集いし星々は運命を紡ぎ



メインログ/雑談ログ

Trailer



昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。だが、人々の知らない所で。
世界は大きく変貌していた。

箱の外へ踏み出した少女。
彼女は空の広さを、夜闇に輝く星の美しさを知る。
しかし、それは幸運の星とは限らず。凶星もまた等しく美しき光を放ち、
希望の光もまた、絶望という影を落とす。

星の瞳の少女。
過去からの来訪者。
突如として、夢へと攫われる人々。

全ての星が繋がった時
紡ぎ出される運命を、乗り越える事はできるのか。
審判の時は近い

ダブルクロス The 3rd Edition 『集いし星々は運命を紡ぎ』
ダブルクロス────それは裏切りを意味する言葉。





Character


PC1:田井中 次郎たいなか じろう (キャラシート)(PL:すきゃっと)
田井中次郎

PC2:林藤 はるかりんどう     (キャラシート)(PL:珪素)
林藤はるか

PC3:雨堂 聖理うどう きより (キャラシート)(PL:馴染)
雨堂聖理

PC4:新垣 御守あらがき みもり (キャラシート)(PL:森田)
新垣御守



Index


関連セッション
『悪夢を連れ立つ男』
『希望の光は私達には眩しすぎて』

【Master Scene】

Opening
【OP/新垣御守】
【OP/雨堂聖理】
【OP/田井中次郎】
【OP/林藤はるか】

Middle phase
【Middle1】
【Middle2】
【Middle3】
【Middle4】

Climax
【Climax】
【Climax/after】

Ending
【ED/新垣御守】
【ED/雨堂聖理】
【ED/田井中次郎・林藤はるか】



【Master Scene】

GM:大N市山中、某所。
GM:薄暗い部屋の中に、五人のオーヴァードが集まっている。
GM:彼らの立つ床には五芒星を起点とした魔法陣が描かれており、淡い光で五人の顔を照らしている。
GM:最初に声を発したのは、陰気で小柄な青年。UGNでは、“カースマスター”と呼ばれている男だ。
カースマスター:「いやあ……今回は……私の都合で……儀式の開始を遅らせてしまい……申し訳有りませんでした……ふふ……」
カースマスター:「思ったよりも……ふふ……傷が深くて……。いやあ……本当に……死ぬかと思いました……。遊びは……程々にしなければ……なりませんね……ふふ……」
???:「ったく、本当に、いいかげんにしろよなあ」
???:髪を逆撫でた大柄な男がそれに反応する
???:「こっちは3ヶ月も待たされたんだぞ。俺達だって暇じゃねえってのに」
???:「儀式にお前が必要じゃなきゃ、俺達全員でお前をぶっ殺してるところだぜ。なんなら今からそうしたっていいぜ。なあ?」
???:「あはは!いやあ。私は別に気にしていませんけどねえ」
???:へらへらと笑いながら、フードを被った男が答える
???:「成長のためには遊び心も重要ですよ。魔術も、体術もしかり。これは万物に通じる教えです」
???:「それにこうして無事に集まれたんですから。それが一番何よりではないですか!皆と会えて……私は本当に幸せ者です!」
???:「……ごめんなさい。正直……」
???:「……どうでもいい……。待つのが嫌なら……喋ってないで……早く初めたら……?時間の無駄……」
???:陰気な少女が目線も動かさず、冷たく言えば
???:「俺も同感だ。早く始めろ。はっきり言ってお前らのことは気に食わない。コインと仙丹の件さえなければ、顔も見たくもないくらいだ」
???:「儀式を終えて、それから全員直ぐに死ね」
???:「……ごめんなさい……私は……全員死ねとまでは……思っていない……」
???:「誰にも……勝たせないつもりでは……あるけど……」
カースマスター:「ふふ……皆さん……血気盛んですねえ……。では、早速……儀式を始めましょうか」
カースマスター:「皆さん。血を……捧げてください……」
GM:五人は各々の方法で自らの体に傷をつけ、式の中に血を垂らす
カースマスター:「これより……極星開門の儀を始めます……ルールは3つ」
カースマスター:「一つ。儀式の最中はお互いに傷つけあってはならない」
カースマスター:「二つ。儀式の最中はこの地……N市から出てはならない」
カースマスター:「そして三つ。期間内に最も多くの星を……人の命を奪った者が……勝者となり」
カースマスター:「敗者の……全ての参加者の力を得ます」
カースマスター:「“龍帝縁証”」
“龍帝縁証”:男が、フンと鼻を鳴らす
カースマスター:「“マスターウィザード”」
マスターウィザード:頭をかきながら、あはは、と気が抜けたように笑う
カースマスター:「“緋緋鷹右眼”」
“緋緋鷹右眼”:何も言わず、ただ物憂げに顔を伏せる
カースマスター:「“紫艶仙丹”」
“紫艶仙丹”:チッ、と大きく舌打ちをする
カースマスター:「そして私、“カースマスター”」
カースマスター:「真なる凶星が……ここに集いました。誰が勝とうとも。この五人の内、一人が……」
カースマスター:「神の領域へと至るでしょう。では……」
カースマスター:「ゲームスタート」



【OP/新垣御守】

GM:では、セッションを初めていきたいと思います
GM:まずはPC4、新垣さんのOPをやりたいので
GM:その前に新垣さんに自己紹介をしていただきましょう
GM:ということでお願いします
GM(キャラシート)
新垣御守:はいさい!
新垣御守:第2支部長の新垣御守ちゃんです!そんなに登場回数は多くないレアキャラ!
新垣御守:今回は猫口さんから立ち絵ももらって気合が入るぜ~~
新垣御守:トレードマークは赤毛のベリショ!一見パンクス風だが楽器は弾けないぞ!
GM:いいねぇ!
GM:かなり初期からNPCとしては活躍してたけど
GM:PCでは中々動いてないんだよね
GM:もやいさんがたくさんGMやってるから
新垣御守:赫灼、箱男、羽鳥さんやリリ姐とのワイバーン……くらいかな
新垣御守:かつては故郷の沖縄から拉致されてアジアの戦場で少年兵をやっていた過去もありましたが
新垣御守:UGNエージェントのお姉さんに助けられ、自分もその世界で生きていくことを決めました。
新垣御守:その経験から厭戦主義であり、出来るだけ交渉で物事を済ませたいと考えています。
新垣御守:今回どう考えてもそんな風にいかなそうだけども!!
GM:今回は交渉不可能っぽいですね
新垣御守:がんばり支部長としてやってきたいと思います。
GM:がんばれよ!兄弟!
新垣御守:いきなり襲撃してきてんじゃないよ!
新垣御守:ちくしょう~~
GM:そんな新垣さんのハンドアウトはこちらだよ
新垣御守:はい!
GM:ちょっとどちらかわからなくなってるので待ってください

・PC4(新垣さん)用ハンドアウト
推奨ワークス:UGN支部長
シナリオロイス:真(リアル)五凶星 推奨感情P:執着/N:驚異
君は大N市第二区画を任されたUGN支部長だ。
君にとって、いいニュースと悪いニュースがある。
いいニュースは支部のメンバーであるチルドレン、林藤はるかの病が完治し、今日が退院の日であること。
悪いニュースは、そんな大事な日にも関わらず、君の任された支部が“真五凶星”を名乗る怪物的オーヴァードに襲撃されていることだ。

エージェントであるリリアナ・マルティネスと協力し、なんとか男を仕留めることには成功したものの、
支部機能は大きな打撃を受け、リリアナも戦闘のダメージで意識不明の重体に陥ってしまう。
しかし、立ち止まっている暇はない。彼の言葉が真実なら、同じ脅威度のオーヴァードがもう4体存在することになる。

残った戦力をかき集め、君はこの事態に対応しなければならない。


GM:ありました
新垣御守:ちょっと!?
GM:詳しいことは言えませんが彼女さんには死んでもらいます(生きてる)
新垣御守:さっきも言ったように固定ロイスの恩人、リリアナさんがいるわけなんですけど
新垣御守:いきなり死んでる(生きてる)
GM:大きな事件の時に
GM:その支部で一番強い人が出てこないのってなんか
GM:理屈的にいやじゃないですか
新垣御守:お前!
新垣御守:わかるけど……!
GM:なのでOPでちゃんと戦って死んでもらうことにしました(生きてる)
GM:ではそんな感じで始めていきましょう
新垣御守:もう生かして返すことは出来んな
新垣御守:っしゃあ!!ぶっ殺してやんぜ!!

---

GM:ということでOP1。新垣御守さんのOPです
GM:登場ダイスを振ってくれよな
新垣御守:1d10+29
DoubleCross : (1D10+29) → 8[8]+29 → 37





GM:ここは大N市第2区画。支部長である君は、担当地区で起きた小さな事件を解決し終え
GM:エージェントであるリリアナ・マルティネスと共に、食事を済ませてから支部に帰ることにしました。
GM:何処かで見たようなラーメン屋台で、二人は肩を並べて美味しいラーメンを食べていることでしょう
新垣御守:レンゲからスープをすすると、鶏ガラ出汁のうまみが口いっぱいに広がる。
新垣御守:「はぁー……」
新垣御守:「ほんとに変わんないねえ、この味は」
新垣御守:「日々の疲れが癒されるわぁ」
リリアナ・マルティネス:「だな」
リリアナ・マルティネス:黒髪に長身、ライダースジャケットを羽織ったラテン系の女。
リリアナ・マルティネス:容器を半ばひっくり返して、ドバドバとラーメンにショウガを掛けている。
新垣御守:「またそれ!」
リリアナ・マルティネス:「離れてる間、この味がずっと恋しくてなー……何だよ」
新垣御守:「血圧に気を遣いなさいよって」
新垣御守:「いっつも言ってんでしょ、ったく」
新垣御守:ぱっとショウガをとりあげる
リリアナ・マルティネス:「あっ!何すんだよ!」
新垣御守:「没収だよ没収」
リリアナ・マルティネス:「血圧に気ィ使えだあ?そんな首輪つけられて家畜として生きるくらいなら」
リリアナ・マルティネス:「私は死を選ぶね」
リリアナ・マルティネス:代わりにニンニクをドバドバかけ始める。
新垣御守:「ぜんっ、ぜんカッコよくないからねそれ……って!あ”!」
リリアナ・マルティネス:「大体お前、ショウガってのは野菜だぞ」
リリアナ・マルティネス:「つまり摂れば摂るだけ健康になンだよ」
新垣御守:「……今度チルドレンと一緒に家庭科の教導カリキュラムでも出る?」
新垣御守:「いややるべきだわ、マジで」
新垣御守:「ほっといたら死ぬってあんたホント」
リリアナ・マルティネス:「これ食って死ねるなら本望だね」
リリアナ・マルティネス:カカカ、と笑って口で咥えた割り箸を割り、変色したラーメンを啜り始める。
リリアナ・マルティネス:「何ならお前が健康にいい家庭料理でも作ってくれたっていいんだぜ?」
リリアナ・マルティネス:「なあ?御守ちゃんよ」
新垣御守:「あたしはアンタの母親かっつーの」
新垣御守:「上司にメシ作らせんな、上司に」
リリアナ・マルティネス:「部下の健康管理も支部長の仕事だろ~?」
リリアナ・マルティネス:「家庭科の教導カリキュラムにでも出て、お料理習って来いよ」
リリアナ・マルティネス:「あーん♡してくれたら食べてやるから」
新垣御守:「ふふ」
新垣御守:「んじゃ一緒に行こっか?」
新垣御守:「その方がチコも喜ぶっしょ」
新垣御守:頬杖ついて、微笑みかける。
リリアナ・マルティネス:「うわ、お前本気になんなよ……やめろその顔」
新垣御守:「……」
リリアナ・マルティネス:「やだよこの歳でお料理教室なんて」
新垣御守:「マジでさぁ」
新垣御守:顔を赤くして
新垣御守:「その、いきなりハシゴ外すのほんっとやめろ!」
新垣御守:「毎回こっちが恥ずかしい思いして終わってんじゃん!」
新垣御守:「こっちがノッてやってんのに!コラ!全負担じゃん!」
リリアナ・マルティネス:「私は別にハシゴ掛けてるつもりもねーよ」素知らぬ顔でコショウを追加しながら。
新垣御守:「……ちぇ」
リリアナ・マルティネス:「お前が勝手によじ登ってくんだろ?」
新垣御守:「まあね」
新垣御守:渋々といった表情でまたラーメンに取り掛かる
リリアナ・マルティネス:「ま、いいだろ?好きなモン食うくらいさ」
リリアナ・マルティネス:「聞いた話によりゃあ」
リリアナ・マルティネス:楊枝を咥えて。
リリアナ・マルティネス:「世界が滅ぶらしいじゃねーか」
新垣御守:「……ああ」
新垣御守:「アンタみたいな下っ端にまでこんだけすぐ伝わるなんて」
新垣御守:「ウチの管理部もツメが甘いってか」
新垣御守:苦笑しつつ
新垣御守:「未来じゃ、そうなってんだってね」
新垣御守:「2042年から来た未来人なんて、こっちも信じられなかったけど」
新垣御守:「あんまりにもこの街について知ってることが正確すぎるし」
新垣御守:「技術についても今のUGNの最先鋭を水準にしても説明がつかない」
新垣御守:「私はざっとレポート読んだだけだけどね」
リリアナ・マルティネス:「ハ!ウケるよな。2042年って。あたしもうババァだぞ、ババァ」
新垣御守:「こっちもだよ」
リリアナ・マルティネス:「俄かにゃ信じ難いけどな。今も別に、フツーーって感じだし」
新垣御守:「……そうだね」
新垣御守:「並行世界だの未来だの」
新垣御守:「スケールがデカくなりすぎて、ついてけないよホント」
新垣御守:「でも、ま、やるけどね」
リリアナ・マルティネス:「難しいことは、得意な奴に考えさせときゃいいさ」
リリアナ・マルティネス:煙草に火を付けて。
新垣御守:「そういうこと」
新垣御守:「世界を滅びさせたりなんてしないよ」
新垣御守:「無理だ無理だーっつってやってきたんだから、今更無理のひとつやふたつ増えるくらい、なんでもないからさ」
新垣御守:「一応支部長として、やることやるだけ」
リリアナ・マルティネス:「これまでだって、無茶ばっかり通してきたんだからな、特にお前は」
リリアナ・マルティネス:「ま、希望がゼロって訳でも無いんだろ?」
新垣御守:「向こうさんが言うにはね」
リリアナ・マルティネス:「世界滅亡のトリガー……“楽園の”……あー、何人だったっけ?」
新垣御守:「”十三人”」
新垣御守:「世界が滅びるにも条件があって、それが”オーガン”とかいう組織だかジャームだかの成立」
新垣御守:「そいつに関わることになる十三人をあと半年のうちに排除すれば」
新垣御守:「未来は変わるんだってさ」
リリアナ・マルティネス:「その一人……“荒天龍”はもうこの前、倒されたんだろ?」
リリアナ・マルティネス:「相当ド派手にやったみたいだけどな。まあともかく」
リリアナ・マルティネス:「あと12回、同じことをやりゃいいってわけだ」
新垣御守:「軽く言うけどさあ」
新垣御守:「どいつもこいつもS級の超危険特記犯罪者どもだっつーの」
新垣御守:「これまでにも仕留められるんだったらとっくに仕留めてるよ」
新垣御守:「おまけに全く正体不明の名前まであるし」
リリアナ・マルティネス:「知ってるけど。関係あるか?それ」
リリアナ・マルティネス:「どの道やるしかねえんだろ?」
リリアナ・マルティネス:「じゃあ探し出してぶっ殺すしかねえじゃんか」
新垣御守:「……ん」
新垣御守:「だね」
新垣御守:その答えを待っていたように笑みを浮かべ
リリアナ・マルティネス:「私もやるだけやってみるさ」
リリアナ・マルティネス:「世界に滅んでもらっちゃ困る。まだここのラーメンにも飽きてねえしな」
リリアナ・マルティネス:「まあ、でも万が一ってことがあるからな」
リリアナ・マルティネス:「お前は料理練習しとけよ」
リリアナ・マルティネス:「世界が滅びるまでに、一回くらいはマトモなのを食ってみたいからな」
新垣御守:「……はいはい、わかりましたよ」
新垣御守:「世話の焼ける部下に、とびっきり愛情込めたやつね」
リリアナ・マルティネス:「…………」
リリアナ・マルティネス:「や、別にそこまでは求めてねえんだけど……」
新垣御守:「……はぁ~~!?」
リリアナ・マルティネス:「愛情込めてってお前」
リリアナ・マルティネス:「よくそういう恥ずかしいこと言えるよな?外だぞここ」
リリアナ・マルティネス:「ティーンエイジャーの初カップルでもねえんだからさ……」
新垣御守:「それ……それほんとふざけんな!」
新垣御守:「マジでいっつもこれ!」
新垣御守:箸を向けて抗議しつつ、やがて
新垣御守:それを丼に下ろして
新垣御守:「……林藤ちゃんってさ、前に話したでしょ」
新垣御守:「ほら、ずっと病院にいるチルドレンの子」
リリアナ・マルティネス:「ん?あー……あのホタルの」手をフワフワさせるジェスチャー。
新垣御守:「退院できるかもしれないんだって」
リリアナ・マルティネス:「へぇ……」目を丸くして。「マジか。そりゃ良かったな」
新垣御守:「今でもただでさえお転婆なのに」
新垣御守:「これからは体までついてくるんだから、手がつけられなくなるよ」
リリアナ・マルティネス:「支部長さんは大変なことですなァ」くつくつ笑って。
リリアナ・マルティネス:「支部でお祝いパーティでもやるか?」
新垣御守:「……」
新垣御守:「終わらせるわけにはいかないよ」
新垣御守:「あの子が色んなところに行けるように」
新垣御守:「守んないとね」
新垣御守:スープの水面を見つめながら、呟く
リリアナ・マルティネス:「……」
リリアナ・マルティネス:その頭に手を置いて、わしわしと乱暴に撫でる。
新垣御守:「うわ」
新垣御守:「何急に……ちょ……」
リリアナ・マルティネス:「別に」
新垣御守:「何それ……やめ……」
新垣御守:「大将見てんじゃん!」
新垣御守:「外だって言ったのあんたでしょ!おい!」
新垣御守:言いつつも
新垣御守:払いのけようとはしない
リリアナ・マルティネス:「頑張ってる奴は、偶には褒めてやんなきゃなと思って」
リリアナ・マルティネス:「グレられても困るからな」
新垣御守:「……そう思うなら、ほんと」
新垣御守:「どこにも行かないでよね」
新垣御守:「リリ姐」
新垣御守:小声で応えて、それっきりなすがままにされる
GM:では、そんな心安らかな一時を終え。君たちが支部に戻ろうとした時。
GM:ドルルン、ドルルン。マフラーを勢いよく吹かした一台のバイクが、君たちの側で止まる。
新垣御守:「……ん?」
リリアナ・マルティネス:「……」軽く目を細め、横目で見る。
???:「ひゅーひゅー、昼間っから熱いもん見せてくれるねえ」両腕に流星の入れ墨を入れた、ガラの悪そうな大男が
???:君たちに話しかけてくるよ。
新垣御守:「ちょっと、何」
リリアナ・マルティネス:「おう、だろ?ラブラブなんだよ」
新垣御守:「あー、はいはい」
新垣御守:リリアナをあしらいつつ
???:「盛り上がってるところ悪いんだけど、ちょっと付き合っちゃくれねえかい、お姉さん方」
新垣御守:「ナンパだったら間に合ってるから、そこどいてくれる?」
リリアナ・マルティネス:「悪いけど、そんなに暇じゃないんでね。またの機会にな」
リリアナ・マルティネス:言って、適当にあしらって去ろうとする。
???:「ショートケーキ」
新垣御守:「は?」
???:「苺を最後に食べる奴が居るけど、俺はそういうの理解できねえんだよな」
リリアナ・マルティネス:「……」
新垣御守:「……」
新垣御守:一向にどく気配のないライダーに
新垣御守:警戒を強め、懐手にナイフを握る。
???:「もし、食い終わる前に隕石でも落ちてきて死んじまったら、成仏できないくらい後悔しちまうだろうからさ」
リリアナ・マルティネス:無言の内に、リリアナの纏う空気が、エージェント──否、冷たい殺人者のそれへと変わっていく。
???:「つまり、今日のこともそれと同じで……最初に頂くのは一番美味しいところからって決めてるわけよ」
リリアナ・マルティネス:「おい」新垣に。
リリアナ・マルティネス:「ヤバいぞこいつ」
新垣御守:「わかってる」
???:「新垣御守、それから……リリアナ・マルティネスだろ?」
???:「はは!その殺気。やっぱりそうだな。12支部の奴と迷ったんだが。こっちにして正解だったな」
新垣御守:「……なるほど」
新垣御守:「どこのどいつだか知らないけど」
新垣御守:「イチゴ狩りに来たわけだ」
新垣御守:「赤いから目立つしね」
リリアナ・マルティネス:「はー……」溜息を吐いて。「冗談じゃねェよ。仕事帰りだぞ、こっちは」
“龍帝縁証”:「大N市で一番強いのはあんただろ?俺は“龍帝縁証”」
“龍帝縁証”:「“真五凶星”。“龍帝縁証”の東郷結城」
新垣御守:「五凶……!」
新垣御守:その言葉に目を見開く。
新垣御守:かつて荒天龍、カースマスター……この街に破滅を導くと予言された十三人のうち
新垣御守:二人をも要したFH”イエローコゥト”セルの幹部集団の名前だ。
“龍帝縁証”:ばき、めき、べき
“龍帝縁証”:君たちの目の前で、男の体が音を立てて変貌していく
“龍帝縁証”:《破壊の爪》Lv64《歴戦の獣牙》Lv25
“龍帝縁証”:攻撃力147の素手を作成
“龍帝縁証”:《完全獣化》Lv27 シーン中【肉体】ダイス+29
“龍帝縁証”:《巨神獣化》Lv27 シーン中HP+50 攻撃力+135
“龍帝縁証”:《剛身獣化》Lv25 シーン中攻撃力+50 装甲+75
“龍帝縁証”:《究極獣化》Lv27 シーン中攻撃ダメージ+27d10、装甲+10
“龍帝縁証”:《進化の大爪》Lv25《進化の重鱗》Lv25《進化の末脚》Lv25 ラウンド中攻撃力+75、ガード値+75、行動値+75
“龍帝縁証”:数秒後。既に君たちの前に男の姿はなく
“龍帝縁証”:そこに居るのは、全長10mを超える、巨大な恐竜の姿だった。
“龍帝縁証”:「レネゲイドは……俺達が生まれるずっと前から存在していた」
“龍帝縁証”:「俺が使うのは、その“起源”拡散し、薄まる前の」
“龍帝縁証”:「最も強い時代のレネゲイドだ」
新垣御守:「……ヘイヘイヘーイ」
新垣御守:「肉食系にもほどがあるでしょ」
リリアナ・マルティネス:「はッは!」
リリアナ・マルティネス:展開した鮮血の刃が、黒変していく。
リリアナ・マルティネス:その身に宿すのはレネゲイドを害するレネゲイド────“対抗種”。
リリアナ・マルティネス:「やっべェな」
“龍帝縁証”:「はは!そっちの弱っちいのは、怖かったら、逃げてもいいぜ」
新垣御守:「悪いけどパス」
新垣御守:「目を離すとどこ言っちゃうかわかんないやつだからさ」
新垣御守:「上司としてのセキニンがあるってこと」
新垣御守:ぷしっ
新垣御守:掌をナイフで裂き
新垣御守:極彩色の煙が立ち上る
“龍帝縁証”:「リリアナ・マルティネス……お前を食らって」
“龍帝縁証”:「俺は一歩先へ行く」
リリアナ・マルティネス:「面白え」
リリアナ・マルティネス:新垣御守と並び立ち。
リリアナ・マルティネス:「腹壊すなよ?」
新垣御守:「どっちのイチゴも」
新垣御守:「毒入りだからね」

---

GM:数分後。周囲は既に街の形を残しておらず。破壊された文明の残骸と、生命全てを脅かす毒の霧が空間を満たしていた。
“龍帝縁証”:「ははは!まだ死んでねえのか。やっぱりこっちに来て正解だった」
“龍帝縁証”:「これでこそ……食らいがいがあるってもんだ!ゴボッ……はは!」
“龍帝縁証”:巨大な血の塊を吐き出しながら笑う。毒は確実に体を蝕みつつあるが
“龍帝縁証”:未だに止まる様子はない。異形の生命力だ
新垣御守:ず ずずず ず
新垣御守:周囲を包んでいた霧が薄まる、凝縮されていく。
新垣御守:こちらの能力展開も最早限界。
新垣御守:これが最後の一手だというのは自明である。
リリアナ・マルティネス:「まァ~~だ死んでねえのかよ……」
リリアナ・マルティネス:血に染まった顔に凄絶な笑みを浮かべるが
リリアナ・マルティネス:満身創痍だ。千切れかけた手足を、ブラム=ストーカーの血液操作で繋ぎ止めている。
新垣御守:周囲を取り囲むのは
新垣御守:負傷や汚れまで完全に再現された、無数のリリアナの姿。
“龍帝縁証”:「はは、は」「つくづく、殺しが上手え!」最後の一手であろうことは、こちらも分かっている。巨大な咆哮を上げ
“龍帝縁証”:残像すら残る、巨体とは思えぬ速さで、その分身を迎え討とうとする
新垣御守:軽い炸裂音とともに
新垣御守:一瞬で煙の分身は薙ぎ払われ、攻撃の余波の突風に消える。
新垣御守:しかし、その中の一体が動きの中に出来た僅かな死線をたどって
新垣御守:巨獣の後頭部、脳幹へと刃を突き立てようとする。
新垣御守:これが、最後の一手。
“龍帝縁証”:「だがーー」バチン
“龍帝縁証”:「取った」巨獣の尾が、死角をとったはずのその一体を正確に撃ち落とす

GM:39DX7+15
DoubleCross : (39R10+15[7]) → 10[1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,4,4,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,7,8,8,9,9,9,9,9,10]+10[1,1,1,3,4,6,7,8,9,9,10]+10[1,1,4,5,9]+10[7]+1[1]+15 → 56

リリアナ・マルティネス:ガード。
“龍帝縁証”:6d10+27d10+135+147+50+75
DoubleCross : (6D10+27D10+135+147+50+75) → 45[10,6,5,6,10,8]+135[1,7,2,3,1,10,4,4,7,6,8,3,8,2,3,1,4,3,9,5,6,10,6,9,5,3,5]+135+147+50+75 → 587

GM:587ダメージ受けてください
GM:装甲とガードは有効です

リリアナ・マルティネス:「ごぼ」
リリアナ・マルティネス:「が……」
“龍帝縁証”:「俺の、勝ーー」吹き飛ぶ肉の感触に、勝利を確信するが……
リリアナ・マルティネス:「……」
リリアナ・マルティネス:鋼のような尾に貫かれ口元から赤黒い血が溢れるが
リリアナ・マルティネス:その口元が、笑みを浮かべる
リリアナ・マルティネス:「……これで」
新垣御守:「通った」
新垣御守:リザレクト
新垣御守:1d10+37
DoubleCross : (1D10+37) → 1[1]+37 → 38

新垣御守:自らの全身を覆っていた毒煙の擬態がかき消える。
新垣御守:「——リリ姐!!」
新垣御守:貫かれながらも、尾を握りしめる
新垣御守:一瞬でも反応が遅れるように。
“龍帝縁証”:「こいつ、は……!」
リリアナ・マルティネス:──その時には、既に。
リリアナ・マルティネス:巨体故に生まれた死角……腹の下に、
リリアナ・マルティネス:最後の分身が────否。
リリアナ・マルティネス:本物のリリアナ・マルティネスが、潜り込んでいる。
リリアナ・マルティネス:「起源だか何だか知らねェが」
リリアナ・マルティネス:「レネゲイドはレネゲイドだろうが」
リリアナ・マルティネス:瞬間、全身から黒血の刃が噴き出し、“龍帝縁証”を串刺しにする!
“龍帝縁証”:「ゴォァアアアアアアアアアア!」
リリアナ・マルティネス:宿主すら蝕む対抗種のレネゲイドが、激痛と共に巨竜の身体を蝕んでいく。
“龍帝縁証”:断末魔を上げ、蹌踉めきながら、巨体が徐々に縮んで行く。
“龍帝縁証”:最後には、元の人の姿に戻るが
“龍帝縁証”:「はは……やっぱり」「苺は最初だな」
“龍帝縁証”:「だが……負けねえ」その状態でなお、拳を振りかぶり
“龍帝縁証”:リリアナさんに殴りかかろうとするよ
リリアナ・マルティネス:「……まだ、死なねえのかよ」
リリアナ・マルティネス:未だ血液操作は解除していない。
リリアナ・マルティネス:黒血は刃であり、リリアナと“龍帝縁証”を繋ぎ止めるアンカーでもある。
リリアナ・マルティネス:その拳を正面から受け、引き寄せるようにして自身と“龍帝縁証”を、雁字搦めに縛り付ける。
リリアナ・マルティネス:「捕まえた」
“龍帝縁証”:「消化してやるよ……リリアナァ!」構わず、0距離から更に拳打を浴びせようとする
リリアナ・マルティネス:一瞬、新垣に目を向け。
リリアナ・マルティネス:「おい、アニー」
リリアナ・マルティネス:名前でもコードネームでもない、二人だけの愛称を口にして。
リリアナ・マルティネス:「死んだら悪い」
新垣御守:「……リリっ……ね、えッ……」
新垣御守:横裂きに腹を破かれて
新垣御守:腸を道路にこすりつけながら
新垣御守:這って近づこうとする
リリアナ・マルティネス: ゴ ァッ !!
リリアナ・マルティネス:瞬間、リリアナと“龍帝縁証”の全身が、燃え上がる。
新垣御守:「……!」
新垣御守:「リ……リ……!!」
リリアナ・マルティネス:リリアナはクロスブリードのオーヴァードだ。ブラム=ストーカーで操作する血液を、サラマンダー能力で発火させる。
“龍帝縁証”:「オオオオオオオオオ!」
“龍帝縁証”:雄叫びを上げ、耐えきろうとするが。
リリアナ・マルティネス:「は、は、ハ、ハハハ!!」
リリアナ・マルティネス:「根性比べと行こうじゃねェーか!!ええ!?おいッ!!」
リリアナ・マルティネス:紅蓮の炎に包まれながら、狂ったように哄笑する。
“龍帝縁証”:「最高……最高だぜ!お前!ハハハハハ!」
“龍帝縁証”:「ッハハハ……オオ……」「オオオオオ……!」「オォ……!」
“龍帝縁証”:徐々に声はかき消え
“龍帝縁証”:「……」がくりと頭を垂れる
リリアナ・マルティネス:「…………」
リリアナ・マルティネス:炎は次第に弱まり、やがて消え。
新垣御守:「……あ」
新垣御守:呆然と、それを膝立ちで見上げている
リリアナ・マルティネス:二人を貫いていた血液の刃も解除され、瓦礫の山に崩れ落ちる。
新垣御守:「!!」
新垣御守:それを辛うじて支えようとして
新垣御守:まとめて瓦礫の中に倒れる
リリアナ・マルティネス:「…………」
リリアナ・マルティネス:全身焼け焦げ、あるいは黒血にまみれ、ぴくりとも動かない。
“龍帝縁証”:拘束が解かれると同時に、こちらも倒れる。
“龍帝縁証”:その体は足元から、塵のように成って消えていく。
新垣御守:敵には目もくれず、腕の中のリリアナを揺する
新垣御守:「リリアナ!リリアナ!」
新垣御守:「ふざけないでよ……ねえ!」
新垣御守:「リリ姐……!」
“龍帝縁証”:「くっ……はは……!負けか……俺の……!だが……いい戦いだった……!」
新垣御守:「ッ……!」
“龍帝縁証”:「その礼に……教えておこう……」
“龍帝縁証”:「俺は……真五凶星の中でも」「最弱だ」
新垣御守:「!」
“龍帝縁証”:「お前らじゃ、残りの四人には」
“龍帝縁証”:「絶対に勝てねえ……は」
“龍帝縁証”:「苺じゃなくて悪かったな」
“龍帝縁証”:「あばよ」
新垣御守:「ッ待て!アンタ……!」
GM:ばふっ
GM:完全に黒い灰となり
GM:“龍帝縁証”は息絶えます
新垣御守:「ああ、ああもう」
新垣御守:自分の携帯は既に壊れている、リリアナのものを取り出して
新垣御守:支部への緊急コールを打ち込む
新垣御守:「どいつも、こいつも」
新垣御守:「勝手しないでよ、ホントさ」
新垣御守:泣きそうになりながら
新垣御守:「医療班寄越して!」
新垣御守:「早く!お願い……!」




GM:シーンを終了します
GM:シナリオロイスを取ることができるよ
新垣御守:リリ姉にはもう取ってるので
新垣御守:このシーンはなし!龍くんも死んじゃった!
新垣御守:以上!
GM:おう!



【OP/雨堂聖理】

GM:では次のシーンに行きましょう
GM:雨堂さんのOPやろうかと思うんですが
GM:12時までにはねたいとかあれば
GM:明日に回してもいいかなと思います。どうでしょう
雨堂聖理:ぜんぜんかまわぬぞ。
雨堂聖理:やりましょう!
GM:ではやっていきましょう
GM:侵蝕ダイスをお願いします
雨堂聖理:自己紹介とかは大丈夫?
GM:そうだった!
GM:では紹介してもらおう
GM:可愛い女の子だといいな
雨堂聖理(キャラシート)
GM:そういえばキャラシ貰ってなかったな。今出すといいよ
雨堂聖理:あ、そっか。この前のセッションの時と同じです。
雨堂聖理:提出はするべきだったな。申し訳ない。
雨堂聖理:というわけで、第7支部管理のUGNイリーガル、雨堂聖理です。普通のかわいい女子高生でーす。
雨堂聖理:……と、挨拶するのもいい加減マンネリかな……一家全員殺され済みの元特異点。暗殺者ワークスに相応しく、年齢不相応な単独での対FH戦歴を持つ16歳です。
雨堂聖理:『誰かを助ける』という行動原理のためには、倫理なし情けなし待ったなしの激烈な行動力で目的へ邁進します。
雨堂聖理:まあ、以前に比べるとだいぶ分別がついて丸くなってはいますが……それでも人命がかかった時はパワフルな駆動をすることでしょう。他人が大事。
雨堂聖理:性能的には、Dロイス守護天使でのペナルティ踏み倒しを前提として、《マシラのごとく》で一発ぶっぱなしつつ
GM:マシラと天使の相性は抜群だぜ
雨堂聖理:メモリーと共に《時の棺》《暴食の魔王》を握って攻防の支援を行う、そんな型です。
GM:クライマックスにかなり特化しているのだなあ
雨堂聖理:そういうこと! クライマックスな人生を歩んでまいりましたので。
GM:なるほどね
GM:ではそんな雨堂さんのハンドアウトはこれ

・PC3(雨堂さん)用ハンドアウト
推奨ワークス:暗殺者
シナリオロイス: 推奨感情P:敵愾心/N:執着
君はとある高校に通う、重い過去を背負った人助け大好き少女だ。
近頃、君には深刻な悩みができていた。以前助けた如月聖人という少年に、どうやら想いを寄せられているようなのだ。
彼の行動は中々過激で、君が学校から出てくるところを待ち伏せするのは当たり前、一度は発信器をかばんの中に仕込まれかけた事もある。
普通なら犯罪者として警察に突き出すのだが、困ったことに彼には情報屋としての一面があり、有益な情報をもたらすことも珍しくない。

今日もそんな彼を適当にあしらいつつ情報を搾り取ってた君は気になる噂を耳にする。
何でも近頃、何の前触れもなく、複数の人々が気を失う、集団意識喪失事件が起きているというのだ。
そこにレネゲイドの関与を疑った君は、事件が起きているという第2支部へ向かうことにした。


GM:第二支部へ行ってね
雨堂聖理:犯罪はよくないぜ。
GM:シナリオ的には、向かったら向かったでもっとやばいことが起きていて
GM:そっちに協力してもらう感じになるかなと思います
雨堂聖理:しますしまーす!
GM:あとOPでは君のことが大好きな男子が出てくるんですけど
GM:爽やかで気持ち悪いやつにするつもりなんですが大丈夫かなって確認しておきたいです
GM:生理的に無理ってなったら何時でも言ってね。キャラ変えるから。
雨堂聖理:大丈夫です! 会話する価値があるなら会話もするよ。
雨堂聖理:人の形を保って、ある程度清潔にしてくれていればそれで。
GM:じゃあ平気そうだな
GM:他に質問とかなければOPを始めていきましょう
雨堂聖理:大丈夫! やっていきましょう! よろしくお願いしまーす




GM:君、雨堂聖理は高校生だ。ちょっと人助けが好きなだけの、普通の。
GM:そんな君に、まさに高校生らしい悩みが出来つつあった。それに遭遇するのは、いつも放課後。学校が終わってすぐのことだ。
GM:学友と別れ、校門を出ようとした時。必ず彼は君に声をかけてくる
如月聖人:「あっ!いたいた!雨堂さーん!こんにちわー!」
如月聖人:制服をきっちりと着た、中学生ほどの男子生徒が手を振りながら君に向かって走ってくる。
雨堂聖理:「……そんな大声出さなくても」
雨堂聖理:「分かるよ。っていうか、目立つんだけど……」
雨堂聖理:呆れ半分、困惑半分。いつも通りの表情で、特に足を止めるでもなく歩き続ける。
如月聖人:「え~?いいじゃないですか!見せつけてやりましょうよお、他の男子に雨堂さんと僕の仲を!」
如月聖人:頬にはガーゼ、よく見ると手首には包帯を巻いている。君と合う時、大抵彼は何処かに傷を負っている
雨堂聖理:愛用の、片耳が断線したイヤホンはつけたままだ。足を止めなければ、英語のリスニング音声を止める様子もない。
雨堂聖理:「見せつけるって? こうやってあたしが適当にあしらってる所を周りに見せて、同情の肥料になってくれるの?」
如月聖人:彼の名は如月聖人。裏社会の情報屋の一人であり、君に明らかに惚れている。厄介な男だ
如月聖人:「違いますよお。ラブラブなところを見せて、悪い虫が寄ってこないようにって事です。……何聞いてるんですか?」
如月聖人:顔を近づけて、イヤホンの音を聞こうとしてきます
GM:ここで雨堂さんは
GM:知覚の判定をすることが出来ます
GM:難易度は3です
雨堂聖理:挑戦ということだな
雨堂聖理:受けて立とう
雨堂聖理:3dx=>3
DoubleCross : (3R10[10]>=3) → 10[1,6,10]+8[8] → 18 → 成功

雨堂聖理:完璧に気付いた
GM:では君は二つ分かります。一つは、彼が近づいたついでに君の鞄に隠しカメラを仕込もうとしていることと
GM:彼の靴の先にも同様のカメラが仕込まれていて、スカートの中を撮ろうとしてることに気づいていいです。
雨堂聖理:「ま、確かに君のおかげで人は寄ってこないかもね」
雨堂聖理:言いながら、如月くんの靴先を思い切り踏みつけにし、一方でカバンに仕込まれた隠しカメラは看過してやる。
雨堂聖理:後で裏に流すのだ。でも気持ち悪いので電源は即切っちゃおう。
如月聖人:「いったー!……あら~……やっぱバレてました?」
雨堂聖理:「ちなみに聞いてるのは般若心経。」
雨堂聖理:「煩悩が取れて君も多少は真人間になれるんじゃない? ……オススメしとくよ」
如月聖人:「悟りとかには興味ないんでいいです。雨堂さんが読み聞かせてくれるならぜひお願いしたいですけど」
雨堂聖理:歩きながら、彼が離れないようであれば機会がある限り何度も何度も彼の靴先を踏み続ける。
雨堂聖理:「あたしも悟ってない人には興味ないから」
如月聖人:「いたっ、いたっ、いたいいたい!一個だけですよ!仕込んでたのは!無駄な体力!」
雨堂聖理:「百八回も踏めば多少はマシになるんじゃない? ……ほんっと懲りないな君も」
如月聖人:ちょっと距離を取ります「ケチだな~雨堂さん。始めて会った時は全然気にしてなかったのに」君が彼の窮地を助けたときのことを言っている
如月聖人:「何が貴女を変えてしまったんですか?辛いことがあったなら相談に乗りますよ?」
雨堂聖理:距離ができて少し歩きやすくなり、あからさまに溜息を吐く
雨堂聖理:「あたしはなんにも変わってない。敢えて言うなら状況が変わった。あたしは、困ってる人を助けることが一番の目的なの」
雨堂聖理:「あの時は君が困ってるから助けた。今は何も困ってないどころか、あたしをめちゃくちゃに困らせてくるじゃん」
雨堂聖理:「だからあたしはあたしを助けるために、相応のことをするの。……それとも何?」
雨堂聖理:「何かちゃんとした用事でもあるの? ちゃんとしたって言葉が通じてくれればいいんだけど……」
如月聖人:「すみません。困ってる雨堂さんが可愛くてつい」
雨堂聖理:半目で睨む。
如月聖人:「鋭い目も素敵です、雨堂さん……。なんて、冗談冗談!もう、わかってますよ僕だって」
如月聖人:「ちゃんと雨堂さんが悦びそうなことも話しますから」
如月聖人:「話しますから、もう一回だけパンツ見せてもらえません?ダメ?」
雨堂聖理:「見たければ一人で服屋にでも行けば? ……行くんならちゃんと教えてよね」
雨堂聖理:「事前に通報しておくから」
如月聖人:「ごめんなさいごめんなさい!もう言いません!え~……じゃあそうですね。雨堂さんは」
如月聖人:「最近、第二区画に行く機会って有りました?実はそこで、面白い事件が起こってるみたいなんですよ」
雨堂聖理:(当然のようにUGN内部での区画分けのこと知ってるんだもんなあ……)
雨堂聖理:などと思いつつ 「……別に、行ってない。行ったことはあるけど、最近って言えるほどでもないし」
如月聖人:「じゃあ、集団意識喪失事件……白昼夢事件って別名もあるんですけど……っていうのは、ご存じない?」
如月聖人:そう言って彼は事件の内容を話し始めるよ
如月聖人:まあその名の通り、第二区画の方で
如月聖人:日中、突如として複数の人間が意識を失い、数分後に目覚めるという怪事件が
如月聖人:数件起きているようです。UGNはレネゲイドの関与を疑っているものの
如月聖人:なにせ事件が多いので、危険性がそこまで高くないため放って置かれてるようです
雨堂聖理:歩きながら聞きます。とても気になる話ではあるが、彼に対してあからさまに興味を示すのは、生理的に嫌だ。
如月聖人:今の所、それによる副次被害で、怪我人などが出ている訳ではないが
如月聖人:例えば交通量の多い場所でそれが起きたら、次はその限りではないというようなことを
如月聖人:如月くんは伝えます
如月聖人:「どうですどうです?少しは興味が湧きましたか?」
雨堂聖理:口元に手を当てる 「……『面白い事件』っていう言い方は気に食わないけど」
雨堂聖理:「まあ、興味はあるかな」
雨堂聖理:……と、口では言っているが
雨堂聖理:実際としては、かなり気になる問題である。特に、『例えば交通量の多い場所でそれが起きたら』という例示が効いている。
如月聖人:「やったあ!雨堂さんのお役に立ててなによりです!これは好感度100くらい上がったんじゃないですか?」
如月聖人:「そろそろデートイベントが解禁される頃かな~」
雨堂聖理:(何だかんだ、あたしが気になる所をちゃんと分かって、押さえてるんだから……)
雨堂聖理:「そうね。ここがゲームで、君が主人公だったら良かったんだけど」
如月聖人:「子供の名前とかも考えておいたほうがいいかな?まだ早いかな?」
雨堂聖理:(……この性格さえなければなあ)
如月聖人:「あ、すみません。続きですか?」
雨堂聖理:「うん。聞かせて。分かってること全部」
如月聖人:「そうですね……最近だと3日前にも事件が起きて。被害者の方々が、梶田記念病院に検査入院してるらしいですよ」
如月聖人:「そこに行って、直接話を聞けばなにかわかるんじゃないでしょうか」
雨堂聖理:「梶田記念病院……」 聞き覚えはないが、地区までわかっていれば困ることもないだろう
雨堂聖理:「その話を聞く所まではやってないってことね」
如月聖人:「はい。雨堂さんと一緒に行こうかなと思って」
GM:拒絶してもらえると助かります
雨堂聖理:「…………」 足を止めて、あからさまに嫌そうな表情を作り
如月聖人:「あ、わかりました。他にも事件がないか調べておきます。はい。」
雨堂聖理:「……最初からそう言って」 溜息 「いい加減君も察しつくでしょ。それ言われて、あたしがどういう反応するか」
雨堂聖理:「誰かと行動するのが嫌だとは言わないけど、少なくとも静かにするべき時に静かにできない人だけは絶対に嫌なの。いい?」
如月聖人:「いやあ、そろそろ押し負けてくれないかなと……はい。雨堂さんの願いとあらば、全力で努力します!」ビシッと敬礼
雨堂聖理:(押してダメなら引いてみろ、とか知らないんだろうなあ。言ってあげるのが親切かな……)
雨堂聖理:しばらく内心で天秤が揺れていたが
雨堂聖理: (……まあいいや) 結局、ささやかな親切心よりもこいつキツいなという気持ちと事件が気になるという気持ちが勝った。
雨堂聖理:「……もし何か、新しく分かったことあったら教えて」
雨堂聖理:「君の性格はともかく、そっちの腕は信用してるから」
如月聖人:「了解です!今後もたくさん頼りにしてください!」
如月聖人:「……雨堂さん。気をつけてくださいね」別れ際、少し真剣な声色で
雨堂聖理:「んー?」
如月聖人:「世の中には、信じられないくらい強い奴も沢山いますから」
如月聖人:「もしも勝てないと思ったら、ちゃんと逃げてくださいね」
如月聖人:「死んだら全部お終いですからね、全部」
如月聖人:「僕との子供も作れなくなっちゃいます」
雨堂聖理:「最後の一言がなければなあ!」
如月聖人:「本気で心配してるのに!もー!」
雨堂聖理:「それが気持ち悪いんだって。もう……!」
雨堂聖理:キッチリ嫌そうな表情を浮かべつつ、しっしと手を振り、歩みを駅へと向ける。
雨堂聖理:……いわゆる情報屋を始めとした、社会の裏側に潜むイリーガルな者たちは、雨堂聖理にとって重要な生命線だ。
雨堂聖理:この街に来る以前、UGNを知る以前から、雨堂は彼らとの良い付き合い方を知り、彼らに生かされ、彼らをこそもっとも信頼している。
雨堂聖理:戦いに必要なのは技術だけではない。物資と情報。この両面において、イリーガルである雨堂は、裏社会と呼ばれる世界に大きく依拠している。
雨堂聖理:そんな中、ささやかな縁により知り合った如月聖人という少年のことを、雨堂は……そう悪く思ってはいない。
雨堂聖理:(女子高生的には、あり得ないくらい気持ち悪いけど、言うことはその場では聞くし、腕は確かだし……)
雨堂聖理:(……ホント、あの性格がなければ、お茶の一杯くらいは全然良いんだけどな)
雨堂聖理:(…………)
雨堂聖理:(いややっぱダメだな……薬とか入れられそうだし……)
GM:こうして、君は第二区画へと向かった。その先にどのような運命が待ち受けているかも知らずに




GM:シーンを終了します
GM:ロイスの取得だけ可能です
雨堂聖理:如月聖人 有為/○嫌悪感
雨堂聖理:これで!
GM:ありがとうございます。最高のロイスです
GM:次回は明日6月10日の21時30分からでいいでしょうか
GM:田井中くんのOPだけ終わらせる予定です。よろしく!
新垣御守:イエッサー!
田井中次郎:よろしくお願いします!



【OP/田井中次郎】

GM:ということで今日もよろしくおねがいします
GM:今日は予定通り田井中くんのOPからやっていくよ
GM:侵蝕ダイスをお願いね
田井中次郎:あっ自己紹介は大丈夫ですか?
GM:毎回言われてる!
GM:よろしく頼むぜ
田井中次郎:言われた通り書き溜めてきたぜ
田井中次郎(キャラシート)
GM:天使
田井中次郎:田井中次郎、24歳のUGNエージェントです。
田井中次郎:チルドレン上がりの為に経験は長く、割と歴戦のエージェントですが
田井中次郎:UGNエージェントとしての自分に誇りを持っており、また凡庸な自分と本名が好きではないため
田井中次郎:常にカッコつけようとしており、誰にでもコードネームで呼ばせようとします。
田井中次郎:コードネームは“ナイトメアブリンガー”。
田井中次郎:能力は身体を影に変えての変身と、自他のレネゲイドの励起/沈静化。オーソドックスなウロボロス的なやつです。
GM:見た目も黒くてウロボロスらしいぜ!
田井中次郎:性能的にはユーティリティに特化しており、無形の影を主軸として攻撃・支援・妨害・カバーなど一通りこなせる器用貧乏型。
田井中次郎:今回はお友達の林藤さんがようやく退院ということでとっても嬉しいです。やったね!よろしくお願いします。
GM:嬉しめ
GM:そんな田井中くんのハンドアウトはこれ!

・PC1(田井中くん)用ハンドアウト
推奨ワークス:UGNエージェント
シナリオロイス:星の瞳の少女 推奨感情 P:誠意/N:猜疑心
君は大N市第2地区に所属するUGNエージェントの一人だ。
今、君は友人である林藤はるかが入院中の病院に来ている。
長年彼女を苦しめていた病の手術が終わり、今日、ついに退院となるからだ。
だが、彼女を出迎えるために待っていた時。君の元に怪しげな少女が近づき、奇妙な警告をしてくる。


GM:変な女の子に絡まれます
田井中次郎:誰なんだあんた一体
GM:ハジメマシテの人です
田井中次郎:人見知りするタイプだから怖いですね
GM:君だけがそうだと思うなよ
GM:では早速そんな感じで
GM:OPを初めていきますか
田井中次郎:はい!
田井中次郎:47+1D10
DoubleCross : (47+1D10) → 47+1[1] → 48

田井中次郎:幸先いいぜ
GM:で、シチュエーションなんですけど
GM:病院のロビー的な所でそわそわしててほしいんですが
GM:他になんか希望ありますか?
田井中次郎:そわそわしてます!
GM:なんかモノローグとかやりたいとかなければ
GM:もう早速怪しいやつに絡まれますが
GM:なんかやります?
田井中次郎:じゃあちょろっとだけ!
GM:オッケー!じゃあ描写を開始しましょう




GM:ここは梶田記念病院
GM:記念と付いているが、どういった経緯で立てられたのかはあまり知られていない、第二区画にある大きな病院です
GM:表向きは普通の病院だが、一部の病棟はUGNが管理しており
GM:レネゲイド絡みの患者を治療できるようになっています。
GM:君の同僚である林藤はるかもこの病院に入院しており
GM:君は、今日退院予定の彼女を出迎えるため
GM:ロビーで先生から呼び出されるのを待っているよ
GM:感染症の影響か人はまばらで、ガラス張りの待合室はいささか寂しく感じるかもしれない
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:窓の外で花を咲かせる紫陽花を見て、実家の庭の桔梗もそろそろ見頃だろうか、などと思いつつ
田井中次郎:もっと重要な懸念事項のために、ずっとそわそわと落ち着かない様子でうろついている。
田井中次郎:(いよいよ今日で退院か……)
田井中次郎:(一体どういう感じで迎えればいいんだ……)
田井中次郎:(『フン……“フォックスリンカ”……おめでとう』)
田井中次郎:(おめでとうとフン……の食べ合わせが悪いな……)
田井中次郎:(『フン……随分待たせてくれたな』)
田井中次郎:(いや……本当に気を遣わせちゃいそうだし……)
田井中次郎:(『“フォックスリンカ”……まずはおめでとうと言っておこう』)
田井中次郎:(『だがこれで安堵せず、UGNチルドレンとしてより一層の努力をしていくことが肝要だ』)
田井中次郎:(『UGNエージェントには大事な3つの袋というものがあって……』)
田井中次郎:そういう感じで、うんうん悩みながら挙動不審にしています。そろそろ警備員を呼ばれそう。
GM:ではそんな風に君が唸っていると
???:ガラガラ……ガッシャーン!
田井中次郎:びくっ!と背中を跳ねさせる。
???:「あ、う……ご、ごめんなさい……ごめんなさい……」
???:君の近くで、女性がコケて
???:バッグから大量のコーラ缶を床にぶちまけています。近くの売店で買ってきたもののようだ
???:あわあわと慌てて、転がるコーラ缶を集めています。助けてくれると嬉しいぞ
田井中次郎:「あ……だ……大丈夫ですか?」
田井中次郎:こちらまでつられてあわあわしつつ、しゃがみこんでコーラを拾います
???:赤髪にフレーム付きのメガネ、暗い印象を覚える少女だ
田井中次郎:6月には似つかわしくないロングコートがべったり床についているが、特に気にも留めず。
田井中次郎:「これで最後かな……」しゃがんで椅子の下とかを見ています
???:二人でせっせとコーラを拾い終えて「ありがとう……ごめんなさい……これ……貴方に上げるつもりで……買ったんだけど……」
田井中次郎:「大丈夫ですよ。お気になさら……ず……?」
???:「大丈夫かな……一度落ちたものをあげるのは……無礼……?」
田井中次郎:「……?」
田井中次郎:言葉の意味がよく分からず、少し目を瞬いて。
田井中次郎:(あ……お礼にちょっとくれるってことかな……?)
???:君は少女の瞳の中に、古い式に描かれているような
???:五芒星のマークが浮かび上がっていることに気づいていいよ。
田井中次郎:「……?」少し驚いて違和感を覚えるが
田井中次郎:(あれかな……カラーコンタクト……流行ってるのかな……)
田井中次郎:「本当に気にしないでください。急いでいたわけでもないし……あの……ええと……」手をわやわや動かして
田井中次郎:「そう、コーラ拾うの好きですから!楽しかったです!」
???:「友好的な関係を築くためには……プレゼントが友好と聞いた」
???:「??なら……もう一度落とす?」
田井中次郎:「……いや、ええと……また落としたら……炭酸がシュワってなっちゃうから」
田井中次郎:「やめたほうがいいんじゃないかな……?」
???:「私もそう思う。いや……こんな事を話している場合じゃない」
???:「“ナイトメアブリンガー”……田井中次郎で間違いない?」
田井中次郎:「…………」その言葉に、やや表情を険しくする。
田井中次郎:「……UGN関係者か?」そうであってほしいと思いつつ、警戒して。
“緋緋鷹右眼”:「私は“真五凶星”“緋緋鷹右眼”」
“緋緋鷹右眼”:「単刀直入に言う。貴方に……性格には貴方の近くの人々に」
“緋緋鷹右眼”:「危機が迫っている。……詳しいことは私も知らないけれど」
田井中次郎:「……“五凶星”……!?」
田井中次郎:田井中は“崩落戦”経験者だ。直接関わったことはなくとも、当然その名は知っている。
“緋緋鷹右眼”:「警戒を怠らないほうがいい。どんな時であっても」
“緋緋鷹右眼”:「それだけ伝えに来た。……これはお近づきの印に」コーラが40本くらい詰まった鞄をドサッと君の足元に置きます
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:コーラを見下ろして。
田井中次郎:「……何のつもりだ?」
“緋緋鷹右眼”:「友好的な関係を築くためには……プレゼントが友好と聞いた」
“緋緋鷹右眼”:「私は貴方達の味方ではないが」
“緋緋鷹右眼”:「彼らの敵ではあるから」
田井中次郎:「……」真意を測るようにじっとその顔を見つめて。
田井中次郎:「……UGNと協力体制を取り付けたいということか?」
田井中次郎:「場合によっては、俺に出来る限りのことはする」
“緋緋鷹右眼”:「それはできない。貴方のことも」
“緋緋鷹右眼”:「……ごめんなさい。いずれは殺すから」
田井中次郎:「…………」
病院の先生:「田井中君?一体誰と話しているんだい?」
GM:君の後ろから、林藤さんの担当医が声をかけてくる。
田井中次郎:「お前の目的は────」会話を引き延ばして、少しでも情報を引き出そうとする、が。
田井中次郎:聞き馴染みのある声に、一瞬注意が逸れる。
GM:その一瞬のうちに
“緋緋鷹右眼”:ごうっ
GM:一陣の風とともに、彼女の姿は消えている
田井中次郎:「ッ……!待て……!」一瞬追おうとするが、すぐに無駄だと悟る。
GM:《瞬間退場》です。何の跡形もなく消えているよ
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:(近くの人々に、危機が……)
田井中次郎:思い浮かぶのは支部の面々。支部長に同僚のエージェントやチルドレン。それに────
田井中次郎:「……」振り向いて、
田井中次郎:「……先生。林藤さんの様子はどうでしょうか」
病院の先生:「ああ、特に問題はないよ。退院の準備が整ったからね。呼びに来たんだ」
病院の先生:「ははは!折角の目出度い日になんて顔してるんだ?君は。さあ行こう。彼女も君を待ってる。」
田井中次郎:「……そうですか」ほっと息を吐いて。「はい! 今行きま……」
田井中次郎:そこで、コーラを満載したバッグが目に入って。
田井中次郎:「……」
田井中次郎:通行の邪魔になりそうなので、とりあえず拾い上げて、その内の一本の蓋を緩める。
田井中次郎:「ウワーッ!!」噴き出した炭酸が、顔面に直撃した。




GM:シーンを終了します
GM:ロイスとかだけ取れるよ
田井中次郎:“緋緋鷹右眼” 興味/〇警戒 で取得します
田井中次郎:林藤さんには取ってるので以上!
GM:イイデショウ



【OP/林藤はるか】

GM:では次のシーン
GM:林藤さんのOP
GM:まずは自己紹介をしてもらいましょうか
GM:お疲れのところ出演いただき、大変有り難うございます
林藤はるか(キャラシート)
林藤はるか:林藤はるかです。UGNチルドレンにして長期入院患者であり
林藤はるか:病室から事件解決に協力するサポート特化型キャラ。
林藤はるか:能力もサポートに完全に特化していて、特にパーティーの生存性に貢献します
GM:貢献しな!
林藤はるか:大幻獣レイガンベレットの後ろに異海のペラゴスというしょぼい見た目のお供がいるんですが
林藤はるか:あれが林藤はるかです。
林藤はるか:《ハンドリング》による高い知覚能力による回避能力で生き延び、特権階級や《世界樹の葉》で仲間を蘇生。
林藤はるか:範囲攻撃は《ミスディレクション》で単体化するぞ。200点になって《隠された世界》も覚えちゃった。
林藤はるか:そしてなんと!何より重要なこととして
林藤はるか:退院してしまった!生身で外を歩けてしまう……!
GM:退院させました
林藤はるか:やったね!
林藤はるか:とっても明るく楽しいセッションになりそう!卯月頑張ります!
GM:私が田井中くんの隣を歩いている林藤さんを見たかったので
GM:林藤さんは目一杯明るく振る舞ってね
GM:そうしたほうが田井中くんのダメージ大きいだろうから
林藤はるか:はーい!
GM:ハンドアウトも貼っちゃおう

・PC2(林藤さん)用ハンドアウト
推奨ワークス:UGNチルドレン
シナリオロイス:尊大な和装の幽霊 推奨感情P:好奇心/N:猜疑心
君はレネゲイド関連の病に侵されつつも、UGNチルドレンとして活動する少女だ。
昔住処としていた病院がとある事件で壊滅し、新たな主治医が見つかってからしばらくのこと。君の病態は急変する。
君の病に治療法が見つかったのだ。手術は無事成功し、君は一時退院の許可を得る。
だが、退院を目前にした夜。君の病室に幽霊の少女が現れ、君に奇妙な警告をしてくる。


GM:霊感に目覚めたようですね
林藤はるか:幽霊なんている世界観なのかなダブルクロスって
GM:俺の世界には居ます
林藤はるか:さすがだぜ
GM:少なくとも君の眼からはそう見える
林藤はるか:本当に幽霊なのだろうか……謎!
GM:では、早速OPを初めていきましょう
林藤はるか:はーい!
GM:流れとしては、退院前にお医者さんから軽い説明を受けているところから始め
GM:ほんの数行だけ話したあと、昨日の夜の回想で
GM:幽霊と話しているところを思い出してもらい
GM:あれなんだったんだろう……ぼやー……って感じで
林藤はるか:ほわんほわんほわんはるはる~
GM:シーン終了に盛っていく予定です
GM:質問とかなければ描写を初めていくね




GM:梶田記念病院611号室。君は長い間お世話になったこの病室で
GM:主治医である和嶋春先生から、退院に関しての最後の注意を受けています
林藤はるか:私物が綺麗になくなったベッドに座っています。
林藤はるか:病室備え付けのモニターが動くアームだけはそのままだ。ずっと使うと思っていた。
和嶋春:「手術は無事に成功して、経過も良好。林藤くん。これから君はこの病院を退院するわけだが」
林藤はるか:「……はい」
和嶋春:「守ってほしいことが幾つかある。いいかい?」
林藤はるか:「大丈夫です。覚えるのは得意です」
和嶋春:「よし、いい子だ。それじゃあまず一つ。我々は完治したと判断しているが、科学に100%というものはない。」
和嶋春:「何か不調を感じたり、体に違和感があったらすぐ、私達に連絡すること」
林藤はるか:「今までと同じですね。今まで……」
林藤はるか:「……いえ、電話で連絡するのだけ、ちょっと違いますよね」
林藤はるか:「なんだか、すごく不思議です。わくわくしますね」
和嶋春:「私達としては、なにもないほうが嬉しいけどね」
和嶋春:「それから2つ目は、エフェクトの使用についてだ」
林藤はるか:「はい」
和嶋春:「君は今まで、この蛍を通して任務をこなして来たが」蛍の入れられたケースをぽんぽんと叩いて
和嶋春:「今後、緊急時以外ではなるだけ使わないようにしてくれ。侵食の負担も有るし」
和嶋春:「君の疾患はレネゲイド由来のものだ。再発の可能性を少しでも下げるために、エフェクトの使用はなるべく控えてくれ。いいね」
林藤はるか:「この子達にお世話になることも少なくなるかもしれませんね」
GM:まあ簡単に言えば
GM:折角治ったから、このシナリオの間はできるだけ生身でロールしてねってことです
林藤はるか:「……」
林藤はるか:「……私、病室での暮らしも好きでしたよ」
林藤はるか:「本当です」
和嶋春:「そう言われると私も嬉しいよ。だが、外での暮らしはもっと好きになるはずさ」
和嶋春:「どちらも知っている私が言うんだ、間違いない」
GM:そんな会話をしている君ですが
GM:実は退院のこととは別に、気になることがあったりします
林藤はるか:(——あの夜のこと)
林藤はるか:(本当なのかな)
GM:そう、それは手術が終わってから数日後のこと。
GM:君の病室に、幽霊が現れた日のことでした。
GM:…
GM:……
GM:………
和服の幽霊:「おや、これはこれは。また随分と、妙な場所で目覚めましたね」
GM:それは、何の前触れもなく、突然君の間に現れました。
GM:歯を磨き終え、ベッドの上に戻った時
GM:君の向かいの壁の前に、ふよふよと浮かぶ
GM:半透明の和服の少女が現れたのです。所謂、幽霊というやつだ
林藤はるか:「わ」シーツを胸元に抱き寄せる。
林藤はるか:「な、何か用ですか」
林藤はるか:「いえ。というより。まさか」
林藤はるか:「——幽霊ですか?そうとしか思えません」
和服の幽霊:「そうですね。とりあえず、ここが何処だか教えてもらえますか?」
和服の幽霊:「見たところ、牢の一種のようですが。こんな殺風景で狭っ苦しい場所に入れられる理由は、それくらいしか思い当たりませんし」
林藤はるか:「日本です。それともこれだと伝わらない時代の方だったりしますか?」
林藤はるか:「大倭豊秋津島とか豊葦原之千秋長五百秋之水穂国とか……ご存知ですか?日本というだけでも歴史上すごく色々な名前があるんです」
和服の幽霊:「日本で大丈夫ですよ。しかし、私が幽霊?妙なことを言う方ですね。まさか、私をご存知ない?」
林藤はるか:「ぜんぜん知らないです。というより、幽霊が本当にいることを初めて知りました」
和服の幽霊:「まあ、貴女のような無学そうな方は知らなくても仕方有りませんが。一応名乗っておきましょう」
和服の幽霊:「初めてお目にかかります。私は白上光。陰陽師一族、白上家21代目当主、白上光です」
林藤はるか:「へえーっ……」感心する。
和服の幽霊:「……どうです?聞いたこと有りませんか?白上家。これでもかなり名を馳せていると自負しているのですが」
GM:一度も聞いたこと無くていいです
林藤はるか:「ぜんぜん知らなかったです。陰陽師一族には全く詳しくないもので」
白上光:「そうですか……まあ仕方有りませんね。恐ろしく僻地の田舎に住まわっているなら、そういうこともあるでしょう」
林藤はるか:「するとあなたが半透明になっているのも、その」
林藤はるか:「陰陽師の……ふしぎな術の一種だったりするんでしょうか?レネゲイド能力とはまた別の体系の技もあるとは聞いてますけど」
白上光:「半透明……?」自分の体を見下ろして
白上光:「おやおや」
白上光:「これは……私。死んでいるみたいですね」
林藤はるか:「幽霊!」
白上光:「どうやら幽霊になったようです」
林藤はるか:「ご存知ですか?幽霊と磁場には密接な関係があると一般的に考えられていますが——」
林藤はるか:「ならば逆に、磁場の操作によって『幽霊がいるという感覚』を実際に与えることができないか、という実験が実在したんです」
白上光:「なるほど、ジバですね。分かりますよ。私は非常に聡明ですからね。あのジバですよね、ジバ」
林藤はるか:「カナダのマイケル・パーシンガーという神経学者さんの実験で、専用のヘルメットで頭部に磁場を作用させることで」
林藤はるか:「本当に『何か得体の知れない者が近くにいる』という感覚を引き出すことができたという話ですよ」
白上光:「パーシン……ヘルメ……なるほど」
白上光:「全てわかりました。わざわざご説明ありがとうございます」
白上光:「もういいですよ。すべてわかりましたから」
林藤はるか:「いえいえ、有名な幽霊実験の例はまだまだありまして……」
白上光:「いえ、結構。それよりも話しておくべきことがあります」
林藤はるか:「話しておくべきこと?私にですか?」
白上光:「なんとなくですが、こうして幽霊で居られるのも」
白上光:「あと僅かしか無いような気がしていますので。時間がないんです」
林藤はるか:「けれどあなたは私に用があって来たというわけではないんですよね?ここがどこかも分かってなかったみたいですし」
白上光:「えー……名前も知らない遠い未来の少女よ。貴女は運命というものを信じていますか?」
白上光:そういう彼女は、足元から徐々に半透明度が上がり
白上光:あっこれはもうすぐ消え去るなというのが林藤さんの眼からも分かります
林藤はるか:「ああっ、すごく消えそうです!見てください!」サイドテーブルにあった手鏡を向けます
白上光:「流石私。どうやら予想は正しかったようですね」鏡を見て満足気に
林藤はるか:「自分の半透明度が上がっていくのを見るのって、すごく貴重な体験じゃないですか!?」
白上光:「ええ。感銘すら覚えます。消えていく姿も美しいですね」
林藤はるか:「わくわくします」
白上光:「それより、そう。運命についてですよ」
白上光:「運命、つまり、大昔に死んだはずの私がこうして幽霊として貴女の前に現れたのは」
白上光:「決して偶然などではないということです。私に用がなくとも、理由はかならずあるはずです」
林藤はるか:「運命というのは、物理的にはあるかもしれませんけれど」
林藤はるか:「本当にあるとしても、私達のレベルでは観測することも干渉することもできないんじゃないでしょうか……と、思うんですけど」
白上光:「それは貴女のレベルであって、私のレベルではないでしょう」
林藤はるか:「とんでもない自信ですね」
白上光:「……“魔星”という物をご存知ですか?」
林藤はるか:「知りません。妖星ゴラスなら知っているんですけれど」
白上光:「似たようなものです。私ほどの者が若くして死ぬ理由は、魔星くらいしか考えられません」
白上光:「とても邪悪で、危険な力です。恐らくそれがこの地で再び目覚めようとしているのでしょう」
林藤はるか:「……本当に妖星ゴラスと同じレベルだとしたら、とんでもないことですね」
白上光:「そして貴女は、確実に、魔星が目覚める」
白上光:「あるいは、その覚醒を止める鍵を握る人物であるはずです」
林藤はるか:「ど、どうしてそんなことが言いきれるんですか!?」
林藤はるか:さすがに驚きます。「初対面ですよね?」
白上光:「そうでもなければ、私ほどの人物が」
白上光:「貴女のような今にも死にそうな方に化けて出ることなど無いでしょう」
白上光:『もしも違ったらすみません』
白上光:「おっと、心の声が漏れてしまいましたね」
林藤はるか:「む。私はまだまだ生きていけますよ!」
白上光:「幽霊になるのは初めてなので、つい出してしまいました」
白上光:「これまでも貴女を馬鹿にするような発言があったかもしれませんが」
白上光:「全て心の声なので、許してください」
林藤はるか:「……あの。詳しいことは分かりませんけれど」パチパチと目を瞬かせる。
林藤はるか:「死んでしまったことを悔やんでるんでしょうか?」
白上光:「化けて出るくらいですから」
林藤はるか:「自分が死んだことも、生き返ったことも、意味があると……」
林藤はるか:「……そう考えたくなるものなんでしょうか、死んでしまった後」
白上光:「私はそうですね。貴女も一度死んだらわかるかも」
林藤はるか:「……」
白上光:「まあ、わからないほうがいいですね。できれば一生」
白上光:「おっと、どうやらそろそろお別れのようです」
林藤はるか:「あの。白上光さん」
白上光:「なんでしょう」
白上光:「今必死に消えるのを堪えているので、重要な話だといいのですが」
林藤はるか:「……それなら、私がその魔星を止める、と言ってあげたいんですけど」
林藤はるか:「もしも私がそう言ったら、信じて消えることはできそうですか?」
林藤はるか:「光さんが消えた後のことなので、どうなるのかは本当に分かりませんし、保証もできません」
白上光:「信じますよ」
白上光:「死んだあとにできることはそれくらいしかないですからね」
林藤はるか:「恐ろしく僻地の田舎に住まわっている」
林藤はるか:「無学そうな私でもですか?」
白上光:「そう自分を卑下することもないでしょう」
林藤はるか:「ふふ」
白上光:「貴女は白上光に見いだされたのです。もっと自信をお持ちなさい」
林藤はるか:「じゃあ、やってみましょう」
林藤はるか:「事件を捜査するのは得意なんです。子供の頃からずっとやってますから」
林藤はるか:「この病室に現れたのは運が良かったかもしれませんよ」
白上光:「信じましょう……名前も知らない未来の……いえ」
林藤はるか:「林藤はるかです」
白上光:「多分、林藤はるかさん」
白上光:「おお、やっぱり。当たっていましたね。幽霊になっても、霊感は衰えていないようで……」
林藤はるか:「……名札を見ましたね?」
林藤はるか:「私が名前言うよりも早く!」
白上光:「違います。私が霊感で当てたんです」
白上光:「私が貴女を信じるように」
白上光:「貴女も私を信じてください」
林藤はるか:「……そうですね。磁場が霊感の正体かもしれなくても」
林藤はるか:「本物の幽霊が磁場を発していないなんて証拠はありませんから」
白上光:「それでは、今度こそさようなら。林藤はるかさん」
白上光:「死んだあとにしては、中々楽しい会話でした」
林藤はるか:「もっと仲良くなれそうな気がするのに、残念です」
白上光:「貴女の運命に幸運の星が輝くことを祈っております」
白上光:「来世に期待」
GM:ふわっ
GM:最後にそう言って光さんは全透明になって消えます
林藤はるか:「消えてしまったんでしょうか?」
林藤はるか:誰もいない病室をふらふら歩きます。そう、歩けるのだ。
GM:消えてしまったようですね
林藤はるか:「本当は透明度を操作してるだけとか……」
林藤はるか:「……おーい」
GM:痕跡はなにもない。ただ、先程彼女がいた空間だけ、少し冷たいような気がする
林藤はるか:「……」
GM:気がするだけで、数十秒後には、普通の部屋に戻っています
林藤はるか:ベッドに潜り込みます。最初にそうしようと思っていた通り。
林藤はるか:「……ご存知ですか?」誰もいないとは分かっているが
林藤はるか:小さく呟く。
林藤はるか:「もう一つ、可聴域以下の低周波を出すことで幽霊の存在を感じさせるという実験もあって……」
林藤はるか:幽霊/白上光/好奇心:○/寂しさ/ロイス




GM:シーンを終了します



【Middle1】

GM:ではミドルシーン1を初めます
GM:全員登場のシーンです
GM:皆侵食ダイスを振ってね
新垣御守:1d10+37
DoubleCross : (1D10+37) → 5[5]+37 → 42

田井中次郎:48+1D10
DoubleCross : (48+1D10) → 48+1[1] → 49

雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:37->44)
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+1(1D10->1)した (侵蝕率:35->36)
林藤はるか:あっ、さっきのオープニング
林藤はるか:侵蝕振ってなかったんじゃない!?今振ります
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+1(1D10->1)した (侵蝕率:36->37)
GM:そうかも知れない
GM:1でお得
林藤はるか:連続で1だぞ
GM:まずは田井中君たちの描写から初めましょう




GM:梶田記念病院611号室。
GM:主治医である和嶋さんは説明を終え、林藤さんは一人病室で待たされます。
GM:何を待っているかと言うと、支部からのお迎えです。
林藤はるか:(本当に)窓の外を見てもじもじしています。
林藤はるか:(本当に退院なんてできるんでしょうか?)
林藤はるか:(もし、私がドアを一歩出て、そうしたら)
林藤はるか:(和嶋先生や皆がいて、『全部ドッキリでしたー』……みたいな)
林藤はるか:(……)
田井中次郎:コン、コン、と。扉が二度ノックされる。
林藤はるか:「……どうぞ」恐る恐る答えます。
田井中次郎:入室してくるのは、黒ずくめの男。この病室に何度も足を運んできた友人……田井中次郎だ。
林藤はるか:「やっぱり田井中さんなんですね」
林藤はるか:とはいっても、自分自身も田井中以外の誰かが迎えに来るとは想像していなかった。
林藤はるか:立場としては新垣支部長が来てもおかしくはなかったけれど、それでも。
田井中次郎:大きな荷物を片手に、じっと林藤さんを見る。
田井中次郎:「……“フォックスリンカ”」
田井中次郎:「UGNエージェントというのは……」用意してきた言葉を口にしようとしたところで。
田井中次郎:いつもの病院着と違うその私服に、言葉を詰まらせる。
林藤はるか:病院着ではなく真新しい私服を着ています。初めてかもしれない。
林藤はるか:厚手の生地の紺色のワンピースだ。
田井中次郎:「…………」口を開いたまま、少し固まって。
林藤はるか:「UGNエージェントというのは」
林藤はるか:「どうしました?」
田井中次郎:「……林藤」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「……よかったな……」
田井中次郎:その目に薄っすらと涙を滲ませる。
田井中次郎:「よかった……よかったよ……林藤……」
林藤はるか:「それ。ふふ」
林藤はるか:「けっこう、色んな人が言いますけど」
林藤はるか:「……」
林藤はるか:「分からないですよ。自分じゃ。ふふふ」
林藤はるか:「ふふふふ」
田井中次郎:「だって……だってさ……」
田井中次郎:「いつか……僕が見てない間に……」
田井中次郎:「いきなり死んじゃうんじゃないかって……怖くて……ずっと……」
林藤はるか:「そんなこと……そんなこと、なかったでしょう?」
林藤はるか:「田井中さんは本当に、悪いことばかり考えちゃうんですから」
林藤はるか:「私が頑張って良いことを考えてる間だって」
林藤はるか:キャリーケースの取っ手を持って、立ち上がります。
林藤はるか:「そういうところが……あっ」
林藤はるか:よろめいて田井中さんの方に倒れる。
田井中次郎:「っ……林藤!」抱き留めて、さっと青ざめる。
田井中次郎:「どうした……!?大丈夫か!?」
林藤はるか:「……ちが、違います。ふふふふ」
林藤はるか:「歩き慣れなさすぎて。荷物だって、そんなに重くないんですけど」
林藤はるか:抱き留められたまま
林藤はるか:額を田井中さんの額に当てます。
田井中次郎:「ああ……!持つ!持つから……」ひったくるようにキャリーケースを持って、「……林藤?」
林藤はるか:「……良いことの方が」
林藤はるか:「正しかったですよね、田井中さん?」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「……うん」こくこくと、嬉しそうに何度も頷いて。
田井中次郎:「林藤の言うとおりだった」
田井中次郎:「……おめでとう、林藤」
林藤はるか:「……ありがとう、ございます。田井中さん」
林藤はるか:「本当に……ずっと」
林藤はるか:「ずっと、ありがとうございます」
田井中次郎:「これから、もっと沢山、良いことも楽しいことも、一杯あるよ。数えきれないくらい」
田井中次郎:「……林藤はさ、どこか、行ってみたい場所とかある?」
林藤はるか:「ずっと入院していた人でも」
林藤はるか:「映画館って行けるんでしょうか?」
田井中次郎:「もう、行けない理由なんて無いだろ」
林藤はるか:「ケンタッキーは持ち帰りと店で食べるのってどういう違いがあるんでしょうか?」
林藤はるか:「アパレル店の試着室では本当にみんな商品を着ているんでしょうか?洗濯はその後どうするんでしょう?」
林藤はるか:「電車にも乗ってみたいです!あの改札をピッとやるやつがやりたいです」
田井中次郎:「……ふふ」楽しそうに笑って。「これから林藤はさ、どこにでも行けるんだよ」
田井中次郎:「映画館でも、ケンタッキーでも。海でも、山でも、外国だって行ける」
林藤はるか:「すごい。すごい……なんだか」
林藤はるか:「想像もできないです」
田井中次郎:「全部、自分で試してみたらいいよ。だってその方が」
田井中次郎:「わくわくするだろ」
林藤はるか:「はい。とても……わくわくします。とても!」
田井中次郎:「本当言えば、僕もだよ」
田井中次郎:「林藤と一緒に遊びに行けるなんて、絶対すごい楽しいと思う」
田井中次郎:「最初はどこに行こうか……やっぱり映画館かな」
林藤はるか:「そうですね。連れてってくださいね」
林藤はるか:「私だけだと寂しいですから」
田井中次郎:「うん。勿論」頷いて、荷物を持ち直して。「これで全部?忘れ物ない?」
田井中次郎:「先生たちに挨拶もしていかないと……」
林藤はるか:「あ……」
林藤はるか:病室を振り返る。モニターのアームだけが残されている。
林藤はるか:「あれ、損しちゃいましたね。自腹で買ったのに」
林藤はるか:「あれは持ってけませんから」
田井中次郎:「え、そうなんだ」
田井中次郎:「家で寝ながら使えそうでいいのに……」
林藤はるか:「入院の時に電気工事もしたんですよ」
林藤はるか:「だから……そう」
林藤はるか:「次にここに入院する人が便利に使ってくれれば、それでいいです」
田井中次郎:「……そうだな」
田井中次郎:見慣れてしまった病室を、感慨深く見渡して。
林藤はるか:「行きましょう!」
田井中次郎:「うん、行こう」
林藤はるか:田井中さんと一緒に病室を出ます。
雨堂聖理:では、ちょうど廊下を出た所で
雨堂聖理:「……あ、ホントにいた」
雨堂聖理:少女がぱたぱたと、しかしほとんど足音は立てずに駆け寄る
林藤はるか:「あっ、田井中さん」
林藤はるか:「雨堂さんじゃないですか、もしかして」
田井中次郎:「……あっ」目を丸くして。
雨堂聖理:「ブリンガーさん、こんにちは! お久しぶりです!」
雨堂聖理:「あたしのこと覚えてます?」
田井中次郎:「“ナイトメア”……」訂正しようとして、甘んじて流して。
田井中次郎:「……雨堂聖理。久し振りだな」
田井中次郎:「何をしている?こんなところで」
田井中次郎:「あと病院では走ってはいけない」
雨堂聖理:「はい。久しぶりです! "因果夜船"の雨堂です」
雨堂聖理:「えーと、聞きたいことっていうか、知りたいことがあって……」 話そうとしたが、ちらっと林藤さんの方を見て
雨堂聖理:「……お邪魔でした?」
林藤はるか:「いえ。お久しぶりです、雨堂さん」ペコリと頭を下げる。
田井中次郎:「? 何がだ?」
雨堂聖理:「あ、いえ……」
雨堂聖理:応えつつ、難しげな表情をする。眉間に手を押さえて
林藤はるか:ごく自然に親子くらいの距離感で立っている。
雨堂聖理:「……支部、で……お会い、しましたっけ……?」
林藤はるか:「……あ!」
林藤はるか:「あー、そう、そうでしたね!」
林藤はるか:「私です!“フォックスリンカ”の林藤はるかです!」
林藤はるか:「蛍の!」
田井中次郎:「え? ……ああ……!そうか……!」
雨堂聖理:「……え!」
雨堂聖理:「林藤さん……? あの、蛍の……あ、あー」
雨堂聖理:「なんかそういう……そういうのあるんですよね……従者?」
雨堂聖理:「それですか?」
林藤はるか:「私も……!自分で気付きませんでした!そうですよね」
林藤はるか:「私はハンドリングで顔を見てますけど、相手からは私本体の顔なんて見えませんから」
田井中次郎:「そうか……前の任務中はずっと蛍越しだったんだな」
雨堂聖理:「なるほど、この人が林藤さん本体……じゃあ、はじめましてかな。"因果夜船"で、雨堂聖理です」 頭を下げる
林藤はるか:「私からすれば、やっぱりお久しぶりですけどね」笑う。
林藤はるか:「こんなこと今までなかったです。直接会う人は名前を知って会いに来るのが普通でしたから」
雨堂聖理:顔を上げて 「でもびっくりした。優しい感じの人だとは思ってたけど、こんなに美人さんだったなんて」
林藤はるか:「美人ですって!」何故か横にいる田井中さんの脇腹を小突く。
田井中次郎:「丁度いいタイミングで会ったな、雨堂聖理」
雨堂聖理:「ちょうどいいタイミング?」
田井中次郎:「今日で退院なんだ、“フォックスリンカ”は」
田井中次郎:脇腹を小突かれつつ、気難しい顔を作るのも忘れ、我が事のようにニコニコとする。
雨堂聖理:「退院……もしかして、今までずっと入院を?」
林藤はるか:「そうです。だからずっと蛍で活動してました」
雨堂聖理:「へー……そういう人もいるんですね」
雨堂聖理:「で、その退院の日……そっか……」 嬉しいような、困ったような笑みを浮かべる
雨堂聖理:林藤さんの顔を見るのは初めてだし、田井中さんとだってそう深い付き合いではないが、それでも二人の表情が、この上なく良いものであることは分かるのだ。
雨堂聖理:だが、ここに来た目的は……人を助けるため。未来の被害を減らすためである。ふう、と息を吐いて。
雨堂聖理:「ええとですね、実は……」
和嶋春:「田井中君、林藤くん!」
GM:雨堂さんがなにかいいかけた時。主治医の和嶋先生が息を切らせて走ってきます
林藤はるか:「和嶋先生」
田井中次郎:「先生」振り向いて。「探していたんです。ご挨拶にお伺いしようと……」
和嶋春:君たちの前で止まり、はぁ、はぁと息を整えてから「よかった……まだ院内にいたのか。そちらの方は?」
雨堂聖理:先生を振り返る (あっ、あの先生……)
雨堂聖理:「雨堂です! あの、この前は友達がお世話になりまして……」
雨堂聖理:「あっ、UGNです。支部は第七ですけど」
和嶋春:「ああ、由比ヶ浜さんの!いや、それなら丁度いい」
雨堂聖理:「……ちょうどいい?」
林藤はるか:「一体どうしたんですか?」
和嶋春:「ああ……こんな日にすまないが、緊急事態だ。新垣支部長とリリアナさんが襲撃された」
田井中次郎:「……な……」一瞬言葉を失う。
雨堂聖理:「襲撃って……」
和嶋春:「……リリアナさんは瀕死の重体だ。何があったか、詳しいことは支部長から聞いてくれ」
田井中次郎:「二人はこちらに?病室は?」
林藤はるか:「そ……それは」
林藤はるか:「ドッキリとか」
林藤はるか:「そういうことじゃないですよね?……退院の話も本当ですよね?」
和嶋春:「……退院も、襲撃も本当だ。支部長はこっちだ、早く」と言って支部長の居る病室まで案内するよ

---

GM:梶田記念病院
GM:林道さんの部屋とは、離れた病室。
GM:手術を終え、集中治療室から運び出されたリリアナさんの前に新垣さんはいます
新垣御守:「……」
新垣御守:包帯を巻いて、ベッドの傍らに座って
新垣御守:無数のチューブが繋がれたリリアナの姿をじっと見ている。
GM:彼女の体には包帯が巻き付けられ、その隙間から数え切れないほどの数の半透明のチューブがベッドの脇の計器に伸びているよ
新垣御守:「あーあ……」
新垣御守:「百戦錬磨の元本部エージェント様が、なんてザマだよ」
GM:意識不明の重体。一命をとりとめたものの予断を許さない状況だと
GM:医師は言っていました。
GM:特に四肢の損傷はひどく
GM:例え命が助かっても、今まで通り普通の生活が送れるかどうかは
GM:かなり怪しいということでした
新垣御守:「ぬるい現場のせいでなまっちまったなんて、言うつもりじゃないでしょうね」
新垣御守:「……ねえ」
新垣御守:「なんとか言いなって……」
新垣御守:呟いても、答えは返ってこない。
GM:閉じられたまぶたが動くことはない
GM:彼女はずっと眠ったままだ
新垣御守:「……」
新垣御守:ベッドの傍の小さなテーブル。並べられているのはリリアナが持っていたいくつかの私物。
新垣御守:その中から、煙草の紙箱を取り出して
新垣御守:残っていた最後の一本を慣れない手付きで取り出して、口元に咥え火をつける。
新垣御守:「……えほッ!ごほッ!!」
新垣御守:その一本が灰になるまで
新垣御守:煙を灰に収めて
新垣御守:ぐしゃり、と強く空き箱を握りつぶす。
新垣御守:くしゃくしゃになったそれを乱暴にポケットに詰めて
新垣御守:立ち上がる。今自分のすべきことは、ここでじっとしていることではない。
新垣御守:「行ってくるよ。リリ姉」
新垣御守:「戻ってきても寝ぼけてるようだったら」
新垣御守:「その顔ひっぱたいても起こすからね」
新垣御守:「……がんばってよ……」
新垣御守:言い残して、部屋を出る

---

新垣御守:「……ん?」
新垣御守:病室を出て、すぐ廊下の奥からこちらに向かってくる姿を見て
新垣御守:そそくさと上着の前を閉める。腹の包帯にはまだ血が滲んだままだ。
GM:では。君たちが和嶋先生に連れられて病室へ向かうと。ちょうど、新垣支部長が部屋から出てくるのが見えます。
GM:向こうも君たちに気づいたようですね
田井中次郎:「……支部長!」血相を変えて駆け寄って。「大丈夫ですか?“ネグロ・ムエルテ”は?」
林藤はるか:「支部長が来てたなんて」短い距離を走っただけだが、息が切れている。
林藤はるか:「全然気付かなかったです。いつ襲撃があったんですか?」
雨堂聖理:ついていかない理由が思いつかなかったので後ろの方についてきています
新垣御守:「ああ、あーっと」
新垣御守:「襲撃襲撃って……ちょっとストップ、落ち着いて」
新垣御守:「はるかちゃん、息切れてんじゃん、ほら
田井中次郎:「……! すまない、大丈夫か……“フォックスリンカ”」
林藤はるか:「でもリリアナさんが瀕死の重体だって……」
林藤はるか:「……普通じゃないです。何があったんでしょうか?」
雨堂聖理:(この人が支部長……だいぶ優しそうな人だ)
雨堂聖理:「水飲みます?」 小声で飲みかけのミネラルウォーターを林藤さんに差し出す
林藤はるか:「ありがとうございます。本当に大丈夫なんですよ」
新垣御守:「……先生が話しちゃったわけ?」
新垣御守:「ま、しょうがないか。黙ってるのも変だしね」
新垣御守:気まずそうにあたまをガシガシやって
新垣御守:「ちょっとしたトラブルってやつだよ、日常茶飯事の」
新垣御守:「あの人も私も、いろいろニブッてたみたいでさ」
林藤はるか:廊下の手すりに体を預けて休みます。
新垣御守:「ちょっとやられちゃったってこと」
新垣御守:「でも見ての通り、こっちは元気いっぱいだし」
新垣御守:「リリアナだってそう簡単に死んだりしないよ」
田井中次郎:「……相手は?」険しい表情で訊ねる。
新垣御守:「……」
新垣御守:「心配してくれるのは嬉しいけどさ」
新垣御守:「二人はほら」
新垣御守:「今日退院の記念日ってやつでしょ」
新垣御守:「……御礼参りならこっちでするよ。子供にいちいち泣きついてちゃ」
新垣御守:「大人の立つ瀬ってのが無いんだからさ」
新垣御守:「だあいじょうぶ!支部長を舐めんなよって」
新垣御守:林藤さんに笑いかける
林藤はるか:「そっ……そんな」
林藤はるか:「そんなことで気を使わないでください!だって支部長とリリアナさんが一緒にやって負けるって」
林藤はるか:「そんなの相当……けほっ、こほっ」
新垣御守:「……」
田井中次郎:「林藤……」背中をさすって。
林藤はるか:病気が原因ではない。立った状態でここまで話すことに慣れていないため、気管に水滴が入っただけだ。
田井中次郎:「……支部長」
新垣御守:「……ああ」
新垣御守:「何?ジロくん」
田井中次郎:「“フォックスリンカ”は優秀な、一人前のチルドレンです」
田井中次郎:「……信じてやってください」
新垣御守:「……」
新垣御守:「ふー……」
新垣御守:「部下のちょっとした記念日さえ守ってあげられないなんて」
新垣御守:「ほんと、情けないけど」
新垣御守:「意地はってる余裕も無さそうか」
新垣御守:「悪いね、ほんと」
新垣御守:「頼ってもいいかな、ジロくん、はるかちゃん」
林藤はるか:「……何かあったと、こほっ」
林藤はるか:「…………何かあった時は、みんなでやるのが第二支部でしょう」
新垣御守:「ん。そだね」
新垣御守:「危うくホントのワンマン支部長になっちゃうとこだった」
新垣御守:「……反省するのは後にしといて」
新垣御守:「敵のこと話しときたいんだけど……えーっと」
新垣御守:「キミ、誰?」
雨堂聖理:「…………」
新垣御守:雨堂さんに
雨堂聖理:ずっとその趨勢を見守っていたが、声をかけられると、びくっと背筋を伸ばし
新垣御守:「あー、あーっ」
新垣御守:「威嚇してるわけじゃないんだよー、ごめんごめん」
雨堂聖理:「あ、"因果夜船"の雨堂聖理です! えーと、第七支部の方から来ました!」
新垣御守:「つーかビビるよね、この頭とか」
雨堂聖理:「だいじょぶです! あ、外見はちょっと……ですけど」
雨堂聖理:少し笑って 「支部長さんが優しい人なのは、今のでちゃんと分かりましたから」
新垣御守:「第七支部……って」
新垣御守:「チルドレン?はるかちゃんの友達?」
雨堂聖理:「イリーガルです! どっちかっていうとブリンガーさんの友達……友達? えっと、前に事件で助けてもらったことがあって」
林藤はるか:「上がってくる報告が多いので忘れてるかもしれませんけど」
林藤はるか:「“カースマスター”の一件で協力してもらったイリーガルさんです。重要人物です」
新垣御守:「あ」
新垣御守:「ああーーッ!あの子か!」
雨堂聖理:「それです! ありがとう林藤さん!」
田井中次郎:「信頼できるイリーガルです」
新垣御守:「イリーガルの立場を逆用してめちゃくちゃやるっていう」
新垣御守:「査定部直々のリスト入り女子高生」
田井中次郎:「機密事項でなければ、話しても問題ないかと……え……」
田井中次郎:「いや、そんなにめちゃくちゃは……」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:(してたかも……?)
雨堂聖理:「め、めちゃくちゃはして……えーと……」 視線が泳ぎ
雨堂聖理:「……最近は、そこそこ大人しくしてますですよ……?」
新垣御守:「あはは、割と図星って顔してるけど」
新垣御守:「まー、いいよ、その辺は」
新垣御守:「自前で確認したこと以外はあんまり信用しないタチだしね、こっちも」
林藤はるか:「知られてしまったのはしょうがないです。今日会ったのも偶然ですし」
新垣御守:「……ただ、ちょっとね」
新垣御守:「今回の相手はかなり普通じゃなさそうだから」
新垣御守:「今日はこのまま帰ってもらうかも」
雨堂聖理:「あ、そ、そうです。林藤さんの退院の日にここに来たのは偶然です。ホントは別のことについて知りたくって」
田井中次郎:「そうだったな…… ……ん……? ……どうしてここに?」
新垣御守:「?」
新垣御守:「別のこと?」
雨堂聖理:「集団意識喪失事件……白昼夢事件、っていう風にも呼ばれてるみたいですけど」
雨堂聖理:「それ、大変だなあって思って。もしお手伝いできることがあればってつもりで来ました」
雨堂聖理:「この病院で関係してる人が検査入院してるって聞いたから……だけど」
雨堂聖理:「あたし、そっちの事件についても手伝いますよ! 普通じゃない相手なんでしょ?」
雨堂聖理:「役に立ちます! 多分」
GM:支部長はそんな事件あったような無かったような。あったとしてもやはりそこまで優先して調査してなかった位の認識だと嬉しいです
GM:他の三人も同じく
新垣御守:「あー、はいはいどうどう」
新垣御守:「エキサイトしないしない」
新垣御守:肩を抑えてどうどうとしつつ
雨堂聖理:素直に押さえられて落ち着く
田井中次郎:「そうか……心強い」第七支部で派遣してくれたんだろうなあ、と思っている
新垣御守:「……イリーガルが自分から事件に飛び込んでくるなんて」
新垣御守:「ほんとに噂以上のお転婆みたいだね、聖理ちゃん」
雨堂聖理:「ちょうど手も空いてたんで……人助け、できるならしたいんです」
新垣御守:「ジロくん」
新垣御守:「はるかちゃん」
林藤はるか:「はい」
田井中次郎:目を向ける。
新垣御守:「カースマスターの一件、間近に見てた二人の意見が聞きたいんだけど」
新垣御守:「聖理ちゃんは、『強い』?」
新垣御守:「もちろん、戦力だけの話じゃなくてね」
林藤はるか:「強いかどうか……という話なら」
林藤はるか:「私より強いと思います。けれどもちろん、リリアナさんほどではありません」
林藤はるか:「田井中さんと比べたら、総合的には田井中さんの方が上ですが、出力で言えば雨堂さんの方がやや高いかと思います」
田井中次郎:「能力に関しては信用が置けます。戦闘面、それに情報収集においても」
田井中次郎:「精神面に関しては……」
新垣御守:「ヘイヘーイ」
新垣御守:「そこで口ごもられるとだいぶ不安が残るんですけど」
田井中次郎:「……『強い』です。それは確実に言えます」
新垣御守:「そっか……オッケー」
新垣御守:「じゃあ聖理ちゃんのことも頼らせてもらうことにする」
雨堂聖理:「はい! 役に立ちます、あたし」
新垣御守:「自分の命は守れるだけの力とか場数はあるみたいだし、どうせ首突っ込むんだったら」
新垣御守:「最初から一緒に行動してもらったほうがいいしね」
雨堂聖理:「へへ……」 実際、追い返されたら追い返されたで独自に動いていた所だ
新垣御守:「成田さんとかと比べたら、まー、頼りないリーダーかもしれないけど」
新垣御守:「うちはかるーくゆるーくってモットーでやってるから……そこんとこよろしく」
雨堂聖理:「いえ、そんな! 成田支部長はいつも怒ってるだけですから!」
雨堂聖理:「頼りなくなんて全然ないですよ。よろしくお願いします!」
新垣御守:「あはは、歯に衣着せずってタイプだ」
雨堂聖理:「パッて事件を片付けて……改めて、林藤さん退院おめでとうってしましょう! 大事です」
新垣御守:「そだね……それが一番大事」
田井中次郎:「……そうだな」頷き、林藤さんに目をやります。
林藤はるか:「……平気ですよ」
林藤はるか:「退院なんて、本当なら普通のことじゃないですか」
新垣御守:「だからそういう」
新垣御守:「普通のことを取り戻そうって言ってるんだって」
新垣御守:「これからずーっと、それが続くんだからさ。でしょ」
田井中次郎:「……ええ」一瞬、ぎゅっと固く目を瞑って。
田井中次郎:「ええ、そうです」
田井中次郎:「そうですよ」
田井中次郎:自分に言い聞かせるように頷く。
林藤はるか:「支部長は説教くさいのが欠点です」雨堂さんにひそひそと告げる。
新垣御守:「おいこら、聞こえてるぞこのやろう」
雨堂聖理:「ふふ」「それも優しさですよ」
雨堂聖理:「それに、退院したらお祝いするのも、普通なんですから」
新垣御守:「……んじゃ、どこか部屋借りて話そっか」
新垣御守:「私たちに喧嘩ふっかけてきた連中」
新垣御守:「そいつらのことについて」
新垣御守:「こう名乗ってたよ。真五凶星、だってさ」




GM:シーンを終了します
GM:ロイスの取得と購入をしてもいいよ~
新垣御守:田井中くんに取ります!
新垣御守:信頼◯/脅威で
雨堂聖理:ロイス、みんな取りたいけど
林藤はるか:空き枠が心配だなあ
田井中次郎:うーんロイス悩むな……とりあえず保留で!
雨堂聖理:今回は支部長から取ろう -/支部長/新垣御守/○やさしい/警戒
林藤はるか:でも支部長に取ってないのは変だから取ろうっと
新垣御守:わーい
新垣御守:JKにモテモテだ
林藤はるか:支部長/新垣御守/信頼:○/食傷/ロイス
田井中次郎:UGNボディアーマーを注文します
田井中次郎:1DX+4>=12
DoubleCross : (1R10+4[10]>=12) → 9[9]+4 → 13 → 成功

田井中次郎:即日発送 装備
新垣御守:購入はこっちもボデマ!
新垣御守:3dx+1
DoubleCross : (3R10+1[10]) → 7[1,1,7]+1 → 8

新垣御守:俺はアマゾンプライムにはなれない
GM:117,中々悲惨な出目
新垣御守:失敗!以上!
雨堂聖理:購入は、林藤さんにイマドキJKのトレンドを教えていくわね
雨堂聖理:大鎚です
雨堂聖理:2dx+4=>14
DoubleCross : (2R10+4[10]>=14) → 9[1,9]+4 → 13 → 失敗

雨堂聖理:財産1支払って購入
林藤はるか:あ!雨堂ちゃん
雨堂聖理:?
林藤はるか:このバディムーブがあれば財産支払わなくてすむのよ
田井中次郎:何て優秀なんだ
雨堂聖理:わあ!
新垣御守:ゲェーッ
雨堂聖理:うちの支部にそんなのなかったよ!
新垣御守:妖怪・バディム女!
林藤はるか:登場シーン中に使わないのは損!もちろん行使します
雨堂聖理:すごいなあ。じゃあ財産点の支払いはキャンセルします
林藤はるか:達成値+3されよ~~っ
GM:いいよ~
雨堂聖理:ありがとう! お礼に持たせてあげるね、大鎚
雨堂聖理:重心を低くするんだよ
林藤はるか:肩が外れちゃう
田井中次郎:林藤ーッ
林藤はるか:私は新垣さんのボディアーマー買ってあげようかなあ
新垣御守:はるかちゃん…!
新垣御守:いつもすまないねえ(ヨボヨボ)
林藤はるか:ミーミルの覚書を手配師にして購入すると
林藤はるか:どうなるのかな?このシナリオ中には使えなくなる?
GM:使えていいですよ
林藤はるか:じゃあ使っちゃお!
GM:もう一回手配師にしようとしてもできない
GM:そんなかんじで
林藤はるか:なるほどなるほど
林藤はるか:5dx+2>=12
DoubleCross : (5R10+2[10]>=12) → 9[2,5,6,7,9]+2 → 11 → 失敗

林藤はるか:む。私の財産点を1使おう。成功にします。
新垣御守:ハルチャーーン
GM:では成功!そして全員判定したね
新垣御守:ありがたく受け取り装備します
GM:シーン終了!そして今日はここまで!
新垣御守:したわよ!
GM:明日に備えてねなね~
新垣御守:お疲れ様でしたー!!
新垣御守:楽しかったよ!グンナイ~~!
田井中次郎:お疲れさまでした~
林藤はるか:私もとっても楽しかったでヤンス!
GM:よかった!ではな!



【Middle2】

GM:ではミドルシーン2を初めます
GM:じょうほうしゅうしゅうのしーんです
GM:現在調べられる情報項目はこちら!

・白昼夢事件〈情報:UGN、噂話〉 難易度9
・白上光〈情報:噂話〉〈知識:オカルト、学問、N市〉難易度8
・真五凶星〈情報:UGN、裏社会〉 難易度12


GM:シーンプレイヤーは林藤さん。それから田井中くんにも出てほしいかな(喋ってるところみたいので)
林藤はるか:わーい
GM:という感じで登場ダイスをお願いします
GM:項目が用意してあるのはこれくらいですが
GM:他にも調べたいことを言ってもらったら、もしかしたら頑張って作るかもしれません
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+3(1D10->3)した (侵蝕率:37->40)
新垣御守:1d10+42
DoubleCross : (1D10+42) → 8[8]+42 → 50

雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:44->50)
田井中次郎:49+1D10
DoubleCross : (49+1D10) → 49+7[7] → 56

GM:では判定してもらおうかな
GM:勿論情報を調べたあとに開放される項目も有るぞ
GM:シーンの描写は全員の判定が済んで
GM:内容を公開してからにしようね
雨堂聖理:白昼夢事件、調べた~い
雨堂聖理:ここに来た目的だからね
雨堂聖理:という訳で振ります。技能はないので実弾前提で行かせてもらう
雨堂聖理:2dx=>9
DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 8[1,8] → 8 → 失敗

雨堂聖理:今度こそ財産点1支払って購入!
林藤はるか:じゃあ白上光について調べようかな。というか
林藤はるか:私しかこの人について知らないし
田井中次郎:そうなんですよね
GM:そこは幽霊について
GM:田井中くんにだけ面白おかしく相談していたり
GM:してもいいかなってGMは思います
新垣御守:じゃあ真五凶星!
新垣御守:コネUGNでふりまー
新垣御守:5dx+2
DoubleCross : (5R10+2[10]) → 9[2,4,6,9,9]+2 → 11

新垣御守:ハルチャーン
新垣御守:バディムおくれ!
林藤はるか:あげちゃうよッ
林藤はるか:達成値+3!
新垣御守:成し遂げたぜ・
新垣御守:14でぶち抜きじゃ!
林藤はるか:ミーミルの覚書を「コネ:噂好きの友人」に極限変化させ
林藤はるか:判定するぞ
田井中次郎:偽りの友人
新垣御守:ミーミルだけが友達
GM:どうぞ~
林藤はるか:4dx>=8
DoubleCross : (4R10[10]>=8) → 9[3,5,8,9] → 9 → 成功

林藤はるか:やったね
GM:では3人共成功したので
GM:情報を貼っていくね
新垣御守:わーい

・白昼夢事件〈情報:UGN、噂話〉 難易度9
近頃第二区画周辺で起きている、突然複数の人間が気を失い、数分で目覚めるという事件。
レネゲイドの関連が疑われていたが、発生頻度も少なく被害も小さかったため、調査は後回しにされていた。

今回の調査で、事件が起こり始めた時期と、裏社会で“真五凶星”の噂が流れ始めた時期が一致していることが分かった。
彼らが何らかの形で事件に関わっていることは間違いないだろう。


・白上光〈情報:噂話〉〈知識:オカルト、学問、N市〉 9
歴史深き陰陽師の一族、白上家二十二代当主を名乗る、傲慢不遜な幽霊。
なお、白上家などという一族の存在は確認されておらず、UGNにも記録はない。

しかし、大N市の歴史資料にのみ、それらしき名前が見られた。
他に確認された一族の名は、小柴、目黒、茅ノ輪、五角など。
いずれの一族も、大N市以外に存在した記録は残っていない。

彼らは戦前、“極星封印の儀”と呼ばれる儀式を執り行うために
この大N市を訪れたようだが詳細は不明。

儀式の内容を知るためにはさらなる調査が必要だ。

→“極星封印の儀”について調査可能に


・真五凶星〈情報:UGN、裏社会〉 12

カースマスター及び、彼によって集められた4人のオーヴァード達の総称。
全員が特殊な賢者の石の適合者であり、収集人であるカースマスターに匹敵する力を持つ。

現在、彼らは“極星開門の儀”と呼ばれる蠱毒を行っている。
期間内に最も多くの人間の命を奪ったものを勝者とし、参加者全員の力を一つに統合。
最強のオーヴァードを作りだすのが目的らしい。

調査によって判明したメンバー、及び能力は以下の通り。

---

・東郷結城 (死亡)
“起源種”のレネゲイドクリスタル、“龍帝緑証”の適合者。
能力は起源の顕現。第二支部への襲撃を行い、死亡した。

“龍帝緑証”……効果:あなたのエフェクトレベルへの修正を+20する。

---

・藍川ナギ
“対抗種”のレネゲイドクリスタル、“緋緋鷹右眼”の適合者。
カースマスターの教え子であり、彼の教導を受けてなお生存した唯一のFHチルドレン。
“緋緋鷹右眼”によるオーバーカウンターすら耐える、生命体として完成された肉体を持つ。

術式によりカースマスターへの忠誠、及び儀式への参加を強制されているが、
本来は争いを好まない温和な性格。現在は他の参加者の妨害を主として活動している。

能力は過剰対抗、即死

“緋緋鷹右眼”……効果:オーヴァードに与えるダメージを+10d10する。
この効果を使用したメインプロセスの終了時、あなたはHPを10d10点失う。
あなたが行った攻撃によりオーヴァードが戦闘不能になった際、追加で使用できる。
対象のオーヴァードは即座に死亡する。この効果を使用した場合、あなたは死亡する

---

・マスターウィザード

“変異種”のレネゲイドクリスタル、“天上黄石”の適合者。

マスターウィザードは先代、先々代共に死亡が確認されており、
現在のマスターウィザードは彼らの技術を受け継いだ三代目。
先代の技である“生命の創造”“有と無の錬成”、そして“天上黄石”の能力を併せ持つと推測される。
現在は工房に引き籠もり、生命の創造と殺害を繰り返すことで、蠱毒を勝ち抜くつもりのようだ。

能力は生命の創造、常在奇跡、全能、ほか。

“天上黄石”……あなたは全ての変異種エフェクトを取得する。あなたは変異種エフェクトを、その回数制限を無視して使用できる。

---

・???

“古代種”のレネゲイドクリスタル、“紫艶仙丹”の適合者。
最も遅く真五凶星に加わったようで、詳細な情報を得られることはできなかった。
また、白昼夢事件が起こり始めた時期と、“紫艶仙丹”の噂が裏社会で流れ始めた時期はほぼ一致する。
白昼夢事件を引き起こしているのは彼である可能性が高い。

能力は不死、限定全知、ほか。

“紫艶仙丹”……効果:あなたは全ての古代種エフェクトを取得する。あなたは古代種エフェクトを、その回数制限を無視して使用できる。


GM:以上です
GM:情報項目として
GM:・“極星封印の儀”〈情報:UGN〉〈知識:オカルト〉9
GM:これが開放されました
田井中次郎:このシーンで判定できますか?
GM:もち!
林藤はるか:田井中くんまだ判定してませんもんね
田井中次郎:じゃやります!コネUGN!
新垣御守:と、とりあえずよろしく
田井中次郎:3DX+4>=9
DoubleCross : (3R10+4[10]>=9) → 10[3,8,10]+3[3]+4 → 17 → 成功

田井中次郎:全てを理解していきます
林藤はるか:全知だ
新垣御守:ハロウィン!

・極星封印の儀〈情報:UGN〉〈知識:オカルト〉9
嘗てこの地に巨大な隕石が墜落した。
その石は“魔星”と呼ばれ、無機物でありながら思考を持ち、
疫病と災厄によって命を喰らいながら支配域を広げていった。
その魔星を封じるために執り行われた魔術儀式が、極星封印の儀式である。

儀式は成功。魔星の大部分は封印、核は五つの欠片へと分解された。
しかし、魔星の反撃によって当時集まった魔術一族は壊滅。記憶、記録、存在ごと表の世界から抹消。
魔星の欠片もその後の行方はわかっていない。

“魔星”が復活した場合、少なくともこの地球は滅びるであろうことが予想される。


GM:以上です
GM:これらの情報を踏まえて
GM:いい感じにロールしてください
GM:また、調査できる全部の情報項目を終えたので
GM:このシーンの最後にイベントを起こしますね。
GM:ではシーンの描写を開始しましょう




GM:4人が合流した直後のこと。林藤はるかさんは担当医である
GM:和嶋春さんの元へ訪れていました。
GM:任務を正式に受けることになったので、その報告です
和嶋春:「そうか……いや。事態が事態だ。予想はしていた」
林藤はるか:「すみません。退院の矢先にこういう事態になってしまったので」
林藤はるか:「私も……可能な限り、使わない方向でサポートに回るつもりですけど」
林藤はるか:机の上の蛍を見る。ケースの中で淡い光を放っている。
和嶋春:「謝ることはない。体の方は……大丈夫なはずだ。君の病は完璧に治っている」
和嶋春:「ただ、さっきも言った通り。科学に100%はない。なにかおかしいと思ったらすぐに私に知らせるんだ。いいね?」
林藤はるか:「……はい」ぺこりと頭を下げる。
林藤はるか:「このケース、持っていっても構いませんか?」
和嶋春:「勿論。好きに使ってくれ」
林藤はるか:「ありがとうございます。頑張りますね」グッと両手を小さく上げます。
和嶋春:「ああ。頼りにしてるぞ、UGNチルドレン!」
林藤はるか:診察室から廊下に出ます。待たせている相手がいるはず。
田井中次郎:「…………」壁にいい感じに寄り掛かって、顔にいい感じの影が掛かる角度で立っている。
林藤はるか:「先生から許可もらえましたよ」
林藤はるか:「これで病院の外に出ても、最低限は自分の身を守れると思います」
林藤はるか:「私はそういう能力ですしね」
田井中次郎:「……そうか」 素直に良かったとも言い難いような、少し複雑な表情。
田井中次郎:「それなら、任務に問題は無いな」
林藤はるか:「そうですね。自分の体で任務をこなすのって、初めてですから」
林藤はるか:「わくわくします」
田井中次郎:「……問題があったらすぐに言え。退院したとはいえ、自由に歩き回れるほど健康でも無いだろう」
林藤はるか:「大丈夫ですよ。和嶋先生も言ってましたけれど、私の体はもう完璧に健康なんですって!」
林藤はるか:小さく跳ねてみせる。「歩くどころか走ったりもできますよ!見せましょうか?」
田井中次郎:「……さっきだって、息が切れていたようだが」珍しくじろりとした目。
林藤はるか:「む」
田井中次郎:「今無理する必要なんて無いんだ。時間ならいくらでもある。これからは」
林藤はるか:「でも走れるのは本当ですよ」
田井中次郎:「……本当か……?」寝ている姿ばかり見てきたので想像すら難しい。
林藤はるか:「見せます。今回は田井中さんも私と一緒に行動しますよね?」
林藤はるか:「生身の私と!一緒に!」
田井中次郎:「だから心配なんだ……!」
田井中次郎:「ともかく何かあったらすぐに言うんだぞ。いいな、“フォックスリンカ”」
田井中次郎:「運動なら後で幾らでも付き合ってやる。ジョギングとか……支部にジムもあるし……」
林藤はるか:「もう、みんなしてそういう心配ばっかり……胃に穴が空いちゃいますよ」
田井中次郎:「もう心配しなくていいようになりたいんだ、俺も」
田井中次郎:「だから協力してくれ、“フォックスリンカ”も」
林藤はるか:「……私がいると」少し困った顔になる。
林藤はるか:「心配ですか?田井中さん」
田井中次郎:「…………」少し考え込んで。
田井中次郎:「……ああ」頷く。
田井中次郎:「上手く言えないが。お前は優秀なチルドレンだと、信頼しているのは確かだが……」
田井中次郎:「その上で、放っておけない」
林藤はるか:「それなら、もしも私が……」
林藤はるか:「……いえ、いいです!支部長の調査結果を聞きに行きましょうよ」
林藤はるか:田井中くんの腕を引っぱって連れていきたいです。
田井中次郎:「……?」その言葉に少し引っ掛かるも。「ああ……そうだな」そのまま引っ張られていきます。
GM:和嶋さんへの報告を終えた君たちは
GM:病院を離れ。第二支部へ集まっています。
GM:真五凶星、白上光、それらのキーワードをヒントに、たどり着いた情報は
GM:にわかには信じがたい衝撃的なものだった
新垣御守:「……はぁー」
新垣御守:「流石にリアクションに困るわ、こりゃ」
雨堂聖理:人数分買ってきたエッグタルトをお皿に乗せて並べている
雨堂聖理:「……なんか」
雨堂聖理:「すっごい深刻そうなお顔に見えるんですけど……」
新垣御守:「……気がつくね—聖理ちゃん」
新垣御守:「ダブルミーニングでね」
新垣御守:ひょいとタルトを取りつつ、硬い表情
新垣御守:手元のレポートに目を落としている
新垣御守:UGN日本の調査記録だ。
新垣御守:「連中、能力のことについちゃロクに隠してもないね」
新垣御守:「それどころか、UGNこっちの目なんか気にしてもないって感じ」
林藤はるか:「レネゲイド関連の事件資料はたくさん見てきましたけれど」
林藤はるか:「本当なんでしょうか?」
雨堂聖理:「真五凶星……ってやつですよね。あたしも、名前だけは調査の途中で聞いたんですけど」
新垣御守:「超古代種に、超起源種、超対抗種……」
新垣御守:「正直こっちも信じらんないし、信じたくもないけど」
新垣御守:「他ならぬ霧谷さんの調査結果だからね」
新垣御守:「信じるしかないんだよな—」
田井中次郎:「……」資料に目を通して、その内のひとつの名に顔色を変える。「……!」
新垣御守:「何、どしたのジロくん」
田井中次郎:「……“緋緋鷹右眼”……」
林藤はるか:「“すごい対抗種”の方ですね」
田井中次郎:顔を上げて。「報告する機会を逸していましたが……俺は既に、この内の一人に接触を受けています」
新垣御守:「げ、マジで?」
林藤はるか:「つまりそれがこの人ということなんですね?」
新垣御守:「どこで会ったのさ、こんな物騒なのと」
田井中次郎:「……病院です。梶田記念病院」
田井中次郎:「真五凶星の名も口にしていました。攻撃されたわけでもなく、俄かには信じ難い話と思っていましたが……」
新垣御守:「それは」
新垣御守:「なんで?わざわざ敵になるジロくんのとこまで顔出すなんて」
林藤はるか:「情報自体がろくに隠されていないとすれば、名前を騙る模倣犯といった可能性もありますけど」
林藤はるか:「どういう様子だったんでしょう?」
雨堂聖理:「……」 資料をさらさら読みながら 「……ですね。どんな感じだったのか、ちょっと気になる」
新垣御守:「挑発?それとも勧誘とか?」
田井中次郎:「……敵対的な様子では無かった。真意はともかく、口では、友好関係を築きたい……と」
田井中次郎:「ただ、直接・密接に協力をしたいという様子でもなく……俺のことも、いずれは殺す、とも」
新垣御守:「んー、友好関係、か」
田井中次郎:「それから……」
新垣御守:「それから?」
田井中次郎:少し躊躇って。
田井中次郎:「……忠告めいたことを口にしてきました」
田井中次郎:「俺の近くの人々に危機が迫っている……と」
田井中次郎:「……それだけです。すぐに逃げられてしまいました」
新垣御守:「……それがつまり」
新垣御守:「この『儀式』とかいうわけか」
林藤はるか:「田井中さんの近くの人々というと、第二支部所属の人かもしれませんね」
林藤はるか:「リリアナさんや支部長のことだったんでしょうか?もう襲撃を受けていますし」
新垣御守:「いや」
新垣御守:「おおっぴらに言い回ってるよ、これも特に隠したりせずに」
新垣御守:「競争なんだってさ」
新垣御守:「どれくらい人が殺せるかって」
林藤はるか:「……競争」
雨堂聖理:「どれくらい人が殺せるか……」 厳しい目
田井中次郎:「……」顔を顰める。
新垣御守:「UGNだとかそうじゃないとかに関係なく、近くの人々」
新垣御守:「そういう意味の予告じゃないの」
新垣御守:「いやー、マジで」
新垣御守:「舐めてくれるよな」
田井中次郎:「何だ、それは……何の目的があって……」
雨堂聖理:「……本当に、警告だったのかも」
雨堂聖理:「あの"カースマスター"のチルドレンだっていうけど、忠誠は強要されてて、本当は戦いを好まない性格っていうなら……」
雨堂聖理:「そういうことも有り得るんじゃないんですか? 」
田井中次郎:「……俺達に止めてほしい、と?」
雨堂聖理:「はい。……もしかしたら」
雨堂聖理:「『逃げろ』とかのつもりだったかもしれないですけど」
新垣御守:「もしもそのセンがあるなら、最初に接触したいとこだけど」
新垣御守:「連中全体の最終目的としては、『力』だってさ」
林藤はるか:「既に十分すぎる力があるように思えますけど」
林藤はるか:「これ以上力を手に入れてどうするつもりなんでしょう?妖星ゴラスでも撃墜したいんでしょうか?」
新垣御守:「中毒じゃないの?」
新垣御守:「力ってさ、ある程度そういうとこあるから」
新垣御守:「一回手元に銃を手に入れちゃうと」
新垣御守:「それが手放せなくなるタイプっているよ。弱気なやつでも、強気なやつでも。その辺あんま関係なくね」
田井中次郎:「それが『競争』の目的か……しかし、」
田井中次郎:「……誰が一番多く人を殺せるか、だったか。まだ目立った被害は支部長と“ネグロ・ムエルテ”だけのようだが……」
田井中次郎:「まだ始まったばかりなのか?他に事件は?」
新垣御守:「人使って調べてもらってる」
新垣御守:「傷害、殺人、未遂でもいいから、その辺りだけね」
新垣御守:「徹底的に」
GM:今の所表立って傷害とか殺人とかが起こってる訳ではないようですね
GM:本当に、新垣さんとリリアナさんが殺されかけただけ。
GM:不気味なくらい静かだ。
林藤はるか:「……」真剣な面持ちで資料に目を通している。
雨堂聖理:「あたしやっぱり、白昼夢事件の方が気になります」
雨堂聖理:「タイミングも一致してますし、この"紫艶仙丹"って人が関わってるって話もあるし……」
雨堂聖理:「……たとえば、もしこの事件、現象? がこの人の仕業だったとして……今は問題ないにしても」
林藤はるか:「もしもそれがこの儀式の仕込みであるとするなら」
林藤はるか:「白昼夢……みたいに見える予兆を、少しずつ人々に植え付けて」
林藤はるか:「一気にドン!というパターンもあり得ますよね」
新垣御守:「……」
新垣御守:「予兆、か」
雨堂聖理:「交通量の多い道路とか、そういう所でこの現象が起こったりしたら、つまりその人がたくさんの人を殺したってことになりますし……」
雨堂聖理:「あとは、効果時間が1日くらいに伸びて病院とかで起きたら……とか。もちろん、林藤さんの言ってる通り、何かの準備なのかもですし」
田井中次郎:「そうなる前に、探し出して止めるしかないな」
新垣御守:「目的の推理にはまだわかんないことが多すぎる」
新垣御守:「向こうから出てきてくれればそれが手っ取り早いんだけど…」
林藤はるか:「あの、あの、支部長」手を上げてジャンプします。
林藤はるか:「私も、この件に関する予兆らしき体験をしているんです。実は」
新垣御守:「……マジで?」
雨堂聖理:「予兆……?」
林藤はるか:「田井中さんにはもう話したんですけど……」
林藤はるか:「幽霊を見ました」
新垣御守:「幽霊ぃ?」
新垣御守:「白昼夢ってやつとは違うの?それ」
林藤はるか:「幽霊です!本当ですよ!見たことありますか、幽霊」
田井中次郎:「……」やや顔色悪く目を逸らす。
新垣御守:「あー、どうかな」
新垣御守:「キマってる時には多少……じゃなくて」
林藤はるか:「白昼夢の一種かもしれません。その可能性は大いにあります」
林藤はるか:「妖星ゴラスの質量がどれくらいなのかはご存知ですか?」
雨堂聖理:「よ、妖精……?」 幽霊に続きファンタジーな話をするなあと思っている
新垣御守:「私ガメラしか観てないんだよね、怪獣映画」
林藤はるか:「なんと地球の6000倍の質量を持っているんです。まさに妖星ですよね」
林藤はるか:「もしも……妖星と魔星と凶星があるとするなら」
林藤はるか:「意味としてはどういう違いがあるんでしょうね?」
雨堂聖理:「か、怪獣? ……地球の6000倍……!?」
新垣御守:「ヘイヘイ」
新垣御守:「いつもの脱線ルートに入ってないかねはるかちゃん」
新垣御守:「幽霊の話でしょ今は」
田井中次郎:「そうだぞ……」小声。
林藤はるか:「違います。ちゃんとその幽霊さんのお話を踏まえた上での話です」
新垣御守:「ほぉう」
林藤はるか:「幽霊さんの名前は白上光といって——」
林藤はるか:「“極星封印の儀”と呼ばれる儀式を成し遂げた陰陽師の一族だったらしいです」
新垣御守:「白、上」
新垣御守:「……これか」
新垣御守:ガサガサと紙資料をめくって
新垣御守:真五凶星の目的を推察したレポートの中からその名前を見つける
雨堂聖理:「おんみょうじ……」 友達に見せられた変な動画くらいしか知らない
林藤はるか:「これは大N市の史料にしかない名前です。気になりすぎて調べちゃったんですけど」
林藤はるか:「白上光さんは、自分の死因を『魔星』によるものと断定していました」
林藤はるか:「魔星。極星。そして……」
林藤はるか:「……凶星。儀式という符合もありますね。どう思いますか?」
新垣御守:「……こっちにもあったよ」
新垣御守:「古いレネゲイド使いの家系が各地で類似の儀式を行っていて」
新垣御守:「関連が予想されるって」
田井中次郎:「……林……“フォックスリンカ”が幽霊が出たというので、そんなわけないだろうと調べてみたのですが」
田井中次郎:タブレットを取り出して画像を見せる。茶色く汚れた古書のスキャンだ。
田井中次郎:「市内のオカルト系の収集家から貸出を受けたものです。マニアの間でも単なる眉唾物の偽書という扱いだったようですが……」
林藤はるか:「すごい!田井中さん!」目を輝かせます。
林藤はるか:「いつの間にこんなものまで……!病室からの調査じゃ分からなかったところです!」
新垣御守:「やるねジロくん、お手柄お手柄」
新垣御守:タブレットを覗き込む
田井中次郎:「この中に、白上を始めとした陰陽師の名前が出てきてしまって……」暗い顔。
林藤はるか:「出てきてしまって?」
田井中次郎:「……本当に幽霊なのかな……」小声で呟く。
林藤はるか:「幽霊は実在するんですよ」強く主張します。
新垣御守:「もしかして」
新垣御守:「ビビってる?ジロくん」
雨堂聖理:同じく覗き込んでいたが、田井中さんを見て 「え?」
雨堂聖理:「……幽霊を?」
田井中次郎:「そんな訳がないでしょう……!」きっと強い表情を作って。「俺は“ナイトメアブリンガー”ですよ……!?」
林藤はるか:「田井中さんは幽霊なんて怖くないです!」
林藤はるか:「そうですよね!」
新垣御守:「どーだろなー」
新垣御守:「前に支部でホラー映画大会した時も」
新垣御守:「いきなりお腹痛いって言ってどっか行っちゃったし」
田井中次郎:「そうだとも……!怯えてなどいない!幽霊などいないのだから怯える必要など……」
田井中次郎:「……いや、そんな話をしている場合ではなく!」
田井中次郎:「この本にも『魔星』というワードが登場するんです」
新垣御守:「まあね、そこの愉快な話は置いといて」
新垣御守:「問題はそこだよなー」
新垣御守:「魔星と陰陽師に関わる戦いは事実だったとして……」
新垣御守:「五凶星連中がそれをなぞらえてこの街で何をしでかそうとしてんのか…」
GM:では、そんな話をしている君たちですが
GM:〈知覚〉もしくは〈回避〉で判定をお願いします。難易度は8
GM:失敗したら、2d10……ではなく
GM:12d10ダメージを受けてもらいます。どうぞ
雨堂聖理:死んじゃう!
田井中次郎:嘘やん
林藤はるか:即死じゃあないか
雨堂聖理:3dx=>8 知覚
DoubleCross : (3R10[10]>=8) → 10[1,7,10]+7[7] → 17 → 成功

林藤はるか:当然〈知覚〉!
林藤はるか:4dx10+11=8 まあ《ハンドリング》なしでも確定成功なんですけどもね
DoubleCross : (4R10+11[10]=8) → 6[1,3,4,6]+11 → 17 → 失敗

林藤はるか:「>」を入れ忘れたけど17なので成功
田井中次郎:≪無形の影≫使います 侵蝕56>60
田井中次郎:6DX>=8
DoubleCross : (6R10[10]>=8) → 8[2,5,6,7,7,8] → 8 → 成功

新垣御守:あ!
新垣御守:ちょっと待てい!
GM:どしたんどしたん
新垣御守:判定前にセットアップもらって
新垣御守:リーダーズマーク使っていいですか
新垣御守:みんなのダイスが増えるぞ
新垣御守:あ、違う
GM:ユニークコード?
新垣御守:ユニークコードか
新垣御守:そうそう
林藤はるか:でも支部長以外はもうみんな成功してるよ
新垣御守:こっちが不安なの!!
雨堂聖理:カンで生きてきた女ですゆえ
GM:イイヨ
新垣御守:やったぜ
GM:新垣さんだけ振り足すといい
新垣御守:じゃあユニークコード使用!みんなのメジャーダイスがシーン中+2個!
新垣御守:でもって知覚—
新垣御守:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 10[2,4,8,10]+1[1] → 11

新垣御守:よっしゃあ
田井中次郎:優秀チーム
GM:では全員成功。

GM:会話の最中。君たちは背筋に突然、ぞわりとするような悪寒を感じる。
田井中次郎:「この『魔星』というのが…… ────ッ!」
GM:経験故か、それとも超常的な勘によってか。窓の外に目を向けると
GM:隣のビルから、一人の少女が君たちに向けて弓を引いているのが見える
“緋緋鷹右眼”:「……」“真五凶星”の一人。“緋緋鷹右眼”
雨堂聖理:難しい表情で資料を見ていたが、ばっと顔を上げて
雨堂聖理:次の瞬間には、椅子を蹴って窓から離れている
新垣御守:「……!」
新垣御守:既に煙幕を張っている
新垣御守:掌から溢れた極彩色の煙は超常のスピードで窓を塞ぐ
新垣御守:同時に、その場から飛び退く
林藤はるか:「あの人……」視力はいい。対象を視認することはできる。
田井中次郎:「林藤ッ!!」
GM:ーーーーーーゴ オ ッ
林藤はるか:「あ」だが、今は。
林藤はるか:(……そうだ。蛍じゃな)
田井中次郎:ばっと覆いかぶさるようにして、一緒に床に伏せさせます
GM:次の瞬間、轟音とともに
GM:第二支部の君たちの居る階層より、上階が
GM:跡形もなく吹き飛びます。
新垣御守:「!!」
GM:砕けたコンクリートが君たちの上へ降り注いでくる。周囲からは人々の悲鳴
GM:どう考えても、矢一本でだせるような破壊力ではない。異常だ
田井中次郎:「……!」ぱらぱらと落ちてくる瓦礫や砂埃を、背中で受けて。
雨堂聖理:姿勢を低くし、片手で口元を押さえ、もう片手で目元を守りながら、敵を見る
雨堂聖理:(こんな、いきなり……っ、銃も手元にない……油断してた!)
林藤はるか:「はっ、はあ」田井中くんに覆いかぶさられたまま、荒く息をつく。
田井中次郎:「林藤!無事か!?」
林藤はるか:生身ではまったく反応できなかった。感覚で捉えていても。
林藤はるか:「あり、ありがとうございます」
林藤はるか:「田井中さん」
田井中次郎:「良かった……」一瞬の安堵の表情は、すぐに険しいものに変わって。敵を見遣る。
新垣御守:「第2射警戒!!」
新垣御守:それだけを叫んで、周囲の気配を探る
GM:第二射は来ない。代わりに
“緋緋鷹右眼”:「……私は“真五凶星”」「“緋緋鷹右眼”」
“緋緋鷹右眼”:君たちの目の前に、既に姿を表している。赤髪が燃えるように揺らめく
雨堂聖理:「緋緋鷹……っ」
新垣御守:「『対抗種』、か……!」
林藤はるか:(いつの間に)
林藤はるか:(こんな距離を)
田井中次郎:「……お前……は……」林藤さんを背に隠すようにして。
“緋緋鷹右眼”:すっと林藤さんを指差して
“緋緋鷹右眼”:「その女を殺しに来た」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:「何だと」
“緋緋鷹右眼”:「貴女は呪われている」
“緋緋鷹右眼”:「……ごめんなさい。手遅れになる前に、ここで死んで。」
林藤はるか:「私を、殺して……何の得があるんですか、あなたに」
林藤はるか:「すごく……興味があります」




GM:シーンを終了します
GM:ロイスの取得などが可能です
GM:購入もしていいよ
雨堂聖理:あっ購入の許し
新垣御守:応急手当!
新垣御守:これにもユニークコードが乗るぞい
新垣御守:いいもん食え
雨堂聖理:やったー!
新垣御守:5dx+3
DoubleCross : (5R10+3[10]) → 8[1,1,4,8,8]+3 → 11

新垣御守:で、自分に使う
新垣御守:2d10+1
DoubleCross : (2D10+1) → 11[8,3]+1 → 12

新垣御守:これでバックファイア死しない
新垣御守:ロイス保留で以上!
雨堂聖理:ロイスは保留で、購入は~
雨堂聖理:大鎚とセットでイマドキJKに欠かせないマストアイテム。フルオートショットガンを買います
雨堂聖理:4dx+4=>20
DoubleCross : (4R10+4[10]>=20) → 5[1,2,3,5]+4 → 9 → 失敗

雨堂聖理:ンンッ……
雨堂聖理:財産、11……支払う! 冷静に考えて手配師すべきだったな……!
雨堂聖理:大鎚とそれぞれ別のウェポンケースに入れときます この出費が痛い
林藤はるか:サーチレーダー買おうかなあと思ったけど
林藤はるか:購入不可だこれ 次から常備化しよ……
GM:今回はキャラシをちゃんと考える時間もなかっただろうし
GM:財産を減らすなら常備化してたことにしていいですよ
林藤はるか:え~~っ、じゃあ持っていることにしちゃおうかなあ
林藤はるか:常備化2なので常備化します
GM:珪素さんだけね
林藤はるか:財産も2減らすね……
GM:他の三人はたくさん時間あったと思うから平気だよね
田井中次郎:ロイス保留でアンチマテリアルライフル狙おう
田井中次郎:手配師、無形コンセで60>66
田井中次郎:12DX7+4>=35
DoubleCross : (12R10+4[7]>=35) → 10[3,5,5,7,8,8,9,9,10,10,10,10]+10[1,2,2,4,4,7,7,8,9]+10[6,7,9,9]+10[2,3,7]+10[10]+6[6]+4 → 60 → 成功

林藤はるか:すごっ!
田井中次郎:すごいのが買えた
林藤はるか:購入マスター!
GM:成功しましたねえ
田井中次郎:ゴルゴが注文するやつ
雨堂聖理:やばすぎ
林藤はるか:クソデカアンチマテリアルライフル
林藤はるか:私はつつましく応急手当でも買おうっと
林藤はるか:2dx+2>=8
DoubleCross : (2R10+2[10]>=8) → 5[2,5]+2 → 7 → 失敗

林藤はるか:だめだ!わざわざ財産使うまでもないし失敗でいいや
GM:ではシーン終了
GM:サクサクやっていくぞ!
GM:次のシーンだ!



【Middle3】

GM:ミドル戦闘のシーン
新垣御守:ヒエーッ
GM:全員登場を推奨します。シーンプレイヤーは林藤さん
GM:登場ダイスを振ってね。
田井中次郎:66+1D10
DoubleCross : (66+1D10) → 66+10[10] → 76

田井中次郎:ウギャーーッ
雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+8(1d10->8)した(侵蝕率:50->58)
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+2(1D10->2)した (侵蝕率:40->42)
林藤はるか:侵蝕クソ低羅生門
新垣御守:50+1d10
DoubleCross : (50+1D10) → 50+2[2] → 52

新垣御守:よっしゃあ
GM:ではシーンの描写を開始しましょう




GM:崩壊した第2支部の残骸で、君たちは“緋緋鷹右眼”と対峙する
GM:彼女が懐からガラス瓶を取り出し、地面に叩きつけると
GM:そこから赤黒い不定形の怪物が三体現れる。真五凶星について調べた君たちは理解できる
GM:この怪物は“マスターウィザード”によって作られた人造生命体だ。彼女と取引をしたか、あるいは彼女が奪い取ったか
GM:いずれにせよ、君たちにとって敵対的な存在であることは変わりない

GM:エンゲージは
エンゲージ



[“緋緋鷹右眼”](500)

5m

[クリムゾンビースト] [クリムゾンビースト] [クリムゾンビースト](10)

5m

[雨堂](12) [林藤](10)[田井中](8)新垣[7]



GM:と言った感じです

新垣御守:「……」
新垣御守:瓦礫の中から飛び出した腕、流れ出す赤黒い血。
新垣御守:それを一瞥してから、敵と向き合う。
“緋緋鷹右眼”:「私は藍川ナギ。五つに分かたれた魔星の欠片、“緋緋鷹右眼”を宿す者」
“緋緋鷹右眼”:「……ごめんなさい。悪いことは言わない。大人しく彼女を渡して」
新垣御守:「悪いことは言わないってさあ」
新垣御守:「仲間が死んでんだよ?」
新垣御守:「聞くと思う?それ」
“緋緋鷹右眼”:「じゃあ、もっと悪いことは言わない」
“緋緋鷹右眼”:「大人しく彼女を渡して」
林藤はるか:「……白上光さんにも言ったことですけれど」
林藤はるか:「私とあなたは初対面ですよね?」
林藤はるか:「私……あまり恨みを買う方じゃないと自分では思っているんですけど」
“緋緋鷹右眼”:「これから死んでいく相手に、挨拶が必要?」
田井中次郎:「…………」黙り込んでいる。あの時の言葉は。何故林藤を。聞きたいことは山程あるが。
田井中次郎:それよりも強い、自身すら戸惑うほどの感情と衝動を、必死に抑えようとしている。
“緋緋鷹右眼”:「田井中次郎。貴方も」
“緋緋鷹右眼”:「殺すように“カースマスター”から言われている。でも、何時とは言われていない」
“緋緋鷹右眼”:「それを今にしたくはない」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:「殺すつもりなのか」
田井中次郎:「林藤を」
“緋緋鷹右眼”:「……ごめんなさい。理由を話した所で、貴方達にできるとは思えないから」
“緋緋鷹右眼”:「私がやる」

GM:では、戦闘を開始します。
GM:戦闘終了の条件は、クリムゾンビーストの全滅と
GM:その後、“緋緋鷹右眼”にダメージを与えることです
GM:セットアップに入りましょう
GM:エネミー側は何も有りません
雨堂聖理:ない!
田井中次郎:無し!
林藤はるか:本来なら《ハンドリング》を使うべき……ですが、使いません!!
林藤はるか:なぜなら生身で登場しているから!
GM:その意気やよし!
新垣御守:自分にアクセルで!行動値+8の15!
GM:では行動値15に!
GM:では、イニチアシブに入りましょう
GM:何もなければ行動値500、“緋緋鷹右眼”の手番です
林藤はるか:本気で言ってる?
新垣御守:そうはならんやろ
田井中次郎:50でもおかしいのに?
GM:マイナーでコンポジットボウを装備
新垣御守:お、おまえ
新垣御守:おまえ!!
林藤はるか:コンポジットボウw
GM:メジャーで射撃攻撃します。対象は林藤はるか
GM:判定します
“緋緋鷹右眼”:202dx-3
DoubleCross : (202R10-3[10]) → 0[]-3 → -3

“緋緋鷹右眼”:あれ?
雨堂聖理:ダイスが対応してないw
“緋緋鷹右眼”:多すぎて振れない
林藤はるか:多すぎて
田井中次郎:そんなことある!?
“緋緋鷹右眼”:103DX-3
DoubleCross : (103R10-3[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,2,3,4,4,5,6,8,8,9,10]+6[6]-3 → 23

“緋緋鷹右眼”:100dx-3
DoubleCross : (100R10-3[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[2,2,3,3,3,5,7,8,9,9,10]+2[2]-3 → 19

“緋緋鷹右眼”:達成値は23です
林藤はるか:ええ~~っ
林藤はるか:いや、驚いたのはどどんとふ対応能力以上のダイス数もそうなんですけど
林藤はるか:C値10だと202個振っても20台なんだ
新垣御守:はぇーー
田井中次郎:びっくりですねこれ
雨堂聖理:果敢無きかな
GM:無慈悲な現実……
新垣御守:勉強になるなあ
林藤はるか:回避できそうな予感!《リフレックス:エンジェルハィロゥ》《神の眼》。
林藤はるか:《ハンドリング》さえ使ってれば《神の眼》だけでほぼ確定回避だったのにな
林藤はるか:4dx8+11>=23
DoubleCross : (4R10+11[8]>=23) → 10[6,6,8,9]+10[5,8]+3[3]+11 → 34 → 成功

林藤はるか:ふふーん
田井中次郎:えらい!
GM:クソーッ
新垣御守:ハルチャン!!
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+3した (侵蝕率:42->45)
“緋緋鷹右眼”:演出でダメージだけ出します
“緋緋鷹右眼”:15d10+200
DoubleCross : (15D10+200) → 106[10,10,5,10,5,8,9,2,6,6,7,4,9,8,7]+200 → 306


“緋緋鷹右眼”:ゴッ
“緋緋鷹右眼”:再び弓を引き絞り、矢を放つ。風圧だけで瓦礫が螺旋状に吹き飛び
“緋緋鷹右眼”:その軌道を空中に残す。
林藤はるか:林藤はるかはその射線の中央——無論、回避する猶予などあるはずもなく
林藤はるか:跡形もなく消し飛んだように見える。
林藤はるか:(……)
“緋緋鷹右眼”:「……外した?」
林藤はるか:何もない空間で、田井中さんの手をギュッと握る。
林藤はるか:(大丈夫です)
林藤はるか:チカチカと、白昼の太陽に紛れるように瞬く光がある。
GM:ずっとずっと後方にそびえ立つ山に
GM:巨大なクレーターが生じる。だがそれだけだ
GM:矢は林藤はるかの体をかすりもしなかった
林藤はるか:和嶋医師から受け取ったケースに入っていた蛍が解き放たれて、発光している。位置を錯覚させた。
田井中次郎:「…………」一瞬呼吸を詰まらせるが、その温度に安堵する。
“緋緋鷹右眼”:「……やはり……弓では……」

GM:次のイニチアシブ
GM:雨堂さんの手番です
新垣御守:いや
新垣御守:ワイやで!
雨堂聖理:アクセルしてるからね!
GM:せやったわ
GM:新垣さん!行動してください
新垣御守:マイナーで5m左に移動
エンゲージ



[“緋緋鷹右眼”](500)

5m

[クリムゾンビースト] [クリムゾンビースト] [クリムゾンビースト](10)

5m

新垣[15]   5m   [雨堂](12) [林藤](10)[田井中](8)



新垣御守:メジャーでコンセ+魔獣の衝撃+増加の触媒+蝕む赤+血の宴+ブラッドボム
新垣御守:対象はクリムゾンビースト3体
GM:イイデショウ
GM:特に妨害などは有りません。
GM:判定をお願いします
新垣御守:7dx7+6
DoubleCross : (7R10+6[7]) → 10[1,2,3,3,5,8,9]+10[1,10]+2[2]+6 → 28

新垣御守:ほどほどー
GM:全員ドッジします
クリムゾンビースト:13dx #1
DoubleCross : (13R10[10]) → 10[1,3,3,3,4,4,6,7,8,8,9,10,10]+5[2,5] → 15

クリムゾンビースト:13dx #2
DoubleCross : (13R10[10]) → 9[2,2,3,5,5,6,7,7,7,8,8,8,9] → 9

クリムゾンビースト:13dx #3
DoubleCross : (13R10[10]) → 10[1,1,2,4,4,4,4,5,5,8,8,10,10]+5[3,5] → 15

林藤はるか:結構頑張るなあ
クリムゾンビースト:回避できず!ダメージをお願いします
新垣御守:3d10+2d10+11
DoubleCross : (3D10+2D10+11) → 19[2,9,8]+19[10,9]+11 → 49

新垣御守:いい感じ!
新垣御守:更に1点でも入れば、ブラッドボムの追加ダメージ
新垣御守:1d10
DoubleCross : (1D10) → 6

新垣御守:消費は合計9でHP3残る
GM:装甲もガードもないので全部通る!
GM:55ダメージ。まだ生きてます
林藤はるか:しぶといやつだ
GM:あ、新垣さんは侵食上げておいてね
新垣御守:セタップ含めて13上がって65!
GM:演出をどうぞ!

新垣御守:タッ 
新垣御守:と、軽い足音を鳴らして
新垣御守:既に跳躍している、敵の視界を外れて
新垣御守:ゴォアッ!!
新垣御守:血液から生成した極彩色の猛毒煙を
新垣御守:居並ぶ紅い怪物に吹き付ける。
クリムゾンビースト:「ぃいいいいいいいいいい」崩れた人間のような人影の怪物は、その煙に巻かれ悲鳴を上げる
新垣御守:レネゲイドそのものを殺す毒、対抗種の作用によって
新垣御守:その全身は麻痺し、機能を停止していく。
新垣御守:「話は後でゆっくり聞かせてもらうわ」
クリムゾンビースト:「あああああああああ」間の抜けた意思を感じない叫びが周囲に響く。つまり、まだ生きている
新垣御守:「まずはケジメ、つけてもらうから」
新垣御守:怪物と、更にその奥の弓手を見据え
新垣御守:油断なく回避運動に移っている。
“緋緋鷹右眼”:「……“龍帝縁証”をやったのは貴女ね」
“緋緋鷹右眼”:「貴女は強そう。あまり戦いたくはない」
新垣御守:「……ああ」
新垣御守:「なんもかんもズレてんだよね」
新垣御守:「強いとか弱いとかじゃなくて」
新垣御守:「アンタたちは踏み込んじゃいけないとこに踏み込んでんだよ」
新垣御守:煙の中に姿を消す

GM:次はイニチアシブ
GM:行動値12,雨堂さんの手番です
雨堂聖理:はい。マイナーでエンゲージ、メジャーで《コンセントレイト:バロール》+《瞬速の刃》+《獅子奮迅》。対象はクリムゾンビースト3体
エンゲージ



[“緋緋鷹右眼”](500)

5m

[クリムゾンビースト] [クリムゾンビースト] [クリムゾンビースト](10)[雨堂](12)

5m

新垣[15]   5m    [林藤](10)[田井中](8)



雨堂聖理:Dロイス守護天使を切ります。ダイス数+5
雨堂聖理:使用武器は大鎚!
GM:来なっ!妨害とかはないです
雨堂聖理:10dx7-2
DoubleCross : (10R10-2[7]) → 10[1,3,4,5,6,7,7,8,8,9]+10[4,7,8,8,10]+5[1,1,5,5]-2 → 23

林藤はるか:《妖精の手》使いますか?
雨堂聖理:ここは……お願いします……!
林藤はるか:では達成値上がりたまえ~ッ
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+4した (侵蝕率:45->49)
雨堂聖理:1dx7+30-2
DoubleCross : (1R10+30-2[7]) → 10[8]+10[8]+3[3]+28 → 51

雨堂聖理:よーし……!
田井中次郎:えらすぎる
GM:ドッジしちゃお~
雨堂聖理:YAMETE
クリムゾンビースト:13DX #1
DoubleCross : (13R10[10]) → 10[1,1,2,2,5,5,5,5,6,6,7,10,10]+8[5,8] → 18

クリムゾンビースト:13DX #2
DoubleCross : (13R10[10]) → 10[1,1,2,2,4,5,5,7,7,8,8,8,10]+5[5] → 15

クリムゾンビースト:13DX #3
DoubleCross : (13R10[10]) → 10[3,4,4,4,4,5,5,6,6,7,8,9,10]+1[1] → 11

クリムゾンビースト:できるわけあるかーっ!
林藤はるか:やっぱり頑張るなあ
雨堂聖理:必ず1回は回すの、真面目
GM:ダメージをどうぞ
雨堂聖理:6d10+12
DoubleCross : (6D10+12) → 25[1,5,9,8,1,1]+12 → 37

雨堂聖理:諸々有効!
GM:ガードも装甲値もない……!残りHPは22!落ちます
GM:演出どうぞ!
新垣御守:よっしゃあ!!

雨堂聖理:二度の攻撃で吹き飛んだ瓦礫の影、息を潜めて敵の陣容を見ていた。
雨堂聖理:(……大丈夫。どんなに強力でも、あれは、弓)
雨堂聖理:(矢をつがえて引く動作はどうしたって発生する。射撃動作に入らない限り、自由に動ける……)
雨堂聖理:そして、新垣さんの攻撃が前衛の怪物を蝕んでいる様を見るや、すぐに行動へ移る。部屋の隅に置いていたリュックからハンマーの柄と槌頭を取り出し、合着。
“緋緋鷹右眼”:「……チッ」君の動きが意味することと、その結果を察し、舌打ちをする
雨堂聖理:一番大きな瓦礫にハンマーを押し込み、てこの原理と魔眼の加速で敵の頭上へ放り
雨堂聖理:怪物の一体を押しつぶす……と同時に、自分も加速の魔眼を踏んで敵陣に飛び込み、更に一体をスイングで撃破。
雨堂聖理:振り抜いた格好で……さらに加速の魔眼を足先に生成。強引に回転し、弾丸のような速度で、最後の一体の首を蹴り飛ばす。
クリムゾンビースト:「ああー……」 べしゃっ
GM:3体の怪物はその一撃を受け、ヘドロのようにグシャグシャに溶け、沈黙する
雨堂聖理:(……ギリギリだ) 運動による汗と、吊橋を渡ったことによる冷や汗が、混じって流れる
雨堂聖理:前衛を片付けるべきだとそう思ってはいたが、今の自分のレネゲイドの力でこの戦果は、奇跡だ。一手違っていれば撃ち漏らしていたという直感がある。
“緋緋鷹右眼”:「ウィザードのやつ、使えない玩具を……いや……違う……」
林藤はるか:怪物を取り囲んでいた青い光がフッと消失する。
“緋緋鷹右眼”:「これは……彼女たちが……」
雨堂聖理:「……でも、結果オーライ」 漏らしつつ、大鎚を構え直し
雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+9した(侵蝕率:58->67)
“緋緋鷹右眼”:「……奇跡使い……ウィザードと同じ……」
新垣御守:「あと一手……ジロくん!」
新垣御守:「そこから狙える!?」
田井中次郎:支部長の言葉に頷き、林藤の手を離す。
GM:クリムゾンビーストが戦闘不能となったので
GM:イニチアシブから、次は田井中くんの番!
田井中次郎:マイナーで戦闘移動、“緋緋鷹右眼”にエンゲージ
エンゲージ



[“緋緋鷹右眼”](500)[田井中](8)

5m

[雨堂](12)

5m

 新垣[15]   5m    [林藤](10)



田井中次郎:メジャーで≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:災厄の炎≫
GM:きなさい
田井中次郎:対象“緋緋鷹右眼”!
GM:避けてやる!
田井中次郎:7DX7+4
DoubleCross : (7R10+4[7]) → 10[1,3,3,6,8,9,10]+10[4,6,10]+2[2]+4 → 26

田井中次郎:うーーーーん……!
“緋緋鷹右眼”:何もなければ回避しちゃお~
田井中次郎:うーん……!
林藤はるか:《妖精の手》!
田井中次郎:林藤はるか……!
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+4した (侵蝕率:49->53)
田井中次郎:ありがたく振らせていただきます
林藤はるか:迷いは死!
GM:ハルーッ
GM:振りたしな!
新垣御守:いけーっ
田井中次郎:1DX7+34
DoubleCross : (1R10+34[7]) → 10[10]+10[7]+2[2]+34 → 56

田井中次郎:よし……
林藤はるか:バディムーヴ+3!
“緋緋鷹右眼”:ドッジ!
田井中次郎:計59!
GM:イイデショウ
“緋緋鷹右眼”:103DX+3
DoubleCross : (103R10+3[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,3,4,4,5,5,8,10]+10[10]+1[1]+3 → 34

新垣御守:ひぃーっ
林藤はるか:やはり……
新垣御守:怖すぎる
田井中次郎:危ない………………!
“緋緋鷹右眼”:100dx+3
DoubleCross : (100R10+3[10]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,9,9,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,3,3,4,5,5,5,7,10,10,10]+8[2,3,8]+3 → 31

林藤はるか:振り足して正解!
田井中次郎:怖すぎる
雨堂聖理:あっぶねえ
“緋緋鷹右眼”:避けられず……!ダメージをどうぞ
田井中次郎:ダメージ!
田井中次郎:6D10+3+2D10 装甲有効
DoubleCross : (6D10+3+2D10) → 35[10,1,5,8,9,2]+3+8[4,4] → 46

“緋緋鷹右眼”:ダメージを受けました
林藤はるか:全然効いてなさそう
林藤はるか:肉体200くらいありそうだし
“緋緋鷹右眼”:ちょっとだけ削れました。演出をどうぞ!
GM:戦闘自体はこれで終了ですが
GM:ちょっとだけ演出はやります
田井中次郎:侵蝕率76>83

田井中次郎:指先から、片腕が影に置換され、光を通さぬ漆黒に染まっていく。
田井中次郎:影の装甲が形成され、レネゲイドの黒炎が煌々と燃え上がる。
“緋緋鷹右眼”:「田井中次郎。貴方は分かっているはず」
“緋緋鷹右眼”:「私と、“真五凶星”と戦うのが、どれほど無謀なことか」
“緋緋鷹右眼”:「それなのに、何故立ち向かうの?」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:“緋緋鷹右眼”を見据え、床を蹴る。
田井中次郎:……これまで、UGNエージェントとして、数えきれない敵と戦ってきた。
田井中次郎:ある者は許し難い邪悪であり、ある者は精神を搔き乱し、ある者は衝動を強制的に喚起して。
田井中次郎:怒りを覚えたことも、苦悩したことも、衝動に蝕まれたことも、幾度となくある。
田井中次郎:だが。
:「その女を殺しに来た」
田井中次郎:“緋緋鷹右眼”の言葉が脳裏に過る。
田井中次郎:今抱いている感情は、これまでに一度も味わったことのないものだった。
田井中次郎:身を焦がすような怒りにも似て、耐えがたいような殺戮衝動にも似て。
田井中次郎:或いはそれは────恐怖と呼ぶのかもしれない。
田井中次郎:一息で“緋緋鷹右眼”に肉薄し、黒炎を纏った腕を振り上げる。
田井中次郎:「今は────」
“緋緋鷹右眼”:その腕が振り下ろされるよりも早く、射程の外へ飛び出そうとするが
林藤はるか:“緋緋鷹右眼”は、確かに飛び出している。
林藤はるか:——田井中次郎の攻撃圏内へだ。攻撃から逃れたと思った方向は
林藤はるか:そうではない。
“緋緋鷹右眼”:「さっきから……」「なに?これーー」
林藤はるか:何度も……一緒に戦闘任務をこなすたびに、繰り返し
林藤はるか:合わせてきた技だ。
田井中次郎:気付いた時には既に、“緋緋鷹右眼”の眼前、漆黒の拳が迫っている。
田井中次郎:「林藤の為だ」
田井中次郎:爆炎を噴き出し、加速した拳を、“緋緋鷹右眼”に叩き込む!
“緋緋鷹右眼”:真正面からその拳を受ける
“緋緋鷹右眼”:ゴリッ。
“緋緋鷹右眼”:鉄の塊でも殴ったかのような、異様な感触とともに“緋緋鷹右眼”が後ずさる
“緋緋鷹右眼”:「……」頬には田井中から受けた黒い炎がちらちらと揺れている
“緋緋鷹右眼”:「……よくわかった」弓を仕舞う
“緋緋鷹右眼”:「やはり弓では、貴方達を倒せない。……あの男の武器を使うのは癪だけど」
“緋緋鷹右眼”:「全力で殺す」
“緋緋鷹右眼”:「おいで、バラキエ……」
“緋緋鷹右眼”:憤怒にも似た表情を浮かべ、その背から巨大な骨をもした剣を引き抜く。が……
“緋緋鷹右眼”:「ーーーゴホッ」
“緋緋鷹右眼”:ぼたぼたと、口から大量の血を吐く。……対抗種によるバックファイア
田井中次郎:「……!」追撃の体勢に入っていたが、その様子にぴたりと手を止める。
“緋緋鷹右眼”:「……くそっ……忌々しい……私を縛る呪め……!」
“緋緋鷹右眼”:「次は……殺す……それに貴女は……必ず後悔する……」
“緋緋鷹右眼”:「ここで今……私に殺されていたほうが……」
“緋緋鷹右眼”:「よっぽど幸せだった」
“緋緋鷹右眼”:林藤さんを睨みつけて、逃げ出そうとする
雨堂聖理:「……ちょっと! 藍川ナギ……ちゃん」
雨堂聖理:武器の構えを緩めつつ声を上げる
“緋緋鷹右眼”:「……」雨堂さんを睨む
雨堂聖理:「"極星開門の儀"だか知らないけど、人を殺したり、あたしたちと戦ったり」
雨堂聖理:「そんなことが、あなたのホントにやりたいことなの?」
雨堂聖理:「……それとも、そうするように強制されてるの?」
“緋緋鷹右眼”:「……っ」一瞬、泣きそうな顔になり
“緋緋鷹右眼”:「そんなこと、知らないっ」《瞬間退場Ⅱ》。シーンから退場します
雨堂聖理:黙って見送ります。返事としては十分だ。
GM:戦闘終了です
林藤はるか:「……どういう意味なんでしょうか」
林藤はるか:「ここで殺されてしまうより、幸せにならないことって……あるんでしょうかね?」破壊された壁からの風に吹きさらされながら
林藤はるか:抉り飛ばされた遠くの景色を見ている。
田井中次郎:「……は……ぁ……」深い息を吐いて、影への変形を解除する。
田井中次郎:「……無事だよな……林藤」
林藤はるか:「……無事です」微笑む。
林藤はるか:「ありがとうございます。田井中さん」
田井中次郎:「……そうか……」ようやく安堵して、脱力と共に瓦礫に腰を下ろす。
雨堂聖理:「……分からない。全然分からないことだらけですね」
雨堂聖理:「林藤さんが狙われる理由とか……あるんですかね。何か……」
新垣御守:「そこ考えるよりも、まずは」
新垣御守:「ジロくん、8番のセーフハウス。場所わかるよね」
田井中次郎:「ええ」頷く。
新垣御守:「表通りまで一回出て迂回しながら向かって」
新垣御守:「はるかちゃんが狙われてる可能性がある以上、すぐに動かないとダメだわ」
林藤はるか:「田井中さんには言っていなかったことがあります」
林藤はるか:胸に手を当てて、3人のほうを振り返る。
田井中次郎:「はい…… ……?」林藤さんを見る。
林藤はるか:「私が出会った幽霊は……白上光さんは、こう言っていました」
林藤はるか:「自分が幽霊として化けて出た以上」
林藤はるか:「出会った私は、魔星の覚醒か、あるいは覚醒を止める鍵を握る人物であるはずだと」
林藤はるか:「全然知らない、初対面の幽霊がです。……もしもそういうことを言われた時、冗談だと思った方がいいんでしょうか?」
雨堂聖理:「覚醒か、覚醒を止める鍵……」
田井中次郎:「……林藤が……?じゃあ……」
田井中次郎:「……狙われるのは、その所為だとでも……」
林藤はるか:「私自身も信じていなかったことです。白上光さんも、別に……」
林藤はるか:「根拠があって言ってたように思えませんでしたから」
田井中次郎:「……何だよ、それ……」
田井中次郎:ぎり、と拳を握り締めて。
田井中次郎:「何で林藤が……」
林藤はるか:「ふふふ」困ったように笑う。
林藤はるか:「病気が治った反動で、悪いことも少し来ちゃったのかもしれないですね」
林藤はるか:「田井中さんの心配も……ちょっとだけ、正しかったのかも」
田井中次郎:「そんな事言うなよ……らしくもない……!」
田井中次郎:がりがりと頭を掻いて、
田井中次郎:「……ともかく……ここを離れよう」
林藤はるか:「はい」
林藤はるか:「ちょっと残念ですね。狙われてなかったら、調査のフリしてショッピングモールに行ったり、映画館に寄ったり」
林藤はるか:「できたかもしれないんですけど」
田井中次郎:「……っ」
田井中次郎:ほんの一瞬、顔を歪めて。
田井中次郎:「……出来るよ」
田井中次郎:何とか、弱々しくも笑みを作る。
林藤はるか:「そうですね。そうじゃないと困ります」
田井中次郎:「……こんなの、今だけだ。解決すれば……そんなの」
田井中次郎:「すぐに、いくらでも、出来るようになる」
林藤はるか:「……また」
林藤はるか:「私が入院してる時みたいな顔」
林藤はるか:「しないでくださいよ」
田井中次郎:「してないよ……」
田井中次郎:かぶりを振って、俯いて表情を隠す。
林藤はるか:「田井中さんがずっとそんなだったら」笑う。
林藤はるか:「何のために退院したのか分からなくなっちゃいます」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:迷いを断ち切るように大きく息を吐き出して、顔を上げて。
田井中次郎:「……うん……そうだな」
田井中次郎:「行こう。歩ける?」
林藤はるか:「歩けます。走ることだってできますよ」
田井中次郎:「だって瓦礫まみれで……いや、分かった、背負ってくから」
田井中次郎:屈み込み、慣れた様子で背負いあげる。
林藤はるか:「……」
林藤はるか:その言葉には反論せずに、背負われます。
新垣御守:半壊した建物を後にする二人の背中を離れた場所で見ながら
新垣御守:「聖理ちゃん」
雨堂聖理:「……あっ」
雨堂聖理:「あたしですか? 何でしょう」 同じく、林藤さんのことを見ていた
新垣御守:「こんなこと、イリーガルの人に言うのもちょっと違うかもしんないんだけど」
新垣御守:「……二人のこと、よろしくね」
新垣御守:「戦いに気持ちが入るのって、全部がいいことばっかりでもないから」
新垣御守:「見といてあげてくれる?」
雨堂聖理:思わぬ言葉だった。だから少しだけ考えて
雨堂聖理:「それはいいです。あたしも、林藤さんと仲良くなりたいし。だけど……」
雨堂聖理:「そういうのって支部長のお仕事じゃないんですか?」
新垣御守:「私はこの建物の損害の確認とか」
新垣御守:「怪我した人たちのことも見ないといけないから」
新垣御守:「すぐに追っかけるつもりだけどね……ラグがあるってこと」
新垣御守:「その間にもどうなるかわかんないでしょ、この状況なら」
雨堂聖理:「あ、分かりました! ……すみません、なんかちょっと勘ぐっちゃった」
新垣御守:「ハハハ!」
雨堂聖理:「そうですよね、新垣さん、しっかりした支部長さんだし。うちの支部長とは違って……」
新垣御守:「一応真面目にやってますよ、こう見えて」
新垣御守:「んじゃいったいった、若者同士でごゆっくり」
新垣御守:「歳そんな変わんないけどね、言っても」
新垣御守:軽い口調で言って、先に行くよう促す
雨堂聖理:「そうします。二人のこと、任せてください」
雨堂聖理:「新垣さんが追いついてくるまで、ですけど!」
雨堂聖理:そう言って、二人に続こうかな
新垣御守:「ん……頼むよ」
新垣御守:それを見送って
新垣御守:ひとり、立ち尽くし
新垣御守:しゃがみこんで瓦礫の中に出来た血溜まりのひとつに掌を浸す。
新垣御守:ひび割れた床の上、冷たい血の温度が指先から伝わる。
新垣御守:「……お役目、ご苦労さま。今までありがとう」
新垣御守:「後は任せてね」
新垣御守:立ち上がって歩き出す。血は拭わない。

---

GM:セーフハウスに向けて移動を始めた君たち。その道中
GM:(任意の着信音~♪)雨堂さんの携帯に着信がある。情報屋の、如月聖人からだ。
如月聖人:「もしもし?もしもーし?雨堂さん?あー!ようやく出てくれた!さっきからずっとかけてたのに、何してたんですか?」
雨堂聖理:表示された発信者をみて、うえ、という表情を浮かべる。
雨堂聖理:有益な内容か、冗談みたいな雑音を聞かされるか、五分と五分といった所だが……
雨堂聖理:(……雑音だったら即切りでいっか)
雨堂聖理:出る 「何?」
如月聖人:「もしかして僕を差し置いて他の男と……あ、すみません。大事な話なので、切らないでください」
雨堂聖理:「学習してくれてるみたいで嬉しい。今ちょっと立て込んでるけど、話せないわけじゃないから」
如月聖人:「実は僕、我慢できなくて病院に来ちゃったんですけど……今雨堂さん何処に居るんですか?」
雨堂聖理:「話して?」
雨堂聖理:「…………ブラジルって言ったら、飛行機のチケットを取って、数日は君の顔見ないで済む?」
雨堂聖理:「言ってる通り、立て込んでる所だから。直接会うなんてむしろ危ない。だから教えるつもりもない」
雨堂聖理:「……だと、何か問題ある?」
如月聖人:「真面目な話ししてるんですけど、僕。まあ、電話でもいいか……今……ちょいと忍び込んで、ここの患者のカルテを眺めてるんですけど」
如月聖人:「白昼夢事件とここの患者に、面白いつながりを見つけたんですよ」
雨堂聖理:『真面目な話してるんですけど』で薄く青筋を浮かべつつ
雨堂聖理:「……共通、点?」
如月聖人:「なんか、近くに住んでるみたいなんですよね」
雨堂聖理:それ自体は、確かに有益な情報だ 「具体的にどの辺りって分かる?」
如月聖人:「ここの退院患者が、白昼夢事件が起きた近くに。これは、僕の推理なんですけど」
雨堂聖理:「……うん」 続きを促すように
如月聖人:「ここの病院の関係者が犯人なんじゃないですか?そんで、自分が担当した患者に、なにか仕込んでるんですよ」
雨堂聖理:「そんなこと……」
雨堂聖理:「……」 ない、とは、言えない。レネゲイドによる腫瘍を外科手術で取り除く、ということだって可能なのだ
如月聖人:「はは、やっぱり考えすぎですかね?ま、一応、その患者さんの担当医を教えておきますね」
如月聖人:「えー……この人の担当医は……」
雨堂聖理:「…………」
和嶋春:「……おい!そこの君!ここは関係者以外立入禁止だぞ!何してるんだ!」
GM:電話越しに、何処かで聞いた男の声が聞こえてきます
雨堂聖理:「担当医は?」 逼迫した声だ
如月聖人:「あ、ああーっ!つい出来心だったんです!すみませーん!」
雨堂聖理:「誰? ちょっと! 如月くん!」
如月聖人:「え?あ、ごめんなさい雨堂さん、ちょっと見つかっちゃって」「担当医はーー」バキッ
如月聖人:ブツッ
GM:電話が切れます
雨堂聖理:「如月く……」 呼びかけ、飲み込む。電話は切れた。無意味な呼びかけはしない
GM:何度リコールしても、彼は出ない。
雨堂聖理:というより、電話は通じます?
雨堂聖理:電波の届かない所にいるか~ みたいなことになってたりとかは……
GM:そうですね
GM:電池が切れているか、電波が届かない場所にいるかのどちらかですね
GM:あ、それから。次のシーンは情報収集シーンなんですが
GM:雨堂さんはコネの情報屋を失っておいてください
GM:このシナリオ中は使えません
雨堂聖理:ヒッ
林藤はるか:データ的にも!
雨堂聖理:了解しました
GM:後は雨堂さんが何かなければ
GM:シーンを終了します
雨堂聖理:ちょっとまってね
雨堂聖理:何度目かのアナウンスが耳元で流れ、雨堂聖理はもう彼への連絡を止めた。
雨堂聖理:病院にことの仕掛け人がいる可能性。病院で彼が発見されたという事態。電話が切れる前の、乱暴な破砕音。
雨堂聖理:最悪の事態から、大した事がなかったケースまで全てを想定しても、この連絡が有益になることはないだろう。
雨堂聖理:(……でも、今から病院に行けば……)
雨堂聖理:考えかけ、脳に去来するのは彼の言葉だ。
雨堂聖理:『見せつけてやりましょうよお、他の男子に雨堂さんと僕の仲を!』『ラブラブなところを見せて、悪い虫が寄ってこないようにって事です』『そろそろデートイベントが解禁される頃かな~』
雨堂聖理:『もしも勝てないと思ったら、ちゃんと逃げてくださいね』
雨堂聖理:『死んだら全部お終いですからね、全部』
雨堂聖理:(…………)
雨堂聖理:(……違う。今、あたしが守るべきなのは)
雨堂聖理:目線を前に向ける。自分より年上で、自分より大きいのに、どこか弱々しい、二人の背中。
雨堂聖理:(二人だ。……如月くんのことなんて)
雨堂聖理:(どうでもいい。気持ち悪いし、変態だし、あたしなんかのこと気にかけたりして……本当に)
雨堂聖理:(どうでもいい)




GM:シーンを終了します
GM:ロイスの取得のみ可能。購入は次以降のシーンで。
雨堂聖理:藍川ナギ/尽力/○不安
田井中次郎:新垣御守 〇信頼/食傷(いつもからかわれるので) で取得、
新垣御守:第二支部/誠意◯/悔悟
新垣御守:以上
林藤はるか:私はロイスなし!
田井中次郎:緋緋鷹右眼” 興味/〇警戒 を 緋緋鷹右眼” 興味/〇憤懣 に変更して以上です
GM:OK!
GM:ではシーンを終了して
GM:今日はここまで!次回は情報収集シーンから!
GM:お楽しみにね~
林藤はるか:めちゃくちゃ楽しみ!!!
新垣御守:楽しむ~~~~
田井中次郎:楽しみすぎる
雨堂聖理:コネがなくて
雨堂聖理:コまるネ
GM:どっ



【Middle4】

GM:ミドルシーン4、情報収集のシーンです
GM:まずはシーンの描写からやりたいと思います。シーンプレイヤーは林藤さん、田井中君
GM:他の二人はあとから登場できます
GM:侵食ダイスをどうぞ
新垣御守:1d10+65
DoubleCross : (1D10+65) → 8[8]+65 → 73

新垣御守:グゲー
田井中次郎:76+1D10
DoubleCross : (76+1D10) → 76+10[10] → 86

田井中次郎:うぎゃーーーっ
雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:67->71)
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+1(1D10->1)した (侵蝕率:53->54)
林藤はるか:低い!ずっと低いぞ
雨堂聖理:安定してる
雨堂聖理:ホントに健康になったんだねえ
林藤はるか:不穏なまでの低さ
GM:では、シーンを初めていきましょう。




GM:第二支部で襲撃を受けた君たちは、新垣支部長の指示通り
GM:セーフハウスに向かうため、駅前の表通りを移動中です
GM:駅前だけあって、周囲にはショッピングモールや、アパレル店、はやりのカフェなどが並んでいます
田井中次郎:とうに街中に入っているが、まだ林藤さんを背に負ったまま歩いています。
林藤はるか:「……田井中さん」
林藤はるか:背中から心配そうに言う。
林藤はるか:「降ろしてくれたっていいんですよ。足場だってもう悪くないじゃないですか」
田井中次郎:「……」周囲を警戒しつつ。「しかし……」少し躊躇うが、
田井中次郎:「……。 ……そうだな……歩きたいか?」
林藤はるか:「……べつに、私は気になりませんけれど」肩に寝かせるように頭を乗せる。
林藤はるか:「普通は、こうしないと思います」
田井中次郎:「む……」
田井中次郎:言われて少し周囲を気にして。
田井中次郎:「すまない。焦りすぎだな……」
田井中次郎:ゆっくりと屈んで林藤さんを下ろします。
林藤はるか:歩道に降ります。地面の感触を気にするような動作。
林藤はるか:「……」
林藤はるか:「靴」
林藤はるか:「どう思いますか?高いヒールの靴だったりは、歩きにくいって言われたので」
林藤はるか:「ただのパンプスなんですけれど」
田井中次郎:「? どうって……」
田井中次郎:視線を下げ、じっと見つめて。
林藤はるか:「買ったんです。退院の日だから……新しい、外を歩く用の靴なんです」
田井中次郎:「……いいんじゃないか?」ファッションのことなどまるで分からないが。「似合っていると思うが。俺は」
田井中次郎:率直な感想を口にする。
林藤はるか:「子供っぽくないですか?他の人……同じくらいの女の子のセンスから浮いちゃったりしてないですか?」
田井中次郎:「んん……」少し困って。本当に詳しくないので。「そうだな……」
田井中次郎:「……林藤らしくていいと思う。可愛い……んじゃないかな……」
林藤はるか:「よかった」嬉しそうというよりは、安心したように笑う。
林藤はるか:「変なこと聞いてしまってすみません。急がないといけないですよね」
田井中次郎:「ああ、そうだな……。靴、サイズは大丈夫か?歩きづらくないか?」
林藤はるか:「大丈夫です。並んで歩いてくれますよね?」
林藤はるか:「セーフハウスまでの、少しの間だけですけど」
田井中次郎:「それは勿論だが……」
田井中次郎:「いざという時に動けないと困るだろう。肩を貸すか?手を繋ぐとか……」
林藤はるか:「あ!見てください!映画館があります!」
田井中次郎:「え? ああ……」そちらに目をやり。「あるな」
林藤はるか:「毎週水曜はレディースデーで1100円で見られる映画館は多いですけれど」
林藤はるか:「いつからそういう割引が定着したんでしょうか?どの系列の映画館でもほとんど採用されてるんですよ」
田井中次郎:「よく知ってるな……」感心して「……やっぱり、来たかった?映画館」
林藤はるか:「映画は部屋でもたくさん見られますけれど」
林藤はるか:「映画館で見る映画は一度も見たことありませんから」
田井中次郎:「ここは割とよく来るよ」
田井中次郎:「音に拘ってるとかで……他の映画館より迫力がすごくて……すごい」
林藤はるか:「支部から近いですもんね。あそこのお店は行ったことはありますか?」
林藤はるか:「今はタピオカ屋さんですけれど、去年まではケバブ屋さんでしたよね」
林藤はるか:「流行り物のお店がよく入る立地なんでしょうか?」
田井中次郎:「その前は何だったかな……クレープだったかな?僕はケバブが好きだったんだけど……」
田井中次郎:「タピオカはおいしいけど、途中でぐったりしちゃうからあんまり飲めないんだよ」
林藤はるか:「それに……」振り返る。
林藤はるか:「駅もあります。田井中さんは電車に乗ったことあるんですよね」
林藤はるか:「楽しいですか?」
田井中次郎:「うーん……」
田井中次郎:「空いてる時は好きかな。混んでる時はあんまり。人が多いとぶつかったり、コート踏まれたりするからさ……」
田井中次郎:「……でも、景色が流れてくのは楽しいよ。林藤は気に入るかもしれない」
林藤はるか:「この駅からだって、乗り継いでいけばすごく遠くまで行けますよね」
林藤はるか:「すごく遠くまで」
林藤はるか:「県を越えるまでずっと、電車に乗って……そういうことを考えると、とてもわくわくするんです」
田井中次郎:「電車で遠出、したことないなあ。任務の時は別だけど……」
田井中次郎:「してみようか?一緒に」
林藤はるか:「行きましょう!」嬉しそうに言う。
林藤はるか:「今は、そんな場合じゃないかもしれないですけど」
林藤はるか:「行ってみたいんです。自分の足で、自分の目で、色んなことを知りたいって」
林藤はるか:「ずっと思ってたんです」
田井中次郎:「……」口を結んで。
田井中次郎:「今日で退院……のはずだったのにな」
林藤はるか:「仕方ないですよ」
田井中次郎:「本当は、ケーキも買ってあったんだけど。駄目になっちゃったな」
林藤はるか:「田井中さんが、ケーキを?」
林藤はるか:「私のためにですか?」
田井中次郎:「びっくりするかなって……」少しもごもごして。
林藤はるか:「今びっくりしました。ショートケーキだったんですか?」
田井中次郎:「あ、やっぱり後で言えばよかった……何がいいか分からなかったから、色々買ったんだよ」
林藤はるか:「ショートケーキは日持ちがしないから『短いケーキ』という説がありますけれど」
林藤はるか:「さくさくとした食感を『ショート』と呼ぶことからついたという説もあるんです」
田井中次郎:「へえ…… ……さくさく……?してるかな……」
林藤はるか:「それでも今のショートケーキなら一日や二日くらいはもちますから、きっと一緒に食べられますよ」
田井中次郎:「……ああ。じゃあ、ショートケーキは林藤にあげるよ」
田井中次郎:「とにかくさ、こんな事……」
田井中次郎:先程の記憶が蘇る。山を穿つ程の大敵。林藤はるかを殺すという宣言。
田井中次郎:「……早く、終わらせてさ。ケーキも食べて……その後、遊びに行こう。どこか」
田井中次郎:そう言って、不安を隠して強いて笑みを作る。
林藤はるか:「はい。もちろんそうするつもりです」
林藤はるか:「私だってUGNチルドレンですからね」腕を持ち上げてみせる。
雨堂聖理:「あの」
雨堂聖理:二人の背後から、雨堂が声をかける。何か連絡があったとかで、少し前に二人から離れていた
林藤はるか:「雨堂さん」
田井中次郎:「……どうした?」
雨堂聖理:「すみません、白昼夢事件で調べてたことがあって……あたしの知人のツテで。分かったことがあるんです」
雨堂聖理:話していると、おのず林藤さんに視線が向かってしまう。それに気付くと、慌てるように視線を落とす
田井中次郎:「……」その視線に気が付いて。「……何が分かったんだ」思わず声を潜める。
雨堂聖理:「……白昼夢事件の被害者の共通点」
雨堂聖理:「梶田記念病院です」
雨堂聖理:「あの病院から退院した人の、周辺に住んでる人が白昼夢事件の被害者になってて……」
雨堂聖理:少し目を閉じ、林藤さんを見る
雨堂聖理:「……犯人は病院の内部にいて」
雨堂聖理:「退院患者に何か、仕込んでいるんじゃないかって」

---

GM:では、情報収集判定に移りましょう
GM:現在調べられる情報はこちら


・真五凶星最後の一人〈情報:裏社会、UGN〉12


新垣御守:ふりまー
GM:イイデショウ
新垣御守:コネUGN!
新垣御守:6dx+2
DoubleCross : (6R10+2[10]) → 10[7,7,7,8,9,10]+10[10]+2[2]+2 → 24

GM:すごいわかりました
GM:では開示します
林藤はるか:支部長の底力!
新垣御守:全てを理解していきます

・真五凶星最後の一人〈情報:裏社会、UGN〉12

“紫艶仙丹”の適合者は、医師である和嶋春。
以前の事件で不可能と思われた手術を成功させてしまった彼は、その後、不治の病の“奇跡的な回復”に取り憑かれるようになる。
そこへカースマスターが接触。全知をもたらす賢者の石“紫艶仙丹”、そして“クラテール・コイン”の提供と引き換えに、“真五凶星”に加入した。

彼は治療を施した患者に自らの肉体の一部を移植。
彼らを通して、周囲の人間から、命を薄く広く、「寿命を奪い取る」という形で収集し、蠱毒を勝ち抜こうとしている。
白昼夢事件は能力調整段階で、あまりに急激に生命力を奪い取ったために起こった事故ではないかと推測される。

今現在、問題は起こっていないが、彼を放っておけばこの街の人間全員の命が20~30年ほど縮まることになる
(Eロイス:破壊神顕現の効果)
彼の不死を打ち破り、寿命の収集を止めなければならない。


新垣御守:なるほどね~~
GM:・“紫艶仙丹”の殺害方法〈知覚〉〈知識:レネゲイド〉9(林藤さんは不可)
GM:この情報項目が追加されます
雨堂聖理:殺害方法は技能的に適性がないので
雨堂聖理:田井中くんを待とうかな
田井中次郎:振ります………………
GM:どうぞ
林藤はるか:私は振れない……
田井中次郎:知識:レネゲイドで……
田井中次郎:8DX+2>=9
DoubleCross : (8R10+2[10]>=9) → 10[1,2,3,6,10,10,10,10]+9[3,6,7,9]+2 → 21 → 成功

GM:ありがとうございます
GM:この情報は是非田井中くんに抜いてもらいたいと思っていました
GM:情報を開示します
田井中次郎:え………………

・“紫艶仙丹”の殺害方〈知覚〉〈知識:レネゲイド〉9(林藤さんは不可)

彼の不死性は既に解除されている。
彼は林藤はるかの治療のため、不死の力を宿した“クラテール・コイン”を彼女に移植しているからだ。
“紫艶仙丹”により全知の力を得ても、和嶋春には林藤の病を治せなかった。
それが許せなかった彼は不死性を捨ててでも、自らの手で彼女を回復させることを選んだのだ。

このシナリオ中、林藤はるかはユニークアイテム“クラテール・コイン”を得る。このアイテムは譲渡・破棄できない。
また、“クラテール・コイン”を所持している間、古代種エフェクト
《イモータルライフ》《コマンド》《ニンバス》《フォース》《リセット》《アーティクルリザーブ》《フラットシフト》を最大レベルで得る。
これらのエフェクトを使用した場合、林藤はるかはDロイス“古代種”を得て、不老不死の存在となる。
また、代償として、林藤はるかは蠱毒“極星開門の儀”の参加者となる。

“紫艶仙丹”を殺害した後、シナリオ終了時まで“クラテール・コイン”を所持していた場合も同様にDロイス:古代種を得る。

この効果を拒否する場合、対抗種を持つPCが林藤はるかに対して達成値60以上の攻撃を成功させ、クラテール・コインを破壊する必要がある。
林藤はるかが破壊に同意し、相互にロイスを所持しているPCが判定を行う場合、必要な達成値は40になる。
判定の失敗・成功に関わらず、林藤はるかは攻撃によるダメージを受ける。

この判定はクライマックス戦闘の終了後、任意のタイミングで行うことができる。
“クラテール・コイン”を破壊した場合、林藤はるかは再び病に冒され、入院患者に戻る。


GM:以上です
GM:では、シーンの描写を開始しましょう
GM:君たちはセーフハウスにたどり着き
GM:道中で集めた情報を共有しています
新垣御守:「……」
新垣御守:眉間に手を当てて、椅子にじっと座り込んでいる
新垣御守:「ほんと、マジでさあ。うんざりするよ」
新垣御守:意を決したように顔を上げ
新垣御守:「みんな、聞いて」
林藤はるか:「……」セーフハウスの隅で座っている。
雨堂聖理:如月くんにたびたび連絡していたが
雨堂聖理:新垣さんが声を上げると、顔を上げる
新垣御守:「日本支部から送られて来た、追加の情報」
雨堂聖理:「……分かったんですか?」
新垣御守:「カースマスターが直近で接触した市内の人間」
新垣御守:「梶田記念病院にも、関わりがある」
新垣御守:プリントアウトした写真を三人の前に差し出す
林藤はるか:雨堂さんからの情報で、おおよそ最悪の想像は済ませている。しかし。
林藤はるか:「……和嶋先生だったんですね」
田井中次郎:「…………」
雨堂聖理:「……そんな」
雨堂聖理:「だ、だって先生は、由比ヶ浜ちゃんのことだって治してくれて……」
新垣御守:監視カメラの映像に映っているのは、林藤はるかの主治医、和嶋春。
新垣御守:小さく、非常に見えづらいが
新垣御守:連続写真のごく一部。その手には金貨のようなものが握られている。
新垣御守:「デザイン」
新垣御守:その言葉を遮るように
新垣御守:「間違いない?」
新垣御守:田井中くんの方を見る
雨堂聖理:「……ッ……」 事務的な確認に入れば、雨堂も黙る。吐き出し損ねた疑問と感情が、胸の中で苦々しく燻る
田井中次郎:「……」ずっと焦燥と暗澹の表情で黙り込んでいたが。
田井中次郎:「……ええ」
田井中次郎:「見覚えが……あります」鉛を吐き出すような重い声で言う。
新垣御守:「”クラテール・コイン”、腑分けされたカースマスターの力の一部」
新垣御守:「そういう話だったよね……聖理ちゃんの話も含めて」
林藤はるか:「それ……今はそれを、和嶋先生が持ってるっていうことなんですか」
新垣御守:「完全にクロってことだ」
新垣御守:「こっちがそれに気付いたかどうか」
新垣御守:「向こうが気付いてんのかはわかんないけどね……病院の周辺は監視させてるけど」
新垣御守:「今のところは動きナシ」
新垣御守:「待ち構えられてるって考えたほうが自然かな」
新垣御守:「……『人質』も十分だしね」
新垣御守:言って、掌を握りしめる。
林藤はるか:「……退院患者は」膝の上で両手を握っている。
林藤はるか:「どうなるんですか?和嶋先生は何の目的で退院患者に手を加えているんですか?」
新垣御守:「退院した患者の中で」
新垣御守:「別の病院にかかった人がいてさ。そのカルテも手に入った」
新垣御守:「……結論から言えば、生命力を吸い上げられてる。患者本人だけじゃなく周りの人間ごとね」
新垣御守:「ソラリスとかエグザイルの得意技ね」
林藤はるか:「でも、えっと」
林藤はるか:「私は、すごく元気です。本当ですよ。こんな風にずっと歩いたり、あと走ったりなんて」
林藤はるか:「今までできなかったんです」
新垣御守:「それははるかちゃんがオーヴァードだからなのか、そもそもターゲットから外れてたのかはわかんないけど」
新垣御守:「……あっちがコインを持ってる以上、被害者は増え続けるし」
新垣御守:「本人に聞き出すしかなさそうだね、その辺も」
雨堂聖理:「……待ってください。やっぱり分かんない。あのコインの事件は"カースマスター"が仕組んだんじゃないですか」
雨堂聖理:「和嶋先生は由比ヶ浜ちゃん……"カースマスター"に死なされかけた、あたしの友達を、助けてくれた側なんです! なのに、"カースマスター"の仲間なんですか?」
雨堂聖理:「……なにかの間違いなんじゃ」
雨堂聖理:その声は細い。薄い希望の光に縋るようでもある
新垣御守:「嫌な想像だけど」
新垣御守:「だからこそ、かもね」
雨堂聖理:「だから、こそ……?」
新垣御守:「関わったからこそ、その力に惹かれたっていうのは」
新垣御守:「UGNからFHに足抜けしたりする人らの間とかでも、無い話じゃないし」
新垣御守:「あとは……」
新垣御守:「”自分にも奇跡が起こせる”って、そう思ったのかもね」
林藤はるか:「奇跡……」
雨堂聖理:「……奇跡、が」
林藤はるか:あの事件の、由比ヶ浜さんの手術では、確かに『奇跡』が起きた。
林藤はるか:それは“クラテール・コイン”の力に頼ったものではなかったが、
林藤はるか:その一つの可能性を手繰り寄せるように、皆で。
新垣御守:「動機なんか本人にしかわかんないよ」
新垣御守:「でも事実はここにある」
新垣御守:「和嶋に関わった患者が次々に衰弱してて、奴はコインを持ってる。それだけは」
雨堂聖理:崩折れるようにパイプ椅子へ座り込む。
雨堂聖理:その眼は伏せっている 「でも、じゃあ、そんな」
雨堂聖理:「あの時……奇跡が起こって……由比ヶ浜ちゃんが助かって」
雨堂聖理:「それで、先生が……かもしれないってこと……」
雨堂聖理:右目を押さえる 「あたしが……助けたから……っっ!」
田井中次郎: ぱきん!
田井中次郎:何かが割れる、高い音が響く。
雨堂聖理:その音に肩を震わせ、顔を上げる
田井中次郎:見ると田井中の手の中で、ガラスのコップが砕け、ぼたぼたと水が滴っている。
田井中次郎:「……あ……」
田井中次郎:それを見て、我に返ったように。
林藤はるか:「た、田井中さん」
林藤はるか:「大丈夫です。私は……平気ですよ。これくらい」
林藤はるか:「生命力を取られるっていっても、見ての通り元気じゃないですか。ほら」
田井中次郎:「……。 ……済まない」どこかぼんやりと、割れたガラスを片付けて。
田井中次郎:「…………」緩慢に顔を上げる。
田井中次郎:「……林藤」
林藤はるか:「むしろ退院できて……病気が治って、プラスかマイナスでいえば」
林藤はるか:「プラスなくらいだって思いませんか?」
雨堂聖理:「そんなわけ……」
雨堂聖理:ないじゃないですか、と言いかけて、口を閉ざす。感情的な意見だ。そこだけは、確かに事実である。そのはずだ。
新垣御守:「……」
新垣御守:しかし違和感ではある。
新垣御守:オーヴァードに対しては能力の効きが悪い、あるいはそもそも処置を受けていない……本当にただそれだけなのか?
新垣御守:林藤はるかにだけ、本当の意味での”奇跡”が起きたと
新垣御守:そう信じようとしても、疑念はぬぐえない。
田井中次郎:「…………」腰を上げ、林藤さんに歩み寄る。
田井中次郎:「どこか」
田井中次郎:「どこか、異常は無いのか」
林藤はるか:「異常、が、あったら」
林藤はるか:「こんなに元気なわけが……」
林藤はるか:「ないじゃないですか……」
林藤はるか:分かっている。本当に異常があるとしたら
林藤はるか:自分が健康で、皆と同じように動けていることなのだと。
田井中次郎:「……」顔を寄せ、じっと林藤さんを見つめ。
田井中次郎:不意に、眉を顰める。
田井中次郎:「……?」
田井中次郎:手を伸ばし、首筋に触れる。
林藤はるか:「むしろ、申し訳ないくらいですよね!」
林藤はるか:「道坂医院の人達だってたくさん死んじゃって、今日は第二支部の支部員さんだって何人死んだかわからないのに!」
林藤はるか:「私だけ……」
田井中次郎:「林藤」
田井中次郎:気遣いも慰めも忘れて、口を開く。
田井中次郎:「何だ、これは」
林藤はるか:「…………」
林藤はるか:首筋から背中に伸びるように
林藤はるか:黒い入れ墨のような線があるように見える。
田井中次郎:ぞくり、と。
田井中次郎:背筋を冷たいものが走る。
田井中次郎:「……林、藤」
田井中次郎:震える声で呟く。
田井中次郎:「背中を……見せてみろ」
田井中次郎:心臓が、早鐘のように鳴っている。
林藤はるか:「あの」
林藤はるか:「恥ずかしいですよ」冗談めかして言おうとする。
田井中次郎:「いいから」
田井中次郎:遮るように、有無を言わせぬ語調で。
林藤はるか:「……っ」
林藤はるか:ワンピースのボタンを外して
林藤はるか:背中を田井中さんに見せます。
新垣御守:「ちょっと、ジロ……く」
田井中次郎:「────」
田井中次郎:息を詰まらせ、言葉を失う。
新垣御守:「……なにそれ」
新垣御守:絶句。
雨堂聖理:わずかに目を上げて、その様子を見る
田井中次郎:最初に首筋を見た時は、単なる黒い刺青と思った。
田井中次郎:だがその全体像には、確かに見覚えがあった。
林藤はるか:背中を斜めに走って、右の脇腹に流れるように
林藤はるか:一つの辺が大きく突き出た五芒星の紋様が白い背中にある。
新垣御守:「……ああ、そっか」
新垣御守:「カース、カース、カースマスターね」
新垣御守:「所構わず根を張って、染み込んでくるわけだ」
新垣御守:「クソ野郎が……!」
田井中次郎:病院で間近に見た、“緋緋鷹右眼”の眼に刻まれた式。
田井中次郎:資料で目にした、“龍帝緑証”の両腕に刻まれた式。
田井中次郎:何故、同じものが、林藤の身体に。
田井中次郎:混乱する思考。だが、エージェントとしての経験は、
田井中次郎:当人の意思とは無関係に、その残酷な答えを導き出す。
田井中次郎:心のどこかで、違和感を抱かなかっただろうか。
田井中次郎:これまで長期入院が続き、退院の目途すら立たなかった林藤の、急な快復に。
田井中次郎:ただそれを、奇跡と信じたかっただけなのではないか。真実から目を背けようとしていたのではなかったか。
田井中次郎:“クラテール・コイン”。
田井中次郎:その性質は、所有者のレネゲイドを弱体化させる────
田井中次郎:それが本質では、無い。
田井中次郎:その本当の機能は、所有者からレネゲイドを吸収し、複製分裂することにある。
田井中次郎:“紫艶仙丹”は、不死の力を宿す古代種のオーヴァードだ。
田井中次郎:その力を、移植したとすれば……
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:林藤の背に、その五芒星に、手を触れる。
田井中次郎:そこから確かに、彼女のものではない、別の強力なレネゲイドの残滓を感じる。
田井中次郎:感じ取って、しまう。
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「何で」
田井中次郎:「っ……あ……ぁあ……あ……」
田井中次郎:「何で……何で……」
雨堂聖理:「……田井中さん」
雨堂聖理:「やっぱり、林藤さんにも同じような仕掛けが……?」
田井中次郎:崩れ落ちそうになりながら、その言葉に頷きを返す。
田井中次郎:「コインだ……」
田井中次郎:「“クラテール・コイン”……」
林藤はるか:「……わかりました」
林藤はるか:「今は私が所有者なんですね」
林藤はるか:「あの事件の時は——こんなことになるなんて、全然思いませんでした」
田井中次郎:「……何でだよ!!」
田井中次郎:感情を露わにして叫ぶ。
田井中次郎:「何で……何で……」
田井中次郎:「何で……林藤なんだよ…………!」
田井中次郎:「あいつも……あいつも……どうして林藤ばっかり……」
林藤はるか:「……」何も言葉をかけられずに、泣き崩れる田井中さんを見ている。
GM:ピルルルルッ
GM:ピルルルッ
GM:田井中君の端末に着信があります。
GM:発信元は和嶋先生です
田井中次郎:「……ッ……!」
田井中次郎:何の感情によるものなのか、最早分からない理由で震える腕で。
田井中次郎:通話ボタンを押す。
???:「……」不気味な沈黙
???:「なんで……彼女なのか……」
???:「ふふ……」
???:「知りたい……ですか?」
GM:君はこの声の主を知っている
田井中次郎:「お 前」
田井中次郎:「お前……は……!」
カースマスター:「なんでって……ふふ……。本当は……もう……気づいているでしょう?」
カースマスター:「全部全部……“ナイトメアブリンガー”……貴方がいけないんですよ」
カースマスター:「自分たちは……正しいと……正義の味方のような……顔をして……ふふ……」
カースマスター:「身の丈に……合わないことを……しようとしたから……」
カースマスター:「貴方の同僚は……死にかけて……支部は壊滅し……」
カースマスター:「ああ……大切なあの子さえ……」
カースマスター:「叶わぬ夢を見る事になったのです」
カースマスター:「貴方のせいですよ……“ナイトメアブリンガー”……田井中次郎……貴方が……」
カースマスター:「正義なんて、信じているからいけないんです」
カースマスター:「ふふ……」
カースマスター:「いい夢は……見れましたか?」
カースマスター:通話が切れる
GM:着信履歴には何も残っていない
林藤はるか:「…………!」田井中さんの手を
林藤はるか:強く握っています。
林藤はるか:「大丈夫です。大丈夫ですよね。田井中さん」
林藤はるか:「——だって、すごくいいことだと思います。そうですよね?」
林藤はるか:「事件の元凶の所在は分かっていますし、手口も判明しました。それに……」
林藤はるか:「……コインの在処だって、何も知らない一般人の誰かに埋め込まれてしまっているより」
林藤はるか:「ずっとよかったと思います」
新垣御守:「はるかちゃん」
新垣御守:「よくはないよ、何にも」
林藤はるか:「じゃあ『悪い』って言えばいいんですか!?」
林藤はるか:「いつも、いつも!!いつもいつもいつも!!」
林藤はるか:「私の状況はいつも悪くて、かわいそうでいろって言うんですか!?」
林藤はるか:「私は……っ、私は……」
新垣御守:「……」
新垣御守:「ごめんね、いっつもいっつも。鬱陶しくてさ」
新垣御守:「今の状況は悪いよ。そりゃ誰が見てもそうじゃん」
新垣御守:「だけどさ、自分がこんな形で引っ掛けられて」
新垣御守:「よかったなんて言っちゃダメだって、やっぱ」
新垣御守:「少なくとも、私は」
新垣御守:「ムカついてしょうがない」
林藤はるか:「そんなのは支部長の事情じゃないですか」
林藤はるか:「誰がムカつくとか、誰に引っ掛けられたとか」
林藤はるか:「……………私は」
新垣御守:「……はるかちゃんは?」
林藤はるか:「私の話なんです。私のことなんです」
林藤はるか:「悪とか正義とか、FHとか儀式とか、そういうのとかじゃなくて!」
林藤はるか:「……なんで……その、私の気持ちを」
林藤はるか:「誰かに決めつけられないといけないんですか……」
新垣御守:「本気で自分でよかったっていうのがはるかちゃんの気持ちなの?」
林藤はるか:「……外に出てます」
林藤はるか:「田井中さんをお願いしますね」
新垣御守:「……」
新垣御守:「ダメだな、こんな問答してる場合でもないし」
新垣御守:「まず自分が落ち着けって話だよ」
新垣御守:少し離れて、装備の確認に入る。
新垣御守:少なくともこれからやるべきことはハッキリしている
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:歩き出そうとする林藤の手を、握る。
林藤はるか:「……田井中さん」努めて柔らかい声色で言う。
林藤はるか:「ありがとうございます。いつも心配してもらって」
林藤はるか:「でも、平気ですから。別に、すぐに死ぬわけでもないですよね」
田井中次郎:表情を失った顔で、彼女を見る。
田井中次郎:友人を、林藤はるかのその顔を見る。
田井中次郎:……最初は。
田井中次郎:最初は、憧れだった。
田井中次郎:オーヴァードとなった自分を助けてくれた、UGNエージェントへの憧れ。
田井中次郎:いつしかそれは、自分が救われたのと同じように、誰かの日常を守りたいという願いに変わっていた。
田井中次郎:一度失いかけた平穏な日常が、どんなに大事なものだったか知ったから。
田井中次郎:心細く、誰にも縋ることが出来ない時に、手を差し伸べてもらうことが、どんなに嬉しいか知ったから。
田井中次郎:自分も、そう出来るような人間であろうと思った。
田井中次郎:出来ることなら、何でもやった。任務には何でも飛びついた。訓練やトレーニングは言うまでもない。
田井中次郎:資料室で夜を明かしたことも一度や二度ではない。レネゲイド出力を上げるという怪しい実験に協力したことだってある。
田井中次郎:そうしている内に、いつしか自分はUGNチルドレンから、憧れだったUGNエージェントとなっていて。
田井中次郎:エージェントとしての生活が、新しい守るべき日常になっていた。
田井中次郎:己を鍛え、任務を受けて、調査をして、時には戦い、傷付いて。
田井中次郎:誰かの為に過ごす日々は、辛いことも沢山あったが、それ以上に充実していた。
田井中次郎:楽しかったのだ。それは、正しいことをしているという確信が、誇りがあったから。
田井中次郎:これまで、気付いてもいなかった。
田井中次郎:自分が守りたい、変わらない日常。
田井中次郎:その中心はいつからか、彼女になっていた。
田井中次郎:林藤はるか。信頼できる同僚。掛け替えのない友人。
田井中次郎:彼女が笑ってくれると嬉しかった。一緒にいると楽しかった。
田井中次郎:目を離すと何をするか分からなくて、いつも心配だった。
田井中次郎:彼女の為なら何でもしてあげたいと、そう思っていたはずなのに。
田井中次郎:もっと早くに気付いていれば、何かが変わっていたのだろうか。
田井中次郎:……誰かの日常を守りたかった。その為なら何でもしてきた。
田井中次郎:エージェントとして、常に正しくあろうとしてきた。
田井中次郎:自分が信じたものを、信じていたかった。
田井中次郎:────その結果が、これか。
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:林藤の手を、離す。
田井中次郎:「平気?」
田井中次郎:「大丈夫?」
田井中次郎:口端を歪める。
田井中次郎:「何がだよ」
田井中次郎:じりじりと、燻る薪のように。全身至る所が、自らの影の炎に焼かれていく。
林藤はるか:「田井中さん……」後ずさる。
田井中次郎:その瞳に、もう林藤はるかは写っていない。
田井中次郎:あるのはただ、全てを焼き焦がすような憎悪だけだ。
林藤はるか:戦いの中で、どれだけ恐ろしい姿に変貌しても
林藤はるか:彼を見て、そんな気持ちになることなどないと思っていた。
田井中次郎:「“カースマスター”」
田井中次郎:「“マスターウィザード”。“緋緋鷹右眼”。“紫艶仙丹”」
田井中次郎:「殺してやる」
田井中次郎:べき、ごきん、と。恐らく自らの意思と関係なく。
田井中次郎:その四肢が影に呑まれ、異形のものへと変わっていく。
新垣御守:「……ジロくん?」
新垣御守:「ッ!聖理ちゃん!はるかちゃん!」
新垣御守:「離れて!!」
雨堂聖理:「……!」 警告を受け、本能で防御の態勢を取る
林藤はるか:「待ってください!」田井中くんの手を掴もうとします。
林藤はるか:「待って!」
田井中次郎:急速に、全身が漆黒の影に呑まれ。
田井中次郎:一度は触れたその腕も、ただの影の残滓となって、林藤さんの手をすり抜ける。
田井中次郎:黒炎は燃え上がるように膨張し、一瞬で姿を消し。
田井中次郎:後にはただ、火の粉のような黒い影の粒子だけが残る。
林藤はるか:「田井中さん」
林藤はるか:その腕を掴み止めることができず、その場に蹲る。
林藤はるか:——いつも、私のことばかり心配して。
林藤はるか:「私を……」
林藤はるか:「置いて……いかないで…………………」




GM:シーンを終了します。



【Climax】

GM:クライマックスフェイズに入ります。
GM:全員登場です。侵食ダイスをお願いします
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+4(1D10->4)した (侵蝕率:54->58)
田井中次郎:86+1D10
DoubleCross : (86+1D10) → 86+6[6] → 92

新垣御守:1d10+73
DoubleCross : (1D10+73) → 7[7]+73 → 80

雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:71->74)
GM:ではシーンの描写を初めます




GM:君たちは、暴走状態に陥り病院へと向かった
GM:田井中次郎を追って、同じく病院へ急いでいる。
GM:敵は“真五凶星”の一人。いかに暴走状態とはいえ、一人で戦って勝てる相手ではない
GM:なにより、今の田井中次郎を放っておくことは君たちには出来なかった。
林藤はるか:「……田井中さん!」
林藤はるか:「……っ、は、はあ」
林藤はるか:黒い影は一瞬で彼方にまで消えてしまった。全力で走って、全力で名前を呼んだとしても
林藤はるか:届かないくらいに。
林藤はるか:走っている。紺色のワンピースで、新しいパンプスで、知っているのに訪れたことのない町並みを。
林藤はるか:「ふ、ふふ。……ねえ」
林藤はるか:「走れる。走れるんです。本当に……」
林藤はるか:「……っ……………」
林藤はるか:すぐに体力は尽きて、膝が折れて、普通の人が歩くよりも遅くなってしまっても。
林藤はるか:「どうして」電柱に手をつく。髪が頬に貼り付いているのが分かる。
林藤はるか:「どうして、私は」
林藤はるか:「こんな体なんでしょうね?」
新垣御守:その崩れ落ちそうになる体を
新垣御守:腕を回して支える。
林藤はるか:「…………支部長」
新垣御守:「……ほんとにお転婆だよね」
新垣御守:「分かってる。大丈夫だから」
新垣御守:「ジロくんも、はるかちゃんも、どこにもいかせない」
新垣御守:「……うちの仲間は、もう誰も」
林藤はるか:「私……私は……支部長。分かってください……」
林藤はるか:「……誰かを恨んでなんかないんです」
新垣御守:「……」
新垣御守:「怒りたく、ないんだよね」
新垣御守:「わかるよ」
林藤はるか:「本当です。怒ったり、憎んだり……どうしてだか皆……」
林藤はるか:「——そういう気持ちのほうが、って言うんです」
林藤はるか:「……『それが本当のはずだ』って」
林藤はるか:「どうしてですか?」
林藤はるか:肩を預けて、俯いたまま言う。
新垣御守:「自分のこと大切にするためには、守るためには」
新垣御守:「周りをどかさないといけないって……そこから抜け出せないんだよ」
林藤はるか:「……」
新垣御守:「だから私も、はるかちゃんが自分のこと大切にしてないのかって」
新垣御守:「勝手に思っちゃって」
新垣御守:「ほんとにさ、お節介な上に失礼で最悪だよね」
新垣御守:「……守るって、そうじゃないよね」
林藤はるか:「わ、私……私は……田井中さんに……」
林藤はるか:「そんな寂しいことが……本当になってほしくない……」
新垣御守:「大丈夫だよ」
新垣御守:「はるかちゃんがいれば、絶対取り戻せる」
新垣御守:「わがままなくらいニコニコして」
新垣御守:「いつもの二人のところまで、引っ張り戻そう」
新垣御守:「……寂しくないように」
林藤はるか:「はい。けれど……ああ」
林藤はるか:俯いたままで、顔を見せないで言う。
林藤はるか:「やっぱり……ドッキリだったんだなあ……」
新垣御守:「……」
新垣御守:ただ呼吸が落ち着くまで、背中を擦って
新垣御守:傍に立っている。
雨堂聖理:そんな二人の横に、家庭向けの軽自動車が走ってきて、止まる。
雨堂聖理:運転席の扉を開けるのは雨堂だ。 「……支部長!」
新垣御守:「サンキュータクシー!」
新垣御守:「いいタイミング!」
新垣御守:親指を立てる
雨堂聖理:「走るよりこっちのが早いですよ。免許、持ってます?」
新垣御守:「ペーパードライバーだから自信ないけど、言ってらんないでしょ……ていうか」
新垣御守:「よく考えたら聖理ちゃんは持ってんの?」
雨堂聖理:「……」 少し考えて
雨堂聖理:「……これは黙っておけばセーフなやつですか?」
新垣御守:「いやアウトでしょ」
新垣御守:「今回は言ってる場合じゃないけどね!」
雨堂聖理:「で、でも今はこれが必要でしたし……まさかタクシー呼んで運転手さん巻き込んだりするわけにはいかないし」
雨堂聖理:「そ、そうです! お願いします!」 助手席に移る
新垣御守:「はるかちゃん!後部座席!」
林藤はるか:頷いて、後部座席に体を横たえます。
雨堂聖理:「夜までに返せばバレませんから」
新垣御守:「そういう問題じゃない!」
新垣御守:「マジでやべーな聖理ちゃん!言ってる場合じゃないけど!」
雨堂聖理:……運転を終え、警察を警戒する必要がなくなり、安堵の息を吐く。
雨堂聖理:緩い速度で動き出す外の景色を見ながら、ようやく、余計なことを考える余裕が戻ってきたことに気付いた。
雨堂聖理:(……ブリンガーさん、あれ、暴走だったんだろうな)
雨堂聖理:想像もしていない姿だった。ただの怒りではない。普段から落ち着いていて、ちょっと情けなさが垣間見えることのある彼があれほどに激憤するなんて。
雨堂聖理:それは、今ここにいる二人……自分なんかよりもずっと彼を知っている二人ですら、そうだったに違いない。
雨堂聖理:それほどまでに許しがたいことだったのだろう。彼女、林藤はるかの身におぞましい術式を埋め込まれ、穢されたことが。
雨堂聖理:……見ていれば分かる。彼にとって、林藤はるかという存在がどれほど特別で、大切な存在だったかなんて。
雨堂聖理:そして、それほどの嘲笑を受けたのだ。端末の電話から、僅かに漏れ聞こえたあの声……忘れもしない。
雨堂聖理:(……"カースマスター")
雨堂聖理:——その名を想うだけで、脳が凍える。
雨堂聖理:かつて、大切な友を陥れた彼。雨堂聖理自身のことすら、絡め取ろうとした彼。
雨堂聖理:あれで、終わりだと思っていた。一つの勝負がついて、失うものがあっても、勝ったと思っていた。
雨堂聖理:一つの勝利ですっきりと決着する訳がなかった。悪意は、呪いは、連綿と続いて、自分と同じく、奇跡を通じて、人の命を助けた人の元へ魔手を伸ばして。
雨堂聖理:(……眩しすぎる希望の光に、目が眩んで)
雨堂聖理:初めてだった。誰かを救えなかったことなんて、いくらでもあった。でも、誰かを救ったことが、別の悲劇を呼び起こしたことは。
雨堂聖理:空寒かった。法律も規範も関係ない。何をしようが、最終的に人を救えればそれで良かったのに。それが絶対でないと見せつけられて。
雨堂聖理:(……先生を殺す。たくさんの人を助けるために)
雨堂聖理:心に決めたその目標に、普段以上の迷いがあることを自覚している。
雨堂聖理:それでも。
雨堂聖理:(……"カースマスター")
雨堂聖理:(負けない)
雨堂聖理:(あたしは負けない)
雨堂聖理:(……あたしたちは負けない)
雨堂聖理:(誰かを助けることを。誰かの日常を守ることを)
雨堂聖理:(否定させたりなんかしない……!)

GM:そして。君たちは田井中次郎と和嶋春が待つ
GM:梶田記念病院にたどり着く。
GM:日は既に暮れ、月光の中
GM:黒い獣と、白衣の男が対峙している。
GM:田井中次郎と和嶋春だ。田井中の全身を覆っていた影の装甲は、既に剥がれかけ
GM:血に濡れた生身の肉体が露出している。それに対し、和嶋の体には傷一つ無い。
田井中次郎:月明かりに照らされる、人のそれとはかけ離れたシルエット。
田井中次郎:全身から影の刃を形成し、どこが本来の四肢であったかも覚束ない。
田井中次郎:喉から漏れるのは、人より獣に近い唸り。
田井中次郎:垂れ流される血すら、影と同化して半ば黒く染まっている。
和嶋春:「ああ。君たちもようやく来たか。……何をしに来たかはもう識っている」
和嶋春:「だが、何も心配することはないよ、林藤くん。君の病はもうすぐ、永遠に治る」
和嶋春:「まさか、クラテール・コインの副作用で、君まで極星開門の儀の参加者になるとは思っていなかったが」
和嶋春:「問題はない。このまま行けば私が勝つ。そうしたら、君に勝者の権利を渡して全て終わりだ」
林藤はるか:「……和嶋先生は」
林藤はるか:「私の病気を治そうとしてくれていたんですよね」
和嶋春:「うん?」影の獣をあしらいつつ、林藤の方をちらりと見る
和嶋春:「ああ。残念ながら通常の方法では治せなかったが」
和嶋春:「代替手段が見つかったんだ。君も幸運だよ、本当に」
和嶋春:「こうして、私に治療されることができるんだから」
林藤はるか:「それは……分かります。和嶋先生が私を攻撃しようとして、UGNを陥れようとして、こんなことをしたっていうなら」
林藤はるか:「他にいくらでも方法はあったはずですから」
和嶋春:「それだよ、林藤君」
和嶋春:「何故そこまでわかっていて、私の治療を拒もうとするんだい?」
和嶋春:「“紫艶仙丹”は答えてくれなくてね」
和嶋春:「君の口から直接理由を聞きたい」
林藤はるか:「——スモンという病気をご存知ですか?」
和嶋春:「さあ。でも何時でも識ることができるよ」
林藤はるか:「昭和39年頃にこの日本でも社会問題となった難病です。原因は不明で、ウィルス説や細菌説も出ました」
林藤はるか:「けれど違ったんです。原因は……キノホルムという整腸剤で」
林藤はるか:「スモンは、本当は薬害による病気だったんです」
和嶋春:「話が見えないな。それと今の状況、どう関係があるのかな」
林藤はるか:「薬害問題は昔からいくつもあります。どうしてでしょう?」
林藤はるか:「薬なんです。本当は、人の命を助けて……」
林藤はるか:「皆の役に立つよう、そんな願いで作られたものだったはずです。どの薬だって、例外なく」
和嶋春:「興味がないな。それを識って、誰かを助けられるのかい?」
和嶋春:「病を、一つでもなおせるのかな。識るだけ無駄じゃないか?」
林藤はるか:「はい。それらが『害』であるのは」
林藤はるか:「助けられる人以上の人々を、害してしまうものだったからです」
林藤はるか:「和嶋先生。あなたは……助ける人のことを、本当に考えているのかもしれません」
林藤はるか:「私の命を真剣に救おうとして、そうしているのかもしれません」
和嶋春:「医者として、当然のことだ」
林藤はるか:「けれど」
林藤はるか:「自分が救う命ではなく……自分が殺してしまう命については」
林藤はるか:「ご存知ですか?」
和嶋春:「“紫艶仙丹”は全知の力だ」
和嶋春:「何だって識ってるとも」
和嶋春:「そんなことよりも、君が一人が助かることのほうが重要だ」
和嶋春:「他の人間が生きるのも、死ぬのも、当然のことだ。だが君が治るのは」
和嶋春:「かけがえのない奇跡じゃないか」
和嶋春:「何故、そんな事もわからないんだ?」
和嶋春:「何れ、全知の力も、君に分けてあげよう」
和嶋春:「そうすれば、私の言うこともわかるようになる」
林藤はるか:「私は、先生に感謝してます」
林藤はるか:「いいお医者さんだって知ってます。だから、怒れないんです」
林藤はるか:「恨んだり、憎んだり、したくないんです」
和嶋春:「私は少し怒っているよ。聞き分けの悪い患者は嫌いだ」
林藤はるか:「……だから」和嶋先生に話しているのではない。
林藤はるか:「また、もう一度」
林藤はるか:「名前を呼んでもいいでしょうか?」
林藤はるか:「——“ナイトメアブリンガー”」
田井中次郎:月光が遮られ、和嶋の身体に影が差す。
田井中次郎:変形した黒影、巨大な怪物の顎が、背後から襲い掛かる。
和嶋春:まるで、最初からその動きを識っているかのように。するりと影を避ける
和嶋春:「無駄だよ林藤君。彼はもう手遅れだ」
和嶋春:「このまま衝動に飲まれてジャームになる。君の声が届くことはない」
和嶋春:「私はもう識っているんだ」
林藤はるか:「違います。だって、それは……田井中さんの、それは……」
林藤はるか:「田井中さんの衝動なんかじゃない」
林藤はるか:「私の……」
田井中次郎:「グ、ゥ、う、ううううううッ……!」
田井中次郎:ダメージは確実に蓄積している。だがみしみしと軋む音を立てて、影の体積は更に増していく。
林藤はるか:「田井中さんなら……きっと」
林藤はるか:——私の怒りを、持っていってくれたはずなんですから。

---

GM:クライマックス戦闘を開始します
GM:敵は“真五凶星”、“紫艶仙丹”和嶋春。戦闘終了条件は敵の全滅です。
GM:続きは明日、土曜日の21時から
GM:よろしくおねがいします
新垣御守:おねーしゃー!

GM:では5日目、クライマックス戦闘を始めていきましょう
GM:エネミーは一体。“真五凶星”、“紫艶仙丹”の和嶋春のみ。
GM:田井中くんと和嶋さんが同じエンゲージ。他の方は10m離れて別のエンゲージにいてください
GM:また、田井中君は暴走状態で戦闘を始めてください。
エンゲージ 行動値/侵蝕率



雨堂聖理[12/74]林藤はるか[10/58]新垣御守[7/80]

10m

和嶋春[17/-]田井中次郎[8/92]



GM:衝動判定はありません。それではセットアップ。
雨堂聖理:なし!
田井中次郎:ありません
和嶋春:こちらは《ルーラー》をレベル7で使用。
新垣御守:ゲェーッ
雨堂聖理:ワハハ
田井中次郎:ふざけるなこいつ
和嶋春:君たち全員の判定ダイスを-7個します。
新垣御守:まだ先手とってもしょうがなさそうだから
新垣御守:先にユニークコード使っとこう
新垣御守:味方全員のダイスが+2!
林藤はるか:《ハンドリング》を使ってもよろしいですか?
GM:いいですよ!
GM:全力で戦ってみてください
林藤はるか:では、このセッションで初めて《ハンドリング》を使います。

新垣御守:既に廊下の一帯を極彩色の煙の檻が包みつつある
新垣御守:ブラム・ストーカー能力によって正確にコントロールされ、煙幕がこの一角のみを閉鎖している。
林藤はるか:もともと林藤はるかの拠点である梶田記念病院だ。
林藤はるか:夕暮れが落ちて、空にいくつもの星が瞬きはじめるように
林藤はるか:その場に佇む林藤はるか本体の後ろに、淡く緑色の蛍の光が浮かぶ。
林藤はるか:《ハンドリング》。
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+1した (侵蝕率:58->59)
和嶋春:「あまり気乗りはしないが、一応名乗っておこう」
和嶋春:「“真五凶星”、“紫艶仙丹”の和嶋春だ。私が得たレネゲイドは、古代種」
和嶋春:「この地球上で最も長く存在し続けた、不変の、支配者のレネゲイドだ」
和嶋春:「君たちが私を倒すことは不可能だ。私は既に識っている」
和嶋春:「それでもいいなら、やろうか」
GM:“紫艶仙丹”の体から《ワーディング》が発せられる。その言葉通り、まるで彼に支配されるかのように
GM:君たちのレネゲイドは活性を失っていく。

GM:ではセットアップ終了
GM:イニチアシブプロセスに入ります。
GM:本来なら雨堂さんの手番ですが
和嶋春:《加速する時》を使用。即座にメインプロセスを行います
雨堂聖理:話が早くて助かるぜ!
田井中次郎:うぎゃーっ
新垣御守:この野郎が!!
和嶋春:マイナーで《生命の黄金率》《形状変化:柔》《形状変化:速》
和嶋春:シーン中、ガード値+10、行動値+6
和嶋春:メジャー。《デジャヴュ》を使用。
和嶋春:彼は君たちのデータをすべて知ります。
雨堂聖理:!?
林藤はるか:ヒエッ
新垣御守:この野郎!1
田井中次郎:見ないで……

和嶋春:「私の見立てでは、四手……いや、六手で積みか。思いの外頑張るんだな、君たちは」

GM:そしてこちらの手番。
和嶋春:マイナーなし。
和嶋春:メジャー。《細胞侵食》《無機なる四肢》《落ちる絶望》《トラップスライム》《キリングパフューム》《コンセントレイト:ノイマン》《虚構のナイフ》
和嶋春:命中した場合、邪毒ランク5、硬直、重圧を与え、衝動判定を発生させる、リアクション不可の攻撃です。
和嶋春:リアクションは意思でも可能。判定します
和嶋春:12DX7+6
DoubleCross : (12R10+6[7]) → 10[1,4,5,6,6,6,7,8,9,10,10,10]+10[2,4,5,6,9,9]+6[2,6]+6 → 32

GM:リア不です
雨堂聖理:対象は……?
GM:あ、しまった
和嶋春:《異形の祭典》もです。対象は君たち全員
和嶋春:単体用のやつ貼っちゃった。ごめんね。
田井中次郎:ぐえーーっ
雨堂聖理:N体指定やんけ!
林藤はるか:カバーしましょう。一番かばいたい田井中さんは庇えないけど
林藤はるか:攻撃侵蝕が高そうな雨堂ちゃんをやったほうがいいですかね?
林藤はるか:ロイス切らなくても守護天使でダイスペナは治せるから
林藤はるか:治療にロイス使わないほうが効率がいい
新垣御守:そうですね、そっちで!
雨堂聖理:うーーん、でも侵蝕率上がらないと攻撃力負からんのだよな……!
林藤はるか:どうします?
雨堂聖理:いや、でも今回は甘えます。最悪ジェネシフトで回していく。
林藤はるか:雨堂ちゃんをカバーします。行動放棄カバー。
GM:いいでしょう
田井中次郎:こちらは意志で判定します
田井中次郎:3DX+1>=32
DoubleCross : (3R10+1[10]>=32) → 7[3,6,7]+1 → 8 → 失敗

田井中次郎:(そもそも暴走中だった)
新垣御守:意志判定
新垣御守:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 8[3,3,5,7,8] → 8

GM:ではダメージを出します
和嶋春:4d10+12
DoubleCross : (4D10+12) → 24[6,7,9,2]+12 → 36

和嶋春:ガード・装甲共に友好です。バステは受けてもらいます
林藤はるか:当然やられます!
林藤はるか:《リザレクト》林藤はるかの侵蝕率を+4(1D10->4)した (侵蝕率:59->63)
新垣御守:どうしようもなかった
新垣御守:ぐええー!
新垣御守:リザレ!
GM:あ、すみません。キリングパフューム入ってるので
GM:意思判定でリアクション可能なところがさらにリア不になってるんです。わかりづらくてもうしわけない
新垣御守:ひっどいな!
新垣御守:1d10+80
DoubleCross : (1D10+80) → 5[5]+80 → 85

田井中次郎:なにーっ
田井中次郎:ともあれ死ぬのでリザレクト!
田井中次郎:92+1D10
DoubleCross : (92+1D10) → 92+3[3] → 95

GM:そして、カバーされた雨堂さん以外の人達は
GM:衝動判定をお願いします。難易度は9
新垣御守:5dx+1
DoubleCross : (5R10+1[10]) → 10[1,4,7,10,10]+2[2,2]+1 → 13

新垣御守:2d10+85
DoubleCross : (2D10+85) → 11[2,9]+85 → 96

新垣御守:ぐぬぬぬ
林藤はるか:ダイスは0個!そのまま侵蝕だけ上げます。
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+12(2D10->2,10)した (侵蝕率:63->75)
新垣御守:あ、そっかルーラーは全ダイスか…!
GM:そうだよ~
GM:判定ダイスは全部-7個だよ~
新垣御守:全く振れない!全部失敗です
田井中次郎:3DX+1>=9
DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 8[1,4,8]+1 → 9 → 成功

田井中次郎:もう暴走してるけど……
田井中次郎:95+2D10
DoubleCross : (95+2D10) → 95+7[5,2] → 102

林藤はるか:田井中くん低くてよかった
GM:変異暴走の人は
GM:効果忘れないでね
田井中次郎:殺すしかできない
GM:演出行きます

和嶋春:「まずは一手」
和嶋春:ひゅっ。
和嶋春:彼が手を振ると、突如として君たちのレネゲイドが乱れ
和嶋春:さらなる重圧と侵食に襲われる。……目を凝らせば、君たちの体に
和嶋春:細く鋭く、不可視の領域まで研ぎ澄まされた、針のようなものが突き刺さっている。
林藤はるか:(おかしい)ふらつき、倒れそうになる。体力の消耗にものだけではなかった。
林藤はるか:(……レネゲイドがコントロールできていない。今のが攻撃……だとしても、全員を守ったはずなのに)
和嶋春:「レネゲイドはただ体内に留まっているわけではない」
和嶋春:「一定のリズムで、体の外と中を循環しているんだ。そしてその通り道を、別の個体のレネゲイドを用いて塞ぐと」
和嶋春:「今の君達のように、様々な疾患を引き起こすことができる。大陸の方では秘孔と呼ばれている技術だ」
林藤はるか:「ハァ、ハァ……はぁっ」
林藤はるか:(今の……今の田井中さんは、私が守らないといけないのに)
林藤はるか:(今の防御反応でどれだけ守れた……?支部長は?雨堂さんは?)
和嶋春:「これからこうやって、徐々に、君達の体の機能を奪っていく」
和嶋春:「殺しはしない。だが二度と私の治療無しでは」
和嶋春:「動けない体になってもらう」
田井中次郎:「あ、あぁあああッ……!」四足獣めいて地を掻き、苦悶する。
田井中次郎:影の刃が手当たり次第に振り回され、辺りの物を破砕していく。

GM:では次
GM:イニチアシブを挟んで
GM:雨堂さんの行動ですが、その前に
雨堂聖理:その前に……!?
新垣御守:まだあんの!?
和嶋春:《異形の転身》。22m後方へ離脱します
新垣御守:こいっつ!!
GM:これで雨堂さんたちとの距離は32mになりました
エンゲージ 行動値/侵蝕率



雨堂聖理[12/74]林藤はるか[10/75]新垣御守[7/96]

10m

田井中次郎[8/102]


22m

和嶋春[17/-]

田井中次郎:は…………?
雨堂聖理:オイオイオイ

和嶋春:「フルオートショットガン」
和嶋春:「射程距離10m」
雨堂聖理:「……ッ!!」
和嶋春:「雨堂聖理。戦闘移動距離17m」
和嶋春:「田井中次郎、戦闘移動距離13m」
和嶋春:「2手目だ。これで二人は無力化した」
和嶋春:「次は支部長、貴方だ」
新垣御守:煙の封鎖はその移動に合わせて
新垣御守:生物のように拡張し、動いている

GM:雨堂さんの手番です
雨堂聖理:いや、ジェネシフトするべきなのは変わらないか……マイナーアクションでジェネシフト。
雨堂聖理:ダイス3個で行きます。
雨堂聖理:いや、2個にしとこ……
雨堂聖理:2d10
DoubleCross : (2D10) → 5[3,2] → 5

雨堂聖理:クッソ
雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+5した(侵蝕率:74->79)
雨堂聖理:メジャーで全力移動。和嶋先生のエンゲージに入ります。
エンゲージ 行動値/侵蝕率



林藤はるか[10/75]新垣御守[7/96]

10m

田井中次郎[8/102]


22m

和嶋春[17/-]雨堂聖理[12/79]

雨堂聖理:他の皆と比べて、自分はそれほどの不調を受けていなかった。恐らくは守られたのだろう。だから、敵に抑え込まれる現状を打開すべく、引き金を引くのだと思っていた。
雨堂聖理:5秒前までの話だ。
和嶋春:「林藤はるか。君が彼女をかばうことも」
和嶋春:「雨堂聖理。君がレネゲイドを活性化させなければ」
和嶋春:「まともに戦えないことも識っている」
和嶋春:「抵抗は無意味だと、わかってもらえないかな」
林藤はるか:(嘘や大言壮語で、私たちの行動を縛ろうとしているわけじゃない……)
林藤はるか:敵の『知らない』動きを作る。それだけが、林藤はるかがずっとやってきた戦い方だ。
林藤はるか:死角を作り、攻撃と回避を逸らし、見えていたはずのことを、そうでなかったかのように。
雨堂聖理:判断は早い。射程範囲から逃れた……いや、目の前の男が、逃れる動きをした時点で、雨堂は駆け出している。
雨堂聖理:姿勢は低く、自らのレネゲイドを意図的に励起しながら。……それすらも思う通りにいかないのは。
雨堂聖理:万象を識り、必然で以てこちらを圧殺せんとする、この敵に、自分の持つ力すら、萎縮しているとでもいうのか。
林藤はるか:「……どうすれば」
林藤はるか:どうすれば勝てる?
雨堂聖理:……だとしても。
雨堂聖理:(あたしは負けない……!)

GM:では次。
GM:林藤さんがカバーリングで行動を使ったので
GM:田井中くんの手番です

和嶋春:「そして田井中君。……君には失望した」
和嶋春:「怒りに身を任せた程度で、星に手が届くと思っていたのかい?」
和嶋春:「君が一番話しにならないぞ。“ナイトメアブリンガー”」
田井中次郎:「黙 れ」
田井中次郎:渦巻く黒影の中から、憎悪に満ちた声が響く。
田井中次郎:「殺してやる……“紫艶仙丹”」
田井中次郎:「和嶋春……!」
和嶋春:「結果を識る者からすれば」
和嶋春:「虚しい言葉だな、それも」

田井中次郎:マイナーで戦闘移動、13m前進
GM:イイデショウ
GM:いや、良くないよ
GM:田井中君は今硬直中!
田井中次郎:そうだ!
田井中次郎:先にロイス 和嶋春 感謝/〇殺意 を取得して即昇華、硬直と重圧と邪毒とダイスデバフを解除!
GM:イイデショウ
エンゲージ 行動値/侵蝕率



林藤はるか[10/75]新垣御守[7/96]

23m

田井中次郎[8/102]


9m

和嶋春[17/-]雨堂聖理[12/79]

田井中次郎:メジャーでコンボ【──】
田井中次郎:≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪無形の影≫
田井中次郎:アンチマテリアルライフルを使用して和嶋春に攻撃します
GM:想定外だ
GM:判定をどうぞ
田井中次郎:11DX7
DoubleCross : (11R10[7]) → 10[1,3,5,5,6,7,7,7,9,9,10]+10[1,3,3,8,8,9]+4[1,4,4] → 24

田井中次郎:うーん
田井中次郎:≪妖精の手≫
GM:こいつ……
GM:どうぞ
田井中次郎:ダイスを振り足します
田井中次郎:1DX7+30
DoubleCross : (1R10+30[7]) → 10[7]+10[7]+3[3]+30 → 53

和嶋春:ガードします。
和嶋春:《透過》を使用。ダメージを0に。
GM:演出をどうぞ
田井中次郎:うぎゃーっ
林藤はるか:千載一遇のチャンスが……!

田井中次郎:影を纏い、“紫艶仙丹”に駆ける。
田井中次郎:田井中の手元に生み出される、空間の歪み。暴走したレネゲイドで成される、ウロボロスの能力模倣。
田井中次郎:影によって編まれた魔眼から、巨大なウェポンケースが姿を現す。開かれたその中には、長大な対物ライフル。
和嶋春:「……なに?」
田井中次郎:影と一体化し、呑まれ、金属の銃身が悲鳴を上げて軋む。
田井中次郎:「死ね……“紫艶仙丹”……!」
田井中次郎:銃口は、業火を噴きだす怪物の顎へと変わっていく。
田井中次郎:「俺は……」
田井中次郎:轟く、大砲じみた射撃音。
田井中次郎:「俺は……!」
田井中次郎:レネゲイドで強化され、影を纏った弾丸が、和嶋春に放たれる。
和嶋春:「読み違えたか。だが」手のひらを弧状に動かし、絡め取る。
田井中次郎:「……俺……は────」
田井中次郎:憎悪と衝動が、全てを黒く塗り潰していく。
田井中次郎:俺は。
田井中次郎:──── 一体、何だ?
和嶋春:「想定の範囲内だ。君の怒りは私には届かない」レネゲイドの中和された、大口径の弾丸を指先で回しながら。
和嶋春:「今の君では絶対に、私には勝てない」
田井中次郎:侵蝕率102>113
林藤はるか:(田井中さん)
林藤はるか:今、起き上がって、引き止めなければと思う。
林藤はるか:田井中さんの相棒として、そうでなければ。
林藤はるか:(もっと……もっと、この体さえ)
林藤はるか:(動いてくれたら)
林藤はるか:(よかったのに)
新垣御守:「落ち着いて」
新垣御守:「今この状況で何が出来るのか、でしょ?」

GM:イニチアシブをはさみ、次は新垣さんの行動です
新垣御守:あい!
新垣御守:マイナーで、うーむ
新垣御守:なしにしておこう
GM:うむ
新垣御守:和嶋に感服/敵愾心◯でロイスとって即昇華
新垣御守:全部のバステを解除しつつ攻撃します
新垣御守:メジャーでコンセ+魔獣の衝撃+蝕む赤+増加の触媒
新垣御守:対象は和嶋
新垣御守:11dx7+6
DoubleCross : (11R10+6[7]) → 10[1,1,3,3,3,3,4,5,6,9,10]+10[6,9]+3[3]+6 → 29

新垣御守:はるちゃん!バディムをくれ!
林藤はるか:待った
林藤はるか:重圧で封じられるのはオートアクションのエフェクトでしたっけ?
林藤はるか:それともオートアクション全て?
GM:エフェクトだけだったはず
GM:会話がオートアクションだったし
林藤はるか:エフェクトですね。今調べた
林藤はるか:じゃあバディムーヴ!+3します
GM:私も今見たぜ!249P!
新垣御守:っしゃあ!
新垣御守:命中32!どうじゃ!
和嶋春:ドッジします。《うごめく沼》《アナライズ》
和嶋春:16DX+4
DoubleCross : (16R10+4[10]) → 10[1,1,2,2,2,3,4,4,4,5,7,8,9,9,9,10]+9[9]+4 → 23

GM:当たりました。ダメージをどうぞ
新垣御守:あっぶな!
新垣御守:4d10+2d10+11
DoubleCross : (4D10+2D10+11) → 15[1,8,1,5]+15[8,7]+11 → 41

新垣御守:諸々有効!
新垣御守:ダメージが入れば蛇毒ランク4も入る!
和嶋春:《インペリアルガード》を使って
和嶋春:ダメージを軽減します
和嶋春:41-2d10
DoubleCross : (41-2D10) → 41-11[5,6] → 30

GM:30点くらいました。まだ生きてます
GM:演出をどうぞ
林藤はるか:インペリアルガードあるよな~~
林藤はるか:全ダメージが-2D10か
新垣御守:HPは2に、侵蝕は8上がって104です

新垣御守:いつの間にか林藤はるかの傍らに立って
新垣御守:和嶋に向けて天井伝いに毒の霧を送り続けている
和嶋春:「これも識っている……が……」
和嶋春:「ゴホッ。こればかりはどうしようもないな」
新垣御守:「分かってても」
新垣御守:「そっち行くしかないでしょ」
新垣御守:「そこから出さない限りは、いずれこっちが勝つ」
新垣御守:「うちのエージェントが、アンタを仕留めるよ」
和嶋春:毒霧を吸い込み、口の端から血が流れ落ちる。全てを知っているとしても
和嶋春:ダメージを受けないわけではない。今の彼は不死ではない。殺せる。そう確信するには十分だろう
林藤はるか:「……支部長…………どうすればいい、ですか」
新垣御守:「……大丈夫」
新垣御守:「今は、走り出したりなんかしなくてもいい」
林藤はるか:「…………いつも田井中さんと一緒にやってきたから、どうしたらいいのか」
新垣御守:「今だって一緒だよ」
新垣御守:「ジロくんだって、色んな」
新垣御守:「はるかちゃんが怒ってる気持ちを、それこそ怒りたくないって気持ちだって見せたくないくらいに隠してるのと一緒で」
新垣御守:「色んな事を隠してる……でも」
新垣御守:廊下の先、暴れ狂う影の怪物を見据える
新垣御守:「あれはジロくんだから」
新垣御守:「はるかちゃんの思うようにやって、それが一番いい」
林藤はるか:「思うようにやることが、どうして……オーヴァードの場合、正しいのか」
林藤はるか:支部長に掴まるようにして立ち上がる。
林藤はるか:「一つの仮説を聞いたことがあります……ご存知ですか?」
新垣御守:「何?……聞かせてよ」
新垣御守:力を込めずに、引き起こさずに
新垣御守:ただ支えるだけ
林藤はるか:「もちろんお話しします。勝てたら」
林藤はるか:どうにか、強がって笑う。
新垣御守:「ははっは、いいね」
新垣御守:「ちなみに私の根拠は」
新垣御守:「女の勘、だよ」
新垣御守:その肩をぽんと叩いて、こちらも笑う
林藤はるか:支部長も、この敵に勝てるという確信を持てているわけではないはずだ。
林藤はるか:手の内を全て見破っている敵。恐ろしい。
林藤はるか:(それでも、少しの綻びもないのなら)
林藤はるか:(……田井中さんの攻撃だって受けることはなかった)

GM:ではクリンナップ
GM:邪毒を受けている方はダメージを受けてください
新垣御守:毒をくらいやがれッ!!
林藤はるか:ギャッ
林藤はるか:当然死にます。《リザレクト》。
林藤はるか:《リザレクト》林藤はるかの侵蝕率を+8(1D10->8)した (侵蝕率:75->83)
GM:こちらは《インペリアルガード》で軽減します
雨堂聖理:軽減できるんだ……!?
GM:2d10
DoubleCross : (2D10) → 7[4,3] → 7

新垣御守:マジで!?
林藤はるか:あ!
GM:5点くらいました
GM:生きてます
林藤はるか:邪毒にも使えるんだこの表記!
林藤はるか:ずるいな~~
田井中次郎:ええ~っ
新垣御守:ヤロォ~~ッ!
GM:使えますが……?
林藤はるか:「HPダメージが適用される直前」だから
林藤はるか:侵蝕も回数制限も気にしなければ
林藤はるか:邪毒にすらルール上使える
雨堂聖理:侵蝕と回数制限を気にしてくれ~~~
新垣御守:おふざけですわね
和嶋春:ではセットアップに移りましょう
エンゲージ 行動値/侵蝕率



林藤はるか[10/83]新垣御守[7/104]

23m

田井中次郎[8/102]


9m

和嶋春[17/-]雨堂聖理[12/79]

GM:セットアップ
和嶋春:《ルーラー》を使用。更にEロイス:唯我独尊を使用。
雨堂聖理:ウワッ
和嶋春:《カームダウン》を追加で使用します。オーヴァードが行う判定ダイスを合計-17個します。
新垣御守:www
新垣御守:バカなの!?
林藤はるか:何もさせねー気かよ!
田井中次郎:?????
GM:君達は、彼の支配の力が更に強まっていくことを感じるでしょう。
新垣御守:「……ッ!!」
和嶋春:「3手目」
GM:この時点で、君達は気づいてもいい。『いつか倒せる』と思っていたが。時間を稼がれれば、それだけ
GM:君達は不利になっていく。何れ致命的な「なにか」が起こる。そんな予感がする。
新垣御守:(詰まされてるのがこっちだってのは、変わりないか。ああそうだよね)
新垣御守:(こんなやり方でスタミナ切れなんか狙えるわきゃないか)
新垣御守:指1つ動かせないほどの強烈な重圧に呑まれ、苦笑する
新垣御守:(「6手」で何が来んのか)
新垣御守:(想像したくもないね)

GM:では次、イニチアシブ
GM:でいいのかな。セットアップでなにかすることはないですか?
田井中次郎:あ……ります!
GM:どうぞ
田井中次郎:オート≪原初の白:異世界の因子≫
GM:ほう……?
田井中次郎:≪異形の転身≫をコピーします。
GM:いいでしょう!
田井中次郎:侵蝕率は113>120
田井中次郎:で、
田井中次郎:イニシアチブタイミングで≪原初の灰:死神の疾風≫を使用
田井中次郎:侵蝕率120>125 行動値8>18 になります!
GM:まだ新垣支部長がセットアップ悩んでるから
GM:ちょっとまってね
田井中次郎:そうだ!はい!
新垣御守:アクセルを雨堂さんに!
新垣御守:行動値+8しな!
新垣御守:侵蝕は105になった!
雨堂聖理:なった! イニシアチブ20。
GM:OKOK
GM:ではイニチアシブ。
GM:で、田井中くんがエフェクトを使用するまえに
和嶋春:《加速する時》を使用します。
新垣御守:クッソやろう!
田井中次郎:ふぎゃーっ
雨堂聖理:こ、この野郎……
林藤はるか:古代種以外の回数は全くわからないんだよな……!
和嶋春:マイナーなし。メジャーで《怒れる心》
和嶋春:君達全員に新垣さんへの憎悪を与えます。
林藤はるか:うおおお
田井中次郎:こ………………こいつ……………………………………
新垣御守:そう来るわけね~~~
新垣御守:ふざけんな!!
雨堂聖理:やっべえ
和嶋春:全員次の行動では可能な限り新垣さんに攻撃してください。

和嶋春:「四手目」君達の視界が一瞬、明滅する
和嶋春:一瞬後には全てが元通りになっているが。……君達自身は果たして気づくだろうか
和嶋春:視覚野と距離感が操作されている。君達全員は、それぞれが必死に和嶋春を狙っているつもりでいるが
和嶋春:その銃口は、矛先は、全て新垣御守へと向かうよう仕向けられている
和嶋春:「いや、君達も。予想以上にやるな」
和嶋春:「もしもこのままの勢いで来られたら、負けてしまうかもしれないな」
新垣御守:「……!!」
林藤はるか:(嘘だ)——直感している。同じく認識欺瞞を専門とする能力者だからだろうか。
林藤はるか:(本当にそう思っているわけじゃない。和嶋先生は)
林藤はるか:(これは)
田井中次郎:新垣御守の頬を、影の刃が掠める。
田井中次郎:頸を狙った軌道だ。紛れもない殺意が込められている。
和嶋春:「おっと、危ない。今のは惜しかったな」
林藤はるか:「支部長ッ!」
新垣御守:「ああ、そう、なるほどね」
新垣御守:「ほんとに、アンタ」
新垣御守:「反吐が出るくらい効率的だわ……!」
新垣御守:毒のダメージは確実に入っている
新垣御守:ここを離れて退くわけにはいかない。その失点は取り返せない。
和嶋春:「ほら、もう少しで私を殺せるぞ」
和嶋春:「がんばれ、田井中君」
田井中次郎:「“紫艶仙丹”……!」
林藤はるか:「……!!」田井中さんを見る。暴走状態だ。話が通じる状態ではない。
林藤はるか:通じる状態ではない。
林藤はるか:(……)
林藤はるか:(……本当に?)
田井中次郎:腕が裂け、無数の刃となって床を這い回る。
田井中次郎:辺りの物を見境なく切り刻み、握り潰し、破壊しつくさんと荒れ狂う。
新垣御守:「……はるかちゃん!!」
新垣御守:「離れて!!」
新垣御守:自分は動かない
新垣御守:一秒でも多く、毒を送り込んで斃れる。
新垣御守:そのつもりで——
林藤はるか:支部長の側から離れることはない。淡い星を、蛍の光をその周囲に舞わせながら
林藤はるか:田井中次郎を見る。
林藤はるか:「田井中さん。どうして」
林藤はるか:「——どうしてUGNにはコードネームなどというものがあるのか」
林藤はるか:「ご存知ですか?」
林藤はるか:刃が一つ、自分の腕を掠める。新垣支部長を狙った刃だ。
林藤はるか:痛い。けれど、体の痛みなら、一緒に戦うたびに味わってきた。
田井中次郎:「どこだ…… どこにいる……!」
田井中次郎:身体の殆どは既に影に呑まれ、表情も伺い知れない。
林藤はるか:「オーヴァードなら。戦っているなら」
林藤はるか:「どんなに強い人でも、挫けそうになる時がきっとあるからです」
林藤はるか:「だけど、田井中さん!」
林藤はるか:「何度だって立ち上がれますよね!」
和嶋春:「無駄だ。君の声は届かない。……はずだ」
和嶋春:「田井中次郎は“紫艶仙丹”に、絶対に勝てない」
和嶋春:「はずだ」
田井中次郎:「殺……して……やる……」がくん、と膝を付き。それでも影の膨張は止まらない。
林藤はるか:「田井中次郎が立ち上がれない時でも……」
林藤はるか:「“ナイトメアブリンガー”なら、立ち上がれるって!」
林藤はるか:「立ち上がれる自分が、田井中さんにとっての」
林藤はるか:「望月さんにとっての、“ナイトメアブリンガー”だって!」
林藤はるか:「ご存知ですか?この話は、田井中さんが……」
林藤はるか:「田井中さんが、教えてくれたことなんです!」
林藤はるか:和嶋春にロイスを取得。タイタスを昇華して
林藤はるか:特権階級。田井中次郎のバッドステータスを全て解除します。
林藤はるか:医師/和嶋春/感謝:○/悔悟/タイタス
GM:許可します
田井中次郎:影が伸びる。
田井中次郎:ひどく、ひどく耳障りな、心をざわつかせるそれを止めようと、声の主の身体を絡め取り、絞め付け、引き寄せる。
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:影に覆われた装甲の下から、虚ろな眼光がその顔を見つめている。
林藤はるか:「本当は」影に包まれながら、涙を流す。
林藤はるか:「心配してほしくないなんて……嘘です。心配してほしかったんです。ずっと」
林藤はるか:「ありがとう、田井中さん。こんなに……」
林藤はるか:「私のために、怒ってくれて」
田井中次郎:刃が、その細い首筋に伸びて。
田井中次郎:小さな赤い雫を垂らして────
田井中次郎:……止まる。
田井中次郎:「…………」
和嶋春:「……?」
和嶋春:この戦いで始めて、顔に驚愕の色を浮かばせる
和嶋春:「何故……止まる?私の読みでは、ここで……」
林藤はるか:理性を失った暴走状態のオーヴァードに説得は通じない。
林藤はるか:普段の自分ならそう考えていたかもしれない。——けれど。
林藤はるか:そうだろうか。本当にそうなのだろうか。
林藤はるか:もしも本当にそうだとしても
林藤はるか:いつだって、誰よりも、一番、
林藤はるか:話をしてきたのだ。
田井中次郎:────夢を。
田井中次郎:長く、深く、暗い。
田井中次郎:どうしようもなく残酷で、目を背けたくなるような。
田井中次郎:何もかもを忘れさせて、塗り潰してしまうような。
田井中次郎:悪い夢を見ていた。
田井中次郎:もう二度と、目を覚ましたくなどなかった。
田井中次郎:知っていたからだ。目覚めた先にあるのは、悪い夢なんかより、もっと酷い現実だと。
田井中次郎:……けれど、聞こえた。
田井中次郎:声が聞こえたのだ。
田井中次郎:誰よりもよく知る、自分の名を呼ぶその声が。
田井中次郎:本当に、本当に嫌だった。
田井中次郎:穏やかな悪夢に身を任せ、ずっと安寧の中にいたかった。
田井中次郎:けれど、その声に応えないのは、もっとずっと、嫌だったから。
田井中次郎:ゆっくりと────その目を開いて。
田井中次郎:彼女の顔を見た。
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:「……林藤?」
林藤はるか:「そうです」
林藤はるか:「林藤はるかですよ」
林藤はるか:微笑む。
田井中次郎:呆けたような顔で、ぼんやりと目を向ける。
田井中次郎:暴走していた異形の影は収束し、跡形もない。
田井中次郎:「……血」
田井中次郎:「血が出てる」
林藤はるか:「大したことじゃないです」
林藤はるか:「田井中さんが無事で……」
林藤はるか:——味方の誰かを傷つけてしまわなくて
林藤はるか:「よかった」
和嶋春:「馬鹿な……あの状態から……戻ってきたというのか……!」
雨堂聖理:「……馬鹿なって」
雨堂聖理:「そういうのを、なんて呼ぶか」
雨堂聖理:「あたしたちはもう知ってるでしょ」

GM:改めて、イニチアシブ
GM:行動値18,田井中くんの行動になります
雨堂聖理:いや、あたしのが速いぜ!
田井中次郎:そうだぜ
新垣御守:加速しとるけんのう!!
GM:どうやらそのようだな
GM:来な、うどう!
雨堂聖理:そして、この図面だと
エンゲージ 行動値/侵蝕率



林藤はるか[10/83]新垣御守[7/105]

23m

田井中次郎[18/125]


9m

和嶋春[17/-]雨堂聖理[20/79]

雨堂聖理:憎悪の対象である新垣さんには攻撃ができないように見えますが……?
GM:しょうがないにゃあ
GM:じゃあ解除されていいですよ
雨堂聖理:やったー。では行動します
GM:ダイスペナルティはあるけどな!
雨堂聖理:マイナーアクションでジェネシフト。ダイスは3個転がす
雨堂聖理:3d10
DoubleCross : (3D10) → 11[1,4,6] → 11

雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+11した(侵蝕率:79->90)
GM:ちょっとあがったな
雨堂聖理:いい塩梅だ……これを待ってたぜ
GM:なんだとぉ……?
GM:100%を超えても居ない君に何ができると言うんだ
雨堂聖理:装備を大鎚に変更。メジャーで《コンセントレイト:バロール》+《瞬速の刃》+《黒の咆哮》+《獅子奮迅》
雨堂聖理:判定にDロイス守護天使も使用。これが2回目!
GM:やってみよ!
雨堂聖理:12dx7-2
DoubleCross : (12R10-2[7]) → 10[3,3,3,4,4,4,4,4,4,6,6,9]+6[6]-2 → 14

GM:ドッジします
雨堂聖理:ケム゛ッ
林藤はるか:む
林藤はるか:《妖精の手》を使うべきかな
雨堂聖理:いや、まだ外れても良いです……本命は次なので
雨堂聖理:あんまり回数にも余裕がなかった覚え
林藤はるか:今は残り1回、100を超えたらあと2回使えます
雨堂聖理:分かりました。じゃあ甘えます……次は自力で当てるんで!
林藤はるか:ただ、使うためにはロイスを切らなきゃあならないのだな
雨堂聖理:あ、重圧か……
田井中次郎:じゃあこっちで使う!
新垣御守:コンビネーション!!
雨堂聖理:ブリンガーさん!
林藤はるか:田井中さん!
GM:やってみな!
田井中次郎:≪原初の紫:妖精の手≫!
田井中次郎:侵蝕は130になります
雨堂聖理:振り足し!
雨堂聖理:1dx7+18
DoubleCross : (1R10+18[7]) → 1[1]+18 → 19 → ファンブル

雨堂聖理:……
田井中次郎:雨堂ーッッ
新垣御守:バディれ!!
和嶋春:ドッジします
林藤はるか:バディムーヴ!+3!
雨堂聖理:すまねえ……! 達成値22!
和嶋春:《うごめく沼》《アナライズ》
和嶋春:16dx+4
DoubleCross : (16R10+4[10]) → 10[1,1,1,2,3,3,3,3,4,4,4,6,7,9,9,10]+1[1]+4 → 15

和嶋春:あら~
林藤はるか:うわっ
雨堂聖理:こえー
田井中次郎:怖い
和嶋春:ダメでした
和嶋春:ダメージをどうぞ
新垣御守:ひーっ
雨堂聖理:ありがとう……! ダメージ出します。
雨堂聖理:3d10+24
DoubleCross : (3D10+24) → 12[1,7,4]+24 → 36

雨堂聖理:諸々有効
和嶋春:《刹那の勝機》ダメージを0に
雨堂聖理:良いでしょう、切らせたってことでな……!
田井中次郎:ロイス取得 雨堂聖理 〇信頼/隔意
林藤はるか:しかし本当に攻撃が全く当たらないボスなんだな……
GM:演出をどうぞ

雨堂聖理:踏み込むと同時にショットガンの引き金を引く。狭い廊下を満たす散弾。だが面制圧と言うには程遠い。
雨堂聖理:だから次の瞬間、銃からは手を離して、もう一つの武装。背負った工業用ハンマーを下段に振りかざし、猛然と迫る。
和嶋春:「雨堂聖理……君に今」
和嶋春:「用はないんだ」散弾を躱し、続く殴打も
和嶋春:まるですり抜けるように回避する。だが、先程までの余裕はない
和嶋春:明らかに、田井中次郎の……“ナイトメアブリンガー”の回復に動揺している
雨堂聖理:攻撃直前、魔眼による加速。振り上げた打撃は、当たらない。やはりそれは、必然のようで。
雨堂聖理:だが、その表情に焦燥はない 「……奇跡が」
雨堂聖理:「奇跡みたいに、何もかもを知っていて、何でもやれる相手だって言うなら」
雨堂聖理:「外れたって凹んだりはないんだよね。……先生」
和嶋春:「……何故だ……何故死んでいない。林藤はるか。何故殺さなかった……田井中次郎……」
和嶋春:「私の識る運命では……こんなはずは……」
雨堂聖理:「用がないなんて、言って良いの?」
和嶋春:「……」
雨堂聖理:「——あの日の光を、奇跡とやらを」
雨堂聖理:「見逃すよ」 その目の奥に、薄紅の光が灯る
雨堂聖理:雨堂聖理の侵蝕率を+13した(侵蝕率:90->103)

GM:次はイニチアシブをはさみ
GM:田井中くんの手番ですが、その前に
和嶋春:《異形の転身》。さらに22m、君達から離れるように動きます
エンゲージ 行動値/侵蝕率



林藤はるか[10/83]新垣御守[7/105]

23m

田井中次郎[18/130]


9m

雨堂聖理[20/103]

22m

和嶋春[17/-]

和嶋春:その光から目を反らし、その場から離脱する
和嶋春:今までのように、君達を迎え撃つための動きではない。
和嶋春:背を向け、全力で逃亡する。
和嶋春:「リリアナ・マルティネスの病室まで行けば」
和嶋春:「彼女を盾にすれば……まだ凌げる」
和嶋春:「患者に手をかけるのは気が進まないが……こうなっては……」

GM:それから改めて田井中くんの手番!
田井中次郎:イニシアチブでコピーした≪異形の転身≫!
田井中次郎:戦闘移動します。侵蝕130>135
GM:うわーっ
GM:どうぞ
GM:23m移動した後、田井中くんの行動です
エンゲージ 行動値/侵蝕率



林藤はるか[10/83]新垣御守[7/105]

32m

雨堂聖理[20/103]

14m

田井中次郎[18/135]


8m

和嶋春[17/-]

田井中次郎:「…………」
田井中次郎:赤い血が伝う林藤の首筋に、そっと手を触れる。
林藤はるか:目を閉じて、触れられるがままにする。
田井中次郎:ごめん、と、思わず零れそうになって。
田井中次郎:そうではないと、瞑目する。
田井中次郎:「……林藤」
林藤はるか:「はい」
田井中次郎:「ありがとう」
田井中次郎:「名前を、呼んでくれて」
林藤はるか:「お互い様ですよ」
林藤はるか:「田井中さんは、いつも私の名前を呼んでくれます」
田井中次郎:「……それでも、ありがとう」
田井中次郎:小さく笑って頷いて。目を開き、和嶋春を見遣る。
田井中次郎:「行ってくる」
林藤はるか:「——戦ってください」
林藤はるか:「立ち上がってください。立ち向かってください」
林藤はるか:「連れて行ってください」
林藤はるか:「……“ナイトメアブリンガー”!」
田井中次郎:「ああ」
田井中次郎:影の炎が身体を包み込む。だがそれは、先のような見境ない殺戮を振り撒くものではなく。
田井中次郎:“紫艶仙丹”に向け、走り出す。
田井中次郎:マイナーで戦闘移動、“紫艶仙丹”にエンゲージ
エンゲージ 行動値/侵蝕率



林藤はるか[10/83]新垣御守[7/105]

32m

雨堂聖理[20/103]

22m

和嶋春[17/-]田井中次郎[18/135]



田井中次郎:メジャー、コンボ【ナイトメアブリンガー】
田井中次郎:≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:災厄の炎≫
田井中次郎:対象“紫艶仙丹”
和嶋春:いいでしょう
和嶋春:判定をどうぞ
田井中次郎:12DX7+4
DoubleCross : (12R10+4[7]) → 10[1,1,4,4,4,5,5,6,7,8,9,10]+10[5,5,6,8]+10[10]+10[10]+2[2]+4 → 46

林藤はるか:強い……!
和嶋春:ドッジします。《アナライズ》
和嶋春:16dx+4
DoubleCross : (16R10+4[10]) → 10[1,1,3,5,5,5,5,5,7,7,8,8,8,9,9,10]+10[10]+3[3]+4 → 27

田井中次郎:怖い!!
和嶋春:ダメージをどうぞ
田井中次郎:≪フェイタルヒット≫を使用。
GM:ぐえええ
田井中次郎:ダメージ!
田井中次郎:5D10+6+2D10+5D10+3D10
DoubleCross : (5D10+6+2D10+5D10+3D10) → 15[6,2,3,1,3]+6+9[6,3]+28[4,9,1,9,5]+18[10,7,1] → 76

GM:実はこの人は
GM:HP50くらいしか有りません。戦闘不能になります
田井中次郎:勝った……!
GM:演出をどうぞ

田井中次郎:リリアナの病室へと駆ける和嶋春の周囲に、幾つもの淡い燐光が灯る。
和嶋春:「……!これは……!?」
田井中次郎:≪道化の出し物≫
田井中次郎:蛍の光を思わせるそれは、実際には何の幻惑能力もない、見せかけに過ぎないものだ。
田井中次郎:だが、彼は既にその能力を知っている。注意を引くには────一瞬の時間を稼ぐには、それで十分だ。
和嶋春:「この道は……まさか……」
和嶋春:林藤の能力を警戒し、足が止まる
田井中次郎:その時には既に。
田井中次郎:和嶋春の背後に、田井中次郎が立っている。
和嶋春:「ハッ……!?」
田井中次郎:「和嶋先生」
田井中次郎:「いや……“紫艶仙丹”」
和嶋春:「……なんだい、田井中君」
和嶋春:「聞きたいことなら何でも答えよう」
和嶋春:「私には全知の力がある」
和嶋春:「君が望むなら、何だって教えて……」
田井中次郎:全身から弾けるように影が伸びる。
田井中次郎:いくら『識って』いたとしても、見えていたとしても。既に彼の身体能力では逃げられない距離だ。
田井中次郎:「一つ、教えてやる」
田井中次郎:和嶋を捉えたまま、影は片腕に収束していく。漆黒の装甲。レネゲイドを喰らう、対抗種の黒炎が噴き上がる。
和嶋春:「やめろ……私は医者だぞ、田井中君……」
和嶋春:「どうなってもいいのか……私が死ねば、二度と奇跡は起きないんだぞ」
和嶋春:「林藤くんのからだだって、もう……っ!」
田井中次郎:「田井中次郎、じゃない」
田井中次郎:影が悲鳴のような軋みを上げ、一点に凝縮されていく。
田井中次郎:「……俺は」
田井中次郎:一歩を踏み込む。床が砕け散る。
和嶋春:「う、うわああああああああ!」
田井中次郎:「俺は」
田井中次郎:拳を振りかざす。爆炎が火の粉を撒き散らす。
田井中次郎:「俺は…………!!」
田井中次郎:隣を歩く林藤はるかの姿が、目蓋を過る。
田井中次郎:ほんの一瞬、息を詰まらせて。
田井中次郎:それでも、拳を振り抜く。
田井中次郎:「“ナイトメアブリンガー”だ!!」
田井中次郎:“紫艶仙丹”に、拳を叩き込む。
田井中次郎:閃光。黒炎が弾ける。影の火が彼の身体を這い回り、焼き焦がしていく。
和嶋春:「あ……あ……あ……あああああああああっ!」
和嶋春:その炎を、かき消すように。彼のレネゲイドが増幅していく
和嶋春:《アクアウィターエ》……を
和嶋春:使用しません。
田井中次郎:……!
和嶋春:増幅しかけたレネゲイドが消えていく
和嶋春:「そうか……今……わかった」
和嶋春:「私では君には……」
和嶋春:「“ナイトメアブリンガー”には……」
和嶋春:「勝てないのか……」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「……和嶋先生」
田井中次郎:「ありがとうございます、とは、言えません。でも」
和嶋春:「……」炎に焼かれながら、君の言葉を聞いている
田井中次郎:目を伏せ、彼にだけ、泣きそうな顔で笑いかけて。
田井中次郎:「いい、夢でした」
和嶋春:「……君に一つ」
和嶋春:「教えなければならないことがある」《ラストアクション》
和嶋春:マイナーなし。メジャーで《デジャヴュ》を使用
和嶋春:「私には……できなかったが……」
和嶋春:「林藤はるかの病は……」
和嶋春:「きっと治る」
和嶋春:「奇跡は……確かにあるんだ」
田井中次郎:「……な────」
和嶋春:「嘘だと思うかい?」
和嶋春:「信じなくともいい。それでも……」
和嶋春:「希望の光があることを」
和嶋春:「キミに伝えたかった」
田井中次郎:驚愕の表情で彼を見て。それから、ゆっくりとかぶりを振る。
田井中次郎:「……いえ」
田井中次郎:「信じます。 ……信じたい、です」
和嶋春:「そうか……」
和嶋春:「全く、ひどい悪夢だったが」
和嶋春:「君のお陰で、最後は……」
和嶋春:「……」
GM:“紫艶仙丹”は戦闘不能になり、そのまま死亡します。
GM:死体は、“龍帝緑証”のものと同じように黒い灰となって
GM:中空に溶け込み消えます。後には何も残らない。
GM:戦闘終了です




GM:シーンを終了します。



【Climax/after】

GM:クライマックス、アフターシーンを初めます
GM:シーンプレイヤーは林藤さん。他の方は林藤さんが希望すれば登場できます
GM:誰か、他に登場して欲しい人は居ますか?
林藤はるか:いるわけがないでしょう!!!!!
GM:ではお一人で……?
林藤はるか:すみません、「他に」という意味を自分だけで納得していたようです
林藤はるか:田井中さんの「他に」登場して欲しいキャラクターはいません。
GM:わかりました。では田井中さんと林藤さん。登場ダイスを振ってください
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を+10(1D10->10)した (侵蝕率:83->93)
田井中次郎:142+1D10
DoubleCross : (142+1D10) → 142+10[10] → 152





GM:梶田記念病院での戦いから一夜が明けた。
GM:医師、和嶋春は死亡。彼が死んだことで、寿命を徴収されていた患者たちや、その周囲の人間たちは
GM:元の状態を取り戻したという検査結果が出ている。表向きは、一人の医師が失踪した、ただそれだけの事件として処理されることになる。
GM:戦いを終え、君達は本来、レネゲイドの侵蝕を抑えるため休息を取らなければならないはずだが
GM:二人で街へ出かけている。これが、君達に残された最後の時間だからだ。
林藤はるか:「田井中さん!」
林藤はるか:駅前の街。
林藤はるか:N市の若者なら毎日のように見ていて、わざわざ遊びに行くような場所ですらない。
林藤はるか:「コッペパン専門店ですって!コッペパンの『コッペ』って、どういう意味なのか」
林藤はるか:「ご存知ですか?」
田井中次郎:「専門店……!? すごいな……」いつも通りの黒ずくめの暑そうな服……ではなく
田井中次郎:支部長に仕立ててもらった、カジュアルな服装で隣を歩いている。ややフォーマルなのは抵抗の表れか。
田井中次郎:「コッペ……」
田井中次郎:「お腹がぺこぺこ……とか……?」
林藤はるか:「ふふふ。フランス語のcoupéがなまった発音なんです」
林藤はるか:「クーペ、というのは切った、という意味で……」
林藤はるか:「切れ目のあるパンだから、クーペパンなんです。車種の名前の『クーペ』も」
林藤はるか:「普通の自動車の後部座席を『切断した』車だから、クーペと呼ばれているんですよ」
田井中次郎:「フランス語……へえ-っ」
田井中次郎:「じゃあ他のパンも、切れ目を入れればコッペパンになるのかな」
林藤はるか:「そうかもしれません。せっかくですから一つ……」と、コッペパン屋に駆けていこうとして
林藤はるか:やめます。
林藤はるか:「他のお店にしましょう」
田井中次郎:「? そう?」
田井中次郎:「聞いてたら興味出てきたけど……」
林藤はるか:「持ち帰れないものがいいんです。お店に入って食べるものとか」
林藤はるか:「できたてで、熱くないとおいしくないものとか」
林藤はるか:「今日じゃないと知れないものじゃないと」
林藤はるか:白いレースのワンピースに、黄色いストールを羽織っている。
林藤はるか:「ね。田井中さん」
林藤はるか:「黄色の方が似合うと思いますよね?」
田井中次郎:「うん? うーん……」服をよく見て。
田井中次郎:「青も似合ってたと思うけどなあ」そういう気配りはできない。
林藤はるか:「青だと、なんか、子供っぽいじゃないですか」
田井中次郎:「黄色は子供っぽくないの?」
林藤はるか:「小学生の卒業式みたいでした。今はちゃんと似合いますよね?」
田井中次郎:「うん。似合ってると思う」
田井中次郎:「……正直に言えば、服のこととか、全然分かんないけど」
田井中次郎:「僕は綺麗だと思う」
林藤はるか:「ふふふふふ。ふふ」
林藤はるか:「綺麗ですって!」脇腹を小突きます。
田井中次郎:「いった!何だよー!」
林藤はるか:「服」
林藤はるか:「どんな服なら、田井中さんは好みですか?」
田井中次郎:「え、ええ……?」しどろもどろになって。「どんなって……」
田井中次郎:「く、黒いの……そういう話じゃなくて?」
林藤はるか:「着てほしい服があるなら、買ってみたいなって思うんです」
林藤はるか:「せっかくですから」
田井中次郎:「ええーっ……?急に言われても、だから服って全然……」しばらく狼狽していたが、
田井中次郎:「あ」
林藤はるか:「どうしました!?」
田井中次郎:「それじゃあ、林藤が直接着てみせてくれる?それなら流石に分かると思う」
林藤はるか:「試着!」
林藤はるか:「してみてもいいんですか?」
田井中次郎:「そりゃ……いいと思うよ。誰だって。どこの服屋さんがいい?」通りを見渡す。
林藤はるか:「あのお店はどうですか?」子供服店を指す。
田井中次郎:「あそこは……」目を凝らして。
田井中次郎:「まだあったんだ。懐かしいなあ、子供の頃に行ったことあるよ、確か」
田井中次郎:「でも林藤には合わないかも、サイズ」
林藤はるか:「子供用の服屋さんなんですね。じゃあ、ええと」田井中さんの手を引いたまま、せわしなく周りを探します。
林藤はるか:「あのデパートに行きましょう!ずっと興味があったんです!服屋さんだってきっとありますよ!」
田井中次郎:「デパートか……!うん。行こうか」
田井中次郎:林藤さんの手を握ろうとして、
田井中次郎:「あ」
田井中次郎:引っ込めます。
田井中次郎:「自分で歩けるんだったな」
林藤はるか:「……」自分の方は田井中さんの袖を掴んでいる。
林藤はるか:「でも、せっかく一緒に歩けるんですから」
林藤はるか:「落ち着かないです。握っていていいですか」
田井中次郎:「うん?うん、分かった」何気ない様子で手を差し出します。
林藤はるか:手を引いて、デパートの中に入ります。
林藤はるか:「エスカレーターはあそこで……衣料品売り場の階は……」
林藤はるか:途中で足を止める。「あ」
田井中次郎:手を引かれて止まる。「うん?」
林藤はるか:「指輪ですよ田井中さん。こんなにたくさん」
林藤はるか:「デパートの一階ってどうして宝石売り場になってることが多いんでしょうか?」
田井中次郎:「綺麗だな…… え、林藤も知らないの?」
林藤はるか:「こういう商業施設の一階はお客さんを誘導する効果を狙うはずですけれど」
林藤はるか:「例えば複合商業施設なんかはマクドナルドだったりする一方で、デパートは化粧品や宝石なんですよね」
林藤はるか:「田井中さんは」
林藤はるか:膝を屈めてショーケースを眺めながら、何気なく聞く。
林藤はるか:「指輪はつけないんですか?ずっと思ってたんですけれど」
田井中次郎:一緒に屈んで指輪を眺めて。「……指輪? なんで?」
林藤はるか:「シルバーの……こう……」
林藤はるか:腕を曖昧に動かします。
林藤はるか:「ジャラジャラした感じのアクセサリーが好きそうですけど」
林藤はるか:「手はずっと、その穴開きのグローブじゃないですか」
田井中次郎:「好きだよ。あの……観光地で売ってるキーホルダーとか……」剣にドラゴンが巻き付いてるやつ。
田井中次郎:「そうだなあ……指輪かあ」
田井中次郎:「考えたことなかった」
林藤はるか:「どういうデザインがいいですか?」
林藤はるか:「ドラゴンとか悪魔とかのやつはないみたいですけど」苦笑する。
田井中次郎:「格好いいやつ……は……無さそうだけど……」ショーケースを見回して。
田井中次郎:「林藤は?」
林藤はるか:「どうでしょう。私も……宝石は、いいかもしれません」
林藤はるか:「こういう、普通のシルバーの指輪の方が」
田井中次郎:「……」じっと見つめて。
田井中次郎:「買っていこうか」林藤さんに目を移す。
林藤はるか:「ふふふ」
林藤はるか:とても機嫌が良さそうに笑う。
林藤はるか:宝石もついていないので、他の指輪と比べれば全然高いものではない。
林藤はるか:でも、宝石付きのものを欲しくなっていても
林藤はるか:きっと我儘を聞いてくれただろう。それを知っている。
田井中次郎:「林藤?」
林藤はるか:「お願いしていいですか?田井中さん」
林藤はるか:「とても嬉しいですから」
田井中次郎:「ん、分かった。すいませーん」店員を呼んで、二人分の注文をしつつ。「……でもさ」
林藤はるか:「なんでしょう?」
田井中次郎:「さっきの、売り場の話。みごとに誘導されてるよね、僕達」可笑しそうに笑う。
林藤はるか:「そうですね」
林藤はるか:「私は……こんなところに来るのは初めてですから」
林藤はるか:「つい欲しくなっちゃいましたけれど。もしかしたら、デパートに来る人達は誰だってそうなのかもしれませんね」
田井中次郎:「そうなのかも。みんな目を引かれるだろうし……」袋とケースに入った指輪を受け取って
林藤はるか:「衣料品売り場に行きましょう!3階ですって!」
田井中次郎:「そういえばそれが本題だった……」
田井中次郎:「あ、林藤」
林藤はるか:「はい」
田井中次郎:「病院にエレベーターはあったけど……エスカレーター乗ったことある?」
林藤はるか:「乗ったことないです。わくわくします」
林藤はるか:「エスカレーターを逆に走ったらどういう感覚になるんでしょうか?」
林藤はるか:「絶対試してみたいです。止めないでくださいね」
田井中次郎:「いや止めるよ……!ダメ!」
林藤はるか:「む」
田井中次郎:「危ないからダメ。普通に乗って」
林藤はるか:「絶対に楽しそうなのに、誰もやらないのが理解できません」
林藤はるか:「私だったら……」
林藤はるか:「おばあちゃんになったって、やりたくなるはずです」
田井中次郎:「そういうアトラクションとかあったら、絶対遊ぶけど……」
田井中次郎:「でも林藤」
田井中次郎:「林藤は初めてだから知らないだろうけど……」
田井中次郎:「普通に乗るだけでもスリリングなんだよ。タイミング難しいし、僕はコートよく挟まれるし」
田井中次郎:「命がけなんだよ」
林藤はるか:「そうなんですか」
林藤はるか:「大丈夫です。今日は二人いるんですから、挟まれないように見ていてあげますよ」
田井中次郎:「だから今日は普通に乗って。逆走するとしても……」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「……また、今度にしよう」
林藤はるか:「そうですね…………」
林藤はるか:「……ふふふ!乗りましょう、エスカレーター」
田井中次郎:「……ん、行こう。3階だったね」
田井中次郎:転んだ時に支えられるように、後ろから乗って3階に上がります。
林藤はるか:三階の、エスカレーターで上がってすぐのアパレル店は
林藤はるか:想像していたよりも小さな売り場で、すごく高級というわけでもないけれど
林藤はるか:若者向けの品揃えで、試着もできる店だった。
林藤はるか:(ちょうど良かったな)
林藤はるか:試着室で着替えながら思う。
林藤はるか:どこのブランドか、どんな服が欲しいとか
林藤はるか:そんなことはずっと考えたことがなかった。ただ、どこでもいいから
林藤はるか:一度だけでも、自分だけの服を選んで、着てみたいと思っていただけで。
林藤はるか:「……田井中さん」カーテンを小さく開けて顔を覗かせます。
林藤はるか:「ドキドキしませんか?」
田井中次郎:近くのベンチに座って待っていた。その声に顔を上げて、
田井中次郎:「ん……………… …………まあ…………」
田井中次郎:珍しく、照れたように目を逸らして
田井中次郎:「……ちょ、ちょっと……」
林藤はるか:「…………。ちょっと?」
林藤はるか:「ちょっとだけなんですね?」
田井中次郎:「な……何だよ……」口を尖らせる。
林藤はるか:「試着をしているってことは」
林藤はるか:「試着室の中で私が裸になってるかもしれないってことじゃないですか」
林藤はるか:「普通の人だと……そういうのってどう思うんでしょう?」
林藤はるか:「外のお店と一枚しか仕切りがなくたって、平気で着替えちゃうものなんでしょうか?」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:眉間に皺を寄せ、赤らんだ顔を片手で覆って。
田井中次郎:「……林藤」
林藤はるか:「はい」
田井中次郎:「……からかってるだろ」
林藤はるか:「田井中さんこそ」
林藤はるか:「私が普段そんなこと言わないからって、油断してるんでしょう」
林藤はるか:「あえて言ってないんですからね」
林藤はるか:「あえて!」
田井中次郎:「あえて!?」
林藤はるか:「田井中さんの……そういうところが、すごくいいところだと思いますけど」
林藤はるか:「あの。街……今日街を歩いてて、気づきました」
林藤はるか:「思ったより、見られたりしますよ」
田井中次郎:「見られ……え……? 何……」ひどく狼狽して。
林藤はるか:「何って……………胸をですよ」
林藤はるか:「どう思っているんですか?田井中さんは」
田井中次郎:「どう……どう……って…………」
田井中次郎:「りっ……は……?林藤の……?え……?」
林藤はるか:「お」
林藤はるか:「大きい方ですよね?」
田井中次郎:「………………」
田井中次郎:深く、深く俯いて。というより、背中を丸めて。
田井中次郎:「それは…………」
田井中次郎:「………………」
田井中次郎:「…………そう……」
田井中次郎:「だと………………」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:「…………思うけど………………」
林藤はるか:「……。ですよね?」
田井中次郎:「…………うん…………」
田井中次郎:「な」
田井中次郎:「……なんで……?」寄る辺なき迷い子のような顔。
田井中次郎:「なんでいきなりそんな話…………」
林藤はるか:「わ……私だけドキドキしてたら悔しいじゃないですか」
林藤はるか:「それで、その。話を戻すんですけれど」
林藤はるか:「最初に選んだ服だと、こう……胸のところのせいで太って見えちゃって、良くなかったんです」
林藤はるか:「だから……大きいんだなって、我ながら思って……それは嬉しいんですけど、田井中さんは全然そんな話しないから……」
田井中次郎:「そんな話って…………」
田井中次郎:「するのか……!?普通……そんな話…………!」
田井中次郎:「しないと思うんだけど…………!!」
田井中次郎:「するの!?」
林藤はるか:「そっ、そんなの、私だって分かりませんよ」
田井中次郎:「だって……そんな……」
田井中次郎:「嫌だろ、そんな話……?」
林藤はるか:「それも分かりませんよ。嫌か嫌じゃないかなんて……一度もしたことないんですから」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:「ど……」
田井中次郎:「ドキドキ……?とか……そういうのは……」
田井中次郎:「しない……ように……してるっていうか……だって……」
林藤はるか:「だって?」
田井中次郎:「林藤は……同僚だし……友達だし…………」
田井中次郎:「そういうの……嫌かなって…………」
林藤はるか:「……嫌じゃないですよ」
林藤はるか:「試したことがないから分かりませんけれど、田井中さんなら嫌じゃないと思います」
田井中次郎:「………………」
田井中次郎:何も言えなくなって、黙り込む。
林藤はるか:「服。見せますからね」
田井中次郎:「…………」こくり、と無言のまま頷く。
林藤はるか:白い、腰のあたりに絞りが入ったブラウスと、黄色いアシンメトリースカートだ。
林藤はるか:グレーのチューリップハットを被っている。
林藤はるか:「……どうでしょう?」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:それを見て、僅かに瞠目して。
田井中次郎:「……に……」
田井中次郎:「似合…………」
田井中次郎:そこで口を噤む。
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:言葉を詰まらせたように黙り込む。
林藤はるか:「すみません」笑う。
林藤はるか:「変なこと言っちゃいました。私だって、普段からそんなこと考えてるわけじゃなかったんですよ?」
田井中次郎:「…………」
林藤はるか:「気分が違ったんです。ちょっとだけ……浮ついた気分になっちゃったのかも」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「……いや」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「…………可愛い」
田井中次郎:「可愛い」
田井中次郎:「と」
田井中次郎:「思う」
田井中次郎:「……すごく」
林藤はるか:「……!」田井中さんのところに駆け寄ります。
林藤はるか:「本当ですか?」膝を屈めて、俯いた顔を下から覗き込む。
田井中次郎:「っ…………!」
林藤はるか:「私があんなこと言ったから」
林藤はるか:「お世辞で言ってるとかじゃないですよね?」
田井中次郎:顔を逸らして目を瞑って。
田井中次郎:「そんなことするか!」
田井中次郎:「本気で言ってるんだ!」
田井中次郎:「“ナイトメアブリンガー”が嘘などつくか!」
林藤はるか:「あ……」
林藤はるか:「……う」
林藤はるか:「嬉しい……んですね」
林藤はるか:「そうか、こういう時……友達の田井中さんに言ってもらっても。やっぱり」
林藤はるか:「……嬉しくなるものなんですね」
田井中次郎:「……それ……なら」
田井中次郎:「良かった…………」
田井中次郎:一気に疲れ果てたように脱力する。
林藤はるか:「はい」
林藤はるか:微笑む。
林藤はるか:「この服にします」
田井中次郎:「……うん」
田井中次郎:「本当にさ」
田井中次郎:「綺麗だと思う。すごく」
林藤はるか:「ふふふふ」嬉しそうにする。
林藤はるか:「実はですね。言ってなかったんですけど。田井中さん」
田井中次郎:「……なに?」
林藤はるか:「私も自分で……私のこと、結構かわいいって思ってます」
田井中次郎:「……ふふっ」こちらも笑って。
田井中次郎:「さっきの、服の話じゃかったの?」
林藤はるか:「どっちもですよ」
林藤はるか:「服も、中身もです」
田井中次郎:「言っただろ」
田井中次郎:「可愛いよ」
田井中次郎:「どっちも」
林藤はるか:「……」
林藤はるか:「……はい」

---

GM:それから。君達は街中を巡った。
GM:映画館。レストラン。病室で、あるいは任務中の何気ない会話で話題に出た
GM:考えつく限りすべての場所を。一日中歩きまわって、体は疲れて果てているのに
GM:日が暮れて、空が赤く色づき始めても
GM:君達はほんの少しも飽きることなんて無かった。
GM:君達は駅前に戻っている。
GM:もうすぐ魔法の時間は終わりだ。
GM:夜が来る前に、夢から覚めなければいけない
林藤はるか:最後にここに寄りたいと言ったのだ。いつも興味があった。
林藤はるか:「田井中さん」袖を引いて尋ねる。
林藤はるか:「駅の中に入ってもいいですか」
田井中次郎:「……勿論」傾いた陽に否応なく迫る時間を意識させられるが、笑って応える。
林藤はるか:「ご存知ですか?駅は、路線のきっぷを買わなくても、駅の構内に入るだけの入場券を買うことができて」
林藤はるか:「旅の見送りや、駅中のお店を利用するお客さんのためにあるんだそうです」
田井中次郎:「あっ」
田井中次郎:「それは知ってる!」
林藤はるか:「そうですか!」何故か嬉しそう。
林藤はるか:「じゃあ、一緒に行きましょう。電車は遠くで見るのもいいですけど」
林藤はるか:「近くで見ると、きっともっと迫力があって楽しいですよね」
林藤はるか:ニコニコと笑いながら、先に立って歩く。
田井中次郎:「うん、そうしよう。あ、夢中になってホーム落ちないようにね」
林藤はるか:「任せてください!」
林藤はるか:「映画は楽しかったですよね。田井中さん」
田井中次郎:「うん。楽しかった」
林藤はるか:「けれどお客さんがずっと黙っているのはびっくりしました。私も、普段みたいに驚いたり笑ったりしたかったんですけど」
林藤はるか:「最初の……上映の最初の方、地元のお店の宣伝なんかも入るんですね。テレビみたいですね」
田井中次郎:「そういえば、一緒に見る時はそっか……」
田井中次郎:「じゃあまた、同じ映画二人で見ようか。ディスク化したら」
林藤はるか:「レストランも美味しかったですよね」歩きながら言う。
田井中次郎:「うん。美味しかった」
林藤はるか:「私、詳しい食材の名前とか調理法とかは……知識で知ってるだけですから、味で分からなかったのが残念ですけど」
林藤はるか:「メインディッシュでタラの身についてきた葉っぱって何だったんでしょう?バジルじゃないですよね?」
田井中次郎:「僕は二番目の赤いやつが気になる。結局何だったんだろう……美味しかったけど……」
林藤はるか:「お店の人に説明してもらえばよかったですね。ふふふ」
林藤はるか:券売機の前で足を止める。
林藤はるか:(……入場券)そして、画面を操作しようとして
林藤はるか:『定期券の購入はこちら』の表示に目が留まる。
林藤はるか:きっと、これから生きていく中で——
林藤はるか:絶対に必要のない。
田井中次郎:「……林藤?」不意に手を止めた林藤さんに、心配そうに。
林藤はるか:「……電車の定期券に使われるICカードは」
林藤はるか:「実は電源で動く機械なんです」
林藤はるか:「中に電池が入っているわけじゃなくて、カードリーダーにカードを近づけた時の電磁誘導で」
林藤はるか:「起電力が発生するから……それで動いていて」
林藤はるか:「……だから、電池切れしないんです。ご存知でしたか?」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:画面にタッチして、二枚分の入場券を購入する。
田井中次郎:一枚を林藤さんに差し出して。
田井中次郎:「次の電車」
田井中次郎:「……あと五分で着くみたいだよ」
林藤はるか:「そうみたいですね」受け取る。
林藤はるか:「それを見たら、帰りましょう」
田井中次郎:「……うん」少しだけ目を伏せて。「そうだな」
田井中次郎:二人で改札へと歩いていく。
林藤はるか:入場券を持って改札を通ろうとする。
林藤はるか:「……あ」
林藤はるか:立ち止まる。
田井中次郎:振り返る。「林藤?」
林藤はるか:「きっぷが通らない改札機があるんですね。初めて知りました」
林藤はるか:「私は、こっちみたいです」端の改札機に入場券を通す。
田井中次郎:「ああ……」IC専用の改札に目を向ける。続けて改札を潜り、
田井中次郎:ホームへと歩いていく。人込みの中で手を繋いで。
林藤はるか:「わあ」
林藤はるか:「あっちのホームは凄い数の人がいるんですね」
林藤はるか:「みんな、どこへ行くんでしょうね?」
林藤はるか:「もっと都心に近いところまで遊びに行くんでしょうか?」
田井中次郎:「どうだろう。この時間であの路線だと、家に帰るんじゃないかな」
林藤はるか:「そうか、家に帰る人の方が多いですね。今の時間だと」
林藤はるか:「それとも、今から仕事だったりとか?」
林藤はるか:「……みんな」
林藤はるか:「こんなに沢山の人に、行き先があるなんて」
林藤はるか:「想像するだけで、果てしがない気がします」
林藤はるか:「ワクワクしますね」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:その横顔を見て。
田井中次郎:「うん」
田井中次郎:「……うん。そうだな」
田井中次郎:思わず、泣きそうになる。
林藤はるか:笑っている。心から楽しそうに、人々が行き交う様子を見ている。
田井中次郎:今日一日だけで、思い知らされた。
田井中次郎:自分にとってごく当たり前のことが、彼女にとっては何もかも、そうではないのだと。
田井中次郎:ひとつひとつの物事を見て、知る度、驚き、新鮮に感動する彼女を見て、
田井中次郎:もっと沢山の。世界中の隅々まで、何もかもを見せてあげたいと思って。
田井中次郎:それが出来ない自分が、ひどく、どうしようもなく無力に思えた。
林藤はるか:「電車が来ます!」
田井中次郎:その声に顔を上げる。
林藤はるか:夜の闇の中で近づいてくる電車の光を見て
林藤はるか:白線ギリギリまで体を乗り出してはしゃいでいる。
林藤はるか:「電車ですよ、田井中さん!」
林藤はるか:他にそんなことをしている乗客は誰もいない。
田井中次郎:「うん、来たな」林藤が夢中になっても落ちてしまわないように、堅く手を握る。
田井中次郎:ホームに滑り込む電車の風圧で飛んでしまわないように、軽く帽子を押さえる。
林藤はるか:何の変哲もない、ごく普通の各駅停車。
林藤はるか:その扉が開く様子までも、嬉しそうな笑顔で見ている。
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:排気音と共に開かれたそのドアを、じっと見つめる。
林藤はるか:「ご存知ですか?電車の自動ドアが初めて採用されたのは……」
林藤はるか:「……」
林藤はるか:「……この電車は、どこまで行くんでしょう?」
林藤はるか:行き先は書かれている。尋ねるまでもなく、分かっていても。
田井中次郎:「一度……寝過ごして、終点で起きたことがあるよ」
田井中次郎:「ホームに降りただけだけど、潮の匂いがした」
林藤はるか:「ああ、それは」
林藤はるか:「すごく楽しそうです」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:林藤のその、嬉しそうな笑顔を見る。
田井中次郎:発車のベルが鳴り響く。
田井中次郎:自動ドアが閉じられる、その寸前で。
田井中次郎:ぐい、と。
田井中次郎:その手を引いて、車内に乗り込んだ。
林藤はるか:「……っ」
林藤はるか:「な」
林藤はるか:「何をするんですか?」
田井中次郎:「知ってる?」
田井中次郎:「入場券でも、普通の切符と同じように」
田井中次郎:「降りる駅で精算ができるんだよ」
林藤はるか:「…………」
林藤はるか:「時間」
林藤はるか:「間に合わなくなっちゃいますよ」
林藤はるか:そうだ。私はこの後、支部に帰って、それで処置を受けて。
林藤はるか:それで、この夢みたいな一日は終わりのはずだったのに。
田井中次郎:「まだ平気さ。往復は間に合わないかもしれないけど……でも」
田井中次郎:視線を上げ、路線案内を見て。
田井中次郎:「終点までは行ける」
林藤はるか:「終点まで……」
林藤はるか:「終点まで行ったら……どうなるんでしょう?」
林藤はるか:「ああ」電車が走り出している。
林藤はるか:路面から伝わる振動。線路に沿って流れる景色。
林藤はるか:何もかも違う。全然慣れていなくて、どこに連れて行かれるのか不安で、
林藤はるか:けれど……
林藤はるか:「わくわくしすぎて」
林藤はるか:「泣いちゃいそうです」
田井中次郎:「じゃあ、良かった」嬉しそうに言って、
田井中次郎:「林藤はさ、見てみたくない?」
田井中次郎:少年のように笑う。
田井中次郎:「海」
林藤はるか:「はい」
林藤はるか:「……はい!」

---

GM:海が広がっている。その終点の駅は、観光地でもなんでも無くて
GM:透き通っていたり、綺麗な砂浜があるわけでもない。
GM:でも、その日の夜は晴れ渡っていて
GM:埠頭の端から眺めると、君達を星空が包んでいるようで
GM:とても美しく思えた
GM:林藤はるかがはじめて、そして、恐らく最後に、生身で見る海だ。
林藤はるか:「こっちのお店は、ほとんど閉まっちゃってましたね」
林藤はるか:埠頭を海に沿って歩きながら言う。
林藤はるか:「記念のお土産とかがあったらいいなって思ったんですけど」
田井中次郎:「普通はこの時間に、お客さんなんていないんだろうね」
田井中次郎:並んでゆっくりと歩きながら。
田井中次郎:「僕達みたいな人、そんなにいないだろうから」少し笑う。
林藤はるか:「海って、こんな匂いがするんですね」
林藤はるか:「音も、映像も……映画や資料や、蛍の感覚で見られるんですけれど」
林藤はるか:「けれど——田井中さん。星が」
林藤はるか:海風に帽子を押さえながら、満天の星空を見上げる。
林藤はるか:「ご存知ですか?普通の映像作品だと、星を映すためのものじゃないかぎり」
林藤はるか:「……星空は映らないんです。夜のシーンでも、星だけは」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「気にしたこと……なかったな」
林藤はるか:「撮影用の照明をつけているから……星の光量まで映り込む絞りだと、綺麗に撮影できないから……」
林藤はるか:「………」
林藤はるか:遠くで回転する灯台の明かりを見ている。
林藤はるか:赤く点滅する光が沖合いにもある。漁船なのかもしれない。
林藤はるか:「……何があるんでしょうね」
林藤はるか:「電車に乗って、一番遠くにまで行ったはずなのに」
林藤はるか:「まだ、遠くのものばかり」
林藤はるか:「まだ、知らないものばかりで」
林藤はるか:「ああ……」
林藤はるか:「もっと、どこまでだって知りたいのに」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:星空を、海を見ている振りをして。
田井中次郎:本当はずっと、彼女しか見えていなかった。
田井中次郎:自分は、この星も、海も、彼女との日常も。
田井中次郎:当然のように思っていた。当たり前にあるものだと。それがどんなに貴重で、尊いものかも知らず。
田井中次郎:「ああ……」
田井中次郎:「綺麗だな」
田井中次郎:その姿も、視界の中でぼやけて。
田井中次郎:「本当に、綺麗だ」
林藤はるか:「星がですか?」
林藤はるか:「海がですか?」
田井中次郎:「……全部だよ」
林藤はるか:「嬉しいです」
林藤はるか:「田井中さん。最後に……」
林藤はるか:「最後に、もう一つだけ、我儘を聞いてもらっていいでしょうか」
GM:……田井中君は気づく。黒い星の文様が彼女の首を登り
GM:全身を覆わんとしていることを。
GM:もうすぐ時間が来る。
田井中次郎:「…………」それでも、微笑を浮かべたまま。
林藤はるか:「時間が来る前に、もう一つだけ」
田井中次郎:「なに?林藤」
林藤はるか:「それは————」
林藤はるか:小さく、その願いを口にします。
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:「……そんなことで、いいの?」
林藤はるか:「はい」
林藤はるか:「それさえあれば」
林藤はるか:「私はずっと進んでいけます。これからだって」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:「……いいよ。そんなこと、いくらだってするよ」
田井中次郎:「……でもさ……」
田井中次郎:少し口を噤んで。
田井中次郎:「いいんだよ」
田井中次郎:「もっと……林藤には……我儘言ってほしいんだよ」
田井中次郎:「僕はさ……。 ……僕は」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「……時々……思うんだ」
田井中次郎:「僕は林藤に……本当の意味では、何もしてあげられないんじゃないかって」
田井中次郎:「僕といると……林藤につらい思いばかりさせてる気がする」
田井中次郎:「今回だって、そうだ」
田井中次郎:「僕は結局……林藤の病気だって、治してあげられない」
田井中次郎:「ただ……傍にいることしか、できない」
田井中次郎:「……何ができる?」
田井中次郎:「林藤は僕に……どうしてほしい?」
田井中次郎:縋るかのような声で言う。
林藤はるか:「私は……」
林藤はるか:「私はそれが、一番幸せですよ」
林藤はるか:「田井中さん。私は」田井中さんを、正面から抱きしめる。
林藤はるか:「いつも、心配しないでって……言ってましたけど」
林藤はるか:「心配してほしいんです。構ってほしいんです」
林藤はるか:「いつも。いつだって」
林藤はるか:「忘れられたくなくて、置いていかれたくないって、そう思ってたんです」
林藤はるか:「田井中さんは、……全部、くれていました。最初から、ずっと……」
田井中次郎:「そんなの……!」
林藤はるか:「こんなに」田井中さんを抱きしめたまま、誰よりも近く、顔を見せないまま言う。
林藤はるか:「こんなに幸せでいいんでしょうか?」
林藤はるか:「いつも、たくさんの人が死んでしまって、不幸になる人はそれ以上にいて——」
林藤はるか:「そんなことも知ってるのに、私」
林藤はるか:「私は、いつも」
林藤はるか:「幸せだったんです。田井中さん」
林藤はるか:涙を落とす。
林藤はるか:「本当です」
林藤はるか:「本当に、幸せだったんですよ」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:強く、抱き締め返して。
田井中次郎:「林藤」
田井中次郎:「聞いてくれる?」
林藤はるか:「はい。……はい。言ってください」
田井中次郎:「……林藤がさ、退院できるって聞いた時」
田井中次郎:「嬉しかったんだよ」
田井中次郎:「病気も治って、林藤と色んなところに行けると思って」
田井中次郎:「すごく、嬉しかった」
田井中次郎:「でもさ」
田井中次郎:「林藤を狙われて……林藤が……本当に、いなくなるかもしれないって思って」
田井中次郎:「……分かったんだ」
田井中次郎:「今……」
田井中次郎:「……ううん」
田井中次郎:「これまでも、ずっと」
田井中次郎:「僕さ。幸せだったんだ」
林藤はるか:「……」
田井中次郎:「今の生活が、今の日常が好きで」
田井中次郎:「その幸せの、一番真ん中にいたのは────」
田井中次郎:「多分、ずっと」
田井中次郎:「林藤だったんだ」
田井中次郎:「いつもそうだ。失くしかけてから、初めて気付くんだ」
田井中次郎:「……失くさなくて、よかった」
林藤はるか:「……私も」
林藤はるか:初めて手を振り切られた時の感触を覚えている。
林藤はるか:何よりもそれを恐れていたのだと、自分で気づけなかったほど。
林藤はるか:「私も、そうです」

GM:では。田井中君。判定をお願いします。
GM:林藤はるかに達成値40以上の攻撃を成功させることで
GM:クラテール・コインを破壊できます。この判定には何度でも挑戦できますが
GM:成功・失敗に関わらず林藤はるかには攻撃のダメージを受けてもらいます
田井中次郎:「達成値40以上の攻撃を成功」で
田井中次郎:破壊できるんですね?
GM:そうです
田井中次郎:分かりました
田井中次郎:≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:災厄の炎≫ で 林藤さんに攻撃します
GM:問題有りません
林藤はるか:特権階級。取得したロイスをタイタスにして
林藤はるか:判定のC値を-1します。
林藤はるか:-/外の世界/憧れ:○/未練/タイタス
GM:いいでしょう
GM:では田井中君
GM:判定をお願いします
田井中次郎:はい
田井中次郎:判定します
田井中次郎:10DX6+4
DoubleCross : (10R10+4[6]) → 10[3,4,4,4,5,6,8,9,9,9]+10[3,4,7,9,10]+10[4,7,8]+10[8,8]+10[4,8]+10[6]+10[7]+2[2]+4 → 76

GM:成功です。ダメージを出してください
田井中次郎:林藤はるかさんへの固定ロイス 〇庇護/心配 をタイタスにして昇華します
GM:はい
田井中次郎:色はWH、他のキャラクターに与えられるダメージを0にします
GM:いいでしょう。
GM:君は林藤はるかを傷つけること無く
GM:クラテール・コインを破壊することに成功します
GM:そして、林藤はるかさん
GM:貴女は、クラテール・コインで得ていた古代種エフェクトをすべて失います
GM:貴女は、自分がもう二度と走れないことを知ります。
GM:貴女は、自分がもう二度と歩けないことを知ります。
GM:貴女は、自分はもう二度と一人で立ち上がることができないと知ります
GM:そしてもう一つ
GM:それでも貴女は大丈夫だと知っています。
GM:貴女は一人ではないから
林藤はるか:分かりました。最後にロイスを取得してもいいでしょうか。
GM:いいでしょう
林藤はるか:田井中次郎をSロイスに指定します。














GM:バックトラックに入ります
GM:今回のEロイス・Dロイスは次の通り

・和嶋春
Dロイス:古代種
Eロイス:破壊神顕現
Eロイス:唯我独尊
Eロイス:唯我独尊
Eロイス:ありえざる存在
Eロイス:さらなる絶望

・藍川ナギ
Dロイス:対抗種
Dロイス:装着者(コンポジットボウ)


GM:Eロイスは五つです
GM:振りたい人はどうぞ
林藤はるか:振りません。
雨堂聖理:ふらなーい
新垣御守:ふらぬいです
田井中次郎:振ります
田井中次郎:最後の判定で侵蝕率は159
田井中次郎:159-5D10
DoubleCross : (159-5D10) → 159-39[8,7,8,9,7] → 120

田井中次郎:2倍振りします。
田井中次郎:120-8D10
DoubleCross : (120-8D10) → 120-43[8,1,5,4,3,5,9,8] → 77

田井中次郎:帰還…………!
雨堂聖理:なんとロイスが1枚も切れてないんだな。素振りです
雨堂聖理:103-5d10
DoubleCross : (103-5D10) → 103-18[2,9,1,1,5] → 85

雨堂聖理:余裕のない帰還でこの目を出されてたらキレてた。ともあれ生還!
林藤はるか:一倍振り。
林藤はるか:林藤はるかの侵蝕率を-28(4D10->8,9,1,10)した (侵蝕率:93->65)
新垣御守:素振り…
新垣御守:105-5d10
DoubleCross : (105-5D10) → 105-27[5,3,8,10,1] → 78

新垣御守:5点帰還!
GM:全員帰還!では
GM:今日のセッション(朝の五時)はここまでです
GM:ありがとうございました
GM:最高のセッションにしてもらえて
GM:GMは嬉しいです
GM:では次回は明日(今日)21時から
GM:エンディングに参りましょう
新垣御守:あいさー!
新垣御守:マジで…お疲れさまでした!激楽しかった!
田井中次郎:お疲れさまでした……………………………………
GM:お疲れ様でしたー!
林藤はるか:お疲れさまでした!最高セッション……



【ED/新垣御守】

GM:では早速、エンディングを始めていきましょう。
GM:最初は新垣さんのエンディングから。
GM:シチュエーションは病院で、意識を取り戻したリリアナさんと
GM:どうでしょう
GM:わいわいする感じにしようかなと思うんですが
新垣御守:あいあい!
新垣御守:すきゃっとさんは大丈夫なのか…?
リリアナ・マルティネス:問題ありません
GM:理解しました。それではシーンを開始しましょう
新垣御守:イエーイ




GM:梶田記念病院。戦いを終えた新垣御守は、事件の舞台となったその場所で
GM:支部員から、白昼夢事件の事後処理の結果、および“真五凶星”のその後の動向について報告を受けています
GM:結論から言うと、何事も無かったかのように日常は戻ってきた。
GM:寿命を奪われたと推測されていた退院患者、そしてその周囲の者たちも
GM:和嶋の死後、直ぐに標準状態まで回復。後遺症なども見られていない。
GM:“真五凶星”については、表向きの動きは一切なく
GM:儀式の主催者である“カースマスター”でさえ誰一人、街の人々を傷つけること無く沈黙している。
GM:これが取り戻した平穏なのか。嵐の前の静けさなのか
GM:一体どちらなのか。支部長である君は、よく知っているだろう。
GM:死後、和嶋春の死体は塵となって消え
GM:魔星の欠片、古代種のレネゲイドクリスタル、“紫艶仙丹”もまた
GM:見つかっていない。“龍帝緑証”も同じだ
GM:何らかの方法で儀式を止めなければ、何れ彼らの力は
GM:勝者の一人へと渡るのだろう。
新垣御守:(……”五つに分かたれた魔星の欠片”)
新垣御守:(あの子はそう言ってたよね)
新垣御守:(大昔の陰陽師たちの逆、魔星の力を統合して開放するつもりなら)
新垣御守:(これで2/5は防げた……けど)
新垣御守:(3/5でも脅威として過剰すぎる)
新垣御守:報告者に目を通しながら険しい表情は消えない
新垣御守:けれど、引き下がることは出来ない
新垣御守:(後は任せてって、言っちゃったからね)
新垣御守:掌に触れる血溜まりの感覚を思い出す。
新垣御守:その手で手すりを引いて、集中治療室の中へ
リリアナ・マルティネス:煙の臭いが鼻をつく。
リリアナ・マルティネス:「あ」
リリアナ・マルティネス:ベッドの上で、咥え煙草から紫煙をくゆらせている。
リリアナ・マルティネス:「…………」
新垣御守:「……」
新垣御守:その光景に目を丸くして
リリアナ・マルティネス:いそいそと火を消して、
リリアナ・マルティネス:毛布を被る。
リリアナ・マルティネス:「…………」
新垣御守:「こら、おい。子供かっての」
新垣御守:ベッドの傍に腕組して座る
リリアナ・マルティネス:「ん……?来てたのかアニー」
リリアナ・マルティネス:「全然気付かなかった。寝てたから」
新垣御守:「……」
新垣御守:腕を伸ばして耳をつねる
新垣御守:「誤魔化せるわけねーだろそれで!」
リリアナ・マルティネス:「いってェ!いててててて!!」
リリアナ・マルティネス:「何しやがる怪我人に!」
リリアナ・マルティネス:「常識ってモンがねえのかよ!」
新垣御守:「こっちの台詞でしょ!ここ病室!あんたは怪我人!」
新垣御守:「一服キメてんじゃないっての!」
新垣御守:「大体どこに持ってたのさ、こうなるかと思って没収しといたのに」
リリアナ・マルティネス:「煙草くらいいいだろうがよ!ハッパのほうがよかったか?」
新垣御守:「……ホント呆れるわ」
新垣御守:「アホ」
新垣御守:眉間にシワを寄せてから
新垣御守:ふ、とそれがほぐれて、穏やかに笑う
新垣御守:「……マジで心配したんだよ」
新垣御守:「戻ってきてくれたから、いいけどさ」
リリアナ・マルティネス:「死に損なったよ、お陰さんでな」
リリアナ・マルティネス:「……悪い」
新垣御守:「ん?」
リリアナ・マルティネス:「……だから……」
リリアナ・マルティネス:「悪かったって」
新垣御守:「何がよ」
リリアナ・マルティネス:「……」
リリアナ・マルティネス:「…………心配かけて」
新垣御守:「……」
新垣御守:「ぷッ」
新垣御守:「ふふふふふっ」
新垣御守:「あははははははははは!」
リリアナ・マルティネス:「ああ!?んだよ!」
リリアナ・マルティネス:「笑ってんじゃねー!!」
新垣御守:「いやー、別に?」
新垣御守:「かわいいところがありますのう、リリアナちゃんも」
リリアナ・マルティネス:暴れようとするが、包帯とギプスでぐるぐる巻きでそれも出来ない。
リリアナ・マルティネス:「調子乗ってんじゃねえぞこの野郎……!」
新垣御守:「ふふふ」
新垣御守:「……そりゃ心配くらいするってば」
新垣御守:「泣くな怒るなっていうのと同じくらい」
新垣御守:「大事な人のこと考えないってのは、無理なんだから」
リリアナ・マルティネス:「…………ん」
新垣御守:「何度だって死に損なわせてあげるよ」
新垣御守:「リリ姉」
リリアナ・マルティネス:「それは勘弁だわ、マジで」
新垣御守:「無駄無駄」
新垣御守:「逃げられないよ、逃さないから」
リリアナ・マルティネス:「あーあ……最悪のブラック支部に来ちまったみてえだな……」
リリアナ・マルティネス:わざとらしく、深々と溜息を吐き、
リリアナ・マルティネス:「……報告、聞いたわ」
リリアナ・マルティネス:「思ったよりヤバいことになってんのな」
新垣御守:「うん」
新垣御守:「まあね、こりゃしんどいよ」
リリアナ・マルティネス:「でもお前」くく、と笑って
リリアナ・マルティネス:「頑張ったみたいじゃん」
新垣御守:言葉少なに、去っていったものたちの事を思う。
新垣御守:「……どうかな」
新垣御守:「やっぱ、向いてないと思うよ」
新垣御守:苦笑いで俯いて応える
リリアナ・マルティネス:「は?そんな話してねーだろ」
リリアナ・マルティネス:「お前が支部長向いてないのなんて最ッッッ初から分かってるわ」
リリアナ・マルティネス:「でも、頑張ったんだろ?」
新垣御守:「……!」
リリアナ・マルティネス:「向いてるか向いてないかなんて、関係ねえんだよ」
リリアナ・マルティネス:「お前はいい支部長だよ、御守」
リリアナ・マルティネス:「少なくとも、私から見てな」
新垣御守:「っ」
新垣御守:その言葉に、呼吸が詰まる
新垣御守:目尻が熱くなって
新垣御守:ぼふ、とシーツの上に突っ伏す。
新垣御守:「…………。」
リリアナ・マルティネス:「泣くなよ、支部長」
新垣御守:「うっさい」
新垣御守:「今は、もうちょっとだけ」
新垣御守:「……こうさせて」
リリアナ・マルティネス:「……全く」
リリアナ・マルティネス:「甘ったれの支部長だ」
リリアナ・マルティネス:伏せられたその頭に、固い感触が当たる。
リリアナ・マルティネス:泣きつかれた子供にするように、そうしてぎこちなく、ギプス越しに頭を撫でていた。




GM:エンディングを終了します



【ED/雨堂聖理】

GM:エンディング二つ目。雨堂さんのエンディングです




GM:第二支部跡地。雨堂聖理は真五凶星の襲撃によって破壊された支部の復旧のため
GM:お手伝いに来ていました。回りでは瓦礫の撤去や、物理・電子データのサルベージなど
GM:色々と作業が行われています。君も得意な作業をやっているでしょう。
雨堂聖理:「……大丈夫ですか? じゃあ今から送りまーす」
GM:そして作業に従事する人の中には、君が事件で肩を並べたエージェント
GM:田井中次郎くんの姿もありました
雨堂聖理:「よっと」 電話越しに確認すると、積まれた瓦礫の下にゲートを開く
雨堂聖理:バラバラと瓦礫が落ちていくその先は、出口として繋がったトラックの荷台だ
田井中次郎:「…………」その近くでよろよろしている男。
田井中次郎:初夏の気温でロングコートを着込んで作業をしている。顔色は赤を通り越して蒼白になっている。
雨堂聖理:「この辺りはこんな所かなー」 伸びをして
雨堂聖理:伸びたまま、そんな様子の彼に気付く
雨堂聖理:「……だいじょぶですか?」
田井中次郎:「大丈夫……?フン……」よろめきながら。
田井中次郎:「何の問題があるというのだ……俺は“ナイトメアブリンガー”だぞ……」
田井中次郎:「この程度の些事……造作もない……」
雨堂聖理:「まず問題を認識できてないという問題かなあ……」
雨堂聖理:「じゃあ、ちょっと休みましょ。あたしそこそこ作業しましたし」
雨堂聖理:「一人で休憩するのは気まずいなー」
田井中次郎:「……‥」
田井中次郎:「雨堂聖理がそう言うのなら仕方が無いな……」
田井中次郎:「フン……仕方がない……不本意ながらこの俺が付き合ってやろう……」
雨堂聖理:「どうも、ありがとうございまーす」 手近なソファベンチに座って
雨堂聖理:スポーツドリンクのペットボトルを取り出す 「いります? 飲みかけですけど」
田井中次郎:「……」補給など必要ない、とクールに断ろうとするが、背に腹は代えられない。
田井中次郎:「貰おうか」
田井中次郎:受け取って、ごくごくと飲む。
雨堂聖理:(あ、こういうのは気にしないタイプなんだ)
田井中次郎:気にしないというより、気に出来ていない。
田井中次郎:「はぁ…………」息を吐いて。生き返ったような表情。
雨堂聖理:「やっぱり脱水しかけだったんじゃないですか」 苦笑して
田井中次郎:「違う……違うが……」
雨堂聖理:「違うが?」
田井中次郎:「……礼は言っておく……」
雨堂聖理:「はい。どういたしまして」
雨堂聖理:「……っていうか、口調、やっぱりその調子なんですね」
雨堂聖理:「林藤さんと話してる時はもっとなんか……違う感じでしたけど」
田井中次郎:「……何のことだ……これが俺だ……」目を逸らす。
田井中次郎:「いつもこうだ。常に。他は無い」
田井中次郎:「“フォックスリンカ”と話す時もこうだ。何も違わない」
雨堂聖理:「別にそれで行きたいなら良いですけど」 片膝を立てて抱え
雨堂聖理:「……恥ずかしがってるなら、そんな必要はないと思いますよ?」
田井中次郎:「恥ず……?」本気で不可解な表情。
田井中次郎:「……何がだ?」
雨堂聖理:「林藤さんについて、一生懸命っていうか、そういう所を見せるのが恥ずかしいから隠してるとかなら」
雨堂聖理:「あんまり気にしないで欲しいなあ。もう二度も一緒に戦った仲ですし……あ、暴走しちゃったのはアレだったけど」
田井中次郎:「……ああ……」
田井中次郎:「今回は、迷惑を掛けたな」
田井中次郎:「……済まなかった」
田井中次郎:頭を下げる。
雨堂聖理:「いいんですよ。オーヴァードなら、どうしたってそういうことはありますし……あんなこともあったんだから」
田井中次郎:「だが……エージェントとして、あるまじき事だった」
田井中次郎:「……反省している」
雨堂聖理:目を細めて 「そういう敵なんですよね」
雨堂聖理:「林藤さんを大事にするブリンガーさんの気持ちを、ああいう形に変えてしまったり」
雨堂聖理:「……先生が命を助けて、もっと命を助けたいと思ったことを、あんな風に捻じ曲げてしまったり」
雨堂聖理:「だから、仕方ないです。反省は、まあ必要なんでしょうけど?」
雨堂聖理:「それよりももっと、目指せることがあります」
田井中次郎:「ああ……。 ……何だ?」
雨堂聖理:「いつかあいつを殺すために、あいつに負けないようにすることです」
雨堂聖理:「道を踏み外さないまま、奇跡を起こす力を……がっちり握り締める」 ぐっと拳を固める
雨堂聖理:「それがきっと、必要なことです。……そうでしょ?」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:少し、黙り込んで。
田井中次郎:「……“フォックスリンカ”には、言っていないことがある」
雨堂聖理:「言ってないこと?」
田井中次郎:頷く。
田井中次郎:「和嶋春は最後に、俺に言葉を遺した」
田井中次郎:「林藤はるかの病は、治る、と」
田井中次郎:「全知であるはずの彼が、そう言った」
雨堂聖理:「……!」
田井中次郎:「今こうしている間も……ずっと、考えてしまっている」
田井中次郎:「どうしたらそこに辿り着けるのか」
田井中次郎:「どうしたら、その奇跡に手が届くのか」
田井中次郎:「あの時の彼が……和嶋春だったのか、“紫艶仙丹”だったのか」
田井中次郎:「今となっては、恐らく永遠に分からない」
田井中次郎:「その言葉が真実である保証は……どこにもない」
田井中次郎:「それでも……頭から離れない」
田井中次郎:目を伏せて。
田井中次郎:「……希望の光は、時には絶望よりもずっと深く、人の心を縛り付ける」
田井中次郎:「まるで……呪いだ」
田井中次郎:「もしかしたら彼は最後に、俺に呪いを掛けようとしたのかもしれない」
雨堂聖理:笑う 「……いいじゃないですか」
雨堂聖理:「それもきっと見つけましょうよ。先生がそう言ったこととは、何も関係なく」
雨堂聖理:「林藤さん。結局、一日出かけて、今はまた病院に戻ってるんですよね?」
田井中次郎:「ああ」
雨堂聖理:「たった一日じゃ、きっと満足できませんよ。だから」
雨堂聖理:「……先生の言葉なんて、関係ない。先生が言ったから、とかじゃなくて」
雨堂聖理:「林藤さんがまた元気で、健康になれる方法。探してみるのは悪いことじゃないと思います」
田井中次郎:「ああ」頷く。「ああ、そうだ」
田井中次郎:「そこにほんの僅かでも希望があるなら、求めるには十分すぎる」
田井中次郎:「……“フォックスリンカ”と過ごして、俺は幸福だった」
雨堂聖理:「何したんですか? 結局」
雨堂聖理:「夜まで戻らなかったって支部の人の噂は聞きましたけど」
田井中次郎:「……何故言う必要がある」
雨堂聖理:「え、気になって」
雨堂聖理:口元を押さえ 「……聞いてはまずいことを……?」
田井中次郎:「違う……!」
田井中次郎:「普通だ……!やましいことなど何もない……!」
雨堂聖理:「あっ、ちょっと素出た」
田井中次郎:「出てない……!!」
雨堂聖理:くすくす笑って 「はーい。出てません」
田井中次郎:「俺は……!」言い返そうとして、
田井中次郎:ふっと脱力して。
田井中次郎:「……俺は」
田井中次郎:「……幸せだったよ。たった一日でも」
田井中次郎:「たとえそれが悪意から、呪いから生まれたものだったとしても」
田井中次郎:「その気持ちに嘘は無い」
雨堂聖理:「はい」
雨堂聖理:「……たとえ後に、あれが呪いになってしまったとしても」
雨堂聖理:「由比ヶ浜ちゃんを救ったことが、間違いになったりはしない」
田井中次郎:「……雨堂聖理」
田井中次郎:「希望を追い、奇跡を求めることが間違いだなんて」
田井中次郎:「俺は絶対に言わせない」
雨堂聖理:目を閉じて笑う 「その通りです」
雨堂聖理:「希望は希望。奇跡は奇跡。間違いは間違い」
雨堂聖理:「……間違えさえしなければ、それでいいんです」
雨堂聖理:「奇跡を求めたって、希望を願ったって。ね?」
田井中次郎:「……ああ」
田井中次郎:「……俺は強くなる。もっと、ずっと強くな」
田井中次郎:「お前もそうしろ。“因果夜船”、雨堂聖理」
雨堂聖理:「はい。なります」
雨堂聖理:「あたしが“因果夜船”として戦える限りは、必ず」
雨堂聖理:「お互い頑張りましょう。"ナイトメアブリンガー"さん」
田井中次郎:「ああ。待っているぞ」
田井中次郎:「お前とまた、共に戦える時を」
田井中次郎:かっこよくコートをばさっと翻して去ろうとするが。
雨堂聖理:「……つきましては一つ、本日はパワーアップアイテムを用意して参りました」
雨堂聖理:そのコートの裾をばしっと掴む
田井中次郎:「うぐっ」
田井中次郎:つんのめって転びそうになる。
田井中次郎:「今かっこいいところだったろ……!!」
雨堂聖理:「あ、また素だ」
田井中次郎:「……え……パワーアップアイテム……?」
田井中次郎:ややワクワクが隠しきれていない顔。
雨堂聖理:「そうです。……先日、田井中さんをあの暴走状態から引き戻したのは」
雨堂聖理:「林藤さんの呼びかけでした。あたしばっちり聞いてました」
田井中次郎:「……それは……そう……だが……?」
雨堂聖理:「つまり、あの日奇跡を起こしたのは、林藤さんと田井中さんの絆の力だったと言えるでしょう」
雨堂聖理:「そこで、これです。テテレテーン!」 口でファンファーレをしながら、小さな箱を出す
雨堂聖理:「フォーチュンケーキ!」
雨堂聖理:「……ご存知ですか?」
田井中次郎:「フォ……」
田井中次郎:「……何だ……?」怪訝な顔。
雨堂聖理:「クッキーの中におみくじが入っているものをフォーチュンクッキーと言うんですけど」
雨堂聖理:「こちらはそれのケーキ版。パウンドケーキみたいなんですけど、中におみくじが入ってて……」
雨堂聖理:「一緒に食べた二人の相性を占える! というものです」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「食べづらくないのか……?」
雨堂聖理:「衛生面には配慮されてるっぽいですよ」
雨堂聖理:「なんかアメリカとかイギリスとかどっかの国のメーカーが、つい昨日、近くに日本国内第二号店を出したとかで、本格的なのです」
田井中次郎:「へえ……」素直に感心して箱を眺めている。
田井中次郎:「……それで……これが……」
田井中次郎:「どうパワーアップアイテムなんだ?」
田井中次郎:「良くなるのか……?運が」
雨堂聖理:「相性占いには、ラッキーアイテム的なものも書いてあるんですよ。まあ、あたしはあんまりそういうの、真面目に信じてはいないんですけど」
雨堂聖理:「そういうのでワイワイ楽しんだりすることで、二人の絆はさらに深まるものと、話題なんですね」
雨堂聖理:「……若いカップルの間で、特に」
雨堂聖理:じっと反応を見る
田井中次郎:「そう……なの……か……」未だよく分かっていない顔。
雨堂聖理:「…………」
田井中次郎:テレビで流行り物の特集を見ているかのような他人事の顔だ。
雨堂聖理:(……これは本当にそういう目で見たりしてないのかなあ……)
雨堂聖理:「ま、そういうことなので、これは二人用なんです」
雨堂聖理:田井中くんに押し付けるように 「良かったら、林藤さんと一緒に食べてください」
田井中次郎:「んん?あ、ああ……」
田井中次郎:「ええと……?」
田井中次郎:「ありがとう……?」
雨堂聖理:「あたしからのお見舞いってことで」
田井中次郎:「ああ。そういう事なら林……“フォックスリンカ”も喜ぶだろう」
雨堂聖理:「お願いしますね。じゃ、今度こそあたしの用件は以上です」
雨堂聖理:スマホを構え 「どうぞ! 撮影していますので……カッコよく!」
田井中次郎:「え!?は!?」
田井中次郎:「……!」
田井中次郎:思考より先に身体が動き、かっこいいポーズを取る。日常の訓練の賜物だ。
雨堂聖理:「…………」
雨堂聖理:(さっきみたいに立ち去る感じを想定してたんだけど、まあいっか)
田井中次郎:「……」
田井中次郎:「もういいか……?」
雨堂聖理:「……はい、ありがとうございまーす。バッチリ撮れました。ナイス思い出!」
田井中次郎:「フン……そうか……」
田井中次郎:「ではさらばだ、雨堂聖理」
田井中次郎:「クク……ハーッハッハッハ!」
田井中次郎:コートをばさりと翻し、歩き去っていく。
雨堂聖理:その様子もきっちり動画撮影して
雨堂聖理:「……どっちも送ったろ」
雨堂聖理:「え!?は!?」 の辺りから入っているかっこいいポーズの動画と、かっこよく立ち去って高笑いを上げる姿を林藤さんに送る
雨堂聖理:(蛍じゃ動画ファイルは撮れないだろうしね)
雨堂聖理:それから立ち上がって、また少し伸びをしてから、復旧作業に戻っていく。
雨堂聖理:「……あたしたちは、負けない」
雨堂聖理:田井中次郎と楽しく話した、まだ笑みの残る唇で、しっかりとそう言葉にして。




GM:シーンを終了します



【ED/田井中次郎・林藤はるか】

GM:次のシーン。林藤さんと田井中くんのエンディングに参りましょうか
林藤はるか:はい!
GM:希望のシチュエーションはありますか?
林藤はるか:一日の復旧作業が終了した後で、そのまま病室にお見舞いに来てほしいです
GM:いいでしょう。
田井中次郎:私もそれで大丈夫です
GM:では描写を開始しましょう




GM:梶田記念病院611号室
GM:この病室には数か月前、ある患者が転院してきた。
GM:名前は林藤はるか。UGNで訓練を受けたチルドレンの一人だ。
GM:支部の復旧作業を終えた君、田井中次郎は
GM:いつもと同じように、彼女のお見舞いのために
GM:病室を訪れていました
田井中次郎:コン、コン、と。聞きなれたリズムでドアがノックされる。
林藤はるか:「はーい!」
林藤はるか:ノックの調子だけでも分かる。田井中さんだ。
林藤はるか:「入ってみてください、田井中さん!びっくりしますよ!」
田井中次郎:「……“ナイトメアブリンガー”だ」
田井中次郎:大荷物をずるずると引きずるようにして病室に入ってくる。
林藤はるか:「じゃーん!」
林藤はるか:「見てください!モニターだけじゃなくて」
林藤はるか:「アンプとスピーカーもつけたんです。重低音はあんまり鳴らさないようにって言われてますけど」
林藤はるか:「これまでより、ずっといい音でゲームしたり映画見たりできますよ!」
田井中次郎:「俺の部屋より充実している……!」戦慄。
田井中次郎:「やるな……“フォックスリンカ”」
田井中次郎:「どうやらお前を見くびっていたようだ……」
林藤はるか:「?」
林藤はるか:「その荷物はどうしたんですか?」
田井中次郎:「ああ、これは……」
田井中次郎:ごそごそと荷物を開ける。中からは大きめのゲーミングPC。
林藤はるか:「わあ」
田井中次郎:「あれがやりたいと言っていただろう……サメのゲーム」
田井中次郎:「Wi-Fiだと重いから有線でダウンロードしてきたという訳だ……クク……」
林藤はるか:「そんな手間までかけて」
林藤はるか:「でも、嬉しいです!田井中さんもゲームするところ見ててくれますよね」
田井中次郎:「ああ。それ気になるし……」アンプとスピーカーを見て。
田井中次郎:「その為に持ってきたんだからな」
林藤はるか:「私、実際に映画館に行ってみて、分かったんです」
林藤はるか:「映画館で見る映画がすごいのって、大きな画面以上に、音が違うんだって」
林藤はるか:「だからスピーカーもいいものにしたんですよ。ゲームにだって使えますしね」
田井中次郎:「……ああ」
田井中次郎:「いい選択だ」来客用の椅子に腰を下ろす。
林藤はるか:「あとスマホからも映像とか音声が出力できるように設定してもらって」
林藤はるか:リモコンを操作すると、大きなモニタに映像が映し出される。
林藤はるか>田井中次郎:「え!?は!?」
林藤はるか>田井中次郎:「……!」
林藤はるか>田井中次郎:思考より先に身体が動き、かっこいいポーズを取る。日常の訓練の賜物だ。
林藤はるか>田井中次郎:「……」
林藤はるか>田井中次郎:「もういいか……?」
林藤はるか:「スマホに入ってる動画も見れるんです」
田井中次郎:「…………」
田井中次郎:「動画じゃん!!」立ち上がる。
林藤はるか:「そうですけど……?」
田井中次郎:「え!?何で!?」
田井中次郎:「な……え……えっ…………!?」
林藤はるか:「雨堂さんから送られてきたんです。田井中さん、分かってて撮られてたわけじゃないんですか?」
田井中次郎:「雨堂聖理…………!」
田井中次郎:「許せん……!俺を騙していたのか……!?」
林藤はるか:「??」
田井中次郎:「お土産もくれていい人だなあと……思っていたのに……!」
田井中次郎:「裏切り者ダブルクロスめ…………!」
林藤はるか:「雨堂さんは頼りになる人だと思いますよ。無免許運転してますけど」
林藤はるか:「お土産ももらったんですか?」
田井中次郎:「あ……ああ……」我に返って、渋々と言った様子で箱を取り出す。
田井中次郎:「林藤へのお見舞いだそうだ」
田井中次郎:「二人で食べるよう言われている」
林藤はるか:「私にですか!?へえーっ、あけちゃってもいいでしょうか?」
田井中次郎:「ああ。暑いから悪くなる前にな」
林藤はるか:「ケーキみたいです。どういうお菓子なんですか?」
田井中次郎:「フォーチュンケーキというらしい」
林藤はるか:「フォーチュンケーキ……」
田井中次郎:「中におみくじが入っていて……運勢?を占うことが出来て」
田井中次郎:「若いカップルの間で流行っていると言っていたな」
田井中次郎:言われたことをそのまま話す。
林藤はるか:「フランスのエピファニーで食べるガレット・デ・ロワみたいですね」
田井中次郎:「え……何……」2/3が知らない言葉なのでオロオロする。
林藤はるか:「ご存知ですか?ガレット・デ・ロワは王冠を乗せたパイで」
林藤はるか:「中に小さな陶器の人形が入っているんです。それを引き当てた人が、パーティーの王様になれるお菓子なんですよ」
田井中次郎:「へえーっ……楽しそうだな」
林藤はるか:「田井中さんと食べてもきっと楽しいですよ!ぜひ一緒に食べましょう」
林藤はるか:「カップルの間で流行ってるってことは」ケーキを切り分けていきます。
林藤はるか:「世の中のカップルさんはこういうお菓子を食べてワクワクしてるんですねえ」
田井中次郎:「ああ……確かそんな感じで言ってたな」
田井中次郎:「二人の絆が深まるとか……何とか……」
林藤はるか:「ちょっと羨ましいですね。どの一切れがほしいですか?」
田井中次郎:「うーん……」真剣に吟味して。「林藤先に選んでいいよ」
林藤はるか:「じゃあ選んじゃいます」
林藤はるか:choice[当たり,外れ]
DoubleCross : (CHOICE[当たり,外れ]) → 外れ

林藤はるか:「こっちにしましょうか」
林藤はるか:「こっちのほうがちょっと大きいですかね?田井中さんは残りの方ですね」
田井中次郎:choice[当たり]
田井中次郎:「それじゃあ、こっち」
田井中次郎:残ったほうを皿に取ります。
林藤はるか:「ふふふ。おいしいですね」
林藤はるか:「紅茶とかも欲しくなりますね」
田井中次郎:「おいしいねこれ……食玩みたいな感じで味はあんまりなのかと思ってた」
田井中次郎:「今買ってくる?自販機でよければだけど」
林藤はるか:「あ!」
林藤はるか:「田井中さんの、それが当たりのやつじゃないですか?」
田井中次郎:「えっどれ!?」
林藤はるか:「端っこのほうです。私、埋まってるならその辺りだって思ってましたよ」
林藤はるか:「中心部だとナイフを入れる時に当たりやすくなっちゃいますからね」
田井中次郎:「あ、これか……!思ったよりちっちゃいな……」フォークで切り崩して、おみくじを取り出す。
田井中次郎:「ええと……」林藤さんの前で紙を広げる。
:『おすすめデートプランは美術館!芸術が二人の仲を深めてくれるかも?』
林藤はるか:「美術館ですって!」嬉しそうに言う。
田井中次郎:「……?」首を傾げる。「占い……?」
林藤はるか:「デートプランですよ!」
林藤はるか:「一緒に行く女の子とかいないんですか?」
田井中次郎:「ええ……?美術館?そうだなあ……」
田井中次郎:少し考え込みます。
田井中次郎:「…………」
林藤はるか:「絶対楽しいですよ!美術品って画面越しで見るのも面白いですけれど」
林藤はるか:「やっぱり実物を見てこそですから」
田井中次郎:「いない……」
田井中次郎:「あ」
田井中次郎:「いるよ」
林藤はるか:「どなたですか?」
田井中次郎:「林藤」
林藤はるか:「え……」
林藤はるか:「私じゃ、一緒には行けないですよ」
林藤はるか:「蛍でいいっていうなら別ですけど、あれはやっぱり任務じゃないと簡単には」
田井中次郎:「行けるよ」
林藤はるか:「ふふふ」
林藤はるか:「行けますかね?」
田井中次郎:「僕はそう思ってる。すぐにとはいかないかもしれないけど」
田井中次郎:「でも、行けるよ。きっと」
田井中次郎:「それに」
田井中次郎:少し笑って。
田井中次郎:「一緒に行くなら、誰かじゃなくて」
田井中次郎:「林藤がいいな」
林藤はるか:「……そうですね」
林藤はるか:「私……私も」
林藤はるか:「もしも、私のケーキが……当たりだったら」
林藤はるか:「田井中さんがいいなって……思ったと思います」
田井中次郎:「……良かった」
田井中次郎:嬉しそうに笑う。
田井中次郎:それから、真剣な顔になって。
田井中次郎:「……林藤」
林藤はるか:「はい」
田井中次郎:「ひとつ……決めたことがあるんだ」
田井中次郎:「聞いてくれるかな」
林藤はるか:「いつだって聞きますよ」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:林藤の顔を、首筋の小さな傷跡を見る。
田井中次郎:「……僕は」
田井中次郎:「……“カースマスター”を、倒すよ」
林藤はるか:「……………」
林藤はるか:「とても、危ないですよ」
林藤はるか:「心配です」
田井中次郎:「分かってる」
田井中次郎:己の掌を見て。
田井中次郎:「“カースマスター”と関わって……」
田井中次郎:「今、迷ってるんだ」
田井中次郎:「これまで信じてきた道が、本当に正しいのか……分からなくなった」
田井中次郎:「ずっと信じたいと、思ってきたことなのに」
林藤はるか:対峙した回数は僅かだけれど、それが分かる。
林藤はるか:“カースマスター”が、他のどんなジャームよりも本当に恐ろしいのは
林藤はるか:立ち向かう者の正しさを折る敵であるから。
田井中次郎:「……でも、それで、分かったことがある」
田井中次郎:「信じているだけじゃ、駄目なんだ」
田井中次郎:「証明しなきゃならない」
田井中次郎:「何かを信じたいのなら……それが本当に正しいことだって」
田井中次郎:「自分の手で、証明しなきゃ駄目なんだ」
林藤はるか:「私、私は」
林藤はるか:「田井中さんに……ずっと、田井中さんでいてほしいです」
林藤はるか:その正しさこそが田井中さんの——“ナイトメアブリンガー”の、本当のことなら。
林藤はるか:今度こそ、もしかして、それが砕かれてしまわないだろうか。
林藤はるか:自分をいつも心配してくれる人を、永遠に失ってしまわないだろうか。
田井中次郎:「うん」
林藤はるか:「心配です。田井中さん」
田井中次郎:「……うん」
林藤はるか:「……心配なんです」
田井中次郎:「……それじゃあ」
田井中次郎:「林藤に一つ、お願いしてもいいかな」
林藤はるか:「はい」
田井中次郎:「……」
田井中次郎:その瞳を見つめて。
田井中次郎:「……林藤はさ」
田井中次郎:「誰かを怒ったり……憎んだりしたくないって言うだろ」
林藤はるか:「そうですね。あまりそういうことも」
林藤はるか:「言いたくないんですけど。怒るのを我慢してるみたいに思われそうで、恥ずかしいですから」
田井中次郎:「うん」
田井中次郎:「……僕はさ」
田井中次郎:「それで、いいと思うんだ」
田井中次郎:「だって、誰かに怒るのってさ……つらいし、疲れるし……自分の方が、泣きたくなるだろ」
林藤はるか:「そう思います。いいことは、あんまりないですから」
田井中次郎:「うん。……本当は、怒りたいと思ってる人なんて……誰もいないと思うんだ」
田井中次郎:「……でも」
田井中次郎:「きっと、誰かが怒らなくちゃいけない時もあるんだ」
林藤はるか:「……」
田井中次郎:「誰かが声を上げて……理不尽に立ち向かわなきゃいけない時があると思うんだ」
田井中次郎:「それなら」
田井中次郎:「それなら……僕が、そうしようと思うんだ」
田井中次郎:「怒れない人の代わりに。立ち向かえない人の代わりに」
田井中次郎:「そう出来ない人は、きっと沢山いるから」
林藤はるか:「……もしも、誰かが怒る必要があるなら」
林藤はるか:「私は……」
林藤はるか:「……田井中さんなら、きっと正しく怒ってくれるって」
林藤はるか:「そう思ってます」
林藤はるか:「私が知ってる誰よりも、そうできる人ですから」
田井中次郎:「…………うん」
田井中次郎:微笑と共に頷いて。
田井中次郎:「……だからさ」
田井中次郎:「だから林藤には……」
田井中次郎:「……笑っていてほしいんだ」
田井中次郎:「どうしようもなく辛いことや、酷いことがあって」
田井中次郎:「もし僕が誰かを憎んで、怒って、自分の歩く道も分からなくなったとしても」
田井中次郎:「林藤が笑っていてくれたら」
田井中次郎:「いつも通りに、笑っていてくれたら」
田井中次郎:「……きっと、帰ってこられると思うんだ」
林藤はるか:「いいえ」
林藤はるか:「そんな心配しなくたっていいです」
林藤はるか:「だって、ずっと一緒じゃないですか」
林藤はるか:「離れていたって、私と田井中さんは、一緒に歩いていけます」
林藤はるか:「これからだって」
田井中次郎:「……」
林藤はるか:「私は“フォックスリンカ”ですよ」
田井中次郎:少しだけ、虚を突かれたような顔をして。
田井中次郎:それから、幸福そうに笑う。
田井中次郎:「ああ」
田井中次郎:「ああ、そうだ」
田井中次郎:顔を寄せ、額と額を合わせて。
田井中次郎:「俺は」
田井中次郎:「……“ナイトメアブリンガー”だ」

---

GM:田井中次郎の去った病室で。
林藤はるか:夜の病室の窓からは、ほとんど星も見えない。
林藤はるか:窓から漏れる街の明かりに、病室の輪郭が浮かぶ。
林藤はるか:いつも見てきた、静かで一人きりの世界。
林藤はるか:(……映画館)
林藤はるか:(楽しかったな)
林藤はるか:買った服は、あの日に一度着ただけだ。箱の中にしまわれて、次に着る機会はずっと来ないのかもしれない。
林藤はるか:(コッペパンも……外で、歩きながら、食べてみたらよかったのかも)
林藤はるか:私達は、戦っている。日常を呪う脅威があって、誰かが——“ナイトメアブリンガー”みたいなヒーローが、そういうものと戦わないといけない。
林藤はるか:私のこれまでの人生は、ずっと幸福で。
林藤はるか:それでもいつか、私達は離れ離れになるかもしれない。
林藤はるか:手の中にある小さなプラスチックのカードを、窓からの灯りに照らす。
林藤はるか>林藤はるか:「時間が来る前に、もう一つだけ」
林藤はるか>林藤はるか:「それは————」
林藤はるか:あの海辺の駅から戻る時に買った、電車のICカードだった。
林藤はるか:もう二度と使わないかもしれなくても。
林藤はるか:あの日に私は、確かに外の世界を歩いて。
林藤はるか:(いつだって、一緒ですから)
林藤はるか:想像する。次はどんなお店に行こう。通り過ぎていった駅のどこに停まろう。
林藤はるか:昼の世界も。朝の世界も。海の向こう側も。空の遠くの星だって。
林藤はるか:(だから、いつだって)
林藤はるか:それだけで、私は幸せになれる。
林藤はるか:(——私の夢を、連れて行って)














GM:エンディングを終了します
GM:これで、『集いし星々は運命を紡ぎ』
GM:全行程を終了します
GM:皆さんお疲れさまでした
雨堂聖理:お疲れさまでした!!
林藤はるか:ありがとうございました……心から感謝
新垣御守:おつかれさまでした…
田井中次郎:ありがとうございました………………………………………………………………………………
GM:……というのは
GM:嘘です。
林藤はるか:なっ
新垣御守:は!?
田井中次郎:何……
GM:では、最後のエンディングを始めます
雨堂聖理:えっ
GM:雨堂さんのエンディングです。登場をお願いします。



【ED2/雨堂聖理】

GM:……今日の復興作業が終わり。君は第二支部を後にし、家への帰路へついている
GM:日は暮れ、まだわずかに夕日の赤が残る、紫色の空には。雲に隠れ、薄っすらと星々が光り輝く。
GM:何処かの学校のブラスバンドが、まだ練習をしているようだ。遠くからラッパの音が聞こえる。
GM:赤い太陽の光を受け、長く伸びた君の影に……もう一つの影が重なる
如月聖人:「うー、どー、うー」「さぁーん!」後ろからたったとかけより、
如月聖人:「一体僕は、だぁーれでしょ~う~~~~」両手で君の目を覆う。
如月聖人:「かっ!」無邪気そうな声で尋ねる
雨堂聖理:「…………」
雨堂聖理:ため息交じりに、目を覆う手を押し退けて
如月聖人:「あはは!びっくりしました?」如月聖人だ。君と最後にあったときと同じように
如月聖人:頬にガーゼを当て、腕には包帯が巻かれている
雨堂聖理:「誰かは分かるんだけど」
雨堂聖理:「名前、覚えてないな。何て言ったっけ?」
如月聖人:「ええ~!ひどいなあ~!覚えてないんですか?」
如月聖人:「如月ですよ、如月聖人!あ、もしかして」
如月聖人:「連絡入れなかったの怒ってるんですか?えへへ~。雨堂さんも可愛い所あるんですね~」
雨堂聖理:こめかみを押さえて 「そう、うん、まあ」
雨堂聖理:「連絡入れなかったのを怒ってるのは事実。可愛い理由、っていうのは、そっちの思い込み」
雨堂聖理:「あんな切れ方で連絡が途絶えて、こっちからかけても通じなくって」
雨堂聖理:「そうなったら気を揉むのは当然でしょ?」
如月聖人:「相変わらず手厳しいなあ。許してくださいよお」
雨堂聖理:「…………」
如月聖人:「すみません。こっちに帰ってくるのに手間取って。連絡どころじゃなかったんです」
雨堂聖理:「帰ってくる?」
如月聖人:「理由をちゃんと説明するので。付いてきてもらえませんか?」
如月聖人:そう言って如月は、住宅街の方へ歩いていきます
雨堂聖理:黙ってついて行く。
如月聖人:その道中、突然こう切り出す
如月聖人:「ところで雨堂さん」
如月聖人:「貴女は、復讐ってどう思いますか?」
雨堂聖理:「……ふんわりした質問だなあ」
如月聖人:「人によっては、身命と人生をかけて、全部犠牲にしてでも達成したい」
如月聖人:「価値のあるものだったりするんですけど」
如月聖人:「肯定的か否定的かだけでいいから、教えてもらえませんか?」
雨堂聖理:「……どっちかと言えば肯定的」
雨堂聖理:「したいならすれば良い。それで、その人自身の何かを損なうことになったら……」
雨堂聖理:「そうだね。たとえば友達がそうしようとしてたら、あたしはきっと止めるよ。……だけど」
如月聖人:「だけど?」
雨堂聖理:「復讐そのものを否定する気はしない、かな」
雨堂聖理:(……だって、それは)
雨堂聖理:(あたしのスタートだ。復讐するという目標がなければ)
雨堂聖理:(あたしはここまで、たどり着けていない)
如月聖人:「へぇ~っ。実は僕は、復讐って」
如月聖人:「物凄く下らないことだと思ってるんです」
如月聖人:「だって、冷静に考えてみてくださいよ」
如月聖人:「身内が殺されて、殺した相手を殺して……って」
如月聖人:「ただ人が二人死んでるだけじゃないですか。とてつもなく非効率的な考えですよ」
如月聖人:「むしろ、一人殺されたなら」
如月聖人:「一人生んでもらわなきゃ計算が合わない。そう思いませんか?」
雨堂聖理:足を止める
雨堂聖理:「如月くん、何を……」
如月聖人:「あ、付きました。ここです」
GM:住宅街の中にある、普通の一軒家だ。表札はかかっていない
如月聖人:「どうぞ、遠慮なく入ってください」
雨堂聖理:「……何を言ってるの。ううん、何を言いたいの?」
如月聖人:「雨堂さん、僕はね」
如月聖人:「大N市に来るずっと前。この都市部に比べたら、恐ろしく僻地の田舎に住んでいたんです」
雨堂聖理:「…………」
雨堂聖理:……彼は。自分の知っている彼なんだろうか。
雨堂聖理:それとも、あの日、連絡が途絶えてから、変わってしまったのだろうか。
雨堂聖理:分からない。どちらかだろうという、判断ができない。
如月聖人:「あの時の僕は無学で、父さんが殺されたと知った夜も」
如月聖人:「何もできずただ泣いているだけでした」
如月聖人:「そんな僕のもとに、ある日。尊大な和装の幽霊が化けてでてきて、こう言ったんです」
如月聖人:「『貴方は私ですら恐れる才を秘めている、故に。憎悪にとらわれてはなりませんよ』って。面白いですよね」
如月聖人:「その幽霊より僕のほうが強いなら、別に」
如月聖人:「従う理由なんて無いじゃないですか?」
如月聖人:ドアを開ける。廊下を抜けたリビングには
GM:胎児の……人間の胎児が入ったフラスコが、大量に並んでいる
雨堂聖理:言葉を失う。
GM:胎児がある大きさまで育つと
GM:フラスコは逆さまになり、中にはいっていた胎児はその下にある
GM:硫酸の水槽の中へ落ちていく
フラスコの中の胎児:「ぎいいいいいいいいいいああああああああああーっ」
雨堂聖理:「…………」
雨堂聖理:「……殺してる」
雨堂聖理:「ただ数を稼ぐために、殺して」
如月聖人:壁にかけてあったローブを羽織る
如月聖人:「そうです。そのためにこの子達を生んだんです」
如月聖人:「これで、儀式を勝ち残り。“カースマスター”を殺します」
雨堂聖理:「——"マスターウィザード"」
マスターウィザード:「はじめまして、“因果夜船”シンギュラルアーク
マスターウィザード:「あの日……はじめて僕がこの街に来て」
マスターウィザード:「絡んできた二人を、殺そうとしていた時」
マスターウィザード:「貴女が来て……」
マスターウィザード:「僕は運命を感じたんです」
マスターウィザード:「ねえ、雨堂さん」
マスターウィザード:「僕の子供を生んでくれませんか?」
マスターウィザード:「ああ、その前に」
マスターウィザード:「結婚式は、何時あげましょうか」
マスターウィザード:「ワクワクしますね」
GM:その日の夜は、雲ひとつ無く晴れ渡っていて
GM:恐ろしいくらいはっきりと、彼の笑顔を照らし出していた。



GM:『集いし星々は運命を紡ぎ』
GM:終わり
GM:『そして、闇夜へ漕ぎ出して』へ
GM:続く