収穫任務



メインログ/雑談ログ


Index


『夏すぎる前に』

【導入】

【Masterscene】
【Cycle1/及川深風】
【Cycle1/道明寺七華】
【Cycle2/道明寺七華】
【Cycle2/及川深風】

【Climax】

【Ending】



Preplay


GM:では二人共いるようですし
GM:問題なければやっていきますか、イチャを
及川深風:問題ないです!
道明寺七華:します!
GM:二人ですが、一応手短にどんなリスペックをしたのかとか
GM:あの事件以来どういう生活をしているのかとか、軽く自己紹介をしてもらおうかな
GM:あとキャラクターシートのURLも貼るのだ!ということで
GM:PC1のすきゃっとさんからお願いできますか?
道明寺七華:はい!
道明寺七華(キャラシート)
道明寺七華:前回なかなか吹火が当たらなかったので、当てる間耐えられるように【頑健】を持ってきました
GM:生命力は実際偉い
道明寺七華:功績点を貰ったので【忍法修行】もしてます
GM:あれ3点だけどめちゃ強いよね
道明寺七華:指矩班なので【流転】もしちゃうぞ
GM:そう簡単に奥義情報がもらえるかな!
道明寺七華:前回の後はそんなに変わらないかな?深風くんの身体を検査したり研究したりして、完全に術を解く方法を探ってると思います
道明寺七華:Youtubeは続けてます
GM:配信頑張ってて偉い
道明寺七華:あと家はちょっと場所変えて警備は強めにしてるかも。そんな感じです!
GM:ではそんな道明寺さんのハンドアウトはこちらになるよ

PC1 道明寺七華

君は斜歯忍軍に所属するシノビだ。。
隠鬼の血統のシノビ、及川と暮らし始めた君だったが、
流派では君が他のシノビと交流しているのを危険視する者が出始めている。

上層部は君に叛意がないか見極めるため、異界資源の一つである
『死人草』を回収し斜歯の工房まで届けるよう君に命じた。

君の【使命】は
プライズ『死人草』を手に入れ、持ち帰ることだ。


道明寺七華:危険視だと~?
GM:ということで、変な草を手に入れるのが使命だよ
道明寺七華:深風くんのどこが危険だというのだね 言ってみろ!
道明寺七華:草をむしって黙らせてやりますよ
及川深風:先輩~♡
GM:危険だろ!いつヤバイやつに操作され始めるかわからないんだから
道明寺七華:それはそう
GM:まあそんな心配を黙らせるためにも草を炊きな
道明寺七華:絶滅させます
GM:では次、及川さんお願いしちゃおうかな
及川深風:はーい
及川深風(キャラシート)
及川深風:及川深風です。元・隠忍の血統は血社の忍びにして、今は流派を抜けてハグレモノをやっています。
及川深風:ハグレモノになったので、最強の忍法「影分身」を取得しつつ
GM:ハグレちゃった……
及川深風:頑健・大権現・返し技でねちねちと戦う感じに仕上がっています。
及川深風:あと「人質」の背景はGMに消していいよと許可を貰えたので、消えました。やったね
GM:大権現はまだ持ってるんだねえ
道明寺七華:やった~
道明寺七華:権現しないで
及川深風:そうですね 設定上使える術はそんなに大きく変わってないかな
及川深風:忌々しい力だけど先輩と一緒にいるためなら使ってやるぜって感じです
GM:その後の生活も道明寺さんと同じで、EDからそんな変わってないのかな
及川深風:そうですね 道明寺さんと一緒に暮らしています
及川深風:学校も道明寺さんが行ってるなら行ってるんじゃないかな 家で待機するよりも近くにいたほうが安心なので
道明寺七華:深風くん……
及川深風:あと信念も「忠」だったのが「我」になってます
GM:たしかにそれはあるかも
GM:我儘になっちゃった
及川深風:自分と大切な人の幸せのために生きてやるぞという気持ち
道明寺七華:深風くん……
GM:ではそんな及川さんのハンドアウトはこれだよ~

PC2 及川深風

君は隠鬼の血統に所属するシノビだ。
斜歯忍軍の忍び、道明寺と暮らし始めた君だったが、
斜歯忍軍は未だに君が隠鬼として動き、道明寺を取り込もうとしているのではないかと疑っている。

斜歯は君に害意が無いか見極めるため、異界資源の一つである
『死人草』を回収し斜歯の工房まで届けるよう君に命じた。

君の【使命】は
プライズ『死人草』を手に入れ、斜歯の工房まで届けることだ。


GM:手に入れ、って書いてあるけど道明寺さんと対立するわけではなく
及川深風:なんか理由付けてお使いに遣わされてる!
GM:まあどっちかが持って帰ってきてねって任務だと思ってくれればいいです
及川深風:なるほどね
及川深風:私達のチームプレーで完璧にこなしてやりますよ
GM:では最後に、残りのハンドアウトとトレーラーを貼って
GM:早速導入フェイズに入っていこうか
及川深風:よろしくお願いします~~!
道明寺七華:よろしくお願いします!!

◆その他のハンドアウト

・プライズ 『死人草』

この世とあの世の境目でしか繁殖しないと言われる異界の植物。
兵糧丸を始め、様々な霊薬の材料として重宝されている。

調査によって『居所』を入手することが出来、
誰かが『死人草』に戦闘を仕掛けることで、クライマックスフェイズに入る。

・NPC
霧雨棺

隠鬼の血統、血社に所属する忍び。
及川の親戚であり、深紅の支配を受け逆らえない彼女のことを常に心配していた。
及川が血の縛りから解き放たれたという噂を聞き、君達の元を訪れる。

霧雨棺の【使命】は『及川の無事を確かめること』だ。


GM:書き忘れたけど死人草に秘密はないです。霧雨さんの方にはあります



Trailer



神器を廻る戦いの中、困難を乗り越え思い結ばれた二人のシノビ。
しかし流派の隔たりは深く、二人の前にさらなる試練を課してくる。

果たして二人はあらたな障害を超え平穏を勝ち取ることは出来るのか。

シノビガミシナリオ「収穫任務」







GM:という感じでやっていきましょう。よろしくおねがいします。



【導入】

GM:では自己紹介も終わったので、導入フェイズの方に入っていきましょう。
GM:見学室で話したとおり、二人が仲良くしてるところに斜歯の上忍さんから仕事の電話がかかってくる感じになると思います。
GM:冒頭の描写とかはおまかせしちゃっていいのかな
道明寺七華:はーい
及川深風:了解です~
GM:ではお願いします!描写をハジメていきましょう



道明寺七華:以前と場所を移した、あるタワーマンションの高層階。
道明寺七華:オートロックや複数のシステムで防犯に重点が置かれたマンションだが、
道明寺七華:道明寺七華の手によって、密かに更に改造され、忍者の技術による防衛が成されている。
道明寺七華:そんな部屋の中では、いつものように、及川深風の身体に対する『研究』が行われていた。
道明寺七華:白い肌の上を、ゆっくりと慎重に指が滑っていく。
道明寺七華:「……ふむ……」
道明寺七華:真剣そのものの表情で、採取したデータを検分している。
及川深風:寝台の上、長い髪の少女が横たわっている。
及川深風:その視線は天井を見つめていたかと思えば、時おり傍らに立つ少女の横顔を窺うように向けられている。
道明寺七華:視線に気付き、モニタから顔を移す。
道明寺七華:「どうかしたかい?」
及川深風:「あ、いえ。邪魔したかった訳では」
及川深風:「見惚れてただけです。普通に」
道明寺七華:「はっ」
道明寺七華:張り詰めていた表情が、急に赤らむ。
及川深風:「……ふふ」
及川深風:「ごめんなさい、やっぱり邪魔しちゃった」
道明寺七華:「な……何を言い出すんだい、急に……」
及川深風:「何をって、そんな。いつも先輩がご自分で言ってることじゃないですか」
及川深風:「天才美少女女子高生って」
道明寺七華:「そ……それは…… そうなのだが……」
及川深風:「こういう時だけ照れちゃうんですね。かわいい……」くすりと目を細めて笑う。
道明寺七華:「……」じっと君の顔を見つめる。恐らくは『君の方が綺麗だ』とでも言おうとして逡巡するような間があり。
道明寺七華:「……こほん!」わざとらしく咳払いして「まったく……施術中にからかうんじゃない」
及川深風:「あ……すみません、つい」
及川深風:調子に乗りすぎたかな、と少ししおらしくなる。彼女が貴重な研究時間を割いて自分の問題を解決しようとしてくれている事については真摯でありたい。
及川深風:「続き、やりますか?」
道明寺七華:当人はあまり気にしていない様子で(というより照れただけなのだが)モニタに目を移し
道明寺七華:「いや、丁度いい。今日はこの辺りで休憩にしよう。君も疲れたろう」
及川深風:「あ、はーい」寝台の上から身を起こす。肌着だけになっていた上半身の上から、無造作にシャツを羽織っていく。
道明寺七華:少し目を逸らす。施術中は集中していられるのだが、終わるとどうしても意識してしまう。
及川深風:「やあ、疲れは大丈夫ですよ?ほとんど寝てただけですし、私」
及川深風:「別に見てもいいのに」
及川深風:独り言のようにそう言いつつ、寝台から降りる。
道明寺七華:「な……何がだね!」さらに顔ごと逸らして慌てて
道明寺七華:「しかし……」データを一瞥し、息を吐く。
道明寺七華:「……認めたくはないが……やはり君の一族の術は高度だよ。年月を重ねてきただけのことはある」
道明寺七華:「解析は着実に進んではいるが……全貌を解明するのがいつになるか」
道明寺七華:珍しく弱音のようなものを吐く。
及川深風:「……そうですか」
及川深風:「確かに、私でもどれだけ生きてるか知れないような男ですからね」
及川深風:「あの……先輩こそ、大丈夫ですか?お疲れでは?」
及川深風:首を傾げて、下から君の眼を覗き込むように。
道明寺七華:「すまないね、深風くん。窮屈な思いをさせて……」
道明寺七華:「僕の方なら大丈夫だとも!何しろ天才美少女女子高生忍者だからね!」
及川深風:「えっ、そんな」
及川深風:「先輩の時間をこんなにいただいちゃって、窮屈な事にさせているのはむしろ私の方かと……」
道明寺七華:「僕はそんな風に思ったことは一度もないよ」
道明寺七華:「僕の方こそ、君を自由にしてやると言ったのに、中々成果が出ずに申し訳ないと思ってる」
及川深風:「おかげさまで、もうほとんど自由ですよ……?ほら、学校にだって通えていますし」
及川深風:ちら、ともう一つの寝台に横たわる姉の姿を見やり。
及川深風:「お姉様のことも……いつか、目を覚ます日が来るのであれば」
及川深風:「それだけで、私にとっては想像だにしなかった幸甚です」
及川深風:「ですから、その……気負いすぎないでください。ね?」
及川深風:安心させるように、ゆっくりと君の背を撫でやる。
道明寺七華:「うん……」少し悩むように唸ってから、はっとしたように「……いや、すまないね。弱気なことを言ってしまった」
道明寺七華:「心配しなくていいぞ、深風くん!この僕が君もお姉さんも無事に全て解決してみせるとも!」
道明寺七華:「はっはっはっは!」
道明寺七華:明るく、強がり混じりに笑い飛ばす。
及川深風:「ふーん……ほんとにもう大丈夫ですか?」
道明寺七華:「何か不安があるかね、深風くん」
及川深風:「あ、いえ。別に……ただ」
及川深風:「先輩の気分転換も兼ねて、ちょっとした旅行デートでも計画しようかなと思っていたんですけど」
及川深風:「そんなに元気なら必要なさそうかな、と思っていた所です」
道明寺七華:「えっ……デート……?」
道明寺七華:「いやっ……!」勢い勇んで、途中でぴたりと止まり
道明寺七華:「……こほん」
道明寺七華:「ま、まあ……せっかくの君の配慮を無下にするわけにもいくまい」
道明寺七華:そわそわした様子で
道明寺七華:「僕ならスケジュールを開けられると思うが……」
及川深風:「あら。私は気にしませんよ?」
及川深風:少し愉快そうに口元を吊り上げつつ。
道明寺七華:「いや……しかしだね……深風くん……」
及川深風:「ん。なんです?」
道明寺七華:「……何か計画を考えていたのではないかね?それを無駄にしてしまうのは、ほら……僕としても心苦しいし……」
道明寺七華:言い訳を探すように視線を彷徨わせる。
及川深風:「ええ、まあ。海外のビーチで、日本の流派勢力が手を出しにくい街に目処がついてはいた所ですが」
及川深風:「別に、今すぐ行かなくては消えるものでもありませんしね」
道明寺七華:「いや……だからそれは……!」
道明寺七華:わたわたとして、悔し気に唸る。
道明寺七華:「……深風くん……」
道明寺七華:「いじわるだぞ」
及川深風:「……む」
及川深風:「そっちこそ……そこまで悩まなくても、言ってくれたっていいじゃないですか」少し拗ねた様子で目を伏せる。
及川深風:「一緒に行きたいって」
道明寺七華:「……い……行きたいに決まっているじゃないか、そんなの……!」
道明寺七華:「ただでさえ、あまりデートも出来ていないし……」
道明寺七華:「一応、僕らは……ほら……その……」
道明寺七華:「あれじゃないか。まあ……所謂……」
道明寺七華:「……こ……恋人……なわけだし……」
道明寺七華:自分で言いながら、顔を真っ赤にする。
及川深風:「……うん」顔を上げる。嬉しそうに笑っている。
及川深風:「じゃあ、行きましょう」
及川深風:「私も、七華先輩と一緒に行きたいです」
及川深風:とん、と軽く跳び寄って君にハグをする。
道明寺七華:「わっ……」少し驚いたようにそれを受け止めて。
及川深風:鼻先をつく甘い芳香は、彼女の持つ吸血鬼の素質によるものだ。人を魅了し、取り込むための血。
及川深風:「恋人、ですもんねっ」
及川深風:耳元でそう、ふっと吹き込むように告げて。すぐに離れる。
道明寺七華:一瞬香ったそれに、くらりと頭が揺れる気がして。
道明寺七華:「……まったく、君は……」困ったように笑って、表情を綻ばせる。
道明寺七華:「うん。それじゃあ、改めて予定を……」
GM:その時。浮かれる君を現実に引き戻すかのように、専用回線から連絡が入るよ。
道明寺七華:「……む……」仕事用の端末からだと確認し、少し不服な顔をしつつ、通話に出る。
GM:君の上司であり、斜歯忍軍指矩班のまとめ役、Dr.斜歯からだ。
道明寺七華:「……はい。天才美少女の道明寺七華ですが」
及川深風:(上司に対してもこうなんだ……)
Dr.斜歯:「相変わらず妙な挨拶だな道明寺。この回線で連絡したのだ。要件は分かっているだろう」
道明寺七華:「ええ、分かっていますとも」
道明寺七華:「それで、今度はどんな忍務ですか?」
及川深風:「あの……私、外した方がいいですか?」
Dr.斜歯:「新しい忍務だ。君と、隣りにいる血徒に対する、な」
道明寺七華:「……」表情が強張り、深風くんを手で制する。
及川深風:一応、公私の分別を付けなくては道明寺の忍びとしての風評に差し障ると思ったゆえの発言だったが。
及川深風:「あ……そこまで分かってるんですか」
Dr.斜歯:「確定した情報ではない。私の計算で、98%の確率で供にいると予測した」
Dr.斜歯:という感じで、Dr.斜歯はハンドアウトにあるように
Dr.斜歯:君と及川さんに死人草を持ってくるように、という任務を依頼するよ。
道明寺七華:「……待ってください!どうして彼女まで……」
道明寺七華:理由など分かり切っているが、そう口にせずにはいられない。
Dr.斜歯:「君の天才的な頭脳なら88%の確率で分かっているはずだが、いいだろう。彼女への説明も兼ねてな」
道明寺七華:「勝手に計算しないでください!エッチ!」
及川深風:「誓って、今の私は隠忍の為になど動いてはいませんが……」観念したように溜息をつく。
及川深風:「言葉ではなく、行動で示せという事ですね」
及川深風:「……伺います」
Dr.斜歯:「道明寺、君は優秀なシノビだ。だからこそ流派の中には危険視する者もいる」
Dr.斜歯:「例えば、君が何処かの誰かと恋にでも落ちて、斜歯に逆らうのではないか、とな」
道明寺七華:「な……」
Dr.斜歯:ザザッ、っと一瞬ノイズのような音が入る……もしかしたら笑ったのかもしれない。
道明寺七華:「……」ムキになって反論しようとして、表情を顰める。彼女の為に仮にそれが必要だったとして、今の自分は果たしてそうしないでいられるだろうか?
及川深風:「……」反論を飲み込む。内心はむしろ、同意できる部分もあった。驕りめいてはいるが……彼女ならば、自分の為に流派を敵に回すことさえしてくれるのではないだろうかと。
Dr.斜歯:「私の計算では90%以上の確率で、以前より扱いやすくなるだろうと考えているが」
Dr.斜歯:「私の考えを理解できるシノビばかりではないのでね。彼らを安心させるために実績が必要なのだ」
道明寺七華:「つまりこの忍務で、それを証明しろ……と」
Dr.斜歯:「とはいえ、『死人草』の調達は本来、下忍でもできるような簡単な忍務だ」
Dr.斜歯:「君なら100%達成できるだろう。……逆に、これに失敗するようでは」
Dr.斜歯:「君はもう私の知っている道明寺ではないということになる」
及川深風:「……温情、というわけですか。寛大な処置に感謝いたします」
道明寺七華:「むむむむむ……」眉を吊り上げる
道明寺七華:「ええ、分かりましたとも!そこまで言われて引き下がれません!」
道明寺七華:「この天才美少女女子高生Youtuber忍者、道明寺七華が……その程度の忍務、軽く達成してみせましょうとも!」
Dr.斜歯:「良い答えだ。2週間後にまた連絡する。それまでに『死人草』を手に入れておいてくれたまえ」
及川深風:「及川深風、同じくお引き受け致します」
及川深風:端末に向かってうやうやしく頭を下げる。
Dr.斜歯:「無論、手早く手に入れて、余った時間を自由に使うのもいいだろう」
道明寺七華:「いいんだ!?」
Dr.斜歯:「私は君を100%信頼している」
道明寺七華:「ふん……見ていてくださいよ。二週間後には『死人草』で山菜鍋が作れますよ」
及川深風:(もしかしなくても、七華先輩の好感度のおかげでかなりいい方向に事態が転んだのか)
及川深風:(つくづく、この人には助けられてばかりだな。私は……)
及川深風:そんな中でせめて何か返せるものはないだろうかと考えた結果の一つが、先程の旅行計画だったのだが。ついからかってしまうのは自分の悪癖だな、と静かに自省する。
Dr.斜歯:「やはり扱いやすくなったな。では連絡は以上だ。通信を終了する」
道明寺七華:通話を終えて、深風くんに目をやる。
道明寺七華:「深風くん、聞いての通りだ」
及川深風:「ええ。旅行よりも優先しなきゃいけない事ができちゃいましたね」
道明寺七華:「どうやら見せつけてやるしかないようだね、我々の実力を」
道明寺七華:「何、君と僕ならこの程度、朝飯前だとも!」
道明寺七華:「早々に片付けて行くとしよう!デートに!」
GM:こうして二人は新たな忍務を受けた。果たして二人はこの仕事をこなせるのか、それとも……



【Masterscene】

GM:と言ったところで導入は終了
GM:次はメインフェイズに入っていきます。
GM:最初はマスターシーン。一応、今回はNPCもいるのでその人の顔見せみたいな感じになるよ
GM:及川さんが一人で外出していた所、昔の流派の仲間に偶然であってしまう……って感じにしたいと思います
及川深風:オッケーです
GM:では軽く描写を開始するよ。



GM:二人で暮らし始めた、と言っても、君たち二人は常に共に行動しているわけではない。その日も、君はちょっとした買い物か、あるいは別の用事かで
GM:道明寺と別れて町中を歩いていた。そんな君に、何処かで聞いたことのある声が突然声をかけてくるよ
霧雨棺:「あ~!ほんとに居た~。おーい、深風ちゃ~ん」
及川深風:紙袋を手に歩く、黒い髪の少女。声をかけられてふと、黄金色の瞳がそちらを見やる。
霧雨棺:人混みをかき分けて、長身の女性が朗らかに笑って君の方へ歩いてくる。
及川深風:「あら、棺さん」
霧雨棺:「久しぶり!その様子だと、噂はほんとうだったんだ」
及川深風:以前と変わりない態度を取るが、内心は穏やかでない。既に取り囲まれている可能性を踏まえて、眼の前の女はもとより、周囲の人混みにも警戒を張り巡らせる。
及川深風:「噂、と言いますと?」
霧雨棺:「あの深紅の支配から逃れてハグレモノになったって……ほんとに大丈夫?元気してた?」
及川深風:「……ええ、元気ですよ。今のところは」
及川深風:どこか硬さの残る笑みを作りながら、それに応じる。
霧雨棺:彼女は霧雨棺。君と遠いつながりのある、血社のシノビで、一族の中でも穏健派で知られていたシノビだよ
霧雨棺:血の支配によって強制的に従わされていた君のことも、以前からたびたび気にかけていた。
霧雨棺:「よかった~。ごめんね。お姉さんの事知って、すぐにでも会いに行きたかったんだけど」
霧雨棺:「警戒されて、なかなか近づけなくて……噂も嘘で、本当は殺されちゃったんじゃないかとも心配してたんだけど」
及川深風:彼女が敵に回っている可能性は、確率で言えば低いだろうが。だからこそ自分への接触のために遣わされた、という可能性を捨てきれない。
及川深風:「それは……すみません、ご心配おかけしてしまって」
及川深風:視線を切らさないまま、軽く頭を下げる。
及川深風:「姉も……無事、とは言えませんが」
及川深風:「信頼できる筋にあたって、治療を受けている所です」
霧雨棺:「本当に良かったー!……でも、どうやったの?今まで、あの術から抜け出した、なんて人聞いたこと無いけど」
及川深風:「それは……」
霧雨棺:「あ、ごめんごめん!秘密にしておきたいよね」
及川深風:「ええ……ありがとうございます」
霧雨棺:「ううん、方法は別にいいけど」
霧雨棺:「でも、ちょっと気になっちゃうなあ。信頼できる人かあ」
霧雨棺:「やっぱりその人は深風ちゃんの眷属ってこと?」
及川深風:少し言葉に迷った後「……いいえ」
及川深風:「血による戒めを破るためには、もっと他の、より強い絆が必要だった」
及川深風:「父の戒めを破る術について、私がお答えできるのは、それだけです」
霧雨棺:「強い絆……!じゃあ眷属にしたいとも思ってないんだ」
霧雨棺:「私なら、絆を確かめるために、なってくれるか聞いちゃいそうだけど……」
霧雨棺:「ん~。なんか深風ちゃんは本当に血社じゃなくなっちゃった~って感じがするな~」
及川深風:「……私は、父の眷属でいて嬉しかった事などありませんから」
及川深風:やはり、彼女は態度こそ温厚ではあるが……本質的には、自分の目指す所とは相容れないものだと自覚する。
霧雨棺:「それは、まあ……お父さんがあれじゃ仕方ないよ」
霧雨棺:「でも良かった、深風ちゃんが元気で」
及川深風:「……こちらこそ。お会いできて、良かったです」
及川深風:道明寺と話していた頃に比べれば、数段と陰鬱な語調でそう言って。
霧雨棺:「血社じゃなくなっても私は深風ちゃんの味方だからね」
霧雨棺:「深風ちゃんの血も、いつか受け入れてもらえるといいなって応援してるよ」
及川深風:「ありがとう……ございます。もし、頼ることがあれば、お願いします」
霧雨棺:「……あ、そうだ。最後に。その人の名前だけ教えてもらってもいい?」
霧雨棺:と言って、霧雨さんは道明寺さんの【居所】を調べる判定をします。特技は瞳術、判定はGM権限で自動成功にするよ。
及川深風:「……」逡巡する。……結論、彼女ほどの技量があれば、私に頼らずとも調べは付くだろう。
及川深風:ましてや、道明寺は随分と「忍びらしくない」存在だ。ならば、敢えてここで余計な反感を買うこともないか。
及川深風:そう判断する。……もともと自らの意志によってか、あるいは彼女の瞳術によってそう導かれたのか。
及川深風:「……道明寺、七華」
及川深風:「私の、大切な恩人の名です」
霧雨棺:「え~!あのYouTubeの?有名人じゃない」
霧雨棺:「あ、勿論この事は内緒にしておくからね。それじゃ、深風ちゃん。偶には連絡してね~」
霧雨棺:ニコニコと嬉しそうな笑みを浮かべながら霧雨さんは去っていきます。
及川深風:「ええ、どうぞよろしくお願いします。……では、また」
及川深風:立ち去っていく影を見送る。ゆっくりと、肺の奥に溜まっていた空気を吐き出す。
及川深風:「……違う。私は……」
及川深風:小さく、呟くように零れた声は、誰にも届くことなく雑踏の中にかき消えた。



【Cycle1/及川深風】

GM:ではこれでマスターシーンは終了
GM:PCの手番に入っていこう!
GM:シーンプレイヤーの人はドラマシーンか戦闘シーンかを宣言して登場して欲しいキャラとかを指定してね
GM:まずは及川さん道明寺さんどっちからやりたいとかあるかな
道明寺七華:どっちでもOK!
及川深風:どうしようかなあ
及川深風:こちらも特に希望はないぜ
GM:じゃあ適当にダイスで決めよう
及川深風:はあい
GM:PC1か2、どっち!
GM:1d2
ShinobiGami : (1D2) → 2

及川深風:私!
GM:では及川さんからやってもらおうか
GM:多分誰の居所も持っていないと思うので
GM:ドラマシーンになるかな。誰をシーンに呼びたいとかある?
及川深風:七華先輩とイチャイチャして感情結ぼうかな~
道明寺七華:わ~い
道明寺七華:出ます
GM:ではシーン表を振ったり、あるいはこういうシーンがいいと決まってるなら
GM:イメージを共有ししたあと、描写をハジメたりしてくれよな
及川深風:はあい



及川深風:「……ねえ、先輩」
及川深風:道明寺邸、寝室。明かりの消えた部屋の中、君の隣のベッドから少し眠そうな声がする。
道明寺七華:暗闇の中から、ごそごそと寝返りをうつ音。身体を君の方に向ける。
道明寺七華:「どうかしたかい?深風くん」
及川深風:「ん……やっぱり、なんでもないです。呼んでみただけ」
及川深風:そんな甘えるような声色と、小さな笑い声がして。
道明寺七華:「何だい、それ」くすくすと笑い声が返って
道明寺七華:「……本当に?」
道明寺七華:静かな、穏やかな声がする。
及川深風:「……」本当は、ちょっとだけ切り出すのに勇気のいる話題だった。今ので、その緊張がほぐれたような気がしていて。
及川深風:敵わないなあ、と思う。小さく深呼吸、そして。
及川深風:「今日のお昼にね、血社の知人と会ったんです」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:「……そうかい」
道明寺七華:少しの間の後、然程驚いた様子も無い声。
及川深風:「あの……一応、かなり温厚な人なんですよ。現に私は無事でしたし」
及川深風:「父や姉の事も、昔から心配して気にかけてくれていたくらいで……」
及川深風:もっとも、気にかける以上の事はしてくれなかったけれど。
道明寺七華:「そっか……。……それで、何か言われたのかい?」
及川深風:「……ん。私は味方だから、何かあったら頼れ……って」
道明寺七華:「そうか。それは……」
道明寺七華:「……いい人……だね?」
及川深風:「悪い人じゃ、ないんだろうなと思います。でも……」
及川深風:「深風ちゃんの血も、いつか受け入れてもらえるといいなって応援してるよ」……そう口にする彼女の言葉は、心から私を慮ってのものだった。
及川深風:善良ではあるのだろう。悪でもないのだろう。……きっと、血社かれらの価値観の箱の内においては。
及川深風:「いい人というよりも、いい鬼でした」
及川深風:「やっぱり、私はあそこには戻れない。……戻りたくない」
及川深風:「そう思いました」
道明寺七華:「……いい鬼、か。成程、言い得て妙だ」
道明寺七華:「現実問題として……血社に僕達の居場所が割れているということになる」
道明寺七華:「ここもそろそろ、潮時かもしれないね」
及川深風:「……そう、ですよね」
及川深風:「すみません。七華先輩のことも、教えちゃいました。名前」
及川深風:「誤魔化しても、心象を悪くするだけかと思ったので……」
道明寺七華:「ははっ!」面白そうに笑って「ちゃんと言ったかい?」
道明寺七華:「天才で美少女で、忍者で……」
道明寺七華:「君の恋人だって」
及川深風:「そ、そこまでは……」
及川深風:にわかに声が上ずって。咳払いする。「……大切な恩人だと、説明しました」
道明寺七華:「そうかい」くすりと笑んで「親御さんに挨拶……とはいかないからね。我々は」
及川深風:「そういえば、先輩のご両親って?」
及川深風:「あ……いえ。話したくなければ、いいんですけど」
及川深風:忍びの世界の家族仲なんて大抵まともではないし、ましてやこの話の流れで言及されたのだ。不躾な問いをしてしまったかなと思う。
道明寺七華:「いいや?特に話すほどのことでもなかったから、言わなかっただけさ」
道明寺七華:「普通の忍者さ。研究一筋って人達だけど、普通に可愛がってもらったよ」
道明寺七華:「まあ、普通の忍者なりに厳しくもあったけど」
及川深風:「普通に……」
及川深風:どこか尊いものを噛みしめるように、その一句を唱えなぞる。
道明寺七華:「血社の忍者と付き合ってるなんて言ったら、流石にどんな顔するか分からないけどね」笑って
道明寺七華:「それも、こんな可愛い子と」
及川深風:「……ふふっ。真っ暗で見えてないのに」
及川深風:言いながら、ふと考える。彼女が自分自身をかくも強く肯定しながら歩いていけるのは、愛されて育ったからなのだろうかと。
道明寺七華:「忘れるわけがないだろ、君の顔を」
及川深風:「む。私だって、忘れてはいませんよ」
及川深風:「忘れてはいません、けど……」
道明寺七華:「……けど?」
及川深風:「…………」
及川深風:ごそり、と。布団の動くような音がして。
及川深風:「……今日。そっち、行ってもいいですか?」
及川深風:「顔、近くで見たくて」
道明寺七華:「えっ」
道明寺七華:驚いて声を上げ、暗闇の中で硬直する。
及川深風:「や……迷惑なら、我慢しますけど」
道明寺七華:「や……いやいや、いや」
道明寺七華:「め……迷惑だなんて……そんなことはないとも」
道明寺七華:ごそごそと音がして、布団にスペースを開ける。
道明寺七華:「……うん。おいで」
道明寺七華:緊張して、耳が赤くなっているのを見られず済んで良かったと思う。
及川深風:「ん……じゃあ」
及川深風:自分のベッドから降りて、ぺたぺたと君の寝床へと歩みを寄せ。
及川深風:「お邪魔、します……ね」
道明寺七華:「……ん……」
及川深風:そろり、と暗闇の中を手探りで測るようにしながら。隣へと横たわる。
及川深風:閉めたカーテンの窓、その隙間からうっすらと差し込む街灯と月の明かりが、二人のかんばせをほのかに照らす。
及川深風:「……やっぱり、安心します」
及川深風:吐息の交わるような距離。ほのかに頬を朱に染めて言う。
道明寺七華:「……そうかい?」
道明寺七華:ベッドの端で仰向けの体勢、ぎこちなく顔だけそちらに向ける。
道明寺七華:「それは良かった……けど……」
及川深風:「……なんです?」
道明寺七華:落ち着かないようにもぞもぞと足を動かして。
道明寺七華:「……僕はなんだか、緊張する……」
道明寺七華:いつも掛けている赤縁の眼鏡を外した顔。己を落ち着かせるように深く息を吐く。
及川深風:「ん……リラックス、できませんか」
及川深風:「お休みの邪魔になりそうですし、もう少ししたら出ていきますね」
及川深風:「……もう少しだけ」甘えた幼子のような声。君のすぐそばで身を縮めて言う。
道明寺七華:「い、いや……そういうわけじゃないけど……だって……」
及川深風:「だって……?」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:寝返りをうって、身体ごと君に向き直る。
道明寺七華:同じ布団の中、互いの体温の感じ取れる距離。
道明寺七華:「……君と……」
道明寺七華:「……す……好きな相手とこんな風に……していて……」
道明寺七華:「意識しないわけ……ないじゃないか」
道明寺七華:開き直ったように言って、上気した顔に少し拗ねたような表情をつくる。
及川深風:「……かわいい」
及川深風:気づけば、そう言葉にして。両腕を伸ばしている。
及川深風:両手を背の後ろへ。抱き締めるようにしながら、彼女の華奢な体の上に覆いかぶさる。
道明寺七華:「ひぅ」
道明寺七華:小さな声を漏らして、驚いて目を瞬かせる。
及川深風:黄金色の瞳が、妖しく揺らめいている。どこか熱っぽい炎をともして。
及川深風:(……ああ。ダメです)
及川深風:(この場所に……貴方のそばにいるために。鬼ではなく、人でありたいと)
及川深風:(そう、願った所だったのに。私は──)
道明寺七華:「……深風くん……?」
道明寺七華:小声で呟く。見開かれた紅の双眸は、魅入られたように黄金色の瞳を見つめている。
及川深風:甘く、意識の眩むような芳香が道明寺の鼻先をついて。
及川深風:同時、その首筋に、じんわりと痺れるような痛みが走る。
道明寺七華:「っ……!?」
道明寺七華:不意の痛みに、思わず身体を震わせる。
及川深風:痛みは最初の一瞬、後はすぐ溶けるように消えていく。耳元でじゅるりと水音がしている。
及川深風:及川深風が、君の首筋に噛みついて、その血を啜っている。
道明寺七華:「あっ……やっ……」
道明寺七華:ぞくぞくと、味わったことのない感覚が背筋を這い上ってくる。
道明寺七華:「深風、く……」
道明寺七華:か細い声を漏らして、妙に熱い息を吐く。
及川深風:他者の血を取り込む事は、本能に刻まれた至福だ。
及川深風:古くは吸血鬼としての生存に必要な故に、及川深風の身体はそう感じ取るようにできている。
及川深風:愛しい人に牙を突き立て、己が舌の上で蕩けさせ、味わいたいと。
及川深風:……彼女の傍にいて、抑えが効かなくなっていく自分を、どこか自覚していた。
及川深風:添い寝をしたいと言い出したのも、別の幸福感によってその欲求を鎮めるためなのだと、己自身に言い訳をした上での事だった。
及川深風:だが、結果はこれだ。
及川深風:黒い長髪を乱しながら、何度も白い肌に歯を突き立てていく。貪るように。味わい尽くすように。自分という痕跡を刻みつけるように。
道明寺七華:首筋から感じるのは、柔らかな唇と硬質な歯の感触。思考を溶かすように送り込まれる快楽に、びくりと身体が震える。
道明寺七華:「は……あ、ぁ……ッ……♡」
道明寺七華:甘い、嬌声にも近い声が漏れて、自分でも驚いてしまう。
及川深風:「っ、七華……せんぱいっ……♡」
及川深風:僅かに残った理性と罪悪感も、その嬌声を耳にする内に靄がかって立ち消えていく。
道明寺七華:それで却って、一瞬我に返る。掌を伸ばして、君の顔を覆うようにする。
道明寺七華:「み、みかぜ……く……」
道明寺七華:「待って……止まって……」
及川深風:「…………え、あ」
及川深風:一転して、背筋の冷えるような心地が正気を呼び戻した。……自分は今、この人に何をしていた?
道明寺七華:「はっ……はっ……」
道明寺七華:乱れた息、上気した肌。組み伏せられた体勢から君を見上げる。
及川深風:まだ痛々しい噛み跡と、血と唾液にまみれて……青ざめた顔色で、弱々しい制止をかけている。その姿が目に映って。
及川深風:「あ、違っ……こんなこと、私は」
及川深風:狼狽の色を浮かべ、君の上から飛び退くように立ち上がる。
道明寺七華:遠ざかるその手を、ぱし、と掴んで握る。
及川深風:「ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさいっ」
道明寺七華:「深風くん」
道明寺七華:ふーっ、と深く息を吐いて、出来るだけ穏やかに笑い掛ける。
道明寺七華:「……落ち着いたかい?」
及川深風:「あ、あぁっ……」
及川深風:その笑顔を見て、糸が切れたように崩れ落ちる。君の膝下で、押し殺したように泣き始める。
及川深風:「わ、私がぁ……悪かったです、こんな……っ」
及川深風:「せんぱいに、ひどいことして……っ、ごめんなさい、ごめんなさい、でもっ」
及川深風:「きらいに、ならないでぇ……! せんぱいに、見捨てられたら、わたしっ……」
道明寺七華:「……深風くん……」
道明寺七華:静かに身を寄せて、包み込むように抱き締める。
及川深風:「っ……」
道明寺七華:「泣かないでおくれよ、深風くん」
及川深風:「う、っ……だって、私……」
及川深風:「ずっと、先輩のこと、今みたいにしたくて……」
道明寺七華:「……そうなのかい?」
及川深風:こくり、こくりと頭を縦に振って肯定しながら。
及川深風:「でも、そんなの……そんなの、怖いじゃないですか。気持ち悪いじゃ、ないですか……」
及川深風:「だから、我慢するって、決めてたのに……なのに、私……っ」
道明寺七華:「……深風くん、深風くん」抱き締めたまま、ぽんぽんと背中を撫でて。
道明寺七華:「大丈夫だから。いい?落ち着いて」
道明寺七華:「深呼吸しよう。ほら、吸って、……吐いて……」
及川深風:何度かしゃくるように息を吐きながら頷く。
及川深風:君の声に合わせて、跳ねるように上下していた背中の動きが少しずつ緩慢になっていく。
道明寺七華:「……大丈夫かい?」幼子にするように背中を撫でながら言う。
及川深風:「……はい。落ち着き、ました」
及川深風:「ごめんなさい、本当に、なんか」
及川深風:「迷惑、かけっぱなしで……」
道明寺七華:「よかった」微笑して「いいから、泣かないで。深風くん」
道明寺七華:「君を泣かせるのが、僕はいちばん嫌なんだ」
及川深風:「……なんで」
及川深風:「なんで、そんなに優しいんですか」
及川深風:「そんな風にされたら、もっと好きになっちゃいますよ。いいんですか」
道明寺七華:「いいよ」
道明寺七華:目を細めて「でも、別に優しいわけじゃないさ。君のことが好きだから、そうしてあげたいってだけ」
道明寺七華:少し身を離して向き直る「……それでね、深風くん。いいかい?」
及川深風:「う……何、ですか」
及川深風:泣きはらした目元をこすりながら、ゆっくりと顔を上げる。
道明寺七華:「その、だね……」少し言い淀んで
道明寺七華:「君はその……さっきの……」
道明寺七華:「性癖というか……自分の吸血衝動のことを、大分気にしているようだけれど」
道明寺七華:「……正直……僕は別に……そこまで気に病むことでもないと思う」
及川深風:「せい……」半ば反射的に反論しようとするが、特に否定できる材料はない。
及川深風:「……」
及川深風:「それは」
及川深風:「また私に吸われてもいい、という意味でしょうか」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:徐々に顔が赤くなっていく。
道明寺七華:「……確かに、さっきはいきなりだったから驚いたけれど……」
道明寺七華:「……別に……そんなに嫌ではなかったし……」
道明寺七華:「……ちょっとドキドキするというか……」
道明寺七華:「君がそれで安心したり、僕にそうしたいというなら……」
及川深風:「っ……」跳ね上がる心音と共に、再び沸き起こりそうになるその衝動を抑えつける
道明寺七華:「だから、だね……その……」
道明寺七華:「…………」
及川深風:「それは……」
及川深風:迷うような視線が君を捉える。「そんな……事は……」
及川深風:「…………」
道明寺七華:ぷつり、と。
道明寺七華:薄手のパジャマ、その襟元のボタンを外す。
及川深風:「…………ッ」
道明寺七華:更にもう一つ下のボタンを外すと、胸元に手をやって、大きく肩口を曝け出す。
及川深風:がり、と何かを噛むような音。口の中に血の味が広がる。
及川深風:「……だめ、です」
及川深風:振り絞る声。その光景から、逸らすように目を伏せる。
及川深風:「私は、もう二度と」
及川深風:「先輩の血は吸いません」
及川深風:「……先輩が、いくら良いよって言ったとしても」
道明寺七華:僅かにナイトブラのストラップが垣間見えて、薄闇の中で少女の白い肌が浮かび上がるように見える。
道明寺七華:「……いいの?」
道明寺七華:「……僕は……」
道明寺七華:「……いいよ、君になら」
及川深風:「っ……!」喉元まで込み上がった言葉を、飲み込んで。
及川深風:「わ……私の中の、分別の問題なんです」
及川深風:口の端から、紅色の血が溢れる。自らの舌を噛んで衝動を抑え込んでいる。
及川深風:「……ごめんなさい」
道明寺七華:「……」
及川深風:項垂れて、立ち上がり。自分のベッドへと戻って行こうとする。
道明寺七華:指先で、垂れ落ちたその血を掬い取る。
道明寺七華:「……無理してる」
及川深風:「…………してません」
及川深風:かなり間があってから、強がるような声。
道明寺七華:「嘘だね。さっきはあんなに積極的だったくせに」
道明寺七華:「食べられちゃうかと思った」
及川深風:「……」
及川深風:それ以上、隣のベッドからの返答はない。拗ねたように黙り込んでいる。
道明寺七華:「ちょっと、君」
道明寺七華:「僕の方がエッチみたいじゃないか!どうしてくれるのさこれ!」
道明寺七華:「も~っ……!」ぷりぷりと怒りながらボタンを閉めて、布団を被る。
道明寺七華:「深風くんのへたれ!もう寝ちゃうもんね!」
道明寺七華:「おやすみ!」
及川深風:「……。おやすみなさい」

及川深風:ここで感情判定したいです。吸血する時に七華先輩を組み伏せた身体操術で
GM:了解しました。判定をどうぞ!
及川深風:2D6>=5 (判定:身体操術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[3,5] → 8 → 成功

及川深風:成功
及川深風:et
ShinobiGami : 感情表(5) → 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)

及川深風:憧憬で取ります
道明寺七華:et
ShinobiGami : 感情表(4) → 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)

道明寺七華:ここで忠誠やばない?
道明寺七華:まあ……忠誠で……
道明寺七華:なんとかしてあげたいという気持ち
GM:ではお互いに感情を修得したところで
GM:今日は終了といたしましょう
及川深風:はーい
GM:明日も21時から行けるかな?
及川深風:いけるはず!
道明寺七華:OKです!



【Cycle1/道明寺七華】

GM:21時になりそうなので、そろそろ再開していきましょう
GM:次のシーンは1サイクル目2シーン目。道明寺さんの手番かな?
道明寺七華:はい!
GM:おそらくドラマシーンになるでしょう。出てきてほしいPCNPCを指定して
GM:シーン表を振ったり、既にやりたいシーンのイメージができているならそれを共有するのだ
道明寺七華:う~ん 深風くんに出て貰おうかな
及川深風:出ますよ~
GM:そのためのセッションなのだ
GM:シーン表は振るかな?
道明寺七華:大丈夫!
道明寺七華:先に判定してもいいですか?
道明寺七華:夜の間にやっといた感じで
GM:いいよ!
道明寺七華:《調査術》で……う~ん……
GM:どんな技能で判定するかな
道明寺七華:悩むけど霧雨棺かな……秘密を調べます
及川深風:感情修正!
GM:イイデショウ
道明寺七華:ありがと~~
道明寺七華:2D6+1
ShinobiGami : (2D6+1) → 11[5,6]+1 → 12

道明寺七華:惜しい
及川深風:これが愛の力ってわけ
GM:及川さんが感情持ってるし共有だよね
道明寺七華:そうですね!
及川深風:ですね 公開になるかな

霧雨の【秘密】

深紅の支配の術を逃れてから、及川深風は吸血鬼としての真の力に目覚めつつある。
彼女が吸血鬼として完全に覚醒したなら、その力は深紅をも超えるかもしれない。
君は血社から、道明寺を殺害し彼女を血社に取り戻すよう命令を受けている。

そのために、君は死人草の情報を流し彼女が動くのを待っている。
このキャラクターは「死人草」の居所を所持している。
2サイクル目の終了時に、霧雨が死人草へ戦闘を仕掛け、クライマックス戦闘に突入する。

君の【本当の使命】は
道明寺を殺害し、及川を血社に呼び戻すことだ。


道明寺七華:な……なんだと…………
及川深風:ええっ
GM:という感じの事がわかりました
及川深風:支配の術は抑え込むためのものでもあったのだなあ
道明寺七華:なんてこった
GM:だいたいそんなイメージです
道明寺七華:わかりました……
道明寺七華:じゃあロールやってきます
GM:描写はお願いしちゃっていいのかな
道明寺七華:はーい



道明寺七華:翌朝、君が目を覚ますと、道明寺は既に隣のベッドにはいなかった。
及川深風:「ん、おはようございま……」
及川深風:空になったベッドを目にして、昨夜の出来事を思い出す。まだ、どこか酩酊するような感覚が残っている。
道明寺七華:リビングに入ると、道明寺は身支度を整えてソファに腰掛け、室内にはコーヒーの香りが漂っていた。
及川深風:「あ……」何はともなく視線を逸らす。「おはよう、ございます」
道明寺七華:「……やぁ、おはよう」君に気付いて視線を向ける。
道明寺七華:「飲むかい?コーヒー」
道明寺七華:いつもは朝から賑やかなのだが、幾分か落ち着いた様子で声を掛ける。
及川深風:「えっと……じゃあ、いただきます」
及川深風:戸棚から砂糖を取り出しながら、向かいの席に腰掛ける。
道明寺七華:「コーヒーいれるくん改良8号だ。更に香りが良くなった」
道明寺七華:機械から二人分のカップを受け取り、半分を君に手渡す。
及川深風:「ん……確かに、そうかも」マグカップを片手に、すんすんと香りを嗅いで。
道明寺七華:「……」無言でコーヒーを啜って、つけっぱなしのテレビに目をやる。
及川深風:「……」続く言葉もなく、コーヒーを一口流し込む。
道明寺七華:いつになく口数少ない。気まずい沈黙が落ちる。
及川深風:(……やっぱり、怒ってるのかな。昨日のこと)
及川深風:(でも、ここで謝ったらそうじゃないって言われそうだし……)
及川深風:コーヒーを飲みながら、ちらちらと窺うように横顔を見ている。
道明寺七華:視線を受けながら、しばらく気付かない振りでモニターを見つめていたが。
道明寺七華:「……」やがて瞑目し、嘆息する。
道明寺七華:「……ごめん」
道明寺七華:「大人げなかったね。済まない」
及川深風:「……あ、いえ。あれっ」
及川深風:「えっと。謝られるような覚え、ありませんけど……」
及川深風:おろおろとした様子で。
及川深風:「……私の方こそ、すみませんでした。その」
及川深風:「乱暴したり、泣き喚いたり……いろいろ、感情的に当たってしまって」
道明寺七華:「いや、いいんだよ。気にしなくて」かぶりを振って
道明寺七華:「僕は君と体質が違うから、完全には理解してあげられないかもしれないが……」
道明寺七華:「……何というか、出来る限り寄り添う努力はしたいと思っているし、僕に出来ることならしたいと思ってる」
及川深風:「……はい」
道明寺七華:「まあ、何より……そうだね、つまりは……」
道明寺七華:「……こんなことで君と気まずくなるのは嫌だな、と思ってる」
及川深風:「そう……ですよね。すみません」
及川深風:「私も、同じ気持ちです」
道明寺七華:「だから、謝らないでおくれよ」少し不器用に笑って
道明寺七華:「僕は本当に気にしてないから。いつも通りにしよう」
及川深風:「えっと……はい」
及川深風:「じゃあ、先輩」
道明寺七華:「うん?」
及川深風:飲み干したコーヒーカップをとん、と置いて。
及川深風:「朝ごはん、まだですよね。お作りします」
道明寺七華:「いいのかい?」
及川深風:「先輩は気にするなと仰いますが、実際、私は先輩にしてもらうばかりですから」
及川深風:「これくらいは、妥当な分担の内かと」
道明寺七華:「んん……」少し考えるようにして。制服の襟から、首元のガーゼが僅かに覗く。
道明寺七華:「……まあ、君の料理が食べられるなら、断る理由も無いが」
及川深風:「……」その傷が目に入って、やや気まずそうに目を伏せる。
道明寺七華:「それじゃあ、お願いしようかな」カップを口に運ぶ。
及川深風:「ええ……それじゃあ」そう言うと、部屋着の上にエプロンを着て台所の方へと向かう。
及川深風:しばらくして、お盆の上に簡単な和食を乗せて運んできた。
及川深風:「はい、どうぞ。……半分くらいは、作り置きや温め直した昨日の残りなので、あまり威張れたものではないのですが」
道明寺七華:「うん、ありがとう。頂くよ」
道明寺七華:手を合わせ、箸をつける。
及川深風:「はい。それでは、私も……」向かい合ったまま、一緒に手を合わせて。
道明寺七華:「……うん……おいしいよ」神妙な顔で
道明寺七華:「やっぱり、君がいると食卓が人間らしくなっていいね」
及川深風:「あ……ふふ、良かったです」
及川深風:今日はじめての笑みを見せる。
及川深風:「その、料理もまた化学の内と聞きますから」
及川深風:「七華先輩にご満足いただけるか、正直、ちょっと不安でした」
及川深風:だから、昨日の内からこっそり仕込みをしていたりもするのだが。恥ずかしいので言わずにおく。
道明寺七華:「そうだね。調理ロボ『お料理つくる君』も、2号までは作ったんだが……」
道明寺七華:「……正直、普段の僕は栄養さえ摂れればいいというタイプでね。あまり興味が無くて」
道明寺七華:「君の料理のほうがずっと美味しい」
道明寺七華:嬉しそうにおかずを口に運ぶ。
及川深風:「あら、なるほど……それは」
及川深風:「……恐縮です」ほのかに頬を染めて俯く。
道明寺七華:「うん。毎日作ってほしいくらいだよ」
道明寺七華:もぐもぐと美味しそうに食べている。
及川深風:食事を作って食べることは、数少なく許された楽しみの一つだった。それがこんな形で役に立つとは思わなかったけれど。
及川深風:「ええ、是非に」
及川深風:「じゃあ、明日からも毎日……」そう口にしかけて、ふと言葉が止まって。
及川深風:「……そういえば、今のによく似た有名な文句がありましたよね。プロポーズの」
道明寺七華:「ん?」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:徐々に頬が染まっていく。
道明寺七華:「やっ!いやっ!違うよ!」
道明寺七華:慌てて否定して、食器がガチャンと揺れる。
及川深風:「ふふ。そうですね」
道明寺七華:「そっ……そういうつもりじゃなくてだね……!」
道明寺七華:「言葉の綾というか……たまたまというか……とにかく違うからね!」
及川深風:「ええ、分かってますよ」
及川深風:「天才美少女の七華先輩が本気でそういう演出をするなら、もっと大掛かりで劇的なものになるでしょうしね」
道明寺七華:「えぇっ……」
道明寺七華:「……そ、そうだとも!当たり前じゃないか!」
及川深風:「うふふっ。じゃ、期待してますね」
道明寺七華:「もっとエキセントリックで大々的なパフォーマンスで……」
道明寺七華:「えっ……」
道明寺七華:呆気に取られてその顔を見る。
及川深風:からかうように言って、味噌汁を飲み干す。
及川深風:「ごちそうさまでしたっ」
及川深風:何事もなかったように手を合わせて、自分の食器を片付け始める。
道明寺七華:「…………」
道明寺七華:顔色を隠すように、俯きがちにもそもそと残りを食べる。味がしなかった。



GM:ではシーンを終了しますか
道明寺七華:はーい



【Cycle2】

GM:これで1サイクル目は終わり、2サイクル目に入っていくよ
GM:再び道明寺さんか及川さんがダイスを振って
GM:どっちが先にやるか決めようと思うけどいいかな
GM:私が先がいいぜ!とかあるなら従うよ
及川深風:んーー
道明寺七華:希望あるなら従います
及川深風:ちょっと考えたけど私は大丈夫かな
道明寺七華:じゃあダイスしますか
GM:ぐんぐんダイス
及川深風:おっけい
GM:1d2
ShinobiGami : (1D2) → 1

GM:じゃあ道明寺さんからなにかやりな!
道明寺七華:はい!
道明寺七華:う~~~~~~む…………
GM:何に悩んでいるんだろう
道明寺七華:とりあえず深風くんに出て貰って感情修正を貰い
及川深風:出ます
道明寺七華:深風くんの秘密を判定するのでその内容次第で考えようかな
及川深風:なるほどね
GM:イイデショウ
道明寺七華:そうですね……まあ《調査術》かな さっきせっかくなら《見敵術》使っとけばよかったな
及川深風:感情修正~
GM:火炙りにするなら火術、隠鬼の力を弱める結界を張ったりするなら結界術も使える
道明寺七華:火あぶりに出来るならしたいが……
道明寺七華:調査術でいきます
GM:判定どうぞ!
道明寺七華:2D6+1
ShinobiGami : (2D6+1) → 9[4,5]+1 → 10

道明寺七華:いぇい
及川深風:優秀~
GM:では及川さんの秘密は全体公開になるかな
道明寺七華:二人で全体

PC2の【秘密】

道明寺の開発した忍器によって深紅の支配から逃れた君だったが、君の体には別の問題が生じていた。
道明寺の血を啜りたくてたまらない、その血を自分のものと入れ替え、
彼女の行動を何もかも永遠に支配したいという欲求が、日に日に大きくなってきている。

深紅の支配によって抑え込まれていた、君本人が持つ吸血鬼としての衝動と血社としての本能が芽吹きはじめているのだ。

この衝動に抗うには、強い覚悟と意思を保つ必要がある。
君と道明寺がお互い同じ種類の+の感情を持っていない限り、
君の【本当の使命】は、『道明寺七華の血を啜り、彼女を支配すること』に変わる。

クライマックスフェイズで、君の攻撃で道明寺七華の【生命力】を1点以上失わせ勝者となった場合、君は戦果で
道明寺七華を自分の眷属に変える事が出来る。


及川深風:そういうことでした
GM:こんな感じです
道明寺七華:こ……このGM……
GM:な、なんだよう
GM:いちまさんは楽しそうだったぞ!
及川深風:あっ連帯責任化
道明寺七華:おにょれ~~~~
及川深風:でも実際おいしいなとはおもいました はい……
GM:ではこれを踏まえてどんなシーンにするかな?
道明寺七華:う~ん
道明寺七華:霧雨さんと街中で会うので、いい感じのところで深風くんに割って入ってもらおうかな
及川深風:なるなるほど 理解を得ました
GM:わかりました。霧雨さんもシーンに出るよ
道明寺七華:人通り多い駅前とかで……



道明寺七華:排気音と共に電車が停車し、大勢の人々が駅から吐き出されていく。
道明寺七華:慌ただしく行き交う人の群れ。そんな光景を横目に、駅前の小さなカフェのテラス席で、二人の忍びが顔を合わせていた。
道明寺七華:一人は道明寺七華。恋人に見せるのとはまるで違う、冷たい忍者の面持ちを以てこの席に臨んでいる。
霧雨棺:「うふふ。びっくりしちゃった。まさか道明寺さんの方から会いに来てくれるだなんて」
霧雨棺:にこにこと、今の君には白々しいと感じるような笑みを浮かべているよ。
道明寺七華:「……もしかすると、とは思ったが」
道明寺七華:「及川くんが話していたのは、やはり君のことだったか。霧雨棺」
霧雨棺:「深風ちゃんにはちょっと悪いことしちゃったかな?」
道明寺七華:「抜け抜けとよく言う……」こめかみを指先で叩く。
霧雨棺:「かわいかったな~。私は顔見知りだから無下にもできないし、かと言って血社のシノビを信用することもできないし」
霧雨棺:「どうするのがいいんだろうって悩んでるのが分かって。その迷いの御蔭で、貴女の居所を私に渡すことになっちゃって」
霧雨棺:「この事を知ったら気に病むよね、きっと」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:眼鏡の下から睨み付ける。机上に置かれたグラスには水滴が伝い、大勢の通行人の姿が反射している。
霧雨棺:笑顔のまま、テーブルの上のカップを口に運ぶが、中身は全く減っていない。
霧雨棺:真に覚醒した吸血鬼が口にするのは人間の血だけだからだ。
道明寺七華:「……あの子はな」
道明寺七華:「お前のことも、悪い人じゃないと言っていたんだ」
霧雨棺:「貴女はそうは思わない?」
道明寺七華:「お前はまさしく、忍者らしい忍者だ」
道明寺七華:「僕と同類のな」
道明寺七華:「あの子とは違う」
霧雨棺:「ええ、あの子は特別」
霧雨棺:「今まで、深紅の血を引きながら彼の支配から逃れられたのは彼女一人だけ」
霧雨棺:「貴女も、薄々気づいているんじゃないかしら。いくら斜歯の技術があるとは言え」
霧雨棺:「1000年を超える支配を続けてきた深紅の支配を、一人のシノビの力で完全に防ぐことが、本当にできるのかしら?」
霧雨棺:「貴女一人の力じゃない……あの子の中にもあったのよ。深紅に対抗する力が」
霧雨棺:「いや、それを上回る力が、彼女の中で目覚めようとしているの」
道明寺七華:「……お前達の目的はそれか」
道明寺七華:「どうするつもりだ、彼女を」
霧雨棺:「血社はより強い同胞を探しているわ。彼女が深紅を超える吸血鬼になるなら」
霧雨棺:「絶対に収穫しておかないと」
霧雨棺:「あるべき姿にしてあげるの。邪魔な人の心を取り除いて」
霧雨棺:「本当に自由な吸血鬼としての姿にね」
道明寺七華:「……自由?」
道明寺七華:「自由だと……」
霧雨棺:「愛する者の血を啜って、意のままに支配する」
霧雨棺:「自分の血を受け入れてもらうのは、とても気持ちいい物だもの。彼女に教えてあげなくちゃ」
霧雨棺:ケーキを一口だけ口に入れ、咀嚼してからカップの中に吐き出す。
道明寺七華:気付けば、辺りはしんと静まり返っている。
道明寺七華:駅前の雑踏を行きかう大勢の人々は皆ぴたりと動きを止め、感情の無い瞳でじっと霧雨棺を見つめていた。
道明寺七華:その全てが、道明寺の用意した絡繰人形。
道明寺七華:「……僕のことはいい」
道明寺七華:「彼女に手を出すな」
霧雨棺:「……吸血鬼にとって、人間の食べ物は」
霧雨棺:「泥や砂と変わらない。貴女は人の側に、何時まであの子を縛り続けておくつもりなのかしら」
霧雨棺:「うふふ。どちらが彼女のためになるのか、考えておくといいわ」
霧雨棺:微笑むと、カップの中の紅茶が突然激しく沸騰しはじめ
霧雨棺:次の瞬間には、大量の蒸気を上げながら爆発する。
道明寺七華:「ッ!」
霧雨棺:蒸気を目くらましにし、次の瞬間棺は姿を消しているよ。
道明寺七華:「……」
道明寺七華:握り締めた掌が震える。「どいつも、こいつも……」
及川深風:……道明寺が展開した機巧の群の中に、いつしか立ち尽くす少女の影がある。
及川深風:「やっぱり……そっちだったんですか。棺さんは」
道明寺七華:「……!」
及川深風:全て見聞きしていたかのように言う。否、実際に見ていた。
及川深風:露に濡れた観葉植物の葉の上に、朱色の一滴が浮いている。二人の掛けていた席を映している。
道明寺七華:「深風、くん……」
及川深風:「まったく、一人で危なっかしい事をして……」
及川深風:溜息をついて、君の傍へと歩み寄る。
道明寺七華:「……」ばつが悪そうに目を逸らす。絡繰の集団が元の通りに歩き出す。
及川深風:「私のためにしてくださったのは、嬉しいですけど」
及川深風:「『僕のことはいいから』、じゃあありませんよ」
及川深風:「あいつらとやり合ったら、危ない目に遭うのは私よりもむしろ、先輩の方なんですからね?」
道明寺七華:「……それは……だって……」
道明寺七華:上手い言い訳も出てこず、言い淀む。
及川深風:「私のことは生かして連れ帰る必要があるけど、先輩の生死はどうでもいいわけなんですから」
及川深風:「……なんです?」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:「……つらくないのかい?深風くん……」
道明寺七華:「あの時だって、本当は……」
及川深風:「……貴方の傍に居られなくなる事の方が、ずっと辛いですよ」
及川深風:「姉と一緒にいて、よく分かったんです」
及川深風:「孤独というのは、相手がなんでも言いなりになって、自分の予想を超えた反応が返って来ない事なんです」
道明寺七華:「……」
及川深風:「私は、私の知ってる七華先輩と一緒にいたい」
及川深風:「私には思いもつかないような振る舞いに、知識に、言葉に、表情に」
及川深風:「ときめいて、驚いて、嬉しくなって……たまに拗ねたり、喧嘩したりもして」
及川深風:「そうやって、貴方と一緒に歩いていきたい」
及川深風:「……ですから、これは我慢じゃありません。私の我儘です」
及川深風:「私は……及川深風は」
及川深風:「生まれついての性に従うよりも、貴方の恋人であることを選びたいんです」
及川深風:そう言い切って、晴れやかな笑みを浮かべる。
道明寺七華:「……」
道明寺七華:それを見上げる潤んだ瞳から、涙の粒が零れ落ちる。
道明寺七華:「……僕も」
道明寺七華:「……僕だって……」
道明寺七華:「君と、ずっと一緒にいたいよ……」
及川深風:「……うん。良かった」
及川深風:背に両手を回して、ぎゅうと抱き締める。
及川深風:「私達の気持ちは、同じ方を向いてる」
及川深風:「ですから、大丈夫です」
及川深風:ゆっくりと、一句ずつ。安心させるように囁きかける。
及川深風:「私は、あんな奴らの所に戻ったりなんて、しません。絶対」
道明寺七華:涙ははらはらと流れて、止まらない。
道明寺七華:しがみつくように抱き締め返す。
道明寺七華:「そんなこと、させない。絶対」
道明寺七華:「……好きだ」
道明寺七華:「好きなんだよ、深風くん」
道明寺七華:「君のことが、好き……」
及川深風:「……うん。私もですよ」
及川深風:「七華さんのことが、好きです。愛しています」
及川深風:ここで【心変わり】ルールを適用して、道明寺さんへの感情を「愛情」に変更したいです。
道明寺七華:同じく深風くんへの感情を「愛情」に変更したいです
GM:道明寺さんが同意するなら変更可能です。
道明寺七華:同意します!
GM:道明寺さんの感情も同じく、及川さんからの同意が必要です。
及川深風:私も同意します!
GM:ではお互いに感情を変更して
GM:これによって、及川さんの本当の使命も本来の使命に変更になります。シーンを終了します。



【Cycle2】

GM:では最後に、及川さんのドラマシーンをお願いします
及川深風:どうしようかな……何にしても道明寺さんには登場してもらいたく
道明寺七華:出ます
及川深風:それで……こっちも先に秘密抜いてから何するか考えたさがあり
及川深風:「第六感」で道明寺さんの秘密を抜きたいです。想い合うもの同士察するところがある的な……
道明寺七華:感情修正あげる!
GM:問題なくわかるでしょう。判定をどうぞ
及川深風:やった~
及川深風:2D6+1>=5 (判定:第六感)
ShinobiGami : (2D6+1>=5) → 6[2,4]+1 → 7 → 成功

GM:全部成功してて偉い。じゃあ公開するね

深紅の術を退け及川を開放した君だったが、君にはまた別の問題が生じ始めていた。
君の技術力を恐れた血社が、君の命を狙い刺客を放つようになったのだ。
今はまだ及川に悟られることなく撃退できているが、いつか限界が来るのは間違いない。
今回の忍務にも間違いなく血社からの邪魔が入るだろう。

君はNPC『霧雨棺』に命を狙われている。


及川深風:うわ~そうだったんだ
及川深風:そりゃ心配になるわな……
道明寺七華:心配でした
及川深風:じゃあ山に草を取りに行くシーンでやっていきたいと思います
GM:了解です!



及川深風:人気のない山道を歩き始めて30分ほどになる。そろそろ初夏と言っていい時期だが、虫や鳥の鳴き声も不思議なほどに聞こえない静かな道中だった。
及川深風:「……なるほど確かに、妙な霊気が漂っているのを感じますね」
及川深風:「流石は自殺の名所と言うべきでしょうか」
道明寺七華:「うへぇ~……」げんなりした顔をしている
道明寺七華:「都会っ子の僕にはきついよぉ……」
及川深風:「まあ、あまりデート気分で歩けるものではありませんが……先輩?」足を止めて振り返る。
及川深風:「知ってはいましたけど……本当にないんですね、体力」
及川深風:「おぶってあげましょうか?」
道明寺七華:「後輩におぶってもらうほど恥知らずになった覚えはない!」
道明寺七華:「この僕を誰だと……」
及川深風:とん、と長い黒髪をかき分けて薄手のシャツを着た背中を見せる。
及川深風:「あら、別に恥ずかしがらなくても」
道明寺七華:「……からかうのはよしたまえ!!」
道明寺七華:疲労と羞恥で顔を赤くして
及川深風:「あ、ちょっと元気出てきましたね」
及川深風:「実際、どうします? 少し休みますか」
及川深風:「いざという時にへばってしまっては事でしょうし」
道明寺七華:「そういう君は余裕そうだね……」
及川深風:「まあ、肉体派ですから」
及川深風:忍びであればこれくらいの基礎体力は誰しも持っていると思います、という言葉は流石に飲み込んだ。
道明寺七華:「いいもんね。僕は頭脳派だから」
道明寺七華:「そうだろう、荷物持ちくん19号!」
道明寺七華:二人の後ろから、頭部のないロバめいた四足歩行ロボットが荷物を積んで付いてきている。
及川深風:(荷物を持ってもらった上でそのへばり具合なんだな……)
道明寺七華:「死人草ももっと街中に生えてくれればよかったのに……」
道明寺七華:「それも、よりにもよってこんな怖……」
道明寺七華:「……田舎に生えるとは……全くけしからんな!」
及川深風:「まあ……珍しい草の採取という事なら、仕方がないとは思いますが」
及川深風:「……あら。怖いんですか?」
及川深風:「先輩はてっきり、そういうの平気な方なのかと」
道明寺七華:「は、はぁ~~~!?」
道明寺七華:「誰がそんなことを言ったんだね!?いつ誰が!」
及川深風:「怖いって言いかけましたよ、今」
道明寺七華:「深風くん!今は21世紀だよ!」
道明寺七華:「ネットワークが発達し、街中にカメラと電子決済システムが配備されたこの時代に……」
道明寺七華:「オカルトなど何の意味も価値もないね!ちっとも怖くなんてないぞ!」
及川深風:「そうですか?しかし、何の意味も価値もないとは言い過ぎかと」
及川深風:「現に、死霊も妖異もいるわけですから」
道明寺七華:「それは……妖魔はそうだろうが……」
道明寺七華:「それもいずれは科学で解明できる!」ふふん、と胸を張る
及川深風:「人間にも、そういったものと交信する術を遣う者はいますよ?」
及川深風:「とりわけ隠忍の忍びについては、そういったものに通じた手合は珍しくありませんし」
道明寺七華:「今回の死人草だって、いずれは僕の技術で再現してみせるとも」
道明寺七華:「なんだい、随分オカルトの肩を持つね深風くん」
及川深風:「そういう訳では。ただ、軽視するのは危険だと……」
及川深風:「それに……おそらく私達は今日これから、隠忍の忍びとやり合うわけです」
及川深風:「気をつけてくださいね? 奇妙な術を使われても、腰とか抜かさないように」
道明寺七華:「何をぅ!抜かすわけがないだろう!この道明寺七華が!」
及川深風:「そうですか? もし不安なら手、握っててあげますけど」
及川深風:そう言いながら、ぎゅっと道明寺の手を握る感触がある。
道明寺七華:「ふ……不安などあるわけがないじゃないか!一体どこに不安視する要素が……」
急に鳴く鳥:「ギャァッ!ギャァッ!」
道明寺七華:「きゃあああ!?」
及川深風:「わ、かわいい悲鳴」
道明寺七華:ぎゅっと手を握って君に抱き着く。
道明寺七華:「な……何!?何……!?」
及川深風:「ほら、よしよし。ただの野鳥ですよ」
及川深風:そう言いながら、君の頭を撫でながら背中を優しくさする。
道明寺七華:「と……鳥か……そうか……なんだ……」
及川深風:……そこで、違和感を感じるかもしれない。
及川深風:及川は君の頭と背中を撫でているが、君の手を握る感触は、今もまだそこにある。
道明寺七華:「全く……驚かせるんじゃ……」
道明寺七華:「…………?」
及川深風:よく注意すれば、その手にどこかべたつくような触り心地を覚えるかもしれない。……視線を下ろせば
及川深風:血液で造形した、二の腕から先だけを切り取った右手のようなものが、君の手を握りしめている。
及川深風:……たちの悪い悪戯だ。及川の術で作り上げ、操作している。
道明寺七華:「…………!!」
道明寺七華:今の道明寺には死霊の腕にしか見えない。目を見開いて総毛立つ。
道明寺七華:「ひゃああぁあああっ!?」
及川深風:「きゃっ、先輩」
及川深風:間近で上がった悲鳴に驚きつつ、道明寺の手を握っていた腕を回収する。
道明寺七華:悲鳴を上げ、握った手を放り投げて君に抱き着き、胸元に顔をうずめる。
道明寺七華:「やだやだやだやだやだ!!」
道明寺七華:「深風くん!手が!深風くん!!」
及川深風:「だ、大丈夫ですって……ほら、私の術ですから、今の」
道明寺七華:「どっかやって!深風くん!み……」
道明寺七華:「……え……?」
道明寺七華:涙目になった顔で見上げる。
及川深風:「ほら、前の戦いでもちょっと使ってたやつですよ。血で手脚みたいなものを作って操る……」
及川深風:「確かに脅かすつもりでやりましたけど、ここまでバッチリ反応をいただけると少し罪悪感を覚えちゃいますね」
道明寺七華:「…………」
及川深風:どろり、と掌の中で血の腕を溶かす。「ほら、どっかやりました」
道明寺七華:状況を理解するにつれ、顔を真っ赤にしてぷるぷると震えだす。
及川深風:「あ……先輩?」
道明寺七華:「ばか!!」
道明寺七華:ぽかぽかと叩きながら
道明寺七華:「深風くんの意地悪!」
道明寺七華:「ほんとに怖かったのに……!」
及川深風:「ああ……はいはい、ごめんなさい。確かに意地悪しちゃいました」なすがまま叩かれながら。
及川深風:「でも、やっぱり怖いんじゃないですか」
及川深風:「なんていうか、ほら……私の前では、無理しなくていいですからね?みたいな」
道明寺七華:「……そ……それは……」
道明寺七華:不服そうに唇を尖らせて「それとこれとは話が違うというか……」
道明寺七華:「……大体、君の前だからじゃないか」
道明寺七華:身を離して君を見る。
及川深風:「あ……」
道明寺七華:「……君の前だから、格好つけたいんだ」
及川深風:その言葉に、一瞬面食らったようになって。すぐに表情を綻ばせる。
及川深風:「ふふ。そういう事なら、これ以上の意地悪はよしておきましょう」
及川深風:今日は、ね。と心のなかで付け加えつつ。
及川深風:「頼りにしてますよ、先輩」
道明寺七華:「……うむ」まだ少し赤い顔で頷く。「そうだとも。僕は君の先輩だからな」
道明寺七華:「行くぞ、深風くん!」
道明寺七華:「荷物持ちくん19号も行くぞ!」
道明寺七華:ロボを引き連れて再び歩き出す。



GM:ではシーンを終了しましょう。
GM:続きは明日、25日の14時から
GM:クライマックス戦闘を始めるよ!よろしくね~
及川深風:よろしくお願いします!たのしみ~
道明寺七華:よろしくお願いします!絶対勝ちます



【Climax】

GM:君たちが歩みをすすめると、やがて周囲の空気は禍々しい雰囲気を放つようになるよ。
GM:紫色の空、黒く輝く太陽、周囲の自然は色を失い灰色の草原が姿を表す。そしてその草原の中心に一人のシノビが立っているよ。
霧雨棺:「いらっしゃい、道明寺さん、深風ちゃん。随分遅かったねえ。逃げ出したんじゃないかって心配になっちゃった」
及川深風:「……」返答はせず、警戒するように周囲を見渡す。
及川深風:異界めいた異常空間。ここが敵の仕掛けた領域の中であれば、何がしかけられていてもおかしくはない。
道明寺七華:「……君一人かい?随分な自信だね」
霧雨棺:「貴女の方こそ知らないのね。吸血鬼の本来の力を」
霧雨棺:「無理もないか。貴女が見たことがあるのは、人間になりたがってる深風ちゃんと、お人形さんになったそのお姉さんだけだものね」
道明寺七華:「人間だよ、深風くんは。お姉さんもね」
及川深風:「ええ。……貴方の望むようになど、なってやるものですか」
霧雨棺:「どれだけ強がっても、魚は陸に上がれないし、鳥が水の中で息をすることはできないわ」
霧雨棺:「苦しんで、最後は死ぬだけよ。深風ちゃん、それでいいの?」
霧雨棺:「貴女が望めば、彼女と永遠に生きることだってできるのに……」
及川深風:「……分かったような事を言うんですね」
及川深風:「本気で抗ったことなんて、ないくせに」
霧雨棺:「従ったほうがずっと気持ちいいんだもの。抗う必要なんて無いわ」
及川深風:「価値観の相違ですね。私は」
及川深風:「そういうのはもう二度と、御免なんです」
霧雨棺:「分かってもらえなくて残念だわ。仕方ないわね」
霧雨棺:と、本気で悲しそうに顔を伏せて
霧雨棺:「道明寺七華を殺すわ。貴女を人間にとどめているのが彼女なら、それを無くしてしまわなきゃ」
及川深風:「……そういうところだ」
及川深風:「そんな手段で人を言いなりにできると思っているから、私はアンタ達の事が嫌いなんだ」
及川深風:一切隠す様子のない敵意を向け、構える。
霧雨棺:「大丈夫、貴女もきっとわかるわ」
霧雨棺:「愛する人が居なくなったあとで、ああ、あの時自分のものにしておけば……ってたっぷり後悔すれば」
霧雨棺:「吸血鬼の素晴らしさが分かるはずよ。きっと」
霧雨棺:優しい笑みを浮かべながら、彼女は高速起動に入ります
道明寺七華:「ふん」
道明寺七華:不敵な笑みを浮かべる。道明寺の周囲に、花が咲き乱れるかの如く紅色のドローン群が展開する。
道明寺七華:「深風くん」
及川深風:「ええ」
道明寺七華:声を掛けて、背を抱き寄せ
道明寺七華:その頬にキスをする。
及川深風:「……えっ、あっ」
及川深風:張り詰めていた気配が緩んで、目を白黒とさせて。
及川深風:「なっ……なんですか、急に」
及川深風:じとりとした視線を向ける。
道明寺七華:黄金色の瞳をじっと見つめて、それから霧雨へと向き直る。
道明寺七華:「彼女は僕のものだ」
道明寺七華:「誰にも渡さない」
及川深風:「……もう」
及川深風:「ちょっとどうかと思いますけど」甘い血が芳る。紅い風を纏い、「これでやる気出ちゃうんだもんな、私……!」掻き消える。
道明寺七華:紅華から爆炎が燃え上がり、開戦の狼煙を上げた。

GM:では問題がなければプロットに移りましょう
GM:と、言いたいのですがその前に
道明寺七華:むむっ
GM:P172、妖魔忍法の逢魔時を使用します。これは本来ドラマシーンに使う忍法なんですけど
GM:わざわざこの忍法使うためだけにシーン作るのもな……と思ったのでこのタイミングで使用します。
GM:RTT2
ShinobiGami : 体術分野ランダム特技表(9) → 『体術』飛術

GM:体術分野からランダムに特技を選んで……今回は飛術ですね
GM:二人はこの飛術での判定に挑戦できます。失敗すると接近戦ダメージを1ダメージ受けますが
GM:誰も成功しなかった場合、棺さんの生命力が2点増えます。挑戦するかな?
道明寺七華:しないのもできるんだ
道明寺七華:僕はしようかな~
及川深風:なるほど
GM:しなくてもいいです。その場合そのまま生命力が増えます
及川深風:うーん やっておこうかな……
道明寺七華:感情修正!
及川深風:こっちもあげます!感情修正!
道明寺七華:2D6+1>=7 (判定:歩法)
ShinobiGami : (2D6+1>=7) → 3[1,2]+1 → 4 → 失敗

GM:挑戦してみるといいぜ
及川深風:2D6+1>=7 (判定:分身の術)
ShinobiGami : (2D6+1>=7) → 5[2,3]+1 → 6 → 失敗

道明寺七華:ぐあ~
及川深風:ううん 使うか 神通丸
GM:では二人に接近戦1ダメージを与えた上で、霧雨さんの生命力が2点増えます。生命力12点になるぞ
道明寺七華:う~ん アド損がやばいから私も使います
GM:振り直し!どうぞどうぞ
道明寺七華:2D6+1>=7 (判定:歩法)
ShinobiGami : (2D6+1>=7) → 6[3,3]+1 → 7 → 成功

及川深風:2D6+1>=7 (判定:分身の術) うおおお
ShinobiGami : (2D6+1>=7) → 10[5,5]+1 → 11 → 成功

道明寺七華:やった~~~~
及川深風:いえいえいえい
GM:くっ二人共成功!生命力4点分の忍法になるところだったのにな
GM:では改めてプロットに移りましょう
GM:二人はダイスを追加するのだ!
道明寺七華:ダイス目を変更しました。(秘匿)
道明寺七華:OK
及川深風:影分身……はまだ使わない!左のダイスを適用します
GM:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:これで
GM:了解です。GMも置きました
GM:では一斉に公開!
GM:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
道明寺七華:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
GM:ではプロット4の及川さんからどうぞ
GM:同値のときはNPCでダイス振るの面倒なので
GM:PC先でお願いします
及川深風:いくぞ~大権現
及川深風:あ、ちなみに先に確認するんですが
及川深風:感情修正ってこのラウンドは使えるのかな さっき使ったけど
GM:さっきのやつは本来ドラマシーンに使うはずの忍法だから
GM:このラウンドにも使えていいんじゃないかな
及川深風:OK!ありがたし
道明寺七華:そうなんだ やったね
及川深風:改めて大権現の判定行きます
及川深風:追加生命力を2から1に
道明寺七華:感情修正あげるね♡
及川深風:あ、ここは大丈夫!
及川深風:F値4だから
道明寺七華:そっか……(シュン)
及川深風:回避とかのときにおねがい
及川深風:2D6>=5 (判定:異形化) えいっ
ShinobiGami : (2D6>=5) → 9[3,6] → 9 → 成功

道明寺七華:えらい
及川深風:成功!最強になります
及川深風:で、うーん……
及川深風:異形化持たれてるんだよな
GM:同じ隠鬼のシノビじゃないか
GM:仲良くしようよ
及川深風:撃っちゃうか 奥義
道明寺七華:初手奥義とはね
及川深風:「千手死絡凍花絞」範囲攻撃/撃ち/人数制限 指定は分身の術
及川深風:対象は霧雨さんです
GM:撃ち範囲!殺意高いな~
GM:勿論どうすることもできません。3点ダメージを受けましょう
及川深風:3点減らしな 生命力を
及川深風:わあい
道明寺七華:強いぜ
GM:生命力7点になります
及川深風:手番終わりです
GM:ではプロット3!
GM:道明寺さんからお願いするぜ
道明寺七華:【吹火】!対象霧雨さんです
GM:ちなみに今回は肉薄修正のルールを使っているので
GM:同プロットからの攻撃に対する回避には-1修正がつくよ
道明寺七華:そうだった やったね
道明寺七華:2D6>=5 (判定:火術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 9[4,5] → 9 → 成功

GM:同じプロットなら当たりやすいというわけ
及川深風:適度に泥試合を抑制できて良いルールだな
道明寺七華:忍法修行も合わせて回避-2です
GM:水術は持ってるけど、忍法修行合わせて-2なんだよねえ
道明寺七華:水術あるんかい!
GM:2d6-2>=6
ShinobiGami : (2D6-2>=6) → 5[2,3]-2 → 3 → 失敗

道明寺七華:やった~~
GM:全然ダメでした。命中します
道明寺七華:射撃1+火達磨1です
及川深風:めちゃめちゃ順調
GM:強いよ~生命6になり火達磨を受けます
GM:ファンブル値が上がっちゃった
GM:まあこのRは同じプロットだからまだだけどね……ということで
霧雨棺:こちらの手番。まずは獣化を使用
霧雨棺:2D6>=5 (判定:異形化)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 9[3,6] → 9 → 成功

GM:これから全部の攻撃に接近戦ダメージ+1がつきます
霧雨棺:で、そうだなあ
GM:なんか攻撃技能が全然当たる気しないんだよな。まあ修羅を使います
GM:間合い2からいくらでも対象を選んで攻撃できる忍法だ。
GM:当然二人を巻き込む。判定は《怪力》
霧雨棺:2D6>=5 (判定:怪力)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[1,6] → 7 → 成功

及川深風:回避に修正あげよう 私もほしい
霧雨棺:失敗したら接近戦2ダメージです。回避をどうぞ
道明寺七華:あげちゃう~
道明寺七華:私も肉薄で-1か……
及川深風:3d6 第六感で目標6、補正1
ShinobiGami : (3D6) → 12[1,5,6] → 12

及川深風:5,6で12。回避します
GM:近くて遠い
GM:強スンギ
道明寺七華:2D6>=7 (判定:壊器術)プラマイ0
ShinobiGami : (2D6>=7) → 4[2,2] → 4 → 失敗

道明寺七華:にゃ~~~~
及川深風:せんぱいーっ
GM:では道明寺さんは接近戦2点うけてね
道明寺七華:RCT
ShinobiGami : ランダム分野表(2) → 体術

道明寺七華:RCT
ShinobiGami : ランダム分野表(3) → 忍術

道明寺七華:これ頑健から削らないこともできるんですか?
GM:いや、頑強からのはず
及川深風:頑強はSWだぜ
道明寺七華:とほほ 頑健から2点受けます
GM:ではこのラウンドは終了。演出をしてもらおうか

GM:3人が高速起動に入る。その中でも、最初に先手を取ったのは……
及川深風:「……流派を抜けたときから、ずっと」
及川深風:ぱき、ぱきと血が凝固して、及川の身体に異形の翼と爪を形作る。
及川深風:「貴方のような同族と戦う日が来ると、思っていました。ですから──」
及川深風:不意に、霧雨の鼻先を立ち眩むような芳香が突く。血の匂いに対して鋭敏な近くを持つ者に対しての、僅かの撹乱。
及川深風:次の瞬間にはその周囲に、十数の赤黒い人影が立ち並んでいる。その全てが、及川が生み出した血の分身体。
霧雨棺:「うっ……!?」鼻をつく匂いに一瞬顔をしかめ
及川深風:一斉にそれが霧雨へと殺到する。刃めいて固形化させた手脚を振るい、乱舞し斬りつける。
及川深風:手数こそ多いただの斬撃──ではない。受けた傷口から遡るようにして、霧雨の血が凍りついていく。
及川深風:原理は血液を物質構築する術の応用だ。自身の術によって、相手の血液操作を先んじて封じるための。
霧雨棺:「……まあっ!」体を刻まれながら、その声には喜びの色が混ざっている
霧雨棺:「自分の血を、これほど精密に動かせるなんて……本当に成長しているのね、深風ちゃん」
及川深風:「……貴方がたの術への対処を、先輩に任せきっていた訳ではありませんから」
霧雨棺:「私も負けていられない……な!」
霧雨棺:棺の体が、メキメキと音を立てながら姿を変えていく。血をまとっての変身ではなく
霧雨棺:羽が生え、牙が伸び、肌が生気を失った真っ白な色へ変わっていく。骨の髄から姿を変える、吸血鬼としての獣化。
霧雨棺:「さあ、二人は何処まで耐えられるかなっ!」異形の双腕が二人に向かって振るわれる。
霧雨棺:風圧だけで地面がえぐれ、衝撃が君たちを襲う、恐るべき怪力だ。
及川深風:翼が風を受けて、空を舞う。軽功によって風圧に身を任せきれば、その拳先が触れることはない。後は姿勢の制御を狂わせなければ良い。
及川深風:傍目にはただ、木の葉のように舞い上がり、その剛撃を避けたように見える。
道明寺七華:道明寺を守るように展開されたドローンが、次々に破壊、撃墜されていく。
道明寺七華:「ち……!」
道明寺七華:だが、それをただ手をこまねいて見ているだけではない。
道明寺七華:霧雨を取り囲むのは、無数のドローン。道明寺の戦術絡繰、『鳳戦華』。
道明寺七華:灰色の草原に花が咲くように、鮮やかな色彩が弾ける。
道明寺七華:火の粉が舞い散り、紅蓮の炎が霧雨を包み込む。凍り付いた体組織を焼き焦がし、細胞を破壊していく。
霧雨棺:「うふっ。貴女もやるわね、道明寺さん」
道明寺七華:「当然だろう。僕を誰だと?」
道明寺七華:(まずいな。長期戦は不利か)
道明寺七華:中空から霧雨を取り囲むドローンが、霧雨の動作を解析していく。
道明寺七華:(間に合うか……)

GM:では2ラウンド目、プロットに移りましょう
及川深風:影分身します
GM:再プロットするぞい
GM:ダイス目を変更しました。(秘匿)
道明寺七華:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:2D6>=5 (判定:分身の術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[2,6] → 8 → 成功

及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:これで
GM:では皆で来たみたいなので
GM:公開していきましょう
GM:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
道明寺七華:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「6」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
及川深風:うーん 2にいきます
GM:では我々からだね
GM:PC先ということで道明寺さんからどうぞ
道明寺七華:【吹火】しかないぜ!
道明寺七華:2D6>=5 (判定:火術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[1,4] → 5 → 成功

道明寺七華:あぶな~
GM:避けちゃお~
道明寺七華:回避-2です
GM:2D6-2>=6 (判定:水術)

ShinobiGami : (2D6-2>=6) → 7[3,4]-2 → 5 → 失敗

道明寺七華:あぶな~!
GM:ぐあああ忍法修行!
道明寺七華:最高~~
及川深風:やったあ
道明寺七華:射撃1と火達磨1です
GM:ラウンド終了時にウケるぜ
GM:ラウンドじゃない、プロットね
GM:で、普通に攻撃しよう。
霧雨棺:修羅を使って攻撃します。再び怪力で判定
霧雨棺:2D6>=5 (判定:怪力)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 4[2,2] → 4 → 失敗

及川深風:あらあら
道明寺七華:おっ
GM:うわわ、ファンブルだ
道明寺七華:ファンブル!
GM:接近戦ダメージを1受けて痛い
道明寺七華:やった~
GM:3のプロットが終わったので全部の奴を合わせて
GM:生命力4点の火達磨二つになります
GM:死んじゃうよ~
道明寺七華:燃えろ燃えろ~
GM:次は及川さんの手番だぜ
及川深風:うす
及川深風:逆凪ってことは……奥義破りができないってことだぜ!
GM:そういうこと!
及川深風:「千手死絡凍花絞」範囲攻撃/撃ち/人数制限 対象は霧雨さん!
GM:道明寺さん破ってよ~
道明寺七華:破りませ~ん
GM:ぎえええ!なすすべなく3点ダメージ、残り1点になります
GM:演出に移ろうか

霧雨棺:「熱いな~。早く片付けない、と!」超高速で動き、再び豪腕を振るい道明寺を叩き潰そうとするが
道明寺七華:「させるか……!」
道明寺七華:十指に装着したデバイスを指揮者のように操り、ドローンを操作する。
道明寺七華:まだ解析は完了していない。霧雨の手を読むのは、道明寺本人の頭脳によるもの。
道明寺七華:霧雨の動作の起点を潰すように、その懐に紅の花が飛び込んでくる。
道明寺七華:「喰らえ!」
霧雨棺:「な、しまっ……」
道明寺七華:爆発。炎と共に、至近距離で炸裂した閃光がその視界を一瞬奪う。
霧雨棺:「きゃああっ!」
道明寺七華:「──深風くん!」
及川深風:「ええ!」
及川深風:凍えるような冷気と共に、幾つもの血の写し身が霧雨に絡みつき、締め上げ、身を切り裂く。
及川深風:傷を受けた所から、吹雪の中で凍える様にも似て、じわりと感覚が消え失せていく。
霧雨棺:「う、うぐうっ……!」炎と冷気、二つの相反する攻撃を立て続けに受け再生が追いつかない
霧雨棺:「す、ごい……確かに甘かったな……。この強さは、ただの中忍2体の強さじゃない……!」
霧雨棺:「見誤っていた……二人の絆の強さを……!」

GM:という感じで3ラウンド目に移りましょう
GM:プロットするぞ~
GM:ダイス目を変更しました。(秘匿)
道明寺七華:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:影分身!
及川深風:2D6>=5 (判定:分身の術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[2,4] → 6 → 成功

及川深風:ダイス目を変更しました。(6 → 2)
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:ダイス目を変更しました。(2 → 2)
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:隠すのだぞ
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:失礼しました こうで
GM:では公開していきましょう!
GM:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
道明寺七華:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「5」です。
及川深風:うーん 5で
GM:では及川さんからやってもらいましょう
及川深風:はーい 奥義発射!
及川深風:対象は霧雨さん
GM:容赦がないよ~
GM:奥義破るか~……
及川深風:分身の術です
GM:2D6>=9 (判定:怪力)
ShinobiGami : (2D6>=9) → 6[1,5] → 6 → 失敗

GM:ギエーダメ!生命力が0に!
道明寺七華:死んだ!
GM:でもそのタイミングで奥義を打つよ。みんな大好き不死身
道明寺七華:ぎえーっ
及川深風:1出ろ~~
道明寺七華:僕の火達磨が~~~!
GM:定め/回数制限で改造してます。回復量は4点、変調全部回復です
及川深風:あっこいつ!手堅い!
GM:指定特技は異形化!
GM:もうちょっとだけ続くんじゃ。では道明寺さんの手番!
道明寺七華:また燃やすもんね 吹火!
GM:燃えるよ~
道明寺七華:2D6>=5 (判定:火術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[1,5] → 6 → 成功

道明寺七華:回避-1です
GM:前はファンブルばっかりしてたのに
GM:今回毎回成功するじゃん!くそ~
道明寺七華:これが愛の力
GM:2D6-1>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6-1>=6) → 12[6,6]-1 → 11 → スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

GM:回復しちゃった
道明寺七華:ふざけんな~~~~!
GM:生命力が5に戻り回避します
及川深風:ゲエーッ
及川深風:遁甲符つかいます
GM:ぐあああああ
GM:2D6>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 10[4,6] → 10 → 成功

道明寺七華:やった~~~~~
GM:でも成功
道明寺七華:出目よすぎ!
及川深風:こ、こいつ……
及川深風:スペ止めただけよしとするか
GM:お互い様だろ!
GM:こちらは修羅を撃ってもいいんだけど
GM:もう出し惜しみすることもないし奥義を撃とう。範囲攻撃!人数制限/くらましで改造してあります。指定特技は水術
道明寺七華:ぎゃ~~~
及川深風:ぎゃーっ
GM:対象は君たち二人!好きな生命力を2点失いな
及川深風:追加スロットと……謀術を失います
GM:では演出していこうか
道明寺七華:忍術と謀術かな~
GM:謀術失っても何も痛くないもんね
道明寺七華:何も使わない

及川深風:(……追い詰められた様子こそ見せているけれど)
及川深風:(あいつ、まだ奥の手を隠しているように見える)
及川深風:分身の攻勢に紛れるようにして、肉薄する。(──その札を切る前に、仕留めきる)
及川深風:冷えつく血を纏わせた手刀を構え、突き出す。狙うは霧雨の心臓。それが循環する血液の源であることは、吸血鬼とて例外でない。
霧雨棺:分身の攻撃を受け、崩れ落ちかける……が
霧雨棺:心臓を貫かれる直前、君の腕をつかみ取りその一撃を止めるよ
霧雨棺:「……ふふっ。深風ちゃんには、ばれてるか」
及川深風:「っ……!」
道明寺七華:「……深風くん!」
霧雨棺:焼けただれ凍りついていた皮膚が剥がれ落ち
霧雨棺:黒黒としたさらなる異形の姿に変わっていく。
及川深風:掴まれた腕を振り払い、飛び退く。「私は大丈夫、ですがっ……」
霧雨棺:「貴女の想像通り。吸血鬼はそう簡単にしなないよ」
霧雨棺:そして周囲に撒き散らされていた血液が、凍りついたまま変形し、無数の槍となって君たちの体を刺し貫く
道明寺七華:「あ、ッ……!」
道明寺七華:予想外の攻撃に、ドローンの隙間を塗って腹部を串刺しにされる。
及川深風:「ぐっ……!」
及川深風:脇腹と右肩を削り取られ、よろめく。「こんな、返し方が……」
道明寺七華:「ッ……あの状態から、操作できるのか……!?」
霧雨棺:「血を凍らせるのは良い対策ね。私以外に対しては、だけど」
霧雨棺:いつの間にか君たちの周りには雪が降りはじめている。赤い、彼女の血でできた雪だ。
霧雨棺:「紅蓮は地の底の色。冷気を操れるのは貴女だけじゃないのよ」
霧雨棺:「うふっ。貴方達の愛で溶かせるかしら?」

GM:という感じで3R目行きましょう
GM:プロットをお願いします!
及川深風:影分身!
及川深風:2D6>=5 (判定:分身の術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 10[4,6] → 10 → 成功

道明寺七華:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:これで
GM:では公開していくぞ~
GM:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
道明寺七華:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
及川深風:2にいこうかな
GM:イイデショウ
GM:道明寺さんからお願いしやす!
道明寺七華:吹火!
道明寺七華:2D6>=5 (判定:火術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[1,4] → 5 → 成功

道明寺七華:あぶな~
道明寺七華:回避-1です
GM:避けよけルンルン
GM:2D6-2>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6-2>=6) → 7[3,4]-2 → 5 → 失敗

GM:ぐああああ
道明寺七華:やったぜ
GM:忍法修行!
及川深風:いえいえい
道明寺七華:修行最高!
道明寺七華:射撃1と火達磨1です
GM:痛いよママ~しかたなく受けます
GM:う~んどうしようかな
霧雨棺:まあ範囲攻撃したほうがいいか……くらまし/人数限定
道明寺七華:奥義破り!
及川深風:感情修正!
霧雨棺:指定特技は水術!二人に任意2点生命喪失を与えるよ
道明寺七華:感情修正!
GM:感情つええ~
及川深風:私も行ける気あんましないけどチャレンジします
及川深風:2D6-1>=9 (判定:身体操術) ウオオオ
ShinobiGami : (2D6-1>=9) → 9[3,6]-1 → 8 → 失敗

道明寺七華:2D6+1>=8 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6+1>=8) → 3[1,2]+1 → 4 → 失敗

道明寺七華:ぎゃーーっ
及川深風:ニャン
GM:2点くらいな!あと道明寺さんはファンブルです
GM:これでプロット3は終了、次は2だね
及川深風:戦術と器術をけします
道明寺七華:えっと……体術と戦術
GM:あと一撃で道明寺さんが死ぬぜ~
及川深風:奥義発動。こいつずっと奥義撃ってるな
GM:実際正しい
道明寺七華:死にたくない~
及川深風:霧雨さんに攻撃します。分身の術で撃ち範囲攻撃!
GM:もはや破るほかなし!破れなかったら死ぬ!
及川深風:破れずに死ね!
GM:回想シーンでも使っておくか。奥義破りに+3しておきます
及川深風:うええーっ
GM:2D6+3>=9 (判定:怪力)
ShinobiGami : (2D6+3>=9) → 5[1,4]+3 → 8 → 失敗

道明寺七華:なっなにィ!?
道明寺七華:やったぜ
及川深風:あっやった!
GM:でもダメでした
GM:実は兵糧丸があるので1点だけ回復して生命1でこらえよう
道明寺七華:くそ~
及川深風:こ、こいつ
GM:ついでに道明寺さんがファンブルから治る前に扇を使っておきます。不死身/回数制限/定め
及川深風:破るぜ
道明寺七華:こいつ~~!
及川深風:2D6>=5 (判定:異形化)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[3,3] → 6 → 成功

GM:指定特技は異形化。破れなかったら生命力が3点回復して火達磨も治る
GM:ぐあああああ
及川深風:よっしゃい!
道明寺七華:深風くん……♡
GM:じゃあ何も治らない!満身創痍だよ~
GM:演出に移りましょう

霧雨棺:「身も心も凍りつく血鬼の世界。貴方達は何処まで生き残れるかしら!」
霧雨棺:無数の赤い氷の刃が君たちに襲いかかる。同時に降り注ぐ赤い雪が、奥義を破ろうとする君たちの体から急速に熱を奪っていくよ。
及川深風:両の手を前へ。鮮血を固めた防壁を築こうとするが、降り注ぐ雪の前に朽ちる。「こ、のっ……!」
及川深風:血を流し、膝をつく。……構築と崩壊。その両極の術の仕掛け合いにおいて、相手の方が上を行っている。
道明寺七華:「あ、あ……あぁああぁあ……!」
道明寺七華:避けようともせず、身体を切り裂かれながら『鳳戦華』を操作する。
道明寺七華:紅蓮の花が火の粉を撒き散らし、高速回転しながら霧雨へと殺到する。
道明寺七華:壮絶な削り合い。だが、妖魔と人とでは明らかに、圧倒的に分が悪い。見る間に切り刻まれ、満身創痍となっていく。
霧雨棺:「いい覚悟ね。でも、私の体はすぐに再生する」
霧雨棺:「太陽でももって来ない限り、私を燃やし尽くすことはできない!」
道明寺七華:「負ける、か……僕は……」
道明寺七華:眼鏡のレンズが砕け、血飛沫が舞う。
道明寺七華:「……生きるんだよ!深風くんと二人で……一緒に……!」
道明寺七華:吹き荒ぶ赤い吹雪の中で叫ぶ。
霧雨棺:その言葉通り、燃えた側から皮膚が再構成され、君の炎は徐々に消えていく。
霧雨棺:「いいえ、貴女はここで死ぬ。そして深風ちゃんは鬼として自由に生きるのよ」
霧雨棺:まさしく不死身。鬼と呼ぶに相応しい強さだ。だが……
及川深風:「──誰がっ!」その拮抗の最中。『鳳戦華』の陰から、ひとり飛び出す。
及川深風:獣めいて腕を使い、駆けて霧雨へと迫る。術を行使するその腕に身体に、牙を突き立て食らいつく。
霧雨棺:「……!?深風ちゃん、何を……!?」
及川深風:吹雪に引き裂かれるような痛みを覚えながら、彼女の血を啜り、奪い──そして同時に、己の血を与えている。
及川深風:「朱染操式」。獲物に自らの血を溶け込ませる事で、傀儡へと変えて操る術式。
及川深風:霧雨の腕が、己のものではないかのように跳ね、捩れる──吹雪が、かき消える。
霧雨棺:「う、ああああっ!?」直様君を振りほどき、距離を取る
及川深風:「が、っ」
及川深風:突き飛ばされ、よろめき転ぶ。口元を紅い血に汚しながら、霧雨を見上げる。
霧雨棺:君の支配に対抗し、滅茶苦茶に体を暴れさせ「こ、の感触……!うう、か、体の自由が……再生が……!」
GM:ボロボロと肉体が崩れ、同時に消えかけていた道明寺の炎が再び全身へと回り始める
道明寺七華:「……深風くん……!」駆け寄って支える。
道明寺七華:「今の技は……」
及川深風:「……大丈夫、です」
及川深風:父から受け継いだ、忌まわしい術。血統。体質。
及川深風:それを使うことに、恐ろしさはある。だけど、どこまで否定したってそれは自分の一部だから。
及川深風:その全部を抱えたまま、自分の好きなように生きると決めた。
及川深風:そんな君で構わないと、受け入れてくれる人に出会えた。だから。
及川深風:「私は、大丈夫」
及川深風:異形の牙を生やしたまま、安心させようと、柔らかに微笑む。
霧雨棺:「ああ、すごい……完全な吸血鬼すら操る力」
霧雨棺:「やっぱり貴女には……私達の仲間で居てもらわないと」
霧雨棺:支配に抗い全身を痙攣させながら、君たちに微笑みかけ、高速起動に入る。
及川深風:「だから……前を見て。まだ、終わっていません」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:場違いな嬉しさが込み上げてきて、思わず笑みが零れてしまう。
道明寺七華:相対する敵へと向き直りながら、傍らの恋人に声を発する。
道明寺七華:「……僕は君を、誇りに思うよ。深風くん」
道明寺七華:「今までで一番、綺麗だ」

GM:4R目、プロットに移りましょう
GM:ダイス目を変更しました。(秘匿)
道明寺七華:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:かげぶんしん!
及川深風:2D6>=5 (判定:分身の術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[1,4] → 5 → 成功

GM:ずっと成功してる!
道明寺七華:ずっと成功してる
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
及川深風:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:卑怯だよ~え~んえ~ん
及川深風:卑怯じゃないもん~
GM:では公開していきましょう
及川深風:OK
GM:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
及川深風:ダイスを公開しました。出目は「5」です。
道明寺七華:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
及川深風:2で
GM:道明寺さんからお願いします!
道明寺七華:無論吹火!
GM:死……
道明寺七華:2D6>=5 (判定:火術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 3[1,2] → 3 → 失敗

GM:やったファンブルだ!
及川深風:せ、せんぱいっ
道明寺七華:神通丸!
GM:ぎええええ
道明寺七華:2D6>=5 (判定:火術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[1,6] → 7 → 成功

道明寺七華:はぁはぁ
GM:みずみず回避
道明寺七華:-2!
GM:2D6-2>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6-2>=6) → 6[2,4]-2 → 4 → 失敗

GM:ぐあああ
道明寺七華:射撃1と火達磨!
及川深風:やった!
GM:焼かれる~これで生命0になるが
GM:同時攻撃なのでヤケになって範囲攻撃打ちます
及川深風:あっこいつ!
道明寺七華:奥義破り!
GM:私の刃で死ね!指定特技は水術、くらまし人数限定!
及川深風:修正あげます!
GM:破りには-2修正だぞい
及川深風:私も破り!
道明寺七華:修正あげる!
及川深風:わあい
及川深風:2D6-1>=9 (判定:身体操術)
ShinobiGami : (2D6-1>=9) → 12[6,6]-1 → 11 → スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)

道明寺七華:2D6+1-2>=6 (判定:火術)
ShinobiGami : (2D6+1-2>=6) → 8[4,4]+1-2 → 7 → 成功

GM:つええ
及川深風:最強~~
及川深風:器術回復しとこ
GM:完膚無きまでに破られます。
GM:演出……いきますか!
道明寺七華:せっかくだから奥義使います
GM:ここで奥義とは!
及川深風:ここで奥義だと
道明寺七華:意味ないけど……
道明寺七華:奥義:いやすくん54号 不死身/定め/回数制限 壊器術
道明寺七華:4点回復で全快します
及川深風:すごい
及川深風:ずっと抱えてるから不死身かなという気はしていたが……
GM:ひどいよ~
GM:では演出移りますか

霧雨棺:「貴女さえ居なくなれば……」
霧雨棺:「深風ちゃんは、私達の、血社のものだ!」
霧雨棺:炎に焼かれ肉体が崩壊しながらも、最後の力を振り絞り奥義を放つ。
霧雨棺:道明寺を取り囲むように、血溜まりから無数の氷の槍が生成され、その体を貫かんとする
及川深風:「させ、るか……っ!」
及川深風:道明寺の前に現れ、立つ。血に濡れた右腕を突き出し、何もない空を掴む。
及川深風:霧雨が生み出した氷の槍、その全てに、何かに掴まれたような痕が刻まれる。
及川深風:「貴方の術は、もう既に──」
及川深風:不可視の圧力がぎりぎりとその氷塊を握り、潰した。
及川深風:「私の掌中にある」
霧雨棺:「あ、ああっ……!」
及川深風:「これ以上、この人を傷つけさせは、しません」
霧雨棺:それでもなお、道明寺へ向かおうとするが、体を包む炎がそれを許さない。
霧雨棺:炎に焼かれ、力尽きるように倒れる
霧雨棺:「今は、良くても……人と……一緒に居ても……」
霧雨棺:「貴女は絶対に、幸せになれない、わよ……深風ちゃん……」
霧雨棺:「人が美しいと感じるものを、私達は醜いと感じる……」
及川深風:「……」
霧雨棺:「美食と言われるものも、血が伴っていなければ、ゴミにしか感じない」
霧雨棺:「愛する者が、衰え、老いて、死んだとしても」
霧雨棺:「私達は生き続ける……同じ時を生きることも、できない」
霧雨棺:「幸せなのは今だけ……貴女は不幸になる……必ず……絶望を抱えて、未来を生きていくしかない」
及川深風:「……その言葉は、呪いのつもり?」
霧雨棺:「ふふ……まさか」
霧雨棺:「私は、深風ちゃんの味方」
霧雨棺:「貴女のためを思って……」
霧雨棺:「うふ。ふふふ」
及川深風:「……。私にしてみれば、可哀想なのは貴方の方です」
及川深風:「いつか未来でこうなるかもしれない、なんて」
及川深風:「そんな不安に心を押し潰されて、普通の幸せを初めから否定して、自分の生き方を狭めてる」
及川深風:「長い長い時間を生きてきたせいかな。貴方が、ずっと未来の可能性さえ、差し迫ったもののように考えてしまうのは」
及川深風:「……忠告だと言うなら、ええ、気をつけますね」
及川深風:「もし、これから私が長い月日を生きることになったとしても、貴方みたいにはならないように」
霧雨棺:「ふふふふふふふふふ……」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:静かに霧雨へと歩み寄る。
道明寺七華:満身創痍の道明寺の身体で、何かが動いている。
道明寺七華:それは衣服の下に仕込まれた絡繰だ。傷口を縫合し、薬剤を投与し、見る間に負傷を癒していく。
道明寺七華:あらゆる忍法を解析し我が物とするのが斜歯忍軍であり、指矩班であり、道明寺七華だ。妖魔の再生力もその例外ではない。
道明寺七華:「……こういうものを、ずっと造ってきたんだ」
道明寺七華:それは医療用の絡繰。人の命を救う、人の為の物。
道明寺七華:「自分の才能を、誰かの為……世界の為に役立てる」
道明寺七華:「それが自分にとって、何より大事なことであり、責任であり……存在価値だと思ってきた」
道明寺七華:「けど、今は……。生まれて初めて、もっと大切なものを見つけた気がする」
霧雨棺:「……」虚ろな目でその絡繰を見ている
道明寺七華:「霧雨棺。“深紅”の呪縛から逃れる術があると予想していた者が、血社に何人いた?」
道明寺七華:「天才とは、常に時代と常識を塗り替えていくものだ」
道明寺七華:「僕は少なくとも1000年は生きるつもりだ。可愛い恋人と一緒にね」
道明寺七華:不敵に笑んで、霧雨を見下ろす。
道明寺七華:「“深紅”に伝えろ」
道明寺七華:「何度来ても同じことだ。その度にお前達の術は解析され、斜歯のものとなり、自分の首を絞めることになる」
道明寺七華:「それから……ああ、これはもう言ったな」
道明寺七華:「彼女は誰にも渡さない」
道明寺七華:「絶対にな」
霧雨棺:「うふ、うふふふ……」
霧雨棺:「私を、殺さないのね……」
霧雨棺:「貴方達人は、あまりにも甘いわ……」
道明寺七華:「君の方こそ、世間を知らなすぎるんじゃないかい?」
道明寺七華:「少なくとも僕は、君の知らないものをひとつ知っている」
霧雨棺:「……」
道明寺七華:「君もしてみるといい」
道明寺七華:笑みを残し、踵を返す。
道明寺七華:「存外いいものだぞ」
GM:灰色の草原の向こう、小高くなった丘の上に周りとは違う、色のついた輝く植物がある。おそらくあれが死人草だろう。
GM:戦闘に勝った君たちは戦果として死人草を手に入れることができます。



GM:という感じで、シーンを終了しましょう。
道明寺七華:やった~~(完全に忘れてた)
及川深風:いえいえいえい



【Ending】

GM:無事障害を打ち倒し、死人草を手に入れた君たちは
GM:約束通り忍務から離れ、束の間の休息を手に入れていた。
道明寺七華:日本から飛行機で数時間。空港を降り、手配していた車から降りた先。
道明寺七華:そこには抜けるような空と白い砂浜、翡翠色の海がどこまでも広がり、水平線で南国の陽射しがきらきらと煌めいていた。
道明寺七華:美しく整備された海水浴場。だが絶好のスポットともいえるそこには、二人の他には人の姿は誰一人としてなかった。
道明寺七華:「じゃじゃーん!」
道明寺七華:眼鏡を外してコンタクト、いつもの白衣ではない私服姿。両手をいっぱいに広げて君の反応を見る。
及川深風:「わ、綺麗……!」一瞬、その景色にほうと見惚れて。すぐにその異常事態に気付く。
道明寺七華:「どうだい深風くん!」
及川深風:「えっと……素敵です。こんな綺麗な浜辺、初めてみたかも」オフショルダーの白いワンピースにサンダルという装い。くるり、レースの裾を揺らして君の方へと振り返る。
及川深風:「けど、どうして他の人がいないんでしょう……?」
及川深風:「観光地ですよね?」
道明寺七華:「ふふーん」得意げに胸を張る
道明寺七華:「どうしてだと思う?」
及川深風:「どうして……」
及川深風:そう訊ねる少女の、得意げな顔を見て。
及川深風:「え……まさかと思いますけど、先輩が人払いしました?」
道明寺七華:「人払いというと人聞きが悪いが……まあその通りだよ」
道明寺七華:「そう、貸し切りにしたのさ!」
及川深風:「ええっ、当たってるんですか!?」二重にびっくりしている。
及川深風:「できるものなんですね、そんなことが……」
道明寺七華:「ふふん。忘れがちかもしれないが、これでも天才美少女Youtuber忍者で資産家だからね」
道明寺七華:「この程度は安……」あまり安くはなかったが「……安いものさ!」
及川深風:「改めて羅列されると属性の盛り方がすごいな……」
及川深風:「あの……お気持ちはうれしいですけど、ほんとに無理はしなくていいですからね……?」
道明寺七華:「べ、別に無理などしていないとも!」
及川深風:「私、先輩と一緒にデートできるってだけで十分すぎるくらい幸せですし……別に、人混みとかだって平気ですよ?」
及川深風:「こうやって手を繋げばはぐれませんし」するっと手を伸ばして指を絡めてくる。
道明寺七華:「う」
道明寺七華:まだ慣れない様子で、指の感触と体温に頬を赤らめる。
道明寺七華:「……別に、ただ少し君を驚かせたかっただけで……それに……」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:ちらりと君の顔を見る。
及川深風:「……それに?」じいと君を見つめている。
道明寺七華:「……み……」
道明寺七華:「……見せたくなかったし……」ぼそぼそと小声
及川深風:「……ん。どういうことです?」
道明寺七華:「だ、だからぁ……」
道明寺七華:「……海で遊ぶなら、その……」
道明寺七華:「……なるじゃないか、水着に……」
及川深風:「まあ、なりますけど……まさか、人前で水着を着るのが恥ずかしかったんですか?」
道明寺七華:「……そ……そうじゃなくて……」
道明寺七華:俯きがちにごにょごにょ口にする。
及川深風:「YouTube通して素顔を晒すのは平気なのに……あれ、違うんですか」
道明寺七華:「……ほ、他の……」
道明寺七華:「……他のやつに水着の君を見せたくなかったんだよ!」
道明寺七華:自棄気味に言う。
及川深風:「……」一瞬、目を大きくして。
及川深風:「な…………なるほど」
及川深風:「…………」
及川深風:僅かに頬を染めて俯く。
及川深風:「そうですね……私、先輩のものですもんね」
及川深風:「…………いやだからってここまでやります?」
及川深風:しばらく照れていたが、ちょっと時間が経って理性が戻ってきた。
道明寺七華:「……う……」
道明寺七華:その言葉に顔を真っ赤にして。
道明寺七華:「……い、いや……だって……」
道明寺七華:「君は可愛いし……綺麗だし……いい匂いもするし……」
道明寺七華:「どんな目で見られるか分からないし……」
及川深風:「……ああ、もう。しょうがないひと」笑って、繋いでいた手をするりと解く。自分が着ていたワンピースの裾に、指をかける。
及川深風:そのまま服を脱いで、下に着ていたものを晒す。レース柄の飾り気が付いた、白いビキニ姿。
及川深風:「ほら、先輩の独り占めしたかったやつです」
及川深風:君の前に躍り出て、両腕を開く。くるりと一回転。
道明寺七華:「……あ……」
道明寺七華:耳まで赤くして黙り込む。直視できないようでいて、目を離すこともできない。つまりは見惚れていた。
及川深風:「あ……言っときますけど、こんなはしたないこと、普通はしませんからね」
及川深風:「ただ、せっかく貸し切りでしたから……」
及川深風:「……あの、ほら。ないんですか」
及川深風:「感想……とか」
道明寺七華:「…………」
道明寺七華:しばらく言葉が出ずに黙りこくって、ただじっとその姿を見つめている。
道明寺七華:「……あ……ええと……」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:「……そ、それ……」
道明寺七華:「……ずっと下に着てきたのかい?」
及川深風:「な……っ」
及川深風:「そうですけど……!?」
及川深風:「だ……だって、貸し切りなんて知りませんでしたから」
及川深風:「混んでたら、上手い具合に脱衣所やロッカーが空いてないかもしれませんし……」
及川深風:「べ……別に普通でしょ!? 学校の水泳の授業の時だって、みんなやってましたよ!」
道明寺七華:「あ、ああ……そ、そうだね……うん……」こくこく頷いて
道明寺七華:「……。……帰りはどうするの……?」
及川深風:「どうするって……別に、ちゃんと下着の替えは持ってきてますし……」
及川深風:「普通に着替えるか……それかまあ、無理ならタオル巻いて帰ろうかなって……」
及川深風:「……な、なにが言いたいんですか。はっきり言ってください」
道明寺七華:「ああ……そう……」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:「……いや、すまない。そうじゃなくて」かぶりを振って、
道明寺七華:改めて君をじっと見つめる。
道明寺七華:「……綺麗だよ」
道明寺七華:「すごく」
道明寺七華:「……やっぱり、貸し切りにしてよかった」
道明寺七華:そうして微笑を浮かべる。
及川深風:「……もう。そっちを先に言ってくださいよ」
及川深風:満更でもなさそうに頬を赤らめながら、少し恥ずかしそうに俯く。
道明寺七華:「いや、その……」
道明寺七華:「……か、可愛いよ!本当に……」
道明寺七華:「つい見惚れてしまって……」
及川深風:「ええ、知ってました。顔に出ていたので、すっごく」
道明寺七華:「なっ……」
及川深風:「ふふ。それはそれとして、言葉にしてほしいものなんですよ」
道明寺七華:「何回でも言ってあげよう……と言いたいところだけど」
道明寺七華:「……難しいな……どうも、君を前にすると……」
道明寺七華:「……努力するよ」
及川深風:「ふふ、大丈夫ですよ」
及川深風:「先輩のそうやってすぐ照れちゃう所も、好きですから。私」
道明寺七華:「か……からかってるだろう」拗ねたような顔
及川深風:「あら、本気で言ってるのに」
及川深風:「それよりも、ほら。次は先輩の番ですよ」
道明寺七華:「……いや、そのことなんだが……」
道明寺七華:不安げに周囲を見回す。波の音がするばかりで、見渡す限り誰もいない。
道明寺七華:「……」
及川深風:「……何か問題が?」
道明寺七華:「……その……」
道明寺七華:「……着てきてない……」
道明寺七華:「下に……」
及川深風:「あっ、分かってますよ?ですから、どこかで着替えてもらって……」
及川深風:「用意してるんでしょう?水着」
道明寺七華:「いや……水着はあるけど……」
道明寺七華:「ここはそういう、大衆観光客向けのビーチじゃなくて……つまり……」
及川深風:「……?」
道明寺七華:「……更衣室みたいなものは……無くて……」
及川深風:「あっ……えっ」
及川深風:「そ、そういうものなんですか……!?」
道明寺七華:「多分、歩けば……でもだいぶ……」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:バッグから大きめのタオルを取り出す。
道明寺七華:「……深風くん」
及川深風:「……はい」
道明寺七華:赤い顔で「……見ないでよ」
及川深風:「……じゃあ。あっち向いてますから、終わったら声かけてください」
道明寺七華:「うん……分かった」
及川深風:からかう余裕もなく、そのまま背を向けて海辺の方へ目をやる。
道明寺七華:君の背後で、ごそごそと動く気配がする。
道明寺七華:忍びとしての感覚は、波の音に混ざって、ひとつひとつボタンを外していく小さな音までをも拾っていく。
及川深風:「…………」
道明寺七華:ぱさり、と上衣を落とす音。どこかの金具を外す音。
道明寺七華:「……」
道明寺七華:緊張したような吐息が聞こえた後、スカートのファスナーを下ろす音。
及川深風:……恋人とはいえ、互いに肌を重ねることまでした訳ではない。いや、ああいう乱暴は働いてしまったが。あの時はまったく正気を失っていて、それどころじゃなかったし。
及川深風:つまり、彼女のそういった姿に慣れているわけでは、別にない。……どうにも、落ち着かない。
道明寺七華:タオルで隠しながら着替えているためか、ぎこちなく動く様子が気配で分かる。
道明寺七華:「……見てないよね?」
及川深風:「見ていません。……先輩だって忍びなんですから、見られてたら気付くでしょ」
及川深風:「もう大丈夫ですか?」
道明寺七華:「あ、まだ!……待ってね」
及川深風:「ん」
道明寺七華:衣擦れの音が聞こえて、自分で確かめるように動く様子が分かる。
道明寺七華:脱いだ服と下着もバッグにしまってから、ようやく声を掛ける。
道明寺七華:「……うん。いいよ」
及川深風:「……いいんですね?見ますよ?」
及川深風:そう念を押してから、ゆっくりと振り返る。
道明寺七華:君が振り返ると、既に道明寺は水着姿になっていた。
道明寺七華:普段は白衣で隠している肢体は女性らしい柔らかなラインを描きながらも、まだ少女の面影が残るもので、それを黒のフリル付きのビキニで包んでいる。
道明寺七華:羞恥か緊張か、あるいはその両方で白い肌を桜色に染めながら、君の反応をおそるおそる伺っている。
道明寺七華:「……」
道明寺七華:俯き、上目がちに君を見る。
及川深風:「あ……」
及川深風:数秒、その姿にじっと見入って。
及川深風:「……綺麗ですね、先輩」
及川深風:「よく似合ってますよ」
道明寺七華:「そ……そうかい?」
道明寺七華:その言葉に安堵したような表情を見せる。
及川深風:「ええ、とても。……なるほど、確かに」
及川深風:「これは、他の人には見せたくないかもしれません」
道明寺七華:「ふ、ふふん!そうだぞ深風くん!名誉に思うといい」
道明寺七華:「この天才美少女道明寺七華の水着姿を独占できる者など、世界広しといえど君ぐらいのものなのだからな!」
道明寺七華:照れ隠しのように胸を張る。
及川深風:「ふふ、そうですね。友達に自慢しちゃおうかな」こちらも、照れを隠す軽口のようにそう言って。
及川深風:「じゃあ、行きましょうか。先輩?」再び手を絡ませるようにつないで、目線で海岸線を示す。
道明寺七華:「うむ……」ほんの一瞬恥じらいを見せ、その手を握って。「泳ぐのかい?」
及川深風:「ん、どうしようかな。先輩は泳げますか?」
道明寺七華:「何をぅ……この僕を見くびってもらっては困るぞ、深風くん」
道明寺七華:「見たまえ!」
道明寺七華:浮き輪とモーター、スクリューが合体したような奇怪な代物を取り出す。
及川深風:「ええ、見ていますよ。綺麗な水着姿ですね」
道明寺七華:「そっ……そうではなく!」
道明寺七華:「海難救助くん27号だ!」
及川深風:「ふふ、冗談ですよ。……結構ナンバリングあるんですね」
道明寺七華:「本来は溺れた人を助けるための発明だが……海水浴にもうってつけ!」
道明寺七華:「これがあれば何度溺れても大丈夫だぞ、深風くん!」
及川深風:「そっか……出番がないといいですね」
道明寺七華:「うむ……ああ、そういえば」
道明寺七華:「君は日光浴が好きだと言っていたが……」
道明寺七華:照り付ける陽射しを見上げ「……流石に大丈夫なのかい?かなり日焼けしてしまいそうだが」
及川深風:「ええ、言いましたね」
及川深風:「ああ……別に、体調等は問題ありませんが」
及川深風:「塗った方がいいですかね、日焼け止めとか」
道明寺七華:「やはり塗っていないのか……それはよくないぞ」
道明寺七華:「過度な日焼けは健康上のリスクになるし、何より後で痛いだろう」
道明寺七華:「それにせっかく綺麗な肌なのだから、大事にすべきだ」
道明寺七華:バッグから日焼け止めを取り出して差し出す。「使うといい」
及川深風:「まあ、これまで困ったこともなかったので……あ、ありがとうございます」
及川深風:掌にジェルを取り出して、ぺたぺたと腕や頬に塗っていく。
及川深風:同じように……首周りから鎖骨、腹部、太腿、足先へと塗り込んで。
及川深風:「こんなもの……ですかね。すみません、わざわざ貸していただいて」
道明寺七華:「いや、それはいいのだが……後ろも塗った方がいいぞ」
及川深風:「あ……髪長いし、大丈夫かなと思ったんですが」
及川深風:「じゃあ、お願いしてもいいですか?」
道明寺七華:「えっ」
道明寺七華:日焼け止めと深風くんを見比べて
道明寺七華:「……僕……?」
及川深風:「あ……すみません。流石に甘えすぎですかね」
及川深風:「じゃあ、自分でやりますね」そう言って、背中を空けるために長い髪を手で束ねて前に回そうとする。
道明寺七華:「い……いや、僕は構わないが……!」
道明寺七華:「その……君がいいのなら……」
及川深風:「え。いや、良くないなら頼みませんって」
道明寺七華:「……う、うん……じゃあ……」
及川深風:「ていうか、七華先輩以外に頼めませんよ。こんなこと」
及川深風:そう言いながら、分けた髪を前にやりつつその場にうつ伏せになる。
道明寺七華:「……ん……」
道明寺七華:日焼け止めを受け取り、ジェルを掌に広げる。
道明寺七華:膝を折って屈み、ゆっくりとその白い背中に触れる。
及川深風:僅かな水着の布ばかりで覆われた、雪のように白い素肌を、眩い陽射しと君の前だけに晒している。
及川深風:あまり肉付きの良い方ではないが、触れれば瑞々しい弾力が指先を沈ませる。
道明寺七華:ジェルが広がるぬるぬるとした感触と、きめ細やかで吸いつくような肌の触感。そしてその体温が、掌から直に伝わってくる。
道明寺七華:(う……)
道明寺七華:普段の検査では、真剣な仕事として殆ど意識することはない。それでも後から思い出してしまい、煩悶することもあった。
道明寺七華:今は完全なプライベートとして、初めて彼女の素肌に触れている。
道明寺七華:(うわ……)
道明寺七華:掌を滑らせ、ジェルを塗り込んでいく。肌の感触、骨格の生み出す僅かな凹凸までもが、データではなく生きた強烈な印象として伝わってくる。
道明寺七華:(……な、何を考えているんだ、僕は……)
道明寺七華:(深風くんが信頼して身を預けてくれているというのに、こんなこと……)
及川深風:……及川の纏う甘い芳香しかり、吸血鬼の肉体は、しばしば眷属を魅了する事に特化している。
及川深風:獲物の生命を根こそぎ奪うのではなく、むしろ永く生かし、隷属させたまま長期的な糧とすること
及川深風:そしてそれを他に奪われない事こそが、吸血という特異な捕食を行う極端な長命種の生存にはむしろ必要だった。
及川深風:故に、彼らの多くは不老であり。その血肉は、魔性の熱を帯びている。……及川自身は、あまりそう自覚してはいないが。
道明寺七華:頭がくらくらするような感覚を覚えながらも、掌から伝わってくるその感触、恋人の身体に触れているという状況を、極力意識しないように必死に耐える。
道明寺七華:ぎこちなくゆっくりと、ようやく日焼け止めを塗り終えて、疲労で重い息を吐いた。
道明寺七華:「……終わったよ…………」
及川深風:「あ……ありがとうございます」
及川深風:ゆっくりと身を起こしながら、振り返る。「あの、大丈夫です?」
及川深風:「なんだか少し、疲れてるみたいですけど」
道明寺七華:「……」
道明寺七華:魅入られたように、身を起こしたその肢体の節々に思わず目が行ってしまう。
道明寺七華:「……い、いや!何がだい!?」
道明寺七華:「この程度で疲れるわけがないじゃないか!何も問題ないよ!」
及川深風:「そうですか……?」すっと手を伸ばして、道明寺さんの前髪をかき分ける。冷たい指の感触が、額に触れる。
及川深風:「ちょっと熱っぽいかも。ほんとに大丈夫ですか?」
道明寺七華:「うぁっ……」
道明寺七華:火照った肌に触れられて、思わず身を引く。
道明寺七華:「だ、大丈夫だとも……!」
及川深風:「本当に?なら、いいですけど……」
道明寺七華:「ほ、ほら……泳ぎに行くのだろう?早く行こう!早速!今すぐに!」
及川深風:「あ……そうですね、行きましょうか」
及川深風:君の後に続いて駆け出し、他に誰もいない静かな波の中へと飛び込んでいく。
及川深風:……それから、数時間。
及川深風:二人の忍びが、ただの少女として泳ぎ、はしゃぎ、海を遊び尽くす様を
及川深風:じりじりと照らす異国の陽射しばかりが目にしていた。
及川深風:……やがて、それも朱に染まり傾いた頃。
道明寺七華:「はぁ…………」
道明寺七華:ぐったりとレジャーシートに仰向けになっている。
道明寺七華:「遊んだな……」
及川深風:「うふふ、楽しかったですね」
及川深風:そのとなり、膝を抱えて座り込み、夕焼けに染まる海を眺めている。
道明寺七華:「こんな風に遊ぶなんて、何年振りかな……」
道明寺七華:「なんだか子供の頃以来な気がするよ」
及川深風:「……私も、すっごく小さい時以来かも」
及川深風:「お姉様が、一緒に遊んでくれてたんです。修行って言って、隠れんぼとかして」
及川深風:「……いつか、連れてきてあげたいな」
道明寺七華:「……お姉さんは、どんな人だったんだい」
道明寺七華:「……聞きたいな」
及川深風:「……そう、ですね」
及川深風:「私よりずっと賢くて、強くて、優しくて。……私が失敗した時にも、庇ってくれて」
及川深風:「父にとってみれば、生意気だったのかもしれませんけど……多少の我儘は見過ごして貰えるくらいには、やっぱり優秀で」
及川深風:「でも、それなら自分の為の我儘を通す事だってできたはずなのに」
及川深風:「いま思い出しても不思議なくらい、ちゃんとした家族でした」
及川深風:「……私の心が、あいつらの仲間になりきらなかったのは、あの人のおかげなのかも」
道明寺七華:「……素敵な人だったんだね」
及川深風:「ええ。……まあ、もしかしたら、ちょっと美化しすぎなのかもしれませんけどね」
及川深風:「結局、私を置いて、流派を抜けようとしていたみたいですし」
及川深風:「私なんかがお姉様の全てを知ったように語るのは、失礼な事なのかも」
道明寺七華:「……いつか必ず、僕がお姉さんを元に戻してみせるよ」
道明寺七華:「そうしたら、好きなだけ話せばいいさ」
及川深風:「……うん」
道明寺七華:「……その時は、お姉さんに紹介してくれるかい?」
道明寺七華:「天才で美少女で、忍者で……」
道明寺七華:寝ころんだまま、君に笑い掛ける。
道明寺七華:「君の恋人だ、って」
及川深風:「ええ、そうします」隣を向いて、微笑みを返す。「私の最愛の恋人だって」
道明寺七華:身を起こし、水平線に沈む夕日を見遣る。
道明寺七華:「……楽しかったな……」
道明寺七華:「君と一緒にいると、楽しいよ。深風くん」
道明寺七華:「君と会ってから、毎日があっという間に感じる」
及川深風:「ふふ。私もですよ」
道明寺七華:「楽しい時間は、すぐに過ぎてしまうんだな……」
及川深風:ぺたりと背を付けるように後ろへ寝転んで、隣を見る。目を合わせる。
道明寺七華:「知らなかったよ。相対性理論は知っていたのに」
及川深風:「じゃあ、やっぱり1000年生きちゃいますか。一緒に」
道明寺七華:「1000年あっても、きっとあっという間さ」
道明寺七華:「君と一緒ならね」
及川深風:「ふふ。なら、もっと長い旅にしましょう」
道明寺七華:「そうだね」
及川深風:「先輩が満足するまで。一万年だって、百万年だって付き合ってあげますよ」
道明寺七華:「地球が滅ぶのも、太陽が燃え尽きるのも、一緒に見ようじゃないか」
道明寺七華:「不可能なんてないさ。何しろ僕は道明寺七華で──」
道明寺七華:「君は及川深風だからね」
道明寺七華:黄金の瞳を見つめて、笑い掛ける。
及川深風:「ええ、もちろん」
及川深風:紅玉色の瞳を見つめ返して、静かに微笑む。
及川深風:「……ところで、今のは」
及川深風:「実質的なプロポーズという事で、いいですかね?」
道明寺七華:「……えっ?」
道明寺七華:目を瞬く。
及川深風:「え、なんで驚いてるんですか」
及川深風:「恋人としてずっと一緒にいるって、そういうことでしょ」
道明寺七華:「えっ、いやっ、そ、そんなつもりじゃ……!」
道明寺七華:「僕はただ……」
道明寺七華:慌てて否定しかけて。
道明寺七華:「……」
道明寺七華:「……いや……」
道明寺七華:「……うん」
道明寺七華:君を見つめて、こくりと頷く。
道明寺七華:「……そうだね」
及川深風:「……ふふ。良かった」
道明寺七華:「ずっと一緒にいよう。深風くん」
及川深風:「ええ、ずっと一緒です」
及川深風:「それじゃあ……」そう言って、君の方に身体を寄せる。見つめ合う瞳が、すぐ間近へと来て。
及川深風:優しく、大切なものに触れるように、その唇へと口吻をする。
及川深風:「……指輪、用意してないので。とりあえずはこれで」
及川深風:今しも君と触れ合っていた唇に、人差し指を重ねて。その感触を愛おしむように撫でる。
道明寺七華:「……」
道明寺七華:少しだけ目を見開いて、それからゆっくりとまばたきをする。
道明寺七華:「……大掛かりでも、劇的でもないけれど……」
道明寺七華:「ただ、これだけは言える」
道明寺七華:「……君を愛してるよ、深風くん」
道明寺七華:そうして身を寄せて、今度はこちらから唇を重ねる。
及川深風:そうなることが初めから分かっていたように。ただ目を細めて、それを受け入れる。
道明寺七華:長い口付けの後、静かに身を離して、小さく苦笑する。
道明寺七華:「……僕からしようと思ってたのに」
及川深風:「ずっと機会があったら、し返そうと思っていたんです」
及川深風:「頬には先にされちゃったので」
及川深風:くすりと悪戯っ子のように笑って。
道明寺七華:「……ねえ、深風くん。聞いてもいいかい」
及川深風:「なんでしょう」
道明寺七華:「もう、あれはしなくていいの?」
及川深風:「血を吸うことですか? ……できれば、控えたいとは思っています」
及川深風:「もしかしたら……どうしても必要な時には、頼る事になるかもしれませんが」
道明寺七華:「そ、そっか……」
道明寺七華:髪をかき上げるようにして、傷の癒えた白い首筋に僅かに触れる。
及川深風:「あいつらと同じようには、なりたくない。……それよりも」
及川深風:君の身体を抱き寄せる。白い指先が、脇腹と太腿のあたりを同時にゆっくりと、焦らすようになぞる。
及川深風:「もっと、"人間の恋人らしい"事がしたいかも」
道明寺七華:「あっ……」
道明寺七華:少し驚いたような顔をして、それから頬を染める。
道明寺七華:「……深風くん……」
及川深風:「もちろん……先輩の方もそれをお望みなら、ですけど」
及川深風:こちらも興奮で赤みがさした頬色を浮かべて、君をじいと見つめている。吐息のかかるような距離。
道明寺七華:「……もう……」
道明寺七華:不服げな表情をつくって、それからくすりと笑う。
道明寺七華:「いじわる」
道明寺七華:そうして、もう一度唇を重ねた。
GM:日が落ち星が空に輝き始める。
GM:浜辺には君たち二人しか居なかった。



GM:シノビガミ『収穫任務』を終了します。お疲れさまでした。
道明寺七華:お疲れさまでした………………………………
及川深風:お疲れ様でした……めちゃめちゃ楽しかったです!ありがとうございました