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メインログ/雑談ログ



Trailer



昨日と同じ今日。今日と同じ昨日。
繰り返し時を刻み、変わらないように見える世界。
その裏側で、戦い続ける者達がいる。
既に変貌した、陽の当たらぬ世界で。
狂い咲くのは徒花か、それとも──。

斎庭市、私立御樋代女学院。
外界から隔離されたこの温室で、鎬を削る二つの組織──UGNとFH。
長らく続いた膠着状態は、一件のデータ流出によって一気に戦火の泥沼へと転がり落ちていく。

少女たちは睦言を交わしながら、その後手で牙を研ぐ。
顔を伏せ、互いの名も知らぬまま、喉元に刃を突き付ける。
裏切りと別離、そして忘却。
愛と憎の果てに待つものは何か。

Double Cross The 3rd edition
Replay Bloom Case05
『暁光掻き臥せ獣面人心』
ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。





Index



Opening
【OP/御樋代女学院】
【OP/サヴェジ・ルナリア】

Middle phase
【Middle1】
【Middle2】
【Middle3】

Climax
【Climax/暁光掻き臥せ獣面人心】

Ending
【ED/サヴェジ・ルナリア】
【ED/貴家ミメイ】
【ED/羽澄咲】
【ED/綾瀬川萌葱】
【ED/日下紅春】



Preplay


GM:それではレズロワセッション『暁光掻き臥せ獣面人心』始めていきましょう!
GM:まずは自己紹介から。じゃあそうだな~
GM:身長順に行こうと思ったら身長が存在しない人たちがいるな
GM:では初期侵蝕順から。羽澄さんからキャラシを貼って元気よく自己紹介お願いします!
羽澄咲:はーい!
羽澄咲(キャラシート)
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羽澄咲:羽澄咲(はすみ・さく)!私立御樋代女学院に通う高校一年生です!
羽澄咲:明るく元気で社交的、誰にでも親切で人懐っこいタイプです。注意とかされない限りは距離近いがちかも。
GM:あら~いい子ですね~
羽澄咲:ただその親切と好意を誰に対してもばら撒くことと、心身共に距離が近いことで修羅場を生む傾向がちょっとあり……
GM:全然いい子じゃねえ!
GM:サークルをクラッシュするのをやめろ
羽澄咲:当人はイマイチ自覚してません。皆楽しいのが一番だよね!皆で仲よくしようね~!のノリ。
羽澄咲:他意も悪意も無い善意のサークルクラッシャーです。よりたちが悪いともいう。
羽澄咲:しかし、それはあくまで表の顔。
GM:何っ
羽澄咲:裏の顔はFHセル“サヴェジ・ルナリア”に所属するFHチルドレン"ルークレス"。
GM:ヒェ~~~ッ
羽澄咲:主に諜報や内部工作を担当する寡黙で冷徹な潜伏者。匿名制であるセル内に置いても特に秘密主義の傾向があります。
羽澄咲:その能力はソラリスとハヌマーンを合わせた言霊。他者の精神を揺さぶり、その影響を肉体まで波及させます。
GM:スゲ~ワルのやつじゃん
羽澄咲:更に電子系RBと共生もしており、その能力を情報収集に活用しています。集めた情報は敵への精神攻撃にも使える。
羽澄咲:トライブリードのラストであるブラックドッグはここが由来ですね。電子戦も行けるタイプ。
羽澄咲:果たして明るい表の顔と暗い裏の顔、どちらが素顔なのか……その辺りを明かしたり明かさなかったりやっていきたいです。
羽澄咲:以上です、よろしくお願いします!
▼ 【羽澄咲の秘密(クリックで展開)】

GM:OK!ハンドアウトは共通なので次!
GM:では貴家さんお願いします!
貴家ミメイ:初期侵蝕率の順番だと……わたしか!
貴家ミメイ:はーい!
貴家ミメイ(キャラシート)
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貴家ミメイ:「FHでの任務……。わ、わたしなんかにできるのかな。ううん、やらなくなくちゃダメなんだ……!」
貴家ミメイ:貴家未明(サスガ・ミメイ)。15歳の高校一年生。FHチルドレンの女子です。
貴家ミメイ:内気で引っ込み思案な性格で、銀髪のショートカット。華奢な体型をしています。
GM:かわいいぜ
貴家ミメイ:北ヨーロッパの国アイスランドの出身で、中学三年の時に日本に越してきました。
貴家ミメイ:両親が政府関係組織でレネゲイド関連の仕事をしていて、FHにはその縁で加入しました。
GM:儚げな美少女といえば北欧!
貴家ミメイ:“サヴェジ・ルナリア”セルでの活動時には単眼のカモノハシの仮面を付けています。
貴家ミメイ:シンドロームはブラックドッグ/オルクスのクロスブリード。
貴家ミメイ:戦闘では《ダンシングシミター》+《雷神の鎚》で戦闘支援ドローンを使った包囲攻撃を行います。
貴家ミメイ:Dロイスは遺産継承者で、「誓約の瞳」を持っています。その効果で《ナーブジャック》を取得しており、ドローンを使って相手を洗脳することもできます。
貴家ミメイ:初期ロイスの夏目アリアはアイスランドにいた頃に知り合った同い年の友人で、親しい関係にありました。
GM:邪悪!!
貴家ミメイ:邪悪ジャナイヨ
貴家ミメイ:ただ、同じ時期に日本に引っ越してきてからは彼女の多忙や休学もあって関係があまり上手くいっていません。
GM:親しい関係っていったい何だろう……おうちの人に聞いてみよう
貴家ミメイ:SNSの裏アカウントで愚痴を吐いては鬱憤を晴らす毎日です。
貴家ミメイ:好きぴからLINEの既読つかない。病みそう
GM:かわいそうに……
貴家ミメイ:以上です!
GM:ありがとうございます!果たして好きピとは上手く行くのか……!?
▼ 【貴家ミメイの秘密(クリックで展開)】

GM:それでは次!日下さんお願いします!
日下紅春:はーい!
日下紅春(キャラシート)
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日下紅春日下紅春くさかくれはでーす 16歳の二年生
日下紅春:ちょっと浮いたタイプの女子高生。クラス内や年下は基本遠巻きに見てるけど年上や物怖じしない相手は逆に可愛がられる感じですね。
日下紅春:黒セーラーも一人だけほんとにこれ着てるのかも
日下紅春:純粋培養の戦闘チルドレンですが、肝心なところが使い物にならず流し物に。
日下紅春:そんな経歴なので隠密や諜報も得意ではなく、膂力や戦闘センスは高いが……みたいな立ち位置だと思います。
GM:勿体ないぜ
日下紅春:普段は大人びてるかと思えば全然子供っぽく、言い返したり些細な口喧嘩をしたりと良くも悪くもあどけなさが見え隠れするかも
日下紅春:FHを厭わないチルドレンとしての素朴な感性と殺しはしたくないという自分への頑なさに、
日下紅春:根は無邪気であどけないようなグラデーションのある性格を抱えてる少女です。
日下紅春:データ的には素手を使い倒す構成で、
日下紅春:敵を引き寄せた後《赫き重刃》etcをかけた素手で《復讐の刃》《餓狼の爪》します。
日下紅春:こんな感じで!よろしくお願いします~
GM:新規エフェクトの力!!
GM:アンバランスな魅力……ロールが楽しみです!それではラスト!
▼ 【日下紅春の秘密(クリックで展開)】

GM:綾瀬川さんよろしくお願いします!
綾瀬川萌葱:はい!綾瀬川 萌葱(あやせがわ-もえぎ)でーす
綾瀬川萌葱(キャラシート)
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綾瀬川萌葱:黒髪・白肌・碧眼。結構いい作りのブラウスの上から紺のカーディガンを羽織り、常に救急箱の手放せない女学生。
GM:う~ん顔がいい
綾瀬川萌葱:御樋代女学院2年C組で学級委員長を努めております。真面目で勤勉なクラス皆が憧れる高嶺の花!超絶美少女!めちゃモテ委員長!
綾瀬川萌葱:……とはいかず、日頃からドジを踏みまくって委員長としての威厳は消滅寸前。いじられキャラ的な立ち位置に甘んじています。
GM:かわいいね
綾瀬川萌葱:親しみやすく、押せばなんとかなりそうな儚げな雰囲気もクラスメイトからの舐めに拍車をかけているとか。
綾瀬川萌葱:私はこんなにみんなのことが好きなのにな~
綾瀬川萌葱:実際オーヴァードながら身体が強い方ではなく、よく保健室のお世話にもなっています。
綾瀬川萌葱:お世話になりすぎて養護教諭の城島先生とあらぬ噂を立てられたり……
GM:押せば何とかなりそう(重要情報)
綾瀬川萌葱:セルでの活動時には青いラインの入った黒塗りの狐面を付けています。
綾瀬川萌葱:戦闘に際しては特殊な薬剤(ストライクチップ)を服用(一体化)することで、エグザイルらしく漆黒の触手を発振させて戦いまーす。
綾瀬川萌葱:敵の攻撃への対応速度には特筆すべきものがあり、触れた肉体に侵食する作用なんかもあるいやらしい性能をしています。
綾瀬川萌葱:さーどうぉっち?しーくれっときーぱー? い、いやあ……なんのこっちゃで……
GM:侵食する触手……何てことだ
綾瀬川萌葱:あっ超絶美少女なのは本当です。以上!よろしくお願いしまーす!
GM:OK!ありがとうございました!
▼ 【綾瀬川萌葱の秘密(クリックで展開)】

GM:今回は軽い共通ハンドアウトのみ用意してあり、皆さんには自由に動いて頂きます。ハンドアウトはこちら。

共通ハンドアウト

君たちは御樋代女学院の生徒であり、FHセル“サヴェジ・ルナリア”のメンバーだ。
互いに正体を隠しながら、日夜オーヴァードの自由と未来のため、UGNとの戦いを続けてきた。
君たちの目的は、学院に潜むUGNを見つけ出し、排除することだ。
GM:それではこの4人で開戦していきましょう!皆さんよろしくお願いします!
貴家ミメイ:はーい!よろしくお願いします!
綾瀬川萌葱:うぉぉよろしくお願いします!
日下紅春:よろしくお願いします!
羽澄咲:いぇい!よろしくお願いします!



【OP/御樋代女学院】

GM:共通OPとなります。全員登場です。このセッションの登場侵蝕判定は、1D10または1D3+3、好きな方を選んで頂いて構いません。
貴家ミメイ:好きな方!
綾瀬川萌葱:そういえばそうでした
貴家ミメイ:とりあえず1d10で振って怖気づいたら変えるかもしれません
綾瀬川萌葱:1D3+3で!
貴家ミメイ:38+1d10
DoubleCross : (38+1D10) → 38+3[3] → 41

日下紅春:1d3+3にします!
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(43 → 47)
綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(44 → 48)
羽澄咲:1d3+3で
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加(32 → 37)



GM斎庭ゆにわ市は関東、東京近郊の都市であり、古くから交通の要衝として栄えてきた街だ。
GM:現在も駅や国道を中心に、多くの人と物が行き交う活気に溢れているが
GM:同市内にも、そんな喧騒とは無縁と言える場所が存在する。
GM:それが郊外の山中に校舎を構える、私立御樋代みひしろ女学院だ。
GM:中高一貫、全寮制の女子校であり、百年以上の歴史を持つが、
GM:外界から隔離された閉鎖的な体制、そしてうら若き──少々世間知らずの──少女だけの環境は、日常の裏に潜む者たちにとっては格好の潜伏先となっていた。
GM:即ち、オーヴァード。UGNとFH。
GM:平和な学生生活のその陰で、両者は学院の支配権を巡り、日夜鎬を削っていた。
GM:季節は1月。冬休みも明けて間もない、ありふれた休日。
GM:暖房が炊かれた寮の談話室に、数人の生徒が集まっていた。
貴家ミメイ:銀髪ショートの華奢な少女が隅の席でスマホの画面を見つめて物憂げな表情をしている。
貴家ミメイ:「……やっぱり既読ない」小さくため息を吐く。
日下紅春:「ミメイってば、また確認してるの?」
日下紅春:窓際にある少し離れたソファーから声
日下紅春:はしたなく転がって占領しては、足をパタパタとさせている
羽澄咲:「み~め~い~、ちゃんっ!」 座り込んだ肩に後ろから手を回す形でぴょこんと顔を覗かせる。
貴家ミメイ:「わあっ!?」椅子に座ったまま跳び上がりそうになって慌ててスマホを手で押さえている。
羽澄咲:「溜息なんてついちゃって~。紅春センパイにも心配されてるよ?」
羽澄咲:色素が薄いふわふわの髪に、明るいピンク色の瞳がかわいらしい少女。へにゃへにゃと笑んでいる。
貴家ミメイ:「咲ちゃん、いきなりはビックリするよ……! 紅春センパイ、ごめんなさい。心配させてしまって……!」
羽澄咲:「ちゃんと足音立ててたよ~?スマホばっかり見てるから気づけないんじゃないな~」
日下紅春:「心配っていうか……談話室の針が一周するたびに開いては閉じての繰り返しとか、つまんなくないのかなーって思っただけ!」
綾瀬川萌葱:「……あ、羽澄ちゃん!」救急箱の中身を見聞していたが、はっと顔を上げて
羽澄咲:「どーしました?あやちゃんセンパイ?」 怒られたのはさほど気にしてないようで、手をかけたままゆらゆらしている。
貴家ミメイ:「うう……ごめんなさい。萌葱センパイ、何かありました?」スマホをしまいながら彼女の方を見る。
綾瀬川萌葱:「昨日はどこに行ってたんですか? 外泊届け、また出してないって聞きましたよ?」
綾瀬川萌葱:かちゃかちゃ、と小瓶を片しながら「もう全然効いてくれないのはいつもの通りですね~…」
羽澄咲:「あっ、えへへ……友達に遊び来ない?って聞かれたから」
羽澄咲:「遊んできました!ごめんなさい!」 悪びれる様子の無い笑顔!
綾瀬川萌葱:「うぅ、曇りのない正直さ……許し、ちゃいます……!」一介のクラス委員にそんな権限はない。
羽澄咲:「やった~!無罪放免!」
貴家ミメイ:「ゆ、許されてる……。咲ちゃん、何して遊んでたの?」小さく微笑んで言う。
羽澄咲:「ん~?カラオケとか~ダーツとか~……色々!」
日下紅春:「あっ、ダメなんだ咲!」指を差しながら咎める子供のように
羽澄咲:「そんなこと言って、紅春センパイだってこの前のお夕飯外食してなかった?」
日下紅春:「そうそう、だから次は私も連れていってよね。そうしたら先輩が秘密に隠しておいてあげるから」
羽澄咲:「なるほど……。ならその時はとっときのお店教えたげるね!」
綾瀬川萌葱:「聞くだに不健全な響きだなぁ……」
羽澄咲:「むう。友達と楽しく遊ぶのに健全も不健全も無いですよぅ」
羽澄咲:「あやちゃんセンパイもいっぺん遊んでみません?楽しいですよ?」
貴家ミメイ:「いいなぁ、楽しそう。……あ、そういえば紅春センパイ、この前いませんでしたね」
日下紅春:「でもミメイも気付いてたってことはあの時間まで起きてたんだ?何してたの~」
日下紅春:うりうり、と身を乗り出して頬をつつく
貴家ミメイ:「わ、わたしですか!? わたしは、ちょっと寝付けなかっただけで、別に、何も……!」懐のスマホを隠すようにしながら大袈裟に慌てる。
綾瀬川萌葱:「学生の本分は勉強ですよぉ」「貴家さんだってきっとお勉強をしてたんですよね」
高枝美穂:「……お~?何々?何の集まり?」
高枝美穂:その時、大きな段ボールを抱えた少女が談話室を通りかかる。
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【高枝美穂】
成績は悪いが気さくで陽気な生徒で、友人が多い。
関西出身で訛りを気にしている。
友人の悩み相談に乗りすぎて学業が遅れているのを気にしているが、その評判で更に相談を持ち込まれる悪循環に陥っている。

貴家ミメイ:「そ、そう。お勉強です! ……あ、高枝さん」ほんのわずか表情を曇らせる。
綾瀬川萌葱:「お勉強ですよね~……あっ、高枝さん!」実技教科の補修で面識があるのだ
羽澄咲:「あ、美穂ちゃん!仲良しの集まり中~」 ぶんぶんと手を振る。
高枝美穂:「ははぁ、そりゃ何よりなことで……あ、おみかんあるけど食う?」
綾瀬川萌葱:ソファを膝立ちで移動して覗き込む。「わあ、綺麗に熟れてますね……」
日下紅春:「飴玉の携帯は校則違反だからってみかん持ってるの?」
日下紅春:呟きつつも、遠慮なく食べる~と手に取る姿が
高枝美穂:「あーちゃうちゃう、実家からようさん送ってきてん」
高枝美穂:かじかんだ手を薪ストーブの前で擦りつつ、段ボールを開ける。
羽澄咲:「おおー!つまり産地直送?」
高枝美穂:「いやぁ……ウチ別に農家やないしなあ」ぽいぽいと各自に放り渡す。
羽澄咲:「直送じゃないパターンもあるんだ……」 受け取ってコロコロ揉んでいる。
貴家ミメイ:「ええっと。ごめんなさい。わたしは遠慮して……あ」言うよりも早く渡されてしまい、ぎこちなく笑う。
貴家ミメイ:「オレンジ、ありがとうございます。すごく美味しそうですね」
高枝美穂:「みかんばっかこんな食べられんって話よな。あ、そうそう!自分ら聞いた?あの話」
日下紅春:「食べられるなら何だっていいよ~。ね、酸っぱいのない酸っぱいの?」
日下紅春:人の房の中から拝借しようとする
貴家ミメイ:小さな手でみかんを握ったまま遠くの方を見ている。
綾瀬川萌葱:「貴家さん、皮はヘタから剥くといいんですって。白いのを摘まなくてよくなるって…」
羽澄咲:「どの話ー?」 何やらちょっと変わった剥き方で剥いてる。綺麗に一列に並べられるヤツ。
日下紅春:「んむ……はずれだ。それで?あのもこれも時計の話しか……」
高枝美穂:「いやいや、それがな?ウチもさっき聞いたんやけど」
GM:バタン!
GM:近くの一室のドアが開閉し、大きな音が響く。
綾瀬川萌葱:「ドアはしずかに開ける~~っ!」
GM:全員の視線が集まった先に、一人の少女が立っていた。
椿萌:「……」
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【椿萌】
学院でも有名な不良生徒。周囲を寄せ付けない刺々しい態度で恐れられており、寮にもほとんど帰って来ないが、羽澄咲には心を開いており、深い関係を持っている。またサボり先で日下紅春と顔を合わせることが多い。
裕福な生徒の多い学院においても有数の名家の生まれでもある。

日下紅春:「萌葱もうるさーい!」ドアと声の立て続いた大音量に手を耳で覆う
椿萌:駄弁っている君たちに……特に注意してきた綾瀬川に冷たい目を向ける。
綾瀬川萌葱:「あっあ、すみませ……」「いやいや!」
綾瀬川萌葱:片目を閉じてその視線に立ち向かう「いつも言ってますよね、椿さんっ」
椿萌:「……」鬱陶しそうにその言葉を聞き流し、
椿萌:日下、次いで羽澄を一瞥し、そのままふいと歩いて行ってしまう。
羽澄咲:「あれ、もえちゃん~?みかん食べない~?」 その後ろ姿に声をかけるが一足遅い。
貴家ミメイ:「き、聞き流されてますね、萌葱センパイ……。あ、行っちゃいました」困ったように笑う。
高枝美穂:「お~コワ……相変わらずやな」
日下紅春:「か、」つまんだ蜜柑を落とし
日下紅春:「感じ悪いんですケド!」
羽澄咲:「行っちゃったねぇ。昨日のお礼したかったのにな」
高枝美穂:「お礼て?何かしてやったん?」
綾瀬川萌葱:「言い過ぎたかな……」ちまちま白いのを摘んでいる。
羽澄咲:「カラオケとダーツ誘ってくれたの。楽しかった~」
高枝美穂:「ってさっきの話アイツかい!」
貴家ミメイ:「遊んでたのって萌ちゃんと一緒だったんだ」
日下紅春:「って、向こうから?咲からじゃなくて」
高枝美穂:「それホンマなん?想像できんわ……そんなタイプには思えんけどな~」
羽澄咲:「うん、そうなの~。もえちゃんめっちゃ歌上手いんだよ」
羽澄咲:「知ってる曲ならリクエスト聞いてくれるし」
貴家ミメイ:「萌ちゃんと仲良いんだ。萌ちゃん、クラスでもあまり話してるところを見ないから意外かも」
高枝美穂:「ウッソォ……咲、弱みでも握っとんちゃうの?」
羽澄咲:「む、弱みなんて握ってません~だ」
日下紅春:「ええーじゃあ猶更なんで私も誘ってくれなかったの!」
日下紅春:見てみたかった、と少しむくれる
羽澄咲:「じゃあ次は紅春センパイも一緒に行こ~。そろそろお正月期間終わるし」
日下紅春:「ほんとに?嬉しいな~。私あの子に睨まれてばっかりだけど!」
高枝美穂:「……あーっそうだ!さっきの話!」
羽澄咲:「フリータイムでいっぱい……さっきの?」
高枝美穂:「忘れるとこだったわ。せやからな、ウチが聞いたところによると……」
城島桐子:「……あら? 何だか賑やかねぇ」
白戸瀬鞠音:「や。キミたちごきげんよう~」
GM:二人の教師が並んで顔を見せる。
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【城島桐子】
御樋代女学院の養護教諭。柔和な雰囲気で生徒に慕われており、用事もないのに保健室に入り浸る生徒が多くいる。
綾瀬川萌葱もその内の一人で、周囲から何かと噂されている。

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【白戸瀬鞠音】
授業へのやる気の無さで有名な体育教師。
他の教師からの評判はすこぶる悪いが、体育が苦手な一部の生徒からは熱狂的な支持を集めている。
空き教室や体育館裏によく出没し、不良から煙草をせびっている。

綾瀬川萌葱:(羽澄さんからも椿さんに注意してあげてほしいけどな~)などと考えていたが。
綾瀬川萌葱:「あっ……城島先生」その声音に背を伸ばす。
城島桐子:「ふふ。こんにちは、綾瀬川さん」
城島桐子:綾瀬川の頭に手を置き、撫でる。
綾瀬川萌葱:「えへ……珍しいですね、城島先生もなんて」
綾瀬川萌葱:「保健室以外で会うことなんて、みんな殆どないんじゃないですか」
貴家ミメイ:「あ。城島センセイ、白戸瀬センセイ」慌てて立ち上がると2人に向かって一礼する。
羽澄咲:「先生こんにちは~。二人で寮なんてどーしたんです?」
日下紅春:「うえ……先生だ。おはよう」露骨にテンションの下がった顔をする
白戸瀬鞠音:「キミたちこそ、せっかくの休みに談話室で駄弁ってていいのかい?」
白戸瀬鞠音:「子供は風の子……寒いからって寮でぬくぬくしてばっかいちゃいかんぞ~」
白戸瀬鞠音:言いながら、自分はストーブの真ん前に陣取っている。
日下紅春:「せっかくの平日に濡れた煙草に火が付かないか苦心する人よりは生産的だもん」
貴家ミメイ:「わたしは特にやることもありませんから……」他の人が誰も礼をしないので、決まりが悪くなって静かに座る。
貴家ミメイ:「子供は風の子……って、どういう意味ですか? 風が子育てをするんでしょうか」
高枝美穂:「アハハ!やっぱミメイちゃんおもろいな~」
羽澄咲:「子供は寒~い風の中でもへっちゃらなくらい元気だね!って言葉だよ」
羽澄咲:「ちなみに、逆で大人は火の子ともいう」 あの通り、と白戸瀬先生を指しつつ。
綾瀬川萌葱:「ええ。あれはまさにその見本ですね」うんうん、と頷く
白戸瀬鞠音:「ふ~ん」ストーブの前から微動だにしない
日下紅春:「あれってそんな言葉だったのね」
貴家ミメイ:「なるほど。覚えておくね、咲ちゃん」力強く頷く。
城島桐子:「ええ。今日は軽く、生徒のお迎えと面談があるのよ」
高枝美穂:「あっ!その話ってもしかして……例のあれです?」
城島桐子:「あらあら……もう噂になってるの?やっぱり若い子の口に戸は立てられないわよねえ」
貴家ミメイ:「何なんですか、城島センセイ。その、お迎えと面談……?」
城島桐子:「そうなのよ。実は今日ね……」
高枝美穂:「ちょいちょい!ウチに言わせて!あんな、噂になっとったんは……」
GM:ドバン!!!!
GM:寮の入り口が勢いよく開け放たれ、一気に寒風が吹き込んでくる。
夏目アリア:「……たっだいまーーーーーーー!!!!!」
夏目アリア:ドアを開けたのは、その音に負けず劣らず大きな声で叫ぶ生徒。
綾瀬川萌葱:「も~~~~~~~っ!!」
貴家ミメイ:「だ、だから萌葱センパイの声の方が大きいですって」苦笑しながら扉の方を見て
綾瀬川萌葱:「ハッ」一拍おいて、さっと手を口に当て。「どあは、ひふかにはへ……」
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【夏目アリア】
しばらく前から病気で長期休学中だった生徒。休学に入る前は文武両道の優秀な生徒で、学年の有名人だった。貴家未明とは斎庭市に来る前から親密な関係。
明るい陽キャで、かなりモテる。

貴家ミメイ:「……え」手に持っていたみかんを取り落とす。
貴家ミメイ:「……アリアちゃん」
夏目アリア:「皆久し振りーーー!元気だった!?」
夏目アリア:ニコニコ満面の笑みで君達に駆け寄ってくる。
羽澄咲:「あっ、未明ちゃんの愛しの」
綾瀬川萌葱:「……わぁ、この子が」手を口に当てたまま、目を見開く。
貴家ミメイ:「…………」驚いた表情のまま視線を泳がせる。
夏目アリア:「ミメイも久し振り!ちょっと痩せた?」
貴家ミメイ:「ええっと。久しぶり、アリアちゃん。心配してたけど、元気そうで良かった」
貴家ミメイ:色々な感情が一気に押し寄せ、なんとかそれだけ取り繕うように言う。
貴家ミメイ:「体重は変わってないと思う。……たぶん」
夏目アリア:「ふむふむ……」ミメイの脇腹の辺りを両手でさわさわ揉む。
貴家ミメイ:「きゃっ。ち、ちょっと、アリアちゃん! そんなところ触らないでよ……!」頬を赤らめながらジタバタする。
夏目アリア:「うーん、やっぱりちょっと痩せたような……前はもうちょっとお肉が……」
日下紅春:「あはは!よかったねーミメイ!」
羽澄咲:「ね。ずーっと寂しがってたもんねぇ」
日下紅春:「これで毎日おやすみとおはようのチェックも必要なくなるね!」
日下紅春:「……あ、でもモーニングコールとかに変わるだけなのかな?」
羽澄咲:「モーニングコールに変わったら紅春センパイも一緒に起こしてもらえるんじゃない?」
日下紅春:「えー、なら後輩から直接起こしてもらえるままの方がいいな~私」
貴家ミメイ:「咲ちゃん、紅春センパイも。わたし、そんなに頻繫にチェックなんて……!」
高枝美穂:「かぁ~~っ!言う前に来てもうたやん!」
夏目アリア:「美穂も久し振り。ウェーイ」
高枝美穂:「ウェ~イ、ウェイ、ウェ~イ」
夏目アリア:二人だけに伝わるらしい謎のハンドジェスチャーを交わしている。
綾瀬川萌葱:「あ、話ってこのことだったんですね……」
貴家ミメイ:「…………え。高枝さんが言おうとしてた話って」
高枝美穂:「そうそう。アリアが戻ってくるって話!」
貴家ミメイ:「なんで……」わたしが知らなくて、高枝さんが知ってるの。後半は心の声になり、押し殺される。
貴家ミメイ:「とにかく、アリアちゃんが帰ってきてくれて良かった」曖昧な表情で笑う。
城島桐子:「あらまあ……迎えに行こうと思ったのに、遅れちゃったみたいね」
夏目アリア:「そりゃあもう!ダッシュで来ましたから!ダッシュ!」
白戸瀬鞠音:「たは~、寒いのに元気だねえ……」君たちが剥いたみかんを勝手に食べている
綾瀬川萌葱:「あ゛っ」「ろ、廊下を走るのも良くないんですよ~」
夏目アリア:「大丈夫です!外はダッシュで、廊下は超早歩きで来たんで!!」
綾瀬川萌葱:口の周りに手を添えて小声で声を送っている。「ドアも……最後まで気をつけて……」
日下紅春:「もー、萌葱は細かいこと気にしすぎ!」
城島桐子:「でも、丁度よかった。夏目さん、久し振りの登校でしょ?色々困ることもあるでしょうし、ちょっと面談しましょうか」
夏目アリア:「その為にお休みなのに来てくれたんですか?ありがとうございます、先生!」
羽澄咲:「それで先生達も来てたんだ~。……城島先生は分かるけど、白戸瀬先生も?」 失礼。
城島桐子:「わたしが連れ出したの。白戸瀬先生、放っておくとずっと部屋に籠ってるから」
白戸瀬鞠音:「ひぃん……」
日下紅春:「ストーブに当たりに来たとか、そんなとこだと思った~」
城島桐子:「それじゃあ、行きましょうか夏目さん。ほらほら、行きますよ白戸瀬先生」
白戸瀬鞠音:「うぇぇ~~~~」引きずられていく
夏目アリア:「あっはい!じゃあ皆、また後でね!!」
日下紅春:「美穂の温めてた話も終わったし、私たちもどっか行く?」
日下紅春:用事の詰まってるらしいアリアを尻目に 私たちって風の子らしいし、と呟きながら
貴家ミメイ:アリアちゃんに声をかけようとし、少し迷ってやめる。
羽澄咲:「あ、皆で遊ぶ?あたし賛成!」 分かりやすくウキウキした顔になる。
貴家ミメイ:「そうですね。行きましょうか、紅春センパイ」
綾瀬川萌葱:「あっあっ私も……みんなで何しましょう?」
夏目アリア:「……あ!」
夏目アリア:何か思い出したように、途中で駆け足で戻ってくる。
夏目アリア:「ねえごめん、三人にちょっと聞きたいんだけど……」
夏目アリア:一年生三人を腕で寄せて、こそこそと耳打ちする。
羽澄咲:「おとと」 小柄なのであっさり寄せられている。
高枝美穂:「おん?何や何や」
貴家ミメイ:少し気まずそうにしながら抱き寄せられる。
日下紅春:「萌葱が口煩いから先輩たちって括りでお邪魔虫にされちゃったじゃん」ぶーぶー 少しおどけた様子を見せた
綾瀬川萌葱:「え~私のせいなんですかぁ」しゅん……と目尻を下げる
夏目アリア:「……あの先輩って、転校生?」
夏目アリア:言って、綾瀬川に目を向ける。
羽澄咲:「あやちゃんセンパイのこと?」
貴家ミメイ:「萌葱センパイ? 入学した時からずっと咲ちゃんと同室、だよね?」確かめるように言う。
夏目アリア:「え?前はいなかったよね?」
夏目アリア:「あたしが入院中の……ここ2~3カ月で転校してきたってことじゃないの?」
羽澄咲:「え~?未明ちゃんの言う通り、ずっとあたしと同室だよ?」
羽澄咲:「委員長もやってるらしいし。アリアちゃん、会ったことなかったっけ」
高枝美穂:「……せやせや。アリア、どないしたん?何か勘違いしとるんちゃうん?」
貴家ミメイ:「学年が違うからわたしも寮くらいでしかちゃんと話さないけど、最近転校してきたなんてことないと思う」
夏目アリア:「あ……あれ~~?そうだったっけ……?あたしの勘違いかなぁ……」頭を捻って
夏目アリア:「……まあいいや!ゴメン、変なこと言って!また後でね!」
夏目アリア:言って、教師たちの方へ走っていく。
綾瀬川萌葱:「あ、行ってしまいましたね……どうかしました?」
貴家ミメイ:「それが……アリアちゃん。萌葱センパイに見覚えがない、なんて変なこと言ってて」
貴家ミメイ:「どうしたんだろう、アリアちゃん」不安そうにする。
綾瀬川萌葱:「え゛っ」「わ、私ってそんなに存在感ないのかなあ」しおしお
貴家ミメイ:「そ、そんなことないですってば」必死のフォロー。
綾瀬川萌葱:「貴家ちゃんも変な様子だったけど、大丈夫ですか?」
綾瀬川萌葱:「夏目さんが帰ってきたら、もっとわーって喜ぶんだと思ってました」
羽澄咲:「確かに!こう、感動の再会!みたいな」 言いつつハグのジェスチャー。
貴家ミメイ:「嬉しいですけど、それ以上にビックリしちゃって」
日下紅春:「あれだけ待ってたら、現実感が追いつかないこともあるものね」
貴家ミメイ:「これからジワジワと……グワグワと嬉しくなってくるかもしれません。オノマトペ、これで合ってます……?」
羽澄咲:「グワグワはちょっとアヒルだねぇ」
綾瀬川萌葱:「それを言うならムラムラと……いや、違うかなあ」くく、と首をひねる。
貴家ミメイ:「アヒルかぁ。……それじゃあ、改めてわたしたちもどこか行きましょうか」
貴家ミメイ:「紅春センパイ、どこか行くあてはあったんでしょうか?」
日下紅春:「え~そうね、服でも買いにいく?とびっきり派手な制服とかアクセサリーみたいな」
日下紅春:萌葱をからかうようにして
日下紅春:「ふふふ……一回着せ替え人形にしてみるのも面白そうって思ってたのよね」
綾瀬川萌葱:「私はこれでいいんですも~ん、覚えてもらってないくらいで気にしてませ~ん」気にしてた。
羽澄咲:「ええ~?でもせっかく制服自由なんだし、もうちょっと遊んでみません?」
羽澄咲:「あやちゃんセンパイ、裾すら折らないし」
綾瀬川萌葱:「確かに、みんないろんな服着てるな~とは思ってましたけど……」
貴家ミメイ:「お洋服屋さん、楽しそう。わたしも気になるし、行ってみませんか、萌葱センパイ!」
綾瀬川萌葱:「貴家さんまで……仕方ないですね。じゃあ、みんなで行きましょうか」
GM:どこかでボタンを掛け違えたような違和感を残しつつも、そうして冬の日は穏やかに過ぎていく。
GM:暖炉で燃える薪が、弾ける音を立てた。



GM:シーン終了。
GM:ロイスはまだ取得できません。



【OP/サヴェジ・ルナリア】

GM:全員登場です。
綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加(48 → 54)
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(47 → 51)
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加(37 → 42)
貴家ミメイ:41+1d10
DoubleCross : (41+1D10) → 41+3[3] → 44




GM:FHセル“サヴェジ・ルナリア”は、オーヴァードの自由と解放を題目に掲げる典型的なFHセルだ。
GM:ここ斎庭市においては特に御樋代女学院を活動の中心とし、学内でオーヴァードの捜索や新規加入者の勧誘を行っている。
GM:またテロ紛いのレネゲイド拡散事件を起こしたり、UGNの施設を襲撃するなど、UGNと積極的に敵対する好戦的なセルでもあり
GM:正体露見を防ぐべく、メンバーは仮面で顔を隠し、招集や連絡は全てが秘匿性の高いネット回線を介して行われる。
GM:この日、招集を掛けられたセルメンバーは、市街地のビルの屋上に集まっていた。
GM:夜闇に歓楽街の灯りが眩く輝いている。監視や盗聴の心配のない死角となっている場所ではあるが、冷たいビル風が容赦なく吹き付けていく。
“ペルシステンシア”:「……揃ってるね?」
“ペルシステンシア”:鷺を思わせる仮面の女が口を開く。

“ペルシステンシア” 
“サヴェジ・ルナリア”の、御樋代女学院における実質的なリーダー。戦闘員でなく研究者であり、専門分野はレネゲイドが思考に及ぼす影響について。RBに関しても詳しく、“ルークレス”や“プロムルージュ”の調整も担当している。

”ピーク・ア・ブー”:異形のカモノハシの仮面をつけた少女が小さく頷き、彼女の話に耳を傾ける。
"キャラヴェルマキアート":「……確かに」
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"キャラヴェルマキアート":《擬態の仮面》。片目を隠す狐面を付けた少女は、髪を短く切りそろえたショートヘアに"して"いる。
"ルークレス":『居る』 端的に答えるのは小柄な少女。顔の上半分を覆うクロヒョウの仮面と、下半分を覆うガスマスクめいたガジェットを付けている。
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"ルークレス":ガジェットの中身はボイスチェンジャーらしく、その声は中性的で高いとも低いとも言い難い。
"プロムルージュ":「早くしてもらっていーい?」
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"プロムルージュ"ましらの仮面をつけた少女の声。一言ながらも鮮烈に声が響いた。
“ペルシステンシア”:「今日は一働きしてもらうよ。恐らく戦闘にもなる。各自ウォーミングアップは済ませておきな」
“ペルシステンシア”:「だが、その前に一つ報告がある」
”ピーク・ア・ブー”:「…………報告?」
“ペルシステンシア”:「新入りだ。来な」
“ラズマタズ” :「は~~いっ」
“ラズマタズ” :“ペルシステンシア”の合図と共に、どこからともなく一人の少女が姿を現す。
“ラズマタズ” :狼の仮面を着けた、見覚えのない少女だ。軽やかな動作で屋上に降り立つ。
“ラズマタズ” :「先輩方、初めまして~♡ “ラズマタズ”って言いまーす」
“ラズマタズ” :「今度から一緒にやらせてもらうので、よろしくお願いしまーす」
"ルークレス":『……新入り?前のが入って大して経っても無いのに?』
"ルークレス":カモノハシの面を付けた少女へ一瞥をくれながら。
”ピーク・ア・ブー”:「あなたが……」狼の仮面の少女に視線を向ける。
”ピーク・ア・ブー”:「そうですね。こんなタイミングで新入り、だなんて」仮面の下で動揺を押し隠す。
“ラズマタズ” :「やだー、歓迎されてない感じ?」首を傾げて
"プロムルージュ":「あはは、私とは仲良くしてね?」暇そうに足をプラプラさせる
"キャラヴェルマキアート":「何人減ろうが増えようが、さしたる意味があるとは思えませんね」
"キャラヴェルマキアート":「"キャラヴェルマキアート"。先に行っておきますが、甘いのはキライです」
“ラズマタズ” :「え~?じゃあなんでそんなコードにしたんすか~?」ケラケラ笑う
"キャラヴェルマキアート":「……相手をしてあげてください、"プロムルージュ"。彼女『も』お喋りが好きみたいだ」
"プロムルージュ":「やたっ。じゃあ今日の私はお喋りだけで終わっていいってことかな?」
"ルークレス":『“ペルシステンシア”。本題を』
“ペルシステンシア”:「いいわけ無いよ~。ハイ、お喋りそこまで」手を叩いて
“ペルシステンシア”:「“ラズマタズ”はこう見えてベテランだ。ウチに来たのが最近ってだけで、チルドレンとしてはかなりの古株だよ」
“ペルシステンシア”:「ま、いきなり信用しろとは言わないが、くれぐれも無駄な足の引っ張り合いはやめてよね」
”ピーク・ア・ブー”:「……“ペルシステンシア”がそう言うなら」
"キャラヴェルマキアート":「ふゥん……」これが?という顔
“ラズマタズ” :ひらひら手を振る。
“ペルシステンシア”:「というわけで本題だ。“ルークレス”も焦れてるようだしね」
"ルークレス":『……』 無駄話が長いから、と悪態をつく手間もかけたくない。そう言わんばかりの態度。
“ペルシステンシア”:「情報が入った。今夜、UGNの輸送車両がこの街を出る」
”ピーク・ア・ブー”:「……UGNの」
"プロムルージュ":「護送~?」
"キャラヴェルマキアート":「『輸送』だ。そのフード、取ったほうがいいんじゃない?」
"プロムルージュ":「いーだ、後生大事に運んでる何かを護ってるのは変わらないもーん」
“ペルシステンシア”:「積荷には以前他のFHセルとこから押収した品……レネゲイドアイテムが含まれていると見られる。要は、遺産やEXレネゲイドってことだ」
“ペルシステンシア”:「ウチでこの輸送車両を襲撃し、積荷を奪う。それが今回の仕事だ」
"ルークレス":『了解』 話が済んだならとこれ見よがしに端末を取り出して弄り始める。
”ピーク・ア・ブー”:「レネゲイドアイテム……。分かりました」自身の右腕にはめ込んだドローン操作用デバイスを指先で撫でる。
"キャラヴェルマキアート":「どうだか……移動する車両に飛び移れるかがこの仕事のヤマかもしれませんよ」
“ペルシステンシア”:「ああ、その点なら問題ない」
“ペルシステンシア”:「どの道、車両を奪っても足が付くだけだ。まず無理やり車を止めて、それから積荷だけ奪って撤収する」
”ピーク・ア・ブー”:「力技ですが、やることは分かりやすいですね」
“ペルシステンシア”:「増援が来る前に全て終わらせるのが理想的だね。どうだい、そう難しい仕事でもないだろ」
"キャラヴェルマキアート":「確かに。簡単シンプルな仕事ですね」
“ラズマタズ” :「え~、なんか退屈そ~~」
"キャラヴェルマキアート":「新入りの実力を図るにはもってこいです」
"プロムルージュ":「えー私は面倒くさい~。巣にドングリを持ち帰るリス役、誰か変わって欲しいな~」
"ルークレス":『元からそれをやるなら"ピーク・ア・ブー"か私でしょう』
"ルークレス":『肉弾戦が出来るあなたを物資の移動役にするメリットがない』
"プロムルージュ":「だから言ってるのに~!はー、そうなっちゃうよねぇ……」
GM:そんな会話を交わしつつ、君たちは情報にあった座標へと足を運んだ。
GM:それから1時間もしない内。果たして情報通り、君たちの注視の中、UGNの輸送車両が頼りないライトを点けて山道を走ってくる。
GM:“ペルシステンシア”が《ワーディング》を展開すると車両は急停止し、中からアンチワーディングマスクを装着した男が二人、緊張した様子で現れる。腕には中型のアサルトライフル。
“ペルシステンシア”:「そのくらいの備えはあるか。とはいえ物の数でも無いね」
”ピーク・ア・ブー”:「……標的の位置は情報通り。無理に交戦はせず、レネゲイドアイテムの奪取を最優先にするべきかと」
“ペルシステンシア”:「よし、行け」
“ペルシステンシア”:“ペルシステンシア”はほとんど直接戦闘を行わない。それは君たちの仕事だ。
”ピーク・ア・ブー”:「了解、です」
"プロムルージュ":「はぁーい」渋々といった声色
"プロムルージュ":途端にしゅるり、と微かな衣擦れの音が夜闇に溶ける。
"プロムルージュ":気付かぬうちに伸ばされた鮮烈な赤い布が、腕のようにして既に二人のうち片方を抱き寄せていた。
UGN職員A:「わっ!?うわぁあああ!!」
"プロムルージュ":肩を並べ背中を合わせ、横と後ろをカバーし合おうとでも意気込んでいたのか。呆気にとられる男の姿。
"キャラヴェルマキアート":「馬ァ鹿。あぁーあ、本当につまらない仕事だ…………」握り込んだ薬瓶の蓋を、親指でぐり、と回す。
"キャラヴェルマキアート":「……”罹患”オペレヱト
"キャラヴェルマキアート":錠剤を一粒飲み下す。指先から浸潤した黒黒とした触手が、もう一方の男へ殺到する。
UGN職員B:「がぼっ!?あっ、がぁあああっ……!?」
GM:夜闇に銃のマズルフラッシュが空しく閃き、だがその光もけたたましい銃声も、すぐに止む。
"キャラヴェルマキアート":びぎり、びぎりと脈打つそれが肉体を貫く。「……もう心臓に"達し"たか。運がないな」
”ピーク・ア・ブー”:「ああ、もう……」苦々しい顔でその惨状を見る。
“ラズマタズ” :「あ~ん、全然仕事なかったんですけどー」
"ルークレス":『……いや』 後方で様子を伺っていたが、その視線を闇の彼方へと向けて。
"ルークレス":『これから増える』
“ペルシステンシア”:「感じる?」
"ルークレス":『来てる。二人』
"キャラヴェルマキアート":「なに?」
“ペルシステンシア”:「OK。さっさと荷台ぶち破りな。持てるだけ持って撤収!」
”ピーク・ア・ブー”:「了解、です」自身の右腕にはめ込んだドローン操作用デバイスにカードをスキャンする。すると、三機のドローンが滑空し、輸送車両に向かう。
GM:荷台には大量のコンテナやトランクが満載されており、それが“ピーク・ア・ブー”のドローンによって次々と運び出されていく。
GM:その時君たちの元に、“ペルシステンシア”のものではない《ワーディング》が届く。主の怒気を伝えるかのような荒々しさ。
"プロムルージュ":「わっもうこっちまで!早く持って帰って~!」遠足気分かのように宣う
"ルークレス":『……分かりやす』 ぽつりと呟く声には嫌気が滲んでいる。
"キャラヴェルマキアート":「────ック、これ、は……」じゅるじゅる、と粘菌じみた動きで体の中へ仕舞われていた触手。呼応するように再度の賦活。
”ピーク・ア・ブー”:「殿様、千石、たこ。お願い!」名前を呼ばれたドローンたちは物資を掴み、運び上げる。
"ルークレス":元から“サヴェジ・ルナリア"とUGNは頻繁にぶつかり合っている。それ故それぞれの主だったメンバーもお互いに把握済みだ。
"ルークレス":それはコードと外見だけでなく、ある程度の戦法だとかレネゲイドの特徴にまで及んでおり。こんなワーディングを貼るのが誰かもとっくに知っている。
”ピーク・ア・ブー”:「分かっていると思いますが、わたしのドローンに自衛能力はありません。ここから先はお願いします!」
GM:遠くの山中で、何かが光った。
GM:次の瞬間、凄まじい雷鳴と共に閃光が走り抜ける。
"ルークレス":溜息を一つ。ガジェットに備え付けられたダイヤルが回る。
"プロムルージュ":「……うえー、だったら早く逃げた方がいいかもしれないわね」
GM:姿を現したのは、異形だった。御樋代女学院の制服を着ているが……その肉体は、全てが激しく輝く雷電と化している。
"プロムルージュ":「いつもの追いかけっこが、今日は向こうが鬼なんだもの」
"キャラヴェルマキアート":「……“レランパゴ”」
“レランパゴ”:「……」
“レランパゴ”:「お前達……」
GM:更に立て続けに、めきめきと木々のへし折れる音が響く。
GM:地響きと共に、進路上の全てを薙ぎ倒しながら、何かが君たちのもとへ一直線に近付いて来る。
GM:現れたのは、またも異形だ。女の身体に、爬虫類──ガビアルと呼ばれる、口吻の長いワニに似た頭が付いている。
”ピーク・ア・ブー”:「さっきも言いましたが、無意味な交戦は避けるべきかと……って、こっち来る!」必死にドローンを操作している。
“リュッケンフロッセ”:「手────前────らぁあああああぁあああああッッ!!」
“リュッケンフロッセ”:ビリビリと、獣の咆哮じみた怒号が響き渡る。

“リュッケンフロッセ” 
学院内で活動するUGNのリーダー格。苛烈なスタイルのキュマイラ能力者。

“レランパゴ” 
UGNチルドレン。身体を雷に変化させるブラックドッグ能力者。高い戦闘力を持つのみならず退避・逃走にも長けており、FHにとっては厄介な敵。

“リュッケンフロッセ”:「FHのクズ虫共が!!やってくれたなああああああああああッッ!!」
“リュッケンフロッセ”:轟音と共に一歩踏み出すごとに、アスファルトが陥没する。
"ルークレス":『相変わらず馬鹿力……』
”ピーク・ア・ブー”:「撤退しようにも簡単には逃がしてくれそうにありませんね……」
“リュッケンフロッセ”:「おい……さっさと返せよ、その積荷」
“リュッケンフロッセ”:「そうすりゃ原型が残る程度に殺してやるからよォオオオオオオッ!!」
“リュッケンフロッセ”:叫び、地面を揺らしながら君たちへと突進してくる!
”ピーク・ア・ブー”:「損耗が抑えられるならそれも有りかと思いましたけど……どっちみち殺されるんじゃダメです!!」
"プロムルージュ":「もう!夜中にうるさーい!」
"プロムルージュ":そう言いながらも、スッと突進予測路の前に身を乗り出して
"キャラヴェルマキアート":「……ッ!」思わず、触手が網目状の防護壁を形作る。
”ピーク・ア・ブー”:咄嗟に日本刀を構えて守りの姿勢に入っている。
"プロムルージュ":「せっかく静かでいい気持ちだったのに……」
"プロムルージュ":「暴れさせないでよね!」身を構え、迎撃に気を硬めようとした瞬間──
"ルークレス":突進してくる“リュッケンフロッセ”を仮面越しに見やりながら短く息を吸う。そして――
UGN職員B:「たす、け……」
"ルークレス":先程"キャラヴェルマキアート"と"プロムルージュ"にあっさり転がされ、倒れている職員。その声を真似る。
“リュッケンフロッセ”:「ッ」
"ルークレス":UGNというのは基本的には人道的な組織だ。敵を倒すことと味方を守ることなら、後者を優先する程度には。
“リュッケンフロッセ”:ほんの一瞬──0.5秒に満たない程度だが、その足が鈍る。
"ルークレス":なら守るべき味方が居ることを思い出させてやればいい。
"ルークレス":その0.5秒のうちに身を翻すよう、前もって全員の専用回線に呼び掛けてある。
“ペルシステンシア”:「撤収!!」
“リュッケンフロッセ”:振り降ろされた手刀の一撃が、“キャラヴェルマキアート”の防護壁を容易く引き千切るが──その時には既に本人はいない。
"キャラヴェルマキアート":「……急いで!」既にその触手は切除されてある。眼前にこぼれ出た積荷に手も付けず、翻る身体。
”ピーク・ア・ブー”:「“ラズマタズ”! あなたも早く!」新入りに声をかけると、日本刀を納刀。素早く後退する。
“リュッケンフロッセ”:「……“レランパゴ”!」
“レランパゴ”:「莫迦が」
“レランパゴ”:片腕に電流を集中させ、撤退していく面々の背中を狙う。
“レランパゴ”:「私から逃げられるとでも?」
“レランパゴ”:閃光と共に砲撃じみた雷撃が放たれ、大電流が全員を貫き焼き焦がし──
GM:黒く焦げ付いた焼死体が、次の瞬間には掻き消える。
“レランパゴ”:「……!?」
“ラズマタズ” :「へっへ~」
“ラズマタズ” :ひらひらと手を振るその姿も、徐々に薄れて消えていく。
“ラズマタズ” :「じゃあね~♡」
"プロムルージュ":「わーっ何したか分かんなかった!新入りちゃんやるう~」
“ラズマタズ” :「でしょ~?もっと褒めてくれていいですよ~?」
“レランパゴ”:「……」
GM:FHの撤退を許し、後には無惨に破壊された輸送車両が残される。
“リュッケンフロッセ”:「……やられたな」
“リュッケンフロッセ”:憤懣やるかたない様子で、“リュッケンフロッセ”が吐き捨てる。
“レランパゴ”:「……如何しますか?」
“リュッケンフロッセ”:「“マキャヴェリ”に連絡しろ」
“リュッケンフロッセ”:「あのデータは絶対に取り戻さねばならん」
“リュッケンフロッセ”:「外部の目撃者がいれば記憶処理を。それがFHなら……」
“リュッケンフロッセ”:「必ず殺せ」
GM:……それから、君たちは奪取した積荷について検分を行った。
GM:積荷の大半はEXレネゲイドや遺産といったレネゲイドアイテムで、君たちの戦力増強の他、売却しても大きな資産となるだろう収穫だった。
GM:だが、更に大きな収穫があった。
GM:それはUGNの機密データ。斎庭市、御樋代女学院に潜伏中の──
GM:UGNチルドレンたちに関するデータだった。



GM:シーン終了。



GM:それではミドルシーンに入る前に、PLには事前にお伝えしていますが、改めてルールを確認していきましょう。

特殊ルール

①PCはセッション中、ロイスの取得が制限される。

②PCを作成する際、1人に1つ『秘密』を設定する。『秘密』はそのキャラクターの設定や出生や過去、シナリオの舞台に関わる重大なものでもよいし、個人的な感情などについてのささやかなものでもよい。
また、その『秘密』を調べるに相応しいと思われる任意の<情報:>技能を設定する。

③セッションはサイクル制で進行する。
ミドルシーンにおいてPCには順番にシーンプレイヤー権が与えられ、シーンプレイヤーは登場してほしいPCを指名、双方合意の上でロールを行う。
1シーンの制限時間は45分とし、これをPC全員で1巡することで1サイクルとする。
シナリオに応じて多少変動するが、OP・合流シーン・クライマックス等を別として、原則3サイクル分のロール機会が与えられる。


④サイクル内、自分がシーンプレイヤーのシーンでは以下の行動から1つを選択して実行可能。

・ロイスを取得する
シーンに登場しているPC・NPCから1人を選び、相互にロイスの取得を行う。

・情報収集を行う
シナリオ上用意された情報項目、もしくはPC・NPCの『秘密』を調査する。シーンに未登場のキャラクターも対象にしてよい。

・戦闘を行う
シーンに登場しているキャラクター全員を参加者とし、1ラウンドの戦闘を発生させる。


⑤『秘密』を調査する判定は各『秘密』に設定された技能で行い、難易度は
PCの場合……『20-(そのPCがシナリオ中に取得したロイス数×3)』、
NPCの場合……『20-(終了したサイクル数×7)』
となる。
情報項目・『秘密』の内容は、情報収集判定を行ったPCのみに開示される。
PCは、自分が所持している情報項目・『秘密』の内容を、同じシーンに登場している別のキャラクターに受け渡してもよい。


⑥サイクル内で発生する戦闘は、先に相手を戦闘不能にしたキャラクターの勝利とする。
3人以上の戦闘の場合は最後まで戦闘不能にならなかったキャラクターの勝利。同タイミング・同行動値で双方が戦闘不能になった場合、与えたダメージの大きいキャラクターの勝利となる。
勝者となったキャラクターは、以下から1つを選んで各敗者に命令できる。

・ロイスを取得させる
相互にロイスを取得する。この際、勝者は敗者が取得するロイスのP/N感情のどちらか片方を自由に指定してよい。この感情を敗者が許可なく変更することはできない。

・情報を奪う
勝者は敗者が所持している情報項目・『秘密』から1つを指定し、その内容を知ることができる。敗者本人の『秘密』でもよい。


⑦3サイクル終了時、PLは1人1票ずつ最もレズロワシップに則ったロールを行ったPC・NPCに投票を行い、最も票を獲得したキャラクターは時間無制限のエクストラシーン権を獲得する。(※同票の場合のみGMが1票を加える。)

⑧このセッション内で獲得した各ロイスは、全てSロイスをタイタス化・昇華するのと同じ昇華時効果として使用してよい。

⑨バックトラックに失敗したPCはロストせず、即座に侵蝕率を99%まで低減する。
ただし、PLあるいはGMが適当と思われる身体あるいは精神に対する重篤な損傷を受ける。
シナリオとして適当と思われ、双方の合意がある場合は通常通りジャーム化、ロストする場合もある。
GM:このようになっております。現時点で質問などは大丈夫かな?
羽澄咲:あ、ロイスの取得についてなのですが
綾瀬川萌葱:みんなシークレットをキープしているというわけ
羽澄咲:ミドルシーン以外のシーン(クライマックスシーンなど)での取得は可能ですか?
GM:特別な指示が無い限りは不可能です。ミドルで頑張って取得してねという感じですね
貴家ミメイ:ミドルでロイスを取得していないと大変だ
羽澄咲:なるほど、了解です
綾瀬川萌葱:今更なのですが初期ロイスはDロイス込み3つで間違いないですか?
日下紅春:質問です!PCがそれぞれ『秘密』を持ってるのは周知の状態なんですが
日下紅春:NPCもそれぞれひとりずつ項目が設定されてるってことなんでしょうか?
GM:それでOKです。ただしSロ効果として使えるのは取得したロイスということですね
GM:NPCも秘密を所持しています。先に公開しましょうか
貴家ミメイ:おお
綾瀬川萌葱:ハワワ
日下紅春:ドキドキ

情報項目

・『秘密』:綾瀬川萌葱 難易度:20  〈情報:噂話〉
・『秘密』:日下紅春 難易度:20 〈情報:FH/噂話〉
・『秘密』:貴家未明 難易度:20 〈情報:FH〉
・『秘密』:羽澄咲 難易度:20 〈情報:FH〉

以下は全て 〈情報:UGN/FH/噂話〉
・『秘密』:夏目アリア 難易度:20
・『秘密』:白戸瀬鞠音 難易度:20
・『秘密』:城島桐子 難易度:20
・『秘密』:高枝美穂 難易度:20
・『秘密』:椿萌 難易度:20
・情報:“ラズマタズ” 難易度:9
・情報:“ペルシステンシア” 難易度:9
・情報:“トプシー・ターヴィー” 難易度:9
・情報:“リガード” 難易度:9
・情報:“レランパゴ” 難易度:9
・情報:“マキャヴェリテラトーマ” 難易度:9
・情報:“リュッケンフロッセ” 難易度:9
・情報:ベロニカ計画 難易度:15
貴家ミメイ:すごいいっぱいある!
羽澄咲:多すぎ
綾瀬川萌葱:めっちゃいっぱいあるぜ
日下紅春:めちゃいっぱいある~!
GM:共通ルールには明記のない今回限りのルールですが、『秘密』でない通常の情報項目は、1シーンで3つまで判定を行うことが出来ます。
貴家ミメイ:3つも!
羽澄咲:結構いける!
日下紅春:手番の行動に追加してですか?
GM:いえ、手番を使ってになります。
日下紅春:了解です!
羽澄咲:秘密を一個か、秘密以外を3つかって感じですかね
GM:情報項目はそこまで決定的な情報は出てこないんですが、一応動きやすくはなるかな、というくらいのラインです。
貴家ミメイ:なるほど~
綾瀬川萌葱:夏目さんがガチ秘密なんだなあ
貴家ミメイ:本当だ。アリアちゃん、何を隠してるの!?
貴家ミメイ:ちなみに手に入れた秘密や情報は他のPCと共有することも可能ですか?
GM:自分の所持している『秘密』や情報項目は、同じシーンに登場している他のPCに受け渡すことが可能です。PC同士で交換や条件提示などの取引を行っても構いません。
GM:自分自身の『秘密』を渡すことも可能です。
日下紅春:差し出せるワケね
綾瀬川萌葱:なるほどなあ
羽澄咲:自分の差し出すのもありなんだ
貴家ミメイ:一応確認ですが、ミドルシーンではNPCを指名して登場してもらうことも可能ですか?
GM:勿論可能です!
貴家ミメイ:了解です
GM:ひとまずこんな感じです。大丈夫かな?
羽澄咲:はーい!
貴家ミメイ:あと、ミドルシーンでは基本的に行動を決めてからロールをするって流れでいいんですよね?
日下紅春:大丈夫です~!
GM:そうですね。一応、判定→ロールでもロール→判定でも構いません
貴家ミメイ:了解です! わたしはそれだけ分かればとりあえず大丈夫です!
綾瀬川萌葱:了解しました!こちらも大丈夫です
GM:それでは1サイクル目を開始します。

【Middle1】

GM:まずは全員一括で登場侵蝕判定をどうぞ。登場侵蝕は1サイクル毎に一括で行い、以降サイクル中のシーンに出る際には振らなくて大丈夫です。
綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加(54 → 60)
貴家ミメイ:44+1d10
DoubleCross : (44+1D10) → 44+7[7] → 51

日下紅春:日下紅春の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(51 → 55)
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加(42 → 48)
綾瀬川萌葱:おかしいな もうダイスボーナスに乗ってる
貴家ミメイ:はやい
GM:それでは、まずはシーンPLの優先権を決めます。全員で1D100を振り、数字が高かったPLから自分がやるシーンの順番を決めることが出来ます。
日下紅春:1d100
DoubleCross : (1D100) → 5

日下紅春:よわすぎない?
羽澄咲:1d100
DoubleCross : (1D100) → 3

羽澄咲:あたしもっと弱いかも
貴家ミメイ:2人ともw
日下紅春:そんなことなかった
貴家ミメイ:1d100
DoubleCross : (1D100) → 79

綾瀬川萌葱:1d100
DoubleCross : (1D100) → 68

羽澄咲:クトゥルフなら最強なのに……
綾瀬川萌葱:くっ
貴家ミメイ:両極端
GM:明暗分かれましたね
GM:まずはミメイちゃん!1~4番、何番目にしますか?
貴家ミメイ:どうしましょうか。初参戦なので勝手がつかめない。先行が有利なのかなぁ
貴家ミメイ:最初は少しやり方を見て勉強したいので二番目にしましょうか
GM:では綾瀬川さん!
綾瀬川萌葱:では私は3番目にします
GM:次は日下さん!
日下紅春:それでは4番目に~
GM:では羽澄咲>貴家ミメイ>綾瀬川萌葱>日下紅春 の順番になりますね
羽澄咲:はーい
貴家ミメイ:が、がんばります!
GM:というわけで早速咲ちゃんのシーンになります。呼びたいキャラクターは決まっていますか?
羽澄咲:そうですね…… やりたいことが二つあって
貴家ミメイ:二つも
羽澄咲:OPで喋れなかったからもえちゃんと喋りたいなぁ~というのと、それとは別にあやちゃんセンパイの秘密が気になってて
羽澄咲:なので最初あやちゃんセンパイと寮の部屋で喋ってから、また遊びに呼び出されてもえちゃんと話すって感じのシーンがやりたいです
羽澄咲:アリでしょうか
綾瀬川萌葱:あやや……
GM:OKです。綾瀬川さんも大丈夫でしょうか?
綾瀬川萌葱:大丈夫です~
GM:それではやっていきましょう。制限時間があるので気を付けて!ハイフンでスタートです。



羽澄咲:御樋代女学院の寮は学年の異なる二人の生徒による相室制だ。大体は1学年差で割り振られる。
羽澄咲:羽澄と綾瀬川もその一例。性格や趣味が大分違うため、部屋は左右でそれぞれくっきり分けられたような印象になっている。
羽澄咲:「あやちゃんセンパイ、せっかくならもっと服買っても良かったんじゃないです?」
羽澄咲:ピンクやオレンジと言ったパステルカラーに染まった自分側のベッドに転がりつつ。
綾瀬川萌葱:「ふぇ? ああ、こないだのお買い物ですか?」
羽澄咲:「そうそう~。あんなに色々試してたんですし」
綾瀬川萌葱:ぱたん、とブックカバーをかけた本を閉じて顔を上げる。
綾瀬川萌葱:「うう~ん、色々着せてもらったのは嬉しかったけど、私にはまだ早いような気がしちゃって……」
羽澄咲:「え~。でもほら、あのふわふわのロリータっぽいやつとか特に似合ってたのに」
綾瀬川萌葱:「アッ、あれは……」少し頬が紅潮する「……たしかに、ちょっとよかったけど」
羽澄咲:「でしょ!肌白いからお人形さんみたいになって、めっちゃ似合ってましたよ!」
綾瀬川萌葱:「うぅ~ん……でも、色が可愛すぎる気がしてなあ……」
綾瀬川萌葱:「は、そうだ。それの前に羽澄ちゃんが持ってきたの!私まだ覚えてますよ!」
綾瀬川萌葱:「高校生が……あんな……あんなのゼッタイダメですって!」
羽澄咲:「ん?どれですっけ」
羽澄咲:「あ、たまには見てみたいなってパンク持ってったときの?」
綾瀬川萌葱:「ほら、こことかもう布がぜんぜんない……」肩や太ももをぺたぺた触っている。
羽澄咲:へそが出る短さのタンクトップとショートパンツのセットアップを持って行ったような。
綾瀬川萌葱:「そう、それ!ぱんくふぁっしょんとかいうやつです!」
羽澄咲:「ええ~。アレくらいなら高校生でも着ますよ、全然!」
羽澄咲:「あたしだって同じ感じの持ってるし」 ほらほらと自分のクローゼットから取り出して見せる。
綾瀬川萌葱:「そんなこと言ってぇ、私がからおけも行ったことないから馬鹿に……」
綾瀬川萌葱:「って、わー! うわーーッ!?」
羽澄咲:「ふふ~ん。物質的反証!」
羽澄咲:「なんなら今から着替えましょうか?」
綾瀬川萌葱:「対ショック体勢!」顔の前に本を掲げる「き、着てみせるのもしなくていいんです!」
羽澄咲:「むう。せっかく似合うくらいお腹絞ったのに」
綾瀬川萌葱:「うぅ、私のほうが先輩のはずなのに……えらく進んでるなあ……」伏し目を本の上から覗かせる。
羽澄咲:「ちゃんと雰囲気合わせる用のピアスとかもあるんですよ?ほらこれ!」
羽澄咲:今度は机に置いてあるアクセサリーかけからピアスを拾い上げる。普段のとはジャンルの違う、ちょっと刺々しい感じのやつ。
綾瀬川萌葱:「う、うわあ。銀色でつやつやして……」
綾瀬川萌葱:「それは……手に握り込んで使うんですか?」
羽澄咲:「ピアスなのに!?」
羽澄咲:「耳に付ける以外の用途あります!?」
綾瀬川萌葱:「ええっ、耳につけるんだ」しゅっしゅとシャドーを打つような姿勢で硬直
羽澄咲:「あやちゃんセンパイ、ピアス知らないんです……?」 優等生とは思ってたけど……の顔。
羽澄咲:「こうやるんですよ、ほら」 そう言いながら髪を流し、ピアス穴へと通して見せる。
綾瀬川萌葱:「そう、言われてみれば……耳に光ったものを付けている人は見たことある気がします」
羽澄咲:「わあ、思った以上に知らない人の感想」
綾瀬川萌葱:「へぇ、耳たぶに刺して使うんだ……」
羽澄咲:「これはちょっとパンク系だけど、色々種類あるんですよ」
羽澄咲:「これはかわいいし、こっちは造形細かいし。あとこれなんか面白くないです?」
綾瀬川萌葱:顔を近づける。しげしげと熱視線を目の隣に贈りながら。
羽澄咲:言いながら手持ちのピアスを並べる。単にオシャレなのもあれば目玉焼きの形のやつとかも混ざっている。
綾瀬川萌葱:その声を聞いてようやく目線を落とす。「あ、こんなに色んな形があるんですね」
羽澄咲:「ふふ。あやちゃんセンパイも試してみます?」
羽澄咲:「服だとサイズ違うけど、これならあたしの貸せますよ」
綾瀬川萌葱:その中の一つ、青と銀のリング状のピアスを手に取って眺めている。
綾瀬川萌葱:「まあ、いいんですか!?」
羽澄咲:「もちろん!あたしとあやちゃんセンパイの仲だし~」
羽澄咲:「なんなら開ける記念で一個プレゼントキャンペーンもしちゃいます」
綾瀬川萌葱:「えへへっ、そっか。お友達ですもんね……一緒にウインドウショッピングもしたっ」
羽澄咲:「そうそう!次のショッピングはピアス見に行くのも良いかも、っと」
羽澄咲:そのタイミングでスマホが鳴ったようで画面に目を落とす。
羽澄咲:「あっ、もえちゃん。ふんふん」 何やら返信を打ち込んで。
羽澄咲:「あやちゃんセンパイ、あたしまたちょっと出かけてきますね!」
羽澄咲:言いつつちょうど先程引っ張り出していたパンクファッションに着替えだす。
羽澄咲:「もえちゃんだからひょっとしたらそのまま泊まるかもです」
綾瀬川萌葱:「あっお出かけですかってえっちょっとまってまって」
綾瀬川萌葱:「注意が……追いつかない! あっあっもう着替えも終わってっ」
羽澄咲:「えへへ~。寮母さんには行きがけにちゃんと言うので!」
羽澄咲:「行ってきま~す!ピアス、好きなの選んじゃっていいですからね!」
羽澄咲:また悪びれない笑顔でひらひらと手を振ると、ぱたぱたと部屋を出ていく。
綾瀬川萌葱:「……い、いってらっしゃ~い」
綾瀬川萌葱:「あーあ、行っちゃった……」残された部屋でピアスを手に取り、耳に充てがう。
綾瀬川萌葱:────ぐちゅり、と。
綾瀬川萌葱:閉じたままのリングが、皮膚に飲み込まれるように融け合って。耳のふちを青い輝きが飾った。
綾瀬川萌葱:「うん。こんな感じかな~」

椿萌:人気のない学院の隅、人目を避けるように椿萌は一人で待っていた。
羽澄咲:「もえちゃんお待たせ~」
羽澄咲:そこにパタパタと駆けてくる。制服ではなくパンク姿のため、こちらも人目はちょっと忍んできた。
椿萌:椿と待ち合わせる際はいつもこんな場所だ。自分と一緒に君がいるところを、誰かに見られるのを避けようとしている節がある。
椿萌:俯きがちに佇んでいたが、その声に気付いて顔を上げて、険しい表情を僅かに嬉しそうに和らがせる。
椿萌:「……ん」
椿萌:言葉少なに頷いて「……何その恰好?」
羽澄咲:「羽澄咲パンクスタイル!」 ふふんと胸を張る。
羽澄咲:「もえちゃんがクールだから、あたしもクールにキメてみよっかなって」
椿萌:「ふーん……」
椿萌:「……に……」
椿萌:明らかに似合ってる、と言おうとして躊躇った沈黙があって。
羽澄咲:「に?」 にこにこしながらその顔を覗き込む。
椿萌:僅かに視線を外す。「……良かったわけ? 忙しくなかったの」
羽澄咲:「む。それは大丈夫!普通に部屋でダラダラしてただけだから」
羽澄咲:「それより、にの続きが気になるなぁ。あたし」
椿萌:「いや……別に……何でもないし……」更に覗き込まれ、顔ごと逸らす。
羽澄咲:「ふ~ん……もえちゃんのお気に召さなかったなら、この服は封印かなぁ」
椿萌:「な……そ……そうは言ってない!」慌てた様子で
椿萌:「に……。似合ってる、けど……」
椿萌:「……ちょっと多くないか?露出……」
羽澄咲:「ふむ、なるほど」
椿萌:頬を染め、躊躇いがちに口にする。
羽澄咲:「あやちゃんセンパイも目回しちゃってたし、多いのかなぁ」
椿萌:「そうだよ。絶対そう」息を吐いて
羽澄咲:そうでもないと思ってたんだけど、と呟きつつ自分の手足を眺めて。
椿萌:「つーか……ホントに、別に無理しなくていいんだからな」
羽澄咲:「無理って?」
椿萌:「……あんた、私と違って友達多いだろ。わざわざ私なんかに時間作っても……」
羽澄咲:むにゅ、ともえちゃんの頬を強めにつつく。
椿萌:「ぅ、む……」
椿萌:「にゃ……にゃんだよ……」
羽澄咲:「あたし、もえちゃんと居るの楽しいよ?もえちゃんは?」
椿萌:「……それは……」
椿萌:しばらく視線を彷徨わせ、眉根を寄せて。
椿萌:「……」
椿萌:「……た……楽しくなくはないけどさ……」
椿萌:小声でぼそぼそと口にする。
羽澄咲:「なら良いじゃん!」 ぱぁっと華やかに笑んで。
羽澄咲:「あたしね、あたしと話した人が笑ってくれるの好きなの」
羽澄咲:「どうしたら笑ってくれるかなーって考えるのも好きだし、そのために何かするのも好き」
椿萌:「……」その笑みを躊躇いがちに見つめて。
羽澄咲:「で、もえちゃんも。最近あたしと居て笑ってくれるでしょ?」
羽澄咲:「笑ってないって言っても無駄だからね。あたし、その辺目聡いんだから」
椿萌:「笑っ……」
椿萌:「……」
椿萌:先回りされて黙り込む。事実、棘のある雰囲気で遠巻きにされがちな椿だが、君といる時は幾分か柔らかい表情をするようになった。
椿萌:「……まあ……あんたがいいなら、いいんだけどさ」
椿萌:「実際……その……」
椿萌:「私なんかとフツーに遊んでくれるの……あんた以外にいないしさ」
羽澄咲:「んー。皆、もえちゃんと遊びたいと思うんだけどなぁ」
羽澄咲:「ほら、紅春センパイとか。カラオケ行った話したら羨ましがってたよ」
椿萌:「皆普通じゃないんだよ……え?」
椿萌:「……日下先輩か」
椿萌:「あの人なら、まあ……別に……」ごにょごにょ言う
羽澄咲:「お!好感触」
羽澄咲:「なら今度は3人でカラオケ行こ!またアレ歌ってほしいな~」
椿萌:「どれ?アレって……」
羽澄咲:「ほら、前歌ってもらった坂系の……」
羽澄咲:和気あいあいと話しつつ、学園を出る。その顔には変わらず楽しそうな笑みが浮かんでいた。



GM:忘れてました。本来は時間内にやってもらうんですが……初回なので
GM:まだ何も判定してません!
羽澄咲:すみません!先に聞くべきでした!
羽澄咲:やりたいことはあやちゃんセンパイの秘密調査です!
GM:いきなり!!
羽澄咲:なんか不穏だったし……
GM:ロイスが増えていけば難易度も下がっていきますが、いきなりで大丈夫ですか?
羽澄咲:大丈夫です そのためのオリジン:サイバーなので
GM:では
GM:・『秘密』:綾瀬川萌葱 難易度:20  〈情報:噂話〉
GM:項目はこちらです!
羽澄咲:まずはマイナーでMirr0r:オリジン(サイバー)LV5→シーン間【社会】を用いた判定の達成値+10、侵蝕値+2
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を2増加(48 → 50)
羽澄咲:コネ:情報収集チームを使用して判定します
羽澄咲:3dx+14>=20
DoubleCross : (3DX10+14>=20) → 9[1,5,9]+14 → 23 → 成功

GM:つえ~~~~~~
羽澄咲:やったー
GM:では裏でお渡しします。
羽澄咲:わーい
羽澄咲:ふーん……
綾瀬川萌葱:丸裸にされちゃう~~ッ
羽澄咲:3dx+13
DoubleCross : (3DX10+13) → 9[2,8,9]+13 → 22

GM:OK
綾瀬川萌葱:なんの判定!?
GM:何らかが何かしました。
貴家ミメイ:何ダイス!?
羽澄咲:なんでしょうね~
GM:では次のシーンに移ります!!!!!!!!!!!!
貴家ミメイ:き、気になりますよ!!
綾瀬川萌葱:プニャンコ……
日下紅春:ひぇ~~
GM:シーンPCは貴家ミメイさんです。いかがしますか?
貴家ミメイ:はーい
貴家ミメイ:さっき咲ちゃんが寮の部屋でお話していたので
貴家ミメイ:わたしも折角なので紅春センパイとお部屋でお話したいなって思うんですけど
GM:OK 紅春さんもいいですか?
貴家ミメイ:色々悩んでるのでセンパイに恋愛相談がしたいなって
貴家ミメイ:どうでしょうか?
日下紅春:大丈夫です!
貴家ミメイ:ありがとうございます!
貴家ミメイ:シーンの行動としては
貴家ミメイ:ロイスの取得をしたいと思ってるんですが、感情だけ最後に決めてもいいでしょうか?
GM:いいですよ!
貴家ミメイ:ありがとうございます!
GM:それでは開始しましょう!
綾瀬川萌葱:《原初の紫:サードウォッチ》。シーンに登場せず、シーン内の事象を知覚します。
綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を3増加(60 → 63)



貴家ミメイ:では、夜の寮室でゴロゴロしてる時にセンパイに話しかける感じでいきますね~
貴家ミメイ:――ある日の夜。御樋代女学院、学生寮。夜も更けようかという頃。
貴家ミメイ:もこもこしたパーカーを着た少女が自身のベッドで寝転がってスマホを見ている。
貴家ミメイ:アリアちゃんに送った『今、時間ある?』というLINEには既読だけ付いていて、返信はずっと返ってこない。小さく溜め息。
貴家ミメイ:代わりにSNSの裏アカウントに上げた自撮り写真(※もちろん顔は隠している)にはいくらかコメントやいいねが付いていた。
貴家ミメイ:いつもならこれで少し気分が晴れるが、今日はなぜかちっとも嬉しくない。
貴家ミメイ:画面を見つめたまま思い詰めたように動きを止め、顔を上げた。
貴家ミメイ:部屋の逆側にいる紅春センパイが視界に入り、少し迷ってから声をかける。
貴家ミメイ:「あ、あの。紅春センパイ。今ってお時間ありますか……?」不安そうに声が少し上ずってしまう。
日下紅春:「えっいいよ?」同じく外を出歩く時間でもないため(今日は)ベッドでゴロゴロしている状態
日下紅春:「ほらおいでおいで!」
日下紅春:上擦っている声にも気づかず手招きして呼び寄せる
貴家ミメイ:「あ。そ、そばに行ってもいいんですか?」
貴家ミメイ:躊躇いがちに立ち上がると、紅春センパイのベッドのそばの床にぺたりと座る。
貴家ミメイ:「す、少し、相談事、があるんですけど……」
日下紅春:「?こないなら私がばふんって行っちゃうつもりだったから、一緒一緒」
貴家ミメイ:「それは確かに一緒ですね」くすりと笑う。この気安さが今はありがたい。
日下紅春:「もう、床じゃなくてほらっ」
日下紅春:猫を抱き上げるように脇に両の手を入れる
貴家ミメイ:「えっ。だって、それはシツレイじゃないですか? わっ!」
貴家ミメイ:抱きかかえられるようにしてベッドに座らせられる。
日下紅春:「えー、そこまで嫌がられたら逆にもう膝とかに乗せちゃおっかな~」
貴家ミメイ:なぜか頬が紅潮する。
貴家ミメイ:「い、嫌がってるわけじゃないですよ……!」
貴家ミメイ:自身の肩越しに紅春センパイを見る。銀色の長い睫毛がその目元に幽かな陰を落としていた。
日下紅春:「ん、でも私の方がちっちゃいからこうしてると顔見えないね」
日下紅春:「じゃあ対面でお座りってことで!あ、横並びの方がいい?」
貴家ミメイ:「こ、この距離で向き合ってたらさすがに恥ずかしいですよ……!」
日下紅春:「そう?顔見るのって好きだけどな~私」
貴家ミメイ:「そ、そうですか……センパイがそうおっしゃるなら……」
貴家ミメイ:彼女の腕の中でおずおずと姿勢を変える。
日下紅春:「はい!じゃあ、お話どうぞ!」
貴家ミメイ:日に焼けていない白い肌がほのかに赤らんでいる。
日下紅春:真っ直ぐ向き合った状態で手を緩やかに広げるパフォーマンス
貴家ミメイ:「そ、その。紅春センパイのことをセンパイと見込んでお聞きするんですが……」
日下紅春:「!ふふん、何だって聞いてくれてもいいよ?」
貴家ミメイ:やはり向き合って話すのは少し恥ずかしい。わずかに視線をそらす。
貴家ミメイ:「え、えっと。今まであんまりこういうことは話してなかったと思うんですけど。紅春センパイは……」
貴家ミメイ:「お付き合い、とかしたことはあるんでしょうか!」真剣な顔。
日下紅春:「ありません!」
貴家ミメイ:「き、きっぱり!」
日下紅春:「うーん、でも……」ぽくぽくと考えるしぐさ
日下紅春:そこから、数段飛ばしたように
日下紅春:「それって、こういう触れ合いを誰かとしたいってこと?」
日下紅春:「あ、それともしたい誰かがもういるとか」
貴家ミメイ:「は、はい!!?」
貴家ミメイ:驚いて大声を出す。
貴家ミメイ:「ち、違います! い、いえ! 最終的には触れ合いたいんですけど! そうじゃなくて!」
日下紅春:「触れ合いたいんだ。そうなんだ~」
貴家ミメイ:「そ、それは、まあ……」
日下紅春:「うんうん、それで?」
日下紅春:「最終的じゃない部分が聞きたいってこと?」
貴家ミメイ:「は、はい。そうじゃなくて、ですね」
貴家ミメイ:「したい誰か……って言い方でいいんですかね。この場合」
貴家ミメイ:「わたしの、したい人、なんですが」妙な言い方だな、と思う。
日下紅春:じっと言葉を待ちながら、焦れるような態度を見せるミメイの目を覗きこむ
貴家ミメイ:「……最近連絡してもあまり返信くれないし、わたしに何か隠してる感じがして」
貴家ミメイ:「わたしより、他の子といる方が楽しそうに見えるし」
貴家ミメイ:部屋の逆側。自分の机に置かれたマンダリンオレンジを意識する。あんなもの、あのまま悪くなってしまえばいいんだ。
日下紅春:「冷たくされちゃってるんだ」
貴家ミメイ:「冷たく……。そう、なん、ですよね」今まで言葉にしたことはなかった。
貴家ミメイ:「わたしの、その、したい人、にもきっと何か事情があるんだろうなとは思うんですけど……」言葉を選ぶ。
貴家ミメイ:「このまま信じていいのかな、ってたまに思っちゃう時があって」
貴家ミメイ:「紅春センパイならこんな時、どうしますか」
貴家ミメイ:ゆるやかな美しい瞳で目の前の紅春センパイを見返す。センパイのきれいな瞳。今はわたしのすぐそばにある。
日下紅春:「ミメイって」ゆるやかな舌運び
貴家ミメイ:「……はい」センパイの言葉を静かに待つ。
日下紅春:「変な子」
貴家ミメイ:ぽかん、とした顔になる。
貴家ミメイ:「へ、」
貴家ミメイ:「変な子、ですか。わたし!?」
日下紅春:「もっと返信してほしいとか、隠し事全部教えてほしいとか」
日下紅春:「相手が自分を向いて欲しいのと」
日下紅春:「自分がもっと知りたいだけなのかって、どっち?」不思議そうに
貴家ミメイ:「それは……」少しだけ考える。
貴家ミメイ:「わたしの方を向いて欲しい。と、思います」
日下紅春:「うんうん、よかった!答え出てるんだね!」
貴家ミメイ:「や、やっぱり変、でしょうか?」
日下紅春:そう言うと突然
日下紅春:ひょい、と拾い上げて相室の窓を開ける。
日下紅春:自分より小柄なはずの少女からは信じられない膂力だった。
貴家ミメイ:「く、紅春センパイ!?」
日下紅春:「ま、どっちでも私にはどうにも出来ないんだけど!」
貴家ミメイ:「それはまあ、そうですよね」苦笑する。
日下紅春:「だって、どっちにしても……ミメイがその子と直接会うしかどうしようもないんだもの」
貴家ミメイ:「で、ですよね……」気落ちしたような表情。
日下紅春:夜の真っ暗闇の中で、外灯が反射した白壁と二人の虹彩だけが色を放つ。
日下紅春:「私に出来るのって、こうして連れ出して」
日下紅春:「会ってないときも楽しいって思ってもらえるようにするくらい!」
日下紅春:「ね、今日はこのままどっか抜け出しちゃおっか」
日下紅春:「寮長にも委員長にも秘密で」
貴家ミメイ:「それは、だってルール違反ですよ。センパイ!」
日下紅春:「でも私、ミメイのこともっと知りたいし」
日下紅春:「知るなら、悲しい顔してないときの方がいいな~」
貴家ミメイ:「……!」一瞬だけ驚いたような顔をし、それから表情を和らげる。
貴家ミメイ:「……わたしも」
貴家ミメイ:「わたしも紅春センパイのこともっと知りたい、です」
貴家ミメイ:「どこ、行きます?」
貴家ミメイ:好奇心でうずくような微笑みを浮かべ、センパイを見る。
日下紅春:「ね?」ひと一人腕に抱えたまま、軽快に翔けて
貴家ミメイ:振り落とされないように細い腕でセンパイの体に抱きつく。
日下紅春:片目を瞑った反対の赤の瞳が、月の無い夜の太陽のように淡く輝く
日下紅春:「今日はミメイのためだから、あなたの行きたいところでも良かったんだけど」
貴家ミメイ:(ああ、楽しい。心地良いな。……こんな気持ち、いつ振りだろう)
日下紅春:「初めてでしょう?こんな夜に抜け出すの」
貴家ミメイ:「はい。初めて、です」思わず弾んだ声が出る。
貴家ミメイ:「なんだか夜がキラキラして見えて」
日下紅春:「じゃあどこか遠くの……もっと明るい灯がいっぱいある街まで下りちゃおっか」
日下紅春:「電気が夜空を駆逐したなんてずっと嘘」
日下紅春:「そんなの、二倍綺麗に決まっているもの!」
貴家ミメイ:「いい、ですね。すごく素敵、です」
貴家ミメイ:センパイに抱きかかえられたままうっとりしたように囁く。
貴家ミメイ:「まるで、白夜みたい」
貴家ミメイ:「センパイの連れていきたいところに。わたしを楽しませてくれるところに」
貴家ミメイ:「どうか、連れていってください」弱々しく、それでも希望に満ちた声で言う。
日下紅春:「まっかせなさい!……あっ、いま、一個」
日下紅春:「白夜って、北の方の国にある綺麗な景色でしょう?」
日下紅春:「ミメイの髪と一緒だなって。一個知れちゃったって思ったの」
日下紅春:「そういう夜も、いつか見れたらいいよね」
貴家ミメイ:「はい、日が沈まない夜。わたしの大好きな景色で……え」
貴家ミメイ:「……ズルいです。いきなりそういうことを言うの」
貴家ミメイ:困ったように眉根を寄せる。
日下紅春:「センパイだからズルくないでーす」
貴家ミメイ:「いつか来ますか、センパイ。わたしの故郷。アイスランドに」
日下紅春:「あはは、いいね」
日下紅春:「私はほら、名前の通り春が好きで憧れてたから」
日下紅春:「綺麗な冬は、きっととっても新鮮だわ」
貴家ミメイ:「わたしも日本に来てから見るもの全部が新鮮でしたから」
貴家ミメイ:「センパイもきっと気に入ると思います」
貴家ミメイ:「……センパイ。わたし」
貴家ミメイ:そこまで言って、考える。続きの言葉、この気持ちをなんて言おう。
貴家ミメイ:「わたし、紅春センパイと同じ部屋で、よかったです」



貴家ミメイ:紅春センパイにロイスを取得します。ポジティブが憧憬、ネガティブが依存。ポジティブが表です。
貴家ミメイ:依存、は言い過ぎたかも。
貴家ミメイ:ポジティブが憧憬、ネガティブが依存してしまいそう。ポジティブが表です
GM:互いにロイスを取得できるので、日下さんも取得できます。
日下紅春:貴家ミメイ ○好奇心/後ろめたさ で取得します!

GM:では次のシーン。シーンPCは綾瀬川萌葱さんです。いかがしますか?
綾瀬川萌葱:日下さんと貴家さんが仲良しでよかったです
綾瀬川萌葱:夏目アリアさんに会いに行きたいですね
GM:ほう……OKです。
GM:判定はどうしますか?
綾瀬川萌葱:うーん NPCでもロイスの取得は可能なんですよね?
GM:可能ですよ!
綾瀬川萌葱:取りに行こうかな……夏目さんのロイス
GM:OKです!ではシーンを始めましょう。



綾瀬川萌葱:たぶん、彼女はここに居るはずだ。
綾瀬川萌葱:いくつかの教室を検めつつ、大方の予想を付けた場所を確認する。
夏目アリア:君の予想通りの場所……図書室の一席に、確かに夏目アリアはいた。
夏目アリア:難しい顔で教科書とノートに向き合っている。苦戦しているようだ。
夏目アリア:「う~ん……え~~……?」
綾瀬川萌葱:放課後の図書室。不真面目な生徒が寄り付く場所ではないし、勤勉な生徒だって自室で自習をするだろう。
綾瀬川萌葱:ここを訪れるのは度を越した秀才くらいだ。
綾瀬川萌葱:「……そこ、前のページの公式が使えますよ」
夏目アリア:「……ん? おわああ!?」
夏目アリア:「あっ……えーと……あやちゃんセンパイ!?」大声
綾瀬川萌葱:「えへー」だらしない笑顔で小さく手を振る。
夏目アリア:君の顔を見た時、僅かな一瞬、困惑と恐れのようなものが混じる。
綾瀬川萌葱:「びみょ~に難しいですよね。ちょっと捻りのある配置だから」
夏目アリア:「ああ~なるほど……ありがとうございます」
綾瀬川萌葱:「どういたしまして。……まあ、去年やった範囲で威張ってるだけなんですけどね?」
夏目アリア:「休んでた分、今日明日で詰め込もうと思って。大体は分かるんですけど……」既に済んだらしい教科の教科書が積まれている
夏目アリア:「ていうか、どうしたんですか? あやちゃんセンパイも自習ですか?」
綾瀬川萌葱:「えっもうこんなに!? む、無理はしないでね……」資料の山に目を丸くして
綾瀬川萌葱:「あぁ、そうなんです。ここならすぐ資料を確認できるから……」
綾瀬川萌葱:「私以外にこうやって根を詰めてる子。始めてみたかもな」
夏目アリア:「先輩も……」チラと顔を見て「真面目……そうですもんね~」
綾瀬川萌葱:「けど、今日はちょっと他にも用事があって……」
夏目アリア:その言葉には、僅かに顔色を伺うような色がある。
夏目アリア:「……用事?」
綾瀬川萌葱:「うん……ええっと」
綾瀬川萌葱:言い出しづらいことを口に含むような、僅かな逡巡があって
綾瀬川萌葱:「貴家さん……のことなんですけど」
夏目アリア:「へっ」
夏目アリア:虚を衝かれたように口を開ける。
夏目アリア:「未明……?未明がどうかしたんですか?」
綾瀬川萌葱:「……なにかあったの?」
夏目アリア:「いや、その名前が出てくると思わなくて……あの子何かしたんですか?あっ……世間知らずだから何かやらかしたとか……!」
綾瀬川萌葱:「ううん。私、貴家さんが最近ずっと元気がなかったのはきみのことがあってだと思ってたから」
綾瀬川萌葱:「どうしちゃったんだろう。なんで暗いままなのかな……って少し気になってて」
夏目アリア:「えっ……あっ……ああ~~……」
綾瀬川萌葱:「世間知らずなのは私もおんなじ。むしろ、日本に来た年を考えたらよくやってる方だよ」
夏目アリア:「……それでわざわざ、あたしに?」
夏目アリア:「あやちゃんセンパイ……すっごい良い先輩じゃないっすか~~!」
綾瀬川萌葱:「え。えへへえへ……」
綾瀬川萌葱:明るい空気に当てられてふにゃふにゃになる。「そう…………だよねぇ~~っ」
夏目アリア:「そうですよーー! 可愛いし優しいし、こんな先輩がいて未明ったら羨ましいなー!」
綾瀬川萌葱:「えへ~……結構ちゃんと委員長っぽくやれてると思わない? あ、まあ、二人の件は違う学年の話だけども……」
綾瀬川萌葱:「でも、クラスメイトの……同室相手かな。ならもう、友達のようなものだし」
夏目アリア:「やれてますって~~! ……うーん、でも未明、そんなに元気ないんですか?」
綾瀬川萌葱:「すっごい元気ないよ」間髪入れず
夏目アリア:「そ、そんなに……」
綾瀬川萌葱:「なんか……むしろ前より悪化してない?ってくらいで……」
夏目アリア:「え~?そんな心配掛けちゃったかなー。確かにちゃんと話せてないけど……」頭の後ろで腕を組む
綾瀬川萌葱:「自撮りの方も……っとと」
夏目アリア:「地鶏?」
綾瀬川萌葱:「……ぷりぷりで美味しいよね~」
綾瀬川萌葱:「うーん、それならやっぱりちゃんと話してあげなよ」
綾瀬川萌葱:隣の机に腰を下ろす。「なにか事情でもあるの?」
夏目アリア:「うーん……」少し迷うようにしつつ「言ったら余計心配されそうっていうか……」
夏目アリア:「あたし、家庭の都合で休学ってことにしてたんですけど……」
夏目アリア:「実際には、なんか……事故っちゃったらしくて」
綾瀬川萌葱:「……事故アクシデント? なにかやらかしちゃったの?」
夏目アリア:「いや~……それがよく覚えてないんですよねえ」たはー、と頭を掻いて
夏目アリア:「もう起きたらベッドの上、みたいな。事故っていうのも聞かされただけで実感無いし……」
夏目アリア:「怪我ももう治ってるっぽいし、全然問題無いんですけどね~」
綾瀬川萌葱:「え゛~……た、大変じゃんそんなの!」
夏目アリア:「ほらー、心配されるでしょ?」
綾瀬川萌葱:「ただの休学とはワケが違うし……!……ん、んん……」
夏目アリア:「だから未明には話したくなかったんですよー……」と、そこまで言って。
夏目アリア:「……あれ?」
夏目アリア:違和感に気付いたように君の顔を見る。
綾瀬川萌葱:そこを気にしているのなら、先生たちに配慮してもらうのも難しいかな……なんて思いながら。
綾瀬川萌葱:「? どうかしました……?」
夏目アリア:「あ、いや~……」苦笑して
夏目アリア:「これ、誰にも黙ってるつもりだったんですけど、なんか話しちゃったな~って……えへへ」
綾瀬川萌葱:「……なんか、これも」
綾瀬川萌葱:「もしかして、委員長っぽくないですか……!?」
夏目アリア:「えっ……」
夏目アリア:「……ど……どの辺が……?」
綾瀬川萌葱:長い袖で肩をぱふぱふと叩く。
綾瀬川萌葱:「”他の皆には言えないけど……委員長になら!”」
綾瀬川萌葱:「”こんなこと相談できるの、委員長だけだよ~”」
綾瀬川萌葱:「……みたいなっ! えへへえへえへへ……これは、始めてのやつかもしれません……」
夏目アリア:「そっ……」
夏目アリア:(そんなんですか?委員長って……)
夏目アリア:「……そっ……うですよね~~!」
夏目アリア:「確かに確かに!すごい委員長っぽいですよーー!」
綾瀬川萌葱:「やったぁ……!ありがとう夏目ちゃん……!」
夏目アリア:「いや、もう流石です!やっぱ頼りになるな~~、委員長は……」
夏目アリア:「なんかもう、染み出してますよね!オーラが……そこはかとなく……」
綾瀬川萌葱:「う、嬉しいことばっかり言ってくれるし……夏目ちゃんは優しいなぁ……」
夏目アリア:「いやああやちゃんセンパイのほうこそ……」ニコニコ笑って
綾瀬川萌葱:「私たち、学年は違うけど……友達になれるかな」
夏目アリア:「えっ」
夏目アリア:「そんな……」シャーペンを取り落とす
綾瀬川萌葱:(…だ、ダメだった?)
夏目アリア:「あたし、もう友達のつもりだったんですけど……違ったんですか……?」
綾瀬川萌葱:(ま、またなにか距離感を間違えて……)「……へっ」
夏目アリア:「うう……すみません、調子に乗っちゃって……」顔を伏せてさめざめ泣く
綾瀬川萌葱:「な、なな………」
綾瀬川萌葱:「夏目ちゃ~ん……っ!!!」
綾瀬川萌葱:がわーっ、となだれ込むようにして抱きつく。澄んだミントのような芳香。
夏目アリア:「うわっいい匂いする!」
夏目アリア:「うう……やっぱり友達じゃないからアリアって呼んでくれない……しくしく……」
綾瀬川萌葱:「エッ!? そんなことないよ~、あ、あり……アリアちゃ……」
綾瀬川萌葱:(名前呼びはクラスメイトにも同室の羽澄ちゃんにもまだ……けど、ええいっ)
綾瀬川萌葱:「あ、アリアちゃん……!!」
夏目アリア:「……あはは!」顔を上げてからりと笑う。
夏目アリア:「ありがとうございますっ、萌葱センパイ♡」
綾瀬川萌葱:「……ふふっ。からかったんだ……もう」
夏目アリア:「いいじゃないですか。友達でしょ?」
綾瀬川萌葱:「先輩にそんなことするもんじゃありませんよ!でも、そうですよね……」
綾瀬川萌葱:「なつ……アリアちゃん。せっかく友達になれたことだし、一ついいアイデアがあるんですけど」
夏目アリア:「おっ、何です何です?」
綾瀬川萌葱:いつの間にか立ち上がっていた少女は、夕焼けの窓をバックにくるりと笑う。
綾瀬川萌葱:「私たち、昔からの友達だったことにしませんか?」
夏目アリア:「……」
夏目アリア:「へ?」
夏目アリア:言意が分からないというように間の抜けた声を上げる。
綾瀬川萌葱:……あれ?キャラシに書いてない……けどまあいいか~
綾瀬川萌葱:《イージーフェイカー:竹馬の友》《超越的能力》《道化の出し物》
綾瀬川萌葱:《超越的能力》は《イージーフェイカー:竹馬の友》に適用しています。
綾瀬川萌葱:オルクスのイージーに《透明存在》という他人に自分の行動を悟られなくするエフェクトがあるのですが
綾瀬川萌葱:《道化の出し物》でそのエフェクトの外見を真似る形で、相手に悟られずこの効果を適用することは可能でしょうか。
GM:成程 今回は許可します!
夏目アリア:「……」
夏目アリア:ぽかんとしていた顔が、徐々に怪訝な色に染まっていく。
夏目アリア:「いやいやいや……」かぶりを振って
夏目アリア:「急に何言ってるんですか?先輩」
夏目アリア:「しませんか?って……」
夏目アリア:「元々そうじゃないですか」
綾瀬川萌葱:「そうだよね、アリアちゃん」
綾瀬川萌葱:「私ね……名字じゃなくて、下の名前で呼べる友達はアリアちゃんくらいなんだ」
綾瀬川萌葱:「こんなの、昔からの友達じゃないとおかしい・・・・・・・・・・・・・・・よね?」



綾瀬川萌葱:アリアちゃんにロイスを取得します。ポジティブが友愛、ネガティブが偏愛で!
GM:OK!

GM:1サイクル目、最後のシーン。シーンPCは日下紅春さんです。いかがしますか?
日下紅春:"ルークレス"さんを呼びたいです
GM:なるほど ルークレスさんもよろしいですか?
日下紅春:リーダーの伝手で調整目的みたいな名目で、どこか周りにバレなさそうな部屋とか建物辺りに
"ルークレス":分かりました
日下紅春:やった~
GM:判定は後にしますか?
日下紅春:今やります~
日下紅春:1dx+5>=5
DoubleCross : (1DX10+5>=5) → 2[2]+5 → 7 → 成功

日下紅春:これで大丈夫
GM:あっ何の判定かな
日下紅春:あっシーン内の行動の選択肢とは特に関係がない開始時にやる判定です
GM:なるほど
日下紅春:何やるかは入ってから伝える感じにします
GM:了解です ではシーンを始めましょう。



"プロムルージュ":人目の付かない夜の時間。
"プロムルージュ":セルが──具体的には“ペルシステンシア”の手が入った建物の中、閉じた空間に、"ルークレス"はひとり呼び出されていた。
"ルークレス":レネゲイドの調整、あるいは定期検査などで秘密裏に呼び出されるのはいつもの話だ。
"ルークレス":これほど必要なのかと飽き飽きする程度には。だから今回も、特別疑問も違和感も抱かなかった。
"プロムルージュ":呼びつけておきながら少し遅れたことを気にする様子もなく、彼女の待つ反対側の扉が音を立てて閉まった。
"ルークレス":『遅い。呼んだならせめて時間を――』
"ルークレス":扉を閉めたのが待ち人とは違う人物と気付き、文句が途切れる。
"プロムルージュ":──それが、いつもの"調整"と同じかは分からなかったが
"プロムルージュ":「遅れちゃったかな?ごめんごめん!」悪びれる様子もなく
"プロムルージュ":だが、その気配だけは──濃厚な戦意を漂わせていることに、傍目からでも気付いてしまう。
"ルークレス":『……わざわざ“ペルシステンシア”伝いまでして、何の用?』
"ルークレス":『普段の軽口はともかく、こんな手の込んだ悪戯をするタイプとは思わなかった』
"プロムルージュ":「ん?あー、ごめんね」
"プロムルージュ":「あれ嘘なんだ」
"プロムルージュ":えへへ、と事ここにきて少女のような無垢さでほころぶ
"ルークレス":『でしょうね』 調整が呼び出しのための名目でなければ、“ペルシステンシア”も既にこの場に居るはず。
"プロムルージュ":「私のお願い聞いて貰おうと思って」
"ルークレス":つまりこの調整自体が"プロムルージュ"の仕掛けた罠に他ならない。
"ルークレス":『用件は?』
"プロムルージュ":「だから──うん、ちょっと負けを認めさせに来たんだ、、、、、、、、、、、、!」
"プロムルージュ":"ルークレス"との戦闘を選択します。
"ルークレス":『……』 仮面の下で眉が苦々しく歪む。
GM:了解です。それではミドル戦闘を開始します。

---

GM:1ラウンド
GM:セットアップから。
"プロムルージュ":特にありません
"ルークレス":ありません
GM:ではイニシアチブ
GM:行動値10 日下さんの手番です。
"プロムルージュ":はーい あ、演出とロールなんですけど手番ごとにすぐやっても大丈夫ですか?
GM:いいですよ!
"プロムルージュ":ありがとうございます!
"プロムルージュ":マイナーで《赫き重刃》+《鳳凰の翼》
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を8増加(55 → 63)
"プロムルージュ":エンゲージどれくらい離れてるんだろ まぁいいや
GM:状況的に10mとしましょうか
"プロムルージュ":流石に30mは離れてないと思うので メジャーで全力移動して終了です
GM:なにっ殴らない

"プロムルージュ":──しゅるり、と音が鳴った。
"プロムルージュ":それは聞き慣れた衣擦れの調べであり、動かされぬよう足を踏み留まろうとする動きの起こりを誘発する。
"プロムルージュ":ただ、今回だけはその例外であり
"プロムルージュ":敵ではなく地を掬うようにして、瞬激の間合いえと滑り込んだ音だった。
"プロムルージュ":肩甲骨を肩の手で抑えながら、鉄よりも硬質な指が後ろから首に添えられる。
"プロムルージュ":「わかるよね、"ルークレス"」
"プロムルージュ":「これでもう、同じ強さの駒同士じゃ先日手で振り切れないし」
"プロムルージュ":「"ルーク"は"クイーン"相手になおさら逃げ切ることは出来ないもの」
"プロムルージュ":「ええ、これで『チェック』。そして痛み分け覚悟で返り討ちなんてあなたも趣味じゃないでしょう?」
"ルークレス":『……はあ』 重々しい溜息を吐いて。
"ルークレス":『言いたいことは3つ』
"ルークレス":『1つ。私の"ルーク"はそれじゃない』
"プロムルージュ":「ちぇ、多分そうかなーって思ってたけど無理に当て嵌めすぎちゃった」くすくすと笑う
"ルークレス":『1つ。そもそも直接戦闘であなたに勝てるつもりはない』
"ルークレス":『経緯はともあれ戦闘力がウリのあなたと違って諜報担当だから。認めさせるまでも無い』
"ルークレス":『1つ。あなたの言う通り返り討ちは趣味じゃないけど、尻尾を巻くのを躊躇うほどプライドが無い』
"ルークレス":『そしてあなたに付き合う義理も無い。ここからでも適当に負け逃げするくらいは出来るけど』
"ルークレス":『まさか本当に勝ち誇りたいだけじゃないでしょ?トロフィーに何が欲しかったの?』
"プロムルージュ":「うーん、力任せに脅したのはごめんなさいって思ってるのよ?」
"プロムルージュ":「言った通りよ、ただちょっとお願いを聞いて欲しかっただけだもの」
"ルークレス":『さっきも言ったでしょう。用件次第』
"プロムルージュ":「あなたも先日強奪した中にあるデータはしってるでしょう?まあ、詳しい中身はリーダー全然教えてくれなかったけど」
"プロムルージュ":「あなたのこととね、御樋代女学院の生徒で知ってる事」
"プロムルージュ":「全部教えて欲しいんだ☆」
"プロムルージュ":「だめ?」
"ルークレス":『……』 また幸せを一つ逃がして。
"ルークレス":『対価は?そのご自慢の拳払い?』
"プロムルージュ":「それでもいいよ?仲間のお願いは聞いてあげたいし~」
"プロムルージュ":でもね、と平手で硬めた刃に力を籠める。首筋から血が一筋流れた。
"プロムルージュ":「仮にも諜報担当なら多少は調べがついてるんでしょう?」
"プロムルージュ":「私の血──ああ、この場合は生理学的意味じゃなくて血統の方ね。それがどんなモノなのか」
"プロムルージュ":「私たち鬼種人でなしはね。生きるために殺すのでも、殺すために生きるのでもないの。そんな上等な真似は出来っこない」
"プロムルージュ":「どうしようもない、代替行為でしかないのよ」
"プロムルージュ":「ヒトが行う、他人ひとを識る、理解する、繋がる……」
"プロムルージュ":「それが他人ひとの肉体に傷を付けるだけで全て代替出来てしまう……そして何より、それで分からないモノはそもそも自分たちには必要ないものなんだって、『雑味』として切り捨てる」
"プロムルージュ":「血肉にならないクセに喰らい、増えないクセに犯し、飢えないクセに貪る」
"プロムルージュ":「おかして、おかして、おかすの」
"プロムルージュ":「誰かを深く知るために」
"ルークレス":無感動な目で零れる血を眺め。
"プロムルージュ":かぽり、と だ。
"プロムルージュ":そして からん、と 軽い音が床で音を奏でる。
"プロムルージュ":「──だから、不純物の感情ばかりで、それを出来なかった失敗作が私」
"プロムルージュ":それはなんてことも無いように、覆面を取り去っていた。
"プロムルージュ":いつから、どころではない 初めから今まで結ばれていたはずの不文律を
"プロムルージュ":あっさりと破って見せる
"ルークレス":『……正気?』 流石に呆けたような間が空くが。
"ルークレス":『……いや。確かにセルの不文律なんて気にする性質じゃないか』
"ルークレス":却って納得したような呟きが続く。
"プロムルージュ":「うん。あ!そっちは見せなくてもいいよ!」
"プロムルージュ":「言ったでしょう?私、皆のことが知りたいからお願いしにきただけだって」
"プロムルージュ":長く一緒にはいられないかもしれないから」
"プロムルージュ":「そうなる前に、もっともっといっぱい知っておきたいの」
"プロムルージュ":「学校にいる友達みんなのことも、セルにいる仲間のみんなのことも」
"プロムルージュ":「えへへ……こうして力づくでやるのは、"ルークレス"で最初で最後にするね」
"ルークレス":『唯一にもしないで欲しかったけど』
"プロムルージュ":「対価も……うーん、そうだなぁ」
"プロムルージュ":「また今度、私の部屋に来てくれたら」
"プロムルージュ":「私の秘密も、交換で教えてあげる」
"プロムルージュ":しーっ、と子供のように人差し指を立てて
"プロムルージュ":「あ、でも部屋だと後輩がいるから……別の部屋取ったりした方がいいのかなあ?」
"ルークレス":『良い。この場で払う』
"ルークレス":端的な言葉と共に、クロヒョウの仮面へと手をかけて――。
"プロムルージュ":「……!やたっ!」
"プロムルージュ":「やったやったー!ありがとう!」
"ルークレス":仮面の下から覗いたのは、見覚えのある色の瞳。
"ルークレス":しかし、顰められた眉のせいか、常ならぬ眼光のせいか。
"ルークレス":見知った彼女とはずいぶんかけ離れた印象の少女がそこに居る。
"ルークレス":いっそ、一卵性の双子とでも言われた方が納得が行くかもしれない。
"プロムルージュ":「……て、って」
"プロムルージュ":「うええ~~~っ?」
"プロムルージュ":ぺたぺたと顔を無遠慮に触って
"プロムルージュ":「お人形さんみたい……でもでもっ!この顔って」
"ルークレス":『……さあ?なんだか私の顔に見覚えがあるような口ぶりだけど』
"プロムルージュ":「あの……えっと……」
"プロムルージュ":「……咲?」
"ルークレス":『私はただの"ルークレス"。それ以上でも以下でもない』
"ルークレス":『まして、それ以外では断じてない』
"プロムルージュ":「……ふふ、そっか。そうだったね!」
"プロムルージュ":「他の人のことは、何か知らない?」
"プロムルージュ":「諜報力で一番頼りになれるのが"ルークレス"だと思ったから……」
"ルークレス":『あなたの素顔に私の素顔。これで十分等価でしょ』
"ルークレス":『これ以上が欲しいなら対価と私の気分次第』
"プロムルージュ":「む、それは聞き捨てなりませんね」
"プロムルージュ":「私これでも一応勝ってるんだよ!負けを認めさせたんだよ!?」
"ルークレス":『言ったでしょ。最初から勝てると思ってない』
"プロムルージュ":「私の『秘密』も払うって約束しちゃった以上、そっちも払ってくれるまで帰らないし帰さないも~ん」
"ルークレス":『1+1が出来て褒められるのは小学生まで。少なくとも、それが出来たからって私はあなたにご褒美はあげない』
"ルークレス":『口約束の空手形を信用するとでも?そもそもあなたの秘密が私の持つ情報に値するかも分からないのに』
"プロムルージュ":「ふん!"ルークレス"のばか!もう知らない!」
"プロムルージュ":「絶対に今度私の部屋まで来てもらうんだからね!」
"ルークレス":『行くとも言ってないけどね』
"ルークレス":私と顔がそっくりな誰かは行くかもしれないが。
"プロムルージュ":「ばか!……あ、萌葱のことよろしくね!」
"プロムルージュ":「萌葱もミメイも!あと萌とか……他にもいっぱい!」
"ルークレス":『頼む相手を間違えてる』 肩をすくめながら捨て台詞を吐く彼女を見送る。
"ルークレス":その背がすっかり離れた頃に、落とした仮面を拾い上げ。
"ルークレス":『私は"ルークレス"』
"ルークレス":『それ以上でもそれ以下でも、それ以外でもない』
"ルークレス":『それで、良い』
"ルークレス":桃色の瞳が再び仮面の下へと隠れた。

Lurker
潜伏する・待ち伏せるなどの意味を持つ「Lurk」から派生。潜伏者、待ち伏せる者などの意味。
転じて、ネット掲示板やチャットルームなどで発言をせず他者の書き込みを見るだけの人の意味合いも持つ。ROM専。
-ess
女性を示す名詞語尾。主に職業に用いられる。

:Luke
英語の名詞であり、主に人物名として使用される。聖書の新約聖書に登場するルカに由来する。
ラテン語で光を意味する「lux」から派生したと考えられており、「光をもたらすもの」という意味合いを持つ。
 -less
名詞や形容詞の末尾に用いられる接尾辞。否定的な意味や状態を強調する。「~がない」。




GM:シーン終了。サイクル1を終了します。

GM:集合シーン
GM:全員登場です。
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(63 → 67)
綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加(64 → 70)
貴家ミメイ:51+1d10
DoubleCross : (51+1D10) → 51+2[2] → 53

綾瀬川萌葱:ずっと6出てる……
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(50 → 54)



GM:御樋代女学院の大浴場は、寮生なら17時から24時まで、好きな時に利用できる。
GM:浴場の扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのは、広々とした大理石の床と壁面に施された繊細なモザイクタイル。タイルには薔薇や百合といった花々が優美に描かれており、浴場全体に華やかさを添えている。
GM:中央には大きな円形のジェットバスがあり、その周囲を囲むように温水プールが広がっている。プールサイドには白いタオルをまとったリクライニングチェアが並び、高級スパのような佇まいだ。壁際にはミストサウナやフィンランド式のドライサウナも完備されており、使用する生徒たちの健康やリラックスを第一に考えた設計となっている。
GM:さらに、浴場の一角にはオーガニックアロマオイルを使ったハンドソープやシャンプーが並び、香りは季節ごとに変わる特注品だ。洗面スペースには大きな鏡と明るい照明が設置され、それぞれに最新のスキンケアアイテムが用意されている。湯上がり後には専用のスタッフが用意したフレッシュジュースやスイーツを楽しむことができ、生徒たちはリラックスしたひと時を過ごす。
GM:窓の外には緑豊かな庭園が広がり、開放感を感じさせる大きなガラス窓越しに景色を楽しむことができる。まるで高級リゾートホテルのような浴場は、名門校の伝統と品格を象徴する場所のひとつとなっている。
GM:丁度タイミングが良かったのか、君達の他に利用者はまばらだ。
夏目アリア:「あれ?」
夏目アリア:「おーい、未明~」
夏目アリア:数人の友人たちと話していたが、浴場を訪れた君たちに気付き、お湯をじゃばじゃばさせながら手を振る。
夏目アリア:スポーツ万能らしく程よく引き締まった健康的な身体付き。赤髪から雫が滴っている。
貴家ミメイ:「あれ、アリアちゃん」驚く。こんなタイミングで彼女に会うなんて。
貴家ミメイ:「ええっと。三人ともアリアちゃんが一緒でもいい……?」他の子たちにお伺いを立てる。
貴家ミメイ:華奢ですらりとした手足。降り積もったばかりの雪のように滑らかで白い肌が浴場の熱気で微かに火照っている。
綾瀬川萌葱:「……へへ、もちろんです。なんだか今日は私たちの貸し切りみたいで、ラッキーですね」
羽澄咲:「いつもはもっと混んでるもんね!」 長い髪をお団子風にタオルでまとめている。
夏目アリア:「萌葱センパイも一緒じゃん!こんばんは~」
夏目アリア:嬉しそうに笑いながら、浴槽をすいーっと滑ってくる。
日下紅春:「うーん、ミメイがそうしたいなら……」
日下紅春:珍しく歯切れの悪い返答。
日下紅春:見れば、らしくなくタオルを厳重に巻いて少し離れた位置で入浴を楽しんでいたらしい。
貴家ミメイ:「紅春センパイ……?」不思議そうな表情を浮かべる。
日下紅春:「あうっ……ええーっと」包帯の付いた腕で頬を掻いては
日下紅春:「……恥ずかしがってるのとか、らしくないかな……?」はにかんで
羽澄咲:「わ、紅春センパイ乙女だ!」
羽澄咲:「らしくはないかもだけどかわいい~!」
貴家ミメイ:「あ。いえ、全然いいと思います! わたしも日本のお風呂って初めは慣れませんでしたし!」
貴家ミメイ:「誰かと一緒にお風呂に入るのって変な感じしますよね」
日下紅春:「む、ならそこの乙女擬きはもっと恥じらいを知るべきじゃないかしら」ムキになって返す
羽澄咲:「えへへ。こないだもえちゃんにも怒られました」
羽澄咲:「腕と足出し過ぎだって~。出しても恥ずかしくないくらい絞った事実を誇りたいのに」
綾瀬川萌葱:「アリアちゃんは一人なの? また遅くまで自習してたのかな」細い手足が蒸気を帯びて、陶器のように艷やかに光る。
夏目アリア:「一人じゃないけどー」友人らを振り向き軽く手を振って「なんか楽しそうだし、萌葱センパイ達の話?」
貴家ミメイ:「あ、うん。アリアちゃん、まだ萌葱センパイのこと思い出せない?」
夏目アリア:「思い出せない?」きょとんとして「……あ~~、そういえば」
夏目アリア:「そんな話したっけ!あはは、何だったんだろうね?アレ」
貴家ミメイ:「え。だって、萌葱センパイも忘れられてショック受けてましたよね?」不思議そうに2人を見る。
綾瀬川萌葱:ぱちゃり、と湯船から腕を上げて伸びを一つ。
綾瀬川萌葱:「ううん。私たち、前からちゃんと友達だったもの」
夏目アリア:「そうそう。なんか勘違いっていうかさー……」
綾瀬川萌葱:「久しぶりに会ったらすぐに打ち解けちゃった。ね~」
夏目アリア:「こんな仲良しの先輩、忘れるわけないじゃん!ねーーっ」綾瀬川の両肩に手を置く。
貴家ミメイ:「わっ、アリアちゃん、距離近いって! 今、裸だよ!」
綾瀬川萌葱:肩に置かれた手を、上からしとりと触れる。「……えへへ」
日下紅春:「ええっ、そんなことあるの~?」
日下紅春:「あのあと咲に着せ替え人形にされたらしいけど、それ見て思い出したとか」
日下紅春:「……もしかしてやっぱり、本当に高校デビューしてたってこと?」
日下紅春:この服飾趣味だと最早逆デビューだよー、なんて笑いながら
羽澄咲:「え、前はああいうロリータがデフォだったとか?」
貴家ミメイ:「イメージチェンジしてたんですか、萌葱センパイ……?」
綾瀬川萌葱:「ろ、ロリータの話は今はいいじゃないですかっ!」
夏目アリア:「え~~、萌葱センパイそんなの着てたの!?あたしも見たかったな~」
日下紅春:「よくない!私たちも見たかった~!」
綾瀬川萌葱:「こ、この間の買い物からだし……まだ詳しいところは勉強の途中だし……」あせあせ
貴家ミメイ:「それと……萌葱センパイも……アリアちゃんとちょっと距離が近いような……」苦笑いしている。
綾瀬川萌葱:「そうかな。友達ならこんなものだと思うんだけど……」
日下紅春:「取り戻したって言ってもすごい仲良しに見えるもんね」
日下紅春:「よっぽど以前から、もしくは本当の本当に仲が良かったみたい」
羽澄咲:「ふふ~。ロリータの前にピアスデビューじゃないです?……って」
羽澄咲:「あれ、あやちゃんセンパイもう穴開けたんですか!?」
夏目アリア:「え! ホントだ、言われてみれば……」
綾瀬川萌葱:「あ……っと、ちょっと試しにね?」軽く跡になった耳たぶを撫でる
高枝美穂:「おー何々、どしたん?」騒ぎを聞きつけ、先ほどアリアが話していた一群の一人が寄ってくる。
貴家ミメイ:「はい。前までお二人がそんなに仲良くしてるイメージはあんまり……あっ」高枝さんに気付き、わずかに表情を曇らせる。
日下紅春:「まあでも、お友達ってこれくらい普通ってことなのかも~」
日下紅春:ピアスの話を遠巻きに、ミメイを引き寄せてくっつく
貴家ミメイ:「ふ、普通。普通か。そうですよね……って、紅春センパイ?」自分に言い聞かせようとしていたところでセンパイにひっつかれる。
高枝美穂:「ウワ!ガッツリ穴開いとるやん!ええんこれ!?校則違反ちゃう!?」
羽澄咲:「試しって言ってに穴ですよ?意外と思い切り良いなぁ」
羽澄咲:「あ、美穂ちゃん。まあほら、こっそり開けてる子は割といるし」
羽澄咲:自分もそうなのでケロッとしている。
綾瀬川萌葱:「えっ!」「ピアスって……校則違反なんですか!?」
高枝美穂:「そらせやろ!あ~あ、綾瀬川先輩、不良委員長やな~」
夏目アリア:「そうだそうだ、いけないんだ~」
綾瀬川萌葱:「えっ!?」羽澄ちゃんに『聞いてない!』の表情を向ける
羽澄咲:「えへっ。てっきり知ってると思って!」
羽澄咲:「でもそういえばセンパイ、ピアスが何かから知らなかったですもんね」
綾瀬川萌葱:「わるい子だな~、もう……そうですよ、ちゃんと手取り足取り教えてくれないと」
高枝美穂:「かぁ~~、お父さんお母さん泣いてますよ!大事な娘さんが傷モノにされて……」
貴家ミメイ:「く、紅春センパイ。急にどうしたんですか」少し嬉しい。だが、すぐそばにアリアちゃんがいることを思うと素直に喜べない。
日下紅春:「?みんな楽しそうだな~って思ったから」
日下紅春:「こっちも~って思っただけ!」
貴家ミメイ:「も、もう。別にいいですけど……」紅春センパイの腕にそっと触れる。アリアちゃんの視線をそれとなく気にしながら。
高枝美穂:「咲がやらしたん?悪いやっちゃな~ホンマ」
羽澄咲:「やらしたっていうか~貸し借り出来たら嬉しいし、開けるなら一個プレゼントしますよ!って言った!」
羽澄咲:「罪としては教唆くらいだと思います!」
高枝美穂:「ノリで胡麻化されてるだけで、アレよりよっぽど不良なんちゃう?」後方の椿を指で示す
椿萌:「……」そっぽを向きながら一人で湯船に漬かっている。
羽澄咲:「あ、もえちゃん!ちょうど良かった!」
日下紅春:じゃぶん、とミメイを連れながら更に一回り外輪にいる椿萌の横に座り直す
日下紅春:「あっ!あなたも入る?」すっかり恥じらいは抜けた様子で
羽澄咲:「もえちゃんもこっちおいでよ!紅春センパイ居るし、カラオケの日程はなそ!」
椿萌:「……」急に賑やかなのが近づいてきて嫌そうな顔をする。「何……」
椿萌:「近い……」
羽澄咲:こっちもちゃぱちゃぱともえちゃんの横に寄りに行く。
貴家ミメイ:抵抗することもなく、連れだって萌ちゃんの近くに座る。
日下紅春:うふふ相変わらず外で会ってもどこで会っても塩いな~なんて声を漏らし返して
日下紅春:中の方から3人が位置を変え、他の少女もそれに釣られ、いつの間にか包囲網のような形になっている。
夏目アリア:「え~、あたしもピアス開けよっかな~」未明と日下の距離感は全く気にしていない。
貴家ミメイ:「………そっか。気にしてるの、わたしだけなんだ」隣にいる人くらいにしか聞こえないような小声で呟く。
夏目アリア:「やっぱ痛いの?穴開けるのって」
綾瀬川萌葱:「校則違反は校則違反ですよ、もう……」アリアに返答しながら
綾瀬川萌葱:「たぶん痛かった、かな」
高枝美穂:「多分て……自分で開けたんちゃうん?」
貴家ミメイ:「……カラオケ。日本の歌があまり歌えなくてもいいなら、わたしも行きたいかも、です」
羽澄咲:「お、じゃあ未明ちゃんも行こ!フリータイム!」
羽澄咲:「カラオケはねぇ、皆が自分の歌いたい曲歌うとこだから」
羽澄咲:「分かんないくらいで良いんだよ!その方が新しい曲知れるし」
貴家ミメイ:「フリータイム……自由な時間……? よく分からないけど、楽しそう!」
椿萌:「日下先輩って……」低いぼそぼそ声
椿萌:「羽澄と仲良かったの」
日下紅春:ボソボソ「実はそうなのです。咲と仲良くしてる同士なのです、私たち」珍しく返してくれた!なんて惚けた思考
椿萌:「そう……」自分の知らない人間関係に、やや居心地悪そうな顔をする。
羽澄咲:「ふふー。紅春センパイはあたしと仲良しの未明ちゃんのルームメイトで、しかもあたしのルームメイトのあやちゃんセンパイと仲良し」
貴家ミメイ:「ええっと。でも、咲ちゃんが一番仲良いのはたぶん萌ちゃんだと思うよ。なんとなく、見た感じだけど……」小さな声で謎のフォローをしている。
羽澄咲:「友達の友達も二重に重なれば超友達、ってこと!」 自信満々で謎理論を展開している。
椿萌:「何それ……」陽キャすぎる価値観に当惑している
椿萌:「ていうか……近いし……」裸体で密着してくる羽澄から目を背ける。
羽澄咲:「そう?いつもこれくらいじゃない?」
椿萌:「バッ……」
椿萌:顔を真っ赤にして羽澄の口を塞ぐ。
羽澄咲:「もご?」 何で塞がれてるか分かってなさそうな顔。
貴家ミメイ:「えっ、えっ。そんなに焦るほど……?」当惑しながら周りの皆を見る。
貴家ミメイ:「と、友達なら、これくらいが普通らしいよ。わたしもさっき聞いたんだけど……」またもや小声で謎のフォロー。
夏目アリア:「何何?何の話?」
椿萌:「何でもない!もういいからあっち行けって……!」
綾瀬川萌葱:「カラオケの話、ですよね」
貴家ミメイ:「そうです。友達みんなでカラオケ行こうって」
夏目アリア:「えーっいいじゃん!いつ?行こ行こ!」
夏目アリア:既に参加決定済みでいる。
綾瀬川萌葱:「わ、私も行ったことないんだけど……」
綾瀬川萌葱:「行けなくてもいいと思ってたけど……行ってもいいかな……?」
夏目アリア:「え~?当たり前じゃん!こういうの人数多い方が楽しいって!」
貴家ミメイ:「わ、わたしもないです。こういうのっていつがいいのかな。何かのお祭りの日とか……?」
日下紅春:「お祭りの日はお祭りがあるんじゃない?」
羽澄咲:「ちっちっち……逆だよ未明ちゃん」
貴家ミメイ:「逆……?」目をぱちくりさせる。
羽澄咲:「お祭りの日は同じ考えの人が沢山いて込むし、料金だって割高になっちゃう」
羽澄咲:「つまり、狙い目は平日!出来ればフリータイムを最大限満喫できる開店直後から!」
貴家ミメイ:「平日って、何にもない日ってこと? い、いいのかな。そんなこと!」
日下紅春:「咲詳しい~」
綾瀬川萌葱:「なるほどぉ、適正価格が変動するんだ……」ふむふむと感心して
羽澄咲:「ふふん。カラオケマスターと呼んでください」
貴家ミメイ:「はい、分かりました。マスター!センセイ!」
貴家ミメイ:「それじゃあ、次のみんなの予定が合う平日……で、いいんでしょうか?」
高枝美穂:「ちゃんと外出許可取らんと、また先輩にどやされるで」
綾瀬川萌葱:「そうですよ、お風呂上がったらみんなでスケジュール確認しましょう!」
日下紅春:「うんうん。こわーい三年生が出掛けてる日の段取りとか、ね!」
綾瀬川萌葱:「ちゃんと事前に外出許可を取って、節度を守って遊ぶこと! いいですね?」
貴家ミメイ:「はい! わたしも部屋に戻ったらさっそくカレンダーとにらめっこします!」
羽澄咲:「はーい!皆で遊べるの、楽しみだね!」 傍らのもえちゃんに。
椿萌:「……」別に私は、と返そうとして、更に絡まれるのが分かっているので黙っている。
日下紅春:「萌葱真面目~」揶揄うような声も皆の歓声と湯煙に溶けてゆく
GM:賑やかな会話が浴場に響く。益体も無いお喋りほど楽しいものはなく、気付いた頃には全員がのぼせる寸前となっていた。



GM:シーン終了。
GM:購入判定が可能です。
貴家ミメイ:あっ、ここで
綾瀬川萌葱:おお、なるほど
GM:忘れていました 購入判定の存在を
羽澄咲:www
GM:サイクル終了時にやってもいいかなと思うので、2回分判定していいですよ
貴家ミメイ:そうだったんだw
日下紅春:やった~
綾瀬川萌葱:www
貴家ミメイ:情報弱者なので、情報に強くなれるアイテムが欲しい。何かあるかなぁ
綾瀬川萌葱:私もそうなのだった 何かあったかしら
羽澄咲:カリギュラが種別:射撃だから照準器狙おうかな
貴家ミメイ:自動巡回ソフトで気持ち程度の判定ダイスを増やそうかしら
羽澄咲:オリジン:サイバー使います
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を2増加(54 → 56)
貴家ミメイ:うわっ、本気
日下紅春:とりあえず1個応急手当キットかな~
日下紅春:(1+1)dx+2>=8
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 6[1,6]+2 → 8 → 成功

羽澄咲:3dx+16>=15
DoubleCross : (3DX10+16>=15) → 10[5,9,10]+3[3]+16 → 29 → 成功

貴家ミメイ:とりあえず一回目は自動巡回ソフト狙いでいきます
羽澄咲:いぇい カリギュラに付けて達成値+1!
貴家ミメイ:2dx+2>=5
DoubleCross : (2DX10+2>=5) → 4[4,4]+2 → 6 → 成功

綾瀬川萌葱:一個は照準器かなあ 能力訓練:社会と一体化して判定
貴家ミメイ:あ、買えた。これでちょっとだけ情報に強くなった
綾瀬川萌葱:5dx+1>=15
DoubleCross : (5DX10+1>=15) → 6[2,3,5,5,6]+1 → 7 → 失敗

綾瀬川萌葱:だめ~
羽澄咲:後は医療トランクとかにしようかな
羽澄咲:3dx+15>=20
DoubleCross : (3DX10+15>=20) → 7[1,6,7]+15 → 22 → 成功

綾瀬川萌葱:ボディマチャレンジだけしてみよ
日下紅春:私も自動巡回ソフト狙おっかな~
日下紅春:(1+1)dx+2>=5
DoubleCross : (2DX10+2>=5) → 4[1,4]+2 → 6 → 成功

羽澄咲:ふふん。これでいつでも2d10回復可能!以上!
綾瀬川萌葱:調達の素点あったんだった
日下紅春:両方買えました 所持!
綾瀬川萌葱:2dx+1>=12
DoubleCross : (2DX10+1>=12) → 10[7,10]+10[10]+3[3]+1 → 24 → 成功

日下紅春:すごっ
綾瀬川萌葱:なんだこれは
貴家ミメイ:あっ、萌葱センパイすごい
綾瀬川萌葱:ボディマ取得! 装備します
貴家ミメイ:二回目は……何がいいかなぁ
貴家ミメイ:ダメもとでセンパイ用の照準器
貴家ミメイ:2dx+2>=15
DoubleCross : (2DX10+2>=15) → 3[1,3]+2 → 5 → 失敗

貴家ミメイ:うーん、さすがに無理
貴家ミメイ:わたしは以上です!



【Middle2】

GM:それではサイクル2を開始します。
GM:情報項目の難易度が変動し、現在はこちら。

情報項目

・『秘密』:綾瀬川萌葱 難易度:17  〈情報:噂話〉
・『秘密』:日下紅春 難易度:17 〈情報:FH/噂話〉
・『秘密』:貴家未明 難易度:17 〈情報:FH〉
・『秘密』:羽澄咲 難易度:20 〈情報:FH〉
以下は全て 〈情報:UGN/FH/噂話〉
・『秘密』:夏目アリア 難易度:13
・『秘密』:白戸瀬鞠音 難易度:13
・『秘密』:城島桐子 難易度:13
・『秘密』:高枝美穂 難易度:13
・『秘密』:椿萌 難易度:13
・情報:“ラズマタズ” 難易度:9
・情報:“ペルシステンシア” 難易度:9
・情報:“トプシー・ターヴィー” 難易度:9
・情報:“リガード” 難易度:9
・情報:“レランパゴ” 難易度:9
・情報:“マキャヴェリテラトーマ” 難易度:9
・情報:“リュッケンフロッセ” 難易度:9
・情報:ベロニカ計画 難易度:15
貴家ミメイ:割と下がっている
GM:まずはシーンの順番を決めましょう。全員1D100をどうぞ。
貴家ミメイ:1d100
DoubleCross : (1D100) → 47

日下紅春:1d100
DoubleCross : (1D100) → 71

羽澄咲:1d100
DoubleCross : (1D100) → 21

綾瀬川萌葱:1d100
DoubleCross : (1D100) → 7

綾瀬川萌葱:しょぼしょぼ
羽澄咲:二連最弱は免れた
GM:では日下さんから好きな順番をどうぞ!
貴家ミメイ:上手いことばらけてる
日下紅春:うーん……もう一回4番目で試してみようかな 4で!
貴家ミメイ:おお
GM:では貴家さん!
貴家ミメイ:うーん、どうしようかな
貴家ミメイ:今回も二番目でいきます
GM:次は羽澄さん!
羽澄咲:うーん 初手はさっきやったしなぁ
羽澄咲:3番手貰おうかな
GM:それでは順番は
綾瀬川萌葱>貴家ミメイ>羽澄咲>日下紅春
このようになります。

貴家ミメイ:萌葱センパイから!
綾瀬川萌葱:こうなると思ったよ~!
GM:では全員一括で登場侵蝕をどうぞ!
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加(67 → 73)
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(56 → 60)
貴家ミメイ:53+1d10
DoubleCross : (53+1D10) → 53+5[5] → 58

綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加(70 → 76)
GM:それではサイクル2 1シーン目。シーンPCは綾瀬川さんです。
GM:いかがしますか?
綾瀬川萌葱:う~んそうだな
綾瀬川萌葱:ミメイちゃんと話した後城島先生に呼び出されるみたいなシーンがやりたいです
貴家ミメイ:わたし!
GM:了解です!貴家さんも大丈夫ですか?
貴家ミメイ:構いませんよ~
GM:では始めていきましょう。
貴家ミメイ:どきどき



綾瀬川萌葱:「ふ……うぉぉぉ~~~~」
綾瀬川萌葱:じり……じり……と亀のような歩みでバスケットボールの詰まったカートを押している。
綾瀬川萌葱:1.2年が合同での体育の授業の終わり。片付けをかって出ていたのだが……
貴家ミメイ:「せ、センパイ……?」驚きつつも心配している。
貴家ミメイ:「それ、1人だと大変ですよ。わたしも手伝います」
貴家ミメイ:素早く歩み寄ると、一緒になってカートを押す。
綾瀬川萌葱:「い、いや!委員長たるもの、これくらいは……うにゅにゅ」
貴家ミメイ:「もう遅いです。手伝い始めてしまいました」
綾瀬川萌葱:「おわぁ!」急にカートが軽くなったのでつんのめる。
貴家ミメイ:「わっ。大丈夫ですか、センパイ」慌てて彼女の体を支える。
貴家ミメイ:体育着姿の少し汗ばんだ状態だから恥ずかしい思いはあるが、それは押し隠す。
綾瀬川萌葱:「えへへ。あ、ありがとう貴家さん……力のかけ方もへたくそだな、私……」
綾瀬川萌葱:「あっちの用具倉庫まで、もうひと辛抱だね……!頑張るよ!」
綾瀬川萌葱:これを重労働だと捉えているのは萌葱くらいのものだ。
貴家ミメイ:「わたしもそんなに力が強い方ではないですけど……。はい!一緒に頑張りましょう!」
貴家ミメイ:「萌葱センパイはいつもこういう他人が面倒くさがりそうなお仕事を自分から買って出て、本当に立派ですよね」
貴家ミメイ:二人で話しながら押しているととあっという間に用具倉庫のそばまでたどり着く。
綾瀬川萌葱:「なんてったって委員長だからね~」
綾瀬川萌葱:「自分がやりたくてやってるんだよ。立派……ではあると思うけどさ」
貴家ミメイ:「委員長だからって、そんなに簡単にやれることではないですよ。萌葱センパイはすごいです」
貴家ミメイ:用具倉庫のそばまで来ると、他の生徒の姿もあまりない。
綾瀬川萌葱:「そ、そうかなぁ」
綾瀬川萌葱:「じゃあ、私って結構すごい?」カートから手を離して額を拭う。
貴家ミメイ:「そうですよ! もっと自信を持っていいと思います!」ぱあっと笑顔になって言う。
貴家ミメイ:「水戸光圀公と同じくらいにはすごいと思います」神妙な顔。
綾瀬川萌葱:「ミトミツクニコウ……? でもなんだか……褒められてるのは伝わってくるよ!」
綾瀬川萌葱:「最近はこういうことばっかだな……あ、そうだそうだ」
貴家ミメイ:「あ、はい。何でしょう?」
綾瀬川萌葱:ぱちん、と手を叩く。「貴家ちゃん。アリアちゃんのことなんだけどね?」
貴家ミメイ:「え。アリアちゃんの?」虚を突かれる。驚きがそのまま顔に出た。
綾瀬川萌葱:「あの子から何か話は聞いた? その後どうなったのかなって気になっているんだけど」
貴家ミメイ:「何かって……何ですか……?」
貴家ミメイ:「お風呂でお話したこと以外は、特に何も……」
綾瀬川萌葱:「ん、あ~……うーん……」傍らに畳まれた体育マットの上に腰を下ろす。
綾瀬川萌葱:「私の口からは言いづらい……かなあ」
綾瀬川萌葱:いうべき言葉を探すように己の唇を指でなぞり、つぶやくように応じる。
貴家ミメイ:「……え」想像が、胸の内で膨らむ。
貴家ミメイ:「アリアちゃんと、何かあったんですか」
綾瀬川萌葱:「このあいだ、図書室で話をしたの」
貴家ミメイ:「アリアちゃん、勉強熱心だから。たぶん休学していた分の遅れを少しでも取り戻そうとしてたんだと思います」
綾瀬川萌葱:「うん、知ってる」さらりと世間話に答えるように
貴家ミメイ:「知ってる、って……」動揺を隠しきれない。
綾瀬川萌葱:「寮で言っていたことが気になったのと、あと貴家さんがずっと沈んでいた様子だったし」
綾瀬川萌葱:「何かあったのかなと思って、話をした」
貴家ミメイ:「そう、なんですか。アリアちゃん、それで何て言ってました?」
綾瀬川萌葱:「……本人が、あまり伝えたくない話だって言っていたからなあ」
綾瀬川萌葱:自分はそれを知っているのだと、隠そうとする素振りもない。
貴家ミメイ:「わたしに、伝えたくない話……?」
綾瀬川萌葱:「……彼女、休んでいた間に何か事情があるみたいだよ。本当に何も聞いていない?」
貴家ミメイ:「聞いてない、です。何も」
綾瀬川萌葱:「んん、そっか……」
貴家ミメイ:「な、何が言いたいんですか……」
綾瀬川萌葱:「それなら、アリアちゃんに……」
綾瀬川萌葱:「私から、きみに相談するように持ちかけてみようか?」
貴家ミメイ:「は、はい?」
貴家ミメイ:「どうして、萌葱センパイが」
綾瀬川萌葱:「え、なんでって……」
綾瀬川萌葱:「私はアリアちゃんの”友達”だから? かな?」
貴家ミメイ:「お、おかしいですよ!」思わず声を荒げる。
貴家ミメイ:「それ、ただの『友達』でいいんですよね?」萌葱センパイの手をぎゅっとつかむ。
綾瀬川萌葱:「ん、えっ」熱。汗。声音。苛烈な感情が皮膚を伝う。
綾瀬川萌葱:「……う、うん。大丈夫?貴家さん、どうしたの?」
貴家ミメイ:「わたし、アリアちゃんと付き合ってますから。ただの友達の人にそんなことしてもらう謂れはないです……」
貴家ミメイ:付き合ってるって、言葉にしたことはないけれど。たった一度キスをしただけだけれど。それでも、恋人のはずだ。
貴家ミメイ:「ご、ごめんなさい。萌葱センパイ……」
貴家ミメイ:「最近アリアちゃんと、あまり上手くいってなくて。つい気が立ってしまって。本当にごめんなさい……」
綾瀬川萌葱:「私もね? アリアちゃんとは、ちょっと昔からの友達なだけで……でも、気になっちゃったから」
綾瀬川萌葱:「”どうしてそんなに仲がいいのに、話すべきことを話さないままなんだろう”って」
貴家ミメイ:「色々と……事情があるんだと思います……わたしはアリアちゃんを信じてますから……」
綾瀬川萌葱:「信じる……?」
貴家ミメイ:「萌葱センパイもアリアちゃんとは本当に何もないんですよね。だったら、萌葱センパイのことも信じますので……」
綾瀬川萌葱:「……」声にならないほど小さな呻きが口の中に溶ける。
綾瀬川萌葱:「分からないことがあるままなのに、平気なの?それでいいの?」
貴家ミメイ:「平気、じゃないですけど……アリアちゃんが話すべきじゃないって、そう決めたなら……仕方ないじゃないですか……」
綾瀬川萌葱:握られた手を握り返すように、力が込められる。
貴家ミメイ:「……え」思わず気圧されそうになる。
綾瀬川萌葱:「それで……、それは…………」
綾瀬川萌葱:何を問えば良いのかわからないように、力だけがこもって。
綾瀬川萌葱:「…………ごめん」
貴家ミメイ:「怒ってる、んですか。それとも……」力のこもったセンパイの手を指先で軽く撫でる。
綾瀬川萌葱:「ううん。私もちょっと、大丈夫じゃなかったみたい……」脱力し、熱を帯びた顔を手で冷やす。
貴家ミメイ:「……言いたいことがあるなら言ってください」
貴家ミメイ:「わたしも、だいぶ言っちゃったので」
貴家ミメイ:「わたしに、どうして欲しいんですか。それとも、わたしをどうしたいんですか」
貴家ミメイ:少し気を落ち着けて、マットに腰を下ろす。
綾瀬川萌葱:「……ううん。私は……私は本当に」
城島桐子:「あら、綾瀬川さん……と、貴家さん?」
城島桐子:その時不意に、倉庫の扉が開いて城島が顔を覗かせる。
綾瀬川萌葱:「……あ。城島先生」
城島桐子:「二人してこんなところで何してるの~?姿が見えないから探しちゃった」
貴家ミメイ:「……行ってきてください。わたしは少し休んでますから」小声で言う。
城島桐子:「お取込み中だったかしら?ごめんね~…… 綾瀬川さん、ちょっといい?」
綾瀬川萌葱:「はい。……貴家さん、ありがとう」
貴家ミメイ:「いえ。また後ほど」小さく手を振る。
綾瀬川萌葱:マットから立ち上がり、ブルマの汚れをはたく。「夏目ちゃんのこと、ちゃんと伝えたからね」

城島桐子:一般的な学校の保健室とは一線を画した空間。壁は淡いクリーム色に塗られ、ところどころに絵画や花の装飾が施されている。床には柔らかいカーペットが敷かれ、歩くたびにほのかに沈み込む感触が心地よい。
城島桐子:部屋全体に漂うのは、ラベンダーやカモミールのアロマオイルの優しい香りだ。
城島桐子:「……何話してたの?」
城島桐子:カタン、と小さな音がして、保健室入口の掲示を、『保健室にいます』から『面談中です』に切り替える。
綾瀬川萌葱:「いえ……”本分”には支障のない話です」
城島桐子:「そう?」薬棚の隣、モダンなコーヒーメーカーから一杯注いで、綾瀬川に差し出す。
綾瀬川萌葱:「どうしてか、私ああいうのは上手くできなくって……でも、身体の方は順調ですよ」
綾瀬川萌葱:「先日は少し不具合があったように思ったんですけど」
城島桐子:「不具合?」
城島桐子:相談スペースの柔らかいソファに腰掛け、君には近くのベッドに腰を下ろすよう示す。
綾瀬川萌葱:「はい。ですが、それも自力で解消できました」
綾瀬川萌葱:「ただ、1年の夏目さんについては……少し気にかけておいた方がいいかと」
城島桐子:「夏目さん? 夏目アリアさんのこと?」
城島桐子:首を傾げる。女性的な起伏と曲線を描く長身に対し、やや幼さの残る顔立ち。
城島桐子:タートルネックセーターに羽織った白衣が揺れると、花のような甘い香りが漂う。
綾瀬川萌葱:白く均一なシーツが、少女の重みで縒れる。
城島桐子:「何か気になることでも?」
綾瀬川萌葱:「……”不具合”が発生していましたから」
綾瀬川萌葱:濃紺のカーディガンは、今や少女の身躯を隠さない。
城島桐子:「……そう。それは確かに気になるわね」
城島桐子:「こちらでも少し調べておくわ。それで……」
城島桐子:「“本分”の方は?」
綾瀬川萌葱:「……すみません」
綾瀬川萌葱:「余り、芳しくなく……目をかけるようにはしているんですけど」
城島桐子:コーヒーを机に置いてベッドに歩み寄り、
城島桐子:身を屈め、やや上を向かせるようにしてキスをする。
綾瀬川萌葱:「その、学校というコミュニティは、私の想像より────」
綾瀬川萌葱:口付けに、応じるように目を閉じる。
城島桐子:唇を重ねたまま、手櫛で梳くように黒髪を撫でて。
城島桐子:「……疲れた顔してるわね」
城島桐子:「いいのよ。まだ何日も経ってないでしょう?」
城島桐子:綾瀬川の頬に手を当て、前髪を指で払うようにして瞳を見つめる。
綾瀬川萌葱:慣れた態度だった。一度や二度ではない、当たり前の習慣と化している、そんな態度で。
城島桐子:「……ふふ」
城島桐子:「自分で脱げる?」
綾瀬川萌葱:「っぷ、は………はい。問題ありません」
綾瀬川萌葱:黒い髪が揺れる。青いリボンを解く。白いブラウスを解く。
綾瀬川萌葱:(先生は……)求めに応じながら、そのさなかも、(私が隠し事をしていたら、どう思うのでしょうか)僅かな逡巡が、脳裏をよぎっていた。



GM:判定はどうしますか?
綾瀬川萌葱:・『秘密』:貴家未明で!
綾瀬川萌葱:能力訓練社会を適用。
GM:OK
GM:・『秘密』:貴家未明 難易度:17 〈情報:FH〉
貴家ミメイ:わたし!?
綾瀬川萌葱:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 7[3,5,6,7,7]+1 → 8

貴家ミメイ:そ、そんな大した秘密ないよ~!
綾瀬川萌葱:だめでした 以上で
GM:あえなく失敗!
貴家ミメイ:こ、怖い!!

GM:次のシーン。シーンPCは貴家ミメイさんです。
貴家ミメイ:はーい!
貴家ミメイ:わたしは咲ちゃんと2人でお話して萌ちゃんとお付き合いしてるのかどうかをインタビューしたいです!
貴家ミメイ:あとは時間が足りればシーンの最後あたりでアリアちゃんに少しだけLINEを送りたい気持ちが少しあります
貴家ミメイ:判定は情報収集をしようかなと思ってるんですが、これは会話の流れでもしかしたら変わるかもです
GM:OKです 羽澄さんも大丈夫ですか?
羽澄咲:大丈夫です!
GM:それでは始めていきましょう!



貴家ミメイ:授業のない日の午後。
貴家ミメイ:2人で繫華街へと出かけた羽澄咲と貴家ミメイは買い物を終え、休憩がてら近くのハンバーガーチェーン店へとやってきていた。
貴家ミメイ:人は多くないもののそれでも店内はなかなかに賑やかだ。これならば少し会話が盛り上がっても周囲の目を気にする必要もないだろう。
貴家ミメイ:「咲ちゃん、今日はお買い物に付き合ってくれてありがとう」温かいカフェラテを一口飲んでから言う。
羽澄咲:「ううん~。あたしも春物見たかったから!」
羽澄咲:「それにこの限定バーガーも食べときたかったし……」 もごもごと頬を膨らませながら頬張っている。
貴家ミメイ:「お洒落なお洋服とか下着って自分で選んでもなんだかピンと来ないことが多いからすごく助かっちゃった」
貴家ミメイ:「そのハンバーガーも美味しそうだね」フライドポテトをちびちびと食べている。
貴家ミメイ:「……そ、そういえば咲ちゃんに聞きたいことがあったんだけど」どこか言いづらそうに話を切り出す。
羽澄咲:「うん!ポテトのお陰で食べ応えめちゃあるし、BBQソースが凄い合ってて……ん?」
羽澄咲:「なになに?人生相談?」
貴家ミメイ:「人生相談……まあ、最終的には人生相談に行き着くのかも……?」
貴家ミメイ:「も、もし聞かれたくないようなことだったら答えないでもらっても構わないんだけど……」
羽澄咲:「ほほう。悩める未明ちゃんの相談とあれば、大体のことは答えちゃうよ!」
羽澄咲:「なんでもどうぞ!」
貴家ミメイ:「そ、それじゃあ遠慮なく……」
貴家ミメイ:「さ、咲ちゃんって萌ちゃんとお付き合いしてるの!?」
羽澄咲:「へ?」 胸を張ったままきょとんとして。
貴家ミメイ:「ち、違う……?」
羽澄咲:「してないよ?」
貴家ミメイ:「そ、そうなんだ。ごめんなさい! それじゃあ、わたしの勘違い!」
貴家ミメイ:「この間のお風呂場での萌ちゃんの反応を見て、もしかしたらって思ったんだけどわたしの早とちりだったみたい」
羽澄咲:「ああー。もえちゃん照れ屋だよねぇ、別に初めてってわけでもないのに」
貴家ミメイ:「ほら、咲ちゃんが『いつもこれぐらいの距離でしょ』なんて言ってたから。普段から、その、裸でそんな距離になるような関係なのかなって……」
羽澄咲:「……あ、なるほど!確かにそうも取れるじゃん」
貴家ミメイ:「ごめんね! 変なこと聞いちゃって! 忘れてくれていいよ、咲ちゃん!」
羽澄咲:「あたし、普段話すときこれくらいじゃない?のつもりで言ってたや」
羽澄咲:「まあそれはそれで勘違いって訳でもないけど、そりゃもえちゃん照れるか。失敗失敗~」
羽澄咲:そう言うとまた幸せそうにバーガーをぱくついている。
貴家ミメイ:「そっか。それは当たり前だよねぇ……ん?」
貴家ミメイ:「……今、何か咲ちゃん、妙なこと言ってなかった?」
羽澄咲:「ん?そう?」
貴家ミメイ:「勘違いって訳でもないって……ごめん、またわたしの早とちりかもだけど……」
羽澄咲:「あっ。……えーっと」 思考の間がいくらか空いて。
羽澄咲:「ちょっと口が滑ったかもだから忘れてくれると嬉しいかも!」
貴家ミメイ:「あ、うん。咲ちゃんがそう言うなら……」
貴家ミメイ:混乱しながらそう答える。
羽澄咲:「ほら。あの時と一緒で大浴場で何度か一緒になったから初めてではないよねというかね!」
羽澄咲:「そういう感じです」 どういう感じかは具体的に言わない。
貴家ミメイ:「そ、そっか。そうだよね……。わたしがそういうことばっかり妄想しすぎなのかも。本当にごめん~!」
貴家ミメイ:何かを隠している感じがするな、とは直感的に感じている。なんだか最近こんなことばかりだ。
羽澄咲:「ふふ……まあ未明ちゃんもお年頃だもんねぇ」
貴家ミメイ:「お、お年頃って……!」
貴家ミメイ:「まあ、うん……お年頃です……」わずかに頬を赤らめる。
羽澄咲:「でしょ。見てても分かりやすいなーってくらい、ずーっとアリアちゃんにぞっこんじゃん」
貴家ミメイ:「わたしの方はね。向こうはどうだか分からないけど」小さく溜め息を吐く。
羽澄咲:「……ふむ。相談したいお悩みの核心はそこかな?」
貴家ミメイ:「核心というか……まあ、そうかも……」
羽澄咲:「前から思ってたんだよねぇ。アリアちゃん帰ってきたのに全然浮かれてないなーって」
羽澄咲:「むしろ溜息が一日平均で2.7回増えてるもん」
貴家ミメイ:「だって、アリアちゃん、わたしにずっと素っ気ないし。帰ってくることも知らせてくれないし。なのに他の子は知ってたし」
貴家ミメイ:「溜め息の数まで数えなくていいよ」苦笑。
羽澄咲:「ああ、美穂ちゃんは知ってたってこと?」
貴家ミメイ:「うん。まあ、そう……」
羽澄咲:「アレは美穂ちゃんもついさっきそこで聞いたーって言ってた気がするから、タイミングの問題だと思うけど」
貴家ミメイ:「だと、いいけど」
羽澄咲:「未明ちゃん的には、アリアちゃんの口から聞けなかった時点で納得がいかないと見た」
貴家ミメイ:「咲ちゃんって察しがいいなぁ」
貴家ミメイ:「……正直、寂しい。アリアちゃんはわたしに興味ないのかなって」
羽澄咲:「ふふん。こう見えて人間関係は詳しいので」
羽澄咲:「でも、うーん……未明ちゃんに興味ないってことは無いと思うけど」
羽澄咲:「既読無視、まだ続いてるんだっけ?」
貴家ミメイ:「無視だったり、たまに短い返信だったり、スタンプだったり」
貴家ミメイ:「だってさ。お風呂場でのお話の続きになっちゃうけど、わたしはアリアちゃんを見て少しドキドキしてたのにあっちは全然意識してないみたいだったし」
貴家ミメイ:なぜだろう。こんな風に愚痴を言うつもりではなかったのに、彼女を前にすると言葉がスルスルと出てきてしまう。
羽澄咲:「ふーむ。アリアちゃん、そもそも既読無視とかするタイプじゃないって思ってたんだけど」
貴家ミメイ:「前まではそうだったよ。だから、その、わたしよりも大事なものができたのかな、とか疑っちゃって」
羽澄咲:「んー……大事なものが出来たからって、未明ちゃんは大事じゃなくならないと思うけどなぁ」
羽澄咲:「こ~んな良い子をほっぽるなんて、出来なくない?」 よしよしと座ってる分普段より近い頭を撫でる。
貴家ミメイ:「だと、いいんだけど……。最近はずっと色々なことばっかり考えちゃって」アリアちゃんのことだけでなく、紅春センパイや萌葱センパイのこともだ。
貴家ミメイ:「いっそ浮気でもできれば気が楽なのかも」冗談めいて言う。
羽澄咲:「ふむ、浮気」 一つ頷いて。
羽澄咲:「なら、あたしと浮気してみる?」
貴家ミメイ:「何言ってるの、咲ちゃん」くすりと笑う。
貴家ミメイ:「それに咲ちゃんだって……あ、そうか。萌ちゃんとは別に付き合ってないんだっけ」
羽澄咲:「む、本気にしてないね?未明ちゃん」
羽澄咲:頭を撫でていた手をスッと頬に添え直して。
羽澄咲:「あたし、あたしと話した人に笑ってもらうの好きだから」
羽澄咲:「未明ちゃんが笑ってくれるなら浮気相手でもなんでもなるよ?」
貴家ミメイ:「そ、それ本気で言ってるの……?」彼女の手で触れられた頬が熱を帯びているのが分かる。
羽澄咲:「未明ちゃん、ずーっと暗い顔してるもん。アリアちゃんじゃないと笑わせられないのかなーって思ってたけど」
羽澄咲:「アリアちゃんが笑わせてあげないなら、あたしも出番あるかなぁって」
貴家ミメイ:「出番って……その。えっと、咲ちゃん。どこまでのことを言ってる……?」
羽澄咲:「ん?どこまでって?」
羽澄咲:「あたし、あたしが出来ることなら割と何でもする気だけど」
貴家ミメイ:「わたし、自分で言うのもなんだけど、結構依存しちゃうタイプというか……重めな気がしてる、んだけど……」
貴家ミメイ:「それでも、いいの、……?」ためらいがちに彼女を見る。
羽澄咲:「依存かぁ……あたし、いろんな子と遊んだり話したりは多分しちゃうんだけど」
羽澄咲:「それで未明ちゃんのことほっぽらないのは約束するよ!LINEもちゃんと返します!」
羽澄咲:選手宣誓!というように手を挙げて。
貴家ミメイ:「じゃ、じゃあ…………」自分の肩を抱くようにして視線を落とす。
貴家ミメイ:「キスしてって言ったら、できるの……?」
羽澄咲:「出来るよ?」 まるで遊びの誘いに乗るかのような即答。
貴家ミメイ:「少し、待ってもらえる……?」
貴家ミメイ:スマホを取り出してLINEを開く。
貴家ミメイ:つい先日、萌葱センパイにはアリアちゃんを信じたいと啖呵を切ったものの気持ちは今でも揺れ動いている。
貴家ミメイ:アリアちゃんに写真とメッセージを送る。
貴家ミメイ:彼女に送ったのは下着姿の自身の写真だった。咲ちゃんと一緒に選んだうちの一つを試着室で着た時のもの。
貴家ミメイ:写真の中の少女が着けているのはレースの繊細な模様が描かれた黒いブラジャーだ。
貴家ミメイ:微かに透けるその生地は、雪のように白い肌に寄り添い、滑らかな質感を際立たせていた。
貴家ミメイ:ブラジャーのカップに包まれた乳房は形良く、その膨らみは柔らかな陰影をまとい、光の加減で絹のような艶を帯びて見えた。
貴家ミメイ:少女は控えめな微笑みを浮かべていて、その表情には大人びた蠱惑さと、少女のような純粋な輝きが混ざり合っている。
貴家ミメイ:そんな、一枚の写真を『新しい下着買ったんだ。どう?』というメッセージとともに送る。
夏目アリア:時間帯もあってか、メッセージにはすぐに既読が付く。
夏目アリア:あるいはそのままスルーされるかと思ったが、返信はすぐに返ってきた。
夏目アリア:『急にどうした!?』
貴家ミメイ:「……は?」
貴家ミメイ:彼女から返ってきたメッセージを見て、苛立たしげな声が漏れ出た。
貴家ミメイ:「たった、それだけ……?」
夏目アリア:(流行りのソーシャルゲームのスタンプ)
夏目アリア:『未明、あんまりこういうことするタイプだと思ってなかったけど……』
夏目アリア:『似合ってるけど、あんまりこういうの送らない方がいいよ!誰かに見られたら大変だし』
貴家ミメイ:「そうじゃないよ」
貴家ミメイ:「そうじゃないよ、アリアちゃん……」
貴家ミメイ:わたしは。可愛いよ、とか。綺麗だよ、とか。言って欲しかったのに。
貴家ミメイ:返信もせず、スマホをテーブルの上で裏返しにして置く。
貴家ミメイ:「……咲ちゃん」
貴家ミメイ:真っ直ぐに彼女を見つめる。
羽澄咲:「うん」 一連の動きである程度察することは出来る。
貴家ミメイ:「キスして。お願い」
羽澄咲:「良いよ。じゃあ、未明ちゃん」
貴家ミメイ:「うん」
羽澄咲:またその頬に手を添えて、そっと身を寄せる。
羽澄咲:「目、閉じてて」
貴家ミメイ:そっと目を閉じる。暗い瞼の裏側に浮かんできたのは、誰の顔だろう。
羽澄咲:頬に添えられた親指が緩く唇をなぞる。そうして意識が惹かれたところを狙うように。
羽澄咲:柔らかな感触がその唇を覆った。
貴家ミメイ:唇が触れ合う。その柔らかな感触に、ここしばらく感じたことのなかった幸福感と――
貴家ミメイ:一筋の罪悪感を覚えた。



貴家ミメイ:このシーンでの行動は情報収集をするつもりだったんですが……
貴家ミメイ:ロイスの取得に変更します……
GM:OKです。
羽澄咲:わーい!
貴家ミメイ:羽澄咲さんにロイスを。ポジティブが幸福感。ネガティブが罪悪感。ポジティブが表です。
GM:羽澄さんからも取得できます。
羽澄咲:あたしから未明ちゃんへはポジティブ親愛、ネガティブ心配で取ります。ポジティブ表!
貴家ミメイ:嬉しい、です……
羽澄咲:あたしも!
貴家ミメイ:えへへ
貴家ミメイ:以上です!

GM:次のシーン。シーンPCは羽澄咲さんです。
羽澄咲:えーっと、呼びたい人は決まってまして
羽澄咲:あやちゃんセンパイを呼びたいです
綾瀬川萌葱:ひゃい!!!!
GM:OKです。
羽澄咲:で、やりたいことなんですが……まずPL視点の話をします
羽澄咲:この構成できた以上ロイス取るより情報開ける方に手番を使いたいんですよね まだ盤面上空いてない情報が多すぎるし
羽澄咲:ただ、ロイスが無さすぎると普通にロストや死が見えるので捨てすぎるのも怖い
羽澄咲:ということで、「綾瀬川さんのほしい情報をこのシーンで抜いて提供するので、次のサイクルで咲にロイス取ってもらえませんか?」という交渉を持ち掛けたいです
綾瀬川萌葱:な……なるほど……!
羽澄咲:ただ、この交渉はあくまでPLが持ち掛けたいものだしそちらも吟味の時間が欲しいのではと思うので
羽澄咲:このシーンのロール終わった後に交渉の答えと私の行動決めたいのですが、GMいかがでしょうか
綾瀬川萌葱:あ、じゃあ今のうちに一つだけ相談してみてもいいですか?
羽澄咲:お、どうぞ
綾瀬川萌葱:いただくのって咲ちゃん自身の秘密は選択できます?
羽澄咲:そこはですねぇ……アリです
綾瀬川萌葱:なるほどね ちょっと選択肢の一つとして考えておきます
綾瀬川萌葱:シンプルに色んな情報見てみたい欲もあるんだよな…
羽澄咲:で、この交渉はあくまでPL思考で持ちかけてるので
羽澄咲:これからやるシーンは咲があやちゃんセンパイに話したい!の気持ちでやるのでちょっと内容がズレるかもしれないです
綾瀬川萌葱:了解しました!
羽澄咲:という訳で長くなってしまってすみません、ロール入れます!
GM:OK!



羽澄咲:「たっだいま~!です!」
羽澄咲:寮の自室の戸を開けると同時、近所迷惑にならない程度の声をかける。
綾瀬川萌葱:「おかえり~。声量もにじゅーまる!」
羽澄咲:「ふふん!あやちゃんセンパイに怒られないラインはもうばっちりです!」
綾瀬川萌葱:「今日もどこかお出かけしてたんだ?」
羽澄咲:「はい!今日は未明ちゃんとお買い物でした!」 言いつつポシェットから小さな紙袋を取り出して。
羽澄咲:「これ、なんだと思います?」
綾瀬川萌葱:「はい!紙袋に見えまーす」
羽澄咲:「うーん、50点!」
羽澄咲:「こういう時は袋の中身を予想して答える物ですよ、センパイ」
綾瀬川萌葱:「ええっ」「これ以上完璧な答えはないと思ったのに……」
綾瀬川萌葱:そういうものかあ……とベッドから立ち上がって近づく。
羽澄咲:「ヒント1!とってもタイムリーな物です」
綾瀬川萌葱:「ふむ……貴家さんが好きなものとかかなあ」
綾瀬川萌葱:「確かニホンのお笑いが好きだって話してたような……それじゃなかったら可愛い下着……」
羽澄咲:「センパイの中の未明ちゃん像が気になる一言が聞こえたんですけど??」
羽澄咲:「でも残念ながらお笑いも下着も関係ないです」
綾瀬川萌葱:「そうだよね。ちょっとその紙袋ちっちゃめだもん」
羽澄咲:「じゃあヒント2!センパイへのプレゼントです」
綾瀬川萌葱:「あっ私への……プレゼント!?」
羽澄咲:「そう!」
綾瀬川萌葱:「えっと、じゃあ一個だけ候補があるかも」「ピアス……かな」
羽澄咲:「おお!ヒント3以降はお役御免ですね」
羽澄咲:「大正解~!正解はファーストピアスでした!」
羽澄咲:そう言って袋から飛び出したのは、特に飾りの付いていない銀色のピアス。
綾瀬川萌葱:「よ、よかった……お役御免にしちゃってごめんね、ヒント3……」
綾瀬川萌葱:なんとか、悪いよ~~~というリアクションを表に出さないことに成功した。純粋に嬉しかったからだ。
綾瀬川萌葱:友達からもらったピアス。校則違反なのはいただけないけど、お互いだけの絆みたいで……ちょっといい。
羽澄咲:「元々一個プレゼントの話はしてましたけど、実はピアス開けたての時は穴を安定させるためのピアスってのをした方が良くてですね」
羽澄咲:「その辺の話は実際に開けるときかなぁ~って思ってたら、センパイが意外と行動派だったので慌てて買ってきた、という訳です」
綾瀬川萌葱:「あ、やっぱりそういうものなんだね。この間確認したら、すっかり塞がっちゃってて」
綾瀬川萌葱:重たい髪をかきあげると、痕跡一つない白い耳が露わになる
羽澄咲:「ああー。まあでも、塞がったのなら不幸中の幸いですよ」
羽澄咲:「ちゃんと手入れをしないと傷が膿んじゃったりとかもあるそうなので……って」
羽澄咲:「本当にめちゃくちゃ綺麗に塞がってますねぇ。どこに開けたか分かんないくらい」
綾瀬川萌葱:「えへへ。私ももう分かんない」
羽澄咲:「じゃあもう一回開け直しかなぁ。ピアッサーも買ってこないとです」
羽澄咲:「にしてもセンパイ、校則違反って知ってあんなに慌ててたのに」
綾瀬川萌葱:「うん。羽澄ちゃんからの”それ”が初めてのピアスってことにしちゃおうかな」
羽澄咲:「意外と乗り気ですね?オシャレ、ハマっちゃいました?」
綾瀬川萌葱:「うーん……正直ね、そこはまだいただけないままなんだけど」
綾瀬川萌葱:「最近ちょっと、考えることが多くて。羽澄ちゃんからのプレゼントっていうのが普通に嬉しいんだ」
綾瀬川萌葱:「私のやってきたことも無駄じゃなかったのかなって、そう思えるの」
羽澄咲:「ふふ~。なら良かった!センパイが喜んでくれてあたしも嬉しいです」
羽澄咲:「ま、実はセンパイってあたしや皆の校則違反を怒るの、ちょっと楽しんでますもんね」
羽澄咲:「ちょっとくらいはする側に回るのも楽しめちゃうんじゃないですか~?」
綾瀬川萌葱:「な、なんですかその言い方……!人をまるで不真面目落第委員長みたいに!」
羽澄咲:「あっ、楽しんでるのは否定しないんですね?」
綾瀬川萌葱:顔をちょっと赤らめて、指をさす。「………はい!!!」
羽澄咲:「素直でよろしい!」
綾瀬川萌葱:「みんながリアクションをしたりしてくれるのは、嬉しくて……少し楽しんでる部分も……えへへ」
綾瀬川萌葱:伏せた目を戻して「まあ、でも」
綾瀬川萌葱:「それでもね。ルールを守らないのはダメだと思うよ」
綾瀬川萌葱:「規律っていうのは、意味があってそこにあるんだから。校則や寮の規定一つをとっても……」
綾瀬川萌葱:「私は本気で注意してるんだからね?」
羽澄咲:「ん~~。確かに、守らないといけないルールはあると思いますけど」
羽澄咲:「ね、あやちゃんセンパイ」 桃色の瞳がセンパイの薄い青の瞳を捉えて。
羽澄咲:「あやちゃんセンパイが守ろうとしてるルールは、あやちゃんセンパイを守ってくれますか?」
綾瀬川萌葱:「うん?どうしたの」さらりと黒い髪が靡いて。
羽澄咲:「いやあ……実はあたし、こう見えてとっても噂に聡いタイプで」
綾瀬川萌葱:「……うーん」眼と眼が合う。「なんだか、抽象的な質問ですね」
羽澄咲:「あやちゃんセンパイの隠し事、知っちゃったんですよね」
羽澄咲:にへへと、いつも通りの。緊張感や警戒心なんてまるでないような笑み。
綾瀬川萌葱:「隠し事……かあ。私、聞かれればほとんどのことは答えるつもりなんだけどなぁ」
羽澄咲:「む。あたし結構踏み込んだのに、しらばっくれるおつもりですか?」
綾瀬川萌葱:「身長、体重、スリーサイズ。甘いものはニガテ、好みのタイプは優しい人」
綾瀬川萌葱:「これ以外の、私についての”隠し事”を羽澄ちゃんが知ってたとして……」
綾瀬川萌葱:「それで、どうするつもりなの?」
羽澄咲:「どうするって……」
羽澄咲:「逆に教えてほしいですかね。あたし、センパイに何が出来ますか?」
羽澄咲:「あたし、心配なんですよ。だから散々止められたのにこうして踏み込んでるんですし」
羽澄咲:「この学校で委員長して、皆に怒って、ちょっと弄られて、でもそれをやってるセンパイは本当に笑ってるって」
羽澄咲:「本当に楽しいんだなーって、思うので。それなのに、このまま行くと笑えなくなっちゃいそうじゃないですか」
綾瀬川萌葱:「…………」
羽澄咲:「それはやです。あやちゃんセンパイが笑えないのも、紅春センパイが笑えないのも、未明ちゃんが笑えないのも」
羽澄咲:「誰が笑えないのも嫌なんです、あたし。そのために出来ることは何でもやれますよ」
綾瀬川萌葱:「じゃあ、羽澄ちゃんは」
綾瀬川萌葱:「私のために、みんなのことを裏切れるの?」
綾瀬川萌葱:困ったような笑顔だった。後ろめたいものを隠していることは明白、それでも取り繕ったときの笑顔。
羽澄咲:「ううん……それでセンパイが笑ってくれるなら一考くらいはしますけど」
羽澄咲:「センパイ、それでやったー!なんて喜べないですよね?」
羽澄咲:「それならピアスを贈る方がずっと良いって分かっちゃいますよ」
綾瀬川萌葱:「……そうかな。そうなったことがないから、分からないけど」
綾瀬川萌葱:「みんなが一緒になれたら、私はそれで嬉しいと思うな」
綾瀬川萌葱:「今よりは、絶対に嬉しい。私、さっき言ったことはそんなに冗談でもないよ」
綾瀬川萌葱:「……羽澄ちゃん。私のために、みんなのことを裏切ってくれませんか?」
羽澄咲:「……うーん」 珍しく、悩むような表情を一瞬して。
羽澄咲:「やっぱりダメです。あたし、センパイに笑顔になってもらいたいから」
羽澄咲:「センパイのこと大事にしてくれなさそうな人達に味方できません」
綾瀬川萌葱:「……羽澄ちゃんは厳しいね。私いま結構、笑顔から遠ざかっちゃってるけど」
綾瀬川萌葱:「それで他人に笑顔になれなんていうんだ」
羽澄咲:「うっ、そこ言われるとあたしも弱いというか……」
羽澄咲:「難しいなとは思うんです。センパイに笑顔になってもらうの」
羽澄咲:「何を選んでも多分、心の底から「ああよかった!」って笑うのは大分難しくって」
羽澄咲:「でも、センパイが今いるとこにずっと居たら、センパイはどんどん笑えなくなる気がしてます」
羽澄咲:「あやちゃんセンパイがあやちゃんセンパイとしてここに居るのがその証拠です。違います?」
綾瀬川萌葱:「……私のことを、本当に真剣に考えてくれてありがとう」
綾瀬川萌葱:「でもね。今をずっと続けていく方法もあると思うんだ……私たちは……私は、それが幸せってことなんだと思うんだ」
綾瀬川萌葱:「羽澄ちゃん、先に言っておくね」
綾瀬川萌葱:「ごめんなさい」
羽澄咲:「……なら、あたしも言っときますね」
羽澄咲:「あたしはそれでも、センパイに笑ってほしいです」



GM:判定が可能です。
羽澄咲:長々ありがとうございました……
羽澄咲:センパイ、交渉乗ってくれますか?
綾瀬川萌葱:乗ります。次サイクルでロイスを取ることを約束しますね
羽澄咲:ありがとう!欲しい情報はあたしの秘密ってことでOK?
綾瀬川萌葱:はい!なのでここは好きな行動をしてもらってOKです
羽澄咲:はーい じゃあそうだなぁ……
羽澄咲:未明ちゃんの秘密取りに行こうかな 笑ってもらうためにはリサーチが大事なので
貴家ミメイ:きゃー
GM:・『秘密』:貴家未明 難易度:14 〈情報:FH〉
羽澄咲:まずはマイナーでオリジン(サイバー)LV5!
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を2増加(60 → 62)
羽澄咲:コネ:FH幹部を使って判定で
羽澄咲:7dx+16
DoubleCross : (7DX10+16) → 10[1,1,6,7,8,8,10]+7[7]+16 → 33

GM:つえ~~
羽澄咲:ふふん ファンブル以外成功です
貴家ミメイ:あっさり抜かれちゃった
GM:ではお渡しします。
GM:お渡ししました。
貴家ミメイ:へへへ、あっしの秘密なんてそんな大それたものじゃありやせんよ、旦那……
羽澄咲:ふぅ~~~ん……?
羽澄咲:こんなこと隠してたんだぁ?
貴家ミメイ:きゃー、咲ちゃんのえっち
羽澄咲:未明ちゃんこそ!

GM:次のシーンです。シーンPCは日下紅春さんです。
日下紅春:先にシーン開始時の判定をしつつちょっと質問があって
日下紅春:サードウォッチは気付かれずに盗み聞きするエフェクトとかではなかった気がするので、サイクル1-3のやつを《鋭敏感覚》である程度感じ取っていたことにしてもいいですか?
GM:なるほど う~ん……
GM:知覚などで気付ける場合はルルブにそう書いてあるはずなので、基本的には対応できないと思うんですよね エフェクトで15点使ってるサードウォッチに対してイージーの鋭敏感覚で対応できるのもちょっと不公平に感じるので
日下紅春:はーい了解です
GM:監視カメラや小型機器等が動いてたことは察知しても大丈夫ですが、誰がやってたかまでは分からないくらいでしょうか
日下紅春:あっやった~ ありがとうございます
羽澄咲:それと、交渉に則ってあやちゃんセンパイに秘密を自分の秘密を譲渡します
日下紅春:シーンでやりたいことは、綾瀬川さんに夏目さんとミメイさんの仲を取り持つように三人で集まって軽く話した後
日下紅春:綾瀬川さんとお出掛けしたいな~って感じです
日下紅春:判定もしちゃお
日下紅春:日下紅春のHPを2D10(→ 11)減少(31 → 20)
日下紅春:(1+1)dx+5>=7
DoubleCross : (2DX10+5>=7) → 6[1,6]+5 → 11 → 成功

GM:お渡しします。
GM:お渡ししました。
日下紅春:なので開始は綾瀬川さんと夏目さんに登場してもらいたいな~と 大丈夫ですか?
GM:綾瀬川さんも大丈夫ですか?
綾瀬川萌葱:OKです!
GM:ではシーンを始めましょう。



日下紅春:その日はいつも通り学校のある日で、
日下紅春:だから急いだように綾瀬川萌葱を教室から連れ出した挙句、下級生の夏目アリアまでも引っ張っては
日下紅春:渡り廊下の先にある小さな陰へ集まるのはちょっとした耳目を集めていた。もっとも、下手人の顔を見ては納得したように一瞬の騒ぎで収まったが。
日下紅春:「急に連れ出してごめんね二人とも!」
日下紅春:ちょっとは悪びれた様子を見せ、手を合わせた横から片目で覗く。
夏目アリア:「いきなりどうしたんですか? 日下先輩~」上級生二人に呼び出されても、物怖じせず自然体でいる。
綾瀬川萌葱:「へぶっ」教室からずっとずりずり引きずられて、ちゃんと立たされたはずなのに土嚢袋じみて崩れ落ちる。
夏目アリア:「あーっ萌葱センパイ!」
綾瀬川萌葱:「いててて、理由くらい話してよ~……わっ!夏……アリアちゃんもいる」
日下紅春:「この前、萌葱と夏目さん……ええっと、アリアが昔から仲良しだって言ってたでしょう?」
日下紅春:「ちょっとミメイが元気なさそうだったから……どうにか!って思ったら」
日下紅春:「ほんとは伝言ゲームみたいに、仲を取り持つのを取り持って貰うのが良いんだろうけど」
日下紅春:「秘密に出来なくてついアリアも呼んでしまったのでした」
夏目アリア:「未明ですか? 萌葱センパイといい……先輩方に可愛がられてるんですね~、あの子……」
夏目アリア:「あの子、最近ちょっと変なんですよ」
綾瀬川萌葱:「貴家さん……がね。そうだね、元気なさそうだったし……」
綾瀬川萌葱:「え、変?」
日下紅春:「ため息がどんどん加速してるだけじゃなくて?」
日下紅春:「あ、でも昨日はちょっと収まってたかも」
綾瀬川萌葱:(自撮りがどんどん過激になっているだけじゃなくて?)
綾瀬川萌葱:(最近少し更新が落ち着いているけど)
夏目アリア:「はい。前は一日中LIMEしてきたのに、最近は日に10回くらい……まあそれはいいんですけど」
夏目アリア:「この前なんて、急に下着姿の写真送ってきて……」
夏目アリア:「急にどうしたの?って聞いても返信なくて……」
綾瀬川萌葱:「わ~。ついにそっちの方にもいったんだ……みんな進んでるなあ……」
日下紅春:「ええっ!……すっごい単刀直入に聞くんだけど」
日下紅春:「アリアってもうミメイと付き合ってるの?それとも片思い?」
夏目アリア:「え、う~~ん……」考え込んで
夏目アリア:「どうなのかな。付き合おうって言ったことはなかったけど……」
夏目アリア:「あ、でも一回キスはしましたよ」
日下紅春:「一回だけ?」
夏目アリア:「はい。アイスランドに居た頃だから、結構前だし……」
夏目アリア:「それから私も忙しくなっちゃって、何となくなあなあな感じっていうか……」
日下紅春:「ミメイはさ、好きな娘と触れ合いたい……って想ってたみたいで」
日下紅春:「私には、それは当然叶えられないし」
日下紅春:「それに、こうやってアリアともどんどん仲良くなってるから」
日下紅春:「私は、ミメイだけじゃなくて二人が良いって思える先に辿り着ける方が嬉しいな」
日下紅春:「萌葱もそう思うよね?思うよねっ」
綾瀬川萌葱:「そうだね……ねえ、アリアちゃん。貴家ちゃんはアリアちゃんのこと信じてるって、そう言ってたよ」
夏目アリア:「え……そうなんですか……?」目を瞬いて
綾瀬川萌葱:「知りたいことも聞きたいこともいっぱいあるけど、我慢してるんだって」
綾瀬川萌葱:「アリアちゃんが言ってくれるのを待ってるって、そう言ってたからさ」
日下紅春:「はいはい!じゃ、行った行った!」
日下紅春:強引にアリアの背を押すように進むと、ちょうど予鈴の鐘も鳴り出した
夏目アリア:「わぁっ、ちょっと、先輩!?」
綾瀬川萌葱:「私も正直、きみたち二人は会って話せばもう解決だと思うからさ~」
綾瀬川萌葱:楽天的な笑顔で、連れ立って背中を押す。
日下紅春:「むー」
日下紅春:「早く行くのよ!なんなら授業サボってでも今から!」
夏目アリア:「わ、分かりました!話しますから!押さないで~~!」
夏目アリア:二人に背中を押された勢いのまま、一年生の教室の方へ走っていく。
日下紅春:逃れるような駆け足になったのを満足げに、手を放してその背を見守る。
日下紅春:「これで一件落着……に、なるといいな」
日下紅春:「あ、萌葱にも仲裁頼んだんだからいい感じに手伝ってあげてよね」
綾瀬川萌葱:「えへ、了解で~す」へにゃり、と敬礼じみたポーズをとって
綾瀬川萌葱:「でも、学校での様子を見る感じ……二人ともちょっとタイミングがずれちゃってるだけな気がするんだよね」
日下紅春:がし、とその額に当てた腕を掴む
日下紅春:「ま、一番大切なそこは後輩たちに任せましょう」
綾瀬川萌葱:「だから……ってうわっ力づよい!」
日下紅春:「じゃ、萌葱」
日下紅春:また同じようにズルズルと引き摺って
日下紅春:「私たちもデートしよっか」
綾瀬川萌葱:「うん、移動教室の準備……」
綾瀬川萌葱:ずりずり引きずられて、校舎へと引き込まれる。「……準備~?」
日下紅春:「ごーごー、遊園地!」
綾瀬川萌葱:「えっ、ちょっと!────日下ちゃん!? でーとって?遊園地ってどういうこと……!?」
日下紅春:──
日下紅春:学園と街を結んだ反対側にある、郊外の遊園地。中ぐらいの大きさ。
日下紅春:それなりの人だかりとは言えるものの、流石の日中だけあって何一つ憚る必要もないくらいに遊び尽くした。
日下紅春:「どこ行く?どれ乗る?」なんて一切聞いてはくれず
日下紅春:メリーゴーランドは1周どころか10周を軽く超えた辺りで萌葱が馬にへばりつくのも大変そうな様子を見せ
日下紅春:パフォーマンスショーの客席に座って、限定フレーバー2種のドリンクとお菓子を交換し合い
日下紅春:ジェットコースターは最初はそれはもう綺麗なまでの絶叫が、いつの間にか段々と軽やかな涙交じりの笑顔が零れるのを
日下紅春:ずっと横で、あるいは手を引っ張った先で。楽しそうに見つめていた。
日下紅春:──昼は空が明るいから、その間だけは ずっと続くように感じてしまうけれど
日下紅春:夕焼け色に覆われた途端に 今度は
日下紅春:過ぎ去った時間をどれだけ長く感じたかだなんて焦ったように数え出す。
日下紅春:日が落ちてしまうほんの一瞬前の観覧車は、
日下紅春:そんな寂しい幸福で満ちていた。
日下紅春:「あー楽しかった!」
綾瀬川萌葱:「……遊び尽くしたことになってる!!」
日下紅春:「え、楽しくなかった?」
日下紅春:くすくすと笑う。
綾瀬川萌葱:観覧車内部。体感したことのない疲労感を感じながら。
綾瀬川萌葱:首からは塩味のポップコーンを下げ、頭にはカチューシャを載せて、両手にはチキンとLLサイズのドリンクが握りしめられている。
日下紅春:少し古びた筐体なのか、がたりがたりと風にあおられ揺れている。
綾瀬川萌葱:「いや……すっごい楽しかったけれど……」
日下紅春:「……めっちゃ満喫してるじゃん!」
綾瀬川萌葱:「校則違反とかいうレベルじゃありませんよ! 無断外出! 無連絡! その上ユウエンチって!」
日下紅春:語気の強さとは裏腹に、笑みに満足げな色がぱああと足される。
日下紅春:「一回は委員長もこういう経験した方がいいって。ねっ」
綾瀬川萌葱:「お、お金とか大丈夫かな……カード貰ってるから足りるとは思うんだけど……」
綾瀬川萌葱:夕焼けの赤みが顔を照らし、橙色の肌がそちらを向く。
綾瀬川萌葱:「そのためだけに、ここまで連れ出したの?」
日下紅春:「そこはちゃんと払ってあげるからお姉さんに任せなさい」
日下紅春:「ううん?ほんとに行きたかっただけだよ?」
日下紅春:ぐ、っとのびをしようとすると、どこか痛んだのか顔を顰める
日下紅春:「ううーーん、でもそうだなあ」
日下紅春:じわ、と黒い制服の腹が濡れるように黒が染み出し
日下紅春:はらりはらりと掲げた腕の包帯がほどけ出す
日下紅春:「あ」
日下紅春:その腕は血とも焔ともつかない赤だった。赤黒さと赤白さは相反するのだから、
日下紅春:どっちでもない赤。似ているなら、今のような夕焼けのように透明な赤。
綾瀬川萌葱:「……日下ちゃん」
日下紅春:「えへへ?聞かなくてもいいよ」
日下紅春:「そういうの、何となく嫌いそうだし」
日下紅春:お風呂では隠したんだけどなー、なんて
綾瀬川萌葱:「ううん。ほら、手を貸して」
日下紅春:「でも多分、気付いてると思うんだ」
日下紅春:「みんな優しいから言ってくれなかっただけで。バレバレだしね、包帯」
日下紅春:「だから言ってくれなかったのは、ってことだけは。私も推測出来たんだ」
綾瀬川萌葱:(両腕は埋まっていたはずだが)取り出した救急箱の中から、白い包帯を手に取る。
綾瀬川萌葱:てき、ぱきと。それなりに手慣れた手付きでそのアカを覆っていく。
日下紅春:やんわりと受け入れなながら
日下紅春:かがむように、重なるように、耳元で囁く。
日下紅春:綾瀬川萌葱に自分の『秘密』を譲渡します
GM:綾瀬川さんに日下さんの『秘密』をお渡しします。
日下紅春:「私は、あなたが誰なのかはわからないけど」
日下紅春:あなたが一緒のみんなが好きだから、と
日下紅春:「みんなのために、私を裏切ってね」
綾瀬川萌葱:「…………」
綾瀬川萌葱:きゅ、ときつく結んで、包帯を巻き終わる。
日下紅春:「……そんな心配そうな顔しなくても大丈夫」
日下紅春:紡がれそうになる口を、そっと蓋をして止める。放し、ぷは、と息が漏れる。
日下紅春:「あなたのことをもっと知りたいから、本当は傷つけて仕舞いたいけれど」
日下紅春:そういう生き物だから、と
日下紅春:「あなたのことを忘れたくないから、絶対に傷付けたりしないわ」
綾瀬川萌葱:「……日下、ちゃん……」
日下紅春:「私は守りたいな。みんなを」
日下紅春:「誰からも。私からも」
日下紅春:「あはは……」難儀そうに
綾瀬川萌葱:「……こんなの、私、どうしたら」
綾瀬川萌葱:声は聞こえている。頭の中に入ってこない。知った事実が、あまりにも大きく……それだけではなく。
日下紅春:「だから、いつも通りでいいって。萌葱は」
綾瀬川萌葱:「違うの」
綾瀬川萌葱:「私、全然……日下ちゃんのこと、キライになれない……」
日下紅春:「なんで?それでも良かったのに」
綾瀬川萌葱:ぐ、と倒れ込むように、体に縋り付く。
綾瀬川萌葱:「私だって、そう思ってるよ……!」
日下紅春:「も、萌葱……?」縋りつく腕が、いつもより力強くて
綾瀬川萌葱:「でも、なんでだろう……!? 私、本当に、本当に、本当におかしくなっちゃったのかな!?」
日下紅春:「……おかしいのは私だけ。萌葱はいつも」
日下紅春:「優しくて、立派で、ちょっと小うるさくて」
日下紅春:「いい子、なのに……」
日下紅春:「……ううん、違うね」
日下紅春:「いい子でいようと、頑張ってるもんね……」
綾瀬川萌葱:「違う、違うよ……! そう、言ってもらえるのは嬉しいけど! 全然ちがうもん!!」
綾瀬川萌葱:「羽澄ちゃんの、時も……」
綾瀬川萌葱:「なんでだろう、私……全然思い通りにならなかったのに、イヤじゃなかったんだ……」
日下紅春:「うん……」
日下紅春:「みんな全然思い通りにならなくて、勝手なことして」
日下紅春:「世話焼いて、優しくしてくるから。困っちゃうよね」
綾瀬川萌葱:「……どうして……どうしてなんだろう……なんで」
綾瀬川萌葱:「あなたを殺すしかないって……頭では……分かっているのに……」
綾瀬川萌葱:紅い空が、世界に交じる。青も赤も、等しく綯い交ぜになったこの場所で。
綾瀬川萌葱:「なんで、日下ちゃんを、嫌いになれないの……」
日下紅春:「私たち、矛盾してるね」
日下紅春:「ヒトのそれは自然の証だけど。転倒して、倒錯してる」
日下紅春:「仮面がふたつあるみたい──心が、ふたつなければよかったのに」



GM:日下さんは行動が可能です。
日下紅春:ロイスを取得します
GM:OKです。綾瀬川さんからも取得できます。
日下紅春:私の方からは 綾瀬川萌葱 ○幸福感/哀れみ で!
綾瀬川萌葱:日下紅春 ○親愛/敵意 で取得します

GM:次のシーン。シーンPCは夏目アリアです。
夏目アリア:貴家さんに登場して貰います。
貴家ミメイ:えっ、あっ、はい!



GM:寮の一室、貴家ミメイの自室。
GM:折しもルームメイトの日下が外出中のため、部屋には夏目アリアと二人きり。
GM:防音された建築は外の喧騒も届けず、室内にはしんとした静けさが満ちていた。
貴家ミメイ:「ええっと。急にどうしたの、アリアちゃん……?」どこか居心地が悪そうにしながら膝を抱えて座っている。
夏目アリア:「……なんか……」
夏目アリア:「久し振りだね。未明とこうやって話すの」
夏目アリア:「二人きりでさ」
貴家ミメイ:「そう、だね。最近なかなかタイミングが合わなかったもんね」
夏目アリア:「うん……」視線をカーペットに落として
夏目アリア:「あの、さ」
夏目アリア:普段の快活な様子からは殆ど見られない、歯切れの悪い様子で。
貴家ミメイ:「う、うん。何かあったの……?」不安そうに彼女を見る。
夏目アリア:「萌葱センパイから……聞いたんだよ」
夏目アリア:「ミメイがさ、私のこと……信じてくれてるんだって」
貴家ミメイ:「聞いたって、えっと……あ」
貴家ミメイ:その言葉を聞いた途端に罪悪感が押し寄せてくる。
貴家ミメイ:「い、言ったね。うん。萌葱センパイに……」
夏目アリア:「それ聞いてさ……私、思ったんだ」
夏目アリア:「私……最悪なヤツだなって」
貴家ミメイ:「そ、そんなことないよ! アリアちゃんが悪いことなんて何もないでしょ……!?」
夏目アリア:「違うの」
夏目アリア:かぶりを振って。
夏目アリア:「違うんだよ、未明」
貴家ミメイ:「違うって……」
貴家ミメイ:「な、何。どうしたの……?」
夏目アリア:「だって、私……」
夏目アリア:「キミに、ずっと言ってなかったことがあるんだ」
貴家ミメイ:「それは……」人の気配がないのを確かめてから言う。
貴家ミメイ:「お仕事上の機密で言えない、とかじゃなくて?」
夏目アリア:「……」YESともNOともつかない沈黙があって。
夏目アリア:「……本当は、ずっと黙ってるつもりだったんだ」
貴家ミメイ:「ずっと、って……」
貴家ミメイ:「何があったの。アリアちゃん……」
貴家ミメイ:彼女の手を優しく握る。
夏目アリア:「でも、ミメイが私のこと、信じてくれるなら……」
夏目アリア:「私は……それを裏切りたくない」
夏目アリア:「私も、未明を信じたい」
夏目アリア:「だから……」
夏目アリア:自身の『秘密』を貴家さんに譲渡します。
貴家ミメイ:こ、ここで!?
貴家ミメイ:「…………」アリアちゃんの告白を聞き、血の気が失せる。
貴家ミメイ:「違う。違うよ、アリアちゃん……」
貴家ミメイ:「最悪なのはわたしだ……」
貴家ミメイ:つうっ、と涙を流す。
夏目アリア:「未明……?」
貴家ミメイ:「ずっと、ずっと苦しんでたね。たった一人で」
夏目アリア:「そんな……」
夏目アリア:「そんな資格無いでしょ、だって、ずっと未明のこと騙して……」
貴家ミメイ:「わたし、そんなアリアちゃんの気持ちも知らないでとんでもない裏切りをした」
夏目アリア:「裏切り……?」
貴家ミメイ:「うん。だから……許して、なんてとても言えないけど……」
夏目アリア:「よ……よく分かんないけど落ち着きなよ未明、ほら、いい子いい子……」
夏目アリア:身を寄せ、抱き締めて背中をぽんぽんと撫でる。
貴家ミメイ:「も、もう。子供じゃないんだから……」くすぐったそうに笑う。
夏目アリア:「あのさ……未明、今の話……変だと思わなかった?」
夏目アリア:不意に声色を変えて言う。
貴家ミメイ:「変って……そりゃあいきなりのことでアリアちゃんはビックリしただろうけど……」
夏目アリア:「そうじゃなくてさ」
貴家ミメイ:「…………?」
夏目アリア:「未明、最近の私が既読スルーしたり、時々しか連絡返してくれなかった……って言ってたでしょ」
貴家ミメイ:「う、うん。だって、最近はずっとそうだったでしょ?」
貴家ミメイ:「……あ」
夏目アリア:「……」
貴家ミメイ:「それ。誰が返信してたの……?」
夏目アリア:未明の目を見て、険しい顔で頷き────
GM:その時、貴家の端末に着信が入る。
貴家ミメイ:「……もう、こんな時に」スマホを横目で見る。
GM:発信元は“ペルシステンシア”。要件は……
GM:“サヴェジ・ルナリア”の、緊急招集だった。



GM:シーン終了。



GM:集合シーン
GM:全員登場です。
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加(62 → 67)
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加(73 → 78)
貴家ミメイ:58+1d10
DoubleCross : (58+1D10) → 58+3[3] → 61

綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加(76 → 82)



GM:“サヴェジ・ルナリア”が所持しているセーフハウス。外部の目の届かない室内に、セルの面々は集められていた。
GM:通常の招集は、各々の都合を鑑みて事前に、主に深夜に行われる。こうして唐突に緊急招集が入るのはかなり珍しいことだ。
“ペルシステンシア”:「揃ってるね。早速本題に入るよ」
“ペルシステンシア”:鷺の仮面の女が、ノートPCの画面を君たちに見せる。
“ペルシステンシア”:「先日UGNから奪取したデータ、重要な部分の解析が済んだ」
”ピーク・ア・ブー”:「……こんな突然の招集だなんて」異形のカモノハシの面の少女が文句を言いながら画面を見る。
"プロムルージュ":「この前頂いちゃったやつだ!教えてくれないんじゃなくて解析が終わってなかったのね」
“ペルシステンシア”:「まず、これが今まで握ってた情報に、多少の追加を施したもの」

表層情報

・情報:“トプシー・ターヴィー”
斎庭市のUGNチルドレン。配属されてから日が浅く、また主に諜報を担当するようで、“サヴェジ・ルナリア”と交戦したのも数回程度。
ここ最近は特に全く見かけることがない。
戦闘においては、エンジェルハイロゥによる光学的な映像投射や迷彩化で相手を翻弄する。

・情報:“リガード”
斎庭市、御樋代女学院に潜入中とされるUGNチルドレン。
データに名前はあるが、“サヴェジ・ルナリア”は接敵したことも名前を聞いたこともない。
著しくデータが少ないところから察するに、“リュッケンフロッセ”らとも別行動だったのではないかと見られる。

・情報:“レランパゴ”
斎庭市のUGNチルドレン。
自身の肉体を雷に変換するブラックドッグ能力者であり、攻撃のみならず防御に関しても強力。単純な出力で言えば御樋代女学院周辺のオーヴァードでもトップクラス。
戦闘に際しては言葉数も少なく冷静に見えるが、やや功を焦り深追いする傾向にあり、“リュッケンフロッセ”に咎められる一幕が時折見受けられる。

・情報:“マキャヴェリテラトーマ”
斎庭市のUGNチルドレン。
“サヴェジ・ルナリア”と接触したことはなく、情報は皆無に等しいが、御樋代女学院に潜伏中のようだ。
UGNの推進する何らかの計画において強力な能力を発揮するらしく、大きな戦力であることは確からしい。

・情報:“リュッケンフロッセ”
斎庭市のUGNエージェントであり、御樋代女学院に潜入中と見られる。
御樋代女学院周辺で活動するUGNの実質的リーダー。戦闘時には非常に苛烈な様子を見せるが、判断や戦術眼は至って冷静で引き際も誤らないが故に、“サヴェジ・ルナリア”にとっては厄介な敵。
頭部を変化させ尾を生やす獣化の姿からワニのキュマイラ能力者と見られてきたが、データによれば実際に保持しているのは絶滅種であるスピノサウルスの因子のようだ。
“ペルシステンシア”:「ここまでは表層程度。で、このデータが中層から見つかった」

・情報:ベロニカ計画

一部のUGN改革派が水面下で推進中と見られる、極秘の計画。
オーヴァードの存在が受容された一般社会を形成し、現状維持に回されているリソースを再分配することでUGNの円滑な管理を目指す計画。
情報統制と大規模な記憶処理を始めとした強権的なアプローチが検討されており、UGN内部でも評価が著しく分かれているようだ。

"ルークレス":「……」 無言で表示されたデータを見下ろしている。その感情は仮面に遮られて伺えない。
“ペルシステンシア”:「そして……」
“ペルシステンシア”:「深層から、このデータがサルベージできた」
”ピーク・ア・ブー”:「これよりもさらに詳細なデータが……?」
”キャラヴェルマキアート”:「……」半分の狐面を被った少女が眉根を寄せる。

『秘密』:城島桐子

城島桐子の正体は“リュッケンフロッセ”だ。
UGN側の指導者であり、ベロニカ計画に賛同する実行役にして、チルドレンの監視役。
御樋代女学院を計画の格好の実験場として考えており、実験を本格的に開始する前に、FH側の勢力を炙り出そうとしている。
チルドレンを手懐け支配するべく肉体関係を強制してきたが、養護教諭として長らく潜伏する内に徐々に絆されつつあり、計画より彼女らを優先してしまう意識が芽生えつつある。それ故エージェントとしての戦闘時にはスイッチを切り替えるべく苛烈に振舞っている。

『秘密』:高枝美穂

高枝美穂の正体は“レランパゴ”だ。
“レランパゴ”はベロニカ計画の実験体として派遣されたチルドレンであり、UGN内でもかなりのエリートだ。
孤児でありオーヴァードである自分にはUGN内での出世しか道が無いと考えており、その為ならば何でもする覚悟を決めている。
同じ立場で派遣されたもう一人のチルドレンに強いライバル意識を持っており、絶対に負けたくないと考えているようだ。

“ペルシステンシア”:「もう緊急招集の意味は分かったね」
“ペルシステンシア”:「本日これより、“リュッケンフロッセ”──」
“ペルシステンシア”:「城島桐子を襲撃する」
”ピーク・ア・ブー”:「お、お待ちください」
”ピーク・ア・ブー”:「何の策もなしにUGNのエリートエージェントを強襲するのはあまりに危険では……!」思わず声を荒げる。
“ペルシステンシア”:「策?策ならまさにこれだろう?」
“ペルシステンシア”:「先手を打っての単独への奇襲。これより勝率が高い策なんてそうそう打てるかな」
“ペルシステンシア”:「そもそも、まだ学院に留まっていること自体悠長と言っていい状況なんだ」
“ペルシステンシア”:「普通なら突破に半年以上は掛かるセキュリティだったが……まあ僕は普通じゃないからね」
”ピーク・ア・ブー”:「そ、それは……おっしゃる通りではありますが……」それ以上の反論もできずに口ごもってしまう。
"ルークレス":『……"ピーク・ア・ブー"に一票』
"ルークレス":『仮に油断があるとしても、向こうもこの情報がこちらに渡る可能性を一切加味しないほど馬鹿じゃない』
"ルークレス":『勇み足で奇襲に行ったところを返り討ち、なんて笑い話にもならない』
”ピーク・ア・ブー”:仮面の下で意外そうな顔をして彼女の方を見る。彼女はセルリーダーの命令には必ず従うものと思っていた。
"ルークレス":『"リガード"に"マキャヴェリテラトーマ"なんて見覚えのない名前もある。5VS1のつもりが5VS4になったら勝率なんて容易に引っ繰り返るでしょう』
"プロムルージュ":「とっくに脱出スイッチの用意をしてたりして。ま、それならそっちの方が楽なんだけど」
“ペルシステンシア”:「ではどうするね?」
“ペルシステンシア”:「君の意見が正しかったとして、今後状況は悪化する一方じゃないか?」
“ペルシステンシア”:「更に増援が派遣される可能性もある。今仕掛けるのが最も勝率が高いと思うがね」
"ルークレス":『……』 沈黙。"ピーク・ア・ブー"の感じた通り、そもそも彼女が指示に異論を挟もうとすること自体がイレギュラーだ。
"ルークレス":悪態や皮肉を漏らすことはあれど、指示に背くことは無い。ある意味このセルで最も従順とも言えるのが普段の彼女の姿勢のはず。
“ペルシステンシア”:「ふむ」セルメンバーの顔を見渡して「それとも何か」
“ペルシステンシア”:「他に戦いたくない理由でもあるのかな」
”キャラヴェルマキアート”:「”ルークレス”、きみらしくもない」
”キャラヴェルマキアート”:「……ここは決議を採るような、場面なのですか?」
”キャラヴェルマキアート”:沈黙を続けていた狐面が口を開く。「意見が必要ならば。私は、”ペルシステンシア”に票を投じる」
”ピーク・ア・ブー”:「……わたしにはこれ以上の異論はありません。納得はできましたので、“ペルシステンシア”の指示に従います」
”ピーク・ア・ブー”:“ラズマタズ”を視界の端で見る。彼女がいる以上、ここで事を荒立てるのも得策とは言えない。
“ラズマタズ” :「あたしも賛成ー。どの道野放しに出来ないでしょ、あいつら」
"ルークレス":『……半数に達した時点で私の票に意味はない。指示に従う』
"プロムルージュ":「はいはい、行きますよ~」面倒そうに
"プロムルージュ":「どうせ誰か一人でも行くなら着いては行くつもりだったし。だから誰も言い出さなかったほうが楽だったけど」
“ペルシステンシア”:「決まりだね」
“ペルシステンシア”:「行くよ。“サヴェジ・ルナリア”はこれより、“リュッケンフロッセ”を襲撃する」



GM:時刻は夜。既に日は落ち、半分の月が御樋代学園の庭園を照らしている。
GM:賑わう生徒の影も無い、無人の校庭。校舎裏、職員用駐車場に城島桐子の姿はあった。
GM:一日の職務を終え、疲れた顔だ。愛車であるミニクーパーの鍵を開け、扉を開けて乗り込もうとして──。
城島桐子:「……はっ?」
城島桐子:開こうとした扉が、溶解したように車体と融合している。
城島桐子:鋼鉄の車体に脈動する血管のようなものが走り、完全に変質している。
城島桐子:「なん……」
“ラズマタズ” :「今」
”キャラヴェルマキアート”:「”リュッケンフロッセ”────」
”キャラヴェルマキアート”:常の通り、先陣を切っていた。月明りを受けた黒い触手は彼女の影のように射していた。
城島桐子:「……!」
”キャラヴェルマキアート”:脈動する車体が飴細工のように引きちぎられる。
”キャラヴェルマキアート”:その断片は、黒の触手と融け合い。
”キャラヴェルマキアート”:刃の嵐となって────追撃を構えるFH達へと、牙を剥く。
”キャラヴェルマキアート”:「敵襲です・・・・
“ラズマタズ” :「な……ぐぅっ!?」
“ラズマタズ” :車体の破片と触手に弾き飛ばされ、血飛沫が散る。
”ピーク・ア・ブー”:「”キャラヴェルマキアート”……!? 何を……!」支援砲火を開始しようとしていた三機のドローンがうろたえるようにその場で滑空する。
”ピーク・ア・ブー”:「“ラズマタズ”……!」日本刀を構えて彼女をかばいに駆け寄る。
"プロムルージュ":「──っいっせーの!」
"プロムルージュ":少し遅れて、引きちぎられ残っていた断片のもう半分が上から飛来した。
"プロムルージュ":不格好な盾として射線を遮るも、後ろは既に手傷を負ってしまっていた。
"ルークレス":『……』 後方に控えていたため難を逃れている。驚く様子もない。
城島桐子:「……。……そのようね」“キャラヴェルマキアート”を一瞥し、《ワーディング》を展開する。
“ペルシステンシア”:「……おいおい」
“ペルシステンシア”:“ルークレス”の更に後方から、飽きれたような声を上げる。
“ペルシステンシア”:「一応訊こうかな……」
“ペルシステンシア”:「何のつもりだい?」
”キャラヴェルマキアート”:「……先に言っておいたんだ、"ごめんなさい"って」
”キャラヴェルマキアート”:「私は嘘しか吐かなかったから」
"プロムルージュ":「こうなるかもっていうのは、うん。ちゃんと考えてはなかったけれど」
"プロムルージュ":「こうなってしまった場合の相手は、あなただったんだね。"キャラヴェル"」
”キャラヴェルマキアート”:もう不要になった仮面を叩き割る。
”キャラヴェルマキアート”:「ううん。」
”キャラヴェルマキアート”:「私のコードは”マキャヴェリテラトーマ”」
”ピーク・ア・ブー”:「……え、嘘。その顔って――」息を飲む。
"ルークレス":溜息を一つ。5VS4でも済まないだろうと、予測はしていた。
"ルークレス":最悪なのは敵が増えることではない。味方が減ることでもない。
"ルークレス":最初から味方は5ではなかったと、こうして明かされることだった。
”マキャヴェリテラトーマ”:「ベロニカ計画のために調整デザインされた、UGNチルドレンで……」
”マキャヴェリテラトーマ”:「あなた達の敵」
”マキャヴェリテラトーマ”:秘密を公開します。
”ピーク・ア・ブー”:!!!!?
GM:了解しました。

『秘密』:綾瀬川萌葱

「綾瀬川 萌葱」という生徒が御樋代女学院に入学した事実はなく、過去の公的な記録は捏造されたものだ。
彼女は半年前に突然御樋代女学院に現れている。にも関わらず、学園の人間はあなたも含めて、彼女の存在に疑問を持っていない。
例えば、あなたが所持する古いアルバムや集合写真に彼女の姿を認めることはなく、彼女と過ごした昨年度の思い出を整合性のある形で振り返ることは出来ないが、今までその事実を異常と気付くことはなかった。
この『秘密』を獲得したオーヴァードは、シーン中に一度、難易度:12の〈意志〉もしくは〈情報:裏社会〉の判定を宣言することができる。
この判定に成功した場合、「綾瀬川 萌葱」の真のキャラクターシートを入手する。
GM:キャラシートも公開しますか?
”マキャヴェリテラトーマ”:します。今言ったようなものですので。
”ピーク・ア・ブー”:な、なんてことだ……
GM:では真のキャラシートはこちらになります。
GM(キャラシート)
貴家ミメイ:み、見るのでちょっと時間をください……!
”マキャヴェリテラトーマ”:先に謝罪しておきます。長いです!
“ペルシステンシア”:「“マキャヴェリテラトーマ”……」
“ペルシステンシア”:「覚えてるよ。何年か前、UGNと協働してたデカい技術系セルを単独の暴走事故で潰したチルドレン」
“ペルシステンシア”:「当時そのあおりで苦労させられたもんだ。まさか張本人がこんな近くに居ただなんてね」
”マキャヴェリテラトーマ”:「よく知ってたね。見逃せない理由が一つ増えちゃった」
”ピーク・ア・ブー”:「"ルークレス"、“プロムルージュ”。あなたたちは戦える……!?」“ラズマタズ”をかばいながら言う。
"ルークレス":『逆に聞きたいところだけど』
"ルークレス":『あなたは戦える?彼女と』
"プロムルージュ":「……この場合、戦えない方がより良い人っぽい反応だもんねえ、これって」
”ピーク・ア・ブー”:「……“ラズマタズ”、《リザレクト》は効く?」
”ピーク・ア・ブー”:彼女を抱き起しながら言う。
“ラズマタズ” :「ッ……大丈夫」血を拭いながら抱え起される。
"プロムルージュ":「はあ。撤退戦をするのか、それとも」
"プロムルージュ":「考えたいなら、戦いながら引き延ばす位しかないんじゃないかな」
"プロムルージュ":「向こうはやる気に見えるもの」
”マキャヴェリテラトーマ”:「……あなた達に覚えておいてほしいのはね」黒が波を引くように、彼女の周囲に集まる。垂らした絵の具を逆回しにするように。
”マキャヴェリテラトーマ”:「”綾瀬川萌葱”なんて生徒はいないし」
”マキャヴェリテラトーマ”:「UGNはどこまでも深く、手を広げているんだってこと」
”ピーク・ア・ブー”:「……悪党みたいなこと言うじゃないですか。UGNの癖に」
”マキャヴェリテラトーマ”:「ふふ、生意気だね。悪党のFHの癖に」
”ピーク・ア・ブー”:「一つ聞きます。”綾瀬川萌葱”として生きる道は、もうないんですか?」
”マキャヴェリテラトーマ”:「……ないよ。そのままでいたら、どうにも幸せに笑えそうもないんだ」
”マキャヴェリテラトーマ”:「最後まで隠しおおせる秘密なんて、世界のどこにもないから」
”ピーク・ア・ブー”:「……あんなに楽しそうに笑っていたのも嘘ですか」
”マキャヴェリテラトーマ”:「そう、だよ」
貴家ミメイ:「紅春センパイと一緒にわたしとアリアちゃんの仲を取り持ってくれたのも。あの優しさも嘘ですか!?」カモノハシの仮面を外し、彼女に向かって叫ぶ。
”マキャヴェリテラトーマ”:「貴家ちゃん。私たち、あのままで、ずっと続けていくのは無理なんだよ」
貴家ミメイ:「どうして!? UGNって高校生の女の子が楽しく笑って生きることもできないような場所なんですか!?」
”マキャヴェリテラトーマ”:「…………違う、違う。────違うんだ……」
”マキャヴェリテラトーマ”:「私たちが別々だから。私たちがUGNとFHだから……」
貴家ミメイ:「それだけの理由ですか。それだけの理由で……萌葱センパイはそんな悲しそうな顔をしているんですか」
城島桐子:「心依」遮るように
城島桐子:「それ以上聞かなくていい」
"プロムルージュ":平坦な声が響く「”リュッケンフロッセ”の始末が当初の目標。これを貫くならもう一人も一緒にやることはほぼ確定」
"プロムルージュ":「継続のリスクはこれと、戦力の移動による誤差とかのもろもろ」
"プロムルージュ":「撤退のリスクは目標の失敗と……ま、今後学園の蓑がどんどんとキツくなっていくくらい?」
"プロムルージュ":「リーダー、これって許容できるの?学園からの撤退すら視野になりそうだけど」
“ペルシステンシア”:「ふむ……そうだね。予想外があったとはいえ、まだ状況はそう悪くない」
“ペルシステンシア”:「むしろこうなった以上、ここでこの二人を潰しておく必要性は火急のものになった」
“ペルシステンシア”:「ここは……」
“ペルシステンシア”:呟き、掌を“リュッケンフロッセ”と“マキャヴェリテラトーマ”に向けて。
GM:瞬間、闇に慣れた君たちの視界が、眩い閃光によって焼かれる。
GM:雷鳴が走り抜け、城島の傍らに激しく輝く少女の姿が現れる。
”マキャヴェリテラトーマ”:「────ッ」 白を避けるように触手が翻る。
"ルークレス":『4VS3。最悪が一歩進んだ』
"ルークレス":(……まあ、最悪の底が抜ける様子はないだけマシだけど)
“レランパゴ”:「……《ワーディング》で来てみましたが」
“レランパゴ”:”マキャヴェリテラトーマ”を一瞥し「……状況は?」
“ペルシステンシア”:「あ、ダメだこりゃ」肩を竦めて「撤退」
"プロムルージュ":「(……時間がかかりすぎた)」ギリ、と唇を噛み
城島桐子:「交戦中です。“マキャヴェリ”、逃がさないで」
”マキャヴェリテラトーマ”:「きみのお陰で、あんまりよくないな」”レランパゴ”へ「目立ちすぎ」
“レランパゴ”:「その様子を見るに、気色の悪い猫被りはやめたらしいな」
"ルークレス":『良かった。自分が戦わないからって無謀を言われずに済んで』
"ルークレス":『”ピーク・ア・ブー”。熱くなるのは良いけど指示は聞いて』
"プロムルージュ":「リーダーたちは撤退準備続けていいよ。私は……ちょっと待って」
貴家ミメイ:「……了解、"ルークレス"。"プロムルージュ"、あなたも撤退を!」
"プロムルージュ":「……ううん」
"プロムルージュ":一歩前へ出て、びし、と人差し指を指す。赤い包帯の腕。
"プロムルージュ":「綾瀬川萌葱」棘を刺すように、彼女へそう突き付ける。
貴家ミメイ:「……え?」自分以外からその名前が出てきたことに驚く。
”マキャヴェリテラトーマ”:「……”プロムルージュ”」影の触手は退避する彼らを追い縋っている。
"プロムルージュ":「あなたはまだ綾瀬川萌葱だよ。それは、あなた自身の言葉が証明している」
GM:触手と雷撃がFHの面々を捉える寸前。
”マキャヴェリテラトーマ”:「お喋りは後にしなって、いつも“ペルシステンシア”に言われていたでしょう────ッ……!」
GM:精緻にコントロールされていたその動作が、不意に千々に乱れ、容易に回避できるものとなる。
GM:同時、“マキャヴェリテラトーマ”を含めたUGNの三人が、唐突に凍り付いたように動かなくなる。
"プロムルージュ":「うるさい!こっちはお喋りしにきてるんだっての────ッ!?」異変に驚く
“ラズマタズ” :「えっ……おお……?」
“ラズマタズ” :「な……何……?」
貴家ミメイ:「何。この能力……!?」
“ペルシステンシア”:「よし」
“ペルシステンシア”:「長くは持たない。撤退するよ」
“ペルシステンシア”:UGNに向けていた掌を下ろし、さっさと踵を返す。
"ルークレス":『……こんな隠し芸、いつ用意したの』 今日初めての驚きが滲んだ声。
貴家ミメイ:「了解! 萌葱センパイ、学園に戻ったら絶対にお話しましょう。絶対ですからね!!」捨て台詞を吐いてから逃げ出す。
"プロムルージュ":「……ほんとうに、撤退しないとダメ?」分かり切ったことを、子供のような口調で尋ねる
“ラズマタズ” :「ほら、“プロムルージュ”先輩も!」
貴家ミメイ:「UGNに殲滅されたいの"プロムルージュ"……!?」
"ルークレス":『3VS1で磨り潰されたいならどうぞ。喜んで置いてく』
"ルークレス":『あの二人がいる状態でまともに彼女と話せるとは思わないけど』
"プロムルージュ":踵を返す背ながら「……態々"もう綾瀬川萌葱じゃありません!"って名乗り出してさ。ほんとにもう」
"プロムルージュ":「私たちは学園での立場が危うくなるけど、あなたたちも仲間が危ない状況が続くのは変わりない」まるで取引を持ち掛けるような語り口調
"プロムルージュ":「だから待ってるから、萌葱。私を────私をだけ、裏切りにきてね」
"プロムルージュ":「それなら、あなたなら、良いから」掻き消える
GM:FHの面々が完全に姿を消してから数秒後。
GM:UGNの意識が戻ってくる──彼女らの主観では、目の前から唐突にFHが掻き消えたように見える。
“レランパゴ”:「な……!?」
城島桐子:「……バロールは居なかったはずだけれど」
城島桐子:「奥の手か……やられたわね」
”マキャヴェリテラトーマ”:「こんな隠し玉があったなんてな……“レランパゴ”、追撃は必要ないよ」
“レランパゴ”:「その程度。人を猪突のように言うのはやめて貰いたい」
”マキャヴェリテラトーマ”:「きみが本気で走り出したら誰にも止められないからさ。その前に、ね」
城島桐子:「……引き上げましょう。今後について考える必要がある」
城島桐子:粉々になったミニクーパーの破片を見て「私の車……」
”マキャヴェリテラトーマ”:「あ……申し訳、ありません」
城島桐子:「……いいわ」嘆息して「行きましょう。今日は向こうも仕掛けてこないはず」

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GM:御樋代女学院の保健室は、“リュッケンフロッセ”がカバーである養護教諭として滞在する都合上、学内UGNのセーフルームとしても機能していた。
GM:室内は密かに防音・防諜対策が施されている他、空間を改造する形で物資や武器が貯蔵されている。
城島桐子:「はい、二人とも」
城島桐子:二人のチルドレンに対し、コーヒーメーカーで淹れ立てのカップを差し出す。
阮 心依:「ありがとうございます……ふー……」
阮 心依:綾瀬川萌葱という「カヴァー」を拭い去った少女……ユアン・シンイ。
高枝美穂:「……どうも」
高枝美穂:雷変化を止め、元の少女の姿に戻っている。受け取ったカップをくゆらせ、揺れる黒い水面を見下ろす。
城島桐子:「まさかあの防壁をこんなに短期間で突破されるとは、想定外だったわね」
阮 心依:「襲撃の発覚もギリギリのところでした。私が実働隊に参加していなければ……」
阮 心依:「……参加していなければ、どうなっていたことか」頬に残った生々しい痣を軽くかく。どうしても《リザレクト》で癒えない、普段は隠している疵。
城島桐子:「ええ、危ないところだった。助かったわ、心依」
城島桐子:手を伸ばし、子供にそうするように頭を撫でる。
阮 心依:「……えへ。私、頑張れましたね」
高枝美穂:その隣で、つまらなそうな顔をしている。
高枝美穂:「はん……」
高枝美穂:「頑張った?結局データも奪われたままでは世話もない」
阮 心依:「どうしたの、”レランパゴ”。自分が役立てなかったのがそんなに不満?」
高枝美穂:「何だと?」
高枝美穂:「今しがた私に助けられた口で、よくそんなことが言えたものだな」
阮 心依:「そこについての感謝の意はあるけどね」
阮 心依:「もう少しお淑やかに助けてもらえていれば、口にしてあげてもよかったけど」
阮 心依:つつ、とコーヒーを含む。
高枝美穂:「口の減らない女やな……」
阮 心依:眉を軽く上げ、卓上にマグを戻す。「……これからの方針について、提案があります」
城島桐子:二人のやり取りを聞いていたが「……聞かせて?」
阮 心依:「私たちの動向はFHに大いに勘付かれました」
阮 心依:「ですがそれはこちらも同じ。”サヴェジ・ルナリア”の構成員の情報は既にその多くが照合できている」
阮 心依:「身元の割れた敵対オーヴァードが複数存在する。それも、既に私の能力が通用する相手だと把握できている」
阮 心依:「この状況はむしろ、”計画”を前進させる好機と捉えるべきです」
高枝美穂:「あの見るに堪えん演技にも意味があったということか」
阮 心依:「それ、本当にきみには言われたくないんだけどな」
高枝美穂:「ああ!?何やと!?」
阮 心依:「……UGNによる至上の管理社会」すい、と目線を外す。大きな声はニガテだ。
阮 心依:「その構造に組み込まれる人間が、大いに越したことはありません」
高枝美穂:「無視すんなやドジっ子委員長……」苛立っている
城島桐子:「……あなたは……」
城島桐子:「彼女たちを改めて計画に組み込もうと?」
阮 心依:「たとえば敵対する思想の持ち主だって……その中で、共に過ごせるならずっといい」
阮 心依:「実現が何世代後になるかはわからないけど」
阮 心依:「FHまで組み込めると実証できれば、”ベロニカ”ってより素晴らしい計画になると思いませんか?」
城島桐子:「ふむ……」
高枝美穂:「言うだけならどうとでもなるやろ」
高枝美穂:「出来るんか?そんなこと」
阮 心依:「出来る。……少し、制御弁リミッターを弄ってもらう必要はあると思うけど」
阮 心依:「私には、それが、出来る」
阮 心依:「……出来ますよ。“リュッケンフロッセ”」
城島桐子:「……」
城島桐子:君の顔を覗き込むように見て、
城島桐子:「以前のあなたなら……」
城島桐子:「ただ忠実に命令に従うだけで、自分からこんなことを言い出すことは無かったはず」
城島桐子:「どんな心境の変化かしら?」
阮 心依:「好ましくない変化なら修正しますが……」そう前置きして。
阮 心依:「……単純ですよ。やれるなって思ったから、試してみたいだけです」
高枝美穂:「ハ。そんなに手柄が欲しいわけか、“マキャヴェリテラトーマ”」
阮 心依:「欲しい物ならなんでも欲しいんですよ。それが私の”コード”の由来ですから」
高枝美穂:「私は反対ですね、“リュッケンフロッセ”」
高枝美穂:「リミッターを弄って出力を上げる?」
高枝美穂:「そんなことをして、また例の件みたいに暴走しないと保証でも出来るんか?」
高枝美穂:「ウチら含めてこの学院全員パーにして、またアンタだけ生き残りでもしたら笑えんわ」
阮 心依:「そもそも私を送り込んだ時点で」
阮 心依:「上にとって、それは織り込み済みのリスクでは?」
阮 心依:冗談を口にするような態度で呟く。
高枝美穂:「話逸らすなや。アンタのボケに巻き込まれるんはゴメンいう話やろが」
阮 心依:「……試していない手段の、確実な保証は取れませんからね」
高枝美穂:「あんな!アンタなんかのそんな不確かな賭けに……」
城島桐子:「そうね~……」二人の言葉に割って入るように
城島桐子:「……私は、心依のその言葉が本気なら、やってみる価値はあると思うな」
阮 心依:「”リュッケンフロッセ”!」
高枝美穂:「えぇ……」マジかという顔
阮 心依:「……私、本気です。一度試させてもらうだけでもいいんです」
城島桐子:「うん。あなたの能力の安定性は上がって来てるし、事実として、単純な認識改変なら今まであのオーヴァード達にも効果があったわけだしね」
城島桐子:「“レランパゴ”も、そう悪い話じゃないと思うわ。対象を“サヴェジ・ルナリア”に絞れば、あなたにリスクは殆ど無いはずだし」
高枝美穂:「それは……。そうかもしれませんが……」
城島桐子:「……でも、その前に」
城島桐子:「一つだけ聞いてもいいかしら?心依」
阮 心依:「……なんでしょうか」
城島桐子:君の対面で向かい合い、その瞳をじっと見据える。
城島桐子:「……あの子たち・・・・・は」
城島桐子:「あなたにとって、何?」
阮 心依:「…………」
阮 心依:「私が……味方にしたい、人たち、です」
阮 心依:区切り区切りに、言葉を探して声を作る。
阮 心依:「計画の、実現のために」
阮 心依:「それ以上でもそれ以下でも……ありません」
城島桐子:「……」
城島桐子:穏やかな、だが全て見透かしているかのような翠の瞳が、君を見つめて。
城島桐子:「……そう。分かったわ」
城島桐子:小さく頷き、その肩に手を置く。
城島桐子:「“マキャヴェリテラトーマ”の提案を許可します」
城島桐子:「これから調整に入り、完了次第実行に移しましょう」
阮 心依:「はい。私、やってみせます」
高枝美穂:「…………」不満顔を隠そうともしない。
阮 心依:「この計画が実現すれば────」
阮 心依:……きっとそこでなら、私もみんなと笑顔になれて。「ああ。やっと、私から返せるものができる」
城島桐子:「もう寮には帰れないし……しばらく保健室ここで寝泊まりしてもらうことになるかな」
城島桐子:「隠しスペースがあるから大丈夫……必要な物があれば用意するわね」
城島桐子:「“レランパゴ”は?」
高枝美穂:「私は寮に戻ります。“マキャヴェリテラトーマ”と違って正体が露見したわけでもないので」
高枝美穂:「それじゃ」皮肉気に言って、保健室を出て行く。
城島桐子:嘆息して「仲悪いわね、あなた達……」
城島桐子:「何かあったの?先生として……」
城島桐子:口を抑えて「……監督官として心配だわ」
阮 心依:「あはは……あ、後で彼女のことは連れ戻してください」
阮 心依:「”レランパゴ”の正体も既にバレています」
城島桐子:「えっ……そうだったの!?」
城島桐子:「追い掛けて!早く!」
阮 心依:「ひゃっ、はい!」
阮 心依:追い立てられるように通路へ滑り出す。
阮 心依:幸運にも、さほど遠くない地点で追い付き、連れ戻すことが出来た。
阮 心依:その時も口さがないやり取りがあったことは記載するべくもない。

---

"プロムルージュ":「あーもう、ムカつくんだけど~~!!」
GM:何とか撤退した“サヴェジ・ルナリア”の面々は、セルが所有する市内セーフハウスに一時避難していた。
GM:居住者の居なくなった物件をセルが借り受けたもので、所々埃が積もっているが、軽く使う分には何の問題もない。
"プロムルージュ":学舎から離れた一時拠点はがらんとしていて
"プロムルージュ":それは手入れが行き届ききっていないとか、半月の夜であるからとか
"プロムルージュ":そんなこととはもっと無関係な理由のせいであるような気がした。虚しい反響すらだんだんと遠ざかっていく。
”ピーク・ア・ブー”:「"プロムルージュ"!? 落ち着いて……!」仮面を付け直すと、必死に彼女をなだめる。
"ルークレス":『苛立つのは自由だけど暴れないで。埃が立つ』
"ルークレス":かつての居住者に取り残されたように置かれているソファに陣取っている。
"プロムルージュ":「ふんだ!一人分余計にスぺ―ス余ってるんだからもっと端に避ければいいじゃない!」
”ピーク・ア・ブー”:「"プロムルージュ"。ねえ、もしかしてあなたの正体って……」その言動にだんだん察しがつき始めている。
"ルークレス":『一人分で済んだだけマシでしょう』 肩をすくめて。
“ラズマタズ” :「そうそう。裏切っただの裏切られただの、よくあることじゃん」
"プロムルージュ":「はぁ……なんだかバラバラだね、私たち」
"プロムルージュ":「ルーク以外の顔が二人もわかっちゃった日なのに、全然嬉しくないんだもの」
”ピーク・ア・ブー”:「……“ルークレス”。あの時は一瞬焦ったけど、あなたが冷静で良かった。さすがは諜報担当」
"ルークレス":『まあ。端から種が分かっていれば冷静で居るのも難しくない』
"プロムルージュ":「……ぷ、まさか。ミメイがあそこまで大胆なことするとは思わなかったけど」
”ピーク・ア・ブー”:「……素顔が分かるのが嬉しいんですか?」
”ピーク・ア・ブー”:「そ、それは……だって……! しょうがないじゃないですか、紅春センパイ……!」名前で呼ばれると不意に素が出てしまう。
"プロムルージュ":「ミメイは嬉しくないの?」
"プロムルージュ":「あ、ううん゛っと……!……”ピーク・ア・ブー”は、嬉しくない?」
”ピーク・ア・ブー”:「訂正してももう遅いですよ……」
"ルークレス":『……』 コントのような行き違いを呆れ顔で眺めている。
"プロムルージュ":「でも自分が名乗った名前って、きっともっと重要だもの」
”ピーク・ア・ブー”:「基本的には隠しておくものだと思うので分かっても別に嬉しくはないような……」
"プロムルージュ":「取り繕うのは下手だけど、せめて尊重はしたいから」
"ルークレス":『”マキャヴェリテラトーマ”の名前は尊重しないのに?』
"プロムルージュ":「あれは本人が自分まで巻き込んでる筋金入りの噓つきだからやってあげませーん」
”ピーク・ア・ブー”:「尊重……。紅春センパイは変わらず良い人ですね」ふにゃりと笑う
"プロムルージュ":「だから"ルークレス"はそう呼ぶし……ミメイは、どっちがいい?」
”ピーク・ア・ブー”:「どっちって……。というか、センパイは“ルークレス”の正体も知ってるんですか……?」
"ルークレス":『ノーコメント』 "プロムルージュ"に答えさせたくないとばかりに遮りに行く。
"プロムルージュ":「?うん……うーむ、むむむ……」突然声が跳ねるように陽気さを取り戻し
"プロムルージュ":「どうしよっかな~。可愛い後輩だし特別に教えてあげちゃおうかな~」ニヤニヤと声音が喜色付きはじめる
”ピーク・ア・ブー”:「あの、本人、すごくバラされたくなさそうですけど……」苦笑している。
"ルークレス":『……』 仮面越しに眉間に手を当てている。
"プロムルージュ":「あはは!冗談だよ~」
"プロムルージュ":「無意味にバラしたいなら既に教えてるし、例えば……広い校庭におっきな字で刻んじゃうとか。私なら出来ちゃうはずでしょ?」
"ルークレス":『そこまではしないだけの配慮と分別があったことには感謝してる』 そういう割にポーズは変わってないが。
”ピーク・ア・ブー”:「嫌だなぁ。そんなドラマチックじゃないバレ方……」
“ペルシステンシア”:「緊張感に欠けるね、君達……」
“ペルシステンシア”:「割と大変な事態だと思うけど。この先どうするか身の振り方を考えた方がいいんじゃないかな」
”ピーク・ア・ブー”:「……“ペルシステンシア”」仮面の下の表情に真剣さを取り戻す。
”ピーク・ア・ブー”:「身の振り方って……あなたはどうするんですか?」
“ペルシステンシア”:「何、僕の正体は露見していないからね。究極的にはどうとでもなる」
“ペルシステンシア”:「君達は?“キャラヴェルマキアート”……いや、“マキャヴェリテラトーマ”に正体がバレてるのはこの内の誰かな」
"プロムルージュ":「そうよねー。バレてない組は、正直なんとか出来る可能性はあると思うな」
“ペルシステンシア”:「ノリで自分から明かした子もいるようだけど……」
”ピーク・ア・ブー”:「…………」申し訳なさそうに手を挙げる。
"ルークレス":『私は恐らく掴まれていないはず』
"ルークレス":『後は"ラズマタズ"だけ?口ぶりからするに"プロムルージュ"は手遅れでしょう』
"プロムルージュ":「私はこの通りだもの!……隠し事が苦手なままだったのは、ちょっと反省しているわ」
“ラズマタズ” :「ん~、そうだね。あたしは多分バレてないと思うな」
“ラズマタズ” :「ていうか、バレてたらもっとキレられてるはずだし」
“ラズマタズ” :腕組みしながら言う。
”ピーク・ア・ブー”:「キレる……? ああ、そっか」勝手に納得している。
"プロムルージュ":「え、萌葱を怒らせるとか……新入りちゃんなにやったの?」
"ルークレス":『……』 何かもの言いたげな空気が出ているが、口は開かない。
"プロムルージュ":あ、でも他の相手の可能性も別にあるわよね、なんて心中で一人納得しながら
”ピーク・ア・ブー”:「“ペルシステンシア”。以上を踏まえてFHとしての動きはどうするのでしょうか」
“ペルシステンシア”:「そうだねえ……」
"プロムルージュ":「ま、セル本体からの増援も期待できないでしょうし……そもそも増強したところで何するのって感じでしょうけど」
"ルークレス":『そもそもリーダーが尻尾切り上等な時点で無理でしょう』 先の「僕の正体は露見していない」発言を指して。
“ペルシステンシア”:「まず、正面から奴らと戦って勝てる見込みは……まあゼロではないが、相当リスクが高い。これはいいかな」
”ピーク・ア・ブー”:「な、なるほど。戦うつもりはないん、ですか」
"プロムルージュ":「ええ。ゼロだったら今すぐ完全撤退を指揮してそう!ってリーダーの性格までちゃんと理解してるわ」
“ペルシステンシア”:「実力行使で排除することも、正体が露見している以上、今までと同じように隠れ潜むことも難しい」
“ペルシステンシア”:「ただ、こちらに幸運があるとすれば……まずこの僕の正体が露見していないという点」
“ペルシステンシア”:「それから、君たちがまだ未成年のチルドレンという点だ」
”ピーク・ア・ブー”:「未成年は何か関係あります……?」
"ルークレス":『……つまり?』 嫌な予感を隠さない苦い声。
“ペルシステンシア”:「UGNは正義の味方だからね」
“ペルシステンシア”:「強硬姿勢の改革派だとしても、大いなる題目を外すことはしないはずだ」
"ルークレス":『白旗を振って捕虜になって来いと?』
“ペルシステンシア”:「そこまでは言わないが、無抵抗のチルドレンを襲撃して殺害するようなことはしないと思わない?」
”ピーク・ア・ブー”:「ど、どうでしょうね。“ラズマタズ”、思いきりやられましたけど……」不安そうに彼女の方を見る。
“ペルシステンシア”:「それはこっちから襲撃したからだよ」呆れたように
"プロムルージュ":「希望的観測だけど、それに縋る以外まともそうな手もほぼない状況ってことね。私たち」
“ペルシステンシア”:「まあ、そういうことになる」
”ピーク・ア・ブー”:「つまり平穏に過ごしていれば向こうは何もしてこない可能性が高い……?」
“ペルシステンシア”:「君たちが日常の一員として大人しく日々を送っていれば……逆に彼らが早急な強硬手段に出ることはないというわけだ」
"ルークレス":『例の"ベロニカ計画"とやらを考えると、強硬ではない強行はしかねないけど』
"プロムルージュ":「ま、捕虜はともかく……学園内で暴れられたら困るのも確かでしょう」
“ペルシステンシア”:「それも含め、いずれ向こうからの接触はあるだろうが、それがどのようなものか見極めるだけの猶予はあると思う」
"ルークレス":『どちらにせよか。こっちから仕掛けられることは無いし』
“ペルシステンシア”:「ま、つまりは様子見しつつ機を伺う……と言ったところかな。今は他に出来そうなことが無い」
“ペルシステンシア”:「勿論、事態を重く見るなら転校の手配くらいは出来るけどね。さて、どうかな君達」
”ピーク・ア・ブー”:「確かにわたしたちはその"ベロニカ計画"についてもほとんど何も知りません。……萌葱センパイの目的も」
"プロムルージュ":「解析も途中だったものね。手掛かりなしで猶更万事休すだわ」
”ピーク・ア・ブー”:「……わたしは、もっと情報を集めたい、と思います。それからどうすべきか判断したい」
"ルークレス":『ちなみに、例の情報で他に拾えそうなものはあるの?』
“ペルシステンシア”:「必要そうなところは軒並み浚ったはずだけどね」
“ペルシステンシア”:「今回増援の様子も無かった以上、これ以上直属の仲間もいない……居たとしても一人、それもすぐに応援には来られない程度の距離またはポジションのはず」
"プロムルージュ":「小さいのでもいいから何か無いの~リーダー、"ルークレス"~」
“ペルシステンシア”:「後は興味も無いし、君たちにあげる」
"ルークレス":『もらえるなら受け取っておく』
"ルークレス":『パンドラよろしく、希望が残っているかもしれないし』 そうは思って無さそうな冷めた声で。
“ペルシステンシア”:「受け取っておくって」皮肉気味に笑って
“ペルシステンシア”:「勝手に見てたくせに」
"プロムルージュ":「あっ!いけないんだ~」
"ルークレス":『そっちも分かってて泳がせたでしょう』
"ルークレス":『お互い様。そもそも諜報担当がデータを放置なんてただの職務怠慢だし』
”ピーク・ア・ブー”:「……“ルークレス”と"プロムルージュ"は。どう、したいですか?」
"ルークレス":『は指示に従うだけ。後は……自分の安全でも優先する』
”ピーク・ア・ブー”:「こんな状況でも変わらないなんて。……"プロムルージュ"は?」
"プロムルージュ":「どうって言われても」困ったように笑う。いつもの垂れ下がる眉が仮面の下に想像できる
"プロムルージュ":「うーんと、すっごく取り敢えずの話でもいい?」
”ピーク・ア・ブー”:「……こっちは珍しく歯切れが悪い。あ、はい。いいと思います」
"プロムルージュ":「二人が昨日までみたいな毎日を過ごせたらいいなって思うの」
”ピーク・ア・ブー”:「二人……ですか……?」どの二人だろう、という顔。
"プロムルージュ":「二人ってそりゃあもちろん……」言い掛けて あ、と今度はすんでのところで止まり
"プロムルージュ":「……ここにいる私の友達の二人、かな!」
”ピーク・ア・ブー”:「……あの」怒っているような声。
”ピーク・ア・ブー”:「どうしてその人数に紅春センパイが入ってないんですか」
”ピーク・ア・ブー”:「わたしは、みんなでじゃないと嫌です」
“ラズマタズ” :「てか私も入ってなくない?新入りに冷たくない?」
”ピーク・ア・ブー”:「そ、そうだよ。“ラズマタズ”も一緒だからね!」
"プロムルージュ":「あはは。うん、私もみんな一緒だったらとっても素敵だと思う」
”ピーク・ア・ブー”:「……“ペルシステンシア”。あなたから早急な指示がないならそれまでは自由に動いても構わないのですか?」
“ペルシステンシア”:「ん。いいよ、どうせ出来ることもないし……僕は研究の方に専念できるし」
“ペルシステンシア”:「あ、今度いつもの定期検診だから、それだけ忘れないようにね」
”ピーク・ア・ブー”:「了解です。では、それまでは自由に動きたいと思います」
"ルークレス":『分かってる』 聞き飽きたと言いたげに手を振る。
"プロムルージュ":「リーダーもちゃんとどこかで身体診て貰わないと不摂生は敵だよ~?」
”ピーク・ア・ブー”:「“ルークレス”。わたし、察しが悪くていまだにあなたの正体が分からないんだけど……あなたも頼めば手伝ってくれる……?」
"ルークレス":『……さあ?対価とその時の私の気分次第』
"ルークレス":『もしくは、そこのセンパイでも頼ってみれば』
”ピーク・ア・ブー”:「紅春センパイを……?」不思議そうに彼女を見る。
"プロムルージュ":「……ふーん、そうだ"ルークレス"」ちょっと不満げに頬を膨らませ
"プロムルージュ":「この前の借りってまだ有効?」
”ピーク・ア・ブー”:「か、借りがあるの……?」
"ルークレス":『借りた記憶は無いけど』
”ピーク・ア・ブー”:「なかった」
"プロムルージュ":「あんまり押し売りって好きじゃないから、そうじゃないなら後はもうお願いするくらいしか出来ないけれど」
"プロムルージュ":「結局あの後私の部屋に一度も来てくれなかったし!」
”ピーク・ア・ブー”:「お願い、効くのかなぁ。二人がかりで頼み込んでみます……?」
"ルークレス":『それなりに忙しい身だから。私も、私に顔のよく似た誰かも』
”ピーク・ア・ブー”:「よく分からないけど、じゃあ、勝手に見込みアリだと考えちゃおうかな……」
"ルークレス":『……ああ、もう』 小さく口の中で呟いて。
"プロムルージュ":「あなたが諜報担当なように、私ってば戦闘担当だから」
"プロムルージュ":「これから、、、、それ発揮して頑張るし!それに免じて、ね」
"プロムルージュ":心を透かすような眼で
"プロムルージュ":「ミメイのこと、何とかお願いしてもいい?"ルークレス"」
”ピーク・ア・ブー”:「と、というか、何をお願いするのか言わないとフェアじゃないよね……」
”ピーク・ア・ブー”:「……わたしは、これから短い間だけど単独行動をしようと思う」
”ピーク・ア・ブー”:「みんなが昨日までみたいな毎日を過ごすためにはどうすればいいのか。その方法を見つけるために。だから……」
"プロムルージュ":「ダメです。お姉さん許しません」
"ルークレス":『二人とも分かったから。一回黙って』
"ルークレス":その言葉に続くように回線越しに声が響く。
"ルークレス":『いくら“ペルシステンシア”アイツが興味無さそうとはいえ、ここでどこまで喋るつもり?』
”ピーク・ア・ブー”:「……さすがに言い過ぎた」気まずそうに口をつぐむ。
"ルークレス":『細かい話はあなた達の部屋で。"私によく似た顔の誰か"が行くから』
"プロムルージュ":「……はあい」
”ピーク・ア・ブー”:「……うん。分かった」
"プロムルージュ":これでお開きかしらね、なんて呟いて扉へ向かう
"プロムルージュ":その道すがら、"ルークレス"の耳元へ囁いた。
"プロムルージュ":「あとでリーダーにでも聞いておいて。あの人も知っているから」
"プロムルージュ":『秘密』を"ルークレス"に譲渡します。
"プロムルージュ":「本気で話を取り合ってくれるかもしれない……そんな"危険"があるのは、私だけだから」
"プロムルージュ":「これが一番の『お願い』。……ふふ、ミメイのこと、あなたしか見てあげられそうにないから」
GM:“プロムルージュ”の秘密を“ルークレス”にお渡しします。
"プロムルージュ":「私はもう、ユメを見せて貰ったもの」
"プロムルージュ":「夢から覚めないで欲しいと思える瞬間って、とっても素敵だと思う」
"プロムルージュ":「まだもう一度って挑戦できるってことだし……夢の中にいた感触を、覚えていられる間際ということだから」
"プロムルージュ":「そんな話を、しに行くつもり」
"ルークレス":『……まるで自分はもう見れないって口振り』
"ルークレス":『らしくないんじゃないの』
"プロムルージュ":「違うよ。夢を見るには手順があるってだけ」
"プロムルージュ":「夢を形作る輪郭が戻ってこれたら……そうね。そのお次に、笑って迎えて貰うことにしましょう!」
"ルークレス":彼女の笑顔に対し、苦虫を噛みつぶしたような顔をして。
"ルークレス":『大嘘つきと、馬鹿正直と、馬鹿正直な大嘘つき』
"ルークレス":『どうしようもないやつしか居ないセル』
"ルークレス":(……一番どうしようもないクズが言う事でもないけど)
"ルークレス":そうしてまた一つ、幸福を逃がした。
“ラズマタズ” :「はあ……あたし達も帰ろ、“ピーク・ア・ブー”」
”ピーク・ア・ブー”:「うん、行こう。……あ、“ラズマタズ”は聞かなくても手伝ってくれるよね……?」
“ラズマタズ” :「うん、勿論!」
“ラズマタズ” :「ていうか、この家汚すぎ~!」服に付いた埃を払って
“ラズマタズ” :「もっと綺麗になればいいのにねー」
GM:そんな会話を残しつつ、全員がセーフハウスを後にする。
GM:各々が想いと秘密を胸に抱え、それ故か誰も気付くことはなかった。
GM:埃に塗れくたびれたその家屋が、いつしかチリ一つ無い、新築同様に変わっていたことに。



GM:シーン終了。
GM:全員購入判定が可能です。
"ルークレス":質問!
"ルークレス":今回もサイクル分購入判定できますか?
GM:いえ!今回は1回!
"ルークレス":ううん、残念 サイクル分ならオリジン:サイバー乗るかなと思ったんだけど
"プロムルージュ":あっ応急手当キット使っておきたいです
"ルークレス":私の医療トランク先に使う?
"ルークレス":こっち繰り返し使えるし
"プロムルージュ":えっやった~ ありがとうございます!
貴家ミメイ:すごい便利
"プロムルージュ":使用して大丈夫ですか?
GM:勿論どうぞ!
"プロムルージュ":わーい
"プロムルージュ":2d10
DoubleCross : (2D10) → 13[6,7] → 13

日下紅春:日下紅春のHPを13増加(20 → 31)
阮 心依:照準器狙います!目標15 能力訓練社会と一体化
阮 心依:6dx+2
DoubleCross : (6DX10+2) → 9[2,2,3,4,5,9]+2 → 11

阮 心依:sippai
貴家ミメイ:100%超えた時のために白兵武器を追加で買っておかなきゃ
貴家ミメイ:伸縮性警棒を狙います
"プロムルージュ":全快!購入はブルゲ狙おっと
貴家ミメイ:3dx+2>=5
DoubleCross : (3DX10+2>=5) → 9[2,9,9]+2 → 11 → 成功

"プロムルージュ":(1+1)dx+2>=20
DoubleCross : (2DX10+2>=20) → 8[8,8]+2 → 10 → 失敗

"ルークレス":今回はオリジン乗ってないし、ワンチャンブルゲねらっとこ
貴家ミメイ:購入! 所持品に淹れます
"プロムルージュ":失敗!終了です
"ルークレス":……いや、行動値大事な気がするからちゃんと狙うか
"ルークレス":オリジン:サイバー使用してからブルゲ狙います
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を2増加(67 → 69)
貴家ミメイ:おお、本気だ
"ルークレス":4dx+16>=20
DoubleCross : (4DX10+16>=20) → 9[3,4,5,9]+16 → 25 → 成功

貴家ミメイ:すごい!
"ルークレス":OK。以上です
"プロムルージュ":すご~
阮 心依:流石だ…



【Middle3】

GM:サイクル3です。全員登場侵蝕をどうぞ。
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加(78 → 83)
阮 心依:綾瀬川萌葱の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(82 → 86)
貴家ミメイ:61+1d10
DoubleCross : (61+1D10) → 61+7[7] → 68

羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加(69 → 74)
GM:それでは全員1D100をどうぞ。
日下紅春:1d100
DoubleCross : (1D100) → 79

貴家ミメイ:1d100
DoubleCross : (1D100) → 15

阮 心依:1d100
DoubleCross : (1D100) → 23

貴家ミメイ:低い
羽澄咲:1d100
DoubleCross : (1D100) → 22

羽澄咲:あたしずっと低い~~
阮 心依:こ、小競り合い
GM:では日下さんから希望の順番をどうぞ。
日下紅春:1番で!
貴家ミメイ:おお、いきなり最初だ
羽澄咲:ここに来て初手を
GM:では綾瀬川さん……でなく阮さん!
阮 心依:なるほどなあ 2番です
貴家ミメイ:名前が変わってる!
日下紅春:名前が……
GM:次は羽澄さん。
羽澄咲:なら3番かなぁ
貴家ミメイ:じゃあ、わたしが最後!
GM:それでは順番は
日下紅春>阮心依>羽澄咲>貴家ミメイ
このようになりました。

阮 心依:最終サイクルにして先着順だ
GM:情報項目はこちらになります。
貴家ミメイ:情報項目、変わるのか……!?

情報項目

・『秘密』:日下紅春 難易度:14 〈情報:FH/噂話〉
・『秘密』:貴家未明 難易度:14 〈情報:FH〉
・『秘密』:羽澄咲 難易度:17 〈情報:FH〉
以下は全て 〈情報:UGN/FH/噂話〉
・『秘密』:夏目アリア 難易度:6
・『秘密』:白戸瀬鞠音 難易度:6
・『秘密』:椿萌 難易度:6
・情報:“ラズマタズ” 難易度:9
・情報:“ペルシステンシア” 難易度:9

(公開済み)
・『秘密』:綾瀬川萌葱
・『秘密』:城島桐子
・『秘密』:高枝美穂
・情報:“トプシー・ターヴィー”
・情報:“リガード”
・情報:“レランパゴ”
・情報:“マキャヴェリテラトーマ”
・情報:“リュッケンフロッセ”
・情報:ベロニカ計画

GM:それでは1シーン目 シーンPCは日下紅春さんです。
日下紅春:阮心依さんとの会話シーンをやりたいと考えてます
日下紅春:判定もしちゃいますね
日下紅春:日下紅春のHPを4D10(→ 21)減少(31 → 10)
日下紅春:(1+2)dx+5>=9
DoubleCross : (3DX10+5>=9) → 9[2,4,9]+5 → 14 → 成功

阮 心依:いつもの
日下紅春:死ぬかと思った
GM:OK!



:──おまえ、さっき委員長とかいうのに手挙げてた奴か。
:──よくわかんない奴。構ったって何も出せやしないのにさ。
:春の暖気が退屈に青ばむだけだった頃の感触を、とうに思い出せなくなっている。
:あれは本当に、いったいいつの話だったのだろうか。
:────
日下紅春:先日の騒動の明くる日だったからか、
日下紅春:城島桐子の目が届かなくなった空き部屋──保健室へと、綾瀬川萌葱はおもむろに訪れていた。
日下紅春:なぜならそれ、、が確かな気配だったからだ。
日下紅春:微弱で、手負いの獣が漏らした僅かな吐息にも似ている──
日下紅春:偶然扉の前を廊下を通らなければ感じられないほど洗練された、それでも戦いに長けていれば見逃さないであろう杜撰な
日下紅春:息を押し殺すような、《ワーディング》の気配。
日下紅春:部屋の扉はかすかに空いていて、音もなく入ることも閉めることも出来てしまう。
日下紅春:閉じ切られたカーテンが昼間の世界から薄く遮り、昏くぼやける。
日下紅春:手前のソファーで一人の女生徒が気を失ったように倒れ
日下紅春:個別の白く遮るスクリーンに映る────奥のベッドで、動く影を見た。
阮 心依:……綾瀬川萌葱を名乗っていた小女は、ごく当たり前のように校内を闊歩していた。
阮 心依:”信頼を勝ち得る”のが少女の異能だ。オーヴァード相手ならばともかく、他者に気付かれないのは十八番。
日下紅春:その距離までの途中で、また人が倒れている。
日下紅春:ふいに隙間風が薄く空気を揺らした途端──
日下紅春:ぴちゃりという水音と──厭な臭気がかすかに、ふわり鼻を突いた。
阮 心依:「……そこで、何をしているの?」
日下紅春:遮られた黒い影が応えた
日下紅春:「あ、は」
日下紅春:「見つかっちゃったか──なに、してると思う?」
阮 心依:……畢竟、気付かれてしまってもよかった。気付かれたということは、私を見つけるのはみんなであるはずだ。
阮 心依:だから、こんな展開は予想外だった。
阮 心依:「日下さんなんだね」
日下紅春:「うん?そうだけど……まぁいいや。ちょうど収まった、、、、ばっかりだったし」
日下紅春:「それとも──」
日下紅春:丈の短いカーテンから、白い足だけがゆるやかに覗くのを見た。
日下紅春:たらり、と赤い雫が伝い──
日下紅春:「ベッドの上に、取り押さえてでもみる?」
阮 心依:緩慢な歩みで保健室を歩く。校内で見覚えのある顔も転がっている。
阮 心依:人影を映す白いベールを手に取り、頭から翻した。
阮 心依:誘い、惑わす、その姿を見留める。
日下紅春:はだけた前開きの上着に、華美さのない黒い下着。脱ぎ捨てられたスカート。
日下紅春:陽に一度も負けたことのないであろう、白く滑らかな肌。
日下紅春:脚に添えられた腕をつたい、顔が……どこか、苦痛に歪み
日下紅春:屈んだ姿勢の奥には────白い新雪のごとき腹部を、そこだけ赤く踏みしめたような
日下紅春:傷が、たったいま、、、、、、付けられていた。
日下紅春:「あ、は」
日下紅春:「あはは……」
日下紅春:「見られちゃったけど……でも、他に知らない人じゃなくて良かったのかも」
日下紅春:舐めるように傷口の周りを手でなぞる。また、歪む。
日下紅春:それはどうしようもなく痛ましい
日下紅春:自慰行為で、自傷行為だった。
阮 心依:その惨状を目の当たりにして……ゆるく微笑む。
阮 心依:「私、ウーバーイーツを頼んだ覚えはないんだけどな」
日下紅春:「あとで私の方から押しかけるつもりだったから、手間が省けたのは私の方だけど」
阮 心依:脚を撫でるように、手を滑らせて……真ん中の傷にたどり着く。
阮 心依:「ふふ、どうかな……」
日下紅春:「ちょっと待っててね……流石に、この状態だとさ」
日下紅春:「私ならあなたたちを殺しちゃうかもしれないよ?、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、なんて交渉、説得力なくなっちゃいそうだし」
日下紅春:「ああ──でも、逆に説得力が湧いたりしたのかな。阮心依」
日下紅春:「言った通りにさ。こういう、人でなしだってことが」
日下紅春:「だからまぁ多分────聞いてくれると思うよ。少なくとも、あなたの仲間たちは」
日下紅春:「私が犯人だから、一番危険だから」
日下紅春:「私を差し出すので萌葱たちを見逃してださい──って言ったら。だって、無視できないもんね?」
日下紅春:『秘密』を公開します

『秘密』:日下紅春

3カ月前、君はセルの情報を握ったUGNエージェント“トプシー・ターヴィー”と交戦となり、殺害してしまった。
“ペルシステンシア”の手により一件は表沙汰にはならず、証拠隠滅がなされたが、
それを切っ掛けとして、以来君の不安定な衝動は暴走を始め、日に日に抑えきれない傷害欲求が膨らみつつある。
自身がシーンプレイヤーのシーン開始時、難易度(サイクル数×5)-(セッション内で取得したロイス数)の意志判定に成功しない限り、君は必ずそのシーンで戦闘を行わなければならない。
この判定直前、1d10点のHPダメージを任意の回数適用するごとに難易度が1低下する。
阮 心依:「……日下さん。ううん……”プロムルージュ”」
阮 心依:白く細いその指先を、
阮 心依:はだけた上着の下に滑り込ませて、傷に挿れる。
日下紅春:「……っつッ」
日下紅春:「あはは……慰めてくれるんだ?」
阮 心依:「ふ、ふ………」
阮 心依:「ふふふふ……ふふふふふふっ」
日下紅春:「それとも────」
日下紅春:「やっぱり、私を殺したい?」
阮 心依:肉を捏ねるように、指先を動かす。
阮 心依:「……そうやって、悪人ぶらなくてもいいんだよ?」
阮 心依:「熱を感じる……日下ちゃんの、あったかいの」
阮 心依:「やっぱりそうだよ……私たち、立場の違いだけで、大した違いなんてないんだ」
阮 心依:ぐじゅり、ぐじゅり。
日下紅春:「く、う……んう」
日下紅春:「……ふ、ふ……ふふ」
日下紅春:「こうやって人を傷つければ……何だって分かる気がするよね」
日下紅春:「それで分からないものなんて無かったし……無いモノなら、初めから要らなかったんだって思えばいいから」
日下紅春:「……あなたは何が分かる?阮心依」
阮 心依:熱に浮かされたような口調で、呼びかけに応じる。
阮 心依:指先に滲んだ朱を舌で舐め取った。
日下紅春:「……ふふ。別に美味しくないはずなんだけどな、それ」
日下紅春:「美味しくないし……嬉しくなんか、ないのに」
阮 心依:「気がする? 違うよ、私は嬉しいの」
阮 心依:「日下ちゃんがさ、あんなにかっこよくて、貴家ちゃんを救けて、私をユウエンチに連れ出してくれて」
阮 心依:「ヒーローみたいだった日下ちゃんがね?」
日下紅春:「そんなことない……」
阮 心依:「こんなみっともなくて、弱々しくて………ふふ、ふふふふっ!」
日下紅春:「うん、弱いよ……」
日下紅春:「弱くなっちゃったんだ、私……」
日下紅春:「綾瀬川萌葱の、せいで」
阮 心依:「それに、私に隠し事までしてた! 許せない、許しちゃいけないんだよ、そんなの!」
阮 心依:「私は委員長なんだからさァ!」
日下紅春:「そうだね……委員長でさ」
日下紅春:「ねぇ……それって────本当にいつからのことだった?」
日下紅春:「もう、思い出せないんだ」
阮 心依:「……んん……?えへへ……」
阮 心依:覆いかぶさるようにして、号哭していたかと思えば。糸が切れたようにへらへらと笑い出す。
日下紅春:「人を殺すのは、簡単だった」
日下紅春:「傷つければ、何だってわかる。そういうイキモノだから」
日下紅春:「胴を斬れば動揺する筋肉の動きに変わるし、臓まで裂けば取り繕っていた不調を雄弁に語る」
日下紅春:「骨の硬さは折れるまでの脆さを、呼吸の振動は命の長さを伝えてくる」
日下紅春:「あいつが最後に遺したのは自分への焦りだったよ。「過失」「誤解」「こんなはずでは」──そんな感情ばかりを浮かべてね」
日下紅春:「でも」
日下紅春:「談話室に集まって、お菓子を取り合ったりとか」
日下紅春:「街に買い物に行って、服押し付けられて困ったように笑ったり」
日下紅春:「授業抜け出して、一緒に遊んで」
日下紅春:「楽しくて」
日下紅春:「そんな単純なことが──」
日下紅春:「その子とも、出来たかもしれないんだね────」
日下紅春:今度は日下紅春が。胸に額をうずめて、縋り、泣く番だった。
日下紅春:「痛い」
日下紅春:「いたい──痛い、ね。」
日下紅春:「人を、殺すのって────」
日下紅春:篠突く雨のように、二本の涙が目尻を洗い流す。
阮 心依:「……はは……あはははは……『私がいつから委員長だった?』なんて」
阮 心依:「そんなの、覚えているわけないじゃない……」
日下紅春:「でももう、あなたがいないと」
日下紅春:「私だって、私が人でなしだったころなんて、思い出せやしない────」
阮 心依:「日下ちゃん。私を委員長って呼んでくれたのはね、みんななんだよ」
阮 心依:「私も、しらない間に、そうなってたの。いつだったか思い出せないけど、確かにそうだったはずなの」
阮 心依:「だって、私はみんなにふさわしい委員長にならなきゃって、頑張ってたんだからさあ……」
阮 心依:へたりとシーツの上に座り込んで、ぽろぽろと呟く。
日下紅春:「だから態々"綾瀬川萌葱"なんて名乗って────私はここにいませんよなんて」
日下紅春:「仮面の下も、声も、誰なのかもバレてなかったくせに────」
阮 心依:「……でも、私が全部壊しちゃった」
日下紅春:「ああ、こんなことしか言えないなんて。ほんとうに────弱い」
日下紅春:「あなたのせいなのに」
日下紅春:「あなたのせいで、あなたのせいで───」
日下紅春:「"綾瀬川萌葱"がいないと、教えてくれた"日下紅春"としてすら、生きてはいけないんだ────」
日下紅春:「……委員長が、ね」
日下紅春:「教えて……くれたから……」
阮 心依:「……そんなこと、ないよ、日下ちゃん」
阮 心依:「こっちにおいでよ。私と一緒に行こうよ」
阮 心依:「日下ちゃんに”私”が必要なら、応えてあげる。咲ちゃんみたいに上手くやれるかはわかんないけどさ」
阮 心依:「ねえ、なんで……」
日下紅春:穏やかに、何かを決めたような表情で、やんわりと目と向き合う。
日下紅春:「……うん。本当は私、私と交換で、みんなのもとに萌葱を返してもらうつもりだったけど」
日下紅春:それは"阮心依"に向けた、最初で最後の──”殺人鬼”の目。
日下紅春:「"阮心依"に"綾瀬川萌葱"は殺らせない。それは私の獲物だから、ここで置いて行って貰う」
日下紅春:「道連れにしてやるつもりは無かったが────」
日下紅春:そう、振りかぶって。
日下紅春:「"綾瀬川萌葱"を独り占めできるなら、そう悪くもないかな」
日下紅春:自分の胸を、裂いた。
日下紅春:それは、遺していくものたちを想いながらも、永いユメにつく時のような微笑みだった。



GM:日下さんは行動が可能です。
日下紅春:「綾瀬川萌葱 ○幸福感/哀れみ」→「"阮心依" 共感/○哀れみ」に変更して
日下紅春:「"綾瀬川萌葱" ○幸福感/寂しさ」でロイスを取得したいんですが問題ありませんか?
GM:OKです。阮さんからもロイス取得可能です。
日下紅春:ありがとうございます
阮 心依:日下紅春 ○憧憬/隔意 で取得します



羽澄咲:「未明ちゃん、おっはよ~!」
貴家ミメイ:「あ、咲ちゃん。おはよう」へにゃりと微笑んで挨拶をする。
羽澄咲:寮から出てクラスへ向かう道すがら。寮から通っている生徒は全員使う道なので、顔を合わせるのもよくある話だ。
羽澄咲:「未明ちゃんにしてはいつもより遅いね?お疲れ?」
貴家ミメイ:「う、うん。ちょっと色々あっ……て……」ふと彼女の艶やかな唇が視界に入る。
貴家ミメイ:急に気まずそうな顔になる。あの日の口づけのことを不意に思い出してしまった。
貴家ミメイ:「さ、咲ちゃんは今日も元気そうだね」
羽澄咲:「まあね!と言っても昨夜が昨夜だからちょっと寝不足だけど~」
羽澄咲:「あ、というかそうだ。これ紅春センパイにも伝えておいてほしいんだけど」
貴家ミメイ:「あれ。咲ちゃんも何かあったんだ。紅春センパイに? うん、いいけど……」
羽澄咲:「今晩未明ちゃんたちの部屋に行くから、二人とも居てほしいなって」
貴家ミメイ:「遊びに来るの? それは……構わないと思うけど……」
羽澄咲:「うん!ほら、約束したでしょ」
貴家ミメイ:「約束……? 咲ちゃんと……?」
羽澄咲:「ううん~。"あたしによく似た顔"の誰かが、昨夜」
羽澄咲:「まあ顔見せてなかったんだけど」
貴家ミメイ:「よく似た顔の……」どこかで聞いた言葉。
貴家ミメイ:「あ、もしかして――」
貴家ミメイ:「え、えええ!?  ま、まさか咲ちゃんが!?」
羽澄咲:「ふふっ、ナーイスリアクション!」
貴家ミメイ:「だ、だって。全然キャラが違うよ!?」
羽澄咲:「まあ……そこはねぇ」
羽澄咲:「逆に全然キャラ変わらない方が珍しくない?そういうのって」
羽澄咲:「あやちゃんセンパイだって大分違ったし」
貴家ミメイ:「そ、それはそうかもだけど。けど、ビックリしたぁ」
貴家ミメイ:「え、えっと。伝言の件は紅春センパイにはちゃんと伝えておくね」
羽澄咲:「うん!よろしくね」
貴家ミメイ:「あ、あの。咲ちゃん」不安そうに視線を落とす。
羽澄咲:「なぁにー?」
貴家ミメイ:「この間のことなんだけど……」
羽澄咲:「ごめん未明ちゃん、最近色々ありすぎてるから」
羽澄咲:「どの間のことかわかんないかも!」
貴家ミメイ:「あっ、そうだよね。えっと、わたしに優しくしてくれた日の……この言い方じゃ伝わらないか……」
貴家ミメイ:「き、キスしてくれた日のことなんだけど……」羞恥心でどんどん声が小さくなる。
羽澄咲:「あ、そこか。うんうん、どしたの?」
貴家ミメイ:「ええっと……ちょっと整理しながら話すね……」考えるようにしながら言葉を紡ぐ。
貴家ミメイ:「咲ちゃんがあの人だったことは……とりあえず置いておいて……」
羽澄咲:うんうんと頷きつつ置いておくジェスチャー。
貴家ミメイ:「うん、よし。えっと、咲ちゃん。あの日のことはすごく嬉しかったんだけど」
貴家ミメイ:「やっぱり浮気は……なかったことに……というか、あれっきりにしたいなって思って……」
羽澄咲:「んー……アリアちゃんと上手く行けそうな感じ?」
貴家ミメイ:「う、うん。実はそうなんだ。ごめんなさい。わたしの都合で振り回して」
貴家ミメイ:「咲ちゃんのことは好きだし、良い人だとは思ってるんだけど……ごめんなさい」
羽澄咲:「ううん~!アリアちゃんと上手く行くなら未明ちゃんも笑えるだろうし」
羽澄咲:「未明ちゃんが笑えるならあたしはそれでOKだよ!」
羽澄咲:あたしが笑わせられたらそれもそれで嬉しいけどね、と笑いつつ。
貴家ミメイ:これでいいはずなのになぜだか酷く胸が痛む。
貴家ミメイ:「さ、咲ちゃん。わたし、咲ちゃんのこと傷付けてるよね……!?」
羽澄咲:「ん?そう?」
羽澄咲:「あたし別に悲しいとか無いけど……?」 きょとんとした顔。
貴家ミメイ:「そ、そう……なの……?」
羽澄咲:「うん。ほら、前も言ったでしょ」
羽澄咲:「あたし、人が笑ってるのが好きで、笑ってもらうためなら何でも出来るの」
羽澄咲:「で、未明ちゃんはアリアちゃんと上手く行ったら嬉しいし笑えるでしょ?」
貴家ミメイ:「そ、それはそうだけど……。咲ちゃんはそれでいいの……?」
羽澄咲:「うん。良いよ」
羽澄咲:「今後は愚痴より惚気を聞けたらより嬉しいなぁ~ってくらい?」
貴家ミメイ:「よくないよ」首を振る。
羽澄咲:「え?」
貴家ミメイ:「よくない。それじゃあ、咲ちゃんは結局ひとりぼっちじゃない」
貴家ミメイ:「みんなのことは咲ちゃんが笑顔にしてくれるかもしれないけど、咲ちゃんの笑顔は誰が守るの?」
貴家ミメイ:仮面の少女の無機質な声を思い出す。
貴家ミメイ:「ごめんなさい。わたしがこんなことを言う資格なんてないのかもしれないけど……」
貴家ミメイ:「わたしは咲ちゃんにも、笑っていて欲しいかな」
羽澄咲:「……えへへ。心配してくれてありがと」 照れたようにはにかんで。
羽澄咲:「でもねぇ……詳しいことは今夜話すつもりなんだけど」
羽澄咲:「実はあたし、ひとりぼっちじゃないんだよね」
羽澄咲:「というか、ひとりぼっちになれないまであるというか」
貴家ミメイ:「ど、どういうこと。わたし、もしかしてまた先走っちゃった……?」
羽澄咲:「ふふ。未明ちゃんが先走ったっていうよりあたしがややこしいだけだけどね」
羽澄咲:「言ってもらえたあたしが嬉しいからオールおっけーということで」
貴家ミメイ:「う、嬉しがってるならいいけど……」
羽澄咲:「あ、後そうだ。未明ちゃんに会えたら今夜の前に聞いときたいな~って思ってた話が有ってね」
貴家ミメイ:「な、何?」
羽澄咲:「"ラズマタズ"の正体、アリアちゃんだったりするのかなって」 今日の一時間目数学だったよね、くらいの気軽さ。
貴家ミメイ:少しだけ驚いた顔をし、それから真っ直ぐに彼女を見る。
羽澄咲:「あっ、未明ちゃんから言っちゃうとマズい話だったりしたら大丈夫なんだけど」
羽澄咲:「ここ合ってるかどうかで、今晩どこまで話せるか変わるかな~って」
貴家ミメイ:「話しても問題ない、かな。どうせ今日の夜には分かると思うから」
貴家ミメイ:GM。アリアちゃんの秘密を咲ちゃんに渡しても構いませんか?
GM:では夏目アリアの『秘密』を羽澄さんにお渡しします。
貴家ミメイ:「……どこまで推察通りか分からないけど。わたしの知っていることは話したよ」
羽澄咲:「う~~ん。7割正解とかかなぁ」
羽澄咲:「花丸は貰えないけど、部分点は大体取れそうくらい?」
貴家ミメイ:「三割も外していたのはちょっと意外かも」
羽澄咲:「む。いくら諜報担当とはいえ、点しかもらえてない状態じゃ綺麗な絵は描けないんだもん!」
羽澄咲:「むしろ7割当てたことを褒めてほしいです~~」
貴家ミメイ:「あはは。そのキャラで諜報屋のお話をするの新鮮だな」くすりと笑う。
貴家ミメイ:「今のところの情報でどうなのかな。わたしたち、幸せになれそう?」
羽澄咲:「ん、ん……そうだなぁ」
羽澄咲:(正直、7割当てちゃったのが大分痛いというか怖いというか)
羽澄咲:(外れててほしかったところではあるんだけど……)
羽澄咲:「未明ちゃん、こういう時はね」
羽澄咲:「"なれそうか"より"なりたいか"が大事なんだよ。きっとね」
羽澄咲:「ちなみにあたしは超なりたい!皆で笑いたいです!」 選手宣誓のように片手をしゅばっと挙げて。
貴家ミメイ:少し意外そうな顔をし、それから微笑む。
貴家ミメイ:「わたしも。わたしもみんな幸せで、笑っていて欲しい」真似するようにそろりと手を挙げる。
貴家ミメイ:「もちろん咲ちゃんにも」
羽澄咲:「ふふ。なら頑張ろ」
羽澄咲:「大嘘つきなあやちゃんセンパイも、馬鹿正直な紅春センパイも」
羽澄咲:「笑わせちゃおうよ。今夜、たっぷり作戦会議してさ」
貴家ミメイ:「うん。そうしよう。そのためにいっぱい考えよう!」
貴家ミメイ:「……ねえ、咲ちゃん」
貴家ミメイ:「さっきの話。浮気は無しにしようって話なんだけど……」
貴家ミメイ:「やっぱり無しにするのを無しにしてもいい……?」
羽澄咲:「え?アリアちゃんと上手く行くんだから大丈夫なんじゃないの?」
貴家ミメイ:「……わたしのことよりも咲ちゃんのことが心配になっちゃって」
羽澄咲:「えぇ~?あたし、心配されるようなことないのになぁ」
貴家ミメイ:「夜のお話とかも聞いて咲ちゃんは平気そうだって安心できたら、その時は本当にごめんなさいしようと思うから」
貴家ミメイ:「それまでは傍にいさせてよ。ダメかな?」
羽澄咲:「もう。未明ちゃん、意外と強情なんだからなぁ」
羽澄咲:「じゃ、未明ちゃんが安心してごめんなさいできるまでは浮気相手で居ちゃおうかな」
貴家ミメイ:「言ったじゃない。わたし、結構重い女だって」
貴家ミメイ:「うん、そうしてくれると嬉しいな」微笑むと彼女の手をそっと握る。
羽澄咲:「アリアちゃんに刺されないよう気を付けないと」 ゆらゆらと繋がれた手を揺らす。
貴家ミメイ:これでいいはずだ。わたしは皆が幸せになる道を探すのだから。アリアちゃんをもう少しだけ裏切ることにはなってしまうけれど――。



GM:次のシーンです。シーンPCは阮心依さんです。
阮 心依:はい!前回約束したので羽澄ちゃんに会いたいです
羽澄咲:良いですよ~



阮 心依:繁華街の路地。華やかなチェーン店が街を彩り、忙しなく人々が行き交う雑踏。
阮 心依:友達との遊びの帰りか、一人でその町並みをゆく君の後ろから。
阮 心依:濃密な《ワーディング》の気配がある。それを一般人は気にもとめず、雑踏を行き交う。
羽澄咲:「……今晩約束あるから、あんまり遅くなれないんだけどなぁ」
羽澄咲:そう言いつつも見逃す選択肢はない。人ごみの真ん中で立ち止まりワーディングの中心へ振り返る。
阮 心依:「いいじゃないですか。少し遅れちゃうくらい……」
阮 心依:だれも彼らの気配を悟ることが出来なくなる、特殊なワーディング。
阮 心依:透明人間になったような心地で歩みを寄せる。
阮 心依:「無断外泊に比べればマシな違反です」
羽澄咲:「あはは、耳が痛い」
羽澄咲:「あやちゃんセンパイ、ワーディングまで特殊仕様なんですね」
羽澄咲:こんな効果初めてみました、と通り過ぎていく人々を見て。
阮 心依:「すごいでしょう。前は、ここまでのことは出来なかったんですけどね」
阮 心依:ドス黒い、影が染み出していた。地面から広がるように粘液質なそれ。
羽澄咲:「つまり、能力がパワーアップしてる……だけじゃなさそうですけど」
羽澄咲:「使えて大丈夫な奴ですか、ソレ。大分禍々しくないです?」
阮 心依:「ふふ、ふふふふ……これなら、これならね」
阮 心依:大地から吹き上がるようにして、黒い稲妻のような触手が迸った。
阮 心依:「これなら誰にも気付かれず、羽澄ちゃんを─────私が、笑顔に、出来ると思うんだぁ」
阮 心依:「羽澄ちゃんにだって、邪魔はさせないよ」
羽澄咲:「うーーん……。センパイがあたしを笑顔にしたい!って思ってくれてるのは嬉しいんですけど」
羽澄咲:「大分身の危険を感じるので邪魔するかもですね!すみません!」
阮 心依:手番行動で戦闘を宣言します!
GM:OKです。ミドル戦闘を開始します。
GM:ラウンド1
GM:セットアップから。
羽澄咲:ブルーゲイル使います!行動値と侵蝕値+5!
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を5増加(74 → 79)
羽澄咲:羽澄咲のイニシアチブを5増加(5 → 10)
阮 心依:怨念の呪石を使用。暴走し、暴走中攻撃の攻撃力+2d、侵蝕+3。
阮 心依:変異暴走:破壊でリアクションは可能。
阮 心依:『シークレットモンスター』起動。あらゆる攻撃のダメージが+3D。
阮 心依:綾瀬川萌葱の侵蝕率を3増加(86 → 89)
GM:ではイニシアチブ
GM:行動値10 羽澄さんの手番です。
羽澄咲:はーい
羽澄咲:Mirr0r:オリジン(サイバー)LV5→シーン間【社会】を用いた判定の達成値+10、侵蝕値+2
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を2増加(79 → 81)
羽澄咲:メジャーでParr0t:絶対の恐怖LV4+神の御言葉LV2→攻撃力+5+15、装甲無視、1シナリオ3回、侵蝕値+7
羽澄咲:判定行きます!
羽澄咲:(4+2)dx+16+10
DoubleCross : (6DX10+26) → 9[4,4,5,8,8,9]+26 → 35

羽澄咲:回らんけどどうだ!
GM:阮さんはリアクションをどうぞ
阮 心依:ガード、《自動触手》宣言。侵蝕を+2。
阮 心依:3D10+9
DoubleCross : (3D10+9) → 17[8,7,2]+9 → 26

羽澄咲:いった!
羽澄咲:4d10+10+4+10
DoubleCross : (4D10+10+4+10) → 9[1,1,6,1]+10+4+10 → 33

羽澄咲:出目低すぎて危なかったな
阮 心依:こちらからは26点ダメージ
GM:同タイミングで戦闘不能になった場合、与えたダメージが大きい方の勝利となります。
羽澄咲:常備化してる強化ビジネススーツで装甲3点あるのでギリギリ耐えます!
羽澄咲:羽澄咲の侵蝕率を7増加(81 → 88)
GM:耐えてる!
GM:阮さんはどうかな
羽澄咲:羽澄咲のHPを23減少(25 → 2)
阮 心依:装甲無視なので……戦闘不能です!
GM:では勝者は羽澄さんとなります!
阮 心依:1d10
DoubleCross : (1D10) → 7

阮 心依:《リザレクト》。HP7、侵蝕が98。
GM:勝者となったキャラクターは、以下から1つを選んで敗者に命令できます。

・ロイスを取得させる
相互にロイスを取得する。この際、勝者は敗者が取得するロイスのP/N感情のどちらか片方を自由に指定してよい。この感情を敗者が許可なく変更することはできない。

・情報を奪う
勝者は敗者が所持している情報項目・『秘密』から1つを指定し、その内容を知ることができる。敗者本人の『秘密』でもよい。

羽澄咲:ロイス取得でお願いします 感情の指定はしなくてOKです
羽澄咲:強いて言えば、このシーン最後までロールした上であやちゃんセンパイの意志に添って決めてくださいというのが指定です
阮 心依:う~~~~
GM:ではロールに戻りましょう。なお羽澄さん側からもロイスは取得できます。

羽澄咲:戦闘の気配を感じ取ると同時、ポケットから掴み取った注射器を首筋へと打ち込む。
羽澄咲:いつ戦闘がおこるか分からないからと仕入れておいた反射増強剤。使わずに済むのが一番だったけど。
阮 心依:────ガラガラと音を立て、薬瓶に口を付けて錠剤を飲み下す。
阮 心依:脈動する触手が鋭くうねる。空間を浸潤していくように、枝分かれして広がる。
阮 心依:「……知ってるっ!?羽澄ちゃんっ! 健康な人間の体内にも、一日に5000個の癌細胞が発生しているんだって────」
阮 心依:黒い触手は、触れ合う先をもとめるかのように手を伸ばす。
阮 心依:「気ッ持ち悪いよね! 私みたいなエグザイルバケモノには、いったいいくつ生まれてるのかなぁ!?」
羽澄咲:「……うん。うん、分かってるよ」 センパイの叫びに答えるのではない、独り言のような呟き。
羽澄咲:「でも、その後は――」 不意に一つ鋭く吸い込んで。
"ルークレス":その顔つきが変わる。
阮 心依:「──────っ……!?」びくり。中に芯を通したように、触手が張り詰める。
"ルークレス":続けて口を開く。その声は変わらず羽澄咲の物だが。
"ルークレス":「本当。随分醜悪なことで」 聞いたことのない――いや、どこかで機械越しに聞いたような冷たい声音。
阮 心依:「な、に……それ?」
阮 心依:「羽澄ちゃん? 羽澄ちゃんのハズだよね?」
"ルークレス":「残念。声も顔も知らなくても口調なら覚えがあるんじゃないの、"マキャヴェリテラトーマ"」
"ルークレス":「私は"ルークレス"。あなたが味方のフリしてた、あなたの敵」
"ルークレス":その言葉が、真実が、衝撃が。
"ルークレス":そのまま心依の心身両面にダメージとして波及する。
阮 心依:……表情が歪む。噛み締めた勢いで、唇の端から鮮朱が飛び散る。
阮 心依:違う。その痛みはもっと深い苦痛を伴うものだ。臓腑が滾るような、心根が冷えるような、そのショックが、そのまま……
阮 心依:「──────”ルークレス”ッ!!」
阮 心依:膝を突く。
阮 心依:ぼどり、ぼどり、と萎びた触手が降り注ぎ、そのまま縮み上がるように消えていく。
"ルークレス":「……ん。もういいよ」
"ルークレス":その一言を皮切りに、また顔つきが変わる。今度はよく見慣れたそれへ。
羽澄咲:「……あやちゃんセンパイ!」
羽澄咲:駆け寄る。ゆっくりとしなび落ちていく触手の海の中を、躊躇いなく。
阮 心依:「……いま、は……」
阮 心依:静止か、問いかけか。口からこぼれ出ただけの言葉は、その歩みを止めることはない。
羽澄咲:「あたしです。羽澄咲」
阮 心依:「……っ…………」
羽澄咲:「あやちゃんセンパイのルームメイトで、怒らせてばっかの後輩の」
阮 心依:「羽澄……さん……」
羽澄咲:そうしてセンパイの前に辿り着くと、同じように膝をつく。
羽澄咲:「センパイ。やっぱり、やっぱりダメですよ」
阮 心依:「危ない、のに……私の触手……」
羽澄咲:「今センパイがいるところ。センパイが笑える気がしません」
羽澄咲:「別にこのくらい平気ですし!それは置いといて!」
羽澄咲:そう言いつつも足はいくらか傷ついているが、気にする様子はない。
阮 心依:ちりちり、と羽澄がしゃがみこんだその場を避けるように、黒が逃げる。
阮 心依:「…………く、う」
阮 心依:「今が……今がつらいだけなんだよ、こんなの……」
阮 心依:「だって、このままだったら……結局、みんな幸せになんてなれない」
羽澄咲:「だからセンパイが無理をして、能力で全部飲み込んで、有耶無耶にしちゃうんですか?」
羽澄咲:「センパイが全部抱え込んで、それで、センパイは笑えるんですか?」
阮 心依:「だって、だって! だって!」
阮 心依:「私たち、UGNとFHの少年兵チルドレンだよ? 嘘吐いて仲良しごっこして、それで何かを見つけた気になったって!」
羽澄咲:「ごっこじゃないですよ、センパイ」
阮 心依:「違うよ、ごっこなんだよ……!」
阮 心依:「私が全部、”ごっこ”にしちゃうんだ……っ!」
羽澄咲:「ごっこじゃないです。だって、そうじゃなかったら」
羽澄咲:「あたしのこと仲良しだって思ってくれてなかったら、センパイは今泣いてないでしょ」
羽澄咲:ボロボロと涙をこぼすその頬に手を添える。
阮 心依:「……ゔ、うぅぅぅ……」
阮 心依:「うぅぅぅぅぅ……………」駄々をこねるように、その手を払おうとするが。
羽澄咲:「大丈夫。大丈夫です」
羽澄咲:「立場が敵だって、自分で自分が許せなくたって」
羽澄咲:「あたしのこと仲良しって呼んでください。認めてください」
羽澄咲:「だってあたし、センパイの後輩でルームメイトですもん。ピアスデビューまでさせた仲の」
羽澄咲:「センパイがそう思ってくれるの、嬉しいんですよ。ホントのホントに!」
阮 心依:「それ、だって………ううん、違う……そっか……」
阮 心依:「『ピアスの話』は……本当にあったこと、だっけ…………」
羽澄咲:「そうですよ。せっかくプレゼントする気だったファーストピアス、置いてけぼりにして」
羽澄咲:「あたしの机にしまいっぱなしですよ、どうするんですか」
阮 心依:「……どうしよう、ね」
阮 心依:「日下ちゃんと話そうとして、上手く話せなくて」
阮 心依:「羽澄ちゃんに……仲間になってもらおうとして、それも失敗して」
阮 心依:「もう、寮の部屋にも戻れないのに……」
羽澄咲:「え?」
羽澄咲:「なんで戻ってこれないんです?」
阮 心依:「…………簡単に言うよね……もう」
羽澄咲:「だって戻ってきてほしいですもん。あたしは」
羽澄咲:「一人だと静かだし寂しいんですよ、あの部屋」
阮 心依:眉をハの字に傾ける。「……わかってる。私も、一人だけの個室ってこんなに寂しいんだって思ったよ」
羽澄咲:「……ね、センパイ」
羽澄咲:「どうすればいいか分からないなら、一緒に考えません?」
羽澄咲:「あたしたちがこれからどうしたらいいか」
羽澄咲:「ちょうど未明ちゃんと約束したとこなんです。今晩話そうって」
阮 心依:「…………」
羽澄咲:「センパイも一緒に行きましょうよ」 まるで以前買い物に誘った時と同じように笑って。
阮 心依:「これだけは、断っておくとね」
阮 心依:「私ね……今いる環境も、本当に、心の底から嫌なわけじゃないんだ」
阮 心依:「気の置けない同僚も居て、先生は……ちょっとスケベだけど、実は結構、優しくて」
阮 心依:「だからさ……」
阮 心依:差し伸べられた手に、手を添える。
阮 心依:「その話し合い、かなり大変になっちゃうと思うけど……大丈夫かなぁ?」
羽澄咲:「そこはまあ……実はセンパイ以外にも大分大変要素あるので今更ですね!」 にぱっと微笑んで。
羽澄咲:「それでもあたしは皆で笑いたいので!諦めませんよ!」
阮 心依:「えへへ、そこは一緒。……あーあ……」
阮 心依:「私、また裏切り者になっちゃうのかな」



GM:改めて、ロイスの取得をお願いします。
阮 心依:あっそうでした
阮 心依:羽澄咲 ○感謝/独占欲 で取得します
羽澄咲:あたしからは○親愛/心配で!
GM:OK!



貴家ミメイ:授業を終え、御樋代女学院の寮に戻ってくる。紅春センパイに咲ちゃんからの伝言を伝えなければと思っていたが、寮の部屋に彼女の姿はなかった。
貴家ミメイ:「紅春センパイ、まだ戻ってないんだ」少し寂しそうに呟く。
貴家ミメイ:それから何気なく机の上を見る。
貴家ミメイ:「何だろう、これ。手紙……?」訝しがりながらその手紙を手に取る。
:──いつの日かみんなとの買い物で選んだであろう、可愛らしい便箋に
:それと似合わないどこか硬筆な字で、封のちょうど真下に名前がつけてあった。
:「貴家ミメイへ センパイより」
貴家ミメイ:「紅春センパイ……?」
貴家ミメイ:嫌な予感がし、焦りながら封を開ける。
:「えー今日この頃は北の雪国に勝らぬとも劣らない寒い日が続いて──」
:「──なんて、やめやめ!お堅い形式も大事だけれど、流石にちょっとどうかと思いました」
:「なので、できる限り普段の喋り言葉の形で残すことにしました。私とミメイの仲だものね!」
貴家ミメイ:センパイらしいな、と思いながら読み進める。
:「ミメイが"ピーク・ア・ブー"だったのにはちょっと驚きました」
:「萌葱ともちょっと話したことなんだけどね。私の包帯とか、いつもの様子のこと、何にも追求してこないんだもの」
:「だから、もしかしたらそうかなーなんて。でもきっとこれは、そうであったらいいなという願いでもあったのでしょう」
:「裏の人間が、思惑があって追求してこないならよし。もし、万が一親しくなれそうなら──」
:「なんて、ちょっとした夢物語」
:「それにしたって、今考えてみればあまりにそのまますぎて逆にどうかと思います!」
貴家ミメイ:緊急事態なのは分かっているが、その優しい言葉遣いに心が和む。
:「言えた義理ではありませんが、隠す努力をしたほうがいいでしょう」
貴家ミメイ:「……センパイに言われてもなぁ」微笑みながらそうごちる。
:「どっちでもいい子なままとか────ちょっと、出来すぎているもの」
:「急に仮面を取るあたり、変な子なのも変わっていないようなので」
:「……うん、これを書いている真っ最中に気付きました。きっと私はそれで、安心したのだと思います」
貴家ミメイ:「ごめんなさい。少し反省します」嬉しげに呟く。
:「"ルークレス"にあなたを任せたのもきっとそのせい」
:「きっと彼女は、なんだかんだ言っても世話を焼いてくれそうな匂いがしたもの」
貴家ミメイ:「咲ちゃんに……?」
:「私は、"綾瀬川萌葱"に会ってきます」
:「私は、もう思い出すことができません」
:「思い出せないということを、思い出してしまいました」
貴家ミメイ:「いったい何を言って……」
:「こんな女の子みたいな口調で喋らない私とか、みんな誰も覚えていないでしょう?」
貴家ミメイ:「そんなの忘れるわけ、ないじゃないですか」
:「それが、彼女のせいだということに気づいてしまった以上、止まることできないでしょう」
:「だから、まずは二人の輪の中に、あの子が帰ってきてくれたら嬉しいなと思います」
:「私が残っていれば、最後に迎えてあげてください」
:「春はちょっと遠そうだけれど───冬だったら、そんな場所がどこかにあるかもしれないから」
:「寂しい寂しい鬼より。日下紅春」
貴家ミメイ:「紅春センパイ。どうして……?」困惑するように眉根を寄せる。
貴家ミメイ:「紅春センパイも一緒に幸せにならなきゃダメだって言ったじゃないですか……!」
:──「追記」
:「"トプシー・ターヴィー"はもういません」
:「ほんとうに、ごめんなさい」
貴家ミメイ:「……え」最後の言葉に目が留まる。
貴家ミメイ:「…………」紅春センパイの手紙のこと。親友からの告白。今回の事件。色々な事象が頭の中でつながる。
貴家ミメイ:「“トプシー・ターヴィー”はもういない……?」
貴家ミメイ:「紅春センパイが“トプシー・ターヴィー”を……」
貴家ミメイ:「アリアちゃんを殺した……?」
貴家ミメイ:いつの間にか手が震え、紙の端をくしゃくしゃに握り潰してしまっている。
貴家ミメイ:「……な、何これ。何これ何これ何これ」瞳が揺れる。
貴家ミメイ:その場にへたり込むと自分の肩を抱くようにする。
貴家ミメイ:日下紅春との思い出が脳裏にフラッシュバックする。
貴家ミメイ:「……わたし、恋人を殺した女に抱きかかえられて喜んでたの?」
貴家ミメイ:「最悪すぎる」乾いた笑いが出る。
貴家ミメイ:うずくまったまま嘔吐しそうなほどに何度もえずく。
貴家ミメイ:「みんなで一緒に幸せに、だなんて。初めから無理だったんだ」
貴家ミメイ:「バカだなぁ。わたし」瞳の端に涙を溜めている。
貴家ミメイ:ふらふらとした足取りで立ち上がる。
貴家ミメイ:「……確かめよう。アリアちゃんに会って確かめるんだ」
貴家ミメイ:まだこれが質の悪い夢である可能性だってほんの少しくらいあるかもしれない。
貴家ミメイ:ふらつきながら自室を出ると、アリアちゃんの部屋に向かう。
貴家ミメイ:弱々しくノックして彼女の部屋に入る。
GM:貴家ミメイが夏目アリアの自室に向かうと、彼女は何の異常も無く部屋着でベッドに寝転んでいた。
夏目アリア:「あれ?未明じゃん」
貴家ミメイ:「……えっと。うん、ごめんね。突然来て」
夏目アリア:「いきなりどうしたの?……あっ!さては……」
GM:その時、戸惑いや恐怖を塗り潰すかの如く、ミメイの心中に唐突に大きな寂しさが込み上げてくる。
夏目アリア:「寂しかったんでしょ!」
GM:ミメイ自身の意志に関係なく……しかし、最初からそうだったかのように。
貴家ミメイ:「……なに、これ」胸元を押さえる。途方もない喪失感。同時に奇妙な違和感がある。
貴家ミメイ:「さみ、しい。そうだけど、何か変……」
夏目アリア:「しょうがないなあ……」読んでいた雑誌をベッドに放り、両手を広げる。
夏目アリア:「ほら、おいで?」
貴家ミメイ:違う。こんなつもりじゃなかった。わたしは目の前の相手が本物かどうか確かめるために――。
貴家ミメイ:ふらふらと彼女の前に歩み出る。
貴家ミメイ:「アリアちゃん。わたし……」
夏目アリア:「ん?」
夏目アリア:にこりと笑って首を傾げる。
貴家ミメイ:「わたし、ずっと寂しかった。信頼した人はみんな何かを隠していてどこかにいなくなる。アリアちゃんはいなくならないよね……?」
貴家ミメイ:切なげな声が紡がれる。
夏目アリア:「……そっか……」
夏目アリア:「そうだよね。あんなことあったら不安になるよね」
貴家ミメイ:申し訳なさそうに、苦しそうに頷く。
夏目アリア:「大丈夫。あたしはずっと未明のそばにいるよ」
貴家ミメイ:すがるように彼女の目を見る。
貴家ミメイ:「あなたは、アリアちゃんだよね?」
夏目アリア:「そうだよ?」
夏目アリア:「未明が知ってる、夏目アリア」
夏目アリア:「もう隠し事なんて何も無いよ」
夏目アリア:君の目を真っすぐに見て頷く。
貴家ミメイ:「よかった。もうどこにもいかないでよ」震える体のままに彼女に抱きつく。
夏目アリア:「勿論」安心させるように、少し力を籠めて抱き返す。
夏目アリア:「約束するよ。どこにも行ったりしない」
夏目アリア:その言葉には、不思議と──異様な説得力と安心感がある。
貴家ミメイ:先ほどまで絶望の淵に叩き落とされたような心持ちでいたのが嘘のように
貴家ミメイ:笑みがこぼれ出る。
貴家ミメイ:「その言葉が聞けて良かった。大好きだよ、アリアちゃん」
夏目アリア:「うん!」
夏目アリア:未明を抱き上げるようにしてくるりと回り、二人纏めてベッドに倒れ込む。
夏目アリア:「あたしも大好き!」
貴家ミメイ:「ち、ちょっと。アリアちゃん……?」急な行動に狼狽して赤面する。
貴家ミメイ:「いきなりどうしたの」
夏目アリア:同じ寮のものとは思えない、ふかふかの、上質なベッドだ。大きさもかなり違う……そもそもこの部屋自体が、通常の部屋よりずっと広いように感じられる。
夏目アリア:「なーに~?」頬を指先でくすぐるようにして
夏目アリア:「照れちゃって。こんなの昔はよくやってたでしょ」
貴家ミメイ:「……アリアちゃんって一人部屋なんだっけ。珍しいね……きゃっ」恥ずかしそうな声が漏れる。
貴家ミメイ:「昔って……小学生とか中学生の頃のことでしょ」
夏目アリア:ベッドに転がったまま、シーツに広がった銀髪を指でくるくると弄る。
貴家ミメイ:わずかに息が荒くなっている。どうしてこんな状況になっているのだろう。さっきまで何をしていたのだっけ。
夏目アリア:「未明、あの頃から寂しくなるといっつも会いに来たよね」
夏目アリア:「ご両親も忙しくてあんまり会えなかったし……」
貴家ミメイ:「だって、わたしがちゃんと話せる相手なんてアリアちゃんくらいしか……」頬を赤らめながら視線をそらす。
夏目アリア:君の感じていた疑念など何もかも無かったかのように、当たり前のように夏目アリアはそこにいる。
夏目アリア:「……今日は一緒に、夜更かししようか?」
夏目アリア:「ほら、あの頃の夏休みみたいにさ」
貴家ミメイ:「夏休み、って」アリアちゃんと初めてで、一度きりの口づけを交わした日のことを思い出す。
貴家ミメイ:「うん。そうしよっか」甘えるような声を出し、彼女の方に手を伸ばした。
夏目アリア:その夜二人は、まるで陽の沈まぬ白夜のように長い夜を語り明かした。
夏目アリア:楽しい時間はいつまでも終わらず……貴家ミメイは、しかし想像もしなかった。
夏目アリア:そこで流れる時間が、事実通常のそれよりも、ずっと長く遅く流れていたことなど。
夏目アリア:『秘密』を公開します。
貴家ミメイ:もう隠し事ないって言ったじゃん!

『秘密』:夏目アリア

夏目アリアの正体は“ラズマタズ”であり“トプシー・ターヴィー”だ。
元々FHチルドレン“ラズマタズ”であり、長らく“トプシー・ターヴィー”としてUGNに潜入していた。
また、彼女はここ数カ月の記憶が無い。“ペルシステンシア”によれば任務中の負傷で昏睡状態にあったらしく、それを機に潜入を切り上げFHに戻るよう命じられた。
貴家ミメイ:あっ、これは知ってるやつ
貴家ミメイ:オーケーです



GM:次のシーンです。シーンPCは羽澄咲さんです。
羽澄咲:はーい!
羽澄咲:今回は先に判定したいと思います
羽澄咲:抜くなら先生かもえちゃんかだけど……先生かなぁ
GM:・『秘密』:白戸瀬鞠音 難易度:6
羽澄咲:普通に振ります コネ:FH幹部使用
羽澄咲:7dx+6>=6
DoubleCross : (7DX10+6>=6) → 10[2,2,2,3,7,10,10]+3[2,3]+6 → 19 → 成功

貴家ミメイ:さすが!
GM:強すぎる……
羽澄咲:情報無双!
阮 心依:最強だ……
日下紅春:強すぎ!
GM:ではお渡しします。
羽澄咲:確認しました!
GM:シーンの内容と登場キャラクターはどうしますか?
羽澄咲:シーンとしては、"ルークレス"として"ペルシステンシア"に会いに行くシーンにしたいです
羽澄咲:登場キャラクターも"ペルシステンシア"で
GM:単独でいいのかな?
羽澄咲:それと今抜いた先生の情報はPC全員に共有します
貴家ミメイ:!!
羽澄咲:うーーーん……いや、一人で行きます
貴家ミメイ:悩んでる……
羽澄咲:行ってくるという情報自体は先生の秘密と合わせて全員に共有しておく感じで
阮 心依:皆で笑いたいって言ったのに!
GM:一応、自分のを公開するのではない他人の『秘密』は同時に登場してる相手にしか渡せないかな
羽澄咲:あ、そっか じゃあ全員登場してもらうか
貴家ミメイ:む、了解です
白戸瀬鞠音:やめて~~
阮 心依:貴家ちゃんは出れるのかな
羽澄咲:じゃあそうだな その共有のためのメールを全員に送信して
羽澄咲:各々にリアクション取ってもらってからタイマンやろっかな
GM:メインシーンに出られないとなるとゲーム的にあれなので出られるかな
阮 心依:よかった~
日下紅春:出てこれた!
阮 心依:流れも……了解です
貴家ミメイ:出ます。アリアちゃんと幸せな時間を過ごした後に
GM:心依さんがその後どうしたのかという感じですが……
GM:では全員登場という形でやっていきましょうか
GM:秘密は全員に渡して公開という形でいいのかな?
羽澄咲:はい!
GM:では公開します。

『秘密』:白戸瀬鞠音

白戸瀬鞠音の正体は“ペルシステンシア”だ。
“ペルシステンシア”はセル本部が掲げる目的などどうでもよく、実際には自分の研究のことしか考えていない。
御樋代女学院に潜伏しているのも、隠れ潜むのに最適かつ、精神的に未成熟な少女という、格好の実験材料がいくらでも手に入るからだ。
無論、セルメンバーの安全を案じるような言動も、自身の立場と戦力や貴重な非検体に対するものでしかない。
彼女はセルメンバーに対し、定期健診と銘打って無断でその記憶・意識の情報を複製保存している。
記憶の一部を消去・改竄することで感情や価値観に任意の変化を齎す、同一人物の別時期の人格同士で対話させる、意識の無い肉体に別の人格を植え付けるなどの実験を、シミュレーション上、時には現実で日夜行っているようだ。
貴家ミメイ:さ、最悪すぎる!!
日下紅春:さ、最悪~~
阮 心依:クソヤバ女じゃん
羽澄咲:ヤバ女がよ~~~
GM:ではシーンに入っていきましょう



羽澄咲:そのメールが届いたのは、そろそろ夜の入りという時間。
羽澄咲:―――――
羽澄咲:件名:ビッグニュース!緊急!絶対読んでね!
To:あやちゃんセンパイ、紅春センパイ、未明ちゃん

このメールは秘密保持のため一定時間で消えます。早めに読んでね。
というのも、あたしの方でやってた独自調査でとんでもないことが分かったのでひとまず皆に共有しとこうと思って。
本当にとんでもないので他の人には言わないようお願いします。特に未明ちゃん、アリアちゃんにも言わないこと。
で、本題なんだけど"ペルシステンシア"の正体がどうやら白戸瀬先生っぽいです。
あたしもそれなり長い付き合いのはずなのに全然気づきませんでした。怖すぎるんですけど。
まあそれ以外にもいろいろあるんだけどそれは添付したファイル見てください。そっちも解凍から1時間で消えるから気を付けてね。
あたしはこれがマジ情報か確かめたいので先生に直接会ってきます。約束の時間までには戻るつもりだけど、遅刻しても許してほしいです。

では、よろしく。 羽澄咲

羽澄咲:―――――
羽澄咲:彼女にしては珍しく絵文字が無く、要点だけまとめたメールだ。
貴家ミメイ:メールを読むと一気に青ざめて部屋を飛び出す。
貴家ミメイ:寮の廊下で冷たい窓にもたれかかるようにして夜空を見上げる。
貴家ミメイ:「何が正しくて、何が間違ってるの。もう分からないよ……」
貴家ミメイ:苦しげにそう呻いた。
日下紅春:今まで心を支配していた飃風とは別の寒さが心根を貫く
日下紅春:「──確かめ、ないと」
阮 心依:「……别开玩笑ふざけてるの?」文面とファイル、双方に。開いた口が塞がらず、そのまま言葉が漏れた。
阮 心依:「……ああ、もう……!」居ても立っても居られず、保健室を抜け出す。「秘密主義にも程があるよ、私たち……!」
羽澄咲:各々が驚き、戸惑い、駆け出していたその頃には。
羽澄咲:羽澄咲は――
"ルークレス":――"ルークレス"は、白戸瀬鞠音の前に立っていた。
“ペルシステンシア”:「……招集を掛けた覚えは無いんだけどなあ」
“ペルシステンシア”:雑多に散らかった、薄暗いラボ。そこは営業中の物流倉庫の地下に密かに建造された地下施設だった。
"ルークレス":「でしょうね。掛けられた記憶も無い」
"ルークレス":仮面はつけていない。彼女相手には必要もないから。
"ルークレス":ただの一般人でしかなかった羽澄咲を"ルークレス"にしたのは。調整し、訓練し、チルドレンとして育てあげたのは。
"ルークレス":他でもない"ペルシステンシア"なのだから。
“ペルシステンシア”:「一応秘密のラボなんだけど……まあ君なら不思議は無いか」
“ペルシステンシア”:「それで、何の用かな?」
"ルークレス":「夏目アリアについて質問をしに」
"ルークレス":「正確に言うなら、"トプシー・ターヴィー"と"ラズマタズ"についても」
“ペルシステンシア”:「へえ?」
“ペルシステンシア”:驚いた様子も無く。
“ペルシステンシア”:「随分と世話焼きだよねえ、君も」
"ルークレス":「……世話焼きなのは私じゃない」 分ってる癖にと苦虫を噛みつぶした顔になる。
“ペルシステンシア”:「その様子じゃあ大体のことは掴んでると見えるけど……その上で聞きたいのは何かな?」
"ルークレス":「いくつかある。まずは……"トプシー・ターヴィー"は本当に死亡したのか」
“ペルシステンシア”:「ああ、うん」
“ペルシステンシア”:頷く。
“ペルシステンシア”:「死んだよ。死体もある。見るかい?」
"ルークレス":「……」 一応肉眼で確認するべきかという思考の間が空いて。
"ルークレス":「良い。あなたはここで嘘を吐かないだろうし、逆に嘘を吐くなら私が見破れないダミーを作るくらいする」
"ルークレス":「なら私が見たところで大して意味がない」
“ペルシステンシア”:「そうかい」
“ペルシステンシア”:「きちんと保管してあるのにな、残念だ。他には?」
"ルークレス":「彼女が確かに死んだなら、今夏目アリアを名乗っている彼女は何?」
“ペルシステンシア”:「何って……」
“ペルシステンシア”:肩を竦めて
“ペルシステンシア”:「夏目アリアだよ?」
"ルークレス":「……情報は正確に。あなたの教えでしょう」
“ペルシステンシア”:「そう睨まないでよ。怖いなぁ」
“ペルシステンシア”:「そうだね。正確に言えば……」
“ペルシステンシア”:「アレは夏目アリアの死体から製造したクローンに、バックアップ保存しておいた彼女の人格データを書き込んだものだ」
"ルークレス":「心身ともに複製品、ってわけ」
“ペルシステンシア”:「人聞きが悪いなぁ」
“ペルシステンシア”:「他人のことをとやかく言える立場かい?君が」
"ルークレス":「……」 一瞬の沈黙。
"ルークレス":「……ただコピーしたってだけでもないんでしょう」
“ペルシステンシア”:「うん?……ああ……」
“ペルシステンシア”:「どうやら誤解があるようだね。順を追って分かりやすく説明しようか」
"ルークレス":「……」 目だけで先を促す。
“ペルシステンシア”:「まず、僕が定期検診と称して“トプシー・ターヴィー”含む君たちの人格データをコピーしたのが7カ月前」
"ルークレス":一個人の尊厳を平然と侵すような行為を軽々しく明言され再び渋面になる。
“ペルシステンシア”:悪びれずに口にして、
“ペルシステンシア”:「そしてUGN、“マキャヴェリテラトーマ”が学院で大規模な記憶処理を行ったのが半年前」
“ペルシステンシア”:「“プロムルージュ”がFHのスパイと知らないまま、“トプシー・ターヴィー”を殺害したのが約3カ月前だ」
“ペルシステンシア”:「僕はそれからクローンの作成と人格の定着に取り掛かり、完成したのがつい最近のこと」
“ペルシステンシア”:「だから目覚めた夏目アリアは、綾瀬川萌葱のことを知らなかった。彼女に会う前の人格からコピーしたわけだからね」
“ペルシステンシア”:「僕はクローンの彼女に対し、君は任務で負傷を負い眠っていた、UGNへの潜入は中止になったと伝え、今後はFHとして復帰するように命じた」
“ペルシステンシア”:「後は君の知っての通りさ」
"ルークレス":「時系列や"マキャヴェリテラトーマ"の影響から逃れた辻褄は確かにそれで合う」
"ルークレス":「でも、彼女の能力は?」
"ルークレス":「例のセーフハウスを調べたら、明らかに以前と様子が変わってた。まるで新築同然に」
“ペルシステンシア”:「“ラズマタズ”の能力の、異常な向上についてだね」
"ルークレス":頷く。 「時間の巻き戻しなんてバロールかオルクスの領分でしょう」
“ペルシステンシア”:「あれは……」
“ペルシステンシア”:「僕の意図したことじゃない。端的に言えば……」
“ペルシステンシア”:「失敗しちゃった。ハハハハ!」
"ルークレス":盛大な舌打ち。
"ルークレス":どこまでもこの女に振り回されている現状が馬鹿らしくなってくる。
“ペルシステンシア”:「僕が彼女に対し何らかの特別な処置を行い、能力を増強しようとしたとでも考えたのかな?」
“ペルシステンシア”:「残念ながら違うね。結局、実質的な死者の蘇生なんてまだ問題点が多すぎたわけだ」
“ペルシステンシア”:「彼女は単に、加速度的にジャーム化しつつある。今起きていることはただそれだけさ」
"ルークレス":「……止められる確率は?」
“ペルシステンシア”:「?」
“ペルシステンシア”:「さあ……考えてなかったな、そんなの」
“ペルシステンシア”:「こんな実験そうは出来ないじゃないか。意図しない事象とはいえ、彼女の飛躍には目を見張るものがある」
“ペルシステンシア”:「一体どこまで行くのか是非見てみたい。そう思うのが当然だろう?」
"ルークレス":「……」 一瞬、胸倉でも掴んでやろうかと思いかけて。
"ルークレス":止める。どうせこの女を殴ったところで、状況が好転するわけもない。
GM:夏目アリアの能力は既に暴走し、ジャームに近付きつつあります。
GM:クライマックスシーン終了時、ジャームである『夏目アリア』が生存していた場合、Eロイス《虚実崩壊》により、御樋代女学院は崩壊します。
"ルークレス":「……行くところまで行きついた結果、せっかくの実験場が壊れる可能性も高そうだけど」 せめての皮肉。
“ペルシステンシア”:「まあ、その時はその時だ。どの道既に半壊してるような状態じゃないか」
“ペルシステンシア”:「潮時と見て、別の拠点を探してもいい頃合いだ」
“ペルシステンシア”:「……随分と嫌そうな顔をしているね?ハハハ!」
“ペルシステンシア”:「やっぱりあちら側よりも、こちら側の君の方が余程感情豊かじゃないか」
"ルークレス":「うるさい。黙って」 反射のように食って掛かる。
"ルークレス":まるで逆鱗に触られた蛇か、あるいは悪戯に尻尾を掴まれた猫のように。
“ペルシステンシア”:芝居がかった仕草でかぶりを振る。
“ペルシステンシア”:「……それで? 聞きたいことはそれだけかい?」
"ルークレス":「……一応聞くけど。夏目アリアをジャーム化させないための手段は存在する?」
“ペルシステンシア”:「さあ……僕に聞かれてもねえ」
“ペルシステンシア”:「逆に聞きたいけど、そんな研究、僕が興味あると思う?」
"ルークレス":「……」 溜息。そうだろうと思った。
"ルークレス":「もう充分。帰る」 それだけ言って踵を返す。
“ペルシステンシア”:「おや。もういいのかい?」
"ルークレス":「……まだ何か、私にとって有用な情報があると?」
“ペルシステンシア”:「お茶でも飲んでいきなよ。君たちの人格をどう弄くるとどんな風に変化があるのか、是非じっくり話して……」
"ルークレス":ぴしゃりと戸を閉める。これ以上、声を聴くのも煩わしい。
"ルークレス":「……はぁ」 溜息を一つ。判明した事実は、状況を好転させるとは言えないものばかり。
"ルークレス":むしろその逆だろう。"ピーク・ア・ブー"が再会を喜んだ"夏目アリア"は模造品で、時限爆弾だった。
"ルークレス":この事実を伝えたら彼女はどうなる?ただでさえ、"プロムルージュ"の真実で精神を摩耗することが確定しているのに。
"ルークレス":その"プロムルージュ"も。自分が殺したのが後輩の想い人だなんて事実を知れば、背負った罪悪感は否応にも増すばかり。
"ルークレス":『皆で笑いたい』と。彼女達も、"マキャヴェリテラトーマ"も、語っていたのに。
"ルークレス":「どうして……」
"ルークレス":実験に利用されただけの彼女が。セルを守ろうとしただけの彼女が。任務に忠実だっただけの彼女が。
"ルークレス":こんな目に合うのだと。憤りや、虚無感や、あるいは多少の無力感を。
"ルークレス":宙に吐き出すように呟く。
"ルークレス":「どうして世界はこうも。悪人に罰が下らずに、善人ばかりが馬鹿を見る」
"ルークレス":ただただ自分の命惜しさに悪人ペルシステンシアに尻尾を振り、こうして悪党FHとしてのうのうと生きている自分には何もない。
"ルークレス":あるいは、その事実が最も腹立たしいのかもしれなかった。



GM:サイクル3最後のシーンです。シーンPCは貴家ミメイさんです。
貴家ミメイ:わたしです!
貴家ミメイ:シーンとしては咲ちゃん、紅春センパイ、萌葱センパイを呼んで今後の方針について話し合いたいです。
GM:OKです。
貴家ミメイ:行動としては情報収集をして秘密を調べたいと思います
貴家ミメイ:先に判定してしまいますね
貴家ミメイ:最後に残っている萌ちゃんの秘密を調べます
GM:・『秘密』:椿萌 難易度:6
貴家ミメイ:コネ:要人への貸しを使用して〈情報:FH〉で判定します
貴家ミメイ:6dx+1>=6
DoubleCross : (6DX10+1>=6) → 6[1,2,3,4,6,6]+1 → 7 → 成功

貴家ミメイ:あぶなっ
GM:ギリギリながら成功!
貴家ミメイ:コネ使っておいてよかった~
GM:では貴家さんに椿萌の『秘密』をお渡しします。
貴家ミメイ:すぐに他のみんなにも共有しますね~
阮 心依:わーい
羽澄咲:ありがとー
日下紅春:やった~
椿萌:許せない……
貴家ミメイ:咲ちゃん、なんでこの子に手を出してた?(秘密を見た)
羽澄咲:えっ
阮 心依:なになに~~
GM:公開するのかな?
貴家ミメイ:特に隠し持ってる必要もないので公開します!
GM:では公開します。

『秘密』:椿萌

椿萌はオーヴァードではない。
UGNともFHとも無関係であり、レネゲイドに関しても何も知らない。
彼女は国内有数の資産家の一人娘であり、学院にも多額の援助を行っている。
しかしそれ故に幼少から対等に接してくれる相手がおらず、それが不良のような振舞いの原因のようだ。
この『秘密』に対し情報収集判定を行ったPCは、以降シナリオ中の【社会】判定において達成値に+6してよい。
貴家ミメイ:あの……めちゃくちゃ一般人……
羽澄咲:やっぱ一般人枠だったんだ……
阮 心依:かわいっ
日下紅春:めちゃくちゃ一般人じゃん!
貴家ミメイ:一般人に手を出した女だよ、咲ちゃん
日下紅春:やっぱりそうだったんだ咲ちゃん
羽澄咲:いや~ えへへ
貴家ミメイ:えへへじゃないよ
貴家ミメイ:じゃあ、持っている情報や秘密を共有しながら話し合いをやっていきましょうね
阮 心依:羽澄ちゃんが抜いてたら最強生命体になってたんだね
阮 心依:社会判定全部だから
羽澄咲:ホントだ 固定値+6強すぎる
貴家ミメイ:ほ、本当だ。交渉でも使える
日下紅春:確かに 情報収集じゃなくて全部乗るんだ
GM:ではシーンを始めましょう。



貴家ミメイ:夜。御樋代女学院の寮の部屋。
貴家ミメイ:そこに、四人の少女が集まっていた。
貴家ミメイ:なんか分からないけど負傷していた紅春センパイをベッドに寝かせ、彼女のベッドを中心にして各々がクッションに座ったり、ベッドに腰かけたりしている。
貴家ミメイ:情報共有が終わると口を開く。
貴家ミメイ:「……その話、本当なんだね。咲ちゃん」
羽澄咲:「うん。あの人、倫理観無いけどつく必要ない嘘はつかないから」
羽澄咲:「というか誤魔化す必要があると思うだけの倫理観持ってないから全部本当だと思う」
貴家ミメイ:「そっか。うん。色々言いたいことはあるんだけど。まずは……」
貴家ミメイ:立ち上がると萌葱センパイに抱きつく。
貴家ミメイ:「……本当に萌葱センパイなんですね。会えるのはもっと先になるかと思ってました」
貴家ミメイ:抱きついたまま泣きそうな声を出している。
阮 心依:「……うぅ……」テープで繋ぎ合わせた割れた面を外す。
阮 心依:「私がみんなに合わせる顔なんてないと思ってたのに」
阮 心依:「優しすぎるよ、貴家ちゃん……」
貴家ミメイ:「それはお互い様ですよ。とりあえず、ですけど、おかえりなさい。センパイ」
阮 心依:ぽんぽんと、暖かさを受け入れながら背中を叩く。
阮 心依:「うん。……ただいま」
貴家ミメイ:「咲ちゃんも紅春センパイも萌葱センパイもみんなの日常を取り戻すために色々考えて動いてくれていたんですね」
羽澄咲:「へへ。頑張りました!」 ブイサイン。
貴家ミメイ:「うん。なら、わたしだけずっと落ち込んでるわけにはいかないね」自分の頬を数度はたき、気合を入れ直す。
貴家ミメイ:それから三人に向き直る。
阮 心依:「ちょっと、一人で突っ走りすぎちゃったけど」
日下紅春:「……ぐるぐる回って、独りで暴走して」
日下紅春:「ほんとに、道化みたいだったけどね……」
日下紅春:ベッドの上、腕で目元を覆いながら悔しそうな声を漏らす
貴家ミメイ:「そんなことないです。みんなのためにやってくれたことだと思うから」
貴家ミメイ:「その気持ちが、わたしは嬉しいと思います」
貴家ミメイ:膝をついて紅春センパイのベッドのそばに寄る。
貴家ミメイ:「紅春センパイ。アリアちゃんのこと。許します……とは言えないんですけど。もう責めることはしません」
貴家ミメイ:「わたしだってたくさん間違いはしてきたし。紅春センパイが優しい人なのは分かっているつもりですので」
貴家ミメイ:「これからはみんなで一緒に今できることをやりましょう」
日下紅春:「……うん。ミメイにだけは、そう言われちゃったら勝てないから」
日下紅春:「ごめんね……。格好悪いセンパイで……ほんとうに、ごめんね……」ボロボロと目元に被せた制服の腕が濡れていく
貴家ミメイ:「だから、それはお互い様です。それと、後遺症の件もあまり一人で抱え込まないでくださいね」
日下紅春:「うん。ゔん……!」
貴家ミメイ:「自分を傷付ける以外にも解消法はあるんじゃ……例えばわたしや咲ちゃんや萌葱センパイを傷付けて一時的に発散するとか……?」
貴家ミメイ:「ま、まあ。その辺はあとでみんなで話し合いましょう……!」
阮 心依:「なんか、そっちのほうがちゃんと発散になりそうだよね」変異暴走を患うものとしてなんとなく。
阮 心依:「私もやぶさかでないけど……そういう相談は後でいっか?」
貴家ミメイ:「傷付けられ役、やってくれるんですか、萌葱センパイ……?」
羽澄咲:「だねぇ。まずはこの後どうするか、が先かも」
貴家ミメイ:「それと、アリアちゃんのことは……」少し前。彼女と過ごした温かな時間を思い出す。
貴家ミメイ:「わたしがなんとかします。だから、心配しないで」
貴家ミメイ:「この後のことについてわたしから提案、があるんだけど……」
貴家ミメイ:「その前に確認です。萌葱センパイはUGNに愛着はあるんですよね?」
阮 心依:(しないで、って言われても。心配はするけどな……)軽く目を細めて
阮 心依:「……うん。というか、申し訳ないけど今回の件を知ったら流石に」
阮 心依:「UGNの立場としても、”サヴェジ・ルナリア”を今のままにはしておけないよね」
貴家ミメイ:「いいんです、それは。この状況でFHに鞍替えしろ、なんて言いません」
阮 心依:「ううん、こっちこそごめん。私のこと、案じてくれてるのは分かるから……」
貴家ミメイ:「咲ちゃんと紅春センパイはFH……ううん。“ペルシステンシア”に愛着はある?」
日下紅春:「……愛着とは違うけど……私はリーダーのこと、まだちょっと信じたい」
日下紅春:「あの人は"トプシー・ターヴィー"のことを知っていながら、それが潜入した"ラズマタズ"だって一度も言う事はなくて」
日下紅春:ふつふつと、涙声が熱を帯びたものに変わってくる。
日下紅春:「セルの皆の学園生活が危ないと思って、護りたくて、それなのに実は潜入中の仲間だったとかほんとお笑い草──!」
日下紅春:「『過失』『誤解』『こんなはず』なんて当然だよ!私は夏目アリアのこと何にも知らないで───これから知って行くのも、出来なくなっちゃうのに……」
羽澄咲:「紅春センパイ紅春センパイ!落ち着いて!」
羽澄咲:「傷開いちゃう!」
日下紅春:「……うん、ごめん」ぱたりと腕を弛緩させ、マットレスの上に放り出す
日下紅春:「だから、それが私を守るためだったのか……嘘で、弄ぶためだったのか。ちゃんと聞きに行きたい」
貴家ミメイ:「……分かりました。咲ちゃんはどう?」
羽澄咲:「あたしは~~……正直、あんまりあの人のこと好きじゃないからなぁ」
貴家ミメイ:「咲ちゃんがそんなこと言うなんて珍しい」
羽澄咲:「まあ、あたし基本人類ラブなとこあるからね」
羽澄咲:「でもあの人はちょっと……自分が楽しむために他の人が笑えないことし過ぎだし」
羽澄咲:「皆にもルクちゃんにも色々してるから、好きとは言えないなぁ」
貴家ミメイ:「ルクちゃん……?」不思議そうにしながらも頷く。
阮 心依:「ルクちゃん……ああ、”ルークレス”か」
日下紅春:「ルクちゃん……ふふ。そんな風に言ってるんだ、あっちの名前」
日下紅春:ふいのそんなことで、部屋に集まってから初めて軽やかな空気が流れた
羽澄咲:「うん、そう~。まあそこは一回置いといて」 ジェスチャー。
貴家ミメイ:「分かりました。じゃあ、ここからがわたしの提案なんですけど」
貴家ミメイ:「まずは第一段階なんですが。紅春センパイ、“ペルシステンシア”に事情を聞きにいきましょう」
日下紅春:「うん……」
貴家ミメイ:「それで、相手が信じられないとなった後の話なんですが」
貴家ミメイ:「下剋上、とかはどうでしょうか」
阮 心依:「ゲコクジョ……あ、まって、出てきそう」
羽澄咲:「ヒント要ります?」
阮 心依:「社会の本で読んだことある。えーっと、ここまで出かかってるんだけど」
日下紅春:「昔の言葉だし……一応漢籍由来じゃなかったっけ?」
貴家ミメイ:「た、大河ドラマの……ほら……」うずうずしている。
羽澄咲:「漢籍で合ってるよ~。『五行大義』だね」
貴家ミメイ:「じゃ、じゃなくて! 漢字はどうでもいいんですよ!」
貴家ミメイ:「UGN……萌葱センパイと協力して“ペルシステンシア”を打倒。わたしたちがセルの主導権を握り、その後もUGNとの協力体制を続けます」
阮 心依:「……ああ、”以下犯上”ね! つまり、”サヴェジ・ルナリア”をみんなで乗っ取るってことだ……」
貴家ミメイ:「UGNは萌葱センパイが発言権を持っている限りは交渉の余地があります。これなら、萌葱センパイもUGNを裏切らずに済むんじゃないでしょうか」
阮 心依:「…………ええぇ!?!?」
貴家ミメイ:「セルの新しいリーダーは……やっぱり一番古参の咲ちゃんがいいかな?」
羽澄咲:「えぇ~?柄じゃないよぉ」
羽澄咲:「言い出しっぺだし未明ちゃんしてよ」
貴家ミメイ:「わたしはダメだよ。元々部外者だもん」
羽澄咲:「む……それを言われると弱いけど」
日下紅春:「私はどっちでも……あ、ううん。違うね」
日下紅春:「どっちになっても、二人になら付いていけるよ」
貴家ミメイ:「でしょ。その役目は咲ちゃんにしかやれないと思う」
阮 心依:(普段どおりの会話みたいだ……FHってこういうことよくあるのかな……)
日下紅春:「でも上の立場から纏めるのは、確かに咲が適任だと思うな」
貴家ミメイ:「何言ってるんですか、紅春センパイ。咲ちゃんに断られたら次は紅春センパイにお願いするつもりだったんですからね」
日下紅春:「い、いやいや……私だけは絶対ムリだよ~~!」
羽澄咲:「でも紅春センパイ先輩じゃないですか!」
羽澄咲:「後輩導いてくださいよ!」
貴家ミメイ:「ね、年長者ですからね」
日下紅春:「それは……後輩の前で格好つけてただけで……」
日下紅春:「ミメイみたいに、包んでくれる優しさとか。咲みたいな、厳しいけどちゃんと見てくれてる人とか……。私は違うもん……」
阮 心依:「ちょ、ちょっと待って~~!」
貴家ミメイ:「は、はい。どうぞ、萌葱センパイ」
阮 心依:「ハァ、ハァ……わ、私のほうがドキドキしちゃう……」
阮 心依:「確かに言ってることはわかるけど……すごいこと考えるね、貴家ちゃん……!」
貴家ミメイ:「みんなが一緒に幸せになれるやり方ってもうこれしかないかなって。さすがに良くない、ですかね……?」
貴家ミメイ:不安そうに萌葱センパイを見る。
阮 心依:「……その状態でUGNとの協調を続けるってなると、他のセルとかからは目を付けられるかもね」
阮 心依:「年端もいかない私たちがリーダーになるのも、危険はある。私が中継するけど、UGNにちゃんと協力を取り付けられるかも、まだちょっと分からない」
阮 心依:「……けど」
阮 心依:「やっぱり、それがみんならしい手段だよ。みんなのこと、UGNにしちゃうよりずっといい」
貴家ミメイ:「だから、その。萌葱センパイも。もし何か大それた計画を考えているのであれば、この計画が終わった後にしていただけると……」
貴家ミメイ:「助かるかなって……」
阮 心依:「あ。新生サヴェジルナリアと全面抗争しちゃう?ふふふふっ」
貴家ミメイ:「こ、怖いこと言わないでください!」
日下紅春:「悪い笑い顔ー……」
羽澄咲:「無しです無し!センパイともっかい対決なんてヤですよあたし!」
羽澄咲:「勝てたの薬のお陰でギリギリなのに!」
貴家ミメイ:「そんなギリギリの状態で戦ってたんだ、咲ちゃん……」
阮 心依:「え~。羽澄ちゃんにいっぱい試したいことあったのにな~」
羽澄咲:「紅春センパイ!あやちゃんセンパイがイジメる!」
羽澄咲:「あたしか弱い諜報担当なのに~~!」
貴家ミメイ:「ど、どうしよう。この人、やっぱり討伐しておく……?」ひそひそ話す。
阮 心依:「……とにかく」ぐらぐらしたオーラとともに滲み出ていた触手が縮む。
日下紅春:「……そうだ咲も……いろんなこと任せっぱなしで……ごめん。ありがとうね」
日下紅春:「……だいじょうぶ。大丈夫!」心なしかいつもの陽気な声を取り戻して
日下紅春:「他のセルに目を付けられるのも、また戦いになっちゃうかもしれないのも」
日下紅春:「守るよ。ちゃんと守る……なにを守ったらいいかわからないさっきまでよりは、その方がずっと良いと思うの」
貴家ミメイ:「紅春センパイが守ってくれるなら安心です」穏やかな笑みを浮かべる。
日下紅春:「……ふ、ふふん。"ルークレス"との一騎打ちのとき教えそびれてたからね!数が有利ならそっちが楽に勝ててただろうって」それと同じ!と胸を張る
阮 心依:「うん、私からもその案に賛成したい」
阮 心依:「先生も……私たちの考えた決断なら、無下にはしないと思う。厳しいけど、そういう人たちだから」
貴家ミメイ:「うん。UGNってそういうものだよね」
羽澄咲:「美穂ちゃんがちょっと気になるけどねぇ。あやちゃんセンパイライバル視してるって聞いたし」
阮 心依:「”レランパゴ”はなあ……ある意味、私以上にこの計画に賭けてた感じだし……」思案する表情
貴家ミメイ:「咲ちゃんも乗ってくれる? “ペルシステンシア”と戦うことになるかもしれないけど……」
羽澄咲:「うん!あたしも、これが一番皆が笑えると思うもん!」
羽澄咲:「というか割と近い計画を考えてたんだよね。未明ちゃんの方から言われてビックリしちゃった」
貴家ミメイ:「ふふ。わたしたち、ちょっと似てるのかもね」
貴家ミメイ:「それじゃあ、作戦は二段階……ううん。三段階」
貴家ミメイ:「紅春センパイが“ペルシステンシア”の真意を問い質す」
貴家ミメイ:「信頼できないと判断した時点で全員で強襲して打倒する」
貴家ミメイ:「残されたアリアちゃんのことは……わたしがなんとかするので任せてもらう」
貴家ミメイ:「どう、でしょうか」不安そうに、だが確固たる意志をもって三人を見る。
日下紅春:「ミメイ……うん、ありがとう」
羽澄咲:「あたしは異論無し!」
羽澄咲:「アリアちゃんのこと、出来そうなことあったら手伝うよ~だけ」
阮 心依:「……貴家ちゃんが無茶するのはナシだよ、なんて。私たちが言っても説得力ゼロですけど」
阮 心依:「みんなで一緒に幸せになるんだからね。それが目的なら、異論なし」
日下紅春:「そうね。アリアのこと……私にも背負わせてって言いたいけど」
日下紅春:「そういう勝手にしょい込むのがダメなんだもんね……だから、せめて一緒にいるし」
日下紅春:「きっと、それは四人一緒」
羽澄咲:「あっ」
羽澄咲:「えーと。そういえば言い損ねてた話があるんだけど……」
貴家ミメイ:「どうしたの、咲ちゃん?」
羽澄咲:「四人じゃなくて"五人"一緒かも」
貴家ミメイ:「五人……?」
羽澄咲:「いやほら、今晩話すね~って言ってた秘密の話」
阮 心依:「ウッ……」
貴家ミメイ:「あ。咲ちゃんの秘密……!?」
阮 心依:渋い顔。「……あのコも……か……」
羽澄咲:「細かく話すと長いから先に簡単に言っちゃうんだけどね」
羽澄咲:「実はあたし、レネビなんだよね」
貴家ミメイ:「……うん!?」数度瞬きする。
羽澄咲:羽澄咲の秘密を公開します。
GM:了解しました。

『秘密』:羽澄咲

羽澄咲は――羽澄咲と"ルークレス"は疑似的な二重人格者である。
"ペルシステンシア"が残していた"ルークレス"の調整の記録や彼女自身のレネゲイドを観察することで、
羽澄咲として振る舞っている学生時と"ルークレス"として振る舞っているチルドレン時で、レネゲイドのパターンが変わることが判明した。
恐らく、彼女の意識と彼女が共生しているRBの意識が交代しながらその肉体を操作しているのだろう。
その結果、学生時とチルドレン時では人格そのものが入れ替わっている。両者の振る舞いの違いはこれが要因だと思われる。
これはどちらかの強制や強行によるものではなく、お互いに納得の元の役割分担らしい。
この『秘密』が公開されたとき、羽澄咲が取得しているロイスの感情に"ルークレス"としての感情を書き加える。
貴家ミメイ:「あの……まだちょっと混乱してるんだけど……」
貴家ミメイ:「わたしとちゅーしたのは、どっち……?」ひきつった表情のまま彼女を見た。
日下紅春:「み、ミメイ……?」
羽澄咲:「あたしだよ?」
貴家ミメイ:「う、うん。咲ちゃん、ルーちゃん。これからもよろしくね……」
貴家ミメイ:気まずそうに手を差し出した。
羽澄咲:「よろしく!」 にこにことその手を握り返す。
羽澄咲:その笑顔の裏側で、"ルークレス"が深い深い溜息を吐いた。



GM:3サイクルが終了しました。
貴家ミメイ:終わった……
阮 心依:最後に爆弾を落として……
日下紅春:長いようで短……いや濃かったな……
羽澄咲:あ、ロイス感情書き換えだけやっておきます!
羽澄咲:学校の友達:○親愛/隔意 → ○親愛もしくは諦観/隔意もしくは無関心
FHの仕事:○使命感/隔意 → ○使命感もしくは義務感/隔意もしくは嫌悪感
貴家未明:○親愛/心配  → ○親愛もしくは同情/心配もしくは隔意
綾瀬川萌葱:○親愛/心配 → ○親愛もしくは感心/心配もしくは劣等感

貴家ミメイ:もしくはがいっぱいある!
羽澄咲:もしくはの後がルークレスの方の感情です
GM:これより1人1票ずつ最も良いロールを行ったPC・NPCに投票を行い、MVPを決定します。
貴家ミメイ:NPCにも投票できるの!?
綾瀬川萌葱:名前戻そっと わ~
GM:MVPに選ばれたキャラクターは時間無制限のエクストラシーンを行う権利を獲得します。
貴家ミメイ:おお
GM:秘話でGMに自分以外の一名を投票してください。
貴家ミメイ:了解です
綾瀬川萌葱:う~~~~~~ん 悩ましいな……
羽澄咲:了解!
日下紅春:了解です~
GM:投票が完了しました。
GM:MVPに選ばれたのは……
GM:羽澄咲さんです。おめでとうございます!
羽澄咲:やった~!
貴家ミメイ:咲ちゃん! おめでとう!
日下紅春:おめでとうございます~!
綾瀬川萌葱:おめでとう~~~~
GM:羽澄さんにはエクストラシーンの権利が与えられます。
羽澄咲:エクストラシーン取れた時のこと何も考えてなかったことに今気付きました
羽澄咲:いやでも……思ったんですけど……
羽澄咲:このまま皆で決戦前夜としてお泊り会しません……?
貴家ミメイ:!?
綾瀬川萌葱:やった~~~~~~~~~~~~!!!!!
羽澄咲:私達が今一番求めてるもの、時間気にせず話していいことだと思う
日下紅春:そんな……い、いいの!?
日下紅春:それは本当に… 本当にね……
日下紅春:今までいろいろありすぎたから……
GM:なるほど……いいでしょう
GM:ではここから直でエクストラシーンという形で大丈夫ですか?
羽澄咲:はい!皆もOKなら!
日下紅春:もちろんOKです!
綾瀬川萌葱:もちろんです……!
貴家ミメイ:オーケーです!
GM:ではエクストラシーンを始めましょう。制限時間、登場侵蝕はありません。



【Extra scene】

羽澄咲:全員で意志を固めあったその後。
羽澄咲:もしかしたら襲撃があるかもしれないからそれに備えるという名目と。
羽澄咲:ようやく皆で同じ方向を向けたという達成感や離れがたさから。
羽澄咲:自然と一つの部屋に四人で集まりお泊り会をしようという話がまとまった。
貴家ミメイ:フード付きのモコモコしたパジャマを着た姿になっている。
貴家ミメイ:「この四人でお泊り会なんて。初めてかも、ですね」少しソワソワしている。
羽澄咲:「だねぇ。というか同じ寮の中でお泊りって発想なかったかも」
羽澄咲:こちらは上下セットのパジャマにカーディガンを羽織っている。
日下紅春:黒いシャツ状のシンプルな寝間着に、枕を両手で抱くように抱えながら
日下紅春:「寮則とかもあるけど……なんだかんだ、そういうことやる機会とか発想はなかったものね」
日下紅春:「なんだか……」
日下紅春:「えへへ……私たちって、仲良しなんだね」ふにゃり、と弛緩した笑み
貴家ミメイ:「ふふ。そうですね。こういう時間が戻ってきて良かったです」
綾瀬川萌葱:ゆったりしたシルエットの、フリルの付いたナイトウェアに身を包んでいる。
綾瀬川萌葱:「私はぁ~……4人だけなら、もっとよかったなぁ~」
貴家ミメイ:「4人だけって……ルーちゃんのことを気にしてるんですか?」
綾瀬川萌葱:「るーちゃんだって」じとーっとした目で羽澄ちゃんを捉える
羽澄咲:「あ、でも今ルクちゃん寝てますよ」
貴家ミメイ:「別人格って寝るんだ……」
羽澄咲:「方針がまとまったなら、それ以外は後から要点だけ聞けばいいからって」
羽澄咲:「そりゃ寝るよぉ。ルクちゃん人間だもん」
羽澄咲:「未明ちゃんだって四六時中起きっぱは無理でしょ?」
貴家ミメイ:「そ、それはそうだけど」
日下紅春:「人間だもんって……じゃあ咲の方は、ちょっと寝なかったりしても大丈夫だったりするの?」
羽澄咲:「あたしはレネビだからね!人間よりは寝なくても平気!」
羽澄咲:「まあ流石に休まないと効率落ちるし、そもそも体を休ませる必要もあるから」
羽澄咲:「起きっぱではないかなぁ。あたしの意識だけネットに飛ばしてそっちで色々してる時もあるよ~」
貴家ミメイ:「レネビだからって言い切られるのなんだか違和感あるなぁ」苦笑する。
日下紅春:「そっか。身体はひとつだものね」
綾瀬川萌葱:「えへへ、羽澄ちゃんは流石だねえ」
貴家ミメイ:「萌葱センパイはルーちゃんがいると居心地悪いんですか……?」
綾瀬川萌葱:「居心地が悪いっていうか……この間、そのるーちゃんのせいで私、すごい痛い目に逢ったし……他にも理由はあるけど……」
羽澄咲:「あはは……あれはほら、センパイも結構暴走気味だったじゃないですか」
綾瀬川萌葱:「どうせ私が悪いんですよ~……つーん」
羽澄咲:「それを止めるためって言うのもあったし~……ああもう、拗ねないでくださいよぉ」
羽澄咲:よしよしと猫の機嫌でも取るようにあやちゃんセンパイの頭を撫でている。
貴家ミメイ:「な、なるほど……。ルーちゃんともおいおい打ち解けていきましょうね……」
日下紅春:「ルクちゃん、仲良くなりたいけど何回チャレンジしてもにべもなしだったからねぇ」
綾瀬川萌葱:「……もうちょっと強めぇ」ふにゃふにゃに寄りかかりながら
羽澄咲:「はーい。よしよしよし……」 リクエスト通り強めに。
貴家ミメイ:「咲ちゃん、誰とでも距離が近いなぁ」
貴家ミメイ:微笑ましい様子で2人のやり取りを見ている。
羽澄咲:「ルクちゃん、人と話すの苦手でも嫌いでも多分ないんだけど」
羽澄咲:「それはそれとしてしようとしないんだよねぇ。必要最低限だけというか」
貴家ミメイ:「そういうのは好き好きだもんね。でも、いつかルーちゃんとも仲良くなれると嬉しいな」
綾瀬川萌葱:「そーそー、もうちょっと人馴れした方が可愛げも出るんじゃないかなあ」
綾瀬川萌葱:”キャラヴェルマキアート”時代のことは棚に上げている。
日下紅春:「人馴れって……ペットみたい」ふふ、と
貴家ミメイ:「萌葱センパイもだいぶキャラ変してましたけどね……」苦笑している。
羽澄咲:「ん~……でも多分、皆相手なら前までより上手く行きそうというか」
羽澄咲:「紅春センパイも察してたけど、完全に丸無視出来ないくらいには面倒見良いから」
羽澄咲:「今後は前より話せるよ!多分!」 希望的観測も込みの話。
貴家ミメイ:「咲ちゃんとルーちゃんと2人同時にお話できないのがちょっともどかしいな」
日下紅春:「でも他人を交えて自分同士で会話とか、私にはちょっと想像つかないかも」
羽澄咲:「あ、ちょっと力業になるけど出来なくもないよ」
貴家ミメイ:「で、できるの……?」
日下紅春:「ええっ。出来るの?」
綾瀬川萌葱:「しなくていいもん」頬を膨らませる
貴家ミメイ:「萌葱センパイ、いつまで拗ねてるんですか~」
羽澄咲:「あたし、元々電子系のレネビだから端末入って文章表示くらいは行けるんだよね」
羽澄咲:「で、その間体の方でルクちゃんに話してもらえば何とか?」
貴家ミメイ:「咲ちゃんがレネゲイドビーイングである事実を嚙み締めるたびにソワソワする~……」
綾瀬川萌葱:「じゃ、みんながるーちゃんと仲良くなる係で、私が羽澄ちゃんと仲良くなる係」
綾瀬川萌葱:「るーちゃんの体とお話してる間、私、羽澄ちゃんとチャットしてるから……」
貴家ミメイ:「そ、それはどうかと……」
日下紅春:「完全に拗ねちゃった……」
羽澄咲:「それじゃ同時にお話になりませんよ~」
綾瀬川萌葱:「……私もそうとは、思ったけどさあ」
貴家ミメイ:「あ、あの。咲ちゃん。こういうことを聞くのって少し申し訳ないんだけど……」
貴家ミメイ:「レネゲイドビーイング……電子の咲ちゃんって……」
貴家ミメイ:「キス、とかする時ってちゃんと気持ち良いの……?」恥ずかしそうに声が小さくなる。
羽澄咲:「気持ちいいよ~。だって体はルクちゃんのだし」
貴家ミメイ:「そ、そっか。じゃ、じゃあ良かった……」顔は真っ赤になっている。
羽澄咲:「ちゃんと人間の体と同じだよ。ご飯も美味しく食べれます」
貴家ミメイ:「ご飯も……美味しく食べれて良かったです……」
日下紅春:「そっか……レネゲイドビーイングにも、ちゃんと身体の快不快はあるんだもんね」
日下紅春:「……うん、よかった」
日下紅春:「私はミメイがそこまで爛れてたのにちょっとショックなのだけれど……」
綾瀬川萌葱:「そうだった、二人はキスしたって言ってたんだっけ」
貴家ミメイ:「そこ! 掘り下げなくていいです、萌葱センパイ!」
綾瀬川萌葱:「だめなの?私も羽澄ちゃんとキスしたいんだけど……」
貴家ミメイ:「別に爛れてたわけじゃ……って、何言ってるんですか、萌葱センパイ!?」
羽澄咲:「ん?センパイもキスしたいんですか?」
羽澄咲:「ならします?」
貴家ミメイ:「さ、咲ちゃん。なんでオーケーみたいな空気出してるの?」
日下紅春:「そ、そうだよ……」
日下紅春:「だ、だめっ」
綾瀬川萌葱:「うん。私結構上手だって評判だよ~」
綾瀬川萌葱:ちょっとした特技を披露するような態度で。
日下紅春:「だめ……だもん……」
日下紅春:くしゃりと枕に皺を作る
羽澄咲:「え、だって断る理由ないし……」
羽澄咲:「あ、二人がいる前でするのはアレか」
貴家ミメイ:「いや、見てるのは別に……じゃなくて。咲ちゃんはわたしの……!」
貴家ミメイ:「わたしの……なんでもないです……」
日下紅春:「……萌葱も。そんなことするならその前に今度こそ」
日下紅春:「わ、わたしが……お、……襲っちゃう、から……」
貴家ミメイ:「襲い未遂だったんですか、紅春センパイ……?」
日下紅春:「……ちがうもん。襲われたのは私だし」
綾瀬川萌葱:「えぇ、そういうことになってるの……?」
羽澄咲:「えっ、あやちゃんセンパイあたしだけじゃなくて紅春センパイも襲ってたんです?」
羽澄咲:なおこちらが襲われたのは普通に戦闘方面だがごっちゃにしている。
貴家ミメイ:「ええ……UGNって怖い……」
日下紅春:「しょうがないでしょ!だって……襲わ、、ないよう発散してるのに……」
日下紅春:「ちょうどそこに来て……まぁ、あれは私のヘマだけど……」
綾瀬川萌葱:「違うよぉ、保健室に日下ちゃんが押しかけ……なんて言うんだっけ、ああいうの……」
綾瀬川萌葱:「据え膳……?で……」
貴家ミメイ:「あの……お二人は……保健室でそういうことをシたんですか……?」顔が真っ赤になっている。
羽澄咲:「あやちゃんセンパイ……あんなに風紀が~~って言ってたのに……」 揶揄う気満々の顔。
綾瀬川萌葱:「だ、だって、普段見たことのない姿だったし……!(傷の)ナカがどうなってるのか(心配で)気になって……」
日下紅春:「裸の奥、弄られたし……」
日下紅春:「あ、あんなに痛くって──それに、隠してたから見られるのも初めてだったのに……!」
貴家ミメイ:「紅春センパイ……それなのにわたしに爛れてるとか言って……」
日下紅春:「う、ううう……ミメイ……違うもん!萌葱が悪いんだもん!」
貴家ミメイ:「ベッド、2つしかないんですけど先輩方は同じベッドで寝ていいですからね」
羽澄咲:「じゃああたしが未明ちゃんと同じ?」
貴家ミメイ:「ひゃっ」咲ちゃんのことを意識して思わず変な声が出る。
綾瀬川萌葱:「え~、くっつけて一緒のベッドにしようよぉ~」
貴家ミメイ:「お二人が色々してる時に近くにいるのはさすがに気まずいので……」遠慮がちに言う。
羽澄咲:「する前提で居るあたり、やっぱり未明ちゃん結構お年頃だよね」
貴家ミメイ:「ち、違うもん! 先輩たちが先にそういう話をしてたんだってば!」
日下紅春:「色々って言うけど……別に変に飛び散らせたりはしないわよ」
貴家ミメイ:「ぐ、具体的な話まではしなくてもいいです!」恥ずかしがっている。
日下紅春:「あれは感覚代替の延長で……もっと楽しいとか、くすぐったいとか」
日下紅春:「……その、気持ちいい、とかがあれば」赤くなる
日下紅春:「別に、自分で自分を傷つけなくたっていい訳だし……」
貴家ミメイ:「……これ、わたし何か勘違いしてた?」
羽澄咲:「多分そうかも」
羽澄咲:「これ衝動発散のための真面目なヤツかもだよ、未明ちゃん」
貴家ミメイ:「ベッドくっつけてもいいです……」
綾瀬川萌葱:「えへへ。そうかもしれないし、そうじゃないかもね」
日下紅春:「え?あれ……咲というかルクちゃんはミメイに話してなかったの……?」
羽澄咲:「いやぁ……どこまで話せるかな~ってライン探ってて」
羽澄咲:「そしたら紅春センパイの置手紙で隠したかった部分だけ全部先にバラされてて、流石にちょっと血の気引いた」
貴家ミメイ:「衝動のことか……わたしてっきり……」
羽澄咲:「結果話せそうだった衝動部分後回しって言うね!」
日下紅春:「じゃ、じゃあまだミメイには秘密に出来たんじゃん……!」
貴家ミメイ:「秘密、ダメです。そっちもこれから上手い解決方法を探していきましょうね」
日下紅春:枕を抱いた奥の身体ごときゅっと腕をしめて「でも、そういうの、よくないよね」
日下紅春:「ミメイが知りたいなら……教えるけど」ぴらり、シャツの前留めをはだけようと手をかける
貴家ミメイ:「べ、別に今すぐ見たいわけじゃないですから……!」
貴家ミメイ:「今は、その、どうなんですか。衝動は……?」
日下紅春:「……わかんない。突然豹変するものじゃないけど、波が襲うのはずっと続くかもしれないし」
日下紅春:「でも多分……思い出とか、楽しい感情とかで、ちょっとずつ埋めていけると思うんだ」
日下紅春:「大きい穴を慣れないもので埋めようとしたら……ほら、拒否反応みたいなものなのかもしれない」
綾瀬川萌葱:「楽しいって気持ちでも代わりになるなら……付き合うのは難しくなさそうだけど」
綾瀬川萌葱:「我慢できなくなったらいつでも言ってね? さっきも話したけど、日下ちゃんのは他の人も頼ったほうがいいやつだと思う」
日下紅春:「うん……まぁ、しばらくは対処方法は考えないとね」
貴家ミメイ:「ですね。萌葱センパイだけじゃなく、わたしも咲ちゃんもルーちゃんも力になりますから」ね、と咲ちゃんの方を見る。
羽澄咲:「もちろん!ルクちゃんもなんだかんだ言うけど力にはなってくれると思う!」
羽澄咲:「最悪あたしが強請り倒したら多分折れるし」
綾瀬川萌葱:「そうそう!私、痛いのは結構得意な方だし!」ふふん、と胸を張る
貴家ミメイ:「わたしもオーヴァードだから少しくらい痛いのは平気ですよ」
日下紅春:「みんな……うん……ありがとう……」
日下紅春:「萌葱もあのとき……ほんとうに、ごめんね」
綾瀬川萌葱:「ううん、謝らないでよね」
貴家ミメイ:あの時……。本当に真面目なやつだけだったのかな、と心中で勘ぐっている。
綾瀬川萌葱:「保健室の掃除はちょっと大変だったけどさ!汚れたシーツとか替えなきゃだったし」
貴家ミメイ:「それ、本当に真面目なやつだけでした?」思わず声に出た。
羽澄咲:「未明ちゃん、ステイステイ。真面目なお話だと思うから」 スッと止めに行く。
貴家ミメイ:「だ、だって……センパイたちが学内で淫らな行いを……」咲ちゃんに止められている。
日下紅春:「違うっ……ちがうの……!」
日下紅春:瞳に涙を湛え、勢いのまま抱き着いた
日下紅春:「ごめんなさい……っ……血とか、傷とかじゃなくて……」
日下紅春:「わたし、ひどいこと、いっぱい……言って……」
貴家ミメイ:「…………」真面目なやつかもしれない、という気になってきた。
綾瀬川萌葱:「わっ」「……もう、本当は甘えたがりですね?日下ちゃんは」
日下紅春:「うん……甘えたがり、だから……。起きたとき、自分が言ったことに気付いて……謝りたくて……」
日下紅春:「自分が、自分のこと嫌いだからって……」
日下紅春:「……"綾瀬川萌葱"が好きだからって、あなたのこと本当じゃないみたいに──無いものみたいに言おうとした!」
日下紅春:『"阮心依" 共感/○哀れみ』→『阮心依 ○幸福感/ほんの少しの距離』
日下紅春:「どっちも……本当なのに……。ごめん……痛い、よね……」
日下紅春:「痛かったよね……ごめん、なさい……」
綾瀬川萌葱:「……大丈夫だよ。私だって自分が好きじゃないのはおんなじだもん」
綾瀬川萌葱:指を絡めて、顔を寄せて向き合うように。
綾瀬川萌葱:「日下ちゃんもそうだって知れて、ちょっと安心したんだ……ひどいよね」
綾瀬川萌葱:「痛いのに、安心してた。おかしくなりそうなくらい悲しかったけど、嬉しかった」
日下紅春:絡み合って握る手の感触を、より一層強く返す。
貴家ミメイ:ドキドキしながら2人の様子を見守っている。横目で咲ちゃんを見る。
羽澄咲:二人が仲良くて嬉しいのでにこにこしながら見ている。
日下紅春:「私……ずっとめちゃくちゃだ」
日下紅春:「痛いのは嫌なのに……痛くさせたい、痛くしてほしい」
綾瀬川萌葱:「じゃあ、これでいい?」
綾瀬川萌葱:暗朱の髪の隙間から覗く白く透き通った耳。その端に、小さな歯でかぷ、と噛み付く。
日下紅春:僅かな苦痛も、今この瞬間はもっとずっと迅く、強い陶酔のように広がった。
貴家ミメイ:目の前の行為に驚き、反射的に咲ちゃんの手を握る。
羽澄咲:「?」 よく分からないけど握り返しておく。
綾瀬川萌葱:「っぷは……これは……うーん、ファースト何になるんだろうね」
日下紅春:「……ファースト、とか。気にする?乙女なんだね」
綾瀬川萌葱:「最近教えてもらったんだよ。最初が大事なんだって、こういうの」
日下紅春:そう言うと、押し倒した頭に顔を寄せ──
日下紅春:口を侵す。がり、と歯痕が薄く舌に印を刻んだ。
日下紅春:「……私、もうこうしないと生きていけないのに。だから、数える必要ないのに」
日下紅春:「うん……でも、そういうのも、いいかもね」
綾瀬川萌葱:「ん、ぁ────」「……ふふふ、困ったなぁ」
綾瀬川萌葱:「最初のピアスが舌になっちゃうのは、私でもヘンだって分かる……」
貴家ミメイ:「……っ」敬愛するセンパイたちの睦み合いを前にして心臓が高鳴る。思わず咲ちゃんの手をより強く握る。
羽澄咲:こういうのって一般的に人前でやらないこととしてインプットしてたんだけどなぁ。センパイ達は平気な人なのかなぁと思って見ている。
日下紅春:「────私って、重いかな?」
日下紅春:嗚呼、そうだ。誰も殺したくない私が 一番殺したかったのは私自身で──
日下紅春:だから、誰をも偽れる少女が 一番偽りたくなかったのは────
日下紅春:「こんなにも、痛みを求める……あなたに、あんなこといっぱいした理由は、きっとね」
日下紅春:「ああ 私は──あなたに、ゆるされたかったんだ」
貴家ミメイ:「さ、咲ちゃん。あまり見ない方がいいかも。向こうに行ってよう……?」小声で囁く。
羽澄咲:「あ、やっぱり見ちゃダメなヤツなんだ?じゃあ先に寝ておく?」
綾瀬川萌葱:「なんで~??」後輩二人がどっかに行っちゃうのは寂しいなと思っている。
日下紅春:「はぁ、はぁ……──あ、ごめん。やっぱり無理だ」
日下紅春:「急に来るのか、それとも……今ので余計大きくなっちゃたのか」
日下紅春:「萌葱一人で、大丈夫かな……」そう、どこか酷薄にすら聞こえる声音で
羽澄咲:「未明ちゃん、寝てる場合じゃなさそうかも」
貴家ミメイ:「う、うん。たぶんセンパイたちも見られたくないと思うから、わたしたちは……い、嫌じゃないんだ……」
貴家ミメイ:困ったような顔。
羽澄咲:「いやあの、そっちじゃなくて」
羽澄咲:「紅春センパイたぶん普通に暴走寸前だよ」
貴家ミメイ:「…………!?」
綾瀬川萌葱:「う、うん………ッ」「二人とも、待ってぇ」
貴家ミメイ:「く、紅春センパイ……どうすればいいですか。何か力になれることは……」
日下紅春:ゆらりと離れ伸ばした手が、絡んだ指から手首へ移り、強く───ぎゅうう、と音が聞こえる。
貴家ミメイ:「く、紅春センパイ!」慌てて駆け寄ると彼女の手を押さえる。
綾瀬川萌葱:圧力がのしかかる。呻くような声が口元から漏れる。「ふっ、ほ、本当にまずそう……っ!」
羽澄咲:「センパイ戻ってきて!」 こっちは背中に張り付いて剝がしにかかる。大分弱いが。
貴家ミメイ:「紅春センパイ。傷付けるのはいいですけど、殺しちゃダメです。やるなら優しく。優しくやってくださいね」
日下紅春:「────はッ、はっ……は、はは」
日下紅春:圧搾する勢いの片腕だけは握ってそのまま。空いていた腕を転がされるように仰向けに抑えられる。
日下紅春:「……私やっぱり……情けないセンパイみたいだ」
貴家ミメイ:「情けなくなんかないです。そのためにわたしたちは付いてるんですから」
綾瀬川萌葱:「よし、よし……うわ、ブルーベリーみたいな色になっちゃった」
羽澄咲:「すご……人の肌でこの色初めて見ました」
日下紅春:「ごめんね。それでも、助けてくれるなら───」はっ、はっ、とその間も息が上がり
日下紅春:「───忘れさせて。みんなで、私が今やろうとしてることなんか」
日下紅春:「どうでもよくなっちゃうくらい」
綾瀬川萌葱:未だ固く離れない手首を見ながら。日下ちゃんをみんなで取り囲むような形。
貴家ミメイ:「え、ええっと……」
貴家ミメイ:「紅春センパイ、それは……。するのと、されるの、どっちがいいんでしょうか……」
日下紅春:「あ、は……」
日下紅春:「どっちでも、いいよ。どっちの方だったら……」
日下紅春:「より、滅茶苦茶にしてくれるの?」
貴家ミメイ:困ったような目で萌葱センパイと咲ちゃんを見る。
綾瀬川萌葱:「う~ん……どうしよっか、羽澄ちゃん」
羽澄咲:「んー……滅茶苦茶になりたいなら」
羽澄咲:「される方じゃないかなって思いますけど」
綾瀬川萌葱:「まあ……そうだよねえ~~」にぱー、と毒気のない笑顔で。
貴家ミメイ:「なんで二人ともノリノリなの~……!」
羽澄咲:「だって紅春センパイがしてほしいみたいだし」
貴家ミメイ:「…………」
貴家ミメイ:「ちょっとだけ待ってね」
貴家ミメイ:スマホを取り出し、アリアちゃんに『愛してるよ』とLINEを送る。
貴家ミメイ:これは浮気じゃない。今度こそ浮気ではない。治療の一環だ。
貴家ミメイ:「ええっと、その。わたしは経験がないので……」
貴家ミメイ:「萌葱センパイと咲ちゃんを見ながら見よう見まねになっちゃうんですけど……」
貴家ミメイ:「それでも、よければ。紅春センパイを……滅茶苦茶にしますね……」
日下紅春:「──うん。初めてはみんな不慣れで、きっと優しくしきれず乱暴にされちゃうだろうけど」
日下紅春:「いいよ、ミメイ」
貴家ミメイ:ドキドキする。わたしは悪くない。大丈夫だ。胸を押さえながら咲ちゃんと萌葱センパイを見る。
羽澄咲:「じゃあお手本するとして、あたしとあやちゃんセンパイどっちから行きます?」
綾瀬川萌葱:「そうだな……私はずっと日下ちゃんとお話してたからさ」
綾瀬川萌葱:「違う刺激を上げた方が効果も高いんじゃないかな?」
貴家ミメイ:「……っ」どこまでするんだろう。キスやじゃれ合いまでで済むといいな、と思いながら二人の様子を窺う。それならまだ取返しがつく。
羽澄咲:「はーい。じゃああたしからで」
羽澄咲:そう言うと紅春センパイの口元へと指を伸ばす。
羽澄咲:「せ~んぱい?あーんってして?」 言いながらそっと唇をなぞる。
日下紅春:なぞる指を仕草にあわせて下唇の形が歪み
日下紅春:「は、あ……ん。………あー」
日下紅春:口元に手を添え促されたペットのように、舌先を小さく空気に覗かせた。
羽澄咲:「はい、上手。こっちは軽くなら噛んで良いから」
羽澄咲:「そのまま開けててね?」 そう言いつつ添えていた親指を口内に差し込む。
羽澄咲:ちょうど歯列に挟み込み、閉じられないよう抑える形。
日下紅春:「ん、むぐ……っ。お、ええ……」口内に異物が侵入した反射で軽く嘔吐く
羽澄咲:そうして今度は自分も屈みこみ、僅かに出ている舌先に自身の舌で触れる。
羽澄咲:最初は舌先同士を合わせて、そのままつうとなぞるように根本へ辿る。
羽澄咲:口内に忍び込んでからは、上顎、舌の裏、歯列の裏側と。反応の大きいところを探るように巡っていく。
日下紅春:口を閉じられないせいで喉元へ溜まっていく唾液へ、つらりと雫が泉に落ちて混じり合う。
貴家ミメイ:(咲ちゃん、すごく慣れてる。ああいうことしてるのやっぱりわたしとだけじゃないんだ……)両手で顔を覆いながら彼女の行為を窺い見る。
綾瀬川萌葱:「唾液、我慢しないで出しちゃってもいいからね」
綾瀬川萌葱:「どれだけ汚しても大丈夫。……気にしないほうが、もっと気持ちいいよ」
日下紅春:満足するまで、あるいは蹂躙しきるまで終わらないとばかりに閉じることを許されず
日下紅春:体内の異常を堅持し続けているせいか、涙を訴える目尻でこくりこくりと頷く。
羽澄咲:そうして、センパイの目尻から堪えきれなくなった涙が落ちた頃。
羽澄咲:ようやく舌先を抜いて、その潤んだ瞳を見つめる。
日下紅春:「うあ……は、はく……!ッんん!」
羽澄咲:「ん、ちょっと長かったかな。はい、ごっくん」
羽澄咲:口内から抜いた親指を顎下に添え、口を閉じさせつつ促す。
日下紅春:「ん、んく、……」促されるままに
日下紅春:「……は、はああ。あ、ああー」そして、服従の証のように再度口を開いて見せつける
羽澄咲:「ぜ~んぶ飲めてえらいえらい。いっぱい気持ちくなれた?」
羽澄咲:濡れていない方の手で褒めるように頭を撫でつつ。
日下紅春:「う、うん……」
日下紅春:「……咲のキスってその……すごいのね」
日下紅春:うん、すごかった……と、嚥下するように繰り返す
羽澄咲:「そう?あたし的にはいつもとやってること一緒だよ」
羽澄咲:「何したら喜んでもらえるかな~って探して、見つかったらそれをメインに試行錯誤」
羽澄咲:「ちなみに紅春センパイは、舌の裏が一番反応良かったかなぁ」
日下紅春:「……────!さ、咲っ!」
羽澄咲:「だってあたしお手本だもん~。情報共有大事!」
日下紅春:「ううう……その」
日下紅春:「……気持ち良かった、です……」
羽澄咲:「うんうん。そのためだもん、素直に言えて良い子良い子」
日下紅春:「私、センパイなのに……」
貴家ミメイ:「…………ぅ」惚けたような顔で二人のやり取りを見ている。
綾瀬川萌葱:「ふふ、いいこと聞いちゃった」
羽澄咲:「じゃあ次、未明ちゃん?それともあやちゃんセンパイ?」
貴家ミメイ:「つ、次は萌葱センパイですよね……?」
綾瀬川萌葱:「じゃあ私だね……それじゃあ貴家ちゃん、手伝って?」
貴家ミメイ:「て、手伝う……!?」
日下紅春:「え、あのっちょっと」
日下紅春:「ふたりがかりで……?」
日下紅春:そう望んだのは自分なのに、先程の体験の直後だからなのかやけに緊張してしまう
綾瀬川萌葱:日下ちゃんのシンプルな黒のカラーシャツ。裾を手繰り、ひとつひとつボタンを外していく。
日下紅春:「あ……」
日下紅春:「もえ、ぎ……」
綾瀬川萌葱:先程はすんでのところで阻止された、その内側。私は保健室でも見たけれど?
綾瀬川萌葱:「恥ずかしがらないの。隠したってもう知ってるもん」
日下紅春:先日と全く変わらない白い肌。滑らかな陶磁器を引っ搔いたような一本の傷跡が、治りかけで残っている。
貴家ミメイ:「手伝うって、どうすれば……」よく分からないまま紅春センパイを押さえ込むように彼女の後ろに座る。
羽澄咲:「あっ、こんな大きな傷作って……ダメだよセンパイ」
羽澄咲:見学に回りつつもちょっかいは出したいようで、傷をなぞって遊んでいる。
綾瀬川萌葱:軽くその傷を指の腹で撫でて、シャツをするりと外す。
日下紅春:「つっ……う、ふふ。くすぐったいよ」
綾瀬川萌葱:「うん……貴家ちゃんはさ、日下ちゃんと話をしてあげて?」
綾瀬川萌葱:「気になることがあったら質問するの」
貴家ミメイ:「お話……」その言葉を自分の中で咀嚼する。
貴家ミメイ:「え、えっと。じゃあ……」紅春センパイを後ろから抱きかかえるようにしたまま耳元で囁く。自然と柔らかな吐息がかかる。
貴家ミメイ:「……紅春センパイは、したいこととか、されたいこととか。あるんですか?」
日下紅春:「え──そ、そんな直球な。いえ、もう今更なのは今更なのだけれど……」ごにょごにょと言い淀む
綾瀬川萌葱:細い指先を肩に添える。刺激のない指の腹と、手のひらを使って。
綾瀬川萌葱:つつ、と撫ぜるように手先の方へ。
綾瀬川萌葱:ゆっくり、ゆっくり、円を描くように。緩慢な動きで、皮膚の熱を伝えていく。
日下紅春:ん、ん……今までとは違う柔らかな刺激に別の声音の息が漏れる。
貴家ミメイ:「何ですか、センパイ。声が小さくて聞こえないですよ」
日下紅春:「こ、これは回答とは違くてっ……!」
貴家ミメイ:「このままじゃ萌葱センパ……あなたの大好きな『もえぎ』がどうしていいか分からなくて困っちゃいますよ」紅春センパイの耳元で囁く。
綾瀬川萌葱:「そうだよぉ。私たちが、日下ちゃんのためにしてあげていることなんだから」
日下紅春:「う、うううううう」
日下紅春:ゔゔゔ、また別の声を漏らしてしまう。
綾瀬川萌葱:腕の内側を撫ぜて、さらさらとした手触りの伝う二の腕。
日下紅春:「ん、んぅ……そ、その」
日下紅春:「身体の内側に、押して……」
日下紅春:「ちょっと痛く……してほしい、です」
綾瀬川萌葱:「内側?……内側って、こういうこと?」
綾瀬川萌葱:指先による点による刺激を、摘むような刺激に変えて。
日下紅春:「……肌や筋肉の……強い、し、刺激の方が」
日下紅春:「人の感触を感じやすくて……き、気持ちいいから、です……!ううう……」
貴家ミメイ:なんだか、流されてしまっている気がする。けれども、この人たちの乱れる姿がもっと見たいと思う気持ちもある。
羽澄咲:「……ふむ」 3人の様子を観察してから何か頷き。
羽澄咲:「未明ちゃん、未明ちゃん」 ひそひそと耳打ち。
貴家ミメイ:「……?」体を少し離して聞き耳を立てる。
羽澄咲:「次囁くときなんだけどね……」 ごにょごにょ。
貴家ミメイ:こくりと頷く。
綾瀬川萌葱:「……それとも、こう?」爪を立てて、表面をこそぐように。掠めるような動き。
日下紅春:「い゛っ……い、あ、うう……」
日下紅春:「痒い、けど……多分、辞めたらもっと痒くなるやつ……」
日下紅春:「い、いや……いじわるしないで……」
綾瀬川萌葱:「まだ腕を撫でてあげてるだけなのにな……」
日下紅春:「そ、そんなことないもん……!だって、じゃあ、何でずっとやって……うう……」
貴家ミメイ:「もっと強い方がいいんですよね。ねえ、『くれは』?」彼女の耳朶に唇の先で触れる。
日下紅春:「──ひ、う」
日下紅春:ぞわぞわ、と
日下紅春:想像してなかった声と、何より意識……貴家ミメイからそう呼ばれるという事態に
日下紅春:耳から痺れが馳せ奔った。
綾瀬川萌葱:「……ふぅん……そっか。もっと強い場所がいいんだね」
綾瀬川萌葱:手を離し。未だ傷跡の残る脇腹へ指を動かす。
綾瀬川萌葱:さわ、さわ。さわ、さわ。
日下紅春:「あっ、そ、そこは……」
綾瀬川萌葱:すり、すり。すり、すり。
綾瀬川萌葱:茹でた卵の薄皮すら傷つかないほどの、振れるか触れないか、その程度の軽さ。
日下紅春:指の腹が傷跡のかさかさした部分をなぞるたび、痛覚と快楽のゆるやかな波が交互に襲い混じり合う。
日下紅春:それを、何度も。
貴家ミメイ:「『くれは』。大好きな『もえぎ』の手が当たってるのわかりますよね? このままたくさん気持ち良くなりましょうね?」
貴家ミメイ:後ろから紅春センパイを抱きかかえたままもぞもぞと体を擦り合わせる。どうにもじれったい。
日下紅春:「あ、う……あ……」
日下紅春:覚めるような刺激でないからこそ、波にだんだんと揺さぶられ、その部分の感覚だけが浮いてくる。
羽澄咲:「『くれは』は気持ちよくなりたかったんだもんね?だからあたしたちにこんなこと頼んだんだもんね?」
羽澄咲:いつの間にか未明ちゃんの反対側の耳元へ移動している。囁きながら僅かに耳朶へ舌を這わせて。
日下紅春:耳元を囁かれた顔はゆるく弛緩し、頭がぼんやりとする。
羽澄咲:「なら、いっぱい気持ちよくなっちゃお。ぜ~んぶ忘れるくらい、ね?」
綾瀬川萌葱:もどかしいだけのふれあいではない。それだけでいいだけのことだ。
綾瀬川萌葱:神経の集まった箇所をなぞられるたび、鋭い感覚が内側に、内側に、染み込んでいく。
綾瀬川萌葱:ゆっくりと溜まっていく。わずかに開いた蛇口の先が、バスタブに水を注ぐように。
日下紅春:手で触れ続けられている部分は、マジックの箱で切り離されたかのように、どこか遠くに感じる。
日下紅春:だんだんと弱い刺激で慣らされたそれは
日下紅春:深く深く、奥へ沁み込んで──どんどん増す痛みすら、もう快楽の波としてしか認識できなくなっている。
綾瀬川萌葱:「……日下ちゃんは、こういう方がいいんだったっけ」
綾瀬川萌葱:────かりっ。
日下紅春:「───か、はっ」
日下紅春:「ぎっ、いい…………はぁ、はぁ……」突然の強い痛みに
日下紅春:身体を跳ねさせ、目をかちかちと瞼ごと開いては閉じる。
日下紅春:分離していたはずの感覚が、脳天を貫く一本の矢で刺され、無理矢理電気を通され全身が繋がるような衝撃。
綾瀬川萌葱:「……はは、強すぎたよね。”かりかり”は、たまにだけにしようね~」
綾瀬川萌葱:その刺激を馴染ませるように、指先による愛撫が続く。
貴家ミメイ:「くれは。かわいい。すごくかわいい、です……」もどかしそうに紅春センパイの太ももに自分の下腹部を擦りつけている。
貴家ミメイ:ミメイの舌が紅春センパイの耳朶をゆっくりと撫でる。
日下紅春:強引に引き戻された感覚のせいで、舌のざらざらとした感触と
日下紅春:生暖かい温度、声が、鼓膜を飛び越して脳に直で入ってくるよう。
綾瀬川萌葱:「よぉ~し……よし……大丈夫、大丈夫だよ……」
羽澄咲:「ふふ。くれはは、傷撫でられてるだけなのにこんなになっちゃうんだ」
羽澄咲:「普段あんなにひょうひょうとしてるのにねぇ。かわいいね」 耳奥に吹き込むように囁く。
綾瀬川萌葱:「もう、日下ちゃんの体は……ちょっとした刺激でも、こんな風になっちゃいます」
綾瀬川萌葱:「今までよりずっと深いところで、刺激を感じ取れる。それを自覚してくださいね……?」
綾瀬川萌葱:「そうすれば、もっとよくなるからね」
日下紅春:「わかった……わかったからぁ」
日下紅春:「……もう、ずっと。頭がぼんやりしたり、バチって繰り返したりして」
日下紅春:「もう、気持ちいいの、あぁ…………」
綾瀬川萌葱:「…………わ~っ」
綾瀬川萌葱:「私、今のゾクッときちゃった」体を横たえながら、攻め立てる二人に目をやる。
貴家ミメイ:「咲ちゃん。どうしたらもっと気持ち良くしてあげられるかな……?」彼女を逆側から抱いている咲ちゃんに囁く。
羽澄咲:「ん~。大体こういう時の"嫌"って本気じゃないことの方が多いから」 今までの経験蓄積したデータを思い浮かべつつ答えて。
羽澄咲:「ひとまず、もう一回やってあげよっか。今度は囁き担当一人にして撫でる担当二人でどうかな」
貴家ミメイ:小さく頷く。
綾瀬川萌葱:「さんせ~い」
貴家ミメイ:「紅春センパイ。下着、自分で脱げます……?」
綾瀬川萌葱:「ほらほら~。もっと、滅茶苦茶になりたかったんだよね?」
日下紅春:ぶるぶると首を横に振り
日下紅春:そして、この仕草自体が嗜虐心を煽る行いなのだったと遅れて気付いてしまう。
貴家ミメイ:「咲ちゃん、萌葱センパイ。脱がせてほしい、みたいです……」
羽澄咲:「は~い。じゃああたし上外すね」
綾瀬川萌葱:「足伸ばして~、だらーん」
日下紅春:「ううう……」
日下紅春:「ゔ、ううううう────っ」そんな、涙交じりの僅かな抵抗の声だった



GM:深夜、静まり返った校内に小さな足音が響く。
GM:保健室の鍵を開け、扉を開いた阮心依──綾瀬川萌葱の喉元に、不意にナイフが突きつけられる。
高枝美穂:「……」
高枝美穂:薄灯りを反射して、銀の短剣が鈍く光る。
高枝美穂:「……こんな時間まで、どこに?」
綾瀬川萌葱:微動だにせず、その光を受けとめる。
綾瀬川萌葱:「……友達との話し合いが盛り上がってね」
高枝美穂:「連絡もせずに?」
高枝美穂:「言うに事欠いて……友達?」
高枝美穂:「友達だと」
高枝美穂:静かな口調から、怒りと苛立ちが立ち昇る。
綾瀬川萌葱:「悪くない土産話もあるんだよ。菓子折りに包んでもらうほど上等じゃあないけど……」
綾瀬川萌葱:「それとも、何かな」
綾瀬川萌葱:「私がへらへらとしているのが、そんなに気に入らないか」
高枝美穂:「当然だ」
高枝美穂:高枝の皮膚を伝い、小さな電光が弾ける。
高枝美穂:「今の状況を理解していないのか?」
綾瀬川萌葱:「FHに私たちの情報は筒抜け、計画の実態も流出した」
高枝美穂:「お前の迂闊な行動で、我々全体が危険に晒されることになる」
高枝美穂:「その上、自ら計画を推し進めると大言壮語を吐き散らした直後にこれか」
高枝美穂:「“マキャヴェリテラトーマ”」
高枝美穂:「これは既に敵に懐柔されたと見られても十分な状況だ」
高枝美穂:「分かっているのか?」
綾瀬川萌葱:「……”レランパゴ”」
綾瀬川萌葱:「私は君に謝らなくちゃいけない」
高枝美穂:「謝る……?」
綾瀬川萌葱:「もうとっくに、私は彼らに懐柔されてしまっている。お互いの進退の話を相談できるくらいには」
高枝美穂:「……」
高枝美穂:「それは……」
高枝美穂:「ベロニカ計画の一環としてか?」
綾瀬川萌葱:「……話を聞いてくれ。彼らをFHという枠に縛らず、一人の人間として相対するべきなんだ」
綾瀬川萌葱:「……彼らは”ペルシステンシア”の支配に縛られないことを望んでいる。UGNに協同する意思もある」
綾瀬川萌葱:「これは……私の能力でない、彼らと、私たち自身の選択の結果だ」
綾瀬川萌葱:「みんなをベロニカ計画には……組み込めなかった」
高枝美穂:刃の反射光が室内に閃いた。
高枝美穂:それはナイフを握る手が、僅かに震えたことを示していた。
高枝美穂:「……」
高枝美穂:「『私』?」
高枝美穂:「私って……」
高枝美穂:「……お前は、誰だ?」
高枝美穂:「阮心依か?それとも……」
綾瀬川萌葱:「彼らと話を付けたのは……この学院にやって来てからの私だ」
綾瀬川萌葱:「”マキャヴェリテラトーマ”でも”キャラヴェルマキアート”でもない。自分で選んだ役割としての、私」
綾瀬川萌葱:「『私』はここに……綾瀬川萌葱として、話をしに来たというのが、正しい」
高枝美穂:刃が白い喉元に食い込んで、ぷつりと肌が裂けて血の雫が滲む。
高枝美穂:初めて会った時から、気に入らない女だと思っていた。
高枝美穂:昔から、愛想よくするのは得意だった。
高枝美穂:肉親はなく、物心ついた頃には既にUGNチルドレンだった。
高枝美穂:能力開発も、勉強も、運動も、何事も人並み以上に出来た。だがそれは同時に周囲に僻まれ、疎まれ、蹴落とす対象とされるに等しかった。
高枝美穂:それ故に周囲を懐柔し、味方に付けることを覚えた。誰より好成績を残し活躍しながらも、成果を分け与え、分かち合い、輪の中心に立つすべを身に着けた。
高枝美穂:すなわち、自分の本性を隠し、弱者の側に立つことを、共感を与えることを良しとした。
高枝美穂:純戦闘員ながら“ベロニカ計画”に選抜されたのは、そうした資質からだと理解している。
高枝美穂:「……アンタなら」
高枝美穂:初めて阮心依と出会った時、気に入らない女だと思った。
高枝美穂:同じ“ベロニカ計画”に携わる立場とはいえ、いくらでも替えの利く自分に比べ、彼女は計画実験の中枢を担うに足る資質を持ち合わせていた。
高枝美穂:自分とまるで正反対の、冷静な物腰。その能力と裏腹に、余計な慣れ合いなど不要と言わんばかりの振る舞いは、今までの自分の苦労を否定されているようで腹立たしかった。
高枝美穂:だが、阮の能力は本物だった。ただ単に能力の特性がという話ではない。その思考力、判断力、対応能力、任務に対するあらゆる能力は、高枝も認めざるを得ないものだった。
高枝美穂:チルドレンとして生まれ、オーヴァードとして育った。それはいずれエージェントとして生きる他にない人生だ。
高枝美穂:訓練を積み、死線を潜り抜け、ジャーム化の恐怖と戦い、どれだけ功績を残しても、それは決して日の当たらぬ影の道だ。
高枝美穂:だが、“ベロニカ計画”ならば。もしかしたらいつか、自分のようなオーヴァードが公に認められる社会を作れるかもしれない。
高枝美穂:そして阮心依ならば、それを成し遂げられるかもしれない。
高枝美穂:この女が相手ならば、高枝美穂は初めて、自分を偽らなくてもいいかもしれない。
高枝美穂:そう、思っていた。それなのに──。
高枝美穂:「アンタなら出来るって……思っとったのに」
高枝美穂:高枝の目元、目尻から零れ落ちるように青白い電流が走った。
高枝美穂:表情を隠すかのように、髪が、頭部が、激しく輝く雷光へと変化していく。
綾瀬川萌葱:「…………私のことを……買い被り過ぎなんだよ、きみは」
綾瀬川萌葱:その直走った電光に照らされながら、物憂げな表情を浮かべている。
綾瀬川萌葱:「所詮、私も使いはしのチルドレンの一体にしかすぎない」
高枝美穂:「黙れ。その口開くな」
高枝美穂:「アンタはウチの知っとる阮心依やない」
綾瀬川萌葱:「”ベロニカ”は……今後、何世代にも渡って実証が繰り返される長期的な実験だ」
綾瀬川萌葱:「私はただの、一つの実証のためのテストベッド。言葉遊びのような条件定義で、ごくカリカチュアされた状況を再現する、実験体の一つ」
高枝美穂:「やかましい!!んなこと百も承知だわ!!」
綾瀬川萌葱:「……”レランパゴ”、分かってくれ……! 私に出来ることはこの成果が関の山なんだよ!」
高枝美穂:「関の山……? こんな成果……?」
高枝美穂:「こんなもんじゃなかったはずやろ……アンタは……」
高枝美穂:雷光の向こうから、縋るような声が響く。
高枝美穂:「ただの実験体……ただのチルドレン?」
高枝美穂:「分かっとるわ、そんなこと……ウチが一番よく分かっとる」
高枝美穂:「それでも……」
高枝美穂:「ウチには、アンタしか居らんかったのに」
綾瀬川萌葱:プラズマに炙られ空気が焦げ付く音が、耳の近くで鳴っている。そんなものより鮮明に、遠くの声がよく聞こえる。
綾瀬川萌葱:「……なんだよ」
綾瀬川萌葱:「自分の力で努力を重ねて、あれだけの人たちに慕われてたっていうのに」
綾瀬川萌葱:「そんなのは、きみにとってどうでもいいことだったっていうの?」
綾瀬川萌葱:「知らないよ、わかりっこないじゃん、そんなの……」
高枝美穂:暗闇が電光に照らし出される。無言の沈黙がそれを肯定していた。
綾瀬川萌葱:「言ってくれなきゃわからないでしょう?」
綾瀬川萌葱:「私にとっては、きみがどれだけ羨ましかったかなんて……」
綾瀬川萌葱:「これも、言わなきゃ伝わらなかったのかもしれないけどさ……っ」
高枝美穂:瞬間、萌葱の携えた薬剤が、電速で這い上がった雷撃に焼き焦がされる。
高枝美穂:手の内は既に割れている──誰よりもそれを見てきたのだから。
綾瀬川萌葱:「っ────」これで、戦闘状態での発振は不可能になった。徒手空拳も同然の丸腰だ。
高枝美穂:「……“マキャヴェリテラトーマ”はFHの懐柔を受け、敵の手中に堕ちた」
高枝美穂:「せめてその首、ウチの手で貰い受ける」
高枝美穂:人体を瞬時に焼き尽くして余りある大電流が、萌葱に向けられて。
高枝美穂:「さよならや、阮心依」
綾瀬川萌葱:「……なんだよ、なにさ、なんですか?」
綾瀬川萌葱:「きみ、そんなに私と仲良くしたかったの?」
高枝美穂:「……ああ」
高枝美穂:「アンタのこと、好きやったから」
高枝美穂:「それももう、今更や」
高枝美穂:弾ける雷撃が、萌葱へと放たれようとして──
GM:ガン!!
GM:二人の間を切り裂くように、大きな椅子が飛んできて壁に大穴を開ける。
綾瀬川萌葱:その白を、呆然とした顔で受け入れようとして────
城島桐子:「……はい、そこまで!」
城島桐子:「こんな時間にどうしたのよ、君達」
城島桐子:「いつものケンカにしてもやりすぎじゃない?」
城島桐子:眠そうな顔で、パジャマ姿で歩いてくる。
綾瀬川萌葱:「────ひゅっ、はっ……」へたり、としゃがみ込みながら。場違いなほど柔らかい声を聞く。
綾瀬川萌葱:「せ、先生……」
高枝美穂:「……」二人の顔を見比べて
高枝美穂:「“リュッケンフロッセ”、これは……」
城島桐子:「ストップ。話は二人ともから聞くから。……心依、立てる?」
綾瀬川萌葱:「……ええ。自分で、立てます」
綾瀬川萌葱:「先……”リュッケンフロッセ”、私が悪いんです」
高枝美穂:「……」不承不承といった態度ながら、雷変化を止め、かなり嫌そうな顔が現れる。
城島桐子:「二人から聞くって言ったでしょ。ほら、そこ座って」
綾瀬川萌葱:「で、ですが……うぅ」
綾瀬川萌葱:指し示された椅子に素直に腰を下ろす。
GM:……それから、二人揃って城島に事情を説明し、君は“サヴェジ・ルナリア”の件も残さず伝えて。
城島桐子:「……ふーん……」
城島桐子:夜中なのでコーヒーメーカーで淹れた白湯を飲んでいる
城島桐子:「いいんじゃない?」
綾瀬川萌葱:「っ……ほ、本当ですか!?」立ち上がった勢いで椅子が倒れる。
高枝美穂:「なっ……はぁっ…………!?」
綾瀬川萌葱:「し、しかし私は……この間打ち上げたような、計画についてのプランは何も」
城島桐子:「長期的な計画はともかく、どの道今はお互いにとって不味い状況だし、戦わずに済むならそれに越したことは無いでしょう」
綾瀬川萌葱:「これまでの報告はすべて、”ベロニカ”とは一切関係ないことですよ」
城島桐子:「うん。まあそもそも、心依にその気が無いなら計画続行自体難しいしね」
綾瀬川萌葱:「それは……そう、だと思い、伝えましたが……」
高枝美穂:「い、いや……しかし……」
高枝美穂:「それでは計画が……! それにFHと協働など……」
城島桐子:「割と良くあることでしょ?心依も前にやってたわよね」
綾瀬川萌葱:「……研究セルとの、共同開発」己の異能の調整の一環が、まさにその事例。
城島桐子:「それに、“ベロニカ計画”はウチだけで進めてるプロジェクトでもないし」
城島桐子:「今回が駄目でも次はあるわよ。また他所に行ってもいいし」
城島桐子:「まあ、何より……」
城島桐子:萌葱の顔を見つめて。
綾瀬川萌葱:いつになく間の抜けた表情をしている。心依であるときはめったに見せることのないそれ。
城島桐子:「……ふふ」
城島桐子:表情を綻ばせ
城島桐子:「……うん、まあ、何でもないわ」
綾瀬川萌葱:「え……な、なんだったんですか」
綾瀬川萌葱:「なんだったんだと思う?」隣の少女に問いかける。
高枝美穂:「知らんわ……」そっぽを向いている
綾瀬川萌葱:なんだよ、仲良くしたいんじゃないのか……と思いながら顔を戻す。
城島桐子:「とりあえず、そのジャームの件……元“トプシー・ターヴィー”ね。そこを何とかしないとね」
城島桐子:「色々連絡してくるから、ちょっと待ってて。心依の新しい薬も用意しないとね」
城島桐子:そう言って、ぱたぱたと部屋の奥に行ってしまう。
高枝美穂:「……」
高枝美穂:後には、気まずい二人が残される。
綾瀬川萌葱:「……こんなことになるとは」
綾瀬川萌葱:どことなく彼女の気まずさが伝わってきて、こちらまで気まずくなる。
高枝美穂:「……せやな」
高枝美穂:完全に別方向を向いたままボソボソ言う。
綾瀬川萌葱:先の話しかけ方も不用意だったか……なんて思いながら、ちらちらと様子を伺う。
綾瀬川萌葱:「あ、あのさあ……」
高枝美穂:「……」
高枝美穂:「……何」
綾瀬川萌葱:「……」
綾瀬川萌葱:「阮心依のことを、好いてくれて……ありがとう」
綾瀬川萌葱:壁のシミに目を向けながら、ぽつりという。
高枝美穂:「はっ……はあ……!?」
高枝美穂:耳まで真っ赤な顔で振り向く。
高枝美穂:「だっ……誰が……好いてへんわ!!」
綾瀬川萌葱:「えっ…… えぇ~…………!?」
綾瀬川萌葱:「いや、はっきり聞こえたよ!『アンタのこと、好きやったから───』」
高枝美穂:「は……はああああああ!? いっ……いっ……言ってへんわそんなこと!!誰が!!」
綾瀬川萌葱:「わ、わ、わかった! わかったから! その電撃しまっ、イタッ!!」
高枝美穂:「誰がアンタなんか……んなわけあるかい!!アホ!!この……アホ!!」
綾瀬川萌葱:稲妻が弾けた手先をスナップさせながらもう片方の手で抑える。「……も、もう……なんなのさ……!?」
高枝美穂:「調子乗るなや!この……アホ!!バカーーーー!!!」
高枝美穂:捨て台詞を吐き、勢いよく扉を閉めてその場から逃げていく。
綾瀬川萌葱:残された萌葱は腕組みをし……時折、首を捻ったり、頭を掻いたりしながら。
綾瀬川萌葱:なぜ”レランパゴ”を怒らせてしまったのかと、暫し考えるのだった。



“ペルシステンシア”:「……う~ん……」
“ペルシステンシア”:「来客が多いなあ、最近」
“ペルシステンシア”:“ペルシステンシア”のラボ。椅子に腰掛けたまま、訪問者を見遣る。
“ペルシステンシア”:「一応、秘密のラボなんだけど?」
"プロムルージュ":「そうね。いかにも秘密ですって感じで、あなたの趣味っぽいわ」
"プロムルージュ":壁にかけられた網目状のラックに指をひっかけ、からから……と音が鳴る。
“ペルシステンシア”:「何か用かな?こう見えて忙しいんだけどね」
"プロムルージュ":「別に……私のは、"ルークレス"がしそびれた質問の引継ぎみたいなもので」
"プロムルージュ":「それで納得させてくれたら、大人しく帰るかもしれないわ」
"プロムルージュ":「私が結構物分かりがいいってこと、あなたも知ってるでしょう?」
“ペルシステンシア”:「う~ん……割と逆の印象もあるけどなぁ」
“ペルシステンシア”:「まあいいよ。それで、何?」
"プロムルージュ":「……"トプシー・ターヴィー"については、私に非があるわ」
"プロムルージュ":「あれを……あなたに隠蔽してもらったのも」
"プロムルージュ":「本当に……ほんっとうに自分が浅ましくなるけれど」
"プロムルージュ":「やり遂げたんだって胸を張るのでも、当然だって捨て置くのでもなくて────」
"プロムルージュ":「私は……ほっとしてしまった──安堵してしまった──!」
"プロムルージュ":「それを」ぎりぎりと
"プロムルージュ":「……そこじゃ、ないから。その次を聞きに来たの」歯と、拳の、軋む音が
“ペルシステンシア”:「ふむ?」激情を前に、涼やかな顔で微笑んでいる。「続けて?」
"プロムルージュ":「ねぇ、リーダー……なんで」
"プロムルージュ":「"トプシー・ターヴィー"が、“ラズマタズ”だって」
"プロムルージュ":「私がやったのは、知らずに仲間を手にかけた──安堵してるようなことよりもっと重くて酷いことだって」
"プロムルージュ":「なんで、ちゃんと背負わせてくれなかったの────!?」
“ペルシステンシア”:「…………え?」
“ペルシステンシア”:拍子抜けしたように目を瞬いて。
"プロムルージュ":「違う……違う、そんなことじゃないんだ……もう、頭がぐちゃぐちゃだ」
“ペルシステンシア”:「……はっ」
“ペルシステンシア”:「何だ、君……」
“ペルシステンシア”:「そんなこと・・・・・を気にしていたの?」
"プロムルージュ":「潜入のことも、それに──その後生き返ったことも!」
"プロムルージュ":「私、何も知らされてないよ!?」
"プロムルージュ":「私が壊れるかもしれないからって────そんな、こと?」
“ペルシステンシア”:「それは、君、当然……」
“ペルシステンシア”:にっこり笑って
“ペルシステンシア”:「僕の優しさだよ。決まってるじゃないか」
"プロムルージュ":「違う、違うよ……私、あれがどんなに大事なものか分かんないから……」
"プロムルージュ":「命とか、日常とか……楽しいとか、悲しいとか」
"プロムルージュ":「生きるって!!、どんなことか、知って行かなくちゃいけないんだ……!!」
"プロムルージュ":「だから、分かんなくっても……全部搔き集めて、ちゃんと知って」
"プロムルージュ":「……ちゃんと、知りたかったよ」
“ペルシステンシア”:「そんなこと言われてもねえ。だって……」
“ペルシステンシア”:「今、君自身が言っただろう?『壊れるかもしれない』って」
“ペルシステンシア”:「君も“ラズマタズ”も……真実を知って、果たして壊れずにいられたのかい?」
"プロムルージュ":「……じゃあ、あなたは」
"プロムルージュ":「全部知ってて、なんで壊れていないの……?」
"プロムルージュ":「命が等価であるってお題目は、そういうことなんじゃないの……?」
“ペルシステンシア”:「……はぁ? ……ははははっ!」
“ペルシステンシア”:「何を馬鹿なことを……」
“ペルシステンシア”:「だって、そんなの」
“ペルシステンシア”:「僕には何の関係も無いじゃないか!」
"プロムルージュ":「……───ッ」
"プロムルージュ":「あなたは……あなたの実験でしょう!?」
"プロムルージュ":「責任とか、同じ痛みを感じろなんて、そりゃあないけれど」
"プロムルージュ":「でも───じゃあ、何も感じないですらなくて、何の関係もないってことだけはないでしょう!」
“ペルシステンシア”:「だからこそ、じゃないか」
“ペルシステンシア”:「自分が殺したのが、UGNの振りをしたFH仲間だった!」
“ペルシステンシア”:「あるいは──自分は既に殺されていて、生前の記憶を植え付けられたクローンに過ぎない!」
“ペルシステンシア”:「そんな事実を知れば、両者の精神的負荷は計り知れない」
“ペルシステンシア”:「大事な実験に……そんな不安定な要素は必要無いだろ?」
"プロムルージュ":「……そう。あなたは……実験がしたいんだ」
"プロムルージュ":「実験をして……何を得たいの?」
"プロムルージュ":「何が楽しい?何と替えられる?」
"プロムルージュ":「何の──どんなものなら、外側から、自分の心を埋められると思う?」
"プロムルージュ":「何のために───生きているの?」
"プロムルージュ":「弄ぶための生?生のための玩具?」
“ペルシステンシア”:「ハハハハッ!笑えるね!君がそれを聞くのかい?“プロムルージュ”!」
“ペルシステンシア”:「好奇心と知識の探求に、何か理由がいるのかい?」
“ペルシステンシア”:「君が抱える鬼種の血の衝動と同じさ!」
“ペルシステンシア”:「僕はそういう風に出来ているんだよ」
"プロムルージュ":「要るに決まってるよ───だって、手段が目的になってしまう悲劇はね」
"プロムルージュ":「手段行為目的意志を代替することそれ自体じゃなく、目的人生が弾き出されて、ただそれだけに耽溺してしまうからだ」
"プロムルージュ":「やりたかったことがあったはずなのに、いつのまにが没頭して、耽溺して、陶酔して」
"プロムルージュ":「掴んでいた殺してしまったものさえ、灰色になって、忘れてしまう」
"プロムルージュ":「そうだよ。同じ────あなたは、殺し続けてしまった、私と同じ」
“ペルシステンシア”:「おいおいおいおい“プロムルージュ”くん……」
“ペルシステンシア”:軽やかな足取りで歩み寄り、吐息の掛かる距離でその顔を覗き込む。
“ペルシステンシア”:「さっきから随分と、悟ったような口で僕を責めてくれるじゃあないか」
"プロムルージュ":「悟ってるんじゃない」
"プロムルージュ":「無理矢理にでも、理解しようとしてるんだ」
“ペルシステンシア”:「だったらどうしてあの時、僕に証拠隠滅あんなことをさせた?」
“ペルシステンシア”:「夏目アリアを殺したのは僕か?」
“ペルシステンシア”:「違ァう!」
“ペルシステンシア”:「君だ!他でもない君だろう?ええ?“プロムルージュ”ッ!!」
"プロムルージュ":「……そうだッ!だからっ」
"プロムルージュ":「夏目アリアも、白戸瀬鞠音も────私が殺したって」
"プロムルージュ":「ちゃんと忘れないために、ここでお前に叫んでるんだろうが!!」
“ペルシステンシア”:「殺す?この僕を?君が?」
“ペルシステンシア”:「ハハハハハーーッ!面白い!今日のジョークで一番愉快だよ!」
“ペルシステンシア”:「一体どうやって?やれるものなら是非見せてほしいねえ!」
“ペルシステンシア”:「君風情がたった一人で!一体何が出来ると言うんだい!?」
"プロムルージュ":「ああ、お前は殺すよ……私一人になってでも」
”ピーク・ア・ブー”:「……いいえ、たった一人なんかじゃありません」《ワーディング》を展開する。
"プロムルージュ":「……なんて……そう簡単に、背負わせちゃくれないんだけどさ」
”ピーク・ア・ブー”:抜刀しながら“ペルシステンシア”の前に躍り出ると右腕に嵌め込んだドローン操作用デバイスを指で撫でる。
”ピーク・ア・ブー”:『REGARD, LOG IN. UNIVERSAL GUARDIANS NETWORK SYSTEM』デバイスに電子メッセージが浮かんだ。
”ピーク・ア・ブー”:「もう、いいんですね。"プロムルージュ"……」カードをスキャンすると戦闘支援ドローンが一斉に動き出した。
”ピーク・ア・ブー”:「これより、UGNとFHの協同作戦を開始します」
”マキャヴェリテラトーマ”:「”プロムルージュ”……ううん、日下ちゃん」ドローンの包囲網を見送りながら、側に駆け寄る。
”マキャヴェリテラトーマ”:「ずっと見てた。頑張ったよ。……でも、忘れないでね」
”マキャヴェリテラトーマ”:青いカプセル錠を握りしめて、相対する。
”マキャヴェリテラトーマ”:「アレを殺すのは、”私たちで”だよ。みんなで一緒に幸せになるなら、業も分かち合わなきゃ」
"ルークレス":「……そもそも、言ったでしょう」 最後。二人の後ろからゆっくりと。
"ルークレス":「コイツに人間性のある返答を期待するだけ時間の無駄だって」
"ルークレス":仮面を外して素顔を晒し、ボイスチェンジャーを通していないそのままの声で現れる。
"プロムルージュ":「みんな……」
“ペルシステンシア”:「……おやおや……」
"ルークレス":「壊さないのだって優しさじゃなくて実験のための計算でしかない。そういう人間なの、コレは」
"プロムルージュ":「……うん、だから見せつけてやってるんだ」
"プロムルージュ":「私は、お前と同じところに堕ちてやったりはしないぞって……それでも、悔しがってくれるかは怪しいところだけど」
“ペルシステンシア”:君達を見回し「“マキャヴェリテラトーマ”まで」
“ペルシステンシア”:「成程。そういうことか」
“ペルシステンシア”:「残念だなぁ……ちゃんと優しくしてあげたつもりなんだけど」
”ピーク・ア・ブー”:「ごめんなさい、“ペルシステンシア”。あなたはここでゲームオーバーです」
“ペルシステンシア”:「UGNだか何だか知らないけれど……存外チルドレンの育成が甘いようだね」
“ペルシステンシア”:“ペルシステンシア”の姿が掻き消える。
“ペルシステンシア”:「僕の能力も見切れない内から、そんな風に勝ち誇るとは」
“ペルシステンシア”:その声は、君たちのずっと後方から響いた。
”ピーク・ア・ブー”:「……!?」
“ペルシステンシア”:姿を現した“ペルシステンシア”の手には、スマートフォンが握られている。
”ピーク・ア・ブー”:「何を……するつもり……?」
”マキャヴェリテラトーマ”:(転移したっ? あのデバイスが起動符号スターター……!?)
"プロムルージュ":「姿が消えて……でも、この前の撤退と違って……どこに?」
“ペルシステンシア”:「今どこにいるのか知らないけれど……」
“ペルシステンシア”:「早く探した方がいいと思うよ?」
“ペルシステンシア”:「彼女」
"ルークレス":「……やられた」 舌打ち交じりに吐き捨てる。
“ペルシステンシア”:メッセージアプリの送信音と共に、完全にその姿が消失する。



夏目アリア:「……あれ」
夏目アリア:気付けば深夜、御樋代女学院の庭園の中心に、夏目アリアは一人立っていた。
夏目アリア:(私……何でこんなところにいるんだっけ?)
夏目アリア:当惑と共に周囲を見回す。どうして、どうやってここまで来たのか、記憶に霞が掛ったように思い出せない。
夏目アリア:(確か……今日は……あれ……今日?昨日……?)
夏目アリア:(未明と一緒に居て……そうだ、未明……)
夏目アリア:せめて確かなよすがに縋るように、最も親しい友人の顔を思い浮かべる。
夏目アリア:だがそうしている間にも、本の頁を紙魚に食い荒らされるかのように記憶が欠落していくのが分かる。
夏目アリア:いつからだ?それも分からない。数か月分もの記憶の欠落。些細なことを思い出せなくとも、当然だろうと気に留めていなかった。
夏目アリア:意識が酩酊し、視界が歪む。
夏目アリア:「う……うぅ……」
夏目アリア:庭木に手を付きしゃがみこんだ時、スマートフォンから着信音が響いた。
夏目アリア:それは“ラズマタズ”として使用しているもの。
夏目アリア:反射的に画面を見て、そこに記された文面を読んで。
夏目アリア:「……あ……?」
夏目アリア:小さな呟きと共に、一気に周囲の全てが歪み始める。
夏目アリア:能力が暴走する。アリアの混乱と同時に、世界が法則性も無く改変されていく。
夏目アリア:「未明……私の、大切な……」
夏目アリア:「……大切な……」
夏目アリア:庭園の花々が枯れ落ち、木々がぐにゃりと変形し、石畳が沸騰していく。
夏目アリア:「…………」
夏目アリア:「…………何だっけ…………?」
夏目アリア:そして、夏目アリアの現実は砕け散る。



【Climax/暁光掻き臥せ獣面人心】

GM:クライマックスシーンです。全員登場です。
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加(83 → 89)
貴家ミメイ:68+1d10
DoubleCross : (68+1D10) → 68+5[5] → 73

綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加(98 → 103)
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加(88 → 92)
御樋代女学院 庭園
GM:学院は既に戦場となっていた。
GM:雷撃が闇夜を照らし、捻じ曲がった木々が荒れ狂う鞭の如く打ち振るわれ、石畳が流砂の如く渦を巻く。
GM:整然とした美しさで知られた庭園は、既に変わり果てた地獄絵図と化しつつあった。
“レランパゴ”:「──遅い!!」
“レランパゴ”:全身を雷に変化させた“レランパゴ”が、現着した君たちに叫ぶ。
綾瀬川萌葱:「……すまない! 状況は……ッ!?」
"プロムルージュ":「見たらわかること以外の情報があると嬉しいんだけどー……ッ」諦め半分の語気
貴家ミメイ:「アリアちゃん!!」庭園に駆けつけるとレネゲイドの渦の中心にいる彼女に向かって叫ぶ。
夏目アリア:「…………未明?」
夏目アリア:「未明だぁ」
貴家ミメイ:「よかった。まだわたしの声は聞こえるんだね?」
夏目アリア:その姿を目視すると同時、ミメイへと向かって地面が真っ二つに裂け、薔薇の弦や庭木の幹が一斉に殺到する。
"プロムルージュ":「っ足元から!」
貴家ミメイ:「……!?」日本刀を構えて咄嗟に自分の身を守ろうとする。
“リュッケンフロッセ”:鱗を帯びた巨体が割って入り、盾となってミメイを庇う。
“リュッケンフロッセ”:「……」
“リュッケンフロッセ”:爬虫類の瞳孔が君たちを見て。
貴家ミメイ:「すみません、“リュッケンフロッセ”さん……!」
綾瀬川萌葱:「くっ……!」圧倒的な混沌の余波。飛び掛かる瓦礫を黒い触手で弾く。
綾瀬川萌葱:「能力規模が……明らかにオーヴァードの水準ではない」
"ルークレス":「手遅れか、その一歩手前か」
貴家ミメイ:「暴走してしまってるのは間違いない、みたいですね……」
"ルークレス":「どちらにせよ、鎮圧するだけでも一苦労じゃ済まないのは確実か」
貴家ミメイ:「アリアちゃん、どうか落ち着いて! いったい何があったの!?」
夏目アリア:「あれ?未明?」
夏目アリア:「どうしたの?なんで来てくれないの?」
夏目アリア:不思議そうに首を傾げる。
貴家ミメイ:「アリアちゃん、こんなことしなくてもわたしはそばにいるよ。だから他の人たちを巻き込むのはやめて! お願い!」
"プロムルージュ":「能力と器の肉体がこれなら、意識の方は?」軽い声掛け。確認を取り合い、足並みを揃えようとするように
"プロムルージュ":「私たちの方はミメイに視線が吸われてたとしても……先に来てた人達はそうじゃないはず」
"ルークレス":「気を引けたとして、対話が成立してるならこうはなってないでしょう」 違う?とUGN二人に向けて。
“リュッケンフロッセ”:「見ての通り、完全な暴走状態だ」
“リュッケンフロッセ”:「このままでは学院……いや、この街自体が危険だ」
“リュッケンフロッセ”:「殺すしかない」
貴家ミメイ:「ま、待ってください! わたしが……なんとかします! 一時的に無力化することはできませんか!?」
“レランパゴ”:「何か策があるなら聞いたるわ。どないや」
貴家ミメイ:「策と言えるようなものではないです、“レランパゴ”さん。……ただ目を合わせて、お話します」
綾瀬川萌葱:「”リュッケンフロッセ”、”レランパゴ”。私からも頼む」
貴家ミメイ:「萌葱センパイ……」驚いて彼女を見る。
綾瀬川萌葱:「僅かな時間だけでも用意してもらえないか。私も夏目アリアには、伝えなくちゃいけないことがあるんだ」
貴家ミメイ:「本当にどうにもならない時は、わたしの手で始末をつけます」辛そうにしながら、それでも前を向く。
“レランパゴ”:「話にならんわそんなん……!甘ったれも大概にせえ!」
“レランパゴ”:樹木の槍を雷撃で焼き払い、
“レランパゴ”:「そないなこと知らん!こっちはこっちでやらせてもらうわ!勝手にせえ!」
”マキャヴェリテラトーマ”:「っ……ああ!」渋面で触手を手繰り、なんとか大地を繋ぎ止めながら。
”マキャヴェリテラトーマ”:「ありがとう、”レランパゴ”!」
貴家ミメイ:「……ありがとうございます、“レランパゴ”さん!」日本刀を構え直す。
"プロムルージュ":「……は」
"プロムルージュ":蔦の残骸を靴裏で踏み留めながら
"プロムルージュ":「おっけー、邪魔はしないって約束は貰えたね!」
"プロムルージュ":「それじゃあ時間稼ぎ、全力で頑張るとしましょうか」
"ルークレス":「邪魔が無いとして、猶予が無いのも変わらない」 下ろしていたボイスチェンジャーを口元へ付け直して。
"ルークレス":『言ったからには覚悟してよ、"ピーク・ア・ブー"』
貴家ミメイ:「ごめんなさい、“ルークレス”。今だけはそれじゃない名前で戦いたいんだ。わたし、今は最後の瞬間まで絆を信じていたいから」
貴家ミメイ:「きっと大丈夫ですよね。絆の力で日常を紡ぎ直すのがUGNの専売特許、ですもんね。萌葱センパイ?」強がって笑う。
綾瀬川萌葱:「そうらしいね……後でちゃんと詳しい話、聞かせてよ?」
綾瀬川萌葱:「結構敗北感感じてるんだ、きみの正体にずっと気づけなかったこと」
貴家ミメイ:「分かりました。わたし、“マキャヴェリテラトーマ”みたいに優秀じゃなくて、自分の都合と皆の幸せのことしか考えられない最低のダブルクロス(裏切り者)ですけど。でも……」
貴家ミメイ:「……処分なら後でいくらでも受けます。今だけはその想いの力を信じて戦わせてください!」
貴家ミメイ:GM。ここで、秘密を公開してもいいでしょうか!
GM:では貴家ミメイさんの秘密を公開します。

『秘密』:貴家未明

 キミは、身分を偽ってFHに潜入したUGNチルドレンだ。その目的はふたつ。
 一つは学園内で他のFHの生徒と交流し、危険性を感じたならばその戦力を削ぎ落とすか、懐柔してUGNへと引き入れること。
 もう一つは、近頃UGN内で一部改革派が推進する『ベロニカ計画』なる謎の計画について調査することだ。
 それ故にキミは他のUGNとも協働できず、孤独な戦いを強いられている。
 キミはそんなUGNという組織に対して猜疑心を抱きつつあった。同じく潜入任務中のUGNチルドレン、夏目アリアも長期休学中で、連絡もほとんど返って来ない。
 一方で、任務を通じて出会ったFHの女子たちのことはどこか魅力的に映り始めていた。
 キミは、このままUGNでずるずるとどっちつかずの関係を続けるだけでいいのだろうかーー。
 キミは、クライマックスフェイズが開始された時点でワークスを「FHチルドレン」から「UGNチルドレン」へと戻し、エンディングフェイズ以後はUGNチルドレンとして行動する。
 ただし、所属がFHのキャラ3人にロイスを取得するか、所属がFHのキャラ1人にSロイスを取得していた場合、ワークスを「FHチルドレン」のままにしてよい。
 その時、初期ロイスの「夏目アリア」をタイタス化すること。
貴家ミメイ:秘密の内容に則ってワークスをFHチルドレンからUGNチルドレンに戻します。
貴家ミメイ:「……今行くからね、アリアちゃん」庭園の中央にいる大切な人を真っ直ぐに見据える。
貴家ミメイ:「UGNチルドレン、“リガード”。同じくUGNチルドレン、“トプシー・ターヴィー”をこれより奪還します!」
“ペルシステンシア”:「やれやれ、すっかり一致団結ムードだけど」
“ペルシステンシア”:「そう上手く行くかな?」
“ペルシステンシア”:気付けば夏目アリアの傍らに、小柄な女──“ペルシステンシア”が佇んでいる。
“ペルシステンシア”:すぐ側にいるその存在に、しかしアリアは全く反応しない。まるでその姿が見えていないように。
"ルークレス":「へえ。今のうちにとっとと安全圏へ高飛びするものかと思ったけど」
"ルークレス":「あなたがわざわざ前線に出張りに来るなんてどういう心算?」
"プロムルージュ":「そりゃあ」呆れた口調。ルークレスの言葉に感化されたのか
"プロムルージュ":「捕まえたカブトムシ戦わせようってのにカメラ越しじゃ味気ないとか、そんなところじゃない?」
“ペルシステンシア”:「簡単さ」
“ペルシステンシア”:「僕の正体を知り、あまつさえ反逆してきたチルドレンと、邪魔なUGNに消えて貰おうと思ってね」
“ペルシステンシア”:「本部に戻るにしても、エリートチルドレン2人とその引率の首なら手土産としてお釣りが来る」
“ペルシステンシア”:「“ラズマタズ”の性能は予想以上だ。この場の全員を相手にして十分と見た」
“ペルシステンシア”:「なに、安心していいよ。この場で殺しはしない。実験材料として最後まで無駄なく使わせてもらうとするよ」
貴家ミメイ:「“ペルシステンシア”。あなたはどこまでも……!」横目で他の皆の様子を気にする。
綾瀬川萌葱:「散々みんなの記憶を弄んでおいて……まだ飽き足らないか」
綾瀬川萌葱:「私が言えた義理じゃないけどさ……っ」
夏目アリア:「……萌葱センパイ?」
夏目アリア:その声に反応するように。
貴家ミメイ:「アリアちゃん。わたし以外の人の声も聞こえるんだね……!?」安堵したように萌葱センパイを見る。
夏目アリア:「ごめんなさい、私……色々忘れちゃって……」
夏目アリア:「萌葱センパイは、昔からずっと仲良しのはずなのに」
夏目アリア:「思い出せないんです。どうやって会ったのか、どうして仲良くなったのか……」
夏目アリア:不安に震える表情。双眸から涙が零れる。
綾瀬川萌葱:「……アリアちゃん、ごめん」
綾瀬川萌葱:「きみと仲良くなったのは、あの図書室でなんだ。仲良くなれたはずなのに、自分の力で、それを滅茶苦茶にしてしまった」
夏目アリア:「私……もう、分かんないんです」
夏目アリア:「何が本当で、何が嘘なのか……」
綾瀬川萌葱:「私との記憶を無理に思い出そうとしなくていい! アリアちゃんは、貴家ちゃんとの日常に変えらなくちゃ……!」
夏目アリア:「全部教えて貰ったんです」
夏目アリア:「本当の私はもう殺されてて、今の私は、それをコピーしただけの偽物なんだって……」
夏目アリア:「じゃあ……じゃあ……」頭を抱えてかぶりを振る。
夏目アリア:「私って、一体……何……?」
貴家ミメイ:「アリアちゃん。そのことは、これから一緒に話そう。今、そばに行くから」
綾瀬川萌葱:「“ペルシステンシア”……っ」歯噛み。罪悪感も痛みを強める。
"プロムルージュ":「……っわざわざご丁寧にそれも教えたのね……!」
“ペルシステンシア”:「盗人猛々しいとはこのことだねえ、“プロムルージュ”」
“ペルシステンシア”:「この場合は人殺し猛々しい、かな?僕はただ本当のことを教えただけだよ?」
"プロムルージュ":「は、一応実験のために壊れちゃったら困るんじゃなかったの?"ペルシステンシア"」
"プロムルージュ":「……それとももう壊れてると判断したか?なにが性能は想定以上、だ。破れかぶれめ」
"ルークレス":「逆に、壊さなければ性能が足りなかったんじゃないの」 肩をすくめつつ。
"ルークレス":「盗人はあなたの方でしょう、"ペルシステンシア"」
"ルークレス":「盗んだ記憶で彼女を作った。"プロムルージュ"が人殺しなのが事実だとしても」
"ルークレス":「それとコイツ"ペルシステンシア"の所業は別の話。論点のすり替えに律儀に付き合う必要ない」 最後は"プロムルージュ"に釘をさすように。
"プロムルージュ":「……はぁーい……ん、ありがとう」
"プロムルージュ":「あなたがいれば"サヴェジ・ルナリア"が二人になっても安心ね」
"プロムルージュ":一応三人か、なんて肩をすくめながら気安く返した
"ルークレス":「私は心底不安だけどね」 不本意そうな呟き。
貴家ミメイ:「一応まだわたしも仲間に入れておいてよ。一応ね」苦笑する。
"プロムルージュ":「ふふ。そういう込み入った話はあと、なんでしょ?」くすり。こちらも微笑する
“ペルシステンシア”:「秘密だらけの裏切り者同士が、今更傷の舐め合いで友情ごっこかい」
“ペルシステンシア”:「笑わせる。一人一人、じっくり教えてあげるよ」
“ペルシステンシア”:「君達の自我が、それぞれどんな風に壊れていったのかを」
GM:クライマックス戦闘を開始します。
貴家ミメイ:うおおお
綾瀬川萌葱:フ~~
"ルークレス":やるぞ!!
"プロムルージュ":うおお~!
GM:Eロイス[悪意の伝染]が使用されています。このシーンにはこれ以上のキャラクターは登場出来ません。
貴家ミメイ:な、なんてこと……!
GM:また、以前に説明した通り、ジャーム『夏目アリア』がクライマックスシーン終了まで生存している場合、Eロイス[虚実崩壊]により御樋代女学院は破壊されます。
貴家ミメイ:ひええ
貴家ミメイ:アリアちゃん、一刻も早く正気を取り戻して!
GM:夏目アリアのジャーム化については、戦闘中にメジャー判定を行い、〈知識:医学〉難易度11を達成することで調べることが可能ですが、この判定を行わなくとも戦闘には勝利可能です。
貴家ミメイ:調査!?
"プロムルージュ":戦闘には こわい
貴家ミメイ:あわわわわ、そこまでの余裕があるかどうか
"ルークレス":手番一回は重たいなぁ~~
綾瀬川萌葱:なるほどな~っ
GM:また、UGNのNPC2人はPLの皆さんで操作して頂くことが可能です。
GM:データは以下の通りです。
貴家ミメイ:動かせるの!?
綾瀬川萌葱:うおおお

“レランパゴ”

ブラックドッグ
4/2/2/1
行動値6
HP30 装甲値8
変異暴走:嫌悪(暴走中、同じエンゲージに他のキャラクターがいる限り判定の達成値-10)
レネゲイドナチュラル(攻撃の判定の達成値に+RCする)

ロイス
UGN 〇忠誠/辟易
阮心依 恋慕/〇対抗心
城島桐子 〇信頼/食傷

セットアップ
《加速装置》LV5+《ヴァジュラ》LV5
行動値+20、シーン間攻撃力+15、暴走

イニシアチブ
《フルインストール》LV3
ラウンド間全ての判定ダイス+9 シナリオ1回

マイナー
《イオノクラフト》LV2
飛行状態で戦闘移動を行う。移動距離+4m

メジャー
《雷の槍》LV7+《クレイジードライブ》LV5
5DX+26/14DX+26
18+15+20
《ネガティブパルス》LV2
1点でもダメージを与えた場合、対象が受けているエフェクトの効果を全て解除する。 シナリオ2回

リアクション
《リフレックス:ブラックドッグ》LV3+《見えざる僕》LV2
RCでドッジ
5DX7+16/14DX7+16

“リュッケンフロッセ”

キュマイラ
6/1/1/2
行動値3
HP33 装甲値8

ロイス
UGN 〇尽力/不信
阮心依 庇護/〇罪悪感
高枝美穂 信頼/〇心配

マイナー
《ハンティングスタイル》LV1
戦闘移動を行う。
《セントールの脚》LV2
シーン間戦闘移動距離+10m
《完全獣化》LV4+《破壊の爪》LV4
シーン間【肉体】ダイス+5、素手攻撃力16に変更

メジャー
《コンセントレイト:キュマイラ》LV4+《獣の力》LV8+《獣王の力》LV1
14DX7+6
16+32点

オート
《竜鱗》LV6
装甲値+60
《軍神の守り》LV1
カバーリングを行う。
《巨獣の背》LV3
完全獣化の効果中、対象をあなたと共に移動させる。 シーン3回まで。
"プロムルージュ":え~っやった~!
"ルークレス":ガッツリデータある……
GM:エンゲージは以下の通り。
エンゲージ



夏目アリア[10]、“ペルシステンシア[6]”

(10m)

“リュッケンフロッセ”[3]、“レランパゴ”[6]、日下紅春[10]、綾瀬川萌葱[8]、貴家ミメイ[7]、羽澄咲[5]



GM:何か質問等ございますか?
"プロムルージュ":NPCの侵蝕と衝動判定は発生しますか?
GM:NPCの侵蝕率は管理しませんが、既に100%を超えており、復活はタイタスの昇華で行います。
GM:衝動判定はこの後発生します。
貴家ミメイ:NPCの2人も攻撃に巻き込まれたら大変そう……!
綾瀬川萌葱:勝利条件はエネミーの撃破ですか?
GM:そうです。先程も言った通り、調査判定を行わずともクリア可能です。
GM:その場合でも、何か致命的な悪影響が出ることはありません。
貴家ミメイ:どう考えて致命的になるよ……!
GM:大丈夫そうかな?
"ルークレス":私はひとまず大丈夫です
貴家ミメイ:今のところ特に質問はないです!
綾瀬川萌葱:大丈夫そうです
"プロムルージュ":大丈夫です!
GM:ではまず衝動判定が発生します。難易度は9。
日下紅春:(1+2)dx+5>=9
DoubleCross : (3DX10+5>=9) → 7[1,2,7]+5 → 12 → 成功

日下紅春:2d10
DoubleCross : (2D10) → 12[10,2] → 12

日下紅春:日下紅春の侵蝕率を12増加(89 → 101)
貴家ミメイ:4dx+1>=9
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 9[1,1,4,9]+1 → 10 → 成功

"ルークレス":5dx+3>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 10[4,4,9,9,10]+4[4]+3 → 17 → 成功

貴家ミメイ:なんとか成功!
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を2D10(→ 3)増加(92 → 95)
貴家ミメイ:73+2d10
DoubleCross : (73+2D10) → 73+14[6,8] → 87

"ルークレス":衝動侵蝕めっちゃ上手いかも
綾瀬川萌葱:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 9[3,3,4,9,9] → 9 → 成功

綾瀬川萌葱:やたっ
綾瀬川萌葱:103+2d10
DoubleCross : (103+2D10) → 103+8[3,5] → 111

GM:それではラウンド1
GM:セットアップから!
"ルークレス":無し
貴家ミメイ:特にありません!
“レランパゴ”:《加速装置》LV5+《ヴァジュラ》LV5 行動値+20、シーン間攻撃力+15、暴走
夏目アリア:《法則の支配者》LV10
綾瀬川萌葱:怨念の呪石使用 暴走し、暴走中攻撃のダメージ+2d 侵蝕+3
綾瀬川萌葱:変異暴走:破壊によりリアクションは可能。
"プロムルージュ":特にありません
綾瀬川萌葱:綾瀬川萌葱の侵蝕率を3増加(111 → 114)
貴家ミメイ:《法則の支配者》LV10!?
夏目アリア:ラウンド間、技能ひとつを指定し、その判定の達成値に+20か-20する。
"ルークレス":ヤバ
夏目アリア:夏目アリア、ペルシステンシア以外の〈回避〉を指定。常に-20します。
貴家ミメイ:!!?
綾瀬川萌葱:ヤバ!!!
“ペルシステンシア”:なし。

GM:では行動値26 レランパゴの手番です。
貴家ミメイ:早い
"プロムルージュ":イニシアチブに《フルインストール》、マイナーで10m後退、メジャーでペルシステンシアに《雷の槍》+《クレイジードライブ》でお願いします
“レランパゴ”:します
エンゲージ



夏目アリア[10]、“ペルシステンシア[6]”

(10m)

“リュッケンフロッセ”[3]、日下紅春[10]、綾瀬川萌葱[8]、貴家ミメイ[7]、羽澄咲[5]

(10m)

“レランパゴ”[26]



“レランパゴ”:《雷の槍》LV7+《クレイジードライブ》LV5
“レランパゴ”:14DX+26
DoubleCross : (14DX10+26) → 10[1,5,5,5,6,7,7,8,8,8,10,10,10,10]+8[5,6,8,8]+26 → 44

貴家ミメイ:高い!
綾瀬川萌葱:“レランパゴ”!かみなり!
“ペルシステンシア”:《支配の領域》LV5+《絶対支配》LV4
"ルークレス":最悪!!
“ペルシステンシア”:8,10,10,10,10を1に
“ペルシステンシア”:達成値は32
綾瀬川萌葱:でも高いぞ
“ペルシステンシア”:32?マジか……
“ペルシステンシア”:5DX+4>=32
DoubleCross : (5DX10+4>=32) → 10[5,6,9,10,10]+7[7,7]+4 → 21 → 失敗

貴家ミメイ:あ、当たった!
“レランパゴ”:ダメージ
"プロムルージュ":うおーいいぞ~~
“レランパゴ”:4D10+18+15+20
DoubleCross : (4D10+18+15+20) → 23[8,2,5,8]+18+15+20 → 76

"ルークレス":でっか
貴家ミメイ:火力高っ!
“ペルシステンシア”:かなり喰らいます
綾瀬川萌葱:やっぱり私より優秀なんじゃないか?
綾瀬川萌葱:よくやった! もどれ、”レランパゴ”!
“レランパゴ”:指図すんな!
GM:白戸瀬鞠音のHPを-76に変更(0 → -76)
GM:では行動値10 日下さんの手番です
"プロムルージュ":はーい
"プロムルージュ":マイナーで《赫き重刃》+《鳳凰の翼》
"プロムルージュ":3点HPを消費して 武器の攻撃力+32、【肉体】を使用する判定の達成値+15・行うたびHPを2点失う です
日下紅春:日下紅春のHPを3減少(10 → 7)
"プロムルージュ":メジャー ペルシステンシアに《妖の招き》
"プロムルージュ":判定前妨害ありますか?
GM:前はありません
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を8増加(101 → 109)
"プロムルージュ":(5+3)dx+26
DoubleCross : (8DX10+26) → 10[1,4,4,5,8,9,9,10]+6[6]+26 → 42

“ペルシステンシア”:《支配の領域》LV5+《絶対支配》LV4
貴家ミメイ:また来た!
“ペルシステンシア”:5,8,9,9,10を1に
“ペルシステンシア”:達成値は30
"プロムルージュ":30ジャストだ
“ペルシステンシア”:《スモールワールド》LV5
貴家ミメイ:!!?
“ペルシステンシア”: 攻撃判定の達成値-25
"ルークレス":まだ減らす!?
"プロムルージュ":徹底的すぎる!
貴家ミメイ:ち、ちょっと!
“ペルシステンシア”:5DX+4>=5 ドッジ
DoubleCross : (5DX10+4>=5) → 7[2,2,4,5,7]+4 → 11 → 成功

綾瀬川萌葱:うげえ
“ペルシステンシア”:回避します
"プロムルージュ":質問です!ここでロイスを昇華して効果を使用した場合どのタイミングまで適用できますか?回避成功の前まで遡及できるでしょうか
GM:ロイスで達成値ブーストの話ならそもそもリアクションの結果を見てからでも出来たはずです
"プロムルージュ":不利な効果をすべて消す、の場合はどうなりますか
GM:不利な効果は……どうだろうな~~……
GM:ロイス切るなら……アリかなあ
"プロムルージュ":えっ や、やった~~
"プロムルージュ":なら"ペルシステンシア"のロイスを昇華して、不利な効果をすべて消したいです!
GM:OKです。
GM:ではドッジ失敗。ダメージをどうぞ!
"プロムルージュ":ありがとうございます!ではダメージ!
"プロムルージュ":あ、《鳳凰の翼》を適用して判定したのでHP2減ります
日下紅春:日下紅春のHPを2減少(7 → 5)
"プロムルージュ":5d10+39
DoubleCross : (5D10+39) → 25[4,1,8,3,9]+39 → 64

"プロムルージュ":諸々有効
"ルークレス":良いダメージ!
貴家ミメイ:さすがです!
綾瀬川萌葱:しかも引き寄せもある!
GM:白戸瀬鞠音のHPを64減少(-76 → -140)
“ペルシステンシア”:ぐえ~~~
"プロムルージュ":《妖の招き》の効果で1点でもダメージを与えた場合私のエンゲージへ移動して頂きます
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を2増加(109 → 111)
"プロムルージュ":手番は以上!
エンゲージ



夏目アリア[10]

(10m)

“リュッケンフロッセ”[3]、日下紅春[10]、綾瀬川萌葱[8]、貴家ミメイ[7]、羽澄咲[5]、“ペルシステンシア[6]”

(10m)

“レランパゴ”[26]



GM:では行動値10 夏目アリアの手番です
貴家ミメイ:な、何をしてくるんだ……
夏目アリア:マイナー 《多段攻撃》LV1
夏目アリア:メインプロセスでメジャーアクションを2回行う。
夏目アリア:1回目
夏目アリア:メジャー 《雨粒の矢》LV7+《塞がれた世界》LV5+《大地の加護》LV7
夏目アリア:対象はアリアとペルシステンシア以外の全員
貴家ミメイ:し、シーン攻撃!!
夏目アリア:11DX
DoubleCross : (11DX10) → 9[1,2,2,5,8,8,8,8,8,9,9] → 9

夏目アリア:《妖精の手》LV5
夏目アリア:1DX+9+1
DoubleCross : (1DX10+10) → 8[8]+10 → 18

貴家ミメイ:無理やり当ててくるじゃん!
GM:リアクションどうぞ
綾瀬川萌葱:ご、強引な……!
"ルークレス":3cho:命の盾LV1→技能:交渉でドッジ、侵蝕値+1
貴家ミメイ:ドッジを宣言!
"ルークレス":(4+2)dx+15>=18
DoubleCross : (6DX10+15>=18) → 9[2,6,7,7,9,9]+15 → 24 → 成功

貴家ミメイ:いや、ガードした方がまだマシか……
夏目アリア:《ツイストレーザー》LV5
綾瀬川萌葱:ガード。『ゆくりなくニーオプラズム』《自動触手》 侵蝕+2
夏目アリア:ルークレスのドッジ達成値を0に。
貴家ミメイ:ツイストレーザー!?
綾瀬川萌葱:ダメージ 12+3D
綾瀬川萌葱:12+3D
DoubleCross : (12+3D10) → 12+20[10,4,6] → 32

"ルークレス":うっわ まあまだ侵蝕余裕あるから通そう
"プロムルージュ":(5+3)dx+1+15-20 〈回避〉
DoubleCross : (8DX10-4) → 10[3,3,4,4,4,5,7,10]+8[8]-4 → 14

日下紅春:日下紅春のHPを2減少(5 → 3)
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を1増加(95 → 96)
“ペルシステンシア”:《間違えた世界》LV1
貴家ミメイ:日本刀でガード!
“ペルシステンシア”:難易度:自動成功のエフェクト対象を任意に変更する。
貴家ミメイ:な、なんかバンバン打ってくる!
綾瀬川萌葱:HPダメージなので装甲は効かないです
綾瀬川萌葱:な、なんだとう
“ペルシステンシア”:《自動触手》の対象を貴家ミメイに変更します
貴家ミメイ:ぎゃー!?
綾瀬川萌葱:ごべーん!!!
貴家ミメイ:何点ダメージですか、これ!
綾瀬川萌葱:32点……装甲無視……
"プロムルージュ":え、えげつない……
貴家ミメイ:一回戦闘不能になってリザレクト!
貴家ミメイ:87+1d10
DoubleCross : (87+1D10) → 87+3[3] → 90

貴家ミメイ:3点で立ちあがる!
“レランパゴ”:《リフレックス:ブラックドッグ》LV3+《見えざる僕》LV2
貴家ミメイ:日本刀でガードしたの意味なかった~!
“レランパゴ”:14DX7+16>=18
DoubleCross : (14DX7+16>=18) → 10[1,2,3,3,4,4,4,4,5,7,8,10,10,10]+10[4,6,8,9,10]+10[1,3,10]+5[5]+16 → 51 → 成功

貴家ミメイ:さすが高枝さん!
夏目アリア:《ツイストレーザー》LV5
"プロムルージュ":きみ強すぎない?もっと自信持ちなよ
綾瀬川萌葱:-20もあるけど余裕で通せた……のにな~
夏目アリア:失敗させます
"ルークレス":ツイストレーザーのレベルが高すぎるんだよな
"ルークレス":5て
“リュッケンフロッセ”:《竜鱗》LV6
綾瀬川萌葱:置き換えだから-20はないか?まあいいや
貴家ミメイ:LV回打てるんだっけ、これ!?やばい!
“リュッケンフロッセ”:一緒に巻き込まれてるので一応《軍神の守り》も使えます
"プロムルージュ":お願いします!
貴家ミメイ:あっ、なるほど
貴家ミメイ:カバー先は萌葱センパイでいいですかね?
"ルークレス":100超えてるしセンパイ達のどっちか?
貴家ミメイ:それかロイス一個切った紅春センパイか
綾瀬川萌葱:ロイス削れてるのは日下ちゃんだから、そっちかな
綾瀬川萌葱:今後刃で無茶するかもだし
貴家ミメイ:じゃあ、紅春センパイ!
"プロムルージュ":貰いたいですね 次R以降放棄カバーも選択しうるので
“リュッケンフロッセ”:ではカバーリングします
"プロムルージュ":やった~
夏目アリア:ダメージ
夏目アリア:2D10+14+15+14
DoubleCross : (2D10+14+15+14) → 14[10,4]+14+15+14 → 57

貴家ミメイ:い、痛い!!
"ルークレス":消し飛ぶのでリザレクトで
貴家ミメイ:戦闘不能! 《リザレクト》!
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を1D10(→ 2)増加(96 → 98)
“リュッケンフロッセ”:装甲68点なので弾きます
貴家ミメイ:90+1d10
DoubleCross : (90+1D10) → 90+5[5] → 95

貴家ミメイ:HP5点で立ちあがります!
綾瀬川萌葱:「学園の友人」へのロイスをタイタス昇華して復活
綾瀬川萌葱:HP13
“レランパゴ”:HP0 ロイス「UGN 〇忠誠/辟易」を昇華して復活します
夏目アリア:メジャー2回目
夏目アリア:再び《雨粒の矢》LV7+《塞がれた世界》LV5+《大地の加護》LV7
夏目アリア:対象も同じです
夏目アリア:11DX
DoubleCross : (11DX10) → 10[1,2,3,4,4,6,6,8,9,10,10]+10[2,10]+4[4] → 24

夏目アリア:《妖精の手》LV5
夏目アリア:1DX+6+24
DoubleCross : (1DX10+30) → 5[5]+30 → 35

"ルークレス":高いな……
貴家ミメイ:また来る!
"プロムルージュ":さっきよりさらに達成値上げてきた……
“リュッケンフロッセ”:《竜鱗》LV6
貴家ミメイ:ガードしても生き残る目はないだろうから、今度はダメもとでドッジ!
綾瀬川萌葱:うーん 一応ドッジするしかないか
"ルークレス":一応また3cho:命の盾LV1→技能:交渉でドッジ、侵蝕値+1
貴家ミメイ:4dx-19>=35
DoubleCross : (4DX10-19>=35) → 5[3,5,5,5]-19 → -14 → 失敗

綾瀬川萌葱:6DX-20
DoubleCross : (6DX10-20) → 10[1,4,4,9,10,10]+3[2,3]-20 → -7

貴家ミメイ:さすがに無理!
綾瀬川萌葱:-19だったけどダメ!
"ルークレス":(4+2)dx+15>=35
DoubleCross : (6DX10+15>=35) → 10[1,4,6,8,10,10]+6[4,6]+15 → 31 → 失敗

貴家ミメイ:お、惜しい!
"ルークレス":惜しいか……
"プロムルージュ":うーーん ガードします
“レランパゴ”:《リフレックス:ブラックドッグ》LV3+《見えざる僕》LV2
“レランパゴ”:14DX7+16>=35
DoubleCross : (14DX7+16>=35) → 10[2,3,3,3,3,4,5,6,6,8,8,9,9,10]+10[1,4,5,6,8]+1[1]+16 → 37 → 成功

貴家ミメイ:高枝さん、えらい!
"ルークレス":マジでえらい
"プロムルージュ":安定してえらすぎる
夏目アリア:《ツイストレーザー》LV5
貴家ミメイ:ぎゃー!?
綾瀬川萌葱:レランパゴ~っ
“リュッケンフロッセ”:ぐん……ぐん……
貴家ミメイ:カバーリング、どうします?
貴家ミメイ:萌葱センパイのロイスが削れすぎるのもまずいかな……悩みどころ……
綾瀬川萌葱:ん~~~ でも侵蝕上がりやすそうなのは日下ちゃんだよなあ
貴家ミメイ:じゃあ、まだここは紅春センパイをカバーリングでいいですかね?
綾瀬川萌葱:まだそっちでもいいと思います
綾瀬川萌葱:お願いします!
"プロムルージュ":すみませんありがとうございます……!
"プロムルージュ":この御恩は侵蝕ドカ食い技で……!
“リュッケンフロッセ”:ではカバーします
夏目アリア:ダメージ!
夏目アリア:4D10+14+15+14
DoubleCross : (4D10+14+15+14) → 14[3,7,1,3]+14+15+14 → 57

貴家ミメイ:だから火力高いって!
“リュッケンフロッセ”:カバーできなかった
綾瀬川萌葱:カバーエフェクトはメイン一回!
貴家ミメイ:そ、そんな! “リュッケンフロッセ”!
"プロムルージュ":連続攻撃の前になすすべなく
“リュッケンフロッセ”:私は無傷です
"プロムルージュ":硬った
貴家ミメイ:戦闘不能! 《リザレクト》!
"ルークレス":エフェクト分上げてからリザレクト
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を1増加(98 → 99)
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を1D10(→ 9)増加(99 → 108)
"ルークレス":羽澄咲のHPを7増加(2 → 9)
“レランパゴ”:HP0 ロイス「城島桐子 〇信頼/食傷」昇華で復活します
"プロムルージュ":残り3で耐えられず 御樋代女学院をロイス昇華して復活!
貴家ミメイ:95+1d10
DoubleCross : (95+1D10) → 95+9[9] → 104

日下紅春:日下紅春のHPを15に変更(3 → 15)
綾瀬川萌葱:城島桐子 P○信頼 N不安 を昇華で復活 HP変動なし
貴家ミメイ:HP9点で起き上がります!
GM:では行動値8 綾瀬川さんの手番です。
綾瀬川萌葱:っともう私か
綾瀬川萌葱:マイナーでストライクチップの効果使用、攻撃ダイス+2
綾瀬川萌葱:メジャー:『あえかなるファイトプラズマ』《原初の赤:スパークウェッジ》《コンセントレイト:ウロボロス》 侵蝕+5
綾瀬川萌葱:射撃攻撃。命中後、対象は萌葱以外を対象に含む攻撃時に6+3Dダメージ。萌葱以外を対象に含む攻撃を行うかシーン終了まで持続します。
綾瀬川萌葱:対象はペルシステンシア。一体化したストライクチップで攻撃。
GM:判定どうぞ!
綾瀬川萌葱:11DX7+2
DoubleCross : (11DX7+2) → 10[1,4,7,7,7,8,9,9,10,10,10]+10[1,3,3,5,6,7,8,9,10]+6[1,1,6,6]+2 → 28

綾瀬川萌葱:ぐえ~あんま伸びないな……
“ペルシステンシア”:2回目の6,7,8,9,10を1に
“ペルシステンシア”:達成値は17
“ペルシステンシア”:5DX+4>=17
DoubleCross : (5DX10+4>=17) → 10[1,4,7,8,10]+10[10]+2[2]+4 → 26 → 成功

“ペルシステンシア”:あらっ
貴家ミメイ:きゃー!?
"ルークレス":コイツ回避の出目良くない??
“ペルシステンシア”:テヘヘ……
"プロムルージュ":うえっ
"プロムルージュ":くっそ~こいつ
綾瀬川萌葱:う~~~
貴家ミメイ:《妖精の手》をここで乗せておくべきだったか……!
綾瀬川萌葱:終わり!
GM:では行動値7 貴家さんの手番です
貴家ミメイ:火力に貢献できなくなっちゃうんですけど、ここで調査の判定をしてもいいですか?
貴家ミメイ:〈知識:医学〉で判定してアリアちゃんの状態について調べます!
貴家ミメイ:技能は持ってないので素振り!
貴家ミメイ:いくぞ!
貴家ミメイ:6dx>=11
DoubleCross : (6DX10>=11) → 7[1,3,5,6,7,7] → 7 → 失敗

貴家ミメイ:オートアクションで《妖精の手》!
貴家ミメイ:最後の7を10に変えます!
貴家ミメイ:1dx+10>=11
DoubleCross : (1DX10+10>=11) → 10[10]+5[5]+10 → 25 → 成功

GM:では成功!
綾瀬川萌葱:2回目ですごい回った
貴家ミメイ:初めからクリティカルしてよ!!
"プロムルージュ":うおお~~!ミメイ~
GM:それでは綾瀬川さんは以下のことを推測できます。
綾瀬川萌葱:わたし!?
貴家ミメイ:萌葱センパイ?
GM:間違えました
GM:ミメイさん
貴家ミメイ:わたしだった
GM:“ペルシステンシア”は夏目アリアのクローンに人格を植え付ける際、海馬に対して記憶の焼き付けを行いました。
GM:通常、人間の記憶は海馬に記録された後、長期記憶として大脳皮質に保存されます。
GM:今の夏目アリアは、その海馬から大脳皮質への移行が上手くいかず、外部から焼き付けられた記憶が新たな記憶に押される形で徐々に薄れ、人格が崩壊しつつある状態だと推測できます。
GM:ジャームとしての夏目アリアはその消え行く人格に宿っており、Eロイス[ファイトクラブ]の状態にあります。
GM:身体への定着が上手く行っていない以上、《リザレクト》で再生する際には焼き付けられた記憶までは再生できないと考えられます。
GM:つまり海馬を物理的に破壊することで、現在進行しているジャーム化は停止させることが出来ます。
GM:ただしその場合、夏目アリアとしての記憶と人格は消失し、記憶を喪失した、元々のクローンとしての別人の人格の状態となるでしょう。
貴家ミメイ:わたしは……。
GM:海馬を破壊する場合、特別に判定などは必要ありません。ジャーム:夏目アリアのHPを0にすることでいつでも可能になります。
GM:また、それを選ばず、夏目アリアの人格のまま倒しても構いません。
貴家ミメイ:質問……していいか分からないんですけど元々の肉体にも自我や記憶はあるんですか? それとも記憶喪失の状態になる?
GM:書いた通り、記憶喪失の状態になります。何も経験していないクローンとしての人格なので、幼児と等しい状態です。
貴家ミメイ:分かりました。
貴家ミメイ:皆さん、戦闘を続けましょう。
"プロムルージュ":ミメイ……
貴家ミメイ:ここからはアリアちゃんにも攻撃していいです!
綾瀬川萌葱:ミメイちゃんの選択に従うよ
GM:では行動値6 ペルシステンシアの手番です
“ペルシステンシア”:メジャー 《コンセントレイト:オルクス》LV4+《ナーブジャック》LV1
貴家ミメイ:ナーブジャック!?
"ルークレス":コイツも!?
"プロムルージュ":洗脳セル!
綾瀬川萌葱:ウワ~ッ
“ペルシステンシア”:choice[日下,綾瀬川,貴家,羽澄]
DoubleCross : (choice[日下,綾瀬川,貴家,羽澄]) → 羽澄

"ルークレス":うっわ
貴家ミメイ:咲ちゃん!
"プロムルージュ":"調整"しようとしてきた
“ペルシステンシア”:対象は羽澄さん
“ペルシステンシア”:11DX7+11
DoubleCross : (11DX7+11) → 10[1,1,2,2,4,4,5,7,7,8,9]+10[1,4,8,9]+10[8,9]+10[1,9]+10[10]+10[9]+1[1]+11 → 72

"ルークレス":出目馬鹿良いのやめろ
綾瀬川萌葱:お……おい!
"プロムルージュ":回りすぎ回りすぎ
貴家ミメイ:ば、ばか!
綾瀬川萌葱:出目が良すぎるぞお前!
"ルークレス":一応判定 意志でしたっけ
GM:意志ですね
"ルークレス":6dx+3>=72
DoubleCross : (6DX10+3>=72) → 9[3,5,5,8,9,9]+3 → 12 → 失敗

"ルークレス":無理
“ペルシステンシア”:では羽澄さんは《絶対の恐怖》で
“ペルシステンシア”:choice[日下,綾瀬川,貴家]
DoubleCross : (choice[日下,綾瀬川,貴家]) → 貴家

“ペルシステンシア”:貴家さんを攻撃してください
貴家ミメイ:わたし!
"ルークレス":Mim1c:絶対の恐怖LV4→攻撃力+5、装甲無視、侵蝕値+3
"ルークレス":(4+3)dx+16
DoubleCross : (7DX10+16) → 7[3,3,4,5,5,5,7]+16 → 23

"ルークレス":ワンチャン避けれないか……?
貴家ミメイ:回るのを期待してドッジするしか……
貴家ミメイ:意外と固定値あるんだな……
貴家ミメイ:ドッジ!
貴家ミメイ:5dx-19>=23
DoubleCross : (5DX10-19>=23) → 9[1,3,7,8,9]-19 → -10 → 失敗

貴家ミメイ:普通に無理です!
貴家ミメイ:ダメージお願いします!
"ルークレス":3d10+10+5
DoubleCross : (3D10+10+5) → 18[10,6,2]+10+5 → 33

貴家ミメイ:戦闘不能! 咲ちゃんのロイスをタイタス化して即昇華。
貴家ミメイ:戦闘不能から復活します。HP12です。
“ペルシステンシア”:愉快だねェ~
貴家ミメイ:何も面白くありません!
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を3増加(108 → 111)
"プロムルージュ":人でなし!
GM:では行動値5 羽澄さんの手番です。
"ルークレス":まずマイナーでMirr0r:オリジン(サイバー)LV6→シーン間【社会】を用いた判定の達成値+12、侵蝕値+2
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を2増加(111 → 113)
“ペルシステンシア”:くっ 《ミスリード》でオリジン:サイバーを打ち消してやろうと思ってたのにHPが足りない
"ルークレス":あぶな
貴家ミメイ:そ、そんなエフェクトまで
"プロムルージュ":凶悪すぎるこの人
綾瀬川萌葱:結構削れてるのか
"ルークレス":メジャーはParr0t:絶対の恐怖LV4+神の御言葉LV2→攻撃力+5+15、装甲無視、1シナリオ3回、侵蝕値+7
"ルークレス":対象は"ペルシステンシア"で
GM:判定どうぞ!
"ルークレス":(4+3)dx+16+12
DoubleCross : (7DX10+28) → 9[1,2,2,3,4,5,9]+28 → 37

"ルークレス":回らないが、回ったところでだしな
“ペルシステンシア”:《支配の領域》LV5+《絶対支配》LV4
“ペルシステンシア”:2,3,4,5,9を1に
"ルークレス":30まで下がります
“ペルシステンシア”:達成値30
“ペルシステンシア”:5DX+4>=30
DoubleCross : (5DX10+4>=30) → 8[1,2,3,5,8]+4 → 12 → 失敗

“ペルシステンシア”:くそ~
綾瀬川萌葱:よし……!
"プロムルージュ":しゃいしゃいしゃい!
GM:ダメージどうぞ!
貴家ミメイ:《力の法則》!
"ルークレス":いや、力の法則は流石に大丈夫じゃない?
"ルークレス":アリアちゃん相手のが良いかも
"プロムルージュ":あっここまではちょっと過剰かも!ミスリード分確保できないって言ってたし……!
貴家ミメイ:1ラウンド1回なので
貴家ミメイ:いや、でもそうか。リュッケンフロッセの行動にも乗せられるか
"ルークレス":そう そっちに乗せれるから
"プロムルージュ":あの先生は硬くて動けるのだ
貴家ミメイ:じゃあ、ここは温存!
綾瀬川萌葱:そうだった 殴りも出来る……!
貴家ミメイ:咲ちゃん、そのままお願いします!
"ルークレス":OK
"ルークレス":4d10+10+5+15
DoubleCross : (4D10+10+5+15) → 31[10,6,7,8]+10+5+15 → 61

貴家ミメイ:いい火力!
“ペルシステンシア”:ぐあああああああああ
"ルークレス":積年の恨みが乗ってる
GM:白戸瀬鞠音のHPを61減少(-140 → -201)
“ペルシステンシア”:HPはHP165でした
貴家ミメイ:かなりある!
"プロムルージュ":結構あるな
“ペルシステンシア”:復活エフェクトもありません。戦闘不能です
貴家ミメイ:よ、よかった!!
綾瀬川萌葱:やった……!
"プロムルージュ":やった~!
"ルークレス":よし!
GM:行動値3 “リュッケンフロッセ”の手番です
"プロムルージュ":マイナー《完全獣化》《破壊の爪》《セントールの脚》《ハンティングスタイル》で夏目アリアにエンゲージ、その直前に《巨獣の背》も宣言して日下紅春を一緒に移動させます
“リュッケンフロッセ”:乗りな嬢ちゃん
"プロムルージュ":まさかこんなことになるとはね
"プロムルージュ":メジャーは《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》で夏目アリアに攻撃をお願いします
“リュッケンフロッセ”:いきます
“リュッケンフロッセ”:14DX7+6
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[1,2,3,4,5,5,5,6,7,9,9,9,10,10]+10[1,4,5,8,9,10]+10[1,7,9]+6[1,6]+6 → 42

夏目アリア:う~ん
貴家ミメイ:いい出目!
夏目アリア:7DX>=42 ドッジ
DoubleCross : (7DX10>=42) → 8[1,3,3,3,6,7,8] → 8 → 失敗

貴家ミメイ:オートアクションで《力の法則》! ダメージを+3dしてください!
"プロムルージュ":ダメージ前に同エンゲージになったので
"プロムルージュ":こちらも《餓狼の爪》
貴家ミメイ:わたしの侵蝕率は4上がって112!
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を3増加(111 → 114)
GM:餓狼はダメージ+いくつかな?
"プロムルージュ":素手だから+39です!
“リュッケンフロッセ”:ではダメージ
“リュッケンフロッセ”:5D10+16+32+3D10+39
DoubleCross : (5D10+16+32+3D10+39) → 20[4,1,2,10,3]+16+32+12[2,6,4]+39 → 119

貴家ミメイ:す、すごい火力!
夏目アリア:ゲェ~~ッ
綾瀬川萌葱:さすが先生~
"ルークレス":頼りになりすぎる
"プロムルージュ":うおお~
貴家ミメイ:一生UGNについていきます
夏目アリア:《隆起する大地》LV7+《浮遊する大地》
貴家ミメイ:そ、そんなものまで!?
夏目アリア:119-1D10-21-2D10
DoubleCross : (119-1D10-21-2D10) → 119-5[5]-21-18[9,9] → 75

貴家ミメイ:めちゃくちゃ軽減したね!?
"ルークレス":出目が良すぎるって!
GM:夏目アリアのHPを67減少(0 → -67)
夏目アリア:まだまだ元気です
綾瀬川萌葱:うわっほんとだ 出目いいな~
貴家ミメイ:さすがに体力ある……!
GM:ではクリンナップ
GM:特に無いかな ラウンド1終了。
貴家ミメイ:ないです!
"プロムルージュ":大丈夫です!
綾瀬川萌葱:ないはず
"ルークレス":無し!
GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
貴家ミメイ:ないです!
綾瀬川萌葱:ないです!
"プロムルージュ":特になし!
夏目アリア:再び《法則の支配者》LV10
貴家ミメイ:また来た!
夏目アリア:再度回避-20です
“レランパゴ”:《加速装置》LV5+《ヴァジュラ》LV5 行動値+20、シーン間攻撃力+15、暴走
“リュッケンフロッセ”:なし
"ルークレス":無し
GM:ではイニシアチブ
GM:行動値26 レランパゴの手番です。
綾瀬川萌葱:マイナーで……私たちのエンゲージに来てもらいます
綾瀬川萌葱:もどれ、”レランパゴ”!
“レランパゴ”:指図すんな!
エンゲージ



夏目アリア[10]、“リュッケンフロッセ”[3]、日下紅春[10]

(10m)

綾瀬川萌葱[8]、貴家ミメイ[7]、羽澄咲[5]、“ペルシステンシア[6]”、“レランパゴ”[26]



綾瀬川萌葱:メジャーは《雷の槍》LV7+《クレイジードライブ》LV5+《ネガティブパルス》LV2!
綾瀬川萌葱:夏目アリアに10まんボルト!
“レランパゴ”:しゃーないな……
“レランパゴ”:5DX+26
DoubleCross : (5DX10+26) → 5[2,3,4,5,5]+26 → 31

夏目アリア:ドッジ
夏目アリア:7DX>=31
DoubleCross : (7DX10>=31) → 10[2,3,4,4,6,7,10]+4[4] → 14 → 失敗

"プロムルージュ":ダメージ前に《餓狼の爪》 +39
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を3増加(114 → 117)
夏目アリア:待ちな
貴家ミメイ:!?
夏目アリア:《現実改変》LV5
貴家ミメイ:な、何それ!
"プロムルージュ":うえっ
夏目アリア:判定の達成値+20 HP20点失う
夏目アリア:達成値34!
"プロムルージュ":ではダメージロールが発生しないので取り下げになります……
GM:夏目アリアのHPを20減少(-67 → -87)
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を3減少(117 → 114)
貴家ミメイ:うわーん! 妖精を切っておくんだった!
"ルークレス":まあHPが削れるのは助かるが……
綾瀬川萌葱:今から妖精は打てないんですっけ
貴家ミメイ:相手のリアクションにいっちゃうと無理ですね……!
"プロムルージュ":もうリアクションが発生しちゃった後ですもんねぇ
GM:見てからは普通無理ですが……
GM:なんと……
GM:今回に限り……
"プロムルージュ":今回に限り……?
綾瀬川萌葱:なんと……!
GM:使っていいですよ
貴家ミメイ:い、いいの!?
綾瀬川萌葱:い、言ってみるもんだ
貴家ミメイ:うん。アリアちゃんに手番が回らないに越したことはないしな……
"ルークレス":倒せるなら倒したいですからね
貴家ミメイ:オートアクションで《妖精の手》! レランパゴの最後のダイス目を10に変えます!
貴家ミメイ:高枝さん、振り足して!
“レランパゴ”:1DX+5+31
DoubleCross : (1DX10+36) → 9[9]+36 → 45

貴家ミメイ:わたしの侵蝕率は4上がって116!
“レランパゴ”:ではダメージ
貴家ミメイ:紅春センパイ、餓狼もお願いしますね!
"プロムルージュ":ダメージロール前に《餓狼の爪》
"プロムルージュ":+39です
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を3増加(114 → 117)
“レランパゴ”:5D10+18+15+20+39
DoubleCross : (5D10+18+15+20+39) → 42[10,6,9,9,8]+18+15+20+39 → 134

貴家ミメイ:いいダメージ……!
夏目アリア:《隆起する大地》LV7+《浮遊する大地》
"プロムルージュ":くっ
夏目アリア:134-1D10-21-2D10-8
DoubleCross : (134-1D10-21-2D10-8) → 134-5[5]-21-2[1,1]-8 → 98

GM:夏目アリアのHPを98減少(-87 → -185)
貴家ミメイ:固定値だけでもかなり減るなぁ……!
夏目アリア:まだ健在です
"プロムルージュ":固定値は高いが揺り戻し……!
綾瀬川萌葱:しぶとい!
"ルークレス":健在レベルなのキツイな
GM:行動値10 日下さんの手番です
"プロムルージュ":マイナー放棄してメジャーで夏目アリアに白兵攻撃します
"プロムルージュ":(5+3)dx+23
DoubleCross : (8DX10+23) → 10[1,4,5,5,6,8,9,10]+10[10]+10[10]+1[1]+23 → 54

日下紅春:日下紅春のHPを2減少(15 → 13)
"プロムルージュ":?
夏目アリア:ドッジ
夏目アリア:7DX>=54
DoubleCross : (7DX10>=54) → 8[1,2,3,3,6,6,8] → 8 → 失敗

夏目アリア:《妖精の手》
夏目アリア:1DX+8+2
DoubleCross : (1DX10+10) → 5[5]+10 → 15

貴家ミメイ:こ、こわい!
夏目アリア:《妖精の輪》
"プロムルージュ":やめろ!足搔かないで!
夏目アリア:1DX+15+5
DoubleCross : (1DX10+20) → 4[4]+20 → 24

貴家ミメイ:!?
綾瀬川萌葱:輪まで!
"ルークレス":怖すぎ
夏目アリア:足りない 喰らいます
"プロムルージュ":こわ~~ ではダメージ
貴家ミメイ:命中したならオートアクションで《力の法則》!ダメージダイスを+3個してください!
"プロムルージュ":やった~
貴家ミメイ:わたしの侵蝕率は+4されて120!
"プロムルージュ":6d10+39+3d10 力の法則込み
DoubleCross : (6D10+39+3D10) → 37[7,1,4,8,10,7]+39+12[2,9,1] → 88

貴家ミメイ:いい火力!
"プロムルージュ":手番は以上!
GM:夏目アリアのHPを80減少(-185 → -265)
夏目アリア:まだ生きてます
貴家ミメイ:固い……!
"プロムルージュ":これでも足りないか……
GM:行動値10 夏目アリアの手番です
夏目アリア:マイナー 《多段攻撃》LV1 メインプロセスでメジャーアクションを2回行う。
夏目アリア:1回目
夏目アリア:メジャー 《雨粒の矢》LV7+《塞がれた世界》LV5+《大地の加護》LV7
貴家ミメイ:また二回攻撃!
"プロムルージュ":来るか……!
夏目アリア:対象全員
夏目アリア:11DX
DoubleCross : (11DX10) → 10[1,4,5,5,6,7,7,8,9,9,10]+2[2] → 12

夏目アリア:《妖精の手》
夏目アリア:1DX+8+12
DoubleCross : (1DX10+20) → 9[9]+20 → 29

夏目アリア:《妖精の手》はこれで終わりです
貴家ミメイ:ドッジを宣言!
"プロムルージュ":や、やっと妖精も切れた……
“レランパゴ”:《リフレックス:ブラックドッグ》LV3+《見えざる僕》LV2
貴家ミメイ:5dx-19>=29
DoubleCross : (5DX10-19>=29) → 6[1,4,5,6,6]-19 → -13 → 失敗

“レランパゴ”:5DX7+16>=29
DoubleCross : (5DX7+16>=29) → 10[2,4,6,7,8]+10[5,7]+2[2]+16 → 38 → 成功

貴家ミメイ:ドッジ失敗!
綾瀬川萌葱:ガード。『ゆくりなくニーオプラズム』《自動触手》 侵蝕+2
貴家ミメイ:高枝さん、よくやったよ!
夏目アリア:《ツイストレーザー》LV5
綾瀬川萌葱:3D10+12
DoubleCross : (3D10+12) → 17[4,6,7]+12 → 29

"ルークレス":3cho:命の盾LV1→技能:交渉でドッジ、侵蝕値+1
貴家ミメイ:またツイストレーザー!
"ルークレス":(4+3)dx+15+12>=29
DoubleCross : (7DX10+27>=29) → 9[1,1,5,8,8,9,9]+27 → 36 → 成功

夏目アリア:《ツイストレーザー》LV5
貴家ミメイ:ルーちゃんもさすが!
"ルークレス":これでレーザー品切れのはず!
綾瀬川萌葱:装甲無視 29点HPダメージを受けてください
"プロムルージュ":ツイストレーザーヤバすぎる
夏目アリア:ツイストレーザーはこれで切れました
"プロムルージュ":リアクションを放棄する代わりに《復讐の刃》
GM:夏目アリアのHPを29減少(-265 → -294)
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を6増加(117 → 123)
貴家ミメイ:ようやく打ち切り……!
"プロムルージュ":白兵攻撃を行います
"プロムルージュ":(5+3)dx8+23
DoubleCross : (8DX8+23) → 10[3,4,4,4,7,7,7,9]+5[5]+23 → 38

日下紅春:日下紅春のHPを2減少(13 → 11)
“リュッケンフロッセ”:竜鱗
"プロムルージュ":ダメージ前に《軍神の守り》でカバーもお願いします
夏目アリア:ではダメージ
夏目アリア:3D10+14+15+14
DoubleCross : (3D10+14+15+14) → 11[2,8,1]+14+15+14 → 54

“リュッケンフロッセ”:弾きます
"プロムルージュ":つよすぎ
貴家ミメイ:戦闘不能! 両親のロイスをタイタス化して昇華! 戦闘不能から復活します!
"ルークレス":死ぬので初期ロイスのFHの仕事をタイタス貸して昇華します
"ルークレス":羽澄咲のHPを2増加(9 → 11)
綾瀬川萌葱:戦闘不能。ロイス:「夏目アリア P○親愛 N偏愛」をSロイス相当で昇華し完全復活。
“レランパゴ”:HP0 最後のロイス「阮心依 恋慕/〇対抗心」を昇華して復活します
"プロムルージュ":こちらの復讐の刃のダメージ
"プロムルージュ":4d10+39
DoubleCross : (4D10+39) → 21[1,5,5,10]+39 → 60

綾瀬川萌葱:HP28、法則の支配者の効果も解除
GM:夏目アリアのHPを52減少(-294 → -346)
夏目アリア:HP0
貴家ミメイ:ようやく……!
"プロムルージュ":えっ
"プロムルージュ":うおおーーーっ!
綾瀬川萌葱:ここで…!
"ルークレス":落ちた!
夏目アリア:《蘇生復活》+《無限の渇望》LV?で復活します
"プロムルージュ":うわーーっ!
貴家ミメイ:復活エフェクト! こっちは持ってるか……!
"ルークレス":いくつだこれ……?
綾瀬川萌葱:なになになに
貴家ミメイ:なんか聞いたことないエフェクトもある!
"プロムルージュ":な、何……何なの……?
夏目アリア:2回目のメジャー
夏目アリア:《雨粒の矢》LV7+《塞がれた世界》LV5+《大地の加護》LV7
夏目アリア:11DX
DoubleCross : (11DX10) → 10[1,2,4,4,7,8,8,8,9,9,10]+4[4] → 14

夏目アリア:《現実改変》LV5 判定の達成値+20
貴家ミメイ:ま、まだやる!?
夏目アリア:達成値34
GM:夏目アリアのHPを20減少(0 → -20)
"ルークレス":3cho:命の盾LV1→技能:交渉でドッジ、侵蝕値+1
“リュッケンフロッセ”:《竜鱗》LV6
"ルークレス":(4+3)dx+15+12>=34
DoubleCross : (7DX10+27>=34) → 8[1,1,2,3,5,6,8]+27 → 35 → 成功

貴家ミメイ:さすが!
"ルークレス":危ないけどセーフ
夏目アリア:もうツイストレーザーが無い!
“レランパゴ”:《リフレックス:ブラックドッグ》LV3+《見えざる僕》LV2
“レランパゴ”:5DX7+16>=35
DoubleCross : (5DX7+16>=35) → 10[1,5,7,7,8]+5[2,2,5]+16 → 31 → 失敗

"ルークレス":そしてごめん、さっきの手番のメジャーから侵蝕上げ忘れてたのでまとめて上げます
"プロムルージュ":ドッジ勢の本領発揮……!
"ルークレス":羽澄咲の侵蝕率を9増加(113 → 122)
貴家ミメイ:ダメもとでドッジ!
貴家ミメイ:5dx-19>=34
DoubleCross : (5DX10-19>=34) → 10[2,4,5,9,10]+3[3]-19 → -6 → 失敗

"プロムルージュ":《復讐の刃》 攻撃が当たり、白兵攻撃を返します
日下紅春:日下紅春の侵蝕率を6増加(123 → 129)
日下紅春:日下紅春のHPを2減少(11 → 9)
"プロムルージュ":(5+3)dx8+23
DoubleCross : (8DX8+23) → 10[1,2,3,4,4,5,6,10]+10[10]+7[7]+23 → 50

綾瀬川萌葱:手番放棄。”レランパゴ”をカバーリング。
“レランパゴ”:な……何……!?
夏目アリア:ではダメージ
夏目アリア:4D10+14+15+14
DoubleCross : (4D10+14+15+14) → 24[8,2,9,5]+14+15+14 → 67

貴家ミメイ:相変わらず火力高い!
“リュッケンフロッセ”:最強の防具、UGNボディアーマーを着ているので無傷です
貴家ミメイ:戦闘不能! 紅春センパイのロイスをタイタス化して昇華。Sロイス扱い……もできるんだっけ。完全復活で使用します!
綾瀬川萌葱:私も着てるのに~
"プロムルージュ":ほんとにボディ以外のアーマーなのかな……
綾瀬川萌葱:戦闘不能!そのまま起き上がらないです
"プロムルージュ":こちらも耐えられず!"綾瀬川萌葱"のロイスを昇華して復活します Sロ効果で完全復活しちゃおう
"ルークレス":最強すぎるんだよな
"プロムルージュ":そして《復讐の刃》のダメージ
"プロムルージュ":6d10+39
DoubleCross : (6D10+39) → 45[8,10,9,7,7,4]+39 → 84

"ルークレス":でっかい!
貴家ミメイ:強い……!
"プロムルージュ":なんかめっちゃ減ったな
GM:夏目アリアのHPを76減少(-20 → -96)
GM:行動値7 ミメイさんの手番です。
貴家ミメイ:まだHPあるんだ……!
貴家ミメイ:分かりました。動きます。
貴家ミメイ:マイナーアクションで10m移動。アリアちゃんと同じエンゲージに。
貴家ミメイ:メジャーアクションで《コンセントレイト:オルクス》+《雷神の鎚》+《サンダーストーム》+《ダンシングシミター》+《雷の剣》を使用
貴家ミメイ:侵蝕率が120%になってるので、これに+《ナーブジャック》も乗せます
GM:何ィ!?
貴家ミメイ:命中判定いきます!
貴家ミメイ:10dx7+4
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[1,1,2,4,4,6,7,7,8,10]+10[2,4,5,7]+5[5]+4 → 29

貴家ミメイ:これ以上何もできない。リアクションお願いします!
夏目アリア:7DX>=29
DoubleCross : (7DX10>=29) → 9[3,6,7,7,8,8,9] → 9 → 失敗

夏目アリア:11DX>=29 意志
DoubleCross : (11DX10>=29) → 10[1,2,2,2,2,4,7,8,8,10,10]+7[2,7] → 17 → 失敗

夏目アリア:《現実改変》を撃つHPが無い!
貴家ミメイ:あぶなっ!
貴家ミメイ:ダメージいきます!
貴家ミメイ:23+6d10
DoubleCross : (23+6D10) → 23+29[7,1,4,5,4,8] → 52

GM:夏目アリアのHPを46減少(-96 → -142)
貴家ミメイ:52点!装甲有効!通ればメジャーの行動を一つさせるよ!
夏目アリア:HP0 復活HPは101でした。
夏目アリア:復活エフェクトはありません。
貴家ミメイ:データ的に意味があるか分からないけど……《ナーブジャック》の効果!
貴家ミメイ:アリアちゃんにメジャーアクションを使って自分の暴走を解除してもらいます。データ的に意味がなければ、そのままメジャーアクションを使ってわたしとお話してください!
夏目アリア:分かりました。
貴家ミメイ:それから、わたしの最後に残ったアリアちゃんへのロイスをSロイスに指定。
貴家ミメイ:アリアちゃんの、脳の一部をそのままわたしが破壊します。
貴家ミメイ:これで行動終了です。
GM:了解しました。それではこれで戦闘終了です。

GM:バックトラック
GM:Eロイスはこちらです。

Eロイス

夏目アリア
[虚実崩壊]
[ファイトクラブ]
[悪意の伝染]
GM:改めて今回のバックトラックのルールです
GM:⑨バックトラックに失敗したPCはロストせず、即座に侵蝕率を99%まで低減する。
ただし、PLあるいはGMが適当と思われる身体あるいは精神に対する重篤な損傷を受ける。
シナリオとして適当と思われ、双方の合意がある場合は通常通りジャーム化、ロストする場合もある。

貴家ミメイ:存分に特殊ルールに甘えさせてもらうつもりです!
GM:ということで判定をどうぞ。
貴家ミメイ:まずはEロイス分、振ります!
貴家ミメイ:さっきのメジャーで侵蝕率が143まで上がってるのでここから
"ルークレス":Eロ分振ります
"ルークレス":122-3d10
DoubleCross : (122-3D10) → 122-20[9,3,8] → 102

貴家ミメイ:143-3d10
DoubleCross : (143-3D10) → 143-20[8,3,9] → 123

綾瀬川萌葱:私も振ります~
綾瀬川萌葱:123-3D10
DoubleCross : (123-3D10) → 123-16[3,3,10] → 107

"プロムルージュ":129-3d10
DoubleCross : (129-3D10) → 129-11[4,1,6] → 118

"ルークレス":残りロイスが3 素振りで
"ルークレス":102-3d10
DoubleCross : (102-3D10) → 102-13[3,7,3] → 89

貴家ミメイ:残っているロイスはアリアちゃんへのSロイス1個だけ。倍振りします!
貴家ミメイ:123-2d10
DoubleCross : (123-2D10) → 123-11[10,1] → 112

貴家ミメイ:追加振り!
"プロムルージュ":残ロイス2 倍振りします
貴家ミメイ:112-1d10
DoubleCross : (112-1D10) → 112-4[4] → 108

綾瀬川萌葱:ロイス2個です、倍振りで
"ルークレス":未明ちゃん!!
"プロムルージュ":118-4d10
DoubleCross : (118-4D10) → 118-24[8,3,5,8] → 94

綾瀬川萌葱:107-4d10
DoubleCross : (107-4D10) → 107-24[1,8,10,5] → 83

貴家ミメイ:た、足りない……!
"プロムルージュ":ミメイちゃん……!?
GM:では……貴家ミメイさんの侵蝕率は99%まで低減しますが、身体あるいは精神に対する重篤な後遺症が残ります。
貴家ミメイ:了解です。こればかりは仕方ないです。
GM:経験点はいつもの10点にEロイス3点、13点に侵蝕分を足してください。
"ルークレス":18貰います
貴家ミメイ:13点! いただきます!
"プロムルージュ":16点です
綾瀬川萌葱:16点です
GM:というわけで進呈します!お疲れ様でした!
"プロムルージュ":お疲れ様でした!
"ルークレス":お疲れ様でしたー!
貴家ミメイ:ありがとうございます!お疲れ様でした!
綾瀬川萌葱:お疲れ様でした……!

“レランパゴ”:「おい、“ペルシステンシア”の奴ピンピンしとるやないか! そっちで仕留めるいう話だったんちゃうか!?」
綾瀬川萌葱:「やつは奇妙な転移を使う! 生憎こちらに速さ自慢が居なくてね……!」
“レランパゴ”:「チッ……例のやつか……まあええ!速攻で──」
“レランパゴ”:雷と化した“レランパゴ”の全身が、更に激しく光り輝く。銃口の如く“ペルシステンシア”へと向けられた右腕が膨張して。
“レランパゴ”:「仕留める!!」
“レランパゴ”:文字通りの雷撃めいた大電流が放たれる。激しくスパークする雷の槍が、瞬時に“ペルシステンシア”を飲み込み……
“ペルシステンシア”:「ははは!危ない危ない」
“ペルシステンシア”:その姿が元居た場所とまるで違う方向から現れる。僅かに焦げ付いてはいるものの、すぐに《リザレクト》で再生していく。
“レランパゴ”:「……」その姿に目を細め。
“レランパゴ”:「無傷やない。ウチの攻撃を止めてるわけでも、透過してるわけでもない」
“レランパゴ”:「タネがあるな。それもそう大した手品やないで」
綾瀬川萌葱:(”レランパゴは”こちらの保有する戦力で最速。純粋速度で”ペルシステンシア”の転移を攻略する目もある……)
綾瀬川萌葱:「流石だ。だが、腐ってもセルリーダーだからな」
綾瀬川萌葱:「タネが一つとも限らない。気を引き締めていこう」 最奥の気配は、今はあえて考慮しない。
"プロムルージュ":「ならっ」合わせるような裂帛の声
"プロムルージュ"きゃくを垂直に踏みつける一足。そして二足。駆け出すような姿勢でありながら
"プロムルージュ":「そういう手品師への嫌がらせは一つと相場が決まってるわ」
"プロムルージュ":その腕は両が強く羽ばたく直前のように引き戻され、伸びた包帯が後方の巨塊を絡めている。
"プロムルージュ":庭の隅に積まれた直方体状の土くれ、煉瓦が段にして組み上げ中に詰められた超重を、毬のように──
"プロムルージュ":「───仕込み場ごと全部いっかい更地にしちゃえばいいのよ」それを、躊躇なく頭上より放る
"プロムルージュ":彼女の特異性も、種族形質も、すべて傷を起点とする。とりあえず一度土を付けてしまおう、という意図はすぐに見破られた。
“ペルシステンシア”:「そんな直情的な攻撃……」
“ペルシステンシア”:“ペルシステンシア”が余裕の表情を浮かべた瞬間、“プロムルージュ”の意識が僅かに酩酊するが──
“ペルシステンシア”:それだけだ。
“ペルシステンシア”:「……!」
“ペルシステンシア”:降り注ぐ土塊と煉瓦に打ち据えられ、鈍い衝突音が響き渡る。
“ペルシステンシア”:「ぐっ、が……!」
“ペルシステンシア”:何か予想外があったような驚愕の表情が、苦痛の表情に塗り替えられる。
“ペルシステンシア”:「ぐ……」たたらを踏んで「この、鬼種人でなしが……」
"プロムルージュ":「──その、鬼種人でなしはね」
"プロムルージュ":土煙から声
"プロムルージュ":「何も生み出せやしないから」
"プロムルージュ":「ひたすらに壊したがるか、ひたすらに増やしたがるんだ。その形はそれぞれによって違うけど。わかる?」
"プロムルージュ":まだ、注がれ地に跳ね宙に浮かぶ土塊と瓦礫に火がつく。鬼火のように幽かな熱を灯され、一か所に吸着するように集まる──
"プロムルージュ":「それが、これが私だけの獣性」
"プロムルージュ":「燃えて、壊して、砕いて、広げて」
"プロムルージュ":「延して、延して、延して、延して」
"プロムルージュ":「刻みたがるんだ。焔を」
"プロムルージュ":ペルシステンシアに纏めて到来するのに紛れ、赫い包帯がそれごと鷲掴み
"プロムルージュ":寄せ、足元へ叩きつけた
“ペルシステンシア”:「が……あぁああああっ……!」
“ペルシステンシア”:強かに地面へと転がされ、余裕の表情が崩れる。
“ペルシステンシア”:一瞬の無防備を晒すが、君達の追撃よりも先に。
綾瀬川萌葱:(引き離した! これなら────……!?)
夏目アリア:「あ……あぁあぁああああぁああッ!!」
夏目アリア:半狂乱の絶叫が響き渡る。
貴家ミメイ:「アリアちゃん……! 皆さん、気を付けて。来ます!」
夏目アリア:アリアの混乱と恐怖に呼応するように、彼女を中心に硬質の地面、植物、空気──あらゆるものが渦を巻いて回転し
夏目アリア:その能力範囲に巻き込まれたあらゆるものが、現実性を失って改変されていく。
綾瀬川萌葱:無数に枝分かれした触手が、根を張り、空間そのものに浸潤した腫瘍のように拡がっていた。
綾瀬川萌葱:”ペルシステンシア”を狙うはずのそれは、本能的な動作で”敵”を捉える。
"ルークレス":「気を付けて、と言っても……この状況じゃあまともな回避は……」
"ルークレス":自分の回避は"まとも"なソレではないからマシだが、この環境では身体捌きでどうこうするのは不可能に近いだろう。
“レランパゴ”:「おいおいおい……! ッ、あぁああっ……!?」
“レランパゴ”:大抵の攻撃に対して対応可能な“レランパゴ”の電流と化した肉体ですら、アリアの能力に巻き込まれ引き千切られるかのように変形していく。
夏目アリア:引き裂かれた樹木が散弾のように飛散し、石材が底なし沼かのように足元を呑み込み、圧倒的な破壊が吹き荒ぶ。
"プロムルージュ":「……ッ」
"プロムルージュ":「完全に破壊兵器ね……っただの観測者気取りがこんなものがお好みだったワケ!?」
"プロムルージュ":首根を掴み、庭の地面にペルシステンシアを押し付けながら叫んだ。だが、その間にも奔流は躊躇なく襲来する。
貴家ミメイ:「ぁぅ……ッ!!」まともに攻撃を受け、胴を引き裂かれるがこんなところで倒れてはいられない。オーヴァードの再生能力で無理やり立ち上がる。
綾瀬川萌葱:「ッ、け、れ、ど…………!!!!」
綾瀬川萌葱:嵐のような暴威を掻い潜り、敵意を手繰り、漆黒の触手を”敵”へ向けて伸ばす。
綾瀬川萌葱:(届く、届かせられる! 後少しで……!)
“ペルシステンシア”:「だろうと思った……」
“ペルシステンシア”:敵──暴走するアリアへと放ったはずの綾瀬川の触手。
“ペルシステンシア”:だがそれが捉えたのは、立ち上がったばかりのミメイだった。
綾瀬川萌葱:……鋭利な先端はさながら散弾銃のように、脆弱な体組織を"面"で食い破る。
綾瀬川萌葱:「え」
貴家ミメイ:「アリアちゃん、もうやめ…………えっ」肉体を再生させて立ち上がった直後、別の角度から飛来した触手に貫かれて体が爆ぜる。
綾瀬川萌葱:「あ────あ、あああああぁぁぁ!? 貴家ちゃんっ!!」
綾瀬川萌葱:元より、発症者にとってもアンコントローラブルな領域を持つ危険な細胞操作。
綾瀬川萌葱:これは妨害による変性なのか?己の発作の発露なのか? その区別は主体的には難しい。
"プロムルージュ":「……───お前ッ」彼女を縛り見下ろしていた頭が一瞬で沸騰しそうになる
“ペルシステンシア”:「く、はははは……!」混乱に紛れ、既に“プロムルージュ”の拘束から逃れている。
“ペルシステンシア”:「ほら、やはりそうだ!UGNなど信用できない!」
"プロムルージュ":空になった掌を握り「こんな最中にも……まだ、弄ぶことを選ぶのっ!」
綾瀬川萌葱:「い、今の、私が……!?」 触手の操作も乱れ始める。次、同じ芸当を『選択する』ことが難しくなった。
貴家ミメイ:「だいじょう、ぶ……わたしは大丈夫、ですから……」苦しげに顔を歪めると口から血がこぼれる。
"ルークレス":「"マキャヴェリテラトーマ"!乗せられない!」
"ルークレス":「今のは"ペルシステンシア"の小細工!あなたのミスでもなんでもない」
綾瀬川萌葱:「っ……」頭を振り、声を飲み込む。「うんっ……くそ、こんな、ことまで……!」
貴家ミメイ:「はい、わたしは平気です。前を向いて、萌葱センパイ!」赤く染まった顔の血を拭いながらルークレスの言葉に頷く。
"ルークレス":言いながらボイスチェンジャーのダイヤルを回し、次はアリアへと呼び掛ける。
夏目アリア:「違う、テンポがズレてる。もっと――」
"ルークレス":対象自身の声を真似て呼びかけ、思考を乱し、攻撃を誘導する。錯乱状態の相手には特に効く一手だが――。
"ルークレス":「っつ……」 荒れ狂う環境では呼びかけ自体がまともに通らない。
夏目アリア:「う……う……」
夏目アリア:「うる……さい…………」
夏目アリア:アリアが耳を塞ぐと同時に。
夏目アリア:ピ シ ッ
夏目アリア:“ルークレス”の喉笛が、見えざる刃に斬られたかのようにぱくりと裂ける。
"ルークレス":「が、ぅあっ……!?」 血が溢れ出た喉を咄嗟に抑える。
夏目アリア:「黙って……静かに……私を……一人にしてよ……!」
夏目アリア:その攻撃には過程すら無い。ただアリアが『そうあってほしい』と願ったように、現実が改変されている。
"ルークレス":「う"、ぁ……ぐ……っはぁ!」 傷の修復によって喉の奥に溜まった血をえずいてどうにか吐き出す。
"ルークレス":「……それで大人しくしてくれるなら、そうしてあげたんだけど」
綾瀬川萌葱:「羽澄ちゃん……!? 攻撃の手段も自在なのか……!」
"プロムルージュ":「木とか石とか、足元から広がってるのを使ってたのが直接……!」
綾瀬川萌葱:「なら、まずは」 手の平に開けた青いカプセル錠を追加服用。
綾瀬川萌葱:拡散する触手を収束させ、夥しい数の漆黒がひとつに束ねられている。
綾瀬川萌葱:「【罹患/重篤オペレヱト・アイシーユー】」
綾瀬川萌葱:”プロムルージュ”の攻撃は良いインスピレーションになった。積み上がった瓦礫の山を細かな触手の動きも借り、駆け上がり。
綾瀬川萌葱:「……”ペルシステンシア”! お前からだ!」
綾瀬川萌葱:天頂から、それを振り下ろす。
綾瀬川萌葱:  る   ど  ど ど ど どどどどどどどどどどど──────── ──
綾瀬川萌葱:巨大質量による純粋暴力。ジェット機の胴体着陸に近しい衝撃が空気を震わせる。
"プロムルージュ":「(上から……!!……私のときは、なにか、、、を講じようとして通じなかった。でもそれは───?)」
“ペルシステンシア”:「……セルとして働く時も、それくらい真面目にやってほしかったなぁ」
“ペルシステンシア”:ぐにゃりと綾瀬川の視界が歪む。
“ペルシステンシア”:激しい船酔いのような、何度も回転した後のような強烈な酩酊感。三半規管が著しく乱れ、まるで狙いを定められない。
綾瀬川萌葱:「っく、こ、これくらい────で──────!?」
綾瀬川萌葱:狙いは逸れ、校舎の横壁を削り降ろしながら────質量兵器は不時着に終わる。
“レランパゴ”:「ッチ……何やっとんねん、あいつ……!」
綾瀬川萌葱:ガラス片と煉瓦の粉塵が辺りを包む。何を仕掛けるにせよ、仕切り直しの格好だ。
"ルークレス":「……真面目にやってなかったのはそっちもでしょう」 苦々しく口走る。
"ルークレス":研究がメインのはずの彼女がここまで前線で戦えるなんて、長い付き合いの中でも知らなかった。
貴家ミメイ:日本刀を構えたままそんな攻防の只中を逃げ惑う。今は先にアリアちゃんを助ける方法を見つけなければならない。
貴家ミメイ:「え、ええい。寄るな、寄るな。寄らば斬る!……って、言ってる場合じゃないか」
貴家ミメイ:隙を突いて右腕にはめ込んだドローン操作用デバイスを指先で撫で、ドローンによる解析を開始する。
貴家ミメイ:「何か……アリアちゃんを救う方法を……!」
貴家ミメイ:対象はレネゲイドの奔流の中心である夏目アリア。その暴風雨の如き力に幾度か阻まれながらもスキャンを完了させる。
貴家ミメイ:ドローンによる解析結果を見て、一瞬辛そうな顔をする。
貴家ミメイ:「わたしは……」
貴家ミメイ:「……みんなで一緒に。幸せな未来を」ほんのわずかな間だけ目をつむる。
貴家ミメイ:それから顔を上げて精一杯の大きな声で叫んだ。
貴家ミメイ:「皆さん、この瞬間までアリアちゃんを攻撃の対象に含めないでくれてありがとうございます! ここからは彼女を標的にしても構いません!!」
"プロムルージュ":「ミメイ……!?だって、そんな急に……!」
“リュッケンフロッセ”:濁流のように押し寄せる攻撃から周囲を庇いつつ、
“リュッケンフロッセ”:「……何か分かったの?」
“リュッケンフロッセ”:「打開策が」
貴家ミメイ:「……はい。彼女を守れる唯一の方法です」
"プロムルージュ":振り返りもせず咄嗟に叫んだが、その顔を見てしまう。その表情と、奥の苦悩を
綾瀬川萌葱:「っけほ……ただジャームとして倒す、ってだけじゃないみたいだね」
綾瀬川萌葱:「見つけたんだ、貴家ちゃん」 覚悟を決めた表情で耳を傾ける。
貴家ミメイ:「このやり方ならあの子を死なせずに済むかもしれません。わたしは、それに賭けてみたいです」必死に声を絞り出すようにして言う。
"ルークレス":「……あなたがそれを言うなら、異論を挟むつもりもない」 苦みの滲む顔ながら常通り遠回しな肯定をして。
"ルークレス":「何より挟んでる暇がない。止めないとこっちが磨り潰される」
"プロムルージュ":「うん。私たちは、あなたの決断に従うわ」
貴家ミメイ:「はい! ここからは全力でいきましょう!」日本刀を構え直す。
“ペルシステンシア”:(……気付いたか? まあどうでもいいことか。戦況には影響しない……)
“ペルシステンシア”:“ペルシステンシア”の能力は、人間の脳に介入し、感覚や感情を操作することにある。
“ペルシステンシア”:体感時間を停止して実質的に意識を飛ばすことも、上下左右や位置の感覚を搔き乱して混乱させることも、彼女には容易いことだ。
“ペルシステンシア”:ジャームと化しつつある夏目アリアのような相手ならば更に簡単に手玉に取れる。アリアは今、“ペルシステンシア”の存在を認識すらしていない。
“ペルシステンシア”:逆に、鬼種である“プロムルージュ”のような、脳の構造が常人と異なる相手には効果が薄くなる。
“ペルシステンシア”:(……しかし、君には覿面のはずだ)
“ペルシステンシア”:(“ルークレス”。君のことなら隅から隅まで、全て知り尽くしている)
“ペルシステンシア”:“ペルシステンシア”が僅かに指を動かすと同時。
“ペルシステンシア”:“ルークレス”の意識では、目の前の貴家ミメイに対し、まともな判断能力さえ失わせるほどの凄まじい憎悪と憤怒が湧き上がってくる。
"ルークレス":「……」 自身の中に急速に膨れ上がるその感情に違和感を抱けない。
貴家ミメイ:「ルークレス……?」違和感を覚え、彼女の方を振り向く。
"ルークレス":つい先ほどまで浮かべていた戦術や戦況判断さえかなぐり捨てた、今すぐに一撃入れてやりたいという意志に塗りつぶされて。
"ルークレス":カチリ、カチリ。ダイアルが回る。貴家未明を傷つけるための言葉をいくつかのパターンで組み上げていく。
"ルークレス":その中で、彼女を最も傷つけるものは。ここに至るまでの経緯を、この状況そのものを含めて最も心を砕く言葉は。
夏目アリア:「あんなに『大好き』とか『一緒』とか言ってくれたのに」
夏目アリア:「一番居てほしいときには居てくれなかったね」
夏目アリア:「嘘つき」
貴家ミメイ:「アリア、ちゃ…ん…?」視界が歪む。脳裏に描かれたのは見ることすら叶わなかった彼女が命を落とす瞬間の光景。
貴家ミメイ:「ご……ごめんなさい゛……わたし……」
貴家ミメイ:体の奥を直接突き刺されたような衝撃が走る。
"ルークレス":ズクリ。抉られるように軋む胸の痛みは、そのまま身体へフィードバックされ。
"ルークレス":目に見えない内臓を直接苛む。正しく、"心臓を貫かれる"痛みだ。
"プロムルージュ":「"ルークレス"おまえっ!」途端にハ、として「……いえ、あなたも……『小細工』を……」
貴家ミメイ:やり方を忘れてしまったかのように呼吸ができなくなる。
貴家ミメイ:「ごめんなさい、ごめんなさい……わたし、結局自分のことしか考えてないどうしようもない人間で……!」
"プロムルージュ":「ミメイも……」
"プロムルージュ":でもここで、「私のせいだから」と言ったとして
"プロムルージュ":「間に合わなかった意識は……後悔の手触りまでは……」
綾瀬川萌葱:「……ちゃん……貴家ちゃん! ”ルークレス”!……くそ、こちらの声は聞こえてないのか……!?」
GM:全てが手遅れになった後で、“ルークレス”への影響が抜け、次第に正常な判断力が戻ってくる。
"ルークレス":「は?何を」 "プロムルージュ"へ噛みつき返すように睨みつける、その途中で。
"ルークレス":「何、を……」 その瞳から急速に怒りが抜けていく。
貴家ミメイ:血が滲むほどに刀を強く握り締め、朦朧とした意識のまま膝をついている。
"プロムルージュ":「────っ」
"ルークレス":「わたし、は。何を……?」 呆然とした呟きが零れる。
綾瀬川萌葱:四人の周囲に有刺鉄線のように張り巡らされた触手が、防御と対応を行っている。
綾瀬川萌葱:「っ、気付いた……!!」
"プロムルージュ":「ミメイ!知ってるでしょう!」
"プロムルージュ":「殺すことしか、、、、、、私に出来ることはない!もう一度……この手で、夏目アリアを!」
"プロムルージュ":「救うんでしょう。だから、あなたの決断を待つわ……!」
貴家ミメイ:「……っ!」紅春センパイの声を聞き、瞳に光が戻る。
貴家ミメイ:「わたし……そうだ……紅春センパイにそんなことさせるわけに、いかないですよね……」激しく咳き込みながらも立ち上がる。
“ペルシステンシア”:「ハハハハハハッ!実に滑稽じゃないか“ルークレス”!」
“ペルシステンシア”:「人の心を抉り傷つけることしか出来ないその能力!まさしく君そのものだ!」
“ペルシステンシア”:「人との関わりを他者RBに代行させた分際で! 今更友達ごっこだなんて恥ずかしいにも程がある!!」
"ルークレス":「っ、……"ペルシステンシア"ッ……!」 再び瞳に怒りが宿る。今度は操られた物ではない、彼女自身の怒りが。
綾瀬川萌葱:「……ルークレス、きみが言ったんだよ。『これはあなたのミスじゃない』」
綾瀬川萌葱:それだけ言葉を返す。
"ルークレス":「……分かってる!」 唸るような声を漏らす。
"ルークレス":その声が涙で湿りそうになっている事実を、自分自身が許せない。
貴家ミメイ:「行って、咲ちゃん。ルーちゃん。今度はあなたの意志で!」
"ルークレス":「それも、分かってる。――アイツは私がやる」
"ルークレス":"ペルシステンシア"と自分の相性は絶望的だ。能力の種は割れていて、対策などいくらでもしようがある。
"ルークレス":そもそもの話。精神攻撃によるダメージを肉体のそれへ転化するこの能力は、精神にダメージを与えなければ意味がない。
"ルークレス":他者に何を言われようと気にしない、傷つかない。自分が良ければそれでいいろくでなし"ペルシステンシア"のような人間に対しては端から不利なのだ。
"ルークレス":それでも彼女に効きうる言葉を探した。その精神に何か傷を――僅かでも動揺を与えるための言葉を。
"ルークレス":その答えが放たれたのは、"ルークレス"の口からではない。
"ペルシステンシア":「ふむ。洗脳もこなすか」
"ペルシステンシア":「流石は改良型。この分なら僕の能力は全て受け継いでいると見て良さそうだ」
"ルークレス":校舎の上。荒れ狂う戦場を見下ろせる位置から、”ペルシステンシア”自身の声が降ってくる。
“ペルシステンシア”:「……何……?」
“ペルシステンシア”:思わず声の方向を見遣る。
"ルークレス":そこには人影が一つ。正しく、今声の方角を見上げた"ペルシステンシア"と同じ姿がある。
"ルークレス":自分と同じ姿、自分と同じ声の観測者。それを見た瞬間、いくつかの推測が脳裏を過るだろう。
“ペルシステンシア”:「……ッ……」
"ルークレス":何者かに寄る変装。能力で生み出した分身。”ルークレス”が仕掛けた小細工。
"ルークレス":そして――"ペルシステンシア"が自身の研究によって生み出したクローン。
"ルークレス":だが、仮にそうだとすれば――"オリジナル"はどちらだ?
"ルークレス":オリジナルがわざわざ前線に立ち身の危険を冒すだろうか。
"ルークレス":自身の能力と記憶を受け継いだクローンが前線でどれだけ戦えるか。そんな興味深い実験を行う機会を、自分は逃すだろうか。
"ルークレス":そんなものを生み出した記憶が無いとしても当然だ。だってクローンに移し替える記憶の範囲は選べるのだから。
"ルークレス":今あそこに立つ自分自身がオリジナルではないと。あるいは今ここに居る自分がクローンではないと。
"ルークレス":何の根拠を以て断言できる?
“ペルシステンシア”:「……」
“ペルシステンシア”:「あり得」
“ペルシステンシア”:あり得ない──訳はない。
“ペルシステンシア”:他でもない自分自身だからこそ分かる。自分ならばやりかねない、と。
“ペルシステンシア”:自我の礎が、揺らぐ。足元が崩れ落ちるかのような感覚。
“ペルシステンシア”:同時、強烈な痛みと共に思考能力が散乱していく。
“ペルシステンシア”:「う……あぁああぁああああっ……!!」
“ペルシステンシア”:能力の制御が効かない。不意に足を踏み外したかのように、アリアの歪みゆく力場に巻き込まれる。
“ペルシステンシア”:“ペルシステンシア”の足が沼のように軟化した石畳に巻き込まれ、体勢を崩してそのまま吸い込まれていく。
“ペルシステンシア”:「ぎっ……あぁあああああっ!!」
“ペルシステンシア”:「助けっ……助けてくれぇ!!」
"ルークレス":「……あなたなら、真に受けると思ってた」 安堵の息を隠しながら語りかける。
"ルークレス":"ペルシステンシア"なら、自分も実験体なのではという仮定に辿り着くと推測した。
"ルークレス":"ペルシステンシア"なら、『自分は自分自身さえ実験体にしうる』と判断すると推測した。
"ルークレス":彼女の頭脳と、好奇心と、倫理観の欠落と、彼女自身への理解度を。推測して、信じた。
"ルークレス":「残念だけど。誰もあなたを助けない」 そうして、トドメの言葉を刺す。
“ペルシステンシア”:「……あ……」
“ペルシステンシア”:理解してしまった。それが紛れもない事実であると。
“ペルシステンシア”:激しくもがき、縋るように伸ばしたその腕から、力が抜ける。
“ペルシステンシア”:そのまま、渦を巻く力場に急速に呑み込まれていく。
“ペルシステンシア”:「ぎゃあ゛ああぁああああああっ!!」
“ペルシステンシア”:「こ……こんな……この僕が、こんな死に方……」
“ペルシステンシア”:「だ……誰か、頼む……僕の研究室に、バックアップが……」
“ペルシステンシア”:「そこから、僕を……再……生……」
“ペルシステンシア”:「あ……ぎ……ご……」
“ペルシステンシア”:みしみしと骨の軋む音と共に、歪んだ石畳の隙間で磨り潰されていく。
"プロムルージュ":「……そのアイデンティティに苦しんでたのにね。まだ、分からなかったんだ」
"プロムルージュ":「人でなし達はね。自分ってものがないから、自分すらも熔けて表裏が逆さまになって灰色に消えてしまう自分がキライだから」
"プロムルージュ":「二重血統者も、二重生活者萌葱とミメイも、二重人格者も……きっと、夏目アリアも」
"プロムルージュ":「だから人として大事にされて……こんなにも、苦しいんだ」
"プロムルージュ":消えゆくペルシステンシアへ向いて
"プロムルージュ":「お前は未来の人でなしじゃない────お前はただ、浅ましいヒトなだけだ」
貴家ミメイ:「やったんだね、ルークレス……」気遣うように彼女を見る。
"ルークレス":「……ん」 感傷に浸るような思い出はない。それでも僅かに目を閉じて。
"ルークレス":「ありがと、咲」 自身の中に戻ってきた片割れへと呟く。
羽澄咲:「ううん!これでもう、ルクちゃんも皆も、振り回されることないもんね」
"ルークレス":校舎の上に設置されたスピーカーと前以て屋上に用意したホログラム。
"ルークレス":咲にネットワーク経由で潜りこんでもらい作動させた仕掛けが無ければ、突破は不可能だっただろう。
"ルークレス":つまり、今までのこだわり通り。咲を戦闘に関わらせないでいたら掴めない勝ちだった。
"ルークレス":「……これでもまだ、メインが残ってるって言うのが頭の痛い話だけど」
"ルークレス":自分自身の意識を切り替えようと口に出して呟く。
綾瀬川萌葱:「午前4時14分……”サヴェジ・ルナリア”セルリーダー、”ペルシステンシア”の無力化を確認」
綾瀬川萌葱:無機質に記録を付ける。「もうひと仕事、か……」
夏目アリア:「何で……どうして……消えてくれないの……?」
夏目アリア:駄々をこねる子供のように、頭を抱えて蹲る。現実を改変する力場は更に広がりつつあり、既に校舎の一部を飲み込まんとしている。
夏目アリア:「放っといてよ……!どこかに行って……!私は……私は……!」
貴家ミメイ:「アリアちゃん。そろそろ終わりにしよう……!」強大なレネゲイドの力に阻まれながらも彼女を見据える。
“リュッケンフロッセ”:「“プロムルージュ”」
“リュッケンフロッセ”:爬虫類の大顎と化した顔が声を掛ける。
“リュッケンフロッセ”:「突っ込みます。掴まって」
"プロムルージュ":「まさか対峙の次が横並びじゃなくて──なんて、ねっ」
"プロムルージュ":どこか楽しそうに、軽く翻して半身で跨る。突起を支えに掴んだ。
貴家ミメイ:「わたしも援護します。UGNの戦術パターンなら合わせられますので……!」ドローン操作用デバイスにカードをスキャンする。
“リュッケンフロッセ”:その体躯が見る間に肥大化し、まだ白い肌を残していた部位も鱗に覆われ、背からは放射状の鰭が伸びる。
“リュッケンフロッセ”:現れた巨体は大型の肉食恐竜──スピノサウルスを思わせた。
"プロムルージュ":「あはは!あなた、鰐かと勘違いしてたら足が横から生えていないじゃない────!」
“リュッケンフロッセ”:「う~ん……何だか落ち着かないわね、戦ってるのに丁寧語なのって」
“リュッケンフロッセ”:「行くわよ。振り落とされないで」
“リュッケンフロッセ”:「……オオォオオオオオオオオッ!!」
“リュッケンフロッセ”:咆哮と共に巨体が突進する。荒れ狂う力場に踏み込みながらも、強力なレネゲイドと再生力で真っ直ぐに力尽くで踏破していく。
貴家ミメイ:「殿様、千石、たこ、お願いします!」名を呼ばれた三機のドローンが飛び交い、銃火によって“リュッケンフロッセ”を支援する!
“リュッケンフロッセ”:そのまま凄まじい衝撃音と共にアリアへと衝突し、ナイフのような牙が並ぶ大顎が喰らい付く。
夏目アリア:「きゃぁあああぁああっ!!」
夏目アリア:血飛沫が舞い、鞭のようにしなる樹木や無数の石材が恐竜へと降り注ぐ。
"プロムルージュ":「ごめんなさい」対照的に少女の腕そのものの大きさしかいないそれが
"プロムルージュ":降り注ぐ雨すら巻き込んで。隙を裂く雲間のように、力強い横一閃が迅る。
"プロムルージュ":「──殺したくないから、死なないでね」
夏目アリア:「う……あぁあ……」
夏目アリア:防御の手立ても無く、深々と切り裂かれる。かつて“トプシー・ターヴィー”を殺めた時と同じように。
夏目アリア:だが。
夏目アリア:「い……痛く……ない……こんなの……痛くなんて……ない……」
夏目アリア:恐るべき速度で、早回し映像を見ているかのように、明らかな致命傷が再生していく。
“リュッケンフロッセ”:「クソが……!これじゃあまだ足りねえぞッ!!」
“レランパゴ”:「冗談……キツいわ、全く……」
“レランパゴ”:アリアの力場の只中で戦い続け、全身至る所を引き裂かれ、雷光は弱弱しく陰りつつある。
“レランパゴ”:明滅する電流の腕をアリアに向け、何とか狙いを定める。
“レランパゴ”:(もう少し……刺し違えてでも……)
綾瀬川萌葱:戦場を支配する一要素が消えたことで、状況はクリアに俯瞰できるようになった。
綾瀬川萌葱:夏目アリアの攻略を続けるメンバー、その一つに目が留まる。
綾瀬川萌葱:(……あれは、マズい)
綾瀬川萌葱:減衰しかけた"レランパゴ"の電位が再度の高まりを見せている。
綾瀬川萌葱:己の肉体すら電気エネルギーに変換可能な彼女にとって、過剰な出力を維持することは命の危険に繋がりかねないものだ。
綾瀬川萌葱:「……タイムオーバーだ。荒療治をする!」
綾瀬川萌葱:"レランパゴ"の生体リズムから電光体の軌跡を予測し。翳した手から伸びた触手を、彼女の体の末端に結わう。
“レランパゴ”:「な…… はっ?」
綾瀬川萌葱:「ッ────」 その体を強引に引き寄せながら。
綾瀬川萌葱:足先から大地アースに突き刺さった触手が、体をめぐる電流を逃す。
綾瀬川萌葱:寸前、”レランパゴ”の居た地点をギロチンのように尖った鉄柵が薙ぎ去った。
“レランパゴ”:「ひゃんっ……!?」
“レランパゴ”:無理やりに引き寄せられ、咄嗟に感電させぬよう元の身体に戻る。
“レランパゴ”:そう大柄でもない綾瀬川より更に小さな体躯が、腕の中に収まる。
綾瀬川萌葱:「っと」
“レランパゴ”:「なっ……な……」
“レランパゴ”:「いっ……いきなり何すんねん!!」
綾瀬川萌葱:「うぅ~……る、さい! そっちこそ、いつまで最大出力フルスペックで意地張ってるつもりなのさ!」
“レランパゴ”:「は、はぁあ……!? え、ええええから離れろアホ! 感電したいんか!?」
綾瀬川萌葱:もー、と頭を掻きながら体を下ろしてやる。
綾瀬川萌葱:「落ち着いて、ちゃんと狙いなよ。君の攻撃は有効打になってる」
綾瀬川萌葱:「変な無茶しなくたってやれるはずだろ」
“レランパゴ”:「やかましいわ……! 近いねん、アホ……!アホ!アホアホアホ!」
綾瀬川萌葱:「抱きかかえるつもりはなかったって、あぁ~もう……!」飛来する瓦礫を触手で弾く。
綾瀬川萌葱:「ほら……これで、離れたから! 後は任せるよ!」
“レランパゴ”:「寄るんちゃうわ!しっしっ!」
“レランパゴ”:耳を赤くしたまま、アリアに向けて伸ばした指を構える。
“レランパゴ”:至近距離で鍔迫り合う“リュッケンフロッセ”と“プロムルージュ”。遠距離攻撃など到底不可能に見えるが──
“レランパゴ”:「エリートチルドレン嘗めんなや……!」
“レランパゴ”:閃光。地表を走る雷撃が、刹那の間隙を縫ってアリアを正確に撃ち抜いた。
夏目アリア:「……ッ……!!」
綾瀬川萌葱:「♪」短く口笛を吹く。
“レランパゴ”:「はッ……! どや!見たか!」
"プロムルージュ":ガ キン!! 硬質な金属が弾かれるような音がした
"プロムルージュ":「お宅のお子さん達ってこんなに仲良しだったかしら?」
"プロムルージュ":成り行きで騎獣を買って出てくれた保護者に投げる。一呼吸を挟み終えたかのような素振り。
"プロムルージュ":つまり、その一瞬前に起きた衝撃音は、見ての通り彼女の爪を夏目アリアが不可視の力で弾いた音であり
“リュッケンフロッセ”:「そうねえ……」
"プロムルージュ":須臾の雷撃が到達する直前に滑り込ませ意識を向かせた、攻撃の主と従を咄嗟に逆転させる支援だった。
“リュッケンフロッセ”:「それを言うなら……」
“リュッケンフロッセ”:僅か数日前のことを思い浮かべる。
“リュッケンフロッセ”:城島桐子:「……あの子たちは」
“リュッケンフロッセ”:城島桐子:「あなたにとって、何?」
“リュッケンフロッセ”:阮 心依:「…………」
“リュッケンフロッセ”:阮 心依:「私が……味方にしたい、人たち、です」
“リュッケンフロッセ”:阮 心依:「計画の、実現のために」
“リュッケンフロッセ”:阮 心依:「それ以上でもそれ以下でも……ありません」
“リュッケンフロッセ”:「ふふ……」
“リュッケンフロッセ”:「……嘘ばっかり」
夏目アリア:「……あ……」
夏目アリア:雷撃に射貫かれたアリアの意識が一瞬飛ぶ。
夏目アリア:そして。
夏目アリア:「……あぁああぁあぁああぁあああああああぁあああっ……!!」
夏目アリア:制御を失った能力が、完全な暴走状態に陥る。
夏目アリア:周囲の空間が波打ち、崩壊の嵐が解き放たれる。
夏目アリア:その先鋒、今しがた攻撃を放った“レランパゴ”へと、真っ先に破壊の濁流が押し寄せる。
“レランパゴ”:「……ッ、あかん……」
“レランパゴ”:既に満身創痍だ。“レランパゴ”の回避はアリアに対しては意味を成さず、正面から打ち払うような余力も無い。
“レランパゴ”:(無理や、避けられん)
“レランパゴ”:(今回ばかりは死ぬかもな……まあええか、どうせ悲しんでくれる相手もおらんし)
“レランパゴ”:(チッ……あいつ、ウチが死んだら少しは……)
“レランパゴ”:迫る死の奔流に対し、抵抗も止めて受け入れようとする。
綾瀬川萌葱:身体が先に動いていた。
綾瀬川萌葱:「……【罹患/切除オペレヱト・エクスヰジョン】」
綾瀬川萌葱:その成句は体に巣食った触手を強制的に体外へ排出するもの。迫る濁流に立ち向かうように────否、その先へ追い抜き、追い縋るように。
綾瀬川萌葱:防護に使うべきではないと判断した。先は”ペルシステンシア”の妨害により失敗した攻性反応による応射は、今なら通用するはずだから。
綾瀬川萌葱:目の前の”レランパゴ”を『残す』だけならば、私の生身の身体で事足りるはずだから。
綾瀬川萌葱:彼女に覆い被さるようにして、その破壊を受け止める。
綾瀬川萌葱:「あっ────ぐ、っ……ッッッ!……!!!」
GM:綾瀬川の反撃は確かにアリアに届き、“レランパゴ”も無傷で済み──だが、綾瀬川本人は。
GM:無数の樹木片や鋭利な石材が骨肉を突き破り、夥しい血が“レランパゴ”へと降り掛かる。
“レランパゴ”:「……は……」
“レランパゴ”:瞠目し、信じ難いものを見る目でそれを見て。
“レランパゴ”:「な……」
“レランパゴ”:「何やってんねん、お前……」
綾瀬川萌葱:「____っぁ……う」
綾瀬川萌葱:振り乱れた髪からも鮮血が伝う。四肢や頭部、体の末端に近い場所ほど、健全な状態とはいえない。
綾瀬川萌葱:「あ、はっ……は」
綾瀬川萌葱:「なん、だか……やれそうな、気が、しちゃってさ……」
“レランパゴ”:「お……お前」
“レランパゴ”:明らかに動揺して、歯の根も合わないまま。
“レランパゴ”:「ざっ……けんなや!! 誰がこんなこと頼んだ!?」
“レランパゴ”:「こんな……こんな奴ちゃうやろ!!お前は!!」
綾瀬川萌葱:「……ぉ、めん……わ、たし、いつもそうなんだ……」
綾瀬川萌葱:「いっ、つも……おもい、つきで…………アリアちゃ、の、時も……」
綾瀬川萌葱:「みんなを、けいかくに、ってときも…………できる、かも、って……思って……」
綾瀬川萌葱:「ごめん_____ね……こんなやつで……」
“レランパゴ”:「何で……なんで謝んねや」
“レランパゴ”:綾瀬川の傷口に触れて、べっとりと赤く塗れた自分の掌を見る。
“レランパゴ”:「血が……血がこんなに……」
“レランパゴ”:「嘘やろ?なあ……こんなの……」
“レランパゴ”:縋るようにしてかぶりを振る。
“レランパゴ”:「嫌や……!死なんといてよ、心依……!」
綾瀬川萌葱:「ごめん____ごめ、ん____」
綾瀬川萌葱:「ごめ___みんな、を_____」
綾瀬川萌葱:どちゃり。
綾瀬川萌葱:糸が切れたようにして、”レランパゴ”の上に倒れ伏す。
“レランパゴ”:「あ、あぁ……」
“レランパゴ”:「あぁあぁあああああ……!」綾瀬川の身体を抱き締め、悲鳴を上げる。
貴家ミメイ:二人のやり取りを悔しげに背にしながら叫ぶ。
貴家ミメイ:「紅春センパイ。わたしが、致命傷にはさせません。 だから……だから、全力でやってください!」
貴家ミメイ:「……白夜の景色、一緒に見に行くんですよね?」雪のような微笑を浮かべて言う。
貴家ミメイ:自身は岩塊の濁流に押し潰されながらもドローン群を展開させる。
"プロムルージュ":「──ありがとう。ミメイ」
"プロムルージュ":「ごめんね」
"プロムルージュ":巨獣の縦に長い背を足場に翔け、弾丸の速度で肉薄する。
"プロムルージュ":痕の残るほど強く蹴り上げられたそれが"リュッケンフロッセ"に痛みとして伝わる。同時に、どれだけの痛みが足にも反射して返っていたのだろうかと。
夏目アリア:距離を詰めれば、それだけ力場の影響は強まる。
夏目アリア:敵の接近を拒むように“プロムルージュ”の全身が引き裂け、歪み、捻じ曲げられていく。
"プロムルージュ":「私もう、やっぱりダメだ」
"プロムルージュ":手を緩く前に突き出す。尖る嘴のように構えられ、背後の身体を守り音を裂く猛禽に似ていた。
"プロムルージュ":捩る。曲がる。肉が歪み、血とともに弾け、太陽に焼かれるように近づく程ボロボロと身体が零れていく。
夏目アリア:「嫌だ」
夏目アリア:「来ないで」
夏目アリア:“ペルシステンシア”から与えられた情報が、記憶としてまだ残っているのか、恐怖の表情で首を振る。
夏目アリア:「殺さないで──」
"プロムルージュ":言葉を待つ間もなく、下から掬うように腹部を裂いた。力場に抵抗してバキバキと骨ごと手が砕ける。
"プロムルージュ":だから、言葉と一緒に伝わってきた。
"プロムルージュ":また。『誤解』『こんなはずでは』『なぜ』。喪われたはずの感情が、別の身体に焼き増しされて。
"プロムルージュ":この彼女は、あれを知らないままの彼女の──はず、だった、、、のが。私が。『困惑』『嫌だ』『恐怖』
貴家ミメイ:その攻撃の衝撃を和らげるように壊れかかったドローンがカバーに入る。
貴家ミメイ:「殺させないし、……死なせもしない……!」刀の鞘を杖代わりにして辛うじて立ち上がる。
貴家ミメイ:「センパイ! アリアちゃん! もう大丈夫だから……!」
夏目アリア:“プロムルージュ”の腕が破裂する。
夏目アリア:自らを傷つける武器を直接消し去ろうとするかのような現実改変。辺りに鮮血が飛び散る。
夏目アリア:「やめて……やめてよ」
夏目アリア:「死にたくない! 私、消えたくない……!」
"プロムルージュ":ぺしゃっ。破裂音にしては地味で──「……──ぐ、がああああああああッ!!」
"プロムルージュ":「……そう、ね。その通り。そう、なのに」
"プロムルージュ":思い出す、焼き増しされていない、、、、、、、、、記憶。日下紅春自身の
"プロムルージュ":倒れ伏して、頭がぼうとして、視界は灰色にざらざらと熔けてゆく。辺りに広がる紅色すら曖昧だ。
"プロムルージュ":ああ────ナニカよくわからなかった、、、、、、、、、けど、生きるってそういうコトの繰り返しでしょう?
"プロムルージュ":「それすらも聞き出せずに────あなたを、殺してしまったんだ!!」
"プロムルージュ":しなびた片腕の熱が消える。反対に、残った腕は赫く赤熱しだして──
"プロムルージュ":「だから、今度こそ、、、、あなたを殺すよ」
"プロムルージュ":「何かよく分からない手段の代替じゃなくって」
"プロムルージュ":「皆が大事だから────殺すために、殺すんだ」
"プロムルージュ":千切りきられて微かに残った包帯で、夏目アリアを抱き寄せるように近づいた。
"プロムルージュ":逃れようのないよう、言い分けの出来ないほどに、確かめ続けるように
夏目アリア:「……あ……」
"プロムルージュ":身体を腕が貫く。  ……肩に吐き出されかかる吐血がまだ暖かいとわかる、、、ことが、こんなにも悲しい。
夏目アリア:「が、ぶっ……」
夏目アリア:どろりと血が流れ、見る間に足元に血溜まりが生まれる。
"プロムルージュ":「魂が同じだとすれば、二度恨んでほしい」
"プロムルージュ":「別人だとするならば、二回蔑んでほしい」
"プロムルージュ":「でもあなたを────ふたたび、無為の死になんて堕としはしないわ」
"プロムルージュ":「この……あなたが目覚めて、たった今までの短い瞬間はっ!……」言葉を口にする度、抑えが利かなくなってゆく
"プロムルージュ":「確かなものだって、言えるようにしたいんだ……」
"プロムルージュ":「ごめんねミメイ……冬も、春も、私には遠すぎたけど」
"プロムルージュ":「こんなにも間違いで、こんなにもまっかなのに、」
"プロムルージュ":「皆を、守りたかったんだ」
夏目アリア:傷の再生が、鈍い。“プロムルージュ”の能力の影響だけではない。無尽蔵に見えた出力も、最早限界が近い。
夏目アリア:「あ……れ……」
夏目アリア:「……私……私は……」
夏目アリア:「……お父さん……お母さん……」
夏目アリア:「……未明……?」
夏目アリア:怯えた表情で周囲をきょろきょろと見回す。
夏目アリア:「未明……どこなの……?未明……」
貴家ミメイ:「……わたしは、ここにいるよ」嵐が過ぎ去った後の一瞬の隙間を縫い、アリアちゃんを見上げる。
貴家ミメイ:既に顔も手足も傷だらけで立っているだけでもやっとの状態だ。
"ルークレス":「"リガード"」 咄嗟のように声をかける。
貴家ミメイ:ゆるゆると振り向く。
"ルークレス":"マキャヴェリテラトーマ"は気絶、その事実に引きずられた"レランパゴ"も精神が不安定で攻撃に移れるか怪しい。
"ルークレス":"プロムルージュ"は侵蝕と回復上限が危険域にまで到達してる。これ以上無理をさせればミイラ取りがミイラだ。
"ルークレス":まともに動けるのは"リュッケンフロッセ"くらいだが、万一に備えるなら"プロムルージュ"のカバーに当てたい。
"ルークレス":全体の消耗が激しい中、最善手は自ずと限られる。自分か、彼女か。二択を取るとして。
"ルークレス":「私とあなたなら私の方が侵蝕がまだマシ。能力自体の負荷も」
"ルークレス":「何より、今なら私の能力が彼女に通じる。もしまた攻勢に転じられたとしても捌ききれる」
貴家ミメイ:「ルーちゃん……」
"ルークレス":「だから私が行く。それが最善手のはず」
貴家ミメイ:「でも。それは……」彼女の優しさを感じ取り、返事を迷う。
"ルークレス":「良い。元からFHなんだから、汚れ仕事なんて散々やってきてる」
"ルークレス":諜報と内部工作。直接手にかけたわけではなくとも、自分が原因で死んだ人間が居る事実はとうに身に染みている。
貴家ミメイ:「ごめんなさい、これはわたしがやらなくちゃいけないことだと思う。上手くは説明できないんだけど……でも、ありがとう」
"ルークレス":「やらなくちゃいけないとかじゃ……!」 声を荒げかけて。
貴家ミメイ:「わたし、ルーちゃんと友達でいられて良かった」優しい笑みを浮かべる。
"ルークレス":「……分かった、お願い」
羽澄咲:その一言を境にくるりと表情が切り替わる。
貴家ミメイ:「……うん。やりたいんだ。やらせてよ」肩を寄せ、すぐそばで言う。
貴家ミメイ:「…………?」
羽澄咲:「えへへ。ルクちゃんに頼んで出てきちゃった」
羽澄咲:あどけないような笑みは"ルークレス"のそれではない。
貴家ミメイ:「咲ちゃん……?」
羽澄咲:「うん!……ね、未明ちゃん」
羽澄咲:「ルクちゃんが言った通り、未明ちゃんがやらなきゃいけないことじゃないよ」
羽澄咲:「ルクちゃんやあたしでも代わりにやれることだし、ひょっとしたらそっちの方が良いことなのかも」
貴家ミメイ:「それは……わかってる、つもり」
羽澄咲:「それでも」
羽澄咲:「未明ちゃんは自分で行かないと納得がいかないと見た」
羽澄咲:ほんの数日前に交わした会話の一部をなぞるように。当たりでしょう?と笑って見せる。
貴家ミメイ:「よくお分かりで。さすがはわたしの……」後に続く言葉は今は隠した。
羽澄咲:「ふふー。こう見えて人間関係は詳しいので!」
羽澄咲:「未明ちゃんは、きっとそうしないと笑えなくなっちゃうんだよね」
貴家ミメイ:「うん。みんなで一緒に笑い合える未来を目指すって話したから」
日下紅春:「……ミメイ?」
日下紅春:「ねえ。何をするの……?どこに、行っちゃうの……?」
日下紅春:幼子が、母親の裾を弱々しく引きながら言うような姿に見えた。
日下紅春:夏目アリアの傍で身体を崩し、膝を付いて貴家ミメイを上目遣いで見上げる。
貴家ミメイ:「わたしはどこにも行きません。アリアちゃんを連れて必ず戻ってきます」
貴家ミメイ:「ルーちゃん、咲ちゃん。ありがとう。あとは……任せて」
日下紅春:「そんなことない!」
日下紅春:「そんなことないよ!私には分からないけど……でも、何故かそんな気がするもの!」
日下紅春:「一緒にミメイの故郷に行くって!さっきも……」
日下紅春:「わっ私から振り切るようなこと言ってたくせに都合がいいのは分かってる!」
羽澄咲:「紅春センパイ」 宥めるように先輩へと声をかける。
日下紅春:「うう……ぐすっ……私、センパイなんかじゃないもん……」
日下紅春:「みんなが……同室の、ミメイがいたから格好つけられてただけで」
日下紅春:「そんな格好いいセンパイなんかじゃないもん……!」
日下紅春:「だから、格好良く見届けるなんて真似、私なんかには出来ないよ……!」
貴家ミメイ:「ありがとうございます、紅春センパイ。大切なもの、たくさんできちゃったな」
貴家ミメイ:「ルーちゃん、咲ちゃん。帰ってきたら今度は三人で遊ぼうね」微笑んで告げる。
羽澄咲:「うん!大丈夫だって、紅春」
羽澄咲:「未明ちゃんが帰ってくるって言ってるんだから。言い出すとてこでも聞かないの、知ってるでしょ」
羽澄咲:「未明ちゃんの愛の重さを信じよ?」
貴家ミメイ:「それ、褒めてない」笑ってふくれっ面をする。
日下紅春:「……ずるい」
日下紅春:「ずるい。ずるい……咲も、ミメイも。私よりよっぽどズルだ」
日下紅春:「そんなの……だって」
日下紅春:「みんなが大好きでいてくれたから、普通の、ちょっと格好つけた先輩になることが出来たのに……」
貴家ミメイ:それ以上は答えず、前を向く。
羽澄咲:「いってらっしゃい!」 その背に笑顔で声をかける。
貴家ミメイ:「行ってきます、咲ちゃん」
羽澄咲:「ちゃんと、ただいましに帰ってきてね」
貴家ミメイ:小さく頷くと、傷だらけの体を奮い立たせて走り出す。
貴家ミメイ:「アリアちゃん。もう一人にしないからね……!」
貴家ミメイ:ドローンを足場にすると駆け上がるようにしてアリアちゃんのもとへと一直線に進んでいく。
夏目アリア:破壊され尽くした庭園の中心で、夏目アリアは静かに佇んでいる。
夏目アリア:深手を負い、血に塗れながら、譫言のように何かを小さく呟いている。
夏目アリア:その表情にあるのは、恐怖と混乱。
貴家ミメイ:「……来たよ、アリアちゃん!」アリアちゃんの目の前にたどり着くと一瞬静止する。
貴家ミメイ:それから、勢いよく飛びかかってアリアちゃんに抱きつく。
夏目アリア:「……」
夏目アリア:茫洋とした表情で抱擁を受け入れ、
夏目アリア:「……誰……?」
夏目アリア:「嫌……私に近付かないで……」
夏目アリア:未明の身体が、力場によって分解されようとする。
貴家ミメイ:「ううん。もうどこにも行かない……!」
貴家ミメイ:手にした日本刀で自身の体ごと彼女を刺し貫く!
夏目アリア:「ッ、あ……」
貴家ミメイ:肉体を分解されながら右腕のドローン操作用端末にカードを数度スキャンする。警告音が鳴り端末の画面にノイズが走ったが、それは無視!
貴家ミメイ:普段はドローンを経由して放つ遺産の力――『レネゲイド干渉能力』を自分の体へと逆流させる。
夏目アリア:「嫌、痛い、嫌……!!」
貴家ミメイ:「ごめんね、痛いよね、アリアちゃん。もうちょっとだけ我慢して……!」全身に焼けるような痛みが走っているが、それも無視。今は構っていられない!
貴家ミメイ:激痛に堪えながらアリアちゃんの瞳を強引に覗き込むとミメイの瞳がバチリと光った。
貴家ミメイ:「アリアちゃん、お願い。少しでいいから気持ちをリラックスさせて。わたしと一緒にお話をしよう!」遺産によるレネゲイド干渉能力を直接ぶつける!
貴家ミメイ:「…………」顔を上げ、アリアちゃんを見つめる。
貴家ミメイ:それから、少しの間を置いて彼女に向かって優しく語りかけ始めた。放課後の教室で他愛ない雑談でもするように。
貴家ミメイ:「……ねえ、アリアちゃん。今のアリアちゃんが記憶をコピーした存在だとしても、それはアリアちゃんが偽物だってことにはならないよ」
貴家ミメイ:想いが通じることを信じ、懸命に言葉を紡ぐ。
貴家ミメイ:「カラオケ行こうって約束したじゃない。お互いにごめんねって何度も謝ったよね。2人きりで夜更かしをして過ごした」
貴家ミメイ:「どれも本物の思い出だよ」
夏目アリア:「……」
夏目アリア:何度か瞬きをして、間近にあるその顔を見つめる。
貴家ミメイ:「それにね、アリアちゃんがこうして帰ってきてくれなかったら、わたしたちずっとすれ違ったままお別れしてたんだよ」
貴家ミメイ:「だから、アリアちゃんが戻ってきてくれてしっかりとお話することができて本当に良かったと思う」
貴家ミメイ:「……ありがとう、アリアちゃん」
貴家ミメイ:「あなたは、夏目アリアちゃん。わたしの親友で、大切な人。それは何も変わらない」
貴家ミメイ:「……ダメかな、それじゃ?」はにかむような申し訳なさそうな顔で笑う。
夏目アリア:「……」
夏目アリア:その笑みを前に、掠れた声を漏らす。
夏目アリア:「……未、明…………?」
貴家ミメイ:「そうだよ、未明だよ。わたしはここにいるよ」彼女の手をそっと握る。
夏目アリア:「私、何で……痛っ……」
夏目アリア:真っ赤に染まった手に視線をやり、
夏目アリア:「ち……血まみれじゃん!未明!」
夏目アリア:「ていうか……えっ!?刀!刀刺さってるよ!?」
貴家ミメイ:「何でもないよ。すぐに治っちゃうから。刀は……一旦置いといて?」
夏目アリア:「お、置いとけないよ……!?えぇ……!?」
貴家ミメイ:「よかった。アリアちゃんだ」その反応を見て嬉しそうに微笑む。
貴家ミメイ:「いっつもわたしの心配ばかりなんだから」
夏目アリア:「それは……それは未明の方じゃん……」
夏目アリア:「……ごめん、私何が何だか……」顔を顰めて
夏目アリア:「よく……思い出せなくて……」
貴家ミメイ:「無理に思い出そうとしないで」
貴家ミメイ:「それと、ごめん、アリアちゃん。たぶんあまり時間がないと思う」
貴家ミメイ:「だから、聞いてくれる?」
夏目アリア:「う……うん」
夏目アリア:こくこく頷いて「なに?未明……」
貴家ミメイ:「わたしね、これからもアリアちゃんとやりたいことがたくさんあるんだ」
貴家ミメイ:「約束通りみんなでカラオケ行って、二人で手をつないで登校して、休みの日には一緒にデートして。……いつかキスより先のこともして」
貴家ミメイ:「アリアちゃんは何かしたいことはある?」
夏目アリア:「えぇ……?そんなの急に言われても……」
夏目アリア:「いっぱいありすぎて……駅前に新しいカフェが出来たらしいから、まずはそこ行きたいかな……」
貴家ミメイ:「いいね」
夏目アリア:「好きなアニメのコラボイベントがやってるから、それも一緒に行きたいし……せっかく復学したから、何か部活もやりたいな」
貴家ミメイ:「うん。アリアちゃんなら部活で大活躍できそう」
夏目アリア:「いつか未明と一緒にやろうって、ゲームとか本も沢山……」
貴家ミメイ:「すごく嬉しい。絶対に一緒にやろうね」
夏目アリア:「……あはは……。……おかしいな……こんなどうでもいいことばっかり、すごくよく思い出せて……」
夏目アリア:「そっか……」
夏目アリア:「……どうでもよく、なかったんだ……。私にとっては、それが一番……」
貴家ミメイ:「わたしにとってもそう。それが、かけがえのない宝物」
夏目アリア:「……未明」
夏目アリア:縋るように身を寄せて、伏せた両の瞳から雫が零れ落ちる。
夏目アリア:「私……忘れたく、ないよ……!」
貴家ミメイ:「アリアちゃん。わたしたちならもし今までの記憶を忘れれしまうことがあっても、」
貴家ミメイ:「これから二人でたくさん思い出を作っていけるんじゃないかな」
貴家ミメイ:彼女を支えるようにその肩に触れる。
貴家ミメイ:「だから、怖がらないで。わたしも、もう泣かないから」
夏目アリア:「……本当に……?」
夏目アリア:不安げに瞳が揺れる。こうして話している間にも、アリアの記憶は消失し、人格は再び崩壊しつつある。
貴家ミメイ:「本当。毎日会いに行く。LINEもする。休みの日は必ずデートしよう」
貴家ミメイ:「……だからね、さよならなんて言わないよ」
貴家ミメイ:二人を刺し貫いたままの日本刀に手をかける。
夏目アリア:「……うん……」
夏目アリア:その言葉の意味も、君がしようとしていることも、果たしてどれだけ理解できているのかは分からない。
夏目アリア:それはもしかしたら、熱病に魘された寝言と、たまたま会話が噛み合って聞こえるようなことに過ぎなかったのかもしれない。
夏目アリア:けれど、夏目アリアは貴家ミメイの顔を見つめて、確かに頷いた。
貴家ミメイ:「……またね、アリアちゃん」
夏目アリア:「……分かった」
夏目アリア:「未明のこと……信じる」
夏目アリア:「またね」
貴家ミメイ:「……大好きだよ」
貴家ミメイ:力をくわえると刀身を通してバチバチと電流が奔る。
貴家ミメイ:少女の体を伝う雷電はその頭部を焼き焦がしていく!
夏目アリア:「……あ……」
貴家ミメイ:解析結果に基づき、彼女の脳を破壊するため――火花が散る。
GM:電撃は正確にアリアの海馬を焼き尽くし、それと同時、周囲で吹き荒れていた力場が散逸していく。
GM:レネゲイドが急速に鎮静化し、アリアの身体の傷が再活性した《リザレクト》によって再生していく。だが、彼女はそのまま眠り込んだように目を閉じる。
GM:ジャームと化した夏目アリアはここにその歪んだ命脈を絶たれ──後に残されたのは、空の器である、何も知らぬ少女だ。
貴家ミメイ:「…………」抱き合ったような姿勢のまま体から力が抜けていくのを感じる。
貴家ミメイ:「アリアちゃん……?」すぐには反応できないだろうと分かっていても声をかけずにはいられない。
貴家ミメイ:穏やかな寝顔を見つめ安堵したように息を漏らすと脱力して倒れ込む。
貴家ミメイ:「みんな、ありがとう。わたし、取り戻したよ」
GM:荒れ果てた庭園で、眠りに落ちた少女を抱くように、もう一人の少女が倒れ伏す。
GM:血に染まり、しかし寄り添い合うようなその姿を、雲間から差し込んだ朝陽が照らしていた。



【ED/サヴェジ・ルナリア】

斎庭市立総合病院
GM:御樋代女学院での激戦から、数日が経った。
GM:学院の破壊しつくされた庭園は、突然発生した竜巻によるものとのカバーストーリーが用意され、今も立ち入り禁止のままだ。
GM:校舎の一部も未だ修復が済んでおらず、また重傷を負った君たちはその災害に巻き込まれたとして処理されることとなった。
GM:現地指導者である“ペルシステンシア”を失った“サヴェジ・ルナリア”は、今後はUGNとの協働体制を取り、少なくとも御樋代女学院においては戦闘や人員勧誘を含むセルとしての活動を行わないとの協定が結ばれることとなった。
GM:“ペルシステンシア”のラボからはセルメンバーの人格データやクローン素体、そして夏目アリアの遺体が発見され、いずれも処分・埋葬された。
GM:こうして事件はひとまずの収束を迎えたが、君たちの傷は深く、大半(“リュッケンフロッセ”以外)はUGNが関わる市内の病院に入院する運びとなった。
GM:オーヴァードの為の特別病棟であり、人も少なくプライバシーの心配も無いが──入院生活は退屈の一言だ。
GM:自然、君たちは日中、大部屋に集まって時間を潰すことになっていた。
羽澄咲:「たっだいまー!」 がさがさとやたら大きいビニール袋を提げて大部屋の戸を開ける。
貴家ミメイ:「咲ちゃん。わっ、すごい大荷物」病院着姿で部屋の隅の椅子に座っていた。
貴家ミメイ:手と頭に少し包帯を巻いてはいるが、すっかり元気そうな様子だ。
羽澄咲:「色々買ってきたよ~。ポテチとかーポッキーとかーおせんべとかー」
羽澄咲:こちらも病院着で喉に包帯を巻いているが、四人の中では一番軽傷だったこともありすっかり元気である。
羽澄咲:そのため病院内を歩き回っては知らない人と話し込んだり、こうして売店でお菓子を買いこんだりして過ごしている。
綾瀬川萌葱:「わぉ。たくさん買い込んできましたね」そのとなり、背の低いソファのような場所に。松葉杖が傍らにある。
綾瀬川萌葱:頭部から足先にかけ、かなり包帯でぐるぐる巻きにされているが大事はない。
日下紅春:「ほ、ほんとに大丈夫なの……?」その横で心配そうに
日下紅春:心配する声を出しておきながら、無遠慮に包帯の巻かれた患部をつついて確かめている
貴家ミメイ:「チョコレートある? 今はチョコレートの気持ちなんだ」嬉しそうにお菓子の袋を覗き込んでいる。
羽澄咲:「あるよー!さっき言ってたポッキーでしょ、カントリーマアムでしょ、あとミルティーキッスも!」
綾瀬川萌葱:「日下ちゃん、ポテチの袋開けてもらってもいいですか? 私いっつもあれのパーティ開け?上手く行かなくて……」
日下紅春:「!待っててね!ん、せーのっ」嬉しそうに勢いよく奪い去るように手に取って
日下紅春:あえなく飛び散った。多少の手加減は利いたのか軽くではあったが、ちょっとした騒ぎに周囲も盛り上がる。
日下紅春:「あ……っ。えへへ……」
貴家ミメイ:「えっ、大丈夫ですか、これ。大変なことに……やっぱり!」
羽澄咲:「わあ」 ミルティーキッスの箱を開けていたところにポテチが降りかかる。
綾瀬川萌葱:「……言ったあと、ちょっとこうなる気がしたかも」そういう自分はたどたどしくおせんべいの個包装と格闘している。
貴家ミメイ:「紅春センパイ、病み上がりなんだから……って、それはあんまり関係ないですかね」宙を舞ったポテチをかき集めている。
日下紅春:「うう……。私はぶきっちょです……」萎れながらひとつひとつ丁寧に摘み集める。
貴家ミメイ:「なんにせよ全員無事で本当に良かったですよね。……萌葱センパイもあんなに死体みたいだったのに元気そう」
綾瀬川萌葱:「死体みたいだったかあ」「まあ、腐っても私エグザイルだしね。見た目ほどの大事じゃないんだ」
綾瀬川萌葱:「毎日毎日リハビリで嫌になっちゃうよ」
羽澄咲:「ね。美穂ちゃんも本気で泣いてたし」 自分のとこに飛んできたポテチをそのまま摘まみつつ。
日下紅春:「……そうだよ!ほんとに死んだんじゃないかって、皆あの後ちょっと大騒ぎなったし」
貴家ミメイ:「あんなにうろたえた高枝さん、初めて見ましたしね」
綾瀬川萌葱:「あははは。”レラ”……高枝さんがそんなにかあ」
羽澄咲:「あ、そっか。あやちゃんセンパイ自身は見てないんですね」
貴家ミメイ:「あとでちゃんと謝るとか……えっと、励ますとか。した方がいいと思います」
羽澄咲:「そうそう!あれだけ心配させちゃったんですし」
綾瀬川萌葱:「そっか……お見舞いとかに顔見せないから、気にしてないのかなと思ってたけど」
綾瀬川萌葱:「みんながそういうなら、そうして……みる……」 やや気乗りしないという表情。
日下紅春:「城島先生がいたおかげで収集ついたみたいなところもあったんだから。一連の事件とか共闘よりもあれで一番実感するとは思ってなかったけど」
羽澄咲:「すごかったねぇ、先生。戦ってる最中もそうだったけど」
羽澄咲:「事件の次の日も普通に仕事行ったって聞いたもん」
貴家ミメイ:「はい。すごく良い人でしたし。少し警戒してたのが申し訳なくなりました……」
綾瀬川萌葱:「先生めちゃくちゃタフだかられえ」ばりばり、と両手で支えてせんべいを齧る。
日下紅春:「うえー……怖すぎない?というかあれに襲撃かけようとしてたの私たちって……」
羽澄咲:「う~~ん……ルクちゃんの能力なら分がある気はするけど」
羽澄咲:「それはそれとして勝負自体したくなさすぎはそう」
貴家ミメイ:「襲撃しなくて本当に良かった……」ほっと胸をなでおろす。
日下紅春:「そりゃ一人で出歩くよね……」しみじみ
羽澄咲:「そういえばあやちゃんセンパイ、例のベロニカ計画ってこの後どうなるんです?」
貴家ミメイ:こんな世間話みたいにする話だろうかと苦笑しつつもチョコの包みを開けている。
綾瀬川萌葱:「うーん……あれ、そもそもここがFHの根城であることも加味した試験だったからさ」
綾瀬川萌葱:「そのセルと協同、なんてことになって……結構まだ今後の進退はまとまってないらしい」
綾瀬川萌葱:「しばらくは現状のまま様子を見ることになりそう、って先生は言ってたかな」
日下紅春:「あー……そっか。緊張化で推進出来るかにも意味のある試験だったのね」
日下紅春:頬に人差し指をあてたどたどしく
羽澄咲:「じゃああたしたちと一緒ですねぇ。今後の展望未だ未定、と」
貴家ミメイ:「よかった……のかな? 萌葱センパイもこれからはあまり過激なことは考えないでくださいね……」
綾瀬川萌葱:「そっちの方もまだぜんぜんなんだ?」
綾瀬川萌葱:ミメイちゃんもこっち側のはずなのにな~と思いながら机のポテチを摘んで食べる。
日下紅春:「まぁ私達って、ほら……利害の一致とか強い方向性から集められたメンバーってわけでもなかったもの」
羽澄咲:「それにあたしたち全員一チルドレンですし?セルの運営って言われても何したらいいか分かりませ~ん」
貴家ミメイ:「お仕事の取ってきかたとか自分たちで覚えないとですね」
羽澄咲:「ちなみにルクちゃんはあたし以上に無理っぽいです。ずっと指示待ちしてたから」
羽澄咲:「『運営って何??』って知らない芸指示されたワンちゃんみたいになってました」
綾瀬川萌葱:「そうなんだ。いい気味……じゃなくて、以外~」
貴家ミメイ:「萌葱センパイ? 今、棘がありませんでした?」
綾瀬川萌葱:「な~いもん。そういうミメイちゃんは身体、大丈夫そうなの?」
綾瀬川萌葱:「なんか、思ったより検査長引いてるよね」
貴家ミメイ:「あっ、はい。でも、わたしの方はもうすっかり元気ですよ」
貴家ミメイ:「痛いところとかもないですし。すぐに体を動かせるようになるんじゃないかと思います」
日下紅春:「そうそう!ミメイもあんな無茶に近づく手段とったりなんかして!」自らを棚に上げ
貴家ミメイ:「あはは……すみません、紅春センパイ」
日下紅春:「心配したんだから……よかった……」
綾瀬川萌葱:「そっか……なら、よかったけど……」
羽澄咲:「ん……」 ポリポリとポッキーを少しずつ口に運びながら未明ちゃんをちらりと見て。
貴家ミメイ:「ご心配おかけしてすみません」ぺこりと頭を下げる。
日下紅春:「ちゃんとこれからも元気な姿を見せて安心させること!いーい?」
貴家ミメイ:「は、はい。もちろんです!」
羽澄咲:「ん~~~…………」 何やら唸りながら未明ちゃんの方へスス……と近寄っていく。
貴家ミメイ:「…………?」
貴家ミメイ:不思議に思いながらもそちらに体を傾ける。
綾瀬川萌葱:「……ねーね、日下ちゃん。今度あっちののり塩開けてよ~」
日下紅春:「?いいけど……どうしたの急に。あーっ、私を試してるんでしょ!」
日下紅春:今度こそ……、と時間をかけてゆっくり力を入れている
羽澄咲:「未明ちゃん、センパイ達にあの事言わないの?」 ひそひそと傾けてもらった側の耳へ耳打ち。
貴家ミメイ:「うっ……。心配、すると思うから……」弱々しく小声で言う。
貴家ミメイ:「やっぱり……言った方がいいかな……?」
羽澄咲:「心配はすると思うけど、なんにも知らないで後から聞くよりは良いかなぁというか」
羽澄咲:「あたしなら、心配させてほしいかなぁって。知ってるから出来るってこともあるでしょ?」
羽澄咲:「まあ、未明ちゃんの気持ちが一番ではあるんだけど……あたしは言う方に一票!」
貴家ミメイ:「わかった。咲ちゃんがそう言うなら……」しっかりと頷く。
羽澄咲:(そういえば未明ちゃん、あたしが知ってることにはビックリしなくなっちゃたなぁ)
羽澄咲:そんなことを思いつつ見守りの姿勢に。
綾瀬川萌葱:「日下ちゃんの~、ちょ~っと、いいとこみた~いな~」微妙に調の外れた掛け声を送る。
日下紅春:「むむむ……」手元に夢中になっている
綾瀬川萌葱:「あっわっすごい、ゆっくり開けれてるよ、その調子────」
貴家ミメイ:「あ、あの。萌葱センパイ。紅春センパイ!」
貴家ミメイ:「チップスの袋を破裂させるより前に聞いてもらってもいいでしょうか!」
日下紅春:「……ふふ!出来たわ、見なさい萌葱!」
日下紅春:「ひ、ひどい!今度はちゃんと出来たのに!」
貴家ミメイ:「……あっ、意外とできてる」
羽澄咲:「おお~」 パチパチと小さく拍手。
日下紅春:「ふふん。私だって成長するもの」胸に手を当て誇らしげに
綾瀬川萌葱:「日下ちゃん……! これなら、クラスのみんなに目にもの見せてやれるよ!」
日下紅春:「それはちょっと馬鹿にされてるのも分かるわよ萌葱?」
貴家ミメイ:「じゃなくて、ですね」こほんと咳払い。
綾瀬川萌葱:「えへへへ……、で。うん」ミメイちゃんの方へ向き直る。
貴家ミメイ:「え、えっと。わたし、体はもうすっかり元気なんですけど検査結果について“リュッケンフロッセ”……城島センセイに言われたことがありまして」
日下紅春:「と、そうだった……どうしたの、ミメイ?」
貴家ミメイ:ここで、さっき作った秘密その②を公開します。
GM:では公開します。

秘密②:貴家未明(さすが・みめい)

指定技能:〈情報:UGN、FH〉
 キミは、"ペルシステンシア"たちとの激戦の影響で脳の記憶を司る領域に深刻な後遺症を負っている。
 キミは、日々生きているだけで少しずつ記憶を失っていく。現時点では症状はさほど進行していないが、エフェクトを使用するなどして体内のレネゲイドが活性化すればその症状は一気に進むことになる。
 どれだけの猶予が残されているかは分からないが、やがてキミは全ての記憶を失うことになるだろう。

 キミは、参加したセッションのエンディングフェイズ開始時に〈意志〉で難易度9の判定を行う。判定に失敗した場合、取得しているロイス・タイタス(昇華済みでもよい)の中から一つを選択して削除し、その対象に関する記憶を全て失う。
 なお、バックトラック時に侵蝕率が80%以上だった場合、その判定は自動失敗となる。
貴家ミメイ:「ほ、本当に体はなんともないんです。ただ、将来的に記憶に影響が出るかも……ううん。出るらしくて」
貴家ミメイ:「今は咲ちゃんのことも萌葱センパイのことも紅春センパイのこともしっかり覚えていますのでご心配なく!」
羽澄咲:「確か、レネゲイドが活性しなければ進行も遅いんだよね」
貴家ミメイ:「そうみたい。今まで以上に戦い方には気を付けなきゃ、とは思ってた」
羽澄咲:「いや、そこは戦闘自体しないでほしいけどね?」
羽澄咲:「幸い、今近隣にめっちゃ敵対的なセルが居るとかではないけど……何があるかは分からないし」
貴家ミメイ:「だ、だって今のセルの規模を考えると休んでるわけにもいかないし……!」
貴家ミメイ:「やる時はやるよ。わたしも!」
綾瀬川萌葱:「……貴家ちゃん…………」
日下紅春:「ミメイ…………」
貴家ミメイ:「な、なので今までと変わらずに接してもらえると! 将来的にはもしかしたら治療法が見つかるかもって城島センセイも言ってましたし!」
綾瀬川萌葱:「……そっ、か……ねえ、アリアちゃんのことも……まだ大丈夫なんだよね?」
貴家ミメイ:「あ、はい。アリアちゃんのこともしっかり覚えてますよ!」
綾瀬川萌葱:「うん。なら、よかった」
日下紅春:「そう、ね……」
日下紅春:「……このことは、アリア本人には?」
日下紅春:ああ、でも今は何も分からない状態なのよね……と呟きながら
貴家ミメイ:「アリアちゃんには……まだ伝えてません。本人がまだちょっとそれどころじゃななくて」
貴家ミメイ:「そ、その……みんなで色々して……紅春センパイがとても可愛かったことも……覚えてますし……」赤面しながら言う。
羽澄咲:「未明ちゃんの中で代表的な思い出そこなんだね?」
貴家ミメイ:「代表的というか……衝撃的というか……」
綾瀬川萌葱:「……あははは。そっか、あれくらいの思い出なら忘れられないってことだ」
日下紅春:「……あれは、その……私だって……」ぷしゅう、と赤くなる
貴家ミメイ:「ど、どうしよう、咲ちゃん。変な空気になっちゃった!」
羽澄咲:「この話振ったの未明ちゃんだからなぁ」
日下紅春:「と、とにかく!」
日下紅春:「向こうの治療班とずっと秘密にしてても、その……怒らなかったわよ。なのに、ちゃんと教えてくれてありがとう」
貴家ミメイ:「本当は秘密にするつもりでいたんですけど……咲ちゃんに隠し事はできないからなぁ」
羽澄咲:「ふふん。諜報担当なので」 自慢げにピース。
日下紅春:「敵わないわよね、ほんと」
綾瀬川萌葱:「本当にねぇ」
貴家ミメイ:「可愛いし、優秀だし、本当に頼りになる」
羽澄咲:「えへへ。急に褒めるねぇ」
日下紅春:「……"ルークレス"。あなたも出てきなさい」なんて、唐突に
羽澄咲:「へっ?」
貴家ミメイ:「く、紅春センパイ……?」
綾瀬川萌葱:「……え゛っ」
日下紅春:「萌葱はちょっと我慢しててね」
綾瀬川萌葱:「も~なになに、今から咲ちゃんを褒め潰してみようの会じゃなかったの……?」
羽澄咲:「嬉しいけど恐ろしい会を開催しようとしてないですか、センパイ?」
貴家ミメイ:「ルーちゃん、そんなすぐ出てこれるものなの?」
日下紅春:「私も裏で話し合って……二人で決めようかなって思ったけど」
日下紅春:「方針、もう私の中で決まっちゃったから。ちゃんと秘密にしないでおこうって思って」
貴家ミメイ:「ほ、方針ってセルのですか……?」
日下紅春:「咲に後押しされたとはいえ……きっと、私達の負担になるって、すごい勇気を出したと思う。ミメイは優しい子だから」
貴家ミメイ:「うう……それは……はい。本当は言わずに済ますつもりでしたしね……」
日下紅春:「ほんと……変な子ね。もっと夏目アリアとのことだけを考えていても良かったのに」
日下紅春:「ありがとう」
貴家ミメイ:「アリアちゃんだけじゃなくて皆さんもわたしにとっては大切な存在ですから」
日下紅春:「……ほら、もう出てこないなら勝手に一方的に言うからね!」
羽澄咲:「……だって、ルクちゃん?」 微笑みながらそう言うと。
貴家ミメイ:「る、ルーちゃん! なんか大変そうだよ!」彼女の肩を揺さぶっている。
"ルークレス":「……もう出たから。揺らさないで」 憮然とした顔へと切り替わる。
貴家ミメイ:「あっ。こ、こわい」離れる。
綾瀬川萌葱:「こわかったね~」ミメイちゃんとくっつく
貴家ミメイ:「うえーん。萌葱センパイ~」ふざけて泣き真似をしている。
日下紅春:「咲のフィルターを通して色々と……っと、ようやく出てきた」まったく、と嘆息
"ルークレス":「ようやくも何も。私、咲が表に出ている間は基本寝てるんだけど」
日下紅春:「だから起こしたんじゃない。大事な話なんだもの」
"ルークレス":「……で?」 実際のところ、最近は各々の経過が気になって昼間に起きてるのだがそれは黙っておく。
"ルークレス":「方針が決まったって言ってたけど」
貴家ミメイ:「は、初耳ですよ。紅春センパイ」
日下紅春:「そ、だって今決めちゃったから」
日下紅春:「リーダーは"ルークレス"、あなた。咲は……まぁ扱いがよく分からないからそっちで決めて」
"ルークレス":「…………」 正直柄ではないし務まる自信も無いが、口を挟むのは一度控える。
貴家ミメイ:「じゃ、じゃあ、咲ちゃんはサブリーダー……?」思案している。
日下紅春:「だから、それは分かんないって。とりあえず逃がすつもりはないってだけ」
綾瀬川萌葱:「ふうん……」
綾瀬川萌葱:「そか。ねえ、日下ちゃんはどうしてそうしたいって思ったの?」
日下紅春:「ん-、ふふふ……それはね」
日下紅春:「私達の新しい目的は、貴家ミメイと夏目アリアを絶対に守ること」
日下紅春:「成り行きで巡り合った私達が、その仲間のために生きるの」
日下紅春:「なんて、本末転倒で、私達らしいでしょう?」
貴家ミメイ:「な、なんですか、その目的。私的すぎます!」
日下紅春:「しりませーん。文句があるならリーダーに言って下さい~」
貴家ミメイ:「それに、そんなの利益にもならないと思います!」
日下紅春:「そこはまぁなにか……適当な建前でも考えればいいんじゃない?」
日下紅春:「言ったでしょう、本末転倒だって」
貴家ミメイ:「リーダーもおかしいと思いますよね!?」
"ルークレス":「……勝手にリーダーにしておいてから方針まで決めて、私は苦情の避雷針?」 ひとまず文句を垂れてから。
"ルークレス":「まあ、これまでの敵対路線から急にUGNと協同なんて方針転換するんだし」
"ルークレス":「当面の信頼関係を築くためってことで良いんじゃないの」 そう『適当な建前』を述べて見せる。
日下紅春:「おお~、流石『リーダー』!」
"ルークレス":「どの口が……」 ジトッとした目。そもそもこちらは逃げる気なんて無いというのに。
貴家ミメイ:「うう、全然話を聞いてくれない。そんな、わたしばかり良い思いをするなんて変だよ……」」
綾瀬川萌葱:「……『リーダー』になっちゃったなら、私達と話す機会も増えるもんね」
日下紅春:「そうそう、あっちとの折衝もよろしくしてくれたら助かるのよねぇ」勝手気ままに
綾瀬川萌葱:「あーあ。”るーちゃん”とも仲良くしないとダメってことかあ~」
貴家ミメイ:「それは言われなくても仲良くしてあげてください……」苦笑する。
"ルークレス":「これ見よがしに不満そうに言われても……折衝担当は咲に任せようかな」 思わずぼやくが。
羽澄咲:(ダメだよルクちゃん!せっかくあやちゃんセンパイが歩み寄ってくれてるんだから!)
"ルークレス":「……咲、声大きい」 耳元どころか脳内で叫ばれて眉間に皺が寄る。
貴家ミメイ:「これはこれで新鮮で楽しいかも……」ルークレスの反応を見て微笑む。
貴家ミメイ:「あ。と、というか……セルの新しい目的の話が全然くつがえらないんですが……」
"ルークレス":「覆す気ないもの。この場の全員」
綾瀬川萌葱:「うん。貴家ちゃん以外がヘンだって思ってないしね」
日下紅春:「諦めなさいミメイ。私達、あなたほどじゃないけどそれなりに頑固だもの」
"ルークレス":「ああ、あと"リガ"……"ピーク・ア・ブー"?今後どっちを名乗る気かは知らないけど」
"ルークレス":「当面一切の能力行使禁止。リーダー命令ね」
貴家ミメイ:「き、禁止!? 何かあったらどうするんですか!? それに、任務は!?」
"ルークレス":「そもそも任務を与える気が無いし、与える任務自体も無い。療養」
日下紅春:「リーダー命令!いいわね、板に付いてきたわね」
"ルークレス":「どうせ逃げられないなら有効活用するべきでしょ」 紅春に対してやや投げやりに返す。
貴家ミメイ:「うう……リーダがそう言うなら……」しょんぼりとうつむく。
綾瀬川萌葱:「何かないための私たちだしね。UGNも、事情があるなら無理に任務を与えることはしないだろうし……」
日下紅春:「わあ……UGNって思ってたよりホワイトなのね」
綾瀬川萌葱:「私はさ。新しい”サヴェジ・ルナリア”の目的はこれしかないって思ったよ、貴家ちゃん」
貴家ミメイ:「ど、どうしてそんな……」
綾瀬川萌葱:「うーん……こういうのの方が、私たちらしいからかな」
貴家ミメイ:「そ、そんなふんわりした理由で……」
"ルークレス":「……自分でも言ってたでしょ、"ピーク・ア・ブー"」
貴家ミメイ:「…………?」
"ルークレス":「『みんなで一緒に笑い合える未来を目指す』」
"ルークレス":「あなたの記憶が欠けたら、笑えない」
日下紅春:「ふふ……」
綾瀬川萌葱:「……やっと分かった?」
貴家ミメイ:「ルーちゃんがそんなことを言うなんて思わなかった」思わず笑みがこぼれる。
日下紅春:「えーっ。私は意外と、実はそういうタイプだったらいいなぁって前から期待してたのに」揶揄うように
"ルークレス":「咲がうるさいから代弁しただけ。……もういい?」
貴家ミメイ:「まだ。もうちょっと」ルーちゃんの手を握ると三人に抱きつく。
貴家ミメイ:「……ありがとう、ルーちゃん。咲ちゃん。萌葱センパイ。紅春センパイ」
貴家ミメイ:「わたし、本当は少し……ううん。かなり不安だったけど、皆と一緒なら何も失わずに済む気がしてきた」
貴家ミメイ:「新生”サヴェジ・ルナリア”の目的のために。これからもよろしくお願いします!」
日下紅春:「ええ。よろしく……これからも、ずっとね」
綾瀬川萌葱:「こちらこそ。……もう、貴家ちゃんだけには背負わせてあげないからね」
"ルークレス":「……ん。よろしく」 言葉少なながら、確かに頷く。



【ED/貴家ミメイ】

GM:夏目アリア────正確には、夏目アリアから製造されたクローン体は、負傷と侵蝕負荷が特に重く、一時は面会謝絶の状態に置かれた。
GM:幸い負傷は無事に回復し、侵蝕率も正常な数値で安定したが……目覚めた彼女は、元の夏目アリアとしての人格と記憶を、完全に失っていた。
GM:最低限の会話が出来る程度の知能は備わっているようだが、精神年齢はかなり幼いと見えた。
GM:本来の夏目アリアが埋葬されたこともあり、この身寄りのない少女に対し、保護した病院・UGN側も扱いあぐねているというのが現状だった。
GM:そうして、少女は外部から隔離される形で、病院内の個室に一人で過ごしていた。
貴家ミメイ:静かにドアをノックすると病室に入ってくる。
貴家ミメイ:「こんにちは。お見舞いに来たよ」
貴家ミメイ:銀髪ショートヘアの華奢な少女がみかんの入ったカゴを手に持っている。
少女:病室を訪れた君を目にして、少女は驚いたような顔で毛布を引き上げる。
貴家ミメイ:「よかった。目が覚めたんだね」安心したように微笑む。
少女:君は当然面会の許可を取り付けてあるが、彼女がそんなことを知る由も無い。
少女:「……お姉さん、誰……?」
貴家ミメイ:「あ。ご、ごめんなさい。いきなりじゃあビックリするよね」
貴家ミメイ:「わたしは、貴家未明って言います」
少女:「さすが、み、めい……?」
少女:「流石……?」
貴家ミメイ:少し考え、カバンからメモ帳とペンを取り出す。
貴家ミメイ:「『貴家未明』。こういう字を書くんだ。貴家は父方の苗字で、ミメイって名前はアイスランド語に日本の漢字を当てたんだって」
少女:「……これで、さすが、って読むの……?」
少女:「……む、むずかしい……」
少女:眉根を寄せて漢字とにらめっこする。
貴家ミメイ:「うん。日本でも珍しい苗字みたい」
貴家ミメイ:「ええっと。あなたの、お名前は?」少し緊張しながら尋ねる。
少女:「……わたしは……」
少女:その言葉に、申し訳なさそうな顔をして
少女:「……ごめんなさい、覚えてないの。色んな人に聞かれたんだけど……」
貴家ミメイ:「そっか。……あのね、信じられるかどうか分からないけど」
貴家ミメイ:「わたし、実はあなたの親友であなたのこともよく知ってるんだ」
少女:「……本当!?」
貴家ミメイ:「うん。本当だよ」
少女:パッと表情を輝かせ君を見て。
少女:「そうなんだ……!お姉さん、教えてくれる?」
少女:「わたしって……一体どんな子だったの?」
貴家ミメイ:「うん。たくさんお話するよ」
貴家ミメイ:「あなたの名前は夏目アリア。夏目アリアちゃん。優しくて、明るくて、スポーツも勉強も得意で、何にでも一生懸命な子」
少女:「なつめ、アリア……」
少女:「……それがわたし?」
貴家ミメイ:「こういう漢字……」メモ帳にペンを走らせる。
貴家ミメイ:「そう、それがあなた。わたしの大好きで、大切な人」
少女:「そうなんだ……」
少女:蕾が綻ぶように笑う。
少女:「ぜんぜん、覚えてないけど……」
少女:「なんか、嬉しい」
貴家ミメイ:「よかった。そう思ってもらえることがわたしも嬉しい」
貴家ミメイ:「アリアちゃん。あ、えっと。前みたいにアリアちゃんって呼ばせてね」
貴家ミメイ:「わたし、これからアリアちゃんとたくさん新しい思い出を作っていきたいと思ってるんだ」
少女:「新しい思い出?」
少女:「それって……どういうこと?」
貴家ミメイ:「大して深い意味はないけど……こうしてお喋りしたりとか、一緒にお出かけしてカフェに行ったりとか二人でゲームをしたりとか」
貴家ミメイ:「一緒に同じ時間を過ごしたいなってこと」
少女:「わぁ……!」
少女:最初はどこか怯えるようにしていた少女が、身を乗り出すようにして。
少女:「楽しそう!やりたいやりたい!」
少女:「本当なの? えっと……ミメイちゃん!」
貴家ミメイ:「楽しそうだよね。うん、嘘なんて言わない」
貴家ミメイ:「あ、ミメイって呼び捨てでもいいよ?」
少女:「そうなの?」きょとんとして「お姉さんなのに……」
貴家ミメイ:「アリアちゃんは気付いていないかもしれないけど、わたしとアリアちゃんって同い年なんだ」
貴家ミメイ:「肉体年齢……体の歳は一緒。でも、まあ、呼びやすい方でいいよ」
少女:「そうなの!? そうなんだぁ……」ほええ、と息を漏らして
少女:「じゃあ、ミメイって呼ぶね!」
少女:「わたしのことも、アリアって呼んでいいよ!」
貴家ミメイ:不意に聞いた懐かしい呼び方に少し驚く。それから嬉しそうに微笑む。
貴家ミメイ:「わ、わたしは今までもアリアちゃんを呼び捨てにしたことはなかったからなぁ」
少女:「えーっ……そうなんだぁ……」
貴家ミメイ:「うん。ずっとアリアちゃんって呼んでた」
少女:「でもさでもさ!ミメイ、言ったでしょ!」
少女:「新しい思い出を作るって!」
貴家ミメイ:「……うん。言ったね」目頭に涙を溜め、静かに頷く。
少女:「じゃあ、これもきっと新しい思い出だよ!」
少女:「ほら、呼んでみて!」
少女:期待に満ちた目で君を見る。
貴家ミメイ:「そっか。そうだね」
貴家ミメイ:「……アリア」愛おしそうにその名前を呼ぶ。
アリア:「……えへへ!」
アリア:照れたように笑ったその顔、その明るさ、その人格。
アリア:どこかかつての夏目アリアの名残を残すようでいて──同時に、決定的に違っているようでもあって。
アリア:どちらにせよそれは、紛れもない喪失の証だった。
アリア:夏目アリアという一つの人の命が失われた、その証左だった。
アリア:「……ねえ、ミメイ……」
貴家ミメイ:「どうしたの。アリア?」
アリア:少し迷うような、おずおずとした様子を見せて
アリア:「わたしね、ミメイに……お願いしたいことがあるんだ」
アリア:「いいかな?」
貴家ミメイ:「わたしに?」きょとんとした顔で彼女を見る。
貴家ミメイ:「うん、いいよ。何でも言って?」
アリア:「うん。あのね……」
アリア:顔立ちに対して幼い表情で、君の顔をじっと見つめる。
アリア:「……わたしね、まだまだ思い出せないことだらけで……」
アリア:「もし何か思い出せても、また同じように忘れちゃったらって思うと、怖いんだ……」
貴家ミメイ:「アリア……」
アリア:「だからね」
アリア:「ミメイに、全部覚えててほしいんだ」
アリア:「前のわたしのことも、それから──」
アリア:「これからのわたしのことも、全部」
貴家ミメイ:「わたしに……?」
アリア:小さく、首を傾げるようにして微笑して。
アリア:「……どう?」
貴家ミメイ:「…………」自分の後遺症のことを考え、一瞬迷う。
貴家ミメイ:「……うん、いいよ」
貴家ミメイ:「わたしがずっと覚えてるから。アリアちゃんのことも、二人での思い出も」
貴家ミメイ:「もしもアリアが忘れちゃうことがあっても、必ずわたしが教えてあげる」
アリア:「本当!?」
アリア:途方に暮れた迷子がようやく道の先に母親を見つけたかのような、嬉しそうな顔をして。
貴家ミメイ:「うん。嘘なんて言わないよ」
アリア:「ありがとう、ミメイ!」
アリア:君の手を握って、屈託なく笑う。
貴家ミメイ:わたしの記憶なんて、と心のどこかで思っていたけれど。忘れられない理由ができてしまった。
貴家ミメイ:「お礼なんていいよ。わたしとアリアの仲だもの」
貴家ミメイ:その手を優しく握り返す。
アリア:「そっか……」
アリア:「親友なんだもんね、わたしたち!」
貴家ミメイ:「うん。親友で……さっきは説明しそびれちゃったけど……」
貴家ミメイ:「恋人同士、でもあるんだ。お互いにしっかり告白をしたわけじゃないんだけどね……」
アリア:「こ、こ……恋人…………!?」
アリア:目を白黒させて
貴家ミメイ:「う、うん……」恥ずかしそうに頬が紅潮している。
アリア:「そ、そうなの……? わたし、全然……」
アリア:「でも、そっか……」
アリア:じろじろと君の顔を見て。
貴家ミメイ:「ご、ごめん。急にこんなこと言って。やっぱりすぐには信じられないよね……」
アリア:「ミメイ、可愛いもんね! さすがわたし、センスいいな~」
貴家ミメイ:「か、可愛い……!?」
貴家ミメイ:「そ、それはどうも……」
アリア:「可愛いよー!雪みたいに真っ白で、妖精さんみたい!」
アリア:病室に備えられた絵本を指差す。
貴家ミメイ:「ええ~。アリアだって可愛いし美人だよ」
貴家ミメイ:彼女の指差す方を見る。
アリア:それは北欧の童話だった。春の訪れと共に儚く消えてしまう、小さな雪の精を描いた絵本。
貴家ミメイ:「絵本だ。好きなの?」絵本を手に取るとページをめくりながら言う。
アリア:「うん。他に出来ることなかったから……」殺風景な病室を見渡して
アリア:「でも、ミメイと一緒に、これからは色んなこと出来るんだね」
貴家ミメイ:「そうだよ。まずは何がしたい? 何でもいいよ」
アリア:「うーん、そうだなぁ……」
アリア:「恋人ってことは、恋人っぽいこと……?」
貴家ミメイ:「こ、恋人っぽいこと……い、いきなりそんな感じじゃなくてもいいんだよ……?」
貴家ミメイ:自分で聞いておいてドギマギしている。
貴家ミメイ:「そうだなぁ。じゃあ、まずは……」
貴家ミメイ:二人きりの静かな病室で優しい声が響く。まるで絵本でも読み聞かせるように。
貴家ミメイ:セルの新しい目的。皆に聞かされた時はなんて突拍子もないんだと思ったけれど、どうやら頼らせてもらう機会が増えそうだ。
貴家ミメイ:アリアが1人でも幸福に生きていけるくらいたくさんの思い出を手にするその日までは。
貴家ミメイ:「……ねえ、アリア」話している途中で何気なく彼女の横顔を見る。
貴家ミメイ:「大好きだよ」微笑んで言う。
アリア:「うん」
アリア:笑みを返す。それは君が知るものとはどこか違って、けれど確かに美しかった。
アリア:「わたしも!」



【ED/羽澄咲】

羽澄咲:大部屋での団欒からも数日経った後。
羽澄咲:オーヴァード特有の再生力のお陰もあって、メンバーは次々に退院を果たしつつあった。
羽澄咲:特に軽傷だった咲に遅れること数日。綾瀬川萌葱も久々に寮の自室へと帰ってくる運びとなったのである。
綾瀬川萌葱:……扉の前で深呼吸。携えた救急箱の中には、まだしばらく服用するように言われている痛み止めやらが入っている。
綾瀬川萌葱:萌葱にとっては久々の「寮の自室」だった。一度は、もう戻ってくることはないと思っていた場所。
綾瀬川萌葱:もう一度だけ深呼吸を済ませてから。そろそろとドアノブが傾き、扉が開く。
羽澄咲:「おっかえりなさーーい!」
羽澄咲:ぱあんと音がして目の前にひらひらとテープが舞い散る。
綾瀬川萌葱:「た、ただい……わ! わあぁっ!」
綾瀬川萌葱:「咲ちゃん!? え、ずっと待ってたの……?」薄い火薬の香りが鼻孔をくすぐる。
羽澄咲:「そりゃあもう!あやちゃんセンパイの凱旋ですからね!」
羽澄咲:「見てください、飾りつけとかも頑張ったんですよ~」
羽澄咲:そう言って手を広げる先には折り紙やらガーランドやらで飾り付けられた部屋の様子。
綾瀬川萌葱:「よかったのに……うわ、ほんとにすごい」
綾瀬川萌葱:「……こういうお祝いをしてもらうの、私初めてかも」
綾瀬川萌葱:「嬉しいより先にびっくりが来ちゃうな、えへへ……」
羽澄咲:「ええ~?じゃあ嬉しいが追い付くまでお祝いしないとですねぇ」
羽澄咲:「ほらほら入って!駅前のカフェでケーキも買ってきてるんで!」
綾瀬川萌葱:「わあ、そんなのまであるの?」テープを集めながらすりすりと中に入る。
羽澄咲:「ふふー。それどころかちょっと良い紅茶まで揃えてます!」
綾瀬川萌葱:「おぉー……実はそれはね、なんかいい匂いがするなって思ってた」
羽澄咲:「む。ここはビックリさせ損ねましたか」
羽澄咲:「なら後は匂いのしないヤツを出すしか……」 そう言って何やらビニール袋を取り出す。
綾瀬川萌葱:まるでおもちゃ箱の中にいるみたいだ。かわいい飾り付けと華やいだ香りに包まれて、夢見心地で居る。
綾瀬川萌葱:「あ。それがお紅茶かしら」
羽澄咲:「ぶっぶー。ほら、前に言ってたから買ってきたんです」
羽澄咲:ガサガサと音を立てて転がり出てきたのは、ピアッサーだ。
綾瀬川萌葱:「………?」顔がく、く、く、とクリック関節じみて45度傾く
綾瀬川萌葱:「なんか、文房具みたいだね。技術家庭の授業でなんかあったっけ……」
羽澄咲:「そんな気してたけど、センパイ普通の開け方しませんでしたね?」
羽澄咲:「ピアスを開けるための道具なんです、コレ。こういう感じで」
羽澄咲:「パチン!って」 言いながら自分の耳たぶに添えて見せて。
綾瀬川萌葱:「あぁ~、なるほど……専用の道具があるんですねぇ」
綾瀬川萌葱:「あの時は無理やり付けちゃったわけか。確かに私はいいけどみんなはどうするんだろう……ってなるね、言われてみれば」
羽澄咲:「も~、エグザイルだからって無茶して……そりゃ定着しない筈ですよ」
綾瀬川萌葱:「えへへ……だんだん分かってきた。咲ちゃんはこういうのを大事にしたかったんだね」
羽澄咲:「ふふ。そうですそうです!こうやってお祝いしたりプレゼントしたり」
羽澄咲:「そういうのって楽しくて嬉しいじゃないですか。思わず笑っちゃうくらい」
綾瀬川萌葱:「そうだね。後から思い出してまた笑っちゃったり」
綾瀬川萌葱:青と銀のピアス。たまに思い出しては、なんだか柔らかい気持ちになっていた。
羽澄咲:「そうやって笑ってもらえるのがあたし的には一番嬉しいので。今回は大成功ですね~」
羽澄咲:「という訳で、センパイの凱旋記念とピアスデビューやり直し(予定)記念のつもりでめいっぱい頑張りました」
綾瀬川萌葱:「ありがとうございました……で合ってるかなぁ」まだサプライズが抜けきらない気分で、小さく苦笑する。
綾瀬川萌葱:「ねえ、そのピアッサーって使ってみてもいいの? 咲ちゃん」
羽澄咲:「もちろん。あ、ほんとは冷やしたり消毒してからのが良いんですけど」
羽澄咲:「でもセンパイピアッサー無しで開けた実績ありだからなぁ……一応用意はしてます!」
羽澄咲:言いながら、さっと保冷材や消毒液も出して見せる。
綾瀬川萌葱:「おぉ。これまた準備がいいですね」
羽澄咲:「だぁって楽しみだったんですもん」 少し悪戯っぽく笑って。
羽澄咲:「どこかのセンパイが保健室に入り浸ってなかったら?もっと早くお披露目だったんですけどね~」
綾瀬川萌葱:「それは……。ごめん、私が悪かったね……」
綾瀬川萌葱:正座の姿勢でしおしおと小さくなっていく。
羽澄咲:「あ、違くて違くて。しょげてほしいんじゃないです~!」
羽澄咲:「お披露目出来てよかったな~ってことですから!」
綾瀬川萌葱:もごもごと「また思いつきで」「いつからバレてたのかな」などと呟いていたが。
綾瀬川萌葱:「そ、そっか。じゃあ私がへこたれてる場合じゃないね」
羽澄咲:「それはもう。お祝いの最中にへこたれる暇なんてありませんよ」
羽澄咲:「ということで。早速一発行っちゃいますか」
羽澄咲:そう言ってピアッサーを片手にずいと先輩へ詰め寄る。
綾瀬川萌葱:「お、おぉぉ」
綾瀬川萌葱:(それって一人でも開けやすいがための道具なのでは?)なんて言葉が口から出かけたが。
綾瀬川萌葱:「……お願い……します」
綾瀬川萌葱:どことない圧に屈する。
羽澄咲:「お願いされま~す。えーっと前付けてたのがこの辺で……」
羽澄咲:耳の外側をそっと指で押さえつつ、耳たぶの中心が芯からズレないようしっかりと挟み込む。
綾瀬川萌葱:「ひぇひっ」
羽澄咲:「わっ。センパイ、ズレちゃいますから」
綾瀬川萌葱:「だ、だってくすぐったくて……」
綾瀬川萌葱:(先生にもよく笑われてたんだよなあ、これ)
羽澄咲:「もう動いちゃダメですからね?行きますよ?」
羽澄咲:「さーん、にーい、いーち、ぜろ!」 パチン!っと耳元で音が響く。
綾瀬川萌葱:「わっ」痛みよりもその音の方に驚いて。
綾瀬川萌葱:「……ど、どーう?」
羽澄咲:「ちょっと待ってくださいね……うん、血はそんなに出てないから……」
羽澄咲:「よし、はい!」 何やら手元を動かしている気配があったかと思うと、手鏡を差し出して。
羽澄咲:そこには以前咲が買ってきたファーストピアスが嵌っている。
綾瀬川萌葱:「……わあ」
綾瀬川萌葱:「ふふ……おかしいな、前も見たはずなんだけどな」
綾瀬川萌葱:「咲ちゃんにやってもらったから……こんなに嬉しいんだ」
羽澄咲:「ふふ。喜んでもらえてあたしも嬉しいです」
羽澄咲:「で、ですね。ここから相談なんですけど」
綾瀬川萌葱:「うん?」手鏡の前で軽くポーズを付けて。振り向く。
羽澄咲:「センパイもあたしに開けてみません?」
綾瀬川萌葱:「私が? 咲ちゃんはでもさ、もう色々開けてるんだよね」
綾瀬川萌葱:指で耳の周りをジグザグ動かすジェスチャー。「ギラギラしたつよそうなやつとか、付けれるんでしょ?」
羽澄咲:「う。そうなんですけど~……」
羽澄咲:「でも耳の外側とか、ちょっと奥の軟骨のとことか。開け方のパターンが他にもあるんですよ」
綾瀬川萌葱:「ふうん……」
綾瀬川萌葱:「なるほど、開けられる場所にも色々あるわけだ」
羽澄咲:「そうそう。だからほら、センパイとおそろで新しく開けれたら良いかなぁって」
綾瀬川萌葱:「そっか。どこに開けたいかは咲ちゃんの中で決まってるの?」
羽澄咲:「ん~。開けたいなぁだけ考えてたので……センパイのお好みで良いですよ?」
綾瀬川萌葱:「……なら……」
綾瀬川萌葱:「いちばんがいい」ピアッサーを手に取り、押し心地を確認する
綾瀬川萌葱:「一番、私に開けられたことを意識しちゃって、忘れられなくなっちゃうところ」
綾瀬川萌葱:「それだと、どこになるかな。咲ちゃん」
羽澄咲:「忘れられないところ……なら」
羽澄咲:ぺろりと舌を出して。 「ここ、とか?」
綾瀬川萌葱:「……すごいね。そんなのもあるんだ」
羽澄咲:「実は。あたしお喋りだから、ここが一番意識するかなぁって」
綾瀬川萌葱:「じゃあそれがいい」
綾瀬川萌葱:「誰かとお話するたびに、そのピアスを意識してほしい」
綾瀬川萌葱:「舌に付けるピアスなら……バレないように、こっそり付けておいたりも出来るよね、きっと」
羽澄咲:「まあ、校則違反の中でも大分過激になっちゃいますし……秘密にしないとですね」
綾瀬川萌葱:「……そうだ、こんどキスもしようね」
綾瀬川萌葱:カラオケに行く約束だったよね、くらい気軽な調子で。
綾瀬川萌葱:「”この間の時”はほら。みんなもいたからさ。改めてってことで」
羽澄咲:「あたしは嬉しいですけど、あやちゃんセンパイ良いんです?」
羽澄咲:「紅春センパイ、止めてませんでしたっけ」
綾瀬川萌葱:「ええ? 咲ちゃんが教えてくれたんじゃん」
綾瀬川萌葱:「ああいうときの”嫌”は、本気じゃないんだってさ」
綾瀬川萌葱:ちろりと出された舌に指を添える。親指の腹と人差し指の関節の間。
羽澄咲:「ふふ。へんはいセンパイわうワルなん
羽澄咲:舌を引き出されたまま、どこか蠱惑的に笑う。
綾瀬川萌葱:「……きみのせいだもん」
綾瀬川萌葱:突っ張るほどに指を引いて。反対の手でその薄桃色に、チープな白色のピアッサーを添える。
羽澄咲:舌に冷たい感触を感じながら、キスの前のように目を閉じる。
綾瀬川萌葱:ぱちん。
綾瀬川萌葱:《リザレクト》でも消えない傷跡をひとつ、羽澄咲のからだに刻み込んだ。
羽澄咲:―――
羽澄咲:その後、ケーキと紅茶に舌鼓を打った(沁みるからちょっとにしたけど)のち。
羽澄咲:あやちゃんセンパイが退院したよと皆に顔を見せに行って、部屋には一人――二人きり。
"ルークレス":(……咲)
羽澄咲:(ん~?なぁに、ルクちゃん?)
"ルークレス":(……なんか、らしくなかったけど)
"ルークレス":本当なら、「少しは節度と倫理観を」といった説教をしようかと思っていたのだけど。
"ルークレス":それ以上に、咲らしくない――"プロムルージュ"誰かが笑顔になれないかもしれないラインを、それでも踏み越えるような振る舞いが気になった。
羽澄咲:(ん~~。なんかね~……)
羽澄咲:(未明ちゃんはさ、アリアちゃんのことが一番大事で、あたしは浮気相手でしょ)
"ルークレス":(……まあ) 本当ならその関係にも大分言いたいことはあるが、一度飲み込む。
羽澄咲:(で、紅春センパイとか美穂ちゃんは多分、あやちゃんセンパイのことが特別なんだなぁって思うの)
"ルークレス":(それもまあ) 決戦の前夜なり決戦の最中なり、それぞれ態度を見てれば十分に分かる。
羽澄咲:(もしもね。未明ちゃんの症状が進行したら、アリアちゃんより先にあたしのこと忘れちゃうんだろうなって)
羽澄咲:(そしたらあたし、今度こそ出番無くなるのかなぁって思って)
羽澄咲:(あやちゃんセンパイも、美穂ちゃんや紅春センパイと上手く行ったらそうなるのかもって)
羽澄咲:(そう思ったらなんか、ね。おそろいとかしておきたいなぁって)
"ルークレス":(……咲) その声が、今まで聞いたことのない響きを纏っていて驚く。
"ルークレス":(寂しいの?)
"ルークレス":起源となったものがAIだからか、咲の思考回路の根本は至ってシンプルだ。
"ルークレス":すなわち、「目の前の人が笑っていたら嬉しい」か「笑っていなかったら笑わせたい」。
"ルークレス":そんなwhile文めいた行動原理で動いているし、感情の発露もそれが起点だ。つまり嬉しいかその手前か。
"ルークレス":もちろんコミュニケーションの一環として怒ることやしょげることはある。でもそれは相手にそうして見せているという面が強い。
"ルークレス":そもそも喜と楽が強すぎて、マイナスな感情自体があまり無いのだ。最初からインプットされていないかのように。
"ルークレス":現に、以前"ピーク・ア・ブー"に問われたときは笑顔で言い切っていたはずだ。
"ルークレス":『未明ちゃんが笑えるならあたしはそれでOKだよ!』って。
羽澄咲:(う~~……、やっぱこれそういうことなのかなぁ~!!)
"ルークレス":それが今は、自分でも自分の気持ちを持て余すように唸っている。
羽澄咲:(ねぇ、ルクちゃん~~!あたしこれ要らない~~~!!)
"ルークレス":(……要らないからって捨てれるものでもないでしょ)
羽澄咲:(でも、あたしこれあっても嬉しくないもん!あたしにこれあって嬉しい人も居ない、し……?)
羽澄咲:(え?ルクちゃん、なんかちょっと喜んでる?)
"ルークレス":(さあ?唸ってる咲が面白いからかも)
"ルークレス":それが良いことか悪いことか。断言できることではないし、私が断言することでもないだろうけど。
"ルークレス":(とりあえず、咲)
羽澄咲:(……うん)
"ルークレス":(まず”ピーク・ア・ブー”については記憶を無くさずに済むよう最大限手を尽くす)
"ルークレス":(それにもし無くしたところで、咲ならまた仲良くなるくらい出来るでしょ)
羽澄咲:(……うん)
"ルークレス":(次に"マキャヴェリテラトーマ"だけど、別に誰かと上手く行ったからって咲が要らないとかそういう話じゃない)
"ルークレス":(というかあんだけしておいて要らないとか言うなら私が一言……何言でも言ってやるから。任せて)
羽澄咲:(……ルクちゃんのそれは殺傷性を伴うヤツだよね?)
"ルークレス":(大丈夫。ネタならいくらでも心当たりあるし、極論咲の声で『大嫌い』って言うだけでワンダウンは取れる)
羽澄咲:(大丈夫じゃないよね!やめてね!?)
羽澄咲:(仲良くしてよ~!なんであやちゃんセンパイもルクちゃんも若干喧嘩腰なの?!)
"ルークレス":(最後に)
"ルークレス":(今後何がどうなったとしても)
"ルークレス":(私はずっと咲と居るし、私にはずっと咲が要る)
羽澄咲:(ほえ)
"ルークレス":良いことだったと言えるよう。傍に居ることはきっと出来る。
羽澄咲:(……えへへ。ルクちゃんがそこまではっきり言ってくれるのめっちゃレアじゃない?)
"ルークレス":(咲がレアなこと言うから。釣られた)
"ルークレス":何せ、事件はそれなりに大団円だったのだから。
"ルークレス"Lukeless光を齎すものは居ないなんて名前の人間には、眩しくて目が痛いくらい。
"ルークレス":(……まあ、今更か)
羽澄咲:(何が?)
"ルークレス":(改名するには遅いって話)
"ルークレス":咲と出会ったその時に変えなかった時点で遅かった。
"ルークレス":無理にでも表に引きずり出してくる強引な連中のせいで、余計に似合わなくなるのだろうけど。それでも。
"ルークレス":連中の間で馴染んでしまったという意味でも今更だから。
"ルークレス":(これで良いし、これで良かったよ。きっと)
"ルークレス":丸きりらしくないような希望的観測が零れた。



【ED/綾瀬川萌葱】

綾瀬川萌葱:私が病院を退院して、寮に戻ってからまた数日が経った。
綾瀬川萌葱:授業の方は、それなりに順調に遅れを取り戻せてきている。実技教科は相変わらずてんでだめだけれど。
綾瀬川萌葱:今日の1限の数学なんかは日下さんに教える側になっていたくらいだ。公式って覚えるまでが大変だよね。
綾瀬川萌葱:目下、私の頭を悩ませているのは学校生活ではない。
綾瀬川萌葱:────2日前────
綾瀬川萌葱:「ふ~、よし。私だけでも用具の片付けが出来たぞ、と……あれ?」
綾瀬川萌葱:たとえば1年との合同の体育の日。
綾瀬川萌葱:「おーい、高枝さん!」
高枝美穂:「!」
高枝美穂:友人に囲まれ、バスケットボールで活躍していたようだが。
高枝美穂:「……」
高枝美穂:君に気付くと、捲っていた体操着の袖を直しつつ、そそくさとどこかへ行ってしまう。その背に友人たちの疑問の声が投げかけられる。
綾瀬川萌葱:「……???」
綾瀬川萌葱:────別の日────
綾瀬川萌葱:「ふ~、よし。今日は自分の指を切らずに包丁が使えたぞ、と……あれ?」
綾瀬川萌葱:たとえば家庭科の授業の終わり。
綾瀬川萌葱:「あっ、おーい。高枝さん!」隣の理科実験室で実習をしているところに声をかける。
高枝美穂:「!!」
高枝美穂:白衣を着て試薬を混ぜていたようだが。
高枝美穂:「先生すんません、ひいひいひいおばあちゃんが危篤らしくて……」
高枝美穂:君に気付くと、白衣をなびかせながらそそくさと別方向から実験室を出て行ってしまう。
綾瀬川萌葱:「……????」
綾瀬川萌葱:────回想終わり────
綾瀬川萌葱:(……”レランパゴ”とはどうも上手くタイミングが合わないんだよなあ……)
綾瀬川萌葱:そんな考えを巡らせながら、えっちらおっちらと階段を上がっている。
綾瀬川萌葱:手には放課後に配る学校からの案内のプリント。担任の先生にどうしてもと頼み込んで、職員室から運ぶことを手伝わせてもらったものだ。
綾瀬川萌葱:(……べつに? 私はいいんだけど……みんなは話しておいた方がいいって言ってたしね)
綾瀬川萌葱:そういう形に落ち着けようとするのも、なんだかまとまらない。
綾瀬川萌葱:保健室での会話だとか、戦闘の時のことだとか。
綾瀬川萌葱:じっとしてると色々ぐるぐるしてきて、『べつにいい』の棚に置いておくのもなんだか落ち着かなくて。
綾瀬川萌葱:話しておきたいことは色々あるはずなのに、何を話す必要があるのかはわからないままだ。
綾瀬川萌葱:(保健室に通ってればいずれ合うこともあるかな……)
綾瀬川萌葱:なんて考えながら……階段を登り終えて、廊下に差し掛かったところ。
高枝美穂:「!!!」
高枝美穂:ばったりと出くわし、そのままぶつかってしまう。
綾瀬川萌葱:「……あわわ、ごめんなさい!」
高枝美穂:「……」
高枝美穂:踵を返し、立ち去ろうとしたが。
高枝美穂:「……」
綾瀬川萌葱:散らばったプリントをわたわたと眺めている。
高枝美穂:ばさばさと舞い落ちるプリントを拾い集める君をちらと振り返り、嘆息して戻ってくる。
高枝美穂:「……アンタ……」
綾瀬川萌葱:しゃがみこんで、まだ君には気付いていなかった。
高枝美穂:「薄々思ってたけど、カバーやのうて普通にどん臭いだけちゃうんか」
綾瀬川萌葱:「…………」
綾瀬川萌葱:「高枝美穂として、その言葉はアリなわけ?」
綾瀬川萌葱:憮然とした色の混じった顔で、まとめたプリントを傍らに。立ち上がる。
高枝美穂:「ふん」
高枝美穂:押し付けるようにプリントを渡して、そのまま去っていこうとする。
綾瀬川萌葱:「あ……待ってくれ」
高枝美穂:ぴたりと足を止める。振り向きはしない。
綾瀬川萌葱:手を伸ばした姿勢でいる。ゆるりと手が横に落ちる。
綾瀬川萌葱:「その……謝っておいた方が、いいのかな」
綾瀬川萌葱:「あの戦いで不甲斐ないところを見せた、の……」
高枝美穂:「……」
高枝美穂:僅かに眉根を寄せたのと同時に、階段の下方から誰かの喋り声が近付いてくる。
高枝美穂:「……こっち」
高枝美穂:ぐいと君の手を引いて。
綾瀬川萌葱:「ん、うん」
綾瀬川萌葱:流れに任せて、プリントは置き去りだ。
高枝美穂:そのまま、近くの空き教室に半ば無理やり押し込めるようにして入って、後ろ手に鍵を閉める。
高枝美穂:灯りは無いが、室内は午後の日差しだけで明るい。
高枝美穂:真冬の教室は、しんと冷たい空気と静寂が満ちていた。
高枝美穂:窓、逆光を背にして、君と向かい合う。
高枝美穂:「……」
高枝美穂:「言いたかったことは、それか?」
綾瀬川萌葱:「……えっと、”レランパゴ”」
綾瀬川萌葱:「みんなに聞いたことなんだ。あの後で、結構心配されてたらしい、っていうの」
高枝美穂:「…………」明らかに渋面になる。
綾瀬川萌葱:「それでやっぱり、学校で何度か話そうとしても様子が変だし」
綾瀬川萌葱:「私もどうきみに向き合えばいいのか、ちょっと分からなくなっちゃって……」
高枝美穂:小さく息を吸う音が聞こえて。
高枝美穂:「……何故だ?」
高枝美穂:「あの時……どうして私を庇った?」
高枝美穂:「私がいつそんなことを頼んだ?どうしてだ?何の為に?」
高枝美穂:「憐みのつもりか?私を馬鹿にしているのか?“マキャヴェリテラトーマ”」
綾瀬川萌葱:「ま、待ってよ、”レランパゴ”!」
綾瀬川萌葱:「私はきみを小馬鹿にしたわけでも、きみの実力を侮っていたわけでもない」
綾瀬川萌葱:「あの時の”措置”もそうだ。きみを憐れんでのことじゃない、必要だと思ったからしたことで……」
綾瀬川萌葱:少しだけ嘘だ。その前のことはともかく、最後に庇ったことの”必要性”は、私の中でも決着が付いていない。
高枝美穂:「必要だったから?」
綾瀬川萌葱:「……っ」
高枝美穂:鋭い視線が、射貫くように萌葱を見据えて。
高枝美穂:「よくそんな嘘が吐けたものだな。お前がそんな風に状況判断を誤る筈がない」
高枝美穂:「大体、その腑抜けた態度は何だ?」
高枝美穂:「今この場には、私達二人しかいないというのに」
高枝美穂:鍵の掛かった密室。つかつかと距離を詰めて。
高枝美穂:「いつまでそんなカバーを演じているつもりだ?」
綾瀬川萌葱:「……ああ、もう」
綾瀬川萌葱:「きみは……自分で言ったことも覚えてないのか?」
綾瀬川萌葱:「一々気にしてるこっちが馬鹿みたいじゃないか……」
高枝美穂:「何?」眉を顰める
綾瀬川萌葱:髪を掻いて、向き合う。退くこともせずただ距離が縮まる。
綾瀬川萌葱:「言っただろ? どうやって接すればいいか分からないんだって」
綾瀬川萌葱:「仕事上の付き合いは楽だ。与えられた業務を卒なくこなしてさえいれば、極論コミュニケーションは関係に介在しない」
綾瀬川萌葱:「友達との付き合いも、やっと分かってきたところだ。自由気ままでいいはずもない。けど、言いたいことを晒してもいい」
綾瀬川萌葱:「私はさ……」
綾瀬川萌葱:「自分のことを好き”だった”なんて言う相手と、どう付き合っていけばいいわけ?」
高枝美穂:「………………!」
高枝美穂:睨むようだった顔色が、見る間に真っ赤になって。
高枝美穂:「…………」
高枝美穂:それから、明らかに視線を逸らす。
高枝美穂:「……い……」
高枝美穂:「……言ってない」
高枝美穂:ぼそりと言う。
綾瀬川萌葱:吹きこぼれる直前の薬缶を見る心地で、様子を見守っていたが。
綾瀬川萌葱:「……… は?」
高枝美穂:「な……何の話だ……?」
綾瀬川萌葱:「おい、ちょっと待て」
高枝美穂:「好きだとか……そんなこと……」
高枝美穂:「私は言った覚えはない。き……聞き違えじゃないのか……?」
綾瀬川萌葱:「~~~~~……………!!!」
綾瀬川萌葱:何か言ってやりたいが、言いたいことが多すぎてまとまらない。
綾瀬川萌葱:「ふ……ふざけるな! 後で確認までしただろ!」
綾瀬川萌葱:「あの時の反応だって覚えてるよ、私は!」
高枝美穂:「し……知らんわ! 知るか! 言ってない!!私が認めたか!?認めてないはずだ!!」
綾瀬川萌葱:「自分だって関西弁出てるし……!」
高枝美穂:「私が……お前を……な……何?言うに事欠いて……す……好き!?好意を持っているとでもいうのか!?」
高枝美穂:「笑わせる!誰がいつそんなことを言った!?そんなこと……そんなことあり得……」
高枝美穂:「……あ……」
高枝美穂:言い返そうとして、ばたりと目が合う。
綾瀬川萌葱:……こっちだって、顔は赤らんでいる。それくらいの熱は自分でも感じる。
綾瀬川萌葱:大声で騒ぎ立てたから、だけの理由かもしれないけど。
綾瀬川萌葱:「……言った」
高枝美穂:「っ……」
綾瀬川萌葱:「絶対に言った。阮心依のことが好きだったって」
綾瀬川萌葱:「私は……それが、嬉しかったんだ」
綾瀬川萌葱:「……だから覚えている」
高枝美穂:「…………」
高枝美穂:強く怯んだように、信じられないものを見るような目で君の顔を見て。
高枝美穂:それから、ぎゅっと目を瞑って、小さく唸りながら俯いて。
高枝美穂:「……い……」
高枝美穂:「言ってない」
綾瀬川萌葱:「……言った」
高枝美穂:「……」
高枝美穂:「言ってない」
高枝美穂:「……『だった』とは……」
高枝美穂:「……い……言って……ない……」
高枝美穂:弱々しく震える声で、小さく零す。
綾瀬川萌葱:「──────」
綾瀬川萌葱:開いている目を、さらに開こうとして。口から小さな呻きが漏れる。
綾瀬川萌葱:あ、だか、え、だか分からないけど。
綾瀬川萌葱:「……それは、確かに」
綾瀬川萌葱:どうしてだか、なんだかそれが癪で。
綾瀬川萌葱:「ちゃんと聞いてない。君の口から」
綾瀬川萌葱:また、こういう意地を張る。
高枝美穂:顔を隠すように深々と俯いていたが、
高枝美穂:「は、はぁっ……!?」
高枝美穂:その言葉に、弾かれたように顔を上げる。既に顔色は耳まで茹でられたように赤い。
綾瀬川萌葱:「言ってないし、ちゃんと聞かせてもらってない」
綾瀬川萌葱:「あの告白は過去形だったんだから」
綾瀬川萌葱:「今の君がどうなのかは聞いてない」
綾瀬川萌葱:……冷静に努めようとしているけど、顔の熱はもう肩辺りまで来ている気がする。
高枝美穂:「…………~~~~っ……!」
高枝美穂:先程自分から詰めた距離を逆流するように後ずさる。
高枝美穂:が、すぐに背後の窓際にぶつかって、逃げ場を失くす。
綾瀬川萌葱:「…………どう、なのさ」
綾瀬川萌葱:少しずつ歩みを寄せながら、問いかける。
高枝美穂:「う、うぅ……」
高枝美穂:左右を見て、その場から逃げようとする。
綾瀬川萌葱:「どうなのさっ……高枝美穂っ!」
綾瀬川萌葱:声を張り上げるのが間に合って、もう一歩踏み込む。
綾瀬川萌葱:「私はずっと気になってた」
綾瀬川萌葱:「きみに確かめたくなかった!」
綾瀬川萌葱:「今、きみは私をどう思っているんだろうって」
綾瀬川萌葱:「それを確かめるのが怖かったんだ……!」
高枝美穂:「……っ……」
高枝美穂:息を呑む。
高枝美穂:完全に行き場を失い、体温すら感じる距離で向かい合って。
高枝美穂:「…………」
高枝美穂:深く俯き、
高枝美穂:ぽすん。
高枝美穂:君の胸元に頭を預ける。
高枝美穂:その身体は、小さく震えていた。
高枝美穂:「……怖かったのは、こっちの方や」
高枝美穂:「あの時……」
高枝美穂:「あんたがウチを庇ってくれた時」
高枝美穂:「今までチルドレンとして……死人なんて山ほど見てきた」
高枝美穂:「一緒に育った相手、一緒に戦った相手を亡くしたことだって、いくらでもある」
高枝美穂:「それを悲しく思うことはあっても……ウチは戦えた」
高枝美穂:「ウチがいるのはそういう世界で、そうなるのも当たり前やと思っとったから」
高枝美穂:「でも……あの時」
高枝美穂:弱々しく、縋るような掌が君の腕を掴む。
高枝美穂:「あんたが居なくなるかもしれないと思ったら……」
高枝美穂:「初めて……それが怖くて仕方なかった……」
高枝美穂:密着した胸元は、涙で濡れていた。
綾瀬川萌葱:「……そう、か」
綾瀬川萌葱:頭を抱く。自分より少しだけ小柄なその体。
綾瀬川萌葱:小さく震える姿を見て、真っ先に自分が言わなければならないことがあったのだと、ようやく悟った。
綾瀬川萌葱:「……心配させちゃってごめん」
高枝美穂:「くっ、ふっ……うぅ゛~~っ……」
綾瀬川萌葱:「まだ、私は……きみの気持ちを考えられてなかった」
高枝美穂:「してへんわ、あほぉ……!」
綾瀬川萌葱:その声を受け止める。
綾瀬川萌葱:「さすがに、ちょっと分かってきた」
綾瀬川萌葱:「今のはきみの強がりだな」
高枝美穂:「ちゃうわ、ボケ……!」
高枝美穂:顔を上げられないまま、ぐずぐずの声で。
高枝美穂:「う、ぐぅうう~~……撫でんなぁ……!」
綾瀬川萌葱:「……少しひどいことを言うかも知れないけど、言う」
綾瀬川萌葱:「私を心配してくれてありがとう」
綾瀬川萌葱:優しく胸に抱きながら、呟くように言う。
綾瀬川萌葱:「誰かが私のことを考えてると思うと、ちょっと嬉しいんだ」
綾瀬川萌葱:「それが相手を傷つけるような感情でも、自分が傷つくような感情でも」
綾瀬川萌葱:「そういうやつなんだ、私……」
高枝美穂:「……」
高枝美穂:腕を握っていた手に、ぎゅうう……と力を籠める。
高枝美穂:「最っ……悪や……」
綾瀬川萌葱:「……みんな、趣味が悪いよね」
綾瀬川萌葱:「幻滅してくれてもいいよ、”レランパゴ”」
高枝美穂:「……はん……」
高枝美穂:泣き腫らした顔を上げ、笑みを浮かべる。
高枝美穂:「とっくに知っとるわ」
高枝美穂:「独善的で、秘密主義のくせに人の秘密は許せない……」
高枝美穂:「そういう最悪の女やろ、お前は」
綾瀬川萌葱:「……さすが、よく見てる」
綾瀬川萌葱:「付け加えるなら」
綾瀬川萌葱:そのまま顔を寄せて。額と額を突き合わせる。
綾瀬川萌葱:「人に好かれると、すぐ好きになっちゃう」
高枝美穂:「……」
綾瀬川萌葱:「そういう、最悪の女」
高枝美穂:吐息の掛かる距離で、アイスブルーの瞳をじっと睨むように見つめて。
高枝美穂:「どうせ……」
高枝美穂:「センセーともこういうことしとるんやろ」
綾瀬川萌葱:「なんだ。きみも混ざればよかったのに」
綾瀬川萌葱:ふふ、と意地悪く笑う。
高枝美穂:「ふざけんな」吐き捨てるように言って
高枝美穂:「FHの連中とも……」
綾瀬川萌葱:「ええ? 憶測でものを言っちゃいけないよ」
綾瀬川萌葱:あとほんの少しで肌が触れ合う、そんな間合いで。
綾瀬川萌葱:「……嫌なら、ちゃんと嫌がってね」
高枝美穂:「気色悪い……最悪や」
高枝美穂:「どうしてこんな女……」
高枝美穂:苦々しく言いながらも、その距離から逃げようとはしない。
綾瀬川萌葱:……唇を寄せる。
高枝美穂:「ん、ッ、…………」
高枝美穂:高枝の掌がびくりと強張って。拒むように震え──
高枝美穂:やがて、くたりと脱力する。
綾瀬川萌葱:「……っ。は」
高枝美穂:「……はーっ……はっ……」
高枝美穂:口付けは数秒にも満たないはずだが、真っ赤な顔で息切れして。
綾瀬川萌葱:「……っふ……ふふ……」
綾瀬川萌葱:「思ってたより、かわいい反応だ」
高枝美穂:「……ッ……!」
綾瀬川萌葱:赤く上気した顔で、優しげな笑みを浮かべる。
高枝美穂:その挑発に、がしりと手首を掴み上げ、
高枝美穂:今度は自分から、奪うように唇を重ねる。
綾瀬川萌葱:「ん、…!」
高枝美穂:「っ、ふ…………」
高枝美穂:後頭部を抱き寄せるかのように強引なキスを交わして。
綾瀬川萌葱:「……っ、む、……ぅ、」
高枝美穂:「……っは……!はーっ……はーーっ……」
高枝美穂:呼吸が苦しくなる頃に、ようやく顔を離す。
高枝美穂:両者の濡れた唇に、銀糸の橋が伝っている。
綾瀬川萌葱:「……ぷ、ぁ………はぁ……はぁ……っ」
綾瀬川萌葱:一瞬、驚きに染まった表情も、すぐ後には慈しむような顔に。
綾瀬川萌葱:「……ふぅっ、ふぅ……ふぅ…………はぁ、は、は」
綾瀬川萌葱:名残惜しそうにその輝きを見届けて。
綾瀬川萌葱:「……次はぁ、どっちからしよっか?」
高枝美穂:「……随分……余裕そうやないか」
高枝美穂:熱に浮かされたような瞳で荒い息を吐き。
高枝美穂:「さっきまで……自分も顔真っ赤だったくせに……」
綾瀬川萌葱:「……そっちだって。あれくらいじゃぁ、へばんないでしょ」
綾瀬川萌葱:口元を拭い、指先で湿りを確かめる。
綾瀬川萌葱:「お互い様」
高枝美穂:「くそ……最悪や」
高枝美穂:「こんな女……こんなの、絶対後悔する……」
綾瀬川萌葱:「………ふふふふっ……面白いんだから、本当……」
高枝美穂:苦々しく言ってから、「……名前……」
高枝美穂:「何て呼べばええ」
綾瀬川萌葱:「……好きにしなよ。あ……」
綾瀬川萌葱:「こっちも高枝さん、とか呼んだ方がいい?」
高枝美穂:「はぁ…… くそ……」
高枝美穂:思考回路が上手く回らないほど昂っている自分を自覚しつつ。
高枝美穂:「やっぱり、嫌いや……」
高枝美穂:言葉を塞ぐように唇を重ねた。



【ED/日下紅春】

GM:激戦から数週間。破壊された庭園の修復も進み、最初は浮足立っていた生徒たちも最早その件を話題に出すことも少なくなりつつあった。
GM:そして、退院した君達にも、また穏やかな日常が戻ってきていた。
教師:「はい、小テスト終わり~」気だるげな教師が教卓からぱちぱちと手を叩く。
教師:「隣の席の人と交換して採点な~」
日下紅春:「むむむ……」
綾瀬川萌葱:「日下ちゃん、ほらペン置いて~」
日下紅春:難儀な顔を浮かべ、ぼうとシャーペンを握り続けては赤ペンに持ち替えないでいる。
綾瀬川萌葱:こつこつ、と隣の席から手を伸ばして机を叩きつつ。
日下紅春:「……もう、わかったわよ。萌葱のも寄越しなさい」
日下紅春:そう言いながらも渡そうとする紙の端を握る力が強く残っていた。不満足の出来だったらしい。
綾瀬川萌葱:「はいはーい。おお、ちゃんと問題は埋めれてるじゃん……」
綾瀬川萌葱:「とりあえず全部埋めとくのが大事だからね」
日下紅春:「自己採点以上の意味あるのかしら、これ……」
日下紅春:こちらの方は、黒板に書かれていく答えを順に追ってはただ丸をするだけの作業だった。
綾瀬川萌葱:答えを確認するよりも早く、ぺけ、まる、まる、ぺけ、まる……とすらすら付けていく。
綾瀬川萌葱:「おっしいな……rとlの違いがな……」ぺけ。
日下紅春:「うう、異音の混ざる回数が怖い……」
日下紅春:ペンが紙面を走る音色のアクセントから、なんとなくの数を悟りながら。
綾瀬川萌葱:「ま、前よりはよくなってると……思うよ……!」
日下紅春:「語尾を濁しながら言われても説得力ないわよ!」
綾瀬川萌葱:「あ、あはは……」かきゅ、とアクセントの入った擦過音がまたも聞こえる。「……こ、この間の歴史のやつよりかは……?」
綾瀬川萌葱:「今回は、覚えるテスト範囲は間違えてなかったっぽいのは伝わるし……!」
日下紅春:「……話を聞くのはこんなに好きなのに、答案用紙の黒字はまったく柔和な表情に見えてこないの、なぜなのかしらね?」
日下紅春:「範囲を間違えたときは何なら萌葱の方から怒ってきたじゃないの。信じられません、なんて顔しちゃって」
綾瀬川萌葱:「えぇ?そんなにストイックな解答用紙でしたかしら?」
綾瀬川萌葱:「だって……安土桃山文明は流石にひどすぎたと思うよ」
日下紅春:「日本の歴史はまだそこまで苦手じゃありません!あれは……そう、ただの書き間違え!」
日下紅春:「まったく……人をなんだと思っているのかしら」
綾瀬川萌葱:まるの続くゾーンに入る。日下ちゃんの言葉と違って、私は勉強した表情が見えるから、答案を見るのはけっこう好き。
綾瀬川萌葱:「ふふふ。まあ教えがいがあるのは嬉しいですよ」
日下紅春:つまらなさそうな顔で続く回答も丸をつける。念を入れて確かめた跡が消し切れず残っているから、そこでちょっとだけへえ、となってしまうくらいのもの。
日下紅春:「む……教え甲斐に溢れているのは、ちょっと不甲斐がないと自分でも思っているわ」
綾瀬川萌葱:「そうでしたか。……日下ちゃんはさ、学校での勉強とかどう思ってる?」
綾瀬川萌葱:薄っすらとカヴァーの認識を纏わせた問い。
綾瀬川萌葱:「やんなきゃなー、でやってる? やりがいあるなー、みたいな感じ?」
日下紅春:「……そうね。無駄、だなんて思っていたらどうする?」
日下紅春:周りはまだ採点が続いているのか、そんなふとした時間で他愛のない話を始める。
綾瀬川萌葱:「うーん。そうは思ってない気がするから、無効につき再提出ってことで」
綾瀬川萌葱:「それくらいは答案見れば分かる、と思ってるよ」
日下紅春:「ええーっ。こんなときにまで厳しい先生役にならなくったっていいじゃない」
日下紅春:なんて言いながらも、そう返してくれるのがどこか嬉しかったように声を上げる。
日下紅春:「正しく言えば、そうね」
日下紅春:「使い切れないな、……っていうのが、一番の感想かな」
綾瀬川萌葱:「おお、なかなかシビアだね」
日下紅春:「生きていく上で、これを全て修めることが必達の条件だとは到底思えないし、逆に一角の分野を極めるのであればもっと効率的なやり方があるでしょう」
綾瀬川萌葱:答案用紙に目を落とし、△に評価した解答に、赤ペンで補足を付けている。
綾瀬川萌葱:『rかvか怪しいつづり、山川先生ならぺけにされちゃう!』
綾瀬川萌葱:「そういう教育機関もあるものね。学びたい人向けには」
日下紅春:「だから、そんな溢れるほどの教えと、学びの日々を」
日下紅春:「いっぱいいっぱいに苦しみ楽しみながら詰め込んでるあなた達が、とても羨ましかったのだと思うの」
日下紅春:「実際にやってみたら……そうね、大したことないなんて言えないくらい」
日下紅春:「……ふふ、難しかったわ!学校で勉強するのって」
綾瀬川萌葱:「……そうだね」外の陽が照ったのか、少しだけ目を細めるようにして。
綾瀬川萌葱:「私も、自分にこんなにうまく行かないことがあるんだなって思った」
日下紅春:「昔から優等生っぽいものね。あなた、、、って」
日下紅春:ふふ、と頬杖に微笑を隠しながら耳を傾ける。
綾瀬川萌葱:「競技のために身体を動かしたり、歌ったり、絵や料理を作ったり。何の余分でそんなことを?って思ってたけどさ」
綾瀬川萌葱:「なんか、実際やってみると、上手いやつは素直に凄いなって思っちゃうよね」
綾瀬川萌葱:「きみたち、、、、みたいなやつのこと、私はただ、あんまり知らなかったんだな」
綾瀬川萌葱:「そう思わされた」
日下紅春:「ええ。生存や戦略に優れているのとは違う。同じく感嘆も当然あるけれど」
日下紅春:「きらきらと、なんて。陳腐な表現」
日下紅春:「あんなに未来に溢れているのに、今しかないように輝こうとしてしまえるのだから。少し嫉妬してもいいくらい」
綾瀬川萌葱:「ふーん……日下ちゃんはあれだね、詩人の才能があるよね」
日下紅春:「小テストでは評価されない点だけれど。優しくて人気者の委員長さん」
綾瀬川萌葱:「なにさ~、急に私のこと褒めちゃって……採点は変わりませんよ?」
綾瀬川萌葱:細々と書き込んでいた赤ボールペンを、かちっと引っ込める。
日下紅春:「ええ。採点は変わらないのにね、と思っただけだもの」
日下紅春:「だから、とっても楽しいの。……ふふ。質問の答え、全部聞き出されちゃった」
綾瀬川萌葱:「うん。私も日下ちゃんに先に言われちゃった」
綾瀬川萌葱:「学校の勉強とかって、思ったより楽しいし……思ってたより、楽しかったよね」
綾瀬川萌葱:ぺらり、と答案を手渡す。
日下紅春:「ま、点数の方も気にした方がいいとちょっとは思うけれど」受け取る
日下紅春:ちょっとだけ渋面を見せたものの、すぐ意趣返しのような表情に変わり
日下紅春:「今日の5限目、持久走らしいわよ?この時期の定番だそうね」
綾瀬川萌葱:「この季節に外で持久走? なんだか非効率的な感じがしちゃいますね」
綾瀬川萌葱:「まあ、毎年やってることですけど、、、、、、、、、、、、」 ……少し意地悪く微笑んで。
日下紅春:「…………くす」
日下紅春:ふふ、ふふふ……と肩を揺らす。何気なさを塗布したやり取りが、今は一等の報酬に思えた。
日下紅春:「ええ。委員長が今年も頑張ってる姿、しっかり応援させて貰おうかしら」

---

日下紅春:「ほらー!頑張ってもえぎ~!ペース落ちてるわよーっ」
日下紅春:陽が天辺から少しだけ通り過ぎる間に温めた気温を風が攫っていく。
綾瀬川萌葱:「…………ヒィ…………ヒェ…………」
日下紅春:グラウンドドラックの隅で制服の長い袖先に指を隠しながら、みるみる顔色の悪化する優等生へと声援を走らせていた。
綾瀬川萌葱:「………ハニャ…………イィ~ン…………!」
綾瀬川萌葱:青白さすら纏った手足を振って、バタバタとグラウンドを駆けている。
綾瀬川萌葱:「………も、無理ぃ」
綾瀬川萌葱:「ヒィ………おかしいよォ……こんな…………ただ走るだけの…………訓練を……」
綾瀬川萌葱:「…………たまにィ……やったって、なんの……いみが…………」
日下紅春:「こらー!まだ止まっていいって言ってないぞ~」
日下紅春:手を拡声器のように口に当て、ここぞとばかりに鞭打つセリフ。明らかに楽しんでいた。
綾瀬川萌葱:(ウゥ~……カリキュラムが、カリキュラムがまだ洗練されてないんだァ……!)
綾瀬川萌葱:(やっぱり……UGNによる完全な統治は……ひつ、よ……)
綾瀬川萌葱:ぱたーん!!
綾瀬川萌葱:驚くほど軽い衝突音で、への字にグラウンドに横になる。
日下紅春:「あーっ。も、萌葱ーーーっ」
日下紅春:ぱたぱたと軽い足取りで駆けつけ
日下紅春:「だいじょうぶ?」ゆさゆさ
日下紅春:「はっ……揺すっちゃダメだよね。はい、これお水」
綾瀬川萌葱:「ありがと……ちょっと……休憩させてェ……」
日下紅春:頭から背の順で起こしてあげ、軽い飲料ボトルを手渡す「……わ、びっちゃびちゃだ」
綾瀬川萌葱:くぴくぴと渡された水を飲みながら、日陰に引きずられていく。
綾瀬川萌葱:「フゥ……人心地がつきました。ありがとう日下ちゃん」
日下紅春:「うむ、くるしゅうない」
綾瀬川萌葱:「やっぱりこの世界って不完全だったね」
日下紅春:「急に思想がかぶれ出したね?熱射病とか大丈夫?冬だけど」
綾瀬川萌葱:「この季節も侮れないらしいよね……うん、大丈夫」
綾瀬川萌葱:「日下ちゃんはもう走り終わったの? 同じ……人間なのに、作りが違いすぎない?」
日下紅春:「あはは……まぁ派手に転んでたし、多分ここからやらされることはないと思うけど」
日下紅春:「うん?」自分の格好を下から上へと視線をなぞる
日下紅春:完全無欠にいつのも制服のままだった。
日下紅春:「私走ってないよ?」
日下紅春:「走って欲しいなら走るけど……この格好でって、それはちょっと趣味が高尚すぎやしませんか委員長さん?」
綾瀬川萌葱:「アッ……そうだ! 日下ちゃん、毎度のごとくまたおサボりして……!」
綾瀬川萌葱:「私の願望を反映させてしまいました。日下ちゃんは私が何度叱っても体育の授業に参加してくれない不良生徒デス」
綾瀬川萌葱:薄々、その事情は察せているが。引っ込みがつかないのでこういうことを言う。
日下紅春:「し、仕方ないじゃない!私みんなの前で着替えるの難しいって知ってるくせに!」
日下紅春:「卓球とかは体育館の隅の台になった子たちに混ぜてもらってるし!……たまに!」
綾瀬川萌葱:「う~……そうだね。ごめん、今のは私が悪かったや」
日下紅春:「あ、意外とちょろいのね萌葱ってやっぱり」
綾瀬川萌葱:「でもあんなに元気に野次飛ばしてたしさあ。ついさあ」
綾瀬川萌葱:「……ちょっと今の評価は不服だなあ。物分りがいいって言ってほしいですけど」
日下紅春:「仕方ないなぁ。じゃあ元気なとこ見せてあげよっか」
日下紅春:よ、と軽く持ち上げ「せんせーい!綾瀬川さんリタイアでーす」と聞こえるように大声を飛ばす
日下紅春:そして伝えたとばかりに、ひと一人抱えたまま持久走どころか短距離走の勢いで駆け出した
綾瀬川萌葱:(あ~勝手に~)と注意したがる私を披露と長距離走への恨みが抑え込んだ。
綾瀬川萌葱:「ん……お、おぉぉ!?」
日下紅春:「あは!萌葱、ぬるぬるで掴みにくーい!」
綾瀬川萌葱:「なっ……ぬっ、ぬるぬる!?? 人をタコかナマコかなにかみたいに!」
日下紅春:「わっちょ、暴れないでよ危ないわね!」
綾瀬川萌葱:「びっくりもしちゃうよ日下さん!」
綾瀬川萌葱:「ていうか、みんなに見られてないですか……?」
日下紅春:「もう走りたくなさそうな顔してたから人の親切心で────」
日下紅春:「……あら?一応、邪魔にならないように遠くの端っこにいるのに」
日下紅春:「あ、でも私制服だから誰かバレバレか。なによりさっき大声出しちゃったものね!」
綾瀬川萌葱:はぁ~、と脱力して身体を預け、揺られるままにしている。
日下紅春:軽やかな足取り「よ、ほ、っと。それじゃあお客様、どこに参りましょうか?」
綾瀬川萌葱:「そうだなあ……」
綾瀬川萌葱:「長距離走がない世界に行きたいなあ……」
綾瀬川萌葱:腕の中から見上げる少女の顔が、なぜだか得意げなのが面白かった。

---

綾瀬川萌葱:…………重たいまぶたを開く。眠ろうとした記憶はないのに変なことだった。
綾瀬川萌葱:目に映るのは紅い夕陽に染まった教室。頬にはよだれの感触。座っているのは学校机。
綾瀬川萌葱:「んにゃむ……あれ~……?」
日下紅春:「──あ、起きた?」
日下紅春:窓と挟む位置からゆるやかな声が響く。
日下紅春:「もうみんな帰っちゃったわ。すっかり夕方だものね」
日下紅春:しんとした教室に染み入る調べは、見渡すまでもなく他の姿がなくなっていることを理解させた。
綾瀬川萌葱:「わ、私もしかして……」
綾瀬川萌葱:「……委員長にあるまじき居眠りを……?」
綾瀬川萌葱:「……起きた? ってことは、寝てた。ってことだよね。日下ちゃん」
綾瀬川萌葱:「ア、アワワ……」
日下紅春:「くす。6限目の途中までは頑張っていたのだけれど」
日下紅春:「こんな日もあるかって、HRでは副委員長がそっとしておいてくれたわ」
綾瀬川萌葱:「ふ、不甲斐ないな……教室みんなもう居ないし」
綾瀬川萌葱:「日下ちゃんはまだなにか用事あったの?」
綾瀬川萌葱:よだれの跡を拭い、少しでも証拠隠滅を図る。
日下紅春:「ううん。萌葱を見てたら、いつの間にか起きるまで時間が経っていただけ」
日下紅春:足を曲げ折り、器用に乗った机の上でゆるりと仕草を変える。
綾瀬川萌葱:「そうなんだ。いやあ、今日の体育は強敵だったなぁ……」
日下紅春:膝に乗せた腕を伸ばし、指を重ねて手慰みのよう。
綾瀬川萌葱:「……居眠りしてる私、そんなに面白かった?」
日下紅春:「ふふ、体力だけじゃなくって、ちょっと気持ちいいもんね。運動した後の教室」
綾瀬川萌葱:照れ隠しのように笑いながら。
日下紅春:「面白い寝言が聞けなかったのは残念だったわ。萌葱の寝顔を見る機会なんて普段ないんだもの」
日下紅春:「寝てるあなたを見るのは……そうね、ちょっとだけ楽しかったかも」
綾瀬川萌葱:「そっか。寮だと別の部屋だしね、あんまり日下ちゃんに寝顔を見せたことないもんな」
綾瀬川萌葱:「あ、またみんなでお泊り会すれば見せてあげられるかもしれないけど……」
日下紅春:「……そうね。寝言はなかったけど、何か楽しい夢は見れたかしら?」
日下紅春:「微睡と微睡の間が一番の最適というのだし」
日下紅春:「ね、せっかくだし……萌葱が普段どんな夢を見るのか、私知りたいな」
綾瀬川萌葱:「夢、か……」
綾瀬川萌葱:少し考えて、あははと小さく笑いながら。
綾瀬川萌葱:「あんまり楽しい話じゃないよ、私が寝てる時の夢」
日下紅春:「……そっか。そういうことも、うん、あって当然よね」
日下紅春:「当たり前すぎて、当たり前のことなんだろうけど、気が付かなかった。ごめんなさい」
日下紅春:三角に組んだ足を抱えている。少し伸ばし、組み直す。子供のような仕草。
綾瀬川萌葱:「ううん、謝らないで」
綾瀬川萌葱:「……日下ちゃんが知りたいなら、話してもいいんだ」
日下紅春:「うん。私、知りたいな」
日下紅春:「だって萌葱は、それをちゃんと覚えているのでしょう?」
日下紅春:「楽しいことばかりじゃなくても、見た夢を」
日下紅春:「夢を見るのは、過去きのうがある人間の特権だから」
日下紅春:「目の前にある現在を処理するだけの動物に、整理するべき足跡きのうが無いのと同じ」
綾瀬川萌葱:「…………」
綾瀬川萌葱:そんなこと言わないでよ、と思ったけれど。
綾瀬川萌葱:話をしたかったから、その機会を逃してしまう気がしたから、言わなかった。
綾瀬川萌葱:「全部が、嘘になる日がくる夢を、見ることがある」
綾瀬川萌葱:「私がみんなと友達になったこととか、学校での生活とか」
綾瀬川萌葱:「それに文句を挟めないくらいのことを、私はしたと思ってる」
綾瀬川萌葱:「今だって、続いてる……嘘に嘘を重ねて、どうにもならなくなっちゃうんだ」
綾瀬川萌葱:「嘘つきにはよくある末路なんだって。色んな本に書いてあった」
日下紅春:「そっか」カラン、と 返す声
日下紅春:「全部が嘘になってしまったのに、そうして立ち尽くす最低な自分だけはどうしようもなく嘘じゃない」
日下紅春:「そんな打ちひしがれる苦しみを、あなたは忘れないようにしているのね」
綾瀬川萌葱:「忘れたいと思ったことはないけど、忘れられないだけだと思うな」
綾瀬川萌葱:「そんなにいいものじゃないよ」
日下紅春:「ううん、そんなことはないわ。とても立派なことだと思う」
日下紅春:「夢は人間だけが見る特権と言ったでしょう?」
綾瀬川萌葱:「うん。面白い考え方だと思った」 生物学的にはほとんどの哺乳類は夢を見るらしいが……そういうことじゃない。
日下紅春:「そしてね──夢を覚えているのは、未来あしたに向かう人間の責務なのよ。きっと」
日下紅春:「受け渡すべきあしたがなければ、すぐに放棄してしまいたいくらいの重荷」
日下紅春:「それが重くて苦しいと心のどこかで理解しているから、ヒトは毎朝ユメを思い出しては忘れていく」
綾瀬川萌葱:「……きみは、何ていうかさ」 少し恥じらうようにして。
綾瀬川萌葱:「星を見るみたいにして、世界と戦っているんだね」
綾瀬川萌葱:「いつも遠くから眺められてる気分になる。間合いが独特で、つかみにくい」
日下紅春:「ふふ。なにそれ」
日下紅春:「でもそれを言うなら──あなた達が戦っているのは、自分自身なのでしょう」
日下紅春:「星と星を繋ぐ架け橋でできた、人間の世界。中からは、とてもそうは感じられないのかもしれないけれど」
日下紅春:「ええ。だから、あなたは立派よ」
日下紅春:「置き去ってはいけないことだと戒めながら、自らを律している。壊れそうなくらい儚い生き方」
日下紅春:「とても、好ましいと……私はそう思います」
綾瀬川萌葱:「そっか」
綾瀬川萌葱:「……気のない返事みたいで、ごめんね」
綾瀬川萌葱:「でも、その評価だけはどうしても実感できない……な」
綾瀬川萌葱:多分、私が最後まで好きを後回しにするのが、そのひとなのだと思う。
綾瀬川萌葱:「うん、ごめんなさい……」
日下紅春:「そう。それは……綾瀬川萌葱だから?」
日下紅春:「それとも、あなただから?」
日下紅春:腕で隠した表情がふと曇り出す「……不躾な問いかけだったわね」
日下紅春:「あなたの事、ほんとは何て呼ぶべきか……ちょっとだけ迷ったりもしたんだ」
綾瀬川萌葱:「ややこしいよね、4つも名前があると」
日下紅春:「でもお泊り会の日のときに集められたあなたの様子を見て、それはそっと仕舞っておくことにしたの。こういった質問も、きっとしないと……そう、決めていたつもりだったのにね」
綾瀬川萌葱:「……私も、こんなことは一生他人に話さないと思ってた」
綾瀬川萌葱:「ねえ、日下ちゃん。日下ちゃんはどの私が一番好き?」
綾瀬川萌葱:「立派に生きてる私って、どこの誰なんだろう」
日下紅春:「……そうね」
日下紅春:色々なことを、思い出す。
日下紅春:辿る記憶と一体化するような心地は、まるでユメに沈むような感覚だった。
日下紅春:「教室の隣で、仕方がなさそうな顔で教えてくれるあなたが好き」
日下紅春:「静夜のセーフルームで、口は悪くても無視はしないあなたを気にかけていた」
日下紅春:「保健室のベッドで、泣きだすような下手な笑顔を浮かべるあなたが自分のように映った」
日下紅春:「夕焼け色の観覧車で────うん、あなたに、幸せになって欲しいと思った」
日下紅春:「どのあなたが好きっていうのは、多分正確じゃないと思うの」
日下紅春:「私たちは、鏡写しだから」
日下紅春:「その離れそうないくつもの心が、、、、、、、、、、、、、みっともなくても搔き集めて、そうして──」
日下紅春:「ひとつの、あなたになって欲しいと思ったんだもの」
日下紅春:「だからね。私、今とっても感謝してるんだ」
日下紅春:おかしいかな?なんて照れ臭そうに笑う
日下紅春:「何にだと思う?」
綾瀬川萌葱:耳が離せなかった。
綾瀬川萌葱:いっそ絶望的なまでの表情を浮かべて、その言葉を聞いていた。
綾瀬川萌葱:「……」
綾瀬川萌葱:「……わからない」
綾瀬川萌葱:「日下ちゃんの、話は……やっぱりちょっと……難しいな」
綾瀬川萌葱:「……何に、なの?」
綾瀬川萌葱:観念したような表情で、その続きを問う。
日下紅春:「そう?あなたが、あなたが自身が、、、、、、、やったことだよ」
日下紅春:それは、窓の外を眺めるような瞳で。窓の内を焦がれ続ける瞳だった。
日下紅春:「"阮心依"から"綾瀬川萌葱"を取り上げないでくれて、ありがとう」
日下紅春:「"綾瀬川萌葱"が"阮心依"を切り離さなくて済むようにしてくれて、ありがとう」
日下紅春:「それがただ、とっても嬉しい」
日下紅春:「鏡写しのあなたが満たされているのを見て、こんなにも幸せ」
日下紅春:「それどころか、楽しかった時間記憶を繰り返し見続ける────夢を、見て眠れるの」
綾瀬川萌葱:「……あぁ」
綾瀬川萌葱:力が抜けるようにして、手を横に垂らす。
綾瀬川萌葱:「そうか……」
綾瀬川萌葱:「『私』は、とっくに”綾瀬川萌葱”のことが……」
綾瀬川萌葱:また、嘘を吐いていたのかもしれない。自分でも気づけない嘘なんて、嘘と呼べるのかも分からないが。
綾瀬川萌葱:「仮面を被らないと自分を愛せないなんて、破綻していると思うかな」
綾瀬川萌葱:「それとも……君が幸せなら、こんな私でも、よかったってことなのかな」
綾瀬川萌葱:「日下紅春────日下ちゃん」
日下紅春:「……うん」
日下紅春:「私は、あなたがいいな」
日下紅春:ふいに風が吹く。窓の内と外と掛け渡すような、ゆるやかで乾いた風。
日下紅春:たなびく細布が、照り返しで眩く輝く。役目を終えて紅く燃え猛る彗星の尾のように。
日下紅春:解けて風のままに飛び消えそうな包帯は、咄嗟に惜しむように伸ばされた手に掴まった。
日下紅春:そんな様子を目撃された少女の影はどこかばつが悪そうで
日下紅春:──白い、夕照りに溶けそうな肌色の腕を、所在なさげに胸元へ当てる。
日下紅春:「うん、言えた……これだけで、私には過ぎたくらい」
日下紅春:そんな、恥ずかしげにはにかむ夕陽が浮かべる、大輪の笑顔だった。
綾瀬川萌葱:「……そんなので、いいんだ」
綾瀬川萌葱:つられるようにして、笑顔を浮かべた。
綾瀬川萌葱:表と裏の入り混じった、誰のものにも縛られないような、屈託のない笑顔だった。
日下紅春:「だって」
日下紅春:「これ以上は、おかしくなっちゃいそうだから」
日下紅春:「ううん、違うね────とっくにおかしくなっちゃってたんだ、わたし」
日下紅春:ぎゅ、と。皺を作り上げながら制服を力なく握りしめる。
日下紅春:「誰も傷つけたくなくて、もうそんな衝動も収まって」
日下紅春:「今度こそ、みんなを守るって……決めた、のに……」
日下紅春:「あなただけは、傷つけてしまいたい」
日下紅春:「他の誰にだって、傷つけさせたくない」
日下紅春:「こんなのって、おかしいんだ。私────」
日下紅春:陽が翳るように、涙声で俯いていた。
日下紅春:「あなたにはもう、咲も、美穂もいるのに……」
日下紅春:「──こんな心なら、記憶おもいでの中で、眠るように永遠にユメに沈んでいたい」
綾瀬川萌葱:「…………ばか」
綾瀬川萌葱:こつん、と頭を手で叩く。
日下紅春:「う、ううう゛……」唇を振るわせて
日下紅春:「ばかじゃないもん……」
日下紅春:「私、いっぱい考えて……ありがとうだけで、良かったはずなのに……」
綾瀬川萌葱:「……思い出になんかしちゃったら……また、曖昧になっちゃうのに」
日下紅春:「だって……!私にはこれしかない……!」
日下紅春:「やっと手に入れたんだ……現在いま以外のモノを……」
綾瀬川萌葱:「……そっか」
綾瀬川萌葱:「やっぱり私たち、鏡に写したみたいに正反対だったんだね」
日下紅春:「……──」啜り泣いた残骸が、音もなく流れ落ちる
綾瀬川萌葱:こぼれ落ちる涙を手で拭う。
綾瀬川萌葱:「……ああ、もう、こんなことが言いたいんじゃ、ないのに」
綾瀬川萌葱:「私は…………」
綾瀬川萌葱:「……みんなを、諦められないから……」
綾瀬川萌葱:「そういう最悪を、ずっと積み重ねてきちゃったから」
綾瀬川萌葱:「だから、ごめん」
日下紅春:「うん……」
綾瀬川萌葱:「いくらでも傷つけてくれるのは、いいんだ」
日下紅春:「…………──え、?」
綾瀬川萌葱:「それできみの気が済むなら」
綾瀬川萌葱:「……でも」
綾瀬川萌葱:「それはきみの、本当の望みじゃない気がしてしまって」
日下紅春:「な、んで……それに、きみ、って……」
日下紅春:「……そうよ、気が済むなんて、気なんて……済むはずない!」
日下紅春:「いとしいから、傷つけたい」
日下紅春:「好きだから、傷つけたくないんだ」
日下紅春:「だから──ああ。きっと、全部めちゃくちゃで、矛盾してて、本当の心が在るのは」
日下紅春:「これが、愛してるからってことなんだ────」
綾瀬川萌葱:「これからは、私がきみを探しに行くよ」
綾瀬川萌葱:「ツギハギの中からかき集めて、あなたが私を見つけてくれたみたいに」
綾瀬川萌葱:「だから……」
綾瀬川萌葱:「きみだけのものになれなくて、ごめん」
日下紅春:「……ぅ、うう゛……うっ、ぅ、う……ああ……あああ……」
日下紅春:「うん……うん……」
綾瀬川萌葱:泣きじゃくる少女の手を取る。
日下紅春:ほんの数cmの差を見上げる。
日下紅春:抱かれるような腕の中で、重なりそうな近くの距離で
日下紅春:しゅるしゅると、もう要らなくなった細い赤布を器用に片手で、彼女の首元へ一本の蝶リボンに結い上げる。
日下紅春:「……ぐずっ……あなたも、結んでくれない……?」もう一本を手に握りしめ
綾瀬川萌葱:「……貸して」
綾瀬川萌葱:結ばれたそのかたちを崩さないようにして。
綾瀬川萌葱:自分の髪にあてがって。左耳の上の位置に、結ぶ。
綾瀬川萌葱:「どう?」
綾瀬川萌葱:「少しはきみの、っぽく……なれたかな」
日下紅春:「……不合格。なんでそこで外しちゃうかな」じとりと流し目で見つめる
日下紅春:嘆息交じり。少し元気を取り戻したように、自分で自分の首へ巻きつけた。それは目印のようで
日下紅春:「探してくれるのでしょう?」
日下紅春:「だからこれは、予約の証」
日下紅春:「ええ……きっと私を見つけてね」
日下紅春:「遅すぎると──寂しくて、壊れちゃうかもしれないわ」
綾瀬川萌葱:「……やっぱり、難しいよ」
綾瀬川萌葱:繋いだ手から、熱を感じた。人の心が脈を打つ熱。
綾瀬川萌葱:目の前の相手が生きていることを、私たちが生命体であることを、否応なしに感じてしまう。
綾瀬川萌葱:だから。
綾瀬川萌葱:「愛をするのって、難しい」
綾瀬川萌葱:夕陽の赤がひどく刺さって。儚い光に目を細めるように、彼女のことを眺めていた。