できると思いませんか?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……ふふ、ふふ」 どこかおかしそうに笑っている
後藤スダチ:「……テスラ・タイタニス。あなたはどうなの……!?」
後藤スダチ:「ノヴァリスの全部に戦いを挑むようなことをして」
後藤スダチ:「……あなたは、目的を達成できていない。絶対的な十字冠の作用に逆らって、生徒をみんなジャーム化させようとするなんて……」
後藤スダチ:ほとんど消去法的な可能性だ。彼女がノドスに協力しているのも、もはや他に頼れる勢力など存在しないからなのではないか?
後藤スダチ:少なくとも、自分は嫌だ。他のどんな学区だって、ARESや環境管理会ですら、彼女の目的とは相容れないだろう。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「絶対的な十字冠の作用……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:"ヘカトンケイレス"に殴り破られた壁の穴から、空を仰ぐ
"ボレロス"テスラ・タイタニス:夜の空にも依然輝く――『ノヴァリスの大十字冠』
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……これがなければ、確かにあなたの言う通りだったんでしょうけれど」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「違うんですよ。奇跡は起こるんです。ねえ?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:誰に同意を求めたのか、言うまでもないだろう。そして返答を待つこともなく、言葉を続ける
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「奇跡は……起こり続ける」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「私たちはそれを知っているじゃないですか」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「道は続いているんですよ」
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:導かれるように、その言葉を口にする。
齋藤リッコ:「神聖二重冠…………」
◆ 2R
[[0] "ヘカトンケイレス"/[13] "ボレロス"テスラ・タイタニス]
│
5m
│
[[8] "アルゲス" / [5]綾云媛 / [6]齋藤リッコ]
│
5m
│
[[11]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[[10]後藤スダチ]
GM:では2ラウンド目です。セットアップから!
齋藤リッコ:なし!
四之宮サヨリ:無し!
"ボレロス"テスラ・タイタニス:こちらは依然何もなし
綾云媛:なし
後藤スダチ:《アクセル》《活性の霧》をサヨリさんに。行動値は+8、攻撃力は+21。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(80 → 84)
四之宮サヨリ:ウオオオオオアアアアア
GM:吼えてる
四之宮サヨリ:行動値が19になりました
◆ 2R
[[0] "ヘカトンケイレス"/[13] "ボレロス"テスラ・タイタニス]
│
5m
│
[[8] "アルゲス" / [5]綾云媛 / [6]齋藤リッコ]
│
5m
│
[[19]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[[10]後藤スダチ]
GM:つまりあなたが最速ということだ。イニシアチブに入っていきます……サヨリさん! どうする?
四之宮サヨリ:マイナーは……重圧は解除済み!そのままいきましょう
四之宮サヨリ:メジャーでコントロールソート射撃、コンセントレイト、レベルが上がってもう一度使える神機妙算!
四之宮サヨリ:テスラ・タイタニスのエンゲージへ攻撃。ヘカトンケイレスに対しては固定点狙いを行います。
GM:殺意が高いよ~
四之宮サヨリ:判定!
四之宮サヨリ:12dx7+2
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,1,2,3,3,4,5,5,6,8,8,10]+6[1,3,6]+2 → 18
四之宮サヨリ:も~~~~っ
GM:やっぱり運命が味方してるのかな……
後藤スダチ:ザコ!
"ボレロス"テスラ・タイタニス:とはいえ《歪みの体》でガードです。避けるにはちょっとヤンチャな値だ
GM:ダメージをどうぞ!
四之宮サヨリ:ハァハァ……フェイタルヒット……!
四之宮サヨリ:ダメージ4d10追加します!なんとかなれっ……!
四之宮サヨリ:7d10+22+21
DoubleCross : (7D10+22+21) → 33[9,5,7,2,1,7,2]+22+21 → 76
"ボレロス"テスラ・タイタニス:《デモンズウェブ》でダメージを減少
"ボレロス"テスラ・タイタニス:6d10
DoubleCross : (6D10) → 35[1,5,4,8,7,10] → 35
"ボレロス"テスラ・タイタニス:頑張りはしたが……さすがに耐えられない! テスラはこれで戦闘不能です
四之宮サヨリ:よ、よし……!侵蝕は112!ミドル戦闘?!
齋藤リッコ:し、死んだ……
四之宮サヨリ:ヘカトンケイレス殿はいかがかしら……
"ボレロス"テスラ・タイタニス:蘇生エフェクトもなし。ただし《瞬間退場》はします。また後でね
"ヘカトンケイレス":こちらはまだ生存。ただしそろそろやばそうです。足ブルブル
綾云媛:まだ持つんだ
四之宮サヨリ:げーっ!
後藤スダチ:ヘカトンケイレスが生まれたての子鹿みたいに!
GM:イニシアチブを進めましょう。テスラが落ちたので次はスダチちゃん! どうする?
後藤スダチ:活性を他の人に掛けてしまった以上私の火力は全然期待できないので
後藤スダチ:実質火力が+5になるアルゲスに攻撃したいと思います。火力はなくても命中能力は変わらないですしね
GM:渋い立ち回りだぜ 判定をどうぞ
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》でアルゲスを攻撃。ダイスボーナスもさっきより1個増えてるし
後藤スダチ:ウェポンケースからSTALKERを装備して命中も1増える!
後藤スダチ:あとそうだ、マイナーアクションで重圧だけ解除しとこうかな……
後藤スダチ:8dx7+6+3
DoubleCross : (8DX7+9) → 10[3,4,5,5,6,6,7,8]+10[9,9]+10[7,7]+6[3,6]+9 → 45
後藤スダチ:いい達成値!
齋藤リッコ:やる気だ
四之宮サヨリ:めちゃまわってる!
後藤スダチ:ゲットダウンとはいえなかなかかわせまい
"アルゲス":ヒーッ 足切りラインを軽々超えていく ドッジです。《ゲットダウン》
"アルゲス":5dx+19
DoubleCross : (5DX10+19) → 10[1,5,8,9,10]+3[3]+19 → 32
"アルゲス":がんばりはした
GM:命中です。ダメージをどうぞ……!
後藤スダチ:危なかった……
後藤スダチ:5d10+9+1d10
DoubleCross : (5D10+9+1D10) → 16[2,1,3,3,7]+9+3[3] → 28
後藤スダチ:ダメージもなかなかいいんじゃないか 活性の霧入れてない割には……
後藤スダチ:装甲は-5です!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(84 → 88)
"アルゲス":生きては……います! こちらも風前の灯ではあるが……!
後藤スダチ:ボロ雑巾にしてやるぜ!
GM:イニシアチブを進め……"アルゲス"が動きます
"アルゲス":メインプロセス開始時にエンブレム:ムーンドッグ発動。攻撃力を更に+5
"アルゲス":攻撃力の都合で閃光の刃は手放してしまった……ので、今は通常攻撃をするしかない。対象は……女なんてどっちも同じか
"アルゲス":choice[綾,リッコ]
DoubleCross : (choice[綾,リッコ]) → リッコ
齋藤リッコ:ヒェ~ッ
"アルゲス":えーと……
"アルゲス":いや、女相手に怖気づいて手を抜くのはない……! 《アタックプログラム》+《鮮血の一撃》+《ブラッドボム》で攻撃します。HPを3消費
齋藤リッコ:瀕死らしいな
"アルゲス":7dx+29
DoubleCross : (7DX10+29) → 9[1,4,5,5,7,8,9]+29 → 38
"アルゲス":リアクションしな……!
齋藤リッコ:暴走しております……
綾云媛:行動放棄でカバーします!
後藤スダチ:言動は一番落ち着いてるのに
齋藤リッコ:綾……!でも……腹が!!
綾云媛:お前もだろ
"アルゲス":ではダメージ!
"アルゲス":4d10+13+10
DoubleCross : (4D10+13+10) → 20[2,10,3,5]+13+10 → 43
"アルゲス":そして……ブラッドボム!
"アルゲス":1d10
DoubleCross : (1D10) → 6
綾云媛:当然死にます!リザレクト
"アルゲス":ウギャ~~ッ!!
綾云媛:綾云媛のHPを1D10(→ 10)に変更(2 → 10)
綾云媛:綾云媛のHPを6減少(10 → 4)
綾云媛:たえました ブラッドボムには
齋藤リッコ:体が強い
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を10増加(62 → 72)
後藤スダチ:体が強ぇんだ
"アルゲス":フン……やるではないか
四之宮サヨリ:耐えた!
後藤スダチ:なんか敵のほうが苦しんでるぞ
"アルゲス":こちらはブラッドボムの反動で……戦闘不能です。復活もできない
齋藤リッコ:死んだんじゃないの?
齋藤リッコ:死んだ
四之宮サヨリ:あっ……
綾云媛:ぐっとカバーしただけで敵を倒しちゃった
"アルゲス":弱い相手に手を抜くのは良いが 自分が死にそうだからって手は抜けなかった しょうがねえんだ
齋藤リッコ:性格は最悪だが誇り高き男よ
後藤スダチ:毒蛇に噛みつかれたら毒蛇のほうが苦しんで死んだチャック・ノリスみたい
GM:◆ 2R
[[0] "ヘカトンケイレス"]
│
5m
│
[[5]綾云媛 / [6]齋藤リッコ]
│
5m
│
[[19]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[[10]後藤スダチ]
GM:イニシアチブを進めます。リッコちゃん! どうする?
齋藤リッコ:マイナーでヘカトンケイレスのところへ戦闘移動!
齋藤リッコ:メジャーで《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》 当然固定点狙いです!
GM:OKです。判定と、そのままダメージを出しな……!
齋藤リッコ:8DX7+6
DoubleCross : (8DX7+6) → 10[1,2,3,4,5,6,6,7]+6[6]+6 → 22
齋藤リッコ:頑張れもっと!
GM:揺れているな 心が
齋藤リッコ:3D10+15+2D10
DoubleCross : (3D10+15+2D10) → 16[6,7,3]+15+9[8,1] → 40
齋藤リッコ:どうかな~
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を6増加(62 → 68)
"ヘカトンケイレス":十分なダメージ! これで"ヘカトンケイレス"もシーンから脱落します。地上へ真っ逆さまだ
齋藤リッコ:やったぜ
綾云媛:イエーイ
四之宮サヨリ:か、勝った……!
GM:それはそれとして
後藤スダチ:やったやった
GM:>また、この手段を取った場合、与ダメージの半分の値だけセイクリッドピラーの耐久力を減少させる。
GM:この処理を今やります。合計ダメージは207なので、まあ103ダメージでよかろう
齋藤リッコ:103人も殺してしまった
後藤スダチ:大量殺人犯
GM:C(10476-103)
DoubleCross : c(10476-103) → 10373
GM:セイクリッドピラー耐久力 残り10373
綾云媛:半分近く死んでる
四之宮サヨリ:ごめん、みんな……
GM:ピラーってもしかして生きた生徒でできてたのか
齋藤リッコ:私達が戦っていたのは……人間だったの!?
後藤スダチ:よくあるやつだ
GM:ヘカトンケイレスによる破壊作業による、瓦礫の飛散が落ち着いた頃
GM:誰よりまず攻撃態勢に移っていたのは、彼女だった。
四之宮サヨリ:(テスラ・タイタニスの防御行動、耐えうる凡その範囲)(抜いて、一撃で落とす)(火力はある、後は)
四之宮サヨリ:背後の後藤スダチへ、視線だけを向ける。
四之宮サヨリ:……既にかなりの死に体。身体を蝕むテスラの重い毒に、言葉を発するだけの気力も惜しい。
後藤スダチ:後藤スダチが操作するスライム――ゲル状外部思考デバイスは、オフィサー営業本部が試験中の最新型である。
後藤スダチ:それは思考する筋肉のようなもので、アシストスーツのような役割も兼ねるが、それ自体に金属をねじ切ったり、人を絞め落とせる力はない。
後藤スダチ:それでも、動くことは強みである。……プログラムに従って自由に動き、変形すること。
後藤スダチ:(そして)疑似的な神経回路として、ポリマー内にネットワークを構築する以上。
後藤スダチ:(電気を通すということ)
後藤スダチ:最初の掃射で浴びせた弾頭は、ピラー構造の固定点に当てる都合上もあり、全てがテスラに着弾したわけではない。
後藤スダチ:弾頭内に封入されていたゲルが、床に付着している。それは誰にも見られない間に動き、構築している。……まるでテスラ・タイタニスを中心とした網のように。
後藤スダチ:広域雷撃を集中させる導線を作った。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:ピラーの壁面に空いた穴を背に、悠然と佇んでいる。その企てに気付く様子はない
四之宮サヨリ:ほんの少しだけ気が落ち着いて。表情に柔らかさが戻る。
四之宮サヨリ:こちらから指示するまでもなく、彼女は既に布石を撒いてくれている。この恐怖を前にしても、決して動くことを止めない。
四之宮サヨリ:(なら、後は……)
四之宮サヨリ:(吹き飛ばす、だけ……!)
四之宮サヨリ:ヘカトンケイレスにより破壊された神殿の頂に、再度光が灯る。
四之宮サヨリ:威力は申し分ないが、分かり易い予備動作。
"ヘカトンケイレス":その巨腕の質量は依然変わらず、緩慢な動きが君たちに向けられれば、再びすべてを吹き飛ばすだろう。
"ヘカトンケイレス":だが、見ようによっては――あまりに隙だらけだ。
四之宮サヨリ:(ヘカトンケイレスの周囲には、どう足掻いても命中する。避けるまでもないと思われているから)
四之宮サヨリ:(だけど、テスラ・タイタニスは……)(防御行動を、取らざるを得ない)
四之宮サヨリ:充填率が上昇する。光が満ちる。先と同じであれば、"耐えられる一撃ではない"と理解するはずだ。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:いかにもサヨリの想定通りに彼女は動いた。辺りにまだ残る血肉が、今度は"ヘカトンケイレス"の撒いた瓦礫を巻き込み、障壁として渦巻き始める。
四之宮サヨリ:(……そして)
四之宮サヨリ:(───その動作が、一番の隙)
四之宮サヨリ:ば ぢっ───!
四之宮サヨリ:輝きが灯り切る前に、テスラ・タイタニスの背後から小さな音が鳴った。
四之宮サヨリ:それは、破壊された砲塔の一部。巨大な輝きの前には、あまりにも細やかな灯。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:彼女は反応を見せない。何があろうと、防御を固めることへただ注力している
四之宮サヨリ:しかし、それだけで充分だった。
四之宮サヨリ:小さく広範囲に放たれた雷は、後藤スダチの放ったゲルにより集中し、ただ一点を貫く槍となる。
四之宮サヨリ:例えば、身体を駆動させる最重要器官を、それだけを破壊するだけの威力を持って。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……!」
四之宮サヨリ:……小さな、小さな針が。テスラ・タイタニスの身体を穿った。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:当然、サヨリの放つ攻撃は広域に対するものであると見ていた。だからこその広範な防御展開であったが
"ボレロス"テスラ・タイタニス:細く一点に集中したその攻撃を、防ぎなお立つほどの力はない。……結果はサヨリの想定通りだ。
四之宮サヨリ:当然、目の前の巨大な輝きも止まることは無い。膨大な雷はヘカトンケイレスを巻き込み、その周囲を破砕していく。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:テスラは体の中心を無防備に貫かれ、それはオーヴァードとしての耐久力をとうに越えて、彼女から行動の力を奪う。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「ああ……」 かすかに声を漏らして
"ボレロス"テスラ・タイタニス:ふらふらとした足取りは、ピラーに開いた穴へと寄っていき
"ボレロス"テスラ・タイタニス:……落下する。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:「……は?」
齋藤リッコ:乾いた声が漏れる。
四之宮サヨリ:「…………」その姿を、ただ見る事しかできない。身体がまともに動くことを許さない。
齋藤リッコ:「……待て」
齋藤リッコ:「逃げるな」
齋藤リッコ:「……逃げるなッ!!」
齋藤リッコ:張り裂けるような叫びと共に、極低温の暴風が吹き荒れる。
齋藤リッコ:濁流のごとき凍結の波濤がタイタニスへと迫り、無数の氷の腕が追い縋るかのように殺到する。
齋藤リッコ:怒りのままに放たれた攻撃が辺り一面、何もかもを凍り付かせ、破壊し、粉砕する。白霧と氷片が乱反射し、軋む悲鳴のような不協和音が響き渡る。
"ヘカトンケイレス":そんな低温の嵐の中を受け、ヘカトンケイレスの頑強な装甲にもさすがに傷が入り始める。もちろん、破壊、と呼べる現象には至らないが……
"ヘカトンケイレス":ガゴン、と音を立て、その態勢が大きく傾いだ。……彼の強固すぎる装甲が無事だった所で、その足場が無事である保証はない。
"ヘカトンケイレス":結果として、目論見通りの手順を踏んだことになる。リッコの攻撃によりピラーは内側から蝕まれ、耐久力を失い、
"ヘカトンケイレス": ギ、ギ、ギギギ――――!!
"ヘカトンケイレス":……断末魔のような軋みを上げ、その重厚な装甲腕は君たちの立つ空間の天井を派手に削りながら、
"ヘカトンケイレス":それでもどこか間の抜けるような緩やかな速度で脱落し……ピラーの下へと滑落し始めた。
"アルゲス":「っな……」
齋藤リッコ:「……!」
齋藤リッコ:同時、鋭利な氷柱の立ち並ぶ洞穴のようになったピラーの穴から身を乗り出す。
齋藤リッコ:そこには既に、闇しか見えなかった。
後藤スダチ:「やった……」思わず呟くが、それはヘカトンケイレスの排除というより、テスラ・タイタニスの撃破に対しての感想だった。
綾云媛:「まずはここですか……」
四之宮サヨリ:「っ、は……ぁ……」大きな息継ぎと、最後に残る相手への集中。
"アルゲス":「何をした、お前……いやっ、まさか先程からの攻撃の狙いは」
"アルゲス":「これだったのか!? ……貴様……!!」
後藤スダチ:――バキン!!
後藤スダチ:アルゲスの顔面に、銃弾を浴びせる。
後藤スダチ:バキンバキンバキン!!
後藤スダチ:「油断!」
後藤スダチ:「するなッ!」
"アルゲス":「グッ!!」
後藤スダチ:装甲を破壊するための攻撃ではない。狙いは……カメラアイ!
後藤スダチ:"アルゲス"は人間のような技を使う敵だ。その剣技が正確であればあるほど……
後藤スダチ:五感情報の僅かな欠けや不調は致命的になる!
"アルゲス":立て続けの銃弾で頭部に傷をつけながら、それでも絶命を知らずに立っているその姿は、外見通り機械的で
"アルゲス":だから直後、剣を持たない手で頭を押さえるその挙動の人間性は、いっそう不気味に見える
"アルゲス":「チ、視界を……だろうとッ」
"アルゲス":足が半円を描き、剣を振りかぶる。狙いは外に意識を持っていかれたリッコだ。刃から雷の奔流が迸る
"アルゲス":「十分見えてるんだよ……!」
"アルゲス":跳躍。その無防備な背を……彼にすれば、ヘカトンケイレス脱落の仕掛け人の背後を切り捨てんとする
齋藤リッコ:「……!」戦闘の最中、半ば放心状態にあった。辛うじて攻撃に気付くが、既に刃の間合い。
綾云媛:その足首が掴まれる。「……十分?」
綾云媛:「どうだか」引きずるようにして、刀を持つ体ごと引き倒す。
"アルゲス":「ぐあッ!?」
綾云媛:雷流を受ける。先ほどと同じ流れだ……その雷流を食らい、雷流を食らう。
"アルゲス":「ッの女! お前の相手などな……!!」
綾云媛:「お前の相手などしている状況ではない」
綾云媛:「気が合いますね」
後藤スダチ:(目を潰しても読まれたはずだ。私程度の動きだったなら)
後藤スダチ:(僅かな欠けが致命的になるのは)(……同等の達人同士の戦闘!)
"アルゲス":元より攻撃を受けたその機体に、さしたる耐久力は残っていなかった。
"アルゲス":最後の余力でリッコに向け振りかざした刃を綾に向けたのも、妨害を受けた結果、反射・対応に近く
"アルゲス":……それすら、綾自らが食らうことを選択した雷流ほどの傷を与えることもない。彼女の反撃は、すでにその構造中枢を喰らっている。
"アルゲス":「っく……ソどもが……」
"アルゲス":「これで済むとは……思わんことだな……!」
"アルゲス":ノイズ混じりの怒声が、その機体から発せられた最後の声だ。"アルゲス"を名乗った彼は停止する。
綾云媛:「……フゥー……」
綾云媛:「一旦は終わりましたね」
齋藤リッコ:「……」「……ごめん、助かった……」息を詰まらせながら、なんとかそれだけ口にする。
四之宮サヨリ:(終わり……)(ひとまず、は)
四之宮サヨリ:その場に崩れるように膝を付き、荒く呼吸する。
後藤スダチ:「勝った……!テスラ・タイタニスを倒して……"ヘカトンケイレス"も排除!"アルゲス"もしばらくは動けないはず……!」
後藤スダチ:「よ、予想外だったけど……懸念があった障害はほとんどまとめて片付けられた!サヨリさん、大丈夫!?」
四之宮サヨリ:「しょ、正直かなり辛いので……小休止を頂きたい、ところです。そんな時間が無いのは、理解していますが……」
エイヴ・ド・レスタイム:「お見事でした! 見てましたよ~みなさん」 後方、安全な所からハイトともども顔を出す
エイヴ・ド・レスタイム:「ここで発生した被害も"ヘカトンケイレス"一機のせいだってちゃんと報告しますからね~」
後藤スダチ:「エイヴさんもありがとう。本当に私、後方に気を配る余裕なんてなかったから……」
齋藤リッコ:「……バズヴちゃん」常より固く、瞳孔の散大した表情で声を掛ける。
齋藤リッコ:「ごめん、逃げられた」「どうする?」
"バズヴ・カタ":「いや、良い。状態が状態だ。……もしも外部に落下したのであれば」
"バズヴ・カタ":「一帯には騎士団員が控えている。その他のシャムロック生徒も……エアリが対応をするはずだ」
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:「……分かった」瞑目し、深く息を吐く。「……そうね、分かった……」
後藤スダチ:「少し休んで、侵蝕が落ち着くかどうかを見よう。回復が望めないようなら、さっきの避難生徒と同じように下に降りて」ペットボトルの水を差し出し、サヨリを介抱する。
四之宮サヨリ:「不甲斐ないところを……ありがとうございます。少し我も失ってしまいましたし……」
後藤スダチ:「"アルゲス"のやつは……今ごろ多分、めちゃくちゃ怒られてるよ。はは!あいつの上司、あいつより二倍嫌なやつだし」
後藤スダチ:「そう考えると溜飲も下がるでしょ」
四之宮サヨリ:水を嚥下し、息を整える。
四之宮サヨリ:「……上司。"マスターゼウス"……」
四之宮サヨリ:「彼に聞けば、弟について分かるかもしれない、かぁ……」
後藤スダチ:「……」微妙な表情になる。
後藤スダチ:「正直に答えてはくれないよ、たぶん」
後藤スダチ:「ノドスにだって色んな人がいる……。もっとちゃんと話ができる人を探して尋ねたほうがいいよ」
四之宮サヨリ:「うん、でも……こんな機会、二度もあるか分かりませんから」
四之宮サヨリ:困ったように笑って、起き上がる。
綾云媛:「100人の生存なら、どの生徒でも把握度は同じでしょうからね」
綾云媛:「わざわざ偉いだろう人間に頼まずともよろしいのでは」
後藤スダチ:あれから、ノドスを救う事業をジェネシス主導で立ち上げられないかという起案は何度かした。
後藤スダチ:それは、ノドスも自分達と同じ生徒だったからだ。だからこそ、必ずしも分かり合えるとは思っていない。
齋藤リッコ:「……素直に話さないなら、首だけもぎ取ってでも訊いてみればいいのよ」
齋藤リッコ:「結果はどうあれ、真偽はどうあれ……」
齋藤リッコ:「やれるだけやってみないと、納得できない」
齋藤リッコ:「……そうでしょ」
綾云媛:「いいですね、それ」
後藤スダチ:「何を言われてもノーダメージでいられるなら、そうするべきだけど……」
後藤スダチ:「でも、サヨリさんにとって弟さんの生死は……そういうことじゃないと思う」
後藤スダチ:「もし明らかな嘘だって、酷いことを言われたらずっと気になるし、辛い思いをするんじゃないかな……」
四之宮サヨリ:「……そうですね。生きていると嘘を言われても、死んでいると嘘を言われても」
四之宮サヨリ:「どちらにしても、私は精神的に揺らいでしまう……それはもう、確実に」
四之宮サヨリ:「……でも、それでも」
四之宮サヨリ:「確かめないと、きっと……過去から前に、進めないんです」
齋藤リッコ:「……」頷く。「……あたしも」
齋藤リッコ:「あたしは……納得したい」
齋藤リッコ:「真実か嘘か分からなくても……答えが欲しい」
齋藤リッコ:「どうしてテスラ・タイタニスは生徒をジャームにするのか」
齋藤リッコ:「どうしてノドスと協力しているのか」
齋藤リッコ:「……どうして……」
齋藤リッコ:「……あたしの友達は、死ななくちゃいけなかったのか」
後藤スダチ:「……!」
綾云媛:「……」
綾云媛:(つまり彼女は、“未詳王”の……)
後藤スダチ:「リッコちゃんがテスラを追っていたのって、まさか……」
後藤スダチ:「そうか。私は何も……想像してなかったな……」
後藤スダチ:四之宮サヨリの気持ちも、齋藤リッコの気持ちも、わからない。二人は、マイナスから0に戻るための答えを必要としているから。
後藤スダチ:最初に出会ったノドス――コルネリウス・ヴァイスマンも、そうだった。自分にはまだ、本当にはわからない。
後藤スダチ:(……いずれ分かり合うことができるんだろうか?"マスターゼウス"達や、テスラ・タイタニスと)
GM:……そう君たちが話している最中のことだった。
少年の機械音声:「……先ほど……」
GM:音が聞こえてくる。ピラーの外、壁に開いた大穴から。それはほどなく、声と言葉になった。
少年の機械音声:「ご心配の声が耳に届いたと思ったのですが、どなたでしたでしょう?」
少年の機械音声:それはひどく落ち着き払った、少年のものだった。やがてその穴の向こうに、声の主の姿が見える。
齋藤リッコ:「……!」「新手……!?」
四之宮サヨリ:「っ、この状況で……」
後藤スダチ:「だっ、誰……!」
少年の機械音声:大蛇を担いでいるかのような……としか言いようのない、奇妙な人型機。スラスター飛行する彼は、古銅色の腕で緑衣の少女を紳士的に抱きかかえていた。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「…………」
齋藤リッコ:「……お前……ッ……!」
後藤スダチ:「……"マスターゼウス"でも"ステルペス"でもない!新手だ!」
少年の機械音声:「私も実は心配していたんですよ。彼女が落ちてしまうのではないかと」
少年の機械音声:「ですが、見ての通り。間に合いました」
GM:腕の中、テスラは傷付き、髪を乱しつつも、意識はあるようだった。
後藤スダチ:サヨリと違って、体力はまだ十分にある。銃口を空中の機体へと向ける。
齋藤リッコ:「……渡しなさい、そいつを」
少年の機械音声:「おやめください。交戦の意志はありません。ご覧のように荷物を抱えておりまして……」
少年の機械音声:「そして、彼女をお渡しするわけにも参りません。……申し遅れました。私、"ブロンテス"を拝名いただいている者です」
綾云媛:「ブロンテス……」
四之宮サヨリ:(ブロンテス、アルゲスさんの話にあった……!)
後藤スダチ:「19th"ブロンテス"……!ディクテオン基地にいなかった、最後の一人……」
後藤スダチ:(サヨリさんが健在なら、砲撃でテスラごと巻き込んで落とせたかもしれない――)
後藤スダチ:(あるいは、私がマシンガンの弾倉を使い切っていなかったら)
後藤スダチ:(……分かっていて出てきたんだ。こいつは)
齋藤リッコ:傍ら、巨大な魔眼が現出し、見る間に鋭利な氷剣に変形していく。
齋藤リッコ:「いいから渡しなさい」
"ブロンテス":「さて、お解りいただけたかと思いますが……彼女は無事です。何せ私どもの計画、"ヘカトンケイレス"制御の要ですから」
"ブロンテス":「丁重に取り扱います。繊細な骨董具のように……私たちが」
"ブロンテス":「感情的にその能力を行使することは構いませんが……」 その眼はリッコを見ている
"ブロンテス":「現況でお望みの結果を得るのは至極困難と存じます」
齋藤リッコ:「…………」慎重に間合いを測る。能力上、『凍結』は『燃焼』より到達が遅い。この距離からでは確実に避けられてしまうが──『燃焼』で吹き飛ばしてはまたタイタニスに逃げられるだけだ。
"ブロンテス":「何より今こうしてお顔を見せているのは、私なりに貴女の要望を叶えるためであることをご理解してもよろしいでしょう」
齋藤リッコ:「……何ですって……?」
後藤スダチ:「わ、わざわざ出てきて……そんなことを私達に教えて、どういうつもり」
後藤スダチ:「本当にテスラ・タイタニスが計画の要なら……こっそり救出して、見えないところで使えばいいだけだよね……」
"ブロンテス":「その聡明なお方のおっしゃる通りです。拍手の出来ぬ態勢なのが惜しまれます」
"ブロンテス":「そして申し訳ないのですが、理由をお話しする訳には参りません。まあ……」
"ブロンテス":首が僅かに動く。視線はリッコから綾へと移っていた
"ブロンテス":「……確かめておくことが一つ大きな理由です。貴女」
綾云媛:「おや。何でしょう」
"ブロンテス":「その遺産はどのようにして?」
綾云媛:「……入手手段によって何か対応が?」
"ブロンテス":「はは」
"ブロンテス":「回答欄に質問を記入するようなお方でも寮長というのは務まるようですね」
綾云媛:「……ふふ」
綾云媛:「聞いてやったらそれしか出ないんですか。モテないですよ」
"ブロンテス":「結構」 かぶりを振る 「用件は済みました」
"ブロンテス":「彼女の身柄は引き続きこちらで預かります。ピラーの破壊はつつがなく進行することでしょう」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「…………」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:傷ついた彼女の眼は依然として細められていたが、……それはリッコに向けられているようにも感じた。
"ブロンテス":「今後もどうぞご随意に」
齋藤リッコ:「待……」
"ブロンテス":内容は兎角、最後までその口調が揺れることはなかった。"ブロンテス"を名乗った彼の機体は、等速直線に上方へ進んでいく。
齋藤リッコ:一拍遅れて、“ブロンテス”の居た位置を巨大な氷柱が貫く。下階に回り込ませていた魔眼の攻撃だが、むなしく空を切る。
齋藤リッコ:「……くそっ!!」「鼻が利く奴……!!」
GM:見上げるなら、2機の"ヘカトンケイレス"がある。……ピラーの破壊は、未だ止まる様子はない。
後藤スダチ:「……」顔色は悪い。
綾云媛:「一つ大きな収穫が有りましたね」
綾云媛:「あいつらに会話を試みるだけ無駄だということです」
綾云媛:「引きこもってるとコミュニケーションも真っ当に取れなくなるんですかね」
後藤スダチ:「ね。あのチームの最後の一人があんなバカ丁寧なやつだとは思わなかったけど……」
後藤スダチ:「すごい、話しててぞわぞわしました……。絶対性格悪い……」
四之宮サヨリ:「……全員あんな感じなのかしら……」
齋藤リッコ:「……ノドスって初めて会うけど……あんな奴しかいないわけ!?」
後藤スダチ:「いやっ、あんな奴しかいないわけでは……」コニーのことを思い出す。「ううーん……」
後藤スダチ:「どうかな……」
四之宮サヨリ:(あまり信じたくはないけれど……もし、弟が生きてるなら、ああじゃないといいな……)
後藤スダチ:穴から頭上を見上げる。「……。"ヘカトンケイレス"の三機中一機を落として……」
後藤スダチ:「"アルゲス"も撃破して、テスラ・タイタニスはほとんど転送寸前」
後藤スダチ:「こんな状況から『ピラーの破壊はつつがなく進行する』なんてことあるのかな?」
後藤スダチ:「『完遂の見込みがある』じゃなくて、『全く支障がない』みたいな」
綾云媛:「……撹乱させたいだけとも思いたいですが」
綾云媛:「あまり希望的観測ばかりしているわけにも参りませんか」
四之宮サヨリ:「……休んでいる暇も、あまりなさそうですね」
齋藤リッコ:「……急いで上に上がって……残りの二機も同じ感じで剥がして落としちゃえばいいんじゃない!?」
四之宮サヨリ:「とはいえ、同じように行くかもわかりませんが……進まねば落とせないのもまた事実です」
齋藤リッコ:「でも、壊せたわけじゃないから結局は鼬ごっこで……やっぱり元を絶たないと……」
後藤スダチ:「"ヘカトンケイレス"をこのまま落としていくのが敵にとっては一番困るはず……」
後藤スダチ:「それに、テスラの健在や重要性をアピールしたのは、私達の注意をそっちに向けたいって意図があるかもしれないから……」ぶつぶつと呟く。
後藤スダチ:「"ブロンテス"がわざわざ姿を表した意図通りにしないためには、『"ブロンテス"と会わなかった場合』の行動を取るのが一番いいんだ」
綾云媛:「“ジェネシス”の停止も早急に解決しないといけませんしね」
綾云媛:「生命維持に必要な機材でも止まっていれば事です」
齋藤リッコ:「登り直すにしてもまた時間が掛かるはず。その間にスダチちゃんのCコードを何とかすれば……」
齋藤リッコ:「登ってる間にいっぱい援軍が来て……何とかならないかな」
後藤スダチ:「本当にそれ!フォモーリアンが怖すぎるのと、あと"マスターゼウス"の色々がありすぎてそっちで一杯一杯だったけど……!」
後藤スダチ:「ジェネシスの学区機能は絶対に復旧させなきゃ!」
四之宮サヨリ:「……その為にも、まずは近くの階層に居る"ステルペス"さんと相対しないとですね」
四之宮サヨリ:「『全ノヴァリス養護教諭長』が管理していたフロア、此処まででも既に色々ありましたが、何が待つのやら……」
GM:という訳で、シーンを終了します。本セッションは、シーン終了時に調達フェイズが用意されていない……
GM:ということで、ロイス取得のみ可能です
後藤スダチ:協力者/齋藤リッコ/感服/心配:◯/ロイス
齋藤リッコ:残り2枠しかないの!?エェ~~ッッ
齋藤リッコ:う う~ん 後で会話があるかもしれないし一旦保留……
綾云媛:保留しようかな~
四之宮サヨリ:ロ!齋藤リッコ 〇誠意/心配
四之宮サヨリ:以上です
齋藤リッコ:心配されまくり
GM:アッ あと……侵蝕率100超えてる人おるやん
四之宮サヨリ:あっ……
四之宮サヨリ:下げ処理をしてもよろしいでしょうか
GM:>・侵蝕率が100%を超えている間、シーンの終了時に侵蝕率を-[10+1D10]する。
GM:これをなさい!
四之宮サヨリ:112-10-1d10
DoubleCross : (112-10-1D10) → 112-10-7[7] → 95
四之宮サヨリ:ほわわわ~
GM:おちつき……ではシーンを切ります。
【◆ Middle 03 Scene Player:後藤スダチ】
GM:当セッションでは基本的に全PCの登場を想定しています。侵蝕率ダイスを振って登場してね。
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 6)増加(68 → 74)
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 4)増加(88 → 92)
四之宮サヨリ:四之宮サヨリの侵蝕率を1D10(→ 2)増加(95 → 97)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を1D10(→ 7)増加(72 → 79)
GM:『全ノヴァリス養護教諭長』管理フロアが近付いていた。
GM:エレベーター、階段の類いは見事に破壊され、上層を目指すにはその管理フロアを通るか、さもなくば"ヘカトンケイレス"のようにフリークライミングをするかという状況であった。
GM:そして、従来であれば封鎖されているはずのフロアに通じる扉は、確かに開いており……
"ステルペス":『あっ!』
"ステルペス":『ようこそ、早いね……!』
GM:モニターに映った異形の機体が、君たちの訪来をそう出迎えた。
後藤スダチ:「"ステルペス"!こいつ~!」
齋藤リッコ:「こいつが……"ステルペス"なの?」
四之宮サヨリ:「……アルゲスさんやブロンテスさんと比べると……なんとも不思議な形ですね」
"ステルペス":『君たちからしたら初めましてだよね。なんか怖い外見で申し訳ない! 僕が"ステルペス"だ』
"ステルペス":『ちゃんと名乗るなら百人長17thなんだけど……みんなの態度が悪いせいで百人長の好感度下がってそうだからな……』
後藤スダチ:「お前もだよ!」
綾云媛:「こういう手合も面倒につきますね……」
四之宮サヨリ:(今までの二人と比べれば話が通じそうな気配はしますが、そもそもがジェネシス停止の実行犯……)
齋藤リッコ:「なんか気さくだし……いいやつっぽくない?」単純
齋藤リッコ:「いや……やってることは最悪なんだった」
四之宮サヨリ:「油断はいけませんよ、リッコさん」
後藤スダチ:「なんでジェネシスを停止させたの!?目的はセイクリッドピラーなんでしょう!?」
"ステルペス":『え? なんでって言われても……君も分かってるじゃん。目的はピラーだって』
後藤スダチ:「それはそうだけど……ジェネシス攻略のためにピラーが必要なことはあっても、逆が必要だとは……」
"ステルペス":『ピラーを押さえるのにジェネシスの電子的リソースが使いたくて……というか、ピラーを電子制圧できるのなんてジェネシス以外にあったらまずいでしょ』
後藤スダチ:「そ、そんなことのために」
後藤スダチ:絶句する。
"ステルペス":『そんなことって言われてもなあ~……"ゼウス"はそのために僕みたいな首から上しか取り柄のない奴を拾ったわけだし』
"ステルペス":『実際上手く行ってるし? ……僕の個人的な好奇心もおかげで満たせてるし!』
後藤スダチ:「目的は……停止じゃなくて、利用……」
齋藤リッコ:「ポケモンをゲットするために別のポケモンをゲットしたってことか……」
後藤スダチ:「一連の作戦は循環していたんだ。『養護教諭長』の権限がジェネシス学区の制御を奪って」
後藤スダチ:「学区単位の電子戦機能で、特権とは独立したピラーの通常防衛システムを、力付くで抑え込んだ……!」
"ステルペス":『そうだよ、そんな感じ。……だからさっき話してた、生命維持に関連するシステムが止まってたりしたら……っていうのは』
"ステルペス":君たちの話をどうにかして聞いていたことを、まったく隠しもしない 『安心してもらっていいよ。一応最低限モニタリングはしてるから……ちょっと不便はかけてるかもしれないけど』
綾云媛:「趣味の悪い……」
齋藤リッコ:「女子校を覗き見……」
四之宮サヨリ:「……その、あまりよくないと思いますが……こほん」
"ステルペス":『なんか、長期入院してると、面倒見てる人が体拭くとかするんでしょ? 今そういうのは許してあげられてないからさあ……』
"ステルペス":『しかし……うーん、本当に君たち来るの早いな。『大想像回廊』のチューンがまだ終わってない……』
"ステルペス":『"ブロンテス"のやつ、当てを外したのか? ……テストデータで行くしかないな』
四之宮サヨリ:(大想像回廊……?やはり、ブロンテスの言うとおりに幾つもの仕掛けを……)
"ステルペス":ぶつぶつと呟いていたが、またパッと明るい声音になる。恐らくは君たち向けのトーンだ
"ステルペス":『まあいいや! もう分かっていると思うけど、君たちがここから上層に向かうには、このフロアを通ってもらうしかない』
"ステルペス":『全ノヴァリス養護教諭長……を自称していた理事の管理していたエリア。そこから先は、その中でも特に怖~い仕掛けが待つ……』
後藤スダチ:「え?そんなのあるの?」
後藤スダチ:「ただのデータルームじゃなくて?」
"ステルペス":『そうさ。名付けて『大想像回廊』! ……オーヴァードの心理を深く理解し、問題解決するための設備だ』
綾云媛:「何を言ってるんですか?こいつ」
齋藤リッコ:「全然わかんない」
四之宮サヨリ:「つまり……具体的には何が待っているんですか?」
"ステルペス":『考えてもみなよ。オーヴァードなんて、転ぼうが骨を折ろうがその肉体的損傷はスルスル治っちゃうだろ?』
"ステルペス":『だから養護教諭どのは、身体よりも精神のコントロールに重点を置いたんだ。健康的な精神こそがオーヴァードの要だと考えたわけだね』
"ステルペス":『この人が「養護教諭」を自称してたのもそういうことなんだよな。病理を見る医者ではなく、あくまで年齢の低い子どもたちの健全な育成を支える存在としての養護教諭……』
"ステルペス":『尊敬に値する……収集してるデータ群も、何年も前に更新が止まってるのを差し引いても、本当に素晴らしかった……』
齋藤リッコ:「ここまで聞いた限りではいい感じに思えるけど……」
四之宮サヨリ:「本当に我々の想定する"健全な育成"ならいいのですけど……」
"ステルペス":『……他人の精神を客観的に理解し、問題を解決するにはどうするか? その人の精神を客観的に観測できる像……』
"ステルペス":『え~と分かりやすく言うなら……』 触腕のような手で頭(?)を掻く 『見て、聞いて、触って、感じられる立体映像みたいなものに落とし込めばいいとその人は考えた』
"ステルペス":『それが『大想像回廊』。何よりも真に迫る『体験』をもって、他人の精神を理解するための機構さ』
齋藤リッコ:「4DXみたいなこと?」
後藤スダチ:「それってムセイオンのアトリエみたいな……?いや、脳機能マッピングの具体化の方が現実的か……」
"ステルペス":『超すごい4DXってこと! 本当は君たち個人個人に合わせてきっちり設定を施してさあ』
"ステルペス":『……思わず足を止めて、その場から動きたくなってしまうようなものを用意したかったんだけど』
綾云媛:「で、それがなんなんです?」
四之宮サヨリ:「わ、私達の心の奥底まで覗き見るつもりですか……?!」
"ステルペス":『まあ、心まで覗かなくても準備できるだけのデータは集めてたからね』
"ステルペス":『君なら弟』『君なら死んだ友達』
四之宮サヨリ:「…………」
齋藤リッコ:「……」眉を顰める「気のせいかな……」
齋藤リッコ:「何か急に猛烈に嫌な予感がしてきたのは…… ……あっほら!!」
"ステルペス":『君は理事会からの転身の時にジェネシス内で感じた苦境とか良い感じかな~って思ってたし』
"ステルペス":『君は……』 首?をひねる 『至上王とか投影しておけばそれなりに決まるでしょ、多分……』
後藤スダチ:「え!?そういう系の攻撃……?」
齋藤リッコ:「なんでノヴァリスってこういう攻撃してくる奴ばっかりなのよ!?」2~3回喰らった
四之宮サヨリ:「……あまり人の心に無遠慮に踏み込むのは感心しませんね」
綾云媛:「ああ……成程。さっきのと同じか」
綾云媛:「手前の武器を見せびらかしたいだけか」
綾云媛:「男子ってそんなんばかりなんです?」
後藤スダチ:(よ……よかった。深く調べられてなくて……!)苦境の追体験もそれなりに辛いが、普通に暗闇でホラー系映像を見せられるのが一番効くのだ。
"ステルペス":『へへ……女の子は自分の自慢の玩具とかレアアイテムとか友達に自慢しないんだ? その方が寂しいと思うけどね』
"ステルペス":『まあ、まあ大丈夫。結局その辺のチューンは、君たちが頑張ってきたおかげで間に合わなかったから』
齋藤リッコ:「結局こいつも……別方向で性格最悪じゃないの!!」
四之宮サヨリ:「本当に……心配になってきます、色々と……」
"ステルペス":『テストデータを使い回すよ。僕らの体験に基づく苦痛の記憶だ』
"ステルペス":『君たちには』
"ステルペス":『――耐えられない』
"ステルペス":一瞬、彼の声から底冷えするような威圧感を君たちは感じたかもしれない
後藤スダチ:「……」
四之宮サヨリ:「……それは」
四之宮サヨリ:言葉を詰まらせる。彼らの……弟の身に真に何があったか、それを。
四之宮サヨリ:(知る、機会かもしれない)
"ステルペス":だが、すぐにその声は元に戻る 『……じゃ、そういうことで! 回廊の先で待ってるよ』
"ステルペス":『感想、聞かせてくれたら嬉しいな! また後で!』
齋藤リッコ:「なっ……ちょっ……待ちなさい!!」
GM:返事はない。映像は消え、音声の通信も切断されたようだ
GM:ただ薄暗い通路が、君たちの前には伸びている。……その『回廊』とやらは、どこから始まるのだろうか?
後藤スダチ:「またデタラメな脅しを……!」
後藤スダチ:壁に手をついて、廊下の向こうを見る。
齋藤リッコ:「……回廊って……」辺りを見回す
四之宮サヨリ:通路を見遣る。薄暗い先、自分の目にはまだ何も見えない。
四之宮サヨリ:「…………行かなきゃ」
綾云媛:「進むしかないでしょうね」
後藤スダチ:「あんなこと言われてよく即断できるね!?」
後藤スダチ:「行きますけど……!」
四之宮サヨリ:「どう迷っても、進まねば始まりませんから。いち早くジェネシスを復旧させるためにも」
四之宮サヨリ:(……彼らに何が起きたか、知るためにも)
エイヴ・ド・レスタイム:「一応……」 タブレットを手にしている 「関連してそうな情報もざっくり集めときましたから」
エイヴ・ド・レスタイム:「それ見ながら行きましょうか。……あと"ヘカトンケイレス"が落ちてきた被害とか、この後どうするのかみたいな話なんかも上がって来てますよ~」
エイヴ・ド・レスタイム:「前以外にも見なきゃいけない所はたくさんありますからね!」
四之宮サヨリ:「それは……確かに重要ですね」苦笑いし、強張った顔を緩ませる。
齋藤リッコ:「さすが優秀……うちの会社来てほしいくらいだわ」
綾云媛:「堂々と引き抜きしないでほしいんですが……」
綾云媛:「絶対福利厚生はうちのほうがいいですよ」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ! でも上司の可愛さだとなかなか良い勝負ですからね~」
後藤スダチ:「あはは……やっぱり余計なこと考えないほうがいいかも」
後藤スダチ:「轢殺事件のこととか……」
齋藤リッコ:「それにしてもあたし……夢で攻撃喰らうのこれで3~4回目よ!?こんなことあるかなあ!?」
後藤スダチ:「そんなに食らってるの?」
後藤スダチ:「じゃあ専門家かも」
綾云媛:「それは……もう一緒に同道したくないですね!」
四之宮サヨリ:「夢での攻撃に慣れているのなら、このような場合の突破口も幾つか知って居たり……」
齋藤リッコ:「う~ん……」
齋藤リッコ:「気を強く持つ……とか……」無の情報
後藤スダチ:「弱い……」
四之宮サヨリ:「…………」
四之宮サヨリ:「頑張りましょう……!」
綾云媛:「ハア……」でかい溜息を吐く。
■Floor.2 全ノヴァリス養護教諭長・管理エリア / 大想像回廊
... 【回廊】判定を4種クリアすることでフロアを突破。
・【回廊】 『自分が最も優れし者でないとき、どうする?』
『優れし者』に対して100以上のダメージを与える。
『優れし者』へ攻撃した後、『優れし者』から達成値999、攻撃力999の攻撃を受ける。
複数回挑戦時、ダメージは累積する。
→ 成功報酬:全PCが経験点を10点取得。経験点の使用は、非戦闘時であればいつでも良い
・【回廊】 『集めていたものに価値がなかったとき、どうする?』
<知識:ノドス>判定で達成値30。複数回挑戦時、この達成値は累計する。
→ 成功報酬:全PCが『再回転』を得る。これは1シナリオ1回限り、オートアクションでいつでも使用できるアイテムとして扱う。
『再回転』を使用すると、使用回数制限があるエフェクトもしくはアイテムについて、その使用回数を1回回復できるようになる。
・【回廊】 『知らぬ間に希望が失われていたとき、どうする?』
『烏合の衆』に対して70以上のダメージを与える(装甲値10 範囲攻撃である場合ダメージ2倍)。
判定者がキングダム出身者であった場合、与えたダメージと同値のダメージを受ける。
判定者が遺産継承者であった場合、エフェクト使用時の侵蝕率増加値が2倍になる。
複数回挑戦時、ダメージは累積する。
→ 成功報酬:次ターン以降、シナリオ中、全PCがダメージロールの結果に+2Dできる。
・【回廊】 『すべてが間違っていたとき、どうする?』
『敵』に対して120以上のダメージを与える。
この判定を行う際、すべての「制限:n%」のエフェクトを、侵蝕率を問わず組み合わせる事ができる。
複数回挑戦時、ダメージは累積する。
→ 成功報酬:全PCが『復元』を得る。これは1シナリオ1回限り、オートアクションでいつでも使用できるアイテムとして扱う。
『復元』を使用すると、侵蝕率を20までの任意の値低下させることができる。
■■■ その他判定 ■■■
・【情報】 大想像回廊について
任意の<情報:>判定で達成値11
→ 成功報酬:次ターン以降、【回廊】判定において1つの判定に対し1ターンに2回判定を行える
・【情報】 『全ノヴァリス養護教諭長』のデータベース
任意の<知識:>判定で達成値11
→ 成功報酬:ピラーの耐久力を500回復
・【攻略】 落下した"ヘカトンケイレス"の拘束
任意の<調達>判定で達成値15
→ 成功報酬:"ヘカトンケイレス"を地上で拘束する。この"ヘカトンケイレス"は、以降シナリオ中に登場しない
・【攻略】 追撃する戦闘機械群の殲滅
攻撃を行い、合計70ダメージを与える(装甲5 範囲攻撃である場合ダメージ2倍)
→ 成功報酬:セイクリッドピラーへの毎ターンダメージ-6d10
・【補給】 物資調達
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが購入判定を実行できる
GM:日を挟み、上記判定……
GM:を行う前に! ピラーを殴ります
齋藤リッコ:ゲーッ
四之宮サヨリ:やめて~
後藤スダチ:HELP
綾云媛:忘れていいよ~
GM:ピラー耐久力は残り10373 ここに、ヘカトンケイレス1機につき1200ダメージ。"マスターゼウス"の送り込んだ戦闘機械群が46トループ
GM:46d10
DoubleCross : (46D10) → 226[4,8,6,4,2,4,5,4,1,5,1,3,1,7,7,5,8,7,5,3,4,7,7,8,3,8,4,8,4,10,1,6,3,10,5,3,4,6,3,9,2,3,2,3,4,9] → 226
GM:C(10373-1200*2-226))
GM:C(10373-1200*2-226)
DoubleCross : c(10373-1200*2-226) → 7747
齋藤リッコ:だいぶ減ったな……
四之宮サヨリ:このままだとあと3回で……
GM:ノヴァリス生も協力してくれたことだしなァ~
GM:ピラー耐久力 残り7747!
綾云媛:もうすぐ100人になっちゃう
GM:という訳で、改めて判定をどうぞ! どこを攻めるかな?
齋藤リッコ:【情報】 大想像回廊について
任意の<情報:>判定で達成値11
齋藤リッコ:これかな~
四之宮サヨリ:・【情報】 『全ノヴァリス養護教諭長』のデータベース こちら行きます!
齋藤リッコ:5DX+4>=11 情報ノヴァリス コネ使用
DoubleCross : (5DX10+4>=11) → 9[3,6,7,7,9]+4 → 13 → 成功
齋藤リッコ:OK
四之宮サヨリ:11dx>=11
DoubleCross : (11DX10>=11) → 8[1,1,2,2,2,3,3,4,6,6,8] → 8 → 失敗
ハイト・ワトソン:情報や知識に関してはNPCカードの効果も忘れずにね
綾云媛:・【補給】 物資調達 <調達>判定で達成値8 やります
綾云媛:マイナーでジェネシフトしちゃお
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を1D10(→ 9)増加(79 → 88)
綾云媛:あがりすぎ
綾云媛:4dx+2>=8
DoubleCross : (4DX10+2>=8) → 8[3,5,6,8]+2 → 10 → 成功
四之宮サヨリ:あっワトソンちゃん効果で10!お金一点払います
後藤スダチ:【攻略】 落下した"ヘカトンケイレス"の拘束 任意の<調達>判定で達成値15
後藤スダチ:11dx+9>=15
DoubleCross : (11DX10+9>=15) → 10[2,2,3,4,6,6,7,8,8,9,10]+5[5]+9 → 24 → 成功
GM:ドう達だ
齋藤リッコ:強すぎる
四之宮サヨリ:つよすぎ!
綾云媛:神のシンドローム
四之宮サヨリ:私のダイス11個振って7以上1個じゃん!取り替えてこよう
GM:問題なく皆さん成功です。【補給】 物資調達 の購入物も、メドついてるなら今しちゃいますか?
綾云媛:応急狙います 兎にも角にも
GM:やっちゃいましょう 全員1回ずつどうぞ!
綾云媛:4DX+2>=8
DoubleCross : (4DX10+2>=8) → 7[2,2,4,7]+2 → 9 → 成功
綾云媛:成功 リッコちゃんにあげます
齋藤リッコ:ありがたい~~
齋藤リッコ:高性能治療キットかな~ これ今回は使い捨て扱いでしょうか
GM:使い捨てだぜ!
齋藤リッコ:了解です まあでも強いから買うぜ
齋藤リッコ:3DX+2>=9
DoubleCross : (3DX10+2>=9) → 9[3,4,9]+2 → 11 → 成功
四之宮サヨリ:照準器かな~、ひとまずはこれ!ダイスに祈ります
齋藤リッコ:う~ん 何かでダメージ入るかもだからまだとっておこう
四之宮サヨリ:医療トランク!ワンチャン買えるか……!
四之宮サヨリ:3dx>=20
DoubleCross : (3DX10>=20) → 8[5,8,8] → 8 → 失敗
四之宮サヨリ:ダイスがよ~っ
後藤スダチ:医療トランクの購入を狙います。一回でもクリティカルすれば買えるが……
後藤スダチ:11dx+9>=20
DoubleCross : (11DX10+9>=20) → 10[1,3,4,6,6,7,8,8,9,10,10]+9[8,9]+9 → 28 → 成功
後藤スダチ:買えました。
齋藤リッコ:つ……強すぎる
四之宮サヨリ:すごすぎる……
綾云媛:つよ~
GM:営業力
後藤スダチ:これがソラリスだ!
GM:また、判定成功の報酬として、まずピラーの耐久力が500回復します
GM:ピラー耐久力 残り8247
四之宮サヨリ:ちょっと増えた!
後藤スダチ:ちょっとしたバチカン市国くらいの人口が増えた
GM:また、前シーン戦闘で落下した"ヘカトンケイレス"は地上で拘束され、以降登場しません。この経緯は後の描写で見ていきましょう
綾云媛:500人も再生できた
後藤スダチ:ヤッター
齋藤リッコ:やった~
四之宮サヨリ:やった~!
綾云媛:やったね
GM:あと、次ターン以降【回廊】判定において1つの判定に対し1ターンに2回判定を行えるようになりました。これはオープンする情報項目に理由が書いてあります……という訳で、情報項目です
【情報】 大想像回廊について
『全ノヴァリス養護教諭長』を自称した理事が、その能力と権限の多くを注ぎ込んで構築した、『体験』のデータ化と再生を行うオープンスペースデバイス。
データ化された『体験』は大想像回廊内のオーヴァードが持つレネゲイドウィルスを介して、五感はもちろん、その際に抱いた感情まで共有される。夢に似た性質を持ち、擬似的に『体験』へ干渉することもできる。
他方、その性質上共有される『体験』の感じ方は個人差が大きい。またそもそもの『体験』も元となったオーヴァードの主観と記憶によるもので、事実と一致しているとは限らない。
オープンスペースデバイス――壁や扉で区切りのない設備であることから、知れず起動中の回廊に踏み込み、『体験』に巻き込まれる可能性がある。
だが上記の『体験』の性質を理解していれば、自身が『体験』に巻き込まれている状態を理解し、その最中でもある程度は思ったとおりに行動できるはずだ。
【情報】 『全ノヴァリス養護教諭長』のデータベース
『全ノヴァリス養護教諭長』を自称した理事が大想像回廊の構築に並び心血を注いだのが、ノヴァリス全生徒の心身にまつわるデータを際限なく蓄積したデータベースの構築である。
身長・体重から始まり、所属校、学業成績やストレス値、出身国に管理者名、好きなもの嫌いなものまで網羅されたこのデータベースは、養護教諭長がノヴァリスを去る瞬間まで更新が行われていたという。
また、将来的にはこのデータベースを生徒により運用・活用することを計画していたようで、理事会の影響力下にある生徒であれば、限定的ながら操作・更新が可能であるらしい。
GM:全ノヴァリス養護教諭長の管理階層へ、君たちは足を踏み入れた。
GM:主たる廊下はどこか薄暗い一方で、脇道のようにいくつかの部屋があり、それらはおおむね(多少荒れはしていたものの)白く清潔な空間であった。
GM:そしてその中には、この空間に関する資料もいくつかあった。箱一杯の紙資料。精査するには到底時間が足りないが
GM:重要な所だけでも掻い摘めば、これから君たちが向かう先の所についても何か分かるかもしれない――
GM:――と思っていた矢先のことだ。サヨリさんの端末が着信音声を鳴らす。
四之宮サヨリ:「……あら、少し失礼しますね」
四之宮サヨリ:数歩下がり、応答する。
村前カギョウ:『サヨリさん。今よろしくて?』
村前カギョウ:村前カギョウ。先の襲撃で負傷し静養中の彼女からの連絡だった。
四之宮サヨリ:「カギョウさん!お体の方は問題ありませんか?」
村前カギョウ:『大丈夫。それよりあなた、風の噂(普通に合コン委員会の生徒から聞いた)で知ったのだけど、今とんでもない所にいるんですって?』
四之宮サヨリ:「あ、ええと……はい。ピラーの内部を登っている最中で……」
村前カギョウ:『ピラーの……中!?』 驚いている 『こんなことになってるのに!?』
四之宮サヨリ:「こんなことになっているからこそ、です。誰かがやらねばいけないことで、私に出番が回ってきた」
村前カギョウ:咳払い 『……じゃあ壁面を昇っていた"ヘカトンケイレス"が一機叩き落されたのも、きっとご存知でしょうし……』
村前カギョウ:『もしかしたら貴女が関わっていたりする? ……まさか一人でやったとかではないでしょうね?』
四之宮サヨリ:「ええ、先程交戦しましたが……頼れる味方が大勢居ますから、私の方は大丈夫です」
四之宮サヨリ:「……ところで、落ちたヘカトンケイレスの方はどうなっていますか?稼働させていた本人も一度は撃破したのですが……」
村前カギョウ:『……ちょうどいいわね。あなた、端末をスピーカーモードにできる?』
四之宮サヨリ:「了解しました。全員に伝わるようにします……お待ちください」
四之宮サヨリ:皆の元に戻り、端末を操作。
四之宮サヨリ:「……下に落ちたヘカトンケイレスについて、地上の友人から情報があるようです」
綾云媛:「……ふむ?」バギベギと鍵付きの棚を破壊して医薬品を失敬している。
村前カギョウ:『エホン、エホン』 咳払いしている 『こんにちは。私、村前カギョウと言いまして、"ヘカトンケイレス"の発掘に携わっていたラス・ヴィダス生です』
村前カギョウ:早口でありながら、その言葉は淀みなく、聞き取りやすい 『サヨリさんとは少々縁がありまして、今回はこうして仲介をお願いしていますの。ところで……』
後藤スダチ:「これはどうも。オフィサー営業本部の後藤スダチです……」挨拶はほとんど反射的なルーチンだ。
村前カギョウ:『地上に落とした"ヘカトンケイレス"、サヨリさんも気にかけていらっしゃいましたが』
村前カギョウ:『私が見る限り、そのままでは再び登り始めてしまいますよ? 損傷はあったものの、機能停止には至っておりません』
齋藤リッコ:「う~ん、そうなのよね……」魔眼で時間流を減速しながら資料を精査している
村前カギョウ:『周辺の生徒や先住市民も大わらわといった具合でございます』
綾云媛:「さすがに落下した程度ではさしたる損傷もありませんか」
四之宮サヨリ:「流石に丈夫ですね……次は足場ではなく本体を破壊したいところですが……」
村前カギョウ:『そこで!』 声のトーンが上がる
齋藤リッコ:「うおっ」びっくりする
後藤スダチ:(あ、営業だ!)自分と似通ったものを感じる!
村前カギョウ:『我々の方でお手伝いをさせていただこうかと思うのです! 元より我々は"ヘカトンケイレス"発掘のために長い時間をかけて準備をして参りました』
村前カギョウ:『当然、「不明な要因により"ヘカトンケイレス"が起動したケース」も当然想定し、その拘束を行う機材・人員の手配を行うことが可能です!』
齋藤リッコ:「この緊急時に……危険も顧みずお手伝いを!?」
齋藤リッコ:「流石サヨリさんの友達……いい人ね」じーん……
四之宮サヨリ:「本当ですか?!それは願っても無いことですが……!」
後藤スダチ:「ちょっと待った!」二人が良い人過ぎる!
綾云媛:「この場合のお手伝いというのは……」
綾云媛:「営業なのでは……?」
村前カギョウ:『私もノヴァリスの一員です! やれることは当然やらせていただきたく存じますし』
村前カギョウ:『お値段の方もほんのささやかなお気持ち程度で……』
齋藤リッコ:「えっ……お金取るの!?!?」
四之宮サヨリ:「ううん、まあこの際ですし。準備と運用には当然費用は必要ですし……」
齋藤リッコ:「この緊急時に……恥も知らずに営業を!?」
村前カギョウ:(緊急時だからこそお金を取るのでは……?) 壮絶な異文化に驚嘆しつつ、一方こちらはその驚きを口にしない賢明さがあった
後藤スダチ:「つまり、そのう、村前さんの仰りたいことは」
後藤スダチ:「当初の目的である"ヘカトンケイレス"回収のために、セイクリッドピラーに機材や人員を立ち入らせる『許可』を」
後藤スダチ:「こちらの安全保障寮長の綾さんにいただきたいと、そういうことですよね?」
綾云媛:「ちょっと……」
綾云媛:そうなると嫌なので名乗っていなかった。
綾云媛:「切り出さなければ合コン委員会の財布からだったのに……」
四之宮サヨリ:「云媛さん、お金で何とかなる事ですよ。なんとかしましょう」
綾云媛:「くっ……」
四之宮サヨリ:「その、合コン委員会は現在破壊されたカタコンベの修繕にかなり持っていかれているので……」小声で申し訳なさそうに。
後藤スダチ:「現在セイクリッドピラーは緊急事態中ですが、ラス・ヴィダスの立ち入りを攻撃や侵略と見做さず受け入れる特例をもらいたいと!」
村前カギョウ:『そう! さすがオフィサーの後藤様……お話が早い!』
齋藤リッコ:「流石プロ……違うわね……」
村前カギョウ:『安全保障寮の寮長様もいらっしゃるということであれば、なおさらにお話が早い! いかがですか?』
後藤スダチ:「その特例を通す分の手数料と証明書の発行料を回収代行料金から差し引くことで、簡潔な会計になるはずです」
綾云媛:「……」提案を黙って聞いている。
齋藤リッコ:「ウワーッスマホの契約書くらい難しい話してる!!」耳を塞いでいる
後藤スダチ:「サヨリさん。当初ラス・ヴィダスと交わした契約書が手元の電子データにあるなら送信してください」
四之宮サヨリ:「問題なく保存してあります。こちらに」
後藤スダチ:「綾さんは最高生徒会でこうした事例に対応可能な規定がありましたら参照させてください」
綾云媛:「ええ……どうぞ」
後藤スダチ:「もしないのでしたら、類似の前例の際の各所への支払証明で大丈夫です」
村前カギョウ:『手前からも見積の資料を送付させていただきます。合コン様との契約資料と併せてご確認いただければ……多少緊急費用を積む必要はありますが』
綾云媛:(ラス・ヴィダスの人間をピラーに立ち入らせるのであれば……この惨状を見せつけることになる)
綾云媛:(惨状を実感した相手からならば……復興名目の増税にも首を横には振りづらくなるか)
後藤スダチ:「緊急時対応のパーセンテージはラス・ヴィダスではなく最高生徒会のもので計算させてもらいます!」
後藤スダチ:「ラス・ヴィダスは『協会』の所属企業それぞれで別々の数字を使っていますから……」
後藤スダチ:ジェネシスや自分の利害とは直接関係しない取引だが、金額計算は公平に行う。それがオフィサー営業本部だ。
村前カギョウ:数値を見合わせれば、確かに見積の内容は妥当なように思えた。……もちろんそれは、『数字の分かる者に見られても隙のないように』準備されたものだったのかもしれないが
村前カギョウ:少なくとも"ヘカトンケイレス"を拘束し、その被害を漸減するという点においてはそう悪くない結果になりそうだ。
綾云媛:「条件は追々詰めさせていただくとして……まずは検討の方向で進めさせてください」
綾云媛:「正式発注は財務寮承認の後に学務執行寮付けで発行致します」
後藤スダチ:「……多少計算式がジェネシス式と異なる点もありますが、最終金額では大した誤差はありません。50万程度の差ですかね」
綾云媛:「ああ、その程度ですか……」
四之宮サヨリ:(裏方とはいえ、式典メインの私とはそもそもの格が違う本物の交渉術……)
四之宮サヨリ:(勉強になります、できれば後輩たちにもこの場を見せたかった……)
齋藤リッコ:(うちも経理雇った方がいいのかな……)完全に蚊帳の外なので資料の精査に戻っている
後藤スダチ:「お受けしていいと思います。最高生徒会と合コン委員会がそれぞれ何割持つかは終わったあと両者で相談してください」
綾云媛:「ありがとうございます。後ほどご相談を」ニコニコしている。
四之宮サヨリ:「……うっ、凄い圧がある笑顔……」
四之宮サヨリ:(いや、でも交渉次第ではカタコンベの補修費も最高生徒会から補填してもらえる可能性が……)
村前カギョウ:『では内容を承認いただき、こちら作業に取り掛からせていただいてもよろしいでしょうか……綾云媛寮長?』
村前カギョウ:『"ヘカトンケイレス"は今にも起き上がってまた壁面にツメを立てようとしていますが……』
後藤スダチ:「それは大変だ!綾さん、どうですか……!」
綾云媛:「ええ、よろしくお願いいたします。これ以上進んでからお願いしては……」
綾云媛:「もっと高くつきそうですから」
村前カギョウ:『承りました! ご利用ありがとうございます……では落下した"ヘカトンケイレス"に関しましては当方へお任せを!
四之宮サヨリ:「ああ……そうだ、切る前に一つだけ」
村前カギョウ:『最高生徒会と良いお話ができ光栄です! それでは……はい?』
四之宮サヨリ:「……お疲れ様会は予定通り行いましょう。この騒動が終結した後に」
四之宮サヨリ:「それだけです。では……そちら、ヘカトンケイレスの拘束。よろしくお願いします!」
村前カギョウ:『……ええ、任せておいて。そちらも気をつけて』
村前カギョウ:『可能な限り、そちらの悪いようにはしないから』
村前カギョウ:通話が切れる。それは営業時よりも落ち着いた声音だった。スピーカーモードだったもので他の面々にも聞こえたことは、恐らく想定していなかっただろうが……
後藤スダチ:「良心的な業者さんでよかったね。もちろん他の学区とのやり取りだから、適正な価格にして今後の信用を手に入れる方が長期的には得なんだけど……」
綾云媛:「あれで良心的なんですね」
後藤スダチ:「ラス・ヴィダスの企業だと、そういう理屈も通じないようなところも、たまにあるから」少し声をひそめる。
齋藤リッコ:「そうなんだ……やっぱり怖いとこなのね」
四之宮サヨリ:「……彼女、結構なお人好しですから」
綾云媛:「十分悪辣だったように思うのですけど」
四之宮サヨリ:くすりと笑って、端末を戻し。「しかし、これでヘカトンケイレスのうち1機は封じることが出来ました」
四之宮サヨリ:「現状もピラーは攻撃されていますが……暫くの時間は稼げるかと思います」
齋藤リッコ:「話してた間に、一応この辺の資料には目を通しといたよ。ざっとだけど」
齋藤リッコ:という感じで情報項目を共有します
四之宮サヨリ:「こちらも、通話前に幾つかを見繕っておいたので、皆さんの端末に送信しておきますね」
齋藤リッコ:「どこからが回廊なのかって話してたけど……この感じだと、既に入ってるのかもしれないわね」
後藤スダチ:「初めから設備に組み込み済みのシステムってことか……立ち入りを禁止していたのはそのためなのかも」
後藤スダチ:「こうして入ること自体が大想像回廊への暴露になり得るから……」
綾云媛:「小型化が難しかったのでしょうね」
"バズヴ・カタ":「……異常があれば伝えるようには皆にも言っていたが、既に入っていたとはな」
四之宮サヨリ:「いつその『体験』に踏み込むか分からないというのは、少し怖くはありますが……」
"バズヴ・カタ":「まったく油断がならない」
後藤スダチ:「どっちかというと魔術側のテクノロジーに思えるけど、フィオナ騎士団の皆さんは心当たりとかあります?」
"バズヴ・カタ":「わからない」 素直に首を振る 「やろうとしていることも、技術自体も……さっぱりだな」
"バズヴ・カタ":「映像を見せる、幻痛を与える、そういった方向性を極限まで突き詰めたものだとは想像がつくが……」
後藤スダチ:「少なくともジェネシスにもこんなものはないから、養護教諭長自身にしか原理のわからないものなのは確かなんだろうな」
"バズヴ・カタ":「設備自体は近代的に見えるが……その裏で別の力が働いていない保証も全くないしな」
齋藤リッコ:「自分が巻き込まれてるって意識してれば抵抗できるって辺り、やっぱり夢と似てるわね」
齋藤リッコ:「言ったでしょ、やっぱり……こういうのは気合なのよ!」力説する
四之宮サヨリ:「た、確かに……気合、なのでしょうね、うん」
四之宮サヨリ:妙な説得力を感じ始めている。
後藤スダチ:「そうなのかなあ」
綾云媛:「今まで本当に気合だけで乗り越えてきたんですか?」
齋藤リッコ:「大体は……」頷く
齋藤リッコ:「あとは……数分おきにスマホでアラーム鳴るようにセットしておくとか……」
四之宮サヨリ:「…………」
四之宮サヨリ:(寝過ごす前提の朝のアラーム設定……)
綾云媛:「少なくとも、今回の設定であれば……」
綾云媛:「お互いがアラームになる可能性はありますね」
エイヴ・ド・レスタイム:「誰か一人でも起きればなんとかなりそう……ですかね?」
齋藤リッコ:「こういうのって……大抵全員一気に巻き込まれるのよね~~……」腕組み
四之宮サヨリ:「違和感を感じたらすぐに呼びかける。これだけ人数が居れば、誰か一人でも無事なら寝坊の心配は無さそうですが……」
四之宮サヨリ:「……全員纏めての時の為に、一応アラームもセットしておきましょう」
ハイト・ワトソン:「…………」 スマホをびくびくいじっていた 「……こ、これって無事な間は歩きながら解除し続けるのかな」
ハイト・ワトソン:「大変だね……気合を入れるのって……」
後藤スダチ:「ハイトちゃん、私と手つないでいかない?」
ハイト・ワトソン:「わッ!」 びくびく! 「あっ、はい! 繋ぎましょう……!」
後藤スダチ:「これでお互いの感触が手がかりになるから、ちょっと安心できるよね……!」
後藤スダチ:実は自分もだいぶ怖がってるので、誰かと手をつなぎたかったのだ。
ハイト・ワトソン:「そ、そうですね……!」 繋いだ手は印象通りに小さい 「もうすぐ……コードC、を使う、みたいな所も近そうなんですよね」
ハイト・ワトソン:「がんばりましょう……!」
後藤スダチ:「うん!」
■ Floor.2 全ノヴァリス養護教諭長・管理エリア / 大想像回廊
... 【回廊】判定を4種クリアすることでフロアを突破。
・【回廊】 『自分が最も優れし者でないとき、どうする?』
『優れし者』に対して100以上のダメージを与える。
『優れし者』へ攻撃した後、『優れし者』から達成値999、攻撃力999の攻撃を受ける。
複数回挑戦時、ダメージは累積する。
→ 成功報酬:全PCが経験点を10点取得。経験点の使用は、非戦闘時であればいつでも良い
・【回廊】 『集めていたものに価値がなかったとき、どうする?』
<知識:ノドス>判定で達成値30。複数回挑戦時、この達成値は累計する。
→ 成功報酬:全PCが『再回転』を得る。これは1シナリオ1回限り、オートアクションでいつでも使用できるアイテムとして扱う。
『再回転』を使用すると、使用回数制限があるエフェクトもしくはアイテムについて、その使用回数を1回回復できるようになる。
・【回廊】 『知らぬ間に希望が失われていたとき、どうする?』
『烏合の衆』に対して70以上のダメージを与える(装甲値10 範囲攻撃である場合ダメージ2倍)。
判定者がキングダム出身者であった場合、与えたダメージと同値のダメージを受ける。
判定者が遺産継承者であった場合、エフェクト使用時の侵蝕率増加値が2倍になる。
複数回挑戦時、ダメージは累積する。
→ 成功報酬:次ターン以降、シナリオ中、全PCがダメージロールの結果に+2Dできる。
・【回廊】 『すべてが間違っていたとき、どうする?』
『敵』に対して120以上のダメージを与える。
この判定を行う際、すべての「制限:n%」のエフェクトを、侵蝕率を問わず組み合わせる事ができる。
複数回挑戦時、ダメージは累積する。
→ 成功報酬:全PCが『復元』を得る。これは1シナリオ1回限り、オートアクションでいつでも使用できるアイテムとして扱う。
『復元』を使用すると、侵蝕率を20までの任意の値低下させることができる。
GM:残るは以上4つの判定です。また、これらは・【情報】 大想像回廊について の成功報酬により、1つの判定に対し1ターンに2回判定を行えます
GM:すべてダメージや達成値は累計するので、事実上倍稼げる! そういう感じです。それでは……
GM:ピラーを殴ります 現在のピラー耐久力 残り8247
綾云媛:やめろ~~~
後藤スダチ:キャアーッ
齋藤リッコ:オワ~~~ッ
四之宮サヨリ:ひえええ
GM:ヘカトンケイレス1機につき1200ダメージ。"マスターゼウス"の送り込んだ戦闘機械群が変わらず46トループ
GM:46d10
DoubleCross : (46D10) → 223[3,1,6,2,5,5,4,9,5,5,4,9,1,8,9,2,1,7,4,4,1,3,9,10,5,3,5,6,7,1,3,3,1,1,8,1,6,10,7,7,9,5,2,7,7,2] → 223
GM:C(8247-1200*2-223)
DoubleCross : c(8247-1200*2-223) → 5624
GM:現在のピラー耐久力 残り5624
四之宮サヨリ:やっぱりこの2400固定がキツイ……!
齋藤リッコ:1/4になってしまった
GM:とはいえ君たちが頑張っていなければ……今頃はボキンしていた頃合でしょう
後藤スダチ:今調べたら熊本県玉東町がちょうどそれくらいの人口らしいです
GM:(なんで人口換算し続けるんだ……?)
GM:では改めて判定に入ってください。誰がどれに……挑む!
四之宮サヨリ:・【回廊】 『集めていたものに価値がなかったとき、どうする?』<知識:ノドス>判定で達成値30へ!
後藤スダチ:【回廊】 『知らぬ間に希望が失われていたとき、どうする?』でいいですかね?
綾云媛:・【回廊】 『自分が最も優れし者でないとき、どうする?』 やります
齋藤リッコ:・【回廊】 『すべてが間違っていたとき、どうする?』かな~ 120はどうかなという感じですが……
エイヴ・ド・レスタイム:私もいるからよ
GM:では折角なので宣言順にやっていきましょう。値がごっちゃになりがちなので仕切ります
GM:まずはサヨリさんから。「<知識:ノドス>判定で達成値30。複数回挑戦時、この達成値は累計する。」です。どうぞ……!
四之宮サヨリ:11dx+2>=30
DoubleCross : (11DX10+2>=30) → 10[3,3,3,4,4,6,7,7,8,9,10]+1[1]+2 → 13 → 失敗
四之宮サヨリ:く、回ったが……!
GM:まずは13。残りは17です
四之宮サヨリ:財産の使用は可能ですか?
GM:可能です
後藤スダチ:2回目の判定見てからにしますか?
齋藤リッコ:そのほうがいいかも
綾云媛:1回目でいれる意味ないですからね
"バズヴ・カタ":私もいるぞ(残り2回)
四之宮サヨリ:ですね、もう一回振ってみましょうか……!
四之宮サヨリ:二回目もそのままやってよろしいでしょうか
GM:判定どうぞ!
四之宮サヨリ:11dx+2+13>=30
DoubleCross : (11DX10+15>=30) → 8[2,5,5,5,5,5,5,6,6,7,8]+15 → 23 → 失敗
綾云媛:すごすぎ
齋藤リッコ:すごい
四之宮サヨリ:なんだこのダイス……
GM:あ、13足してこれか
綾云媛:あっちがう 累積かこれ
四之宮サヨリ:えーと、財産6で……
齋藤リッコ:あっそっか
四之宮サヨリ:……
四之宮サヨリ:い、いち足りない……!
四之宮サヨリ:ザコ!
後藤スダチ:バズヴ・カタさんのご厚意に甘えるしかないか……!
"ヘカトンケイレス":俺、行けます 殴らせてください
綾云媛:使うしかなさそう
四之宮サヨリ:うう、すみません、一回分再回転お願いします……!
"バズヴ・カタ":了解した 【運命の三相】。ダイス目を一つ10に
"バズヴ・カタ":1dx+25で挑むがいいぞ
四之宮サヨリ:1dx+25
DoubleCross : (1DX10+25) → 1[1]+25 → 0 (ファンブル)
四之宮サヨリ:あのさぁ……!
齋藤リッコ:マジかよ……
四之宮サヨリ:ええーと、26になるので……
後藤スダチ:終わりだ(黒崎一護)
GM:とはいえクリティカル後だから26だぜ
四之宮サヨリ:財産4追加して、30です
四之宮サヨリ:残り2!
GM:ではクリア! お疲れ様でした。ダイス洗っておきましょう
GM:次はスダチちゃんです。判定内容は……
GM:・【回廊】 『知らぬ間に希望が失われていたとき、どうする?』
『烏合の衆』に対して70以上のダメージを与える(装甲値10 範囲攻撃である場合ダメージ2倍)。
(中略)
複数回挑戦時、ダメージは累積する。
後藤スダチ:アヤ!
GM:こんな感じ! できるかな~?
後藤スダチ:《活性の霧》を自分にかけます!これ2回判定あるんですけど
後藤スダチ:ラウンドは別れてるんでしょうか?それとも同じラウンドで2回判定がある?
GM:そうか 同じラウンド中扱いです!
後藤スダチ:やったね!じゃあ遠慮なく使用します。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を3増加(92 → 95)
後藤スダチ:これを使った上で、《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》で『烏合の衆』を攻撃だ。
後藤スダチ:使用武器はラピッドファイア。最初の一発は効果を使用して範囲(選択)にします。
GM:判定どうぞ!
後藤スダチ:9dx7+5+3
DoubleCross : (9DX7+8) → 10[1,1,2,4,4,5,5,10,10]+10[6,10]+10[8]+2[2]+8 → 40
後藤スダチ:いいダイス!ダメージも出します
GM:ヒェ~
後藤スダチ:5d10+9+21+1d10
DoubleCross : (5D10+9+21+1D10) → 31[8,4,8,4,7]+9+21+10[10] → 71
後藤スダチ:かんぺき~
四之宮サヨリ:ヒエ~
綾云媛:一発じゃん
後藤スダチ:……じゃない!
後藤スダチ:装甲減衰は-5だけだから
後藤スダチ:ギリギリ残るんだ
齋藤リッコ:でも瀕死!
綾云媛:でもダメージ2倍だから……
後藤スダチ:あっそうだった
GM:ハア ハア 女ァ……
齋藤リッコ:ここから更に2倍なんだ 強すぎる
後藤スダチ:2倍前の時点で70出せてるなら突破じゃん
GM:ウワーッ! 烏合の衆が烏合の衆過ぎる!
綾云媛:名前通り
後藤スダチ:ワハハ オフィサーの力にひれふせ
四之宮サヨリ:一瞬だった
GM:では見事にここも突破です。そういえばさっき言及しそこねてましたが、クリア時点で報酬も手に入ります
GM:が、ここの成功報酬は『次ターン以降』なのでこのターンの判定ではなしです。『再回転』については使用可能なので、効果を確認しておいてね
後藤スダチ:そうか、私が他のキャラの援護に駆けつけることもできるんだ
後藤スダチ:攻撃も+21されてるし!がんばるぞ~
綾云媛:あっそうか 一発で行けるとそうなるんだ
齋藤リッコ:そうなるんだ!?
齋藤リッコ:スダチちゃんが最強で助かった
後藤スダチ:安心してチャレンジしてくれたまえ!
GM:「【回廊】判定において1つの判定に対し1ターンに2回判定を行える」なので、厳密に読むと微妙なんですが、自分で作ったオリジナルルールに対して厳密に読むともないな
GM:今回は単純にそのケースを想定していなかったので可能とします オブザーバーだ
綾云媛:うれしいね
後藤スダチ:嬉しみ
齋藤リッコ:やった~
四之宮サヨリ:わおわお!
GM:では続いて綾さんです
GM:・【回廊】 『自分が最も優れし者でないとき、どうする?』
『優れし者』に対して100以上のダメージを与える。
『優れし者』へ攻撃した後、『優れし者』から達成値999、攻撃力999の攻撃を受ける
GM:反撃も来るぜ どうやるかな?
綾云媛:はーい まずは「アイテム修繕サービス」を使って 破壊された極光剣を取り戻します。
GM:そんなカジュアルに直していいアイテムなのかなぁ
綾云媛:これがアカデミア(FHのすがた)の力! これを使って素殴り!
綾云媛:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 8[1,3,4,5,5,8] → 8
綾云媛:1d10+35
DoubleCross : (1D10+35) → 7[7]+35 → 42
GM:回避はしないよ キザだから
GM:42点受けます! 残り58点だ
GM:で、反撃します。達成値999、攻撃力999の斬撃が君を襲う。リアクション可能です
綾云媛:《復讐の刃》します!
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を6増加(88 → 94)
綾云媛:6dx9
DoubleCross : (6DX9) → 10[4,6,7,9,9,10]+10[5,9,10]+10[8,10]+10[9]+6[6] → 46
綾云媛:???
GM:?
GM:ダメージをどうぞ……!
綾云媛:5d10+35
DoubleCross : (5D10+35) → 19[1,6,4,7,1]+35 → 54
綾云媛:あっぎりぎり削れてない
齋藤リッコ:惜しい
四之宮サヨリ:おしい……!
GM:54点! 残り4点です……危ない所だった
GM:とはいえもう一回判定できるんだよな
綾云媛:くっ……もう一回やるしかない
GM:あっ その前に一応リザレクトだけお願いします 死ぬと思うので
綾云媛:そうだった
綾云媛:綾云媛のHPを1D10(→ 2)に変更(4 → 2)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2増加(94 → 96)
GM:では改めて2度目の判定、どうぞ!
綾云媛:もう一度素殴りします!
綾云媛:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 10[3,4,4,4,6,10]+5[5] → 15
綾云媛:2d10+35
DoubleCross : (2D10+35) → 10[7,3]+35 → 45
GM:41点のオーバーキルだよ。やるじゃないか
後藤スダチ:極光剣の持続時間を考えても再回転で二回殴れるようにしてよかったなあ
齋藤リッコ:やったぜ
GM:という訳で当判定も突破です。暴力の勝利だ……
四之宮サヨリ:これで3つ目……!
綾云媛:突破しても反撃は来るのかな
GM:あっ これは来ない想定です。来ない! 欲しいならサービスするけど?
綾云媛:いらないよ~~~
GM:ではクリアです。成功報酬として、全PCが経験点を10点取得。非戦闘時であればいつでも使えるぞ
齋藤リッコ:圧倒的成長
四之宮サヨリ:合計15……!
GM:では最後。リッコちゃんの番だ
GM:・【回廊】 『すべてが間違っていたとき、どうする?』
『敵』に対して120以上のダメージを与える。
この判定を行う際、すべての「制限:n%」のエフェクトを、侵蝕率を問わず組み合わせる事ができる。
複数回挑戦時、ダメージは累積する。
齋藤リッコ:120か~~ とりあえず怨念の呪石します!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を3増加(74 → 77)
齋藤リッコ:そして《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》で判定します
GM:判定どうぞ!
齋藤リッコ:8DX7+6
DoubleCross : (8DX7+6) → 10[1,2,2,3,3,8,9,10]+10[1,5,7]+4[4]+6 → 30
齋藤リッコ:4D10+15+25+2D10 ダメージ
DoubleCross : (4D10+15+25+2D10) → 28[8,9,4,7]+15+25+15[6,9] → 83
綾云媛:つっよ
齋藤リッコ:思ったより出るな……
四之宮サヨリ:つよつよ!
GM:うひぇ~ プラズマカノンに注ぎ込んでるだけあるな……
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を6増加(77 → 83)
齋藤リッコ:違う
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を5増加(83 → 88)
綾云媛:もうコンセ抜いても固定値で行けちゃう
GM:とはいえまだまだ『敵』はいなくならない。残り37ダメージが必要です。続けてどうぞ!
齋藤リッコ:ほんとだ
齋藤リッコ:《災厄の炎》+《プラズマカノン》でいきます
齋藤リッコ:8DX+6
DoubleCross : (8DX10+6) → 10[3,3,4,5,7,8,9,10]+9[9]+6 → 25
齋藤リッコ:コンセって……いらないのか??
GM:危険思想だ
齋藤リッコ:3D10+15+25+2D10 ダメージ
DoubleCross : (3D10+15+25+2D10) → 23[5,9,9]+15+25+3[2,1] → 66
後藤スダチ:ムチャ強リッコ
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を9増加(88 → 97)
四之宮サヨリ:最強王
齋藤リッコ:OK~
GM:ギャ~! 29点の超過だ 壁も焦げた
綾云媛:やば~
GM:という訳で当判定もクリアです。『復元』はオートアクションで侵蝕率を減らすことができます。値としても大きいので困った時はお忘れなく!
四之宮サヨリ:嬉しい~
GM:そして、すべての判定をクリアしたので、演出後に当フロアにおける戦闘が発生します
綾云媛:こんなボロボロの侵蝕で……
齋藤リッコ:全員やばいって!
四之宮サヨリ:もう100寸前!
後藤スダチ:烏合の衆ともう戦ったのに!
GM:先に結論を述べると、君たちは大想像回廊を突破した。
GM:その過程で君たちは全員が四つの『体験』を感じることとなる。
GM:最中、君たちは多くの間、耳慣れぬ音を近くに遠くに聞いていた。
GM:ザアアァァァ……――
GM:それは寄せては返す暗い海が、陸地を削り落とす音。ノヴァリスでは耳に馴染まぬ音。
GM:潮騒。
GM:
男児:「……ねえ」
男児:「ねえってば!」
男児:まだ歳の幼い、君よりもずっと小さな男子が、床に座って君――四之宮サヨリを見上げていた。
四之宮サヨリ:「っ、あれ……此処……は」
男児:……弟に最後に会った時は、これくらいの大きさだっただろうか? だがこの男児は、その弟よりも肌が白く、どこか不健康に思える。
四之宮サヨリ:「……っ」目が覚めた瞬間、その姿が目に入る。
GM:辺りを見回せば、そこは冷たいまぶしさを湛えたモニタ並ぶ地下空間であった。それらの一つの繋がるキーボードの前に、彼はあぐらをかいている。
男児:「ぼーっとするなよ。みんな大変な時だぞ」
四之宮サヨリ:動揺と、焦り。深く呼吸をし、自らの揺れる精神を制する。
四之宮サヨリ:(……これが……彼らの。『体験』)
四之宮サヨリ:「はい、それで……この表示は一体……」モニタの下へ歩み寄り、それより先に少年の姿を見る。
男児:「『データベース』を作るんだ」 男児は画面を見て、紙を片手に残る片手と足の指でキーボードを叩いている
四之宮サヨリ:「……データベース?」
男児:顔は日本人然としていた。体躯はやはり、記憶の中の君の弟よりも細く華奢だ
四之宮サヨリ:(……碌に食べられていないのかしら、こんなに細く……)
男児:「全部がしっちゃかめっちゃかになっちゃったからこそ」
男児:「今この瞬間『間違いないこと』を記録して、まとめなきゃいけない」
男児:「キーボードもろくに使えない年寄りどもの紙データを打ち込むんだよ」
男児:「どうせ単純データだから容量は大したことないし……いざって時、紙は燃料にできるからな」
四之宮サヨリ:「年寄り……理事会の遺したデータ……?」
男児:じろりとした目で君を見る 「……それに、データは集積すればするほど価値が出る」
四之宮サヨリ:その言葉の後に、モニターの表示を瞳に移す。
男児:「統計学って知ってるか? たくさんデータがあれば、データのままじゃぼんやりとしか分からない『傾向』を、数式で割り出せるんだ」
GM:モニターに表示されているのは、細々した無数のテキスト。……探すなら、あるいは君の弟の名も見つけられるかもしれない。
四之宮サヨリ:(これは……生徒のデータ。それも男子の……)
GM:『状態』という項目があった。他の生徒の対応する項目は『確認』がもっとも多い。次いで『行方不明』。……ぽつぽつと『死亡』。
GM:君の弟の『状態』は『確認』であった。少なくとも、今この瞬間は。
四之宮サヨリ:身近な名前の発見に、安堵より先に不安が訪れた。
四之宮サヨリ:弟の『状態』の項目を漸く確認する頃には、それだけで数十秒の時を要した。
四之宮サヨリ:その間も、次々と目に入る。『行方不明』と『死亡』の羅列。
四之宮サヨリ:「……う、ぷ」
男児:「……お前も思った?」 男児が声をかけてくる
男児:君の様子を意にも介さず、彼は続ける 「『確認』ってさあ、ダセエよなぁ。ステータスとしてどうなんだよって感じ」
男児:「『死亡』だって、死亡の『確認』だろ? センスねえよな~」
男児:「……まあ、まさかこんなに『死亡』するなんて想定してなかったからなんだろうけどさ」
四之宮サヨリ:思わず口を覆う。目の前にただ事実として、人の死が無機質に並んでいる。
四之宮サヨリ:動悸、吐き気。今すぐにでもこの場から逃げ出したい気持ちに駆られていく。
四之宮サヨリ:だって、今見ている弟の『状態』が、今まさに変わってしまう瞬間を目にするかもしれないのに───
四之宮サヨリ:(これは、どうして、こんな、何が、起こって……)
四之宮サヨリ:脚は動かない。逃げ出すことは許されない。ただ、彼との会話を続ける。
四之宮サヨリ:「……何に、襲われたの?」
四之宮サヨリ:「……ごめん、記憶が、混乱してて」
四之宮サヨリ:拙い嘘だ。だけど、今の私にはこんな言葉しか出てこない。
男児:「ハア~?」 うんざりした目を君に向ける 「人間の記憶がディスクより劣ってるのは分かってるけどさあ」
男児:「怪物だよ、怪物! それで十分だろ! 詳しい話は今先輩とか藤村が調べてんじゃん!」
男児:「海から来るジャームだよ! ……今も戦ってんじゃない? 俺もお前も、ムノーで良かったよな」
男児:「強かったら戦わなきゃいけなかったし! ……ま、そのぶん雑用もやらされるんだけどさ」
四之宮サヨリ:「怪、物……ジャーム……」回らない思考で、必死に該当例を探す。そう時間もかからないうちに、ひとつ。
四之宮サヨリ:(……星徒)
男児:「でも何か戦ってるやつがエラソーになるのはムカツクよな~。あのザールフなんたら言うやつもさ……」
四之宮サヨリ:「……仕方ないよ。だって、一番前で、命を賭けて……戦って……」
四之宮サヨリ:(そうやって、たくさん、命を落として)
四之宮サヨリ:じわじわと毒が沁みるかのように、理解していく。
四之宮サヨリ:彼らは、隔絶された世界で戦い続けていた。敵性ジャーム体……恐らく、私達が星徒と呼称するものと。
四之宮サヨリ:命を落とし続けて、いくつも、いくつも、いくつも───
少年:「……あ~」
少年:「また減った」
四之宮サヨリ:「っ……?!」
四之宮サヨリ:焦った表情で、自らの家族の名を見る。違う。"そんな理由で目を向けてはいけない"。
少年:不意に、声が上から降ってきた。見れば、先程まで床に座っていた男児はもうおらず、代わりに少年が椅子に座っている。
少年:少年は男児が成長したかのような姿だった。……画面上、君の弟の名はない。
少年:ただ『死亡』の文字ばかりが並んでいる。
四之宮サヨリ:「あ、ああ…………」
四之宮サヨリ:心が軋む。大量の死亡の羅列に、そして。
四之宮サヨリ:"弟以外が犠牲になって欲しい"と、願ってしまっていたことに。
少年:「統計学ってのはさあ」 君の悲嘆にもかかわらず、少年は語り続ける。あるいは『親類を案ずる姉』などという存在を想定していないのかもしれない
少年:「データの母数がないと意味ないんだよな。いや、意味なくはないんだけど……信用性に欠けるんだ」
少年:「量と質の境界っていうのがある。雑に言えば、データを見るのが量で、一人一人を見るのが質」
少年:「……前はあんだけいたから、データを貯めて量的解析をするのが有効だったのに」
少年:「こんなに減ったらな。見ろよ。ははっ」 君に『総数 絞り込み条件:確認』などという画面を見せてくる
GM:『データ総量 422』
少年:「5000が、これだぜ?」
四之宮サヨリ:「よん、ひゃく……」
少年:「確度も1/10だ。いや、僕たちでこれ作り始めた頃にはもう……4000? 3000?くらいだったっけ?」
四之宮サヨリ:残っているのは10分の1以下の人数。それだけが───失われた。殺された。彼らは、その中に居た。
少年:「ギリ1/10には行かないくらいかな。どっちにしても虚しいもんだよな」
少年:「折角ドイツ語まで覚えて統計学の本読んで勉強したのに……」
GM:――『集めていたものに価値がなかったとき、どうする?』
GM:どこからか、そう問われた気がする
少年:「どうする? これ……」 画面を指差して
少年:「消しちまうか、もう。いちいち『死亡』って入れるのもなんか……億劫じゃん」
少年:君を見上げてくる 「こんなことに価値なんてあるのか?」
四之宮サヨリ:「あ……は、はは……」涙と共に、悲嘆と絶望の乾いた笑いが落ちた。
四之宮サヨリ:価値。何のための?彼らが生きるための?生きていくための?でも…………
四之宮サヨリ:もう、意味が無い。ただただ残酷に、その事実だけを突き付けられて。
四之宮サヨリ:「…………残、そう」
四之宮サヨリ:その果てに小さく、言葉が零れた。
少年:「え~?」
四之宮サヨリ:「……残さ、なきゃ、だって」
四之宮サヨリ:たとえ何処までも残酷だとしても、二度と見たくない悲劇だとしても。
四之宮サヨリ:「わたし達が確かに此処にいた事実を、消しちゃ、いけない」
四之宮サヨリ:縋るような目だった。どうか、と願うようなか細い声だった。
少年:「しかたねーな」
少年:『経験』は、君の想いを正しく受け止める形の器ではなかった。だが結果として、どうもそうなったらしい
少年:「続けるには徹底するからな……お前も手伝えよ」
少年:「古くなったデータとか、僕、許さないからな」
四之宮サヨリ:「……うん」それだけを返事に、画面へと向かう。
四之宮サヨリ:向き合わねばならない。瞳に焼きつけねばならない。
四之宮サヨリ:ゆっくりと、崩れた心を成型する。折れたままでは、決してできない事。
四之宮サヨリ:彼らの生きた証を、一人も逃さずに己に刻むために。
少年:「…………」
GM:『経験』から醒める感覚は、夢からの目覚めに似ていて、それは入眠とさして区別がつくようなものではなかった。
GM:薄れゆく意識の中心、少年はまたキーボードを叩いている。
少年:「……ノヴァリスなら」
少年:「あるんだろうな。ビッグデータ。順調に数増やしてたって話だし」
"ステルペス":「いいな……」
GM:独り言だ。
GM:『君』に話しかけてくることはない。
GM:彼一人の空間を最後に見て、君は『経験』から抜け落ちた。
GM:その日以来……
GM:望むまでもなく、ノドスにはいくつもの戦場が生まれた。
GM:いくつもの死線。いくつもの地獄。
GM:……君は、幾多の戦場を戦い、生き残ってきた。
GM:今日もそうだった。 ザアアァァァ……――
GM:波打ち際に、異形の怪物が倒れている。付近では何人もの少年が快哉の声を上げていた。
少年:「やった……やった!」
少年:「着いて3分。さすがだよ、助かった……!」
少年:一人の少年。顔も輪郭も曖昧な彼が、君――綾云媛の肩を叩く。
綾云媛:思わず振り払おうとする。だが。
綾云媛:(これが“体験”……)己が己であることに意識を傾けていく。
綾云媛:「……ええ。間に合ってよかった」その手には確かに怪物を打ち倒した感覚があった。
綾云媛:得物であるはずの美しく穢れなき直剣が、怪物の体液に塗れている。
GM:それは自分というものを手放し、流れに身を任せるような行いではあったが……たとえばそれで自我が失われる、自分が何だか分からなくなる、といった感覚はない。君は君のままだ。
GM:ただ確かに目の前の怪物は自分が倒したという自覚があるし、君に感謝をしてくる少年に対しては、仲間意識と優越感があった。
少年:「お前って本当に強いよな……! 普段って訓練とかやっぱすごいしてるのか?」
少年:「俺たちも俺たちなりにやってるけど、オーヴァードって結局、体質っていうか……素質? みたいなのがあるじゃん」
少年:「炎を出せない奴はどんなにやっても出せない。そういう壁」
綾云媛:「ええ。適性がほとんどでしょうが……それでも、実戦に勝る経験はありません」
綾云媛:「こと白兵戦においては、その経験差が出易い」
少年:「実戦経験……」
綾云媛:「追いつけるとは申しませんが。追いすがるくらいはできるでしょう」
少年:「……だよな。壁なんて言っててもしょうがないか」
少年:ぐっと拳を握る 「俺も皆も……とにかく練習するしかない。実戦形式!」
少年:「……お前も別に、島に来る前からホントに戦ってたわけじゃないよな? だったらチャンスはあるはずだ……!」
GM:少年たちは声を掛け合い、もう一度君に礼を言って、駆け出していく。
綾云媛:(……これが、ノドスの実態?)
綾云媛:「……ふむ。しかし些か拍子抜けではあります」
綾云媛:「この程度をあそこまで讃える……ノドスの練度も知れていたのかもしれませんね」
GM:……不意に、雨が降り出した。
GM:いや、違う。雨が降っていた。その日は降雨だった。空は暗く、雷が鳴っている。海は荒れていた。
GM:……君は、幾多の戦場を戦い、生き残ってきた。今日もそうだった。
GM:目の前に怪物が倒れている。……ただ視線を動かせば、それ以外のものも、いくらか。
少年:「……あ、ああ……」
少年:少し前、君に礼を言っていた少年が、躊躇いがちに声をかけてくる。
少年:「ありがとな、来てくれて……助かったよ」
少年:「やっぱりお前は強いな。……俺たちだけじゃ、きっと全滅だった」
綾云媛:「……違う」
綾云媛:「私は……」怪物の周囲にあるものを見る。
綾云媛:「もっと上手くやれる。上手く……」
少年:「いや……いや!」 強く首を振る 「そんなことない!」
少年:「お前は良くやってくれただろ! そりゃあ……間に合わなかった奴もいた、けど」
少年:「でもそれだって、お前が来てくれなきゃ……」
綾云媛:「……」(前よりも)
綾云媛:(強くなっている……)
少年:……君は、幾多の戦場を戦い、生き残ってきた。
少年:無数の戦場が、濁流のように君の右と左を、流れて流れて消えていく。
少年:君は、幾多の戦場を戦い、生き残ってきた。
少年:だが――『勝利』ではなかった。
綾云媛:(これだけの……)
綾云媛:(これほどの数を……)
GM:……ひどく晴れていた。
少年:「お前が!!!」
GM:君は胸ぐらを掴まれている。……払いのけることはできるだろうが、する気になれなかった。
少年:「お前が! ……お前がもっと速ければ!!」
少年:「お前が間に合っていれば! お前があの時外していなければ……!!」
GM:……罵声には一貫性がない。それは、一つの戦場で起きたことではないだろう。
少年:「お前が――もっと強ければ!!」
少年:「あいつも、あいつも、あいつも、あいつもあいつもあいつも!!」
綾云媛:「煩い……」
綾云媛:「なら……お前がやればいい」
少年:「――!!」
綾云媛:「やれよ」無敵のはずの剣は、もう役に立つと思えなかった。それを放り投げる。
少年:「……ッ……」
少年:胸ぐらを掴む力は強まり、しかしそれが明然とした結果を生むことはない。
少年:君の言葉が正しいと理解している。……だが。
少年:「……もう一度」
少年:「あいつをもっと前線に出すように談判しに行く」
少年:手はもう離れていた。彼は踵を返し、君に背を向ける
綾云媛:(……私は、ここで……)
綾云媛:(何ができる?こんな場所で……)
少年:「俺じゃダメだ。お前でもダメなら」
少年:「メイズ。メイズ・ペルセ・クロウしかいない」
GM:――『自分が最も優れし者でないとき、どうする?』
GM:どこからか、そう問われた気がする
GM:目の前に、一人少年が立っている。
GM:恐ろしいほどに美しく見えた。美の目標点は場所と時代により様々だが
GM:君はその美しさの種類を本能で理解できる。
GM:――剣
GM:顔も輪郭も曖昧だが、それは恐ろしく完成された剣として立っていた。
少年:「君との打ち合いに実りがないとは言わないけど」
少年:「結果の変わらなさには飽き飽きしないかい?」
少年:……汚れ一つない剣は、無数の傷を負った君に向けて、嫌味もなく言う。
綾云媛:何をしても勝てる気が見えなかった。ただ、事実として向こうのほうが優れている。
少年:「俺の見立てでは、まだ君は立ち上がれる」
少年:「だが22セット前よりも良い線を突く可能性は低いと言わざるを得ない」
少年:「休んで明日にする? 俺はそれでも構わないよ。元々君の依頼だ」
綾云媛:「……」
綾云媛:「剣では、いくらやっても勝てない」
綾云媛:「美しき道行き。正道なるもの」
綾云媛:「であれば、わたしはそれを捨てましょう。醜い邪道に身を窶してでも……」
綾云媛:剣を拾い直しもせず、ただ、ふと近づいて。
綾云媛:「嚆べ」腹から臓腑が溢れるように吹き出して、それらが獣の形を取った。
綾云媛:剣術もなにもあったものではない。ただ、醜く吠え哮り、食らいつく怪物。
少年:「なるほど」 彼は――表情も分からないのに、どうしてか分かる――喜色を浮かべて、刃を舞わせ……
"アルゲス":「――それでは!!」
GM:次の瞬間、君の放った獣は別の少年の影を穿っていた。
GM:君『だったもの』だ。なんとなく分かる。……気付けば先ほどまで感じていた、押し付けがましくどこか他人事な、感情の類が流れ消えていた。
"アルゲス":「意味がなくなる……そう思わないのか?」
"アルゲス":「自分が積み重ねてきたものの意味が!」
"アルゲス":「……自分に向けてもらえた信頼の意味が!」
"アルゲス":「そう安易に捨てられるのか? ……あれだけの時間、過ごしてきたのに……!」
綾云媛:「一側面を失っただけで損なわれる信頼など、捨ててしまえばいいじゃないですか」
綾云媛:「私はそうできます。そう出来ない人のほうが……」
綾云媛:「正しく、好ましいものではあるのかもしれませんけどね」
綾云媛:「生憎、そういう性状ではなかったので」
"アルゲス":「……っく……ぐ……」
"アルゲス":彼は膝をつき、座り込む 「……俺は」
"アルゲス":「最も優れし者であることを……それでも諦めたくはない」
"アルゲス":「……それは、永遠に届かない道だ」
"アルゲス":「それを捨てられないことは、俺は弱さだと分かっている」
"アルゲス":「それでも、俺は……」
GM:……気付けば、彼の姿も消えている。薄闇。眠りから醒める直前、目蓋越しに朝日が差すような。
GM:彼とは異なる選択肢を取ったことにより、この『体験』は"アルゲス"の主観から完全に分化し、何もない領域に落ち込んだのだ
GM:……いや
GM:背後にまだ、気配がある
"アルゲス":「……そうしていった先に」
"アルゲス":「何もかも捨て去ることは、結局損なわれることと同じなんじゃないのか」
"アルゲス":「お前こそ何も得られない道を歩んでいる」
"アルゲス":「……そうだと」
"アルゲス":「……そうだと言ってくれないか……」
綾云媛:「……」
綾云媛:「……そうかもしれませんね」
"アルゲス":「…………」
綾云媛:「ですが……」
綾云媛:「こちらからそちらには戻れませんので」
GM:気配は消えた。
GM:君は緩やかに、『体験』から抜け出していく。
GM:いくつもの困難があり、いくつもの試練があった。
GM:ただ生きるだけであったのなら、受けようのない苦境の数々。それが日常のように、絶え間なく訪れる。
少年:「……そんな中で、前を向いて生きるのに必要なのは」
少年:「『希望』です。それに他ならない」
少年:穏やかな雰囲気の美しい少年が、他の多くの少年たちに向けて話しかけている。……君はそれを、横で見ていた。
少年:「目の前の戦いを切り抜けたら、何をしようか」
少年:「この戦いを切り抜けた先で、自分はどうなるか」
少年:「現実的で理想的なイメージを描き出すんです。ネガティブな未来予測に心まで捕われてはいけない」
少年:不意に、彼の目が君に向いた
少年:「……あなたは?」
少年:「今の苦境を越えたら、ひとまず何をしようと思っていますか?」
後藤スダチ:「私は――」自然と彼の言葉を受けてから、ここが大想像回廊の中であることを思い出す。
後藤スダチ:彼らが味わってきた、濁流のように膨大で、曖昧な、苦痛と恐怖の数々も。
後藤スダチ:「家に……帰りたい」
後藤スダチ:「自分が安心できる居場所に戻って……まずそれから、何をしたいのかを考え直したいな……」
後藤スダチ:少年の言葉は正しい。彼らが味わってきたような体験がなくとも、人が生きるためには希望が必要だ。きっと今より良くなる。きっと何かが手に入る。
後藤スダチ:(――だけど。強い子なんだろうな)
後藤スダチ:自分が受け取ったのは彼らの実体験の片鱗にも満たない曖昧なイメージでしかなかったが、この環境で強く希望を思い続けられるような子供は、きっと少ないと思う。
少年:「いいですね」
少年:微笑と共に、君の言葉をそう評す。最初からそう言うよう決めていたかのように、整った発言だった
少年:「今、具体的な希望を思いつくことができない。だから、それを考えることを希望とする」
少年:「具体性なく空虚……に見えるかもしれませんが、実際は前向きで非常に良く未来を見た考えです」
少年:「他の皆の意見も聞いてみましょう――……」
GM:……繰り広げられるやりとりは、さながら自己啓発セミナーじみたものではあったが、
GM:そういったものが事実として必要な環境だったのだろう。実際、その集まりが進むにつれて、場の重苦しい空気が、少しずつ軽く、明るくなってくるように感じた。
GM:そしてそうなれば、当然その疑問が発せられる。
少年:「……アーノルドは」
少年:「何が希望なんだ?」
アーノルド:彼はまた、精緻に作られた笑みを浮かべた
アーノルド:「……ノヴァリスへの帰還」
アーノルド:「そして、師にもう一度会うことです」
GM:その言葉を聞くのと同時に、君の胸中にとてつもない活力が溢れてくるのを感じた。心拍数は高鳴り、茫洋としていた四肢に力がみなぎる。
GM:アーノルドと呼ばれた彼と同調しているかのようだった。
アーノルド:いつの間にか教場のような情景は消え、彼はまっすぐ伸びる廊下を歩いている。……君はそれを横で見ている。
アーノルド:「尊敬する人はいますか?」
アーノルド:やはり君に語りかけているようだった 「尊敬、という言葉はしばしば使われますが」
アーノルド:「その内容はまったく人による所で、曖昧なものかと思います」
アーノルド:「だから、そこは研いません。……ただ『尊敬』という言葉を直感的に解釈して」
アーノルド:「『自分が尊敬している』と思える相手は、あなたにいますか?」
後藤スダチ:「……なんだか面接みたいだね」困ったように笑う。
後藤スダチ:「両親……とかだとつまらない答えになっちゃうのかな。こういう質問って、相手も知ってる人を答えないと話が広がらないわけだし……」
アーノルド:「構いませんよ。面接ではありませんから」
後藤スダチ:「だったら誰だろう……日本経済の父、渋沢栄一とか……?」
後藤スダチ:少なくとも、ノヴァリス計画前後で関わった――オーヴァードの世界の大人の名前を挙げる気にはならなかった。
アーノルド:「渋沢栄一……」 発音は正しかったが、ピンとは来ていないらしい
アーノルド:「……システムを作り、市場発展の土台を築いた方でしょうか?」
アーノルド:ただ、『日本経済の父』という所からそれだけを類推したらしい
後藤スダチ:「そう!今の日本……えっと、私の母国を代表する企業をいくつも創立していて」
後藤スダチ:「一人で国家を発展させたすごい偉人なの!」
後藤スダチ:「ただ経済活動だけじゃなくて、震災復興とかの慈善活動にも私財を惜しまず協力して……」
アーノルド:「なるほど、なるほど」 頷く
アーノルド:「民の側に立っている、富国の貢献者……良いですね」
アーノルド:「あなたもいずれはかくなりたいと思っていますか?」
後藤スダチ:「そ、それは高望みというか……今の私がこうなのを考えると、とてもなれそうにないけど……」頬を掻く。
後藤スダチ:「でも、もし帰れたらお父さんの企業で働こうと思っていたから」
後藤スダチ:「だからそれくらいの人を目標にしたほうが、自分のやるべきことを決めやすいかなって、そう思って」
アーノルド:「方位を知るのに太陽を見る如くですね」
アーノルド:「行く先に迷った時に、可能な限り高く確固たる道標があれば……たとえ道がわからなくとも、それを信じて進むことができる」
アーノルド:「非常によろしいと思います。素晴らしく、模範的で、なおかつ現実的です」
後藤スダチ:「……。君も、そうなんじゃないの?」
後藤スダチ:彼と話していて感じることがある。人に礼儀正しく振る舞う。誰に見られていなくても、姿勢も所作もきっちりしている。
後藤スダチ:そうした自己規範は、これほど追い詰められていて、他人を気にする余裕もない状況なら、真っ先に捨て去ってしまうだろうものだ。
後藤スダチ:「すごく高い目標のために、努力し続けているように見える」
後藤スダチ:「……昔、努力したことを忘れないように、ってだけじゃない。今も、努力している」
GM:廊下はまっすぐに伸びている。窓の外には、無数の戦場があり、いくつもの犠牲が生まれている
GM:アーノルドと呼ばれた少年は、時にそれへ目を向け、わずかに痛ましい表情を浮かべたりはするが、
GM:それは同じ廊下の中で彼の横にいる君ですらかすかに見てとれる程度のものだ。……廊下の外にいる者には気付けないだろう。
アーノルド:「……師がいます」
アーノルド:「彼こそが正解なのだと私は直感しました。いや、私にとって正解とは、すなわち彼の人のことなのです」
アーノルド:「生という迷路の中にあって、常に天に輝く恒星」
アーノルド:「……この場所にあっても、その方位だけは見失わないよう努めました」
アーノルド:「あなたの言う通りです。今努力するのは当然だし、……それは昔の努力を忘れないためでもあります」
アーノルド:「……この地に落ちた私は、もはや彼の望む者ではないでしょう」
後藤スダチ:「……」
アーノルド:「帰還したとて、一瞥すらくれぬかもしれない」
アーノルド:「それでも良い。私は彼の方から受け取ったものを糧に育ち、彼の方の望んだ答えを確かめたい」
アーノルド:「そう思っています」
アーノルド:「そう」「思っていました」
GM: ――ドオン!!
GM:突如、廊下が横から破壊され、膨大な質量が前途を塞いだ。
後藤スダチ:「ひっ……!」
後藤スダチ:頭を抱えて、反射的に屈む。――大丈夫だ。これが現実でないことは自覚できている。
後藤スダチ:自分は物理的に死ぬことはないのだ。だが。
GM:それは石……墓石だ。銘にはこうある。
GM:『ロードマスター』
GM:七賢人の一人。キングダム連合学院を支配し、八月革命の折に討たれ、死んだ。
"ブロンテス":「…………」
後藤スダチ:(……"マスター"。この子の言っていた、"師"って)
後藤スダチ:「あ、あの」
後藤スダチ:「ねえ」
"ブロンテス":「……何故?」
"ブロンテス":君の言葉には応えない。……思えば最初から、彼は君の話に返事をしていたが、君のことも見ていなかったような気がする。
"ブロンテス":「何故です?」
"ブロンテス":「何故あの人は……殺されたんです?」
後藤スダチ:思わず呼びかけたのは、彼がこのまま沈黙してしまうことに、耐えられないと思ったから。
後藤スダチ:けれどその自問は、沈黙よりも心を締め付けられるように感じた。
後藤スダチ:目を覆う。苦しい。辛い。悲しい。
後藤スダチ:恐ろしく膨大で、複雑な感情が絡み合った、彼の――"ブロンテス"の想いだ。けれどその全てを塗り潰して余りある感情がある。
後藤スダチ:悔しい。
後藤スダチ:(こんな……)
後藤スダチ:(ノドスの子は、ずっと、こんな目に遭っていて)
後藤スダチ:(私は……)
後藤スダチ:巻き込まれただけだ、と叫びたくなる。他のノヴァリスの生徒のように、長年虐げられてきたわけでもない。
後藤スダチ:あの八月革命の原動力になった、強い信念や覚悟とも無縁だった。何もわからないうちに連れてこられて、置き去りにされただけで。
後藤スダチ:関係ない。関係なかった。ノドスがどれだけひどい状況にあったとして、彼らの存在そのものを一生知らない可能性の方が高かったはずだ。
後藤スダチ:勝手に背負わされた負い目や罪悪感を、理不尽だと言いたくなる。目を覆った手の下から、涙がポタポタと落ちる。
後藤スダチ:「うっ、うう……」
後藤スダチ:けれど、"ブロンテス"の境遇は本当に無関係なことだろうか?
後藤スダチ:最初の彼の問いに、企業を継ぐことではなく『家に帰る』と答えてしまったのは
後藤スダチ:自分が今更ノヴァリスから戻っても、居場所すらないことを恐れていたからなのではないか――
後藤スダチ:「辛い。……辛いよ……」
"ブロンテス":「……前を向いて生きるのに必要なのは」
"ブロンテス":その声音は、道が塞がる前と後で、表面上は少しも変わっていなかった
"ブロンテス":「『希望』です。それに他ならない」
"ブロンテス":「この先で何をするのか」
"ブロンテス":「希望が潰えたなら、新たな希望を見つけなければならない」
GM:道を塞ぐ墓石はいつの間にか朽ち、崩れている。前途はいつの間にか開け、それは行く先の定まった廊下ではなく、もっと開放的で漠然とした平原のようだった。
GM:無数の人影が往来している。彼女たちは微笑み、語り合い、時にいがみ合い、奪い合っている。
"ブロンテス":「……金剛王」
"ブロンテス":「人形王、借金王、風振王、怪獣王、密航王、焦螟王、不明王、暗礁王」
"ブロンテス":「免罪王四腕王古王汽罐王髑髏王月下王石油王建設王黎明王天声王狙撃王苦痛王遊戯王厩司王情王」
"ブロンテス":「美食王、法王、竜王、拷問王、鉄騎王、死蔵王、海賊王、騎士王、不夜王」
"ブロンテス":「――至上王」
"ブロンテス":「あの人の財産を弄び、あの人の夢、王の名を弄ぶ連中を」
"ブロンテス":「験し、確かめる」
"ブロンテス":「私の希望です」
後藤スダチ:「そっ……そんなことが」
後藤スダチ:「……希望なの?何かを得ることじゃなくて、ただ、破壊することだけが……!」
"ブロンテス":「そうです。私はそう決めた」
"ブロンテス":「あなたは……」
GM:――『知らぬ間に希望が失われていたとき、どうする?』
GM:どこからか、そう問われた気がする
後藤スダチ:その問いは
後藤スダチ:"ブロンテス"だけを救うための問いではないような気がした。
後藤スダチ:(私だ。私自身を、救うための答えでなければいけない)
後藤スダチ:そうでなければ、心から信じられるはずもない。
"ブロンテス":「……どうしますか?」
後藤スダチ:オーヴァードになってしまったことは覆せない。その能力を成長させ……もしかしたら人間に戻れるかもしれない、という希望とともに
後藤スダチ:私はこのノヴァリスに来た。けれど今、理事会時代のノヴァリスの秩序は――それが邪悪な秩序だったとしても、全て破壊されてしまった。
後藤スダチ:両親は、確かに実の子供と同じように私を育ててくれたけれど、それは私にチルドレンとしての価値があったからに過ぎないのかもしれない。
後藤スダチ:優秀で、期待に応えられる子供。そうでありたかった。けれど、全てが明日失われてしまうとしたら……
後藤スダチ:「………………希望は」
後藤スダチ:「み。未来だけにあるものじゃない……と、思う」
"ブロンテス":「…………」
"ブロンテス":君に視線を向けることはない。冷たい視線が、前方の少女たちを見ている
後藤スダチ:「もしも未来を見失ってしまったなら」
後藤スダチ:「過去を……自分が……確かに努力して、積み上げてきたものを、見て」
後藤スダチ:「その努力が、今はなくなってしまった理想のためだったとしても……!」
後藤スダチ:「自分は、まだなくなっていない。命も、努力も、成果も……!」
後藤スダチ:「生きて帰ることができれば、新しい理想なんて、なんだって……」
後藤スダチ:「……叶えられる可能性が、ある」涙を拭うが、まだ悔しさで涙が溢れる。それ自体がひどく、理想主義のような言葉だ。
後藤スダチ:「あなたが、『今』、復讐や否定にしか……積み上げてきた力を使えないのは」
後藤スダチ:「家に帰れていないから」
"ブロンテス":「――『自分が安心できる居場所に戻って』『まずそれから、何をしたいのかを考え直したい』」
"ブロンテス":「あなたの最初の回答だ。……一貫していますね」
"ブロンテス":「つまり希望というのは、溺れようとしている時にがむしゃらに掴む葦ではなく」
"ブロンテス":「船の上で定めるべき海路であるというわけだ」
後藤スダチ:「……私は、そう思う。自分の心を、その解釈で救おうと思う……」
"ブロンテス":彼は身を横に向け、初めて君を見た。腕を身体の前に横切らせ、恭しく頭を下げている
"ブロンテス":「あなたはそうなさるといい。私も、それを容認します」
後藤スダチ:「……うん。君は、そうしないんだね」
後藤スダチ:それが、間違っているとは思わない。彼の人生は自分と似ているかもしれないけれど、味わってきた苦痛と努力の量も、目指すべき理想の質も違う。
後藤スダチ:同じ結論では救われないのだ。きっと。
"ブロンテス":「私の船は、もう永遠に沈んでしまったものですから」
"ブロンテス":「"ゼウス"とは水を分け合う遭難者同士でしかないものでして。……どうぞお進みください」
"ブロンテス":「あなたの希望を阻む理由はない。いつかあなたが、心より安堵して、未来を夢見れる場に帰れることを、ささやかながらお祈りします」
後藤スダチ:異なる結論を尊重するその丁寧な言葉も、努力して作り上げた礼儀正しさの一側面に過ぎないのだろうか。
後藤スダチ:それだけではない、と信じたい。これがただの仮想データにすぎない、幻影の言葉でもだ。
後藤スダチ:「……ありがとう」
後藤スダチ:「ねえ」途中で振り返る。
後藤スダチ:「私は、後藤スダチ」
"ブロンテス":「アーノルド・ウォッチャー」
"ブロンテス":「『この私』に名乗ったその名を、本来の私が知る由もないことは、どうかご了承ください」
後藤スダチ:「うん。でも、私は……知っておかなきゃいけないと思ったから」
後藤スダチ:「それに、お互いに挨拶することって」
後藤スダチ:「一番最初の礼儀なんでしょう?」
"ブロンテス":「……それもそうですね」
"ブロンテス":僅かに隙を感じさせる言葉だった。……それすらも演技なのだろうか?
"ブロンテス":「では、ごきげんよう。後藤スダチさん」
後藤スダチ:「また会いましょう。アーノルド・ウォッチャーさん」
後藤スダチ:――ノドス・チルドレン。いつか、彼らと分かり合うことはできるだろうか。
後藤スダチ:けれど。コルネリウス・ヴァイスマンのアトリエが、わざわざ過去のノドスの投影を私達に見せたように……
後藤スダチ:"ステルペス"も、今、仲間達や自分の投影を垣間見せた。
後藤スダチ:彼らにも、分かってほしいという願いがある。
後藤スダチ:曖昧な回廊を、その先の暗闇か、光の方に向かって歩いていく。
GM:そうして君は、自らの足で『体験』から歩み出ていく。
GM:雷鳴が轟いている。
GM:黒い、黒い雲の中だ。落下するでもなく、君は茫洋と漂っている。
GM:……自らの足で立っている感覚すらない。君はそこが『体験』の中であると、すぐに知れたことだろう。
GM:やがて雲が割け、眼下に砂漠が見てとれる。一面、砂に埋め尽くされた大地。
GM:砂の谷間に、白い布で張られた立派なテントが見て取れた。その中から、産声が聞こえ――
"マスターゼウス":「許可していない」
GM:唐突に。
GM:静かな怒声と共に、何処かより現れた金属の腕が君の首を掴んだ。
齋藤リッコ:「へっ……うわっ!?」
齋藤リッコ:“体験”と意識の境を探ろうと集中していたところで、唐突なその感触に一気に引き戻される。
"マスターゼウス":「『体験』のデータ化など、俺が許す訳がない」
"マスターゼウス":「何者だ? "ステルペス"であれば今後のことを良く話し合う必要があるが」
"マスターゼウス":「お前はそういった道理を解さない性質ではないな」
齋藤リッコ:(これ自体が“体験”……!? いや……!)
齋藤リッコ:周囲に視線を巡らせる。その風景はどう見てもノドスの──学校と呼べるものではない。ノヴァリスですらない可能性もある。
齋藤リッコ:「……あんた……」
齋藤リッコ:「その口振り……“マスターゼウス”……?」
"マスターゼウス":「……何故女という生き物は聞かれた問いにすらろくに答えられないんだ?」
"マスターゼウス":「叩けば音を鳴らす鼓の方がまだ賢明だ」
齋藤リッコ:「………………!?」
齋藤リッコ:壮絶な暴言に怒りすら忘れて絶句してしまう。
齋藤リッコ:「あ……あたしは“ウォーレン”、齋藤リッコよ……キングダム三年」
齋藤リッコ:「今度はそっちの番でしょ……答えなさいよ」
"マスターゼウス":「"マスターゼウス"。ガダンファル・イルヤーサ」
"マスターゼウス":「その小さな脳にしかと刻め。そして……お前が確かにノヴァリスの女ということなら」
"マスターゼウス":「いよいよ何一つ語ってやる必要はない」
齋藤リッコ:「はっ…… はぁあぁあ!?」
齋藤リッコ:「何よあんた!? どうしてそんなに失礼なの!?」
"マスターゼウス":「劣等に対し然るべき対応をしてやっているだけだ」
"マスターゼウス":金属の腕が君の頭を掴む
齋藤リッコ:「ぐっ…… こんの……!」ムキになって頭を掴み返す
齋藤リッコ:「ふざけんじゃないわよ!あんただってお母さんから生まれてきたんでしょ!!」
"マスターゼウス":「産道となるのが女の役割であることに疑問を挟むつもりはない」
"マスターゼウス":「そして、その正否を語らう余地もあるものか」
齋藤リッコ:「………………?? …………………………??」
齋藤リッコ:あまりに想像を絶しすぎる暴言に半ば放心状態になってしまう。
GM:その意識の間隙を縫って、何かが、君の脳裏に流れ込んでくる
GM:それは、戦火だ。見知らぬ地、見知らぬ島で、少年たちが戦っている
GM:戦場。死。かすかな希望が垣間見えたと思えば、すぐさまそれは血で塗り替えされる。無数の苦痛。悲嘆。憤慨。無力感
GM:――絶望
GM:それらが刹那の瞬間に、君の脳裏へ流し込まれる
齋藤リッコ:「……っ……! ……あ……」
齋藤リッコ:ぎりぎりと金属の頭部を掴んでいた腕から力が抜け、表情が凍り付く。
"マスターゼウス":「『大想像回廊』か……機能を理解すればこんなものだ」
齋藤リッコ:言葉では聞いていた。自分なりに思い描いてみたこともあった。だが、それと文字通りの『体験』とでは、天地の差があった。
齋藤リッコ:「……こんな……」
"マスターゼウス":「全く女は下らんことばかり思いつく」
"マスターゼウス":「失せろ」
GM:金属の腕が、君の身を放り投げた。落下していく。意識に対する無数の衝撃によってか、四肢に力が入らない
齋藤リッコ:「う……あ……!」
齋藤リッコ:辛うじて呻き声を漏らす。朦朧とする意識の中、“マスターゼウス”に向けて必死に手を伸ばそうとして。
齋藤リッコ:「待……て……!」
GM:その手は届かない。落ちる。落ちる。落ちていく。身体も、意識も、何もかも――
GM:――……
GM:……
GM:ザアアァァァ……――
GM:行きては返すさざ波が、砂浜を撫でる音がする。
GM:潮騒。
少女:「……」
GM:意識を取り戻すと、君の顔を覗き込む少女がいた。
GM:金髪に、白い肌。年頃は、10歳にも満たないだろうか? だが、綺麗な顔をしている。
GM:波は君の足を濡らし、砂がいやにまとわりついていた。
少女:「……」
少女:「大丈夫?」
少女:外見よりも拙い言葉が、君にかけられる
齋藤リッコ:「…………!」
齋藤リッコ:がばりと身を起こし、慌てて周囲を見回す。
少女:「わ」
齋藤リッコ:「……あいつは……? ここは……まだ回廊の中……?」
齋藤リッコ:頭痛を覚えて頭を押さえる。波打ち際の感触は本物としか思えない。皆にはああ言ったが、こういう攻撃は何度喰らっても苦手だ。
齋藤リッコ:「……あなたは……?」そこでようやく、少女に目を向ける。
齋藤リッコ:(女の子……ってことは……ノドス生じゃない……?)
少女:「私……」 少女は少し迷うような素振りを見せ、しかし答える
少女:「レジナ……」
少女:「……です」 迷いがあった
少女:「それで、ここはね。太陽の島だよ」
少女:「私はここで暮らしてるの。……あなたは?」
齋藤リッコ:「レジナちゃんね。あたしはリッコ」
齋藤リッコ:一度立ち上がり砂を払うが、再び屈んで少女と視線を合わせる。
齋藤リッコ:「齋藤リッコ。齋藤はいちばん難しい齋藤で…… ……って分かんないか」
少女:「サイトゥオ……」 発音も危なっかしい
齋藤リッコ:「サイトー」笑って「……一人で暮らしてるの? お父さんやお母さんは?」
齋藤リッコ:(イソラ・デル・ソレ…… 聞いたことないな。イタリア語?スペインとか……わかんないな……)
少女:「一人じゃないよ。みんなと一緒。お父さんとお母さんも」
少女:「ちょっと変わってるけど……」
齋藤リッコ:「……変わってる?」小首を傾げる
GM:……ずるり、ずるりと
GM:四足の代わりに無数の触手で、歩行のような移動をする、牛のようなものが、砂浜の向こうから寄ってくる
少女:「あ!」
齋藤リッコ:「えっ……」
GM:唐突に現れたその怪物に、しかし彼女は少しの恐れもなく、むしろ嬉しそうに手を振った
少女:「お父さん!」
齋藤リッコ:「何あれ!? レジナちゃん下がっ…… ……お父さん!?」
少女:とっとっと足取り軽く、その異形の怪物に駆け寄ると、頭? らしき所に抱きつく
少女:触手が、おぼつかなく少女の頭を撫でた。彼女はくすぐったそうに笑った
齋藤リッコ:「えっ……えぇっ……!?」
齋藤リッコ:(ジャーム……? でも様子が……それにこんな白昼堂々と……)
齋藤リッコ:(いや、これは“体験”だから…… “体験”……?これが……?誰の……?)
齋藤リッコ:「……あ、あの~……」恐る恐る怪物に歩み寄る
少女:怪物とじゃれ合いながら、レジナと名乗った彼女はちらりと君を見た
少女:「……やっぱり、おかしいって思ってる?」
齋藤リッコ:「へっ…… あ、いや……そんな、全然……!」
齋藤リッコ:疑問だらけだが、少女のその表情を見て咄嗟にかぶりを振ってしまう。
齋藤リッコ:「こういうの人それぞれだし……! 多様性?っていうか……! 全然おかしくないよ!」
少女:「わあ……」
少女:「サイトゥオもそう思ってくれるんだ。えへっ……」
少女:「……この『太陽の島』では、そうなんだよ」
GM:彼女の言葉に伴って、不意に視界が開けていく。
GM:死滅した珊瑚礁を思わせる、いびつで大きな建造の中に、それらはいた。
GM:苦悶の人面をいくつも胴体に貼り付けた、頭のない怪物。
GM:柔らかで肉厚な、巨大な舌のようなもの。
GM:光を帯びて浮遊し、破壊と再生を繰り返す岩石。
GM:異形、異形、異形。
GM:……ジャーム。
少女:「この島では、みんなこうで」
少女:「みんな私のお願いを聞いてくれる」
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:その光景に、それが意味するところを理解し、総毛立つ。吐き気を抑えて一歩後退る。
齋藤リッコ:「何……これ……」
齋藤リッコ:悪夢。最初に思い至った可能性はそれだった。
齋藤リッコ:“ステルペス”によってデザインされた、人心を破壊するために作られた架空の“体験”。
齋藤リッコ:そうであるはずだ。そうであってほしかった。
齋藤リッコ:だって、そうでなければ──
齋藤リッコ:(これがもし……誰かの“体験”なら……)
齋藤リッコ:(この光景が……どこかに実在した現実ってこと…………?)
齋藤リッコ:足元が覚束なくなる感覚。動悸を抑えながら、異形と戯れる少女に目をやる。
齋藤リッコ:狂った世界の中で、彼女だけが美しく──それが却って、少女を異質な、禍々しいもののように見せていた。
齋藤リッコ:「……あなた……」
齋藤リッコ:「何者……?」
少女:「……本当は、レジナっていうのも本当の名前じゃないんだ」
少女:「たまに来る普通の人は、みんな怖がって、バケモノだって言う。私のことも、みんなのことも」
少女:「でも、サイトゥオみたいに怖がらない人がいて、そうじゃなくて、私の力はすばらしい、って言ってくれる人がいて」
少女:「レジナっていうのも、その人が……」
少女:「……先生がくれた名前なんだ」
先生:「そう、素晴らしい力だ」
先生:不意に、慄く君の背後から声が聞こえた。成人した男性の声だ
先生:「他者のレネゲイドを励起させ、強制的にジャーム化する……という能力や機能はしばしば見かけるが」
先生:「加えて、それを完全に制御し、望むまま操作してみせる」
先生:「そういったことを、呼吸のように行える」
先生:「……素晴らしい力だと思わないかな?」
先生:いつの間にか、彼は君に向けて話しかけている
齋藤リッコ:「『先生』……?」
齋藤リッコ:その違和感にも気付かず、声を荒げる。
齋藤リッコ:「ふざっけんじゃないわよ!! あんた……こんなこと……!!」
先生:「……君に友人はいるか?」
先生:怒りなど意にも介さない 「家族はいるか? 大切な人はいるか? ……何に替えても守りたい人はいるか?」
先生:「……その人たちを傷つけることを、君は望むか?」
齋藤リッコ:「……はぁ……!?」
齋藤リッコ:話しているだけで、じわじわと正気を蝕まれていく感覚。この世界に、目の前の少女と男に引きずり込まれていくような。
齋藤リッコ:「質問の時点で矛盾してるじゃないの……! 誰がそんなこと……そんな訳ないでしょ!!」
齋藤リッコ:正常な意識と判断を保とうと、己の近しい友人や先生のことを考える。だがそれも思惑通りのような気すらした。
先生:「そうだ」 頷き 「だがそう成り得る」
先生:「何故なら君はオーヴァードであり、ともすればジャームへと身を落とす可能性を常に帯びているからだ」
先生:「ジャームと化した君は、絆も理性も失い、愛した人たちをその手にかけてしまうかもしれない」
先生:「常に、常にその危険性がある。それは我々オーヴァードに宿命的に存在する末路……だが」
先生:怪物、にしか見えないものと愛しげに戯れ、その中で傷付きもしない少女を見る
先生:「ここに例外が見つかった」
先生:「彼女の手によりジャームとなり、彼女の統御下にある限り、彼女が望まぬ結末は生まれない」
先生:「ジャームとしての力を振るいながら、愛する人だけをその対象にしないことも、当然可能だ。もちろん、彼女がそう望めばというただし書きはつくが……」
先生:「本来は狂える怪物であるジャームを、狂わぬ存在にできるのであれば」
先生:「それこそは、オーヴァードの」
先生:「――『結論』」
先生:「そう言うべきではないかね?」
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:その言葉によって、全てが腑に落ちる。少年しかいないノドスにおいて、少女の視点での『体験』。"ステルペス"が用意できるデータと言えば。
齋藤リッコ:「テスラ・タイタニス……」
齋藤リッコ:「……あんたが」先生と呼ばれる男を見据え「あんたが、あの子を……」
先生:「いい名前だ」 意を得たりという風に笑う。君は彼の、その笑った口元しか見えていない
先生:「稀代の技術革新者の姓よりテスラ、架空の妖精の女王、ティターニアをもじり、タイタニアスか」
先生:「今一時与えた仮称、王妃よりもよほど本質を突いている」
先生:「……いやはや。上司に命じられ遺産でもあるのじゃないかと探索に来たものの」
先生:「これほどの成果があるとはな。ははは」
先生:「きっと彼女は、近く始まる偉大な計画の中核を担うものとなるぞ」
少女:「……?」
少女:ぱさぱさと素直とを立てて、彼女が駆け寄ってくる 「先生、サイトゥオ、何を話してたの?」
少女:「むずかしいこと?」
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:少女の、無垢とすら言えるその顔を見る。
齋藤リッコ:得心と混乱とが同時にあった。
齋藤リッコ:テスラ・タイタニスが抱く、歪んだ思想の源流。きっと無から生まれたものではないだろうとは思っていた。
齋藤リッコ:生まれ持った能力。制御を知らぬ暴走と、更にそれを利用した目の前の男。
齋藤リッコ:だが──それを知って、自分はどうすればいい?
齋藤リッコ:理解し、同情でもすればいいと言うのか? 他者をジャームとし、ノヴァリスを滅ぼさんとしている相手に。己の親友を奪った張本人に?
GM:……それから時が、光る矢の如く過ぎる。
GM:島を出て、広い世界を知った。多くの知識を得た。オーヴァード。レネゲイド。ジャーム。
GM:自らの価値観が、まず現在の視点では歪んだものであると学び、その上で来たる未来のあるべき一角を担う可能性があるものと学んだ。
GM:ノヴァリスにてシャムロックという地を与えられたのも、『先生』の一派――天国派による手回しだったという。
GM:いずれ王たる者が来た時に、その才覚を以て統率のかけがえない役目を担うという運命を課されることは、始めに『王妃』と名付けられた頃から漠然と想定されていたことなのだろう。
GM:……革命が起こり、天国派の後援を失い、思わぬ者から足元を掬われ、数少ない臣下と共に地下に追い立てられても
GM:授けられた理想を手放すことはなかった。先生は本当に、自分の力で導かれる先の姿を『結論』であると信じ、希望を抱いていてくれたから。
GM:いずれノヴァリスを脱した後に、改めてその役目を担えば良い。そう思っての潜伏だったが、結局の所それが叶う前に――
GM:奇跡が、天に輝く――『ノヴァリスの大十字冠』。
テスラ・タイタニス:「……ああ……」
テスラ・タイタニス:それはまさしく奇跡の光だった。強い枷であった十字冠が緩み、困難な手を打てば、望まれる『結末』へ皆を導くことができる。
テスラ・タイタニス:誰だって、大切なものを傷付けたくはない。
テスラ・タイタニス:誰だって、愛する人を守りたい。
テスラ・タイタニス:「……私なら、それを約束してあげられる」
テスラ・タイタニス:「私なら……」
女生徒:「……あんたとは」
女生徒:「もうやって行けないよ。こっちも今後の事があるから付き合ってやってたけど」
女生徒:「もう仲良しするリスクの方がでかすぎる。……悪く思うなよ」
テスラ・タイタニス:去っていく者がいた。
女生徒:「てすら様なら、してくれるんだもんね! あたしのこと」
女生徒:「つよくてかっこいい『けつろん』! あたし、ぜったいそうなりたい!」
女生徒:「あたし、ねえ。がんばるからねぇ。『けつろん』になったら、それでてすら様をぜったい守るからね!」
テスラ・タイタニス:去らず、しかし死んでいく者がいた。
女生徒:「あんたの目的は、何?」
女生徒:「どうしてこんなことをするの?」
テスラ・タイタニス:そして無数の敵がいた。
テスラ・タイタニス:気付けば――
テスラ・タイタニス:「……私は一人」
テスラ・タイタニス:「大切なものも、愛する者も全て失って」
テスラ・タイタニス:「ただ『結論』の集う天国へと導く使命だけを握りしめている」
GM:気付けば辺りは暗闇だった。空気はひんやりとして、土の匂いで満ちている。彼女と最初に対峙した、ファウセット新陸帯地下のそれを思い出させる暗闇だった。
GM:――『すべてが間違っていたとき、どうする?』
GM:どこからか、そう問われた気がする
齋藤リッコ:無言のまま、立ち尽くす。
齋藤リッコ:テスラ・タイタニスの過去。知り得ざる真実の一端に触れ、自分はどうすべきか当惑し、判断に迷った。
齋藤リッコ:だが、事ここに至って、心は決まった。やるべきことは一つだった。
齋藤リッコ:「……止める」
齋藤リッコ:「あたしが絶対に、あんたを止める」
齋藤リッコ:暗闇の中、ひとり立ち尽くす少女に対峙する。
齋藤リッコ:「すべてが間違っていたとき、どうすればいいか──」
齋藤リッコ:「その答えは……あんたに直接教えてやる!!」
テスラ・タイタニス:「……ふふ」
テスラ・タイタニス:笑った。それは当然、あの太陽の島で無垢な少女が浮かべたものではなかったし、今まで対峙してきた"ボレロス"テスラ・タイタニスのものでもないような気がした。
GM:そして、たったそれだけを契機に、暗闇は崩れ落ちていく。なにもない暗黒を経て、想像回廊、セイクリッドピラーの道行きへ、君の意識は戻っていく。
GM:君はそうして、『経験』を後にした。
"ステルペス":「いやあ~」
"ステルペス":「空気冷えっ冷えで草」
"ステルペス":「……別に僕らのことを知って欲しかったとか、そういう所は……まあゼロではないんだけど」
"ステルペス":「単純に足止めして、時間稼ぎをしたい、っていうのが本命だったんだよねえ」
GM:その部屋の中央。蜘蛛を思わせる異形の機体が、くるりと振り返った。
"ステルペス":「お疲れ様……そしてようこそ」
"ステルペス":「待ってたよ」
GM:大想像回廊の四つの『体験』は、そこを通ってきた全員が文字通り『体験』したものだ。
GM:ただ人により相性のようなものがあり、その後に『体験』の内容をどれだけ深く覚えているかは、その相性によるところがある。
GM:確かなことは、ある程度自らの意思で『体験』へ干渉し、自らの行動によって『体験』から抜け出した者は、その経緯について明晰な記憶があること。
GM:……そしていずれの『体験』も記憶に残っていない者はなく、ノドスで起こったことについては、誰もが少なからず理解したということ。
"ステルペス":「気持ちが落ち込んでいる時に恐ろしい夢を見やすい、っていうのは」
"ステルペス":「逆に気持ちが落ち込んでるから怖い夢を見たことをよく覚えている、って考え方もできる」
"ステルペス":「……で、どうだった? 僕らの『体験』はさ」
"ステルペス":「少なくとも、怖くて怖くて腰砕けになっちゃうってほどではなかったみたいだけど」
齋藤リッコ:「……」頭痛と酩酊感を覚えながら“スペルテス”と、それから周囲の面々を見る。
四之宮サヨリ:「……ステルペス、さん」相対する相手の名前を、確かめるように呟く。
齋藤リッコ:「……あのさぁ……!」
"ステルペス":「うんうん!」 嬉しそうに相槌を打つ
齋藤リッコ:「ノドスってこんな……本当に……」
齋藤リッコ:「……こんな……」
齋藤リッコ:言語化しがたいものがそのまま溢れるように口をぱくぱくさせ、身振り手振りを交えて
齋藤リッコ:「……何とかなんないの!?」
"ステルペス":「なんない……んじゃないかな? こっちでも別に、死んだ人間は死んだままでしょ……」
後藤スダチ:「……自分自身や……仲間達の、最悪の記憶ですら……こんなふうに、軽薄に扱ってしまえるのは」
後藤スダチ:「あなたが、元からそうだからなの?"ステルペス"……それとも」
後藤スダチ:「そうでもしないと耐えられないから?……私だったら、そうなると思う」
綾云媛:「……と思わせることで、こちらの刃が鈍ることも意図している」
綾云媛:「一方的な押しつけです。同情すべき点はあれど……」
綾云媛:「寛恕の理由にはなりませんね」悲哀を感じていないかのように、淡々と返す。
齋藤リッコ:「っ……だって……こんなの……」必死な表情。自分でも何を言ったらいいのか分かっていない。「……おかしいでしょ……!」
"ステルペス":「うんうん、そうだねそうだね。その通りだ。僕らだって、襲来してくる彼らにどんな悲しいエピソードがあったって」
"ステルペス":「戦ったはずだ。合理的な判断だね。……ショックを受けてるお姉さんもいるけど」
"ステルペス":円柱形の胴に光る大きな眼が収縮し、サヨリを見る
"ステルペス":「軽薄に扱うも何も……実際それ以外にどう扱うの? キーボードに触る前と後に十字を切ったりするけば不謹慎じゃなくなるわけ?」
"ステルペス":「全部たかがデータ! 本当の僕らとは独立したものだ。気にしたってしょうがない」
四之宮サヨリ:眼の下には夢を見ていた筈なのに隈が酷く、未だに息は切らしたまま。
四之宮サヨリ:何を聞けばいいのか、頭の中で渦を巻く。彼とずっと近くに居た気がして、相対せねばいけない相手の筈なのに、心配がなお勝って。
四之宮サヨリ:決して、乗り越えたわけではない。必死に縋って、限界まで受け入れて、倒れる寸前だっただけだ。
四之宮サヨリ:「……あの、後」
四之宮サヨリ:「……残ったデータは、どうなりました、か」
"ステルペス":「今もとりあえず正確な状態で保存してるよ。最近は全然増減もしないしね」
"ステルペス":「一周回ってみんなの健康管理とかに使われたりして。アハハ! 役に立つもんだね」
四之宮サヨリ:「……そっか。そっかぁ……」どこか、安堵したような声だった。
四之宮サヨリ:彼がそう選択したことに対して?自分の感じたものが、彼に影響を与えることは一切ないと云うのに。
四之宮サヨリ:「もう一つだけ……いいですか、聞いても」
"ステルペス":「え? 何何。全然構わないよ。……いや、あんまり歓迎するのも損か?」
"ステルペス":「一枚脱衣するにつき一問……いや、さすがにそれはゲス過ぎるか」
"ステルペス":「そういうのは好感度上がった後に取っとかなきゃな……」 ぶつぶつと鋭利な触腕を動かしている
四之宮サヨリ:「ノヴァリスの、幾つものビッグデータ……触ってみて、どうでしたか?」
四之宮サヨリ:どうしても、彼の最後に聞いた言葉が頭の中に残っていた。何かを羨むような、求めるような声が。
"ステルペス":「最ッ」
"ステルペス":「……高だったね! 見えるんだよ! 一つ一つはただのデータだけど、それがこれだけの量になると……」
"ステルペス":「『傾向』になる! 水の一滴一滴が集まって、波になるみたいにさ……! 本当に興奮したよ!」
"ステルペス":「いろんなことが分かった! ねえ知りたい? 身長が高い子と低い子の傾向から見た大きく育つための食生活とあんまり育たないための食生活とかさ!」
"ステルペス":「もちろん遺伝的要因はいくらでもあるんだろうけど多分その気になれば民族ごとに成長具合をコントロールできる食生活を編み出せると思う! 誤差5%未満!」
四之宮サヨリ:心の底から楽しそうに話す様子を、ただ静かに聞いている。
綾云媛:「……ご満足ですか?」
"ステルペス":「かなりッ満足! あとはこの成果をまとめて発表して褒められたりしたら最高~だけど」
"ステルペス":「そういうことできるこの体と諸々の情報は生憎"ゼウス"から貰ったものだからさあ。仕事はしなきゃいけないんだよね」
"ステルペス":「実は今もジェネシスの権限奪回を防いだりしてるんだよ。みんな色々手段思いつくよなぁ~」
四之宮サヨリ:「そう……だよね。分かってる。貴方にはやらなきゃいけないことがあって、私達もそう」
四之宮サヨリ:「本当は、その発表も一つ残さず聞いてあげたいけれど。ステルペス、貴方を倒して、ジェネシスを奪還しなきゃいけません」
四之宮サヨリ:嘘偽りのない、ただの本心。弟を見守るかのような姉の声色のままに、武装を準備し始める。
齋藤リッコ:「…………!」視線を彷徨わせる。今すべきことと回廊で見せられた記憶とが交錯する。
齋藤リッコ:「……あのさ……!」
齋藤リッコ:「あんた達……どうしてこんな……こんなさぁ……!」
齋藤リッコ:「……何か……他に……」
齋藤リッコ:「……何か無かったわけ!?」
"ステルペス":「ないでしょ」
"ステルペス":にべもない回答 「……僕らの中には色んな奴がいて、色んな考え方の奴がいるけど」
"ステルペス":「共通してる気持ちはある。……『いいな』ってさ」
"ステルペス":「それは"ゼウス"すら思ってるはずだよ。でも、いいな、って思っているそれを、僕らはもう手に入れられない」
"ステルペス":「じゃあその結果どうするか? ……それもまあ、人によって色々考えはあるんだけど」
"ステルペス":「最終的に『こうするしかない』ってなった訳さ」
"ステルペス":「君たちは、僕らが愛するには、恵まれ過ぎている」
齋藤リッコ:「…………」息を呑む。
後藤スダチ:「……。そうやって、ノヴァリスを破壊した後は……どうするの?」
後藤スダチ:「私は……ノヴァリスに入学したのも遅かったから、よく知っている」
後藤スダチ:「ノヴァリスの女の子達だって、決して幸福で、恵まれていたわけじゃない」
後藤スダチ:「少なくとも外の世界の先進国と比べたら、ずっと歪で、ひどい境遇の子の方が多かったはず……」
後藤スダチ:「自分より恵まれた子供に八つ当たりをして、ノヴァリスが壊れたら、その後も同じことを続けるの?」
後藤スダチ:「もっと幸せで、もっと恵まれていて……もっと自分達を知らなかった子供達を相手に?」
"ステルペス":「ハハハ……それもいいかもね。僕ら100人で世界の先進国と戦争か」
"ステルペス":「やりがいはありそうだ。面白がる奴は何人もいるよ」
"ステルペス":「……まあ、実際にどうなるかは分からない。さっきも言っただろ? 僕は結局"ゼウス"に対する義理としてこういうことをしてるのが大きいし」
"ステルペス":「僕らの上、僕らの指揮者には、指揮者なりの考えがあるんだろう」
"ステルペス":「それが世界に対する大戦争だったら、またそれに乗って世界に繰り出すことになるんだろうね。……そこでならノヴァリスよりももっと大きくて面白いデータも見れるだろうし!」
後藤スダチ:「私が言いたいのは!」
"ステルペス":「オッ」
後藤スダチ:「……あなた達のやってることは、世界の敵になるつもりでもないと――全然、筋が通ってないってこと!」そう断言することで、迷いを振り払う必要がある。
後藤スダチ:「気晴らしのために暴れたって、自分の行動の意味を信じられないままなら、絶対に満足できない……!」
後藤スダチ:「私は……全然、止まるつもりはないから!」
"ステルペス":「さすが、最新技術の装備で髪から靴下まで飾っている人は言うことは建設的だ」
"ステルペス":「けど僕ら全員がそこまで理性的なものか! ……僕らの楽しみと遊びがいのために、君たちには揃ってここで退場してもらおう!」
"ステルペス":「悪役っぽくてこれはこれでテンション上がるな! ハハーッ! ……"アルゲス"!!」
GM:彼が呼ぶと同時、天井の一部が砕けた。無数の戦闘機械がこの広間に降下し、先程も交戦した"アルゲス"が姿を表す。
"アルゲス":「…………」
齋藤リッコ:「嘘っ、また……!」
"アルゲス":「……説得して戦意を削ぎ、戦力を削るという話だったが?」
"ステルペス":「ごめん、女の子と話すの楽しくって! もういろんな表情が間近で記録できてサイコーだったもんだから……!」
"ステルペス":「……それに、削がなくたって君が間に合った。僕らで勝てるさ!」
後藤スダチ:("マスターゼウス"のチームは『頭の良い』敵だ!)
後藤スダチ:("ステルペス"がこうして『会話ができる敵』のような態度で私達に話しかけてきたのも……)
後藤スダチ:(さっき自分で言ってたように、時間稼ぎと……私達をここから動かさない事が目的だったから!)
後藤スダチ:作戦そのものは極めて単純だ。誰だって、予測できなかったはずがない。
後藤スダチ:だが、裏を読めていたとして、強引に突破することができただろうか?
後藤スダチ:彼らの存在そのものの一端を見せられた上で、話し合わない、分かり合わないと無慈悲に選択することが――
後藤スダチ:(これも、ネヴァノ・ディクテオンの時と同じ……!このチームは、こういうことだって、する!)
四之宮サヨリ:再会をしたその機影に、少し憂いを帯びた目で見る。
四之宮サヨリ:(……彼には、本当にひどいことを言ってしまった)
綾云媛:「まあ、こそこそ隠れられるよりはそちらのほうがよくないですか?」
綾云媛:「向こうは手段を問う“敵”です。であれば……」
綾云媛:「この暴力的革命行為に出るという手段を選んでいる」
綾云媛:「その責は負わせるのが筋でしょう」
齋藤リッコ:「戦うわよ、ああ、もう……!」表情を顰め、ぐしゃぐしゃと髪を掻き上げる
齋藤リッコ:「無いんでしょ……! 戦うしか……!」
四之宮サヨリ:……彼らの怒りは、思いは最もだ。羨み、妬み、様々な感情が渦巻いているのだろう。
四之宮サヨリ:(彼らはきっと、言葉を介するだけじゃもう止まらない、止められない。だからこそ)
四之宮サヨリ:(思いを全部受け入れて、身体を張って此処で止める)
四之宮サヨリ:(彼らに、それ以上を進ませてはいけない……!)
四之宮サヨリ:ボロボロだった姿を、凛と整えて。受け止めるための戦いへと臨む。
"ステルペス":「……生身のまとう空気っていうのはやっぱりある。そればかりは、データじゃあ想像しかできないからね」
"ステルペス":「だからおっぱじめよう! 僕に渾身で教えてくれ! 君たちのことを、ここで!」
GM:ミドル戦闘を開始します
◆ 1R
[[8] "アルゲス" / [7] "ステルペス"]
│
5m
│
[[1] 執行者Cu型_1 / [17] 執行者Br型]
│
5m
│
[[6]齋藤リッコ / [10]後藤スダチ / [11]四之宮サヨリ / [5]綾云媛]
│
5m
│
[[1] 執行者Cu型_2 / [8] 執行者Ba型]
GM:本戦闘で登場するエネミーは過去のセッションで登場したものをそのまま使い回しているので、データ的均衡のために少々補足をしますと
GM:「執行者」とつく者は全てトループで、カバーリングを行いません。執行者Cu型は《竜鱗》による強固な装甲と耐久力を持ちます。執行者Br型は連続攻撃、執行者Ba型はデバフ効果のある範囲攻撃を行います。
GM:どのエネミーも自己復活エフェクトは持っていません。補足は以上。
後藤スダチ:執行者の性能を改めて説明してくれるの親切ね
後藤スダチ:この戦闘では移動は直線上だけですか?
GM:直線のみです! 平面移動が可能だとGMの頭がばくはつしがちなので……それでお願いします!
後藤スダチ:やっぱりそうかあ じゃあエンゲージ離す場合はどちらかの敵エンゲージに近づく方向しかできないわけですね
GM:そうなります!
後藤スダチ:勝利条件はどうなっていますか?執行者も含めた全滅でいいでしょうか
GM:執行者は多少残してもいいです。"ステルペス"を止めれば烏合の衆ですし、ジェネシスの奪回も叶うでしょう
後藤スダチ:基本的には二人をやるのが先決か
GM:そうなります
GM:という訳で戦闘を……始めます! まずはセットアッププロセスから!
"ステルペス":《機械化手術》。対象は"アルゲス"です。"アルゲス"の身体をいじくり回して最大HPを+100します
後藤スダチ:え!?いきなり残虐過ぎ
四之宮サヨリ:?!??!?!
綾云媛:やば
齋藤リッコ:エッチなことしてる!!
GM:女どもが色めき立ちおるわ
綾云媛:イノリ~~~ 散滅してくれ~~~
後藤スダチ:私は《アクセル》《活性の霧》を自分に。行動値+8、攻撃力+21。
齋藤リッコ:怨念の呪石しちゃお~
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を3増加(97 → 100)
四之宮サヨリ:なし!
綾云媛:《先陣の火》!行動値を+10します
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(95 → 99)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2増加(96 → 98)
"アルゲス":いじられルゲスは特になにもないです。他の連中も何もなし
GM:イニシアチブに進みます。本来はスダチちゃんの手番ですが
"ステルペス":《加速する刻》を使用。メインプロセスを行います
齋藤リッコ:ギエエエエ
綾云媛:やめろ~
後藤スダチ:キャアー
四之宮サヨリ:ステペっちゃん!
"ステルペス":とはいえやることはシンプルで、《異能の継承》を"アルゲス"へ使用
四之宮サヨリ:なにっ
綾云媛:まさか……ミサイルを……
"ステルペス":《マグネットフォース》を覚えてもらいます。《機械化手術》のついでにチョチョッとね
齋藤リッコ:理想のカレシにしてんじゃねーぞ!
四之宮サヨリ:カバーエフェクトを……!
後藤スダチ:すんごい改造されてる
"ステルペス":"アルゲス"は痛いの慣れてるからさァ~
綾云媛:そんなのしても最強にはなれませんよ
GM:行動終わり! 改めてイニシアチブプロセスに入ります
GM:行動値18、後藤スダチ! どうする?
後藤スダチ:マイナーアクションで前方に4m進みます。
後藤スダチ:ギリギリエンゲージしない距離!なぜかというと、至近不可の武器を使うから。
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》で、CuとBrの執行者コンビを攻撃だ。
後藤スダチ:武器はラピッドファイア!効果を使い範囲(選択)にします。
GM:OKです。判定をどうぞ!
後藤スダチ:9dx7+5+3
DoubleCross : (9DX7+8) → 10[3,4,4,7,7,8,8,9,9]+10[1,2,6,9,9,10]+10[3,5,9]+3[3]+8 → 41
後藤スダチ:我ながら有能!
GM:気合だ
執行者Cu型:リアクションを放棄し、《竜鱗》。装甲で受けます
執行者Br型:こちらはドッジ
執行者Br型:6dx+1
DoubleCross : (6DX10+1) → 10[4,7,9,10,10,10]+5[4,4,5]+1 → 16
GM:変に良いダイス目でも無理だぜ。ダメージをどうぞ!
後藤スダチ:えっと、大想像回路攻略に伴う効果ってどういうのがありましたっけ
綾云媛:ダメージ+2d!
GM:この局面で直接関与するのはそれくらいだぜ
後藤スダチ:そうだった。じゃあ出してみます。
後藤スダチ:5d10+9+21+1d10+2d10
DoubleCross : (5D10+9+21+1D10+2D10) → 25[3,6,1,10,5]+9+21+9[9]+6[2,4] → 70
綾云媛:つよ~
四之宮サヨリ:つよーい!
齋藤リッコ:最強
GM:ヒェ~
執行者Br型:まずこちらはなすすべもなく撃破
綾云媛:やった~
四之宮サヨリ:やったね
執行者Cu型:竜鱗で装甲が35になっていて、腐食の指先があるから装甲30で40ダメージ。こっちはどうにか生存……!
齋藤リッコ:しぶと!
四之宮サヨリ:装甲35(30)か、なるほどね
GM:この行動値の低さでタフじゃなかったらやっていけないのさ
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(99 → 103)
綾云媛:これで腐食の指先のレベルも上がるというわけね
GM:以降Cu型1の装甲は-10!
◆ 1R
[[8] "アルゲス" / [7] "ステルペス"]
│
5m
│
[[1] 執行者Cu型_1 / [17] 執行者Br型]
│
1m
│
[[10]後藤スダチ]
│
4m
│
[[6]齋藤リッコ / [11]四之宮サヨリ / [5]綾云媛]
│
5m
│
[[1] 執行者Cu型_2 / [8] 執行者Ba型]
GM:Br型が撃破されたので、次は綾さんの行動です。どうする?
綾云媛:マイナーで前方のCu型にエンゲージします
綾云媛:メジャーでCu型を素殴り!
綾云媛:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 10[2,3,3,5,6,10]+3[3] → 13
綾云媛:がんばった
執行者Cu型:肉体値的にドッジでもワンチャンあるが、こいつらはそういった柔軟性を持ち合わせないタイプ……《竜鱗》で装甲受け!
執行者Cu型:ダメージをどうぞ
綾云媛:2d10+2d10+35 装甲有効
DoubleCross : (2D10+2D10+35) → 9[5,4]+10[5,5]+35 → 54
四之宮サヨリ:ウオオこっちも高い!
執行者Cu型:装甲は合計25になっており、29点の被弾。……耐えられません! 倒れます
綾云媛:やったね
四之宮サヨリ:ヤッタネ
執行者Cu型:クソ~ 2dの補正は温情過ぎたか……?
齋藤リッコ:やった~
後藤スダチ:やった~
◆ 1R
[[8] "アルゲス" / [7] "ステルペス"]
│
6m
│
[[10]後藤スダチ]
│
4m
│
[[6]齋藤リッコ / [11]四之宮サヨリ / [5]綾云媛]
│
5m
│
[[1] 執行者Cu型_2 / [8] 執行者Ba型]
GM:イニシアチブを進め、次はサヨリさん! どうする?
四之宮サヨリ:マイナーで3mまで前進
GM:みんなエンゲージがバラバラになってしまった……
GM:不仲説でも長須賀
四之宮サヨリ:メジャーでコントロールソート射撃、コンセ、神機妙算。ステルペスとアルゲスに範囲攻撃を行います。
GM:あっ、神機妙算はシーン回数だった こいつめ……判定をどうぞ!
四之宮サヨリ:ほほほ……!毎回使えるのだ!いきます!
四之宮サヨリ:11dx7+2
DoubleCross : (11DX7+2) → 10[1,1,2,5,5,6,7,7,8,8,10]+10[2,3,4,5,7]+5[5]+2 → 27
四之宮サヨリ:まあまあか……!
"アルゲス":もちろん使うぜ 《ゲットダウン》
四之宮サヨリ:グエー!
"アルゲス":5dx+19=>27
DoubleCross : (5DX10+19>=27) → 6[1,2,4,5,6]+19 → 25 → 失敗
四之宮サヨリ:おっ
"アルゲス":キーッ!
"ステルペス":と言いつつこれでワンドッジ稼げるなら安いものだ。《勝利の女神》で達成値を+12
四之宮サヨリ:ムムーッ!
齋藤リッコ:オア~ッ!?
四之宮サヨリ:そうよね、ノイマンよね……!
綾云媛:こいつ……
"ステルペス":で、こっちは素ドッジ
"ステルペス":6dx+1
DoubleCross : (6DX10+1) → 9[3,3,6,6,8,9]+1 → 10
"アルゲス":《マグネットフォース》 で"ステルペス"をカバーリング
GM:ダメージをどうぞ!
四之宮サヨリ:フェイタルもマイナー火力増強もないからまだまだダメージは控えめ……
四之宮サヨリ:3d10+2d10+1d10+22
DoubleCross : (3D10+2D10+1D10+22) → 18[2,6,10]+13[3,10]+3[3]+22 → 56
四之宮サヨリ:ドガガ!侵蝕7上昇して104
"アルゲス":控えめ……? 自前はドッジしたけどそれはそれとしてダメージは入ります
"アルゲス":とはいえ機械化手術したこの身はまだまだ動くぜ
齋藤リッコ:メカアルゲス……
◆ 1R
[[8] "アルゲス" / [7] "ステルペス"]
│
5m
│
[[15]綾云媛]
│
1m
│
[[18]後藤スダチ]
│
1m
│
[[11]四之宮サヨリ]
│
3m
│
[[6]齋藤リッコ]
│
5m
│
[[1] 執行者Cu型_2 / [8] 執行者Ba型]
GM:戦況図が縦に長いぜ。イニシアチブ8のBa型と"アルゲス"が動きます
GM:Ba型からやろう。同エンゲージに2人以上の敵がいない状態なのでランダムで死んでもらいます
GM:choice[綾,後,四,さ]
DoubleCross : (choice[綾,後,四,さ]) → さ
GM:齋藤リッコ~!
綾云媛:漢字書いてもらえてない
四之宮サヨリ:リッコさーん!
齋藤リッコ:一番簡単な齋藤じゃん!
執行者Ba型:メジャーで《コンセントレイト:バロール》+《暗黒の槍》+《黒の鉄槌》+《魔王の覇気》
後藤スダチ:さいとうさーん!
執行者Ba型:命中すると次に行う攻撃の攻撃力を-16する攻撃です
執行者Ba型:7dx7+2
DoubleCross : (7DX7+2) → 10[4,5,7,7,8,9,10]+10[1,1,5,6,10]+10[8]+10[8]+10[9]+10[9]+3[3]+2 → 65
齋藤リッコ:ワ……ア……ァ……
執行者Ba型:気合の入った魔眼砲弾……受け取ってくれ!
後藤スダチ:やる気あるなあ
齋藤リッコ:暴走しています
齋藤リッコ:NPCカード!バズヴさん助けて!
"バズヴ・カタ":部下を向かわせます
GM:[NPCカード:フィオナ騎士団] 残り4回
【防風陣形】
1シナリオ6回、単体が受ける攻撃を無効化する。1度のメインプロセス中に複数回使用することで、複数の対象への攻撃を無効化することができる。
(扱いはエフェクトを用いないカバーリングに準じる)
GM:これの効果で大丈夫?
齋藤リッコ:それです!
齋藤リッコ:ありがとうモブ子ちゃん……
"バズヴ・カタ":向かいました
フィオナ騎士団員:部下です。リッコちゃんの攻撃をカバーリングします
フィオナ騎士団員:残り3回!
GM:ではイニシアチブ同値。"アルゲス"が動きます
"アルゲス":まずはエンブレム:ムーンドッグ発動。シーン中、攻撃力+5だ
"アルゲス":そしてマイナーで5m前進して綾さんのエンゲージへ。
"アルゲス":メジャーアクション。《アタックプログラム》+《鮮血の一撃》+《ブラッドボム》で綾さんを攻撃します。HPを3消費
"アルゲス":攻撃が命中した場合、更に1d点のHPを失い、同量のHPをこちらも失う攻撃です
"アルゲス":7dx+29
DoubleCross : (7DX10+29) → 9[1,2,3,3,4,8,9]+29 → 38
GM:リアクションをどうぞ
綾云媛:《復讐の刃》します!
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を6増加(98 → 104)
"アルゲス":ヒャア~ッ! お前はここで終わりだーッ
綾云媛:7dx8
DoubleCross : (7DX8) → 10[3,4,5,6,9,10,10]+4[2,4,4] → 14
"アルゲス":ダメージを出すぞ
"アルゲス":4d10+13+5
DoubleCross : (4D10+13+5) → 9[2,2,4,1]+13+5 → 27
綾云媛:2d10+2d10+35
DoubleCross : (2D10+2D10+35) → 10[8,2]+13[7,6]+35 → 58
綾云媛:そのまま受けたら離脱してしまうので……
綾云媛:『復元』を宣言します。侵蝕率を-20します
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を20減少(104 → 84)
綾云媛:ここからリザレクト!
綾云媛:綾云媛のHPを1D10(→ 9)に変更(2 → 9)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を9増加(84 → 93)
"アルゲス":こちらもそのダメージを装甲分減らして受けます。普ルゲスだったら危ないことになっていたが……まだ元気!
"アルゲス":そしてブラッドボム
"アルゲス":1d10
DoubleCross : (1D10) → 3
綾云媛:綾云媛のHPを3減少(9 → 6)
"アルゲス":3点のHPを互いに減らします
GM:イニシアチブを進めましょう。ステルペスの手番ですが……
"ステルペス":5m前進し、"アルゲス"、綾さんのエンゲージへ入ります。こいつは本当に貧弱ボーイなので、この布陣でアルゲスから離れると流れ弾で殺される……!
齋藤リッコ:改造した彼氏に依存してる
四之宮サヨリ:ンマァー!
後藤スダチ:アルゲスも大変ね
"ステルペス":あ! で、ただ移動するんじゃないんだ。こいつはマイナーエフェクトに頼っているので
"ステルペス":マイナーアクションで《イオノクラフト》+《雷の大弓》。移動しつつ攻撃力を上げます
後藤スダチ:ただの移動じゃねえぞ
"ステルペス":で、メジャー。《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》+《コンバットシステム》+《崩壊の一点》で攻撃します
齋藤リッコ:こいつ攻撃とかすんの!?
四之宮サヨリ:シンドロームもしかして同じ、弟……?
"ステルペス":するよそりゃ ゼウスじゃあるまいし……
齋藤リッコ:全員を弟と認定する人だ
"ステルペス":ダメージを与えた場合、装備している防具一つを破壊する攻撃です。ブリンカーという武器を装備しており、ドッジする場合ダイス数-4です
綾云媛:ヒエ~
齋藤リッコ:ToLoveるになっちまう~~~!!
四之宮サヨリ:さっき服脱がすって……そういうこと?!
"ステルペス":ただ今回、破壊できる服を装備してる人はいないんだよな……
"ステルペス":という訳でサヨリさんを狙います
齋藤リッコ:弟……?
四之宮サヨリ:くっ
後藤スダチ:妙なこと言ったから目をつけられたぞ
綾云媛:デカいからかも
GM:デカいからです
四之宮サヨリ:来なさい……!逃げも隠れもしません!そもそもドッジ振れません!
"ステルペス":12dx7+3
DoubleCross : (12DX7+3) → 10[3,4,5,5,7,8,8,9,9,9,9,10]+10[2,3,7,7,8,8,9,10]+10[3,4,4,4,7,9]+10[2,7]+4[4]+3 → 47
綾云媛:やる気出すな
四之宮サヨリ:つよい
四之宮サヨリ:ドッジしても自動失敗!ダメージ前に復元で侵蝕20減らします!
四之宮サヨリ:84に!
"ステルペス":5d10+18 ダメージ
DoubleCross : (5D10+18) → 30[9,10,5,5,1]+18 → 48
四之宮サヨリ:リザレクト~
"ステルペス":諸々有効だけど防具は破壊するよ~ん
齋藤リッコ:エッチ!
四之宮サヨリ:服破れておきます
綾云媛:シャツが……!
後藤スダチ:猫口さんの大好きなエフェクト
四之宮サヨリ:それはそれとしてリザ
四之宮サヨリ:1d10
DoubleCross : (1D10) → 8
四之宮サヨリ:ぐっ……
四之宮サヨリ:92です
"ステルペス":そして行動後に《分割思考》。行動値が0になり、未行動状態になります
四之宮サヨリ:げげげ
綾云媛:分けなくていいよ
後藤スダチ:ヒエ~ッ
齋藤リッコ:強くない?
GM:イニシアチブを進めましょう。リッコさん! どうする?
齋藤リッコ:はい!
齋藤リッコ:マイナーでステルペスとアルゲスのエンゲージまで戦闘移動
齋藤リッコ:メジャーでコンボ【輝かざる星】
齋藤リッコ:《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》
齋藤リッコ:範囲攻撃で両方に攻撃します
GM:来るなら来い……!
齋藤リッコ:10DX7+6
DoubleCross : (10DX7+6) → 10[1,1,2,3,3,3,6,6,8,9]+10[4,10]+1[1]+6 → 27
齋藤リッコ:跳ねない!どうだ……
"アルゲス":《ゲットダウン》。ドッジします
"アルゲス":5dx+19=>27
DoubleCross : (5DX10+19>=27) → 10[1,7,9,9,10]+4[4]+19 → 33 → 成功
綾云媛:コラ!
齋藤リッコ:やる気出しすぎ!
四之宮サヨリ:強い~
"アルゲス":ファファファ……
齋藤リッコ:だがもう一人をカバーせざるをえまい
"ステルペス":かわいい素ドッジ
"ステルペス":6dx+1
DoubleCross : (6DX10+1) → 8[1,2,6,6,8,8]+1 → 9
"アルゲス":《マグネットフォース》でステルペスをカバーリング
GM:ダメージをどうぞ!
齋藤リッコ:ダメージ!
齋藤リッコ:3D10+48+2D10+2D10
DoubleCross : (3D10+48+2D10+2D10) → 17[5,6,6]+48+14[6,8]+6[4,2] → 85
四之宮サヨリ:つよーい!
綾云媛:エグい固定値
GM:ゲエエ
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を11増加(100 → 111)
後藤スダチ:最強王だ
"アルゲス":ゲットダウンしなければ死んでいたし……機械化手術を受けていなければ死んでいた!
"アルゲス":つまり生きているということです。危ない……
齋藤リッコ:生きてる!?
四之宮サヨリ:だけどもう少し……!
GM:イニシアチブを進めます。残るは執行者Cu型。ところで一番近くのサヨリさんまで8mの距離があり、Cu型の行動値は1です
四之宮サヨリ:と、届かない説……?
GM:もちろん安心してください。執行者Cu型は"黒雷"PAアーマー、そしてダッシュローラーを装備している設定であり、ちゃんと11m移動できます
綾云媛:こいつ……
齋藤リッコ:なんだとぉ……
四之宮サヨリ:ギャーッ!
後藤スダチ:え~っそういえばそうだった気がする
GM:ためになったねえ~ という訳でサヨリさんを攻撃だ
齋藤リッコ:でもサヨリさん……服が!
四之宮サヨリ:くっ……
後藤スダチ:すみませんねえ、自分で使ったデータすらうろ覚えで
四之宮サヨリ:もう一枚差し出してでも……!
後藤スダチ:結構脱ぎたがってるじゃないか
綾云媛:Cu型も脱がしてくる前提にされてる
GM:Cu型が手番得るの多分初めてなのでしょうがない
執行者Cu型:改めて正確に宣言します。マイナーで《破壊の爪》+《ハンティングスタイル》。サヨリさんにエンゲージ
執行者Cu型:メジャーで《獣の力》+《獣王の力》+《鬼の一撃》+《グラップル》+《吹き飛ばし》。ダメージが入ると後方へ10m移動させ、ラウンド間ガード値を-25する攻撃です
執行者Cu型:ガードしていた場合、さらに威力+25! こいつはガードするやつを絶対に殺すアタッカー……!
四之宮サヨリ:ガード値……0!
執行者Cu型:9dx
DoubleCross : (9DX10) → 7[1,2,2,3,3,3,6,6,7] → 7
四之宮サヨリ:ワンチャンドッジあるで!
執行者Cu型:迫真の達成値 リアクションをどうぞ
齋藤リッコ:為替ピカチュウ!
四之宮サヨリ:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 8[1,6,8]+1 → 9 → 成功
四之宮サヨリ:っしゃあ!
齋藤リッコ:躱した!
綾云媛:かわしてる
四之宮サヨリ:目標7だった、どっちにしろ成功!
執行者Cu型:な、なんてことだ……では行動終了です
GM:では最後、分割思考していたステルペスが動きます。行動内容は変わらないが、誰を狙うか……
"ステルペス":リッコちゃんだな。プラズマカノンがコワイ! ドコドコに撃ちます
齋藤リッコ:にゃ~~~!?
"ステルペス":組み合わせはさっきと同様。マイナーアクションで《雷の大弓》 メジャーアクションで《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》+《コンバットシステム》+《崩壊の一点》
"ステルペス":装備している防具を破壊したりドッジダイスをマイナスしたりする攻撃だ
"ステルペス":12dx7+3
DoubleCross : (12DX7+3) → 10[1,1,4,5,5,7,7,7,8,9,9,10]+10[2,3,3,5,8,10,10]+6[2,6,6]+3 → 29
齋藤リッコ:暴走しています これは~~
齋藤リッコ:『復元』かな 侵蝕率を-20します
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を91増加(111 → 202)
GM:死んじゃった
齋藤リッコ:間違えた 91!
"ステルペス":ではダメージ!
"ステルペス":3d10+18
DoubleCross : (3D10+18) → 23[7,9,7]+18 → 41
"ステルペス":防具も破壊します
齋藤リッコ:死!リザレクトしてコートがビリビリになってエッチな感じになります
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(91 → 96)
後藤スダチ:だけどよリッコちゃん……服が!
齋藤リッコ:齋藤リッコのHPを5に変更(1 → 5)
"ステルペス":もしかしてノドスに貢献してるかも
綾云媛:みんな脱ぎたがってない?
GM:全員行動終了したのでクリンナッププロセス
"ステルペス":《リペアウーンズ》。HPを5d10+3回復します。対象は"アルゲス"
綾云媛:やめろバカ!
齋藤リッコ:やめろ~~!
四之宮サヨリ:ギャ~ッ
四之宮サヨリ:はやく倒さなきゃ
"ステルペス":5d10+3
DoubleCross : (5D10+3) → 31[1,10,9,7,4]+3 → 34
後藤スダチ:いやらしいエフェクトばっかり使ってくる
"ステルペス":にょわにょわ~ん(修復音)
齋藤リッコ:ガッツリ回復すな
後藤スダチ:二重の意味で
◆ 2R
[[7] "ステルペス" / [8] "アルゲス" / [5]綾云媛 / [6]齋藤リッコ]
│
1m
│
[[10]後藤スダチ]
│
1m
│
[[11]四之宮サヨリ / [1] 執行者Cu型_2]
│
8m
│
[[8] 執行者Ba型]
GM:剣を抜き放った"アルゲス"の身体に、四方からコードが伸びる
"ステルペス":「チャチャッと換装するからさ。ちゃんと守れよな!」
"アルゲス":「……その戦法に同意した覚えはないんだが」
"ステルペス":交わした言葉はその程度だった。"アルゲス"の主要装甲にさらなる装甲が追加され、さらにそれは電磁バリアを展開し、彼の耐久力を底上げする
"ステルペス":「アーマード祓御雷! "ゼウス"にこういう細やかさはないからなァ」
後藤スダチ:「製造機能の補佐までいるのか、このチーム……!」
四之宮サヨリ:「……追加装甲!先と比べても数段固い、ですね……!」
綾云媛:「……それが、あなたの望んだ道行きなんです?」
"ステルペス":「……言っとくけど、メイズに殺され慣れたお前と違って、僕らはたとえ"ゼウス"に再生産されようと、破壊されたらすぐに復帰はできないんだ」
"ステルペス":「ホントにしっかり守れよ。端末が取られるくらいならどうとでもなるけど、僕が落ちれば終わりだ」
"アルゲス":「分かっている。……おい女。想像回廊で何を見たかは知らんが、軽々に知った口を聞くな」
綾云媛:「質問に答える機能もないんですか?」
"アルゲス":「ぐッ……なんだこの……性格の悪い女は!」
後藤スダチ:「綾さん綾さん!そういう言い方もちょっと……!」
"ステルペス":("ブロンテス"のやり口なんだよなあ)
後藤スダチ:(綾さんの目!あのビジョンを見せられてもノドスに同情しているようすが一切ない……!)
後藤スダチ:(心が強すぎるんだ!)
齋藤リッコ:(そういえば元キングダム生か……)嫌な納得をしている
四之宮サヨリ:(こ、この状況ではとても頼れるんですが……!)ちょっと複雑な気持ち。
後藤スダチ:(……ともあれ……)スライムを腕にまとわせ、自分の攻撃準備を整えていることも勿論だが
後藤スダチ:会話による時間稼ぎは、こちらの陣営も無意味というわけではない――敵戦力が合流した以上は、むしろこちら側に引き伸ばす利がある。
後藤スダチ:(回廊で分断されたフィオナ騎士団が私達を探して合流してくれるはず)
後藤スダチ:(それができる人達だ。信頼して、この敵を食い止める)
執行者Br型:もっとも早く動きを見せたのは、君たちの前方に布陣した射撃型の戦闘機械群だ。『ディオスクロイ』の名を与えられた、連続射撃に長けた機体。銃口が光る
後藤スダチ:狭い廊下。遮蔽物も多く、銃で多数の敵を相手取るには荷が勝つと判断する。通常なら。
後藤スダチ:そして後藤スダチは、一見して攻撃姿勢を見せていなかった。銃口すら敵に向けていない。
後藤スダチ:……が。データルームのような閉所での戦闘は、むしろジェネシスで最も経験してきたことだ。
後藤スダチ:――ガ!ガカカカン!!カカカカカッ!!
後藤スダチ:硬質な音が連続し、予測通りに前に出た射撃型の戦闘機械をまず返り討ちにする。
後藤スダチ:その奥に控えていた重装型にもいくらか着弾しただろう。
"ステルペス":「お!」
後藤スダチ:銃は後ろ手に向けたままだ。つまり、その方向に撃って、命中させたのだ。
後藤スダチ:「……着弾点の材質や角度。最適な跳弾の条件は、普通は計算できないけど……」
後藤スダチ:その着弾点にスライムをあらかじめ移動させておけば、どの程度の弾性で弾丸が跳ね返るのかは、十分なデータがある。
後藤スダチ:「計算する時間はあった。十分すぎるほど、くれたからね……」
"ステルペス":攻撃にも移れず破壊される執行者を見て、ステルペスは興味深そうな声を上げた
"ステルペス":「いいやり方だ! 噂の思考伝達ポリマーだね。うちにも欲しいな……!」
綾云媛:「結構!」弾丸に遅れて、1人の少女がその前衛に滑り込んでいる。
後藤スダチ:「オフィサーはノドスとの取引を考えてる。まともな方法で売り買いしてくれるならね!」
後藤スダチ:後方から音もなく飛び込んできた綾とすれ違うようにして、一歩後退する。
後藤スダチ:つまり、前衛の攻撃を援護する後衛の形だ。射線を警戒させ、より強い破壊力で蹂躙できるようにする!
綾云媛:着弾した執行者の1機を捉え、引き倒す。
執行者Cu型:「――!?」 元より重装型は作業機に性質が近く、反応は鈍い
綾云媛:膂力によるものではない。体の各所から獣の牙や爪が生え、銃創に食い込ませて捩じ切る。
綾云媛:甲高い音を立てて食い破っていく。
後藤スダチ:「さっすが、キングダムの王鍵……!」
"アルゲス":「……『ヘラクレス』ではあの女の相手はな」
執行者Cu型:重厚な材質と装甲だ。だが弾痕のような隙がわずかでもあれば、君の力をねじ込む余地は十分にある
綾云媛:「ずいぶんと大仰な名をつけたものですね」
綾云媛:「それを喰らえる獣の名付けに苦労するじゃないですか」
綾云媛:立ちはだかるようにその場を維持している。
齋藤リッコ:(あの二人……あの数の前衛を一瞬で……)
"アルゲス":「毒マムシとでも呼んでやろう。その眼には似合いだ」
綾云媛:「絞め殺されたければいつでもどうぞ」手招きする。
"アルゲス":「……」 一歩、僅かに攻撃に移りかけたが
"ステルペス":「ストップ」 制止される 「デカいのが来る」
綾云媛:「チッ」舌打ちして。「余計な入れ知恵を……」
四之宮サヨリ:構築された神殿砲塔が瞬き、唸る。
四之宮サヨリ:「謝っておかなきゃと思ってたんです。アルゲスさん」
"アルゲス":「……何?」
四之宮サヨリ:「売り言葉に買い言葉とはいえ、先の私の発言は、貴方達に……貴方に対する最低の侮辱でした」
四之宮サヨリ:「……本当に、申し訳ありませんでした」
四之宮サヨリ:攻撃準備は止まない、輝きは放たれる時を待っている。
四之宮サヨリ:「……それだけです。どうとってもらおうと構いません、ですが───」
四之宮サヨリ:「狭所戦闘は私たちの十八番、加減は一切、致しません……!」
"アルゲス":「……謝罪と口にしておいて、攻撃についても一切容赦があるまい」
"アルゲス":「女らしい情緒の不安定が為せる業か……!?」
四之宮サヨリ:輝きが地へと向かい、沈む。遥かな光がアルゲスとステルペスの足元を照らし───
四之宮サヨリ:「……冥護なる地雷!」
"ステルペス":「下だ」
四之宮サヨリ:無数の雷柱が、機体の足元、側面の壁から串刺すように放たれる。
"アルゲス":短く告げると、"アルゲス"は機敏に反応した。"ステルペス"の機体を庇い、自らは剣で雷の一部を受け流す挙動を見せ、ダメージを減ずる
"ステルペス":「ナイスゥ~!」 アルゲスによりその雷から庇われ、機嫌良く声を上げる"ステルペス"
"ステルペス":彼はその機体名を『アトラナート』と言った。大地の深奥にて糸を編む蜘蛛の名。張り巡らされた糸にて世界を裏より握る。そういう性能を持っている
後藤スダチ:「サヨリさん!攻撃予告みたいなことするから~!」情けない声をあげる。
四之宮サヨリ:「気持ちの整理です!モヤモヤしたままだと、ちゃんと向き合えませんから……!」
後藤スダチ:「そういうのしなくていいんですよ!戦闘中は!」
齋藤リッコ:「でも分かってたって普通受け流せる!? あれ……!」
四之宮サヨリ:「……雷速に反応して流してくるんです、変わりませんよ」
四之宮サヨリ:「しかし、それも当然です。彼らはそれだけの経験値を積んでいますから」
後藤スダチ:(それは、そうだ。今、アルゲスが判断したのは攻撃が放たれた後――)
後藤スダチ:("ステルペス"の解析で分かっていたのは、方向だけ。それでも間に合わせた……)
四之宮サヨリ:(地面からの攻撃を警戒させ、それぞれの発生タイミングをズラしもしているし、逃げられないように包囲もしている。その上で……避けてくる)
綾云媛:「向こうはしてきませんよ」
綾云媛:「後方警戒!」
執行者Ba型:……端緒を切った戦況の後方に、紫の光が満ちる。俗に砲撃型と呼ばれる戦闘機械群だ
執行者Ba型:その瞬間には、レンズ型の頭部から魔弾の砲丸が放たれ、一帯へ無差別に降り注ぐ。砲火の中心となったのはリッコだった
齋藤リッコ:「!」
齋藤リッコ:(避ける……無理か。ガードも間に合わない)
齋藤リッコ:(侵蝕率が高い……飛ばされる? 無理やり止めて……今? ぶっつけ本番で──)
齋藤リッコ:刹那の逡巡の最中、それに気付く。
齋藤リッコ:「……早かったわね……!」
フィオナ騎士団員:緑色の風がその場に流れ込んだ。手にした武器で、リッコに直撃しようとした砲丸を阻む
フィオナ騎士団員:「いいえ……遅れました! ……間に合っただけ良かったです」
齋藤リッコ:「ううん、ありがと助かった! 後で奢らせて!」
後藤スダチ:「やっぱりすごい!フィオナ騎士団……!」
後藤スダチ:高速戦闘の最中の呼吸を合わせたカバーリングは、専用の訓練がいる。少なくとも自分はまだ習得できていない高等技術だ。
綾云媛:「流石に展開が早い……」
綾云媛:領土に入ってもすぐに湧いてくるものなあということを考えている。
エイヴ・ド・レスタイム:「始めてる始めてる」 こちらは、後ろの方からハイトといっしょに覗き込んでいる 「こうなると出る幕ないですね~」
ハイト・ワトソン:「が……頑張って……!」 エイヴに対し、こちらはかなりげっそりだ
四之宮サヨリ:「よかった……皆さん、ご無事で!」
"ステルペス":「……状況に大きな影響はない。どっちにせよ主力はこっちだ。分かってる?」
"アルゲス":「言わんや!」
"アルゲス":スラスターから青白い火を発し、高速で前進する。その軌道は一直線に綾の元へ
"アルゲス":刃から雷光を発し、正確でお手本のような斬撃。先程相対した時と変わらない。ただ少しばかり踏み込みが深い
綾云媛:「ガッ……!」先程よりも侵蝕が進んでいる。攻撃はさらなる負荷となる。
綾云媛:だが、それでもやることは変わらない。むしろ踏み込まれた分は避けづらさになる。
綾云媛:体のあちこちから染み出すように獣相が現出し、攻撃者を食い殺さんと荒れ狂う。
綾云媛:一対の蛇が、その隙を突いて足首に当たる部位に咬み付く。
"アルゲス":「グッ……おお……!」
綾云媛:「ぐっ……ああ、失礼」
綾云媛:「絞め殺すつもりだったのに……咬み殺してしまうところでした」
"アルゲス":追加装甲をその牙で食い荒らされながらも、刃を振り抜く。元より反撃が来ることは理解の上だ
"アルゲス":「……お、俺の……」
"アルゲス":呻きの合間、言葉が漏れる 「……俺の」
"アルゲス":「望んだ道行きだ。今の俺の剣は、以前の俺に劣るだろうが」
"アルゲス":「『効く』だろう? ……十字冠に戒められた身には……!」
"アルゲス":言葉の通り、斬撃に対する再生反応を咎めるように、雷が遅れて迸る。それによる痛苦は、確かに再生による侵蝕を加速し得るだろう
綾云媛:「これを、戒めと断じるあたり……」苦悶に顔を歪めながら笑う。
綾云媛:「あなたも別の女に毒されていますよ」
"ステルペス":……その衝突の後方、"ステルペス"は"アルゲス"に追従する形で動いていた。もちろん距離は取っている……彼らの衝突に巻き込まれてはたまらない
"ステルペス":その軌道は天井に射出したワイヤーを起点とし、さらに電磁浮遊能力を組み合わせた、立体的で奇妙なものだ。空中を滑りながら、逆関節の両腕の片方を差し出している
"ステルペス":「折角直接やり合う場なんだから……データよりも実感を重視しよう」
"ステルペス":「つまり君だ!」 放たれるのはシンプルな銃弾のマシンガン連射だ
"ステルペス":そう大きな威力のものではないが、ここまで来るのに消耗してきた君たちにとっては決して無視しかねる威力。その弾丸がサヨリへと降り注ぐ!
四之宮サヨリ:「避け……っ」一歩動こうとした時点で、その軌道に気付く。
四之宮サヨリ:「られない……!」
四之宮サヨリ:予想される総ての回避路を潰されている。これでは。
四之宮サヨリ:「っ、ぁ……!」何処に動いても命中するように撃たれているなら、その場で致命点を避けるのが最適解。最低限の動きで被弾する。
"ステルペス":「よしよし、練習通り……! 痛くするのは悪いと思ってるけど」
"ステルペス":「戦闘だからね!」 軽く言いつつ、"アルゲス"の脇に滑り込む
四之宮サヨリ:弾丸が肌身を裂き、脇腹を抉った分が再生する。「ええ、それは此方も同じですから……!」
齋藤リッコ:「……」陣形を整えた“アルゲス”と“スペルテス”に目をやり、大きな溜息を吐く。
齋藤リッコ:「……最悪の気分だわ」
齋藤リッコ:「あたしはこんなことの為に…… ……」
齋藤リッコ:「あの回廊の狙いがこれだったなら……大したもんね」
"ステルペス":「ウワアア、褒めてくれるなら……大声でお願いします!」
"ステルペス":「前がコワイから!」 アルゲスと綾のことである
齋藤リッコ:「……」呆れたようにまた嘆息して「……あんた達に事情があることはよく分かった」
齋藤リッコ:「同情もする。何か出来ることがあるなら力になりたいとは思う」
齋藤リッコ:「でも、それとこれとは別でしょ」
齋藤リッコ:「あんた達の過去がどうであろうと……」
齋藤リッコ:「今、していることを許す理由にはならない」
齋藤リッコ:リッコの周囲が急速に白く凍結していき、それからその中心に真紅に燃え盛る魔眼が現出する。
"ステルペス":「同い年の女の子に叱られるなんてさあ! ……死んだ奴は羨ましがるかもね!」
"ステルペス":「奥からサラマンダー攻撃!」
齋藤リッコ:過去と未来から現在へと熱量を奪う魔眼。炎の魔眼が変形し、五本指を持った巨大な腕に似た形を成す。
齋藤リッコ:大量の火の粉が撒き散らされ、周囲の機器が熱で赤熱していく。
齋藤リッコ:「……こんな大雑把な攻撃、あんたなら簡単に捌けるでしょうけど」“アルゲス”に目をやり
齋藤リッコ:「それでも……そいつを庇うしかない。でしょう?」
"アルゲス":「……チッ。お前喋りすぎなんだよ」
"ステルペス":「かなり面目ない!」
齋藤リッコ:炎の巨腕が大きく指を広げ、爆風と共に“スペルテス”を捉えんと迫る。
"アルゲス":リッコの言う通りだ。"アルゲス"は最低限炎を切り抜けつつ、しかし自力で攻撃を凌ぎ切れない"ステルペス"を庇うしかない
"アルゲス":"ステルペス"の機身を蹴り、攻撃軌道から逸らす……が、自分の回避は間に合わない。その身を迫る炎の腕へ晒すことになる
齋藤リッコ:超高熱の掌が“アルゲス”の機体を鷲掴みにし、炎と圧力が機体を握り潰さんと締めあげる。
"アルゲス":「ぐくッ……ッ!!」
齋藤リッコ:「うぐぐぐぐ……!」魔眼を操作し、自分も突き出した拳を握りながら
齋藤リッコ:「降……参……しなさい!!」
綾云媛:「……!」思わず後ずさっている自分に気づく。
"アルゲス":「降……参? 降参……? ははは……」
"アルゲス":「壊れるまで戦った結果仮に敗北するのと、今この場で降参するのと、何が違う?」
"アルゲス":「……いや、返事をするな。何一つ違うものか! お前たちなぞの許しを得ようと……!」
齋藤リッコ:「どいっっつもこいっっつも…………!!」
齋藤リッコ:「どうして後戻りってことが出来ないわけ……!?」
"アルゲス":「後に戻った所で何が戻ってくるか! ……同級生も、俺の剣も!」
"アルゲス":「行く所まで行く他の選択肢など……」
"ステルペス":突如、銃声。横からリッコの身体を銃弾が撃つ
"ステルペス":「……ただ庇われるだけの奴はノドスにいないってワケさ」
"ステルペス":先ほどサヨリを撃ったのとは逆側の腕の銃口が、リッコへ向けられている
齋藤リッコ:「かふっ……」
齋藤リッコ:口端から血が零れ、魔眼の操作が解除される。
"アルゲス":炎の握撃から逃れると、再び剣を構え直す。……その損傷、特に追加装甲部に加えられた傷は、じりじりと回復しているのが分かるだろう
齋藤リッコ:「……あんたも……!」
齋藤リッコ:「……何か……何かあんでしょ!」
齋藤リッコ:「こんなのよりも……!!」
"ステルペス":「こんなのって」
"ステルペス":「……たった100人残った同朋より大事なものって、そんなにある?」
"ステルペス":「君はそれをくれるのかな?」
齋藤リッコ:「……それは……!」
齋藤リッコ:彼らが負った傷に対して、己などあまりに無力だ。それを痛感する。
齋藤リッコ:その空虚な穴を埋めることは、最早何であっても適わないのかもしれない。それこそ──だからこそ、彼らはノヴァリスを破壊せんとしているのか。
齋藤リッコ:「それでも……!」
齋藤リッコ:だとしても、口にせずにはいられなかった。
齋藤リッコ:「それでも! 絶対間違ってるでしょ、こんなの……!!」
◆ 2R
[[7] "ステルペス" / [8] "アルゲス" / [5]綾云媛 / [6]齋藤リッコ]
│
1m
│
[[10]後藤スダチ]
│
1m
│
[[11]四之宮サヨリ / [1] 執行者Cu型_2]
│
8m
│
[[8] 執行者Ba型]
GM:2ラウンド目、セットアップから入りましょう
綾云媛:ないなりました
齋藤リッコ:なし!
四之宮サヨリ:ありません!
"ステルペス":これ《機械化手術》って自分にも使えると思うんですが……使いません。これは自分自身はうまく強化できないという設定だと思ってください
"ステルペス":という訳でセットアップはこちらもなし
後藤スダチ:《アクセル》《活性の霧》をリッコちゃんに。活性の霧は拒否もできるよ
後藤スダチ:拒否しない場合、ラウンド中行動値+10、攻撃力+24です
齋藤リッコ:ウオオオ 何なんだよこの力は!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(103 → 107)
齋藤リッコ:まんじりともせず受け入れます
GM:ではイニシアチブに入ります。最速は行動値16の……齊藤リッコ! 行動をどうぞ
齋藤リッコ:はい!どうするかな~
齋藤リッコ:手抜いて撃ち漏らすのがいちばんまずいか ジェネシフトします!
齋藤リッコ:96+1D10
DoubleCross : (96+1D10) → 96+7[7] → 103
齋藤リッコ:まあよし!
GM:盛り上がっているようだな……!
齋藤リッコ:メジャーで《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》
齋藤リッコ:対象アルゲスとステルペスです
GM:来な……!
齋藤リッコ:10DX7+6
DoubleCross : (10DX7+6) → 10[1,2,3,6,7,7,7,8,8,9]+10[1,2,4,5,9,9]+10[3,9]+10[10]+1[1]+6 → 47
綾云媛:いいじゃ~ん
GM:ヒエェ
齋藤リッコ:死んでくれ~~
四之宮サヨリ:主人公ちから……!
後藤スダチ:いい出目!これはアルゲスといえどひとたまりもなし
"アルゲス":リアクションします。《ゲットダウン》
"アルゲス":5dx+19
DoubleCross : (5DX10+19) → 10[1,2,9,10,10]+10[2,10]+7[7]+19 → 46
"アルゲス":ホハハハ……!
四之宮サヨリ:な、なんだこいつ……!
齋藤リッコ:なんだこいつ!?
"ステルペス":凌げる! 《勝利の女神》で達成値を+12
齋藤リッコ:あり得ない話し!!
"アルゲス":これにてドッジを成功します。それはそれとして《マグネットフォース》で"ステルペス"をカバー
GM:ダメージをどうぞ!
齋藤リッコ:オリャ~~ッ
齋藤リッコ:5D10+48+2D10+2D10
DoubleCross : (5D10+48+2D10+2D10) → 31[8,2,9,6,6]+48+12[10,2]+9[6,3] → 100
綾云媛:やば
GM:ゲエ~ッ
後藤スダチ:すっげ~~
齋藤リッコ:死ね~~ッ
四之宮サヨリ:すごい力だ
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を11増加(96 → 107)
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を7増加(107 → 114)
綾云媛:機械化手術分全部持っていってる
GM:これは……落ちます! 本当にあと一歩少なければ耐えられたのだが……
齋藤リッコ:ハァハァ……やったぜ
四之宮サヨリ:やった……!
"アルゲス":戦闘不能です。復活エフェクトもなし!
綾云媛:もう来ないで~
◆ 2R
[[7] "ステルペス" / [5]綾云媛 / [6]齋藤リッコ]
│
1m
│
[[10]後藤スダチ]
│
1m
│
[[11]四之宮サヨリ / [1] 執行者Cu型_2]
│
8m
│
[[8] 執行者Ba型]
GM:イニシアチブを進めましょう。うう……お姉ちゃん……
GM:サヨリさんの手番です。行動をどうぞ!
四之宮サヨリ:マイナーは……まだ渋ります
四之宮サヨリ:メジャーでコントロールソート、コンセ。ステルペスに射撃!
GM:来い!
四之宮サヨリ:11dx7+2
DoubleCross : (11DX7+2) → 10[1,2,2,3,3,4,5,6,8,8,10]+3[1,1,3]+2 → 15
四之宮サヨリ:うぎゃー!毎回なんだこのダイス!
齋藤リッコ:弟に手加減しているのか……!?
"ステルペス":まだある! ドッジします
綾云媛:そんなに服が破れたままではね
"ステルペス":アルゲス爆死させて勝利の女神取っておけばよかったな
"ステルペス":6dx+1=>15
DoubleCross : (6DX10+1>=15) → 9[1,4,4,5,9,9]+1 → 10 → 失敗
"ステルペス":グゥ~ッ……これ以上の後乗せは無理です。ダメージをどうぞ!
四之宮サヨリ:ハァハァ……命中!
四之宮サヨリ:2d10+2d10+1d10+22
DoubleCross : (2D10+2D10+1D10+22) → 9[2,7]+8[5,3]+2[2]+22 → 41
四之宮サヨリ:ダメージダイスも低い!
四之宮サヨリ:クソ~ッ、諸々有効です
"ステルペス":あっ それはギリ耐えます。ラッキー
四之宮サヨリ:侵蝕は上昇値低め、4だけ増えて96
"ステルペス":まああと一桁なんだけど……
GM:という訳でイニシアチブを進めます。スダチさん……ダブルクロスには待機というルールもありますよ
後藤スダチ:誰が待機などするか!
後藤スダチ:残り一桁の"ステルペス"!今楽にしてやるぜ!
"ステルペス":ヒェ~ッ
後藤スダチ:ウェポンケースのオートアクションでSTALKERを装備。
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》で"ステルペス"を攻撃します。
後藤スダチ:10dx7+6+3
DoubleCross : (10DX7+9) → 10[1,2,2,2,3,3,5,6,6,7]+1[1]+9 → 20
後藤スダチ:アッここに来てこれまでの反動が……!
"ステルペス":今日の勝利の女神は……僕だッッ
"ステルペス":6dx+1=>20
DoubleCross : (6DX10+1>=20) → 8[1,4,6,7,7,8]+1 → 9 → 失敗
後藤スダチ:調子の良い達成値を出しすぎた……!
GM:だめです。ダメージをどうぞ!
後藤スダチ:だが、貴様のようなモヤシ野郎にはこれで十分だったようだな!
後藤スダチ:3d10+9+1d10+2d10
DoubleCross : (3D10+9+1D10+2D10) → 17[3,4,10]+9+7[7]+13[10,3] → 46
後藤スダチ:ダメージボーナスのお陰で素でもなかなかのダメージ。装甲は-10です。
四之宮サヨリ:DDは強いぞ……!
"ステルペス":どうしようも……ない! これにて戦闘不能です 装甲も減らされてはな……
齋藤リッコ:やった~!
綾云媛:ワオワオ
四之宮サヨリ:やった~!
後藤スダチ:わーい
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(107 → 111)
GM:執行者どももカメラ外で片付いたことにして大丈夫です。ご自由にお食べください
後藤スダチ:ヤンヤヤンヤ
後藤スダチ:じゃあ手番空いてる綾さんが画面外でボコボコにしたんでしょうね
GM:お食べってそういうことだったのか
"ステルペス":「アルゲス! 当たり前だけど、僕が自分を補強できるようなら……彼女らが来る前にやってるんだ」
"ステルペス":「つまりここを抜けられるかは君の頑張り次第ってこと! ……来るぞ!」
"アルゲス":「言われずとも……!」
後藤スダチ:会話の最中に、"アルゲス"と"ステルペス"を正確に狙った銃撃が飛来する。
後藤スダチ:先ほど見せたような、この地形を活かした跳弾だ。反撃行動に出るとしても、遮蔽のスダチを捉えるには一手を使うことになる。
"アルゲス":人ならぬ機動を許容する機械の上腕を活かし、刃と装甲の鋭部でそれを弾く
後藤スダチ:(銃撃程度なら弾いてくる。それは分かっている……)リロード。
後藤スダチ:(だとしても……嫌じゃないはずがない!主力ではない私に集中力を費やさせられるのは……!)
"アルゲス":(だがこれは本懐の攻撃ではない。先ほどと同じ手だ。同じことを繰り返すしかできないほどこいつらを追い詰めた覚えは……ない!)
後藤スダチ:撃つ。撃ち続ける。それも、執拗にカメラアイの周囲。直撃せずとも、自分の防御行動で視界を遮らせるように。
後藤スダチ:("ステルペス"には最優先で観測すべきことがある。サヨリさんの砲撃予兆!見誤って直撃すれば、一撃で撃墜される攻撃!)
後藤スダチ:単純な数の利ならば機械兵を操れる向こうが上だが、オペレーターの数は二人だ。こちらには思考リソースの利がある――それを活かす!
齋藤リッコ:「本当に──やるわね! スダチちゃん!」
齋藤リッコ:まさしく後藤スダチが生み出したその隙を以て、仕込みが完成した。
齋藤リッコ:床面を凍らせ摩擦を低減、更に爆風の反動による異常な軌道、恐るべき速度でノドスチルドレンの懐に飛び込む。
齋藤リッコ:手に携えるのは燃え盛る炎剣。身の丈を越えるそれを、“アルゲス”と“ステルペス”に横薙ぎに振り払い──
"ステルペス":「! 速……!」
齋藤リッコ:そして同時。彼らの頭上と足元、天井と床が爆発、崩壊する。
齋藤リッコ:スダチの生み出した間隙を用い、上階と下階に展開させたもう二振りの魔眼剣。計三方向からの爆炎が機体へと迫る!
"アルゲス":アルゲスの剣はリッコの炎を斬ることはできない。装甲で防ぐこともできない。だが。あるいは。
"アルゲス":(雷血――!)
"アルゲス":雷をただ放つのではなく、自らの血――機械の身である今、それは装甲の内側を循環する駆動補助オイル――を飛散させ、一呼吸送らせてそれをエネルギー化する。
"ステルペス":(前だけじゃない上下!) こちらも、情報をレーダー伝達する。そもそも音声による助言は、ノヴァリス生たちに対するある種の見せかけにすぎない
"ステルペス":機械に慣れ親しんだステルペスと、機械の身に馴染んだアルゲスであれば、電気信号レベルの伝達で意思の疎通は可能である
"アルゲス":前方からの炎剣を、まずエネルギー爆裂した自身のオイルで最低限の損傷に留めた。上からの炎剣は刀身から放つ雷流でなんとか凌ぐ
"アルゲス":(下方は全力回避、これで俺はなんとか生き延びれるが……)
齋藤リッコ:(──反応した……!?)
齋藤リッコ:「……でも……!」
"アルゲス":「……ッのクソギークが……!」
"アルゲス":"ステルペス"が反応しきれないことを悟った彼に、反射以上の動作は許されない。彼の機身を蹴り退け、結局自らは退避しそこねる
"アルゲス":「ぐうぅッッ!!」
"アルゲス":下階からの爆炎に、今までにダメージを蓄積した装甲では耐えきれない。最後に剣を振りかぶりかけるが、それが攻撃に至る前に、力を失う
"アルゲス":「……っぱり……誰かを守るなぞまったく……性に合わん!」
"アルゲス":その言葉を最後に、彼の機体は派手に爆ぜた。煙の奥から、"ステルペス"の眼が光る
"ステルペス":「……読み違えたな。もうちょっとなんとかなると思ったんだけど」
齋藤リッコ:「……っはぁ……」息を吐いて
齋藤リッコ:「あんた達が仲間想いで助かったわ」
齋藤リッコ:「……」はたと口元を抑える
齋藤リッコ:「本心なんだけど……」
齋藤リッコ:「なんか……めちゃめちゃ悪役っぽかった?今の……」
"ステルペス":「……あはは! 分かってくれたかな僕らの友情!」
"ステルペス":「だから引けないんだよなぁ……!」 先ほどのようにワイヤーを天井射出し、爪の内側の銃口を君たちへ向ける
後藤スダチ:(――手詰まりだ)自分でもわかることなのだから、"ステルペス"が演算できていないはずもないだろう。
四之宮サヨリ:(───ここ)
四之宮サヨリ:サヨリの武装は、技巧者との戦闘では致命的な程に予備動作が長い。
四之宮サヨリ:或いは、通常の生徒同士の戦闘であれば威力を絞り高速での射撃は可能ではある。
四之宮サヨリ:だが、今は別だ。相手は圧倒的に経験値を積んでおり、自分では比較にもならないくらい。
四之宮サヨリ:(……だからこそ。こんな時の為の小技だけは、常に鍛えている……!)
四之宮サヨリ:天井に射出されたワイヤーを伝い、先に壁と地中より発生させた雷柱の残存高圧電流がステルペスへと流れ込む。
"ステルペス":「……うぉれれ!?」
四之宮サヨリ:僅か一点。微弱に偽装しておいたもの。アルゲスがこの地点までステルペスを誘導させる事を前提とした仕込み罠。
"ステルペス":電流を受け、ワイヤーを即座に外して着地するが、構造体中枢へのダメージは深い
"ステルペス":「ス。スパイダーマンでこういう状況は……なかったかな? ノドスにない号にはあるのかな! はは……!」
四之宮サヨリ:(けど、私の射撃までは間に合わない!)
"ステルペス":帯電しながらもなお停止には至らない。眼は君たちを銃撃対象として捉えている
四之宮サヨリ:(でも!)
四之宮サヨリ:この隙を、彼女が見逃すわけがない。
後藤スダチ:――ダン!!!
後藤スダチ:カメラアイを撃ち抜く。
"ステルペス":「オッ」
後藤スダチ:「サブマシンガンの方は、確かに」
後藤スダチ:「リロードのタイミングだった。だけど、拳銃のほうに銃弾を残してたんだよね……」
後藤スダチ:その手のトリックを使わなくても、"ステルペス"に逆転の目はなかっただろう。
後藤スダチ:ただ、それを理解した上で、一瞬の機会に反撃を狙ってくるだろうことも、分かっていた。
"ステルペス":「サブウェポン携行は……基本だよな! カッコいいよ……」
"ステルペス":逆関節の両腕部位を上げ、その後背部を開く。古めかしい形状の弾薬がカラカラと音を立てて床に落ちた
"ステルペス":「降参だ。目も潰されたし……ほどなく機能停止する。"執行者"もまあ……こうなったら相手にはならないでしょ」
後藤スダチ:「……ねえ、"ステルペス"。『コードC』って言葉に心当たりは?」
後藤スダチ:後方の機械兵は、綾云媛が相手をしている頃だろう。齋藤リッコが代わりに"アルゲス"の前に出てくれたから、それができる状況になった。
綾云媛:バキバキと装甲板を剥ぐ音だけ聞こえてくる。
"ステルペス":「心当たりは……ない! ……何か対策を講じてくるとは思ってたけど、君がそういうのを持ってオンボロカーでドライブしてくることは事前予測できなかった」
後藤スダチ:「……」
後藤スダチ:ブラフかもしれない、と心のどこかで思う。彼らは絶対にノヴァリスの生徒の利益になることは答えないと決めているのなら、デタラメな回答も返すだろう。
後藤スダチ:「……信じるよ」
"ステルペス":「ありがとう。……あのさ、そういう訳で、僕、降参はしたじゃん?」
"ステルペス":「良ければその『コードC』の実行まで同席していい? ……何もしない! 邪魔とかもしないからさ」
後藤スダチ:「……ええ……」微妙な表情になる。
四之宮サヨリ:「…………本当に?約束できますか?」
四之宮サヨリ:とは言いながらも、問い詰めるような声色ではない。
"ステルペス":「するする! できる! 約束する!」 ぶんぶん円柱形の胴らしい部分が頷く
後藤スダチ:(やっぱりそっちが頭なのかなあ)
齋藤リッコ:「肝心なところで……『かかったなァ!ヒャヒャァ~ッ!』とかならないわよね……?」
後藤スダチ:「というか、ここまでの自分達の行動を省みて……」
後藤スダチ:「……そこで信用してもらえるって思う……?」
綾云媛:「“ヘカトンケイレス”の停止が先では」
"ステルペス":「"ヘカトンケイレス"はテスラの領分だよ! 僕があれこれ言ったって止めるのは厳しい……! 操作系までは結局見れなかったし、見れたとしてもあいつの能力でジャーム化してるのを止められるかどうか」
後藤スダチ:「すごい喋るなあ」
四之宮サヨリ:「かなりお話してくれますね、元々話したがりなのかもしれないけど……」
齋藤リッコ:「……ていうか、そもそもどうしてそこまでして同席したいの?」
"ステルペス":「いや、もちろん実態的には無線操作でチョクチョク邪魔することはもちろん可能なんだよ。これそういう体だし」
"ステルペス":「でもしない! そういう機能もオフにするから! 今オフにしたオフに! あ~手も足も出ない! くそ~ッこんなに女の子が目の前にいるのに!」
綾云媛:「お前の領分は何になるんですか」執行者の残骸を踏み砕きながら。
綾云媛:「すべて“ゼウス”の領分とでも言わないでしょうね」
後藤スダチ:「……素直に"ステルペス"の言葉を受け取るなら」
後藤スダチ:「『コードC』はノドスにとっても実際に未知の要因だったんだと思う」
後藤スダチ:「計画に横合いから介入した未知の正体を知りたがっている……」
"ステルペス":「僕の領分はジェネシスの電子制圧と、そのリソースを逆用したピラーへの攻撃! もし君らに勝ってたらジェネシスの兵装まで使ってピラーに攻撃するつもりだったよ」
後藤スダチ:「いやちょっと待って、ジェネシスの兵装でピラーに攻撃!?」
後藤スダチ:「それは絶対駄目!今すぐ止めるから!」
綾云媛:「宣戦布告ですねえそれ」
四之宮サヨリ:「本当、実現したら洒落にならない被害……」
"ステルペス":「だけどそれはもうできない。だったらこのまま退却するだけより……僕のやったことが打ち破られる所まで確かめたい、というのと」
"ステルペス":「その瞬間の君たちが見たい……アッそうそう、すぐ止めてすぐ止めて! 僕なんかかに構わず!」
"ステルペス":「一般的な記録媒体ならデスクの右下のコネクタに指せるはずだからね~」
齋藤リッコ:「……どう思う?」
齋藤リッコ:「……あたしは別にいいんじゃないかなって思うけど……」
齋藤リッコ:「“ステルペス”はずっとここに居たわけでしょ?今出来ることならこれまでのタイミングだっていつでも出来たはず」
四之宮サヨリ:「……こうなると梃子でも動かなさそうですね、彼」
綾云媛:「どうも何も」
綾云媛:「同席させる利を何も提示できないのであれば」
綾云媛:「なくないですか?乗る理由……」
齋藤リッコ:「利ならあるわよ」
綾云媛:「……というと?」
齋藤リッコ:「ノドスは何も“マスターゼウス”しかいない訳じゃないでしょ」
齋藤リッコ:「さっき回廊でも見たけど、他にも色んな考えを持った生徒がいる……」
齋藤リッコ:「ここで“ステルペス”に恩を売るのは、今後にとって悪くない……んじゃないかしら。このお喋りだし、ノヴァリスに友好のルートがあるって考えてくれるノドス生にも伝わるかも」
後藤スダチ:「……リッコちゃんは、カギョウさんの取引と同じことだって言いたいんだね」
後藤スダチ:「今後も対等にやっていきたいという意思を見せるためには……」
後藤スダチ:「……どこかに線を引いて、公正でないといけない」
後藤スダチ:「何かをしてくることを疑うなら、実は、どこまでだって疑うことはできる……今見えている機体がそもそもダミーで、別の領域から電子戦ができるんじゃないかとか」
後藤スダチ:「今こうして要求内容を話し合わせている事自体が時間稼ぎで、その間にピラー攻撃の手筈を整えているのかもとか……」
後藤スダチ:「……私は」
後藤スダチ:「あはは……"ステルペス"の話を信じるって言っちゃったからね。どっちにしろ確かな正解じゃないなら」
後藤スダチ:「自分の筋は通すよ」
齋藤リッコ:「あたしはそこまで難しいこと考えてたわけじゃないけど……」笑って「まあ……この感じの相手をはいダメ!グシャ!って潰しちゃうのも気が引けるし」
綾云媛:「……我々としても、絶滅戦争がしたいわけではないのは確かですけども」
四之宮サヨリ:「……対等で居られれば、いつか譲り合えるものもあるかもしれない」
四之宮サヨリ:「それが、一番の理想です。私は……」
四之宮サヨリ:「……出来得る限り、そうありたい」
綾云媛:「承けるな、とは申しませんが」
綾云媛:「一要求くらいは通せるんじゃないですか。特定の一生徒の安否ですとか」
綾云媛:「そのあたりはよろしいので?」サヨリさんに顔を向けて。
四之宮サヨリ:「……そうね、確かに。今彼にその要求を通せば、分かるかもしれない、か」
四之宮サヨリ:「…………」
"ステルペス":「え~と……先に言っとくと、僕は100人の生存生徒全員をわざわざ覚えてたりはしないよ。ノドス男子はデータとしてはあんま面白くないし……」
"ステルペス":「もちろんノドスのデータベースを参照すれば、その疑問には回答できると思うけど。ちょっと時間もらうのは了承してほしい! こっちにも色々あるんだよね! どう?」
四之宮サヨリ:「……そうですか。本音を言えば、もう少し心の準備をする時間が欲しかったので」大きく深呼吸し、目を瞑る。
四之宮サヨリ:「時間が掛かっても構いません。お願いできますか?」
"ステルペス":「OK! 四之宮ユイだったよね。ちょっと待ってね~……じゃあこっちの話も並行して進めちゃおうか」
"ステルペス":"ステルペス"は鈍重な機体を引きずり、部屋の中心の端末の脇に落ち着く 「結局僕がここで何をやっていたか、なんだけどさ~」
"ステルペス":「そもそも論ね、ハッキング……っていうのは、知識がない人からすると魔法みたいに何でもできるように見えるかもしれないけど」
"ステルペス":「"アルゲス"とかいつもそう! ……実際は全然そんなことはない。ある種の『ズル』をしているだけなんだ。そして、ズルを防ぐ方法論は沢山ある」
"ステルペス":「たとえば、病院の受付でデータを登録する時、登録データを2枚の紙に書くようにルールが設定されていたとするじゃん」
"ステルペス":「『ズル』をしてそのデータを改竄しようとする時、1枚の紙を直接書き換えるだけだと、不整合が起きて改竄がバレてしまう」
後藤スダチ:無言で頷いている。
齋藤リッコ:「じゃあどうすんの?」
四之宮サヨリ:近くに座り、その様子をじっくりと眺めて。
"ステルペス":「この場合の正しい『ズル』の方法は『2枚の紙を書き換える』ことだけど……実は秘密裏に3枚の紙にデータを書くルールになってたらおしまいだ」
齋藤リッコ:「じゃあ無理じゃないの!」
"ステルペス":「だからね。効率の良い『ズル』は、そもそも『受付になりすます』、もしくは『本人になりすまして、受付に堂々と修正依頼をする』という手段になる」
齋藤リッコ:「え~っそんなのアリ!?」
綾云媛:「……」
"ステルペス":「そうすれば秘密裏に100枚の紙にデータを書くルールになっていても、100枚を書き換えることができるってわけ」
齋藤リッコ:「急に本人が来たらどうするのよ」
"ステルペス":「おしまいだね! ……実際ハッキングなんてそんなもんだよ。変装トリックだって、本人が来て、アワワワ~! ってなったりするでしょ?」
齋藤リッコ:「え~~っ!そんなもんなの!?」
齋藤リッコ:「ハッキングって……なんでもできる魔法みたいなもんかと思ってたわ……」
綾云媛:「本人がすでに存在しない人間ならば」
綾云媛:「その発覚はありませんね。死んでいるなり、追放されているなり」
"ステルペス":「そう! ……ということで、僕は計画の第一段階として」
"ステルペス":「『ノヴァリス養護教諭長』の権限をゲットした。これはノドスに残ってた研究員のデータと"ヘカトンケイレス"に残ってたふる~いデータを組み合わせていただいたものだ」
齋藤リッコ:「あっ、そこの話に繋がるんだ……」普通に感心して聞いていた
後藤スダチ:「システム側では『ノヴァリス養護教諭長』ってことになっていた。……それはここに来るまで調べた話と整合するね」
後藤スダチ:「だからそのままだと、『養護教諭長』のできないことには手を伸ばせない」
四之宮サヨリ:「成程、そうやってこの大想像回廊を……」機械の体を小さく撫で始めている。
"ステルペス":「おひょひょ……」 くすぐったい
"ステルペス":「コホン! ……まあそういうわけだから、ハッキングの方法論として『データの直接改竄』はあんまり優れた手じゃないというのが僕の考えだ」
"ステルペス":「誰かになりすますというちょっとしたズルをして『後は正規ルールに乗ってますよ』って顔をするのがスマートってことになる」
後藤スダチ:「――今回の仕掛けは、ピラー側からジェネシスを好き勝手に動かせるようにシステム側を作り変えたわけじゃない」
後藤スダチ:「それは、本来の『養護教諭長』が元々できたことで……」
後藤スダチ:「理事会が何らかの理由で、緊急時にジェネシスをシャットダウンできる体制を作っていたってこと」
"ステルペス":「じゃあ、ない」 スダチの言葉を受ける
後藤スダチ:「……?そういう話じゃないの?」
綾云媛:「元々、一理事会エージェントの独存で……七大派閥の学区を意のままにできるとは思い難いですからね」
四之宮サヨリ:「確かに。理事会の中でも上位どころではなくなってしまいますからね……」
後藤スダチ:「でも現に出来てるわけだし……」両手を所在なく動かす。
齋藤リッコ:「じゃあどういう話なのよ」
"ステルペス":「もっと単純な手段がある。ジェネシスにおける権力勾配を考えた時、一番大事なものは何か」
"ステルペス":「投票権だろ?」
GM:データベースの操作画面が表示される
後藤スダチ:「……!」
"ステルペス":「養護教諭長どのは……行方不明になったノドスの生徒を、死亡したとは見做さなかった」
"ステルペス":「いつか帰還した時に備えて、その状態を『行方不明』に留め、データベースを編集可能な者であれば、それを『生存』に書き換えるようにしていたんだ」
"ステルペス":「なので、僕はそうした」
後藤スダチ:「そうか……そういうことだったのか、『正規の手段』!」
"ステルペス":「ノドス生徒5000人全員を、データの上で生還させ……」
"ステルペス":「――ジェネシスに転校させた」
後藤スダチ:それが本当に必要な時、九社都牙莉亜はジェネシスの全システムを停止できるか?――恐らく、できる。適切なアクセスポイントさえあれば。
後藤スダチ:それは彼女の従えるオフィサーがジェネシスの過半数の生徒投票権を持ち
後藤スダチ:その総数に基づく決定であれば、ジェネシスは必ずそのように動くよう作られているからだ。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:「そんなのアリ!?!?」
綾云媛:「ジェネシスは未知の手段で停止されたのではなく――」
綾云媛:「生徒の総意として、その機能を遮断したことになっている」
四之宮サヨリ:「一気に大量の投票権を得たという訳ですか、事情に詳しい訳では無いですが、確かに……可能なのかもしれません」
"ステルペス":「そういうこと! 僕は転校直後に、多数の投票権を持つ生徒の起案によって生徒総会を招集」
"ステルペス":「5000人の投票権を僕、時戸ケイに委任させ、さらにその権利を以てジェネシスの機能と電子リソースを掌握したってわけ」
四之宮サヨリ:(あ、お名前……)
後藤スダチ:「……理事会の、未知のシステムなんかじゃなかったんだ。ノドスだからこそ、こういうことができた……!」
齋藤リッコ:「やっぱハッキングって魔法みたいなもんなんじゃないの……!?」
"ステルペス":「行方不明を生存に書き換えることも、生徒を転校させることも、養護教諭長はできたのさ。生徒の健全な育成のために学校を変える……必要だろ?」
後藤スダチ:「――じゃあ」新たな疑問が浮かぶ。
後藤スダチ:「そういう事態まで予測していた『コードC』って」
後藤スダチ:「一体?」
綾云媛:(コードCとやらは……そうなっていることを知っていて)
綾云媛:(それを解消する手段になる?)
"ステルペス":「話を聞けば、分かっただろ? ノドスの生徒戸籍を悪用すれば、ジェネシスの権限を一時的にでも収奪できることは」
"ステルペス":「これは僕だけの魔法でもない。誰かが思いついて、あれこれと手を尽くせばできることだ」
"ステルペス":「それを推測した誰かがジェネシスにいて……秘密裏にその対策をしていたって、そこまで不思議なことじゃないと僕は思う」
綾云媛:「一般化できる手段であれば、ただの方法」
綾云媛:「魔の法ではありません」
齋藤リッコ:「最初からそういう構造的な穴があったってことなのね……」
四之宮サヨリ:「そうして、今回はそのいざという時の対策が発動して……」
四之宮サヨリ:「スダチさんたちを、この場所まで送り込んだ、と」
後藤スダチ:「……」だとしても、尋常な備えではない。誰が。なぜ。謎は増えるばかりだ。
後藤スダチ:「……『コードC』の実行に立ち会いたい理由はよく分かった。私もそうしたくなると思う」
"ステルペス":「さて、この仕掛けを解決するもっとも簡単な方法は……このノドス生徒を転出させるだけだと、多分不足だ」
"ステルペス":「何故なら転入後の僕がしっちゃかめっちゃかにジェネシスの法規を書き換えて、生徒転出に関する手続きまで変更していたら、全てを元通りとはいかないからね」
齋藤リッコ:「あんたそんなことしてたの!?」
"ステルペス":「しょうがないだろ、地道な方法で制御権を取り返そうとする連中も実際いたから……そういうのは先手を取って対策しなきゃダメなんだよ」
"ステルペス":「穏便なのは僕らがやったことを全部Cancellationする手法だけど、実はもっと簡単で確実な方法がある」
"ステルペス":「この2日間、ジェネシスに転入してきてジェネシスを好き放題した5000人の生徒は……」
"ステルペス":「生きてなどいなかった」
後藤スダチ:「……」
四之宮サヨリ:「……っ」
"ステルペス":「……死亡させるんだ。そうすることで、当然この2日間のジェネシスへの変更は不正なものとしてロールバックされるし」
"ステルペス":「今後同じ手口でジェネシスが不本意に掌握されることもない。……養護教諭長がノドス生徒5000人を『行方不明』にしていたのは」
"ステルペス":「システム的に『死んだものとして、生きて帰ってきたら生還に戻す』ということをしづらかったという側面もあると思うよ」
綾云媛:「行方不明を死亡にすることは出来ても、その逆はあるはずもない」
齋藤リッコ:「なんか……でも……それって……」眉根を寄せて
齋藤リッコ:「……気分良くないんだけど……」
四之宮サヨリ:「……いくら、それが簡単な方法だったとしても」
四之宮サヨリ:「例えデータ上だけだとしても、私は許容できません……したく、ない。けど……今は……どうすれば……」
"ステルペス":「たかがデータの話さ。まあ、もしこのコードCの名前が、5000人を死亡させることにちなんで」
"ステルペス":「Carnageから来ているのだとしたら、そのコードを準備した人も、そういう重みを覚悟していたんだと思うけど……」
"ステルペス":「もっかい言っとく。……たかがデータだよ?」
"ステルペス":「僕ら誰一人、気にするものか」
"ステルペス":「……ということで、後は君の役目だ。後藤スダチ。……理事会に近しかった生徒の一人」
"ステルペス":「君が選ばれたのは、このデータベースにアクセスできるのが、理事会に近い生徒だったからという所は一因にあるだろう」
"ステルペス":「だがその他にも……君なら成し遂げるだろうという『誰か』の信頼があったからだ」
"ステルペス":円柱形の胴体に浮かぶ、光る眼が君を見上げている
後藤スダチ:「私……私に、誰かが」
後藤スダチ:誰のことだろう。理事会のエージェントの中には、確かに私に期待を寄せていた人がいたのかもしれない。
後藤スダチ:けれど、その人が誰だったのか、それだって今となっては、確かめようのないことだ。
後藤スダチ:「……し、深刻に」
後藤スダチ:「考えすぎだってば……あはは。私はただ、ジェネシスを再起動する仕事のために来てるだけだし……」
後藤スダチ:「それに、いちいちデータに感情移入してたら、修正作業なんて一生できなくなっちゃうよ!」
齋藤リッコ:「ちょっと!」“ステルペス”をつつく「何かさぁ!微妙に言い方に悪意があるでしょ!あんた!」
"ステルペス":「え、ええ~。だってここで変に誤魔化す方が悪いじゃないか……!」 つつかれる
齋藤リッコ:「スダチちゃん、こんなの気にしなくていいからね」
齋藤リッコ:「あっ、何ならあたしがやろっか? ええと……何をどうしたらいいのかは……わかんないけど……」
後藤スダチ:「いい。いいよ」
後藤スダチ:「……。ノドスが……味わったことは、本当に大変だったと思うし、同情もする……けど」
後藤スダチ:「何もかもを生き死にの話に繋げると、……いつまでもそうだから」
後藤スダチ:だから自分はやれる。ジェネシスを再起動させたら、営業本部として立派に仕事を果たしたことになる。オフィサーでの評価も高くなるかもしれない。
後藤スダチ:たとえ自分の利益がなくたって、やれる。今ジェネシスにいる生徒はひどく困っていて、中には生命維持に直結する生徒だっている。
齋藤リッコ:「……そう…… 分かったわ」それ以上は言わず、スダチちゃんを見守っている。
四之宮サヨリ:(……ごめんなさい、スダチさん)
四之宮サヨリ:心に浮かんだ思いは、自らに言い聞かせてでも進もうとする彼女への謝罪だった……自分には、きっとできない事を。
後藤スダチ:――ノヴァリスという異世界に来て、異質な常識を、いつまでも恐れている。
後藤スダチ:子供の頃からずっと、暗闇やおばけが怖い。人の心だって理屈で説明しようとするのは、分からないままであることが怖いからだ。
後藤スダチ:本当は優しくも明るくもないのに、表面上人に親切であろうとするから、色々なところで本音がにじみ出てしまう。
後藤スダチ:ずっと素直に振る舞えないのは、社会からの疎外を怖がっているからだ。
後藤スダチ:あの時。あの時はそうできたはずだ。文化祭の実行を決めた時。
後藤スダチ:高揚と、誇らしさでアルバ課長に実行を命令した時のような。
後藤スダチ:ここは冷たいサーバールームで、ノドスと、フォモーリアンが私を害そうとする恐ろしいピラーの高層で。
後藤スダチ:ひどく孤独だけれど、もう一度。
後藤スダチ:「……そうだね。私には」
後藤スダチ:自分の意志で、恐れを踏破できる力が。
後藤スダチ:「勇気が、なかったんだ」
後藤スダチ:『コードC』を実行する。
GM:無機質なモニタの上で、データが目まぐるしく更新される。生存が、死亡へ。それに伴い、更新時刻、状態確認時刻、更には内詳の不明な値まで、いくつも
GM:とはいえ内訳は簡単なデータの書き換えだ。処理は十秒程度で終わった。画面上に実行ダイアログが表示される
GM:『4900件のデータを更新しました』
後藤スダチ:「………………ふーっ……」深い溜め息をつく。
"ステルペス":「へへ」
"ステルペス":君の傍らでステルペスが声を漏らす
"ステルペス":「ごめん――この機体の無線操作機能をオフにしたっていうのは嘘だ」
"ステルペス":「君がたっぷり躊躇ってる間に、ノドス生存者100名については、ステータスを『行方不明』に固定して、この後数時間は更新できないよう管理プログラムを書き換えさせてもらった」
"ステルペス":「偶然手元に、現在のノドス生徒のデータがあったもんだからさ」
後藤スダチ:「……そうなんだ」非難する余力もない。
後藤スダチ:「そのほうがいい」
四之宮サヨリ:「ぁ……」
齋藤リッコ:「んなっ…………!? …………~~~るとどうなるの!?」
"ステルペス":「100名の投票権じゃジェネシスを好きにはできない。問題なく機能は復旧すると思うよ」
"ステルペス":「ついでに、君が知りたかったことも」 サヨリを見上げ 「君自身の手で確かめれば良い」
綾云媛:「……」
四之宮サヨリ:「そう……そっか」小さく、機体に抱き着いている。表情は見えない。
"ステルペス":「おおおぉぉ……」 その感触に一周回って硬直している
後藤スダチ:何もかもを……データを司ってきたからこそ、それを軽薄に扱ってきた"ステルペス"の行いで
後藤スダチ:それは初めて垣間見えた人間性のように思えた。
後藤スダチ:(そのほうがいい……)
後藤スダチ:私は、ノドスの4900人の死亡を確定させたかもしれないけれど
後藤スダチ:本当に生きている生徒を殺しはしなかった。
齋藤リッコ:「案外いいとこあるじゃないの、あんた。 サヨリちゃんの胸で鼻の下伸ばしてるのはともかく……」
"ステルペス":「デヘヘヘ……」
"ステルペス":「ま、データベースは正確じゃなくっちゃね」
四之宮サヨリ:「…………」ゆっくりと立ち上がって、データベースの方を見る。
四之宮サヨリ:目を凝らすのが怖い。見てしまうのが怖い。
四之宮サヨリ:私が見ない限りは、行方不明のままでいられる。
四之宮サヨリ:……そんな訳はない。
四之宮サヨリ:弟は確かにノドスの生徒として、生きて、生きて……そうして。
四之宮サヨリ:……戦って来た。その果てを、私は見なければいけない。
四之宮サヨリ:震える脚を進める。一歩、二歩。画面の前。
四之宮サヨリ:「…………」
四之宮サヨリ:……生存者の名簿に目を通す。
四之宮サヨリ:百人だ。そう時間もかからず、最も求めた名前に辿り着く。
四之宮サヨリ:……ことは、無かった。
四之宮サヨリ:「…………ああ」
四之宮サヨリ:分かっていた。アルゲスが覚えていないといった時点で、そんな予感はしていたが。けれど信じていたかった。
四之宮サヨリ:画面から離れる。ゆっくりと歩いて、壁際まで。
四之宮サヨリ:「…………ごめん、ごめんね…………」そのまま、小さく蹲る。
綾云媛:「……」
齋藤リッコ:「……サヨリちゃん」
齋藤リッコ:何も、掛けてやれる言葉は無かった。ただ隣に屈み込み、抱くように身を寄せる。
齋藤リッコ:かつて自分がそうしてもらったように。……せめてそれくらいしか出来なかった。
四之宮サヨリ:誰に謝っているのかも、既に定かではない。ただ、ぶつぶつと繰り返す。
四之宮サヨリ:私が何か行動することで、弟の生死が変わることは無い。分かっている、そんなの理解している。
四之宮サヨリ:でも、確かに自分は何もできなかった。無力なまま、ただ知る事しかできなかった。
四之宮サヨリ:……そんな自分が憎くて、ひどく悔しくて。
四之宮サヨリ:「あ"、あぁ"あああああ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"…………」みっともなく涙を零すことだけが、今の私に許された行動だった。
四之宮サヨリ:時間が無いのは理解している。ピラーの為に急がなければいけないのも、全て、全て、全て。でも、今だけは。
綾云媛:「サヨリさん……!」
四之宮サヨリ:……今だけは、悼み、崩れる。これから、また登って行かなければいけないから。
後藤スダチ:ぼんやりと、泣きじゃくるサヨリを眺めることしかできない。
後藤スダチ:死は、あまりにも大きい重荷だ。サヨリさんにとっても、きっとリッコちゃんにとっても。……ノドスの、誰にとっても。
四之宮サヨリ:……どれくらい叫んだだろうか。喉が枯れ、涙も出し尽くして。
四之宮サヨリ:ただ、ぼうと前を見ている。
四之宮サヨリ:その先に、ステルペスが視界に入った。覚束ない足取りで近づいていく。
齋藤リッコ:「……あ……」
"ステルペス":にょむにょむと鋭利な爪のような腕を動かす
"ステルペス":眼は部屋の隅を向いていた。君の号泣をじろじろと直視するほどデリカシーがないわけではなかったようだ
四之宮サヨリ:爪を手に取って、膝を落として。
四之宮サヨリ:「……ありがとう、教えてくれて。データ、残しておいてくれて」
"ステルペス":「お姉さんをこんなに泣かせるとは思ってなかったから」
"ステルペス":「僕は正直ちょっと後悔してるけど。お礼言ってくれるならよかったかな」
四之宮サヨリ:「いつか、知らなきゃいけなかったこと、だから」
四之宮サヨリ:「……それが、貴方みたいな優しい子を介してでよかった」
"ステルペス":「はは。ショックで感覚おかしくなってるって。まーいいや……」
"ステルペス":綾さんを見る 「約束は終わりだ。これ壊しちゃってもらえる? 残ってるとゼウスに働けって言われるからさあ……」
綾云媛:「私が壊す担当みたいになってるの、納得はいかないんですけど……」
綾云媛:「よろしいので?」サヨリさんを見る。
四之宮サヨリ:「……はい。彼がそうした方がいいと言うのであれば……そうしてください」名残惜しく手を放す。別れの時だ。
四之宮サヨリ:小さく笑う。泣きはらした目の周りは真っ赤に腫れて、体裁を保てていないけれど。
綾云媛:頷き、手をひゅっと振る。
綾云媛:獣が食い荒らしたような裂傷が、その機体に刻まれた。
"ステルペス":特に末路の声も漏れることはない。効率的な一撃は、さしたる痛みももたらさなかっただろう
"ステルペス":"ステルペス"の機体は機能停止し、残骸だけが残った
齋藤リッコ:「……」動きを止めた機体を一瞥し、小さく息を吐く。
齋藤リッコ:静けさの戻ってきたフロアの中、上方からはまだ“ヘカトンケイレス”が壁を削る音が響いてきている。
綾云媛:「サヨリさん……大丈夫ですか?いえ、大丈夫なわけはありませんけど……」
綾云媛:「何か私にできることはありますか?」
齋藤リッコ:「うん…… 無理せず、引き返してもいいと思うわ。もう回廊も止まったし……」
綾云媛:「最高生徒会にできることであれば掛け合いましょうか……?」
四之宮サヨリ:「……そうね。私のやりたかった事は、もう終わったのかもしれないし。でも……」
四之宮サヨリ:「ここまで来て、引き返すことはしません」
綾云媛:「引き返してもいいと思いますが……」
四之宮サヨリ:「云媛さんもありがたいけど……今は、いいわ。思い返し過ぎるとまた私、泣いちゃいますから」
齋藤リッコ:「……そっか」僅かに目を細める「本当に、強いね……サヨリちゃんは」
綾云媛:「あっ、いや、また泣かせたいわけではないのですが……」
四之宮サヨリ:「……全然。今でも立っているだけでやっとだし、心だって回廊で揺らいだまま」
四之宮サヨリ:「もしかしたら、一緒に行っても足手纏いになるのかもしれない」
綾云媛:「い、いえ!そんなことは……!」
齋藤リッコ:「……ううん、あなたが来てくれるなら、すごく心強い」
齋藤リッコ:「ありがとうね、サヨリちゃん」
四之宮サヨリ:「……ん」その手を取って、静かに頷く。
四之宮サヨリ:「泣くのは、終わった後でたくさんできますから。それまでは……」
四之宮サヨリ:「……それまでは、同行をお許しください。ピラーの崩壊を止める意志は、未だ変わりません」
綾云媛:「ええ。サヨリさんのなさりたいように」
齋藤リッコ:「……うん、分かった」彼女の決心に報いるように、頷く。動いていた方が哀しみは紛らわせる。それはよく知っていた。だからそれ以上は何も言わない。
齋藤リッコ:「……スダチちゃんもお疲れ様! 多分、これでもう……ジェネシスは復旧したのよね?」
齋藤リッコ:「ほんとにありがとうね。下にはもう敵はいないと思うけど……一応気を付けていってね」
後藤スダチ:「……………」
綾云媛:「はい!ここまでのご同道には切に感謝を……」
後藤スダチ:「………………あの、さあ……!」
後藤スダチ:「そりゃサヨリさんの方を心配するのは……当然なんだけども……!」
後藤スダチ:「私もみんなの見てないところでだいぶショックを受けたり……な、泣いたりしててね……!」
綾云媛:「えっ」
後藤スダチ:「これって私の存在感が薄いの!?それともサヨリさんより儚さが足りないのかなあ!?」
綾云媛:「申し訳有りません……!」
綾云媛:「そうとは露知らず……」
後藤スダチ:「ほら露知らないって!」
綾云媛:「あっいえ、その、言葉の綾と申しますか……」
四之宮サヨリ:「あっ、その……ごめんなさい、私ばかりになって……」
齋藤リッコ:「えっ、あっ……」
齋藤リッコ:「ご、ごめん……コードの時とか、そうかなとは思ったんだけど……」
齋藤リッコ:「逆に触れてほしくないのかなと思って……」
後藤スダチ:「放置する人ってみんなそう言うんだ!」
綾云媛:「えっと」手をわたわたさせる。「我々はどうすればいいですか……」
後藤スダチ:「じゃあもう私も最後までついていくから!あーあ!もう決めました!」
綾云媛:「どうすればご納得いただけます……はい?」
齋藤リッコ:「えっ……えっ……?」
四之宮サヨリ:「そ、それは願ったり叶ったりですけど……いいんですか?」
齋藤リッコ:「いやいやいや……だってあんなに怖がって……」
後藤スダチ:「……怖いけど」
後藤スダチ:「これだけ関わって、もう無関係ですはいさようなら、じゃあ……」
後藤スダチ:「いくらなんでも、お互い薄情すぎるって思わない!?」
後藤スダチ:(それに)テスラ・タイタニスが怖い。その上"マスターゼウス"は一切容赦なく私達を殺そうとしている。
後藤スダチ:(勇気を振り絞ることができた今なら、怖がらずに進めるかもしれない)
後藤スダチ:その結果どうなるかは考えない。……この瞬間なら、考えずにいられる。合理の怯懦を越えて、成したいと願うことを、するのだ。
綾云媛:「そういうものなのだとばかり、思ってました」
綾云媛:「あくまで利害を一時的に共有する間柄であると……」
後藤スダチ:「あの……!私の印象ってそんなに『無』なんですか!?」
後藤スダチ:「確かに他の子より個性はないし……戦闘でも派手なことはしてないかもしれないけど……!」
綾云媛:「えっいや……めちゃくちゃ助かりましたけど……」
齋藤リッコ:「スダチちゃん……!」感激してひしと手を握る
後藤スダチ:「わ……」
齋藤リッコ:「ありがとう……!」
後藤スダチ:「ど、ど」
後藤スダチ:「どういたしまして……?」
後藤スダチ:目を白黒させる。
齋藤リッコ:「スダチちゃんが来てくれるなら、正直すっごい助かるわ!!」
齋藤リッコ:「今までオフィサーの人ってお金とビジネスと選挙にしか興味が無いのかと思ってたけど……全然そんなことないのね!」
綾云媛:「それもまあまあひどい印象ですけどね」
後藤スダチ:(キングダム生徒らしい偏見の数々……!)
四之宮サヨリ:「あ、あはは……」
後藤スダチ:「いや、その、これだってほとんど善意ってわけでもないし……」
後藤スダチ:「私が……私の心を制御するために、決めたことだけど」
後藤スダチ:「やるよ。……やりたい。まだ、私の力が必要でしょ?」
四之宮サヨリ:「スダチさん……貴女は、この中で一番の頭脳派で、誰かの事を思って、恐怖を押してでも動ける優しい人」
綾云媛:「暗に私達がバカって言ってます?」
四之宮サヨリ:「い、言ってませんよ?!」
四之宮サヨリ:「……とにかく、一緒に来てくれるのであれば、本当に心強いです」
齋藤リッコ:「うん! マジで頼もしいわ……! 正直スダチちゃん抜きでこの先キツそうだなって思ってたのよね~」
齋藤リッコ:「それに、善意がどうのとか……気にすることないでしょ。あたしも善意でなんて動いてないし」
四之宮サヨリ:「現に、私の行動前はいつもスダチさんが様々なカバーに入ってくれていますし」
四之宮サヨリ:「……派手な事をしていないなんて言うけれど、貴女が居なければ成り立ちませんから」
後藤スダチ:「え、えへへ……」照れている。
後藤スダチ:「それなら……ここから先も協力しよう!まずは残り二機の"ヘカトンケイレス"!だよね!」
綾云媛:「はい!残る障害は少なくなりました」
齋藤リッコ:「回廊で結構時間取られちゃったし、急がないとね」
綾云媛:「2機の“ヘカトンケイレス”とテスラ・タイタニスと“マスターゼウス”のみです」
齋藤リッコ:「『のみ』って感じじゃないけどね……」
後藤スダチ:頷く。そうしてしまえば、もう後戻りはできなくなってしまうが。
後藤スダチ:(……大丈夫。まだ、後悔していない)
後藤スダチ:叶うなら、この戦いが終わるまで後悔が過ぎることのないようにしたい。
四之宮サヨリ:「しかし、それだけで今までの戦闘以上の脅威なのは間違いありません。これまで以上に慎重に、そして大胆に……ですね」
四之宮サヨリ:……向こうで頑張った、弟の為にも。
四之宮サヨリ:私は、このピラー防衛戦を最後まで戦い抜く。恥じる行動はもうできない。せめて、全部終わるまでは。
四之宮サヨリ:(……見ててね。お姉ちゃん……頑張るから、そして───)
四之宮サヨリ:(きっと、私達とノドスの生き残った皆が……仲良くできるように、するから)
GM:シーンを切ります。ロイス取得可能です。HP回復アイテムも使いたいなら使いな!
齋藤リッコ:ロイス枠が足りん!!
綾云媛:同行者/四之宮サヨリ/尽力:○/隔意/ロイス
同行者/後藤スダチ/尽力:○/隔意/ロイス こうかな これで!
エイヴ・ド・レスタイム:女の涙に弱すぎる……
後藤スダチ:協力者/四之宮サヨリ/同情:◯/不安/ロイス
後藤スダチ:リッコちゃんのロイスもP感情にしちゃうか。心配:◯から感服:◯に。
四之宮サヨリ:後藤スダチ 〇信頼/劣等感 で取得し……ターンエンドします
齋藤リッコ:とりあえず 後藤スダチ 〇尽力/不安 かな~
後藤スダチ:ブロンテスにも取りたいな~って思ったけど……もう枠全部埋まっちゃった!!ハイトちゃんにすら取ってるから……!
齋藤リッコ:スダチちゃんみたいな普通っぽい子が頑張ってくれているのは守らないと……と思っています
後藤スダチ:まあ本人に会ったわけでもないし実際タイミングは今じゃないか
後藤スダチ:こいつ~昔の自分みたいだからって見下しやがって!
ハイト・ワトソン:泣いてる所をじっと見守ってました 直接慰める勇気はなかった
齋藤リッコ:役職が全然普通ではない
齋藤リッコ:次がクライマックスでないなら……まだ回復は取っておこうかな 更に減るかもだし……
GM:応急手当キットはさておき、医療トランクは使わないと損という話はあるぜ
後藤スダチ:そうなのだ
四之宮サヨリ:あっ後は侵蝕低減ですが……
後藤スダチ:シーン1回、2D10回復できるのだ
GM:あっそうだ 十字冠の侵蝕低減!
四之宮サヨリ:これに関して、事前ジェネシフトは可能ですか?
後藤スダチ:ザクに大気圏突入機能はないのだ……残念だが……
GM:何ィ~
GM:いいよ
四之宮サヨリ:び、微妙な値で……!
齋藤リッコ:誰が回復します?
四之宮サヨリ:ありがたや……
綾云媛:リッコちゃん積んでおけばいいんじゃない?
綾云媛:喰らわなかったら必要数も減るわけだし
四之宮サヨリ:2d10
DoubleCross : (2D10) → 16[9,7] → 16
四之宮サヨリ:は?
齋藤リッコ:じゃあさせてもらおうかな……
齋藤リッコ:さ、サヨリちゃん!
GM:侵蝕爆発ブレイバーン
綾云媛:みんな出てこれる!?
齋藤リッコ:5+2D10 回復
DoubleCross : (5+2D10) → 5+14[5,9] → 19
四之宮サヨリ:112になり……低めます
四之宮サヨリ:1d10+10
DoubleCross : (1D10+10) → 6[6]+10 → 16
四之宮サヨリ:???
綾云媛:無が起きてる
後藤スダチ:111-1d10-10
DoubleCross : (111-1D10-10) → 111-9[9]-10 → 92
四之宮サヨリ:戻ってきた……元の値に……
GM:無……
齋藤リッコ:114-1D10-10 侵蝕低減
DoubleCross : (114-1D10-10) → 114-6[6]-10 → 98
齋藤リッコ:あぶね~~~
綾云媛:セーフ
四之宮サヨリ:ひとまず皆大丈夫そう、よかった~
【◆ Middle 04 Scene Player:綾云媛】
GM:全員の登場を想定しています
四之宮サヨリ:四之宮サヨリの侵蝕率を1D10(→ 7)増加(96 → 103)
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 9)増加(98 → 107)
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 10)増加(92 → 102)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を1D10(→ 1)増加(93 → 94)
GM:おしまい侵蝕率女たち……
GM:"ステルペス"を退けてジェネシスの再起動を実現した君たちのさらなる上階への道行きは、にわかに騒々しいものとなった。
GM:まずジェネシスインダストリアルアカデミーからは、種々の連絡が次から次へと入ってくる。事態の確認要請。これは少しすると、ある程度統率されて落ち着いたものとなったが
GM:少し遅れて、今度は戦力的な支援の話が舞い込んでくる。ジェネシス復旧という明確な事態がある種の『勝算』と見られたのだろう。
エイヴ・ド・レスタイム:「……てな具合で、傭兵の売り込みがもう有象無象」
エイヴ・ド・レスタイム:「今から間に合うことありますかね? ……めぼしいやつは大体高いですけど」
綾云媛:「そも、この局面で申し出る相手は玉石混交でしょうね」
後藤スダチ:「いざという時に要請はしておいたほうがいいかもしれないけど……」オフィサーへの状況報告の類は、通信復旧の時にまとめて送信できるように事前に準備していた。
後藤スダチ:「……相当な機動力と戦力がある人じゃないと、ピラーのこの階層に直接来れることってないかもなあ」
齋藤リッコ:「何よ今さら~~~!……って言いたいところだけど……来てくれるなら戦力的にはありがたいわね」
四之宮サヨリ:「外部から上空のヘカトンケイレスを直接攻められる人が居れば良いのですが……長距離射撃手……?」
綾云媛:「長距離狙撃であれを落とせる人、自学区の虎の子じゃないですか?」
エイヴ・ド・レスタイム:「うまいこと言って手当だけ取ってってやろうって奴ばっかですが……使えそうなの見繕うくらいは依頼しておきますか」
エイヴ・ド・レスタイム:「そうそう、ピラーから逃げてた子も状況が落ち着いて戻って来たりもしてて。その辺集めれば自前でも戦力はある程度調達できるでしょう」
エイヴ・ド・レスタイム:「あとは……」
GM:エイヴの言葉が止まった。強化ガラス張りの窓から、空を見上げている。
齋藤リッコ:「……? どうかした?」視線の先を追う
綾云媛:「あれですか」
四之宮サヨリ:「"あれ"……」
GM:――空に浮かぶ、巨大な構造物。
GM:……としか言いようがない。そして、それは初め見た時よりも、幾分かピラーに接近しているようにも見えた。
GM:だが、ヘカトンケイレスのような破壊能力すらあるようには見えない。衝突すれば、それなりのダメージがあるかもしれないが――
後藤スダチ:「……」目を細めて、構造物を見る。ピラーに来る最中でもはっきり見えるほど大きかった。
後藤スダチ:「……まだ動いてないよね?どんな役割があるんだろう」
齋藤リッコ:「あれって……結局何なの?」
四之宮サヨリ:「……今のところ近づいているように見える……けど、目立った行動自体は見られない」
後藤スダチ:(ただの質量攻撃にしては、悠長過ぎる)
後藤スダチ:"ヘカトンケイレス"の破壊工作が順調に推移するなら、あれが衝突するよりも早くピラーは崩れるはずだ。
齋藤リッコ:「前に空中要塞に乗り込んだことがあるけど……そういう感じなのかな」腕組みする
四之宮サヨリ:「流石、なんでも経験してますね。確かに、あそこに潜んでいたりするのかしら……」
後藤スダチ:「あいつらの拠点だとして、わざわざ攻撃目標の目の前に出してくる?この作戦に何か寄与するようには思えない……」
四之宮サヨリ:「確かに……何か役割があるのは間違いないでしょうけど、一体何を画策して……」
齋藤リッコ:「ただの陽動にしては大掛かりすぎるわよね…… かと言って偶々その辺を飛んでるわけが……」
"マスターゼウス":『――全ノヴァリス生へ』
四之宮サヨリ:「?!」
GM:突然に、ピラー内へ男声が響き渡った。深く、重い声
齋藤リッコ:「うわっ……」
"マスターゼウス":『――告ぐ』
GM:少なくともそれは、ピラー内のスピーカー機能を乗っ取っているようだった。だが……
エイヴ・ド・レスタイム:「……お、ハック元特定しました。"ステルペス"より簡単ですね」
エイヴ・ド・レスタイム:「まさに噂のアレから音声信号が来てます」
綾云媛:「……あれ自体が”機神”とやらである可能性は?」
後藤スダチ:「えええ~~っ」
後藤スダチ:「本当に拠点なの?あれが?」
エイヴ・ド・レスタイム:「照合検証中ですが……前例がなさすぎますね」
"マスターゼウス":『――お前たちの抵抗のほどは』
"マスターゼウス":『――始終見届けた。その上で』
"マスターゼウス":『――その全てが、この先に無為と断じよう』
後藤スダチ:「うるせ~~」耳をふさいで嫌がる。
綾云媛:「あれも神ぶる演出なんですかね」
齋藤リッコ:「こいつこういう感じでしか喋れないわけ!?」
四之宮サヨリ:「……一先ず、彼の言葉を聞いてみましょう……"マスターゼウス"」
"マスターゼウス":『――抵抗するなと告げた所で』
"マスターゼウス":『――聞くことはあるまい』
齋藤リッコ:「そうだそうだ!当たり前でしょ!」放送に反論している
"マスターゼウス":『――元より箔に過ぎない名だったが、君臨者の冠としては目に付こう』
"マスターゼウス":『――今こそ、ノヴァリスより抹殺された五人の賢人に代わり』
"マスターゼウス":『――この"マスターゼウス"が、機神"ガマリエル"の権能により』
"マスターゼウス":『――第八の名の下、お前たちを在るべき処へ導こう』
"マスターゼウス":言葉に遅れ、巨大構造物の下部が開いた。一つ一つが10メートルほどあるかという蓋が開き
"マスターゼウス":未知なる機影が姿を表す。
"マスターゼウス":『――神機"アポルオン"』

後藤スダチ:「ぎゃあ」
"マスターゼウス":『――神機"アレス"』

齋藤リッコ:「…………」“マスターゼウス”の能力とその光景に、巨大建造物が成す意味を理解する。
齋藤リッコ:「あれ……」
齋藤リッコ:「『拠点』じゃなくて……」
齋藤リッコ:「『工場』…………?」
"マスターゼウス":『――神機"ヘルメス"』

"マスターゼウス":『――神機"ディオニュソス"』

"マスターゼウス":『――神機"ポセイドン"』

"マスターゼウス":『――神機"ヘパイストス"』

綾云媛:「もしくは母親ですかね?一筋縄ではいかなさそうで」
四之宮サヨリ:「アポルオン、アレス、ヘルメス、ディオニュソス……どれもゼウスの子……」
後藤スダチ:「工場……だったとしても。こんな、目の前で……余裕で……」
GM:姿を現した6つの、『神機』と呼称された機体は、なるほどどれも今まで交戦した戦闘機械群、"執行者"とどこか似たエッセンスを帯びていた。
GM:その全てが幾何学的図形の形状をしており、何より群れの形を取っていないことが、特異といえば特異。
"マスターゼウス":『――計六柱。お前たちを抹殺し、封殺するべくこの場にて生産した、最後にして最終の戦力』
齋藤リッコ:「……お…………」
齋藤リッコ:「多すぎ多すぎ!! 何よアレ!?」
齋藤リッコ:「しかもなんか全部……すごくよく分からない嫌な攻撃をしてきそうな見た目をしてる!!」
後藤スダチ:「う……撃ち落とされる想定をしていなかったってこと?それだけの防御力が……」
綾云媛:「撃ち落とす能力があったとして……」
綾云媛:「”ヘカトンケイレス”に優先して用いるはずですから」
綾云媛:「そう出来ていない時点で、悠々と生産を許してしまえたのでしょうね」
四之宮サヨリ:「成程。彼の持ちうる、個人の能力としての最大戦力……!」
"マスターゼウス":『――これにより、ノヴァリス、セイクリッドピラーの終局とする』
"マスターゼウス":『――お前たちの挙手投足、全てに意味はなし』
"マスターゼウス":『――存分にその繁栄極まる過去を追想せよ』
"マスターゼウス":『――俺は慈悲深く、それを永遠に潰える前途に映す、走馬灯とすることを許そう』
"マスターゼウス":『――以上』
GM:乱雑な、ブヅリという音と共に通信が切れる。
後藤スダチ:「め」
後藤スダチ:「めちゃくちゃだ……!」
齋藤リッコ:「こんの……!! 上から神々しい感じで好き放題煽ってきといて勝手に切り上げんな!!アホーーーー!!」
綾云媛:「ただでさえ残りは山積みというのに……とても手が足りそうにないですね」
四之宮サヨリ:「……拙いですね。6機の大型機体が此処に来て追加とは」
後藤スダチ:「この敵は、最初から……出し惜しみもしていないし、こっちを甘く見積もってもいない」
後藤スダチ:「こちらの対処能力なんて最初から想定していない。最初から最大の戦力を投じて圧殺するつもりだった……!」
齋藤リッコ:「転送を繰り返しながら戦っても……全然間に合わないわよ! 先にピラーが壊されちゃう……!」
綾云媛:「やはり防衛寮に徹底して予算を回す必要があったんじゃないですか」
齋藤リッコ:「綾ちゃんその話今じゃなきゃダメ!?」
綾云媛:「下らないものにばかり回して……」ブツブツと文句を垂れている。
四之宮サヨリ:「此方に連絡のある傭兵の戦力を最大限活用してどこまで抗えるか……」
綾云媛:「現状の対処ですよね?やはり優先順は変わっていないと思います」
綾云媛:「“ヘカトンケイレス”を除かねば、我々は足場を失いますから」
後藤スダチ:「というか、私達にできることなんて――」
後藤スダチ:頭上を見上げる。「"ヘカトンケイレス"を落とすことくらいしかない!」
後藤スダチ:「後のことは、後で考えよう!問題を切り分けなきゃ……!」
四之宮サヨリ:「それも……そうですね。私たちは、まず出来る事をしないと」
綾云媛:「目的をピラーに定めている真意さえ、まだ定かなりません」
齋藤リッコ:「そうね……うん」小さな氷で物理的に頭を冷やしている「あれだけの戦力がありながら……」
齋藤リッコ:「“マスターゼウス”はわざわざテスラと協力してる」
齋藤リッコ:「やっぱり何だかんだ言って“ヘカトンケイレス”は特別なんだわ」
後藤スダチ:「……」
後藤スダチ:「確かに、そう。ピラーを破壊できる……それだけの能力を持つ建設機械なんて、実際に建設した記録がある"ヘカトンケイレス"以外にあるとは考えられない」
後藤スダチ:「あの巨大兵器群だって、生徒の私達はひとたまりもないかもしれないけど……本当にピラーを壊せるかどうかは分からない」
後藤スダチ:「"マスターゼウス"がはじめから"ヘカトンケイレス"と同等の兵器を作り出せたのなら、わざわざ強奪する必要だってなかったんだから」
後藤スダチ:「……よし。落ち着いてきた。ありがとうリッコちゃん……冷静でいてくれて、助かったよ」
齋藤リッコ:「え!? あたし全然冷静じゃないけど……!! よかったわ!!」
齋藤リッコ:「とにかくしましょう!今はそういうことに!」手を叩く「ダメな時はダメなんだから……そっちの可能性を考えても仕方ない!」
綾云媛:「そうですね……急ぐ重要性が上がっただけです」
四之宮サヨリ:「まずは進みましょう。最上階までもうひと踏ん張り、ですね……!」
■ Floor.3 セイクリッドピラー最終防衛線・VS"マスターゼウス"
... 【突破】白昼の神機群 および【突破】 闇夜の神機群 をクリアすることでフロアを突破。
・【突破】 白昼の神機群:アレス・アポルオン・ヘルメス
200以上のダメージを与える。
白昼の神機群に対する攻撃ダメージは常に-15される。
また、白昼の神機群は<白兵><射撃>攻撃を受け付けない。
さらに、白昼の神機群へ攻撃するたび、達成値50の100ダメージを受ける。
→ 成功報酬:なし
・【突破】 闇夜の神機群:ディオニュソス・ポセイドン・ヘパイストス
200以上のダメージを与える。
闇夜の神機群に対する攻撃判定ダイスは常に-5個される。
また、闇夜の神機群は<RC>攻撃を受け付けない。
さらに、闇夜の神機群へ攻撃するたび、侵蝕率が+10される。
→ 成功報酬:なし
■■■ その他判定 ■■■
・【補給】状況を確認する
任意の<情報:>判定で達成値11
→ 成功報酬:次ターン、"バズヴ・カタ"、ハイト・ワトソン、エイヴ・ド・レスタイムのNPCカードに第二効果が追加される。
+ 次ターン、【攻略】シャムロック自由学園の切り札を預かる が発生
+ 次ターン、【攻略】ピラーの戦力を結集する が発生
・【補給】食事にする
<意志>判定で達成値7
→ 成功報酬:全員がHPを10回復するか、侵蝕率を5低下する。これを3回実行する。
・【攻略】ジェネシス低軌道砲の使用を申請する
<交渉>判定で達成値10
→ 成功報酬:次のターンの"ヘカトンケイレス"一機のピラーへの攻撃後、それを地上へ落下させる。以降、その"ヘカトンケイレス"は登場しない。
・【攻略】"アルゲス"拘束メソッドを構築する
<調達>判定で達成値13
→ 成功報酬:以降、"アルゲス"を登場した瞬間に退場させることができる。
・【補給】 物資調達
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが購入判定を実行できる
・【補給】 補給線確保
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが財産点5を得る
GM:数は多いですが……大丈夫そうかな? 多分書式的には統一ができているはず……
GM:【突破】判定が2種に、その他の判定が6種あります。
GM:中身を見ている内に、ピラー殴りも済ませてしまいましょう
GM:現在のピラー耐久力は残り5624。ヘカトンケイレス1機につき1200ダメージ。"マスターゼウス"の送り込んだ戦闘機械群が46トループ
GM:46d10
DoubleCross : (46D10) → 260[2,7,5,8,3,7,1,8,5,6,10,10,2,1,5,2,9,9,5,4,7,4,10,5,9,7,5,8,7,10,6,3,10,8,2,3,2,5,5,1,6,4,5,6,9,4] → 260
GM:C(5624-1200*2-260)
DoubleCross : c(5624-1200*2-260) → 2964
四之宮サヨリ:そろそろ本当にヤバい!
後藤スダチ:イヤッ イヤッ
GM:ピラー耐久力、残り2964
齋藤リッコ:棒倒しの棒になってる
齋藤リッコ:・【補給】状況を確認する
任意の<情報:>判定で達成値11
齋藤リッコ:これ行きます!
GM:判定をどうぞ!
齋藤リッコ:7DX+4>=11 ノヴァリス コネ使用
DoubleCross : (7DX10+4>=11) → 10[3,5,5,6,7,7,10]+6[6]+4 → 20 → 成功
齋藤リッコ:OK
四之宮サヨリ:流石!
GM:成功です。続けて他の判定もどうぞ……!
後藤スダチ:【攻略】ジェネシス低軌道砲の使用を申請する
<交渉>判定で達成値10
後藤スダチ:失敗したらごめん!
後藤スダチ:12dx>=10
DoubleCross : (12DX10>=10) → 10[2,2,3,3,4,5,6,7,9,9,9,10]+9[9] → 19 → 成功
後藤スダチ:よかった~~
綾云媛:つよ
齋藤リッコ:あふれでる交渉パワー
四之宮サヨリ:やった~!
後藤スダチ:1個しかクリティカルしてないから本当にギリギリだったのよ
齋藤リッコ:ダイス多すぎ!!
GM:ではそこも成功です。次ターンのヘカトンケイレス攻撃時、なんか砲撃が着弾するでしょう
後藤スダチ:アヤッター
GM:大丈夫なのか……? ピラー壁面に攻撃できて……
綾云媛:今言わないで
四之宮サヨリ:ジェネシス驚異の科学力でなんとかなるでしょう
四之宮サヨリ:というわけで【補給】 補給線確保に挑んでみます
四之宮サヨリ:4dx>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 8[4,4,6,8] → 8 → 成功
四之宮サヨリ:アヤッタ
GM:オッ、行きましたね……全員財産点を+5してください。
綾云媛:やった~
後藤スダチ:サヨリさんえらい!
四之宮サヨリ:へへ……これ、皆さんへの貢物ですわ……
綾云媛:よきにはからえ
四之宮サヨリ:財産7!
齋藤リッコ:えらいわ~
齋藤リッコ:11>16
綾云媛:綾云媛の財産を5増加(5 → 10)
綾云媛:これさえあれば無敵!
綾云媛:・【攻略】"アルゲス"拘束メソッドを構築する
<調達>判定で達成値13
→ 成功報酬:以降、"アルゲス"を登場した瞬間に退場させることができる。
綾云媛:これをやります
GM:判定をどうぞ!
綾云媛:あと忘れないうちにマイナーでセカンドディール使っておかなきゃ
綾云媛:原初の混沌を回収しておくね
後藤スダチ:ワル~~
綾云媛:メジャーで判定!
GM:悪すぎる
綾云媛:4dx+2>=13
DoubleCross : (4DX10+2>=13) → 9[2,3,8,9]+2 → 11 → 失敗
綾云媛:財産あるもんね~ 2点使います
綾云媛:綾云媛の財産を2減少(10 → 8)
四之宮サヨリ:成功だ~!
齋藤リッコ:アルゲスの頬を札束で叩く!
後藤スダチ:いいですね~
後藤スダチ:サヨリさんが成功したのは本当にデカいな えらすぎ
GM:では問題なく成功です。"アルゲス"は……以降登場しても、その瞬間に退場することになります……
綾云媛:でかすぎ
四之宮サヨリ:ありがたや……
綾云媛:かわいそうな存在
齋藤リッコ:胸も活躍もでかい
後藤スダチ:もう二回撃墜されてるからね
後藤スダチ:日に二度敗れるバカがいるかと範馬勇次郎も言っています
ハイト・ワトソン:「あ、あの……」
GM:その情報をもたらしたのは、ハイト・ワトソンのか細い声だった
ハイト・ワトソン:「し……『神機』の動き、低空観測で確認できたって、警備部から連絡、来たんですけど……」
ハイト・ワトソン:「これって重要ですか……?」
後藤スダチ:「重要重要!すごく重要!」
後藤スダチ:「ど……どんな動きで何しようとしてるの!?低空観測っていうのはどこからどういう手段で……」
ハイト・ワトソン:「なんか、ジェネシスのガス飛行機部とメサイアの鳥人間部と連携してみたいなことが……あっ、情報を先にお伝えしますね」
GM:話によれば、"マスターゼウス"が『神機』と呼ぶ六機体は、主に2群に分かれ、どちらも上階へ向かう要所を押さえているのだという。
GM:そして"ヘカトンケイレス"2機とテスラ・タイタニスはその上階。突破すればすぐそこの距離まで迫っている一方で、突破せずして"ヘカトンケイレス"を止めることは困難そうだ。
GM:ちなみに、"マスターゼウス"はさらにその上空に飛行しているという。
ハイト・ワトソン:「……それこそ、空でも飛ばなきゃ難しいだろうって話です」
ハイト・ワトソン:「まさかこんな大変なことに巻き込まれるなんて……」 すっかり恐縮している
四之宮サヨリ:「……成程。ここから上に登るには、まず神機を突破する必要があるという事ですね」
齋藤リッコ:「予想はしてたけど……やっぱりって感じね」
後藤スダチ:「そうだよね。ハイトちゃんもついてきてくれてありがとうね……」背中をなでてあげる
ハイト・ワトソン:「ジェネシスをMT車で飛び出してから……今日の出来事、今までの人生全部よりも濃いかも……」
ハイト・ワトソン:背中を撫でられ3頭身くらいになっている
綾云媛:「あちらも“ヘカトンケイレス”を最優先としてることは確かのようですね」
後藤スダチ:「でもな~~、むーっ……"ヘカトンケイレス"を落とせばいいって言ったそばから」
後藤スダチ:「その妨害に戦力を置かれてるんだもんなあ……!まるでこっちの考えることが最初から全部読まれてるみたい……!」
後藤スダチ:頭を抱える。
後藤スダチ:(玉砕覚悟であの六機に勝負を挑む……?それってただの無謀で、正しい覚悟の使い方じゃないんじゃないか……?)
"バズヴ・カタ":「"ヘカトンケイレス"がピラー破壊の要であることは、一貫している訳だ」
"バズヴ・カタ":「そして、何をしても無意味だと歌っていたあ奴も、ノヴァリス生徒が『何かする』ことへの備えを怠ってはいない……」
四之宮サヨリ:「どの神機も、配置的に妨害・防衛寄りの戦力でしょうか。ただ突っ込むだけでは即座に返り討ちの可能性もあります」
後藤スダチ:「単純に――六機いる」
後藤スダチ:「"マスターゼウス"とその手下三人、あとテスラ・タイタニス……そこまでなら、情報を把握して対応策も練ることができるかもしれないけど」
後藤スダチ:「未知の機体が六機もいるんだよ。こうなるとどうやってもこっちは不意打ちを食らっちゃうことになる……」
綾云媛:「これまでのこちらの様子を観察していたとも言っていましたよね?」
綾云媛:「そしてこの場で作り上げたとも言っていた。加えてあの性格の捻じ曲がり方から察するに……」
綾云媛:「むしろ対応を練られているのはこちらかと」
齋藤リッコ:「今のままだと厳しいかもね……手が足りない、時間も足りない」
齋藤リッコ:「何かしらの追加要素が欲しいところね」
齋藤リッコ:「急に“マスターゼウス”に隕石が直撃するとか、すごい一発逆転の作戦を思いつくとか」
齋藤リッコ:「あたしに突然遠い先祖のすごい才能が覚醒するとか……」
綾云媛:「隕石はそれはそれで問題ですよ」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ、流星が来るのはねぇ」
齋藤リッコ:「確かに……」
四之宮サヨリ:「……それこそ、単純に人手がもっと欲しいですね」
後藤スダチ:「オフィサーには救援要請は出してはいる……ジェネシスとしても、セイクリッドピラー防衛は今後の学区影響力のためにも是非欲しい実績だと思うけど」
後藤スダチ:「ただ、復旧直後の学区でどれだけ手が回るかは分からない……!自分達の混乱を収めるので精一杯かも」
後藤スダチ:「その、キングダムは……何かしてくれないの?こういう時って?」
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:綾ちゃんに目を向ける
綾云媛:「ああ……絶対無理ですよ」
綾云媛:「今完全にそれどころじゃないので」
四之宮サヨリ:「情勢、なんだか荒れてるみたいですからね……」
後藤スダチ:「うん、そうだと思うけど……大変だろうけど!」
フィオナ騎士団員:やっぱりキングダムはダメだよ~ みたいな雰囲気を発している
齋藤リッコ:「そうね……元々よその問題に首を突っ込む感じでもないし……」
後藤スダチ:「多少優しみを見せてくれないかなあ!こういう時くらい……!」
齋藤リッコ:「ごめんね……」何となくしょぼくれている
後藤スダチ:「アッ、いやリッコちゃんとか綾さんの悪口を言ったわけじゃなくてね……」
四之宮サヨリ:「ま、まあまあ、ここのお二人が悪い訳じゃないですし……」
エイヴ・ド・レスタイム:「でも、まあ追加要素って話なら……今まさに売り込みを受けてる最中なんですよね」
エイヴ・ド・レスタイム:やかましく通知の来る端末を見せる 「寮長の見立て通り、まさに玉石混交ですが……」
四之宮サヨリ:「傭兵の皆さん、ですね」
綾云媛:「木端の学区から来ても仕方がないんですけどね……」
齋藤リッコ:「もうこの際、土壇場で裏切らなければ誰でもいいんじゃない……?」
綾云媛:「崑崙無いんですか?あそこは貨幣経済を理解していないから買い叩ける時があるんですよね」
後藤スダチ:「すごいこと言っとる」
四之宮サヨリ:「ひ、酷い崑崙へのヘイトが……」
エイヴ・ド・レスタイム:「質はさておき、質は想像よりも良いかもしれません」
エイヴ・ド・レスタイム:「崑崙も来てます。戦いたいが大半の中、まあ……」
エイヴ・ド・レスタイム:「ノヴァリスが危ういならという殊勝さも読み取ることはできます。あの崑崙生徒からすら」
齋藤リッコ:「それだけの事態だもんね……」何人か傭兵の知人にメッセージを送っている
綾云媛:「大丈夫ですよ。デカいもののほうが敵だと思うので」
四之宮サヨリ:「……合コン委員会からも、何人かこちらに来れる人員が居ればいいんだけど」
後藤スダチ:「こんなこと言っといてジェネシスの子が少なかったらごめん!復旧したばかりだから……!」
エイヴ・ド・レスタイム:「じゃ、寮長……一つ賭けてみましょうか?」
綾云媛:「なんです?」
・【攻略】ピラーの戦力を結集する
<調達>判定で達成値30。この判定には、全PCの財産点を達成値に加算できる
→ 成功報酬:【突破】判定における与ダメージが2倍になり、ダメージおよび攻撃判定へのペナルティを無効化する。
GM:次ターン、この判定が追加されます
綾云媛:つよ!
四之宮サヨリ:うおお!
後藤スダチ:つ、強すぎる
齋藤リッコ:凄ェ!!
エイヴ・ド・レスタイム:「お雇い戦力と言っても、ノヴァリスの同窓生ってことですよ。なんていうか、その……」
エイヴ・ド・レスタイム:なんとなく落ち着かない、どこか恥じるような表情になる 「……友情に?」
綾云媛:「ふっ」
綾云媛:「ふふふ……」
エイヴ・ド・レスタイム:「……笑われると思いましたよ」 渋い顔
綾云媛:「ええ、ではその友情とやらで駆けつけたと断じれるのであれば……」
綾云媛:「こちらも甘んじて敗者として笑われましょうとも」
綾云媛:「笑われても縊りたくなりませんからね、そんな状況なら」
エイヴ・ド・レスタイム:「もー、分かりましたよ! 承認今得ましたからね! ……手段をかなり問わずに行きましょう!」
GM:NPCカードが追加されます
[NPCカード:エイヴ・ド・レスタイム(2)]
【タイム・デポジト】
自身のダメージロールの結果に、自身が所持している財産点分の値を常に加算できる。
綾云媛:ええ~ つよ
四之宮サヨリ:強~~
齋藤リッコ:常に!?
後藤スダチ:リッコちゃんがありえないくらい強くなる!
齋藤リッコ:ヒェ~~
齋藤リッコ:傭兵全員タダで来てくれ!!
GM:まあ、ピラーの戦力を結集するのにそれなりにかかると思うので……頑張ってね
"バズヴ・カタ":「……方針に口を出させてほしい」
齋藤リッコ:「バズヴちゃん。何かあった?」
"バズヴ・カタ":背後から、バズヴが声をかけてくる 「緊急的に戦力を集結させることは構わないが……」
"バズヴ・カタ":「テスラ・タイタニス。彼女の相手だけは、闇雲な戦力で臨むのは危険だろう」
綾云媛:「そのあたりを但し書きしての募集となると集まらないでしょうからね」
綾云媛:「我々で当たるしか無いでしょう」
齋藤リッコ:「……確かにそうね。最悪の場合、犠牲が……」言葉を探して「もっと最悪の場合……敵になる子が増えかねない」
"バズヴ・カタ":「そうだ。その能力が知れなければ危険だし、その能力が知れれば恐慌を招く」
"バズヴ・カタ":「……そして私たちとしても、あまり混乱した状況で彼女と相対するのは避けたい」
後藤スダチ:「テスラ・タイタニスの場合、数が多いことが却って危険かもしれないんだ」
四之宮サヨリ:「まず頼れるのは神機撃退まで、ということですね」
齋藤リッコ:脳裏に『太陽の島』の光景が過る。あんなものがこの場で再現されたとしたら。
"バズヴ・カタ":「以上だ。口出しを失礼した」 軽く頷き 「……私たちの目的はテスラ・タイタニスだが」
"バズヴ・カタ":「当然その前後、神機に対しても、"マスターゼウス"に対しても、助力を惜しむつもりはない」
"バズヴ・カタ":「必要とあらばいつでも頼ってくれ」
後藤スダチ:「立派な人達だなあ……」感心している
齋藤リッコ:「勿論。頼りにしてるわ!」
四之宮サヨリ:「お心遣い、本当に感謝します。頼りにさせていただきますね」
GM:NPCカードが追加されます
[NPCカード:"バズヴ・カタ"(2)]
【因業の一矢】
1シナリオ1回、難易度:自動成功のエフェクトの効果を打ち消す。ただし、エネミーエフェクトと「制限」に120%を含むエフェクトは打ち消せない。
四之宮サヨリ:エ~ッ!
齋藤リッコ:助かる~~
四之宮サヨリ:100まではいけちゃうんだ……!
齋藤リッコ:100とかも消せるんだ
後藤スダチ:強すぎ!!
綾云媛:アージ系のやつだ
綾云媛:あっいや……
綾云媛:オートじゃないんだ
綾云媛:ヤバいな
四之宮サヨリ:一部のマイナー系とかセットアップも消せちゃう
GM:言ってしまうと、アージエフェクト《殺戮の因子》を引用しています
GM:そして、追加の判定はこれ
綾云媛:なるほどね
【攻略】シャムロック自由学園の切り札を預かる
<意志>判定で達成値8
→ 成功報酬:そのターン、別の判定を終えていても、【突破】判定を実行できる。
後藤スダチ:コラ!
後藤スダチ:そんなものがあるなら先に言ってくれ!
四之宮サヨリ:実質の二回判定権利かしら!
齋藤リッコ:流石シャムロックだ……
齋藤リッコ:転校しようかな…………
GM:ごめんて
ハイト・ワトソン:皆の話を聞きながら、手に対して少し大きなペンでノートに内容をまとめていた
ハイト・ワトソン:ジェネシスにしてはクラシックなスタイルだ 「え、えっと……とりあえず、私、聞いたこと全部、書き留めてます」
ハイト・ワトソン:「これまでのことも全部あるので……なんでも聞いて下さい。すぐに分かりますから」
齋藤リッコ:「ハイトちゃん、えらい……!」
ハイト・ワトソン:「い、今起こってることとか、私、全然わかんないし……能力とかで役立てる気もしないけど」
ハイト・ワトソン:「こういうのは、どんなときでも役に立つ可能性があるから……えへ……」
四之宮サヨリ:「ええ、もし見聞き落としがあっても安心です。情報の欠落は、その時点で敗北に繋がる危険もありますから」
四之宮サヨリ:「……できることを、頑張っているのですね。ありがとうございます」
GM:ということで、このシーン最後のNPCカードです
[NPCカード:"ハイト・ワトソン"(2)]
【ハイティノート2】
あらゆる判定の達成値を常に+2できる。【ハイティノート】の効果とは重複しない。
齋藤リッコ:つ、強すぎる
綾云媛:つよ~
四之宮サヨリ:ヤバ
後藤スダチ:いいねえ君……オフィサーに来ないかい……?
齋藤リッコ:凄まじい有能さ
GM:
■ Floor.3 セイクリッドピラー最終防衛線・VS"マスターゼウス"
... 【突破】白昼の神機群 および【突破】 闇夜の神機群 をクリアすることでフロアを突破。
・【突破】 白昼の神機群:アレス・アポルオン・ヘルメス
200以上のダメージを与える。
白昼の神機群に対する攻撃ダメージは常に-15される。
また、白昼の神機群は<白兵><射撃>攻撃を受け付けない。
さらに、白昼の神機群へ攻撃するたび、達成値50の100ダメージを受ける。
→ 成功報酬:なし
・【突破】 闇夜の神機群:ディオニュソス・ポセイドン・ヘパイストス
200以上のダメージを与える。
闇夜の神機群に対する攻撃判定ダイスは常に-5個される。
また、闇夜の神機群は<RC>攻撃を受け付けない。
さらに、闇夜の神機群へ攻撃するたび、侵蝕率が+10される。
→ 成功報酬:なし
■■■ その他判定 ■■■
・【攻略】ピラーの戦力を結集する
<調達>判定で達成値30。この判定には、全PCの財産点を達成値に加算できる
→ 成功報酬:【突破】判定における与ダメージが2倍になり、ダメージおよび攻撃判定へのペナルティを無効化する。
・【攻略】シャムロック自由学園の切り札を預かる
<意志>判定で達成値8
→ 成功報酬:そのターン、別の判定を終えていても、【突破】判定を実行できる。
・【補給】食事にする
<意志>判定で達成値7
→ 成功報酬:全員がHPを10回復するか、侵蝕率を5低下する。これを3回実行する。
・【補給】 物資調達
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが購入判定を実行できる
GM:では内容がまとまる前に、ピラーを殴っておきますかねっと……
綾云媛:忘れていいのに……
GM:忘れない……ピラーを殴ることがオデの仕事だから
GM:現在のピラー耐久力 残り2964
GM:ヘカトンケイレス1機につき1200ダメージ。"マスターゼウス"の送り込んだ戦闘機械群が46トループ この状況は依然変わらないので
GM:46d10
DoubleCross : (46D10) → 232[4,9,7,5,8,4,2,6,8,6,2,2,8,4,2,2,2,8,5,10,3,5,6,7,3,5,3,5,1,5,5,9,4,3,9,3,8,3,9,7,4,6,3,5,1,6] → 232
GM:C(2964-1200*2-232)
DoubleCross : c(2964-1200*2-232) → 332
GM:ピラー耐久力 残り332
齋藤リッコ:風吹いたら折れない!?
綾云媛:3ノドスじゃん
GM:ただし、これに伴って"ヘカトンケイレス"の1機はこれで脱落です
村前カギョウ:喜び勇んで拘束しています
後藤スダチ:たくさん食べなさい
四之宮サヨリ:ありがとうございます……!
齋藤リッコ:ヘカトンケイレス緊縛
GM:といことで、セイクリッドピラーは吹けば折れる儚い美人! その中で判定をどうぞ!
後藤スダチ:・【攻略】ピラーの戦力を結集する
<調達>判定で達成値30。この判定には、全PCの財産点を達成値に加算できる
後藤スダチ:この後藤スダチにおまかせあれ……
後藤スダチ:調達は生まれつき得意!なんと技能値が9もあり、しかも今はハイトちゃんのパワーも上乗せされます
後藤スダチ:絶対成功間違いなし!
ハイト・ワトソン:すべての判定に+2です
後藤スダチ:12dx+9+2>=30
DoubleCross : (12DX10+11>=30) → 9[1,1,2,3,4,5,6,7,8,8,9,9]+11 → 20 → 失敗
後藤スダチ:ギャアアアアア――ッッッ
ハイト・ワトソン:ああっ
齋藤リッコ:ア……ア……
後藤スダチ:クリティカルもしない!!
四之宮サヨリ:ヌウ!
齋藤リッコ:みんなでお金出すか バズヴお姉ちゃんに助けてもらうか……
後藤スダチ:バズヴは残り1しかないので
四之宮サヨリ:再回転しても1伸びてだから……難しい!やはりお金しかないか
後藤スダチ:お金で解決できるこの判定はお金で解決したほうがいいと考えます……!心苦しいが
後藤スダチ:そう、1dx+21にしかならないから9出さないと失敗なんですよねどのみち
綾云媛:まず私が8点出します 単体攻撃だから
後藤スダチ:一回でもクリティカルすれば十分だったんだけどな……いつもいつでも上手くいくわけがないか
後藤スダチ:綾さん!!
後藤スダチ:あのけちんぼな綾さんが……
後藤スダチ:感動……
齋藤リッコ:でも綾ちゃん……生地が!!
綾云媛:無から得たお金だからね 懐は傷まない
後藤スダチ:財産点は別に布地じゃねーんだよ
四之宮サヨリ:服の生地に回すお金が……
齋藤リッコ:私達のためにお腹の布を売ってお金に変えてくれたんだよね
後藤スダチ:じゃあ残り2点は私が出しますよ
後藤スダチ:私は範囲攻撃一回しかできないから常時火力強化の恩恵が相対的に少ない
綾云媛:綾云媛の財産を8減少(8 → 0)
後藤スダチ:私の財産点は8から6になることでしょう
齋藤リッコ:そんな……いいんですか
齋藤リッコ:ありがとう二人とも……
四之宮サヨリ:うう、ありがとうございます……!
GM:ではこれにて……成功!
後藤スダチ:いやあすみません ここまでは順調に成功し続けてきたエリートだったのだが……
綾云媛:それもおかしいんだよな
GM:わらわらと戦力がやってきて、【突破】判定における与ダメージが2倍になり、ダメージおよび攻撃判定へのペナルティを無効化します
綾云媛:やったね
後藤スダチ:頑張ってくれ……烏合の衆達!
齋藤リッコ:やった~~
綾云媛:・【補給】 物資調達
<調達>判定で達成値8
→ 成功報酬:全PCが購入判定を実行できる
綾云媛:これやります!
GM:判定をどうぞ!
綾云媛:ジェネシフトしちゃお 1dでいいや
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を1D10(→ 7)増加(94 → 101)
綾云媛:いいかんじ
GM:ジェネシフトうま
四之宮サヨリ:ナイス調整
綾云媛:5dx+2+2>=8
DoubleCross : (5DX10+4>=8) → 10[3,3,3,6,10]+7[7]+4 → 21 → 成功
綾云媛:ふふん
四之宮サヨリ:すご!
GM:そんなにも布を……
齋藤リッコ:ありがとう 布
GM:成功です! 調達判定自体のタイミングは特に指定してないですが、一通りその他判定が終わった後のタイミングにしましょうか
四之宮サヨリ:では・【攻略】シャムロック自由学園の切り札を預かる へ!
四之宮サヨリ:12dx+3>=8
DoubleCross : (12DX10+3>=8) → 10[1,2,3,3,3,5,6,7,8,9,9,10]+7[7]+3 → 20 → 成功
齋藤リッコ:心が強えんだ
綾云媛:ひゅう!
後藤スダチ:素晴らしい
四之宮サヨリ:もう折れねェ
GM:強すぎる
齋藤リッコ:ではでは【補給】食事にする
<意志>判定で達成値7 これやります
齋藤リッコ:7DX+1>=7
DoubleCross : (7DX10+1>=7) → 10[1,5,6,7,8,8,10]+4[4]+1 → 15 → 成功
齋藤リッコ:OK
GM:食事もバッチリ! 先ほど雑談タブで話した通り、効果の適用は【突破】判定の後で構いません
後藤スダチ:ありがたい
GM:そしてその【突破】判定は、サヨリさんの成功により、『別の判定を終えていても、【突破】判定を実行できる』状態です
GM:・【突破】 白昼の神機群:アレス・アポルオン・ヘルメス
200以上のダメージを与える。
白昼の神機群に対する攻撃ダメージは常に-15される。
また、白昼の神機群は<白兵><射撃>攻撃を受け付けない。
さらに、白昼の神機群へ攻撃するたび、達成値50の100ダメージを受ける。
→ 成功報酬:なし
GM:・【突破】 闇夜の神機群:ディオニュソス・ポセイドン・ヘパイストス
200以上のダメージを与える。
闇夜の神機群に対する攻撃判定ダイスは常に-5個される。
また、闇夜の神機群は<RC>攻撃を受け付けない。
さらに、闇夜の神機群へ攻撃するたび、侵蝕率が+10される。
→ 成功報酬:なし
GM:この判定に対し、現在『与ダメージが2倍になり、ダメージおよび攻撃判定へのペナルティを無効化する』状態です。
GM:逆に言えば、攻撃の種類は依然問い、さらに反撃のダメージ・侵蝕率も受ける状態ではあります。
GM:それを踏まえて、突破判定を……どうぞ!
齋藤リッコ:あっ反撃は来るんだ!
後藤スダチ:あっしまった!
後藤スダチ:もう判定をしてしまった身なんですけれど
後藤スダチ:このラウンドのセットアップでエフェクトを使ったことにしても大丈夫でしょうか?
GM:そこは使って大丈夫です!
後藤スダチ:よかった~ 物忘れがひどくご迷惑をおかけします
フィオナ騎士団員:反撃ダメージについては私たちも使えるので覚えててね~
後藤スダチ:《活性の霧》をリッコちゃんに使用します。
四之宮サヨリ:騎士団の皆~
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を3増加(102 → 105)
齋藤リッコ:ウオオオ ソラリスの力が流れ込んでくるぞい!
齋藤リッコ:私だけだし先に判定しちゃおうかな
齋藤リッコ:白昼のほう行きます!
齋藤リッコ:《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》
GM:+2d10+財産点も忘れずに……どうぞ!
齋藤リッコ:10DX7+6+2
DoubleCross : (10DX7+8) → 10[1,3,3,3,4,4,7,9,10,10]+10[1,3,7,8]+6[5,6]+8 → 34
齋藤リッコ:で……ダメージ
齋藤リッコ:あっすいません!!
齋藤リッコ:セットアップで怨念の呪石使うの忘れてた いいですか……!?
GM:大丈夫です! ダイス振る前だし……
齋藤リッコ:優しいGM……
GM:特殊な進行してるので……しょうがない!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を3増加(123 → 126)
齋藤リッコ:スダチちゃんの活性も入れて……
齋藤リッコ:4D10+48+2D10+24+2D10+16
DoubleCross : (4D10+48+2D10+24+2D10+16) → 19[5,3,5,6]+48+7[6,1]+24+10[7,3]+16 → 124
綾云媛:でっか
齋藤リッコ:ちょ……丁度
四之宮サヨリ:ウオオ!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を11増加(107 → 118)
齋藤リッコ:ハァハァハァ
GM:その最終ダメージ値を2倍して、248ダメージ。白昼の神機群を突破できます……が
GM:達成値50の100ダメージ これは受けてもらいます……死ねーッ
齋藤リッコ:ウギャアアア!!
齋藤リッコ:カバー貰います!フィオナ騎士団のNPCカード!
フィオナ騎士団員:おまかせっ
フィオナ騎士団員:残り2回で~す
齋藤リッコ:ありがとう……
GM:というわけで、白昼の神機群はこれで突破! 残るは闇夜の神機群です
後藤スダチ:効率を考えるなら火力高い順に殴るほうがよさそうですけど
後藤スダチ:なんかそれだと私が侵蝕上げたくなくて言ってるみたいで嫌なので、私からやります
四之宮サヨリ:ス、スダチさん……!
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》。装甲はないと思うけど
後藤スダチ:5dx7+6+3+2
DoubleCross : (5DX7+11) → 10[4,6,8,8,10]+10[1,4,9]+3[3]+11 → 34
後藤スダチ:ハイトちゃんのお陰でなかなかの達成値!あっ、STALKERで攻撃してます
四之宮サヨリ:もしかして判定ペナかかってます?
後藤スダチ:攻撃固定値自体はラピッドファイアと同じだけど、命中補正に1だけ差がある
綾云媛:なくなったよ!ペナは
GM:そうですね 装甲は確かになく、ペナルティも確かにないのだ
後藤スダチ:あっそうだった!
四之宮サヨリ:ないのであと5振れる!
後藤スダチ:じゃあ5個追加で振らせていただきます
後藤スダチ:5dx7+6+3+2
DoubleCross : (5DX7+11) → 10[1,6,8,8,10]+10[4,8,10]+3[1,3]+11 → 34
後藤スダチ:同じだあ
綾云媛:いっしょ
四之宮サヨリ:ど……同値!
GM:逆にすごい
齋藤リッコ:同じ!
後藤スダチ:ダメージ出しますね
後藤スダチ:4d10+9+2d10+6
DoubleCross : (4D10+9+2D10+6) → 17[5,4,2,6]+9+8[7,1]+6 → 40
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(105 → 109)
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を10増加(109 → 119)
GM:ではそれを倍にして、80ダメージ! 残り120ダメージです
GM:そう、攻撃後に侵蝕率を10増加してね
後藤スダチ:みんな頑張ってね!
四之宮サヨリ:なら……いけそうな気がしますね。殴ります
四之宮サヨリ:まずはメジャーでコントロールソート射撃、コンセントレイト
四之宮サヨリ:12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,1,2,2,2,2,3,3,3,6,8,8]+10[2,10]+10[7]+10[8]+1[1]+4 → 45
四之宮サヨリ:こ、ここでようやく……!
GM:爆ぜた……ダメージをどうぞ!
四之宮サヨリ:ちょっと計算します、フェイタル無しで十分行けるかどうか……
綾云媛:いくつあるんですっけ
四之宮サヨリ:8d10と22、さらに財産で7か
四之宮サヨリ:8d10で31出れば二倍で突破……だと、いけそうか
四之宮サヨリ:いや……日和るな!ここまでのダイス下振れを見ろ!
綾云媛:まあ私もいるし 無理しなくてもよさそう
四之宮サヨリ:4増加で安心を買えるので、反撃も絡める綾さんの負担を増やさないためにも……ここで落とします
四之宮サヨリ:フェイタルヒット。ダメージ4d増加
四之宮サヨリ:12d10+29
DoubleCross : (12D10+29) → 64[9,9,6,5,3,2,9,5,9,1,2,4]+29 → 93
綾云媛:やば
GM:き、気合スゴ
四之宮サヨリ:侵蝕は8増えて111から10で121
GM:倍化して186点なので……こちらもクリア! 侵蝕率も増やしてえらい
齋藤リッコ:やった~~
後藤スダチ:やったね~
GM:これによりミドル3の判定は全てクリアです が、判定系の処理は演出に入る前にここで済ませてしまいましょう
GM:第一に、食事による「全員がHPを10回復するか、侵蝕率を5低下する。これを3回実行する」 これまたテキストが変で申し訳ないんですが、全員が全員各々の判断で効果内容は選べます
GM:あと、購入判定も一回実行できます。それもここで済ませてください
後藤スダチ:この後戦闘になると考えると、侵蝕15減らしても100には戻れないなあ
綾云媛:侵蝕15下げちゃお~
後藤スダチ:ただ、HPを稼いだところでこのよわよわボディでは敵の攻撃に耐えられると思えないぜ
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を15減少(101 → 86)
齋藤リッコ:侵蝕-5を3回します!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を15減少(118 → 103)
四之宮サヨリ:そうなんですよねぇ、防具も無いし服も破られたし……
四之宮サヨリ:というわけで、侵蝕を15低下させます
綾云媛:まろびでてる
四之宮サヨリ:106!
後藤スダチ:何かあるかもしれないから侵蝕15下げておきます 十字冠低減含めると安全圏行けるかもしれない
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を-15増加(119 → 104)
後藤スダチ:購入はもう好きなの買っちゃってよさそうね
綾云媛:キットは十分数あるんですっけ
齋藤リッコ:合計5D回復できるので大丈夫そうです
綾云媛:7d?トランクもあるよね
綾云媛:十分そうな気がする
齋藤リッコ:ダメ元でブルーゲイルでも狙おう
齋藤リッコ:5DX+2+2>=20
DoubleCross : (5DX10+4>=20) → 9[1,2,6,6,9]+4 → 13 → 失敗
齋藤リッコ:財産使うともったいないし以上!
四之宮サヨリ:購入判定は好きなの行っていいようなので、いけそうな範囲の照準器をワンチャンで……
四之宮サヨリ:4dx>=15
DoubleCross : (4DX10>=15) → 9[5,5,7,9] → 9 → 失敗
四之宮サヨリ:+2あってもだめすぎ!以上です
綾云媛:照準器やってみよう
綾云媛:4dx+4>=15
DoubleCross : (4DX10+4>=15) → 8[1,2,4,8]+4 → 12 → 失敗
綾云媛:ダメ!おわりです
GM:あとはスダチちゃんが購入できるぜ
後藤スダチ:ホローポイント弾
後藤スダチ:12dx+9+2>=10
DoubleCross : (12DX10+11>=10) → 10[1,1,2,2,3,4,7,9,9,9,9,10]+9[9]+11 → 30 → 成功
綾云媛:つっよ
齋藤リッコ:強すぎる
四之宮サヨリ:最強~
GM:ホロー過ぎる……!
GM: ゴ シャア ア ……――!!
GM:ノヴァリスの大十字冠が照らす明るい夜空に、破砕音が響き渡った。ピラーを構成していた建材が舞い、地上へと散っていく。
GM:"ヘカトンケイレス"の解体打撃を、彼女はもう幾度となく見ていた。冷めきった目だ。
GM:ノヴァリスの大十字冠は彼女に奇跡をもたらしてくれた。だが、このピラー自体には何にも思い入れはなかった。
GM:……それとも、もしこのままピラーが潰えれば、ノヴァリスの大十字冠は失われるのだろうか?
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(…………)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(……どうでもいいな……)
GM:長い作業だった。途中で妙な邪魔も入ったが、迎える結果は変わらない。
GM:あと一度か二度。腕を振り上げさせ、振り下ろさせる。それで終わりだ。ノヴァリスの未来は潰える。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(それが与えられた役目)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(この地に来てから、私はずっとそうしてきた。一ときも怠ることなく)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(ただ、役目を与える者が変わっ――)
"ブロンテス":『"ボレロス"』
"ブロンテス":『砲撃です』
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「――!?」
GM: キュイィ――
GM:――ズドォン!
GM:"ヘカトンケイレス"がピラーを削った時以上の震動が、ピラー内部の君たちにも伝わった。頭を抱えて丸くなったハイトの通信機から、怜悧な声が響く。
ネヴァノ・ディクテオン:『――"ヘカトンケイレス"への低軌道砲の着弾を確認』
ネヴァノ・ディクテオン:『バランス制御中のようですけど』
ネヴァノ・ディクテオン:『無理でしょうね』
後藤スダチ:「ネヴァノさん……!」通信機越しだということは分かっているが、身を乗り出している。
GM:通話口の彼女の言った通りだった。やがて激しくピラーの壁面を掻くような音と共に、"ヘカトンケイレス"の巨体がずり落ちて
後藤スダチ:「ど、どうして!?ジェネシスの学区システムは復旧して間もないはずなのに……!」
綾云媛:「今のは……“狙撃”ですか……!?」
四之宮サヨリ:「超長距離射撃?!ジェネシスからの……!」
齋藤リッコ:「わわわわ……すっごい揺れてる……!」
GM:地表への激突音と震動が走る。
後藤スダチ:(しかもピラーを狙える低軌道砲なんて……)密かに冷や汗を流す。
ネヴァノ・ディクテオン:『緊急事態への対応力を買われて、再起動前から準備してたんですよ』
ネヴァノ・ディクテオン:ネヴァノ・ディクテオン――以前、ジェネシスの採掘基地で"マスターゼウス"が出現した時、その協力者として彼らを匿い、その罪で謹慎中であった女生徒である。
後藤スダチ:(知らなかったよ、そんなの!牙莉亜会長が聞いたらなんて言うんだろ……)
後藤スダチ:「うう、すごいなあ……ネヴァノさんは」
後藤スダチ:「ある意味、ネヴァノさんも再起動要員だったんだ」
ネヴァノ・ディクテオン:『いわゆるマスドライバー的用途のものとして開発されているものなんですが、弾体と弾道を緊急時につき"工夫"させていただきました』
綾云媛:「というか工夫次第でピラーをその威力で狙い撃てる兵器は……」
綾云媛:「別の問題を孕むのでは……」
後藤スダチ:「見なかったことにして!」
四之宮サヨリ:「は、ははは……今回だけは見なかったことに……できます?できませんか?」
ネヴァノ・ディクテオン:『いえ。今はもう、ジェネレーターどころか砲身も焼き付いて、使い物になりませんね』
ネヴァノ・ディクテオン:『なので、今は何の問題はありません』
齋藤リッコ:「じゃあいっか~」
綾云媛:「今は……」
後藤スダチ:「そういう問題ではないんだけど……今はいいでしょ!今はねっ」
四之宮サヨリ:「よかったことにしましょう」
後藤スダチ:「重要なのは、そう!"ヘカトンケイレス"がこれで一機片付いたってこと!」
ネヴァノ・ディクテオン:『緊急時ですもの。……詳しい話は、必要でしたら緊急時を脱した後、いくらでもお付き合いしますわ』
齋藤リッコ:「そうそう!とにかく助かったのは事実だし!」
綾云媛:「まあそうですね……同様の攻撃があった場合」
綾云媛:「どの勢力の関与かはわかりますしね」
後藤スダチ:(あっ綾さんの目つきが鋭くなった!これは綾さんのインスピレーションが働いたしるしなんだ)
ネヴァノ・ディクテオン:『あら、でしたらお話に伺う時に、他校への売約書もご用意しておきましょう……』
ネヴァノ・ディクテオン:『……ともあれ、私の手出しで干渉できるのはここまでです。役に立ったようで良かった』
綾云媛:「ジェネシスにおける交渉って恫喝のことなんですか?」スダチさんに。
後藤スダチ:「味方だから!ちゃんと味方だから、そんな目で見ないでね綾さん……!」
後藤スダチ:「むしろネヴァノさんは"マスターゼウス"とは並々ならぬ因縁があって……」
後藤スダチ:「全てに優先して、対処を選んでくれたんですよね?今だって、たぶん」
後藤スダチ:「ジェネシスはひどい混乱状況のはずなのに」
ネヴァノ・ディクテオン:『彼と、彼らの増長は、私の失敗でもありますから。できる範囲での清算をしていただけ』
ネヴァノ・ディクテオン:『後藤スダチさん……ピラーに連絡をつけたら、あなたの声が聞こえた時はびっくりしたけど』
後藤スダチ:「すごい偶然ってあるものなんですね」
ネヴァノ・ディクテオン:『前と同じ、聞くと元気の出る声。……でも、前より少し大人っぽくなったかも』
後藤スダチ:「あはは。そうかな……緊張でそういう声になってるだけかも」
後藤スダチ:「でも、ありがとう!ネヴァノさん!」
ネヴァノ・ディクテオン:『ええ。無事に帰ってきてね』
GM:通信は切れる。……地上へ落下した"ヘカトンケイレス"が再度動き出し、ピラーに攻撃を加える様子はない。
綾云媛:「あれも拘束して頂いてるのでしょうね。人員も確保できたでしょうから……」
後藤スダチ:「……本当なら、あの子がここに立って、"マスターゼウス"と決着をつけるべきだったのかもしれない」
後藤スダチ:「でも、こっちにいるのは私だ。……ネヴァノさんの分まで、やってあげなきゃ」
GM:チーン
GM:おもむろに君たちの近くのエレベーターが開き、派手な格好の生徒が姿を表す
村前カギョウ:「……今落下したであろう"ヘカトンケイレス"についても」
村前カギョウ:「こちらで押さえてしまってよろしいかしら?」
齋藤リッコ:「……誰!?」
四之宮サヨリ:「……カギョウさん!此方まで来てくださったんですか?!」
齋藤リッコ:「あっえっ……この人が!?」
村前カギョウ:「ラス・ヴィダスの村前カギョウと申します。直接お目にかかるのは初めまして」
綾云媛:「はい。お願いします」即答する。
後藤スダチ:「村前カギョウさん!わざわざこんな上層までお越しに……!」
齋藤リッコ:「あっこんにちは齋藤リッコです…… こんな危ないところに、どうして?」
四之宮サヨリ:「一先ず、抑えてしまってください!云媛さんもこう言ってくださってますし……!」
村前カギョウ:「はい、では手を回しておきます」 そうは言いつつ、特にアクションをする様子はない。既定路線なのだろう
村前カギョウ:「お忙しい所かとは存じますが、もう一つ商品の提供に参りました。有用性は保証いたしますが、必要性については検討の余地がありますので、状況把握ついでに」
村前カギョウ:「……"アルゲス"というノドスのロボがありますわね」
綾云媛:(ロボ……)「……ええ、それが?」
四之宮サヨリ:「はい、あの後も何度か交戦しています」
後藤スダチ:「ノドスの生徒って大体は同じタイプの機体を使い続けるみたいだけど、個人それぞれに相性があるんだろうね」
村前カギョウ:「やはり。……あれは私たちにとっても、多大な損害を出した不倶戴天の敵です」
村前カギョウ:「ですので、少し痛い目を見せる機械に噛めればと思い参上しました。後藤様のおっしゃる通り」
村前カギョウ:「ノドスと呼ばれるロボの方々は、概ね同じ機体を用い続けることが判明しています」
後藤スダチ:「ロボの方々……」
村前カギョウ:「逆に言えば、そのロボに対し適切なアプローチを仕掛ければ、無力化することは可能なはずなのです」
齋藤リッコ:「えぇ!? あいつかなり手ごわいわよ! そんなのどうやって……」
齋藤リッコ:「めっっっちゃでっっっかい…………磁石とか!?!?」
四之宮サヨリ:「本当ですか?!考えたこともありませんでしたが……」
村前カギョウ:「ということで……」 エレベーターからずりずりと巨大なロープのようなものと、更にその発射装置のようなものを、ヒラ社員が引きずり出してくる
村前カギョウ:「めっっっちゃでっっっかい…………磁性繊維なども用いた、拘束機です。……お忘れとは言わせませんよ」
村前カギョウ:「私たちの"ヘカトンケイレス"を拘束する技術は、少なくともご存知のはずです」
村前カギョウ:「いわんやそれより小さいロボなど!」
村前カギョウ:「…………まあ、"アルゲス"の行動パターンを熟知した技能者が必要であるという前提は否定しきれませんが……」
齋藤リッコ:「すごい…………!」目を輝かせている
綾云媛:「あれは近接型ですから、動きさえ拘束してしまえば火器による破壊をされることもありませんね」
四之宮サヨリ:「確かに、既にヘカトンケイレスを拘束している技術を流用、応用すれば……でも即興でそこまでやってしまうなんて……!」
村前カギョウ:「あら……即興ではございません」
村前カギョウ:「……何処ぞの何方かが、あの"アルゲス"を追って動いているという話を聞いてから、準備させていたものです」
四之宮サヨリ:「…………」少々呆気に取られてから「ふふ」
村前カギョウ:「間に合うかは微妙な所でしたが、この様子だと、この場において価値はあるようですね」
四之宮サヨリ:「本当に、お人好しな方なんですから……」
後藤スダチ:(元々合コン委員会に売るつもりだったんだなあ)
後藤スダチ:どんなにニッチな製品だろうと、それを必要とする顧客の当てがあるのなら製造するのが企業なのだ。
四之宮サヨリ:「はい。この分ではアルゲスさんも……また戦場に戻って来ると見ています。その点で価値は十二分に!」
齋藤リッコ:「えっ、ねえ!これ“マスターゼウス”も捕まえられるんじゃないの!?」
村前カギョウ:「"マスターゼウス"というのは……」
村前カギョウ:「…………あのでかい?」
齋藤リッコ:「……」窓の外を見遣る「そうだった……」
後藤スダチ:「いや、どうだろう……あのでかいのなのか、中にいるのか……どっちにしても、捕まえてもあんまり意味なさそうだけど」
後藤スダチ:「"マスターゼウス"は機械兵を生産するのが役割で、自分で戦うタイプってわけじゃないからね」
綾云媛:「あの高さに打ち込むとなると相当厳しいでしょうしね」
齋藤リッコ:「ダメか~~」
四之宮サヨリ:「少なくとも、経験とデータが不足している以上、マスターゼウスまでは何とも言えませんね……」
後藤スダチ:「でも、逆に言えば手下の機械兵が"マスターゼウス"の武器みたいなもので」
後藤スダチ:「その中でも最強は"アルゲス"!だから、十分意味はあると思うな」
綾云媛:「何度も掛ければ対策を打たれるでしょうね」
綾云媛:「ですが、今においては意味がある。それで十分です」
齋藤リッコ:「そうよね……! 各学区に配備した方が良いんじゃないの? これ……」
村前カギョウ:「ご信頼いただけるのは光栄の極みですが、"ヘカトンケイレス"の拘束分と"アルゲス"拘束分と合わせて、資材の在庫はかなり危機的ですので……」
齋藤リッコ:「そう上手くはいかないか……」
後藤スダチ:「分かる~!用途が限定されてる特殊製品って本当に資材の在庫との相談になっちゃうよね……!」
村前カギョウ:「ジェネシスの方でもそういった所は変わりないのですね……」
四之宮サヨリ:「ああ、企業人同士のあるある会話が……」
後藤スダチ:「いくら積んでも欲しいっていうお客さんはいるんだけど、物理的にこれ以上製造ができないって状態になりがちみたいな……」
綾云媛:「必要なのは行動パターンの提示ですね? それであれば私が伝達しましょう」
村前カギョウ:「ありがとうございます。お支払いについては、"ヘカトンケイレス"拘束分に合わせる形で」
村前カギョウ:「……繰り返しますが、悪くはしませんよ。あれは私たちにとっても怨憎極まるロボです」
"バズヴ・カタ":「……運用は私たちで担おう。もうカバーは難しい人員を使えば手数が減ることはない」
"バズヴ・カタ":「村前さん、綾さん、手早く詰めてしまおう」
村前カギョウ:「ええ。あと……」
村前カギョウ:「……そろそろ地上階から、私に負けず劣らずお金好きな方々がいらっしゃいますよ?」
四之宮サヨリ:「というと……ああ、そういうことですか!」
四之宮サヨリ:「傭兵の方々、到着されるのですね……!」
齋藤リッコ:「えっ……もう!?」
綾云媛:「がめつさに感謝するべきですね……それとも」
綾云媛:「友情でしたっけ?」
GM:キュウゥ――というローラー音と共に、その存在はエレベーターより速い速度で近付いてきた。村前が使っていたのとは逆側のエレベーターの扉が、内側から開けられる。
皆神ハルノ:「いちばん!」
皆神ハルノ:「……じゃない? あれ、結構いる? おかしいな、エレベーターシャフト直行で別ルートはなかったはずなんだけど……」
皆神ハルノ:明るい声の、颯爽とした少女だ。身にまとうサイバー装備は、ジェネシスではなくラスヴィダスの製品である
齋藤リッコ:「……」数秒、ぽかんと口を開けて。
齋藤リッコ:「……ハルノさん!?」
皆神ハルノ:「あれ!? リッコちゃん!!」
皆神ハルノ:「どうしたのこんな所で……! あっ、CM見たよ! 可愛いよね! こんな話してる暇じゃないかな……!?」
齋藤リッコ:「うわーーっお久し振りです!!」笑顔で駆け寄り「あっありがとうございます! あたしも最近の試合も見てま……じゃなくて!」
齋藤リッコ:「どうしてこんな所に……いや……そっか……」
綾云媛:「どこかで見たような……」記憶を引きずり出そうとしている。
四之宮サヨリ:「あ、休憩時間にネットをしてる時によく見るお顔です……!」
皆神ハルノ:「こんにちは! ラス・ヴィダスの『銀獅子』皆神ハルノです!」
皆神ハルノ:――と名乗る通り、彼女はラス・ヴィダスの競技闘士にして、傭兵にして、CM出演等も行うタレントである。
綾云媛:「“銀獅子”――ああ!」
後藤スダチ:「見たことある(かも)……!」
齋藤リッコ:「傭兵って……ハルノさん(達)が!?」
四之宮サヨリ:「有名タレントですよね、リッコさんお知り合いなんですか?」
齋藤リッコ:「うん、前にお世話になって……」
皆神ハルノ:「リッコちゃんとはお仕事一緒にしたことがあって、それで色々……」
綾云媛:「小綺麗な戦いのやつですね」ファイト自体は結構見ている。
後藤スダチ:「言い方がちょっとずつ悪いんだよなあ」
綾云媛:「どれだけ知己があるんですかこの人」
四之宮サヨリ:「何度目か分かりませんが、お顔、本当に広いですね……」
皆神ハルノ:「あはは、綺麗って言ってくれて嬉しい! うん、私たちって言うか、私がトップバッター?」
皆神ハルノ:「すぐに他に何人も来るよ。なんかすごーい……敵がいるんでしょ?」
齋藤リッコ:「はい! でもハルノさんがいてくれるなら……全然大丈夫ですよ!!」
齋藤リッコ:駆け出しですらない頃にお世話になったのでやや過剰くらいの信頼を置いている。
皆神ハルノ:「ほんと~? 皆さん強そうだけどな~」 抜かりなく全員の武装に目を走らせている
皆神ハルノ:「……まあ、私ですらそんな認識ですから、正直、あなたたちが今どういう経緯でここにいて、何と戦おうとしているか」
皆神ハルノ:「これから来る人の中で、分かってる人はほとんどいないと思う……けど」
皆神ハルノ:「ピラーが壊されようとしてて、それって何だか……ノヴァリスのピンチなんじゃない!?」
皆神ハルノ:「……というくらいの認識はしてる人たちだから」
後藤スダチ:「り、立派な人だ」
綾云媛:「……」
皆神ハルノ:「皆さんノヴァリスのために戦ってくれてるなら、私も含めて、みんな皆さんの味方です」
後藤スダチ:「つまり……義?によって助太刀しようとしてくれている!そういうことですよね……!」
皆神ハルノ:「あっ」「お金はもらうけど」
皆神ハルノ:しれっと付け足すぞ 「この装備も高いんだよ~」
後藤スダチ:「そうですか……」しょんぼりする。
四之宮サヨリ:「そこは結構しっかりしてるんですね……!」
綾云媛:「これだからラス・ヴィダスは……」
齋藤リッコ:「うん! すっごく頼りになるの!」自慢げにニコニコしている
齋藤リッコ:「あんなの2秒よ、2秒!」
四之宮サヨリ:「そ、そこまで……」ゴクリ。
皆神ハルノ:「信頼がすごい」
皆神ハルノ:「……では、そういう訳なので」
皆神ハルノ:ローラーブーツでくるりと回り、丁寧に礼をする
皆神ハルノ:「ここから先は……私たち全員で行こう!」
齋藤リッコ:「はい!」
齋藤リッコ:「あたしも……あれから色々あって」僅かに目を伏せ、それから照れたように
齋藤リッコ:「……見て欲しいです。ハルノさんに、今のあたしのこと」
皆神ハルノ:「ふふ。いいよ、リッコちゃん……素敵な所、たくさん見せてね」
皆神ハルノ:「私も見せるから!」
GM:"マスターゼウス"により生産された6体の神機なる兵器は、2群に分かれてセイクリッドピラーの要所を押さえた。
GM:最後の"ヘカトンケイレス"の元へ到達するには、この2群を突破しなければならない。
GM:――神機群、第一陣。
GM:「――」
GM:この空間の要となっているのが、空間中心に浮遊するその神機であることに疑いようはなかった。
GM:ウロボロスシンドロームの性質を持った、特殊な波動を発している。ただそれは、レネゲイドを食らうのではない。狂わせるのだ。
ディオニュソス:神機ディオニュソス――権能『迷走』
GM:その機体を前に、全てのレネゲイドウィルスは制御を失する。オーヴァードの肉体と精神という殻なくして、エフェクトは一時も作用しない。
GM:そして、かの神機を守る神機が一対。
GM:それは一帯を水で満たしている。重力に背いた水の立体が無数、陸上生物たる人間を封殺するべく溢れ続ける。
ポセイドン:神機ポセイドン――権能『海洋』
GM:それは造り続ける。ピラーの建造材を食らい、剣に弾に生み出し続け放ち続け、海と酒に溺れし侵入者を抹殺する。
ヘパイストス:神機ヘパイストス――権能『鍛造』
GM:……これらを前に、いわゆるレネゲイドコントロールによる攻撃は通用するようには見えなかった。求められるのは、激流と弾刃雨を切り抜ける機動力と、実体的な攻撃力。
皆神ハルノ:「つ、ま、り」
皆神ハルノ:「歌って踊れる機動戦だ!」
皆神ハルノ:アーマーを身にまとったラス・ヴィダス傭兵の彼女が、やはり先陣を切った。放たれる攻撃と水流をローラー駆動でかいくぐり、神機に肉薄し、攻撃を加える。
ヘパイストス:「……!」
皆神ハルノ:攻撃は武器生産の"ヘパイストス"へ届いた。だが…… 「……硬い!」
皆神ハルノ:「これは結構手間かかりそうだ……!」
後藤スダチ:「敵の攻撃と対応がわかれば」
後藤スダチ:「……解析はできます!難しくても……今のところは!正攻法で攻め続けてください!」
後藤スダチ:傭兵達には未知の能力を受けてもらい、最悪、転送も覚悟してもらう必要がある――それは、ノヴァリスの傭兵なら初めから織り込み済みのリスクだろう。
四之宮サヨリ:「此方も可能な限りチャージします!ハルノさんを見る限り、攻撃自体は通る筈……!」
齋藤リッコ:「ハルノさんの攻撃を弾くなんて……」今まで見たことないくらい絶望の顔をしている
皆神ハルノ:「OK! できるだけ手の内を見せてもらう方向でね!」
後藤スダチ:(一人でも……ここで合流した味方を、上に連れて行くことができれば)
後藤スダチ:(形成は逆転だ!……でも、この敵を相手にそんな甘い見通しが成り立つものか……!?)
四之宮サヨリ:「状況を見て、最適な攻撃を最大で狙う……そのためにも、まずは敵を観察しないと……!」
綾云媛:「元より連携を前提に作られているということですね……」
綾云媛:「逆に言えば……そういう連携は、一角でも落とせば成立しない」
綾云媛:「弱い者から徹底して狙いましょう」
GM:ハルノの第一撃と、スダチのオーダーにより、その場に結集した傭兵、あるいはピラー生徒……もしくはそれ以外の戦力も全て
GM:次々に攻撃へと参加していく。能力のほどは様々だ。見る間に離脱する者もあれば、しぶとく一体の神機へ攻撃を続けている者もいる。
齋藤リッコ:「ウェェ……きぼぢわるい……」ディオニュソスの能力を覿面に受けている。何とか水を凍らせたりしているが、明らかに出力が低い。
四之宮サヨリ:「……やはり、RCは相性が悪いようですね」
"バズヴ・カタ":「無理をしないでくれ。……戦力的には申し分ないように見える」
"バズヴ・カタ":「道を開くことは十分可能だろう。……こちらも手を打つ」
四之宮サヨリ:「リッコさん、ひとまず下がってください。こちらの神機は実体攻撃以外は難しいようです」
齋藤リッコ:「わ、分かった……後に備えておくわ……ウェッ」「皆、頑張って……!」
後藤スダチ:「水……のやつを先に落としたいな……!」学区ごとの規格をまたいだ通信網は構築が難しい。それでも、複数の機材を連結して努力しているところだ。
後藤スダチ:「あれがこっちの機動力と、攻撃力と、それと正確な空間演算の見込みを乱してくる。大量の流体を操る敵はそこが厄介なんだ……」
後藤スダチ:「一番ヤバいやつは」ディオニュソスのことだ。「そもそもこいつを撃破させないためのフォーメーションが組まれている」
後藤スダチ:「武器を作るやつが一番強い。こいつの攻勢に耐えられないと頭数がどんどん減っていってしまう」
皆神ハルノ:「賛成ですね!」 実は誰がクライアントか正確に把握していないので、スダチちゃんにも丁寧語だ 「あの、色々作るやつは装甲が厚いです。得意苦手が大きそう」
綾云媛:「……床を抜きますか。水が貯まることはないでしょう」
綾云媛:「こちらの足場も制限されますが……」
エイヴ・ド・レスタイム:「手配します。それなら余ってる人員で下階からの爆砕ができるでしょう」
四之宮サヨリ:「お願いします。道さえ開けられれば、後は……」
四之宮サヨリ:「中央の最重要機体を集中して、一気に打ち倒す……!」
ハイト・ワトソン:リッコちゃんの背中を撫でている 「あの……水を出してるやつと、やばいやつを倒したら」
ハイト・ワトソン:「一気に行く感じですね。そうなりそうだったら、ちゃんと言いますから……!」
後藤スダチ:「お願い!リッコちゃんや、今控えにいる傭兵チームは突破した先での主力になってもらう……!」
齋藤リッコ:「うん……! 任せて、今は温存して……あっやばい吐く! ウ゛ゥーーッ」
綾云媛:「これ後に使えるんですかこの状態で?」
ハイト・ワトソン:「うわあ……」
四之宮サヨリ:「メディック!救護!救護お願いします!」
後藤スダチ:(……ここで前線に出て、転送まで戦えば、少なくともノドスやテスラ・タイタニスのことは考えなくてよくなる)
後藤スダチ:今視界の先で戦って、次々と転送されている生徒達だって、兵力としての価値は自分と同じだ。
後藤スダチ:傭兵達の犠牲の上で、自分が上に登る意味はあるのだろうか?
後藤スダチ:(……戦力的には、ない。でも、私は……私達は、ノドスやテスラ・タイタニスのことを『知って』いる。心のほんの欠片だとしても)
後藤スダチ:(心のない巨大兵器相手とは、違う。私達を優先して残すことは、大きな有利になるか……大きな不利になるとしても、強い意味があるはずだ)
:ヒュンッ
:不意に、激戦の中で弾かれた"ヘパイストス"の大剣が、思案するスダチの方向へと飛来する。
後藤スダチ:「わあ」
軍錠ハジメ:「裏八式」
軍錠ハジメ:スダチが反応するよりも先に、その前に割り込んで刀を振るう。
軍錠ハジメ:火花が散り、次いで激しい爆発。大剣を弾き返すとともに、周囲の水と相殺して水蒸気を撒き散らす。
軍錠ハジメ:「"桜火竜"」レネゲイドによるものではない。刃の摩擦のみで焔を発している。
後藤スダチ:「えっ、えっ……」
後藤スダチ:「ありがとうございます……!?」
後藤スダチ:意図した攻撃ならともかく、偶発的事象に対しては演算して備えてもいなかったし、最初からそのリスクは除外するしかないと思っていた。
後藤スダチ:(なのに)
後藤スダチ:(反応して防御できる人がいるなんて……!)
軍錠ハジメ:「上が妙に騒がしいから登ってきたけど」綾に振り返って。
軍錠ハジメ:「何事?」
綾云媛:「ご覧の通りですとも」
綾云媛:「侵攻です」
後藤スダチ:「アッハイ!オフィサー営業本部の後藤スダチです!セイクリッドピラーが攻撃を受けています!」
軍錠ハジメ:「そっか。上は図書委員の管轄じゃないけど」
軍錠ハジメ:「一応前の借りがあるから、助太刀する。今日は死番じゃないし」
後藤スダチ:「図書委員の皆さん……!道理で強いわけだ!お願いします!」
綾云媛:「助かります!頼りにしています」
綾云媛:(図書委員……!頼もしい戦力です)
綾云媛:(吹っ掛けられる心配がない!)
エイヴ・ド・レスタイム:(絶対金銭面の勘定しながら歓迎してる!)
軍錠ハジメ:「鬼に逢うては鬼を斬る……神に遭うては、神を斬る」刀を顔の横に構え、腰を深く落とした極端な平突きの姿勢を取り、弾けるようにして神機へと突っ込んでいった。
ハセル・セネヴ:「……湿気は本の敵なのに、申し訳ないな」
四之宮サヨリ:「あっ、先生……戻ってきたんですか?!」
ハセル・セネヴ:後ろの方で、覇気に欠ける成人男性がこぼす。彼女をここに連れてきたのは彼だった
後藤スダチ:「……!まさか図書委員の皆さんを連れてきたのって!」
ハセル・セネヴ:「うん。もう危険圏だから、無理せず帰るつもりだけど……」
綾云媛:「ええ、感謝しますし是非そうして頂けると!」
綾云媛:「余計な気を揉まずに済みます!」
ハセル・セネヴ:「そりゃあ、君たちが手を尽くしてるんだから……僕らが誰もそれも知らぬ顔はできない」
四之宮サヨリ:「助かります!先生達の指揮があれば、戦力もかなり上乗せできます……!」
ハセル・セネヴ:「この状況を察して、僕以外にも来てる先生もいる」
綾云媛:「えっそれは……」
綾云媛:「帰る気ない奴では……」
後藤スダチ:「それってもしかして噂のアリト先生……」
ユージン・マディス:「――――ああ」
ユージン・マディス:空中から突き出した刀剣を足掛けに、鋭い目を『ヘパイストス』に向けている。
後藤スダチ:「違う!!!変態だ!!!」
四之宮サヨリ:(……なんて集中力!)
ユージン・マディス:白髪痩躯の男が。無尽に生み出される剣群を抱えながら見下ろしている。
後藤スダチ:「ユージンせ……ユージンさん!なんで来ちゃったんですか!?」
四之宮サヨリ:「えっ、なんですスダチさんのこの反応……」
綾云媛:「お知り合いですか?」
後藤スダチ:「まあ知り合いというかなんというか、文化祭でというか……」むにゃむにゃと答える。
ユージン・マディス:「貴重なノドスが鍛えた剣! ……使い手の性格の悪さが見えるようだ!」
ユージン・マディス:「ん? ……なんだ後藤。どうしてここにいる?」
後藤スダチ:「こっちの台詞ですよー!」
ユージン・マディス:「ここは危険地帯だぞ刀見たい 君はまた大事に巻き込まれているのか剣追加ゲット」
後藤スダチ:「心の声が全部漏れてる」
ユージン・マディス:こちらめがけて射出されてきた大剣が、空中で開いた「窓」に回収される。
ユージン・マディス:実際、対刀剣に限っては有効ではあるのだ。
四之宮サヨリ:「…………」唖然とした目で、その姿を見ている。
四之宮サヨリ:(私欲……?)
ヘパイストス:攻撃に用いられる生産物も、心なしか鉄球や斧が増えてきている。
後藤スダチ:「ほら!刀剣とはとてもいえない攻撃になってきてます!危ないですよ!」
"バズヴ・カタ":「いや、だが……」
"バズヴ・カタ":「敵の攻撃手段が絞られるのは、対応パターンの単純化に繋がるだろう。……攻撃速度も落ちているようだ」
ユージン・マディス:「チッ!」鉄球を巨大な剣の腹で防ぐ。「見ようによっては剣!」斧を取り込む。
綾云媛:「どこが……?」
四之宮サヨリ:「その判定でいいんですか?!」
"バズヴ・カタ":「先生も解釈を頑張ってくださっている」
後藤スダチ:傭兵達に通信する。「攻撃機は内部の生産ラインを組み替えています!」
後藤スダチ:「その最中は攻撃速度を落とすしかないはず!今なら被弾覚悟で距離を詰められます!」
後藤スダチ:「無理しないでくださいよ!」通信の片手間で叫び、呼びかける。
後藤スダチ:「その……心配なんですからッ!」
ユージン・マディス:「後藤もな。君の実力は知っている」
ユージン・マディス:「難儀な状況にいるようだが、俺が保証する。うまくやれるさ」
ユージン・マディス:飛び去っていく。「一部は剣!」 棘付き鉄球の棘だけが窓に引き込まれる。鈍器は生成に時間がかかる。
綾云媛:「で、ですがこれで……」
綾云媛:「相手も混乱したはずです」
綾云媛:こちらもとは言わない。「押し切りましょう」
ハセル・セネヴ:「さすがユージン先生だなあ」
四之宮サヨリ:「そうですね、何故か……今ので完全にペースを握った気がしますが……」
皆神ハルノ:「オッケーイ! かなり踊りやすくなってきた……水のやつからだったね」
後藤スダチ:「ユージン先生のせいで攻略順番があべこべになっちゃった」
後藤スダチ:実際、攻勢はずっと楽になってきている。まだ死力を尽くす必要はあるが、撃破できるかもしれない。
皆神ハルノ:ガチン! ローラーブーツの駆動部から更に柔軟な噛み外しを実現するクローが展開。機動力と、固定力。水流の中で矛盾する二つの能力を実現する
皆神ハルノ:「この春の……新製品~!」 水流を逆走し、その根源である神機ポセイドンへ。強靭なクローを振り抜く!
ポセイドン:「――!!」
ポセイドン:ついにその一部を破砕し、吹き飛ばす。そこからさらに大量の流水が溢れるが、同時に――ドォン!
エイヴ・ド・レスタイム:「FIREってわけです」
GM:床部が下から発破され、開けられた穴から大量の水が下階へ流れ込む。損傷したポセイドンは、それをフォローすることができない。
"バズヴ・カタ":「今だ……ディオニュソス、あのやばいのに攻撃を!」
後藤スダチ:「この時を待ってた!みんなが持ってきた兵器の……射撃管制リンクはばっちり!」
綾云媛:「よし……!修復にいくら掛かるかは考えません!」
エイヴ・ド・レスタイム:「吹き抜けの設計に優れた生徒も探しておきましょう」
四之宮サヨリ:「チャージ段階、最大!いつでもフルパワーで射撃可能です!」
後藤スダチ:ガトリングガン。自走タレット。対戦車砲。巨大な神機に通用しそうな、ありとあらゆる兵器を――
後藤スダチ:対処の追いつかない物量で、一斉作動させる!電子的な連携が取れない兵器群も、外部思考ゲルの仮足で物理的に引き金を引く!
ヘパイストス:攻撃意図を察したヘパイストスが、武器の生産を止めぬまま、様々な形状の防壁を無秩序に積み上げ始める。だが……間に合わない!
後藤スダチ:破壊的な爆轟、電子音、魔術的な唸りが、同時にピラーを揺らす。
四之宮サヨリ:───ディオニュソスに向けられた神殿の砲門。
四之宮サヨリ:その内部に設置された電気回路が、強力な磁場を発生させている。
四之宮サヨリ:「元々一番火力が出るのは砲撃です!敵が動かない、しかもただの兵器であるなら……!」
四之宮サヨリ:集う雷が、内部の金属弾に極限まで纏い、駆動、加速───!
四之宮サヨリ:「前方の皆さん!退避を……撃ちます!」全員が射線から退く限界まで抑え込む、そして───
四之宮サヨリ:───カ ッ
四之宮サヨリ:爆発的な光と共に、壮絶な威力を持った投射───電磁加速砲が、眼前の遍くを貫いてピラーの外壁を照らした。
ディオニュソス:「――――」
ディオニュソス:あるいはそこから放たれるレネゲイドは、多少なりとも攻撃に関与するエフェクトの働きを減じたかもしれない。
ディオニュソス:だが、無力である。その眼が見定め、電流が管制し、放たれた弾丸の雨を前にしては。
ディオニュソス:ドオ――!!
GM:爆発と共に、その機体は高度を失い墜落する。サヨリの攻撃に合わせて退避した生徒たちが、その成果というよりも派手さに対して歓声をあげた
GM:そして戦闘は続く。ポセイドン、ヘパイストスは未だ健在だ。ディオニュソスすら、じき復帰するかもしれない。だが今この瞬間……道は開けている!
後藤スダチ:「やっ……た!」喜びを味わうというより、強制的に区切りをつけるための声だ。
ハイト・ワトソン:「リ、リッコさん……!」 ゆさゆさ
齋藤リッコ:「あれっ……ちょっと吐き気引いてきた……」
後藤スダチ:「リッコちゃん!リッコちゃん!」
四之宮サヨリ:「っ、ふぅ……よし!リッコさん!体調は問題ないですか?」
齋藤リッコ:「あっ行く!?行くのね!?行きましょう!」
後藤スダチ:「傭兵の皆さん!侵蝕限界に達している方は一旦撤退してください!後衛機体の観測を行っていた皆さんは、すぐにデータを回収いたします!」通信機に叫ぶ。
皆神ハルノ:「うん、行っておいで! 私たちはもうちょっとここで時間(と報酬を)稼いでるから」
齋藤リッコ:「ハルノさん……お願いします!」
皆神ハルノ:「後でよろしく!」 軽くウィンクする。先に進む者であれば単純な激励と受け取れるだろうし、財務を握る者であれば報酬のことであると理解できるだろう
後藤スダチ:「次の三機!何をしてくる……!?どうすれば攻略できる!?」
GM:スダチの言葉に素直に従うもの、もっと暴れようとして即座に十字冠転送させられるもの、今更この場に現れて戦闘に参加するもの――様々な生徒がいる。
綾云媛:「これ以上の損失を出したくはないんですが……」
四之宮サヨリ:「本当に……たくさんの人が、来てくれたんですね」少し、気持ちが落ち着いたような気がする。気合を入れるように頬を叩いて。
四之宮サヨリ:「まずは確認するしかありません!残り三機、制圧に掛かりましょう……!」
GM:そして彼女たちを後にし、君たちとこの場では能力を発揮しなかった生徒たちは、先へと駆けていく。
GM:――神機群、第二陣。
アポルオン:神機アポルオン――権能『予見』
アポルオン:場に存在するあらゆる要素を観測し、時を越え未来すら垣間見、時に表面の歪んだ時計から放たれる魔眼にて直接叩き潰し、時として手を出さず僚機へ伝達する。
ヘルメス:神機ヘルメス――権能『変動』
ヘルメス:不定間隔で多方向に光を放ち、それを浴びたモノ同士の座標を入れ替える。……生徒が飛散した残骸と入れ替えられ、そのまま落下させられることすらある。
GM:両機はそれだけでも明白な脅威ではあったが、この場において真実危険なのは……
GM:「――」
GM:神機、と呼ばれるものの中で、唯一、辛うじて腕や足に見える器官を持つ者がいた。
GM:マント状のカバーの下から生えるそれの数は計り知れず、形状もまた無数ある。
GM:それはあらゆる動きを行い、またあらゆる動きへ対応するためのものだ。この世全ての挙動を知り、阻み、実現する。
アレス:神機アレス――権能『武』
アレス:『予見』と『変動』の後ろ盾を得た彼は、この場においていかなる技術戦闘の結実を許さない。
アレス:今はただ、立っているだけだ。しかし君たちが攻撃に移ろうものなら、即座に完全無謬の対応を行うだろう。
エイヴ・ド・レスタイム:「……一部、飛行可能な生徒が、先遣して彼らに接触してるので」
エイヴ・ド・レスタイム:「およその能力は見えている状態ではありますが、まあ……」
エイヴ・ド・レスタイム:「一歩たりとも近付きたくないですね」
齋藤リッコ:「次から次へと……メチャクチャな奴ばっか出てくるわね!」
四之宮サヨリ:「……はい、武器を向けた時点で……来ますね。しかもあの両機、物理的攻撃も通るか怪しい……」
四之宮サヨリ:ノイマン思考が感じた予感が、思わず身体を震わせる。
綾云媛:「ふむ」アレスの圏内に、一歩足を踏み入れる。
綾云媛:「見ておきますね」
アレス:対するように一歩動いた。そして、マントの下で複数の腕が、それぞれ異なる形状を取る。
綾云媛:無数の獣相が応じるように腹から湧きい出て、そのすべてを食らわんと殺到した。
アレス:直線打撃。迂回打撃。尖突。払い。防御に専念するものが三形。全てが常に変動している。
アレス:迫る獣に対して、それらは淀みなく美しく放たれた。余さず撃退され、傷……は、もしかしたらつけられたかもしれない。
アレス:ただし、未だ動かさぬ腕をいくつも後方に備えた上で、更には他二機の直接の干渉もない状態で、それを破壊成果と言い張るのは少し苦しい所があるだろう。
綾云媛:「ダメですね」一歩引いて。「見ておこうとしていることを読まれています」
綾云媛:「腹の中はまだまだ分かりませんか」
齋藤リッコ:「何よあれ~~……!」始めからそう定められた演武を見ているかのような、無駄のない動作に慄然とする。
四之宮サヨリ:「いくら武装で誘導しようにも……予見能力無しでも武術的先読みが異常過ぎますね。なら、この布陣をどう突破するか……」
後藤スダチ:「兵器を使い切る勢いで攻撃しておいてよかった……。弾薬温存してても絶対通らなかっただろうな……」
"バズヴ・カタ":「……武術的な対応力に加え、転移能力と予見能力の補助」
"バズヴ・カタ":「そうなるとやはり、飽和攻撃による圧力が要となるか」
"バズヴ・カタ":「あるいは、対応すら困難な単純速度……」
綾云媛:「本来であれば動力切れを狙いたいところですが……あれがどういう理屈で動いているのかさえ判然としませんから」
齋藤リッコ:「さっき醜態を晒したぶん……あたしがいいとこ見せなくちゃね」
齋藤リッコ:床に掌を付くと、一気に氷が広がっていく。
齋藤リッコ:破壊された穴を修繕し、“ヘカトンケイレス”に破壊された壁から外部に向け、傭兵たちが活動できる足場を生成する。本来のフロアを遥かに越える広さまで。
"バズヴ・カタ":「……こちらからも戦力を出そう」 一歩前へ出る
"バズヴ・カタ":「ピラーの攻略に臨んだ最初の頃……私たちは退避のための『できれば使いたくない』切り札を擁していると話したな」
齋藤リッコ:「ああ、言ってた言ってた!そういえば!」
"バズヴ・カタ":「それはフィオナ騎士団それぞれに持たされている、エアリの能力を援用した、一度限りの遠距離テレポートを行うカードだ」
"バズヴ・カタ":懐より取り出す 「みだりな使用は諌められていたが、他人への供与は禁止されていなかったからな。いざとなればあなたたちだけでも退避してもらうことは、間違いなく可能だった」
四之宮サヨリ:「成程、それで……」
"バズヴ・カタ":「だが、事ここに至ってそれもない。……我々はこれを、前に進むために使おう」
綾云媛:「退避用途はよろしいので?」
"バズヴ・カタ":「……ここから下がれば、ピラーから足を踏み外す」
"バズヴ・カタ":「だろう?」 カードを破る
GM:瞬間、リッコの展開した氷の床に呼応するように、冷たい風が辺りに吹き始めた。少し遅れ、凍えるような光。
"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ:「…………」
"バズヴ・カタ":「フィオナ騎士団先鋒。"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ」
"バズヴ・カタ":「エアリに手間をかけたぶんをここで返すがいい」
"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ:「言われ――ずとも!」
"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ:青白い光が辺りに満ち、空間のあらゆる箇所から氷の結晶が生じて、神機群を襲う。
綾云媛:(逆か。“呼び出す”ために――)
四之宮サヨリ:「!遠距離テレポートを、こちらへの増援に……!」
アレス:アレスは自らの駆動を維持するため、最低限の防御と対応を行っている。
GM:一方でアポルオンは激しく魔眼を放って冷気を退け、ヘルメスは転移光によってエレナをピラー外へと送り込んだが、
"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ:「だから!?」 彼女は怯まない。即座に中空に氷の足場を生み出し、反撃の氷結レーザーを放つ
四之宮サヨリ:「すごい、転移にも即座に対応を……これがフィオナ騎士団の練度!」
綾云媛:「低温攻撃は彼らにも効く……動き自体を鈍らせるものになるから」
後藤スダチ:「私達と同行していたフィオナ騎士団は『守り』の訓練を積んでる人達だった。何よりも、テスラ・タイタニスの脅威に対処する必要があったから……」
後藤スダチ:「でも、そうか……フィオナ騎士団ほどの組織になれば、当然アタッカーだっている。それを今、喚んだってこと……!」
齋藤リッコ:「ありがとう、バズヴちゃん……」強く頷く
齋藤リッコ:「この覚悟……ぜったい無駄にはさせないから」
"バズヴ・カタ":「信じているよ」 微笑
GM:それに触発されたように、後続の生徒たちも動き始める。光線、雷、魔眼、あるいは影。あらゆる非実体攻撃が、三体の神機に浴びせられた。
アレス:そうなると、異なる動きを見せたのはアレスだ。今まで状態維持に注力していた彼が、静かに動き出す。その機動は思わぬ機敏さを持ち、生徒に触れれば確実にそれを撃破する。
綾云媛:「チッ……やはり実力を!」
後藤スダチ:「……!」観測結果を聞かされた時から理解していたことだが、この敵に対して自分ができることは、ひどく少ない。
後藤スダチ:論理的なオペレーションは予測され、実体を伴う攻撃は尽く防御されてしまう。前衛が殲滅の本命なら、後衛こそが阻止の本命――
四之宮サヨリ:「っ……!」
四之宮サヨリ:一撃で生徒が転移されるほどの強烈な破壊力。飽和攻撃で責められても、これでは長くは持たない……!
綾云媛:(相打ち覚悟と行こうにも……こちらの一撃と向こうの一撃では重みが違う)
アレス:一歩の踏み込みが、一つの撃破、十字冠離脱を生む。その堂々とした歩みは、知れずリッコの元へと寄っていた。
アレス:そしてそれに気付いた時には、もうアレスの射程圏内である。……踏み込み、打撃。攻撃の流れがリッコを捉えようとする。
齋藤リッコ:「ッ」ヘルメスに外部転移させられた生徒を魔眼で受け止め──それが致命的な隙となった。
齋藤リッコ:次々に氷の壁を展開するが、それを上回る速度で瞬く間に破砕される。
齋藤リッコ:「まず……」
:小さな白い影が、そこに割り込むように飛び込んだ。
屠礼希:機械的な仮面を付けた少女が、激しく白滅している。打撃をしとど受けたはずが、一切の損傷はない。
屠礼希:「間に……合った!」
齋藤リッコ:「……リィキ……!」
齋藤リッコ:驚愕に瞠目し、それから笑う。僅かに涙ぐんで。
齋藤リッコ:「本当に来てくれたんだ……!」
屠礼希:≧▽≦「リッコ!また会えたね!」仮面に表情が浮かぶ。
屠礼希:^ー^「言ったでしょ!行くって!」
齋藤リッコ:「うん……!」
齋藤リッコ:軽く目元を拭い
齋藤リッコ:「したもんね……約束……!」
屠礼希:`^´「あいつのもとに行くために……あいつをやっつけなきゃなんだね」
齋藤リッコ:「……うん」立ち並ぶ神機を見上げ「行けるわよね……まだまだ!」
屠礼希:>_<「ボクはあれに当てるのは厳しいけど……」
屠礼希:`^´「キミを守ることはできる!キミなら決められる!」
屠礼希:^ー^「行こう!」
屠礼希:再び白い流星となって、アレスの周りを飛び回るようにつつき始める。
屠礼希:それ自体がアレスにダメージを与えることはないが、アレスからの攻撃も意に介さない。
アレス:アレスからの打撃は間断なく降り注ぐ。……今まで見せていなかった刃らしき兵装すら抜かせ、それでもリィキには届かない。
音川ナツミ:「だぁ~~~っ……ようやく……」
音川ナツミ:「追いついた……ゼェ……ゼェ……」
齋藤リッコ:「…………ナツミちゃん!?」
音川ナツミ:屠礼希と入れ替わるようにして階層に飛び込んでくる。階段を直接登ってきたらしく、すでに息を切らせている。
音川ナツミ:「おっす!リッコちゃん!」頬の汗を拭い
齋藤リッコ:「来てくれたの……!? あ、ニルヴァーナからここまで……!?」
音川ナツミ:「いや流石にニルヴァーナからは走っても間に合わない!校舎の修繕費が全然足りなくってさ!」
音川ナツミ:「セントラルまで出稼ぎに来てたら、ちょうどリッコちゃんのメッセージが届いて」
音川ナツミ:「飛んできたってわけ。恩返しのチャンスだったしね」
齋藤リッコ:「そんなラッキー……! 嬉しいわ、来てくれて……!」
エイヴ・ド・レスタイム:(ニルヴァーナは物価が安いから助かりますが……)
エイヴ・ド・レスタイム:(……本当に顔が広いですね)
齋藤リッコ:「アレス、相当ヤバいわよ……気を付けて!」
音川ナツミ:「見てたよ。ステゴロが通じないっぽいのは残念だけど」
音川ナツミ:「頑丈なのが取り柄だからね。弾除けになるのは慣れてる」
音川ナツミ:「さっきの子と二人で、リッコちゃんをアイツのとこまで送り届けてあげる」
音川ナツミ:「だから、一発ぶちかましてきなよ!」
齋藤リッコ:「うん……お願い!」
齋藤リッコ:場違いに込み上げてくる嬉しさを抑えて、表情を引き締める。
齋藤リッコ:「近くまででいいわ。絶対に──」
齋藤リッコ:「仕留めるから」
GM:……あらゆる方角から、無数の形状と色彩の攻撃が降り注いでいる。
GM:それらに対し、アレスも無防備ではない。アポルオンの情報に基づき、時にヘルメスの転移支援を受けながら、着実に凌ぐ。技術戦闘に対して無敵を誇る彼が、レネゲイドコントロールに対してのみ無防備である道理はない。
GM:アポルオンも時に手ずから攻撃を行う。ヘルメスは接近するものを積極的に退け、時に悲鳴が聞こえてくる。
GM:だが……戦況は君たちが押しつつあった。神機3体は明らかに防戦を強いられている!
"バズヴ・カタ":「あと一押し……!」
"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ:「ッ……行きなさい! 前進するべき人がいるんでしょ!?」
"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ:「足止めまで任されてあげるから!」
後藤スダチ:(これだけの数で攻め立てているのに……やっぱり強すぎる……!この防御網に一瞬でも穴が開くとして、何人が通れる……!?)
齋藤リッコ:傭兵の支援を受け、嵐のように襲い来る攻撃の雨を、焦れるような速度で前進する。
齋藤リッコ:(直接の障壁となるのはアレス……こいつを潰せば残りはどうとでもなる)
齋藤リッコ:(でも、近付こうとするだけでヘルメスに転移させられる。どんな技術があってもこれじゃ無意味……)
齋藤リッコ:(……けど、アレスの攻防も、ヘルメスの転移も……)
齋藤リッコ:(それを支えてるのは──)
齋藤リッコ:最も後方に座す神機、アポルオンに目を遣る。
齋藤リッコ:(……『見えて』るんでしょう?)
齋藤リッコ:(私がこれから、何をするのか……)
齋藤リッコ:(止めてみなさいよ)
アポルオン:「――」 アポルオンは表立った反応を見せない。だが、どこか厳しい目を君に向け
アポルオン:……次の瞬間、表面の時計のような装飾が、慌てるように激しく動き出したような気がした。
齋藤リッコ:「はッ」
齋藤リッコ:傭兵に守られ、既にアレスの目前。歯を見せて笑みを浮かべ──
齋藤リッコ:────バ ギ ャッ!!
齋藤リッコ:間のコマが吹き飛んだかのように。瞬く間、誰の目にも止まらぬ内に。
齋藤リッコ:アレスの機体を、深々と。燃え盛る巨大な炎槍が貫いている。
アレス:「――」
アレス:その次の瞬間もなお、何らかの動きがあった。
アレス:だが、それは結実しない。破損の甚大さがそれを許さない。
"バズヴ・カタ":「何が……!?」
齋藤リッコ:「いくら未来が見えてても……ケホッ」身体に落ちた霜を払って「ある時点からいきなり槍がぶっ刺さってたら対処できないでしょ」
齋藤リッコ:「一瞬だけ時間を止めて攻撃したの……皆が居なかったら、ここまで近付けなかっただろうけど」
アレス:その身が崩れた。それはすなわち、彼ら3機の防衛線に決定的な綻びが生じたということだ。
GM:当初よりもずいぶん数を減じていた生徒たちの攻勢が再び強まる。触れれば抵抗不能の恐ろしい敵が一つ取り除かれれば、動きやすさは格段だ。
"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ:「ここは止めてあげる……こいつらはあんたたちの背中に少しだって触れさせもしない」
"ゼロ・レイ"エレナ・ロコノヴァ:「今のうちに抜けなさい! ……それでとっとと、テスラ・タイタニスを仕留めてきて! ヘカトンケイレスもついでにね!」
齋藤リッコ:「任せて……! ナツミちゃん、来てくれてホントにありがとう、また今度ね!」
音川ナツミ:「いいってこと!きっちりケジメ付けてきな!」墜落しながら拳を突き上げる。
屠礼希:>_<「うん……お願い……!」点滅はすでに消えかかっている。「ボクはここまでだ」
齋藤リッコ:「リィキ! ……あの時の決着、付けてくるから! ……待ってて!」
"バズヴ・カタ":「行こう。先導する」
"バズヴ・カタ":エレナを除くフィオナ騎士団が道を定める。時に君たちに迫る流れ弾を退けて、前へ
GM:……神機の戦場を、君たちはこうして切り抜けた。
GM:来た道に意識を向けると、まだ戦闘は終わっていない。喧騒がある。だがそれよりも、君たちは上階へ進む。
GM:最後のヘカトンケイレスへあと一歩という所で――
箱を背負った生徒:「ま……待って……」
箱を背負った生徒:「待ってください~……」
箱を背負った生徒:君たちの背後から情けない声がかけられた。ハイトより情けない声だ
齋藤リッコ:「この情けない声は……!?」
四之宮サヨリ:「っと……どうしました?」
四之宮サヨリ:最後尾を走っていたが、その少女の為に足を止めて。
後藤スダチ:「……っ、大丈夫!?」
後藤スダチ:ハイト・ワトソンより疲労困憊だろうと、あの包囲を突破して上に抜けられた時点で希少な戦力なのだ。ケアは行う必要がある。
エイヴ・ド・レスタイム:「…………」「あっ」 何かを思い出す声
箱を背負った生徒:「ノ……ノ、ノ……」
箱を背負った生徒:「ノーヴァーイーツ……なんですけど……」 それはノヴァリス内でしばしば用いられる、フリー宅配サービスである
後藤スダチ:「ノーヴァーイーツ!?!?!?!?」
後藤スダチ:「こんなところまで!?」
齋藤リッコ:「プロね──」
四之宮サヨリ:「えっ……えっ?」
四之宮サヨリ:「宅配頼んだんですか?!」
四之宮サヨリ:「今?!」
綾云媛:「誰が一体そんな……」
綾云媛:「……」
配達生徒:「なんで……なんでこんな所に呼んだんですか……?」
配達生徒:「憎いですか? 配達員が……」
後藤スダチ:「だ、誰かが呼んだんだ……!傭兵の誰かが……!」
後藤スダチ:「討伐のついでに、ちょっと小腹がすいたみたいな理由で……!」
四之宮サヨリ:「そ、それでここまで……なんという配達員根性……」
綾云媛:「……キャンセルしてないんですか?」
エイヴ・ド・レスタイム:「あれから色々通知を捌くのに忙しかったので……」
エイヴ・ド・レスタイム:「そのついでで……キャンセル申請をキャンセルしてました」
配達生徒:「鬼?」
後藤スダチ:「な、なんてことを」
齋藤リッコ:「なんか……特別手当てとか出してあげられないの……?」
四之宮サヨリ:「ええーと……せ、せっかくだし移動しながら食べます?」
四之宮サヨリ:「あっ、チップ制度はありますよこういうのは。お財布から少し出しておきましょう、ね?」
エイヴ・ド・レスタイム:「出しますぅ? 特別手当…………」 後ろめたい反面、また懐が痛むことにささやかな抵抗を覚えている
齋藤リッコ:「こ、この女……」
綾云媛:ものすごい嫌そうな顔で決済カードを出している。
四之宮サヨリ:「ま、まあ、傭兵雇うよりは格段に安いとは思いますが……」
配達生徒:「はあ、はあ……まいどありぃ」
後藤スダチ:「ところで配達員さん、戦闘の心得などは……?」
後藤スダチ:「これから私達、ピラーを破壊する巨大兵器と戦うつもりで」
後藤スダチ:「ノドスチルドレンのチームと、フォモーリアンの人が待ち構えてるんだけど」
配達生徒:「狂ってる人ですか?」
綾云媛:「もっと鬼がいますけど」
配達生徒:「私はただの学費を稼ぐためにバイトに勤しむ勤労学生なんですけど…………?」
四之宮サヨリ:(ですよねー)
齋藤リッコ:「大変だったわね……」
後藤スダチ:「よくあの状況抜けられたね……巻き込まれる前に帰ったほうがいいよ」
後藤スダチ:「……」
後藤スダチ:「帰れればだけど」激戦の続く下層に目をやる。
配達生徒:「はあ……はあ」 ため息 「まあいいです。あの、このフロアまで行くって言ったせいで」
配達生徒:「なんか色々箱に押し込まれて……全部受け取ってください」
配達生徒:ノソノソ宅配箱を下ろして開く。まずは、エイヴがノリで頼んだマカロンセット
後藤スダチ:「すべてのノーヴァ―イーツを託されてきたんだ」
四之宮サヨリ:「あっ、色々とお任せされたようで……ありがとうございます。確かに受け取らせていただき……」
四之宮サヨリ:「マカロン……」
綾云媛:「なんでマカロンにしちゃったんですかね」
エイヴ・ド・レスタイム:「私お肉食べたい」
配達生徒:そして、丁寧に包装された手作りの焼き菓子。サヨリは見覚えがある……合コン委員会でしばしば振る舞われるものだ。
四之宮サヨリ:「あら、これは……」
四之宮サヨリ:「……みんなに、ちゃんと帰ってお礼、言わないとですね」
四之宮サヨリ:「合コン委員会からの差し入れお菓子です!優しい甘さで体力回復間違いなし!」
配達生徒:ジェネシスで流通している、そこそこエナジーを出しつつ、依存性の高いカフェインなどを用いていない健康に配慮された真の健康ゼリー飲料もある。
後藤スダチ:「これはリアル健康ゼリー……!」
齋藤リッコ:「逆に健康じゃなさそうな響き……」
後藤スダチ:「やった!お肉を食べなくてもこれでタンパク質を摂取できるよ!」
後藤スダチ:「リアル健康ゼリー大好き!」
齋藤リッコ:「すごい喜んでる!」
後藤スダチ:「ケミカルな味わいがくせになる~」ゼリー飲料を飲んでます。
綾云媛:「よくない依存性があるように見えますけど」
"バズヴ・カタ":「……シャムロックで種から育てられたオーガニック素材によるケーキもある。エアリの手製だな」 パウンドケーキみたいなものを手に取っている
"バズヴ・カタ":「私は添加物が多いほうが口に合うのだが」
齋藤リッコ:「え~っ、エアリさん料理とかするんだ……」
エイヴ・ド・レスタイム:「タンパク質じゃなくてお肉が……」 合コン委員会の差し入れを食べている
綾云媛:「なんでそっち食べてるんですか」マカロンをつまみながら。
四之宮サヨリ:(……帰ってから皆に真実をちゃんと話すかどうか、それまでに考えておかないと)
四之宮サヨリ:「全部終わったらみんなで食べましょうか、焼肉とか」焼き菓子をつまみながら、ゆっくりと目を瞑る。
齋藤リッコ:「ん、おいしい……素朴な味わい……」パウンドケーキをもそもそ食べている
GM:……そして、そんな賑やかな差し入れの数々の中、ひっそりと隅の方に隠れるように。
GM:リッコは手作りのお菓子を見つけた。ビニール包装に、可愛らしい付箋が貼ってある。
メッセージ:『無茶しないでくださいね。カノコより。』
メッセージ:そして裏面に 『それが無理なら、絶対に負けないで。』
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:メッセージを読んで、お菓子を一口齧る。
齋藤リッコ:疲れた身体に糖分が行き渡る。そしてそれ以上に、心に沸々と活力が戻ってくるのを感じる。
齋藤リッコ:周囲にバレないよう、付箋をこっそりと制服のポケットにしまって。
齋藤リッコ:「……よし!」息をつく「元気出たわね!」
配達生徒:「はあ……じゃあ……」 疲弊しきった様子でボックスを抱えて、その場にしゃがみこんでいる
配達生徒:「何か知らないですけど、まあ……頑張ってください」
配達生徒:「……私の稼いだ学費が無駄にならないように」
四之宮サヨリ:「お疲れ様です!あなたも……頑張って!」
後藤スダチ:「ありがとう。おかげで頑張れるよ!」笑ってみせる。
後藤スダチ:「みんなはリアル健康ゼリーいらない?」
後藤スダチ:「糖分だけだと栄養が偏っちゃうよ?」
四之宮サヨリ:「あっ欲しいです、私、エナドリ系結構飲むタイプで……」
綾云媛:「絶対それも偏ってますよ」
齋藤リッコ:「ゼリーへの信頼が全幅だ……」
齋藤リッコ:「ほんとにありがとね。こんなところまで来てくれて……」
齋藤リッコ:「あなたのお陰で、ノヴァリスが救われるかも!」
配達生徒:「それならいいんですけどねえ……」 全然信じていない、酔客の軽口をかわすような顔だ
GM:ともあれ、君たちは最後の活力をこの場にて補給し
GM:――そこへ到る。
GM:そのフロアは、"ヘカトンケイレス"により手ひどく破壊されていた。剥き出しになった太い柱が数本と、無数の残骸ばかりの階層だ
GM:"ヘカトンケイレス"の姿はないが、情報によれば壁面にへばりついているはずである。そして、その方角。恐らくは"ヘカトンケイレス"の直上に。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「…………」
GM:夜の空と、ノヴァリスの大十字冠を背に。
GM:底冷えするような恐ろしさを帯びて、美しい少女が立っていた。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……まさか」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「あれを抜けていらっしゃるなんて。しかも、余力を残したまま……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「でも、ずいぶん賑やかでしたものね」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:冷たく、流麗な声が語りかけてくる
齋藤リッコ:「……テスラ・タイタニス」
齋藤リッコ:静かに言う。先に遭遇した時より、鼓動はずっと落ち着きを持っていた。
齋藤リッコ:「来たわよ……ここまで」
齋藤リッコ:「今度こそ、絶対に逃がさない」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……力が」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「漲ってますね。齋藤リッコさん。ここまで、彼らの相手もしていたはずですが」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:彼女はリッコを見て、そして他の面々を見た 「……活力の源はそちらかしら?」
齋藤リッコ:「……分かるのね、あんたでも」
齋藤リッコ:「……それが」
齋藤リッコ:短く息を吐き、少女の顔を見つめる。目を背けたくなるような禍々しさを覚えながらも、その表情を見逃さぬように。
齋藤リッコ:「……回廊で、あんたの過去を見た」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……」 穏やかな笑みが、ほんの少しだけ堅くなった
"ボレロス"テスラ・タイタニス:恐らく、彼女もそうなることは理解していたはずだ 「……それで?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:返される言葉は依然冷たく、落ち着いている 「何かが……分かったおつもりですか?」
齋藤リッコ:「ええ、分かったわ」
齋藤リッコ:「あんたの過去を知って、その目的の成り立ちを知って、それでも」
齋藤リッコ:「それでも、あんたのやってることは……間違ってる」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……間違いですか」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:風が髪を弄んでいる 「そうして、私の全てが間違っていたとして」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「どうなるというんです? ……どうするべきと、なにかご高説を?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「間違った答えを書き換えることはできないのです」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「お解りのはずですよ? あなたは……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:暗に、もう戻らない君の友人のことを示唆している
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:眉根を寄せ、険しい表情でテスラ・タイタニスを睨む。
齋藤リッコ:それは、彼女が過去に為してきた罪への怒り──
齋藤リッコ:では、なかった。
齋藤リッコ:「……『すべてが間違っていたとき、どうする?』」
齋藤リッコ:「……あんた、本当に……」
齋藤リッコ:「……バカね。そんなことも分からないの?」
齋藤リッコ:大きく息を吸って、大十字冠に照らされた夜闇に響き渡るように叫ぶ。
齋藤リッコ:「……全部!!」
齋藤リッコ:「間違いを認めて!!最初から!!全部!!何もかも!!」
齋藤リッコ:「やり直すしか──ないでしょうが!!!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:ずっと
"ボレロス"テスラ・タイタニス:笑ったように細められていた眼が、大きく開いた。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……間違いを認めて、やり直す?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「そんなことを」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「その命題の答えとして、そんなことを、私に……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「認めろと言うんですか?」
齋藤リッコ:「とぼけてんじゃないわよ」
齋藤リッコ:「そう口にする時点で……あんたにも分かってんでしょ! 自分が間違ってるって!」
齋藤リッコ:「それが分かってるのに! 今更やり直せないとか! 後戻りできないとか! 取り返しが付かないとか────!!」
齋藤リッコ:「あんたも! ノドスも! どいつもこいつも!!」
齋藤リッコ:「自分が間違ってるって分かったまま、今さらやり直すのはずっと大変だからって!それを認めたくないからって!!」
齋藤リッコ:「──甘えてんじゃないわよ!!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「甘――」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「…………」 言葉を失っていた。俯き、口ごもるその姿は、激しく叱責された子どものようであり
"ボレロス"テスラ・タイタニス:実際、そうだと言えるのかもしれない
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……ああ」 程なく、嘆息が漏れる
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「私はてっきり、もっと……憎しみとか、怒りとか」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「あなたの炎は、そういうもので燃え滾るものだと思っていました」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……だのに、そんな言葉を私に向けるんですね」
齋藤リッコ:「怒ってるわよ……! 見て分かんないの!?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「そうではなく。……いえ……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「弁明も不毛ですか」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:細い手が、目元を覆った。涙を押さえるかのような動作
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……話した通りです」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「過去出した答えを、取り戻すことはできない」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「認めて、やり直したって、戻ってこないんです……ふふ」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:肩が震える 「ごめんなさい。あなたの友人のことなんて、本当はどうでもいいんです」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「でも、私を慕った人が、私を愛した人が、……とうに失われて、戻ってこない」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「この世界に耐えられない」
GM:……下階は、未だ賑やかしい。多くの生徒が、君たちの背後を守っている。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「あなたたちは……多くを得たんですね。だからここまで登ってこれたんでしょう」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「彼らの計算も及ばないほどのものを。……失い続けた私と違って。ああ、いえ――」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「授かったものならありました」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「地の下の悪鬼」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「厳しき北風」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「世界変革者」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「異種なるものの女王」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……王妃!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:いつしか彼女は笑っていた。今まででもっとも恐ろしく、冷たく、凄絶な力を伴う笑み。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:目端に浮いた涙は、夜の風に消えていく。
齋藤リッコ:「……だから、あんたは……自分でも間違いだって分かってることを続けるの?」
齋藤リッコ:「そんなの、あんたが一番つらいでしょ」
齋藤リッコ:「いや……」「……そうか」
齋藤リッコ:夜闇の中、独りで立つ少女を見据える。
齋藤リッコ:「止まれないのね。一人じゃ、もう」
齋藤リッコ:「わかった」
齋藤リッコ:ここまでの激戦で引き裂け、穴が空き、ぼろぼろになったコートを脱ぎ捨てる。
齋藤リッコ:リボンを咥え、風に靡く栗色の長髪を、後頭部で一つにぎゅっと結んで。
齋藤リッコ:「……止めてあげる」

齋藤リッコ:「あたしが」
GM:テスラ・タイタニスの背後、姿を表すものがある。それは、"ヘカトンケイレス"――
GM:――では、ない。いや、そうだったのかもしれない。だが、今は違う。
GM:それは重厚な装甲と巨大な腕を持ち、――自立飛行している。
エイヴ・ド・レスタイム:「……観測情報に沿えば、あれは間違いなく"ヘカトンケイレス"ですが」
エイヴ・ド・レスタイム:「変成しきってます。もう、跡形もなく……最悪なことに飛行していますから、ピラーを壊した所で退場させられませんよ!」
綾云媛:「最悪なことしますね……」
四之宮サヨリ:「……ジャーム化による変成、変質」
後藤スダチ:「いいよ。どっちにしろ、この一機で最後のつもりだったんだから……!」
後藤スダチ:「今度は倒すまでやる!そうでしょう!?」
四之宮サヨリ:「はい!ここで破壊して、おしまいです……!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「行きましょう……"バロール"」
"バロール":それは与えられた忌み名、フォモーリアン《フォモール族》の英雄の名。
"バロール":一瞥にて全てを圧壊する巨人。

"ボレロス"テスラ・タイタニス:「ふふ、ふふふ……ふふふ!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「ここで、あなたたちを……け、『結論』へ」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「――『結論』へ、導いて差し上げましょう。それだけが私の使命。それだけが私にできること。それだけが私の望み」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「それだけで良いのです。それだけで、良いの――それだけで、もう――」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「もう沢山――!!!」
◆ 1R
[[0] "バロール" / [13] "ボレロス"テスラ・タイタニス]
│
10m
│
[[6]齋藤リッコ / [5]綾云媛 / [10]後藤スダチ / [11]四之宮サヨリ]
綾云媛:もらった経験点を……使います!
綾云媛:《砂の結界》を取得します。
GM:カバーリング……!
齋藤リッコ:経験点使います メモリーを取得しよう……
齋藤リッコ:薄蛍レド/懐旧 で取得します。
GM:では……戦闘を開始しましょう。セットアップから入ります
"ボレロス"テスラ・タイタニス:依然としてなし
四之宮サヨリ:なし!
綾云媛:《先陣の火》します
齋藤リッコ:怨念の呪石を使用します
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を3増加(103 → 106)
綾云媛:綾云媛のイニシアチブを10増加(5 → 15)
後藤スダチ:自分に《アクセル》《活性の霧》。行動値を+10、攻撃力を+24。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(104 → 108)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2増加(86 → 88)
"バロール":《先陣の火》。行動値を+15します。行動値はこれで15に
綾云媛:バロールがサラマンダーのエフェクトを……
GM:バロールはエグザイル・ブラックドッグ・サラマンダーシンドロームのトライブリードです
後藤スダチ:バロールなの?サラマンダーなの?
後藤スダチ:????
四之宮サヨリ:????
GM:これで貴様たちを混乱している内に全て薙ぎ払うって寸法よ
後藤スダチ:このエネミー……何か変
齋藤リッコ:混乱の極み
◆ 1R
[[15] "バロール" / [13] "ボレロス"テスラ・タイタニス]
│
10m
│
[[6]齋藤リッコ / [15]綾云媛 / [20]後藤スダチ / [11]四之宮サヨリ]
GM:イニシアチブに入りましょう。まずはスダチちゃん! どうする?
後藤スダチ:エンゲージは念の為5m離しておきます。
後藤スダチ:マイナーで後ろに戦闘移動。
後藤スダチ:ラピッドファイアの効果を使用。範囲(選択)に。
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》で
後藤スダチ:ラピッドファイアで敵エンゲージを攻撃!
GM:装甲が下がる……判定をどうぞ!
後藤スダチ:10dx7+6+3+2
DoubleCross : (10DX7+11) → 10[2,3,3,4,5,5,8,8,10,10]+10[2,4,8,10]+6[6,6]+11 → 37
ハイト・ワトソン:そう、攻撃達成値にも+2されるんです 私の力で……ダメージ出す時ももう一度諸々の確認してね
齋藤リッコ:最強の力
四之宮サヨリ:ありがたい~~
後藤スダチ:ダメージは財産と2d10だけですよね?
GM:そうです!
後藤スダチ:リアクションはどうしますか?
"ボレロス"テスラ・タイタニス:さておき、何もしません。なぜなら……
"バロール":こちらがガードします。特にエフェクトは使いませんが、少々と言わず固定値を持ちます
"バロール":その上で《炎陣》。テスラをカバーリングします
後藤スダチ:カバーされる予定とはいえ
後藤スダチ:リアクションすら放棄とはカバーに甘えたマンモーニだぜ
後藤スダチ:あ!すみませんダメージには関係ないんですが
GM:これが本来のスタイルなのだ。ガードとか必死になってたFloor.1が例外
後藤スダチ:命中は-1されていました。ラピッドファイアを使ったので達成値は36です。
GM:了解です。ダメージをどうぞ!
後藤スダチ:4d10+9+24+1d10+2d10+6
DoubleCross : (4D10+9+24+1D10+2D10+6) → 24[4,4,6,10]+9+24+5[5]+9[1,8]+6 → 77
四之宮サヨリ:強い!
GM:ヒエエ……
後藤スダチ:これが侵蝕4で出るんだからお買い得だぜ
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(108 → 112)
綾云媛:いいかんじ
後藤スダチ:カバーのおかげでダメージ二倍!さらに装甲も-10という寸法よ
GM:これでも100近いダメージが入っている……! 積んでくるものだ
GM:ではイニシアチブを進めましょう。綾さんとバロールが同値ですが、PC優先で綾さんからです。どうする?
綾云媛:マイナーでエンゲージします
後藤スダチ:装甲削ってこれだとダメージもだいぶ軽減されてるなあ
綾云媛:メジャーで極光剣でヘカトンケイレスを素殴り!
綾云媛:まちがえた バロールです
"バロール":エグザイル・ブラックドッグ・サラマンダーのバロールです
GM:判定をどうぞ!
後藤スダチ:キュマイラでモルフェウスの綾さんがバロールを攻撃するんですよね
齋藤リッコ:????
綾云媛:はーい キュマイラモルフェウスの私がサラマンダーの武器で攻撃します
四之宮サヨリ:頭が……
齋藤リッコ:??????
綾云媛:6dx+2
DoubleCross : (6DX10+2) → 7[1,2,4,5,5,7]+2 → 9
後藤スダチ:ちがった、キュマイラでモルフェウスでサラマンダーの武器をもった綾さんがエグザイルでブラックドッグでサラマンダーのバロールを殴るんだった
綾云媛:ダメダメ
齋藤リッコ:???????????
四之宮サヨリ:???????
"バロール":ドッジはしません。ガードと装甲で受ける。ダメージをどうぞ!
綾云媛:1d10+2d10+35 諸々有効
DoubleCross : (1D10+2D10+35) → 7[7]+11[10,1]+35 → 53
"バロール":入ってはいます! 素殴りでもその威力とはね
綾云媛:侵蝕0で削れてるだけ儲けもの
"バロール":ではイニシアチブ同値、バロールが動きます
"バロール":マイナーなし メジャーで《コンセントレイト:サラマンダー》+《伸縮腕》+《怒涛の大蛇》+《アタックプログラム》+《バリアクラッカー》+《炎神の怒り》+《煉獄魔神》
"バロール":装甲・ガードを無視する全体攻撃です。対象は全員 コンセントレイトも入り、攻撃力は格段に上昇しています
"バロール":判定のダイスを振る!
齋藤リッコ:待たれよ!
"バロール":ブオンブオン・
後藤スダチ:素振りしてる
齋藤リッコ:相談の結果通します!命拾いしたな
"バロール":見よこのピラー殴り力を転化した攻撃力
"バロール":33dx7+4
DoubleCross : (33DX7+4) → 10[1,1,1,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,4,4,6,6,6,6,6,6,7,7,7,8,8,9,9,10,10,10,10]+10[1,1,2,4,4,5,5,5,7,9,10]+10[1,6,8]+10[8]+4[4]+4 → 48
"バロール":そこそこ
齋藤リッコ:暴走しまくっています
綾云媛:《復讐の刃》します これならガードされずにダメージ通せるぜ
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を6増加(88 → 94)
綾云媛:6dx9+2
DoubleCross : (6DX9+2) → 10[2,3,5,6,6,9]+6[6]+2 → 18
四之宮サヨリ:一応ドッジだけ振ってみて……
後藤スダチ:まず回避の値を見てみます。《活性の霧》で2個減ってるけどハイトパワーが火を噴くぜ
四之宮サヨリ:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 10[3,4,5,6,10]+4[4]+1 → 15
四之宮サヨリ:まあまあ頑張った!+2でも17!
後藤スダチ:2dx+1+2>=48
DoubleCross : (2DX10+3>=48) → 9[3,9]+3 → 12 → 失敗
後藤スダチ:オートアクションで『復元』を使用させていただきます。侵蝕を-20してリザレクト圏内に持っていきたい!
齋藤リッコ:フィオナ騎士団のNPCカードに助けてもらうしかない!もらいます
四之宮サヨリ:フィオナ騎士団の皆さんにお願いします!最後の1回を……!
GM:それぞれOKです
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を-20増加(112 → 92)
フィオナ騎士団員:がんばってね~
後藤スダチ:《リザレクト》。
"バロール":そしてダメージ
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 4)増加(92 → 96)
"バロール":5d10+82
DoubleCross : (5D10+82) → 27[7,10,3,5,2]+82 → 109
"バロール":装甲・ガード無視です
後藤スダチ:すいません!すっかり死んだ気でいました
綾云媛:2d10+2d10+35 装甲有効
DoubleCross : (2D10+2D10+35) → 6[2,4]+14[8,6]+35 → 55
GM:早死してる
後藤スダチ:↑の処理はこのダメージのあとに行われたことにしてください。
四之宮サヨリ:これがピラー殴りパワー……
"バロール":そして綾さんの復讐の刃も直撃してる! 装甲は削られてるので痛い痛いなのだ
綾云媛:そしてリザレクト!
綾云媛:綾云媛のHPを1D10(→ 1)に変更(6 → 1)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を1増加(94 → 95)
後藤スダチ:あと、エフェクトレベルが低下した今は一時的に《腐食の指先》の装甲マイナスは5になり、行動値も2減って18になってます
齋藤リッコ:うまい
GM:綾さんのダメージは装甲値減衰が-10であるとして処理します。以降スダチちゃんが大きくなるまでは-5だ
GM:イニシアチブを進めます。"ボレロス"テスラ・タイタニスが動く
"ボレロス"テスラ・タイタニス:マイナーで《オリジン:レジェンド》
"ボレロス"テスラ・タイタニス:メジャーで《コンセントレイト:ブラム・ストーカー》+《ハザードコール》+《細胞侵蝕》+《異形の祭典》+《鮮血の鎖》+《ブラッドウェブ》
"ボレロス"テスラ・タイタニス:命中時ダメージなし。ただし命中すると、重圧・邪毒5付与、次判定のC値+1、そしてラウンド中戦闘移動・全力移動・ドッジ時に10ダメージ そして侵蝕率+20!
齋藤リッコ:止めます……《時の棺》!
齋藤リッコ:判定を失敗させます
GM:クックック……切ったな。では判定は失敗です
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を10増加(106 → 116)
GM:ではテスラの攻撃は失敗に終わります。イニシアチブを進めましょう
GM:サヨリさんです。どうする?
四之宮サヨリ:マイナーは……火力を乗せましょう。バベルの効果を使用。攻撃力を+3d10
四之宮サヨリ:メジャーでコントロールソート射撃、コンセ、神機妙算、虎の子のバリアクラッカー!
四之宮サヨリ:敵エンゲージの二人を射撃します。
GM:範囲攻撃というわけ。判定をどうぞ……!
四之宮サヨリ:12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[3,3,5,5,5,6,6,8,8,9,10,10]+10[1,2,2,4,10]+10[9]+4[4]+4 → 38
四之宮サヨリ:結構回る!
"ボレロス"テスラ・タイタニス:当然何もしません
"バロール":ガードして、《炎陣》。テスラをカバーリングします
四之宮サヨリ:命中でフェイタルヒット。ダメージを+4d
GM:ダメージを……どうぞ!
四之宮サヨリ:4d10+4d10+3d10+1d10+22+2d10+7
DoubleCross : (4D10+4D10+3D10+1D10+22+2D10+7) → 24[4,5,7,8]+26[10,5,2,9]+24[6,9,9]+4[4]+22+13[7,6]+7 → 120
綾云媛:ヤッバ
後藤スダチ:でっか
齋藤リッコ:ひえ~
綾云媛:もう……サイズじゃん 数字が
後藤スダチ:どうなんですか?有限無限先生
GM:なるほどね……
四之宮サヨリ:吹き飛べ……!装甲ガード無視!
GM:装甲ガード無視で……
四之宮サヨリ:侵蝕が13上がって119に。
GM:一応死にはしないんですが……スッゴく痛いので……
"バロール":《電磁反応装甲》を4度使用。ダメージを最終値から-80します
齋藤リッコ:ゲゲーーッ
綾云媛:ブラックドッグのエフェクトを……
四之宮サヨリ:ぐ……ですが2倍ダメージです!160通った……!
後藤スダチ:それでも半分も減衰できてないんだなあ
"バロール":とはいえありえんくらい痛い……! 電磁反応装甲って切ったら大体ダメージを無効化できるエフェクトのはずなのに……!
GM:ともかくバロールは依然生存! イニシアチブを進めましょう
GM:リッコちゃんの手番です。どうする……?
齋藤リッコ:いきます マイナーで戦闘移動、テスラとバロールにエンゲージ
齋藤リッコ:メジャーでコンボ【輝かざる星】
齋藤リッコ:《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》
齋藤リッコ:テスラとバロールに範囲攻撃します
GM:判定をどうぞ……!
齋藤リッコ:10DX7+6
DoubleCross : (10DX7+6) → 10[1,2,3,3,4,6,9,9,9,10]+10[2,7,8,8]+6[3,3,6]+6 → 32
"バロール":ガードして《炎陣》。テスラをカバーリング!
"ボレロス"テスラ・タイタニス:見ています
齋藤リッコ:ダメージ!
齋藤リッコ:4D10+48+2D10+2D10+16
DoubleCross : (4D10+48+2D10+2D10+16) → 6[1,1,3,1]+48+8[4,4]+10[4,6]+16 → 88
齋藤リッコ:4D10で6ってことあるか!?
綾云媛:バックトラックだったらないちゃう
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を11増加(116 → 127)
GM:計算中……
"ボレロス"テスラ・タイタニス:やはりこのままでは落ちる……《デモンズウェブ》
"ボレロス"テスラ・タイタニス:6d10
DoubleCross : (6D10) → 24[9,7,1,1,3,3] → 24
"ボレロス"テスラ・タイタニス:ゲ
後藤スダチ:こっちも出目が腐っちゃったの?
綾云媛:倍ダメージをその軽減でしのげるかな
GM:駄目だな。落ち……ます!
綾云媛:やった~
齋藤リッコ:死んだ!!
四之宮サヨリ:ウオオオオオ
GM:僅差です クソ……1ラウンドは持ってくれると思ったんだが
後藤スダチ:本当?復活エフェクトとかもなし?
"バロール":復活エフェクト等もないです。装甲ガードに殴り力へ全振り! "ヘカトンケイレス"なら耐えてたんだけどな……!
綾云媛:耐久さがってるんだ
GM:テスラの殺意が結局寿命を縮めた
齋藤リッコ:なるほどなあ
後藤スダチ:サヨリさんのダメージがでかすぎたぜ
GM:空飛べるようになったからね
四之宮サヨリ:バリクラの切り甲斐があるぜ
GM:そして、残存はテスラのみなので、これはもう次のラウンドまでやってから演出に入りましょう
後藤スダチ:建機じゃなくて戦闘機になっちゃったのね
◆ 2R
[[6]齋藤リッコ / [5]綾云媛 / [13] "ボレロス"テスラ・タイタニス]
│
10m
│
[[11]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[[10]後藤スダチ]
GM:クリンナップ経てセットアップ! どうする?
四之宮サヨリ:再度なし!
齋藤リッコ:なし!
後藤スダチ:テスラの上を取れれば誰でもいい説はあるけど……
綾云媛:ないです
後藤スダチ:やっぱりリッコちゃんに決めてもらう他あるまい!《アクセル》《活性の霧》をリッコちゃんに!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4増加(96 → 100)
四之宮サヨリ:お願いリッコさん!
齋藤リッコ:スダチちゃん!
GM:ではイニシアチブを進めましょう。テスラより先に……齋藤リッコ! どうする?
齋藤リッコ:ありがとうスダチちゃん……攻撃します
齋藤リッコ:メジャーで再び《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》
齋藤リッコ:対象はテスラ・タイタニス
齋藤リッコ:使おう!Dロイス《守護天使》を起動します
GM:何だとお……
齋藤リッコ:15DX7+6
DoubleCross : (15DX7+6) → 10[1,3,4,5,5,5,6,6,7,8,8,8,9,9,10]+10[1,3,3,5,5,6,8]+10[9]+10[10]+5[5]+6 → 51
四之宮サヨリ:回った……!
"ボレロス"テスラ・タイタニス:ガードします。《歪みの体》……!
GM:ダメージをどうぞ!
後藤スダチ:ダメージは+24!
齋藤リッコ:ありがとうございます ダメージ!
後藤スダチ:あと財産!2d10!
齋藤リッコ:6D10+48+2D10+2D10+16+24
DoubleCross : (6D10+48+2D10+2D10+16+24) → 37[4,9,8,8,4,4]+48+15[5,10]+20[10,10]+16+24 → 160
四之宮サヨリ:最強~~~~
綾云媛:打って変わってヤバすぎ
齋藤リッコ:揺り戻しのように出目が良い
GM:な……何を殺そうって言うんだよ……!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を11増加(127 → 138)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:《デモンズウェブ》
"ボレロス"テスラ・タイタニス:6d10 ダイスひとつあたり15が出れば耐えれる
DoubleCross : (6D10) → 33[6,3,4,2,8,10] → 33
後藤スダチ:さっきとは打って変わって両方本気のダイス目が出た
GM:無茶を……言うな! ここで倒れます。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:復活エフェクトもありません。ここで戦闘不能です
齋藤リッコ:倒した…………
GM:もうちょっと頑張ってくれるはずだった エグザイル・ブラックドッグ・サラマンダーのバロールが……
後藤スダチ:お前は今日からバロールを名乗るな
後藤スダチ:そもそもエネミーのスペックはともかく数は二人だけだったし
後藤スダチ:ゼウスチームの支援は全然なかったのだなあテスラちゃん
GM:冷たい風が吹いている。夜だからというだけではない。
GM:先程まで"ヘカトンケイレス"であった"バロール"が、その冷却能力により自らを空中へ固定している。その余波だ。
後藤スダチ:その気温のせいもあったのかもしれない。思考が冷えて、この戦いでは、自分の意志で判断をすることができた。
後藤スダチ:(――私は、今)(神聖二重冠には、なっていない)
後藤スダチ:自分自身の頭上にある十字冠の状態がどうなっているかなんて、そのままでは見ることなんてできない。
後藤スダチ:絶対の保護をもたらす十字冠が、知らない内に二重冠になっていたり、もしかしたら砕けてしまっているかもしれない。
後藤スダチ:そうしたことばかりを恐れていたような気がする。
後藤スダチ:冷たい、張り詰めた、ゆっくりとした意識で。浮遊する巨大機械に照準を合わせて、引き金を引く。
後藤スダチ:(落ち着いていれば……)(恐れはない!)
後藤スダチ:ガガガガガガガガガガガガ!!!
後藤スダチ:意識の静寂とは裏腹な、フルオートの射撃音と振動。だが、着弾するまでもなく分かる。
後藤スダチ:"バロール"は防御行動を取る。テスラ・タイタニスを守る。そして、私が狙った通りの駆動系に、おそらく正確に着弾する。
"バロール":命中に到る前に、まず冷気の障壁が攻撃を阻んだ。テスラは一歩引き下がり、それを庇うように、腕のような翼のようなパーツが前へと差し出される
"バロール":装甲と冷気の障壁により、テスラは傷一つ追わない。そしてバロール自身も、持ち合わせた強固な防御能力と装甲により、銃弾の多くを弾いている
後藤スダチ:「……よし」
後藤スダチ:溜め息のように呟く。
後藤スダチ:あれだけ怖かったフォモーリアンを前に戦うことができているのは……齋藤リッコのおかげなのだと思う。彼女は、正面からテスラ・タイタニスと向き合った。
後藤スダチ:テスラ・タイタニスは得体の知れない怪物ではなくて、私達と同じように、失ってきて、恐れる心を持つ、同じ生徒なのだと。
後藤スダチ:恐怖に立ち向かうためには、怪物よりも非現実的に強くなる必要はなくて、齋藤リッコのように、ただ、理解する力があればよかったのかもしれない。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(よいはずがない) テスラは慎重に戦場を見ている――かつての彼女はやらなかったことだ
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(確かにバロールの装甲には届いたが……防御力を抜くにはまったく足りない。それとも、それを繰り返すだけの耐久力が?)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(そんなはずはない……!)
綾云媛:間髪を入れずに跳んでいる。最初から初撃の成功を確認していたかのように。
綾云媛:自らの皮の下から、獣の群れが這い出てくるように湧き立つ。
綾云媛:顔のような意匠が複数突き出た、異形の意匠。
"バロール":"バロール"の知覚は二種。一般的な光学センサを主とし、さらに熱学的知覚を獲得している。放出する冷気を基本としたもので、双方を切り抜けるのは困難だ
"バロール":君を直接、何かが見ている訳ではない。ただ、捉えられているであろうことは肌で感じる
綾云媛:隙を突き、弱いところを狙う攻撃ではない。愚直に装甲の上から牙を立て、打撃を加える。
綾云媛:それをすべての相にやらせているだけだ。単なる圧倒的な手数の連撃。
綾云媛:その一つ一つは、堅固な防護を抜くはずもない。
"バロール":手応えは、……ゼロではない。ただ果てしないようにも思えるだろう。その巨身と頑強さに対し、君の単純攻撃はあまりに心細い。
綾云媛:「作り変えたなら、軽くしていますよね?」
綾云媛:「一生疲労を掛け続けたら……いつかは折れるとは思いませんか?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……ふふ。あるいは、そうかもしれません」 冷気の壁の向こうから、細めた目が君を見上げる
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「ですが、その前に、あなたたちが……砕ける」
"バロール":……動く。今は翼のようでもある、無数の腕。
"バロール":まずはそれらから、恐ろしいほどの冷気が放たれた。身も縮こまるほどの吹雪。それ単体で十分に攻撃と言えるようなものが。
"バロール":だがそれは……予兆である。冷気を放出すると同時、全ての腕に刺々しい氷の刃が生え揃っていく。
後藤スダチ:「……っ、だけど、さっきのよりは……!」
後藤スダチ:階層ごと爆破したかのような"ヘカトンケイレス"の薙ぎ払いを想定して耐える。
後藤スダチ:恐るべき冷気は確かに危険だが、この程度ならばまだ――
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「"ヘカトンケイレス"の機能は……あくまで粉砕と破砕。先にあなたたちへダメージを与えられたとすれば、それは全構築破壊の余波でしかなかった」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「"バロール"は違う。建造の破砕こそ余波。……これは」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「あなた達を殺戮する刃」
"バロール":――腕が迫る! その全てが、まるで分担するかのように、君たち全員を……狙っている!
齋藤リッコ:「まずい──!」
四之宮サヨリ:「っ、あくまで私たちを傷つけるのに特化した攻撃……!」
"バロール":触れればそれだけで裂けるような刃が無数。進もうと、戻ろうと、突きこまれる刃腕が空間を満たし
"バロール":その血肉を削り潰す――
後藤スダチ:「え」
四之宮サヨリ:(構築途中の砲塔で物理的に打ち消す?!いや……もう間に合わない……!)
綾云媛:前に飛び込んでいる。刃に飲み込まれたように見える。
齋藤リッコ:(死ぬ──)能力を行使しようとして、テスラ・タイタニスが目に入る。(いや、まだ来る!でも──!)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……殺戮の一振り」
"バロール":さながら、ミキサーに放り込まれるが如し攻撃だ。防御も回避も、できるものではない。
後藤スダチ:知覚が真っ赤になる。視界だけでなく、聴覚や嗅覚まで一色に塗りつぶされたような錯覚すら覚えた。
後藤スダチ:全てが終わった後に聞こえたのは、だん、という、肉を硬いまな板に叩きつけるような音だった。
後藤スダチ:「……ッは!」悲鳴ともいえない息が漏れる。息を吐ける機能が残っていただけ奇跡的かもしれない。
後藤スダチ:(冷……たい……!)温かいはずの自分の血が、残らず冷たい。叩きつけられたのは、自分だ。肌も内臓もズタズタに切り刻まれて転がっていることを知覚する。
GM:冷たさも痛みもあった。だが……リッコとサヨリに関しては、それは思ったほどではなかった。
GM:もはや数も少なくなった騎士団が、カバーに入ったからだ。それはフォローというにはあまりにもがむしゃらで不格好ではあったし、君たちだって無傷とは済まなかったが
GM:結果として直撃を免れた。……もちろん、その代価は言うまでもないだろう。
フィオナ騎士団員:「っづううう……!!」 激烈な痛苦に呻いている。氷の刃のグラインダーの中に飛び込んで、そうせずにいられる人間などいない
四之宮サヨリ:「っ、ぐ……ふ、ぅ”……騎士、団の、皆さん……!」
四之宮サヨリ:立ち上がれるほどの傷に収まったのは、間違いなく今目の前で庇い、痛みに喘ぐ彼女たちのお陰だ。
齋藤リッコ:「……!」凄絶な光景に悲鳴に近い声が漏れる「みんな……!!」
フィオナ騎士団員:「……大丈夫……じゃない! 死ぬほど痛いっていうか……し、死にますけど……」
フィオナ騎士団員:「……あなたたちがこうなって……あなたたちの攻撃が失敗して」
フィオナ騎士団員:「あいつらをやっつけられないほうが……困るんです!!」 「そうだそうだ!」
フィオナ騎士団員:そして、何か区切りのつく台詞を言うこともできず、彼女たちは十字冠の作用により離脱していく。
齋藤リッコ:「……ッ……」彼女らに声を掛けてやることも叶わず、唇を噛み締める。
四之宮サヨリ:「……信に応えないと、いけませんね」そのお陰で、準備は進んでいる。静かに、まだ静かに。
後藤スダチ:(リッコちゃんとサヨリさんは、無事だったのか……)聴覚だけで理解し、いくらかの安堵を覚える。
GM:他方、綾は間違いなく氷の刃の最中に飲み込まれていた。……グラインダーマシンと同様、根本には多少の猶予があるが、代わりに放出冷気がきつい。
綾云媛:「――」何かを刃の中で叫んだ。
綾云媛:……しばらくして、腕を持ち上げるようにして這い出てくる。
綾云媛:その全身には裂傷が刻まれているが、それでもその損傷は驚くべく少ないと言ってよかった。
綾云媛:全身からは蒸気のようなものが立っている。そして。
エイヴ・ド・レスタイム:「寮ちょ……」「……ヤバ……」 途中で声音が変わる
綾云媛:彼女を飲み込んだはずの腕も、刃が溶けたかのように折れている。
綾云媛:「流石に何度もは難しいですね、これは……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(……何、あの人……何を)
綾云媛:「まあ、ですが……」
綾云媛:(一回でいい)
綾云媛:(これ以上、迂闊に手出しも出来ないでしょう?)
GM:確かに、"バロール"の攻撃は止まった。それは攻撃出力の区切りだったからであり、突き出した腕が綾により破砕されたからでもあった。
GM:"バロール"はもはや建造破壊機械ではなく、戦闘兵器と化している。それゆえに『攻撃』、特に不可解なものに対してはその解析にリソースを割かざるを得ない。
GM:隙と言えよう――君たちはそう感じただろうか?
"ボレロス"テスラ・タイタニス:だがその瞬間、物理的冷気とは異なるおぞましい寒気が湧き上がるように感じた。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:身体、存在の芯を冷たい手で掴まれるような、全身が冷え込み、沸騰するような恐ろしい感覚。……テスラ・タイタニスの干渉。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:彼女は"バロール"に生まれた隙を補うようにして、その手を君たちへ突き出している。
齋藤リッコ:(来る──)
齋藤リッコ:それが分かる。これまでにも、そして一年前にも。味わったことのある感覚。
齋藤リッコ:故に咄嗟に、彼女に呼応するように。自らもその手を突き出した。
齋藤リッコ:おぞましい感覚に全身を包まれながら、テスラ・タイタニスに相対し、そのレネゲイドを感じ取り、そして。
齋藤リッコ:────ぱしっ
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「――!?」
齋藤リッコ:ごく小さな音がして、僅かな火花が散った。
齋藤リッコ:起きたのは、それだけだった。
齋藤リッコ:同時に、テスラの干渉が減退し、寒気に似た感覚が急速に引いていく。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「な……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「何を、あなた……」
齋藤リッコ:「……させるわけないでしょ」
齋藤リッコ:それは、単なるレネゲイドコントロールの産物だった。
齋藤リッコ:齋藤リッコの能力ならばいずれ辿り着く、単純な帰結。特異でも神聖でも何でもない。
齋藤リッコ:ただ単に──テスラの攻撃を熱へと変換し希釈、別の時間軸へと散逸させた。
齋藤リッコ:常軌を逸した、精密なレネゲイド操作によって。ただそれだけのこと。
齋藤リッコ:「あたしの目の前で……これ以上」
齋藤リッコ:「……あんたに!!そんなことさせると思うの!?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……っんな」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「のは……」 「……言っていなさい。いくらでも、いつまでも。それを繰り返せるのなら」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:一瞬荒いだ声は、すくに落ち着きを取り戻す。あるいは憂鬱に沈み込むようでもあった
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「私の能力行使は……呼吸のように容易い。あなたのそれはどうなの?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「――"バロール"!」
"バロール":呼応し、再びその腕が攻撃へ動き始める。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「今度こそ……片付けなさい!」
齋藤リッコ:「こっ……の……!」
四之宮サヨリ:四之宮サヨリの武装は、同期する本人のレネゲイドや周囲の物質を吸収し、変形する超古代砲である。
四之宮サヨリ:先程交戦したヘパイストスと多少なりとも似た能力とも言えるだろう。本人の能力を度外視して、その武器はモルフェウス染みた拡張性を発揮する。
四之宮サヨリ:サヨリの能力はあくまで、その性質を最大まで引き出すだけ。その上で"一切の周囲の被害を考えず"、構築する最大は神殿形態。
四之宮サヨリ:この状態は能力範囲内であれば、事実上あらゆる地点を砲塔に変じさせる事が可能である。
四之宮サヨリ:ギギ、ギギ……
四之宮サヨリ:ピラーが、揺れている。
四之宮サヨリ:ヘカトンケイレスは既に拘束され、残るは変じた目の前のひとつ。
四之宮サヨリ:ならば、揺らしているのはマスターゼウスが繰り出した機械兵か。
四之宮サヨリ:……それとも。
四之宮サヨリ:
四之宮サヨリ:砕けた壁の外から、覗く物がある。それがバロールの腕と干渉し、食い止めた。
四之宮サヨリ:今まさに構築される、聖塔───
四之宮サヨリ:ヘカトンケイレスもかくやの巨大さを誇る、砲門。
四之宮サヨリ:「……貴女は、私達が多くを得たから登ってこれたと言ったけれど」
四之宮サヨリ:「私は、このピラーを登って……」
四之宮サヨリ:「一番大事なものを、失いました」
四之宮サヨリ:「……いえ、最初から失っていたことを、確認しただけなのかもしれないけれど」
四之宮サヨリ:ピラーの瓦礫を使用した最大展開。砲門へ集約する雷は、これまでの階層とは比較にすらならない。
四之宮サヨリ:「でも、それでも……歩くしか、ないんです」
四之宮サヨリ:「求めた希望が、光が見えなくなって。真っ暗闇だったとしても」
四之宮サヨリ:「私達はまだ、生きているんだから……!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(……綺麗ね)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:それは外見の話ばかりではない (大切な家族を失った……綺麗な道行きの人)
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(そんな人に……私が……私を……!) 立ち上る雷を見上げる 「……"バロール"、防御を……最大出力!」
四之宮サヨリ:「……私には、皆が居てくれた」
四之宮サヨリ:「……あなたもきっと、一人じゃいられない」
四之宮サヨリ:「だって、走り出している子が居る───きっと、届く」
四之宮サヨリ:「その為にも……立ち塞がる壁を、砕きます……!」
四之宮サヨリ:───ィイン。と、僅かに響いた後───爆音を伴う莫大な光芒が、バロールへと放たれた。
四之宮サヨリ:「天衝、雷砲───!」
四之宮サヨリ:雷撃は防護壁すら易々と砕き貫いて、重厚な装甲へと届く。届いて、飲み込んでいく。
四之宮サヨリ:(……この音よ、届けと思った相手は、もう居ないけれど)
四之宮サヨリ:私が出会ったノドスの子達には、きっと聞こえただろうか。
"バロール":辺りに散る氷の粒子が電荷にて弾ける。
"バロール":強大な電磁障壁が展開された。これは"ヘカトンケイレス"の頃からの機能であり……たとえば落下時、機体を保護するために展開されていることがあった。それを最大出力で展開している。
"バロール":それを、最大出力で展開して――なお!
"ボレロス"テスラ・タイタニス:(防ぎきれない……!)
"バロール":雷の奔流が、ピラーから天へと放たれた。その経路にあった"バロール"の腕が数本、弾けて脱落する。
"バロール":……さりとて、停止には至らない! 脅威となる攻撃を前に、"バロール"はなお前進し、その翼形の腕を振るわんとする。
四之宮サヨリ:(……倒しきれなかった)(でも)
四之宮サヨリ:「……充分、よね?」並び立ち、彼女の心へ走り出す君を見ている。
齋藤リッコ:……破壊された壁から、白い雪が舞い込み始める。
齋藤リッコ:“バロール”による冷却ではない。少し先の時間軸でリッコが能力を行使し、現在から未来へと熱を奪っている。
齋藤リッコ:迫りくるバロールと、その傍らのテスラを見遣り、声を発する。
齋藤リッコ:「……あんた……」
齋藤リッコ:「これから、どうする気なの」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「どう……する……?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……あなたたちを退け、ピラーの破壊を完遂する。それだけです」
齋藤リッコ:「その後は?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「その後、なんて」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……それで終わりで……いえ、そうではないですね。もし『ノヴァリスの大十字冠』の導きがあれば」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「できることもあるでしょう。ですが、ピラーを折った先のノヴァリスに、もう……大した未来はないでしょう」
齋藤リッコ:「ノヴァリスじゃないわよ」
齋藤リッコ:「あんたのことを聞いてんの」
齋藤リッコ:「セイクリッドピラーを壊して。ノヴァリスを壊して。何もかもを壊したとして」
齋藤リッコ:「その時、あんたは今度こそ本当に……後戻り出来なくなる」
齋藤リッコ:「そうやって、これからずっと、一人ぼっちでいるつもりなの?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「それこそ……それこそ、あなたには関係のない話……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:氷混じりの風が吹き付ける 「……ここで手を止めた所で、何が変わりましょう? ……いえ、違う」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「何も変わりはしない……!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……何も戻ってはこない!」
齋藤リッコ:「変わるって」
齋藤リッコ:「言ってんのよ!!」
齋藤リッコ:リッコの傍ら、閃光が迸る。真紅を通り越して白色に輝く炎の魔眼が、ゆっくりと変形し、巨大な剣を形作る。
齋藤リッコ:膨大な火の粉と熱波が渦巻く。炎の奔流が螺旋を描いて天に舞い上がり、周囲、ピラーを構成する超硬質の骨組みが赤熱し、どろどろに溶解していく。
齋藤リッコ:爆炎を撒き散らす剣の切っ先を、テスラへと向けて。
齋藤リッコ:『スダチちゃん』スダチちゃんの目の前の空中に、炎で文字が描かれる。
齋藤リッコ:『あのバロールってやつ』
齋藤リッコ:『一瞬止められる?』
後藤スダチ:メッセージを送られていることは知覚できたが、"バロール"の斬撃で視界も霞んでいて、見ることはできなかった。
後藤スダチ:(何かを……頼まれてるかもしれないけど。転送限界だよ……。私は十分やった……フィオナ騎士団のみんなみたいに……)
後藤スダチ:これ以上できることはない。
後藤スダチ:(でも)
後藤スダチ:(――全力は尽くした)
後藤スダチ:"バロール"の機体特性については、詳細に解析をするまでもなかった。あれだけ冷気を撒き散らしていれば、自らの性能を宣伝しているようなものだ。
後藤スダチ:駆動系に着弾させたポリマー弾頭には、後藤スダチのソラリス能力で、いくつかの細工をしている。
後藤スダチ:たとえば、着弾に伴う微細なクラックに浸透し――
後藤スダチ:水がそうであるように、"バロール"自身の冷却に伴う凍結で、体積を増大させること。
後藤スダチ:自分がこのトリックの結実を見ることはないかもしれないが、最初に射撃を撃ち込んだ時に、全て終わっている。
後藤スダチ:(自分自身の冷気で)
後藤スダチ:(破断する)
GM:――ドシャ!
GM:前触れなく、大質量の滑る音がした。"バロール"の腕のいくらかが、急速に力を失っていた。
GM:腕そのものを切断するには至らない。ただ、その駆動系が完全に寸断されている。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「"バロール"……!?」
GM:そしてその巨体を浮揚させるには、すべての腕を正しいバランスで制御するか、停止するしかない。
GM:……今、"バロール"は後者しか選べない!
齋藤リッコ:「──最高よ!!」
齋藤リッコ:瞬間、迷いなく駆け出している。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「"バロール"……復旧なさい。回復を! ……そして防御を……!」
齋藤リッコ:実際のところ、“バロール”の巨体ならば、大して狙いを定めなくとも当てることは容易い。
齋藤リッコ:だが、“バロール”に異変が生じたならば、テスラは防御に集中させ、盾として自らの足を止めるだろうと分かっていた。
齋藤リッコ:狙いは、そちらの方だ。
齋藤リッコ:「動くんじゃないわよ」
齋藤リッコ:「────テスラ・タイタニス!!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「!」 後じさる
齋藤リッコ:炎剣が弧を描いて振り抜かれ、閃光と共に斬撃が放たれる。
齋藤リッコ:凄まじい爆轟。夜闇が真昼より眩く照らし出され、後方、斬撃の余波で雲が蒸発する。
齋藤リッコ:それは“バロール”を両断し……テスラ・タイタニスの、その足場を粉々に破壊した。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「っうあ……!?」
"バロール":バロールの損傷は、誰から見ても決定的だった。装甲は焼け、その中核に深々傷が入る。中空に己を支えようとしているが、ほどなく落下するだろう
"ボレロス"テスラ・タイタニス:そして、テスラは……リッコの忠告を無視したからだろうか?
"ボレロス"テスラ・タイタニス:足場が崩落する、とっさに前に出て、落下を免れようとする。だが、あまりにも突然のことだった。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「や――」 間に合わない。その身が、ピラーの断崖から外へ、夜空の中へ、落ちる
齋藤リッコ:──ぱしっ
齋藤リッコ:宙を舞ったその腕を、もう一つの腕が掴み取る。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「――!」
齋藤リッコ:「……だから……」
齋藤リッコ:罅の入った床に滑り込むようにして、テスラ・タイタニスの腕を握っている。
齋藤リッコ:「動くなって言ったでしょうが……!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「な……っ、そ、そんなの……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「聞けるわけないでしょう……!? 攻撃してくるあなたの、そんな……!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:状況ゆえか、色めき立った反応を見せたが、すぐに溜息を吐くようにして項垂れる
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……何をしているの」
齋藤リッコ:「何って……何よ」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「こんなことをして、私が……ああ、いえ、そうか」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:かすかに笑う 「それで私が十字冠による転移をしたら……意味がないものね」
齋藤リッコ:「はぁ? ああ……」納得したように「確かにそうね……十字冠あるんだった」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「確かにそうね、って……」
GM:背後、深く傷を負った"バロール"が、いよいよ高度維持能力を失い、墜落していく。……幸い、地表に直撃するというより、最後まで高度を維持しようとして墜落するという過程を踏みそうではあるか。
齋藤リッコ:「くっ……ぐ……」引き上げようとするが「た、体勢が……あたしまで落ちる!」
齋藤リッコ:「だ、誰か……引っ張って! おーい!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……ああ……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:笑みが、深まる。漏れる声は、何か、美しいものに感動しているかのようだった
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……そうね、あなたには……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「それくらいの奇跡が降り注いでも良い」
GM:君も気付くだろう。頭上の光が、眩しい。君の十字冠がでもあり、それよりも高い夜空にて、輝きを放つものがある
GM:ノヴァリスの大十字冠が、輝いている。
GM:――神聖二重冠が開く。ノヴァリス生徒の頭上に。君と、彼女の頭上に。
齋藤リッコ:「……?」顔を床に擦ったまま、視線だけでそれを見上げる。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……いいわよ。もう離して」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「転送は、発生しない。……ここで終わり」
齋藤リッコ:「?」
齋藤リッコ:何を言っているんだこいつは、という怪訝な顔を向けて
齋藤リッコ:「ちょっと!だ、誰か!腕痛いんだけど~~!!」丸っきり無視して声を上げる
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「なら腕を……離せば良いでしょう!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「助けてなんて欲しくない! ……ピラーを折ることだって、本当はどうだってよかった」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「ただ……ただ、もう……終わらせたかった。いや……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……死にたかっただけなの」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「空に奇跡が輝いているから……ようやく叶う。……あなたも叶えられるでしょう?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「友達の仇を」
齋藤リッコ:「……………………」
齋藤リッコ:床に付き、自分を支えていたもう一方の手を伸ばし。
齋藤リッコ:「……知るかぁああーーーーーーーッ!!」
齋藤リッコ:テスラの頭を思い切り引っ叩く。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「あだっ……」
齋藤リッコ:「言ったでしょうが!! 甘えてんじゃないわよ!!」
齋藤リッコ:「どうでもいいって!? そんなことの為にピラーを折って、大勢を巻き込んで……」
齋藤リッコ:「そんなのただ、逃げてるだけじゃないのよ!!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「……次は」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「あなたが今、もっともっと大切にしている人を」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「また、同じ目に遭わせるかもしれないのに?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:――底冷えする感覚が去来する。一瞬、君の下で、彼女が恐ろしく美しい笑みを浮かべた。
"ボレロス"テスラ・タイタニス:あるいは、あの日と同じに。
齋藤リッコ:「……」眉根を寄せて
齋藤リッコ:「……そうやって言えば、あたしがキレてあんたの手を離すとでも思ってんの?」
齋藤リッコ:「あたしはね!!一年前からずっと!!100%状態であんたにキレてんのよ!!それが今さら更新されるとでも!?」
齋藤リッコ:「大体いま死にたいって言った奴にそうしてやったら喜ばせるだけじゃないのよ!そんなことも分かんないの!?バッカね~~!バーーーカ!」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「んな……っ……!?」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:底冷えするような恐ろしさは、まるで気のせいであったかのように、今君が手を掴む彼女からは消えている。
齋藤リッコ:「大体あんたは……あっ」
齋藤リッコ:ズルッ
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「あ」
齋藤リッコ:両手を離した故に、当然の帰結として身体がずり落ち始める。
齋藤リッコ:「あっ……ヤバいヤバいヤバい!!」
齋藤リッコ:「ちょっ……もういいから!誰か!!早く!マジで早く!助けて助けて!!」
綾云媛:「考えなしなんですか???」無理やり引きずり上げる。
齋藤リッコ:「はぁっ……はぁっ……」
齋藤リッコ:テスラと共に引き上げられて
齋藤リッコ:「はーーー……死ぬかと思った……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「ううう……」 引き上げられる途中で顔を擦り、呻いている
綾云媛:「というか……どうするんですかこの後……」
綾云媛:「考えてないですよね」
齋藤リッコ:「……大丈夫よ」バズヴさん達騎士団に目を向ける。
四之宮サヨリ:「終わった……大丈夫ですか?!リッコさん達も、スダチさんも……!」
四之宮サヨリ:遅れて駆け寄り、まずは虫の息で倒れている後藤スダチを抱えて。
後藤スダチ:「はぁ……はぁ……やったね、リッコちゃん……テスラ……倒したんでしょ……?」
齋藤リッコ:「うん!」
齋藤リッコ:「ほら!」隣にいる
後藤スダチ:「えっ、全然わかんないし見えないけど……無事ならよかったよ……!」瞼の上が斬られて血がどくどく流れている。
ハイト・ワトソン:「あわわわ……」 スダチちゃんが大変なことになっているので、倒れそうになるのを必死で耐えている
"バズヴ・カタ":「……無事のようだな」 頷く。騎士団の面々はもうほとんど残っていないが、彼女は依然立っていた
"バズヴ・カタ":「あなたも……彼女も」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「…………」 こちらはへたりこんで、俯いている。もう抗う気力もなさそうだ
四之宮サヨリ:「……戦意も敵意も、今はもう無さそうですね……よかった」
四之宮サヨリ:「ってスダチさんが本当にヤバいです!お薬とガーゼ……!」慌てて止血に入る。明らかに血を流し過ぎだ。
綾云媛:「……」“バズヴ・カタ”に近寄り囁く。「必要であれば」
綾云媛:「こちらで手を下しますが」
"バズヴ・カタ":「いや。……いい」 小声でかぶりを振る
"バズヴ・カタ":「彼女がその決断を下すなら、私も止めなかった」
"バズヴ・カタ":「彼女が生かす決断をしたなら、誰もそうするべきではない」
齋藤リッコ:「……逃げるんじゃないわよ」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:かすかに顔を上げる
齋藤リッコ:あちこち痛む身体で、テスラのもとに屈み込んで
齋藤リッコ:「これ以上。あたしからも、罪からも」
齋藤リッコ:「自分からも」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「じゃあ……じゃあ、私」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「これからどうすれば……」
齋藤リッコ:「何回言わせたらいいわけ?」嘆息して
齋藤リッコ:「……やり直すしかないでしょ」
齋藤リッコ:「どれだけ掛かっても、罪を償って」
齋藤リッコ:「新しい人生をやり直すしかない」
齋藤リッコ:「……失った……」
齋藤リッコ:そこで暫時、目を伏せ、言葉を詰まらせて。
齋藤リッコ:もう戻らない友人のことを思う。目の前のテスラ・タイタニスに奪われた彼女を。
齋藤リッコ:狂気と血に塗れた別れを経ても、思い出す姿はいつも、気の抜けたような笑顔だった。
齋藤リッコ:「……失ったものが、もう戻ってこないなんて」
齋藤リッコ:「当たり前のことなのよ」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:「っ……く……」
"ボレロス"テスラ・タイタニス:目元を押さえる。それは、自分には相応しくないからと、押さえ込もうとして、だけれど止められるものなんかではないから
"ボレロス"テスラ・タイタニス:涙が流れ落ちていく。まだ冷たい風の吹き込むその空間で、だけど凍るほどには冷たくない涙を、いくつもいくつも落としながら
"ボレロス"テスラ・タイタニス:声を殺し、泣く。
齋藤リッコ:寄り添い、涙を拭いてやりはしなかった。
齋藤リッコ:自分はそこまで善人ではなく、お人好しでもなくて、彼女を許してやることも出来なかった。
齋藤リッコ:ただ、落ちる涙が薄く積もった雪を溶かしていくのを見て、終わったのだな、そうぼんやり思った。
齋藤リッコ:(……これで、良かったのかな)
齋藤リッコ:(……レド……)
GM:……『その異常』に
GM:最初に気付いたのは、エイヴ・ド・レスタイムだった。
エイヴ・ド・レスタイム:「……なんか……」
GM:元より、財貨を介した超法則的な力の分配に長けた彼女は、あまり物理的でない、曖昧な力の在り方に対して敏感である。
GM:その彼女が、ノヴァリスの大十字冠の影響を受けているであろう自身の十字冠の辺りに手をやり、こぼす。
エイヴ・ド・レスタイム:「おかしくないですかね?」
GM:
:――そう。
:この上ない毒が
:遺された名が
:力ある雷霆が
:……完全なる計画が
:決して劇的な局面を迎えることなく、この夜、戦いを妥当に終結させる。
:ノドスチルドレン、十律者9th、"マスターゼウス"。
:彼にはその確信があった。
:――今も、確信している。
GM:シーンを終了します。ロイス取得可。回復アイテムも使用可能です。
後藤スダチ:何が起こるの?怖いよ~~
GM:あと15点の経験点も使い方を決めているなら……使っていいよ! もうクライマックスはクライマックスだからね。
齋藤リッコ:なに~なんなの~~
齋藤リッコ:回復します!高性能キット
齋藤リッコ:いや……応急キット
齋藤リッコ:19+2D10
DoubleCross : (19+2D10) → 19+14[6,8] → 33
四之宮サヨリ:最後の枠を綾云媛 〇信頼/ちょっとがめつい で取得し、クライマックスに備えます
エイヴ・ド・レスタイム:ちょっとですって
齋藤リッコ:齋藤リッコのHPを28に変更(19 → 28)
綾云媛:がめつい……
齋藤リッコ:高性能キットあまったので誰かどうぞ!
エイヴ・ド・レスタイム:さすが合コン委員会は優しいですね
綾云媛:私多分カバーで吹っ飛ぶし 他の人がいいかも
後藤スダチ:最大HP高いサヨリさんがいいんじゃない?
四之宮サヨリ:じゃあ貰っちゃいます!
後藤スダチ:私は最大HPほぼ理論上最低値だし
四之宮サヨリ:3d10+8
DoubleCross : (3D10+8) → 8[2,4,2]+8 → 16
GM:凍ってる
四之宮サヨリ:ダメージダイスで出なくてよかったと考えよう
綾云媛:トランクもあるはず
後藤スダチ:あげちゃうよッ
四之宮サヨリ:食べます!モリモリ
四之宮サヨリ:2d10+16
DoubleCross : (2D10+16) → 12[8,4]+16 → 28
四之宮サヨリ:結構回復!
齋藤リッコ:あとまだ侵蝕低減もできるのかな
GM:あっそうだ 十字冠の侵蝕低減 していただいてどうぞ~
齋藤リッコ:やった~~ウオオオ
四之宮サヨリ:大事な大事な命綱!
齋藤リッコ:138-1D10-10
DoubleCross : (138-1D10-10) → 138-2[2]-10 → 126
四之宮サヨリ:119-1d10-10
DoubleCross : (119-1D10-10) → 119-5[5]-10 → 104
後藤スダチ:100-1d10-10
DoubleCross : (100-1D10-10) → 100-3[3]-10 → 87
GM:綾さんはないもんね。ではこれで終了で……大丈夫そうかな? シーンを切ります!
【◆ CRIMAX Scene Player:齋藤リッコ】
"マスターゼウス":「嗚呼」
"マスターゼウス":「神聖二重冠――」
GM:ノヴァリスの大十字冠が、輝いている。
"マスターゼウス":「知っているぞ。お前たちは……」
"マスターゼウス":「幾多の屈服すべき壁を、それで乗り越えてきた」
"マスターゼウス":「どれほどの計算を積み上げられ、鮮烈なる結果を引き寄せようと……最後は」
"マスターゼウス":「天よりの輝きがそれを妨げ、お前たちの跳梁と未来を許し続けた」
"マスターゼウス":「涙を流して情に訴え、道理を阻むことにばかり長けたお前たちが」
"マスターゼウス":「そう来るのはよく知っている」
"マスターゼウス":「だから」
"マスターゼウス":「俺は」
"マスターゼウス":「何より」
"マスターゼウス":「その」
"マスターゼウス":「奇跡を」
"マスターゼウス":「――赦さない!!」
━━━━ 十字冠 改竄 ━━━━
【捧私十字冠】
クライマックスフェイズ中に限り、あなたが持つ【十字冠】は改竄され、効果を以下のように書き換える。
・捧私十字冠への改竄が発生した瞬間、侵蝕率が100を超えていたPCの侵蝕率を、99まで減少する。
・エフェクト使用時、侵蝕率の増加が発生せず、代わりに本来増加するはずだった値だけ減少させる。
・《リザレクト》を使用できない。
・ジェネシフトを行えない。
GM:全PC、登場してください。侵蝕率ダイスを振る必要はありません。
後藤スダチ:ピッカァ……
GM:侵蝕率が100を上回っている場合、99にしてください。
齋藤リッコ:イヤッ イヤッ
綾云媛:ヒエ~ッ
後藤スダチ:侵蝕率は87です……
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を27減少(126 → 99)
四之宮サヨリ:はい……そしてこの演出を見る前に決めたので、万軍撃破を……取得しておきます。15点で。
四之宮サヨリ:侵蝕99
ハイト・ワトソン:「?」
GM:……たとえばハイト・ワトソンなどは、その異常に一切気付かない。
GM:彼女はこれまで、神聖二重冠の下で能力を振るうことも、侵蝕率が100%を超過する状況で力を振るうことも、まったく経験していないからだ。
"バズヴ・カタ":「……これは……」
"バズヴ・カタ":「『重い』……のか……?」
GM:対する"バズヴ・カタ"はその異常にどうにか気付くことができた。まず間違いなく『違う』。そのうえで、レネゲイドの出力が思ったように出ていないことに気付ける。
GM:重い、というのも物理的な話ではない。彼女はその言葉を知らないが、処理落ちのようなものだ。
後藤スダチ:「ごめん……もう転送……する……」
後藤スダチ:「最後までついていきたかったけど……」
後藤スダチ:それくらいの重傷ではあった。自分も、リッコ達を庇ったフィオナ騎士団のように、ここで転送して終わる運命にあったのだろうと思っていた。
後藤スダチ:「……?」だが。
四之宮サヨリ:「何か……おかしいです、身体に掛かっていたレネゲイド負荷が……無理矢理……?」
齋藤リッコ:「……なんか……」敏感にそれに気付く。能力がまだ矮小だった頃から、神聖二重冠への適正だけは並外れていた。
齋藤リッコ:「おかしくない!? ううん……絶対おかしい!これ!」
齋藤リッコ:「神聖二重冠が……!」
後藤スダチ:「……っ、あれ……?」
後藤スダチ:確実に一度、十字冠保護の侵蝕限界を越えたと思ったのだ。
後藤スダチ:「あ、あり得ない……」
綾云媛:「……この状況下での戦闘経験が多いわけでは有りません」
綾云媛:「何がおかしいと思うんです?」
齋藤リッコ:「普段ならもっと……ブワーッってなってズオオオって感じで……!」
綾云媛:「?」
エイヴ・ド・レスタイム:「いやっ、なんだろ~私もほとんど経験ないんですけど……」 頭の後ろをだるそうに手で掻いている
エイヴ・ド・レスタイム:「なんか……キモい……!」
齋藤リッコ:「何か……何か逆に……」
齋藤リッコ:「チルってない!?」
四之宮サヨリ:「侵蝕限界を越えるとはいえ。身体に底から力が溢れるような、不思議な感覚……それが」
四之宮サヨリ:「……無理矢理、無かったことにされたような」
後藤スダチ:体を起こす。「あり得ない急激さで」
後藤スダチ:「侵蝕率が、下がっている……!?」
綾云媛:「……」思念を集中し、意図的に侵蝕率の励起を試みる。
綾云媛:「……シフト出来ませんね」
GM:――神の視点で原理を語るならば。
GM:それは十字冠を介して『星』へとレネゲイド侵蝕を還元する機能が過剰に働いている状態である。
GM:エフェクトを使用しようとすれば、従来上がる侵蝕率が、実態以上に還元される。ジェネシフトしようとすれば、その上昇分が等しく還元される。
GM:無論、それは自然発生する原理ではない。最大の局面にあたり、その力の奇跡的な発揮を妨げるありさまは、さながら枷だ。
GM:枷を課した者がいる。
"マスターゼウス":「……三文芝居は終わったな?」
GM:上方――見上げる先に、その巨体はあった。
"マスターゼウス":「神聖二重冠――」
"マスターゼウス":「……お前たちが徒らに振るうその力のことを、俺はずっと許せないと思っていた」
"マスターゼウス":「最も重要な局面で、奇跡的な力をもたらし、逆転を描き出すそれを、」
"マスターゼウス":「俺は何よりも赦さない」
"マスターゼウス":「故に」
"マスターゼウス":「――封じた。お前たちの能力諸共に」
"マスターゼウス":「……くく……」
"マスターゼウス":「くくく」
"マスターゼウス":「ははははははッッ!!」
GM:耳をつんざくような哄笑が響き渡る。
"マスターゼウス":「……どれほどに計画を積み上げようと、お前たちの力は、必ずや最後に奇跡をもたらす」
"マスターゼウス":「その力を知るのであれば、神聖神秘なる力に驕って、どこかでそれを待っている気持ちはなかったか?」
"マスターゼウス":「――ここに"マスターゼウス"がある」
"マスターゼウス":「そんなものはこない。永劫に」
GM:……"マスターゼウス"の機構から、装甲の雲霞が溢れ出てくる。
GM:それはこの事件の始め、上空に目撃した執行者の群れであった。
後藤スダチ:「最……悪……」呻くように呟く。"ヘカトンケイレス"は、確かに三機とも撃墜できた。私達は目の前の目標を果たした。
後藤スダチ:だけど"ヘカトンケイレス"は破壊の主力というだけで、これまでずっと、"マスターゼウス"の機械兵だって、破壊を続けていたのだ。
後藤スダチ:あと僅かの構造強度を削り取るには、十分なほどの敵影がある……
綾云媛:「……侵蝕率が上がらないだけではない」
綾云媛:「傷も再生しない……」
齋藤リッコ:「いやいやいや……」青ざめている「嘘でしょ……!?こんなこと出来るわけ……」
齋藤リッコ:「……ッ……違うか……ピラーを登ってたのはこの為……!?」
四之宮サヨリ:「っ、嘘……」確かに、頼ろうとした気持ちはあった。最後の相手に対して、立ち向かえるだけの勇猛と戦法を齎すもの、それが……
四之宮サヨリ:「……何もかも、封じられてる。最後の手段も、力も」
綾云媛:「ピラーの制圧が最終目的ではなく……」
綾云媛:「ピラーの掲げる大十字冠の機能不全によって……」
綾云媛:「ノヴァリス全体を、“不確定要素”なく蹂躙すること」
綾云媛:「……最悪なことを考えたものですね」
四之宮サヨリ:そしてそれは……あのマスターゼウスの思惑通り。掌の上。
GM:……そして、気の回る者であれば気付くだろう。
GM:下層の喧騒が、静まり返っている。
GM:こうして突如に力を奪われるのが、もっとも致命的なタイミングなのは、言うまでもなく戦闘中である。
GM:そこで戦っていた者は誰か。
GM:――そこで彼らが押し留めていたものは何か。
齋藤リッコ:「嫌──嘘」「誰か!! 無線!!」
四之宮サヨリ:「下階層の皆さんは?!連絡を……!」
"マスターゼウス":「――おい」
"マスターゼウス":「目を逸らすな」
"マスターゼウス":「屈し、服従を誓え。……もしかすれば」
"マスターゼウス":「この俺すら、多少は寛容になる可能性があるかもしれん」
エイヴ・ド・レスタイム:(……通信、駄目です。途絶えてます……!) 小声で伝えてくる
四之宮サヨリ:(そ、んな……)
綾云媛:「チッ……」
後藤スダチ:「……っ、誰、が」
後藤スダチ:「そんな言い方で……!聞くと思ってるの!?」
四之宮サヨリ:瞳を、マスターゼウスに向ける。次に逸らせばそれだけで処断される。そう思わせる程の圧が確かにあった。
綾云媛:(だとて、何故彼は二重冠に干渉できる……?)
綾云媛:(我々にとって理外であるものは、あちらにとっても同じではないのか?)
綾云媛:(向こうにも……二重冠に相当するものがあるとでもいうのか?)
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:焦燥がじりじりと思考を焦がす。常軌を逸した“マスターゼウス”の巨体、視界を次々と埋め尽くしていく機体の群れに、絶望が去来する。
四之宮サヨリ:(どうすれば、切り抜けられる。少なくとも此処の皆だけでも逃がして、報告を各学区に伝える手段を……)
四之宮サヨリ:必死に思考する。その内容すらも事前に読まれているような感覚。
後藤スダチ:十字冠が機能不全を起こしている。最悪だ。本当に死ぬかもしれない。
後藤スダチ:けれど、せめて誰かが、言い返してやらなければ。
後藤スダチ:この場の全員の空気が呑まれてしまう。
"マスターゼウス":「――――」
"マスターゼウス":「で?」
後藤スダチ:「最初に……話した時から、そうだったけど!」
後藤スダチ:「それくらいは分かってよ!あなた達はめちゃくちゃな、酷いことを言うけど……!」
後藤スダチ:「そういう……言葉の使い方はさ……っ」
後藤スダチ:「た、ただの、攻撃でしょう……それは……!」
後藤スダチ:「人の心に……呼びかけて、要求を通したり、自分の考えを理解させるやり方じゃない……」
後藤スダチ:「"マスターゼウス"。あなた達は強いよ……。何より、頭が良い……!ノヴァリスとも、外の世界と比べたって、優秀な素質があるはずなのに……!」
後藤スダチ:「そんなのは、立派なスーパーコンピューターで、敵の頭を殴ってるようなものでしょう……!」
"マスターゼウス":「修正しろ」 声は依然、恐ろしく乱暴だ
"マスターゼウス":「人の心ではなく、女の感情だ」
"マスターゼウス":「攻撃ではなく、躾だ」
"マスターゼウス":「酷いことではなく、妥当な対応だ」
"マスターゼウス":「――だが」
"マスターゼウス":「その気骨に免じて、一度だけ問いをくれてやろう」
"マスターゼウス":「俺たちは到達した」
"マスターゼウス":「……劣悪極まる漂流学区ノドスの、100人の生徒は」
"マスターゼウス":「このノヴァリスへ到達してみせた」
"マスターゼウス":「――翻って、お前は?」
"マスターゼウス":「この無軌道に好き放題繁栄し続けるノヴァリスに生きる、数万生徒の一人である所のお前は」
"マスターゼウス":「いいや! ……お前でなくてもいい。誰でもいい。このノヴァリスの、誰か一人でもいい」
"マスターゼウス":「……『到達』したか?」
後藤スダチ:「…………………」
後藤スダチ:それは、あの文化祭の時から、ずっと考え続けてきた問いの一つだ。
後藤スダチ:ノヴァリスの生徒達がこれだけの時間と、労力を注ぎ込んで探し続けてきたノドスは、なぜかいつまでも見つけられず――
後藤スダチ:一方でノドスの側は、ノヴァリスへと干渉する術を見つけ出していた。
後藤スダチ:生徒が生徒である限り、ノヴァリスから外の世界には出ることができないはずなのに。
後藤スダチ:(『先生』ではない大人はノヴァリスに留まれない。アトラ・アーリーバードの卒業妨害事件。ノドスは二度に渡って、セイクリッドピラーを狙った……)
後藤スダチ:(……卒業。ノヴァリス外への脱出を、アトラ・アーリーバードが妨害した手段)
後藤スダチ:「……」
後藤スダチ:「……あなたの力じゃない」
後藤スダチ:自分でも驚くほど、乾いた声が出た。
"マスターゼウス":「――――」
後藤スダチ:「あなたが、道を見つけ出したわけじゃない」
後藤スダチ:「全てを予測済みのように振る舞って。部下を従えて。何もかもを作り出してみせて」
後藤スダチ:「まるで神様のように振る舞っていても」
後藤スダチ:「あなたがやったことじゃない」
後藤スダチ:「そうでしょう?」
後藤スダチ:卒業を妨害したのは――アトラ・アーリーバードの力ではない。
後藤スダチ:イースターエッグは現在のノヴァリスの技術では再現のできない、理事会の秘宝と言われている。
後藤スダチ:「それとも……今、十字冠を書き換えてみせたように……あなたに。ノドスの誰か一人にでも、本当に、何もかもを成し遂げる力があったって言うなら」
後藤スダチ:「生き残りが100人になるまで、あなたはそうできなかったんだ」
後藤スダチ:『コードC』のように、それは残酷な仮定だ。だけど、そういうことになる。
後藤スダチ:私達が垣間見たノドスの記憶のような出来事が、本当にあって……
後藤スダチ:5000人の生徒が、残り100人に追い詰められるまでノヴァリスへのアクセスを実現できなかったというのなら。
後藤スダチ:それができたことは、人の能力や、意思の結実などではなくて。
後藤スダチ:奇跡に他ならない。
後藤スダチ:犠牲の多大さこそが、奇跡の実在を証明する。
"マスターゼウス":「…………」
GM:もしかしたら、君の脳裏に過ぎったかもしれない。"ブロンテス"か、綾か、どちらかの言葉。
GM:――問いに答えを返せないのか?
GM:"マスターゼウス"は……
"マスターゼウス":「……下らん」
GM:そう言わなかった。
GM:――『答え』なのだ。
"マスターゼウス":「下らん、下らん」 ただ憤るように、不快げにそう口にする
"マスターゼウス":「この空と大地の万象が下らん」
"マスターゼウス":「呆れた実態の星空も、無計画に溢れかえる文明光も」
"マスターゼウス":「そこに蠢くお前たち全員。そこから生み出される言葉も行いも何もかも」
"マスターゼウス":「無価値だ」
"マスターゼウス":「故に慈悲深く終わらせてやる。……おい」
"マスターゼウス":「無為な探求を許してやる。存分にやれ。ピラーが永遠に失われ、訪れることのない未来を待つのはさぞ退屈だろうからな」
齋藤リッコ:「……」「……はい」時間稼ぎの意味も込めて、すっと手を挙げる。
齋藤リッコ:「ごめんあたし……ノドス周りの事情には詳しくないんだけど……そもそも皆は分かってるの?」
齋藤リッコ:「こうやってノヴァリスを壊すことで……ノドスには一体どんな得があるの?」
"マスターゼウス":「……呆れるほどに無意味な発言だな。虫の方がまだまともな声を上げる」
"マスターゼウス":「損得勘定などへ賢しらに口を出すほどの能がお前にあるのか? ……ないだろう? 自称の通りに無知なのだから」
"マスターゼウス":「今ここにあるノドスの使徒は俺のみだ。俺以外に気を散らすのは自由だが、それで俺の行いに何の変わりも生まれはせん」
齋藤リッコ:「……うん……」
齋藤リッコ:その暴言に対するリッコの反応に、“マスターゼウス”は違和感を覚えたかもしれない。
齋藤リッコ:先の反応と異なり、一瞬、やんわりと腫れ物に触るような表情を浮かべて。
齋藤リッコ:「でも……いくら何でもただの八つ当たりってわけじゃないんでしょ?」
"マスターゼウス":「……」 「そのお前が今固執する動機というものに」
"マスターゼウス":「そういったものを、お前たちのようなのに語ってやることに、価値を見出す者など」
"マスターゼウス":「ノドスの中にはいない。……恐ろしく下らん」
齋藤リッコ:「いや、だって……」
齋藤リッコ:「ダメよね……?」
齋藤リッコ:首を捻る。
"マスターゼウス":「ああ?」
齋藤リッコ:「いや、そもそも……」
齋藤リッコ:「そもそも過ぎて誰にも言われないのかもしれないけど…………」
齋藤リッコ:「あんた達にどんな事情があって、どんな動機でこんなことをしてるのかは分かんないけど……」
齋藤リッコ:「どんなに苦しくて切実な理由があるにせよ……」
齋藤リッコ:「それでこうやって他の人を傷付けて、物を壊して暴れるのって……」
齋藤リッコ:「ダメじゃないの?」
"マスターゼウス":「……」「……何だ? お前は」
"マスターゼウス":「個人や勢力により異なる目的意識を持ち、それにより善悪水準の差異が発生することを……」
"マスターゼウス":「知らずに生きていた口か? ……あるいは哲学レベルの問答をこの場で繰り広げたいのか?」
"マスターゼウス":「女同士ならば床に円座して無為なることに時間を費やすのは自由だが」
"マスターゼウス":「俺を巻き込むな」
齋藤リッコ:「それじゃあ……あんたは今自分がやってることが正しいって思ってるの?」
齋藤リッコ:「正義にもとることはしてないって、親や兄弟に自信を持って言えるわけ?」
"マスターゼウス":「……フーッ」 先の沈黙は、今にして見れば当惑によるものだったのか、と君は分かるかもしれない
"マスターゼウス":何故ならその言葉未満の嘆息に、恐ろしく雄弁な憤りが籠もっていたからだ
"マスターゼウス":「親や、兄弟と」
"マスターゼウス":「俺の行いに、一切の関係はない」
"マスターゼウス":「お前は生まれても老いても家族に従い生きる種の生き物ゆえそこを基準にするのだろうが」
"マスターゼウス":「同じに見るな」
齋藤リッコ:「え……今論点が…… ……まあ……そうね」
齋藤リッコ:「いいわ。あんたにどんな事情があるかは後で聞くとして……」
齋藤リッコ:「今やってることは許せないから。止めるわ。それでいいわね」
齋藤リッコ:“マスターゼウス”の想像を絶する暴言に対して、齋藤リッコの反応は奇妙に鈍かった。
齋藤リッコ:それは、偏に想像を絶しすぎていたからだ。先の回廊でのやり取りを受け、その中世の悪徳貴族めいた壮絶な暴言に対し、リッコは──
齋藤リッコ:理解が出来なかった。彼女の世界観に、コミュニケーション可能な同世代でそれほどの差別意識を持ち断絶した相手はそれまで存在しなかったからだ。
齋藤リッコ:故に、リッコは自分の理解出来る範囲で“マスターゼウス”を解釈しようとし、結果……
齋藤リッコ:「後でちゃんと話聞いてあげるから。いい?」
齋藤リッコ:機神に向けるその視線に込められた感情は──憐みだった。
齋藤リッコ:きっと本来彼はこんな人格ではないのだと、家庭環境の荒廃から非行に走る子供を見るかのような視線を、“マスターゼウス”に向けている。
"マスターゼウス":「…………」
"マスターゼウス":「……"ブロンテス"!」
"ブロンテス":「ここに」
"ブロンテス":名を呼ばれると、暗銅色の装甲を持つ彼はすぐ姿を現した 「もう少々後かと思っておりましたが、何か?」
"マスターゼウス":「あの……」「特に特徴のない女はキングダムの者だろう」
"マスターゼウス":「処分を済ませていないのか?」
"ブロンテス":「申し訳ありません。特に認識をしておりませんでしたので……」
"ブロンテス":「先に話した『対象』は彼女ではありません」
"ブロンテス":その眼は綾へと向けられている
綾云媛:「……」
"ブロンテス":「今回は――少々の寛容さを持って問うて差し上げましょう」
"ブロンテス":「その遺産は、どのようにして?」
綾云媛:「必要に応じて理事会が供与した」
綾云媛:「満足です?」
"ブロンテス":「で? 今は?」
"ブロンテス":「理事会は散じ、それの本来の持ち主である御方も最早亡く」
"ブロンテス":「故に盗み抱えていると?」
綾云媛:「返せと求められていませんので。誰に返すべきだと言うんです?」
"ブロンテス":「たとえお返し差し上げることが不可能であっても……持つべき敬意を持っていれば、我が物顔でその力を振るい」
"ブロンテス":「あまつさえキングダム外部に持ち出し地位を築くなどという厚顔無恥ができる訳がない」
"ブロンテス":「だから私は貴女がたを、泥に溺れる虫よりも蔑み、そして憐れむのです」
綾云媛:「ふむ……趣旨は理解しました。あれなるにそこまでの敬意を抱いていたことは納得いきませんけど……」
綾云媛:「理解は出来ます。それ故に怒り恨んでいるとは」
綾云媛:「いま敬意を払っていそうなそっちのよりは遥かに話が通じますよね」
綾云媛:「たかが性ごときを絶対の価値判断に置きたがって、感情的になって痛罵するしかやり口のない木偶よりは余程です」
"ブロンテス":「……」 口を噤む。沈黙は肯定という言葉を、君は少々なりとも思い出すかもしれない
"マスターゼウス":「たかが」 他方、こちらは嘲る
"マスターゼウス":「浅薄な誤魔化しだ。事実、出生した瞬間から人の行く道は、その性により決定的に分かたれる」
綾云媛:「私は彼と話しているんですけど?」
綾云媛:「道理を弁えてはいかがです」
"マスターゼウス":「俺に言い及びながら俺の言葉を受け付けぬ有り様こそ道理を知らん所だろう」
"マスターゼウス":「如何にもお前は『解さぬ方』という訳だ」
齋藤リッコ:「ちょっと、綾ちゃん……」くいくい袖を引っ張って
綾云媛:「はい?どうしました」
齋藤リッコ:「あんまり言ったら可哀想だって……」
齋藤リッコ:「ほら、きっと色々あったんだろうから……」
綾云媛:「何かあれば何を言ってもいいことはないとは思うのですけど……」
綾云媛:「そこまでおっしゃるのであれば……」
"マスターゼウス":「おい」 "ブロンテス"に言葉を向ける 「"アルゲス"はどうした」
"ブロンテス":「完全に対策されています。不運です」
"マスターゼウス":「……"ステルペス"は」
"ブロンテス":「出撃拒否です。体調不良という自己申告ですが」
"マスターゼウス":「惰弱め」
"マスターゼウス":「……そういえばお前は"ステルペス"に突っかかっていたらしいな」
"マスターゼウス":「そこの、背丈があり、鎧を着ていない女」
四之宮サヨリ:「……私、ですね」
"バズヴ・カタ":背丈があり、鎧を着ている女が、サヨリをちらりと見る (……相手をしなくても大丈夫だからな)
四之宮サヨリ:「……いえ」
四之宮サヨリ:「私も、聞きたいことがありますから」
"マスターゼウス":「何だ。……"ステルペス"の奴が流した情報では不服だったか?」
四之宮サヨリ:幾分か冷静な思考が、四之宮サヨリの脳内を奔っていた。奇しくも、先の齋藤リッコと同じことを考えて。
四之宮サヨリ:"彼の強烈な蔑視にも、何かしらの理由は存在するはず"と。
四之宮サヨリ:恨み、怒りを彼らが持っているのは、当然だろう。苛酷な道を歩んできたのだ、彼らは。
四之宮サヨリ:……それでも、このピラーでの出会いを経て、それだけだと思いたくなかった。
四之宮サヨリ:……強い言葉を使う理由。合コン委員会を運営するうえで、若干の知識は有している。
四之宮サヨリ:ノドスの中でも特別な十人。その中でも他の生徒を従える彼は、立場として強く在るべきなのは間違いない。その上で。
四之宮サヨリ:例えば、支配感情。今の彼を言い表すならば、真っ先に挙がる理由だ。
四之宮サヨリ:不確実な事を実行するに対し、安心感を得るための行動。
四之宮サヨリ:……彼の神性二重冠に対する発言。計画を覆しかねない不安材料。
四之宮サヨリ:例えば、防衛本能。不安や劣等感を隠し、心を守るためのもの。
四之宮サヨリ:それに一番近いのは"アルゲス"だろうか。彼には絶対に越えたい相手がおり、未だ己を高めようと足掻いている。
四之宮サヨリ:……では、"マスターゼウス"は?彼にもそのような相手が居たのだろうか?
四之宮サヨリ:ふと───思い返す。遺された名。
四之宮サヨリ:その全員分を瞳に収めたわけではない。100人の名前と、更新された4900人の内のほんの少し。その上部にあった名前───
四之宮サヨリ:予感がしていた。女の勘と言ってしまえば、目の前の彼は唾棄するだろうけれど。でも、偶然ではない筈だ。
四之宮サヨリ:彼はさっき、その存在を否定しなかった。私と同じであるのなら。彼は───
四之宮サヨリ:「……責任、不安、重圧」
四之宮サヨリ:状況を打開する言葉でも、彼を責め立てる声色でもない。
四之宮サヨリ:「貴方……もしかして、大事な人……ううん」
四之宮サヨリ:「兄弟を、戦いの中で亡くして……」
四之宮サヨリ:畏怖の目は無い、テスラ・タイタニスの時と同じ。相手は決して超越者では無い。
四之宮サヨリ:「……そんなに、張り詰めてるの?」
四之宮サヨリ:「そうしないと、自分が許せない?」
四之宮サヨリ:行いではなく、人としてのその性質。
四之宮サヨリ:「それが、そうやって周りを傷つけてでも、強く在ろうとする理由?」
四之宮サヨリ:「"マスターゼウス"……いえ」
四之宮サヨリ:「"ガダンファル・イルヤーサ"さん」
"マスターゼウス":「――――――」
"マスターゼウス":もし君に、無音から感情を察する力があったのならば
"マスターゼウス":火傷するほどの憤慨を感じ取ることができただろう。そして……
"マスターゼウス":そんな力がなくとも、その呼吸すら混じえぬ無音は、恐ろしく雄弁な君への返答である。
"マスターゼウス":「――――――」
四之宮サヨリ:瞳を逸らさない。
四之宮サヨリ:声を発した以上。問いを投げた以上。それは私が受け止めるべき重圧だ。
"ブロンテス":「……イルヤーサ」 "ブロンテス"が静かに彼をそう呼んだのは
"マスターゼウス":「黙れ」
"マスターゼウス":彼に沈黙を破る端緒を与えるためだった 「よくも、憐れみで受け取った名簿ごときで……」
"マスターゼウス":「抜け抜けと、そこまでの妄想を語れるものだ」
"マスターゼウス":「大想像回廊に脳をやられたようだな」
四之宮サヨリ:「……そうかも、しれませんね。私にとってもあの体験は、忘れることはできないでしょう」
四之宮サヨリ:「それでも、問わずにはいられなかった。見られなかった貴方の事も、考えなきゃいけないと思ったから」
"マスターゼウス":「はは――」
"ブロンテス":「イルヤーサ」 もう一度名を呼ぶ。それは薄っすらと、何かを咎めるような色を帯びていた
"マスターゼウス":だが、彼は止めない 「……忘れられぬ体験により」
"マスターゼウス":「無限の妄想の中、見る影もなく狂死した者もいた」
"マスターゼウス":「お前の弟もそうだったかもしれんな」
"マスターゼウス":「……座し、その頭を差し出せ」
"マスターゼウス":「同じ地獄に送ってやる」
四之宮サヨリ:「確かに、そうであったかもしれません」
四之宮サヨリ:あり得ぬほどの暴言。登り始めた時点の自分であれば、怒りに身を任せていたかもしれない。
四之宮サヨリ:しかしそれを受けて尚、今の表情が映すのは。
四之宮サヨリ:……『心配』の一念だった。目の前の彼への。
四之宮サヨリ:「……けれど、私はまだ生きているから」
四之宮サヨリ:「死んでしまった弟の分も、歩く義務があります。貴方ならば、女らしいと嗤うでしょうけれど」
四之宮サヨリ:「そして、その先に貴方達を……ノドスの生き残った人たちを、戦いの中死んでいった人たちを」
四之宮サヨリ:「無知だったこれまでと訣別し、知るためにも」
四之宮サヨリ:「今は、命を差し出すことは……出来ません」
GM:ザアアアア――
GM:それは木々のざわめきのようでもあった。だが違う。この半壊のピラーに、茂る緑はない。
GM:それは騒音。金属の装甲のこすれ合う音と、エンジン発火音が混じった、進撃の騒音だ。
"マスターゼウス":「如何にも軽薄な時間を過ごした。一切無為とまではいかないが」
"マスターゼウス":「推察も憐憫も、俺は求めん。いや、お前たちに何も求めるものか」
"マスターゼウス":「我が"ガマリエル"による十字冠の改竄が為った時点で、お前たちが何を選択できると思うな」
"マスターゼウス":「……計画を完済しよう」
◆ クライマックス戦闘:機神・ガマリエル
[[7] "ゼウス・ガマリエル" / [0]強化機構/ [8] 執行者Ba型*2 / [17] 執行者Br型*2 / [9] 執行者Mo型*2 / [14] 執行者Ne型*2]
│
1m
│
[[9] "ブロンテス"]
│
4m
│
[[1] 執行者Cu型*2]
│
5m
│
[[6]齋藤リッコ / [10]後藤スダチ / [11]四之宮サヨリ / [5]綾云媛]
│
5m
│
[セイクリッドピラー 残耐久力332]
◆ クライマックス戦闘:機神・ガマリエル
・"ゼウス・ガマリエル"と同地点に、『強化機構』が存在する。『強化機構』は無限のHPを持ち、ゼウス・ガマリエルが戦闘不能になるのと同時に戦闘不能となる。
『強化機構』は"ゼウス・ガマリエル"とまったく同じエフェクトを保有するが、行動するのはセットアッププロセスのみであり、他の行動は一切取らない。
・当シーンに登場しているエネミーは、セイクリッドピラーへ攻撃することがある。その際、発生したダメージの1/4分だけ、耐久力を減らすことができる。
ただし、その攻撃が範囲(選択)以上の範囲を持っていた場合、耐久力減少値は2倍(発生したダメージの1/2分)となる。
セイクリッドピラー耐久力が0になった場合、敗北となる。
・勝利条件は"マスターゼウス"の撃破。
GM:鋼鉄の雲霞が――夜空を埋める。ノヴァリスの大十字冠、その光すら阻むように。
"マスターゼウス":「……末期の言葉を許す」
"マスターゼウス":「破壊が始まれば、もはや記録にも残らん」
齋藤リッコ:「ッ……」
齋藤リッコ:視界を埋め尽くすその圧倒的な物量に、思わず気圧される。
齋藤リッコ:(う~~~~ん……)
齋藤リッコ: (……勝てなくない……!?)
齋藤リッコ: この状況、決して後に退くわけにはいかない。だが勝つビジョンが見えない。
齋藤リッコ:(神聖二重冠の……リザレクトが効かない状態で戦ったことは何度もある)
齋藤リッコ:(でも、これは違う……!出力は下がっていく一方なのに、再生だけ封じられて……!)
齋藤リッコ:(こんな状態じゃ戦えない……!反撃の、手立て……何か……何か考えないと……)
齋藤リッコ:(……勝機が無い……!)
齋藤リッコ:本当に無力だった頃から神聖二重冠の齎す奇跡に助けられてきたリッコにとって、“マスターゼウス”の取った一手は、他の誰よりも効果的に作用した。
齋藤リッコ:呼吸が早まり、足が竦みそうになる。
齋藤リッコ:(あたしがここで折れるわけにはいかない……)
齋藤リッコ:胸のポケットにしまった、小さな付箋に触れる。
齋藤リッコ:(ノヴァリスを……あたし達の学校を……こんな風に壊されるわけにはいかない……!)
齋藤リッコ:必死に思考を巡らせ、考えて、考えて。
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:やがて、その結果。
齋藤リッコ:悠然と佇む“マスターゼウス”から目を逸らし、あらぬ方向に顔を向ける。
齋藤リッコ:「……行けない!?」
齋藤リッコ:「……テスラ……!」
テスラ・タイタニス:――君が直前に見た彼女は、へたりこみ、涙を流して項垂れていた。
テスラ・タイタニス:今、彼女は違う。……涙の流れた痕は消えず、しゃがみこんだままであったが
テスラ・タイタニス:「……彼が」
テスラ・タイタニス:「本当に十字冠を改竄していたとしたら……」
テスラ・タイタニス:「オーヴァードを保護する能力だけを、安全に残している訳が……ありません」
テスラ・タイタニス:「…………私はここから、本当に……」
テスラ・タイタニス:「始められるんでしょうか」
テスラ・タイタニス:ほんの僅かにだが、顔を上げている
齋藤リッコ:「……それは」
齋藤リッコ:「あんた自身が決めることでしょ」
齋藤リッコ:「自分が『始めよう』って思ったなら」
齋藤リッコ:「その時が、あんたにとっての『始まり』なのよ」
テスラ・タイタニス:躊躇か、逡巡か。空を恐ろしいほどの破滅の予兆が覆う下、沈黙の時間は長かった
テスラ・タイタニス:だが、その唇は開く
テスラ・タイタニス:「私もろともに、全てが……壊れてしまえば良いと思った」
テスラ・タイタニス:「…………」
テスラ・タイタニス:「思っていました」
テスラ・タイタニス:「あなたのせいで、今は……」
テスラ・タイタニス:「そうじゃない」

GM:NPCカードが追加されます。
[NPCカード:テスラ・タイタニス]
【北風】
すべてのキャラクターは、毎ラウンドのセットアッププロセス前、衝動判定を行える。その難易度は0である。
[NPCカード:テスラ・タイタニス(2)]
【太陽】
すべてのキャラクターは、メインプロセス前に侵蝕率を20増加できる。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:その顔を見下ろして、すぅ、と息を吸う。
齋藤リッコ:「……あたしは!!」
齋藤リッコ:「あんたのことを──信用してない!」
テスラ・タイタニス:「……私だって」
テスラ・タイタニス:「あなたが彼の行いを止められるとも思っていないし」
テスラ・タイタニス:「私の望みを止めたあなたのことは……嫌い」
齋藤リッコ:「ふん……」
齋藤リッコ:「あたしだってそうよ。でもね」
齋藤リッコ:「ここからやり直したいっていうなら、まずは」
齋藤リッコ:テスラに掌を差し出して。
齋藤リッコ:「行動で示しなさい」
テスラ・タイタニス:「……何で偉そうなの」
テスラ・タイタニス:差し出された手を取る 「一般生徒のくせに……」
齋藤リッコ:「はぁ~~~!? あんただって一般生徒でしょうが!!」
齋藤リッコ:「あれ?元生徒会長なんだっけ?でもクビになったんでしょ!おんなじよおんなじ!」
テスラ・タイタニス:「はあ……」 嘆息 「構いません、もう。立場が同じか、違うかなんて、そう重要なことではないんですから」
テスラ・タイタニス:「始めます。精々正気を保ってください」
テスラ・タイタニス:「しくじったら私のものですから」
齋藤リッコ:「言ってなさい」笑って
齋藤リッコ:「──勝つわよ」
◆ 1R
[[7] "ゼウス・ガマリエル" / [0]強化機構/ [8] 執行者Ba型*2 / [17] 執行者Br型*2 / [9] 執行者Mo型*2 / [14] 執行者Ne型*2]
│
1m
│
[[9] "ブロンテス"]
│
4m
│
[[1] 執行者Cu型*2]
│
5m
│
[[6]齋藤リッコ / [10]後藤スダチ / [11]四之宮サヨリ / [5]綾云媛]
│
5m
│
[セイクリッドピラー 残耐久力332]
GM:セットアッププロセスの前に……経験点を使いたい人がいたら宣言してください。これがラストチャンスです
後藤スダチ:そうだ!激アツすぎて忘れるところだったよ
後藤スダチ:経験点15点で《ポイズンフォッグ》を取得!これで十分な回数の範囲攻撃ができるぞ
GM:OKです。ではさらに、セットアッププロセスに入る前に……NPCカードの効果があります。
GM:難易度0の衝動判定を行って構いません。やりたい人はどうぞ
綾云媛:やります!
四之宮サヨリ:やります!
齋藤リッコ:やりまくり!
四之宮サヨリ:11dx+1>=0
DoubleCross : (11DX10+1>=0) → 10[1,3,3,4,5,6,7,8,9,10,10]+10[6,10]+5[5]+1 → 26 → 成功
齋藤リッコ:6DX+1>=0
DoubleCross : (6DX10+1>=0) → 8[2,2,3,3,7,8]+1 → 9 → 成功
後藤スダチ:4dx>=0
DoubleCross : (4DX10>=0) → 10[1,3,4,10]+2[2] → 12 → 成功
四之宮サヨリ:2d10+99
DoubleCross : (2D10+99) → 7[2,5]+99 → 106
齋藤リッコ:99+2D10
DoubleCross : (99+2D10) → 99+14[7,7] → 113
綾云媛:3dx+2>=0
DoubleCross : (3DX10+2>=0) → 10[2,4,10]+8[8]+2 → 20 → 成功
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を2D10(→ 16)増加(87 → 103)
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2D10(→ 10)増加(95 → 105)
GM:全員済んだと見受けます。では改めて……セットアッププロセス!
齋藤リッコ:怨念の呪石を使用します……これアイテムで上がる分は普通に上がるんでしょうか?
GM:いかん コマ作ってなかった ムニャムニャと作ります
GM:あっやべ、考慮してなかった……アイテムは下がるでお願いします エフェクトと同じ扱いです
齋藤リッコ:はーい
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を3減少(113 → 110)
後藤スダチ:《アクセル》《活性の霧》をサヨリさんに。ただ、侵蝕は下がっちゃうので攻撃+21、行動値+8ですね
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を-4増加(103 → 99)
四之宮サヨリ:ありがとうございます!上昇します。此方は無し!
綾云媛:《先陣の火》します!行動値を+15して20に。
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2減少(105 → 103)
"マスターゼウス":こちらも動きます。ゼウス・ガマリエルが《戦力増員》。自身の存在するエンゲージにBa型執行者を10体生産します
四之宮サヨリ:10?!
"マスターゼウス":ピラー……砲殺あるのみ!
綾云媛:やばすぎ
"マスターゼウス":強化機構が《サポートボディ》+《オーバーウォッチ》+《クロックフィールド》
後藤スダチ:嘘でしょ
齋藤リッコ:多すぎ
"マスターゼウス":。同エンゲージの全キャラクターの判定ダイスを+9、行動値を+5。ただし《サポートボディ》の効果により自身の判定ダイスは-5されます
齋藤リッコ:ピッカァ~~~??
四之宮サヨリ:ピガッ!?
"マスターゼウス":まあ、強化機構はこれ以外の行動はしないんだけども……
後藤スダチ:は、早すぎる~~ッ
綾云媛:ピイイ
GM:そ、それで……執行者Ne型。こいつはエフェクト、《戦局判断》を持ち……
GM:自分以外の単体の行動値を+12できる! 砲撃型、つまりBa型執行者2体をイニシアチブ25へ!
齋藤リッコ:チャァ~~~!?
四之宮サヨリ:ピッカァ...
後藤スダチ:コ、コラ~~ッ!!
綾云媛:ヒエ~ッ
"マスターゼウス":殺してやる……殺してやるぞノヴァリス
◆ 1R
[[7] "ゼウス・ガマリエル" / [0]強化機構/ [25] 執行者Ba型*2 / [22] 執行者Br型*2 / [14] 執行者Mo型*2 / [19] 執行者Ne型*2 / [13] 執行者Ba型*10]
│
1m
│
[[9] "ブロンテス"]
│
4m
│
[[1] 執行者Cu型*2]
│
5m
│
[[6]齋藤リッコ / [10]後藤スダチ / [11]四之宮サヨリ / [5]綾云媛]
│
5m
│
[セイクリッドピラー 残耐久力332]
GM:今こんな感じです。進めて良さそうだったら進めるぞ
齋藤リッコ:イニシアチブで《時間凍結》!手番を得たいです!
GM:アッ
"ブロンテス":すみません、《サポートデバイス》を使用。精神ダイスを+12します
四之宮サヨリ:めっちゃ増えてる
GM:執行者に処理負荷がかかっていて……申し訳ない。改めてイニシアチブですが
GM:こちらは割り込む手段を持っていません。よってリッコちゃんは凍結できる
齋藤リッコ:やったね
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を5減少(110 → 105)
テスラ・タイタニス:メインプロセスの前に侵蝕率を+20してもよいのよ
齋藤リッコ:しちゃお~♡
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を20増加(105 → 125)
齋藤リッコ:マイナーで戦闘移動、上方向Cu型のエンゲージに移動します
執行者Cu型:俺たちの懐に飛び込んでくるとはな
齋藤リッコ:むさくるしい
齋藤リッコ:メジャーで《コンセントレイト:サラマンダー》+《プラズマカノン》のみで攻撃。対象ブロンテスです
GM:判定をどうぞ!
齋藤リッコ:10DX7+6+2
DoubleCross : (10DX7+8) → 10[1,3,4,5,6,6,6,7,7,10]+10[1,9,10]+10[4,10]+10[9]+10[7]+1[1]+8 → 59
綾云媛:つよいぞ
四之宮サヨリ:気合!
"ブロンテス":おのれキングダム一般生徒……《リフレックス:オルクス》《幸運の守護》にてドッジを試みます
"ブロンテス":18dx8+4=>59
DoubleCross : (18DX8+4>=59) → 10[1,1,2,2,3,3,3,3,4,5,5,6,6,9,9,10,10,10]+10[1,1,6,7,9]+4[4]+4 → 28 → 失敗
齋藤リッコ:コワ~~~
GM:無理とはな。ダメージをどうぞ!
齋藤リッコ:ダメージ! え~と
齋藤リッコ:6D10+30+2D10+2D10+16
DoubleCross : (6D10+30+2D10+2D10+16) → 27[4,2,5,3,6,7]+30+6[1,5]+17[8,9]+16 → 96
四之宮サヨリ:無しでこれ?!
齋藤リッコ:意外と出た
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を7減少(125 → 118)
"ブロンテス":良い一撃じゃないですか……早速使ってしまおう。《隆起する大地》+《浮遊する大地》です
"ブロンテス":3d10+15
DoubleCross : (3D10+15) → 12[2,4,6]+15 → 27
"ブロンテス":27点減衰して……それでも69点! 装甲とガードも引いて貰っておきましょう
齋藤リッコ:堅いよ~
後藤スダチ:防御性能が本当に豊富で嫌なデータ!
齋藤リッコ:ドッジ型がこんなに堅いことある?
"ブロンテス":あとガードは引かないよ 装甲だけです
"ブロンテス":それくらいしないと死ぬんだよなあ……!
GM:イニシアチブを進めましょう。他に割り込みがなければ……執行者が動く!
後藤スダチ:やめてくれー
四之宮サヨリ:ひん……
綾云媛:もうない……
齋藤リッコ:早すぎる~~
GM:執行者Ba型。1機は君たちのエンゲージへ攻撃します。《コンセントレイト:バロール》+《暗黒の槍》+《因果歪曲》+《黒の鉄槌》+《魔王の覇気》
GM:範囲(選択)を対象とした装甲無視ダメージ(至近不可)。命中すると次の攻撃の攻撃力-16。君たちというのはスダチ・サヨリ・綾のエンゲージのこと!
執行者Ba型:7dx7+2 範囲制圧
DoubleCross : (7DX7+2) → 10[1,1,2,2,5,7,7]+10[4,8]+1[1]+2 → 23
後藤スダチ:マスターゼウス、今すぐ「君」に改名してくれないかな
執行者Ba型:リアクションをどうぞ
四之宮サヨリ:試みます、ドッジ
後藤スダチ:3dx+1>=23
DoubleCross : (3DX10+1>=23) → 7[2,5,7]+1 → 8 → 失敗
四之宮サヨリ:5dx+3>=23
DoubleCross : (5DX10+3>=23) → 10[1,4,4,6,10]+1[1]+3 → 14 → 失敗
綾云媛:7dx+2>=23 ドッジ
DoubleCross : (7DX10+2>=23) → 10[2,3,4,5,5,7,10]+6[6]+2 → 18 → 失敗
四之宮サヨリ:うーんがんばった
綾云媛:くっ……
GM:がんばりがそこかしこから
執行者Ba型:出すぜ ダメージを
綾云媛:カバーしようかな
後藤スダチ:火力に影響するサヨリさんを守ってもらいたいですね
後藤スダチ:私はこのターン活性の霧も入れてないから、どのみち弱い
四之宮サヨリ:うああ、助かります……
綾云媛:OK!では《砂の結界》。サヨリさんをカバーします!
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2減少(103 → 101)
GM:ではダメージが出る!
執行者Ba型:3d10+10
DoubleCross : (3D10+10) → 18[8,5,5]+10 → 28
執行者Ba型:装甲無視です
後藤スダチ:ぐえー、死んだンゴ 本部長のロイス早速切って復活しようかな
後藤スダチ:この緊急事態に何をやってるんだ本部長は!
綾云媛:死にます!ノドスの襲撃者……つまりは“マスターゼウス”に取っていたロイスを昇華して復活。
後藤スダチ:感情もNの不満:◯を表にしてやる
綾云媛:綾云媛の昇華数を1増加(0 → 1)
綾云媛:綾云媛のHPを14に変更(1 → 14)
齋藤リッコ:みんな~~ッ
四之宮サヨリ:ありがとう……
GM:ラウンドは進みます。Ba型はもう一機いるが
執行者Ba型:ピラー砲撃しま~~~す 組み合わせは同じ
綾云媛:ヒ~ン
後藤スダチ:やめてくれ~
執行者Ba型:7dx7+2
DoubleCross : (7DX7+2) → 10[2,4,6,7,8,8,8]+10[2,4,7,10]+10[6,7]+2[2]+2 → 34
後藤スダチ:ピラーならいいとか、私達ならいいとかじゃなくて
四之宮サヨリ:ここぞとばかりに値が強い
後藤スダチ:どっちもやめてほしい
齋藤リッコ:やる気が……
執行者Ba型:4d10+10
DoubleCross : (4D10+10) → 17[5,2,2,8]+10 → 27
綾云媛:落としがいのあるデカブツあるって!そっちにしな
執行者Ba型:半減して14耐久値が減ります
後藤スダチ:(サヨリさんのことかな……)
執行者Ba型:ピラー残耐久力318 2ターンあれば片がつくな
GM:イニシアチブを進めましょう。Br型が2体。それぞれ動きます
GM:まず第一。突出してきたリッコちゃんを撃ちましょう
執行者Br型:マイナーで《追撃の魔弾》。このメインプロセスでは《赫き弾》による射撃攻撃を2回行います
齋藤リッコ:ギャアアア
執行者Br型:メジャーアクション。《コンセントレイト:ブラム・ストーカー》+《赫き弾》
執行者Br型:10dx9
DoubleCross : (10DX9) → 10[2,2,3,3,3,5,5,7,8,10]+4[4] → 14
齋藤リッコ:暴走しており判定ができませぬ!!!!
執行者Br型:2d10+16
DoubleCross : (2D10+16) → 10[1,9]+16 → 26
執行者Br型:諸々有効のダメージです
齋藤リッコ:ギャア~~~ッ
齋藤リッコ:宣言を忘れておりましたが時間凍結でHPが28>8になっています
齋藤リッコ:死!エアリ会長のロイスを昇華して復活します
執行者Br型:追撃の魔弾は二度撃つ! さっきと同じ組み合わせ!
執行者Br型:10dx9
DoubleCross : (10DX9) → 10[2,2,3,4,5,5,7,8,9,10]+5[2,5] → 15
齋藤リッコ:暴走しており判定ができませぬ!!!!!
執行者Br型:2d10+16
DoubleCross : (2D10+16) → 7[2,5]+16 → 23
齋藤リッコ:グアアアアアアア
執行者Br型:受け取っておきな
齋藤リッコ:四之宮サヨリ 〇連帯感/心配でロイスを取得 昇華して復活します
GM:で、もう1機はやっぱりピラーを狙います。人型の連中は勝手に死ぬだろ……動けば動くほど侵蝕率下がる状態だし……
執行者Br型:10dx9
DoubleCross : (10DX9) → 10[3,3,3,3,3,7,7,8,9,9]+7[6,7] → 17
執行者Br型:2d10+16
DoubleCross : (2D10+16) → 5[4,1]+16 → 21
執行者Br型:10dx9
DoubleCross : (10DX9) → 10[4,5,5,6,6,6,8,9,10,10]+10[2,5,9]+10[9]+10[10]+3[3] → 43
四之宮サヨリ:?
後藤スダチ:強くない?
綾云媛:がんばるなC9で
執行者Br型:5d10+16 ピラー撃てて楽しくなってるな
DoubleCross : (5D10+16) → 23[4,3,4,4,8]+16 → 39
執行者Br型:合計60。単体攻撃なので1/4されて15です
GM:セイクリッドピラー 残耐久力303
後藤スダチ:綾ヤンヤ……
齋藤リッコ:ヒ~~
GM:イニシアチブを進めます。綾さんの手番! どうする?
綾云媛:マイナーでCu型にエンゲージします
綾云媛:じゃない
綾云媛:侵蝕を上げないと
GM:あっ、ごめんなさい。私のアナウンスが漏れていた
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を20増加(101 → 121)
テスラ・タイタニス:メインプロセス前に侵蝕率を20上げられるのよ
綾云媛:あげました 屈辱……
綾云媛:メジャーの前に……「原初の混沌」を使用!スカルスローンを取得します。
GM:キャアァァ
綾云媛:メジャーは《物質合成》。対象は……
綾云媛:この極光剣と……スカルスローンです。
GM:ヒイイィィィ
後藤スダチ:この人犯罪者です
綾云媛:攻撃力69 ガード値21の……100%以上のみ使用できる素手と扱われる武器ができました
GM:なにつくろ~ なにつくろ~ 右手が極光 左手がスカル
GM:????
齋藤リッコ:ナニコレーッ
四之宮サヨリ:コンゴトモヨロシク……
後藤スダチ:君の素手ってこんななの?
GM:これって本当にマッサージなんですか?
綾云媛:これで手番終わりです
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を5減少(121 → 116)
GM:何らかの恐ろしい行いを尻目に、イニシアチブを進めましょう。イニシアチブ同値で、サヨリさんの手番です。どうする?
四之宮サヨリ:はい
四之宮サヨリ:まずは侵蝕20いただきます!
四之宮サヨリ:126に!
四之宮サヨリ:マイナーで気合入れます、バベルの効果2回目を使用。
四之宮サヨリ:メジャーアクション!コントロールソート射撃、コンセントレイト、バリアクラッカー……そして取得した万軍撃破……!
四之宮サヨリ:対象はシーン選択!盤面の敵全て!
GM:来たな……ではその判定の前に
"マスターゼウス":"マスターゼウス"にはこれがある。 《守護者の巨壁》
四之宮サヨリ:なにっ……?!
"マスターゼウス":正確にはゼウス・ガマリエルですが……これで対象をゼウス・ガマリエル私1体にします
後藤スダチ:この人犯罪者です
齋藤リッコ:最悪!
四之宮サヨリ:バズヴさん……!お願いできますか……!
"バズヴ・カタ":もちろん
GM:一応……宣言してください! なんかGMがこれだよね~とするのも変なので……
GM:(何をするかは……分かっていますが!)
四之宮サヨリ:【因業の一矢】!守護者の巨壁を打ち消して……!
GM:[NPCカード:"バズヴ・カタ"(2)]
【因業の一矢】
1シナリオ1回、難易度:自動成功のエフェクトの効果を打ち消す。ただし、エネミーエフェクトと「制限」に120%を含むエフェクトは打ち消せない。
"バズヴ・カタ":打ち消します。これで対象はサヨリさんの宣言した通りだ
"バズヴ・カタ":がんばれ!
四之宮サヨリ:回します……!
四之宮サヨリ:12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,1,2,3,4,4,5,5,8,8,8,9]+10[1,7,8,9]+10[1,6,10]+4[4]+4 → 38
四之宮サヨリ:結構伸びた……!
GM:ハアハア……順番に見ます
執行者Cu型:《竜鱗》。装甲で受けます
執行者Cu型:バリアクラッカーがあるから……意味はないと思うけども……!
執行者Ba型:ガードし……バリアクラッカーがあるから意味ない!
GM:以下省略してドッジするやつだけでお送りします
執行者Br型:6dx+1=>38
DoubleCross : (6DX10+1>=38) → 9[1,3,5,7,8,9]+1 → 10 → 失敗
執行者Br型:6dx+1=>38
DoubleCross : (6DX10+1>=38) → 10[2,7,8,8,8,10]+1[1]+1 → 12 → 失敗
執行者Ne型:4dx+1=>38
DoubleCross : (4DX10+1>=38) → 6[1,2,4,6]+1 → 7 → 失敗
執行者Ne型:4dx+1=>38
DoubleCross : (4DX10+1>=38) → 7[1,5,6,7]+1 → 8 → 失敗
"ブロンテス":《リフレックス:オルクス》《幸運の守護》
"ブロンテス":18dx8+4=>38
DoubleCross : (18DX8+4>=38) → 10[2,2,4,4,5,5,5,5,6,6,6,6,7,7,8,10,10,10]+10[7,7,9,10]+6[3,6]+4 → 30 → 失敗
"ブロンテス":ぐおおお……!
齋藤リッコ:怖い!
GM:ドッジする連中は……以上です。こいつらは全員トループなので、カバーリングも発生しない……
GM:ダメージを……どうぞ!
四之宮サヨリ:命中処理終わりかな……!
四之宮サヨリ:フェイタルヒット……!
綾云媛:《餓狼の爪》も使います!
齋藤リッコ:殺してたも~~殺してたも~~~
綾云媛:私のエンゲージに存在する対象を狙う攻撃に使用できるエフェクトで……
綾云媛:私の素手の攻撃力だけ……ダメージを増やしてください
後藤スダチ:お金と2D10も忘れずにねッ
後藤スダチ:ヤバ~~
後藤スダチ:そんなことできるの
GM:狂っとる!!
四之宮サヨリ:攻撃そのもののダメージ上げちゃうのッ
綾云媛:69点です
四之宮サヨリ:ケイサンチュウ......
四之宮サヨリ:4d10+4d10+3d10+1d10+22+2d10+7+21+69
DoubleCross : (4D10+4D10+3D10+1D10+22+2D10+7+21+69) → 28[5,10,3,10]+20[5,8,4,3]+12[1,4,7]+5[5]+22+12[8,4]+7+21+69 → 196
GM:アワワ……
齋藤リッコ:ヒェ~~~
綾云媛:えっぐ
四之宮サヨリ:装甲もガードも無視!吹っ飛べー!
GM:まず執行者は、言うまでもなく……全滅します。丁寧な気持ちで大切に並べた執行者ちゃんたちが……!!
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を3減少(116 → 113)
"ブロンテス":"ブロンテス"だってそれを耐えられる訳がない! 戦闘不能になりますが、
四之宮サヨリ:侵蝕が17下がって……109!
"ブロンテス":こいつにはこれがある。《魂の錬成》! HP40で復活します
齋藤リッコ:しぶとい
"マスターゼウス":強化機構は最初に説明した通り無限のHPを持つので意味がありません。
"マスターゼウス":ゼウス・ガマリエルは《電磁反応装甲》を惜しまず使用。120点軽減して76点ダメージに押さえます
"マスターゼウス":押さえてこれ?
四之宮サヨリ:くっ……
後藤スダチ:電磁反応装甲もでかいなあ
◆ 1R
[[7] "ゼウス・ガマリエル" / [0]強化機構]
│
1m
│
[[9] "ブロンテス"]
│
4m
│
[[6]齋藤リッコ / [5]綾云媛]
│
5m
│
[[10]後藤スダチ / [11]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[セイクリッドピラー 残耐久力303]
GM:狂いそう……!
綾云媛:きれいになった
齋藤リッコ:涼しくなったな……
四之宮サヨリ:すっきりしたぜ……
GM:イニシアチブを進めましょう。スダチちゃんの手番! どうする?
後藤スダチ:ブロンテスを始末するのが優先って感じはあるけど
後藤スダチ:まず当たるかだな……!攻撃力も下がってるしなあ
後藤スダチ:行動方針を決めました。マイナーで2m前進して、オートアクションでウェポンケースのSTALKERを装備。
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》でマスターゼウスを攻撃します。
後藤スダチ:9dx7+6+3+2
DoubleCross : (9DX7+11) → 10[1,5,7,7,7,7,7,9,9]+10[2,2,4,6,7,7,8]+5[3,4,5]+11 → 36
後藤スダチ:達成値は順調
後藤スダチ:問題は攻撃力だが……
"マスターゼウス":ガードします。《磁力結界》を宣言。丁寧に減らしていくぞ
後藤スダチ:ひーん、ダメージでなさそう~
後藤スダチ:4d10+9-16+1d10+2d10+6
DoubleCross : (4D10+9-16+1D10+2D10+6) → 15[6,2,4,3]+9-16+1[1]+10[1,9]+6 → 25
後藤スダチ:ブロンテス行かなくてよかったな……!これはギリギリ足りなかったはず
"マスターゼウス":4d10
DoubleCross : (4D10) → 26[8,4,7,7] → 26
"マスターゼウス":磁力結界だけで弾いちゃった。でも装甲は-10されます
齋藤リッコ:カチカチすぎる
四之宮サヨリ:ウギャッ~
綾云媛:結果オーライだぜ
後藤スダチ:あ、そういえば
後藤スダチ:行動前に侵蝕上げてなかったです
後藤スダチ:なので装甲は-5になっちゃうかも
テスラ・タイタニス:ごめんね 連携になれていなくって
齋藤リッコ:かわいいね
テスラ・タイタニス:上げたことにしていいよ
後藤スダチ:え~優しい~
後藤スダチ:こんな優しい子にひどいことしたシャムロック自由学園って許せないな
後藤スダチ:じゃあまず侵蝕+20させてもろて……
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を20増加(99 → 119)
後藤スダチ:ここから4減らします
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を-4増加(119 → 115)
後藤スダチ:これで完璧!
GM:ではダメージは通らなかったがゼウスの装甲は-10!
GM:イニシアチブを進めます ブロンテスが動く
"ブロンテス":マイナーで《シールドクリエイト》、メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《砂の刃》《縛鎖の空間》《要の陣形》《未知なる陣形》
"ブロンテス":5名を対象にし、ガード値-5、命中時重圧+放心を付与する攻撃になります。むろん君たち全員を対象とする
綾云媛:ヤダ~
後藤スダチ:助けてたも~
齋藤リッコ:これは~~~~
四之宮サヨリ:嫌すぎる~~~
"ブロンテス":さらに、先んじて宣言しておくと
"ブロンテス":綾さんにダメージが入った場合、必ずエンブレム:抹消者を使用し、遺産継承者のDロイスを無効化します
後藤スダチ:そうだよね……!
齋藤リッコ:オイオイオイ
"ブロンテス":他の連中はどうでもいい
綾云媛:やめろ~~~
後藤スダチ:絶対手加減してくれないよなそこは
四之宮サヨリ:ま、抹消者……!
齋藤リッコ:そんなことさせん!
"ブロンテス":何ィ……
齋藤リッコ:『再回転』で《時の棺》の使用回数を復活 使用して判定を失敗させます!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を10減少(118 → 108)
綾云媛:リッコさん……いや リッコ様……!
四之宮サヨリ:最強王……!
後藤スダチ:キングダムの生徒がブロンテスの邪魔をする!
"ブロンテス":くっ……では攻撃を失敗します これだからキングダムは
GM:イニシアチブを進めましょう。ゼウス・ガマリエルが動く
"マスターゼウス":誰もいなくなっちゃったな……
後藤スダチ:セイクリッドピラーががらんとしちゃったよ
"マスターゼウス":マイナーで1m前進。《高速錬成》+《ヒール》+《砂の鎧》+《解放の雷》。
"マスターゼウス":いや……
"マスターゼウス":進みたくねえ……なんか範囲攻撃の気配するし……
綾云媛:まさか……気づいたのか
齋藤リッコ:そんなことしないリコよ~
"マスターゼウス":せっかくのブロンテス迫真の1m前進によるエンゲージ切断の厚意を無駄にしたくはない! 普通に《ヒール》+《砂の鎧》+《解放の雷》にします。対象はブロンテス
四之宮サヨリ:なにっ……
"マスターゼウス":対象のHPを回復し、装甲値を+12、次のメジャー判定のC値を-1し、攻撃力を+8します
齋藤リッコ:やめろォ!
"マスターゼウス":ドキドキの回復量は?
"マスターゼウス":6d10+1
DoubleCross : (6D10+1) → 25[6,2,4,3,2,8]+1 → 26
"マスターゼウス":悪くない。これでなんとかしろよ
後藤スダチ:サヨリさん消し飛ばしてくれ~
四之宮サヨリ:命中ダイス、頼む……
GM:イニシアチブを進めます。リッコちゃんの手番だ。どうする?
齋藤リッコ:はい!マイナーでブロンテスにエンゲージ
齋藤リッコ:メジャーでコンボ【輝かざる星】
齋藤リッコ:《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》
齋藤リッコ:ブロンテスに攻撃します
"ブロンテス":来い……!
齋藤リッコ:Dロイス守護天使も使おう 2回目!
齋藤リッコ:あっ失礼
齋藤リッコ:手番2回目だけど侵蝕上げてもいいんでしょうか?
テスラ・タイタニス:そうそう 手番前に侵蝕率を20上げられるよ
綾云媛:2回動くと爆アゲできるんだ
テスラ・タイタニス:問題ないよ しくじったら私のものになるだけだし……
齋藤リッコ:こんな背中見せてる女になんて絶対に負けない!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を20増加(108 → 128)
齋藤リッコ:15DX7+6+2
DoubleCross : (15DX7+8) → 10[1,2,2,2,2,5,6,6,8,9,9,9,9,10,10]+10[1,2,5,5,6,8,8]+10[3,9]+1[1]+8 → 39
齋藤リッコ:う~~~~む 悪くは無いが……
"ブロンテス":《リフレックス:オルクス》《幸運の守護》 ドッジします。勝負……!
"ブロンテス":18dx8+4=>39
DoubleCross : (18DX8+4>=39) → 10[1,1,3,3,5,5,6,6,7,7,7,8,8,9,9,10,10,10]+10[6,6,6,7,7,8,10]+6[4,6]+4 → 30 → 失敗
"ブロンテス":グウウウウ
齋藤リッコ:怖すぎる
綾云媛:やった~
四之宮サヨリ:よしっ……!
GM:ダメージを……どうぞ!
齋藤リッコ:死んでくれ~~~
齋藤リッコ:4D10+48+2D10+2D10+16
DoubleCross : (4D10+48+2D10+2D10+16) → 29[9,8,9,3]+48+9[3,6]+4[1,3]+16 → 106
綾云媛:やるじゃん
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を11減少(128 → 117)
後藤スダチ:リッコが強い!
四之宮サヨリ:いっけー!
"マスターゼウス":ここで出てくるのは当然……《デモンズウェブ》!
齋藤リッコ:なんだこいつ!?
四之宮サヨリ:ヌ”ウウウウ
"マスターゼウス":7d
DoubleCross : (7D10) → 25[8,1,1,1,2,4,8] → 25
綾云媛:何が当然なんだ
"マスターゼウス":ウッ
"ブロンテス":……生きている! ヒールと砂の鎧がなければ死んでいた……!
齋藤リッコ:ウソオオオオオ!!(ウソッキー)
"ブロンテス":言うまでもなく死に体ではありますがね……フフ……
GM:イニシアチブを進めますが、最後の強化機構はメインプロセスでも何もしません。よって何もなし
GM:クリンナップを経て次のラウンドに進みます
齋藤リッコ:NPCカードを使いたいです!
"ブロンテス":ちなみに私の残りHPは5ですが……1でもあれば一手番を稼げるというものですよ……
GM:何だとお……
齋藤リッコ:エイヴさんの最初の効果を使用します
齋藤リッコ:タロットによる占いの結果なんか5点払えばいいような気がするので
齋藤リッコ:財産点5点消費してダメージ!
エイヴ・ド・レスタイム:5点の財産点を受け取り、5確定ダメージ分殴ります
齋藤リッコ:財産16>11
"ブロンテス":ワーッ!?
"ブロンテス":という訳で……戦闘不能です。復活エフェクトも、もうなし!
綾云媛:綾ッター!
齋藤リッコ:お金の力ってすごい!
後藤スダチ:綾糸ー夌!
◆ 2R
[[7] "ゼウス・ガマリエル" / [0]強化機構]
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5m
│
[[6]齋藤リッコ / [5]綾云媛]
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5m
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[[10]後藤スダチ / [11]四之宮サヨリ]
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5m
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[セイクリッドピラー 残耐久力303]
"マスターゼウス":機神、ゼウス・ガマリエルは、その配下たる戦闘機械の量産速度を緩めはしない。
"マスターゼウス":砲撃を得意とする型式の物が特に建ち並びつつあった。魔眼の砲弾を降り注がせる形で、いよいよセイクリッドピラーへトドメを刺す目論見だろう。
"マスターゼウス":(奴らの力は完全に封じた)
"マスターゼウス":(追加にて参ずる戦力もいよいよ有り得ん)
"マスターゼウス":(終わりだ)
"ブロンテス":「……」「……なるほど……」
"ブロンテス":"マスターゼウス"に比べ、"ブロンテス"は少しだけそれに気付くのが早かった。
テスラ・タイタニス:数時間前まで、疑う余地なく全ノヴァリスの敵だった彼女が
テスラ・タイタニス:数時間前まで、完全に屈服させられノドスの駒となっていた彼女が
テスラ・タイタニス:――壮麗なる自滅を望んでいた彼女が。
テスラ・タイタニス:手を合わせる。君たちは全員、ぞわりと身体の内奥が粟立つような感覚を覚えたはずだ。
テスラ・タイタニス:決して彼女の能力の性質が変わった訳ではない。たまたまこの状況ではプラスに働くというだけである。
テスラ・タイタニス:「……出力は下げていますから、本当に拒みたいなら拒んでくださって構いません」
テスラ・タイタニス:「ですが、そうでなければ……」
テスラ・タイタニス:「……どうか震えてでも受け入れてください」
GM:……自身という存在の芯から、禍々しい感覚が湧き上がるのを感じるだろう。オーヴァードとして、ジャームの知識があり、それを忌避する理性があれば
GM:反射的に抗わなければならないと直感できる、自分が変わってしまうかのような寒気。だがこの局面においては……十字冠に力を縛られているこの瞬間だけは
GM:極寒の海、南を目指すならば、北風を帆に受ける必要があるように。……それを受ける意味がある。
齋藤リッコ:「ッ、ふ……」
齋藤リッコ:身体の内側から這い上がる、魂そのものを侵されるかのような悪寒を噛み殺す。
綾云媛:「ぐっ……ぎっ……!」吐き気を噛み殺す。膝を付く。
綾云媛:“それ”を初めて受けた。(出力を……)
綾云媛:(出力を下げてこれか)
綾云媛:「ぐうううう……!」口を開かないようにして、獣のように呻いている。
四之宮サヨリ:「…………っ、ふ ぅ……」
四之宮サヨリ:異常な侵蝕の増幅。忌避の感覚。だけど。
四之宮サヨリ:(先程受けた時と比べれば……なんて、優しい)
四之宮サヨリ:既に麻痺しているのかもしれない。目の前の重圧と打ち消し合っているだけなのかもしれない。
後藤スダチ:「う……っ」吐き気と寒気。それに耐え、本能では抵抗しようとしてしまう。
後藤スダチ:劇的――と十分に言い表して良いだろう。齋藤リッコとテスラ・タイタニスの和解を見た。それでもなお。
後藤スダチ:「信用して……い、いいんだね……!?リッコちゃん……!」
後藤スダチ:『彼女にも事情があるかもしれない』と述べたのは自分自身だ。それでも真実、テスラ・タイタニスと和解できるなどとは、今まで信じられていなかった。
齋藤リッコ:「少なくとも……あたしは……」
齋藤リッコ:「今は……あいつに賭けるしかない……!」
後藤スダチ:選択の余地はない。齋藤リッコの言う通りだ。今の戦局を、数秒後の戦局を見て、必死に思考する!それが可能なだけのレネゲイド出力は確保できた!
後藤スダチ:(敵も)この後に、第二陣、第三陣が控えているのか?別の本命の手がまだあるのか?
後藤スダチ:(――追い詰められていないはずがない!)
齋藤リッコ:おぞましい感覚の代償に、力が湧いてくる。衝動が喚起され、己の能力を解放せよと内なるレネゲイドが騒ぎ立てる。
齋藤リッコ:「……テスラ!! ビビッてんじゃないわよ!!」
齋藤リッコ:「……こんなもんじゃないでしょ!!」
テスラ・タイタニス:「…………」 ゆるく目を閉じ、手遊びのように両手の五指を合わせている
綾云媛:「は?お前……!」思わず叫びかける。
綾云媛:(恐れがないのか?)
テスラ・タイタニス:だが、その声に応じ片目だけを開いた 「あるのね、まだ猶予が」
齋藤リッコ:「あたしだけでいい」ひどく冷たい汗を浮かべながら、テスラを見る。「来なさいよ」
テスラ・タイタニス:合わせていた手の片方を、リッコへ差し出す。さらなる寒気が、背骨を無数這い登る
テスラ・タイタニス:だが、そこに君の動作を妨げ、命を削る性質はない。……力が高揚する感覚が、確かに伴っている!
"ブロンテス":(これは……)「駄目ですね」
"ブロンテス":"ブロンテス"が不意に君たちから目を離した 「"ゼウス"、まだピラーではない。万難を排し――」
齋藤リッコ:「っぐ……ぅあぁあぁああああッ……!!」
齋藤リッコ:衝動に呑まれかけると同時、その輝きを奪われていた神聖二重冠が、再び火を灯されたかのように輝きを放つ。
齋藤リッコ:(──行ける!!)
齋藤リッコ:強風に背を押され、よろめきながらそのまま走り出すかのように。
齋藤リッコ:テスラの干渉を受けるがまま、全開で能力を行使する。
齋藤リッコ:リッコの姿が掻き消え、同時。
齋藤リッコ:──轟音。
齋藤リッコ:巨大な炎の剣が、一切の予備動作無しに“ブロンテス”の眼前へと降り注ぐ。
齋藤リッコ:超高熱の爆炎が装甲を溶解させ、暴風が吹き荒ぶ。
"ブロンテス":「て――」 直撃の瞬間、振り返りながら何らかの防御反応をしたのは見えた
"ブロンテス":だがそんなものは、その一撃を前に薄紙に等しかった。振り下ろされた炎は"ブロンテス"をの装甲を縦断し、深く抉る
齋藤リッコ:「ッは……!」
齋藤リッコ:波が引くように、急速に衝動が落ち着いていくのを感じる。普段とは真逆の、異様な感覚ではあるが。
齋藤リッコ:「……大丈夫……!!」
齋藤リッコ:「戦って、みんな……! 力を使うほうが安定する!」
"マスターゼウス":「……何」
"マスターゼウス":彼のその姿に眼と言えるものはない。だが、その意識が君たちへ改めて向いたように思えた
"マスターゼウス":「を、抜かしている」
"マスターゼウス":「騒がしい――!」
GM:……『執行者』たちが一斉に攻撃を開始する。弾丸が立て続けに降り注ぎ、魔眼の砲弾が次々爆ぜる。
GM:だがそれは、君たちを狙ってはいなかった。当初狙っていたピラーへの攻撃志向を、少しばかり広めて、君たちを巻き込むように調整した程度。
GM:傷は負うだろう。その傷は塞がらないし、痛みもある。その上身体の内側からは、オーヴァードとして回避したい衝動が這い上がってくる。
GM:だが、もしリッコの言葉を信じるのであれば……どうするべきかは明快だった。
後藤スダチ:「……!!!」砲撃の余波なのだろう。魔眼の欠片に体を撃ち抜かれている。
後藤スダチ:(あれだけの物量の魔眼だと、観測できなくても実体に影響が及ぶ力場が飛散するのか……)
綾云媛:四之宮サヨリの前に踊り出、その痛みを我がものとした。
四之宮サヨリ:「云媛さん……!」爆風を遮られながら、増加する侵蝕の制御を続ける。
綾云媛:「ふ、は、は……!痛い……!」凶相を見せて笑う。
綾云媛:これであれば……衝動の深淵に飲まれることはないと確信する。
齋藤リッコ:「げっ…… ぐ……あぁっ……!?」
齋藤リッコ:砲撃をまともに喰らい、傷を凍結させ、あるいは焼き塞ぎながら……侵蝕を抑制されたまま、更に無理やりに上昇させられる。
齋藤リッコ:「はーっ……はーっ……もうどうなってんのこれ……!? 頭おかしくなりそう……!!」
後藤スダチ:リザレクトによる自然治癒を見込むことができず、逆に衝動侵蝕を受け入れなければ傷が塞がらない状況。
後藤スダチ:訓練によって身につけた技術や勘では対応のできない領域だろう――少なくとも、後藤スダチが持ち合わせる範囲では。
後藤スダチ:(逆だ……!今までの戦闘経験で身につけた本能とは、逆の思考ルーチンを打ち込む!)携帯端末を介して、外部思考デバイスにマニュアル操作で入力する。
綾云媛:「いいですね……これを厭うている場合ではなくなりました」
綾云媛:「お前たちからねじ伏せてやる」
後藤スダチ:「綾さん!前衛を……!」リッコを孤立させてはいけない、と、膨大な思考の片隅で判断している。
綾云媛:肉や内臓を不定の獣へと変じながら、駆け出している。
綾云媛:蛇。豹。獅子。鹿。様々な獣の様相が入り交じる、奇怪な姿。
綾云媛:憎悪と混沌の獣。その姿を探索したとて、ついぞ狩ることは叶わない不定の獣。
"ブロンテス":「王鍵を――くッ……!」 自身の身体を改竄しながら、傷と回路を繋ぎ直す応急処置の中、否応なく意識を引かれる
綾云媛:「――私の王鍵が、お前たちを喰らう……」
綾云媛:「――ものだと思っているんですね」
綾云媛:敵陣に突っ込んだ身体を急制動し、真後ろを向いた。
綾云媛:「嚆べ――“ナルテークス軸心髄”」
綾云媛:瞬間、彼女自身が激しく燃え上がる。
綾云媛:アアアアアアアア!
綾云媛:彼女の全身の獣顔が、灼かれて苦悶の咆哮を上げる。
"バズヴ・カタ":「……喰らわせているのか。自らを……炎を」
齋藤リッコ:「め、滅茶苦茶……!」
綾云媛:それは野蛮の象徴である獣を調伏せしめるものだ。
綾云媛:ナルテークスの茎に乗せて、主神ゼウスから人類へと盗み出したもの。
綾云媛:自らの身を犠牲にしてでも、”火”を味方にこそ託す、完全支援型の王鍵である。
"ブロンテス":(プロメテウスの――最初の『火』……!)
綾云媛:そうして得られた火――四之宮サヨリへと、その熱が伝わり移る。
四之宮サヨリ:テスラ・タイタニスの恩恵により巻き上がる侵蝕、綾云媛から譲り受けた火。
四之宮サヨリ:(……あと、一つ)
四之宮サヨリ:「……エイヴさん!」
四之宮サヨリ:「一瞬。ピラーの電子的、物理的防衛のための電力を止めて、可能な限りこの階層に回せますか」
四之宮サヨリ:「可能な範囲の権限で構いません!」
エイヴ・ド・レスタイム:「ええ? なんかすごいこと言われてる気がするんですけど。そんなの……」
エイヴ・ド・レスタイム:「……できるに決まってるじゃないですか。その代わり、決めなきゃ被害額全部ソッチ持ちですよ!」
四之宮サヨリ:「……ありがとうございます!」
四之宮サヨリ:「……バズヴさん、スダチさん」
四之宮サヨリ:「"今から行う攻撃を、マスターゼウスは絶対に防ぎに来ます"。妨害、お願いできますか?」
"バズヴ・カタ":「やってみよう」 頷く 「運命は今、こちらに味方している」
後藤スダチ:「……何をしようとしているかは分かるけど」
後藤スダチ:「ピラーから直結したそのままの電力だと、サヨリさんの武器には使えない。エイヴさんの権限で、どうにか変電してみる……!」
四之宮サヨリ:「っ。ふふっ、助かります……!」
四之宮サヨリ:大きく深呼吸。昂ぶる心を落ち着かせて。
四之宮サヨリ:「……バビロンから、バベルへ」
四之宮サヨリ:ピラー側面に展開されていた神殿の如き塔が消えていく。
四之宮サヨリ:分離分解し、小さな形状となり、その場から見えなくなる。
四之宮サヨリ:その最中で───ただ、空を見た。
四之宮サヨリ:
四之宮サヨリ:……昔、私の冠は空に聳える塔のようだと言われた。
四之宮サヨリ:遠い記憶。出来損ないの私たちが漸くに得た、僅かな安寧。
四之宮サヨリ:弟との他愛ない時間の中で、そんな話をした。
四之宮サヨリ:所属セルが、建造に関わったという話は無い。ただ、形状が多少なりとも似通っていただけ。それだけだ。
四之宮サヨリ:だけど、何処か誇らしかった。
四之宮サヨリ:ノヴァリスで最も高い建造物。輝ける塔。
四之宮サヨリ:そして……先の未来。私達に奇跡を齎してくれる光。
四之宮サヨリ:そんな気持ちを、ずっと心に抱いて。
四之宮サヨリ:
四之宮サヨリ:……今にも砕け落ちそうな床へと、指先を這う。
四之宮サヨリ:耐えている。ここまでの幾つもの襲撃を、攻撃を、破壊を受けて、まだ折れてはいけないと。
四之宮サヨリ:「……まだ、負ける訳にはいかないよね」
四之宮サヨリ:奇跡の輝きは、私達を照らさずとも。
四之宮サヨリ:ピラーは、まだ此処にある。
四之宮サヨリ:私達の象徴は、折れていない。
四之宮サヨリ:彼女の武装は、未だ姿を見せない───否。
四之宮サヨリ:セイクリッドピラーの全体が、僅かに光を帯びる。
エイヴ・ド・レスタイム:「もしかして……」
エイヴ・ド・レスタイム:「思ったよりヤバいこと承認しちゃいましたかね――!?」
四之宮サヨリ:───エイヴ・ド・レスタイムによる権限譲渡、後藤スダチによる変電。
四之宮サヨリ:奔る、奔る、奔る。剥き出しの鉄柱を増幅回路と変じさせ、電流が昏き宙に舞う。
四之宮サヨリ:"雷を纏う"。
四之宮サヨリ:ブラックドッグとしての能力。単純なセキュリティへの侵入、操作。電子的防御すらも止めさせたのは、この一撃を生み出すために。
四之宮サヨリ:武装をセイクリッドピラーに合わせ再構築させ。この瞬間に限り、超大の出力を我が物とする。
"マスターゼウス":……改竄された十字冠に縛られながら、なおも反撃を受けることを、"マスターゼウス"は……
"マスターゼウス":(予測範囲内だ)
"マスターゼウス":(檻の獣が脱走を諦めるには、挑み、屈し、その無意味を理解する必要がある)
"マスターゼウス":("ボレロス"テスラ・タイタニスがそうであったように。……お前たちもそうだ)
"マスターゼウス":――だから、激しい抵抗の本当の意味に気付いていない。もちろん、抵抗には気付いている。捧私十字冠の下でもオーヴァードは戦える。それは想定の内だ。
"マスターゼウス":だが捧私十字冠の下であれば、最も激しい抵抗は、最も初めの抵抗になり、後には続かない。
"マスターゼウス":(ただでさえ出力は抑え込んでいる)
"マスターゼウス":("ブロンテス"は深手を負わされたようだ。何か遺産も起動しているようだが)
"マスターゼウス":(この女どもに、そんな大それたことができる訳がない)
"マスターゼウス":(万に一つできたとて……)
"マスターゼウス":(――一度であれば、俺の最大出力でそれを防げる)
"マスターゼウス":だから生産を続け、それらにピラー攻撃を命じ続けている。……彼がノヴァリスの少女たちの動きに、その時まで気付かなかった理由は
"マスターゼウス":まず異性を軽視する性質がもっとも大きいだろう。"ブロンテス"を信頼していたがために、その伝達失敗が致命的になったとも考えられる。
"マスターゼウス":あるいはそれも、"バズヴ・カタ"の運命を操作する力の賜物であっただろうか?
"マスターゼウス":――『その時』が迫る。
四之宮サヨリ:「……聖塔、同期」
四之宮サヨリ:彼女の武装は今。"セイクリッドピラーそのもの"と一体化し、ひとつの超巨大砲塔と化す。
四之宮サヨリ:手を合わせる。祈るように瞳を閉じて。
四之宮サヨリ:「届け、何処までも、何処までも……!」
四之宮サヨリ:……それは、まるで暗闇に道を示す灯台のようだった。
四之宮サヨリ:撃ちあがり、鋼鉄の雷雲を裂いて集約した光は大十字冠と重なり、強く───強く、輝いて。
四之宮サヨリ:───果てに、空が真昼のように白けた。
四之宮サヨリ:轟、と音がしたのは。それから暫くしてから。
四之宮サヨリ:空には夜闇を照らし、ノヴァリスの大十字冠が光り輝いている。
四之宮サヨリ:鋼鉄の雷雲は、瞬きの間に消え失せていた。
"マスターゼウス":「――!?」 驚愕しながらも
"マスターゼウス":障壁を展開した。それはすべての執行者へ生産時に仕込まれている緊急ネットワークリンクを用いた防御結界。
"マスターゼウス":ただ一度ながら、"ゼウス・ガマリエル"の機体より発せられる爆発的な電力が強大な電磁障壁を生み出し、広域破壊を無力化できる。
"マスターゼウス":できる、はずだった。……結果は
"マスターゼウス":「……」
"マスターゼウス":全ての戦闘兵器群が、その雷撃によって焼け飛ばされている。後に残るのは、黒く焼けた残骸ばかり。
後藤スダチ:「やっ……た!」苦しげに、一言だけ呟く。
齋藤リッコ:「……す……」目も耳も半ば潰されて、くらくらしながら首を振る「……すごすぎ…………」
"バズヴ・カタ":言葉はない。長く深く、息を吐く。
綾云媛:「私がお手伝いしたのですから……これくらい、して頂かなければ困るというもの」
綾云媛:「とはいえ……お見事です」
後藤スダチ:(サヨリさんの武器はセイクリッドピラーの全電力に耐えた……砲撃の瞬間まで安定化できた……!いや……)
後藤スダチ:(サヨリさんの……力だ!)
四之宮サヨリ:(身体が、まだ動く。引き下げられてる)(普通ならこんなこと、稼働時点で体が持たない、けど)
四之宮サヨリ:大きく息を吐き「皆さん……ありがとう、ございます」
後藤スダチ:「お礼言わない!攻撃予告しない!」
後藤スダチ:「育ちが良すぎるッ!」
後藤スダチ:叫びながら、既に構えている。
四之宮サヨリ:「あっ、いやっ……は、はい!まだ途中、ですよね……!」
綾云媛:「快哉はいいんですか」
後藤スダチ:サヨリの要請にすぐ応えられたのは、自分も利用するつもりだったからだ。ジェネシスの妨害が停止した今使えるようになった、ピラーの防空能力を。
後藤スダチ:それは今の一射で使用不能になった――少なくともしばらくは。
後藤スダチ:――ダ ン ! !
後藤スダチ:よって"マスターゼウス"を撃ったのは、何の仕掛けもない、単純な長距離射撃だ。
後藤スダチ:(トリックがなくたって、やれることをやるしかない……!)
"マスターゼウス":弾丸は命中した。分厚い装甲ではあったが、少しばかりの傷はつけられただろう。
後藤スダチ:「"マスターゼウス"……!」既に出ていた仮説ではある。あの巨大な、セイクリッドピラーの眼前に浮遊していた工廠そのものが、"マスターゼウス"の"機神"。
後藤スダチ:ビルや神殿を、弾丸で撃ち落とせるだろうか?
後藤スダチ:――これまで確認された機神と比べても、よほど怪物じみている。それ自体が建造物めいた巨大さの、怪物を生み出す怪物など。
"マスターゼウス":サヨリの雷が落ち、引き金を引く瞬間まで、その巨体は何かの動きを見せることはなかった。
"マスターゼウス":そして、弾丸の命中に意識を揺らされたかのように、ようやく雑音混じりの声が漏れる。
"マスターゼウス":「……そうか」
"マスターゼウス":ぼやくようだった。ここでようやく、彼は戦局が自身の思う通りに進んでいないことを悟った。理由の理解までは追いつかない……ただ事実として認識する。
"マスターゼウス":「そうか……」
"マスターゼウス":怒りや憎悪はない。重苦しく、恐ろしく静かな声。
"マスターゼウス":そして、こう続ける。
"マスターゼウス":「気にするな」
"マスターゼウス":「殺せ」
"ブロンテス":……空に散る残骸が、奇妙な集結を見せていた。重力以外の力に惹かれ、それはやがて形を作る。
"ブロンテス":蛇だ。人を噛み千切れるほどの巨大な蛇が、いくつも。そして君たちが気付いた瞬間――気付く頃合を見計らってか、それらは一斉に宙を滑り、君たち全員の元へ殺到する!
後藤スダチ:"ブロンテス"が、ただの裏方ではないことは理解していた。事ここに至って、そんな都合の良いことを想像できるような精神はしていない。
後藤スダチ:よって脅威を感じたのは、彼の攻撃行動そのものではなく、速度だ。(……速い!!)
後藤スダチ:推進機構を持ち飛行する執行者よりも――あるいはその運動エネルギーを利用した生成故かもしれないが――なお速い。鈍った体では防御も間に合わない。
四之宮サヨリ:(?!)(残骸から……!)気付いた時には、既に射程の内。動けるとはいえ、反動の最中。身体をどう効率的に動かしても、間に合わないと察する。
齋藤リッコ:「……」襲い来る蛇に向け、静かに手を翳して「……大丈夫」
齋藤リッコ:……ぼとり
齋藤リッコ:無数の蛇の群れが、空中で不意に推力を失って、次々と力なく地に転がる。
綾云媛:「これ、は……?」
齋藤リッコ:起きたのは、たったそれだけだった。“ブロンテス”自身が攻撃を失敗したかのように、余りにも呆気なく。
"ブロンテス":「……」 その失敗の中、"ブロンテス"が"マスターゼウス"の巨身の前に姿を見せた。
"ブロンテス":既にある程度の修復を受けている 「興味深いですね」
"ブロンテス":「斯くあれるとは」
齋藤リッコ:「……本当は」
齋藤リッコ:嘆息しながら「……遺産が欲しかったのよ。王鍵……聖剣とか、弓とか」
齋藤リッコ:「そうじゃなくても……特殊なレネゲイドとか……賢者の石とか……」
齋藤リッコ:「……何でもいいから、特別な才能が欲しかった」
齋藤リッコ:「……でもあたしには、そういうのは無かったから」
齋藤リッコ:「ただ向き合うしかなかったの。あたし自身の力に」
齋藤リッコ:不服気に口にする。攻撃に対する、エネルギーの別時間軸への転移。
齋藤リッコ:紛れもなく、自身の血が滲むような修練の成果ではあるが──起きる現象はあまりにも地味で、呆気ない。
齋藤リッコ:「……“マスターゼウス”」
齋藤リッコ:聳える巨体を見上げて口を開く。
齋藤リッコ:「……あたし達がノドスに出来ることは無いの?」
"マスターゼウス":「…………」
"マスターゼウス":沈黙は短かった。短くも、そこに沈黙があった
"マスターゼウス":「ない」 そしてそれよりも短い返答が告げられる
"マスターゼウス":「小技を弄して立場を切り替えたつもりならば、増上慢と言う他なく」
"マスターゼウス":「そうでないとすれば尚のこと愚劣だ」
"マスターゼウス":「俺の望みは……ここでお前たちの未来を折ることを於いて他なし」
"マスターゼウス":「それができるのか?」
齋藤リッコ:「何でそうなるのかって聞いてんでしょ!」
齋藤リッコ:「見なさいよ、これ」
齋藤リッコ:セイクリッドピラーの上層。ノヴァリスで最も高いと言っていいその場所からは、学園都市が遥か彼方まで一望できる。
齋藤リッコ:夜闇に輝く小さな光の一つ一つに、そこで暮らす生徒の生活が息づいている。
齋藤リッコ:「ノヴァリスにはこんなに大勢のオーヴァードがいて」
齋藤リッコ:「サヨリちゃんみたいに、あんた達を心配してる子だって、山ほどいるのに」
齋藤リッコ:「……こうやって、殺し合うことしか解決策が無いの!?」
齋藤リッコ:「絶対……そんなわけ無いでしょうよ!!」
"マスターゼウス":彼が何か言葉を返す前に、告げる声があった
"ブロンテス":「進言します」
"マスターゼウス":それで十分だった 「聞かせろ」
"ブロンテス":「相手をするべきではない」
齋藤リッコ:「ちょっ……」
"ブロンテス":「貴方はピラーを撃つべきです。彼女たちの相手は……」
"ブロンテス":「お任せを」
"ブロンテス":ドオ、と音を立てて、スラスターが炎を噴く。君の炎を受け、サヨリの雷を受け、その機体はもはや半壊だが
"ブロンテス":対応しなければならない。さもなくば無用の傷を負う
齋藤リッコ:「……あ゛ぁああああああッ!!」
齋藤リッコ:立ち込める白霧。幾重にも響き渡る、悲鳴めいた不協和音。
齋藤リッコ:“ブロンテス”を取り囲むように六つ、膨張するのは凍てつく月の如き魔眼。
齋藤リッコ:氷の魔眼が大剣を形作り、その切っ先を一斉に“ブロンテス”へと向ける。
齋藤リッコ:「話を…… ッああ!!」
齋藤リッコ:「ふざっ……けんなぁああああああっ!!」
齋藤リッコ:氷剣が解き放たれる。四方八方から“ブロンテス”へ襲い来る刃は、機体を切り裂き、あるいは防がれると同時に爆裂するように変形。
齋藤リッコ:耳を劈く凄まじい異音を放ちながら、次々と生成される鋭利な氷柱がぶつかり合い、絡み合いながら機体を磨り潰していく。さながら怪物の口内で咀嚼されるかの如く。
齋藤リッコ:重厚な刃が装甲を断ち、極低温の冷気が機構を破壊し、形成された巨大な氷塊が、一瞬で機体そのものを封じ込めた。
"ブロンテス":「ぐ……」
"ブロンテス":機能停止するには十分な破損だ。ガチ、ガチと音を立て、その眼部がリッコに向けられる
"ブロンテス":「……その憤慨は」
"ブロンテス":「何ですか?」
齋藤リッコ:「少しは……話を……聞きなさいよ!!」
齋藤リッコ:「何で、こんな……」
齋藤リッコ:憤怒と悲哀、嫌悪感が入り混じった目を向ける
齋藤リッコ:「こんな風に……戦いたい訳じゃないはずでしょ……! あんた達だって……!」
"ブロンテス":「生憎、手段の良し悪しなど……少なくとも私は」
"ブロンテス":「一切」
"ブロンテス":ガギ、と音が出た。それは、人知れず力を振るったエイヴ・ド・レスタイムによる一押しによるもので――致命的な破損と共に、"ブロンテス"は完全に制御を失い、地上へと墜落していく。
"ブロンテス":彼は最後まで声を荒げることはなかった。
後藤スダチ:(”ブロンテス")
後藤スダチ:リロードをする。新たな無数の攻撃パターンを演算する。
後藤スダチ:私は戦っている。"マスターゼウス"を倒さなければならない。"ブロンテス"が墜落していく様を見ている。
後藤スダチ:彼のことを知っているように錯覚したとしても、私が見た過去は……現実の彼そのものではないし、
後藤スダチ:過去も未来も、彼と私の人生は、きっと何一つ交わることはない。
後藤スダチ:「私は……」
後藤スダチ:「ジェネシスインダストリアルアカデミー。"オフィサー"営業本部主任」
後藤スダチ:「……後藤スダチ」
後藤スダチ:言葉が届くような距離ではない。勝手な感傷だ。そう思う。
GM:では、2ラウンド目のセットアップに入る前に……やることがあります
テスラ・タイタニス:衝動判定タイムです。難易度0。やりたければどうぞ?
齋藤リッコ:117か……上げなくていいかな~
四之宮サヨリ:ここは……手番での20増加の方だけにしようかな
綾云媛:やっておこうかな~
後藤スダチ:私もここから全然侵蝕使うことないから、いいかも
後藤スダチ:申し出はありがたいんだけど……
綾云媛:4dx+4>=0
DoubleCross : (4DX10+4>=0) → 10[1,5,5,10]+4[4]+4 → 18 → 成功
テスラ・タイタニス:私の親切を受け取れないッてのかよッ
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2D10(→ 8)増加(113 → 121)
後藤スダチ:親切の押し売りだッ
四之宮サヨリ:へへへ……ありがたく使わせてもらっておりまして……
後藤スダチ:これゼウスの宣言前に私が支援先決めなきゃいけないか
後藤スダチ:でもサヨリさんを支援するしかないかなあ
GM:そしてもう一つ……
綾云媛:どう転んでもそうしかない気がする
後藤スダチ:なにっ
GM:セットアップ前のタイミングで、増援が出現します
四之宮サヨリ:何か……ある!
綾云媛:なんだと~?
四之宮サヨリ:なにっ
齋藤リッコ:ピッカァ~~!
綾云媛:戦力増員でさえないんだ
GM:なぜならもう生産されているからですね。神機アポルオン、神機ヘパイストスが、ピラーと同エンゲージに出現します
綾云媛:ヒエ~ッ
齋藤リッコ:オア~~~!?
四之宮サヨリ:ヒエ……
後藤スダチ:キャア~ッ
後藤スダチ:1ラウンド目までいたクソ雑魚機械兵は!?
GM:彼らを押さえていた生徒たちがいなくなったので……呼ばれました。イニシアチブ表も寂しくなってきた所だったし丁度よいだろッ
綾云媛:もしかして……時間が立つとどんどん来るのか
GM:そうです。毎ターンセットアップの直前に2体ずつ追加されます
齋藤リッコ:ヤダ~~~!!
綾云媛:ヤダヤダヤダ
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3m
│
[[10]後藤スダチ]
│
2m
│
[[11]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[[11]神機アポルオン / [12]神機ヘパイストス]
[セイクリッドピラー 残耐久力303]
GM:というわけで、改めて……セットアップに入っていきましょう!
後藤スダチ:こいつらを生かして動かしたら絶対ろくでもないことになる!
GM:いきなり出てきたので補足しておきますと、増援として出現した神機たちですが、彼らは君たちを抹殺しにかかります。なぜなら生徒ぶっ殺しゾーンをやれという命令を受けているからです。
神機アポルオン:ピラーは無事なので安心してね
神機ヘパイストス:ね~
綾云媛:前のシーンでもこっちばっか狙ってたもんなあ
四之宮サヨリ:安心……安心?
齋藤リッコ:よかった~
齋藤リッコ:よくないよ
後藤スダチ:ほのぼのしてる
後藤スダチ:《アクセル》《活性の霧》を使用します。対象はサヨリさん。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を-4増加(115 → 111)
四之宮サヨリ:ウオオオオオ高まります
齋藤リッコ:セットアップはなし!
後藤スダチ:攻撃力は+24、行動値は+10。
後藤スダチ:あと回避ダイスは-2個(クソみたいなデメリット)
四之宮サヨリ:行動値21です。自分は無し!
綾云媛:あたしより早い敵の動き見てから考えよっと
GM:ちょっと待ってね
神機ヘパイストス:セットアップで剣聖の星砂を使用。マイナーエフェクトを3つ使用します
神機ヘパイストス:使用するのは《ハンドレッドガンズ》+《アーマークリエイト》+《シールドクリエイト》。射撃武器と盾を作成し、さらに防具も装備してしまうぞ
神機ヘパイストス:だから硬かったんだね
後藤スダチ:そうだったんだなあ
綾云媛:なんてやつだ
齋藤リッコ:ヤダ~~
四之宮サヨリ:いっぱい作ってる……!
神機アポルオン:こちらのセットアップはシンプルで、《赤方偏移世界》。自身の行動値を+14します
齋藤リッコ:アーッ!?
神機アポルオン:行動値は25です
四之宮サヨリ:早すぎる!
綾云媛:あっこいつ……!
"マスターゼウス":こちらは《戦力増強》。作成するのは執行者Br型5体、そしてCu型5体です
綾云媛:多すぎ!
四之宮サヨリ:エ=ン
齋藤リッコ:やめて~~
"マスターゼウス":そして強化機構が《サポートボディ》+《オーバーウォッチ》+《クロックフィールド》にて強化。執行者群の判定ダイスを+9、行動値を+5します
GM:綾さんは何かあるかな?
綾云媛:再回転使用します!対象は《先陣の火》
GM:おお
綾云媛:即使用して行動値を+15します
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2減少(121 → 119)
GM:OKです。ではイニシアチブに入っていきましょう
◆ 2R
[[7] "ゼウス・ガマリエル" / [0]強化機構][[5]執行者Cu型*5 / [22]執行者Br型*5]
│
5m
│
[[6]齋藤リッコ / [20]綾云媛]
│
3m
│
[[10]後藤スダチ]
│
2m
│
[[21]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[[25]神機アポルオン / [12]神機ヘパイストス]
[セイクリッドピラー 残耐久力303]
GM:まずは神機アポルオンが動きます。こいつの行動は……
神機アポルオン:マイナーで《ダークマター》、メジャーで《コンセントレイト:バロール》+《黒の鉄槌》+《魔王の覇気》+《蠢く魔眼》+《因果歪曲》
神機アポルオン:威力は大したことありませんが……命中すると、次の攻撃の攻撃力を-14。そしてダメージが入ったら、あらゆる判定の達成値を-21します
齋藤リッコ:ヒェェェ
四之宮サヨリ:やばすぎる
綾云媛:えぐ
神機アポルオン:攻撃力ダウン効果は攻撃をするかシーン終了で解除、判定達成値ダウン効果はマイナーアクションを消費するかシーン終了で解除です
神機アポルオン:これが未来予測による攻撃封殺の正体というわけ! 対象はリッコ・綾のエンゲージです 行くぞ
齋藤リッコ:ウワアアア
神機アポルオン:14dx7+4
DoubleCross : (14DX7+4) → 10[1,2,2,3,3,4,5,5,5,5,6,6,7,9]+10[10,10]+10[7,10]+10[4,8]+2[2]+4 → 46
神機アポルオン:頑張っている・!
齋藤リッコ:頑張らないで
齋藤リッコ:暴走しております……
綾云媛:素手でガード。《砂の結界》でリッコちゃんをカバーします。
齋藤リッコ:綾ちゃん……生地が!
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2減少(119 → 117)
GM:見える……未来が ダメージを出します
神機アポルオン:5d10+16
DoubleCross : (5D10+16) → 34[8,8,1,10,7]+16 → 50
神機アポルオン:諸々有効です。ダメージも通ったなら、攻撃力と判定に……ペナルティだぜ!
綾云媛:ガード値は地味に21あるんだけどダメージが奮い過ぎてるんだよな
齋藤リッコ:堅い
綾云媛:2倍ダメージだし 耐えきれません
綾云媛:海賊王エリザベスのロイスを切って復活しよう 今どこで何をしている……
齋藤リッコ:ありがとう綾ちゃん……
綾云媛:綾云媛の昇華数を1増加(1 → 2)
綾云媛:ペナルティはまるっと受けるけど……
綾云媛:武器の攻撃力が下がるわけじゃないし 自分で判定しないから全然痛くない
GM:変な構成しやがって!
GM:というより……カバーリング取りやがって……!!
綾云媛:最強エフェクト
GM:イニシアチブを進めます。Br型5体の手番ですが
GM:こいつらは全員《追撃の魔弾》で《コンセントレイト:ブラム・ストーカー》+《赫き弾》を2回行います。対象は全てピラーです。無視しろってブロンテスに言われたし……
綾云媛:やめろ~~~
四之宮サヨリ:ひええええ
後藤スダチ:ギィーッ
四之宮サヨリ:折れちゃう折れちゃう
綾云媛:そんな命令したやつはもう居ないよ
齋藤リッコ:ブロンテスです やめなさい
GM:命令じゃないもん 助言だもん
GM:10回ザララララと振ります
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[1,1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,4,5,5,5,6,8,9,10]+7[4,7] → 17
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[2,2,3,3,3,4,4,5,6,6,7,8,8,8,9,9,10,10,10]+10[1,7,7,9,10]+6[2,6] → 26
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[2,2,3,4,4,4,5,5,5,7,7,7,8,8,8,9,9,9,9]+10[2,7,8,10]+5[5] → 25
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[2,2,3,3,4,4,5,5,5,6,6,8,9,10,10,10,10,10,10]+10[3,3,5,6,6,8,10]+8[8] → 28
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[1,2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,5,6,6,7,8,10,10,10]+8[1,7,8] → 18
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5,6,7,7,7,7,10,10,10]+6[1,5,6] → 16
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[1,1,1,2,2,3,3,4,5,5,6,6,6,7,7,8,9,9,10]+10[5,7,10]+10[9]+6[6] → 36
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[1,2,2,2,3,4,4,4,4,5,5,5,5,6,6,9,9,10,10]+7[1,2,6,7] → 17
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[1,1,1,1,2,2,3,4,4,5,5,5,7,7,8,8,9,10,10]+10[4,9,10]+10[9,9]+7[4,7] → 37
執行者Br型:19dx9
DoubleCross : (19DX9) → 10[1,1,1,2,2,3,4,4,5,6,6,6,6,8,8,9,9,9,10]+10[4,4,6,10]+10[9]+10[9]+4[4] → 44
四之宮サヨリ:頑張り過ぎてない?!
綾云媛:高くない!?
齋藤リッコ:頑張るなや
GM:C(2+3+3+3+2+2+4+2+4+5)
DoubleCross : c(2+3+3+3+2+2+4+2+4+5) → 30
執行者Br型:30d10+16*10
DoubleCross : (30D10+16*10) → 148[9,6,10,5,7,10,2,7,6,2,1,8,2,7,1,1,5,2,8,2,6,6,3,2,5,6,5,5,8,1]+16*10 → 308
執行者Br型:全て単体攻撃なので……耐久力に入る値はこの1/4!
執行者Br型:C(308/4)
DoubleCross : c(308/4) → 77
GM:C(303-77)
DoubleCross : c(303-77) → 226
GM:セイクリッドピラー 残耐久力226
齋藤リッコ:ヒィ~~
綾云媛:ハワワワワ
四之宮サヨリ:首の皮一枚
GM:イニシアチブを進めます お待たせしましたサヨリさんの手番! どうする?
四之宮サヨリ:まずは侵蝕20上昇!テスラちゃんありがとう……
テスラ・タイタニス:いいのよ
四之宮サヨリ:あっちょっと待ってね、相談タイム!
四之宮サヨリ:はい!ではそのまま20上昇しまずは129!
四之宮サヨリ:マイナーでバベルの効果、攻撃力+3d10
四之宮サヨリ:これで最後!
四之宮サヨリ:そしてメジャー前でまずは再回転、万軍撃破を復活させます
GM:なんてことを……
四之宮サヨリ:さらに弟……四之宮ユイへのロイスをSロイスに指定、タイタス昇華し……バリアクラッカーを回復!
GM:な、なんてことを……!
四之宮サヨリ:これで……もう一度、行きます。受け取ってくれ……!
四之宮サヨリ:メジャー!コントロールソート射撃、コンセントレイト、バリアクラッカー、万軍撃破……!
GM:判定を……どうぞ!
四之宮サヨリ:シーン選択!対象は敵全てと……談合の結果、リッコさんも狙います!
齋藤リッコ:サヨリちゃん……信じてたのに……
四之宮サヨリ:ご、ごめん……
GM:仲間割れだ仲間割れだ~
GM:見えてきた 勝機
四之宮サヨリ:12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,2,2,3,4,6,6,6,7,8,9,10]+10[3,4,8,10]+10[5,8]+6[6]+4 → 40
四之宮サヨリ:オッ
神機アポルオン:《グラビティバインド》 判定の達成値を-18!
齋藤リッコ:こ……こいつ
綾云媛:カス!
後藤スダチ:ギャッ
四之宮サヨリ:ギャッ
神機アポルオン:持っていないわけがない! まあその上で……ドッジは無謀なんだけど
後藤スダチ:シャムロック出身者かァ~?
"バズヴ・カタ":ひどい言い草
神機アポルオン:5dx=>22
DoubleCross : (5DX10>=22) → 10[6,6,6,10,10]+10[9,10]+5[5] → 25 → 成功
四之宮サヨリ:妖精は……
四之宮サヨリ:あっ
神機アポルオン:ア
GM:……使いたければ使いたまえ! 使いたがるのは自然なタイミングだと思います
綾云媛:1回残ってるからねえ
四之宮サヨリ:あ、ありがたい……!バズヴさん~~~~~運命の三相お願いします!
"バズヴ・カタ":ではダイス目を一つ10にするといいぞ これで完全にからっけつです
四之宮サヨリ:1dx7+26
DoubleCross : (1DX7+26) → 3[3]+26 → 29
四之宮サヨリ:ウ~~~~ン
齋藤リッコ:まあよし!
四之宮サヨリ:ギリ抜いたギリ!
神機アポルオン:では命中
神機ヘパイストス:こっちも一応ドッジするか
神機ヘパイストス:7dx=>29
DoubleCross : (7DX10>=29) → 10[3,3,5,6,6,8,10]+5[5] → 15 → 失敗
齋藤リッコ:私は暴走しています
四之宮サヨリ:こわいよこいつら~~~
神機ヘパイストス:そんなにうまい話はないのだ 《砂の加護》 でアポルオンをカバーリング
齋藤リッコ:ゲーッ
GM:執行者Cu型が《竜鱗》で装甲をマシマシ
GM:も、意味がないのか……!
"マスターゼウス":ゼウスも一応ドッジしよう 希望はある
綾云媛:《砂の結界》でリッコちゃんをカバーします サヨリさん……どうして……
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を2減少(117 → 115)
"マスターゼウス":7dx=>29
DoubleCross : (7DX10>=29) → 8[2,3,5,6,7,8,8] → 8 → 失敗
"マスターゼウス":いちばんだめ
四之宮サヨリ:私のせい?!
GM:という訳で全員命中でよかろうでしょう。ダメージを……出しな!
齋藤リッコ:綾ちゃん……信じてたわ
綾云媛:しかし……どうにもこれはあたしの同エンゲージに存在する対象である齋藤リッコさんへの攻撃なので……
綾云媛:条件を満たしている《餓狼の爪》を使います
齋藤リッコ:綾ちゃん……信じてたのに……
綾云媛:攻撃力を+69してね
GM:何いってんだこいつ!?
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を3減少(115 → 112)
四之宮サヨリ:フェイタルヒット!ダメージ4d10追加します
後藤スダチ:餓狼の爪ってこんな変なエフェクトだったんだなあ……
四之宮サヨリ:ここに常時バフと、スダチさんの支援を追加……!
四之宮サヨリ:3d10+4d10+3d10+1d10+22+2d10+7+24+69
DoubleCross : (3D10+4D10+3D10+1D10+22+2D10+7+24+69) → 24[5,10,9]+10[1,3,5,1]+21[6,6,9]+10[10]+22+14[4,10]+7+24+69 → 201
綾云媛:やばすぎ
齋藤リッコ:ひえ~
GM:ハアアア……?
四之宮サヨリ:破ーっ!
四之宮サヨリ:装甲ガード無視!最後の最後の全力攻撃!
"マスターゼウス":まず自身に《デモンズウェブ》
"マスターゼウス":7d10
DoubleCross : (7D10) → 30[6,1,7,7,2,2,5] → 30
"マスターゼウス":ガードも無効となるとこれ以上の軽減はできません。ただし、生存はしている……このデカさなので!
綾云媛:マジかよ……
四之宮サヨリ:デカすぎる……
綾云媛:あたしはもちろん死にます 402点喰らっちゃった
GM:むごすぎる
齋藤リッコ:こなごな
綾云媛:サヨリさんのロイスを昇華して復活します 許せない……
綾云媛:綾云媛の昇華数を1増加(2 → 3)
四之宮サヨリ:ご、ごめんなさーい!
後藤スダチ:ミンチよりひでえや
神機ヘパイストス:アポルオンをカバーしたこいつも当然無理です。復活エフェクトはなし。カバーだけして戦闘不能……!?
執行者Cu型:執行者は全滅しま~す
齋藤リッコ:何者だったんだヘパイストス
後藤スダチ:やったー
綾云媛:万軍撃破もここまで万軍撃破できれば本望だろう
四之宮サヨリ:侵蝕が低下します、17下がって112
◆ 2R
[[7] "ゼウス・ガマリエル" / [0]強化機構]
│
5m
│
[[6]齋藤リッコ / [20]綾云媛]
│
3m
│
[[10]後藤スダチ]
│
2m
│
[[21]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[[25]神機アポルオン]
[セイクリッドピラー 残耐久力226]
GM:狂いそう……!
GM:イニシアチブを進めましょう。綾さん! どうする?
綾云媛:マイナーで達成値デバフを一応解除しておいて……
綾云媛:メジャーでゼウスにエンゲージ。終わりです
GM:OKです。イニシアチブを進めましょう。10開いてスダチちゃん! どうする?
後藤スダチ:もちろん先ほどと同じようにマスターゼウスをSTALKERで撃ちます
後藤スダチ:でもただのSTALKERじゃねえぞ
後藤スダチ:何度でも立ち上がり前に進む
後藤スダチ:ド級のSTALKER、ドSTALKERだ!
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》。
GM:めちゃくちゃ粘着質そう ドストーカー
後藤スダチ:10dx7+6+3+2
DoubleCross : (10DX7+11) → 10[1,3,4,4,5,6,7,8,9,10]+10[4,5,7,8]+6[3,6]+11 → 37
後藤スダチ:いつでもそこそこ優秀スダチ
"マスターゼウス":だがその攻撃にはガードできる……《磁力結界》!
"マスターゼウス":ガードして、《磁力結界》を宣言します、という意味です。ダメージを出しな……!
綾云媛:《再起の咆哮》を宣言。ラウンド1回のキュマイラエフェクトの回数を回復します。
GM:?
後藤スダチ:ワァ……
四之宮サヨリ:復活ッ!餓狼復活ッ!
綾云媛:《餓狼の爪》の回数を復活!即使用します。
齋藤リッコ:殺せ~~~
GM:???????
後藤スダチ:ド級の復活!
綾云媛:攻撃力を+69してね
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を5減少(112 → 107)
齋藤リッコ:餓狼剣を押し込め!
後藤スダチ:4d10+9+1d10+2d10+6+69
DoubleCross : (4D10+9+1D10+2D10+6+69) → 35[10,9,10,6]+9+10[10]+11[8,3]+6+69 → 140
齋藤リッコ:ヤバ
後藤スダチ:な、なんて力だ~~!
四之宮サヨリ:とんでもないダメージダイス出してる!
GM:マジ……?
後藤スダチ:ダメージダイスも全部でかい!
綾云媛:さすがオフィサーだぜ
"マスターゼウス":4d10 磁力結界分
DoubleCross : (4D10) → 24[4,7,5,8] → 24
後藤スダチ:ありがとう……ドリトライ!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を-4増加(111 → 107)
GM:え あれっ
齋藤リッコ:死んだか……?
"マスターゼウス":……落ちた! "ゼウス・ガマリエル"は戦闘不能になります
齋藤リッコ:死んだ!
四之宮サヨリ:これが……オフィサー……!
綾云媛:綾~ッ
後藤スダチ:そ、そんな……攻撃力9の銃でちょっと小突いただけなのに
"マスターゼウス":が、安心してください。生きてますよ。《魂の錬成》でHP40になり復活
齋藤リッコ:ホギャギャ~~ッ
四之宮サヨリ:ハニャ~~~~ッ
綾云媛:くっ……
後藤スダチ:リトライするのはこいつもか!
"マスターゼウス":そして特殊ルーチンによりここで"ゼウス・ガマリエル"がEロイスを使用します。内容は単純で【さらなる絶望】です
四之宮サヨリ:?!
後藤スダチ:キャアーッ
齋藤リッコ:チャァ~~!?
綾云媛:ピエ~
四之宮サヨリ:こ、ここで……!
"マスターゼウス":同エンゲージに"マスターゼウス"を出現させます。自分を生産する。
綾云媛:?????
後藤スダチ:???????
齋藤リッコ:???
四之宮サヨリ:?????
後藤スダチ:GMが何を言っているのか理解不能
齋藤リッコ:中から出てきたのかな
四之宮サヨリ:マトリョシカだったか
◆ 2R
[[7] "ゼウス・ガマリエル" / [7]"マスターゼウス"/ [0]強化機構 / [20]綾云媛]
│
5m
│
[[6]齋藤リッコ]
│
3m
│
[[10]後藤スダチ]
│
2m
│
[[21]四之宮サヨリ]
│
5m
│
[[25]神機アポルオン]
[セイクリッドピラー 残耐久力226]
GM:こういうことだよッ!
綾云媛:どういうこと~~~
後藤スダチ:アワワ……
後藤スダチ:お慈悲~~
"マスターゼウス":イニシアチブを進めます。"ゼウス・ガマリエル"並びに"マスターゼウス"の手番
"マスターゼウス":まずは"ゼウス・ガマリエル"が《砂の鎧》+《解放の雷》を"マスターゼウス"に向けて使用
齋藤リッコ:ちょっとやめないか
"マスターゼウス":装甲値を+12、次のメジャー判定のC値を-1し、攻撃力を+8します
後藤スダチ:あっ、このゼウスまさか殴ってくる……!?
綾云媛:女を殴るってのかよ
四之宮サヨリ:ついに自分から……!
"マスターゼウス":そうだよ……! "マスターゼウス"はマイナーアクションで《インフィニティウェポン》。武器を作成し、さらにDロイス:器物使いの効果に指定、一体化
後藤スダチ:ワァ……
"マスターゼウス":メジャーアクション。《カスタマイズ》+《咎人の剣》+《ギガノトランス》!
"マスターゼウス":シーンを対象にした攻撃です。つまり……お前たち全員は当然……ピラーだって殴れるってことだ……!
綾云媛:ハワ~ッ
四之宮サヨリ:やめろ~っ
齋藤リッコ:させない!
GM:何ィ……!?
齋藤リッコ:これ以上の時も無いでしょう……ノヴァリスへのロイスをSロイスに指定します。
綾云媛:オオオ……!
四之宮サヨリ:リッコさん……!
後藤スダチ:齋藤リッコ……!
齋藤リッコ:昇華効果によって《時の棺》の回数を復活、即使用します!
"マスターゼウス":こ……この女!!!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を10減少(117 → 107)
齋藤リッコ:失敗しろーッ
"マスターゼウス":では、判定は……失敗!
"マスターゼウス":攻撃すら……!
GM:イニシアチブを進めましょう……リッコちゃんの手番だ。どうする?
齋藤リッコ:マイナーで戦闘移動、マスターゼウス……なんで2体いるんだ ゼウスズのエンゲージに移動します
齋藤リッコ:メジャーでコンボ【輝かざる星】 《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》
齋藤リッコ:対象はゼウスとゼウスと強化機構!
GM:ゼゼ強~ッ!?
GM:判定をどうぞ!
齋藤リッコ:Dロイス守護天使も起動します。これでラスト!
齋藤リッコ:15DX7+6+2
DoubleCross : (15DX7+8) → 10[1,2,3,3,4,4,5,6,6,8,9,9,10,10,10]+10[2,2,4,4,7,7]+6[2,6]+8 → 34
"マスターゼウス":どちらもガード。"ゼウス・ガマリエル"は《磁力結界》でさらにガード値をプラスできるぞ
"マスターゼウス":"マスターゼウス"の方はない……! ダメージをどうぞ!
綾云媛:《再起の咆哮》《餓狼の爪》!何度でもリトライしてやる~!
齋藤リッコ:す……凄ェ!!
綾云媛:攻撃力を……+69!
四之宮サヨリ:☆前へ!進むのみ‼
GM:狂!?
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を5減少(107 → 102)
齋藤リッコ:ウオオオ ダメージ!
齋藤リッコ:4D10+48+2D10+2D10+11+69
DoubleCross : (4D10+48+2D10+2D10+11+69) → 24[10,4,9,1]+48+14[8,6]+10[7,3]+11+69 → 176
四之宮サヨリ:いったれー!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を11減少(107 → 96)
後藤スダチ:ヤベ~~
"マスターゼウス":ふざけるなよッ! "マスターゼウス"は自身に《デモンズウェブ》!
齋藤リッコ:足掻くな~~~ッ
"マスターゼウス":7d
DoubleCross : (7D10) → 47[9,6,4,10,10,4,4] → 47
綾云媛:高いよ~~~
"マスターゼウス":……耐えられん! 倒れます。復活エフェクトもなし!
"マスターゼウス":"ゼウス・ガマリエル"は振るまでもなく耐えられない。強化機構もろとも撃墜です
GM:そして、一番最初に説明した通り……勝利条件は"マスターゼウス"の撃破です。
GM:こちらもこれ以上出すタネはない。戦闘終了です。
齋藤リッコ:そ……そういう意味だったのか……!
齋藤リッコ:やった~~~!
四之宮サヨリ:か、勝った……!
綾云媛:そうだったとは……
綾云媛:綾ヤンヤ!
後藤スダチ:我々の勝利だ!
GM:君たちの視界に、奇妙な光が混じり始めた。
GM:光源は程なく見つかる。なぜならそれは、テスラ・タイタニスとの対峙の直前に切り抜けてきた"神機"の放つものであり……彼らは存在感を少しも隠しはしていなかったからだ。
"バズヴ・カタ":「……そうか」「当然、それの参戦も考慮するべきだったな」
後藤スダチ:「……っ」振り返る。
神機ヘパイストス:神機ヘパイストス。権能『鍛造』
神機アポルオン:神機アポルオン、権能『予見』
四之宮サヨリ:「下の階層の皆が、なら……来ます、よね」
後藤スダチ:(私達が、今、継戦できているのは……テスラ・タイタニスのお陰で侵蝕を保っていられるからだ)
齋藤リッコ:「……下の皆は……」
綾云媛:(死人が出ていなければいいですが)
後藤スダチ:(オーヴァードとして機能不全を起こした下の階層の傭兵が耐えられるわけがない!全滅した!)
GM:2機である。それがゆるやかな駆動で、静かに君たちへと迫ってくる。
"マスターゼウス":そして前方。依然空中の巨体から、止まることなく執行者群が生産されてくる。
齋藤リッコ:動揺が走る。だが今自分が助けに行ける筈が無い。
齋藤リッコ:(皆なら上手くやるはず──今はそう信じるしかない……!)
"マスターゼウス":("神機"にピラーへの攻撃は命じていない。目的はノヴァリス生徒の足止めだ)
後藤スダチ:これまでの戦いでも……戦闘でも戦略でも、常に感じていたことだ。改めて思う。
後藤スダチ:「手数が、多すぎる……!」
四之宮サヨリ:(あの二つを生み出したのもマスターゼウス……彼、なら。倒す最優先は変わらない)
綾云媛:「……先程の組み合わせではありません」皆に告げるように言う。
"マスターゼウス":(ならば……なるほど) "ブロンテス"の言葉を思い出す 「……その通りだな」
綾云媛:「有り合わせの組です。抜けたときよりは脅威ではない」
"マスターゼウス":生産されるのは、重装甲の一団と、銃撃を得意とする一団だ。この単純物量は、戦力として十分脅威だが
"マスターゼウス":彼らはさらに、君たちではなくピラーへ狙いをつける。……"ヘカトンケイレス"ほどの破壊力はないだろう。だが、ピラーはどれほど持つ?
齋藤リッコ:「いいわね、綾ちゃん……!」冷汗を流しながら「そういうの、いいとこ探しみたいだけど……!希望が持てる!」
齋藤リッコ:「増えたとはいえ……さっきよりは少ない! 奴らのお陰で侵蝕も丁度いい!」
齋藤リッコ:「まだ戦れるわ……! そうでしょ!」
テスラ・タイタニス:「……じゃあ……継続」
綾云媛:「継続……」その言葉には顔が引きつっている。
四之宮サヨリ:(破損部分を武装で覆う)(保てる時間は変わらないかもしれないけど)
綾云媛:「そうですね、まだ必要ですが……」
テスラ・タイタニス:引き続き、リッコの内側をレネゲイドのざわつきが混ぜ返す。こんなことは止めるべきだと、今まで培ってきた直感が告げていることだろう。
四之宮サヨリ:「無論、やるしかありません。あと一歩を、届かせるためにも……どうか、お願いします」
テスラ・タイタニス:だが、実際に力を行使してみれば、その出力は高く、改竄された十字冠に負けることはない。間違いなくその判断は……ただこの場においてのみは、正しいと確信できる
齋藤リッコ:「……あんただって」意識的に深く呼吸して「ムカついてんでしょ……! いいように利用されてさ……!」
齋藤リッコ:敵のみに意識を集中し、せり上がってくる悪寒を何とか噛み殺す。
齋藤リッコ:「……ここからよ! あたし達が代わりに、ぶん殴ってやるわ……!」
テスラ・タイタニス:「……ええ」
テスラ・タイタニス:「お願い……」 その両手の5指を美しく合わせたまま、かすかに囁く
GM:君たちの前後を包囲する機械群の中、はじめに動いたのは……
神機アポルオン:神機アポルオンだった。ある程度君たちへ距離を詰めたその瞬間に、時計盤のような表面装甲を輝かせて
神機アポルオン:次の瞬間には、無数の魔眼が装甲の隙間から噴き出す。それは複雑な流れを描きつつ、一点に着弾しようとしていた。サヨリの脇、スダチの頭上を抜け、リッコと綾の元へ
後藤スダチ:(……私じゃ、一手遅い……!)真っ先に神機二体を引き受ける判断をしたが、それでは間に合わないことも、半ば予想がついていた。
神機アポルオン:その魔眼にいかなる力があるかは不明だが、少なくとも攻撃能力がない訳はない。さらにその"アポルオン"が先読みの力を持つのであれば
神機アポルオン:座して受ければ致命的な影響を被るだろうと予想できる
四之宮サヨリ:「このっ、こっちが動く前に……!」電力再稼働が完了するよりもなお早く、魔眼が抜ける。最適最速の行動。
後藤スダチ:「リッコちゃん!綾さん――攻撃が」来る、と言いたかったが、どのみち、警告が届く頃には遅いかもしれない。
綾云媛:「展開を止めてください!」
綾云媛:「こちらで引き受けます!」
齋藤リッコ:「な」その言葉に能力の行使を止めて
齋藤リッコ:僅かに逡巡する。だが「……お願い!」
綾云媛:頷いて。(……これで魔眼使用の“余地”ができる)
綾云媛:(使わなくともいい、同じく時間に関わる可能性がある要素が出し控えられている状態なら……)
綾云媛:(私の側しか確実に読めないはずですよね)
神機アポルオン:……その読みは的中していた。リッコが能力を止めた瞬間、アポルオンの魔眼流の傾向は明らかに歪んだ。
神機アポルオン:着実に綾の行動を阻害するべく、魔眼の奔流が殺到する。まず傷が走り、次に動き縛る重圧が及び
神機アポルオン:さらには力を奪われる! リッコのそれと近い、レネゲイドの力の一部放逐だ。
綾云媛:「ぐっ……」
綾云媛:「なるほど……満足に身体も動かし難い」
綾云媛:「独りだったらこれだけで負けていたところです」
齋藤リッコ:「ありがと、助かった!」短く言って身を寄せ、
齋藤リッコ:「……温存できた分で、次のデカいのを待つわ」耳元で囁く
齋藤リッコ:「その時合わせられる?」
綾云媛:「はい。キングダムの絆でも見せつけてやりましょう」牙を見せて笑う。
GM:……そして、その派手な魔眼の奔流と同時に
執行者Br型:量産された執行者群が、焼け付かんばかりに弾丸を降り注がせる。君たちに……ではなく、ピラーに対してだ。
執行者Br型:度重なる破壊を受けてなお損なわれることのない、しかし壁も防護剤も奪われになった建造主要部に向け、鉛の雨を降らせる。範囲は広く、狙いは荒く、それゆえに容赦のない火力!
後藤スダチ:「く……そっ!」まったく成す術なく、その様子を見るしかない。
綾云媛:(我々はともかく、あちらは――)
齋藤リッコ:「あいつら、ピラーを……!」
綾云媛:(どこまで持つかの保証は全く無い)
後藤スダチ:先ほどとは違って、余波による負傷すらこちらにはない。その分だけ、ピラーが集中して削られていることを意味している――
四之宮サヨリ:(ひとつ、ふたつ……合計十発。同期したからある程度分かる、ピラーはまだ耐えられる、けど……)
"マスターゼウス":(……判断が遅れた。神機が来るのであれば、重装型など用意せず、全てこの型として一斉銃撃を敢行するべきだった)
後藤スダチ:(私が、もっと強い、広範囲の能力なら、この攻撃を防げたか?)
四之宮サヨリ:(……私の武装が、次の自分の一撃に耐えられない)
後藤スダチ:(ここに来たのが私じゃなくて、本部長やアルバ課長……いや、ネヴァノさんだったら、もっと上手くできたのかもしれない……!)
綾云媛:そう考えながら――「迎撃の手数は向こうに無い!」
"マスターゼウス":"ゼウス"は戦局が乱れるにつれ、黙り、思考を深める (……次はそうすればいい。神機は6基すべて動き、こちらへ向かっている。リソースは用いたが、自動修復能力が間に合っている)
綾云媛:「今このときであれば押し勝てます!」自他を鼓舞するように叫ぶ。
"マスターゼウス":(迎撃は奴らに任せろ。焦るな。研ぎ澄ませ。失敗しなければ……) 「……」
"マスターゼウス":「――勇猛なのか、錯乱なのか。間を取って無謀で白痴な楽観論か」
"マスターゼウス":「最初の一つはないにせよ、どちらもお前たちの得意とする所だ。まあ……」
"マスターゼウス":「結果を見てからそれを答えとすれば良い」
後藤スダチ:「うるさいよ!この……!」言い返す思考リソースも惜しい。
後藤スダチ:やるべきことは分かっているのだ。神機は生徒を優先して殲滅するルーチンがある。
後藤スダチ:(サヨリさんは、何事もきっちりやる。魔術的な詠唱なのか、システム的なプロセスチェックなのか)
後藤スダチ:(戦闘中の攻撃手順を、これまで一度も省略していない。たぶん、だから強い)
後藤スダチ:彼女の攻撃がこちらの持ちうる最大火力なら、それを支援するのが自分の役割だ。
後藤スダチ:神機を狙って撃ち、遮蔽物に隠れ、攻撃を1秒でもながくやり過ごす。
後藤スダチ:今していることは直接的な支援ではないが、後藤スダチが普段からこなしていることでもあった。
後藤スダチ:相対的に、味方の攻撃をより早く、より出力を高めるための妨害行動。
後藤スダチ:「集中だ……集中しろ!」自分に言い聞かせながら、戦い続ける。
四之宮サヨリ:(……ありがとう、スダチさん)それでも、今暫くの時間は要する。あまりにも長すぎる一瞬。
四之宮サヨリ:大きく呼吸をする。稼働し続ける階層の強烈な電圧の中、マスターゼウスの言葉を受けて。
四之宮サヨリ:「……ごめんなさい、間に合わなくて」口をついて、出た言葉は。
四之宮サヨリ:それは、目の前の彼に。今日戦った彼らに。これまで戦ってきた少年たちに。
四之宮サヨリ:その中で死んでいった子達への、謝罪。
四之宮サヨリ:「いろんな奇跡があったとして、それでも確かに。貴方達はノヴァリスへの航路を手に入れた」
四之宮サヨリ:「それは私達にはできなかった事。貴方達だからこそ到達できたもの」
四之宮サヨリ:「……本当に、凄いと思います」
四之宮サヨリ:「───それでも、貴方達を止めなきゃいけないのです」
四之宮サヨリ:「辛い戦いを乗り越えた貴方達が、何かを潰えさせる存在になるなんて……そんなの」
四之宮サヨリ:善悪ではない。目的を問うものでもない。
四之宮サヨリ:「……悲し過ぎるから」
四之宮サヨリ:女性的な、一方的な感傷。貴方が一番嫌うもの。それでも続ける。
"マスターゼウス":「…………火と」
"マスターゼウス":「油と。分かっていても。……俺が火で、その言葉が油であると」
"マスターゼウス":「お前は分かった上でそう言っているなら。……その行いをするのであれば」
"マスターゼウス":声は冷たいままだ。だが、語順が乱れている。乱れがそこに出ている
"マスターゼウス":「お前の言葉と行いこそ、お前たちの中で最も無為だ。すべては自己愛と自己陶酔のための劣悪な毒だ」
"マスターゼウス":「口を閉じろ――!」
四之宮サヨリ:首を横に振る。「いいえ……いいえ」
四之宮サヨリ:「貴方達を決して、襲い来る怪物にさせないためにも。伝えなきゃいけない」
四之宮サヨリ:「……私達に、何も求めなくても構わない」
四之宮サヨリ:「過酷な戦いに報いられるものも、返してあげられるものも、無いのかもしれない」
四之宮サヨリ:「だから、何度攻め込まれても、何度でも貴方達を受け入れて」
四之宮サヨリ:「───何度だって、止めます」
四之宮サヨリ:「今日は私達が。次は多分、別の誰かが」
四之宮サヨリ:彼らの想いは彼らだけのもの。言葉だけでは介せぬものだって、理解し合えぬ事だって、あるのだろう。だから。
四之宮サヨリ:「そうやって、貴方達を……」刃を交えて、関わって。
四之宮サヨリ:「───教えて」
"マスターゼウス":「――――」
"マスターゼウス":そこにはただ、求められればそれに応じまいという姿勢・思想のみがあった。
"マスターゼウス":巨体は駆動し続けている。神機ほどの脅威ではないにせよ、今も次の戦闘兵器を内部で生産しているのだろう。
"マスターゼウス":沈黙を、敵意による駆動音のみが彩る。
四之宮サヨリ:光が塔を覆う。大十字冠が雷を受けて眩く輝く。
四之宮サヨリ:二人の、これ以上の言葉を介さぬ静寂の中、再び空は白に包まれて行く。
神機アポルオン:その白光を、黒く汚すものがあった。アポルオンの魔眼。
神機アポルオン:それは光に紛れて接近し、サヨリ目掛けて落下――撃ち貫こうという軌道を見せた、が
"バズヴ・カタ":「……」 その武器と身でそれを阻む 「……やってくれ」
"バズヴ・カタ":「私は、あなたの考え方が一番美しいと思う」
四之宮サヨリ:その言葉に、小さく笑顔を返して。再び手を重ねる。
綾云媛:その増幅出力はだが、前射に及ばない。変換しているピラー側の出力が、欠如しつつある。
綾云媛:「火は私です。あなたが油と断じられるのであるのならば――」
綾云媛:「私の力を種としてください」
綾云媛:欠乏を補うように、熱量が満たされていく。
四之宮サヨリ:「……ふふ。随分と暖かくて。でも、燃え上がるような熱がある……確かに」
四之宮サヨリ:「……」
四之宮サヨリ:見上げる。視線は無言のマスターゼウスへ。ガダンファル・イルヤーサへ。
四之宮サヨリ:「いつか、貴方の下へも……届かせてみせる」
四之宮サヨリ:
四之宮サヨリ:───解き放たれる。
四之宮サヨリ:それは、妨害を受けて尚。最初の一撃よりも更に苛烈で、力強く、そして。
四之宮サヨリ:……優しい、光。
四之宮サヨリ:
四之宮サヨリ:再び、鋼鉄の雲群が天を遮ることは無い。開け、色が戻る視界に残るものは、僅か。
GM:"ヘパイストス"は
GM:6体の神機の中で単純な耐久力を比較した場合、最も頑強な個体であった。鍛造をその働きとし、造り続ける彼こそが。
GM:だからそういう機能がある。至近の僚神機が破壊される攻撃に晒される場合、身を以てそれを防御する。
GM:その際に、自らの頑強さは計算しない。――意味がないからだ。
神機ヘパイストス:「――――」
神機ヘパイストス:その"ヘパイストス"が砕けた。装甲の内側から城塞のような壁を生成し、"アポルオン"を防護し……その中核を雷に撃たれて。
GM:況や、他の戦闘機械群などは耐えられるはずもない! 雷が酸素を焼くいやに清冽な匂いの中を、無数の残骸が散っていく。
"マスターゼウス":機神、"ゼウス・ガマリエル"は――凌いでいた。生産を止め、そのすべての出力を防御に回すことで、辛うじて。機構の隙間から、ボロボロと作りかけの執行者が墜ちていく。
"マスターゼウス":「――これだけのことをできる手を持ちながら」
"マスターゼウス":「よくもその口で美徳めいたことを喋れたな」
"マスターゼウス":「不合理を通り越して不可解ですらある」
"マスターゼウス":「……だが、『次』もあるまい。もしあるとすれば、それは人の域を踏み越えた時のみだ。まあ……」
テスラ・タイタニス:「……」
"マスターゼウス":「今はそれ自体は可能なのか。試してみるか? それが一番、弟に顔を見せに行く手っ取り早い方法かもしれん」
四之宮サヨリ:「……本当に無茶をしました。貴方が察する通り、私の次は……この場で使うにはもう、限界かもしれませんね?」
四之宮サヨリ:(でも)
四之宮サヨリ:(信じている。貴方達が一人で戦っていなかったように)
四之宮サヨリ:(……私達も、決して一人で戦っている訳ではないのだから)
:全員にとって、予想外の事態が起こった。
:セイクリッドピラーで動いたものがあったのだ。たった今撃破された神機……”ヘパイストス"である。
神機ヘパイストス:ノヴァリスの生徒はその現象を、"マスターゼウス"が恐るべき生産能力を以て即座に修復したものと判断したかもしれない。
神機ヘパイストス:ギ、ギシ、……ギッ
神機ヘパイストス:爆ぜた中核を晒しながら、武装射出装置を"マスターゼウス"の戦場へと……
神機ヘパイストス:斎藤リッコと綾云媛の背へと向けていた。
"マスターゼウス":「――……?」
"マスターゼウス":異常事態を察することはできた。だが、その意図と先行きが見えていなかった。
"マスターゼウス":実の所、こういう不明の現象を前にした時、"ゼウス"は判断を損ないやすい。生産の能力を突き詰めた彼は、やるべきことが多いがゆえに『よくわからないもの』の優先度を下げる傾向があった。
"マスターゼウス":それでもここが通常の戦場であれば、致命の事態にならなかっただろう。しかしそれに加えて、神機は実戦投入を初とする機体であり、多少のバグは有り得るだろうと見ていた。ゆえに――
神機ヘパイストス:「必然だよ。"マスターゼウス"」
神機ヘパイストス:セイクリッドピラーのスピーカーが、ノイズ混じりの音声を発した。
神機ヘパイストス:「あなた達の憎悪は大きすぎて……何を本当に憎んでいるのか、分かっていないのかもしれない」
神機ヘパイストス:「だけど、もしも――ノドスが憎んでいるのが奇跡だとしたら」
神機ヘパイストス:自分達を最後の最後まで追い詰めて……そして、最後に救った奇跡だというのなら。
神機ヘパイストス:ごぼり、と、"ヘパイストス"の内部構造から緑色のゲルが溢れる。
神機ヘパイストス:電流がポリマーを焦がし、ショートしている。それでも、今までに何度もこの敵が作った機械兵と戦ってきた。
神機ヘパイストス:神機は、神ではない。機械だ。人が作った構造ならば、必ず解析できる!今自分が戦場に干渉できる、最も強力な武器があるとしたら――
神機ヘパイストス:それは、"マスターゼウス"自身が作り出した武器に他ならない!
"マスターゼウス":「――ッ」
神機ヘパイストス:「神聖二重冠は奇跡じゃない!」
神機ヘパイストス:――バ ン ! !
"マスターゼウス":「貴様……!!」
神機ヘパイストス:先程まで、飽和寸前に充填されていた、剣が。斧が。槍が。鎖が。
神機ヘパイストス:自壊とともに弾け飛ぶ!
"マスターゼウス":「そんなこと……」「……で!」 行動は早かった。即座に"ヘパイストス"のデータバックアップを読み、何が来るかを把握する
神機ヘパイストス:「"ステルペス"が言っていた……システムが存在するなら、ハッキングだってできる!」
神機ヘパイストス:「あなたにだってそれができたなら!――再現性がある現象なら!」
神機ヘパイストス:多量の武器が殺到する。無理矢理に機構を支配して撃ち出された軌道は出鱈目で、無秩序だ。
"マスターゼウス":大々的な防御出力でサヨリの攻撃を防いだ直後だ。防御力の余波が、まだ自らを守るに当てられるエネルギーの余剰があった。
"マスターゼウス":それを前方へ再収束しつつ、さらに生産しかけの執行者の断片をばらまく。
後藤スダチ:テスラ・タイタニスを協力させ、そして相互理解できずにいたのは、"マスターゼウス"だ。
後藤スダチ:最終局面にあってこの神機をここまで連れてきたのは、"マスターゼウス"だ。
"マスターゼウス":(武器が武器として扱われることを考慮する必要はない。質量計算だ。物理チャフで威力は殺せる。余剰はある)
"マスターゼウス":(さらにこの女の能力傾向を踏まえ……想定外の威力ではなく、想定外の攻撃地点に備える)
"マスターゼウス":(――ならば足りる!)
"マスターゼウス":ばらまかれる金属片と、更に防護フィールドが、君の攻撃を迎え撃つ。
後藤スダチ:大量の武装は、収束した力場と執行者の破片に防がれていた。
後藤スダチ:一連の戦闘で何度も、後藤スダチの戦闘スタイルを見せてもいた。スダチが撃つ時は、常に、敵の裏を掻く何かを用意しているのではないか、と。
後藤スダチ:――ならば、後藤スダチの攻撃予告を真に受けた結果として
後藤スダチ:それが懐へと踏み込む余地を生んだのも、"マスターゼウス"である。
後藤スダチ:「もう一回言う。奇跡じゃない」
綾云媛:その小さな影は、無数の武具を咥えた獣の群れにも見えた。
綾云媛:ゼウスに帰すべきものを、盗み出す者。
綾云媛:無秩序なる兵器の散布は、彼女自身の手元にもそれを与えていた。
"マスターゼウス":「……っく……!?」
綾云媛:発射機構によるものでも、人の手によるものでもない。
綾云媛:そもそもが理解不能と定義づけられた獣による、認知の外からの攻撃。未知の集積体。
綾云媛:「嚆べ――」王鍵の起動句ではない。
綾云媛:「悶えて、嚆べ!」
後藤スダチ:――はじめから起こると分かっているものなど、本当は奇跡ではないのだ。
後藤スダチ:私達はいつだって、奇跡を当てにした戦いなんてしていなかった。
後藤スダチ:「それが……必然、だ!」
"マスターゼウス":「――己、れ……ッッ!!」
"マスターゼウス":嚆ぶ。"ヘパイストス"、最も優れ洗練された武器を生み出すよう命じたものの、まさに生み出した武装が
"マスターゼウス":最悪の獣の牙となり、その身に食らいついている。噛み砕かんとしている――その巨体すらも通貫し、
"マスターゼウス":(……中核を! 持っていかれる……)
"マスターゼウス":(……ならば!)
"マスターゼウス":ガギン、と激しい破壊があった。線対称の構造体を繋ぐブリッジの、その中心が斜めに傾いだ
"マスターゼウス":攻撃を受けたがゆえである。だが、破壊されたのではない。自らそれを断ち……
"マスターゼウス":「――っの……女どもが……!!」
"マスターゼウス":目に見えていた生産機神"ゼウス・ガマリエル"よりもはるかに小型な――それでいてなお君たちをゆうに上回る、紫と白銀の機体が、
"マスターゼウス":崩れ行く巨身より飛翔離脱する 「……どこまでも」
"マスターゼウス":「暴れるなァ、女! ……やはり俺のやり方は生ぬるかったか!?」
後藤スダチ:「やっと……見慣れた姿になったじゃない!"マスターゼウス"!」
齋藤リッコ:「なっ……何あれ……!?」
齋藤リッコ:「あれが!? 本体ってこと!?」
四之宮サヨリ:「巨大な工廠から……あれが、本体……?」
綾云媛:「それも、隠しておく必要があったもの」
後藤スダチ:「慣れないオシャレなんて、するもんじゃないでしょう!?」
綾云媛:「撃破による好転は計り知れませんね」
後藤スダチ:セイクリッドピラーも、敵自身の神機も、自分が利用できそうなリソースはもう残っていない。
後藤スダチ:けれど、悪くない気分だった――一瞬後には"マスターゼウス"の気まぐれで消し飛ばされてしまうかもしれなくても。
"マスターゼウス":「姦しい姦しい! ……舐めるなよ! この俺が、作り出すばかりと思うてか」
"マスターゼウス":「俺とて――」
"マスターゼウス":……その巨体に対し、更に並外れて大きい物体がその両手に現れた。
"マスターゼウス":槍。斧槍と呼ばれるカテゴリーのポールアーム。それが見る間に、巨大化していく
"マスターゼウス":「……死にかけの樹を切り倒す程度!」
綾云媛:「来る……いや!」
綾云媛:(ピラーか……間に合わない)
"マスターゼウス":ここに来て、それはいっそ恐ろしく幼稚で原始的な攻撃だった。
後藤スダチ:「私はここだ!――撃ち、落としてやるッ!」
"マスターゼウス":ピラーに、巨大な斧を、叩き込む。……だが"マスターゼウス"自身にとっても、これが可能であれば最大効率の一手である。
後藤スダチ:(一手でも、私に攻撃を向けはしないか)
後藤スダチ:(怒りで判断を間違えないか――)
"マスターゼウス":今の彼には腕があり、執行者なぞを生み出しての攻撃よりも、もはや質量攻撃で決する局面。
後藤スダチ:ここに来て祈れる事は、相手の判断ミスだけだ。事実、ピラーの耐久力は限界に近い。
四之宮サヨリ:(くっ、侵蝕を限界まで引き上げれば、"次"が……!)そこまで一瞬考えて、思考を冷やす。そうだ、私達には、"まだ"───!
"マスターゼウス":そもそも、"ガマリエル"を破壊された時点で、打つ手は大きく限られている。決着手を打ちにかかる――その選択そのものは、なるほど間違っていなかっただろう。
"マスターゼウス":だが。
齋藤リッコ:「それを──」
齋藤リッコ:「待ってた」
齋藤リッコ:時間加速による跳躍。振るわれる巨大な刃の先に、自ら身を晒し。
齋藤リッコ:──ひたり、と。
齋藤リッコ:刃を、素手の掌で……受け止めた。
"マスターゼウス":「…………」「……あ……!?」
齋藤リッコ:機神によって振るわれた巨大な斧槍、その想像を絶する運動エネルギー。
齋藤リッコ:それは別時間軸に散逸することなく、熱エネルギーへと変換され、炎の奔流となって噴出、渦を巻く。
"マスターゼウス":「……質量攻撃すら。制御能力下にて解釈するだと」
"マスターゼウス":「どこまで……どこまで道理を弁えん……どこまで……ッッ!!」
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:受け止めた刃の先、激昂する“マスターゼウス”を静かに見遣る。
齋藤リッコ:「……『油断』とは違うんでしょうね」
齋藤リッコ:「あんたはノヴァリスを潰す為に、最善を尽くそうとした」
齋藤リッコ:「キングダムとメサイアの隙を突き、ジェネシスを封じて……万全を期した」
齋藤リッコ:「でも、いくら戦力を分析しても……それは理解したのとは違う」
齋藤リッコ:「あたしがノドスのことを知らないように」
齋藤リッコ:「あんたもノヴァリスのことを、何も知らない」
齋藤リッコ:「このセイクリッドピラーの光の下に──」
齋藤リッコ:「どんな人がいて、どんな考えがあるのか」
齋藤リッコ:「普段何をしてるのか。何が流行っていて、何を食べて、何に怒り、何に喜ぶのか」
齋藤リッコ:「何も知らないのに、知ろうとしない。対話も理解も、歩み寄ろうともしない」
齋藤リッコ:「だから、ここで……」
齋藤リッコ:「負ける」
"マスターゼウス":「それが……」「……何の答えになるものかッ!」
"マスターゼウス":敵意を剥き出しにした激昂だ 「お前たちが何を喜び何を悲しみ何を食らい何に怒り、何を求め何を望み、何を選び何を捨て」
"マスターゼウス":「何を何を何を――何を、目的にッ、だと!? そんなことで……!」
"マスターゼウス":「……そんなッ、ことなど――!!」
"マスターゼウス":身体ごとの切り返し。斧槍は迂回し、逆側からピラーへと振り下ろされようとする。だが、それは恐ろしく……
"マスターゼウス":隙だらけだ。
齋藤リッコ:(今────!)
齋藤リッコ:“マスターゼウス”の攻撃を変換した熱──炎が攻撃の軌道上に収束し、剣の形を成す。
齋藤リッコ:身の丈より巨大な、炎の剣。
齋藤リッコ:斧槍と炎剣がぶつかり合い、その威力に炎が掻き消されそうになるが──
齋藤リッコ:瞬間、剣はその逆に膨張した。
齋藤リッコ:「綾ちゃん──今!!」
齋藤リッコ:その王鍵の特性、理解は朧げだが、叫ぶ。
齋藤リッコ:「焚べて!!」
綾云媛:「行けっ!!!!!」あらん限りの声で嚆び応える。
綾云媛:“ナルテークス軸心髄”は、火を与える遺産である。
綾云媛:火とはただの副次効果である。
綾云媛:燃料――化学エネルギーを内蔵する物質。
綾云媛:酸化剤――酸素ガスのような反応源。
綾云媛:熱――これらに引火点を超えさせるためのもの。
綾云媛:これらの要素の結実の現出だ。であれば――火を与えるとは。
綾云媛:この全てを自在に供することに他ならない。
"マスターゼウス":(――メサイアの墓守女! ジェネシスの歯車! キングダムの落ちこぼれに……一般生徒! ……一般生徒!?)
"マスターゼウス":(そんなものに……そんなものに、俺の……俺のすべての手の最後を……)
"マスターゼウス":「……オオォォォッッ!!」
"マスターゼウス":怒声が轟く。
齋藤リッコ:炎剣が見る間に膨張する。眩い輝きが閃光の如く迸り、熱波が吹き抜けて夜空を揺らす。
齋藤リッコ:「……テスラ!!」
齋藤リッコ:「ここで全部出し切る! ありったけ来なさい!!」
テスラ・タイタニス:「そんなの……理事会時代の実験以来よ」
テスラ・タイタニス:「撤回しないでよね」
テスラ・タイタニス:刹那、全身を内側から啄まれるような感覚を君は覚えるだろう。恐ろしいのは……それに痛みのようなものを伴わないこと。
テスラ・タイタニス:むしろ高揚感がある。全能感がある。大地から自分を解き放ち、空高くまで飛翔できるかのような。
齋藤リッコ:「くっ……あ……ぁ……!」
齋藤リッコ:炎が、更に、更に巨大に。
齋藤リッコ:膨張して、膨張して、膨張する。
齋藤リッコ:テスラから流れ込む衝動を、そのまま剣へと。同時、自らに残ったありったけの力を注ぎ込む。
齋藤リッコ:その炎が、今この瞬間、不安と共にセイクリッドピラーを見上げている全ての生徒に届く、燈火となるように。
齋藤リッコ:煌々と燃え盛る炎剣は、機神の体躯すら越え、高層ビルの如き極大へと達する。
齋藤リッコ:新たな恒星が現出したかのように、セントラルの闇が燦然と照らし出される。
齋藤リッコ:その圧倒的な熱と圧力に、徐々に斧槍が押し返されていく。
齋藤リッコ:「……あたしは」
齋藤リッコ:「あんた達が悪だとは思わない」
齋藤リッコ:「譲れないものがあって、その為にこんなに必死になって戦ってるんでしょ」
齋藤リッコ:「でも、それは──」
齋藤リッコ:「あんたが何と言おうと。どんなに見下して、どれだけくだらないって吐き捨てようと」
齋藤リッコ:「あたし達だって……同じなのよ!!」
齋藤リッコ:炎剣が一気に振り下ろされ、凝縮された劫火の刃が“ゼウス・ガマリエル”に激突する。
齋藤リッコ:膨大な衝撃波、熱波と炎の嵐が吹き荒ぶ。
"マスターゼウス":「……ッ――ンナ――!!」
"マスターゼウス":きっとその思考回路は、無数の悪罵と呪詛を吐き出していただろう。だがその一つも、誰の耳にも届くことはない。
"マスターゼウス":焼き尽くされていく。炎が装甲を熔断し、内部機能を焼滅し、その全てが炎の剣に消えていく。
齋藤リッコ:「たった一人のテスラを軽んじて、何も出来ないと考えたせいで……あんたは今追い詰められてる!!」
齋藤リッコ:「あたしより強い奴なんて、ノヴァリスにはいくらでもいる!!」
齋藤リッコ:「奇跡っていうのは、神聖二重冠に宿るんじゃない……!」
齋藤リッコ:「ノヴァリスの一人一人が、誰だって! その可能性を持ってるのよ!!」
齋藤リッコ:高熱、高圧、爆発。巨大な炎刃が機神の巨体を破砕し、ゆっくりと切り裂いていく。
齋藤リッコ:「次はそれも計算に入れて、もっと良い作戦を考えるのね……!」
齋藤リッコ:「何度来たって、絶対に止めてやるから!!」
齋藤リッコ:荒れ狂う炎の嵐が、機神とその本体とを諸共に呑み込んでいく。
齋藤リッコ:「ノヴァリスを……」
齋藤リッコ:「ナ──メ──ん──」
齋藤リッコ:爆風と共に、刃は更に加速して。
齋藤リッコ:「────なぁあああああああーーーッ!!!」
齋藤リッコ:夜空に炎の軌跡を残しながら、聳えるその巨体を両断した。
"マスターゼウス":最後の瞬間まで気は抜けない、という慎重論的思考を差し引いても
"マスターゼウス":君は間違いなく決着を確信し、そしてその想像通りの結果が、炎の剣を振り下ろした先にあった――"マスターゼウス"はもとより戦闘に関し、巧みさはない。
"マスターゼウス":その王冠から正中に両断された、高慢な銀の機体は、何一つ意志を持つことなく地上へと落下していく。
"マスターゼウス":煙だけが夜空にいくばくか汚れた線を引き、
"マスターゼウス":「――――」
"マスターゼウス":左右、遅れて崩壊、四散していく。
GM:……同時、君たちは十字冠に頭を押さえつけられるかのような感覚からも解放されていくだろう。結局、十字冠への干渉の核は彼であった。
GM:その健やかな解放感と……もう一つ。
テスラ・タイタニス:「……」
テスラ・タイタニス:「もう朝じゃない」
GM:地平線より夜闇を照らすその白光の朋来が
GM:君たちの勝利を言葉もなく祝福していた。
GM:◆ Backtrack
GM:帰還の時間……です! なんだかセッション規模の割に全然緊張感のないバックトラックになる気はするが
GM:ちゃんとEロイスは持ってるので、その数ははっきりさせていくぞい
Eロイスたち
"マスターゼウス"
【機神】
【さらなる絶望】
"アルゲス"
【罪の仔ら】
【自虐の刃】
"ステルペス"
【罪の仔ら】
【虐殺機関】
"ブロンテス"
【罪の仔ら】
【虚実崩壊】
GM:なんと8個もあります ワ~~
齋藤リッコ:めっちゃある!
綾云媛:マジかよ
GM:いいんですよ……振っても
後藤スダチ:ノドスがそもそも4人出てるからなあ
GM:嬉しいでしょ Eロイスがよ
綾云媛:こんな長丁場のセッションで……振らないやつはバカ!
綾云媛:っていつもはいうのにね
齋藤リッコ:お気持ちだけで……
後藤スダチ:バカで~~す
四之宮サヨリ:いつもは嬉しいけど……
後藤スダチ:今日はバカになってもいい日
綾云媛:バカになっちゃお♡
GM:女がァ~
GM:じゃあ素振りで帰還とかしな!
齋藤リッコ:残りロイス3個 素振り!
齋藤リッコ:96-3D10
DoubleCross : (96-3D10) → 96-21[10,1,10] → 75
四之宮サヨリ:沢山守っていただき、ロイスが5つ残ってます
後藤スダチ:私も1個しか昇華してない
四之宮サヨリ:112-5d10
DoubleCross : (112-5D10) → 112-34[10,10,8,2,4] → 78
後藤スダチ:107-5d10 1倍
DoubleCross : (107-5D10) → 107-19[3,2,9,4,1] → 88
齋藤リッコ:5点!
四之宮サヨリ:5点!
綾云媛:残り3つ!でも全部1でも帰ってこれるぜ
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を3D10(→ 26)減少(102 → 76)
綾云媛:5点帰還です
GM:クソ……なんて健康的なバックトラックなんだ
GM:伝わっちゃったかな ゼウスのやさしさ
後藤スダチ:本当は私達女の子のこと思いやってあんなことしたんだよね……♡
齋藤リッコ:ああ見えていいとこあるのかも
後藤スダチ:全部伝わってるからね♡
四之宮サヨリ:膝枕してあげますね♡
GM:うぅ……くそぅ……
綾云媛:嫐られてる
GM:経験点計算もしてしまいましょう。いつもの5点に加えて、成功分は10で、Eロイスは見ての通り8個 Dロイスは今回ゼウスの器物使いのみなので、9点加算……で大丈夫だよな まあそんなもんじゃい
GM:気分的には君たち全員100点だが、結果的には24点! 大事に持ち帰りなさい
後藤スダチ:ワイワーイ
綾云媛:バクバク!
齋藤リッコ:わ~~い!
四之宮サヨリ:モチャ...
【◆ Ending 01】
GM:戦いの終わりが、すなわち事件の終わりを意味するわけではない。
GM:ノヴァリスの日々が今後も存続する以上、そのためには何が起きたかの客観的かつ総括的な報告が必要である。
GM:そういう訳で君たちは、戦いの後一旦休息や治療を受け、簡単な事情聴取の名目でピラーに呼び寄せられ
GM:綿密な事情聴取とピラー内の片付け(破壊された外壁を優先的に修理しているためか、内部はまったくひどい有り様だった)をあれこれと手伝わされていた所である。
GM:時刻は夜。疲労と空腹があった。
GM:――そういう訳で君たちはセントラルの中でもっともコスパの良い焼き肉の食べ放題にやってきたのである!
震える先住市民:「注文はタブレットでも、お手元のスマホでも受け付けるからねぇ」
震える先住市民:チワワじみた先住市民が一通り説明を終え、君たちのテーブルを後にする。
エイヴ・ド・レスタイム:「とりあえず適当に定番のは人数分は入れちゃってるんで」 ジェネシス製の防臭スプレーを吹き付けている
後藤スダチ:「最高生徒会ってこういう時焼き肉なんですか?」
綾云媛:「最高生徒会だとパフェですねだいたい」
綾云媛:「どっかの誰かの意向で……」
エイヴ・ド・レスタイム:「特に食べたいのとか、あと飲み物とか。みんな生でいいならそうしますけど」
齋藤リッコ:「ありが……生って?」
四之宮サヨリ:「……」寝不足でだいぶひどい顔をしている。
エイヴ・ド・レスタイム:「えっ? 生は生ですよ……焼き肉に生と言ったら……ねえ?」
エイヴ・ド・レスタイム:「生レモンジュース」
齋藤リッコ:「すっぱい……!」
四之宮サヨリ:「生ください、クエン酸で生き返ります」
エイヴ・ド・レスタイム:「生人数分~!」 頼んじゃう
綾云媛:「一番左のタブのこれ見よがしにあるお肉は押さないでくださいね」
綾云媛:「別料金なので」
齋藤リッコ:「えっ……罠じゃん!」
四之宮サヨリ:「もう、今日だけは女子力を横に置いて……まずお肉、次にお肉、最後にデザートで行きます……」
後藤スダチ:「とにかくどんどん注文しよう。大抵こういうのって運ばれてくるまで時間かかるし……」
後藤スダチ:意向を伺うまでもない、タン塩やカルビなどの皿は先に注文してしまう。いずれにせよ食べ放題だからだ……
"バズヴ・カタ":飲み物(生)は意外と早く届いた。同じく同席しているバズヴが皆へ回す
後藤スダチ:「あと焼き用の野菜とサラダ……あっ、ありがとうございます」
齋藤リッコ:「本当に生レモンジュースだ……」
綾云媛:「逆に何だと思ってたんですか」
ハイト・ワトソン:「わ、私刺激物は……野菜を……」 こちらは席の隅で怯えるフクロウのような細まり方を見せているぞ
"バズヴ・カタ":「……こういった店には馴染みがないが、作法は知っているつもりだ」
"バズヴ・カタ":「こう……」 ジョッキを掲げて 「打ち合うんだよな? これで……」
齋藤リッコ:「そうね。乾杯しましょうか」
後藤スダチ:「みんなお疲れ様~」
四之宮サヨリ:「……乾杯!」
齋藤リッコ:「お疲れ様! 乾杯~」ジョッキを打ち鳴らす
エイヴ・ド・レスタイム:「お疲れ様で~す」
"バズヴ・カタ":「乾杯」
綾云媛:「僭越ながら音頭を……」
綾云媛:「……」
綾云媛:「もうやってますね」
エイヴ・ド・レスタイム:「アッハッハ! かしこまった場ならともかく、この席でねえ? 僭越とか!」
綾云媛:「干杯……」渋面で返す。
ハイト・ワトソン:「……すっぱい……」 酸味により、枝くらいまで細まっていく
齋藤リッコ:「ハイトちゃんが消失しそう!」
四之宮サヨリ:「~~~~~~~っ、効く…………」飲み干し、疲れたOLの如く大きく息を吐く。
後藤スダチ:「私やハイトちゃんはともかく……バズヴさん達は本当にありがとうね」
後藤スダチ:格安の食事に騙されて労働をさせられたかたちになったが、そこに異論はない。冒頭の大量轢殺事件のことがあるからだ……
"バズヴ・カタ":「……私か?」 生を本当に一息で飲み干している。『乾杯』と言うからにはそうするべきだろうという考えがあったらしい
"バズヴ・カタ":「……結果的に、私たちの目的……テスラ・タイタニスの身柄の確保について」
"バズヴ・カタ":「あなたたちの誰もに力を借りた。その分と思えば多少の業務、当然だ」
"バズヴ・カタ":「そんなに大変ではなかったしな」 おそらく運勢操作能力により、楽な仕事を引き当てていた。状況が混乱しているほど、彼女は恩恵を得る性質である
後藤スダチ:「立派な人だなあ……」そんなことはつゆ知らず、感心している。
エイヴ・ド・レスタイム:「実際、皆さんのお陰で状況整理の勢いがついたのは助かりましたよ。結局一番混乱してる最初をどう整えるかで後が決まってきますからね……」
綾云媛:「後は地道にやるだけです。まあそれが長いんですが……」
齋藤リッコ:「まさかあの後でまだ働くことになるとは思わなかったけど……」
四之宮サヨリ:「カタコンベの方もある程度落ち着いたので出向もきちんと出来ましたが……」
エイヴ・ド・レスタイム:「その辺もコミでこの会ですから。遠慮しないでくださいね~」 運ばれてきた肉を焼き始めるぞ
後藤スダチ:「そうだねえ……私としてはたまったもんじゃなかったけど、ジェネシスとしては良かったのかもしれないなあ」
後藤スダチ:"オフィサー"の人員が直接ピラー襲撃やジェネシス・シャットダウンの元凶を確認したという事実は大きい。事務処理の負担は後藤スダチに一手にのしかかることになったが。
四之宮サヨリ:「緊急のピラー電気使用料金、数割負担とはいえあそこまでとは……」手続き関係でだいぶ頭を悩ませていた。
後藤スダチ:「というか前々から不思議だったんですけど、合コン委員会の財源って一体どうなってるんですか?サヨリさん」
四之宮サヨリ:「ええと……グレート・バビロンからの補助金や、最高生徒会の方からも一部頂いている状態なのですが……」
齋藤リッコ:「そうだったんだ」頻繁に出入りしておきながら全然知らなかった
綾云媛:「あとはあれじゃないですか。クリニックみたいな……」
綾云媛:「そういう授業通そうとしてましたよね。学習寮のプログラムだかで……」
エイヴ・ド・レスタイム:「資金洗浄ならぬ欲望洗浄を……」
四之宮サヨリ:「残りは有志や遺族の方の……ひ、卑猥な事は一切やっていません!クリーン!クリーンな活動を心掛けていますので……!」
エイヴ・ド・レスタイム:「ありましたねえ。アレは右も左も問題だらけで面白かったですけども……」
エイヴ・ド・レスタイム:「でもまあ、今回の件ならあの村前っていうラスヴィダスの子からもある程度持ってはこれるんじゃないですか?」
後藤スダチ:「え~~、あそこがお金出してくれるかな?ピラーの電力使ったのはこっちの判断なわけだし……」
四之宮サヨリ:「ううーん……何かその代わりに渡せるものがあればいいんですが、ピラー内部でも色々良くしていただけた分……」
エイヴ・ド・レスタイム:「何かを生産してる訳じゃないですからねえ~」
齋藤リッコ:「代わりねえ……」若さに任せてもりもりカルビを食べている
四之宮サヨリ:「本来彼女たちが得るはずだった……落下、拘束したヘカトンケイレスに残った情報を提供可能であれば、少しはなんとかなるかも……」
後藤スダチ:こちらもタン塩を食べている。日本人なので白米もつけているぞ。
四之宮サヨリ:タン塩を摘まみながら、笑顔で生二杯目を飲み干している。
綾云媛:がっと薄い肉の塊を掴んでいる。「嚆べ~」自分の火で勝手に焼いている。
綾云媛:塊のようになった肉を一人で食べている。
後藤スダチ:(こわ……)
齋藤リッコ:「何その食べ方!?ズル!(?)」
綾云媛:「こうしないと食べた気にならなくないですか?」
エイヴ・ド・レスタイム:「出た。王泣き焼き」
後藤スダチ:「あ、そういう技として確立されてるの……!?」
齋藤リッコ:「お決まりなんだ」
四之宮サヨリ:「王鍵を焼肉に使うとは、なんとも贅沢な……」
エイヴ・ド・レスタイム:「高い店でやるのはやめてほしいんですけどねえ」 ぼやく
綾云媛:「ここの火力使いづらくないですか?だって」
綾云媛:「“焦熱”と“極大消滅”しかないんですよ設定」
後藤スダチ:「ノヴァリスの大衆向けってパワー強ければいいと思ってるんだよな」
四之宮サヨリ:「極大消滅、お肉が一瞬で灰になりませんか?」
齋藤リッコ:「店員さんに頼んだら“煉獄魔神”もあるって書いてあるわよ」
綾云媛:「それリミットですよ」
四之宮サヨリ:「勢いが分かりにくい……」
"バズヴ・カタ":(火力が強ければ良いというわけではないんだなあ)
後藤スダチ:「あのね、話を戻すけど……」
後藤スダチ:「……合コン委員会の活動って、今後どうなるのかなって」生レモンジュースを数口飲んで、酸っぱそうな顔をする。
後藤スダチ:「星徒の話は多分ここにいる全員が知ってるだろうから……"楽園の300人"がどうなっているかは、ある意味分かってるわけだよね」
綾云媛:(ハイトさんは知らない気もしますが)面倒なので言わない。
ハイト・ワトソン:もちろん"星徒"のことは知らないが、こういう場で自分が知らないことに果敢に突っ込む性格ではない。サンチュをもぞもぞ食べて体積を元に戻している
後藤スダチ:「それで、今回のことで……ノドスの人達の消息についても分かっちゃったわけだから」
後藤スダチ:「……サヨリさんは、これからも続けるの?」
四之宮サヨリ:「……元々私達はあの、汎学区合同文化祭の後」
四之宮サヨリ:「ノドスの人たちがまだ生きていることを知って、皆で話し合って……」
四之宮サヨリ:「"ノドスとの和平条約の締結"を、大きな目標としています」
四之宮サヨリ:「……勿論、今回の一件で。誰が亡くなって、誰が生きているかは、どうしようもなくはっきりと分かってしまって」
四之宮サヨリ:「それでも、いつか戦わななくいい未来が来るように。彼らの帰るべき場所を守れるように」
四之宮サヨリ:「……やることは、変わりません。私が居られる間は、合コン委員会としての活動は続けていくと思います」
後藤スダチ:「……けれど。"マスターゼウス"がそうだったみたいに、ノドスにはノヴァリスを攻撃しようとする派閥がいて」
後藤スダチ:「ノドスで生き残った100人もその方針を止めるつもりがないか、止める力がないかもしれない」
後藤スダチ:「――ノヴァリスとノドスに戦うメリットがないっていうのは、私も、同じ意見だよ。でも、だからこそ」
綾云媛:「そもそも、ノドスのピラー攻撃は2度目ですからね」
綾云媛:「彼らが少数派とは思い難いです」
後藤スダチ:「そうするだけの合理的な理由が、何かあるんだと思う。止めたくても、止めてはいけない何かが」
齋藤リッコ:「……それでも」サヨリちゃんを見て「やるんでしょ」
四之宮サヨリ:「はい」「"マスターゼウス"との戦いで言った通り」
四之宮サヨリ:「彼らが攻めてくるなら何度でも、その思いを受け止めるつもりです」
後藤スダチ:「うん。それも分かってるつもり……サヨリさんは『やる』。――私が提案したいのは」
後藤スダチ:「やり方のほう」これは営業だ。私も、私一人の力では、この問題を解決できない。
後藤スダチ:「私は三回ノドスに接触したけど、それでも相手のことを分かるには、まだ少ないと思う」
後藤スダチ:「少なすぎるデータじゃ、統計を取ることだってできない。相手が攻めてきて、そこに偶然居合わせることを願うには、試行回数が少なすぎる……」
綾云媛:「単なる生存者のリストではなく」
綾云媛:「……これらを生きたデータにしていくと?」
後藤スダチ:「多くのノドスの関係者がいる合コン委員会と、ノヴァリスでの実行能力のある"オフィサー"」
後藤スダチ:「この二つの組織を連携した事業を立ち上げられないかって、私は思ってる」
後藤スダチ:「生き残りのノドスチルドレンの行動傾向や心理をプロファイルして……ノドスを捜索する。ノドスそのものじゃなくても、今活動している誰かを」
四之宮サヨリ:(……楽園の300人に対する葬送係。ノドスの生き残った子達に対する……か)
四之宮サヨリ:「ご提案、ありがとうございます。内容に関しても……」
四之宮サヨリ:「前向きに検討したく思っています。まずは持ち帰って、ミルキ委員長と相談するところからにはなってしまいますが」
四之宮サヨリ:少しだけ、目を伏せ思い返す。今回出会ったノドスの子達の事を。様々なことを経験し、色んな思いを抱えている彼らを。
四之宮サヨリ:「……必ず、実現できるように。お話を進めていきたいです」
後藤スダチ:「あはは、こんな時まで仕事の話でごめんね~……予算通らなかったらそもそも立ち上げられない事業かもしれないし」
後藤スダチ:「……でも」
後藤スダチ:「言われっぱなしは、悔しいからさ」
"バズヴ・カタ":「言われっぱなし……」
後藤スダチ:ノヴァリスだって、ノドスのために、何かを成し遂げないとだめだ。いつか訪れるかもしれない奇跡に頼ることのない何かを。
齋藤リッコ:「す……すごいわね……もうそこまで考えてたの……?」呆気に取られながら
齋藤リッコ:「今回の件も大手柄っていうか超手柄だし、スダチちゃんオフィサーで爆裂大出世しまくりなんじゃないの?」
ハイト・ワトソン:ふんふん頷いている
後藤スダチ:「そ、そうかなあ~」ちょっと照れている。「営業成績上の子はもっとバリバリにやってるし……」
綾云媛:「これ以上バリバリにやってるんですか」
綾云媛:「トップとかどうなってるんですかそれ」
四之宮サヨリ:「……相手の事を知ろうとするのは、きっと。分かり合えるための第一歩になるはず」
四之宮サヨリ:「いつか来たる時の為にも、お互いに手を尽くしましょう」
後藤スダチ:「うん、よろしく。あ、これは私の物理名刺……電子名刺は午前に送信してるけど、一応ね……」
四之宮サヨリ:「あっご丁寧にどうも……私も何かあったかな……ううん、後で手作りお菓子をお送りしますね……!」
綾云媛:「合コンの人ってそれが本当に名刺代わりになるんですね」
四之宮サヨリ:「あはは……こういう時、メッセージカードと一緒に渡すのがいつもの流れになっていて……」
齋藤リッコ:「あっ!あたしも渡さなきゃ……」いそいそと取り出して配っていく 営業規模に対して不釣り合いに豪華な名刺だ(外注)
エイヴ・ド・レスタイム:「ご丁寧にどうも~。すみません、うちはペーパーレスで」
後藤スダチ:「完全ペーパーレスにしちゃうと取引先によっては不便ですよ」
綾云媛:「一からノヴァリスなんて作ってるんだったら全部規格統一してほしいんですけどね」
エイヴ・ド・レスタイム:「そうしておくと不便な取引先に関わりづらく済むって利点もあったりするんですよ。アッハッハ」
後藤スダチ:「生活の知恵だなあ……」感心している
"バズヴ・カタ":(……紙ナプキンに名前を書けば代用になるだろうか……?)
四之宮サヨリ:「あんまりこういうこと言うのも聞くのも良くないと思うんですが、崑崙に連絡する時はどうやって……?」
綾云媛:「連絡の必要あります……?」
齋藤リッコ:「直接来るか……あとは矢文とか鳩とかで届くわね、大体」
四之宮サヨリ:「や、矢文、鳩…………?」
ハイト・ワトソン:「や、やぶみとはと……」 何故か脳内で伝書鳩を矢文が射殺しており、震えている
四之宮サヨリ:「いや、鳩はまだハンドリングで……」
綾云媛:「無事に届く保証もないですけどね」
後藤スダチ:「こっちからドローンを送ると8割は撃墜されるらしいよ」
エイヴ・ド・レスタイム:「区別つかないんでしょうね。鶏肉と」
エイヴ・ド・レスタイム:「……まあ、対ノドスの態勢が学園間でもできてくれるのは真面目に歓迎ですよ」
エイヴ・ド・レスタイム:「私も今回、ま~後ろで見てただけですけど、大概思い知りましたからね……」
綾云媛:「うちは敵が多すぎますからね」
綾云媛:「減らしてくれるのは願ったりですとも」
齋藤リッコ:「何かあればあたしも手伝うから声掛けてね、二人とも。一応葬送係だし」
四之宮サヨリ:「リッコさんも最近色々と出ずっぱりで忙しいのに……いつもありがとうございます」
後藤スダチ:「リッコちゃんも……」大変だったね、や、これからどうするの?という言葉を続けたかったが、寸前で呑み込む。
後藤スダチ:友人の死が関わる話を思い出させるのは、あまり良いコミュニケーションではないように思えた。
後藤スダチ:「……その、今回のことで、事務所の知名度が上がるといいよね」
綾云媛:「報酬はお出しできませんでしたが実績にはなりますもんね」
齋藤リッコ:「どうかしらね~……意外とこういうのって……」
齋藤リッコ:「死ぬほど苦労してもあんまり注目度上がらないのよね……」腕組みして唸る
後藤スダチ:(ノヴァリスの危機を救ってる人って意外とたくさんいるからなあ……)
四之宮サヨリ:「活動実績のアピールとか……は、でもあまり大声で言えない事件だって多いですもんね……」
齋藤リッコ:「そうなのよ……」リエゾンロードを倒したりしたがそこまで知名度が上がっていない
エイヴ・ド・レスタイム:(……実際、引き入れた傭兵がみんな『ピラー襲撃に対する防衛の前線に参加した』って言い出すだろうから)
エイヴ・ド・レスタイム:(今回の件はオープンにできるにしても、箔がつくかは怪しいんですよねえ) ホルモンを噛んでいる
齋藤リッコ:「報酬はいらない……っていうか、エアリさんからは貰えるのかな。まあ別にいいからさ」
齋藤リッコ:「知ってる子が何か困ってたら、ウチのこと紹介してあげてくれる?」
"バズヴ・カタ":「そうしよう」 頷く 「あと報酬も出るので、そこは安心して欲しい」
後藤スダチ:「シャムロックの人達は本当に立派だなあ」今回の件で好感度が大幅上昇している。
"バズヴ・カタ":「……我々としても、"フォモーリアン"追跡は学区の一大命題であったし、それが解決したことは」
"バズヴ・カタ":「本当に大きい。皆さんには感謝している」
"バズヴ・カタ":「少なくとも私は、あなたたちの対ノドス戦線に関しても、変わらぬ協力をすることを約束しよう」
後藤スダチ:「でも、テスラ・タイタニスは……」
後藤スダチ:「……大丈夫なの?」複数の意味を含んだ心配である。
四之宮サヨリ:(……あの子の、処遇。本人が思いとどまってくれたのはいいけれど……)
"バズヴ・カタ":「未来永劫に亘る絶対の保証はない、と前置きした上で」
"バズヴ・カタ":「大丈夫だ」 頷く 「現在は尋……話を聞いている所だが、誰の予想よしも素直なものだ」
"バズヴ・カタ":「もっとも、結論は変わらないが」 彼女は今後、シャムロックに厳重に禁錮される
齋藤リッコ:「……」何か言おうと口を開き、少し迷ってやめる。「うん……そうね」
齋藤リッコ:「あたしも時々様子見に行くから。その時はついでにシャムロックの案内でもしてよ、バズヴちゃん」
"バズヴ・カタ":「必ず歓迎しよう」
齋藤リッコ:「でも、皆もう今後のこと考えててえらいわよね~……」
齋藤リッコ:「あたしなんてもう……これからどうしようかなって感じなのに……」微妙にスダチちゃんの気遣いを無為にしている
ハイト・ワトソン:首を小刻みに縦に振って頷いている 彼女も終わった……と疲れた……しか考えられていない方である
ハイト・ワトソン:「みなさん、ほんとに……これからのこととか、たくさん考えてて」
ハイト・ワトソン:「私、もう……仕事をなんとかできて、みなさんが無事で、それでよかったな……しか考えてなかったから……」
ハイト・ワトソン:おそらくソースにディップして食べるであろう野菜スティックを生のまま小さな口で齧っている
ハイト・ワトソン:「す、すごいもの見ちゃったな……って思ってます」
後藤スダチ:「ハイトちゃんは立派だったよ!ハイトちゃんがいなかったら私はなんにもできてなかったわけだし……!」
後藤スダチ:「手帳を信じて動いてくれたハイトちゃんが、ジェネシスの救世主かも!私、会長にもそう言っとくからね」
ハイト・ワトソン:「う、うえへぇ……そ、そんな……えへへへ……」 動揺とうれしみが半々くらいのようで、次々に野菜を生のまま食べ始める
四之宮サヨリ:(小動物みたいでかわいい……)5杯目の生を飲み干しながら。
齋藤リッコ:「ハイトちゃん!焼いてないわよそれ!」
綾云媛:「サヨリさん飲み過ぎでは……?大丈夫ですか」
齋藤リッコ:「何らかの健康被害が出そう……」
四之宮サヨリ:「カフェインも入ってない……ならば水のようなものです。ご心配なく」
綾云媛:(糖分は大量に入っているのでは……)
エイヴ・ド・レスタイム:「クエン酸のとりすぎによる健康被害は確認されていませんからね」
エイヴ・ド・レスタイム:「まあ、毎日飲むようだと有形無形の依存症は生じるかもしれませんが……今日くらい気にせずに行きましょう」
エイヴ・ド・レスタイム:「ほら、頼みたいのあったら頼んでください。そろそろお腹も埋まってきたし別料金メニューも行っちゃいましょう!」
齋藤リッコ:「いいの!? 太っ腹~!」
綾云媛:「えっ!?聞いてないんですけど……」
エイヴ・ド・レスタイム:「振る舞っときましょうよ! 見てる感じそんな大食の子はいませんし……!」
綾云媛:「……」冷静にこれまでの皿を観察している。
綾云媛:「そうですね……行けそうですね」小声でぼそっと言って。「いいでしょう」
綾云媛:「特別です」
エイヴ・ド・レスタイム:「寮長のお許しだ!」
後藤スダチ:「わーい!」喜ぶ。
四之宮サヨリ:「じゃ、じゃあさっきより良いタンをひとつ頂こうかしら……」
齋藤リッコ:「やった! じゃあこの最上級黒毛和牛……」「ノヴァリスで和って……?」
"バズヴ・カタ":黙ってスカートのベルトを穴一つ緩める 「WAGYUはブランド名だからな……それもたくさん頼もう」
綾云媛:「たくさん……」徐々に不安になってくる。
綾云媛:「食べられる範囲でやってくださいね……?」
後藤スダチ:「デザートも頼もうよ!このジェラート三種盛り合わせとか……!」
綾云媛:「ちょっと待ってください、さっきまでと勢いが段違いじゃないですか?」
四之宮サヨリ:「あっ、いいですね~ジェラート!どんな味があるかしら、何か手作りの刺激になるものもあったり……」
齋藤リッコ:「こっちのアップルシード産フルーツ盛り沢山ケーキも良さそうじゃない!?」
四之宮サヨリ:「嘘!ケーキもこんなに種類があるんですか?!」
ハイト・ワトソン:「わっ、果物……しかも天然の、こんなに……!」
綾云媛:「デザートになった途端勢いが異常に増している……」
エイヴ・ド・レスタイム:(すみませんね、寮長……私も食べたかったんです。追加料金デザート!)
四之宮サヨリ:「しかし焼肉と言えば杏仁豆腐。まずはこれは外せません……!」
綾云媛:「焼き肉のデザートにまずはって概念があるんですか」
四之宮サヨリ:「ほら、デザートは別腹と言いますし、その一分目からということで……」
綾云媛:「一分目……」気絶しそうになっている。
齋藤リッコ:「あっ見て!オシャレすぎて読み方わかんない和菓子がある!これ行こうよ!おいしそう!」
後藤スダチ:「ノヴァリスで和……?」再び首をひねる。
"バズヴ・カタ":「和菓子も……ブランドだ」 またスカートのベルトを穴ひとつ分緩める
綾云媛:「こ……この……」
綾云媛:「女どもめ……」思わず悪態をついた。
【◆ Ending 02】
GM:あれから数日が経過した。
GM:"ヘカトンケイレス"発掘現場は封鎖・不要部の埋め立てが進められているが、そのペースは予定よりも遅い。
GM:"アルゲス"に著しく損壊されたカタコンベの補修のため、作業の順序を調整しているためだ。
村前カギョウ:「……では、補修についてはこの通りということで」
村前カギョウ:「何か修正がありましたらご連絡くださいな」
村前カギョウ:君たちはタブレットを挟み、カタコンベの補修と発掘跡対応を並行進行するプランについて概ね合意した所である。
四之宮サヨリ:「……はい、確認しました。ありがとうございます」
村前カギョウ:一番最初に会った時と比べ、村前の態度はずいぶん合コン委員会へ歩み寄ったものになっており、君からの口出しは少しで済んだ。
四之宮サヨリ:「改めて……本当にお疲れ様です。ピラー内部の件も大変お世話になりました」
四之宮サヨリ:「といっても、私達の大事な作業はこれからが大詰めといった感じですが……」
村前カギョウ:「……カタコンベの補修ですか」
村前カギョウ:「今も時々、私の中では……」
村前カギョウ:「そんなことに何の意味が、と思う気持ちが首をもたげます。不快に思ったらごめんなさいね」
村前カギョウ:言葉に反し、サヨリなら静かに受け止めるだろうとは思っている。そうでなければそうは言わない
村前カギョウ:「今回の件で、いっそう様々なことがはっきりした訳でしょう? 少なくともノドスの彼らに関しては……」
四之宮サヨリ:「……亡くなった子達と、生き残った子達が居て、もしかしたら私たちの考えとも相容れないかもしれない」
四之宮サヨリ:「カギョウさんがそう思うのも、きっと当然のことです」
四之宮サヨリ:「……でも、うん……やっぱり、諦めたくないのが一番大きいのかも」
村前カギョウ:「……何をですか?」
四之宮サヨリ:「……いつか、仲良くなれる事」
四之宮サヨリ:「私達だって、最初はちょっといがみ合ってましたけれど」
四之宮サヨリ:「話し合って、ぶつかり合って……こうやって、互いに歩み寄れるようになれたんですから」
四之宮サヨリ:「……このカタコンベは、彼らを悼むため、そしていつか仲良くなるための誓いの証」
村前カギョウ:「……ふぅ」 息を吐いて 「絆そうというわけです。私のように」
四之宮サヨリ:「その為にも、しっかり直さなきゃなって。そう思うんです」
四之宮サヨリ:「カギョウさんはいい人でしたから、こうやってすぐに仲良くなれてよかった」
四之宮サヨリ:「ノドスの子達は……長く離れていた分、もっと相手をよく知る必要があるし、またぶつかり合う事もきっとあるでしょうけれど……必ず」
村前カギョウ:「……少なくとも私が一人、あなたのその計画の方向性の正しさを保証します」
村前カギョウ:「かかる費用、工数は別に見積もりが必要でしょうけど」 席を立つ 「失礼します。お見送りは結構」
村前カギョウ:「また話が進んだらうかがいます」
四之宮サヨリ:「はい。それではまた……と、そうだ」
四之宮サヨリ:「お好きなお菓子、ありますか?今度来た時の為に紅茶と一緒に用意しておきますね」
村前カギョウ:「……糖分なんて、取れれば何でも良いと思っていましたので、そういうのは」
村前カギョウ:「強いて言えばあなたのお菓子です」
四之宮サヨリ:「……ふふ、お上手ですね。お疲れ様会にはまだしばらくかかりそうですから」
四之宮サヨリ:「ちょっとしたお茶と、甘いお菓子を。貴女の好きなものを知れるように、色んな種類をご用意して待っています」
四之宮サヨリ:
四之宮サヨリ:村前カギョウと別れカタコンベの側に戻り、補修作業の進みを確かめる。
四之宮サヨリ:一部とはいえ、思った以上に破損は大きい。
四之宮サヨリ:内部のモルフェウス系能力者の子や、ピラーから下りた補助金での業者……これは村前カギョウが信頼できる筋を回してくれた。互いに力を合わせて進めてくれている。
四之宮サヨリ:墓地にしては静謐ではない作業音が混じる空間を、一歩一歩確かめて回っていく。
七星ミルキ:「整地行きまーす。皆下がってね!」作業音に混ざって、君の聞き慣れた声。
七星ミルキ:「はい、3、2、1……今!」
七星ミルキ:コォーンと鐘を鳴らすような音。その後に巨大なものが崩れる、サラサラとした音が続く。
七星ミルキ:「整地ヨシ!じゃ、後はお願いね!」
七星ミルキ:「……あ、そうだ差し入れ。皆で食べちゃってください」
七星ミルキ:墓地の中でひときわ目立つ桃色の髪。
七星ミルキ:巨大なハンマーを携えた、サヨリさんより小柄な少女が少し先でお菓子を振る舞っていた
四之宮サヨリ:「ミルキ委員長、お疲れ様です」
四之宮サヨリ:その姿にゆっくりと歩み寄り、優しく声を掛けて。
七星ミルキ:「あっ、サヨリ副委員長!お疲れ様です」
四之宮サヨリ:「ちょうどひと段落したところでしょうか。よかったら、休憩がてら少しお話しませんか?」
七星ミルキ:にぱーと表情を崩す。作業のせいか、額に少々汗と煤がういていた。
七星ミルキ:「えぇ。こちらも一段落です。サヨリ副委員長も交渉お疲れ様でした」
七星ミルキ:「休憩ですね。ぜひぜひ。」
七星ミルキ:片手にハンマー、もう片手にスクールバッグのように無骨な作業機械を下げて、隣に並ぶ。
四之宮サヨリ:「はい、今後に関する大事なお話がありますので……ちょっと離れたところで」壁の傍まで移動する。とはいえ、今は多少話したところで周りには聞こえないだろうが。
七星ミルキ:「?」わずかにかしげた首。髪飾りが同じ動きで揺れる。
七星ミルキ:「貴方がそういうのでしたら……あ、休憩用にお菓子も用意してますよ?」
七星ミルキ:言いつつ、てこてことついていく。肩から下げた機器を下ろすと、クーラーボックスのように焼き菓子が保管されている。
四之宮サヨリ:「じゃあ、私はお茶の方を淹れちゃいますね」
七星ミルキ:「はぁい。よろしくお願いします」
四之宮サヨリ:紙コップを準備し、水筒から水出しの冷えたお茶を汲んで手渡す。「どうぞ、最近また暑くなってきましたから」
七星ミルキ:「ありがとうございます」
七星ミルキ:受け取り、ほう…と一息つく
七星ミルキ:「や、今回は……今回も?大変でしたね。ピラーの方見えてましたよ」
七星ミルキ:「せめてと思って、届けに行く子にお菓子とか託したんですけど……届いてました?」
七星ミルキ:用意する焼き菓子は、ピラーに届けられたものと同じ種類だ。大量に作ったらしい。
四之宮サヨリ:「……あはは、本当に。甘くて美味しくて、いっぱい元気を得られました」
四之宮サヨリ:「ノーヴァーイーツの子、問題なく戻れたかしら……」
七星ミルキ:「どうなんでしょう……配達完了のステータスにはなってましたけど」
七星ミルキ:言いつつ自分もつまむ。頬がほころぶ。
四之宮サヨリ:「はぁ……」幸せそうに一息してから、表情を正して。
七星ミルキ:「私達だと、巨大な相手との対応は縁が無いですからねぇ。地下ですし……」
七星ミルキ:横目に表情を見て、雑談を止める。
四之宮サヨリ:「……まず、ひとつめ。今回私が手に入れたものについて」
七星ミルキ:「はい。」姿勢を正す。それでも表情は穏やかなままだ。
四之宮サヨリ:「委員会全体に話すのは、折を見てから。間違いなく騒ぎになるから」
七星ミルキ:「ということは…………」
七星ミルキ:「なにか、とてつもないお話ってことですね?以前のミチカ委員長と同じ感じの……」
四之宮サヨリ:目を閉じ、大きく呼吸をしてから向き直る。
四之宮サヨリ:「……ノドスの生存者名簿を、受け取りました」
七星ミルキ:「─────」
七星ミルキ:キュッ、と瞳と口元が険しくなる
七星ミルキ:「そ、」
七星ミルキ:「れは」
七星ミルキ:『確かですか?』 とっさにしようとした確認が口から出ない。
七星ミルキ:それが冗談なら、悪質に過ぎるからだ。
七星ミルキ:そして眼の前の人は悪質ではない──ならば、確認する意味はない。
七星ミルキ:「………確かに」
七星ミルキ:「なりますね。騒ぎに」
七星ミルキ:叫び出しそうな言葉を、短く区切って出力している。
四之宮サヨリ:「……内部の補修作業を、ここ暫く任せきりだったけれど」
四之宮サヨリ:「知らせないままに、皆の顔を見るのが少し怖かったのもあります」
七星ミルキ:「…………それは、まぁ。カタコンベの清掃作業って私が担当ですから」
七星ミルキ:意味のない相槌は、時間稼ぎのようにも思える。
七星ミルキ:「それに…………」
七星ミルキ:「ごめんなさい。気持ちがわかる、とは言えないかもです。」
七星ミルキ:「あまりに重大すぎますね……」
七星ミルキ:眉をへにゃりと緩めて、ハァ、とため息を付く。
四之宮サヨリ:「……亡くなった子がいて、生きている子がいる。その全てを知ってしまったから」
四之宮サヨリ:「でも、このまま私だけが握っている訳にもいきません」
四之宮サヨリ:「約束したこともありますし、その為にも……まずはミルキさんにお話する必要があったからです」
七星ミルキ:「『5000人は、すでに100人に減っていた』って情報でも、うん。皆混乱しましたからね」
七星ミルキ:「それでも少なくともまとまっていたのは、ミチカ委員長の尽力に……詳細の内容がわからないからでした」
七星ミルキ:「その上で、えぇ、はい」
七星ミルキ:「……話してくださってありがとうございます」
七星ミルキ:うん、うん、と頷いた後、『委員長』として微笑みを浮かべる。
四之宮サヨリ:「……本当に、立派になりましたね」
四之宮サヨリ:「では……データの方をミルキ委員長の端末に送信します」
七星ミルキ:「あはは。任されちゃいましたからねー」
七星ミルキ:「こういう時、一緒に沈んじゃうと大変ですし……というのが、前任者からの引き継ぎノウハウです」
四之宮サヨリ:「その上で……先の約束について、ですね」
七星ミルキ:「あ、もうまとまってるんですね。ありがとうございます」そう答える声には少しだけ緊張が混じっている。
七星ミルキ:「……えぇ、はい」
四之宮サヨリ:データが開かれるのを待つ前に、話を進める。
四之宮サヨリ:「今回ご一緒したジェネシス、オフィサーの後藤スダチさんからの合同事業提案……」
四之宮サヨリ:「このリストを活かすことで、ノドスの子達の行動傾向や心理をプロファイルし、内外問わず捜索する」
四之宮サヨリ:「楽園の300人を想う葬送係に対して、今度はノドスの子達に対応するものを作り上げる……」
四之宮サヨリ:「……ミルキさんは、どう思いますか?」
七星ミルキ:「おぉ、オフィサーの。流石に仕事が早いですね、あの方々は。」
七星ミルキ:「はい、私は良いと思います! スタンスとしても分かりやすいですからね」
七星ミルキ:「星徒も……なんとかしなきゃいけないのは、ミチカ委員長が受け持ってくれちゃいましたし」
七星ミルキ:「ノドスに対して、こちらから何か……少なくとも、関わりたいと思う子、その逆の子もいると思いますしね」
七星ミルキ:「と言っても、直接的に交流したサヨリさんにお願いするところが大きくなると思うんですけど……」
七星ミルキ:「大丈夫です?」
七星ミルキ:上目遣いに伺う。負担を心配しているのだ。
四之宮サヨリ:「ふふ、色々あったので引き伸ばされましたが……元々、引継ぎ用に私の事務作業を少しずつ希望者に負担してもらってましたから」
七星ミルキ:「"卒業"関連のゴタゴタで、委員長も副委員長も引き継いでいきなり!ってわけにもいかなくなりましたからねぇ……」
四之宮サヨリ:「私も、空いた手でできる限りを行います。交渉などに関してはお任せを」
七星ミルキ:「はい。よろしくお願いします。」頭を下げる。
七星ミルキ:「あ、と言っても丸投げではないですからね。ご安心を」ふんす。
四之宮サヨリ:「ふふ、勿論!送られてきた書類には全て一度目を通してもらうことになりますが……」
四之宮サヨリ:「何か、その中でこうしたい!というものがあれば遠慮なく仰ってください」
七星ミルキ:「あぁ。そうですよね。必要ですよね、上長決済」お茶を飲む。
七星ミルキ:「はい。そこは頼りにさせて頂きますとも。」
七星ミルキ:「ひとまずは、対ノドスに関してスタンスを決めるのと……どこまで情報を公開するかですよねー。………」むぅ。ハンカチをつまむように眉間にシワを寄せる
七星ミルキ:「……身内の安否も、気になるでしょうし」
四之宮サヨリ:「私たちがあまり大々的に知っていると流すわけにはいきませんし、共有するスダチさんやオフィサーに関してもそうなるとご迷惑になってしまいますからね」
七星ミルキ:「必要な人に届くように、情報を上手く噂にして……」
七星ミルキ:「いや、手順を整えてリストにアクセスできるようにするほうが良いのかもしれないなぁー」
七星ミルキ:ウンウン、とうなっている
四之宮サヨリ:「ううん、ある程度の情報統制のご相談もしておきますか……」
七星ミルキ:「それが良いと思います。希望者が襲撃者に騙されてカタコンベに~なんてパターン、困っちゃいます」
四之宮サヨリ:「スダチさんにお話を通しつつ、その辺り得意で信頼できる方への連絡先を友人から貰って……やること、山積みですね」
七星ミルキ:「お願いします。スダチさんって方には、後で合コン委員会からもお菓子を送っておきましょう」
四之宮サヨリ:「ですね…………」そのまま、一呼吸置いて。
七星ミルキ:「……まったく、私達の規模でこれなんですから、各学校の生徒会は大変でしょうねぇ」ため息。
七星ミルキ:「ん。」
四之宮サヨリ:「……リストを見る準備、できましたか?」遅かれ早かれ、共有する以上はまず目を通さなければならない。送信して暫くの時間が経った。今が、きっとその時。
七星ミルキ:「……………」
七星ミルキ:最後のお茶を飲み干す。
七星ミルキ:「見ましょう」
七星ミルキ:サヨリさんから送られたデータを開封する。
七星ミルキ:ノドスの生徒の名簿が並べられ、彼らの『状態』が記録されている。
七星ミルキ:5000人の殆どは『死亡』。正しい確度で齎された情報で、最新にされている。
七星ミルキ:「…………」
七星ミルキ:スッスッ。そのリストを確認している。ソート機能によって並べ替えたデータを。
四之宮サヨリ:……少し眺めるだけでも、凄まじく負担が掛かる。それは自分がよく知っている。
四之宮サヨリ:その上で、彼女もそれを受け入れる必要がある。合コン委員会を取りまとめる長として。必ず。
七星ミルキ:「ッ……」その表情は時折歪む。おそらくは、目的のものではなく……合コン委員会や、活動の中で聞いたこともある名前。
七星ミルキ:それでもスワイプは止めないまま──
七星ミルキ:「………?」
七星ミルキ:それはサヨリさんの想定した表情ではなかったかもしれない
七星ミルキ:浮かんだのは、困惑。
七星ミルキ:そしてもう一度、目を疑うようにリストを遡る。
七星ミルキ:「………え?」
七星ミルキ:七星ミルキはサヨリさんと同じく、ノイマン/ブラックドッグの能力を有している。
七星ミルキ:専門ではなくとも電子データの扱いには長けており──その能力を疑うように、何度も確認している
七星ミルキ:「なんで、そんな」
七星ミルキ:「そんな……………」呆然と呟く
四之宮サヨリ:(確かに、彼女の親戚……同じファーストネームは生存者欄に無かった……)
四之宮サヨリ:「……大丈夫ですか?辛かったら一度休んで」
七星ミルキ:「そんな、おか、おかしいよ」
七星ミルキ:「名前が、"名前"が、ない」
七星ミルキ:サヨリさんに詰め寄る。声が震えている。
七星ミルキ:何度も確認しているリストは、状態を『死亡』で絞ったものだ。
七星ミルキ:件数は4900人。その中にミルキの探している名前はない。
七星ミルキ:「せ、正確なんですよね?この情報は、確かに、サヨ、サヨリさん」
四之宮サヨリ:彼女の検索中のリストを横から見てから、小さく息を呑んで。
四之宮サヨリ:「…………そっか」そこに無いならば、それは。
七星ミルキ:「そんな、だって………だって!」
四之宮サヨリ:「……うん、このリストは正確。ノドスの時戸ケイくんから貰った……確かな情報」
七星ミルキ:死亡者のリストにない。ならば答えは一つ。
七星ミルキ:「ッ………ッ!」
七星ミルキ:「なら、」
七星ミルキ:振るえる指が端末に触れる。ソート条件が変更。
七星ミルキ:リストの表示が入れ替わる。
七星ミルキ:「なら、お兄さんは」
七星ミルキ:「生きて、」
七星ミルキ:「生きているのに」
七星ミルキ:「────どうして、ノドスが襲ってくるの……!」
四之宮サヨリ:「……」
七星ミルキ:七星ミルキの中で、それは想定されていなかった。
七星ミルキ:ノドスの5000人が100人となり、事情を持ってノヴァリスに侵攻してくるとして。
七星ミルキ:彼女の知る『兄』は、それを許さないと──心の何処かで、信じ込んでいた。
四之宮サヨリ:「それを……」
四之宮サヨリ:「……今からでも遅くない。彼らを知るために」
四之宮サヨリ:「───これから、始めましょう」
四之宮サヨリ:「知って、ぶつかって……その先に、いつか仲良くなるためにも」
四之宮サヨリ:(……死んだことにより悲しむ人も居れば、生きていることで現状を嘆く人も居る)
四之宮サヨリ:(それでも……受け入れて。ミルキさん)
四之宮サヨリ:(その先に一歩、進んでいくためにも)
七星ミルキ:「………」ぐし、とうつむいた目元を拭う。
七星ミルキ:煤が薄く目元を汚す。
七星ミルキ:「うん。…………うん」
七星ミルキ:「……………やろう、サヨリさん」
七星ミルキ:「こんなの……こんなこと」
七星ミルキ:「このままに、しちゃいけないんだ」
七星ミルキ:委員長としてではなく。
七星ミルキ:個人としての感情を声に込める。
七星ミルキ:「あの人達を」
七星ミルキ:「知りに行こう」
GM:――本件を通し確認されたノドス生存者名簿を確認できるのは、現時点でセイクリッドピラーの高位権限所持者と、合コン委員会のみ。
GM:どちらもその存在を否定しない一方で、さりとてその存在を広く流布することもなかった。ノヴァリスの社会混乱を防ぐためである。
GM:ただ知りたい者に対してはその情報……内容と存在を密やかに伝える。そして遺族と明白に分かる生徒に対しては、そっとその事実を告げに行くことと相成った。
GM:今日もノヴァリスに死者はなく、なれど彼女たちは忙しない日々を送っていく。
【◆ Ending 03】
後藤スダチ:ノドス捜索事業。
後藤スダチ:――それは、『する』ことを決めて『できる』類のものではない。過去多くの生徒が挑戦し、そして頓挫してきたことだ。
後藤スダチ:だが、総務会計監査局が受け取ったそれは、営業本部から提出された新規事業案だった。起案者は後藤スダチ。
後藤スダチ:オフィサーが取り掛かるべき新規性はなく、利益回収の見込みも、それらしい事は記されてはいたが
後藤スダチ:現実味のある話でないことはすぐに分かるだろう。
後藤スダチ:新たに判明したノドスの生存者のリストをもとに捜索を行うことができる。合コン委員会から協力の確約を得ている――
後藤スダチ:気休め程度の材料こそある。それでも利益回収の見込みがない以上、事業というよりも慈善活動に近い提案だった。
後藤スダチ:(この事業を起案した以上、こうして呼び出されることは想定の内……)心を落ち着け、総務会計監査局の応接室へと入る。
後藤スダチ:オフィサーの新規事業のうち見込みのないものは、確実に総務会計監査局で弾かれることになる。
後藤スダチ:ただし今回は、それを踏まえた上で行動に出る時だと思った。
後藤スダチ:「……しっ」
後藤スダチ:「失礼します!営業本部の後藤スダチでしゅっ!」
誓願寺レア:「おちついて」
後藤スダチ:(……噛んだ!)頭を下げたまま冷や汗を流す。
誓願寺レア:「あなたを責めるために呼んだんじゃないよ」
後藤スダチ:「り、理解しております……!私も説明責任を果たすために、本日訪問いたしました」
誓願寺レア:部屋に他の局員は居ない。総務会計監査局長である彼女一人のみ。
後藤スダチ:(誓願寺局長……!新規事業の立ち上げにはだいぶ優しい人だと聞いているけど……)
後藤スダチ:何もかもを素通しするアルバ課長の様子を思い浮かべる(あの人レベルは絶対に期待できない!)
誓願寺レア:「うん。提出された事業案について聞きたいことがある」
誓願寺レア:「先に言っておくね?私は、基本的には貰った案件は……中身も見てだけど、可能な限り予算をつけることにしてる」
誓願寺レア:「だけど……通せないものがある」
後藤スダチ:「……はい」
誓願寺レア:「“潰えた計画の出し直し”」
誓願寺レア:「これが通ってしまったら、意味がないでしょう」
後藤スダチ:「理解しているつもりです。新規性については、ご提出資料にある通り、メサイア間の緊密な連携捜査と、新たに得られた確度の高いノドス関連の情報……」
後藤スダチ:「……では、足りないってことですよね……」
誓願寺レア:「うん。合コン委員会については、私もこの間会った。能力的にも性格的にも申し分ないパートナーだと思う」
誓願寺レア:「ノドスの情報も、限りなく真である可能性が高いとみてるみたい」
誓願寺レア:「それでも」
誓願寺レア:「元々ノドスの捜索は、学区を越えて進められてきたプロジェクトでしょう?」
誓願寺レア:「1部門との連携によっては大きく状況が変わらない。違う?」
後藤スダチ:――その通りだ。合コン委員会が協力してくれるなどというのは、何の新規性にもならない。
後藤スダチ:ムセイオンで秘密裏に行われていた『十二夜計画』のようなものならともかく、元々、彼女らは広く周知された捜索プロジェクトには協力を惜しまなかっただろう。
後藤スダチ:「……理解しています」
誓願寺レア:「ノドスの情報は……もちろん有用性が高いものだと思う」
誓願寺レア:「でも……捜索について言えば、探した相手が死んでいて空振りだったことがなくなるだけだよね?」
誓願寺レア:「あるに越したことはないけれど、捜索再開を決定づけるまでの材料にはならない」
誓願寺レア:「だからこのままでは差し戻す……ということを。分かっていて提出したんだと思った」
後藤スダチ:「理解、しています」もう一度繰り返す。「ノドスの所在を示す。決定的な材料が……必要」
誓願寺レア:「記載外の説明事項があるんじゃないの?」
誓願寺レア:「それを聞きたいなと思って」
後藤スダチ:「いいえ。ありません。記載外の説明事項があるのだとすれば。それは」
後藤スダチ:「私が、局長にご説明差し上げるものではなく――」
後藤スダチ:「局長から、ご説明いただきたいことです」
誓願寺レア:「……うん?」
誓願寺レア:「私から?何を説明すればいい?」
後藤スダチ:「アトラ・アーリーバードによる卒業阻止事件」
後藤スダチ:「局長はその時、あのセイクリッドピラーに居合わせていたと聞いています」
後藤スダチ:「今回、ピラー防衛に駆けつけてくれた生徒達の中には、図書委員会の生徒の方もいらっしゃいました」
後藤スダチ:「局長はあの日、『卒業の手引き』に関する資料をお探しだったと」
後藤スダチ:「今回私は、ノドスチルドレンによる『二度目』のセイクリッドピラー襲撃事件に居合わせましたが、最後まで分からなかったことがあります」
後藤スダチ:「――結局のところ、セイクリッドピラーはどのような機能をもった施設なのでしょうか?」
後藤スダチ:「ノドスは何を狙って、ピラーを襲撃するのでしょうか?」
後藤スダチ:「果てしなく伸びたピラーの先には、一体何があるのでしょうか?」
後藤スダチ:「……誓願寺局長は、ご存知なのではないですか?私達一般生徒にはまだ公開していない……するべきではない、何かを」
誓願寺レア:「うん」即答する。「聞きたい?」
後藤スダチ:「聞きたいです」
誓願寺レア:「オフィサーのトップ陣には展開してる。辿り着ければ教えていいことになってる」
後藤スダチ:「……ノドスの行動は、常に私達ノヴァリスと対立しています」
後藤スダチ:「四之宮サヨリさん――合コン委員会の副委員長さんが、言っていたことですが」
後藤スダチ:「もしもしなくていいことであれば、しないはずなんです」
後藤スダチ:「このようなことは、私は事業提案書には書けませんでしたが」
後藤スダチ:「例えば、局長達以外の誰も到達したことのない、ピラーの先に……異世界があるのではないか、と想像しています」
誓願寺レア:「ふ……」
誓願寺レア:「ふふっ」
後藤スダチ:「その先にノドスがあって……ピラーこそが現世とノドスを分け隔てる支柱であれば、破壊する動機になるのではないかと……」
後藤スダチ:「……」自分は真相を何も知らない。荒唐無稽な想像で、笑われることは、ある意味当然のことだ。
誓願寺レア:「ごめんね。あながち間違ってないなと思ったの」
誓願寺レア:「異世界みたいなものかもしれない」
後藤スダチ:「……っ……と、言いますと……」
誓願寺レア:「ピラーの上には宇宙がある。今の世界の宙ではなくて、数億年後の未来の空が」
誓願寺レア:「それを成立させることでノヴァリスがノヴァリスとして“外”と隔絶されてるんだけど……」
後藤スダチ:「え?え????」
誓願寺レア:「それでそれを可能にするように律則しているのが7つのイースターエッグで……」
誓願寺レア:「そのうちの1つがそこにあって、残り6つを集めないとノヴァリスの存続が危ぶまれて……」
後藤スダチ:「ワァ…ァ…」
誓願寺レア:「あ、アトラの留年未遂事件は実際にはそういうことじゃなくて表向きの名目で、本当は引き伸ばしで……」
誓願寺レア:「同窓会もそのための組織で……」
後藤スダチ:「待ってください情報が多すぎて何も整理できません」
誓願寺レア:「え?」
誓願寺レア:「あ……そうだね。ノドスに限って言えば」
誓願寺レア:「ピラーの先にノドスにつながる扉があったわけじゃない」
後藤スダチ:「……」胸に手を当てて深呼吸をする。ノヴァリスの隔絶には壮大な仕掛けがあって、それがピラーの先にあった。大丈夫だ。理解できる。
後藤スダチ:(数億年後……?)
後藤スダチ:(……)
後藤スダチ:(……そして、イースターエッグ……やっぱり卒業阻止事件は、アトラ・アーリーバード個人の力で成したようなことじゃない。いくらメサイアのトップだからって……)
誓願寺レア:「よく考えたら……」
誓願寺レア:「私達も一つづつ情報を得て、そのたびにびっくりしたんだから」
誓願寺レア:「一気に渡さないほうが良かったのかも」
後藤スダチ:「はい。びっくりしました」
誓願寺レア:「びっくりだよね」
誓願寺レア:「その時のノドスの目的は……“アトラボード”だった」
後藤スダチ:「アトラボード……アトラボード???」アトラボード!?
後藤スダチ:「アトラって、あのアトラとは無関係なのでしょうか」
誓願寺レア:「そのアトラだよ」
後藤スダチ:「ええ……」
誓願寺レア:「実質的な狙いは……"シオンの十字冠"だったみたいで」
誓願寺レア:「"機神"と"シオンの十字冠"が揃えば、ノヴァリスを消し去ることができる」
誓願寺レア:「らしい」
後藤スダチ:「……」意味することを考える。
誓願寺レア:「私が会ったノドスの十律者は……多分穏健派だったんだと思う」
誓願寺レア:「ノヴァリスが消え去るときには、可能な限り私達を逃がすつもりでいると言っていた」
後藤スダチ:「そういう……ことですよね。ノドスは穏健派だとしても、ノヴァリスを消すことを前提に動いている……」
誓願寺レア:「うん。それでも……ノヴァリスそのものは消すべきであると全体方針として考えていた」
誓願寺レア:「私達への処遇をどうしようとしているかが、憎悪や怒りによるものだとしても……」
誓願寺レア:「ノドスの真の狙いとは別なのだと思う」
誓願寺レア:「それがどういう動機かまではわからない」
後藤スダチ:「――正義、ではないと考えています」
後藤スダチ:「今回、偶然接触したノドスの……ただの軽口のような言葉が根拠ですが」
後藤スダチ:「ノドスはノヴァリスの生徒に復讐を果たした後、外の世界も滅ぼし尽くすつもりなのか、と質問をしました」
後藤スダチ:「それもいいな、という回答が返ってきました。つまり彼らは」
後藤スダチ:「どちらでもいいんです」
後藤スダチ:「外の世界に解き放たれる星徒の脅威から人々を守るため、というような……私達の創造の範疇にある正義で動いているわけではない」
後藤スダチ:「自分の想像力に固執している形になりますが、やはり、帰還こそがノドスの目的なのではないかと思います……」
後藤スダチ:ちらりと、テーブルに目をやる。
後藤スダチ:「誓願寺局長。テーブルにスライムが付着しても構いませんか?粘着性は高くないですし、汚くはならないと思いますけど……」
誓願寺レア:「うん?よくわからないけどいいよ」
後藤スダチ:「ありがとうございます」
後藤スダチ:細い棒をテーブルの上に立てて、緑色のスライムを操作して、テーブルの上に半球状の大きな泡を形成する。
誓願寺レア:「おお」
後藤スダチ:「ノヴァリスです」
後藤スダチ:「先ほど誓願寺局長は、ノヴァリスが外と隔絶するシステムがピラーの先に存在すると仰りました」
後藤スダチ:「このドーム状の泡を支えているのが、中央にあるこのピラーなら――」細い棒の先端が、スライムと接している。
後藤スダチ:「これが倒れれば」
後藤スダチ:「弾けます」
後藤スダチ:「ですけど局長は先程、泡の外にある異世界……『数億年後の宇宙』をご覧になったとも仰りました」
誓願寺レア:「うん」
後藤スダチ:「だとしたら、この泡の外側はそのまま『外の世界』を意味するのではなくて……」
後藤スダチ:「『外の世界』と『泡』とに押しつぶされた、より『小さな泡』が、ノヴァリスの周囲に存在しているのではないでしょうか?」
後藤スダチ:「『小さな泡』が広い世界に放たれるためには、隣り合った『大きな泡』を壊すしかない……」
誓願寺レア:「……ノドスがその小さな泡?」
後藤スダチ:「はい。私の説に矛盾がありましたら、ご指摘いただければと思います」
誓願寺レア:「……」
後藤スダチ:「誓願寺局長。これは新規性のない事業です。これまでの無数の試行の結果で、『ノヴァリスにはない』ことは確実に分かっています」
後藤スダチ:「……ノドスはノヴァリスには『ない』のではないですか?」
後藤スダチ:「そして、異世界のような空間が『ある』のだとすれば」
誓願寺レア:「おそらくそこはそうだね」
後藤スダチ:「ノドスは、そこにこそ存在するのではないでしょうか?」
誓願寺レア:「であれば、見つけられるとでも?」
誓願寺レア:「ノヴァリスの中に限定するよりも……捜索範囲が増えているように思える」
後藤スダチ:「そのために、誓願寺局長に質問をしたいことがもう一つあります。私達は『大きな泡』を突破する手段を、本当は持っていたはずです」
後藤スダチ:「『卒業』です。十字冠の制約からも逃れて、外の世界に帰還するための『卒業の手引き』」
後藤スダチ:「……誓願寺局長ご自身が調査されていた事項ですよね?」
後藤スダチ:「たとえ情報だけだとしても、ノドスはこちらに来ています。『小さな泡』を突破する手段を発見しているということです」
後藤スダチ:ノドスに関するいくつもの検証を重ねた結果、欠けている情報を全て知っていて、かつ自分が接触可能な人間は、誓願寺レアしかいなかった。
後藤スダチ:故に、このような不出来な事業計画書を提出したのだ。順当に処理されるのなら、総務会計監査局で必ず止まることが分かっていたから。
誓願寺レア:「……『大きな泡』を突破する手段は、私達は持っていなかった」
誓願寺レア:「そうだと思っていたものは……『別の大きな泡』の中身を解き放つものだった」
誓願寺レア:「私達が外に出るとは、星徒の私達が外に出ること」
誓願寺レア:「だから取りやめさせた。それがアトラの事件の真相」
誓願寺レア:「そしてその動きにおいては……ノドスも協調できた」
後藤スダチ:「……」
後藤スダチ:「解決する方法は」あるのでしょうか?と質問しようとした。
後藤スダチ:だが、全ての回答は既にされていたことに気づく。
後藤スダチ:「……イースターエッグですか?」
誓願寺レア:「うん」
後藤スダチ:「同窓会と最高生徒会が、イースターエッグを集めている。その力が『卒業』を阻止したのだと、私は理解しています」
後藤スダチ:「実際のところは、どうなのでしょうか?卵は自在な開け閉めができるものではありませんが、イースターエッグには……」
後藤スダチ:「『卒業』を停止させる力だけでなく、本当は『卒業』させる能力もあるのでしょうか?」
誓願寺レア:「おそらく出来る」
誓願寺レア:「十字冠の戒則に干渉するものだから。ただし……エッグだけでは成立しない」
誓願寺レア:「それを出来るのは……最高生徒会長だけ」
後藤スダチ:「……!!」
誓願寺レア:「そのために、最高生徒会は選挙の準備を進めてるはず」
後藤スダチ:「イースターエッグを集めて、私達を『卒業』させるために。……そういうことですね」
後藤スダチ:「その最高生徒会選挙。……いえ、最高生徒会長の任命方法は!?」
誓願寺レア:「ノヴァリス全生徒の承認」
誓願寺レア:「選挙という形態であれば……多数決をもって全員の承認と見做せると考えてる」
後藤スダチ:「そうか……そうか」
後藤スダチ:口元を押さえて、必死に頭を働かせる。
後藤スダチ:「誓願寺局長。これは……ジェネシスと同じなんです。生徒投票権と」
後藤スダチ:「今回、ノドスは生徒投票権というシステムの裏をかいて、このジェネシスの機能を停止させました――」
誓願寺レア:「……今回の”シャットダウン”と同じことをしようとしている?」
後藤スダチ:「……はい。実際に、大多数の生徒の承認を受けたからじゃない……!」
後藤スダチ:「システム側に誤認させることができたからです!」
後藤スダチ:「もしも、最高生徒会長の任命システムが、このノヴァリスのどこかにあるのだとすれば」
後藤スダチ:「それは……!他のどの学区でもない、セントラルの!セイクリッドピラーにしかあり得ません!」
後藤スダチ:テーブルに両手を突く。「私の考えを述べます。ノドスがノヴァリスへと干渉している不明な手段は、イースターエッグです」
後藤スダチ:「これは現状発見されている、唯一の『外の世界』への接触手段であり――同時にノドスは『外の世界』に存在するという不在証明がなされてきたためです」
後藤スダチ:「ノドスがノヴァリスを攻撃する目的は、セイクリッドピラーとの接触による最高生徒会長権限の取得」
後藤スダチ:「イースターエッグと最高生徒会長権限があれば『卒業』できるのが確かなことなら」
後藤スダチ:「ノドスが脱出不可能な世界から外界へと『卒業』を果たせるということでもあります」
後藤スダチ:「……喋りすぎました!異論がございましたらご指摘を願います!」
誓願寺レア:「推測が多くて、多分に間違いを含んでいる可能性はあると思う」
誓願寺レア:「だからいい」
後藤スダチ:「……!」
誓願寺レア:「私が教えたから書き足せる内容じゃないよね?それなら」
後藤スダチ:「あっ、改めて……ノドス捜索事業の起案を、行います」
後藤スダチ:「この事業によってジェネシスが獲得できる利益は」
後藤スダチ:「イースターエッグ」
誓願寺レア:「うん。その根拠を、あなたは計画に加えられる」
後藤スダチ:人の想い。ノドスへの善意。そのようなものは、オフィサーの事業計画で提示できるような『利益』ではない。
後藤スダチ:だが。イースターエッグは違う。
後藤スダチ:最高生徒会が。同窓会が。莫大な懸賞金をかけている。
誓願寺レア:「そこを直せば、私は通せるし、多分会長の最終決裁も降りると思う」
後藤スダチ:「……ありがとうございます!」頭を勢いよく下げる。「痛っ」
誓願寺レア:(でもそれは、イースターエッグを手に入れられるかもしれないからじゃないと思う)その姿を見る。
誓願寺レア:(この計画書を出す――あなたへの評価によるものだよ)
誓願寺レア:「私からも一つ。監査に関係ないんだけど……いい?」
後藤スダチ:「はい。なんなりと……」おでこを擦りつつ、頭を起こす。
誓願寺レア:「ジェネシスを救ってくれて。ピラーを……先生たち、みんなのことを救ってくれて」
誓願寺レア:「本当にありがとう」頭を下げた。
後藤スダチ:「いえっ、あう」
後藤スダチ:「そんなことは……」目が泳ぐ。
後藤スダチ:「……」
後藤スダチ:「……そう、かもしれません」
後藤スダチ:「皆さんのおかげです」
後藤スダチ:嬉しい。誇らしい。そんな気持ちが遅れて湧き上がる。
後藤スダチ:ただの偶然の成り行きだったとしても、見知らぬ誰かの期待によるものだったとしても、
後藤スダチ:(……私は仕事を果たしたんだ)
後藤スダチ:「計画書を、再提出いたします。本日中に!」
後藤スダチ:いつか、 牙莉亜会長から言われたことがある。
後藤スダチ:営業のために交友関係を使い尽くすべきではない。
後藤スダチ:組織が余裕を持つために楽しまなければいけない。
後藤スダチ:それは別々のアドバイスのようでいて、本当は同じ指針を与えてくれていたのだと思う。
後藤スダチ:(この事業計画は、私が、組織のために動いた計画じゃない)
後藤スダチ:(私の意地のために、組織という力を使うんだ)
後藤スダチ:組織の利害を前に、個を抑え込んでしまうような臆病さを持たないこと。
後藤スダチ:「誓願寺局長。……ありがとうございました」
後藤スダチ:「失礼いたします。そして」
後藤スダチ:「どうか、よろしくお願いいたします」
誓願寺レア:「うん。また」
後藤スダチ:廊下を歩きながら、栄養ゼリーを咥える。
後藤スダチ:戦いが終わったわけではない。まだ、これから始めなければいけない。
後藤スダチ:(ノドスの100人)
後藤スダチ:(絶対に、見つけ出してやる)
GM:……余談だが。
GM:その日、後藤スダチのメールアカウントに、一通のメールが届かなかった。
GM:送信者は"ステルペス"である。事件数日後、ピラーが無事であるならば届くよう予約されていたメール。
GM:『このメールが届いたということは』から始まるまとまりのない挨拶から始まって、続くのは一つの警告。
"ステルペス":『――――に気をつけろ』
"ステルペス":『君たち、ジェネシスの本当の敵は、きっとそいつらだ』
"ステルペス":『何故なら、彼女たちは――――』
GM:……無数の迂回路を渡り流れ、無数のセキュリティプロテクトを施されていたそのメールは、容易く握り潰され、電子の泡と消えていく。
GM:深海の闇だけが、それを見ていた。
【◆ Ending 04】
GM:事件より数日が経過した、シャムロック自由学園。
GM:常と変わらず、のどかで穏やかな風の吹く場所である。それは学区の中心、生徒会校舎においても変わらなかった。
執事風の先住市民:応接室に通された君に、執事風のウサギ型先住市民が、ハーブティーとビスケットを出した。
GM:そして、そう時を待たず、彼女は姿を現す。
棚エアリ:「ごめんなさい、大したお出迎えもできないで」
棚エアリ:「あなたは間違いなく、シャムロックの歴史に一つ区切りを打った人なのに」
齋藤リッコ:「もご……」齧っていたビスケットをハーブティーで流し込んで「いえいえ!お構いなく!」
齋藤リッコ:羽織っているコートはあちこち穴が空いていたが、何とか手縫いで修繕し、無理だった箇所にはワッペンが縫い付けてある。
齋藤リッコ:「エアリさんこそ、お忙しかったんじゃないですか?」
棚エアリ:「そうですね、ここ最近で一番忙しいかも……」
棚エアリ:と、言う割には、目の下に隈ができていたり、肌が荒れていたりといったことは全くない。それでもエアリは、つんと拗ねたような顔でソファに腰を下ろす
棚エアリ:「なので、お喋りしに来ちゃいました。いつだってお休みは必要ですから。ふふ……」
齋藤リッコ:「あはは……」可愛げのある反応にどきりとしながらも、どこまで素なのだろうな、とどこか冷静に観察している。
齋藤リッコ:「……騎士団の皆は、大丈夫ですか? 怪我とか……皆元気です?」
棚エアリ:「ええ。皆さん休息を取られて、また学区内の防衛のために散っていますが……」
棚エアリ:「もしこの辺りにいたら、絶対リッコさんに会いに来ていたでしょうね。ともかく、元気です。心も体も」
齋藤リッコ:「よかった。会いたかったなー、ご飯奢る約束したんですよ」
齋藤リッコ:彼女らの助力なしには、ピラーを守ることも、テスラを捉えることも難しかっただろう。
棚エアリ:「シャムロックで何か催しをする時はご招待しますから……その時にでも是非」
棚エアリ:「もしかしたら、あの子たちの方からあなたに会いにいっちゃうかもしれないけど」
齋藤リッコ:「いつでも歓迎ですよ!」笑って「催しって、あれですか……『あんたがクーフーリンゲーム』?」
棚エアリ:「そうそう! それ以外にもいろいろありますけど……みんなでやる! っていう感じなのはやっぱりそれかなぁ」
棚エアリ:「……リッコさんには」 少し言葉を濁す 「ちょっと別の記憶もあるかもしれませんが。でも本当に、本来は多彩で色々な競技があるんで……」
棚エアリ:「ぜひいらしてください! 楽しいですよ……!」
齋藤リッコ:「……ええ」気付きながらも、そこには触れない「勿論!絶対行きます!友達も連れてこようかな……」
齋藤リッコ:それから、ハーブティーを一口含んで、僅かな緊張と共に本題を切り出す。
齋藤リッコ:「……それで、その……」
齋藤リッコ:「……テスラの扱いは、どういう感じになってるんですか?」
棚エアリ:同じくハーブティーの注がれたカップを口にする。少し遠くに目線を向けて
棚エアリ:「……聴取を行っています」
棚エアリ:「シャムロックに関する様々なこと。シャムロックを発ってからの動き、等々。……乱暴な扱いはしていませんよ」
棚エアリ:「意外なくらいに協力的で。まあ、監視の目は一瞬たりとも離してはいませんが」
棚エアリ:と、今の境遇について語ったが、それから間髪入れずに付け足す
棚エアリ:「……近日、特殊牢獄行きになります」
棚エアリ:「卒業の時まで、もう日の下に出ることはない」
齋藤リッコ:「!」
齋藤リッコ:「……そう、ですか」
齋藤リッコ:どこかショックを受けている自分に気付き、そのこと自体に驚く。
齋藤リッコ:彼女がしてきたこと、そしてその危険性を考えれば、極めて当然の処置である。半ば予想していたことだというのに。その上、自分にとっては友人の仇ですらある。
棚エアリ:「……驚いたんですよ」
棚エアリ:「彼女、別人みたいになっていて。……別に外見なんかは、全然変わっていないですし……力を失ったとかでもないのに」
棚エアリ:「私の知る限り、あんなに穏やかな彼女を見るのは初めてです」
齋藤リッコ:「……」「……その。失礼かもしれないんですけど……嫌だったら全然いいんですけど」
齋藤リッコ:「……エアリさんとあの子って……どんな関係なんですか?」
齋藤リッコ:おずおずと訊ねる。
棚エアリ:目を丸くして 「関係……」
棚エアリ:少し考える 「……まあ、元上司で、敵……かな? そんなに複雑なつながりはないんですよ」
棚エアリ:「元々私はそれといった後ろ盾もなくシャムロックに紛れ込んで、まあちょっと偉くなろうとしたんですけど」
棚エアリ:「なんか、ある程度以上出世しようとすると、彼女やその背後の大人に邪魔されるし、なんか怖いので」
棚エアリ:「革命に乗じて追い出しちゃいました。っていうくらいです」
棚エアリ:「……まあ、その頃から彼女や彼女たちが大人の手先だということは分かってたから、本当に敵だとしか思えてなかったなあ」
齋藤リッコ:「そ、そんな感じで革命を……」こちらが目を丸くする
棚エアリ:「あの子も結局大人の言いなりな感じだったし、取り巻きはあの子を怖がるかイェスマンになるかのどっちか、って感じだったから」
棚エアリ:「そんなに大変じゃなかったのよ。大人の本命戦力はほとんどキングダムに行ってたしね」
齋藤リッコ:「そうだったんですね……」もしかしたら姉妹くらいはあるかもしれないと想像していた
齋藤リッコ:「やっぱり……すごいですね、エアリさんは」
齋藤リッコ:「バイタリティっていうか、決断力っていうか」
棚エアリ:「う~ん」 ちょっと困ったような笑み 「……これはあんまり話してないんだけど」
棚エアリ:「私ねえ。大したことないセルの出身で、ノヴァリスに橋頭堡を築いてこい! ってだけ命令されてここに放り込まれたの」
棚エアリ:「で、まあそういう命令だったから真面目に頑張ってたのが最初で、途中からは……この子たちと一緒に、安心して生活できる場所が欲しいな、って思って頑張った感じだから」
棚エアリ:傍らのウサギ先住市民の頭をふわふわと撫でる 「決断力っていうより、なんかもう、流れるまま来るだけ来ちゃった? みたいな……感じよ」
棚エアリ:「たまたま状況と能力の相性が良かっただけなの」
齋藤リッコ:「…………」その言葉に、じっとエアリさんの顔を見て。「……そっか」
齋藤リッコ:「やっぱり……そうですよね」
齋藤リッコ:納得したように言う。
棚エアリ:「?」 小首を傾げ 「意外と予想通りだった?」
齋藤リッコ:「……何ていうか」かぶりを振って「すごく……失礼な言い方になってしまうんですけど」
齋藤リッコ:「どうして、エアリさんはこんなに頑張れるのかなって、不思議だったんです。キングダムの侵攻に耐え続けるなんて……普通出来ることじゃない」
齋藤リッコ:「言ってしまえば……支配を受け入れてしまえば、エアリさんならきっと上位の王になれるはずなのに……そう思って」
齋藤リッコ:「でも、やっぱり……そうなんですね」
齋藤リッコ:ハーブティーを一口含んで、カップを置き、改めて向き直る。
齋藤リッコ:「……本当のことを言うと……」
齋藤リッコ:「……あの日」
齋藤リッコ:「あたしは……あなたのことを……ちょっと、恨んでました」
棚エアリ:「……うん」 頷く。それは決して、意外でもなんでもないことだ
齋藤リッコ:「あんなことを引き起こした何もかもが憎くて……何より、自分の無力が憎くて」
齋藤リッコ:「……強くなりたい。もう二度と、誰にも負けたくないって思ったんです」
棚エアリ:穏やかな眼だが、口元は笑っていない。真剣に君の言葉を聞いている
齋藤リッコ:「……でも、そうして戦ってる内に……気付いたんです」
齋藤リッコ:「勝ち続けるってことは、実はすごく簡単なことなんだ、って」
棚エアリ:「へえ……?」
齋藤リッコ:小さく息を吐き、自分の身に付けた制服を見下ろす。
齋藤リッコ:「……負けたくないのなら、今ある大きな力に逆らわず、見て見ぬ振りをして、流れに身を任せればいい」
齋藤リッコ:「あたしも、きっと。自分が弱いなんてことは受け入れて、星徒のことも、テスラのことも……」
齋藤リッコ:「誰かが解決してくれるはずって任せていれば、もっとずっと楽だったと思います」
齋藤リッコ:「……でも、それに何の価値があるんでしょうね」
棚エアリ:微笑する 「……きっとそれでも、価値はあったと思う」
棚エアリ:「あなたが生きて、何かをしていたのなら、それで。……ただ、今のあなたは」
棚エアリ:「そうしていたリッコさん、以上の価値を、自分で見つけた出したリッコさんなんですね」
棚エアリ:「……それは」 手を合わせる 「すごく素敵なことだと私は思う」
齋藤リッコ:「……はい」目を細め、その微笑を見つめて。「……分かったんです」
齋藤リッコ:「何かを変えようと大きな流れに逆らえば、勝てないのは当たり前のこと」
齋藤リッコ:「弱い人や困っている人を助けようと寄り添えば、負けるのは当然のこと」
齋藤リッコ:「本当に難しいのは、大変なのは……負けて負けて、何度負け続けても、戦い続けることなんだって」
齋藤リッコ:「……そのことに気付いた時」
齋藤リッコ:「……あたしが思い出したのは……あの時の、あなたの顔だったんです」
棚エアリ:「私の……顔?」 自分の頬に手を当てる
齋藤リッコ:「……はい」
齋藤リッコ:「……あたし達……」
齋藤リッコ:疲れたような、どこか哀しみの色を残したような。だが、ひとつ重荷を下ろしたような、晴れやかな顔で笑う。
齋藤リッコ:「……頑張りましたよね?」
棚エアリ:「……ええ」 頷く
棚エアリ:「頑張りました。……頑張りましたよ」
棚エアリ:「たとえ何処の誰がけちをつけようと……私がリッコさんの頑張りを保証します」
齋藤リッコ:「……あたしもです」
齋藤リッコ:「エアリさん、頼りがいありすぎて……あんまり言って貰えなさそうだから」
齋藤リッコ:「……本当に、頑張りましたね」
齋藤リッコ:「お疲れ様でした」
棚エアリ:困ったように笑う 「え~、ずるいなぁ」
棚エアリ:「そんなこと言われると、気が緩んじゃう」 また傍らの先住市民の頭を撫でて
棚エアリ:「……でも、うん。今この場では、お互いに」
棚エアリ:「お疲れ様でした」
GM:その後、君は生徒会メンバーの案内を受け、テスラ・タイタニスの居室へ向かった。
GM:扉に鍵がかかっているということはない。ただ静かにしていると、そこかしこから何かの気配を感じる。……閉所に潜める先住市民だろうか?
GM:警備は厳重なのだろうし、それが解けることはないだろう。
GM:君がドアを開くと、室内には簡素なベッドと椅子と机。そして何冊かの本。そして
テスラ・タイタニス:「……」 椅子に座り、何か本を読んでいるようだったテスラが、視線だけで君を出迎えた
齋藤リッコ:「……何よ、思ったより元気そうじゃない」
齋藤リッコ:「何読んでたの?」
テスラ・タイタニス:「……別に。ただの教科書。外の世界の」
テスラ・タイタニス:君の言葉通り、彼女は身綺麗で、血色も良かった。少なくとも生活サイクルは穏やかなようである。
テスラ・タイタニス:「あなたこそ……何?」
齋藤リッコ:「何って何よ」勝手に椅子を引いて対面に座る
齋藤リッコ:「面会でしょ。他にある?」
テスラ・タイタニス:はぁ、と溜息 「短絡な人。……面会に来たとて、何? って私は言いたいのだけど」
テスラ・タイタニス:「私からあなたに話せるようなことは、なにもない。……シャムロックの機密でも欲しいなら、喋ってあげてもいいけど」
テスラ・タイタニス:「そういう目的をした顔じゃないし」
齋藤リッコ:「目的~? 顔見に来ただけよ。どうしてるかなって」
齋藤リッコ:「ガチガチに拘束されてても話くらい出来るかなって思ったの」
齋藤リッコ:「思ったほどじゃなかったけどね。やっぱり優しいわよね~、エアリさんは……」
テスラ・タイタニス:「意味がないからしてないだけよ……優しいものですか、あの女狐が」
テスラ・タイタニス:「今だって笑顔の下で何を企んでるか、分かったものじゃない」
テスラ・タイタニス:「そんなに騙されやすいようで大丈夫なの?」
齋藤リッコ:「よく言われるわ」
齋藤リッコ:「そうやっていちいち人を疑うのって疲れるじゃない? あたしはね、その大変さをコストカットしてるのよ」
齋藤リッコ:「騙されたとしても、そしたら騙した方が悪いんだから……それでいいじゃない」ただ単に騙されやすいのを正当化している
テスラ・タイタニス:「……呆れた。いつかひどい転び方をしそうね、あなた」
テスラ・タイタニス:「それでいいならどうぞそうなさいと思いますけれど。転んでもしぶとく立ち上がりそうだし」
齋藤リッコ:「大丈夫よ。ここはノヴァリスなんだから」
齋藤リッコ:「何回転んだってやり直せるのが、ここのいいところよ」
テスラ・タイタニス:嘆息 「……で?」
テスラ・タイタニス:「それを卒業まで外に出られそうにない私に言うのは、やっぱり募った恨みを晴らすため?」
齋藤リッコ:「違うわよ」眉根を寄せて「ホント性格悪いわね、あんた……」
齋藤リッコ:「……でも、……そうね」
齋藤リッコ:「……あの時……」
齋藤リッコ:「……本当は、あたし。あんたのこと殺すべきか迷ったわ」
テスラ・タイタニス:「…………」 ちらりと君を見る
齋藤リッコ:「……でも、考えてみたのよ」
齋藤リッコ:「あいつならこんな時どう言うかなって。そしたら」
齋藤リッコ:「『何マジになってんの(笑)ウケる(笑)』」
齋藤リッコ:「……って。そう言われるかなと思って。それで、バカらしくなって……やめたの」
齋藤リッコ:「……そういう子だったのよ」
齋藤リッコ:「レドは」
テスラ・タイタニス:「…………」 事実を言うなら、テスラはそれを聞いて、そんなことを言いそうな顔を思い出すことはできなかった
テスラ・タイタニス:だが君の話と、語りと、実際に挙げた名から、何も察せられぬほど愚鈍ではない
テスラ・タイタニス:「……救われた、のか」
テスラ・タイタニス:「その人がいなければ、あなたが私を追ってくることなんてなかったはずなのに」
テスラ・タイタニス:「その人の生き方で救われたのね」
齋藤リッコ:「……せいぜい感謝しとくといいわ、あいつに」
齋藤リッコ:言って、部屋の隅に目をやる。ベッドのシーツに、並んだ本に、机の木目に視線を移して。
齋藤リッコ:やがて、ゆっくりとテスラの顔を見て、また口を開く。
齋藤リッコ:「……あたしは」
齋藤リッコ:「あんたのことを許せない」
テスラ・タイタニス:「……ええ」 頷く
齋藤リッコ:「……でも」
齋藤リッコ:息を吸って、吐きながら言う。
齋藤リッコ:「……許せるように、なりたいと思ってる」
テスラ・タイタニス:「…………」
テスラ・タイタニス:「大変なことよ。気持ちを変えるなんて。私だって、まだ時々、祝福と救済の女王だった頃を思い出して、胸がそわそわする」
テスラ・タイタニス:「この衝動を解き放ってしまえば……また、元に戻れるんじゃないか……」
テスラ・タイタニス:「……あなたの場合、それが誰の目から見ても正当で、妥当で、誰も傷付けない姿なんだから、なおさらじゃない」
齋藤リッコ:「……あんたは、自分の力が危険で、許されないものだと思ってて……それは事実なのかもしれないけど」
齋藤リッコ:「でも、そんなのは……衝動を抑える気持ちなんて、本当は誰だって持ってるものなのよ」
齋藤リッコ:「オーヴァードじゃなくたって、人間は人間を殺せる力を持ってる」
齋藤リッコ:「……あんたは、今それを……抑えようとしてるじゃないの」
齋藤リッコ:「……あたしは、あんたの全部を知ってるわけじゃない」
齋藤リッコ:「ただのあたしの感覚だし、それであんたの待遇が変わるわけじゃないけど……」
齋藤リッコ:「でも、あたしは。……あんたは、許されていい人間だと思う」
テスラ・タイタニス:「……許されて、いい……」
テスラ・タイタニス:反復しながら、唇に違和感を覚えているようだった。そんな響きが自分に向けられるなんて、思ってもいなかったから
テスラ・タイタニス:「……だから、許せるように、なりたいと」
テスラ・タイタニス:「私を……」
齋藤リッコ:「……やり直せるわよ。地下から出られなくたって……そういうことじゃないでしょ?」
齋藤リッコ:「言ったでしょ? ノヴァリスはそういう場所だって」
齋藤リッコ:「……それに、疲れるでしょ」笑って「誰かを憎んだり、怒ったりし続けるのって」
テスラ・タイタニス:「…………」 溜息
テスラ・タイタニス:「あなたは、きっと騙されやすくて、おっちょこちょいで、バカで、いろんなことに慌てふためいて、失敗ばっかりなんでしょうけど」
テスラ・タイタニス:「羨ましいわ」 目を手元の本へ向ける 「……そうなりたい。私も」
齋藤リッコ:「ちょっと!カバーしきれないくらいの悪口が聞こえたけど……!?」
齋藤リッコ:「……あ……そうだ」
齋藤リッコ:思い出したように
齋藤リッコ:「あんた、名前は?」
テスラ・タイタニス:「……え?」
齋藤リッコ:「名前よ。あるんでしょ?」
齋藤リッコ:「テスラ・タイタニスじゃない……確か……レジナでもない」
齋藤リッコ:「本当の名前」
テスラ・タイタニス:「な……」 目を丸くする 「何、その……」
テスラ・タイタニス:「……」 それを尋ねられると、テスラはいよいよ視線を落とす 「そんなこと、知ってどうするのよ」
齋藤リッコ:「どうするって……? 別に?」小首を傾げて
齋藤リッコ:「気になるじゃない。嫌なら別にいいけど……」
テスラ・タイタニス:「……普通の名前よ。学のない両親がつけた、普通の、流行りの名前」
テスラ・タイタニス:「キアラ・イゾラ」
GM:――Chiara
GM:確かに彼女の言う通り、在り来りな名前である。それは『光』『明るさ』に由来する名だ。
GM:あるいは『太陽』にも通ずる名である。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:「はぁ~~~~~~~!?」身を乗り出す
キアラ・イゾラ:「えっ……」 ぎょっとする
齋藤リッコ:「な~~~~にが普通の名前よ!いい名前じゃないのよ!!」
齋藤リッコ:「あたしなんてリッコよ!?リッコ!!くっ……やっぱり海外に生まれたかった……ドイツとか……」
キアラ・イゾラ:「私地中海なんだけど……」 困惑している。そのあたりの機微はまったくである
齋藤リッコ:「はぁ……まあいいわ」コートを揺らし、腰を上げる
齋藤リッコ:「じゃあね、キアラ」
齋藤リッコ:「また来るわ。……あ、もうなんか地面の……ジメジメしたところに行くんだっけ」
齋藤リッコ:「でもエアリさんに頼んで来るから」
齋藤リッコ:「絶対。いいわね」
キアラ・イゾラ:「……いくらあなたでもできないと思うけど」 溜息 「いいわ」
キアラ・イゾラ:「期待せずに待ってる」
齋藤リッコ:「うん」頷いて、軽い足取りで部屋を出る。「じゃあ」
齋藤リッコ:「またね」
キアラ・イゾラ:閉じるドアを見送り、読書に戻る
キアラ・イゾラ:(どこまで読んだのか分からなくなっちゃった)
キアラ・イゾラ:(リッコのせい……)
キアラ・イゾラ:(…………)
キアラ・イゾラ:読み進めていた地点を探る指が、茫洋と本の腹を撫でる
キアラ・イゾラ:(齋藤リッコ……)
キアラ・イゾラ:(……また)
キアラ・イゾラ:(会いたいな)
齋藤リッコ:「さて……」
齋藤リッコ:見送られながらシャムロックの校舎を出て、ひとつ息を吐き、端末を確認する。
齋藤リッコ:僅かな面会の間にいくつかの連絡が届いていて、一つずつ目を通していく。
齋藤リッコ:──昨日と同じ今日。今日と同じ明日。
齋藤リッコ:あの日、私の日常は壊れ果て、二度と元には戻らないのだと思った。
齋藤リッコ:失ったものは帰って来ない。過ぎ去った過去を変えることは出来ない。
齋藤リッコ:……それでも、日々は続いていくのだ。
齋藤リッコ:「今日はこれから、アンジェリカで依頼人と面会……事務所に帰ってピラーの件の……あ、その前にショコラショコランでお茶請け買わないと……」
齋藤リッコ:メッセージアプリで依頼人からの連絡を確認して……はたと、一つのチャットに目が留まる。
齋藤リッコ:薄蛍レドとの会話履歴。数日前に自分から送信したきり、当然、未読のまま。
齋藤リッコ:僅かな間だけ指を止め、それから、またスワイプする。
齋藤リッコ:「……明日はアップルシードで原生生物の駆除。午後に事務所で二組面会。人探しと……抗争の調停だったかな」
齋藤リッコ:時間は人に寄り添ってはくれない。傷を癒してくれなどはせず、ただひたすらに過ぎ去っていく。
齋藤リッコ:どれだけ大きく変貌し、形を変えても、日常は失われることなど無かった。
齋藤リッコ:ノヴァリスで過ごす、慌ただしく、物騒で、騒々しい日々。
齋藤リッコ:自分自身の気付かぬ内に、それは私の新たな日常となっていた。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:いくつかの連絡を片付け、駅に向かった。ベンチに腰掛けて列車を待ちながら、何とはなしに再びアプリを起動した。
齋藤リッコ:レドのアカウント。以前は頻繁に更新されていたアイコンも、あの日から一度も変わることは無い。
齋藤リッコ:失ったものは帰って来ない。過ぎ去った過去を変えることは出来ない。
齋藤リッコ:薄蛍レドは二度と戻らず、ぽっかりと空いた心の穴は、きっとこれからどれだけ他の誰かを愛し、愛されたとしても、埋まることなど無いのだろう。
齋藤リッコ:それだけは、どんなオーヴァードの能力でも、やり直すことは出来ない。
齋藤リッコ:残酷で、あまりに救いが無くて、それでも。
齋藤リッコ:それでも、日々は続いていくのだ。
齋藤リッコ:涙と怒りに溺れそうでも、お腹は空くし、眠くもなるし、公共料金の支払いだって待ってはくれない。
齋藤リッコ:事実は何も変わっていないのに、人は立ち上がり、歩いていかねばならない。
齋藤リッコ:昨日に何もかもを失ったとしても、今日が終わらないことはない。
齋藤リッコ:今日で全てが変わってしまっても、明日は必ず訪れる。
齋藤リッコ:過ぎ行く日々は、傷を癒してくれなどしない。
齋藤リッコ:けれど、痛みを忘れさせてはくれる。
齋藤リッコ:──ぼろぼろのコートに目を落とす。いくつも穴が空いて、修繕した跡。
齋藤リッコ:これからもこのコートは何度も傷付いて、その度に繕われていくのだろう。
齋藤リッコ:いつどんな時、どんな風に傷付いたのか。それはきっと忘れない。
齋藤リッコ:けれど繰り返すその内に、どんな風に繕ったかなど──きっと忘れてしまうのだろう。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:指を滑らせ、端末に短い文章を打ち込む。
齋藤リッコ:『レド』
齋藤リッコ:『終わったよ』
齋藤リッコ:きっと既読のつかぬそれを、しかし大きな情動も無く送信して。
齋藤リッコ:端末をしまい、小さく息を吐き、大きく伸びをする。
齋藤リッコ:「……うーー……ん……」
齋藤リッコ:「……眠いな」
齋藤リッコ:穏やかな陽の差す春の午後。
齋藤リッコ:列車はまだ来ないようだった。
ダブルクロス3rd Edition
『 ティタノマキアの暁 』
Fin
【◆ Master Scene 2】
棚エアリ:「……かくして、セイクリッドピラーは守られ」
棚エアリ:「ノヴァリスは、未来をまた少しだけ保証された」
GM:ノドスチルドレンによる、セイクリッドピラー第二次襲撃――そうまとめられることになるこの事件の始まりは、"ヘカトンケイレス"の強奪だ。
GM:……と、ほとんどのノヴァリス生徒は考えるだろう。
GM:あるいは、その入念な計画性を踏まえ、準備段階、ディクテオン資源基地の支配から事件は始まっていた、と見做すこともできる。
GM:どちらでもない。
GM:シャムロック自由学園生徒会長、棚エアリにとって、この事件の始まりは、どちらでもなかった。
GM:そして、終わってもいない。
棚エアリ:「全部あなたが書いた絵の通りということ?」
棚エアリ:「――"ブロンテス"。アーノルド・ウォッチャー」
"ブロンテス":「まさか」
GM:シャムロックの生徒会室に、その暗銅の機体は何を憚ることもなく佇んでいた。
"ブロンテス":「紛れもない大勝負でしたよ。結果的に狙い通りピラーの破壊を阻止できたからといって、それを我が実力也と勝ち誇る気には到底なれません」
"ブロンテス":「特にあの十字冠改竄に関しては、想定を大きく超えていた。ああいう派手な悪さを防ぐため、"ストロッツァ"殿から目を離さぬようしていたのですが」
"ブロンテス":「あれは"ゼウス"が自分で完成させたんですかね。それとも私に気付かれぬよう二人が密かに手を組んでいたのか……」
棚エアリ:「……楽しそうで何よりですこと」
"ブロンテス":「ああ、失礼致しました。貴女は何か飲んでいる所かと思って」
棚エアリ:「ハーブティーです。あなたも欲しかったかしら?」
"ブロンテス":「先住市民想いで結構なことですね」
GM:『コードネームを"ボレロス"。名をテスラ・タイタニス』
GM:『今現在の彼女の所在と、そして今後の行動は、ほぼ間違いのない精度で把握できています』
GM:――シャムロック自由学園生徒会長、棚エアリは、結局いかにしてその情報を掴んでいたのか?
GM:なるほど彼女は、確かに底知れぬ情報網を擁し、時に拾い、時に与え、時に奪い、時に捨て、それをコントロールしている。
GM:だが限度がある。結局彼女は社会の中で利益を得ようとする者に対する能力には秀でていたが、逆に社会から逸脱した者に対しては打てる手が少ない。
GM:事実として彼女は、ファウセット新陸帯地下に潜伏していた――社会の網から外れていたテスラらを捕捉しきれなかった。
GM:それは無軌道なノドスや星徒といった、秩序外の構造破壊者についても当てはまる話である。
"ブロンテス":「兎角、適切な選定をしたわけです……私も、あなたも」
GM:その答えが彼だ。
GM:『テスラ・タイタニスがノドスチルドレンと行動を共にし、セイクリッドピラーを破壊しようとしている』。
GM:"ブロンテス"はその情報をもたらし、彼女に要請した。
"ブロンテス":『阻止せよ。テスラの身柄も好きにしてよい』
"ブロンテス":『ただし情報元が自分であることを悟られるな』
"ブロンテス":『失敗は許す。だが、手を抜くようであれば――』
GM:……落ち着き払った表情の、執事役の先住市民とエアリの目が合った。彼が穏やかに笑いかけてくるものだから、エアリは却って間が悪く、目を逸らした。
棚エアリ:(……いっそ怯えて、泣き喚いてくれれば、まだ良かった)
GM:"ブロンテス"はエアリにその話を持ち込んだ時点で、既にシャムロック自由学園内の99名の先住市民に、ごく小さい毒の『卵』を仕込んでいた。
GM:在り来りな動物毒。大したものではない。だが――体格の小さな先住市民を、苦痛と共に死へ至らしめる毒を内包した卵。
GM:そして彼はその数を100にしながら、自分はそれを遠隔にて『孵化』できると告げたのだ。
GM:……ノドスチルドレンに先住市民を害せぬという戒めは存在しない。拒絶の余地はなかった。
棚エアリ:『色々ありまして、シャムロックとして大々的に動くということがしづらい状態でもあります』
GM:リッコに語ったこれも結局、リッコを伴ったピラーへの出撃命令に対し、その理由へ探りを入れることが絶対にない、と確信できる人数が限られたからだ。
GM:普段の情報収集ルートについては、どれだけ探られようとボロを出さない自信がある。だが今回だけは別であったがために。
GM:……そしてもし、将来この内通がノヴァリスに対して知れた時、首を落とすのが自分だけで済むようにするためという側面もある。
棚エアリ:(――ただ)
棚エアリ:(あなたが関与できるなら、そうするべきだと、私は思った。それだけは本当なんですよ)
棚エアリ:(なんて、誰に対する言い訳なんだか……)
"ブロンテス":「約束通り、『卵』の無毒化は順次進めています」
棚エアリ:「本当でしょうね」
"ブロンテス":「私の存在が気取られぬようにしていますから少々時間はいただきますが。無毒化は遠隔でとは行きませんので……ただ、それこそ手抜きはしていませんよ」
GM:脅迫材料を取り去りきるまでの時間は"ブロンテス"の胸先三寸であり、棚エアリは未だその影響下を脱せていない。
棚エアリ:(……それでも彼は、一切嘘を吐いていない)
GM:エアリは確信している。……そう確信できるだけの理由がある。
GM:生徒会長棚エアリにしばしば同行している、執事役の先住市民。
GM:――彼は単なる荷物持ちではなく、その聴覚でもって発言の真偽を聞き分ける能力を持ち、決められた尾の動きでそれを伝える役目を担っている。
GM:そんな彼の丸い尾が、一切の動きを見せていなかった。……"ブロンテス"のその誠実さが、エアリは恐ろしい。
棚エアリ:(もしも"ブロンテス"が、こちらを騙し陥れようとするなら、私だって危険な橋を渡る決心ができる。ジェネシス医療機関帰りの生徒がいる。メサイアの十三番目の保健室との提携がある)
棚エアリ:(……でもそうじゃない。私が安全にこの事態を切り抜け、被害なくこの事件を終わらせるには)
棚エアリ:(彼に従うしかなかった。……いや、従うしかない。今も)
"ブロンテス":「そんなに警戒なさらないでください」 穏やかな声音。発する口元は、きっと笑っていただろう
"ブロンテス":「友誼を結ぼうとは思いませんが、少なくともこの穏やかで素朴な学園に、必要のない傷や悲しみを与えるつもりはありません」
"ブロンテス":「私がこのノヴァリスで憎悪するものは一つだけです」
棚エアリ:「……キングダム連合学院」
"ブロンテス":「ええ。自らの意志によってリスクを支払うのは、それについてのみ」
"ブロンテス":「"ゼウス"を謀るようなことをするのもね」
GM:――"マスターゼウス"指揮によるセイクリッドピラー襲撃の要は、"ヘカトンケイレス"と、それを外部からジャーム化し制御できるテスラ・タイタニスである。
GM:だが、それだけでピラーを落とし切ることは叶わない。だからその次点として、"ステルペス"は、ジェネシスのリソースを掌握、ピラーへの電子攻撃を行う必要があった。
GM:……そう。
GM:『必要』であったのはそこまで。
GM:その他の要素は、言ってしまえば全て余儀である。
GM:"アルゲス"、"ブロンテス"、"ゼウス"の生産した執行者や神機、十字冠改竄――これらの要素は、ピラーの破壊を少しばかり早めながら、想定される妨害を迎撃するための戦力リソースに過ぎない。
GM:極論すれば、"ヘカトンケイレス"は替えが利かないが、"ブロンテス"は替えが利く。
GM:今回、ある意味彼は軽んじられる立場にあった――そして事実、彼は軽んじられていたのだ。
"ブロンテス":「作戦の開始をキングダムの自壊まで待って欲しいという私の希望が、"ヘカトンケイレス"発掘時期より優先されなかったことは、仕方のないことです」
"ブロンテス":「私が"ゼウス"のように判断を下す側でもそうしたでしょう。……そして、"ゼウス"が私なら」
"ブロンテス":「同じようにささやかな反抗をしたはずです」
GM:それは例えば、シャムロックに対する情報漏洩と、切札投入の要請。
"アルゲス":(「……早いな」「想定よりも群れが大きい)
"ステルペス":(『"ブロンテス"のやつ、当てを外したのか?』)
GM:例えば、誤差レベルの読み外しの積み重ね。
"ブロンテス":(「さて、お解りいただけたかと思いますが……彼女は無事です」)
GM:例えば――自棄になりかけたテスラを救う時、密やかではなく堂々と、彼女を上層へ連れて行くこと。
棚エアリ:「……本当にあなたの主は気付いていないのかしら?」
"ブロンテス":「さあ。もしかしたら気付いているかもしれません。ですが、あなたに情報を漏らした件以外は証拠も何もありませんからね」
"ブロンテス":「彼は、確信なく疑わしき同朋を罰するタイプでもない……ちょうど今は意気消沈しているタイミングでしょうし」
GM:"ブロンテス"は両腕を広げて自らの存在を見せつける。
"ブロンテス":「お陰様で我が本願は遂げられます。この身で、この特等席で!」
棚エアリ:その演技じみた振る舞いに、白けた目を送る。
棚エアリ:「そもそも、そんなことをする必要はあったんですか?」
"ブロンテス":「と言いますと?」
棚エアリ:「セイクリッドピラーが折れれば、ノヴァリスの未来は潰える……でしたっけ」
棚エアリ:「なら、それに力を注げば結果的にキングダムの未来も潰えて、満足行く結果になったんじゃ?」
"ブロンテス":「……誤解ですね」
"ブロンテス":"ブロンテス"は、やれやれとでも言わんばかりに首を振っていた 「それでは駄目でしょう……『ノヴァリスのついでにキングダムが滅ぶ』なんて」
"ブロンテス":「あまりに『仕方ない』じゃないですか。勝負の対戦相手が、着席前に事故に遭うようなものです」
"ブロンテス":「キングダムはノヴァリスへの帰属意識も薄いですからね。ノヴァリスの巻き添えでキングダムが潰えた時、あの僭称者どもは何を考えるでしょう?」
"ブロンテス":「殊勝な後悔を脳に思い浮かべることはありません。あるのは開き直りです」
"ブロンテス":「『ノヴァリスがダメになったなら、キングダムがダメになっても仕方がなかった』『むしろ余計な力を使わず済んだ』『何ならキングダムが倒れたのもノヴァリスのせいだったんじゃないか?』」
"ブロンテス":「はは……自分で口走りながら虫唾が走ります。ともかく、そういった軽佻浮薄を許す隙をこそ、潰さなければなかったんですよ」
"ブロンテス":「キングダムは、ノヴァリスもろとも押し流されるのではない」
"ブロンテス":「――その愚昧と未熟により、滅びなければならない」
"ブロンテス":「そして骸を良く見るならば、照らす火が必要だ。ノヴァリスという火が」
"ブロンテス":「…………」
"ブロンテス":わずかな沈黙。それは、"ブロンテス"が熱弁する己を恥じ、冷ますかのような間だった。
"ブロンテス":「……ともあれ、"ゼウス"との勝負には勝ち、キングダムは今も滅亡の奈落への坂を滑り落ちている」
"ブロンテス":「先に申し上げた通り、シャムロックに危害を加えるつもりは一切ありません。『卵』の無毒化も進めます。ただ……」
棚エアリ:「……キングダムの情報・状況は詳らかに伝えよ、でしょう?」
"ブロンテス":「ええ」 頷く 「物わかりが良く助かります」
"ブロンテス":「良いじゃないですか。貴女にとっても、キングダムは怨敵だ」
"ブロンテス":「漏らすことなく全てを見届けましょう?」
棚エアリ:「…………」
棚エアリ:エアリは、ひとまず否定ではない沈黙だけを返す。だが……
棚エアリ:(……それで終わる訳がない)
棚エアリ:説く"ブロンテス"の熱に、彼女が浮かされることはない。常にこの先のことを考え続けている。
棚エアリ:(もしもキングダムが……もしも、自滅を回避してしまったのなら、あなたは自ら動き出すでしょう)
棚エアリ:(そして、その時は……)
"ブロンテス":「ああ、ところで」
"ブロンテス":「これは気軽な雑談なのですが」
GM:執事役先住市民の尾はぴくりと震え、この発言が"ブロンテス"の初めて口にした嘘であることをエアリへ伝えた。
"ブロンテス":「――テスラ・タイタニスを捕囚している牢獄は何処に?」
【◆ Master Scene 3】
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「――以上が、今回の顛末だ」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:ノドス。放送室。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:今同時に何人がその言葉を聞いているかは分からないが、ガダンファル・イルヤーサは語り続けた。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:自らの作戦と、敗北の顛末を。

"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「資料化したものはいつもの場所に置いておく。気になったらば見ろ。質問も受け付ける」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「ともかく、こうして俺は敗走したという訳だ」
GM:青い空。そこに聳える大樹。
GM:放送室からは、それが良く見える。見下されているような気がして、全く疎ましかった。
GM:だが、語り続ける。それはガダンファル・イルヤーサが自身に課した義務だった。
GM:……敗北し、しかし生存した者の役目。
GM:『次』への備え。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「ノヴァリスを慰み者にしたいのであれば」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「止めはしない。好きにしろ。好きなように遊べ。あれは早々に壊れん」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「だが、ノヴァリスに勝つつもりであれば」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「俺以上の計画と戦力が必要であることを胸に刻んでおけ。……まあ、つまり」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「無駄なので止めろ。健康維持と鍛錬に努めた方が建設的だ」
GM:返事は一つもない。別に期待してもいないし、本当に何か直接声をかけられた所で、返してやるつもりはなかった。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「奴らは強い」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「奴らが俺達の元へ到達しない理由は、各々好きに決めるが良い。俺は奴らが怠惰だからだという意見を変えるつもりはないが……」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「差し引いても奴らは強い。勝利するのであれば、ノドス・チルドレンでは叶わない」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「全員で当たる必要がある」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「……これを断言できるようになったのが、俺にとっての最大の収穫と言えるだろうな」
GM:またしばし沈黙が流れる。遠く、潮騒が聞こえる。世界に一人だけになったような気分だった。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「俺は今後、独立的な作戦行動を一切取らない」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「"カルヴァリア"、祠堂アキトへ一任する。……ノヴァリスに残したいくばくの資源と、その用途もだ」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「話は以上」
GM:放送を切る。
GM:力を失し、深く椅子へ座り込んだ。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(……既定路線だ)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:最初から決めていたことだ。ノドス内でも派閥を形成するような強硬さと、入念な作戦展開を見せながら……
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:……敗北するようなことがあれば、速やかに"カルヴァリア"指揮へ合流する。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:ノドス内の反体制的分子を、少しでも彼の下へ集めるために。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(ここに来て、結局俺の仕事は小技を繰ることか)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(……だが、それは『お前』にはできないことだ)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(『お前』ではこうはならなかった)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(『お前』よりも――俺で良かったと)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(…………)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:椅子に座り込んだまま、沈黙を守る。戦術・戦略面での回顧はもう完全に終えていたから
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:思い出すのは、ノヴァリスの少女たちの言葉だ。
-:『奇跡っていうのは、神聖二重冠に宿るんじゃない……!』
-:『ノヴァリスの一人一人が、誰だって! その可能性を持ってるのよ!!』
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「…………」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:少女の言葉を、この男が鵜呑みにすることはない。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:だが、その不快に甲高い声が――憎しみ合うべき彼女たちが手を取り合ったその姿が、どうにも脳裏にこびりつく。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「……奇跡を」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「条理覆す敗因と定義するのであれば」
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(……それは)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(奴らがあの地で積み重ねる、取るに足らない時間。物語の一行。アルバムにも残らないワンシーン)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(何気ない日常の中に、きっとほんの少し眠っているような……)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:「…………」
GM:青い空に聳える大樹へ、視線が吸われる。
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(……くそ)
"マスターゼウス"ガダンファル・イルヤーサ:(眩しい……)
(雑談)