夢幻泡影
メインログ/雑談ログ
Trailer
山間の地方都市、九海市。
緑豊かで長閑なこの街は、長らく忍びの争いとも無縁の土地だったが
ある神器の情報に、斜歯忍軍と鞍馬神流、二つの勢力が動き出す。
──『夢幻泡影』。
人の記憶を操るというその神器を巡り、因縁と愛憎交錯する、血戦の幕が上がる。
Character
灰田昇
(キャラシート)
木城エリア
(キャラシート)
木城フシギ
(キャラシート)
晦月絹
(キャラシート)
GM:すきゃっと
Index
導入フェイズ
【OP1/灰田昇/木城エリア】
【OP2/木城フシギ/晦月絹】
メインフェイズ
【Cycle1/木城エリア】
【Cycle1/晦月絹】
【Cycle1/木城フシギ】
【Cycle1/灰田昇】
【Interlude1】
【Cycle2/木城フシギ】
【Cycle2/晦月絹】
【Cycle2/灰田昇】
【Cycle2/木城エリア】
【Interlude2】
【Cycle3/木城エリア】
【Cycle3/晦月絹】
【Cycle3/木城フシギ】
【Cycle3/灰田昇】
クライマックスフェイズ
【Climax】
エピローグ
【ED/木城フシギ・晦月絹】
【ED/灰田昇・木城エリア】
Preplay
GM:というわけでシノビガミセッション『夢幻泡影』始めていきましょう
エリア:わーい!
馴染:やってやるぜ
晦月絹:わおわお!
GM:まずは自己紹介!PC1から順にキャラシを貼って自己紹介をしてね!
灰田昇:よしきた
灰田昇:(キャラシート)
灰田昇:灰田昇。16歳の高校二年生です。
灰田昇:友達そこそこ彼女はなし。部活もせず、シノビとしての鍛錬とアルバイトと益体もない遊びに青春を費やす、少しヒネてるけどどこにでもいる高校生。
GM:どこにでもいる普通の忍者
灰田昇:性根は明るいけど、それをあんまり表に出さず、ちょっと斜に構えてクールぶってる感じです。高ニ病ってやつだ! 高校二年生だからね。
GM:かわいい
灰田昇:両親はおらず、『ばあちゃん』と一緒に古びた木造の一軒家で慎ましやかに生活しています。忍術の主な用途は虫の誘引と殺虫です。
エリア:くのいちが配下だとお……!?
灰田昇:ばあちゃんです。
GM:おばあちゃんがいるとはね
灰田昇:そんな俺ですが、どうも過去の記憶が妙に落ちている所があり……これの原因は神器、『夢幻泡影』にあるに違いない!
灰田昇:別に記憶が抜け落ちていてメチャクチャ困ることはないけど、あるべきものがあるべき所にないのは気持ち悪いしね。
GM:多分頭とかぶつけたんだよ~
灰田昇:今まで虫とかネズミしか殺していなかった忍術の使い道が来た……! そんな気持ちでいます。
灰田昇:ま、やんなきゃいけないことやるだけだけどな……ともあれそんな感じです。よろしくお願いします。
GM:OK!そんな灰田くんのハンドアウトはこちら!
PC1
推奨流派:ハグレモノ
君は九海市に住む忍びにして学生だ。
普段は普通の人間として暮らす君が忍びだと知る者は、友人であるPC2だけだ。
君の記憶には奇妙な欠落があり、君はその謎を解く鍵が『夢幻泡影』にあると考えている。
君の【使命】は【『夢幻泡影』を手に入れる】ことだ。
GM:自己紹介してもらった通りですね お友達と仲良くしつつがんばってね
灰田昇:頑張ります! 記憶を取り戻すぜ……必ずな。
GM:ではそんな灰田くんのお友達 PC2のエリアさん自己紹介お願いします!
木城エリア:(キャラシート)
木城エリア:こんばんは~
木城エリア:斜歯忍軍、指矩班の木城エリヤです。
木城エリア:普段は花の女子高生。クラスでは活発な小動物としてみんなに可愛がられている想定だよ。
GM:かわい~
木城エリア:好奇心旺盛で色んなトラブルに顔を突っ込むことが多いです。
木城エリア:灰田くんとはそういったトラブルの中で知り合って忍者であることを知ったんじゃないかな。
木城エリア:夢幻泡影についても興味津々で、放課後は灰田くんを誘って積極的に探索に乗り出しているよ。
木城エリア:クラスではよく一緒に行動してることから色々噂されてたりしてたら面白いですね。
GM:こりゃ青春の匂いがするぜ
木城エリア:今回は娘であるフシギちゃんが市に遊びに来るということでそれは楽しみなんですが
GM:現役女子高生くノ一ママ!?
木城エリア:自分の術を使うような事態が起こらないか不安になってもいます。この術疲れるんだよねえ
木城エリア:性能的には裏コードしたり、忍具を多く持っていたり、
木城エリア:後出しで忍法研究を覚えて他人の忍法を打ち消せるようにしたり
木城エリア:忍法研究を覚えた蛹を生み出したりします。
GM:性能が邪悪すぎるよ~~
木城エリア:器術を消されると困るのでそれだけ心配。
木城エリア:PC3のことは私が守る!灰田くんともなかよくしたい!ということでよろしくおねがいします。
GM:OK!そんなエリアさんのハンドアウトはこちら!
PC2
推奨流派:斜歯忍軍
君は斜歯忍軍に所属し、九海市に住む忍びにして学生だ。
数年前に九海市に越してきてPC1と知り合った君は、PC1の語る『夢幻泡影』に興味を持ち、任務外の遊び半分で神器探しに付き合ってきた。
そんな中、任務により君の肉親であるPC3が九海市を訪れた。
だが再会に喜んでばかりではいられない。、PC3の任務には他流派の競合相手がいるのだという。遠からず争いになるのは避けられないだろう。
君の【使命】は【PC3を守る】ことだ。
GM:大事な娘が来るから守ってね
木城エリア:ママ頑張るよ~
GM:がんばってね~ ではそんな娘さんのPC3 フシギさんお願いします!
木城フシギ:はーい
木城フシギ:(キャラシート)
木城フシギ:斜歯忍軍、指矩班の木城フシギです。
木城フシギ:木城エリアにより作り出された人造忍者であり、人間を超えた上位生物でもあります。
GM:なんだかすごそう
木城フシギ:かつてはその背景そのまま、理屈の上での優秀さ・合理性こそが全てであり、ゆえに自分が最優……という感じでしたが
木城フシギ:同じ相手と決着のつかない戦いを繰り返すという、それまでの自分の常識に反する出来事に接するうちに
木城フシギ:なんだか恋に落ちてしまったらしいです
GM:落ちちゃったんだ
木城フシギ:資料にそう書いてありました
木城フシギ:以来、ちょっと……多少……それなりに……結構……内面に変化が生じています。
木城フシギ:性能的にはひたすら裏コードの存在に振り回されましたが
木城フシギ:まあ何とかなったんじゃないかな……どうかな……。
木城フシギ:どの辺の要素に絡んでいるかは不明ですが、製造にあたって西洋の妖魔の因子が組み込まれてもいるそうです。
木城フシギ:こんなところでしょうか!
GM:一体どんな妖魔なんだろうな~
GM:そんなフシギさんのハンドアウトはこちら!
PC3
推奨流派:斜歯忍軍
君は斜歯忍軍に所属する忍びだ。
鞍馬神流の忍びであるPC4とは何度も任務で対立する敵同士だったが、死闘を重ねる内に君達の間には愛情が芽生えてしまった。
だが君は忍者として、己の使命を果たさねばならない。たとえ敵が愛する者でも。
君の【使命】は【『夢幻泡影』を手に入れる】ことだ。
GM:愛とか知らん 任務してください
木城フシギ:はい…………
GM:がんばってね
GM:では最後!PC4の晦月さん自己紹介お願いします!
晦月絹:はーい
晦月絹:(キャラシート)
晦月絹:音に聞こえた鞍馬神流の仕置き人、廻鴉に所属する晦月絹(くらつき・きぬ)です。
晦月絹:体術に秀でる当流派の中でも代々裏柳生の技を受け継ぐ一族の本家長子。いずれは家を継ぐ者として育てられました。
晦月絹:武芸に重点を置き過ぎたせいか期待と重圧のせいか、大分ひねたというか擦れた性格をしています。
晦月絹:基本物言いが刺々しく悲観的。その態度やら性別やらのせいで一部の分家からは批判も出ており、余計に性格が捻じ曲がる悪循環。
GM:かわいい
晦月絹:一応責任感は強く根が真面目でもあるので、家や任務のために頑張る子でもある予定です。
晦月絹:いずれ家を継ぐ者として任務失敗なんて出来ないし……
GM:そうだぞ
晦月絹:とある斜歯人軍の人とは任務で何度かかち合っており、それ故にかなんか色々有るらしいです。
GM:一体何が……
晦月絹:さあ……なんか資料に書いてあったので……
晦月絹:とりあえず任務なので頑張って夢幻泡影を手に入れたいと思います。よろしくお願いします。
GM:頑張って!そんな晦月さんのハンドアウトはこちら!
PC4
推奨流派:鞍馬神流
君は鞍馬神流に所属する忍びだ。
斜歯忍軍の忍びであるPC3とは何度も任務で対立する敵同士だったが、死闘を重ねる内に君達の間には愛情が芽生えてしまった。
だが君は忍者として、己の使命を果たさねばならない。たとえ敵が愛する者でも。
君の【使命】は【『夢幻泡影』を手に入れる】ことだ。
GM:好きじゃん!
晦月絹:知らない……なんかそう書いてあるだけだし……
GM:そんな感じで頑張ってください
晦月絹:頑張ります
GM:また、このセッションにはプライズがあります。前提情報を出しておきます
プライズ
『夢幻泡影』
人間の記憶を操る神器。
個人のみならず事象までをも不特定多数の記憶から消去、最初から存在しなかったことにするほどの力を持ち、
かつて戦乱の世においては一国の滅亡を忘却の彼方に消し去ったと言われている。
忍者に対しても有効であるため、この神器を所持することは流派の情報戦において極めて莫大なアドバンテージとなるだろう。
情報が極めて少なく、実在すら疑われていたが、ごく僅かな記録が残っており、斜歯と鞍馬を動かすに至った。
GM:このプライズはメインシーンの手番を使って【秘密】を探ることが可能です。
GM:というわけでこのメンバーで『夢幻泡影』始めていきましょう!皆さんよろしくお願いします!
灰田昇:よろしくお願いしまーす
晦月絹:よろしくお願いします!
木城フシギ:よろしくお願いします!
木城エリア:ます!
【OP1/灰田昇/木城エリア】
GM:九海市は山間の地方都市であり、人界の裏で鎬を削る忍びの戦いとも長らく無縁の、長閑な街だ。
GM:市立である九海高校も、特徴といえば坂が多くて登下校に不便だと不評なくらいの、ごく普通の学校であり
GM:その生徒である少年、灰田昇もまた、何の変哲もない、どこにでもいる男子高校生に見えた。
GM:だが、少年にはある秘密があった──彼は、忍者なのだ。
灰田昇:いつも通りに学校が終わり、いつも通りにチャイムが鳴る。
灰田昇:(タツの奴は予備校だし、山下とソフバンは部活……)
灰田昇:(英雄は空いてんだっけ。部活最近行ってないらしいし)
灰田昇:教科書と薄いノート(全科目統合版)をカバンに入れつつ、そう多くない友人を指折り数える。
灰田昇:「一応誘ってみっかなぁ、英雄」 彼は隣のクラスであった
灰田昇:「バイトまで暇だしなー……」
木城エリア:では、そんなふうに独り言ちている君のもとに、どたどたどた!と足音を鳴らしながら駆け寄ってくる人影が一つ
木城エリア:「は~いだく~ん!」後ろから駆け寄り、両手で君の目を塞ぐ「だーれだ!」
灰田昇:「……うわ」 びく、と身体を強張らせる
灰田昇:口元だけでもわかるくらい面倒そうな表情をして 「……利根山先生?」
灰田昇:古文を担当するおじいちゃん先生だ
木城エリア:「うわ、って、なんだようその反応!私のこと忘れちゃったの~?」
木城エリア:「まだそんなしわくちゃになってないよ~」
木城エリア:「声も女の子だよ?真面目にやってよ~。ちょっと学校開けてたからってすねてるの?」
灰田昇:「バッ……誰が拗ねるかっての。いない方が静かで良かったわ」
灰田昇:ぐっと手を押しのけ振り向く 「木城! ……よく毎日そんなに元気だな」
木城エリア:「わっ」君より二回りほど小さい小柄な女子生徒が立っているよ
木城エリア:「まだ十代ですから」ふんす、と胸の前で腕を組んで「逆に、なんで灰田くんはそんなぐったりしてるの?」
木城エリア:「古文のセンセイじゃないんだからさ。しゃきっとしなきゃだよ、しゃきっと~」
灰田昇:「別に……一日勉学に勤しんだら疲れもするだろ」 嘘である。利根山先生の時間をこいつは眠らず過ごしたことはない
灰田昇:落ち着かない様子で周囲を見つつ 「まあ、どうせこれからバイトだし……ガッコで気合入れてもな」
灰田昇:木城のことは別にそこまで嫌いではない……むしろその元気な言動、愛らしい外見には癒やされたり元気を貰ったり、しない、ことはない、のだが
灰田昇:どうにも人目を必要以上に惹いてしまうように感じる。それはシノビだからとか関係なく、年頃の男子高校生として結構クる事態なのだ。
木城エリア:「え~!?バイト?私聞いてないよう!え、じゃあじゃあ、私との約束は?」
木城エリア:机に手をおいてその場でぴょんぴょん飛び跳ねる
灰田昇:「や、約束? 何かしたっけ……」
灰田昇:周囲の目線が気になって話半分だ。
木城エリア:「今日は一緒に『課題』やるって言ってたよ~!久しぶりに二人で遊べるって、楽しみにしてたのに~!」
灰田昇:「『課題』? そんなこと言ったってクラス違うし最近それっぽいやつなんて……あ」
灰田昇:言葉にして、思い出した。二人で共有している、紛うことなき一つの秘密。
木城エリア:「あ!今ようやく思い出したでしょ~!」
木城エリア:「も~!灰田くんに聞いてから、私はずっと気になって、夜も眠れないくらいなのに~……」
木城エリア:「灰田くんはいっつも他のことばっかり……は~……折角私が手伝ってあげようと思ってるのにな~」灰田くんの机の上にすわり、はぁー、とわざとらしく肩を落とすよ
灰田昇:「いや、それは……確かに忘れてた俺が悪いけど」
木城エリア:「灰田くんは私なんかよりキャリア三兄弟のほうを気にしてるんだもんね……つまんないな~……」
灰田昇:「おい、分かった……分かったから」 彼女の高い声に動物めいた動作は、否応なく人目を引く
灰田昇:「ドコモとは最近会ってねーし……分かったから、木城」
灰田昇:その手首を強引に掴み、軽く引く 「行くぞ。『課題』だったら静かなトコの方が良いだろ」
木城エリア:「分かった~?ふ~ん……じゃあ何をしてくれ……わわっ」
木城エリア:「……いいの?バイトは?」上目遣いにキミを見て
灰田昇:「……」 息の詰まったような表情で顔を逸らし 「……行くけど。でも全然時間あるし」
灰田昇:それを誤魔化すように、手を引いて教室の外へ 「早くした方が、『課題』に時間取れる、だろっ」
木城エリア:「な~んだ!それを早く言ってよ~!てっきりすぐ行っちゃうのかと思ったよ~」
木城エリア:「はーい。あ、クラスのみんな、また明日ね~」もう一方の手で灰田くんのクラスメイトに手を振りながら外へ連れてかれます
灰田昇:「目立つなバカ……!」 小声で言いつつ、教室の外へ
灰田昇:廊下で手を離すと、すたすた歩き出す 「……それで?」
灰田昇:「あれだけ賑やかにした甲斐があるくらいの新しい情報があったりするのかよ?」
灰田昇:「『夢幻泡影』のさ」
木城エリア:「っとと」手が離れ、一瞬遅れるがすぐに駆け足で追いかける
木城エリア:「え?なんで?」
木城エリア:「新しい情報を手に入れるために二人で頑張るんだよ?」
灰田昇:「なんでって……」 呆れ
木城エリア:「なになに、なんだよう」
木城エリア:「私だって頑張ってるんだよ~?でもね、灰田くんがね、バイトを頑張ってるみたいに、私にだって忍務があるからね」
木城エリア:「だからそれ以外の時間は、なるだけ灰田くんと一緒に探そうと思ってるの!灰田くんはそれじゃいやなの?」
木城エリア:後ろ歩きで灰田くんの顔を見ながら、身振り手振り話しかけるよ
灰田昇:「……」 複雑な感情が表情に出る。言葉を取ればいじらしいし、協力してくれることはありがたい。そこまでは間違いない、が……
灰田昇:「……いや、うん。分かってる。木城がそういう……忙しい中で協力してくれてんのは」
木城エリア:「えへへ……分かってくれたならいーんだよ」
灰田昇:「俺はどうせハグレだし、そういう仕事みたいのは分かんないし、正直分かりたくないけど」
灰田昇:「だからそれが嫌ってことはない……むしろ感謝だってしてる」
木城エリア:「うんうん。……それじゃ、今日はどこ行こっか?また前みたいに色んなお店で聞き込みする?」
灰田昇:「……ただな!」 そこまでとは語気を荒っぽく切り替える
木城エリア:「図書館に行ったら新しい書物とか入ってるかな?そういえば、隣町に新しい本屋がね……わっ」
灰田昇:「教室に来てあんな賑やかにすることは……ないだろ!」
灰田昇:「インスタでも何でも連絡すれば普通に落ち合えるだろ!」
灰田昇:「アカウント、お前に言われて作ったんだぞ……!」
木城エリア:「作ったのにいつも見てないじゃ~ん」
灰田昇:「そりゃ……何すればいいか分かんないし……!」
木城エリア:「それに、あれくらい騒がしくない~。普通だよ普通~」
灰田昇:「俺は気になるんだって! まったく……」
木城エリア:「むしろね、いつも一緒にいるのにず~っと学校では大人しいほうが変に見られちゃうって~」
灰田昇:「変~?」
木城エリア:「裏でなにか悪いことやってるんじゃないか~、とか~。イケナイ付き合いしてるんじゃないか、とか~」
木城エリア:「私はそういうふうに見られる方が嫌だから、堂々と友達をやっているのです!態々隠すことじゃないよ~」
灰田昇:「……」 また渋い表情になる。確かにその指摘は妥当なものではある
木城エリア:「それにさ~。灰田くん、私が迎えに行かないとす~ぐ約束忘れちゃうんだから」
木城エリア:「嫌なら灰田くんから迎えに来てほしいな~。まだ一回もなかったよね~」
木城エリア:肘でぴしぴし灰田くんをつつくよ
木城エリア:「灰田くんから誘ってくれたこと!なんとか言えよ~。」
灰田昇:にわかに言葉に窮しつつも、強い意志で声を振り絞る 「……絶対ぇヤだ」
灰田昇:「万一英雄辺りに見られたらコトだっての。あいつら、大手キャリアだぞ?」
灰田昇:「一週間もしたら、もういろんな奴にあることないこと……大半はないこと言われそうだ」
木城エリア:「なんでなんで~!資本に屈しないでよ~!もっと私と遊ぼうよ~!」灰田くんの腕を掴んで左右に激しく揺さぶる
灰田昇:「ああもう振り回すなって! ……大体それでだぞ」
灰田昇:「それで……それでなんか、お前と会うのが気マズくなっても嫌だし。俺」
木城エリア:「え~?あー……う~ん…………」
灰田昇:「……何だかんだ、シノビのこととか、色々気兼ねなく話せんの、木城くらいなんだよ、俺は。お前がどうかは知らないけど……」
灰田昇:「それなのに何かいらない横槍とか入ったら、嫌なの。俺は」 なだめるような口ぶりだ
木城エリア:「まあ……たしかに?私だってさ~……忍務抜きで話せるのは灰田くんくらいだけどさ~……」
木城エリア:「……わかった!じゃあ今度からもっと静かにする。でも向かえには行くからね!それでいい?」
木城エリア:首を傾げて、横から君の顔を覗き込む
灰田昇:「……」 不承不承といった表情ではあるが、さりとて否定することもなく
灰田昇:「……俺も今度お前にメッセ送るから。そっち迎えに行く時」
灰田昇:「その時も静かにしてくれ」
灰田昇:「それならいい」
木城エリア:「……!」ぱっ、と顔を輝かせて「はーい!静かにしてます!神に誓って!」
木城エリア:「……えへへ!灰田くん」肘で灰田くんを突く「へへ~」機嫌よく笑っているよ。
灰田昇:苦笑しつつ 「静かにできるのかよ。しかも神かよ」
灰田昇:「ったく、何だよ、調子いい奴……」
灰田昇:やれやれと言った様子だが、それでも笑みを浮かべつつ、そっと肘を突き返し
灰田昇:「で、今日どうする? 隣町の本屋で良いか。バイト先近いし……」
木城エリア:「うん!それなら時間ギリギリまで一緒に探せるもんね!」
木城エリア:「えへへ!こんな楽しい捜し物、シノビになってから初めてだな~!」ぐーっと大きく伸びをして
灰田昇:「なら良かったよ。まあ、なんてか、木城と一緒だと、木城がシノビって感じ全然しねーけど……」
木城エリア:「絶対私達で見つけようね、灰田くん!あ、でも戦うのは灰田くんがやる約束だからね!」
灰田昇:カバンを持ち直す 「シノビのくせに全然実戦したことない俺にケンカ任せるしなぁ」
木城エリア:「いいじゃん!男の子は女の子を守るものなんだからさ~」
灰田昇:「やっぱお前、色々詳しいだけのただの高校生なんだろ? 早く白状しろよなー」
木城エリア:「そんなことないよー!……灰田くんこそ」
木城エリア:「ほんとに私のこと知らないんだよね?普段どんな忍務してるとか、あとはさ、どんな術……」
木城エリア:「……いや!やっぱなんでもない!早く行こ!」
灰田昇:「はいはい。つーか、学校出たらあんまくっつくなよ……」 子どものフリで情報収集とかしかできなさそうだよなあとボンヤリ考えている
木城エリア:「早く本屋さん行ってさ、余った時間で甘いもの食べよ~!バイト前に付き合ってくれるお礼!」
灰田昇:「お前が食べたいだけだろそれ……」
木城エリア:今度はエリアが灰田くんの腕を引いて、駅までの道をかけて行くよ
木城エリア:「えへへ~」
灰田昇:「ったく……」
灰田昇:やれやれと、困ったような苦笑を浮かべながらも、結局、それは多分に照れ隠しによるものであって
灰田昇:そう、木城エリアと過ごす賑やかな時間は、シノビであることを意識しながらも、シノビであることを忘れられうような、そんな矛盾した明るさに満ちていて
灰田昇:決して……決して悪くない時間だった。
【OP2/木城フシギ/晦月絹】
数週間前
木城フシギ:休日。市内にある某遊園地の入口前にて。
木城フシギ:ゲートの向こうから届くざわめきを背に、一人の少女が佇んでいる。
木城フシギ:フリルの付いた紺色のブラウス姿。襟から覗く首は細く白く、人形のような無表情も相俟って、静謐な印象の外見でこそあるが
木城フシギ:しばしば腕を持ち上げて、手首に細い革で巻いた時計を確かめる様は、落ち着きがない内心を容易に見て取れる。
晦月絹:人ごみに紛れるようにして一人の少女が彼女の元へと近づいていく。
晦月絹:きっちり首元までボタンを留めたワイシャツにパーカー。動きやすさを重視したショートパンツ。
晦月絹:普段は二つに分けて結んでいるだけの長い白髪を編み込みでまとめ、隠すようにキャスケット帽をかぶっている。
晦月絹:特別歩調が速い訳ではないが、その目線は真っ直ぐフシギへと向けられている。
木城フシギ:「……」顔を上げる。キャスケットの少女と視線が合って。
木城フシギ:「……?」首を傾げる。
木城フシギ:そのまま、じっと穴が空くほどに見つめ続ける。彼女が間近に来るまでずっとだ。
晦月絹:視線を受け止めながら、歩を早めることもなく歩み寄り。
晦月絹:「……何」 なおも見つめ続ける彼女へ、挨拶もなく問う。
木城フシギ:「ああ」何かに合点が行ったように頷く。「絹でしたか」
木城フシギ:「普段と髪型が異なるため、別人の可能性を除外しきれませんでした」
晦月絹:常からは顰め気味の眉をさらに吊り上げて。
晦月絹:「何、髪型変えた程度で見わけもつかなくなるの。そんなに私の顔に興味がない?」
木城フシギ:「はい。いいえ」
木城フシギ:「見た目の問題よりも、絹が髪型を変えるという行為自体が通常考えられない事態だったので、その点について疑いました。また」
木城フシギ:「私は絹の全てに興味を持っています。ただ、私が知る絹のうち顔が占める割合は8.9%ほどですので、相対的には興味が無いと言えるかもしれませんが」
晦月絹:「……別に、私だって髪型を変える時くらいある」 そうは言っているものの、常の二つ結び以外の髪型を見たのはこれが初めてだ。
晦月絹:「というか全てに興味を持ってるとかよくシラフで言えるし、その8.9って数字はどっから出てきたの」
木城フシギ:「内訳をお聞きになりますか?」
晦月絹:「別にいい!というか」
晦月絹:「他に言うことないの。別人かと思った以外に」
晦月絹:身長の差から見上げる体勢だが、上目遣いというよりはガンをつけていると言った方が良い目つき。これが常ではあるが。
木城フシギ:「とてもよく似合っています」深く澄んだ蒼い瞳が、その視線を受け止める。
木城フシギ:「私とのデートに際して、普段とは異なる装いで来てくださったことは光栄です」
晦月絹:「……ん」 キャスケットのつばをちょっと弄って。
晦月絹:「別に。私とアンタの立場的にいつもの格好で仲良しこよしってのもアレだから」
晦月絹:「一応程度に変装したってだけだけど」
木城フシギ:「問題ありません。付近一帯には監視用の偵察機を放っています」
木城フシギ:「怪しい者が見えればお伝えします」
木城フシギ:「……とは言え」
木城フシギ:「愛する人のため、いつもよりお洒落をするという発想はありませんでした」
木城フシギ:「これは“手抜き”にあたるのでしょうか……」
木城フシギ:そう言うこちらの髪型は、銀髪を後ろでまとめた他、側面が編み込まれていたり、垂らした房が緩い曲線を描いていたりと、手間自体はそれなりにかかっている……が。
木城フシギ:出会った頃はそうではなかった。外見に気を配っている、と見えるようになったのは、何度か遭遇と戦闘を経た後だ。
晦月絹:「別に。元から期待してなかったし」 そう言いながら僅かに目線を落とす。
晦月絹:「それに……やっぱいい。何でもない」
木城フシギ:「……」同じように視線を落とし。
木城フシギ:き、と上げる。
木城フシギ:「挽回の機会を希望します」
木城フシギ:「服装はともかく、情報収集に抜かりはありません」
木城フシギ:「本日この遊園地では、デラックスいちごスイーツフェスティバルが開催中です」
木城フシギ:「園内各所を巡り、それらを味わいつつアトラクションを乗り継いでいけば」
木城フシギ:「85%の確率で“良い思い出”になるかと」
晦月絹:「……残り15%は?」
木城フシギ:「む……」
木城フシギ:「私にとって100%にする手段は存在しますが……」
木城フシギ:「絹がどう思うかは不明です」
木城フシギ:「……試してみてもよろしいですか?」
晦月絹:「……」 特別否定の言葉は出てこない。彼女がよくする消極的な肯定である。
木城フシギ:それを知っていても、少し待った。木城フシギにしては珍しく。
木城フシギ:「…………では」
木城フシギ:そして、そっと歩み寄り、腕を絡める。
木城フシギ:「……いかがでしょうか?」
晦月絹:「……」 びくっと一瞬肩を跳ねさせつつもされるがままに腕を取られて。
晦月絹:「……手を塞いでると有事に動きが遅れる。歩きづらい。近い。暑い」
晦月絹:何よりかなり恥ずかしい、とこれは言わずにおいて。
晦月絹:それだけ文句を並べつつも振りほどきはしない。これもまた消極的な肯定の一つである。
木城フシギ:「……!」
木城フシギ:ぶつけられた言葉の中身に反し、蒼い瞳を煌かせる。
木城フシギ:「行きましょう」どことなく弾んだ声で言って。
木城フシギ:券を買いゲートをくぐり、園内に足を踏み入れる。まず向かうのは言った通り、今の期間だけ営業しているスイーツの移動販売車だ。
木城フシギ:「ここのクレープは親を質に入れても賞味すべきだそうです」
木城フシギ:「親が換金可能な資産であるとは知りませんでしたが」
晦月絹:「ただの慣用句。普通は……普通じゃなくても親を質に入れることはそうない」
晦月絹:彼女より狭い歩幅を補うように、普段より少しだけ歩調を速めて横を歩く。
木城フシギ:「そうですか。安心しました」
木城フシギ:「母さんをそういった目で見たくはないので……と」
木城フシギ:「運が良いですね。空いています」
木城フシギ:手早く並び、二人分を買って片方を渡す。
晦月絹:「……」 受け取る。大きい。自分の顔くらいあるクレープだ。
晦月絹:「……」 そのまましばらく眺めている。これは何処から口をつければいいのだろうか。
晦月絹:ちらと横の彼女を見上げる。食べ方を参考に出来ないか。
木城フシギ:「……」唇の端についたクリームを指で取り、ぺろりと舐め取るところだった。
木城フシギ:クレープ本体は既に影も形もない。
晦月絹:「早くない?」
木城フシギ:「そうでしょうか」
晦月絹:「ちゃんと噛んでるの?丸のみでも問題ないように胃も改造されてるとか?」
木城フシギ:「改造ではありません。改良です」
木城フシギ:「それに、ちゃんと味わっています。味覚も人より優れたものであるようデザインされていますので」
晦月絹:「ふーん……」 興味無さげに相槌を打ちながらクレープに向き直り、一口。思い切りクリームが付く。
晦月絹:「……ホントにどうやって食べたの……」 若干途方に暮れたような目になっている。
木城フシギ:「……なるほど」
木城フシギ:「小麦粉およそ10グラム、卵1/3個分、砂糖3.4g、生クリーム104cc、いちご8粒分、ミント3枚……等々」
木城フシギ:「この物理的構成から導かれるに相応の味でしかないのではないか……とも思いましたが」
木城フシギ:「あなたのそのような可愛らしい様子が見られるのであれば、比喩とは言え親を売る価値があると言われるのも納得できます」
木城フシギ:「これも愛の力の一側面でしょうか」
晦月絹:一瞬反射で手が動きかけたものの、片手はクレープ片手はフシギの腕で塞がっていることに気付き。
晦月絹:「か、わいらしくとかないし親を売るどうこうは味の話だし愛の力とか知らないし」
晦月絹:「そういうことを平然と人前で言うな!」 言いながら軽く彼女の足を踏む。
晦月絹:(……やっぱやめときゃ良かった)
晦月絹:有事に動きが遅れるし、歩きづらいし、近いし、暑いし、恥ずかしいし、咄嗟に馬鹿を叩けないし。
晦月絹:せっかく帽子をかぶってきたのに、つばが下げれないせいで頬が隠せない。
晦月絹:(コイツ相手に腕なんて組むもんじゃないな)
晦月絹:そんなことを心中でぼやきながら、早く片手を空けるべく大きくクレープへとかぶりついた。
GM:……それから数週間後、木城フシギと晦月絹、二人の忍者にそれぞれの流派から忍務が下った。
GM:木城エリアによる報告の他には殆ど情報が無く、実在を疑われていた神器『夢幻泡影』。
GM:ほぼ同時期に神器を探る互いの動きを察知した斜歯忍軍と鞍馬神流は、未だその存在については半信半疑ながら、相手の手に渡さず、また先んじて確保すべく人員の派遣を決めた。
GM:斯くして君達は、再び敵として相対することとなる。
GM:それではドラマシーンに入っていきます。
GM:まずは手番の順番から決めましょう 後腐れなくダイスで決めようと思います
GM:1D100で判定し、出目の大きい順に選択権が得られるものとします。
GM:というわけで判定どうぞ!
灰田昇:ほほう……
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 24
灰田昇:フ……
木城フシギ:ウオオオ
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 24
木城フシギ:?
灰田昇:そんなことある?
晦月絹:まさかの同値
晦月絹:1d100 てりゃー
ShinobiGami : (1D100) → 53
木城エリア:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 80
晦月絹:エリアさんが強すぎる
木城エリア:アイヤー
GM:同値の二人だけもう1回振ってください
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 32
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 62
木城フシギ:最初に出て
灰田昇:サイーゴ
GM:まずはエリアさんからですね 何番目がいいですか?
GM:誰かの前とか誰かの後とかでもいいでしょう
木城エリア:全然何も考えてなかった
木城エリア:灰田くんの後がいいかな?とはちょっと思ってます
GM:では灰田くんの後ということで
木城エリア:いや、待てよ
木城エリア:やっぱり最初でよ~っと
GM:OK~
GM:では次 晦月さんですね どこを希望しますか?
晦月絹:じゃあ2番手貰いたいです
GM:OK!
GM:次 フシギさんいかがですか?
木城フシギ:3番目で!
GM:では灰田くんが4番ですね
灰田昇:理解
GM:このようになりました
1:木城エリア
2:晦月絹
3:木城フシギ
4:灰田昇
GM:了解です~
木城エリア:あ、それから1サイクル目の開始時に接近戦攻撃を忍法研究に変えちゃおっかなと思ってます
木城エリア:指定忍法は裏コード、忍法研究、陽炎で。
【Cycle1/木城エリア】
GM:というわけでエリアさんのシーンです
GM:登場を希望するPCはいますか?
木城エリア:灰田くんに出てきてもらいたいな
灰田昇:出まーす
木城エリア:あと、情報でなんかすごいとんでもなくロールが変わるかもしれないので描写より先に判定しちゃっていいかな
GM:いいですよ~
木城エリア:夢幻泡影くんの秘密を抜きに行きたいです。
GM:OK!指定特技は!
木城エリア:使うのは調査術!ヤツのことを徹底的に調べ尽くしてやるんだ
GM:いいでしょう 判定どうぞ!
木城エリア:2D6>=5 (判定:調査術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[1,4] → 5 → 成功
木城エリア:危ない危ない
GM:成功ですね お渡しします
木城エリア:では貰おうか、夢幻泡影とやらの秘密を
GM:送りました
木城エリア:……!なるほど!全てを理解しました
GM:ではロールに入りましょう
木城エリア:暫くの間、灰田と木城の夢幻泡影捜索は続いた。相変わらず、木城が灰田を騒がしく迎えに行き
木城エリア:灰田がそれをたしなめ、クラスメイトが二人を冷やかし。その冷やかしにも慣れるほど、二人でいるのが日常がになった頃。
木城エリア:それは突然だった。木城エリアが、君のもとへ全く姿を表さなくなったのだ。
木城エリア:学校も暫く休んでいるようで、連絡を取ろうとしても返信はなし。事情を聞くため、君は仕方なく、木城エリアの自宅へ向かうことにした。してください。
灰田昇:……学校を辞して、歩き慣れない道を一人歩く。
灰田昇:静かだ。静か過ぎる。それは異常だった。
灰田昇:木城エリアが隣にいないという異常。
灰田昇:「……何考えてんだか」
灰田昇:億劫そうに……そう振る舞うことで、これがまったく億劫な行いであると、自分に言い聞かせるように、頭を掻きながら、歩みを進める。
灰田昇:そして、程なくその住所に辿り着いた。以前はしばしば理由をつけて呼び出されていた、彼女の家だ。
木城エリア:以前に来たときと変わらない、戸建ての一軒家だ。無駄に2階建てで、1階が居住スペース、2階はほとんど物置になっている。
灰田昇:心持ち慎重に、チャイムを押す。
木城エリア:反応はな。2回、3回と押され、ようやくインターホンに出る
木城エリア:「う……もしもし。灰田くん……?」
灰田昇:「木城」 少しほっとしたような声を漏らすが、すぐ普段の、どこか不機嫌そうな声音に戻る
灰田昇:「やっと出た。何がもしもしだよ。電話じゃねえし」
木城エリア:「うっ……ごめんね?やっぱり怒ってるよね……?」
木城エリア:「私もね、悪いとはね、思っていたんだけど……でも……なんていうか……ちょっと言い出しづらいことがあったっていうか……」
灰田昇:……状況から、何かのっぴきならないことがあったことは分かっている。そしてその、弱りきった声。
灰田昇:口をへの字に曲げる 「……別に怒ってない」
灰田昇:「一応、学校からの連絡とか、持ってきたけど。それは必要だからじゃなくて、ついでって感じで……」
灰田昇:「……あー、あとアイスも買ってきたし。お前の好きそうなの。適当に」
木城エリア:「絶対怒ってるよ~……。ここカメラ付いてるから分かるんだもん……え!?アイス?」
灰田昇:「アイス。早くしないと溶けるぞ」 カメラに向けてコンビニの袋を見せるように
灰田昇:「いらないなら、ここで全部一人で食べて、ゴミだけ置いてくけど」
木城エリア:「ふ、ふん!アイスくらいで私はつられないもんね!……う~、でも、折角灰田くんが来てくれたのにな……」
木城エリア:「う~……でも今灰田くんと会うのは……」暫く悩むような沈黙が流れたあと
木城エリア:「……ちょっとだけ、ちょっとだけ入っていいよ!アイス食べたら帰ってもらうから。いい?」
灰田昇:「何だよ、偉そうに……」 少し笑う。結局アイスに釣られているじゃないか
灰田昇:「別に元々、病人の所に長居するつもりなんてないって」
木城エリア:「病人じゃないし……!じゃあ今すぐ準備するから、待ってね!」バタバタと部屋を駆け回る音、慌てて着替える衣擦れの音が聞こえた後、玄関の扉が開くよ
灰田昇:「ただちょっと……」 顔が見られればそれで、と言いかけた所でインターホンが切れ
灰田昇:その音を聞きながら腕を組み、開く扉を見る
木城エリア:「……久しぶりだね、灰田くん」部屋の中なのに、分厚いコートを着込んでいるよ
灰田昇:「久しぶり。あー……」 その様子に少し言葉を選びつつ、木城の元に歩み寄る
灰田昇:「……寒気がしてる、とかなのか?」
木城エリア:「べ、別に平気だしっ」「ほら、早く早く、アイス溶けちゃう!」
木城エリア:ぐいぐいと灰田の背中を押してリビングへ。
灰田昇:「分かった分かった……何だよ、元気じゃんか」 素直にリビングへ入っていく
木城エリア:小さなキャラクターもののローテーブルに二人がけのソファ、全体的にパステルな色で構成されたリビングだ
木城エリア:「元気だよ~。元気だけどね……うう~……」
木城エリア:テーブル越し、灰田くんの向かいに座ってうんうんうなっている
灰田昇:「ほら、アイス」 バニラとストロベリーの、少し高めのものをテーブルに積む 「あとスポドリとかパンとか買ってきたから、まあ適当に」
灰田昇:「相変わらず子どもっぽい部屋……」 軽く見渡しつつ、それでもあまり変わっていない様子に少し安堵を感じつつ、ソファの足元に腰を下ろす
木城エリア:「……ありがと。そうだよね、心配させちゃったよね」
灰田昇:「心配っつうか、調子狂うっつうか。まあ、クラスの奴らはそこそこ心配してたけど……」 とこか言い訳じみた口調
木城エリア:「でも、ほんとに元気は元気なんだよ。でも、うう……灰田くんになんて言えばいいかわからなくて……」
木城エリア:「あのね、信じてほしいんだけどね」アイスをシャクシャク食べながら話し始める
灰田昇:「ああ」 同じようにアイスを開けて食べ始め
木城エリア:「私が流派に言ったとか、そういうのじゃなくて。本当に、私は何も言ってないんだけどね」
灰田昇:「うん……?」
木城エリア:「……この街に、夢幻泡影があるって言う話。あれが斜歯と鞍馬に伝わったみたいなんだ」
木城エリア:うつむいて、申し訳無さそうに言う
灰田昇:「へえ……」 あまり実感のなさそうな表情
木城エリア:「二つの流派は、夢幻泡影を手に入れようとしてて……もうすぐ二人、シノビがやってくる……んだけど」
木城エリア:「えっと……その一人はね……私の……む……」
灰田昇:「む?」
木城エリア:「む~……!」と、ぶんぶんと振ってから「む、む……うう~……!」
木城エリア:「わ、私の家族なの!だから、私はそのシノビを助けなきゃいけなくて」
木城エリア:がつがつと一気にアイスをかきこみ始める
灰田昇:「家族……」
木城エリア:「灰田くんと一緒に探すのはもう終わりにしなきゃなの!」
木城エリア:パン!とアイスのから容器を机に勢いよく置いて
木城エリア:「……ごめんね。心配してきてくれたのにこんな話で」
灰田昇:「……いや、まあ」 神妙な表情
灰田昇:「そういうことなら分かったよ、木城。……言いづらかったってのも分かる、けど……」
木城エリア:「けど、なに?」
灰田昇:「…………」 がしがしと自分の頭を掻いて 「……あのさ、木城」
木城エリア:「ん……」
灰田昇:「別に、俺……それでそんな、怒ったり気にしたりはしねえよ」
木城エリア:「え!な、なんだよう!こっちは一世一代の決心のつもりで言ったのに!」
木城エリア:「言われた方の灰田くんもちょっとはうろたえてよう!」
灰田昇:「そう言われてもな」 身勝手な物言いに、しかし安心したように苦笑して
灰田昇:「俺と木城は、その……あー、友達で、『課題』は遊びの延長、みたいなものだったじゃんか」
灰田昇:「もちろん俺は真剣だったけど、でも、そういう任務? と遊びなら、任務を優先するのは当然だし……」
灰田昇:「俺だってバイトほっぽってまで探さなかったし、お前もそれで怒ったりなんかしなかったろ」
木城エリア:「何笑ってんの!もー!」立ち上がって、灰田くんの肩をぽこぽこ叩くよ
灰田昇:「ああもう、ホント元気だなお前」 軽く手でそれを抑えつつ
木城エリア:「私はバイト優先されたとき怒ってたよ~!怒ってたの!」
灰田昇:「怒ってたのか……」
木城エリア:「確かに、それで友達やめたりとかは……なかったけどさ」
木城エリア:灰田の隣に腰を落として。
灰田昇:「でも、そうそう。それで絶交とか、許さないとか、そういう話じゃなかっただろ」
灰田昇:「だから……」 宥めるように、そっとその小さな頭に触れる
木城エリア:「ん~……」
灰田昇:「別に『課題』やめるのは構わないし、何だったら、言いづらければ、理由言わなくても、俺は良かったし」
灰田昇:「そりゃ、不思議に思ったり、残念に思ったりはするけど」
灰田昇:「それで、俺ら一緒でさ。色々探したり、その……楽しかったのがさ、全部なくなるんじゃないだろ」
灰田昇:「ましてやそれで学校休むとか、気にし過ぎだっての」
灰田昇:「バカだな」
木城エリア:「気にするよ~!だって……初めて出来た友達を裏切るみたいだったから……」浮かびかけた涙を必死に堪えて
木城エリア:「馬鹿じゃないもん!ふん!」載せられた手を払って「でも、じゃ、私がフシギに協力しても」
木城エリア:「灰田くんは友達で居てくれるんだね?」
灰田昇:「フシギ……? あ、家族のことか。まあ、それが任務ならな」
灰田昇:「もちろん、俺は俺で、『夢幻泡影』は探す。それは譲れないけど」
木城エリア:「……えへへ」
木城エリア:「よかった。私ね、灰田くんと友達じゃなくなるのすっごい嫌だったから」
木城エリア:「安心したよ~!あ、そうだ!それでこの前調べた、夢幻泡影を持ってたっていう鬼の伝承だけどね」
灰田昇:つられたように笑みを浮かべる 「おう。何か分かったのか?」
木城エリア:「家で調べてるとき、気になるのを見つけてね……」
木城エリア:いつもの調子に戻って、『課題』の成果を話し始める
木城エリア:という感じで、さっき手に入れた情報を灰田くんに渡しちゃうよ
GM:了解です
灰田昇:受け取っちゃう~
GM:送りました
灰田昇:確認しました!
木城エリア:……それからはいつもどおり、二人ではしゃいで笑って
木城エリア:いつの間にか日が落ち、空には夕焼けが浮かび始めているよ。
木城エリア:「えへへ……じゃ、今日は来てくれてありがとね!灰田くん!」
木城エリア:いつもどおりの笑顔で、玄関から君を見送るよ
灰田昇:「悪いな。長居して……つっても、別に体調悪かったんでもないからいいのか」
灰田昇:「今度今日買ってきたものぶんは奢れよー」
木城エリア:「え~?しょうがないな~。今度でかけた時、ね!」
木城エリア:「夢幻泡影……私は手を抜かないけど。絶対見つけてね!」
灰田昇:「おう。何とかやってみる。木城から話も聞けたしな」
木城エリア:「あ、そうそう。私の家族が来るんだから」
木城エリア:「木城呼びはダメだよ!これからはエリアって呼ばないと」
木城エリア:「フシギちゃんの方も反応しちゃうよ」
灰田昇:「……ええ? あー……」
木城エリア:「ってことでよろしくね、昇くん?」
灰田昇:視線が泳ぐ 女子を下の名前で呼んだ経験など、当然ゼロだ。……いや、あやふやな記憶の中ではそういう経験をしていたのかもしれないが……
灰田昇:(なくなった記憶の中に、そういう可能性を追い求めるの、むなしいしな……)
灰田昇:「えっ、あー……」
灰田昇:曖昧に笑いながら 「……お前は木城で、そのフシギって子はフシギって呼ぶんじゃダメ?」
木城エリア:「ええ!私は昇って呼んだのに!」
木城エリア:「……じゃ、今度ね!今度はちゃんと呼んでね!」
灰田昇:「分かった、分かった。今度、今度な」 何か誤魔化し、追い払うように手を振り、去っていく
木城エリア:「ちゃんと練習しておいてね~」
木城エリア:手を振り、遠ざかっていく灰田くんを見送った後
木城エリア:「……ごめんね灰田くん」
木城エリア:「やっぱり、言えなかったな……」コートの奥、わずかに膨れ始めたお腹を擦り、小さく呟く。
【Cycle1/晦月絹】
GM:ではサイクル1の2手番目。晦月さんのシーンです
GM:登場を希望するPCはいますか?
晦月絹:フシギさんに来てもらいたいです
木城フシギ:出ます!
GM:OK STでシーン表が振れるし、使わなくてもよいです
晦月絹:えーと、感情判定をしたいので
晦月絹:久々に任務がかち合ったけど腕鈍らせてないだろうな、こっちは本気でやるからなと宣言しに行く感じで
晦月絹:その一環ということで手裏剣術で判定したいです
GM:あっ、情報とか感情の判定はシーン内で振るのでもいいし今振ってもよいです
GM:シーン表というのは
GM:ST
ShinobiGami : シーン表(6) → 優しい時間が過ぎていく。影の世界のことを忘れてしまいそうだ。
GM:こういうやつですね シチュエーション表
晦月絹:ふむふむ
晦月絹:じゃあ結果が分かってた方がロールとかシチュエーション決めやすそうなので
晦月絹:先に判定したいです
GM:フシギさんへの感情判定かな?
晦月絹:あ、そうですそうです
GM:OK 判定どうぞ!
晦月絹:2d6>=5 手裏剣術
ShinobiGami : (2D6>=5) → 11[5,6] → 11 → 成功
木城フシギ:つよい
晦月絹:気合が入ってる
GM:成功ですね お互いに感情判定をどうぞ コマンドETで振れます
晦月絹:ET
ShinobiGami : 感情表(5) → 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
木城フシギ:ET
ShinobiGami : 感情表(6) → 狂信(プラス)/殺意(マイナス)
木城フシギ:出やがったよ
晦月絹:6出ちゃった
晦月絹:とりあえずこっちは憧憬で……
木城フシギ:まあ……狂信で……
木城フシギ:思いのほか入れ込んでいるという感じなのかな……
GM:では判定はOK シーンはどうしますか?
晦月絹:夢幻泡影探すために九海市まで来たフシギさんのとこに
晦月絹:コッチも任務になったから加減とかするなよって言いに行く感じかな
晦月絹:夜の人気のない路地とかだと遠慮なく出来そうな気がします
GM:OK ではロールに入っていきましょう
GM:晦月絹と木城フシギ。君達はそれぞれの流派から忍務を受け、九海市を訪れた。
GM:月の無い夜。繁華街の喧騒を遠くに、暗い路地裏で二人は邂逅する。
木城フシギ:夢幻泡影に関する調査の帰り。作戦領域の実地での確認。単に日用品の買い出し。
木城フシギ:実際には、それら全てを半端に混ぜ合わせたような活動の後。大きなバッグを肩に掛け、しずしずと人気のない道を歩いている。
晦月絹:不意に、前方からごく微かに風を切る音がした。
晦月絹:そこから瞬きもしないうちに、丁寧に艶消しを施された漆黒の棒手裏剣が数本、フシギへと襲い掛かる。
木城フシギ:かしん。乾いた音。
木城フシギ:何もせず、歩みを止めることすらしない。それでも何かの作用によって、飛来した刃はまとめて弾き飛ばされ、電柱の陰に突き刺さる。
木城フシギ:「……絹」
晦月絹:「相変わらず、原理のよく分からない防壁」
晦月絹:闇夜に映える白髪をいつも通り二つに括った少女。気配もなく、路地の左手の塀の上に立っている。
晦月絹:「それも改良の一種?それとも斜歯の小道具?……どっちにしろ良いか」
晦月絹:特別深く考えて喋っているわけではない。独り言のようなもの。
晦月絹:「腕が鈍ってなければそれで良い」
木城フシギ:「そう判断するには不足だと考えます」
木城フシギ:馬鹿正直な前という方向。音より遅い速度での投擲。自分を──と言うより忍者を相手に殺意をもってするには、あまりにも温い。それを知らぬ相手でもない。
木城フシギ:「……あなたの意図は77%の確度で推測できていますが」
木城フシギ:「忍者としてはいかがなものでしょう」
晦月絹:「忍者なんて大枠の括りに大した意味はない。一口にそう言っても、中身は玉石混交で千差万別」
晦月絹:「私達鞍馬神流……」 いいえと言葉を切るように首を横に振って。
晦月絹:「晦月には、小道具も手品も謀略も戦術も異形の術も必要ない」
晦月絹:「正面から敵をねじ伏せる。その強ささえあればいい」
晦月絹:「小細工を弄したとか敵側の不調だとかで他から文句をつけられる方が嫌。だから先に確認に来た」
晦月絹:「アンタがちゃんと万全で居るか」
木城フシギ:滑らかな眉間に、僅かに皺が寄る。
木城フシギ:「であれば、容赦などしないでください。今の攻撃程度なら、たとえ一月眠らずにいた後でもいなせる」
木城フシギ:「それが試しだったなどと言われては、他ならぬあなたに軽んじられていると勘違いします」
晦月絹:「……」 こちらも僅かに眉間のシワが深くなって。
晦月絹:「闇討ちなんて下策に本気を使うこと自体、私達にとっては言語道断ということ」
晦月絹:「私が今更アンタを軽んじる訳がある?それこそ寝てから言いなさい」
木城フシギ:「…………」やや睨み合って。
木城フシギ:「分かりました」息を吐く。「では単に、挨拶──いえ」
木城フシギ:「宣戦布告、と取ればよいでしょうか」
晦月絹:「……ん」 こちらも細く息を吐きだして。
晦月絹:「こんなところで本格的に始めるつもりもない。どうせそのうちかち合うだろうし」
晦月絹:「万に一つも加減なんてするな。それだけ言いに来た」
木城フシギ:「そう、ですね」視線を落とす。
木城フシギ:「忍務。私たちにとって、それは絶対です」
晦月絹:「分かってるなら良い」
木城フシギ:「忍者の」
木城フシギ:「──末路を。調べたことがあります」
木城フシギ:「最初の忍務で死ぬ者が最も多く、二回目と三回目では落ち着きますが、四回目以降で再び跳ね上がる。修行中の事故等も幾つか」
木城フシギ:「死。もしくは再起不能。そうなった者たちの山を土台に、我々の世界は続いている」
木城フシギ:「ですが……」
木城フシギ:「……覚えていますか。最初に交戦した時のことを」
晦月絹:「……」 沈黙。肯定である。
木城フシギ:小さく頷く。
木城フシギ:「奇怪でした」
木城フシギ:「理論値では完全に凌駕していた。にも拘わらず私は勝てず、そして負けもしなかった」
木城フシギ:「幾度繰り返してもそう。そこに至り、認めざるを得なかった。均衡状態を作り出す、未だ私が見出せていない要素があると」
木城フシギ:「つまり」
木城フシギ:「私とあなたが相思相愛だからです」
晦月絹:「……………は?」
木城フシギ:「この仮説が正しければ」気にせず続ける。
木城フシギ:「今回は……今回も。私とて無論、手を抜きはしません」
木城フシギ:「忍びは生きるか殺すかの二択。しかし」
木城フシギ:「愛の力を計算に入れれば、別の可能性が見えてきます」
木城フシギ:「お互いに敵対し、力を尽くし、結果としてどちらかしか務めを果たせなかったとしても、命は失われることがない」
木城フシギ:「私はそうであればいいと思う。絹は……」
木城フシギ:「いかがですか」
木城フシギ:じ、と見つめる。
晦月絹:「…………」 何を言ってやろうかというように口が開閉する。
晦月絹:眉間には深いしわ。頬は赤く。しかし目つきは鋭いというにはあちらこちらへブレ。
晦月絹:「……馬鹿!勝手に言ってろ!」
晦月絹:それだけ言い残すといずこかへと踵を返す。
木城フシギ:「ふえっ」
木城フシギ:「待ってください。同意は」
木城フシギ:「絹は私を愛していないのですか?」
晦月絹:彼女の消えた先から再び手裏剣が投げ返される。
晦月絹:肯定するなら沈黙だ。応答はない。つまり消極的な否定となる。
木城フシギ:先ほどと同じように弾いて。「絹!」
木城フシギ:夜闇に向け、細い声を張り上げる。「覚えておいてください──どうか」
木城フシギ:「私は貴方こそを、何よりも愛しています!」
晦月絹:「……馬鹿」 微かに聞こえたその声に、口の中だけで呟き答える。
晦月絹:彼女の語った、これまでの交戦の記憶が脳裏によぎる。実力は常に伯仲し鎬を削り合った。
晦月絹:一手が違えばどちらかが殺せていた。一歩状況が変わればどちらかが死んでいた。
晦月絹:そんな殺し合いを繰り返し、繰り返し。ある日気付いた。
晦月絹:彼女と戦っている間は、なぜか深く息が出来る。家での訓練や、他の忍務よりずっと。
晦月絹:彼女がただの敵から変わってしまったのは。変わっていると気づいてしまったのは、それからだ。
晦月絹:本当に、救いようのない馬鹿だ。彼女も、私も。
晦月絹:舌打ちを一つ。八つ当たりを込めるようにして、知らぬ家の屋根を強く蹴った。
【Cycle1/木城フシギ】
GM:3手番目 フシギさんのシーンです
GM:登場を希望するPCはいますか?
木城フシギ:ちょっと悩んだのですが 灰田くんに出ていただいてもよろしいですか?
灰田昇:裏コードしないならいいよ(警戒)
木城フシギ:大丈夫だから!
木城フシギ:初手敵対なんかしたくないよ
灰田昇:じゃあ出まーす
GM:シーン表を使うなら振ったりするとよいでしょう
木城フシギ:ST
ShinobiGami : シーン表(5) → 世界の終わりのような暗黒。暗闇の中、お前達は密やかに囁く。
木城フシギ:ふむ……これで良いかな
GM:何か考えがあるようだな
木城フシギ:具体的にはえーと
木城フシギ:山の中の廃屋とかがいいです
木城フシギ:たぶん夢幻泡影の情報があるとかないとかいう話だったのだろう
灰田昇:いいでしょう。ちょうど山の中の廃屋に行きたい気分だったんだ
GM:なるほど ではロールに入っていきましょう
灰田昇:空は曇天。山の空気もどこか湿っぽく、土や葉は重く濁っている。
灰田昇:「……よ、っと。うお」
灰田昇:きっと長らく忘れられていただろう廃屋の扉を押し開き、そのカビ臭い空気と埃っぽさに顔をしかめる。
灰田昇:(……木城がいた時は気分も紛れたんだが)
灰田昇:(一人で探しものしてると、何だか陰キャっぽいな……)
灰田昇:指を弾いて掌上に小さな灯りを点け、姿勢を低くする。足元に先客の形跡や罠の類がないか、念のため探っているのだ。
灰田昇:(さて、今回はどう出るか……)
木城フシギ:……擦り切れた敷物の上に広がっていく明かり、それを追う視界の範囲内に、不意に場違いな小奇麗さが現れる。
木城フシギ:茶色く艶のある、女性物のパンプス。
木城フシギ:履いているのは白いタイツの足。視線を上にあげていくにつれ、落ち着いた色合いの服装が露わになる。それを纏っているのが司書めいた格好の少女であることも。
木城フシギ:「お待ちしていました」
灰田昇:……不審に触れた時こそ、冷静に振る舞わなくてはならない。
灰田昇:過敏に大きな反応をすれば、それこそが致命的な引き金を引くことになる場合もある。……炎を司る不知火の教えだ。
灰田昇:だから跳ねるような心拍を強いて押さえつけ、ゆっくりと姿勢を直していく。
灰田昇:「……待っていた、って?」
灰田昇:炎を浮かべた手のひらに、じわりと汗が滲む。もちろん、炎によるものではない。
木城フシギ:「はい。灰田昇さんですね」
木城フシギ:暗く荒れ果てた廃屋のホールにあって、浮き出るかのように汚れ一つない姿。異常である、と示しているみたいに。
木城フシギ:「木城フシギと申します。初めまして」
灰田昇:「フシギ……木城。木城フシギ。ああ」 どこか納得……あるいは少し安堵するように頷く
灰田昇:「木城の家族って人か、君が……ああ、ええと、木城……じゃ分かんないか」
灰田昇:「木城エリア……とは、まあ、ちょっと仲が良くて。ええと、フシギちゃんで良いかな。いやフシギちゃんって、不思議ちゃんかよって感じだな……はは」
灰田昇:緊張によるものか、少し早口で喋る 「え、ちなみにそっちは、木城……エリアの、お姉さん、とか? 歳上?」
木城フシギ:「娘です」
灰田昇:「む」
灰田昇:「……しぇ?」 訊き返す
木城フシギ:「母さんと親しくお付き合いしていただいているようで……ああ、本人から聞いたわけではないのですが」
木城フシギ:「娘です、間違いなく。ですから」
木城フシギ:「あなたを父さんとお呼びする用意も整っておりますが。いかがでしょうか」首を傾げる。
灰田昇:「とっ」
灰田昇:思考が鈍化する。口は半開き。目の前の美少女の唇から出てきた言葉の意味を、消化しきれない。
灰田昇:「いや、その……あ……え?」
灰田昇:「ひっ、人違い……じゃない?」 逃避めいた言葉
灰田昇:「いやだって、アイツが母親とか……娘がいるとか……え? えっ?」
木城フシギ:「?」
灰田昇:「え、じゃあ……よ……養子とか……そういうやつ?」
灰田昇:「あ、ああ、そういうやつ? シノビの世界、色々ありそうだもんな。なんかそれでさ……そういう奴なんだよな?」
灰田昇:「…………」 そうだと言ってくれという目
木城フシギ:「何か説明に不足があるでしょうか」
木城フシギ:「母親から産み落とされた女性のことを、娘と」
木城フシギ:「そのように呼ぶものと思いますが。定義に齟齬がありますか?」
灰田昇:「産み」「落と……」
灰田昇:「……され」 目を覆い、天を仰ぐ
灰田昇:……古来、単純な腕力や体力に劣る女性のシノビというものは、美しく変幻自在に振る舞うことを武器としてシノビの世を渡り歩いた。すなわち、それが九ノ一であると――
灰田昇:「……そ、そういうことなのか……」
灰田昇:「お前……超若作りだったのか……? こ、こんな大人っぽい娘がいる……そういう……」
灰田昇:「き、木城……シノビの世界、色々あるっつってもよ……」
灰田昇:おもむろに目の前の少女を見て 「いや、君のことじゃなくね……君のその……お母さんに向けて」
灰田昇:「……マジか……」 動揺が収まる様子はない
木城フシギ:「おそらく誤解が生じています」
灰田昇:「ご、誤解?」
木城フシギ:「私は生まれて数年です。そういう術ですので」
灰田昇:「じゅ……術!」
灰田昇:「えっ、そんなこともできる術もあんの……!?」
木城フシギ:「母さんも……私にも秘匿している可能性は低確率ながらありますが。実年齢は見た目とそう変わらないかと」
木城フシギ:「詳しくは本人にお尋ねください。母さんとあなたの関係が拗れることは本意ではありませんので」
灰田昇:「ええ……いや、いや数年でもそれはそれでヤベー気はするんだけど」
灰田昇:「わ、分かった。まあ、ちょっと冷静になるよ。実際、うん……術で数年で今の君くらいに育った方が、まだリアリティある」
灰田昇:「リアリティつっても変な話だけど……はは……」 誤魔化すような笑い
木城フシギ:「円滑に理解が得られ、僥倖に思います」頷く。
木城フシギ:「私の忍務のためにも、あなたとは良好な関係を築きたい」
灰田昇:(全然円滑じゃねえよ……俺の心はガタガタだよ)
灰田昇:「……良好な関係……って? 仲良くするのか?」
灰田昇:「なんか、聞いてる感じ、俺と同じもの探してるっぽいんだけど……」
木城フシギ:「ご存知でしたか。であれば」
木城フシギ:「“同じもの”を探している者が、他にもいる」
木城フシギ:「それも聞き及んでおいででは?」
灰田昇:「ああ、えーっと……鞍馬、だっけ? 確か、戦うのが強い連中だとか……よく知んないんだけど」
木城フシギ:「その理解で問題ありません」
灰田昇:「斜歯が、神器を研究しようで、鞍馬は、神器を封印しよう、だったかな……?」 思い出しつつ呟く
灰田昇:「それがどうかした?」
木城フシギ:「私にとって……」僅かに視線を彷徨わせる。
木城フシギ:「……避けるべきことです。鞍馬に、標的を奪われるのは」
木城フシギ:「ですから、それを防ぐという目的の限りで良い」
木城フシギ:「互いに協力することはできませんか」
灰田昇:「……」 少し考えて 「……俺、シノビのことは良く分かんないけど」
灰田昇:「例えば三対一……鞍馬が一の方でさ。で、『夢幻泡影』を俺たちが見つけられたとしても」
灰田昇:「その後、お前ら……木城と、フシギちゃんのニ対、俺一で、取り合いになるんだろ?」
灰田昇:「結局それ、俺が不利になんじゃねえかな。それとも、鞍馬ってのがメチャクチャ強いのか……分かんねえけど。どうなんだろ」
木城フシギ:「メチャクチャ強いですよ」
灰田昇:「そんなに……?」
木城フシギ:「ええ。ですが……そうですね」
木城フシギ:「母さんは……」
木城フシギ:少し黙って。
木城フシギ:「……不確定要素は排除しておきたい」
木城フシギ:「共闘の主な利点はそこです。最終的な形が二対一になる可能性は確かにありますが」
木城フシギ:「そうなるくらいなら、むしろ、あなたにとっては幸いな部類でしょう」
灰田昇:「うぇ……?」
灰田昇:「……もっとやばいことあるの? 俺?」
木城フシギ:「単純なことです」
木城フシギ:「この提案が呑まれないならば、あなたには敵として対処せねばならない」
木城フシギ:「鞍馬と一時共闘し、三対一でまずあなたを排除することも、選択肢としては取り得る。望ましくはありませんが」
木城フシギ:「そして、私も」
灰田昇:「うわ……」 引きつった表情
木城フシギ:「正直に申し上げますが、余裕があるわけではないのです」
木城フシギ:「争奪戦に参加する一人の者として、策謀蠢動を恐れていますし」
木城フシギ:「それを防ぐためならば、可能な限り手は尽くす」
灰田昇:「さ、策謀って……なんかすごい話になってるな」
灰田昇:「分かった分かった。いいよ、俺はそれで……手を組もう」
灰田昇:「木城から元々話は聞いてたし……いきなり君とやり合うことにならなきゃなんだって良い」
木城フシギ:「ありがたく存じます」人形じみた無表情が緩む。
灰田昇:うんうんと頷き 「そうだよな、考えてみれば知らん鞍馬のシノビよか、木城の娘のほうがまだ……」
灰田昇:「…………娘か……」 またげっそりする
灰田昇:「いや、悪い! じゃあえーと、こういう時はなんだ? 握手? 血判?」
灰田昇:炎の灯っていない左手を浅く差し出しつつ
木城フシギ:首を振る。「言葉だけで充分です。この段階では」
木城フシギ:「それ以上は重すぎますし、したところでいくらでも反故にできる。……それにしても」
灰田昇:「あ、そう……まあそうだよな」 おずおず手を引っ込める
木城フシギ:髪が揺れる動きに伴って、ふわ、と仄かに甘い香りが漂う。
木城フシギ:毒薬──と言うほど大層なものではない。一般の店でも買えるような、それに少しだけ手を加えた、僅かに警戒心を緩めるだけのもの。
木城フシギ:目元にかかった銀髪を直し、その下から流し見るようにして。
木城フシギ:「……本当に、父さんと呼ばなくても良いのですか?」
灰田昇:「んっ……」 不意に漂ってきた廃屋に似つかわしくない香りとその所作にまごつきつつ
灰田昇:しばらく、目が離せないというように見返したあと 「……い、いや、いやいやっ」 何とか顔を逸らす
灰田昇:「そういうんじゃないし! 木城……君のお母さんとは! ただの同級生で友達で……」
灰田昇:「っていうか、お父さんっていうのはだなぁ……」
木城フシギ:というところで一旦感情判定をしたいです!
木城フシギ:香術で
GM:いいでしょう!判定どうぞ!
木城フシギ:2D6>=5 (判定:香術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 4[2,2] → 4 → 失敗
灰田昇:ワァ……
木城フシギ:もーっ
GM:色仕掛け失敗!!
木城フシギ:あのあれを使う
木城フシギ:神通丸!
GM:そんなに母の彼氏を落としたいのか
GM:いいでしょう
灰田昇:がんばれ~
木城フシギ:2D6>=5 (判定:香術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[3,5] → 8 → 成功
木城フシギ:ふう……
GM:OK お互いに感情をどうぞ
木城フシギ:ET
ShinobiGami : 感情表(6) → 狂信(プラス)/殺意(マイナス)
灰田昇:et
ShinobiGami : 感情表(1) → 共感(プラス)/不信(マイナス)
灰田昇:殺される!
木城フシギ:またかよ
灰田昇:共感にしま~す 木城のシノビ事情とか知ってる俺以外の奴に会うのは初めてなので
木城フシギ:とは言え殺意よりは狂信かな……母との仲を無邪気に信じてる感じということでひとつ
GM:狂信しすぎでしょ
木城フシギ:そして……えーっと……
木城フシギ:ごめんなさい使います。使いますがケガさせるだけで終わったらフォローはする!
木城フシギ:裏コード!!!!!
灰田昇:おい!!!
GM:やってんなこいつ
木城フシギ:暗号術で…………
木城フシギ:2D6>=5 (判定:暗号術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 2[1,1] → 2 → ファンブル
灰田昇:下ったな 罰が
木城フシギ:????
GM:天罰
GM:FTでファンブル表を振りな
木城フシギ:FT
ShinobiGami : ファンブル表(2) → しまった! 好きな忍具を1つ失ってしまう。
木城フシギ:どうしようもない
GM:ひぇ~
木城フシギ:喪いました
灰田昇:代償……
木城フシギ:戸惑う少年を凪いだ目で見ている。(……ごめんなさい)
木城フシギ:それは心理の隙だ。格好の。(私は、手段を選ぶわけには──)
木城フシギ:その顔に手を伸ばしかけ。
木城フシギ:晦月絹の顔が脳裏に過ぎり、びくりと震える。
木城フシギ:機は逸された。
灰田昇:「……あ?」
灰田昇:痺れていたように動けなかった灰田だが、不意に緊張が弛緩し、一歩後退る。
灰田昇:「っと……えーと、じゃあ、フシギちゃん……」
灰田昇:左手のひらを見せて 「とりあえず、これからしばらくよろしく、ってことで……いい、のか? な?」
木城フシギ:「……ええ」
木城フシギ:迷った手を胸元に引き、もう片手で包むようにする。
木城フシギ:「よろしくお願いします」
【Cycle1/灰田昇】
GM:サイクル1 最後の手番 灰田くんのシーンです
GM:登場を希望するPCはいますか?
灰田昇:木城エリアにもいっちょ会いに行くかな
灰田昇:感情締結だし
木城エリア:わ~い
木城エリア:勿論出ます!
GM:シーン表を振ったり振らなかったりしな
灰田昇:ST
ShinobiGami : シーン表(6) → 優しい時間が過ぎていく。影の世界のことを忘れてしまいそうだ。
灰田昇:木城フシギちゃんも呼びます あと
灰田昇:冒頭で従者のばあちゃんを出します
木城フシギ:呼ばれて飛び出ます
GM:女を3人も……
灰田昇:カウントしないでもろて
灰田昇:……木城エリアから話を聞いたあとでも、結局彼女が学校に来ていないことは変わらず。
灰田昇:そうとなれば、生存確認のため顔を出しに行くのは別に不自然なことではないのである。
灰田昇:……不自然なことでは、ないはずだ。たとえ彼女の家が、学校を挟んでまったく反対側にあったとしても。
灰田昇:「……ばあちゃん。わざわざありがとね」
灰田昇:「遅くなる予定はないから」
灰田昇:彼女に聞いたリクエスト通り、平の大皿に盛ったパエリアを、横長のビニール袋に入れて用意してくれた同居人に礼を言う。
灰田昇:同居人はいつもどおり何も言わず、穏やかに笑って俺を見送った。
灰田昇:こうして俺は、いくらあっても足りない日曜日というものを、同級生の家の訪問に費やそうとしていた。
灰田昇:…………
灰田昇:「……で?」
灰田昇:「フシギちゃんも偶然、木城……エリアの方な」
灰田昇:「その家に行く用事が?」
灰田昇:家の直前で遭遇した相手にそう投げかける。
木城フシギ:「そういうことになります」ごく自然に居て、ごく自然に首肯する。
木城フシギ:「もっとも、急ぎではありませんので」
木城フシギ:パエリアに視線をやる。「事と次第によっては遠慮いたしますが」
灰田昇:「別にいい。今は三人で同盟するなら、隠すようなこともないだろうし」
灰田昇:「フシギちゃんも食べな。うちのばあちゃんが作ったの、うまいから。量はあるし」
灰田昇:言って、チャイムを押し、先日と同じように扉が開くのを待つ。
木城フシギ:「おや。ではありがたく」
木城エリア:「はーい!昇くん、毎回ありがと~。お婆ちゃんパエリア作ってくれた?」にこにこ顔で扉を開けて君を迎えるよ。相変わらず厚着をしてる
灰田昇:「おう。ばあちゃん張り切っちまった」
木城エリア:「……って、あれ!?な、なんでフシギも一緒にいるの~……!?」
木城フシギ:「こんにちは」灰田くんの隣に立っている。
木城フシギ:「すぐそこで会いました」
灰田昇:「正確に言うと、もう少し前に顔は合わせてた」
木城エリア:「え、あ、え~っと……昇くんに紹介しとくね!この子はね、え~……私の従兄弟のフシギちゃんって子でね……?」
木城エリア:とフシギに合わせて合わせて、と視線を送るが
木城フシギ:「ご心配なく」
木城フシギ:「委細伝達済みです。母さん」
灰田昇:「いとこで乗り切るつもりだったのか……」
木城エリア:「伝達済み……じゃあ……」
木城エリア:「え、えっと……昇くんはもう知ってるってこと……?フシギがその~……」
灰田昇:「娘、だろ」 未だ異物感のあるその言葉、その関係性を、平静を装いながら口にする
木城エリア:「ふえっ」
灰田昇:「びっくりはしたけど、まあ……嘘吐いてる様子もねーし……」
灰田昇:「シノビって色々あるんだよなって、思い知っただけ。いや、マジでびっくりはしたけど……」
木城フシギ:心なしか誇らしげにしている。
灰田昇:「……いや、やっぱびっくりの方がでかいな……」 目元を押さえ
灰田昇:「木城に……娘か~~…………」
木城エリア:「ち、違う、違うんだよ!昇くん!いや、フシギは娘で、それは間違いないんだけど……」
灰田昇:「いや、いや、良いよ。俺もそう多くは聞かないから……びっくりはしたけど……」
灰田昇:「色々あるんだろうし……デリケートなことだしな」
木城エリア:「違う!違うのー!」灰田くんの服を掴んでがくがく揺らすよ。「娘だけどー!昇くんが想像してるようなことはしてないの!ほんとなのー!」
灰田昇:「分かった。分かったから。大丈夫。お前がお母さんでも友達だ、友達」 がくがく揺らされつつ
木城エリア:「色々無いよ~!うう……うう~!昇くんにだけは絶対知られたくなかったのに~……!」ぐすぐすと鼻を鳴らしながら泣き始める
木城エリア:「なんで勝手に言っちゃうの~……フシギのバカ~……!」
木城フシギ:「えっ。なぜですか」
木城フシギ:「ここは本人の口からは伝えにくいデリケートな事実をそれとなく伝えた娘を褒めるべき場面では……?」
灰田昇:「全然それとなくではなかったけどな」
灰田昇:また木城(エリア)の頭を宥めるように撫でている
木城フシギ:「母さんのボーイフレンドの器の大きさも証明された形です」
木城エリア:「なんでそこまで分かってるのに肝心なところはわからないんだよ~!」
木城エリア:「うう……昇くんだって娘の手前優しくしてるだけで内心はわかんないよ~……」
灰田昇:「別にフシギちゃんにそこで会ったから木城に優しくしてるんじゃねーし」 パエリアの袋を見せて 「そうだったらこれ、ないだろ」
灰田昇:「そろそろ食べね? 俺もちょっと腹減ってるし……」
木城エリア:「……うん」しょんぼりと頷いて
木城フシギ:「そうですよ」
木城フシギ:「泣いていないでお客様を家に上げなくては」
木城エリア:「……フシギはそんな事言う権利ないよ~!もう~!」二人を居間に通そう
木城フシギ:「何故……」通る。
灰田昇:勝手知ったる様子でパエリアを電子レンジで温め、持ってきた紙皿に取り分ける。
木城エリア:「うう……。それで…………昇くんは何処まで不思議から聞いてるの……?」もそもそパエリアを食べながら訪ねる。
灰田昇:「どこまでって。フシギちゃんがお前の娘で、斜歯のシノビで……任務で『夢幻泡影』を探してて……」
灰田昇:「てことくらいだよな? んぐんぐ……」 フシギちゃんに振りつつもぐもぐと食べる。ばあちゃんの味付けはイコールで好みの味付けだ
木城フシギ:「そうですね。それと」
木城フシギ:「鞍馬の忍者に対しては共同で対策に当たれないか、との話もさせていただきました」
木城エリア:「あ、フシギはちょっと昇くんから離れて座ってよー!」
木城フシギ:「分かっています。そう心配しなくても取ったりしません」
木城フシギ:冷蔵庫から自分で出したコーラを飲んでいる。
木城エリア:「フシギは特別性なんだから……もうちょっと自覚を持ってよ~!普通の男の人ならフシギが隣りに座っただけでイチコロなんだよ……?」
灰田昇:「そういや近づいた時なんか甘い匂いした気はしたな……」
木城フシギ:「……」その点については失敗したのでやや居心地悪そうにする。
木城エリア:「ふ、フシギ!?ほ、本当にだめだよ!?昇くんは私の……えっと、私の友達なんだから!」
木城フシギ:「……分かっていますってば」
木城フシギ:拗ねたように言ってパエリアの匙を口へ。
木城フシギ:「……む。思いの外」
灰田昇:「大丈夫だって。なんか、よく分かんないけど、別に何ともなかったから。俺には効かないのかも」 危機感が一切ない
木城エリア:「昇くんはのんきすぎるよ~!絶対フシギと二人きりにならないようにしてね!」
灰田昇:「一度もうなってるんだけどな……」
灰田昇:「で、そうそう。鞍馬のシノビが超強いっぽいから、協力する? みたいな話をしたくらい」
木城エリア:「ふんふん。……じゃあ、私の術については聞いてないんだね……?」
灰田昇:「聞いてない。まあ、シノビ同士ってそういうの、秘密にするもんなんだろ。俺も今まで聞いてないし……」
木城エリア:「……そうだけど……いや。協力するならちゃんと分かっておいたほうがいい……と、思う……」
木城エリア:「……昇くん」ぽんぽんと床を叩いて、自分の横に来るよう促すよ
灰田昇:「聞いたほうが良いなら聞くけど……ん」 パエリアの紙皿を持ったまま、木城の隣へ移動
木城フシギ:無音でパエリアを食べ続けている。ほとんど咀嚼していないかのような早さ。
木城エリア:隣に来た灰田の手をとって、自分の腹部を触らせる。厚着のおかげで、外見からはわからないが
木城エリア:はっきりとした丸みを帯びた感触が手のひらに伝わってくる。
灰田昇:「…………え、何……」
灰田昇:未知の、そして予想していない感覚に、困惑しつつ手探りする
灰田昇:「……え? これ何か、仕込んで……」
木城エリア:「ううん……間違いなく私の体だよ」
灰田昇:「いやこれ木城の体って、これじゃまるで……」
木城エリア:「斜歯では、この術を『七夜祝業』って呼んでる。普通の方法じゃなくて」
木城エリア:「敵の……シノビの敵意を取り込んで、親を殺せる子を孕む忍術」
灰田昇:「……孕……」 さすがに愕然としている
木城エリア:「今私のお腹の中には、敵の……鞍馬のシノビを殺せる子供が宿ってる」
木城エリア:「えへへ……やっぱり気持ち悪いよね。ごめんね、隠してて……」
木城エリア:「……でもこれで、灰田くんの前で術を使わなかった理由、わかったでしょ?」
木城エリア:「灰田くんは友達だから……えへへ。私に敵意なんて向けたこと無いもんね」
灰田昇:「いや、あー……ええー……」
灰田昇:言葉にならない呻きを漏らしながら、『待った』と左手のひらを差し出しつつ
灰田昇:「まず、その……びっくりしてる、俺は。そりゃびっくりもするよ」
灰田昇:「色々あるつったって、さすがにそんなのは、想像してなくって……」
木城エリア:「だから言いたくなかったんだよ~……」
灰田昇:「いや、だから言いたいのは……」 大きく呼吸し、自分の言おうとする言葉を確かめるように、何度か頷いて
木城エリア:「……」隣で不安そうに君の言葉を待っている
灰田昇:「気持ち悪い……とか、っていうのも、まだ、その」
灰田昇:「分からん。突然過ぎて……」
木城エリア:「うっ」気持ち悪い、と言われた一瞬、ビクッと体を強張らせて
灰田昇:「そりゃ、そりゃな? バイオみたいに、ゾンビ~怪物~血~目玉~! って出たら、わっキモ! ってすぐ反応できるけど」
灰田昇:「お前のそれは、その……多分、気持ち悪くない、って言った方が、なんつうか、良いんだろうけど」
灰田昇:「……良く分かんないんだよ……正直」
木城エリア:「……うん。そうだよね。灰田くんはシノビって言っても、普通の高校生だもんね」
木城エリア:「でも、灰田くんにどう思われても、私は灰田くんとの約束、ちゃんと果たすつもりだから」
木城エリア:「覚えておいてね」
灰田昇:「……木城」
灰田昇:「……」 ちらりと木城の下腹部を見て
灰田昇:「俺も……」
灰田昇:「気持ち悪いとかは、分かんないけど」
灰田昇:「それだけで、お前のこと、見放すとかはさ。ないから」
灰田昇:「ほら、そのー……プルーンとかさ、あいつ実はすっげえ気持ち悪い性癖してるんだけど、友達のつもりだし」
木城エリア:「えへへ……。エリアって呼んでよ~」気の抜けた笑顔を、冗談で誤魔化すよ
灰田昇:「まあ、そんな感じで……あー、なんか微妙に違う気がするけど……」 また釣られたように笑いを返す
木城エリア:「さっきからずっとお前じゃん!それにプルーンと比べるのはひどくない!?私女の子だよ~!?」
木城エリア:と、怒って見せて。それから、堪えらきれなくなって、くすくすと笑い始め
灰田昇:「……な。まあ、まあまあ。食べようぜ。ほら、腹に子供いるとエネルギー必要だろ」
灰田昇:「それに怒ると腹の子に良くないって聞くぞ~?」
木城エリア:「はーい!おばあちゃんのパエリアすっごい美味しいから、いくらでも食べられるよ~」
灰田昇:「てか今度はばあちゃんに聞いて、腹に子供いる奴の体に良い奴作ってもらおうか」
木城フシギ:「無事話が付いたようで何よりです」
木城フシギ:二人が話している間に大皿のパエリアを大部分食べつくしている。
灰田昇:「……いやでもそれ聞いたらさすがにばあちゃんに事情聞かれ……うおっ」
木城エリア:「こじれたのはフシギのせいだからね~!?っていうか、パエリアもう殆どないし!」
灰田昇:「ほとんどなくなってるぞフシギぃ!」
木城フシギ:「無用な心配だったでしょう?」
木城フシギ:「私の言った通り、器の大きい方ですから。昇さんは」
木城エリア:「……二人きりになるのはだめだからねっ!昇くん!」
木城エリア:灰田くんを自分の方へ引き寄せて、フシギから遠ざけるよ
灰田昇:(器の大きい俺に胃袋の大きいフシギに腹の大きい木城……いやこれはライン超えか……)
灰田昇:「分かった、分かった! とりあえず残り分けるぞ……!」
灰田昇:(ったく……)
灰田昇:明かされた真実に対する動揺は未だ止まないが……
灰田昇:それでも、賑やかに笑い、話すことはできただろう。木城も俺も、それを望んでいる。
灰田昇:フシギは多分食うことを望んでいたが――
灰田昇:ということで感情判定行きます。対象は木城エリア。動揺を 上手く隠して 隠蔽術(川柳)
GM:なるほどね どうぞ!
木城フシギ:感情修正投げます +1!
灰田昇:ありがたすぎ
灰田昇:2D6+1>=5 (判定:隠蔽術)
ShinobiGami : (2D6+1>=5) → 8[4,4]+1 → 9 → 成功
灰田昇:フー
灰田昇:FT
ShinobiGami : ファンブル表(5) → 敵の陰謀か? 罠にかかり、ランダムに選んだ変調1つを受ける。変調は、変調表で決定すること。
灰田昇:間違えた
木城エリア:エモーション表!
木城フシギ:www
木城エリア:ET
ShinobiGami : 感情表(4) → 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)
灰田昇:ET
ShinobiGami : 感情表(6) → 狂信(プラス)/殺意(マイナス)
GM:オイオイオイ
灰田昇:狂信しちゃうか~
GM:狂信者の集いかよ
木城エリア:まあ忠誠しちゃおっかな。約束絶対守るって言ってるし
木城エリア:灰田くんの言う事なら何でも聞いちゃうよ~
灰田昇:「……えーっと、つまり……木城の話はよく分かってないけど、つまり……」 残り少ないパエリアを頬張りつつ
灰田昇:フシギちゃんを指差し 「この子も、別にその、ヤッ……ていうか、まあ」
灰田昇:「普通に相手がいて普通の手段でとかじゃない……?」
木城フシギ:首を傾げている。
灰田昇:「つまりその」 手をワチャらせて 「そういうアレで……」
木城エリア:「なっ……何聞いてるの!もー!」肩をポカポカ叩いて
木城エリア:「そりゃ……聞かれるかなあとは思ったけど……この空気で言うことじゃないよー!」
灰田昇:「いやつっても、なあ……!? その辺はなあ?」
灰田昇:「なあ!?」 フシギちゃんに同意を求める
木城フシギ:「よく分かりませんが」
木城フシギ:「それを知ってどうなさるのですか?」
灰田昇:「べっ……」
灰田昇:「……つに……気になるだけだし、どうもしねえっつうか……」
灰田昇:「……分かった、やめやめ! この話やめ!」
木城エリア:「そ、そうだよ~!フシギも何言ってるの!も~!」
灰田昇:ぶんぶん両手を振り 「食べるぞパエリア! 冷める前に! ……ったく……」
灰田昇:背を曲げて、もぐもぐと口の中に掻き込むように残るパエリアを食べていく。
灰田昇:手も口も止めず、ただ目線だけは、どうしてもすぐ隣の……あの下腹部の、丸い奇妙な感触のあった所に行ってしまって。
灰田昇:(……そりゃ、どうもしないけど。気になるだけだけど。気になるだろ)
灰田昇:(木城に昔、そういう相手がいたのか……とか……)
灰田昇:(…………)
灰田昇:口にできない思いを巡らすのに忙しく、舌に合うはずの好みの味は、最後の一口までまったく分からなくなってしまっていた。
【Interlude1】
GM:サイクル1終了
GM:イベントが入ります。
GM:シーンPCは晦月さん。
GM:深夜。
GM:街の中心部からやや離れた住宅街。深夜に営業しているような店も無く、この時間ともなると殆ど人気も無くなる地区。
GM:何らかの用事か、調査の帰路か。暗い道を一人歩いていた君の近くを、小さな影が通り過ぎた。
GM:それは、猫だ。
GM:一匹の黒い猫。しなやかな体躯で塀の上に飛び乗り、黄色い目が月光を反射して光っている。
黒猫:「……晦月絹」
黒猫:空気の掠れたような声が、猫の口から漏れる。
黒猫:「忍務の次第は如何様か」
黒猫:「『夢幻泡影』について、何か分かったことは」
黒猫:鞍馬の使いだろう。特別に訓練された忍猫か、あるいは何らかの忍法による傀儡か。
晦月絹:「そちらの報告通り、斜歯が確保に動いている。それと野良のハグレも一人」
晦月絹:「斜歯は木城フシギ、木城エリアの二名。ハグレは灰田昇。後者は居場所も掴んだ」
晦月絹:「当人の情報管理の杜撰さを見るに、ここに定住した字義通りの逸れ者ってとこ。ただし調査に動いてはいる」
晦月絹:「その割に斜歯と敵対の様子はない。あるいは見つけるまでの一時的な協力関係にあるかもしれない」
晦月絹:「現状での情報は以上。奴らの動きを掴んでいれば、自然と泡も浮かんでくる」
晦月絹:「その全容が現れたとき、まとめて掴んで割れば良い」
黒猫:「良いだろう。今後も細大漏らさず報告せよ」
黒猫:「それから」
黒猫:「もう一つの任の件だが」
黒猫:語調に品定めし、威圧するような色が混ざる。
晦月絹:「……」 僅かに眉間のシワが深まる。
黒猫:「抜かりは無いだろうな?」
晦月絹:「無論。……それとも」 口の端が嘲るように上がって。
晦月絹:「疑うなら今からでも人を増やす?それで巻き込んで死なれても、責任は負いかねるけど」
黒猫:「……忘れるな」
黒猫:「いかに晦月といえど、貴様の立場は盤石ではないぞ。代わりの者など幾らでもいる」
黒猫:「鞍馬はいつでも、貴様を見ている」
黒猫:そうして、黒猫は夜闇に溶けるように姿を消す。
晦月絹:「見てる、ね」
晦月絹:皮肉な話だ。晦月の家名の由来は晦日の月。
晦月絹:代々の遺伝である白い髪から『白い鴉』。表柳生とは違い秘せられた『裏柳生』。
晦月絹:『存在しないはずのもの』。その意味を表すために、昇ることのない晦日の月を名乗ったというのに。
晦月絹:監視され、脅かされ、挙句には家内でさえ団結せず当主の座を争っている。月無き夜の静けさなど程遠い。
晦月絹:「……失敗しなければいい。それだけ」
晦月絹:それだけだ。晦月の者にも、それ以外にも。文句を言わせなければいい。
晦月絹:黙らせれば静かになる。静かに夜が更け、いずれ明ける。
晦月絹:その静けさを保つために、鞍馬神流が、廻鴉が、晦月がある。
晦月絹:黒猫と真逆の白い髪は、しかし静かに夜闇へと溶け込んだ。
GM:サイクル2
GM:手番順を決めましょう。全員1D100をどうぞ
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 67
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 28
木城エリア:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 76
木城エリア:こいつつええ
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 92
木城フシギ:フ……
晦月絹:フシギちゃんがもっと強い
木城エリア:ぐああ苦しい毒だよ
GM:強親子
灰田昇:くっ……良い数字を出したと思ったのに
木城エリア:う~ん、どうしよっかな
GM:ではフシギさんから好きな順番をどうぞ
木城フシギ:うーんと
木城フシギ:まあ初手をいただこうかな……
GM:ではエリアさん!
木城エリア:私は灰田くんの次がいいかなあ
木城エリア:情報調べるなら結果見たいし
GM:その灰田くん!
灰田昇:こいつめ~
灰田昇:じゃあ3番目
木城エリア:私が最後じゃん
灰田昇:50%でそうだったでしょ
GM:ではこうなりますね
1:木城フシギ
2:晦月絹
3:灰田昇
4:木城エリア
GM:ちなみに灰田くんは弱所《不忍》と感情共有によって、既に【居所】が公開情報になっています
木城エリア:あいつ死んだわ
灰田昇:無防備
GM:というわけでサイクル2始めていきましょう
【Cycle2/木城フシギ】
GM:フシギさんのシーンです。
GM:登場を希望するPCはいますか?
木城フシギ:すみませんお待たせしました!
木城フシギ:エリアさんに出ていただきたいです
木城エリア:出ましょう。危険だが熱意に負けたぜ
GM:OK シーン表を振ったり振らなかったりなさい
木城フシギ:ST
ShinobiGami : シーン表(4) → 眼下に広がる街並みを眺める。ここからなら街を一望できるが……。
木城フシギ:悪くないのでは
木城エリア:では描写は任せようかな
GM:どこだろ ホテルとかかな
木城フシギ:うーん 学校ってたしか山の上でしたよね
木城フシギ:その屋上などはどうか
GM:そうですね ではロールやってきましょう
木城フシギ:あとエリアさん特別教室は大丈夫ですか?
木城エリア:3サイクル目にしようと思ってます。まだ妊婦で居たいので
木城フシギ:あーあー
木城フシギ:これ一回変えたらずっと持続するんだ 承知しました
木城フシギ:九海高校。夜気が渡るその屋上。
木城フシギ:元より高台にある校舎の天辺からは、ビルや家並みの灯りが瞬くさまが眼下によく見える。
木城フシギ:「……母さんたちはここに毎日通っているんですね」
木城エリア:「う~……」誰かに見られるのを危惧しているのか、落ち着かない様子で辺りを見回している。
木城エリア:学校の制服の上から、ぶかぶかのコートを羽織っているが、先日と比べかなり大きくなったお腹は隠しきれていない。
木城エリア:「そうだけど……フシギちゃん、なんで態々学校に呼び出すの~?誰かに見られて、噂になったら困っちゃうよ~……」
木城エリア:「そりゃ私達シノビだから大丈夫だろうけどさ!万が一があったら怖いもん」
木城フシギ:落下防止の味気ないフェンスを、特別なものであるように撫でながら。
木城フシギ:「大丈夫です」
木城フシギ:「偵察機に排除機能を追加しました。一定以上に近付いた者は姿を見られずに攻撃可能です」
木城エリア:「って何してるの!排除機能は不味いって!」
木城エリア:「それこそクラスメイトが怪我したら大変だよ~!オフ!今すぐオフにして!」あわあわと手を動かして頼みます
木城フシギ:「生徒は全員下校済みだと思いますが……」不可解そうにしつつも手元の装置で機能を切る。
木城エリア:「もう~!あのね、思春期の学生には突然夜の学校に忍び込んだくなったり、そういう変なところがあるの!」
木城エリア:「だから万が一があるかもしれないからね、一般の人を傷つけそうなのはだめ!分かった~?」
木城フシギ:「そうなのですか。母さんは何でも知っていますね」
木城エリア:「違うよ~!私が知ってるんじゃなくて、フシギちゃんに知識が足りてないんだよ~!」
木城フシギ:「私は学校には通ったことがありませんから。参考になります」
木城エリア:「あ~!なんかその言い方、棘があるな~」
木城エリア:「別にこれから通えないわけじゃないのに~。忍務次第では学校に潜入することだってあるし……」
木城エリア:「まあでも、それにはまず晦月さんを倒さないとだけどね」
木城エリア:「どう?できそう?」フシギに歩み寄り、横から顔を覗き込む
木城エリア:「難しいよね、やっぱり。好きな子を倒さなきゃって」
木城フシギ:「……。ええ」隠していたわけではない。知っているだろう。
木城フシギ:それでも即座に頷けなかったのは、その内容のせいなのか。
木城エリア:「伝わってるよ。フシギが斜歯に、ちょっとだけ嫌だな~って思ってるの」丸くなった腹を撫でる。七夜祝業は敵意を感知する術だ。
木城エリア:フシギが抱いている反感も当然、エリアは気づいているし……それは、エリアの術の対象にフシギが含まれているという警告でもある。
木城エリア:「お母さんは、フシギなら絶対やれる!って信じてるけど」
木城エリア:「もし出来なくても、責めたりしないから……その時はちゃんと教えてね。お母さんがなんとかしてあげるから!」ふん!と力こぶを作る
木城フシギ:「…………」
木城フシギ:「学校は」
木城フシギ:「楽しいですか?」
木城エリア:「ん~?」
木城エリア:「えへへ……楽しいよ~!変なクラスメイトもたくさんいるし」
木城エリア:「先生たちもね、流派の先生みたいに厳しくないし」
木城エリア:「それに灰田くんとも毎日会えるし!すっごいたのしいよ~」
木城エリア:「私がシノビじゃなければな~。毎日だって通ってたいよ~」
木城エリア:そう言いながら、大きく膨れたお腹をなでて、今はお休みだからね~と付け加える
木城フシギ:「ですが、学校での時間の殆どは授業に費やされるのでしょう」
木城フシギ:「母さんも私も既に知っている……そういうことばかりを教えられる、そういう時間」
木城フシギ:「それを上回るほどの充実感が」
木城フシギ:「先生やクラスメイトや、灰田さんとの交流で得られるのですか?」
木城エリア:「あ~。気になってる~!」
木城エリア:楽しそうにきゃっきゃと笑って、「う~ん……私はそうだけど、フシギはどうかな?そうだなあ」
木城エリア:「じゃあじゃあ、晦月さんと一緒に学校行ける!ってなったら?」
木城エリア:「忍務とか関係なくね!それで、何を喋っても何をしてもいいの。それならフシギも通いたくなるんじゃない?」
木城エリア:どう?どう?と首を左右に傾げてフシギちゃんの答えを待ってるよ
木城フシギ:街を見下ろす。蒼い瞳に夜景の瞬きが映り込む。
木城フシギ:「下らない──と」
木城フシギ:「かつての私なら、そう考えたでしょう」
木城フシギ:「今はそれが、あまりに眩しい夢想に感じられる」
木城エリア:「フシギちゃんなら現実に出来るよ~」
木城フシギ:「母さん」向き直る。
木城フシギ:「私は不具合を起こしているのではないのですか?」
木城エリア:「だって、私がそういうふうに作りましたから!自身持っていいんだよ~」背伸びをしてフシギの頭をぽんぽんと撫でる
木城フシギ:「母さんの娘として、意に沿わない挙動を──」
木城フシギ:「……え」
木城エリア:「えへへ……どうかなあ」
木城エリア:「意に沿ってないのはそうだけど~……フシギちゃんの性能は私よりいいはずだからな~」
木城エリア:「不具合ともいい切れないよ!子供は親を超えていくものだから!」
木城エリア:「背だってもう私より大きいんだもんな~!羨ましいよ~」
木城エリア:自分の頭に手を当ててフシギちゃんとの身長を比較しています
木城フシギ:「……」不意に撫でられて腰を屈めたせいで、普段よりも頭の位置は低い。それでも母よりは上の位置にある。
木城フシギ:だが。「……私は恐ろしいのです。以前までならそんな風に思わなかったものが」
木城フシギ:「絹を失うのが恐ろしい。そう思わせる心の作用が恐ろしい」
木城フシギ:「これが……これが誰かに好意を抱くということであるのなら」
木城フシギ:「母さんも、そうなんです」
木城エリア:「うん……今は怖いかもしれないけど」「その感情は、フシギちゃんの性能を向上させるよ!絶対そうだよ!」
木城エリア:「わ、、私のは好意とはね、言ってないけどね!?えへへ……」
木城フシギ:「母さん……」はぐれた子供のように、その表情が歪む。
木城フシギ:「母さんは、本当に私の味方なのですか」
木城フシギ:「灰田さんを愛しているのに、それより私を優先することが、本当に可能なのですか?」
木城エリア:「あ、愛してるって……灰田くんはそういうのじゃないから!仲のいい友達なだけだってば~!」
木城エリア:真っ赤になって、手と顔をぶんぶんとふって否定した後
木城エリア:「……ん……でも……フシギは本当に変わったね」
木城エリア:「昔なら、シノビに本当の味方はいないって分かってたのに」
木城エリア:「誰かを頼りたくなっちゃったんだね……よしよし」フシギを抱きしめて、あやすように背中を撫でる。
木城エリア:「大丈夫だよ~……お母さんが敵でも、味方でも」
木城フシギ:「私は……私は」
木城エリア:「晦月が相手でも……フシギなら絶対に勝てるから……ね?」
木城フシギ:すがりつく。何の打算があるわけでもない無防備な姿勢。
木城フシギ:膨れたお腹に顔を寄せる。暖かい。命の鼓動。
木城フシギ:そこに何の価値も見出さないままでいられれば。それすら信じてはいけないと知っていなければ。
木城フシギ:「う──ぅ」
木城フシギ:手を添える。体の丸みをなぞるように。
木城フシギ:知っている。木城のシノビには脆弱性がある。ある種の反逆防止のシステム。尤も母ほどの優れた忍者であれば無効化も容易い、形骸化した弱点。しかし。
木城フシギ:敢えてそれを仕掛け、容れられるのならば。
木城フシギ:という感じで感情判定をしたいです。暗号術で。
GM:裏コードはいいのかい!
木城フシギ:感情判定が成功したらやる!
木城エリア:まあ失敗したら……ネ……
GM:ではどうぞ!
木城フシギ:2D6>=5 (判定:暗号術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 3[1,2] → 3 → 失敗
GM:何やってんだ!
木城フシギ:駄目だもう
木城エリア:ダメじゃん
木城フシギ:「……」
木城フシギ:手が震える。意図したところに持っていくことができない。
木城フシギ:「ごめんなさい」
木城エリア:「大丈夫だよフシギちゃん」その様子に、気づいているのか否か。「大丈夫」優しい声で、フシギをあやし続ける
木城フシギ:「ごめんなさい。ごめんなさい……!」
木城フシギ:「でき、ません……。私は、私は」
木城フシギ:「私の弱さを、見誤っていた……!」
木城エリア:「よしよし……大丈夫。お母さんがいるからね~」「大丈夫、大丈夫……」
【Cycle2/晦月絹】
GM:晦月さんのシーンです。
GM:登場を希望するPCはいますか?
晦月絹:大分悩んだんですが、灰田君に来てほしいなと思います
灰田昇:はわわ……殺される……
灰田昇:でも裏コードはないしな 出ます
GM:シーンをアレしたりなさいな
晦月絹:ST
ShinobiGami : シーン表(8) → 凄まじい人混み。喧噪。影の世界のことを知らない無邪気な人々の手柄話や無駄話が騒がしい。
GM:街中かな
晦月絹:ですかね 交渉的なアレをしたいので、必要そうなら途中で人気のないとこに行った感じにしよう
灰田昇:ヒェ~ 了解です
晦月絹:あ、今回も判定を先にやっておきたいんですが良いですか?
GM:いいでしょう
晦月絹:では情報判定でエリアさんの秘密を狙います 特技は暗号術で
GM:OK 判定どうぞ
晦月絹:2d6>=5
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[1,6] → 7 → 成功
GM:ほ~~……
木城エリア:しょうがないにゃあ
木城フシギ:共有は私だけかな
晦月絹:その筈
灰田昇:気になる~
GM:ではお二人にお渡しします……
GM:送りました
木城フシギ:確認しました
晦月絹:受けとりました
GM:ではロールに入っていきましょう
灰田昇:駅の時計は、まだアルバイトの始まりまで猶予がある時刻を示していた。
灰田昇:人々の行き交う広場のベンチに座り、今まで手に入った情報をまとめたスマホを眺める。
灰田昇:(木城がいなくて、なんか……味気ないっちゃ味気ないけど)
灰田昇:(木城と一緒に調査した経験のおかげで、そんなに効率は落とさずに済んでる気がする)
灰田昇:(このまま候補を順番に潰していけば、その内……)
晦月絹:俯く灰田の前に、小さな人影が立つ。
晦月絹:「灰田昇だな?」
晦月絹:問いかけの体を保ってはいるが、声音に疑問は無い。
灰田昇:「……」
灰田昇:そっと視線だけをそちらに向け、顔を上げる。
灰田昇:見た目は、細い印象の少女。だけど声に、なんというか……迫力のようなものがある。
灰田昇:有無を言わせない力――
晦月絹:見た目だけなら華奢で、儚げにも見えるだろう。しかしその目つきは鋭く荒んでいる。
晦月絹:例えるなら野山で育った獣のそれだ。
灰田昇:「……そう。俺は確かに灰田だけど」
灰田昇:ちらりと左右を見る。行き交う人。こんな所で鞍馬というやつは仕掛けてくるのか……認識できないほどの速度で?
灰田昇:「そっちは? ……その、名前」
灰田昇:「なんての?」
晦月絹:「晦月絹」 短く答えて。
晦月絹:「お前に交渉をしに来た」
灰田昇:「晦月……交渉、か」
灰田昇:知れず、口元が緩んでしまう。フシギから持ちかけられた『交渉』は、ほとんど脅迫だったのだが……
灰田昇:「分かった。……座れば? 別に立ったままじゃなくても」
晦月絹:「いい。他人と同じベンチに座る趣味がない」
灰田昇:「趣味の問題か……いや、ええと、分かった」
灰田昇:「話、聞かせてもらっても?」
晦月絹:一つ頷いた後。 「アンタと木城達が組んでるのは知ってる」
晦月絹:正確にはそうだろうと推測しただけだが。
灰田昇:「あ、知ってるんだ……」 もちろんそれが推測だとは思わず、素直な反応をする
晦月絹:「動向を追っていればその程度は。だけど疑問はある」
晦月絹:「アンタも斜歯も目的は『夢幻泡影』の筈。手に入れるのはどちらかだけ」
晦月絹:「見つけるまでは協力できても、どの道争うことになる。何か取引でも決めてる?」
灰田昇:「……はっきり言って、そこ、別に取り決めてはない。最終的にはもしかしたら……いや、多分やり合うことになると思う」
灰田昇:手のひらを合わせて 「ただ、そうであっても、俺たちで組まなきゃ鞍馬の……あんたがやばいってのも聞かされてたし」
灰田昇:「あと、拒否してもあの時はやられてたかもだしな、フシギちゃんに」 ちょっと笑う
晦月絹:ピクリと眉が動く。口の中だけで何かを呟いた。
灰田昇:「え? 何て?」 ハグレでもシノビだ。感覚は鋭い
晦月絹:「何でも。ともかく、そういうことなら改めて私から提案を」
晦月絹:「3対1という数の利で私を潰したとして、その後は数の利に潰されるのがアンタになるだけ」
晦月絹:「その交渉ではアンタの利よりアイツらの利の方が多い」
晦月絹:「私と組めとまでは言わない。私も人と組むのは本来主義に反する」
晦月絹:「だから、他に向ける者が居なくなるまで私はアンタに刃を向けない。代わりにアンタもそうして欲しい」
灰田昇:「……えー、あー……」 目の前の少女の言葉をじっくり、漏らさず咀嚼する 「……それは、つまり……」
灰田昇:「組むってことにはなるんじゃない……?」
晦月絹:「……そうなる?別に、一緒に戦えって言ってるわけじゃないけど」
灰田昇:「でも、同じ相手に、刃を向ける……ってなんか物騒だけど」
灰田昇:「つまり一緒に、木城たちとだけ戦って、お互いに戦うのはやめよ、ってことだろ? なんか結局、組むことになるような……」
灰田昇:「あっいや」 そこまで言って、少し慌てたように早口になる 「別に嫌とかじゃなくてな!」
晦月絹:「違う。別にアンタが木城を狙う必要はない」
晦月絹:「別にそうしたいなら止める余裕は無いだろうけど。私が木城達と戦ってる間は見るでも寝るでも好きにすればいい」
灰田昇:「ああー、なるほど……」
晦月絹:「1対3だとしても、私はそう容易く負けない。場合によってはアンタはそこで脱落になる」
晦月絹:「でもこの案なら、私か木城かどちらかが脱落するまで無傷で居られる。メリットは十分な筈」
灰田昇:「うーん……」 少し考えるが、やがて困ったような、諦めたような笑みを向ける 「……分かんねえ」
灰田昇:「あのさ……ちょっと聞いて良いかな」
晦月絹:「……」 沈黙する。あるいは質問を待つように。
灰田昇:「今、俺は木城とも組もうって言われてて、あんた……晦月とも、組むんじゃないけど、つまり木城と組むのをやめろって言われてるだろ」
灰田昇:「なんか、多分、色々……あるんだろうなって思う。そういう時、どっちを選ぶのかとか。戦力……勢力の大きさ……あと先に結んだ約束を守るみたいな取り決めとか……」
灰田昇:「でも俺、そういう奴、全然分かんねえ。木城は友達だし、フシギちゃんも悪いやつじゃなくて、木城の家族。あんたのことはよく知らないけど……」
灰田昇:「……木城のシノビとしてのこと、俺は何も知らなかったし、フシギちゃんだってシノビとして、まだ俺に見せてない顔があるんだと思う」
灰田昇:「逆に、あんたの『シノビじゃない』部分も知らないわけでさ」
灰田昇:「なんか、そういうこと考えてると、全然決めらんねー、ってなんね? ……そういう時、あんたならどうする?」
灰田昇:「何を基準にするんだ?」
晦月絹:「……私は」
晦月絹:「晦月の次期当主。そうあるために生まれて、そうなるために生きてきた」
晦月絹:「だから晦月としてあるべきと思った道を取る」
晦月絹:「……まあ、晦月としてなら。そもそもこんな交渉論外だけど」
灰田昇:「どっちなんだよ」 少し笑いを漏らす 「今ちょっとカッコイイなって思ったのに」
晦月絹:「さっきも言ったでしょ。組むなんて主義に反するし、不戦条約だって逃げの一種」
晦月絹:「誰が相手でも、何人が相手でも、どんな状況でも負けない。それが晦月当主としてあるべき姿だから」
灰田昇:「……そ、かあ。俺はそういうの、ないからな……」
灰田昇:後頭を手で押さえる 「でもまあ……やっぱダメかな。あんたは強くて……今のフシギちゃんとの約束が不利でも……」
灰田昇:「……木城のこと、分かんないことがあっても。今の俺は、木城を裏切るようなことはし辛いわ。ごめん」
晦月絹:「……ん」
晦月絹:「分かった。ならこちらも配慮はしない」
晦月絹:溜息を一つついて。 「やっぱり、慣れないことはするもんじゃない。疲れしか増えなかった」
灰田昇:「悪ぃ」 ちょっと申し訳無さそうにする
灰田昇:それから財布をごそごそ漁って、薄い小さな紙を差し出す 「良かったらこれ……あの駅前のカフェのやつ」
灰田昇:「ケーキ、ちょっと安くなるやつ。大したもんじゃないけど……こういうの食べるなら」
晦月絹:「……」 黙ったまましばらく眺めて。
晦月絹:「アンタ、本当にシノビらしくないな」 そう言いつつ受け取る。
灰田昇:「ハグレだし……鞍馬なんて立派な所の、しかも、ええと、当主? に比べりゃ、そりゃそうだろうな」 受け取ってもらえると少しほっとして
灰田昇:「……いや、でもさ。そんな人が……しかもお前、強いんだろ。なんでわざわざ俺に、交渉みたいなことするんだ?」
灰田昇:辺りの雑踏を見回す 「別にその気になればできただろ、ここででもさ……」
晦月絹:苦虫を噛んだような顔をして。
晦月絹:「……さっき言った通り、本当なら黙って1対3を受けるべきだった」
晦月絹:「それで勝つことが一番実力を示せるから。ただ……」
晦月絹:「出来る限り1対1で決着をつけたいと、私が思った。それだけ」
灰田昇:(……『1対1で』『決着をつけたい』……てのは)
灰田昇:「……フシギちゃんと?」
灰田昇:消去法だった。俺ではないし、木城エリアは鞍馬とバリバリに戦ったりするタイプ、ではないだろう。
晦月絹:「……」 否定しない。
灰田昇:「ははー……」
灰田昇:「シノビ、色々あるんだなぁ……」
晦月絹:「まあ」 曖昧に返事をして。
晦月絹:「ああ言ったらアイツがこうするって思い浮かばなかった私が悪いか」 半ば独り言。
灰田昇:「え?」 ちゃんと聞き取れなかった
晦月絹:1対1で決着が着けられないなら、1対2でも1対3でも差をつければいい。彼女らしい単純で論理的な思考だ。
晦月絹:「別に。交渉は決裂したし、話すことももう無い」
灰田昇:「あ、おう……」
灰田昇:「……やっぱなんか、悪い。せめて、情報とか……あー」
灰田昇:「そうそう。さっきの割引のやつの店、ケーキのフルーツ、写真より絶対小さいから。気をつけな!」
灰田昇:言って、ちょっと軽薄に笑ってみる。ズレていることは承知の上で、だ
晦月絹:「ん」 そう一言だけ返す。笑みは無い。
晦月絹:眉間にシワが寄っていないだけ、彼女にしては上出来な方だった。
【Cycle2/灰田昇】
GM:灰田くんの手番です。
GM:登場を希望するPCはいますか?
灰田昇:木城フシギちゃんを呼びます
灰田昇:あとばあちゃんを情報収集のために出します
ばあちゃん:いいよ
GM:いいってさ
木城フシギ:喋った!
木城フシギ:私も出現します
GM:ではシーンなさいな
灰田昇:先にばあちゃんに情報収集してもらいます。技能は九ノ一の術
灰田昇:古き良き九ノ一ネットワークで探ってもらうぞ。対象は晦月絹の秘密。感情修正投げます
GM:なんて野郎だ 判定どうぞ!
ばあちゃん:いいよお
ばあちゃん:2D6+1>=5 (判定:九ノ一の術)
ShinobiGami : (2D6+1>=5) → 10[4,6]+1 → 11 → 成功
GM:いいってさ
ばあちゃん:わかったよお
木城フシギ:優秀~
GM:おばあちゃんに渡します
灰田昇:感情共有で俺にも伝わります。教えて
GM:なんだとぉ……
GM:送りました
灰田昇:ふうん……
灰田昇:じゃあ予定通り交換をお願いしましょう。タイミングはRPの流れで
木城フシギ:オーケー!
灰田昇:st
ShinobiGami : シーン表(2) → 血の臭いがあたりに充満している。何者かの戦いがあった気配。 いや?まだ戦いは続いているのだろうか?
灰田昇:やだ
灰田昇:st
ShinobiGami : シーン表(6) → 優しい時間が過ぎていく。影の世界のことを忘れてしまいそうだ。
灰田昇:これで。なんかどこか適当に……会いましょう
GM:どこだろ……
灰田昇:ちょっと考えている。偶然会いそうな所……
GM:なんか食事とかかな
灰田昇:コンビニの前で買い食いしているので、そこにお母さんから買い物指令を受けたフシギちゃんが来るとかでどうすか
GM:パシられてる
木城フシギ:なるほど
木城フシギ:こちらはそれで大丈夫!
GM:ではやっていきましょう
灰田昇:じゃそれで~
灰田昇:夏も近づき、夕方になっても太陽は白く明るい。
灰田昇:灰田昇は、コンビニの前でスマホを弄りながら、腹ごしらえにホットスナックを齧っていた。
灰田昇:「……うお。ばあちゃんさすがだな。頼んだの昨日なのに、もうこんなに……」
灰田昇:モニタの上では饒舌な、静かなる同居人の未だ衰えぬ腕前を見せつけられ、少しばかり驚きつつ、アメリカンドッグを食べている。
木城フシギ:「おや」いつかと同じような声がかかる。
灰田昇:「あ」 顔を上げる
木城フシギ:普段よりいくらか緩い服装に、所帯じみたエコバッグを肩に掛けた姿。
木城フシギ:「ご機嫌いかがでしょうか」
灰田昇:「よ。フシギちゃん。機嫌は……普通? 会えればラッキーとは思ってたけど、会えたな」
灰田昇:「買い物?」
木城フシギ:「ふむ」
木城フシギ:「母さんに頼まれて食料の調達に来たところです。戻ったら伝えておきましょう」
木城フシギ:「灰田さんが私に会えたことを幸運だと言っていたと……」
灰田昇:「……いや、何かそう言われるとなんか……あれだな。それはストップで頼む」
木城フシギ:「冗談です」表情を変えぬまま。
灰田昇:「深い意味じゃないから。このままだったら木城んちまで行ってみるしかなかったけど、それが済んで良かったていう……」
灰田昇:「冗談は伝わるように言うもんなの! ったく……」 やれやれという様子で
灰田昇:「木城、調子どう? まだまだ大変な感じ?」
木城フシギ:「……そうですね」細い指を顎に当てる。
木城フシギ:「母さんの場合は色々と特殊なので、広くイメージされる“大変”とは違うのでしょうが」
木城フシギ:「それでも。そろそろ……というところでしょうから」
灰田昇:「そっか。……まあ、何だ。頑張るように伝えてくれよ。あいつも今、フシギちゃんだけが頼りだろうし、頼むな」
木城フシギ:「心得ています」頷く。「して」
木城フシギ:「家に行くしかなかったというのは。母さんに何か御用でしたか?」
木城フシギ:灰田くんの手にある端末に目を落として。「察するに……54%の確率で、あちら絡みの話題かと判断しますが」
灰田昇:「会えてラッキーって言っただろ。用があったのはフシギちゃんの方」
木城フシギ:首を傾げる。
灰田昇:「木城、大変な時だから、わざわざ家まで行ったら気、使わせそうだったし……」
灰田昇:ふう、と息を吐き 「晦月絹って子に会った」
木城フシギ:「……」
木城フシギ:「よく無事でしたね」
灰田昇:「うん。それで、同盟……えーと、手を組むとかじゃなくて、なんつうの。不可侵同盟? みたいなの持ちかけられた。断ったけど……」
灰田昇:「お前から聞いてたよりは話もできたし……ってか、迫力はあったけど、可愛かったな。何歳くらいなんだ? 俺と同じくらいに見えたけど……」
灰田昇:「まあ、ともかく会って、話した。結局その同盟は断ったけど、それで思ったんだよ」
木城フシギ:「ふむ」
灰田昇:「何にせよ、もっと相手のこと知らなきゃな、ってさ」
灰田昇:「あの子はフシギちゃんと、一対一で決着をつけたい……って言ってた」
灰田昇:「……フシギちゃんにとって、あの子はどんな相手なんだ?」
木城フシギ:「…………」
木城フシギ:聞こえなかったかのような沈黙が暫し。
木城フシギ:「……彼女は」
木城フシギ:「忍務を巡り、過去にも幾度か私と交戦しています。そしてその度に痛み分けに終わっている」
木城フシギ:「ですがいい加減、そのような不毛も終わりにしたい。そのために私はあなたに声をお掛けしましたし」
木城フシギ:「彼女もそう思っているということでしょう。遺憾ながら、正面切って一対一で戦えば、分があるのは向こうでしょうから」
灰田昇:「……やっぱり、一対一でやりたい、ってのはそういうことなのか」
灰田昇:「で、まあ……フシギちゃんもそう思ってるなら、これはフシギちゃんも分かっといた方が良いんだろうな」
灰田昇:スマートフォンの画面を見せる。晦月絹の秘密をフシギちゃんに共有します。
GM:送りました
木城フシギ:受け取りました。
灰田昇:「……結局、フシギちゃんと同時にあの子がここに来た、ってのは、最初からそういうことだったんだ、って思うんだ」
灰田昇:「まあ、あと……これが分かってると色々変わるし」
灰田昇:アメリカンドッグの最後の一口を食べ切る 「……俺はこれで、やっぱり『知る』ことって大事だなって思ったわけ」
灰田昇:「シノビとしても、人としてもさ」
灰田昇:ゴミを捨てやすいようまとめている。
木城フシギ:「ええ──同意します」
木城フシギ:じっとその画面を見つめている。「忍務に際しては。情報は、何を措いても得る価値がある」
木城フシギ:「……あるいは、人として生きる上でも」
木城フシギ:「今のあなたにとっての相手とは、母さんのことですね」
灰田昇:「話、早いな」 かすかに笑う 「そう。俺、木城のことをちゃんと知りたい」
灰田昇:「直接聞いた方がフェアだ、って思う。思うけど、多分……」
灰田昇:「なんつうかな。フシギちゃんが、晦月っていう子と戦うために、まず一対三にしたみたいに」
灰田昇:「ちょっとそれはどうなん? ってやつも、必要になるんじゃないかって思う」
灰田昇:「……相手にマジで接しようとするなら、さ」
灰田昇:少し俯いて、ゴミを手の中で弄ぶ 「……ここは情報交換、ってことで」
灰田昇:「教えてくれないか、木城の……俺の知らない、フシギちゃんの知ってること」
木城フシギ:「“らしさ”が身に着いてきましたね。母さんも好ましく思うでしょう」
木城フシギ:(今の私などよりも、きっと)
木城フシギ:浮かべた幽かな笑みの中に、その言葉を消し去って。
木城フシギ:「そこに免じて、承諾します。ですが」
木城フシギ:「望みのものかは保証しかねますよ」
木城フシギ:そう言い、前髪を直すようにする。何気ない仕草を行うその指の隙間に、
木城フシギ:細かい文字が書き込まれた小さな紙片を挟んでいる。忍者の動体視力であれば読み取れる。
木城フシギ:木城エリアさんの秘密を灰田くんに渡します。
木城エリア:公開されちまう~
GM:公開になるかな?
灰田昇:そのはずでは!
木城フシギ:そのよう
GM:では
【PC2の秘密】
君はPC3とPC4の関係に密かに気付いており、いずれは斜歯の上層部も察して何らかの処分に出ることを危惧している。
忍びとしてこれまで多くの汚れ仕事を経験してきた君は、愛するPC3を守る為ならば、此度もそれを成すだろう。
たとえそれが、PC3から憎まれることだとしても。
君の【本当の使命】は、【PC4を倒す】ことだ。
灰田昇:「……そっか、木城は……」
灰田昇:頷く 「なんか、分かるな。あいつはそうするよ。いや、あいつに子供がいるとか、子供を作れるとか、マジで最近知った俺が言うのも、どうなんだ、だけど」
灰田昇:「あいつならそうするのかな、って、なんかイメージつくってことな」
木城フシギ:「そう……ですか」
木城フシギ:「私には、分かっていませんでした」
灰田昇:「そう?」
灰田昇:「やっぱ冷酷なシノビとか……そういう感じだったのか、フシギちゃんの中じゃ」
木城フシギ:「いえ……」
木城フシギ:歯切れが悪い。どこか生気の抜けたような様子が、普段よりなお非生物然とした、ぎこちない応答の印象を強める。
木城フシギ:「人の目的とは……もっと」
木城フシギ:「シンプルな動機を以て設定されるものだと思っていたのです」
灰田昇:「シンプル、じゃないのか? お前を守りたい、っていう……」
灰田昇:「……まあ、何にせよ安心だよな。結局木城は、お前と決着をつけようとしてる晦月を倒そうとしてくれんだから」
灰田昇:「俺的にも心強いよ。いや、今の腹がでかいあいつだと、心強いとは言いづらいけどな」
灰田昇:どこか楽観的に笑う
木城フシギ:「ええ……」
木城フシギ:「あなたに……まず。共闘を持ち掛けたのは、正解でした。良かったです。それが確かめられて」
木城フシギ:「ただ、一つ」
灰田昇:「ん?」
木城フシギ:「これは単に、務めとはまったく関係ない、願いですが」
木城フシギ:「この一件が終わって、まだ、あなたの事情が許すようであれば」
木城フシギ:「これからも母さんの傍に居ていただけませんか」
木城フシギ:「今は私が支えます。でも」
木城フシギ:「その先は……分かりませんから」
灰田昇:「……シノビって色々あるよな。ほんと」 少し困ったように笑うが
灰田昇:「でも、色々あっても……俺はそうしたいと思ってるから」
灰田昇:「木城は……」
灰田昇:「……一緒にいてほしい」
灰田昇:「もうすっかり、あいつがいるのに慣らされちまったしな」
木城フシギ:「そう言っていただければ安心できます」頷く。
木城フシギ:「本人にもその言葉を。ぜひ」
灰田昇:「それはなんか小っ恥ずかしいし……っと、そろそろ行かなきゃ遅れそうだ」
灰田昇:足早に店内のゴミ箱へゴミを放り捨て 「じゃな。話、できて良かったよ。また!」 そのままコンビニを走り去る
木城フシギ:「はい。またお会いしましょう」
木城フシギ:その姿が見えなくなっても、まだしばらく立ち尽くす。
木城フシギ:暮れの空。暖気と湿気を孕む時期の今は、話し込んだ後でも赤さを残し、まだどこにも、月は見えない。
木城フシギ:(絹……)
木城フシギ:(あなたに会いたい。会ってはいけないのに)
木城フシギ:(私の理想は、私が思っていたよりも、ずっとずっと遠い……)
【Cycle2/木城エリア】
GM:エリアさんの手番です。
GM:登場を希望するPCはいますか?
木城エリア:では灰田くんと絹ちゃんを呼ぼうかな
木城エリア:一応シーン表振ってみよ
木城エリア:ST
ShinobiGami : シーン表(6) → 優しい時間が過ぎていく。影の世界のことを忘れてしまいそうだ。
GM:優しすぎる世界
木城エリア:見学室で話した通り、3人で仲良くケーキ食べましょう
灰田昇:食べるぜ~
木城エリア:絹さんもそれでいいかな?
晦月絹:あ、OKです!
GM:ではロールお願いします
木城エリア:おいす!では描写を始めてみよう
木城エリア:JR九海駅から徒歩1分、駅と併設された喫茶店「優しい時間」は
木城エリア:本格的なコーヒーと供に、九海山間部で取れる様々な果物を使ったフルーツケーキが楽しめることでそこそこ人気のあるお店だよ。
木城エリア:灰田、晦月は、木城エリアに誘いを受けてこの店に集まっていた。
木城エリア:「わ~!見てみて昇くん!すごいよ!このケーキ、一切れの上に14種類のフルーツが乗ってるんだって!」
木城エリア:ガラスケース越しに並んだケーキの一つをらんらんと輝く瞳で見つめている「駅に来るたび気になってたんだけど、なかなか来れなくてね~。ようやく機会ができたよ~。うれしいな~」
木城エリア:「あ、晦月さんに紹介しておくね。こちらはクラスメイト兼ボディーガードの灰田くん」と、姿勢を直して絹さんへ灰田くんを紹介する
晦月絹:「……」 訝しむような値踏みするような目で木城エリアを見ている。
木城エリア:「灰田くんは私よりずっと強いけど、今日はそっちが何もしない限り手は出さないから安心してね~」
木城エリア:「ほら、灰田くんも自分で挨拶しなよ~。それからケーキどれにするかも」
灰田昇:「お、おう……」
木城エリア:ツンツンと肘で灰田くんをつついて
灰田昇:ただでさえ、まだ大きな腹を抱えた木城が出かけると言い出した時は色々と気を回し、妊婦が外出する際の注意点なんかを(無駄に)シークレットブラウザで調べたりしたのだが
灰田昇:よもやそれに留まらず、隣に晦月までがいるというのは、信じがたく想定外で、どんなに気を回しても足らず、
灰田昇:有り体に言って……いっぱいいっぱいだった。
灰田昇:そして、そういう時は
灰田昇:「……こんにちは……」
灰田昇:言われたままのことをしてしまうものだ。晦月に向け、会釈しつつ挨拶をする。
晦月絹:大きくため息をついて。
晦月絹:「構えなくてもこちらも事を構える気は無い。これでも『廻鴉』の一員だから」
晦月絹:「シノビの術をみだりに人前に晒すようなリスクは犯さない」
灰田昇:「まわりがらす……?」 下位流派のことはよくわからない
木城エリア:「真面目タイプだ!確かにフシギと気が合うのも頷けるな~。あ、灰田くん、私が払っておくからケーキ持ってといて~」注文を済ませ財布を出しながら言うよ
灰田昇:「あっ、いや、でもそうなら安心……だな。はは……うおっ、はいはい」
灰田昇:言われるままケーキを持つ。ちゃっかり自分のぶんも注文しているぞ(注文するように言われたので)。
木城エリア:「よいしょ、と……」大きなお腹を抱え、少し大変そうに席につき「灰田くんはいいとして、晦月さん……ちょっと呼びづらいなあ。絹ちゃんでいい?」
木城エリア:灰田くんの隣、絹ちゃんと向かい合うように、座るよ
晦月絹:「好きにすれば」 そう言いながらこちらも席に着く。目は訝しむものから理解を諦めた物に変わっている。
木城エリア:「絹ちゃんは多分、なんで呼ばれたのか戸惑ってる……よね?そうだといいんだけど」
灰田昇:「おぉ……」 ケーキを置きつつ、木城の挙動にそわそわしている
晦月絹:「戸惑ってるというより、神経を疑ってる。こんな真昼間のケーキ屋を選ぶセンスも」
木城エリア:「うわ~。言葉選びが辛辣だよ~!一応私、絹ちゃんが付き合ってる相手のお母さんなのに……」
灰田昇:「付き合っ……?」
晦月絹:言いやがったというように顔を顰める。
木城エリア:「あれ?灰田くん、フシギから絹ちゃんのこと聞いたって言ってなかった?」
木城エリア:ケーキを口に運びながら言う。上に乗った果物を崩さないよう食べるのに気を取られて、頬にクリームがついている。
灰田昇:「いや、聞……聞いたけど、え? 付き合うって……」
灰田昇:「シノビ用語……とかじゃなく?」
灰田昇:「男と女が……あれ? 女と女だけど……」
木城エリア:「万国共通後!二人は別の流派なのに、お互い好きになっちゃったんだって」
灰田昇:「フシギちゃんは……まさか……」
晦月絹:(アイツにしては珍しく上手く気を遣えてたんだな……無に帰したけど)
木城エリア:「男と女しか愛情は生まれないって?ふふっ。灰田くん価値観遅れてる~」
晦月絹:溜息をつきながらコーヒーを啜る。飲めなくはない味だ。
木城エリア:「と、話を戻すと。今日会いたいと思ったのはね。やっぱりフシギのことが気になったからなんだ」
灰田昇:「あっ、あっいや待っ、なんか、いや、学校で話聞いたことある気がするし……遅れてるとかじゃねーから」
木城エリア:「私は斜歯だから、付き合いを認めたりは出来ないけど。どんな人かなのかはちゃんと知っておきたいな~って」
木城エリア:「あむ」もう一口ケーキを食べて「今の状態の私を、ひと目見た瞬間に襲いかかってくるような人だったら、絶対ぜったい勝たないといけなく成るからね」
灰田昇:「……え。てか、いや……」 話を飲み込めると、今度は少し思い詰めたような顔で、晦月を見る 「じゃあ、お前……」
灰田昇:「木城は……聞いた……いや、どのくらい聞いたんだ? フシギちゃんから、こいつのこと……」
木城エリア:「え?そんなに詳しくは聞いてないよ!ただすっごい怖いって言ってた」
晦月絹:「……」 僅かに眉が吊り上がる。
木城エリア:「絹ちゃんの事考えてると、自分が自分でなくなっちゃう、制御できなくなって怖いみたいな?そんなこと言ってた気がする」
灰田昇:(……つまり、『知らない』のか)
晦月絹:吊り上がった眉が戻り、僅かに目線が下がる。
木城エリア:「あと、絹ちゃんと二人で学校通いたいな~とかも言ってたかなあ。よく覚えてないけど……」
晦月絹:「あの馬鹿……」 思わず以前と同じことを呟く。
木城エリア:「フシギは馬鹿じゃないよ!すっごい高性能なんだからね!」
木城エリア:「そんな口聞く人に家の娘はやれません!」ぷいっと顔を背け
木城エリア:「……っていうのは冗談で、どっちにしろ忍務だから渡さないんだけど」
木城エリア:「えへへ。絹ちゃん、いい子そうでちょっと安心したかな~」
晦月絹:「……灰田」
灰田昇:「え? ああ……」
晦月絹:「もう知ってる?」
灰田昇:「……知ってるし」 バツが悪そうな顔 「知ってるし……フシギちゃんにも教えた」
木城エリア:「なにを?」
灰田昇:「お前らがその……そういうのとは、思ってなくて。その時は単に、いや……なんつうか……悪い」
晦月絹:「別に。ならちょうどいい」
晦月絹:「コイツにも話してやって。アンタの口からの方が信用も出来るでしょ」
灰田昇:では、晦月絹の秘密を木城エリアに共有します。これで公開情報!
木城エリア:わーい!
GM:公開します
PC4の【秘密】
鞍馬神流の上層部は既に君とPC3の関係に勘付いており、君の離反を疑っている。
忍びであり続けたいのなら、君は流派への忠誠を血を以て示さなくてはならない。
君の【本当の使命】は、【PC3を倒す】ことだ。
君はセッション中に一度だけ、PC3への感情を《殺意》に変更することが出来る。
木城エリア:な、なんだとっ
木城エリア:「え、え~っと……ってことは」
木城エリア:「お気の毒と言うか……ええ~!っていうか灰田くん、それ先に教えてよ~!」
木城エリア:「私がすごい空気読めない子みたいになってるよ~!」赤くなって灰田くんの肩をぶんぶん揺するよ
灰田昇:「いや、悪い……ってか、そういうことまでちゃんとフシギちゃんが話してるとか……いきなりこいつ呼び出すと思ってなかったとか……」 ぶんぶん揺すられ
晦月絹:「神経がおかしかったんじゃなく、情報が足りてなかったと」
灰田昇:「……つうか、お前の突飛な行動に対応しきれなかったんだから……お前も悪い!」
灰田昇:「……ちょっと!」 付け足す
晦月絹:「知らないにしても随分と能天気だとは思うけど」 言い合う2人を眺めながら呟く。
木城エリア:「い、言っておくけど、絹ちゃんを呼んだのは他にも理由があるからねっ」
木城エリア:「任務で敵対した相手を好きになるような子だもん。こうやって知り合っておけば」
木城エリア:「向こうだって手を出しにくいかな~って……そういう打算あってのことだから」
木城エリア:「本当に神経が足りないわけじゃないよっ!これもシノビの技なんだよ!」
晦月絹:溜息で返答。そのままコーヒーを飲み干して。
晦月絹:「生憎だけど、そんな理由で躊躇いが生まれるような鍛え方はしてない」
晦月絹:「もう用が終わったなら帰らせてもらう」
木城エリア:「う……」ため息の中に交じる迫力に押され、思わず息を呑む
木城エリア:「ごめんね絹ちゃん。そんな事になってるなんて想像してなくて……」
木城エリア:「あ、行くなら割引券は置いていってもらえると……」
晦月絹:ポケットに入れたままだった割引券を机の上にぴしゃりと置く。
晦月絹:そのまま席を立った後、一瞬立ち止まって。
木城エリア:「な、なんでしょう」灰田くんの後ろに半分隠れながら絹ちゃんに
晦月絹:「……アンタの考えは、間違ってない。間違えたのは私の方」
晦月絹:「でも、だからと言って立ち止まる訳には行かない。引き返せもしない」
晦月絹:「だから……」
晦月絹:首を一つ振って。
木城エリア:「……?」
晦月絹:「アイツに伝えておいて。『私が言った事、忘れるな』って」
晦月絹:それだけ言うと踵を返す。
木城エリア:「絹ちゃん……」
木城エリア:後ろ姿を見送り
木城エリア:「……ありがとね灰田くん、付き合ってくれて」
木城エリア:「うう~、私、てっきり絹ちゃんがフシギと手を組んで、一緒に夢幻泡影を探ってるんだと思ってたのに……」
木城エリア:「こんなの想定外だよ~!も~!どうしよう~!」
灰田昇:「……悪い。俺もまあ、ちゃんと……伝えてなかったし」
灰田昇:「なんか……嫌だよなそういうの。フシギちゃんと晦月が、付き合ってて、それなのに……やり合うなんて」
灰田昇:「俺は普通に、二人のこと敵同士だと思ってたから。びっくりした」
木城エリア:「『夢幻泡影』……」
木城エリア:「もしも本当にあるなら……なんとか出来たりしないかな。二人のことも」
木城エリア:と、言う感じで秘密を調べたいと思います
木城エリア:NPCの秘密を調べますね。調査術で判定します。
GM:OK 判定どうぞ
木城エリア:私の調査術なら謎のNPCの秘密も探り放題だぜ~
木城エリア:灰田くん、感情修正ほしいな~
灰田昇:します 狂信の+1!
木城エリア:2D6+1>=5 (判定:調査術)
ShinobiGami : (2D6+1>=5) → 10[4,6]+1 → 11 → 成功
GM:成功ですね
木城エリア:超成功、仮面ライダークウガ
GM:共有は灰田くんだけかな?
木城エリア:そうですね。よろしくおねがいします
灰田昇:お願いしまーす
GM:送りました
木城エリア:了解しました
灰田昇:アワワ……
木城エリア:これ……もしかして……
木城エリア:わたし……やっちった……のか……?
木城エリア:「あと……灰田くん、こんなタイミングで何なんだけどさ……」
灰田昇:「ん? 何だよ」
木城エリア:いつの間にか、恥ずかしさで赤くなっていた顔が青くなっている。
木城エリア:「ちょっと……もうすぐ生まれそう……かも……」
灰田昇:「?」
灰田昇:「もうすぐ生まれ……って」
灰田昇:「……は……?」
木城エリア:腹部を押さえて痛みに顔を歪ませるよ
灰田昇:「えっ、え、いやえっ……え!?」
木城エリア:「わ、私の家に、ちゃんとした設備が、あるから……」
灰田昇:慌てて席を立つ 「な、何。どうすんだ? トイレ? ……なわけないよな! 産婦人科!? 救急車!?」
灰田昇:「おまえんち!?」
灰田昇:動揺のあまり、声のボリュームが最大である。カフェ『優しい時間』に似つかわしくない単語がマシンガンのように放たれ、店内がざわつく。
木城エリア:「シノビなんだからなんとかなるでしょ……!?つ、連れてって……!はやく……!」
灰田昇:「うわ、うわうわっ! そ、そう言われても俺っ、俺に言われてっえっ……!?」
灰田昇:木城の肩を支えつつ、店外を目指す。幸い、他の客は気遣うように道を開けてくれた(関わり合いになりたくないのかもしれないが)。
灰田昇:「た、タクシーとか? シノビってタクシー使うの? え? こういう時ってお湯沸かすんだっけ? 赤飯だっけ?」
木城エリア:「高速起動……」
木城エリア:「赤飯は後だよ~……」
灰田昇:「高速起動で……」
灰田昇:「……お湯を……!?」
灰田昇:「……!!」 動揺のあまり訳の分からないことばかり口走っていたが、不意に天啓を得たりという顔になり
灰田昇:ポケットからスマホを取り出す 「……頼む! 出てくれ! ……出た!」
灰田昇:「ばあちゃん! 助けてくれッ! ばあちゃーん!!!
【Interlude2】
GM:イベントシーンです。
GM:シーンPCは灰田くん。
GM:急に産気付いた木城エリアを自宅まで送り届けたその日。状況が落ち着いた頃には、もう陽は落ちかけていた。
GM:出先から直接木城家に赴き、慌ただしく過ごしていた君が、ようやく自宅に戻ってくると──
GM:家の中に、人の気配があった。
GM:忍びのものに近いが、臨戦態勢や待ち伏せのそれではない。隠れる気は無いようだ。
灰田昇:「……」 いくら(精神的に)疲れていても、いくらビギナーだからと言っても、その気配を感じ取れないほど鈍感ではいない。
灰田昇:そして、敵意の有無の判別も。……隠すように丸めた手の内に、いつでも放てる火種を温めながら、ゆっくりと家へと入っていく。
GM:明かりもついていない薄暗い部屋に、一人分の人影が立っている。
GM:それは、女だ。
GM:逞しい野生の生物のようでいて、今にも倒れそうな程儚げにも見える。総じて、手負いの獣のような印象を受ける女。
GM:女は暗がりから、じっと君を見つめる。
鬼頭菖蒲:「……まだ……」
鬼頭菖蒲:「……住んでるんだ。この家」
灰田昇:「…………」
灰田昇:その顔のことは、『知らなかった』。少なくとも、記憶のどこにもなかった。
灰田昇:つい先ほど、木城エリアと共にある人物……いや、まさに目の前にいるこの女について調べるまで……
灰田昇:……そう、調べたのだ。だから彼女のことを知っていることは不思議なことではない………… いや……違う……
灰田昇:「……なん、て……」
灰田昇:頭を押さえる 「……呼んでたかな、あんたのことは」
鬼頭菖蒲:「……」口元に僅かに、懐かしげな微笑を浮かべる。
鬼頭菖蒲:「『お姉ちゃん』って」
鬼頭菖蒲:「ごめんね。電気点けたら?」
灰田昇:「……お姉、ちゃん……」
灰田昇:「ああ……」 口にすると浮かび上がる、えもしれぬ温かさ。懐かしさ。どこか寂しい心の隙間が、ほっとするような。
鬼頭菖蒲:「うん。久し振り、昇」
鬼頭菖蒲:「大きくなったね」
鬼頭菖蒲:記憶の中では君より頭一つくらい大きかったはずだが、今は君と同程度だ。
灰田昇:言われるまま、電気をつける。その姿を見る。
灰田昇:……記憶の中のその姿より大人びて、だけど記憶の中と変わらぬ面持ちで、
灰田昇:記憶の中の……『姉』と、間違いなく同一の人物だと……確証できる。
灰田昇:記憶の中……記憶の中の。
灰田昇:「……『夢幻泡影』」
灰田昇:喜びと、それを素直に受け止めきれない苦しさの入り混じった表情。
灰田昇:「人間の記憶を操る神器……の、ことなんて。俺の記憶の『欠け』を埋められりゃ、それで良いと思ってたけど」
灰田昇:「思ったより、困るな……へへ。ごめん、お姉ちゃん。だってそうだろ……お姉ちゃんが本当に『お姉ちゃん』なのか、俺、分かんないし」
灰田昇:「一体、何があったんだ……?」
鬼頭菖蒲:「そうかもね」少し困ったような顔をして。「何から話したらいいか……」
鬼頭菖蒲:「……いつもこんなに遅いの?帰り」
灰田昇:「子供じゃないんだぜ。バイトしてる日はもっと遅いこともあるし」
灰田昇:「まあ、今日は……友達がえーと……」
灰田昇:少し言葉を選ぶ 「……ちょっとトラブって……」
鬼頭菖蒲:あまり気にした様子でなく「そう。してるんだ。バイト」
灰田昇:「してるよ! もう高校生だし」
鬼頭菖蒲:「なんか、信じられないな……」
鬼頭菖蒲:「覚えてる?昇、昔は家から遠くに来るとすぐに帰りたいよーって泣いちゃって……」
鬼頭菖蒲:「……覚えてないか、はは……」
鬼頭菖蒲:少し寂しげに笑う。
灰田昇:「…………」 返事に窮する。言われてみればそうだったかもしれないし、言われたからそう思っただけかもしれない。
灰田昇:過去の記憶はもはや確かなものではなく、そうだと言われたら、何もかも信じてしまいそうだ。
灰田昇:それは事実だからなのか? それとも神器だからなのか?
灰田昇:「……なあ、お姉ちゃん。俺はできれば……」
灰田昇:「記憶を取り戻したい。できるんだろ? 『夢幻泡影』なら」
鬼頭菖蒲:「うん……。そうだろうな、と思ってた」
鬼頭菖蒲:「最近、身の回りを嗅ぎ回られてることは分かってたけど……」
鬼頭菖蒲:「昇だって知った時は、びっくりした」
鬼頭菖蒲:「……本当は……」目を伏せる
鬼頭菖蒲:「……一生、会いに来るつもりは無かった」
鬼頭菖蒲:「昇には……こっちの世界とは関係ない、平和な人生を送ってほしかった」
鬼頭菖蒲:「でも……そうも言ってられなくなった」
灰田昇:「……そだな。俺ももう、足突っ込んじゃったし」
灰田昇:「ばあちゃんに色々教えて貰ってさ。それも、これも……結局、最初のスタートは、記憶が歯抜けになってるからなんだよ」
灰田昇:「抜けてる記憶の中で、俺はどうだったんだ? 俺は、存在する記憶だけで『俺』だって言って良いのか?」
灰田昇:「……別に、無視して進むこともできるのかもしれないけど……」
灰田昇:「できれば俺は、それを知って、未来に進みたいと思ってる」
鬼頭菖蒲:「ばあちゃん…… そう……」少し目を細めて。
鬼頭菖蒲:「……そうね。あなたの疑問には答えられると思う」
鬼頭菖蒲:「話したいことは山ほどあるけど……こちらからの要件は、まずは、二つ」
灰田昇:「ああ。聞かせてほしい」
鬼頭菖蒲:「……一つ」
鬼頭菖蒲:「あの女に……」
鬼頭菖蒲:「木城エリアに関わることは、許さない」
灰田昇:「……」
鬼頭菖蒲:「昇には自由に生きてほしいけど。それは……それだけは駄目」
鬼頭菖蒲:怒りが滲む、強い口調で言う。
灰田昇:困ったように笑う。何か突然、覚えのない罪で指弾されたような
灰田昇:「……んー……」
灰田昇:「もう一個の方、聞いて良い?」
鬼頭菖蒲:瞑目し「……もう一つは……」
鬼頭菖蒲:「……あなたに、これを」
鬼頭菖蒲:マフラーを解き、首元からネックレスのようなものを外す。
GM:それは、幾つも連なった勾玉だ。
GM:内側に虹を封じ込めたかのように、その色は常に揺らめいて変わり続けている。
灰田昇:「それが……」
鬼頭菖蒲:「……そう」
鬼頭菖蒲:「『夢幻泡影』」
GM:この世のものとは思えぬ美しさ。間近にしただけで分かる迫力が、それが紛れもない神器であることをまざまざと分からせてくる。
灰田昇:……探し求めていた神器だ。それさえあれば、自分の『欠け』を補うことができる。欠落に煩わされることなく、進むことができる。
鬼頭菖蒲:「……本当は、一生私が守っていこうと思っていたの」
灰田昇:欲しい、と直球に思う。それが自分にとってのゴールだ、と。
鬼頭菖蒲:「でも……もう、私ではその役目は、果たせそうにないから」
灰田昇:だが……
鬼頭菖蒲:そう言って、おもむろにシャツの裾をたくし上げる。
鬼頭菖蒲:その白い腹には、大きな、痛々しい古傷が刻み込まれていた。
灰田昇:「姉ちゃん、それ……!」
鬼頭菖蒲:深い傷だ。恐らくは臓器をいくつも傷付けて余りあるほどの。
鬼頭菖蒲:「……騙し騙し、何とかやってきたんだけどね」
鬼頭菖蒲:「どうも……もう、長くないみたいなんだ」
灰田昇:目を伏せる。逡巡する 「……ええと……」
灰田昇:「その……姉ちゃんの考えは、分からないけど、分からないからさ。俺の気持ちを聞いて欲しい」
灰田昇:「俺さ」 目線だけを姉に向ける。叱られるのを覚悟したような、後ろめたさのある目
灰田昇:「木城が好きだよ」
灰田昇:「……っていうのは、何ていうか……本当に『そういう意味』かは……俺も正直分かんねえんだけど……」
灰田昇:「でも、多分今までで一番……一番よく考えるし、一番見ていたくなるし、一番話していたいし……そういう奴だから」
灰田昇:「だから、木城に関わるな、っていうのは、聞けない。少なくとも、今の俺は」
灰田昇:「……ごめん」
鬼頭菖蒲:「…………」
鬼頭菖蒲:「……そう……」
灰田昇:「でも、さ……それとは別に……」
鬼頭菖蒲:深い、深い溜息を吐く。何年も自分を殺して生きてきた女の、澱のように積み重なった感情と諦観とが篭った、そんな溜息が。
灰田昇:「姉ちゃんがずっと守ってきたそれを……守るっていう役目を俺が引き継げるなら、そうしたい」
灰田昇:「姉ちゃんがそれで安心できるんなら、そうしたいんだ」
灰田昇:どこかバツの悪いような笑み 「……ごめん。身勝手な弟で」
灰田昇:「でも半分だけでも、聞いてあげらんないかな。姉ちゃんのお願い」
鬼頭菖蒲:「……こうなってしまったのね」
鬼頭菖蒲:「……ええ。元々……そのつもりで来たから」
鬼頭菖蒲:「あなたには、本当に……。争いとは無縁に、生きていてほしかったけれど」
鬼頭菖蒲:「昇の他に……これを託せる人は、いないから」
鬼頭菖蒲:勾玉を手に取って、君に差し出す。
灰田昇:受け取ります。
GM:勾玉に触れた瞬間、封じられていたものが、記憶が君に流れ込む。
GM:『夢幻泡影』の【隠された秘密】を獲得します。
GM:共有はエリアさんかな?
木城エリア:そう……ですね……
木城エリア:獲得して良いのかこれ……
灰田昇:と、フシギちゃん!
木城フシギ:灰田くんへの感情ならこちらも持ってるけど
灰田昇:ここは繋がっているぞ
晦月絹:わ、私だけ分からん
木城エリア:失敗してない!
GM:そうか お渡しします
木城エリア:怖いよ~~~
木城フシギ:もらえそう 良かった
GM:送りました
木城エリア:あ……あ……
灰田昇:ハハァ……………………
木城フシギ:確認しました……
木城エリア:オエッ
灰田昇:「っ、う、く……」
灰田昇:流れ込む記憶。光景。事実。炎。熱。
灰田昇:そういったものの質量に、思わずよろめき、膝をつく。
灰田昇:……だが、『夢幻泡影』は……確かにその手に。
鬼頭菖蒲:「……」君のその様子を、じっと見つめる。
鬼頭菖蒲:「……思い出した?」
灰田昇:脂汗が滲む。寒気で背筋が震える。全身が痛いのか、痛くないのかも判別できない。
灰田昇:ただ、 「……ああ」
灰田昇:「思い出した」 それだけは事実。暗い目で、目の前の姉を見る。
鬼頭菖蒲:「……あなたには……」
鬼頭菖蒲:「……こんなこと、忘れていてほしかった」
鬼頭菖蒲:「ごめん。昇」静かに君を抱き締める。
鬼頭菖蒲:「弱いお姉ちゃんで、ごめんね……」
灰田昇:優しい腕の中で、痙攣するように息を吐く。取り戻した記憶が、脳のなかでのたうち回っている。
灰田昇:恨みがましい気持ちがある。弱いお姉ちゃんでごめんね。本当にそうだ。最後までそれを生きて、守っていてくれれば、こんなにも苦しいことはなかったじゃないか。
灰田昇:だが、それでも。その気持ちは、偽りないものだったとしても。
灰田昇:「……いや……」 どうにか声を絞り出す
灰田昇:「やめてよ、姉ちゃん……姉ちゃんは、守ってくれたんだろ。今まで、一人で」
灰田昇:「それは……姉ちゃんが強かったからだ。それに」
灰田昇:「どっちにしろ、持たなかったんだ。こんな……あったかくて優しい姉ちゃんのこと、忘れたままずっと進むなんて」
灰田昇:「だから、何が悪かったとかじゃなくて……」
灰田昇:「……いや」
灰田昇:「姉ちゃんが悪かったとか、思わないで欲しい」
灰田昇:どうにか腕を持ち上げ、そっと抱き返す。
灰田昇:「姉ちゃんの弟で嬉しいよ、俺は」
鬼頭菖蒲:「……」
鬼頭菖蒲:君の肩口に雫が落ち、じわりと滲んでいく。
鬼頭菖蒲:「……ありがとう、昇」
鬼頭菖蒲:「そう言って貰えただけで、私は……十分だよ」
鬼頭菖蒲:「……私は、もういなくなる人間だから」
鬼頭菖蒲:「これからのことに……口出しする権利はない」
鬼頭菖蒲:身を離して、じっと君を見つめる。
鬼頭菖蒲:「昇。あなたがどんな選択をしたとしても……私は、それを尊重する」
鬼頭菖蒲:「あなたが、自分で決めて。これからどうするか」
鬼頭菖蒲:「私のことなら気にしないで」小さく笑って「適当に……何とかするから」
鬼頭菖蒲:「姉の葬式なんて、出たくないでしょ」
灰田昇:「いや……ああ……」 その言葉に返事をしようとして、なにか得心したような声を漏らす
灰田昇:「……今、開かなきゃいけない葬式が、開けない方が嫌だ、って思った」
灰田昇:「それが……俺の答えなんだと思う」
灰田昇:もう一度、姉の背を抱きしめ、撫でて 「……ありがとう。俺は、俺が決めて、全部やってみるよ」
灰田昇:「姉ちゃんが守ってくれたぶん、絶対にさ」
鬼頭菖蒲:「……うん……」
鬼頭菖蒲:抱き返すその力は、幼い頃の記憶よりもずっと弱々しいもので。
鬼頭菖蒲:「……頑張ってね、昇」
鬼頭菖蒲:「私は……いつでも、昇の味方だよ」
鬼頭菖蒲:そうして、ゆっくりと部屋を出て行く。
鬼頭菖蒲:忍者とは思えない、引きずるような足取りで、静かに扉を閉めた。
GM:そうして君の手元には、輝きを放つ『夢幻泡影』が残された。
GM:ではサイクル3、最後のサイクルに入っていきます
木城エリア:特別教室の効果使います
木城エリア:道具箱を消して愛弟子を修得しますね。愛弟子には忍法研究を取得させます。
木城エリア:蛹の忍法研究では忍法研究・忍法複写・操り人形を指定しておきます
GM:OK では全員1D100を振ってください
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 71
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 99
木城エリア:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 93
晦月絹:ハイレベルな戦いすぎる
灰田昇:世界が加速している
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 58
木城フシギ:ぎゃん
GM:では晦月さんから好きな手番を選んでください
晦月絹:どうしよ…… ぶっちゃけ私は割とノープランなんだよな
晦月絹:様子を見て動きたいという意味で灰田君の後ろとかにしてもらおうかな
GM:ではエリアさんどうぞ
木城エリア:なにもわからない
木城エリア:夢幻泡影なんて知らん
木城フシギ:気を確かに持って
灰田昇:バブちゃんになっちゃった
GM:かわいそう
木城エリア:最初に……やるか……
GM:では灰田くんどうぞ
灰田昇:悩むなー
灰田昇:まあ、2番目かな……2番目にしましょう
GM:ではフシギさん
木城フシギ:となると4番目になるってことかな
GM:3か4ですね
GM:灰田くんの後ろっていうのは直後?
晦月絹:あ、私灰田君の次が良いです
GM:ではこうなります
1:木城エリア
2:灰田昇
3:晦月絹
4:木城フシギ
【Cycle3/木城エリア】
GM:ではサイクル3最初の手番 エリアさんのシーンです
GM:登場を希望するPCはいますか?
木城エリア:考えています
木城エリア:いや……そうだな……
木城エリア:ちょっと……ロール的には出番ないかもしれないんですけど
木城エリア:全員出てもらっていいですか?
GM:ほう……
木城フシギ:いいですよ
木城エリア:もしかしたら秘密のやり取りしたく成るかもしれない
灰田昇:出産祝い……!?
灰田昇:いいよ~
晦月絹:了解です 出ましょう
木城エリア:ありがとうございます。シーン表だけ振っておくか……
木城エリア:ST
ShinobiGami : シーン表(6) → 優しい時間が過ぎていく。影の世界のことを忘れてしまいそうだ。
木城エリア:消えろ……
木城エリア:ST
ShinobiGami : シーン表(5) → 世界の終わりのような暗黒。暗闇の中、お前達は密やかに囁く。
晦月絹:めっちゃ6出るな
GM:優しさなど不要ということか
木城エリア:これで。ロールの前に判定させていただきたい
木城エリア:灰田昇の秘密を調べます
木城エリア:灰田くん
木城エリア:感情修正ください
灰田昇:フ……
灰田昇:あげましょう。+1しな
GM:いいのか~~~!?
木城エリア:うそ……!?
木城フシギ:ほ~
木城エリア:は、判定しちゃうよっ
GM:特技はなんでしょう
灰田昇:早くすることだ 気が変わらんうちにな
木城エリア:死霊術で。
木城エリア:死者の声を聞きます。
木城フシギ:笑っちゃった
GM:フ……
灰田昇:鬼
GM:OK 判定どうぞ
木城エリア:2D6+1>=5 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6+1>=5) → 2[1,1]+1 → 3 → ファンブル
灰田昇:ダメだ~!
GM:あ~~~~あ
木城フシギ:wwww
木城エリア:ダメだ……もう……
木城フシギ:でしょうよ!
晦月絹:振り直し無いんですか
木城エリア:いや……諦めないぞ私は……
GM:そりゃそうだろ
晦月絹:神通丸があれば……
木城エリア:このために道具箱持ってきてんだよ
GM:ほう……
木城エリア:神通丸一個使います!+修正まで貰ってファンブルしてらんないよ!
GM:OK 振り直しどうぞ
木城エリア:2D6+1>=5 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6+1>=5) → 4[1,3]+1 → 5 → 成功
木城エリア:や、やった……
GM:ギリギリ
灰田昇:危なすぎ
木城フシギ:おお これも美味しいな……
木城エリア:やったよお婆ちゃん……
木城フシギ:感情修正の分でとは
晦月絹:大分心やられてそうな出目だな……
木城エリア:ください……秘密を……
GM:共有は……灰田くんだけ?
木城エリア:もらえるのはひとまず私だけのはず
GM:違うわ
GM:誰にも行かないか
木城フシギ:そうですね
灰田昇:木城にだけだね あげる
木城エリア:私だけの秘密だ
GM:送りました
木城エリア:うぐううううう
木城エリア:ありがとうございます
GM:では……ロールに入っていきましょう
木城エリア:……『夢幻泡影』によって記憶が蘇ったのは灰田だけではなかった。
木城エリア:『蛹』の出産を終え、疲れ果て、ベッドで横たわっていたエリアの脳内に、唐突に過去の光景がフラッシュバックする
木城エリア:不味い、と思ったときにはもう遅かった。胃の奥からせり上がって来るものを堪えられない。清潔なベッドが、一瞬で吐瀉物で汚される
木城エリア:「ひっ……はっ……ひ、ぐ……!」はっ、はっ、はっ、と息が荒くなり、心臓が自分のものではないかのように激しく脈動している
木城エリア:「こんな……うそだよ……なんでこんな……」
木城エリア:吐瀉物の中には、昼に食べたケーキに載っていた果物が、まだ原型を残している。それくらいの時間しか経っていないのに
木城エリア:二人の距離が、もう二度と近づけないほど広がってしまったように思う
木城エリア:必死に呼吸を整えながら、しばらくして「……ごほっ」
木城エリア:「いか、なきゃ……」すっかり疲労した体を無理やり動かす「ここには……もう、いられない……」
木城エリア:
木城エリア:その夜、九海市で一件の火災が起こった。消火活動により延焼は免れたものの
木城エリア:出火元となった家は全焼。警察は出火元と、行方不明になったその家の住人、木城エリアの行方を捜査しているが
木城エリア:そのどちらも、未だに見つかっていないという。
木城エリア:見学で言った通り、絹さんに『夢幻泡影』の隠された秘密を渡すよ~
GM:では公開情報になります
木城エリア:お願いします~
『夢幻泡影』の【隠された秘密】
数年前、九海市に根差したPC1の一族は、『夢幻泡影』を求め斜歯忍軍により派遣されたPC2により壊滅させられた。
『夢幻泡影』の所有者であったPC1の親は、神器の力によって襲撃事件自体を斜歯の忍者たちの記憶から抹消した。
それは神器を守ると共にPC1に復讐の道を歩ませない為の選択であり、襲撃事件と『夢幻泡影』の存在を知るのはPC1と、神器を受け継いだ彼の姉、鬼頭菖蒲だけとなった。
大規模な能力を行使した『夢幻泡影』のエネルギーは充填されきっておらず、次に使用可能なのはまだ少し先(クライマックス後)だろう。
だが、その力の一部を行使することは出来る。
プライズ効果:
①このプライズの所有者は、誰かがあなたを対象とした情報判定や感情判定を行おうとした時、マイナス2の修正を与えることができる。
②あなたがシーンPC時のドラマシーンに使用できる。あなたは【生命力】を1点消費し、自分以外のキャラクターひとりを目標に選び、そのキャラクターの【感情】1つを消去することができる。
③シナリオ中1回のみ使用可能。同じシーンに登場しているキャラクターが行為判定を行った時、あなたは【生命力】を1点消費し、その判定で振ったサイコロのうちのひとつの目を1にすることができる。
④このプライズの所有者は、クライマックスフェイズ後、任意の物・人・事象に対する不特定多数の記憶を消去することができる。
また、PC2は襲撃の際、PC1の一族の戦法を知り尽くしている。
PC2がこの【隠された秘密】を所持した場合、PC1に対する攻撃判定に常に+1の修正を加える。
灰田昇:その『漏洩』は、『夢幻泡影』の受け渡しを行った瞬間に発生した。
灰田昇:ごく狭い範囲でのことだが、確実に、いままで蓋をされていたその事実が、にわかにこの世界へ滲み出し
灰田昇:それを同居の老婆から知らされたのは夜明けの前で、恐らく遅きに失したのだろうと思いつつも、灰田昇はその場へ向かった。
灰田昇:……木城エリアの家の焼け跡が認められる小さな公園から、消防と警察が動いているのが確認できる。
灰田昇:敢えて接近して、彼らと縁を作ってやる必要はないだろう。……それに、木城が、こんな所で自ら終わるとも、考えられない。
灰田昇:あるいは、信じない、と言うべきかもしれないが……
木城フシギ:ざり、と砂を踏む音。「……おはようございます」
灰田昇:「ああ……」 目線だけを向ける 「よ。おはよ」
木城フシギ:元より色素の薄い方だが。今の顔色には、安物の塗料で塗った木板を、さらにしばらく風雨に晒したような、そういう不健康さ、陰の気がある。
木城フシギ:記憶の復元。その波及を受けている。
木城フシギ:「……私の実家でもあるのですけれどね」
木城フシギ:数歩離れて横に立ち、焼け跡を見遣る。
灰田昇:「やったの、俺じゃないからな。できるけど……」
灰田昇:「木城。……備えしてたんだな、こういうの」
灰田昇:「さすがシノビだ」
木城フシギ:「分かっています。知っています」
木城フシギ:「絹。あなたも」
木城フシギ:「恥ずかしがっている場合ではありませんよ」
晦月絹:「……恥ずかしがってない」 強くシワの寄った眉間を抑えながら出てくる。
晦月絹:「アンタもアンタの親もどうしてこう……。まあ、緊急性のある話なのは間違いないか」
木城フシギ:「私だって不本意なんですからね。何のお洒落もせずにあなたと……」
木城フシギ:「まあ、ええ。はい」
木城フシギ:「必要な話をしましょうか」
灰田昇:(マジで付き合ってるっぽい会話じゃん……)
灰田昇:「……しかし、なあ。必要な話なんてあるか?」
灰田昇:「晦月は結局、狙いはフシギちゃんで……フシギちゃんは『夢幻泡影』狙ってるのかもしれないけど」
灰田昇:「……木城も、まあ。今は姿隠してるけど……あいつにとって今大事なのは、フシギちゃんだろ」
灰田昇:「いや……」 ふ、と息が漏れる 「前からそうか。あいつは、斜歯の任務で、なんだろうとやるやつなんだったな」
木城フシギ:「……。あなたはどうするのですか?」
木城フシギ:「このようなことが明らかに──いえ、思い出されることになって。共闘の約束が未だ有効なのか……」
木城フシギ:「いや、そもそも、あなたは既に目的を叶えている」
木城フシギ:「後はしばらく潜伏し、時が至れば神器の力を使えば、それで全ては済む」
晦月絹:「……私としても、アンタのスタンスは気になる」
晦月絹:「アンタの言った通り、私はまずもう一つの忍務を優先するけど……。夢幻泡影の回収も任務の一つ」
晦月絹:「木城がよりというだけで、アンタとも敵対関係ではある。依然変わらず」
晦月絹:「アンタの側はどうするの。木城達と」
灰田昇:「必要な話つって、結局俺から情報聞き出す話じゃんか」 わずかに苦笑して
木城フシギ:「尊重する気だというだけですよ」
灰田昇:「…………」 口を一文字に結び、木城の家があった方角を見やる
灰田昇:「……『夢幻泡影』は」
灰田昇:「誰にも渡したくない。これはもう……単なる神器じゃない」
灰田昇:「姉ちゃんの形見だ。姉ちゃんが命を賭けて守り抜こうとした……姉ちゃんの生きた証だ」
灰田昇:「……なーんて、昨日まで影も形も覚えてなかった相手のことだけどな!」
灰田昇:両手を後頭にやって、白みつつある空を見上げる。まだ星も見える、暁の空。
木城フシギ:「……」
灰田昇:……星の多くは炎の塊で、死者の魂は星になるという。この中で一番新しい星は、俺の知っている星だろうか?
灰田昇:「で、木城のことは……良く分かんねえ」
灰田昇:「考えたこともなかった。俺は……あいつのこと、好きで」
灰田昇:「お前らみたいな意味じゃなくてな」
木城フシギ:(私たちのような意味だと思うのですが)
晦月絹:「そういう補足要らない」
灰田昇:「……一緒にいて、まあうざい時も結構あったけど、楽しかったし。寂しい気持ちが埋められるような気分にもなった」
灰田昇:「でも、俺がそもそも『夢幻泡影』を探そうとして……あいつとつるむようになったのも」
灰田昇:「俺の記憶が抜けて、何か寂しい気分でいたのも」
灰田昇:「あいつがやったことのせいだ、ってなったら」
灰田昇:二人の方を見る。力なく笑いながら 「――どうなるのが普通なんだよ?」
灰田昇:「シノビ的にはさ」
木城フシギ:「忍者は己の意を通します」
木城フシギ:「誰かに従うのも、抜けて追われる身になるのも、まずは自分の意志があってのこと」
木城フシギ:「公言はできませんけれどね。きっと誰もがそう思っていますよ」
木城フシギ:「私は他の忍者たちを観察し、98%の確率でそうであるとの結論を得ました」
晦月絹:「……コイツのこれは極論だけど。ある意味で賛成」
晦月絹:「シノビが自分の意志を通してるって意味じゃなく、アンタは自分の意志を通せばいいって意味で」
晦月絹:「どうせシノビらしくないんだし。シノビ的に普通かどうかとか、たいして気にする性質でもないでしょ」
晦月絹:「為したいように為せばいい。私達もそうする。それで互いがぶつかるなら、勝った方だけが事を為す」
晦月絹:「いずれ私がアンタの『夢幻泡影』を奪いに来るように」
灰田昇:「自分の意志。……結局、それがなきゃダメか。それがもう、自分でも分かんねえから、ラクしたかったんだけど」
灰田昇:「そんなうまい話はないか。厳しいな、シノビ」
木城フシギ:「ご安心ください。実際の選択肢は有限です」
木城フシギ:「一族の仇を討つか。遠ざかるか。神器の力で再び全てを忘れ、今まで通りの日常を続けるか」
木城フシギ:「あるいは神器を使わずに、母さんの傍にいていただけるのか」
木城フシギ:「この辺りではないでしょうか」
灰田昇:「……フシギちゃん、そういう所結構クールだよな」
灰田昇:「実際、そうなんだろうけど……ふう」
灰田昇:空が明けていく。今まで腰を下ろしていた柵から飛び降りる。
灰田昇:「考える」
灰田昇:「こんな大問題初めてだし。わっかんねえけど……」
灰田昇:「……考えずに済ませたり、誤魔化して切り抜けたりしたら、さすがに後悔しそうだしな」
灰田昇:「つって」 二人に笑みを見せる 「そっちにゃ関係ないかもしんないけど!」
晦月絹:「関係なくもない。そっち次第で戦況も変わるから」
晦月絹:ある意味、自分にとっては意に添う状況に近づいたとも言える。当初の1対3よりは。
木城フシギ:頷きを合わせる。「母さんは──」
木城フシギ:「……。母さんのことですからね。戦況もさりながら、その意味でも大いに関係のあることです」
木城フシギ:「そして私は、できれば母さんに心穏やかに過ごしてほしい」
木城フシギ:「ですから……」
木城フシギ:「…………場合によっては、あなたと二人の、新たな同盟を結ぶことも考慮に入れられる」灰田くんへ話しながら、絹の様子を横目で窺う。
木城フシギ:「覚えておいてください。無論、前二つを選ぶつもりなら、妄言と聞き流してくださって結構です」
灰田昇:「ああ。ちゃんと考えたら……はっきり伝える。二人にも。二人の大事なこととも関わってんだなって感じだし……」
灰田昇:「二人にもっつうか、木城にもだから、三人にもだけど。……あ、木城はいま二人だから、四人?」
灰田昇:「じゃ、ま、そういうことで」
灰田昇:「……どうなっても、あんま痛くしねーでくれよ。ルーキーなんだからな、俺」
灰田昇:最後にどうにか軽口らしきものを絞り出して、灰田はその場を後にする。
木城フシギ:「善処します」生真面目に返して見送る。
晦月絹:「加減はしないから。保証できない」 その一言だけ返す。
木城フシギ:「……」
木城フシギ:「絹」
晦月絹:「何」
木城フシギ:「これを」
木城フシギ:紙片を放って渡す。
木城フシギ:「有限と言えど、選択肢は多くあるべきでしょうから」
木城フシギ:ということで
木城フシギ:自分の【居所】を晦月絹さんに渡します。
晦月絹:「……」 受け取ってから訝しげにそれを見て。
晦月絹:「アンタの加減なしは人脈込みってことじゃなかったの」
晦月絹:疑いと苛立ちが半々といった目で彼女を睨む。
木城フシギ:「私は私の使命を果たします。そのためなら手段は選ばない」
木城フシギ:「あなたがどう使うか、使わないかは、ご自由に」
木城フシギ:それだけ言って踵を返す。
晦月絹:「……」 クシャ、と手の中で紙が潰れる。
晦月絹:彼女もまた踵を返し、そうしてここには誰も居なくなった。
GM:手番の希望に変更があるようなので再度ダイスをお願いします。
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 54
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 90
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 54
晦月絹:マジ?
灰田昇:あらまぁ
GM:何ぃ……
木城フシギ:ヌヌヌ
GM:二人はもう一度ダイスを
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 47
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 54
木城フシギ:フーッ
GM:では灰田くんから
灰田昇:すみません……! 4手目を取ります!
GM:次にフシギさん
木城フシギ:3手目で。
GM:では
1:木城エリア
2:晦月絹
3:木城フシギ
4:灰田昇
GM:このようになりますね
晦月絹:はーい
【Cycle3/晦月絹】
GM:というわけで晦月さんの手番です。
GM:登場を希望するPCはいますか?
晦月絹:エリアさんに登場してほしいです
木城エリア:登場します
晦月絹:やることはフシギちゃんの秘密へ情報判定
晦月絹:先に判定して暗号術で振りたいです
GM:OK 判定どうぞ
晦月絹:2d6>=5
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[1,6] → 7 → 成功
晦月絹:出目が安定してる
GM:共有は……特にないかな?
晦月絹:あ、フシギちゃんとは感情あります
GM:フシギちゃん自身の秘密だから
晦月絹:あ、そうだわ 共有はシーン中でエリアさんにだけしようと思います
木城エリア:まあ私に渡したら
木城エリア:感情共有で灰田くんも知っちゃうから
晦月絹:そうだったな……
木城エリア:実は全体公開という噂がある
GM:もう渡すってことでいいですか?
GM:一応内容見てからにしますか
晦月絹:そうしたいです
木城エリア:ドキドキきのこ
GM:送りました
晦月絹:受けとりました
晦月絹:まあ……共有するか……
木城エリア:約束を破らないと信じていました
GM:では公開情報になりますね
木城エリア:娘のベッドの部屋を覗いて入手する秘密は最高だぜ
PC3の【秘密】
君は本気でPC4を愛してしまっており、その為ならば忍びとしての道を捨ててもいいと考えている。
だが、流派を抜けて平穏な日々を勝ち得る為には、追手を躱すだけの強力な、あるいは特別な力が必要だ。
神器──『夢幻泡影』ならば、それが叶う。
君の【本当の使命】は、【PC4と共に平穏を得る】ことだ。
君はセッション中に一度だけ、PC4への感情を《愛情》に変更することが出来る。
木城エリア:裏切り者が~!
木城エリア:え?この秘密羨ましいんですけど……
木城エリア:私も感情を愛情に変えたいんだが……?
GM:かわいそう
晦月絹:フシギ……
GM:ではシーンをシーンなさいな
木城エリア:了解です。何処にします?
木城エリア:私は高架下とか橋の下とかがいいなと想っています
晦月絹:その辺にしますか
晦月絹:エリアさんの逃走先にこっちが訪ねていく感じで
GM:ではロールに入っていきましょう
木城エリア:六条大橋、九海市を横切る大河を横切る街で最も大きい橋の下に木城エリアはいた。
木城エリア:火災の日から数日、その日は大雨が降っており、増水した河に近づくものは一人もいない。
木城エリア:超常の力を持つシノビ以外には。という感じで絹ちゃん出てきてもらえるかな。
晦月絹:橋の下へと踏み込む影が一つ。雨の中を歩いてきたにもかかわらず、何故かその髪も服も濡れたところは無い。
晦月絹:「木城エリア」
木城エリア:「……私の秘密は知られてるから、来てくれないかなって想ったけど」
木城エリア:「信用してくれたんだ。ありがとう絹ちゃん」
木城エリア:力のない笑みを浮かべて言う。君とは対象的に、その体は雨に濡れ、身にまとった服は泥や煤で薄汚れている。
木城エリア:あの夜からほとんど眠れていないのだろう。目の下には深い隈が刻まれている。傍らにある、呪符の大量に貼られたトランクケースが無ければ
木城エリア:彼女を脅威に思う者は一人もいないだろう。
晦月絹:「……アンタを信用したわけじゃないけど。1対1なら負けるつもりはない」
木城エリア:「私もそう思ったから、あの時は灰田くんを連れて行ったんだ」
木城エリア:「……フシギのことは調べてくれた?」
木城エリア:「私も知らなきゃいけない……誰が本当の敵なのか、まだわからないから」
晦月絹:「当然。晦月は施しを受けないし、借りを受けたなら必ず返す」
晦月絹:先に判明した木城エリアと灰田一族の因縁。封じられた記憶の漏洩。
晦月絹:その影響があるのは当人である灰田昇と木城エリア。そしてエリアの娘という近しい立場であるフシギ。
晦月絹:その三人だけだ。鞍馬神流に所属し、九海市を知る機会も無かった晦月絹には、本来知るための術も縁も無い。
晦月絹:それを知ることが出来たのは、木城エリアからの提供であり取引の結果故。そしてその代価が。
晦月絹:「……」 黙ったまま紙切れを投げわたす。
木城エリア:「……フシギは私に懐いていたけど。それと使命は別だから」
木城エリア:「絹ちゃんも分かったよね?夢幻泡影の力は本物だって」
木城エリア:紙を受け取り中身を見る
晦月絹:頷く。夢幻泡影の力が無ければ、灰田昇と木城エリアがアレだけ親しくなることは無かったはずだ。
木城エリア:「もし、フシギが私の敵で……夢幻泡影の力を手に入れるようなことがあれば」
木城エリア:「場合によっては貴女より先に……フシギを始末することに成る。だから知っておきたかったんだ」
木城エリア:「フシギがどうするつもりなのか……。これではっきりしたね」
晦月絹:「……」 黙り込む。語る言葉が見当たらないという顔で。
木城エリア:「でも……フシギがどうするつもりでも、絹ちゃんがやることは変えられない」
木城エリア:哀れみの……あるいは諦念の籠もった笑みを浮かべて
木城エリア:「絹ちゃん……シノビって、本当に大変だよね」
晦月絹:「……前にも言った通り」 その笑みには答えず話し出す。
晦月絹:「アンタは間違ってない。きっと、シノビとしてはアンタが一番正しい」
晦月絹:「忍務であれば非道も行い、敵になるなら娘にも容赦なく。流派の違う者相手には娘を任せないと言ったことも」
晦月絹:「全部、当然だ。シノビなら。だから」
晦月絹:「私はアンタに何も言わない」 何も言えない。謝罪も、懺悔も、ましてや言い訳も。
木城エリア:「そうだね。シノビとしては正しいよ。でもね、だからさ……」
木城エリア:「灰田くんの前では、人でいたかったんだ。居られると思った。それなのに……」
木城エリア:―――ガコン!
木城エリア:トランクケースが、内側の何かから殴られ、大きく歪む
木城エリア:「私……あの記憶を見た時……」
木城エリア:ガコン!ガコンガコンガコン!
木城エリア:「とっさに、灰田くんを……殺そうって思っちゃったんだ」
木城エリア:トランクケースに、無数の人の手形が刻まれていく
木城エリア:「灰田くんに殺されるんじゃないかって、疑った瞬間!他のシノビにするみたいに!」
木城エリア:「私の敵なら始末しなきゃって!灰田くんが相手なのに!灰田くんと私は友達なのに!」
木城エリア:「どうしようもない……どうしようもなくシノビなんだ……私は……」顔を覆い、慟哭して
木城エリア:「……ごめん。敵の絹ちゃんに話すことじゃなかったね!」普段どおりの笑顔を作って、明るく言う
晦月絹:「……別に」 先ほどエリアが浮かべていたように、その眼には諦観と憐憫が浮かんでいる。
木城エリア:「私、そろそろ行かなくちゃ。この子に餌もやらないといけない」
木城エリア:「じゃあね、絹ちゃん。負けるつもりはないけど」
木城エリア:「私が死んだら、フシギをよろしくね」
晦月絹:「……私が勝った時点で、その願いは聞けない」
晦月絹:「それは私が言うべき言葉でしょ」
木城エリア:困ったような微笑みだけ返し、凸凹に歪んだトランクケースを持ってその場から去ります。
晦月絹:一人、橋の下に残る。雨が止む気配はなく、再びその中を戻る気は起きない。
晦月絹:(……因果な話だな)
晦月絹:灰田昇は自分の記憶を満たすために夢幻泡影を探し、しかし見つかったことで木城エリアとの絆を失った。
晦月絹:シノビとして生きてきた木城エリアは灰田昇の傍でひと時だけただの人間となり、しかし結局はシノビでしかなかった。
晦月絹:夢幻泡影によって自分の願いを叶えようとしているフシギは、しかしそれ故に他の三人全員と敵対する。
晦月絹:そして、私は――。
晦月絹:「……馬鹿」
晦月絹:私の使命を果たすと、そう宣言した彼女の瞳を思い出す。
晦月絹:私の忍務なんてとうに知っているくせに。私が真っ先にアイツに言った言葉の意味を理解しているくせに。
晦月絹:母も、流派も、裏切る気なのか。ずっとそのために動いて、それなのに居所を私に晒すのか。
晦月絹:私が望めば、戦うつもりだったのか。二人だけで。あのときみたいに。
晦月絹:橋を支える支柱の傍に蹲る。小さな体は余計に小さくなって、まるで途方に暮れた迷子だ。
晦月絹:「馬鹿が」
晦月絹:それは、自分なんかを選んで他のものを捨てようとしている彼女へ言ったのか。
晦月絹:そんな彼女を選ばなかった自分に言ったのか。
晦月絹:あるいは、この因果の中で藻掻くしか出来ない全員を差した言葉だったのか。
晦月絹:――いずれにせよ。雨に閉ざされたこの場所からでは、どこに届くことも無かった。
【Cycle3/木城フシギ】
GM:フシギさんの手番です。
GM:登場を希望するPCはいますか?
木城フシギ:はい
木城フシギ:晦月絹さんに出てもらいたいです
晦月絹:えっ
晦月絹:出ますか……
木城フシギ:わあい
木城フシギ:自宅に呼びますね。うっかり居所も漏らしてしまったことだし……
GM:ほう……
GM:ではロールに入っていきましょう
木城フシギ:木城フシギの自宅──いくつかある拠点のうち、『家』と呼べる形式のもの──は、単身者向けの集合住宅の一室。
木城フシギ:内部は綺麗に片付けられ、窓辺には瑞々しい葉の観葉植物が。ソファには紺と白のクッションが置かれ、寄り添うように肩を並べている。
木城フシギ:瀟洒で、住む者の個性というものに欠いた、モデルルームのような空間。
木城フシギ:そこに、晦月絹を招待した。
晦月絹:「……」 チャイムは鳴らさなかった。それが必要なほど鈍くもないだろう。
晦月絹:先程渡された紙に書かれた時間の通り、書かれた部屋の前に立った。
木城フシギ:ずっと玄関で待っていたみたいに、その瞬間に扉が開く。
木城フシギ:「こんばんは」
木城フシギ:顔を出した少女の格好は、“気を遣っている”時のもの。
木城フシギ:「どうぞ上がってください。お茶を淹れます」
木城フシギ:そう言ってさっさと奥に消える。
晦月絹:「……」 常ならば、開口一番何を考えているのかと問うていただろう。あるいは馬鹿と吐き捨てていただろう。
晦月絹:少し前の、彼女の目的を知らなかった自分ならそうした筈だ。
晦月絹:黙ったまま、彼女の後に続く。
木城フシギ:「お掛けください。荷物はそちらに」小さなキッチンからかちゃかちゃと音が響く。「お土産はありますか?」
晦月絹:「あると思うの」 手に持つような荷物は無い。身一つでソファに座る。
木城フシギ:「決めつけるのも失礼かと思ったので……」その前に湯気の立つ紅茶のカップを置き、ポットと自分の分もテーブルに並べて。
木城フシギ:隣に座る。
晦月絹:「……話は?」 隣に座ることは拒まず、問いだけ投げつける。
木城フシギ:「作戦会議をしましょう」
晦月絹:「なんの」
木城フシギ:「戦端は」
木城フシギ:「夢幻泡影の持ち主である灰田さん次第。タイミングも、その時誰といるかも我々には選べない」
木城フシギ:「だから今のうちに、二人でしておいた方が良い話はしておこうということです」
晦月絹:「無い」 その言葉が終わるか終わらないかのうちに切って捨てる。
晦月絹:「話すことなんてない。私は忍務を果たすし、晦月は敵と交渉をしない」
晦月絹:「ここに来たのはアンタの居所を確認するため。それが用件なら、これ以上ここに居る理由もない」
晦月絹:用意していたように言葉を並べ立てると、席を立とうとする。
木城フシギ:「なぜ襲ってこなかったのですか?」
晦月絹:「……前にも言ったでしょ。晦月は不意打ちなんて外道を使わない」
木城フシギ:「不意打ち?」
木城フシギ:「間抜けな標的が、わざわざ自分から居場所を教えたのですよ。なぜ襲撃を掛けなかったのです」
晦月絹:「……相手の土俵に自分から乗る理由は無い。近いうちに見える算段が付いてるなら猶更」
木城フシギ:「絹も冗談を言うようになったのですね」
木城フシギ:「忍者を相手にして罠が怖いから、自分を殺そうとしている相手に義理を果たすのを優先して、獲物を放置していたと」
木城フシギ:「上に報告すれば、きっと笑ってもらえますよ」
晦月絹:「……」 理論の構築を間違えたと気づくには遅く。開きかけていた口を閉じ、黙り込む。
木城フシギ:「答えてください、絹。今度こそ」
木城フシギ:瑠璃の瞳に、白髪の少女を映す。
木城フシギ:「あなたは私を愛していないのですか?」
晦月絹:「……何を」
晦月絹:「何を言っても、戯言でしかない」
晦月絹:愛しているも、殺したくないも、ごめんも。
晦月絹:「私はアンタを殺す。それが全てなんだから」
晦月絹:もう、戯言にしかなれない。だから言わない。言ってはいけない。
晦月絹:そんな弱音を。私は私に許さない。
木城フシギ:「…………そう……」寂しげに目を伏せて。
木城フシギ:上げる。「……そうだとしても、我々には、相互に利用する余地がある」
木城フシギ:「私の目的を知ったのでしょう?」
晦月絹:「……つまり、他の2人を倒すまでは協力できると?」
木城フシギ:「神器を巡るこの戦いで」
木城フシギ:「まず間違いなく、決して勝たせてはいけない相手がいます。分かりますか」
晦月絹:「……灰田昇?」
木城フシギ:「今の問いにおいては、いいえ」首を振る。
木城フシギ:「母さんです。私の」
晦月絹:「……ああ。そうか」 彼女の流派に沿えば、木城エリアの勝利でも任務は達成になる。
晦月絹:だが、彼女の目的から言えば。斜歯に回収されることこそが最悪の状況だ。
木城フシギ:「絹を……殺す気ですからね。そんなことはさせられませんし」
木城フシギ:「母さん自身が幸せになれるかという観点の上でも、極めて望ましくないと言わざるを得ません」
木城フシギ:「私、母さんには笑っていて欲しいのですよ。これでも」
晦月絹:「……過去が明らかになった今、相当に無謀な願いだと思うけど」
晦月絹:先の橋の下で見た痛々しい笑顔を思い出す。そしてあのケーキ屋で見た弾けるような笑顔も。
晦月絹:灰田昇との平穏によって齎されたあの笑顔は、だからこそもう二度と戻ってくるとは思えない。
木城フシギ:溜息をつく。
木城フシギ:「……その反応で、さらにそう思いました」
木城フシギ:「あなたと母さんは少し似ていると思ったのです。半端に役割に忠実で、半端に情があるところなんかが」
木城フシギ:「そんなあなたがそう感じるのなら、母さんも自分できっとそう感じている」
木城フシギ:「勝利したとして──たとえば、自分に関する記憶を周りから消し、一人で忘れられようとする」
木城フシギ:「そんな絵面が浮かんで仕方ないのですよ」
晦月絹:「アンタはそれを阻止したい、と」
木城フシギ:「あなたにとっても望むところではないでしょう?」
晦月絹:「……」 夢幻泡影の回収も任務のうちに入っている。否定はしない。
木城フシギ:「……そして、母さん以上に問題なのが、灰田さんです」
木城フシギ:というところで……ちょっと半端なタイミングですが、灰田さんの秘密を探りたいです。調査術で。
GM:いいでしょう 判定どうぞ!
木城フシギ:絹 感情修正をください
晦月絹:どうぞ
GM:灰田くんは『夢幻泡影』のプライズ効果を使用可能です。
灰田昇:使用しません!
GM:では判定どうぞ
木城フシギ:では
木城フシギ:2D6+1>=5 (判定:調査術)
ShinobiGami : (2D6+1>=5) → 10[5,5]+1 → 11 → 成功
GM:ではこれで公開かな
晦月絹:多分全員の筈
木城フシギ:よかった そのはず!
木城エリア:私も知ってます
PC1の【秘密】
かつてこの土地に根差した小さな流派であった君の一族は数年前に壊滅し、今やそれを知る者もいない。君はその最後の生き残りだ。
死にゆく親族から最後に託された使命。それは一族に伝わる神器である『夢幻泡影』を守ることだった。
だが君は朧げな記憶を頼りに、一族を滅ぼした仇である忍びを追っており、その復讐を果たす為ならば託された使命を捨ててもよいと考えている。
君はセッション中に一度だけ、【使命】を【一族の仇に復讐を遂げる】に変更してもよい。
晦月絹:う、うわぁ……
木城フシギ:ヌウーッ……
木城フシギ:「……」
木城フシギ:黙ったまま、忍びの暗号で書かれた調査資料を手渡す。
晦月絹:受けとって目を通し。
晦月絹:「……順当なとこでしょ。今までの情報を総合すれば」
晦月絹:「あの二人にとっては酷い皮肉だけど」 パサリと机に資料が広がる。
木城フシギ:「順当。我々のような者からすればそうでしょう」
木城フシギ:「しかし私たちが接した彼は、これまで忍びの世とは無縁で、英雄願望からは遠く、なんだかんだで甘い気質の持ち主だった」
木城フシギ:「つまり、どこにでもいる普通の高校生というわけです。分かりますか、絹には」
木城フシギ:「そんな人物が、戦場で敵と味方をどのように分け、どのようにそれと対するのか」
晦月絹:「……」 分かるとは断言できない。シノビの世に浸って生きてきた自分に普通の高校生の思考が分かるとは思わない。
晦月絹:ましてや。
晦月絹:「普通の高校生というだけでもないでしょ」
晦月絹:一族を滅ぼされ、その記憶を消され、そうと知らずに仇と親しくなり、その後から記憶が蘇った。
晦月絹:「例えシノビだろうと高校生だろうと。あんな状況に置かれれば、どんな行動に走るかなんて推測しきれない」
木城フシギ:「私なら絹のことを第一に行動するだけなのですが」
晦月絹:「言うな。そういうこと」
木城フシギ:「本心なのに……」残念そうにする。「まあ。ですからね」
木城フシギ:「奇しくも、やっぱり、私たちの願いは一致するのです」
木城フシギ:「私も、最後の形は、あなたとの一対一が良い」
晦月絹:「…………」 沸き上がった感情を噛み潰す。そんなもの、抱いていい立場でも状況でもない。
晦月絹:「理屈は分かった。でも、完全に同意はしない」
晦月絹:「戦況がどうなるかなんて今語ったところで空想に過ぎないから。最善手はそのときにならなければわからない」
晦月絹:「だから確約はしない。必要だと思えばアンタを狙いもする」
晦月絹:それだけ言って、改めて席を立つ。
木城フシギ:「構いません」紅茶のカップを手に取る。
木城フシギ:「ただ、私にとって、今の話はすべての前提です」
木城フシギ:「それは覚えておいてください」
晦月絹:返答がないまま部屋を出た。言われなくても、忘れることなんて出来そうになかった。
【Cycle3/灰田昇】
GM:メインフェイズ最後のシーン、シーンPCは灰田くんです。
GM:登場を希望するPCはいますか?
灰田昇:木城エリアちゃん!
木城エリア:出ま~す
GM:ではシーンをなさったりロールをしたりしてください
木城エリア:九海市山中。
木城エリア:獣道の先、不法投棄された無数のごみの山の中で、一人膝を抱えて座り込んでいる。
木城エリア:……いつからだろう。一人でいると、声が聞こえるようになった。
:ままんままあ
:いだいよ、ままあ
:だづげで、ままぁぁぁぁ……
:あづいよ、まま、ままあ
木城エリア:自分にすがりつき、助けを求める、無数の子どもたちの声。
木城エリア:この声はずっと、忍務のために産み落とし死んでいった、自分の子供達の声だと思っていた。
木城エリア:「うう……」
木城エリア:でも、違った。夢幻泡影のおかげで思い出せた。
木城エリア:これは自分が殺した……灰田くんの家族の声なのだ。
木城エリア:「うぐ……う……」
木城エリア:声に耐えられず、がりがりと自分の腕をかきはじめる。
木城エリア:「ううううううう…………!」
木城エリア:服が破れ、肌が裂け、血が滲みはじめても。そうしていなければおかしくなってしまいそうだった。
木城エリア:思えば、灰田くんと出会ってから、声が聞こえてくることはなくなった。
木城エリア:ずっと一緒に居たからだ。
木城エリア:一人で家にいる時だって、彼がそばにいるな気がしていたからだ。
木城エリア:記憶を取り戻してからは、ずっと声がやまない。
木城エリア:「ひぐっ……うう……いやだよ……」
木城エリア:「灰田くんに殺されたくないよ……灰田くんのこと殺したくないよ……」
木城エリア:「会いたいよお……寂しいよお……灰田くん……」
木城エリア:雨に打たれながら、ぼろぼろと涙をこぼす。
木城エリア:会いたかった。けど会うのが怖かった。
木城エリア:会ってしまったら、会えなくなるよりもっと辛いことが起こる気がして。
木城エリア:「ひぐっ、うっ、う~……」
灰田昇:足音がする。
灰田昇:雨音に混じり、誰かが近づいてくる。……いや。
灰田昇:君なら労せず聞き分けられるだろう。それが、灰田昇のそれであることを。
木城エリア:びくりと体をこわばらせ、小さい体を益々小さく縮める
木城エリア:「あ、う……」
灰田昇:「……ひっでえとこ……」
灰田昇:声も、間違いない。決して近くはないが、今から姿を隠して逃げられるほど遠くもない。
灰田昇:「……木城!」
灰田昇:「いるんだろ! ……分かってんだからな!」
木城エリア:彼が来たら、逃げ出そうと決めていた。でも、いざ近くにいると分かると体は動いてくれなかった。
木城エリア:「うう……」その場から動けず、さりとて、答えることもできない。
灰田昇:「市内の隠れられそうな場所はばあちゃんが大体押さえてくれてたし、目撃証言もあったし……」
灰田昇:「……何より、今のお前なら、『俺と来たことがある場所』には隠れないだろ」
灰田昇:「だったら簡単だ。お前とはいろんなとこ、行ったしな」
灰田昇:雨足はざあざあと収まらない。足取りは慎重だが、確実に近づいてくる。
木城エリア:「こないで……」
木城エリア:「それ以上、近づいてこないでっ!」張り裂けそうな声で叫ぶ
灰田昇:足音が止まる。
灰田昇:「……木城」
木城エリア:「思い出したんだよね……私が何をしたか……」
木城エリア:「私も思い出したよ……灰田くんは、もともと私の敵だって……」
木城エリア:「私が殺したんだって!灰田くんのお母さんも、お父さんも、お姉ちゃんも!友達も!」
木城エリア:「全部私が殺したんだ!だから……それ以上来ないでっ」
木城エリア:「来たら……次はきっと、灰田くんまで殺しちゃうから……」
木城エリア:「帰ってよ……嫌だよ……」
木城エリア:「灰田くんに殺されるのも、殺されるのも……私いやだよ……」
灰田昇:「俺の家族……俺の姉ちゃんは」
灰田昇:「俺や、この世界から、『夢幻泡影』で、お前の……襲ってきた事実を忘れ去らせたのは、俺に仇討ちをさせないためだ、って言ってた」
灰田昇:「だから、そんなことはしないのが、殺された家族の気持ちを尊重する、ことに……なるんだろうな」
灰田昇:「……でも、お前の言う通りだよ。木城」
木城エリア:「いやだ……いやだ!いやだ!」
灰田昇:「家族が殺されたこと、それをしたやつのことを知って、思い出したら」
灰田昇:「仇を討つことを考えないなんて、無理に決まってる。……そうだな、姉ちゃんは……両親は……正しかった」
木城エリア:「言わないで!もういやだよ!こわいよ!聞きたくないよっ!」
木城エリア:両手で耳をふさぎ、必死に声を聞かないようにする
木城エリア:それでもシノビとしての能力が灰田くんの声をとらえてしまう。
灰田昇:「封じられた記憶が戻ってきて……本当にその通りになってるんだから」
木城エリア:「うああ……あああ!あああああ……!」
灰田昇:「……木城!」
灰田昇:「聞け!!」 雨音に、彼女の嘆きに負けないよう、今までになく声を張り上げる
木城エリア:「う、う……っ!」
灰田昇:「……それでも俺は! お前と一緒の時間が……楽しかった!」
灰田昇:「俺も、お前も、何も知らなかったからだとしても! ……初めて出来た、シノビの仲間と一緒に!」
灰田昇:「『夢幻泡影』! あるのかないのかも分からない、曖昧で、途方もない宝探し!」
灰田昇:「真面目半分、遊び半分で、お前と一緒に色々な所に行って、色々なことを知って……」
灰田昇:「……色々なお前の顔を見て、声を聞いて」
灰田昇:「それが本当に楽しくて……その時間が俺の中で大事だったことも、本当だ」
灰田昇:雨足は強まるばかり。俯いたまま、濡れた髪を拭い、熱っぽい息を吐く。
木城エリア:震えながら、恐る恐る手をどける。灰田くんの声を聞く。
灰田昇:「……『忍者は己の意を通す』。『為したいように為せばいい』」
灰田昇:「フシギちゃんと晦月は、そう言ってたけど……」
灰田昇:「……いや、はは」 口に浮かぶ言葉の情けなさに、自嘲めいて笑う
灰田昇:「今も全然分かんねえよ。俺がどうしたいのかなんて」
灰田昇:「家族をお前に殺された。お前との時間が楽しかった」
灰田昇:「どっちも本当なんだ」
木城エリア:「そんなの……私だって同じだよ……」
木城エリア:「私は灰田くんの敵で、灰田くんに、殺されなきゃいけないのに……」
木城エリア:「でも……やっぱり灰田くんと一緒に居るのは……楽しかったよ……」
灰田昇:「……だから……」
灰田昇:足音が近づいてくる。
灰田昇:「お前の顔を見て、決めることにした」
灰田昇:足音が近づいてくる。迷いなく、君の隠れている方へ。
灰田昇:「今、お前の顔を見た時、それが……」
灰田昇:「仇に見えるのか、大切な奴に見えるのか」
灰田昇:「確かめに来たんだ。木城」
灰田昇:……足音が止まる。ほどない距離。それは友同士が向き合う距離にも、敵同士が相対する距離でもあった。
灰田昇:「頼む」
灰田昇:「顔を見せてくれ」
木城エリア:「……灰田くん」顔を上げる。目元は涙で真っ赤に腫れ、その下には深い隈が刻まれた、疲れ果てた顔
木城エリア:「私……灰田くんとはもう、会いたくなかったのに……」
木城エリア:自分でも、もう、笑うことなんてできないと思っていたのに。
木城エリア:「なのに……えへへ……やっぱりダメだね……」
木城エリア:「どんな理由でも、灰田くんとまた会えて……嬉しいって思っちゃった……」それでも、灰田くんの顔を見た途端に、自然と頬が緩んでしまう
灰田昇:では、ここで……
灰田昇:感情判定をします。
木城エリア:うう~
灰田昇:これにより提示された感情のうち、適切な方を選び、それが+か-かで、使命をどうするかを決めましょう。
灰田昇:+修正を……渡しな!
木城エリア:+修正をあげます
GM:なるほどな……
灰田昇:技能は隠蔽術。ばあちゃんの手助けはあったにせよ、ここまで歩いてきたのは俺の技術によるものだ。
GM:いいでしょう 判定どうぞ!
灰田昇:2D6+1>=5 (判定:隠蔽術)
ShinobiGami : (2D6+1>=5) → 10[5,5]+1 → 11 → 成功
灰田昇:ET
ShinobiGami : 感情表(6) → 狂信(プラス)/殺意(マイナス)
木城エリア:ET
ShinobiGami : 感情表(6) → 狂信(プラス)/殺意(マイナス)
灰田昇:フーッ……
GM:う……うおおおおおお…………
灰田昇:木城エリアを狂信することはできない。殺意に変更します。
GM:了解です。
GM:エリアさんはどうしますか?
木城エリア:私も殺意に変更します。
木城エリア:私はシノビだ。殺されるわけにはいかない。
灰田昇:そして同時に、使命を『一族の仇に復讐を遂げる』へ変更します。
GM:許可します。
灰田昇:「……木城。いや……」
灰田昇:「エリア」
灰田昇:俯きがちな顔。前髪は雨で濡れて、重く垂れている。
木城エリア:「うん……わかってる」
木城エリア:「灰田くんも……どうしようもなくシノビなんだね」
灰田昇:「……俺は……」
灰田昇:「お前のことが好きだったよ」
木城エリア:「そうだね……」
木城エリア:「私も……ずっと夢の中に居たかった」
灰田昇:「寂しいと思う時、いつも隣にいてくれた。……会っていない時ですら、お前がいてくれる気がした。お前のことを考えてた」
灰田昇:「お前と一緒にいる時は、お前の言葉と、表情と、その全部を、意識から離せなかった」
灰田昇:「お前と一緒にいない時は、お前が隣にいたらどうだったろう、って考えていた」
木城エリア:「うん……うん……」
木城エリア:「全部……全部一緒だね。私達」
灰田昇:「…………」
灰田昇:「終わりだ」
木城エリア:「うん……」
木城エリア:「あの記憶を思い出した時」
木城エリア:「私ね、灰田くんに殺されると思った」
木城エリア:「そうなる前に、私が灰田くんを殺さなきゃって……」
木城エリア:「全部一緒だから……」
木城エリア:「灰田くんも……そう思ったんだね」
灰田昇:「……一緒……」
灰田昇:「一緒な……ものかよ」
灰田昇:「俺は……お前から何も奪っちゃいない。家族も。友人も。何も」
灰田昇:「お前は俺から奪った。その違いが全てだ」
灰田昇:雨の中、不意に風が吹く。灰田を中心に。それは熱量の兆し。雨中であろうと、不知火の炎を駆使するための。
灰田昇:「……それとも『一緒』になりたいのか」
灰田昇:「『夢幻泡影』の覚醒の時は近い。……ここにも」
灰田昇:「フシギちゃんが来る」
木城エリア:「えへへ……そうだね。そこだけは違う……」
木城エリア:「私が勝って君は負けたんだ」
木城エリア:「今回もそうなる」
木城エリア:ざぶん、と。唐突にエリアの姿が消える。いつの間にか、水で作られた鏡像と入れ替わっている。
灰田昇:もはや灰田の炉心には、殺意の炎が燃え盛る。
灰田昇:少女の、声、言葉、薄汚れた様相、笑み。……好きだった。その事実すら、火力のための薪と焚べられて。
木城エリア:「不知火の炎は、敵対者の欲望に反応してその強さを増す」
木城エリア:「だから私は、心なき怪物を産んで君達と対峙した」
木城エリア:「出てこい、ヒノデ」
木城エリア:「餌の時間だよ」
木城エリア:瓦礫の山の上に、少女と……つるりとした真っ白な皮膚で形取られた、瞳のない怪物が立っている。
ヒノデ:「ま゛ま゛あぁぁぁぁ……」
木城エリア:「夢幻泡影は私達斜歯が貰う」
木城エリア:「私と、その娘のために。邪魔をするなら死んでもらうぞ、灰田昇」
灰田昇:「……分かっちゃいたが……」
灰田昇:「つくづくおぞましい真似をするよな、ホント」
灰田昇:雨に打たれていながら、下生えの草がジリジリと燃え始める。
灰田昇:「言っただろ。終わりだ」
灰田昇:「『夢幻泡影』なんてもう大したものじゃない。……記憶は取り戻した」
灰田昇:「でも俺が記憶を求めていたのは、過去を固めて、未来に進むためのことだった」
灰田昇:「……復讐をする! 俺から家族を奪ったお前の灰を……墓すら立たなかった家族のために……百八に分けてあまねく炎に捧げてやる」
灰田昇:「そしてその果てに、俺は……」
灰田昇:「……前へ進む……!」
GM:降りしきる雨の中、二人の忍びの道は分かたれた。
GM:愛と情とは泡沫のように立ち消えて、退路は最早燃え堕ちた。
GM:連なる勾玉が──『夢幻泡影』が、この世ならざる妖光を発した。
【Climax】
GM:クライマックスフェイズです。全員登場。
GM:対峙する二者のもとに、更に降り立つ影ふたつ。
GM:斯くして、此処に因縁は交錯する。
晦月絹:二つに分けて括られた白髪が翻る。空から降り立つ鴉の翼のように。
晦月絹:「悪いけど。この話はアンタ達二人では完結してない」
晦月絹:「立ち上る火も、無業の水も。力によってねじ伏せる」
木城エリア:「……ああ。来たね、絹ちゃん」
晦月絹:「夢幻泡影は蔵馬神流が回収する」
木城エリア:「ということは。君もきてるんだろう?出ておいで、フシギ」
木城エリア:「お姉ちゃんなんだから、妹に見本を見せてもらわないと」
木城フシギ:土を踏まず、雨に濡れず、風に吹かれず。降下してきた影は、かすかな空気のうねりだけを伴って、地表から数寸の高さで静止する。
木城フシギ:楔形の奇妙な機械が、その周囲に輪を成して取り巻いている。斜歯の技術力によって生み出された、対環境保護・踏破用、そして戦闘用の装備、機巧結界。
木城フシギ:「……終わったのですね。話は」
灰田昇:「そうだな。結論は見ての通りだよ」
木城エリア:「うん。私に起こった不具合はもう修正した」
灰田昇:「お願い、聞けなくて悪い。だが、俺の意はもう定まった」
木城エリア:「お母さんは知ってるよ。フシギはいい子だから」
木城エリア:「何をするべきかは分かってるよね」
木城エリア:「灰田昇は斜歯の敵対勢力だ。彼を殺し、夢幻泡影を回収する」
木城フシギ:「分かりました。こうなった以上は私もただ、名に負う役目を果たすのみ」
木城フシギ:「木城伏木。一族の最高傑作として、道を過てる木城の忍びを伏さすもの」
木城フシギ:「母さん。あなたが託してくれた通りに」
木城フシギ:「とりあえず全員ボコボコにして血の気を抜きます」
ばあちゃん:……灰田昇の後方、草木の影に、腰の曲がった影がある。
灰田昇:「……シズ」
灰田昇:「ここだ。ここが、俺たちの因縁の、一つの決着点。後にも先にも一度きり、お前の求めた死に場所だ。……今まで、俺に付き合ってくれてありがとう」
九ノ一:老婆は何も口にしない。ただ、無縫の構えを形作る。
灰田昇:「聞けよ! そして大声で祝ってくれ。何せここが、俺というシノビの最初の戦場なんだ」
木城エリア:「そんな老いぼれの技が、私に通じると思ってるんだ」
木城エリア:「子供の頃から変わらないね、君」
灰田昇:「……我が名、灰田昇! 業の炎を練り上げ立ち上る柱とし、天をも焦がせと願われた!」
灰田昇:「流派は不知火、『夢幻泡影』を先代より託された、正統にして……唯一無二の継承者!」
灰田昇:「斜歯の暴虐、鞍馬の傲岸」
灰田昇:「どっちもここで……灰にしてやる!」
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:
GM:まずはプロットを行います。
GM:マップ上右クリック、「ダイスを設置」から自分のダイスを設置してください。
GM:この際、公開範囲を非公開に設定し、他の人に見えないように行ってください。
木城エリア:置きました。左が自分の、右が従者のです
GM:プロット数が行動順となり、またラウンド内のファンブル値になります。
灰田昇:同じく左が自分、右が従者です
木城エリア:馴染さんのダイス見えてない?
GM:見えてるかも
灰田昇:うむ、まだ決めてないから……どっちも1でしょ
木城エリア:なるほど!
GM:なるほどね
灰田昇:ダイス目を変更しました。(秘匿)
灰田昇:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:全員プロットが完了したら宣言をお願いします。その後は変更できず、一斉に公開します。
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
灰田昇:決めたぜ!
晦月絹:決めました
木城フシギ:こちら大丈夫です!
木城エリア:同じく
GM:では一斉に公開!
灰田昇:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
木城エリア:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
灰田昇:ダイスを公開しました。出目は「5」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「1」です。
木城エリア:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城エリア:自分が3,従者が4です
プロット
6:
5:くノ一
4:蛹・灰田昇
3:木城エリア
2:晦月絹
1:木城フシギ
GM:ではラウンド1、プロット順に行動していきます
GM:プロット5、灰田くんの従者 くノ一の手番
木城エリア:イイデショウ
九ノ一:接近戦攻撃。対象は蛹です。
木城エリア:やってみな
九ノ一:2D6>=5 (判定:毒術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[2,6] → 8 → 成功
木城エリア:毒術は遠すぎるな……回避せず食らいます。生命力が3から2に。
木城エリア:次はプロット4の行動になるかな
GM:プロット4、蛹と灰田くんの手番ですね
木城エリア:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 88
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 29
GM:処理的には同時になりますが、1D100で大きい人から宣言をどうぞ
GM:では蛹からですね
木城エリア:蛹から行動します。天牛を使用。特技は怪力。
木城エリア:対象は灰田昇です
木城エリア:2D6>=5 (判定:怪力)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[3,5] → 8 → 成功
灰田昇:怪力! 行けるか……!
灰田昇:2D6>=7 (判定:隠蔽術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 8[3,5] → 8 → 成功
木城エリア:あ
灰田昇:フハハハ
木城エリア:避けられちまったな
木城エリア:灰田くんの行動に成る……はず!
GM:灰田くんの手番です
灰田昇:行動をするぜ ここは出し惜しむことはない
木城エリア:なんだぁ……?
灰田昇:百燐! 間合内の自分以外、つまり絹ちゃん以外全員を……燃やすぜ!
木城エリア:やりやがる……
灰田昇:2D6>=5 (判定:火術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 11[5,6] → 11 → 成功
晦月絹:あっ多分フシギちゃん以外かも
木城フシギ:そうかも
木城エリア:出目が強いよ~
灰田昇:フシギちゃん以外だった
灰田昇:踊れ踊れ~
晦月絹:では回避
GM:全員回避しな!
晦月絹:2D6>=7 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 6[1,5] → 6 → 失敗
晦月絹:1足りない!
木城エリア:自分は水術で回避。蛹は……全然ダメだな。スペシャル以外失敗する
木城エリア:2D6>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 7[2,5] → 7 → 成功
九ノ一:ババアも避けます
木城エリア:自分は成功
九ノ一:2D6>=9 (判定:衣装術)
ShinobiGami : (2D6>=9) → 11[5,6] → 11 → 成功
GM:射撃1点なので、自分で好きな分野を1つ選んでダメージです
九ノ一:その技は見切っているねえ。
木城フシギ:すごい
GM:強いババア
晦月絹:では戦術に1点で
木城エリア:2D6>=15 (判定:怪力)
ShinobiGami : (2D6>=15) → 5[2,3] → 5 → 失敗
木城エリア:蛹がボコボコに……生命力が1になります
灰田昇:邪魔だぜ~
木城エリア:次は私の手番かな
GM:プロット3、エリアさんの手番です。
木城エリア:まずは【裏コード】を使用。目標は勿論灰田……お前だ
灰田昇:うぎゃあああ
木城エリア:2D6>=5 (判定:暗号術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 4[2,2] → 4 → 失敗
木城エリア:ぎゃあああ!失敗だ
GM:迷いが出たな
灰田昇:俺が迷いを捨てたんだい
木城エリア:仕方ない。続いて攻撃の代わりに奥義を使用します。
GM:なにっ
木城エリア:処・七火抱擁(しょけいしき・なのかほうよう)。効果は範囲攻撃/くらまし/人数限定。
木城エリア:対象は灰田昇とその従者。任意の生命力を2点失ってください。
木城エリア:指定特技は死霊術です。
灰田昇:おごごごご
灰田昇:まず灰田昇 器術と謀術を失います。
灰田昇:そしてババアは戦闘不能になる……ので
九ノ一:最後の一撃を……する! 対象は蛹! 接近戦攻撃!
九ノ一:2D6>=5 (判定:毒術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 10[4,6] → 10 → 成功
九ノ一:命中! これにてこちらは死亡します。
木城エリア:いや、まだ回避できる可能性があるぞ
灰田昇:それもそうだった
木城エリア:まあ滅茶苦茶きついけどね
灰田昇:諦めようよ~
木城エリア:意気で判定させます。
木城エリア:2D6>=9 (判定:意気)
ShinobiGami : (2D6>=9) → 6[2,4] → 6 → 失敗
木城エリア:ダメでした。これで従者は脱落します。
GM:従者が……相打ち!
木城エリア:最後の一撃は使用しません。
灰田昇:先を見据えてやがる 余裕ぶって……
GM:ではプロット2、晦月さんの手番です。
晦月絹:ううん、悩ましいが……時雨を使用します
晦月絹:対象は灰田昇・木城エリアの二名で
木城エリア:絹ちゃん
木城エリア:私は範囲攻撃を持っているから攻撃したら次から絹ちゃん巻き込むよ
GM:純粋な強迫
灰田昇:卑劣!
晦月絹:でも次から奥義破り試せるんですよね
木城エリア:私はまず灰田くんを倒したいので一回やめてくれませんか?
GM:振るなら【砲術】で判定どうぞ!
晦月絹:んん……でも別に当てなかったところで私が狙われない保証0なので当てます
晦月絹:手裏剣術で判定!
晦月絹:2D6>=6 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 8[3,5] → 8 → 成功
木城エリア:仕方ない……
晦月絹:更にサポートで陽炎を使用したいです
木城エリア:順番逆だぜ!
晦月絹:あっそうだっけ
木城フシギ:陽炎は命中判定の前!
GM:あっ、陽炎は判定の前ですね
GM:でも初めてなので
GM:GM的には通してあげたいんですがお二人どうですか?
灰田昇:いいよ
木城エリア:しょうがないなあ
木城エリア:自分の修得してる忍法研究を使います。
晦月絹:それがあるんだった
木城エリア:陽炎を打ち消すよ。
GM:ありがとうございま……何っ
GM:ではどの道無効でした
木城エリア:だから私を狙うなと言ったのに
GM:二人は通常通り回避判定を行えます
木城エリア:私を狙わないなら使わないであげるよ
晦月絹:でもエリアさんの任務、私を殺す事でしょ
木城エリア:まあね
木城フシギ:殺伐
晦月絹:ともあれこっちからはもうないし回避判定どうぞ!
木城エリア:2D6>=9 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6>=9) → 6[2,4] → 6 → 失敗
木城エリア:流石にダメ!殺される~
灰田昇:2D6>=5 (判定:砲術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[3,5] → 8 → 成功
灰田昇:裏コード読み砲術が役立つとはね
GM:ちなみに【月影】もあるから射撃2ですわよ
木城エリア:忍術・謀術を失います。痛すぎる
GM:プロット1、フシギさんの手番です。
木城フシギ:はい。んー……
木城フシギ:パスします。
灰田昇:こいつ日和ってるでヤンス!
GM:ほう……
GM:ではラウンド1を終了します。
ヒノデ:「ばああああああああ!」
木城エリア:雄叫びを上げながらヒノデが灰田とシズに襲いかかる。同時。
木城エリア:「覚えているかな?灰田昇、この奥義の炎は」
木城エリア:「お前の母から奪った炎だ」
木城エリア:「処・七火抱擁(しょけいしき・なのかほうよう)」
灰田昇:「……!」 歯を食いしばるような表情。だが、その周囲の炎は激情を隠しきれぬように、雨垂れを蒸発させながら燃え上がる。
木城エリア:灰田とシズの体に、無数の子どもたちの手が絡まりその全てから炎が吹き出す
木城エリア:欲を捨てぬ限り燃え盛り続ける、不知火の炎が。
灰田昇:「ぐう、う……!」 炎なのに氷を突き刺されたような冷たい痛み。だが……
灰田昇:「……それは……良い情報だろ、木城。それが不知火の炎なら」
灰田昇:「御せない道理が、ないだろうが……っ、シズ!」
九ノ一:灰田よりも早く、老いたくノ一が駆ける。冷たい炎に苛まれならが、しかし一言も発せず。
九ノ一:滑るような動きで、奇怪に声を上げるヒノデと刺し合いながらも組み付き
ヒノデ:「ギイッ……!」
灰田昇:「……っああああ!!」
灰田昇:灰田が声を上げると同時に、組み合った両者は激しい炎を発し、空にも届かんような赤黒い火柱となる。
ヒノデ:「アアアアアア!」
九ノ一:「…………」
ヒノデ:「ママ、マ゛マアアアアアアア!」
九ノ一:老婆は炎の中、声一つ上げぬ。
ヒノデ:異形の体が一瞬で炭化し、おぞましい悲鳴を上げながら灰へと散っていく。
九ノ一:……灰田の家に仕え、いざなれば盾となる身でありながら、運命の悪戯により灰田が滅びてなお死に損なった一匹の老いたる忍は
木城エリア:「そうか……心を持っていなくとも」
木城エリア:「他に薪があるなら……炎を継ぐことは出来るのか」
九ノ一:最新の灰田の炎が、己が身命を捧げるに相応しいものであると、身を以て確かめながら、燃やし損ねた身命を焼き尽くした。
木城エリア:「おぞましいのはお互い様だね」
灰田昇:……そしてその炎は未だ消えぬ。老婆の骸はすでに黒焦げたが、そこから発せられた炎は、未だ勢いを衰えさせず
灰田昇:自虐めいた笑みの灰田の下で渦を巻く 「……そう、だな」
灰田昇:「これがシノビってのかよ……ばあちゃん」
晦月絹:(あの炎……食らった数だけ強さを増す類いか。早いうちに処理をしたい)
晦月絹:(木城エリアも。経験によって他者の技を封じる手管がある。泳がせれば長引きかねない)
晦月絹:二組の主従の攻防を見ながら思考を巡らす。そのまま二人に狙いを定め――。
晦月絹:――『私も、最後の形は、あなたとの一対一が良い』
晦月絹:脳裏にフシギの言葉がよぎる。同時に自分ならぬ自分が耳元で囁く。
晦月絹:その判断は本当に最善か。主観が入ってはいないか。自分の望みが混ざってはいないか。
晦月絹:お前は、また間違えようとしているのではないか?
晦月絹:「……ッ!」
晦月絹:雨の中。音もなく――いや、音より速く黒鉄の刺客が灰田と木城エリアへと襲い掛かる。
灰田昇:速度であれば、こちらもまったく引けを取らない。直線移動で時間を稼いだ隙に、自らの従者であった炎の塊が投棄された家電を打ち上げ、凶弾を明後日の方角へ弾く。
木城エリア:水の壁で攻撃を弾く。だが、数が多すぎた。受けそこねた一つが体をかすめ
木城エリア:慮外の威力によって、左腕が肩口からちぎれ飛んでいく。
木城エリア:「……強いな。皆。」宙を舞う腕を見て、何故か穏やかな笑みを浮かべ呟く。
木城フシギ:「……母さん……」
木城エリア:「フシギ。次は見てるだけなんて許さないよ」
木城フシギ:眉根を寄せ、くっきりと眉間に皺が刻まれる。しかし……。
木城フシギ:「……さて」
木城フシギ:「“妹”の二の舞はごめんですからね」
GM:ラウンド2
GM:全員プロットを行ってください。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城エリア:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
灰田昇:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:全員よろしいですか?
灰田昇:やるぞやるぞ
晦月絹:OK!
木城フシギ:はい
木城エリア:OK
GM:では公開!
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「5」です。
灰田昇:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
木城エリア:ダイスを公開しました。出目は「1」です。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「1」です。
木城エリア:くっ……
木城エリア:射程の外に逃れようと思ったが、無理か
灰田昇:フフフ……
プロット
6:
5:木城フシギ
4:
3:灰田昇
2:
1:木城エリア・晦月絹
GM:ではプロット5、フシギさんの手番からです
木城フシギ:はい。【土竜吼】で攻撃します。
木城フシギ:対象は灰田くん!
木城エリア:殺せ殺せ~っ
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[2,4] → 6 → 成功
灰田昇:掘削術ゥ? 田舎者がよ……
木城フシギ:関係ないだろ
灰田昇:2D6>=9 (判定:隠蔽術)
ShinobiGami : (2D6>=9) → 7[2,5] → 7 → 失敗
灰田昇:無理じゃい
木城フシギ:接近戦なのでランダムに一点失いな!
灰田昇:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 4
灰田昇:謀術だが既に失われている。戦術で受けます。
木城フシギ:そしてプロット3に移動し、そのタイミングでもう一度行動権を得ます。
木城フシギ:以上!
木城エリア:強すぎるだろ
GM:土竜吼鬼強え!
木城エリア:再びプロット3というわけか
GM:というわけでプロット3、灰田くんとフシギさんの手番です
灰田昇:泥臭え斜歯がよォ~ッ
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 1
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 94
GM:圧倒的差
灰田昇:出目を温存した
GM:フシギさんからどうぞ
木城フシギ:都会の方は言葉選びがお上手どすなあ
木城フシギ:【接近戦攻撃】。対象は再び灰田くんで。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[3,5] → 8 → 成功
灰田昇:2D6>=6 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 11[5,6] → 11 → 成功
灰田昇:回避!
木城エリア:死霊術もってんだよなあ……
木城フシギ:何故そんなものを
GM:では灰田くん!
灰田昇:不知火だからね
灰田昇:そして、行くぜ……百燐! ばあちゃんが燃えたので、命中すれば射撃戦ダメージ3点が入るぞ。対象は俺以外全員!
GM:やばすぎ
木城エリア:ヤバすぎるだろ
晦月絹:ヤバいんだよ火力が
灰田昇:2D6>=7 (判定:砲術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 8[4,4] → 8 → 成功
木城エリア:合わせて9点ダメージだぞ
灰田昇:エリアの回避に感情修正-1!
木城エリア:くそ~
木城エリア:回避を試みます
木城フシギ:絹の回避に感情修正+1します。
GM:フ、フシギ……
木城エリア:これ火術ですよね?
灰田昇:そうですね、火術!
木城エリア:2D6-1>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6-1>=6) → 6[2,4]-1 → 5 → 失敗
灰田昇:を砲術で代用していました。技能は火術です
灰田昇:ヒャッヒャッヒャッ
GM:感情修正分で……
木城エリア:うわ~っマイナス修正で失敗する
GM:美しい……
晦月絹:2D6+1>=7 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6+1>=7) → 8[2,6]+1 → 9 → 成功
木城エリア:いや、これは受けてられないな。神通丸を使って振り直してみます。
木城フシギ:…………絹からは何かないんですか?
木城エリア:2D6>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 11[5,6] → 11 → 成功
木城エリア:避けました。
GM:強い
晦月絹:……感情修正どうぞ
灰田昇:おねだりしてる
木城フシギ:やった~
灰田昇:殺す相手に!
GM:好きなんじゃないの~~?
晦月絹:私が殺すというだけなので……
木城エリア:これは惚れてますね
木城フシギ:2D6+1>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6+1>=6) → 9[3,6]+1 → 10 → 成功
灰田昇:こいつら~ッ
GM:ではプロット1、エリアさん、晦月さんの手番です
木城エリア:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 86
木城エリア:絹ちゃん、マジで私狙わないでください
木城エリア:このままでは我々が灰田くんに消し炭にされてしまいますわ
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 2
晦月絹:実際、時雨だとなかなか当たんないんだよな……
GM:エリアさんからどうぞ
木城エリア:じゃあ私を狙わないってことで……いいんですね!
灰田昇:こいつ脅してるでヤンス!
晦月絹:神槍を使う気ではいます
木城エリア:信じますよ!奥義を使用します。対象は灰田くんと絹ちゃんで。
晦月絹:私狙うんじゃん!
木城フシギ:笑っちゃった
灰田昇:まあ安心しな。どっちにせよ俺が破るからよ……
木城エリア:範囲攻撃/くらまし/人数限定。奥義破り判定には-2の修正がつきます。
GM:笑っちゃった
木城エリア:灰田!お前には感情修正をつけてやる
木城エリア:-1だ。受け取れ。
GM:-3ってコト!?
灰田昇:上等だこの野郎!
木城エリア:母の炎に焼かれて死ね
灰田昇:2D6-2-1>=5 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6-2-1>=5) → 8[3,5]-2-1 → 5 → 成功
GM:つええ~~~
木城エリア:はあ~!?
灰田昇:ヒーヒヒヒヒ
木城フシギ:スゴ
晦月絹:じゃあ私も無事?
木城エリア:くそ~。では破られます
GM:そうなるでヤンスね……
晦月絹:なんか知らんが助かったぜ
灰田昇:助けてやった私を
灰田昇:撃つのか……?
GM:絹さんどうぞ!
晦月絹:ぶっちゃけ灰田君の方がエリアさんより脅威度として上なので撃ちます
晦月絹:神槍!
木城エリア:雑魚ですみません
灰田昇:クソーッ 恥知らず流がよ!
晦月絹:2D6>=5 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[1,5] → 6 → 成功
晦月絹:あっ待って陽炎忘れてた!
灰田昇:何ィ……
木城エリア:コストの問題で陽炎使えないかも
木城フシギ:大丈夫 コスト的に使えない
GM:そうですね
晦月絹:あ、そうだ どうせ無効化されるからって1にしたんだった
灰田昇:フン……命拾いしたな
GM:プロットが1なのでコスト1の神槍しか撃てない
木城エリア:私を狙わないなら無効化しないのに!
GM:なんでこれコスト1なんだよ!
灰田昇:避けるぜ~
灰田昇:2D6>=6 (判定:砲術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 7[2,5] → 7 → 成功
灰田昇:よーしよしよし
木城エリア:つよいよ~
GM:避けすぎ!
木城エリア:早く死んでくれ~
灰田昇:死なねえ 不知火だから
GM:ではラウンド2終了。
木城フシギ:(──とは言え。恋人に良いところを見せないままというのもね)
木城フシギ:楔状の機械群が足元に集い、ドリルめいて回転し、濡れた土塊を跳ね上げながら大地を掘削する。少女の姿がその中に消えて、その直後。
木城フシギ:灰田昇の背後の地面が爆ぜ、地中を突き進んできた勢いそのままに、金属装甲に覆われた蹴り足が、背骨を強かに打ち据える。
灰田昇:「っへ!? がっ……!」 思わぬ方角からの攻撃を回避しきれず、吹き飛ぶことで最低限衝撃を逃がす。
木城エリア:そして、攻撃を受け姿勢を崩した灰田を追撃するように、無数の炎の腕が襲いかかる。
灰田昇:「こんな地中で自在になんて……よくやるよ、な!」
灰田昇:攻撃を受けた背の傷から、怒り猛るような炎が吹き上がる。それはいくつにも分裂し、襲い来る炎の手をぶつかり合う。
灰田昇:「……でもそれは通さねえ」
灰田昇:「俺の母さんの火ってんなら、今は俺の火だ……!」
灰田昇:炎が組み合っている横合いから、先ほどの老婆より発せられた炎の塊が襲来し、全ての炎を飲み込んでゆく。
木城エリア:「今はそうかもね。明日には君のじゃなく、私のになる」
木城エリア:「未来を作るのは君じゃない。斜歯だよ」
GM:ラウンド3
GM:全員プロットをどうぞ。
灰田昇:ダイス目を変更しました。(秘匿)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城エリア:ダイス目を変更しました。(1 → 6)
木城エリア:あっ公開にしちゃった
木城エリア:もう一回変えます
GM:どうぞ
木城エリア:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城エリア:今度は隠れているはず
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:では以降は変更なし!
GM:全員公開どうぞ!
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城エリア:ダイスを公開しました。出目は「1」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
灰田昇:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城エリア:近いな……
プロット
6:
5:
4:木城フシギ
3:
2:晦月絹・灰田昇
1:木城エリア
GM:ではプロット4、フシギさんの手番からです
木城フシギ:先と同じく【土竜吼】。対象も引き続き灰田くん!
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[4,4] → 8 → 成功
灰田昇:クソーッ それが一番つらいんだよ!
灰田昇:2D6>=9 (判定:隠蔽術)
ShinobiGami : (2D6>=9) → 8[2,6] → 8 → 失敗
灰田昇:があああ
木城エリア:娘、強い
木城フシギ:接近戦1点を与えてプロット2に移動します。
灰田昇:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 3
木城エリア:忍術だ
灰田昇:忍術を……失う! モウダミダ
晦月絹:大分ギリギリになってきた
GM:ではプロット2、晦月さん、灰田くん、フシギさんの手番です
GM:1D100振りなさいな!
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 16
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 25
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 48
GM:フシギさんから!
木城フシギ:やはり灰田くんに【接近戦攻撃】。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 3[1,2] → 3 → 失敗
木城フシギ:プ、プロット2に来た後でよかった
GM:命拾いしたな
灰田昇:悪運の強い奴
木城エリア:凪らないぜ
GM:では灰田くん!
灰田昇:じゃあ、まあ……やりますか
灰田昇:奥義開陳。『亡名剣鬼紅蓮地獄』
木城エリア:えっ!?
晦月絹:ここで来るか!
灰田昇:内容はクリティカルヒット/滅び/威力低下。対象は木城エリア。
木城エリア:く……クリティカルヒットなの!?
木城フシギ:そう来るか……
灰田昇:射程1に入った己を呪え! 3点ランダムで持っていくが良い!
木城エリア:うわーっ
木城エリア:全然予想してなかった……!
木城エリア:3点ならぎりぎり耐えるが……
木城エリア:3D6
ShinobiGami : (3D6) → 8[1,1,6] → 8
木城エリア:器術と妖術を失います
木城エリア:あともう一個はランダム
木城エリア:じゃない、任意
灰田昇:ちなみに指定特技は……死霊術だ! こんな所まで同じだぜ!
灰田昇:だがダメージ状況は同じではないようだな……!
GM:仲良しだね~
木城エリア:ううん……体術を失うか
木城エリア:戦術だけの存在になっちゃった
晦月絹:全員ギリギリになってきたな……
木城フシギ:でもみんなはまだ忍具ってやつがあるでしょ
灰田昇:こいつショゲてる
木城エリア:忍法研究も打てない。滅苦の効果が切れたから
GM:では晦月さんの手番!
晦月絹:なるほどね つまり陽炎し放題ってこと!
晦月絹:まず陽炎!
晦月絹:2D6>=5 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 10[5,5] → 10 → 成功
晦月絹:続いて時雨!対象は灰田昇と木城エリア!
晦月絹:2D6>=6 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 12[6,6] → 12 → スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
木城エリア:これは死ぬな……
灰田昇:こいつ……
晦月絹:出目ヤッバ
GM:ホァ~~ッ
木城フシギ:絹ーーー!
GM:えー 1D6をどうぞ
木城エリア:回避判定の前に兵糧丸を使おう。私は道具箱のおかげで人より二つ忍具が多い
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 1
GM:では変化なし
木城エリア:器術を回復させて回避してみます。
灰田昇:それに殺意で-1
GM:この値が元のダメージより高いとそのダメージになります
木城エリア:死にそうだな~
灰田昇:木城ちゃんの回避に感情修正-1という意味ね!
木城エリア:2D6-3>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6-3>=6) → 5[1,4]-3 → 2 → 失敗
灰田昇:わしも回避
木城エリア:-1修正与えます
灰田昇:フン……
灰田昇:2D6-2-1>=5 (判定:砲術)
ShinobiGami : (2D6-2-1>=5) → 11[5,6]-2-1 → 8 → 成功
灰田昇:ダイスが走っている……!
晦月絹:くっ、惜しい!
木城エリア:最後の兵糧丸を使って生命力を回復しよう。で、妖術以外の二つを消す
晦月絹:ではこちらはスペシャル効果で戦術のダメージを回復します
木城エリア:強いな~。最後に私の手番か
GM:そうですね プロット1で手番どうぞ!
木城エリア:出来ることは一つしか無い……いや。一応【裏コード】を使用しておこう
木城エリア:スペシャルで回復できるかもしれない。対象は絹さん
木城フシギ:【忍法研究】
木城フシギ:裏コードを打ち消します。
晦月絹:ふ、フシギ……!
GM:こいつ……マジかよ!
木城エリア:くっ……それはもう防げない
木城エリア:自分の手番で奥義を使います。
木城エリア:処七火抱擁
木城エリア:範囲攻撃/くらまし/人数限定。対象は灰田くん
灰田昇:破る!
木城エリア:破ってみな
灰田昇:2D6-2>=5 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6-2>=5) → 10[4,6]-2 → 8 → 成功
木城エリア:くそ~。流石にどうしようもない。
灰田昇:負けられねえ……!
木城フシギ:出目がずっと強い
木城エリア:以上です。
GM:ではラウンド3終了。
木城フシギ:降りしきる雨。木々の葉を濡らし山中を煙らせるそれは、自身にとってはおおむね有利な環境だ。機械仕掛けの障壁を用いていれば、水に濡れることも泥濘に足を取られることもないし──
木城フシギ:土を跳ね上げれば、含まれた水の分だけ重みは増す。
木城フシギ:ぎゃりりと音を立て、機爪が山肌の地面を斜めに切り裂く。波濤のごとく巻き上がった土砂が、飛礫やガラクタ屑を巻き込んで灰田昇を襲う。それ自体は目晦まし。
灰田昇:「くそっ、またフシギちゃんか……!?」
木城フシギ:その幕を突き破るようにして、再びの鉄靴の蹴りを腹部へ突き立てる。
木城フシギ:「ええ」
木城フシギ:「私だけを見ていてくださいね」
灰田昇:「ゲホッ……っがぁ!」
灰田昇:対応しきれない。土煙と共に、赤い炎が尾を引いてまたも派手に吹き飛ばされる。
木城エリア:「無様だね、灰田昇」先ほどと同じ。追撃の炎が灰田を襲う。同時に
木城エリア:空から降り注ぐ雨が渦となり、エリアの周囲を守る盾として集まる。
木城エリア:「この水術も、君達を始末するために身に着けた」
木城エリア:「灰田昇。君の炎は私には届かない。……足掻いても、苦しいだけだよ」
木城エリア:「もう諦めて……夢幻泡影を渡してくれないかな」大量の水の壁を盾に、灰田へと近づいていくよ
灰田昇:……だが、止まらない。灰田は水の壁へと逆に迫る。戦場においては、停止は死を意味するから……ではない。
灰田昇:フシギちゃんの攻撃の衝撃による接近と、木城の防御が……その理論上の無謬さが、最大の契機を生んでいることに、灰田は気付いている。
:――その昔。
:暴虐の限りを尽くした者がいた。老若男女、人非人、一切問わず虐げ、犯し、殺し尽くした。
:その歩みの跡は屍山血河で穢し尽くされた。その歩みが不知火のシノビの手に止められるまで。
:……恐れられたのはその後だ。死した後の彼、あるいは彼女が怨霊となり、尚も暴威を振るうことこそ恐れられ、阻むべきことであった。
:だから、その者を呼ぶ名を焼いた。墓碑から? 記録から? 否……世界から。
:……『夢幻泡影』。その始まりは、ただ悪意から人々を守るためにあった。
:それを誰も知らぬという事実こそが、『夢幻泡影』を作り出した、灰田の創始者の勝利の証である。
:――では。あるいは、だが。
:その始まりの暴虐者の悪霊とも言うべきものはどこにあるのか?
灰田昇:(お前は全てを殺し、全てを灰と帰す。お前に意志などなく、お前の名は焼き尽くされた)
灰田昇:(ゆえにお前は炎である。不知火の得物である)
灰田昇:(だから使われろ。今……!)
木城フシギ:「! 目移りを──」
木城エリア:「そんな単純な突撃、私が食らうとでも――」かける灰田の足を、燃え盛る亡者たちが絡め取ろうとする。
灰田昇:亡者に足を掴まれ、肩を掴まれてもなお、水の壁に迫る。捨て鉢ゆえか? いや……
灰田昇:……水の壁に、手を打ち付ける。開いた掌に、土と血と炎の焦げ跡が、禍々しい魔法陣を描いている。
灰田昇:その陣は、今まで見せていた炎を操る技術とはまったく原理が異なる――死霊術によるもの。『夢幻泡影』を表とすれば、もう一つ灰田に伝わる裏の秘伝。
灰田昇:すなわち、奥義。
灰田昇:「――ッああああぁぁぁあああ!!」
木城エリア:「なっ……!?」
灰田昇:灰田が声を張り上げた瞬間、水壁に触れた土が浮かび上がり、それを以て魔法陣が成立した。
灰田昇:接触点から、超高々温度の熱波が突如として吹き上がる。不知火の炎とはまったく別。木城エリアの水の壁が噴き上がり、みるみる内に蒸発していく。
灰田昇:同時、悲鳴があがった。灰田にまとわりついていたはずの亡者たちの口から。感情なきはずの彼らが……恐れている。
灰田昇:今この場に現出せんとしているものを。
木城エリア:(これは、不知火の炎ではない……私の知らない……!)異変を察知し逃げ出そうとする。だがシノビの速度を持ってしても、それは遅すぎた。
木城フシギ:甲高いアラートが耳を刺す。はっとして手元を見る。外部環境からの遮断を担う機能が危機を告げている。
灰田昇:「……来い!」
灰田昇:「亡名剣鬼、紅蓮、地獄!!」
木城エリア:「離れろフシギ!」
灰田昇:――神速の戦場に奥義が炸裂する。
灰田昇:死者の音なき絶叫と、暴虐者の憤激快哉の咆哮と共に、紅蓮の炎が剣となって突き出された。それは水の壁に守られていた、木城エリアの小柄な身体を、余さず包んでいる。
灰田昇:それは命を踏み躙り魂を喰らう、ただ殺すための炎だ。不知火の炎への対策などで、防げる由はない!
灰田昇:(決まれッ……こんなもの出したんだぞ……!!)
木城エリア:「あ……ああああああっ!」叫び声を上げた、その喉の水分も一瞬で蒸発し
木城エリア:内と外、両方からその体を焼かれる。
木城フシギ:「母さんッ!!」
木城エリア:「……大、丈夫」地獄の業火に焼かれながら、しかし倒れない。
灰田昇:「……ッ……木城……!」 その命がまだ絶えていないことに動揺する。炎が乱れる
木城エリア:焼かれた側から、その皮膚が再生している。兵糧丸、肉体の欠損すら補う斜歯の忍具が彼女の命を繋ぎ止めている。
木城エリア:「私は……フシギの母だ……っ!まげ……ないっ!」
木城エリア:手足は殆ど炭化し、炎の剣によって腹部は大きくえぐれている。
木城フシギ:「……!」くしゃりと表情が歪む。
灰田昇:「くッ……そ!」 炎の剣は最後に横薙ぎに振るわれ、現世より消える。
木城エリア:破れた腹から、腸が、「七夜祝業」の核となる子宮がこぼれ落ち、彼女の武器であった大半の忍術が機能を停止する。
木城エリア:「その……程度か、君の殺意は」それでも呪い殺さんとばかりに、殺意の籠もった目で灰田をにらみ続ける。
木城エリア:その程度の殺意で、私を拒んだのか
木城エリア:「私はまだ生きてるぞ、灰田昇!」
灰田昇:「……そうだな。そうかよ」
灰田昇:生きていた所で、何ができるとも思えない。いかようにも殺せそうな有様だ。だが……
灰田昇:(……立っている限りはフシギちゃんのデコイにはなれるってか)
灰田昇:(そこまで『母親』の気持ちがあるってのに……なのにお前は、俺の母さんすら……!)
晦月絹:刹那。振り続ける雨の中にいくつもの影が混ざる。
晦月絹:棒。十字。八方。形も様々な手裏剣が投げ分けられ、雨あられと降り注いでいる。
晦月絹:鍛え上げた身体と磨き上げた技術。それが忍法におけるごく基本の投擲術を、最新銃火器以上の飽和攻撃へと昇華した。
灰田昇:「……っは!」 足元を爆ぜさせ、すぐさまその攻撃範囲から退避する
木城エリア:「はあ、はあ……ごほっ、ごぼっ」血を吐きながら、全身を激痛に襲われながら。力を振り絞り、水術によって致命傷を避ける。
木城エリア:「……ううっ!」逆にいえば、防げるのは致命傷だけだ。炭化した片足が衝撃で崩れ、地面に這いつくばる。
晦月絹:「……仕留め損ねたか」
晦月絹:三つの人影を樹上より睥睨している。獲物を見定める鴉のように。
木城エリア:「はあ、はあ…………ふふっ」
木城エリア:地面に落ちた自分の子宮が視界に入る。それを見て、思わず頬が緩む。
木城エリア:(ずっと……)
木城エリア:ずっと、自分の体が嫌いだった。
木城エリア:忍務のたびに異形の怪物を孕むのなんて、気持ち悪くて、苦しくて、いやでたまらなかった。
木城エリア:こんなもの持っていなければ、苦しまずに済んだのにと、何度も思った。
木城エリア:でも、これでも苦しむこともなくなった。それが堪らなく嬉しかった。
木城エリア:(ああ……でも一回くらい)
木城エリア:(“普通の手段”で……産んでみたかったな。)
木城エリア:「……あああああっ!」死力を振り絞って高速起動に入る。
GM:ラウンド4
GM:全員プロットを行ってください。
木城エリア:ダイス目を変更しました。(1 → 3)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城エリア:また非公開にし忘れた
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城エリア:ダイス目を変更しました。(秘匿)
灰田昇:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城エリア:私は大丈夫!
GM:では以降の変更はなし!
灰田昇:ダイス目を変更しました。(秘匿)
灰田昇:すみません、これで
GM:では改めて!
GM:全員プロットを公開してください
木城エリア:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
灰田昇:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城エリア:頼みがある……フシギ……
木城フシギ:何でしょう
木城エリア:最後は二人でやらせてくれ
木城フシギ:なるほど……
木城フシギ:では意地でも避けて見せてください
プロット
6:
5:
4:木城フシギ
3:灰田昇・木城エリア
2:晦月絹
1:
GM:プロット4、フシギさんの手番です。
木城フシギ:【土竜吼】。対象は母さん。
木城フシギ:生きて脱落してもらいます。
GM:何ぃ……
木城エリア:一応言っておきますけど
木城エリア:死ぬかどうか決めるのはこっちですからね
晦月絹:脅し?
GM:そうだぞ
GM:絶対死ぬぞこいつ!
灰田昇:ていうか、別に……
灰田昇:脱落後私が自主脱落して、君らがいちゃついてる裏でトドメ刺したって演出に説得力つけてやることもできるぞ
晦月絹:怖すぎ
木城フシギ:それは無しだろ
灰田昇:なしの理由が分からないね! 使命欄を見返すことだ!
木城エリア:まあマジな話フシギにやられるなら死にますね
木城フシギ:分かった 分かりました
木城フシギ:手番はパス!
GM:ではプロット3 灰田くんとエリアさんの手番です
木城エリア:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 49
灰田昇:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 21
木城エリア:奇しくも同時行動か
GM:エリアさんの手番です
木城エリア:諦めたわけではない。【裏コード】を使用します。スペシャルで回復できるかもしれない
木城エリア:対象は絹さん
木城エリア:打ち消しありますか?
木城フシギ:止めたい気持ちもありますが
晦月絹:良いよ
木城フシギ:まあ……まあ止めませんよもう
木城エリア:すまないな……
木城エリア:2D6>=13 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6>=13) → 9[4,5] → 9 → 失敗
晦月絹:元々さっきの止められてたのも結構だからね
GM:結構頑張ったが……
木城エリア:奥義を使います。処七火抱擁
木城エリア:範囲攻撃/くらまし/人数限定
木城エリア:対象は灰田くん
木城エリア:指定特技は死霊術
灰田昇:奥義妨害するぜ……!
木城エリア:-1飛ばします
灰田昇:俺はできる……
灰田昇:2D6-2-1>=5 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6-2-1>=5) → 6[2,4]-2-1 → 3 → 失敗
灰田昇:神通丸!
GM:うおっ……
木城エリア:あるよな~
灰田昇:2D6-2-1>=5 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6-2-1>=5) → 11[5,6]-2-1 → 8 → 成功
灰田昇:フーッ
晦月絹:通してる!
GM:うおおおお……
木城エリア:破られます。どうすることもできない……
木城エリア:灰田くんの手番だよ
GM:灰田くんの手番です
灰田昇:奥義を……使う……わけがない! 今のお前ならこれで十分だ。
灰田昇:百燐! 技能は火術!
木城エリア:よく分かってるな灰田くんは……
灰田昇:対象は周囲にいる連中全員。命中で射撃ダメージ3。行くぞ
木城エリア:感情修正を飛ばすこともできないな。
木城フシギ:心中に巻き込むな
灰田昇:君らがそこにいただけだし
灰田昇:2D6>=7 (判定:砲術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 5[2,3] → 5 → 失敗
晦月絹:あっ
灰田昇:ギョボーッ
灰田昇:打つ手……なし!
木城エリア:しょっぱいなあw
GM:灰田くんも最早満身創痍
灰田昇:こっちもボロボロで頑張ってんだぞ!
木城エリア:絹ちゃんの手番だね
GM:ではプロット2、晦月さんの手番です
晦月絹:では先と同じく陽炎から入ります
晦月絹:2D6>=5 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[1,6] → 7 → 成功
晦月絹:続けて時雨、対象は木城エリアと灰田昇!
晦月絹:2D6>=6 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 5[1,4] → 5 → 失敗
GM:取りに来たな……
木城エリア:ぶれないなあw
GM:ええっ
晦月絹:ううん、どうするか……
木城エリア:まあ真面目な話をすると
木城エリア:どうせ我々は放っておいても死ぬので
灰田昇:そうだそうだ
木城エリア:リソースは1対1に取っておいていいんじゃないかなw
晦月絹:まあ……時雨だと灰田君落としにくいしな
木城エリア:お互い奥義使って生命力1と2、忍具もあとは灰田くんが1個だけ?
灰田昇:うむ
晦月絹:ここは温存かな このままにします
GM:ではラウンド4終了。
灰田昇:ダイス目を変更しました。(秘匿)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城エリア:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城エリア:私は大丈夫です
木城フシギ:こちらも
灰田昇:いけるぜ
晦月絹:同じく
GM:ではプロット公開!
灰田昇:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
木城エリア:ダイスを公開しました。出目は「5」です。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(2 → 2)
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
プロット
6:
5:木城エリア
4:木城フシギ
3:灰田昇
2:晦月絹
1:
木城エリア:すまん、ラブラブじゃなくて
灰田昇:俺から離れるとはね……
木城エリア:ファンブルするかもしれないので裏コードは使わないでおきます。
GM:ではプロット5、エリアさんの手番です
木城エリア:奥義処七火抱擁
木城エリア:範囲攻撃/くらまし/人数限定。対象は灰田くん
灰田昇:破る……!
木城エリア:感情修正で-1を与えます
木城エリア:合計-3だ
灰田昇:2D6-2-1>=5 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6-2-1>=5) → 2[1,1]-2-1 → -1 → ファンブル
灰田昇:がああああ
晦月絹:うわ!
木城フシギ:うおお……
木城エリア:勝った……か……
灰田昇:いや、まだだ……
GM:ここで……
灰田昇:奥義:亡名剣鬼紅蓮地獄 こちらの奥義には滅びの改造が施されている
灰田昇:つまり範囲攻撃を無効化できるのだ……これを撃つ!
GM:そうだぜ!
木城エリア:なんだと……
晦月絹:攻防両用ということ
灰田昇:特技は死霊術!
木城エリア:破ります。
灰田昇:殺意の感情修正だ。-1しろ……!
木城フシギ:こちらも破り挑戦します。
木城エリア:死霊術は持ってる。
灰田昇:ああ!?
木城エリア:2D6-1>=5 (判定:死霊術)
ShinobiGami : (2D6-1>=5) → 7[2,5]-1 → 6 → 成功
木城フシギ:2D6>=6 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 5[2,3] → 5 → 失敗
木城エリア:フシギ……
木城エリア:気持ちだけでも嬉しいよ
灰田昇:ククク……
木城フシギ:不要だったようだがな……
GM:成功…………!
晦月絹:自力で破ってる
灰田昇:『夢幻泡影』の第3効果を使用。判定で振ったサイコロのうちのひとつの目を1にする。
GM:ハッ……
GM:こ、ここで……!
木城エリア:それは……どうしようもない
灰田昇:生命力を1消費します。消費するのは体術だ。木城エリアの5を1にするぜ。
晦月絹:そっか、それがあるのか……!
木城エリア:逆凪になります。
灰田昇:凪げ……!
灰田昇:ま、わしも凪だけど……
晦月絹:二人とも凪いだ……
GM:では……プロット4 フシギさんの手番です
木城フシギ:【土竜吼】。対象は灰田くん。
木城エリア:やる気だねえ
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 10[4,6] → 10 → 成功
木城フシギ:接近戦1点を与えてプロット3に。
灰田昇:えーとこれ兵糧丸は受ける前に使わなきゃいけないんだっけ……使います。
木城エリア:受ける前なのだ
灰田昇:回復させるのは体術。そして接近戦1点。
灰田昇:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 1
灰田昇:ハーッ……これは……
灰田昇:体術、だな……体術で受けます。
木城エリア:もう百燐は撃てないね
GM:ではプロット3 灰田くん、フシギさんの手番です
灰田昇:凪いでまーす
木城エリア:がんばれ~
GM:フシギさんの手番です
木城フシギ:【接近戦攻撃】。対象は灰田くん。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[2,4] → 6 → 成功
灰田昇:凪いでいる。どうしようもないぜ!
木城フシギ:接近戦1点!
灰田昇:妖術で受ける。これで生命力はゼロ。
灰田昇:そして先述のルールにより最後の一撃も使えません。脱落!
GM:では灰田くんはここで脱落となります。
木城エリア:あと二人……か……
GM:プロット2、晦月さんの手番です。
晦月絹:では神槍を使います 陽炎はもう必要ないだろう
晦月絹:対象はエリアさん!
晦月絹:2D6>=5 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 12[6,6] → 12 → スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
晦月絹:マジ?
木城エリア:神槍ならそうだね……
灰田昇:オーヴァーキル
木城フシギ:強すぎる
GM:おい……強すぎだろこいつ!
木城エリア:まあ……あと生命力1なので
木城エリア:どっちにしろ脱落しますね
GM:それではエリアさんもここで脱落となります。
GM:ラウンド5終了。
GM:あっ 最後の一撃は無いですね?
木城エリア:まあ……正直絹ちゃんに奥義使っても弾かれるだろうしな……
木城エリア:脱落します。
木城エリア:生きるよ……惨めに……
GM:エリアちゃん……
木城エリア:「……ゔああああああああああっ!」
木城エリア:死にかけの体の、何処にそんな力があるのか。亜光速まで加速し
木城エリア:灰田に向かって奥義を放つ。これまでで最も激しい炎が灰田を取り囲むように襲う。
木城エリア:「ずっと……ずっと……ふふっ!」
木城エリア:「あんな忌まわしい術に頼らず、自分の力で……強敵を打倒してみたかった」
木城エリア:「お前のような、強敵を!はは……。夢が……叶ったかな……?」
灰田昇:「……、自分の力? 自分の力!?」
灰田昇:「それは灰田の、不知火の炎だろ! 俺の母さんから奪った!」
木城エリア:「否定したいなら……超えてみろ!お前の炎で」
木城エリア:「本物の灰田の炎で、私を焼いてみせろよ!」
灰田昇:「忌まわしさで比べて変わるものか! 斜歯……指矩班……木城……!」
灰田昇:「そうしてやるよ! お前の灰で炎を灯して、母さんの墓前に供えてやる!」
木城エリア:「やってみろ、今すぐ!」そう口に出しながら、目尻から涙が溢れてくる。
灰田昇:自らを取り囲む炎を押さえきれぬと判断し、再び掌中の陣から炎の大剣が噴き出す 「亡名剣鬼……!」
木城エリア:その涙も、炎の熱で蒸発し雨に混じっていく。
灰田昇:「紅蓮地獄!!」 奥義一閃。紅蓮の烈火が炎を、大地を、空気を、雨を……涙を。全てを焼き、無へと返しながら薙ぎ払われる。
木城エリア:「じゃま、するなあっ!」死霊術。残った右腕で印を結び、亡霊の操作権を奪おうとする。
灰田昇:「させるか……奪らせるか! これすらも! 俺から! もう何一つ!」
灰田昇:「お前を倒して、俺は……俺はッ!!」
木城エリア:成功したはずだった。一瞬、炎の剣が反転し、灰田の身を焼こうとし
木城エリア:「私が勝つんだ……!勝って、私は、もう一度……っ!」
木城エリア:「灰田くんの何もかも、奪ってやるんだっ!」
灰田昇:だが、握り潰す。自らを焼こうとした炎の大剣、その噴出孔たる己の掌を強く。陣すら掻き乱れるほどに。
灰田昇:『木城エリアが奥義を奪おうとすること』を読んだ。これにより炎の剣は現世より消え、制御は失われる。
木城エリア:「……あああああっ!」陣が乱れる。制御を失ったお互いの炎がぶつかり合い
木城エリア:中空で激しい火花を散らしながら消滅する。
灰田昇:彼女には届かなったが、致命的な炎を打ち払うには十分だった。刹那の静寂。間隙。
木城エリア:高速起動が止まる。地面に倒れ伏す。顔を上げて灰田を見る。
灰田昇:「木城……ッ!」 最後の機だと思った。もはや脳も体もろくに動いている気がしない。だが、炎がある。
灰田昇:不知火の炎を。術の制御を失った木城エリアに撃ち込む。それで終わる。
木城エリア:「いやだよ……まだ、私……」
木城エリア:「夢を見ていたいよ……」
灰田昇:「……お前のその言葉じゃなく」
灰田昇:「母さん、姉ちゃん、父さん……お前が殺した奴らの言葉を聞くって」
灰田昇:「決めたんだよ――!!」 雨中、最後の炎が吹き荒れ、木城エリアを焼き尽くそうとする。
木城エリア:……灰田くんに殺されるくらいなら、灰田くんを殺そうと思った。
木城エリア:でも本当は、それも嘘だった。本当はもっと、ずっと二人で居たかった。
木城エリア:夏になったら二人で海まで出かけてみたかった。この辺りは山ばかりだったから。
木城エリア:秋になったら紅葉を拾って、冬になったら雪をぶつけ合って
木城エリア:春になったら、桜吹雪の中で、今度は同じクラスだねって笑いたかった。
木城エリア:卒業旅行で、二人で色んな国を回ってみたかった。
木城エリア:パリに行ったら美術館を見に行きたかった。芸術なんてわからないけど
木城エリア:二人してわからないなあ、って笑いあいたかった。
木城エリア:アメリカのピザは私の顔より大きいらしい。二人でお腹いっぱいになるまで食べて
木城エリア:それでも余ってるのを見て途方に暮れたかった。
木城エリア:ドイツでは18歳でもお酒が飲めるらしい。灰田くんは酔っ払ったらどんな顔をするんだろう
木城エリア:シノビだからお酒なんて効かないかもしれないけれど。一足早く、赤い顔をした灰田くんを見たかった。
木城エリア:卒業したら同じ大学に通いたかった。就職して、途中から二人で一緒に住んで
木城エリア:いつかを思い出す桜を見ながら、子供の入学を祝いたかった。
木城エリア:それから……一度だけでいいから
木城エリア:好きな人とキスをしてみたかった。
木城エリア:もっとずっと、数え切れないくらいの夢があったのに
木城エリア:「……えへへ」
木城エリア:(やっぱり、ダメだな)
木城エリア:(殺してやるって、思ってたのに)
木城エリア:(今も殺されそうなのに)
木城エリア:(私、やっぱり灰田くんのこと……)
木城エリア:……不知火の炎は、欲望を薪に燃えあがる。
木城エリア:抑えきれなかった夢を糧にして
木城エリア:灰田の炎は星の輝のように燃え盛っていた。
木城エリア:目を閉じる。
木城エリア:次は覚めない夢が見れますようにと願って。
木城フシギ:火が駆ける──
木城フシギ:その、ほんのひと瞬き分だけ前の時間に。不知火の末裔の足元から何かが食らいつき、その腰までを一呑みにする。
灰田昇:「……がっ……!?」
灰田昇:木城エリアに向けて放った筈の炎が、体勢の崩れで人ひとり分逸れた。
木城フシギ:起こったことを正確に記述するならば、こうだ。
木城フシギ:先程から繰り返し、フシギは周囲一帯で土遁術の行使を繰り返しており……
木城フシギ:そうして、いわば“耕され”、柔らかくなった地面に、今。最後の一押しを加えることで、彼の足元を崩れさせ、体の半ばまでを土中に埋めた。
灰田昇:「ッくそ……何だっ、これ……!?」 こうなれば、元より経験に著しく劣る灰田に対応などできようわけがない。
木城フシギ:「私だけを」
木城フシギ:ひゅる、と風が巻く。
木城フシギ:「見ていればね」
木城フシギ:激情も焦燥も奥底に沈め切った瑠璃の瞳が青年を見下ろし。
木城フシギ:その光景を最後に、意識を断つ。
灰田昇:「木城ッ……!」 そう言われても、なお声の主をろくに見ようとしない。木城エリアに手を伸ばしかけ、刹那、その表情を垣間見る
灰田昇:(……お前、なんて顔して)
灰田昇:(それも、俺に攻撃を鈍らせるための策か何、か)「ッ」
灰田昇:それで終わりだ。木城フシギの攻撃を最後に、灰田は力を使い果たし、炎に身を燃やしながらも、動かなくなる。
木城エリア:炎が体をかすめ、その身を焼き焦がすことなく、後方へと飛んでいく
木城エリア:「……?」
木城エリア:「灰田、くん……?」恐る恐る、目を開けようとして
晦月絹:飛来した手裏剣がその意識を狩り取る。
木城エリア:「あ―――」
木城エリア:弾丸以上の威力を秘めた手裏剣が、その小さな体を吹き飛ばし。
木城エリア:そのまま、雨によって増水した河の中に落ちていく。
木城エリア:(フシギは……)
木城エリア:(私の分まで、幸せになってね)
木城エリア:心のなかで祈りを捧げ、濁流に飲み込まれていくよ。
木城フシギ:(……母さん)それを見る。
木城フシギ:(あなたに強く産んでもらった。逸脱を許された。変わることの強さと弱さを、あなたのおかげで知ることができた)
木城フシギ:「ありがとう。母さん」既に濁流に消えた彼女に、呟くような声量では聞こえないだろうけれど。
晦月絹:「……」 弾き飛ばされた彼女と入れ替わるように戦場へと降り立つ。
GM:……そして、残る忍びは二人。
GM:降き荒ぶ風はいつしか嵐となり、豪雨の中、視線が交錯する。
GM:ラウンド6
GM:プロットを行ってください。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:では以降の変更はなし。
GM:プロットを公開してください。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
プロット
6:
5:
4:
3:木城フシギ
2:晦月絹
1:
GM:プロット3、フシギさんの手番です。
木城フシギ:はい
木城フシギ:パスします。
晦月絹:えっ
GM:何故……
晦月絹:先に動いたのはこちらだった。
晦月絹:ただ投げるだけでは障壁に弾かれるのは承知の上。故に選んだのは貫通力に長ける棒手裏剣。
晦月絹:そして今までと違い面ではなく、点への攻撃。寸分違うこともなく並べて20。
晦月絹:機関銃の連射のように、いやそれ以上に。正確無比にして間髪入れぬ連撃がフシギを襲う。
木城フシギ:何も起こらなかった。
木城フシギ:忍者に敵意を向けて起こるようなことは、何も。狙われた側の一人は、ただ突っ立ったままでそれを見た。
木城フシギ:不可視の障壁が弾くようなこともない。20発の刃は、一つとて欠けることなく少女の体に吸い込まれ、
木城フシギ:「っは……!」
木城フシギ:その腹部に大穴が空き、鮮血を散らしながら泥の地面に倒れ伏す。
木城フシギ:輪のように周囲を取り巻いていた絡繰が、糸が切れたように落下する。
晦月絹:「……な」 目を見開く。ほんの一瞬、思考が白に染まって。
晦月絹:「何、してんの。……何してんの!」
晦月絹:反射で駆け寄りそうになった足を理性が留める。急激に回り始めた筈の思考は空転を繰り返している。
晦月絹:「ふざけてるの?馬鹿にしてるの?それとも甘い夢でも見てる?」
晦月絹:「言ったでしょ。ずっと言い続けてきたでしょ!加減するなって!」
晦月絹:「私は、私は!」
晦月絹:「アンタを殺しに来たんだ!」
木城フシギ:「……心得違いを……しないでください」顔を上げる。陶器めいた肌は泥と血とで汚れ、濡れた銀髪が張り付いている。
木城フシギ:「私は手段は選ばないと言いました。こうして……どうにか、企図した通りの状況に漕ぎ着けた」
木城フシギ:「後は、私が、あなたに打倒されるだけ」
晦月絹:「……は?」
木城フシギ:「これが最も確実な方法なんです」
木城フシギ:「私を破り、神器を持ち帰る。その実績があれば、あなたを疎む者たちとて何も言えはしない」
晦月絹:「……」 額を抑える。戦場においてあるまじき行為だ。分かっていてもなお、そうせざるを得なかった。
晦月絹:眩暈がする。視界が歪む。何をされた訳でもないのに。何かをしたのは、しようとしているのは私なのに。
晦月絹:「……馬鹿、なの。私は、アンタを殺しに来たのに」
晦月絹:「大人しく殺される気?」
木城フシギ:「……好きにしてください」
木城フシギ:「道筋は付けた心算です。鞍馬の蔵に放り込みついでにでも夢幻泡影の力を使い、二人で逃げることは可能でしょう」
木城フシギ:「でも、あなたがあくまで御役目に従い、私を殺すのなら、それでも良い」
木城フシギ:「あなたにそうされるのなら、満足です」
晦月絹:「満足、って」
晦月絹:視界が歪む。滴によって眩む。雨ではないことには気づいている。雨粒はこんなにも頬を熱くしない。
晦月絹:「私は。私、だって」
晦月絹:幾つかの言葉を言いあぐねた後、僅かに俯く。
晦月絹:「……ふざけるなよ」
晦月絹:「アンタの意はそんなものか?私って言う他人にぶん投げて、委ねて、決めさせて満足か?」
晦月絹:「己の意を通すのがシノビだって、自分で言ったでしょ!アンタの使命を果たすんでしょ!」
木城フシギ:「絹……?」
晦月絹:「それなら。私をねじ伏せるくらいやって見せろ!」
木城フシギ:「……」
木城フシギ:地に転がったままそれを見る。
木城フシギ:「本当に……馬鹿ですね……」
木城フシギ:「あなたはずっと意地っ張りで、欲しい言葉の一つもくれなくて、全然思い通りになんてなってくれないのに」
木城フシギ:「それでも……最後の最後には折れてくれるって、甘い夢想を信じていた」
木城フシギ:「靭いあなたを好きになったくせに」
木城フシギ:秘密の効果を使います。晦月絹への感情を狂信から愛情に。
晦月絹:「……なら、立って」
晦月絹:「靭い私が好きだって言うなら。その私に意を通したいなら」
晦月絹:「アンタの力で押し通せ」
晦月絹:私はもう、選んでしまったから。今更折れてはあげられない。
木城フシギ:「……いつも通りも」立ち上がり、僅かに苦笑して。
木城フシギ:「いよいよ最後か」正対する。
晦月絹:「……」 構えはしない。構え程度で速度が変わる段階はとうに終えている。
GM:ラウンド7
GM:プロットを行ってください。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:ではプロットを公開してください。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
プロット
6:
5:
4:木城フシギ
3:
2:晦月絹
1:
GM:プロット4、フシギさんの手番です
木城フシギ:はい。
木城フシギ:まずは【裏コード】を絹ちゃんに。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:暗号術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[1,5] → 6 → 成功
木城フシギ:器術を失いな!
晦月絹:チッ 失います
木城フシギ:続いて【土竜吼】。以後ずっと対象は絹ちゃんになるでしょう……。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 9[4,5] → 9 → 成功
晦月絹:回避振ります
晦月絹:2D6>=7 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 4[1,3] → 4 → 失敗
晦月絹:くっ……7はキツイな……
木城フシギ:当たれば接近戦1点!
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 6
晦月絹:これで妖術損傷であってます?
木城フシギ:そのはずかと……そして
GM:そうです!
木城フシギ:ここで回想を使います。効果はダメージ上昇を選択。
GM:なにっ
木城フシギ:もう一か所傷付くといい
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 1
晦月絹:もう喰らってるところだから自分で選んで謀術にします
木城フシギ:そしてプロット2に移動します。
GM:プロット2、晦月さん、フシギさんの手番です。
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 16
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 35
GM:では晦月さんから。
晦月絹:陽炎時雨コンボ行きます
晦月絹:2D6>=5 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[3,4] → 7 → 成功
晦月絹:2D6>=6 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 8[3,5] → 8 → 成功
晦月絹:-2で回避どうぞ!
木城フシギ:2D6-2>=7 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6-2>=7) → 7[3,4]-2 → 5 → 失敗
木城フシギ:くっ陽炎……!
晦月絹:よっし!
木城フシギ:えーと
GM:月影込みで射撃2点ですね
木城フシギ:体術と謀術で受けます。
木城フシギ:こちらの行動は【接近戦攻撃】。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[2,6] → 8 → 成功
晦月絹:ええと、兵糧丸使って1点回復します
晦月絹:妖術を回復してそのまま回避!
晦月絹:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[2,3] → 5 → 成功
晦月絹:危ない
GM:上手い
GM:ではラウンド7終了。
木城フシギ:──大地が揺れる。ごばり、と土の咢が開く。
木城フシギ:戦いが続くというのなら、ここまで続けた仕込みも未だ有効。
木城フシギ:「既に、この一帯の地面は私の得物同然」
木城フシギ:森の木々を薙ぎ倒しながら、土の柱が伸びあがり。金属と鉱石の牙を煌かせ、晦月絹へと食らいかかる。
木城フシギ:「称して忍法“土石龍”」
木城フシギ:「処して見せよ、晦月の忍び!」
木城フシギ:駆け出す。企図するところは、術と己の同時攻撃。
晦月絹:土の柱に並ぶ牙の隙間。それを縫うように飛びまわる。
晦月絹:俊敏なその動きは風に舞う葉の如く。重力の影響なんて感じさせない――が。
晦月絹:いかにその身が小さかろうと、森そのものが襲い来るような飽和攻撃の前には無傷ではすまない。四肢の端に傷が刻まれていく。
晦月絹:「くっ……!」
木城フシギ:見逃しはしない。体術の制御が乱れたその一瞬。
木城フシギ:「ハ、ァッ!」
木城フシギ:裂帛の気合と共に、肉薄した本体が蹴りを放つ。
晦月絹:しかし、それは読めている。
晦月絹:「こ、のっ!」
晦月絹:何処から取り出したのかもわからない忍者刀。細身のそれが金属の靴先を受け止める。
木城フシギ:火花が弾ける。刃が食い込む。笑う。
木城フシギ:「受けていいのですか」
木城フシギ:そう言い切るよりも早く、黒色の楔が地中より飛び出し、白髪の少女の脇腹を抉る。
晦月絹:「がっ……」
晦月絹:腹を抉られながら、しかし楔を蹴り飛ばす。貫かれ行動を縛られる前に自ら地へと身を投げ出す。
木城フシギ:「ふふっ──何度も」
木城フシギ:「何度も、やっているのに……」
木城フシギ:……どの記憶も鮮明で、同時に曖昧だ。
木城フシギ:彼女との戦いは。どれも似たような展開で、いつも決着がつかないから。そして、どれも同じくらい──
木城フシギ:「……楽しい」
木城フシギ:「輝くようです。あなたが私を、永遠に変えてしまった」
木城フシギ:眦に透明な滴が盛り上がる。
木城フシギ:「その生真面目さ。ひたむきさ。強くて、尖っていて、冷たくて、暖かい」
木城フシギ:「完璧だった私が、もうずっと遠い。巣に帰ることなど考えられない」
木城フシギ:「お願いです、絹」
木城フシギ:「私をもう、自由にしないで」
晦月絹:「……」 答えは無い。応える資格は無い。堪える資格も無い。
晦月絹:彼女を選ばなかった自分が、答えたいと苦しむなんて。そんな身勝手が許せるものか。
晦月絹:「自由には、今からなる。死を解放と定義するなら」
晦月絹:だから否定する。彼女の願いも、自分の弱さも。もう間違わないように。
晦月絹:その癖、視界を歪ませ続ける滴が止まらないことも、許せなかった。
GM:ラウンド8
GM:プロットを行ってください。
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:プロットを公開してください。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「1」です。
木城フシギ:そっちか……
プロット
6:
5:
4:木城フシギ
3:
2:
1:晦月絹
GM:プロット4 フシギさんの手番です。
木城フシギ:届く手がない。パスします。
GM:プロット1 晦月さんの手番です。
晦月絹:条件が整った。神槍撃ちます。
晦月絹:2D6>=5 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 4[2,2] → 4 → 失敗
晦月絹:くっ……神通丸!
晦月絹:2D6>=5 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 4[2,2] → 4 → 失敗
晦月絹:マジ!?
GM:これは痛い
木城フシギ:あぶね~~~
GM:ではラウンド8終了。
GM:ラウンド9
GM:プロットを行ってください。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:プロットを公開してください。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
プロット
6:
5:
4:木城フシギ
3:
2:晦月絹
1:
GM:プロット4、フシギさんの手番です。
木城フシギ:【土竜吼】します。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[2,5] → 7 → 成功
晦月絹:回避します
晦月絹:2D6>=7 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 7[1,6] → 7 → 成功
晦月絹:おら!
木城フシギ:むむむ
木城フシギ:この場合プロット移動も起きないようだ
GM:プロット2、晦月さんの手番です。
晦月絹:では陽炎からの神槍で行きます
晦月絹:2D6>=5 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 12[6,6] → 12 → スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
晦月絹:マジ?
GM:うわ~~~
木城フシギ:ズルしないで!!!!
GM:1D6振ってください
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 1
木城フシギ:いや
木城フシギ:これは陽炎なのでダメージは増えないはず
GM:ああ陽炎か
GM:しかし回復はできる
晦月絹:謀術を回復します そして神槍!
晦月絹:2D6>=5 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 10[4,6] → 10 → 成功
晦月絹:切りどころでしょう 回想でダメージ1点上乗せもします
木城フシギ:射程2!
晦月絹:あれ、3に移動してないから通りません?
木城フシギ:あ
GM:通りますね
木城フシギ:対象外になるのは0か1か。2は行けるんだな
木城フシギ:勘違いしてました
晦月絹:神槍で2、月影で1、回想で1。4点ダメージです。
木城フシギ:ただ回想はこちらの回避も見てから使えたはず……なので
木城フシギ:後にとっておきなさい 永遠に来ない後にな……
晦月絹:あっ、そうでした 回避みてから決めます
木城フシギ:2D6-2>=6 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6-2>=6) → 6[2,4]-2 → 4 → 失敗
木城フシギ:陽炎ぶっ刺さりまくり
晦月絹:めっちゃ強いなコレ……
晦月絹:では改めて回想とダメージアップを宣言します
GM:4点でちょうど死わぜ!
木城フシギ:仕方ない……奥義を使用します。
木城フシギ:【愛勁・金剛不壊功】。効果は絶対防御/改造なし。指定特技は結界術。
木城フシギ:4点を軽減します。
晦月絹:くっ、じゃあ通らないか……
GM:以降晦月さんは奥義破りが可能になります。
GM:ラウンド9終了。
木城フシギ:「忍法“土石龍舞”!」
木城フシギ:破壊が吹き荒れる。さながら横殴りの褐色の竜巻じみて。
木城フシギ:生木が割れ砕ける壮絶な音を幾重にも連鎖させながら、自身もまた一撃を加えるべく迫る!
晦月絹:迫りくる破壊の牙を紙一重で躱し、流し、捌き続ける。
晦月絹:ほんの一瞬気を抜けば、そのまま意識が落ちるだろう。ほんの一筋動作を違えば、違えた手足が落ちるだろう。
晦月絹:ふと、自分の息の深さに気付く。肺の底まで空気が満ちては空になるまで吐き切って。なんだか酷く居心地が良い。
晦月絹:そうだ。それが全ての始まりだった。
晦月絹:―――
晦月絹:晦月絹は晦月家を継ぐために生まれた。そのために育てられた。
晦月絹:物心がついたときには、いやその前から修行に明け暮れた。一日たりとも休んだことなどなかった。
晦月絹:天候が荒れ狂っているならその中での戦い方を。体調を崩したならその中での戦い方を。心が沈んだならその中での戦い方を。
晦月絹:如何なるときも戦えるように。如何なる場でも勝てるように。如何なるものにも負けぬように。
晦月絹:そうでなければ継ぐに能わぬ。そうでなければ柳に見合わぬ。そうでなければ。
晦月絹:それが自然であり当然だった。然るべきとしてそうあった。だって私は晦月絹だから。
晦月絹:……彼女と初めて戦ったのは何度目かの任務のとき。実力は伯仲し、決着が着かないまま互いに退いた。
晦月絹:それを繰り返し、繰り返し。いつのときか、彼女と戦う間は息が深く出来ることに気が付いた。
晦月絹:どうしてだろうと思考を巡らせて、思い当たった。思い当ってしまった。
晦月絹:命を懸けた死闘の中、他所事を浮かばせる余裕は無く。彼女と戦っている間、私は彼女が何をして自分が何をするかしか考えなかった。
晦月絹:晦月の次期当主であること。裏柳生を継ぐこと。そのために強くなること。そういった一切を忘れていた。
晦月絹:――彼女といる間息が深く吸えるのは。それ以外の時が常に息苦しいからだ。
晦月絹:そう思ってしまったのが間違いだった。それを受け入れてしまったのが間違いだった。
晦月絹:息苦しいと感じてしまったときも。彼女に愛を告げられたときも。遊園地に誘われたときも。
晦月絹:黙って受け入れるべきではなかった。否定すべきだった。否だと叫ぶべきだった。
晦月絹:それが出来なかったから、こんなことになっている。きっと天罰というのはこういうものを指すのだ。
晦月絹:晦月として生きていくには、彼女を殺す必要がある。彼女を生かせば、私の立場も晦月の地位も揺らぐ。二つに一つ。
晦月絹:……全く考えなかったわけではない。彼女と生きられたらと。
晦月絹:でも、それは。全てを捨てるということだ。
晦月絹:生まれた意味を。育てられた恩義を。かけられた期待を。積み重ねた時間を。継ぐべき技を。負うべき義務を。守るべき定めを。戦うべき敵を。
晦月絹:全てを放棄し、逃避し、忘却し。自分の感情と幸福のためだけに生きるということで。
晦月絹:何も斬れないほど朽ち錆びた刃に意味はあるか?腐り落ち芽吹かない種に価値はあるか?翼折れ死を待つだけの鴉に意義はあるか?
晦月絹:晦月当主になれない私に。生きる意味が、生きる価値が、生きる意義が、生きる資格が、生きる理由が。あるか?
晦月絹:否だと私の心が言った。もう間違えるわけにはいかなかった。だから私は――彼女を選ばなかった。
晦月絹:私は晦月絹だった。
晦月絹:―――
晦月絹:永い夢のようで、一瞬の幻のようで。泡は弾け、影は消えた。ここは戦場だ。
晦月絹:嵐の中を跳ねまわるうちに巻いた手裏剣達が嵐の主へと牙を向く。そのために彼女の位置を誘導した。
木城フシギ:「……!」
晦月絹:「ここで終われ!」
晦月絹:最後の一押し。懐から抜き出した小刀を投擲した。
木城フシギ:「破」
木城フシギ:気の抜けた声に、目を焼く閃光が続き、金属音が連なった。
木城フシギ:雨の森から影を消し去った白光が須臾に消え去れば、目に入るのは金色の障壁。
木城フシギ:刃を悉く弾いたその内側で、異様な構えを取っている。鞍馬の体術のそれに近しい。しかし異なる。より奇妙で、より不格好で、にも関わらず有無を言わさず強固。
木城フシギ:斜歯の本領は忍びの技の模倣だ。最も多く戦った彼女のそれを、そうしない理由があるだろうか? そして──そこから昇華することも。
木城フシギ:「この技を見せるのはあなたが初めてになる」
木城フシギ:「気を練り操る鞍馬の術理、斜歯の技術力」
木城フシギ:「そして愛」
木城フシギ:「称して“愛勁・金剛不壊功”。恋する乙女は無敵にして、何人も傷付けること能わず」
晦月絹:「……」 一瞬言葉を失う。間違いなく会心の一撃を阻まれたから。彼女がこの期に及んでそんなことを言うから。
晦月絹:いつもそうだ。私に言葉を失わせることにかけて、彼女は天才的だった。
晦月絹:「馬鹿」 だから、こんなことしか言えなくなる。
GM:ラウンド10
GM:このラウンドで決着が付かなかった場合、戦場が【極地】に変更されます。
GM:プロットを行ってください。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(2 → 2)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
晦月絹:失礼、操作ミスしてました
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:プロットを公開してください。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
プロット
6:
5:
4:
3:木城フシギ
2:晦月絹
1:
GM:プロット3 フシギさんの手番です。
木城フシギ:土竜吼を絹ちゃんに。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 9[4,5] → 9 → 成功
晦月絹:回避!
晦月絹:2D6>=7 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 3[1,2] → 3 → 失敗
晦月絹:くっ!
木城フシギ:接近戦1点&プロット2に移動!
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 1
晦月絹:器術はもう喰らってるので謀術に!
GM:プロット2、晦月さん、フシギさんの手番です。
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 12
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 63
GM:フシギさんの手番です。
木城フシギ:【接近戦攻撃】!
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[1,4] → 5 → 成功
晦月絹:回避!
晦月絹:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[2,3] → 5 → 成功
晦月絹:お互い出目がギリ
GM:晦月さんの手番です。
晦月絹:陽炎から時雨!
晦月絹:2D6>=5 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 11[5,6] → 11 → 成功
晦月絹:2D6>=6 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 12[6,6] → 12 → スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
木城フシギ:バカ
晦月絹:マジで言ってる?
木城フシギ:こっちの台詞
GM:ええ……
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 2
晦月絹:追加ダメージはなしかな
木城フシギ:回避
木城フシギ:2D6-2>=7 (判定:水術)
ShinobiGami : (2D6-2>=7) → 8[2,6]-2 → 6 → 失敗
木城フシギ:奥義を使います。
木城フシギ:絶対防御。指定特技は結界術。
晦月絹:奥義破りを狙います
晦月絹:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 4[2,2] → 4 → 失敗
木城フシギ:フーッ……
晦月絹:出目なんなんだ
晦月絹:振れ幅がえぐいのよ
晦月絹:とりあえずスペシャルで謀術は回復しておきます
GM:ラウンド10終了。
GM:以降戦場が【極地】に変更されます。
GM:ラウンド11
GM:プロットを行ってください。
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:プロットを公開してください。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
プロット
6:
5:
4:
3:木城フシギ
2:晦月絹
1:
GM:プロット3、フシギさんの手番です。
木城フシギ:変わらず【土竜吼】します。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[3,3] → 6 → 成功
晦月絹:回避
晦月絹:2D6>=7 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 7[3,4] → 7 → 成功
晦月絹:よし!
GM:避けたのでプロット移動も無し
GM:プロット2、晦月さんの手番です。
晦月絹:陽炎神槍!
晦月絹:2D6>=5 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 2[1,1] → 2 → ファンブル
晦月絹:うわーっ!?
GM:凪いだ……
GM:では神槍もできません
GM:ラウンド終了。戦場が極地なので全員に接近戦ダメージ1点が発生します。
GM:判定してね
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 1
木城フシギ:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 2
晦月絹:マジで1しか出ない 謀術食らいます
木城フシギ:ええと……忍術。
木城エリア:奥義は?
木城フシギ:あれ
木城フシギ:あ、攻撃以外にも使えるのか!
GM:攻撃以外も軽減できるはず
木城エリア:実はそう
木城フシギ:使って弾きます
GM:今逆凪だから破られない
晦月絹:くっそー!
木城フシギ:ありがたい……
GM:ラウンド12
GM:プロットを行ってください。
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:プロットを公開してください。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
プロット
6:
5:
4:
3:木城フシギ
2:晦月絹
1:
GM:プロット3、フシギさんの手番です。
木城フシギ:土竜吼です!
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[1,4] → 5 → 成功
晦月絹:回避!
晦月絹:2D6>=7 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 8[3,5] → 8 → 成功
晦月絹:出目走ってるぜ
GM:プロット2、晦月さんの手番です。
晦月絹:陽炎から時雨!
晦月絹:2D6>=5 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[1,5] → 6 → 成功
晦月絹:2D6>=6 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 5[1,4] → 5 → 失敗
晦月絹:逆なら……!
GM:ラウンド終了。接近戦ダメージ1点が発生します。
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 2
木城フシギ:奥義を使って軽減を試みます
晦月絹:体術はヤバい!こっちも奥義切ります
GM:宣言をどうぞ
晦月絹:柳風折無(やなぎにかぜおれなし):絶対防御/改造なし/指定特技:結界術
晦月絹:ダメージを無効化します
GM:
晦月絹:あっ、待って
木城フシギ:あ、奥義破りを
GM:あっどうぞ!
晦月絹:フシギちゃんの奥義破り狙います
晦月絹:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 9[4,5] → 9 → 成功
晦月絹:よし!喰らってもらおう!
木城フシギ:く……
木城フシギ:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 2
木城フシギ:体術は潰れているので忍術で。
晦月絹:嵐の中、お互い致命になるような傷は避け続けているもののその分攻めあぐねている。
晦月絹:(……このままじゃ膠着するだけ、か)
晦月絹:一拍。呼吸を整える。水色の瞳が瞼の裏に隠れる。
晦月絹:――裏柳生。表と違い裏に潜めど、その技と心に違いは無い。
晦月絹:柔術の身のこなしも取り混ぜた、流しの技術。先を取るより後を選び、しかして傷つくは敵ばかり。
晦月絹:風に吹かれど雪が積もれど折れはしない。柔は剛より折れがたい。
晦月絹:これなるは、その心髄のほんの一端。絹の人生15年の結晶とも呼べる奥なる技。
晦月絹:動きが変わる。今までのような逃げ・躱しから受け・流しに。
晦月絹:手裏剣も小刀もしまい、素手で迫りくる土石や金属に触れてはその力を逸らしていく。
晦月絹:「……猿真似だか魔改造だかには負けてやれない」
晦月絹:逸らしたそれらは全てフシギの元へ。盤石の守りを揺るがすほどに集っていく。
木城フシギ:「商標権訴訟でも?」障壁を張り、同じようにそれを防ごうとする。
晦月絹:「してないけど。父様にも師にもご先祖様に顔向けできない」
晦月絹:しかし、圧倒的な物量が貼った障壁ごとフシギを飲み込んでいく。
晦月絹:このまま貼っていれば、障壁もろとも土の底。窒息は免れない。
木城フシギ:「無粋、な……!」顔を顰める。止むを得ず障壁を解き、上方へ跳躍。無理な離脱に際し、尖った岩石片が身を傷付ける。
GM:ラウンド13
GM:プロットを行ってください。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:プロットを公開してください。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「2」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
プロット
6:
5:
4:
3:木城フシギ
2:晦月絹
1:
GM:プロット3 フシギさんの手番です。
木城フシギ:土竜吼!
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[1,6] → 7 → 成功
晦月絹:回避!
晦月絹:2D6>=7 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 8[3,5] → 8 → 成功
木城フシギ:何なんだよ!
晦月絹:分かんない 出目が良い
GM:プロット2 晦月さんの手番です。
晦月絹:陽炎時雨!
晦月絹:2D6>=5 (判定:刀術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 3[1,2] → 3 → 失敗
GM:時雨は撃てます
晦月絹:あぶな ファンブルじゃないので時雨振ります
晦月絹:2D6>=6 (判定:手裏剣術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 4[2,2] → 4 → 失敗
晦月絹:マジでなんなんだ出目!
GM:ラウンド終了。接近戦ダメージ1点が発生します。
木城フシギ:奥義使用。特技は結界術。
晦月絹:奥義破り狙います
晦月絹:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[2,4] → 6 → 成功
晦月絹:そしてこっちも奥義、結界術です
木城フシギ:奥義破りします
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[2,4] → 6 → 成功
GM:では二人とも接近戦1点です
木城フシギ:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 4
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 2
晦月絹:あっ
木城フシギ:ヨッシャ!!!!!!!!!!!!!!!!!
晦月絹:くっ……体術が死にました
木城フシギ:こちらは……
木城フシギ:いや戦術しかないな。
GM:ラウンド14
GM:プロットを行ってください。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:プロットを公開してください。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
晦月絹:読まれたか……!
プロット
6:
5:
4:木城フシギ
3:晦月絹
2:
1:
GM:プロット4 フシギさんの手番です。
木城フシギ:【土竜吼】撃ちます。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:掘削術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[2,5] → 7 → 成功
晦月絹:回避振ります 隠形術になって必要出目は12!
晦月絹:2D6>=12 (判定:隠形術)
ShinobiGami : (2D6>=12) → 9[3,6] → 9 → 失敗
晦月絹:出目良いのにな……!
木城フシギ:接近戦1点してプロット3へ。
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 5
晦月絹:戦術ならまだマシか……通します
GM:プロット3、晦月さん、フシギさんの手番です。
晦月絹:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 40
木城フシギ:1d100
ShinobiGami : (1D100) → 37
GM:晦月さんの手番です。
晦月絹:接近戦攻撃します 特技は結界術
晦月絹:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 2[1,1] → 2 → ファンブル
晦月絹:うわーっ!!
GM:凪!
木城フシギ:勝機……だけど
GM:しかしこのプロット中は同時なので凪りません
木城フシギ:そう このラウンドの同時攻撃は避けられますね
GM:フシギさんの手番です。
木城フシギ:というわけでこちらも【接近戦攻撃】。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 5[1,4] → 5 → 成功
GM:回避可能です
晦月絹:回避!
晦月絹:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 10[4,6] → 10 → 成功
晦月絹:この出目さっき出して!
GM:ラウンド終了。接近戦ダメージ1点が発生します。
木城フシギ:奥義を使って軽減します。
GM:凪で奥義破りは不可能
晦月絹:こっちが奥義使うのって出来ましたっけ
GM:自分が奥義を使うのは可能です
晦月絹:では使っておきます
木城フシギ:奥義破りをします
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 6[1,5] → 6 → 成功
木城フシギ:よし……
GM:では晦月さんに接近戦1点です
晦月絹:キツイ……
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 6
晦月絹:うわ、妖術が死んだ!
GM:ラウンド15
GM:プロットを行ってください。
晦月絹:ダイス目を変更しました。(3 → 5)
晦月絹:ダイス目を変更しました。(秘匿)
木城フシギ:ダイス目を変更しました。(秘匿)
GM:プロットを公開してください。
晦月絹:ダイスを公開しました。出目は「4」です。
木城フシギ:ダイスを公開しました。出目は「3」です。
プロット
6:
5:
4:晦月絹
3:木城フシギ
2:
1:
GM:プロット4、晦月さんの手番です。
晦月絹:こうなったらスペシャルを狙っていくしかないので陽炎→時雨で行きます
GM:すごい
晦月絹:判定はどっちも隠形術で
晦月絹:2D6>=10 (判定:隠形術)
ShinobiGami : (2D6>=10) → 9[3,6] → 9 → 失敗
晦月絹:2D6>=10 (判定:隠形術)
ShinobiGami : (2D6>=10) → 4[1,3] → 4 → 失敗
晦月絹:流石に無理か……!
木城フシギ:凪い……だな!
GM:出目が4なので……
GM:逆凪ですね……
GM:ではプロット3、フシギさんの手番です。
木城フシギ:絹ちゃんに【接近戦攻撃】。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[3,5] → 8 → 成功
木城フシギ:終わりだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
晦月絹:足掻きはします 奥義発動
木城フシギ:奥義破りを。
木城フシギ:2D6>=5 (判定:結界術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 4[1,3] → 4 → 失敗
GM:オイ~~~ッッ!!!!!
木城フシギ:ち……しかし
木城フシギ:勝負あったな
晦月絹:どっちみちなんだよな……
GM:ラウンド終了。接近戦ダメージ1点が発生します。
木城フシギ:奥義は使いません。
晦月絹:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 4
木城フシギ:1d6
ShinobiGami : (1D6) → 5
晦月絹:為すすべないです 最後の忍術にダメージが入って戦闘不能
木城フシギ:器術を潰します
GM:では最後に残ったフシギさんが勝者となり、戦闘終了となります。
晦月絹:木城フシギと晦月絹の戦いは、いつも千日手じみた削り合いになる。
晦月絹:互いに防御を得意とすることと、互いの手の内を知り尽くしていること。それが互いから有効手を奪うのだ。
晦月絹:今までと違うのは、その戦いを中断させる要因が何もないこと。そして――。
晦月絹:吹きすさぶ嵐が両方の体力をじわじわと削り取っていくことだった。
晦月絹:(……く、そ)
晦月絹:右腕が上がらない。先程衝突した岩片で筋を痛めたか、あるいは切れたのか。
晦月絹:だらりと下がったそれは、もはや枷に成り下がったも同然。長期戦は見込めない。
晦月絹:「やるしかない、か」
晦月絹:ぽつりと零し、跳躍する。フシギが操る土の柱を飛び伝い、荒れ狂う風に身を委ねた。
晦月絹:手元に残った手裏剣のありったけを並べる。投げるスピードに重力という加速を重ねる。
晦月絹:上空からの飽和攻撃。これで終わらなければ、終わるのは――。
晦月絹:「い、けぇっ!」
晦月絹:思考を寸断するように叫ぶ。手足にも等しい黒鉄達が、嵐の一部となってフシギへと降り注いだ。
木城フシギ:瑠璃の瞳に雨を受けながら、なお目を見開いてそれを待ち受ける。手には黒色の楔、その形状をした忍器。
木城フシギ:開戦時にあった何物も最早ない。結界を構成していた機械群は、あるいは砕かれ、あるいは制御を失って、今や最後に残ったひとつを原始的な武器として振るう他ない。
木城フシギ:髪と服をしとどに濡らし、全身を血と泥で汚し傷付けた様は、付近に投棄されたゴミ山の一部に人形として加わっていたようですらある。
木城フシギ:全身が熱い。重い。軋む。雨に溺れそうなほど息苦しい。
木城フシギ:「──ぁぁああああああっ!!」
木城フシギ:叫ぶ。その全てを振り払わんとして。冷徹なる人造生命としての誇りも今はかなぐり捨てる。
木城フシギ:今は、理屈を超えた結果こそが必要で。
木城フシギ:……それは引き寄せられた。手足に、胴に、手裏剣を受けながら、刃の最後の一枚が大地を穿っても、まだ立っている。
木城フシギ:半ばから折れ飛んだ得物を投げ放つ。彼女のそれには到底及ばぬ、こちらからの最後の一手。
晦月絹:何物も失くしたのはこちらも同じだ。無限のように取り出し続けた忍具はついに尽き、完全に無手となった。
晦月絹:終わりを悟り、全身から力が抜ける。集中も切れたせいか右腕が激痛を訴え始めた。
晦月絹:意識さえ朦朧とした中、しかし体が動く。
晦月絹:折れども枯れぬ柳の意地か。敗れども逃げぬ鴉の矜持か。沈めども落ちぬ月の威信か。
晦月絹:重力に従い落下する最中。武器を失った左手で、すれ違うように楔を流す。
晦月絹:そのまま地へと着地し、上げた瞳でフシギを見据え。
晦月絹:そこが限界だった。
晦月絹:明かりが吹き消されるように視界が暗転する。その場に突っ伏すように倒れ込む。
晦月絹:戦闘不能。晦月絹の敗北であった。
木城フシギ:「…………」
木城フシギ:暫し、雨と風の音だけが残った。
木城フシギ:いや……元からそうだった。絹の戦いはそもそもそうやかましいものではなく、自分が土の竜の形を保てなくなって以降は、森を巻き込んでの破壊も無かった。気付く余裕が今まで無かっただけだ。
木城フシギ:「……絹……?」
木城フシギ:眼前の光景が信じられないみたいに、茫然として呟く。
木城フシギ:晦月絹が、自分に負けたのか。
木城フシギ:「……」
木城フシギ:かぶりを振り、足を引き摺って歩き出す。夢幻泡影を回収しなければならない。
木城フシギ:この戦いの勝者として。
GM:フシギさんは勝者として、戦果を獲得することができます。
GM:いずれかのキャラクターに対し情報を得る、感情を獲得させる、もしくはプライズを奪うことができます。
木城フシギ:夢幻泡影を奪います。
灰田昇:ウバワレタ...
GM:了解です。夢幻泡影の効果を使用しますか?
木城フシギ:はい
木城フシギ:「自分と晦月絹が流派を抜け、追手の類に煩わされず平穏に暮らせるようにする」「灰田昇と木城エリアからお互いのことや神器に関わる記憶を消し、再び仲良くなれる条件を整える」
木城フシギ:この二つを叶えられるように用いたいと思います。
GM:ではそのように記憶を改竄したことになります。
GM:これにてクライマックスフェイズ終了。
【ED/木城フシギ・晦月絹】
木城フシギ:九海市内の自宅。以前に絹を招いてより、日数はさほど経過していないが、部屋の内観はいくらか変わっている。
木城フシギ:物が減った。元々そう多くはなかったものの、装飾の類が取り除けられて、今はほとんど殺風景と言っていい。代わりに段ボールが数箱部屋の隅に積まれている。
木城フシギ:その状態でも、ソファは以前と同様に保たれていて。
木城フシギ:「どうぞ」
木城フシギ:そこに座らせた絹の前に、いつかと同様にお茶のカップを出す。
晦月絹:「……」 手は付けない。兵糧丸は飲んだものの、右腕はまだ動かすと痛みが走る。
晦月絹:「……どうするつもりなの。これから」
木城フシギ:隣に座る。「引っ越しをします。母さんたちに対しても含め、記憶の操作は済ませましたが、それでも同じ土地にいると不測の事態の発生が懸念されますから」
晦月絹:「そう」 あの二人はどうなるのだろうか。ぼんやりと浮かんだ思考はきっと現実逃避に近い。
晦月絹:今気にするべきなのは、他人の未来などではないのに。
木城フシギ:「元々計画に含めておいたので、日取りはもう直のことです」
木城フシギ:「あなたも荷物の整理は早めに済ませてくださいね」
晦月絹:「……本気なの?」
晦月絹:今更だ。今更過ぎる言葉なのに、それ以外の言葉が浮かばなかった。
木城フシギ:「私があなたに本気で接しなかったことがありますか?」
晦月絹:否定しない。私の知る限り、彼女はいつも本気で真剣だった。
晦月絹:「……私はアンタを選ばなかった」
晦月絹:「晦月の跡継ぎで、生まれたときからずっとそうでしかなくて、そうでなくなったら多分何者でもない」
晦月絹:「そんな、それだけの理由で。自分のエゴで、アンタを殺そうとした」
晦月絹:「なのに」 言葉が途切れる。
晦月絹:何を言うにも、自分には資格がない気がした。ただでさえ不相応な場所に居るのに。
晦月絹:彼女を選ばなかった人間が、彼女の傍にいていいなんて思えないのに。
木城フシギ:「……怖かったのですか?」僅かに首を傾げる。「何者でもなくなるのは」
晦月絹:「だって、それが私の存在意義だから」
晦月絹:「そのために生まれて、そのために育てられて、そのために生きてきて」
晦月絹:「なのにそうならないとしたら。じゃあ、私の生まれた意味は何だったの?」
晦月絹:「私の15年は、なんのために有ったの」
木城フシギ:「ならば、私を恨んでいますか?」
晦月絹:「……アンタこそどうなの」
晦月絹:「私、アンタを裏切って殺そうとしたんだけど」
木城フシギ:「特には」
木城フシギ:「殺されるのならばそれで良いつもりでしたしね。言ったでしょう?」
晦月絹:「馬鹿」
晦月絹:「……ほんと、馬鹿」
晦月絹:視界が歪む。あの雨の中と同じように。
晦月絹:「殺されてもいいとか、言うな。そんな軽く」
晦月絹:どの口が言っているんだろう。冷静な自分の声は嗚咽が邪魔して聞きづらい。
晦月絹:こんな人間のために、命を差し出すような真似を。彼女にしてほしくなかった。
木城フシギ:体を寄せ、覆い包むように抱きしめる。
木城フシギ:小柄で、厳しく鍛え上げられた彼女の体からは、どちらかと言えば柔らかさよりも、少年のような固さが伝わる。その背中をそっと撫でる。
晦月絹:彼女の体温に包まれると、もう無理だった。縋るように彼女の背に左手を回す。
晦月絹:嗚咽の中に紛れるように数回逡巡をしてから、ようやく。
晦月絹:「フシ、ギ」
晦月絹:この街に来てから一度も呼ばなかった――呼べなかった彼女の名前を呼ぶ。
晦月絹:「ごめ、ん。ごめん。ずっと、ごめん」
晦月絹:しゃくりあげながら、絞り出すように繰り返す。胸の奥に閊え続けた言葉が溢れていく。
木城フシギ:「……そうではないでしょう?」
木城フシギ:仕方がなさそうに言いながら、幼子をあやすように背をさする。母が自分にそうしてくれたのと同じように。
木城フシギ:「もう、敵ではありません。二度とそうなることはありません」
木城フシギ:「私が勝ちました。ずっとあなたと一緒にいるためにです」
晦月絹:「……ん」 彼女の肩に顔を埋めたまま頷く。
晦月絹:「いっしょに、居させて。私も、アンタと居たい」
晦月絹:強情も疑問も、彼女の体温に解けていった。残ったのはどうしようもない本音だけ。
木城フシギ:「本当に」
木城フシギ:腕に、指に、力が籠る。
木城フシギ:互いを隔てる隙間はなくなって、より明確に熱が通じ合う。背に回した十指を中心に服へ皺が寄って、もう逃がさないと言わんばかりの意思を示す。
木城フシギ:「本当に、苦労しました」
木城フシギ:「あなたも、母さんも、灰田さんも、全員どうしようもない愚か者だと思った」
木城フシギ:「そんな人達に敗れるようなら、誰も彼も呪って死んでやろうかとも思った」
木城フシギ:「私だって……そういう風になります」
木城フシギ:「なるんですよ、絹」
晦月絹:答えるようにこちらも腕に力を籠める。痛みを持つ右腕を、それでも彼女の背に添える。
晦月絹:「ごめん。苦労させて」
晦月絹:「居るから。もう、どこも行かないから」
晦月絹:「だから、呪わないで。死なないで」
晦月絹:「アンタも。どこにも行かないで」
木城フシギ:「……はい。大丈夫です」
木城フシギ:「私は冷静で、無表情で、声を荒げることがなくて、感情の制御が行き届いている、母さん自慢のパーフェクト人造美少女忍者ですから」
木城フシギ:「何をされても、自棄になったりしません」
木城フシギ:深く一呼吸を挟むその間だけ、片手を恋人の背から離す。
木城フシギ:「…………泣いたりもしません」
晦月絹:「……フシギ」 顔を上げないまま名前を呼ぶ。
晦月絹:「名前、付けてほしい」
木城フシギ:すう、ともう一度息を整え直す。「……名前?」
晦月絹:「晦月絹は、あの家の跡継ぎのための名前だから」
晦月絹:自分はもう、そうではない。そうなることはない。
晦月絹:「フシギと生きる人間のための名前を。フシギ自身に付けてほしい」
木城フシギ:「……成程。晦月姓を使い続けるわけにも行きませんか」
木城フシギ:もはや親とて彼女のことを覚えてはいまいが、如何せん相当珍しい苗字だ。疑念の取っ掛かりを残す必要もない。
木城フシギ:「そちらは木城で良いとして……ふむ……」
木城フシギ:「困りましたね」少し抱擁を緩めて間を空け、間近から恋人の顔を見つめる。
木城フシギ:「私にとって、絹はずっと絹でしたから」
木城フシギ:「どんな名前が良いものでしょう……?」
晦月絹:「別に急ぎじゃないし、ゆっくりでいい」
晦月絹:「私の自己満足というか、ケジメみたいなものだし。アンタにとって絹が一番いいならそのままでも良い」
晦月絹:彼女と生きていくという誓いのような。誰へ向けた訳でもない宣言のようなものだ。
晦月絹:その意志を、自分自身が分かっていればそれでいい。
木城フシギ:「む……」
木城フシギ:「絹を満足させるためと言うなら、私にとって何より優先されることです」
木城フシギ:「100%気に入ってもらえる名前を、必ずや今この場で考え出して見せます」
木城フシギ:恐ろしく真剣な表情になって凝視する。まるで視線で穴を開けた底に答えがあると確信しているみたいに。
晦月絹:「……馬鹿」 彼女らしい真っ直ぐさに思わず口角が緩んだ。いつ以来かも分からないほど久しぶりに。
木城フシギ:「…………あなたには、もう何もない」
木城フシギ:「これまで積み上げてきたものは意味を失った。同時に、己を縛るものからも解き放たれた」
木城フシギ:「自ら張り伸ばしてきた根も捨てて、育った大地を離れ、どこまででも高く飛ぶことができる」
木城フシギ:「故に、空、というのはいかがでしょう」
晦月絹:「空、か」 響きを確かめるように呟いて。
晦月絹:「ん。それにする」
木城フシギ:「気に入っていただけましたか?」
晦月絹:「うん」
晦月絹:空というには満たされすぎている。だって彼女が隣に居るから。
晦月絹:それでも、その彼女が選んでくれた名で。どこまでも行けると信じてくれた名だ。
木城フシギ:「良かった」張り詰めた気配をようやく弛緩させて。
木城フシギ:窓を見る。薄手のカーテンの向こうから、日なたの光が射し込んでいる。
木城フシギ:「……何者でもないという意味では、私ももう同じようなものです」
木城フシギ:「斜歯に私という忍者がいた事実は忘れられ、母さんも私を覚えてはいない」
木城フシギ:「私の製造によって得られた知見も、この先で期待されていた成果も。私の生に見出されていた意義は、すべて無意味になった」
木城フシギ:「でも、だからこそ……空っぽの身になったからこそ」
木城フシギ:「新しい私には、これからどんなものでも置いていくことができる」
木城フシギ:「あなたにも、そう思えるようになってもらえたら、と願います。……空」
晦月絹:「空っぽだからこそ、ね」
晦月絹:きっと、後悔はするだろう。父様や母様を、師を、置いてきた何もかもを思う日もあるだろう。
晦月絹:あっさりと思いを絶てる人間ではないと、自認している。それでも。
晦月絹:「少なくとも。一度空っぽになったから、アンタの隣に居られる」
晦月絹:「それを忘れることは無い。絶対に」
木城フシギ:「……ええ」
木城フシギ:平穏は、どれだけ続くだろうか。
木城フシギ:神器は手元にある。記憶の操作を解除されることを思えば、当然他の誰にも渡すことはできない。しかし、それが新たな火種になることもあるだろう。
木城フシギ:夢幻泡影の情報は、今や自分たち二人が知っているのみ。だが秘された神器を探知する術とてまったく皆無ではないはずだ。斜歯は技術力でやってのけるだろうし、比良坂や隠忍にもその類の使い手は存在しよう。
木城フシギ:……ならばこそ。
木城フシギ:「好きなだけ、色々なことをしましょうね」
木城フシギ:「表の世界の子供みたいに、学校にだって通いましょう」
木城フシギ:「母さんが言っていましたから。とても心躍る楽しい場所だと」
晦月絹:「……アンタが行きたいなら、まあ」
晦月絹:忍者の家に生まれ忍者として生きてきた自分には、表の世界は正しく異世界だ。
晦月絹:だから自分がそこに居る様も、そこに居ることでどう思うかも、上手くイメージは出来ないけれど。
晦月絹:「付き添いくらいならする」 彼女の傍に居れるなら、それで良い。
木城フシギ:「あなたにも楽しんでもらうのですよ」
木城フシギ:「これからずっと一緒なのですから、揃って幸せになりましょう」
晦月絹:「……ん」 いつものように恥ずかしいことを言うなと吐く気分でもない。
晦月絹:それでも気恥ずかしさは消えず、大人しく頷いた後彼女の肩へとまた顔を伏せる。
木城フシギ:「…………」
木城フシギ:ぎゅう、と再び強く抱きしめる。
木城フシギ:「それと」
木城フシギ:「今日は泊まっていってください」
木城フシギ:「ずっと……我慢していたせいか」
木城フシギ:「思いの外……僅かな時間でも、離れていられそうにありません」
晦月絹:「……言い方がちょっとアレだけど。泊めてくれるなら私も助かる」
晦月絹:右腕は勿論、そもそも意識が尽きるまで戦っていたのだから当然体は重い。
木城フシギ:「……ふふ」
木城フシギ:そっと前に体重を掛ける。小さな彼女を巻き込んで、共に上下でソファに横たわる。
木城フシギ:「空……空、空」
木城フシギ:悪戯に歌いかけるように、その名を繰り返して。
木城フシギ:「愛しています。あなただけを」
木城フシギ:口元を綻ばせ、その顔に手を添える。
晦月絹:そのとき、ふと気づく。
晦月絹:(そっか、もう)
晦月絹:「……私も」
晦月絹:何にも、誰にも憚ることは無い。戯言にはならない。
晦月絹:「アンタが、好き」
晦月絹:零れた本音を追うように、目尻から涙が伝った。
木城フシギ:目と目が近付く。互いの瞳を映し合う鏡は、どちらも熱に潤んでいる。
木城フシギ:その言葉が欲しかった。ずっと。気持ちはいよいよ抑えられそうになかった。
木城フシギ:最後の一押しは、もう受け取ってしまった。
木城フシギ:恋人の唇に唇を重ねる。どんな都合の良い想像よりも柔らかく、甘く、何よりも満たされる心地がした。
【ED/灰田昇・木城エリア】
木城エリア:雨が止んだ。
木城エリア:九海市を囲む山々、その間に通る河はやがて合流し、流れの穏やかな一つの大河となる。戦場となった山奥から、はるか下流。
木城エリア:満身創痍の木城エリアは、その川岸に奇跡的に打ち上げられていた。
木城エリア:「……ご、ぼっ……」
木城エリア:口から、血とへどろが混ざった、赤黒い液体を吐き出す。
木城エリア:傷が癒えた訳ではない。激流に晒されたことで、その体は先程よりひどく傷ついていた。
木城エリア:片腕は既になく、腹は大きな穴が空いている。足の片方は炭化して灰になり、もう片方の腕も焼けただれ、とても歩ける状態ではない。
木城エリア:体のあちこちから、濁流の中で突き刺さった無数の木の枝と金属が飛び出ている。肺は殆ど水で満たされ、まともに呼吸することもままならない。
木城エリア:普通人なら彼女の受けている傷の四分の一でも受ければとっくに死んでいるだろう。
木城エリア:シノビであっても、これほどの傷を受けて、長く生きられる者はいない。
木城エリア:もうすぐ木城エリアは死ぬ。自分でもそれが分かる。
木城エリア:「ひゅっ……ひゅう……ひゅっ……」
木城エリア:それでも必死に、殆ど動かない肺を動かして、浅い呼吸を繰り返す。
木城エリア:「はい……だ……くん……」
木城エリア:(本当は……)
木城エリア:本当はあの時、灰田くんに殺されるつもりだった。
木城エリア:なのに、直前で、炎はエリアの体を逸れ、エリアは戦場から放り出された。
木城エリア:あの時、何が起こったのだろう。フシギが彼を止めたのだろうか。それとも絹が彼を仕留めたのだろうか。
木城エリア:灰田くんは、生きているだろうか。
木城エリア:もしも灰田くんが、私を殺そうとしたせいで、死んでしまっていたら。
木城エリア:カァ。カァ。
木城エリア:屍肉の匂いにつられて、カラス達がエリアの直ぐ側に止まり、残った肉を啄み始まる。
木城エリア:「ひゅっ……ひゅうっ……ひゅっ……ひゅっ……!」
木城エリア:じりっ、と。かろうじて動く右腕で、地面をかいて体を引きずる。
木城エリア:光の速さで動けた体は、今は体を啄むカラス達が気に留めないほど、ゆっくりとしか動けない。
木城エリア:こんな事をしても無駄で、苦しむ時間が長引くだけだと分かっているのに
木城エリア:それでも前に進もうとしてしまう。
木城エリア:「は……いだ……くん……」
木城エリア:もしも彼が死んでいたらと思うと、確かめずにはいられなかった。
木城エリア:「はいだ……くん……」
木城エリア:灰田くんに殺されるくらいなら、殺してやる。そういうシノビになるつもりだった。
木城エリア:心のない非道なシノビを演じれば、私を殺したあとでも、灰田くんは笑えると思ったから。
木城エリア:今はもう、演じる力も残っていない。殺してやろうと思っていたのに
木城エリア:灰田くんが死んでしまっていたらと思うと、怖くて、怖くて、死ぬよりも辛かった。
木城エリア:「はいだくん……!」
木城エリア:もう一度、灰田くんに会いたかった。生きていると確かめたかった。
木城エリア:死ぬのは私だけだって確かめたかった。
木城エリア:灰田くんは、全然忍びらしくないんだ。自分の居所を隠すことだって知らない。
木城エリア:探したら、すぐに見つかるはずだから、だから……
木城エリア:「…………」
木城エリア:そうして、死力を尽くして、数分後。
木城エリア:打ち上げられてから、ほんの数センチほど離れたところで、エリアは動かなくなった。
木城エリア:周囲には、川の流れる音と、時折かつ、かつ、と、嘴と骨が当たる音だけが静かに響いていた。
木城フシギ:──ギャッ!?
木城フシギ:そこへ不意に異音が生じる。カラスの悲鳴。
木城フシギ:驚いた彼らが飛び去る羽音。彼らの一羽に命中した石が、ごろりと地面に転がる音。
木城フシギ:河原の土を踏み、何者かが木城エリアに近付く音。
木城エリア:「……はいた……くん……?」
木城エリア:耳も目も、もうほとんど機能していないのだろう。虚ろな目で空を見ながら呟くよ
木城フシギ:朧な人影が見下ろし、手を伸ばす。ひゅうひゅうと息をするその口に、無遠慮に何かを押し込んだ。
木城フシギ:兵糧丸だ。並の危篤者ならばすぐに活動可能になるほどの霊薬も、今の彼女には一時的な延命にしかならないが。
木城フシギ:「いいえ」
木城エリア:手助けさながら、なんとか薬を嚥下して
木城エリア:「フシ……ギ……」「そっか……フシギが……勝ったんだね……」
木城エリア:しばらくして、何が起こったのかを察し、驚嘆の色の混じった声を出す。
木城フシギ:「はい」持参した毛布で母の体を包み、紐で自分の背中に結わえながら。「私が勝ちました」
木城フシギ:「だから、さよならです」
木城エリア:「そっか……」
木城エリア:「やっぱり……不具合なんかじゃ……なかったね……」
木城フシギ:「……はい」くす、と笑いを零す。
木城フシギ:「正確には、母さんのおかげで、良い方向に是正できたものかと」
木城エリア:「フシギ……」
木城エリア:「強く……生きてね……」
木城エリア:「流派にも……過去にも……未来にも……負けないくらい……」
木城フシギ:「無論です」
木城フシギ:密やかに歩き出す。誰にも見つからないように。誰にもこの語らいを妨げられないように。
木城フシギ:体積のほとんどを失った母はあまりに軽い。この重さを二度と感じることがないのだとは、到底信じられないくらい。
木城フシギ:「母さんも、そうしてください」
木城フシギ:「灰田さんと一緒に」
木城エリア:「また、そうなれたら……」
木城エリア:「夢みたいなのにな……」
木城エリア:そう言って力を失い、子供のように寝息を立て始める。
木城フシギ:「……」
木城フシギ:「産んでくれて、ありがとうございました」
木城フシギ:日差しの下、安らかな呼吸と、自分の足音だけが聞こえる。
木城フシギ:静かだった。
灰田昇:九海市は山間の地方都市であり、人界の裏で鎬を削る忍びの戦いとも長らく無縁の、長閑な街だ。
灰田昇:市立である九海高校も、特徴といえば坂が多くて登下校に不便だと不評なくらいの、ごく普通の学校であり
灰田昇:その生徒である少年、灰田昇もまた、何の変哲もない、どこにでもいる男子高校生に見えた。
灰田昇:だが、少年にはある秘密があった──彼は、忍者なのだ。
灰田昇:いつも通りに学校が終わり、いつも通りにチャイムが鳴る。
灰田昇:(タツの奴は予備校だし、山下とソフバンは部活……)
灰田昇:(英雄は空いてんだっけ。部活最近行ってないらしいし)
灰田昇:教科書と薄いノート(全科目統合版)をカバンに入れつつ、そう多くない友人を指折り数える。
灰田昇:「一応誘ってみっかなぁ、英雄」 彼は隣のクラスであった
灰田昇:「バイトまで暇だしなー……」
灰田昇:「……」
灰田昇:…………
灰田昇:なんとなしに、教室の後ろ扉に視線を送る。
灰田昇:(……)
灰田昇:まったく妙なことだが――
灰田昇:(物足りない)
灰田昇:今の状態を言葉で表すなら、そうとしか言えなかった。
灰田昇:物足りない。何が? ……それは奇妙に欠落した自分の記憶に関係することなのか?
灰田昇:だが、灰田昇は……敢えてその欠落の正体を明らかにしようとは思わなかった。いや、思えなかった。
灰田昇:欠落は、穴というより禍々しい傷のようであった。治せる保証もない傷は、見るのも触れるのも恐ろしい。
灰田昇:そう、恐ろしい……恐怖があった。欠落した記憶を探るという行為に対して、理由の知れない恐怖が。
灰田昇:まるで、かつてそれを追い求めた結果、何か……
灰田昇:(……ひどく悲しい目に遭ったような……どうしようもない後悔を感じたような)
灰田昇:(…………)
灰田昇:ぼんやりとした灰田の脇を、クラスメイト達が談笑しながら過ぎ去っていく。
灰田昇:(……まあいいか、さっさとバイト行こ)
灰田昇:(今夜は安くなった弁当、残ってりゃ良いけど)
灰田昇:……そうして、物寂しさの付きまとう日々が、矢のように過ぎ去っていく。
灰田昇:たまに友人と馬鹿をやったりしても、彼らは結局只人で、自分のシノビとしての側面をさらけ出すことはできない。
灰田昇:由緒もなければ家臣もない。一族たったひとりの自分に、物騒な奥義だけが伝来されている、しけた不知火の弱小一派ではあったが、
灰田昇:その細々とした伝統と技を絶やすことだけには、抵抗を感じた。おかげで、灰田の日々に暇はほとんどなかった。
灰田昇:……夏。アルバイトと、高校の補講と、忍術の鍛錬に明け暮れた。毎日自分を追い込む中、近くの山にも遠くの海にも、とても行く気にはなれなかった。
灰田昇:秋。紅く染まった山を眺め、紅葉と枯葉にどれだけ違いがあるのか考えていた。冬。自分一人では広すぎる家に積もった雪の片付けは、忌々しいばかりだった。
灰田昇:そして、春――
灰田昇:始業式を前に、新たに分けられたクラスの席に着く。
灰田昇:周囲には、クラス分けの結果でにわかに賑わう同級生たち。だが、灰田は……
灰田昇:(……つったって、どうせ文理と成績でざっくり分けられただけだろ)
灰田昇:(まあ、多分こっちは成績良い方のクラスのはず……そこそこやってたからな俺)
灰田昇:(さらば、山下、ソフバン……ってなると知り合いはタツだけかね)
灰田昇:ぼんやりと頬杖をつき、詮無きことを思索していた。これも彼の、貴重な休息であった。
ソフバン:「よう、昇!」背後から馴れ馴れしく背中を叩いてくる、一人の男子生徒。
ソフバン:「今年もまた同じクラスだな~!……って何だよその顔?嬉しくねーのかよ~?」
灰田昇:「そ、ソフバン……」
灰田昇:「なんで生きてる……!?」 振り返り、驚愕の顔を作って見せる
ソフバン:「は?そりゃこっちの台詞だろ~?お前長期休みは付き合い悪いもんな~」成績の話とは思っていない
ソフバン:「普段家で何やってんだよ?あーいや、そんなんどうでもよくて」
ソフバン:「どう?彼女できた?」
灰田昇:「はぁ?」 富士山をサンダルで登ろうとするバカを見る目
灰田昇:「いねーっつのそんなの。バイト先も真面目君で通ってんだこれでも」
ソフバン:「か~~!マジかよ!知ってたけど……じゃあ俺ら全滅じゃん」
ソフバン:「英雄もまた松浦先輩に告ったけど、玉砕だってよ」
灰田昇:「おーいおい、マジで行ったのかよ。てかそこ行くならせめて部活はマジメしとけよ」
灰田昇:「部活は嫌だけど部活の先輩には告りますって英雄(ヒーロー)過ぎるだろ。当然の死」
ソフバン:「いやマジそれな。でも彼女欲しいよな~……。……あれ、つーかお前、あの子はどうしたん?」
ソフバン:ふと思い出したように言う。
灰田昇:「あん?」
灰田昇:「……え? 俺がどうしたって?」
ソフバン:「え?じゃねーだろ。仲いい女子いたじゃん、お前」
ソフバン:「あの~~……アレだ」
ソフバン:唸って
ソフバン:「……なんつったっけ?あの子だよ」
灰田昇:「あー……?」
灰田昇:似たように唸る。冷静に見れば、これは十分異常な事態である。年頃の、彼女もいない男子高校生が、他人から見ても親しい間柄にあった女子の存在を忘れるなど。
灰田昇:当然、灰田もほどなくそれを自覚する。そして、自らの傷……記憶の欠落の中の可能性を、考える。
ソフバン:「っかしいな~……気のせいだったかな~」
ソフバン:「おい山下、お前どう?覚えとらん?」
ソフバン:後ろの席の男子に声を掛ける。
灰田昇:(……俺にもいたのか?)
灰田昇:(毎日のように仲良く喋ったり、一緒に遊んだり……)
灰田昇:(……下の、名前で、呼んだり……)
山下:「……どうでもいいな……」眼鏡をクイッとする
山下:「そんな話はどうでもいい」
ソフバン:「は?全然よくねーだろ!俺達の中から裏切り者(ダブルクロス)が出るかどうかって事態に……」
山下:「そんなことより!聞け!」肩を組んで君達に顔を寄せる
灰田昇:「うおっ」 思考の浮つきから引っ張り戻される
山下:「……お前らもう知ってるか?ずっと入院してた女子が帰ってきたって話」
ソフバン:「は?何それ。そんな奴いたっけ?」
灰田昇:「入院してた女子ぃ?」
山下:「ああ。しかもどうやら、このクラスに来るらしい……」
山下:「俺はついさっき、偶々保健室の前を通ってその子を見たんだが……」
灰田昇:「このクラスに、つっても……別にそれで女子の総数が増えるってんでもないってのに」
ソフバン:「うるせーな昇!それでどうだった!?」
山下:神妙な顔「かなり可愛かった……」
ソフバン:「マジ!?」
灰田昇:うんざりした様子で 「良く言うよ……大体そのずっと入院していた可愛い女子が一人紛れ込んできたところで……」
灰田昇:そう言って、なにかに気付いた表情になる
灰田昇:「……え? てかちょっと待てよ。山下とソフバンいて、しかもその、ずっと入院してたとかいうヤツが入ってくるなら……」
灰田昇:「こっち成績下位のクラスで確定じゃねーか! おい! 俺のこの一年の努力はなんだったんだよ!」
山下:「しかも、それだけじゃないぞ……」ガン無視
ソフバン:「おお!何ィ!?」ガン無視
山下:「しかも……」辺りを憚るようにして
山下:「かなり……胸もデカい……!!」
ソフバン:「うおおお!!マジィ!?」
ソフバン:「おい聞いたかよ昇!やったなあオイ!!」
ソフバン:バシバシと君の背中を叩く
灰田昇:「……それは……」
灰田昇:一概に否定できない。灰田昇はいつの頃からか、紛れもない巨乳好きであった。
灰田昇:「……っせえな! だから関係ないだろそんなお前……知らん女子が来たって」
灰田昇:「なんだそのワンチャンあるんじゃねえかみたいなやつ!」
ソフバン:「お前だって期待してんじゃねえの~~?つーかお前、考えてもみろよ!」
ソフバン:「たとえゼロチャンだったところで、同じクラスにいれば1年間目の保養が……」
山下:「シッ……!」ソフバンの口を塞ぐ
灰田昇:「だからゼロチャンなんだテメっ……」
灰田昇:口を塞がれたのを見て、とっさに声を押さえる。シノビスキルである。
山下:「あの子だ」教室の入り口に視線を向ける。
灰田昇:山下につられ、そちらの方を見る。
木城エリア:前の扉から、松葉杖をついた少女が教室に入ってくる。
気の強そうな女子生徒:「ねえ木城、ほんとに一人で大丈夫?病院から出るの久しぶりって言ってたけど……」
木城エリア:「ありがと藤ちゃん!大丈夫だよ~。先生もリハビリバッチリだって言ってくれたし。こう見えても握力強いんだよ!」手をわきわきさせて謎のアピール
気の強そうな女子生徒:「握力だけでなんでそんなに自信が……?とにかく、変なやつにちょっかいかけられたらすぐ言うんだよ。私がとっちめてやるから」
木城エリア:「も~。ほんとに大丈夫だってば~。階段で手貸してくれて助かったよ~!それじゃ、またあとでね~!」
木城エリア:友達と思わしき女子生徒を見送ってから
灰田昇:「…………」
灰田昇:「……木、城」
灰田昇:呼ばれていたその苗字を呟く。
ソフバン:「おん?」
山下:「え、知り合いか?」
木城エリア:「あ、えへへ。こんにちは~。木城エリアです!ずっと入院してたけど、今日から学校にまた通うことになったんだ~」集まっている視線に気づいてにこにこ頭を下げるよ
灰田昇:「……いや、知ら……」 言いかけ、止まる。その視線は、ぺこりと頭を下げた少女に釘付けになっている
木城エリア:「えっと、まだ足が不自由で、迷惑かけるかもしれないけど……。助けてくれると嬉しいです。知ってる人も知らない人もよろしくね!」
ソフバン:「おい、可愛いしいい感じの子じゃん」小声、肘で灰田くんを小突いて「……昇?」
木城エリア:「あ、私だけ名前順じゃなくて階段に近い方になってる!助かるな~」黒板で自分の席を確認してから、教室の後方
木城エリア:んしょ、と体つきに比べて少し大きめの松葉杖をつきながら、灰田くんたちの方に歩いていく。
灰田昇:ギギ、と
木城エリア:「よろしくね~。あ、ごめんね。ちょっと空けてね」
灰田昇:椅子の足が教室の床をこすり、不意に大きな音が立った。
灰田昇:発生源は灰田の椅子であった。灰田が一も二もなく立ち上がったせいだった。
木城エリア:そのまま君達の横を通り過ぎようとして
灰田昇:「……あ、えっと……」
灰田昇:当然、言葉に窮する。後先を考えて動いたわけじゃなかった。
木城エリア:「うわわっ!?」目の雨で急に立ち上がった灰田に目を丸くして「あ、あれ?えっと……」
灰田昇:山下。ソフバン。周りの視線が、認識できないのに突き刺さっているのが分かる。
木城エリア:女子生徒の方も、困惑した目でキミを見ている「えっと……はじめまして……だよね?それとも何処かで会ったっけ?」
灰田昇:いいから座れ。今なら何か適当に言い訳をつけて、何事もなかったかのように過ごしていける。
灰田昇:一目惚れか? それだって、今後安穏に接近するチャンスは今後いくらでもある。今悪目立ちして何になる?
木城エリア:困惑している。見覚えのない男子生徒に突然呼び止められて。そのはずなのに
灰田昇:理性、社会性。そういったものが自分をなだめるのを感じてなお、引き下がることができない。
木城エリア:「……あれ?あれ……?なんでだろ……」
木城エリア:「なんで私、泣いて……」
木城エリア:困惑した表情のまま、ぽろぽろと瞳から涙がこぼれてくる
木城エリア:……この市で忍務に失敗して、大怪我をしてから、ずっと不思議なことばかりが起きていた。
木城エリア:ずっと前から聞こえていた、死んだ子供たちの声が聞こえなくなった。
木城エリア:化粧道具や流行りの服、興味のなかったはずのおしゃれが気になり始めた。
木城エリア:一度も食べたことのないはずの料理、ケーキやパエリアのような、西洋の食べ物が急に好きになった。
木城エリア:そして何より、ずっとずっと寂しかった。ずっと隣りにいた人が、急に居なくなったような寂しさがあった。
木城エリア:でも、その原因を調べようとは思えなかった。もしも知ってしまったら、自分が死んでしまうより、ずっと恐ろしいことが起こる気がして。
灰田昇:「……木、城」 その苗字を口にする
灰田昇:「木城……」 彼女の姓を、喉から絞り出す
灰田昇:「……木城!」
木城エリア:「…………」ぼんやりと、君の顔を見つめて
灰田昇:彼女を呼ぶ。
木城エリア:「灰田……くん……?」目の前の、知らないはずの男子生徒の名前を呼ぶ
灰田昇:彼女を呼んで、そして当然のように、その身を抱きしめる。
灰田昇:身長差のせいで、少し抱き上げるようになってしまったが、気にも留まらない、
灰田昇:「木城……!」
灰田昇:そうしなければいけなかった? そうすべきだった? いや……
木城エリア:「うっ……」体を強張らせる。抱きしめられるのが嫌だったわけじゃない
木城エリア:抱きしめてくれないんじゃないかと怖くて。
木城エリア:「灰田くん……」
木城エリア:「ひ、くっ……!灰田くん……!」嗚咽を漏らしながら、灰田くんのことを抱きしめ返す。
灰田昇:「……木城……ッ!」
灰田昇:『そうしたかった』のだ。いつからかも分からないけれど、きっと、ずっと。
木城エリア:周りがざわめく音と、杖が倒れる音が聞こえても、気にならなかった。
木城エリア:本当はずっと、こうして欲しかった。あの日もこうやって抱きしめて欲しかった
木城エリア:「えへ……えへへ……」
木城エリア:知らない相手のはずなのに
木城エリア:「今度は……」
木城エリア:「同じクラスだね……」夢が叶ったみたいに嬉しかった。
灰田昇:腕の中の感触。耳許の涙声。彼女の匂い。何一つ知らない。何一つ知らないのだ。何一つ知らないのにも関わらず。
木城エリア:「ごめん……ごめんね、灰田くん……ごめんね……」
灰田昇:確信があった。きっとこれが、自分の求めていたもので……
灰田昇:「……木城。木城……」 だからそれを確かめるように、何度も彼女を呼び続ける
木城エリア:「ありがとうね……」生きていてくれて
木城エリア:シノビになってくれて、私と出会ってくれて、私を好きになってくれて
木城エリア:「ありがとう」私とまた出会ってくれて
木城エリア:私を覚えていてくれて
木城エリア:「私……灰田くんの事が好き」
木城エリア:「何があっても、殺されそうになっても、どんなに傷つけられても……」
木城エリア:「灰田くんの事が好きだよ……」目の前にいるのを確かめるように、強く強く抱きしめる
木城エリア:「夢から覚めても……」
木城エリア:「ずっと一緒に居たいよ……」
灰田昇:「……お前が言ってること、さ……何も分かんないけど」
灰田昇:「きっと俺も、そうだ。……何があっても。どれほど酷いことが過去にあったとしても」
灰田昇:「今のお前のことが、もう……どうしようもなく……」
灰田昇:「……おかしくなりそうなくらいに好きなんだ」
木城エリア:「うん……うん……」
灰田昇:髪。背中。今日初めて会った筈の少女の、ずっと触れたかった、抱きしめたかったすべてに、今日初めて触れている。
木城エリア:その言葉が、かかる息が、自分に触れる手が、全部、夢が叶ったみたいに嬉しくて……
灰田昇:「これが夢なら、同じ夢を見続けよう」
灰田昇:「覚めた時には、隣にいてくれ」
灰田昇:「ずっとそうしてくれる奴を……いや……」
灰田昇:「……お前とそうしたくて……なのに、お前がいないから……」
灰田昇:「……木、城ぉ……」
木城エリア:「私も、ずっと、そうしてほしくて……」
木城エリア:「えへ、えへへ……えへへ」
灰田昇:目を閉じていたから気付かなかった。いつのまにか、絞り出す声にみっともなく涙が滲んでいる。
木城エリア:「灰田くん……」
木城エリア:目の前にいるのが、嬉しくて
木城エリア:「そのまま目、瞑っててね」
木城エリア:信じられなくて、夢みたいで。でも、どうせ夢なら
木城エリア:もう一つくらい、夢を叶えてしまおうと思った。
灰田昇:「木っ、城……」
木城エリア:背を伸ばして口づけをする。
木城エリア:みんなに見られているけど関係ない。
木城エリア:だってこの瞬間、私達はシノビじゃなかったから
木城エリア:私達に秘密はいらない。
灰田昇:彼女の甘い囁きの意味なんて考えるよしはなく
灰田昇:だからその人生初めての感触は、あまりにも衝撃的で……甘く。
灰田昇:「……っ……」 柔らかなそれが離れた瞬間、目を開いて、目の前の小さな彼女の顔を見てしまう
木城エリア:「えへへ……」
木城エリア:これ以上なく幸せそうに笑う。
灰田昇:「っあ、あ……」 全身が情けなく綻んでいるかのような錯覚
灰田昇:だが、その笑みと唇を見ると、ほとんど堪える素振りも見せず
灰田昇:もう一度顔を寄せて、唇を重ねる。
木城エリア:目を閉じてそれを受け入れる。
灰田昇:……二度目は少し荒っぽく、けれど一度目よりもう少し長く、感触を感じて。
灰田昇:顔を離す。彼女の顔を見る
木城エリア:「えへへ……」とろけた顔で君を見て
木城エリア:「もう、友達じゃいられないね」
灰田昇:「……は、は」 笑う。笑ってしまう。あまりの幸福に、いっそだらしないくらいの笑いがこぼれてしまって、居ても立ってもいられなくなってしまって……
灰田昇:だから衝動のまま、その存在感がありながらも、なお小さな身体を、お姫様よろしく抱え上げる。
木城エリア:「……わっ」
灰田昇:「……行こう。行くぞ」
灰田昇:「良い場所を知ってるんだ。ずっと、誰かと行きたくて……」
灰田昇:「……いや」 首を振る 「お前と行きたかった。だから今から行く」
木城エリア:突然抱き上げられたことに驚いて、でも、すぐに頷いて
木城エリア:「……うん。何時でも、何処でも」
木城エリア:「灰田くんと一緒なら、いいよ」灰田の肩に頭を預ける。
灰田昇:「へ、へ」 また笑い、しかし力強く頷く
木城エリア:「連れて行ってほしいな。何処までも」
灰田昇:「言ったからには……付き合ってもらうからな」
灰田昇:「今日は桜だ。しかもただの桜じゃなくて」
灰田昇:「始業式をサボって、桜吹雪の中に行くんだ」
木城エリア:「えへへ……!なんだか、夢みたい」
灰田昇:「……明日からもずっとだ。全部全部、やる。お前と二人で……やれること全部」
灰田昇:「良いだろ、夢でも現実でも……隣にお前がいてくれるんだ」
木城エリア:「ううん……夢より、ずっと幸せ」
灰田昇:「行こう。……エリア!」
木城エリア:「ずっと一緒だよ、昇くん」
灰田昇:……そして、走り出す。
灰田昇:愛しくも煩わしい全てを背に、彼女と手を握って。
『夢幻泡影』
END
【Curtain call】
GM:功績点の配布に移ります。
GM:・流儀の達成
GM:セッション内で各流派に設定された流儀に関する行動に成功している。もしくはセッション内で流儀の仇敵に勝利したり、使命の妨害に成功している。
GM:出来た人いるかな~?
木城エリア:は~い
木城エリア:他の流派の奥義の内容集めました!
木城フシギ:同じく集めました
GM:斜歯とかいうやつゆるすぎ
灰田昇:指矩班、その流儀もズルいんだよな……w
GM:木城親子に1点差し上げます
灰田昇:「誰にも縛られず、自分の意志で戦う」は、この上なくしました。最終的にはああでも、過程は自分の意志であったことよ
GM:そうですね 灰田くんにも1点!
木城エリア:もう100点満点でしょ
晦月絹:「忍びの世を乱す者を倒す」なんですけど、エリアさん倒したやつで達成になりますか?
GM:どうなんだ……?
GM:乱してはない気がするが……
木城エリア:私とまあ、灰田くんも一応そうといえばそう……なのかな?
GM:エリアちゃん全身流派人間だしな
GM:でも鞍馬視点なのか……?
木城フシギ:結果的に一番忍びの世を乱したのは私のような気もしている
木城エリア:鞍馬視点なら乱してるよね
木城エリア:私も灰田くんも
灰田昇:そうね。乱そうとはしていたかな エリアちゃんの次は指矩班だっただろうし……
GM:そうですね 鞍馬視点ということで絹さんにも1点差し上げます!
晦月絹:良かった~ いただきます
木城エリア:人造生命なんて鞍馬的にも許せんだろうしな
木城フシギ:たし蟹
GM:では次!
GM:・セッションに最後まで参加した
木城エリア:これはフシギちゃんだけですね
GM:これは最後まで生き残ったフシギちゃんに1点ですね
木城フシギ:わ~い
木城エリア:功績点ほしかったな~
晦月絹:おめでと~
灰田昇:よう生き残ったわ
木城エリア:本当によくな……
GM:本当にね……
GM:・ロールプレイ そのキャラクターに設定された感情や信念をうまくロールできていた。
木城エリア:私の信念は情!
GM:みんなできてたね!
木城エリア:皆文句ないでしょう
木城フシギ:うむ
灰田昇:そうね
晦月絹:皆出来てたからここまでこじれたといっても過言ではない
木城エリア:灰田くんは3点くらい貰ってもいいと思う
灰田昇:我が信念も情……この信念ゆえに感情判定までもつれこんだのだ
GM:バカップル!
GM:というわけで皆さんに1点ずつ差し上げます!
木城エリア:わ~い
灰田昇:エリアと交換して食べます
GM:バカップル!
木城エリア:あーんしよあーん
GM:・プライズの獲得 セッション中にプライズを獲得した
木城エリア:灰田くんとフシギちゃんですねこれは
GM:そうですね!
GM:二人に1点差し上げます
灰田昇:そうね
木城エリア:おまけで私にもください
GM:なんで??
木城フシギ:貪欲
晦月絹:功績点に貪欲
GM:・琴線に触れた ですがGMは個人的にデメリット買ってまでやるほどのメリット無いな……と思っているので
GM:皆さんに1点ずつ差し上げます。みんなで褒め合ってね
晦月絹:わ~い
灰田昇:イェーイ
木城エリア:わ~い
木城フシギ:イエイイエイ
GM:最後!
GM:・使命の達成
GM:使命もしくは本当の使命を達成できた人!
木城エリア:これはフシギちゃんだけかな?
晦月絹:多分その筈
GM:そうなるかな?
灰田昇:一族の仇に復讐を遂げる~?
灰田昇:記憶にないな……
木城エリア:灰田くん……
GM:バカップル!
木城フシギ:よかったよかった
GM:見事達成したフシギちゃんに3点差し上げます
木城エリア:ひゅーひゅー!
木城フシギ:空と一緒に平穏に暮らします
晦月絹:平穏に暮らします 政治的対立も捨てておきます
GM:バカップル!
灰田昇:倉が立つわ
木城エリア:まあ夢幻泡影で記憶消されたしね
GM:政治とは無縁の存在
木城エリア:私も死者の声捨てていい?
GM:記憶由来ならOKです
木城エリア:灰田くんの家族を殺した記憶由来だと思ってるので、じゃあ消しちゃお
GM:弱点が無くなっていく忍者たち
木城エリア:これからはずっと一緒だしな
灰田昇:生者の声でいっぱいにするぞ
GM:バカップル!
木城フシギ:言い方
GM:というわけで合計何点になったかな~?
木城エリア:3点かな?
灰田昇:3点!
灰田昇:にプライズ1点を足して4点か。
木城エリア:灰田くんは4!
木城フシギ:8点……?
木城フシギ:フルでもらっちゃってる
GM:やべ~
木城エリア:全てを得た女
晦月絹:貰った3点のうち2点が政治的対立で消えて1点です
灰田昇:マジで全てを得ているからな
木城エリア:流石私の娘だ
木城エリア:実は弱点を消す時は経験点の消費無いんじゃなかったっけ
晦月絹:あ、いや政治的対立の効果で
晦月絹:使命達成できないと功績点が2減ります
木城エリア:あ、そっちか
GM:フシギちゃんあと2点で中忍頭だな……
木城エリア:流石私の娘だ
晦月絹:めっちゃ有能だ
木城フシギ:なるか 頭に
木城エリア:なにか弱点取ればなれちゃいますね
GM:抜けただろ斜歯
GM:ということで配布も完了!
GM:以上でシノビガミ『夢幻泡影』全行程終了となります。
GM:皆さんお疲れさまでした!ありがとうございました~!
木城エリア:うおー!ありがとうございました!
木城エリア:ハチャメチャ楽しかったです
灰田昇:終わった……
晦月絹:お疲れ様でした、ありがとうございました!
木城フシギ:お疲れ様でしたー!ありがとうございました!
木城エリア:今までやったセッションの中でもマジで
灰田昇:ありがとうございました! メチャクチャに楽しかったです。
木城エリア:類を見ない感情の動かされ方した
GM:ゆっくり休んでください
木城エリア:シノビガミのシナリオ考えます
木城フシギ:楽しかったな……
灰田昇:TRPGだったな……って思う。その点については今までで一番かもしらん
晦月絹:初ビガミですがとても楽しかったです
木城エリア:マジで楽しかったです
晦月絹:初のシナリオで合う目ではない目に合った気がするが……
木城フシギ:巡り合わせの妙が詰まりに詰まっていた
灰田昇:過激だぜ シノビガミ