
メインログ/雑談ログ
Trailer
都心ほど近くに横たわる眠らない大都市、N市。
土地の広大さとR犯罪の発生率故に街は13の区域で分割され、
ナンバーを与えられたUGN支部によって日常は守護されている。
FHエージェント“ネロ”。
東南アジアにおける国家的虐殺の扇動者ながら、これまで検挙を逃れ続けてきた陰の暴君だ。
そんな彼の来日に伴って、UGN本部は専属捜査官“天網恢々”を派遣。これをまたと無い好機と見て、N市での“ネロ”逮捕に向けて動き出す。
だが同じ頃、N市UGNはもう一つの事件で混乱の只中にあった。
UGN職員のみを狙った連続予告殺人。
犯人も、その動機すらも不明な、不可解な事件。
一見無関係に見える二つの事案。
その影には蠢く悍ましい邪悪と、地に墜ちた一羽の鳥がいた。
『国家的虐殺』
『エルダーズ』
『第五代ローマ皇帝』
『UGN本部特別捜査班』
『二面捜査』
『ドレッドノート』
『連続予告殺人』
『シャルルマーニュの護符』
そして──『早贄』
Double Cross The 3rd edition『片羽の百舌鳥』
ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。
Index
Opening
【OP/雨宮珀亜】
【OP/楫かなえ】
【OP/リオ・グッドマン】
【OP/皆方アイリ】
Middle phase
【Middle1】
【Masterscene1】
【Middle2】
【Middle3】
【Masterscene2】
【Middle4】
【Middle5】
【Middle6】
【Middle7】
Climax
【Climax】
Ending
【ED/リオ・グッドマン】
【ED/楫かなえ】
【ED/皆方アイリ】
【ED/雨宮珀亜】
N市 レストラン 『旅巡るリストラント』
GM:N市十一地区に居を構える『旅巡るリストラント』は、つい先月に長期休業から開店したばかりの多国籍レストランだ。
GM:UGN関係者が店主を務める店でもあるが、それと無関係の一般客も多く、昼を前にして店内は中々の賑わいを見せていた。
GM:そんな店の一席に座る、一人の青年。
GM:鍛えられた長身は人目を引くが、眉間に皺を寄せた不機嫌そうな顔は凶相と言っていいもので、店内の誰もそちらを見ようとしない。だがその顔付きには、まだ僅かにあどけなさが残っている。
GM:逢河雷魚。N市所属のUGNエージェントだ。
牧田コウタ:「おーっす雷魚。久し振りィ」
牧田コウタ:そんな逢河に臆せず声を掛けてくる、同年代の青年。
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:パフェから視線を上げてそちらを見る。
牧田コウタ:「時間前だよな?お前早すぎだって~」
牧田コウタ:軽い調子で対面の席に着く。
牧田コウタ:"ナズグル"牧田コウタ。同じくN市のエージェントだ。
牧田コウタ:たまたま見ていたロード・オブ・ザ・リングからコードネームを付けたという話からも分かる通り、常に軽いノリの男だ。
牧田コウタ:「そんなにオレと会いたかったか~?」
逢河雷魚:「死ね」
牧田コウタ:「厳し~~」けらけら笑う。
牧田コウタ:メニューを手に取る。「雷魚それデザート?」
逢河雷魚:「食前」
牧田コウタ:「食前にパフェ食う奴おる?」
逢河雷魚:「……で?」じろりと睨むように。「いきなり呼び出して何の用だよ」
牧田コウタ:「何って……友達と飯食っちゃ悪いのかよ」
逢河雷魚:「……」
牧田コウタ:「おっ、否定はしないんだ」
逢河雷魚:「うっせ」
牧田コウタ:「照れてる~」からから笑って。
牧田コウタ:「これでも心配してんだぜ?お前全然友達いないんだもんなー」
逢河雷魚:「うるっせェな……」頬杖をついて顔を逸らす。
牧田コウタ:「どう?新しく友達できた?」
逢河雷魚:「いらねーよ、そんなん」
牧田コウタ:「そんなこと言っちゃって……じゃあ彼女は?」
逢河雷魚:「……」
牧田コウタ:「……えっ……マジ?否定しないの……?」
牧田コウタ:「えっ嘘!?どういうこと!?」
逢河雷魚:「うるっせーーよ!寄んな!!」
牧田コウタ:「こんな不愛想な悪人ヅラのへそ曲がり男と付き合ってくれる子が……!?」
逢河雷魚:「ブッ殺すぞ…………」
牧田コウタ:「冗談だって!」笑って「……いい子なんだな、その子」
逢河雷魚:「…………。……ああ」
牧田コウタ:「大事にしろよ?お前なんかと付き合ってくれる子、絶対二度と見つからないぞ」
逢河雷魚:「っせーな……」目元に掌をやって。「……分かってるよ」
牧田コウタ:「いやぁ、良かった良かった……」嬉しそうに頷いて「ああ、それはそうと」
牧田コウタ:「今回呼び出した理由な、ちょっと見てもらいたいもんがあるんだけど、今いいか?」
逢河雷魚:「……」その声色に、仕事の匂いを感じて。「……ああ」
牧田コウタ:「実は今、一人で調べてることがあるんだけどな。これがちょっと妙なんだよ」
牧田コウタ:「何か分かることがあればお前にも教えてほしいと思って────」
GM:それから数日後。
GM:UGNエージェント、"ナズグル"牧田コウタは、死体となって発見された。
Preplay
GM:ではセッションを始めていきましょう まずは自己紹介から!
GM:PC1の雨宮さんからキャラシを貼って自己紹介お願いします!
雨宮珀亜:はい!
雨宮珀亜:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY-t7c-AMM
雨宮珀亜:雨宮珀亜。チルドレン上がりのUGNエージェントです。
雨宮珀亜:元々は大拡散直後の、神城グループのがヤンチャしてた時代の役員の息子だったんですが
雨宮珀亜:妾腹の子で冷遇されてたのを、オーヴァードになったことで父親に連れ出されて実験体にされてました。
GM:悲しき過去……
雨宮珀亜:そのお父さんがFHと裏取引してたのがバレて捕まってしまい、行く宛の無くなった所をUGNに拾われ
雨宮珀亜:以後はUGNチルドレンとして訓練を受けて今に至る感じです
GM:波乱万丈だ
雨宮珀亜:元々は戦闘部隊所属でしたが、チルドレンとして活躍する中で
雨宮珀亜:親友との別れ的な……詳細は私も知らんけど色々あった結果
雨宮珀亜:自ら希望して査察部門へ転属し、N市臨時査察部へ流れてきたみたいです。
GM:ありましたね 色々……
雨宮珀亜:懐かしいぜ
雨宮珀亜:戦闘では遺産と現代兵器を複合させた専用の義肢を使い、幅広い戦況に対応します。
雨宮珀亜:性能的にはひたすら素手を強化し、程々の防御力で守り程々の攻撃力で殴るサブアタッカー
雨宮珀亜:侵蝕高まってくると《棘の獣身》でガードしながら反撃もできます
GM:何でも出来るわ~この人
雨宮珀亜:素の性格は陰気なメカクレ男子ですが、感情を抑制する遺産のベクトルを意図的に偏らせることで
雨宮珀亜:無理やりに性格を変えることが出来るみたいです。繊細な査察部のお仕事もこの特技で乗り切ります。
GM:すごい特技だ
雨宮珀亜:先輩たちにイジメられないようがんばります!よろしくお願いします!!
GM:あの新入り……いつまで持つかな
GM:そんな雨宮さんのハンドアウトはこちら!
シナリオロイス:“百舌鳥”
君はN市UGN臨時査察部に所属するエージェントだ。
5年前、当時の君にはとても親しい同僚がいた。
“落葉”と“百舌鳥”。君達三人は公私を共にし、幾つもの任務を乗り越えた良きチームだった。
だが、“落葉”の正体はFHとの内通者――ダブルクロスだった。
“落葉”は裏切者として死に、“百舌鳥”はUGNから出奔、姿を消した。
――そして、5年の月日が流れた。
GM:色々あったね~
雨宮珀亜:忘れられないあの日々…
GM:OPではその色々部分をやってもらいます よろしくお願いします!
雨宮珀亜:はい!よろしくお願いします!!
GM:ではお次!リオさん自己紹介どうぞ!
リオ・グッドマン:うす!
リオ・グッドマン:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYpJqIxQMM
リオ・グッドマン:”黒匣”リオ・グッドマン。ひょんな事からUGNに身を置くことになった賑やかな男です。
リオ・グッドマン:元々は裕福な暮らしをしていたお坊ちゃんだったのですが、実業家である父親から色々と汚い事実が発覚し
リオ・グッドマン:両親は彼を残して夜逃げ、14歳で路頭に迷う事となりました。
リオ・グッドマン:その後オーヴァードへと覚醒し、犯罪紛いの事をやって金を稼いでいました。
GM:悲しき過去……
リオ・グッドマン:現在はUGNエージェントとして働いており、主に裏方作業を得意としています。
リオ・グッドマン:”カメラアイ”と呼ばれる先天性の瞬間記憶能力を持ち、もともと高い人間としてのスペックとオーヴァードとしての能力を合わせてミドルから働きまくるキャラです。
リオ・グッドマン:性能的には生き字引、マシンモーフィングを始めとした意志技能エフェクトを、高い固定値で活用していく感じです。
リオ・グッドマン:素の火力は全然ないので、武器やらなんやらを調達して最低限の火力を確保したいです。
リオ・グッドマン:嵩む侵蝕には死者の肉体でという保険をかけていますが、これがちゃんと働いてくれるかどうか
GM:査察部っぽい能力
リオ・グッドマン:初稼働なので色々探りながら頑張ります!こんな感じ!
GM:OK!そんなリオさんのハンドアウトはこちら!
シナリオロイス:“天網恢々”ミランダ・ローウィン
君は査察部に所属する、あるいは応援として一時的に出向中のUGN職員だ。
R事案史上稀に見る大規模な虐殺の主犯として知られながら、これまで摘発を免れてきたFHエージェント“ネロ”の入国が判明した。
それに伴い、“ネロ”専属捜査官である本部エージェント、“天網恢々”の来日が決定し、対応を任された君は出迎えの為に空港に向かう。
だが対面した“天網恢々”は、本部エージェントと聞いて想像する人物像とはかけ離れた人物だった。
GM:お偉いさんの接待をしてもらいます
リオ・グッドマン:悪い奴が来日~~~??
リオ・グッドマン:お偉いさんに満足して帰ってもらわにゃ
GM:そういえばリオさんは査察部と応援の一般エージェントどっちかな?
リオ・グッドマン:折角なので査察部で行きたいです!
GM:OK!では査察部所属!
GM:頑張ってお偉いさんと仲良くしてくださいね
リオ・グッドマン:頑張る!
GM:では次はPC3の楫さん!お願いします!
楫かなえ:はーい
楫かなえ:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYnL7P-QMM
楫かなえ:楫(かじ)かなえです。はじめまして。
楫かなえ:幼少からFHの研究施設で実験に供されていた少女で、それ以前の経歴は不明。明日も知れぬ生を送っていましたが
楫かなえ:当該施設がUGNに攻略されるのに伴って助け出され、平穏を得ることができました。
GM:悲しき過去……
楫かなえ:そのような経緯でUGN入りしたためチルドレンでなくエージェントですが、実際の扱いは前者に近いだろうなというイメージです。学校にも通っている。
楫かなえ:また、助け出される際にUGN側で指揮を執っていた、現査察部部長の鹿骨さんを強く慕っています。
GM:あの人信用できないからやめた方がいいよ
楫かなえ:今回は初めての共同作業なので……わたくし、頑張りますね……。
楫かなえ:そのような、ちゃんと実験体としての過去を持つDロイス実験体であり
楫かなえ:いっぱい高い社会を使って情報収集したり敵を殴ったりします。
GM:社会的暴力
楫かなえ:具体的にはバックスタブやデビルストリングなど。オルクスらしく空間をなんやかんやするのに長けているイメージです。
楫かなえ:そんな感じでしょうか。よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします!ハンドアウトはこちら!
シナリオロイス:鹿骨秋蔵
君はN市UGN臨時査察部に所属するエージェントだ。
N市UGNはこの数週間、ある噂で持ちきりになっていた。職員が何者かに殺害される事件が、市内で連続しているのだ。
それもただの殺人ではない。調べによると、現場には常に血で描いたメッセージが残されているという――連続殺人。
幾多の支部に関わる関係上、事件の捜査は査察部に任される運びとなった。
君は旧知である“マンハンター”鹿骨秋蔵と、今回バディを組んだ“破輪”五十嵐トーコと共に事件の捜査に当たる。
GM:みんなで捜査がんばってね
楫かなえ:よろしくお願いします……鹿骨さま……
GM:というわけでラスト!PC4の皆方さんお願いします!
皆方アイリ:はーい
皆方アイリ:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY7d-t_wMM
皆方アイリ:N市所属のUGNチルドレン。ニュートロン・スターこと皆方アイリです。
皆方アイリ:何回か転属歴がありますが特になんということもない一チルドレンですので、今回はちょっと緊張してます。
GM:そうかな……そうかも……
皆方アイリ:査察部に関わるようなことなんてやらかしてないはずですが。はてさて。
皆方アイリ:過去に関してだと姉のFHの離反とかそれから来る転属とか個人の事情での転属とか姉との再会とか。
GM:重い過去……
皆方アイリ:まあ色々ありましたが今となっては昔の話です。今は先輩と平和に暮らしてます。
GM:よかった~
皆方アイリ:シンドロームはバロールピュア。能力も重力制御一辺倒で、一芸で食べてるタイプです。
皆方アイリ:主に相手を重くして、必要なら味方を軽くすることもあります。まあまあの火力と行動値へのデバフと範囲(選択)が売り。
GM:器用ですね~
皆方アイリ:今回はバディムもあるから色々お手伝いしますよ~。
皆方アイリ:そんなとこかな、よろしくお願いしま~す。
GM:OK! 皆方さんのハンドアウトはこちら!
シナリオロイス:逢河雷魚
君はN市UGNに所属するチルドレンだ。
君は親しいエージェントである“チケット・トゥ・ヒンノム”逢河雷魚といつものように会っていたが、普段とは幾分様子が違う。
君はその理由を知っている。逢河の数少ない友人である“ナズグル”牧田コウタが、つい先日何者かに殺害されたのだ。
そのことに触れようと触れまいと、逢河は君を遠ざけるような態度ではぐらかす。
そうして君達はいつものように別れ――数日後、君は臨時査察部に召喚されることとなる。
GM:先輩が変だったりなんか呼び出されたりするらしいです
皆方アイリ:先輩に何が……
皆方アイリ:というか、臨時査察部への呼び出し怖すぎません?
GM:サプライズバースディとか用意してるのかも
GM:緊張するでしょうが頑張ってください
皆方アイリ:頑張りま~す
GM:というわけで『片羽の百舌鳥』始めていきましょう 皆さんよろしくお願いします!
雨宮珀亜:よろしくお願いします!!
楫かなえ:よろしくお願いします!
リオ・グッドマン:宜しくお願いします!
皆方アイリ:よろしくお願いします!
【OP/雨宮珀亜】
GM:OPは時系列順に進めていきます。まずは雨宮さんのOPから。
GM:このセッションの登場侵蝕は1D10か1D3+3から選択できます。
GM:では登場どうぞ!
雨宮珀亜:安心のささつぶ侵蝕システム!有り難い!
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (43 → 49)
5年前 N市 廃工場
GM:UGNエージェント"ヴァンキッシュ"は────
GM:強い正義感と果断な行動力で知られ、数々の功績を挙げていたエージェントであったが
GM:オーヴァード同士の交戦中の不慮の殺害が罪に問われないことを利用して、交戦の意思や戦闘能力の無いオーヴァード犯罪者を、事故に見せかけて何人も殺害していた。
GM:君達はその事実を突き止め、今、とうとう彼をこの廃工場まで追い込んでいた。
"ヴァンキッシュ":「ハァッ……!ハァッ……!」
"ヴァンキッシュ":夥しい血を流しながら、荒い呼吸を繰り返す。
"ヴァンキッシュ":「クソッ……畜生……!」
"ヴァンキッシュ":「なあ!お前らだって分かってるだろ!」
"ヴァンキッシュ":「この世には生かしておけないクズが多すぎる!それもオーヴァードなら、また大勢の犠牲者を生むことになるッ!」
"ヴァンキッシュ":「そういう奴らは殺さなくちゃあ駄目なんだよッ!!」
雨宮珀亜:ギャリリリリッ!!
雨宮珀亜:喚く男の背後を、鞭のようにしなる何かが薙ぎ払う。
雨宮珀亜:「自己分析が良く出来てるな」
"ヴァンキッシュ":「ッ……!?」
雨宮珀亜:薙ぎ倒されたドラム缶から溢れた廃油が地面に撒き散らされ、周囲を囲む。
"ヴァンキッシュ":「どうしてだ……なんで分かってくれないんだ!!」
"ヴァンキッシュ":男の両腕が巨大な蛇に変化し、瞬時に伸長、雨宮へと迫る。
"百舌鳥"敷島涙:その寸前で、刃が蛇の頭を切り落とす。
"百舌鳥"敷島涙:白銀に光る西洋剣を携え、雨宮をカバーするように立つ。
"百舌鳥"敷島涙:「大丈夫かい、雨宮?」
雨宮珀亜:「出てくるのが早いぞ敷島」
"百舌鳥"敷島涙:「ええ~、そっちで文句言われることある?」困ったように苦笑する。
雨宮珀亜:「こいつの狩り方は事前に打ち合わせしたはずだ」
雨宮珀亜:垂らされた前髪の奥で、憮然とした眼差しを向ける。
雨宮珀亜:ギャリンッ
雨宮珀亜:地面を何かが撫でると火花が散り、撒き散らされていた廃油に引火する。
"ヴァンキッシュ":「うぅっ……!?」
"ヴァンキッシュ":炎に巻かれ、変化した腕を振り回して苦しむ。
雨宮珀亜:炎が"ヴァンキッシュ"とそれを追う二人をリングのように取り囲む
"落葉"渡良瀬亜弥:「ナイスだよー、珀亜」音も無く、"ヴァンキッシュ"の背後に降り立つ。
"落葉"渡良瀬亜弥:制服の袖を捲り上げ、白い腕から激しい血飛沫が噴き出す。
"落葉"渡良瀬亜弥:血飛沫は極低温で一瞬で凍結し、風に舞う落葉めいた無数の刃となって、"ヴァンキッシュ"を切り刻む。
"ヴァンキッシュ":「があぁああぁッ……!?」
雨宮珀亜:「其処にいたら熱いだろ。もっとこっちに入ってこい。"ヴァンキッシュ"」
雨宮珀亜:悶え苦しむ"ヴァンキッシュ"に、何かが巻き付く。
"ヴァンキッシュ":「…………!?」
雨宮珀亜:幾つもの刃物が、蜥蜴の尾の様に蛇腹に連なっている。
"ヴァンキッシュ":その様を見て総毛立つ。「やめ──」
雨宮珀亜:自分の右腕から伸びたそれを一息に振りかぶると
雨宮珀亜:それは刃を"ヴァンキッシュ"の肉に食い込ませながら、懐へと引き寄せる。
"ヴァンキッシュ":「がぁあッ……!」
"ヴァンキッシュ":切り裂かれ、血を撒き散らしながらたたらを踏む。
雨宮珀亜:「オーヴァード同士の交戦中の殺害は罪に問われない」その顔面に向けて
"ヴァンキッシュ":「……!」
雨宮珀亜:機械碗による右ストレートが振り抜かれる。
"ヴァンキッシュ":「ごぁっ……」
雨宮珀亜:拳はそのまま男の頭を巻き込んで、地面へと叩きつけた。
"ヴァンキッシュ":鈍い金属音が工場に響き渡り、
"ヴァンキッシュ":「こ……こんなところで……」
"ヴァンキッシュ":「俺が……俺が……やらなきゃ……」
"ヴァンキッシュ":「……」
"ヴァンキッシュ":動かなくなる。
"百舌鳥"敷島涙:「わ~っ!やりすぎ!!」
"百舌鳥"敷島涙:慌てて男に駆け寄る。
雨宮珀亜:「……殺してないはずだ」
"百舌鳥"敷島涙:「……よ、良かった……生きてる……」
"百舌鳥"敷島涙:ホッとしたように深く息を吐く。
"落葉"渡良瀬亜弥:「二人ともお疲れ~」
雨宮珀亜:「当然だろ。巻きつけた時点で膾にもできたんだから」
"百舌鳥"敷島涙:「怖いこと言わないでよぉ……」
雨宮珀亜:「こいつと同じ殴り合いで、殺さずに捕まえる。そういう打ち合わせだっただろ」
"落葉"渡良瀬亜弥:「ルイはビビリだからな~」
"百舌鳥"敷島涙:「だってあんな……グワシャーッってすごい音したし……!」
"百舌鳥"敷島涙:「……でも、うん。良かった。生きてて」
GM:そうして"ヴァンキッシュ"は捕縛され、UGNに身柄を拘束された。
GM:君達は任務を終え、束の間の休養が与えられることとなった。
GM:数日後、N市内の喫茶店。街に遊びに出た君達は昼食を取っていた。
GM:仕事上のみならず、君達はプライベートでも親しい付き合いをしている。もう数年来の関係だ。
"百舌鳥"敷島涙:「あぁ~っ、ピクルス入ってる」
"百舌鳥"敷島涙:サンドイッチを齧って苦い顔をする。
"百舌鳥"敷島涙:「抜いてって言ったよね僕?言ったよね?」
雨宮珀亜:「知らん」ビッグサイズのバーガーを齧る
"落葉"渡良瀬亜弥:「食べないならあたしにちょーだいよ」
"百舌鳥"敷島涙:「いいの?あげるあげる!」
"落葉"渡良瀬亜弥:ピクルスを回収しながら「よく食うねー、珀亜は」
雨宮珀亜:「身体が大きいからな。それより渡良瀬、敷島をあまり甘やかすなよ」
"落葉"渡良瀬亜弥:「だってあたしピクルス好きだし~」もむもむとピクルスを齧っている
"百舌鳥"敷島涙:「う……ほら、キュウリなんてどうせ栄養ないし……食べれなくても良くない?」
"落葉"渡良瀬亜弥:「珀亜も食べたかった?一口あげよっか」
雨宮珀亜:「いらない」
雨宮珀亜:「ピクルスは発酵食品だぞ。元の野菜にはない栄養が大量に採れる」
雨宮珀亜:「好き嫌いは良くない。僕たちの間なら問題ないが」
雨宮珀亜:「敷島はどうせUGNの上役と食事してもこの調子で残すだろ」
"百舌鳥"敷島涙:「そっ……そんなことないよ……!」
"百舌鳥"敷島涙:「息止めてれば飲み込めるし……!」
"落葉"渡良瀬亜弥:「お偉いさんにもピクルス食べてもらおっか」ヘラヘラ笑っている。
雨宮珀亜:「ピクルスだけの問題じゃない」溜息
"落葉"渡良瀬亜弥:「でもそんな時のことまで考えてんだね~、珀亜は」
"落葉"渡良瀬亜弥:「やっぱ将来は出世コース狙いっすか?」
"百舌鳥"敷島涙:「えっ、そうなの?」
雨宮珀亜:「まあ、偉くなって損はないだろ」
"百舌鳥"敷島涙:「え~っじゃあ雨宮そのうち日本支部とか行っちゃうの!?」
"百舌鳥"敷島涙:「やだよ~~ずっとウチいてよ~~」
雨宮珀亜:「やめろピクルス触った手こっち向けるな」
"百舌鳥"敷島涙:「冷たすぎじゃない!?」
雨宮珀亜:「大体、誰が一人で行くって言った」
"百舌鳥"敷島涙:「へっ?」目を瞬く。
雨宮珀亜:「僕はチームの評価を気にしてるんだ」
雨宮珀亜:「上に行くなら三人でに決まってるだろ」
"百舌鳥"敷島涙:「……あ……雨宮~~!」
雨宮珀亜:「触るな鬱陶しい」
"落葉"渡良瀬亜弥:「へー、いいねソレ」
"落葉"渡良瀬亜弥:「楽しそうじゃん。あたしも乗った」
雨宮珀亜:「流石、渡良瀬は話が早いな」
"落葉"渡良瀬亜弥:「まああたしは一人でも大丈夫だけど。珀亜も涙も寂しがり野郎だからな~」
雨宮珀亜:「……と思ったけど前言撤回。鬱陶しいのはどっちも同じだ」
"落葉"渡良瀬亜弥:「素直じゃないヤツー」
雨宮珀亜:「ふん……」バーガーをコーラで押し込んで
雨宮珀亜:「とにかく、敷島が粗相をしたら恥をかくのは僕らなわけだ」
雨宮珀亜:「以後、渡良瀬も教育方針を遵守するように」
"百舌鳥"敷島涙:「うぇ~っ、そこに帰ってくるの!?」
"落葉"渡良瀬亜弥:「珀亜お母さんみたいだね~」
雨宮珀亜:「やめろそれ」顔をそらして
雨宮珀亜:「……僕は子供はいらない」
"百舌鳥"敷島涙:「……大丈夫だよ、雨宮」
"百舌鳥"敷島涙:笑い掛ける。
"百舌鳥"敷島涙:「家族でしょ、僕ら」
雨宮珀亜:「……」敷島の顔の前に手を伸ばして
雨宮珀亜:バチン、と指で額を弾く
"百舌鳥"敷島涙:「いッッッッッてぇ!!?」
雨宮珀亜:「調子に乗るな」
"百舌鳥"敷島涙:「何すんだよーーーー!!もうーーーー!!」
"落葉"渡良瀬亜弥:「あははは、照れてやんの」
雨宮珀亜:「うるさい……」
雨宮珀亜:ふと、目を逸らした先の時計を見て
雨宮珀亜:「おい、映画もうすぐ始まるんじゃないのか」
"落葉"渡良瀬亜弥:「あっ、マジじゃん。行こ行こ」
"百舌鳥"敷島涙:「アザになってるってこれ~……」
雨宮珀亜:「観てる間に治るだろ。どうせ渡良瀬の選ぶ映画なんていつも空いてるんだし」
雨宮珀亜:三人で騒がしく言葉を交わしながら、店を後にする。
雨宮珀亜:(上に行く、出世する……別に、強い拘りも功名心もない)
雨宮珀亜:(偉くなって何か成し遂げたい事とか、志しも持っちゃいない)
雨宮珀亜:(今更父さんを真似るような生き方して、一体何がしたいんだろうな)
雨宮珀亜:「それでも、お前らと一緒なら……」
雨宮珀亜:ほとんど無意識に、横断歩道の向こうへ駆け出す二人の背後で小さく呟いた。
GM:"蛇舅母" "百舌鳥" "落葉"の三人は、その連携で数々の任務を達成し、目覚ましい活躍を見せた。
GM:だが"落葉"渡良瀬亜弥はその後、FHと内通し、UGNの情報を密かに売り渡していた内通者であったことが発覚。逃亡中、追手によって殺害された。
GM:"百舌鳥"敷島涙はそれからすぐに無断でUGNから脱走、行方不明となり
GM:UGNに残ったのは、"蛇舅母"雨宮珀亜ただ一人となった。
GM:シーン終了。ロイス取得可能です。
雨宮珀亜:既に取っているので……今はこのままで!
GM:OK!
【OP/楫かなえ】
GM:楫さんのOPです。登場をどうぞ。
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (40 → 46)
N市市内 マンション
GM:雑多な本や資料の類で散らかった部屋が、今は乾いて黒ずんだ血で染められていた。
GM:部屋の中央に横たわるのは、この部屋の主。UGNエージェント"スケレトゥス"。
GM:Rラボ所属の研究者だが、以前から情報漏洩の疑いありとして査察部にマークされていた人物でもあり
GM:彼が殺害されたことで、査察部の捜査はそのまま殺人事件に対するものへと移行することになった。
GM:部屋には、腹を大きく抉られて死んでいる死体よりも目を引くものがある。
GM:フローリングに大きく描かれた血文字。『Sorcerer』と読める。
GM:同じような血文字が残された、オーヴァードに対する殺人は、このところ市内で連続しており
GM:同一犯による事件として、地区によらず市内を捜査できる査察部が
GM:包括的な捜査を任されることになったという面もある。
楫かなえ:「また……血文字ですか」
楫かなえ:僅かに眉を顰めるのみで部屋の惨状を見回し、そう口にする。ボブカットにブラウス姿の、小柄な少女だ。
鹿骨秋蔵:「惨いですねえ」スーツに身を包み帽子を被った、紳士然とした老人。凄惨な現場に向けて手を合わせる。
鹿骨秋蔵:「Sorcerer……魔術師ですか」
楫かなえ:その様子を見て気付いた風に、自身もまた手を合わせる。
楫かなえ:「魔術師……」
鹿骨秋蔵:「これまでの血文字は……」
鹿骨秋蔵:「第四支部、“ストラトキャスター”が"Seducer"」
鹿骨秋蔵:「同じく“ツークツワンク”が"Grafter"」
鹿骨秋蔵:「それから遺産管理局、“アナバシス”が"Simoniacs"」
鹿骨秋蔵:「第二支部、"ナズグル"が"Traitor"」
鹿骨秋蔵:「最後に第十一支部、“イーニー”が"Thief"……」
楫かなえ:可愛らしい装丁のメモ帳を取り出して開く。
鹿骨秋蔵:「職業、あるいは罪状の名前……といったところですか」
楫かなえ:「“誘惑者”、“詐欺師”、“聖職売買者”、“背信者”、“盗人”」そこに新たに、“Sorcerer”魔術師、と書き加えて。
楫かなえ:「告発……なのでしょうか」
楫かなえ:「しっくりと来ないものもありますけれど……」
楫かなえ:小さく首を傾ける。
鹿骨秋蔵:「今のところ、何らかの被疑者となっていたのはこの"スケレトゥス"だけ……」
鹿骨秋蔵:「わざわざ血文字を残して、犯人は何かを伝えようとしているのでしょうか」
楫かなえ:「……秋蔵さまでも、お分かりにならないのですか?」
鹿骨秋蔵:「はは、何でも分かるなら、僕は神様になってしまいますよ」
鹿骨秋蔵:「分からないことを分かるようにする。真実を明らかにするために捜査があり、僕達がいるんです」
楫かなえ:「なるほど……」
五十嵐トーコ:「すんませーん、遅れましたァーーッ」
楫かなえ:「でも、わたくしにとっては──」
楫かなえ:「?」
五十嵐トーコ:表の方からドタドタと足音が近づいてくる。
五十嵐トーコ:「マジごめんなさい!めっちゃ遅刻しました!」
五十嵐トーコ:派手なメッシュの入ったツインテールと、ゴスパンク系のファッションに身を包んだ長身の女。
五十嵐トーコ:査察部エージェント、"破輪"五十嵐トーコだ。
楫かなえ:(……いいところでしたのに)低い位置から険しくした顔を向ける。
五十嵐トーコ:「オッかなえちゃんもう来てる!おは~」
五十嵐トーコ:馴れ馴れしく手を振ってくる。
楫かなえ:「おはようございます」低い声。
五十嵐トーコ:「しゅーちゃんもおは~。何か分かった?」
楫かなえ:「しゅっ……」
鹿骨秋蔵:「おはようございます、五十嵐さん」ニコリと笑みを向ける。
鹿骨秋蔵:「今から調べるところですよ」
五十嵐トーコ:「マジっすか~?じゃあギリセーフじゃん!よかった~」
楫かなえ:「セーフではありません……!」
楫かなえ:「それに……その……呼び方!」
五十嵐トーコ:「えっ何?」
五十嵐トーコ:「何かマズった?」
楫かなえ:「目上の御方に……秋蔵さまに対して、しゅーちゃんとは何事ですか!」
楫かなえ:「気安すぎます! 礼儀がなっていません!」
五十嵐トーコ:「おおう……えっ何何?そんな怒んなくても……」剣幕に押されるように
五十嵐トーコ:「……あっ!」
五十嵐トーコ:納得したように手を合わせ
五十嵐トーコ:「かなちゃん!?」指を差す
楫かなえ:「そうではなく!!」
五十嵐トーコ:「かなっち?」
楫かなえ:「そうでもなく……もう……」
楫かなえ:何とか言ってください、という目で鹿骨さんを見る。
鹿骨秋蔵:「まあまあ楫さん、そのくらいで。僕なら気にしていないから」
鹿骨秋蔵:本当に気にしていない様子で朗らかに笑っている。
楫かなえ:「むう。そうやって甘やかすから……」
楫かなえ:「そのようにお優しいところも秋蔵さまの素敵なところですけれど……」
五十嵐トーコ:「流石しゅーちゃんは話が分かるな~」
鹿骨秋蔵:「それより現場を調べましょう。保存はしていても、証拠というものは時間が経つほど消えていきます」
GM:ということで判定です
GM:楫さんは《感覚》もしくは《社会》で判定をどうぞ 難易度9です
楫かなえ:ほう……社会で良いとはな
楫かなえ:お優しいことだ……せいぜいその甘さに応えてやるとしよう
楫かなえ:8dx>=9
DoubleCross : (8DX10>=9) → 10[1,3,3,5,5,8,8,10]+10[10]+4[4] → 24 → 成功
GM:やべ~
楫かなえ:フッ……
GM:では楫さんは目ざとく見つけます
GM:雑多に置かれたプリントなど資料類の中に、一枚の封筒が紛れ込んでいる。
GM:封は切られていますが、中身は入っているようだ。様子からするに、開けて確認はしたがすぐに興味を失ったような。
楫かなえ:「あら。これは」
五十嵐トーコ:「おっ?何々?」覗き込んでくる
楫かなえ:念の為、ワイヤーの類が繋がっていないかや、中身が危険なものでないかを探りつつ検める。
GM:それはメッセージカードのようだ。消印はN市内のもの、差出人は無し。
GM:白地にシンプルな黒のフォントで『Sorcerer』と印刷されている。
楫かなえ:「ソーサラー……」床の血文字を一瞥する。
楫かなえ:「まさかとは思いますけれど、予告状を送り付けられていたと?」
鹿骨秋蔵:「死亡推定時刻にもよりますが……少なくとも死後に送られたものではないでしょう」
鹿骨秋蔵:「その可能性は十分にあります」
五十嵐トーコ:「マジすか!?怪盗のやつじゃん!」
楫かなえ:そんな怪盗のような、と言いかけて、五十嵐さんと意見を合わせなくなかったので黙る。
鹿骨秋蔵:「……調べてみましょう。もしかすると、これ以前の事件でも……」
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
楫かなえ:秋蔵さまはもちろん固定ロイスですので……
楫かなえ:五十嵐さんに取ります。
楫かなえ:同僚:五十嵐トーコ 連帯感/〇反感 で。
五十嵐トーコ:マジ~?
楫かなえ:マジです
五十嵐トーコ:ウチらもう友達じゃんね
楫かなえ:違います
【OP/リオ・グッドマン】
GM:リオさんのOPです。登場どうぞ!
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (36 → 42)
GM:FHエージェント"ネロ"は、大規模な虐殺と複数の情報テロへの関与が確実視されている凶悪なオーヴァードであるが、
GM:セル全体でなら"ヘルタースケルター"に匹敵するとも言われるその情報工作能力と、複数の政治的要因により
GM:今日に至るまで、検挙の手を逃れ続けていた。
GM:そんな"ネロ"が来日、N市を訪れる予定であるとの匿名通報が入り、UGNは急遽"ネロ"特別捜査チームを日本に派遣することを決定した。
GM:チームのリーダーは"天網恢々"ミランダ・ローウィン。
GM:数々の迷宮入り事件を解決に導いてきた本部エージェントであり、その人望も厚いという。
GM:彼女が長年チームとして追い続けながらも未だ検挙に至っていないところからも、"ネロ"案件の難しさが伺えた。
GM:今、君──リオ・グッドマンは、来日する彼女を出迎えるために空港に足を運んでいた。
GM:君の適性を見込んでの人選であり、この後はミランダが一時的に身を寄せる査察部まで送り届ける手筈となっている。
リオ・グッドマン:───グビ
リオ・グッドマン:冷たいラクトコーヒーが、渇いた喉を潤す。
リオ・グッドマン:飲み口から漂う甘ったるい香りは、ただそれだけでこの液体の味を想像させて余りある。こいつを人に勧めると、一口飲む前にみんな決まって苦い顔を浮かべるものだ。
リオ・グッドマン:……甘いものを勧めたのに苦い顔をされるのも変な話だな、なんて考えて
リオ・グッドマン:(でも、俺は好きなんだよなー、これ)
リオ・グッドマン:───ストライプの入った黒のワイシャツ、黒のパンツ、トップを遊ばせたツーブロックの赤毛、両耳には左右対称の8つのピアス、右手首に光るのは金色フェイスのロレックス
リオ・グッドマン:一言で表してnotカタギ、そんな風貌の男が、柔らかく微笑む。
リオ・グッドマン:別に、たった今脳が糖を欲しているとかそういう訳ではない。作業中に常飲している事もあり、この一杯は手っ取り早く脳を仕事モードへと切り替える為のスイッチなのだ。
リオ・グッドマン:……それはそれとして、リオ・グッドマンは甘味を好み苦味と辛味が苦手な子供舌ではあるのだが。
リオ・グッドマン:「おっとぉ」腕時計に視線を落として、空港ロビー中央の椅子から立ち上がる。
リオ・グッドマン:「そ、ろ、そ、ろ、かなぁ」背伸びをして、ロビーから手荷物受け取り場の方を覗く。元々周囲より高い位置にあった目線が、更に一段上がった。
リオ・グッドマン:(本部エージェントかぁ、どんな人だろうな。だってこんなでけーヤマの担当官だろ〜?)
リオ・グッドマン:(鹿骨のおいちゃんみてーな渋い系?いや、邦正兄やんみてーなダンディ系の可能性もあるよな。)
リオ・グッドマン:などと、まだ見ぬ優秀な捜査官への期待に、胸を膨らませている。
GM:どこか慌ただしくも、節度を持った利用者たちが行き交う、空港のロビー。
GM:そんな穏やかな空気が────
GM:パン!パンパンパン!
GM:連続する銃声で一変する。
リオ・グッドマン:「───!」
暴れるジャンキー:「全員動くなァーーーッ!!」
暴れるジャンキー:ロビーの中央、拳銃を片手に空港職員を人質にした男。
暴れるジャンキー:口からは泡を垂らし、目の焦点は合っていない。
暴れるジャンキー:「クスリだーッ!さっさとクスリ持ってこい!!」
GM:ざわめき、そして悲鳴。一斉にロビーは恐怖と混乱に包まれる。
リオ・グッドマン:(おいおい)周囲の状況を確認しながら、目測で暴漢との距離を測る
暴れるジャンキー:「動くなって言ってんだろうがァーーッ!!」
暴れるジャンキー:君から20メートルほどの位置で、更に銃を乱射。極めて危険だ!
暴れるジャンキー:「早くしろ~~~ッ!!行動値を上げてえんだよーーーーッ!!」
暴れるジャンキー:意味不明のことを叫びながら、拳銃を振り回す。
リオ・グッドマン:「あんのアホ…何言ってんすかねぇ、んな事したら侵蝕だって進んじまうだろうが」
暴れるジャンキー:なおも騒がしい周囲の様子に舌打ちし、
暴れるジャンキー:「静かにしろって言ってんだろうがーーーッ!!」
暴れるジャンキー:周囲にレネゲイドの圧が放たれる──《ワーディング》だ。
暴れるジャンキー:逃げ惑う周囲の人々が次々に倒れていく。
暴れるジャンキー:「ハァ……ハァ……誰かここにプルートを連れてこいッ!!」
暴れるジャンキー:「俺の家をディズニーランドにするんだよッ!!プルートだ!!プルートがいなきゃ駄目なんだ!!」
リオ・グッドマン:倒れていく人に紛れて、自信も倒れ込みながら
リオ・グッドマン:手に持っていた缶を、暴漢の視界の外に向けて放り投げる
暴れるジャンキー:「……お前ら無視してんじゃねェーーッ!!」倒れ込む人々に対し絶叫して
暴れるジャンキー:「……アアッ?」缶が転がる音に気を取られる。
リオ・グッドマン:後ろ手に回した掌から溢れ出した、黒く小さな立方体がカタカタと組み合わさり
リオ・グッドマン:荒いドット絵のような、小さな自動小銃を形成する
セントエルモの火:肩口、太腿、太腿
リオ・グッドマン:───3発の発砲音
リオ・グッドマン:一発は銃の持ち手の肩口に、残り二発は左右の太ももにそれぞれ着弾し
リオ・グッドマン:自身は受け身を取って立ち上がる。
暴れるジャンキー:「ウギャァーーーッ!?」
暴れるジャンキー:悲鳴を上げる。だがドラッグが作用しきった様子の男は、それでも倒れない。
暴れるジャンキー:「どこのどいつだ!?俺がぶっ殺して──」
GM:その時、暴れる男の鼻孔を、ふわりと甘い香りがくすぐる。
暴れるジャンキー:「はっ……?」ガクン、と弛緩したように膝をつき。
リオ・グッドマン:「……む」
リオ・グッドマン:先程まで飲んでいたコーヒーよりも甘い香りに、多少の気を取られつつ
リオ・グッドマン:その直後の攻撃の波を察知し、物陰に身を隠す
GM:直後、ごう、と熱波がロビーを吹き抜ける。
ミランダ・ローウィン:「うおおおぉおおおーーーッ!!!!!!」
ミランダ・ローウィン:真紅の長髪を靡かせた小柄な女が、ロケットめいた勢いで男に突っ込む。
ミランダ・ローウィン:「喰らえェエーーーッ!!!!!!!」
ミランダ・ローウィン:紅蓮の炎を纏った拳を男に叩き込み、爆発が巻き起こった。
暴れるジャンキー:「ギャーーーーーーッ!?!?」
暴れるジャンキー:男は空中に吹き飛ばされ、何回転かして墜落、気絶する。
リオ・グッドマン:ぽかん、と口を開けながらその一部始終を眺め
リオ・グッドマン:「か…………」
リオ・グッドマン:「かっけぇ~~~~~!!!!」
ミランダ・ローウィン:「皆さぁああああん!!大丈夫ですかああああああ!!!!」
ミランダ・ローウィン:「このミランダ・ローウィンが来たからにはもう安心ですよおおおおおお!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「なにしろ本部エージェントですのでえええええ!!!!」
ミランダ・ローウィン:無暗矢鱈に大きな声で叫び回る。
リオ・グッドマン:物陰からいそいそと姿を現して
ミランダ・ローウィン:「悪者はやっつけましたああああ!!!皆さあああぁあん!!!!」
リオ・グッドマン:「……押忍!!!大多数は気絶してるんでいくらデカい声出そうと届いてないと思うっす!!!!」
リオ・グッドマン:つられて思わずいつもの1.2倍ぐらいの声量で喋る
ミランダ・ローウィン:「あっ!!!そうでした!!!ごめんなさああぁあい!!!」
ミランダ・ローウィン:「ハッ……あなたは!!」くるりと君を振り向いて
ミランダ・ローウィン:「先程はありがとうございました!!!お陰で飛び出すタイミングが作れました!!!」
ミランダ・ローウィン:「感謝します!!リオ・グッドマンさん!!!」バッと直角に頭を下げる。
リオ・グッドマン:「お役に立てたのなら何よりであります!!!本部エージェント、ミランダ・ローウィンさん!!」
ミランダ・ローウィン:「なんと!!!私のことをご存知なんですか!!!」
リオ・グッドマン:「勿論!あなたを迎えにあがるのが、俺に課せられた使命っす!!」
リオ・グッドマン:(……あれ)
リオ・グッドマン:(…いや、すいすい話進むのはいいんだけどよ)
リオ・グッドマン:(……なんか、思ってたのと大分違うな)
ミランダ・ローウィン:「そういえばそうでした!!!当たり前ですね!!!すいませえええん!!!」
アビー・ケリー:「ミランダさぁ~~~ん…………」
アビー・ケリー:後方から二人の女が一足遅れで走ってくる。
リオ・グッドマン:「いやいや……む、そちらは?」
アビー・ケリー:「いきなり出ていったら危ないですよぉ~~……死んじゃいますよぉ~~~……」
アビー・ケリー:一人はいかにも弱気そうな眼鏡の女。
ジャクリーヌ・デスタン:「いや!!流石はミランダさんッス!!バシーッとやっつけてマジかっこよかったッス!!リスペクトッス!!」
ジャクリーヌ・デスタン:もう一人はやたらとはきはきした長身の女。
ミランダ・ローウィン:「二人とも私の部下です!!!頼りになります!!!」
ミランダ・ローウィン:「残りの部下は後の便で来る予定です!!一同よろしくお願いします!!!」
リオ・グッドマン:「おお、そんな大所帯で来るんすね」
リオ・グッドマン:「お初にお目にかかります!N市臨時査察部所属、”黒匣”リオ・グッドマンっす!!」
リオ・グッドマン:後方の二人に向けて頭を下げ
ジャクリーヌ・デスタン:「“サウロペルタ”ジャクリーヌ・デスタンっす!!よろしくッス!!!ミランダさんも我々も凄腕なので期待しててください!!!」やたらと胡麻を擦っている。
アビー・ケリー:「ひぃ~~っ……期待しないでください……死にます……」
アビー・ケリー:「わ、私は“トルバラン”アビー・ケリーです……あ、覚えなくてもいいので……はい……」
ミランダ・ローウィン:「これはご丁寧にどうも!!!!改めて“天網恢々”ミランダ・ローウィンです!!!今回はよろしくお願いします!!!!!」
リオ・グッドマン:「いえ、是非覚えさせていただくっすよ!!」と言いながら、三者の風貌、周囲の状況、この場面そのものを記憶に焼き付けて
リオ・グッドマン:最早何度目か分からないお辞儀の後、ふぅ、と息を吐いて一旦冷静になり、周囲を見回す
リオ・グッドマン:「……取り敢えず、まずは事後処理からっすね!!」
ミランダ・ローウィン:「そうですね!!怪我をしている方が居たら大変です!!手分けして見回りましょう!!!」
GM:斯くして君達のN市到着は、予定よりも数時間遅れることになったのだった。
GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能です。
リオ・グッドマン:マシンモーフィングの使用は可能ですか?
GM:(エフェクトアーカイブを見ている間)
GM:良しとします!
リオ・グッドマン:あざます!では《マシンモーフィング》意志技能で調達判定を行います
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を3増加 (42 → 45)
リオ・グッドマン:狙うのはPDW
リオ・グッドマン:5dx+16
DoubleCross : (5DX10+16) → 10[1,3,7,10,10]+8[2,8]+16 → 34
リオ・グッドマン:買ってウエポンケースに入れます
GM:つっつよすぎ
リオ・グッドマン:ロイスはミランダさんに 〇かっけぇ~/あまり派手にやり過ぎるのもどうかと思うっす で取得!
リオ・グッドマン:以上!
GM:OK!
【OP/皆方アイリ】
GM:皆方さんのOPです。登場どうぞ!
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (29 → 34)
N市 喫茶店
GM:この頃、N市UGNの一部職員の間では、不穏な噂が囁かれていた。
GM:UGN職員を狙った連続殺人事件。捜査情報は秘匿されているが、なにしろ実際に周囲の人間が何人も死んでいるのだから、噂になるのも無理はない。
GM:そんな不穏な空気が漂う中ではあったが、各々の日常はそう変わるものではない。君はいつも通り、交際しているUGNエージェント、“チケット・トゥ・ヒンノム”逢河雷魚と放課後に会っていた。
逢河雷魚:「…………」
逢河雷魚:いつもなら無言でも君の話にはしっかり耳を傾けているが、どうやらそんな様子でもない。
逢河雷魚:ずっとどこかぼんやりとして、上の空だ。顔にも疲れが見える。
皆方アイリ:(ふむ) 話していた学校の友人に関する笑い話にオチを付けた後、一口紅茶を飲んで。
皆方アイリ:「先輩、何かありました?」
逢河雷魚:「……あ? ……ああ……」少しハッとした顔をして
逢河雷魚:「……別に。何もねーよ」視線を逸らす。注文したケーキには殆ど手を付けていない。
皆方アイリ:「なるほど?何もないんですか」
皆方アイリ:「それだとあたし、何もないのに話を聞き流された人になっちゃいますけど」
皆方アイリ:「悲しーなー。せっかくここ最近で一番のネタだったのに」
逢河雷魚:「……」バツが悪そうな顔をして「……悪い」いつになく覇気がない様子で言う。
皆方アイリ:「……うーん」 重症ぽいなぁとちょっと眉根を寄せる。
皆方アイリ:「冗談は一度置きまして。なんかあったんですね?」
皆方アイリ:確信を持った口調でそう言ってさらに続ける。
皆方アイリ:「こういう時先輩が心配とか負担を掛けたくないのは知ってますけど、あたし的には隠される方がよっぽど心配です」
皆方アイリ:「隠しきれるレベルの話でも無いみたいですし……。早めに観念してもらえると嬉しいんですけど」
皆方アイリ:「いかがです?」 と敢えて明るく言って小首をかしげて見せる。
逢河雷魚:「……」しばらく悩むように眉根を寄せるが、やがて隠しても無駄だと悟ったように小さく息を吐く。
逢河雷魚:「……“ナズグル”って名前」
逢河雷魚:「……知ってるか?」低い声で訊ねる。
GM:判定です。
皆方アイリ:判定なんだ 何でです?
GM:情報:噂話 難易度8でどうぞ。
皆方アイリ:コネの噂好きの友人使って判定します
皆方アイリ:4dx>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 9[5,9,9,9] → 9 → 成功
皆方アイリ:幸先良し!
GM:お見事 では知っています
GM:“ナズグル”は、例の連続殺人で殺された被害者の一人だ。
GM:また、FHとの内通者────ダブルクロスであったという噂もある。
皆方アイリ:「……最近よく噂になってるアレの被害者の方でしたっけ」
逢河雷魚:「……ああ」目を伏せる。
皆方アイリ:「……先輩のお知り合いで?」 わざと後者の噂については触れずに。
逢河雷魚:「……」重い沈黙の後「……友達だったんだよ」
逢河雷魚:小さく零す。
皆方アイリ:「それは……」 言葉に詰まる。
逢河雷魚:「悪い……だから言いたくなかったんだ」
逢河雷魚:「こんな事なら今日は断るべきだったな。……悪かった」
皆方アイリ:「……いえ。話しづらいとこ話してくれてありがとうございます」
皆方アイリ:「それに、先輩のことですから。一人で居る時はそのことばっか考えてたんでしょう?」
皆方アイリ:「ちょっとくらい気を紛れさせた方が良いですよ。根詰めるタイプですし」
逢河雷魚:「お前に言われたくねーよ……」少しだけ笑って、紅茶を口に運ぶ。
逢河雷魚:「……あいつが……」深く息を吐き
逢河雷魚:「……牧田が殺されたらしいのは、勿論悲しい」
逢河雷魚:「やった奴は絶対許さねーと思ってる……けど」
逢河雷魚:「……俺は、あいつが裏切者だって言われてることの方が、ずっと許せねえ」
逢河雷魚:机の上で、ぎり、と拳を握り締める。
逢河雷魚:「……あいつがそんなことする筈がねえんだよ」
逢河雷魚:「……あいつが…………」
逢河雷魚:俯き、黙り込む。
皆方アイリ:「……好きなように噂を言う人ってのはどこにでも居るものですよ」
皆方アイリ:自分にも覚えはある。かつて姉が離反した時に、言われた本人だから。
皆方アイリ:「でも、噂はどこまでも噂です。どれだけ広まってもそれで事実が変わる訳じゃないですし」
皆方アイリ:「気にするなって言って出来るものでもないでしょうけど……。気にしすぎて良いこともありません」
逢河雷魚:「……。……そう、だな」深く息を吐く。
逢河雷魚:「……悪いな、慰めさせちまって」
逢河雷魚:「……ありがとな、皆方」
皆方アイリ:「どういたしまして。先輩が凹んでるときに慰めさせてもらえない方が嫌ですよ」
皆方アイリ:「慰めさせるのが悪いことって認識、早めに改めておいてくださいね」
皆方アイリ:カッコつけたがりなのは良いですけど、とちょっとだけ茶化しながら笑って見せる。
逢河雷魚:「……仕方ねーだろ……先輩なんだからよ……」
逢河雷魚:視線を逸らして言って、ようやく最初の一口に口を付けた。
GM:それから数日して、君のもとにある知らせが届く。
GM:────“ナズグル”牧田コウタ殺害、及び連続殺人の容疑者として、逢河雷魚を国内UGN全支部に指名手配。
GM:君はその重要参考人として、N市臨時査察部に召喚されることとなった。
GM:ハンドアウトを更新します。
PC4 皆方アイリ
シナリオロイス:逢河雷魚
君はN市UGNに所属するチルドレンだ。
君は親しいエージェントである“チケット・トゥ・ヒンノム”逢河雷魚といつものように会っていたが、普段とは幾分様子が違う。
君はその理由を知っている。逢河の数少ない友人である“ナズグル”牧田コウタが、つい先日何者かに殺害されたのだ。
そのことに触れようと触れまいと、逢河は君を遠ざけるような態度ではぐらかす。
そうして君達はいつものように別れ――だが数日後、逢河雷魚は行方を晦まし、連続殺人事件の容疑者として手配されることになる。君は重要参考人として、臨時査察部に召喚される。
君は彼を見つけ出し、真実を証明しなくてはならない。
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
皆方アイリ:先輩へはもう取ってるので、〇恋慕/恐怖から〇恋慕/心配にだけ変更しておきます
【Middle1】
GM:ミドル1
GM:合流シーンです。全員登場!
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (49 → 53)
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (45 → 50)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (46 → 52)
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (34 → 40)
GM:臨時査察部が所有する複数のカバー拠点のうち、最も頻繁に使用されるマンションの一室。
GM:広々とした室内で、今は四人が来訪者を待っていた。
GM:部長である鹿骨秋蔵、エージェントの五十嵐トーコ。
GM:そして君達──雨宮珀亜、楫かなえの二人だ。
鹿骨秋蔵:「沢山買って来たけど、お茶請け足りるかなあ」
鹿骨秋蔵:大きなケーキの箱を見て言う。
五十嵐トーコ:「いっぱいあるじゃないっすか~」無遠慮に箱を開けて色とりどりのケーキを覗く。
雨宮珀亜:「……そんな大所帯なんですか。本部の客とか言うのは」
鹿骨秋蔵:「らしいねえ。チームで動いているそうですから」
五十嵐トーコ:「かなっちどれ食う?」
楫かなえ:「わたくしは最後で構いません」
楫かなえ:鹿骨部長にコーヒーを淹れながら答える。
雨宮珀亜:大きな体を部屋の隅のソファに収めて、手元でルービックキューブを解いている。
鹿骨秋蔵:「楫さん、ありがとう。……人望も厚いそうですからね、ローウィンさんは」
鹿骨秋蔵:「日本にも彼女のご友人は多いとか」
五十嵐トーコ:「え~なんかヤな感じっすね~。世渡り上手そう」
楫かなえ:「……もし、お客様がたくさんお召し上がりになるようなら」
楫かなえ:「わたくし、実は本日、ちょうどクッキーを焼いてまいりましたので……」
楫かなえ:「秋蔵さまとわたくしはそちらを……とか……」
楫かなえ:仄かに頬を染めつつ様子を窺う。
五十嵐トーコ:「え~マジ!?あたしも食べていい!?」
楫かなえ:「五十嵐さんはダメです」
五十嵐トーコ:「何でぇ!?」
雨宮珀亜:「ああ、なら僕もそっちでいいですよ」目元まで垂らされた癖毛で視線は見えないが、ふと興味を示したように
楫かなえ:「む……」
雨宮珀亜:「今減量期間なんで。二人は好きなもん食べてください」
五十嵐トーコ:「珀亜クンも気になるよねー、かなっちの手作り」
楫かなえ:「雨宮さまは……ご所望とあらば……」それでも微かに躊躇う風にはしながら。
五十嵐トーコ:「……あっ!?」
五十嵐トーコ:「コードから取ったらどっちもアダ名かなっちじゃね?やべ~~ウケんね笑」
楫かなえ:無反応。
雨宮珀亜:「いや別に」レザージャケットの下には細身ながらも鍛え上げられた筋肉が隠れているのが薄っすらと見える
五十嵐トーコ:「ダブルかなっちじゃん!アハハハやべ~~」全くウケていなくても一人でウケている。
GM:その時、玄関先で鍵の音がする。
鹿骨秋蔵:「……おや、いらしたようですね」
雨宮珀亜:「……」ソファに背を預けたまま、前髪の隙間から玄関の方を睨む
リオ・グッドマン:「っしゃーーーーーす!!!」
リオ・グッドマン:最早なんの区分かも分からない挨拶をかましながら、玄関を上がり
リオ・グッドマン:「ちょいと遅れたけど連れてきたっすよ…お、おいちゃんお疲れっす!」
楫かなえ:「おいちゃん……」
五十嵐トーコ:「リオちゃんおかえり~」手を振る
リオ・グッドマン:「おう、トーコはまた今日も腹冷えそうな恰好してんな!」
ミランダ・ローウィン:「失礼いたします!!!!!!」鼓膜が震えるほどの、近所迷惑な声量。
ミランダ・ローウィン:背筋をシャンと伸ばした姿勢で歩いてきて、びしりと敬礼する。
楫かなえ:「ひゃっ」
雨宮珀亜:「……」びりびりと音圧で肌が震える
ミランダ・ローウィン:「“天網恢々”ミランダ・ローウィン、只今到着いたしました!!!!皆様どうぞお見知りおきを!!!!!!」
五十嵐トーコ:「圧やば」
リオ・グッドマン:「……はい!つー訳でこの片が例の本部エージェントっす!で、後ろの二人が」
リオ・グッドマン:後方の二人に目を向ける
アビー・ケリー:「あのぉ~~……きっ……近所迷惑ですよぉ……訴訟されちゃいますよぉ……」おずおずと後を付いてくる。
ジャクリーヌ・デスタン:「流石ミランダさん!!挨拶も気を抜かないなんてマジパないッス!!」
ミランダ・ローウィン:「こちらは部下の“トルバラン”アビー・ケリーと“サウロペルタ”ジャクリーヌ・デスタンです!!!!」
ミランダ・ローウィン:「後の者は明日ごろ到着予定です!!一同よろしくお願いします!!!」
リオ・グッドマン:「押忍!!簡潔な挨拶あざっした!!」
雨宮珀亜:「……一応聞くが」リオさんの方を向いて
リオ・グッドマン:「ん?どした珀亜!悩み事か!?」
雨宮珀亜:「後から本物の本部エージェントがやってくる類のサプライズ」
雨宮珀亜:「……とかじゃないよな?リオくん」
リオ・グッドマン:「…ふ、うはははははは!!」
リオ・グッドマン:「そんなもんは、無ぇ!!!」
ミランダ・ローウィン:「はい!!!!ご安心ください!!!私が本物の本部エージェントミランダ・ローウィンですよ!!!!!!」
雨宮珀亜:「そうか……」そうであって欲しかったという落胆の色が交じる
雨宮珀亜:「……雨宮珀亜。コードは"蛇舅母"」
雨宮珀亜:座ったままぶっきらぼうに言う
楫かなえ:「……楫、かなえと申します。コードは“エンリエド”」
楫かなえ:「よろしく、お願い、いたします」
楫かなえ:ぎこちなく挨拶を返す。思い切り腰が引けている。
リオ・グッドマン:「ミラねぇ!この人ら、俺よりでけー声に慣れてないんで出来ればもう少しボリューム落としてくれると助かるかもしれねぇっす!!」
ミランダ・ローウィン:「そうなんですか!?!?すいませんでしたあああ!!!」
鹿骨秋蔵:「皆さん、部長の鹿骨です。長旅お疲れさまでした」握手を交わして
鹿骨秋蔵:「こちらの楫さんがコーヒーを用意してくれたので、まずはゆっくりお寛ぎください」
ミランダ・ローウィン:「そうとは!!ありがとうございます!!」ドカッと席に着く。
楫かなえ:「い、いいえ……」人数分のカップを用意しに向かう。
楫かなえ:(三条さま、早坂さま……柳さま、朱南さま、山吹さま)
楫かなえ:(なぜどなたもいらっしゃらないのですか……!)
リオ・グッドマン:「お、ケーキあんじゃん!あの駅前の店っすよね!ラッキー!」
五十嵐トーコ:「リオちゃんどれ食う?かなっちの手作りクッキーもあるって」
リオ・グッドマン:その脇に置いてあるクッキーに視線を移し
リオ・グッドマン:「お、本当だ」
リオ・グッドマン:「かなちゃーん。これ食っていいっすか?」
楫かなえ:「う……」嫌そうに振り向いて。「……二枚までですよ」
楫かなえ:「本当は秋蔵さまだけに召し上がっていただこうと……」
五十嵐トーコ:「マジ!?ありがと~~!!」
楫かなえ:「あなたはダメです!!」
五十嵐トーコ:「うまっ!これ超うまいよ~かなっちプロ行けんじゃね?」
楫かなえ:「あっこの……!」
楫かなえ:「ダメ! ダメって言ったのに!」
リオ・グッドマン:「ん!じゃあ一枚だけ貰うぜ!」
リオ・グッドマン:「俺の分の一枚をトーコにあげたって事で、許してやってくれ!」
五十嵐トーコ:「マジ?さんきゅ~」ムシャムシャ食べている
楫かなえ:(本来は一枚だってあげる予定では……!)
楫かなえ:悔し気に頬を紅潮させつつ、客人にコーヒーを淹れて回る。
雨宮珀亜:「客放ったらかして何やってんだ」大きな手でケーキの箱を持ち上げる→ため息を付きながら、大きな手で余り物のシュークリームを掴む
ミランダ・ローウィン:「こちらのケーキも大変美味しいです!!!御歓迎いただき感謝します!!!」口の周りにクリームをつけ、アビーに拭かれている。
五十嵐トーコ:「かなっちあたしミルクと砂糖たっぷりねー」
リオ・グッドマン:ミルクとスティックシュガーを多めに握って、テーブルの上に置く
リオ・グッドマン:「かなちゃん、こっちに回しな。甘党は甘党で勝手に作るからよ」
楫かなえ:「……痛み入ります。グッドマンさま」言われた通りに二人分をそちらに。
雨宮珀亜:「……僕は水でいい」心なしか眉間に皺が寄っているように見える
楫かなえ:最後に水入りのグラスを雨宮さんの前に置き、自分も席へ。
ミランダ・ローウィン:「しかしこううゆっくりしてはいられません!!我々はあの“ネロ”を追っているのですから!!」勢い込んで拳を握る。
五十嵐トーコ:「あ~ヤバいらしいっすね~、なんか」
ミランダ・ローウィン:「ええ!!!奴は私が10年間追い続けてきた宿敵……!今度こそ必ず逮捕してみせます!!!!」
ジャクリーヌ・デスタン:「10年も諦めないとかやべーっすミランダさん!不屈の精神マジリスペクトっす!」
リオ・グッドマン:「要するに、並の相手じゃないって事っすよね」ミランダに
ミランダ・ローウィン:「はい!!!!奴だけは私がこの手で…………!!」
五十嵐トーコ:「でも今ウチら例の連続殺人の捜査中ッスよね?そっちはどうするんすか?」
鹿骨秋蔵:「一種の取引でね」
鹿骨秋蔵:「ミランダさんの“ネロ”特捜チームが捜査に当たれる体制を整える代わりに、我々はチームからこちらに人手を貸してもらう」
雨宮珀亜:「ああ、二面捜査ですか」
リオ・グッドマン:「聞く限り、ミラねぇのチームは大所帯だ。それが力を貸してくれるんなら、文字通りの百人力っすね」
鹿骨秋蔵:「うん。何しろウチはいつでも人手不足だろう?」笑って「そういうわけで、例外的にね」
楫かなえ:「なるほど……」お盆を胸の前に抱いて頷く。
リオ・グッドマン:「…つっても、そのチームを以てしても十年捕まえられてないのが”ネロ”なんすもんね~~」
ミランダ・ローウィン:「ええ……!周到な奴で、今回を逃せば次のチャンスはいつになるか…………!!!」
鹿骨秋蔵:「ともあれ、連続殺人の捜査も手は抜かないつもりですので、安心してください」
鹿骨秋蔵:「ちょうど今、参考人を朱南くんが護送してくれているはずです。そろそろ着く頃のはずですが……」
朱南文尊:インターフォンが鳴らされずに扉が開く音がする。
朱南文尊:足音を隠そうともせず、次いで気が抜けるような軽い声。
朱南文尊:「容疑者をお連れしましたよ。いや、育ちの良いお嬢さんで助かったかな」
朱南文尊:「時間……遅れたって訳でもないですよね?」
五十嵐トーコ:「オッ、ふみふみだ。おひさ~」
リオ・グッドマン:「おーう文尊!お疲れ!それともこれから疲れんのかな?」
朱南文尊:「お久しぶりです。うわ……人、多いですね。これは酔いそうだ」
朱南文尊:首をわざとらしく振る。
雨宮珀亜:「珍しく意見が合うな」奥から朱南くんのコーヒーを持って近づく
楫かなえ:「お疲れ様です。朱南さま」少しほっとしたように。
リオ・グッドマン:うちの仲間です、とミランダさん一行に軽く紹介して
雨宮珀亜:「というか、容疑者じゃなくて重要参考人だろ」
朱南文尊:「まぁ、メインは俺じゃないんで、そっちに注目して頂けると。あ、遠慮なく入ってね」と後ろに続く人間に促す。
鹿骨秋蔵:「朱南くん、お疲れさまです。彼女は?」
雨宮珀亜:「世の中の男女がどいつも共犯者ってわけじゃない」
朱南文尊:(共犯者でない事例はなかったかな)皆方さんに首を向ける。
皆方アイリ:朱南の後ろから部屋へと入ってくる。隠れそうな程度には小柄な少女。
皆方アイリ:「N市支部所属、"ニュートロン・スター"皆方アイリです。召喚に応じて参上しました」
皆方アイリ:ぺこりと一礼。笑みを浮かべてはいるが、状況故にか纏う空気はやや硬い。
鹿骨秋蔵:「おいでくださってありがとうございます、皆方さん。緊張するなと言っても無理かもしれませんが……どうぞ力を抜いてください」
朱南文尊:「そうですね、緊張はしないで良いかな。今は拷問が得意な人も脳探り屋もいませんしね」
五十嵐トーコ:「え~っ可愛い子じゃん!この子犯人なんすか?」
楫かなえ:お盆で五十嵐さんの頭を小突く。
五十嵐トーコ:「あてっ」
楫かなえ:「違いますし、うるさいです」
楫かなえ:(可能性はあるかもしれませんけれども……)
雨宮珀亜:「だから参考人。……容疑者の“チケット・トゥ・ヒンノム”と交際している。と聞いている」
雨宮珀亜:「間違いはないな?」皆方さんへ
皆方アイリ:「間違いありません」 容疑者の言葉に心中でだけ眉を顰めつつ。
リオ・グッドマン:「う~~~むそういう事情か…」
鹿骨秋蔵:「あくまで現状、“チケット・トゥ・ヒンノム”は容疑者です。犯人ではありません」
鹿骨秋蔵:「真実を明らかにするためにも、彼女の協力を仰いだという形です」
鹿骨秋蔵:本来、容疑者の身内は捜査から外されるのが常だ。このような事例は異例と言える。
リオ・グッドマン:「そりゃ心強いは強いっすけど、いいんすか?たらればの話になっちゃうけど」
リオ・グッドマン:「どんな情報が出てくるのか分かったもんじゃないっすよ?」皆方さんに目を向けて
ミランダ・ローウィン:「ええ!!捜査資料を読んだところ、彼の容疑は濃厚かと思われますが!!!!」
雨宮珀亜:「………」前髪の隙間からじろりとミランダを睨む
皆方アイリ:「仮に事実がどういうものであれ、後から知らされるより自分で知る方がよっぽど良いです」
皆方アイリ:「もし信用が出来ないのであれば、いつでも外していただいて構いませんし」
皆方アイリ:「捜査の過程で何が起こっても不満はありません」
リオ・グッドマン:「ん!なら良し!ほら、好きなもん選びな!!」スパッと言って、ケーキの箱を示す
皆方アイリ:「……え」 笑顔ながらも毅然としていた態度が崩れたように驚いた顔をする。
リオ・グッドマン:「ケーキよケーキ、もしかして甘い物は嫌いっすか?」
皆方アイリ:「あ、いえ。……じゃあチョコ頂いても?」
リオ・グッドマン:「おう!持ってけ持ってけ!かなちゃん、彼女はクッキー何枚っすか?」
皆方アイリ:ケーキとか出るんだ……とか、扱い思ったより軽いな……とか、色々思いつつ大人しく受け取る。
楫かなえ:「……別に、何枚でも」
楫かなえ:「わたくしの手作りなので、味は保証しかねますけれど」じっと皆方さんを窺うようにして言う。
五十嵐トーコ:「エ~ッ!?あたしは!?」
楫かなえ:「あなたはダメです」
雨宮珀亜:「……下手に隠して後から独断で動かれても厄介だ。こういうのは」
雨宮珀亜:「脱走騒ぎなんてことになったら余計な手間が増えるしな。僕も彼女を入れることに異論はない」
鹿骨秋蔵:「……二面捜査にはなりますが、“ネロ”ほどの情報戦強者が、いまN市で起こっている事件を知らない筈がありません」
鹿骨秋蔵:「二つの事件はどこかで必ず関わってくる……僕はそう考えています。まあ、今はただの勘ですが」
雨宮珀亜:「わざわざこの時期にこの街を訪れたからには」
雨宮珀亜:「何らかの方法で事件を利用するつもりか、或いは事件そのものに関わっているか」
鹿骨秋蔵:頷く。
リオ・グッドマン:「繋がるなら繋がるで結果オーライっすよ、事件が繋がるって事は、分かれたチームも繋がるって事なんで!」
鹿骨秋蔵:「皆方さんも、あまり気を落とさないでください」
鹿骨秋蔵:「我々はあなたの敵ではなく、真実の味方ですから
皆方アイリ:「……了解しました。改めて、よろしくお願い致します」
ミランダ・ローウィン:「ウオオオ……燃えてきました!!!このミランダ・ローウィン、必ずや事件を解決に導いてみせます!!!!!」
リオ・グッドマン:「おっしゃぁ!!一丸となって頑張りましょう!!おーーーっっ!!!」
雨宮珀亜:(……真実の味方、か)集まった面々の声をどこか遠くに聴いて
雨宮珀亜:(真実が僕らに味方してくれた時が、果たしてどれだけあっただろうな……)
朱南文尊:「お。みんなやる気で良い事かな。じゃあ、頑張ってね」などと軽く笑って席を立つ。
朱南文尊:「俺も実に手伝いたいけどね(棒)。他にやる事があるんで、応援してるよ」
五十嵐トーコ:「え~っ、もう行っちゃうんだ。おつかれ~」
楫かなえ:「ああ……」若干縋るような視線。
朱南文尊:いや、大変そうな仕事からは逃れられてラッキーだ。と言う顔をしている。
朱南文尊:「はは。給料分の仕事はやってくるんで。そっちの人出が足りなかったら給料上げてくださいね。じゃ、行ってきますね部長」
鹿骨秋蔵:「ええ。ありがとうございました、朱南くん」
鹿骨秋蔵:「そちらの件も、よろしくお願いします」
朱南文尊:「あんまり期待はしないでくれると嬉しいですね」そんな冗談を言ってマンションから出ていく。
雨宮珀亜:(昔からああいった調子の男だったが)朱南とはチルドレン時代に何度か任務で協働したことがある。
雨宮珀亜:(少し表情が変わったか……?)去っていく背中に訝しむ視線を投げかけた。
皆方アイリ:楫さんのクッキーも受け取って席に座りつつ、こっそり一つ息をつく。
皆方アイリ:先輩とは喫茶店で会って以来連絡が付かない。LINEの既読すらない。
皆方アイリ:また思い詰めているのだろうかと思っていたら、突如指名手配と召喚の連絡が来た形だ。
皆方アイリ:(噂は噂。容疑は容疑)
皆方アイリ:(どれだけ広がっても事実は変わらない)
皆方アイリ:なら、先輩が犯人である筈はない。少なくとも自分はそう信じている。
皆方アイリ:それでも、容疑がかかるということは関係はしているのだろう。また何かに巻き込まれたとか。
皆方アイリ:(だから、あたしが事実を見つけなきゃ)
皆方アイリ:そして、多分一人で何かを抱えてるあの人を迎えに行ってやる。見つけて笑いかけてやる。
皆方アイリ:『こんなとこで何やってんですか。早く帰りますよ』って。
皆方アイリ:秘めた決意をもう一度確かめて。いつも通りの笑みで一口ケーキを頬張った。
GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可能です。
リオ・グッドマン:ロイスは一旦保留で
楫かなえ:ロイス悩むな……今回は保留します
皆方アイリ:こちらもロイス保留します
楫かなえ:購入は強化ビジネススーツを。
楫かなえ:8dx+1>=19
DoubleCross : (8DX10+1>=19) → 10[1,1,2,3,4,7,7,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗
楫かなえ:む
皆方アイリ:購入は応急とか狙っておこうかな
リオ・グッドマン:《オリジン:レジェンド》精神判定達成値+10して《マシンモーフィング》意志技能で調達判定を行います
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を5増加 (50 → 55)
楫かなえ:財産3点使って買っておきます。たぶんこれはペイできるだろう……
皆方アイリ:2dx+1>=8
DoubleCross : (2DX10+1>=8) → 10[9,10]+8[8]+1 → 19 → 成功
皆方アイリ:なんか出目めっちゃ良いな……持っておきます
リオ・グッドマン:目標は世界制服
リオ・グッドマン:5dx+26
DoubleCross : (5DX10+26) → 9[2,2,6,6,9]+26 → 35
楫かなえ:スゴ
リオ・グッドマン:ジャスト購入!装備します
雨宮珀亜:皆方アイリ 有為/悔悟○ でロイスを取ります
GM:やばすぎ
雨宮珀亜:何でも買えるじゃん
リオ・グッドマン:通常の購入は応急手当
雨宮珀亜:私は応急にしとこ
リオ・グッドマン:1dx+4
DoubleCross : (1DX10+4) → 10[10]+10[10]+10[10]+5[5]+4 → 39
リオ・グッドマン:?
GM:??????
雨宮珀亜:???
リオ・グッドマン:超高級応急手当
楫かなえ:何??
GM:なんでこっちまで強いんだよ
雨宮珀亜:1dx+1>=8
DoubleCross : (1DX10+1>=8) → 8[8]+1 → 9 → 成功
リオ・グッドマン:と、取り敢えず購入して以上!
皆方アイリ:1個で35って何
雨宮珀亜:貧乏人は普通に購入。以上!
楫かなえ:あってかあれか ばでむ貰えばよかったのか
皆方アイリ:あ、そうじゃん
皆方アイリ:今からでも飛ばして良いです?
GM:いいよ~
皆方アイリ:じゃあ飛ばします+3で19ですよ
楫かなえ:助かります!
楫かなえ:最強エンブレム様々
【Masterscene1】
?:「……予定変更だと!?」
?:「聞いておらぬぞ、そんな事……!それでは余の帰郷が遅れるではないか!!」
?:薄闇の中、一人の男が通信端末に向けて口角泡を飛ばす。
?:「すぐにでも帰ってやらねば民たちが悲しむというのに!!」
?:「……ええい、貴様、足元を見おって…………!」
?:「……良かろう、今回だけは寛大な慈悲を持って許してやる!」
?:「だがもし宝が余の手元に入らなかったら……その時は覚悟しておくことだな!剣闘士よりも過酷な運命を負わせてやるぞ!」
?:怒鳴り付けるように通話を終え、別の相手に通話を掛ける。
?:「……うむ、余だ。予定変更だ」
?:「少し滞在が伸びる。あちらにもそう伝えておけ」
?:「何?……いいや、文句など許さんと言っておけ」
“ネロ”:「何しろ余こそ、誇り高きローマ皇帝なのだからな」
【Middle2】
GM:情報収集シーンです。全員登場可能。
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (53 → 57)
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (55 → 59)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (52 → 56)
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (40 → 44)
GM:情報項目はこちらになります。
・“ネロ”について①
情報:UGN/FH 難易度9 楫かなえは達成値+3
・“ネロ”特捜チーム
情報:UGN 難易度10 リオ・グッドマン、楫かなえは達成値+3
・連続殺人事件①
情報:噂話/UGN 難易度12
・逢河雷魚について①
情報:噂話/UGN 難易度9 皆方アイリは達成値+3
GM:てわけして がんばってね!
リオ・グッドマン:ふむふむ
雨宮珀亜:むふんむぬ
皆方アイリ:じゃあ先輩について行きたいです
楫かなえ:ボーナス的にはネロについてに行くのがよさそうだけど
楫かなえ:連続殺人を雨宮さんに開けてもらうのきびしめな気もする
雨宮珀亜:自慢じゃないけど私の社会は1です
GM:あっこれ難易度ミスってますね
GM:すいません 9です
皆方アイリ:あ、良かった
リオ・グッドマン:良かった
雨宮珀亜:バデムもあると考えればなんとかなりそう
皆方アイリ:必要とあらば飛ばしますよ~
リオ・グッドマン:じゃあ順当にボーナス踏めるところ行く感じで
楫かなえ:がんばって~
楫かなえ:では心置きなく“ネロ”について①を
楫かなえ:ミーミルをコネUGN諜報部に変化させて判定します
楫かなえ:8dx+4>=9
DoubleCross : (8DX10+4>=9) → 9[2,4,5,5,6,7,7,9]+4 → 13 → 成功
皆方アイリ:こっちはコネ使いつつUGNで逢河雷魚について①振ります
皆方アイリ:4dx+1>=9
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 9[6,6,6,9]+1 → 10 → 成功
雨宮珀亜:連続殺人事件①行きます情報:UGN、コネ使用
雨宮珀亜:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 9[4,9,9]+1 → 10 → 成功
リオ・グッドマン:こちらは”ネロ”特捜チームについてを
リオ・グッドマン:《生き字引》使って意志技能判定
リオ・グッドマン:6dx+13
DoubleCross : (6DX10+13) → 10[1,3,7,9,10,10]+7[3,7]+13 → 30
GM:????????
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1増加 (59 → 60)
GM:異常だよ
楫かなえ:リオくんずっと強いな
雨宮珀亜:リオくんはなんなの
リオ・グッドマン:ここで働く為のキャラなのでぇ…‥
皆方アイリ:侵蝕1の結果じゃないでしょ
GM:ともあれ全成功!情報開示します
・“ネロ”について①
情報:UGN/FH 難易度9 楫かなえは達成値+3
“ネロ”はFH“エルダーズ”セルに所属するエージェントだ。
“エルダーズ”は古代種とその信奉者によって構成されるセルであり、20年前のレネゲイド大拡散以前、自分達だけがオーヴァードの力を振るえた絶頂期を取り戻すため、他のオーヴァードを排除しようとしている過激派セル。
中でも“ネロ”は情報戦・電子戦に長けた信奉者を数多く抱えており、チーム全体では“ラットフィンク”セルリーダー“ヘルタースケルター”に匹敵すると言われる。
性格は残忍で傍若無人かつ気まぐれな『暴君』であり、歴史に語られる皇帝ネロそのままだと言う。
平時は東南アジアの小国、ルビンカ共和国を拠点とし、そこから動くことはまず無い。今回の来日は極めて異例である。
ルビンカでの大規模虐殺に関わっているとされるが、一般・UGN含め情報は乏しい。
→“ネロ”について②
・“ネロ”特捜チーム
情報:UGN 難易度10 リオ・グッドマン、楫かなえは達成値+3
UGNの“ネロ”特別捜査チームはミランダ・ローウィンとその部下、総勢15名ほどで構成されており、10年前から“ネロ”案件の捜査に当たっている。“ネロ”自体の検挙には至っていないが、迷宮入りとされた数々のR事案を解決に導いている、本部でも名の知れた敏腕チーム。主要メンバーは以下の3名。
“天網恢々”ミランダ・ローウィン
UGN本部エージェント。非常に正義感の強い直情型の性格だが、それ故にある種のカリスマ性があり、UGN内にシンパも多いため本部内の政治バランスで無視しきれない存在。
性格上自ら直接戦闘に打って出ることが多いが、実際には支援・妨害に長けた能力。
低身長を気にして厚底靴を履いている。
“トルバラン”アビー・ケリー
ミランダの右腕と言える部下。戦闘能力は皆無だが、精密なエグザイル能力を持っており、どんな顔形でも再現可能。
非常に弱気で臆病な性格であり、何かあるとすぐに気絶してしまう癖がある。
“サウロペルタ”ジャクリーヌ・デスタン
特捜チームに入ったのはこの数年だが、目覚ましい功績でミランダの腹心に上り詰めたエージェント。
ソラリスシンドロームによる補助能力とキュマイラシンドロームによる直接戦闘力を高いレベルで兼ね備えるが、ミランダに媚びへつらう態度があまりにも目に余るとチーム内でも評判は悪い。
・連続殺人事件①
情報:噂話/UGN 難易度12
N市内で頻発している殺人事件。事件が広範囲かつ複数の地区に跨っているために関連性の発覚が遅れ、当初は別々の事案として別の支部によって捜査されていたために初動捜査も遅れた。
現場には被害者の血で書かれた文字が残されており、また“スケレトゥス”の事件現場での発見から遡って調べてみたところ、いずれも自宅、支部、カバー先の職場などに事前に血文字と同じメッセージカードが送付されていたことが発覚した。
だが“ナズグル”だけはメッセージが発見されておらず、どこかに捨てたか何者かに奪われた可能性がある。
被害者はいずれもUGN職員だが、一部を除いて交流などは無かったと見られ、共通点は不明。UGN自体に対するテロという見方が濃厚。
以下は被害者の所属とメッセージの内容。
第四支部:“ストラトキャスター”:Seducer
第四支部:“ツークツワンク”:Grafter
遺産管理局:“アナバシス”:Simoniacs
第二支部:“ナズグル”:Traitor
十一支部:“イーニー”:Thief
第四支部(Rラボ):“スケレトゥス”:Sorcerer
・逢河雷魚について①
情報:噂話/UGN 難易度9 皆方アイリは達成値+3
“ナズグル”の殺害現場から指紋とレネゲイド反応が検出され、周囲の防犯カメラ映像などからも“ナズグル”殺害および連続殺人事件の容疑者として有力視されているUGNエージェント。確保寸前で自宅から逃亡し、現在全国のUGNに手配済み。
ウロボロスのピュアブリードであり、元々高い戦闘能力で知られるエージェントだったが、冷たく愛想の無い威圧的な性格で、生活態度は悪かったらしい。
制御の難しい無形遺産“アラハバキ”の契約者でもあり、今回の事件は遺産の制御失敗、もしくはそれに関連する殺戮衝動の暴走と見られており、極めて危険な状態として交戦許可が下りている。
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リオ・グッドマン:ゴト
リオ・グッドマン:昼下がりの公園、木製のベンチ、不自然に真ん中に空けられたスペースに、缶が二つ置かれる
リオ・グッドマン:一本はいやに甘いミルクコーヒー、もう一本は微糖の缶
リオ・グッドマン:どっちがいい?と、分かり切った事を伺うように、雨宮珀亜へと視線を向ける
雨宮珀亜:「……」眼を合わせずに微糖の缶を手に取る。
リオ・グッドマン:「はは、あざーっす」
リオ・グッドマン:カシュ グビ
雨宮珀亜:リオから見てベンチの反対側、マンションでのジャケット姿ではなく、ジャージを着て座っている。
雨宮珀亜:その体格と相まって、減量中のボクサーを彷彿とさせる。
雨宮珀亜:「毎日そんなもの飲んでよく太らないな」
リオ・グッドマン:「その分頭使ってるんすよ」
リオ・グッドマン:「身体も、珀亜ほどじゃないけど鍛えてるしな!」
リオ・グッドマン:そう言って、ジャージ姿をまじまじと見つめ
リオ・グッドマン:「うはは」
リオ・グッドマン:「チンピラみてー」
雨宮珀亜:「……お前に言われたくない」
雨宮珀亜:蓋を開けないままのコーヒー缶を握る手に力が入る
リオ・グッドマン:「それ言うのは無しだろ~?」
リオ・グッドマン:「…ちょい、ちょいちょいちょい!」
雨宮珀亜:「……なに」
雨宮珀亜:鬱陶しそうに顔を背けて
リオ・グッドマン:「そうカッカしねーでもいいだろ、案外その辺ストレートだよな、珀亜って」
リオ・グッドマン:「ミラねぇに対してもちょっちキレてただろ?」
雨宮珀亜:「別にキレてない。大抵の人間は騒がしいのが苦手なんだ」
雨宮珀亜:「特に時と場合を弁えない奴がな」
リオ・グッドマン:「優しぃっすね、アイリちゃん気遣ってた訳だ」
雨宮珀亜:「なんでそうなる……」
リオ・グッドマン:「少なくとも、俺はそう捉えたって話っすよ」
リオ・グッドマン:「……は!つーかまさか俺の事も嫌い!?」
雨宮珀亜:「……安心しろ。任務に好き嫌いを持ち込む程未熟じゃない」
リオ・グッドマン:「遠回しに嫌いって言われてるぽいーー!」嘆きながらも、笑顔は崩さない
雨宮珀亜:「騒ぎすぎだ。わざわざ他人のふりして会ってる意味ないなこれ……」
リオ・グッドマン:「”初めて会って意気投合した他人”!って事にすりゃいいんすよ」
リオ・グッドマン:「こんな時間に公園でくだ巻いてる大人同士、何か通じ合うもんでもあったんじゃないっすか?」
雨宮珀亜:「フン、初対面で馴れ馴れしくしてくる奴に碌な奴はいない」ベンチの背に保たれて
雨宮珀亜:「そう言う意味では、確かにお似合いかもな。お互いに」
リオ・グッドマン:「お、今壁壊れたっすか?」
雨宮珀亜:「なんでそうなる……試してみたいなら好きにしろ」
雨宮珀亜:「壁の中で動けなくなっても知らないけどな」
リオ・グッドマン:「うはは、データリセットしたくねぇ~~!」
雨宮珀亜:「ああ。大人しく壁に向かって話してた方が賢明だ」
雨宮珀亜:「僕もそうする」
リオ・グッドマン:ひとしきり笑って「へーへー、珀亜はそれで丁度いいって事っすね」
雨宮珀亜:「わかればいい」隣の男のニヤニヤ顔には気付かずに
リオ・グッドマン:ガンブレードでも作ってやろうか?そう言いかけて
リオ・グッドマン:……視線の先、鬼ごっこをしている三人組の子供が目に入る
雨宮珀亜:「……」リオの視線の先に気づいて
リオ・グッドマン:「昔からずっと気になってたんすけど」
リオ・グッドマン:「鬼ごっこってさ、どうやったら終わるんすかね」
雨宮珀亜:「それは……疲れたら終わるんじゃないか?」
雨宮珀亜:「子供の体力なんて保って30分だ」
リオ・グッドマン:「そうかぁ?疲れてる事にも気づかずに走るんじゃねぇの?」
雨宮珀亜:「全員疲れて飽きた時に、運悪く鬼だった奴が負け」
雨宮珀亜:「そんなものだろ。子供の遊びなんて」
雨宮珀亜:「む……」
雨宮珀亜:「どうだろうな。僕にはそういった経験はない」
リオ・グッドマン:「単純に覚えてねーだけの話じゃないんすか?」
雨宮珀亜:「かもしれないけどな。物心ついた時にはそういった環境じゃあなかったし」
雨宮珀亜:「だが、チルドレンの訓練でもああいった趣向の物はあったさ」
リオ・グッドマン:「あー」
リオ・グッドマン:「流石に訓練じゃあ、疲れを忘れるわけにはいかねーっすね」
雨宮珀亜:「鬼じゃなくてジャームの役だったけどな。ただ大抵は制限時間がつく」
雨宮珀亜:「ついでに言うと鬼は交代制じゃなくて増殖するルールだ。一度鬼になったら鬼のまま」
リオ・グッドマン:「世知辛い事やってんなぁ」
雨宮珀亜:「制限時間内に鬼を全員排除するか、全員鬼にするか。より現実に即してるだろ」
リオ・グッドマン:「うはは、確かに。共通点があるっつったら……お」
リオ・グッドマン:鬼ごっこをしていた三人の内二人が、親に連れて帰られるのが目に入る
リオ・グッドマン:「…一人じゃ出来ねーって事っすかね」
雨宮珀亜:「……」その様子を前髪の隙間から眺める。
リオ・グッドマン:「はてさて、一人取り残されたあの子は、これから何をして過ごすのか」
リオ・グッドマン:「俺はブランコに賭けるけど、珀亜は?」
雨宮珀亜:「なんの賭けだまったく……」小さく舌打ちして
雨宮珀亜:「……ジャングルジム」
リオ・グッドマン:「うはは」
雨宮珀亜:「で、勝ったら何が手に入るんだ?」
リオ・グッドマン:「そりゃ勿論」
リオ・グッドマン:「お好きな缶缶をもう一本だ」
雨宮珀亜:「……本気で太るぞ」
リオ・グッドマン:「おっとぉ!負け前提の考えとか弱腰にも程があるっすよ!」
リオ・グッドマン:「じゃあ、もうちょい見させてもらうっすかね。前にも後ろにも進まない乗り物か、自分の力で登る鋼鉄魔城か」
雨宮珀亜:嘆息しながら、もう一度一人残された子供の姿を眺める。
雨宮珀亜:(もしも、自分にも迎えが来るのなら)
雨宮珀亜:(高い場所に登るだろう)
雨宮珀亜:(一秒でも早く、その姿を見つけられるように)
雨宮珀亜:「……」そうして暫くして
雨宮珀亜:「……おい、賭けを見守るのはいいが」
雨宮珀亜:「仕事を忘れてるだろ。いい加減初対面のチンピラ同士でも打ち解けた頃だ」
リオ・グッドマン:腕時計に視線を落として
リオ・グッドマン:「……やっべ!!!!!」
雨宮珀亜:「報告」リオにもらったコーヒーを一口で飲み干して、空き缶を返す
雨宮珀亜:その底面には、小さなメモリーカードが貼り付けられている。
雨宮珀亜:「細かい内容はそれに入ってる。記録に残せない情報は今口頭で」
雨宮珀亜:「そっちからどうぞ」
リオ・グッドマン:ミランダのチームについて、その概要、プロフィールを、そらのまま一字一句違える事なく話す
雨宮珀亜:「本部エージェントってそんなんで務まるのか……?」げんなりした様子で
雨宮珀亜:「まあいい。こっちは……」
雨宮珀亜:賭けの結果が出るのは、もう暫く掛かりそうだ。
N市 ファストフード店
楫かなえ:「……わたくしが選んでおいて何なのですけれど」
楫かなえ:「すこし騒々しいですね」
楫かなえ:眉根を寄せる。軽快なミュージックと喧騒。
皆方アイリ:「まあ、この時間ですしねぇ。でもこれくらい騒がしい方が案外人に聞かれずに済みますよ」
皆方アイリ:そうヘラりと笑いながらポテトを摘まむ。その姿はごく普通の放課後を過ごす女子高生にしか見えない。
楫かなえ:「そういう意図もあるのでしょうか。普段から来る方々には」
楫かなえ:「仕事の話にしろ、恋の話にしろ」
楫かなえ:「あまりぴんと来ませんね……」
皆方アイリ:「聞かれないのもそうだし、後は多少長居しても良いとかポテトが美味しいとか?」
皆方アイリ:「後大事なこととしては、お値段もお手軽です」
楫かなえ:「む……値段。なるほど」
楫かなえ:「たしかに……家計にも気を使えなければ良き妻とはなれぬやも……」
皆方アイリ:「ふふ。楫さんとあたしじゃあお財布事情も違ったりするかもですけど……」 言葉の途中で楫さんの呟きを聞いて。
皆方アイリ:「楫さんて夢は素敵なお嫁さんだったりします?」
楫かなえ:「まっ」瞬時に顔を赤くする。
楫かなえ:「そ、そこまではまだ……!」
楫かなえ:「ああでも……もし秋蔵さまが求めてくださるのなら……」
楫かなえ:「そんな……いけません……」
楫かなえ:頬を押さえてもじもじとし出す。
皆方アイリ:「秋蔵さまって……あ~。なるほどなるほど」
皆方アイリ:ちょっと意外そうながらも何かを納得したように頷いている。
皆方アイリ:「お優しそうな方ですもんねぇ」 他のメンツと比べて、というのは伏せつつ。
楫かなえ:「……はっ」
楫かなえ:「実際にお優しいのです」
楫かなえ:こほん、と咳払いをして。
楫かなえ:「……皆方さまは?」
楫かなえ:「その、恋仲でいらっしゃるのでしょう」
楫かなえ:「件の。逢河さまとは」
皆方アイリ:「ん」 来たか、と内心思いつつ。
皆方アイリ:「顔と態度で損してるけど、ああ見えて優しい人ですよ」
楫かなえ:「ふむ」
楫かなえ:「表向きからは分からぬ人となりをご存知なのですね」
皆方アイリ:「悪ぶってるとこありますからね。下手ですけど」
楫かなえ:「信じていらっしゃいます?」
楫かなえ:何を、とは言わず問う。
皆方アイリ:「勿論」
皆方アイリ:何を、とは問わないまま答える。
皆方アイリ:「とはいえ。あたしが信じてるのと、他の人に信じてもらうのは別の話ですし」
皆方アイリ:「ひとまずは事情を全部知りたいですね。関わってたのは事実みたいですから」
楫かなえ:「それについては、追々叶えられることでしょう。秋蔵さまの率いられる部隊ですから」
楫かなえ:「なので、わたくしがあなたをお呼び立てしたのは、個人的なところです」
皆方アイリ:「ふむ。と言いますと?」
楫かなえ:「……なぜ信じると言い切れるのです」
楫かなえ:「本当は、あなたに本性を隠し通していたのかも」
楫かなえ:「あるいは優しくても、優しいままに、人を殺めていたのかも」
楫かなえ:「あなたの内にある信頼は、どこからやって来るのですか」
皆方アイリ:「……そうだなぁ」
皆方アイリ:思案するようにふっと視線が中空を泳いで。
皆方アイリ:「例えば。ただの一後輩ってだけだったあたしに泣きつかれてコートをめっちゃ濡らされた時とか」
皆方アイリ:「あたしと姉の喧嘩であたし以上に姉にキレてくれた時とか」
皆方アイリ:「めっちゃくちゃめんどくさいことであたしがキレたのに、全然気にもせず言ってほしい言葉をくれた時とか」
皆方アイリ:「……数えたらキリ無いですね」
皆方アイリ:「あの人はお人好しで、人を傷つけるのが苦手で、その分自分が傷つくタイプで」
皆方アイリ:「そういうとこばっか見てきたので。あたしはそうだって信じてます」
皆方アイリ:「傍から見たら盲目に見えるかもですけどね」
皆方アイリ:そう言ってけらりと笑う。
楫かなえ:「……」ふるふると首を振る。
楫かなえ:「確かに盲目としか思えません」
皆方アイリ:「ありゃ。意外と手厳しいですね、楫さん」
楫かなえ:「でも、きっと、その方がいいのだと思うことにします」
楫かなえ:「恋する乙女の先達の言葉ですから」
皆方アイリ:「…………」 自分でネタにはしたものの、正面から言われるとなんというか。
皆方アイリ:照れるというかハズイというかシンプルに気まずいというかで、すっとシェイクに手を付けて誤魔化す。
楫かなえ:「……初めてだったのですけれど」
楫かなえ:気のない様子でポテトに指を伸ばしつつ。
楫かなえ:「クッキー」
楫かなえ:「お口に合いました?」
皆方アイリ:「美味しかったですよ、とても」
皆方アイリ:「それに、好きな人に食べてほしくてクッキー焼いてくる子が居るんだなって思うと」
皆方アイリ:「大分心が和みました。肩ひじ張らずに仕事できそうで助かります」
楫かなえ:「気を遣ってほしかったわけではありません」つんと顔を逸らして。
楫かなえ:「でも。そうですね」
楫かなえ:「わたくしはまだまだ精進が必要な身ですから」
楫かなえ:「今しばらくは、あなたの信じ方に倣ってみようと思いました」
楫かなえ:「だから、共に頑張りましょう」
皆方アイリ:「そう言っていただけると話した甲斐もありますねぇ」
皆方アイリ:「改めて、よろしくお願いします」
楫かなえ:「はい」
楫かなえ:「愛する人を信じるのが正しいんだって、思わせてください」
---
GM:明朝、それぞれの捜査を進める査察部一同に、ひとつの報せが飛び込んできた。
GM:UGNエージェント“300o'clock”が、第三地区の路上で遺体となって発見。
GM:現場には、被害者の血で血文字が残されていた。
GM:──七件目の殺人だ。
GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可能です
皆方アイリ:ロイスは楫さんに〇共感/羞恥で取ります
皆方アイリ:購入はワンチャンメイド服チャレンジかな
皆方アイリ:2dx+1>=20
DoubleCross : (2DX10+1>=20) → 7[5,7]+1 → 8 → 失敗
皆方アイリ:無理!以上
楫かなえ:仲間:皆方アイリ 〇憧憬/猜疑心 で
楫かなえ:お近づきの印にメイド服チャンレジしてみよう
リオ・グッドマン:雨宮珀亜:〇連帯感:壁 で取得
楫かなえ:8dx+1>=20
DoubleCross : (8DX10+1>=20) → 10[2,5,6,7,7,8,9,10]+7[7]+1 → 18 → 失敗
雨宮珀亜:リオ・グッドマン 親近感○/厭気 で取得
楫かなえ:ばでむを貰えれば……いけそう
皆方アイリ:バデム!
リオ・グッドマン:購入は、まず《マシンモーフィング》使ってアンチマテリアルライフル
楫かなえ:わ~い
楫かなえ:では購入成功して皆方さんにパス!
リオ・グッドマン:6dx+19
DoubleCross : (6DX10+19) → 10[1,1,4,6,9,10]+1[1]+19 → 30
雨宮珀亜:強化素材狙ってみようかな
皆方アイリ:ありがと~ 早速装備!
雨宮珀亜:1dx+1>=15
DoubleCross : (1DX10+1>=15) → 5[5]+1 → 6 → 失敗
リオ・グッドマン:財産5点使って購入、ウェポンケースへ
雨宮珀亜:全然ダメだった 以上!
リオ・グッドマン:通常の購入は応急手当
リオ・グッドマン:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 7[2,7]+4 → 11
リオ・グッドマン:購入して以上!
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を3増加 (60 → 63)
【Middle3】
GM:引き続き情報収集シーンです。全員登場可!
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (63 → 68)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (56 → 61)
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (57 → 62)
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (44 → 49)
GM:情報項目はこちら!
・“ネロ”について②
情報:UGN 知識:歴史 難易度10 楫かなえは達成値+3
・連続殺人事件②
情報:UGN 難易度13
・逢河雷魚について②
情報:噂話/UGN 難易度10 皆方アイリは達成値+3
GM:先に言っておくと増えます
皆方アイリ:なるほどね
リオ・グッドマン:増えるのか~
楫かなえ:フーム
雨宮珀亜:もう社会弱者にはキツイ数値になってきた
GM:みんなでがんばりな!
リオ・グッドマン:となると私が連続殺人事件行くのがいいのかな
雨宮珀亜:私一端様子見して新しい項目にワンチャン賭ける感じでもいいです?
皆方アイリ:ボーナスある女子2人はそこ空けたいですもんね
楫かなえ:こちらは大丈夫!
皆方アイリ:こっちもOK
リオ・グッドマン:OK!では連続殺人事件について②を《生き字引》使って判定します
リオ・グッドマン:6dx+13
DoubleCross : (6DX10+13) → 9[1,5,5,5,8,9]+13 → 22
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1増加 (68 → 69)
楫かなえ:では“ネロ”について②を。ミーミルを再度UGN諜報部にして
楫かなえ:9dx+4>=10
DoubleCross : (9DX10+4>=10) → 10[1,3,3,5,5,8,8,10,10]+8[6,8]+4 → 22 → 成功
皆方アイリ:コネ使ってUGN
皆方アイリ:4dx+1+3>=10
DoubleCross : (4DX10+4>=10) → 8[4,8,8,8]+4 → 12 → 成功
GM:優秀チームだわ~
雨宮珀亜:よくやった
皆方アイリ:バデムも温存できましたよ~
GM:では先に一旦開示します
・“ネロ”について②
情報:UGN 知識:歴史 難易度10 楫かなえは達成値+3
“ネロ”は古代種のオーヴァードであり、自身がローマ帝国第五代皇帝のネロ・クラウディウスであると頑なに主張しているが、実際の年齢は500〜800歳程度と見られ、皇帝ネロとは全くの別人。
切っ掛けが詐称か憧れによるものかは不明だが、長い年月を生きる中で自分を皇帝ネロと同一視してしまうようになったものと思われる。
また、来日の理由は“シャルルマーニュの護符”という遺産を求めてのものと思われる。
→“シャルルマーニュの護符”
・連続殺人事件②
情報:UGN 難易度13 楫かなえは達成値+3
新たに第7の殺人事件が発生した。
被害者は第三支部エージェント“300o'clock”。第三地区の路上で死体が発見され、支部からの帰路で殺害されたものと見られる。死因は胸部への刺突によるもの。
現場に残された血文字は『Falsifier』。詐欺師を意味する言葉だ。
今回も自宅からメッセージカードが発見されているが、やはり“ナズグル”のものだけ未だに見つかっていない。
また被害者たちの死因は刃物による刺殺、弾痕や焼けたような跡など多岐に渡り、容疑者と見做されている“チケット・トゥ・ヒンノム”逢河雷魚の白兵戦主体の能力とは合致しない。
・逢河雷魚について②
情報:噂話/UGN 難易度10 皆方アイリは達成値+3
市内全域には監視カメラから小型ドローン、レネゲイドビーイングによる鳥や獣の目に至るまで様々な形で監視網が張り巡らされており、隠密能力の無い逢河が逃れるのはほぼ不可能と見られる。
既に複数のエージェントが追跡、追撃を加えており、包囲網は狭められつつある。
戦闘能力に秀でたエージェントであるはずだが、追跡に当たったエージェント達の報告によれば、これまで反撃する様子は一切見られていない。
度重なる攻撃によって既に深刻なダメージを与えているものと見られ、確保は時間の問題と思われる。
GM:というわけで新たな項目はこちらになります
・“シャルルマーニュの護符”
情報:UGN/裏社会 知識:歴史 難易度11 雨宮珀亜は達成値+3
雨宮珀亜:うおおおやります!情報UGNでコネ使用!
雨宮珀亜:4dx+4>=11
DoubleCross : (4DX10+4>=11) → 9[2,5,6,9]+4 → 13 → 成功
雨宮珀亜:やりました
GM:成功!ではこちらも開示します
楫かなえ:えらい
リオ・グッドマン:えらいぞ
・“シャルルマーニュの護符”
情報:UGN/裏社会 知識:歴史 難易度11 雨宮珀亜は達成値+3
西暦798年、アッバース朝のハールーン・アッ=ラシードがフランク王国のシャルルマーニュに贈った宝物。美しく宝飾された金の枠に巨大なサファイアが埋め込まれたペンダント状のタリスマンで、『持つ者を皇帝にする石』と呼ばれる。
歴史的にも非常に価値の高い宝だが、極めて強力なレネゲイドアイテムでもあり、中央の宝石の正体は古代種のレネゲイドクリスタル──特殊な“賢者の石”である。
これまでフランス北東部のトー宮殿で厳重に保管されていたが、1年ほど前に強奪されている。
犯人は無所属のオーヴァードであり、裏社会で“百舌鳥”の名で知られる男と見られる。
雨宮珀亜:“百舌鳥”だと……
---
GM:7件目の事件発生により、査察部では情報共有も兼ねて会議を執り行う運びとなった。
GM:カバーに使用しているマンションはワンフロアを丸ごと借りきっており、ミランダ達特捜チームにはホテルの他にその一室が貸し与えられている。
GM:会議を控え、君はその部屋にミランダを呼びに来た。インターホンを鳴らしても返事はない。鍵は開いているようだ。
リオ・グッドマン:「……?」
リオ・グッドマン:(全員出払ってるのかと思ったけど、鍵開いてんのはおかしいよな)
リオ・グッドマン:「居ねーんすかーー!?入るっすよーー?」
リオ・グッドマン:わずかに開いた扉の隙間からそう声をかけ、扉の内側へと入る
GM:君が部屋に入ると、つい先日まで片付いていた筈の部屋は、堆く積まれた資料で悲惨な有様になっていた。
リオ・グッドマン:「うげー……」
GM:その部屋の奥で、机に突っ伏すようにして眠る女がいる。ミランダ・ローウィンだ。
ミランダ・ローウィン:「…………」
ミランダ・ローウィン:流石に寝息までは喧しくないようで、資料の山に埋もれるようにして寝こけている。
リオ・グッドマン:「…よく短時間でここまで散らかせんなぁ……それだけ」
リオ・グッドマン:その寝顔を一瞥して
リオ・グッドマン:「必死だって事だろうけど」
リオ・グッドマン:……ポン ポン と肩を叩く
ミランダ・ローウィン:「……。……はい……?」ぼんやりと顔を上げて
ミランダ・ローウィン:「…………」目を細める
ミランダ・ローウィン:「……うおおおおおお!?!!グッドマンさん!?!?」野生動物のように跳ね起きる。
ミランダ・ローウィン:「何でしょうか!!!どうしましたか!?!?何故ここに!?!?!」
リオ・グッドマン:「うはは、はよざーっす。今から会議やるってんで呼びに来たんすけど」
ミランダ・ローウィン:「あっ……会議ですか!!!了解です!!!すぐに向かいます!!!」
ミランダ・ローウィン:「しっ……失礼しました!!恥ずかしいところをお見せしまして…………!」
リオ・グッドマン:「いやいやいや!顔洗って身だしなみ整えるぐらいの時間はあるんで!」
リオ・グッドマン:「こちらこそ!無遠慮に見ちゃって申し訳ねぇっす!」
ミランダ・ローウィン:「そうさせて頂きます!!!」スーツには皺が寄り、髪はくしゃくしゃだ。
ミランダ・ローウィン:「申し訳ありません、捜査に熱が入るとつい……!!」
リオ・グッドマン:「そうそう、熱中すると時間忘れちゃうんすよね~」
リオ・グッドマン:そう言いながら、キョロキョロと部屋を見回して
リオ・グッドマン:「アビー&ジャクリーヌさんは?」
ミランダ・ローウィン:「彼女たちは他の捜査員と共に、ホテルのほうで捜査に当たっています!時折一人になったほうが、集中できることもありますので!!」
ミランダ・ローウィン:「もうすぐ到着すると思いますので、ご心配なく!!!」
リオ・グッドマン:ふんふんと頷いて
リオ・グッドマン:「それはそうと、つかぬ事伺ってもいいっすか?」
ミランダ・ローウィン:「はいっ?何でしょうか!!!私に答えられることであればなんなりと!!!」
リオ・グッドマン:「────身長、縮んだんすか?」
ミランダ・ローウィン:「はッッッ!?!?!?!?」
ミランダ・ローウィン:バッと自分の足元を見る。厚底を脱いでいるため、靴下だけ。
ミランダ・ローウィン:「そッ…………そんなことは…………」
ミランダ・ローウィン:「気のせいではありませんか!?!?!?きっとそうですよ!!!!!!」
ミランダ・ローウィン:あたふたしながら勢いで押し切ろうとする。
リオ・グッドマン:「ええ~?そうっすか~~!?」
リオ・グッドマン:笑いながらその様子を眺め
ミランダ・ローウィン:「そうです!!!そう簡単に人が縮むわけがないではないですか!!!!!!」
リオ・グッドマン:「うはは、それもそうだ!」
リオ・グッドマン:妙に硬い足音がしてましたよ、という突っ込みは無しにして
ミランダ・ローウィン:こほん、と咳ばらいをして「……私からも一つ、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
リオ・グッドマン:「お、なんすか?」
ミランダ・ローウィン:「リオ・グッドマンさん。……あなたはどうしてエージェントになったのですか?」
ミランダ・ローウィン:真面目な口調で訊ねる。
リオ・グッドマン:「……」”どうして”と尋ねるという事は、ある程度自分の経歴を調べた上での質問だろう、そう考え
リオ・グッドマン:「”カメラアイ”って知ってるっすか?」
ミランダ・ローウィン:「ふむ!」
ミランダ・ローウィン:「瞬間記憶能力ですね。一部の人間やノイマンシンドロームが獲得するという」
リオ・グッドマン:「そうっすね。今見てるまんまの景色を、そのまま情報として記憶する」
リオ・グッドマン:「”忘れられない” 病気っす」
ミランダ・ローウィン:「病気……」その表現に少し表情を変える。
リオ・グッドマン:「俺はそれを元々持ってて、ここに入る前は色々と悪い事やってて」
リオ・グッドマン:「ある日、UGNにパクられたんすよ。システムを覗いたってんで」
リオ・グッドマン:「で、記憶処理を受けたんす」
ミランダ・ローウィン:「ふむ……」頷く。ある程度は調べてあるのか、そこまで驚いた様子はない。
リオ・グッドマン:「───感動したんすよ」
ミランダ・ローウィン:「……感動?」
ミランダ・ローウィン:「記憶処理に、ですか?」
リオ・グッドマン:頷いて
リオ・グッドマン:「どうしても消えてくれない嫌な記憶が、不自然なくらいすっぽりと抜け落ちて」
リオ・グッドマン:「……アンタたちは、”ただの事後処理”だと言うんだろうけど」
リオ・グッドマン:「俺にとっちゃ、たったそれだけで大恩だった」
ミランダ・ローウィン:「…………成程!」
ミランダ・ローウィン:「“カメラアイ”の弊害が、記憶処理ならば文字通り処理できると!」
リオ・グッドマン:「そう!!」
リオ・グッドマン:「いやー発見っすよね~、俺自身もうどうにもならないと思ってたんで」
リオ・グッドマン:「……で、幸い能力には恵まれてたんで、今はこうやってUGNの飼い犬になってる訳っす。わんわん」
ミランダ・ローウィン:「成程……記憶処理は我がUGNが生み出した素晴らしい技術ですが、まさかそのような使い道があるとは……!」しきりに頷いている
リオ・グッドマン:「ま、そういう訳なんで」
リオ・グッドマン:「俺はちゃんと覚えてるんすよ、ミラねぇの身長差」
リオ・グッドマン:うははと笑いながら
ミランダ・ローウィン:「げぇッ!!!」
ミランダ・ローウィン:「な、何ということでしょう……これがカメラアイ……恐ろしい…………!!」
ミランダ・ローウィン:「あの……どうかこのことは内密に…………!!!」
リオ・グッドマン:「まぁ、でも」
リオ・グッドマン:「誰にも言わないっすよ」
ミランダ・ローウィン:「本当ですか!?!?」
ミランダ・ローウィン:「もしこのようなことが明るみになれば……本部エージェントの名折れです…………!!!!」
リオ・グッドマン:「………ミラねぇは」
リオ・グッドマン:「意外と見栄とか気にする人なんすね」
ミランダ・ローウィン:「ええ!!私は本部エージェントですから!!!」
ミランダ・ローウィン:「多くのエージェントの手本となる存在でなければならないのです!!!」
ミランダ・ローウィン:小さな身体で胸を張る。
リオ・グッドマン:…自分よりも頭一つ以上小さな身体を、めいっぱい大きく見せようとする彼女を見て
リオ・グッドマン:「───かっけぇっすね」
リオ・グッドマン:思わずそう零れた
ミランダ・ローウィン:「ええっ!?!?」
ミランダ・ローウィン:「そっ……そうですか!?!?て……照れますね…… ……いえ!!当然です!!!本部エージェントですので!!!」
ミランダ・ローウィン:「あなたももしもキャリアアップや、もっと正義を追い求めたいという気持ちが生まれたら、いつでもこのミランダ・ローウィンのもとに来てください!!!」
ミランダ・ローウィン:「喜んで歓迎しますよ!!!グッドマンさん!!!!」
リオ・グッドマン:──自分たちの仕事は、要するに”最悪を避ける事”だ
リオ・グッドマン:それ自体に反感は無いし、俺自身も同意の上でやってる。
リオ・グッドマン:だからだろうか、その中で常に”最善”であろうとする彼女の志が妙に眩しかった
リオ・グッドマン:「うはは、是非是非」
リオ・グッドマン:そう言って、憧憬の視線を送る。
ミランダ・ローウィン:「おっと……先のことより、まずは目の前の事件解決が先決ですね!!!」
ミランダ・ローウィン:「会議に遅れてしまいます!!!行きましょう、グッドマンさん!!!!」
リオ・グッドマン:───舞台の上でも見ているように言葉を発するのが、少し申し訳なかった。
リオ・グッドマン:「おっす!んじゃ行きますかぁ!」
リオ・グッドマン:彼女は、自分とは住む世界が違うのだと、心の奥では理解しているから。
---
GM:会議を控え、君達はマンションの一室に集まっていた。まだ他のメンバーは到着しておらず、先に着いたのは君達3人だけだ。
GM:全員が揃うまでにはまだ時間があるだろう。君達は何か話してもいいし、沈黙のうちにやり過ごしてもいい。
雨宮珀亜:「……」電気をつけて、部屋の奥に設置したトレーニング器具の元へ向かう。
楫かなえ:人数分のコーヒーカップを揃え、ひとまず自分と皆方さんの分だけ注いで。
楫かなえ:「雨宮さまは? お水ですか」
雨宮珀亜:「……いや、僕もコーヒーで」
楫かなえ:「はい。会議前に疲れすぎないでくださいね」
雨宮珀亜:器具の様子を見ただけで席に戻ってくる。他の査察部員が使っていないか確認しただけのようだ
皆方アイリ:「ありがとうございます~」と礼を言いながらコーヒーに手を付けて。
皆方アイリ:「グッドマンさんや本部チームの方々はまだ来てないっぽいですね?」
楫かなえ:「グッドマンさまが呼びに向かわれたので、もう少しかかるかと」
雨宮珀亜:「事前に通達していたはずだろう。呼ばずとも来て欲しいところだ」
雨宮珀亜:(遅れてきがちなのは部長もそうだけどな……楫の前で言うとうるさそうだ)
皆方アイリ:「まあ、向こうもお忙しいでしょうし。そうなるとこっちは待機時間って感じですか」
楫かなえ:「……」ぽす、と椅子に腰を落ち着けて。
楫かなえ:「気が急きますか?」
楫かなえ:小首を傾げるようにして皆方さんを見る。
皆方アイリ:「……」 ちょっと目を瞬かせて。
皆方アイリ:「焦ってないって言うと、嘘になるかもですね。そこまで分かりやすく見えるとは思いませんでしたけど」
皆方アイリ:「流石は査察部ってことですかねぇ。一応演技はまあまあ自信あるんですが」
楫かなえ:首を振る。「わたくしが同じ立場なら、と考えただけです」
皆方アイリ:「なるほど。それは致し方なしで」
雨宮珀亜:(あの部長がそんなヘマをするとは思えないが……)
皆方アイリ:「……これ、聞いて良いことか分かんないんですが」
皆方アイリ:「お二人はどういう経緯で査察部に所属されてるんです?」
雨宮珀亜:「……気になるか?」
皆方アイリ:「まあ、はい。特殊な部署ですし、楫さんはあたしより年下に見えますし」
皆方アイリ:「あ、いえ。不躾なのは承知なので、話しづらいことなら全然大丈夫なんですけど」
雨宮珀亜:「いや。僕らの立場自体が信頼を得にくいことは承知している」
雨宮珀亜:「昔話程度でそれが解消されるのなら、いくらでもするべきだろう」
楫かなえ:頷く。
雨宮珀亜:「と言っても、僕は大した理由はない。元々は戦闘部隊にいたんだが、そちらの実績は十分積んだからな」
雨宮珀亜:「上に行くにはこちらの経験も有用だと思っただけだ」
雨宮珀亜:「評議員のアッシュ・レドリックをはじめ、日本支部の霧谷支部長も元は査察部門の出身だしな」
雨宮珀亜:「便利なんだよ。首刈り屋の肩書と人脈は」
皆方アイリ:「なるほど。キャリアアップのため、と」
皆方アイリ:「では楫さんは?」
楫かなえ:「わたくしはもっと単純です」
楫かなえ:「ええと……単なる事実としてお話するのですが」
楫かなえ:「元々、FHの施設に捕まっておりまして。それを助けてくださったのが秋蔵さまでしたので」
楫かなえ:「どこかで生きねばならないのなら、あの方の元が良いと思い、ここに」
皆方アイリ:「……そうでしたか」 変に気遣いが滲まないようただ頷く。
雨宮珀亜:(部長もいい拾い物をしたもんだ……)二人の様子を交互に見ながら
楫かなえ:「……いま出ている先輩方からの方が、面白いお話を聞けたかもしれませんね」
楫かなえ:少し申し訳なさそうにして。
皆方アイリ:「いえ。なんか、安心したっていうか」
皆方アイリ:「ええーと。失礼な物言いになると思うんですけど、正直ここ来る前めっちゃ怖かったんですよね」
皆方アイリ:「査察部って言えば、UGN内の粛清係というか浄化役というか。そういうポジションのイメージがあって」
皆方アイリ:「なのでどんな人が居るかとかどんな扱いされるかとか結構身構えてたんです。立場も立場ですし」
皆方アイリ:「でもこうしてお話を聞いて、意外と普通というか。他のUGN職員と変わらないんだなって認識が改まりました」
皆方アイリ:「少なくとも、お二人の動機に関しては」
雨宮珀亜:「……それは若干買い被りかも知れないけどな」視線を反らして
雨宮珀亜:「動機はともかく、人間性は期待しない方が良いというのは事実だ」
雨宮珀亜:「僕らも、今ここにいない連中もな」
楫かなえ:苦笑する。
皆方アイリ:「せっかく安心したところをビビらせないでくださいよ~。せめてお二人の人間性は信じたいんですけど」
皆方アイリ:言いながらもへらへらと笑って見せる。いつもの調子に戻れつつある。
雨宮珀亜:「フン……そこは安心したままでいい。首刈り部隊の標的はあくまで裏切り者だ」
雨宮珀亜:「誰彼構わず噛み付くほど粗末な躾はされていないさ」
楫かなえ:「異論はありませんけれど」
楫かなえ:「皆方さまに対して仰るには、気配りの足りない物言いではありませんか?」
楫かなえ:やや唇を尖らせて。
雨宮珀亜:「……事実を言っただけだ。それに」
雨宮珀亜:「……彼女が言う通り、"チケット・トゥ・ヒンノム"が無実であればいい話だろ」
皆方アイリ:「ええ。噛まれるのが裏切者だけなら、先輩が噛まれることにはなりませんよ」
皆方アイリ:「なので心置きなく安心しておきます」 ね?と楫さんに笑いかける。
楫かなえ:「それなら良かったですが。もう」
楫かなえ:「雨宮さまは最初から、一言多く喋るようにしてくださいな」
楫かなえ:「わたくし、こちらに来た当初は、柳さまの次に怖くて仕方なかったです」
雨宮珀亜:「流石にあれと一緒にされるのは心外だ……」
皆方アイリ:「……」 その柳さんが不在で良かったなーと内心で安堵のため息を一つ。
雨宮珀亜:「……善処はするが期待はするな。元来余計なことは言わない主義なんだ」
楫かなえ:「お願いします」白い頬をほんの少し膨らませて言う。
楫かなえ:(……怖いと言えば、誰でも怖いのですけれどね)
楫かなえ:(前からいる人も)会議室の扉に目をやる。(……後から来る人も)
雨宮珀亜:「……」バツが悪そうに顔を反らし、部屋の奥に引っ込む。
雨宮珀亜:(……そうだ。首刈り部隊が狩るのは、裏切り者だけ)
雨宮珀亜:(そして狩り方は一つじゃない。一度決定的に裏切ったなら仕留めるしか無くても)
雨宮珀亜:(裏切る前に見つけ出すことができたなら……)
雨宮珀亜:(それも、猟犬の仕事の内)
雨宮珀亜:(そうだろ?渡良瀬……)
---
GM:捜査員一同が揃い、室内は静かな緊張感に包まれていた。
GM:前回はいなかった残りの特捜チーム人員も揃い、少し離れた位置から会議を見守っている。
鹿骨秋蔵:「……新たな犠牲者が出てしまいましたね」
鹿骨秋蔵:机上で掌を組み、僅かに苦渋を滲ませる声で言う。
リオ・グッドマン:「今度は第三支部…っすね」
雨宮珀亜:「七人目、か。これが映画なら何かしらの見立てが浮かんで来る頃合いだが」
雨宮珀亜:「そういったのに詳しい人間はもういないんだったな」
リオ・グッドマン:「……」目つきの悪い、映画好きの元同僚の顔を思い浮かべて
鹿骨秋蔵:「犯人はあと何人殺すつもりなのか。或いは、捕まるまで殺し続けるつもりなのか……」
鹿骨秋蔵:「……混乱を避けるべく捜査情報は明かしていませんでしたが、既にそう言っていられる状況ではありません」
鹿骨秋蔵:「事件を公表し、メッセージを送付された場合は名乗り出るよう、広く呼び掛けましょう」
リオ・グッドマン:「犯行現場は市内東部に集中してる感じっすよね。意図的なのかどうかは分かんねーっすけど」
五十嵐トーコ:「第四支部から三人もやられてるのは偶々なんすかね~」
鹿骨秋蔵:「……まずはそちらの捜査から共有しましょうか」
リオ・グッドマン:「うす。さっき雨宮から貰ったデータも合わせて」
リオ・グッドマン:「これで被害は第四支部で3件、第二支部、第三支部、第十一支部、遺産管理局でそれぞれ一件ずつ」
リオ・グッドマン:「で、現場に残された血文字はそれぞれ」
リオ・グッドマン:スケッチブックに描いたメモを開いて見せる
ミランダ・ローウィン:「今回は『Falsifier』……ですか」
アビー・ケリー:「…………」
アビー・ケリー:死体の写真を見て、立ったまま気絶する。
リオ・グッドマン:「”詐欺師”っすかね。やっぱり罪状めいてら」
五十嵐トーコ:「ん~……?」
皆方アイリ:「今までの単語もそうなんでしたっけ。ソーサラーだけ浮いてますけど」
雨宮珀亜:「“誘惑者”、“汚職公務員”、“聖職売買者”、“背信者”、“盗人”、"魔術師"、そして"詐欺師"……確かにな」
ミランダ・ローウィン:「殺人犯の考えることなのですから、深い意味など無いのでは!?!?」
雨宮珀亜:(最初からそれを言ったらおしまいだろ……)
五十嵐トーコ:「んん……?」
楫かなえ:「……五十嵐さん?」
リオ・グッドマン:「お、トーコどうかしたんすか?」
五十嵐トーコ:「いや……う~ん?」
五十嵐トーコ:「Falsifierなんスか?今回」
リオ・グッドマン:「間違いはない筈っすけど」
五十嵐トーコ:「前からちょっと思ってたんすけど……」
五十嵐トーコ:「神曲じゃないスか?これ」
楫かなえ:「しん……?」まばたきをする。
皆方アイリ:「ダンテの?」
五十嵐トーコ:「そう。読んだことないっすか?」
雨宮珀亜:「そうか……"悪の嚢"か」ハッとした様子で顎に手を当てる。
五十嵐トーコ:「順番はバラバラだけど、そうじゃないっすか?」
楫かなえ:不快げな顔をする。自分が全然知らないことを彼女が知っていたので。
リオ・グッドマン:「…つまり」
リオ・グッドマン:「本来十番目に来るはずの詐欺師がここで来るのはおかしいんじゃねーかと」
五十嵐トーコ:「順番は大した意味無いのかも。問題は内容と……」
五十嵐トーコ:「これだと最低でも、あと4人は殺す気だってことすよね?」
鹿骨秋蔵:「五十嵐さん」被せるように会話を止める
鹿骨秋蔵:「読んでない人の方が多いですから、説明をしてあげてください」
雨宮珀亜:(僕は読んでいるが……)
五十嵐トーコ:「あ、はい。地獄篇に出てくる、地獄の第八圏では、悪意を持って悪いことしたやつらが、全部で10個の『悪の嚢』に振り分けられて、裁きを受けるらしいんですけど」
五十嵐トーコ:「第一の嚢が『女衒』Seducer……“ストラトキャスター”のやつですね」
五十嵐トーコ:「第二が『阿諛者』Flattery……ゴマすり野郎なんですけど、これは確かまだいないすよね」
五十嵐トーコ:「第三の『沽聖者』、Simoniacsは “アナバシス” 。第四の『魔術師』、Sorcererが “スケレトゥス”」
五十嵐トーコ:指折り数えていく。
五十嵐トーコ:「第五の『汚職者』Grafter……これは “ツークツワンク”すよね」
五十嵐トーコ:「第六は『偽善者』Hypocriteなんすけど……これもいないすよね」
楫かなえ:聞きながら携帯端末でフリー百科辞典を開き、しかめ面で見つめている。
リオ・グッドマン:……”阿諛”、”偽善” というワードに、不穏な心当たりを覚えつつ、スケッチブックにペンを走らせる
五十嵐トーコ:「第七、『盗賊』Thiefが “イーニー”。第八、『謀略者』Deceiverもいなくて……」
五十嵐トーコ:「第九、『離間者』Dividerもいない」
五十嵐トーコ:「で、最後……第十の嚢 『詐欺師』Falsifierが今回のですよね」
楫かなえ:「……Traitorは?」
楫かなえ:「いなくないですか」
五十嵐トーコ:「流石かなっち、鋭いっすね」
楫かなえ:(照らし合わせて見てたんだからバカでも気付きます)ぶすくれた顔。
五十嵐トーコ:「そうなんスよね。『Traitor』はいないはずなんすよ。だから今まで関係無いのかな~って思ってたんすけど」
雨宮珀亜:「"裏切者"は"マーレボルジェ"には含まれない」
雨宮珀亜:「そいつはそのさらに下の階層。"コキュートス"に落とされる罪人だ」
鹿骨秋蔵:「第九圏が裏切者の地獄、でしたか。本来はそちらに振り分けられるはず、と」
皆方アイリ:「……つまり、ナズグルだけ別枠と」
リオ・グッドマン:「十人で済むのか分かんなくなってきたな」
ミランダ・ローウィン:「しかし、元々はイタリア語の作品を翻訳したものでしょう?表記ゆれという可能性もあるのでは!?」
ジャクリーヌ・デスタン:「流石ミランダさん!!するどい視点っす!!!!」
五十嵐トーコ:「だとしても意味が通らなくないっすか~?」
雨宮珀亜:「離間者や謀略者あたりはこじつけられないこともないが、実際に"ナズグル"には内通の疑惑もあったしな。"裏切り者"が一番妥当だろう」
鹿骨秋蔵:「“ナズグル”の案件のみ、予告状が見つかっていないというのも気に掛かりますね」
皆方アイリ:「ともかく、この後『阿諛者』『偽善者』『謀略者』『離間者』分の殺害が起きるかも、というのは変わらないんじゃないです?」
鹿骨秋蔵:「ええ。一番大きな問題はそこですね」
鹿骨秋蔵:「残りの4人が殺される前に、早急に公表、手配して保護しなければなりません」
皆方アイリ:「今までのも被害者は罪状に噛み合うような背景があったんですっけ?」
皆方アイリ:「だとしたら、その4つの罪状に近そうな人をピックアップしてみるとか」
五十嵐トーコ:「“スケレトゥス”にはなんかコソコソしてるって疑惑があって調べてたんすけどね~」
五十嵐トーコ:「“ナズグル”もダブルクロスって話ですよね」
楫かなえ:「ですが、その二人以外は」
楫かなえ:「そもそもそう分かりやすく後ろ暗いエージェントが居ても困ります」
五十嵐トーコ:「言えてる~」
雨宮珀亜:「そうだな。そんなレベルの背信があればとっくに査察部がマークしている」
リオ・グッドマン:「…ま、それもそうっすよね」
鹿骨秋蔵:「……改めて、被害者に対する根本的な洗い直しが必要ですね」
ミランダ・ローウィン:「話は分かりました!!ですがそもそもの話!!」
ミランダ・ローウィン:「容疑者の方はどうなっているのでしょうか!?“チケット・トゥ・ヒンノム”は!!まだ捕まらないのでしょうか!?」
皆方アイリ:「そこはあたしが。既に所在は特定されてるそうで」
リオ・グッドマン:「その件もちと疑問が残るんすよ」
皆方アイリ:「複数のエージェントで追跡・追撃を繰り返して包囲網を狭めてるって……疑問ですか?」
リオ・グッドマン:「今回の連続殺人、現時点で7件もあって、殺害方法がてんでバラバラだ。」
リオ・グッドマン:「本当に単独犯なのか疑いたくなるぐらいに」
皆方アイリ:「……その方法、詳しく聞いても良いです?」
リオ・グッドマン:「本当に色々っすよ、刺殺、銃殺、焼殺」
リオ・グッドマン:「特定されない為のカヴァーって線もあるっすけど」
雨宮珀亜:「しかし、“チケット・トゥ・ヒンノム”はウロボロスシンドロームの持ち主だったはずだ」
雨宮珀亜:「殺害方法の偽装は比較的容易な気がするが……」
リオ・グッドマン:「……アイリちゃん」
リオ・グッドマン:「俺達より、“チケット・トゥ・ヒンノム”の近くに居るアンタに聞きたい」
リオ・グッドマン:「手を替え品を替えてのやり口を、“チケット・トゥ・ヒンノム”は好むんすか?」
皆方アイリ:「……あたしの知ってる範囲で、になりますけど。いいえ」
皆方アイリ:「先輩の戦闘スタイルは影と遺産を使った身体強化で、その身一つで戦うタイプです」
皆方アイリ:「銃は勿論、刃物の類いを使ってるとこは見たことありません。RCによる炎も同じく」
リオ・グッドマン:「ふむふむ」
皆方アイリ:「そもそも、能力の範囲に銃や炎の使用が含まれないんです。なのにレネゲイドの痕跡が残ってるのも不自然な話かと」
五十嵐トーコ:「被害者でも特に、“アナバシス”、“ストラトキャスター”、それに今回の“300o'clock”あたりはかなりの武闘派って話っすからね」
五十嵐トーコ:「慣れない武器で戦うのはだいぶキツそうっすね」
雨宮珀亜:「不意を付いたとしても、付け焼き刃の手段で殺されるほど柔じゃないか」
リオ・グッドマン:「失敗した時のリスクを考えると、偽装としても割りに合わねー」
ミランダ・ローウィン:「だとしても!!そもそもなのですが!!」腕組みをして
ミランダ・ローウィン:「もし彼が犯人でないとすれば、何故逃げる必要があるのですか!?!?」
ミランダ・ローウィン:「UGNは無法の組織ではありません!!!正直に証言して否定すればよいだけではないですか!!!!」
雨宮珀亜:(確かになんでだ……?)
リオ・グッドマン:「……確かに、そこは気になる所ではあるんすよね」
ジャクリーヌ・デスタン:「そこに気付くなんて流石ミランダさんっす!マジリスペクトっす!!」
皆方アイリ:「そこですが。さっきも話しかけた通り、今の時点で既に先輩の所在は割れてまして」
皆方アイリ:「今は包囲網を縮めてる段階なんですが、逃走はしても武力による抵抗や反撃はないらしいんです」
楫かなえ:ミランダを一瞥し、皆方さんに視線を戻す。
皆方アイリ:「殺人を起こしたのが真実なら、今更抵抗しないところで罪が軽くなるどうこうもありません」
皆方アイリ:「それなのに、抵抗はなくただ逃げている。そこに意味があるんじゃないでしょうか」
皆方アイリ:「何か、こっち側に大人しく出てこれない……証言が出来ない理由が」
アビー・ケリー:「い、一々戦ってたらキリが無いから……逃げてるだけなのではぁ……?」
皆方アイリ:「でも、既に先輩自身深刻なダメージは負ってるんですよ」
皆方アイリ:「命のことを考えれば、反撃かもしくは大人しく出頭かを選ぶんじゃないですか?」
雨宮珀亜:(常軌を逸した口下手というオチもありそうな気はするが……)
五十嵐トーコ:「彼氏サン、見立て殺人以外はしたくない、芸術家タイプだったりします?」
皆方アイリ:「それ聞かれるとそもそも殺人できないタイプって答えになりますけど……」
皆方アイリ:「一応、今まで敵倒してる時もこだわりあるようなとこは見てないです」
雨宮珀亜:「順当に考えるなら」
雨宮珀亜:「出頭した方が危険だと判断した。という可能性はあるな」
五十嵐トーコ:「どゆことっすか?」
ミランダ・ローウィン:「ええ!!!意味が分かりません!!!!!」
ジャクリーヌ・デスタン:「正直に聞けて流石っすミランダさん!!お靴お舐めします!!」
アビー・ケリー:「病気になっちゃいますよぉ~~……」
雨宮珀亜:「"チケット・トゥ・ヒンノム"が真犯人についてなにか掴んだ上で、逃走していると仮定した場合だが」
雨宮珀亜:「出頭すれば、その犯人に直接消されてしまう可能性がある。若しくは」
雨宮珀亜:「だれか身内が、そういった危険に晒されるかもしれない」
雨宮珀亜:「そのくらい僕たちに近い所に真犯人がいるかもしれないということだ」
ミランダ・ローウィン:「……まさか……UGN内に犯人がいると!?!?」ガタンと席を立つ。
アビー・ケリー:「ヒィーーッ」気絶する。
雨宮珀亜:("チケット・トゥ・ヒンノム"だってUGNの人間だろ……)
リオ・グッドマン:「……そういうデマを流すってんなら」
リオ・グッドマン:「お誂え向きの奴が、今N市に来てんじゃねーっすか?」
鹿骨秋蔵:「……“ネロ”、ですね」
皆方アイリ:「情報戦・電子戦に長けた信奉者が沢山、でしたっけ」
皆方アイリ:「"ネロ"については楫さんが追加調査してましたよね?」
楫かなえ:「……ええ」
五十嵐トーコ:「どんな感じなん?かなっち」
楫かなえ:「ローマ帝国第五代皇帝ネロ・クラウディウス──自称。実際には、古代種ではあるものの、自分をそうと思い込んでいるだけの別人」
五十嵐トーコ:「やべーやつじゃん!!」
ミランダ・ローウィン:「ええ!!奴は我が10年来の宿敵……厄介な敵です!!!」
ミランダ・ローウィン:「顔はこうです……アビーさん!!」
アビー・ケリー:「あっ……はいぃっ」
アビー・ケリー:顔面の肉と骨格が変化し、掘りの深い白人男性のそれに変わる。
アビー・ケリー:歴史書で描かれる皇帝ネロ……にそこそこ似ているかもしれない。
楫かなえ:「ありがとうございます」ぺこりと頭を下げる。
雨宮珀亜:(顔と身体がアンバランス過ぎる……)なんとも言えない表情
リオ・グッドマン:「うはは、顔と身体が合ってねー!」
アビー・ケリー:「ひ……ひどい……」
皆方アイリ:「グッドマンさん、ダメですよ~。能力とはいえ女子にそれはNGです」
リオ・グッドマン:「す…すいません…っした!」
リオ・グッドマン:皆方とアビーに、それぞれ一度ずつ頭を下げて
雨宮珀亜:「ふん……」やれやれといった表情
楫かなえ:「所属は古代種とその信奉者からなるセル“エルダーズ”。性格は史実のネロさながらの暴君。ご指摘の通り、情報戦・電子戦に長けた部下を多数率いているとされています」
楫かなえ:そのまま資料を読み上げるみたいにつらつらと進めて。「もっとも、件の殺人に関わっているかどうかまでは、何ともですよ」
リオ・グッドマン:「ローマと言えば、ダンテの出身地も確かイタリアだったっすよね」
五十嵐トーコ:「物知りっすね、リオちゃん」
リオ・グッドマン:「昔図書館で見たんすよ、世界の詩人コーナーで」
楫かなえ:「今回の来日の目的は、“シャルルマーニュの護符”と呼ばれる遺産が目当てのものと目されていますので」
五十嵐トーコ:「護符ってフランスのあれっすか?写真見たことあるよ。綺麗だよね~」
リオ・グッドマン:「”シャルルマーニュの護符”?」
皆方アイリ:「……"シャルルマーニュ"ってイタリアとか無関係じゃなかったです?」
皆方アイリ:高校の世界史の授業を思い返しながらちょっと首を傾げる。
楫かなえ:「そもそも“ネロ”がネロ帝ではないので……」
雨宮珀亜:「シャルルマーニュ……カール大帝は」
雨宮珀亜:「ローマが分裂した後の片割れ、東ローマ皇帝位を戴冠している」
雨宮珀亜:「名実共にローマ帝国の継承者と言っていいだろう。もっとも、本国では承認されなかったようだがな」
楫かなえ:「へえ……」
楫かなえ:雨宮さんに対しては素直に感心している。
皆方アイリ:「あー……そういう経緯でしたっけ」
五十嵐トーコ:「珀亜クンも物知り~」ケラケラ笑う
雨宮珀亜:「……一般教養だ」顔をそらす
リオ・グッドマン:「その護符が欲しいってのも、そういう理由からなんすかね」
リオ・グッドマン:「”遺産”って言うからには、レネゲイド的な事情が絡んでくると思ったんすけど」
五十嵐トーコ:「どんな遺産なんスか?それ」
楫かなえ:「わたくしの方では、そこまでは調べられなかったのですが」
雨宮珀亜:「……こちらで調べてある」渋い顔をして
楫かなえ:一礼して場を譲る。
雨宮珀亜:「"シャルルマーニュの護符"は、アッバース朝のハールーン・アッ=ラシードから贈られたとされる宝物。一般には巨大なサファイアだとされているが」
雨宮珀亜:「正体はレネゲイドクリスタル……"賢者の石"だそれも特殊なレネゲイドウイルスで構成されたもの」
雨宮珀亜:「おそらく古代種だろうな」
リオ・グッドマン:「……!」
ミランダ・ローウィン:「賢者の石……!?!?!」
五十嵐トーコ:「マジすか、あれかなりデカいっすよね?」写真を思い出して「激ヤバじゃないすか?」
雨宮珀亜:「『持つ者を皇帝にする石』なんて触れ込みも、あながち間違いとも言えない」
リオ・グッドマン:「でも賢者の石で、しかも宝物なんすよね?」
リオ・グッドマン:「なんだってんなもんがここに?」
雨宮珀亜:「ネロが頭の芯までイカれてる訳じゃなければ、そこまで掴んだ上での行動だろう」
雨宮珀亜:「……五十嵐が見た写真はフランスのトー美術館のものだろう」
雨宮珀亜:「今はそこにはない」
雨宮珀亜:「盗まれたんだ。一年前にな」
ミランダ・ローウィン:「何と…………!!」
五十嵐トーコ:「ええ~~マジすか、誰に?」
皆方アイリ:「賢者の石ってことなら、相当厳重な警備ですよね?どっかのセルとか?」
雨宮珀亜:「……"百舌鳥"」
鹿骨秋蔵:「……」僅かに眉を動かし、雨宮に目を向ける。
雨宮珀亜:「そう呼ばれている。所属は不明だが、裏社会では最近名が通ってきたらしいな」
雨宮珀亜:「……」少しの間沈黙して
リオ・グッドマン:「かーっ!単独犯かよ!しかも盗んでから一年間しっかり逃げ切ってるって事じゃんよ」
リオ・グッドマン:「鬼ごっこで敵なしじゃねーっすか」
雨宮珀亜:「……どうだかな」
リオ・グッドマン:「……珀亜?」
雨宮珀亜:「"百舌鳥"が僕の思っている通りの奴なら、そろそろ疲れ果てる頃合いかもしれない」
五十嵐トーコ:「えっ、知り合いなんすか?」
雨宮珀亜:「……戦闘部隊にいた頃、チームを組んでたチルドレンの一人が同じ名前だった」
雨宮珀亜:「5年近く前、UGNを脱走している」
楫かなえ:「えっ」
雨宮珀亜:「活動時期から考えると、同一人物でもおかしくはないな」
皆方アイリ:「……それはまた」
皆方アイリ:「偶然と呼ぶには、って感じですね」
雨宮珀亜:「……」(偶然であってたまるかよ……)
リオ・グッドマン:「………」ふぅ、と軽く息を吐いて
リオ・グッドマン:「おいちゃん、今後の方針は」鹿骨に問いかける
楫かなえ:「おい……」物言いたげな顔をするが、雨宮さんの方を見て口を噤む。
鹿骨秋蔵:「……そうですね……」軽く顎に触れて
鹿骨秋蔵:「やはり、連続殺人に関しては公表と保護の呼び掛けをするしかないでしょう」
鹿骨秋蔵:「ただ、懸念としては……これが予告殺人であるという点ですね」
雨宮珀亜:「……これ以上の犠牲者を出さない、という意味では部長の方針には賛成ですが」
雨宮珀亜:「公表することで、真犯人が活動を切り上げて逃走する可能性は?」
鹿骨秋蔵:「いえ、そこに関してはあまり心配していません」
鹿骨秋蔵:「事前予告などすれば殺害の難易度も逮捕の危険性も上がる。これは当然の話ですね」
鹿骨秋蔵:「そんな理にそぐわない行動を起こすのは──」
鹿骨秋蔵:「それによって騒ぎを起こし、注目を集めたいから。これに尽きるでしょう」
楫かなえ:(なるほど……)メモを取っている。
鹿骨秋蔵:「我々が公表すること自体が、犯人の思惑に乗る形になってしまうかもしれない。不安があるとすればそこですね」
雨宮珀亜:「……向こうにしてみれば望む所というわけか」
鹿骨秋蔵:「ただやはり、この状況に至っては致し方ありません。人命の保護が最優先ですからね」
楫かなえ:「逢河さまのことは、どうなさいますか?」
楫かなえ:「犯人であろうと、そうでなかろうと……きっと何かをご存知のはず」
楫かなえ:「元より、一連の殺人の捜査はわたくし達の仕事で、今や容疑者も袋の鼠なのでしょう」
楫かなえ:「……それとも、仕上げだけ攫って行っては角が立つでしょうか」
鹿骨秋蔵:「元々、査察部とはそういう部署です。嫌われ者の汚れ仕事ですから」笑って
鹿骨秋蔵:「ええ。彼がどのような立場であろうと、まずは話を聞いてみなければいけません」
鹿骨秋蔵:「彼の命が危うくなる前に、何とかして保護したいところですね」
鹿骨秋蔵:「それから、“ネロ”に関してですが──」
鹿骨秋蔵:「僕は多少の無理を押し通してでも、今回の来日で検挙する必要がある、と考えています」
ミランダ・ローウィン:うんうん頷いている。
リオ・グッドマン:「逃す手は無ぇっすよね。目的だって割れてんだ」
鹿骨秋蔵:「……“ルビンカの虐殺”という言葉、知っている方はこの中に何人いらっしゃいますか?」
GM:判定です。
GM:情報:UGN 難易度15 楫さんは情報収集したので不要です。
皆方アイリ:コネ使っていきます
皆方アイリ:4dx+1>=15
DoubleCross : (4DX10+1>=15) → 8[1,3,4,8]+1 → 9 → 失敗
皆方アイリ:無理ー
雨宮珀亜:コネ使用して判定
雨宮珀亜:4dx+1>=15
DoubleCross : (4DX10+1>=15) → 8[3,5,6,8]+1 → 9 → 失敗
雨宮珀亜:知らん……
リオ・グッドマン:コネ使って判定
リオ・グッドマン:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 9[2,3,5,9] → 9
リオ・グッドマン:知らなかった
五十嵐トーコ:手を挙げる。
ミランダ・ローウィン:特捜チームは全員当然のものとして知っているためか、反応しない。
リオ・グッドマン:「知らねーっす」と即答しながら、五十嵐の方に視線を向ける
皆方アイリ:「あたしもちょっと……」 首を横に振りつつ周りの反応を見る。
楫かなえ:「先の通り、“ネロ”を調べましたので」控えめに手を挙げる。
雨宮珀亜:「東南アジアのルビンカ共和国のことですか?虐殺があったなんて話は聞いたことないが……」憮然として手を上げた一部の面々を見る
鹿骨秋蔵:「ええ。ある種のタブーとして扱われている話題ですから、それも当然でしょうね」
鹿骨秋蔵:「端的に説明しましょう。ルビンカ共和国では、大拡散以降……およそ20年前から継続的に、オーヴァードに対する虐殺が行われています」
雨宮珀亜:(オーヴァードに対する?逆じゃないのか?)
リオ・グッドマン:「逆じゃねーんすか?それ」
鹿骨秋蔵:「いいえ」かぶりを振る
鹿骨秋蔵:「国民の内からオーヴァードの疑いがある者を選別し監視、監禁。しかる後に殺害する」
鹿骨秋蔵:「その運動を行っている主体は、FHセルやテロ組織ではなく……ルビンカ政府そのものです」
皆方アイリ:「……そんなことが許されてるんです?この現代で?」
リオ・グッドマン:「選民思想の強いオーヴァードが国家転覆を目論んで、ってのはよく聞く話っすけど」
リオ・グッドマン:「国を挙げてのオーヴァード迫害ってのは初耳っすね」
鹿骨秋蔵:「無論、許されることではありません。ですが」
鹿骨秋蔵:「日本の例を見ても分かる通り、UGNは機関としてはあくまで一省庁の一部門に過ぎません」
鹿骨秋蔵:「そもそも、公表されていない秘密組織です。政治的には恐ろしく弱い立場にあります」
雨宮珀亜:「……現地のUGNは有効な手を打てていないと?」
鹿骨秋蔵:「それなら良かったのですが。そもそもルビンカにはUGN支部は存在しないのですよ」
鹿骨秋蔵:「結論から言えば……相手が単なるFHセルならともかく、一国家の政府に対する内政干渉は、UGNの手に余る、ということです」
鹿骨秋蔵:「ルビンカは豊富な労働力と国土を持ち、先進国が多くの出資を行っている国でもあります」
鹿骨秋蔵:「日本企業の工場も多いですし、外国人留学生として大勢を受け入れてもいます」
鹿骨秋蔵:「ルビンカに触れようとすると、外務省と経産省をはじめ、あちこちから突かれることになります」困ったように笑う
リオ・グッドマン:「…でも」
リオ・グッドマン:「”無理を通す”んすよね」
鹿骨秋蔵:「ええ」頷く
鹿骨秋蔵:「ルビンカ政府内部に深く根を張り、虐殺を裏から操っているのが“ネロ”です」
鹿骨秋蔵:「ルビンカの現状も、彼による情報操作によるところが大きい。彼さえ排除すれば、一気に解決の糸口は見えてくるはずです」
雨宮珀亜:「オーヴァードによるオーヴァードのための世界を目指しているはずのFHが、オーヴァードを迫害している……」
雨宮珀亜:「思った以上にイかれてるみたいだな。その皇帝陛下は」
五十嵐トーコ:「他のオーヴァードが居ないって自由が欲しいんでしょう?“エルダーズ”ってのは」
五十嵐トーコ:「それもまたFHの言う自由ってことなんすかね~」
楫かなえ:「でなければ、オーヴァード相手の人体実験が、向こう側で流行ることもないでしょう」
楫かなえ:「オーヴァードであっても、他人の助けを待つしかない状況に陥ることはあります」
楫かなえ:「……そういうひとたちを、秋蔵さまは、また救われるのですね」
リオ・グッドマン:「うはは、UGNに入ってそこまで経ってねぇけど、国相手に喧嘩売るのは初めてだ」
リオ・グッドマン:「………」皆方さんの方を見て
リオ・グッドマン:「大丈夫なんすか?このまま俺達と同行して」
リオ・グッドマン:「知ってると思うんすけど、査察部ってのは、組織系統からして別物だ」
リオ・グッドマン:「アンタが最後まで首突っ込む必要はないんすよ?」
皆方アイリ:「……お気遣いありがとうございます」 努めていつも通りの笑顔を浮かべて。
皆方アイリ:「ただ、お忘れかもしれませんけど。あたしも一応N市所属のUGNなんで」
皆方アイリ:「国が関わってるって聞いただけで尻尾巻くほどヤワでもないんですよ」
皆方アイリ:「世界だって一回くらいは救ったことがありますしね」 最後はことさらに冗談めかして。
リオ・グッドマン:肩を竦めて笑う
リオ・グッドマン:「それ言われちゃ何も言えねーや」
リオ・グッドマン:な?とでも言うように、楫と雨宮に目配せする
雨宮珀亜:「……好きにしろ」(冗談になってないんだよな……)
五十嵐トーコ:「あたしのピカピカのキャリアもこれで終わりっすか~……」肩を落とす。
楫かなえ:「元からそう望みもないでしょう」
五十嵐トーコ:「かなっちあたしに当たり強くないすか~!?」
鹿骨秋蔵:「皆さんのことは、僕が責任を持って守るつもりです」
鹿骨秋蔵:「どうか心配なく、存分に捜査に当たってください」
楫かなえ:「秋蔵さま…………」
雨宮珀亜:「了解」短く返事をして
雨宮珀亜:「話が済んだならこれで失礼します。情報源と会う予定を入れてるんで」
雨宮珀亜:ジャケットを羽織り、廊下へと出ていく
雨宮珀亜:(……"ルビンカの虐殺"、か)
雨宮珀亜:("ネロ"が"百舌鳥"との取引のためにこの街に来たのだとしたら……)
雨宮珀亜:頭の中で、リオに言われた言葉を反駁する。
雨宮珀亜:("疲れている事にも気付かずに、走り続けることもある")
雨宮珀亜:「敷島、今のお前はどっちなんだ?」
雨宮珀亜:(鬼か、それとも人間か)
雨宮珀亜:(……お前も)
雨宮珀亜:(お前も、迎えが来るのを待っているのか……?)
雨宮珀亜:星のない夜空を見上げながら、街の中へと消えていった。
---
GM:深夜零時過ぎ。帰宅した君は、就寝の準備を整えて床に就こうとしていた。
GM:日頃の捜査で疲れも溜まっているだろう。すぐにでも布団に潜り込もうとした時、通信端末に着信が入る。
GM:着信元は、公衆電話となっている。
皆方アイリ:逡巡は一瞬。もしかしたらと思えば、取らずにはいられなかった。
皆方アイリ:「……もしもし」
GM:「…………」
GM:数秒の沈黙。それから。
逢河雷魚:『……皆方』
逢河雷魚:聴き慣れた声がする。
皆方アイリ:「先……」 昂りかけた感情を必死になって押し殺す。
皆方アイリ:「……何を話したいんですか?もしくは、何なら話せます?」
皆方アイリ:「全部聞きますし、必要なら今からそっち行きます。何でも言ってください」
逢河雷魚:「……ああ……」
逢河雷魚:通話先から微かに聞こえる息は、不自然に深く長い。荒い呼吸を悟られないようにしている。
GM:逢河の手配以降、通信はUGNに監視されている。恐らくはそれを承知で掛けてきている。
逢河雷魚:『……無事か?今、どうしてる』
逢河雷魚:掠れたような声。肺に負傷をしているのか。
皆方アイリ:「こっちは無事です。査察部に召喚されて、そこの手伝いをしてます」
逢河雷魚:『……査察部? ……そうか……』
逢河雷魚:『……良かった。無事なんだな』零すように言って、深く息を吐く。
皆方アイリ:「そっちは大分無事じゃないみたいですけど。こっちに来るわけには行かないんですか?」
逢河雷魚:『…………』しばらく黙り込んで。
逢河雷魚:『……皆方。……悪い』
逢河雷魚:『前に言ったよな、どこにも行ったりしないって』
逢河雷魚:『……嘘になるかもしれない』
皆方アイリ:「……そうですか」
皆方アイリ:「なら、今度はあたしが迎えに行きますね」
皆方アイリ:なんの躊躇いも戸惑いもなく、至極当然のように。そう口にする。
逢河雷魚:『…………。……いいや。いいや、駄目だ』
逢河雷魚:通話先から、激しく咳き込む音が聞こえる。
逢河雷魚:『……皆方。いいか。頼みがある。よく聞いてくれ』
皆方アイリ:「はい」
逢河雷魚:『……もし俺に何かあったとしても、探ったりしようとするな』
皆方アイリ:「お断りします」
逢河雷魚:『……ッ…… ……おい!!本気で言ってんだぞ!!』
逢河雷魚:普段君には決して向けないような剣幕の声。
皆方アイリ:「あたしが本気じゃないとでも?前にも言ったじゃないですか」
皆方アイリ:「あたしが好きでやるんです。やりたくてやることです」
皆方アイリ:「例え先輩本人にだって止めさせません」
逢河雷魚:『…………。……いいや、駄目だ。絶対にやめてくれ』
逢河雷魚:『……頼む、皆方』
逢河雷魚:『…………頼むよ』
逢河雷魚:声は懇願するような色を帯びる。
皆方アイリ:「ダメです。折れません」
皆方アイリ:「……この際だから言っておきましょうか。ホントなら絶対言いたくない話なんですけど」
皆方アイリ:「あたし、先輩が大変な時に何もせずのうのうと生き延びるくらいなら。首突っ込んで死んだ方がマシだって思ってますよ」
皆方アイリ:「なので、何をどう言われても引けません。諦めてください」
逢河雷魚:「……ああぁ、クソッ……!!」
逢河雷魚:「……だからだろ!!」
逢河雷魚:「それが嫌だから言ってるんだろうがよ……!!」
逢河雷魚:通話先で、何かを殴り付ける音がする。
皆方アイリ:「あたしだってそれが嫌だって言ってるんですよ、分かってます?」
皆方アイリ:「先輩が、命すら危うい状態に居るのに。なんも出来ないことが、どれだけ苦しいか」
皆方アイリ:「分かんないって言うんですか」
皆方アイリ:電話越しだから、表情は見えない。それでも泣いてやるものかと思った。
皆方アイリ:このお人好しの分からず屋に、直接会って一発ぶったたいてやるまで。絶対に泣くものか。
逢河雷魚:「…………」
逢河雷魚:黙り込む。ただ苦しげな呼吸だけが聞こえてくる。
逢河雷魚:「……それなら」
逢河雷魚:「それなら、頼む」
逢河雷魚:口にするのを逡巡するような間があって。
逢河雷魚:「……もし、俺が死んだら」
逢河雷魚:「……その時は、俺のことは忘れろ」
逢河雷魚:「お前は、俺のことなんて気にせず、幸せになってくれ」
皆方アイリ:「……」 怒鳴りつけそうになったのを辛うじて飲み込んで。
皆方アイリ:「先輩が同じことを約束できるなら」
逢河雷魚:「…………」
逢河雷魚:息を飲み、詰まらせる音が聞こえて。
逢河雷魚:「……。……頼んだからな」
逢河雷魚:返事はせず、それだけを言い残し。
逢河雷魚:ガチャリ、と唐突に通話は切られる。
皆方アイリ:ツー、ツー、とむなしく響く電子音を聞いて。
皆方アイリ:「……忘れられるんだったらこんなことになってないでしょ、お互い」
皆方アイリ:端末を放り投げる気力すらなくして、力なくもう一度ベッドに伏せた。
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得・購入可です。
雨宮珀亜:ロイスは保留しとこうかな
リオ・グッドマン:ロイスは保留して
皆方アイリ:ロイスは先輩への感情を〇恋慕/心配から〇恋慕/憤懣に変更してSロイスに指定
雨宮珀亜:購入はきぐるみ!
雨宮珀亜:2dx+1>=14
DoubleCross : (2DX10+1>=14) → 9[6,9]+1 → 10 → 失敗
雨宮珀亜:ぐぬぬ……
楫かなえ:同僚:雨宮珀亜 〇心配/不満 で取ります
リオ・グッドマン:《マシンモーフィング》で調達判定、目標は戦闘用着ぐるみ
雨宮珀亜:リオくん……!
リオ・グッドマン:6dx+13
DoubleCross : (6DX10+13) → 10[2,4,5,8,8,10]+4[4]+13 → 27
リオ・グッドマン:雨宮君にあげます
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を3増加 (69 → 72)
雨宮珀亜:心の友よ……!
皆方アイリ:購入はどうしようかな 特にほしいものもないけど
雨宮珀亜:友情のきぐるみを装備して以上!
楫かなえ:うーん 強化素材を狙います
リオ・グッドマン:通常の購入は…どうしようか、照準器狙おう
楫かなえ:いや
リオ・グッドマン:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 8[4,8]+4 → 12
楫かなえ:やっぱりブルーゲイルで。すっかり忘れてた強化ビジネススーツの効果も乗せて……
リオ・グッドマン:バデムが欲しい…
皆方アイリ:OK、バデム!
楫かなえ:9dx+3>=20
DoubleCross : (9DX10+3>=20) → 10[1,2,4,5,5,8,8,9,10]+6[6]+3 → 19 → 失敗
楫かなえ:財産1点使って購入して以上!
リオ・グッドマン:あざす!ボルトアクションライフルに使って以上!
皆方アイリ:ならこっちで強化素材狙うだけ狙ってみよ
皆方アイリ:2dx+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 10[1,10]+2[2]+1 → 13 → 失敗
皆方アイリ:4点あるし使っても良いか 2点払って購入して楫さんにパス!
楫かなえ:ワッ ありがとうございます!ワイヤーウィップを攻撃力+1します
【Masterscene2】
逢河雷魚:「はっ……はぁっ……」
逢河雷魚:荒い息を吐きながら、ビルの非常階段を駆け上がっていく。
逢河雷魚:身体のあちこちは赤黒く染まり、開いたままの傷もある。乾いた血が顔に張り付いている。
逢河雷魚:手摺りに手を掛け、後方を振り向いた瞬間──
逢河雷魚:「ぐあッ……!!」
逢河雷魚:獣の牙のような『魔眼』が飛来し、幾つも腕に突き刺さり肉を食い破る。
逢河雷魚:「クソがっ……!」
逢河雷魚:魔眼ごと腕の肉を毟り取る。激痛に苦悶する間もなく、下方から更に銃撃。屋上に走り込む。
逢河雷魚:「はー……ッ……」
逢河雷魚:迫ってくる複数の足音。ビルは15階建て。屋上から逃げ場は無い。
逢河雷魚:深く息を吐き、手摺りから身を乗り出し、遥か下方の地面を見つめる。
逢河雷魚:「……チッ……」
逢河雷魚:舌打ちをして、覚悟を決める。追手が屋上に踏み込んでくると同時、空中に身を投げた。
逢河雷魚:一瞬の浮遊感。そして、重力に引かれ落下していく。見る間に空が遠退き、アスファルトが迫ってくる。
逢河雷魚:「う……おぉおおおおッ!!」
逢河雷魚:地面に叩きつけられる寸前、腕から巨大な影が膨れ上がる。アスファルトを殴りつけ、轟音と共に衝撃を相殺する。
逢河雷魚:それでも、傷付いた身体には引き千切れそうなダメージが襲ってくる。地面に転がって、大の字になり咳き込む。
逢河雷魚:「……ッ……」
逢河雷魚:(これで、少しは──)
逢河雷魚:そう思った瞬間、頭上に影が差す。
“ドレッドノート”:「────」
“ドレッドノート”:筋骨隆々の巨体。剥がされた自らの生皮を縫い付けられたかのような、全身血まみれの異様な姿。
“ドレッドノート”:そんな怪物が、巨大な拳を振り上げていた。
逢河雷魚:「な……ッ……!?」
逢河雷魚:瞬時に影を伸ばし、道路標識を掴んで身体を引き寄せる。振り下ろされた拳はアスファルトを粉々に粉砕し、巨大なクレーターを生んだ。
“ドレッドノート”:「…………」
“ドレッドノート”:殴打を避けた逢河に頭を向け、再び拳を構える。
逢河雷魚:「てめぇ……」
逢河雷魚:標識を支えに何とか立ち上がるが、体力は限界に来ている。
逢河雷魚:「UGNじゃねえな……」
“ドレッドノート”:返事はない。その頭を握り潰さんと、巨大な腕が掴みかかる。
逢河雷魚:「……!」回避できる力は残っていない。能力も既に使いすぎている。
逢河雷魚:これ以上侵蝕が上がれば、ジャーム化は免れないだろう。それでも今は、戦わねば死ぬ。
逢河雷魚:影を纏い、迎え撃とうとして──
GM:上空から、閃光。怪物の腕が吹き飛ばされる。
“ドレッドノート”:「────!」
逢河雷魚:「……!?」
GM:血飛沫が舞う。逢河の眼前には、豪奢な装飾が施された一振りの槍が突き刺さっている。
逢河雷魚:「……誰が……」
逢河雷魚:見上げると同時、人影が降り立つ。
"百舌鳥":「……」
"百舌鳥":荒々しい暴力の匂いを纏う、冷たい雰囲気の男だ。燐光を放つ槍を引き抜き、切っ先を怪物に向ける。
"百舌鳥":「……引け」
“ドレッドノート”:「…………」
“ドレッドノート”:形勢不利と見たか、あるいは別の理由か。身を翻し、大きく跳躍。ビルの合間に消えていく。
逢河雷魚:ひとつ咳き込んで、男を見つめる。
逢河雷魚:「……誰だ、あんた……」
逢河雷魚:「どうして俺を……」
"百舌鳥":「……」
"百舌鳥":逢河を一瞥だけして、こちらも身を翻す。彼を保護するでもなく、そのまま姿を消す。
逢河雷魚:「……何なんだよ……」
逢河雷魚:状況はまるで理解できないが、自分が助けられたことは分かる。とにかく今は、逃げなくてはならない。
逢河雷魚:残った体力を総動員して、歩き出そうとして。前方に何者かが居ることに気付く。
逢河雷魚:「……お前は……」
五十嵐トーコ:「……」
五十嵐トーコ:傷だらけのその姿を見て、“破輪”は歯を見せて笑った。
【Middle4】
GM:情報収集シーンです 全員登場可!
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (49 → 54)
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (72 → 76)
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (62 → 67)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (61 → 65)
GM:情報項目はこちら!
・“百舌鳥”について
情報:UGN/裏社会 難易度12 雨宮珀亜は達成値+3
・逢河雷魚について③
情報:噂話/UGN 難易度12 皆方アイリは達成値+3
・“ナズグル”牧田コウタについて
情報:噂話/UGN 難易度11
・“ドレッドノート”について
情報:噂話/FH 難易度10
雨宮珀亜:ここは順当にボーナスついてる項目かな
皆方アイリ:ですかね
リオ・グッドマン:ですね、お二人はそっちに行ってもらって
楫かなえ:残り二つはどちらでもいいだろうけどドレッドノートをやろうかな?
リオ・グッドマン:そしたらナズグルいきます
皆方アイリ:コネ使ってUGNで判定行きます
皆方アイリ:4dx+4>=12
DoubleCross : (4DX10+4>=12) → 10[1,8,9,10]+9[9]+4 → 23 → 成功
皆方アイリ:めっちゃ気合入ってる
雨宮珀亜:“百舌鳥”について 情報:UGNでコネ使用
雨宮珀亜:4dx+4>=12
DoubleCross : (4DX10+4>=12) → 4[3,4,4,4]+4 → 8 → 失敗
雨宮珀亜:げっ
楫かなえ:あらら
雨宮珀亜:財産1あるんでバデムもらってもいいです?
皆方アイリ:OKです、バデム!
雨宮珀亜:ありがとうございます!財産1プラスして成功!
楫かなえ:よかったよかった
リオ・グッドマン:今回は素の判定にしよう。コネ使ってダイス+2
リオ・グッドマン:4dx+1
DoubleCross : (4DX10+1) → 9[4,4,6,9]+1 → 10
リオ・グッドマン:財産1使って成功
楫かなえ:“ドレッドノート”について。ミーミルを情報掲示板に変化させて噂話で判定します
楫かなえ:9dx+2>=10
DoubleCross : (9DX10+2>=10) → 10[1,3,3,3,4,7,9,10,10]+8[7,8]+2 → 20 → 成功
楫かなえ:問題なし
GM:がんばりましたね では全成功なので開示!
・“百舌鳥”について①
情報:UGN/裏社会 難易度12 雨宮珀亜は達成値+3
裏社会で遺産簒奪者として恐れられているオーヴァード。数々のオーヴァードを打ち倒し、所有する遺産を強奪しているらしい。
奪われた遺産が市場に流れている様子は無く、単にコレクションとして奪っている、あるいは目当ての遺産を手当たり次第に探しているとの見方が強い。
UGN時代は武器の扱いと体術に長けたノイマンのピュアブリードだったが、現在は重度の身体改造を施しているようだ。
ここ数ヶ月、ごく僅かだがN市内でその姿を確認されている。
・逢河雷魚について③
情報:噂話/UGN 難易度12 皆方アイリは達成値+3
ここまで断続的に確認されていた逢河の足取りは、突如としてぱったりと途絶えている。市外に出た形跡も無い。
食料や水の確保など生存に必要な行為を行おうとすれば必ず何らかの形で監視網に掛かり、たとえ市街地から離れた山中などに潜んだとしても、レネゲイドビーイングの目からは逃れられないはずだ。
逢河は何らかの形で監視から逃れられる場所に潜んでいるか、あるいは既に死亡している可能性が高い。UGNは引き続き捜索を行う予定だ。
・“ナズグル”牧田コウタについて
情報:噂話/UGN 難易度11
N市UGN第二支部所属エージェント。
軽い性格だがUGNの任務には熱意を持って取り組んでおり、トレーニングは欠かしていなかった他、他支部の報告書や事件記録をファイリングする、支部の生活環境向上に努めるなど真面目な一面もあったようだ。
シンドロームはエンジェルハィロゥ/ノイマンで、白兵戦を得意とした。
逢河雷魚とは友人であり、数年前まで同支部の同僚だった他、現在まで時折プライベートでも交流があったようだ。
自宅で死体となって発見され、死因は頭部への強打と見られる。現場には『Traitor』の血文字が残されていた。連続殺人事件の4番目の被害者と見られるが、予告状のようなものは見つかっていない。
事件に関連する捜査で、複数のFHセルに捜査情報を漏洩していた証拠が発見され、内通者だったと見られている。だが生前の彼を知る者は調べに対し、ほとんどが彼にそんな素振りは無かった、そんな人間ではなかったと否定的なようだ。
・“ドレッドノート”について
情報:噂話/FH 難易度10
この数日、市内で“ドレッドノート”の目撃情報が寄せられている。
“ドレッドノート”は正体不明、所属不明のオーヴァードであり、巨体と怪物じみた容姿が特徴。
高い身体能力と怪力の持ち主で、キュマイラやエグザイルと見られている。
最大の特徴はその神出鬼没さであり、世界中の様々な国で目撃され、事件を起こしている。最新の記録では約1週間前にブラジルで活動していたようだ。
UGN、FH、ギルド、SoGなどあらゆる組織に対し無差別に攻撃を行なっており、会話をしたという記録も無く動機も不明。恐らく闘争などの衝動が暴走したジャームではないかと見られている。
GM:また、これらの情報項目を達成したため、トリガーシーンが発生します。
---
GM:君──リオ・グッドマンは、外出する為マンションの部屋を出た。
GM:少し歩いて、表通りに差し掛かろうとしたところで、近くの路地から小さな話し声が聞こえてくることに気付く。
リオ・グッドマン:「……?」立ち止まり、そちらに意識を向ける
ジャクリーヌ・デスタン:『……ですから……ええ……』
ジャクリーヌ・デスタン:ジャクリーヌだ。スマートフォンを手に、誰かと電話しているらしい。
ジャクリーヌ・デスタン:『これ以上引き延ばしては、あまりにも危険が大きく……』
ジャクリーヌ・デスタン:薄暗い路地で、声を潜めるように喋っている。
ジャクリーヌ・デスタン:『……場所ですか?いえ、それはまだ……』
リオ・グッドマン:こちらもスマホを取り出して、メモアプリを起動。通りの端に身を寄せる
ジャクリーヌ・デスタン:『あなたも仰られていたではないですか、早く帰らなければいけないと……!』
ジャクリーヌ・デスタン:『ですから……あっ……ちょっと……!?』
ジャクリーヌ・デスタン:一方的に通話が切られたらしい。不服な顔をして、端末をしまう。
ジャクリーヌ・デスタン:少し周囲を見回して、反対方向に抜けていく。隠れた君には気付かなかったようだ。
リオ・グッドマン:────ジャクリーヌの発言を入力した画面を目視して、メモを削除する
リオ・グッドマン:そしてスマホをしまい、背伸びをして二、三度腰を捻る
リオ・グッドマン:(……さーて)
リオ・グッドマン:(キナ臭くなってきやがったな)
リオ・グッドマン:一つ欠伸をして、取り敢えず誰かと共有しなきゃな、と考えながら、その場を離れた。
リオ・グッドマン:───そのまま、通りを数十m歩いて
リオ・グッドマン:「……お」
リオ・グッドマン:見知った顔を見付ける
楫かなえ:「あら」
リオ・グッドマン:「お疲れーっす!エコバッグ持ってどうしたんすか?」
楫かなえ:雑踏の中、ローファーの爪先をくるりと回して振り向く。「買い出しに行くところでした」
楫かなえ:まだ膨らんでいないバッグを掲げて。「飲み物と、お菓子が無くなりそうだったので」
リオ・グッドマン:「はぁはぁ、成程成程」
リオ・グッドマン:そう言いながら、しれっと隣に陣取って
リオ・グッドマン:「じゃあ荷物持ちが要るっすね」
リオ・グッドマン:「………少し、いいっすか」
リオ・グッドマン:そう、ぼそっと呟く
楫かなえ:「……ん。では、お言葉に甘えます」頷き、何気ない風を装って歩き出す。
リオ・グッドマン:こちらも頷いて歩き出す
リオ・グッドマン:「ダンテの神曲なんすけど」
楫かなえ:「ええ」
リオ・グッドマン:「あのマーレボルジェ、二と六と九だけ覚えてないんすよね、なんでしたっけ」
リオ・グッドマン:それぞれ阿諛者、偽善者、離間者だ
楫かなえ:そのように答える。
楫かなえ:「……と、先日覚えましたけれど」
楫かなえ:「それが何か?」
リオ・グッドマン:スマホの画面に指を走らせながら「いや、最近会った人がめっちゃ阿諛者…っつーんすか?ちょっと鬱陶しくて」
楫かなえ:「めっちゃ阿諛者って」怪訝な顔。
リオ・グッドマン:「ほら、これその人とのやり取り」スマホの画面を見せる
楫かなえ:少し背伸びをして覗き込む。
リオ・グッドマン:先程のジャクリーン・デスタンとの会話記録。また、彼女ら従者二人はミランダから離れたホテルを拠点にしているという旨の記載がされている
リオ・グッドマン:「どうもめんどっちーんすよねー。弱みの一つでも握れば大人しくなってくれるんすかね?」
楫かなえ:「…………なるほど」
リオ・グッドマン:「やっぱこういうのって人に言いたくなるよな~って」
リオ・グッドマン:スマホをしまって
リオ・グッドマン:「かなちゃんは居ないんすか?苦手な人とか」
リオ・グッドマン:「……あ、俺か!」
リオ・グッドマン:うははと笑って
楫かなえ:「違います」嘆息する。
楫かなえ:「おおむね誰のことでも嫌いなので」
リオ・グッドマン:思わず吹き出す
リオ・グッドマン:「辛辣~~!!」
リオ・グッドマン:「好きになってもらうには、どうすればいいんすか?」
楫かなえ:「グッドマンさまの場合は、そういうところです」
楫かなえ:「わたくしが来た当初から、何かと構ってくださって。きっと親切心なのでしょうけれど」
楫かなえ:「正直なところ鬱陶しい」
楫かなえ:目を伏せ、指で毛先を弄るようにする。
リオ・グッドマン:「うはは、俺以外には言っちゃ駄目っすよそういうの。人によっちゃずっと引きずるんで」
リオ・グッドマン:「……嫌いっすか?人と関わるのは」
楫かなえ:「あなたはどうなんですか?」
リオ・グッドマン:「俺?俺は見ての通り」
リオ・グッドマン:「大好きっすよ。どうせ作るなら、甘い思い出が多い方がいいっすもん」
楫かなえ:「ふうん」
楫かなえ:横目で見て、くす、と笑って。
楫かなえ:「最近は如何です」
楫かなえ:「甘い思い出になりそうな出会いが?」
リオ・グッドマン:「さて、どうだか」
リオ・グッドマン:「まだ分かんねーっすけど、少なくとも、今かなちゃんと喋ってるのは間違いなく甘い思い出っすね」
リオ・グッドマン:「珀亜みてーに壁があるのも、かなちゃんみてーに棘があんのも」
リオ・グッドマン:「この時俺がここに居て、めんどくせー相手と喋ってたっつー消えない記憶だ」
リオ・グッドマン:「アンタにとっちゃ些細な事でも」
リオ・グッドマン:「俺はずっと憶えてる。」
楫かなえ:「忘れられないから、どうせなら楽しくしようと」
リオ・グッドマン:「そ。苦いのも辛いのも嫌いっすからねー、俺は。」
楫かなえ:「同情します」
リオ・グッドマン:「うはは、あざーっす!」
楫かなえ:「それなら、向いていないのではないですか、この仕事」
楫かなえ:「失望させられることばかりでしょう」
リオ・グッドマン:「その辺は…それはそれ、これはこれ」
リオ・グッドマン:「悪い事したんなら」
リオ・グッドマン:自らの両親を思い浮かべて
リオ・グッドマン:「相応の罰を受けるのは、当り前の事なんで」
楫かなえ:「……」
リオ・グッドマン:「例えば、まぁ無いとは思うっすけど、かなちゃんがすげー悪い事したとしたら」
リオ・グッドマン:「俺は躊躇いも無く引き金引くっすよ」
リオ・グッドマン:そう言って、笑い飛ばし
リオ・グッドマン:「……嫌いな話ばっかりしても仕方ないっすね!好きなもんの話しようぜ!はい!」
リオ・グッドマン:そう言って、インタビュアーのようにマイクを突き付けるジェスチャーをする
楫かなえ:顔を顰め、その腕を避けて通ろうとする。
リオ・グッドマン:「……クッキーの埋め合わせ」
リオ・グッドマン:その手に握られていたのは、有名なメーカーの高級チョコレートだ
楫かなえ:「ん……」
楫かなえ:「……中に入れてください」手提げバッグの口を広げて示す。
リオ・グッドマン:「ん」その中に放り込んで
リオ・グッドマン:「別にいいっすよ、答えなくても」
リオ・グッドマン:そう言って、頭の後ろで手を組んで
リオ・グッドマン:「だって自明っすもん」
リオ・グッドマン:笑いながらそう言って、買い出し先のスーパーの中へと入っていく
楫かなえ:その背中を困ったように目で追って。
楫かなえ:「……本心なのか見せかけなのか分からないから」
楫かなえ:「信じていいか判断しにくいのも、嫌いです」
楫かなえ:呟き、歩調を早めて後に続く。
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十一地区 ライブハウス『DAI・N・SHI』
雨宮珀亜:市内のライブハウス。照明の落とされたフロアの中で若者たちがひしめき合っている。
雨宮珀亜:ステージに立っていたバンドは大学生ぐらいだろうか
雨宮珀亜:数曲を歌い終えた女性ヴォーカルがオーディエンスに挨拶し、ステージ横に履けていく。
雨宮珀亜:次の演奏が始まるまでの暫しの間、ステージ前に集っていた観客たちもまばらに雑談を交わし始める。
雨宮珀亜:「普段こういった場所には来ないのか」
雨宮珀亜:フロアの隅でそれを眺めていた君のもとへ、二人分のドリンクを抱えてやってくる。
皆方アイリ:「あんましですね。たまに友達が来るのに付き合ったり、友達がやるの見に来たりくらいで」
皆方アイリ:ありがとうございますと受け取って一口。
雨宮珀亜:「そうか」自分も口をつけながら。
皆方アイリ:「雨宮さんはよく来られるんです?」
雨宮珀亜:「仕事ではな。こういった雑多な場所を好む情報屋は多い」
雨宮珀亜:「プライベートでは……」
雨宮珀亜:「……昔はよく来ていたよ。仲間の付き合いでな」
皆方アイリ:「……なるほど」 音楽が好きな人が"居た"んだろうなと納得して。
皆方アイリ:「なら、今回もお仕事しましょうか」 触れるのを避ける形で話を戻す。
雨宮珀亜:「そのつもりだ」飲み干したドリンクの紙コップを握りつぶす。
皆方アイリ:「あたしは変わらず先輩の情報を追ってたんですが……消息が途切れたらしいです」
雨宮珀亜:「途切れた、か」
皆方アイリ:「はい。完全に」
皆方アイリ:「食料や水を確保するなら必ず監視網にかかります。RBなども動員してるので、市外だろうと関係なく」
皆方アイリ:「それでも完全に途絶えたということは、どこかしらに潜んでいるか。あるいは」
皆方アイリ:一瞬だけの間をおいて。 「先輩と判別できる姿をしてないか」
雨宮珀亜:「……」
雨宮珀亜:「どちらにしろ妙だな」
雨宮珀亜:「"チケット・トゥ・ヒンノム"は前回の報告の時点で相当に消耗していたはずだ」
雨宮珀亜:「隠れるにしろ、単独でそこまで完璧に身を隠せるなら初めからしているだろうし」
雨宮珀亜:「……死んだのなら、UGNが痕跡すら見つけられないのは不自然だ」
皆方アイリ:「……そうです、よね」 自分でもそうは思っていたものの、目線が冷静である自信はない。
皆方アイリ:「なら、第三者の介入があったと考えるのが自然、でしょうか」
雨宮珀亜:「そうだな。一体誰が、という疑問はあるが」
雨宮珀亜:「ついでに言うと、その第三者が"チケット・トゥ・ヒンノム"に危害を加えていない保証もない」
雨宮珀亜:「奴は遺産の継承者なんだろ?」
皆方アイリ:「はい。いわゆる無形遺産ですが」
雨宮珀亜:「無形だとしても、剥ぎ取る手段はいくらでもある」
雨宮珀亜:「その第三者が、奴の命ではなく奴の財産を助けた可能性も、考慮に入れるべきだろう」
皆方アイリ:「……そうおっしゃるってことは、それに繋がるような情報が出てきたってことですか?」
雨宮珀亜:「……まあな」
雨宮珀亜:「前に言った"百舌鳥"は、遺産簒奪者だ」
雨宮珀亜:「遺産を所有するオーヴァードを直接打ち倒してそれを強奪している。相当な数をな」
雨宮珀亜:「目的は不明。市場に流れていない以上金目当てではないんだろうが……」
皆方アイリ:「その人が先輩に接触した可能性があると」
雨宮珀亜:「奴に取っては、組織から追われた孤立無援の継承者なんてのはいいカモだろうな」
皆方アイリ:「……確かに、有りえる話ですね」
雨宮珀亜:「……」
雨宮珀亜:「随分、冷静なんだな」
皆方アイリ:「そう見えてます?」
雨宮珀亜:「……他人の顔色を伺うのは苦手だ」
皆方アイリ:「ふふ、すみません。ちょっと安心しただけですよ」
皆方アイリ:「冷静であるよう努めてますので。そう見えてるなら多少は成功してるんでしょう」
雨宮珀亜:「……そうか」
雨宮珀亜:「実際、上手くやれているんじゃないか。奴から接触があった件をすぐ報告した事もそうだが」
雨宮珀亜:「普段孤高を気取ってるエージェント程、身内の事となると取り乱すものだ」
雨宮珀亜:壁際の椅子に座り、足を組んでステージを眺める。
雨宮珀亜:「僕もそうだったからな」
皆方アイリ:「……あたしも、指名手配聞いた時は取り乱しましたよ」
皆方アイリ:その脇の椅子に並んで座る。地面に届かない足が頼りなく揺れる。
皆方アイリ:「でもそのすぐ後に査察部から連絡が来まして。重要参考人として召喚願いたいって」
皆方アイリ:「そしたらもう、取り乱してる場合じゃないなって。あたしの証言が少なからず捜査に影響するかもじゃないですか」
皆方アイリ:「あたしが何をどうするかが先輩の未来にちょっとでも関わるって思ったら、一気に頭冷えました」
雨宮珀亜:「賢明だな」座ったまま背を丸めて頬杖をつく
雨宮珀亜:「……仮に」
雨宮珀亜:「……仮に、"チケット・トゥ・ヒンノム"が本当に無実で、命を永らえていて」
雨宮珀亜:「無事に保護され、一切の誤解が解けて、全てが丸く納まったとしたら」
雨宮珀亜:「アンタはなんて声をかける?」
雨宮珀亜:気怠げにステージを見つめたまま問いかける
皆方アイリ:「そうですね……。迷いますけど」
皆方アイリ:「一発ひっ叩いてやるってのは決めてます」
皆方アイリ:「バカ過ぎること言われてめちゃくちゃキレてるので」
雨宮珀亜:「……ああ、そいつはいいな」
雨宮珀亜:「別に、優しく迎えてやる必要もないしな」
皆方アイリ:「まあ優しくするのはその後ということで」
皆方アイリ:「なので、ちゃんと迎えに行けるよう。今後もお願いしますね?」
雨宮珀亜:「善処はする」
雨宮珀亜:「保証できるのはアンタの無事だけだけどな」
雨宮珀亜:次のバンドがステージに登場し、観客たちがぞろぞろと前に集まり始める。
雨宮珀亜:壇上には高校生ぐらい年齢の少年少女が4人。
雨宮珀亜:中央でマイクを握った少女の顔に一瞬、数年前同じ場所に立っていた友の面影が重なる。
雨宮珀亜:(……よく考えたら、渡良瀬がいないのにお前が来るわけないよな。敷島。)
雨宮珀亜:(なあ、教えてくれよ)ステージから目を逸らし、暗い天井を仰ぐ。
雨宮珀亜:(一体、どこに迎えに行けばいい……?)
---
GM:その日の午後。
GM:君達の端末に、一通のメールが届いた。
GM:差出人は鹿骨秋蔵。誰にも言わず、一人で来るようにとの指示と、集合場所・時間が書いてあり
GM:そこに向かってみると、一台のワゴン車が停まっていた。
GM:それを別の場所・別の時間で四度繰り返し
GM:最後に雨宮が乗り込んで、車内には君達全員が揃った。
五十嵐トーコ:「珀亜クンおつ~」助手席から手を振る。
鹿骨秋蔵:「お待たせしました、雨宮くん」運転席から振り返る。
リオ・グッドマン:「ういーーーっす」後部座席から声をあげる
雨宮珀亜:「ども」足早に車へ近づいてドアを開ける。
雨宮珀亜:「揃って挨拶しなくいい。目立つだろ」
リオ・グッドマン:「でも無言だと寂しいだろ~?」
雨宮珀亜:「別に寂しくない」
GM:ワゴン車は目立たない一般的なものだが、ガラスはスモークになっている。ギリギリ条例違反の濃度だ。
楫かなえ:密集した空間に辟易するように、ただでさえ小さい身を窓際で縮こまらせている。
五十嵐トーコ:「やっと全員揃ったね~」
五十嵐トーコ:「かなっち狭くない?だいじょぶ?」
楫かなえ:「……平気です」つっけんどんな返事。
リオ・グッドマン:「……」そう返す彼女を、少しにやけた顔で見て
リオ・グッドマン:「んで、何するんすか?報告会?」
皆方アイリ:「車ってことはどこかに行くんです?」
鹿骨秋蔵:「ええ、そうです。ちゃんとシートベルト締めてね」
鹿骨秋蔵:ギアを入れ、静かに車を発進させる。
鹿骨秋蔵:「“ネロ”の居場所が割れました」
楫かなえ:「!」
リオ・グッドマン:「おおっと…」
雨宮珀亜:「じゃあ、今からそこへ?」
鹿骨秋蔵:「ええ。我々で確保に向かいます」
雨宮珀亜:(気軽に言ってくれるな……ピクニックじゃないんだぞ)
皆方アイリ:「戦闘に備えておけってことですね。了解です」
リオ・グッドマン:「うはは、すげーや。まさかこんなに早く見つかるとはよ」
リオ・グッドマン:「……ああ、そうだ」
リオ・グッドマン:「道すがら聞いて欲しいんすけど」
リオ・グッドマン:そう言って、楫にしたようにジャクリーヌ・デスタンについての報告を行う
五十嵐トーコ:「えっへぇ~?マジ~~?」笑う。「やっちゃってんね~、デスたん」
リオ・グッドマン:「…この件に関与してんのかは分かんねーんすけど、どうにも動向が引っかかる」
雨宮珀亜:「本部エージェントが本隊に隠れて連絡を取る相手か……」
鹿骨秋蔵:「……成程。そうですか」困ったように眉を下げ、小首を傾げる。
楫かなえ:「……」
鹿骨秋蔵:「既にお気付きの方も居るかもしれませんが……」
鹿骨秋蔵:「我々は今、内密に動いています」
鹿骨秋蔵:「特捜チームにも内密に、です」
皆方アイリ:「……内通者の存在を疑ってるってことです?」
鹿骨秋蔵:「ええ。単刀直入に言いましょう。特捜チームの中に、ダブルクロスが潜んでいる可能性があります」
鹿骨秋蔵:「それも、“ネロ”との内通者が。もし彼らに知られれば、みすみす“ネロ”を取り逃がすことになりかねない」
リオ・グッドマン:「だよな~、そうなるよな~……」
五十嵐トーコ:「マジすか~?ヤバいじゃないっすか~」
雨宮珀亜:「……確かにそれなら、10年間追い続けて捕まえられていないのも納得だな」
楫かなえ:「……だから、このような集合方法なのですね」
鹿骨秋蔵:頷く「“ネロ”にも内通者にも、気取られるわけには行きませんでしたから」
リオ・グッドマン:…ミランダの顔を思い浮かべる。この事実を知ったら、舞台の上の彼女は一体どんな顔をするのだろうか、と
雨宮珀亜:「最初から気付いていたんですか?」
雨宮珀亜:「その上で、特捜チームをウチに引き入れたと?」
鹿骨秋蔵:雨宮の問いに薄い微笑だけを返す。首は縦にも横にも振らない。
雨宮珀亜:(このジジイ……)
鹿骨秋蔵:「まず“ネロ”を捕らえ、それから内通者の情報を吐かせます」
鹿骨秋蔵:「その為には、皆さんの力が必要不可欠です」
鹿骨秋蔵:「大一番です。気合を入れていきましょう」
リオ・グッドマン:「っしゃぁ!やんぞやんぞ!」
楫かなえ:「わたくしは、秋蔵さまのなさる通りにするだけです」祈るように両手を組む。「必ずや」
雨宮珀亜:「それが任務なら」
皆方アイリ:「勿論。向こうの事件とも繋がってるかもですし、全力でやらせてますよ」
雨宮珀亜:(……ああ)
雨宮珀亜:(どこまで繋がっているか、確かめさせてもらうぞ)
雨宮珀亜:密かに右の拳を握りしめる。
リオ・グッドマン:……”揉めている” ”時間が無い” ”掴めていない何かがある”
リオ・グッドマン:指を折るように、ジャクリーヌと”誰か”のやりとりからハッキリしている事を考えて
リオ・グッドマン:(…”阿諛者” ごますり 嫌われ者 チームに入って数年のジャクリーヌ)
リオ・グッドマン:(…もし奴が内通者だとするなら、十年間捉えられていない根拠としては少し弱い気がする)
リオ・グッドマン:(それに)
リオ・グッドマン:(…てっきり、ジャクリーヌは”狙われる側”だと思ってたんすけどね)
リオ・グッドマン:薄く笑った口元の下で、そんなことを考えた。
GM:シーン終了。
GM:ロイス・購入可です
雨宮珀亜:ロイスは保留
雨宮珀亜:購入は強化素材狙います。
雨宮珀亜:2dx+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 6[4,6]+1 → 7 → 失敗
雨宮珀亜:全然ダメだった……以上!
皆方アイリ:ロイスは雨宮さんに〇連帯感/隔意で取ります
リオ・グッドマン:楫かなえ:〇正直者/気難しい で!
皆方アイリ:購入は強化素材狙ってみよ
皆方アイリ:2dx+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 7[3,7]+1 → 8 → 失敗
皆方アイリ:ダメー。以上!
楫かなえ:同僚:リオ・グッドマン 罪悪感/〇苦手 で
楫かなえ:購入は強化素材を狙います
楫かなえ:9dx+3>=15
DoubleCross : (9DX10+3>=15) → 8[3,4,4,5,6,6,7,7,8]+3 → 11 → 失敗
皆方アイリ:バデムします?
楫かなえ:もらえたら嬉しい!
皆方アイリ:どうぞ!
リオ・グッドマン:《マシンモーフィング》でアンチマテリアルライフルを狙います
リオ・グッドマン:6dx+19
DoubleCross : (6DX10+19) → 9[1,2,2,6,7,9]+19 → 28
楫かなえ:ありがとうございます。財産1点使って購入して
楫かなえ:で、雨宮さんにパス!
リオ・グッドマン:財産7使って購入、ウェポンケースに入れて
雨宮珀亜:やったー!ありがとうございます!
リオ・グッドマン:通常の購入で強化素材
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を3増加 (76 → 79)
楫かなえ:こちらは以上です
リオ・グッドマン:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 10[4,10]+9[9]+4 → 23
リオ・グッドマン:あ、買えた
雨宮珀亜:素手に使用しガード値+1!防御力15になって以上!
リオ・グッドマン:雨宮くんにあげます
リオ・グッドマン:あ、今貰ってんじゃん
雨宮珀亜:あっ強化素材って複数使えたっけ?
雨宮珀亜:確か一回だったはず
雨宮珀亜:気持ちだけ受け取っておくね
リオ・グッドマン:気持ちだけあげます
雨宮珀亜:心の友よ……
GM:自分の銃に使おう!
リオ・グッドマン:白兵武器にしか使えない…
リオ・グッドマン:応急手当買ったって事にしていいですか…w
GM:そうじゃん 照準器じゃないじゃん
GM:いいですよ~
リオ・グッドマン:やさしいGM…!
リオ・グッドマン:そういう事にして以上!
【Middle5】
GM:ミドル戦闘シーンです。全員登場!
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (67 → 72)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (65 → 69)
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (79 → 85)
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (54 → 58)
GM:君達が踏み込んだのは、業務停止してから数年が経つ工場跡地だった。
GM:元はただの廃工場だったのだろうが、密かに改造されたのか、電気が引かれ、空調まで稼働している。
GM:その中央、大勢のセルメンバーに囲まれるようにしている男が“ネロ”だ。
“ネロ”:「なっ……何だ、貴様ら……!」
“ネロ”:「曲者が!!何奴だ!!皇帝の居城であるぞ!!」
GM:その声に応じ、武装したセルメンバー達が一斉に臨戦態勢に入る。
鹿骨秋蔵:「本人に間違いないようですね」
リオ・グッドマン:「えらく芝居がかってるっすね」
五十嵐トーコ:「ボコればいいんスよね?やっちゃいましょうか」
リオ・グッドマン:「まぁ、分かり易いのは助かるんすけど」
リオ・グッドマン:「うはは、悪役の台詞」五十嵐に
リオ・グッドマン:「そういうの好きだぜ、俺」
雨宮珀亜:「無駄口を叩くな。あの豚を捕まえるのは当然として」
雨宮珀亜:「手間取って雑魚に逃げられるのも面倒だ。さっさと済ますぞ」
“ネロ”:「くっ……何故既にこの場所が…… 役立たず共が……!」
リオ・グッドマン:「あいあい」掌から溢れ出す、黒く小さな立方体が、ドット絵じみたライフルを象る
皆方アイリ:「了解です。他も色々控えてますもんね」 傍らに魔眼が輝き出す。
楫かなえ:無言のまま、十指のそれぞれから髪の毛めいて細く長い鋼線を垂らす。
“ネロ”:「痴れ者が……!この第五代ローマ皇帝に盾突いた報い、その身に刻んでやるぞ!!」
GM:戦闘を開始します。
エンゲージ []内は行動値
ネロ
(5m)
近衛剣士
(5m)
ドローン1、2
(5m)
PC
(5m)
ドローン3、4
GM:左右のエンゲージは封鎖されており、敵を排除するか飛行状態でない限り迂回は出来ません。
GM:戦闘終了条件は“ネロ”の撃破です。
楫かなえ:フゥン?
雨宮珀亜:なるほどね
皆方アイリ:了解です
リオ・グッドマン:ふむ
GM:また、現在“ネロ”のEロイス《悪意の伝染》が使用されています。他のキャラクターは登場できません。
GM:NPCカードが使用可能です。
・鹿骨秋蔵
攻撃判定の前に使用。エネミーはその攻撃に対しドッジ、ガードを行うことが出来ない。人間のエネミーにのみ使用可能。シナリオ3回。
・五十嵐トーコ
攻撃判定の前に使用。ダイス+10個、C値-1。シーン1回。
リオ・グッドマン:強いぜ
雨宮珀亜:ありがたすぎる
皆方アイリ:めちゃつよ
楫かなえ:さすが秋蔵さま
GM:では戦闘開始します。
GM:ラウンド1、セットアップから!
楫かなえ:なし!
リオ・グッドマン:無しで!
雨宮珀亜:なし!
皆方アイリ:灰色の庭Lv5→行動値-15、侵蝕値+2、対象はネロ!
“ネロ”:《ルーラー》 PCはラウンド間判定ダイス-5個
雨宮珀亜:クソが~~~!
“ネロ”:Eロイス《唯我独尊》
“ネロ”:《妄念の姿:常勝の天才》
“ネロ”:エネミー全員の攻撃力+20
GM:他のエネミーはなし。
“ネロ”:「薄汚い反逆者共……思い知れ!我が帝国の威光を!!」
“ネロ”:“ネロ”から放たれる古代種のレネゲイドが君達のレネゲイドを抑制し、対照に敵を活性化する。
GM:イニシアチブ 行動値12、近衛騎士2体の手番です。
GM:2体とも戦闘移動でPCにエンゲージ
GM:メジャーで《コンセントレイト:ブラックドッグ》+《アームズリンク》+《バリアクラッカー》
GM:対象は……
GM:1D4
DoubleCross : (1D4) → 4
GM:1D4
DoubleCross : (1D4) → 2
GM:リオさんと皆方さんです
GM:7DX9 リオ
DoubleCross : (7DX9) → 10[2,2,2,3,8,8,9]+10[10]+6[6] → 26
GM:7DX9 皆方
DoubleCross : (7DX9) → 10[1,2,2,5,7,8,10]+6[6] → 16
GM:リアクションどうぞ
皆方アイリ:ダイスペナで回避不能、ガードします
リオ・グッドマン:こちらもガードで
GM:ダメージ!
GM:ちなみにガード不可です
GM:3D10+8+20 装甲ガード無視 リオ
DoubleCross : (3D10+8+20) → 20[7,9,4]+8+20 → 48
GM:2D10+8+20 装甲ガード無視 皆方
DoubleCross : (2D10+8+20) → 7[3,4]+8+20 → 35
リオ・グッドマン:死!リザレクト!
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (85 → 89)
リオ・グッドマン:HP4に
皆方アイリ:足んないのでリザレクト あとセットアップ分侵蝕が2上がって60になってます
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (60 → 62)
皆方アイリ:HP2で復活
“ネロ”:「行けぃ!余の精鋭達よ!!」
GM:“ネロ”の支援を受け、時代錯誤な甲冑と西洋剣で武装したセルメンバー達が一斉に斬りかかる。
GM:情報系のセルだが、中でも荒事担当なのだろう。手練れの動きで距離を詰め、剣を振るう。
リオ・グッドマン:「……がっ…!」古代種のレネゲイドに委縮した不意を突かれた。見えていても、身体がついて行かなければ避けられない
リオ・グッドマン:深々と切り裂かれた身体から、血が噴き出る
皆方アイリ:「っ」 もとより白兵戦向きではない上に、妨害のかかった身では避けられない。
皆方アイリ:再生して立つつもりで割り切って剣を受ける。
雨宮珀亜:(巫山戯た格好の割には悪くない動きだな……)
“ネロ”:「ふははははは!!逆賊どもが余の威光に竦んでおるわ!!」
GM:イニシアチブ 行動値8 リオさんの手番です。
リオ・グッドマン:マイナーで《オリジン:レジェンド》シーン間精神判定達成値+10
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を2増加 (89 → 91)
リオ・グッドマン:オートでウェポンケースからアンチマテリアルライフル装備して
リオ・グッドマン:メジャーで《C:ノイマン》《コントロールソート》
リオ・グッドマン:トーコちゃんのNPC効果貰っていいですか?
リオ・グッドマン:あ、対象はネロ
楫かなえ:こちらはいいよ!
雨宮珀亜:いいよ!
GM:ではダイス+10個、C値-1です
リオ・グッドマン:いただきます!
リオ・グッドマン:12dx7+14
DoubleCross : (12DX7+14) → 10[1,2,2,3,4,4,5,6,8,8,8,10]+10[5,7,8,10]+10[3,6,8]+10[7]+5[5]+14 → 59
GM:オワーッ
雨宮珀亜:いい感じだ
楫かなえ:つよ
皆方アイリ:バデム!
リオ・グッドマン:あざます!
“ネロ”:ドッジ!
“ネロ”:6DX>=62
DoubleCross : (6DX10>=62) → 10[1,1,2,5,7,10]+1[1] → 11 → 失敗
GM:ダメージどうぞ!
リオ・グッドマン:7d10+20
DoubleCross : (7D10+20) → 31[2,6,2,3,2,9,7]+20 → 51
“ネロ”:まだ元気!
雨宮珀亜:「前に出すぎるな」ジャケットを脱ぎ捨てる。右肩から先、黒い装甲に覆われた義肢が低い電子音を唸らせている。
雨宮珀亜:「弾除けは僕の仕事だ。お前らは当てることだけ考えろ」
リオ・グッドマン:「かたじけねぇ!これ終わったら何か奢るぜ!」
リオ・グッドマン:傷口の修復を待って、ライフルを握り直す
五十嵐トーコ:「先行くね~」
リオ・グッドマン:「おう、ちょっち時間稼ぎ頼むわ」
五十嵐トーコ:ゆったりとした裾から、じゃらり、と。穴の開いた円盤状の刃──チャクラムを取り出し、指の間で構える。
五十嵐トーコ:「『閻浮堤より無動』」
五十嵐トーコ:「『愛河渡りて二河へと至れ。無常悟りて無念へ至れ』」
五十嵐トーコ:詠唱と共に、刃から超自然の緑炎が噴き出す。
五十嵐トーコ:「『華厳の功徳によりて、火宅の業を清め給え』」
五十嵐トーコ:戦輪を投げ放つ。弧を描く軌道が“ネロ”の脚を切り裂き、同時に炎がその身体を這い上がる。
“ネロ”:「うぐおおおッ!?」
五十嵐トーコ:「リオちゃん後よろ~」
リオ・グッドマン:「おう!」
リオ・グッドマン:「んじゃま」
リオ・グッドマン:数か月前に亡くなった大物漫画家、その代表作の主人公。彼が携える得物を、頭の中に思い浮かべ
リオ・グッドマン:研ぎ澄ます、洗練する。
リオ・グッドマン:主観を廃し、多角的に捉え、粗いドットは徐々に鮮明に、ピクセルが増加し、そのフォルムは丸みを帯びて、生み出されるはM16
セントエルモの火:───その瞳の輪郭が、陽炎のように揺らめく
セントエルモの火:敵影の向こう エイムの必要無し 引き金を引け
リオ・グッドマン: ド ォッ !
リオ・グッドマン:一切の迷いなく、流れるような動作で放たれた弾丸は
リオ・グッドマン:吸い込まれるように、ネロの胸部へと突き刺さる
“ネロ”:「ぎあああっ!!?」
“ネロ”:纏ったトーガに大穴が空き、純白の布が血で染まる。
“ネロ”:「きっ……貴様ぁっ!皇帝たる余の身体に……!!」
リオ・グッドマン:役目を終えたように、ライフルは黒い砂へと還っていく
楫かなえ:「……やりますね」
楫かなえ:元々白い顔をさらに白くし、額には汗が浮かんでいる。圧し掛かるような暴君の重圧。それを感じているのは同じだろうに、当てた。
五十嵐トーコ:「リオちゃんナイッシュ~」
リオ・グッドマン:「おう……サンキュ!」
リオ・グッドマン:後になってどっと噴き出した汗を、袖口で拭った
GM:行動値6 皆方さんの手番です。
皆方アイリ:はーい マイナー無しのメジャーでコンボ
皆方アイリ:3C58:インビジブルハンドLv1+暴君の槌Lv5+コンセントレイト:バロールLv3+アンプリフィケイションLv3
皆方アイリ:→飛行状態解除、範囲(選択)、侵蝕+14、攻撃力+31、1シナリオ3回、対象はネロ!
GM:判定どうぞ!
皆方アイリ:4dx7+8
DoubleCross : (4DX7+8) → 10[4,5,8,10]+5[3,5]+8 → 23
皆方アイリ:よし!
“ネロ”:避ける!!
“ネロ”:6DX>=23
DoubleCross : (6DX10>=23) → 8[1,4,6,8,8,8] → 8 → 失敗
“ネロ”:クッ………………
GM:ダメージどうぞ!
皆方アイリ:やっぱ固定値が正義なんですよね
皆方アイリ:31+3d10
DoubleCross : (31+3D10) → 31+14[3,8,3] → 45
“ネロ”:《インペリアルガード》でダメージ軽減
“ネロ”:45-2D10
DoubleCross : (45-2D10) → 45-3[2,1] → 42
“ネロ”:よっわ
雨宮珀亜:かわいい数値
“ネロ”:結構元気なくなります
楫かなえ:忠誠心うすめのインペリアルガードだった
“ネロ”:「お前達っ!!早く奴らを片付けよ!!見事仕留めた者には金貨30枚の褒美を取らせるぞ!!」
“ネロ”:部下に向けて叫び、彼らに自らのレネゲイドを注ぎ込み活性化せんとする。
皆方アイリ:瞬間。その身を重圧が襲う。
“ネロ”:「ぬおおおおっ…………!?」
皆方アイリ:まるで周囲の空気そのものが彼に纏わりつき、縛めるかのような。息さえ詰まるプレッシャー。
皆方アイリ:「ときにですね。皇帝閣下」
皆方アイリ:「ご自身の頭上を見上げたことは?」
“ネロ”:ミシミシと骨肉が軋み、膝を折る。
“ネロ”:「きっ……貴様……皇帝たる余にこうべを……!」
“ネロ”:顔を真っ赤にして立ち上がろうとするが、指一本動かせない。
GM:「陛下ァーッ!」「今お傍に……!」部下たちが割って入ろうとするも、まともに近付くことすら出来ない。
皆方アイリ:「おや、無いんですか?もったいない」
皆方アイリ:言葉を聞かなかったように続ける。けらけらと笑う彼女の傍らにあった筈の魔眼はそこにない。
皆方アイリ:魔眼は、ネロの頭上に。8つが円を描き場を作り暴君を封じ込めている。
皆方アイリ:あるいは、それそのものこそが。民を押さえつける暴力と権力のように。
皆方アイリ:「ローマにも星はあったでしょうに。綺麗なものですよ、今の星座も」
皆方アイリ:瞬く星は変わらない。美しくも無情なほど。
“ネロ”:「ごぼぉっ……!」
“ネロ”:重力に押し潰され、へし折れた骨が肺に刺さって吐血する。
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を14増加 (62 → 76)
GM:行動値6 ドローンの手番です
GM:1~4いるのでそれぞれ全員に攻撃
GM:5DX+4 雨宮
DoubleCross : (5DX10+4) → 8[1,3,5,7,8]+4 → 12
GM:5DX+4 リオ
DoubleCross : (5DX10+4) → 10[4,5,7,8,10]+4[4]+4 → 18
GM:5DX+4 楫
DoubleCross : (5DX10+4) → 9[2,4,4,8,9]+4 → 13
GM:5DX+4 皆方
DoubleCross : (5DX10+4) → 10[1,5,6,9,10]+4[4]+4 → 18
GM:結構回るな……
リオ・グッドマン:素殴りなんだ
雨宮珀亜:ガード《氷盾》LV3 ガード値を+15
GM:あっそうだ 《アタックプログラム》です
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を2増加 (72 → 74)
皆方アイリ:こっちもドッジ不可なのでガード
リオ・グッドマン:《死者の肉体》でドッジ
楫かなえ:どの道タイタス昇華する気だしここでやっちゃおう
リオ・グッドマン:2dx+23
DoubleCross : (2DX10+23) → 10[1,10]+8[8]+23 → 41
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1増加 (95 → 96)
GM:やば……
楫かなえ:五十嵐さんへのロイスをタイタスにして昇華し、不利な状態を打ち消します
皆方アイリ:固定値ヤバ
楫かなえ:で、ドッジ!
楫かなえ:3dx>=13
DoubleCross : (3DX10>=13) → 8[6,7,8] → 8 → 失敗
楫かなえ:ダメでした
雨宮珀亜:皆方さん侵蝕重いしカバーしようか
皆方アイリ:あ、めっちゃ助かります
雨宮珀亜:《崩れずの群れ》LV1で皆方さんをカバーリング
GM:ダメージ!
雨宮珀亜:でこっちも《氷盾》LV3 でガードします
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を4増加 (74 → 78)
GM:2D10+8 雨宮
DoubleCross : (2D10+8) → 11[2,9]+8 → 19
GM:2D10+8 楫
DoubleCross : (2D10+8) → 11[8,3]+8 → 19
GM:2D10+8 皆方
DoubleCross : (2D10+8) → 10[9,1]+8 → 18
雨宮珀亜:常勝の天才入ってる?
GM:そうだった
GM:+20してください
楫かなえ:耐えられる気がしたけど気のせいだった リザレクト!
雨宮珀亜:まず自分の分、ガード装甲で42弾いて7点通し
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (69 → 75)
雨宮珀亜:皆方さんの分、同じく42点弾いて6点通し
楫かなえ:楫かなえのHPを6に変更 (25 → 6)
雨宮珀亜:雨宮珀亜のHPを13減少 (33 → 20)
雨宮珀亜:HP20で生存
GM:いきてる!
“ネロ”:「行け!!我が下僕よ!!我が芸術を示すのだ!!」
GM:無数のドローンがプロペラ音と共に飛来、備えられた機銃が火を噴く。
GM:工場の中は一気に銃声と銃火で埋め尽くされる。
楫かなえ:「あぁっ……!」
リオ・グッドマン:「───」咄嗟に見えた”道筋”に従って、一人弾幕の外へ脱出する
雨宮珀亜:「ふっ……!」
雨宮珀亜:銃声が響く数瞬手前、身を低くして皆方さんの前に飛び込む
雨宮珀亜:右腕の義手全体を一瞬で結晶が覆い
雨宮珀亜:虹色の光を発したかと思うと、内側から砕け散る
雨宮珀亜:その中から現れたのは元の3倍以上の体積に肥大化した巨大な腕甲
雨宮珀亜:蜥蜴の鱗の如く、滑らかに連なる装甲に覆われた腕を振るい、銃弾をまとめて弾き返す。
皆方アイリ:「すみません、助かります」
皆方アイリ:小柄な身長を活かして躍り出た彼の影へと身を潜めていた。
雨宮珀亜:「気にするな。この程度なら、どうせあの二人は自分でなんとかする」
雨宮珀亜:(保証すると言ったしな)振り返らずに敵を見据える。
楫かなえ:服を赤く染め、両足にも血を伝わせて、蒼玉の両目を憎しみに凝らせる。
楫かなえ:(……気に入らない)
楫かなえ:皇帝気取りの居丈高な様も、それに対して少しも怯まず、飄々としたままの五十嵐トーコも。。
楫かなえ:(わたくしが……やるのです)
楫かなえ:(図に乗らないで。誰も)
五十嵐トーコ:楫を一瞥し、薄く笑みを浮かべる。
GM:イニシアチブ
“ネロ”:《マグネットムーブ》
“ネロ”:ドローン1を自分のエンゲージに引き寄せます
<
GM:行動値5 楫さんの手番です。
楫かなえ:はーい
楫かなえ:マイナーで戦闘移動、《縮地》。“ネロ”の10m奥に移動します。
楫かなえ:メジャーでコンボ【落とし穴】。《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》でネロに白兵攻撃。
GM:判定どうぞ!
楫かなえ:9dx7+5
DoubleCross : (9DX7+5) → 10[1,2,4,5,6,8,8,10,10]+10[4,5,7,8]+10[4,9]+10[7]+10[10]+4[4]+5 → 59
雨宮珀亜:いい感じ!
GM:ぎえ~~
皆方アイリ:めちゃつよ
リオ・グッドマン:死んでくれ~~!
GM:でもドローン1が《マグネットフォース》でカバーするもんね~
楫かなえ:ドッジはしなくていいのかい
“ネロ”:6DX>=59
DoubleCross : (6DX10>=59) → 10[3,3,4,6,6,10]+3[3] → 13 → 失敗
“ネロ”:はい
楫かなえ:はい
楫かなえ:《デビルストリング》
GM:ぎえ~~~~~
GM:ダメージどうぞ
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を6増加 (75 → 81)
楫かなえ:6d10+32
DoubleCross : (6D10+32) → 29[3,6,7,3,8,2]+32 → 61
楫かなえ:装甲有効!
雨宮珀亜:でっかい
“ネロ”:HP0
リオ・グッドマン:死んだ!
GM:《イモータルライフ》
GM:2D10
DoubleCross : (2D10) → 8[5,3] → 8
GM:HP8で復活
リオ・グッドマン:死んでない!
雨宮珀亜:しぶとい!
楫かなえ:チッ……
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を6増加 (81 → 87)
皆方アイリ:残念
GM:ここで全員ロイス3個ずつくらい削ってやる
楫かなえ:ずわり、と闇の帳が落ち、“ネロ”の四方を取り囲む。
楫かなえ:唐突に奈落へと落ち込んだような閉塞感。頭上には井中より見上げるかの如き、未だ自由を奪い続ける皆方アイリの魔眼の星。
“ネロ”:「むうううっ……!?」
“ネロ”:「なんだこれは……暗いぞ!」
“ネロ”:「ええい!!もういい!!ローマに火を放て!!」
楫かなえ:『最期に見る光景です』
楫かなえ:『暴君は名誉もなく、喝采もなく、誰の目にも留まらずに終わる』
楫かなえ:その外から囁き声。
楫かなえ:『早く死んで』
“ネロ”:「何だ貴様ら……誰だ!!ふ……不遜であるぞ!!」
楫かなえ:ひゅ、とごく軽く風を切る音。
楫かなえ:壁の向こうから伸びた鋼線が、暗殺者の短刀の如くに冷たく、その太った首に絡んで。
楫かなえ:一瞬ののち、ぶちりと断ち切る。
“ネロ”:「かひゅっ……」
“ネロ”:夥しい血が噴き出す。傷口を抑え、よろめく。
“ネロ”:「ぐぅううおおおおっ……!!」
“ネロ”:殆どちぎれかけた首が、リザレクトで皮一枚繋がる。
“ネロ”:古代種の生命力によるものか。口からごぼごぼと血の泡を噴きながら、血走った眼で立つ。
“ネロ”:「こ……こんな辺境の地で死ねるか……」
“ネロ”:「民が余を待っているのだ……偉大なる皇帝にして無二の芸術家たる余を……!」
楫かなえ:漆黒の壁が消え去る。
楫かなえ:領域を用いて転移して、少女の姿は暴君の向こう側。血の滴るワイヤーをひとたび打ち振り、肩越しに振り向いて顔を顰める。
楫かなえ:「……気持ち悪い」
GM:行動値2 雨宮君の手番です
雨宮珀亜:マイナー《自在刃》LV1 ラウンド中素手による攻撃力にガード値を加算
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を2増加 (78 → 80)
雨宮珀亜:メジャー《伸縮碗》LV2《ラバーアームズ》LV1
雨宮珀亜:更に鹿骨部長のNPCカードを使用。リアクション不可に
雨宮珀亜:対象はネロ!
GM:判定どうぞ!
雨宮珀亜:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 8[8,8]+1 → 9
GM:こんな達成値なのにドッジできないなんて……
GM:ドローン1が《マグネットフォース》でカバー!
楫かなえ:《デビルストリング》
GM:ぎゃ~~~~~~~~~
雨宮珀亜:サンキューかなっち!
GM:ダメージどうぞ!
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を6増加 (87 → 93)
雨宮珀亜:1d10+32+1d10 装甲有効
DoubleCross : (1D10+32+1D10) → 1[1]+32+4[4] → 37
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を4増加 (80 → 84)
“ネロ”:ウオオオ《インペリアルガード》
“ネロ”:37-2D10
DoubleCross : (37-2D10) → 37-5[1,4] → 32
“ネロ”:ダメだ HP0
雨宮珀亜:やっぱり人望ないんじゃないの?
“ネロ”:復活エフェクト無し!
雨宮珀亜:(妙にしぶとい所は元ネタ通りとは、律儀なやつ)
雨宮珀亜:「だが……これで」
雨宮珀亜:楫の攻撃で棒立ちとなった"ネロ"を見据え、腕甲を振りかぶる。
雨宮珀亜:その腕が再び結晶に覆われ、その内部が虹色に発光する。
雨宮珀亜:瞬きの間の一瞬。光の他には熱も音も感じられないその光景、しかし
雨宮珀亜:オーヴァードの目であれば僅かに捉えられる。その結晶の内部は流動している。
雨宮珀亜:虫が蛹の中で変態するために一度ドロドロに溶けるように
雨宮珀亜:腕甲を構成していた金属が瞬時に溶解し、形を変えて再び鋳直される。
雨宮珀亜:砕けた結晶の中から現れたのは、大蛇の尾を思わせる長大な鞭。
雨宮珀亜:「遠征に失敗した皇帝の末路ってやつを教えてやる」
雨宮珀亜:腕を振り下ろす。巨大な鞭がしなってその穂先がネロへと放たれる。
雨宮珀亜:奇妙な軌道で、立ち塞がるドローンや近衛を掻い潜り
雨宮珀亜:「串刺しだ」
“ネロ”:「うぅっ……!?」
“ネロ”:恐怖と共に、飛び退いて躱そうとするが。
鹿骨秋蔵:「『動くな』」
“ネロ”:「ッ…………!?」
“ネロ”:静かに呟かれたその一言を聞いた瞬間、全身が完全に麻痺、動かなくなる。
GM:そして、最後に盾として残ったドローンも──
楫かなえ:──ぎち、と駆動部から異音を立て、地に落ちる。
楫かなえ:絡みついた数本のワイヤーが、無暗に明るい照明を照り返して煌く。先程の交錯時に仕込んでおいた妨害だ。
“ネロ”:「………………!」
雨宮珀亜:肉と骨を抉る不快な音に続いて、動けないはずの皇帝の身体がビクンと跳ねる。
雨宮珀亜:鞭の穂先は丸々と膨らんだ皇帝の腹に風穴を空け、その体を空中に吊り上げた。
“ネロ”:悲鳴を上げることも出来ない。制御を失ったドローン群が地に墜ちていく。
“ネロ”:「せ、世界は……偉大な……げっ……芸術……家を……」
“ネロ”:「…………」気を失う。
雨宮珀亜:「……"ネロ"の無力化を確認」
GM:「へ、陛下……」「そんな…………」戦意を喪失し、セルメンバー達が動きを止める。
GM:戦闘終了。Eロイスが解除されます。
雨宮珀亜:(……今は殺さない。こいつには聞きたい事が山ほどある)
五十嵐トーコ:「やったッスね~珀亜クン!」バシッと背中を叩く。
雨宮珀亜:「求められた仕事をしただけだ」背中を擦りながら
鹿骨秋蔵:「皆さん、お疲れさまでした」
鹿骨秋蔵:「この10年、誰も手出し出来なかった“ネロ”を、ようやく捕らえることが出来ました」
鹿骨秋蔵:「これは皆さんの成果です。誇ってください」
雨宮珀亜:「いいからさっさと拘束するぞ。あのしぶとさだからな、いつ蘇ってもおかしくない」
リオ・グッドマン:「うっす!」パン パンと衣服を叩きながら
楫かなえ:「……はい」ずっと強張っていた表情が、部長の顔を見てようやく緩む。
皆方アイリ:「……にしては、結構呆気なかったですね」
皆方アイリ:「あくまで居場所を悟らせない情報操作の方が本体だったってことかもですけど」
皆方アイリ:言いながらも構えを解き、魔眼も一度収納する。
五十嵐トーコ:「むしろよく足掻いた方でしょうね~」
リオ・グッドマン:(…まぁ、確かに引っかかるっちゃ引っかかるけどよ)
楫かなえ:「でも」ちら、と上目で窺うようにして。「任務は、まだまだ途中、なのですよね」
鹿骨秋蔵:「ええ。雨宮くんの言った通りです。早急に護送を済ませ、聴取を──」
GM:「ゴ────アァアアアアァアアアァァアアアアッ!!!!」
GM:突如、凄まじい咆哮が工場に響き渡り、君達の鼓膜をビリビリと震わせる。
リオ・グッドマン:咄嗟に音のした方へ振り向く
雨宮珀亜:「……」元のサイズに戻った右腕を再び握り込む。
GM:けたたましい破砕音と共に、上階の窓を突き破って巨大な影が飛び込んでくる。
“ドレッドノート”:「グォァアアアアアアァアアッ!!!!」
楫かなえ:「……!」
リオ・グッドマン:(──巨体 怪物じみた咆哮…!)
“ドレッドノート”:それは巨大な異形。丸太のような剛腕を振りかぶり────
楫かなえ:ワイヤーを打ち振り、“ネロ”を絡めて引き寄せようとする。
楫かなえ:乱入の目的に確信はない。ただ成果を奪われることを嫌っての反射。自分が確保しておけば、いざとなっても共に脱出はできる──
“ドレッドノート”:────間に合わない。宙に吊られたままの“ネロ”を、一瞬で叩き潰す。
“ドレッドノート”:轟音と地響き。“ネロ”の身体が、原型の無い肉塊へと変わる。
楫かなえ:「──」
楫かなえ:向かう先を失った鋼線が、あえなくその周囲に垂れ落ちる。
五十嵐トーコ:「なんすかソレ~~!!」
リオ・グッドマン:「あっ……!の野郎!」
リオ・グッドマン:「人様の皇帝に何してくれんだ!!」
皆方アイリ:(向こうの援軍じゃない?口封じ?第三勢力?)
皆方アイリ:(どっちにしろ、友好勢力じゃないよねぇ)
皆方アイリ:必死に思考を回しつつ、ドレッドノートの上空に魔眼を展開。重力を圧縮する。
鹿骨秋蔵:「……!」
鹿骨秋蔵:パチン、と指を打ち鳴らす。
GM:同時に、“ドレッドノート”の胸部が爆散。心臓が粉砕される。
“ドレッドノート”:「────」
リオ・グッドマン:「ハア!!??」
“ドレッドノート”:一瞬ぐらりと揺らぎ──だが、それだけだ。心臓を失っても、すぐに凄まじい膂力で飛び退いて重力圏から脱出。
“ドレッドノート”:そのまま再び、壁に空けた大穴から跳躍。見る間に遠ざかっていく。
皆方アイリ:「うっそでしょ……」 これでも出力は高い方だ。軽々と脱出されるなどいつ以来か。
雨宮珀亜:「チッ……」再度右腕を鞭に変化させて振るい、空中のドレッドノートを捕らえようとするが
雨宮珀亜:(届かないか……どういう筋力してやがる)
鹿骨秋蔵:「……やられました。脚のほうを奪うべきでしたね」帽子を被り直す。
五十嵐トーコ:「無理っぽいけど追っかけます!」それだけ言い残して走り出ていく。
鹿骨秋蔵:「ええ、お願いします」
鹿骨秋蔵:一つ息を吐き、“ネロ”の残骸に視線を落とす。
鹿骨秋蔵:「……これで解決……」
鹿骨秋蔵:「とは、到底言えませんね」
楫かなえ:表情の抜け落ちた顔で、“ドレッドノート”の開けた穴を見ている。
リオ・グッドマン:「………っ……ちょ…っと色々あり過ぎて理解が追いついてねぇんすけど」
リオ・グッドマン:「何すかこれ、尻尾切り?ネロは頭じゃねぇのか?」
鹿骨秋蔵:「『運悪く通りすがりの暴走ジャームが乱入してきた』」
鹿骨秋蔵:「そんなところですかねえ」
雨宮珀亜:「……査察部相手にそんな言い分が通ると思われてるんなら」
雨宮珀亜:「随分と舐められたものだな」
皆方アイリ:「というか、これ特捜チームにはなんて話します?」
皆方アイリ:「何とも話しづらいことになっちゃった気がしますが……」
リオ・グッドマン:「……」
リオ・グッドマン:「まぁでも、正直に言うしかないんじゃねぇの?」
鹿骨秋蔵:「元々それは承知の上でしたが……困りましたね。ここまで動きが早いとは」珍しく本当に困ったように笑う。
雨宮珀亜:「連中を出し抜くつもりだったことまでか?」
雨宮珀亜:「嘘を言う必要はないが、真実をすべて話す必要もないだろ」
楫かなえ:「彼らに賭ける手もありますよ」
楫かなえ:頭の向きを動かさないまま。「皇帝の親衛隊が……果たしてどれだけ信を置かれていたものか」
楫かなえ:「死んだ主君と我が身を天秤にかけて、どれだけ忠義を通せるかを」
雨宮珀亜:「……望み薄だとは思うけどな。奴が"ネロ"一人を始末したってのはそういう事だろう」
鹿骨秋蔵:「さて。あちらの出方次第でもありますが……」
鹿骨秋蔵:「ともあれ、処理班は手配しました。彼らと五十嵐さんが到着次第、今後の対応の協議も含め、一度戻りましょう」
リオ・グッドマン:「…そっすね。確かに、特捜部そのものに疑念が残ってる段階で事を運びたくねぇ」
皆方アイリ:「まあ、あのでっかい人が降ってきたのも偶然じゃあないでしょうしねぇ」
皆方アイリ:「どっから何が漏れてるか、ここで確認しときたいですね。了解です」
雨宮珀亜:「……」もう一度、ネロの残骸を眺める。
雨宮珀亜:(アレは"百舌鳥"ではない……はずだ)
雨宮珀亜:(リオの報告にあった所属不明者か?……でもどうして……)
雨宮珀亜:(……お前はどこまで知ってるんだ、敷島……)
GM:“ネロ”の死骸に縋りつき、すすり泣く側近たちの声が聞こえる。
GM:いつしか空は暗雲に覆われつつあり、壁に開いた大穴からは雨粒が吹き込んできていた。
GM:シーン終了。
GM:ロイスのみ可能です
楫かなえ:もういっぱいなので無し!
皆方アイリ:こっちも保留で
雨宮珀亜:こちらも保留で!
リオ・グッドマン:ロイス保留して、《マシンモーフィング》で調達判定。対象はアンチマテリアルライフル
リオ・グッドマン:7dx+29
DoubleCross : (7DX10+29) → 9[2,3,3,4,5,9,9]+29 → 38
リオ・グッドマン:購入して空いたウェポンケースにぶち込みます。以上!
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を3増加 (96 → 99)
【Middle6】
GM:シーPCは雨宮さん 全員登場可です。
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (84 → 90)
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (99 → 105)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (93 → 97)
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (76 → 80)
UGN第四支部 Rラボ 遺体安置所
GM:連続殺人の公表以来、N市UGNには静かな不安と恐怖が蔓延しつつあった。
GM:いつ誰が殺されるか、いつ自分のもとに予告状が送り付けられるか分からない状況。職員の緊張は当然のものと言えた。
GM:既に一人が殺害されているRラボは猶更であり、平時よりも張り詰めた緊張感が漂っているように思えた。
GM:だがこの一角は──“ネロ”のボディバッグを囲む面々には、それともまた別種の緊張が張り詰めていた。
ミランダ・ローウィン:「………………」
ミランダ・ローウィン:いつもの喧しさはどこに行ったのか、“ネロ”の死骸を前にして黙り込んでいる。
アビー・ケリー:「ど……どういうことなんですかぁ~~っ」
アビー・ケリー:「独断専行のうえに被疑者死亡だなんて……前代未聞ですよぉ~~~っ」
ミランダ・ローウィン:「……」
ミランダ・ローウィン:「説明を……」振り返る「して頂けるのでしょうか」
雨宮珀亜:「……」(……さて)
リオ・グッドマン:(……どうしたもんかな)
雨宮珀亜:(正直に言って収まる空気でもないぞ……)
雨宮珀亜:(かと言って下手な誤魔化しが通じる相手でもなし)鹿骨部長を横目に見る
雨宮珀亜:(どう出る?妖怪ジジイ……)
鹿骨秋蔵:「我々が“ネロ”の居場所を特定した時には、既に彼は逃亡する寸前でした」
鹿骨秋蔵:「皆さんも……いえ、恐らく皆さんの方が、彼の情報能力についてはよくご存じでしょう」
鹿骨秋蔵:「皆さんに連絡を取ろうにも、通信という手段を介した時点で、“ネロ”に気付かれる危険性は極めて高かった」
鹿骨秋蔵:「そうして逃げられれば、また元の木阿弥です。やむを得ない状況でした」
鹿骨秋蔵:「ただ、“ドレッドノート”による殺害は予想外でした。こちらの不手際です。申し訳ありません」
鹿骨秋蔵:すらすらと淀みなく口にする。
ジャクリーヌ・デスタン:「そんな言い分が通ると思ってるんすかぁ~~!?」
ジャクリーヌ・デスタン:「この件は本部に報告させて頂きますからね!!」
楫かなえ:(……うるさいな)
楫かなえ:その一言を呑み込むために、自制心を総動員している。
楫かなえ:顔色は悪い。元々白い肌をしているが、今は蛙の腹のような不健康な色味が見て取れる。
ミランダ・ローウィン:「……いえ……」静かにかぶりを振る。
ミランダ・ローウィン:「……そうですか。よく分かりました」
ミランダ・ローウィン:意外にもすんなりと受け入れる。
リオ・グッドマン:「……」
雨宮珀亜:(納得したわけではなさそうだが……)ミランダの顔色を眺めて
ミランダ・ローウィン:「……確かに……面子や体面を気にして、容疑者を取り逃しては……正義とは言えませんね」
ミランダ・ローウィン:「ただ……」ボディバッグに触れる。
ミランダ・ローウィン:「こいつだけは……この私の手で捕まえたかった……」
ミランダ・ローウィン:俯き、慙愧の滲む声が震える。
皆方アイリ:(……この上内通者も居るなんて言い出せないな、これ)
皆方アイリ:特捜チームからも査察部からも部外者の身だ。ただ黙って控えている。
リオ・グッドマン:「……”この件をこれ以上引き延ばすのは、あまりにも危険が大きい”」
リオ・グッドマン:「十年間”居場所も特定出来なかった”奴の居所が分かったんだ」
リオ・グッドマン:「”早く終わらせたい”俺達にとって、多少なりともはやる気持ちがあったのは確かっす」
ジャクリーヌ・デスタン:「……」
ジャクリーヌ・デスタン:ほんの僅かに目を見開く。さりげなくではあるが、一瞬視線がリオと鹿骨を往復する。
ミランダ・ローウィン:「……いえ……。いいのです」
ミランダ・ローウィン:「最良の形とは言えないかもしれませんが……“ネロ”には虐殺の主導者として、もう何年も前から射殺許可自体は下りていました」
ミランダ・ローウィン:「これ以上の蛮行を止められたというのは……事実ですからね」
ミランダ・ローウィン:息を吐き、自分の頬を叩く。
リオ・グッドマン:「───ただ、これで全てが終わったわけじゃない。むしろ、一層ややこしくなりやがった」
リオ・グッドマン:「…せめて、この件が片付くまでの協力を、改めてお願いします。」
ミランダ・ローウィン:「ええ……乗り掛かった舟です!最後までお付き合いしましょう!」
ミランダ・ローウィン:「まずは“チケット・トゥ・ヒンノム”の確保が最優先です」
ミランダ・ローウィン:「姿を消したのは事件の公表と同時期です。何か狙いを変えて身を顰めているのかもしれません!」
ミランダ・ローウィン:「それに“ドレッドノート”です。奴が事件の鍵を握っているのは間違いないかと!」
リオ・グッドマン:「…かたじけねぇっす」そう言って、頭を下げて
リオ・グッドマン:(……カマはかけた。後は、これを受けてあちらさんがどう動いて来るか…それとも動かねぇのか)
雨宮珀亜:「もしも、"ドレッドノート"が事件の関係者を消して回っているとしたら……」
雨宮珀亜:一瞬、皆方さんの表情を伺う。
皆方アイリ:「"ドレッドノート"の動向を追いかけるのも手かもですね」
皆方アイリ:「まあ出来れば、の話ですけども。あの体形でめちゃくちゃ動いてましたし」
皆方アイリ:内心はどうあれ、表情は平静そのものだ。
雨宮珀亜:「……ああ、時間をかける程解決は困難になる」
雨宮珀亜:"チケット・トゥ・ヒンノム"も既に消されている可能性については言葉に出さない。
アビー・ケリー:「それ……本当にただの暴走ジャームじゃないんですかぁ……?」
アビー・ケリー:「顔とか分からないんでしょうか……?」顔をぐにぐに弄って「分かれば手配かけられますけどぉ……」
リオ・グッドマン:「ああ、そうだ。その手があったんすね」
ミランダ・ローウィン:「そうですね!どうなのでしょうか」
GM:“ドレッドノート”は完全に異形の怪物としか言いようのない姿だった。似顔絵というよりクリーチャーの絵になるだろう。
リオ・グッドマン:「ちとお待ちを」そう言って、コピー用紙を1枚拝借し、胸ポケットから色鉛筆を数本取り出す
リオ・グッドマン:《かしずく歯車》《文書偽造》
リオ・グッドマン:さらさらと、見たまんまの情報を紙に出力する
リオ・グッドマン:記憶をそのままアウトプットした、精巧なスケッチだ
ミランダ・ローウィン:「おお!!すごいですね!!」
アビー・ケリー:「わ……私の仕事……」
ミランダ・ローウィン:「アビーさんは顔しか変えられないというのに……!」
アビー・ケリー:「ひっ……ひどいです~~~~ッ」
鹿骨秋蔵:「こちらで手配を掛けましょう。もしも単なる暴走したジャームだとすれば、情報は集まるはずです」
雨宮珀亜:「……そうですね。奴が本当に噂通りの闘争衝動のジャームなら、普段一般人に紛れるというのも難しい」
リオ・グッドマン:「手配なんかしなくても、こんな奴見たら真っ先に通報入りそうっすけどね」
ミランダ・ローウィン:「確かに!!」
雨宮珀亜:「こいつも単独で動いているわけじゃあないのかもな」
ジャクリーヌ・デスタン:「いっぱいいるんすか!?こいつ!!」
皆方アイリ:「糸を引いてる人物が居る、と?」
ジャクリーヌ・デスタン:「あっそういうことっすか!わ……分かってましたよ!!」
雨宮珀亜:(本当かよ……)
リオ・グッドマン:「コイツ自身に行動原理があるんじゃなくて、誰か他の奴がこいつを動かしてるってか」
雨宮珀亜:「"ネロ"が極秘で動いていたように、俺達の捜査状況だって表には出ていない」
雨宮珀亜:「あの時"ネロ"と俺達が戦闘に入ることなんて、理性のないジャームに把握できるはずがないからな」
鹿骨秋蔵:「事件は振り出しに戻ったわけではありません。着実に前進しているはずです」
鹿骨秋蔵:「もう一度、地道に情報収集から始めましょう。皆さん、よろしくお願いします」
リオ・グッドマン:「おっしゃ!気合入れて行こうぜ!一歩一歩確実によ!」
雨宮珀亜:「……了解」大声を出すリオから一歩横に離れる。
皆方アイリ:「了解ですー」 緩く敬礼を添える。
楫かなえ:「……はい」
GM:シーン終了。
GM:ロイス・購入可能です
皆方アイリ:ロイスは保留、購入は応急キットで
リオ・グッドマン:ミランダに対する感情を、〇憧憬/罪悪感 に変更します
皆方アイリ:4dx+1>=8
DoubleCross : (4DX10+1>=8) → 7[3,7,7,7]+1 → 8 → 成功
皆方アイリ:よし、HP大事そうな雨宮さんにパスしましょう
雨宮珀亜:やった!ありがとうございます!
リオ・グッドマン:そうだ、応急
雨宮珀亜:自分でも買っとこう
リオ・グッドマン:私も3つ持ってるので、雨宮君要るならパスします
雨宮珀亜:あっみんな結構持ってるのね
雨宮珀亜:とりあえず今持ってる二つを使います。足りなければもらう
皆方アイリ:あたしもまだ自前で1個持ってるし、こっちは自分に使おう
雨宮珀亜:20+4d10
DoubleCross : (20+4D10) → 20+17[3,3,9,2] → 37
雨宮珀亜:全快したので大丈夫!
楫かなえ:ロイスは満杯。もうみんな欲しいものはだいたい行き渡ってるのかな……?
リオ・グッドマン:うす!
皆方アイリ:2+2d10
DoubleCross : (2+2D10) → 2+17[7,10] → 19
皆方アイリ:出目が良い 19まで回復~
リオ・グッドマン:そしたら二個使っとこう
リオ・グッドマン:4+2d10
DoubleCross : (4+2D10) → 4+7[3,4] → 11
リオ・グッドマン:11+2d10
DoubleCross : (11+2D10) → 11+17[7,10] → 28
リオ・グッドマン:HP28に
リオ・グッドマン:まだ一個あるけどかなえちゃん要る?
雨宮珀亜:ロイスは保留。購入はどうしようかな
楫かなえ:とりあえず自分でも応急手当を買ってみます
楫かなえ:10dx+3>=8
DoubleCross : (10DX10+3>=8) → 10[2,2,4,4,4,4,5,5,9,10]+7[7]+3 → 20 → 成功
楫かなえ:でもって自分に使用。
楫かなえ:6+2d10
DoubleCross : (6+2D10) → 6+6[3,3] → 12
楫かなえ:しょ、しょぼい リオくんの頂けますか……
リオ・グッドマン:あげます!
楫かなえ:かたじけない!
楫かなえ:12+2d10
DoubleCross : (12+2D10) → 12+15[5,10] → 27
楫かなえ:楫かなえのHPを25に変更 (6 → 25)
楫かなえ:全快して以上です
リオ・グッドマン:購入はセーフハウスでも買おうかな
雨宮珀亜:ハードコート買ってみようかな。行動値ピッタリ0までは下げれるから
リオ・グッドマン:4dx+4
DoubleCross : (4DX10+4) → 10[3,7,9,10]+9[9]+4 → 23
リオ・グッドマン:購入して以上!
雨宮珀亜:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 10[4,9,10]+3[3]+1 → 14 → 成功
雨宮珀亜:買えた!装備して終了!
皆方アイリ:あ、言い忘れてたけどあたしも以上で
5年前
GM:“落葉”のFHとの内通が発覚。逃亡を図ろうとし、確保時に死亡──
GM:君達がその報せを受けたのは、既に全てが終わってしまった後になってからだった。
GM:支部の安置所に横たえられた“落葉”渡良瀬亜弥の肌は、いつにも増して白く
GM:いつでも不敵な笑みを浮かべていた顔には、何の表情も残されていなかった。
GM:それは既に抜け殻だった。渡良瀬亜弥という存在の残骸だけが、そこにある。
敷島涙:ガシャン、という音と共に、ロッカーを殴り付ける。
敷島涙:握り締めた拳は震え、血が滲んでいる。
敷島涙:「…………」
雨宮珀亜:「……」遺体を見下ろす。小さく震える右の拳からは、静かに水蒸気が昇っている。
雨宮珀亜:感情のオーバーフロー。遺産によって抑制されている情動が、言葉ではなく熱となって外に漏れ出している。
敷島涙:「……何だよこれ……」
敷島涙:「……どういうことなんだよ……なあ、雨宮……」
雨宮珀亜:「……僕に……わかるわけ無いだろ」
雨宮珀亜:「渡良瀬は……何も言わなかった。いっつもヘラヘラ笑ってて」
雨宮珀亜:「裏で何してるとも、ましてや……」
雨宮珀亜:「……一緒に逃げようとも、言わなかった」
敷島涙:「…………!」
敷島涙:瞠目して、雨宮の胸倉を掴み上げる。
敷島涙:「雨宮……お前……っ……!」
敷島涙:「本気で……本気で思ってるのかよ!」
敷島涙:「渡良瀬が内通……?裏切者……?」
敷島涙:「そんなことある訳ないだろうがよ!!」
敷島涙:どんな時も穏やかだった“百舌鳥”からは想像も出来ない、怒りの形相で叫ぶ。
雨宮珀亜:「……僕だって、そう思いたい」顔を合わせずに呟く
雨宮珀亜:「けど、そう思いたいだけじゃどうにもならないだろ」
敷島涙:「どうしてそんなに冷静でいられるんだよ……」
敷島涙:「……渡良瀬が死んだんだぞ」
敷島涙:「……死んだんだよ!!なあ!!」
敷島涙:「…………渡良瀬が…………」
敷島涙:息を吐こうとして、上手く出来ずに嗚咽を詰まらせる。
雨宮珀亜:「……見ればわかる」(違う……)
雨宮珀亜:(……違うんだ、敷島。こんな事が言いたいんじゃない)
雨宮珀亜:(でも、わかんないんだよ……こんな時どうすればいいか)
雨宮珀亜:(泣き方も、怒り方も……わかんないんだ……)
敷島涙:「ぐ……うぅっ……」
敷島涙:「あぁああぁああっ…………!」
敷島涙:膝を折り、君の足元に泣き崩れ、慟哭する。
雨宮珀亜:「……敷島」手を差し伸べることもできず、棒立ちでそれを受け止める。
雨宮珀亜:「……」
雨宮珀亜:「……敷島、僕は」
雨宮珀亜:「……渡良瀬の無実を証明したい」
敷島涙:「……」
敷島涙:蹲ったままでいる。床には水滴が落ち、握り締めた掌からは血が滲んでいる。
雨宮珀亜:「……確かに内通の証拠は上がっている。けど、あんなものは」
雨宮珀亜:「いくらでもでっちげられる……UGNでもFHでも」
雨宮珀亜:「僕は……僕らとバカやってた渡良瀬しか知らない……」
雨宮珀亜:「だから、それを信じたい……何年かかるかわからないけど」
雨宮珀亜:「……手伝ってくれないか」
敷島涙:「…………」
敷島涙:ぎこちなく、ゆらりと。幽鬼のように立ち上がる。
敷島涙:「……そうだよなぁ」
敷島涙:涙に濡れたその顔からは、すぐ傍らに横たわる渡良瀬のように、一切の表情が抜け落ちていた。
敷島涙:「認められるわけ、無いよな?」
雨宮珀亜:「ああそうだ……!し……」一瞬安堵したのもつかの間
雨宮珀亜:「敷島……?」その表情に不穏なものを感じて
敷島涙:「君の言うとおりだ、雨宮」
敷島涙:「そう思いたいだけじゃ、どうにもならない…………」
雨宮珀亜:「ああ。だから、僕と一緒に……」
敷島涙:渡良瀬に一度だけ目をやって、それから君に背を向ける。
敷島涙:「……証明してやる」
敷島涙:ぼそりとそう言って、覚束無い足取りで歩き出す。
雨宮珀亜:「敷島……?おい待て……!」咄嗟に手を伸ばして
雨宮珀亜:その手を掴む。
雨宮珀亜:「……どこに行くつもりだ」
敷島涙:乾いた音が響く。
敷島涙:雨宮の手を振り払って、ぎょろりと瞳が動いた。
雨宮珀亜:「し……っ」その瞳と目があって
敷島涙:感情を映さない、ガラス玉のような瞳。鳥のそれにも似た。
敷島涙:「僕は僕のやり方でやる」
敷島涙:「雨宮。君と一緒には行けない」
敷島涙:「君は────」
敷島涙:もう一度、君に背を向けて。
敷島涙:「────優しすぎるから」
敷島涙:そうして今度こそ、止まることなく歩いていく。
雨宮珀亜:「な……」再び声をかけることもできず、中途半端に手を伸ばしたままその背を見送る。
雨宮珀亜:(違うだろ……!そうじゃないだろ……敷島……)
雨宮珀亜:最後に見た彼の瞳が頭から離れない。感情の抜け落ちた鳥類の瞳。
雨宮珀亜:その瞳を持つ獣を、何度も共に狩ってきた気がする。
雨宮珀亜:(……僕は、優しくなんかない)
雨宮珀亜:(僕らの中で、一番臆病で、頼りなくて、軟弱で……けど)
雨宮珀亜:(優しいのはお前だろ……敷島……)
GM:それから、“百舌鳥”敷島涙は、UGNから姿を消した。
GM:全ての連絡は途絶え、消息も分からないまま、5年の歳月が流れた。
GM:やがて君は戦闘部隊から査察部へと転属することになったが──
GM:“落葉”渡良瀬亜弥に何があったのか、真実は未だに掴めてはいなかった。
現在 N市
GM:査察部での会議が終わり、深夜まで捜査を続けたその日。
GM:日付が変わり、朝が近付く頃になって、君はようやく家路に着いた。
GM:頼りない街灯の明かりが照らす、人気の無い道。
GM:その行く先に、立ち尽くす人影が見えてくる。
雨宮珀亜:「……」街灯の下にそれを認める。
雨宮珀亜:街の中心部から離れたこの通りで、この時間に人影を見かけることは滅多にない
雨宮珀亜:警戒しつつも動作には表さず、歩を進める。
GM:それは男のようだ。コートを着込んだ人影。何をするでもなく、君の方を見ている。
GM:やがて近付くにつれ、その姿が見えてくる。
雨宮珀亜:「……」
雨宮珀亜:(……僕狙いか?忙しい日だ……)その人影を下から順に睨めあげて
GM:そう大きくない体躯に、褪せた色の髪。
GM:肌の露出は少ないが、そこだけでも幾つもの傷跡が刻まれているのが分かる。
GM:片目は血で赤く濁っている。死体のように白い肌。
GM:5年前とは、まるで別人だ。だが君がその面影を見紛うはずもない。
“百舌鳥”:「……やあ、雨宮」
“百舌鳥”:「久しぶり」
雨宮珀亜:「……な……?」
雨宮珀亜:「……敷島……?」
雨宮珀亜:相手との距離を量るように、一定のリズムで進めていた歩みが止まる。
“百舌鳥”:「待ちくたびれたよ。いつもこんな時間に帰ってるのか?大変だな」
“百舌鳥”:口調こそ親しげだが、表情はほとんど動かない。敢えてというより、それを動かす筋肉が死んでしまっているかのような。
雨宮珀亜:「……今日は特別忙しかったんだ。……そんなことより」
雨宮珀亜:「待ちくたびれたのはこっちの台詞だぞ。敷島」
雨宮珀亜:努めて昔の口調を再現しようとする
雨宮珀亜:「……今までどこに行ってたんだ」
“百舌鳥”:「……」
“百舌鳥”:「……ははっ」
“百舌鳥”:乾いた笑みを零して。
“百舌鳥”:「少し歩こうか、雨宮」
“百舌鳥”:そう言ってゆっくり歩き出す。
雨宮珀亜:「……」
雨宮珀亜:色々な言葉を飲み込んで、その少し後ろに付いていく。
“百舌鳥”:「……元気だった?雨宮」
雨宮珀亜:「……健康かどうかって意味ならそうだな」
“百舌鳥”:「前より更にゴツくなってるしな」
雨宮珀亜:「性格的な意味なら、元気だった時なんてない」
雨宮珀亜:「知ってるだろ」
“百舌鳥”:「だろうね」
雨宮珀亜:「……お前はどうなんだ。敷島」
雨宮珀亜:「健康そうには見えないけど」
“百舌鳥”:「俺?」
“百舌鳥”:見て分かるだろ、というように少し腕を広げる。
“百舌鳥”:「生きてるよ。何とか」
雨宮珀亜:「……だろうな」
雨宮珀亜:「化けて出られてたら逃げ出してるとこだ」
“百舌鳥”:「苦手だったもんね、心霊系」
雨宮珀亜:「お前は結構好きだったな。ビビリのくせにああいうのはいいのかって思ったよ」
“百舌鳥”:「みんな結構好きだろ。チームで苦手なの、雨宮だけだったし」
“百舌鳥”:穏やかなその会話の内には、ここにはいないもう一人の影が付き纏う。
雨宮珀亜:「……渡良瀬に言わせれば、幽霊とゾンビは別物らしいけどな」
雨宮珀亜:「あいつはゾンビもの専門だったから」
“百舌鳥”:「スプラッタは俺もあんまりだったなー」軽く笑声を零して。
“百舌鳥”:「渡良瀬はB級ばっか好きだったろ。いっつもクソ映画に付き合わされてさ……」
雨宮珀亜:「……」
雨宮珀亜:「……その目、どうした」
“百舌鳥”:「……ああ、これ?」
“百舌鳥”:目元に手をやって
“百舌鳥”:「ちょっとね。でも大丈夫だよ」
“百舌鳥”:指の先で叩くと、コツコツと軽い音がする。義眼だろう。
“百舌鳥”:「もう片方よりよく見えてる」
雨宮珀亜:「……そうか」僅かに逡巡して
雨宮珀亜:「そいつも、誰かから奪った遺産なのか?」
“百舌鳥”:「……」
“百舌鳥”:「……何だ、知ってたのか」
“百舌鳥”:然程気にした様子も無く言う。
雨宮珀亜:「噂ぐらいはな。派手にやっているようじゃないか、"百舌鳥"」
雨宮珀亜:「僕なら昔のコードなんて足がつくもの、絶対使わないけどな」
“百舌鳥”:「……ああ、そうだ。それで思い出した」懐から小さなものを取り出して、投げ渡す。
雨宮珀亜:「……?」片手でそれを受け取る。
GM:それは豪奢な装飾の施された、大きな宝石のタリスマン。
GM:“シャルルマーニュの護符”だ。
雨宮珀亜:「……本物か?」
雨宮珀亜:掌中から隠しきれないレネゲイドの圧力を感じながらも、そう尋ねる。
“百舌鳥”:「偽物を渡す必要がある?」
“百舌鳥”:「もう、俺には必要ないから。UGNで預かっといてくれ」
雨宮珀亜:「必要ない……か」
雨宮珀亜:「それは、渡すはずだった取引相手が死んだからって意味か」
“百舌鳥”:歩みは止めないまま、何も答えない。
雨宮珀亜:「……敷島、答えろ。なんで"ネロ"なんかと取引していた。奴がどんな男か知っているだろう」
雨宮珀亜:「どうしてこの時期に、この街へ帰ってきた?」
雨宮珀亜:「全部……」
雨宮珀亜:「全部……渡良瀬と関係のあることなのか?」
“百舌鳥”:「……」
“百舌鳥”:足を止めて、じっと君を見る。
“百舌鳥”:「……いくつか、教えておくことがある」
“百舌鳥”:「まず、ひとつ」
“百舌鳥”:「“チケット・トゥ・ヒンノム”は、殺人犯じゃない」
雨宮珀亜:「……」
雨宮珀亜:「……だろうな。出てきている情報から見ても、その可能性は低い」
雨宮珀亜:「だが、なぜそれをお前が知っている?」
“百舌鳥”:その質問が聞こえなかったかのように続ける。
“百舌鳥”:「もう一つ」
雨宮珀亜:顔をしかめつつ、続く言葉に耳を傾ける
“百舌鳥”:「“ナズグル”の死は、連続殺人とは関係無い」
“百舌鳥”:「……いや……関係無かった、筈だった」
雨宮珀亜:「……利用されたってことか」
雨宮珀亜:「“チケット・トゥ・ヒンノム”を、連続殺人の犯人に仕立て上げるために」
“百舌鳥”:「……それだけじゃない」
“百舌鳥”:凍った湖面のような表情に、僅かに侮蔑の色が浮かぶ。
“百舌鳥”:だが、それ以上は口にはしない。
雨宮珀亜:「……」憮然として睨みつける
雨宮珀亜:(なんだよ……その顔は……)
雨宮珀亜:(そんな顔する奴じゃなかっただろ……)
“百舌鳥”:「……それから」
“百舌鳥”:静かに暗い夜空を見上げる。
“百舌鳥”:「5年前」
“百舌鳥”:「渡良瀬に何があったのか、分かった」
雨宮珀亜:「……なっ!?」
雨宮珀亜:「本当……なのか?敷島……」
“百舌鳥”:「……ああ」
“百舌鳥”:「全部分かったよ」
雨宮珀亜:「……5年間、UGNの中を探っても何も出てこなかった」
雨宮珀亜:「中枢を除けば最大の記録閲覧権限を持つ査察部でもだ。それを……」
雨宮珀亜:「UGNを抜けたお前が……いや……」
雨宮珀亜:(……今はそんなことどうでもいい)
雨宮珀亜:「……教えてくれ。敷島」
雨宮珀亜:「渡良瀬に何があった?なんであいつは……」
雨宮珀亜:「……死ななきゃならなかったんだ」
“百舌鳥”:「……」
“百舌鳥”:「……すぐに分かるよ」
雨宮珀亜:「お前……!」
雨宮珀亜:僅かに焦れた様子で声を荒げる。
“百舌鳥”:ばさり、と。“百舌鳥”の背から重力場が発生する。それは夜闇を凝縮した翼のようにも見えた。
“百舌鳥”:「……5年だ、雨宮」
“百舌鳥”:「待ちくたびれたよ」
雨宮珀亜:「敷島!!」重力場に押し出されそうになりながら手を伸ばす。
雨宮珀亜:「行くな!まだ話は終わってない……!!」
“百舌鳥”:「遅かった。……遅すぎたよ」
“百舌鳥”:どこか責めるような、縋るような言葉を残し。
“百舌鳥”:“百舌鳥”の姿は一気に舞い上がり、夜の闇に消えた。
雨宮珀亜:「敷島……」掌が空を切る。
雨宮珀亜:抜け落ちた羽根のような、千切れた重力場の残滓がその手に絡み、すぐに霧散していった。
雨宮珀亜:(遅すぎた……?なんだよそれ……)
雨宮珀亜:(全部わかったんなら、戻ってくればいいだろ……お前一人の身柄くらい、僕がどうとでもしてやる)
雨宮珀亜:(けれど……お前が……本当に戻れないとこまで行ってしまったとしたら)
雨宮珀亜:宛もなく握りしめた拳を、道路脇の電柱に打ち付ける。
雨宮珀亜:「……どうすれば良かったんだよ」
雨宮珀亜:(あの時、本当はどうすることが正しかったんだ……?)
雨宮珀亜:(教えてくれよ……)
雨宮珀亜:「渡良瀬……」
雨宮珀亜:明滅する街灯の下で、空が白み始めるまで立ち尽くしていた。
【Middle7】
GM:情報収集シーンです。
GM:全員登場可!
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (90 → 94)
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (105 → 110)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (97 → 103)
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (80 → 86)
GM:情報項目はこちら!
・連続殺人事件③
情報:UGN 難易度9
・“ドレッドノート”について②
情報:UGN/裏社会 難易度10
・“ネロ”特捜チーム②
情報:UGN 難易度20
・“百舌鳥”について②
情報:UGN/裏社会 難易度12 雨宮珀亜は達成値+3
リオ・グッドマン:私は特捜チームかな
雨宮珀亜:じゃあ私は百舌鳥かな
楫かなえ:ドレッドノートをやろう
皆方アイリ:なら殺人事件行きます
リオ・グッドマン:特捜チームについて、《生き字引》で意志判定します。UGN幹部のコネ使ってダイス+2
リオ・グッドマン:10dx+13
DoubleCross : (10DX10+13) → 10[1,1,2,4,4,5,7,8,9,10]+9[9]+13 → 32
GM:強すぎる
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1増加 (110 → 111)
雨宮珀亜:百舌鳥”について② 情報:UGN コネ使用
雨宮珀亜:5dx+4>=12
DoubleCross : (5DX10+4>=12) → 7[1,2,3,5,7]+4 → 11 → 失敗
楫かなえ:ミーミルをUGN諜報部にして判定!
楫かなえ:11dx+3>=10
DoubleCross : (11DX10+3>=10) → 10[1,2,2,3,5,5,5,8,9,10,10]+3[1,3]+3 → 16 → 成功
皆方アイリ:コネ使ってUGNで判定
皆方アイリ:6dx+1>=9
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 8[1,2,5,7,7,8]+1 → 9 → 成功
雨宮珀亜:バ、バデムを……
皆方アイリ:雨宮さんにバデム!
雨宮珀亜:ヤッター!バデムで成功!
GM:では全成功!
GM:開示します
・連続殺人事件③
情報:UGN 難易度9
8件目の殺人が発生した。
被害者は“なみはな”。第十支部所属のエージェントであり、血文字とカードに書かれていたのは『Deceiver』。第八の嚢、謀略者を意味する。
予告状が届いたのは事件から二日ほど前のようだが、名乗り出ていなかった。
また、“ネロ”の残したデータから、被害者達の詳しい事情が判明した。
第一の嚢 女衒Seducer “ストラトキャスター”
既に吸血衝動が暴走、ジャーム化していたが、恋人で医師である“ツークツワンク”共に検査結果を改竄、民間人を襲っていた。
第三の嚢 沽聖者Simoniacs “アナバシス”
遺産管理局エージェントでありながら、“イーニー”と組んで外部の犯行に見せかけて遺産を盗み出し、ギルドに売却した。
第四の嚢 魔術師Sorcerer “スケレトゥス”
研究者であり、無許可でジャームに対し違法な実験を行っていた。
第五の嚢 汚職者Grafter “ツークツワンク”
医師であり、既にジャームである“ストラトキャスター”を庇い立てし、民間人を襲うのに協力していた。
第七の嚢 盗賊Thief “イーニー”
“アナバシス”に計画を持ち掛け、共に組んで遺産を売却した。
第八の嚢 謀略者Deceiver “なみはな”
潜入中のFHエージェントであり、UGNの重要機密を探ろうとしていた。
第十の嚢 詐欺師Falsifier “300o'clock”
密かにギルドに内通し、UGNの資金を横流ししていた。
ほとんどは個人レベル以上には漏れていない情報であり、“ネロ”のような違法に個人のデータにまでアクセスするような手段でなければ発覚しなかったものと思われる。
一覧としてリスト化されていた点から、“ネロ”はこれら被害者の身元情報を何者かに渡したものと見られる。
“なみはな”は殺害予告を受けつつも、捜査によって内通が発覚するのを恐れて名乗り出なかったのだろう。
また“ナズグル”に関しては、リストに名前は書かれておらず、それとは別に“ネロ”が証拠を改竄・捏造した痕跡が見受けられる。
・“ドレッドノート”について②
情報:UGN/裏社会 難易度10
まだ表に出ていない情報だが、昨日UGNドイツにて秘密裏に検挙されたギルドの構成員に、“ドレッドノート”が含まれていた。
“ドレッドノート”は実在しながら架空でもある存在であり、複数の勢力が協力・共有して使用している隠れ蓑のようなものだ。
各勢力で相互に調整し、複数のオーヴァードが様々な場所と時刻で“ドレッドノート”として活動することで、アリバイ工作や捜査の撹乱を行なっていたものと見られる。
・“ネロ”特捜チーム②
情報:UGN 難易度20
“天網恢々”ミランダ・ローウィンは、過去に幾多の迷宮入り事件を解決し、功績を挙げてきたが、それらの殆どは“ネロ”との裏取引によるものだ。
“ネロ”により本来知り得ないFH側の情報を得る代わりに、ミランダはUGN側の捜査情報をリークし、やがては自らが特捜チームの主任となることで、“ネロ”を捜査の手から逃し続けてきた。
またミランダはその人脈・権力と“ネロ”による情報力と監視網を駆使し、自らの秘密に気付いた者を秘密裏に抹殺してきたものと見られる。
証拠の捏造や揉み消しも頻繁に行ってきたものと思われ、“ナズグル”は過去の事件を調べる内にミランダが関わる不審な点に気付いてしまい、ダブルクロスの汚名を着せられ殺害されたものだろう。
・“百舌鳥”について②
情報:UGN/裏社会 難易度12 雨宮珀亜は達成値+3
“百舌鳥”のオーヴァードとしての本質は、遺産の本質を見抜き、またレネゲイドを調整することで様々な遺産の力を引き出して契約が可能というところにある。
通常、遺産との契約は契約者に極めて大きな変質と代償を齎し、複数の遺産と同時契約することは不可能、出来たとしても著しくジャーム化の危険性を上げる禁じ手だ。
だが“百舌鳥”は遺産との契約によって降り掛かるデメリットを反対の性質を持つ他の遺産によって打ち消し、多重契約を可能とする荒業『相克契約』によって、6つもの遺産と同時に契約を果たしている。
ただしこの契約は薄氷のバランスの上に保たれている非常に危ういものであり、また侵蝕率以外にも心身への負荷は極めて大きい。長くは持たない危険な状態にあると言える。
連続殺人事件の被害者の死因は様々だが、全員何らかの遺産によって殺されたものと見られる。
“ネロ”の取引相手、現場の残留レネゲイドなどの状況から、“百舌鳥”が真犯人である可能性は高い。
N市 住宅街
GM:近年、日本では過疎化が進みつつあり、管理者なく放棄された空き家の数は増え続ける一方だ。
GM:N市でもそれは例外ではなく、住宅地の中には、一目ではそうと分からない空き家が随所に点在している。
GM:その中の一件。少し見た程度では何の変哲もない、ごく普通の一軒家。
GM:だがその地下は、広々としたスペースが広がる査察部のカバーのひとつとなっていた。
GM:寒々としたコンクリートの建材を蛍光灯の明かりが照らし、長机やパイプ椅子、PCの配線やプロジェクターの類が並んでいる。
鹿骨秋蔵:「ここなら話を聞かれる心配はありません」
鹿骨秋蔵:鉄のドアを閉め、鍵を掛ける。
鹿骨秋蔵:「全員揃っていますね?」
リオ・グッドマン:「うす」
楫かなえ:頷く。
雨宮珀亜:「……」腕を組んで壁際に背を預けている。
皆方アイリ:「揃ってます」
鹿骨秋蔵:「さて……では、本題から入りましょうか」
鹿骨秋蔵:「ミランダ・ローウィンは──ダブルクロスです」
リオ・グッドマン:頷いて
リオ・グッドマン:「───まぁ、早い話がネロとのマッチポンプっす」
リオ・グッドマン:「FHの情報とUGNの情報を互いに交換するギブアンドテイク」
リオ・グッドマン:「10年捕まえられないってのも当然の話だよな、だって最初っから捕まえるつもりねぇんだから」
雨宮珀亜:「……情報の交換程度ならウチだって似たような真似はしている」
リオ・グッドマン:「ただ、問題はそれで人死にが出てる事だ」
楫かなえ:「……」書類の並ぶ机の側に立ったまま、身動ぎせずその報告を聞く。
リオ・グッドマン:「連続事件の被害者、マーレボルジェの符号」
リオ・グッドマン:「その中に一人だけ、関係ない奴が混ざってたっすよね」
雨宮珀亜:「……"ナズグル"か」
リオ・グッドマン:「ああ」頷く
リオ・グッドマン:「直接的にか、間接的にかは分かんねーけど、”ナズグル”を殺したのはミランダだ」
皆方アイリ:「!」 眉に明らかな皺が寄る。
リオ・グッドマン:「ただ、それが本部に露見する事は、ミランダは当然として、協力関係にあるネロだって嫌がる」
皆方アイリ:「……口封じですか?」
リオ・グッドマン:皆方を見て「そういう事っすよ」
鹿骨秋蔵:「そして恐らく、友人の死を調べていた逢河さんも、何らかの形でその真相の一端を知ってしまった」
リオ・グッドマン:「口封じの為に殺された”ナズグル”と、犯人に仕立て上げられた”チケット・トゥ・ヒンノム”」
雨宮珀亜:「なら、ミランダがこの街に来た理由は"ネロ"の捕縛ではなく、内通の証拠を確実に隠滅するためということか」
リオ・グッドマン:「向こうさんは、最初っからそのつもりで事を運ぼうとしてた訳だ」
リオ・グッドマン:「珀亜がミランダの言に苛ついてたのも、強ち間違いじゃなかったな」
リオ・グッドマン:うはは、と笑うが、その声にはどこかいつもの覇気がない
鹿骨秋蔵:「“ネロ”が来日した以上、専属捜査官であるローウィンも来なければ怪しまれる、という部分もあったでしょうがね」
鹿骨秋蔵:「恐らくその気になれば、海の向こうからでも人一人くらい簡単に消せるでしょう」
皆方アイリ:「……思ってはいたんですよ。この人、先輩が犯人な前提でしか会話してないなって」
皆方アイリ:「そういうことでしたか」 口調は変わっていないものの、声音は明らかに温度が下がっている。
鹿骨秋蔵:「ですがローウィン、あるいは“ネロ”が証拠を捏造した時には、まだメッセージの法則性は読めず、予告状の存在は明るみに出ていなかった」
鹿骨秋蔵:「後から『元々あった』ことにすることも出来たでしょうが……これ以上墓穴を掘りかねない事態を避けたのでしょう」
リオ・グッドマン:「なんつーか…」
楫かなえ:「……だから言ったのですよ、グッドマンさま」
リオ・グッドマン:「自転車操業だよな、どこのどいつもさ……ん?どしたん?」
楫かなえ:「この仕事は、失望させられることばかりだ、と」
楫かなえ:「……大丈夫ですか。悪いことをした報い、受けさせられます?」
リオ・グッドマン:「……何だ、励ましてくれてんの?」
リオ・グッドマン:「……心配ねぇよ」
リオ・グッドマン:「”最悪”を回避するのが俺達のお仕事だ」
リオ・グッドマン:舞台の上に立っていたのが悪役だった、単にそれだけの話だ
リオ・グッドマン:───最初から俺は、彼女と同じ視座になんか立ってねーんだから。
楫かなえ:「であれば構いません」そっぽを向いて。
楫かなえ:「……随分無邪気に信じているようでしたから」
リオ・グッドマン:くつくつと笑って「ああ、そうだな。でも…それはそれ、これはこれ、だぜ。かなちゃん」
雨宮珀亜:「……それで」壁から背を離し、皆の近くに歩いてくる。
雨宮珀亜:「ミランダをどうする?僕らで捕縛するのか?」
鹿骨秋蔵:「そうですね」
鹿骨秋蔵:「……逢河さんが消息を絶って以降、ローウィンには明らかに焦りが見えます」
鹿骨秋蔵:「通常の形で捕縛されれば、本部エージェントとしての権限でいくらでも横槍は入れられる。証言も簡単に揉み消せたはず」
鹿骨秋蔵:「しかし彼女の目の届かないところで逢河さんが保護され、彼女と“ネロ”の関係を証言した場合」
鹿骨秋蔵:「いくら彼女でも手出しするのは難しくなる。特にその状態で“ネロ”が逮捕された場合、救助も抹殺も出来なくなる恐れがあった」
鹿骨秋蔵:「そうなれば彼女は終わりです。強硬手段で“ネロ”の口封じを図ったのは、そういう事情からでしょう」
雨宮珀亜:「……何?」
雨宮珀亜:「じゃあ"ドレッドノート"をけしかけたのも彼女の仕業なのか?」
鹿骨秋蔵:「僕はそう考えています。今はまだ証拠はありませんが」
楫かなえ:「“ドレッドノート”は」傍らの机からプリントを取って。
楫かなえ:「裏社会の複数の勢力が共有している名義です」
楫かなえ:「そう名乗る複数のオーヴァードが活動することで、行動原理が分からない神出鬼没の怪物を疑似的に作り出している」
楫かなえ:「つまり、通りすがりの暴走ジャームなどではない。あの場でネロを処分する目的を持つ者と考えると」
楫かなえ:「必然、特捜チームの一員──推測ですが、“トルバラン”さまあたりでしょうか」
リオ・グッドマン:「俺も、かなちゃんと同じ考えっす」
雨宮珀亜:「……そういえば、あの時"サウロペルタ"が妙な事を口走っていたな」その説明を聞いて、何かを思い出したように
雨宮珀亜:「僕が"ドレッドノート"が単独ではないかもしれないと言った時」
雨宮珀亜:「彼女は誰かが使役しているのではなく、奴が複数存在するのかと言った」
雨宮珀亜:「解釈の違いかと聞き流したが……なるほど、最初から絡繰を知っていたわけか」
鹿骨秋蔵:「……ああ、ジャクリーヌさんのことですか」
鹿骨秋蔵:「彼女はこちらの内通者です」
鹿骨秋蔵:平然と口にする。
楫かなえ:僅かに目を瞠る。
リオ・グッドマン:「ああ、そうだったんすね」
鹿骨秋蔵:「“ネロ”とローウィンの両方に通じつつ、こちらに情報を流してくれていました」
鹿骨秋蔵:「つまりは三重スパイですね」
皆方アイリ:「トリプルクロス、と。言っちゃなんですけど、人は見かけによりませんねぇ」
楫かなえ:「わたくしたちにも内緒で……」
楫かなえ:「さすが秋蔵さま……」
楫かなえ:感心と情けなさが入り混じったような顔。
雨宮珀亜:「……それ、僕らは知っていても良かったんじゃないですか?」
雨宮珀亜:こちらは憮然とした態度で睨む
リオ・グッドマン:「俺普通にめっちゃ疑ってたんすけど」
鹿骨秋蔵:「申し訳ありません。秘密は知る人間が少ないほど価値がありますから」
鹿骨秋蔵:眉根を下げる。表面上は悪びれているように見えなくもない。
雨宮珀亜:(このジジイ……)
鹿骨秋蔵:「さて、“ネロ”が死んだ今、ローウィンにはこれまでとは別種の焦りがあるはずです」
鹿骨秋蔵:「“ネロ”がいなければ、これまでのような全能に近い情報能力は望むべくもない」
鹿骨秋蔵:「逢河さんが保護され、証言されてしまえば、これまでのような強引な揉み消しも困難になるでしょう」
鹿骨秋蔵:「何としてでも、その前に彼を消そうと躍起になっているはずです」
皆方アイリ:「実際、ナズグルの証拠を改竄・捏造したのも"ネロ"一派ですからね」
皆方アイリ:「さっき確保した人員とか設備から証言と証拠が取れました」 資料を机の上に出しつつ。
皆方アイリ:「それともう一個。例の被害者たちについて調べたのも"ネロ"一派の仕事みたいで」
皆方アイリ:被害者と彼らの隠れた悪行がまとめられたリスト。証拠となっているのはごく個人的なやり取りばかり。
皆方アイリ:「このリストをまた別の場所に引き渡した履歴も出てきました。その引き渡し先が殺人事件の犯人ってとこでしょう」
リオ・グッドマン:「………また随分と、一貫性のある犯行っすよね」
雨宮珀亜:「……特捜チームではないな。最初から事件の法則を知っていたのならあんな杜撰な偽装はしない」
楫かなえ:「彼女たちなら、手柄にならない始末の仕方もしないでしょうしね」
雨宮珀亜:「……やはり、あいつなのか」小さくこぼす。
リオ・グッドマン:「あいつ?」
鹿骨秋蔵:「……心当たりが?」
雨宮珀亜:「……"百舌鳥"だ」
雨宮珀亜:資料の上に、敷島から受け取った"シャルルマーニュの護符"を放り投げる。
リオ・グッドマン:「……?あ……おまっ…!これ、どこで…!」
雨宮珀亜:「奴から接触を受けた。もう不要になったから預かってくれ、とな」
鹿骨秋蔵:「ふむ……」顎に触れる。
楫かなえ:「不要に?」
リオ・グッドマン:「不要…?ネロが死んだからっすかね」
雨宮珀亜:「おそらく、"ネロ"への報酬だったのかもしれない」
雨宮珀亜:「"ネロ"がまとめた背信者の情報を奴が買ったとしたら、説明はつく」
皆方アイリ:「つまり、"百舌鳥"は"百舌鳥"で独自に"ネロ"と繋がっていたと」
楫かなえ:「なるほど……」頬に手を添えて首を傾げる。「でもその経緯で、UGNに預けるのですか」
リオ・グッドマン:「”百舌鳥”の目的はUGN内の背信者の処断って事っすか?何でまた?」
楫かなえ:「同感です。そんなことをするくらいなら、UGNという組織自体を信用していないのかと思っていたのですが」
雨宮珀亜:「……そんなの、僕が教えてほしいくらいだ」
鹿骨秋蔵:「今回の事件……」
鹿骨秋蔵:「僕は最初から、“ネロ”とローウィンの検挙を目的に動いていました」
鹿骨秋蔵:「ですがその中で、完全にアンコントローラブルだったのが件の連続殺人です」
リオ・グッドマン:……顎に手を当てながら難しい顔をして
リオ・グッドマン:「”百舌鳥”の行動原理が、俺達の予測の範囲内だとするなら」
リオ・グッドマン:「”餌”になんねーんすかね?特捜チームって」
皆方アイリ:「残った罪人に当てはまるんじゃないかってことです?」
リオ・グッドマン:「まぁそれもあるんすけど、もっとシンプルな話」
リオ・グッドマン:「”百舌鳥”は許さねーでしょ、ミランダの事を」
雨宮珀亜:「……」
楫かなえ:「UGN内部の悪人だからですか?」
雨宮珀亜:「……?まさか……!」難しい顔をしていたが、ふと何かに気付いたように
雨宮珀亜:「そういうことなのか……?敷島……!」
リオ・グッドマン:「そ、そ。次に動いてくる方向が分かってりゃ、こっちも対処しやすい……珀亜?」
楫かなえ:怪訝そうな視線の向く先が雨宮さんへと移る。
雨宮珀亜:「……」暫くブツブツと呟いていたが
雨宮珀亜:意を決したように皆へ視線を向けて
雨宮珀亜:「……ミランダ・ローウィンは、これまでも内通に気付いた者を秘密裏に消してきた。そう言っていましたね」
鹿骨秋蔵:「ええ」
雨宮珀亜:「そして今回の"ナズグル"にやった手口。おそらく"ネロ"を使うのなら、冤罪を被せるのが最も効率が良い」
雨宮珀亜:「似たような手はこれまでも使っていたと推測できる」
鹿骨秋蔵:「……」片目を開いて雨宮を見る。
雨宮珀亜:「……5年前、一人のチルドレンがFHとの内通の嫌疑をかけられ、逃走中に死亡した」
リオ・グッドマン:「……!まさか」
雨宮珀亜:「"落葉"渡良瀬亜弥」
雨宮珀亜:「僕と、"百舌鳥"敷島涙のチームメイトだ」
楫かなえ:「……」
雨宮珀亜:「……もしもあいつが、あの時の目的を忘れていないのなら」
雨宮珀亜:「渡良瀬の無実を証明するために、これまで戦ってきたのなら」
雨宮珀亜:「……そして、この僕の都合のいい推理が正しいのなら」
雨宮珀亜:「あいつは復讐する気かもしれない。ミランダ・ローウィンに」
リオ・グッドマン:「……特捜チームの活動期間を考えても、辻褄は合う」
鹿骨秋蔵:「……百舌鳥という鳥は──」
鹿骨秋蔵:静かに口を開く。
鹿骨秋蔵:「獲物を木の枝に串刺しにする、早贄という習性で知られます」
鹿骨秋蔵:「その行為の意味するところは、長らく謎とされてきましたが」
鹿骨秋蔵:「近年では、それは餌の少ない冬に、他の百舌鳥に向け囀り歌う為の糧となると分かっています」
鹿骨秋蔵:「彼らは仲間に想いを伝える為に、早贄を残す」
鹿骨秋蔵:「その本当の意味が分かるのは……」
鹿骨秋蔵:雨宮に目を向ける。
鹿骨秋蔵:「雨宮さん、貴方だけです」
雨宮珀亜:「はっ……」
雨宮珀亜:「ははは……」小さな声で、ぎこちなく笑いだす。長年使われていなかった表情筋が軋みを上げる。
雨宮珀亜:「僕なんかより、よっぽど言葉足らずだろ……あいつ」
雨宮珀亜:肩を震わせて、不気味に笑い続けた後「……」
雨宮珀亜:表情を引き締めて皆に向き直る。
雨宮珀亜:「……リオ。お前の案に乗りたい」
リオ・グッドマン:雨宮が初めて見せる表情に、少しだけ呆気に取られ
リオ・グッドマン:口の端を吊り上げて笑う
リオ・グッドマン:「何だよ、良い顔出来んじゃん。お前」
リオ・グッドマン:「───おいちゃん」
リオ・グッドマン:「”百舌鳥”を利用して、特捜チームを捕縛する。」
リオ・グッドマン:「大まかな方針は、こんな所でいいっすか?」
鹿骨秋蔵:「……さて。同じ部署にいると、発想が似てくるものなのでしょうか」
鹿骨秋蔵:愉快そうに笑って
鹿骨秋蔵:「ローウィンを検挙するのは、至難の業です」
鹿骨秋蔵:「彼女は殆ど証拠を残していませんから。たとえ何とか捕縛しても、UGN内における彼女の政治力を持ってすれば釈放されてしまう可能性が高い」
鹿骨秋蔵:「ですが、“ドレッドノート”は違う」
鹿骨秋蔵:「彼、もしくは彼女には、“ネロ”を殺害した動かぬ証拠がありますから」
鹿骨秋蔵:「“ドレッドノート”さえ捕えれば、芋蔓式にローウィンまで検挙できる」
鹿骨秋蔵:「そして今、僕の元には、彼らを誘き出すのに必要な協力者が居ます」
皆方アイリ:「それ、って」
皆方アイリ:平静を装った声に期待が滲む。
鹿骨秋蔵:頷く。
鹿骨秋蔵:「逢河雷魚さんは、我々が保護しています」
楫かなえ:(……よかったですね)表向きには何も示さぬままで思う。
雨宮珀亜:(どこまで計算ずくなんだよ。このじいさんは……)
リオ・グッドマン:「……うはは。むしろ、タネはこれで全部っすか?まだ何か隠してんじゃねぇの?」
鹿骨秋蔵:「ローウィンの件も含め、皆さんに黙っていて申し訳ありませんでした」
鹿骨秋蔵:「ぎりぎりまで隠しておかなければ、全員に危険が及びかねない状況でしたので」
リオ・グッドマン:「いやいや、吉報も吉報っすよ。これで、向く方向が一つで済む。」
雨宮珀亜:「……ああ、ピースは揃った」
皆方アイリ:「……」 話し合いの中で立ち上がっていたが、すとんと席に座る。
皆方アイリ:「です、ね」 相槌を打ちながら、黙って顔を手で覆う。
皆方アイリ:「…………良かったぁ……」 漏れ聞こえた掠れ声は、酷く震えていた。
リオ・グッドマン:皆方を一瞥して、見てはいけないものを見たかのように、視線を逸らす
楫かなえ:「…………」
楫かなえ:「……あの」珍しくやや言いにくそうに。「水を差すようで恐縮ですけれど」
楫かなえ:「逢河さまを囮にする、というお話ですよ。良いのですか」
楫かなえ:「雨宮さまも」
楫かなえ:「“百舌鳥”と協働してローウィンさまたちを捕縛できたとして、そのままお疲れ様でした、とならないだろうことはお分かりですよね」
雨宮珀亜:「……わかっているさ」
雨宮珀亜:「看過できない背信を働いていたとはいえ、あいつが人を殺してきたことは事実だ」
皆方アイリ:「あたしもだいじょぶです。それが一番早く安全を確保できるんですし」
皆方アイリ:「正直、一番怖かったのはあたしの知らないところで危険な目に合ってる事だったので」
皆方アイリ:「無事で傍に居てくれるんなら、あたしが全力で守ればいい。そうでしょう?」
皆方アイリ:「何せ皆さんも付いてますしね」
皆方アイリ:そう言って、頬に伝った涙の後を拭いながら笑って見せる。
鹿骨秋蔵:「ありがとうございます、皆方さん」中折れ帽を被り直す。
楫かなえ:「……。でしたら、わたくしも問題ありません」
楫かなえ:(……逢河さまを信じた皆方さまの想いは、どうやら報われることになる)
楫かなえ:(一方で、グッドマンさまが英雄に寄せた期待は裏切られた)
楫かなえ:(雨宮さまは、果たしてどちらになるのでしょうね)
楫かなえ:(……そして、わたくしも)
リオ・グッドマン:いつものように、快活に笑う素振りを見せて
リオ・グッドマン:「───んじゃま、勝ちに行こうぜ!」
楫かなえ:両手を服の首元に引き寄せて、きゅ、と生地を掴む。目を瞑る。一瞬だけ世界と己とを切り離して。
楫かなえ:「ええ」
楫かなえ:僅かに震える指先を隠すみたいに折り曲げ、目を開ける。
雨宮珀亜:「……ああ」拳を握る。
雨宮珀亜:「逢河雷魚は必ず守り抜く」皆方さんを見て
雨宮珀亜:「ミランダ・ローウィンには必ず罪を償わせる」査察部の面々を見て
雨宮珀亜:「そして……」
雨宮珀亜:一抹の不安は残っている。
雨宮珀亜:早贄を残した百舌鳥は、果たして冬を超えられるのか。
雨宮珀亜:遅すぎた。と言い放った彼の表情が瞼に焼き付いている。
雨宮珀亜:(それでも……)
雨宮珀亜:「敷島涙を必ず連れ戻す」
雨宮珀亜:「もうこれ以上、何も失わせはしない」
GM:作戦準備の為、他の面々は各々部屋を出ていき、室内には君と鹿骨だけが残された。
GM:辺りは一気にがらんとし、空調の低い唸りだけが響いている。
楫かなえ:「……」現状を認識し、横目で鹿骨部長の存在を確かめて。
楫かなえ:途端にそわそわと落ち着かない様子になりだす。
楫かなえ:「わっ」
楫かなえ:「わたくしは、何かしなくてよろしいのでしょうか」
楫かなえ:無意味に書類の束の端を揃えるなどしながら。
鹿骨秋蔵:「そうですねえ……」少し考えて
鹿骨秋蔵:「僕の方は、もう準備は出来ていますよ。むしろ楫さん、あなた自身の御準備は大丈夫ですか?」
鹿骨秋蔵:「装備の用意や点検は万全でしょうか?」
楫かなえ:「それは、ええ。問題ありません」
鹿骨秋蔵:「それなら、リラックスしておくといいですね」笑って
鹿骨秋蔵:「緊張していると、いざという時思ったように動けませんから。紅茶でも淹れてきましょうか?」
楫かなえ:「しゅっっ、秋蔵さまにそのようなことはさせられません!」
楫かなえ:「わたくしが淹れてきます!」
楫かなえ:小走りで部屋を出、少しして、ポットと二人分のカップを盆に乗せて戻ってくる。
鹿骨秋蔵:「ああ……」気にせず、と言おうとしたが、その方がこの子には緊張がまぎれるだろうと思い、そのままお願いする。
楫かなえ:「……お待たせしました。はい、どうぞ」
鹿骨秋蔵:「ありがとうございます。いい香りだなあ」
楫かなえ:自分の分にも注ぐが、それには手を付けず。
楫かなえ:「……今回も、お疲れ様です」
鹿骨秋蔵:香りを楽しんでから口に運んで「……うん、美味しいですよ」
楫かなえ:「よかった」
楫かなえ:いくらか緊張の解れた様子で微笑む。
鹿骨秋蔵:「楫さんも、お疲れさまでした」
楫かなえ:「いえ……わたくしは」
鹿骨秋蔵:「本番はこれからですが……あなたはここまで特に大変だったでしょう」
楫かなえ:首を振る。「未熟を痛感するばかりでした」
楫かなえ:「デスタンさまのこと」
楫かなえ:「秋蔵さまが、わたくしたちにも秘密の札を持って……そのぶんさらに手を割いていたことにも、気付きませんでしたし」
楫かなえ:「それに結局、ローウィンさまの検挙に繋がる情報も得られなかった」
楫かなえ:「……わたくしと五十嵐さまだけ、最初から教えられていたのに」
鹿骨秋蔵:「そんなことはありませんよ。特に“ネロ”の検挙はあなたの捜査によるところが大きい」
鹿骨秋蔵:「僕は今回の事件、真相を知りつつ両面から捜査を進めてくれる人が必要でした」
鹿骨秋蔵:「あなたはその役目を十全に果たしてくれましたよ、楫さん」
楫かなえ:「であれば、良かったのですが」
楫かなえ:そう。良かった、と思う。
楫かなえ:全てを明かして任せられる人、というような言い方ではなくとも。
楫かなえ:リバースハンドアウトを開示します。
君は五十嵐と共に、鹿骨から密命を受けて行動している。
“天網恢々”ミランダ・ローウィンは、“ネロ”と内通している。
“ネロ”から多くのFHエージェントの情報を得て手柄にする代わりに、“ネロ”自身は見逃すという取引だ。
ミランダはそうして得た立場を守る為、彼らの関係に勘付いた者や邪魔になる者を秘密裏に抹殺してきた。
鹿骨は彼らの入国を又と無い好機と見て、二人まとめての検挙を目論んでいる。
ミランダに気付かれれば逃げられるどころか、君達まで暗殺されかねない。
君達は他の査察部員にも秘密裏に、二人の検挙に向け動かなくてはならない。
楫かなえ:「けれどやはり、振り返ってみると」
楫かなえ:「もっとやりようがあったのではと考えてしまいます」
楫かなえ:「例えば、グッドマンさまが特捜チームに内通者がいることを知った時点で」
楫かなえ:「彼には明かしておいた方が、より歩調を合わせられたのかも、などと」
楫かなえ:「結局、秘密を通す方を優先しましたが……」
楫かなえ:どちらかと言えば、それも理論的な判断と言うより、彼を信じきることができない感情に基づくもので。
鹿骨秋蔵:「ふむ……」
鹿骨秋蔵:一瞬、手で懐に触れる。それが鹿骨の昔の喫煙癖の名残だと君は知っている。
鹿骨秋蔵:「確かに、そうかもしれませんね」
鹿骨秋蔵:紅茶を口に運び「けれど、そうでないかもしれない」
鹿骨秋蔵:「秘密というものは、知る者の少ないほど価値がある」
鹿骨秋蔵:「けれど『知らない』というのは、それ自体が大きな武器でもあります」
楫かなえ:「知らないことが、武器」
鹿骨秋蔵:「特に僕やローウィン、“ネロ”のような人間に対してはそうです」
楫かなえ:「秋蔵さまも?」
鹿骨秋蔵:「ええ、そうですよ?」
鹿骨秋蔵:「秘密を握っているという状態は、ある意味では自らの内に弱点を抱え込んだ状態、諸刃の剣でもあります」
鹿骨秋蔵:「相手の弱みを握ったつもりが、逆にそれが枷となり、そこから突き崩され、絡め取られる」
鹿骨秋蔵:「そうしたことが往々にしてあります」
楫かなえ:「こわいのですね」
楫かなえ:「情報というものは。査察部は、それを探って回るのがお仕事ですけれど」
鹿骨秋蔵:「ええ。何よりも怖いものです」
鹿骨秋蔵:「けれど最初から何も知らないなら──いくら嗅ぎ回られようが、何も心配は無い。何しろ知らないのですから」
楫かなえ:「だから、秘密を教える人間は最低限に、ということでしょうか」
鹿骨秋蔵:「それは何よりも強い鎧となります。そして最も重要なこととして、『知らない』ということは、誰にも証明できない」
鹿骨秋蔵:「そうですね。秘密を知っている人間、知らない人間、それぞれに違った強みがある」
楫かなえ:「……では、秋蔵さまは平気なのですか?」
楫かなえ:指先を温めるようにカップに触れ、その水面に視線を落として。
楫かなえ:「あなただけは、全部の秘密を知っているのですよね」
鹿骨秋蔵:「……まさか」
鹿骨秋蔵:「何でも分かるなら、僕は神様になってしまいますよ」
楫かなえ:「む……」
楫かなえ:「もう。そういうことを申し上げているのではありません」少しばかり不服そうに、老紳士の横顔を見上げて。
楫かなえ:「……ですけれど、まあ」
楫かなえ:「わたくしが心配したところで、どうにかできる話ではありませんね」
鹿骨秋蔵:薄い笑みと共に、カップを口に運ぶ。
鹿骨秋蔵:「……査察部での仕事はどうですか、楫さん」
楫かなえ:「そうですね……」
楫かなえ:初めて紅茶を一口啜って。
楫かなえ:「優しすぎないので助かっています」
鹿骨秋蔵:「はは……そうですね」
鹿骨秋蔵:「優しい仕事とは言えませんね」
楫かなえ:「わたくしが通わせていただいている学校のような」
楫かなえ:「能天気で、そのくせどうでもいいことでいがみ合って、ひとを巻き込んで憚らなくて──でも自分たちが正義と平和の裡にあることを疑っていない」
楫かなえ:「お仕事で会うのさえそういうひとたちであったら、きっととても馴染めなかったでしょうから」
鹿骨秋蔵:「そうですね。僕達が相手をするのは、裏切者と魑魅魍魎ばかりです」
鹿骨秋蔵:「きっと死後地獄に堕ちるとしたら悪意者の地獄でなく、その下に行くことになるのでしょうね」
楫かなえ:「はい。そういう相手を見ているほうが」
楫かなえ:「好きにはなれなくても、納得はできる。やっぱり世界はそういうものなんだって」
楫かなえ:「……失望なさいました?」
鹿骨秋蔵:「……いえ」カップを置く。
鹿骨秋蔵:「だからこそ、僕達が必要なのですから」
鹿骨秋蔵:「……UGNは、存在自体を秘匿された組織です」
鹿骨秋蔵:「他の組織とは、その在り方が根本から違う」
鹿骨秋蔵:「外部の介入による浄化は望めませんし、内部告発をしようとしても、事によってはそれ自体がUGNの存在理由に反する」
鹿骨秋蔵:「それ故に、上層が腐敗すれば、その腐敗は末端まで広がり、留めることは出来ない」
鹿骨秋蔵:「今回のローウィンは、そうした事実の一端です」
楫かなえ:頷く。
鹿骨秋蔵:「だからこそ、査察部がいる」
鹿骨秋蔵:「盾を盾として正しく立たせ続ける為、我々だけは最後まで絶対に、道を誤ることは出来ない」
鹿骨秋蔵:「例え守るべき相手から憎まれ、裏切者と蔑まれようと──」
鹿骨秋蔵:「これ以上やりがいのある仕事は無い。僕はそう思っていますよ」
楫かなえ:「ふふ」
楫かなえ:細い肩を震わせて笑う。
楫かなえ:「やっぱり、神様みたいです」
鹿骨秋蔵:困ったように眉根を下げ、肩を竦める。
楫かなえ:「……だって、人がやるには、聞くだにすごく大変そうなんですもの」
楫かなえ:「重責を、わたくしはまだまだ共に背負うことはできませんけれど……」
鹿骨秋蔵:「臨時査察部には、それが出来るメンバーを集めたつもりですよ」
鹿骨秋蔵:「楫さん、それは貴女もです」
楫かなえ:首を振る。「そうだとしても、秋蔵さまのご負担は察するに余りあります」
楫かなえ:「──ですので、あの」
楫かなえ:「…………」
楫かなえ:「か」
楫かなえ:「肩を、お揉みしてもよろしいでしょうか」
鹿骨秋蔵:「…………?」
鹿骨秋蔵:一瞬、不思議そうな顔をして。それから穏やかな笑みを浮かべる。
鹿骨秋蔵:「……ありがとうございます」
鹿骨秋蔵:「それじゃあ……折角だから、お願いしようかな」
楫かなえ:「……はい」
楫かなえ:席を立ち、背後に回って。
楫かなえ:「すぅ……ふぅ」
楫かなえ:覚悟を決めるみたいに深呼吸をする。
楫かなえ:「──失礼します」
楫かなえ:それから、目の前の両肩に、そっと手を添えて──
楫かなえ:弱々しく、撫でるように揉む。
楫かなえ:(……駄目。震えないで)
楫かなえ:指先に力を込め直し、再度。
楫かなえ:強く押す。すると衣服の布越しに、肉が形を変える感触が返る。筋と骨、流れる血、体温。
楫かなえ:このひともそうしたものから成り立っているのだと、分かってしまう。
楫かなえ:「……ッ……」
楫かなえ:「わたくしに……とっては」
楫かなえ:それでも、どうにか程よい加減を探りながら続けて。
楫かなえ:「秋蔵さまが、神様のようなものです」
楫かなえ:(死を待つまでもなく地獄のこの世界に、降り立たれた神様)
楫かなえ:「だから、わたくし、信じて尽くします」
楫かなえ:(その裁きが正しいものであることを)
楫かなえ:「きっと、頼ってくださいね」
GM:シーン終了。
GM:ロイス・購入可能。ラストです
リオ・グッドマン:ミランダさんへの感情を 憧憬/〇隔意 に
雨宮珀亜:ミランダ・ローウィン 責任○/憎悪 で取得
リオ・グッドマン:後は皆方さんに 〇誠意/罪悪感 で取得
皆方アイリ:ロイスをどうしようかな、ミランダへはまだ保留にしようかな
リオ・グッドマン:購入は何か欲しい奴あります?
雨宮珀亜:購入どうしよ……ワンチャンリアクティブコート狙おうかな
皆方アイリ:とりあえずリオ君に〇連帯感/隔意で取っておきます
雨宮珀亜:3dx+1>=36
DoubleCross : (3DX10+1>=36) → 6[5,5,6]+1 → 7 → 失敗
雨宮珀亜:全然だめだった
楫かなえ:ブルゲ買っておいたら誰か使う可能性あるかな
皆方アイリ:確かにあるかも セットアップ空いてる人多いし
リオ・グッドマン:では素の購入でブルゲを
リオ・グッドマン:4dx+4
DoubleCross : (4DX10+4) → 9[3,8,8,9]+4 → 13
楫かなえ:じゃあ自分もブルゲを
リオ・グッドマン:無理だった
楫かなえ:11dx+3>=20
DoubleCross : (11DX10+3>=20) → 10[1,2,2,3,5,6,8,9,9,9,10]+1[1]+3 → 14 → 失敗
皆方アイリ:どっちかバデムしたら足ります?
楫かなえ:財産使えばいける!
皆方アイリ:じゃあかなえちゃんにバデム!
楫かなえ:では17になって財産3点使って購入!
楫かなえ:雨宮さんよりはリオくんかな?
雨宮珀亜:そのほうがよさそう
リオ・グッドマン:あ、じゃあ《マシンモーフィング》でこちらもブルゲ狙います
雨宮珀亜:私は最遅安定なので
リオ・グッドマン:8dx+21
DoubleCross : (8DX10+21) → 9[3,3,4,6,6,7,8,9]+21 → 30
皆方アイリ:一応自分でもチャレンジしてみるか
リオ・グッドマン:購入、これは自前で持つので、そっちのブルゲはかなえちゃん持ってていいですよ
皆方アイリ:4dx+1>=20
DoubleCross : (4DX10+1>=20) → 9[1,3,3,9]+1 → 10 → 失敗
楫かなえ:あら
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を3増加 (111 → 114)
楫かなえ:実は自分用はもうあるんですよね
皆方アイリ:ダメ、以上!
雨宮珀亜:そうなんだ…
リオ・グッドマン:じゃあ貰っとこうかな
皆方アイリ:3つもブルゲあるのすごいな
リオ・グッドマン:私が一番侵蝕伸びないし
皆方アイリ:2ターン目以降も使える可能性あるの大きいですしね
楫かなえ:じゃあリオくんに!
リオ・グッドマン:ブルゲ×2になって以上!
雨宮珀亜:こちらも以上!
楫かなえ:あっ以上です
【Climax】
GM:クライマックスシーンです。
GM:全員登場!
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (94 → 99)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (103 → 107)
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (114 → 120)
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (86 → 90)
旧N市第二変電所跡
GM:放棄されて十年以上が経つ、大規模な変電所の跡地。
GM:鉄筋コンクリートの建物は内部まで植物に侵食され、天井は骨組みが剥き出しとなっている。
GM:錆びた変電設備と鉄塔が幾本も聳える、錆びれた墓場を思わせる廃墟。
GM:その庭、ひび割れたアスファルトの上に、一人の青年が立っている。
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:背の高い、不愛想な顔をした青年だ。身体のあちこちには包帯や治療の跡が残っているが、傷自体はほとんど治っているように見える。
皆方アイリ:「……先輩!」 そこに一人の少女が駆けこんでくる。
逢河雷魚:「……!」
逢河雷魚:その姿に目を見開く。
逢河雷魚:「皆方……」
皆方アイリ:青年の姿を見止めると、こちらも吊り上がっていた眉が柔らかく落ちる。
皆方アイリ:「先、輩……」
皆方アイリ:真っ直ぐ駆けよっていくと、その勢いのまま彼に抱き着く。
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:揺るぎもせず抱き留める。
皆方アイリ:「良かった……。ホントに、ホントに良かった……」
皆方アイリ:ぎゅうと強く腕に力を込める。その肩は僅かに震えていた。
逢河雷魚:「……ッ……」言葉を詰まらせて、腕の中の体温に安堵したように息を吐く。
逢河雷魚:「……悪い」
逢河雷魚:「心配掛けた」
皆方アイリ:「心配しました。ホントに、沢山、心配しました」
皆方アイリ:「どこで、どうしてるのかって。……ちゃんと、生きててくれるのかって」
皆方アイリ:「もう二度とゴメンです」
皆方アイリ:抱きしめて顔を埋めたまま、とつとつと語る。
逢河雷魚:「……ああ……」
逢河雷魚:自分より随分と小さなその背を、苦しくない程度に抱き締める。
逢河雷魚:「……分かってる」
逢河雷魚:「ごめんな」
GM:抱き締め合う二人の頭上に、影が差す。
GM:地響きと共に巻き起こる砂煙。その中から姿を現したのは、異形の巨体。
“ドレッドノート”:「オ オ オ オォオオ オ…………」
“ドレッドノート”:血に塗れた、筋骨隆々の怪物。“ドレッドノート”。
逢河雷魚:「……やっぱり……こいつか」皆方の前に出る。
皆方アイリ:「来ましたね」
皆方アイリ:すっと声が切り替わる。先ほどまで震えていた少女とは思えない、毅然とした目で敵を見据える。
“ドレッドノート”:顔の無い頭を二人に向け、殺意を漲らせて拳を握り締める。
皆方アイリ:「先輩はむしろ引っ込んでてください。一生分無茶した後なんですから」
皆方アイリ:ぐいと彼の手を引きつつ、自身は魔眼を展開する。
逢河雷魚:「同じ状況でお前がそう出来るなら聞いてやる」
逢河雷魚:重い泥のような影が渦巻き、腕部を覆っていく。
皆方アイリ:「自分が言われて言い返せないからってパクるのどうかと思います」
“ドレッドノート”:二人に巨木のような腕を振り上げ──
リオ・グッドマン:───振り上げたその拳が、発砲音と共に弾け飛ぶ。
“ドレッドノート”:「…………!?」
リオ・グッドマン:「珀亜、かなちゃん、突入だ。」
楫かなえ:「はい」
楫かなえ:惑う怪物の全身を、八方から伸びたワイヤーが雁字搦めにする。
楫かなえ:「本当に来ましたね。まずは幸いですか」
楫かなえ:鉄塔の陰。本来、居たならば気付かぬ筈はない位置取り。
楫かなえ:あくまで少女の力で操る鋼線は、強靭な体組織を切り刻むには不足だが──
雨宮珀亜:拘束と同時に、老朽化していた反対側の鉄塔が崩れ、"ドレッドノート"の頭上に倒れ込む。
雨宮珀亜:地上には、鞭と化した右腕でそれを引っ張る人影。
“ドレッドノート”:「グ……オォオォァアッ……!!」
“ドレッドノート”:鋼線で身動き取れず、轟音と共に鉄塔の下敷きになる。
リオ・グッドマン:その音を聞いて、穴の開いた天井から地上へと降りてくる
雨宮珀亜:「まだまだ釣り上げなきゃいけない獲物が山程いるんでな」
雨宮珀亜:「悪いがお前に時間をかけてる余裕はない……もっとも」
雨宮珀亜:(この程度で仕留められるんならもう少し楽な仕事になってるか……)
リオ・グッドマン:「よっ!ナイス囮!」皆方と逢河にそう声をかけて
五十嵐トーコ:「うわ~、死んじゃった?」廃墟の上階から軽々と飛び降り、瓦礫に着地する。
楫かなえ:「あら。居たんですね」五十嵐さんへ。
楫かなえ:「随分お見かけしませんでしたので、下手を打って亡くなられたのかと」
楫かなえ:勿論連絡は受けていたので、知っていて言っている。
五十嵐トーコ:「かなっちひど!あたしはあたしで裏方頑張ってたのに~」逢河を一瞥する。
“ドレッドノート”:鉄塔の下から、鋼鉄の軋む不協和音と獣の唸り声が響く。
リオ・グッドマン:「うはは!おいトーコ、そういう事言うから生き返ったじゃねーか!」
“ドレッドノート”:ワイヤーを引き千切り、鉄塔をへし曲げ、悠々と脱出する。
“ドレッドノート”:「ゴォ……ルルルルル…………」
“ドレッドノート”:低く唸りながら、取り囲む面々を見回す。
リオ・グッドマン:”ドレッドノート”を見つめ返して
雨宮珀亜:「所詮はジャームだな。この状況でも対象を始末するまでは逃走は選べないか」
雨宮珀亜:「好都合だ」
楫かなえ:(……さて)千切られたワイヤーが蠢き、再び繋がる。因子を混ぜ込んだ得物がそう容易く使用不能にはならない。(どこまでそのフリを続けるのか)
皆方アイリ:「ありがとうございます、五十嵐さん」
皆方アイリ:「お陰様でどうにかこの人と無事に会えました」
逢河雷魚:「ああ……」感謝の意は見せるが、ずっとウザ絡みされていたので食傷気味の顔。
五十嵐トーコ:「いーのいーの。それより……うおっ!?」
GM:突如、煌々と輝く炎が巻き起こり、君達と“ドレッドノート”を分断する。
リオ・グッドマン:その炎の色を、熱を、憶えている。
リオ・グッドマン:「さぁ、来たっすよ」
雨宮珀亜:「……ああ」
皆方アイリ:「ご本命のお越しですか」
ミランダ・ローウィン:「うおおおおおおおおーーーーッ!!!!!」
ミランダ・ローウィン:四肢に紅蓮の炎を纏ったミランダが、突風の如くその場に飛び込んでくる。
ミランダ・ローウィン:アスファルトを融解させ、滑りながら停止。陽炎が立ち昇る。
ミランダ・ローウィン:「これは一体どうしたことですかあああーーーッ!!!」
ミランダ・ローウィン:「本部エージェントの私に黙って臨場など!!!それも二度目!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「一体全体どういうわけなのですかーーーーーッ!?!?!?」
リオ・グッドマン:「うはは、そりゃ勿論」
リオ・グッドマン:「そういうのが、俺達のお仕事っすから」
楫かなえ:溜息をつく。
皆方アイリ:「もういいんじゃないです?下手なお芝居は」
ミランダ・ローウィン:「お芝居ですって!?!?」
雨宮珀亜:「……そうだな」右腕を振るい、周囲の炎を打ち消す。
雨宮珀亜:「獲物は釣れた」
ミランダ・ローウィン:「むむむ…………」
ミランダ・ローウィン:「ひょっとして既に、私と“ネロ”の関係を!?!?」
リオ・グッドマン:頷いて
リオ・グッドマン:「”天網恢々”ミランダ・ローウィン」
リオ・グッドマン:「FHとの癒着、UGNの情報漏洩、露見を恐れてのエージェント殺害etc.etc.」
リオ・グッドマン:「今から、アンタの身柄を抑える。神妙にお縄についてもらおうか」
雨宮珀亜:「今の一撃を"ドレッドノート"に当てなかったところを見ると、そいつもアンタの差し金で間違いなさそうだな」
ミランダ・ローウィン:「なんと……こんなに早く……!!!」
ミランダ・ローウィン:「皆さん、とても優秀なのですね!!!!私、とても感動しました!!!!」グッと胸元で拳を握る。
ミランダ・ローウィン:「しかし、皆さんなら……グッドマンさんなら、分かってくれますよね!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「私の数々の功績をご存知のはずです!!!!この本部エージェント、ミランダ・ローウィン以外には、決して成し得なかった……!!!」
ミランダ・ローウィン:「多数を救うために、少数を切り捨てることが必要な場合もあります!!!我々は神様ではありませんから!!!!」
ミランダ・ローウィン:「その中で最善を尽くす……それが我々に出来る唯一のことなのではないでしょうか!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「違いますか!!!皆さん!!!分かってくれますね!!!!!」両手を君達に向け大きく広げる。
リオ・グッドマン:「……まぁ、一応聞いとくぜ」拳を突き出すように、右手を前方に出して
リオ・グッドマン:人差し指を立てる「──正義の為に邁進するエージェント」
リオ・グッドマン:中指を立てる「──FHと癒着する偽善者」
リオ・グッドマン:薬指を立てる「──目的の為に、他者の繋がりを踏み躙る離間者」
リオ・グッドマン:「……アンタの本心ってのは、結局どこにあるんすか?」
リオ・グッドマン:「…あぁ、見栄は張らなくていいっすよ。どうせ痛い目見んだから、正直に話してくんねーかな。」いつも通りの語調、いつも通りの快活さでそう告げる。
ミランダ・ローウィン:「何を今さら!!!!当然ではないですか!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「私は本部エージェント!!ミランダ・ローウィンですよ!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「この身、この命すべては正義の為に捧げています!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「それ以外には何もいりませんとも!!!!それだけが私の望みです!!!!!!」
リオ・グッドマン:「そっすか。」
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンは単純だ。
リオ・グッドマン:「かっけぇっすね!やっぱり!」
リオ・グッドマン:崇高な志を尊び
リオ・グッドマン:感動的な物語に心を震わせ
リオ・グッドマン:歯が浮くような綺麗事に価値を見出す。
リオ・グッドマン:──たとえそれが、誰の口から吐かれた言葉であっても。
ミランダ・ローウィン:「分かってくれますか!!!グッドマンさん!!!!!」
リオ・グッドマン:「でも」
リオ・グッドマン:だが
リオ・グッドマン:「それ、ミラねぇの罪と罰には何も関係ねぇっすよね!」
リオ・グッドマン:単純であるが故に、リオ・グッドマンは冷淡だ。
リオ・グッドマン:崇高な志も
リオ・グッドマン:感動的な物語も
リオ・グッドマン:歯が浮くような綺麗事も
リオ・グッドマン:彼にとっては、銀幕の中の光景で
リオ・グッドマン:憧憬の視線は送っても、本当の意味での理解はしない。
ミランダ・ローウィン:「……ええっ…………?」戸惑ったように勢いが萎む。
リオ・グッドマン:──その全てを、他者の心情とは結び付けない。
リオ・グッドマン:他者の心に近づきながらも、その心には寄り添わない、無機質な正義の執行者。
リオ・グッドマン:それこそが、"黒匣(パンドーラ)"リオ・グッドマンの在り方なのだから。
リオ・グッドマン:「いや、ミラねぇの言ってる事は素敵だなーって思うんすよ、俺。」
リオ・グッドマン:「だって、俺には出来ない事だから」
リオ・グッドマン:「でもそれが、アンタの罪を許す理由にはならない」
リオ・グッドマン:「悪い事したらバチが当たる」
リオ・グッドマン:「馬鹿なガキでも知ってる事っす。」
ミランダ・ローウィン:「そ……そんな……」
ミランダ・ローウィン:「これは必要なことなんです!!!!全ては正義の為なんですよ!!!!」
ミランダ・ローウィン:「私がいることで、より多くの人間を悪の手から救うことが出来ます!!!!」
ミランダ・ローウィン:「何故分かってくれないのですか……誰かいないのですか!?!?正しい正義の持ち主は!!!!」
ミランダ・ローウィン:「あなたは!?あなたは!?あなたは!?あなたは!?」雨宮、楫、皆方と、その場の面々を見回す。
楫かなえ:「……神様ではないと仰いましたが」
楫かなえ:「であれば、人の敷いた規範に従うべきでしょう」
楫かなえ:「自分の信じる正義の為なら、何をしても構わないという考えは」
楫かなえ:「自分が神様だと思っていることと、何が違うのですか」
皆方アイリ:「そうですねぇ……。長々理由を語るのは後でも出来ますから簡潔に言いましょう」
皆方アイリ:「どんな事情があろうと絶対に許しません」
五十嵐トーコ:「いやあり得ないっしょ笑、パスで」
逢河雷魚:「殺そうとした相手の前でよく言えンな……」
ミランダ・ローウィン:「そんな……う……うぅっ……」
雨宮珀亜:「……どいつもこいつも」
雨宮珀亜:「狂人相手に付き合いの良い連中だな」一歩歩み出る。
ミランダ・ローウィン:見る間に大粒の涙が零れる。
ミランダ・ローウィン:「どうして……どうして誰も分かってくれないのですか…………!!!」
雨宮珀亜:「僕が聞きたいのは一つだけだ。ミランダ・ローウィン」
雨宮珀亜:「アンタが今まで殺してきた人間に、正義はあったか?」
雨宮珀亜:「正しく悪党だけを殺してきたと、胸を張って言えるか」
ミランダ・ローウィン:「…………」
ミランダ・ローウィン:「……彼らには彼らの、正義があったでしょう……」
ミランダ・ローウィン:「ですが……私のやる事を分かってくれないのなら、仕方ありません!!!!」
ミランダ・ローウィン:「雨宮さん!!!!“落葉”さんのことを言っているのですね!!!!」
雨宮珀亜:「……おい、勘弁してくれ」頭を振る
ミランダ・ローウィン:「彼女は素晴らしいチルドレンでした……あの歳で単独で私まで辿り着いた方は、そうはいません!!!!」
ミランダ・ローウィン:「ですが……私の正義を分かってはくれませんでした!!!いいですか、雨宮さん!!」
雨宮珀亜:「捕らえた後にはっきりさせるつもりだったんだぞ。そうじゃないと……」
雨宮珀亜:「殺しちまうだろ」口元が歪に吊り上がる。
ミランダ・ローウィン:「もし5年前に私が失脚していれば、今頃数千、数万、数十万、いいや!!!もしかしたらもっと!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「大勢の人々を救うことが出来ていなかったのですよ!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「その正しさを理解してください!!!!雨宮さん!!!!!皆さん!!!!!!!!!」
雨宮珀亜:「もういい」
雨宮珀亜:「アンタみたいな言い分をする連中をよく知ってるよ。あいつらと何人も狩ってきた」
雨宮珀亜:「手遅れの連中をな」
ミランダ・ローウィン:「うぅっ……ううう…………!!」
リオ・グッドマン:「───ミラねぇ」
リオ・グッドマン:「数直線上の足し算引き算だけで全部図れる訳ないじゃねぇっすか」
リオ・グッドマン:「100人殺せば英雄?いやいや」
リオ・グッドマン:「一人殺した時点で、そいつは立派な殺人者だ」
ミランダ・ローウィン:「……」涙を流しながら、目を瞑る。
ミランダ・ローウィン:「……悲しいです…………私はとても……悲しいッ…………!!」
ミランダ・ローウィン:「皆さんのような、素晴らしいエージェントを……」
雨宮珀亜:「泣きたいのはこっちだ……」左手を掲げ、ミランダを指差す。
雨宮珀亜:「アンタの正義には何の価値もない」
雨宮珀亜:「そんなことのために奪われて良いものじゃなかったよ。あの日々は」
リオ・グッドマン:「アンタみたいな奴を止める為に、俺達みたいな奴が居る」
リオ・グッドマン:「───幕を引こうぜ、ミランダ・ローウィン」
ミランダ・ローウィン:目を開き、君達を見つめ。
ミランダ・ローウィン:「……殺さなくてはならないなんて!!!!!」
ミランダ・ローウィン:閃光が君達の目を焼く。
ミランダ・ローウィン:瞬時に巻き起こった巨大な火球。超高温の蒼炎が、火の粉を撒き散らし君達に投擲される。
GM:────ゴ アッ!!
GM:だがその炎が君達を焼くことはない。
GM:一人の女が、腕を変形させた骨と鱗の盾を以て受け止めている。
ジャクリーヌ・デスタン:「……」
ミランダ・ローウィン:「ジャクリーヌさん……!?」
ミランダ・ローウィン:「どうして……!!!何のつもりですか……!!!」
ジャクリーヌ・デスタン:「……少数を切り捨てることが必要な場合がある」
ジャクリーヌ・デスタン:「もしかしたら、そうなのかもね。でも、切り捨てられた側にも、怒る権利はある」
ジャクリーヌ・デスタン:押し殺してきた憤怒と憎悪が噴き出したような眼で、ミランダを睥睨する。
ジャクリーヌ・デスタン:「──私はルビンカの生まれだ」
鹿骨秋蔵:「ミランダ・ローウィン」
鹿骨秋蔵:ジャクリーヌと共に歩み出る。
鹿骨秋蔵:「貴方のしてきたことは全て分かっています」
鹿骨秋蔵:「速やかに投稿しなさい」
ミランダ・ローウィン:「何を……何を言うのですか!!!!」
ミランダ・ローウィン:「そんなことする筈がありません!!!!!私は最後まで私の正義……」
ミランダ・ローウィン:「……を……?」
ミランダ・ローウィン:その視線が、上を向いて固まる。
GM:空間を引き裂く、甲高い異音が響き渡る。
雨宮珀亜:(……来たか)それを追う様に視線を空に向ける。
GM:空に浮かぶ小さな影が、発光し可視化される程のレネゲイドの圧力と共に、見る間に大きくなり
GM:一瞬で君達の上空に飛来、着地する。
“百舌鳥”:「……」
GM:“百舌鳥”だ。
雨宮珀亜:「敷島……」見上げながら呟く
逢河雷魚:「……あいつ……あの時の」
楫かなえ:「──彼、が?」
楫かなえ:状況から見ればそうとしか思えないが、それでも思わず言葉の尾が上がる。
雨宮珀亜:「……ああ。"百舌鳥"だ」
GM:その全身を巨大な剣や槍、無数の遺産で武装し、その全てが十全に性能を引き出され、奔流のような膨大なレネゲイドを撒き散らしている。
リオ・グッドマン:動向を見守る。まだ完全に協力者であると決まった訳ではない
“百舌鳥”:「……UGN」
“百舌鳥”:「貴方達の邪魔をする気は無い」
“百舌鳥”:「ミランダ・ローウィンを──殺しに来た」
“百舌鳥”:「協力する」
“百舌鳥”:静かに呟き、ミランダを見据える。
楫かなえ:(……“ドレッドノート”と同じく、彼が来るのも狙った通り。とは言え)
楫かなえ:背筋に冷たいものが這い上がるのを感じる。(この様は……本当に、そうして良かったのでしょうか)
雨宮珀亜:「……感謝する」
雨宮珀亜:「……けどな。敷島」
雨宮珀亜:「UGNはここでは殺さない」
雨宮珀亜:「こいつには聴かなければいけないことが山ほどあるからな」
“百舌鳥”:「…………」答えは無く、ただミランダだけを見ている。
雨宮珀亜:「僕もお前の邪魔はしない。けど、最後は」
雨宮珀亜:「早い者勝ちだ。いいな」
ミランダ・ローウィン:「何人来ようが同じことです……正義は必ず勝つんです!!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「行きますよ!!!!アビーさん!!!!」
“ドレッドノート”:“ドレッドノート”が、獣の咆哮を上げる。
皆方アイリ:「先輩」 倒すべき敵を見据えながら、隣の彼へ声をかける。
逢河雷魚:「……」静かに目を向ける。
皆方アイリ:「さっきのタイミングで言えなかったことなので、今のうちに言っておきますが」
皆方アイリ:飛び切り綺麗に微笑んで。
皆方アイリ:「電話の件めちゃくちゃキレてるのでこれ終わったら覚悟しといてください」
逢河雷魚:「……………………」
皆方アイリ:口調も声音も変わらない。だけど逢河雷魚であれば底知れぬ怒りが感じ取れただろう。
逢河雷魚:「……ああ…………」
逢河雷魚:固い表情を更に固くして、ぎこちなく敵に向き直る。というより、その笑みから目を逸らす。
鹿骨秋蔵:「……さて」
鹿骨秋蔵:「少々異例ではありますが……我々本来の仕事をするとしましょうか」
鹿骨秋蔵:中折れ帽に手を置き、目深に被って。
鹿骨秋蔵:「“首刈り”の仕事を」
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:“ドレッドノート”がワーディングを展開する。君達の内側から、捕食者に相対したような原始的な恐怖が這い上がってくる。
GM:Eロイス《衝動侵蝕:恐怖》
GM:判定失敗時、通常の暴走に加え、バッドステータスの硬直を受けます。
GM:衝動判定、難易度9
雨宮珀亜:3dx+4>=9
DoubleCross : (3DX10+4>=9) → 5[1,2,5]+4 → 9 → 成功
雨宮珀亜:2d10
DoubleCross : (2D10) → 14[7,7] → 14
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を14増加 (99 → 113)
リオ・グッドマン:8dx+13
DoubleCross : (8DX10+13) → 8[2,4,5,6,7,7,7,8]+13 → 21
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を2D10(→ 7)増加 (120 → 127)
楫かなえ:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 7[3,3,6,7] → 7 → 失敗
楫かなえ:グエーッ
楫かなえ:107+2d10
DoubleCross : (107+2D10) → 107+7[3,4] → 114
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を7増加 (107 → 114)
皆方アイリ:7dx>=9
DoubleCross : (7DX10>=9) → 10[2,3,4,5,7,9,10]+6[6] → 16 → 成功
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を2d10(→ 17)増加 (90 → 107)
エンゲージ []内は行動値
ミランダ[10] “ドレッドノート”[6]
(10m)
雨宮[0]リオ[8]楫[5]皆方[6]
GM:NPCカードが使用可能です。
NPCカード
・鹿骨秋蔵
攻撃判定の前に使用。エネミーはその攻撃に対しドッジ、ガードを行うことが出来ない。シナリオ3回。
・五十嵐トーコ
楫かなえのみ使用可。
攻撃判定の前に使用。ダイス+10個、C値-1。ラウンド1回。
・逢河雷魚
皆方アイリのみ使用可。
ダメージ判定の直前に使用。ダメージ+9D。ラウンド1回。
・ジャクリーヌ・デスタン
カバーリングを行う。ラウンド1回。
・百舌鳥
雨宮珀亜のみ使用可。
エネミーに攻撃を行う。ラウンド1回。使用されなかった場合、クリンナップに自動で使用される。
GM:戦闘を開始します。
GM:ラウンド1
GM:セットアップから!
楫かなえ:無!
雨宮珀亜:なし!
皆方アイリ:SN1181:灰色の庭Lv6+コズミックインフレーションLv4
皆方アイリ:→ラウンド中対象の行動値-18、範囲(選択)、1シナリオ3回、侵蝕+4、対象は勿論ミランダと"ドレッドノート"両方!
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を4増加 (107 → 111)
リオ・グッドマン:《ファンアウト》セットアップでの戦闘移動を可能にします。対象はPC全員
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を4増加 (127 → 131)
楫かなえ:硬直しているので動けないぜ
“ドレッドノート”:《異形への変貌》 侵蝕率によるダイス増加を2倍にする
リオ・グッドマン:現在のエンゲージから、後方に5m後退します
GM:お待ちなさい
GM:これを見てから考えてください
雨宮珀亜:何ぃ
ミランダ・ローウィン:《電撃の檻》LV3+《苛烈なる熱気》LV8
リオ・グッドマン:なんだとぉ…
ミランダ・ローウィン:エンゲージを1つ封鎖、このエンゲージに入るか離脱するかその中でクリンナップを迎えたキャラクターは5D点のHPダメージを受ける。また、このエンゲージ内で行われた達成値24未満の判定は全て達成値0になる。
楫かなえ:アァン??
雨宮珀亜:く、クソァッ!!
皆方アイリ:面倒なやつ~~
リオ・グッドマン:シーンデバフばら撒き持ちが使っていいエフェクトかよ
GM:ただ封鎖は肉体で判定らしいので判定無しで出られるのかな そういうことにします このエフェクトよくわからない
GM:動く人いますか?
楫かなえ:縮地(と間隙の魔術師)では抜けられますか?
GM:好きなところに動けるらしいので出来るということにします
リオ・グッドマン:5Dか…
楫かなえ:了解です
皆方アイリ:5dは死ぬからな・……
雨宮珀亜:誰も動かないならこのままにしとこうかな……
雨宮珀亜:ちなみにラウンド中にミランダを倒したら封鎖は解けますか?
GM:解けるということにしましょう
雨宮珀亜:私はこのまま留まります
リオ・グッドマン:ワンチャンに懸けるか。動きます
リオ・グッドマン:後方に5m
リオ・グッドマン:ダメージって事は装甲効きますよね?
GM:どうなんだ…………?
GM:多分効かないかな……?
リオ・グッドマン:畜生!まあいい!ダメージカモン!
GM:5D10
DoubleCross : (5D10) → 29[1,10,9,2,7] → 29
GM:29ダメージ!
リオ・グッドマン:上振れしやがって~~!
リオ・グッドマン:死ぬので、ミランダさんのロイス昇華して蘇生します。HP11
GM:イニシアチブ 行動値8、リオさんの手番です
リオ・グッドマン:マイナーで《オリジン:レジェンド》シーン間精神判定達成値+12
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を2増加 (131 → 133)
リオ・グッドマン:オートでウェポンケースからアンチマテリアルライフルを装備
リオ・グッドマン:メジャーで《C:ノイマン》《コントロールソート》対象はミランダ
GM:判定どうぞ!
リオ・グッドマン:9dx7+16
DoubleCross : (9DX7+16) → 10[1,1,4,4,5,7,8,9,9]+10[7,7,9,10]+6[3,4,4,6]+16 → 42
ミランダ・ローウィン:《リフレックス:ブラックドッグ》LV2+《見えざる僕》LV1でドッジ
ミランダ・ローウィン:10DX8+16>=42
DoubleCross : (10DX8+16>=42) → 10[1,2,2,3,4,4,6,6,7,9]+1[1]+16 → 27 → 失敗
“ドレッドノート”:《崩れずの群れ》 カバーリング
楫かなえ:《デビルストリング》
リオ・グッドマン:かなちゃん!
GM:何ィ~~~~~
楫かなえ:カバーリングを打ち消します
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を6増加 (114 → 120)
リオ・グッドマン:ダメージ出すぜ
GM:ぎえーーっ
GM:ダメージどうぞ!
リオ・グッドマン:5d10+20
DoubleCross : (5D10+20) → 25[1,2,6,6,10]+20 → 45
リオ・グッドマン:中央値!諸々有効です
ミランダ・ローウィン:《マクスウェルの悪魔》LV3
ミランダ・ローウィン:ダメージを軽減します
ミランダ・ローウィン:45-4D10
DoubleCross : (45-4D10) → 45-25[5,7,3,10] → 20
ミランダ・ローウィン:まだ元気!
リオ・グッドマン:こっちのダメージダイスと同じ値出すな
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を4増加 (133 → 137)
GM:イニシアチブ 行動値6 皆方さんの手番です
皆方アイリ:マイナー無し、メジャーでコンボ行きます。対象は勿論ミランダと"ドレッドノート"。
皆方アイリ:3C58:インビジブルハンドLv2+暴君の槌Lv6+コンセントレイト:バロールLv4+アンプリフィケイションLv4
皆方アイリ:→飛行状態解除、攻撃力+40、1シナリオ3回、侵蝕+14
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を14増加 (111 → 125)
GM:判定どうぞ!
皆方アイリ:11dx7+8
DoubleCross : (11DX7+8) → 10[3,3,3,4,5,5,6,7,8,9,9]+10[1,7,7,10]+10[4,9,10]+5[2,5]+8 → 43
ミランダ・ローウィン:《リフレックス:ブラックドッグ》LV2+《見えざる僕》LV1
ミランダ・ローウィン:10DX8+16>=43
DoubleCross : (10DX8+16>=43) → 10[1,2,4,4,5,5,6,6,7,10]+1[1]+16 → 27 → 失敗
“ドレッドノート”:《イージスの盾》LV3de
“ドレッドノート”:《イージスの盾》LV3でガード、《崩れずの群れ》 カバーリング
GM:ダメージどうぞ!
皆方アイリ:NPCカードの先輩も使用して振ります
皆方アイリ:5d10+40+9d10
DoubleCross : (5D10+40+9D10) → 25[1,2,4,10,8]+40+39[5,1,8,8,7,1,2,4,3] → 104
GM:嘘……
楫かなえ:景気が良い
“ドレッドノート”:104-3D10
DoubleCross : (104-3D10) → 104-12[2,5,5] → 92
“ドレッドノート”:C(92+92)
DoubleCross : c(92+92) → 184
GM:ホギャギャギャギャ
雨宮珀亜:すんごいダメージ
皆方アイリ:怒りパワーに満ちてる
リオ・グッドマン:死んだんじゃないの~~?
“ドレッドノート”:かなり喰らいます
GM:イニシアチブ
ミランダ・ローウィン:《鼓舞の雷》
ミランダ・ローウィン:ドレッドノートを行動させます
雨宮珀亜:待ちな!
GM:何ィ~?
雨宮珀亜:ここで"百舌鳥"のNPCカードを使います!
雨宮珀亜:これ対象も指定できるのかな?
GM:対象は……百舌鳥が選びます
雨宮珀亜:なるほどな……
雨宮珀亜:なら任せたぜ!
“百舌鳥”:メジャー
“百舌鳥”:《コンセントレイト:ノイマン》LV4+《急所狙い》LV6+《コンバットシステム:白兵》LV4+《スキルフォーカス:白兵》LV4+《デュアルデュエル》LV4+《マルチターゲット》LV6+《マルチウェポン》LV6+《ヴァリアブルウェポン》LV2+《アタックプログラム》LV6
“百舌鳥”:対象はミランダと“ドレッドノート”
“百舌鳥”:19DX6+32
DoubleCross : (19DX6+32) → 10[1,2,3,4,4,5,5,6,6,6,7,7,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,2,3,4,4,4,5,6,7,9,10,10]+10[2,3,3,7,8]+10[5,7]+1[1]+32 → 73
ミランダ・ローウィン:ドッジ 《リフレックス:ブラックドッグ》LV2+《見えざる僕》LV1
ミランダ・ローウィン:10DX8+16>=73
DoubleCross : (10DX8+16>=73) → 10[2,2,3,5,5,5,6,7,7,10]+6[6]+16 → 32 → 失敗
“ドレッドノート”:《イージスの盾》LV3de
“ドレッドノート”:《イージスの盾》LV3でガード 《崩れずの群れ》 カバーリング
“百舌鳥”:ダメージ
“百舌鳥”:8D10+11+10+8+8+12
DoubleCross : (8D10+11+10+8+8+12) → 35[9,5,1,7,2,4,6,1]+11+10+8+8+12 → 84
“ドレッドノート”:≪透過≫
“ドレッドノート”:HPダメージを0に
雨宮珀亜:ゲェ~ッ
GM:イニシアチブ
ミランダ・ローウィン:改めて《鼓舞の雷》
“ドレッドノート”:行動します
“ドレッドノート”:マイナー 《完全獣化》LV4+《究極獣化》LV6+《巨神獣化》LV6+《骨の剣》LV6+《死招きの手》LV4+《ハンティングスタイル》LV1
“ドレッドノート”:いや《ハンティングスタイル》は無し
雨宮珀亜:なにぃ~!
雨宮珀亜:入ってこいよこの電撃の檻によ
“ドレッドノート”:メジャー 《コンセントレイト:エグザイル》LV2+《貪欲なる拳》LV4+《命の剣》LV1+《飛礫》LV4
“ドレッドノート”:更にダメージを受けているので +《過剰反応》LV10
“ドレッドノート”:対象は……
“ドレッドノート”:choice[雨宮,皆方]
DoubleCross : (choice[雨宮,皆方]) → 皆方
“ドレッドノート”:皆方さん
“ドレッドノート”:39DX8
DoubleCross : (39DX8) → 10[1,1,1,1,1,2,3,4,4,4,4,4,5,5,5,5,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,2,4,4,5,5,6,6,6,6,7,8,8]+7[3,7] → 27
皆方アイリ:めっちゃ腐ってる
雨宮珀亜:筋肉が泣いてるぞ
皆方アイリ:一応ドッジ行きます
“ドレッドノート”:失礼 判定時《呪われし者の印》LV6+《流刑者の刻印》LV4
“ドレッドノート”:ダイス減少無効、HP40回復
皆方アイリ:4dx+1>=27
DoubleCross : (4DX10+1>=27) → 9[4,7,9,9]+1 → 10 → 失敗
“ドレッドノート”:ダメージ
“ドレッドノート”:20+4+8D10+30
DoubleCross : (20+4+8D10+30) → 20+4+38[10,3,2,4,1,8,7,3]+30 → 92
皆方アイリ:消し飛びますね…… ミランダに尽力/〇憤懣で取って昇華します
GM:行動値5、楫さんの手番です
楫かなえ:はーい
楫かなえ:学友たちのロイスをタイタスにして昇華、不利な状態を解除します。
楫かなえ:マイナーで戦闘移動。《縮地》で5m前進します。
楫かなえ:電撃の檻のダメージをよこしな
GM:喰らえ!
GM:5D10
DoubleCross : (5D10) → 34[6,5,7,10,6] → 34
楫かなえ:モーッ
楫かなえ:死ぬのでグッドマンさまのロイスをタイタス昇華して復活!
楫かなえ:楫かなえのHPを12に変更 (25 → 12)
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を2増加 (120 → 122)
楫かなえ:で、メジャーで【落とし穴】《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》でミランダに攻撃!
GM:判定どうぞ!
楫かなえ:五十嵐さんのNPCカードも使います
楫かなえ:21dx6+5
DoubleCross : (21DX6+5) → 10[1,1,1,2,2,4,4,4,5,5,6,6,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[2,3,4,5,7,7,7,9,9,10,10]+10[1,2,3,4,5,6,10]+10[1,10]+5[5]+5 → 50
ミランダ・ローウィン:これは避けちゃうな~
ミランダ・ローウィン:《リフレックス:ブラックドッグ》LV2+《見えざる僕》LV1
ミランダ・ローウィン:10DX8+16>=50
DoubleCross : (10DX8+16>=50) → 10[1,4,4,5,6,6,7,7,10,10]+5[1,5]+16 → 31 → 失敗
ミランダ・ローウィン:チィィーッ
“ドレッドノート”:《崩れずの群れ》 カバーリング
“ドレッドノート”:《イージスの盾》LV3ガード
GM:ダメージどうぞ!
楫かなえ:6d10+32 ダメージ
DoubleCross : (6D10+32) → 31[5,7,1,9,1,8]+32 → 63
“ドレッドノート”:63-3D10
DoubleCross : (63-3D10) → 63-12[1,7,4] → 51
“ドレッドノート”:装甲で減らして まだ生きてます
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を4増加 (122 → 126)
GM:行動値0 雨宮さんの手番です
雨宮珀亜:マイナーで戦闘移動。このままだと封鎖に引っかかるが……
楫かなえ:【シュート】《間隙の魔術師》
楫かなえ:縮地の効果と白兵攻撃力+25を差し上げます
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を5増加 (126 → 131)
雨宮珀亜:ウオオオー!みなぎる力で5m前進!楫さんと同じエンゲージへ!
GM:だが雷の檻は受けてもらう!
雨宮珀亜:来やがれ!
GM:5D10
DoubleCross : (5D10) → 32[9,2,9,9,3] → 32
GM:チィィィーーッ
雨宮珀亜:HP1で生き残ります
雨宮珀亜:雨宮珀亜のHPを32減少 (33 → 1)
GM:筋肉に救われたな
楫かなえ:これが【肉体】の力……
雨宮珀亜:筋肉は裏切らない
雨宮珀亜:メジャー《伸縮碗》LV3《ラバーアームズ》LV2《コンセントレイト:エグザイル》LV4
雨宮珀亜:鹿骨部長のNPCカードも使います。リアクション不可!
雨宮珀亜:対象はミランダ!
GM:何だとぉ……
雨宮珀亜:9dx7+1
DoubleCross : (9DX7+1) → 10[1,1,3,5,5,8,8,8,9]+10[3,5,6,7]+10[8]+4[4]+1 → 35
GM:リアクション不可 ダメージどうぞ!
雨宮珀亜:4d10+15+25+4+1d10 装甲有効
DoubleCross : (4D10+15+25+4+1D10) → 25[5,7,4,9]+15+25+4+1[1] → 70
ミランダ・ローウィン:ぐぇ~~~
ミランダ・ローウィン:かなり痛いです
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を6増加 (113 → 119)
GM:行動値0 ミランダの手番です
ミランダ・ローウィン:メジャー《サイレンの魔女》LV3+《氷の戒め》LV2+《憎悪の炎》LV1
ミランダ・ローウィン:対象PC全員
ミランダ・ローウィン:10DX+16
DoubleCross : (10DX10+16) → 10[3,3,4,5,7,8,8,9,10,10]+9[9,9]+16 → 35
皆方アイリ:Cas A:時の棺Lv1→相手の判定を失敗にする、1シナリオ1回、侵蝕+10
GM:ゆ ゆるせない
ミランダ・ローウィン:失敗します
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を10増加 (125 → 135)
GM:同じく行動値0 “ドレッドノート”の手番です
“ドレッドノート”:マイナー 戦闘移動
“ドレッドノート”:雨宮・楫のエンゲージに移動
雨宮珀亜:来やがった
“ドレッドノート”:メジャー 《コンセントレイト:エグザイル》LV2+《貪欲なる拳》LV4+《命の剣》LV1+《ジャイアントグロウス》LV4+《過剰反応》LV10
“ドレッドノート”:対象雨宮・楫
“ドレッドノート”:39DX8
DoubleCross : (39DX8) → 10[1,1,1,1,1,2,2,3,3,3,3,3,5,5,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,3,4,4,4,5,5,5,6,7,8,8,9,10]+10[1,2,8,10]+6[2,6] → 36
雨宮珀亜:《崩れずの群れ》LV2で楫さんをカバーリング
楫かなえ:庇われます!
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を2増加 (119 → 121)
雨宮珀亜:ガード《棘の獣身》LV3 攻撃キャラクターに5d10のHPダメージ
GM:ゲーッ
雨宮珀亜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 15[1,7,1,3,3] → 15
雨宮珀亜:めっちゃ腐った
“ドレッドノート”:死なない 鍛えてるから
“ドレッドノート”:オート《不定なる姿》LV5 対象ガード値-20
“ドレッドノート”:ダメージ算出
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を4増加 (121 → 125)
“ドレッドノート”:31+20+30+8D10+30
DoubleCross : (31+20+30+8D10+30) → 31+20+30+44[9,8,8,3,5,2,7,2]+30 → 155
雨宮珀亜:HPは1しかねーんだよ!死!
雨宮珀亜:リオくんのロイスを昇華して復活します!HP16
GM:クリンナップ
GM:移動していない皆方さんに《電撃の檻》のダメージが入ります
GM:5D10
DoubleCross : (5D10) → 28[8,3,5,3,9] → 28
皆方アイリ:いやぁ無理無理 リオさんのロイスを昇華して復活します
皆方アイリ:皆方アイリのHPを11に変更 (19 → 11)
ミランダ・ローウィン:ミランダの放つ超高熱の炎が、君達の周囲を檻のように取り囲み、閉じ込める。
ミランダ・ローウィン:「天網恢恢疎にして漏らさず──」
ミランダ・ローウィン:「悪は一人残らずこの本部エージェント、ミランダ・ローウィンが成敗します!!!!」
楫かなえ:(残していたくせに……)
五十嵐トーコ:「あっち~~!!サウナじゃん!!」
雨宮珀亜:「クソッ……下手に動くのは不味いか」
リオ・グッドマン:「でも、この中にずっと居んのもまじーだろ」
リオ・グッドマン:ス と何かを差し出すように、虚空に向けて手を伸ばす。
リオ・グッドマン:掌から溢れ出た、黒く小さな立方体が、カタカタ カタカタと組み合わさって
リオ・グッドマン:30cm×30cm×30cmのブラックボックスが4つ、リオ・グッドマンの周囲に浮かぶ。
セントエルモの火:──瞳の奥、セントエルモの火が灯る。
セントエルモの火:リオ・グッドマンに寄生したRB。その能力の本質は、思考領域の拡大。
セントエルモの火:知識、経験、繋がり、即ち彼の人生そのものである記憶の海に、片端から枝葉を広げ
セントエルモの火:目的に沿って最適化されたガイドラインを、その瞳に映す。
リオ・グッドマン:「……んじゃ、お先に失礼!」
雨宮珀亜:「……多少の傷を覚悟すれば抜けられない壁じゃあない。要はタイミングだ」
雨宮珀亜:「お前の好きにやれ、リオ。こっちもそうさせてもらう」
セントエルモの火:移動は後方5m
セントエルモの火:対物ライフル
セントエルモの火:装填 照準:ミランダ 銃火 ショートリコイルによる再装填 銃火
セントエルモの火:ライフル昇華
セントエルモの火:返事代わりに、口の端を吊り上げて
リオ・グッドマン:───一才の迷い無く伸ばした手を、匣の一つに翳し
リオ・グッドマン:後方へと移動、炎の壁に身体が飲まれる
リオ・グッドマン:……焼け落ちた身体を、意志の力のみで支えながら
リオ・グッドマン:───匣を構成する立方体が蠢く。象るのはバレットM82
リオ・グッドマン:その手に握られた、粗いドット絵じみた黒鉄がみるみるうちに洗練される。
リオ・グッドマン:───狙撃 装填 狙撃
リオ・グッドマン:コンクリートの破片を巻き上げながら、二発の銃弾がミランダへと放たれる。
ミランダ・ローウィン:「く……っ……!!」
ミランダ・ローウィン:爆炎が巻き起こり、壁となって威力を殺す。
ミランダ・ローウィン:「何故ですか……グッドマンさん!!!」
ミランダ・ローウィン:「あなたなら分かってくれると思っていたのに!!!!」
ミランダ・ローウィン:「今からでも遅くはありません!!!!私と共に正義に邁進しましょう!!!!!」
リオ・グッドマン:ライフルが、砂へと還って
リオ・グッドマン:「そうっすね。それも良いかもしれないっす」
リオ・グッドマン:「ただ、それは」
リオ・グッドマン:「アンタに罰が下った後だ」
リオ・グッドマン:「……そうだ、ミラねぇ。もう一つ言いてー事あったのよ。」
リオ・グッドマン:顔しか変化させられない”トルバラン”を一瞥して
リオ・グッドマン:「普通に嘘つきな所は、治した方がいいと思うっすよ。」
ミランダ・ローウィン:「それは……嘘は時には正義に必要なものです!!!」
ミランダ・ローウィン:「査察部であるあなたも、それは知っているはずです!!!!!」
リオ・グッドマン:「うはは、それ言われちゃ痛いよな!」
リオ・グッドマン:「ただ、俺は」
リオ・グッドマン:「嘘なんかつかれなきゃ、アンタの事もうちょい好きになれたのになーって思っただけだ。」
ミランダ・ローウィン:「………………!」
リオ・グッドマン:「楽しかったぜ、アンタと話すのはな。これだけはちゃんと伝えとくよ。」
皆方アイリ:「優しいですねぇ。グッドマンさんは」
皆方アイリ:パチン。小さく何かが弾ける音がする。
皆方アイリ:パチン。パチン。続けて同じ音が響く。その度に―――。
皆方アイリ:「あたしは優しくする気0ですよ」
皆方アイリ:重りが一つ追加されるように圧力が増していく。範囲はミランダと"ドレッドノート"の周囲半径10mほど。
皆方アイリ:「天網恢恢疎にして漏らさず。良い言葉ですね」
皆方アイリ:「似たような意味で天に目、なんてのもあるそうで。要は何でもお見通しってことでしょうか」
“ドレッドノート”:「ひぃっ……みっ……ミランダさん!!」掠れた獣の声。ミランダの身体を掴み、重力圏から放り投げて逃がす。
ミランダ・ローウィン:「うっ……!?」
皆方アイリ:天に浮かぶは魔眼。出現時よりも二回りほど小さくなっている。
皆方アイリ:「それでも、天が人を裁くとは限りません。神様とやらは気紛れですので」
皆方アイリ:「ですのであたしがこの眼を持って。貴女方の罪を裁きましょう」
皆方アイリ:中性子星。ニュートロン・スター。天体の中でも最も強い重力を持つ、星の亡骸。
皆方アイリ:それに擬えられた魔眼達が、圧倒的な出力を持って"ドレッドノート"を押しつぶす。
“ドレッドノート”:「グァ……ウグォアアァアアァアッ……!!」
“ドレッドノート”:尋常ならざる膂力を以てしても逃れ得ない、超高密度の重力圏。筋骨が軋み、内臓が悲鳴を上げる。
皆方アイリ:「……なんて、正直今回は裁きなんて義憤じゃなくて私怨ですけど」
皆方アイリ:「だからこそ貴女は逃がしません」
皆方アイリ:笑みを浮かべたまま、どこまでも鋭く冷めた目で逃れたミランダを見据えた。
逢河雷魚:全身から噴き出すどす黒い影が、無数の目の無い大蛇めいた姿を成す。貪欲さが形を成したかのような大顎の群れ。
逢河雷魚:放物線を描くように上方に伸び、魔眼の重力で落下、加速、威力を増して“ドレッドノート”に喰らい付く。
“ドレッドノート”:「ひぃいぃいいっ……!!痛い、痛いです……!!」
逢河雷魚:(滅茶苦茶キレてんな……)
逢河雷魚:隣の皆方を一瞬だけ一瞥する。
皆方アイリ:「どうかしましたか、先輩?」
皆方アイリ:目の冷たさはマシだが、声音があまり変わっていない。
逢河雷魚:「……何でもねえよ……」寒気を覚えて目を逸らす。
“百舌鳥”:動きが止まった“ドレッドノート”に向け、“百舌鳥”が武器を構える。
“百舌鳥”:周囲に、白銀に輝くシルエットが幾つも現れる。豪奢な弓にも似ているが、矢としてつがえられているのはいずれも剣や槍、斧に槌の類。どれも強力なレネゲイドを帯びた遺産だ。
“百舌鳥”:凄まじいレネゲイドが鳴動し、空気が震える低い唸りが響き渡る。
雨宮珀亜:(あれが、相克契約……)揺らめく陽炎越しにその光景を見上げる。
“百舌鳥”:「……死ね」
“百舌鳥”:血の色をした義眼が、敵を捉えた。甲高い異音と共に、幾つもの遺産が解き放たれる。
“ドレッドノート”:「うぐっ、ぎあぁあああっ……!!?」
“ドレッドノート”:衝撃波と共に骨肉が吹き飛ばされる。巨大な腕の片方が引き千切れ、地面に転がった。
“ドレッドノート”:「ひぃぃっ……ひっひどいですぅううううう……!!」
“ドレッドノート”:情けない声を漏らしながらも、見る間に新たな腕が元通りに生えてくる。
“百舌鳥”:「……」
“百舌鳥”:害虫を見るような冷たい侮蔑の目で、敵を睨む。
“ドレッドノート”:「やめて……やめてくださいぃいいっ!!助けてぇええええっ!!!」
“ドレッドノート”:悲鳴を上げながらも折れた巨大な鉄骨を掴み上げ、重力場を展開する皆方に向けて凄まじい膂力で放り投げる。
GM:大木のような鉄の塊が、回転しながら瞬く間に迫りくる。
雨宮珀亜:「敷島!無駄玉を撃つんじゃない!!その力は……」大量の遺産を消費した飽和攻撃。いかに相克契約とはいえ、何の代償もなく繰り出せるものではないはずだ。即ち……
雨宮珀亜:「ちぃっ……!」
雨宮珀亜:思考の虚を点かれて、皆方へのカバーが一瞬遅れる。
皆方アイリ:「……」 魔眼と重力場の展開を維持するため、回避には気を回さない。
皆方アイリ:したがって、再生に時間がかからないよう潰されるのだけを避けた。肩ごと右腕を使って無理矢理後ろに逸らす。
逢河雷魚:「……皆方!……ぐっ……!」
逢河雷魚:余りにもスケールの大きな攻撃に、諸共に受けるしかない。轟音。吹き飛ばされて転がり、開いた傷口から血が流れ出す。
皆方アイリ:骨のへし折れた腕がだらりと下がって、だけど視線は一度も敵から外さないままだった。
雨宮珀亜:(大した強情さだ……まったく)
雨宮珀亜:「どいつもこいつも、後先考えないやつばっかりかよ……!」珍しく苛立ちを口に出して拳を構える。
楫かなえ:「……っ……」情けないことに、その様を目に収めるまで、気圧されていた。
楫かなえ:(……何をしているの)
楫かなえ:この瞬間にも、ほんの数kmも離れた場所には、その価値を知らぬまま平和を享受しているものたちがいる。──あえてその嫌悪を呼び起こし、体を動かす。
楫かなえ:知らず自分を抱き締めるようにしていた両腕を広げ、差し伸べるように前へ。
楫かなえ:闇が放たれる。
楫かなえ:それは無音の呻きめいた圧力を伴って広がり──輝く火焔と拮抗し、食われ、因子が焼失するフィードバックで少女の顔を顰めさせながら──
楫かなえ:やがて、天地を覆う。噴き上がる墨雲、深海の水流、あるいは魔物のはらわたの内のような漆黒が、戦場の色を塗り替える。
楫かなえ:現出するのは妖々たる閉鎖空間。《不可視の領域》──因子による空間隠蔽を、迷宮の回廊の如き形状に施すことで、自らの思いのままの欠落を対手の視界に生じさせる手管。
楫かなえ:その“壁”の内側から、囁く。
ミランダ・ローウィン:「……!?これは……!!」
“ドレッドノート”:「ひぃいいいいぃいぃ……!?何ですかぁあああ……!?」
楫かなえ:『……ねえ、正義を掲げる貴女。思い出話を聞いてくださいな』
楫かなえ:『わたくし、物心ついた時から囚われの身だったのです。FHの実験施設──なんて言葉を知ったのは、ずっと後になってから』
楫かなえ:声の発生源は一定ではない。攻撃の隙を伺うように、小刻みな転移を繰り返し、まるで取り囲む複数人が話すように。
楫かなえ:『そこには、歳が同じくらいの子たちがたくさん居てね』
楫かなえ:『いつも泣いていました』
“ドレッドノート”:「何ですかこれぇえ!!何なのぉぉおお!!」巨大な腕を闇雲に振り回す。
楫かなえ:『痛いし、寒いし、お腹は空くし、たまに来る大人は酷いことをするし……だから、彼らに連れていかれる時は、尚更大声で』
楫かなえ:『そういうのって、許せないのですか?』
ミランダ・ローウィン:「ええ……!!許し難いですね!!!」
ミランダ・ローウィン:「そうした悪を許さぬために、このミランダ・ローウィンがいるのです!!!!」
ミランダ・ローウィン:胸をドンと拳で叩く。
楫かなえ:『そう』
楫かなえ:『わたくしは、うるさくてみっともないなって思っていました』
楫かなえ:くす、と笑う。
楫かなえ:『意見が合いませんね。やっぱり嫌いです』
五十嵐トーコ:闇の中に、ぼう、と翡翠色の焔が灯る。
五十嵐トーコ:「『金剛、是即ち伐折羅』」
五十嵐トーコ:「『纏いて劫火、祓いては死火』」
五十嵐トーコ:その正体は回転する戦輪の刃に灯った、超自然の炎。
五十嵐トーコ:「『我御諷誦行はせ給ひける時、弾指なれど空へ至らん』」
五十嵐トーコ:炎の軌跡を描いて、チャクラムが“ドレッドノート”の腱を切り裂き体勢を崩す。
“ドレッドノート”:「嫌ぁあああっ!?」
楫かなえ:その瞬間にぴたりと合わせて、幾筋もの銀光が怪物に絡む。
楫かなえ:闇に身を潜めたまま。それを思い切り引く。
楫かなえ:強靭な筋繊維に、自分の力では大きな傷は付けにくい。
楫かなえ:だが今、倒れ込む巨体の重量それ自体を活かすならば話は別だ。
“ドレッドノート”:「あ、ぎっ……!!」
“ドレッドノート”:自重でワイヤーが肉に食い込み、鋼のような筋繊維から血が噴き出す。
“ドレッドノート”:「いあぁああぁあぁあっ!!」
ミランダ・ローウィン:「アビーさん!!!!」
五十嵐トーコ:「かなっちの身の上話聞けちった。にゃははラッキ~」くるくると指先でチャクラムを回す。
楫かなえ:「いいから集中してください輪投げ女」
雨宮珀亜:(戦闘中まで喧嘩するなよ……けど)辟易しつつも、度重なる攻撃で動きの鈍った"ドレッドノート"を視界の端に捉えて
雨宮珀亜:「今が絶好のタイミングだ」
雨宮珀亜:右腕を結晶が覆う。それは右腕だけでは収まらず、雨宮の半身を包み込み、虹色の輝きを発する。
雨宮珀亜:「ォオオオオオオッ!!!!」結晶に包まれたまま前に踏み出す。その先には……
楫かなえ:揺らめく黒き壁がその姿を受け止め、吸い込む。蛇舅母を家屋の亀裂に迎え入れるように。
楫かなえ:内は暗黒。されど視界を阻むことはなく、空間を歪ませる楫かなえの因子が、望む経路を提供する。
雨宮珀亜:(暗いな……けれど)
雨宮珀亜:事象空間ではコンマ一秒にも満たない時間。深淵の回廊を進みながら、その身を覆う結晶が砕けていく。
雨宮珀亜:(不思議と落ち着く気がする……思えば、あいつを失ってからの5年間は)
雨宮珀亜:(ずっと先の見えない闇の中にいたようなもんか……けど、いい加減落葉の陰から顔を出す頃合いだ。)
雨宮珀亜:(やっと見つけたぞ。ミランダ・ローウィン。その下品な灯りを掻き消してやる)
雨宮珀亜:楫の前方、ミランダと"ドレッドノート"双方の死角となる場所から、巨大な影が姿を表す。
ミランダ・ローウィン:「────ッ!?」
雨宮珀亜:全身を覆う装甲、攻撃的な棘を纏い、身長の三倍以上の規模に巨大化したそれは、地を這う蜥蜴に似た輪郭。
雨宮珀亜:極限の冷熱を操る遺産、『サイコルスの極指』
雨宮珀亜:それを動力源とするこの兵装は、圧縮内包された構成材質を瞬時に溶解、凝固させることで汎ゆる局面に対応した武装へと変化する。
雨宮珀亜:その性質は、結晶構造を持たないアモルファス。
雨宮珀亜:ガラスの様に常に微細に運動する特殊合金は、汎ゆる金属を凌ぐ硬度を保ちながらゴムのような靭性を併せ持つ。
雨宮珀亜:「喰い荒らせ……!!」
ミランダ・ローウィン:「くぅっ……!!」
ミランダ・ローウィン:咄嗟に爆風を巻き起こし、回避しようとするが──
鹿骨秋蔵:指を打ち鳴らす音が響き、ミランダの足首が血飛沫と共に爆散する。
ミランダ・ローウィン:「うぐぁっ!?」
雨宮珀亜:蜥蜴が顎門を開く。その首は結晶化と崩壊を繰り返しながら伸縮し
雨宮珀亜:やがてミランダをまるごとその口に咥え、噛み砕く。
ミランダ・ローウィン:「うあぁあああぁああッ!!!!!」
“ドレッドノート”:「ひぃいーーーーっ!!ミランダさん!!」
雨宮珀亜:「蜥蜴に牙はない……が」
雨宮珀亜:瞬間、ミランダを咥えた口内が結晶化し
雨宮珀亜:鋭い刃の群となって、ミランダを串刺しにする。
ミランダ・ローウィン:「うっ……ぐぅおおおおおおぉおっ……!!!」
ミランダ・ローウィン:爆炎と共に、無理やり口内から脱出する。引き裂かれた肉が無惨な傷となり血が滴っている。
ミランダ・ローウィン:「はぁっ……!!はぁっ……!!」
雨宮珀亜:「棘はある……逆鱗というには小さいけどな」
ミランダ・ローウィン:「ゆ……許しませんよ……!!!!私に……正義に対して、このような行い……!!悪そのものです!!!!」
雨宮珀亜:「何を言ってるんだ、アンタ」
雨宮珀亜:「許さないのは僕たちの方だ。いいか、ずっと勘違いしてるみたいだから教えてやる」
雨宮珀亜:「UGN(ぼくたち)は正義の味方なんかじゃない」
雨宮珀亜:「僕たちは守るだけだ。ほんのささやかな日々の営みを」
雨宮珀亜:「アンタみたいな化物からな」
ミランダ・ローウィン:「何を言ってるんですかぁあああああ!!それを一番出来るのも私なんですよおおおおお!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「もう許しません!!!!全員纏めてやっつけてやります!!!!!」
ミランダ・ローウィン:ミランダの全身から、煌々と炎が巻き起こる。
ミランダ・ローウィン:超高熱で上昇気流が生まれ、周囲のアスファルトが溶解していく。
ミランダ・ローウィン:巨大な火球は今にも弾けそうに渦を巻き、更にその大きさを増していく。
ミランダ・ローウィン:「うおぉおおおおおお!!!!!喰らえぇえええぇえーーーーッ!!!」
楫かなえ:(ッ、この出力バカのバカ女……!)領域の壁は認識を阻害する非実体のものに過ぎない。防御効果など到底望めず、せめて転移で距離を離そうとして。
皆方アイリ:パチン。
皆方アイリ:音と共に、ミランダの下へかけられていた重力が切り替わる。
皆方アイリ:大地へと圧し潰すものから、天空へと吸い込む形に。
楫かなえ:(……これは)
皆方アイリ:膨らみ切った火球を、上から喰らうように。一つの魔眼に――いや、魔眼のあった空間に呑み込まれていく。
ミランダ・ローウィン:「……なっ……!?」
“ドレッドノート”:「えぇええぇ~~~~~…………!?」
皆方アイリ:カシオペア座A。かつて確かに存在しながら、誰に観測されることもなくその生を終えた一つの恒星。
皆方アイリ:その終幕をなぞるように一つの魔眼を使い潰すことで、周囲の全てを飲み込み無へと帰す。皆方アイリの隠し札。
皆方アイリ:「ねえ、ミランダさん」
皆方アイリ:「貴女の行いは正義なんですよね?何も恥じることのない行いなんですよね?」
皆方アイリ:「貴女は自身の行った所業に胸を張れるんですよね?」
ミランダ・ローウィン:「無論です!!!!私の行いに迷いなどありません!!!!」
ミランダ・ローウィン:「すべては正義の為!!!!やましいことなど何もありませんとも!!!!」
皆方アイリ:「ならどうして隠したんです?」
皆方アイリ:「言えばよかったじゃないですか。UGN本部に」
皆方アイリ:「私は数千数万の人を救います。それは正義です。だからネロとも内通しますって」
皆方アイリ:「胸を張れるなら出来るでしょう?」
ミランダ・ローウィン:「あなた達のような私の正義を分かってくれない方が大勢いるからです!!!!仕方ないのです!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「確かにこの道は茨の道かもしれません!!!!しかし私はきっとやり遂げてみせます!!!!!!」
皆方アイリ:「人に咎められることが分かってて隠したんなら、それはもうただの怒られたくない子供と一緒なんですよ」
皆方アイリ:「自分のしてることが怒られることだと分かってる。でもやりたい。ならバレなきゃ問題ない」
皆方アイリ:「そんな貴女の幼稚さで、先輩の友達はもう帰ってこない。先輩がつけられた傷だって消えない」
皆方アイリ:「だからあたしは貴女を許さない」
皆方アイリ:「殺すだのなんだの言うほど理性はキレてませんが、少なくとも」
皆方アイリ:「貴女が心底後悔するまでボコります」
ミランダ・ローウィン:「あなたもそうなのですね……!!けれどたとえ誰にも理解されずとも、私は私の正義を貫いてみせます!!!!」
逢河雷魚:「……おい……!」皆方さんの肩を掴んで
逢河雷魚:「飛ばし過ぎだ……!無茶するなよ」
皆方アイリ:「ご心配なく。加減はちゃんとしてますよ」
皆方アイリ:意識して普段通りにされた笑顔。有無を言わせないという強い意志が透けて見える。
皆方アイリ:「だから先輩は自分の心配しててくださいね」
逢河雷魚:「………………」元々口で敵う関係ではない。何か言おうとして結局黙ってしまう。
楫かなえ:(……お見事です。皆方さま)隠形の最中だ。声を出すわけにも行かず、心の中で述べる。感謝と敬意を。
“ドレッドノート”:「ウァアァアァァァァアァアアアッ!!!!」
“ドレッドノート”:甲高い獣の絶叫が響き渡り、一飛びで雨宮と楫のもとに跳躍する。
“ドレッドノート”:「もうやめてくださいぃいいいーーーーっ!!!!」
“ドレッドノート”:巨木のような腕を振り上げ、思い切り振り下ろす。
“ドレッドノート”:「ひどいことしないで!!やめて!!もうやめて!!近付かないで!!許してくださいよぉおぉおーーーっ!!」
雨宮珀亜:「チッ……!」
雨宮珀亜:半ば楫を突き飛ばすようにして、"ドレッドノート"の前に立ちふさがる。
楫かなえ:「ひぁっ……!?」
雨宮珀亜:鎧蜥蜴の尾がとぐろを巻き、巨大なラウンドシールドを形作る。
“ドレッドノート”:泣き叫びながら、何度も拳を振り下ろす。子供の駄々のようでありながら、地形を変えるほどの破壊力を嵐のように振るう。
“ドレッドノート”:「うわぁあーーっ!!怖いよぉおお!!死んじゃえぇえええーーっ!!死んで!!死んでくださいよぉーーーーっ!!!!」
“ドレッドノート”:轟音と地響き。アスファルトが飴細工のように砕け散る。
楫かなえ:庇われたのだと理解するのに、幾らかの間を要して。
楫かなえ:「雨宮さまっ……!」
雨宮珀亜:「おぉおっ!」耐えたのは数発、暴風の如き拳打の前に、盾はいとも簡単に砕け散る。
雨宮珀亜:しかし
雨宮珀亜:盾の破片は飛び散ること無く、より微細な欠片となって"ドレッドノート"の拳へまとわりつく
雨宮珀亜:「……UKMA-03AI "Glass lizard"」
雨宮珀亜:その欠片が再び結晶化し、砕け散る。
雨宮珀亜:一体化したそれは有刺鉄線のような形状となって"ドレッドノート"の拳へと食い込み
雨宮珀亜:「ふん……!」
雨宮珀亜:雨宮が右腕を振りかぶったことで、その怪腕をズタズタに引き裂いていく。
“ドレッドノート”:「ひっ!?嫌ぁあああぁっ!!」
“ドレッドノート”:巨体からすれば傷は浅い。だが腕を抑え、悲鳴を上げて後ずさる。
“ドレッドノート”:「痛っ痛いいぃいいぃいい!!!」
雨宮珀亜:「この腕の名前だ……こいつの取り柄は硬さじゃなくて」
雨宮珀亜:「殴ったら大怪我をすることなんだよ」
“ドレッドノート”:「どうしてっ……どうしてこんなひどいことするんですかぁあぁああ!!!」
“ドレッドノート”:「私が何したっていうんですかぁあああぁあ!!!」
雨宮珀亜:「何をしただと?分かりきった事を言うなよ」
雨宮珀亜:「怒らせたのさ」
GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
雨宮珀亜:なし!
楫かなえ:なし!
リオ・グッドマン:ブルーゲイル使用、行動値+5
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を5増加 (137 → 142)
皆方アイリ:灰色の庭Lv6:行動値-18、対象はミランダ!
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を2増加 (135 → 137)
ミランダ・ローウィン:《ゴッドウィンド》
ミランダ・ローウィン:難易度:自動成功のエフェクトを打ち消し
ミランダ・ローウィン:灰色の庭を打ち消します
雨宮珀亜:ゲェー!
楫かなえ:こいつ……
リオ・グッドマン:この野郎…!
皆方アイリ:厄介なことを……
“ドレッドノート”:《進化の末脚》LV4 行動値+12
“ドレッドノート”:行動値6>18
GM:イニシアチブ 行動値18 ドレッドノートの手番です
雨宮珀亜:まちな!
雨宮珀亜:"百舌鳥"のNPCカードを使います
GM:やめて~~~
雨宮珀亜:エネミーに攻撃じゃ!
GM:畜生~~~~~
“百舌鳥”:《コンセントレイト:ノイマン》LV4+《急所狙い》LV6+《コンバットシステム:白兵》LV4+《スキルフォーカス:白兵》LV4+《デュアルデュエル》LV4+《マルチターゲット》LV6+《マルチウェポン》LV6+《ヴァリアブルウェポン》LV2+《アタックプログラム》LV6
“百舌鳥”:19DX6+32
DoubleCross : (19DX6+32) → 10[1,1,1,1,1,2,3,4,4,7,7,7,7,8,8,9,9,9,10]+10[2,3,3,4,5,5,6,6,6,6]+10[1,3,7,9]+10[6,10]+3[2,3]+32 → 75
“百舌鳥”:ドッジC値+1
“ドレッドノート”:ガード ≪イージスの盾≫
ミランダ・ローウィン:《リフレックス:ブラックドッグ》LV2+《見えざる僕》LV1
ミランダ・ローウィン:10DX8+16>=75
DoubleCross : (10DX8+16>=75) → 10[1,2,2,2,4,4,8,9,9,9]+10[6,6,8,10]+10[2,9]+4[4]+16 → 50 → 失敗
ミランダ・ローウィン:くそ~~~~~
雨宮珀亜:急に回さないで
ミランダ・ローウィン:《虚空の残影》LV1
ミランダ・ローウィン:ドッジ判定を成功させます
雨宮珀亜:こいつ……
“百舌鳥”:8D10+11+10+8+8+12
DoubleCross : (8D10+11+10+8+8+12) → 56[1,9,8,4,9,9,9,7]+11+10+8+8+12 → 105
GM:おぎゃ~~~
“ドレッドノート”:105-3D10
DoubleCross : (105-3D10) → 105-13[3,9,1] → 92
“ドレッドノート”:HP0
雨宮珀亜:やったか!?
“ドレッドノート”:《魔獣の証》LV4で復活します
雨宮珀亜:こいつしぶとすぎる……
GM:行動値18 “ドレッドノート”の手番です
“ドレッドノート”:マイナー《ハンティングスタイル》LV1
“ドレッドノート”:エンゲージを離脱、リオくんのエンゲージに移動
リオ・グッドマン:うおこっち来やがった!
“ドレッドノート”:メジャー 《コンセントレイト:エグザイル》LV2+《貪欲なる拳》LV4+《命の剣》LV1+《ジャイアントグロウス》LV4+《過剰反応》LV10
“ドレッドノート”:《呪われし者の印》LV6+《流刑者の刻印》LV4 ダイス減少無効、HP40回復
“ドレッドノート”:39DX8
DoubleCross : (39DX8) → 10[1,1,1,1,1,2,3,3,3,3,4,4,4,5,5,5,5,6,6,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[2,3,3,3,4,5,5,5,5,7,7,9,9,10,10,10]+5[1,1,1,4,5] → 25
“ドレッドノート”:しょぼ
リオ・グッドマン:《死者の肉体》でドッジ
リオ・グッドマン:9dx+25
DoubleCross : (9DX10+25) → 10[1,2,3,3,3,3,4,10,10]+9[8,9]+25 → 44
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を1増加 (142 → 143)
GM:強すぎる…………
GM:イニシアチブ 行動値13 リオくんの手番です
リオ・グッドマン:うす
リオ・グッドマン:オートでウェポンケースからアンチマテリアルライフルを装備
リオ・グッドマン:マイナー無し、メジャーで《C:ノイマン》《コントロールソート》対象はミランダ
GM:判定どうぞ!
リオ・グッドマン:9dx7+16
DoubleCross : (9DX7+16) → 10[2,2,5,6,6,9,9,10,10]+10[3,4,7,10]+10[4,7]+2[2]+16 → 48
ミランダ・ローウィン:ドッジ 《リフレックス:ブラックドッグ》LV2+《見えざる僕》LV1
ミランダ・ローウィン:10DX8+16>=48
DoubleCross : (10DX8+16>=48) → 10[1,2,2,3,3,5,6,8,9,10]+10[7,9,10]+10[2,9]+6[6]+16 → 52 → 成功
ミランダ・ローウィン:避けちゃった♡
リオ・グッドマン:嘘だろお前
雨宮珀亜:うわっここで
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を4増加 (143 → 147)
楫かなえ:揃いも揃って生にしがみつきやがってよ
GM:行動値10 ミランダの手番です
ミランダ・ローウィン:《サイレンの魔女》LV3+《氷の戒め》LV2+《憎悪の炎》LV1
ミランダ・ローウィン:対象はPC全員
ミランダ・ローウィン:10DX+16
DoubleCross : (10DX10+16) → 10[1,3,6,6,8,8,9,9,9,10]+10[10]+1[1]+16 → 37
ミランダ・ローウィン:回しちゃった♡
リオ・グッドマン:《リフレックス:ブラムス》《死者の肉体》でドッジ
リオ・グッドマン:9dx7+25
DoubleCross : (9DX7+25) → 10[1,3,5,5,5,8,9,9,10]+10[1,2,3,7]+10[10]+10[8]+4[4]+25 → 69
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を3増加 (147 → 150)
GM:やべ~~
雨宮珀亜:すごい
皆方アイリ:もっと回ってる
皆方アイリ:こっちも一応ドッジ
皆方アイリ:5dx+1>=37
DoubleCross : (5DX10+1>=37) → 7[1,2,3,6,7]+1 → 8 → 失敗
楫かなえ:ドッジ!
楫かなえ:6dx>=37
DoubleCross : (6DX10>=37) → 9[1,2,3,6,6,9] → 9 → 失敗
雨宮珀亜:《崩れずの群れ》LV2で楫さんをカバーリング
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を2増加 (125 → 127)
雨宮珀亜:ガード《氷盾》LV6 《棘の獣身》LV3 ガード値を+30 攻撃キャラクターに5d10のHPダメージ
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を6増加 (127 → 133)
GM:ギャッ
雨宮珀亜:5d10 くらえ!
DoubleCross : (5D10) → 25[4,4,10,6,1] → 25
皆方アイリ:こっちはNPCカードのジャクリーヌさん使ってカバーしてもらいます
ミランダ・ローウィン:結構効きます
ミランダ・ローウィン:ダメージ!
ミランダ・ローウィン:4D10+9 装甲無視 命中でラウンド間判定ダイス-3個 ダメージで憎悪付与
DoubleCross : (4D10+9) → 31[9,10,9,3]+9 → 40
雨宮珀亜:ガード値45で弾きます。
GM:かたっ
皆方アイリ:憎悪も通らない
楫かなえ:すごい
ミランダ・ローウィン:いや……待てよ
ミランダ・ローウィン:《マクスウェルの悪魔》LV3
ミランダ・ローウィン:ダメージを増やします 死ね!!!!!
雨宮珀亜:なんじゃとぉ~!
ミランダ・ローウィン:40+4D10
DoubleCross : (40+4D10) → 40+24[5,10,5,4] → 64
雨宮珀亜:上振れやがってよ……HPは16
雨宮珀亜:ギリ倒れます。皆方さんのロイスを消化して復活!
GM:ではミランダへの憎悪が付与されます
GM:行動値6 皆方さんの手番です
皆方アイリ:マイナー無し、メジャーで"ドレッドノート"にコンボ行きます
皆方アイリ:7100old:インビジブルハンドLv2+コンセントレイト:バロールLv4+アンプリフィケイションLv4
GM:判定どうぞ!
皆方アイリ:→飛行状態解除、攻撃力+22、侵蝕+11
皆方アイリ:12dx7+8
DoubleCross : (12DX7+8) → 10[2,2,3,3,5,5,6,6,7,8,10,10]+10[3,4,6,9]+6[6]+8 → 34
“ドレッドノート”:ガード 《イージスの盾》LV3
GM:ダメージどうぞ!
皆方アイリ:先輩も使用してダメージ!
皆方アイリ:4d10+22+9d10
DoubleCross : (4D10+22+9D10) → 32[10,8,7,7]+22+45[6,5,2,4,9,2,2,8,7] → 99
雨宮珀亜:いい感じ!
“ドレッドノート”:ゲェェェェ
皆方アイリ:気合入ってる出目
“ドレッドノート”:99-3D10
DoubleCross : (99-3D10) → 99-18[9,8,1] → 81
“ドレッドノート”:装甲が究極獣化で10なのでギリギリ生存
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を11増加 (137 → 148)
GM:行動値5 楫さんの手番です
楫かなえ:はーい
楫かなえ:マイナーで戦闘移動。《縮地》で1m後退します。
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を2増加 (131 → 133)
楫かなえ:メジャーで【落とし穴】《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》
楫かなえ:ドレッドノートに攻撃!
GM:来やがれ!
楫かなえ:あっと
楫かなえ:五十嵐さんのカードも使います
楫かなえ:22dx6+5
DoubleCross : (22DX6+5) → 10[1,1,2,2,2,3,3,4,4,6,6,6,6,8,8,8,9,9,9,10,10,10]+10[1,1,2,3,3,3,5,5,6,6,6,8,10]+10[3,6,7,7,9]+10[3,4,6,7]+10[7,9]+10[8,9]+10[5,9]+10[6]+1[1]+5 → 86
GM:ゲェェ
“ドレッドノート”:ガード《イージスの盾》LV3
GM:ダメージどうぞ!
楫かなえ:9d10+32
DoubleCross : (9D10+32) → 52[10,2,1,9,9,1,10,5,5]+32 → 84
“ドレッドノート”:ハァ……ハァ……
“ドレッドノート”:84-3D10
DoubleCross : (84-3D10) → 84-21[4,8,9] → 63
“ドレッドノート”:《異世界の因子》
雨宮珀亜:こいつ……!
リオ・グッドマン:嘘だろお前
“ドレッドノート”:《マクスウェルの悪魔》をコピー
楫かなえ:待ちな
楫かなえ:アージエフェクトは衝動も一致してなきゃコピーしても使えなかった気がするぜ
GM:何だと……
“ドレッドノート”:じゃあ《氷盾》をコピーします
“ドレッドノート”:お前の《氷盾》いい感じだぜ雨宮ァ
雨宮珀亜:フン……貴様程度にその《氷盾》を使いこなせるかな?
“ドレッドノート”:C(63-10)
DoubleCross : c(63-10) → 53
“ドレッドノート”:装甲10 残りHPは9
“ドレッドノート”:HP0 倒れます…………
雨宮珀亜:ついに…!
“ドレッドノート”:復活エフェクトもありません
リオ・グッドマン:良かった……
皆方アイリ:やっと……
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を4増加 (133 → 137)
GM:行動値0 雨宮さんの手番です
雨宮珀亜:マイナー《自在刃》LV2 ラウンド中素手による攻撃力にガード値を加算
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を2増加 (133 → 135)
雨宮珀亜:メジャー《伸縮碗》LV3《ラバーアームズ》LV2《コンセントレイト:エグザイル》LV4
雨宮珀亜:ミランダへ攻撃!
GM:来い!
雨宮珀亜:10dx7+1
DoubleCross : (10DX7+1) → 10[1,2,3,4,4,5,5,5,9,10]+6[2,6]+1 → 17
雨宮珀亜:しょっぱ
GM:かわいいね
ミランダ・ローウィン:《リフレックス:ブラックドッグ》LV2+《見えざる僕》LV1
楫かなえ:【プレイハウス・ミステリーシアター】《世界の敵》
楫かなえ:ドッジを失敗させます
雨宮珀亜:かなっち!
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を6増加 (137 → 143)
雨宮珀亜:じゃあダメージ出します!
ミランダ・ローウィン:やめて~~~~~~
雨宮珀亜:2d10+30+1d10 装甲有効
DoubleCross : (2D10+30+1D10) → 14[5,9]+30+5[5] → 49
ミランダ・ローウィン:くっ…………
雨宮珀亜:あっ
雨宮珀亜:ラバーアームズの+4入れてなかった
雨宮珀亜:53です
ミランダ・ローウィン:何だとぉ……
ミランダ・ローウィン:HP0
ミランダ・ローウィン:マクスウェルさえガードに回していれば…………
雨宮珀亜:ガハハ
ミランダ・ローウィン:復活エフェクトはありません。
GM:戦闘終了です
楫かなえ:やった~!!
リオ・グッドマン:やったー!
ミランダ・ローウィン:皆方の重力圏に囚われたミランダの手元に、業火が渦巻く。
ミランダ・ローウィン:「本部エージェントに、そう何度も……同じ手が……」
ミランダ・ローウィン:閃光と共に、眩い火球が放たれる。
ミランダ・ローウィン:「通るとお思いですかッ!!!!」
ミランダ・ローウィン:だがそれが向かう先は、皆方本人ではない。
ミランダ・ローウィン:頭上に星のように瞬く魔眼、能力の発動体を爆炎が呑み込み、焼き焦がしていく。
皆方アイリ:舌打ちを一つ。しかし、その表情に焦りはない。
皆方アイリ:「そちらこそ、見せてる札が全てだとでもお思いで?」
皆方アイリ:傍らに新たな魔眼を再展開。大きさと出力は戻ってしまうが、戦闘は十分継続可能だ。
ミランダ・ローウィン:重力から脱出し「減らず口を……アビーさん!!!!」
“ドレッドノート”:「ゴ……アァァアアァアアアッ!!!」
“ドレッドノート”:獣の咆哮を上げ、巨体に見合わぬ機敏さで跳ねる。着地点のリオに向け、組んだ両の巨腕をスレッジハンマーめいて振り下ろす。
リオ・グッドマン:強大な質量が振り下ろされる。直撃まで0.3,0.2,0.1───
リオ・グッドマン:
セントエルモの火:
リオ・グッドマン:───リオ・グッドマンを叩き潰さんと振り下ろされた拳槌は、しかし、砂埃一つ巻き上げる事は無かった
リオ・グッドマン:まるで手応えのない感触、ドレッドノートの足元には、黒い立方体が一つ転がっている。
“ドレッドノート”:「……ゴァ……えっ?な……何?」
リオ・グッドマン:「…………さーて」やや間があった後、口を開いて
リオ・グッドマン:「何だと思うよ、当ててみな」
リオ・グッドマン:そう言って笑うと、ドレッドノートの拳を蹴って、その勢いで後方へと跳ぶ
“ドレッドノート”:「あっ……ミランダさん!!」
リオ・グッドマン:自身の傍に侍らせた匣、その一つに手を翳す。
セントエルモの火:TAC-50 ボルトアクション 照準 銃火
リオ・グッドマン:───作り出した対物ライフル、そのグリップを軽く握り
リオ・グッドマン:装填 エイミング コンセントレーション
リオ・グッドマン:全ての処理を瞬きの内に終え
リオ・グッドマン:大口径のバレルから火花が散る。
ミランダ・ローウィン:「くぅっ……!」
ミランダ・ローウィン:四肢に纏った炎が弾け、爆風の推進力を生む。
ミランダ・ローウィン:宙に舞い上がるように、常人では不可能な軌道で弾丸を回避する。
ミランダ・ローウィン:「まだまだあぁあっ!!!!」
リオ・グッドマン:「うはは、良いっすね!」
リオ・グッドマン:「好きだぜ!諦めの悪い奴は!」
ミランダ・ローウィン:「この程度では……このミランダ・ローウィンは倒れません!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「この世の悪に毅然として立ち向かう……正義を成す為に……!!」
ミランダ・ローウィン:身に纏う炎が見る間に膨らんでいく。
ミランダ・ローウィン:「それが……この私の使命なのです……!!!!!」
ミランダ・ローウィン:数メートル以上に膨らんだ巨大な火球が弾け、無数の炎弾として嵐のように吹き荒ぶ。
ジャクリーヌ・デスタン:「……」
ジャクリーヌ・デスタン:皆方と逢河の前に出て、骨と鱗の盾で炎を受け止める。
ジャクリーヌ・デスタン:「ぐ……」肉体を焼き焦がされ、顔を顰めつつ
ジャクリーヌ・デスタン:「……悔しいけど、私にはあいつを倒す能力は無い」
ジャクリーヌ・デスタン:「あなた達が決めて」
皆方アイリ:「ありがとうございます。任されました」
リオ・グッドマン:「───」
リオ・グッドマン:眼前の脅威を視認して
リオ・グッドマン:──肉体の主導権を、彼のRBに明け渡す。
リオ・グッドマン:即ち、疑似的な仮死状態。駆け巡るのは走馬灯。
リオ・グッドマン:それは生存本能という名の、降りかかる災いを退け、先行き不確かな暗中を照らす灯
リオ・グッドマン:”セントエルモの火”
リオ・グッドマン:───リオ・グッドマンの肉体を包み込んだ炎。しかし、その熱は瞬時にリオの身体を覆った黒砂に阻まれた。
リオ・グッドマン:ザ ザザ
リオ・グッドマン:炎を絡めとった砂が左手へと集まり、立方体を形成。
リオ・グッドマン:災厄は、黒匣の中に閉じられて
リオ・グッドマン:沈んだ意識が浮上する。
リオ・グッドマン:「……ん。いい仕事だぜ、ナイス。」
リオ・グッドマン:ミランダを一瞥して
リオ・グッドマン:「───ああ、俺程度で止まってもらっちゃ困んのよ」
リオ・グッドマン:「罪を背負って、罰を受ける為に、まだまだ立っててもらわなきゃなんねぇっすから!」
ミランダ・ローウィン:「くっ……」悔しげに唇を噛む。
雨宮珀亜:しかし、リオが防いだのは全方位に放たれた炎弾のほんの一部。
雨宮珀亜:未だ降り注ぐ災禍の中を突っ切って、地を這う蜥蜴がミランダに肉薄する。
雨宮珀亜:「ぉおおおっ!!」
雨宮珀亜:至近距離。ラウンドシールドを再構成し、一層濃くなった炎弾の弾幕を受け止める。
雨宮珀亜:絶え間なく降り注ぐ炎弾に盾は瞬く間に削られ、溶け落ち、砕け散って周囲に欠片を撒き散らす
雨宮珀亜:一瞬の閃光。同時にミランダが爆炎に包まれる。
ミランダ・ローウィン:「うあぁあっ……!?!?」
雨宮珀亜:……金属の微粒子は、一般に微細である程より高速で酸化する。
雨宮珀亜:そして、酸化現象はその反応速度がある境界を超えると燃焼となる。
雨宮珀亜:金属粉塵爆発。計算され尽くした密度でミランダの周囲に散りばめられた装甲の破片は
雨宮珀亜:ミランダが纏う爆炎をかき消す勢いで爆破延焼を繰り返し、巨大な業火の檻を作り上げる。
雨宮珀亜:同時に、雨宮自身もその爆発に弾き出されるようにして距離を取る。
ミランダ・ローウィン:頭部を庇った腕が引き裂かれ、焼き焦がされる。
ミランダ・ローウィン:「……ぐぅうううっ……!!!ですが…………!!!!」
ミランダ・ローウィン:雨宮とジャクリーヌに着弾した炎は、消えることなく身体を這い上がり、血肉を燃料とするように燃え盛り骨肉を焼き焦がす。
雨宮珀亜:「チッ……」
ジャクリーヌ・デスタン:「あっ……ッああぁあっ……!!」
ミランダ・ローウィン:「私の炎は……悪を滅するまで消えることはありません!!!!」
ミランダ・ローウィン:「灰燼と帰す前に己の罪を反省しなさい!!!!!!!!」
ミランダ・ローウィン:炎はまるで生き物のように蠢き、容易には消えない。恐らくはミランダ自身を倒さない限りは。
雨宮珀亜:この腕に宿るのは冷熱を操る遺産。炎を消すことは出来ずとも、裡にしまい込むことは出来る。強引に炎を吸収し、体表を再構成する。
楫かなえ:突進する青年の後に残されたがため、必然的に飛来する火球から守られる。(……また助けられましたね。それにしても)
楫かなえ:(危うい戦い方。生き延びることよりも、怒りをぶつけることを優先するような)
“百舌鳥”:「……」
“百舌鳥”:“百舌鳥”の身体にも炎が這い上がっていく。衣服が焦げ、露わになった素肌は如何なる遺産によるものか、鋼鉄と生身が入り混じったような異形の姿となっている。
“百舌鳥”:「……5年だ」
“百舌鳥”:周囲に白銀の弓めいたシルエットが現れる。それは戦いの道具ではない。獲物を一方的に狩り取る、狩猟者の権能──遺産、“ユム・カアシュの腑”。
“百舌鳥”:「僕の全ては、この瞬間の為にあった」
“百舌鳥”:引き絞られた弦から遺産が解き放たれる。装飾を施された槍がミランダの胸を深々と貫いた。
ミランダ・ローウィン:「かはっ……!!」
ミランダ・ローウィン:穿たれた胸が、炎へと置換される。一度きりの緊急手段。槍を引き抜き、距離を取る。
ミランダ・ローウィン:「ごっ……」
ミランダ・ローウィン:「5年も前のことに囚われて……人生を無為に浪費するなど、間違っていますよ!!!!」
ミランダ・ローウィン:「人は前に進むべきなのです!!!!戻らぬ過去のことは忘れ、あなたも未来を見据えて歩くべきなのです!!!!!」
雨宮珀亜:「………」不気味な程に押し黙る。元より感情を奥に仕舞い込んだその瞳が、急速に冷たさを帯びていく。
雨宮珀亜:フシュルル……と、爬虫類のように無機質な呼吸をただ繰り返し、爆炎に立つ女を睨みつける。
“百舌鳥”:「……それ以上」
“百舌鳥”:遺産の同調が急激に高まっていく。鉄と鋼の侵蝕が、首元まで這い上がってくる。
“百舌鳥”:「喋るな」
皆方アイリ:「……」 百舌鳥とミランダ、そして雨宮さんの方をちらりと伺って。
皆方アイリ:(一応仕事だからなぁ)
皆方アイリ:胸の中の苛立ちを吐息に乗せて吐き出す。私情が混ざることは否定できないが、捕らわれるわけには行かない。
皆方アイリ:「そっちはお任せしますよ、雨宮さん」
皆方アイリ:展開した魔眼達は群れを成し、"ドレッドノート"の上空へ。
皆方アイリ:常の8つではなく、数を減らした5つ。描くのも円ではなく、少し歪なWの形。
皆方アイリ:数と安定性で劣る代わりに、形を模すことで出力を補う。彼女の技の由来となったカシオペヤ座。
皆方アイリ:「いい加減止まってもらいますよ」
皆方アイリ:重力場展開。その巨体を潰すことはかなわずとも、動きを止めるには充分。
皆方アイリ:そして動きさえ止められれば、その先は皆方の仕事ではない。
“ドレッドノート”:「うぐぅうっ……!!」
“ドレッドノート”:「お……重いです……やめてぇえ……」
逢河雷魚:顔を上げようとした“ドレッドノート”の眼前が、大顎を開いた影の群れで埋め尽くされる。
逢河雷魚:蛇の威嚇のような不気味な鳴き声と共に、無形遺産“荒覇吐”──形を成せなかったレネゲイドビーイングの集合体、神の成り損ない達が喰らい付く。
逢河雷魚:己に欠けた何かを求めるかのように、我先にと貪欲に“ドレッドノート”の血肉を貪っていく。
“ドレッドノート”:「嫌ぁあああぁあっ!?やめて、やめてくださいぃいぃいい!!」
“ドレッドノート”:痛みに絶叫し、半狂乱で暴れ回る。
楫かなえ:『最後です』
楫かなえ:『せめて静かにしていてくれませんか』
楫かなえ:彼女を囲む黒壁のあちこちから、声。
“ドレッドノート”:「ひっ……!?」
楫かなえ:次いで、溜息。
楫かなえ:『そんなに動かれると、やりにくいのですが──まあ』
楫かなえ:唐突に、“ドレッドノート”の足元に虚無の顎が開く。
楫かなえ:『それならそれで、こうするまで』
楫かなえ:待ち受ける運命は落下。
楫かなえ:《猫の道》。戦場を己の領域とすれば、敵の立つその場を罠に変えられる。
楫かなえ:『この世は苦界。根付くもの全てを苛む無間の地獄』
楫かなえ:『厭離穢土──此処はその具現。生きようと足掻き続ける限り、苦難はけしてあなたを逃がさない』
楫かなえ:落ちる“ドレッドノート”の体に、冬の風めいた冷たさが触れる。落とし穴の底に張られたワイヤー。
“ドレッドノート”:「ひぃいぃっ!?わぁああぁあぁあああっ!?」
楫かなえ:先の発展形だ。彼女自身の質量を用いるのは同じ。だが此度はそれが、皆方アイリの星団によって何倍にも増している。
“ドレッドノート”:巨体がワイヤーによって切り裂かれ、夥しい鮮血が噴き出す。
“ドレッドノート”:「きゃあぁああぁああああっ!!」
“ドレッドノート”:激痛とダメージで、徐々に獣化が解けていく。
“ドレッドノート”:「こ……こわい……」
アビー・ケリー:「怖い……です……」
アビー・ケリー:「助けて……」
アビー・ケリー:「ミランダ……さん…………」
アビー・ケリー:体積の縮小によってワイヤーから外れ、落下して動かなくなる。
ミランダ・ローウィン:「アビーさん……!!!!」
五十嵐トーコ:戦輪をスナップする。
五十嵐トーコ:「あと一人だね」
雨宮珀亜:「………」言葉を発すること無く、腕を掲げる。
雨宮珀亜:再び全身が結晶化し、蜥蜴を模した甲冑を纏う。
雨宮珀亜:身長の数倍の長さを持つその尾は、節の一つ一つが鋭利な刃となり連なった蛇腹剣。
雨宮珀亜:甲冑が組み変わり、すべての装甲が右腕へと集約される。
雨宮珀亜:それ全体が巨竜の尾の様になり、人薙ぎでこの変電所を更地に変えられるほどの巨大な鞭剣を
雨宮珀亜:「おおおおおおお!!!!!!」
雨宮珀亜:ミランダへ向けて力任せに振り下ろす。
雨宮珀亜:鞭剣はのたうち回り周囲を破壊しながら、彼女を轢き潰さんと迫る。
ミランダ・ローウィン:「ッあぁあっ……!!」
ミランダ・ローウィン:炎の残影と火の粉を残し、ミランダの身体が瞬時に移動する。極端な低姿勢、がりがりとアスファルトを削り溶かしながら雨宮のもとへ駆ける。
ミランダ・ローウィン:「ガードを……解きましたね!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「今です!!!喰らえええぇえええーーーーっ!!!!!!!」
ミランダ・ローウィン:爆炎を凝縮し、雨宮に叩きこもうとして──
雨宮珀亜:「ハッ……!」口角が歪む
楫かなえ:──そこへ、闇が迫る。
楫かなえ:触手めいて領域の壁から伸びた幾本もの影が、絡みつき、撚り合わさり、炎の輝き諸共にミランダ・ローウィンを包み込んでいく。
ミランダ・ローウィン:「な────」
楫かなえ:『どうにも、話は通じないようですから』
楫かなえ:『直接お見せいたしますね』
楫かなえ:『あなた以外のひとの物の見方。わたくしの心の内を』
楫かなえ:暗黒と化した視界の中、声が響いて。
楫かなえ:やがて、過去が映し出される。
楫かなえ:
楫かなえ:ある日の記憶。
楫かなえ:整列させられた子供たちの中から、無造作に選ばれたひとりが連れて行かれる。その子と目が合う。
楫かなえ:たすけて、と叫ばれる。煤と垢で汚れた頬に、さらに涙を上塗りして。虚しく両足をばたつかせ、肩が外れそうなほど手を伸ばして。
楫かなえ:それを見て、思う。
楫かなえ:(無責任に縋らないで。逆らわせて同じ目に遭わせたいの?)
楫かなえ:別の日。
楫かなえ:子供たちがひしめく部屋に、“使用済み”の子が投げ込まれる。
楫かなえ:酷い臭いがした。彼は四肢の先がそれぞれ何かの動物に挿げ替えられていて、継ぎ目の雑な縫い跡から嫌な色の液体が滲んでいて、小さな虫がたかっていて、意味のわからないことをふしゅふしゅと呟くばかりだった。
楫かなえ:(汚い。おぞましい。見たくない)
楫かなえ:やがて、わたしは救われた。
楫かなえ:外の世界。そこでも感じることは変わらなかった。
楫かなえ:みな同じだった。いやらしい汁を詰め込んだ生肉の塊がひとりでに動くもの。ひとは誰だってそうなのだと学んだ。
楫かなえ:それがこちらを見る。息を吐く。触ってくる。何事かを話す。悪臭、雑音、薄っぺらな笑み、いらつく声音に心無いことば!
楫かなえ:気持ち悪い。お腹の下の方がぐるぐるして、掻き混ぜられたはらわたが腐って溶けて、ぜんぶ吐き出してしまいそう。
楫かなえ:(そうか)
楫かなえ:(わたしだって、そうなんだ)
楫かなえ:嫌悪感。生理的な拒絶。ひとに対するそれは、畢竟、自分自身とて例外にできるものではない。
楫かなえ:楫かなえの抱えるそれと同じものを。
楫かなえ:因子を介して、この一瞬、ミランダ・ローウィンにも共有させる。
ミランダ・ローウィン:「……う、ッ…………!?」
楫かなえ:生きているひとが許せない。自分の体の中にあるものが気持ち悪い。その思いで塗り潰す。
ミランダ・ローウィン:「な……」
ミランダ・ローウィン:「……何、ですか……これは…………!」
ミランダ・ローウィン:戸惑いと怖気、吐き気を覚え、その場で動きを止める。
ミランダ・ローウィン:「私は……私に……何を…………!」
雨宮珀亜:その額に、冷たい何かが触れる。
雨宮珀亜:ミランダの頭蓋が、大きな腕に掴まれている。
ミランダ・ローウィン:「ッ……!?」
雨宮珀亜:それは筋骨隆々とした雨宮の体躯とはあまりにアンバランスな、枯れ枝のように痩せた細った骨と皮だけの腕。
雨宮珀亜:傍らには巨大な鞭剣がそのまま打ち捨てられている。即ちこれは、装甲義肢に内蔵されていた本来の"遺産"。
雨宮珀亜:『サイコルスの極指』。呪いの冷光を纏った極死の指先が、今むき出しとなってその姿を晒している。
雨宮珀亜:この腕が纏う装甲は、その力をより汎用的な手段に活用する兵器であると同時に
雨宮珀亜:絶対零度の更に下限を突破する異形の冷光が漏れ出さないよう封じる蓋でもある。
雨宮珀亜:「蜥蜴の尻尾は切り離せるって知ってるだろ」
雨宮珀亜:「もっとも僕の場合、逃げるためには使わない」
雨宮珀亜:遺産の腕がぎりぎりとミランダの頭を締め付ける。
ミランダ・ローウィン:「がっ……あぁぁあっ……!?!?」
ミランダ・ローウィン:炎を噴き出す腕で、雨宮の義肢を掴んで抵抗する。
雨宮珀亜:「これが"僕ら"の狩りのやり方だ」
雨宮珀亜:その指先から、虹色の極光が溢れていく。
雨宮珀亜:吹き出した炎はその光に吸い込まれる様に勢いを弱めていき
雨宮珀亜:やがて周囲の炎も、ミランダ自身の体温さえも
雨宮珀亜:その精神に燻る歪んだ情熱すら、氷の中に閉ざしていく。
ミランダ・ローウィン:「あ……あぁ……」
ミランダ・ローウィン:「わ……私……は……」
ミランダ・ローウィン:紅の炎が、次第に燻り、消えていく。
ミランダ・ローウィン:「必ず……正義……を…………」
ミランダ・ローウィン:「………………」
ミランダ・ローウィン:がくん、と意識を失う。
雨宮珀亜:「……アンタの正義がどんなもんだろうと、僕たちにはこう言う権利がある」
雨宮珀亜:「一人でやってろ。迷惑だ」
雨宮珀亜:極低温状態で活動を停止したミランダを、地に組み伏せる。
雨宮珀亜:「対象、確保」
五十嵐トーコ:「……はぁ~~……きつかったッスね~マジで!」大きく伸びをする。
五十嵐トーコ:「かなっちおつかれ~」
楫かなえ:「……ええ。ひとまず」
楫かなえ:姿を晒すが、表情は硬い。展開した領域も維持したままだ。
楫かなえ:未だ気にかかる相手が残っている。
逢河雷魚:「……皆方。平気か」
皆方アイリ:「身体も侵蝕も問題ないですよ。先輩こそだいじょぶです?」
逢河雷魚:「あんだけ言われて無茶出来るか……」
皆方アイリ:「なら良かった。後処理が終わったらゆっくりお話出来ますね」
逢河雷魚:「………………」
GM:……ガリッ
GM:ガリガリガリガリガリガリガリガリ……
GM:金属がアスファルトを引っ掻く音が響く。
雨宮珀亜:「……」音のする方向へ視線を向ける
GM:携えた槍を引き摺りながら、“百舌鳥”が倒れたミランダへと──その前に立つ雨宮へと歩み寄る。
“百舌鳥”:「………………」
“百舌鳥”:「……どけ」
雨宮珀亜:「………」立ったまま動く気配はない。打ち捨てられた装甲が霧散、再結晶化し、再び右腕に纏われる。
雨宮珀亜:「早いもの勝ちだって言ったはずだぞ」
“百舌鳥”:「聞き入れた覚えは無い」
楫かなえ:(……やはり……)目を伏せる。
雨宮珀亜:「ならもう一度言ってやる」
雨宮珀亜:「こいつには然るべき場所で罰を受けさせる」
雨宮珀亜:「今は殺すな」
“百舌鳥”:「……気でも狂ったのか?雨宮」
“百舌鳥”:「そいつは渡良瀬を殺したんだぞ」
“百舌鳥”:「裏切者の汚名を着せて!!渡良瀬を殺した奴なんだぞ!!」
“百舌鳥”:「そんな奴生かしておいて何になる!!」
雨宮珀亜:「……別に僕だって生かしたいわけじゃない」
雨宮珀亜:「けど、ここでお前がこいつを殺した所で」
雨宮珀亜:「晴れるのは僕とお前の気持ちだけだろ」
雨宮珀亜:「……こいつは渡良瀬以外にも何人も殺してるはずだ」
雨宮珀亜:「先ずはそいつを洗いざらい明らかにしなきゃならない」
“百舌鳥”:「だからだろ」
“百舌鳥”:「全部この時の為にやってきた」
“百舌鳥”:「頭のおかしいFH連中に、身体を好き放題弄らせたのも」
“百舌鳥”:「幾つも遺産を奪って、その全部と契約したのも」
“百舌鳥”:「“ネロ”なんかと取引して、この街に呼び寄せたのも」
“百舌鳥”:「ダブルクロスを何人も始末したのも」
“百舌鳥”:「全部、この時の為だ」
“百舌鳥”:「今、この事件にはかつて無いほどの注目が集まってる」
“百舌鳥”:「“ネロ”だろうと、ミランダとそのシンパだろうと、揉み消すのは不可能なほどに」
“百舌鳥”:「だからわざわざ、予告殺人なんてしたんだ」
“百舌鳥”:「今こいつが死ねば、こいつこそが本当の裏切り者だと知らしめることが出来る」
“百舌鳥”:「そしてこいつに嵌められ、殺されてきた人達の────」
“百舌鳥”:「渡良瀬の名誉も、取り戻すことが出来る」
雨宮珀亜:「………」
雨宮珀亜:「……なるほど。確かにな」
“百舌鳥”:「……だから、どけよ。雨宮」
“百舌鳥”:槍の切っ先を、君へと向ける。
“百舌鳥”:「そいつはここで、殺さなくちゃ駄目なんだよ」
雨宮珀亜:「全部合点がいったよ。UGNを離れたお前が、確実にこいつの罪を暴くなら今この瞬間しかない」
雨宮珀亜:「けどそれは、お前が殺す場合は、って話だろ」
“百舌鳥”:「……何?」
雨宮珀亜:「僕達臨時査察部は本部4課の分局だ。名目上は本部エージェントと同等。頭を失ったこいつのシンパ如きにどうこうされる様な組織じゃない」
雨宮珀亜:「有り難いことに証拠は山程揃っているしな」
雨宮珀亜:「……敷島。言い方が悪かったな」
雨宮珀亜:「こいつは僕に殺させろ」
雨宮珀亜:「ただし、僕のやり方でだ」
“百舌鳥”:「……そいつはジャームじゃないぞ」
“百舌鳥”:「現行の法律では、オーヴァードを裁くことは難しい」
“百舌鳥”:「もし殺せなければ、いずれまた渡良瀬と同じような犠牲者が出るかもしれない」
“百舌鳥”:「俺は……」
“百舌鳥”:「……俺が今、ここで殺すしかないんだよ」
“百舌鳥”:「どうせもう、何人も殺してきた」
“百舌鳥”:「最後にそいつさえ殺せば、大人しく裁きは受ける」
“百舌鳥”:「……頼むよ、雨宮」
“百舌鳥”:「友達として、最後の頼みだ」
GM:“百舌鳥”にミランダを殺させた場合、このままバックトラックに移行します。
GM:“百舌鳥”にミランダを殺させるのを拒む場合、クライマックス戦闘2が発生します。
雨宮珀亜:「……最後、か」口元が寂しげに綻ぶ。
雨宮珀亜:「……現行の法律では、オーヴァードを裁くことは難しい。だったな」
雨宮珀亜:「お前はどうなんだ?敷島」
“百舌鳥”:「……」
雨宮珀亜:「5年は確かに長かった」
雨宮珀亜:「ここまで来るのが遅すぎたって、僕だって思うよ。けど」
雨宮珀亜:「……まだ引き返せるんじゃないのか?」
“百舌鳥”:「……何を、馬鹿な……」
“百舌鳥”:「もう、戻れない。全部あの日に終わったんだよ、雨宮」
“百舌鳥”:「渡良瀬が殺されたあの日に。僕はもう戻れない。引き返せない」
“百舌鳥”:「最後までやるしか、無いんだ」
雨宮珀亜:「……なら」
雨宮珀亜:「なら、わかった。確かに進んできた道は戻れないし」
雨宮珀亜:「犯した罪は消えない……それでも」
雨宮珀亜:「……お前をこの先には行かせない」
“百舌鳥”:「……それに……一体そんなことに、何の意味があるっていうんだよ」
雨宮珀亜:「敷島、お前にとっては手遅れかもしれない……けれど」
雨宮珀亜:「僕にとっては最後のチャンスなんだ」
“百舌鳥”:「……何……?」
雨宮珀亜:「今こいつを殺したら、お前は明確にUGNの敵になる」
雨宮珀亜:「単純にUGNの職員を殺したからって意味じゃないぞ。その点で言えば、ダブルクロスとはいえもう何人も死んでるしな」
雨宮珀亜:「お前はこの5年間、こいつを殺すために他のすべてを捨てて来た」
雨宮珀亜:「お前に残っているのは復讐だけだ。きっと、こいつへの憎しみという最後の縁が満たされた時」
雨宮珀亜:「お前は、ジャームになる」
“百舌鳥”:「…………」
雨宮珀亜:「そしたら、いよいよ僕は一人ぼっちだろ」
雨宮珀亜:「……頼むよ、敷島」
雨宮珀亜:「こんなやつのために」足元を指差す
雨宮珀亜:「渡良瀬を殺した奴なんかのために人生棒に振るなんて、間違ってる」
雨宮珀亜:「お前はこの先には行かせない。代わりに」
雨宮珀亜:「僕と一緒に来い」
雨宮珀亜:左手を敷島に差し出す。
“百舌鳥”:「……」
雨宮珀亜:「僕の友達なんて、お前ぐらいしかいないんだぞ」
“百舌鳥”:差し出されたその手に、視線を落として。
“百舌鳥”:それから槍を握る自らの手、遺産により体温の無い鉄と鋼に変わり果てた手を見つめる。
“百舌鳥”:「……ははっ」
“百舌鳥”:「やっぱり、あの時……」
“百舌鳥”:「君と一緒に行かなくて、正解だったよ」
“百舌鳥”:──ぎしり、と。
“百舌鳥”:“百舌鳥”の背に翼が展開する。空間が引き裂かれ、その場だけ切り取られ夜になったかのような漆黒が覗く。
雨宮珀亜:「……」その言葉を半ば予想していたように、静かに唇を噛む
“百舌鳥”:「それなら、力尽くで押し通る」
“百舌鳥”:「邪魔をするなら、誰であろうと──」
“百舌鳥”:「雨宮。君だろうと、容赦はしない」
雨宮珀亜:開いたままだった左の拳を握り込む。
雨宮珀亜:「……望むところだ」
“百舌鳥”:幾つもの遺産の共鳴。解放された膨大なレネゲイドが撒き散らされ、周囲に嵐のように吹き荒れる。
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:その姿を見つめ。
逢河雷魚:「……悪い」
逢河雷魚:「……俺には出来ねえ」
逢河雷魚:身体に纏っていた影が、ふっと掻き消え霧散する。
皆方アイリ:「了解です」 理由を聞くでもなく、ただ頷いて。
皆方アイリ:「なら、侵蝕上がらないようちゃんと下がっててくださいね」
逢河雷魚:「…………。……ああ」
逢河雷魚:“百舌鳥”が裁かれるべきなのも、止めなくてはならないのも、よく分かっている。
逢河雷魚:だがその気持ちは──牧田コウタを救えなかった逢河には、その気持ちが痛いほど理解できる。
逢河雷魚:そして“百舌鳥”は、紛れもなく逢河の命を救った相手だ。
逢河雷魚:“百舌鳥”が居なければ、逢河は今ここにはいない。
逢河雷魚:どちらの邪魔もせず、ただ見守る。それが今の逢河に出来るぎりぎりの答えだった。
ジャクリーヌ・デスタン:「……私も」
ジャクリーヌ・デスタン:「自分で手を下して、そいつと同じところまで堕ちる気は無いけど──」
ジャクリーヌ・デスタン:「助けてやる義理なんて、無い」
ジャクリーヌ・デスタン:腕の変形を解除して、ミランダを一瞥し息を吐く。
リオ・グッドマン:「ん。そっすか」
リオ・グッドマン:その言葉に、肯定的な意も、否定的な意も示す訳ではなく
リオ・グッドマン:何でもない、ただの報告かのように受け取って
リオ・グッドマン:「んじゃ、アンタらの分まで働くっすよ」
リオ・グッドマン:こちらも、何でもない報告のようにそう返す。
リオ・グッドマン:「各々の事情は、各々の事情っつー事で」
リオ・グッドマン:「本文には、関係の無い話っすから」
リオ・グッドマン:そう、快活に言い放って、”百舌鳥”へと銃口を向ける
楫かなえ:「……あなたは?」
楫かなえ:強いて顔を上げ、五十嵐トーコに視線を向ける。
楫かなえ:「いい加減、へばったのではないですか」
五十嵐トーコ:「あたし?」
五十嵐トーコ:「あーしは全然大丈夫っすけど。何何、心配してくれてんの?かなっち」
楫かなえ:「……。平気ならそれで構いません」
五十嵐トーコ:「そっちこそだいじょぶ?顔白いよ~」
楫かなえ:「っ」
楫かなえ:「元から、です」
楫かなえ:だん、と苛付いたように地を踏み締める。
五十嵐トーコ:「あははは!かわい~~」
楫かなえ:実際は、今にも力が抜けそうな膝の震えを止めるための仕草。
楫かなえ:──こんなひとよりも先に、脱落してなるものか。
五十嵐トーコ:「確保寸前で容疑者殺害なんて、二連続でさせるわけにはいかないっしょ~」
五十嵐トーコ:「しゅーちゃんに良いとこ見せんでしょ?頑張りなよ~」
楫かなえ:ふうう、と長い息を吐く。揺らめく影の壁が、今一度その濃度を増す。
楫かなえ:「言われなくても」
皆方アイリ:百舌鳥へと向き直っていく査察部の面々へ並ぶように、一歩前へ踏み出す。
皆方アイリ:「……正直、そっちの人が死ぬこと自体はあたしも胸は痛みません」
皆方アイリ:「先輩の命の恩人へ力を振るうのも気は進まないし、その動機を思えば共感だって出来ます」
皆方アイリ:指を折りながら理由を数えた後。
皆方アイリ:「でも、これはお仕事です。あたしは査察部に協力中のチルドレンです」
皆方アイリ:「査察部の皆さんには事件中お世話になりました」
皆方アイリ:理由を上げる度に追った指を戻していく。
皆方アイリ:「そしてごく個人的な理由として」
皆方アイリ:「大切な人と戦わないといけない。そんな状況に少しの身の覚えがありまして」
皆方アイリ:脳裏に浮かべたのは、今は更生施設に居る姉の姿。
皆方アイリ:「微力ながらお力添えしますよ、雨宮さん」
皆方アイリ:願わくば、今回の結末も。自分と姉のように救いあるものになりますように。
皆方アイリ:そんな思いを秘めながら、いつもの通りの表情で彼へ笑いかける。
雨宮珀亜:「フン……」背後から向けられる言葉に、少しだけ表情を崩して。
雨宮珀亜:右腕を真横に掲げて、拳をゆっくりと握り込む。
雨宮珀亜:「……敷島、お前が殺してきた裏切り者共と、僕等を一緒にするなよ」
雨宮珀亜:「こんな事、薄ら寒くて一度も、お前にも渡良瀬にも言ったことなかったけどな」
雨宮珀亜:それは、抱えきれない程の多くを救うために、最小の犠牲をうず高く積み重ねる、最善を求める欲望のことなのか
雨宮珀亜:それとも、やがてくる最悪を遠ざけるために、腐った芽を摘み続けるシステムのことなのか
雨宮珀亜:きっと、そのどちらにも含まれている。ただ尺度が大きくなりすぎて、不純物に埋もれてしまっているだけなのだ。
雨宮珀亜:それはきっと、来ることのない迎えを待つ子供に、差し伸べるような
雨宮珀亜:飛び続けて疲れ果てた鳥の、止り木となるような
雨宮珀亜:そんな、ちっぽけな手のひらに握られているものの筈だから
雨宮珀亜:「実のところ、僕達は正義の味方なんだ」
雨宮珀亜:「今助けてやるよ。敷島涙」
“百舌鳥”:「……」
“百舌鳥”:傷付いた腕で、静かに槍を構える。
“百舌鳥”:雨宮を見据えるその瞳は、家路を失くした迷子にも、地に墜ちた一羽の鳥にも見えた。
GM:クライマックス戦闘2を開始します。
【Climax2/片羽の百舌鳥】
GM:この戦闘ではNPCカード 逢河雷魚、ジャクリーヌ・デスタンが使用不能になります。
GM:また、特殊ルールが設定されています。
GM:“百舌鳥”は複数の遺産と契約し、デメリットをメリットで打ち消すことで強力な力を得ています。
GM:この均衡は繊細なバランスで保たれており、一つでも欠ければ統制は失われます。
GM:皆さんは“百舌鳥”を攻撃をする際、遺産を選択して狙うことが可能です。
GM:遺産にはそれぞれ耐久力が設定されており、耐久力以上のダメージを受けると破壊されます。
GM:また、遺産の耐久力以上のダメージを与えた場合、余剰ダメージはそのまま“百舌鳥”のHPへのダメージになります。
GM:通常通り、遺産を狙わずに“百舌鳥”本体を攻撃することも可能です。
GM:“百舌鳥”が所持している遺産は以下の通りです。
“ツェペシュの魔槍”
耐久30
攻撃によって1点でもダメージを与えた際、自身のHPを40点回復する。
ガード値-10
“壊れた神の血”
耐久40
装甲値+10、ガード値+20
行動値-5
“ユム・カアシュの腑”
耐久60
全ての攻撃の射程を『視界』、対象を『シーン(選択)』に変更する。
メジャーアクションのダイス-10個
“魂喰らいの指環”
耐久20
メジャーアクションのダイス+20個
攻撃対象が2体以下の時、攻撃力-20
“ビレイグの失眼”
耐久20
メジャーアクション判定のC値を-2する。
メジャーアクション判定時、10点のHPを失う。
“拾参辰刻”
耐久30
行動値+20
メジャーアクション判定のC値を+1する。
エンゲージ []内は行動値
“百舌鳥”[24]
(10m)
雨宮[0]リオ[8]楫[5]皆方[6]
GM:戦闘を開始します。
GM:ラウンド1
GM:セットアップから!
楫かなえ:なし!
雨宮珀亜:なし!
皆方アイリ:灰色の庭Lv6→行動値-18、対象百舌鳥!
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を2増加 (173 → 175)
“百舌鳥”:《加速装置》LV3
“百舌鳥”:行動値+12
リオ・グッドマン:《ファンアウト》セットアップでの戦闘移動を可能にします。対象はPC全員
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を4増加 (150 → 154)
リオ・グッドマン:後方に5m下がります
皆方アイリ:後方に2m分下がります
雨宮珀亜:私はこのまま残ります!
楫かなえ:同じく残ります
エンゲージ []内は行動値
“百舌鳥”[18]
(10m)
雨宮[0]楫[5]
皆方[6]
リオ[8]
GM:イニシアチブ 行動値18、“百舌鳥”の手番です
“百舌鳥”:マイナーなし
“百舌鳥”:メジャー 《コンセントレイト:ノイマン》LV4+《急所狙い》LV6+《コンバットシステム:白兵》LV4+《スキルフォーカス:白兵》LV4+《デュアルデュエル》LV4+《マルチターゲット》LV6+《マルチウェポン》LV6+《ヴァリアブルウェポン》LV2+《アタックプログラム》LV6
“百舌鳥”:対象PC全員
楫かなえ:《異世界の因子》
楫かなえ:皆方さんが使用した《時の棺》を取得し、このタイミングで使用して攻撃を失敗させます
GM:何だとぉ…………
GM:では失敗します
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を15増加 (143 → 158)
GM:イニシアチブ
“百舌鳥”:《分割思考》
“百舌鳥”:行動値-10、行動値8で未行動になります
GM:イニシアチブ 行動値8、リオさんの手番です
リオ・グッドマン:オートでウェポンケースからボルトアクションライフルを装備
リオ・グッドマン:マイナー使用して判定達成値+5
リオ・グッドマン:メジャーで《C:ノイマン》《コントロールソート》対象は”壊れた神の血”
GM:判定どうぞ!
リオ・グッドマン:9dx7+16
DoubleCross : (9DX7+16) → 10[1,2,2,2,3,3,6,7,8]+10[1,10]+10[10]+6[6]+16 → 52
リオ・グッドマン:a,
リオ・グッドマン:ここに+6されて58です
“百舌鳥”:エフェクト無しでガードします
皆方アイリ:バデムします?
リオ・グッドマン:これバデム貰える…?
皆方アイリ:じゃあバデム!
リオ・グッドマン:あざす!繰り上がって61で
リオ・グッドマン:7d10+8
DoubleCross : (7D10+8) → 52[8,3,10,10,7,9,5]+8 → 60
リオ・グッドマン:なんだこのダメージ
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を4増加 (154 → 158)
GM:ウギャーッ!?
GM:いや……
GM:ガード値12、装甲10なので
GM:2点だけ残ります
雨宮珀亜:オイオイオイ
リオ・グッドマン:うわマジか
GM:行動値8、“百舌鳥”の手番です
GM:メジャー 《コンセントレイト:ノイマン》LV4+《急所狙い》LV6+《コンバットシステム:白兵》LV4+《スキルフォーカス:白兵》LV4+《デュアルデュエル》LV4+《マルチターゲット》LV6+《マルチウェポン》LV6+《ヴァリアブルウェポン》LV2+《アタックプログラム》LV6
“百舌鳥”:メジャー 《コンセントレイト:ノイマン》LV4+《急所狙い》LV6+《コンバットシステム:白兵》LV4+《スキルフォーカス:白兵》LV4+《デュアルデュエル》LV4+《マルチターゲット》LV6+《マルチウェポン》LV6+《ヴァリアブルウェポン》LV2+《アタックプログラム》LV6
“百舌鳥”:対象PC全員
皆方アイリ:ちょっと相談したいです!
GM:はい!
皆方アイリ:相談完了!先輩へのSロイスを昇華して時の棺の使用回数を回復、その後もう一発棺撃ちます!
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を10増加 (150 → 160)
GM:くっ……では判定失敗!
GM:行動値6 皆方さんの手番です
皆方アイリ:マイナー無し、メジャーでコンボ行きます。
皆方アイリ:quark star:インビジブルハンドLv3+暴君の槌Lv7+コンセントレイト:バロールLv5
皆方アイリ:→飛行状態解除、攻撃力+24、侵蝕+9
皆方アイリ:あと行動値がさらに3下がりますね エフェクトレベル上がったので
GM:ギャーッ 判定どうぞ!
皆方アイリ:13dx7+8
DoubleCross : (13DX7+8) → 10[1,2,2,3,4,5,6,6,7,7,8,8,9]+10[2,6,8,8,10]+10[1,5,10]+10[8]+1[1]+8 → 49
皆方アイリ:よっし!良い回転!
GM:あっ本体殴りでいいですか?
皆方アイリ:あ、神の血狙います!
GM:了解です
“百舌鳥”:ガード
GM:ダメージどうぞ!
皆方アイリ:5d10+24
DoubleCross : (5D10+24) → 23[1,2,1,10,9]+24 → 47
GM:くっ……
GM:“壊れた神の血”が破壊されます
皆方アイリ:やった
GM:効果:装甲値+10、ガード値+10 行動値-5が消失
GM:本体にもダメージが入ります。
GM:行動値5 楫さんの手番です
楫かなえ:はい!
楫かなえ:マイナーで戦闘移動、《縮地》。1m前進します。
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を2増加 (158 → 160)
楫かなえ:メジャーで【落とし穴】《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》
楫かなえ:五十嵐さんのNPCカードも使い、“ユム・カアシュの腑”を狙って攻撃します。
GM:判定どうぞ!
楫かなえ:22dx6+5
DoubleCross : (22DX6+5) → 10[1,1,1,3,3,4,4,4,4,4,5,6,6,7,7,7,8,8,9,9,10,10]+10[1,2,2,3,3,4,4,4,5,7,9]+10[1,8]+2[2]+5 → 37
“百舌鳥”:“ツェペシュの魔槍”のデメリットでガード値が2なので……
“百舌鳥”:ドッジします
“百舌鳥”:14DX>=37
DoubleCross : (14DX10>=37) → 7[1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,6,7,7,7] → 7 → 失敗
GM:ダメージどうぞ!
楫かなえ:4d10+32
DoubleCross : (4D10+32) → 18[9,1,7,1]+32 → 50
楫かなえ:クッ……
GM:“ユム・カアシュの腑”残り耐久力10!
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を4増加 (160 → 164)
GM:行動値0 雨宮さんの手番です
雨宮珀亜:マイナー《自在刃》LV2 ラウンド中素手による攻撃力にガード値を加算
雨宮珀亜:メジャー《伸縮碗》LV3《ラバーアームズ》LV2《コンセントレイト:エグザイル》LV4
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を2増加 (141 → 143)
GM:判定どうぞ!
雨宮珀亜:対象はユム・カアシュの腑!
雨宮珀亜:10dx7+1
DoubleCross : (10DX7+1) → 10[1,1,3,5,7,8,8,9,9,10]+10[3,5,5,6,7,9]+10[6,7]+10[8]+5[5]+1 → 46
雨宮珀亜:よし回った
“百舌鳥”:14DX>=46 ドッジ
DoubleCross : (14DX10>=46) → 9[2,3,4,4,5,5,6,6,6,7,7,8,9,9] → 9 → 失敗
GM:ダメージどうぞ!
雨宮珀亜:5d10+34+1d10
DoubleCross : (5D10+34+1D10) → 22[6,1,7,3,5]+34+9[9] → 65
“百舌鳥”:《電磁反応装甲》LV6
雨宮珀亜:オイオイオイオイ
“百舌鳥”:3回使ってダメージ-60します
リオ・グッドマン:おい!
楫かなえ:許されないぞ
皆方アイリ:えぐい手を!
“百舌鳥”:“ユム・カアシュの腑” 残り耐久力5
“百舌鳥”:かつて世界には、今は失われた本物の夜があったのだという。
“百舌鳥”:神代の昔、人ならざる魔が闊歩した時間。存在しないはずのその刻を封じ込めた遺産、“拾参辰刻”。
“百舌鳥”:あり得ざる時間の歪みは、尋常の重力から契約者を開放する夜の翼となって顕現し、神速の機動を可能とする。
“百舌鳥”:超加速の負荷で、真紅の左眼から血涙が流れる。赤く染まる視界。それでも遺産“ビレイグの失眼”は、肉眼より遥かに鮮明に敵の動作を把握している。
“百舌鳥”:「止められるものかよ……」
“百舌鳥”:“ユム・カアシュの腑”が掻き立てる狩猟の衝動を、“魂喰らいの指環”が感情と共に喰らっていく。
“百舌鳥”:“ツェペシュの魔槍”は犠牲を顧みぬ諸刃の戦闘を強要するが、“壊れた神の血”が与える鋼鉄の肉体さえあれば、問題にはならない。
“百舌鳥”:「俺の全ては、今この瞬間の為だけにあった」
“百舌鳥”:「あんたらの覚悟で……及ぶわけないだろうがッ!!」
“百舌鳥”:無数の刃が空気を切り裂き、君達に迫る。
楫かなえ:『……ずるい』
楫かなえ:狂熱に冷えた囁きが差し込まれる。
楫かなえ:『五年間──ずっと、ひとりのために』
楫かなえ:『そんなに一途に。そんなに自然に』
楫かなえ:『だれかを想うことができるなんて』
楫かなえ:飛来する斬撃が、竦むように鈍る。
楫かなえ:大地にはスポンジめいた無数の穴。そこから発せられる引力が。
楫かなえ:見えぬ亡者の手で掴んで引き込むみたいに、刃の悉くを地に沈めていく。
“百舌鳥”:「何…………!」
楫かなえ:『許さない』
楫かなえ:皆方アイリのそれが天に輝く星ならば、
楫かなえ:ひとの立つ大地もまた天体。
楫かなえ:楫かなえが解釈する限り、それは永の思いをも踏み躙る酷薄さの象徴だ。
楫かなえ:『わたくしの前で、そんなものを見せつけないで』
楫かなえ:『嫌いです』
“百舌鳥”:「ッ……何だ、これ……!!」
“百舌鳥”:凄絶な破壊力を秘めた遺産は、しかし地面を深々と抉るに留まる。
“百舌鳥”:それらを手元に引き戻し、顔を顰める。
リオ・グッドマン:───理外の質量攻撃 人外を更に逸脱した挙動 複数の遺産契約
リオ・グッドマン:それら全てが、薄氷の上で不安定な均衡を保っているのであれば
リオ・グッドマン:その薄氷に穴を開ける。
リオ・グッドマン:”百舌鳥”が引き戻した刃、その流れに紛れるように
リオ・グッドマン:徹甲弾が、その身に纏う遺産の一つを穿ち抜いた。
“百舌鳥”:蠢く歯車の集合体めいた歪なタリスマンに、大きな亀裂が刻み込まれる。
“百舌鳥”:「ッ……!! こいつ……!」
リオ・グッドマン:「──5年越しの悲願っすか」
リオ・グッドマン:「まぁでも」
リオ・グッドマン:「それが、アンタに縄をかけない理由にはならないっすから。」
“百舌鳥”:「あんたもその女に騙されてたんだろうが!!」
“百舌鳥”:「憎いだろ!!分かっただろ!!そいつが救いようのないクズだってことがッ!!」
リオ・グッドマン:「そっすね。騙された、でも、それとこれとは話が別だ」
リオ・グッドマン:その言葉は、どこまでも”百舌鳥”には寄り添わず
リオ・グッドマン:「生かすか殺すか、正義か悪か」
リオ・グッドマン:「全部二択で片付くような単純な世界なら、”デスノート”なんて作品が流行る訳ないじゃないっすか」
“百舌鳥”:「何言ってんだ……!」困惑したように眉を顰める。
リオ・グッドマン:「ただ、悪い事には罰が下る」
リオ・グッドマン:「そんな秩序の匣だけは、守らねーと駄目だろ」
リオ・グッドマン:「───”天網恢々”ミランダ・ローウィンに落とし前を付けさせるのは俺達だ。脱走者に手は出させない。」
“百舌鳥”:「ああそうだ……あんた達が罰を下せないから、俺がやるしかないんだよ!!」
“百舌鳥”: “ユム・カアシュの腑”が展開する弦に、再び遺産がつがえられる。
“百舌鳥”:引き絞られるにつれてレネゲイドが増幅し、低い鳴動を轟かせる。
“百舌鳥”:「あんた達には関係無い……俺一人でやってることだ……」
“百舌鳥”:「罪も罰も、俺一人で背負ってやる……」
“百舌鳥”:「だから、放っておいてくれよ!!」
“百舌鳥”:甲高い異音。無数の遺産が放たれ、敵を穿たんと飛び来たる。
皆方アイリ:「残念ですが」
皆方アイリ:「放っておいてもらえるほど、貴方は孤独な人じゃないんです」
皆方アイリ:百舌鳥が失われた夜の中に居るのなら。その頭上で星が輝くのは必然だ。
皆方アイリ:ひと際大きい、煌めく星。しかしその姿がふいに掻き消える。
皆方アイリ:超新星爆発。星が最後に放つ輝き。しかし、星自体の外層がその光をかき消してしまう例も有るそうだ。
皆方アイリ:カシオペアAもその一つ。かつて自身だった塵に覆われ、誰に見られることもなく孤独に消えたと推測されている。
皆方アイリ:「貴方は、雨宮さんの友人で、先輩の恩人です」
皆方アイリ:「人を裁くのは法であるべきとか、人が人を罰するのは身に余るなんて話もありますが。それよりもっと単純に」
皆方アイリ:「あたしは貴方を罪人にしたくない。そんなワガママで貴方を止めます」
逢河雷魚:「……」目を細め、“百舌鳥”を見つめる。
皆方アイリ:一人夜を飛ぶ百舌鳥を、孤独な星にはさせない。
皆方アイリ:星のあった空間へと遺産が吸い込まれていく。多くは武器として使い捨てられる端末だろうが。
皆方アイリ:つい先ほど撃ち抜かれたタリスマンが負荷に耐えかねたように砕け落ち、破片が宙を舞っていく。
“百舌鳥”:「ッ……!!」
“百舌鳥”:契約を失い、鋼鉄へと侵された骨肉が、徐々に血の通ったものに戻っていく。
“百舌鳥”:「クソッ……!!どいつもこいつも……余計なお世話なんだよ……!!」
“百舌鳥”:「今更だ……全部……!!」
“百舌鳥”:「何もかも、今さら遅いんだよ……!!」
楫かなえ:「……」
楫かなえ:「ほんとうに、癪に障る人」
楫かなえ:地を蹴る。揺らめく黒い壁に飛び込むようにして、その中に体を溶け消えさせる。
五十嵐トーコ:“百舌鳥”の足元に、燃え盛る戦輪が突き刺さる。
五十嵐トーコ:一つ、二つ、……立て続けに八つ。円を描くように取り囲み、
五十嵐トーコ:その翡翠の炎が渦を巻き収束、中心の“百舌鳥”を呑み込む。
“百舌鳥”:「ぐ、あっ……!?」
五十嵐トーコ:「人遣いが荒いな~かなっちは」
五十嵐トーコ:「あたしじゃなきゃ合わせらんなかったよ?」
楫かなえ:『あなたでもギリギリ合わせられるようにしてあげたんです』
楫かなえ:あくまで減らず口を叩きながら、壁の内、隔てられた闇の中から、苦しむ青年の姿を見る。
楫かなえ:この世は苦界。根付くもの全てを苛む無間の地獄。
楫かなえ:厭い離れることこそ最上の道。付き合ってやる義理なんかない。
楫かなえ:(ああ、でも──)
楫かなえ:だれかに理不尽を押し付けて憚らない奴等は。
楫かなえ:あるいは平和の価値も知らない能天気な連中は。
楫かなえ:どう思う。わたしを。嘲笑うか。同情するか。気にも留めないか。道路に落ちたカラスの死体みたいに嫌な顔をして済ませるか。
楫かなえ:(いやだ)
楫かなえ:憐れむ眼差しも、ふやけた笑顔も、わたしを見るのも、見もしないのも。
楫かなえ:(許せない)
楫かなえ:それが、自分が未だ生きてここにいる理由であって。
楫かなえ:そしてまた、思う。
楫かなえ:(──「何でも分かるなら、僕は神様になってしまいますよ」)
楫かなえ:(なって、しまう)
楫かなえ:別段、意味のある言い回しではなかったのかもしれない。自分のような子供が抱く、こんな幼稚な反骨心とは、きっと無縁であったかもしれないが。
楫かなえ:(……わたしも、神様でなくていい。こんな酷い世界を押し付けてくるものと同じでありたくはない)
楫かなえ:(黙ってじっとしていれば、趣味の悪い運命に嬲られるだけだというのなら)
楫かなえ:(ひとのまま、少しでも否定してやる)
楫かなえ:『……あなたのこと、嫌いです。許さない』
楫かなえ:“百舌鳥”を挟む壁の両側から。
楫かなえ:『当たり前みたいに人を愛せるのに。雨宮さまだって大事に思っているくせに』
楫かなえ:苦悶の隙を突いて伸びた無数の鋼線が、その手にする弓の弦に絡んで。
楫かなえ:『いじけた子供の顔をして、勝手に諦めようとしないで……!』
楫かなえ:全力を以て、八つ裂きに引き千切る力を加える。
“百舌鳥”:「うぅっ……!?」
“百舌鳥”:豪奢な弓がみしみしと軋む。完全にへし折られる直前で、手にした刃でワイヤーを切断して逃れる。
“百舌鳥”:「黙れよ……!!あんたらに……あんたらに何が分かるって言うんだ……!!」
雨宮珀亜:「……わかるさ。お前の5年間を僕が知ることはない……それでも」
雨宮珀亜:「お前が変わってないってことは……わかる」
雨宮珀亜:百舌鳥が逃れた先、その背後で、蜥蜴の尾が蠢く。
雨宮珀亜:「戦う時の癖も変わらないな。逃げるならそこだと思っていた」
雨宮珀亜:何年も同じチームで過ごしてきた仲だ。手の内は向こうにすべて知られている。
“百舌鳥”:「ッ!!」瞠目する。
雨宮珀亜:逆に相手の武装は全て初見。それでも、変わらないものと、変わったものはある。
雨宮珀亜:こちらは速さ。5年の歳月、肉体を練磨し続けたのは、単純に自分の能力にとって最も有効に成長する手段だったからだ
雨宮珀亜:そして、如何に百舌鳥が遺産で装備を固めようと
雨宮珀亜:一人で戦う以上、戦闘の癖、守りの死角は存在する。
雨宮珀亜:自分は知っている。いつも、それをカバーするのが、自分の役割だったのだから。
雨宮珀亜:しなる鞭剣の切っ先が、弓の芯を確かに捕らえた。
“百舌鳥”:「チッ……!!」
“百舌鳥”:弾けるような音と共に、弓の輪郭がブレる。
雨宮珀亜:「何っ……?」
“百舌鳥”:“百舌鳥”の腕が瞬時に動き、自らの腕で鞭剣の刃を受け止めている。
“百舌鳥”:切り裂かれたのは皮と肉だけ。骨格は、強靭な鋼鉄と機械のそれへと改造されている。
“百舌鳥”:神経に負荷を掛けての強制駆動。微かに肉の焦げる匂いがする。
雨宮珀亜:「……馬鹿野郎……」
雨宮珀亜:その姿を見て、ただ小さく吐き捨てる。
“百舌鳥”:「……5年だ」
“百舌鳥”:血の色をした義眼と、冷たく冷めきった瞳が君を見据える。
“百舌鳥”:「5年の間……奴を捉えられなかった君を」
“百舌鳥”:「奴と“ネロ”を野放しにしてきたUGNを」
“百舌鳥”:「今更信じろって言うのか……!!」
“百舌鳥”:鞭剣を弾き飛ばし、再び槍を構える。
雨宮珀亜:「………」ただ黙してその姿を見上げる
GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
雨宮珀亜:なし!
楫かなえ:無!
リオ・グッドマン:なし!
“百舌鳥”:《加速装置》LV3
“百舌鳥”:行動値+12
皆方アイリ:灰色の庭Lv7→行動値-21、侵蝕+2、対象は百舌鳥
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を2増加 (160 → 162)
GM:-21やばすぎ
皆方アイリ:これがピュアバロールの強さ
“百舌鳥”:素が9 “壊れた神の血”が壊れたのでマイナスがなくなり“拾参辰刻”で+20
“百舌鳥”:差し引き行動値20になります
楫かなえ:加速装置は?
GM:C(9+20+12-21)
DoubleCross : c(9+20+12-21) → 20
GM:で20です
雨宮珀亜:入ってた
楫かなえ:なるほどね いややっぱり早いが……
皆方アイリ:21減らして20なのヤバ
GM:イニシアチブ
“百舌鳥”:行動値20 “百舌鳥”の手番です
“百舌鳥”:メジャー 《コンセントレイト:ノイマン》LV4+《急所狙い》LV6+《コンバットシステム:白兵》LV4+《スキルフォーカス:白兵》LV4+《デュアルデュエル》LV4+《マルチターゲット》LV6+《マルチウェポン》LV6+《ヴァリアブルウェポン》LV2+《アタックプログラム》LV6
“百舌鳥”:対象PC全員
“百舌鳥”:19DX6+32
DoubleCross : (19DX6+32) → 10[1,1,2,2,2,2,2,4,5,5,6,6,6,6,7,7,8,9,9]+10[1,3,8,8,9,9,9,9,10]+10[1,1,2,3,3,6,8]+10[6,8]+10[2,10]+10[8]+2[2]+32 → 94
リオ・グッドマン:ヤバ
リオ・グッドマン:素ドッジで
リオ・グッドマン:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 7[2,5,5,6,7] → 7
楫かなえ:いちおうドッジ!
皆方アイリ:こちらも一応ドッジ
楫かなえ:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 10[1,2,2,6,10,10]+6[5,6] → 16
楫かなえ:無理
皆方アイリ:5dx+1>=94
DoubleCross : (5DX10+1>=94) → 9[1,1,4,7,9]+1 → 10 → 失敗
皆方アイリ:無茶
雨宮珀亜:《崩れずの群れ》LV2《命のカーテン》LV2でカバーリング
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を4増加 (149 → 153)
雨宮珀亜:対象は楫さん
雨宮珀亜:ガード《棘の獣身》LV3 攻撃キャラクターに5d10のHPダメージ
“百舌鳥”:判定時“ビレイグの失眼”でHPを10失い、ダメージを与えれば“ツェペシュの魔槍”で40回復します
雨宮珀亜:ダメージ対象は“ユム・カアシュの腑”
雨宮珀亜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 14[3,1,1,5,4] → 14
GM:腐ったが……耐えられない!
GM:“ユム・カアシュの腑”は破壊されます。余剰ダメージも適応
GM:効果:全ての攻撃の射程を『視界』、対象を『シーン(選択)』に変更する。が消失
雨宮珀亜:これダメージ発生前に壊れたら
雨宮珀亜:シーン攻撃になるんですか?
GM:判定時に無事ならそのままということにさせてください 相打ちということで
GM:既に撃たれたのをガードしてるからね
雨宮珀亜:理解!
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を4増加 (153 → 157)
“百舌鳥”:こちらのダメージ
“百舌鳥”:10D10+11+10+8+8+12
DoubleCross : (10D10+11+10+8+8+12) → 48[5,2,6,3,3,2,9,8,4,6]+11+10+8+8+12 → 97
リオ・グッドマン:死ぬのでかなえちゃんのロイス昇華して蘇生。HP11
皆方アイリ:こちらも死なので楫さんのロイス昇華して蘇生。HPは11に。
雨宮珀亜:死!ミランダのロイスを昇華して復活します
“百舌鳥”:“ツェペシュの魔槍”によりHPを40回復します
GM:行動値8 リオさんの手番です
リオ・グッドマン:うす
リオ・グッドマン:マイナーでボルトアクションライフルの効果使用。達成値+5して
リオ・グッドマン:メジャーで《C:ノイマン》《コントロールソート》対象は”ツェペシュの魔槍”
GM:判定どうぞ!
リオ・グッドマン:9dx7+22
DoubleCross : (9DX7+22) → 10[1,2,5,5,6,8,8,9,10]+10[3,5,5,8]+4[4]+22 → 46
“百舌鳥”:14DX>=46 ドッジ
DoubleCross : (14DX10>=46) → 10[2,4,4,5,5,6,6,7,8,8,9,10,10,10]+10[5,7,10]+2[2] → 22 → 失敗
“百舌鳥”:ダメか……
リオ・グッドマン:5d10+8
DoubleCross : (5D10+8) → 24[7,10,1,3,3]+8 → 32
GM:くっ……!
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンの侵蝕率を4増加 (158 → 162)
“百舌鳥”:《電磁反応装甲》LV6
“百舌鳥”:2枚使って弾きます 残り1回
リオ・グッドマン:チッ…だが残り1枚だ…!
GM:行動値6 皆方さんの手番です
皆方アイリ:マイナー無し、メジャーでさっきのコンボします。
皆方アイリ:quark star:インビジブルハンドLv3+暴君の槌Lv7+コンセントレイト:バロールLv5
皆方アイリ:→飛行状態解除、攻撃力+24、侵蝕+9
GM:判定どうぞ!
皆方アイリ:12dx7+8
DoubleCross : (12DX7+8) → 10[1,1,3,4,4,4,6,7,8,9,10,10]+10[2,4,4,5,10]+4[4]+8 → 32
GM:これならギリ避けられんか……?
皆方アイリ:あ、対象はツェペシュ!
“百舌鳥”:14DX>=32 ドッジ
DoubleCross : (14DX10>=32) → 9[1,2,2,2,3,4,4,8,8,8,9,9,9,9] → 9 → 失敗
GM:クソ~~~~
GM:ダメージどうぞ!
皆方アイリ:4d10+24
DoubleCross : (4D10+24) → 28[7,4,9,8]+24 → 52
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を9増加 (162 → 171)
“百舌鳥”:《電磁反応装甲》LV6
“百舌鳥”:いや……使っても無駄か……!
“百舌鳥”:そのまま受けます “ツェペシュの魔槍”が破壊されます
“百舌鳥”:効果:攻撃によって1点でもダメージを与えた際、自身のHPを40点回復する。が消失
雨宮珀亜:使わなかったおかげで余剰ダメージも通るぜ~
皆方アイリ:よっし!
GM:行動値5、楫さんの手番です
楫かなえ:マイナーで戦闘移動、《縮地》。1m後退して雨宮さんと同じエンゲージに。
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を2増加 (164 → 166)
楫かなえ:メジャーで《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》。五十嵐さんのカードも使ってビレイグの失眼に攻撃!
GM:判定どうぞ!
楫かなえ:22dx6+5
DoubleCross : (22DX6+5) → 10[1,1,2,3,3,3,4,4,4,4,4,4,6,6,7,7,9,9,9,10,10,10]+10[1,1,2,2,3,5,5,7,7,8]+2[1,1,2]+5 → 27
楫かなえ:ひっく
GM:この判定でこんな低いことある?
“百舌鳥”:14DX>=27 ドッジ
DoubleCross : (14DX10>=27) → 10[1,3,4,4,4,4,4,6,7,7,8,8,8,10]+8[8] → 18 → 失敗
GM:くそ~~~~
雨宮珀亜:助かった…
GM:ダメージどうぞ!
楫かなえ:3d10+32
DoubleCross : (3D10+32) → 12[7,4,1]+32 → 44
GM:くっ…………
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を4増加 (166 → 170)
“百舌鳥”:最後の《電磁反応装甲》LV6で余剰ダメージを減らします
“百舌鳥”:が……1枚じゃ無理だ “ビレイグの失眼”は破壊されます
“百舌鳥”:効果:メジャーアクション判定のC値を-2する。が消失
GM:行動値0 雨宮さんの手番です
雨宮珀亜:マイナーで戦闘移動。皆方さんのエンゲージへ
楫かなえ:そこへ《間隙の魔術師》。縮地効果と攻撃力+25!
雨宮珀亜:もらうぜ!
楫かなえ:楫かなえの侵蝕率を5増加 (170 → 175)
雨宮珀亜:メジャー《伸縮碗》LV3《ラバーアームズ》LV2《コンセントレイト:エグザイル》LV4
雨宮珀亜:百舌鳥へ攻撃。更に鹿骨部長のNPCカードを使います!
雨宮珀亜:ガードドッジ不可!
GM:判定どうぞ!
雨宮珀亜:10dx7+1
DoubleCross : (10DX7+1) → 10[1,1,2,4,4,6,6,7,10,10]+10[3,6,9]+10[8]+10[9]+10[9]+10[8]+2[2]+1 → 63
雨宮珀亜:めちゃ回った
GM:リアクション無いのでダメージどうぞ!
雨宮珀亜:7d10+19+25+1d10
DoubleCross : (7D10+19+25+1D10) → 41[8,3,10,1,5,9,5]+19+25+9[9] → 94
雨宮珀亜:ダメージダイスも伸びた
“百舌鳥”:そんなのを喰らったら……死ぬ!
“百舌鳥”:ので《刹那の勝機》LV1
“百舌鳥”:HPダメージを0にします
雨宮珀亜:なんだと!?
雨宮珀亜:おのれ~~~
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を6増加 (159 → 165)
楫かなえ:秋蔵さまとわたくしの共同作業が……
“百舌鳥”:「もう止めろ……」
“百舌鳥”:低く呟く。遺産のレネゲイドが限界まで凝縮され、周囲に圧力すら生じさせる。
“百舌鳥”:「あんた達までジャームになるぞ。そんな奴の為に。こんな、不必要な争いで」
“百舌鳥”:「こいつを喰らって──」
“百舌鳥”:眩く輝く遺産の群れが、凄絶な破壊を撒き散らしながら全方位に放たれる。
“百舌鳥”:「立ち上がってくるなッ!!」
楫かなえ:(ッ……あの威力、あの規模で、この充填速度……!)
雨宮珀亜:障壁装甲を何重にも前方に展開し、遺産の矢の雨を受ける。
リオ・グッドマン:「───!」それを視認する間もなく、破壊の嵐がその身を刻む
皆方アイリ:「っ――」 破壊の嵐の中、しかし自身に魔眼の重力を適応し飛ばされず踏みとどまる。
雨宮珀亜:「ぐ……あぁッ!!!?」
雨宮珀亜:しかしそれでも、遺産の貫通力の方が勝る。
雨宮珀亜:装甲を貫いて、それは内部に格納された遺産の腕までも刳り抜く。
“百舌鳥”:「そのまま……寝てろ……!」荒い息を吐きながら言う。
雨宮珀亜:飛び散る血飛沫は、それすらも冷気を帯びている。
雨宮珀亜:「狙い……通りだ……!」
雨宮珀亜:右腕を再度結晶が覆う。構築されたのは巨大な破城弓。
雨宮珀亜:飛び散った冷血が一瞬で凍結凝固し、紅い輝きを放つ鏃となる。
雨宮珀亜:複数の遺産の運用には極限の集中を要する。必然、最大の隙は攻撃の瞬間にある。
雨宮珀亜:敵が放った射線をなぞるように、大弓から紅い光跡が放たれる。
“百舌鳥”:契約者を己が眷属とする、異形の機神の遺産──“壊れた神の血”は、既に破壊されている。
“百舌鳥”:加護は失われ、必然、その攻撃を受け止めることは出来ない。
“百舌鳥”:「ぐ……!!」
“百舌鳥”:紅の鏃が、豪奢な弓を正確に打ち抜き、半ばから粉砕する。
“百舌鳥”:「しまった……!」
雨宮珀亜:「ハァ……ハァ……これで」
雨宮珀亜:「出鱈目な規模の攻撃はできなくなった……そうだな」
雨宮珀亜:「……全く、何度も言わせるなよ。敷島」
雨宮珀亜:ミランダを一瞥し「こんな奴のために戦っているんじゃない」
雨宮珀亜:「お前のためだ。僕は、僕の5年間は」
雨宮珀亜:「今日こうしてお前を止めるためにあった」
“百舌鳥”:ぎり、と奥歯を噛み締める。
“百舌鳥”:「起きるなって……言ってるんだ……!」
リオ・グッドマン:…肉体の再生と共に、思考を巡らせる
リオ・グッドマン:戦闘というのは、とどのつまりリソースの削り合いだ。
リオ・グッドマン:その点で言えば、俺達より遥かに多くの手札を持つ”百舌鳥”は大きなアドバンテージを握っている。
リオ・グッドマン:だが、付け入る隙があるとすれば
リオ・グッドマン:”百舌鳥”は単騎戦力だという事だ。
リオ・グッドマン:(珀亜との交錯で、わずかに香った肉が焼ける匂い)
リオ・グッドマン:(……”立ち上がってくるな”…か。)
リオ・グッドマン:(察するに、あの防御駆動は有限。んなもんをわざわざ肉体に負荷かけてまで使うって事は)
リオ・グッドマン:────ジャキッ
リオ・グッドマン:リロードと共に行動を開始する
リオ・グッドマン:珀亜との会話に気を取られているなら丁度いい。”百舌鳥”の位置は視認した。死角から狙う
リオ・グッドマン:……雨宮の大柄な身体の向こう
リオ・グッドマン:その脇をスレスレで通過するように放たれた弾丸が、”百舌鳥”の持つ槍へと飛来する
“百舌鳥”:“ビレイグの失眼”が齎す人外の視野と動体視力が、それを捉える。
“百舌鳥”:「ぐっ……!?」
“百舌鳥”:半ば無意識、自動的に内蔵義肢が作動、腕部の強制駆動で弾丸を弾き落とす。
“百舌鳥”:異音と共に、駆動部から火花が弾ける。
“百舌鳥”:(使わされた……!あいつ……!)
リオ・グッドマン:(────よし)
リオ・グッドマン:(保たねーよな。馬鹿みたいな攻撃に馬鹿みたいな防御、それを全部一人で処理してんだから)
リオ・グッドマン:「攻めろ!!」
皆方アイリ:「了解です」
皆方アイリ:星が瞬く。数は先と同じく5。
皆方アイリ:全開とは程遠い。だけど、彼女の由来にはより近いWの形。
皆方アイリ:「雨宮さんの仰る通り。あたしたち皆、そんな奴のためには戦ってませんよ」
皆方アイリ:カシオペア座。北半球から見れば、沈むことのない5つの星。
皆方アイリ:古代アラビアでは、ヘナで染めた手とも呼ばれたそうだ。顔料で爪を染めた女性の指に見えるからと。
皆方アイリ:「貴方を罪人にしないためと、その女を被害者にしないため。そのために戦っているんです」
皆方アイリ:ならば、カシオペアは。掲げられ続ける掌なのかもしれない。差し伸べられ続ける救いの手かもしれない。
皆方アイリ:否。少なくとも、今この瞬間はそうなのだ。
“百舌鳥”:「くっ……!」その能力は何度も見ている。重力圏から逃れようと、翼を広げようとするが。
皆方アイリ:百舌鳥を包み逃さない。どれだけ飛ぼうが、夜空からは逃れられない。
皆方アイリ:罪へと飛ぶ彼を、ここで留める。その誓いをもって星は輝く。
皆方アイリ:「だから、貴方が止まるその瞬間まで。あたしたちも止まりません」
皆方アイリ:鳥が翼を休めて眠る。そのために夜はある。
皆方アイリ:星へと吸い込まれるように、槍が百舌鳥の手から滑り落ちた。
“百舌鳥”:「ッ……!」
“百舌鳥”:手を伸ばすが、届かない。吸血と闘争の衝動が波が引くように失せていく。
“百舌鳥”:「あんたらッ……どこまでお人好しなんだよ……!ふざけんな……!!」
楫かなえ:『そんなのじゃない……』
楫かなえ:「──はあッ……」
楫かなえ:黒霧の如き回廊の壁の中から、よろめくように現れ出る。
楫かなえ:前髪の下の額から血が垂れ、つむった右目を縦断する筋を描く。
楫かなえ:右手の袖でそれを拭い。崩れそうな膝に力を込め、地に留められた“百舌鳥”を睨んで。
楫かなえ:「……五十嵐さん」
楫かなえ:「仕方ないので、今度はわたくしが合わせます」
五十嵐トーコ:「およ、いいの?」
五十嵐トーコ:「てかフラフラじゃん。大丈夫?」
楫かなえ:「いいから」
五十嵐トーコ:くすりと笑んで「はいはーい」
五十嵐トーコ:「『照波伴いて衆世惑わず』」
五十嵐トーコ:「『我弘誓在りて此処に救世行わせ給へ』」
五十嵐トーコ:焔を纏った戦輪が、“百舌鳥”の周囲を旋回する。
五十嵐トーコ:付かず離れず、時折浅く切り裂き、大きく回避する。牽制のようでありながら、隙さえあれば喉元を狙う軌道を見せ。集中力を搔き乱す。
“百舌鳥”:「こいつ……!!」
五十嵐トーコ:ぶつぶつと詠唱を続けながら、楫に視線を送る。
楫かなえ:顔の前に右手を掲げる。指先に繋がる鋼線が宙を泳ぎ、辺りにか細い光の曲線を描き出す。
楫かなえ:「ふぅ……あぁっ!」
楫かなえ:手を振り下ろす。
楫かなえ:それがあたかも号令であったかの如く。遊泳から襲撃へと転じる魚群めいて、光が──鋼線が、集中を乱された青年に殺到する。
楫かなえ:四肢を狙うそれらは、しかし、フェイント。
“百舌鳥”:「ッ……オォオオオッ!!」
“百舌鳥”:遺産を手に、襲い来るワイヤーを断ち切り、振り払うが。
楫かなえ:……その背後。
楫かなえ:隙を伺う風に旋回していたチャクラムの一つが、異様な角度でその軌道を変える。
楫かなえ:風を切り、迫るは頭部。遺産の義眼。
“百舌鳥”:「……!!」
“百舌鳥”: パ キン
“百舌鳥”:血の色の義眼がひび割れ、砕け散る。
“百舌鳥”:「ぐ、ぅあっ……!?」
“百舌鳥”:思わず目元を抑える。だらだらと流れる血。
楫かなえ:「……」
楫かなえ:「返します」
楫かなえ:指を繰る。役目を終えた戦輪を引き込む。
五十嵐トーコ:「ねえー!今あたしの勝手に使ったっしょー!」
楫かなえ:そこに結わえられていた黒いワイヤーが解け、元の主人の手元へ飛ぶ。
楫かなえ:「何か問題が?」
五十嵐トーコ:「うわ危なっ」キャッチする
五十嵐トーコ:「何だかんだ言っといてかなっちも輪投げ興味あるんじゃん?あーしが教えてあげよっか」
楫かなえ:「は」明らかに馬鹿にした笑み。
五十嵐トーコ:「明らかに馬鹿にしてる!!」
“百舌鳥”:「クソッ……!」
“百舌鳥”:血に染まり、歪む視界に顔を顰める。
雨宮珀亜:(これで4つ……ギリギリで釣り合っていた遺産の均衡は崩れた)
雨宮珀亜:(これ以上長引かせるのは……本気で不味い)
雨宮珀亜:「……こいつで終わらせる」
雨宮珀亜:右腕が巨大な筒の様な形状に変形する。
雨宮珀亜:その先端には探照灯にも似た大きなレンズ。
雨宮珀亜:百舌鳥へ狙いをつけると同時に、腕の内部で金属に爪を立てたような高温が鳴り響く
雨宮珀亜:「部長、楫」
雨宮珀亜:「5秒でいい、あいつを動かすな」
鹿骨秋蔵:頷く「やってみましょう」
楫かなえ:「……ええ」
鹿骨秋蔵:鹿骨秋蔵の能力は、オルクスシンドロームの一種、『動物使い』と呼ばれるものだ。
鹿骨秋蔵:因子や領域を介し、様々な動物を操作する。時には対象の意思に反する行動を取らせることも可能だが、鹿骨の場合、その対象は──
鹿骨秋蔵:「敷島涙さん」
鹿骨秋蔵:「ミランダ・ローウィン及び“ネロ”検挙にご協力頂き、ありがとうございます」
鹿骨秋蔵:「ですが貴方のしてきたことも、これからしようとしていることも。我々は見過ごすことは出来ません」
鹿骨秋蔵:「人を裁くのは人ではない。それは神の仕事であり──」
鹿骨秋蔵:「それがいないからこそ、我々は法を作った」
鹿骨秋蔵:指を打ち鳴らす。
鹿骨秋蔵:同時、“百舌鳥”の胸元、心臓が爆散する。
“百舌鳥”:「がッ────」
鹿骨秋蔵:鹿骨の能力は『動物使い』。対象の身体そのものを自らの領域とする。
鹿骨秋蔵:操る動物は──人間。
楫かなえ:(……秋蔵さま)
楫かなえ:UGNに救出され、保護されて。
楫かなえ:しかし、生来なのか、受けた実験の影響なのか。強い嫌悪衝動を持っていた自分は、誰も部屋に入れずに閉じ籠るばかりだった。
楫かなえ:(「……とは言え、どんなに気に入らなくてもねえ」)
楫かなえ:(「世界の敵のままでは生きられないよ」)
楫かなえ:そう言った医師のことを覚えている──正確にはそれも、禿げて皮脂に光る頭が気持ち悪かったとか、剃り残しの髭が無数のブツブツした穴のように見えて嫌だったとか、そういう理由でだけれど。
楫かなえ:(そんなの)
楫かなえ:わたしにとっては、誰だって。
楫かなえ:(……いや……)
楫かなえ:(ひとりだけ、信じてもいいひとがいる)
楫かなえ:鹿骨秋蔵。わたしの救い主。
楫かなえ:命も外の世界も彼がくれたものだ。接してみた限りは穏やかで、珍しく、そう悪い印象は抱かない相手だった。
楫かなえ:だから、彼から始めさせてもらおうと思った。
楫かなえ:だれかを好きになることを。
楫かなえ:鹿骨秋蔵 〇思慕/疑念 Sロイスに指定します。
楫かなえ:──前後左右。加えて上下。
楫かなえ:体勢を崩した“百舌鳥”の体を、地面から、影の回廊の壁から、天井から。無数に飛び出したワイヤーが拘束する。
楫かなえ:今の自分にできる、それが全力。
“百舌鳥”:「がぁああッ……!!」
“百舌鳥”:再生が完了する前に全身を拘束される。遺産を握る腕を振るうこともままならない。
楫かなえ:「……やって!」
雨宮珀亜:瞬間、レンズの中に瞳が開く。
雨宮珀亜:遺産『サイコルスの極指』が放射する虹色の冷光。
雨宮珀亜:それが収束され、汎ゆる物を凍結させるレーザー光となって敷島へ照射される
雨宮珀亜:「……頼む」
雨宮珀亜:「これで眠ってくれ……敷島!」
雨宮珀亜:空中に磔にされた"百舌鳥"を包み込んだ光線が、空間ごと彼を静止させようとする。
“百舌鳥”:「──あぁああああぁああッ!!!」
“百舌鳥”:何かが引き千切れる音が響く。
“百舌鳥”:夜の色をした翼──“拾参辰刻”が大きく展開し、“百舌鳥”は瞬く間に上空へと逃れる。
“百舌鳥”:ワイヤーに拘束された身体を自ら引き裂き、全身を血に染めて飛翔する。
“百舌鳥”:「ッ……あぁあっ……!!」
雨宮珀亜:「くっ……!」
雨宮珀亜:光線がそれを追おうとするが、突如その光が途絶える。
楫かなえ:「……!」
鹿骨秋蔵:「……そこまでしますか」
“百舌鳥”:荒い呼吸を吐きながら、雨宮を見据える。
雨宮珀亜:装甲の冷却限界。ボロボロと崩れていく右腕を押さえながら、敷島を睨みつける。
“百舌鳥”:「いつ来るか分かっていれば……タイミングは合わせられる」
“百舌鳥”:「手の内を知っているのは君だけじゃない、雨宮」
“百舌鳥”:「俺が捌いて、渡良瀬が崩して、君が決める」
“百舌鳥”:「いつものやり口だな……雨宮」
雨宮珀亜:「……ふん」
雨宮珀亜:「よく覚えてたじゃないか。ああそうだ。いつものだ」
雨宮珀亜:「けど」
雨宮珀亜:「ここからは違うぞ。敷島」
雨宮珀亜:「渡良瀬はもういない……だから」
雨宮珀亜:「お互い見せてやろうぜあいつに。一人でどこまでやれるのかをな」
雨宮珀亜:空中の敷島を挑発するように指を動かす。
“百舌鳥”:「……」精神を蝕む幾つもの遺産は、既に破壊された。その口元に笑みが浮かぶ。
“百舌鳥”:「……上等だ」
GM:ラウンド3
GM:セットアップから!
雨宮珀亜:なし!
楫かなえ:無!
リオ・グッドマン:無し!
皆方アイリ:灰色の庭Lv7→行動値-21、侵蝕+2、対象百舌鳥!
皆方アイリ:皆方アイリの侵蝕率を2増加 (171 → 173)
“百舌鳥”:《加速装置》LV3
“百舌鳥”:行動値+12
GM:イニシアチブ
“百舌鳥”:《フルインストール》LV4
“百舌鳥”:ラウンド間判定ダイス+12個
GM:行動値20 “百舌鳥”の手番です
雨宮珀亜:来やがった……
“百舌鳥”:マイナー《イオノクラフト》LV6
“百舌鳥”:飛行状態で戦闘移動、雨宮さん・皆方さんのエンゲージに移動
“百舌鳥”:メジャー《コンセントレイト:ノイマン》LV4+《急所狙い》LV6+《コンバットシステム:白兵》LV4+《スキルフォーカス:白兵》LV4+《デュアルデュエル》LV4+《アタックプログラム》LV6
“百舌鳥”:対象雨宮!
雨宮珀亜:来やがれ!
“百舌鳥”:更に+《戦神の祝福》LV4
“百舌鳥”:41DX8+32
DoubleCross : (41DX8+32) → 10[1,1,1,1,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,5,5,5,6,6,6,7,7,7,7,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10]+10[1,2,2,3,3,4,4,5,5,5,5,7,8,8,8,8,9]+10[3,5,8,8,10]+7[1,5,7]+32 → 69
雨宮珀亜:ゲェーッ!!?
“百舌鳥”:ドッジC値+1!
雨宮珀亜:ワンチャン賭けてみるか……ガード《氷盾》LV7 《棘の獣身》LV4 ガード値を+35 攻撃キャラクターに6d10のHPダメージ
雨宮珀亜:6d10
DoubleCross : (6D10) → 32[6,9,8,2,3,4] → 32
雨宮珀亜:32点くらいな!
雨宮珀亜:雨宮珀亜の侵蝕率を6増加 (165 → 171)
“百舌鳥”:HP0。
“百舌鳥”:ダメージ
“百舌鳥”:7D10-5-20+8D10
DoubleCross : (7D10-5-20+8D10) → 27[3,5,7,1,4,2,5]-5-20+34[5,1,1,8,4,3,9,3] → 36
雨宮珀亜:ガード装甲合わせて64点
雨宮珀亜:弾きます
“百舌鳥”:復活エフェクトは無し。
“百舌鳥”:ロイス 親友/雨宮珀亜 友情/○憤懣
“百舌鳥”:タイタス化しません。
GM:戦闘終了です。
雨宮珀亜:こちらも最後のロイスを取得。
雨宮珀亜:ロイス 親友/敷島涙 友情○/責任
雨宮珀亜:これをSロイスに指定します。
“百舌鳥”:相克契約による精緻なバランスは、最早無い。
“百舌鳥”:“魂喰らいの指環”が齎す底無しの飢えを満たすことは、最早かなわない。
“百舌鳥”:“拾参辰刻”による超絶の加速を制御する術は、既にない。
“百舌鳥”:(いいや……もう)
“百舌鳥”:(狙うべきは、一点だけだ)
“百舌鳥”:(制御する必要なんて──無い)
“百舌鳥”:夜闇の翼が羽搏く。最早振るう武器すら無く、あるのはただ己の腕のみ。
“百舌鳥”:音を越え、衝撃波を伴い、唯一人に向けて翔ぶ。
“百舌鳥”:「────雨宮あぁあああッ!!」
雨宮珀亜:自身を弾丸と化した敷島に正面から立ちふさがる。
雨宮珀亜:右腕を虹色の結晶が覆う。砕けた中から現れたのは
雨宮珀亜:翼だ。月の光を乱反射する硝子の鱗に包まれた、竜の翼。
雨宮珀亜:それは自ら飛翔するすべを持たない張り子の羽根、ただそれは透明な翼膜を広げて
雨宮珀亜:雨宮と、その後ろにいる仲間達に覆う守りとなる。
雨宮珀亜:「来い、敷島ァ!!!!」
“百舌鳥”:刹那の交錯。速度を殺さぬまま、全ての力を込め、雨宮に拳を叩き込む。
“百舌鳥”:「オォオオオオオッ!!」
“百舌鳥”:叫ぶ。金属骨格が悲鳴を上げ、火花と共に弾け飛ぶ。
雨宮珀亜:「アァアアアアアッ!!!!」
雨宮珀亜:翼の盾が拳を受け止める。衝撃が翼膜全体に伝播し、硝子の翼が粉々に砕け散る。
雨宮珀亜:互いに片腕を失ったまま交錯する。
雨宮珀亜:されど相手は全身を魔弾と成した捨て身の一撃
雨宮珀亜:腕が砕けた所で、遺産の翼が生み出す速度と、その衝突力は健在。しかし……
雨宮珀亜:「これで……!」
雨宮珀亜:雨宮の左手に、一振りの剣が握られている。
雨宮珀亜:その右腕に、遺産と共に内蔵されていたもう一つの武器
雨宮珀亜:遺産が放つ負温度の冷気と、それを反転させた高圧縮熱による、超速融解・超速凝固
雨宮珀亜:その媒介となる金属材料には、一つの条件がある。
雨宮珀亜:所有者が、常にその本来の形状をイメージできる物体であること
雨宮珀亜:絶対普遍のそれを芯材とすることによって初めて、モルフェウス能力によらない無限の武装変化を可能としている。
雨宮珀亜:切り離された蜥蜴の尾から取り出されたそれは、白銀の剣。
雨宮珀亜:かつて、敷島涙が振るっていた得物だ。
“百舌鳥”:「────!」
雨宮珀亜:「いい加減……目を……」腰だめに構えた剣を振り上げる。
雨宮珀亜:「覚ませ!!!!」
雨宮珀亜:飛び込んできた敷島にカウンターを合わせる。躱す間もなく、白銀の刃はその脇腹に突き立てられた。
“百舌鳥”:「が……っ……!」
雨宮珀亜:「……5年も経ったからな」
雨宮珀亜:「すっかり鈍らになっちまった。死にはしないはずだ」
雨宮珀亜:剣から手を話し、敷島を受け止める。
“百舌鳥”:膝が折れ、ぐらりと傾き、雨宮に倒れ込む。
“百舌鳥”:「く……」
“百舌鳥”:「……ぐ…………」
“百舌鳥”:まだ抵抗しようとするが、立つこともままならない。
雨宮珀亜:「……もう良い。お前は頑張ったよ」
雨宮珀亜:「僕なんかよりも、ずっと頑張った」
雨宮珀亜:「だから、休んで良いんだ」
雨宮珀亜:「……帰るぞ。敷島」
“百舌鳥”:「…………!」
“百舌鳥”:血塗れの手、壊れかけの義手が、雨宮の首に掛かる。
“百舌鳥”:そのまま、締め上げようとして。
“百舌鳥”:「…………」
“百舌鳥”:やがて、力が抜けていく。
“百舌鳥”:「……」
“百舌鳥”:「……よ……」
“百舌鳥”:ぼそりと呟く。
雨宮珀亜:「………」重さが増したその体を、片腕で支える。
“百舌鳥”:雨宮の肩に、雫が落ちる。
“百舌鳥”:「……遅いんだよ……」
雨宮珀亜:「……」
“百舌鳥”:「……ずっと……待ってたのにさ……」
“百舌鳥”:「……遅すぎるんだよ……」
雨宮珀亜:肩で支えたまま、敷島を抱えるように頭に手を置く。
雨宮珀亜:「……ごめん」
雨宮珀亜:「……待たせてごめんな」
“百舌鳥”:「……馬鹿野郎……」
“百舌鳥”:「……やっぱり……」
雨宮珀亜:子供に言うように、力なく頭を撫でた。
“百舌鳥”:「君は……」
“百舌鳥”:「…………」
“百舌鳥”:静かに眠りに落ちるように、そのまま意識を失う。
雨宮珀亜:「……やっぱりすごいよ。お前は」そのまま支え続けて
雨宮珀亜:「誰かに謝るなんて、五年ぶりだ」
雨宮珀亜:そうして、後ろを振り返る。
雨宮珀亜:「対象確保」
雨宮珀亜:「任務、完了だ」
GM:バックトラック
GM:Eロイスはこちら
Eロイス
“ネロ”
《悪意の伝染》
《心の爆弾》
《傲慢な理想》
《傲慢な理想》
《傲慢な理想》
《唯我独尊》
《妄念の姿:常勝の天才》
“ドレッドノート”
《怯えのまなざし》
《未知なる姿》
《衝動侵蝕:恐怖》
《超越活性:過剰反応》
《超越活性:過剰反応》
《超越活性:過剰反応》
GM:13個です
雨宮珀亜:多い!
皆方アイリ:振ります
皆方アイリ:173-13d10
DoubleCross : (173-13D10) → 173-76[4,8,3,5,1,8,8,10,1,6,4,9,9] → 97
皆方アイリ:ロイス2、等倍で振ります
皆方アイリ:97-2d10
DoubleCross : (97-2D10) → 97-8[2,6] → 89
皆方アイリ:5点!
楫かなえ:振るよ!
楫かなえ:175-13d10
DoubleCross : (175-13D10) → 175-69[6,7,1,2,8,1,2,8,10,2,6,9,7] → 106
楫かなえ:残りロイス3つの2倍振りで
楫かなえ:106-6d10
DoubleCross : (106-6D10) → 106-44[8,6,10,7,7,6] → 62
楫かなえ:3点!
雨宮珀亜:ふるふる!
雨宮珀亜:171-13d10
DoubleCross : (171-13D10) → 171-68[3,4,7,2,4,3,5,6,9,8,9,4,4] → 103
雨宮珀亜:残ロイス3、等倍
雨宮珀亜:103-3d10
DoubleCross : (103-3D10) → 103-27[9,9,9] → 76
雨宮珀亜:5点!
リオ・グッドマン:振るわ
リオ・グッドマン:162-13d10
DoubleCross : (162-13D10) → 162-52[3,3,5,4,3,3,3,5,3,6,4,5,5] → 110
リオ・グッドマン:ロイス4,等倍
リオ・グッドマン:110-4d10
DoubleCross : (110-4D10) → 110-21[6,6,8,1] → 89
リオ・グッドマン:5点帰還!
GM:Dロイスは
“百舌鳥”
《遺産継承者》
《遺産継承者》
《遺産継承者》
《遺産継承者》
《遺産継承者》
《遺産継承者》
GM:Eロイスと合わせて19点
GM:いつもの5点、シナリオ10点、計34点に侵蝕点を足してください
リオ・グッドマン:39点いただきます!
皆方アイリ:合わせて39点!
楫かなえ:34+3にSロイスぶんの5点を合わせて42点です
雨宮珀亜:5+5で44点!
GM:それぞれ贈呈!皆さんお疲れさまでした!
皆方アイリ:お疲れ様でしたー
雨宮珀亜:うまい!うまい!お疲れさまでした~!
楫かなえ:お疲れ様でしたー!
リオ・グッドマン:お疲れ様でした!
【ED/リオ・グッドマン】
GM:ミランダ・ローウィンとアビー・ケリー、及び事情を知りつつ加担していた特捜チームの全員は検挙され、身柄を拘束された。
GM:十人以上に及ぶ大規模な、そして本部エージェントによる汚職。事態はUGN日本支部、そして本部にまで波及する騒ぎとなった。
GM:立件と処遇の決定まで、一先ずミランダはN市に拘留され、少しでも関与を疑われる者の面会も絶たれている状態にあった。
ミランダ・ローウィン:「……何をしに来たんですか」
ミランダ・ローウィン:強化ガラスの向こう、ぶすくれた顔でそっぽを向く。
リオ・グッドマン:「うはは!流石にしおらしくなってるんすね」
ミランダ・ローウィン:「くっ……面白くありません!!!!!」
ミランダ・ローウィン:「この本部エージェント、ミランダ・ローウィンがこのような……!」
リオ・グッドマン:「ま、罪と向き合う時間なら、これから腐るほどあると思うんで」
リオ・グッドマン:「そんな説教臭い話する為に来たわけじゃないんすよねー」
ミランダ・ローウィン:「……では、何の為に?」
リオ・グッドマン:腕と脚を組みながら、背もたれに体重をかけて
リオ・グッドマン:「ん?ああいや、俺が答えたのにミラねぇが何も教えてくれねーの不公平じゃん?」
リオ・グッドマン:「───何でUGNに入ったんすか?ミラねぇは」
ミランダ・ローウィン:一瞬、虚を突かれたような顔をする。
ミランダ・ローウィン:「……」
ミランダ・ローウィン:視線を下げて。「……私は……」
ミランダ・ローウィン:しばらく黙り込んだ後、リオが諦めないと見て観念したように口を開く。
ミランダ・ローウィン:「……誰かを助けたかった」
ミランダ・ローウィン:「自分の能力や周囲の環境、苦しんでいるオーヴァードは今も沢山います」
ミランダ・ローウィン:「そして……彼らを救えるのは、UGNしかいない」
ミランダ・ローウィン:「私は彼らを救ってあげたかった。苦しみを取り除いて、もう大丈夫だ、心配ないと、明るく言ってやりたかった」
ミランダ・ローウィン:自分で思い出しながら語るように。
リオ・グッドマン:「……」言葉を紡ぐ彼女の様子を、目に焼き付けるようにじっと見る
ミランダ・ローウィン:「……でも……」
ミランダ・ローウィン:「……小さな街のいちエージェントでは、出来ることには限界がありました」
ミランダ・ローウィン:「救えるはずの人に……命に、何度も手が届かなかった。何度も手をすり抜けていった」
ミランダ・ローウィン:「何度も。何度も何度も何度も……」
ミランダ・ローウィン:瞳が震える。
ミランダ・ローウィン:「だから……私は……」
ミランダ・ローウィン:「もっと力が欲しかった……」
ミランダ・ローウィン:「大勢を救えるだけの力が……」
ミランダ・ローウィン:息を詰まらせ、深く吐き出す。
リオ・グッドマン:「───うはは、何だよ。かっけぇじゃん」
ミランダ・ローウィン:「……」黙り込む。
リオ・グッドマン:「俺が思うに、この仕事やってる奴は大きく2種類に分けられる」
リオ・グッドマン:「”割り切れる奴” と ”割り切れない奴” だ」
ミランダ・ローウィン:「……」
リオ・グッドマン:「どちらが正解なんてのは無い、ただ、アンタの場合は筋金が入り過ぎてた」
ミランダ・ローウィン:「……。……あなたは前者でしょうね」
リオ・グッドマン:「うはは、良く言われるっす」
リオ・グッドマン:「まぁ、実際その通りなんだけどな。」
リオ・グッドマン:「───俺が持ってる力ってのは所詮、今ある1を複製するだけのものだ」
リオ・グッドマン:「だから、憧れるんすよ。0から1を生み出せる奴ってのに」
ミランダ・ローウィン:「……」僅かに視線を上げる。
リオ・グッドマン:「アンタの掲げる正義ってのは、確かに道を踏み外してたが」
リオ・グッドマン:「───俺の憧れるものではあった。」
リオ・グッドマン:「……ま、憧れるだけなんすけどね!」
ミランダ・ローウィン:「っ……」
ミランダ・ローウィン:「……私は……」
ミランダ・ローウィン:「間違って……いません」
ミランダ・ローウィン:不貞腐れた子供のように、それだけを口にする。
リオ・グッドマン:「うはは」
リオ・グッドマン:「”割り切れねぇ”か、やっぱりさ。」
リオ・グッドマン:そう言って、椅子から立ち上がる
リオ・グッドマン:「ま、気が向いたらまた来るっすよ。アンタがいつ外に出れんのかは知らねーっすけど」
ミランダ・ローウィン:「……私はもう来てほしくありません!!」顔を背けて
ミランダ・ローウィン:「……まあ……あなたが勝手に来るのを止められはしませんが……」
リオ・グッドマン:「うはは。本音を喋ってくれねーと困っちゃうっすよ」
リオ・グッドマン:そう、冗談めかして笑って
リオ・グッドマン:「───んじゃ、またな。」
ミランダ・ローウィン:「…………」むくれた子供のような顔で、それを見送る。
リオ・グッドマン:「万が一外に出れたら、脱げるといいっすね。あの底の厚い靴。」
ミランダ・ローウィン:「なっ……」
ミランダ・ローウィン:「……余計なお世話です!!!!!」
リオ・グッドマン:無暗矢鱈と大きなその声を背に受けて、くつくつと笑いながら部屋を後にする。
---
GM:査察部のカバーのひとつであるマンション。今は使用中の任務も無く、君以外には誰もいない。
GM:そんな折、不意に来客があった。
ジャクリーヌ・デスタン:「……挨拶に伺ったのですが……」
ジャクリーヌ・デスタン:「……貴方だけですか?」
リオ・グッドマン:「……あら」いやに甘いコーヒーの缶を、口から離して
リオ・グッドマン:「……よっ!生憎と、今ここに居んのは俺だけっすよ!」
リオ・グッドマン:気さくに片手をあげながら笑いかけ
リオ・グッドマン:「こうやって素の状態でちゃんと話すのは初めてだよな」
ジャクリーヌ・デスタン:「……ああ……そうかもしれませんね」
リオ・グッドマン:「…うはは、本当はそんな感じだったんすね、アンタ」
ジャクリーヌ・デスタン:「ええ。そうですよ」
ジャクリーヌ・デスタン:「演技は過剰なくらいが怪しまれませんから」
リオ・グッドマン:「真に迫るもんがあって感服したっす。賞やるよ、リオ・グッドマン賞ってな」
リオ・グッドマン:そう言って、快活に笑って
ジャクリーヌ・デスタン:「それはどうも」涼やかに言う
リオ・グッドマン:「───悪かったな、知らされてなかったとはいえ、アンタの事バリバリに疑っちまった」
ジャクリーヌ・デスタン:「いえ。そうでなくては意味がありませんから」
ジャクリーヌ・デスタン:「それを言うなら、謝るべきは騙していた私のほうでは?」
リオ・グッドマン:「いやいや、アンタは任務に忠実だっただけ。俺のは完全に余計な疑念だった」
リオ・グッドマン:「………つーか、俺に通話聞かれたのも計算の内だったのか?」
ジャクリーヌ・デスタン:「……それは……」目を背ける
ジャクリーヌ・デスタン:「…………そうですよ?当然じゃないですか」
リオ・グッドマン:「………」
リオ・グッドマン:「その間はなんすか」
ジャクリーヌ・デスタン:「別に…………」
リオ・グッドマン:「意外と図々しいっすねアンタ」
ジャクリーヌ・デスタン:「……それより、皆さんによろしくお伝えください」
ジャクリーヌ・デスタン:「事情聴取が終わって、国に帰れることになりました」
リオ・グッドマン:「お」
ジャクリーヌ・デスタン:「お咎めなしとは行きませんでしたが、そちらの部長さんが手を回してくださったようで」
リオ・グッドマン:「流石おいちゃん、気が利くな」
ジャクリーヌ・デスタン:「……これでようやく、自分の人生を再開できます」
リオ・グッドマン:「……」
ジャクリーヌ・デスタン:「皆さんのお陰です。ありがとう」
ジャクリーヌ・デスタン:肩の荷が下りた表情でふっと微笑する。
リオ・グッドマン:初めて会った時とは何もかも違うその笑顔をじっと見つめて「どういたしまして。ま、俺達の仕事は毎回こんなもんっすから」
リオ・グッドマン:「今回一番しんどかったのはアンタだろ。いいだけ羽伸ばしな。」
ジャクリーヌ・デスタン:「……ええ、そうするつもりです」
ジャクリーヌ・デスタン:手を差し出して「日本では、確か……」
ジャクリーヌ・デスタン:「……『ご縁があったら』?」
リオ・グッドマン:「うはは、”行けたら行く”の類語っすね。それは」こちらも手を差し出して
リオ・グッドマン:「またな、ジャクリーヌ」
ジャクリーヌ・デスタン:「ええ。あなたもお元気で、グッドマンさん」
リオ・グッドマン:「……あ」
リオ・グッドマン:「言伝があんなら聞いとくぜ」誰に、とは言わず
ジャクリーヌ・デスタン:「……」少し考えて
ジャクリーヌ・デスタン:「……いえ」かぶりを振る
ジャクリーヌ・デスタン:「全部、置いていきます。これまでのことは」
ジャクリーヌ・デスタン:「折角新しい人生を歩み出せるんですから」
リオ・グッドマン:「───そっすか、余計な事聞いて悪かったな。んじゃ、お達者で」
ジャクリーヌ・デスタン:「はい。それでは」
ジャクリーヌ・デスタン:手土産の菓子折りだけ置いて、ジャクリーヌは大きなキャリーバッグを引いて去っていく。
リオ・グッドマン:缶コーヒーと紙袋を携えながら、その背が見えなくなるまで見送って
リオ・グッドマン:「……さーて」
リオ・グッドマン:───特捜チームに貸し出していた一室の、片付け作業へと戻っていく。
GM:撤収作業の前に彼らが検挙されたので、室内は殆どそのままになっている。
GM:一通りの捜査や検証作業も済んで、今はまた元の通りの散らかった部屋だ。
リオ・グッドマン:……見るだけでため息が出るほどの、資料の山。
リオ・グッドマン:一体この中の何割が、彼女にとっての真実だったのだろうか、なんて考えながら
リオ・グッドマン:ナナメ読みするように、紙束を捲る。何枚も、何枚も。
リオ・グッドマン:「───よし」そうして全ての書類を記憶した頃
リオ・グッドマン:日が傾き、空には火が灯ったような色が浮かぶ。
リオ・グッドマン:「……”あなたは前者でしょうね”、か」その光景から連想するように、ポツリと零す。
リオ・グッドマン:───カメラアイ
リオ・グッドマン:映像記憶とも呼ばれ、視覚情報をまるで画像ファイルを保存するかのように切り取る、瞬間記憶能力。
リオ・グッドマン:リオ・グッドマンがこの世に生を受けた時から、先天的に備わっていたギフテッド…即ち、人としての異能である。
リオ・グッドマン:彼の記憶は、主観で捻じ曲がる事はない
リオ・グッドマン:年月と共に風化しない
リオ・グッドマン:歳を重ねても、美しい思い出になってはくれない。
リオ・グッドマン:いつか土の下で眠るまで、もしかすると眠った後も、残酷なまでにその恒常性を保ち続ける。
リオ・グッドマン:──故に、リオ・グッドマンは”憶えている”
リオ・グッドマン:信じていたものに切り捨てられた辛さを
リオ・グッドマン:生きる為に悪行に手を染める事の苦さを
リオ・グッドマン:……そんな、忘れられない記憶を抱えてなお、他者の心根を慮り、背負い込めるほど
リオ・グッドマン:自分は強くないのだという事を。
リオ・グッドマン:「……」掌から溢れ出した黒い立方体が、拳銃の形に組み合わさって
リオ・グッドマン:それを、部屋の奥にある少しだけ大きなデスクに突き付ける
リオ・グッドマン:まるで、机に突っ伏す誰かの頭に銃口を押し当てるように
リオ・グッドマン:───チャッ
リオ・グッドマン:引き金にかけた指が示すのは、冷たく、堅い、鉄の意志。
リオ・グッドマン:律した弱さと、諦観と
リオ・グッドマン:自分には上がれないステージの上で闘おうとする、彼らに対する羨望に、”そういうもの”だと蓋をして
リオ・グッドマン:───カ チン
リオ・グッドマン:振動は無く 硝煙は登らず マズルフラッシュは焚かれず
リオ・グッドマン:ただ、血の通わぬ撃鉄の音だけが響いた。
リオ・グッドマン:「───ま、過ぎた事は変わんねぇよな。」
リオ・グッドマン:苦いものが苦手だ
リオ・グッドマン:辛いものが苦手だ
リオ・グッドマン:でも、自分が生きる世界に溢れているのは、いつだってそんなものばかりだという事を憶えている。
リオ・グッドマン:───グビ
リオ・グッドマン:……だから俺は今日も、自分の心身を甘さで満たす。
リオ・グッドマン:単純じゃないこの世界で、単純さを貫くための、ほんのささやかな自己防衛の為に。
リオ・グッドマン:「……うはは」
リオ・グッドマン:「なんか甘ぇな、いつもよりもさ。」
リオ・グッドマン:「お前はどう思う?ナイス。」
リオ・グッドマン:そう言って、形も声も分からない”何か”に声をかける。
リオ・グッドマン:窓から見える緋色の空を見ながら、俺の中に棲んでるコイツは、どんな姿をしているのだろうなんて考えるけど
リオ・グッドマン:道を示してくれる灯は、相も変わらず、俺の声には答えてくれない。
リオ・グッドマン:「……うし、あともう一仕事だな」
リオ・グッドマン:空を覆い隠すようにカーテンを閉めて
リオ・グッドマン:”終わり”を示す夕方のチャイムが、遠くで薄く響き渡った。
【ED/楫かなえ】
GM:“ネロ”とミランダ・ローウィンに関する一連の事件は、ひとまず収束を迎えた。
GM:君──楫かなえは、鹿骨・五十嵐の二人と共に、今回使用したカバー、民家の地下室の撤収作業を行っていた。
鹿骨秋蔵:「よいしょ、と」
鹿骨秋蔵:シャツの袖を捲り、段ボールの中にノートPCを詰め込む。
鹿骨秋蔵:「コード類はそちらにまとめて頂けますか、五十嵐さん」
五十嵐トーコ:「ほーい」
五十嵐トーコ:到底作業向きには見えない、いつも通りの派手な服装。
五十嵐トーコ:「かなっち力仕事大丈夫?机とか持てんの?」
楫かなえ:「一応オーヴァードですし、人並みには」
楫かなえ:「どこに持って行けばいいんです?」
鹿骨秋蔵:「ここはまた使うので、端に寄せておけば大丈夫かな」
五十嵐トーコ:「え~箸より重いもん持ったこと無さそうなのに~」細い手首をぱっと掴む。
楫かなえ:「ひッ」反射的に振り払う。
楫かなえ:「さっ、触らないで!」
五十嵐トーコ:「うぇっ、ゴメン」
五十嵐トーコ:「そんなにヤだった?」
楫かなえ:「……困ります」手首を庇うようにさすりながら、少し気まずげに語気を弱めて。
楫かなえ:「……別に五十嵐さんだからというわけではありませんけれど」
鹿骨秋蔵:「五十嵐さん、感覚は人それぞれですから」
五十嵐トーコ:「はぁ~~い」頭の後ろで手を組む。
楫かなえ:「すみません」部長と五十嵐さんにそれぞれ頭を下げる。
五十嵐トーコ:「かなっちが謝ることないっしょ」
楫かなえ:「いえ。いずれは直さなくてはと思っているので」
楫かなえ:気を取り直し、長机の足を畳んで壁際に運ぶ。
五十嵐トーコ:「しゅーちゃん、これは~~?」お茶の袋を振る
鹿骨秋蔵:「ここはしばらく使わないと思うので、持ち帰りましょう。欲しければ差し上げますよ」
五十嵐トーコ:「あーしお茶飲まんしな~~」
楫かなえ:「……」
楫かなえ:「では、今ここで飲みましょうか。淹れてまいりますよ」
楫かなえ:「いらない人は無理にとは言いませんが」
五十嵐トーコ:「淹れてくれるなら飲む!」
鹿骨秋蔵:「そうですね。少し休憩にしましょうか」
鹿骨秋蔵:「お願いしてよろしいですか?楫さん」
楫かなえ:(現金な)五十嵐さんに対しては不服げに眉間に刻んだ皺を、
楫かなえ:鹿骨部長に振り返る時には消し去って頷く。「はい。それでは」
楫かなえ:少し後、戻ってきてトレーの上に載せているは、急須と湯呑みに、紙のカップに入ったマフィンがいくつか。
楫かなえ:「……緑茶とは合わないかと思ったのですけれど、作って来ていたので」
楫かなえ:「よろしければ召し上がってください。秋蔵さま」
鹿骨秋蔵:「おや、そうでしたか。それではありがたく頂こうかな」
五十嵐トーコ:「え~これ手作りなの?かなっちメッチャ気利くじゃーん」
楫かなえ:「あなたに利かせたわけじゃありません」
楫かなえ:つんとして見せながらも、伸びる手を制止することはしない。
五十嵐トーコ:ひょいと口に放り込む「うん!いけるいける!」
鹿骨秋蔵:「ええ。優しい味ですね」
鹿骨秋蔵:「美味しいですよ、楫さん。ありがとうございます」
楫かなえ:「まあ……」頬が仄かな朱色に染まる。
楫かなえ:「お口に合ったようで、何よりです」
五十嵐トーコ:むしゃむしゃ食べている「お客さんに出せるよコレ~」
楫かなえ:「あ、はい。どうも」
五十嵐トーコ:「態度違くね??」
楫かなえ:「何のことやら」
楫かなえ:茶を注いだ湯呑を各自の前に出し、自分も一口飲んで息をつく。
鹿骨秋蔵:湯呑を置いて「……今回は、お二人には苦労をお掛けしましたね」
鹿骨秋蔵:「お陰で“ネロ”とローウィン、大物をまとめて検挙することが出来ました」
鹿骨秋蔵:「お二人と、皆さんのお陰です。ありがとうございました」
楫かなえ:「実を言うと、事の大きさにはまだ実感が及んでいないのですが」
楫かなえ:「秋蔵さまの背負われた重圧と比べれば、わたくしの負担など些少ですから。今後もより頼っていただけるよう、邁進いたします」
五十嵐トーコ:「かなっちメッチャ真面目~~すご笑」
五十嵐トーコ:「あーしはボーナスと有給貰えればそれでいっすよ」
楫かなえ:「あなたは不真面目すぎます」
五十嵐トーコ:「ちゃんと働いてたじゃん!正当な働きには正当な報酬っしょ!?」
楫かなえ:「態度が問題なんです」
鹿骨秋蔵:笑って「ええ、お二人とも手配しておきますよ」
楫かなえ:「秋蔵さまの呼び方だって結局改めずに……」
五十嵐トーコ:万歳して「やた~~しゅーちゃん大好き!」
楫かなえ:「ほら!!」
五十嵐トーコ:「スキーか温泉かキャンプでも行こっかな~。あ、二人も一緒にどうすか」
楫かなえ:「えっ」
楫かなえ:「わたくしと秋蔵さまで旅行に……?」
五十嵐トーコ:「お、かなっち興味ある感じ?」
楫かなえ:「うまく滑れなくて転んだところを助け起こされたり……二人で浴衣姿になったり……お、同じテントで眠りについたり……?」
五十嵐トーコ:「かなっち~?」顔の前で手を振る
楫かなえ:「そ、そんな……! 早すぎます!!」
楫かなえ:「何てこと言うんですか! ふしだらな!」
五十嵐トーコ:「何も言ってなくね!?」
鹿骨秋蔵:「楽しそうですが、僕はまだ仕事が残っていますので」笑う
鹿骨秋蔵:「どうぞお二人で楽しんできてください」
楫かなえ:「……む。そうですか……」
楫かなえ:「わたくしにお手伝いできること……では、ないのでしょうね……」
楫かなえ:肩を落とす。
鹿骨秋蔵:「楫さんにお願いしたいことは、他に用意してありますから」
鹿骨秋蔵:「その為にも、今はゆっくり休んでください」
楫かなえ:「承知しました」椅子に腰掛け直して。「聞き分けのできる子のつもりですから。わたくし」
楫かなえ:「秋蔵さまも、ご無理はなさらないでくださいね」
鹿骨秋蔵:「ええ。この歳になると、無理をしたくても出来ませんから」朗らかに笑う
五十嵐トーコ:「そーそー。休むのも仕事の内だって~」
五十嵐トーコ:「じゃどこ行く?かなっち」
楫かなえ:「?」
楫かなえ:「秋蔵さまが行かれないならわたくしも行きません」
五十嵐トーコ:「えっ!?そういう流れだったじゃん!」
楫かなえ:「別に旅行に行かなくても休めますし……」
楫かなえ:「と言うかわざわざ人がいるようなところに行きたくないですし……」
五十嵐トーコ:「いいじゃん一緒行こうよ~~~!UGNだと友達と休み合わないんだよ~~!」縋るように駄々をこねる
楫かなえ:「えー……」機嫌が悪い時に店先で騒ぐ他所の子供を見たような顔。
五十嵐トーコ:「ねーいいじゃん~~どうせ家にいるだけっしょ~~!?」
楫かなえ:(……とは言え、こういうものにも馴染んでおいたほうが良いんでしょうか)
楫かなえ:渋面の裏、そのように思考を巡らして。
楫かなえ:「……はあ。ではまあ、一応考えておきます」
五十嵐トーコ:「マジ!?やった~~」
五十嵐トーコ:「ゴネてみるもんだな~」
楫かなえ:「恥も外聞もなく……」嘆息。
楫かなえ:「……前から疑問だったのですが」
楫かなえ:「どうしてあなたのような方が査察部に入ろうと?」
五十嵐トーコ:「……へ?あたし?」
楫かなえ:頷く。
五十嵐トーコ:「そうだな~……」頬杖をつく
五十嵐トーコ:「しゅーちゃんに勧誘されたのもあるけど……」
五十嵐トーコ:「一番は、UGNが無いと困るからかなあ」
楫かなえ:「困る」
五十嵐トーコ:「困るっしょ、そりゃ」
五十嵐トーコ:「この街にいればよく分かるっしょ?UGNが無かったら、今頃世界なんて何回メチャクチャになってるか分かんないじゃん」
楫かなえ:「それはそうですが」
五十嵐トーコ:「あーしはさー、エアコン効いた部屋でインスタして、夜の2時にフツーにコンビニ行けて、何の心配も無く友達と遊べる今の暮らしが大事なんだよね」
五十嵐トーコ:「査察部は世界を直接守る仕事じゃないけど、それが出来る人たちを守れる仕事っしょ?」
五十嵐トーコ:「それって超やりがいあんじゃん!って思ってさー。だから入ったの」
五十嵐トーコ:「あとかっこよくね?」
楫かなえ:「……何と言うか」
楫かなえ:「思いのほかまともで反応に困りますね」
楫かなえ:「もっと……人の汚点を暴き出してゲラゲラ笑うためとかじゃないんですか」
五十嵐トーコ:「あたしのこと何だと思ってんの~!?」
五十嵐トーコ:「まあ半分くらいはしゅーちゃんの受け売りだけど」
楫かなえ:「……ミランダ・ローウィンは」
楫かなえ:「そういうことを考えてはいなかったんでしょうか」
楫かなえ:「それとも考えていたからあんな風に?」
鹿骨秋蔵:「さて……どうなのでしょうね」
鹿骨秋蔵:「彼女の心情や行動原理について、考えられることはいくらでもありますが……」
鹿骨秋蔵:恐らく幼少からのプロファイリング程度は、当然済ませているのだろう。
鹿骨秋蔵:「厳然たる事実としてあるのは、彼女が罪を犯したということだけです」
鹿骨秋蔵:「誰よりも正しくある為に、我々は誰よりも冷徹であらねばなりません」
鹿骨秋蔵:「その為には、全ての人を……自分自身をも疑い続けなければならない」
鹿骨秋蔵:「ミランダ・ローウィンに足りないものがあったとすれば、そのような在り方でしょうね」
楫かなえ:「……」
楫かなえ:湯呑の内の揺れる水面に、彼女の言動を思い映す。「なるほど」
楫かなえ:「確かに、いつだって自信満々という風でした。あのひとは」
楫かなえ:「それが害になったのですね」
五十嵐トーコ:「キッツい商売だよね~」マフィンを口に放り込む。
楫かなえ:「ええ。でも」
楫かなえ:「安心もしました。そういう心構えであれば慣れていますから」
楫かなえ:軽く首を振って幻像を払い、いくらか熱さの和らいだ茶を口にする。
五十嵐トーコ:「こうして話してたって、しゅーちゃんとかなっちのことも疑わなきゃいけない時もあるわけっしょ?」
五十嵐トーコ:「その内、何を基準に立ってるのか分かんなくなりそうじゃん」
鹿骨秋蔵:「ええ。ですから我々は、オーヴァードとして危うい存在でもあります」
鹿骨秋蔵:「ですがその分……我々が守った他の皆さんが、誰かのことを信じられますから」
楫かなえ:「基準は──」皺の刻まれた老紳士の横顔を窺って。「もちろん、大事なのでしょうけれど」
楫かなえ:「これが絶対の基準だと、いつでも言い切れるようなものは」
楫かなえ:「持ってはならないのでしょうね」
楫かなえ:「わたくしたちは」
楫かなえ:最後の一言は、少し寂しげに。
鹿骨秋蔵:「……ただ、僕はいつでも祈っていますよ」
鹿骨秋蔵:「あなた達が、そして自分自身が」
鹿骨秋蔵:「いつまでも正しくあれるように、と」
鹿骨秋蔵:祈るだけならば幾らでも出来ますからと、冗談めかして言う。
楫かなえ:「そう、なのですか」
楫かなえ:「……では、わたくしもそうします」
楫かなえ:「わたくしや、わたくしが好きなひとや……いずれ好きになれるかもしれないひとたちが」
楫かなえ:「道を誤らずに歩めるように」
五十嵐トーコ:「二人にお祈りしててもらえれば安心っすね~」
五十嵐トーコ:「よし!続きしましょっか」
五十嵐トーコ:「てかかなっち結局どこ行く~?」
楫かなえ:「今のさっきでそんなに浮かぶわけ……ええと」
楫かなえ:「温泉……?」
楫かなえ:アウトドアはウザ絡みされる機会が増えそうなのでという選択。
五十嵐トーコ:「いいじゃん!オッケー温泉ね~」
五十嵐トーコ:「じゃあ予約しとくね~」
楫かなえ:「……あ、待って」
楫かなえ:「大浴場とかはあんまり行きたくないんですけど」
五十嵐トーコ:「それ温泉じゃなくね!?」
楫かなえ:「そうなんですか」困り顔をする。「行ったことないので……」
楫かなえ:「じゃあ……やっぱり……」
楫かなえ:「今回は無し……?」
五十嵐トーコ:「しょーがないな~……じゃあ個室風呂付きのとこにするから一緒に入ろっか」
楫かなえ:「は?」
五十嵐トーコ:「え?」
楫かなえ:「いや絶対嫌です」
五十嵐トーコ:「なんで!?」
楫かなえ:「だって……!」
楫かなえ:ぐ、と言葉を喉に詰まらせる。
楫かなえ:「……そういうのはひとりで入りたいんです」
楫かなえ:「いいからスキーとかにしましょう」
五十嵐トーコ:「かなっちやったことあんの?スキー」
楫かなえ:「……」
楫かなえ:「無いですけど……」
五十嵐トーコ:「しょーがないなー……じゃああたしが教えてあげよっか」
楫かなえ:「それも嫌……」
楫かなえ:「キャンプ…………?」
五十嵐トーコ:「なんで!?」
鹿骨秋蔵:言い合う二人を穏やかに眺めながら、湯呑を口に運び、静かに啜った。
【ED/皆方アイリ】
皆方アイリ:UGN寮内の一室。元々の家具は施設側で整えられている画一的なものだが、小物などで持ち主の趣味が反映されやすい。
皆方アイリ:例えば毛布。例えば鏡台。例えば机に置かれた筆記用具など。どれも明るい色使いで、どことなくかわいらしい雰囲気にまとまっている。
皆方アイリ:女性らしさは勿論、もの自体は多いながらも綺麗に片付けられている点からどことない真面目さも伺える。
皆方アイリ:逢河雷魚は、皆方アイリに呼び出され彼女の私室を訪れていた。
逢河雷魚:「…………」
逢河雷魚:やや硬い表情、緊張した様子で大柄な体躯を小さくするようにしている。
皆方アイリ:「さて。では来てもらって早々なんですけど」
皆方アイリ:クッションに座るよう勧めた後、一度彼の前に立って。
皆方アイリ:「歯食いしばってください」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:半ば予想していたのか、然程驚いた様子も無く。
逢河雷魚:「ああ……」
逢河雷魚:目を瞑る。
皆方アイリ:すっと右手を大きく振り上げた後、座っているお陰で届く距離にある彼の頬に向けて――。
皆方アイリ:パシィン!
皆方アイリ:それはそれは綺麗に頬をひっ叩いた音が部屋に響く。
逢河雷魚:「っ……」
逢河雷魚:頬に鋭い痛みを感じる。
皆方アイリ:「いやぁ。あたしってばこう見えて温厚で優しいので、今まで任務外で人に手を上げたこととか無いんですよね」
皆方アイリ:「つまり先輩は、思わずひっ叩かずにいられないくらいあたしを怒らせた第一号ってことです」
皆方アイリ:「すごいですねぇ、史上初ですよ?おめでとうございます」
皆方アイリ:軽々しい口調はいつも通りだが、声音にはそうと分かる棘がある。
逢河雷魚:「……ああ……」
逢河雷魚:熱を帯びたようなそこには、戦闘で負ったどんな傷よりも、芯に染み入るような痛みがある。
逢河雷魚:そしてきっと、叩いた彼女の方が、ずっと痛いのだろうと思った。
逢河雷魚:「……悪い」
逢河雷魚:深く、深く頭を下げる。
逢河雷魚:「悪かった」
逢河雷魚:「……ごめんな」
皆方アイリ:「……はあ」 赤く染まった右の手の平をそれとなく後ろにやりつつ、溜息を一つ。
皆方アイリ:「謝ってくださるのはまあ良いとして。あたしが何に一番キレてるか分かってます?」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「お前に……」
逢河雷魚:「……お前を……突き放そうとしたことか」
逢河雷魚:低い声で言う。
皆方アイリ:「……まあ、そうなりますかね」
皆方アイリ:「電話で言ってましたよね。『俺のことは忘れろ』って」
逢河雷魚:「……。……ああ」
皆方アイリ:「逆に聞くんですけど。あたしが先輩のことを忘れられるように見えますか?」
皆方アイリ:「先輩のこと忘れて幸せです~って言える女に見えるんですか」
逢河雷魚:「……だからだろ」
逢河雷魚:「そんなの、俺が一番分かってる」
逢河雷魚:「ここで死ぬ俺の為に、皆方をずっと縛り付けるわけにはいかない……」
逢河雷魚:「……あの時は、そう思った」
皆方アイリ:「もっかいひっ叩きますよ」
皆方アイリ:言葉を遮るように言って右手を構える。
逢河雷魚:「……」眉間に皺を寄せる。
逢河雷魚:「だって、そんなの……」
皆方アイリ:「忘れられないように見えてるのに忘れろって言うの、その時点で横暴でしょ」
皆方アイリ:「縛り付け方が忘れられないのに忘れなきゃいけないって形に変わるだけですよ、そんなの」
逢河雷魚:「他にどうしようも無かっただろ……!」
皆方アイリ:「無い訳ないでしょ!」
皆方アイリ:堪えていたものが零れるように、笑みを消し声を荒げる。
皆方アイリ:「忘れろなんて言わなきゃ良かったんですよ。言えって脅された訳でもないんだから」
皆方アイリ:「あんなこと言われなかったらあたしだって今こんなにキレてません!」
逢河雷魚:「……そう言わなきゃ、俺が居なくなれば忘れてくれたのか?」
皆方アイリ:「言われようが言われなかろうがそんなの無理ですよ。分かってるんでしょ、先輩だって」
皆方アイリ:「一番わかってるなんてほざくんだから」
逢河雷魚:「……そうだったとしても……」
逢河雷魚:「……お前は……お前は、幸せになるべき人間なんだよ」
逢河雷魚:「俺なんかと違う。報われるべき人間だ」
逢河雷魚:「俺のせいで、それを邪魔したくなかった」
皆方アイリ:「……前提が気に食わないんですよね」
皆方アイリ:グイと彼の襟首を掴み顔を寄せる。
皆方アイリ:「良いですか。先輩がどう思おうと、あたしの中の純然たる事実として」
皆方アイリ:「何が起ころうとあたしが先輩を忘れる日は来ないし、先輩に何と言われようとそれは変わりません」
皆方アイリ:「あたしが心底幸せになれる時と場所があるなら、それは先輩と居る時で先輩の隣です」
皆方アイリ:「先輩が居なくなった時点で、幸せになれなんて無茶な話なんですよ」
皆方アイリ:「それが分かってないから、忘れろなんて言葉が出るんでしょ」
皆方アイリ:「忘れろとか、俺のせいでとか。そんなの分かってなきゃ出ないんですよ」
逢河雷魚:「…………」
逢河雷魚:「……本気なんだな」
皆方アイリ:「本気以外でこれを言う人間だと思うんですか?」
逢河雷魚:静かに目を瞑り、息を吐く。それから目蓋を開いて、間近にあるその瞳を見据える。
逢河雷魚:「……分かった」
逢河雷魚:「……皆方。悪かった」
逢河雷魚:「お前を傷付けたのは全部、俺に覚悟が足りなかったからだ」
逢河雷魚:「……俺が本当にお前を幸せに出来るのか」
逢河雷魚:「俺みたいな人間が、お前の傍に居ていいのか」
逢河雷魚:「そういう迷いが、まだ俺の中に残ってた」
逢河雷魚:「けど……もうそういうのは、やめる」
逢河雷魚:息を吸う。
逢河雷魚:「……皆方。俺の人生、全部お前にやる」
逢河雷魚:「だからお前の人生を、全部俺にくれ」
皆方アイリ:「…………」 ちょっとの沈黙の元。
皆方アイリ:「……良いですよ。あげます」
皆方アイリ:「その代わり、約束してください」
皆方アイリ:「もう二度と。忘れろとかそういうこと言わないって」
皆方アイリ:襟首を握りしめていた指は、白く染まり震えている。まるで縋るようにも見えた。
逢河雷魚:「……ああ」頷き、その手に掌を添える。
逢河雷魚:「当たり前だ。あんな事……二度と言いたいわけないだろ」
皆方アイリ:「……なら、良しとします」
皆方アイリ:「しますけど、先輩分かってますか」
逢河雷魚:「……何がだよ」
皆方アイリ:「あたし、今めちゃくちゃキレてるタイミングで、プロポーズまがいのこと言われたんですけど」
皆方アイリ:「感情のやり場めちゃくちゃになってるんでもう一回分キレて良いです?」
逢河雷魚:「何でだよ……!?」
皆方アイリ:「キレるに決まってるでしょ!あたし今怒ってるんですよ!」
逢河雷魚:「俺なりにだな……!これでも責任の取り方ってもんを考えたんだよ!」
皆方アイリ:「先輩が分かってるくせに忘れろとかアホなこと言うから!一発ひっ叩いて分かるまで説教してやろうと思ったんです!」
皆方アイリ:「それなのに急に分かってそういうこと言いだして!そりゃあげますけど素直に喜びきれないでしょ今だと!」
皆方アイリ:「こっちが怒ってることホントに分かってます!?」
逢河雷魚:「うっせーな……!本音なら忘れてほしいわけねーだろ!!一生覚えててほしいに決まってんだろうが!!」
逢河雷魚:「それをお前……汲めよ!その辺りを……!」
皆方アイリ:「なら最初からそう言ってれば良かったでしょ!あたしだってそっちなら頷いてあげれました!」
逢河雷魚:「だからお前それだと…… ……話が元に戻ってんじゃねーかよ!」
皆方アイリ:「汲んだら先輩未だに分かってないのに分かったつもりのままだったでしょ!あたしがキレなきゃ分かんないんですか!?」
逢河雷魚:「分かってるよ……!分かってるからこうして……アレなんだろうが!」
皆方アイリ:「今あたしが説教したから分かったのに初めから分かってた顔しないでください!そういうとこですよ!」
逢河雷魚:「俺の方が悪いのは分かってるっての!だからこうやって謝って……ああもう!何なんだよこれ!」
皆方アイリ:「……」 はあ、と大きく一つ息をついて。
皆方アイリ:「とにかく。言いたいことは一通り言いました」
皆方アイリ:「なんでこの後のことなんですけど」
逢河雷魚:「……ああ」
皆方アイリ:「一発ひっ叩いただけだと正直足りないな、という気持ちと」
皆方アイリ:「本来なら死ぬほど話したくないタイプの話を死ぬほどした反動がこの後来ると思うので」
皆方アイリ:「これから多分最低で1週間くらい先輩に会うのを避けます」
逢河雷魚:「ああ…………?」眉を顰める。
皆方アイリ:「一応前もって言っておかないと先輩も不安になるかなと思うので。先に宣言しときます」
皆方アイリ:「じゃあそういうことで」
逢河雷魚:「そういうことでじゃねえだろ……」
逢河雷魚:「待て待て待て!ちょっと待て!」
逢河雷魚:「……一旦やり直していいか?」
皆方アイリ:「……どっからですか」
逢河雷魚:「……」息を吐く。
逢河雷魚:「……俺なりに考えたって言っただろ」
逢河雷魚:「お前がそう言ってくれるなら……形として示しておきたい」
逢河雷魚:「流石に早すぎると思ってたが……きっとこの先変わることも無いだろうし……」
逢河雷魚:「……『まがいの』じゃなくてな」
逢河雷魚:言って、懐から小さな箱を取り出す。
逢河雷魚:蓋を開くと、中には指輪が入っている。銀に縁取られたのは、夜空のような深い蒼に、星のような六条の輝きを持つ石。
逢河雷魚:「……卒業したら……」
逢河雷魚:深く息を吸って、吐く。皆方アイリを見据えて。
逢河雷魚:「……結婚してくれ」
皆方アイリ:「…………」
皆方アイリ:「……………………」
皆方アイリ:ふう、と一つ息をついた後。
皆方アイリ:「……正直答えそのものはもう決まってるんですが」
皆方アイリ:「今日はマジでひたすらキレるつもりで先輩を部屋に呼んだので。気持ちが追い付かないというか」
皆方アイリ:「少しでも腹立たしい気持ちを抱えながら答えを返したくないので保留させてください」
逢河雷魚:「……。……ああ……分かった……」
逢河雷魚:「答えはゆっくりでいい」
逢河雷魚:小箱を仕舞って、腰を上げる。
逢河雷魚:「……じゃあ……」
逢河雷魚:「……。……一週間後……?」
皆方アイリ:「最短で一週間ですね」
逢河雷魚:「もっと長い場合あんのか……?」
皆方アイリ:「長引きそうならまた連絡します」
逢河雷魚:「……そっちはなるべく早く頼む」
逢河雷魚:「……じゃあ、またな」
皆方アイリ:「はい、また」
逢河雷魚:最後に振り返って皆方を一瞥し、まだ赤い頬をそのままに、部屋を出ていく。
皆方アイリ:出て行く先輩を見送った後、扉に鍵をかける。のち、ベッドの上に倒れ込む。
皆方アイリ:「…………もー、ほんっと」
皆方アイリ:「なんなのあの人…………」
皆方アイリ:保留にしちゃったという後悔とか罪悪感とかそれはそれとしてこっちはまだ怒る気だったのに憤りとか腹立ちとか。
皆方アイリ:というかよく考えたらなんで指環持ってんの。最初からその気だったの?という疑問とか。
皆方アイリ:言うと腹をくくっては居たけど色々重いこと言っちゃったなぁという諦めに近い嘆き的なアレとか。
皆方アイリ:色々全部を一言に詰め込むつもりで力なくぼやく。
皆方アイリ:「…………」
皆方アイリ:シエルちゃん辺りに愚痴ろうか、絶対からかわれるからやめておこうか片隅で悩みつつ、布団をかぶる。
皆方アイリ:全部放り捨てて寝てやろうという投げやりな気持ちが脳内を占拠するのに合わせて、目を閉じた。
皆方アイリ:(……一週間じゃ無理だな、コレ)
皆方アイリ:(まあでもいっか。許されるでしょ今回は)
皆方アイリ:思考を放棄する直前に浮かんだのは、先輩の困った顔ともうしばらく困れば良いなんていうちょっと意地の悪い気持ちだった。
【ED/雨宮珀亜】
GM:君達の奮戦の甲斐あって、連続予告殺人の容疑者である“百舌鳥”敷島涙は、身柄をUGNに拘束された。
GM:戦闘による負傷の他、身体改造と遺産契約の代償により著しく衰弱しきっており
GM:“百舌鳥”はRラボに緊急入院、事情聴取が行われたのは逮捕から二週間ほど経ってからのことだった。
雨宮珀亜:「……どうだ。体の調子は」
敷島涙:「……やあ、雨宮」
敷島涙:病室のベッドに身を横たえ、上半身だけを起こしている。
敷島涙:あちこち傷が目立ち、顔色も悪い……が、二週間前に比べれば随分人間らしい。
雨宮珀亜:殺風景な病室の中、ベッド脇のパイプ椅子に腰を下ろす。
敷島涙:「悪くないかな」
敷島涙:「味を感じるのなんて久々だ」
雨宮珀亜:「病院食なんて、味がわかっても大して美味くないだろ」
雨宮珀亜:「リハビリには丁度いいかもしれないが……たまには」脇に抱えた紙袋を取り出す。
雨宮珀亜:「贅沢も必要だろ……差し入れだ」
雨宮珀亜:ハンバーガーの包みがいくつか台の上に置かれる。
敷島涙:「え~、いいのかよこんなの」
敷島涙:「バレたら怒られるぞ、看護師さんに」
敷島涙:悪戯っぽく笑うその表情は、憑き物が落ちたかのように見える。
雨宮珀亜:「別にいいだろ。今は栄養取って損することないんだから」
敷島涙:「そういうもんかな……まあ、ありがたく貰うよ」
敷島涙:片腕は肘から先が無く、もう片腕も痩せ細っている。
敷島涙:覚束無い手つきでハンバーガーの包みを剥がして、一口かぶりつく。
敷島涙:「うわ…………」
敷島涙:「美味いな……犯罪的に美味い」
雨宮珀亜:「ああ食え……言っておくが勿論」同じタイミングで自分も一つ取ってかぶりついて
雨宮珀亜:「ピクルスは抜いてない」
敷島涙:「生きてるって感じが……」そこでピクルスに行き当たったらしく
敷島涙:「……嫌がらせだろ……」顔を顰める。
雨宮珀亜:「健康のためだ」少さく笑って
雨宮珀亜:「じゃ、食ったら聴取始めるぞ」いくつかの書類を鞄から取り出しながら
敷島涙:「何だ、仕事かよー」
雨宮珀亜:「遊びに来るならもっと良いものを用意するさ」
敷島涙:胃が弱っているのか、半分ほどで残りを包んでサイドボードに置いて。
敷島涙:「……いいよ。何から話せばいい?」
雨宮珀亜:「体のこともあるからな。一日大体30分ずつ、数日に分けてやってく」
雨宮珀亜:「最初は……そうだな」
雨宮珀亜:「重要項目から済ませていくか」ペンを回して
雨宮珀亜:「UGNを抜けてから、何人殺した?」
雨宮珀亜:「"早贄"にした以外に、殺害した人物はいるか。わかるならそれがジャームか否か」
敷島涙:「……」少し目を伏せて。「……13人」
敷島涙:「ジャームと、それからこっちを殺しに来た奴」
雨宮珀亜:「……」カリカリとペンを走らせる。
雨宮珀亜:「……なら正当防衛だな。立証は難しいが」
敷島涙:「あちこちで働いてたからな。……傷付けた相手なら、もっと多い」
雨宮珀亜:「お前が使っていた遺産の持ち主達は?」
雨宮珀亜:「全部が全部、返り討ちにして奪ったものでもないはずだ」
敷島涙:「……さっきの内の2人。ジャームだ」
敷島涙:「残りは殺してはいないが……奪い取ったのに変わりはない」
雨宮珀亜:「……そうか」
雨宮珀亜:「まぁ、あんなもの無いなら無いで困るものでもない」
雨宮珀亜:「自分では捨てられない物だからな。案外感謝されているかも知れないな」
敷島涙:「……希望的観測だな」自嘲気味に笑う。
雨宮珀亜:「大半は壊れてしまったし、残った分も管理局で半永久的に封印措置だ」
雨宮珀亜:「今更返せる宛もなし。そう考えた方が気楽だろ」
敷島涙:「……」息を吐く。
敷島涙:「……何か、性格変わった?雨宮」
雨宮珀亜:「別に自覚はないな。お前に言われるのも心外だが」
敷島涙:「昔ならそんなこと言わなかった気がする」
敷島涙:「査察部になんて居る割に、丸くなったんじゃない?」
雨宮珀亜:「さあな……けどまぁ」
雨宮珀亜:「5年も経ったからな。一人で尖っていられるほどガキじゃなくなったってことなんじゃないか?」
雨宮珀亜:「お互いにさ」
敷島涙:「……ははっ」
敷島涙:「渡良瀬が聞いたら弄られるだろうな」
雨宮珀亜:「フン、そうだな。得意顔で『大人になったねぇ』ってな。あいつも大概ガキのくせに……」
雨宮珀亜:「……」ペンを回し、窓の外を見る。
雨宮珀亜:「……お前、渡良瀬の墓に行ったことはあるか?」
敷島涙:「……」瞬きをして
敷島涙:「……無いな。そんな時間は無いと思ってたし……」
敷島涙:「……資格も無いと思ってた」
雨宮珀亜:「……はっ、考えることは同じだな」
雨宮珀亜:ジャケットを脱いで椅子にかける。仄かに線香の香りが漂う。
雨宮珀亜:「僕も今日はじめて行ったよ。渡良瀬の墓参り」
敷島涙:「……」その顔に目を向ける。
雨宮珀亜:「一応、区切りの報告ぐらいはしとかないとな」
敷島涙:「そうか……」
雨宮珀亜:「思ったより小綺麗で、新しい花も供えてあった」
雨宮珀亜:「身寄りはなかったけど、友達は多かったからなあいつ。僕等と違って」
敷島涙:「へえ……」
敷島涙:微笑する「そうか……。……良かった」
敷島涙:「あれで寂しがりだったからな、あいつ」
雨宮珀亜:「ああ、良かった」
雨宮珀亜:「お前もそのうち行ってやれよ」
敷島涙:「……そのうち、ね……」
敷島涙:敷島の処分に関しては不透明なままだ。今後どうなるのか、いつ外に出られるのか。何もかも分からない状態にある。
雨宮珀亜:「少なくとも……」書類を叩いて
雨宮珀亜:「すぐに処刑だの、一生塀の中だのにはならないさ」
敷島涙:「……だとしても、いつになるかな」
敷島涙:「その頃には爺さんかもな」
雨宮珀亜:「……それでも、生きてる内に行けるならマシだろ」
雨宮珀亜:「死んだ後に会える保証なんてないんだからさ」
敷島涙:「……僕は地獄行きだろうな」
敷島涙:「その中でも一番下、裏切者の地獄が関の山だ」
雨宮珀亜:「まだそう決めつけることも無いと思うけどな」
雨宮珀亜:「大体、お前が裏切り者なら僕達だって似たようなもんさ」
敷島涙:「全然違うだろ」かぶりを振って
敷島涙:「……少なくとも……あいつと同じ天国には行けないさ」
雨宮珀亜:「けど、あいつに天国ってのも似合わないと思わないか?」
敷島涙:「そうかな?」
雨宮珀亜:「ベアトリーチェの格好で出てきてみろ。生きてる間にしたことのない顔で笑い転げる自信があるね」
敷島涙:「……ははっ」表情を緩める
敷島涙:「そうかもな」
雨宮珀亜:「……」
雨宮珀亜:「……裏切るという行為の根幹が、嘘を付くということにあるのなら」
雨宮珀亜:「社会の安寧のために多くの事件を隠蔽し、或いは黙認してるUGNだって、立派な裏切り者だ」
雨宮珀亜:「ミランダ・ローウィンみたいのが特別悪辣なだけで、軽重はともかく罪人であることは変わらない」
敷島涙:「……」
雨宮珀亜:「お前は色々間違ったかも知れないし、誰かを傷つけたかもしれない」
雨宮珀亜:「けど、嘘は付かなかったよ」
敷島涙:微笑と共に瞑目する。
敷島涙:「……今日は随分優しいんだな、雨宮」
雨宮珀亜:「……ふん。僕は昔からこうだ」
雨宮珀亜:「手がかからなくなったから、厳しくする必要もなくなっただけだよ」
敷島涙:「君は僕の母親かよ」笑う。
雨宮珀亜:「やめろ、家族はいらない」そっぽを向いて
雨宮珀亜:「……友達の方が、気楽でいい」
敷島涙:「……かもな」
敷島涙:廊下から、看護師がナースカートを押してくる音がする。
敷島涙:「……雨宮」
雨宮珀亜:「どうした、敷島」
敷島涙:片目でその顔を見て。
敷島涙:「……ありがとな」
雨宮珀亜:「……よせよ。それはこっちの台詞だ」窓の外を見て
雨宮珀亜:「けど、そうだな……」書類を鞄にしまう
雨宮珀亜:「せっかく感謝してくれてるんなら、少し協力してくれ」
敷島涙:「……うん?」
雨宮珀亜:「昔言ったこと、覚えてるか?将来の話」
雨宮珀亜:「実を言うとな。あの頃、特に理由もなく出世するって言ってた」
雨宮珀亜:「やりたいことも志も無いけれど、現状を変え続ければ何かがマシになっていく気がしてた。ガキだったな」
敷島涙:「……」
雨宮珀亜:「けどな、今は一つ、目的がある」
雨宮珀亜:「オーヴァードはオーヴァードを裁けない。人が縋るべき法(かみ)が、僕たちにはまだない」
雨宮珀亜:「今のこの世界では、ミランダも僕等も、同じ裏切り者だ」
雨宮珀亜:「それっておかしいだろ?だからさ……」
雨宮珀亜:椅子から立ち上がる。
雨宮珀亜:「僕は評議員になる」
雨宮珀亜:「一番上に昇って、僕がオーヴァードの法を作る」
敷島涙:「……」ベッドから見上げて「……大きく出たな」
雨宮珀亜:「言っただろ。ミランダは僕が殺すってな」
雨宮珀亜:「これが僕のやり方だ。一番最初に、あいつの罪を裁いてやる」
雨宮珀亜:「たとえじいさんになったとしても、僕はやるぞ。だからさ」
雨宮珀亜:左手を差し出す。
雨宮珀亜:「一緒にやろう。敷島」
敷島涙:「……」
雨宮珀亜:「僕たちは家族じゃないけど……」
雨宮珀亜:「チームだ。何度離れたって」
雨宮珀亜:「またやり直せる」
敷島涙:息を吐く。
敷島涙:「……大きすぎる夢だな」
敷島涙:「それに、果てしなく遠い」
敷島涙:「君一人じゃ、どうしようもなさそうだ」
敷島涙:差し出された拳に、拳を合わせる。
敷島涙:「……仕方ないから、手伝ってやるよ」
雨宮珀亜:「……ああ」
雨宮珀亜:「行こう。敷島」
雨宮珀亜:「今度の狩りは長くなりそうだ」
Double Cross The 3rd edition
『片羽の百舌鳥』
END
GM:全行程終了です。お疲れさまでした!
雨宮珀亜:お疲れさまでした!楽しかった~!!
皆方アイリ:お疲れさまでした~
リオ・グッドマン:お疲れ様でした!
楫かなえ:お疲れ様でしたー!