聖絶せよアフトピストス
メインログ/雑談ログ
Trailer
九霄市。
長閑な緑に囲まれたこの地方都市は今、未曾有の混乱の渦中にあった。
輸送車両襲撃。
九霄大学爆破事件。
頻発するオーヴァード同士の戦闘。
事態を解決すべく、UGNは九霄支部にエージェントの派遣を決定した。
だがそれら全ては、これから巻き起こる嵐の、ほんの前触れに過ぎなかった。
『バチカン典礼秘跡省特務外征隊』
『霹靂殺手』
『ルカの手紙』
『ジャーヒリーヤ』
『東の民』
『聖剣カリドゥミナ』
『ダドエルの穴』
『東方イスラーム殉教者旅団』
そして──『蛇』
信仰と思想、民族と組織、神と人。
折り重なった濁流、憎悪と怨恨の只中で、幼子たちは血を流す。
Double Cross The 3rd edition『聖絶せよアフトピストス』
ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。
Index
Opening
【OP/峯川千墨】
【OP/赤川累】
【OP/木花小夜】
【OP/九十八九十九】
【OP/軽部龍授】
Middle phase
【Middle1】
【Middle2】
【Middle3】
【RHO/赤川累】
【Middle4】
【RHO/軽部龍授】
【RHO/峯川千墨】
【Interlude】
【Middle5】
【Interlude2】
【Middle6】
【RHO/九十八九十九】
【RHO/木花小夜】
【Middle7】
Climax
【Climax】
【Climax2】
Ending
【ED/合同】
【ED/九十八九十九-A】
【ED/軽部龍授】
【ED/峯川千墨】
【ED/九十八九十九-B】
【ED/赤川累】
【ED/木花小夜】
Preplay
GM:というわけでセッションはじめていきましょう まずは自己紹介から!
GM:(キャラシート)
GM:PC1の木花さんから順番にお願いします!
木花小夜:はいっ
木花小夜:きばな・さよ。平庭市所属のUGNエージェントです。
木花小夜:元UGNチルドレン→壊滅してFHに→投降してUGNエージェント、の経歴をたどっています。
GM:大変な人生
木花小夜:元々は強力なサラマンダー能力者でしたが、死にかけた時に能力が変質し
木花小夜:今では従者を展開して強引にサラマンダー能力を引き出す形になっています。
GM:工夫してるぜ
木花小夜:今はUGNチルドレンの待遇改善を果たすために
木花小夜:本部エージェント目指して彼氏と頑張ってます
GM:小夜……
木花小夜:性能としてはは氷の茨利用型の従者使いで
木花小夜:ダメージを与えない強制移動を主従巻き込んで敵ごと撃つのを
木花小夜:主従で2回撃って4回茨起動します。
GM:何言ってんだ
木花小夜:200点に成長するに当たり、ハーメルンの笛と宵闇の魔花を取得し
木花小夜:より着実に命中を上げながらサポートも狙う形になりました。
木花小夜:そんな感じ!よろしくおねがいします
GM:見たことないアイテム持ってる……
GM:そんな木花さんのHOはこちら!
PC1:木花小夜
シナリオロイス:風花春悠 推奨感情:慕情/隔意
君は中央評議員を目指すUGNエージェントだ。
九霄大学爆破事件の捜査要員として招集されたのと同時期、君の恋人であり志を同じくするエージェント、“シンダーブレイズ”風花春悠は君に一足先んじて、正式採用を見据えた日本支部での研修に出発しようとしていた。
別れ際、風花は君に今回の事件に対する注目度と、解決すれば君にも栄転への道が拓けるだろうことを話し、そしてもう一つ、ある忠告をするのだった。
この事件を解決に導くことは、君の夢への第一歩となるだろう。
GM:彼氏が一足先に昇進しようとしています
木花小夜:そんな……
木花小夜:うれしい
GM:小夜……
GM:やばい事件なので解決すれば昇進間違いなしだぜ!という感じです
木花小夜:なるほどね
GM:というわけでエージェントとして働きぶりを示してください
木花小夜:はーい がんばります
GM:ではお次!
GM:(キャラシート)
GM:PC2の赤川くんお願いします!
赤川累:はーい
赤川累:赤川累。元覚醒枠の故郷家族全滅青年であり、新人UGNエージェントです。
赤川累:色々あって大N市ぶりの稼働となります。
GM:初手村焼き
赤川累:ヤヒロさんに描いていただいたこの立ち絵も1年くらい寝かせてしまっていたので、使えてうれしいです。
赤川累:真面目で気難しい人物ですが、なんやかんや当社比軟化しつつあるとは言われています。
赤川累:病死していく母の苦しみを見る中で人の命を救いたいと考えて医者を志しており、レネゲイドに出会った現在もその根本は変わっていません。
GM:立派だ……
赤川累:オーヴァードとしては、とあるミステリアスな美少女に与えられた遺産のパワーで触れたものを灰に変える力を持っている攻撃型物質変成能力者です。
赤川累:データ的には……そこそこ高い行動値からそこそこな威力の範囲攻撃を打ちます。侵蝕効率はやや悪めくらい。
赤川累:わかんない謎はインスピレーションでなんとかするぜ。
赤川累:そんな感じかな~ よろしくお願いします!
GM:OK!そんな赤川くんのHOはこちら
PC2:赤川累
シナリオロイス:北見菫 推奨感情:任意
君は故郷を失った新人UGNエージェントだ。
エージェントであると同時に一人の高校生である君は、友人の北見菫と共に九霄大学のオープンキャンパスを訪れていた。
君達が過去、そして将来に思いを馳せていた時、突如として爆発が巻き起こり、和やかなオープンキャンパスは一転、惨劇の舞台となった。
GM:この北見という女は赤川くんの故郷を滅ぼすのに加担した張本人です
赤川累:そろそろ進路の事も考えなきゃいけないからね
赤川累:そんな自己紹介ある?
赤川累:そうだが……
GM:二人で仲良くオープンキャンパスしてね
赤川累:サキュバスの娘なんかに絶対負けない がんばります
GM:ではお次!
GM:(キャラシート)
GM:PC3の峯川さんお願いします!
峯川千墨:はい。
峯川千墨:峯川千墨(みねかわ ちずみ)。FHチルドレンから転向してUGNエージェントをやっています。
GM:君もか……
峯川千墨:かつては広範囲に影響を及ぼす能力をぶんぶん振り回してブイブイ言わせていましたが
峯川千墨:UGNで出会った先輩によく懐いているため現在は良い子です。本当だよ。
GM:じゃあよかったぜ
峯川千墨:今も昔の癖でちょっと壊し過ぎることはあるけど良い子です
GM:ほんとかな……
峯川千墨:古代種のキャリアで年齢不詳だったりもするけど良い子です
GM:こわ……
峯川千墨:性能的には相手のドッジダイスを減らしまくることで雨粒の矢を当てられないかな~というキャラ。
峯川千墨:副産物としてドッジダイス以外も減らします。行動値もちょっと減らす。
GM:勘弁してくれ~~
峯川千墨:そんなところでしょうか。先輩のために頑張るぞ。
GM:OK そんな良い子のHOはこちら!
PC3:峯川千墨
シナリオロイス:舞浜ちよ 推奨感情:懐き/心配
君は元FHチルドレンのUGNエージェントだ。
戦闘において優秀な成績を残す君だが、その手口については過分に過剰であるとの意見が度々取り沙汰され、その度に監督役である舞浜ちよを困らせている。
そんな中、君は任務中に追い詰めた敵に対してまた『やりすぎ』てしまい、必要な尋問が不可能な状態にしてしまった。
このままでは君のエージェント資格が危ういと共に、舞浜の責任まで問われかねない事態だ。
君は今回の任務を通じて、しっかりと自制ができる一人前のエージェントであると示す必要がある。
GM:またやりすぎちゃいましたね
峯川千墨:えへへ
GM:このままだとマジでクビだし先輩もマジで怒られるので頑張ってください!
峯川千墨:頑張ります!よろしくお願いします!
GM:では四人目!
GM:(キャラシート)
GM:PC4の軽部くんお願いします!
軽部龍授:はい。軽部龍授(かるべ りゅうじゅ)フリーランスの高校生っぽい用心棒です。
軽部龍授:ヤクザの用心棒してヤクザ斬ったり、SOG斬ったり、FH斬ったりしています。
GM:みんな斬ってる
軽部龍授:堅気に手を出した奴は概ね斬って良かろう。くらいのブレードハッピーです。ブレードジャンキーかもしれません。
GM:やばいやつ!
軽部龍授:伝統ある流派の免許皆伝を授かりながら私闘に興じて破門されたりもしていますが、些末な事。
GM:些末かな……
軽部龍授:能力は、死神の爪と原初で取得した獣の王という二大リア不エフェクトで絶対リア不攻撃を複数回繰り出します。
GM:嫌すぎるよ~~~
軽部龍授:そして、今回は高経験点環境なので真面目に防御能力を考えて雲散霧消と、原初でパチった隆起する大地を最大レベルで取得。
軽部龍授:大体1ラウンドに1回50点くらいの範囲ダメージを軽減します。今の環境だとどのくらい役に立つか未知数ですが、頑張ります。
GM:かたすぎ!
軽部龍授:こんなところですかね。
GM:このキャラで今回のPC内でいちばんちゃんと防御している
GM:OK!では軽部くんのHOはこちら!
PC4:軽部龍授
シナリオロイス:“霹靂殺手” 推奨感情:好敵手/敵愾心
君はフリーランスの用心棒だ。
仕事の上で幾度となく君と相対し、いつしか君のライバルのような存在となった男、“霹靂殺手”。
君と同じくフリーランスである彼は、いま世間を賑わせている大学爆破事件の最大の容疑者なのだという。彼は君ほど情や正義に拘る性質では無かったが、君の知っている彼の手口と今回の事件は、どうにも噛み合わないように感じられる。
彼の行方を追い、真実を突き止め……その事と次第によっては、とうとう決着をつける時が来たのかもしれない。
GM:因縁の相手がなんかとんでもないことをやらかしたっぽいです
軽部龍授:フッ…死闘の臭い。宿敵と言うやつですね。
GM:ホントなのかな?ということで調べてみてください
軽部龍授:了解です!私は情や正義にも拘りを見せる男なので!
GM:頑張ってください!それではラスト!
GM:(キャラシート)
GM:PC5の九十八さんお願いします!
九十八九十九:はいは~い
九十八九十九:九十八九十九(にたらずつくも)。UGN九霄市支部の支部長を務める高校3年生で~す
九十八九十九:昔はかなり優秀なチルドレンで、本部の特別チームから誘われたとか誘われてないとかの話もあったんですが、
九十八九十九:今は過去の栄光見る影もなく、支部長特権に胡座をかいて遊び放題のサボり放題、
九十八九十九:一日の大半を保健室で寝るか部室で寝るかして過ごしています。バッキバキに割れてた腹筋もタップタプです。
GM:また悪い女だ……
九十八九十九:学校では天文部の部長をやってますが、理由は夜中に出歩いてるのが見つかっても言い訳できるからで別に星に興味はないです。
九十八九十九:屋上で内緒の話もできるしね。部室は私専用の寝室だからイリーガルの子とのミーティングは屋上でやるんだ。
GM:悪すぎる
九十八九十九:ちなみに、九霄市が今まで比較的平和だったのもあって正規の支部員は私だけです。監査の人からは色々言われるけどまあそれで回ってるし~?で通してます。
GM:ナンがでかすぎる支部
九十八九十九:戦闘スタイルはとにかくアンチマテリアルライフルをブッパします。NCで追加された予備弾倉をいっぱい持ってるから何度でもブッパできるぞい
GM:ノイマンといえばアンチマテリアルライフル
九十八九十九:侵蝕低いうちから最高火力を出せるけど100%を超えても別に強くはならない安定型です。本気の出し方忘れちゃったな~
GM:ゆるみきっている……
九十八九十九:そんな感じでのんべんだらりとやっていきたいと思います!よろしくお願いします~
GM:OK!そんな九十八さんのHOはこちら!
PC5:九十八九十九
シナリオロイス:白土夏希 推奨感情:有為/警戒
君はUGN九霄支部の支部長だ。
九霄大学で起きた爆破テロは世間の大きな注目を集め、いつもは静かな九霄市には不穏な気配が漂っていた。更に市内で頻発するオーヴァード同士の戦闘に、危険勢力の来日情報……とても一人では手が回らない。
UGN上層部は九霄支部に多数の人員の派遣を決定した。特にそのうちの一人である“ポーラー”白土夏希は、全面的に君のバックアップに充てられるという。
君は九霄市を預かる支部長として、人員を束ね、街に平和を取り戻さねばならない。
GM:いつもは暇なのになんかメチャメチャ忙しいです
九十八九十九:ヤダ~~~~~ッ
九十八九十九:白戸くんにまかせて寝ます
GM:なんてやつだ
GM:助っ人がいっぱい来るらしいのでちゃんとこきつかって事件解決してね
九十八九十九:うへぇ~、働いてないのに忙しいよ~
GM:矛盾してる
GM:なお今回は一部RHOを用意しているPCがいます。
GM:この中の誰が薄汚いダブルクロス野郎なのかテレビの前のみんなも予想してみよう!
木花小夜:怪しいやつ多すぎる
GM:というわけで『聖絶せよアフトピストス』始めていきましょう
赤川累:みんな怪しすぎ!
九十八九十九:うちらの中に裏切り者なんているはず無いよ~
軽部龍授:私は趣味の人斬りなので怪しくないよ!やったー♪スタート!
峯川千墨:ワオワオ
しかし、たといわたしたちであろうと、天からの御使であろうと、わたしたちが宣べ伝えた福音に反することをあなたがたに宣べ伝えるなら、その人はのろわるべきである。
わたしたちが前に言っておいたように、今わたしは重ねて言う。もしある人が、あなたがたの受けいれた福音に反することを宣べ伝えているなら、その人はのろわるべきである。
────ガラテヤ人への手紙 8-9
【OP/峯川千墨】
GM:峯川さんのOPです。登場侵蝕をお願いします。このセッションでは登場判定を1D10と1D3+3どちらか選んで行えます。
峯川千墨:なに~?
峯川千墨:そんなの1d3+3でやるしかないよ
峯川千墨:30+1d3+3
DoubleCross : (30+1D3+3) → 30+1[1]+3 → 34
九霄市近郊 貨物列車上
GM:九月某日。遺産監理局から遺産を運搬中の輸送車両が、九霄市の路上でオーヴァードによる襲撃を受けた。
GM:犯人は積荷を奪って逃走、UGNの追手を振り切るべく貨物列車に飛び乗った……だが。
“クラッドラッド”:「ハァーッ!ハァーッ!」
“クラッドラッド”:トレンチコートの男が、石材を満載した列車の車両上で荒い息を吐く。
“クラッドラッド”:「畜生ッ!どこまで追いかけてきやがるんだ……イカれてやがる!」
“クラッドラッド”:「俺が一体何したってんだよ……エェッ!?畜生!!」
舞浜ちよ:「……動かないでください!」
舞浜ちよ:列車上、子供のような小柄な影が男へと呼び掛ける。
舞浜ちよ:UGNエージェント、舞浜ちよ。140センチ台の身長につぶらな瞳。外見は小学生にしか見えないが、歴とした成人女性である。
舞浜ちよ:「もう逃げ場はありませんよ!大人しく投降してください!」
“クラッドラッド”:「うるせェーッ!寄るんじゃあねェーッ!!」
“クラッドラッド”:刃物のように変形させた腕を振り回す「それ以上近付いたらブッ殺すぞーッ!!」
舞浜ちよ:通信機から困ったような声「……どうしよう、千墨ちゃん?」
峯川千墨:男を挟んで反対側。
峯川千墨:スーツ姿の長身の女が、吹き荒れる風に髪を煽らせて──
峯川千墨:「……なら」
峯川千墨:「決まってる」
峯川千墨:「近づかなきゃァ良いんッスよ」
峯川千墨:指の関節を鳴らす。
舞浜ちよ:「えっ……?」
峯川千墨:同時。男の懐から湧き出すものがある。
峯川千墨:水だ。その内に雪片の如く何がしかの結晶を舞わせる水。
峯川千墨:それが瞬時に膨れ上がり、水球となって男を包み、自由を奪う。
“クラッドラッド”:「冷てえっ……!?なんだこ……ゴボッ……!?」
“クラッドラッド”:水球の中で骨の剣を振り回し、激しくもがく。
峯川千墨:「動くんじゃねえぞテメエ」天に手を差し上げる。その上方に結晶が集う。
“クラッドラッド”:「てべぇッ……ガボッ……!やめ……ゴホッ……ふざけんじゃあねえこのクソ女……ガバッ……」
“クラッドラッド”:必死の足掻きで蹴り上げられた小石が、君や舞浜へと飛んでくる。
舞浜ちよ:「痛っ……」
舞浜ちよ:小さな額に石が当たり、顔を顰める。
峯川千墨:「あァ……?」
峯川千墨:自分の側にも礫が飛んでくるが、そちらは気に留めずに。
“クラッドラッド”:「クソ女どぼっ……!今すぐ沈めてやろうか……ゴボボッ……!」
“クラッドラッド”:男は怒りの形相で足掻いている。
“クラッドラッド”:「そっちの小せえのからぶっ壊して……ガボッ……」
峯川千墨:「黙っとけや」
峯川千墨:掲げられた結晶が育つ。
舞浜ちよ:血の滲んだ額を抑え、ハッとした顔をする
舞浜ちよ:「ち……千墨ちゃん!私は大丈夫だから……!」
峯川千墨:やがて形成されるのは、白亜の槍を幾本にも束ねたかの如き形状。
峯川千墨:「決めてんだよ」
峯川千墨:「先輩に舐めた真似しやがった奴は」
峯川千墨:「──ぶっ殺す!」
峯川千墨:それを、放つ。
峯川千墨:槍が砲弾と化して飛び、男を貫き……
“クラッドラッド”:「グギッ……ギャアアーアァアアッ!!」
“クラッドラッド”:次々に槍に貫かれ、水球が赤く染まる。
峯川千墨:のみならず、積まれた石材、列車自体、線路にまで破壊の余波を及ぼす。
舞浜ちよ:「ああ~~~~~っ!!」
GM:金属の車体がひしゃげ、火花が散り、甲高い不協和音が鳴り響く。
峯川千墨:「オラア!」
峯川千墨:「投降しろテメエ! さもなきゃ死ね!」
峯川千墨:蛇行を始めた列車上に立ち続け、なお生成した刃を放ち続ける。
“クラッドラッド”:「ギッ…… ゴボ……」
“クラッドラッド”:抵抗らしい抵抗もできず、マリオネットのように刃を受けては身体が踊る。
舞浜ちよ:「わーーーっ!!千墨ちゃん!!」
舞浜ちよ:男ではなく君の方に駆け寄って、足元に縋りつく。
峯川千墨:「大丈夫ッス先輩!」
峯川千墨:「すぐ終わるんで!」
舞浜ちよ:「やりすぎ!やりすぎだよぉ~~!!」
舞浜ちよ:「死んじゃうから!もうやめて千墨ちゃん!!」
峯川千墨:「エェ?」
峯川千墨:不思議そうにして止める。
“クラッドラッド”:「…………」
“クラッドラッド”:ボロ雑巾のようになって車両上に倒れ伏している。
峯川千墨:「降参してねッスよアイツ」
舞浜ちよ:「もう喋れないよ~~!」
GM:列車は次第に減速し、止まる。先程の攻撃で車両に異常が出たのか。
舞浜ちよ:「ていうか電車……止まっちゃった……あぁ~~っ」
舞浜ちよ:頭を抱えて右往左往する「どうしよう~~~~!?」
峯川千墨:「タクシー拾います?」
舞浜ちよ:「そういう問題じゃないよ~~~~~!!」
峯川千墨:「はァ」
舞浜ちよ:急いで男の応急処置に入る「大丈夫ですか?聞こえてますか…… ヒェッ!息してない!」
舞浜ちよ:「千墨ちゃんはいつも張り切りすぎだよ~~……」
峯川千墨:「はい! 恐縮ッス!」
舞浜ちよ:「そうだね、いつも頑張ってて立派だね……」
舞浜ちよ:「って褒めてないよ~~~~!!」
峯川千墨:「禅問答スね」
峯川千墨:線路沿いの様相は小規模なクレーター群じみている。
峯川千墨:「あ」
峯川千墨:「先輩髪大丈夫ッスか?」
舞浜ちよ:「髪?」首を傾げる
峯川千墨:「めっちゃ風強かったし……自分櫛持ってるんで。使います?」
舞浜ちよ:「そんなのどうでもいいよ~~!」衣服も髪も乱れているが、そんなことを気にしている場合ではない。
舞浜ちよ:「いつも言ってるでしょ、千墨ちゃん!ボコボコにすればいいってものじゃないの!」
舞浜ちよ:「UGNの一員として、それに相応しく適度なボコボコで抑えないとダメなんだよ!」
舞浜ちよ:「ボコボくらいで我慢して!わかった?」
峯川千墨:「アー……」そういえば最初の方にそんなことを言われた気もするのを思い出した。
峯川千墨:「今のソイツでどんくらいスか」
舞浜ちよ:「これはボコボコボコのボコだね……」
峯川千墨:「マジすか。ヤバ」
舞浜ちよ:「やばいんだよ~!も~!」
舞浜ちよ:「私また怒られちゃうよ~。千墨ちゃんもこうやって怒られるのやでしょ?」
峯川千墨:「ウス……」
峯川千墨:「先輩が怒られんのは嫌ッス」
舞浜ちよ:「じゃあ約束!」君に向け小さな小指を差し出す。
舞浜ちよ:「次からは適度にやりすぎないこと!わかった?」
峯川千墨:「気ィ付けます」真面目な顔で答え、差し出された指を見て。
峯川千墨:「エー……」
峯川千墨:「どっか痛めました?」
舞浜ちよ:「指切りしらないの!?」がくぜんとした顔
峯川千墨:「エンコ詰めんスか!?」
峯川千墨:「先輩がやるくらいならアタシがやります!」
舞浜ちよ:「指は切らないよ~~!」
舞浜ちよ:「こうやって……」君の手を取り、にぎにぎと小指を握らせる。
舞浜ちよ:「指切りげんまん……」
舞浜ちよ:「拳骨万回はだめだな……」
舞浜ちよ:「嘘ついたら……」
舞浜ちよ:「針千本もだめだな……」
峯川千墨:「斬り落とすよりキツそッスね」
舞浜ちよ:「……とにかくこうやるのが大事な約束の合図なの!」
舞浜ちよ:「ちゃんと守ってね。出来たらごほうびあげるから」
峯川千墨:「大事な約束……」
峯川千墨:指切りのために屈んだ姿勢から視線を上げ、目を合わせる。
峯川千墨:「分かりました」
峯川千墨:「絶対ェ守ります。先輩の後輩なんで」
舞浜ちよ:「ん、よかった!」にっこりと笑う。
“クラッドラッド”:「……」ひっそりと死にかけている。
GM:こうして、君達は任務通りに車両襲撃犯を捕えることに成功した。
GM:だが犯人は著しい負傷によりとても尋問などできる状態ではなく、犯行の詳細や盗まれた積荷の行方は不明のままであり……
GM:また、破壊された列車と線路によって路線の運行ダイヤには大きな乱れが生じ、数万人に影響、多大なる損額が出た。
GM:君とその監督責任者である舞浜はこっぴどく叱られ、次にまた同じようなことがあれば責任は負いかねる、とまで──即ち、解雇への最後通告を言い渡されるのだった。
GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能です。
峯川千墨:先輩が固定ロイスに入っているので……これを
峯川千墨:舞浜ちよ ○懐き/心配 に変更する形で改めて取ります
GM:OK!
【OP/赤川累】
GM:赤川くんのOPです。登場どうぞ!
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (40 → 44)
九霄市 九霄大学キャンパス
GM:私立九霄大学は、九霄市近辺で唯一の大学であり、緑の多いこの地方都市において地域経済の中心にもなっている場所だ。
GM:この日、君──赤川累は、友人である北見菫に誘われる形で、この大学のオープンキャンパスに訪れていた。
GM:それなりに人気のある学校らしく、構内には君と同じような高校生らしき姿があちこちに見受けられ、若い活気に溢れている。
北見菫:「ここの学食、カレーが有名らしいわよ」
北見菫:案内図に視線を落としながら、小柄な少女が君に話しかける。
北見菫:北見菫。君の友人だ。ツインテールに結んだ黒髪が、大きな双眸を持った少女らしい顔立ちによく似合っている。
北見菫:「赤川くんは辛いの好きなんだっけ」
赤川累:「好きでも嫌いでもないな。……食べに行きたいのか?」
北見菫:「そうね。カレーはともかく、通うなら学食の味は大事だし…… ……何よ、テンション低いわね」
北見菫:「こんな可愛い子と休日を一緒に過ごせるんだから、もっと楽しそうにしたらどう?」
北見菫:制服姿で胸に手を置く。
赤川累:「そっちは随分元気があるようで何よりだよ」
赤川累:ふう、と少し溜息をつく。「昨夜、急の任務で呼び出されてね。十分に寝付けていなかったかもしれない」
赤川累:「顔に出ていたなら悪かった」
北見菫:「あら、そうなの。お疲れ様」
北見菫:疲れた赤川くんを連れまわしていることを大して気にしている様子は無い。自分のような美少女と一緒にいるのはむしろ癒しになるからである。
北見菫:「赤川くんは、進路はもう決まってるの?」
赤川累:「学部は決めてるけど、大学はまだだな」
北見菫:「そう、大学は行くのね。良かった」
赤川累:「いっそ大学に行かずにUGNの方に専念することも、少しは考えたけど」
北見菫:「やっぱり……」
赤川累:「表の社会で通じる学歴や資格もあった方が、色々と都合が良さそうだからな」
北見菫:「そうよ。大体UGNなんて履歴書にも書けないじゃない」
赤川累:「考えるくらいはしてもいいだろ。研究や勉強をするためというなら、UGNに居るだけで十分な設備があるんだし」
北見菫:「5年後にはどうなってるか分からない組織だし、大学にはちゃんと行った方がいいわよ」
赤川累:「まあ、それも最もだ」
赤川累:「そう言う北見さんはどうするんだ、進路」
北見菫:案内図を広げ「私はここ、前から気になってたのよね」
北見菫:「設備が充実してるのよ。学食は美味しいらしいし、図書館も大きい。生徒はスパコンも使えるらしいし……ジムまであって」
北見菫:「それに何より……」
赤川累:「何より?」
北見菫:「チャペルがあるのよ」少しテンション高めに言う。
北見菫:北見は君の故郷にいた頃からクリスチャンだった。当時は身体が弱く、外を出歩くのも大変だったはずだが、毎日のように君の実家であった教会に通っていた。
赤川累:「ああ……」そういえば、地図の端の方に見かけたなと思う。
北見菫:「興味なさそうね」
赤川累:「まあ。俺はクリスチャンじゃなくて、教会の家の子ってだけだからな」
北見菫:「教会の家の子なら、もう少し思うところあってもよさそうだけど……」
赤川累:「思う所って言ってもな……別に、見てみたいななんてならないよ」
赤川累:「北見さんだって、通院する度にそこの病院の設備の充実度なんて気にしないだろう」
赤川累:彼女の父が診療所を営んでいたことを引き合いに出しながら。
北見菫:「うーん……そういうもの?」
北見菫:「赤川くんは、そういうの全然信じないのかしら」
赤川累:「そうだね、信じてないよ」
北見菫:「大変じゃない?それって」
赤川累:「……都合のいい天運に縋りたい気持ちを持つことはないでもないよ。それを神様って呼んでる人もいるんだろうけど」
赤川累:「俺は、ちゃんとした信仰を持って生きてる人間を間近で見てたから。そういう半端なものを信心とは呼ばないようにしたい」
北見菫:「そうね。あなたはそうでしょうけど」神父であった君の父を思い出すように
北見菫:「私は……何ていうのかな。小さい頃からずっとだから」
北見菫:「『そうじゃない』気持ちのほうが分からなくて。例えば、そうね……」
北見菫:「私もそこまで敬虔なクリスチャンってわけじゃないから、正直なところ聖書より進化論のほうが正しいと思ってるし、洪水とか、復活とか、水をワインに……みたいな話を全部信じてるわけじゃないのよ」
北見菫:「でも、何かに迷った時とか……どうしようもない理不尽に襲われたような時」
北見菫:「そういう時に、自分だけじゃない拠り所……絶対的な判断基準があるっていうのは、すごく救われるの」
北見菫:「あなたは、信仰では救えないもののために医学を志したけど……」
北見菫:「逆もあるのよ。医学では救えず、信仰でしか救われないものもある」
北見菫:長く患っていた自分を思い出すように、少し目を伏せながら話す。
赤川累:どうしようもない理不尽。それは彼女にとっての病であったり、あるいは故郷の島に根ざした悪意であったり、世界中を襲った災厄の事であったりするのだろう。
赤川累:後の方の二つは、自分も彼女と近い立場で見届け、立ち向かってきたものだ。自分とて、そこに不安はあったし……それが示唆する先についても、分からないでもない。
赤川累:「……つまり、俺が苦しんでるんじゃないかって心配してくれてるのか」
赤川累:「ありがとう。でも、そうだな……」
赤川累:「俺は別に、そうやって頼る先が神様じゃなくたっていいと思ってる」
赤川累:「誰かとの約束だったり、家族のように大事な相手の事だったり……それが、世界にとって絶対的なものでなくたって」
赤川累:「俺にとって絶対的な、守るべき繋がりだって事が分かっていれば……それが暗い霧の中で標になる」
北見菫:「……赤川くんらしいわね」微笑する。
北見菫:「……何だか湿っぽい話になっちゃったわね。私たち二人だとどうもダメね」
北見菫:「澪央がいたら喜んだかしら、ここ。オシャレだし」
赤川累:「ふ……そうだな。はしゃぎ回ってたんじゃないか」
赤川累:「こんなに広い学校、あっちにはなかったからな」
北見菫:「そうよね。高校だってあれだったし……」
北見菫:「……そうそう。ここ、私立だけど独自の奨学金があるのよ」
北見菫:「給付型だから返済不要だし、まひろさんにも迷惑かけずに……」
GM:その時、君達の全身をレネゲイドの圧力が包む。
GM:ざわざわと、肌がひりつくような感覚──《ワーディング》だ。
赤川累:「……!」
北見菫:「……!? これって……!」
GM:ここで《知覚》で判定をどうぞ。
赤川累:周囲を見渡す。倒れていく人々の影を見ながら、発生源に当たりをつけようとして。
赤川累:エフェクト使ってでも成功した方がいいやつかな
GM:そこまでではないです
赤川累:じゃあ素でやっとこ
赤川累:2dx 知覚
DoubleCross : (2DX10) → 10[5,10]+7[7] → 17
GM:高い!
赤川累:いっぱい回った
赤川累:隣に美少女がいたからかもしれん
GM:では君の耳に、倒れていく人々の物音や呻き声に混ざって、遠くから微かに銃声が聞こえます。
赤川累:「……あっちだな。北見さん、手伝えるか?」
赤川累:自分が対処することは当然としても、彼女の体調の心配をしている。
北見菫:「え、ええ……」銃声には気付いていないようだが、頷く。
北見菫:「でも、こんな場所でワーディングなんて……」
GM:瞬間、君の目の前の壁が吹き飛ぶ。
GM:轟音、地響き、土煙……炎。
赤川累:「ああ、まだ目的は分からないが……!」
赤川累:彼女を庇うように立ち、右腕のレネゲイドを励起する。爆散する瓦礫を弾き、黒ずんだ灰へと変える。
北見菫:「っ……赤川くん!」
GM:あちこちから立て続けに爆発が巻き起こり、ガラスが一斉に砕け散る。
GM:大きな揺れと共に、天井が大量の瓦礫と化して崩落してくる。
赤川累:「っ、滅茶苦茶なことを……!」
北見菫:「……伏せて!」
北見菫:君の頭をぐいと屈めさせ、凍結させた血液をドーム状に展開、降ってくる大量の瓦礫を受け止める。
北見菫:ごく小さなドーム内で、しばらく鳴り響き続ける崩壊を凌ぐ。
北見菫:数十秒が経ち、ようやく静かになったところで息を吐いた。
北見菫:「……ありがと、赤川くん。守ってくれて」
北見菫:至近距離から君を見下ろして言う。
赤川累:「いや……こちらこそありがとう、助かった。見事なコントロールだ」
赤川累:立ち上がり、一変した周囲を見渡そうとして。
北見菫:「あ、頭!」
GM:低いドームの天井が頭にぶつかる。
赤川累:「うっ」
赤川累:「……敵の行動についてはっきりしているのは」呻いた後、何事もなかったかのように続ける。「一般人を巻き込むことに躊躇がないという事だ」
北見菫:「敵……敵なの、これ……?」
北見菫:凍った血液の一部を解除する。大量の瓦礫が隙間なく上に伸し掛かっている。
赤川累:「破壊行為を行っている対象の制圧と同時に、避難を進めなければ……」一緒に天井を見上げる。「……難しそうだな」
北見菫:「……」
北見菫:「どうしよう、これ……」
GM:そうしてドームに閉じ込められた君達が救助されたのは、それから数時間後だった。
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
赤川累:北見さんには固定ロイスで取得済です。◯友情:不安
赤川累:以上です
GM:OK!
【OP/木花小夜】
GM:木花さんのOPです。登場どうぞ!
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (37 → 41)
平庭駅 北口改札前
GM:まだ薄暗い早朝、始発が動き始める前。まばらな利用客たちが眠そうな顔で改札を潜っていく。
GM:君の恋人であるUGNエージェント、風花春悠は日本支部エージェント候補に選抜され、この日、その研修に出発しようとしていた。
GM:大きなトラベルバッグを携えた彼が、改札前で君を振り向く。
GM:一見細身に見える少年だが、荷物を満載した鞄を軽々と持つその様からは、エージェントとして鍛え抜かれていることが伺える。
風花春悠:「……じゃあ、行ってくる」
木花小夜:「……うん。あのね」
木花小夜:「……本当にさ。何度も、何度も言うようなんだけど……」
木花小夜:「……でも、言いたいから言うよ」
木花小夜:「気をつけてね」
風花春悠:「何度も言ってるけど……そうだな」
風花春悠:「気をつけるよ」
風花春悠:少し笑って、それから表情を硬くする。
風花春悠:「でも、それを言うなら……小夜の方だろ」
風花春悠:「例の事件に召集されたんだろ」
GM:九霄大学爆破事件。白昼の大学を襲った惨事は大々的に報じられ、世間の話題はそれ一色になっていた。
GM:オープンキャンパス中の凶行に、犠牲者はその正確な数さえ未だ不明だ。
GM:現場からレネゲイドの痕跡が発見され、また爆発前にワーディングがあったという赤川累と北見菫の報告から、UGNが調査に当たることとなった。
木花小夜:「……うん。今、事件って言えばあれか列車事故かって感じだもんね」
木花小夜:「こっちも重大なのは分かってるよ」
風花春悠:「……これだけの事だ。何があるか分からない。どんな相手が出てくるのかも」
木花小夜:「……うん。何度も言われてるけど……」
木花小夜:「こっちも気をつける」
風花春悠:「……でも、これは……考えようによってはチャンスかもしれない」
木花小夜:「うん。ここにいるままで、大きな事件なんて、そんなにないもの」
木花小夜:「これに呼ばれて、結果を残せれば……」
木花小夜:「きみに追いつけるかもだ」
風花春悠:「……同じこと考えてたか」少し笑う。
木花小夜:「まあ、更に言っちゃうと……」
木花小夜:本当は一緒に研修行きたかったけどね、と加えて。
風花春悠:「こっちからも、上手いことさりげなく口添えしておくよ」
風花春悠:「……いや……彼女を推すのはさりげなくないか……?」
木花小夜:「まあ、色々言われるとは思うけど」
木花小夜:「そういうの気にしないって決めた」
風花春悠:「そうか……そうだな」頷いて
風花春悠:「手段を選んでる余裕なんて無いもんな、俺達は」
木花小夜:「うん、そんな時間が惜しい」
GM:チルドレンの待遇改善。その為の出世──いずれは本部エージェント、そしてアクシズへ。君達二人の夢は、果てしなく遠い。
風花春悠:「……ああ、そうだ。それから、もう一つ」
木花小夜:「うん?何、春悠?」
風花春悠:「九霄大学の事件に当たるってことは、派遣されるのは九霄支部だよな?」
木花小夜:「うん。そうなるはずだけど……」
風花春悠:「……」一瞬、周囲に視線を巡らせ、辺りを憚るように「……九十八九十九には気を付けろ」
木花小夜:「……ええと。九霄支部の支部長?」
風花春悠:「ああ」頷き「俺も噂を聞いただけで、会ったことは無いんだけど……それでも耳に入ってくる」
風花春悠:「かなりの曲者って話だ。一昔前までは、本部から声が掛かるくらいのエージェントだったとか」
木花小夜:「それ、気をつけろなの?ちゃんと仲良くしろじゃなくて……」
木花小夜:「気に入らないと口添えされるのかな」
風花春悠:「そんな人材が、あんな田舎で支部長をやってる時点で異常だろ」
木花小夜:「それは……確かに……」
風花春悠:「何かがあったのか、何があったのか……少し調べてみたけど、何も分からなかった。何にしても不穏だろ」
木花小夜:「……秘匿性の高いポジション……?」
木花小夜:「それとも、九霄市自体になにか秘密が……」
風花春悠:「……分からない」かぶりを振って「……とにかく、分からない以上は用心したほうがいいと思う。そういう話」
風花春悠:「ただ不真面目で僻地に飛ばされたとかならいいんだけどな……」
木花小夜:「うん。そうだね。気をつける」
木花小夜:「そうだったらそうだったで、私が活躍する余地だと思おうかな」
風花春悠:「頼もしいな」
GM:駅構内にアナウンスが響く。もうすぐ発車の時刻だ。
風花春悠:「……じゃあ、行くよ」
木花小夜:「あっちょっと待ってね」
木花小夜:たっと近寄って、ぎゅっと抱きつく。
木花小夜:「いってらっしゃい」
風花春悠:「……」
風花春悠:人目を気にして一瞬恥ずかしそうに躊躇うが、結局はそっと背を抱き返す。
風花春悠:「ああ。行ってくる」
風花春悠:「小夜もな。行ってらっしゃい」
木花小夜:「うん。行ってきます」
風花春悠:「気を付け…… ……何度目って感じだな」苦笑して「それじゃ、電話する」
木花小夜:「いいよ何度目でも」笑って離れて。「うん、電話して」
風花春悠:改札を潜り、軽く手を振って。それからは後ろ髪を断ち切るように振り返らずに歩いていく。
木花小夜:彼が歩き去るのを、姿が見えなくなるまで見送ってから。
木花小夜:「……よしっ」小さく独り言つ。
木花小夜:「私も頑張らないと。そうして、次は……」改札に目をやる。
木花小夜:「そっちに行くから」
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
木花小夜:シナリオロイスの風花春悠くんには既にP慕情で持っています
木花小夜:以上かな!
GM:OK!
【OP/九十八九十九】
GM:九十九さんのOPです。登場どうぞ!
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (40 → 46)
九霄高校 屋上
GM:九霄大学爆破事件当日、深夜。
九十八九十九:「アレがシェアト、あっちがマルカブ」
九十八九十九:「アルフェラッツ、アルゲニブ」
GM:UGNから緊急の呼び出しを受けた君──九十八九十九は、初の顔合わせとなるイリーガル、白土夏希と共に任務のブリーフィングを済ませた後、彼をこの学校の屋上へと連れ出してきていた。
GM:今、この九霄市では幾つもの事件が立て続けに起きている。
GM:大学爆破事件を始めとし、輸送車両襲撃、路線破壊……そして昼間から何度も報告されている、ワーディング反応とオーヴァード同士の戦闘痕。詳細は一切不明だ。
GM:更に匿名のリークで、“ヘレヴ”なる謎の勢力が市内に潜伏中であるとの情報も入っている。こちらも詳細は不明。
GM:平穏な街のかつてない事態に、UGNではこの白土を始め、既に多数の人員の派遣を決定していた。
九十八九十九:脱色した髪は寝癖がついたままなのかところどころ跳ねており、丸眼鏡の下の眼差しは気怠げに垂れている。
九十八九十九:「秋の大四角形。やっぱ今夜はよく見えるねぇ~」
九十八九十九:「事件が起こった日は大抵よく見えるんだよね」
九十八九十九:赤いカーディガンを羽織り、望遠鏡を覗きながら話しかける。
九十八九十九:制服をだらしなく着崩し、ヘラヘラ笑う仕草からは、全くもって緊張感が感じられない
九十八九十九:端的に言うと、やる気がない。
白土夏希:「はぁ……」
白土夏希:急に屋上まで連れてこられ、見るからに困惑したように気の抜けた返事をする。
白土夏希:白土夏希。君と同じ九霄高校の生徒であり、学内ではかなりの有名人である。
白土夏希:原因は主にその体格だ。2mを越える日本人離れした長身。筋骨隆々の体躯は横幅も大きく、岩塊がそのまま動いているかのような印象を受ける。
九十八九十九:「どしたね白戸くん。そんなとこでボーッと突っ立ってぇ」
九十八九十九:「ほれ、ここ座りな」屋上に勝手に置いたベンチ。真ん中から隅に移動し、隣を叩く。
白土夏希:「ああ、どうも御親切にありがとうございます」
白土夏希:ベンチの荷重に気を使いながら、君と間を開けてゆっくりと腰を下ろす。それでもみしりと軋む音がした。
白土夏希:威圧感を与えないように背中を丸め身を屈ませる。身に染み付いた動作。
白土夏希:「……」
白土夏希:「……いえ、あの。そうではなく」
九十八九十九:「なに?あ~、冷えるよねぇこの季節は」
白土夏希:「そうですね。朝夕は特に……」
白土夏希:「……いえ、そうでもなく」
九十八九十九:「温かいお茶、ここにあるから。適当に飲んで~」脇の水筒を指差す。
白土夏希:「ああ、ありがとうございます。……」
白土夏希:明らかにペースが掴めていない。
白土夏希:黒縁の眼鏡を直し「……九十八先輩、何の為にここに?」
白土夏希:「これも任務の一環でしょうか?」
九十八九十九:「ん~?あ~、そうそう。任務任務」
九十八九十九:「や、たまには真面目に天文部やってるとこも見せなきゃだしね?これも仕事の内だよ」
白土夏希:「真面目に……成程、カヴァーの維持のためと」
九十八九十九:「白土くんもしばらくつきっきりでお世話してくれるんでしょ~?手っ取り早いから天文部入りなよ」
白土夏希:「世話……まあ、そうですね。九十八先輩……支部長の補佐役を言い渡されていますが……」
白土夏希:「……天文部というのは、こんな夜中に学校に入れるものなのですね」
九十八九十九:「そりゃ夜中じゃないと星見れないからねぇ。屋上はウチの二番目の部室みたいなもんよ」
白土夏希:「支部長は星がお好きなのですか?」
九十八九十九:「いや?別に」
白土夏希:「え……」
九十八九十九:「白戸くんもさっき言ったじゃん~。夜出歩けるから便利なんだよねぇ、天文部」
九十八九十九:「昼間寝てても部活頑張ってるんだな……って思ってもらえるし」
白土夏希:「真面目なのか不真面目なのか判断に苦しみますね……」
九十八九十九:「そりゃ真面目一辺倒じゃ疲れちゃうからね~」
九十八九十九:「特に今日は昼間に大真面目な話聞かされたんだし、バランス取らないと」
白土夏希:「バランスを……」今のところ不真面目なところしか見ていない。
白土夏希:「先輩のことは、以前から……」1秒ほど言葉を選ぶ間があり「……ユニークな先輩として存じ上げていましたが」
白土夏希:「UGNの支部長職を務めていらっしゃるとは知りませんでした。その歳でご立派です」
九十八九十九:「や~、照れるぜ」
九十八九十九:「まあ、白戸くんも重責を担うようになればわかる日が来るよ。適度な息抜きの大切さってやつをねぇ」
九十八九十九:「ほら、白戸くんも覗いてみ」天体望遠鏡を白戸の前に移動して
九十八九十九:「そうやって、遠くの星を見ているとさあ」
九十八九十九:「自分が、宇宙の中であまりにもちっぽけな存在だって感じられて」
九十八九十九:「私が頑張んなくても、世界は何も変わらず回っているんだなあって思うと……」
九十八九十九:「じゃあ……別に……今日はいいか……働かなくて……」
九十八九十九:「寝て起きたら大抵のことは解決してる……時は金なり、時間をかければ大体のことは上手くいく……」
九十八九十九:「そう思えて来るんだよねぇ……」すごくしみじみとした様子で語っている。
白土夏希:「…………」
白土夏希:身を屈めて望遠鏡を覗き込もうとして、それでも角度的に無理があり膝を折る。
白土夏希:(この人で大丈夫なんだろうか……)
白土夏希:「今……この人の下について大丈夫なのだろうか……と思っているのですが……」
白土夏希:「自分も最大限の努力は惜しまないつもりですが……」
九十八九十九:「大丈夫だって!自身持てよぉ~!」白戸の背中をバンバンと叩く。音の割に力は軽い
白土夏希:「自信と言うか……先輩への信用……先輩信が欲しいのですが……」
九十八九十九:「なら、白戸くんの分まで私が信頼してやるからさぁ」
九十八九十九:「後輩信100%:先輩信0%でトータル100%じゃん。いけるいける」
白土夏希:「……」
白土夏希:(頑張らなくては……この人の分まで……)
白土夏希:「……微力ながら全力を尽くします」
白土夏希:「支部長も……よろしくお願いします」
九十八九十九:「うん、よろしく~。まあ肩の力抜いていきなよ」
九十八九十九:「頑張りすぎるとすぐ潰れちゃうよぉ~?私もいるんだからさぁ」
九十八九十九:にへら、と気の抜けた笑顔を向ける。
白土夏希:「……」その笑みを見ていると、毒気を抜かれるような気がする。
白土夏希:(大丈夫なんだろうか、UGNという組織は……)
九十八九十九:「ほれ、一杯飲め少年」紙コップにお茶を注いで渡す。
白土夏希:「……頂きます」大きな掌で受け取る。
白土夏希:「少年……一応、一学年差なのですが……」
九十八九十九:「わ、白戸くん手ぇでっか!私の倍くらいあんじゃん」
九十八九十九:「ちょ、手広げてみ………でっか!」白戸の手に自分の手を合わせて
白土夏希:「先輩が小柄なのもありますよ」慣れているのか気にした様子もなく、紙コップを殆どつまむようにして口に運ぶ。
九十八九十九:「や、私これでも平均身長超えてるからね?白戸くんがデカいんだよぉ」
白土夏希:「独活の大木です。大きくても損ばかりですよ」
九十八九十九:「え~そうかなあ?梁にに頭ぶつけたり?」
白土夏希:「ああ、何年か前まではそうでしたね」
白土夏希:「今は……」顔の前辺りに掌を置いて「梁、この辺りなので」
白土夏希:「ぶつかる前に分かります」
九十八九十九:「あ~なるほど」
九十八九十九:「……じゃあ良かったじゃん!」
九十八九十九:「大は大を制す!これからもどんどんデカくなりな~」
白土夏希:「そうですかね……場所は取りますし、スポーツも特にはやりませんし」
白土夏希:「何より、よく女子に怖がられます」
九十八九十九:「え~、モテないんだ?」
九十八九十九:「意外~」
白土夏希:嘆息して「……先輩はモテると伺ってます」
九十八九十九:「えっマジで!?どこ情報よそれ~」
九十八九十九:「全然実感ないんですけど。なんかさあ、もっとなんかあっても良いよね?」
九十八九十九:「ミステリアスな天文部の先輩だよ?少年たちの大好物じゃん」
白土夏希:「自分で言いますか……?」
白土夏希:「男子からよく話題を聞きますよ。皆遠巻きにしているだけなのですかね」
白土夏希:「確かに、こうして実際にお会いすると御綺麗です」
九十八九十九:「よせよぉ褒めてもなんも出ないぞぉ」背中を叩く。羽根が落ちたような軽い感触。
白土夏希:分厚いゴムの塊を叩いているような感触。
九十八九十九:「んじゃまあ、もうちょっとのんびりしたら帰るか~」
九十八九十九:さも一仕事終えたかのような態度で大きく伸びをする。
九十八九十九:「よっ」
九十八九十九:その場で飛び跳ねて、ベンチの上に立つ。
白土夏希:「?」
九十八九十九:少し高くなった視界から、九霄市の街並みを眺める。
白土夏希:その状態でも君に向ける視線は少し見上げる程度だ。ゆうに頭一つ以上の身長差。
九十八九十九:「白戸くんは、九霄市住んで長いの?それとも仕事で来た感じ?」
白土夏希:「……しばらく前に引っ越してきました。家庭の事情で」
白土夏希:屈めるようにしていた背を伸ばす。
九十八九十九:「そ、じゃあ私より先輩かもね」
白土夏希:「……先輩は、来たばかりなのですか?」
九十八九十九:「私はここの支部に配属されたのがきっかけだから、高校入ってすぐかな」
九十八九十九:「だから別に、この街に思い入れとかそんなにない」
白土夏希:「……」君の顔をじっと見る。
九十八九十九:「でも、お仕事だから守るんだな~」
九十八九十九:君の方を見てにへらと笑って「そのくらい気楽な方が、意外と上手くいくって話」
九十八九十九:「そんなわけで、明日から頑張ろ~」
九十八九十九:ふわりと浮かぶように脚を上げたあと、ベンチにストンと腰を下ろして。
白土夏希:「……」その言葉に何かを感じ、頷く。「……覚えておきます」
白土夏希:「イリーガルとして、支部長の補佐に当たらせて頂きます。ご用命があれば何なりと」
九十八九十九:「おうおう!頼りにしてるぞ~」
九十八九十九:「………程々にね……」お茶をズズズとすすった。
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
九十八九十九:もちろん白戸くんに取るぜ!
九十八九十九:ロイス 部下 白土夏希 P依存○/N信頼
九十八九十九:以上!
【OP/軽部龍授】
GM:軽部くんのOPです。登場どうぞ!
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (37 → 41)
九霄大学 敷地前
GM:事件から一夜明けても、爆破の現場では瓦礫の撤去作業と行方不明者の捜索作業が続いていた。
GM:大学は全面休校となり、門の前には物々しい規制線が敷かれ、周辺には多数の警官や医療関係者、作業員が詰めており
GM:更にその周囲には、大量の取材陣が押し寄せていた。海外からも注目されているのか、外国人記者の姿も見受けられる。
GM:他の人員に先んじて九霄市入りした木花小夜は、支部長である九十八九十九、補佐役の白土夏希と共に、一足先に現場の様子を見に訪れたのだが……今は遠巻きに眺める事しかできない。
九十八九十九:「やー、参ったねこれは」たはは、と頭に手を当てている。
白土夏希:「……思った以上に壮絶ですね、これは」
九十八九十九:「てっきりもう撤去作業とか終わってるもんだと思ってたんだけどなあ」
九十八九十九:「やっぱ珍しく仕事をささっと片付けようとしたのが良くなかったねえ」
木花小夜:「ここが現場……」
GM:キャンパスの一部は壁や天井が完全に消失しており、遠目からでも被害の様子がまざまざと伺える。
木花小夜:「これ、迂闊に入れないですよね……というか」
木花小夜:「いいんですか、あれ」詰めかける取材陣を見て。
木花小夜:「うっかりレネゲイド性のものでも見つかったりとか……」
白土夏希:「流石にこの状態では中に入られるようなことは無いでしょうが……」
九十八九十九:「まー、流石にヤバいもんは回収班が先に持ってってるでしょ」
白土夏希:「もしそうなれば、情報処理班に小言を言われることになりますね」
木花小夜:「大事にならなければいいんですけど……」
九十八九十九:「任せときなって。小言くらいはこの私がスパンッと受け流してあげるからさあ」
木花小夜:「おお……」
白土夏希:「聞いていないだけなのでは……」
木花小夜:「でも実際これ、どうしましょう。折角だからもう視察しちゃおうかって言われましたけど」
木花小夜:「他のメンバー待ったほうがいいんでしょうか」
九十八九十九:「そうだね~、堂々と入ってく訳にはいかないし、ただここで突っ立って待ってるのももったいないし……」
九十八九十九:「とりあえずなんか食べ行く?」
木花小夜:「えっいいんですかそれで」
木花小夜:「何か……別の調査とか……」
木花小夜:「そういうのじゃ……」
九十八九十九:「いいのいいの、小夜ちゃんこの街来るの初めてでしょ?」
木花小夜:「あっええ、まあ」
九十八九十九:「良いサボ……お店教えてあげるよ~」
木花小夜:「サボ……?」
白土夏希:「……」木花さんに分かります、というアイコンタクトを送る。
九十八九十九:「パフェ好き?捜査の前に糖分補給しといた方が効率上がるしさあ」
木花小夜:「ええまあ、好き……ですけど……」
白土夏希:「……まあ、そうですね。いま現場を混乱させるわけにもいきませんし……」
白土夏希:「支部長の仰る通り、他のメンバーが集まるまでは……」
九十八九十九:「よし!決まり決まり~」
GM:その時、九十八の端末に緊急の着信が入る。
九十八九十九:「ほらほら!善は急げだよ!」今までで一番やる気を見せていたが
九十八九十九:「うぇ~……」
九十八九十九:しかめっ面で端末を取り出す
白土夏希:「鳴ってますが……」
九十八九十九:「切っちゃダメぇ?」
白土夏希:「出てください」
九十八九十九:「しゃーないなあ」
木花小夜:「あの……」
木花小夜:「いつもこうなんですかこの人」
白土夏希:「……」分かります、という目
木花小夜:「いつもこうなんですねこの人……」
九十八九十九:「は~い九十八。現在この番号は使われておりませ~ん」
GM:『“マジックナンバー”ですか?こちら監視班』
GM:『九霄市内で《ワーディング》の反応を確認しました。現在何者かが交戦中の模様』
GM:『座標を送信します。今すぐ向かってください』
九十八九十九:「うぇ~……」
木花小夜:「行きましょう」食い気味に。
木花小夜:「善は急げですよね」
白土夏希:「そうですね。支部長、よろしいですね」
九十八九十九:「りょーかいでーす。お仕事ご苦労さまです~」通信を切って。
九十八九十九:「うん……よし!」一瞬気合を入れて
九十八九十九:「行くかぁ!各自私のおうえ……」
九十八九十九:「指揮に従うように!ファイッオー!!」
木花小夜:「はい、戦闘指揮お願いします」
白土夏希:「……」支部長も戦闘職だったはずでは、という言葉を呑み込む「……行きましょう」
九十八九十九:空元気を出して座標へ向かう
---
GM:九霄市、住宅街に位置する寂れた公園。
GM:ワーディングで静まり返ったその中を、一人の少女が走っていた。
???:「はっ……!はっ……!」
???:異国の雰囲気を感じさせる、美しい少女だ。身体の各所は傷付き、血が滲んでいる。
???:時折後ろを振り向きながら、何かから逃げるように足を動かし──
???:「……きゃっ……あぁっ!?」
???:突然、受け身も取れずに転び、強かに身体を打ち付ける。
???:見るとその足首には、鎖めいて凝固した砂が纏わりついていた。
???:「……!」
GM:後方から数人の人影が姿を現し、少女へと銃口を向ける。
GM:全身黒づくめの男達だ。着ているのはスーツではなく、裾の長い、聖職者を思わせる衣服。
???:「はぁ……はぁ……」
???:その中心に立つのは、笑みのように目を細めた白人の男。息を切らせて膝に手をつく。
???:やはり神父のような衣服に、明るい髪色。丸縁の眼鏡を掛けている。
???:「ようやく……追いついたようですね……逃げ足が速すぎますよ……!」
???:「僕も疲れているようです……大変な手間を掛けさせたようですね……」
???:「これ以上走るのは僕も嫌だと思います……大人しくこちらに来れば苦しませないのではないでしょうか」
GM:どこかズレたような話し方で、少女に詰め寄る。
???:「……ッ……」
???:逃げ場を探すように、周囲に視線を巡らせる。
???:男の足元の砂が寄り集まり、鋭利な砂の鞭を作り上げ──
九十八九十九:ガ ァ ン ッ !
九十八九十九:公園の隅に置かれていた廃タイヤが、前触れ無く弾ける。
???:「……!?」
???:音の方に気を取られる。
九十八九十九:「もしもーし、お兄さんたちなんかの撮影ですか~?」
九十八九十九:「ここ、一応公共の公園なんですけどぉ。役所の許可取ってます?」
白土夏希:少女の盾となるように、巨体が前に出る。
???:「……何者ですか、あなた達は……と僕は聞きます」
九十八九十九:「やっば外人じゃん。緊張するわ……」
九十八九十九:「まずそっちが名乗れって話だけど、まあこれもお役所の勤めか……」
九十八九十九:「言ってやりなさい!」部下に目配せする。
木花小夜:手元に血のように紅く輝く球体を生成しながら。
木花小夜:「えっ私達から……?ええと」
木花小夜:「UGN九霄市支部付、“ミュー・シーフィ”です」
白土夏希:「同じくUGNイリーガル、“ポーラー”。双方今すぐ戦闘を止めてください」
九十八九十九:「そして私が指揮官の"マジックナンバー"……っと」
九十八九十九:「やいやいやい!ウチのシマで何してくれとんじゃい!」
九十八九十九:「落とし前つけんといかんくなる前に、その物騒なもん納めんかい!」
???:「UGN……厄介な相手が出てきましたね、と僕は思っているようです」
???:「しかし、私にも立場があります」
???:「構いません。皆さん、全員片付けますよ!と僕は言います!」
GM:男の指示を受け、周囲の黒服たちが一斉に銃を構える。
白土夏希:「……来ます!」
九十八九十九:「マジか……外人向けに任侠風のキャラで言ってみたのに」
木花小夜:紅球からピシピシと血の棘が湧き出す。上塗りするように《ワーディング》が被せられる。
木花小夜:周囲に冷気が立ち込め、動きを――
軽部龍授:「…………騒がしいが」
軽部龍授:黒い艶やかな鞘に包まれた刀を携えた学生服の少年が、気配を感じさせず佇んでいた。
軽部龍授:影のように、空気のように、その場に何時の間にか在る。十人中十人がまず古色蒼然とした剣呑な刀の方に目が奪われるだろう。
軽部龍授:まるで刀の方が本体で、人の方が従属物の様ですらある。
木花小夜:「何、新手……?」
九十八九十九:「やば、いつの間にかワーディング切れて……」
九十八九十九:「……る、わけじゃないなこりゃ」
軽部龍授:黒服達の方に無造作に近づいていく。
軽部龍授:「フッ…まるで木琴だな」自分の足音を指してそのような事を言う。
???:「な──」
???:その姿を目にして、明らかに驚愕の色を浮かべる。
???:「馬鹿な……あなたは……!」
軽部龍授:その聖職者のような風体を見て取り、言葉を投げる。
軽部龍授:「一つ聞くが。お前達は朱鷺か鰻か?」
GM:「何を言ってる……!」「構わん、撃て!」
GM:黒服たちが、不意に現れた少年へと銃口を向ける。
軽部龍授:「フッ…そうか。ならば、多少の数が減っても構わんだろう」
GM:聖職者めいた衣服に見合わぬ剣呑な火器から、一斉に銃火が放たれる!
軽部龍授:迫る攻撃を下から掬い上げるような剣運びで弾き飛ばし、構え直す事無くそのまま切っ先に楕円の軌道を辿らせ、一息と共に斬り下ろす。
軽部龍授:形ある武器や身体に対する技法である。技法ではあるのだが。
軽部龍授:だが、この尋常ならざる剣士は全ての弾丸を逸らし断ち切っていた。その感嘆する程の神業を当然の如く成功させた。
軽部龍授:疾走。
軽部龍授:左足を前にし、右足を引き、切っ先は天頂斜め後方、刀を右肩の上へ担ぐように上段に構えている。
軽部龍授:これを、【月打】の構えと、佐伯一刀流では称している。
軽部龍授:一人は間合いの内。
軽部龍授:【月打】から肘を突きだし、右足を蹴り出し震脚めいて踏み込む。
軽部龍授:左足は地面を踏み締めて身体を押し出し、体重を上から下へ落とすように刀を打ち下ろす。
軽部龍授:ただそれだけである。
軽部龍授:それだけの派手さも外連も何もない技であった。
軽部龍授:如何にその動作が鋭敏を極め、疾さと重さが超常のオーヴァードの目をして常識外であっても。
軽部龍授:【跳兎】。兎が跳ねるが如く運足にて一歩を詰め、上段から切り捨てる事に由来する技である。
軽部龍授:「……まずは、一人。さて」
軽部龍授:見回す。
GM:黒服を纏った男の身体が、ばらりと両断されて崩れ落ちる。悲鳴すら間に合わない。
GM:「なっ……はっ……!?」視認すら追いつかないその絶技に、当惑の声が上がる。
軽部龍授:「【跳兎】だけでは芸があるまい。次はいずれで仕留めようか」
軽部龍授:鍔近くを握った片手斬りから斬撃中に柄を滑らすことで、精妙な見切りを殺す【白虎】
軽部龍授:柄を支える利き手でない方の添え手を駆使して、振り下ろした刀を素早く上方に切り返す【紫焔】
軽部龍授:刀を水平に寝かせ、肋骨の隙間から打ち上げ気味に心臓を刺し貫く【雷電】
軽部龍授:不意に相手に背を向け、一瞬刹那の思考時間を強制し、その虚を捉えて振り向きざまに斬り捨てる【妖水】
軽部龍授:跳兎から敢えて姿勢と足運びを崩し撃ち放つ事で、間合いを幻惑させ袈裟斬りに斬り伏せる【不知火】
軽部龍授:他に【霧風】【闇鬼】【陽炎】【征嵐】【驟雨】。脳に収蔵された数多の剣技、どれもが必殺。されど収めた技の全てはこの場では試せまい……。
軽部龍授:「フッ……決めたぞ」
GM:「うっ……ウオォアアアアッ!!」恐怖と恐慌、残った黒服たちが半狂乱で引き金を引く。
???:「馬鹿、やめ──」
軽部龍授:弾丸が届くことはない。先程の再演。楕円に動く光の軌跡が銃弾を蠅のように叩き落としていた。
軽部龍授:再び【月打】の構え。
軽部龍授:繰り返すように、寸分違わず同じ映像を再現するように、踏み込んで刀を打ち下ろす。
軽部龍授:手直な黒服に向けて、無造作に。
軽部龍授:まさにそれは芸のない【跳兎】。さては先程の台詞は詐術の類か?否、剣士が詐を仕込むのは口ではなく、腕の先だ。
軽部龍授:その中途、同じ技と踏んで対応する相手の裏をかくように、剣の軌道が変化した。
軽部龍授:添え手の左手を放し、斬から突に変化。そして、その掌で柄尻を叩き突剣は加速し標的へと到達する。
軽部龍授:【狐騙】
軽部龍授:急激な軌道変化で虚を突くと共に、後方へ退避しようとする敵を葬る技である。
GM:「ギャッ、バッ……」
GM:胸を穿たれ、黒服の口からごぼりと血の塊が零れる。
軽部龍授:また一人、その技で葬り、そこで初めて……。
軽部龍授:「フッ…UGNだったな?俺を買う気はないか?」
軽部龍授:「この通り、剣を使うのだが」
木花小夜:「……買う?」
木花小夜:警戒するように、彼の周囲に張り巡らせた血の茨が少し緩む。
九十八九十九:「ブラーヴォ……」感嘆の拍手
白土夏希:「……何者ですか、一体……」
???:「……“死舞旋刃”……!」
???:血の海に倒れ伏した部下の中で、驚愕と共にその名を口にする。
軽部龍授:「と言う事だ。そこの眼鏡が言った通りな」
???:「何故ここに……いや……そもそもどうして……!」
???:軽部がここにいるのが明らかに予想外というように狼狽を見せる。
軽部龍授:「フッ…それを教える気にはならんな。調べるために出直したらどうだ?」
九十八九十九:「えー、出直されたら困るなあ。仕事が増えちゃう」
???:「……口惜しいですが、どうやらその方が良さそうですね……と私も言います」
???:その態度は、言葉と裏腹にあっさりとしたものだ。然程この状況にこだわっていないように見える。
木花小夜:「“マジックナンバー”。どうしますか」
九十八九十九:「ローグなんたらさん?いいよ。買っても」
九十八九十九:「ただし、そこの糸目のお兄さんの身柄とセットだったらね」
???:「なっ……勘弁してくださいよ!帰りますから!そう私も言っています!」
九十八九十九:「聞こえませ~ん」
軽部龍授:「よかろう」疾風の如き踏み込み。【白虎】横薙ぎに胴ごと両断するように迫る。
???:「ウワァッ!!」
???:瞬間、ごう、と凄まじい砂嵐が吹き荒れ、その場の全員を呑み込む。
???:舞い上がった砂は数秒もしないで晴れるが、その時には既に男は姿を消していた。
???:《瞬間退場》です
九十八九十九:「うえっぷ!?ぺっ!ペっ!砂噛んじゃった……」
木花小夜:「……!」
白土夏希:「……逃げられましたね……」
軽部龍授:「フッ……この俺の剣、つくづく至らんな」
軽部龍授:佩刀である井上真改を鞘に納める。
九十八九十九:「おっ」それを見て
九十八九十九:「満足した?」
軽部龍授:内心を見透かされたような、嫌な質問だった。
軽部龍授:強さの自覚とは、有象無象を殺して得られるもではなく、互角の相手、自分が認めた対等の敵手と鎬を削り、末に打ち倒してこそ得られるモノだ。
軽部龍授:その点において、今日の"振り"は自覚を得られる程のものではなかった。
軽部龍授:だが、どのような相手であっても生きてるモノを斬る事は糧にはなる。僅かなりとも剣の深淵に近づいてるのには相違ないのだ。
軽部龍授:そう信じる事が自らへの慰めだった。つまりは満足してはいないという事ではあるが。
木花小夜:まだ《ワーディング》を解いていない。「で。どうするんです」
白土夏希:「……買わないか、と言っていましたね。売り物はその腕というわけですか」
白土夏希:「つまりは……フリーランスと?」
軽部龍授:「他に売るものは、大学爆破の犯人の情報ではあったがな」
軽部龍授:「詳しい事は、落ち着ける場所でが良いのではないか?」
九十八九十九:「やったじゃん。重要参考人ゲット~」
白土夏希:「彼についてもそうですが……」
白土夏希:後ろに庇っていた少女を示して
白土夏希:「……彼女は?」
???:「……」
???:少し怯えたような様子で君達を見ている。
九十八九十九:「さっきのに追われてた子だねえ」
軽部龍授:少女にハンカチを投げる。泥や血は拭けるだろう。
軽部龍授:「……」
???:「……」おずおずとハンカチを手に取るが、握っただけで使おうとしない。
白土夏希:「……日本語が喋れないのでしょうか」
九十八九十九:「うーん、ならなおさら放っとけないし……」
九十八九十九:よし、と進み出ようとして
九十八九十九:「……」
九十八九十九:「……小夜ちゃん、頼める?」
九十八九十九:英語に自信がなかった
木花小夜:「えっ、あっはい」慌てて《ワーディング》を解除し駆け寄る。
木花小夜:「Ah……Do you speak Engish?」
軽部龍授:「ほう。大したものだ」
(秘話):「エル……エル!」
(秘話):不意に、どこかから声が聞こえてくる。
木花小夜:「……」
(秘話):「話さないで。黙ってなさい。何されるか分からないわよ!」
木花小夜:「……」
(秘話):「まだ何者かも分からないし、今はじっとしてて!きっとどうにかなるから!」
木花小夜:「……どうしよう」振り向く。
木花小夜:「他の外国語はちょっと……」
RHO
シナリオロイス:エル
君には他の者には聞こえていない何者かの声が聞こえている。その声が聞こえているのは君ともう一人、謎の少女だけのようだ。
???:「…………」
(秘話):「いいわね、エル!大丈夫だから、心配しないで!」
???:少し迷ったようにしつつ、ぐっと口を噤む。
木花小夜:少女に顔を合わせ、ぎこちなく微笑む。
九十八九十九:「白戸くん、私達も笑うよ!安心させるには……笑顔!」
九十八九十九:小夜の後ろでニッと微笑む。わざとらしい
白土夏希:「えっ……?は、はい……」
白土夏希:ぎこちなく微笑を浮かべる。
軽部龍授:「フッ……」こちらも合わせるように笑みを。
???:「…………」
GM:気まずい空気が流れる。その後君達がどう頑張ろうと、少女は黙り込み、何も答えないままだった。
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
軽部龍授:私シナリオロイスと会えてないので保留したいです!
GM:OK!
【Middle1】
GM:合流シーンです。全員登場!
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (44 → 50)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (46 → 51)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (34 → 40)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (41 → 49)
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (41 → 45)
GM:では合流の前に……情報判定をしていただきます
GM:合流の前に各自で調べてきたぜというイメージですね
峯川千墨:勤勉だぜ
九十八九十九:予習復習は抜かりないぜ
軽部龍授:頑張るぞー。手ぶらではこないぜ
GM:情報項目はこちら!
・九霄大学爆破事件① 《情報:UGN/警察》 難易度7
・九霄大学について 《情報:UGN/噂話》 難易度6
・輸送車両襲撃事件 《情報:UGN/裏社会》 難易度8
・“霹靂殺手”について 《情報:UGN/裏社会》 難易度9
・ヘレヴについて① 《情報:UGN》 難易度10
GM:それぞれがんばってね
軽部龍授:・“霹靂殺手”についてやります!
赤川累:爆破事件について調べてみようかな
峯川千墨:輸送車両かなー?
九十八九十九:じゃあ大学を
木花小夜:あっわたし従者出していいですか
GM:いいですよ!
木花小夜:《赤色の従者》《血の絆》。従者を作成します
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を8(→ 8)増加 (49 → 57)
軽部龍授:では、要人への貸しを使用して振ります。情報:裏社会で振ります。
軽部龍授:4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 6[1,2,3,6]+2 → 8
軽部龍授:財産1使用。達成値9にして成功です。
木花小夜:ヘレヴが残りやつかな
峯川千墨:そのよう
赤川累:爆破の2とかも出るかも
赤川累:貼るの待たずに続けてやってっていいやつかな
GM:今回は新しく出たのは次のシーン以降に判定できる感じです!
赤川累:あっなるほど
木花小夜:なるほど
九十八九十九:理解
木花小夜:じゃあ本体でヘレヴについて挑戦します~
木花小夜:5dx+2>=10
DoubleCross : (5DX10+2>=10) → 8[1,1,3,7,8]+2 → 10 → 成功
峯川千墨:改めて輸送車両襲撃事件を情報UGNで。情報収集チームを使いまして
峯川千墨:4dx+3>=8
DoubleCross : (4DX10+3>=8) → 8[2,4,6,8]+3 → 11 → 成功
赤川累:・九霄大学爆破事件① いきます。情報UGNで、コネ使用
赤川累:4dx+1>=7
DoubleCross : (4DX10+1>=7) → 8[1,2,4,8]+1 → 9 → 成功
九十八九十九:情報:UGN。コネ使って振りまーす 九霄大学について
九十八九十九:3dx+2>=6
DoubleCross : (3DX10+2>=6) → 10[3,9,10]+4[4]+2 → 16 → 成功
木花小夜:あぶなげない
GM:優秀なやつらだぜ
GM:では順番に開示していきます
・九霄大学爆破事件①
私立九霄大学で発生した爆破事件は、現時点で死亡者16名、負傷者54名、行方不明者7名を数える未曾有の惨事となった。
被害状況からキャンパス内に仕掛けられた爆弾が複数同時に起爆したものと見られ、極めて周到な計画的犯行と思われる。
爆破は東棟に集中しており、一部は最上階まで完全に崩落している。大量の瓦礫の撤去作業と行方不明者の捜索が今も続けられている最中だ。
犯行声明等は出ておらず、公式には容疑者もその目的も不明。
だが現場からはレネゲイドが検知されており、また事件に前後して九霄市内、更には大学周辺でもフリーランスのオーヴァード“霹靂殺手”と見られる人物が目撃・記録されており、現状の第一容疑者とされている。
→九霄大学爆破事件②
・九霄大学について
九霄市の私立大学。所謂ミッションスクールではないが、創設者がクリスチャンだった為に校風の一部にその影響が見られ、また学内にはチャペルがある。
図書館、ジム、スパコンなど設備が充実しており人気が高い大学。食堂の人気メニューはからあげ定食とビーフカレー。
古文書の修復・解析を専門とする研究チームが国際的に有名であり、貴重な古文書の解読作業中だったようだが、研究室付近は特に爆弾が集中しており、大量の瓦礫に救出・捜索活動は難航しているようだ。
→古文書について
・輸送車両襲撃事件
遺産管理局から遺産を輸送中の車両が、九霄市内で襲撃を受けた事件。
犯人はフリーランスのオーヴァード“クラッドラッド”。思想を持たず組織に属さないタイプで、金目当ての犯行と見られる。
だが彼が単独で輸送ルートの情報を得られたとは考えづらく、また既に強奪した遺産を売り捌いて金を得ているようだが、その売却先も不明。謎が残る事件だが、当人は現在尋問できる状態ではない。
奪われた遺産のうち、特に強力なものは“カリドゥミナ”。
帝政ローマ時代から伝わる短剣であり、有名なシャルルマーニュの聖剣ジョワユーズと同じく、束の内部に聖人の遺体を始めとする聖遺物、そして聖槍の破片が埋め込まれており、邪悪を退ける力を持つ。UGNでの識別コードは『鬼切りの古太刀』。
・“霹靂殺手”について
フリーランスのオーヴァード。
リボルバーを武器としており、超高速の抜き撃ちを得意とする凄腕。
人格面は堅物で神経質、風水をジンクスとしているらしい。
爆破事件の前から、大学周辺で彼の目撃報告や監視カメラ映像が残っている。
また事件後、市内で彼によるものと見られるワーディングと戦闘痕が頻発しているが、監視の手は全く足りておらず、誰と何の為に戦っているのかは不明。
今回の件が彼に対する依頼によるものという可能性も高いが、依頼者についても分かっていない。
→“霹靂殺手”の依頼者について
・ヘレヴについて①
“ヘレヴ”とは、バチカン典礼秘跡省特務外征隊のこと。バチカンが保有するオーヴァード戦力であり、その名は剣を意味する。
教会の敵となるものを秘密裏に排除する特殊部隊であり、その存在はごく一部の者にしか知られていない。
九霄市を訪れた目的や詳しい組織構成は不明だが、その構成員は極めて強力な戦闘力を有しているとされる。
また、彼らが市内に潜伏中であるとの情報のリーク元も匿名であり、情報源は不明。
→ヘレヴについて②
GM:情報は以上です。
九霄市内 UGNセーフハウス
GM:住宅密集地から少し離れた地域に設置された、UGNのセーフハウス。
GM:機能としては普通の一軒家と変わらないものだが、よく手入れが行き届いているようで清潔であり、また物資もしっかりと補充されている。
GM:九霄市に集められたエージェント達、それに軽部龍授と保護された少女は、この場所で一同顔を合わせていた。
九十八九十九:「ささ、みんな自分の家だと思ってくつろいで~」前回利用した時に出しっぱなしにしていた布団を押入れに片付けて戻ってきた
赤川累:「はあ……」くつろいで、という言葉にどこか困惑した様子で応じる。礼儀正しく背筋を伸ばした、学生服姿の青年。
舞浜ちよ:「わ~っ、いっぱいいるね千墨ちゃん」
舞浜ちよ:くいくいと峯川の袖を引っ張る
峯川千墨:「ッスねえ」小声。
峯川千墨:「人員不足って聞いてたんですが」
白土夏希:「コーヒーと紅茶お淹れしました。お好きな方をどうぞ」カップをダイニングの机上に置く。
北見菫:「どうも、ありがとうございます……」赤川くんの隣、少し緊張気味の様子で行儀よく座っている。内弁慶気質。
木花小夜:「あっありがとうございます……というか、支部じゃないんですね」
木花小夜:「たしか高校の方に支部機能があると……」
九十八九十九:「まあ、普段私しかいないし?こっちのほうがすぐ準備できるからさあ」
九十八九十九:「校外の人いっぱい呼ぶとめんどくさいしね~」
峯川千墨:「コーラねえの?」
峯川千墨:「てかデッカいなお前。正規人員?」
峯川千墨:一見堅物じみたスーツと眼鏡姿で、到底形に似合わぬ不躾な絡み方をする。
舞浜ちよ:「ちずみちゃん!」
白土夏希:「よく言われます。コーラですか……見てみましょう」
軽部龍授:「フッ…UGNは相変わらず金があるようだ。雇われるのなら、やはり悪くはない」腕を組んで壁に寄り掛かっている。
軽部龍授:自分と同じ境遇。つまり確保された少女に目を向けている。その場の成り行きを見守りながら。
???:「……」
???:大勢の人に圧されるように肩を縮めている。
木花小夜:「コーヒー。苦い。ええと……ビター」
木花小夜:「紅茶。渋い……ティー」
木花小夜:「飲む?ドリンク?」少女に問いかける。
(秘話):「エル、喉乾いた?大丈夫?」
???:「……」小さくこくりと頷く。
(秘話):「周りの人が飲むの見てからにしなさいね!毒かもしれないわ」
赤川累:「そちらの彼女が、先日保護されたという?」言葉を発しない少女に視線をやり。
木花小夜:「ええ。名前も話してくれないの」両方に軽く口を付ける。
木花小夜:「大丈夫。美味しいよ。グッド」
木花小夜:ニコリと笑いかける。
赤川累:言葉が通じるのか、と少し目を見開いて。「赤川累です。よろしく」やや硬い会釈をする。
(秘話):「大丈夫そうよ、エル!」
???:小夜がそうするのを見てから、おずおずと紅茶に口をつける。
白土夏希:「ドクターペッパーがありました。コーラと呼べますかね」
軽部龍授:「冒涜だな。それは」
峯川千墨:「なんでドクペはあんだよ」
峯川千墨:「まあいいやアタシはそれで。先輩どうします?」
峯川千墨:「あとそっちのは……紅茶でいいのか」
舞浜ちよ:「私はお紅茶で……皆さんどうもありがとうございます。ちずみちゃんがすみません……」ぺこりと頭を下げる
軽部龍授:片眉を僅かに上げる。
軽部龍授:「それで構わん。フッ…気が利く事だ」
舞浜ちよ:「“ミルククラウン”舞浜ちよです。今回はよろしくお願いします」
舞浜ちよ:小学生にしか見えない容姿で、深々と一礼する。
木花小夜:「あっよろしくお願いします。そうですね、改めて共有したほうがいいか」
九十八九十九:「そだね~、みんな飲み物も行き渡ったことだし」薄めたカルピスを持っている。
峯川千墨:「もっと気楽に行きましょうよ先輩。味方なんでしょ? コイツら」
舞浜ちよ:「味方だからでしょ!」
舞浜ちよ:「ほら、ちずみちゃんもちゃんと自己紹介して」
峯川千墨:「アー、ハイ」
軽部龍授:「UGNも酷な事をする。小学生までも使うとはな」
峯川千墨:「アプシンシオン。峯川千墨」
峯川千墨:「先輩は小学生じゃねえよ。たしか」
舞浜ちよ:「あはは……一応、25なんだけど……」
峯川千墨:「ほら」
木花小夜:「25!?」
軽部龍授:「なに?」
北見菫:「ええっ……!?」
木花小夜:「あっごめんなさいつい」
木花小夜:「その……ちょっとその……お若く見えて……」
舞浜ちよ:「あはは……大丈夫です、慣れてるので……」
赤川累:「……」これだから女性の年齢について話題にするのは恐ろしいな、と思っている。
峯川千墨:「てかUGNもって何。お前は違うワケ?」
軽部龍授:「用心棒。軽部龍授。俺の方は年齢も外見差異はない」
軽部龍授:「UGNに協力を仰ぎたくてな」
九十八九十九:「今時用心棒ねぇ……そういやジャーム専門の辻斬りなんてのもいたっけ。最近ぱったり名前聞かなくなったけど」
軽部龍授:「フッ…剣を極めるなら、極めて効率的な稼業よ」
赤川累:「"シンダーテイカー"、赤川累。UGNのエージェントですが……先日の爆破事件には偶然、居合わせました」
赤川累:「……ほら、北見さんも」そっと彼女の背を突いて促す。
北見菫:「あ……う、うん」
北見菫:「“クライオ・クライス”、北見菫です。……彼と一緒です。例の現場に居合わせました」少し硬い。
九十八九十九:「あっ!二人のことは聞かされてるよ~!」3日前に送られた資料を今朝読んだ。
九十八九十九:「太田さんの教え子なんでしょ?いや~楽でき……頼りになりそうだわ~」
北見菫:「えっ……ご存知なんですか?太田さん……」
九十八九十九:「元チルドレンであの人知らないのはモグリだよ~」
北見菫:「そうなの?」赤川くんに小声
赤川累:「それは……」北見さんに答えようとして、言葉に詰まる。
木花小夜:「……あっあの……」
木花小夜:「すみません……」
木花小夜:「知らないんですけど……」
峯川千墨:「アタシも知らね。すげえの?」
木花小夜:「やっぱりマズいですか……?」
軽部龍授:「フッ…モグリばかりか」
舞浜ちよ:「ま、まずいってことないよ~~」あせあせしている
九十八九十九:「これがジェネレーションギャップ……!?」
木花小夜:「いや支部長年同じ……」
赤川累:「ええと……とにかく、彼の名に恥じないように尽力します。よろしくお願いします」強引に流れを纏めようとする。
軽部龍授:「それで英語使いもチルドレンか何かか?」
白土夏希:「英語使い……」
木花小夜:「通じてないから使えてないとは思うけど……」
木花小夜:「“ミュー・シーフィ”。木花小夜です」
木花小夜:「大学の事件を受けて、九霄市支部に応援に来ました。エージェントです」
舞浜ちよ:「“ミュー・シーフィ”?」
峯川千墨:「また有名人スか?」
舞浜ちよ:目をぱちくりして「もしかして、“シンダーブレイズ”と同じ支部の?」風花のコードを口にする。
木花小夜:「えっ」
峯川千墨:「また知らねえ」
木花小夜:「春悠を知ってるんですか?」
舞浜ちよ:「知ってるよ~。なんか、すっごい怖いんでしょ?」
峯川千墨:「知ってるっつうんすかねそれ」
木花小夜:「怖い……」それを聞いてどこか嬉しそうにする。「そうですね」
木花小夜:「戦ってる時は怖いですね」
舞浜ちよ:「やっぱり……」
軽部龍授:「それ以外の事も‥…良く知っている。そのような仲か」
舞浜ちよ:「えっ、そうなの?」
九十八九十九:「なんだよ~隅に置けんなぁ~?」面白そうに
峯川千墨:「ヘェッ」まじまじと見る。
木花小夜:「えっ?」
木花小夜:「ええと……」
赤川累:「あの、すみません。その方は今回の事件とも関係が……?」
赤川累:なんだか彼女にとってよくない流れになっているような気がして手を挙げる。
木花小夜:「あっ」
木花小夜:「全然関係ないよ!?」
北見菫:「赤川くん!」小突く「いいとこだったのに」
赤川累:「ああ、そうなんですね。失礼、自分の予習不足かと……」小突いてくる手をそれとなく受け止めつつ、小声で「いいとこって……学校の昼休みじゃないんだぞ」
木花小夜:「今は研修行ってるし……全然関係ないです」
木花小夜:「もういいですよね。そちらの2人もお願いします」
九十八九十九:「ふぅーん……まあそうね。そろそろ仕事するかぁ」
九十八九十九:「支部長の"マジックナンバー"、九十八九十九で~す。みなさん九霄支部へはるばるようこそ~」
白土夏希:「“ポーラー”、白土夏希。イリーガルです」
白土夏希:「今回は支部長の補佐役を拝命しています。皆さんも何かご用命でしたら、お気軽にどうぞ」
赤川累:「学生の身で支部長か……すごいな」身に着けている制服を見て、独り言つ。
軽部龍授:「女に尽くすのが好きな男というのは、珍しくも無かろう。一番上は神経質ではない方が組織の動きに余裕も出るしな」
峯川千墨:「エ」切れ長の目をやや丸くする。「逆じゃねえのかよ」
峯川千墨:「ハルクのが支部長だろ。どう見ても」
白土夏希:「ハルク……」
舞浜ちよ:「ちずみちゃん!!」
九十八九十九:「ぶっ……ハルクだって……!」ウケている
白土夏希:「ウケないでください」
木花小夜:「ハルク……?」
木花小夜:「あの、それも知らないとモグリのUGN構成員なの……?」
北見菫:「ハルクって何?」小声
赤川累:「力自慢の大男って意味だ」小声。「……使われて相手が良い気分になる保証はできないけど」と付け足す。
軽部龍授:「フッ…さて、どうやら、此処はこのような集まりらしいが、お前も自己紹介をする気になったら、何か言うと良い」少女に目を向けて言う。
???:「……」僅かに顔を上げる。
(秘話):「エル、とりあえず偽名を名乗っておきなさい」
(秘話):「名前だけで身柄がばれるかもしれないわ。気を付けないと」
???:「え……でも……」小声で囁く
???:「何て言えば……」
(秘話):「適当でいいわよ!エルでなければ大丈夫!」
九十八九十九:「………」
???:「……」
???:「エ……」
???:「エル……」
???:「……子です」
(秘話):「え……エル……!」
九十八九十九:「…………しゃ、喋った!?」
軽部龍授:「喋れるようだが。鈴を鳴らすが如く声じゃないか」
峯川千墨:「エル子」
(秘話):「それは無いわよ、エル……!」
エル子:「だって……子って日本でよくあるって……」小声で何かささやいている。
木花小夜:「……」心配そうに見ている。
エル子:「…………」
赤川累:「……心因性の失声症か何かかとも思ったけど。喋れるなら良かった」
赤川累:「エル子。君のことは、そう呼べばいいのかな」
木花小夜:「あ、あの」
木花小夜:「私が……」
木花小夜:「英語を……使ってた……」
木花小夜:「意味は……?」
峯川千墨:「無かったんじゃね?」
木花小夜:「ううっ」
舞浜ちよ:「ちずみちゃん!!」
軽部龍授:「知性の披露は出来ただろう。俺は感心したが」
九十八九十九:「……大事なのは心だよ。小夜ちゃん……」
木花小夜:「とっとにかく、エル子ちゃんは」
木花小夜:「しばらくはここでゆっくりしていいからね」
木花小夜:「色々話したくなったら、教えてくれるかな」
エル子:「……」おずおずと小夜を見上げ、小さく頷く。
(秘話):「結構いい子そうだけど……油断しちゃダメよ、エル!」
峯川千墨:「ゆっくりできんのかァ? ここ」
軽部龍授:「防御の方はどうなっている?九十九」
峯川千墨:「フツーの家じゃねえの。見つけ放題だろ」ゴクゴクとドクターペッパーを飲む。「マッズ」
九十八九十九:「まーまー、その辺は任せといてよ。意外とぐっすり寝れるよぉ」
白土夏希:「寝てるんですか……?」
赤川累:「つまり、警護役が必要になるのか」
木花小夜:「うん。この市、厄介な手合いも潜伏してるらしいし……」
木花小夜:「警戒に越したことはないと思います」
舞浜ちよ:「厄介な手合い?」
軽部龍授:「聖職者のような面妖な集団に追われていたようだが……アレはなんだ?」少女にではなくUGNの方に言葉を向ける。
軽部龍授:少女に尋ねれば、それは尋問と捉え兼ねられない。その程度の思慮はあった。
九十八九十九:「なんだっけ?小夜ちゃん」右から左へ流す
木花小夜:「そのどちらも、“ヘレヴ”かもしれない」
木花小夜:「あっえっと」
木花小夜:「共有します!資料」
木花小夜:「九霄大学爆破事件とか、輸送車両襲撃事件とか……あとは“霹靂殺手”とか」
木花小夜:「皆さんに把握しておいてほしい、前提資料は整理してあります」
舞浜ちよ:「おお~、優秀!」
峯川千墨:「真面目だなァ」
九十八九十九:「そうでしょうそうでしょう」
赤川累:「……本当だ、よく纏められています」数秒で目を通して。「こちらから補足する事もありません」
軽部龍授:「ついでに付け足すが。“霹靂殺手”の趣味は風水だ」
舞浜ちよ:「そうなんだ……」
軽部龍授:「フッ…奴は神経質でな。そういうジンクスで動く」
峯川千墨:「よく知ってんじゃねえか」
九十八九十九:「へぇ、知り合いなんだ?フリーランス同士の付き合いってやつかな」
北見菫:「ヘレヴ……『回転する炎の剣』のヘレヴですか」資料を眺めながら
白土夏希:「北見さん。何ですか、それは?」
北見菫:「あっ……」声を掛けられてびくりとして
北見菫:「知りませんか?聖書に出てくる……」
北見菫:「ケルビムと一緒に、エデンの園を守ってる剣……です」
白土夏希:「なるほど……」
舞浜ちよ:「UGNの人ってなんでこんなに神話とか伝説詳しいんだろうね~」
木花小夜:「えっありませんでした?カリキュラムに……」
舞浜ちよ:「えっ、うちは無かったけど……」
木花小夜:「教官によって違うんですかね……」世代ですかねとは言わずにおいた。
峯川千墨:「“神は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと、回る炎のつるぎとを置いて、命の木の道を守らせられた”」
軽部龍授:「良く知ってるじゃないか?」口の端を上げる。
九十八九十九:「急に賢くなった……」
北見菫:「はい。創世記ですね」
峯川千墨:「日本語でしか知らなかったわ。そんな名前なのアレ」
峯川千墨:「名前ってか……原語?」
九十八九十九:「ヘブライ語だよ~」
赤川累:「新約ですからね」
北見菫:「……」聖書好きを指摘されたような気がして、やや恥ずかしそうにする。
軽部龍授:「要は門番の持ってる剣か」
峯川千墨:「ヘェ~」頭の後ろで腕を組んで椅子にもたれる。
木花小夜:「……」
峯川千墨:「じゃあエデン守ってろや。なんで極東くんだりまで来てんだ」
北見菫:「……エデンは東にあると言われてますしね」冗談めかして
赤川累:「ヘレヴだけなら単なる"剣"ですからね。どこに転がっていたっておかしくはないでしょう」
木花小夜:「オーヴァードにとっての理想郷が、この日本との見方もあります」
木花小夜:「コードウェル博士の宣言以来……」
九十八九十九:「てか菫ちゃんは赤川くん家の教会に通ってたって知ってたけど、千墨ちゃんが聖書知ってるの意外すぎ。人は見かけによらないなあ」
北見菫:「えっ……」
北見菫:「そんなことまで……」
軽部龍授:(フッ…そこもそのような仲か)
峯川千墨:「……」
峯川千墨:「見かけ通りならむしろ知ってそうだろ」そっぽを向くようにする。
九十八九十九:「こいつ……眼鏡かけてれば賢く見えると思っているな……?」
白土夏希:「支部長も眼鏡でしょう」
九十八九十九:「ほんとだ」
白土夏希:「自分もですが……」
赤川累:「……随分と詳しく調べていらっしゃるんですね」
木花小夜:「……ええ。そんなに調べるんですか?」
木花小夜:「応援者の身許って……」
九十八九十九:「あ、ごめんね二人共?一応支部長だからさ、ちょっと多めに情報降りてくるんだ。これからはあまり口滑らさないようにするから」申し訳無さそうに手を合わせる
赤川累:「いえ……すみません。驚いただけで、不服という訳では……」
北見菫:「いえ、はい……」少し警戒したように赤川くんに寄る。
木花小夜:支部長をちらりと見る。九十八九十九に気をつけろ、という春悠の言葉を思い出す。
赤川累:(ただ、降りてきた情報に隅々まで目を通すくらいには勤勉なんだな。怠けたがりはそういうポーズか……そこにどんな意義があるかは分からないけど)
峯川千墨:「……んで? どうすんだ」
白土夏希:「……まあ、ともかくです」支部長に不穏な注目が集まった空気を断つように。
白土夏希:「顔合わせも済んだことですし、早速ですが動きましょう。事態は深刻です」
白土夏希:「早急に解決する必要がある……いいですね?支部長」
九十八九十九:「仕方ないなぁ」
峯川千墨:「エル子のガードと、情報洗うのと、あとは緊急の集合場所決めといて……そんなもんか?」
九十八九十九:「場所と時間は端末に送っとくよ~」
白土夏希:「そうですね、それでは……」
GM:その時、その場の全員が異変を感知する。
峯川千墨:「相手がわかんねえでもかかってこられたら応戦していいんだよな。相手がたとえマジに──」
軽部龍授:「この気配は!?」
GM:空気に薄い膜が張るような感覚……発生源は遠いが間違いない。《ワーディング》だ。
峯川千墨:「アァ?」
木花小夜:「……!」
赤川累:「……少し遠いな。場所、特定できますか?」
九十八九十九:「うぇ~、またぁ~?」
GM:再び、九十九の端末に着信。
九十八九十九:「はいはーい」面倒くさがるのも面倒になって即座に出る。
GM:『“マジックナンバー”、付近にいますね』
九十八九十九:「すぐ向かいまーす。座標は?」
GM:『送信します。市街地でオーヴァード同士の戦闘が発生しています。急行してください』
GM:『戦っているのは──“霹靂殺手”です』
九十八九十九:「だってさ」途中からスピーカーモードにしていた
赤川累:「向かいましょう。エル子さんの警護は誰が?」
峯川千墨:「行かせねェ奴はいんのか」
舞浜ちよ:「あ、それじゃあ私が!」
九十八九十九:「じゃあ、ちよちゃんさんよろしく~」
木花小夜:「お願いします!」
エル子:「……」
木花小夜:「あっ大丈夫だよ、この人についてて!」
エル子:小さく頷く。
軽部龍授:「後で連絡用の携帯でも渡しておくか」
峯川千墨:「ちゃんとよく言うこと聞けよ」
峯川千墨:「でないと先輩がまた上に怒られっからよ」
舞浜ちよ:「ちずみちゃん……」
軽部龍授:(霹靂殺手。誰と戦っている?……いや、行けば分かる事か)
九十八九十九:「よ~し、そんじゃあみんな準備OKだね?ちょっと大所帯になっちゃったけど……」
九十八九十九:「UGN九霄支部、出動だよ~」
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得・購入可能です
軽部龍授:エル子に取ろうかな。 興味〇/不信感
木花小夜:ロイス保留して購入しようかな
赤川累:ロイスはまだ保留かな
峯川千墨:エル子 ○保護対象/先輩に迷惑かけんなよ
軽部龍授:購入はバトルあるなら防具買おう。僕はボディアーマーにチャレンジしますが。誰かアームドスーツを出来れば
軽部龍授:手配師使います。
軽部龍授:4dx+4
DoubleCross : (4DX10+4) → 10[6,7,9,10]+10[10]+7[7]+4 → 31
九十八九十九:小夜ちゃんに取ります 木花小夜 P隔意○/N庇護
軽部龍授:無駄クリ!ボディマ!!
木花小夜:強化ビジネススーツ狙います
峯川千墨:アームドスーツいくつでしたっけ
赤川累:15?
軽部龍授:15でございます。
木花小夜:5dx+1>=14
DoubleCross : (5DX10+1>=14) → 8[3,4,4,5,8]+1 → 9 → 失敗
赤川累:そんなないけど一応アームドスーツ狙ってみましょうか
木花小夜:ん~ 従者も行きます
峯川千墨:15か こちらもすごい得意ではないけど
九十八九十九:シューターズジャケット行こうかな
赤川累:2dx+4>=15
DoubleCross : (2DX10+4>=15) → 10[1,10]+6[6]+4 → 20 → 成功
“ガーネット・スター”:8dx>=14
DoubleCross : (8DX10>=14) → 10[3,3,4,5,6,7,9,10]+10[10]+5[5] → 25 → 成功
赤川累:買えたわ
九十八九十九:1dx+2>=13
DoubleCross : (1DX10+2>=13) → 2[2]+2 → 4 → 失敗
木花小夜:かえた
峯川千墨:買えてる!
木花小夜:本体が装備します おわり
九十八九十九:全然ダメだった 以上
軽部龍授:凄いぜ!どちらも。
赤川累:軽部くんにあげよ
峯川千墨:じゃあ自分用のメイド服狙お~
軽部龍授:じゃあ友情のボディアーマーを赤川君に
峯川千墨:4dx+1>=20
DoubleCross : (4DX10+1>=20) → 9[2,6,8,9]+1 → 10 → 失敗
峯川千墨:だめ!以上!
軽部龍授:そしてアームドスーツをポンケにINします。
赤川累:わーい
【Middle2】
GM:戦闘シーンです。全員登場!
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (50 → 56)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (51 → 57)
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (45 → 50)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (40 → 44)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (57 → 63)
九十八九十九:「よいしょっと」大きな細長い筒状のバッグを背負う。
九十八九十九:「うぇ~、付近とか言って結構走るじゃん~……」
九十八九十九:端末上で点滅するポイントを眺めながら愚痴をこぼす
軽部龍授:腰に日本刀を佩き、地面を爪先で軽く叩く。バッグを背負った女性を横目に見て。
軽部龍授:「フッ…ハルクに背負ってもらうのはどうかな。ところで、いいか?」
九十八九十九:「ん~?いいよぉ。恋愛相談以外なら」
軽部龍授:「間抜けな話ではある。事後承諾に近いのだが……今更、確認するが」
軽部龍授:「俺は戦力として働き、情報も提供する。そちらも同様。そして、俺はそちらの指揮に従い、そちらは後始末を担う。つまり結局のところ俺達の関係はイーヴンと言う訳だ…そうだろうな?」
軽部龍授:契約をまだ取り交わしてないこと気付く。書面を交えるでなく、それが交戦前というのも、成程、自分で言う通りの抜けた話だ。
九十八九十九:「へ~、意外。そう言うのキッチリさせとくタイプだったんだ?」
軽部龍授:「そちらは……なぁなぁで済ませそうではあるがな」ふっ、と笑う。ジョークではあるが。
九十八九十九:「心配しなくてだいじょぶだよぉ。一応ウチらお役所だからさぁ」
九十八九十九:「用が済んだら後ろからバサリとか、よっぽどのコトがないとやんないから」
軽部龍授:「成程。では、嗚呼、そして俺との契約で特に大事な事だがね。くれぐれも堅気には手を出すなよ?UGNの事だ。そこの心配は……フッ…薄いとは思うが」
九十八九十九:「え~、それこそUGNからお願いすることじゃん」にへらと笑う
軽部龍授:「後で、よっぽどのコトを、書面で提出しておくように。知らぬ地雷を踏んで騙まし討ちなど、対処の面倒にも程がある」
軽部龍授:にへらという笑いに片眉を軽く上げる。
九十八九十九:「んじゃあ、白土くんに書かせとくよ」
軽部龍授:「ならば良し。問題はない。フッ…後で白土には飴玉をやろう」
九十八九十九:「でも本当、人は見かけによらないなぁ」
九十八九十九:「自分以外はみんな巻藁に見えてるタイプかと思ってたよぉ」
軽部龍授:「そのように見るか。正直で良い事だな。試し切りしたくなったが」冗談めかして笑う。
九十八九十九:「うぇ~、私は斬っても歯ごたえないよお。ほら、ガリガリだし」冗談めかして手を振る。
軽部龍授:「フッ…骨程斬るのが難しいのだがね」
軽部龍授:「なに、抗争とは無関係な一般市民が、それに巻き込まれた。一人だけ生き残った末がいるとしたら」
軽部龍授:「……こうもなるだろうよ」何でもないように軽く告げる。
九十八九十九:「ふぅーん……」
九十八九十九:「じゃあもしかして、仇討ち?フリーランスであちこち回ってるのはさ」
九十八九十九:「それなら一周回って見た目通りかも」
軽部龍授:「意趣返しに近い。仇は司法がとっくに取ったさ……実に有難い事にな」
九十八九十九:「なぁるほどぉ」
軽部龍授:「今回の大学爆破だが。俺のその過去の一点で、片づけるべき事変だ」
軽部龍授:「そういう事で納得してくれると、面倒がない。もっとも、俺の裏を取るのは、俺の労力ではないがね」
九十八九十九:「うん、良いよぉ~。私も面倒なのは好きじゃないし」
九十八九十九:「裏も……そのうち誰かが取ってくれるしね」
九霄市 ショッピングプラザ シエロ
GM:九霄市郊外、大型ショッピングモール。普段は多くの周辺住民たちで賑わうこの場所は、今は《ワーディング》によって静まり返っていた。
GM:モールの中心、噴水広場。倒れ伏す人々の中で、一人のオーヴァードが集団に取り囲まれていた。
エノク:「……もう逃げられないぞ、“霹靂殺手”」
エノク:浅黒い肌の少年が、手にした剣の切先を向ける。
エノク:「奪った手紙を返せ。それに……あの子はどこだ!」
GM:少年と共に周囲を固めるのは、黒づくめの集団。
GM:だがUGNの面々が公園で遭遇した聖職者めいた服装とは異なり、彼らの出で立ちは白いシャツに黒のスーツ、黒い帽子。
GM:それぞれ剣や斧、思い思いの武器を手にしており、いずれも顔立ちは日本人のそれではない。
“霹靂殺手”:「……」
“霹靂殺手”:その中心、自然体で佇んでいるのは一人の男──否、男装した女。
“霹靂殺手”:中性的な顔立ちには眼鏡、オーダーメイドのスーツに革の手袋。ファッションモデルのような印象を与えるが、腰に提げたホルスターには大型の拳銃が収められており、すぐにでも抜ける状態にある。
エノク:「……何とか言ったらどうなんだ……!」
GM:「……エノク。ラビたちは、まだ時間が掛かりそうだ」
GM:携帯電話を手にした男が声を掛ける。
GM:「どうする?俺達だけで……」
GM:じりじりと、場の緊張が高まっていき──
峯川千墨:その場へ、不意に微かな異音が混じる。
峯川千墨:『──ゴボ』
峯川千墨:発生源は、男が持つ電話……その通話口。
峯川千墨:『ゴポ、ボ、ボッ』
GM:「……?」男が異音に気付き、怪訝な顔をする。
GM:「なんだ?電波が……?」
峯川千墨:それがまるで、通話先の端末が水に落とされたかのようであったとすれば、
峯川千墨:次に起こったことは、電波を通して、それがこちらにまで漏出したかの如くだった。
峯川千墨:何の前触れもなく、スピーカーから水が溢れ出す。
GM:「う、うわぁっ!?」奇怪な現象に、思わず電話を取り落とす。
エノク:「何、どうしたの!」
GM:「きゅっ……急に水が……!」
“霹靂殺手”:「……?」
“霹靂殺手”:微かに眉を顰める。自分の能力ではない。
峯川千墨:異様な湧水は止まらない。端末の容積など全く無視している。
峯川千墨:「……息を吹き込まれるものと」
峯川千墨:「音を鳴り渡らせるもの」
峯川千墨:靴音を立て、物陰からその場に歩み出す。
峯川千墨:「その二つが自由にできれば──そういうこともできるってわけでよォ」
エノク:「……だっ……誰だ……!?」
峯川千墨:「俺達だけでなんてケチなこと言うなや」歯を見せて笑う。
峯川千墨:「噛ませろ。お上だぜ、こちとら」
木花小夜:「ちょっと……いきなり片方狙っていいの!?」
木花小夜:「まず話を……」
峯川千墨:「あァ? 全員ふん縛ってきゃいいだろ」
峯川千墨:「良い子かよ」
木花小夜:「いやだって一応そういう……」
赤川累:「"ミュー・シーフィ"が正しい。無用な戦闘は避けるべきだ」
峯川千墨:「無用ッたってなァ……」がりがりと頭を搔く。
GM:「誰だ、こいつらっ……!」「何を言ってる!?」
“霹靂殺手”:「……新手か……?」
軽部龍授:「いや。古い顔見知りだ」
赤川累:「あれが"霹靂殺手"か?」軽部くんに確かめるように。
軽部龍授:その言葉に頷く。
九十八九十九:「やー、でもまあ結果オーライじゃない?向こうビビってるし」
“霹靂殺手”:「……」UGNと共にいる軽部の姿を一瞥して「……成程な」
“霹靂殺手”:「北西、金の方位」
“霹靂殺手”:「オペラピンクの財布を持ってきた甲斐があった」
軽部龍授:「聞いての通り、変人だ。占いと言うモノに拘り命を繋いできた。らしい」
木花小夜:「……?」不可解な表情のまま両者に向き直り。「私たちはUGNです」
木花小夜:「直ちに戦闘行為を停止して下さい」
GM:「UGNって、あの……」黒服たちに動揺が広がる。「どうする、エノク!」
エノク:「……みんな落ち着いて!数ならこっちが上だ、焦らなければ勝てるよ!」
九十八九十九:「あらら、思ったより素人さんかも?」
赤川累:「ですね。こんな場所で力を使って、俺達が来ることを想定もしていない」
木花小夜:「けど、私たちをまるで知らないわけじゃない……」
赤川累:「使われてる側の人間でしょう。となれば、裏に居る者に話を聞く必要がありそうだが……」
GM:そこで、エノクと呼ばれた少年に目を向けた者は気付くだろう。
GM:褪せた金色の刃に、装飾の施された柄…… 彼が持っている剣は、資料で見た、奪われた遺産“カリドゥミナ”だ。
九十八九十九:「やー、そうも言ってられなくなったみたいだねえ」赤川に目配せして
木花小夜:「……あれ!」
白土夏希:「……支部長」小声で「あれは……」
赤川累:「ええ。あれは……輸送車両襲撃の資料にありましたね」
軽部龍授:「良い子の……英語使い。さて、どうする?話を聞いて、どいつを切って捨てると決めた?」
木花小夜:「それ二度とやめてよ」
軽部龍授:「駄目か。気をつけよう。方針が明瞭で有難い」
九十八九十九:「んじゃ、全員確保するよー」
北見菫:「ぜ、全員……」
赤川累:「そりゃ、全員だろう。爆破テロと車両襲撃の容疑者だ」
北見菫:「何人いるのよ、これ……」周囲の黒服たちを見回す。
赤川累:「……さっきの通話の感じからして、まだ援軍も控えているようだったな」
九十八九十九:「一人くらい泳がして、そっち釣り上げるのもアリなんだけどぉ」
九十八九十九:「丁度良くこっち向かって来てくれてるみたいだし、その必要もないよね」
木花小夜:「……了解」
木花小夜:「とにかく、戦闘能力を失わせることが先決ですね」
白土夏希:「了解。……自分はカバーに回ります」
峯川千墨:「やっぱそうなんだろォ」
赤川累:「悪かったよ。だが、間違ったとは思わない。必要な工程だった」峯川さんに言いながら、構えを取る。
峯川千墨:「わーかったよ」
峯川千墨:手に拳を打ち付ける。「喋れる程度にブッ殺す。どっから始めようが余裕だよ」
GM:戦闘を開始します。
GM:今回の戦闘の終了条件は、「全ての敵への合計ダメージが基準値を越える」です。
GM:範囲攻撃やシーン攻撃でまとめて攻撃できると有利ということですね
赤川累:なるほどね
GM:エンゲージはこちらです
エンゲージ ()内は行動値
霹靂殺手(20)
(5m)
エノク(8)、黒服ABCDE(6)
(10m)
九十八(14)赤川(12)軽部(9)木花(6)峯川(3)
(5m)
黒服FGH(6)
峯川千墨:いっぱいいる
木花小夜:多い!
九十八九十九:なかなかの数
GM:また、黒服はトループ扱いです。
GM:NPCカードが使用可能です
“ポーラー”白土夏希
《軍神の守り》オートアクションで使用。PC1人に対しカバーリングを行う。ラウンド1回。
“クライオ・クライス”北見菫
オートアクション、ダメージ判定直前に使用。ダメージダイス+5D。
木花小夜:やった~
九十八九十九:働き者め~
軽部龍授:カニの甲羅だ
赤川累:つよいぜ
峯川千墨:言い方
GM:では戦闘を開始します。ラウンド1、セットアップから!
GM:エネミーはなし。
赤川累:無!
九十八九十九:なし~
軽部龍授:なしです。
木花小夜:まずセットアップ前に
木花小夜:『ヴァーミリオン・ヴァーミサイド』:《ワーディング》+ハーメルンの笛。
木花小夜:敵全員のドッジのC値を+1します。
峯川千墨:《ルーラー》《絡め取る大地》
峯川千墨:ラウンド中、敵全員の全ダイスを-5個、行動値を-4します
九十八九十九:偉すぎる
GM:許せね~~~
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を7(→ 7)増加 (44 → 51)
木花小夜:セットアップは本体と従者が《氷の茨》。
木花小夜:PCを除く全員はエンゲージを移動して離れた場合、4d10のHPを失う。
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (63 → 69)
GM:霹靂殺手が20>16 エノクが8>4 黒服が6>2
GM:演出あるかな?
峯川千墨:ある!
GM:どうぞ!
峯川千墨:落下した携帯端末は、広場の噴水にも劣らぬ勢いで水を吐き出し続けている──のみならず。
峯川千墨:各々の敵の懐からも、白い結晶混じりの水が涌き出で、水球となって彼らに纏わりつく。“クラッドラッド”にした手と同じだ。
エノク:「うっ……何だ、これっ……!?」
GM:「取れないぞ……!何をした、あいつ!」「動きが……!」
峯川千墨:「楽で良いよなァ。スマホなんざ大抵の奴が持ってんだからよ」
峯川千墨:大きく弧を描いて宙を掻く。その軌跡が膨らむように、そこにも脈打つ水塊が形成される。攻撃準備。
木花小夜:その水球が、ピシピシと凍結し始めている。
木花小夜:周辺に冷気が立ち込める。その冷気源は、彼女の傍らに鎮座する、血の球体。
峯川千墨:「こっちも怒られたくねえんでよ。下手に動かず大人しく──おぉ?」
木花小夜:彼女の手首から赤い紐を結ぶそれが爛々と輝き、周囲に血の棘線を巡らせている。
木花小夜:その一つ一つが、低温を呈し周囲を病毒のように蝕む。
峯川千墨:「オイ。使用料は?」
木花小夜:「見物料で相殺」
木花小夜:「相性がいい分にはいいでしょ。私たちの力」
峯川千墨:「言ってら」
軽部龍授:「……フッ」
軽部龍授:(流石はUGN、どちらも大した練度だ。俺が普段相手するヤクザどもの自前オーヴァードとはレベルが違う)
九十八九十九:「おほぉ~……」楽しげに耳を塞ぐ。もちろん味方に害を及ぼさないようコントロールされているのだが。
“霹靂殺手”:「……チッ……」
“霹靂殺手”:身体に纏わりつく水球に、忌々し気に舌打ちをする。
“霹靂殺手”:「苛立たしい……病的なまでの遅さだ」
“霹靂殺手”:「だが、まあいい……」
“霹靂殺手”:腰のホルスターに手を伸ばす。
“霹靂殺手”:「それでも私のほうが、疾い」
軽部龍授:「来るぞ。姿程度には奴の銃捌きは華麗だ。そうだな、見物料が取れる程度には」
GM:イニシアチブ
“霹靂殺手”:《スピードフォース》LV4
“霹靂殺手”:行動します
“霹靂殺手”:メジャー 《コンセントレイト:ハヌマーン》LV4+ 《音速攻撃》LV4+《浸透撃》LV4+《さらなる波》LV6+《オールレンジ》LV6+《異形の祭典》LV5
“霹靂殺手”:対象はエノク、黒服E、G、H、峯川千墨、軽部龍授!
“霹靂殺手”:10DX7+11
DoubleCross : (10DX7+11) → 10[1,4,4,5,6,7,7,7,8,8]+10[1,3,6,7,8]+6[4,6]+11 → 37
峯川千墨:だめもとドッジ!
峯川千墨:1dx+1>=37
DoubleCross : (1DX10+1>=37) → 2[2]+1 → 3 → 失敗
峯川千墨:そうね
GM:黒服たちはイベイジョン12で命中
軽部龍授:私はガード…は浸透撃で無意味か。ドッジだな。
軽部龍授:4dx+1
DoubleCross : (4DX10+1) → 8[3,6,8,8]+1 → 9
軽部龍授:失敗です。
エノク:3DX>=37
DoubleCross : (3DX10>=37) → 6[1,2,6] → 6 → 失敗
GM:特に無いならダメージ!
GM:4D10+17 ガード不可
DoubleCross : (4D10+17) → 30[9,3,9,9]+17 → 47
峯川千墨:出目すご
九十八九十九:高目に振れやがってよ
木花小夜:殺意ある
GM:黒服は死にます かわいそう
木花小夜:黒服!
軽部龍授:ではオートでウェポンケースからアームドスーツ。エフェクトは《雲散霧消》使用します。
軽部龍授:峯川さんと僕は25ダメージ軽減。
峯川千墨:非常に助かります
GM:おのれ~
峯川千墨:峯川千墨のHPを22(→ 22)減少 (24 → 2)
峯川千墨:ギリ生存
木花小夜:すご
軽部龍授:うむ。隆起を重ねる事もなきだ。
軽部龍授:50→54
軽部龍授:僕は25点と装甲の10点で35点軽減して12ダメージ。
GM:堅いよ~
GM:HPいくつかな?
軽部龍授:あ。18です。
GM:OK!
“霹靂殺手”:“霹靂殺手”がリボルバーに手を掛ける。それだけで周囲の空気がシンと張り詰め、峯川の展開した結晶とは別に、急激に温度が下がっていくような感覚が君達を襲う。
“霹靂殺手”:人業の極致、極限の集中が、周囲にまで伝播していく。嵐の前の如き静寂がほんの束の間、周囲を包み──
“霹靂殺手”:「思い知れ、霹靂の名を」
“霹靂殺手”:────轟音。
“霹靂殺手”:落雷めいた凄まじい音が響き渡り、瞬間、その場のきっかり6人のもとに弾丸が撃ち込まれている。
“霹靂殺手”:何が起きたのかさえ理解できた者も殆ど居ないだろう。それは単なる早撃ちだ。
“霹靂殺手”:ただし、その速度は完全に常軌を逸している。弾倉内の6発をほぼ完全に同時、限りなく零に近い速度で発砲、多重に重なった銃声が雷鳴の如く響き渡った。
GM:「あっ」「ぎゃっ……!?」黒服たちが倒れる。周囲の者はどんな攻撃かも理解できていない。
峯川千墨:「ぬあッ……!」衝撃。足を後ろに送って転倒を免れ、一拍遅れて腹から血が噴き出す。「テメエ」
軽部龍授:「耐えろよ、水使い。数が数だ。あの必殺が相手ではあるのだが、適度に手を抜く」
軽部龍授:ウロボロスのシンドローム特性の一つに模倣がある。この特性により、他のシンドロームで起こしうる現象を発現できる。と言うやつだ。
軽部龍授:この瞬間。生命活動の危機に際してソレは起こる。
軽部龍授:軽部龍授のレネゲイド形状は、超知覚のエンジェルハイロゥ。あるいは反射神経特化のハヌマーン、あるいは磁場を操り電速瞬動のブラックドッグ。
軽部龍授:あるいは簡易領域を作成するオルクス、あるいは強化薬物を生成するソラリス。あるいは正面から力でねじ伏せるキュマイラ。
軽部龍授:それらが次々と模倣されては、生存の為に混じり合い、極限の即応反射及び正面対応に最適な、特異奇怪なモノへと変幻する。
軽部龍授:結果として、体があり得ない反応を見せる。刹那の世界、紙一重で命が失われる時間の中で、足腰が動き、連動して腕が動く。
軽部龍授:地に水平に、鮮やかな半月を描き、諸人の目に映る光る風。即ち 後より出でて先に断つ、白刃の煌き。
軽部龍授:体に触れて害を成そうとするモノを、横合いから逸らした。
軽部龍授:敵も大業者である。威力の全て切り落とすとはいかない。だが、死に至る程ではない。果たして刀は見事必殺を失墜させた。
“霹靂殺手”:「……」その様を一瞥して。「相も変わらず不愉快な手品だ」
峯川千墨:「テメエまで見物料とか言い出さねえだろうな」手で口元の血を拭う。
峯川千墨:「見えてねえモンにまで払わねェぞ」
軽部龍授:「佐伯一刀流……【薄明】。なに、見物料は、お上より貰うつもりだ」
軽部龍授:「生きているようで何より。さて、準備運動は互いにこの程度で十分だろう」
九十八九十九:「やー、霹靂に雷切と来たら、確かに講談じみて来ちゃうけどね」気の抜けた笑い
エノク:「くそっ……」肩口から血を流しつつ、痛みに顔を顰める。「何なんだ、こいつら……!」
エンゲージ ()内は行動値
霹靂殺手(20)
(5m)
エノク(8)、黒服ABCD(6)
(10m)
九十八(14)赤川(12)軽部(9)木花(6)峯川(3)
(5m)
黒服F(6)
GM:行動値14 九十八さんの手番です。
九十八九十九:おっす!
九十八九十九:マイナーなし。オートでウェポンケースからアンチマテリアルライフルを装備します
九十八九十九:メジャー《コントロールソート》《原初の赤:ペネトレイト》《混色の氾濫》《コンセントレイト;ノイマン》アンチマテリアルライフルで攻撃
九十八九十九:対象はエノクのいるエンゲージ全体
GM:ぎえ~~ どうぞ!
九十八九十九:7dx7
DoubleCross : (7DX7) → 10[1,1,1,3,7,8,10]+10[7,7,10]+5[1,2,5] → 25
GM:黒服はイベイジョンで命中。
エノク:3DX>=25
DoubleCross : (3DX10>=25) → 8[1,4,8] → 8 → 失敗
GM:ダメージどうぞ!
九十八九十九:3d10+30+1d10 装甲無視
DoubleCross : (3D10+30+1D10) → 7[2,2,3]+30+5[5] → 42
九十八九十九:クソみたいな出目
峯川千墨:やる気出して
九十八九十九:九十八九十九のHPを3(→ 3)減少 (21 → 18)
GM:しかし目標値達成です
九十八九十九:よーし
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を10(→ 10)増加 (57 → 67)
九十八九十九:「んじゃ、これ以上料金上がる前に終わらせよっか」
九十八九十九:背に負ったバッグを開き、中の荷物をバトンのようにくるりと回しながら取り出す。
九十八九十九:三脚と、大きなレンズの付いた筒……天体望遠鏡だ。
白土夏希:(……望遠鏡……?)
九十八九十九:「あ、しまった」
九十八九十九:「偽装剥がしてくんの忘れてたわ」
九十八九十九:望遠鏡と三脚を組み立てて、棍棒のように振り回すと。
九十八九十九:瞬く間に、それが巨大な銃に変わる。NTW-20。アンチマテリアルライフルの一種だ。
白土夏希:「……!」
エノク:「……銃!?」
九十八九十九:「危ないから伏せといてね~」
木花小夜:「えっ」
軽部龍授:「それは、控えめに言っても殺し屋の隠蔽の仕方だぞ」
赤川累:言われる前になんとなく予想して姿勢を低くしている。
峯川千墨:「……」顔をしかめて眼鏡を押さえる。
九十八九十九:直立した姿勢のまま引き金を引くと、長い銃身の先から火が吹く。
九十八九十九:側面から衝撃波が扇状に広がり、周囲の草花を薙ぎ倒す
九十八九十九:弾丸は黒服達の手前に着弾。衝撃とともに飛び散った土砂と瓦礫が、彼らの全身に浴びせられる。
GM:悲鳴を上げて吹き飛ばされる黒服たち。空中に鮮血の花が咲く。
エノク:「う、ぐぅうっ……!」
エノク:剣を使って防御しようとするが、殆ど何の意味もなく身体を穿たれる。
エノク:先程から、身のこなしは殆ど素人のそれだ。
GM:周囲の黒服たちも、鍛えられてはいるようだがオーヴァード戦のプロとは言い難い。
軽部龍授:「剣は業物のようだが。何者だ、こいつら?」
九十八九十九:「あっぶな~、加減ミスったかと思った」
エノク:「く……くそっ、まだ……!」
GM:黒服たちは殆ど総崩れの状態だ。確保は容易いと見えた。だが……
赤川累:「……抵抗を中止するなら、これ以上の追撃はしない」
赤川累:想像を超える砲火に崩れかかった軍勢を前に、次の攻撃へ移る前に告げる。
エノク:「……誰が……!」
九十八九十九:「こんだけ痛めつければ余裕でしょ。ハイ確保~」
白土夏希:「支部長、そういうことを仰ると……」
九十八九十九:霹靂殺手に銃口を向け牽制しつつ、黒服たちに近づこうとするが
GM:その時。静まり返ったショッピングモール、周囲の電灯が不意にチカチカと点滅を始める。
GM:点滅は見る間に激しくなり、次々にショート、激しい閃光のように輝いて君達の目を焼く。
北見菫:「眩しっ……何……!?」
軽部龍授:「フッ…眼鏡は多くても黒眼鏡は無しか」
軽部龍授:「いや、言ってる場合ではなかったな」
GM:限界を越えた電灯の群れが沈黙していき、周囲は一転して薄暗くなる。
エノク:「……これは……!」
九十八九十九:「うえ~、なんも見えないよ~」
木花小夜:「……何……何が……」
赤川累:「……っ。古典的な、だが……」単純にして効果的だ。四散した黒服達すべての追跡はすでに不可能だろう。
ギデオン:「……待たせたな、エノク」
ギデオン:不意に、男の声が響き渡る。
峯川千墨:「アァ……?」
軽部龍授:「"虎の目”を仕掛けるつもりか?暗夜戦闘のみに習熟させ、闇討ちをこなす戦闘術だが……この体たらくなら正しく魔剣だ。……それで何者だ?」
ギデオン:薄闇を照らすような蒼白い電光に包まれているのは、眼帯を着けた壮年の男。その身体の周囲では激しいスパークがバチバチと音を立てている。
ギデオン:倒れた男達と同じような、黒ずくめの服装……彼らの仲間、否、指導者だろう。
エノク:「……ラビ!」
九十八九十九:「まぶしっ、オジサン、その子の保護者の方ですか~?」手をかざしながら
ギデオン:「おお……皆こんなに傷付いて……済まなかったな」
ギデオン:「皆、一旦引くぞ。ここで事を構えるのは得策ではない」
九十八九十九:「できれば署まで同行してほしいんですけど~」
ギデオン:「済まないが、それは出来ない。為すべきことがある」
九十八九十九:「や~、わかんないかなあ」
九十八九十九:「この街でなんかしたいんならUGNに筋通せって話してるんだけど?」銃口を突きつける
白土夏希:「……捕えますか、支部長」
峯川千墨:胸の前に浮かべた水球の内に、尖った結晶が育ちつつある。
九十八九十九:「もち!任務変更する時はちゃんと言うよ~」
ギデオン:「……」
ギデオン:その時。黒服たちと君達とを分断するように、激しく発光する雷の壁が立ち昇る。
ギデオン:超高密度の電流の凝縮体だ。触れるだけでひとたまりも無いだろう。それを壁として維持し続ける出力は、想像を絶する。
白土夏希:「ッ……!」
ギデオン:「行くぞ!全員、動けないものには手を貸してやるんだ!」壁の向こうから声が響く。
赤川累:「っ……理性のありそうな方に見えたけど。出力はジャーム級か」
白土夏希:「逃げられ…… ……!」
白土夏希:「支部長、“霹靂殺手”がいません!」
GM:気付けば混乱に紛れ、“霹靂殺手”までもがその場から姿を消している。
峯川千墨:「これだよ……!」無駄と覚えつつ、成長途中の刃を雷の壁に放つ。
九十八九十九:瞬時に装填、発射した対物ライフルの砲弾が、雷壁に触れた瞬間蒸発する。「あちゃー……」
GM:大人数の動く物音が響き、数十秒後、雷の壁が消えるころには、黒服たちもまた姿を消していた。
北見菫:「……私全然出番無かったんだけど」不貞腐れた顔で
木花小夜:「……」茨の展開を解いている。あるいは、それを展開したままであれば何人かは殺害せしめただろうが。
軽部龍授:「方角を維持して射撃をしていた。なら幸運がついて回るって?……便利な話ではある」
峯川千墨:「ハ」
峯川千墨:「じゃあアイツらは何だ。神の加護か?」
木花小夜:「結局、何しに来たかも分からずじまいか」
白土夏希:「……また逃げられましたね。例のヘレヴの手合いでしょうか」
軽部龍授:「ラビと言っていたが、それは兎ではなく、何かの階位称号だろう?」
軽部龍授:「どういう意味なんだ?」
木花小夜:「……祭司」
木花小夜:「宗教指導者の尊称のはず」
九十八九十九:「んー、それだと"へレヴ"とはまた別口かなあ」
木花小夜:「別口?」
九十八九十九:「向こうはバチカン、あっちはエルサレム」
木花小夜:「そうか、ジューイッシュの呼称だものね」
軽部龍授:「いやどちらも博識で助かる。つまり新陰と示現くらい違うと」
白土夏希:「ヘレヴに“霹靂殺手”、それにさらに別の勢力、ですか……」
赤川累:「そいつらが、どういう事情か"霹靂殺手"とやり合っていて……"ヘレヴ"の動向は不明瞭なままか」
峯川千墨:「チ。やっぱ最初から殴っときゃ良かったんじゃねえのか」
木花小夜:「殺してしまうことなら、それでも出来ただろうけど」
木花小夜:「確保は無理だったと思う」
北見菫:「なんか素人っぽかったけど……」自身もほぼ素人なのは棚に上げる。
白土夏希:端末をしまって「……処理班は手配しました。とにかく、ここに居ても仕方ありません。一度戻るとしましょうか」
峯川千墨:「面倒臭ェーなァー……撃たれ損かよ結局」
峯川千墨:穴の開いたジャケットの裾を引っ張る。「スーツ代も馬鹿ンなんねえのによ」
九十八九十九:「やー、ごめんねえ。ちょっと悠長に構えすぎたよ~」
九十八九十九:「ま、切り替えていこうよ~。わからないことが増えたってことは」
九十八九十九:「知らないことが減ったってことだよ~」
木花小夜:「誰かが謝罪しなきゃならない状況じゃない」
木花小夜:「被害が増えてしまったわけじゃない」
赤川累:「支部長が謝る事ではないでしょう」
九十八九十九:「よよよ……支部長思いの部下を持って私は幸せ者だなあ」
軽部龍授:「フッ……スーツ代に関しては、俺のせいにして良い。その程度に手を抜いた」
木花小夜:「あれで……?」
軽部龍授:「あれでだ。……請求されても、見物料と相殺という事で」
GM:いつの間にか、空には分厚い灰雲が立ち込めていた。胸の内に疑問と釈然としないものを残しながらも、君達はショッピングモールを後にした。
GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能です。
木花小夜:保留しとこうかな~ 今後個別ったりも出来るやろし
軽部龍授:僕も保留!
赤川累:うーーん こっちも保留で
九十八九十九:こちらも保留!
峯川千墨:保留かなー
GM:OK
【Masterscene】
某所
“サタナキア”:「……で?」
“サタナキア”:締め切られた、薄暗い部屋の中。筋骨隆々の長身の女が、苛立たし気な声を上げる。
“サタナキア”:「いつまでここでこうしてカニみたいにジッとしてりゃアいいんだよ。外では散々ドンパチやってるじゃねえか」
“サタナキア”:「クソがッ!苛つくぜオイッ!」
“サタナキア”:苛立ちに任せ、傍らの小柄な少女を思いきり蹴り飛ばす。
“プルフラス”:「げうっ……!!」
“プルフラス”:華奢な体格の、まだ十代前半の少女。腹を蹴り飛ばされ、悶絶して倒れ込む。
“プルフラス”:「ゴホッ!ゴボッ……オエッ……!」
“サタナキア”:「おい吐くんじゃねえよ。汚えな」
“プルフラス”:「す……すみませ……グッ……」嗚咽を漏らしながら蹲る。
“デモゴルゴン”:「……ヘレヴは情報通りに動きました」
“デモゴルゴン”:その様子を、顔色一つ変えずに微笑を浮かべて眺める女。
“デモゴルゴン”:女性らしい起伏に飛んだ体躯の、艶やかな美女だ。燃えるような赤髪は、美しさと共に魔性の色を感じさせる。
“デモゴルゴン”:「東の民はまだ疑いを持ってすらいません。まあ、あまり頭の切れる方々には見えませんでしたが……」
“サタナキア”:「で?これからどうすんだよ」もう一度少女に蹴りを入れる。
“プルフラス”:「あ、ぐっ……!」
“デモゴルゴン”:「“死舞旋刃”は死にました」
“デモゴルゴン”:「“霹靂殺手”も、面倒が起きない内に見つけ出して始末したいところですが……」
“デモゴルゴン”:「今のところ、私たちが動いたほうがリスクが高い。仮に逃げられたとしても、計画に支障はありません」
“サタナキア”:「チッ……!退屈で死にそうだっての」
“デモゴルゴン”:「今は待つべき時です。あなたの出番はいずれ必ず来ますよ、“サタナキア”」
“デモゴルゴン”:女の赤い唇を、真っ二つに分かれた蛇のようなスプリットタンがぬるりと舐めた。
【Middle3】
GM:情報収集シーンです。シーンPCは侵蝕で峯川さん、全員登場可です
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (69 → 73)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (51 → 57)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (67 → 73)
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (56 → 62)
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (54 → 60)
木花小夜:間違えて1d10ふっちゃった 低かったから良かった
GM:ではまず情報項目はこちら!
・九霄大学爆破事件② 《情報:UGN/警察》 難易度8
・古文書について《情報:UGN/学問》 難易度9
・ヘレヴについて② 《情報:UGN/裏社会》 難易度7
・ヘレヴの構成員 《情報:UGN/裏社会》 難易度8
・“霹靂殺手”の依頼者について 《情報:UGN/FH/裏社会》 難易度9
軽部龍授:PC的には“霹靂殺手”の依頼者について いきたい気持ちがあります。
赤川累:爆破事件2行こうかな
九十八九十九:古文書行こうかなあ
木花小夜:失敗したとこカバーしよかな
峯川千墨:じゃあヘレヴの構成員を
九十八九十九:盤石の体制
軽部龍授:それでは、コネ要人を使用して振ります。
軽部龍授:5dx+2
DoubleCross : (5DX10+2) → 8[3,4,5,6,8]+2 → 10
軽部龍授:成功です。
赤川累:・九霄大学爆破事件② を情報UGNで、コネを使って判定
赤川累:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 9[5,5,7,8,9]+1 → 10 → 成功
峯川千墨:情報収集チーム要るかなあ 無しで行ってみよう
峯川千墨:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 9[6,6,9]+1 → 10 → 成功
木花小夜:節約できてる
峯川千墨:4dだったけど成功!
九十八九十九:情報:UGN コネ使用 古文書について
九十八九十九:4dx+2>=9
DoubleCross : (4DX10+2>=9) → 10[1,5,8,10]+3[3]+2 → 15 → 成功
木花小夜:みんな成功してる じゃあヘレヴについて②を従者で振ります
“ガーネット・スター”:8dx>=7
DoubleCross : (8DX10>=7) → 10[1,3,5,7,7,7,8,10]+4[4] → 14 → 成功
GM:こいつら優秀だぜ
GM:では全部クリアなので開示します!
・九霄大学爆破事件②
現場で瓦礫の撤去作業が完了し、古文書研究チームは全員の死亡が確認された。
また爆弾が設置されたと思しき箇所と施設構造・爆破の痕跡をシミュレーションした結果、既存の爆弾や火薬では考え難い破壊規模となっており(少なくとも生徒や教師に気付かれず設置できた火薬量ではない)、現場の残留レネゲイドから考えても何らかのオーヴァード能力が使用された可能性が高い。
・古文書について
研究チームが解読に当たっていた古文書は、当初は非常に状態が悪く、触れるだけで破損してしまう作業困難なものだった。だが直接本体に触れずにスキャン、デジタル上で再現・解析する技術により解読に成功したようだ。
古文書の正体は新約聖書に収録されている『ルカによる福音書』と『使徒言行録』の間に本来位置するものであり、当時の信徒に向けられた『ルカの手紙』と呼ぶべきものだったらしい。
その内容に関しては未発表のままだが、表に出れば歴史的・宗教的に極めて絶大な価値のある発見であったのは確実だろう。
また、爆破された研究室はほぼ全壊状態に等しいが、古文書は厳重なケースの内部に保管されていたにも関わらず、その残骸すら見つかっていない。爆破に紛れて何者かに奪われた可能性も考えられるだろう。
なお、現在九霄市内に教会の根幹を揺るがしかねない極めて貴重な古文書があるとの噂が、ダークウェブやオーヴァード関連コミュニティで広がりつつあり、九霄市に世界中の注目が集まっているようだ。噂の出所は不明。
・ヘレヴについて②
ヘレヴはバチカン上層部の指示により極めて重大な事案にのみ対処する部隊であり、来日の目的はそれに値するだけの対象……即ち『ルカの手紙』の確保にあると見られる。
既に多数の人員と部隊の中核メンバーが派遣されていると考えられ、敵対する場合は多大な警戒が必要だろう。
・ヘレヴの構成員
“ケルヴィム”シルヴェストロ・ヴェルガーニ
精鋭揃いのヘレヴにおいて隊長を務めるオーヴァード。聖職者としても高名であり、三十代後半にして首都大司教に選任されている。
“魔女狩り”と呼ばれる業を用い、非常に苛烈な戦い方をすると噂されるが、詳細な情報は不明。
“ヴィア・ドロローサ”モーリス・モーリア
ヘレヴの構成員。砂を操るモルフェウス能力者であり、防御や敵への妨害に秀でているとされる。
自身の行動を外部から見るような離人症めいた口調は日本語の不得手によるものでなく、原語から元々のようだ。
・“霹靂殺手”の依頼者について
“霹靂殺手”の依頼元は、FHセル“ダドエルズホール”と見られる。
金銭や目的の為なら如何なる手段も厭わないという悪名高いセルであり、“ダドエルズホールディングス”なる大企業としてのカヴァーも有している。
大規模かつ精鋭揃いで知られるセルであり、また幹部メンバーは悪魔との契約によって大きな力を得ているとされる。
これは実際に悪魔なる実体と契約を結んでいるのでなく、人口に膾炙した恐怖・信仰の対象を利用し、集合的無意識からレネゲイドを介して力を得る、《オリジン:レジェンド》と同様の現象を人為的に発現・利用する技術と見られる。
→“ダドエルズホール”について/各構成員について
九霄市内 大仏前広場
GM:九霄市内に建立された大仏は地方でも有数の大きさを誇り、それなりに知られた名所となっている。
GM:普段は観光客で賑わいを見せる名所だが、一連の事件を受けてかこの日は閑散としており、君達の他に辺りには殆ど誰もいない状態だった。
九十八九十九:「やー、ごめーん。待たせちゃった?」
木花小夜:「……いえっ」ぶんぶんと手を振る。
九十八九十九:珍しく息を切らせて、少し遅れて現れる。
九十八九十九:キミの横に並ぶ瞬間、上着から微かに線香の香りが漂った。
木花小夜:「……お墓参りですか?」
九十八九十九:「んぇ~?やば、匂い残ってた?」袖を嗅ぐ
木花小夜:「あっ別にヤバいわけじゃないと思いますけど……」
九十八九十九:「辛気臭いのヤだから落としてきたつもりだったのになあ」
九十八九十九:「や~、だってどう思う?彼氏とデートする時線香臭かったら」
木花小夜:「すみません、わざわざ指摘するような真似して……えっ」
木花小夜:「これそういうニュアンスだったんですか」
木花小夜:「私てっきり周辺のパトロールなのかと」
九十八九十九:「小夜ちゃんは真面目ないい子だねえ。支部長的には超助かるよ~」
木花小夜:「え、だって……」
木花小夜:「結構大きな事件じゃないですかこれ」
木花小夜:「真面目にやらないと……何勢力がこの街にいるのか」
九十八九十九:「だいぶデカいねえ」
木花小夜:「“ヘレヴ”、バチカンの主力部隊みたいです」
木花小夜:「わざわざ本国を動くからには相応の理由があるって……」
九十八九十九:「あ~、じゃあやっぱ古文書狙いかぁ」
木花小夜:「古文書……大学で研究してたっていう?」
九十八九十九:「それそれ。なんかねえ、結構宗教史的に重大発見だったらしいよ?」
木花小夜:「それをバチカンが狙うってことは……」
木花小夜:「宗教史が望まざる方向に揺るぎかねない……?」
九十八九十九:「まー、少なくとも今の教会権力からしたら邪魔ってことなんだろうねえ」
木花小夜:「……それ」
木花小夜:「20年前程揺るぐものなんですかね」
木花小夜:「どう考えても、これの発見が一番揺るがせたと思うんですけど……」
木花小夜:「その時には頑張らなかったんでしょうか」
九十八九十九:「んー?あー、まあどうなんだろね?」
九十八九十九:「確かに、再誕者の奇跡に理屈が付いた~とか、他にも色々騒ぎにはなったらしいけど」
九十八九十九:「でも結局、それって解釈次第ってことなんじゃない?」
木花小夜:「解釈、ですか」
九十八九十九:「そ、聖書に書いてないことは解釈次第でどうとでも処理できる」
九十八九十九:「いやまあ、書いてあることもそうなんだけど、書いてないことはもっとそう」
木花小夜:「今回は、どうとでも出来ないほどに書かれてしまっている?」
九十八九十九:「進化論信じてない連中に今更ウイルスがどうとか言ってもねえ」
木花小夜:「……それはそうですけど……」
九十八九十九:「そうだねえ、つまり今回は」
九十八九十九:「聖書に書いてあることが書き換わるかも。ってことなんだろね」
木花小夜:「……それが認めたくない真実であるにせよ」
木花小夜:「事実を詳らかにするべき……って」
木花小夜:「言える立場じゃないですね、私たちは」
九十八九十九:「やー、知らない方が良いことってやっぱあるからねえ」
木花小夜:「……もう調べられてると思いますけど。私、FHセルに協力していたことがあります」
九十八九十九:「あ、うん、知ってた」
木花小夜:「そのセル……“マアト”セルは、欺瞞を暴くことを目的にしていました」
木花小夜:「それがチルドレンというシステムを指していると思った時、私は」
木花小夜:「……共感を覚えなかったかと言われると嘘になります」
九十八九十九:「ま、あんま褒められたもんじゃないからねえ、うちのチルドレン運用」
木花小夜:「だけど、手段が間違ってた」
木花小夜:「彼らもそうなんだと思います」
木花小夜:「それを認めても、教義を……ちゃんと守りたいことが、揺らがないような“解釈”を」
木花小夜:「それを探すみたいな。そういう手を取るべきなんじゃないかって」
木花小夜:ヘレヴが研究チームを殺めたかどうかまではまだわかりませんが、と加えて。
九十八九十九:「ふぅーん……」
九十八九十九:「つまり、小夜ちゃんは解釈する側に行きたいんだ」
木花小夜:「はい」淀みなく答える。
九十八九十九:「デカい野望だねえ~。大仏さんにも負けてないかも」
木花小夜:「大仏さん……」後ろを振り返ってその威容を見る。
木花小夜:「大きいですか」
木花小夜:「九十八支部長は……その大仏を駆け上がってたんじゃないんですか」
木花小夜:「どうして、今、こうして大仏の足元に?」
九十八九十九:「んー……」
木花小夜:「……あっ」慌てるように。「あの、咎めてるわけじゃなくて」
木花小夜:「何かそこに、壁があったのかと。気になって……」
九十八九十九:「あはは、や、全然気にしないでいいよぉ」
九十八九十九:「なんかカッコいいコト言えるかな~と思ったけど、思いつかなかっただけだからさあ」
九十八九十九:「えっと、そうだな……」
九十八九十九:「あっほら、あの大仏ってこう……」ポーズを取って「直立不動じゃん」
木花小夜:「ええまあ……」
九十八九十九:「疲れるでしょ」
木花小夜:「え?」
九十八九十九:「だからこう」肘をついて寝転がる。涅槃像のポーズ
九十八九十九:「視点を変えてみようかなって」
木花小夜:「それは……」
木花小夜:「入滅の境地に至ったってことですか」
九十八九十九:「あ、いいねぇ~それ!」
九十八九十九:「次からそう答えよ」
木花小夜:「構いませんけど……疲れてしまうものなんですか、この道は」
木花小夜:「私もいずれ、視点を変えざるを得なくなるんですか?」
九十八九十九:「んー、それは小夜ちゃん次第というか……そうだなあ」
九十八九十九:「隣に立っててくれる人がいたら、また違ったかもね」
木花小夜:「……それが、立てた線香の主だったんですか」
九十八九十九:「え~、そこ聞いちゃう~?」
木花小夜:「あっ」
木花小夜:「そ、その、すいませんっ……!」
九十八九十九:「あはは!嘘うそ、良いよ気にしないで」
九十八九十九:「大体、こんだけ長くチルドレンやってたらさ、線香上げる相手の一人や二人はいるもんでしょ?」
木花小夜:「……それは……」頷いて。
木花小夜:「分かりました。聞きません」
九十八九十九:「よーしよし、ミステリアスな支部長の面目も保てそう」
木花小夜:「その面目を保つ必要はあるんでしょうか……?」
九十八九十九:「え~、大事だよぉ~」
九十八九十九:「よし、じゃあ今回の任務達成!っと」
木花小夜:「……任務?パトロールはまだ全然……」
九十八九十九:「それもあるけど~、今日ここに来た目的は」
九十八九十九:「小夜ちゃんとちょっぴり仲良くなることだよ」
九十八九十九:「ご飯も食べそこねちゃったし、ゆっくり話す機会もなかったでしょ?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「私は、今回の任務。大きな功績を挙げたいです」
木花小夜:「なので……なんとかギリギリ任務を達成しました、は嫌です」
九十八九十九:「だろうねえ。めんどい状況だけど、手柄を立てるにはうってつけだ」
木花小夜:「だから……その……」
木花小夜:「……ちょっぴり仲良くなんて言わないで下さい」
木花小夜:「もっと大きく、想定以上の戦果を挙げなきゃって思います」
木花小夜:「ご飯!食べませんか。ゆっくりは無理でも、どうにか……」
九十八九十九:「……うん」にへら、と笑って
九十八九十九:「いいね~。ちょうど仲見世においしいおまんじゅう屋さんがあるんだ~」
九十八九十九:「いっちょ寄ってく?皆にもお土産買ってこうよ」
木花小夜:「……はいっ!」
九十八九十九:「へへへ……」今までより少し自然な笑顔で、君の前へと進み出る。
九十八九十九:「あ、そうそう」前を向いたまま
木花小夜:「はい?」
九十八九十九:「これからは、私に降りてきてる捜査情報、小夜ちゃんにも共有してもらうね。手柄を立てるなら必要だ」
木花小夜:「……!はい」
木花小夜:「よろしくお願いします」
九十八九十九:声のトーンが冷たくなる。君にだけ聞こえる声量で、続きを話す。
九十八九十九:「爆破された研究チームだけど、検死の結果が入ってきてる」
九十八九十九:「死因は爆死でも焼死でもない。その前に全員、別の方法で殺された」
九十八九十九:「……気をつけてね。小夜ちゃん」
九十八九十九:「死因は斬殺だから」
木花小夜:「……爆破は証拠の隠滅のため……?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……まさか、それを知っていて」
木花小夜:「知っていて、引き込んだんですか」
九十八九十九:「ん~?」
木花小夜:「……いえ。何でも」
木花小夜:「何でもないです。情報共有ありがとうございます」
九十八九十九:「どういたしまして~!さ、お饅頭お饅頭~!」
木花小夜:(この人は……)
木花小夜:(……やっぱり、どこか、分からない)
木花小夜:釈然としないまま、仲見世へと向かう彼女に続いた。
九霄市内 ファミリーレストラン『りんぼ』
GM:引き続き捜査を進める君達。事件解決にはまだ遠いが、生きて動いている以上空腹は避けられない。栄養補給と適度な休息は必要だ。
GM:そんな訳で、君達は丁度セーフハウスに集まったメンバーで、近くのファミレスへと昼食を食べにきていた。
舞浜ちよ:「みんなお疲れ~。どう?順調?」
舞浜ちよ:ユッケ風のまぐろに、昼間からビールジョッキを頼んでいる。
峯川千墨:「順調も何もねェっスよ」
峯川千墨:「知ってますか先輩。殺さないようにすっと逃げられるんス」
峯川千墨:ぼやく。スーツは既に新しいものに着替えている。
舞浜ちよ:「だ、だからって殺そうとしちゃダメだよ……?」
峯川千墨:「分かってますよォ」
赤川累:「順調とは言い難いですが、進捗はあります。あまり喜ばしい情報ではありませんが……」
赤川累:「……殺すだのなんだの、食事中に物騒な話をするというのも、最初は抵抗感があった気がするんだけど」定食のハンバーグを綺麗に切り分けて口に運びながら、小さく呟く。「どうもすっかり慣れたな」
軽部龍授:「フッ…問題ばかりが増えている。パズルゲームと同じで、連鎖の仕込みだ」
北見菫:「……」居心地悪そうにトマト冷麺をつるつる啜っている。
軽部龍授:「こういうのは一つが解決すると、堰を切ったように大連鎖が起きるものだが、昼から飲酒は如何なものか」
峯川千墨:ステーキを切り分ける。未だ湯気の上がる鉄板の傍らには、それぞれ平皿に盛られたライスとサラダ。
舞浜ちよ:「ちょっとお酒飲んだ方が頭回るんだよ~。これ一杯だけだから見逃して!」
峯川千墨:「毎回ジョッキアタシの前出されるんスよね」けらけらと笑う。
舞浜ちよ:「そうそう。毎回免許証出さなきゃダメなの~」
軽部龍授:「だろうな。本当に人体実験で年齢が抑制されてるというわけではないのか?」
軽部龍授:天婦羅そばの天婦羅の衣を箸で剝がしている。和洋折衷、老人から子供まで楽しめるメニューがあるのがファミレスの強みだろう。
舞浜ちよ:「違うよ~!そういうのじゃなくて、生まれつきです」
峯川千墨:「メシももっと食った方が良いんじゃ?」
峯川千墨:「デカくなれませんよそれだけじゃ」ユッケをナイフで指して。
舞浜ちよ:「そうかなあ」ユッケをつまみながら
舞浜ちよ:「この歳から伸びる事ある?」
軽部龍授:「フッ……第三次成長期か」
赤川累:「この世界には、成長が止まる体質というのもあるらしいですが……逆はあまり聞きませんね」
峯川千墨:「食わないよりマシじゃないスかね」
峯川千墨:「なァ。そう思うだろお前も」急に菫さんに振る。
北見菫:「えっ」ぎくりとして。
北見菫:「あ、ええ……そう、ですね……?」
軽部龍授:蕎麦を啜りながら、二人を見ている。
峯川千墨:「ほらァ」
舞浜ちよ:「そっかあ……。じゃあ追加しちゃお」
舞浜ちよ:「すいませーん、たこわさお願いします~」
北見菫:「それはおつまみでは……」
赤川累:「それ、お酒も増えるやつじゃないですか……?」心配そうに見ている。
峯川千墨:「あァ?」
峯川千墨:「良ーんだよ。タンパク質だろお前。知らねェけど」
軽部龍授:「甘やかすものだな。ところで、気になる事が二つある」
軽部龍授:「質問として提示して良いだろうか?」
峯川千墨:「おう」肉を頬張って噛み締める。
舞浜ちよ:「ん、なになに?事件のこと?」
赤川累:「律儀な聞き方を。答えられることなら答えるけど」
軽部龍授:「そうではない。“霹靂殺手”の依頼元は、FHセル“ダドエルズホールだとか、大企業をカヴァーにしていて、幹部メンバーは悪魔との契約によって大きな力を得ている。とかな、そういう事ではなく」
軽部龍授:箸を軽く回しながら言う。
峯川千墨:「……」ぴくりと眉を動かす。
軽部龍授:「舞浜ちよと峯川千墨は長いのか?という事と、赤川と北見の関係性だ」
北見菫:「えっ」硬直する
軽部龍授:「俺の目から見て、相当に親しい二組と言えるのでな」
赤川累:「関係性」
赤川累:呟いて、少し言葉を選ぶような間があって。
舞浜ちよ:「なーんだ、そんなこと~?」
峯川千墨:「前置き全然関係ねェな……」
舞浜ちよ:「そこまで長くもないよね?ちずみちゃんがUGN入ってからだから~……えーと?」
峯川千墨:「何年スかね?」
舞浜ちよ:「え~、1年くらいじゃない?去年のこれくらいの時期だった気がする~」
峯川千墨:「そんなもんスか」
峯川千墨:「そんなもんだってよ」右から左へ。
赤川累:「こっちは、そうだな。同郷の友人……だけだと少し不正確か」
北見菫:「……」どんな言葉が出てくるのかと、横目で赤川くんを見て。
赤川累:「そうだな、只ならぬ苦難を一緒に乗り越えた仲……」同意を確認するように北見さんの方を見る。「……で、いいか?」
北見菫:「え……な……なんかその言い方……あれじゃない……?」
峯川千墨:「なんだ」
峯川千墨:「お前らもアレか? あの……良い子と同じアレか」
軽部龍授:「迂遠な物言いだと思うがな、それは」
北見菫:「…………友達!!」
北見菫:「友達です。普通に」
北見菫:「それ以上でも以下でもないですから」頑なな態度で言う
赤川累:「……そうだな。そういうことだ」
軽部龍授:「そうか。正直に言うと、俺は恋話には興味がある」
峯川千墨:「ヘェー?」
舞浜ちよ:「え~、意外~!」
舞浜ちよ:「私もありまーす」挙手
軽部龍授:「人に好かれたことがないからな。どのような人間が好かれるのかと言う事に興味がある。というのが正確だがな」
軽部龍授:フッと嘯くように笑う。
舞浜ちよ:「え~?モテそうなのにね~」既に頬が赤い。酔っている
軽部龍授:「縁遠いモノというのは物語として受け取るのにも丁度良い。まったく、酔人の相槌では説得力がない」
赤川累:「恋の話か……」呟く。視線がどことなく天井の方に向かう。
峯川千墨:「つうかよ」
峯川千墨:「それこそアイツはどうなんだよ。バイ……なんだっけ。銃のヤツ」
峯川千墨:「男だと思ってたぞアタシ」
舞浜ちよ:「え、女の子なの!?」
軽部龍授:「あぁ。言ってなかったか?」
峯川千墨:「実際見たらそうだったんスよ」
舞浜ちよ:「えぇー、私も見たかったな~」
赤川累:「当初資料には男と書いてあったな。君が本人だと言うから、そういう事情なのかと納得したけど」
峯川千墨:「やけに詳しいと思っちゃいたが……」
軽部龍授:「そう言えば、言ってなかったな。アレは腐れ縁だ。殺しきれず、時に味方であり、時に敵。一番顔を合わせたオーヴァードだが」
軽部龍授:「フッ……不愉快な手品を使う。という評が全てだろう」
北見菫:「撃たれてましたもんね」
軽部龍授:「まず躊躇いなく俺を標的に入れてきた。殺せるハズがないのを分かっていてだ。嫌われたものだ」
峯川千墨:「不愉快っつうならあの場にいた連中全部そうだろ」
峯川千墨:思い出したように顔を顰めて。
峯川千墨:「ヘレヴだかヘブルだか知らねェけどよォ……」
舞浜ちよ:「そういえばちずみちゃん、今回はちゃんと手加減できたじゃない!えらいえらい!」背伸びをして頭をよしよしと撫でる
峯川千墨:「あっ! そうッスよ」ぱっと子供のように笑う。
赤川累:(あ、怒りが爆発する前に宥めにかかった)
舞浜ちよ:「その調子だよ~。やっぱりちずみちゃんはやればできる子なのよね!」
峯川千墨:「えへへ~」撫でられている。振られる尻尾を幻視させそうだ。
赤川累:(そして面白いくらい上手く行った……あれがこの人の人望なのか)
北見菫:(別人みたいね……)
軽部龍授:「舞浜、見的必殺はUGNの基本なのか?」
舞浜ちよ:「ち、違うけど……ちずみちゃんは今勉強中だから!」
赤川累:「勉強中……」さっきの話ではもう一年はUGNにいるはずだが……と思ったが、言葉には出さない。
峯川千墨:「あ、あと連中のツレのことも調べ上げて全員に送ってんで」
峯川千墨:「この後にでも確認してくださいッス」
舞浜ちよ:「お仕事までちゃんとしてる!えらすぎるよ~!」
峯川千墨:「えへへへへ~~~」
軽部龍授:「互いに互いを甘やかしている」
北見菫:「ありがとうございます……」居心地の悪さから逃れるように端末を確認して。
北見菫:「……え」小さな声を上げる。
軽部龍授:「どうした?気になる事でも?」
北見菫:「……あ……いえ……」
北見菫:端末を隠すようにしまって「……何でもないです」
北見菫:一瞬、赤川くんに視線を送る。
赤川累:「何でもなくはなさそうだが……」
軽部龍授:天婦羅蕎麦を啜る。
峯川千墨:「オイ。何だコイツ」赤川くんに。
舞浜ちよ:「ちずみちゃん!怖がってるでしょ!」
峯川千墨:「エェ? だってアタシの情報見てッスよ」何もなかったかのように不良然とした態度に戻っている。
軽部龍授:「赤川、後で話を聞いておいてくれ。……人前で話せない事もあるだろう」
舞浜ちよ:「ごめんね、北見さん。この子のことはよく吠えるチワワだと思ってくれていいからね」
北見菫:「……」薄く、こくりと頷く。どこか心ここにあらずといった様子だ。
軽部龍授:「フッ……よく懐いてるアロサウルスでは?」
舞浜ちよ:「あ~、それも可愛いかも!」
峯川千墨:「どっちにしたって噛まねェよ……」
赤川累:「……あまり威圧しないでくださいよ」言いながら、スマホを操作して北見さんにメッセージを送る。
赤川累:『俺が聞いた方が良いことか?』
北見菫:「……」赤川くんに視線を送り『あなたも見て』とだけ返ってくる。
赤川累:「……」言われるまま、資料のファイルを開いて目を通し。
赤川累:「……。人違い、ではないよな」小さく呟き、そのまま何かを考えるように黙り込む。
峯川千墨:「あ、剣客」
軽部龍授:「ん?」
峯川千墨:「その天カス食わねえんならくれ」天ぷらから外していた衣を示す。
軽部龍授:「おい。噛むじゃないか」などと笑うが、衣を相手の皿に移し。
軽部龍授:「お母さん。あげたが?良いのか?」舞浜に向かって聞く。
峯川千墨:「どーも」
舞浜ちよ:「お母さんじゃないけど……う~ん……」
舞浜ちよ:お行儀の悪さを叱るべきか勿体ない精神を褒めるべきか悩んでいる。
峯川千墨:「サラダがよォ」もらった衣と野菜を一緒に箸で挟んで。
峯川千墨:「どうしてもまじぃんスよ」一緒にステーキのソースに漬けて口に運ぶ。
峯川千墨:「ほのままらほ」
舞浜ちよ:「……軽部くんは衣も残さず食べなきゃダメだよ!」
舞浜ちよ:「ちずみちゃんはお行儀悪い!」
峯川千墨:「ンェェ~」
峯川千墨:「野菜食えつったの先輩じゃねえですか」
舞浜ちよ:「努力と工夫は認めるけど~~……」
軽部龍授:(実は最後のお楽しみに取っておいたのだが)
軽部龍授:「まあ、そうだな。次は残さず食べよう」
舞浜ちよ:「軽部くん、えらい!」
軽部龍授:「しかし、外見から信じられない行動をとるな。二人とも」
舞浜ちよ:「そうかな?」
軽部龍授:「委員長のような外見で、小学生のような行動をとる女」
軽部龍授:「小学生のような外見で、委員長のような行動をとる女」
軽部龍授:「フッ…傍から見れば、そういうものだ」
峯川千墨:「らしいカッコってもんがあんだろ?」
峯川千墨:「正義の味方にはよ」
軽部龍授:「正義の味方ではないんでね。俺はそこらへんわかりがない」
舞浜ちよ:「うんうん。それに人は見た目で判断しちゃダメだよー。特に女の子はね」
軽部龍授:「そういうものだと思っておこう。いや勉強になった」
峯川千墨:「テメエも見た目じゃ判断できねえけどな」
峯川千墨:「何の味方なんだよ? 実際」
軽部龍授:「味方はいない。だが、そうだな、強いて言えば」
軽部龍授:「悪の敵?は、言い過ぎだな」
軽部龍授:「剣を極めるのに減らして良い人間という選別はしている。程度だ」
峯川千墨:「そのナリでねえ」面白げに唇を歪めて。
峯川千墨:「外見云々はお互い様だろ、やっぱ」
軽部龍授:会話しつつ、ただならぬ二人を見やる。
軽部龍授:「そうだな。互いに一つわかり合えた。実に有意義な時間だった」
軽部龍授:「正義の味方。フッ…良い響きだ」
軽部龍授:「そして良い弟子だよ、お前は」
峯川千墨:「言われるまでもねえわ」
---
GM:ファミレスの席からそれとなく抜け出した赤川と北見。
GM:二人は店内の隅、人気の少ないトイレ横の通路で密かに会話を交わしていた。
北見菫:「……」君のことを待っていたようで、壁に背をつけて立っている。
北見菫:「……どう思う?」
赤川累:「……そうだな」逡巡するように重い口を開く。
赤川累:「結論から言えば、会って話す他にないだろう」
北見菫:「ちょっと待ってよ。まず……」かぶりを振って
北見菫:「……あの人なの?」
北見菫:「本当に、私たちが知ってる……」
赤川累:「それも含めてだ」
赤川累:「名前と顔が一致していれば本人なのか、と言うなら。そうじゃない例を俺達は知ってる」
北見菫:「……」息を吐いて「……冷静なのね」
北見菫:「赤川くん、随分あの人に懐いてたように見えてたけど」
赤川累:「……動揺はしてるし、不安でもあるさ」
赤川累:「ただ、どこまで悩んで考えても、こうするしかないって思ってるだけだ」
北見菫:「……成長かしら。それとも経験?」
北見菫:「どっちもか」
赤川累:「かもしれないな。信じたい人間が怪物だった経験なら、既にある」皮肉めいて少し笑って。
北見菫:「エージェントらしくなってきたわね、あなた」
赤川累:「そう見えるか? 褒め言葉と受け取っておくよ」
北見菫:「……このこと、みんなには?」
赤川累:「……それも考えた。今の段階で他の人に話してどうなる問題でもないとは思うが」
赤川累:「明かしておくべきだろう。そうしない理由がなくて、それに……俺達はここでは外様だ」
赤川累:「余計な不信を買うリスクを負うべきじゃない」
北見菫:「……そうね」目を伏せて。
赤川累:「……君も、それでいいか?」
北見菫:「……あの人とは、赤川くんのほうが親しかったでしょ」
北見菫:「あなたがそれでいいなら、いい」
赤川累:「それはそうだけど……だからって一人で決めるべきではないと思ったから」
北見菫:「……でも……」
北見菫:少し躊躇うように
北見菫:「……もし」
赤川累:「……?」
北見菫:「もし、あの人が敵に回るようなことになったとしたら」
北見菫:「赤川くん。その時、あなたはどうするの」
北見菫:じっと君を見上げて問う。
赤川累:「……」ふう、と深く息を吐き出して。
赤川累:「やれるよ。俺はやれる」
赤川累:迷いなく君の眼を見て言う。
北見菫:「……」
赤川累:「無論……その前に向こうの事情を確認して、対立しなくて良い道を模索するのは前提だが」
赤川累:「過度な私情は入れないようにする」
赤川累:「……どうだ。君の安心できる答えだったか?」
北見菫:天を仰ぐようにして、こつん、と後頭部を壁につける。
北見菫:「……本当に、強くなったわね。赤川くん」
北見菫:「澪央が見たら何て言うかしら」
赤川累:「どうかな。累のくせにかっこつけやがって、って言われるかも」
北見菫:少し笑って「不安よ」
北見菫:「気を抜くとどんどん置いて行かれそうだもの」
赤川累:「君に呼び止められれば戻ってくるつもりでいるとも」
赤川累:端末を取り出し、皆に連絡を入れようとして。僅かに手を止め。
赤川累:「……ああ、それと」
赤川累:「俺のことを案じてくれてありがとう」
赤川累:微笑みを浮かべてそう言って。そのまま端末を操作する。
赤川累:RHOを公開します。
GM:了解です。
RHO
カトリックの司祭シルヴェストロ・ヴェルガーニは、かつて君の生家の教会に滞在していたことがある男だ。
聖職者であることを抜きにしても彼は好ましい人物であり、当時まだ進路に悩んでいた君の背中を押し、医師を志す一歩を踏み出させた恩人でもある。
シルヴェストロと別れて数年が経ち、故郷と共に教会も消え去った今となっても、それは君にとって掛け替えの無い思い出だ。
君は彼のことを、強く信じている。
北見菫:「……別に、心配なんてしてないわ」
北見菫:「不安を共有して、紛らわせたかっただけ。私がね」
北見菫:軽く君の胸を叩いて、歩いていく。
北見菫:「先、戻るわね」
赤川累:「ああ」
赤川累:一緒に戻ると彼女の機嫌を損ねる気がしたので、少し間を開けて戻ることにする。
赤川累:壁に背を預けるようにして、もう一度。メッセージの上に浮かぶ名前を読み返す。
赤川累:(……何も、騙されていたとかそういう話じゃないはずだ。今の時点では)
赤川累:(学校の友人は俺のエージェントとしての顔を知らない。そういう意味で、俺と彼は同じで……)
赤川累:結局、何度考えても同じ結論に辿り着く。会って話す他にない。信頼も不信も正しく、同時に間違っていて
赤川累:唯一確かな指針があるとすれば、目を背けてはいけないということだけ。
GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可!
木花小夜:九十八九十九/誠意:○/警戒/ロイス
九十八九十九:ロイスは保留かな
峯川千墨:軽部龍授 ○面白いヤツ/よくわからんヤツ
木花小夜:シューターズジャケットでも狙おうかな
峯川千墨:購入はメイド服狙いで
九十八九十九:ワシもシューターズジャケット狙うゾイ
峯川千墨:4dx+1>=20
DoubleCross : (4DX10+1>=20) → 10[1,3,8,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗
“ガーネット・スター”:7DX>=13
DoubleCross : (7DX10>=13) → 9[1,2,4,5,6,7,9] → 9 → 失敗
峯川千墨:財産5点使って買います 装備して以上!
九十八九十九:2dx+2>=13
DoubleCross : (2DX10+2>=13) → 9[7,9]+2 → 11 → 失敗
九十八九十九:あっ財産あるし買っちゃおうかな
九十八九十九:財産点2点使って買います
九十八九十九:装備して以上!
木花小夜:じゃあえーと 赤川くん用のボデマでも買うか
木花小夜:9dx+3>=12
DoubleCross : (9DX10+3>=12) → 10[1,1,3,5,7,8,8,9,10]+10[10]+7[7]+3 → 30 → 成功
軽部龍授:赤川君にはボデマあげたよ!
木花小夜:あっそうとは
木花小夜:じゃあ余っちゃった
木花小夜:エル子にあげるか
峯川千墨:やさしい
木花小夜:いじょ!
軽部龍授:ロイス。 峯川千墨 羨望〇/劣等感 師匠的存在と仲が良くて羨ましみ。と、それに付随する自身の劣等感。
軽部龍授:そしてアームドスーツをウェポンケースにINします。
赤川累:うーん ロイスは保留で
軽部龍授:購入は応急手当。
軽部龍授:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 8[4,8]+4 → 12
軽部龍授:即使用。
軽部龍授:2d10+18
DoubleCross : (2D10+18) → 13[9,4]+18 → 31
軽部龍授:全快。パーフェクト。以上です。
赤川累:ブルゲチャレかなと思ったけど負傷者いるのか 応急買います
赤川累:3dx+4>=8 応急
DoubleCross : (3DX10+4>=8) → 5[1,2,5]+4 → 9 → 成功
赤川累:買いました 欲しい人は言ってね~ 以上
峯川千墨:あ、欲しいです!
赤川累:あげるぜ
峯川千墨:ありがと~ 使います
峯川千墨:2+2d10
DoubleCross : (2+2D10) → 2+8[5,3] → 10
峯川千墨:峯川千墨のHPを10(→ 10)に変更 (2 → 10)
峯川千墨:まずまずの回復
【RHO/赤川累】
数年前 浅葱島
GM:浅葱島。
GM:都心より遥か南、人工数百人の小さな離島。
GM:空と海の他には何も無いようなこの島の、小さな教会が赤川累の生家だった。
GM:日曜日のミサでも僅かな人が集まる程度の寂れた教会だが、そんな場所に今は束の間の居候が身を寄せていた。
GM:休日の昼下がり。島を歩いていた君は、教会からピアノの旋律が聞こえてくるのに気付き、そちらに足を向けた。
GM:教会には古いグランドピアノが置かれていたが、君の母が亡くなって以来は殆ど弾く者もおらず、調律もおざなりのままに放置されていたはずだ。
GM:扉を開けて覗いてみると、一人の男が鍵盤で指を躍らせていた。
シルヴェストロ:「……♪」
シルヴェストロ:シルヴェストロ・ヴェルガーニ。
シルヴェストロ:いま君の家に身を寄せている神父だ。聖職者としての修行の一環として世界を渡り歩いているらしく、既に日本でも各地で布教やボランティアを行ってきたらしい。
シルヴェストロ:三十代とは思えない、涼やかな印象の若々しい男。炊き出しの経験のお陰か、彼の振舞う豚汁は異様に旨い。
シルヴェストロ:鼻歌を歌いながら、君の聞き覚えの無い曲……讃美歌だろうか?を奏でている。
赤川累:音色を不思議に思って覗き込んだが、その横顔を見て納得する。ピアノが弾けたとは知らなかったけれど。
赤川累:そのまま静かに立ち去ろうかと考えてふと、目線が合った。となれば、そのまま出ていくのもバツが悪い気がして、その場に足を止めて演奏に聞き入ることにする。
赤川累:その容姿は、眼鏡をかけた中学生くらいの少年だ。夏服のシャツの半袖から、今よりも幾分か細身な腕を晒している。
シルヴェストロ:「あ……」
シルヴェストロ:君に気付き、一瞬驚いたような顔をするが、そのまま一曲を弾ききってから手を止める。
シルヴェストロ:「やあ……累くん」頭を掻いて
シルヴェストロ:「気まずいところを見られちゃったなあ、あはは……」
赤川累:一人、ゆっくりと拍手をして。それから会釈する。
赤川累:「いえ、気になっただけで……咎めに来た訳では。良い演奏でした」
赤川累:「母が亡くなってから、それを弾く人もいなかったものですから」
シルヴェストロ:「あはは……いや、賛美歌なら良かったんだけどね……」
赤川累:「あ……確かに、俺も聞き覚えのない曲でしたね。何だったんですか?」
シルヴェストロ:「あ~……」気まずそうに笑って
シルヴェストロ:「ガガだよ」
赤川累:「ガガ……」父の話の中にそんな言葉が出てくる節があっただろうか、としばし思い返そうとして。
シルヴェストロ:「『Born This Way』……知ってる?」
赤川累:「あ……アメリカのミュージシャン、でしたっけ」
赤川累:あまり音楽に関心がある方ではない。どこかでおぼろげに名前を聞いたような記憶がある程度だ。
シルヴェストロ:「あ、知ってる?あはは……お父さんには内緒にしてくれるかい?」苦笑して、唇に指を当て内緒のジェスチャー。
赤川累:「まあ、確かに父はいい顔をしないかもしれませんね……」苦笑して。
赤川累:「でも、俺は別に気にしませんから。大丈夫です」
シルヴェストロ:「ありがとう。やっぱりそうだよね……」笑って「ああ、でも、君のお父さんは素晴らしい人だよ」
シルヴェストロ:「大きな教会を率いたり、大勢に説法するだけが聖職者として正しい在り方じゃない」
シルヴェストロ:「この小さな島で、限られた、隔てられた人たちに向け教えを伝えようとする……」
シルヴェストロ:「そうしたことができる人は、聖職者でもそう多くはない。君のお父さんのような人こそ、僕は本当の意味で尊ぶべき偉人だと思うんだ」
赤川累:「……ええ。立派なのだろうと思います」
赤川累:「父は厳しい言葉を口にしますが……父自身の行いがそれに背いたのを、俺は見たことがない」
赤川累:「俺はまだ十四ですが……それが至極難しい事であるのは、分かっているつもりです」
赤川累:その言葉に嘘はない。ただ、思うところの全てを口にした訳でもないのだが。
シルヴェストロ:「『警戒していなさい。信仰に立ちなさい。勇敢でいなさい。強くありなさい』」
シルヴェストロ:「コリント人への第一の手紙、16章13節。言葉にすれば簡単だけれど、何よりも難しいことだよね」
シルヴェストロ:小さな教会を眺め、「……この教会は、いずれは君が引き継ぐのかい?累くん」
赤川累:「いいえ。俺は、父のように"立派"な生き方はできませんから」
赤川累:言ってから、どこか棘のある言葉になってしまったかとにわかに冷や汗をかく。
シルヴェストロ:「そうなのかい?それでは、君は?」
シルヴェストロ:特に気分を害した様子もなく問い掛ける。
赤川累:「……これは、別に父に内緒にしなくても良い事なんですけど」
赤川累:「俺はクリスチャンではありません。この世に神がいるとも、天国があるとも思えない」
赤川累:そこまで言い切ってから、またシルヴェストロの反応を伺うようにその目を見る。
シルヴェストロ:「なるほど」やはり、気にした様子は無い。各地を巡り多くの者と接してきた彼にとっては、神を信じない者との対話も数え切れぬほどあったのだろう。
シルヴェストロ:「それは確かに、教会を引き継ごうとは思えないだろうね」朗らかに笑う。
赤川累:「ええ。……最も、父は諦めていないみたいなんですけどね。今でもミッションスクールへの進学を勧められる」
赤川累:こちらも、困ったように笑う。……それから、ステンドグラスを通して射す光を扇ぐように見上げて。
赤川累:「……亡くなった母は、病気だったんです」
赤川累:「父は容態が悪くなる度に毎晩その傍について、無事に癒えるようにと神様に救いを乞うていました」
赤川累:「でも、その祈りに力はなかった」
赤川累:「……母は天国へ行き、魂は救われたのだと父は言いますが」
赤川累:「俺には……その言葉が、自分の無力さを慰めようとしているように見えました」
赤川累:「幾ら救われたのだと言われても。俺の言葉はもう母には届かないし、母の言葉ももう俺には聞こえません」
赤川累:「……」そこまで言って、つい喋りすぎてしまったと口元に手を当てて。
シルヴェストロ:「……だから、神を信じられない?」
シルヴェストロ:穏やかな声だ。人の心を安心させるような、説法者の声。
赤川累:「……。それが理由の全て、ではありませんが……」
赤川累:「俺はただ。正しくあるというだけで救いが届くような……世界はそんなに都合の良いものではないと感じているんです、きっと」
シルヴェストロ:「でもね、累くん。君はもう、神の本質をよく分かっているよ」
赤川累:「……?」何を言っているんだろう、と目を細める。
シルヴェストロ:「『一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる』」
シルヴェストロ:「ヨハネによる福音書、12章24節」
シルヴェストロ:「この言葉は……人の死には意味があるという教えでもあるけれど」
シルヴェストロ:「それ以上に、生きている人への慰めでもあるんだよ」
シルヴェストロ:「そう、慰めだ。君の言った通りね」
赤川累:「……」
赤川累:「なら……俺は多分、慰められたくないんでしょうね」
赤川累:「母が死んだ事は、俺にとってはどこまで行っても喪失で。救いなんかじゃなくて、悲しいことで……」
赤川累:「それを誤魔化されたくなかった」
シルヴェストロ:「それでも、それが必要な人はいるんだ」
シルヴェストロ:「君のお父さんも、きっとそうした一人だったのだろうね」
赤川累:「……でしょうね。俺が言ってるのは、きっと周りの都合を考えない子供の我儘だ」
シルヴェストロ:「……あるいは君の言う通り、神に祈っても奇跡なんてものは起きないのかもしれない」
シルヴェストロ:「聖書に縋ろうと病気は治らないし、困難は解決してくれないかもしれない」
シルヴェストロ:「……でもね、累くん。信仰に何の力も無いと言われれば、それはきっと間違いだと思うんだ」
赤川累:「……」
シルヴェストロ:「『キリストの力が私に宿るように、むしろ喜んで自分の弱さを誇ろう。 だから私はキリストのためならば、弱さと、侮辱と、危機と、迫害と、行き詰まりとに甘んじよう。 なぜなら私が弱いときにこそ、私は強いからである』」
シルヴェストロ:「コリント人への第二の手紙、12章9節」
シルヴェストロ:「累くん。信仰とは人の心に寄り添い、慰め、支え、助けてくれるものであって……」
シルヴェストロ:「それによって立ち上がり、戦う人の心にこそ、力が宿る」
シルヴェストロ:「僕はそう思ってるんだ。神父の言うことじゃないかもしれないけどね」
赤川累:「……」自分はそれを知っている。父の元には何人もの人が訪れて、その迷いを晴らして去っていく。
シルヴェストロ:「だからね、お父さんのことを恨まないであげてほしいんだ」
赤川累:「……恨んで、なんか」
シルヴェストロ:「お父さんは自分と、君と……そして、きっと誰より、君のお母さんの為に戦っていた」
シルヴェストロ:「今も戦ってる」
赤川累:「……」
シルヴェストロ:「信じてほしいとは言わないけれど、どうか分かってあげてほしいな」
シルヴェストロ:微笑と共に言って、それから話を切り替えるように、鍵盤を一音鳴らす。
赤川累:「……それでも俺は、父と同じにはなれません」
赤川累:「だけど。母を助けたいと思いながら……母を助けることはできなかった」
赤川累:「そこはきっと、同じで……だから」
シルヴェストロ:「じゃあ、君はどうなりたいんだい?累くん」
赤川累:「……父とは別の方法で、母のような人を助けたい」
赤川累:「神の手に縋るのではなく、人の手で……」
赤川累:漏れ落ちる光に手をかざす。それを、ぎゅうと握りしめるように拳を閉じて。
シルヴェストロ:「へえ!」楽しそうに
赤川累:「……そのための力を身に着けたい。そう思っています」
シルヴェストロ:「それじゃあ、君は……」
シルヴェストロ:「お医者さんを目指すのかい?それとも、警察官?弁護士かな?」
赤川累:「……先日の、進路希望調査には」
赤川累:「医者と書きました」
赤川累:片手に下げたままの鞄を握り直す。どこかで勉強してきた帰りだろうか、布地の裏に分厚い参考書の厚みが感じられる。
シルヴェストロ:「素晴らしいね」
シルヴェストロ:「『狭き門より入れ』だ。君は選んだんだね、その道を」
赤川累:「……応援、してくれるんですか」
赤川累:少し意外そうに、どこか照れくささの混じった様子でそう訊ねる。
シルヴェストロ:「当然じゃないか!反対する理由がどこにあるんだい?」
シルヴェストロ:「君は立派だよ、累くん。応援する」
赤川累:「ふふ……いえ、すみません」
赤川累:あまりにも明朗なその言葉に、思わず笑みをこぼす。
赤川累:「父も、貴方のように物分かりの良い人だったら良かったのに」
シルヴェストロ:「……」その言葉を聞き、じっと君を見て。
シルヴェストロ:「……累くん。どうして聖書が神聖なものとされるか知っているかい?」
赤川累:「神聖である理由、ですか……?」
シルヴェストロ:「神についての本だから?神聖なものとされているから?どれも少し違う」
シルヴェストロ:「いいことが書いてあるからだよ」
シルヴェストロ:「聖書はその内容自体によって、それ自身が信じられるべき神聖なものだと自ら証明している」
シルヴェストロ:「この概念を、アフトピストスというんだ」
赤川累:「……哲学的な話ですね」
シルヴェストロ:「そう難しいことじゃないさ。僕はこれは、人についても同じだと思うんだ」
シルヴェストロ:「最初から立派な人、聖なる人がいるわけじゃない」
シルヴェストロ:「聖人は多くの人を助け、導いたからこそ聖人になったんだ」
シルヴェストロ:「君もそうさ、累くん。君の為そうとしていることは、形や方法は違えどお父さんがしようとしていることと同じ、尊ぶべき聖なる行いだ」
シルヴェストロ:「だからきっと、お父さんもいつか、君のすることの価値を分かってくれるはずだよ」
シルヴェストロ:「そう信じたいな、僕は」
赤川累:「……」
赤川累:少しその言葉について考え込んで。
赤川累:「でも……それが『いいこと』や『いいひと』だって判断しているのは」
赤川累:「やっぱり、人間じゃないですか?」
赤川累:「今のシルヴェストロさんが、そう言ってくださってるのも……ああ、いや」
赤川累:なんだか文句を付けるような言葉になったな、とかぶりを振り。
シルヴェストロ:「そうだよ?」
赤川累:「あっ、そうなんですか」
シルヴェストロ:「神を信じるのも、神に力を与えるのも人間だよ。僕達が人間で、人間の中で生きる以上、価値や意味が人間によって決められるのは当然のことさ」
シルヴェストロ:「だいたい……神様もそんなに万能なんかじゃないからね。しょっちゅう間違いもするし……ヨブ記とか読んだことあるかい?ひどいよ」
赤川累:「ああ……ヨブという人がひどい試練を受けた話でしたっけ」
赤川累:何度か聞かされた話をおぼろげに思い出しながら。
シルヴェストロ:「そうそう。すごい理不尽で……ああ、話が逸れたね」
シルヴェストロ:「ともかく、僕は君を応援するよ、累くん」
赤川累:「……ありがとうございます」
赤川累:そう言ってから、何度かまばたきをして。
赤川累:「なるほど、確かに……」
赤川累:「誰かに信じてもらえるというのは、力が湧きますね」笑う。
シルヴェストロ:「君の行く狭き門に幸あれ、だ。累くん、君にこの言葉を贈ろう」
シルヴェストロ:「『あなたが愛する人が、神であれ他の人であれ、問題ではない』」
シルヴェストロ:「『ただ堂々と拳を上げなさい。あなたはそのように生まれてきたのだから』」
赤川累:「……しかし、流石というか」感心したように呟く。
赤川累:「よく覚えていますね、すらすらと……」
シルヴェストロ:「ああ、それは勿論。ファンだからね」
赤川累:「ファン……」変わった言い回しをする人だな、と思う。
シルヴェストロ:「いい歌詞を書くだろう?ガガは」
赤川累:「あ……そっちだったんですか!?」
シルヴェストロ:「ん?ああ、あはは!聖書じゃないよ!」笑って、鍵盤に手を置く。
赤川累:「……いや、ひどい先入観だ。失礼しました」頭をかく。
シルヴェストロ:「せっかくだ。一曲聞いていくかい?」
赤川累:「ええ、お願いします。……正直、興味が出てきました」
シルヴェストロ:「いいね!それじゃあ行くよ」
シルヴェストロ:長く使われていなかったピアノから、賛美歌でないアップテンポの曲が奏でられる。
シルヴェストロ:「It doesn’t matter if you love him, or capital H-I-M……♪」
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
赤川累:シルヴェストロ・ヴェルガーニ:信頼/◯警戒 でロイスを取ります。
【Middle4】
GM:情報収集シーンです。全員登場可!
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (62 → 66)
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (60 → 66)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (57 → 62)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (73 → 78)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (73 → 79)
GM:では情報項目はこちら!
・市内の状況について 《情報:噂話/ウェブ》 難易度7
・“ダドエルズホール”について 《情報:UGN/FH》 難易度10
・“デモゴルゴン” 《情報:UGN/FH》 難易度9
・“サタナキア” 《情報:UGN/噂話/ウェブ》 難易度7
・“プルフラス” 《情報:UGN/FH》 難易度8
GM:張り切って判定しな!
軽部龍授:この中だと噂話しか技能ないので、サタナキアか市内が良いです。
峯川千墨:調べるか……女たちを
木花小夜:失敗したの行くよ~
峯川千墨:デモゴルゴンかな~
赤川累:10はちょっと自信ないかも プルフラスやろうかな
峯川千墨:いや ダドエルズホール行くか
九十八九十九:じゃあサタナキアで!
軽部龍授:では市内します。《情報:噂話》コネは使わず。
軽部龍授:2dx+2
DoubleCross : (2DX10+2) → 8[6,8]+2 → 10
軽部龍授:成功です。
赤川累:幹部コネ使用で ・“プルフラス” 《情報:UGN/FH》 を情報UGNでいきます
赤川累:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 9[1,2,5,5,9]+1 → 10 → 成功
九十八九十九:情報:UGN コネ使用 "サタナキア"
九十八九十九:4dx+2>=7
DoubleCross : (4DX10+2>=7) → 9[5,7,7,9]+2 → 11 → 成功
峯川千墨:情報収集チームを使って情報UGNで
峯川千墨:5dx+3>=10
DoubleCross : (5DX10+3>=10) → 9[1,1,1,5,9]+3 → 12 → 成功
峯川千墨:地味に出目こわ
木花小夜:みんな順調だ
木花小夜:残りはデモゴルゴンかな 従者にやらせます
木花小夜:8dx>=9
DoubleCross : (8DX10>=9) → 10[2,2,6,6,8,9,9,10]+6[6] → 16 → 成功
木花小夜:できました 常に手番を残し続けている女
GM:くっ 優秀な奴らだ
GM:では開示していきます
・市内の状況について
貴重な古文書の情報は様々な憶測や議論、突飛な空想を交えつつ拡散しつつあり、国内外から密かに大きな注目が九霄市に集まっているようだ。
既に市内現地にも古文書を狙ったFHやギルドの勢力がかなりの数潜伏していると見られ、今後更なる混乱が予想される。
・“デモゴルゴン”
ダドエルズホールの諜報エージェント。主に情報担当であり、セルの方針決定や作戦立案に関わることが多い。能力はエグザイルによる身体変形とオルクスによる因子操作。
スプリットタンの妖艶な美女で、享楽家として知られる。
・“サタナキア”
ダドエルズホールの戦闘エージェント。筋骨隆々の長身で、粗野な外見通りかなりの武闘派。加虐衝動が暴走気味であると見られ、問題行動が多い。
モルフェウスとサラマンダーのクロスブリードであり、極めて高い爆発力を有する危険物質を自在に生成する。
また、セルではかつて所属していた峯川千墨のメンターを務めていた。
・“プルフラス”
ダドエルズホールのチルドレン。若干11歳の幼い子供だが極めて高いレネゲイド適正を持ち、ほぼ拉致に等しい形でセルに所属させられたと見られる。
現在は“サタナキア”をメンターとして訓練を受けているが、戦闘に不向きな性格で、常に恐喝・虐待を受けて無理やりに戦わされているようだ。
・“ダドエルズホール”について
『ルカの手紙』の情報を故意にばら撒いているのは“ダドエルズホール”のようだ。
また、九霄大学を爆破した犯人は、現場の状況、そして“サタナキア”の能力から、彼らと考えるのが妥当だろう。
その目的は不明だが、既に市内にはかなりの戦力が潜伏中と見られ、常に綿密な計画のもとにビジネスで行動する彼らにとって、それだけの出資と危険に釣り合うだけのメリットがあると考えられる。
セーフハウス
軽部龍授:庭の芝生に座を組んでいる。
軽部龍授:正座から一礼し、立ち上がり、刀を抜く。
軽部龍授:丹田にレネゲイドを集中させ軽く息を吸う。
軽部龍授:左足を前に、右足を下げる。
軽部龍授:振りかぶり刀を背に回す。肩から先に力はいれない。
軽部龍授:息を吐き、右足を前に進め、刀を縦一文字に振り下ろす。
軽部龍授:右足を後ろに引く。刀を正眼に構え、振りかぶる。峰が背中に触れるまで。
軽部龍授:足を進め、振り下ろす。足を引き、振りかぶる。
軽部龍授:単純稽古である素振りだ。体重その物をぶつけ正中線を断ち割る事を意識し、刀を振るう。
軽部龍授:足先から生み出される運動力で刀を振るい、肩先は斬撃の独立機構ではなく、足先から移動する体重の解放路として認識する。
軽部龍授:腕に力を入れる瞬間は斬撃到達点に達し、止める時のみ。
軽部龍授:型稽古では、特に人を斬る事と実戦は意識しない。これは脳を酷使せずとも、習慣として体に動きを染みこませる、体の機構を鈍らせないための維持作業である。
軽部龍授:「……ん」
軽部龍授:思考は動体と並列し、振りながら先程の食事会を思い出す。
軽部龍授:誰かと歓談しながら食事をするなど、数年ぶりで、果たして彼女らを不快にさせなかっただろうか?などとつい考えてしまう。
軽部龍授:「見てて、退屈を凌げるものでもあるまい」
木花小夜:「……ううん。退屈はしてない」
木花小夜:「それがこっちに向く可能性があったら、退屈なんて言ってられないでしょ」
木花小夜:エル子を庇えるような位置で、その動きをつぶさに見ていた。
軽部龍授:「成程。信頼も信用も稼いでないと認識出来る言葉はむしろ誠実だ」
軽部龍授:二人の少女に視線をやる。
エル子:「…………」
エル子:無言のままじっとしている。剣を振るう様子を見て少し怯えたように。
(秘話):「……エル!怖がる必要ないわよ!大丈夫だから!」
(秘話):相変わらず声は響いている。やはり軽部には聞こえていないようだ。
軽部龍授:(……生きていれば、この位だったか)
軽部龍授:別離した家族を久しく想う。似ているという事はない。そも、こんな美人に育つ可能性は高いものではないだろう。
木花小夜:「あ、大丈夫だよ、エル……エル子」
エル子:「……」
軽部龍授:息をつき、納刀をする。
木花小夜:「私のほうが強いもの。いえ……」
木花小夜:「相性勝ちできる。怖がらなくていいからね」
エル子:「……」
(秘話):「何かこの子も怖いわね……」
軽部龍授:「そうか。つくづく至らんな」
軽部龍授:年齢の近さに面影を見出す。こちらの欠片程の人間らしさだな。と独り言ちる。
木花小夜:「何にでも勝てる万能の力なんてないでしょ」
エル子:少女はずっと黙り込んでいる。喋れないというより、故意に黙っているのを感じる。何か恐れている、あるいは自分の情報を明かすのが不都合になると思っているのか。
軽部龍授:「直接的な殺傷ではなく、体力そのものを失わせるような技を使うか。と推測するが」
木花小夜:「それ、言う必要ある?」
軽部龍授:「推理しろという事かと」
軽部龍授:頬をぽりぽりと掻き。
木花小夜:「……違うから。信用に足るなら普通に教えるけど……」
軽部龍授:「そうか。奇遇だな。俺も信用に足るなら教えたい事はあるぞ」
木花小夜:「……」ムスっとする。
木花小夜:「まだ、こっちも見定められてる途中ってこと?」
木花小夜:「見限ればあの銃使いの男の人にでもつくの」
軽部龍授:「勘が良い、頭もな。だが、推測は違う」
軽部龍授:「俺には味方はいない」
軽部龍授:「ついでに付け足すなら、あの銃使いは女だ」
木花小夜:「えっ」
木花小夜:「そうなんだ……キレイな顔とは思ったけど……」
(秘話):「何の話してるのかしら……」
軽部龍授:「フッ…目は良くないようだな。見分けるコツは喉仏だ」
軽部龍授:「女の首をしているぞ。あの格好も風水の縁担ぎかもしれん」
木花小夜:「いやそんな所わざわざジロジロ見なくない……?」
木花小夜:「動きばっか追ってたもの。手元の」
軽部龍授:「頸はよく見ないか?」
木花小夜:「切るならそうなんでしょうね」居心地の悪そうに、エル子の首元を隠すように手を添える。
木花小夜:「私が守るからね、エル子」
軽部龍授:あまりにも物騒だったが。こういうことを言うから信用がないのだ。と自嘲する。
軽部龍授:「フッ…そうだな。そっちの少女を怯えさせない方に注力する方が有意義だと思う」
木花小夜:「自分で怯えさせて言わないで……」
エル子:「……」
エル子:戸惑いつつも、こくりと頷く。
(秘話):「うーん……やっぱり信用できるのかも……」
(秘話):「でも油断しちゃダメよ。皆と合流するのが最優先だからね」
軽部龍授:刀を軽く後ろに放る。
軽部龍授:「反省はしている。ほら、武装も解除した訳だが」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……エル子ちゃんは、どこから来たの?」
エル子:「……」
エル子:「……ええと……」
(秘話):「覚えてないって言いましょう、エル!記憶喪失のふりして!」
エル子:「……お、覚えてないです……」
軽部龍授:「家族は?」
エル子:「……」
(秘話):「いないって言って!」
エル子:「い、いません……」
エル子:ふるふるとかぶりを振る。
軽部龍授:「そうか。……俺もなんだ」
軽部龍授:「だから、どうというわけではないが」
木花小夜:「……いないってことは覚えてるの?」
(秘話):「あっ!」
エル子:「あっ……」
エル子:「や……やっぱり……覚えてない、かも……」
木花小夜:「……そう……」
木花小夜:「来たところが分かってれば、そこに帰してあげられるのに……」
エル子:「……」
木花小夜:「記憶喪失なら、きっかけがあって思い出すのを待つしかないのかな」
軽部龍授:「帰りたいなら。帰っても大丈夫な所ならという条件は付くだろうが」
軽部龍授:「誠実な事だな」
(秘話):「……エル、大丈夫よ。私が付いてるからね」
(秘話):「一人じゃないから、怖がらないで。ね?」
エル子:「……」小さく頷く。
木花小夜:「それはそうね。とんでもない酷い扱いをしてるところなら、帰す訳にはいかない」
木花小夜:「……いえ。誠実じゃないよ」
木花小夜:「ズルしてるもの」
軽部龍授:「ズルと言うと?」
木花小夜:「信用に足らない」
(秘話):「何言ってるのかしら、この子……?」
エル子:「……?」
軽部龍授:「成程。わからん」
木花小夜:「いいのそれで。じゃあ、そうだな……」
木花小夜:「“ヘレヴ”。“ヴィア・ドロローサ”、モーリス・モーリア」
木花小夜:「あなたを追ってた人の所属と名前、多分ね」
木花小夜:「心当たり、ある?」
エル子:「……」ぴくりと反応する。
(秘話):「……そんな名前だったのね」
エル子:かぶりを振る。嘘をついている様子はない。
木花小夜:「分かった。知らないのね」
木花小夜:「それは嘘じゃないってわかる」
木花小夜:「追われてる理由がわかれば、もう少し対策できるかもなんだけど……」
軽部龍授:「……市内の状況も混沌としてきたしな」
軽部龍授:「何かしら、対策は立てたいところか」
(秘話):「……“巫女”のあなたを狙ってるのかしらね」
(秘話):「そう考えれば納得できるけど……いや、そもそも教会なら私たちを狙って当然か」
エル子:「わ……分かりません……」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……そっか」
木花小夜:「エル子ちゃんは、これからどうしたい?」
エル子:「……。……あの……。私……」
エル子:「仲間に……」
(秘話):「……エル!」
(秘話):「駄目よ、エル。気持ちは分かるけど、話しちゃ駄目」
(秘話):「みんなのことがバレたら……計画がどうなるか分からない。ぜんぶ台無しにされるかもしれないわ」
(秘話):「あなたに危害を加えてくるつもりがないなら、ここはまだ黙ってるべきよ」
エル子:「……」
エル子:「……うん……」
エル子:何か言いかけて、黙り込んでしまう。
軽部龍授:「仲間がいるのか。言った方が良いと思うが」
軽部龍授:「UGNは正義の味方らしい」
エル子:「……」
(秘話):「正義の味方ね。それは私たちの味方じゃないわ」
(秘話):「それに……UGNはあなたより幼いような子供を戦いに利用してる組織よ」
(秘話):「私は信用できない……惑わされないで、エル」
エル子:「……」
木花小夜:「……」
軽部龍授:「俺は部外者だし、エル子が言いたくないなら、無理に 今、言う事もないだろうとは思うが」
木花小夜:「……違う」
軽部龍授:「一宿一飯の恩は何時かは返すべきだろう。ん?」
木花小夜:「違う……ってのは違うか。その……」
木花小夜:「ん~……」
エル子:「……?」小夜に目を向ける
木花小夜:「……正義の味方だからやってるんじゃないの」
木花小夜:「そういう面はもちろんあるけど……」
木花小夜:「ええと。どう言えばいいのか……」
軽部龍授:傍らに置いた水を差しだす。
軽部龍授:「良し。落ち着いて、纏めろ」
軽部龍授:キャップを開封した形跡は無し。
木花小夜:ぐいっと水を飲んで。
木花小夜:「一番は、私がそうしたいからしてる」
木花小夜:「私たちの組織を全面的に信用しろとは言わない。だけど」
木花小夜:「あなたを助けたいのは、本当の本当」
木花小夜:「身柄を守るだけじゃない」
木花小夜:「もしも、あなたたちが、誤った行いをしようとするのであれば」
木花小夜:「それも止める」
エル子:「…………」君の顔をじっと見つめる。
(秘話):「……エル……」
(秘話):「……やっぱり頼るわけにはいかないわ。分かったでしょう?」
(秘話):「私たちはもう後戻りできないもの……2000年の悲願を、必ずやり遂げなければならないわ」
(秘話):「そうでなきゃ……あんまり悲しすぎるじゃない」
軽部龍授:(その在り方を、正義の味方というのだろうが)
軽部龍授:(口を挟むことはすまい)
木花小夜:「できる」
木花小夜:「出来ないなんてことない」
エル子:「……」
エル子:「……?」怪訝な顔をする。
木花小夜:「私も、一度、間違えたの」
木花小夜:「でも、私を引き戻してくれた人が居たの」
木花小夜:「私もそうなりたいの」
エル子:「……」迷うように瞳が揺れる。
軽部龍授:「嘘は言っていないぞ」
軽部龍授:決めつける。恐らくだが、そうに違いないだろう。
軽部龍授:「こんな人間に会えるのは、おそらく幸運だ」
(秘話):「聞かないで、エル。惑わされちゃだめ!」
(秘話):「この子は何も知らないのよ。あなたのことも、私たちのことも。だからこんなことが言えるの」
(秘話):「あなた達を助けられるのは、助けてくれるのはあなた達しかいない。だからみんな戦ってるんじゃない!」
エル子:「…………」
木花小夜:「エルちゃんは、これからどうしたい?」改めて聞く。
木花小夜:「どうしなきゃいけない、じゃなくて」
木花小夜:「どうしたい?」
エル子:「……私、は……」
(秘話):「……エル!」
エル子:「……」
(秘話):「エル。お願い……」
(秘話):「私ももう耐えられないの。みんなが傷付けられるのを見続けるのは……」
(秘話):「それを終わりにするために、みんな戦ってるの。だからお願い、止めないで……」
エル子:「……」
エル子:「……わ……」
エル子:「分かりま……せん……」
エル子:進まない会話。どれだけ言葉を掛けても、まるで堂々巡りだ。
木花小夜:「……そう」
軽部龍授:(……仲間か)
(秘話):「たとえこの子が本当に優しい子だとしても、この子以外はわからないわ」
(秘話):「組織ってそういうものよ、エル。一人の力じゃどうにもできない……UGNはきっと私たちの邪魔をしてくる」
(秘話):「それも、この子まだ子供じゃない。UGN全体の意思を曲げる事なんてできっこないわ」
軽部龍授:「あまり、言葉をかけすぎても、という事だったな」
木花小夜:「……うん」
軽部龍授:「過去を晒すのは、それなりに勇気がいる事だ」
軽部龍授:「お前さんは頑張ったと思うぞ。こういう言い方は適切ではないが」
木花小夜:「……ええ。もっと頑張らなきゃいけないと思った」
軽部龍授:「難しい話だ。入れ込み過ぎると尋問と強制になりかねない。じっくり信頼を勝ち取るしか無かろうよ」
軽部龍授:まさに俺が言う事でもないのだが。そもそも何故フォローめいた言葉をかけているのか。
木花小夜:「分かってるはずなのに」
木花小夜:「分かってるはずなのに、どうしたらいいのか分からないなんて……」
エル子:「……」申し訳なさそうに表情を曇らせる。
(秘話):「……大丈夫よ、エル。私がいるからね」
(秘話):「でも、とにかく今は……みんなが心配だわ」
(秘話):「あなたと私がいないと……みんなだけじゃ、取り返しがつかなくなるかも……」
軽部龍授:「おい。手を出せ、二人とも」
エル子:「……?」おずおずと手を差し出す。
(秘話):「あっ……気を付けて、エル!」
木花小夜:「……?」思わず手を差し出す
軽部龍授:飴玉、二つ。飴をやろう。と誰かに言って、買っておいたものだ。
軽部龍授:「糖分が足りない。二人ともそう言う顔だ。後、笑顔もな」
エル子:「……」甘いものが好きなのか、ごくりと喉を鳴らす。
軽部龍授:「難しい事を考え過ぎだな。補充した方が良い」
(秘話):「エル!気を付けて、毒かも!」
木花小夜:包みを開けて、口に放り込む。
エル子:「……」じっとその様子を眺めて、自分も同じようにする。
エル子:「……ん……」表情を綻ばせる。
軽部龍授:「フッ…甘さに笑え」
エル子:「……甘い……です」
エル子:小さく笑みを零す。
木花小夜:「……ふふ」それを見て笑う。
軽部龍授:「まったく。二人とも、そういう表情の方が良いというものだ。……だが、そうか。何か情報が欲しいか?木花小夜」
木花小夜:「……ようほう?」飴玉を転がしながら。
軽部龍授:「フッ…蜂を飼う事ではないぞ。何、お前は信用に足る行いを俺の前で見せた。と思ってな」
木花小夜:「……そう」
軽部龍授:「別にお前は俺の事を信用してるわけではないが、頑張った人間には報酬が与えられるべきでは?」
軽部龍授:「そういう事よ。……話半分に聞いておけ」
軽部龍授:RHOを公開します。
GM:ここで!
GM:了解です。
RHO
数日前、君は高額の報酬と引き換えにある依頼を受けた。依頼内容は九霄大学を狙ってテロを企てているという“霹靂殺手”の排除。
だがそれは真っ赤な嘘、かつ罠であり、君は“霹靂殺手”との戦闘中、諸共に爆発に巻き込まれ、危うく二人とも死に掛ける羽目になる。
どうやら君たちを潰し合わせ、更に爆破テロの犯人に仕立て上げる算段だったらしい。
“霹靂殺手”は自分だけが罪を被り、代わりに君に死を偽装して姿を隠し、真相を解き明かすよう託してくる。
この状況で頼れるのはUGNくらいだ。ただし、依頼者の素性も分からず、後ろ盾の無い君達には守ってくれるものも無い。たとえUGNといえど、これを明かすのは慎重にしたほうがいいだろう。
君達を陥れた依頼者──黒幕の正体を暴き、落とし前をつけさせてやろう。
軽部龍授:「"ダドエルズホール"だったと言う事だな。俺と“霹靂殺手”を敵に回したのは」
エル子:「…………!」俄かに驚愕の表情を見せる。
軽部龍授:「おかげで、あの女は他の集団からも狙われる羽目になったようだが」
木花小夜:「……そういうこと……」
(秘話):「“ダドエルズホール”……“霹靂殺手”って……そんな……!」
(秘話):「みんなに知らせなきゃ……でもどうやって……」
(秘話):「ああ、でもどこからが計画なの……?それも……ううん……!」
(秘話):混乱した声が響いてくる。
軽部龍授:「俺が嘘を言っていなければな」
軽部龍授:「……こういう物言いが良くない」自分の態度に僅かに反省を。
軽部龍授:「うん。そういうことだ」
木花小夜:「……ううん」
木花小夜:「嘘は言ってないと思う。そういう力があるわけじゃないけど」
木花小夜:「そう思いたいのかな」
軽部龍授:「フッ…相性で勝てる相手だ。そう思っても問題はないだろう」
軽部龍授:「万が一はないと断言するがね」
エル子:「……」焦ったような顔で黙り込んでいる。
軽部龍授:「ん?そっちはどうした?」
エル子:「……い、え……」
エル子:「何でも……ありません……」
エル子:口ではそう言うが、顔面は蒼白になり、汗が滲んでいる。
軽部龍授:顔色が悪いぞ。と木花に視線を送る。
木花小夜:彼女の背を撫でる。
軽部龍授:「暑くなってきたな。中に入ろう」
(秘話):「エル……どうしよう……」
エル子:「……」
エル子:君達に連れられてセーフハウスに入る。その表情はずっと凍り付いたままだった。
木花小夜:(……エル)
木花小夜:(もしも、あなたが、そちらに行って)
木花小夜:(そうなれば、私は、何が出来るんだろう)
木花小夜:(何をしなければ、いけなくなるんだろう)
木花小夜:(どうしたらいいの)
木花小夜:それに応える声は聞こえなかった。
九霄市内 ジャンクヤード
GM:堆くスクラップが積み上げられた廃車置き場。こうした場所は様々な犯罪者や不法入国者の巣窟になりがちであり──
GM:実際、この日このヤードにも多数の犯罪者が潜伏中であった。だがただの犯罪者とは違い、彼らはその半数近くがオーヴァードであった。
GM:「クソ~ッ!何だよこいつらいきなりよォ~~!」
GM:「俺達が何したってんだよ!ちょっと一攫千金の夢を抱いただけだってのによォ~~!!」
GM:「古文書はどこにあんだよ!古文書は……ゲァッ!」
GM:ガラの悪いチンピラや半グレたちが、無軌道に襲い掛かっては次々に蹴散らされていく。
赤川累:「何者かはもう名乗っただろう。UGNだ」淡々と応じる。突き付けらかけた銃器を右手で握り潰すようにして、黒い灰が散り散りに舞う。
赤川累:触れたものを灰へと変換する。極めて殺傷性の高い能力だが、命まで奪うことのないように出力を制御している……そういう訓練を重ねたと分かる。
赤川累:振るわれる技に逸脱した色彩はない。どこか単調で、ただ隙がないだけの一撃。それを繰り返し、喧しく響く声の数を減らしていく。
GM:「ゲフッ」「ウギャアーッ」
GM:「ここに来りゃあ全員10万円貰えるって聞いたのに……嘘だったのかよーーッ!!」
峯川千墨:「思ったんだけどよォ~~~」
峯川千墨:他方、隅にあるプレハブの窓が割れ、内部から怒涛の水流が溢れて、中にいたと思しい人員を砂利の地面に排出する。
峯川千墨:その後を追うようにして、スーツ姿の長身の女が、ただの穴になった窓枠を乗り越える。
峯川千墨:「話を聞く必要があるってんならどいつか一人が生き残ってりゃ良くねーか」
峯川千墨:「つーか……このレベルのバカ共なら話も要らなくねェ?」
赤川累:「話を聞く必要がある以前に、命を重んじる必要があるでしょう」
峯川千墨:濡れ鼠になって転がる破落戸たちを、自身は濡れることもなく睨んで。
赤川累:「怪物へと堕落しないための、人としての戒めです」
九十八九十九:「やー、二人共おつかれ~」チンピラが粗方片付いた所でヘラヘラと現れる。
峯川千墨:「遅っせ」
赤川累:「どうも、お疲れ様です」
九十八九十九:「君らが速いんだよお~。やー、部下が優秀だと楽できていいね」
峯川千墨:「んで?」
峯川千墨:「殺さねえなら連行でもすんのか、こいつら」
峯川千墨:「そうやってクズどもにこっちの手を割かせるのも連中の狙いじゃねえかって気がすんぞ」
九十八九十九:「そうだねぇ、流石にこの人数を面倒見る余裕は今はないかな~」
赤川累:「……確かに、故意に古文書の情報を散布してこの街に騒乱を招こうとしている者がいる気配はありそうですが」
九十八九十九:「けど、こっちが何もしないとみんな調子に乗っちゃうからね」
九十八九十九:「邪魔しないでもらうには、こうしてわからせるのが一番だよぉ」
峯川千墨:「まァ流石に、バチカンのご聖職者様方がそんなことはしねえだろうよ」
峯川千墨:「一方で“ダドエルズホール”なら絶対ェやる。さて」
峯川千墨:指の関節を鳴らす。「んじゃァ、死にたくねえならこれに懲りて帰れって感じか」
九十八九十九:「みなさ~ん?この街で誰がテッペン張ってるかよーくわかったよねぇ?」チンピラたちに向けて
赤川累:「まるで獣の躾だな……」呟く。
GM:「俺!俺!俺俺俺俺!」「バカ!黙ってろ!」「うるせェ!知らねえ!」
九十八九十九:「あら~、思った以上に大変かも、躾」
峯川千墨:反抗的な何人かの頭部を水球で包み込む。
GM:「ギャバァーッ!」「ゴボボボボ!!」
峯川千墨:「やっちまっていいか」
九十八九十九:「まあまあお待ちなさい角さん」
峯川千墨:「応」解除する。誤飲したものがいれば分かるが、ひどく苦い水だ。
GM:「苦ェ!」「まっじこれ!」「オェーッ!」
九十八九十九:「えっとねぇ、これからは巷で美味しい話聞いたら、まずウチらに教えてね」
九十八九十九:「10万円は無理だけど、ホントに美味しい話だったらそこそこのお小遣いもあげるからさあ」
GM:「おい小遣いだってよ!」「マジ!?」
九十八九十九:「マジだよ~」
赤川累:「……」自分よりも年上と思しき彼らの言行に眉を顰めている。これが日本という国の影か……。
九十八九十九:「その代わり、抜け駆けしてるの見つけたら次は今よりずっと苦いお水を飲んでもらうからねぇ」
GM:「い……嫌だ!」「やりますやります!」「俺死にたくねえよ~」「10万は?」「古文書どこだよ~」
峯川千墨:明らかに苛ついた様子で舌打ちする。
九十八九十九:「ほらほら、分かったら帰りな~。このお姉さんは気が短いよぉ~」
GM:「ヒェーッ!」「金は~?」「女……」「蟹……」無軌道なチンピラたちはゾロゾロと引き上げていく。
赤川累:「……手慣れたものですね」
九十八九十九:「やー、あんま褒められたことじゃないんだけどねえ」
九十八九十九:「人数少ない中でやってると、あの程度の連中のあしらいも効率よくやらなきゃだからさあ」
赤川累:「いえ、助かりました。実際、俺達だけでは対処できなかった事なので……参考になります」
峯川千墨:「よくやるよ」
峯川千墨:「闇に葬って異常なしでも済みそうなもんなのによ。ワンマンなら猶更だ」
九十八九十九:「ま、その辺は厄介さに応じてって感じで」
九十八九十九:「今の連中なんて、最近のこの街の噂を聞いて他所から来た奴も多かったし」
峯川千墨:「アァ?」
峯川千墨:「分かんの? 顔で」
九十八九十九:「実入りがないって分かったらさっさと出てくでしょ」
九十八九十九:「その後のことは向こうのUGNにお任せ~ってことで」
九十八九十九:「そりゃわかるよぉ」
GM:チンピラたちには九十八の見覚えのない顔どころか、外国人らしい者も多かった。あちこちからこの街に集まってきているのだろう。
九十八九十九:「元々そんなに大きい街じゃないしね。一回顔覚えちゃえばそんなに入れ替わるもんじゃないし」
峯川千墨:「几帳面なこった。ミリだけ見直したぜ」
九十八九十九:「楽~に回すための先行投資ってやつだよぉ」
赤川累:「そういうもんですかね……」この人が真面目なのか緩いのかよくわからなくなってきた。
峯川千墨:廃車にどっかりと腰掛ける。長い足を行儀悪く組み、眼鏡についた汚れを拭き始める。
赤川累:「……ところで、一つ質問をしても?」
九十八九十九:「ん、何だね赤川くん?」
赤川累:「あ。いえ、峯川さんになんですけど」
峯川千墨:「あん?」
九十八九十九:「えぇ~!?こんな謎めいた先輩を差し置いて!?」
峯川千墨:眼鏡を掛け直す。「何だ急に」
赤川累:「いえ……"ダドエルズホール"のこと、知ってるんですか?さっき、知った相手である風なことを言っていたので」
赤川累:「交戦経験でもあるのかなと」
峯川千墨:「あァ。古巣だよ」
峯川千墨:「言ったろ。言ってなかったっけ」
赤川累:「九十八さんを差し置いてという訳ではありませんが、確認しておいた方がいいかと……古巣?」
峯川千墨:「どっちにしろ経歴自体は別に隠してもねえ。ソイツあたりなら調べてたか、先輩から聞くかはしてたろ」顎で九十八さんを示して。
九十八九十九:「元FHっての大ぴらにしちゃうと、無駄にギクシャクしちゃ子もいるからねえ」
九十八九十九:「もちろん私は聞いてたけど、わざわざ共有するほどのことじゃないかなあって」
赤川累:「成程。ええ、大丈夫です」
九十八九十九:「ごめんね~?仲間はずれみたいにして」
赤川累:「さっきのが気になっただけなので……俺も、元FHの人間と協同した経験はありますし。特に偏見とかはありません」
峯川千墨:「ああ、伏せとくっつう判断もあったのか」いま気付いたように。
峯川千墨:「まァでも、今回はどの道知らせねえワケにも行かなかったな」
九十八九十九:「そだねえ、内部事情を知ってる子がいるのは心強いよお」
九十八九十九:「実のところ、その辺教えてもらいたくて連れ出した部分もあるんだぁ。赤川くんが切り出してくれて助かったよぉ」
赤川累:「ああ、成程……それに、全面的な衝突になるならどのみち素性が割れることは避けがたいですしね」
赤川累:「貴方が向こうの事を知っているように、向こうにも貴方を知っている人間が居る。そうでしょう」
峯川千墨:頷く。
峯川千墨:「大学をヤりやがったのは、“サタナキア”ってクソ女だ」
峯川千墨:「アタシとは縁がある。知りたかったことってェのはそれか?」
九十八九十九:「あ~、やっぱりね~」意味深に頷いて
九十八九十九:「来てるのは、そいつだけじゃないよね?」
九十八九十九:「4人……や、3人かな?」
峯川千墨:「知らねェけど」
赤川累:「随分と具体的な数字が……どこかのカメラにでも映っていたんですか?」
峯川千墨:「それをさっき何人かで調べてたろ」
九十八九十九:「"サタナキア"が実行犯として、隠蔽やら折衝やらをやる情報担当は必要だよぉ。全部出来るタイプじゃなさそうだし」
赤川累:「ああ……そういう推測ですか」
峯川千墨:「……」
九十八九十九:「それと君が抜けたんなら、新しい見習いが入っててもおかしくないでしょ?」
九十八九十九:「FHは意外とそういうとこしっかりしてるんだよねえ。上が人補充してくれないからさ」
峯川千墨:「そういう真似をすンなら、アタシが知ってんのは“デモゴルゴン”だな」
峯川千墨:「クソ女だ」
九十八九十九:「クソ女しかいないじゃん~」
峯川千墨:「本人たちに言え。事実クソなんだよ」
赤川累:「古巣なのにすごい言われよう……いや、古巣だからか」
赤川累:「纏めると、爆破能力者が"サナタキア"、情報処理や工作の担当が"デモゴルゴン"……それに、入れ替わりで入った見習いか」
九十八九十九:「そんなに言うからには、よっぽど嫌なことでもあったのかなあ?」
九十八九十九:「君が"ダドエルズホール"を抜けた理由までは、私も聞いてないんだよねえ」
赤川累:「……」自分もそれは気になる話だが。素直に話してくれるのかな、とは思う。
峯川千墨:「カウンセリングでもしようって?」小さく笑う。「理由なんざ……元々ムカついてて、きっかけがあって、先輩と会った。そんなもんだよ。ただ」
峯川千墨:「見習いだかが新しく入ってて、“サタナキア”の下に付けられてるんなら」足を組み替える。「ソイツには同情するね。どうせクソ女だろうが」
九十八九十九:「フーン……じゃあ千墨ちゃんは」
九十八九十九:「クソ女の中で育てられたけど、クソさにうんざりして出ていった非クソ女、と」
九十八九十九:「そう胸を張れるわけだね」
峯川千墨:舌打ちする。
峯川千墨:「ネチネチと何だってんだ」
九十八九十九:「うぇ~、怒らせちゃった」
赤川累:二人の会話を聞きながら、おもむろに端末を開く。頼っていた情報屋の一つからの連絡。
赤川累:「……どうやら、"プルフラス"というらしいです。その、新入りのエージェント」
赤川累:「拉致に近い形でセルに加入させられた11歳の少女。戦闘に向かない性格ながら、"サタナキア"の恐喝によって無理やり戦わされていると」
九十八九十九:「うわ~、かわいそ~」
赤川累:重い息を吐く。「成程、クソと連呼したくなる気持ちも分からないでもない話だ」
峯川千墨:「“プルフラス”ねェ……」
峯川千墨:「やっぱ最悪だな。アイツ」
峯川千墨:呟く。
九十八九十九:「ホントに知らなかったのぉ?」にやけた顔で君の顔を覗き込む。
峯川千墨:睨みつける。「あのな」
峯川千墨:「アタシは頭の出来は誇れたもんじゃねェが」
峯川千墨:「おかげで掌でうまく転がして思い通りに動かしてやろうっつう、そういう奴には敏感なんだよ」
九十八九十九:「や、ちがうちがう。ちがうよぉ~、私が言いたかったのは」彼女を中心にゆっくりと歩く。
峯川千墨:「誤解されたくなきゃ以後気ィ付けろ。何だ」
九十八九十九:座り込んだ峯川を挟むように、赤川と反対側の位置へ。
赤川累:「……?」そちらを見る。
九十八九十九:「"デモゴルゴン"から、何も聞いていなかったのか?ってことだよ」
九十八九十九:「だって会ってるでしょ?こっち来てからさ」
峯川千墨:「……」
赤川累:「……何の話ですか?」
峯川千墨:足を解いて立ち上がる。
赤川累:緊張が走る。敵を前にしたときと同種の、不随意な肉体の強張り。
峯川千墨:「帰るわ」
峯川千墨:「良いよな? クズどもの掃除は済んだ」
赤川累:「話が見えませんけど」「……今のを否定しないのは、肯定という事でいいんですか?」
赤川累:二人を交互に見ながら、どちらからも目線を切らないようにしている。
峯川千墨:「テメエまでフザけてんのか」
九十八九十九:「帰るのは良いけど、"どっち"かによるよねえ」
九十八九十九:「ごめんねぇ千墨ちゃん。こういうネチネチされるの嫌いだろうけど、私も仕事だからさ」
九十八九十九:「一応確認しないと。どっちに帰る?」
峯川千墨:「分かってねえのか? 本気で? どっちも?」正面の女を見る。半ば血走った目。
峯川千墨:「アタシが、まだ、クソ共の、仲間、だったら」
峯川千墨:「こんなに我慢してねェんだよ」
峯川千墨:垂らした腕の先、鉤爪じみて強張らせた指の合間から、ぽたぽたと滴が伝い落ちる。
赤川累:「……"ダドエルズホール"について語る時の貴方の顔には、本気の嫌悪が見えた」
赤川累:「だからこそ不思議なだけだ。支部長は不確かな根拠であんな言葉を吐く人間じゃないし……」
赤川累:「峯川さんは『クソ共の仲間』であることはすぐに否定したけど、"デモゴルゴン"と会ったことには何も言わなかった」
九十八九十九:「……ふ、ふふ」おかしそうに笑う
九十八九十九:「我慢していれば周りが察してくれるだなんて、ちょっと甘えすぎなんじゃないの?」
九十八九十九:「どっちの教育の影響だろうね?」
峯川千墨:「そう言うテメエはヒネたみなし子みてェな言い様だな」
赤川累:「……支部長も。これ以上煽るべきではないと思います。話ができなくなりそうだ」
峯川千墨:「甘える相手がいそうなヤツが許せねえか──チッ」
峯川千墨:小石を蹴り飛ばして元の位置に座る。
峯川千墨:「分ァったよ。結局何だっけ?」
峯川千墨:「デモゴルゴンと会ったことがあるかどうか?」
峯川千墨:「あるよ」
赤川累:「それは、九霄市に来てから?」
峯川千墨:九十八さんにスマホを投げ渡す。UGNで支給されているものとは違う端末。
峯川千墨:「テメエで見ろ」
九十八九十九:「おっとっと」受け取る。
峯川千墨:RHOを公開します。
GM:了解です。
RHO
君は元々、FHセル“ダドエルズホール”のエージェント“バルバトス”であり、UGNの内部情報を伝える内通者として潜入した。
しかし今となっては君はすっかりUGNに染まってしまい、古巣に戻る気はさらさら無い。
元同僚の“デモゴルゴン”からは度々接触を受け情報を求められているが、すべて適当に誤魔化し受け流している。
舞浜の為、君の立場の為、この事実を知られる訳にはいかない。
だが君がUGNとして生きていくには、いずれ決着をつけねばならない相手がいる。それはかつてセルでの君のメンターであり戦闘技術を叩き込まれた相手──“サタナキア”だ。執念深い彼女は、君の裏切りを知れば決して許さないだろう。
九十八九十九:端末の記録を読み進めていく。彼女と"デモゴルゴン"の連絡の履歴も含まれている。
九十八九十九:その報告内容が全くの出鱈目であり、双方の得にも損にもならない内容に丁寧に誤魔化されているのも見て取れる。
九十八九十九:そして、この端末そのものにも偽装の形跡はないことも。
九十八九十九:「んん~、なるほどなるほど~」端末を閉じて。
峯川千墨:「…………」
赤川累:「……どうでしたか?」
赤川累:峯川さんから目を離さないようにしながら、支部長の答えを待っていた。
九十八九十九:「やー、参ったなぁ。私めっちゃ嫌な奴みたいじゃん~」ニヤケ顔のまま困ったように眉を下げて
九十八九十九:「こんだけ真っ白なら早く言ってよぉ~!無駄に"凄み"見せて疲れちゃったよお~」
峯川千墨:「クッ、ソが!!」
峯川千墨:座っている廃車のドアを蹴り飛ばす。けたたましい音が響く。
峯川千墨:「本当ォならよォ!」
峯川千墨:「あのクソカスのアバズレバカを一人でブッ殺して!」
峯川千墨:「その後に種明かしッつう算段だったんだよ!」
赤川累:「なら……この事は、舞浜さんも?」
峯川千墨:「アホか。なんでアタシが先輩の仕事を増やさなきゃなんねェんだ」
峯川千墨:「台無しにしてくれやがってマジで……」
九十八九十九:「あー、いいとこ見せたかったんだねえ。ごめんごめん」
峯川千墨:「ハルクに雑用押し付けてばっかのクセによォ~~~~」
峯川千墨:「いらねェとこで仕事してんじゃねェよ~~~~」がりがりと頭を掻く。
赤川累:「いや……そこは支部長が間違ってはいないと思いますが……」
九十八九十九:「ほっほっほ、適切に仕事を割り振るのが管理者のスキルなんだよぉ」
九十八九十九:「私は仕事をしていないわけではなく……そう、私にしかできない仕事をしている……!」
九十八九十九:「その分量がすごく少ないだけなのだよ。ほっほっほ」
峯川千墨:「死ね……」
峯川千墨:すぐに櫛を取り出して髪を整え直す。
赤川累:「情報を共有をしないでおく事が上司の負担を軽くするなんて考え方は、大抵の場合気の所為ですよ」
九十八九十九:「ま、そだねえ。イジワルしといてこんな事言うのもなんだけど」
九十八九十九:「君が敵にならなくてよかったよ」
赤川累:「ええ、それに……正直、感心もしました。誠実な人なんだなと」
赤川累:「自分が疑われると分かっていて、嘘を吐いたりしらばっくれる事はしなかったでしょう」
九十八九十九:「私としては、その辺もっとはっきり見せてあげたほうが舞浜さんも安心すると思うけどね」
九十八九十九:「……誤解されたままお別れする羽目になったら、寂しいしさ」小さな声でつぶやく。
峯川千墨:「アタシの親かよ。何歳なんだよテメエら」
峯川千墨:そっぽを向く。
赤川累:「別に、そういうつもりじゃ……ただ」
赤川累:「個人的に、峯川さんは信用できると思ったって話です」
峯川千墨:「ハイハイ、お優しいこって」
峯川千墨:「知られちまった以上一応聞くが」
峯川千墨:「この後しばらく単独行動したいっつったら許可下りるか」睨むように支部長を見る。
九十八九十九:その視線を受け流すように、気の抜けた笑顔を浮かべて
九十八九十九:「いいよ~。それで私の仕事が楽になるんならね」
峯川千墨:「保証しかねるな。ケッ」
峯川千墨:両手を頭の後ろで組んで仰け反る。「マージで台無しだ」
---
GM:そうして捜査を進める君達のもとに、ある情報が届いた。
GM:それはレネゲイドに関する各所に向けられた、あるオークション開催の告知。
GM:開催地は九霄市。開催者はFHセル“ダドエルズホール”。目玉商品は──『ルカの手紙』。
GM:シーン終了。
GM:ロイス・購入可能です
軽部龍授:木花さんとエル子に取ろう。 まず木花さん(その心意気は気に入ったので)信用〇/(まあ、俺の事嫌いなんだろうなと思ってるので)悲観
軽部龍授:エル子 (家族の面影を見たので)懐旧〇/(まあ、態度がね!)不信感 で。
木花小夜:軽部龍授/誠意:○/脅威/ロイス
木花小夜:購入 明日相談する メモ
峯川千墨:九十八九十九 意外と有能/○意外でもなくムカつく
九十八九十九:峯川千墨 承認○/警戒 でロイスを取得
峯川千墨:購入はたぶん応急手当を予定することになるのではないだろうか
峯川千墨:応急手当キットを狙います(ミドル4の購入)
峯川千墨:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 10[1,1,2,8,10]+5[5]+1 → 16 → 成功
峯川千墨:成功して使用!
峯川千墨:10+2d10
DoubleCross : (10+2D10) → 10+9[2,7] → 19
峯川千墨:峯川千墨のHPを19(→ 19)に変更 (10 → 19)
峯川千墨:いじょうです
木花小夜:従者でボルアク狙ってみよ
“ガーネット・スター”:8dx>=15
DoubleCross : (8DX10>=15) → 9[2,2,4,4,8,9,9,9] → 9 → 失敗
“ガーネット・スター”:だめ
赤川累:じゃあボルアクにリベンジしてみよかな
赤川累:3dx+4>=15
DoubleCross : (3DX10+4>=15) → 8[2,2,8]+4 → 12 → 失敗
九十八九十九:皆優しい~
赤川累:だめでした おわり
木花小夜:本体はリアクティブアーマー狙ってみよう
九十八九十九:うーんどうしよ、私自身はボルアクはちょっと厳しいので、予備の予備弾倉を買おうかな
九十八九十九:2dx+2>=10
DoubleCross : (2DX10+2>=10) → 9[8,9]+2 → 11 → 成功
木花小夜:6dx+3>=24
DoubleCross : (6DX10+3>=24) → 9[2,4,4,8,8,9]+3 → 12 → 失敗
木花小夜:財産12使っちゃお~
九十八九十九:おっ買えた 予備弾倉が5個になりました
九十八九十九:以上!
木花小夜:16→4になって買えました 軽部くんにあげるね
軽部龍授:では私は強化素材狙いマン
軽部龍授:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 10[5,10]+10[10]+4[4]+4 → 28
峯川千墨:すご
軽部龍授:買えてしまった。即しよう。ガード値一点あげます。
【RHO/軽部龍授】
数日前 九霄大学キャンパス
GM:生徒やオープンキャンパスの参加者で賑わうキャンパス。君──軽部龍授は、ある依頼を受けてこの大学へと足を運んでいた。
GM:依頼は全てネットを介して行われ、依頼人の身許も不明。怪しい案件と言えなくもなかったが、詮索無用の対価としてか、既に相場からしてかなり高額の報酬が前払いで振り込まれていた。
GM:依頼内容は、君と因縁のあるフリーランス“霹靂殺手”の討伐。
GM:彼……彼女は他の依頼者からの依頼で、一般人を巻き込む大規模なテロを計画しているらしい。それを止めるために選ばれたのが君であり……
GM:その標的となった場所が、ここ九霄大学とのことだった。
GM:そろそろ依頼で聞かされた、彼女が現れると目される時刻だ。まだその姿は見えず、周囲は大勢の若者で賑わっている。折りしもオープンキャンパス当日、君を怪しんでくる者もいない。
軽部龍授:「そのような主義や、やり口は奴らしくはないとも感じるが」
軽部龍授:だが、どうにせよ霹靂殺手は自分と同じく傭兵であり、金や理由があればやらないとは言い切れないか。などと思い直す。
軽部龍授:堅気を巻き込むような手管は、また自分の美意識に反する。
軽部龍授:《ワーディング》はこちらからは使用しない。いざと言う時、構内の人間が逃げられなくなるからだ。
軽部龍授:補足してすれ違いざまに【跳兎】或いは【雷電】で切って落とす。それが望ましい。無論、相手は こちらを補足し接近する前に撃ち落とす。位は考えてるだろうが。
“霹靂殺手”:そんな君の思惑を嘲笑うかのように、《ワーディング》が展開される。
“霹靂殺手”:直後、轟音めいた発砲音。複数の弾丸が一度に君へと迫りくる。
軽部龍授:刀を右手に無造作に下げる。
軽部龍授:戦闘姿勢として準備は過不足なくこれだけで良い。この状況から一挙動で踏み込み、切り捨てる自負が龍授にはある。
軽部龍授:まず、この弾丸に対処できればの話ではあるが。
軽部龍授:「シッ!」
軽部龍授:息を吐く。手首より先が迅さだけでかき消える。
軽部龍授:綺麗な円を描く刀の閃き。それが残像となって宙に映る。
軽部龍授:余りにも鮮やか過ぎて、防御と言うより作業にしか見えなかった。その奇怪な剣の技は、まさに異様である。
軽部龍授:踏み込む。動けば風の如き、侵略は火の如く。と例えても良い素早さだ。
軽部龍授:「フッ…堕ちたものだな」
“霹靂殺手”:「その言葉、熨斗を付けて返す」
軽部龍授:「何?」
“霹靂殺手”:人混みに紛れ、数十メートルの距離まで接近してきていた男装の麗人──“霹靂殺手”。
“霹靂殺手”:襟元に着けたブローチは、風水において仕事運を呼び込むターコイズブルー。
“霹靂殺手”:《ワーディング》が無ければもっと有効な不意打ちだったはずだが──彼女は君と異なり、《ワーディング》したほうが周囲を巻き込まないと考える性質らしい。
“霹靂殺手”:「一般人を巻き込まないのが、貴様の数少ない美点だと思っていたがな」
“霹靂殺手”:黒手袋を嵌めた片手で、弾丸を取り出し、ばらりと宙に放り投げる。
“霹靂殺手”:リボルバーを横薙ぎに振るう。それだけで全ての弾丸が弾倉へと吸い込まれるように収まった。
軽部龍授:「……確認をするが、俺は防衛側。貴様は攻め手。そういう話ではないのか?」
軽部龍授:月打に構え、言葉だけを投げる。
“霹靂殺手”:「自覚があるとは殊勝なことだな」
“霹靂殺手”:「その手品の種も、いつまで続くか見物だが」
“霹靂殺手”:再び発砲。きっかり六発の弾丸が同時に飛来、君の四肢へと的確に襲い来る。
GM:どこか会話がずれている。君はそう感じるかもしれない。
軽部龍授:「手品師じみた格好と所作の女が言う事でもあるまいが」
軽部龍授:突進しながら振り下ろす。半分の弾丸を撃ち落とし、手首を返し、もう半分の軌道を逸らす。
軽部龍授:1つの防御に1つの攻撃分のレネゲイドが活性化する。攻防の割が良くない。
軽部龍授:無傷なだけだ。いや、それよりも。
“霹靂殺手”:「チッ……!」発砲してすぐに再装填が済んでいる。まさしく魔技だ。恐るべき迅速。
軽部龍授:「俺が一般人を巻き込む?それは、何処の語りだ?貴様、信じたのか?」
“霹靂殺手”:君に再び銃口を向け──
“霹靂殺手”:「……何?」
“霹靂殺手”:ぴくりと眉を動かし、引き金を引く直前で止まる。
軽部龍授:日本刀を銃口の線上に置いている。
軽部龍授:「俺の依頼は、おそらく貴様が言われたのと同じものだと思うがな」携帯を投げて寄越す。
軽部龍授:依頼履歴を開いてある。
“霹靂殺手”:「……」
“霹靂殺手”:携帯と君とを直線状にして、銃口を向け、君から目を離さないまま画面を見る。
“霹靂殺手”:「……」表情を不快そうに顰め「これは──」
GM:爆発が巻き起こったのは、その時だった。
GM:横合いから轟音と共に爆風と衝撃波、瓦礫片とが襲い来て、君達二人を一瞬で呑み込む。
“霹靂殺手”:「……!」
軽部龍授:「!?」驚きや驚愕など役に立たない脳に任せておけば良い。生存の為に手足は性能を十全に行使する。
軽部龍授:剣撃は光よりも速く爆風と炎と瓦礫を切り裂く。
軽部龍授:この男の技は、魔剣、聖剣の力を借りずとも、ただ己の技術のみで奇跡を成す事が可能だったのだ。
軽部龍授:そう評しても過言ではない、オーヴァードの目を以てしても追いきれない程の異常芸術。
軽部龍授:一足飛びに飛び出して、刃圏内の数人を守り切る。
軽部龍授:その中に宿敵が含まれていたかもしれないが。脳が機能していなかったのだから、それは仕方ない事だろう。
“霹靂殺手”:「な……」
GM:連続する爆発と崩落はしばらく続き、限りなく長く感じられる数十秒を経て、ようやく収まった。
軽部龍授:「気の利いたことを言うなよ?」
GM:埃が立ち込め、一面が灰色に染まった中で、君と“霹靂殺手”だけが立っている。足元、君が守れた数人も無事だ。
軽部龍授:……惨状を見ている。守れたのは数人だけだ。軽くため息をついて、血色に汚れることなく戦いを終えた刀を鞘に納める。
“霹靂殺手”:「……ふん」
“霹靂殺手”:「礼は言わんぞ。貴様のお陰じゃない」
“霹靂殺手”:「今日は黒の下着を履いてきたからな。邪気を払い守りを固める色だ」
軽部龍授:「だろうな。お前はオーヴァードだ。黒い下着が破れたとて、死には……待て」
軽部龍授:「慎みは持て。俺は未成年なのだがな」
“霹靂殺手”:「私の知ったことか」君から離れるようにして、数歩歩いて周囲の惨状を目にする。
“霹靂殺手”:「……嵌められたな」
軽部龍授:「人を利用したり、されたりなどと言うのは誰しもお互い様だ。誰もが誰かを利用して生きている。それに関しては100歩譲れば許せることだが」
軽部龍授:この身は破滅までには至らなかった。足の一本程度で笑って許しても良い。
軽部龍授:「だが、依頼主は、無関係な堅気を巻き込んだ。それは筋が通らない」
“霹靂殺手”:「私はお前がこの大学で生徒相手に“振り”をすると聞いていた」
“霹靂殺手”:「オープンキャンパス当日にな。今思えば疑うべきだったが」
軽部龍授:「俺はお前がこの大学で"弾く"とな。大規模破壊とはお前らしくないとは思ったものの」
軽部龍授:「フッ……互いに傭兵だから、受ける事もある。そう思ったわけだ」
“霹靂殺手”:嘆息する。
“霹靂殺手”:「……我々を潰し合わせて、残った一方にこの爆破の実行者を押し付ける算段だったと見えるな」
“霹靂殺手”:「戦闘と爆破を経て、両方とも生き残ったのは恐らく計算外のはずだ」
軽部龍授:「……賢いが、つまり、こちらを舐めているな。我らの依頼者は」
軽部龍授:「依頼者は俺の美意識に踏み込んだ。仮令、鼈甲蜻蛉であったとしても……斬らせてもらう」お前は?と言外に含む。
軽部龍授:その理不尽で失われる命と未来は、納得づくで命を懸けている人間と決して等価ではない。
“霹靂殺手”:「当然、ここまで侮られて黙っていては今後の仕事にも関わる」
“霹靂殺手”:「陰陽は相克するものだ。相応の代価にはあの報酬では安すぎる」
“霹靂殺手”:緩んだ手袋を直して。
“霹靂殺手”:「だが、状況は良くないな」
軽部龍授:「特に、俺達がどちらも生きている。と言うのは如何にもマズイ」
軽部龍授:「こちらの唯一の優位点は、あちらの策が上手くいった。と思っていることくらいだろう」
“霹靂殺手”:「ああ。奴らにとっては不都合だろうな。改めて消そうとしてくる可能性も高い」
“霹靂殺手”:「だが実際のところ、我々には後ろ盾が無い。依頼者に報復しようにも身元すら分からん」
“霹靂殺手”:「無罪を主張しても何の意味も無いだろうな」
軽部龍授:「フッ…フリーランスの弱みだな。おい、お前、だからUGNイリーガルになっていろ。と言ったのだ」言ってはいないが。
“霹靂殺手”:そこでじっと君を見て、頷く。
“霹靂殺手”:「……良し」
“霹靂殺手”:「死ね。“死舞旋刃”」
軽部龍授:「下着の色を知ったくらいで、それか」
“霹靂殺手”:「違う。貴様はなるべく身を隠し、ここで死んだということにしておけ」
“霹靂殺手”:「私だけが表で派手にやる。そうすれば自然と奴らはお前が死に、私が生き残ったと思うはずだ」
軽部龍授:「そうなると、お前が犯人と言う事になるが」
軽部龍授:「俺はその間に、依頼者のアジトを調ベ上げ。と言う事か?」
“霹靂殺手”:「理解が早いな。そういうことだ」
“霹靂殺手”:爆風で煤けたジャケットを払う
“霹靂殺手”:「面倒な役回りだが、貴様に任せるのは安心できん」
“霹靂殺手”:「その美学だか美意識とかいうものは邪魔にしかならん。私にはそんなものは無いからな」
軽部龍授:「風水は十分に美意識だと思うがね」
“霹靂殺手”:「何度も言わせるな。風水は綿密に織り上げられた科学だ」
軽部龍授:「フッ…さて、二人でやれると思うか?」
“霹靂殺手”:「知らん。だがやるしかないだろう」
“霹靂殺手”:「いいか。他の相手を信用するなよ。依頼者がどこにいるのかまるで分からないんだからな」
“霹靂殺手”:「FHか、ギルドか、あるいはUGNかもしれん」
軽部龍授:「改めて、味方がいないな」
軽部龍授:「フッ…もっとも、そういう人間を雇ったという事だろうが」
“霹靂殺手”:「全くだ。よりにもよって唯一の味方が貴様とはな」
軽部龍授:「だが、どうにせよ。どこかの組織の手は借りなければならんぞ」
軽部龍授:「俺の情報収集能力は拙い。一般施設へのテロ行為なら……やはりUGNと言う事になるが」
“霹靂殺手”:「……業腹だが、お前の美的感覚とやらで判断するしかないだろうな」
“霹靂殺手”:かぶりを振って。
軽部龍授:「それにしても問題はある。とても大きなな」
“霹靂殺手”:「何だ。ありすぎて分からん」
軽部龍授:「フッ…俺は生まれてこの方、人に好かれたり、信用されたことがない」
軽部龍授:「俺も命と矜持がかかっている。手を抜くことはないがね……賭けとしては分が悪い事は今の内に言っておくぞ」
軽部龍授:「上手くいくように風水でどうにかしておけ」
“霹靂殺手”:「私は信用しているぞ。でなければこんな役目は託さん」
“霹靂殺手”:「最も、剣の腕だけだがな」
“霹靂殺手”:「後は知らん。だがそれさえあれば、大抵のことはどうにか出来るだろう」
軽部龍授:「良し。大抵の事に入っているならどうにかしよう」
GM:その時、俄かに周囲が騒がしくなってくる。救助の手がやってきたのだろう。
軽部龍授:「行け。依頼主が分かったら連絡する」
“霹靂殺手”:「お前もな。姿を見られるなよ」
“霹靂殺手”:「東南から出ろ」後方を指して「良縁を呼び込む」
軽部龍授:何事か投げて渡す。
“霹靂殺手”:受け取って目をやる。
軽部龍授:オペラピンクの財布だ。先程の爆破騒ぎで彼女が落としたものだろう。
軽部龍授:「どこかが崩れたらマズイのだろう?科学の式と言うのなら」
“霹靂殺手”:「……ふん」不服そうにそれを胸元にしまい込んで。
“霹靂殺手”:「じゃあな。精々死ぬなよ、“死舞”」
軽部龍授:「そちらこそな。落とし前は二人で付けるとしよう“霹靂”」
軽部龍授:彼女を見送り、自分も歩き出す。
軽部龍授:この状況に溜息をつき、自棄になったように鼻唄を口ずさむ。でなければ、とてもやってられない。
軽部龍授:「ther ain't no other way Baby I was born this way ♪I'm on the right track, baby…」
軽部龍授:うろ覚えだが、この部分だけ、今の自分に嵌ると思ったのだ。
軽部龍授:確か歌詞の意味は 他の道なんてない。これが私の生きる道、私は正しい道を進んでいる。だった。
軽部龍授:まったく、そう信じたいものだ。斬り合いを至上とする人間には前途が多難な道ではあるが。
軽部龍授:同業者 “霹靂殺手” (特に銃の腕と気質を)信用〇/破廉恥な女 ロイス
【RHO/峯川千墨】
九霄市内 喫茶店『太平天国』
舞浜ちよ:「ここのパンケーキおいしいんだよ~!」
舞浜ちよ:昼下がり、女性客で賑わうカフェ。舞浜が楽しそうにメニューを広げる。
舞浜ちよ:「特に抹茶味がおすすめなんだー。この前王様のブランチでも紹介されてたし、すごいんだよ!」
峯川千墨:「はァ」向かいの席に座り、メニューよりむしろ辺りの様子を見回している。
峯川千墨:「先輩見るんスねそういうの」
舞浜ちよ:「見るよー?普通に」
舞浜ちよ:「ちずみちゃん何食べる?チーズケーキとかもおいしいし…… あっ!飲み物も決めなきゃね」
峯川千墨:「はァ……」
舞浜ちよ:「どうしたの?」きょとんとして「あんまお腹空いてない?」
峯川千墨:「いや、馴染みがねェもんで」
峯川千墨:「なんスかこのフワフワした空気」
舞浜ちよ:「え~っ、カフェとか来たことないの?」
峯川千墨:「全然……」
舞浜ちよ:「そうなんだ……私なんて休日のたびに行ってるのに~」
峯川千墨:「そんなに」
舞浜ちよ:「今度またお休みの時に美味しいとこ連れてってあげるね!あ、じゃあ注文も私がしよっか」
舞浜ちよ:「お腹けっこう空いてる?飲み物はあったかいの?冷たいの?」
峯川千墨:「頼みます。多分どれでもイケそうな感じッスね」
峯川千墨:「コーラあります?」
舞浜ちよ:「ちずみちゃんコーラ好きだよね~」
峯川千墨:「馴染んだ味ってやつですよ」
舞浜ちよ:「虫歯になっちゃうよ~?じゃあしょっぱいのがいいかな~……」
舞浜ちよ:「すみませーん、コーラのRと自家製キッシュ、それと抹茶のパンケーキとベルギーチョコココアのSでお願いします!」
舞浜ちよ:「楽しみだね~」注文を済ませ、ニコニコしている。君の過去やこれまでの経緯について既に聞き及んでいる筈だが、全く変わった様子は無い。
峯川千墨:「……」今更のようにメニューに目を落として。
峯川千墨:「キッシュ以外は自家製じゃねェんですかね」
舞浜ちよ:「あ、確かに!どうなんだろう」
舞浜ちよ:「なんでキッシュだけ自家製ってついてるんだろうね?そもそもホントにこの店で作ってるのかな~」
峯川千墨:頬杖をついて厨房の方を見る。
峯川千墨:「……まァ、どうだって良いんスけど」
舞浜ちよ:「ちずみちゃんは普段料理とかするの?」
峯川千墨:「するように見えます?」
舞浜ちよ:「うーん……」
舞浜ちよ:しげしげと見つめて
舞浜ちよ:「見えない~~!」
峯川千墨:「でしょ」
舞浜ちよ:何がそんなに面白いのか、きゃっきゃと楽しそうに笑っている
峯川千墨:「……」
峯川千墨:「なんでテンション高けェんスか」
舞浜ちよ:「うん?」目をぱちくりさせて
舞浜ちよ:「なんでって?普段とそんな違うかなー」
舞浜ちよ:「パンケーキが楽しみだからかな?」
峯川千墨:自分が落ち着かないせいか、と一瞬思う。
峯川千墨:首を振る。
峯川千墨:「……かもしんないスね」
舞浜ちよ:「ちずみちゃん、なんか元気ない?」
舞浜ちよ:「何かあった?私でよければ話聞くよ!」
舞浜ちよ:「何と言っても先輩ですから!」
舞浜ちよ:ふふん、と小さな胸を張る。
峯川千墨:「いや……アー」
峯川千墨:何事かの言葉を口の中で転がして。
峯川千墨:「……ウチの動き」
峯川千墨:「どっかから洩れてんスかね?」
峯川千墨:視線を外したままで言う。
舞浜ちよ:「ん?」首を傾げる
舞浜ちよ:「なになに、何の話?」
峯川千墨:「アイツ──あの支部長が」
峯川千墨:「すげェしつこく聞いてきたんスよ。要するにアタシが前ンとこの犬かどうか」
舞浜ちよ:「ほえ~~、そうなんだ」
峯川千墨:「それって、誰かは分かんねえけど誰かを疑わなきゃいけねェっつう状態なんじゃねえですか」
舞浜ちよ:「うーん、どうなんだろうね?支部長には支部長の立場もあるからね~」
舞浜ちよ:「疑いたくなくても疑わなきゃならないのはそうだと思うよ。今回に限らずの話だけどね」
峯川千墨:「立場ねえ」
峯川千墨:「じゃァ単にアイツがヤな性格してるだけスかね」
舞浜ちよ:「も~、そういう言い方しないの!」
舞浜ちよ:「支部長は支部長で大変なんだよ。こうやって嫌われ役もやらなきゃいけないし……」
舞浜ちよ:「疑われてるのはちずみちゃんだけじゃないよ。みんなも……多分私も疑われてると思うし」
舞浜ちよ:「それはそれで大変だと思わない?だから誰が悪いとかって話じゃないと思うの」
峯川千墨:「はァ……ま、ならそれはそれで良いんスけど」
峯川千墨:「アイツまさか先輩にもナメた口利きやがったんじゃねェでしょうね」
峯川千墨:剣呑な目つきになる。
舞浜ちよ:「そんなことないよ~。も~、いちいちそんな顔しちゃだめ!」
舞浜ちよ:机に乗り上げるようにして小さな手を伸ばし、君の眉間の皺を伸ばす。
峯川千墨:されるままにしている。
峯川千墨:「いっそ先輩が支部長だかになってくれっと助かるんスけど」
舞浜ちよ:「え~、私はそんなガラじゃないよ~。それこそ九十八さんみたいなことするのは大変そうだし……」
峯川千墨:「そしたらアタシは絶対ェ嫌ったりしねェですし、ナマ言った奴らは全員ブチ殺します」
舞浜ちよ:「も~~、ちずみちゃん!そういうこと言っちゃダメ!」
舞浜ちよ:「それに支部長になったら、あんまりちずみちゃんのお世話も出来なくなっちゃうよ?」
舞浜ちよ:「支部長ってすっごく忙しいんだから」
峯川千墨:「サーセン」にやりと笑って。
峯川千墨:「そうなった時はアタシが先輩の面倒見させてもらうんで」
峯川千墨:「今までの借りを返すってワケッス。御恩と奉公? 的な」
舞浜ちよ:「えーっ、ホント?」
舞浜ちよ:「それはちょっと楽しみかも~」
峯川千墨:「でしょ?」
峯川千墨:「てか……そんな忙しいんスか? 支部長職」
峯川千墨:「アイツあんなんじゃねェですか」
舞浜ちよ:「……うーん……」
舞浜ちよ:「ま、まあ……支部によるのかな……?」
峯川千墨:「やっぱイケますって」
峯川千墨:「どっか暇そうなとこを担当してるヤツを軽くアレして……」
舞浜ちよ:「そんな雑な感じでいいのかな~……」
舞浜ちよ:世間話をする舞浜の様子は、今までと少しも変らない。まるで君との間に何事も無かったかのように。
峯川千墨:だが、彼女が未だ知らないわけではないことは知っている。
峯川千墨:「……あ」
峯川千墨:「来たみたいスよ」
舞浜ちよ:「あ、ほんとだ!」
舞浜ちよ:パンケーキを前にして表情を輝かせる。「おいしそう~~!」
峯川千墨:「へェ」立ち昇る湯気の香りに興味を惹かれた風にする。
舞浜ちよ:パシャパシャとスマホで写真を撮っている「かわい~!」
峯川千墨:「……!」
峯川千墨:「思いのほかウメェ」食べている。
舞浜ちよ:「もう食べてる!」
舞浜ちよ:「私も食べよ!いただきまーす」
峯川千墨:しばらく黙って食べ進めて。
峯川千墨:「一人じゃ絶対ェ来なかったッスけど」
峯川千墨:「良いッスね。こういうとこも。たまには」
舞浜ちよ:「そうでしょ~?」にこやかに笑って
峯川千墨:「なんつうか……満たされる気持ち?」
峯川千墨:「みてェな」
舞浜ちよ:「いいんですよ、カフェは!」
舞浜ちよ:「またおいしいとこ連れてきてあげるね!」
峯川千墨:「ハイ。先輩のおかげッス」
峯川千墨:「なんで……まァ」
峯川千墨:手を止め、勢い良く頭を下げる。
峯川千墨:「あざッス。色々と」
舞浜ちよ:「えっ?」びっくりして
峯川千墨:「あと、今後ともよろしくお願いします」
舞浜ちよ:「な、なになに?急に」
舞浜ちよ:「そんなにおいしかった?」
峯川千墨:「イヤその……」
峯川千墨:「良いじゃねえですか」
峯川千墨:「黙って受け取っといてくださいよ」
舞浜ちよ:「え~~?なにそれ~~」
舞浜ちよ:「変なちずみちゃんだな~」
峯川千墨:「今後一層リスペクトしてくんで」
舞浜ちよ:「私こそありがとだよ。こんな頼りない先輩に付いてきてくれて」
舞浜ちよ:「ほんとはね、ちょっと不安だったんだ。誰かの指導役になるのって、私初めてだったから」
舞浜ちよ:机の上で小さな掌を組んで。
峯川千墨:「そうだったんスか」
舞浜ちよ:「でも、初めてがちずみちゃんで良かったよ。いい子だし、頑張り屋さんだし……」
舞浜ちよ:「だからね、いい後輩を持って、私のほうがお礼を言いたいくらいなんだ~」
峯川千墨:「先輩……!」ぱっと喜色をみなぎらせる。
舞浜ちよ:「えへへ……なんか照れ臭いね~」
峯川千墨:「マジでデッケェっすよ……」
峯川千墨:「あ、器がっつう意味ですからね」
舞浜ちよ:「も~、言わなくてもわかってるよぉ!」
舞浜ちよ:「ほらほら、早く食べちゃお。まだまだ仕事は山積みだもんね」
峯川千墨:「ウス」
峯川千墨:「任せといてくださいよ──何せアタシは正義の味方ッスからね」
【Interlude】
九霄高校 屋上
九十八九十九:「な~んだ。じゃあ軽部くんもシロだったんだ」
九十八九十九:夜、屋上に置かれたベンチに座って、ホットミルクをズズズと啜る。
九十八九十九:目の前には、3台の天体望遠鏡が並べられている。
九十八九十九:内二つは倉庫から急遽引っ張り出してきたのか、えらく傷んでいた。
木花小夜:「ええ。確実な証拠を掴んだわけではないですけど」
木花小夜:「彼の有り様から推測するに、そう取って間違いないと思います」
赤川累:「犯人に仕立て上げる為の依頼か。フリーランスという立場も、苦労が多いんだな」
赤川累:「……支部長、それは?」
九十八九十九:「?見たまんまだけど」
九十八九十九:「天体望遠鏡!天文部だからね私」
赤川累:「見たまんまで良かった。さっき、組み立て式のライフルだったパターンを見たので」
九十八九十九:「あー、万が一職質受けた時のために見た目だけね~」
木花小夜:「なるほど……長物を夜間に持ち歩くのはリスクですもんね」
赤川累:「ああ……学生カヴァーだと、そういう偽装は多いと聞きますね。竹刀袋や楽器ケースなんか」
九十八九十九:「そうそう、日頃お世話になってるのよこのカヴァーには」
木花小夜:「“シンダーテイカー”は……徒手のタイプだよね」先程の戦闘で構えていた姿を思い出している。
赤川累:「ああ。銃器を使う訓練も受けたけど、こっちの方が合ってるらしい」
九十八九十九:「いいな~、私も身軽な能力が良かったよお」
赤川累:袖から伸ばした手を見せる。よく見れば右腕は左腕よりも一回りほど大きく、歪な骨格を持つ事に気付くかもしれない。
木花小夜:「……それ」目を見開く。
木花小夜:「身軽な能力じゃないよね」
赤川累:「ああ……ちょっと、粗雑な医者に施術を受けたもんでね」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……痛んだりは?」
木花小夜:「能力の代償に、多大な苦痛を強いるとか」
木花小夜:「そういうのは……?」
赤川累:「……幸い、そういう方向のじゃないかな。もちろん、出力を出しすぎれば痛みはするけど」笑う。
九十八九十九:「どれどれ~、あー、そっちか~」赤川の腕を覗き込む。
九十八九十九:「声が聞こえるタイプのだね。人によっては下手に痛いだけより参るやつ」
木花小夜:「……分かるんですか?」
赤川累:「死人の骨と言っても、どこか『生きて』いるらしい。形こそ合わないが、使ってる内に馴染んできたし……そう、口うるさい」
九十八九十九:「ふふ~ん、これでも昔は業界でぶいぶい言わしてたからねえ」
木花小夜:「業界……詳しいんですか、“遺産”」
赤川累:「見ただけで分かるというのも、とんでもない話だけど……支部長もノイマンなんでしたね」
九十八九十九:「ふふふ……そうとも、私の推理に見通せぬものはない」眼鏡が光る
赤川累:「ある意味、一番身軽じゃないですか。必要なものが頭の中に詰まってるっていうのは」
赤川累:自分もそうだから分かる部分があるというような口ぶり。
九十八九十九:「ん……なら、良かったんだけどねぇ」
九十八九十九:「生憎そういうのじゃないんだなあ、多分察しの良さなら赤川くんの方が上だよ」
木花小夜:「……そうですか」がっかりする。
九十八九十九:「ちょっと見ただけでわかったのは、多少勉強してたからってだけ~」
九十八九十九:「私も持ってるからね」
木花小夜:「……そうなんですか?」望遠鏡を見る。
九十八九十九:「あー違う違う、そっちじゃないよお」
九十八九十九:「小夜ちゃん、ちょっとそのまま動かないでね。前向いて背筋伸ばして」
木花小夜:「はい?」言われるがまま。
赤川累:「……何をするんです?」
九十八九十九:「よいしょ」小夜の背後に周り、背中に飛びつく
九十八九十九:全体重が伸し掛かる形になるが、ふと、違和感があるだろう
木花小夜:「えっ」体重を支えようと、大きく背負い込む。
木花小夜:掛けたはずの力以上に、前につんのめって倒れそうになる。
木花小夜:「えっ!?」
九十八九十九:それは、高校女子の平均体重を支えようと咄嗟に踏ん張った結果だった。
赤川累:「……? もしかして、軽い?」
九十八九十九:軽すぎる。赤子を背負う程度の重さしか感じない
木花小夜:背負い直して。「え、ええ……」
木花小夜:「……それが契約の“代償”なんですか?」
赤川累:「体重が軽くなるとは、聞いたことがないタイプですね。バロールの……?」
九十八九十九:「さあ、どうでしょ~?」ニヤニヤ笑う
九十八九十九:「むしろ得してるかも?どんだけ食べても体重増えないし」
木花小夜:「えっいいな……」
赤川累:「摂取した熱量が遺産の側に吸い上げられてる……? でも、そうならもっと見た目がやせ細るだろうしな……」
赤川累:顎に手を当てる。「……難しいですね。やっぱり支部長のようにはいかない」
九十八九十九:「いや~、わかんないよ~?脱いだらスゴイかも」制服の裾をパタパタする。
赤川累:「……あまりそういう振る舞いを男性の前でやるのは」それとなく目を逸らす。
木花小夜:「本当ですよもう……」
九十八九十九:「なんだよ~!いいじゃん別に~。どうせ二人共相手いるんだしさあ」
木花小夜:「……そこまで調べてるんですか」
木花小夜:「あとというかいるならやっていいことにはならないかと……」
赤川累:「……それも上から共有された情報ですか? なら、訂正しておいてください」
赤川累:「北見さんの前でそれ言ったら、機嫌を損ねそうですし……普通に友達なので」
木花小夜:「えっ違うの……!?」
九十八九十九:「……」複雑な表情で赤川くんを見て
九十八九十九:「赤川くん、おせっかいを言うようだけど……」
赤川累:「な……何ですか」
九十八九十九:「その時菫ちゃんが機嫌を損ねるとしたら、多分私のせいじゃあない……んじゃないかなあ……?」
赤川累:「な……どうしてそんな事が分かるって言うんですか」
九十八九十九:「ねえ?小夜ちゃんもそう思うよね?」
木花小夜:「ええと……」
木花小夜:「言っていいんですかね……」
九十八九十九:「いやぁ……」
九十八九十九:「やっぱり野暮はやめとこうかぁ……」
赤川累:「なんですかこの空気……!」
赤川累:「大体、本当にそういうのじゃないですよ。特別な友人だと言ったら訂正してきたのは彼女の方だし……」
木花小夜:「ええっ」
九十八九十九:「そ、そう……」
木花小夜:「普通に友達なのに……」
木花小夜:「特別な友人って言ったの……?」
九十八九十九:「それは赤川くんが悪いよぉ」
木花小夜:「ですよね……?」
赤川累:「え……?」
赤川累:「いや……だって、本当に色々あったんですよ。死線を超えたというか……お互いの人生に干渉したというか……」
赤川累:「だから、普通というのも不適切かと……思ったんですが……」
赤川累:二人があんまりな反応をするので徐々に語気に自信がなくなってくる。
九十八九十九:「いやぁ、なんというか……うーん……」珍しく言葉を選んでいる
木花小夜:「なんか今すごい私……」
木花小夜:「自分は受け止めてもらえてよかったなって心から思ってます」
九十八九十九:「良かったねえ……大事にしなさいよお、小夜ちゃん」しみじみ
木花小夜:「はい……」
赤川累:「くっ……俺に何が見えてないって言うんだ」
木花小夜:「……峯川さんは」
木花小夜:「舞浜さんを大事にするために、こっちについたんですか?」
九十八九十九:「……あれっ、もしかして私がなんかしたと思われてる!?」
木花小夜:「思ってなかったですけど今の言い方でちょっと思いました」
赤川累:「流石にその反応は疑われ慣れすぎじゃないですか……?」
木花小夜:「なにかしたんですか……???」
九十八九十九:「く……墓穴を彫ったか……」
木花小夜:「したんだ……」
九十八九十九:「も~、なんもしてないよ~!千墨ちゃんは最初っから真っ白だったんだってば~」
赤川累:「まあ……俺の目には、彼女の行動は舞浜さんの為という点で一貫していたように見えましたけど」
赤川累:「周囲に話さなかったのも、彼女に負担をかけたくないからだと言っていました。それが実際の全てではないでしょうが……」
九十八九十九:「そうそう!私は悪くないも~ん」
九十八九十九:「ちょーっとイジワル言ったかもだけど~……」
木花小夜:「じゃあなんで誤解を招く言い方を……」
赤川累:「そうですね、ちょっと煽りすぎだったかとは思います」本当はちょっとでもないと思っているが。
木花小夜:「煽ってたんだ……」
九十八九十九:「うっ……!赤川くんはどっちの味方なのだねコラ~ッ!」
赤川累:「どっちのって……両方の味方ですよ。チームですから……」
木花小夜:「確かに……」
木花小夜:「もしかして、交渉術の手管とかは……」
木花小夜:「あまり聞けない感じですかね」
九十八九十九:「えっ……」
赤川累:「どうだろう。参考になる部分もあったかも……あの、ギャング連中を飼い慣らす時のとか」
九十八九十九:「やぁ~、あの辺は真似しない方が良いよお。零細支部の苦肉の策みたいなもんだし」
九十八九十九:「もっと使えるのも……まあ……」
九十八九十九:「いやぁ~……うぅ~ん……教えられないこともないけど……」小夜を上から下まで見て
木花小夜:「な、なんですか」
九十八九十九:「……もうちょっとオトナになってからで良いんじゃない?」
赤川累:「どういう言い淀みですか、それ……いえ、言わなくて結構です」
木花小夜:「いやちょっと待ってください今なんか……」
木花小夜:「聞き捨てならない言われ方しませんでした?」
木花小夜:「あの……同い年ですよね」
九十八九十九:「えっ……同い年だったの!?」
木花小夜:「えっ!?」
木花小夜:「なんで色々調べ付いてるのにそこは知らないんですか!?」
赤川累:「なんであんなに色々データ見ててそこだけ忘れてるんですか」
木花小夜:「ねえ……?」赤川くんに同意するように。
九十八九十九:「や……年齢とか、一周回ってどうでもいいデータだし……」
九十八九十九:「小夜ちゃんかわいいから……中3か高1くらいかなって……」
木花小夜:「……」かわいいはムズムズするので文句を言いづらくなっている。
赤川累:「……もしかして、そっちが代償だったりします? 体重と一緒に、記憶が抜け落ちていくっていう……」
赤川累:だいぶ失礼な穿ち方をしている。
木花小夜:「煽ってる……」
九十八九十九:「な、なんだと~!脳味噌の方も軽い女だなとでも言いたいのかね……!!」
赤川累:「あ、すみません……そういうつもりでは」
木花小夜:「……ともかく、味方を疑うような事態が終わって、良かったと思います」
木花小夜:「相手も多いですから。見張りばかり見張っていたらきりがなかった」
九十八九十九:「……ゴホン、ま、そこには同意だね~」一息ついてベンチに腰を下ろす。
赤川累:「……。ええ、そうですね」
赤川累:……疑うべき相手はまだいる。だが、現状のシルヴェストロは味方とも敵とも言えない。
九十八九十九:「ずっと周りの動きにに気を配ってるのも疲れるからさ~。これでようやく夜ぐっすり寝られるよ~」
九十八九十九:「あ、そういえばまだ君の知り合いがいたんだったねえ」
赤川累:「……あ、顔に出てましたか。すみません」
木花小夜:「……会ったら、どうするの?」
赤川累:「状況次第ですが……可能なら対話したいとは思っています」
赤川累:「でも、それは誰が相手でも同じ事で……特別扱いとか、そういうつもりはありません」
赤川累:どこか自分に言い聞かせるように口にする。
木花小夜:「……それで、相容れなかったら?」
赤川累:「……俺の知る彼は、人間的に信頼できる人物でしたが。もう何年と会っていませんし」
赤川累:「昨日まで普通だった人間が、怪物に成り果てている事もあるのがこの世界です」
九十八九十九:「……」
赤川累:「……大丈夫ですよ」顔を上げて、木花さんの方を見て。
赤川累:「覚悟はできてます。……言葉だけじゃ不安だというなら、実績もある」
赤川累:「俺が初めて手に掛けたのは、ジャームに成り果てた父でしたから」
九十八九十九:「……やめなよ、そういうのは」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……あの。そうじゃないの」
木花小夜:「赤川くんの覚悟を疑ってるとか、そういうんじゃないの」
赤川累:「……」
木花小夜:「ただ……」
木花小夜:「私もエル子ちゃんに、そう出来るのかって、思った」
赤川累:「……すみません」ふう、と息を吐く。
九十八九十九:「ま、人間一回や二回済ませたから平気になるようなもんじゃないしね~」
九十八九十九:「むしろなってたら要注意リスト入りしてるかも」
赤川累:「そうですよね。そっちが普通で……そう感じることが否定されるのは、良いことじゃない」
赤川累:「自分が冷静であることを皆に示そうと……少し、躍起になっていたのかもしれません」
木花小夜:「ううん。ごめんなさい」
木花小夜:「私も、自分の決められなさを、押し付けちゃったんだと思う」
木花小夜:「子供なのかな……」
九十八九十九:「オトナも一緒なんじゃなぁい?」
木花小夜:「言われたんです。まだ子供だって……一緒?」
九十八九十九:「一緒だよ~、最初から決めてるように見せてるだけでさぁ」
九十八九十九:「大抵の場合、選ぶのが遅すぎただけなんだよ、きっと」
木花小夜:「……支部長も」
木花小夜:「……いえ」
木花小夜:「……そういう意味だと、あの二人は」
木花小夜:「もう選んだんですもんね」
九十八九十九:「単純で羨ましいよねえ……」
赤川累:「……支部長も何かに迷っているんですか?」
九十八九十九:「お、なになに~?慰めてくれるぅ?」
赤川累:「慰めるというか……」
赤川累:「甘える相手がいそうなヤツが許せねえか」、と言っていた峯川の言葉がふと脳裏を過った。失礼なので口には出さないが。
赤川累:「……俺とそう歳の変わらない高校生で責任ある立場にあって、大変だろうなとは……思ったので」
赤川累:「ええと、要は……頼りたくなったら頼ってください、ってことで」
九十八九十九:「おおう……赤川くんは優しいね~。そういうとこは師匠に似なかったみたいで嬉しいよぉ」
赤川累:「太田さんと何があったんですか……」まあ、馬が合わなさそうなのは想像に容易いが。
九十八九十九:「でも大丈夫!この私が今更皆に遠慮するように見える~?」
木花小夜:「まったく……」
木花小夜:「あっ」
木花小夜:「いやっその……」
木花小夜:「今のは胸襟を開かせるのが上手い支部長という意味で……!」
赤川累:「……どうでしょう」真面目くさった顔で呟く。「そういう事言う割に一人で抱え込むやつ、いるので」
九十八九十九:「うぇ~、票が割れちゃったよぉ」
九十八九十九:「ま、どっちだとしても変わらないんだけどね!私はこれでも支部長だからさあ」
九十八九十九:「やるべきことをやるだけだよぉ。甘えようとどうしようと結果は一緒」
赤川累:「……そうですね。少し出過ぎたことを言いました」
木花小夜:「……はい」
九十八九十九:「も~!しんみりするんじゃあない!ほら、空を見なさいよぉ」
木花小夜:言われるがままに見上げる。
九十八九十九:「せっかく天文部特権で夜の屋上来たんだからさ。星見ようぜ星!」
赤川累:「……確かに、綺麗な空ですけど」
赤川累:そんな事してる場合かな、とは思うが。ああ言った矢先、これが彼女のしたい事だと言うなら。「……そうですね、お付き合いします」
木花小夜:「……あ」星空がよく見えた。
木花小夜:「……一つだけ、知ってます、私」天頂近くの赤い星を指して。
九十八九十九:「お、粋だねえ木花部員」
木花小夜:「ガーネット・スター……ケフェウス座μ星」
九十八九十九:「へぇ~、君の星だ」
九十八九十九:「なんでその名前にしたの?」
木花小夜:「……“アルマンディン”だったんです。昔」
九十八九十九:「ああ、柘榴石」
赤川累:「アルマンディン……そっちもガーネットでしたっけ」
木花小夜:「ええ。ひときわ紅く輝く炎の、ガーネット」
木花小夜:「私。任務で、ひどく怪我して。もう、死んでしまったとばかり」
木花小夜:「だけど、生きていて。でも、一度、死んだようなものだと思って」
木花小夜:「命失って、打ち上げられた星にって」
木花小夜:星にしたのは、セルの命名即だったってだけってのもありますけど、と加えて。
赤川累:「つまり、生まれ変わったわけだ」
木花小夜:「……はい」
九十八九十九:「うんうん……つまりはそういうことなんだなあ」意味深に頷いている
赤川累:「コードが変わるなんて、珍しいなと思ったけど……」
赤川累:「大抵の人には、普通の人間として生きていた過去があって……そこから境界を超える。新しい名前を得て、オーヴァードになる」
赤川累:「そう考えると、もっと身近な事なのかもしれないな。俺達は大抵、どこかで生まれ変わっている」
木花小夜:「……そうだね」と、気もそぞろに返して。
木花小夜:あとはずっと、星を見上げていた。
九十八九十九:「ふふふ……」
九十八九十九:「私の狙い通り、初心を思い出したようだねえ君達」
九十八九十九:「まったく、支部長やるのも大変だあ……」
九十八九十九:好き勝手なことを言いつつ、屋上の地面に仰向けに寝転がって。
九十八九十九:「…………」
九十八九十九:瞳にただ、夜空を移す。けれどその色は、満点の星の光を受けて尚
九十八九十九:どこまでも黒く、沈んでいくようだった。
【Masterscene】
九霄市 ホテル“バベル”
ギデオン:「……約束が違う!」
GM:豪奢なホテルの一室に、怒声が響き渡った。
GM:剣呑な雰囲気の漂う室内、二つの勢力が机を挟んで対峙していた。
GM:一方は黒いスーツを着込んだ一団。眼帯の男を始めとして、数十人の男女が怒りと困惑を露わにしている。
“プルフラス”:「ひっ……ひぃっ……」
GM:もう一方は僅か三人。そのうえ一人は明らかに怯えた子供だ。大勢に取り囲まれた一触即発の状況にあって、しかし残りの二人は平然と余裕の態度。
“デモゴルゴン”:「……ですから、今申し上げた通りです」
“デモゴルゴン”:タイトスカートの女が口を開く。表情には微笑さえ湛えていた。
“デモゴルゴン”:「本来のご依頼は大学襲撃までだったはず。それは皆さんがご存知の通りに実行し……しかし古文書はそこに無かった」
“デモゴルゴン”:「失礼ながら、情報の不備は貴方がたの落ち度でしょう?それを古文書の確保まで完遂して差し上げたのは、我々のせめてものサービスです」
“デモゴルゴン”:「現に、本来ならば貴方がたは所在すら掴めていないはずでしょう?」
ギデオン:「ぐ……」
GM:女の言い分に、黒服たちがざわつく。
“デモゴルゴン”:「我々も『手紙』の確保のため、相応の人出とコストを支払いました」
“デモゴルゴン”:「これはあくまでビジネスです。皆様にもお分かり頂けるかと」
“デモゴルゴン”:女は少しも悪びれずに席を立ち、一枚の封筒を眼帯男へと渡す。
“デモゴルゴン”:「勿論、皆様が正式な手順で『手紙』を落札頂けるならば、我々としては大いに歓迎いたします」
“デモゴルゴン”:「招待状です。是非ご参加くださいね」
GM:“デモゴルゴン”が妖艶な笑みを残し、“ダドエルズホール”の面々は悠々と部屋を出ていく。
GM:黒服たちは、それを黙って見送ることしか出来ない。
ギデオン:「……くうっ……!」
ギデオン:女達が出て行ってから、口惜しげに机を殴りつける。
ギデオン:「済まない、皆……!こんな筈では無かった……!」
GM:「ラビ!」「大丈夫です、ラビ……!」「そうです、まだ手立てはあります……!」
GM:ざわめく黒服たちは、殆ど右往左往する烏合の衆に見えた。
エノク:「……」
エノク:その中にあって、浅黒い肌の少年は、高層の窓外に広がる街の景色を眺めていた。
エノク:懐にしまい込んだ剣──聖剣“カリドゥミナ”の柄を握り締める。
エノク:(……エル……)
エノク:(……一体、どこに居るんだ)
【Middle5】
GM:ミドルシーンです。全員登場!
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (66 → 71)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (78 → 83)
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (66 → 71)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (62 → 68)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (79 → 85)
UGNセーフハウス
GM:“ダドエルズホール”によるオークションの開催、そして古文書の出品が告知され、事態は更に混迷の度合いを強めていた。
GM:多くの者の注目が最大限に高まった中で投げ込まれたその巨石は大きな波紋を生み、九霄市を取り巻く空気は今や爆発寸前の火薬庫のようである。
GM:この一連の流れも“ダドエルズホール”、“デモゴルゴン”……あるいは更に他の誰かの策略によるものなのだろうか?
GM:君達は一度セーフハウスに集合し、情報の整理と今後の方針について話し合うこととしたのだった。
白土夏希:「支部長、全員揃いました」
白土夏希:集まった面々を確認し、九十八に声を掛ける。
GM:保護対象のエル子だけを別室とし、任務に参加している全員が一堂に会している。
九十八九十九:「は~い。みんなおつかれ~」ゆるゆるの挨拶
九十八九十九:「やー、みんなにはかーなり精力的に働いてもらっちゃったんだけど、状況はどんどんヤバくなってるねえ」
白土夏希:全員に資料と飲み物を配っていく。
木花小夜:「はい。改めて認識をすり合わせましょう」
木花小夜:「現状、主たる活動が認められている組織は3つあります」
木花小夜:「1つ目が、FHセル“ダドエルズホール”」
木花小夜:「“ルカの手紙”をオークションに掲出した胴元。それから恐らく、九霄大学爆破の犯人であるとも思われます」
舞浜ちよ:「いちばん悪いやつってこと?」
木花小夜:「一番かは何とも……」
木花小夜:「悪いやつなのは確かです」
峯川千墨:しかめ面で頷く。
赤川累:「目的がはっきりしていない勢力もありますからね。まだ比較はできません」
木花小夜:「確認された構成員が、“デモゴルゴン”、“サタナキア”、“プルフラス”」
軽部龍授:「…………3人か」扉の横で片手で資料を持ち、壁に寄り掛かっている。即ち、誰かが入ってくれば即座に対応が出来る位置取り。
赤川累:「爆破の実行犯と目されているのが"サタナキア"、外渉を取り仕切っているのが"デモゴルゴン"……オークションの手配も彼女の手で行われたものでしょうが」
白土夏希:ホワイトボードにセルの名と主要メンバーを書き込んでいる
九十八九十九:「けど気になるのは、大学の爆破と研究チームの殺害は実行犯が違うってことだよねえ」
九十八九十九:「その辺ってどこまで調べてるんだっけ?」
北見菫:「え……そうなんですか?」
赤川累:「……実行犯が違う、というと?」
木花小夜:「研究チームを殺害した人が、“ルカの手紙”を確保しているんじゃないですか?」
木花小夜:「だったら……」
木花小夜:「それはオークションを開いた“ダドエルズホール”じゃ……」
九十八九十九:「うーん、確かに、ルカの手紙は出品されてるわけだから、どうにかして確保はしたんだろうけど」
木花小夜:「商業力のあるセルです。後に奪取した勢力から確保するルートも……」
軽部龍授:「そう言えば、研究チームはどのように殺害されていた?おそらく刀傷か銃弾の何れかだと推測するが」
軽部龍授:こちらに罪をなすりつけようとするのだから、そうなるのは当然の帰結ではある。
舞浜ちよ:「え、爆発で亡くなったんじゃないの?」
木花小夜:ちらりと九十八支部長を見る。
九十八九十九:いまいち考えの読めない笑みを返す。何も考えてないのかもしれない。
木花小夜:「……」
木花小夜:「……斬殺だった」
峯川千墨:「斬殺ゥ?」
九十八九十九:「刃渡りの長い刃物でね~。こう、バサッと」
軽部龍授:「“ダドエルズホール”にそのような手を使う者はいるのか?」
GM:峯川の知る限り、少なくとも“デモゴルゴン”と“サタナキア”の手口ではない。
白土夏希:「……では、彼らは爆発より前に殺害されていたと?」
赤川累:「……成程。確かに、軽部さん達に罪を着せるためにしたのならそう見える死因にするか」
赤川累:「相手がオーヴァードでもないのなら、殺害手段に得意の得物を選ぶ必要もない」
白土夏希:「というか……知っていて黙っていましたね?支部長」
九十八九十九:「人聞きが悪いなあ~、言うタイミングがなかっただけだよぉ」
木花小夜:「黙っていたのは多分……その」
木花小夜:「“死舞旋刃”の潔白が確証できた後に話すためなんだと……」
九十八九十九:「あ、そうそう!そゆこと!」
舞浜ちよ:「確かに~。話だけ聞いたらめっちゃ怪しいもんねー」
軽部龍授:「フッ…」
木花小夜:「フッじゃないけど……」
九十八九十九:「チームの和を保つのも支部長のお仕事だからね~。はっきりしてないことまでみんなに教える訳にはいかないよ」
峯川千墨:「ヌケヌケと言いやがら」
白土夏希:「……」他にも色々抱えているのだろうな、という目で支部長を見ている。
木花小夜:「もうちょっとちゃんと話し合えたらもっと早く終わってたのに」
九十八九十九:「え~、そ、それはそうかもだけどぉ……」
赤川累:「まあ、疑い合っていたのはお互い様ですから……」
木花小夜:「でも峯川さんのことは煽ってたって赤川くんが……」
赤川累:「……そうですね」そこは否定しない。
北見菫:「そうなんだ……」
木花小夜:「……すみません、続けます。2つ目の勢力ですね」
木花小夜:「2つ目の勢力が、“ヘレヴ”――バチカン典礼秘跡省特務外征隊」
木花小夜:「本来バチカンでの活動を主とする、教会の敵となるものを秘密裏に排除する特殊部隊」
木花小夜:「それが来日した目的は、“ルカの手紙”と見るのが妥当だと思います」
九十八九十九:「モテモテだねえルカち」
赤川累:「まあ、無視できないだろうな。何としても確保したい所だろう」
木花小夜:「判明している構成員は隊長の“ケルヴィム”シルヴェストロ・ヴェルガーニと、“ヴィア・ドロローサ”モーリス・モーリア」
北見菫:「……」その名に僅かに表情を曇らせる。
木花小夜:「後者はエルちゃんを攻撃していた人物です」
軽部龍授:「俺が斬った奴らだな」
赤川累:「今の時点では、一見して手紙の確保とは結びつかない行動ですね」
舞浜ちよ:「エルちゃん?」
舞浜ちよ:「エル子ちゃんじゃなくて?あ、あだ名か」
木花小夜:「あっいえ多分……子が余計なんだと思います」
舞浜ちよ:「余計……?」
木花小夜:「……エル子が本名じゃないでしょうから……また、彼らの行動はリークされています」
木花小夜:「これに関しての出元はわかりませんが、推測するに……」
木花小夜:「“ダドエルズホール”ではないかと」
白土夏希:「……“ヘレヴ”の存在が“ダドエルズホール”にとって邪魔だったから、UGNにリークして妨害しようとした?」
木花小夜:「可能性はあると思う」
九十八九十九:「ルカの手紙を狙うライバルだからねえ。上手いことデコイにして、あわよくば潰れてくれたら御の字だ」
木花小夜:「でも手紙が目的なら、どうしてオークションを……」
舞浜ちよ:「どうしてって……手紙は手段であって目的じゃないんじゃないの?」
木花小夜:「目的はお金……ってことですか?」
峯川千墨:「“ダドエルズホール”にとっちゃァそうだろうよ」
舞浜ちよ:「うん。オークションでお金を稼ぐこと……」周囲を見回して「……あれ?違う?」
赤川累:「確かに"ダドエルズホール"は……手紙を使って、この騒動を大きくしたがっているように見えますが」
木花小夜:「お金のためにこんな……」
木花小夜:「こんなことを……?」
赤川累:「競売に関わる人数を増やして、値段を釣り上げようとしていると……?」
赤川累:どこか釈然としない様子で口にする。
軽部龍授:「案外と……面倒になったのかもしれない。邪魔な関係者を一堂に介させた方が手間も省けるというものだが」
軽部龍授:「なにも本物を用意していないとしても、動かざる得まいUGNもヘレヴも」
北見菫:「……本当に『ルカの手紙』なんてものが実在するとしたら……」
北見菫:「歴史上、この上ない価値があると思うんですけど。関係ない人にとってはお金儲けの道具でしかないんですね」
峯川千墨:「“ヘレヴ”に先に確保されたんじゃ、オークションに出すもクソもねェ。リークの動機としちゃその辺なんだろうが」
峯川千墨:「しかし……よく分かんねえけど、“ヘレヴ”の連中としちゃその辺マジなのか?」
木花小夜:「マジって……?」
峯川千墨:「その手紙の内容がメチャクチャ衝撃的だったとして」
峯川千墨:「たった一枚の紙切れをそんなに躍起になって確保する必要があんのかってことだよ」
北見菫:「……それは……あるでしょう」
赤川累:「あるでしょうね」
軽部龍授:「あるな」
峯川千墨:「なんで」
北見菫:(ハモった……)
北見菫:「……だって、聖書に新しく加えられるかもしれない発見ですよ?」
北見菫:「すごく……貴重で大事なものじゃないですか。確保しようとする気持ちは分かりますよ」
木花小夜:「その。聖書に新しく加えられるかもしれない発見って……」
木花小夜:「そんなにすごいことなの?」
木花小夜:「その辺の感覚がよく……」
木花小夜:「実感が……」
北見菫:「えっ……すごいですよ!」
赤川累:「……どう説明したもんかな」
北見菫:「すごいよね!?」赤川くんに
峯川千墨:二人の方を見る。
赤川累:「ああ、すごい。彼らにとってみれば、自分達の根幹に係わる言葉ですから」
峯川千墨:「はァ」
峯川千墨:ピンと来ていない顔。
木花小夜:「どれくらい……?ウロボロスシンドロームの発見くらい……?」
軽部龍授:「畑違いではあるが、先人の失われた秘伝と言うモノは、価値あるものにとっては人生其の物以上だろうよ。剣聖の奥義書のようなモノだ」
軽部龍授:「加えて宗教の書と言うなら個人のためのモノでなく、多数に影響を与えるものだしな」
北見菫:頷く「……2000年近く、信仰と価値観の基盤にしてきたものが変わるかもしれないんです」
北見菫:「ウロボロスなんて……それに比べたら全然ですよ!どうせレネゲイドなんて20年そこらじゃないですか」
北見菫:「1/100ですよ」
木花小夜:「それはそうだけど……」
峯川千墨:「やっぱよく分かんね」
赤川累:「年数でマウントを取るものでもないとは思うが……」
峯川千墨:「でもまァ、んじゃあその通り、見て見ぬ振りができねえとして」
峯川千墨:「バチカンのお歴々ってのが、見てもねえ古文書をハナから本物だと信じてかかって、手に入れなきゃ気が済まねェ性分なんだとして、だ」
峯川千墨:「そのためにまずやるのが、譲ってくれって交渉するんでも、こっそり盗みに来るんでもなく、いきなりヨソの街中でドンパチおっ始めることなのか?」
峯川千墨:「どうにもチグハグな気がしてならねェけどな」
木花小夜:「あるいは、確保しようとしている勢力が、即座に悪用を想定されるほどだったのかも……」
九十八九十九:「アフトピストス」
木花小夜:「?」
木花小夜:「なんです、それ」
九十八九十九:「"それ自身において信じられるべきもの"って意味の言葉だよお」
赤川累:「宗教の中心に立つ彼らにしてみれば、そういうアフトピストスな……正しく、絶対的で、多くの人々に広めるべき言葉が」
赤川累:「他の勢力の手に渡れば、その内容をどう捻じ曲げられるとも、あるいは焼却されてしまうとも分からない」
赤川累:「その神聖性を汚されるかもしれない、と危惧しているのかもしれませんね。結果、行動の過激さに現れているのかも……」
峯川千墨:「ハ、そいつはいいや。“デモゴルゴン”に教えてやるか」
峯川千墨:「聖書のカケラをテキトーに捏造すりゃ、マジメな聖職者様方はどんな風にも踊らせ放題だってよ」
木花小夜:「なんで悪用ばかり思いつくの……」
舞浜ちよ:「ちずみちゃん……」
峯川千墨:「連中がやってンのはそういうことでしょうよ。少なくとも現状はそう見える」
木花小夜:「でも……そういう意味なら」
木花小夜:「人の命のほうが……アフトピストスなんじゃないですか」
赤川累:「……そう信じられる人ばかりなら、宗教を理由にした戦争が何度も起きることなんてなかっただろうね」
赤川累:「……まあ。あるいは、"ヘレヴ"の中にそうした過激な行動に疑問を持つ者がいるのだとすれば」
赤川累:「情報のリーク主が内部にいるという可能性も、あり得なくはないのかもしれませんね」
九十八九十九:「ま、好意的に見ればそういうのもあり得るかもねえ」
木花小夜:「何にせよ、過激な行動を止めないといけないのは事実ね」
木花小夜:「でも……気になってるのは」
木花小夜:「……3つ目の勢力。組織の名前はわからないけど……」
木花小夜:「“ラビ”と呼ばれる男に従っていた部隊」
赤川累:「俺達がショッピングモールで交戦した連中ですね」
峯川千墨:「ア?」
峯川千墨:「あー、そういや何か言ってたか」
舞浜ちよ:「モールで戦ったって相手?あれって“ヘレヴ”じゃなかったんだ」
峯川千墨:「おんなじで良くねえ?」
軽部龍授:「確かバチカンとエルサレムの違いだったな」
木花小夜:「いや……違うよ。絶対違うはず」
舞浜ちよ:「どうして?」
木花小夜:「モールでは“霹靂殺手”を攻撃してた」
峯川千墨:「アイツもどこ行ったんだかな。それが?」
木花小夜:「彼……じゃない、彼女は。大学襲撃の尻尾切りだった」
木花小夜:「それの生存を受けて襲いかかるのは、依頼側でしょう」
峯川千墨:「ヘレヴが依頼側なんじゃねぇの」
白土夏希:「その、正体不明の第三勢力も……」ホワイトボードに『?』を書き込んで「爆破事件に関わっているということですか?」
木花小夜:「もう一つ。エノクって呼ばれてた少年は、“カリドゥミナ”を佩いてた」
舞浜ちよ:「盗まれたやつ!」
木花小夜:「はい。遺産管理局の輸送列車から奪われた遺産です」
木花小夜:「もちろん、それを取り戻す動機は、“ヘレヴ”だったとしてもあるだろうけど……」
木花小夜:「それをそのまま使うとは思い難いと思います」
木花小夜:「遺産使いなら、使い慣れたものを持ち出せばいい」
舞浜ちよ:「……えーと?つまり?」
峯川千墨:「盗ったらたまたま適合したんじゃねぇの」
赤川累:「そっちの件の犯人は所属を持たないオーヴァードでしたね。確認されているコードは"クラッドラッド”」補足するように口を挟んで、木花さんに続きを促す。
木花小夜:「……もう一つ」少し言い淀んで。
木花小夜:「エルは多分、その組織の一員」
木花小夜:「彼女は“ヘレヴ”に追われてた」
木花小夜:「それが、彼らが“ヘレヴ”とは違うと思う一番の理由」
峯川千墨:「仲間割れしてたんじゃねえの?」
九十八九十九:「そもそも、そのラインが仲間になるとは考えにくいんだよねえ」
九十八九十九:「へレヴはあれで敬虔な、いっそ狂信的な信徒の集まりだしさあ。異教徒とはつるまないんじゃないかなぁ」
舞浜ちよ:「異教徒なんだ」
赤川累:「ラビ、というとユダヤ教のタームですからね」
赤川累:「エルがそこからの脱走者だって可能性ですか。事情が分からない以上、あり得ないとも言えませんが……」
北見菫:赤川に同調して「言い切れますかね」
北見菫:「何か証拠を掴んだんでしょうか?」小夜に
木花小夜:「証拠というか……」
木花小夜:「私、聞こえるんです。ずっと」
峯川千墨:「あん?」
舞浜ちよ:「何が?」
赤川累:「……幻聴、ということですか?」
九十八九十九:「えっなにそれ怖い……」
木花小夜:「彼女に。エルに語りかける声が」
木花小夜:RHOを公開したいです。
GM:了解です。
RHO
シナリオロイス:エル
君には他の者には聞こえていない何者かの声が聞こえている。その声が聞こえているのは君ともう一人、謎の少女だけのようだ。
峯川千墨:「……」
軽部龍授:「成程、ズルか」
木花小夜:「……うん」
赤川累:「その声は、何を…?」
木花小夜:「向こうも、聞こえてるとは分かってない様子で、エルにアドバイスしてた」
北見菫:「アドバイス……?」
九十八九十九:「へぇ~、おもしろ」
木花小夜:「私たちを信用するな、とか。本名を名乗るな、とか」
赤川累:「……成程」
木花小夜:「それから……「2000年の悲願を、必ずやり遂げなければならない」って」
九十八九十九:「それでエル子かぁ」
軽部龍授:「碌なものではないな」
白土夏希:「……何者なんでしょう、一体?」
木花小夜:「皆と合流したい、とは言ってた」
木花小夜:「多分それが……ラビたちのことなんだと思います」
峯川千墨:「いや、待て」
峯川千墨:「ソイツを病室にぶち込むのがまず最初だろ」
木花小夜:「ちょっと待って、それ私指してる!?」
峯川千墨:「他に誰がいんだよ……」
木花小夜:「……こうなるから」
木花小夜:「こうなるから話したくなかったのに……」
峯川千墨:「別にテメエの頭がどうって話だけじゃねえよ」
峯川千墨:「なんか気持ち悪ィまじないにでもかけられてんじゃねえかってこったよ」
峯川千墨:「さっさと言えよマジで……」自分のことを棚に上げて言う。
木花小夜:「今も半信半疑じゃない……」
木花小夜:「というか明らかに疑のほうが大きいでしょ……」
白土夏希:「……どう思いますか?支部長」小声で問う
九十八九十九:「う~ん……」
軽部龍授:「病院にぶち込んだら、支部機能が壊滅するとは思うがな。今まで会議を仕切ってたのは誰だと言う話になる」
九十八九十九:「あ、ホントじゃん!ダメダメ。絶対ダメ。小夜ちゃんはどこにも行かせません!」
木花小夜:「そこなんですか……!?」
白土夏希:「支部長………………」
赤川累:「実際、心当たりはあるんですか? どうして自分にだけそれが聞こえるのか」
木花小夜:首を振る。「分からない」
木花小夜:「最初はみんな聞こえてるのかと……」
軽部龍授:「その言葉がエルに関係してる事柄だけの物ならば、攻撃としては如何にも半端だ」
赤川累:「声の主も気づいていないらしいですしね」
白土夏希:「そうですね。こちらを混乱させる意図があるとしても、片手落ちです」
軽部龍授:「むしろこの事件に付き合う事で真実が見えてくるだろうよ」
峯川千墨:「前向きに受け止め過ぎだろ……」
赤川累:「検査くらいは受けた方が良いとは思いますけどね……そこから敵について分かることがあるかもしれませんし」
木花小夜:「別に検査くらい受けますけど……彼女、失敗しててエル子って名乗る羽目になりましたけど」
木花小夜:「エル、が正しいんだと思います」
北見菫:「……大丈夫なんですか?そのアドバイス……」
北見菫:「もう少しマシな偽名は……」
木花小夜:「彼らの言語に即すならそれは……」
木花小夜:「神、なんじゃないかって」
峯川千墨:渋面を作る。
赤川累:「そりゃ随分と……重い名前だな」
九十八九十九:「ヘブライ語だねぇ~。天使の名前になんたらエルってのが多いのは、"神の〇〇"って意味だからなんだよぉ」
赤川累:「あそこの教義じゃ、神は二つといないんじゃなかったのか」
北見菫:「……そうね」
北見菫:「そもそもユダヤ教では、キリストの神性も認めていないもの」
北見菫:「いずれ救世主が来りてユダヤ人を救ってくれる、とするのがユダヤ教」
北見菫:「キリストこそが救世主であり、ユダヤ人だけでなく信仰を持つ全ての人を救ってくれる、としてるのがキリスト教」
北見菫:「一方で、キリストは神でなく預言者の一人であるとしてるのが、イスラム教。それぞれ互いに相容れない関係なの」指折り数えて解説する
九十八九十九:「なら、あの子がその"ただひとつ"だったりして」
舞浜ちよ:「なんかすごい話になってきてない~?」
軽部龍授:「それで、さしあたってエルをどうするんだ?と言う話と、主題からずれてきてる気がするがね」
北見菫:「仮にそうだとすれば……エルちゃんの存在はキリスト教にとっては絶対に認められないでしょうね」
木花小夜:「……“巫女”」
木花小夜:「エルは“巫女”だって。その声は」
木花小夜:「その意味まではよくわからないけど……」
白土夏希:「巫女、ですか……」
白土夏希:「救世主であれ巫女であれ、彼女が特別なポジションにある存在というのは確かなように思えますね」
赤川累:「なら、巫女だけが聞き届けているのは神の声か?……実際は彼女だけでもなかったようだけど」
木花小夜:「うん。何をしようとしてるかはわからないけど、どうにもUGNと相容れないと考えてはいるみたい」
峯川千墨:「どうあれ生きた人間を神扱いして許してくれる宗教なんざそうそうありゃあしねェ気がするが……」
九十八九十九:「ゆーて日本はわりとそういうとこあるけどね~。一神教だと確かに禁忌かも」
峯川千墨:「じゃァ日本の神なのかもな」
峯川千墨:「エル子大権現だ」
木花小夜:「ひどすぎる名前……」
赤川累:「話が複雑になってきたけど……要するに」
赤川累:「どうやらエル自身の身柄が第三の勢力にとって大きな意味があって。それを導く声彼女に向けた声のようなものもあって」
赤川累:「ただ結局、そこから先は推論しかできないから今後調査するしかない。って事か」
白土夏希:「そうですね。差し当たって今決定すべきことは……」
木花小夜:「うん。それから、私たちの目下の問題は……」
木花小夜:「オークションをどうするか、よね」
白土夏希:頷く。
白土夏希:「支部長、ご意見を伺えますか?」
九十八九十九:「え?当然乗り込むよ」
峯川千墨:「今は寝惚けてねェみてえだな」笑う。
九十八九十九:「正々堂々オークションに参加するか……ウチの懐事情的にこれいけるか微妙だけど」
九十八九十九:「裏からぶっ潰すか、その辺はまあこのあと詰めるとして」
九十八九十九:「知らんぷりって選択肢はないからね~」
峯川千墨:「正々堂々ぶっ潰すんだろ?」
赤川累:「……一つ確認したいのは」
赤川累:「『ルカの手紙』を確保したとして、UGNはどうするんですか?」
木花小夜:「研究チームが残存していれば、返却するのが筋だろうけど……」
赤川累:「それに、これだけ大きな争いの火種になっているものを、普通の大学に渡すというのも危険かと思いますが……」
GM:その時。
GM:ピン ポーン
GM:唐突に、セーフハウスのチャイムが鳴り響く。
赤川累:「……」言葉を切り、インターホンの方に視線をやる。
九十八九十九:「あれ、誰だろ?頼んでたカニーメシ一年分が届くのは明日のはずなんだけど」
白土夏希:「そんなもの頼んでたんですか……?」
九十八九十九:「安かったから……」
峯川千墨:「サヨ子。エル子の部屋」
舞浜ちよ:「はーい…… ……えっ!?」
舞浜ちよ:インターホンの画面を前にして、驚愕の表情で固まっている。
木花小夜:「……」向かおうとして振り向く。「どうしました?」
GM:画面に映っているのは、二人の男だ。
モーリス:「こんにちは~」
モーリス:一人はにこやかな笑みを浮かべた眼鏡の男。そしてもう一人は。
シルヴェストロ:「……」
シルヴェストロ:涼やかな印象の男。いずれも神父服を着込んでいる。
赤川累:「……!」
軽部龍授:「知り合いならば、話すか?」
赤川累:「……ええ、知り合いです。こんな形で来るとは予想しませんでしたが」
赤川累:「奇襲ではなくこうしてチャイムを鳴らすという事は、最低限対話の意思があるものと思います」
峯川千墨:「二人だけとは限らねェだろ」
モーリス:「こちら、UGNのお宅でお間違いないかと僕は思うのですが。少しお話よろしいですか?と僕は問います」
九十八九十九:「いつもなら、ウチは先祖代々仏教徒なんで~。でお引取り願うんだけど」
九十八九十九:「どうする赤川くん?」
赤川累:「……よろしければ、応対しても?」
九十八九十九:にんまり笑って「もちろん。君がしないなら誰もできないでしょ」
赤川累:「ありがとうございます」頭を下げて、通話ボタンを押す。
モーリス:「あれ……留守なのかな……?と僕は思います」
赤川累:少し緊張したように息を吸ってから。
赤川累:「"ヘレヴ"の方とお見受けします。どういったご用件でしょう?」
モーリス:「あっ、いましたよシルヴェストロさん!と僕は言います」
シルヴェストロ:「……急な訪問となり、ご無礼をお詫びします」
シルヴェストロ:「UGNの方ですね?少々お話したいことがありまして、伺わせて頂きました。今、お時間よろしいでしょうか?」
GM:懐かしさを感じる、赤川が知る通りの声だ。
赤川累:「……ええ。伺いましょう」
九十八九十九:後ろで腕を組んで見守りながら、白土くんに視線で周囲が包囲されているかの確認を促す。
白土夏希:頷き、席を立つ。
北見菫:「……っ……」
北見菫:ぎゅ、と君の腕を掴む。
北見菫:「赤川くん……」
白土夏希:「……他は見当たりません。二人だけのようです」
九十八九十九:「大胆だねえ」
軽部龍授:「ならば上げた方が良いかもしれん」
軽部龍授:「身柄を確保する色気があるなら、だがな」
峯川千墨:「そうするなら、サヨ子と剣客は下がってた方がいいと思うね」
峯川千墨:「いや別に下がってなくてもいいか。だがエル子をほっとくのはいかにもマズいだろ」
舞浜ちよ:「あ、じゃあ私が付いてるよ!2階に上がってるね」
木花小夜:「エルちゃんをお願いします!」
峯川千墨:謎の声を聞ける木花さんと、もしかしたら生存を気取られるべきではない相手かもしれない軽部くん、ついでに二人ともエル子と馴染み、あたりのチョイスだったが。
峯川千墨:「先輩が付いてるなら万全スね」
峯川千墨:あっさり翻す。
舞浜ちよ:「うん、任せといて!」
九十八九十九:「やー、どうだろ。軽部くんは居合もイケるクチ?」
九十八九十九:「イケるなら隣りにいてほしいなあ。いざって時のために」
軽部龍授:「あれは最早ハヌマーンでもなければ、恥ずかしくて心得があるとは言えんよ」
軽部龍授:「だが座敷の方は佐伯にも当然ある」
軽部龍授:「俺は閉所での抜きも苦労はしないが」
九十八九十九:「うんうん、なら十分」
木花小夜:「分かりました、替わります!」
赤川累:その会話が聞かれないように、既に通話は切っている。「なら、玄関には俺が向かいましょう」
赤川累:そう言ってから、腕を掴んでいる少女を見下て。「……大丈夫。荒事にするつもりなら、こんな風に訪問はしないはずだ」
赤川累:楽観的な、単なる慰めでしかない言葉だが。
---
シルヴェストロ:白土が淹れた紅茶をゆっくりと飲む。襟元を開く表れか。
シルヴェストロ:「……おいしいですね。セイロンですか」
白土夏希:「ええ。ヌワラエリヤです」
白土夏希:ボディガードめいて九十八の傍らに控えている。
峯川千墨:壁際に立って来客にガンをくれている。
木花小夜:二階へと続く道を棚で封鎖して、それにもたれかかるように遠巻きに立っている。
軽部龍授:こちらは窓際で念のために外にも視線を向け警戒している。
モーリス:「僕はコーヒー派ですが中々行けますねえ」
シルヴェストロ:カップを置いて「……話には聞いていたけれど」
シルヴェストロ:「まさか君達がオーヴァードとしてUGNにいるなんて、驚いたよ」
シルヴェストロ:「お久し振りです。累くん、菫くん」
赤川累:「お久しぶりです、シルヴェストロさん。……驚いたのは、こちらも同じですよ」
赤川累:向かいの椅子に腰を下ろしている。最後に会った時と比べると体格も一回りは大きく、精悍な眼差しを神父へと向ける。
北見菫:「……ええ…… シルヴェストロさんは、お変わりないようですね」まだ戸惑いがちに。
赤川累:「最初に会った時からずっと、そうだったんですか? その……こっち側の世界に」
シルヴェストロ:「うーん……悪いけれど、それは言えない決まりになってるんだ」口に指を当てて
シルヴェストロ:「他の仕事の秘密に関わるかもしれないからね」
赤川累:「ああ、失礼しました」
GM:当時、彼がオーヴァードであるような素振りは無かった。だが世界中を渡り歩いていたというのが“ヘレヴ”の仕事によるもの、という想像もできるだろう。
九十八九十九:「お互い大変だねぇ~、言えないことが多いとさぁ」
九十八九十九:ソファーの上で胡座をかいている。
シルヴェストロ:「全くです。どうも不向きな仕事ですよ」朗らかに笑う。
GM:神父服姿の二人の男は丸腰だ。席について紅茶を飲むその姿は、どう見てもただの聖職者にしか見えない。
モーリス:「シルヴェストロさん、そろそろ本題の方に入られては、と僕は具申します」
シルヴェストロ:「ああ、そうでしたね。すみません。ついおしゃべりなもので」頭を掻いて
赤川累:「本題と言うとやはり、『手紙』の件でしょうか?」
シルヴェストロ:「ええ。そちらでも捜査中かと思われますが……」
シルヴェストロ:「皆さん、件のオークションについては既にご存知でしょうか?」
赤川累:「ええ。随分と力を入れて告知していたようですからね」
シルヴェストロ:「我々は、古文書は“霹靂殺手”、あるいは別勢力の手にあるものと考えていましたが……」
シルヴェストロ:「既に、あるいは最初から“ダドエルズホール”の手にあったようですね」
シルヴェストロ:「単刀直入に申し上げます。私たちの目的は、古文書の確保です」
九十八九十九:「ま、そうだろうねぇ」
赤川累:「……つまり、古文書の譲渡を前提に協力関係を結びたいと?」
赤川累:インターホンが鳴る前に、自分も同じ事を考えてはいた。UGNにとって古文書の確保が重要事項でないのなら、"ヘレヴ"に対する協力の余地はあるのではないかと。
シルヴェストロ:「ええ。他の混乱を引き起こしたり、悪戯に戦闘を行うことは我々の本意ではありません」
シルヴェストロ:「最後に古文書さえこちらに渡していただければ、それ以外のことは必要ありません」
シルヴェストロ:「オークションに際し、混乱や戦闘が予想されます。我々が協働することのメリットは大きいと考えますが……」
シルヴェストロ:「いかがでしょうか?是非ご一考頂ければ幸いです」
峯川千墨:「それはテメエらが今まで何をしてたのかにもよる。そうだろ?」口を挟む。
赤川累:「……ええ。古文書さえ確保できれば、とは仰いましたが」
赤川累:「そちらの方が、住宅街で少女を追い回していたという話を聞いています」モーリスの方を視線で示す。
赤川累:「あれには、どういった理由が?」
九十八九十九:「昨今の聖職者の風紀紊乱っぷりは嘆かわしいねえ」
モーリス:「あっ、僕が痛いところを突かれました」
シルヴェストロ:「……お恥ずかしい話ですが」
シルヴェストロ:「今回の事件にあたって、我々は当初、“ダドエルズホール”の関与を知らなかったのです」
シルヴェストロ:「大学を爆破し、古文書を奪ったのは“霹靂殺手”あるいは他の勢力……」
シルヴェストロ:「そう考えていたのです。……まんまと彼らに踊らされた形ですが」
北見菫:「じゃあ……勘違いってこと……ですか?」
赤川累:(そして、今はもうエルを確保する理由もない……彼らの言い分をそのまま飲めば、そういう事にはなるが)
シルヴェストロ:頷く「本来の目的は古文書のみです。それさえ手に入れば、他に戦闘をする必要はありません」
木花小夜:「……少女があなたたちに攻撃を?」
九十八九十九:「そだねえ、気になるなあ」
九十八九十九:「あんだけうじゃうじゃいた黒服達の中で、なんでエル子ちゃん一人を追い回してたのかな?」
モーリス:「いえ、皆さんの居ないところでは、彼女の仲間とも戦っていましたよ。彼女自身はそうでなくても、その勢力の一員ですから」
モーリス:「でも、勘違いだったとは思いませんでしたよ。あの子には悪いことしちゃいましたねえ」
モーリス:手を合わせ「ごめんなさい!僕は謝罪します」
軽部龍授:「なに、お陰でそちらが酷い事になっただろう」
軽部龍授:「お互い様だな。俺個人に対してはではあるが」
白土夏希:「……それに、謝罪をするなら本人にするべきです」
シルヴェストロ:「ええ。その件に関しては、言い訳のしようもありません。皆さんが不信感を抱かれても当然だと思います」
赤川累:「……」じっと二人の顔を見ながら、その言葉を聞いて。
赤川累:「……どう見ます?」支部長に訊ねる。自分はこの言葉を信用していいと思うが、中立的な判断ができない自覚もある。
九十八九十九:「う~ん……じゃあもう一個質問」
九十八九十九:「そっちは"ルカの手紙"を回収したあと、どうするつもりなのかな?」
九十八九十九:「普通に聖書の新発見で~す。って公開するの?」
シルヴェストロ:「……」
九十八九十九:「あれ~?そこ考えるとこ?」
シルヴェストロ:「……いえ。新たな聖典の発見は、様々な論争を引き起こし、大きな混乱や争いの火種になりかねません」
シルヴェストロ:「これまで、聖書の僅か一説の解釈を巡ってですら、多くの血が流れてきました」
シルヴェストロ:「さりとて、『ルカの手紙』が教会にとってこの上なく貴重な文献であることもまた確かです」
シルヴェストロ:「確保ののちは、公開はせずにバチカンにて秘匿のもと厳重に保管がなされるはずです」
九十八九十九:「ふぅ~ん……成程ね」
九十八九十九:「大切なのは人々が真実を知ることではなく、今の秩序が保たれて、みんなが安心して暮らせること」
九十八九十九:「ってわけだ。いいねぇ~UGNと同じじゃん」
シルヴェストロ:「我々はそう考えています」
峯川千墨:「今の騒ぎを見りゃ説得力はあるわなァ」
峯川千墨:「だがどうしても解せねェことってのはある。日本人がどういうヤツらかは知ってんだろ?」
峯川千墨:「こっちのクリスチャンは、テメエらがルカの手紙を追っかける理由は、そりゃ信徒として当然放っておけねェからだろうってことで納得してたんだがよ」
北見菫:「……」
峯川千墨:「本当にそうなのか? モノとしちゃ単なる紙切れ一枚のために、エデンから剣と熾天使がすっ飛んできて、よう分からん連中と競ってやり合ってんのか?」
峯川千墨:「そこの実感がどうにも薄いんだよ」
シルヴェストロ:「その通りです」
シルヴェストロ:「聖書とは、ただの紙切れではありません」
シルヴェストロ:「そこに記された言葉、与えられる教えは聖なるものであり、人間を救い、動かすに足る、血の通ったものです」
シルヴェストロ:「それを護る為ならば、私は喜んでこの身を捧げます」
峯川千墨:「あァ、こりゃ失礼。アフトピストスだっけ」
峯川千墨:「共感はできそうにもねェが、ま、マジでそうだってんなら良いや」
シルヴェストロ:「『これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることを、 あなたがたが信じるためであり、また信じて、イエスの名によっていのちを得るためである』」
シルヴェストロ:「ヨハネの福音書、20章32節。聖書とは、それそのものが聖なるものであり、多くの人にとっての救いになるのです」
シルヴェストロ:「私は信仰を護ることによって、多くの人の心を救えると信じています」
峯川千墨:「多くの人ね」
峯川千墨:「残念ながらそん中に、あの日大学にいた連中は入ってなかったってわけだ」
シルヴェストロ:「……」
木花小夜:「……?」
九十八九十九:「やめなよぉ千墨ちゃん。この人達が殺したわけでもないんだしさぁ」
峯川千墨:肩を竦めて黙る。
赤川累:「あの場に居て被害者を助けられなかったって言うなら、俺も同じです」
北見菫:「……赤川くん」
モーリス:「それで?」
モーリス:「結局のところどうするんですか?僕は問います。協力するのか、しないのか」
赤川累:「……俺は、協力すべきだと思います」口を開く。「UGNは、古文書の確保よりも被害の抑制を優先すべき……そうでしょう」
九十八九十九:「う~ん、UGN九霄支部としては、断る理由はないかな。大目的は一致してるんだし」
木花小夜:「……私たちが、あれを手に入れてどうこうしたいわけではないのはそうだね」
軽部龍授:「……こいつらが堅気に手を出していないなら、別に構わん」
九十八九十九:「後は個人として信用できるか」赤川くんを見る
赤川累:「……」少し答えを考えて。
赤川累:「……中学の頃の俺は、オーヴァードでも何でもない、生意気な少年でした」
赤川累:「クリスチャンでもないし、他人の信仰に対して随分ひどい事も言った」
赤川累:「シルヴェストロさんは……そんな奴が相手でも、同じ目線で向き合って、迷いを晴らそうと手を貸してくれた人だった」
赤川累:「俺の目には……彼の心は、あの日から変わっていないように見えます」
シルヴェストロ:「……」じっと赤川を見る。
赤川累:「今もまた貴方は、自分の力が届く限りの人を、叶う限り助けようとしている」
赤川累:「縁がある相手だからでも、信仰を持つ相手だからでもない。そうするのが、自明に正しい事だと信じているから」
北見菫:「……」
シルヴェストロ:「累くん……」少しだけ目を伏せる。
木花小夜:(一人がそう思っていても、全体の意思を曲げる事は叶わない)
木花小夜:見知らぬ声の言っていた言葉を思い出している。彼らもそうなのだろうか?
峯川千墨:「……追加で二つだけ確認していいか」
峯川千墨:「まず“ヘレヴ”は──そっちの」モーリスを示して。「アンタが追っかけてた女の子や、その集団とは、主義も所属も違うってことでいいんだよな」
モーリス:「ええ。そうですよ、と僕は答えます」
峯川千墨:頷く。「散々ナメた口利いたがよ。連中と違って何かやらかす前に、UGNに渡りつけてきた辺りは随分まともだと思ってるよ」
峯川千墨:「んでだ」
峯川千墨:「じゃァこの先、もしたまたま、その子が目の前に現れたりしたらどうする?」
モーリス:「……勿論、何もしませんよ。今は戦う理由はありませんからね」
モーリス:「ただ、先の非礼をお詫びします、と僕は答えます」
峯川千墨:(……ずうっと引っ掛かる言い方しやがるが)
峯川千墨:「なら良い。ああ、あと」
峯川千墨:「アタシからもアンタらに詫びとく。非礼ってことに関しちゃな」
北見菫:(え!?)意外そうな顔で峯川を見遣る
シルヴェストロ:「いえ、必要ありませんよ。申し上げた通り、疑って当然ですからね」
シルヴェストロ:「……それで、いかがでしょうか。結論をお聞かせ頂けますか?」
九十八九十九:「……よっし」
九十八九十九:「いいよ。組もうか」
九十八九十九:「ウチらとしても、戦う相手は少ない方がいいし」
木花小夜:「少なくとも、積極的に周囲に被害を齎すような」
木花小夜:「“ダドエルズホール”のような相手と敵対していることは、積極的な理由になります」
九十八九十九:「母体もデカくてそこそこマトモだからね~、なんかあった時でもアフターケアが期待できるのは大きいよ」
シルヴェストロ:「そうですか……良かった。それを聞けて安心しました」表情を緩めて
シルヴェストロ:「私としても、累くんや菫くんと争うことになるのは避けたかったですからね」
赤川累:「……そうですね、同感です」少し胸をなでおろす。
軽部龍授:「フッ…此処を砂で汚さずに済んだ」
九十八九十九:「何より、かわいい部下のお友達だしね。信用って面ではそっちの方が大事だ」にこりと笑う
北見菫:「支部長……ありがとうございます」
モーリス:「いや~、良かった良かった!僕は喜びます」
GM:そうして二人の男は席を立つ。
シルヴェストロ:「……それでは、会場でお会いしましょう」
シルヴェストロ:「累くん、菫くん、ゆっくり話もできなくて済まないね」
シルヴェストロ:「また後で会おう」
赤川累:「いえ。……こうして平和的な手段を選んでいただいたことに感謝します」
赤川累:「ええ、また」
赤川累:一礼してそれを見送る。
九十八九十九:「よろしくね~」後ろ姿に手を振る。
北見菫:赤川くんの隣で一礼する。
峯川千墨:じっと背中を見送る。
白土夏希:「……」気を抜くように息を吐く
赤川累:「……」目を閉じて、右腕を抑えている。別に手を組む必要なんてないとか、お前だけでもやれるだろうとか、そんな雑音が響いていたのを、思考から排除していく。
木花小夜:「……支部長の判断を支持します」
木花小夜:「なので……たとえ」
木花小夜:「たとえば。これから、手ひどく裏切られたとしても」
木花小夜:「一人の責任だとか。言わないでくださいね」
赤川累:(……その通りだ。まだこの先、何が起きるかは分からない)彼が善人であるにしても……立場と抱える事情の違う者同士である以上、その可能性は否定しきれない。
九十八九十九:「ん~?ふふ、言わないよお、そんなこと」可笑しそうに笑う
軽部龍授:「では、何を言うつもりだ?」
九十八九十九:「え?ん~、そうだなあ……」
九十八九十九:「その時のお楽しみってことで」
赤川累:「楽しめる状況じゃないと思いますけど、それ……」
軽部龍授:「裏切られることを楽しみには出来んが、覚えておこう」
白土夏希:「楽しいのは支部長だけでは……」
GM:シーン終了。
GM:ロイス購入可能です
軽部龍授:購入は応急手当しようっとロイスは埋まりました。
九十八九十九:ロイスは保留かなあ
軽部龍授:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 7[3,7]+4 → 11
木花小夜:ロイス保留で~
峯川千墨:ロイスは保留で購入は応急手当を
九十八九十九:応急買います
赤川累:シルヴェストロ・ヴェルガーニ:信頼/◯警戒をPに変更
峯川千墨:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 10[2,3,7,9,10]+8[8]+1 → 19 → 成功
九十八九十九:3dx+2>=8
DoubleCross : (3DX10+2>=8) → 10[5,10,10]+1[1,1]+2 → 13 → 成功
峯川千墨:買えたので使用
峯川千墨:19+2d10
DoubleCross : (19+2D10) → 19+9[3,6] → 28
九十八九十九:買えた!持っておきます
峯川千墨:峯川千墨のHPを24(→ 24)に変更 (19 → 24)
赤川累:ブルゲチャレンジしようかなあ
峯川千墨:全快!
峯川千墨:以上です
赤川累:3dx+4>=20 ブルゲ
DoubleCross : (3DX10+4>=20) → 6[2,3,6]+4 → 10 → 失敗
赤川累:だめ。以上で
木花小夜:医療トランク狙おうかな 戦闘あるなら
木花小夜:6dx+3>=20
DoubleCross : (6DX10+3>=20) → 10[1,1,2,10,10,10]+6[1,3,6]+3 → 19 → 失敗
木花小夜:財産1で買います
木花小夜:従者忘れてた ブルゲ
木花小夜:9dx>=20
DoubleCross : (9DX10>=20) → 10[4,4,5,7,8,10,10,10,10]+9[2,3,6,9] → 19 → 失敗
木花小夜:おしい
【Interlude2】
九霄市路上 車中
GM:オークション開催当日。君達は舞浜の運転するワゴン車で、一同会場へと向かっていた。
GM:街はいつもと変わらないようでいて、どこか張り詰めたような空気が漂っているように思える。一体どれほどの人数がこの街に集い、古文書を狙っているのだろうか。
舞浜ちよ:「何か道混んでる気がする~……」
舞浜ちよ:ハンドルを握る姿だけ見ると何らかの犯罪行為にしか見えない。
軽部龍授:「検問に引っかかったら小学生運転などと言われ、面倒な事になりそうなものだが、そも成年は舞浜だけか」
赤川累:「身分証があるなら大丈夫でしょう。酒気も抜けてるだろうし……」
峯川千墨:「左ハンドルのフリでもしとくか?」助手席に座を占めている。
九十八九十九:「そんじゃ、この辺でいいかなぁ」広い社内で伸びをして。
九十八九十九:「みなさーん、ちょっと注目~」
白土夏希:「……支部長?」
白土夏希:後部座席で巨体を縮こまらせるようにしているが、頭が天井についている。
軽部龍授:愛刀である井上真改の柄尻を弄びながら眼だけをそちらに向ける。
九十八九十九:「前の人も耳だけ傾けてね~」
峯川千墨:「ン」
赤川累:姿勢を直してそちらを向く。隣の北見さんのスペースを窮屈にしないように気を遣っている。
北見菫:隣が赤川くんなので気にせず足を組んでいる。
九十八九十九:「ホントはさっき、あの人たち帰った後ですぐ話しても良かったんだけど、どこで聞かれてるかわかんないからさあ」
木花小夜:「なんです?」
九十八九十九:「エフェクトでも移動中の車に座標合わせるのは難しいしね、今が最後のチャンスってことで」
九十八九十九:「えーと、この後、私達は"へレヴ"と協働して"ルカの手紙"を確保するわけですが」
九十八九十九:「彼らに手紙は渡しません」
峯川千墨:「ヘェ?」
木花小夜:「む……」
赤川累:「え……?」
北見菫:「……えっ?」
九十八九十九:「"ルカの手紙"は、UGNの手で秘匿、保管します」
木花小夜:「そこは渡しても、我々としては問題ないって話ではなかったんですか?」
白土夏希:「方針変更……いえ」
白土夏希:「……最初からそのつもりで?」
軽部龍授:「理由を聞こうか?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「私たちが管理すべき種別の代物ってことですか?」
木花小夜:「その……“手紙”自体が」
九十八九十九:「そだねー、UGNの設立目的はみんな知ってるよね?」
軽部龍授:「…………」
九十八九十九:「どんだけ世間的に大変な発見でも、それが一宗教の中に収まることなら」
九十八九十九:「ウチらが口を出す筋合いはない。勝手にどうぞって感じ」
九十八九十九:「でもまあ、今回そういうわけにはいかないんだなあ」
赤川累:「……つまり、UGNが秘匿すべき内容が記されていると?」
九十八九十九:「少なくとも、上はそう判断したってわけ」
九十八九十九:RHOを公開します
GM:了解です。
GM:全部でいいのかな?
九十八九十九:全部でいいよ!
GM:OK!
RHO
君はUGN上層部から、密かにある指示を受けている。
一つは、木花小夜の任務遂行能力と、峯川千墨の適正審査。
もう一つは、九霄大学から奪われた古文書をいずれの勢力にも渡さず、中立な立場にあるUGNで確保・収容すること。
また、君は支部長としての権限で、他の人員では知ることの出来ない情報を知ることが出来る。それを明かして活かすも、敢えて握り潰すのも、君の裁量に任されている。
君は既に幾つかの情報を握っている。
・木花小夜は一時期FHチルドレンとして活動しており、恋人もUGNエージェントである。
・赤川累の実家は教会であり、故郷の浅葱島と共に海中に没している。
・峯川千墨はFHエージェントと接触している疑いがある。
・軽部龍授は“霹靂殺手”と浅からぬ因縁があり、爆破事件の数日前から九霄市に滞在していた。
九十八九十九:「やー、最後まで黙っといても良かったんだけど」
九十八九十九:「もうその必要もないかなって」
赤川累:「…………」
峯川千墨:「はあァ」
軽部龍授:「目的のために手段を選ばない事に関して、俺は偉そうに言える身でもない。人を利用したり、されたりなどと言うのは誰しもお互い様だろう」
白土夏希:「……自分には話してくれても良かったのでは?」溜息を吐く
峯川千墨:「まるきり茶番になんのかよ、さっきの」
木花小夜:「……いや……」
木花小夜:「最も最後に倒せばいい相手だというのは、そうなんじゃないですか」
峯川千墨:「あーまァそうか……?」
九十八九十九:「一度に戦う相手は少ないほうがいいからねえ」
軽部龍授:「俺は良いがな。赤川としてはどうなんだ?」
軽部龍授:「知己を騙すことになるが?」
赤川累:「……倒すべき相手だって? 皆、本気でそう思ってるんですか」
北見菫:「……」不安げに赤川と九十八の間で視線を動かす。
木花小夜:「……そうだね。倒すってのは、語弊があった」
木花小夜:「……最後に対処すればいい」
木花小夜:「それが戦闘になるかは、向こう次第だけど……」
木花小夜:「あなた達を騙していたので渡せませんけど引き下がって下さい、じゃあ……」
木花小夜:「十中八九、戦闘になるとは思う」
九十八九十九:「むしろ、戦わずに住む相手だと本気で思ってたのかな?赤川くんは」
九十八九十九:「本当に、疑いなく?」
北見菫:「ッ…… そんな言い方ってないでしょう!」
北見菫:「赤川くんは……!」
北見菫:噛みつくように九十八を睨む。
九十八九十九:「あー、ごめんね。言い方を注意されたばっかりだった」対して気に留めない風で
白土夏希:「……支部長。必要なこととは分かりますが、無駄に敵を増やさずともよいかと」
九十八九十九:「まあまあいいじゃないの、変に取り繕って勘違いさせるよりはさ」
赤川累:「……別に、組織として優先すべき目的があることは理解していますが」
赤川累:「話の通じる相手を一方的に騙して、わざわざ後々に響く恨みを買う必要があったんですか?って話です」
九十八九十九:「そうは言っても、あの場で断ったら彼らが敵になるだけだったよね」
九十八九十九:「君が言った通り、優先順位の話だよ。赤川くん」
木花小夜:「……どちらにせよ、渡せない以上は、相容れなかったようには思えるけど……」
木花小夜:「じゃあ、どうやればよかったって言われると、私もなんとも……」
赤川累:「……ただ敵対することと、こちらを信用する相手に不義理を働くことは同じではないでしょう」
峯川千墨:「連中の物言いは妙だった」
峯川千墨:「信用できる味方のフリなんざいくらでもできたろうにな。それがヤツらなりの誠実さだったのかもしれねェとは思うぜ」
峯川千墨:「大方どっかで折り合いがつかなくなる事情を抱えてて……でも知己相手に腹芸をやんのは神父様も気が引けたんだろ」
白土夏希:「皆さん、一度冷静になってください」
白土夏希:「赤川くん、北見さんも。確かに支部長のやり口は悪辣で仁義にもとりますし、一個人としてはどうかと思いますが……」
木花小夜:「言い方容赦ない」
九十八九十九:「やー、はっきり言うねえ」
白土夏希:「状況からして、また組織としては間違っているとは言えないはずです」
峯川千墨:「こっちから裏切んのとは別の話っつうのはそうだけどよ」
九十八九十九:「そもそも、義理不義理はどうでもよくてさあ。分かってる?"ルカの手紙"が私達の手元にない限りは」
九十八九十九:「私達は、すべての敵対勢力に勝利しなければいけないんだよ。それが最優先事項になる」
九十八九十九:「けど、手に入れさえすればそうじゃないでしょ」
九十八九十九:「別に逃げちゃったっていいんだから」
赤川累:「……今の任務だけを考えるなら、そうでしょうね」支部長の言葉に。
木花小夜:「……あの。そもそもなんですが、”確保”なんですか?」
木花小夜:「他の勢力に渡さないなら、破壊という選択肢もあるんじゃないですか」
北見菫:「よ、よくそんな大それたこと言えますね……」慄いたように
木花小夜:「えっ」
木花小夜:「あ……歴史的価値があるからやめたい……?」
北見菫:「金閣寺に放火したりとか、ピラミッドを爆破したりとか……そういう話じゃないですか?これ……」
木花小夜:「ええ~っ……」
木花小夜:「そこまで……」
白土夏希:「金閣寺は一度燃えてますが……」
軽部龍授:「UGNの理屈としては絶対に手に入れなければならないのなら、最後まで騙しきるか、最後に倒すかだろう。どっちにしろ、そこは譲れないのではないか?」
軽部龍授:「だが、気に食わないのなら赤川達が奪って、奴らに渡しても良いと言う事になるがな。九十九もそれを見越して話してると思うが」
赤川累:「……気に食わないからって、俺が裏切りを働いてどうするんです。俺はただ……」
木花小夜:「……赤川くんは」
木花小夜:「どういう道筋だったら良かったと思ってる?」
木花小夜:「それでみんなが納得できて、今からでもそちらに修正できるなら」
木花小夜:「そうすべきだとも思う」
木花小夜:「……支部長は、嘘をついてないですよね」会話を思い返している。
赤川累:「貴方方には渡せない、と伝えればいい。それで十分だったんじゃないですか」
赤川累:「……別に、これは単なる俺の意見です」
九十八九十九:「君の意見は、よーく胸に刻んどくよ」
赤川累:「人々の安寧を考えて行動している、世界最大の宗教のその中核に対して……二度と信用を得られなくなる真似をしてでも、この仕事の達成を優先すべきだと」
赤川累:「そう考えているのなら、俺はそれに従います」
木花小夜:「赤川くん」
木花小夜:「それは意見じゃないでしょ」
峯川千墨:「すげえキレてら」肩を揺すって笑う。
舞浜ちよ:「ちずみちゃん!」
九十八九十九:「別にバチカンとUGNの間に最初から信用なんてないでしょ。向こうも裏の組織なんだからさ。今更今更」
九十八九十九:「私が失ったのは、君からの信用だけだよ。」
舞浜ちよ:「そうだねー。みんな仲良くできたらいいのにねえ」
舞浜ちよ:「でも、そうは出来なかった。今回はね」
舞浜ちよ:「上からの命令なんだもん。九十八さんの立場も考えてあげてね、赤川くん」
軽部龍授:「どうにせよ。オークション会場に着くまで、時間は有限だぞ」
峯川千墨:「“ヘレヴ”の連中だってよォ」
峯川千墨:「言ってたろ。散々戦闘やらかして──まァウチに感知されない場所でやるくらいの理性は、他所と違ってあったみてェだが」
峯川千墨:「ようやっと協力を持ち掛けてきたのは、オークションなんて話になって、自分たちだけじゃどうにもならねェと思ってからだ」
峯川千墨:「アタシとしちゃ、テメエは良いこと言ってるとは思うが。あんま期待しすぎんなよ」
赤川累:「……」
赤川累:「……どうも。頭を冷やします」目を閉じて天井を仰ぎ、そのまま黙り込む。
木花小夜:「……意思統一が取れないまま当たれる難易度の任務じゃないと思う」
白土夏希:頷く「……いずれにせよ、既に話が通ってしまった以上は、です。現状を最大限に活かす形で動かなければ」
白土夏希:「それこそ、支部長の腹芸も、赤川くんの気持ちも無為になってしまう」
白土夏希:「少なくとも、オークション会場で古文書を確保するまでは予定通り協働する方向が良いかと考えますが」
白土夏希:「いかがでしょうか」
峯川千墨:「良いんじゃねェの? そうできる限りは」
木花小夜:頷く。
軽部龍授:「異論はない」
赤川累:「……。構いません」
九十八九十九:「や、どーも。済まないねぇみんな」
九十八九十九:「ま、安心してよぉ。どういう結果になったとしても」
九十八九十九:「……責任は、ちゃんと取るからさ」
峯川千墨:「ハ」鼻で笑う。「ウッゼ」
軽部龍授:「フッ…介錯はやるか?」
軽部龍授:「腹に三文字と言うのは中々に堪えると言うが」
軽部龍授:「コツを教えても良い」
九十八九十九:「うぇぇ……切腹前提で話すのはやめてよぉ」
木花小夜:「そういう事するつもりじゃないでしょうねって言ったつもりではあったんですけど……」
白土夏希:「……支部長、ご自分の立場も考えてくださいね」
白土夏希:「補佐役を務めた相手が島流しや切腹では、自分としても浮かばれません」
赤川累:「……死んで取れる責任なんてないでしょう」目を閉じたまま呟くように言う。
赤川累:「何かを償いたいなら、生きて何かを為すしかない」
木花小夜:「……着きます」
九十八九十九:「はーい、じゃあみんな、切替えて行こう~」
GM:車が停車し、一同が外へと降りていく。
峯川千墨:「切り替える必要作っといてよォ~」ぼやきながら降りる。
GM:最後に降りようとする赤川の裾を、菫がくい、と引く。
北見菫:「……赤川くん」
赤川累:「……どうした」足を止める。
北見菫:「……ありがとうね。怒ってくれて」静かに言う
赤川累:「……。君が礼を言う事なのか、それ」
赤川累:困ったように頭をかいて、重い溜息を吐く。「どちらかと言えば、情けない所を見せたかと思っていたが……」
北見菫:「赤川くんが代わりに怒ってくれなかったら、暴れて全部めちゃくちゃにしてたかも」
北見菫:くすりと笑って、車外へと降り立つ。
北見菫:「行きましょ」
赤川累:「……そりゃ大事だ」口元だけで笑う。
赤川累:あるいはその怒り自体は本心かもしれないが……同時に俺を助けようとしてそう言ってくれてるのだろう。君のしたことは私の為になっていたから気に病むな、と。
赤川累:「ああ」
赤川累:静かに応じて、彼女の後に続いた。
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です
峯川千墨:保留で
軽部龍授:埋まってます。
赤川累:九十八九十九:◯連帯/失望 で取得します
九十八九十九:保留かなあ~
木花小夜:こちらも保留かな……
【Middle6】
GM:ミドル戦闘のシーンとなります。全員登場!
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (71 → 76)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (68 → 74)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (85 → 90)
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (71 → 75)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (83 → 92)
木花小夜:間違えたしめっちゃ高くなった
九霄市 ホテル“バベル”
GM:九霄市随一の……というより、唯一の高級高層ホテル、“バベル”。
GM:この日、貸し切りとなったこの施設のイベントホールは、大量の客でごった返していた。
GM:いかにもな暴力団関係者らしき者がいたと思えば、聖職者らしき者も多い。人種や国籍も様々の混沌の様相。
GM:“ダドエルズホール”主催のオークションは既に始まっており、会場は熱気に包まれながら、古文書の登場を待ちわびるようだった。
峯川千墨:「そういや変装とか考えてねェけどいいのかな」
峯川千墨:先輩の前に立ち、人の波を肩でかき分けている。
軽部龍授:「仮面くらいは欲しいな。特に俺は死んでいることになっている」
舞浜ちよ:「あのお皿かわいいな~」出品されている大皿に目をやっている
木花小夜:「普段使いするものじゃないと思いますけど……」
木花小夜:「変装も、どうせ意味ないよ。来ることなんて誰にも織り込み済みでしょ」
軽部龍授:「九十九。何かないか?顔が隠せる物だ」
九十八九十九:「え~、ちょっと待ってねえ」
エル子:「……」車の中で寝こけていたので、まだ眠そうな顔できょろきょろしている。
エル子:人混みの中に誰かを探しているようだ。
?:「すごい人ね、エル……」小夜にしか聞こえない声がエルに呼び掛けている。
?:「みんなも来てるのかしら」
赤川累:「……どうかしたのか?」エルの様子に気付いて声をかける。
木花小夜:「あっでもエル子用のは欲しいかも……」
峯川千墨:「三人分だ九十九」
九十八九十九:手持ちのバッグを漁る。ドレスコードがあるので、最低限フォーマルなドレスを着ている。
九十八九十九:「サングラスとベネチアンマスク、どっちがいい?」
九十八九十九:「あ、オペラグラスもあるよ」
白土夏希:「用意がいいですね……」人混みの中でも頭一つ飛び出た長身。明らかに目立っている
軽部龍授:「ベネチアンマスク。【虎目】は不得手だ」
峯川千墨:「グラサンで良い。エル子は?」
木花小夜:「もうオペラグラスしか残ってないけど……」
エル子:「えっ……ええと……」
峯川千墨:「あのお姉ちゃんがお面かメガネか貸してくれるってよ」
?:「貸してもらいましょう、エル。みんななら着けててもあなたって分かるわ」
九十八九十九:「いっぱい予備あるから大丈夫だよ~」
エル子:「お、お面を……」
九十八九十九:「ほいほい~」それぞれに配る
?:「あらま~!似合ってるわよエル!かわいいわ!」
エル子:「……」無言で照れている
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「かわいい」
峯川千墨:「良いじゃねェか、お祭りっぽくて」自分もサングラスをかける。
軽部龍授:「フッ…では行くか」
赤川累:「お祭り……まあ、賑わうには違いないだろうが」
赤川累:あまり良い意味での賑わいにはならないだろうな、と思いながら。
木花小夜:「悪い賑わいでしょ、こういうの……」
GM:会場に分け入っても、君達が注目される様子は無い。それだけ人も多く、参加者の様相も様々だ。
軽部龍授:「俺は何度かオークションの用心棒をやったが、金額インフレで感覚がマヒするものだ」
木花小夜:「……こんな人数が……」動きづらいドレスを固辞し、小さい仕立てのスーツを着ている。
北見菫:「……え……これ全部食べていいの?」机に並ぶ豪華な料理を見ている
赤川累:「まあ、毒が入ってるって事はないとは思うが……」
赤川累:こちらもこういった任務の時の為に買ったスーツを身に着けている。
峯川千墨:「マジ? 全部食うか」普段からスーツなのでそのままの格好。
木花小夜:「余り目立つようなことは……」
木花小夜:「あとお腹いっぱいで動けなくなると困るよ……?」
九十八九十九:「いいんじゃな~い?どうせ大量に残っちゃうんだし、こういうとこの料理って」
舞浜ちよ:「え~っ、あの絵1億!?私でも描けそうなのに~」ドレスを着ているが、ディズニープリンセスに見える。
赤川累:喋りながら、それとなく周囲を見渡し緊急時の避難経路や通路周辺の混み具合を確認している。
木花小夜:「……商品ってどこにあるんでしょう」
木花小夜:「始まる前に押さえられないかな」
白土夏希:「いい案ですが……流石に向こうもそれは警戒しているでしょうね」
白土夏希:最大サイズのスーツを着ているが、明らかにパツパツになっており、前ボタンも開けるしかない。
軽部龍授:軽く飯を摘まみながら、腕が立ちそうな奴がいるかを、見定めている。
赤川累:「……仕掛けるなら、"ヘレヴ"と同時が良いんじゃないですか。折角、協力を取り付けたんでしょう」
GM:まだ“ヘレヴ”の姿は見えない。到着していないのか、どこかに身を潜めているのか。
GM:いたとしても、この会場から探し出すのは困難かもしれない。
赤川累:「こっちだけでこっそりと動くような真似をするなら、数の利が活きないかと」
峯川千墨:「めっちゃ果物載ったケーキありますよ先輩」自分は中華と洋食と和食を一つの皿に取ってバラバラに食べている。
舞浜ちよ:「ほんとだ!おいしそ~!」
峯川千墨:「よっしゃちょっと待っててください……あっメロン落ちた!」
峯川千墨:「あっ踏まれた! 汚ね」
木花小夜:「完全にエンジョイしてる……」
木花小夜:「あっエルちゃんはなにか食べたいものある?」
木花小夜:「豚肉がダメなんだっけ……?」
エル子:「あ……えっと……?」
峯川千墨:うまく取れたピースを先輩に渡す(半端な奴は自分のごちゃまぜの皿に上乗せしている)。
赤川累:「……」周囲のはしゃぎ具合を見て、少し溜息を吐く。確かに今は、会場に溶け込むような行動を取っておいた方がいいだろう。
軽部龍授:自然体であたりを見て回る。
?:「ちゃんとしたユダヤ教徒はそうなのよ、エル」
エル子:「だ……大丈夫、です」
峯川千墨:「何だァ? エル子。美味ェぞ」
峯川千墨:「食わねェとデカくなれねえしよ」
舞浜ちよ:「人によるよ~」
木花小夜:「舞浜さんが言うと説得力がすごい」
峯川千墨:「先輩はそのままの先輩でいいんス」
木花小夜:「あとなんだっけ……ええと」
木花小夜:「仔山羊の肉をその母の乳で煮てはならない……?」
舞浜ちよ:「へ~、親子丼も禁止なのかな?」
九十八九十九:「あっ上海蟹……白土くんちょっとこれ持っててね」金管楽器に偽装した武器ケースを白土に渡す。余興で演奏する音楽家のカヴァーで持ち込んだものだ。
白土夏希:片手で軽々と抱え「また蟹ですか」
木花小夜:「えーと……」スマホで調べている。
木花小夜:「胃の中で一緒になっちゃダメみたいですね」
峯川千墨:「牛はオーケーだったろ確か」
峯川千墨:「ほれエル子、ローストビーフ」
木花小夜:「いや……牛でも、牛肉料理と乳製品を一緒の食事で取っちゃダメみたいだから」
軽部龍授:「チーズハンバーグはその理屈ではNGだな」
北見菫:黙々とサラダを食べている。
峯川千墨:皿を差し出す。「えー……焼いた……ビーフ」
峯川千墨:「ワカル?」
エル子:「あ……あ、ありがとうございます……」
木花小夜:「日本語通じてるよ……」
峯川千墨:「そうだわ」
赤川累:「……ほら、飲み物」サンドイッチを片手に、北見さんにグラスに注いだジュースを差し出す。
北見菫:「ありがと」普段からそういう趣味の服を着ているので、ドレスが様になっている。
?:「気を遣ってくれてるわね……私達何でも食べるのにね」
木花小夜:「……」
木花小夜:(……宗教色の強い組織なのかと思ったけど)
木花小夜:(そういうわけでもないの……?)
軽部龍授:「良し。問題はあるまい」いざ斬り合いになったとしての事を言っている。
GM:次第に、出品される品物は高額なものが目立ち始める。飛び交う金額も、桁がひとつふたつ増え始める。
舞浜ちよ:「そろそろかな……」
九十八九十九:「盛り上がってるねぇ~」
峯川千墨:「ッスか」皿の上の料理をかき込む。
舞浜ちよ:「じゃ、行くね。私は表、北見さんは裏口を押さえます」
北見菫:「はい。それでは」
木花小夜:「一人で大丈夫ですか?」
舞浜ちよ:「だいじょぶだいじょぶ!私はともかく菫ちゃんは強いんでしょ~?」
赤川累:「まあ……そうですね」
北見菫:「あ、いえ……まあ……」否定はしない
木花小夜:「ともかかられても困るんですけど……」
峯川千墨:「先輩なんだから平気だよ」
木花小夜:「そういうものなんだ」
峯川千墨:「こっちはこっちの仕事に集中してりゃいい」
舞浜ちよ:「それじゃあねちずみちゃん、いい?やりすぎちゃダメだよ!」
峯川千墨:「ウス。ぶっ殺し過ぎないようにします」
舞浜ちよ:「まずぶっ殺さないで~~」
峯川千墨:「…………ウス」
GM:二人は人混みへと消えていく。
赤川累:「気をつけろよ」その背中に声をかけて見送り。
九十八九十九:「まー、多分逃げる奴はそんないないだろうから。むしろターゲット以外の誘導してもらうのがメインかな、あの二人は」
木花小夜:「……問題はこっちですか」
軽部龍授:「逃げるとしたら、ま、ただの参加者だろうよ」
軽部龍授:「闇オークションの参加者を一般を意味するただの参加者と言うかは怪しいがな」
木花小夜:「それは確かに……」
木花小夜:「全員逮捕したほうがいいかもしれないけど……」
赤川累:「この際そっちの取り締まりは後回しでしょう」
木花小夜:「リソース足りないか」
峯川千墨:「やるか?」
木花小夜:「やる気でこわい」
軽部龍授:「フッ…ぶっ殺し過ぎないようにと言われたばかりだと思ったが?」
軽部龍授:「俺達は目的のみを果たせば良い」
峯川千墨:「確かにオーヴァードじゃねェのもいるかもしんねェもんな~」
赤川累:「一応、顔なら記憶しました。見える限りのは全員」
峯川千墨:「え、そんなことできんのお前」
白土夏希:「流石ノイマンですね……」
九十八九十九:「やー、スゴイなあ」自分もノイマンなのは棚に上げる
木花小夜:「……”ヘレヴ”とか、当たった顔はいた?」
赤川累:「……いや。まだ見えませんね」
赤川累:「一体どう動くつもりなのか……流石にこの状況をどこかから見ているはずだとは思いますが」
GM:その時、会場の照明が切り替わり、ステージがスポットライトめいて照らし出される。
GM:「さあ、お集りの皆さん!長らくお待たせいたしました!」
GM:司会者が高らかにマイクで呼び掛ける。
GM:「ここまでは単なる前座に過ぎません!今日お集り頂いたのは、皆さんこの一品のためかと思います!」
GM:「今、世界中を賑わわせている新発見の古文書……その価値はまさしく計り知れません!」
峯川千墨:「悪びれもしねェで言いやがる」
木花小夜:「……」ごくりと息を呑む。
GM:「今日、この瞬間、司会者としてこの場に立ち会えたことを光栄に思います!そして皆さんも、まさに歴史の生き証人となることでしょう!」
赤川累:(さあ……どうなる)自ずと背筋に緊張が走る。
GM:「それでは早速ご覧頂きましょう!『ルカの手紙』です!」
GM:ステージ上、厳重なケースに保存された、小さな古文書が運び込まれてくる。
GM:君達ならば保管ケースから微かにレネゲイドの気配を感じるかもしれない。やはり尋常の手段で保管されていたものではないらしい。
GM:一見すれば、ただの汚れたボロボロの紙切れだ。到底価値のあるものとは思えない。
GM:だが、会場は大きなどよめきの波に包まれる。
木花小夜:「……やっぱり、保管を任せきりにはできなさそう……」
木花小夜:「……だれかここから読める?」
峯川千墨:「アタシは無理だ」読むのも鑑定も。
木花小夜:「聖書の原書?って何語で書いてあるの……?」
北見菫:『新約なら、ギリシャ語ですかね』通信機から
GM:司会者はつらつらと美辞麗句を並び立て購買意欲を煽り、それがいかなる価値のある正当な品物なのかアピールしている。
峯川千墨:「そういやアレが本物かどうかってどうやって判断すんの?」
赤川累:「偽物だとしても、この距離で読まれたくらいでバレるような偽装はしていないだろうが……」
木花小夜:「というか、誰も知らない事実が書いてあるなら分かりっこないんじゃ……」
白土夏希:「年代測定ですかね。それでも内容に関しては証明できるかは分かりませんが……」
GM:「さて、それでは入札に入りましょう……開始価格は1億円から!」
木花小夜:「高っ」
木花小夜:「こんなものなの……?」
軽部龍授:「血を流さずに至極健全に手に入れるなら、金で競り落とすだと思うがな」
軽部龍授:「だが金持ちは天国に行けない。と言う話もあったと思うが」
木花小夜:「聖書のページを金で売買してる時点で天国もなにもないと思うけど……」
軽部龍授:(だとすると滑稽なものだ。神の教えが金で売買されるとは)
峯川千墨:「つくづく分かんねェなあ」背を反らし、競売の様子を興味なさげに眺める。「本物かどうかもロクに調べらんねェものに対してよォ」
赤川累:「おまけに売り手は悪魔を名乗ってるときた」
GM:「1億5000万!」「2億!」次々と値が吊り上がっていく。
木花小夜:「支部の予算は……?」
九十八九十九:「年間予算に直してもこれの何分の一だね~。あっはっはっは」
GM:「……3億!」一人の男が声を上げる。黒い帽子に黒スーツ。ショッピングモールで君達が交戦したうちの一人だ。
木花小夜:「えっじゃあ……」
木花小夜:「ないんですか」
木花小夜:「お金……」
九十八九十九:「やー、だっていらないでしょ。買わないんだし」
赤川累:「バチカンの予算に期待……という訳にもいかなさそうですね」まだ"ヘレヴ"の者らしき姿は見えない。
GM:「3億3000万!」「4億!」
白土夏希:「あるいは、ここまで注目が集まり、偽物という証拠がなければ……」
白土夏希:「それは本物、ということに出来るかもしれません。彼らの狙いはそこにあるのかも」
峯川千墨:「ナマ臭ェ話だ」
木花小夜:「かかった金額自体が、それの聖性を補強するようになる……」
GM:「……4億1000万!」黒スーツの男の表情に、焦りが見える。
軽部龍授:「それで、どういうプランだ。そろそろ聞かせても良いと思うが」
軽部龍授:「このままでは案山子だが。それはそれで楽で良いがね」
?:「エル、あれ……!」
エル子:「……」ハラハラした顔で、こくりと頷く。
GM:「4億5000万!」「4億7000!」
木花小夜:「エルちゃん……?」
峯川千墨:「どした、トイレ?」
GM:「……4億、8000万……」男は苦し気に価格を提示する。
赤川累:「……何か聞こえてるんですか?」エルのおかしな様子を見て、木花さんに。
GM:「5億!」
木花小夜:こくりと頷き。スマホで調べるふりをする。
木花小夜:画面を見せる。「なにかみつけたみたい なかまかも」
GM:「……!」明らかに男に動揺が走る。「……5億……1000万……」
赤川累:「……成程」それを見て、エルの視線の向かう先に目を向ける。彼女は何を見ているのか。
峯川千墨:画面を覗く。「……」
軽部龍授:「……」溜息をつき画面を覗く。
GM:「……6億!」「6億6000万」「8億!」
GM:次々に値段は吊り上がっていくが、男はそれ以上入札することはない。がくりと項垂れている。
峯川千墨:「アララ」その様を見遣る。「負けてら」
九十八九十九:「そろそろかなぁ?」
GM:「50億」
GM:明らかに富裕層の黒人が、一気に値段を跳ね上げる。
九十八九十九:「うっわ」
木花小夜:「ええっ」
峯川千墨:口笛を吹く。
軽部龍授:「行儀が悪い」
軽部龍授:と口笛を窘め
峯川千墨:「ああいう真似する奴は吹かれてェんだよ」根拠はない。
GM:「60億」「100億!」「……150億」
GM:それを皮切りに、一気に入札がヒートアップする。
赤川累:「……しかし、これで冷める訳でもなさそうだ」
九十八九十九:「最初の人かわいそ~」
GM:どうやら序盤は様子見に回っていた者が多いらしい。本来の主催者側のターゲットはこちらの、本物の金持ち達だろう。メインイベント故に開始価格を低くしていたのか。
GM:「300億!」
GM:桁違いの価格に、会場がざわめく。
GM:「300億円が出ました!いかがですか、300億です!」
峯川千墨:「そういやよォ」
峯川千墨:「もしバチカンがフツーに落札したりしたら」
モーリス:「350億」
モーリス:不意に、客席から声を上げる。
峯川千墨:「あっ」
九十八九十九:「フツーに落札する気だねえ」
木花小夜:「バチカンお金あるんだ……」
GM:いつからそこにいたのか、モーリスとシルヴェストロの姿が客席にある。
軽部龍授:「あるところにはあるものだ。本当に払う気があればだが」
峯川千墨:苦い顔をする。
赤川累:「さっきはいなかったのに……」
九十八九十九:「世界三大宗教の総本山だしねえ~ガッポガッポでしょ~」
GM:「370億!」「400億!」「……450億!」
軽部龍授:「世界最大のオーヴァード組織は清貧のようだがな」
軽部龍授:フッと笑う。冗談ではあるが。
GM:「嘘だろ……400億!?」「マジなのか、これ……」天文学的な価格に、会場も異様な熱に包まれていく。
モーリス:「500億」
木花小夜:「これ本当に行きそうじゃないですか」
GM:落札狙いの富裕層たちにも、明らかに狼狽が見える。
峯川千墨:「ヤベェ~」
GM:「550億……」「俺は570だ!」「…………600億!」
モーリス:「……よろしいですか?シルヴェストロさん。僕は聞きます」
シルヴェストロ:「ええ。やってください」
モーリス:こくりと頷き
モーリス:「1200億」
木花小夜:「えっ……!?」
九十八九十九:「うわぁ~……」
峯川千墨:「プッ」会場のどよめきに合わせて吹き出す。
軽部龍授:「これは、単純に金で正式に手に入れて、俺達を護衛働きさせる気かもな」
峯川千墨:「カエサルのものはカエサルに、が主の思し召しじゃねえのォ、これ」
GM:「……1200億!」
GM:カンカン、と司会者がプライスハンマーを打ち鳴らす。
GM:「おめでとうございます!1200億円で落札です!」
木花小夜:「1200億って……」
木花小夜:「いくらですか……?」
赤川累:「……こうなると、協力関係を結んだ意味もあまりなかったかな」
GM:会場は盛り上がるどころか、あまりのことに静かにどよめくばかりになっている。
峯川千墨:拍手している。
赤川累:「結局、敵の数にもやるべきことにも変わりなさそうだ……まあ、彼らが本当に払う気ならですが」
九十八九十九:「やぁ~、それならそれでいいんだけどねえ」
九十八九十九:「わざわざ意味のないことをしに来るかなぁ」
GM:「是非壇上にどうぞ!今日の主役として一言……」
GM:その時。
GM:バチ バチッ
峯川千墨:「オ」
GM:会場の照明が瞬く。
GM:電灯が点滅、次いで激しく発光し、次々に砕け散っていく。
峯川千墨:「アイツか」
GM:灯りが消え、薄暗闇に包まれる場内。突然のことに悲鳴があがる。
GM:「皆さん、落ち着いてください!停電はすぐに……」
GM:暗闇を裂くように、蒼白い電光が迸る。
GM:会場の中央に現れたのは、雷電を纏った男。
ギデオン:「……」
ギデオン:モールで見た、ラビと呼ばれていた男だ。半ば浮遊し、電光に包まれながら、シルヴェストロたちを睥睨している。
白土夏希:「……来ましたね」
赤川累:「あの時の男か」
木花小夜:エルの手を手探りでつかむ。
峯川千墨:(ムカつくツラだが、この状況だと逆にありがてェくらいだ)
エル子:「……ラビ……!」
?:「ギデオン!」
軽部龍授:「……」右足を小さく踏み出した。同時に左膝を軽く折る。ただ、それだけの動作で"間合い"が作られる。
軽部龍授:号令を待つ。
ギデオン:「……手紙は渡して貰う」
ギデオン:「それは!!我々の手にあるべきものだ!!!」
北見菫:『……こちら“クライオ・クライス”!』
北見菫:『裏門に大勢の敵……黒スーツの!交戦中!』
赤川累:「黒スーツ……あの男の連れてきた勢力か。持ちこたえられるか?」
北見菫:『大丈夫だと思うけど……そっちは……!?』
九十八九十九:「会場入れなかったのかなぁ?それとも……」
木花小夜:「……こっちもうかうかしてられない」
舞浜ちよ:『……こちら“ミルククラウン”!』
舞浜ちよ:『なんか変な人たちが……入れていいの、これ!』
赤川累:「こっちは"ヘレヴ"が落札した途端、モールにいた雷の男が手紙を奪った。これから交戦する」
峯川千墨:「変て何スか」
九十八九十九:「もうちょっと具体的にお願い~」
“デモゴルゴン”:「あらあら……」
“デモゴルゴン”:壇上、ステージの裾から、妖艶な美貌の女が悠然と歩み出る。
“デモゴルゴン”:「ギデオンさん。お越しいただき光栄です」
“デモゴルゴン”:「結果にご不満がおありですか?」
ギデオン:「当然だ……!!!こんなもの、断じて認めん!!!」
木花小夜:(彼女らは、名前を最初から知っている?)
“デモゴルゴン”:「それに……そちらはUGNの皆さんですね?」
九十八九十九:「げ~、ばれてら」
九十八九十九:もうちょっと潰し合ってくれてから出ていくつもりだった
“デモゴルゴン”:「皆さんまで足を運んで頂けるとは、とても嬉しいです」
“デモゴルゴン”:「けれど……落札にはご参加頂けなかったご様子ですね」
軽部龍授:「…………」一瞥。顔だけを確認した。
峯川千墨:「あれが“デモゴルゴン”な」小声で伝える。
“デモゴルゴン”:「どうなさるおつもりですか?」コン、と古文書のケースを叩く。
“デモゴルゴン”:「このままお帰り頂けますか?」
九十八九十九:「しゃーない、みんな行くよー」壇上へと近づいていく。
九十八九十九:「違う違う。私達は~」
赤川累:「了解」
峯川千墨:「応」
峯川千墨:後に続いていく。
峯川千墨:振り返って。「あ、エル子どうしよ」
木花小夜:「……隠れて待ってて」
エル子:「……」不安げな顔でギデオンと呼ばれた男を一瞥し、頷く。
?:「エル、こっち!テーブルクロスの下に……!」
峯川千墨:「悪ィな。すぐ済ませて戻ってくっから」
軽部龍授:テーブルクロスの下にエルが隠れたのを視界の端に収める。
九十八九十九:「そこの神父さん達と協定結んで落札してもらったんだよ~」
九十八九十九:「UGNとしては、信頼できる筋に持っててもらいたいしね~」
赤川累:「……」その言葉に表情を崩さないように勤めながら、無造作に上着を脱ぎ捨てる。
九十八九十九:「なので、私達にはこの取引を見届ける権利がある」
九十八九十九:「上がってもいいよね?」
“デモゴルゴン”:「あらあら……ということは……」
“デモゴルゴン”:ギデオンに目をやって「こちらの、オークションの邪魔をする不届き者を処分するのを、お手伝い頂けると?」
九十八九十九:「処分……処分ね。まあそっちは異論ないけど」シルヴェストロに顔を向けて
ギデオン:「……」君達と“ヘレヴ”の二人、“デモゴルゴン”に視線を巡らせる。
九十八九十九:「処分するのは、本当にこのオジサンだけでいいの?神父さん」
シルヴェストロ:「……『手紙』さえ手に入るならば、我々にそれ以上の争いは不要です」
赤川累:「……」つまり、これから争いになる訳だ。シルヴェストロと目線を合わせないように、ギデオンの方を向いて構えている。
九十八九十九:「ほんとにぃ~?教会の至宝をお金儲けに使うような奴じゃん。天罰与えといた方がいいんじゃない?」
軽部龍授:(さて、デモゴルゴンあれが依頼者の一人と言う事だが)
軽部龍授:檀上など、既に刀剣の間合いである。一呼吸で切り捨てられる距離。
木花小夜:「……どうして、あなたは」ギデオンに問いかける。
木花小夜:「手紙を手に入れようとするの」
ギデオン:「……民の為……大義の為だ!!!」
ギデオン:「我々の悲願を果たす為……邪魔をするのならば、容赦はせんぞ!!!」
“デモゴルゴン”:(……ふうん……)
木花小夜:「民。大義。悲願」
木花小夜:「それがわからない限りは、邪魔をするしかなくなるよ、私たちは」
“デモゴルゴン”:ギデオンが多対一となった状況を眺め、二つに分かれた舌で唇を舐める。
“デモゴルゴン”:「あら……でも、不思議ですねえ」
“デモゴルゴン”:「確か……UGNの皆さんは、手紙を皆さんの内で確保するのが目的だったと記憶しておりますが……」
“デモゴルゴン”:わざとらしく小首を傾げ
“デモゴルゴン”:「どのように教会の皆さんと分配なさるおつもりですか?ちぎって半分こでもなさるのかしら」
シルヴェストロ:「…………?」
シルヴェストロ:君達に目を向ける。
峯川千墨:「そういやァテメエにはそう伝えたなァ」一歩進み出る。
赤川累:(……何故、知られてる?俺でさえ、さっきまで知らなかったような事を)
赤川累:(盗聴されていた?あの車内が?)
峯川千墨:「悪ィけどそれは嘘だ」
峯川千墨:「会いたかったぜ、クソ女──の端くれ」
峯川千墨:「“サタナキア”はどこにいる?」
峯川千墨:「教えなきゃテメエが死ぬだけだ」
“デモゴルゴン”:「ああ……あなたから聞いたわけではありませんよ、“バルバトス”」
“デモゴルゴン”:「この耳で、直接そうお聞きしましたから」
“デモゴルゴン”:女の顔がぐにゃりと歪む。その顔はテレーズ・ブルムや霧谷雄吾──日本UGN上層部の面々を模倣する。
“デモゴルゴン”:「教える必要が?」太田止隆の姿で男の声を発する。中枢に直接入り込むことは難しくとも、情報を得る程度は容易い能力だろう。
九十八九十九:「ふぅん……?」
赤川累:「……」冷ややかにその顔を見返す。
シルヴェストロ:「……累くん?」
シルヴェストロ:「どういうことかな」
赤川累:深く息を吸う。そちらへ振り返る。
赤川累:「……すみません。シルヴェストロさん」
九十八九十九:「私が命令しました」赤川の言葉を遮るように、神父と彼の間に移動する。
赤川累:「……」その声ににわかに驚きつつ。
九十八九十九:「UGN九霄支部長としての権限で、貴方達を味方に引き込み」
九十八九十九:「然るべきタイミングで、我々がルカの手紙を奪取する」
九十八九十九:「そのための工作に協力するよう強要しました」
峯川千墨:「ア? 言うの」
九十八九十九:「やー、もうごまかせないっしょ」
九十八九十九:「下手打ったらさっさと損切りするのも管理者の役目だよお」
モーリス:「うわァ~~、ひどいですねえ!僕は憤りますよ!」
赤川累:「……俺は」
赤川累:「約束を交わした時点では、嘘を吐いたつもりはありませんでした。『手紙』の確保がUGNにとって必須である事も、つい先程知らされた……」
赤川累:「ですが、その策に従うことを選んでここに来ました。そこは、俺の意思です」
シルヴェストロ:「……そうですか……」悲しげに目を伏せる。
峯川千墨:「バチカンとの関係についちゃ、あの女が腹切って責任取るつもりだったんだとさ」
峯川千墨:「腹切りって通じっかな。首? アー、命」
木花小夜:「……結局みんな」
木花小夜:「自分の責任だっていうつもりなんじゃない」
木花小夜:「一緒よ。そういうとこ。2人とも」
赤川累:「……一人前に文句だけ吐いて、責任は全部取ってもらうんじゃ、あやされてるガキじゃないですか。そんなの」少し拗ねたように言う。
九十八九十九:「そういうわけでぇ、神父さん」
九十八九十九:「ちゃんと懺悔したんで情状酌量されたりとかします?」
峯川千墨:「健気だろォ。よろしく検討しろや」
シルヴェストロ:「……残念です」
シルヴェストロ:「……本当に……残念だ」
シルヴェストロ:虚空を切り裂き、闇を照らして業火が溢れ出す。
シルヴェストロ:シルヴェストロの傍らに現れるのは、燃え盛る炎に包まれた剣。
シルヴェストロ:折り畳まれた翼を持ち、空中でゆっくりと回転しながら凄まじいレネゲイドの圧力を放っている。
木花小夜:「あれが……“ケルヴィム”か」
赤川累:「……回転する炎の剣」
赤川累:「成程、"ケルヴィム"の名にそれ以上相応しい得物もない」
赤川累:深く息を吐いて集中を研ぎ澄ます。右腕が発熱し、自身の肉を黒灰へと焦がし落とす。黒い骨格が露出する。
軽部龍授:「で……これからどうする管理者。誰を斬る?誰もが敵になったようだが」
軽部龍授:「準備など、とうに出来ているのだがね」
軽部龍授:声は闘争を前に冷ややかだ。炎剣の熱気を仮面の下で涼やかに受け止める。
白土夏希:(……しかし、何故これを今話す必要がある……?)“デモゴルゴン”に目を向ける(黙っていればあの男を全員で倒し、あちらは労せず金が手に入る局面のはず……)
白土夏希:(我々を潰し合わせる気か?それに、何の得が……)
九十八九十九:「……」思案する白土に一瞬目を向けて
木花小夜:「命令を。“マジックナンバー”」
九十八九十九:「はーい。そんじゃ、責任取りますかー」
九十八九十九:「目的は"ルカの手紙"の奪還。及びそれを妨害する勢力の排除」
九十八九十九:「即ち、"ギデオン"、"ダドエルズホール"、そして、"へレヴ"」
九十八九十九:「全員、倒します。OK?」
峯川千墨:「ははァ」サングラスを床に落とす。いつもの眼鏡を取り出して掛ける。
峯川千墨:サングラスを踏みつけて割る。浮かべるのは獰猛な笑み。
峯川千墨:「最高だ」
軽部龍授:「心得た。分かりやすくて俺好みだ」
軽部龍授:「何、収めた技の数より少ないと言うのは多少不満だがね」
白土夏希:「“ポーラー”了解。カバーに回ります」
赤川累:「了解。……やれます」
木花小夜:「了解……ぐうっ……!」首筋から血の茨を引きずり出すようにする。
木花小夜:それらが凝集し、血の紅球が浮かび上がった。
木花小夜:「“ミュー・シーフィ”。対応します」
“デモゴルゴン”:「きゃ~、私もやられちゃうんですか?こわ~い♡」美しい女の顔に戻って、愉快そうに笑う。
“デモゴルゴン”:「怖いから……味方を呼んでも構いませんね?」
“デモゴルゴン”:「“ネフィリム”。起動」
GM:ズン、という地響きと共に、会場が揺れる。
GM:機械の駆動音が響き渡り、舞台袖から現れたのは────機械の巨人だ。
GM:ゆうに4メートルはあるかという巨体。剣呑な武器を全身に携え、“デモゴルゴン”を守護するように歩み出る。
“ネフィリム”:「ゴ……ギャァアアアアアアアッ!!」
“ネフィリム”:不快な、獣か赤子のような金切り声が響く。
九十八九十九:「な~にあれぇ、白土くんよりデカいじゃん」
白土夏希:「基準にしないでください」
軽部龍授:「ゴーギャンは出し物にはなかったと思ったが。さて、奴は幾らくらいか」
峯川千墨:「スクラップと一緒だよ。五分後にはな」
軽部龍授:「粗大ごみは引き取りに此方が金を出す。まったく面倒な事だ」峯川に軽く返し。
赤川累:「……やかましいな。あの声が必要な機能だとは思えないが……」
赤川累:(単なる威圧か?あるいは、あの女から注意を逸らす為の……)
木花小夜:「……むしろやりやすいでしょ」
木花小夜:「やり過ぎが起きないもの」
“デモゴルゴン”:「可愛いですね~♡ ほぉら、ちゃんと命令してあげますよぉ」
“デモゴルゴン”:巨体の装甲を指で撫で、君達に冷たい笑みを向ける。
“デモゴルゴン”:「全員挽肉にしてください」
GM:ミドル戦闘を開始します。
エンゲージ
“デモゴルゴン”(13) “ネフィリム”(3)
(5m)
PC (5m) ギデオン(9)
(5m)
シルヴェストロ(11)ラハト・ハ・ヘレヴ(12)モーリス(0)
“ポーラー”白土夏希
《軍神の守り》オートアクションで使用。PC1人に対しカバーリングを行う。ラウンド1回。
GM:ラウンド1 セットアップから!
木花小夜:セットアップ前オートで
木花小夜:『ヴァーミリオン・ヴァーミサイド』:《ワーディング》+ハーメルンの笛。
木花小夜:敵全員のドッジのC値を+1。
九十八九十九:なし
軽部龍授:なし
峯川千墨:《ルーラー》《絡め取る大地》
峯川千墨:PCと従者を除く全員のダイスを-5、行動値を-4。
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を7(→ 7)増加 (74 → 81)
ギデオン:《電撃の檻》LV5
ギデオン:エンゲージ1つ封鎖 エンゲージに入る、離脱する、その中でクリンナップを迎えたキャラクターは7D点のダメージを受ける
ギデオン:対象は“ダドエルズホール”のエンゲージ
赤川累:なしです
木花小夜:セットアップで本体と従者が《氷の茨》。
木花小夜:PCを除く全員はエンゲージを移動して離れた場合、4d10のHPを失う。
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (92 → 98)
シルヴェストロ:《アクセル》LV5 対象行動値+10
シルヴェストロ:対象はラハトハヘレヴ
ギデオン:“ダドエルズホール”の周囲を、巨大な雷の壁が取り囲む。
ギデオン:凄まじいエネルギーの凝縮体。どれだけの出力を誇れば壁の形で維持することが可能なのか、想像すらつかない。
ギデオン:「……逃がさんぞ……!!!」
“デモゴルゴン”:「あらあら……困っちゃいますね~」
九十八九十九:「うぇ~、あれじゃこっちも近づけないよお」楽器ケースから対物ライフルを取り出す。
軽部龍授:「……だが、長く持続できる能力ではあるまい」井上真改を抜刀し、右手に下げる。
峯川千墨:「気ィ利かねえなオッサン……」
峯川千墨:ぼやきながら片手を打ち振る。敵の有する通信機器──及びホールのスピーカー、“ネフィリム”の発声器官からも水が溢れ、広間を浸し、敵勢を絡め取る。
峯川千墨:「息を吹き込むもの、音を鳴り渡らせるものを従えてそれは現れる」
峯川千墨:「まさか忘れてねェよな? 頼むぜ」
木花小夜:「気が利く、“アプシンシオン”」
木花小夜:その絡め取った水が、氷と化して低温を呈す。
木花小夜:冷気源。血の棘線は雷に照り返され、不気味な色を呈す。
軽部龍授:「フッ…これが俺とは相性が良い能力か」
“ネフィリム”:「エェエエエエエ…………」ぐずるような呻き声を漏らし、まとわりつく水と氷に暴れる。
GM:イニシアチブ 行動値18、ラハトハヘレヴの手番です
ラハト・ハ・ヘレヴ:待機。
九十八九十九:なにぃ
木花小夜:速くなったのに……
軽部龍授:何を狙っているのじゃ
赤川累:なんだと
GM:行動値12 赤川くん、九十八さんの手番です
九十八九十九:こっちからいでいいかな?
赤川累:あっOK!
九十八九十九:ではもらいます 手番を
赤川累:私は範囲で残ってる奴をいい感じに殴ると思います
九十八九十九:ではマイナーで予備弾倉を装填。アンマテの回数回復
九十八九十九:メジャー、《コントロールソート》《原初の赤:ペネトレイト》《混色の氾濫》《コンセントレイト;ノイマン》アンチマテリアルライフルで攻撃
対象はデモゴルゴンとネフィリム
GM:待ちな
九十八九十九:なんだとっ
“ネフィリム”:《殺意の壁》LV4 対象攻撃時使用 メインプロセスの間攻撃力-12
“ネフィリム”:《魔獣の咆哮》LV6 対象判定直前使用 ダイス-6個
GM:判定どうぞ
九十八九十九:ウザすぎる……
九十八九十九:1dx7 ガー不
DoubleCross : (1DX7) → 10[9]+1[1] → 11
GM:何だァ~?その貧弱なダイスは~
木花小夜:がんばってる!
“ネフィリム”:ガード 《磁力結界》LV3
九十八九十九:ガードできないよ
軽部龍授:アンマテ!
GM:アンマテやんけ!
GM:ん……?
GM:ふーん……
木花小夜:宵闇どうする?いれとく?
赤川累:何だァ……?
GM:こいつがあるのを忘れてたぜ
九十八九十九:なにぃ
“デモゴルゴン”:《支配の領域》LV4
木花小夜:こいつ……
峯川千墨:クソ女!
“デモゴルゴン”:ダイスの出目1つを1に
赤川累:そこまでして当たりたくないのかよ!
軽部龍授:クソ女だ!!
九十八九十九:ああん……?
九十八九十九:あっ
GM:ダイスが1個しか無いならファンブルで失敗だぜ~~!ギャハハハハ!!
九十八九十九:ごめんなさい
九十八九十九:侵蝕分のボーナス忘れてた
GM:何ぃ……
GM:振り直しどうぞ
峯川千墨:なんで性格の悪さの頂上対決みたいになってるの?
九十八九十九:2子分ふり直すね
九十八九十九:2dx7
DoubleCross : (2DX7) → 10[1,7]+10[10]+2[2] → 22
“デモゴルゴン”:ふーん……
赤川累:あっ 1個が1だから……
“デモゴルゴン”:1回目の7を1にするね♡
木花小夜:ほんとだ……
九十八九十九:カス!
九十八九十九:あいや、さっきの1にされた10を抜いて
九十八九十九:ボーナス分の2個追加で振ったので……
GM:そういうこと
木花小夜: 10[1,7,9]+10[1,10]+2[2] → 22 ってことね
GM:チッ!
九十八九十九:よわよわダイス把握のせいでクソ女バトルみたくなってしまったぜ
“デモゴルゴン”:じゃあ……
“デモゴルゴン”:《リフレックス:オルクス》LV3+《幸運の守護》LV2
九十八九十九:こいつ……
“デモゴルゴン”:7DX8+4>=22
DoubleCross : (7DX8+4>=22) → 7[2,2,2,3,5,6,7]+4 → 11 → 失敗
“デモゴルゴン”:クソですわ~~~
木花小夜:ハーメルンしといてよかった
九十八九十九:たすかった~
峯川千墨:笛吹けてえらい
軽部龍授:高度なバトルだったな。
九十八九十九:ダメージ出すね
GM:待ちな
九十八九十九:なにっ
“ネフィリム”:12DX>=22 ドッジ
DoubleCross : (12DX10>=22) → 10[3,3,3,3,3,4,4,5,6,7,9,10]+10[10]+7[7] → 27 → 成功
GM:え!?
GM:いけたわ
木花小夜:C値11だぜ
GM:そうか
九十八九十九:そうじゃん
赤川累:やったぜ
峯川千墨:笛吹けてえらい
GM:まあいいや
“デモゴルゴン”:《領域の盾》LV4
“デモゴルゴン”:ネフィリムにカバーさせます
木花小夜:クソ女じゃん
GM:ダメージどうぞ
九十八九十九:デカいやつにカバーさせるなんてサイテー
木花小夜:張り合わないで
九十八九十九:3d10+18+1d10 装甲無視
DoubleCross : (3D10+18+1D10) → 19[9,5,5]+18+3[3] → 40
九十八九十九:九十八九十九のHPを3(→ 3)減少 (18 → 15)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を10(→ 10)増加 (90 → 100)
“ネフィリム”:Dロイス 《屍人》 HPダメージ軽減
“ネフィリム”:80-2D10
DoubleCross : (80-2D10) → 80-11[5,6] → 69
軽部龍授:やーん。カチコチ
“ネフィリム”:《電磁反応装甲》LV5
“ネフィリム”:2回使用します
“ネフィリム”:C(69-20-20)
DoubleCross : c(69-20-20) → 29
“ネフィリム”:けっこう喰らうな
九十八九十九:ふふふ
“デモゴルゴン”:「犯しなさい──“デモゴルゴン”」
“デモゴルゴン”:呪文めいた言葉と共に、女の展開する《ワーディング》の性質が変質する。
“デモゴルゴン”:“ダドエルズホール”の技術──疑似的な悪魔との契約。レネゲイドと共に、微細な因子が空気中に散布され……
九十八九十九:「あっこれやばいかも……みんな~、息止めて~」
“デモゴルゴン”:床から、天井から、そして九十八の腕から。“デモゴルゴン”の因子を帯びた肉の触手が、激痛と共に生えてくる。
“デモゴルゴン”:触手はのたうち暴れ回り、その動きを著しく阻害する。
九十八九十九:「づっ!?…ぎ、……っこい……つ……」口元をニヤつかせたまま、額に脂汗を浮かべる。
白土夏希:「……支部長!」
木花小夜:「……呼気性じゃなくないですかそれ」
峯川千墨:「覚えてねェけど違ェ気がする」
九十八九十九:「……そうみた~い。やらしすぎ」
GM:他の面々も同じだ。有機と無機の見境なく、至るところから無数の触手が根を張り始める。
軽部龍授:「領域の一種か。これ自体に殺傷能力はなく、妨害に特化している」
赤川累:「今の所は、ですがね。後から何が分泌されるとも分かったものじゃない」
峯川千墨:「だから言ったろクソ女だって」
軽部龍授:「違いない。後から別の指向性を与えられるのがエフェクトだ。違う手が飛び出す前に仕留めるに越したことはない」
木花小夜:上塗るように重ねた《ワーディング》――その対象範囲を拡張する。
木花小夜:低温の流れを、味方に及ばぬようにと制御していたが。
木花小夜:彼女の腕も、その対象に納める。
木花小夜:触手に重ねるように茨がまとわり付き、その活動熱を取り去る。
九十八九十九:「あ~~これ効くわ~~」
木花小夜:「応急処置ですからねこれ……というか」
木花小夜:「後遺症はこっちのほうがなお悪いかもしれない。でも」
木花小夜:「やってください」
九十八九十九:「任されて~」空中でくるりと回した対物ライフルを、そのまま叩きつけるように床に設置、固定する。
九十八九十九:ドレスの長い裾を脚の付け根まで破り、這いつくばるような姿勢でデモゴルゴンへ銃口を向ける。
九十八九十九:「とかげ座」
九十八九十九:デモゴルゴンと、ネフィリムの身体に重なるように、複数の黒点が現れる。
九十八九十九:「Fire」
九十八九十九:側面に逃された凄まじい衝撃とともに、特大の弾丸が発射される。
“デモゴルゴン”:「きゃあ~~」
“ネフィリム”:“デモゴルゴン”を庇い、巨大な機体が盾となる。
九十八九十九:それは黒点の間を結ぶように、変則的な軌跡を描いてデモゴルゴンとネフィリムを穿ち貫く。
“ネフィリム”:装甲を貫通され、バチバチと火花が散る。
九十八九十九:「普通は貫くんだけど……」
九十八九十九:「駄目かぁ~。ただの装甲じゃないなあれ」
“ネフィリム”:「いぃいいいいぎゃぁあああああぁああッ!!」
“ネフィリム”:泣き叫ぶような金切り声が響き渡る。
木花小夜:「声……?」
九十八九十九:「趣味悪~」
GM:行動値12 赤川くんの手番です
赤川累:はーい
赤川累:マイナーで戦闘移動。シルヴェストロ(11)ラハト・ハ・ヘレヴ(12)モーリス(0) にエンゲージ
赤川累:メジャー、「星灰落滅」《コンセントレイト》《インスタントボム》《ギガンティックモード》オート《砂の加護》《砂塵霊》で上記3人を攻撃
GM:判定どうぞ!
赤川累:7dx@8+15 命中
DoubleCross : (7DX8+15) → 6[1,3,3,4,5,5,6]+15 → 21
ラハト・ハ・ヘレヴ:リアクション放棄
シルヴェストロ:5DX11>=21 ドッジ
DoubleCross : (5DX11>=21) → 9[3,5,6,6,9] → 9 → 失敗
モーリス:《砂の結界》 シルヴェストロをカバー
赤川累:ダメージいいかな
GM:どうぞ!
赤川累:3d10+25 ダメージ 装甲無視です
DoubleCross : (3D10+25) → 19[9,7,3]+25 → 44
GM:モーリスが結構喰らいますが全員生きてます
赤川累:赤川累の侵蝕率を14(→ 14)増加 (75 → 89)
赤川累:「……」多種のレネゲイドが混じって入り乱れていく戦況を眺めていた。
赤川累:演算が完了する。シルヴェストロ達の方へと向かい、動き出す。右腕にレネゲイドが収束・励起して、自らの血肉を焦がし落とし熱風が吹く。
赤川累:必要な演算は完了している。眼前に散らばる触手や電撃、その全てを予知しているかのように駆け、遮る数条を触れるだけで霧散させた。
シルヴェストロ:「累くん、それは……」
シルヴェストロ:痛々しい姿を目にし、僅かに顔を顰める。
赤川累:「悪魔に貰った力です」
赤川累:感慨もなく応じる。チンピラや黒服のように、加減のできる相手ではない……出力の増大によって、自身の血肉をも灰へと変換し続けて漆黒の骨格が露出する。
赤川累:黒い灰が尾を引いて、死神の鎌めいた円弧を描く。触れるもの全てを灰へと変成する腕を振るい、主人の前に構えられた剣の刃先を削る。更にその奥へと踏み込んで。
赤川累:立ちはだかるモーリスの腕を取る。拳打が腹部を打ち貫く。纏う装甲は灰へと変成しながら衝撃が浸透し、弾き飛ばす。
モーリス:「うぎゃあ!痛ったああ!!」
モーリス:胸元の十字架を砂へと分解し、自らの身体を受け止める。
赤川累:「……触れたものを灰へと変える」反動に任せて反転しながら、吐き捨てるように呟く。「俺の能力は少し、殺傷性が高すぎる」
赤川累:「それを抑制する事が、この数ヶ月間の主題だった」
赤川累:「……幸運だった。貴方達とやり合う事になったのが、目覚めたての時ではなくて」
赤川累:命を奪い合う場に於いて、どこか呆けた言葉を吐きながら。静かに笑う。
モーリス:「僕は痛がります……シルヴェストロさん、メチャクチャしますよあの子……」破れた司祭服の下、ゆっくりと傷がリザレクトしていく。
シルヴェストロ:「……」異形の力を振るう君を、悲しげに見つめる。
シルヴェストロ:「君のような子供が、そんな風になるまで戦わされるなんて……」
赤川累:「同じですよ。そうならなくて済む世界を目指してる。……今はまだ、そうじゃないけれど」
軽部龍授:「気になることがある」自陣にしか聞こえない程度の声で呟く。
軽部龍授:「初めて会った時、あの胡乱眼鏡。どうやら、俺が死んでいる。という事を知っていた。あの段階では、まだ、それを知るのは俺の依頼主くらいだったと思うのだが」
軽部龍授:「さて、"ヘレヴ"の情報収集能力が確かなものなのか、つるんでる奴がいるのか。果たしてどちらかね。フッ…後者でない方が面倒はないが」
GM:行動値9 軽部くんと従者の手番です
木花小夜:従者は待機させます~
軽部龍授:私も敢えて待機!
GM:では行動値9 デモゴルゴンの手番です
“デモゴルゴン”:メジャー 《導きの華》LV6+《カンビュセスの籤》LV6
木花小夜:回復かよ!
“デモゴルゴン”:ネフィリムが行うが行う次のメジャー判定の達成値+12、HP6D10+1回復
“デモゴルゴン”:6D10+1
DoubleCross : (6D10+1) → 30[4,6,7,3,3,7]+1 → 31
“ネフィリム”:元気になった!
九十八九十九:こいつ~!
峯川千墨:よかったねえ
木花小夜:ならないで
軽部龍授:癒し系女子じゃん!!
赤川累:めんどくせ~
GM:演出はネフィリムにまとめます
GM:行動値7 シルヴェストロの手番です
シルヴェストロ:《ハザードコール》LV10+《堕ちる絶望》LV5+《薔薇の輪》LV4+《タブレット》LV3+《多重生成》LV3
シルヴェストロ:対象の《意志》と対決、難易度15 失敗で衝動判定が発生し、さらに侵蝕率+10、ラウンド間あらゆる判定ダイス-4個
赤川累:めちゃくちゃやりよる!
シルヴェストロ:対象は赤川くん以外のPC全員
九十八九十九:最悪!
GM:判定しな!
軽部龍授:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 6[1,5,6] → 6
軽部龍授:76+2d10+10
DoubleCross : (76+2D10+10) → 76+12[8,4]+10 → 98 暴走。
峯川千墨:これカバーできるやつですか?
木花小夜:対決ってことは
木花小夜:出してもらうんじゃない?
木花小夜:まずシルヴェストロさんの判定値を……
GM:どうなんだろう
九十八九十九:どうなんだろう
GM:ハザードコールが射撃攻撃だからカバーは出来ると思う
GM:《堕ちる絶望》にはこの際難易度はLV*3になるってあるから
GM:こっちが優先される気がするけどどうなんだろ
木花小夜:それは衝動判定の難易度だと思う
木花小夜:暴走するかどうかの……
GM:そうか
GM:じゃあ……コンセ入れて振ります
GM:14DX7+4
DoubleCross : (14DX7+4) → 10[1,3,3,4,4,4,6,6,6,6,9,10,10,10]+10[1,4,8,9]+10[5,8]+1[1]+4 → 35
GM:死ね!!
木花小夜:たか
九十八九十九:普通にやる気だ
峯川千墨:ルーラー入ってます?
GM:入ってます
峯川千墨:すご
九十八九十九:たか
木花小夜:精神がすごいのかな
木花小夜:あとこれ……
木花小夜:従者が受けるとどうなるんですか
GM:従者が受けると……本体に行くのでは……
GM:対象4体なので今回は入ってないです
九十八九十九:じゃあまず意志で回避判定して、当たったらその後もう一回衝動判定というわけね
GM:そういうことになるぜ
木花小夜:じゃあ本体が受けつつ従者に他の人カバーさせると
木花小夜:2回食らう?
GM:そういうことになりそう
九十八九十九:極悪
木花小夜:ひどすぎる
赤川累:きつ~
九十八九十九:ひとまず回避判定
九十八九十九:9dx+1>=35
DoubleCross : (9DX10+1>=35) → 10[1,2,3,3,4,5,10,10,10]+10[1,2,10]+5[5]+1 → 26 → 失敗
木花小夜:がんばってる
九十八九十九:意外と惜しいな
軽部龍授:超がんばってる。
九十八九十九:後一点あれば宵闇で避けれた
峯川千墨:こちらもとりあえず回避!
峯川千墨:4dx>=35
DoubleCross : (4DX10>=35) → 8[1,2,6,8] → 8 → 失敗
木花小夜:従者のデメリットでダイス1個も触れないので失敗
木花小夜:誰かカバーします 誰がいいかな
峯川千墨:白土くんカバーもらっていいですか?
九十八九十九:しかたないな~
木花小夜:あ~ どうしよかな
赤川累:確かに白土・使い所かも
軽部龍授:侵食今高い人がもらうのが良い気がするぜ
木花小夜:これ衝動判定を突破できず暴走になるから 従者を守る術なくなるんですが
木花小夜:ここで私が峯川さんカバーして残してもらうのがいいのかな
峯川千墨:じゃあ小夜さんを白土くんで守って
峯川千墨:いやどうなんだ わからん
九十八九十九:とりあえず私はダイス結構振れるから、白土くんは他の子守ってあげなよ
木花小夜:それがいいかな……?
木花小夜:私が白土カバー貰って 従者に峯川カバー
木花小夜:あれ えーと 待ってね
木花小夜:従者だけこの効果を受けると
木花小夜:本体が衝動判定して暴走か否かの判定もする……?
GM:う~んと……
GM:特例と特例でルールがぐちゃぐちゃになっている
九十八九十九:GMの想定してた挙動で決めちゃっていいと思うぜ
GM:侵蝕は本体依存なわけだから
GM:従者が受けると本体の侵蝕が上がって暴走は従者になるんじゃないかな……?
木花小夜:了解です
木花小夜:じゃあ従者でカバーする意味はあるか
九十八九十九:とりあえず衝動判定するぜ
九十八九十九:9dx+1>=15
DoubleCross : (9DX10+1>=15) → 10[1,2,2,3,4,4,6,7,10]+10[10]+6[6]+1 → 27 → 成功
木花小夜:おちつきすぎ
九十八九十九:ワハハ
木花小夜:とにかくそうしようかな こっちで白土くん貰って
GM:でも侵蝕+10とダイス-4はつくぜ
九十八九十九:ぐえ~
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を10(→ 10)増加 (100 → 110)
木花小夜:従者が《炎陣》。峯川さんをカバーします
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を2(→ 2)増加 (98 → 100)
峯川千墨:今更だけどめちゃくちゃきつくない……?
峯川千墨:普通にこちらが食らってロイス切る方がまだ良いような気もしてきたんですけど
木花小夜:侵蝕81なんだ
木花小夜:じゃあ……その方がいいかも……?
軽部龍授:あ。回避は上のやつ適用で良いやと思ったけど。衝動判定の意志判定はもう一回できるのか。一応やっておこ。
軽部龍授:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 7[2,5,7] → 7
軽部龍授:うん。変わらないや。
峯川千墨:多分そうですよね 自分で受けます
木花小夜:すみません 炎陣とりけしで
木花小夜:NPCカードだけ使わせてもらいます
峯川千墨:意志の判定を
峯川千墨:4dx>=15
DoubleCross : (4DX10>=15) → 9[2,4,6,9] → 9 → 失敗
峯川千墨:81+2d10+10
DoubleCross : (81+2D10+10) → 81+16[6,10]+10 → 107
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を26(→ 26)増加 (81 → 107)
峯川千墨:あと暴走とダイス-4か
シルヴェストロ:「……こんな形になって、本当に残念です」
シルヴェストロ:「ですが……致し方ありませんね。私は私の責務を果たすこととします」
シルヴェストロ:シルヴェストロの身体から、後光めいて眩い光が漏れる。
“デモゴルゴン”:(……出ますか、『魔女狩り』……)
シルヴェストロ:無数の光の鎖が伸び、実体なきそれらが君達へと突き刺さる。
白土夏希:「……下がって!」木花の前に盾として立ち塞がり、代わりに攻撃を受ける。「ッ……」
木花小夜:「わっ……!?」
九十八九十九:「……へぇ」
軽部龍授:即応反射。白刃が輪を描いて、光に追いつく速さで鎖を払う。我ながら完璧に近いタイミング、切り落としたに違いない。と確信する。ソレに実体があれば。
シルヴェストロ:直後、鎖たちがぐにゃりと歪む。攻撃を受けた者の身体に纏わりつくように、内側に無数の刺を帯びた拷問拘束具へと変形する。
軽部龍授:「ちぃっ」
シルヴェストロ:それは肉体には損傷を与えず、代わりに魂を蝕む。
シルヴェストロ:君達のレネゲイドが強制的に蝕まれ、励起され、急激に侵蝕率が高められていく。
峯川千墨:「グウ……ッ!」長身を苦し気に曲げる。ホールを浅く流れる水が、生物じみて不自然に戦慄く。
峯川千墨:「良い趣味してんじゃねェか……」
軽部龍授:「ぐっ……舐めるなっ」視界が歪む。思考が狭まっていく。だが、体が死んだわけでなければ良い。
白土夏希:「ぐ、ぉ……」犬歯を剥き出しにして苦悶する「……や、めろ……!」
木花小夜:「すみませ……みんな……っ!」
赤川累:「この攻撃は……」
木花小夜:「……外傷じゃない?」
軽部龍授:「外傷なら斬って捨ててる。レネゲイドへの直接攻撃だな」
木花小夜:「……それって……」
木花小夜:「相手をジャーム化させるのが目的の攻撃?」
赤川累:「ジャームに近づけようとしている……!? どうして、そんな……」
軽部龍授:「人を悪魔に貶めるか。フッ…趣味が悪い攻撃もあったものだ。1200億円で押しつぶされる方がまだマシだな」
九十八九十九:「や~らしい真似するね神父さん」他の面々と比べると、幾分余裕がある様子で
九十八九十九:「本職は異端審問官とかなのかな?」
九十八九十九:「仕事が途切れない良い能力だぁ」
シルヴェストロ:「何とでも言うがよろしい。尊き信仰の為の刃、それが剣だ」
シルヴェストロ:「迷いなどとうにありません」
GM:行動値6 木花さんの手番です
木花小夜:待機します~
GM:行動値5 ギデオンの手番です
ギデオン:マイナー 《真なる雷》LV8 攻撃力+16 HP5消費
ギデオン:メジャー 《コンセントレイト:ブラックドッグ》LV4+《雷の槍》LV8+《クレイジードライブ》LV6+《雷神の槌》LV8+《雷光撃》LV8+《MAXボルテージ》LV6+《サンダーストーム》LV2+《爆雷撃》LV6
九十八九十九:なんだこの暴れ野郎
ギデオン:対象はヘレヴのエンゲージ
木花小夜:威力ヤバそ
峯川千墨:おじさま~♡
九十八九十九:よし!いいぞ!
赤川累:ぎえーっ
峯川千墨:あっ
木花小夜:あっ赤川くんもか!
ギデオン:18DX7+6
DoubleCross : (18DX7+6) → 10[1,2,2,2,3,3,4,4,5,5,7,8,8,9,9,10,10,10]+10[1,2,3,6,6,7,10,10]+5[3,3,5]+6 → 31
峯川千墨:が 頑張って耐えて
九十八九十九:あ、赤川くんっ
赤川累:まあまだリザレクトできるから……
軽部龍授:ハザードコールよりマシよね
モーリス:《砂の結界》 ラハトハヘレヴをカバー
シルヴェストロ:ガード
赤川累:一応のドッジ
赤川累:4dx+1>=31
DoubleCross : (4DX10+1>=31) → 9[4,5,7,9]+1 → 10 → 失敗
ギデオン:ダメージ
ギデオン:4D10+16+20+24+6+16+10+3D10+3D10
DoubleCross : (4D10+16+20+24+6+16+10+3D10+3D10) → 23[6,8,5,4]+16+20+24+6+16+10+11[2,4,5]+16[5,1,10] → 142
木花小夜:なんだこいつ
九十八九十九:やっば
赤川累:死!
赤川累:リザレクトします
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (89 → 98)
赤川累:赤川累のHPを9(→ 9)に変更 (27 → 9)
モーリス:HP0 《瞬間退場》
赤川累:退場しよった
ギデオン:灯りの消えたホールで、昼間より眩く光り輝くものがある。
ギデオン:ギデオンがその全身に電撃を収束させ、膨大な電流が乾いた音を立て爆ぜながら周囲に撒き散らされる。
ギデオン:「教会の犬が……!!!やはり立ち塞がるのは貴様らを置いて他ならんか……!!!!」
ギデオン:その表情と声音からは凄まじい憤怒、激情を感じさせる。
ギデオン:「我らが意思を!怒りを!神の裁きを受けろッ!!!!!」
ギデオン:あらゆる神話で神の力として描かれた、自然界屈指の純然たるエネルギー──雷撃の奔流が、肉薄していた赤川諸共に“ヘレヴ”を呑み込む。
赤川累:「ぐ、あっ……!!」規模も出力も馬鹿げている。多少の電撃なら電子そのものを灰化させることとて不可能ではないが、この場合は全く話にならない。
シルヴェストロ:「……く……」翼持つ剣から炎が噴き出し相殺するが、その全身を雷が貫く。
ギデオン:異常な出力である。そして、当人への負荷も甚大であろう。
ギデオン:ジャーム化を免れない能力行使。だが当人はその出力に慣れているようであり……尚且つ、ジャームである気配も無い。
九十八九十九:「あのオジサンもヤバいな~……教会がウチらと組もうとしたのも頷けるわ」
軽部龍授:「あれは厄介だな。あの雷撃、俺とて防げん。単純戦力で言えばこの場で一位だろうよ」
シルヴェストロ:「後は私が。下がってください、モーリス」
モーリス:「はは……そうさせてもらいますよ」
峯川千墨:「ついでにこっちを狙いから外すくらいの配慮があればなァ」
峯川千墨:「今度はこっちと組むかって言えたんだけどなァ。嘘でもよ」責め苦は未だ続いている。額の汗を拭いながら軽口を飛ばす。
GM:行動値3 峯川さんの手番です
峯川千墨:はい。そしてすみません
峯川千墨:100%超えてたのでルーラーのダイスペナが6個になるのと……絡め取る大地の行動値デバフも-6になるので
峯川千墨:ギデオンさんよりこっちが同値で先だったことに気付きました 本来なら
GM:そうとはね
GM:今回は特に巻き戻しとかはしません
峯川千墨:はい。以後気を付けます!
GM:私もよく見ます 手番どうぞ!
峯川千墨:マイナーで暴走解除をして
峯川千墨:いや違うな
峯川千墨:戦闘移動でギデオンさんと逆方向に5m動きます
峯川千墨:でもってメジャー行動の前に古巣のロイスをタイタス昇華して不利な状態を打ち消し!
峯川千墨:暴走とダイスペナルティを消して、行動は《雨粒の矢》《惑いの一撃》《シングインザレイン》
峯川千墨:対象は敵全員。
GM:ひぇ~~
GM:判定どうぞ!
峯川千墨:5dx+9
DoubleCross : (5DX10+9) → 10[2,2,3,6,10]+2[2]+9 → 21
峯川千墨:ドッジダイス-7個が付きます
GM:何~~~
“デモゴルゴン”:ダイス0になって避けられない
“デモゴルゴン”:《領域の盾》LV4 ネフィリムにカバーさせます
“ネフィリム”:ガード 《磁力結界》LV3
ラハト・ハ・ヘレヴ:ガード
シルヴェストロ:ガード
ギデオン:暴走
GM:ダメージどうぞ!
峯川千墨:3d10+40
DoubleCross : (3D10+40) → 19[2,7,10]+40 → 59
峯川千墨:諸々有効です
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を9(→ 9)増加 (107 → 116)
“ネフィリム”:59-3D10
DoubleCross : (59-3D10) → 59-19[8,10,1] → 40
“ネフィリム”:60-2D10
DoubleCross : (60-2D10) → 60-15[10,5] → 45
“ネフィリム”:装甲で減らして《電磁反応装甲》2回使用 残り1回
GM:シルヴェストロはHP0ですがゲーム上はラハト・ハ・ヘレヴとして残っています
峯川千墨:「アー」
峯川千墨:「アアァァァ」
峯川千墨:「ア゛ーーーーーッッッ!!」
峯川千墨:叫び、体を掻き毟る。
峯川千墨:女の身を捉えていた光の拘束具が、瘡蓋のように剥がれ落ちる。
軽部龍授:「おい!?」
白土夏希:「滅茶苦茶すぎる……」
峯川千墨:「ゲッホ」
峯川千墨:口元を拭う。「気にすんな。ちょっと無理しただけだ」
木花小夜:「いや……」
木花小夜:「ちょっとの範囲……?」
軽部龍授:「気にするな。と言う方が無理と思うが」
九十八九十九:「も~、先は長いんだから短気は程々にね~」
軽部龍授:「だが、毒を流したという事なら、存分にやってくれ」
峯川千墨:「イイんだよ」同時、ホールの床を埋める水も凪いでいる。「しゃらくせェ連中ばっか相手だしよォ」
峯川千墨:片腕を上げる。その水が引いていく──否、揮発していく。
峯川千墨:一方、そこに内包していた雪めいた結晶は増え、育ち、水に代わって床を埋める。白亜の砂漠じみた光景。
ギデオン:「むぅっ……!!?」
峯川千墨:塩だ。今まで水に溶けていたそれが、衣を失うことによって姿を現した。
峯川千墨:「死んでくれんなよ」白い床が蠢く。
峯川千墨:「怒られたくねェからよォ!」
峯川千墨:転瞬、純白の槍衾が生じ、敵対者をまとめて刺し貫いた。
“ネフィリム”:「ぎぃいいあぁあああっ!!」
“デモゴルゴン”:「あらあら……」絶叫する“ネフィリム”の背後で目を細める。
“デモゴルゴン”:「相変わらず乱暴だこと」
峯川千墨:「舐めんな。随分行儀よくなったろうが」
軽部龍授:「美しいものだな。剣には及ばないが、この手の攻撃は割合に好きだ」
ギデオン:「ぐ、おぉおっ……!!!!」雷撃の壁を展開するが、威力を殺しきれず肩口を抉られる。
シルヴェストロ:「……く……」膝をつく「何という……」
木花小夜:「まだ本気じゃなかったんだ。これまで……」
“デモゴルゴン”:「裏切者を待つ運命をご存知かしら?“バルバトス”」
“デモゴルゴン”:「私を欺いたこと、必ず後悔いたしますよ」
峯川千墨:「知るか半端ベロ。死ね」
軽部龍授:「どうも、場に苛烈な女しかいない気がするが」
木花小夜:「ひ……人それぞれじゃないですか……?」
GM:行動値0 ネフィリムの手番です
“ネフィリム”:マイナー 《ロケットアーム》LV2+《雷の加護》LV4+《巨獣の爪牙》LV2
“ネフィリム”:《サイバーアーム》で強化した素手で2回攻撃します
“ネフィリム”:1D5
DoubleCross : (1D5) → 3
“ネフィリム”:対象峯川さん
木花小夜:一番きついとこを……
九十八九十九:カバーできんとこ来た
“ネフィリム”:メジャー 《コンセントレイト:キュマイラ》LV3+《銘なき刃》LV9+《アームズリンク》LV4+《ライトニングリンク》LV4+《バリアクラッカー》LV4
“ネフィリム”:20DX7
DoubleCross : (20DX7) → 10[1,1,1,2,3,3,4,4,4,5,5,6,7,7,7,8,8,9,10,10]+10[3,3,7,7,7,9,10,10]+10[1,1,2,2,4,8]+3[3] → 33
“ネフィリム”:間違えた
“ネフィリム”:15DX7
DoubleCross : (15DX7) → 10[1,2,3,3,3,4,6,7,8,8,9,9,9,10,10]+10[3,4,4,5,7,7,8,8]+10[1,1,2,8]+10[7]+10[7]+4[4] → 54
九十八九十九:上がっとるやんけ
木花小夜:増えてるんじゃないよ
“ネフィリム”:上がったわ
“ネフィリム”:33の方でいいです
峯川千墨:下がってるなら14dじゃないかな
“ネフィリム”:もっと上がるかもな
峯川千墨:ルーラーの反映し忘れってことなら どちらにせよ無理そうだけども
“ネフィリム”:14DX7
DoubleCross : (14DX7) → 10[3,3,3,4,5,6,6,8,8,8,9,9,10,10]+10[3,4,5,6,7,7,9]+5[3,5,5] → 25
“ネフィリム”:なんだとぉ……
峯川千墨:ウオオ ドッジ
峯川千墨:4dx+1>=25
DoubleCross : (4DX10+1>=25) → 9[4,5,8,9]+1 → 10 → 失敗
峯川千墨:ぜんぜんだめ
“ネフィリム”:3D10+13+10+16 ガード装甲無視
DoubleCross : (3D10+13+10+16) → 8[1,4,3]+13+10+16 → 47
峯川千墨:死!
峯川千墨:先輩のロイスをアレして復活します
峯川千墨:峯川千墨のHPを11(→ 11)に変更 (24 → 11)
“ネフィリム”:2回目
“ネフィリム”:1D5
DoubleCross : (1D5) → 1
“ネフィリム”:対象木花さん
“ネフィリム”:《コンセントレイト:キュマイラ》LV3+《銘なき刃》LV9+《アームズリンク》LV4+《ライトニングリンク》LV4+《バリアクラッカー》LV4
木花小夜:来なさいっ
“ネフィリム”:14DX7
DoubleCross : (14DX7) → 10[1,3,4,5,5,6,6,6,7,7,8,8,8,9]+10[1,5,5,5,7,8]+10[4,10]+10[7]+2[2] → 42
木花小夜:3dx ドッジ
DoubleCross : (3DX10) → 6[2,2,6] → 6
“ネフィリム”:5D10+13+10+16 ガード装甲無視
DoubleCross : (5D10+13+10+16) → 28[10,4,5,1,8]+13+10+16 → 67
木花小夜:嘘 従者ペナで振れなかった
木花小夜:まあ何にせよ死にます
木花小夜:《リザレクト》!
木花小夜:木花小夜のHPを1d10(→ 4)に変更 (24 → 4)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (98 → 102)
“デモゴルゴン”:「あらあら……相変わらず生意気なクソ女ですね~」
“デモゴルゴン”:「結構です。ほーらネフィリムちゃん、まとめてぺちゃんこにしちゃってください」
“ネフィリム”:「ぎぃいい……いぃいいああああああっ!!」
木花小夜:「……!」周囲を見やる。
木花小夜:先程の“侵蝕”から守られた、自分が前に出るべきと踏む。
軽部龍授:「斬るか?」
木花小夜:「大丈夫」
木花小夜:「もっと斬るべきものを!」
軽部龍授:「心得た」
“ネフィリム”:絶叫と共に、巨大な腕部マニピュレーターが射出される。ジェット噴射で飛来した巨大な腕が、ミサイルめいて峯川と木花に衝突する。
木花小夜:「……かっ……ぐうっ!」腕の直撃を受け、小さな体が吹き飛ぶ。
峯川千墨:「ゴッハ……!」
峯川千墨:吹き飛ばされて壁に半ば埋まる。
“デモゴルゴン”:「あっははは!グチャってなっちゃった!いい気味~♡」
木花小夜:ひたひたと温かい血が顔に流れるのを感じる。
峯川千墨:「うるせェー……」苦労して這い出す。「あっ」
峯川千墨:「眼鏡割れてんじゃねェか! クソ!」
木花小夜:「……そこなの……?」
GM:待機手番 逆順で木花さんからかな
木花小夜:小夜やります
木花小夜:マイナーでヘレヴにエンゲージ
木花小夜:メジャー「ソロリィ・ソロリサイド」:《恐怖の一言》。
木花小夜:あっいや 違うな
木花小夜:「バイバイ・バイオサイド」:《恐怖の一言》《ポイズンフォッグ》
木花小夜:こっちです。対象はヘレヴと自分。
木花小夜:8dX+5
DoubleCross : (8DX10+5) → 10[1,2,3,3,4,4,7,10]+6[6]+5 → 21
木花小夜:自分はガードします
ラハト・ハ・ヘレヴ:ガード
木花小夜:命中で4m移動させます。PC側に来てもらおうかな
木花小夜:じゃあ……先に移動してもろて……
木花小夜:《氷の茨》を受けてもらおうかな
GM:受けます
木花小夜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 24[9,8,1,4,2] → 24
木花小夜:自分も同じところに追いつきます
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を5(→ 5)増加 (102 → 107)
GM:従者の手番もどうぞ
“ガーネット・スター”:マイナーでヘレヴと本体のエンゲージに
“ガーネット・スター”:メジャー『インファイト・インファンティサイド』:《恐怖の一言》《ポイズンフォッグ》
木花小夜:対象はエンゲージ全員。本体と従者とへレヴ。
GM:判定どうぞ!
木花小夜:あっいや 従者はコンセも入れます 不安ある
“ガーネット・スター”:10DX7
DoubleCross : (10DX7) → 10[1,1,1,1,1,1,4,5,7,8]+10[3,8]+10[7]+10[8]+10[10]+10[8]+10[9]+4[4] → 74
木花小夜:無駄に回ったな……
ラハト・ハ・ヘレヴ:ガード
九十八九十九:安心安全すぎる
木花小夜:主従ともガード
GM:ダメージどうぞ
木花小夜:では元のエンゲージに移送しつつ
木花小夜:主従の茨を入れます
木花小夜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 21[7,3,5,4,2] → 21
“ガーネット・スター”:5d10
DoubleCross : (5D10) → 18[3,4,1,7,3] → 18
ラハト・ハ・ヘレヴ:痛いけどまだ生きてます
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (107 → 113)
木花小夜:そんな……
木花小夜:悪魔の女を睨みつけていたが、すぐに振り向く。優先するべき相手は違う。
木花小夜:だらだらと流れる血を、ふう、と吹いた。
木花小夜:それらが有刺鉄線のような形状に変じ、燃え盛る剣を阻むように張り巡らされる。
木花小夜:彼女自身の血で編まれたその線の一つ一つが、極低温を呈している。運動を……回転を阻害し、鈍らせ。
木花小夜:「……咲いて」
木花小夜:彼女の声とともに、動かぬはずの剣が引き寄せられる。
木花小夜:それらは凍結を免れ得ぬ。
木花小夜:凝着したものへの強制駆動の命令が、その表層を引き剥がす。
シルヴェストロ:「ぐ……!」
シルヴェストロ:剣が氷に侵されると同時、シルヴェストロが顔を歪める。
木花小夜:生物殺しと名付けられたそれは、生物ならぬ剣に対しても同じく蝕み。
木花小夜:「……萎れて!」
木花小夜:血の棘が身動きままならぬ中身を食い荒らす。
九十八九十九:「うぇ~、これは痛そ~」
木花小夜:「はい。痛いです」
ラハト・ハ・ヘレヴ:血と氷に侵された炎の剣が激しく暴れ、血飛沫のように炎と火の粉とを撒き散らす。
シルヴェストロ:「ぐ、ぁあああああっ……!」
シルヴェストロ:剣と感覚を共有したシルヴェストロが、苦悶の声をあげる。
木花小夜:「これで……」
木花小夜:「終わってくれれば……」
赤川累:「シルヴェストロさん……」
シルヴェストロ:だが、未だ剣は健在だ。翼を折り畳んだまま、空中に浮遊している。
GM:待機中の軽部くんの手番です。
軽部龍授:ではマイナーはヘレヴにエンゲージ。
軽部龍授:メジャー:《コンセントレイト:エグザイル》《貪欲なる拳》《爪剣》ドッジ-1です。ヘレヴに攻撃。
GM:判定どうぞ!
軽部龍授:こっちはダイス-4がついている。と。
軽部龍授:6dx7+3
DoubleCross : (6DX7+3) → 10[1,3,6,8,8,9]+10[5,9,10]+10[7,9]+10[2,10]+10[9]+3[3]+3 → 56
木花小夜:つよ
峯川千墨:すご
GM:周るな~
ラハト・ハ・ヘレヴ:ガード
GM:ダメージどうぞ!
軽部龍授:98→106
軽部龍授:6d10+6+10+5+3
DoubleCross : (6D10+6+10+5+3) → 42[5,7,6,10,5,9]+6+10+5+3 → 66
ラハト・ハ・ヘレヴ:HP0
ラハト・ハ・ヘレヴ:《燃える魂》で復活します
九十八九十九:燃えてやがる
軽部龍授:ようやく刀が振れる。
軽部龍授:柄でもない義憤にかられた仕事の始末。回りくどいUGNのやり方。心情として理解は出来るが無関係な内輪揉め。
軽部龍授:そして、このシンプルでない状況。どうにもフラストレーションが溜まっていたらしい。
九十八九十九:「不気味だな~、あの剣」
九十八九十九:「斬鉄の心得は?」
軽部龍授:「問題はない。そこまでの技を使う獲物ではないからな」
九十八九十九:「さっすが~」
軽部龍授:そう。大抵の事は一振りの刀でどうにかできる。
軽部龍授:それはあの女も言ってた事だし、自分もそう思う。だから、文句も言わずに此処にやってきたのだ。
軽部龍授:さぁ、一切合切の懊悩を両断し、心の向くままに魔剣を繰ろう。
軽部龍授:「付き合ってもらうぞ。鬱憤晴らしだがな、何、責任の一端は貴様らにもある。この軽部龍授の剣のエジキになってもらう」
軽部龍授:自分を射出された弾丸と定義し走り出す。
軽部龍授:弾丸に裂かれた風がみっともなく悲鳴を上げる。風を引き裂くものは更に強き烈風。
軽部龍授:烈風は地を穿ちながら進む。5mに満たない距離、心臓の鼓動一打ちの間もなく、五度地を穿ち駆け抜ける疾走。
軽部龍授:疾走を餌に剣を走らせる。この速度に乗る事ととなる剣速は如何ばかりであるか、オーヴァードをして埒外の域。
軽部龍授:眼前、間合いの一歩外、六度目。右足が大地を踏み抜いた。
軽部龍授:それは加速しながらの踏み込みではなかった、それは空に浮かぶ相手の直上を取るような大跳躍。天地を逆に回る身体。
軽部龍授:宙転と共に狙いを定め、宙転と共に放つ、抜き打ち一刀。
軽部龍授:鞘から抜かれた刃は、レネゲイドの光を帯びて黒光色に輝いた。
軽部龍授:その刃の煌めきは、悪魔の笑いのような昏き裂け目が出現したのかと錯覚させる。
軽部龍授:一瞬のみ姿を見せる幻の如き黒き月。だが、それは現実のものとして敵の頭上に無慈悲に落ちる。
軽部龍授:「佐伯一刀流【天舞】」
軽部龍授:極めて柔らかく着地をする。手応えとしては、折った。
木花小夜:「えっ」目で追い切ることも叶わない。「何……!?」
GM:甲高い金属音と共に、炎剣の刀身が真っ二つに切り裂かれる。
シルヴェストロ:「ぐ、おおぉっ……!」
ラハト・ハ・ヘレヴ:致命の血飛沫のように溢れ出す業火。
峯川千墨:「手管としちゃ一番マトモなんだろうが」
峯川千墨:「一番メチャクチャしてる風に見えんな」
軽部龍授:「フッ…我ながら、怪しまれる技を使うと思っている」
ラハト・ハ・ヘレヴ:だがそれが収束し、刀身を再鍛造するかのように鋼と結びつき──剣を再生させていく。
赤川累:「……只者じゃないと理解してはいたが」
赤川累:感嘆は一瞬。致命と見えた一撃を受けてなおも修復再生する眼の前の敵を睨む。
軽部龍授:「…だが、飽きさせないものだ。確実に折ったのだがな」
軽部龍授:「復活できるとは大したものだ」
峯川千墨:「往生際悪ィ~」
九十八九十九:「ふぅ~ん……」
シルヴェストロ:「……」息を吐き、周囲を睥睨する。
シルヴェストロ:「“ラハト・ハ・ヘレヴ”──」
シルヴェストロ:「聖絶の時だ」
ラハト・ハ・ヘレヴ:炎剣の折り畳まれていた翼が、大きく開かれる。
ラハト・ハ・ヘレヴ:業火が噴き出し、闇が煌々と照らし出される。
GM:ラハト・ハ・ヘレヴの手番です
ラハト・ハ・ヘレヴ:マイナー 《オリジン:レジェンド》LV6+《炎の加護》LV3+《バトルビート》LV3
ラハト・ハ・ヘレヴ:メジャー 《サイレンの魔女》LV5+《焦熱の弾丸》LV10+《クロスバースト》LV3+《砂の刃》LV3+《ストライクモード》LV3
ラハト・ハ・ヘレヴ:対象は侵蝕率が100%以上のキャラクター全員
GM:赤川くん以外全員です
峯川千墨:最悪
ラハト・ハ・ヘレヴ:22DX+23
DoubleCross : (22DX10+23) → 10[1,3,3,3,3,4,4,4,5,5,6,6,6,7,7,7,7,8,9,9,10,10]+8[1,8]+23 → 41
九十八九十九:そのための侵蝕上げかよ
軽部龍授:い、いいなー。
赤川累:ははあ そういうコンボなんだ
軽部龍授:ドッジ。
峯川千墨:ドッジ!
九十八九十九:ダイスマイナス効果でドッジでけへん ガード
木花小夜:1DX ドッジ
DoubleCross : (1DX10) → 4[4] → 4
軽部龍授:3dx-3
DoubleCross : (3DX10-3) → 4[3,3,4]-3 → 1
峯川千墨:4dx+1>=41
DoubleCross : (4DX10+1>=41) → 9[6,7,8,9]+1 → 10 → 失敗
木花小夜:これ従者も対象なのかな
GM:そうです
“デモゴルゴン”:《リフレックス:オルクス》LV3+《幸運の守護》LV2
“ガーネット・スター”:6dx>=41
DoubleCross : (6DX10>=41) → 9[2,3,3,5,7,9] → 9 → 失敗
“デモゴルゴン”:6DX7+4>=41
DoubleCross : (6DX7+4>=41) → 10[1,2,7,8,8,9]+10[5,7,8,8]+10[3,5,7]+10[8]+10[9]+5[5]+4 → 59 → 成功
九十八九十九:おい!
木花小夜:C値さっきより上がってない?
九十八九十九:そうじゃん
GM:8か
GM:37で失敗
“ネフィリム”:ガード《磁力結界》LV3
“デモゴルゴン”:《領域の盾》LV4 ネフィリムにカバーさせます
ギデオン:暴走
GM:あと砂の刃でガード値-5されてます
木花小夜:『フーファイト・スーサイド』:《炎陣》で従者をカバーします
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を2(→ 2)増加 (113 → 115)
GM:ダメージ!
GM:5D10+15+12+12+5+3D10
DoubleCross : (5D10+15+12+12+5+3D10) → 35[8,8,9,4,6]+15+12+12+5+10[2,3,5] → 89
ギデオン:瀕死です
軽部龍授:まず。《雲散霧消》《原初の紫:隆起する大地》106→113
軽部龍授:89-48-1d10
DoubleCross : (89-48-1D10) → 89-48-1[1] → 40
軽部龍授:それでリアクティブコート使います。
軽部龍授:40-2d10
DoubleCross : (40-2D10) → 40-6[2,4] → 34
軽部龍授:ぐわー。ダイス目が悪い。期待値で生き残れるはずだったのだが。
軽部龍授:装甲効けばな。それ雨粒になって欲しい。じゃあ僕も木花さんのロイスを切って復活。
峯川千墨:死ぬのでエル子のロイスを昇華して復活!
“ネフィリム”:89-3D10
DoubleCross : (89-3D10) → 89-14[3,4,7] → 75
“ネフィリム”:150-2D10
DoubleCross : (150-2D10) → 150-9[3,6] → 141
“ネフィリム”:最後の《電磁反応装甲》使用
九十八九十九:死!UGNのロイスをタイタス昇華して復活
木花小夜:もちろん無理!軽部くんのロイス切って復活します
ラハト・ハ・ヘレヴ:業火を撒き散らしながら、翼を帯びた大剣がドリルのように高速で回転を始める。
ラハト・ハ・ヘレヴ:耳をつんざく高周波が放たれ、火の粉が周囲を舞う。
シルヴェストロ:「“ケルヴィム”の名において、“ラハト・ハ・ヘレヴ”に命じる」
シルヴェストロ:「我らが楽土を護るべく、全ての悪しきを尽く断罪せよ──!」
ラハト・ハ・ヘレヴ:高周波が臨界に達し、爆炎と共に剣が解き放たれる。
ラハト・ハ・ヘレヴ:超高速で飛来した剣が、炎と共にその場の外敵を瞬く間に切り裂き、また業火で焼き払っていく。
ラハト・ハ・ヘレヴ:嵐のようなその攻撃は、餓えた獣のように荒々しくも、機械のような精確無比さをも感じさせる。
ラハト・ハ・ヘレヴ:そして──その場で赤川だけを、まるで存在しないかのように無視し、ただ通り過ぎた。
軽部龍授:打ち落とす。月打に構え、高速回転する相手の横っ面に、渾身の一撃を、自らの体重を乗せて落とす。
軽部龍授:相手の剣速を文字通り半減させ、火の粉を散らす。そう、確かに半減させたのだ。
軽部龍授:減衰させた熱量と剣閃に、まだ自分を死に至らしめる威力が残っていただけだ。
軽部龍授:「ちっ。紙一重でも死んだことに変わりなしだ。すまんな、支給防具も無駄になった」
軽部龍授:燃え尽きた耐火外套を黒ずんだ再生中の腕で煩わしそうに剥ぎ取る。
木花小夜:「く……」紅球を後ろ手に回す。失われては展開力を失う、攻めの核だ。
木花小夜:そのまま、減衰はあるにせよ、熱剣をしとど受ける。「ああっ……!」
木花小夜:「けふっ、こふっ……!それ……」
木花小夜:「元々使い捨てよ。常備しておくものじゃないから……」
木花小夜:「だから……気にしないで」自身を急速凍結。「あう"っ!」
軽部龍授:「フッ…それは気が楽になった。次で仕留める」
木花小夜:熱を抑え込み、傷を無理矢理に凍らせる。「ふうう……!」
峯川千墨:「ガ……!」鮮血と、次いで水とを身体から溢れさせる。
峯川千墨:後者は防衛のためだ。そうしなければ──そうし続けなければ、体内を尽く焼かれて死ぬ。
峯川千墨:「クソッ……ガボッ」
峯川千墨:水を吐く。その時点で既に熱湯と化している。「クソ……ゴボッ……ふざけやがってクソが……!」
九十八九十九:「熱っっ、づっ……!ぐぇ~~~……」左腕に裂創が刻まれ、その上から炎が吹き出し半身が焼け爛れる。
ギデオン:「……ここまでとは……!」
“ネフィリム”:「いぃいいいいいいぃいい……!」
“デモゴルゴン”:「うわ、すっご~~」悲鳴をあげる“ネフィリム”の背後で、物見遊山のような態度。
九十八九十九:「楽土っていうか……」一瞬体表面に電気が走った後、急速に皮膚が再生していく
九十八九十九:「焦熱地獄の間違いじゃない……?」
木花小夜:「私、今回で学びました」
木花小夜:「外のレネゲイド組織なんて、まともな所ないんですね」
赤川累:「……っ、どうして。俺だけが……」
シルヴェストロ:「……」苦しむ面々を見渡し、だが不意に背を向け、踵を返す。
シルヴェストロ:「モーリス。退きましょう」
峯川千墨:「アァ!?」
モーリス:「えぇっ?でもまだ…… 僕は驚いています」
シルヴェストロ:「裏切りもありました」冷たい眼で九十八を一瞥し。
九十八九十九:ニヤけ面を貼り付けたまま視線を受け止める
シルヴェストロ:「……万全の態勢を整えましょう。まだいくらでも機会はあります」
赤川累:無傷であることに驚きつつ、目の前で撤退しようとする敵を睨む。「……シルヴェストロさん」
赤川累:「まだ、諦めた訳じゃないんですよね」
赤川累:つまり、もう一度彼らと対決する事になるということ。
シルヴェストロ:赤川くんに目を向け「次は、本当に容赦しませんよ」
シルヴェストロ:「累くん。たとえ君でもあってもね」
赤川累:「っ、俺は……!」
木花小夜:「出入り口は我々が封鎖してます」
峯川千墨:「逃がすと思ってんのか……!」強いて結晶を焼けた地に張り巡らす。
軽部龍授:こちらは、視線をデモゴルゴンの側に向けている。退くなどと言う相手は他の人間が対応すれば良い。
シルヴェストロ:「この件から手を引いてください。それが僕の願いです」
赤川累:「俺は……UGNエージェント、"シンダーテイカー"です」
赤川累:「そうあると決めました」
シルヴェストロ:モーリスと共に、巨大な剣に掴まり……
シルヴェストロ:「……私は“ヘレヴ”、“ケルヴィム”」
シルヴェストロ:「教会の剣です」
シルヴェストロ:翼をはためかせ、剣はそのまま飛翔、上昇。会場の天井を易々とぶち抜き、一瞬で姿を消す。
GM:《瞬間退場》です。
木花小夜:「……上から……!」
九十八九十九:「はぇ~、そういうのもできるんだ~」
峯川千墨:それを追って塩の樹枝が伸びるが、一瞬で振り切られる。
峯川千墨:「──ッダァァァァ!!」
峯川千墨:「クソ! クソ! クソがッ!!!」
赤川累:「……」その姿を仰ぎ見て、唇を噛むが。すぐにデモゴルゴンやギデオンへと向き直る。
“デモゴルゴン”:「あらあら……退きましたか。どうしましょうね~」
GM:クリンナップ
“ネフィリム”:《リペアウーンズ》LV4 HP回復
“ネフィリム”:5D10+9
DoubleCross : (5D10+9) → 35[9,10,5,3,8]+9 → 44
九十八九十九:こいつ…
GM:“ダドエルズホール”には《電撃の檻》のダメージが入ります
GM:7D10
DoubleCross : (7D10) → 30[1,10,4,3,7,1,4] → 30
GM:アァーッ
ギデオン:“ヘレヴ”が空けた大穴を一瞥し、“デモゴルゴン”へと向き直る。
ギデオン:「……好機!!!!」
ギデオン:彼女らを取り囲む電撃の壁が一気に収束し、凄まじい電流が機械の巨人と美女を焼く。
“ネフィリム”:「ぎゃぁあああぁああぁあァアッ!!」
“デモゴルゴン”:「いった!」
“デモゴルゴン”:“ネフィリム”を盾とし殆どダメージはないが、顔を顰める。
“デモゴルゴン”:「はあ~~やめやめ!降参で~す」
“デモゴルゴン”:両手を挙げる
ギデオン:「……何だと?」
赤川累:「……それは、UGNに投降するという理解でいいのか?」
“デモゴルゴン”:「元々お金の為にやってるだけですし~?命賭けて戦うなんてやってられませんよぉ」
“デモゴルゴン”:「はい、これ」
“デモゴルゴン”:保管ケースを開き、『ルカの手紙』を雑にギデオンへと投げ渡す。
ギデオン:「……!」
九十八九十九:「うぇ~!そっちに渡さないで~」
木花小夜:「それじゃあ、何のために私たちがやってきたのか……」
北見菫:『……聞こえますか、こちら“クライオ・クライス”……!』
北見菫:通信機から切迫した声が響く。
北見菫:『これ以上持ち堪えられません、そっちに抜けます……!』
九十八九十九:「っと、了解~。無事で良かったよ~」
赤川累:「ああ、分かった……!」
木花小夜:「思った以上に攻勢が激しい……!」
九十八九十九:「菫ちゃんの方はオジサンのお仲間だっけ……いよいよ分が悪いね」
GM:会場の裏手、閉ざされていた扉が破られ、大量の人が雪崩れ込んでくる。
GM:武装した黒スーツの集団、ギデオンの仲間だろう。
軽部龍授:「舞浜の方はどうなっている?」
赤川累:「入口で大概減らされた筈だが、まだこんな数が……!」
GM:「ラビ!」「ご無事ですか、ラビ……!」
ギデオン:「ああ、みなよくぞ来てくれた……!!!手紙は手に入れたぞ!!!」古文書を高らかに掲げ「行こう!!!」
峯川千墨:「行こうじゃねェんだわ」
九十八九十九:「ちょ~~~っと待った!」
九十八九十九:ギデオンに向けて大声で口を挟む
九十八九十九:「オジサン。探しものはそれだけかな~?」
ギデオン:「何だと…………!!?」振り返り「何だというのだ!!!」
九十八九十九:言いながら、軽部くんに目配せする。
軽部龍授:テーブルクロスをまくり上げる。
木花小夜:「えっ……ちょっと!?」
木花小夜:「何してるんですか……!?」
軽部龍授:その中に隠れている人間が顕わになる。
エル子:「!」
九十八九十九:「実は~、オジサンの仲間の一人を保護してまーす」
?:「あっ……みんな!」
エル子:「ラビ、みんな……」
九十八九十九:「大事な子なんだよね?」
ギデオン:「なんだと……!!!おお……エル!!!」
赤川累:それを見て咄嗟に近づこうとする黒服を威圧するように、異形の腕を翳す。
GM:「エルちゃん!?」「巫女様じゃないか!」「どうしてここに……」
ギデオン:「お前達……何のつもりだ!!!!」
九十八九十九:「いやぁ~良かったよ。私達もこの子の保護者を探してたんだあ」
ギデオン:「ならば早くその子を返したまえ!!!!!」
九十八九十九:「何って、もちろんこの子を返してあげようと思って」ギデオンに右手を差し出す
九十八九十九:「その手紙と交換でね」
ギデオン:「な……っ……!?!?」
峯川千墨:「ア? あァー……」そこまで至ったところで理解する。「性格悪……」
木花小夜:「……ま……待ってください」
木花小夜:「それじゃあ、まるでエルが……」
木花小夜:「人質みたいな……」
白土夏希:「……」支部長とギデオンたちとをじっと見ている。
九十八九十九:「やだなあ~小夜ちゃん」
九十八九十九:「そんなはっきり言っちゃったら印象悪いじゃん。オブラートに包まなきゃ」
赤川累:「印象ならもう気遣う必要ないくらい悪いと思いますけど」
軽部龍授:「エル子、どうしたい?」答えは期待せずに一応問うてみる。
エル子:「……そんな……」
?:「エル……!あああ、ど、どうしよう……!」
峯川千墨:「エェー」
峯川千墨:「普通に続けようぜ。オッサンと今きた男ども相手で」
九十八九十九:「……で、どうする?」
九十八九十九:「実際、悪い取引じゃないと思うよ?UGNはそれを悪用するつもりは一切ない」
九十八九十九:「オジサンたちがどう使うつもりかは知らないけどね~」
木花小夜:(……そうだとして……)
木花小夜:(エルは、向こうでどう使われるのか……)
GM:その時、並居る黒スーツを掻き分け、一人の少年が顔を出す。
エノク:「……エル、エル!!」
エル子:「……エノク……!?」
エノク:「ラビ、何を悩んでるんですか!このままじゃエルが……!」
GM:「しかし、我々は……」「巫女様と古文書なんて……」「くそっ、あの女……!」
ギデオン:「……く…………!!!」
ギデオン:苦悩するように表情を歪ませる。
峯川千墨:(ゴチャゴチャ言ってねェで撃ってきてくれりゃいいのに……)
九十八九十九:「あ~、それともぉ」
九十八九十九:「この子とその手紙はセットなのかな……?だとしたら事情も変わってくるねぇ」手に持ったライフルからジャキンと音がする。
“デモゴルゴン”:「なんか盛り上がってる~(笑)」
峯川千墨:「ウケるなァ」
エノク:「……ラビ!お願いします……!」
ギデオン:「……しかし……!!!」
エル子:「…………!」
エル子:「……みんな!」
エル子:声を張り上げる。
エル子:「行って!!」
エノク:「……エル……!?」
エル子:「私なら大丈夫だから!」
?:「ちょっと、エル……!」
赤川累:「……っ」
赤川累:つとめて冷静であろうとしていたが。自分達の手段が彼女にここまでの覚悟を口にさせた事に、表情を歪める。
木花小夜:「……エル……」
エル子:「……大丈夫!」
エル子:「この人たち、いい人だから……!手荒なことはされないと思う!」
エル子:「だから、大丈夫!行って!!」
ギデオン:「…………」
エノク:「エル、何を……」言いかけたその背中が、ギデオンに掴まれる。
ギデオン:「行くぞ……!!!」
エノク:「ラビ、何をっ……離してください、エル……!!エルーーっ!!」
ギデオン:周囲に膨大な雷を撒き散らし、それを盾として撤退していく。
峯川千墨:もはや興味の失せた様子でそれを見送る。
九十八九十九:「あちゃー、だめかぁ」それを見送って
エル子:「…………」ぐっと堪えるようにして、それをただ無言で見送る。
木花小夜:「……」彼女に近づいて、頭を撫でる。「……ごめんね」
木花小夜:「……ごめん」
エル子:「……いえ……」小夜に撫でられるままにしている。
赤川累:深追いはしない。モールでの経験から、逃げに徹した彼らをどうする事もできないと理解している。
軽部龍授:「あまり悪党のような事をさせるなよ」九十九の肩を叩き。「また人望を失うぞ、お前」
九十八九十九:「やー、結構サマになってたよ?お互いさ」
赤川累:「……"デモゴルゴン"は?」今の騒動に乗じて消えてはいないかと、その影を探す。
“デモゴルゴン”:「あっ、面白くて逃げるの忘れてました」
“デモゴルゴン”:「それじゃあ私も失礼しますね~」
軽部龍授:「待て」九十九の言葉に肩を竦め、デモゴルゴンゴンの方に歩いていく。
“デモゴルゴン”:「何です?あなた」
軽部龍授:その正面に立ち、顔を覆っていたベネチアンマスクに手をかけ
軽部龍授:「どうも“デモゴルゴン”さん。…死舞旋刃です。辞世の句でも詠むが良い」
軽部龍授:マスクを外して、投げ捨てた。
“デモゴルゴン”:「……“死舞旋刃”!?」
“デモゴルゴン”:「ウソ、幽霊ですか!?」
峯川千墨:「逃げねェの?」欠伸をする。
軽部龍授:幽霊ではないと言う様に、足をカツカツと床に鳴らす。
軽部龍授:「冗談はともかく。落とし前はつけさせてもらうが」
“デモゴルゴン”:「ふふ……多少は驚きましたが、あなたが今さら出てきたところで何になるというんです?」
“デモゴルゴン”:「所詮は宿無しの用心棒。剣を振る以外に何もないくせに」
軽部龍授:「何、刀一本で大抵のことは出来るものだ。女の首を飛ばす事も造作ない」
軽部龍授:「何故すぐにそれをしないかわかるか?」
“デモゴルゴン”:「何ですかぁ?」
軽部龍授:「今度は雇い主がちゃんとしてるからな」
軽部龍授:「斬る前にきっちり絞る方をお望みだと思ったわけだが」
軽部龍授:「おそらく、お前と同程度に性格が悪い女との対決も見ものだ」
九十八九十九:「雇い主の気持ちを汲んでくれる用心棒で助かるよぉ~」
峯川千墨:テーブルの間をうろついて焼け残りの料理が無いか漁っている。
“デモゴルゴン”:「ふん……そんなのはごめんですよ。それに私、『いい性格』してるってよく言われますし~?」
“デモゴルゴン”:「そ・れ・とぉ……」
“デモゴルゴン”:「“バルバトス”?」
峯川千墨:ケバブの串を見つけ出して食べている。
“デモゴルゴン”:「くすっ……そうやって余裕ぶってるのはいいですけどぉ……少しは考えないんですかぁ?」
“デモゴルゴン”:「あなたが来るのが分かってて……あの“サタナキア”が何もしないとでも本気で思ってるんですか~?」
峯川千墨:「何だよ、しつけェな」
峯川千墨:「居座ってたってやらねえぞ」
赤川累:(……確かに、オークションで戦闘が起きる可能性が予想できていて、戦闘員の二人が出てこないのはおかしな話だ)
GM:そこで峯川は気付くだろう。……いつからだ?舞浜からの通信が、ずっと静まり返っているのは。
峯川千墨:「……」
木花小夜:「……どうしたの?」
木花小夜:雰囲気が変わったのを察して声をかける。
“デモゴルゴン”:「あはははっ!早く行ってあげた方がいいんじゃないですか~?」
“デモゴルゴン”:「棺の中に入るのが……破片だけなんて悲しいでしょう?」
木花小夜:「……!」
峯川千墨:インカムを指先で叩いて返答に代えて。
峯川千墨:「お前……」
峯川千墨:食べかけの串を“デモゴルゴン”に向けて放る。
峯川千墨:「やっぱやるよ」
峯川千墨:「らしくもなく糖分が足りてねェみてえだからよ」
“デモゴルゴン”:「あはははっ!」異常な柔軟性で目を狙い飛んできた串を避け、そのまま身を翻す。
“デモゴルゴン”:「それでは皆さん、さようなら~」開け放たれた裏口へと走り込むが……そちらは既に白土が塞いでいる。
白土夏希:「……逃がしません」
九十八九十九:「白土くんナ~イス」
九十八九十九:デモゴルゴンの背中に向けてライフルの銃口を構える
軽部龍授:ネフィリムの方に刃先を向けている。
白土夏希:肉薄する“デモゴルゴン”へと、丸太のような腕を振りかぶり──
“デモゴルゴン”:「くすっ」だが、侮った様子で足を止めない。
白土夏希:ホールを揺らすような踏み込みと共に、剛腕が放たれる。それが“デモゴルゴン”の顔面を捉える寸前──
白土夏希:「……ッ……!」
白土夏希:ぴたり、と。拳が止まる。
白土夏希:あとほんの僅かで、確実にクリーンヒットしていたはずだ。
九十八九十九:「……?」躱した先目掛けて引こうとしていた引き金から指を離し、首を傾げる
“デモゴルゴン”:「あははははっ!」
軽部龍授:「撃て九十九」
“デモゴルゴン”:「それでは~」
“デモゴルゴン”:悠々と白土の脇を抜け、裏口から姿を消す。
九十八九十九:「あっ、くそ~……」軽部の声に反応する前に標的を見失った
木花小夜:「何が……」
赤川累:「……何をされたんですか?」
白土夏希:「…………」
白土夏希:拳を止めた態勢で、立ち尽くしている。
白土夏希:何らかの能力の影響を受けた様子は無い。
峯川千墨:「ンン?」
九十八九十九:「白土く~ん、どしたの?」
九十八九十九:立ち尽くす白土に近づく
白土夏希:「……」
白土夏希:「……申し訳ありません、支部長……」
白土夏希:口惜しげに、それだけを言う。
九十八九十九:「なになに~?もしかしてときめいちゃった……?」
峯川千墨:「エッマジで?」
九十八九十九:「やめときなよ~。あーゆータイプは自分が傷つくだけだよ~」
北見菫:『こちら北見、いま“デモゴルゴン”が…… すいません、逃げられました!』
木花小夜:「……大丈夫、戻ってきて。これ以上は無理だと思う」通信に告げる。
北見菫:『あと、舞浜さんと連絡が取れないんですが……何かあったんですか!?』
木花小夜:「そっちは……」
木花小夜:「これから向かう」
軽部龍授:「……」井上真改を鞘に納める。無機物しか斬っていないので血振りをしない。
赤川累:(……あの擬態能力で、動揺するような顔でも作られたか)性格の悪いあの女がやりそうな事を予想しつつ、答えにくいだろうのでここで訊ねはしない。
峯川千墨:「どうしたのかなァ先輩」
峯川千墨:大して心配もしていない様子で出口の側を見遣る。
---
“プルフラス”:「うぅううっ……!ひぃいいい……」
“プルフラス”:「も……もう許してください……!お願いです……!」
“サタナキア”:「許してくださいだぁ~~?オラッ!」
“サタナキア”:会場の表口、泣きじゃくる“プルフラス”が強かに“サタナキア”に殴りつけられる。
“プルフラス”:「ぎゃぅっ……!う、ぐうぅっ……」
“サタナキア”:「アタシが口で言えば許してくれるなんてま~~だ思ってんのか?あぁッ!?」
“サタナキア”:行き過ぎた『躾』とでもいうように、何度も殴り付ける。
“プルフラス”:「すっ……すみませ……あぐっ!ぎ、あぁっ!」
“サタナキア”:「許してほしけりゃあよぉ……」
“サタナキア”:“プルフラス”の顎を掴み上げ
“サタナキア”:「やれ」
“プルフラス”:「……は……はい……」
“プルフラス”:ぼろぼろと大粒の涙を零しながら、弱々しく拳を振るう。
GM:ガスッ、グシャッ
GM:湿った音が響く。
舞浜ちよ:「…………」
舞浜ちよ:そこには、地面に転がり、薄汚れた血袋のようになった舞浜の姿がある。
舞浜ちよ:“プルフラス”の弱々しい拳に殴られる度、血で顔に張り付いた髪が揺れる。
“プルフラス”:「うぅっ……うぅううう……!」
“プルフラス”:「や……やめてください……し……死んじゃいますよぉ……」
“サタナキア”:「ああ!?ぶっ殺さなくてどうすんだよ!このバカがッ!!」
“サタナキア”:「さっさとしやがれ!あのゴミにもっとゴミみてえになったこいつの死体を見せてやるんだからよッ!!」
“プルフラス”:「うぅううううっ……!!」
“プルフラス”:泣きながら、もう一度拳を振り上げる。
峯川千墨:「…………!」
峯川千墨:「オイオイ、マジか!」
峯川千墨:飛来した棘の礫が、その拳を弾く。
“プルフラス”:「あぅっ……!?」
峯川千墨:「先輩!」
“サタナキア”:「……ほォ~~」
“サタナキア”:「よォーやくご到着か?“バルバトス”」
“サタナキア”:「丁度いいとこに来たなァ。今からこいつのぶっ殺しショー開催ってとこなんだよ」
“サタナキア”:腫れあがった舞浜の顔を無造作に掴み上げる。
舞浜ちよ:「……ぅ……」
峯川千墨:「チッ……どこに居るかと思ったら」駆け寄りかけ、その動きを見てたたらを踏む。
峯川千墨:「アタシが思ってたよりも──」
峯川千墨:「目ェかけてくれてたんだなァ、“サタナキア”。意外だ。気色悪ィぜ」
“サタナキア”:「ヒャハハハッ!おいおい、らしくねェーなァ“バルバトス”!」
“サタナキア”:「そんなにこのチビが大事か?ええ?オイッ!」舞浜の胸を殴りつける。
舞浜ちよ:「がふっ……ごぼ……」
舞浜ちよ:口から、濁った血に混じって折れた歯が零れ落ちる。
峯川千墨:「やめろ」
“サタナキア”:「健気だよなァ?アタシとこいつにボコられてんのに、『千墨ちゃん達のとこには行かせない』~ってよ」
“サタナキア”:「ハハハハッ!最高に笑えたよなァ!なあ“プルフラス”!」
“プルフラス”:「……はっ……は……はい……」卑屈な態度で弱々しく頷く。
峯川千墨:「んで、その思惑通りにされたわけだ。そりゃ確かに笑えるぜ」
峯川千墨:真顔のまま返す。
峯川千墨:(……クソ。先輩がキッチリ仕事してんのにこっちの無様っぷりったら……)
“サタナキア”:「アァ?ンだよそのシケた面は」
“サタナキア”:舞浜の首を締め上げる。体格差は大人と子供、否、それ以上だ。
“サタナキア”:「殺すぞ、このチビ」
舞浜ちよ:「……か……は……」
舞浜ちよ:気管を圧迫され、弱々しく痙攣する。
九十八九十九:「死ぬのはテメーだよ」峯川の背後からの凄まじい銃声
九十八九十九:放たれた弾丸は、星を結ぶように奇怪な弾道を描いて
九十八九十九:サタナキアの背後へと回り、その後頭部を砕かんとする
“サタナキア”:「うおっ……!」頭を撃ち抜かれる寸前で躱す。超人的な反射神経。だがその拍子に舞浜を取り落とす。
“サタナキア”:「ハハァ。お仲間かよ」
峯川千墨:「!」頭から滑り込むようにして小さな体を受け止める。
赤川累:「……!」その銃声と共に遅れて駆けつけ、眼前の惨状を目の当たりにして俄かに絶句するが。
赤川累:足は止めず、そのまま肉薄する。"サタナキア"から舞浜を庇うような位置に立ち、構える。
軽部龍授:「数を数える頭はあるか?」疾走。プルフラスの前に走り込み、【弧蛇】。柄尻を指で掴み刀を抜きながら放つ。
軽部龍授:別に躱されても構わない。後退させるための一刀だ。
軽部龍授:「こちらはそちらの3倍はいるようだが?」
“プルフラス”:「ひっ……ひぃいっ!」
“サタナキア”:「ハン」
“サタナキア”:気付けば、君達の足元にはガラス工芸めいた半透明の茨が生い茂っている。
“サタナキア”:血のように赤い、毒々しい薔薇。それが一斉に発光し、大爆発を巻き起こす。
“サタナキア”:アスファルトが粉々に破砕され、瞬時に溶解する威力。大学を吹き飛ばしたのもこの能力だろう。
木花小夜:「――萎れて」生い茂る茨が、ピシピシと凍りついて、爆風の影響を防ぐ。
“サタナキア”:「じゃあな、“バルバトス”!」黒煙の向こうから声が響く。
“サタナキア”:「今日のところは生かしといてやる!だがな、よォく覚えとけ!」
“サタナキア”:「裏切者は一生、怯え続けて生きることになるってなァ!ヒャハハハハッ!!」
“サタナキア”:粗暴な声は、次第に遠ざかっていく。
峯川千墨:「クソ女の共通事項ってのは」立ち上がり、嘆息する。
峯川千墨:「自分が言いてェことだけ言ってトンズラこきやがるところだな」
軽部龍授:「……」
軽部龍授:(………そうか。貴様か)黒煙の向こうに視線を向ける。(……貴様がやったか)
木花小夜:「とにかく医療班を……!」
舞浜ちよ:「……」
舞浜ちよ:峯川の腕の中、血と泥にまみれ、今にも消えそうなか細い呼吸をしている。
峯川千墨:舞浜を抱き直し、改めてその身を見る。「頼むわ」
九十八九十九:「呼んだよ~。ひとまず応急処置だけしよっか」携帯端末を閉まって
峯川千墨:「それも頼む」
赤川累:「……医療なら、ある程度は心得があります。診せていただけますか」舞浜さんの傍に膝をつく。
エル子:「……皆さん」後方からエル子……否、エルが歩み出る。
木花小夜:「……エル?」
エル:「今まですいませんでした。私から、皆さんに……お話したいことがあります」
エル:「ですが、その前に……」
エル:エルが君達へと掌を翳す。
エル:すると、昂っていた衝動が潮が引くように落ち着き、侵蝕負荷が軽くなっていくのを感じるだろう。
エル:《リプレッション》LV10
九十八九十九:「おお~?」
木花小夜:「これ……」
赤川累:「この力は……」困惑する。彼女を人質に使おうとした自分達に対して、罵倒の一つでもあるのかと思っていたが。
軽部龍授:「それを使って、エル子は大丈夫なのか?」
GM:全員-50%まで、任意の数だけ侵蝕率を下げて構いません。
木花小夜:めちゃくちゃ言ってる
峯川千墨:すご
赤川累:数字が大きすぎて逆に困る
九十八九十九:ウッソだろ
峯川千墨:50%下げま~す
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を-50(→ -50)増加 (116 → 66)
九十八九十九:下げます。50%
赤川累:まあ……50%下げない理由ないよな 下げます
木花小夜:50下げますが……
軽部龍授:え?50%下げるしかねえぜ。
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を-50(→ -50)増加 (110 → 60)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を50(→ 50)減少 (115 → 65)
赤川累:侵蝕98->48に。
九十八九十九:まだミドル1かな?
木花小夜:ロイス3枚切れてる人いるけど……
軽部龍授:侵蝕113->63
峯川千墨:そんな人が……?
北見菫:「え……な、何なのこの力。こんなのって……」困惑したように自分の手を見る
軽部龍授:「すまんな。礼を言う」
九十八九十九:「ありがとねえ~、あんなことの後なのにさぁ」
峯川千墨:「アァー……」
峯川千墨:「いやそれよりも」
峯川千墨:「先輩手当してもらいながらでいいか。マジでヤバそうなんだよ」
九十八九十九:「っと、そうだよそうだよ」
赤川累:「ああ……すまない。分かってる」視線を戻し、手当を続ける。
九十八九十九:「赤川くん、引き続きよろしく~」
木花小夜:「……ギデオンが、野放図にエフェクトを行使してたように見えたのも」
木花小夜:「あなたのこの力があったからなのね」
赤川累:「だが……どうして、これを俺達に?」
エル:「……私の知っていることは、全てお話します。ですが、その代わり……」顔を上げ、君達を見て。
エル:「……皆さんに、お願いしたいことがあります」
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得のみ可能です。
木花小夜:保留かな……
九十八九十九:保留します
赤川累:保留します
峯川千墨:“サタナキア” 憐憫/○殺意 で
軽部龍授:埋まってます。
【RHO/九十八九十九】
GM:UGN提携の病院に運び込まれた舞浜は、リザレクト限界を越えた状態で重篤な負傷を受けており、すぐに緊急の手術となった。
GM:君は白土と共に、手術が一段落するまで院内で待機することとなった。
GM:営業時間外の病院、薄暗い待合室。時計の秒針と、金魚の水槽のポンプモーターの音だけが響いている。
白土夏希:「……」
白土夏希:少し項垂れるようにして、待合室の背の低いソファに窮屈そうに腰を下ろしている。
九十八九十九:「やー、参った参った」待合室のソファに深く腰掛けて脱力している。
九十八九十九:「やっぱ荷が重いわ~こういうの。上もなんで私が普段一人でやってるか察して欲しいよねぇ」
白土夏希:「……支部長は……」視線は向けず口を開く
白土夏希:「今回の件、ずっとお一人で抱えていたんですね」
九十八九十九:「ん~?……なぁに?白土くんも舐めやがってコイツ~って怒ってる?」
白土夏希:「違います。……いえ」
白土夏希:「確かに、補佐役としては全容を明かされていなかったことに些か思うところはありますが……」
白土夏希:「自分はイリーガルですし、今回が初の顔合わせですから。任務の性質上、信用されずとも当然だと思います」
九十八九十九:「ちょ、やめてよぉそういうの。別に白土くんを信用してなかったわけじゃないってばぁ」
九十八九十九:「だって正規の小夜ちゃんや赤川くんにも黙ってたわけだしね?」
白土夏希:「ええ。そこは納得しているんです」
白土夏希:「事実、状況としてはどこに内通者がいてもおかしくなかったわけですし……」
白土夏希:「ただ……そうですね」腰掛けた態勢で分厚い掌を組む。
白土夏希:「自分は……理由が知りたいと思っています」
九十八九十九:「理由とな?」呆けたような表情で首を傾げる。
白土夏希:「ええ」頷き、
白土夏希:「今回の任務に関して、でなく……」
白土夏希:「自分にはどうにも、支部長のやる気のなさそうな態度や、他人を過度に煽る部分が……」
白土夏希:「わざとそうして見せているように思えます」
九十八九十九:「………」
九十八九十九:「………ホントにそう思う……?」白戸の顔を覗き込む。
白土夏希:頷く
白土夏希:「支部長は、他人を遠ざけようと……というより、ある程度以上は近付かせないようにしているように感じます」
白土夏希:「最初から砕けた態度を見せるのも、それ以上は踏み入らせないという明確な一線を示しているように思えます」
白土夏希:「何故ですか?」
九十八九十九:「何故って……うん、そっか……」苦笑して天井を仰いで
九十八九十九:「白土くんは、そういう風に見てくれるんだね……」白戸の二の腕に、頭を預ける。
九十八九十九:「………」
九十八九十九:「………プッ」
白土夏希:「……」
九十八九十九:「ふっ……あははっ!あははははっ!や~、白土くん!」心底面白そうに腹を抱えて笑う。
九十八九十九:「ちょっと君は良い奴すぎるよ~!お姉さん心配になってきたぞ!」
白土夏希:「……真面目な話をしているんです」
白土夏希:目を逸らし、嘆息する。
九十八九十九:「も~、真面目に言ってるんだよお~。私の補佐役なら、もうちょっと他人を疑ってもらわないと」
九十八九十九:「というか、良い方向に深読みする癖を改めてもらわないと。かな?」
白土夏希:「支部長が疑いすぎなんです……いえ」かぶりを振って
白土夏希:「話を逸らさないでください」
九十八九十九:「むー……」
九十八九十九:「や、実際ね。私が普段ダラダラしてるのも、相手を煽りがちなのも」
九十八九十九:「元々そういう奴だからだよ。性格悪いの。私は」
白土夏希:「……」じっと君を見据える。
九十八九十九:「……けどまあ、白土くんの推理も半分くらいは外れちゃいないかな」根負けしたように
九十八九十九:「元々、この街の支部は私一人で切り盛りしてきたでしょ。イリーガルは何人かいるけど、全部外部委託」
九十八九十九:「そこはまあ……私の希望を上に汲んでもらってたからってことになる」
白土夏希:「……特異な支部形態であるとは思っていましたが」
白土夏希:「人手不足によるものかと…… 支部長が、敢えて?」
九十八九十九:「本当に人手が不足してたら、流石に何かしら補充してれるよぉ。今回みたいにさ」
白土夏希:「……何故ですか?」
九十八九十九:「うーん……」前屈みになり、顎を押さえて思案する
九十八九十九:「……教えない。今は」
九十八九十九:「勘違いしないでね?白土くんに言うのが嫌なわけじゃないよ?」
九十八九十九:「ただこのタイミングだと、ほら」
九十八九十九:「ちゃんと支部長やれなくなっちゃうかもだからさ。メンタルセット崩れるっていうか」
白土夏希:「……そうですか」頷く。それが彼女が『一線』を引いている理由の一端でもあるのだろうと納得して。
九十八九十九:「……ま、今までもちゃんとした支部長ではなかったかもだけど」
白土夏希:「……そんなことはありませんよ」
九十八九十九:「白土くんはやさしいねえ」
白土夏希:「自分は……」九十八にじっと目を向け
白土夏希:「支部長のことを、好ましい方だと思っています」
九十八九十九:「やー、それは流石に見る目ないよお白土くん」照れたように笑って
九十八九十九:「下に付く相手はちゃんと選ばなきゃ。出世できないよぉ?」
白土夏希:「そういった人が、ああして……」車内のことを思い返すように
白土夏希:「悪戯に周囲から疎まれるのは、自分としても気分が良くありません」
九十八九十九:「むぅ、そう言われると、私も流石に申し訳なくなってくるなあ」
九十八九十九:「私は別に良いんだけどねぇ。嫌われるの慣れてるから」
九十八九十九:「あー、じゃあ。こうしよう」
九十八九十九:白土くんに顔を近づけて、見上げる形になる。
九十八九十九:「白土くん、この任務が終わったら、部室に来なよ」
九十八九十九:「天文部の部室。場所わかるよね?」
白土夏希:「……」見上げられる視線に身じろぎして「……部室、ですか?」
九十八九十九:「うん。いつもは私以外誰も入れないことにしてるんだけど」
九十八九十九:「白土くんは特別だ。なんたって天文部の正式な部員だからね」
九十八九十九:「その時に、ちゃ~んと教えてあげる」
九十八九十九:「白土くんの、知りたいこと」
九十八九十九:最後の言葉は、耳元で囁くような蠱惑的な声色だった。白戸の背が高すぎてそうはならなかったが
白土夏希:「…………」
白土夏希:「……近いです、先輩」雑念を振り払うように咳払いをする
九十八九十九:「あっ、と。ゴメンねぇ」顔を離す。
九十八九十九:「で、どうかな?今はそれで納得してくれない?」小首をかしげる。
白土夏希:「……そこまで買って頂けているとは、思っていませんでした」少し戸惑ったように、自分の首の後ろに手を置く
九十八九十九:「そうだぞ~!自信持て!」白戸の大きな肩を軽く叩く。
白土夏希:びくともしない。
九十八九十九:「あ……てかそうだ!」
九十八九十九:「白土くんの方は検査受けなくて大丈夫なの?」
白土夏希:「……先程の件、ですか」
九十八九十九:「うん、あの嫌~な女が逃げる時、なんかされてたじゃん」
白土夏希:「……いえ」
白土夏希:「何もされてはいません」
九十八九十九:「ここは私が見てるからさあ、なにか違和感あるなら……」
九十八九十九:「はぇ?そうなの?」
白土夏希:「はい。……支部長」
白土夏希:君に向き直り、深々と頭を下げる。
白土夏希:「……申し訳ありませんでした」
九十八九十九:「ぅぇえ?どうしたのさ急に」
九十八九十九:「別にいいよお気にしなくて。あいつが逃げたのはしゃーないって」
九十八九十九:「私も下手打ったしさあ。責任押し付けてたらきりがないし」
白土夏希:「そうではないんです」
九十八九十九:「ええ……?じゃあなんなのさぁ」
白土夏希:「……。今回の任務において……自分が、常にカバーリングに徹していたことはお気付きでしょうか」
九十八九十九:「あ、うん。メチャクチャ助かってたよお。死角をきっちりカバーして、こっちの動きも全然邪魔しないんだもん」
九十八九十九:「自然すぎて気付いてない子もいるかもねえ。損な役回りだ」
白土夏希:「……ありがとうございます」
白土夏希:「しかし、それは……カバーリングが得意だからそうしていたわけではないんです」
九十八九十九:「え、そうなの?そんなに身体大っきいのに……」
白土夏希:「自分は、それしか出来なかったからそうしていたに過ぎないのです」
九十八九十九:「や、それは謙遜し過ぎだよお」
白土夏希:「……」目を伏せて
白土夏希:「……自分は、かつて……最低の人間でした」
白土夏希:「生まれつきの体格と膂力にものを言わせ、何事も暴力で解決を図ろうとするような……そんな人間でした」
九十八九十九:「昔は荒れてたんだねえ」
九十八九十九:「でも、誰だってそういった時期くらいあると思うよぉ?私だって昔はもうちょっと素直だったしさあ」
白土夏希:「そうなんですか……?」信じ難いという顔
九十八九十九:「そりゃ子供の頃からこんなんだったら嫌すぎるよ~」
白土夏希:「失礼しました…… 自分は別にいいと思いますが……」
白土夏希:「……話を戻しますね」
九十八九十九:「あ、うん。ごめんね話の腰折っちゃった」
白土夏希:「……自分の場合、運よく過ちに気付く機会を与えられ……それまでの在り様が間違っていたと理解できました」
白土夏希:「今は自制を身に着けましたが……自分は、今でも自分の本質は昔と何も変わっていないのではないか、と……そう思えてならないんです」
白土夏希:「粗野で、暴力的な……獣のような人間なのではないかと」
白土夏希:「自分は、恐らく……他人に力を振るって、それが露見するのが……」
白土夏希:瞑目し、息を吐く
白土夏希:「……怖いんです」
九十八九十九:「じゃあ、あの女を殴れなかったのは……」
白土夏希:「……ええ」
白土夏希:「彼女に限らず……今の自分は、誰に対しても暴力を振るうことが出来ないんです」
白土夏希:「オーヴァードになった今……また本気で力を振るえば」
白土夏希:隆々とした筋肉の塊のような腕を握り締め
白土夏希:「……どんな取り返しのつかないことになるか、分からない」
九十八九十九:「……」
九十八九十九:無言のまま、白土の握り拳に掌を重ねる。
九十八九十九:「まー、怖いよね。そりゃ」
白土夏希:「……」自分と比べればあまりにも小さく華奢な掌の感触に、僅かに眉を動かす。
九十八九十九:「この仕事してたらさ、誰かの命を奪うことも沢山ある」
九十八九十九:「いくらUGNって言ってもね。そりゃあ、相手は何人も殺した悪党だったり、そもそも人間じゃなくなってたりするけど」
九十八九十九:「命は、命だ。やっぱり重いよ」
九十八九十九:「だからいいよ。白土くんはそのままで」
九十八九十九:「人を殺す覚悟なんて、決めない方が幸せだ」
白土夏希:じっと君を見る。君よりずっと大きいようでいて、その様は道を失った迷い子のようにも見える。
白土夏希:「……支部長は……どう折り合いを付けているのですか?」
九十八九十九:「折り合いを付ける方法は、色々あるよ」
九十八九十九:「相手の生命より重いものを設定すれば良い。それは理想だったり、将来的に誰かの命が奪われるリスクだったり、或いは自分自身だったり」
白土夏希:「では……あなたにとって、それは?」
九十八九十九:「ふふ……」
九十八九十九:「私がそうだとは言ってないよお?もう一つ、そういった勘定を棚上げするって言う手もある」
白土夏希:「ずるい……」
九十八九十九:「言われたからやっただけ。決めたのは上なんだから責任をもつのも上だってね」
九十八九十九:「チルドレンはわりと多いんじゃないかな?こっちのパターンも」
九十八九十九:「まあ、でもさ……」
九十八九十九:「今は私も、チルドレンじゃなくて支部長だから」
九十八九十九:「ちゃんとあるよ、理由。命と命を比べて、こっちが優先だって取り分ける、その罪を犯すに足る対象が」
九十八九十九:人差し指を白戸の胸元に当てて
九十八九十九:「君も、その中の一人」
白土夏希:「……」
白土夏希:瞬きをする。
九十八九十九:「ここの責任者は私一人だからね~。当然、この街に暮らすみんなと」
九十八九十九:「かわいい部下のためなら、何だってするのがお仕事なのさ」
九十八九十九:「だから白土くん。君はそのままでいなさい」
九十八九十九:「白土くんは、私の事を守ってくれればそれでいい」
九十八九十九:「白土くんのことは、私がちゃんと守ってあげるからね」
白土夏希:「……」
白土夏希:少しの間、思案に耽るように黙り込む。
白土夏希:「……ありがとうございます、支部長」
白土夏希:「……ですが、いいえ」
白土夏希:「自分は……このままではいけないと思っています」
九十八九十九:「おやおや……ま、良いけどねえ。そういうストイックなのも」
白土夏希:「本来の自分の力は、庇うことではない。あなたを守るためにも……自分に出来ることを出来得る限り為したいと思っています」
白土夏希:「……支部長。自分は……」
白土夏希:「……あなたのことを、信頼に足る人だと思っています」
白土夏希:真っ直ぐに口にする。
九十八九十九:「……」あまりにも真っ直ぐな言葉に、呆気にとられたように瞬きして。
九十八九十九:「……そっか」
九十八九十九:「うん、ま~そこまで言われたらしゃーない」
九十八九十九:「なるべく裏切らないようにしないとね。君の信頼を」
白土夏希:「ありがとうございます。……では、九十八支部長」
白土夏希:「先程あなたの仰ったことを、実践させて頂きたい」
白土夏希:「私の引き金は、あなたに引いてほしい」
九十八九十九:「うぇ~……責任重大じゃん」
白土夏希:「……お願いできますか?」
白土夏希:冬の空のような瞳が、じっと九十八を見据える。
九十八九十九:「……いいよ。君がそれで構わないなら」明け方の地平線のように二色に分かれた瞳で見つめ返す
九十八九十九:「証明してあげる。君の正義を」
九十八九十九:絶えず貼り付けて来た笑みを、その一瞬だけ剥がした後
九十八九十九:「……や~、しっかし……そうか~~~……」
九十八九十九:含み笑いを浮かべたまま、ニヤニヤと君の顔を覗き込む
白土夏希:「……何ですか」
九十八九十九:「や、私も深読みのし過ぎだったな~って思ってさぁ」
九十八九十九:「ほら、あの女、顔を自由に変えられたじゃない?」
九十八九十九:「もしかしたら、君の拳が当たる寸前に……」
九十八九十九:「好きな子の顔にでもなってたんじゃないかな?って」
九十八九十九:「や~、完全に外してたわ。残念」
白土夏希:「……考え過ぎですよ」表情を緩める
九十八九十九:気が抜けた様子でソファに倒れ込む。
白土夏希:「……しかし、そうですね。もしそうされていても、きっと硬直していたでしょうね」
九十八九十九:「お、じゃあ好きな子はいるんだっ?」跳ね起きて
九十八九十九:「誰だよぉ~、知ってる子?言ってみろよぉ~~~」
九十八九十九:ぐりぐりと肘を押し付けてくる。
白土夏希:「別段、そういうわけではありませんが……。そうですね、例えば……」少し考えて
白土夏希:「支部長とか」
九十八九十九:「ぉ……」肘付きのまま固まって
白土夏希:「……ふ」
白土夏希:その表情を見て満足げに目を細める。
白土夏希:「冗談です」
九十八九十九:「……えっ、あ~っ!こいつ!!」
九十八九十九:「サイテ~!支部長の純情を弄んだ~~~!!」
白土夏希:「病院ではお静かにですよ。支部長」
九十八九十九:「おっんぐむむ……」自分で口を抑える。
九十八九十九:「……ま、そんくらいの軽口叩いてくれた方が、私は気楽だけどね」
九十八九十九:「これから、長い付き合いになるかもだしさ」握り拳を君に向けて付き出す。
白土夏希:「支部長も、それくらい気を抜いていたほうが可愛いですよ」
九十八九十九:「失礼な。ずっとかわいいだろ私は」
白土夏希:「そうですね」
白土夏希:二回り以上サイズの違う拳が、薄闇の中で軽くぶつかった。
---
GM:君達は舞浜を病院に運び込み、しばらく待機状態となった。
GM:夜、病院の駐車場。エンジンが切られた車内を、頼りない街灯と自販機の灯りが照らしている。
軽部龍授:適当な炭酸飲料を購入しプルタブを開ける。
軽部龍授:「……貴様らも何か飲むか?」
峯川千墨:助手席に座ってダッシュボードに足を載せ、誰もいない外を睨むようにしている。
峯川千墨:「いらね」
赤川累:「いえ……大丈夫です。ありがとう」
軽部龍授:つまらなそうに手でコインを弾き、財布にしまう。
軽部龍授:「フッ…どうにも空気が重い。あまり良い事とは言えんが」
軽部龍授:「まぁ、仕方がない事か。舞浜は傷つき、ヘレヴとは喧嘩別れだ。思うところはあるだろうよ」
峯川千墨:「テメエには無いみたいに言いやがる」
赤川累:「……すみません。気を遣わせて」息を吐く。否定はできない。
峯川千墨:「そうだよ。やるならもっと上手くやれ」
軽部龍授:「俺は、あの炎の剣に受けに競り負け、久しぶりに死を賜った。くらいだからな。因縁があるならば、その少し前だ」
峯川千墨:「前ェ?」
赤川累:「騙された事か?」
軽部龍授:「そう。大学爆破。騙されたことはそこまで問題ではないが」
軽部龍授:「15人の人間が死んだ事は……俺にも責任はあるのだろう」
峯川千墨:「なんだそりゃ」
赤川累:「……ふ、真面目だな」
軽部龍授:「そちらに言われたくはないな、UGNと心情で板挟みになっているだろう?」
赤川累:「だからさ。意外と気が合うなと思ったんだよ」
赤川累:「案外、向いてるんじゃないか。世界を守る公務員も」
赤川累:「……なんて、さっきのを見せた後で言われても困るだろうが」自嘲するように笑って。
軽部龍授:「それはどうだろうか。俺には女などいないが」冗談のように笑う。
赤川累:「女は関係ないだろう」
軽部龍授:「それで大義の為に、私情を押し殺しか?フッ…俺には耐えれそうにもないな」
軽部龍授:「食事の時も言ったが、そう言うところはつつきたくなるのだ。許せ」
軽部龍授:「だが、実際、どうするつもりだ?お前の知己は、お前にあからさまに未練があるし」
軽部龍授:「クソ女共もバルバトスにご執心だぞ。どう考えても」
峯川千墨:「アタシとしちゃ、向こうがどう思ってようが関係ねェよ」
峯川千墨:「元々こっちから出向いてブチのめすつもりだったんだ。今更な話だよ」
赤川累:「……次に会う時は容赦しないと言っていた。それを嘘にするほど、甘い男でもないだろう」
軽部龍授:「ふむ。俺はお前らの過去などわからんが、やりたくない事を無理にやる必要はないのではないか?」
軽部龍授:「いや峯川はやる気満々ではあるだろうが」
峯川千墨:「おう」頷く。
赤川累:「そうだな。俺個人の話をするなら、今も迷っちゃいるよ」
赤川累:「UGNは手紙を絶対に譲るなと言うが、その正当性を説明する気はないらしい。支部長も知らされていないようだ」
軽部龍授:「興味がない話だから、気にしなかったがな。そう、その手紙が…確か遺産か。その手の類ならば、確保は絶対なのだろうが」
赤川累:「人が迷わないのは、大抵、自分の向かうべき正しさが見えているからだ。今の俺はそうじゃない」
軽部龍授:「正しさが分からないと?」
峯川千墨:(なんか難しい話が始まりやがった)
赤川累:「……絶対に手紙を渡しちゃいけないと言われたから渡しません、じゃただの子供の使いだろう」
軽部龍授:「雇われとしては、問題はないがね」
軽部龍授:これは些か笑って。
軽部龍授:「だが、そう思うのは正しい。俺のように騙されるかもしれないしな」
軽部龍授:「つまり、分かりやすく言うと。渡しちゃいけない理由も言わない癖に、こっちを良いように使うな。納得できる訳ないだろう。と」
赤川累:「まあ、そういう事だ」
赤川累:「だから、俺が嫌だからと逃げてどうにかなる問題でもない」
峯川千墨:「よく分かんねェけどよォ」
峯川千墨:「それはどっちでも変わんねェんじゃねェの」
赤川累:「……変わらない、とは?」
峯川千墨:「ただニンジン買ってこいっつわれて買ってくんのでも、カレーのために必要だからって説明してもらって買ってくんのでも」
峯川千墨:「ガキの使いなのはどっちも一緒だろ」
赤川累:「……そうかな」
峯川千墨:「だいたいよォ、理由を教えてもらえさえすりゃそれで満足なのか? もしソイツが気に食わなかったらどうすんだよ」
赤川累:「それこそ、知っておくべき理由じゃないのか」
峯川千墨:「知ったらブチ切れる理由があっかもしれねェから知りたいって?」
峯川千墨:「支部長じゃねェが、アタシでもそんなこと考えてる奴に理由なんざ教えねェな」
赤川累:「使う側の理屈は、そりゃそうだろうな」
軽部龍授:「逆だろう。知ったらブチ切れなくて済む理由があるかもしれない。から知りたいとみるが」
軽部龍授:「働く側の理屈としてはだが。気持ち良く仕事が出来ると言うのは、子供にとって一番重要でね」
軽部龍授:「そこをうまく擽るのが出来る依頼主と言う話だ」
峯川千墨:「だからよォ~」
峯川千墨:「他人におんぶにだっこの心算でいるンじゃねェって話だよ」
軽部龍授:「フッ…成程。雇用形態の話はしていないと言う事か。噛み合わん訳だ」
赤川累:「なら、君は何を信じてUGNにいるんだ?」
峯川千墨:「自分だよ」
峯川千墨:「アタシのやることは正しい。アタシが善いと思った人は善い」
峯川千墨:「それ以外に何かあんのか? いちいち他人の顔色窺ってよォ、いやそれはやりたくねェな~って思いながら不満顔でタラタラ従うのがテメエのやり方なのか?」
軽部龍授:「峯川の生き方の方に俺は近いが、それで良いのか?宮仕え。舞浜は余程良い環境だったようだな」
赤川累:「ある意味じゃ同じだよ。俺も、自分の目で見たもの意外は信じられない」
赤川累:「だから、顔も見たことのない相手が下した判断に全部委ねるような選択はしたくない」
峯川千墨:「剣客よォ」
軽部龍授:「なんだ?」
峯川千墨:「さっき大義のために私情を押し殺すとか抜かしてたな。変な話だよ」
峯川千墨:「大義ってのが私情なんだ」
峯川千墨:「正しいことをしてェ、世のため人のためになることをしてェって理念が気持ちの話じゃなくて何なんだよ」
峯川千墨:「それが曲がって見えることがあるとしたら、ソイツがハナから正しいことをしようって気持ちがねェか、ソイツが嘘をついてっかだよ」
軽部龍授:「そこは俺は俺なりの異論はあるがね。意見としては尊重しよう」
峯川千墨:「……アア、んで聖書の話だが」
軽部龍授:「この手の話には、まあ乗りたくはないが。俺が正しい事をしようと言う気持ちが少ない人間なのは確かだ。で、聖書の話しどうぞ」
峯川千墨:「そもそもテメエはどう思ってるんだ」助手席から赤川くんの方を振り向いて。
峯川千墨:「バチカンじゃなくUGNが確保する。そういう話によォ」
峯川千墨:「どういう理屈があったら嬉しくて、どんな理屈はあってほしくねェんだよ」
赤川累:「……極端に言えば、何だっていい。敵対すべき相手を増やして、仲間を余計な危険に晒して、知己を傷つけるだけの正しさがそこに見出だせるなら」
赤川累:「それを判断できるのは、それを知った時の俺しかいない。君の理屈に合わせて言えば、そういう事だ」
軽部龍授:「……ならば簡単ではないか?」
軽部龍授:「元凶と一対一で話せば良かろう」
峯川千墨:「アアァァァ?」眉間に皺を刻む。
峯川千墨:「バカだわテメエ。バカだ。バーカ」
峯川千墨:「珍しくマジんなって損したわ」
軽部龍授:「敵対すべき相手を増やして、仲間を余計な危険に晒して、知己を傷つける判断した相手と、向き合うべきだ」
軽部龍授:「峯川は口が悪すぎる」
峯川千墨:「クソがァ~~~~~~」仰け反ろうとして座席を軋ませる。
赤川累:「……ああ、そうするつもりだよ。最初から」疲れたように溜息をつく。
峯川千墨:「先輩が心配で心配でしょうがねェって時に人が相談に乗ってやってんのによォ~」
峯川千墨:「ずっとイジけっぱなしで言ったことなんざロクに飲み込んじゃねェと来た」
峯川千墨:「菫だかって子に同情すんぜェ~~~~」
軽部龍授:「二人とも、やはり冷たいものでも飲め。おごってやる」
軽部龍授:峯川さんにコーラを投げて、赤川君にはアイスコーヒーを。
軽部龍授:自分も炭酸飲料を口につけ。
峯川千墨:「サンキュ」受け取って口を付ける。「アー」
峯川千墨:「やっぱこれだわ。ドクペとか意味分かんね」
赤川累:「……イジけてるってのは、望む通りの反応が貰えないからって怒り散らす振る舞いの事でしょう」吐き捨てて、缶を受け取る。
赤川累:「どうも」缶を開けながら、立ち上がり。「少し外します」
峯川千墨:「アタシが子供だってか? そうかもな」
峯川千墨:「あー、待て」
峯川千墨:「一つだけ聞いてけ。ぼてくり回したかったワケじゃねえんだ」
赤川累:「……何ですか?」
峯川千墨:「だから……」指先で頭を掻いて。
峯川千墨:「UGNで保管することのメリットを考えて、それを最大にするように自分で立ち回りゃァ、納得できる形を自分で作れんじゃねェかって」
峯川千墨:「そういうことを言いたかったの。でもってよ」
峯川千墨:「どうしても割に合わねェと思うなら、別にUGN抜けるなり、イケ好かねェ上司をブン殴るなりしたっていいと思うぜ」
軽部龍授:(何故、初めからそういう言い方ができんのだ)
軽部龍授:僅かに呆れた顔を見せるが。
軽部龍授:(いや、そうか。舞浜のことがあってイラついているか、こいつも)
赤川累:「……。ありがとうございます」足を止め、振り返らないまま。
赤川累:「少し問題発言な気はしますけど。……舞浜さんには黙っててあげますよ」
赤川累:それだけ言って、駐車場の柱の向こうに消えていく。
峯川千墨:「助かるぜ」見送る。
軽部龍授:その姿を見送り。
軽部龍授:「……どうも、俺がいると場が和むと言う事がない」
峯川千墨:「流石にテメエのせいじゃねェよ」
軽部龍授:「フッ…だから、落ち込んでいるのだがな」
峯川千墨:「真面目だなァ」
峯川千墨:アイツも言ってたか、と赤川くんの去った方を見遣って。
軽部龍授:「でなければ、剣を極めようとも思わんさ」
軽部龍授:「"サイレンの魔女"だったか?それでも覚えて楽に生きてただろうな」
峯川千墨:「身も蓋もねェー」
峯川千墨:「つうかじゃァ真面目なのかよ。剣って」
峯川千墨:「セーシンセーがどうのってのはそりゃ聞くけどよォ」
軽部龍授:「ふむ。そうだな」
軽部龍授:少し思案するように。
軽部龍授:「剣を極め剣聖にでもなれば無念無想に達する事が出来ると言う」
軽部龍授:「フッ…無念無想の域に達すれば、死んだ人間の事も想わずに済む。と思ってな」
軽部龍授:それは例えば、家族の事だが。
峯川千墨:「想わずに済むようになりてェのか」
軽部龍授:「考え出すと夜も眠れん」フッ…といつもの変わらぬ鼻笑いを添えて。
峯川千墨:「……」
軽部龍授:「それだけと言う話でもないが。純粋に楽しいというのもあるし、俺が初めて手に入れた力でもある」
軽部龍授:「複合的なものだ。人間の社会と同じだよ。楽しいからこそ真面目にもなるのだろうな」
峯川千墨:「無情無道の剣鬼かと思やァ、案外マトモなとこの出なんだな」
峯川千墨:「ガキん頃からやってりゃァよ。別にどこのどいつを何人殺そうが気になりゃしねェ」
峯川千墨:「人死にが嫌い、楽しいことをやりてェ──健全で良いことじゃねェか」
峯川千墨:「……ア、こういう言い方が良くねェの? もしかして」
軽部龍授:「そういうと聞こえは良いが、言い繕っても、俺個人の欲望を満たすだけの、即ち我欲の剣だ。自分の目的のための剣でしかない」
軽部龍授:「その為に俺は手段も択ばなかったし、手当たり次第に剣を振るった」
軽部龍授:「まあ、お陰でバレて破門された訳だが」
峯川千墨:「ははァ。やるじゃねェか」なぜか嬉しそうに笑う。
軽部龍授:「フッ…俺も俺の正しいと思う事しかしなかったわけだ」
軽部龍授:「今も稀に……戦い中で、考えるのはソレだけになることがある。ならば、後一息、もう一歩なのだろうよ」
峯川千墨:「無念無想までか?」
軽部龍授:「そう思う事にしている」
峯川千墨:「ふゥん」
軽部龍授:「それに。誤解なきように言っておくが、人死には嫌いと言ってもな。別に斬った相手には何の心も寄せていない」
軽部龍授:「俺はただ家族の事を思い出したくないだけだ」
峯川千墨:「家族?」
軽部龍授:「俺だけが今を生きている」
峯川千墨:「なるほど」
峯川千墨:「……アー」
峯川千墨:「なんか良い感じのことを言おうと思ってんだけど」
峯川千墨:「上手いこと思いつかねェな」
軽部龍授:「今、上手いことが必要だったのは、赤川の方だったし、同時にお前にでもある」
軽部龍授:「舞浜を傷つけた連中くらいは落とし前を、と思ったが、それは、自分でやりたいだろうしな」
軽部龍授:「恨みを買ってる連中だ。競争相手は多いぞ。と忠告はするが」
峯川千墨:「テメッ……急に分かったような口を」
峯川千墨:「……アタシは別に、連中が雷に打たれて死んだって構やしねェんだよ」
軽部龍授:「フッ…それは良かった。俺はどうせなら技の練習台にしてやりたい」
峯川千墨:「あえて譲る気もねェが、そうなったらなったでもいい。“サタナキア”どもは悪くねェんだ……いや」
峯川千墨:「メチャクチャ悪ィんだけど、それとは別に」
峯川千墨:「アタシがムカついてっことがあるとしたらよォ。先輩がキッチリ仕事してたのに、自分らがウダついて振られた役果たせなかったことだよ」
軽部龍授:「フッ…ハハハ」
軽部龍授:「真面目なやつだ」
軽部龍授:珍しく口を開けて笑う。
峯川千墨:「テメエだって多少はそうだろ? 天下のUGNと無敵の剣客が雁首揃えて、ホテルじゃ結局誰もブチのめせてねェんだぞ」
軽部龍授:「それを言われると痛いな。まんまと全員に逃げられている。その恥は雪ぎたいのは確かだ」
軽部龍授:「だからこそ、赤川の力も必要な訳だが……」
峯川千墨:「アァ……」
軽部龍授:「あいつは頭も良く、心も強い、修羅場も潜っているが…それこそ俺の見た限り…真面目で善良も過ぎる」
峯川千墨:眼鏡の位置を直そうとして、壊していたことに気付く。収まりの悪さを覚える。
峯川千墨:「異論ねェ。ねェが」
峯川千墨:「なんとかなるもんかね」
---
九十八九十九:「ええ、はい。……了解です」病院のロビー。白土を一旦待合室に残して一人移動して来ていた。
九十八九十九:「……では、失礼します」通信端末を切る。
九十八九十九:右手には、自販機で買ったばかりの二人分の缶コーヒー。
赤川累:硬い廊下を叩いて、近づく足音がある。通路の影から姿を現し、足を止める。
赤川累:「……お疲れ様です。支部長」
赤川累:一礼し、少し離れた椅子に腰を下ろす。
九十八九十九:「あ、おつかれ~。赤川くん」それに気付いてにやけ笑いで振り向く。
九十八九十九:「悪いねえ待たせちゃって」
九十八九十九:「こっちは私らだけで大丈夫だから、一旦戻って休んだら?」
赤川累:「ありがとうございます。ですが……」
赤川累:「時間が許すなら。少し、貴方と話がしたい」
赤川累:愛想の一つもない顔で、そう口にする。
九十八九十九:「うぇ~、なぁに~?昼間の続き?」
九十八九十九:「やー、流石に私もここで茶化すほど無神経じゃないつもりだけど」
赤川累:「ええ、その認識で間違ってないです」
九十八九十九:「そか、いいよ~。いくらでも付き合うとも」
赤川累:「……ありがとうございます」
赤川累:「まず……これは『答えられない』ならそう言っていただいて良いんですが」
赤川累:「支部長も、『手紙』をUGNで確保しなければいけない理由までは知らされていないんですよね」
九十八九十九:「そだね。上からは特に説明がなかったし」
九十八九十九:「聞くだけ無駄だろうからこっちからも聞いてない。説明しないってことは、それ自体に意味があるってことだろうからね~」
赤川累:「……ええ、でしょうね」
赤川累:「ある『言葉』を認識するだけで人間の精神を侵食する災厄の事件に関わったことがあります」
赤川累:「まあ……そこまで直接的な害のあるものでないとしても」
赤川累:「貴方でさえ知らされないのだから、俺が知れるはずもない」
九十八九十九:「あー、君の経歴で妙に黒塗りが多いページがあったのはそのせいか~」
九十八九十九:「もし知ってたら、赤川くんは納得できた?」
九十八九十九:「君の恩人を裏切る事にさ」
赤川累:「……ええ。たとえ、相手が恩人や友人でなくとも……」
赤川累:「守護者なんて言ったって、暴力で人を傷つける仕事が大半の仕事です。だから、常に考え続けるようにしている」
赤川累:「自分が今……何を信じて、何の為に戦っているのか」
赤川累:「そこに納得するためには、知るに越した事はない。……知ろうとすべきだ、とさえ思う」
九十八九十九:「知った結果として、自分が"正義の側"にいなかったとしても?」
九十八九十九:「君は、自分の手を汚すことは覚悟しているんだろうけど」
九十八九十九:「それは、そのことが正しい結果に繋がると信じているからだよね?」
赤川累:「……もし、俺が正しくない事をするのだとしても」
赤川累:「叶う限り、その覚悟を持った状態ですべきだと思う。そうでなければ……」
赤川累:「自分の手で傷つける相手に、なんと詫びれば良いのかも分からない」
九十八九十九:「真面目だねえ」嘆息する
赤川累:「ただの我儘なのは分かっています」
赤川累:「今回のように、現実はそうではなくて。俺は、その事実とも向き合わなくちゃいけない」
九十八九十九:「確か君は……」宙を眺めて、何かを思い出すようにしながら
九十八九十九:「お父さんとは違って、教会の教えを信じているわけじゃないんだったね」
赤川累:「ええ」
九十八九十九:「けどやっぱり、環境のせいか、付き合ってきた人たちの影響なのかな」
九十八九十九:「考え方の根っこの部分が、彼らのそれと同じなんだと思うんだよね」
赤川累:「……そうでしょうか」
九十八九十九:「そうだよ。だって君は……」
九十八九十九:「赦されたいと思っている」
赤川累:「……」
九十八九十九:「人間が人間を赦すのは難しい。お互いどうしようもなく憎み合ってしまったり」
九十八九十九:「赦しを乞うべき相手が、とっくにこの世にはいなかったり」
九十八九十九:「そういう時、代わりに神様が赦してくれるのなら、たしかにそれで救われる人もいるだろうね」
九十八九十九:「でも、君は神を信じてはいない」
赤川累:北見菫:「でも、何かに迷った時とか……どうしようもない理不尽に襲われたような時」
赤川累:北見菫:「そういう時に、自分だけじゃない拠り所……絶対的な判断基準があるっていうのは、すごく救われるの」
赤川累:彼女の言葉を思い出す。……自分はあの時、そんなものはなくても大丈夫だと言ったけれど。
赤川累:結局、同じだったのだろうか。……俺は、叶う限り自分が赦される道を選んで進みたいとでも考えていたのだろうか。
九十八九十九:「だったら、君のことは誰が赦してくれるんだろうね……いや、きっと」赤川くんの前に立つ
九十八九十九:「君は、自分を赦す相手がいない事を解っている。そして……」
九十八九十九:「……あ、今こう考えてる?」
九十八九十九:「"結局俺は、叶う限り自分が赦される道を選んで進みたいとでも考えていたのだろうか?"……みたいな」
赤川累:「……もしそうだったら、何だって言うんです」
九十八九十九:「………ふふ」苦笑する
九十八九十九:「や、ゴメンゴメン。安心しなよ」
九十八九十九:「私が思うに、君はそんな奴じゃない」
赤川累:「随分……知ったように言いますね。いや……」
赤川累:「……実際、よく見えているとは思いますが……」否定しかかってから、正直な称賛を添える。
九十八九十九:「君はただ単に、手遅れになるのが嫌なだけだと思うよ」
赤川累:「……俺の故郷の時のように、ですか」
九十八九十九:「ほら、すぐそうやって自分を責める」
赤川累:「自責のつもりは……」
九十八九十九:「自分が置かれている状況と、対峙する事件にについて、できる限り知って、できる限りの犠牲を減らしたい」
九十八九十九:「いいことだと思うよ~。思考停止して言われたことだけやってるよりずっとマシだ」
赤川累:「ええ」小さく頷く。「……曖昧なままに何かを信じて、その先で後悔したくない」
赤川累:「一度した間違いを繰り返すのは、進歩のない人間のする事ですから」
赤川累:どこか強がるようにそう言って。
九十八九十九:「いいと思うよ。それで。君は別に間違っちゃいない」
九十八九十九:「もしそれで、君が嫌な思いをしたり、後悔する羽目になったとしたら……」
九十八九十九:「それは周りが悪いのさ。明らかな悪意にまで責任感じてたらキリがないよ」
九十八九十九:「今回みたいにね」赤川くんに右手を差し出して
赤川累:「……中々、そこまで割り切る事もできませんがね」微かに笑って。
九十八九十九:「すまなかった。今回のことは全面的に私が悪い。ごめんなさい」
赤川累:じっとその手を見て。「……支部長は昼間、俺からの信用を失ったと言っていましたが」
赤川累:「俺は、信用していない相手の指示で戦ったりしません」
九十八九十九:「そう……?なら良かった」
赤川累:「俺は今夜、カウンセリングをして貰う為にここへ来た訳じゃありません」
赤川累:「貴方が何を考えていて、何を守ろうとしているのか……それを聞いて」
赤川累:「それが間違っていない事を確かめたい。そう思っていました」
赤川累:「……ですが」右手を差し出し、それを握りしめる。「それも、もう十分でしょう」
九十八九十九:「うぇ~、そう?結構はぐらかしちゃったよぉ?」握り返す。
九十八九十九:「ま、でも納得してくれたならいいかぁ。今君に抜けられると困るしねえ」
九十八九十九:「悪いけどもうちょっとだけ、騙されててくれる?」
九十八九十九:気の抜けたにやけ面で、冗談めかして言う。
赤川累:「ええ」頷いて。「……貴方は、俺が赦しを求めていると言いましたが」
赤川累:「多分、少し違う。俺だけが赦された気持ちになったって、意味がない」
赤川累:「こうやって、互いが互いを赦し合える世界を望んでるんだ。きっと」
九十八九十九:「やー、言うのは簡単だけど大変だよぉ?知ってる?そういうの」
九十八九十九:「茨の道って言うんだよぉ。私はオススメしないなあ」
赤川累:「ふ、目指すくらいは自由でしょう」
赤川累:「もちろん……現実として俺はきっと、彼に赦されることもないんでしょうし」
赤川累:シルヴェストロの顔を思い浮かべながら、そう言って。
赤川累:「貴方の言ったように、二度と赦しを請えないまま死に別れた相手だっています」
赤川累:「茨の棘の痛みなら、よく知ってる」
九十八九十九:「……そか」
赤川累:「……最後にもう一度言いますが、支部長」立ち上がって。
赤川累:「俺はこの任務で、貴方の判断を信じて戦います」
赤川累:「それは俺だけじゃなくて……他の皆も」
赤川累:「命を賭けて一緒に戦うってのは、そういうことで」
赤川累:「だから……もう少し、嫌われない振る舞いをしてくれたって良いんじゃないですか。今みたいに」
九十八九十九:「む……なんなのさ~みんなして寄ってたかってぇ」
赤川累:「一人で悪役になろうとするからでしょう」
赤川累:「そんな風にまともな感性をしてる人なら、痛みがないはずないのに」
赤川累:「それを一人に押し付けて平気でいられるほど、みんな鈍くないんだ」
九十八九十九:「も~!やめやめ!やめようこの話!私にそういう湿っぽいイメージ付けるの禁止!」
赤川累:「む……」
九十八九十九:「……ま、赤川くんの意見は肝に銘じとくよ」
九十八九十九:「私もチーム率いるの久々だからさ~、加減間違えちゃった」
赤川累:そういえばいつもは一人で支部を運営しているんだったな、と思い返し。
赤川累:「増やせないんですか、人員。いくらUGNが人手不足だからって……」
九十八九十九:「や~、うちより優先した方がいいとこはいっぱいあったしねえ。君のいたとことか」
赤川累:「それは……そうかもしれませんが」
九十八九十九:「それに、私は好きでやってるから。大丈夫大丈夫」
赤川累:「まあ……今回の事態を受ければ、上も配置を考え直してくれるんじゃないでしょうか」
九十八九十九:「あははは……かもねえ。少なくとも白土くんはしばらく常駐してもらうだろうし」
九十八九十九:「や~、いい感じにサボって回せる、丁度いい職場だったんだけどなあ」
赤川累:「……あの、一つ言っておきますけど」
赤川累:「本当にサボってる人間は、自分からサボってるなんて言わないものですよ」
赤川累:それだけ言って、ロビーを出ていく。
九十八九十九:「うぇ~……」なんとも言えない顔で見送って
九十八九十九:ぽたぽたと、手に持った缶コーヒーから落ちる水滴に気付く。
九十八九十九:「うぇ~!?どーしよ……白土くんぬるかったら怒るかなあ……」
九十八九十九:しばらく考えた後、缶コーヒーの片方を飲み干して、もう一本を買い直したのだった。
【RHO/木花小夜】
GM:位置の露見から、荷物を移し終えた市内の別のセーフハウス。
GM:普段はあまり使われていないのか、先のものより手狭で、少々古い物件だ。
木花小夜:パタパタと中を掃除している。
木花小夜:「やっぱりこういうのたくさんあると維持大変だよね……」
木花小夜:「ただでさえ一人の支部だもの」
GM:今回の一件の重要参考人と見られるエルの聴取には、彼女が最も気を許している君──木花小夜が選ばれる形となった。
エル:「そう……なんでしょうね」
エル:これまでと比べ、幾分かはきはきと迷いなく喋る。
?:「エル……ちょっと、エル!」
?:「どういうつもりなの、エル!どうしてみんなと一緒に……それに、何を話すつもりなの!」
?:「黙ってちゃ分からないでしょ、エル!」
エル:「……ホテルの戦いを見て分かったの。このままじゃ、きっとみんな無事じゃ済まない」
エル:「私は……そんなの嫌なの」
エル:「それに……この人たちは信用できると思う」
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「彼……ギデオンの戦い方は。UGNから見れば」
木花小夜:「ジャームのそれに遜色なく見えた。知ってるかもしれないけど」
木花小夜:「私たちは力を使うたび、怪物に近づく」
木花小夜:「そうならないように、セーブして戦うのが普通なのに」
エル:頷く「ええ……よく知っています」
木花小夜:「それよりも……無事に戻るよりも、優先することがあるみたいな」
木花小夜:「戦いが終わったら、もうどうなってもいいみたいな」
木花小夜:「そういう気迫を感じた」
エル:「……それは半分合っていて、半分違います」
エル:「ギデオンさんにそういう気概があるのは、その通りです」
エル:「でも……捨て鉢になっているわけじゃない。あの人は、普段からああいう戦い方に慣れているんです」
木花小夜:「あなたの力のおかげ?」
エル:頷く。
?:「……エル!」
?:「どうして信用できるの!会ったばかりだし……私たちの事なんて何も知らないじゃない!」
エル:「大丈夫だよ、蛇さん」
エル:「それに……この人は多分……」
エル:君を見て
エル:「あの……聞こえてます、よね……?」
木花小夜:「……うん。蛇さんだって言うのは、今知ったけど……」
木花小夜:「ごめんね。もっと先に言えばよかったんだと思うけど」
?:「聞こえてるって、何が……!」
木花小夜:「あなたの声よ」
?:「…………?」
?:「…………??」
木花小夜:「理由はわからないけど。私には聞こえる」
?:「え……」
?:「あの……もしかして聞こえてます……?」
木花小夜:「聞こえてます」
?:「うっ……嘘!!いつから!?」
木花小夜:「最初から……」
木花小夜:「エル以外何でもいいって名乗らせたのに」
木花小夜:「エル子って言っちゃったあたりとか……?」
?:「ちょっ……嘘でしょ!?やだ……!!」
?:「は、恥ずかしい……!なんで黙ってたのよあなた!!」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……その方が情報を取れると思ったから」
木花小夜:「だから、卑怯にも黙ってた」
木花小夜:「……ごめんなさい」
エル:「……出てきたら?」少し笑って言う。
?:「……」
木花小夜:「出てくるとかあるんだ……?」
?:エルの肩口の辺り、霧のように黒い影が凝縮していく。
?:現れたのは、中指ほどのサイズのほんの小さな黒い蛇だ。
木花小夜:「蛇……」
『蛇』:「まさか聞こえてるなんて……」
『蛇』:音を帯びた声を発する。この状態なら他の者にも聞こえるだろう。
『蛇』:「エル……私変なこと言ってなかった?」
エル:「どうだろ……言ってたかも」
エル:「蛇さん。この人に、私たちの事を聞いてもらう」
木花小夜:「……いいの?」
エル:「このままじゃ、取り返しがつかなくなるかもしれないから」
木花小夜:「私は、その……あなたたちが対立するようなら」
木花小夜:「別に聞かなくてもいいよ」
木花小夜:「仲間内同士で争い合うくらい、バカげたことないでしょ」
『蛇』:「……」溜息を吐いて「……エルがそれでいいって言うなら……」
エル:「ということです」
木花小夜:「……うん。じゃあ、お願いしてもいいかな」
エル:「はい。……どこから話したらいいか……」
エル:「……じゃあ、まず、私たちの事から」
エル:「私たちは、『東の民』と呼ばれている一族です」
木花小夜:「東の民……」
エル:「所謂、古代種と呼ばれる種類の。数千年前から祝福……レネゲイドの力を受け継いできた一族です」
エル:「寿命に関しては人並みですが、一族の殆どの者が生まれつきのオーヴァードです」
木花小夜:「……あなたの力も、そうね」
木花小夜:「古代種の特筆性を持つものの中に、そういう事ができる人がいるって聞いたことがある」
エル:「……ああ……私の力は、少し事情が違って……」
エル:「ええと……一旦置いておきますね」
エル:「……『東の民』は、遠い昔から迫害を受けてきました」
エル:「伝え聞くところによれば、およそ2000年以上に渡ると」
木花小夜:「2000年……」
エル:「我々は元々、ユダヤ系の民族なんですが……」
エル:「東の民は教会や為政者、更には同じユダヤ人からも迫害を受け、世界のどこにも居場所なく、各地を転々としながら隠れるように生きてきたと聞いています」
木花小夜:「……」なにか言葉をかけようとして言い淀む。
木花小夜:そんな歴史に、私がなにか言葉を軽々にかけられるだろうか。
エル:「それは単に、異能の力を持っているから、という理由だけではありません」
エル:「我々が存在する事実は、多くの人々にとって不都合だった」
エル:「東の民はその痕跡を歴史から抹消され、常に追われる身として生きてきたんです」
『蛇』:「ひどいものだったわ。昔、魔女狩りってあったでしょう?」
『蛇』:「あれも実際のところ、殺されたのは多くが東の民だったわ」まるで見てきたかのように語る。
木花小夜:「どうして……?」
エル:「そうですね。その理由は……」
エル:「……今回の件で……もしかすると、既に想像したかもしれませんが」
エル:「小夜さんは、キリストがオーヴァードだった、と聞かされたら、どのように思いますか?」
木花小夜:「私はそれは……何というか」
木花小夜:「むしろ……そうなんじゃないかなって思うかな」
『蛇』:「その方が納得がいく?」
木花小夜:「そうだね。そのほうが……しっくりはくるかな」
エル:「そうですね。実際のところ……」
エル:「キリストが時代に先行して現れた超能力者だった、と聞かされても……」
エル:「教会の信仰は大きく揺らぐでしょうが……あくまで揺らぐだけに留まると思います」
エル:「しかし……こう聞かされればどうでしょう」
エル:「キリストの奇跡と同じ力を持った者は、当時から大勢いて……彼はその内の一人に過ぎなかった」
エル:「そしてその力は、信仰とは何の関係もない……」
エル:「ただ生まれつき、その民族に生まれたから得ただけの力だとしたら?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「キリストが、エルたちと同じ」
木花小夜:「東の民……いえ」
木花小夜:「そうだったから、東の民にあなた達がなった?」
木花小夜:「だったら、あの「ルカの手紙」は……」
木花小夜:「それに触れている記述がある?」
エル:頷く。
木花小夜:「……!」
エル:「……キリストが処刑後、三日の後に復活したとの逸話は有名ですが……」
エル:「小夜さんは、その後の彼がどうなったかご存知ですか?」
木花小夜:「え?ええと」
木花小夜:「復活したんだから、それは……」
木花小夜:「また布教の旅をしたりとか……」
木花小夜:「……ごめんなさい。知らない」
エル:「聖書では、彼はその後の四十日を弟子と過ごした後、再び昇天したとされているんです」
エル:「ですが……我々の言い伝えでは異なります」
エル:「彼は復活後、東の民のもとに戻り……数十年を生き、そして死んだ、と」
エル:「……普通の人間みたいでしょう?」
木花小夜:「……ええ」
木花小夜:「……でも、その、なんていうか……」
木花小夜:「異なる言い伝えがある、ことが。そこまでマズいものなの?」
木花小夜:「なんか……そういう異説って。他にも色々あるんじゃ……」
エル:「我々自身が、生きた証拠であるのもそうですが……」
エル:「そのことが、もし……本来の聖書に記されていたとすれば、どうです?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「間違っていたことになるのは、キリストの去就じゃなくて」
木花小夜:「2000年の、迫害の歴史を伏せてきたこと……」
エル:「聖書として編纂された文書は、古代ローマにおける公会議で決められたものですが……」
エル:「その際、彼らの信仰にとって不都合な描写は、削り落とされ、書き換えられた……」
エル:「『ルカの手紙』は、それ以前に書かれたものです」
エル:「その内容は、キリストと東の民の関わり。そして東の民に対し、格別の待遇を以て迎えるようにとの教え」
木花小夜:「格別の待遇……」
エル:「……全ての人が神の下に平等であるとの教会の教えには、到底許されることではありませんよね」
木花小夜:「……エルたちは」
木花小夜:「どうしたいの」
木花小夜:「その、「ルカの手紙」を手に入れて」
木花小夜:「格別の待遇を求めるの?」
エル:「……いえ」
エル:「ギデオンさんは、あの手紙を世界に公開しようとしています」
エル:「ですがそれは……教会の不正を暴き、東の民の正当性を証明するのが目的です」
エル:「もう我々が、追われ続けて生きていかずに済むように、と」
エル:「『ルカの手紙』の断片は、2000年越しにそれが叶うまたとない機会だと」
木花小夜:「……それは……」
木花小夜:「そうだけど。あなたたちは……エルたちは」
木花小夜:「それに正義がないとも思ってる」
木花小夜:「正義の味方は、私たちの味方じゃないって」
木花小夜:「そう言ってたよね」
『蛇』:「……世界にとっての正義の味方は、いつだってこの子たちを虐げてきたもの」
『蛇』:「生まれながらの悪だってね」
エル:「……私は、ただ」
エル:「過去の事より……今生きているみんなに、死んでほしくないだけです」
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「これを続ければ、必ず犠牲が出る」
木花小夜:「……いえ。もっと厳しい言い方をするね」
木花小夜:「もう出てる」
エル:「はい」頷く
木花小夜:「……あなた達は」
木花小夜:「研究チームの人を、殺めたの?」
木花小夜:「……私の見た限りでは」
木花小夜:「“デモゴルゴン”に、斬殺の手口を持つものは居なかった」
木花小夜:「もしかしたら、見えてないところにいるのかもしれないけど……」
エル:「……分かりません」かぶりを振る
エル:「そもそも……私たちは」
エル:「自分たちの戦力が乏しいので、傭兵としてあの“ダドエルズホール”に手紙の奪取を依頼したんです」
エル:「あくまで奪うことが目的であって、大学の爆破や研究チームの殺害は依頼していません」
エル:「……というのも、詭弁になりますが。犠牲が出るであろうことは、きっと分かっていましたし」
木花小夜:「彼らがそれを曲げて殺戮を行った可能性は、もちろんあると思う。だけど」
木花小夜:「だったら、その行為の犯人を別の傭兵に押し付ける必要がない」
木花小夜:「……いや。推測の域を出ないか」
エル:「“デモゴルゴン”は、既に手紙は“霹靂殺手”に奪われたと報告してきて……」
エル:「東の民はそれを信じ、彼を追っていました」
木花小夜:「エルはどうして、一人で追われていたの?」
木花小夜:「いや……二人?一人と一匹……?」
エル:「恐らくは、ヘレヴも手紙を奪ったのが東の民と“霹靂殺手”だと考えたのだと思います」
エル:「ヘレヴも当初は“ダドエルズホール”の関与まで知らなかったようですから。それに、我々は元々教会の敵です」
エル:「最初は仲間と一緒でしたが……途中で逸れて、あの場であなた達に助けて頂いたんです」
『蛇』:「どいつもこいつも、まんまと踊らされたわけね……」
木花小夜:「……聖剣」
木花小夜:「……“カリドゥミナ”を盗んだのも同じ?」
木花小夜:「自分たちの戦力が、足らないと思ったから?」
エル:「……聖剣?」
『蛇』:「……“カリドゥミナ”……?」
エル:「何ですか、それ?」
木花小夜:「えっ」
木花小夜:「知らないの……?UGNの輸送車が襲われて、聖剣の遺産が奪われたの」
『蛇』:「聞いてる?」
エル:「いえ……私は何も……」
木花小夜:「下手人はフリーランスで、金に換えられたんだろうけど……」
木花小夜:「……エノクって子が、その剣を持ってた」
木花小夜:「だから……あなた達が、依頼したんじゃないかって思ったんだけど」
エル:「……エノク!?」
『蛇』:「ああ~、そういえば何か持ってたわね、なんか嫌な感じの剣」
『蛇』:「あの子ね、この子の彼氏なのよ」
エル:「ちょっと……!蛇さん……!」
木花小夜:「えっ」
木花小夜:「そうなの!?」
エル:「……まあ、はい……」恥ずかしそうに頷く。
木花小夜:「そっか~……」
木花小夜:「意外とスミに……ああ、違うよね」
木花小夜:「ごめんね。引き離したりして……」
エル:「べ、別に小夜さんのせいじゃ……」
『蛇』:「年下で奥手だから困ってるのよね~」
『蛇』:「幼馴染だし、付き合って2年も経つのにキスもまだなのよ、この子ら」
エル:「ちょっと……!やめてよ!」
木花小夜:「え~っ」
木花小夜:「したくはないの……?」
エル:「わ……私としては、そろそろいいんじゃないかなって思うんですけど……」
エル:「何か……こっちから言い出すのも違うかなって……」
『蛇』:「これだものね~」
『蛇』:「どうせ向こうもそう思ってんのよ」
木花小夜:「言い出したほうがいいよ絶対」
エル:「そう思いますか……?」
木花小夜:「うん」
『蛇』:「そうよねえ」
エル:「そ、そうですか……」恥ずかしそうに
エル:「……あの、小夜さんには、恋人がいらっしゃるんですか……?」
木花小夜:「……うん」こくこくと頷く。
『蛇』:「え~っ」
エル:「どんな人ですか……?」静かに食い気味
木花小夜:「どんなって……」
木花小夜:「年下で……訓練生時代からの付き合いで……」
木花小夜:「ぶっきらぼうで誤解されやすいけど優しくて……」
木花小夜:「……ちょっと待って」
木花小夜:「エルの話聞くんじゃないの!?」
エル:「あっ……そ、そうでした……」
『蛇』:「え~っ?いいじゃない、しましょうよ恋バナ」
エル:「もう……蛇さん!こういうの好きすぎ!」
木花小夜:「てか蛇さんいて2年進展してないの……?」
木花小夜:「もっと蛇さんも押したほうがいいよ」
『蛇』:「いくら言っても聞かないのよ~。これでも告らせただけだいぶ進展させたほうなんだから」
『蛇』:「ていうか、あなた……本当に普通に聞こえてるのね。日本人なのよね?」
木花小夜:「え、うん……」
エル:「……東の民だけじゃないの?」
『蛇』:「そう思ってたんだけど……」
『蛇』:「素質があるオーヴァードなら誰にでも聞こえるのかしらね」
エル:「……小夜さんも巫女の素質があるってこと?」
木花小夜:「巫女って……?」
『蛇』:「そうね。言われてみればそういう感じはするわ」
木花小夜:「どういう感じ……?」
エル:「そうですね……説明が遅くなりましたね」
エル:「東の民は、同じユダヤ系にも迫害されている、と言いましたよね」
エル:「その理由が、『蛇』とその巫女の存在です」
エル:「かつて、終わらない迫害に耐え兼ねた東の民は、本来の信仰を捨て、新たに自らの手で神、あるいは救世主を造り出した」
エル:「それが……」
『蛇』:「私ってわけ」
『蛇』:机の上で小さな頭を振る。
木花小夜:「……確かに聖教の蛇ってあまり……いいイメージないかも」
木花小夜:「あなたが神……?」
『蛇』:「あっ……ナメられてる!」
木花小夜:「だ、だって……!」
木花小夜:「ちっちゃくない?」
『蛇』:「これは仮の姿なの!ほんとはもっとすごいんだからね!」
木花小夜:「そうなの……?」
エル:「……実際、蛇さんの力は底知れません」
エル:「蛇さんは、オーヴァードから過剰な力……侵蝕率を吸い取って、自分の中に蓄えることができるんです」
エル:「そして、それをもう2000年近く続けているんです」
木花小夜:「え?」
エル:「もしその力が解放されれば、どんなことになるか想像もつきません」
木花小夜:「……それは……」
木花小夜:「あなたは平気なの?」
『蛇』:「……私?それともエル? ……どっちも平気じゃないけどね」
木花小夜:「……巫女も平気じゃない?」
『蛇』:「こうして喋ってる私は、あくまで『蛇』のごく一部に過ぎないの」
『蛇』:「本体は、理性なんて無い怪物……とっくに堕天して悪魔に…… あなたたち風に言えば、ジャームになってる」
『蛇』:「そして巫女は、それを封印する役割を帯びる代わりに……」
『蛇』:「……皆、若くして命を失うの」
木花小夜:「……!」
木花小夜:「だ、だったら」
木花小夜:「だったらなおさらじゃない」
木花小夜:「だったら早く……」
木花小夜:「キスしないと!」
エル:「……そっちですか!?」
『蛇』:「そうよね……!」
木花小夜:「あっつい……ごめんそれどころじゃないよね……!?」
GM:ゲーム的には、《無限を継ぐ者》で巫女の身体を乗り継ぎながら、《超越活性》により強化、《虚実崩壊》で回数制限を無制限にした《リプレッション》を所持しています。
木花小夜:ヤバすぎ
『蛇』:「……私も、もう嫌なのよ。目の前でエルみたいな子が死んでいくのを、何十人、何百人と見てきた」
『蛇』:「でも……東の民には私の力が必要で。それに……私自身には、どうすることもできないの」
エル:「いいよ。私は納得してるから」
『蛇』:「いいわけないでしょ!」
木花小夜:「……あなたの力が必要になるのは」
木花小夜:「戦いが終わらないからで。それが終われば……」
木花小夜:「自由に……なる、わけでもない?」
『蛇』:「……新たな巫女によって封印されない限り、蛇である私は解き放たれて、暴走してしまうわ」
『蛇』:「……でも……こんなの、あなたも間違ってると思うわよね?エルはまだ14なのよ」
『蛇』:「子供を犠牲にして得るものなんて、何であろうと正しいはずがない……」
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「……うん……」
木花小夜:「だけど……」
木花小夜:「どうにかする手段はな」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……あっ」
エル:「……?」
木花小夜:(“カリドゥミナ”の種別コードは……確か)
木花小夜:(鬼切りの古太刀……ジャーム級の出力源を沈黙させる力)
木花小夜:(それを、エルに知らせず、手に入れた……)
エル:「……ありがとうございます、小夜さん」
エル:「あなたがそう言ってくれるだけで……私は嬉しいです」
エル:「でも、今は……お願いしたいのは……」
木花小夜:「……うん?」
エル:「……みんなを……東の民を、止めてくれませんか」
エル:「これ以上、犠牲者が出る前に」
エル:「……お願いします。私も、出来る限りお手伝いします」
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「犠牲を許容するべきなんて、言いたくない」
エル:「他に何か、東の民にとっていい方法が思いつくわけじゃない。けど……」
エル:「やっぱり……こんなの、間違ってると思うんです」
木花小夜:「私は協力する。手紙を渡して、って言われたら、応えられないかもしれないけど」
木花小夜:「あなたたちが、これ以上、苦しまないように最善を尽くしたい」
エル:「……ありがとうございます」
エル:穏やかな笑みを浮かべる。
エル:「無事に済んだら……今度はゆっくりと聞かせてくださいね。彼氏さんのお話」
木花小夜:「いいよ」薄く笑う。「エルもね」
GM:ロイス取得のみ可能です。
木花小夜:-エル/尽力:○/不安/ロイス
---
GM:これまでのセーフハウスを一度引き払うことになり、君達は順次荷物を他の拠点に移すこととなった。
GM:作業が終わる頃には夜になっており、力仕事を任された男性陣は丁度近くに来ていたラーメンの屋台の暖簾を潜った。
白土夏希:「お疲れさまです、皆さん」
軽部龍授:「フッ…一番物を運んだのはお前だったと思うが」
白土夏希:特盛の丼を前にしている。腰掛けた屋台の椅子が小さく見える。
赤川累:「うん、あまりに頼もしい働きだった」
白土夏希:「単なる適材適所ですよ」
白土夏希:「これまで、お二人には戦闘面でお世話になってますから」
白土夏希:汁を跳ねさせずにラーメンを啜る。
軽部龍授:「こいつも、真面目か」
赤川累:「まあ……俺は正規のエージェントで、軽部さんは腕で食ってる用心棒だからな」
赤川累:「そこくらいは頼もしい働きをしなくちゃ、顔が立たない」
赤川累:「だからまあ、あまり気に病まないで」
赤川累:暗にデモゴルゴンの時の事を言って。
軽部龍授:メンマ増量味玉追加ラーメンを器用に食している。
白土夏希:「用心棒って……すごいですよね」
白土夏希:素朴な感想。
白土夏希:「普段はどのような生活をしているんですか?」
軽部龍授:「そういう点では、我らの働きは失格だしな。全員取り逃がしている。……む」
赤川累:「確かに……あまり想像がつかないな」
軽部龍授:「そうだな。学校に行って授業を受ける。二学期はまだ4日しか行っていないので、出席日数がまずい」
軽部龍授:「得意な科目は化学だが」
白土夏希:「行ってるんですか、学校!」
軽部龍授:「フッ…その眼鏡は度が悪いのか?学生服を着ているだろう」
白土夏希:「確かに……」
白土夏希:「失礼しました。あまりイメージが湧かなかったもので……」
赤川累:「出席日数がまずい割に、日数をちゃんと数えてるのはまめだよな……」
赤川累:「進路希望書にはなんて書いてるんだ?」
軽部龍授:「大学に行ける程の学力はないからな」
軽部龍授:「この稼業をメインにする事になるだろうよ。数社からはオファーを受けているが」
軽部龍授:「ヤクザのフロント企業やギルド経営の商社など」
白土夏希:「どこも物騒ですね」
赤川累:「穏やかじゃない就職活動だな……」
軽部龍授:「穏やかに漫画家や小説家になる程の創作力があれば良かったのだが」
軽部龍授:ジョークなのか今一分からない響きだ。
白土夏希:「しかし、既に進路が明確なのは良いことかと。ご立派です」
赤川累:「褒めて良いのか? 犯罪組織なんだが……」
赤川累:「まあ、ウチもあまり言えたことじゃないけど」
軽部龍授:「ま、そして授業が終わったら、依頼が無ければ家で剣を振っている。それと自炊だな」
白土夏希:「料理もなさるんですか?」
軽部龍授:「一人暮らしだから、それはする。外食と言うのは、栄養バランスが偏る」
軽部龍授:「お前らはUGNか?」
赤川累:「やっぱり真面目だな……」
赤川累:「進路か? そうだな。大学に行って、医師免許も取るつもりだけど」
白土夏希:「そうですね。自分も……今のところ進学を考えてます
白土夏希:「……医師免許?」
赤川累:「ああ。オーヴァードになる前は、元々そのつもりだったんだ」
軽部龍授:「医者か。応援しよう。社会の役に立つ、素晴らしい職業だ」
軽部龍授:ラーメンをすすりながら言う。
白土夏希:「ええ。すごいですね、赤川くん」
赤川累:「まあ。UGNでレネゲイドの研究をしていた方が意義がありそうな内は、こっちにいると思うが……」
赤川累:「必要だろ。エージェントなんていらない、平和な世界になった時の為にもな」
白土夏希:「大変ではないですか?勉強……それも、エージェント活動をしながらでしょう?」
軽部龍授:「ああ。その為に大学の下見でも?」
赤川累:「勉強は……言っちゃなんだが、合法的なズルをしてる訳だからな」
赤川累:「勉強時間は前よりずっと少なくなったくらいだ」
赤川累:「ああ、事件に巻き込まれた時の話か。そんな所だよ、北見さんに誘われてな」
白土夏希:「ああ……」カップルなので同じ大学を考えているのだろうなと考えている
軽部龍授:「キャンパスデートか」
赤川累:「ただの友人だと言っただろう。いや、白土には言ってなかったか……」
白土夏希:「友人……そうなんですか?」
白土夏希:「自分はてっきり……いえ、失礼しました。勝手な思い込みを……」
赤川累:「地元にいた時、うちの教会に通ってて。そのまま一緒に覚醒して……そういう縁だよ」
軽部龍授:「フッ…ノイマンシンドロームというやつか。いや、ただの友人かはお前はそうかもしれんが」
軽部龍授:「向こうは違うのではないか?」
赤川累:「……逆に聞くけど、そう思う理由でも?」
白土夏希:「理由って……」
白土夏希:軽部くんに目を向ける
軽部龍授:「距離感が向こうはお前を好いてるようにしか見えんが」
軽部龍授:「良く気にかけているだろう」
軽部龍授:「正直、お前が荒れても、まあ、そういう人間がいるから、最終的には安心だろうな。と思っていたくらいだ」
軽部龍授:箸を指でくるくると廻し。
赤川累:「それは……そうだけど」一口、冷水を飲んで。「友情だよ、それは。俺だって、普通に彼女の事を気にかける」
赤川累:「大体、俺は……」
赤川累:「……他の女を好いてた。あいつも、それを知ってる」
軽部龍授:「そうか。過去形なのだな」
白土夏希:「複雑な関係なんですね」
赤川累:「まあ、過去形だけど……」頭をかく。
赤川累:「面白いばかりじゃないぞ、色恋なんて」
軽部龍授:「フッ……その物言いはな。体験したことがある人間だから言えるものだぞ」
軽部龍授:「そういう白土は九十九とはどうなのだ?」
白土夏希:「……自分ですか?」
白土夏希:「どうとは……支部長とは会ったばかりですし……」
赤川累:「どうかある事あるのか? この任務から顔を合わせたって聞いたけど……」
白土夏希:「ええ。何もありませんよ」水を口に運ぶ
軽部龍授:「なんだ、つまらん」
軽部龍授:「いや、何、よくもあんな献身的にフォローすると思ってな」
白土夏希:「それは……仕事ですから……」
白土夏希:「実際、献身的にフォローしないといけない人でしょう。あの人は」
赤川累:「その理屈も分かるが……」
赤川累:「そういえば……白土は、この任務の後もしばらくこの支部に所属する事になるって言ってたな。支部長が」
赤川累:「気に入られてはいるんだろう。そういう意味ではないにせよ」
白土夏希:「……はあ……そうだといいんですが」
白土夏希:答えに困ったように頭を掻く。
軽部龍授:「そうか。これからも苦労するな。尻に敷かれぬようにするが良い」
軽部龍授:「しかし、まったく、惚気の一つも聞きたかったが」
軽部龍授:「もう少し浮ついてほしいものだぞ」
赤川累:「一通り浮ついた後なんだよ、俺は」
白土夏希:「男だけ三人集まって恋の話なんてしても……」
白土夏希:「おや、言いますね」
軽部龍授:「お」僅かに期待するような視線。
赤川累:「そりゃあ……」
赤川累:ずず、と麺を啜る。疲弊で少し口が軽くなっている感覚はある。
赤川累:「プロポーズまでしたからな。並行宇宙での話で、ここにいる俺には関係ないけれど……」
赤川累:「いや……めちゃくちゃヤバい奴みたいになった。今のなしで」
白土夏希:「……?」意味不明な話に、怪訝に眉を顰めている
軽部龍授:「ほほう。どのような言葉を?」
軽部龍授:「他の部分は忘れよう」
赤川累:「その覚えられ方、ある意味俺にとって一番都合が悪くないか……?」
軽部龍授:「安心しろ。他には漏らさん。と言うか、俺にそのような情報を共有する相手などいない」
赤川累:「……別に、普通だよ。将来のことを話していて、高校を卒業したら結婚しないかとか……そういう……」
白土夏希:「おお……」
軽部龍授:「そうか。良いじゃないか。成程」
軽部龍授:僅かながら羨望の眼差しを向け、聞く。
軽部龍授:「並行世界と言うのも如何にも希望がある」
軽部龍授:そういう世界なら自分も普通の学生だった。みたいな救いもあるにはあるだろう。
赤川累:「……少しは満足いただけたなら、何よりだよ」
赤川累:言わなきゃ良かった、と思いながらこめかみを抑えている。
軽部龍授:「聞かせてくれた礼に叉焼をやろうじゃないか」
赤川累:「いや、結構。なんかそれは……チャーシューの為に売ったみたいになるだろ」
軽部龍授:「まったく、人に好かれる人間と言うのは実に羨ましい。いや、お前の生真面目で善良な在り方がそうなるのだろうが」
赤川累:「は。君だって良いやつだろ」
軽部龍授:「フッ……実はな」
軽部龍授:笑って返し。
赤川累:「軽薄ぶってるし、実際物騒だけど。根は真面目で、よく気が回るし愛嬌もある」
赤川累:「好かれる要素なら十分備えてると思うぞ」
白土夏希:「そうですね。最初は物騒な人だと思いましたが……」
白土夏希:「今は好感が持てる方だと思っています」
軽部龍授:「…………」無言でラーメンを喰いだす。
軽部龍授:「いや、これは思ったより、気恥しい」
白土夏希:「お……」
白土夏希:少し笑って
白土夏希:「照れてますね」
赤川累:「ああ、照れているな」
軽部龍授:「仕方ないと思うが。なにせ生まれて初めて、言われたようなものだ」
軽部龍授:視線を合わせぬように横を向き。
赤川累:「後は……強いて言うなら、そういう所じゃないか」
赤川累:「自分は好かれるような人間じゃないと思って、そう口にするのは……」
軽部龍授:「いや、俺は好かれてはいないのは確かだ」言葉にやや影を落とす。
赤川累:「多分、人付き合いにおいてあまり良い結果を招かない。それが事実だとしてもな」
白土夏希:「……何か理由でも?」
軽部龍授:「俺が人から信用と信頼を勝ち取れる人間だったら、おそらく用心棒なぞやっていなかったろう」
軽部龍授:「俺は選ばれなかった」
赤川累:「……」
軽部龍授:「フッ…所詮、腕だけの人間と言う事だ」
白土夏希:「信用と信頼……ですか」
赤川累:「つまり、好かれたい相手にフられたのか」
軽部龍授:物凄い嫌な顔をする。何故ならニュアンス的にはしっくりくるからだ。
軽部龍授:そして笑う。
軽部龍授:「その通り過ぎて笑ってしまうな」
赤川累:「だけど、やっぱり良くないな。ただの一度の経験を、一般化してしまうのは」
赤川累:「その理屈なら俺は、誰かを好きになることなんて二度とやめた方が良いという事になってしまう」
軽部龍授:「お。と言う事は二度目の恋が進行中か?」
白土夏希:「そうなんですか?」
赤川累:「そこまでは言ってないだろ。将来的な可能性としてあるって話だ」
軽部龍授:「それは良い事だ。喜ぶ奴もいるだろう。極身近に」とからかいの色を見せて言い。
軽部龍授:「まぁ、だが、そうだな。結局,"振り"をしてるのは、フった相手を見返したいのだな」
白土夏希:「……剣で、ですか?」
赤川累:「見返したい……か。良いじゃないか、前向きで」
軽部龍授:「あの時、俺を選ばなかったことを、良い男になって後悔させてやるというな。きっと、そういう事だ」
白土夏希:「それで言うなら、もう随分良い男に思えますがね」
赤川累:「だな」
赤川累:「その相手は、今も生きてるのか? もしそうなら、急ぐに越した事はない」
赤川累:「取り返しのつかなくなる時機というのは、どうしてもあるからな」
軽部龍授:「フッ…その為には、明日を生き残らなければだがな」
赤川累:「そりゃ当然だ」
軽部龍授:「そう言えば、赤川には言ってなかったが」
赤川累:箸を置き、手を合わせる。
赤川累:「何だ?」
軽部龍授:「ヘレヴの眼鏡。あれは“ダドエルズホール”と繋がりがあるかもしれんぞ」
軽部龍授:あの時の推測を改めて述べておく。
赤川累:「……あの時言ってた事か」
白土夏希:「“ヴィア・ドロローサ”……ですか」
軽部龍授:「丁度、お前が飛び出した時だった。気には止めておけ」
赤川累:「彼については知己という訳でもないが……ありがとう、覚えておく」
軽部龍授:「何もなければ、それでいいが。慎重に慎重を重ねた方が良い。この事件先がまだ見えない」
赤川累:「そうだな。あるいは、終わった後でさえ全貌が見えていないかもしれないが」
白土夏希:「だとしても、目の前の事態に全力で当たるしかないですね」
赤川累:「ああ、最善を尽くそう。明日の後悔をしないためにもな」
軽部龍授:「まったく。俺は巻き込まれた十五人の仇を取れればそれで良かったのだが」
軽部龍授:「実に面倒な事になった。霹靂程ではないだろうが」
軽部龍授:スープも全て飲み干してカロリーに変える。
赤川累:「なら、取らなきゃいけない仇の数を増やす訳にもいかないな」
赤川累:「やるべきことが見えたんだろ。このまま犠牲者が出続けたら、復讐だけで人生が終わってしまいかねないぞ」
赤川累:会計を済ませてから、冗談めかして笑って言う。
白土夏希:「乗り掛かった舟です。最後までご一緒するとしましょう」
軽部龍授:「フッ…復讐と言うか筋だ。堅気の人間を巻き込むのは、こちらの世界の人間が越えてはいけない最低限の不文律だ」
軽部龍授:「俺はその境界を越えたものは斬り捨てる」
軽部龍授:「しかし……そう言えば気になっているのだがな」
赤川累:「?」
軽部龍授:「果たして女共は今頃、夕飯何を喰っているんだ?」
九霄市 回転ずし 『いくとぅす』
九十八九十九:「大将~!ズワイガニ6人前!!ワサビ多めで!」
九十八九十九:手元のタッチパッドを使わず、大声で店員に注文する。
木花小夜:「あの……パッド」
木花小夜:「パッドありますけど……」
北見菫:「使っては……?」
峯川千墨:「文明に馴染みがねェのか」
九十八九十九:「大丈夫大丈夫、私よく来てるからここ」
木花小夜:「それは常習犯って意味じゃ……」
九十八九十九:「回転寿司って言っても、ちょっと高めのお店だし……その辺の粋は理解してくれてるよぉ、ねっ、大将」
九十八九十九:カウンターから返事はないが、特に気にせず
峯川千墨:(お客さんがレーンに向いて叫ぶと唾が飛んじゃって店が困るんだよ~……って先輩が言ってたような気がする)
九十八九十九:「ほら~みんなも好きなネタ頼みな~。経費でお寿司食べれることなんてなかなかないよ~」
北見菫:「経費で落ちるんですか?これ」
木花小夜:二人にタッチパッドを渡す。
峯川千墨:受け取る。
九十八九十九:「治療費と任務の準備金にinしとくから大丈夫」
北見菫:「いいのかな……」
北見菫:ツナサラダを注文している
木花小夜:「確かに支部だといつもハンバーガーでした」
峯川千墨:「あ、その分治療費削るなんてことにはなんねェだろうな」
九十八九十九:「安心しなさい。一人で切り盛りしてるとねえ、こういう時融通がきくってことよぉ」
峯川千墨:「不正っぽいがどうでもいいんで安心しとく」
木花小夜:「不正はどうでもよくないですけど……」
峯川千墨:「ハンバーガー……ハンバーグ良いな」注文する。
木花小夜:「お寿司屋でハンバーグ頼むんですか……?」
木花小夜:「魚を食べるところじゃ……」
九十八九十九:「あ、小夜ちゃんは生のお魚大丈夫なんだ?」
木花小夜:「あっダメなんですか?みんなは」
峯川千墨:「別に食えっけどよ。好きなモンでいいだろ」
峯川千墨:「客に食われるためにメニューに載ってんだ、ハンバーグも」
九十八九十九:「真理だねえ」
木花小夜:「まあそれはそうか……」
九十八九十九:「実際最近多いらしいよ~生魚だめな子。チルドレンとか、食事管理されてたらあんまり慣れてない子もいるし」
九十八九十九:「ちなみに私は単にカニが好きなだけ~」
木花小夜:「食事管理してると潜入任務大変そうですけど……」
木花小夜:言いつつあさりのお味噌汁を注文している。
北見菫:「でも、何か……」
北見菫:「木花さんがちゃんと食べてると、安心しません?」
木花小夜:「なんで……???」
峯川千墨:「なんでだ……?」
木花小夜:「そんなに食べる方じゃないけど……普通に食べてるよ?」
九十八九十九:「やー、でも何となく分かるなあ。菫ちゃんの気持ち」
北見菫:「そうですよね。すごくスリムだから……」
峯川千墨:やってきたハンバーグ寿司を二貫まとめて頬張る。
峯川千墨:「スリムねえ」
木花小夜:「体重で言ったら支部長のほうがずっと軽いのに……」
北見菫:「ていうか、すごい白いですよね、肌。化粧水とか何使ってます?」
木花小夜:「えっ別に普通の……あっでも」
木花小夜:「最近はCMでやってるやつ買って、すごい違うな~って思った」
北見菫:「へえ……何てやつですか?」メモを取るためにスマホを取り出す
峯川千墨:「穴子と炙りサーモンと鉄火巻……」もぐもぐ噛みながら次の注文をしている。
木花小夜:「あっえーっとね、じゃあ送るね」
木花小夜:「連絡先を……」スマホを取り出しながら、味噌汁を受け取る。
九十八九十九:「千墨ちゃんはお化粧とか興味なさそうだけど」
峯川千墨:ごくりと飲み込む。「あん」
九十八九十九:「肌とか全然荒れてないよね?古代種だから?」
木花小夜:「古代種なんですか!?」
北見菫:「え、そうなんですか……!?」
峯川千墨:「あァ、まァ」
木花小夜:「なんかすごいこう……」
木花小夜:「今っぽいというか……」
木花小夜:「あっでも古風な所もあるかな……?」
木花小夜:味噌汁をちびちび飲んでいる。
峯川千墨:「実際たぶんそんな歳行ってねェからな」
峯川千墨:「お前らと同じくらいなんじゃねェの。知らんけど」
木花小夜:「知らないことあるんだ……」
九十八九十九:「まー、色々あるよねえ」
北見菫:「でも古代種って老けないんですよね。いいな……」
北見菫:レーンからかっぱ巻きを取る
峯川千墨:「でも別に肌とは関係ねェと思うぞ」
九十八九十九:「へ~、そうなんだ?」
峯川千墨:「化粧水だの何だのある程度は使ってるし」
木花小夜:「意外……」
九十八九十九:「意外だな~」
北見菫:「そう都合よくは行かないか……」
木花小夜:「都合よくっていうかなろうと思ってなれるものじゃないと思うけど……」
峯川千墨:「無礼な連中だな」
峯川千墨:実際は先輩が勧めてくれたものをそのまま使っているだけだが。
木花小夜:「だってなんか……」
木花小夜:「『んなまどろっこしいもんやってられっか』とか言いそうじゃないですか」
木花小夜:ちょっと声真似する。
峯川千墨:「…………」言ったけどエージェントは身嗜みもちゃんとしなきゃ~と言われたので従っている。
峯川千墨:「言うか。ンなこと」
木花小夜:「言わないんだ……」
北見菫:「あっ、でも!」
北見菫:「私、ブラム=ストーカーなんですけど……」
北見菫:「木花さんもでしたよね?エフェクトの使い方で、肌とか綺麗に保ったりできるって聞いたんですけど」
木花小夜:「あっなんかあるみたいね、そういう簡易的なエフェクトの使い方も」
北見菫:「木花さんはやり方しってます?それか、誰か教えてくれる人いませんかね……」
木花小夜:「そういうの教えてくれないもんね訓練とかだと……」
木花小夜:「オシャレそうな先輩エージェントに聞くしかないのかなあ」
峯川千墨:咳払いをして。「ブラムス自体割とレアだよな、なんか」
峯川千墨:「能力は大体ブラムスですよーって感じだから目立ちそうなモンなんだけど、あんま見ねェ」
九十八九十九:「う~ん、ていうか……」
九十八九十九:「菫ちゃんはお母さんに聞くのが手っ取り早いんじゃないの?」
九十八九十九:「あ、お母さんっていうか、保護者の方?」
木花小夜:「お母様もエージェントなんですか?」
北見菫:「え……そこまで知ってるんですか?」
木花小夜:「なんかすごい調べ付いてるみたい、支部長」
九十八九十九:「だいたい知ってるよお。有島さん結構有名だし」
峯川千墨:「知らねェ~」
木花小夜:「……すみません私も知らない……」
九十八九十九:「旦那さんが教官やってるからねぇ、管轄に次第ってとこはあるかな」
北見菫:「そうですね。すごく綺麗な人なんですけど……」
北見菫:「……でも、何か……恥ずかしくないですか?そういうこと聞くの……」
木花小夜:「でも……教われる人に教わったほうがいいんじゃないかな」
木花小夜:穴子を食べている。
峯川千墨:届いた炙りサーモンの両面に醤油をつけて頬張る。
北見菫:「う~ん……それはそうですよね」
北見菫:「せっかく超能力者になったのに、戦闘にしか使えないのって……」
峯川千墨:「折角て」
北見菫:「勿体ないっていうか、何かアレだなって……」
北見菫:茶碗蒸しの蓋を開く。
九十八九十九:「アハハ、前向きでいいと思うよぉ~」
木花小夜:「なんか力強いよね菫ちゃん……」
峯川千墨:「転んでもタダじゃ起きねェみたいな?」
木花小夜:「でもなんか……能力でパッとキレイになったら」
木花小夜:「なんかそれはそれで……ズルっぽくないかな」
木花小夜:「もっと自分を見てほしいっていうか……」
北見菫:「そうですか?レネゲイドも自分の力じゃないですか」
木花小夜:「そうかもだけど……」
峯川千墨:鉄火巻を醤油皿の上で転がして頬張る。
峯川千墨:「別に超能力一つでズルいも何もねェだろ」
北見菫:「そういえば……木花さんは彼氏さんいるんでしたね」
木花小夜:「え?うん……」
北見菫:「やっぱそうなると意識も変わるんですかね……」
北見菫:サイドメニューのラーメンを食べている。魚介類は島に居る時に一生分食べたと思っている。
九十八九十九:聞き耳を立てつつ、玉子巻を口に放り込む
木花小夜:「変わるのはそうかも」
木花小夜:「なんか……」
木花小夜:「なんていうか。努力したいって思う」
九十八九十九:「おお~……」
木花小夜:「今まで、そういうこと、そんなに気にしてなかったけど」
木花小夜:「やっぱり、よく見られたいなって……」
峯川千墨:「ンッ」よそ見をして肩を震わせる。
北見菫:「へぇ~~……」
北見菫:「そういうものなんですね、やっぱり……」
木花小夜:「えっちょっと……?」
木花小夜:「今笑われた……???」
峯川千墨:「…………いや」
峯川千墨:「笑ってねェ。笑ってねェよ」
木花小夜:「絶対笑ったでしょ今……!」
木花小夜:「あのね、なるからね、こう!」
木花小夜:「なるもん!」
峯川千墨:「健気で素晴らしいこったなァ~」
峯川千墨:「みんなで見習わねェとなァ~」
北見菫:「笑ってる峯川さんはどうなんですか?古代種だし、やっぱり経験豊富とか?」
峯川千墨:「ア?」
木花小夜:「やっぱ古代種ってそうなんだ……」
九十八九十九:「や~、どうかなあ」
峯川千墨:「いやァ。言ったろ、たぶんお前らと同じくらいって」
木花小夜:「じゃあ今は……?」
木花小夜:「居ないんですか、好きな人とか」
峯川千墨:「物心ついてからはほとんどセルでゴチャゴチャし通しだったし、今もなァ~」
木花小夜:「確かにそうか……」
木花小夜:「じゃあこれからだね」
九十八九十九:「見ものだねえ」
北見菫:「舞浜さんは、どうなんですかね。モテそうな方ですけど……」
北見菫:「早く元気になって、お話聞けるといいですね」
木花小夜:カニと鉄火巻きを食べている。人のを見て食べたくなったので。
木花小夜:「そうだね……」
木花小夜:「元気になったら快気祝いしなきゃ」
峯川千墨:「それもケーヒで落ちるか?」
木花小夜:「落ちますよ~~~ね?」
九十八九十九:「なーに言ってんのさ」皿を重ねて
九十八九十九:「そんくらい私がドンと払ってあげるよぉ!ポケットマネーで!」
木花小夜:「おお……」
九十八九十九:「多分回復時期的に決算過ぎちゃうだろうしね~」トーンダウンして
木花小夜:「やっぱり支部長って給料いいんですか?」
九十八九十九:「ん~?まあお給料は普通じゃない?」
九十八九十九:「学生だし、他所の支部長よりは抑えられてるかも」
北見菫:「そういう部分も考慮されるんですね……」
木花小夜:「あっそういうカラクリあるんですか……!?」
峯川千墨:「ヘェー」
木花小夜:「じゃあ学生の支部長が結構いるのって……」
北見菫:「ええっ……」
九十八九十九:「世知辛い話だよねえ……」
北見菫:「……ていうか、さりげなく恋バナ逃れようとしてませんか?支部長」
木花小夜:「……いや、じゃあ逆に言えば」
木花小夜:「学生のうちこそ昇進しやすいのかな……」
峯川千墨:「昇進すんのお前?」
九十八九十九:「ま~、組織自体が若いからねえ。人手不足も手伝ってさ」菫の言葉は聞こえないかのように
木花小夜:「したいとは思ってるよ」
峯川千墨:「ほォ」
峯川千墨:「イマドキ珍しいタイプってやつだ」
九十八九十九:「今のうちにポイント稼いどいた方がいいよ~」
九十八九十九:「それこそ将来のお給料に響くかも」
木花小夜:「いや給料が沢山欲しいわけじゃないんですけど……」
木花小夜:「共働きになるしそこは大丈夫なんですけど」
木花小夜:「なるべく早く上がりたいなって思ってるんです」
北見菫:「すご……家庭的なワードだ」
峯川千墨:「共働きになるっつったな」
峯川千墨:「何の臆面もなく……」
木花小夜:「えっ……あっ」
木花小夜:「いやその……」
木花小夜:「そうなりたいというか……」
九十八九十九:「まあまあ、良いことだよお」
九十八九十九:「なかなか無いよぉ?この仕事やってて好きな人と添い遂げられるなんてさあ」
九十八九十九:「ほ~ら、小夜ちゃんこのタラバをお食べ~」自分の皿から一貫移す
木花小夜:「相手が非オーヴァードだったり、死別したりとかも常ですもんね……あっありがとうございます」
峯川千墨:「じゃあその良いことってのをテメエでやる気はねェのか?」
峯川千墨:「やけに語りが実感じみて……イヤどんだけ蟹食ってんだお前」
峯川千墨:積み上げられた皿と蟹の欠片の量に若干引く。
木花小夜:お茶を飲んでいる。よく暖まらないとお腹を冷やすので。
木花小夜:「……確かに」
木花小夜:「支部長の話聞いてないです」
九十八九十九:「あれ~?そだっけ?」
北見菫:「そうですよ」
九十八九十九:「や~、でも私はホントそう言うの無いよお」
九十八九十九:「そもそも私の趣味、年上だしねえ」
九十八九十九:「今の環境じゃあなんとも……」
木花小夜:「えっそうなんですか……?」
木花小夜:白土くんの顔を思い浮かべる。
九十八九十九:「そうそう。言ってなかったっけ?」
木花小夜:「言ってなかったっていうか」
木花小夜:「ずっと逃げてましたよね話から……」
北見菫:「こういう人ですよね、この人……」
九十八九十九:「人聞きが悪いなぁ~」
峯川千墨:穴子をタレでひたひたにして頬張る。
九十八九十九:「実際良いよぉ~年上。お金持ってるし」
木花小夜:「そうですか……?」
北見菫:「お金目当てなんですか……?」
峯川千墨:「先輩が言ってたんだがよォ」
峯川千墨:「普段から本心を隠してると肝心な相手にも伝えられなくて逃がすことになるのよ~ってよ」
木花小夜:「それはそれでなんか実感籠もってそうですね」
九十八九十九:「含蓄のある言葉だねえ~。舞浜さんも苦労してきたのかなあ」
峯川千墨:「苦労はしてるらしいな」
峯川千墨:「変なオッサンによく声かけられんだってよ」
九十八九十九:「あ~……」
北見菫:「ああ……」
木花小夜:「……?」
九十八九十九:「それ言ったら菫ちゃんもオジサン受け良さそうだよね」
九十八九十九:「結構苦労してるんじゃない?それとも……」
九十八九十九:「その辺は、赤川君がちゃんと守ってくれてるのかなぁ?」
北見菫:「な……何ですかそれ……」たじろぐ
北見菫:「別に、そういうのじゃないですから。彼」
峯川千墨:「じゃァどういうのなんだ」
北見菫:「どういうのって…………」
木花小夜:「“特別な友人”?」冗談めかして。
北見菫:「……『ただの』友達です!」
北見菫:ぱくぱくとプリンを口に運ぶ
木花小夜:「じゃあやっぱり他に気になる人がいる感じ?」玉子を食べながら。
北見菫:「……気になる子がいるのは、赤川くんのほうですよ」
九十八九十九:「えぇ~?そうなんだ?」
峯川千墨:「ハン?」
北見菫:「彼、私の友達のこと好きだったので。他にもいい感じになってた相手いたし……いや、そっちは詐欺みたいな感じでしたけど」
九十八九十九:「ふぅ~ん?でもなんかどっちも過去形に聞こえるけど?」
北見菫:「ええ、まあ……」息を吐いて
北見菫:「どっちも死んじゃいましたから」
峯川千墨:「重」
峯川千墨:「ウケる」
木花小夜:「……ウケなくないですか……?」
北見菫:「だからそういう感じじゃないっていうか……気まずいじゃないですか、何か」
木花小夜:「うーん……」
北見菫:「その友達も、彼のこと好きだったんです。私にとっても、一番の親友で」
北見菫:「だから……、 ……この話やめませんか?お寿司屋さんでする話じゃないですよね」
峯川千墨:(なんで散々話題振った本人が地雷抱えてんだ……?)
木花小夜:「あっでもあれだよ?」
木花小夜:「私も私の好きな人は私の親友のこと好きだったよ」
北見菫:「えっ……そうなんですか」
峯川千墨:「なんでテメエはさらに重くしてくんだよ」
九十八九十九:「つまり……略奪愛!」晴れやかな表情
木花小夜:「あっいやその……」
木花小夜:「だからずっとそういう感じとも限らないよ的な……」
北見菫:「……いや……」
北見菫:「まず前提として、なんで私が赤川くんのこと好きなことになってるんですか?」
北見菫:「違いますから!そういうのじゃないので!」
九十八九十九:「まあ……今日はこの辺にしといてやりますか?」
木花小夜:「そうですね。続きは舞浜さんが戻ってからで」
峯川千墨:「財布握ってる奴の判断ならまァ」
北見菫:「日を改めても同じですからね……」猫のように威嚇している
木花小夜:「あっあと……詳細は差し控えるんですけど」
木花小夜:「エルちゃんも持ってますよ。話」
木花小夜:「連れてきましょう」
北見菫:「えっ……あの子まで」
峯川千墨:「エルって……エル子がァ!?」
九十八九十九:「へぇ~……」
峯川千墨:「マジかよ! 絶対ェ連れてこい」
九十八九十九:「まぁ、人数は増えるけど……」一瞬頭の中で勘定して。
九十八九十九:「いいよ~!次は絶対呼ぼう!!」
九十八九十九:「給料は少ないけど財布は厚いからねえ私は。問題なし!」
木花小夜:「黒いけど太い……」
北見菫:「どこからの収入……?」
九十八九十九:「そこは秘密~」ウインクする。
九十八九十九:「さあ!食べよ食べよ!!可哀想だから男子にもお土産買ってってあげようねえ」
木花小夜:「……そういえば向こうって何食べてるんでしょうね」
九十八九十九:テイクアウト用のパックを取り出し、カニと玉子をいっぱいに詰めていった。
赤川累:軽部龍授:◯友情/恥辱 でロイス取ります
【Middle7】
GM:情報収集シーンです。全員登場!
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (60 → 66)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (66 → 70)
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (63 → 67)
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (48 → 53)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (65 → 70)
・東の民について
・『蛇』について
・ルカの手紙の内容について
GM:こちらの項目は小夜さんがRHOを開示して聞き出したので自動クリアとなります。
木花小夜:やった~
峯川千墨:そうとはね
GM:というわけで残りはこちら
・“ネフィリム”について 《情報:UGN/FH》難易度10
・東の民の動きについて 《情報:UGN》難易度12
GM:判定どうぞ!
赤川累:じゃあネフィリムやってみようかな 普通に失敗するかもだけど
九十八九十九:じゃあいっちょ支部長の威厳を見せますか 東の民チャレンジ
赤川累:情報:UGNのコネ使用で。
赤川累:4dx+1>=10
DoubleCross : (4DX10+1>=10) → 9[3,7,8,9]+1 → 10 → 成功
赤川累:いけたわ
峯川千墨:えらい
九十八九十九:情報UGN コネ使用
九十八九十九:4dx+2>=12
DoubleCross : (4DX10+2>=12) → 7[2,3,4,7]+2 → 9 → 失敗
九十八九十九:だめだった
GM:威厳が……
峯川千墨:頑張れてえらい
峯川千墨:じゃあ情報収集チーム使ってやってみましょう
峯川千墨:5dx+3>=12
DoubleCross : (5DX10+3>=12) → 10[1,5,7,9,10]+1[1]+3 → 14 → 成功
GM:ニューリーダーが決まったようですね
峯川千墨:へへ
GM:では既知が大半ですが情報を開示していきます
・東の民について
紀元前から存在するユダヤ系の古代種オーヴァードの一族。
教会からは帝政ローマの時代から『聖絶』の対象とされ、その存在を抹消され、長年に渡り苛烈な迫害を受けてきた。自身らの正当性の証明となるルカの手紙を奪取、公開しようと目論んでいる。
伝説によれば『生命の実』を食べた一族とされ、かつては崇拝の対象として広大な地域を支配していたこともあるようだが、現在は世界全体でも約150人程度の生き残りしかいないと見られている。
人員は心許ないが、『蛇』の力によって高侵蝕状態で戦闘を繰り返すことが可能であり、またそれに適応した戦術(アージエフェクト)を身に付けている。
今回の一件では人手不足から傭兵として“ダドエルズホール”に手紙の奪取を依頼したが、その情報を利用され踊らされていたようだ。
・『蛇』について
東の民が代々受け継いできたジャームRB遺産。
Eロイスにより強化された《リプレッション》を用い、他者の侵蝕率を吸収し自らの内に蓄積できる。このため、東の民はレネゲイドを低リスクで全力行使可能であり、また『蛇』自体も2000年で蓄積してきた膨大なレネゲイドを有しており、解放されれば凄まじい力を発揮すると見られている。
巫女と呼ばれる血族の者達によって継承・封印されてきたが、その代償として巫女となった者はみな短命であるようだ。
・ルカの手紙の内容について
『ルカによる福音書』と『使徒言行録』の間に本来位置するものであり、キリストと東の民の密接な関わりと、彼らに対する特権的待遇について触れられたもの。キリストの神性と唯一性を脅かしかねない危険な文書。
帝政ローマの時代に存在を抹消され、それ以来教会の中枢と東の民の末裔にのみその存在が知られていた。
手紙が公開された場合、UGNの力であれば隠蔽は可能だが、一度でもネットに放流されたデータを完全に回収するのは不可能に近く、極めて大規模で莫大なコストが掛かる。
また、歴史的事実の公表についてどう対処すべきか、東の民への迫害を放置してよいものかどうか、上層部でも意見が割れているようだ。
パレスチナ問題を始めとした複数の外交関係にも関わってくる極めてデリケートな事案ゆえに、UGNとしては破壊でなくなるべく確保という形を取りたいらしい。
・“ネフィリム”について
停止した“ネフィリム”の機体を調べたところ、内部から新生児の遺体が見つかった。生後間も無く高濃度のレネゲイドに曝露しジャーム化・死亡したものと見られ、機体にレネゲイドを供給するコアの役割を果たしていたものと思われる。
比較的容易に入手でき、機体スペースも最小限で済む低コスト・高機能な生体パーツとして採用しているのだろう。
“ダドエルズホール”の活動記録を調べたところ、他にも今回と同型と見られる機体の記録が見つかっており、既に技術として確立、セル内で数体が量産されているものと考えられる。
・東の民の動きについて
こちらはロール内で開示していきます。
セーフハウス
GM:オークションでの戦闘から一夜明け、君達は新たなセーフハウスへと拠点を移した。
GM:これまでより手狭なリビングで、テーブルを囲んで再度の会議が執り行われることとなった。今回はエルと『蛇』も交えたものだ。
白土夏希:「……現在まで、ホテルを出た後の東の民の所在地は不明」
白土夏希:「ですが、UGNの監視網からまだ市内に留まっている可能性が高く……」
白土夏希:「また、舞浜さんが既に市内全域に監視カメラを設置してくれています。動きがあればすぐにでも分かるはずです」
木花小夜:「そんなこといつの間に……」
峯川千墨:「流石先輩だ」
九十八九十九:「プロだねえ」
峯川千墨:「……目的のモンを確保したのに動かねェってのは、やっぱエル子を気にしてんのか?」
九十八九十九:「そりゃあ、エルちゃんをこっちが保護してることは向こうに教えてあげたからねえ~。放ったらかして出ていくってことはないでしょ」
赤川累:「あの時の様子から見ても、そうだろうな。潜伏してエルを奪還する機会を伺っているんだろう」
エル:「いえ……違うと思います」静かに口を開く
軽部龍授:「と言うと?」
エル:「私の存在は、今回の計画には必須ではないはずです」
木花小夜:「……そうだね。これまでの活動に必要だったけど」
木花小夜:「これが最後だってなら、あなたの力がこの後必要にされることはないはず」
赤川累:「エルの力……他者の侵蝕率の低減か。俺達があの時、受けたような」
エル:頷く 「ラビ……ギデオンさんは、情に篤い人ですが……同じくらい必要な判断を下せる人です」
エル:「『手紙』の公開を最優先としたなら、私にかかずらって成功率を下げることはしないはず」
木花小夜:「……ギデオンはそうでも」
木花小夜:「エノクは違う」
エル:「それは……そうかもしれませんが……」迷うように表情を曇らせる
軽部龍授:「…………ならば、そのエノクと方針で揉めているか、何らかの妨害を受けているか、公開に際して最高の機会を伺っている。のどれか。あたりだろう」
エル:「……はい。単純に……態勢を整えて、機を伺っているのだと思います。今すぐにでも動き出しておかしくないはず」
峯川千墨:「ふゥん?」
九十八九十九:「なーんだ。じゃあ結局こっちから見つけて乗り込まなきゃなのかぁ」
軽部龍授:「フッ…楽は出来んものだな」
九十八九十九:「向こうから来てくれたら、色々準備も楽だったんだけどなあ」
軽部龍授:続く九十九の言葉に、ほら見た事か。と頷き。
軽部龍授:「そして、そう考えてるのは、俺達だけでもないとは思うが……勢力の数が減ってないからな」
木花小夜:「……“ヘレヴ”に、“ダドエルズホール”」
赤川累:「つまり、いずれにしても今が最後の猶予という訳か」
九十八九十九:「やー、あんまないよぉ~猶予」
九十八九十九:「"へレヴ"は態勢整えて手紙を取り戻しにかかるだろうし、"ダドエルズホール"は手を引くようなこと言ってたけど」
軽部龍授:「“ダドエルズホール”が何をしたいのか、わからんな。悪魔の名を冠しているが、そう信心深い奴らでもなかろうし、まさか本当に金儲けだけと言う事もあるまい」
峯川千墨:「アイツらは金儲けじゃねェのォ?」
白土夏希:「結局……オークションもあの結果ですからね」
九十八九十九:「そうなると、連中もまだ目的を達成してないことになるねえ」
軽部龍授:「金儲けにしては効率が悪すぎると思うがな。大学を爆破するリスクが分からん」
木花小夜:「社会的なリスクはないんじゃないでしょうか」
木花小夜:「元から、社会からは不倶戴天の敵ではあるし……」
赤川累:「目的と言えば、峯川さんへの報復も数に数えていいと思いますけどね。執拗なやり方だった」
軽部龍授:「ああ、で、あの"ネフィリム"から何か分からなかったのか?」
赤川累:「ああ……分析は終わっています。正直、不快な内容ですが」前置きして。
木花小夜:「……あっちょっと待って」
木花小夜:「エル、外そう」
赤川累:「……ああ」エルの方を見て。
赤川累:「そうだな。聞かせるべきじゃない」
エル:「え……な、何ですか……?」
『蛇』:「そうよ。子供扱いしないで貰える?」
『蛇』:影の蛇が顔を出し、全員に聞こえる音としての声を発する。
木花小夜:「いや扱いっていうか14って言ったじゃない」
峯川千墨:「オッ」
赤川累:「……これが、例の声か」
木花小夜:「あっ言ってなかった……」
峯川千墨:「本当にいたんだなァ~」
木花小夜:「でしょ?」
木花小夜:「私に入院の必要はないから」胸を張る。
九十八九十九:「なんか……」
九十八九十九:「あんま威厳無いね……?」
木花小夜:「あっそれ言うと怒られる……」
『蛇』:「この子は東の民で巫女なんだから。あんた達よりよっぽどハードな人生経験してるんだから!」ムキになったように
エル:「ちょっと……蛇さん……」
軽部龍授:「フッ…退屈しそうにない奴だな」
軽部龍授:「だが、人生のハードさを競い合うのはやめた方がよかろう。不毛にすぎる」
赤川累:「……だから平気、というものでもないと思いますが」
赤川累:「そこまで言うなら、エルさんの自主性に任せます。……聞きたくなければ、少し耳を塞いでいてください」
赤川累:そう言って、小さく咳払いをしてから。
赤川累:「……あの兵器の核となっているのは、生後間もない幼児の遺体です」
赤川累:「外的な刺激によって強制的にジャーム化させたそれを、機体の核として運用している」
『蛇』:「えっ……」
軽部龍授:「…………」
木花小夜:「……」
木花小夜:「ひどい……」
峯川千墨:「すげェー」
エル:「……」顔色を悪くしている。
赤川累:「また……"ダドエルズホール"の活動経歴を調べていた所、過去にも同型と見られる兵器を運用していた記録がありました」
軽部龍授:「だとすると、ある程度、量産されているかもしれんな」
軽部龍授:赤子と言うのは、極論すれば戦闘訓練された兵士を確保するよりも、集めるのは容易だ。
赤川累:「ええ。あのセルの中では、既に確立された技術であるようです」
九十八九十九:「やるねぇ~」
峯川千墨:「最悪じゃねェ部分が一切ねェ」
赤川累:「再び交戦する事があれば、ストックが出てくるかもしれません。留意してください」
『蛇』:「聞かせるんじゃなかった……」
木花小夜:「エル大丈夫……?」
木花小夜:「だからやめといたほうがいいって思ったんだけど……」
エル:「……いえ……大丈夫です。すいません……」かぶりを振る。
赤川累:「……失礼。この件についての報告は以上です」
赤川累:敢えて不快感を表情に出さないように話していたが、少し疲れたように息を吐いて。
軽部龍授:「気持ちの良い話ではないな」
九十八九十九:「みんな~、一応核の配置については頭に叩き込んどいてね」
九十八九十九:「かわいそうかもしれないけど、そこ狙うのが一番手っ取り早いからさぁ」
峯川千墨:「おう」
赤川累:「……ええ。そうですね」
白土夏希:「……」黙祷めいて静かに瞑目し、拳を握り締める。
軽部龍授:「人を斬るのと大して変わらんな。急所が鎧で守られているだけだ」
赤川累:「稼働中から、人としては既に死んでいる状態です」
赤川累:「命を奪っているとか……そういう風に考える必要は、ないかと」
北見菫:「それはそうだろうけど……」嫌そうな顔「そう簡単に割り切れないでしょ」
軽部龍授:「いや、それは余計に重くなると思うが」
軽部龍授:「敢えて口にすると」
赤川累:「……すみません」
峯川千墨:「アタシは生身の人間が入ってようが気にしねェよ。やりたくねェ奴は代わってやる」
木花小夜:「……そこの議論をする意味もないよ」
赤川累:「割り切れという訳じゃなく、あまり気に病むなと言いたかった。それだけです」
軽部龍授:「切り替えていくか。次、違う情報何かあるか?」
木花小夜:「うん。“ルカの手紙”の中身について……というか」
木花小夜:「東の民についてか。大まかには話したけど……」
木花小夜:「掻い摘んで言えば、彼らはイエス・キリストと根を同じくすると思われる古代種オーヴァードの末裔で」
木花小夜:「それ故に、キリストの唯一性を損なうと判断されて、迫害を受けてきた」
木花小夜:「そして“ルカの手紙”には、その存在を追認する記述がある」
木花小夜:「だからこそ、それを手に入れるために、蛇にまで頼ってここまで来た」
『蛇』:小さな頭で頷いている。
軽部龍授:「2000年近く迫害されていた奴らが、正当性を得てしまう…」
軽部龍授:「厄だな。思っていた以上に」
赤川累:「ええ……どうあれ、現在の世界に対する影響は測り知れないでしょうね」
赤川累:「バチカンも血眼になる訳だ」
九十八九十九:「要は平等なファンサで売ってきた神様が、今更古参を依怙贔屓しちゃ不味いってことでしょ」
木花小夜:「アイドルみたいに言うのはどうかと思いますけど……」
白土夏希:「例えが俗すぎませんか……?」
木花小夜:「うん。推測になるんだけど……あれ自体が、レネゲイドに満ちたアイテムというよりは」
木花小夜:「純粋な存在強度が問題なんじゃないかって思う」
峯川千墨:「ナニ強度って?」
木花小夜:「存在。否応なく、表の世界は大きく変貌してしまうことになる」
木花小夜:「昨日と同じ今日、今日と同じ明日を臨めない可能性が高い」
木花小夜:「そうなれば、UGNそのものだって、どうなるかわかったものじゃない」
峯川千墨:「フゥーン」
峯川千墨:「なんか大変なんだな」
木花小夜:「無関係みたいに……」
九十八九十九:「やれやれ、組織がでっかくなるのも考えものだねえ~。隣の庭の芝生まで面倒見なきゃいけないんだからさ」
九十八九十九:「けど、う~ん……」少し考え込んで
木花小夜:「……それに。これは極めて個人的な所感ですけど」
木花小夜:「ヘレヴを恣にする組織が、管理に相応しいところだとは思い難いです」
九十八九十九:「ま、それはあるねえ」
赤川累:「……。そうですね」
峯川千墨:「知らねェけどアイツらに渡すのはヤダ」
赤川累:「それに……"ヘレヴ"の行動を抜きにしても。要するに『手紙』は戦争の火種だ。それが一方の当事者の手に渡るべきじゃない」
軽部龍授:「とは言え、UGNなど言う新参に管理が相応しいとも向こうは思ってないだろうが」
軽部龍授:「東の民が手に入れて、UGNに譲渡もしくは管理を任せる。と言う形にはなかなかならんだろうしな」
九十八九十九:「大体、ウチが積極的に絡むにしては、上の判断が煮えきらなすぎるよ」
九十八九十九:「未だに公開するかしないか揉めてるとかさあ、現場が動きづらいったらない」
木花小夜:「やっぱり破壊が一番……」
木花小夜:菫ちゃんの顔色を伺う。
北見菫:「……」
北見菫:「まあ……資産的価値についてもうどうこう言うわけではないんですけど……」
北見菫:「でも、実際のところ……いいんですか?壊しちゃって」
北見菫:「あれが無かったら、東の民は今後もずっと……」
軽部龍授:そこはエルを見る。
エル:「……」
赤川累:「……確かに、『手紙』の破壊は彼らの希望を奪うことに他ならないだろうな」
赤川累:「逆に言えば……そこにあるという事は希望だ。破壊でもされない限り、彼らは奪還と公開を諦めないだろう」
赤川累:「今までのように、こんな戦いを続けることになる」
峯川千墨:「いっそ全員で日本に住めばよくねェ?」
峯川千墨:「アタシやサヨ子みてェな不信心モンばっかりの国だぞ。あんま迫害とかもされねえんじゃねえの」
木花小夜:「……私も思ってた」
木花小夜:「不信心は余計だけど……」
九十八九十九:「それ、わりとアリかもねえ」
木花小夜:「他の国で暮らすよりは、余程マシではあると思う」
『蛇』:「エル、どう思う?」
エル:「うーん……」悩んでいる
九十八九十九:「そもそも、エルちゃん達みたいな人の居場所を作るのがUGNの仕事だからねぇ」
九十八九十九:「いくら人手不足でも、150人そこらの面倒みる甲斐性くらいあるよお。多分」
エル:「この国のこと、まだよく知らなくて……」
エル:「エノクは『腐った豆を食べるなんて信じられない』って言ってたけど……」
『蛇』:「腐った豆を!?」
木花小夜:「発酵だから……そういう調理法だから……」
軽部龍授:「…………問題は、悪辣な人質作戦を使った俺達を向こうは信用しないだろうと言う事だが」
軽部龍授:「少なくとも、向こうを説得できるのはエルだけだろうよ」
エル:「……そうですね。皆さんのような方がいるのなら……私からも、皆に話してみようと思います」
赤川累:「……その感じだと、妥協の余地がないという訳でもないのか」
赤川累:「自分達の正しさを絶対に世界に認めさせる、とか。そういう……徹底して苛烈なモチベーションでいるのなら、どうすべきかと思っていたが」
赤川累:「居場所を作ることが妥協点になるのなら、それに越した話はない」
木花小夜:「そういうのよりも」
木花小夜:「みんながこれ以上傷つくのがイヤなんだって、エルは」
エル:「皆、生きるだけで必死なんです。東の民で、家族や友人を失っていない人は居ませんから」
エル:「その悲しみも……分かっている筈です」
赤川累:「……そうか」
峯川千墨:「なるほどねェ」
木花小夜:「……ただ、最終的には分かりあえる余地があるかもしれないけど……」
木花小夜:「今出会って、彼らが私たちの話を全面的に聞き入れてくれるかは難しいと思う」
峯川千墨:「いっぺんブン殴る必要はあるだろォな」
木花小夜:「他の勢力の妨害もあるだろうし……何よりも」
木花小夜:「帰還セーフティ前提の、高侵蝕状態での戦いに慣れすぎてしまってる」
木花小夜:「それって、衝動が強く出ている状態だから……」
赤川累:「……エルが離脱した以上、その危険性を理解しているとは思いたいけれど」
赤川累:「難しいか。チルドレンのような衝動制御の訓練を受けているわけでもない」
峯川千墨:「その状態で目の前に2000年の悲願ってのがブラ下がってて」
峯川千墨:「聞く耳持つ奴ァまァいねェよ」
軽部龍授:「あの時の戦闘ではあるが、ギデオンは"暴走"していたしな」
軽部龍授:「しかし東の民、まさに朱鷺だったか」
白土夏希:「鰻よりは希少でしょうね……」
九十八九十九:「今更、朱鷺と鰻は斬れないとか言わないでよぉ?当てにしてるんだからさあ」
軽部龍授:「フッ…さらに電気を出していたな」
北見菫:「……でも、実際のところ……これから東の民は何をするつもりなの?」
北見菫:「テレビ局をジャックしたりとか?」
木花小夜:「九霄市にそんな施設あったっけ……?」
エル:「……公開には電波よりネットを使うと思うんですが、私も詳しくは聞かされていないんです。というより、現地を調べてからという感じで」
九十八九十九:「行き当たりばったりだねえ」
赤川累:「普通にネットで公開しただけなら、UGNの妨害を受けて揉み消される……という事は、向こうも理解しているだろうけど」
白土夏希:「つまり、仕掛けてくるならある程度高度なクラッキングによるもの……」
白土夏希:「その為には、ハイスペックな機材と高速回線が必要なはずです」
『蛇』:「……そんなの、この近くにあるの?」
九十八九十九:「この街でそんな設備が揃ってるとこってなると……」
峯川千墨:「なると?」
赤川累:「……九霄大学か」
北見菫:「あ……」
北見菫:「……大学のスパコン!?」
GM:九霄大学には生徒たちが利用可能なスーパーコンピュータとサーバー群、それを支える大容量高速回線が敷設されている。クラッキングに用いるには絶好の環境だろう。
九十八九十九:「やるねぇ~!名推理だよ君達ぃ!」まったく思い至らなかった自分を棚上げして。
木花小夜:「……あるいは、爆破までしたのも」
木花小夜:「邪魔を退かすためだったのかも……」
峯川千墨:「こんなクソ田舎にもあるとこにはあるんだなァ~」
白土夏希:「クソ田舎……」
木花小夜:「ちょっと言い方……」
軽部龍授:「となると、まずいな」
赤川累:「まずい?」
軽部龍授:「こちらの電脳戦の専門家が入院中だ」
木花小夜:「……直接向かって対処するしかないってことだね」
北見菫:「じゃあ、とにかく早く行って押さえないと……」
九十八九十九:「そゆことだね~」
峯川千墨:「どの道これ以上先輩に頼るワケに行くかよ」
赤川累:「電脳戦に持ち込ませないための防衛戦ですね。了解しました」
白土夏希:「……いえ」
白土夏希:端末に視線を落とす。
峯川千墨:「さっさと行ってアタシらで全部……何?」
九十八九十九:「ん?どしたの白土くん」
白土夏希:「一手遅かったようです。情報部から連絡」
白土夏希:「現在、市内のメインストリートで“ヘレヴ”と東の民と思われる勢力が交戦・移動中」
赤川累:「動き出したか……」
峯川千墨:「んだよ。全世界大公開されたのかと思った」
白土夏希:「方角から推測すると……やはり行先は……」
九十八九十九:「うぇ~……」観念したように首を鳴らす。
九十八九十九:「場所は選んで欲しかったかなあ。いくら田舎って言ってもメインストリートだよお」
軽部龍授:「言い方は悪いが、足止めしてくれて助かった。のではないか?」
白土夏希:「すぐ出ましょう。誰か運転できますか?」
北見菫:「私17なので……」
赤川累:「無免許でも良ければ……」
軽部龍授:「同じく」赤川君と同じだ。
木花小夜:「……舞浜さんの存在大きすぎないですか?」
峯川千墨:「今更気付きやがったか」胸を張る。
九十八九十九:「……しゃーない」立ち上がる。
九十八九十九:「ここは私が一肌脱ぎますか~」
木花小夜:「いや待ってください」
木花小夜:「同じ無免許なら支部長じゃないほうがいいと思います」
木花小夜:「なんか……危機を感じるので」
軽部龍授:「フッ…脱ぐと言ってもネクタイ一枚取る。とか、その程度のサービスな気もするしな」
九十八九十九:「えぇ~……」
九十八九十九:「仮免なら持ってるけど……?」
北見菫:「あるんだ……」
木花小夜:「うーん……」
峯川千墨:「それも大概微妙だが……」
木花小夜:仮免のある支部長と完全無免許の二人を天秤にかけている。
赤川累:「そこの人選で悩んでいる場合でもない気がしますが……」
峯川千墨:「そうかも」
軽部龍授:「アクセルとブレーキが分かれば、誰でも良かろう」
軽部龍授:「どうせ《リザレクト》がまだできるのだ」
木花小夜:「今の発言であなたは候補から下ろす」
『蛇』:「もう何呑気してるのよ!とにかく行きましょ!」
赤川累:「なら俺も辞退しましょう。支部長、お任せしました」
九十八九十九:「任されて~」
木花小夜:「え~……」
木花小夜:私も免許取ろうかなあ、とつぶやいた。
GM:シーン終了。ロイス・購入可能 最後です
軽部龍授:まず自分に応急手当を使います。
軽部龍授:14+2d10
DoubleCross : (14+2D10) → 14+9[5,4] → 23
九十八九十九:私も応急使おう
九十八九十九:15+2d10
DoubleCross : (15+2D10) → 15+9[2,7] → 24
軽部龍授:応急手当を買います。
軽部龍授:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 5[2,5]+4 → 9
軽部龍授:そして使います。
軽部龍授:23+2d10
DoubleCross : (23+2D10) → 23+16[7,9] → 39
軽部龍授:全快。ロイス欄は埋まってるので以上です。
峯川千墨:このロイスってやつもう昇華したやつがあったら新しく取って入れ替えたりできないんですか?
GM:だめです
峯川千墨:そんな……
峯川千墨:購入は応急手当を~
峯川千墨:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 10[2,4,6,8,10]+8[8]+1 → 19 → 成功
峯川千墨:自分に使います
峯川千墨:11+2d10
DoubleCross : (11+2D10) → 11+12[6,6] → 23
峯川千墨:峯川千墨のHPを23(→ 23)に変更 (11 → 23)
赤川累:ロイスは保留で
九十八九十九:ロイス保留
赤川累:じゃあこっちも応急買っておくか
木花小夜:あっそうだ
赤川累:2dx+4>=8 応急
DoubleCross : (2DX10+4>=8) → 7[4,7]+4 → 11 → 成功
九十八九十九:予備弾倉をもう一個買おうかな
木花小夜:私医療トランクあるよ
赤川累:あっそうだった
九十八九十九:2dx+2>=10
DoubleCross : (2DX10+2>=10) → 10[4,10]+8[8]+2 → 20 → 成功
赤川累:ひとまず買ったやつでセルフ応急
九十八九十九:いっぱい買えた。以上!
木花小夜:千墨ちゃん使う?
軽部龍授:あ。後ウェポンケースにアームドスーツ入れます。
赤川累:9+2d10
DoubleCross : (9+2D10) → 9+11[8,3] → 20
木花小夜:でもほぼMAXか
赤川累:赤川累のHPを20(→ 20)に変更 (9 → 20)
峯川千墨:どうしよ 最大が24なので
峯川千墨:赤川くんのがよさげ?
赤川累:20/27です
木花小夜:じゃああげる!
赤川累:他にいなさげならもらいたき
赤川累:わーい
木花小夜:私はカバーするからどうせ耐えられないと思う
赤川累:20+2d10
DoubleCross : (20+2D10) → 20+15[6,9] → 35
赤川累:全快!
赤川累:赤川累のHPを27(→ 27)に変更 (20 → 27)
木花小夜:ん~ ジュラルミンシールド狙おうかな
“ガーネット・スター”:8dx>=12
DoubleCross : (8DX10>=12) → 5[2,2,2,3,4,4,5,5] → 5 → 失敗
“ガーネット・スター”:ひくっ
木花小夜:6dx+3>=12
DoubleCross : (6DX10+3>=12) → 9[1,1,3,6,8,9]+3 → 12 → 成功
木花小夜:OK 千墨ちゃんにあげるね
峯川千墨:あっありがと~!装備します
【Climax】
GM:クライマックスシーンです。全員登場!
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (53 → 59)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (70 → 75)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (70 → 74)
軽部龍授:軽部龍授の侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (67 → 72)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (66 → 72)
GM:街は既に戦場の様相を呈しつつあった。
GM:市街地で衝突するヘレヴと東の民たち。《ワーディング》の中、あちこちから火の手が上がり、路上には大破・停止した車が幾つも散見できる。
GM:九霄大学はセーフハウスから市の反対側にあり、君達は車を急がせる。だがその前方を塞ぐように、ヘレヴのものらしきワンボックスカーが現れる。
GM:「居たぞ!あの車だ!」
九十八九十九:「おーおー好き勝手やりなさる……」低いトーンで呟きながら、ワゴン車のハンドルを切る。
GM:後部座席や窓から幾つもの銃口が顔を覗かせ、君達の車へと発砲してくる!
GM:簡易的な判定を行って頂きます。失敗するとダメージが発生。
峯川千墨:何だとぉ……
木花小夜:ヒエ……
九十八九十九:任せな
軽部龍授:なんと!
赤川累:技能と難易度を伺うぜェ~ッ
《運転》難易度15 1人のみ判定可能
任意の攻撃 達成値+ダメージを判定として算出、複数人の判定値を合計可能 難易度180
木花小夜:誰も運転できねえって言ったでしょ!
峯川千墨:両方成功しないと駄目なのかい!
GM:無論そう!
峯川千墨:終わりだ
赤川累:運転する人に砂の加護投げようかな
木花小夜:私ダメージ一点も出せない
木花小夜:素手パンチしかない
九十八九十九:あたし肉体1しかないし運転技能もないから誰かお願いします
峯川千墨:私シングインザレインあんまり使いたくない……
GM:わがままPCども
軽部龍授:私は肉体4技能なし
軽部龍授:判定失敗で発生するダメージはなんぼですか?
GM:秘密……にしなくていいか 6D10です
九十八九十九:そこそこデカい
木花小夜:これ……
木花小夜:失敗して軽部くんに頑張ってもらうのは……?
峯川千墨:私も同じ意見です
木花小夜:攻撃回数に縛りあるキャラが多すぎる
赤川累:まあ……
軽部龍授:40点+1d減らせるから。まあね。
赤川累:GMがせっかく用意してくれた判定だからちゃんとやりたい気持ちもあるにはあるが……
GM:何て奴らだ
GM:でも……
GM:クリアしないと2ラウンド目始まりますよ
九十八九十九:そうなるのか
赤川累:よーし一致団結してクリアするぞ
峯川千墨:クリアするまで続くの!?
木花小夜:2ラウンド目って
木花小夜:またリセットして無限にやるってこと?
赤川累:達成値は持ち越される?のかな
GM:そうですね 達成値は持ち越されますが
峯川千墨:ヤダ~~~~~~
GM:そりゃ前に車いるんだから……倒さないと撃ってきますよ
軽部龍授:じゃあ頑張るしかないね!
木花小夜:だとしてもまあ……1ラウンド目で達成するのは現実的じゃないから
木花小夜:2ラウンド見越してやるほうがいいと思う
赤川累:そうね
九十八九十九:そうですね、1ラウンド目は軽部くんに防いでもらうのも視野に入れて
軽部龍授:運転判定した人は攻撃に参加できるのかな?
GM:1ラウンド目は出来ないですね!
木花小夜:2ラウンド目以降も
木花小夜:運転の成否は記録されるってことね
GM:そうだっちゃ
軽部龍授:うす!
木花小夜:従者にやらせるのがいいのかな運転……
九十八九十九:それがよさそう
峯川千墨:wwww
木花小夜:こいつも殴らせると素手だし……
GM:どう見ても運転できないだろ
赤川累:www
木花小夜:そうかも……
GM:ゴールド免許なのかな 従者くん
GM:本人は無免なのに
木花小夜:免許取るほうがより出来ないだろ
GM:勝手に教習所行ってきた
木花小夜:私の知らないところで……
峯川千墨:自我芽生えてる
軽部龍授:でも、まあ、それが一番でしょう!
木花小夜:じゃあ……行きます 教習の成果を見せます
GM:では判定どうぞ!
“ガーネット・スター”:4dx>=15
DoubleCross : (4DX10>=15) → 9[2,2,4,9] → 9 → 失敗
赤川累:あ~
赤川累:そりゃそうだよな
峯川千墨:仕方ねえよ
木花小夜:終わらせとこ 《宵闇の魔花》使います
九十八九十九:がんばった
木花小夜:従者のHP-5して達成値+8
峯川千墨:スゴ~~~~!!!!!
九十八九十九:ついに!
軽部龍授:切り時だね!
赤川累:やったぜ
峯川千墨:まさかこの展開を予想して!?
木花小夜:そうです
GM:くっ……
九十八九十九:スパコン並みの頭脳
峯川千墨:神だ……
赤川累:やるじゃない……
GM:でもまだ攻撃判定は残ってるぜ
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (75 → 79)
赤川累:やってやろうじゃねえの
木花小夜:がんばえ~
九十八九十九:順番は自由かな?
GM:自由です!
赤川累:どうしよう ひとり低めだしフルで撃つのがいいかな
木花小夜:赤川くんに全力出してもらうのがよさげね
赤川累:OKやってやるぜ
九十八九十九:そんな気がする~
赤川累:《コンセントレイト》《インスタントボム》オート《砂の加護》《砂塵霊》
木花小夜:おねがい~
峯川千墨:男性陣だけが頼り
赤川累:6dx+15@7 命中
DoubleCross : (6DX7+15) → 10[1,5,5,7,7,8]+10[6,8,10]+5[4,5]+15 → 40
木花小夜:つよ
九十八九十九:デカい
赤川累:5d10+25 ダメージ
DoubleCross : (5D10+25) → 30[6,8,8,2,6]+25 → 55
GM:デカすぎんだろ
軽部龍授:うお、でっか。
木花小夜:もう半分行ってる
赤川累:合計95です
九十八九十九:いいゾ~
峯川千墨:すごーい!
赤川累:赤川累の侵蝕率を11(→ 11)増加 (59 → 70)
GM:C(200-40-55)
DoubleCross : c(200-40-55) → 105
GM:半分くらい減りました
木花小夜:180じゃない?
GM:あっそうだった
GM:優しさの残滓がバレちまったな
GM:C(180-40-55)
DoubleCross : c(180-40-55) → 85
峯川千墨:もっと優しくして♡
九十八九十九:小夜EYEは不正を赦さない
木花小夜:きりっ
GM:だがあと85は削れまい 死にな!!
軽部龍授:じゃあ僕もやってしまおう。
軽部龍授:《コンセントレント:エグザイル》《貪欲なる拳》《爪剣》+ウェポンケースからアームドスーツ
軽部龍授:9dx7+3
DoubleCross : (9DX7+3) → 10[1,1,3,3,4,4,8,9,9]+5[1,3,5]+3 → 18
軽部龍授:低いな。ダメージいきます。
軽部龍授:2d10+24
DoubleCross : (2D10+24) → 10[9,1]+24 → 34
GM:C(85-18-34)
DoubleCross : c(85-18-34) → 33
軽部龍授:72→80
木花小夜:いい感じ!
九十八九十九:ゴールが見えてきた
峯川千墨:もしかして助かるのか……?
軽部龍授:全員で殴りまくればきっと!
GM:助かる訳ないぜ 死になさいシンジくん
九十八九十九:ミサトさんはそんな事言わない
峯川千墨:あっ
峯川千墨:小夜ちゃん!一旦ジュラルミンシールド返します
峯川千墨:これで殴って!
木花小夜:いや……
木花小夜:あたし従者ペナで白兵ダイスふれないです
赤川累:あ~
峯川千墨:馬鹿な…………
木花小夜:ちずみちゃんが節約盾パンしたら?
赤川累:そんなペナルティあったな…
GM:哀しき存在
九十八九十九:じゃあ私にちょうだいよ
峯川千墨:じゃああれかな 支部長に盾パンしてもらって……?
峯川千墨:その結果次第で雨粒撃つか素手パンにするか決めます
九十八九十九:そうしましょうか
木花小夜:アンマテ何発あるんですっけ
九十八九十九:5発
GM:ありすぎだろ!
木花小夜:千墨ちゃんの侵蝕のほうが重要な気がするから
九十八九十九:ぶっちゃけ使ってもいいです
峯川千墨:思ったよりあった
赤川累:そうね
木花小夜:一発素撃ちしてもらったほうがいいんじゃない?
軽部龍授:使いましょうぜ。
GM:いいのかな~
九十八九十九:このGMなら余裕で5ラウンド超える可能性も警戒してたけど
木花小夜:4ラウンド来たら
木花小夜:どうせみんな死んでるよ
九十八九十九:まあ……そうね!
九十八九十九:撃ちます。アンマテを
GM:(じゃあ死ぬな……)
峯川千墨:何だこのGMはよ~
木花小夜:やりましょうか
九十八九十九:俺達は……生きる!
九十八九十九:マイナーで予備弾倉を装填、アンマテの回数を回復
九十八九十九:素振りでいいや。射撃攻撃します
九十八九十九:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 7[2,7]+4 → 11
九十八九十九:2d10+30+1d10 ダメージ
DoubleCross : (2D10+30+1D10) → 2[1,1]+30+6[6] → 38
GM:ゲェーッ
木花小夜:やった~
GM:C(33-11-38)
DoubleCross : c(33-11-38) → -16
赤川累:やったあ
九十八九十九:九十八九十九のHPを3(→ 3)減少 (21 → 18)
峯川千墨:恐ろしい敵だった……
GM:目標値達成。判定クリアです!
木花小夜:わいわい
GM:「撃て!撃て!」「我々の邪魔をさせるな!」「この……背教者のユダどもが!」
GM:黒いローブの聖職者たちが、一斉にライフルを発砲する。銃火が閃き、弾丸が車へと襲い来る!
木花小夜:「ハンドル離してください!」
木花小夜:「射撃準備お願いします!」
九十八九十九:「うぇぇ~、仕方ないなあ……」
九十八九十九:渋々ハンドルから手を離し、窓から上半身を乗り出す。
木花小夜:鮮血の茨が、乗り出した窓の隙間から飛び出す。
木花小夜:それが地へと這い進み、路面を極低温で凍結させる。
九十八九十九:「男子~、迎撃お願い~」
九十八九十九:指示を出しながら対物ライフルを構える。
木花小夜:車体が慣性で滑るように流れ、通常の走行ではありえない軌道を描く。
峯川千墨:エルに横から覆い被さるようにして衝撃に備える。
『蛇』:「あわわわわ……」
赤川累:「ええ」声をかけられる前に、飛び降りる準備をしている。「3秒で戻ります」
赤川累:そのまま車体から飛び出し、向かう車へと肉薄する。雨粒のごとく迎撃する銃弾は掠めども当たらない。そうなる道を知っている。
赤川累:慣性が引き継いだ速度のままに右腕を振り開く。黒い死骨が形を現して、一閃。
赤川累:車内に居た者にしてみれば、頬を熱風が撫でた、と感じた。ガタン、と激しい音がしてワンボックスカーの屋根が吹き飛び落ちる。
赤川累:それと同時、彼らが手にする武装は灰となって風の中にかき消えた。
GM:「うわああっ!?」「何だ、何が……!?」
GM:路面凍結による蛇行運転で、銃弾は殆ど車体を掠めるだけに留まっている。
軽部龍授:九十九の射撃の構えを見る。装填迄、無傷でいさせれば良いという事だろう。
軽部龍授:そして赤川の攻撃で向こうは良いように混乱している。先の機は取れる。
軽部龍授:「フッ…容易い仕事だ」
軽部龍授:車の窓から足から飛び出し、まず屋根に飛び乗り。着地する、足場を確保し、敵を見る。
軽部龍授:屋根上から軽く助走をつけ、死地へ飛び込んだ。文字通り幅跳びのように。
軽部龍授:相手の車に、着地すると同時に、屈んだ姿勢のまま立ち直りせずに、体を回転させながら円を描くように白柄の刀を振り払う。
九十八九十九:「ペガスス座」
九十八九十九:軽部が切り込むと同時に、その車の足元、タイヤに重なる四つのポイントが黒く輝く
九十八九十九:車上で放たれた弾丸は、車道の地面スレスレをピンボールのように跳ねながら滑空し
九十八九十九:追い縋る車の四輪だけを撃ち貫く。
GM:「早くブレーキを!」「ハンドルが斬られて……!」「ああ、主よ……!!」
GM:コントロールを失った敵の車体は激しくスリップしながら横転、けたたましい音と共に街灯に激突して停止する。
北見菫:敵の車体に乗り込んだ軽部と赤川のもとに、血の糸が伸びる。
赤川累:「……!」車体を蹴りつけ、反動で翻ろうとした所でそれを目にする。迷わず掴み取る。
軽部龍授:「蜘蛛の糸は……神の加護と言うより仏だな」
軽部龍授:フッ…と笑って、天の助けを迷わず掴む。
北見菫:吊り橋のように編まれた血液が凍結凝固、二人が戻ってくるだけの強度を保持する。
赤川累:「ありがとう、助かった!」手繰り寄せ、車内へ転がり込むように帰還する。
軽部龍授:「俺以外も良い腕だ。これで撒いたか?」
北見菫:「そうね。殆どはお互いにやり合ってるみたい」
木花小夜:「ハンドル握ってください!」間髪容れず。
九十八九十九:「ふええ……支部長使いが粗いよお……」言われるがままにハンドルを握る
峯川千墨:「ナイスキル」エルへの防御の体勢を解く。
赤川累:「殺しちゃないですよ」
峯川千墨:「雰囲気だよ」
赤川累:「雰囲気……」
エル:「……あとどれくらいですか?」
白土夏希:「今……」車外に目を遣る
GM:丁度、『バベル』の付近を通りがかるところだ。遥か見上げるような高層ホテルが、街に長い影を投げかけている。
白土夏希:「半分くらい来たところですね」
木花小夜:「まだある……」
九十八九十九:「うぇ~……」後ろを振り向いて
軽部龍授:「まだ半分と取るか、もう半分と取るか…木花と九十九は前者か」
九十八九十九:「誰か運転代わんない?」
軽部龍授:「……刀を振る方が当然楽しい」
軽部龍授:代わらないと告げる。
木花小夜:「こんなところで消耗できません……楽しさの問題じゃなくないですか?」
赤川累:「俺としては、戦闘規模に呆れますね。この距離でこうなら、向こうはどんな様になっているのか……」
軽部龍授:「真面目め。そこはすまんな。俺は一刀を極める用心棒なので、な」
GM:その時、車外から凄まじい爆音が鳴り響く。
九十八九十九:「今度は何~?」
GM:君達の視界の中で、『バベル』の下部で立て続けに大爆発が巻き起こり、業火がホテルの根を包む。発生した衝撃波に、周囲の建物の窓が一斉に砕け散る。
木花小夜:「何が……」
峯川千墨:眉を顰める。「“サタナキア”か……?」
九十八九十九:「んもぉ~……街がメチャクチャだよぉ……」
GM:大樹を伐採する要領で、支えを失った高層ビルが、耳をつんざく不協和音と共にぐらりと揺らぎ──
北見菫:「あれ……これ……」
赤川累:「……!こっちに」
軽部龍授:「落ちてくるな」
峯川千墨:「エッマジか! 避けろ!」
峯川千墨:「飛べ!」
GM:大きく伸びる影が、ゆっくりと君達の方へと倒れてくる。
九十八九十九:「あわわわわわ」
軽部龍授:「いざともなれば、斬る」
木花小夜:「ええっ……!?」
九十八九十九:あたふたしながらもアクセルを踏み込む
GM:辺り一面が巨大な影に呑み込まれ、君達の頭上を天蓋めいてビルの壁面が覆い隠す。
GM:判定です。
・《運転》難易度15 1人のみ判定可能
・任意の攻撃 達成値+ダメージを判定として算出、複数人の判定値を合計可能 難易度400
赤川累:また運転!
木花小夜:400……?
GM:ですが、九十八さんがRHOを開示済みのため、後半の判定はスキップ可能です。
九十八九十九:やった~
木花小夜:やった~
峯川千墨:よかった
軽部龍授:流石蟹の効果だ
九十八九十九:おっきなカニがビルを挟んでポイしてくれたのかな
木花小夜:折って悪化させてない?
GM:運転はしてね
木花小夜:運転誰が一番マシなんだろ
九十八九十九:私はザコです
軽部龍授:僕は6個
赤川累:肉体なら軽部くん?
峯川千墨:肉体的には軽部くんなのかな
木花小夜:そのよう
軽部龍授:じゃあ、やろうか?
峯川千墨:お願いしたいです!
赤川累:お願いしたい~
軽部龍授:運転を肉体ダイスのみで!
軽部龍授:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 8[1,3,3,4,8,8] → 8
赤川累:やっぱ苦しいか
軽部龍授:こ、こんなもんと言う目だぜ!
GM:他の人が判定するのも、侵蝕1D10で再度判定することも可能です
赤川累:あっ他の人がやってもいいんだ
木花小夜:あっそうとは
GM:累計はされませんが
赤川累:1人のみってそういうことね
峯川千墨:他の人がやった後で軽部くんに宵闇の魔花~っていうのはできますか?
GM:いいでしょう
峯川千墨:いいんだ
赤川累:慈悲深いぜ
木花小夜:やった~
軽部龍授:ビルにも慈悲があったようだな
赤川累:じゃあ……やってみますか
赤川累:運転します
木花小夜:どんどんやるしかないっぺよ
赤川累:3dx>=15
DoubleCross : (3DX10>=15) → 10[1,10,10]+7[3,7] → 17 → 成功
赤川累:いけたわ
木花小夜:すご!
峯川千墨:できてる!
軽部龍授:出来る男!
九十八九十九:さすがね
GM:では後半の判定はスキップされるため、判定成功となります
木花小夜:最初から……
木花小夜:赤川くんに……運転を任せればよかったのでは……
九十八九十九:…………
赤川累:た、たまたまだから……
GM:軋むような不協和音を響かせ、巨大なビルがゆっくりと倒れ込んでくる。陽光を反射し、壁面のガラスが一斉に輝く。
GM:君達をの車を押し潰す軌道だ。仮に無事だったとしても、路面は完全に破壊され道は閉ざされてしまうだろう。
赤川累:「こいつ、狙って落としてきてるな……!」
北見菫:「もっとスピード出ないんですか!?」
九十八九十九:「これ以上はムリ~~~」
九十八九十九:アクセルべた踏みのまま、なんとかして最適ルートを割り出そうとしている
九十八九十九:「ん~~こっちかな?……いやこっち……???」急にハンドルを切りすぎて社内が大きく揺れる
赤川累:「っ……ハンドル貸してください!アクセルは踏んだままで!」
赤川累:上半身を乗り出し、九十八さんの手からハンドルを奪う。
九十八九十九:「うぇ~~~~っ」アクセルだけ踏んだまま座席の下に潜り込むように身体をずらす
軽部龍授:「念のために俺は屋根に出る。運転は任せた」巨大質量を切り刻む心積りだ。
軽部龍授:窓から手と腕の運動だけで車の屋根に乗る。その上で月打に構えを取る。
峯川千墨:「先輩さえいれば……」
『蛇』:「信頼が厚すぎる……」
北見菫:「……木花さん!手伝ってもらえますか?」
木花小夜:「舞浜さんなら行けたかどうかは……うん、どうすればいい?」
北見菫:「血で柱を建てましょう。少しは持ち堪えられるはず。かなり侵蝕食うけど……」
木花小夜:「それしかないか……」
白土夏希:「……いえ」静かに声を発する。
白土夏希:「この後も戦闘が予想されます。皆さんは侵蝕を温存してください」
木花小夜:「でもこんなの受けてられないよ……!」
白土夏希:「……支部長。よろしいですね?」
九十八九十九:「……なーるほど」白土くんと目を合わせて
九十八九十九:「いいよ、白土くん。……やっちゃいな!」
白土夏希:「了解しました」
白土夏希:頷き、座席のドアを開く。
白土夏希:「ここは自分が。後で追いつきます、アクセルはそのまま全開でお願いします」
白土夏希:言って、疾走する車から躊躇なく飛び降りる。
木花小夜:「えっ……!?」止める間もなくその巨躯が降りるのを見る。
赤川累:傾き落ちてくる影を掠めるようにしながら、車体は直進する。「何を……いや、任せた!」
峯川千墨:「どうするって……」
木花小夜:「き……気をつけてっ!」
軽部龍授:「何をする気だ?」
軽部龍授:車の屋根の上から、白土を見下ろす。
九十八九十九:「白土くん!」窓から上半身を乗り出して
九十八九十九:「君は私のもんだ。もし君が追いつけなくても」
九十八九十九:「必ず拾いに来る、ちゃんと待っておくよーに」
白土夏希:高速で通過する路面を激しく転がり落ち、眼鏡に罅を入れながらむくりと立ち上がる。
白土夏希:「……心得ました」
木花小夜:(今の言い方……)
白土夏希:「……行ってください!」
赤川累:「ああ……!」
九十八九十九:「またね~」
軽部龍授:「人でないなら、心強いと言う訳だ。適材適所とはよく言う」
赤川累:度々小さなハンドリングでタイヤを軋ませながら疾駆する。落下する瓦礫の中から致命的なものだけを選んで躱している。
白土夏希:迫りくる天蓋に対し、単身、ただ徒手の拳を構える。
白土夏希:いくら人並外れた長身と言えど、緩慢に倒れ来る膨大な質量に比べれば蟻に等しい。
白土夏希:巨大なビルに隠れ、君達からその姿が見えなくなる、瞬間。
白土夏希:「……オォオオオオオォオオッ!!!」
白土夏希:獣めいた咆哮が鼓膜を震わせる。
白土夏希:直後、轟音。『バベル』の大質量がひしゃげ、風穴が開く。
峯川千墨:「おォ!?」
木花小夜:「嘘……!?」
九十八九十九:「わ~お」
軽部龍授:「フッ……」少し楽しそうに車上で笑う。
白土夏希:ガラスや鉄筋が粉々に吹き飛ばされ、遥か高空へと舞い散り──ほんの一瞬、落下一辺倒だった動きが上昇へと変じる。
GM:その数秒で、君達の車はビルの落下範囲から脱した。
赤川累:そうして生じた衝撃波を追い風とする。それが最後の一手となって、車体は破壊圏内から脱出する。
GM:半ばからひしゃげ、穴の開いたビルが、当初の落下軌道から数秒遅れで倒壊する。
GM:凄まじい地響きと揺れ。遥か後方、白土の姿が甚大な土埃と破片の中に呑まれるのが垣間見えた。
赤川累:「……無事そうか?」気にかける言葉を吐きつつも、振り返らずにハンドルを切っている。
木花小夜:「分からない……でも」
木花小夜:「進むしかないと思う」
九十八九十九:「まー穴空いてたし、直撃してないなら大丈夫でしょ~。白土くん頑丈だから」
峯川千墨:「……一応冗談のつもりだったんだけどなァ、ハルク」
軽部龍授:「半々と言うところか。これから敵とやり合うであろう俺達と同じだな……さて」
GM:車はその後幾度かの小規模な戦闘を交えつつ、九霄大学へと辿り着く。
GM:街中と同じように……否、それ以上に、構内からは激しい戦闘音が響いてくる。
北見菫:「……サーバールームは西棟地下です!」端末を確認しながら車を降りる。
軽部龍授:「フッ……騒がしい事だ。さながらコンサートホールだな」屋根から飛び降り。
赤川累:「……ちょうど騒がしくなってる方角だな。"ヘレヴ"も連中の狙いを読んで動いていたか」
北見菫:「ただ……誰か一人、別行動したほうがいいかも」
峯川千墨:「ハン?」
九十八九十九:「え~?どしたのどしたの」
木花小夜:「どうして?」
北見菫:「東の民の主力はサーバールームに行ってるだろうけど、これ……」
北見菫:取り寄せた構内の配電図を示して
北見菫:「地下通路に電線と大容量回線が埋設してあるんです」
北見菫:「ギデオンは発電能力があるし、Wi-Fiも飛んでるけど……こっちを遮断できれば、作業がかなり遅らせられるはず」
木花小夜:「誰かがそっち止めに行ったほうがいいってことだね。誰が?」
九十八九十九:「おお、冴えてるねえ~」
峯川千墨:「遮断ってのァ壊せばいいのか?」
『蛇』:「邪魔が多いから、多人数戦が得意な子が良さそうね」
軽部龍授:「峯川が適任と言う事か」
赤川累:「ああ、今回はその理解で問題ないはずだ」
峯川千墨:「ん。なら行ってきてやる」
木花小夜:「大丈夫……?」
木花小夜:「さっきの戦闘。結構貰ってた」
九十八九十九:「ホテルの時一番消耗してたの千墨ちゃんだからねえ~」
軽部龍授:「危険だと思ったら、呼べ。一人くらいは都合をつけるだろうよ。金を出すなら雇われても良いがね」
九十八九十九:「いざって時カバーできる子がいないのは心配だけど……」
峯川千墨:「一番消耗してたのは先輩だろ。屁でもねえよ」
北見菫:「お願いしま……」
GM:その時、君達の前方から革靴がアスファルトを叩く音が響く。
GM:見ると、行く手を塞ぐように立ちはだかる一人の男。
シルヴェストロ:「……」
シルヴェストロ:君達を見つめるその傍ら、虚空から業火が噴き出し、炎剣が姿を現す。
赤川累:「……シルヴェストロさん」
九十八九十九:「うぇ~、待ったなしって感じ?」
北見菫:「……皆さん、行ってください」
北見菫:「赤川くん。いい?」
赤川累:「そうだな。あの能力を見るに、大勢が残る方がかえって不味い」
赤川累:「この場は任された。後で追いつく」
木花小夜:「……分かった。頼る……!」
九十八九十九:「ん~、ま、そうかあ」にやけ面で
九十八九十九:「確かに君らが適任だ」
軽部龍授:「心配するな。心行くまで知己とやり合うが良いさ」
赤川累:「初めから心配なんてしていないさ」少し笑って。
峯川千墨:「応。各自気張ろうや」
赤川累:「早く行ってくれ。紳士的に待ってくれるって雰囲気じゃないからな、どうも」
軽部龍授:「フッ…さっさと追いついてきて、美味しい所を攫って行っても別に構わんぞ」
軽部龍授:そう言うと先導して走り出す。
北見菫:赤川と並び、シルヴェストロと対峙する。
シルヴェストロ:「……」
シルヴェストロ:通り抜けようとする面々に向け、無数の光の鎖を伸ばす。
北見菫:「右お願い」
赤川累:「ああ」平静を保った声で応じ、動き出す。
北見菫:腕を振るう。飛び散った血液が一瞬で凍り付き、槍となって光鎖を撃墜する。
赤川累:一足のもと鎖に追いつく。腕を振るうと共に黒い灰が渦を巻き、光子を断ち朽ちさせる。
シルヴェストロ:「……!」
シルヴェストロ:通過していく面々に僅かに顔を顰め、それから二人へと向き直った。
赤川累:「……東の民は『手紙』の公開に踏み切ろうとしている。俺達はこれからそれを止めようとしている」
赤川累:「戦うべき優先順位を間違えている気がしますけどね。あるいはそれだけ、俺達の裏切りが許しがたかったって事ですか」
シルヴェストロ:「……『ルカの手紙』は、我々教会が保管すべきものです」
シルヴェストロ:「そして、あなた達もUGNならば分かっている筈」
シルヴェストロ:「真実とは……時にどんな偽りよりも恐ろしい害悪となる」
シルヴェストロ:「それを知ってしまった者は……誰であろうと捨て置くわけにはいかない」
赤川累:「……」
九十八九十九:「そこは同感だけどさぁ~」軽部の背後から神父を睨む
九十八九十九:「加減ってもんがあるよねぇ。そこが信仰の怖いとこっていうか」
九十八九十九:「……や、今更か」
赤川累:……彼女の言葉の通り、いま相対する男にはどこか脅迫めいた殺気を感じる。
赤川累:知己を対決する覚悟を固めきったから……それもあるだろうが。
九十八九十九:「……累くん、今でも君は、この人と赦し合いたいと思っているよね」
赤川累:「……ええ。叶うならば」
九十八九十九:「支部長命令です。それは諦めなさい」
九十八九十九:「対象の無力化を最優先。生死は問わず。この場にいる全員と、この街と、世界のために、私情は捨ててちょーだい」
赤川累:「……」
赤川累:……彼女を信じると決めている。意味もなくこのような指示を出す人間ではない。そこに違和感がある。
北見菫:「……支部長……?」
北見菫:北見もどこか引っかかるものを覚えたのか、怪訝な表情を浮かべている。
赤川累:「……まだ解決していなかった謎があります」
赤川累:「古文書研究チームの死因に、結局"ダドエルズホール"の構成員は関わっていなかった」
赤川累:「その死因は斬殺。だが、"死舞旋刃"も既に容疑から外れた」
赤川累:「ならば、他に斬撃を手段とする能力を持ち。彼らを殺害する理由がある人物は……」
赤川累:シルヴェストロ:「それを知ってしまった者は……誰であろうと捨て置くわけにはいかない」
赤川累:彼の今しがた放った言葉。それが、そのままの意味で実行されていたのだとしたら。
赤川累:(……真実とは……時にどんな偽りよりも恐ろしい害悪となる。貴方の言う通りだ)
赤川累:だが、それと向き合う事に既に迷いはない。そういう道を辿ると決めた。
赤川累:《インスピレーション》を使用します。
GM:了解です。
赤川累:古文書研究チームの殺害を実行した犯人は誰ですか?
GM:では、あなたは爆破の前に研究チームを殺害したのがシルヴェストロであり、それが『ルカの手紙』の内容を知った者を生かして帰さない為であると理解できます。
GM:彼はその後手紙を奪取する予定でしたが、その前に“ダドエルズホール”によって奪われていたようです。
赤川累:なるほど……
赤川累:「……貴方が、やったんですね」
北見菫:「……え?」
赤川累:揺らぎのない確信の込もった声で、そう告げる。
北見菫:「赤川くん……?何言って……」
赤川累:「一切の可能性を許容しない。それが、貴方の考える正しさだ」
シルヴェストロ:「……」
シルヴェストロ:無言のまま答えない。その沈黙が肯定を意味している。
九十八九十九:「……も~……」仕方なさそうに嘆息し、先へと進んだ軽部たちを追う。
赤川累:「『手紙』の内容を知った人間が存在する限り、それは貴方の言う害悪の芽となる」
赤川累:「……ならば、それは俺の信じる正しさとは違う」
北見菫:「嘘……嘘、ですよね?そんな……」
北見菫:「なんで……どうして何も答えてくれないんですか……!」
シルヴェストロ:「……言ったはずです」
シルヴェストロ:「私は剣だ」
シルヴェストロ:「最早、迷いは無い」
赤川累:「……ならば、俺は人間です」
赤川累:「どこまでも考え続け、迷うことをやめない」
赤川累:「それだけが……後悔のない未来に辿り着くための、唯一の方法だと信じている」
北見菫:「……」
北見菫:未だ迷いを帯びた瞳で、対峙する友人と恩人とを見つめた。
---
GM:次々と襲い来るヘレヴや東の民を退けつつ、敷地の隅から階段を下り、峯川は単身地下通路へと足を踏み入れた。
GM:蛍光灯の照らす、湿った通路。トンネルのような細い道がどこまでも続いている。
GM:見ると少し先、通路の壁に沿うように、太いパイプラインが走っている。壊すべきがどれか正確には分からないが、まとめて破壊すれば目的は達せるだろう。
峯川千墨:(あれか。分かりやすくて助かるぜ)そちらへ向けて歩を進める。
GM:すると、君の背後から声が響く。
“プルフラス”:「まっ……待ってくださいぃ…………」
“プルフラス”:気弱な声が地下空間に響く。
“プルフラス”:おどおどとした少女だ。“サタナキア”の命令で舞浜をいたぶっていた。
峯川千墨:振り向く。舌打ちをする。
峯川千墨:「何の用だよ」
“プルフラス”:まだ幼いその顔には、恐怖の表情が張り付いている。
“プルフラス”:「ひっ……うぅう……」
“プルフラス”:「あのぉ……わ、私ぃ……」
“プルフラス”:「“サタナキア”さんから…… あっ、あなたを殺すようにって言われてまして……」
“プルフラス”:「あの……な、なので……すいません……」
“プルフラス”:「こ……殺されて頂いても……いいですか……?」
峯川千墨:「良い訳がねェが」呆れた風に頭を掻く。「一人か? テメエが?」
“プルフラス”:「ひぅっ……そ、そうですよね……す、すみません……」
“プルフラス”:「あ、あの……でっ……でも……」
“プルフラス”:「そうしないと……わ、私が……“サタナキア”さんに殺されちゃうんです……!」
“プルフラス”:少女の身体にはあちこちに痣の痕が見える。日常的に苛烈な虐待を受けているのだろう。
峯川千墨:「あーあー、よく分かってるよ。アイツはそーいう奴だ」
峯川千墨:「テメエも気の毒だよなァ。よく分かる」
“プルフラス”:「だ……だったら……!」
峯川千墨:「だが悪いね」
峯川千墨:「アタシらはテメエより気の毒な連中すら殴るつもりで出てきてるんだ」
“プルフラス”:「ど……どうして……!」
峯川千墨:「素直に降参すんなら命は保証する。しねェなら話はテメエをブチ倒して縛り上げた後で聞く」
“プルフラス”:「う……うぅうううっ……!」
“プルフラス”:黒髪を振り乱して頭を抱える。
“プルフラス”:「あ……あなたも私にひどいことするんですか……!」
“プルフラス”:「嫌……もう痛いのは嫌……!!」
峯川千墨:「……そこで黙って見てるっつうんでも許してやっけど?」
峯川千墨:パイプラインを一瞥し、破壊のためにレネゲイドを集束させ始める。
“プルフラス”:「うぅううう~~~っ……!」
“プルフラス”:「嫌……嫌、嫌ぁあ……!」
“プルフラス”:「痛いのは嫌……痛い……痛い……!」
“プルフラス”:「痛い、痛い痛い……痛い痛い痛いぃいぃいぃいいいいッ!!」
“プルフラス”:ごき めき
“プルフラス”:少女の身体から骨の軋む異音が響く。
“プルフラス”:めりめりとその身体が仰け反る。白い喉を晒し、背骨が折れるのではないかというほど反り返っていく。
“プルフラス”:直立したまま殆どブリッジの姿勢になったその身体から、肉を突き破って血飛沫が噴き出す。
“プルフラス”:身体の側面から噴き出した血が地面まで付き、昆虫の節足じみて複雑に蠢くその様は、まるでムカデのそれだ。
“プルフラス”:仰け反ったまま無数の血脚を動かして方向転換し、上下さかさまの顔を君に向ける。
“プルフラス”:「うぅうッ……ぎぃいいっ……!」
“プルフラス”:「殺す……殺すので……」
“プルフラス”:「殺さないでください…………」
峯川千墨:「最初ッからそうしてりゃあいい」新調した眼鏡を取り出して掛ける。
峯川千墨:「カスみてェな名前つけられたよしみだ。ジャームじゃねえようにだけ祈っといてやるよ」
---
GM:サーバールームには、やはりギデオンを始め東の民の主力が集結していた。
GM:稼働中のスパコンとそれを操作するクラッカーを護るように、サーバールーム前の通路で君達に立ち塞がる。
ギデオン:「何故だ、エル……!!」
ギデオン:「どうしてそちらにいるんだ!!!危ないから今すぐこちらに来なさい!!!」
ギデオン:「いや……人質のつもりか……!!??なんと卑劣な…………!!!!!!!」
九十八九十九:「はっはっはっは」
木花小夜:「笑い事じゃないですよ……」
軽部龍授:「前科があると、こうなる」溜息をわざとらしくつく。
エル:「……ギデオンさん。私は自分の意思でここにいるんです」
エル:「どうか、もうやめてください。これ以上、みんなが傷付くのは見ていられません」
ギデオン:「やめる………………!?!?何を言っているのだ、エル…………!!!!!!」
ギデオン:「ここまで来てやめられるわけがない!!!!我ら東の民の2000年の悲願が、ようやく果たされようとしているのだ…………!!!!!!」
ギデオン:「今後も子々孫々と追われ続け、隠れて生きていくなど……あっていいはずがないだろう…………!!!!!」
九十八九十九:「やー、だからさー」耳から指を離して
軽部龍授:「だが、自分たち以外全てを敵に回してるのが、貴様らの現状だが」
軽部龍授:「言いづらいが本末転倒ではないか?」
九十八九十九:「そうそう。別にルカの手紙を公開しなくたって、住むとこくらい見つかるって」
九十八九十九:「どうかなぁ?UGNで面倒見られる気はない?」
ギデオン:「そんなことは、これまで2000年の間、誰にも成し得なかった!!!!!!」
木花小夜:「それはあなたも同じでしょ!」
ギデオン:「UGNだと????たかが生まれて20年程度の組織が、教会や国の権力に歯向かえるというのか!!!!!!」
九十八九十九:「やー実際歯向かってるしねえ。ここに来てないでしょ、教会」
木花小夜:「というか、あなたが生まれて2000年なの?違うよね」
木花小夜:「生まれてからの年数を誇るの、やめてよ」
軽部龍授:「2000年の屈辱を晴らしたいのは理解するがね」
軽部龍授:「現実を見ろ。今も妨害されてる」
軽部龍授:「子供もやめろと言っている。UGNは手を貸すともな」
ギデオン:「我らの重ねてきた苦難の歴史を介さぬ者が、減らず口を……!!!!!!」
木花小夜:「うるさいのはあなたでしょう!」
木花小夜:「エルの苦難を解さないでガタガタ言うなっ!」
エル:「小夜、さん……」
九十八九十九:「小夜ちゃんも言うね~」
ギデオン:「貴様らがどう言おうと、我らが生きるのはこの現実だ!!!!!住む場所を追われ、家族や友人を奪われてきたこの現実だ!!!!!!」
軽部龍授:「そっちの事情を聴き齧っただけで、偉そうに言うな。と、そう言いたいわけだな」
ギデオン:「口で麗句を名乗るならやってみせろ!!!!!手紙は渡さん!!!!!我らは我らの力で自由を掴み取る!!!!!!」
ギデオン:「行くぞ、皆!!!!!」
GM:ギデオンの言葉に、東の民たちが一斉に鬨の声を上げる。
九十八九十九:「う~ん、こりゃやっぱ最初に言ってた通り」
九十八九十九:「一発入れて頭冷やさせなきゃダメだねえ」
木花小夜:「説得できるって思ってたわけじゃないけど……」
木花小夜:「冷やさせるなら、やってやるから」
軽部龍授:「俺の獲物はこいつらではないが、九十九、俺を当てにしているか?」
九十八九十九:「刃物は振るってナンボでしょ。その気がなきゃ持ってこないよ」
『蛇』:「みんな子供の頃から知ってる顔なの。複雑な心境だわ」
エル:「……お願いします、皆さん……」
エル:「皆を……助けてください」
軽部龍授:「ならば、殺し屋ではなく……正しく用心棒の仕事をするとしよう」
軽部龍授:「ただ、当てるだけと言うのも、得意でな」
九十八九十九:「そんじゃーみんな行くよ~。なーに、他んとこに比べたら楽な仕事だ」
九十八九十九:「暴走した、右も左もわからないオーヴァードを大人しくさせるだけだからね~」
木花小夜:「楽じゃないですよそれ」
木花小夜:「……だからこそ、落ち着かせたあと、どうするかが……」
木花小夜:「いちばん大事なところのはずです。そういうオーヴァードを、導くのだって」
木花小夜:「UGNの重要な使命だと思う」
九十八九十九:「それはご尤もだ……んじゃ、いっちょ教えてやりますか」
九十八九十九:「UGNのやり方を」
GM:戦闘を開始します。
エンゲージ
赤川累
(10m)
シルヴェストロ(12)ラハト・ハ・ヘレヴ(12)
エンゲージ
峯川千墨
(10m)
“プルフラス”(8)
エンゲージ
木花小夜・軽部龍授・九十八九十九
(5m)
東の民C・D(8)
(5m)
ギデオン(9) 東の民A・B(8)
NPCカード
“クライオ・クライス”北見菫
赤川累のみ1ラウンドにつき1回、イニシアチブプロセスで使用可能。 対象に3D10+30ダメージ、更にHPを4D10失う。
GM:ラウンド1
GM:赤川くんの戦闘からいきましょう。セットアップから!
赤川累:セットアップないです。
シルヴェストロ:《アクセル》LV6
シルヴェストロ:自身行動値+12
シルヴェストロ:12>24
赤川累:あっ セットアップ処理とは関係ないのですが
赤川累:インスピレーションの侵蝕を上げ忘れていたので、あげます
赤川累:赤川累の侵蝕率を2(→ 2)増加 (70 → 72)
GM:イニシアチブ 行動値24 シルヴェストロの手番です
シルヴェストロ:メジャー 《コンセントレイト:ソラリス》LV4+《ハザードコール》LV11+《堕ちる絶望》LV6+《茨の輪》LV5+《タブレット》LV4
シルヴェストロ:15DX7
DoubleCross : (15DX7) → 10[1,2,2,2,4,6,6,6,6,6,7,8,8,9,9]+10[2,3,3,4,7]+6[6] → 26
シルヴェストロ:対象の《意志》と対決
赤川累:こいつ~
シルヴェストロ:失敗で難易度18の衝動判定が発生、侵蝕率+11、ラウンド間あらゆる判定ダイス-5個
赤川累:思い出の一品適用で
赤川累:4dx+1>=26 意志
DoubleCross : (4DX10+1>=26) → 8[3,3,6,8]+1 → 9 → 失敗
赤川累:きついよ~
GM:衝動判定せよ!
赤川累:衝動判定します…
赤川累:4dx+1>=18 ウオオオ
DoubleCross : (4DX10+1>=18) → 8[4,4,5,8]+1 → 9 → 失敗
赤川累:無理だよ~ 暴走します
GM:侵蝕も上げよ!
赤川累:2d10と11の侵蝕増加
赤川累:赤川累の侵蝕率を2d10(→ 12)増加 (72 → 84)
赤川累:赤川累の侵蝕率を11(→ 11)増加 (84 → 95)
赤川累:キツいが……
GM:行動値12 赤川くんの手番です
赤川累:待機します。
GM:行動値12 ラハト・ハ・ヘレヴの手番です
ラハト・ハ・ヘレヴ:待機します
GM:行動値0 待機していたラハト・ハ・ヘレヴの手番です
ラハト・ハ・ヘレヴ:侵蝕率100以上の敵が存在しない為、行動放棄。
赤川累:やった!
GM:赤川くんの手番です
赤川累:はい
赤川累:まず九十八さんのロイスを切って不利効果を解除。暴走とダイスデバフを消します
赤川累:マイナーで戦闘移動、シルヴェストロとヘレヴの所にエンゲージ。
赤川累:メジャー、「星灰落滅」《コンセントレイト》《インスタントボム》《ギガンティックモード》オート《砂の加護》《砂塵霊》
赤川累:エネミー2体を攻撃。先にオート分の侵蝕を上昇します
赤川累:赤川累の侵蝕率を6(→ 6)増加 (95 → 101)
赤川累:でもって命中
赤川累:10dx+15@7
DoubleCross : (10DX7+15) → 10[1,1,2,2,3,3,3,5,5,10]+6[6]+15 → 31
赤川累:しょっぱい
シルヴェストロ:ドッジ
シルヴェストロ:6DX>=31
DoubleCross : (6DX10>=31) → 8[2,3,6,6,7,8] → 8 → 失敗
シルヴェストロ:《カバーディフェンス》LV4でヘレヴをカバー
ラハト・ハ・ヘレヴ:ガード
GM:ダメージどうぞ!
赤川累:ダメージに菫ちゃんのNPCカードも使用します。
赤川累:あっ違う
赤川累:これイニシアチブのやつだ
GM:そうです
赤川累:失礼 このままダメージ出します
赤川累:4d10+36 装甲無視
DoubleCross : (4D10+36) → 28[3,10,9,6]+36 → 64
シルヴェストロ:2倍で削れますが生存
赤川累:赤川累の侵蝕率を8(→ 8)増加 (101 → 109)
GM:何も無ければクリンナップです
赤川累:手番終わりに今度こそ菫ちゃんのNPCカードを使用します
赤川累:単体ですかねこれ
GM:単体ですね
赤川累:じゃあシルヴェストロに
NPCカード
“クライオ・クライス”北見菫
赤川累のみ1ラウンドにつき1回、イニシアチブプロセスで使用可能。 対象に3D10+30ダメージ、更にHPを4D10失う。
北見菫:3D10+30
DoubleCross : (3D10+30) → 18[8,3,7]+30 → 48
シルヴェストロ:HP0
シルヴェストロ:《アクアウィターエ》LV?で復活
GM:でもまだ入るんだよな……
北見菫:4D10
DoubleCross : (4D10) → 24[5,8,9,2] → 24
赤川累:凶悪だぜ
シルヴェストロ:生存しています
GM:峯川さんの戦闘
GM:セットアップから!
“プルフラス”:セットアップなし
峯川千墨:《ルーラー》《絡め取る大地》
峯川千墨:相手のダイスを-5、行動値を-4します。
“プルフラス”:行動値8>4
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を7(→ 7)増加 (74 → 81)
“プルフラス”:まだこっちのが速かった
峯川千墨:イニシアチブで防具を脱ぐつもりではあるぜ
GM:イニシアチブ 行動値4、“プルフラス”の手番です
峯川千墨:というわけでメイド服を外して行動値6に
GM:では行動値6 峯川さんの手番です
峯川千墨:マイナーなし。メジャーで《雨粒の矢》《惑いの一撃》《シングインザレイン》で攻撃。
GM:判定どうぞ!
峯川千墨:4dx+6
DoubleCross : (4DX10+6) → 9[2,3,7,9]+6 → 15
峯川千墨:ドッジダイス-6個です
“プルフラス”:ガード≪氷盾≫
“プルフラス”:≪蒼き悪魔≫使用
“プルフラス”:15点ダメージ返します
峯川千墨:こいつ……
峯川千墨:2d10+34
DoubleCross : (2D10+34) → 3[2,1]+34 → 37
峯川千墨:ひっく
“プルフラス”:ちょっと削れます
峯川千墨:峯川千墨のHPを15(→ 15)減少 (23 → 8)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を9(→ 9)増加 (81 → 90)
GM:行動値4 プルフラスの手番です
“プルフラス”:マイナー ≪白熱≫+≪氷の回廊≫
“プルフラス”:素手変更しつつエンゲージ
“プルフラス”:メジャー ≪コンセントレイト:ブラム=ストーカー≫+≪鮮血の一撃≫+≪ブラッドバーン≫+≪紅蓮の衣≫+≪クロスバースト≫
“プルフラス”:対象峯川さん
“プルフラス”:7DX7+4
DoubleCross : (7DX7+4) → 10[2,2,3,5,8,9,9]+10[1,6,10]+6[6]+4 → 30
峯川千墨:まあドッジかな……
峯川千墨:3dx+1>=30
DoubleCross : (3DX10+1>=30) → 10[2,3,10]+3[3]+1 → 14 → 失敗
峯川千墨:無理!
GM:ダメージ!
“プルフラス”:4D10+32+16 ガードしたキャラクターに+15点
DoubleCross : (4D10+32+16) → 14[2,7,1,4]+32+16 → 62
峯川千墨:もちろん死にます。リザレクト
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (90 → 95)
峯川千墨:峯川千墨のHPを5(→ 5)に変更 (8 → 5)
GM:木花・軽部・九十八組の戦闘です
GM:セットアップから!
九十八九十九:なし!
GM:エネミーは無し
軽部龍授:なし!
木花小夜:主従で氷の茨します
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (79 → 85)
木花小夜:笛も!
GM:おのれ……
GM:イニシアチブ
GM:東の民A 《嗜虐の弁術》
GM:このラウンドPC3人の行動値-5、攻撃力-15
九十八九十九:なんだとぉ…
木花小夜:ひ~ん
軽部龍授:遅くなっちまう
GM:行動値9 ギデオンの手番です
ギデオン:《コンセントレイト:ブラックドッグ》LV4+《雷の槍》LV8+《クレイジードライブ》LV6+《雷神の槌》LV8+《雷光撃》LV8+《MAXボルテージ》LV6+《サンダーストーム》LV2+《爆雷撃》LV6
ギデオン:対象PC3人と従者
ギデオン:16DX7+6
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[2,2,3,4,5,6,7,7,7,8,8,8,9,9,10,10]+10[1,2,2,2,3,5,6,7,9,10]+10[1,8,10]+10[5,9]+6[6]+6 → 52
ギデオン:マイナー 《真なる雷》LV8も
軽部龍授:無意味に回ると悔しいのでガードします。
九十八九十九:ドッジするよ
九十八九十九:2dx
DoubleCross : (2DX10) → 9[2,9] → 9
木花小夜:ドッジするダイスが振れません 従者ペナだから
“ガーネット・スター”:5dx>=52
DoubleCross : (5DX10>=52) → 9[2,3,8,8,9] → 9 → 失敗
木花小夜:《炎陣》で従者をカバーリング
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を2(→ 2)増加 (85 → 87)
ギデオン:ダメージ
ギデオン:6D10+16+20+24+6+16+10+3D10+3D10
DoubleCross : (6D10+16+20+24+6+16+10+3D10+3D10) → 30[2,1,9,4,8,6]+16+20+24+6+16+10+8[1,1,6]+18[6,4,8] → 148
軽部龍授:2000年の恨み!!
九十八九十九:なんだその極大露出ダメージは
木花小夜:ヤバすぎ
軽部龍授:《リザレクト》します。
軽部龍授:1d10+80
DoubleCross : (1D10+80) → 3[3]+80 → 83
木花小夜:当然リザレクトです~
木花小夜:木花小夜のHPを1d10(→ 3)に変更 (11 → 3)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を3(→ 3)増加 (87 → 90)
九十八九十九:リザ!
九十八九十九:1d10+72
DoubleCross : (1D10+72) → 10[10]+72 → 82
九十八九十九:九十八九十九のHPを8(→ 8)減少 (18 → 10)
GM:行動値8 東の民の手番です
九十八九十九:待ちな
GM:何ぃ……
九十八九十九:シューターズジャケットを脱ぐぜ さっき脱いどきゃよかったな
GM:人前で……
九十八九十九:行動値9だ!
GM:では行動値99899さんの手番です
木花小夜:バグ?
九十八九十九:スピードスター持っときゃよかった
木花小夜:行動値九九十八九十九さんがんばって
軽部龍授:最速で敵を倒して
九十八九十九:マイナー 《クイックモーション》《アサルトルーティン》《原初の青:斥力跳躍》
九十八九十九:アンマテを補充しながら東の民C,Dのエンゲージに入ります
GM:来ないで
九十八九十九:メジャー《コントロールソート》《コンセントレイト:ノイマン》アンチマテリアルライフルで攻撃
GM:対象は!
九十八九十九:先にマイナー分上げて……
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を7(→ 7)増加 (72 → 79)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を10(→ 10)増加 (79 → 89)
九十八九十九:対象はギデオン!
GM:判定どうぞ!
九十八九十九:10dx7+4 ガード不可
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[1,1,1,1,4,4,6,7,8,9]+10[1,4,10]+10[8]+2[2]+4 → 36
ギデオン:よく考えたら破壊暴走はリアクションできたが……
ギデオン:まあいいや ガード
九十八九十九:できないって言ってるだろ
GM:ハッ……
ギデオン:6DX>=36
DoubleCross : (6DX10>=36) → 10[1,2,3,3,5,10]+5[5] → 15 → 失敗
GM:ダメージどうぞ!
九十八九十九:4d10+15+10+1d10
DoubleCross : (4D10+15+10+1D10) → 25[5,1,10,9]+15+10+1[1] → 51
軽部龍授:15減らしてこれは強いぜ
GM:東の民D 《熱闘の激励》
GM:対象が受けるダメージ-8D 自身不可、ラウンド1回
木花小夜:こいつ……
九十八九十九:取り巻きがウザすぎる
ギデオン:51-8D10
DoubleCross : (51-8D10) → 51-32[2,1,7,1,3,8,3,7] → 19
九十八九十九:よし腐った
ギデオン:ちょっとしか効きません
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を4(→ 4)増加 (89 → 93)
九十八九十九:九十八九十九のHPを3(→ 3)減少 (10 → 7)
GM:行動値8 東の民の手番です
GM:東の民A ≪コントロールソート≫+≪スキルフォーカス:白兵≫
GM:choice[木花,軽部,九十八]
DoubleCross : (choice[木花,軽部,九十八]) → 軽部
GM:対象軽部くん
軽部龍授:ひぃ!
軽部龍授:来い!
GM:あっ間違えました
GM:マイナーで接敵できるのが支部長しかいないぜ
九十八九十九:銃持て!
GM:死にな九十八九十九!
GM:6DX+10
DoubleCross : (6DX10+10) → 10[1,3,4,7,9,10]+6[6]+10 → 26
九十八九十九:3dx ドッジ
DoubleCross : (3DX10) → 8[1,5,8] → 8
GM:ダメージ喰らえ!
GM:3D10+4
DoubleCross : (3D10+4) → 23[9,6,8]+4 → 27
GM:君やる気すごいね
九十八九十九:そんなカスみたいな攻撃力で……
九十八九十九:死にます リザレクト
GM:身体が弱いからな
九十八九十九:1d10
DoubleCross : (1D10) → 8
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を8(→ 8)増加 (93 → 101)
九十八九十九:最悪
木花小夜:ヒエ……
軽部龍授:おおぅ
GM:死んだんじゃないの~?
GM:東の民Bは……う~む待機しよう
GM:東の民C ≪コントロールソート≫+≪スキルフォーカス:白兵≫+《万軍撃破》
GM:対象PC全員と従者
木花小夜:シーン攻撃すんな!
九十八九十九:あっていうか
九十八九十九:C11じゃん東の民
木花小夜:ドッジだけ!
九十八九十九:ドッジだけか
GM:びっくりした
GM:日本のオーヴァード低レベルデース
GM:6DX+10
DoubleCross : (6DX10+10) → 10[1,2,4,5,6,10]+8[8]+10 → 28
軽部龍授:回すなあ。ガードします。
GM:すごいな これが世界レベルか
九十八九十九:滅んでしまえそんな世界
九十八九十九:ドッジするよ
九十八九十九:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 10[2,4,9,10]+6[6] → 16
木花小夜:ガードしか出来ない
九十八九十九:惜しい
“ガーネット・スター”:5dx>=28 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=28) → 10[3,6,7,7,10]+9[9] → 19 → 失敗
木花小夜:がんばった
GM:ダメージ!
GM:3D10+4
DoubleCross : (3D10+4) → 13[2,2,9]+4 → 17
軽部龍授:《原初の紫:隆起する大地》83→86
軽部龍授:17-1d10-15
DoubleCross : (17-1D10-15) → 17-6[6]-15 → -4
木花小夜:やった~
軽部龍授:こっちのエンゲージはノーダメ。
GM:なんだとぉ…………
GM:しかし死ね!九十八九十九!
九十八九十九:小夜ちゃんのロイスをタイタス消化して復活
GM:東の民Dは……支部長しか殴れないから支部長殴るしかありませぇぇぇん!!
九十八九十九:動かなきゃよかったな…
木花小夜:支部長……!
軽部龍授:し、死なないで
GM:メジャー≪コントロールソート≫+≪スキルフォーカス:白兵≫
GM:6DX+10
DoubleCross : (6DX10+10) → 10[2,3,5,6,10,10]+10[2,10]+8[8]+10 → 38
GM:すげ~~やる気
木花小夜:頑張りすぎ
九十八九十九:なんだそのやる気は
軽部龍授:おう
九十八九十九:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 9[3,4,5,9] → 9
GM:ダメージ!
GM:4D10+4
DoubleCross : (4D10+4) → 30[7,8,10,5]+4 → 34
九十八九十九:千墨ちゃんのロイスをタイタス昇華して復活
GM:行動値6 軽部くんの手番です
軽部龍授:マイナーで東の民Dに接敵します。
軽部龍授:そしてメジャー:《コンセントレイト:エグザイル》《貪欲なる拳》《爪剣》
軽部龍授:10dx7+3
DoubleCross : (10DX7+3) → 10[2,6,7,7,7,8,9,9,10,10]+10[1,2,4,5,8,8,8,9]+10[1,6,7,9]+10[9,10]+10[3,9]+2[2]+3 → 55
GM:対象はDかな?
軽部龍授:ですです。
GM:≪イベイジョン≫18で命中
GM:ダメージどうぞ!
軽部龍授:結構高いな。車中だったら外れてたよ! オートでアームドスーツ解放
軽部龍授:6D10+6+10+5+3-15
DoubleCross : (6D10+6+10+5+3-15) → 32[4,1,6,5,9,7]+6+10+5+3-15 → 41
GM:死!
GM:Dは撃破されます
軽部龍授:86→94
GM:行動値4 従者の手番です
木花小夜:マイナーで中央のエンゲージに
“ガーネット・スター”:メジャー『ディサイド・ディーサイド』:《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》
木花小夜:Aを対象に攻撃。
GM:判定どうぞ!
“ガーネット・スター”:9DX7
DoubleCross : (9DX7) → 10[1,2,4,5,7,9,9,9,10]+10[2,4,4,5,10]+2[2] → 22
GM:イベイジョン18で命中
GM:ダメージどうぞ!
“ガーネット・スター”:ダメージはありませんが 2m先に突き飛ばして
“ガーネット・スター”:《氷の茨》のライフロスが発生。
“ガーネット・スター”:4d10
DoubleCross : (4D10) → 19[9,4,5,1] → 19
GM:それでは死なない!
木花小夜:スン……
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (90 → 94)
GM:行動値1 木花さんの手番です
木花小夜:マイナーで従者と同じところにエンゲージ
木花小夜:メジャー「ソロリィ・ソロリサイド」:《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》
木花小夜:Aを対象に攻撃。
GM:判定どうぞ!
木花小夜:7DX7+3
DoubleCross : (7DX7+3) → 10[1,2,2,4,5,7,8]+10[5,7]+1[1]+3 → 24
GM:イベイジョンで命中!
木花小夜:あっすいません Aとどかない
木花小夜:Cです
GM:至近ジャン
GM:イベイジョン同じです
木花小夜:ダメージなしで Aと同じところに突き飛ばして
木花小夜:主従の茨が発動します
木花小夜:4d10
DoubleCross : (4D10) → 14[9,1,2,2] → 14
“ガーネット・スター”:4d10
DoubleCross : (4D10) → 20[1,6,5,8] → 20
GM:HPは……40!
GM:期待値出たら死んでたが……
木花小夜:そんな……
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (94 → 98)
九十八九十九:意外とあるな…
軽部龍授:ギリギリだったんだな。僕の攻撃
GM:東の民高レベルデース
軽部龍授:最後に待機してた敵か。2000年の妄執は伊達ではない
GM:待機手番だが……う~~む
GM:行くか……東の民B マイナーでPC3人にエンゲージします
GM:メジャー≪コントロールソート≫+≪スキルフォーカス:白兵≫《ブラッディバラージ》
GM:ダメージ与えた場合シーン間行動値+12
GM:対象choice[木花,軽部]
GM:choice[木花,軽部]
DoubleCross : (choice[木花,軽部]) → 木花
GM:木花小夜!喰らえ!
木花小夜:わたし!
GM:6DX+10
DoubleCross : (6DX10+10) → 10[2,5,5,6,7,10]+7[7]+10 → 27
GM:すごいなこいつら
木花小夜:ドッジは出来ません ガード
GM:ダメージ!
GM:3D10+4
DoubleCross : (3D10+4) → 16[5,5,6]+4 → 20
軽部龍授:《雲散霧消》
軽部龍授:94→98 25点減らします。
木花小夜:ノーダメ!
GM:グアーーッ
九十八九十九:フハハハ
GM:では《ブラッディバラージ》発動できません!
GM:ラウンド終了。
シルヴェストロ:シルヴェストロが光の鎖を抜き放つ。実体のないそれらが赤川と北見の身体を貫く。
シルヴェストロ:鎖は変形、頭蓋骨を砕く拷問器具となってその魂を侵蝕する。
シルヴェストロ:激痛と共に、衝動が爆発的に喚起される。
赤川累:「ぐっ……!」先程よりも手数が多い。幾つかは反応し叩き落とすが、間に合わない。
北見菫:「うぅううっ……!あ、あぁあっ……!」
北見菫:抵抗しようと頭を掻きむしるが、実体のないそれを取り外すことは出来ない。
赤川累:「ぐ、があああっ……!」
赤川累:自身の制御を離れて暴走し始めるレネゲイドに苦悶し、額を抑えて蹲る。
赤川累:「どうして……こんな、力をっ……!」
シルヴェストロ:「“ラハト・ハ・ヘレヴ”は邪悪を滅する剣……教会の秘する真の聖遺物です」
シルヴェストロ:「ですが……これにまだ耐えますか」
ラハト・ハ・ヘレヴ:炎剣が動く気配は無い。機械的に、一定以上の侵蝕率の相手にのみ反応するのだろう。
赤川累:……そうだ。どうして、とは問いつつも既にその法則を理解してはいた。
赤川累:身を焦がすような暴走侵蝕から立ち直ってから……一度手を止め、動き出しを遅らせる。自分が斬りつけられる事はない事を確かめるように。
赤川累:「……悍ましい力だ」
赤川累:「だけど、身に宿してしまったそれを……自分なりに正しい方法で使おうとしていて」
赤川累:「そういう意味では多分、俺と貴方は似ているんでしょう」
赤川累:右腕を低く落とし、深く息を吸う。そこに通うレネゲイドを極限まで励起していく。人を殺すための力を、研ぎ澄ます。
シルヴェストロ:「聖絶から逃れようなどと……!」
赤川累:自らの血と肉と……触れる空気すらもが灰化し黒い渦となって纏わり、脈々と溢れるように零れ落ちていく。
赤川累:研ぎ澄まされていく死神の貌とは裏腹に、その思考世界は混沌としている。
赤川累:我が身の焦げ落ちる苦痛と、雑多な声が響いてくる。その声は怯えを掻き消し、迷いを晴らし、この悪党を殺せと叫ぶ。
赤川累:それはノイマンの高速思考能力において延長された意識時間の中で、際限なく響き渡り纏わりついてくる呪詛だ。
赤川累:そこから意識を逸らすために想起したのは、九十八の言葉だ。
赤川累:(……赦し合う事は不可能だと支部長は言った。確かに、そうかもしれない)
赤川累:(だとしても──それを選ぶのは、誰かに命令されたからじゃない)
赤川累:「俺は……俺の意志で貴方を否定する」
赤川累:疾駆しながら呟くように言う。低く構えた右腕で地表を抉り、灰を掴む。
赤川累:「貴方がこれから進む道の先にいる人々を、守るために」
赤川累:「──ここで止める」
赤川累:呪詛を振り切る為の声と共に、打ち上げる初撃は揺動。礫のように降り注ぐ黒灰がシルヴェストロの視界を塞ぐ。その間に地を蹴り、飛び上がって
赤川累:本命の黒腕を袈裟に打ち下ろす。防御しなければ"ヘレヴ"諸共に正中を通過し、抉り抜く軌道。それは明白に、対峙者の命を奪う為の。
シルヴェストロ:「がぁあ、あッ……!?」
北見菫:宙に舞った血飛沫が空中で凍り付く。それらは体内に戻ろうとするかのようにシルヴェストロを貫く──ただし、氷血の槍となって。
シルヴェストロ:「…………!!」
シルヴェストロ:二重の攻撃に晒され、夥しく喀血する。司祭服を揺らしてよろめき、君達を睥睨する。
赤川累:苦悶の声に揺らぐ心を押さえつけながら、牽制めいて翳されたラハト・ハ・ヘレヴの切っ先を躱すように距離を取り直す。
シルヴェストロ:「……何故……ですか、菫くん……」
シルヴェストロ:「君も信仰者なら、分かるはずだ……僕がしようとしていることの意味が……」
シルヴェストロ:「信仰を護ることの価値が、君になら分かるはずなのに……!」
北見菫:「……ええ、そうですね」
北見菫:少しだけ目を伏せる。
北見菫:「シルヴェストロさんの行いが、完全に間違っているとは思いません」
北見菫:「それは確かに価値のあることなんだろうなとは思います。けど」
北見菫:赤川の隣に並び立ち、紅蓮の血槍を構える。
北見菫:「今は赤川くんのほうが大事なんです」
北見菫:「それだけです」
---
“プルフラス”:「ヴゥウウゥウウ…………!!」
“プルフラス”:「痛い、痛い、痛、っいいぃいいっ……!ぎぃいいっ……!!」
“プルフラス”:身体から突き出した血が、昆虫の節足のようにぞろぞろと蠢く。
“プルフラス”:「“バルバトス”さん……!死んで……死んでください……!お願いします……!!」
峯川千墨:「頼まれて死ぬやつがどこに居んだよ」
峯川千墨:(……とまあ啖呵切っちゃァみたが)
峯川千墨:(この場所はいかにもうまくねェ)
峯川千墨:狭く閉じた地下の空間。スピーカーの類も据え付けられてはおらず、敵の通信端末の類とて、対策が為されているか初めから持たされていないかだろう。
峯川千墨:足元で塩水が渦を巻き、水圧と鋭利さを有した半固形の槍に変じさせ、二方に向けて射出する。
峯川千墨:一方は“プルフラス”へ。もう片方の狙いはパイプラインだ。
“プルフラス”:「うぅうっ……!?」
“プルフラス”:パイプラインを庇うように身を躍らせる。槍に貫かれ、血飛沫が噴き出す。
“プルフラス”:「ぎゃあぅっ!あぁああぁあっ!!」
“プルフラス”:だが返り血として君に降り掛かったその血は、熱湯のごとき高温だ。
“プルフラス”:灼熱の血が、峯川の肌を焼く。
“プルフラス”:「……うぅううぅううっ……!」
峯川千墨:「ウオッ……!?」予想していなかった反撃に、思わず攻撃の手を止める。
“プルフラス”:「熱い、熱い、熱……いぃいぃいいいい…………!!」
“プルフラス”:“プルフラス”の身体から突き出た血の刺が、ぐつぐつと煮え滾り沸騰、蒸気を上げ始める。
“プルフラス”:体内の血液も同様に熱湯状態にあるのだろう。肌がおぞましい色に変色していく。
峯川千墨:「“サタナキア”はアホか……!? よくこんなん気晴らしに殴れたもんだな!」
“プルフラス”:「アァアァアアアッ!!ぎぃい、いあぁああああっ!!」
“プルフラス”:地獄の苦痛に絶叫を上げながら峯川へと飛び掛かる。無数の血刺が四方八方から伸び、その身体を刺し貫く。
“プルフラス”:同時、熱血が送り込まれる。激痛と高熱が君を襲う。
峯川千墨:「ガッ……!」
“プルフラス”:「はぁああぁあ……!うぅううううぅう……!!」
“プルフラス”:「すいません……!すいません……!!」
“プルフラス”:「死んでください……!お願いします、すいません……!死んで、死んでぇえ……!!」
峯川千墨:(……先輩はあんなにされたって自分のやるべきことをやった)
峯川千墨:(アタシだってやる。たとえここで死のうがブッ壊す……!)
---
GM:「行け行け行けぇッ!」「ラビに近寄らせるな!古文書を守れ……!!」
GM:剣や斧、槍を持った東の民が襲い来る。全員、素の出力としてはそれほどでもないが──侵蝕負荷に糸目をつけていない。
GM:限界を越えた攻撃が、純然たる脅威として襲い来る。あるいはここを死地と定めているのか。
ギデオン:「皆……!!!!」
ギデオン:そして、ギデオンの放った雷の津波が、君達の視界を埋め尽くす。膨大な電流が全身を貫き、通路を焼き焦がす。
九十八九十九:通路を満たした白光の中から、小さな影が躍り出る。
軽部龍授:「あれは、"流す"のは無理だな。化け物じみた出力は素直に喰らって、反撃に転ずるしかあるまい」
軽部龍授:蘇生に備える。最適な防御とは、防げる攻撃と、そうでない攻撃を見極める事にある。
九十八九十九:迫りくる男たちに正面から突っ込む。肉薄した瞬間。壁となった男たちの間から対物ライフルの銃口を突出させてギデオンに向け
九十八九十九:弾丸を放つ。向こうが初手で全力を出してくることは予想がついた。その後に生じる間隙を狙ったが…
ギデオン:「……むぅうッ……!!!」
GM:弾丸は浅く肩口を掠めるに留まる。部下の一人が、剣の切先で銃口を叩き逸らしている。
九十八九十九:「……参ったなぁ、普段サボってるツケが来たかも」
GM:「止めろッ!!」「やれ、やれッ!」
GM:真っ先に突出した九十八の身体に、幾つもの刃が突き刺さる。
木花小夜:「支部長っ……!」
軽部龍授:「ちぃっ、反応の速さが仇か。九十九、一分持たせろ」
九十八九十九:「大……じょぶ……!!雑魚はいいから大将を攻めな~!!」
九十八九十九:「ごぷ……っ」張り上げた声が、肺に突き刺さった剣によって途絶える。
GM:後に詰める二人に対しても、迎撃するように剣と槍の切先が伸びる。
GM:「今少し耐えればいい!」「来るな……!本当に殺すぞ!」
軽部龍授:横合いから刃を打合せ、刀身に沿わせて滑らせる事で軌道を変えていた。同時に剣士の膝が沈み込む。
軽部龍授:まるで力の流れに身を委ねるように、自然体のまま敵の刃に体重を預ける。
軽部龍授:そして次の瞬間には、敵が武器を振り切った体勢で、その刃は地面のみを穿っている。
GM:「な……!?」
軽部龍授:(次の攻撃。木花小夜を守る)冷静に敵の動きを見る。
軽部龍授:そう決意した刹那、刃は再び疾った。
軽部龍授:しかしそれは剣士の間合いの外であり、敵は既に踏み込んでいる。五歩先の無限とも言える絶望的な距離。
軽部龍授:だが、尋常ならざる剣士は、届かぬ間合いから一切の躊躇なく刀を振るっている。それは斬撃ではない。刺突だ。
軽部龍授:膝と足首を体を押し出すように目一杯蹴り伸ばし、【白虎】の応用、握り手をスライドさせ柄を滑らせた。
軽部龍授:届かぬと思われた刀が、届く。僅か数十センチの不可能を突破する小細工。稲妻めいた突きが相手の攻撃を迎撃する。
GM:「……こいつ……!」
ギデオン:「……!下がれっ!!」
軽部龍授:「一人減らす。動けるか?木花」
木花小夜:「ん。もちろん」
軽部龍授:「フッ…では、問題なく。善し、こちらが先にやるぞ」
軽部龍授:右足を小さく踏み出した。
軽部龍授:同時に左膝を軽く折る。ただ、それだけの動作で"間合い"が作られる。
軽部龍授:既に刀剣の間合いである。如何に体が重く、威が載らずとも、一呼吸で切り捨てられる距離。
軽部龍授:手に持った井上真改をゆるりと、相手を値踏みするように回す。
軽部龍授:唐竹、袈裟斬り、逆袈裟、突き、逆風、偽攻。攻め手は無数、殺害技巧は星の数。
軽部龍授:まあ、どれであっても反応を許すほど、鈍い剣を撃つつもりはないのだが。
軽部龍授:「とは思うが、お前たちは朱鷺と電気鰻だ。フッ…殺すわけにはいくまい。芸を見せてやる」
軽部龍授:十八番の月打ちに構え、言葉と共に動く。
軽部龍授:些末な障害物を避ける時間を排除した、最短距離を進む最適最速の機動。
軽部龍授:一風の如き疾さで、敵の眼前。
GM:「────!」
軽部龍授:前触れなく敵の手にした得物が、真ん中から真っ二つから裂けた。
軽部龍授:"ピッ"僅かに空気の弾ける音。それより瞬き一つ速い出来事であった。
軽部龍授:佩刀の柄を弄んでいた掌は、眼前敵の股下迄で移動し、頭の脇に担がれた刃の切っ先は既に地面にまで落ちていた。
軽部龍授:時間と空間を跳躍したような異常な疾さの剣筋。まるで、見えない糸に引っ張られて裂かれたように、鋼の武器が右と左とに別離する。
GM:「なっ……はっ……!?」
軽部龍授:「寝てろ」
軽部龍授:すかさずに手首を回し、柄尻を相手に向け、その鳩尾に叩き込んだ。
GM:呆気に取られた瞬間、その一撃で意識を刈り取られる。
GM:「げぶっ……!」
九十八九十九:「……わーお」身体に刺さった刃を引き抜いて地に放る。
九十八九十九:「普段は泥棒の仲間やってたりする?」
軽部龍授:「なんだそれは?俺に仲間はいない」
軽部龍授:「しかし、見た目ほど楽ではない。ギリギリだった。こいつらの練度は大したものだ」
軽部龍授:故に良い。とは流石に口には出さない。
木花小夜:「つまらないものでもないでしょ、斬ってるのは」
木花小夜:「こちらも……ぐっ……!」喉をかきむしるようにして、血の鎖を引きずり出す。
木花小夜:痛みはない。周辺の神経は凍らせて機能させなくしてある。
木花小夜:ごうごうと鳴っていた、サーバールームの空調音が止まる。
木花小夜:代わりに、ピシピシ、と。氷結した大気の割れる音が鳴る。
木花小夜:凍結寸前の冷気が、周囲に充満する。触れてはならぬ毒のように。
軽部龍授:「異常低温!?ホワイト何某でもあるまいに」
木花小夜:「……昇って」冷風が作り上げ、血線が巡らせた凍結塊が、天井に張り付き。
木花小夜:「……墜ちて!」その声とともに崩落する。
木花小夜:そこへ駆け出す。紅球を起点にした攻撃にとどまらず。
木花小夜:「……係いで」血の棘線は、彼女の手元にも握りしめられて。
木花小夜:鞭のようにしならせ、はたき上げ、巻き付かせ。
木花小夜:「……絶って!」引き戻す。
木花小夜:その動きこそが、凍結対象を身ごと引き剥がさせるもの。
GM:「ぎゃああっ!!」「ッ……!!」悲鳴と共に男たちが全身を切り裂かれる。剣撃で機先を制しダメージを殺すが、甚大な負傷。
GM:「こいつら、やばいぞ……!」
九十八九十九:(報告より能力規模が大きい。隠して……や、成長してる……?)
木花小夜:「ふう―……!」大きく白い息を吐く。
木花小夜:髪に呈した血の赤が、薄暗い中に浮かぶ。
木花小夜:「……戦いの経験なら」
木花小夜:「あなた達に劣らない」
ギデオン:「狼狽えるな!!!!!元より世界を敵に回してきたのだろうが!!!!!誰が来ようと負けるわけにはいかんのだ!!!!!!」
ギデオン:冷気の満ちた室内に、再び電光が輝きだす。
GM:ラウンド2
GM:赤川くんの戦闘から
GM:セットアップ
赤川累:ないです。
シルヴェストロ:《アクセル》LV6 対象行動値+12
シルヴェストロ:対象はラハトハヘレヴ
シルヴェストロ:行動値12>24
赤川累:なるほどね
GM:イニシアチブ 行動値24 ラハト・ハ・ヘレヴの手番です
ラハト・ハ・ヘレヴ:マイナー 《オリジン:レジェンド》LV6+《炎の加護》LV3+《バトルビート》LV3
ラハト・ハ・ヘレヴ:メジャー 《サイレンの魔女》LV5+《焦熱の弾丸》LV10+《クロスバースト》LV3+《砂の刃》LV3+《ストライクモード》LV3
ラハト・ハ・ヘレヴ:対象赤川くん
赤川累:暴力!
ラハト・ハ・ヘレヴ:22DX+23
DoubleCross : (22DX10+23) → 10[1,1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,5,5,6,6,7,8,9,9,10,10,10]+7[1,2,7]+23 → 40
赤川累:一応ドッジします
赤川累:5dx+1>=40
DoubleCross : (5DX10+1>=40) → 6[1,3,4,5,6]+1 → 7 → 失敗
赤川累:無理~
ラハト・ハ・ヘレヴ:ダメージ
ラハト・ハ・ヘレヴ:5D10+15+12+12+5+3D10 装甲無視
DoubleCross : (5D10+15+12+12+5+3D10) → 16[5,1,3,1,6]+15+12+12+5+21[8,7,6] → 81
赤川累:倒れる!
赤川累:シルヴェストロのロイスを切って復活。
GM:行動値12 赤川くんの手番です
赤川累:赤川累のHPを12(→ 12)に変更 (27 → 12)
赤川累:では先に菫ちゃんのカードを使用します。対象シルヴェストロ。
GM:何ぃ……
北見菫:3D10+30
DoubleCross : (3D10+30) → 22[10,4,8]+30 → 52
赤川累:あっつよい
シルヴェストロ:HP0 復活エフェクトはありません
GM:《さらなる力》するはずがよ~~
GM:改めて手番です
赤川累:ではマイナーはなしで
赤川累:メジャー、「塵灰回帰」《コンセントレイト》《インスタントボム》オート《砂の加護》《砂塵霊》
赤川累:対象ラハト・ハ・ヘレヴ
GM:判定どうぞ!
赤川累:10dx+15@7 命中
DoubleCross : (10DX7+15) → 10[3,3,4,5,6,6,7,8,9,10]+10[1,8,9,9]+10[3,6,10]+10[10]+2[2]+15 → 57
ラハト・ハ・ヘレヴ:ガード
赤川累:6d10+36 ダメージ
DoubleCross : (6D10+36) → 36[7,10,6,10,2,1]+36 → 72
赤川累:装甲無視です
GM:くっ……
赤川累:赤川累の侵蝕率を11(→ 11)増加 (109 → 120)
ラハト・ハ・ヘレヴ:HP0
ラハト・ハ・ヘレヴ:ミドル戦闘で倒されたので復活エフェクトはありません
赤川累:やった!
GM:戦闘終了です
GM:峯川さんの戦闘
GM:セットアップから
“プルフラス”:なし
峯川千墨:どうしようかな……処理順の質問なんですが
峯川千墨:蒼き悪魔でダメージ入って死んで復活するのとメジャーアクションでの侵蝕率増加ってどちらが先なんでしたっけ
GM:メジャー侵蝕増加はメインプロセス後だから悪魔が先かな?
峯川千墨:なるほど じゃあやっといた方がいいか……?
峯川千墨:あーいや
峯川千墨:やっぱり無しで!
GM:では行動値8 プルフラスの手番です
“プルフラス”:メジャー ≪コンセントレイト:ブラム=ストーカー≫+≪血の宴≫+≪鮮血の一撃≫+≪ブラッドバーン≫+≪紅蓮の衣≫+≪クロスバースト≫
“プルフラス”:対象峯川!
“プルフラス”:12DX7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,2,3,3,5,5,5,6,7,7,9,10]+10[5,6,9,10]+10[10,10]+10[1,9]+4[4]+4 → 48
峯川千墨:ドッジ!
峯川千墨:3dx+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 9[1,8,9]+1 → 10
GM:ダメージ!
“プルフラス”:5D10+32+16 ガードしたキャラクターに+15点
DoubleCross : (5D10+32+16) → 13[1,1,1,6,4]+32+16 → 61
峯川千墨:死んでリザレクト
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (95 → 97)
峯川千墨:やった~~~~
峯川千墨:峯川千墨のHPを2(→ 2)に変更 (5 → 2)
GM:チィ~~~っ
GM:行動値6峯川さんの手番です
峯川千墨:マイナー無しのメジャーで《雨粒の矢》《惑いの一撃》《シングインザレイン》
峯川千墨:プルフラスちゃんに攻撃します
GM:判定どうぞ!
峯川千墨:4dx+6
DoubleCross : (4DX10+6) → 8[5,6,7,8]+6 → 14
峯川千墨:ドッジダイス-6
“プルフラス”:ガード≪氷盾≫
“プルフラス”:≪蒼き悪魔≫
“プルフラス”:15点返します
峯川千墨:リザ!
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (97 → 99)
峯川千墨:峯川千墨のHPを2(→ 2)に変更 (2 → 2)
GM:リザレクト上手すぎだろ
峯川千墨:えへへ ダメージ出します
峯川千墨:2d10+34
DoubleCross : (2D10+34) → 12[9,3]+34 → 46
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を9(→ 9)増加 (99 → 108)
GM:くっ……
“プルフラス”:自分で消費分もあったのでHP0
“プルフラス”:≪不死不滅≫ありますが……使いません 戦いたくないので
峯川千墨:やる気がなくてえらい!!!!!!!!!
GM:戦闘終了です。
GM:サーバールームの戦闘
GM:セットアップから!
軽部龍授:なしです。
九十八九十九:なし!
木花小夜:主従とも《氷の茨》使用します
木花小夜:敵全員、エンゲージを離れた場合5d10点のライフロス。
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (98 → 104)
GM:ではイニシアチブ 行動値14 九十八さんの手番です
九十八九十九:はーい
九十八九十九:マイナー、《クイックモーション》《アサルトルーティン》《原初の青:斥力跳躍》
九十八九十九:アンマテを装填しながら25m後ろに下がります
GM:ちゃんと斥力跳躍持ってやがる
九十八九十九:メジャー《コントロールソート》《コンセントレイト;ノイマン》アンチマテリアルライフルでギデオンを攻撃
九十八九十九:11dx7+4 ガード不可
DoubleCross : (11DX7+4) → 10[2,3,3,7,7,8,8,8,9,10,10]+10[1,1,2,3,4,8,9,10]+10[1,6,7]+10[9]+4[4]+4 → 48
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を8(→ 8)増加 (101 → 109)
ギデオン:6DX>=48 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=48) → 10[1,2,2,7,8,10]+8[8] → 18 → 失敗
GM:ダメージどうぞ!
九十八九十九:5d10+30+10+1d10
DoubleCross : (5D10+30+10+1D10) → 29[9,1,2,9,8]+30+10+7[7] → 76
九十八九十九:いいかんじ
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を4(→ 4)増加 (109 → 113)
九十八九十九:九十八九十九のHPを3(→ 3)減少 (11 → 8)
九十八九十九:しぶとい
ギデオン:まだ生存!
GM:行動値9 従者と軽部くんの手番です
軽部龍授:ではBを攻撃したいと思います。
軽部龍授:メジャー:《コンセントレイト:エグザイル》《貪欲なる拳》《爪剣》
GM:判定どうぞ!
軽部龍授:10dx7+3
DoubleCross : (10DX7+3) → 10[3,3,3,5,6,7,7,10,10,10]+10[3,5,8,9,10]+10[3,4,7]+6[6]+3 → 39
GM:イベイジョン18で命中
GM:ダメージどうぞ!
軽部龍授:4D10+6+5+3+10
DoubleCross : (4D10+6+5+3+10) → 13[7,3,2,1]+6+5+3+10 → 37
軽部龍授:98→106
GM:死なないな……40だから……
木花小夜:足りてないやんけ!
軽部龍授:ですよね。
九十八九十九:無闇にしぶとい
GM:従者くんの手番です
木花小夜:手前しか狙えない マイナーなしでメジャー《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》
木花小夜:Bを狙います
“ガーネット・スター”:10DX7>=19
DoubleCross : (10DX7>=19) → 10[1,2,2,3,4,5,5,5,8,9]+5[4,5] → 15 → 失敗
木花小夜:あっ足りてない……
木花小夜:《宵闇の魔花》使用。達成値+8します。
九十八九十九:えらい
GM:ではイベイジョン命中!
木花小夜:命中で《氷の茨》が発動します~
木花小夜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 23[7,6,3,1,6] → 23
“ガーネット・スター”:5d10
DoubleCross : (5D10) → 17[7,2,1,4,3] → 17
GM:グワーッ
GM:残り体力3なのでBは爆散!
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を8(→ 8)増加 (104 → 112)
GM:行動値9 ギデオンの手番です
ギデオン:味方がいなくなったから範囲打っちゃお~
ギデオン:《コンセントレイト:ブラックドッグ》LV4+《雷の槍》LV8+《クレイジードライブ》LV6+《雷神の槌》LV8+《雷光撃》LV8+《MAXボルテージ》LV6+《サンダーストーム》LV2+《爆雷撃》LV6
ギデオン:対象木花軽部
ギデオン:16DX7+6
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[2,2,3,4,4,4,5,7,8,8,9,9,9,9,10,10]+10[1,2,4,4,5,5,7,9,10]+10[1,4,9]+10[9]+5[5]+6 → 51
軽部龍授:ガード。
木花小夜:1DX>=51 ドッジ
DoubleCross : (1DX10>=51) → 5[5] → 5 → 失敗
ギデオン:6D10+16+20+24+6+16+10+3D10+3D10
DoubleCross : (6D10+16+20+24+6+16+10+3D10+3D10) → 38[6,3,10,6,10,3]+16+20+24+6+16+10+20[5,10,5]+17[4,10,3] → 167
木花小夜:あっ従者は?
GM:あっ従者も!
軽部龍授:エル子っちのロイスを切ります。昇華。
“ガーネット・スター”:6DX>=51
DoubleCross : (6DX10>=51) → 8[4,5,7,7,8,8] → 8 → 失敗
“ガーネット・スター”:《炎陣》で本体をカバー
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を2(→ 2)増加 (112 → 114)
GM:従者……消えるのか
“ガーネット・スター”:シュワーン
GM:☆5サーヴァント ガーネット・スター ピックアップガチャ開催決定
GM:行動値8 東の民A・Cの手番です
GM:どちらもマイナーで木花軽部にエンゲージ
GM:A>木花
GM:≪コントロールソート≫+≪スキルフォーカス:白兵≫
GM:6DX+10
DoubleCross : (6DX10+10) → 10[2,3,4,6,9,10]+4[4]+10 → 24
木花小夜:4DX>=24 ドッジ
DoubleCross : (4DX10>=24) → 10[6,7,7,10]+4[4] → 14 → 失敗
木花小夜:がんばった
GM:3D10+4 ダメージ
DoubleCross : (3D10+4) → 17[7,1,9]+4 → 21
木花小夜:死んじゃうよ~~~
軽部龍授:《原初の紫:隆起する大地》
軽部龍授:21-1d10-18
DoubleCross : (21-1D10-18) → 21-3[3]-18 → 0
木花小夜:えらすぎ
GM:おのれ……
九十八九十九:えらい
軽部龍授:106→109
GM:C>軽部
GM:≪コントロールソート≫+≪スキルフォーカス:白兵≫
GM:6DX+10
DoubleCross : (6DX10+10) → 7[1,3,4,6,7,7]+10 → 17
軽部龍授:ガード
GM:2D10+4 ダメージ
DoubleCross : (2D10+4) → 12[4,8]+4 → 16
軽部龍授:防護点10のガード値4なので2点とおします。HP14→12
GM:固すぎ~~~
GM:行動値6 木花さんの手番です
木花小夜:マイナーなし メジャー《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》
木花小夜:Cを狙います
GM:判定どうぞ!
木花小夜:11dX7+3>=19
DoubleCross : (11DX7+3>=19) → 10[1,1,4,4,5,6,7,7,7,10,10]+10[1,8,8,8,9]+10[2,6,7,8]+1[1,1]+3 → 34 → 成功
木花小夜:命中でギデオンのエンゲージまで動かしつつ ライフロス
木花小夜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 25[8,10,3,3,1] → 25
GM:残りHP6!
GM:Cも倒れます
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (114 → 118)
GM:しかし敵はまだ残っているので戦闘終了せず!
GM:サーバールーム 3ラウンドです
GM:セットアップから!
軽部龍授:なし!
木花小夜:《氷の茨》使います
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を3(→ 3)増加 (118 → 121)
九十八九十九:なし!
GM:ではイニシアチブ 行動値14 九十八さんの手番です
九十八九十九:《原初の青:斥力跳躍》マイナーで移動し軽部くんと小夜ちゃんのエンゲージへ
九十八九十九:メジャーで購入を行うことは可能ですか?
GM:そんなこと初めて聞かれた
GM:面白いからいいことにしよ
九十八九十九:やった~
九十八九十九:予備弾倉を購入します 目標値は10
九十八九十九:4dx+2>=10
DoubleCross : (4DX10+2>=10) → 7[1,2,6,7]+2 → 9 → 失敗
九十八九十九:財産1使って購入成功
九十八九十九:アンマテの残弾が3に増えて終了です
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を2(→ 2)増加 (113 → 115)
GM:行動値9 軽部くんの手番です
軽部龍授:待機します。
GM:では行動値9 ギデオンの手番です
ギデオン:マイナー 《真なる雷》LV8
ギデオン:メジャー 《コンセントレイト:ブラックドッグ》LV4+《雷の槍》LV8+《クレイジードライブ》LV6+《雷光撃》LV8+《MAXボルテージ》LV6
ギデオン:東の民が同エンゲージにいるので単体対象 侵蝕低い軽部くんを狙います
ギデオン:16DX7+6
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[1,1,1,2,2,3,4,4,6,6,6,8,8,8,9,9]+6[1,2,2,6,6]+6 → 22
軽部龍授:ドッジしようっと
軽部龍授:7dx-2
DoubleCross : (7DX10-2) → 10[1,2,4,4,4,5,10]+4[4]-2 → 12
九十八九十九:惜しい
木花小夜:あと2あれば……
GM:ダメージ!
木花小夜:《炎陣》でカバーします
軽部龍授:女神!!
GM:なにっ
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を2(→ 2)増加 (121 → 123)
ギデオン:3D10+16+20+24+16+10
DoubleCross : (3D10+16+20+24+16+10) → 7[2,1,4]+16+20+24+16+10 → 93
木花小夜:死ぬ!ギデオンに尽力/憤懣:○でロイス取って昇華、復活します
GM:行動値8 東の民Aの手番です
GM:軽部くんに≪コントロールソート≫+≪スキルフォーカス:白兵≫
GM:6DX+10
DoubleCross : (6DX10+10) → 5[1,2,3,3,5,5]+10 → 15
軽部龍授:ガード
GM:2D10+4 ダメージ
DoubleCross : (2D10+4) → 11[8,3]+4 → 15
軽部龍授:ガード4点に装甲10点で1点とおします HP12→11
GM:クソ~ッ
GM:木花さんの手番です
木花小夜:メジャーで「バイバイ・バイオサイド」《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》《ポイズンフォッグ》
木花小夜:至近の全員を対象にします
GM:判定どうぞ!
木花小夜:11dX7+3
DoubleCross : (11DX7+3) → 10[1,2,3,4,5,6,6,6,7,8,9]+10[2,4,7]+10[10]+4[4]+3 → 37
木花小夜:自分はガードします~
GM:東の民はイベイジョンで命中
木花小夜:君らもガードしといて~
九十八九十九:リアクション放棄するよ~
軽部龍授:ガード。
九十八九十九:ガードでいいか
木花小夜:全員でギデオンエンゲージ移動しつつ
木花小夜:東の民くんは氷の茨に引っ掛けるよ
GM:ダイス腐れ!
木花小夜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 29[10,3,4,7,5] → 29
木花小夜:よしよし
GM:ぐわ~~~~
九十八九十九:いいぞ~
GM:死にました
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (123 → 129)
軽部龍授:順調。
GM:待機した軽部くんの手番です
軽部龍授:ギデオンに攻撃します。
軽部龍授:メジャー:《コンセントレイト:エグザイル》《貪欲なる拳》《爪剣》ドッジダイス-1
軽部龍授:12dx7+3
DoubleCross : (12DX7+3) → 10[2,2,2,2,3,5,6,8,8,9,10,10]+10[4,6,7,7,8]+10[4,8,10]+10[1,8]+3[3]+3 → 46
ギデオン:ガード
GM:ダメージどうぞ!
軽部龍授:5D10+6+10+3+12
DoubleCross : (5D10+6+10+3+12) → 26[6,4,5,10,1]+6+10+3+12 → 57
GM:グアアア
ギデオン:HP0
九十八九十九:ヤッタネ
ギデオン:復活エフェクトはありません
軽部龍授:109→117
GM:戦闘終了です。
ラハト・ハ・ヘレヴ:レネゲイドの昂ぶりに反応し、炎剣が翼を開く。
ラハト・ハ・ヘレヴ:業火が吹き荒れ、その燃え盛る切先が赤川と北見へと向けられる。
赤川累:「……! 来るか」《リザレクト》が効かなくなってきている感覚がある。次こそは先程のようには行かないだろうと確信を抱く。
シルヴェストロ:「……あなた方に罪はありません」
シルヴェストロ:「その罪は神により清められ……魂は天の国、父の身許へと辿り着くでしょう」
シルヴェストロ:「せめて安らかであってください」
シルヴェストロ:「Sola fide……!」
赤川累:「……悪いけど、まだ父さんに会いに行くつもりはありませんよ」
ラハト・ハ・ヘレヴ:甲高い高音と共に刃が解き放たれる。超高速の刃が赤川の身体を切り裂き、直後、業火が吹き荒れその身を焼き焦がす。
赤川累:「が、あああっ……!」一瞬の交錯の中でそれを掴み取るべく手を伸ばしたが、掠め過ぎた。
赤川累:そこからの防御は間に合わない。次の瞬間には引き裂かれるような感覚と共に、全身が業火に焼けて沈む。
北見菫:「赤川くん……!」
ラハト・ハ・ヘレヴ:刃の切先は北見へと向く。羽根を広げ、高速回転する刃が少女の身体を貫こうとして。
赤川累:「っ……ぐ……」
赤川累:喉がひどく焼けて、意識が朦朧とする。手足の感覚すらも希薄だ。だけど、背後に立つ少女のどこか覚悟したような息遣いだけは聞こえた。
赤川累:「……まだ、だ」
赤川累:歯を食いしばり、立ち上がっている。燃え盛る火焔を灯した刃へと手を伸ばし、今度こそ掴み取る。……それは即ち、苦痛の渦に自ら飛び込む事を意味する。
赤川累:「っ、ぐ……おおおおおッ!!」
赤川累:罪を裁く浄化の炎、総身を焼き焦がすその激痛に耐えながら、右腕に熱を集約させる。
シルヴェストロ:「何……!?」
北見菫:「ッ……赤川くん!?」
赤川累:そうして一瞬、切っ先が止まる。……だが、そこまでと見えた。
赤川累:神なる加護の力に護られた刀身は、灰化の力にさえ抗い黒白の火花を散らして弾き、それ以上の侵蝕を許さない。
赤川累:「っ、それが……どうしたッ!!」
赤川累:聖なる力によって構成された遺産──そんなものは、星の数ほど砕いてきた。
赤川累:だから、そうではない。本当に聖なるものは──自分にとって、かけがえの無い正しさとは。
赤川累:「これ以上……北見さん、は……」
赤川累:想起する。今の自分に力を与え、支えてくれるものを。この戦いに至るまでに結んだ人との繋がり。交わした約束。そして、いまこの瞬間背に負う彼女のこと。
赤川累:「──傷つけ、させないッ!!」
赤川累:咆哮する。指先が捩じ込まれて、光の防壁に軋むような罅が入る。
赤川累:そうして……硝子の砕けるような、激しい音色が響いて。
赤川累:赤川累が崩れ落ちると同時、その剣は砕け散る。
ラハト・ハ・ヘレヴ:聖遺物から血のように炎が噴き出し、神の被造物たる剣が砕ける。
赤川累:たった今まで燃え盛っていた炎は、神の武器は、無価値な黒い灰となって風に舞い上がっている。
シルヴェストロ:「な…………」
シルヴェストロ:「まさか…… がッ……!?」
シルヴェストロ:驚愕の表情を浮かべたシルヴェストロの胸が、血槍に深々と貫かれる。
北見菫:「……悪いですけど……シルヴェストロさん」
北見菫:自身の血で造り上げた槍を手に、冷気に白い息を吐く。
北見菫:「こんなところで死んだり……死なせたりしたら」
北見菫:「天国にいる友達に、顔向け出来ないのよ……!」
北見菫:血槍が爆発するように分裂、同時に引き絞られるような氷結音と共に凍り付く。
北見菫:シルヴェストロの体内から無数の血槍が貫き、その身体を磔にする。
シルヴェストロ:「が……はっ……」
シルヴェストロ:炎剣を失い、全身を貫かれて動きを止める。
シルヴェストロ:燻っていた炎も消え、レネゲイドの圧力も消失していく。
北見菫:「……はっ…… はっ……」
北見菫:失血にふらつきながら、赤川に目を向ける。
赤川累:「う……はあ、はぁっ……」
赤川累:ひどく息を乱しながら、ゆっくりと身体を起こす。
北見菫:「赤川くん……大丈夫……!?」
赤川累:「……ああ。動けなくなるような無茶は、してないさ」
赤川累:まだどこかよろめくような足取りで、心配させない様に笑って。
赤川累:それから、シルヴェストロの姿を見る。
シルヴェストロ:「……」
シルヴェストロ:力無く仰向けに横たわり、天を仰いでいる。
赤川累:「……貴方は」
赤川累:「自分は剣だから、もはや迷いはないのだと言いました」
赤川累:「でも……本当に、そんな風に割り切れるものなんでしょうか」
シルヴェストロ:「…………」
赤川累:「本当は、貴方の中にはずっと……ただの人としての貴方がいて」
赤川累:「迷いはないと言いながら、ずっと苦しんでいたんじゃないですか」
シルヴェストロ:「……」静かに瞑目する。
シルヴェストロ:「……累くん」
赤川累:「……」その顔を見る。
シルヴェストロ:「君の夢は……どうしましたか」
シルヴェストロ:「お医者さんは」
赤川累:「……。今も、そのつもりですよ」
赤川累:「今はレネゲイドに向き合い、解き明かすことが、より多くの人を救う道に繋がると信じていて。だからこちら側にいますが」
赤川累:「父や貴方とは別の方法で、母のような人を助けたい」
赤川累:「あの日そう言った言葉に、変わりはありません」
シルヴェストロ:「……そうですか……」
シルヴェストロ:脱力するように深く息を吐く。
シルヴェストロ:「……累くん。私は……自分が間違っているとは思っていません」
シルヴェストロ:「ただ……それに抗おうとする君達も、間違っているとは思いません」
赤川累:「……」
シルヴェストロ:「何を信じるか。何のために戦うか。重要なのはそれです」
シルヴェストロ:「君は……既にそれを、見つけているようですね」
赤川累:「……ええ」
赤川累:胸元に手を置く。そのポケットの中には、約束と共に託された御守りがあった。
赤川累:……まだ一年も経っていない筈なのに、随分と遠い過去の様に感じる。
赤川累:「俺は、俺の知る大切な人達の為に戦っています。彼らに誇れる生き方をするために。それは、つまり……」
赤川累:「……俺が紡いできた、絆のために」
シルヴェストロ:「……大人になりましたね。累くん」
シルヴェストロ:血に濡れた顔に、微かに笑みを浮かべる。
赤川累:「……シルヴェストロさん、貴方も」
赤川累:「その中にいます。俺は、そのつもりです」
シルヴェストロ:目を丸くして、それから笑う。
赤川累:「だから……」漏れそうになった悲嘆と痛みを飲み込む。彼を心配させないために。「見ていてください」
シルヴェストロ:「……『狭き門より入れ』ですね」
シルヴェストロ:「『求め続けよ。さすれば与えられん。探し続けよ。さすれば見つからん』────」
シルヴェストロ:「『扉を叩き続けよ。さすれば開かれん』」
シルヴェストロ:「累くん。僕は……」
シルヴェストロ:口を開いたその胸が、砂の刃に貫かれる。
シルヴェストロ:「……がっ……!?」
赤川累:「な、っ……!?」
GM:硬質化した砂は心臓を貫き、血を吸って赤く染まっている。
シルヴェストロ:「…………!」
赤川累:驚きに目を見開く。咄嗟に右腕を振るい、砂だけを振り払おうとするが。
シルヴェストロ:瞠目し、口を戦慄かせ、伸ばした手は力なく地に落ちる。
赤川累:それが最早間に合わない状態にあることを一目で理解する。……理解できてしまう。
北見菫:「嘘……シルヴェストロさん……!!」
モーリス:「……やれやれ……」
モーリス:のんびりと散歩でもするように、一人の男が姿を現す。
赤川累:「北見さん、彼はもうダメだ」
赤川累:端的にそう伝える。駆け寄って隙を晒さないように。
北見菫:「ダメって……何を冷静に……!」
モーリス:「ようやく隙を見せてくれましたね。ここまで苦労しましたよ」
赤川累:「冷静で結構。動揺して崩れたら、向こうの思うツボだろう……」
赤川累:唇を噛み締め、握り締めた手は固く震えている。全ての情動を堪えて、ただ間違えることのないように状況に対処しようとしている。
赤川累:「『ヴィア・ドロローサに気をつけろ』……忠告は正しかったようだな」
赤川累:活かせなかった事については情けない限りだが。そんな負の思考もすぐに振り払い。
モーリス:「ハハッ……」
モーリス:君達に向け、薄笑いを浮かべる。身体の周囲を砂嵐が渦巻き、今にも君達に襲い掛からんとするが。
モーリス:「……おっと」
モーリス:ぴくり、と別方向に視線を向ける。
モーリス:「先にあっちか」
モーリス:小さく呟くと、砂嵐が吹き荒れ──僅か数秒でその姿は消えている。
赤川累:「……何?」
北見菫:「……何なのよ……!」焦燥と混乱の表情を浮かべ、苛立たし気に呟く。
赤川累:戦闘態勢を取ったまま、まだ暫く緊張を解かずにいたが。どうやら本当に立ち去ったらしい事を理解し、腕を下ろす。
GM:モーリスの視線の先。そちらにあるのは──
---
“プルフラス”:「ふぅうっ……!ふぅうううぅうっ……!!」
“プルフラス”:「死んで……!!死んでください……!!」
“プルフラス”:「死にたくないんです……!お……お願いしますぅうう……!!」
“プルフラス”:ガチャガチャと牙のように蠢く血刺が、次々に峯川の身体に突き刺さる。
“プルフラス”:ブリッジの姿勢、抱擁めいて覆い被さる。突き刺さった刺から、その体内へと熱血が送り込まれ身を焼く。
“プルフラス”:「ぎぃいぃいいっ……!うぁああぁあああっ!!」
峯川千墨:「がはッ……!」
峯川千墨:血の塊を吐き出す。目標のパイプラインを目の前にしながら、辛うじて振り払い、後退することしかできない。
峯川千墨:「……ハハ」力なく笑う。
峯川千墨:「苦労したぜ」
峯川千墨:満身創痍ではありながら。それは諦めではなく勝利の笑みだ。
峯川千墨:うぞり、“プルフラス”の身の上で水が蠢く。
“プルフラス”:「いぃっ……!?」
峯川千墨:先の攻撃で標的への攻撃を阻まれ──身をもって阻まれ、カバーに入る位置取りを敵がし始めた時点から──狙っていた形。
峯川千墨:体表に留まっていた水が鞭状の刃に変じ、振るわれ。女の背後に守られていた配管の束を、壁に亀裂を刻みつつ断ち切る。
“プルフラス”:「あ……あぁあっ!?」
“プルフラス”:動揺し、血刺の拘束が一瞬緩む。
峯川千墨:「素直で助かったよ──それに」
峯川千墨:一瞥する。切り裂いたパイプの一部から、一拍置いて水が溢れ出す。
峯川千墨:「どうやら完全にアウェーでもなかったみてェだ」
峯川千墨:因子を混ぜた水がそこに混ざる。漏水を取り込み、その体積を一挙に増す。
峯川千墨:続いて形作られた刃は、斧のように大振りで、なお速く。
峯川千墨:十二分の破壊力を持って、“プルフラス”に振り下ろされた。
“プルフラス”:「ぎゃぅっ!?あぁああっ……!」
“プルフラス”:水の刃を受け、地面に叩き伏せられる。
“プルフラス”:熱血が飛び散り、水を蒸発させて蒸気が立ち込める。
“プルフラス”:「う……うぅううぅ……」
“プルフラス”:地面に這いつくばるように蹲り、頭を抱える。
“プルフラス”:「ゆ……許してください……」
“プルフラス”:「殺さないで……“サタナキア”さん……殺さないで……!」
峯川千墨:「そうじゃねェだろ」呆れた風に腕を組んで。
峯川千墨:「いや……無理もねェのか。あのな」
峯川千墨:「アイツだってどーせそう長くのさばってねェよ」
“プルフラス”:「うぅうぅ……?」
“プルフラス”:涙と血に濡れたぐしゃぐしゃの顔で君を見上げる。
峯川千墨:「そんなモンにビビって言いなりになってるよりよォ。もっとマシな居場所を探した方がいいッつう話で……」
峯川千墨:がりがりと頭を掻く。「……気絶でもしてくれてりゃァ勝手に運んでったんだけどな」
“プルフラス”:「こ……殺さないでくれるんですか……?」
峯川千墨:「ンなことして何の意味があんだ」
峯川千墨:「アタシは今から仲間と合流すっからよ」
峯川千墨:「テメエも付いて来いよ。“サタナキア”んとこ戻るよりは気が楽だろ」
“プルフラス”:「う……うぅうぅう……」
“プルフラス”:「あ……ありがとうございます……ありがとうございます……」
“プルフラス”:ぼろぼろと涙を流しながら、君の服の裾を掴む。
峯川千墨:「オウ。精々感謝しろや」
GM:泣き腫らす“プルフラス”を連れ、峯川はサーバールームへと足を向けた。
---
GM:戦闘が続くサーバールーム。突如として周囲の──否、学内全体の灯りが消え、周囲は薄闇に包まれる。
GM:「……ラビ!電源が落ちました……!回線もです!」
ギデオン:「むぅうううっ……!!!」
ギデオン:自身の能力で発電、サーバールーム周囲の給電を復旧させる。
ギデオン:「無線回線で行けるか!!!!?」
GM:「はい……!ですが、回線速度は……!」「今ので進捗も後退しました……!」
ギデオン:「ぐぅううっ…………!!!!」
九十八九十九:「上手くやってくれたみたいだねえ」
木花小夜:「峯川さんが……!これで」
木花小夜:「あの人さえ倒せば……止められるはず」
軽部龍授:「しかし、諦める気はなさそうだ」
九十八九十九:「上等」
ギデオン:「保たせるのだ!!!!手紙さえ公開できれば我々の勝利だ!!!!!!」
ギデオン:爆雷めいて凄まじい雷撃が放たれ、君達に襲い来る。
ギデオン:弾ける電光が網膜を焦がし、余波で通路の蛍光灯が一斉に焼き切れ砕け散る。
九十八九十九:「木花ちゃん。軽部くん。前任せたよ」
木花小夜:「はい。後ろは任せます」
軽部龍授:「フッ…気楽に言ってくれるが、任された」
九十八九十九:その雷撃が到達する寸前、身を翻し、後方に大きく跳躍する。
九十八九十九:空中で回転しながら弾丸を装填。「冠座」
九十八九十九:間髪入れずに放たれた弾丸が、浮かび上がった光点を辿りながら軌道を変え、ギデオンの側頭部へと到達、炸裂する。
ギデオン:「ぐ、おぉおおっ……!!」
ギデオン:雷撃が辛うじて威力を殺すが、頭部を抉り取られ鮮血が散る。
九十八九十九:「……やっぱ再生力もジャーム並みってか」
九十八九十九:尚も倒れないギデオンを睨みながら着地。
軽部龍授:「飛び道具は、こういう時に心強い。フン、ようやく電撃も途切れた」
軽部龍授:迫った電撃の嵐をオーヴァードの生存反応を全開にして耐えた。そして、まずは目の前の前衛。
軽部龍授:体重移動の為の踏み込み。敵の右手首を切る。
軽部龍授:腕は武器を操る最重要部位であると同時に、こちらの刃に最も接近する部位でもある。
軽部龍授:また、都合として必要以上の殺傷を避けるという観点から、この攻めを最上と確信する。
GM:「ッ……UGN……!」
軽部龍授:踏み込んでの、上段から弧を描く下降飛燕の如き一撃は、敵がどう回避しようとも、吸い込まれるような滑らかな動きで、その手を切り落とす――!
軽部龍授:【跳兎】に仕損じなし、全てはこちらの狙い通り、正しい角度、正しい深さで刀が通った。だが……。
軽部龍授:「なに!?俺が見誤っていたのは2000年の覚悟か。フッ…まず見事と言える」
GM:鍛え抜かれた屈強な男だ。手首を切り裂かれ曲刀を取り落としそうになり──
GM:空中、回転する刃を片手で掴み取り逆袈裟に斬り上げる。
軽部龍授:心に懐くのは僅かな驚愕と敬意。よもや片手が使い物にならずとも意識を保ち、戦う意思も喪失しないとは、思いもよらなかった。
軽部龍授:この男を一合で黙らせるには、倒す気ではなく、殺す気で相対すべきだったのだ。
軽部龍授:「ちぃっ……」
GM:「我々の邪魔をっ!させるかぁッ!!」
GM:タックルめいて肉薄、曲刀で切り付けつつ、流れるようなフットワークで刀の間合いの内に入る。
GM:体勢を崩さんと、何発も重い膝蹴りが撃ち込まれる。積み重ねられた熟練の技術。
軽部龍授:受け流しは容易い。実際に、装甲で受けきれている。だが、一刻を争うこの場において、致命になりかねない時間の浪費。
木花小夜:幾度かの蹴りの後、そのまま蹴り足が戻らない。
木花小夜:装甲に脚底がへばり付いている。表面で凍結した。
GM:「う……何だっ……!?」
GM:予想外の妨害に、不安定な姿勢で動きが止まる。
木花小夜:「萎れて!」
木花小夜:強制的に、その身を後退させる。
軽部龍授:「そのような華麗な手を使えるなら、もう少し早くだな……」
木花小夜:「あなたがそこまで苦戦するとは思ってなかったのっ!」
軽部龍授:「相手を褒めるべきだが、成程。それは納得できる。ところで、その技で一つ頼めるか?」
木花小夜:「……何を?」
軽部龍授:ギデオンの方に目線を向ける。あそこまで運べるか?と表情が告げる。
木花小夜:頷く。その男を見る。男は次の攻撃態勢にあった。
軽部龍授:その頷きに、その場で片膝をつき、低い姿勢で、刀を握った腕を弓を射るかのように引き絞る。
ギデオン:「まだ……来るのか……!!!!」
ギデオン:雷撃を収束させる。諸共に吹き飛ばそうとするが──その傍らに味方がいる。
ギデオン:「くぅうっ……!!」
木花小夜:その脚を凍らせ、押し留め、進むも退くもさせない。
木花小夜:「ふうーっ……」冷気が増す。血の棘線。棘が、凍りつき、折れる。
GM:「ラビ……!!私ごとやってください!!」
ギデオン:「……侮るなあッ!!!!」
ギデオン:奔流めいた雷を槍のように引き絞り、こちらに向け構える軽部へ向け射出する。
ギデオン:尚凄まじい威力であるが──周囲には拡散しない。
軽部龍授:「…………」後一撃電撃に耐える。それが出来ればこちらが勝つ。
軽部龍授:「耐えきればだがな」
ギデオン:何発もの雷撃に打たれたに等しい衝撃と電熱が、その身体を焼き焦がす。
木花小夜:「進め!」
木花小夜:それは自分を含む、味方全員への強制。
木花小夜:棘を丸めた血の線を振りかざし、踏ませて跳ね飛ばす。
GM:「がぁっ……!」
GM:動きを封じられた男が、血の刺に絡めとられて全身を切り裂かれる。
木花小夜:電熱は確かに直撃した。直撃したそれの血を蒸発させ、焼き尽くした。
木花小夜:軽部龍授ではない。彼女の攻撃起点、“ガーネット・スター”と名付けられた、紅球の従者。
木花小夜:同時、周囲の冷気が引き、血の線が四散する。
九十八九十九:「よくできました」後方から同じように跳ね飛ばされた九十八が、いつの間にか並んでいる。
九十八九十九:異常に軽い体重のせいだけではない、何らかの斥力が作用した動きで、一足早くギデオンへと肉薄し
九十八九十九:対物ライフルの銃身を握り、鈍器のようにギデオンへと振るう。
ギデオン:「ぬぅうっ……!!!!」
ギデオン:電撃を放った隙を狙われるが、腕を翳してその一撃を受け止める。
ギデオン:だが、刹那の攻防においてそれは致命的な隙となる。
軽部龍授:「おぉぉぉぉぉ!」片膝をついた姿勢のまま、打ち出されている。
軽部龍授:隙を見る。そして狙いを定め、渾身の力を込め、刃を相手の体に潜り込ませる。それが自分に課した役割だ。
軽部龍授:選定箇所は、足の動脈層。この"振り"はあくまでも命を奪わない、その縛りを解くことはない。
軽部龍授:大暴力に晒され全員が満身創痍だが、この期に及んで依頼主が方針を転じていない、ならばこちらが命惜しさに裏切れる道理がなかった。
軽部龍授:「フッ……割に合わん仕事だが、ならば試すべき技もある」
軽部龍授:座した姿勢から地面を蹴りだす足、腰の回転により刺突に速さを加え、全身を螺旋状の発条に変えて、矢に見立てた刃が体重移動と共に打ち出される。
軽部龍授:肩から先が霞み、影が後から追って来るが如き疾さの突きが相手の反応に先んじて着弾する。
軽部龍授:ただし、ただ力任せに刺し貫くだけでは術理とは言えない。刃を真っ直ぐ立てて押し込むのではなく、手首の制動で斜めに傾けながら差し込んでいく。
ギデオン:「ぐ……あぁああっ…………!!!!!!」
ギデオン:深々と貫かれ、周囲で電撃がバチバチと荒れ狂う。
軽部龍授:更に、その動きに合わせて、剣身を捻るように回転させていくと、急所ならずともそれだけで行動停止の激痛の一撃となる。
軽部龍授:そして、そのまま刃を回転させながら抜き去ればいい。
軽部龍授:引き抜く際の摩擦で傷口が拡がる事で、より多くの血液を噴出させる事が可能だ。剣身が回転し、まるで噴水のような血飛沫が上がった。
軽部龍授:佐伯一刀流【驟雨】座の式。
軽部龍授:「血の気が多いようなのでな。抜いてやる、頭を冷やせ」溜息のような調息。
軽部龍授:「……もう仲間も少ないと言うのなら、それこそ仲間の話を聞いてやれ」
ギデオン:「ぐ……ぅううううううっ……!!」
ギデオン:激痛に脂汗を流しながら、気力を振り絞り膝を折らんとするが──
ギデオン:大量の出血がその抵抗を奪い、どう、と崩れ落ちる。
軽部龍授:残心はならず、こちらも倒れる様に地に伏せる。なんと無様。
GM:それと同時に給電も途絶え、クラッキングしていたPCも停止する。
GM:「あぁあっ……!!」
GM:残った東の民が声を上げる。クラッキングの進捗は95%を越えていた。あと僅かな時間さえあれば、真実は世界に拡散していたであろう。
九十八九十九:「や~、間一髪って感じ?」
九十八九十九:巨大な銃を支えに立ち上がって、額の血を拭う。
木花小夜:「はあっ、はあっ……!」荒く息を吐く。
エル:「……みんな……!」
エル:倒れ伏す東の民の面々に駆け寄り、暴走状態のレネゲイドを鎮静していく。
木花小夜:「なんとか……なんとかなったの?これで?」
軽部龍授:「隙を良くも作れたな九十九。銃で殴りかかるとは、控えめに頭がおかしいのではないか」
軽部龍授:フッと…と笑う。
九十八九十九:「やー、それはさあ」
九十八九十九:「弾を節約したかっただけだよぉ」
軽部龍授:「予算が1200億ない支部は辛いものだ」
木花小夜:「……そうですね。“アプシンシオン”が全部倒してくれてるなんて見方は楽観的すぎます」
木花小夜:「まだ、余力を残してる勢力があると見た方がいい……」
軽部龍授:「木花の技に賭けた甲斐もあった。あぁ、肝心の俺の獲物が雲隠れだ」
峯川千墨:「おう。呼んだか」
九十八九十九:「取り越し苦労だと良いんだけどねえ……と」気配を感じて顔を上げる
木花小夜:「呼んで……えっ!?」
九十八九十九:「あ、千墨ちゃんおつかれ~」
峯川千墨:足で部屋の扉を開けて入ってくる。腕には人がしがみついているためだ。
“プルフラス”:「……」
“プルフラス”:びくびくしながら峯川の背後に隠れている。
軽部龍授:「生きていて、何より。で、その女は?敵だと思ったが」
木花小夜:「来て……何があったのそれ?」
峯川千墨:「クソ。暗いんだよ」
峯川千墨:「迷いかけた……コイツはアレだ、“プルフラス”な」
“プルフラス”:「すっ……すみません……」意味も無く謝っている
軽部龍授:「舎弟にでもしたか?」
軽部龍授:「いや、俺としては本来なら弟子と言いたいところなのだが、そちら風に言ってみた」
木花小夜:「うち風じゃないからね舎弟って言い回しは……?」
軽部龍授:峯川はしかしスケ番では?と言う表情である。
峯川千墨:「向こうで襲われたんだけどよ。“サタナキア”んとこに戻るよりはこっちが良いだろッてことでよ、連れてきた」
“プルフラス”:「すみません……」
峯川千墨:「この対応で良かったよなァ? UGN的には」
木花小夜:「ええまあ……無用な戦闘を避けられて、保護できるならそれに越したことはないよ」
九十八九十九:「本人の望みならウチは断る理由ないしね~」
“プルフラス”:「す……すみません……」
木花小夜:「謝らなくていいと思うけど……」
GM:その時、サーバールームの入り口に人影が現れる。
エノク:「はっ……はぁっ……!」
エノク:浅黒い肌の少年だ。ここに来るまでに戦闘を経てきたのか、あちこちに血が滲み見るからに消耗している。
エノク:「……エル……!ここに居たのか……!」
九十八九十九:「おっ彼氏じゃん」
エル:「あっ……エノク!」
軽部龍授:「誰も殺してはいない。と今の内に言っておくぞ」
エノク:必死の表情で君達に剣──“カリドゥミナ”を向ける。
エノク:「あ……あんた達っ、エルを……!」
木花小夜:「あなたがそれで何をしたいかは分かってる」
エル:「大丈夫だから、落ち着いて。何もされてないから」
木花小夜:「だけど。今は収めて。お願い」
木花小夜:「これが通じると信じる」
エノク:「…………!」エルに手を握られ、焦った表情で君達を見つめる。
エノク:「ラビ……みんな……」倒れ伏した面々を見て
エノク:「……手紙は……!?」
ギデオン:「……」
ギデオン:朦朧としながら、僅かに身を起こす。
九十八九十九:「あ、そうだった」
九十八九十九:「小夜ちゃん、手紙を確保……って」
ギデオン:その懐から、ケースに入った古文書を取り出して。
ギデオン:「かくなる上は……致し方ない…………」
九十八九十九:「ちょ、ちょ!タンマ!!オジサン~!!」古文書を破壊されると思い、たまらず叫ぶ
ギデオン:「貴様に最後の希望を託す……」
ギデオン:「……モーリア……」
九十八九十九:「……ん?」
木花小夜:「モーリア……?」
GM:瞬間、サーバールームに猛然と砂嵐が吹き荒れる。
GM:凄まじい砂塵と暴風が君達の視界を覆い隠し──
GM:それが止んだ時、一人の男が古文書を手にして佇んでいる。
モーリス:「……確かに、受け取った」
軽部龍授:「九十九、仲間などでは断じてないが、知った顔に、泥棒はいたようだ」
峯川千墨:「なァんか全然こっちに来てくんねェな手紙」
北見菫:「皆さんっ……!」一足遅れて赤川と共に走り込んでくる。
赤川累:砂嵐を追いかけるようにして、立て続けに飛び込んでくる。
赤川累:防火材質であるはずの制服もひどく焼け焦げ、かなりの激戦を切り抜けてきた様子がある。
峯川千墨:「神の意思って奴に嫌われてんじゃねェのかUGN。……よう」
赤川累:「……!そうか」足を止め、ひとまず東の民は制圧したらしい状況を見渡して。
九十八九十九:「やー、二人とも無事でよかった~……で」
九十八九十九:「彼のこと、なにか知ってる?」モーリスを指す
赤川累:「シルヴェストロさんを……"ケルヴィム"を殺害し、逃走しました」
北見菫:「……あいつ……あいつが、シルヴェストロさんを……!」
木花小夜:「どういうこと……」
赤川累:「俺達が見たのは、それだけですが……」
軽部龍授:「仲違いか?それとも最初から……それが狙いだったか」
『蛇』:「な……仲間じゃなかったの……?」
九十八九十九:「ふーん?まぁそこは予想できなくもなかったけど……」
モーリス:「主よ、お許しください……」
モーリス:「あなたの為にする偽りを……信仰の為、戒律に背いた我が罪を……」
モーリス:呟きながら髪留めを外し、長髪がばさりと広がる。
九十八九十九:「てっきり神父さんは"ダドエルズホール"と繋がってると思ってたんだけどな」
木花小夜:「……どうしてそう思ったんですか」
九十八九十九:「や、じゃないと変だなーって思っただけだよ。あの女達と教会と、お互い都合が良い動きしてたから」
九十八九十九:「けど、それだとあのオジサンが手紙を渡すわけがないよねえ……?」
モーリス:「……神父?」
モーリス:「俺は神父などではない」
木花小夜:「じゃあ、なんだって言うの」
モーリス:「俺は教師にして戦士」
モーリス:「東方イスラーム殉教者旅団、モーリス・モーリア」
峯川千墨:「イスラ……?」
赤川累:「はあ……?」この場で耳にするとは思わなかった所属名に、眉を顰める。
軽部龍授:「内部工作員だかスパイだかと言う事か?」
赤川累:(随分と……人が変わったように見える。"ヘレヴ"に潜伏するための、別の人格か……?)
九十八九十九:「うぇ~、これ以上勢力図メチャクチャにしないでよ~」
モーリス:「元よりヘレヴこそが俺の敵だ。ご苦労だったな、UGN」
モーリス:「奴に自由に動かれると不都合だったからな。UGNも、“ダドエルズホール”も……俺の思惑通りにヘレヴを妨害してくれた」
GM:UGNへ最初にヘレヴの動きをリークした人物は謎のままだった。それが彼によるものだったのだろう。
赤川累:「……その『手紙』をどうするつもりだ?」
モーリス:「無論、公開する」
モーリス:「全世界に真実を知らしめる。それ以外に何がある?」
木花小夜:「そうしたら、あなたに何の得があるの」
モーリス:「……決まっている」
モーリス:「真相が明るみになれば、教会の権威は失墜する」
モーリス:「今も聖地では大勢の同志が苦しめられている。その助けを妨げているのは──」
モーリス:「大国の福音派と、それに阿る政治家どもだ」
モーリス:「俺は蒙昧な民の目を覚まさせ──この現代の無明時代を終わらせる」
GM:パレスチナ問題の解決の妨げとなっているのは、様々な要因があるが──その一因に、国連で拒否権を持つ米国の存在がある。
GM:米国の有権者はその1/4がキリスト教福音派であると言われており、彼らはイスラエルによるパレスチナ支配を『聖書に描かれた正しい行い』と解釈しており、支持しているのだ。
GM:モーリスの目的とは、彼らの信仰を失墜させ、それに関わる政治と国とを動かすことにあるのだろう。
九十八九十九:「も~、だったら直接アメリカに喧嘩売りな~!!……って、売ってるか」
木花小夜:「うちもアメリカの組織ではありますからね……」
赤川累:「ああ、それがお前にとっての聖なるものか」
赤川累:聖地を追い出された人々を救い出す。それ以上の犠牲が出ることも厭わずに。そういう男である事が分かった。
赤川累:その為に、シルヴェストロの命が絶たれたという事も。
峯川千墨:「色んなこと考えるヤツがいるんだなァ」
木花小夜:「だからとて、認められる話じゃない」
木花小夜:「それは返してもらう」
軽部龍授:「一つ聞くが、お前が黒幕と言う事で良いのか?」
モーリス:「……黒幕?」
モーリス:「何の黒幕だ?“ダドエルズホール”に手紙を奪うよう指示したのは東の民。大学を爆破したのは“ダドエルズホール”。研究チームを殺したのはヘレヴだ」
モーリス:「俺はただ、自分の目的を果たすに最適の行いをしてきただけだ」
九十八九十九:「やー、凄いねえ。見事な三枚舌だ」
九十八九十九:「一回やられたことはよく勉強して身に付いてるってことだねえ。偉い偉い」
軽部龍授:「成程。日本語を教えてやる。そのような行いを成すものを…黒幕と言うのだ」
軽部龍授:「そして、ならば、俺の敵だ。その崇高な目的のために無関係な堅気を巻き込んだ、不備こそを呪え」
モーリス:「ハッ……だから何だと言うんだ?」
モーリス:「元より貴様らと戦うつもりなど無い。こうして話して聞かせたのは何だと思ったんだ?」
モーリス:その身体が砂嵐に呑まれていく。それまで幾度も見せた撤退の構え。
赤川累:「逃がすか……っ!」感覚を失いつつある右腕の遺産を励起し、飛びかかろうとして。
モーリス:「俺は東の民どもと違う。この街から抜け出すなど容易なことだ」
モーリス:「貴様らのいないところで、十全の体勢で手紙を公開し──」
GM:瞬間、雷鳴が轟いた。
GM:砂嵐を突き破って、モーリスの手元から古文書のケースが弾き落される。
モーリス:「……何っ……!?」
軽部龍授:「フッ……」
峯川千墨:ギデオンを見る。「……違ェな」
“霹靂殺手”:「UGN。それにイスラム……何だったか」
“霹靂殺手”:一人の女が、硝煙を燻らせる拳銃を手に歩み出る。
“霹靂殺手”:「まあ、どうでもいい」
軽部龍授:「長々とした弁舌が仇となったな。そら、黒幕は暴いたぞ」
“霹靂殺手”:「らしいな。ご苦労だった」
木花小夜:「話して聞かせたのはなんだったのかってことね、こっちも……」軽部くんを見る。
峯川千墨:「アァー」
“霹靂殺手”:「だが、こちらでも依頼があってな」
“霹靂殺手”:「ここまでコケにされてタダで帰ったのは丸損だろう?フリーランスの名折れだ」
“霹靂殺手”:「ヘレヴからの依頼だ。丁度浮いた金があったらしくてな。ざっと1200億円ほど」
“霹靂殺手”:君達へと銃口を向ける。
“霹靂殺手”:「手紙はこの“霹靂殺手”が貰い受ける」
軽部龍授:「一応、俺のもう一人の依頼主でな」木花の視線に肩を竦める。「どうにも強欲だ」
九十八九十九:「うぇ~?先約有りかあ。せっかくこっちで雇おうと思ってたのに」
赤川累:「どの道、入札に勝てる額じゃないと思いますけどね」
木花小夜:「ええ……」
軽部龍授:切先を“霹靂殺手”に向ける。
軽部龍授:「ならば、俺は取り戻す側と言う事になる。フン、面倒な事だ」
“霹靂殺手”:「というわけだ」
“霹靂殺手”:「恨みっこなしだ、“死舞旋刃”」
“霹靂殺手”:「この際どちらが上かケリを着けるのも一興だろう」
軽部龍授:「ピンクの財布など返さなければ良かったが、まあいい。お前ならばやりやすい」
軽部龍授:「それでイスラムの戦士よ。逃げ帰るか?いずれ追って斬るが」
モーリス:「……金に集る害虫どもが……!」
モーリス:怒りと共に、周囲を砂塵が渦巻く。
モーリス:「我が聖戦を汚したこと、その身で後悔するがいい……!」
エノク:「っ……!」その場に満ちていく臨戦の気配に、エルの手を引く。
エノク:「エル、こっちに……!」
エル:「あ……待って!」
エル:その手を翳すと、君達の昂った侵蝕が和らいでいく。連続使用ゆえか、ホテルでの時より効果は薄いが……
エル:「っは…… はぁっ……!」
『蛇』:「エル……!無茶し過ぎよ!」
木花小夜:「エル……!」
GM:《リプレッション》により、全員侵蝕率を-30まで減らして構いません。
赤川累:30減らします 120->90に。
木花小夜:30点減らします
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を30(→ 30)減少 (129 → 99)
峯川千墨:30減らします
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を-30(→ -30)増加 (108 → 78)
九十八九十九:30減らします
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を-30(→ -30)増加 (115 → 85)
軽部龍授:117→87
軽部龍授:30減らします。
軽部龍授:あ。医療トランクとか使っちゃっても。
GM:どうぞ!
軽部龍授:小夜ちゃん。使ってもいーい?
木花小夜:いいよ~
軽部龍授:では使います。有難い。天使!
軽部龍授:2d10+11
DoubleCross : (2D10+11) → 9[7,2]+11 → 20
エノク:「……エル、早く……!巻き込まれるぞ!」
エル:「……小夜さん……皆さん……!」
エル:エノクに手を引かれながら、君達を見つめる。
エル:「……頑張って、ください……!」
木花小夜:「……ええ。あなたも無事で!」
峯川千墨:「お前も下がってろ。危ねェぞ」“プルフラス”へ言う。
“プルフラス”:「はっ……は……はひぃっ……」
九十八九十九:「……」誰も来る気配のない入口を見て
赤川累:「……。一つ聞いておきたいんですが、峯川さん」
赤川累:「彼女がここに居るという事は、"サタナキア"は貴方が?」
峯川千墨:「だったら報告してるよ……」げんなりした顔をする。質問に対してではなく気に食わない事態への嫌気。
峯川千墨:「どうせ後から来る。他の連中もな。覚悟しとけ」
赤川累:「でしょうね……ありがとうございます」
赤川累:嫌な予感を覚えるが、眼前にいるのは加減して戦える相手でもない。……つくづく今ので助けられたと、去っていったエル達を思い感謝を噛みしめる。
木花小夜:「どれだけやればいいのか……」
軽部龍授:「おい」戦端が斬られる前に腐れ縁に声をかける。
“霹靂殺手”:「何だ」
軽部龍授:「霹靂。まずは黒幕からやるべきでは?と思うがね」
“霹靂殺手”:「私を嵌めたのは“ダドエルズホール”だろう。無論、そちらにも落とし前は付けさせるが」
“霹靂殺手”:「今は仕事が先だ。……6人か」
“霹靂殺手”:君達を見て、リボルバーの弾倉を回転させる。
“霹靂殺手”:「丁度いい数だ」
軽部龍授:「一人一発。そう上手くも行くまい」自分がいるからだ。「まったく、俺に交渉は無理だな。黒い下着の女は仕事に誠実な事だ」
木花小夜:「誰も彼も、下らない……」
木花小夜:「みんな自分の考えが正しくて、何をしてもいいと思ってる」
木花小夜:「……でも。それを改めさせるにも、結局」
木花小夜:「よくない行いをしなきゃならない」
木花小夜:「本当に。私たちばかりが一番大変だと思う」
木花小夜:「でも……もう少し。頑張りましょう」
九十八九十九:「本当それだよねぇ~」嘆息して
赤川累:「ええ、違いない。……けど、まあ」疲れたように息を吐いてから、少しだけ笑って。
赤川累:「自分以外にそう分かってくれる人間がいるのは、少し心強い」
軽部龍授:「フッ…俺など、その更に下請けな訳だが……終わったら蟹を食わせろよ」
峯川千墨:「辛い今より明るい未来に目を向けましょうってか」
峯川千墨:「良いね。アタシも奢ってもらうわ」
九十八九十九:「んじゃ、みんな~。もう一仕事、気張っていくよぉ」
GM:シーン終了。
GM:ロイス取得……購入も可能にしてあげましょう
九十八九十九:なんて優しいGMなんだ……
軽部龍授:おお。優しいGM!ここは回復.HP満タンならワンちゃん防ぐのが可能かもしれない。そしてウェポンケースにアームドスーツIN
赤川累:ロイス取っておきます。東の民:◯庇護/憐憫 で
軽部龍授:応急手当を。
軽部龍授:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 10[3,10]+3[3]+4 → 17
軽部龍授:即使用
軽部龍授:2D10+20
DoubleCross : (2D10+20) → 17[10,7]+20 → 37
軽部龍授:全快。ロイス埋まってるので以上です。
峯川千墨:そういえば脱いでたメイド服を装備しなおして
峯川千墨:購入は応急手当を狙います
峯川千墨:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 7[1,2,4,5,7]+1 → 8 → 成功
峯川千墨:自分に使用します
峯川千墨:2+2d10
DoubleCross : (2+2D10) → 2+12[5,7] → 14
峯川千墨:峯川千墨のHPを14(→ 14)に変更 (2 → 14)
峯川千墨:以上~
赤川累:うーん 特に欲しい物ないので何かあればチャレンジします
九十八九十九:ボルアク買います
九十八九十九:3dx+2>=15
DoubleCross : (3DX10+2>=15) → 9[4,7,9]+2 → 11 → 失敗
九十八九十九:財産4入れて買うよ~
九十八九十九:ロイス保留で以上!
木花小夜:ロイスは満タン
木花小夜:一応応急しとくか
木花小夜:10DX+3>=8
DoubleCross : (10DX10+3>=8) → 10[2,2,4,4,4,5,7,7,9,10]+5[5]+3 → 18 → 成功
木花小夜:使用します
木花小夜:木花小夜のHPを2d10(→ 18)増加 (11 → 29)
木花小夜:MAX24になりました
赤川累:うーん ブルゲチャレンジしようかな
赤川累:4dx+4>=20
DoubleCross : (4DX10+4>=20) → 8[4,7,8,8]+4 → 12 → 失敗
赤川累:財産がちょうど8あるので入れて買います。持っておくね
【Climax2】
エンゲージ
霹靂殺手(20)
(5m)
PC
(5m)
モーリス・モーリア(6)
NPCカード
“クライオ・クライス”北見菫
1ラウンドにつき1回、ダメージ判定直前に使用可能。 攻撃力+30、更に対象はHPを4D10失う。
GM:戦闘を開始します。
GM:ラウンド1
GM:セットアップから!
赤川累:ないです。
九十八九十九:なし!
軽部龍授:なしです。
木花小夜:戦闘開始前に
木花小夜:《赤色の従者》使ってもいいですか
GM:どうぞ!
木花小夜:やった~ 使います
“ガーネット・スター”:でました
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を5(→ 5)増加 (99 → 104)
峯川千墨:ガネち……!
峯川千墨:こちらは《絶望の領域》《絡め取る大地》。
峯川千墨:敵の全判定ダイス-10と行動値-4です
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を5(→ 5)増加 (78 → 83)
木花小夜:セットアップ前には『ヴァーミリオン・ヴァーミサイド』:《ワーディング》「ハーメルンの笛」。
木花小夜:敵全員のドッジC値を+1します
GM:ギャーッ
九十八九十九:なんて頼もしい奴らなんだ
木花小夜:セットアップは本体と従者で《氷の茨》。
木花小夜:エンゲージを移動して離れた場合5d10のHPを失わせます。
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (104 → 110)
GM:イニシアチブ
“霹靂殺手”:《スピードフォース》LV4
“霹靂殺手”:行動します
GM:choice[1,2,3,4,5,菫,モーリス]
DoubleCross : (choice[1,2,3,4,5,菫,モーリス]) → 1
“霹靂殺手”:メジャー 《居合い》LV6+《コンセントレイト:ハヌマーン》LV4+ 《音速攻撃》LV4+《浸透撃》LV4+《さらなる波》LV6+《オールレンジ》LV6+《疾風の弾丸》LV4+《異形の祭典》LV5
“霹靂殺手”:木花さん以外に攻撃
“霹靂殺手”:6DX7+12
DoubleCross : (6DX7+12) → 10[2,5,6,9,10,10]+5[4,5,5]+12 → 27
九十八九十九:ドッジかな
九十八九十九:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 7[6,6,7] → 7
赤川累:一応ドッジします
赤川累:4dx+1>=27
DoubleCross : (4DX10+1>=27) → 10[1,3,3,10]+8[8]+1 → 19 → 失敗
赤川累:頑張ったのに…
軽部龍授:ガード無意味じゃん。ドッジ。
軽部龍授:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 10[3,5,8,8,9,10]+2[2] → 12
峯川千墨:ガードと思ったけどガー不だこれ
峯川千墨:ドッジ!
峯川千墨:3dx+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 10[1,5,10]+3[3]+1 → 14
モーリス:ガード《砂の盾》LV6
峯川千墨:ガードできないよ!
GM:こいつ!
GM:なんて女だ
モーリス:5DX>=27
DoubleCross : (5DX10>=27) → 10[1,4,5,9,10]+6[6] → 16 → 失敗
木花小夜:赤川くん助けられるけどどうしよ 最後の一発だけど
赤川累:リザできるから大丈夫かな……?
木花小夜:あっそうか
赤川累:ありがとねえ ここは素直に食らっときます
“霹靂殺手”:ダメージ
“霹靂殺手”:3D10+17+12
DoubleCross : (3D10+17+12) → 14[8,5,1]+17+12 → 43
軽部龍授:《雲散霧消》
“霹靂殺手”:《デビルストリング》LV4
“霹靂殺手”:打ち消します
軽部龍授:こいつ!
九十八九十九:ゲェ~
峯川千墨:なんてことするの
赤川累:ライバルのやることに理解度が高い!
軽部龍授:《原初の紫:隆起する大地》
“霹靂殺手”:《デビルストリング》LV4
“霹靂殺手”:打ち消します
九十八九十九:ゲェ~ッ
軽部龍授:おう。2回切らせたるわ!
峯川千墨:男前
軽部龍授:87→94
峯川千墨:今はメイド服着てるから装甲10あるけど死!
九十八九十九:死ぬよ~《リザレクト》
峯川千墨:リザレクトします
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (83 → 86)
九十八九十九:1d10
DoubleCross : (1D10) → 2
峯川千墨:峯川千墨のHPを3(→ 3)に変更 (14 → 3)
軽部龍授:《リザレクト》
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を2(→ 2)増加 (85 → 87)
軽部龍授:94+1d10
DoubleCross : (94+1D10) → 94+9[9] → 103
赤川累:リザレクトします
赤川累:赤川累の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (90 → 91)
赤川累:赤川累のHPを1(→ 1)に変更 (12 → 1)
木花小夜:リザの天才
“霹靂殺手”:革手袋を着けた手で、じゃらり、と銃弾を掴み取る。
“霹靂殺手”:弾丸の色は漆黒。風水において陰の極。気を留め、遠ざけ、遮断する色。
“霹靂殺手”:「六発……」
“霹靂殺手”:雷鳴のような轟音が響き渡り、超高速の抜き撃ちが放たれる。
“霹靂殺手”:手元で異常な軌跡を描いた銃口から、弾丸はそれぞれの標的へと正確に吸い込まれていく。
軽部龍授:即応反射。既に刀は弾丸を切り払うべく未来予知じみた疾さで、動いている。
“霹靂殺手”:「……かと思ったか?」
“霹靂殺手”:硝煙を燻らせるリボルバーは、両の手に握られている──二丁拳銃。
“霹靂殺手”:「──十二発」
“霹靂殺手”:軽部の反応を読み切っていたかのように、超音速の弾丸が刃を弾き飛ばし軌道を逸らす。
軽部龍授:通常の六発ならば致命傷を負う事もなく弾けたであろう。慣れたものだ。その切り札を見誤っていなければ。
九十八九十九:「ずっる……!!」抉られた脇腹の周囲が炭化している。
モーリス:「ぐ、ぅっ……!」砂の防御よりも速く、モーリスの腹部に弾丸が突き刺さる。
赤川累:速度で応じる事は初めから諦めている。最低限の急所射線だけを塞ぎ、叩き込まれた弾丸を即座に摘出しようとするが。
赤川累:「が、っ……」着弾と同時に、全身の骨に響き割れるような雷撃。意識が白黒とする。
峯川千墨:「痛ゥ~……魔剣破りかよ」腹から血を噴かせながら、その手並みに感嘆する。
軽部龍授:一振りで三発の軌道を逸らし、返しの一振りで三発を叩き落とす。そして残りの六発が逆に刀を弾き飛ばした。
軽部龍授:「舐めてくれたな!?策士気取りの撃ち方を」
軽部龍授:腹部を撃たれ、派手に血を流す。しばらくは防御に刀を振るえない事を自覚する。
“霹靂殺手”:「舐めているのは貴様のほうだ」
“霹靂殺手”:「この私にいつまでも同じ手が通用するとでも?」
軽部龍授:「ふん。甲斐甲斐しい事だ。俺のために手を尽くす」
GM:行動値14 九十八さんの手番です
九十八九十九:はーい
九十八九十九:マイナーで予備弾倉を装填
九十八九十九:メジャー《コントロールソート》《コンセントレイト:ノイマン》アンチマテリアルライフルで攻撃。対象はモーリス!
九十八九十九:10dx7+4
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[2,2,3,4,5,6,7,8,8,8]+10[2,4,6,10]+6[6]+4 → 30
GM:どいつもこいつもガード不可
九十八九十九:そうだぜ!
モーリス:5DX>=30
DoubleCross : (5DX10>=30) → 9[2,3,4,9,9] → 9 → 失敗
モーリス:《ディスマントル》LV7
九十八九十九:なにィ
モーリス:ダメージ判定前使用 攻撃力-21 ラウンド1回
九十八九十九:許せん……ダメージ出します
九十八九十九:4d10+9+1d10
DoubleCross : (4D10+9+1D10) → 24[9,3,7,5]+9+7[7] → 40
九十八九十九:悪くない
GM:-21したのにこれかよ
モーリス:喰らいます
九十八九十九:しかし攻撃のバックファイアで死にます。《リザレクト》
九十八九十九:1d10
DoubleCross : (1D10) → 7
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を7(→ 7)増加 (87 → 94)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を4(→ 4)増加 (94 → 98)
九十八九十九:「軽部くん。そっちはお任せするよ~」“霹靂殺手”から視線を切る。
九十八九十九:「君もその方がやる気出るでしょ」
軽部龍授:「あっちは何時でもやれるのだがな。向こうを集中して落とす方が良いとみるが」
軽部龍授:「ま、俺の反応速度に先んじて、九十九が眼鏡男を落とすことを願おうか」
九十八九十九:「ホッホッホ、皆まで言わせるんじゃないよぉ」地面に半ば寝そべり、銃を構える。
九十八九十九:「君の手番までは回さないってことだよ」
九十八九十九:「さそり座」
九十八九十九:地を這うように放たれた弾丸が、モーリスの周囲を漂う砂の守りを掻い潜る。
モーリス:「ッ……!」
九十八九十九:星を縫うように複雑な軌道を描き、モーリスの足元に到達した途端
九十八九十九:ほぼ直角に、天へと向けて弾道が跳ね上がる。
木花小夜:弾かれたようにその軌跡を目で追う。
モーリス:防御を厚くし、逆に生まれた疎漏を突かれる。腹部を貫かれ、身体に風穴が空く。
モーリス:「ぐおぉっ……!!」
九十八九十九:「風穴開けたくらいじゃ全然余裕かぁ……相性悪いねこりゃ」
モーリス:砂で傷を塞ぎながら、君達を睨む。
モーリス:「UGN……ここに来るまで、半分程度に減る予想だったがな……!」
九十八九十九:「へぇ~、演技は上手くても計算は得意じゃないみたいだ」
軽部龍授:「良い当て方だったがね。フッ…口の方の相性は良いみたいじゃないか」
九十八九十九:「ねえ今どんな気持ち?想定の倍以上の敵の前に一人でノコノコ出てくるなんてさあ」
赤川累:(……やっぱり性格が悪いのは素なんだな……)
モーリス:「チッ……」忌々し気に舌打ちして「小さいのと大きいのが減っただけか…… 直接戦闘は専門ではないというのに……!」
九十八九十九:「余計なおまけも付いてるし、やぁ~、流石聖戦士サマ。中々勇気あるよぉ~私ならビビっちゃうね」
九十八九十九:「……あとねぇ、その二人も別に減ってはないから。生きてる限りはね、それが私達だ」
木花小夜:「専門ではないなら」
木花小夜:「今すぐやめて」
木花小夜:「あなたは平和の専門家じゃない」
モーリス:「神の為ならこの身など惜しくはない……! それで苦しむ同志が救われるのならな……!」
GM:行動値12 赤川くんの手番です
赤川累:はーい
赤川累:マイナーで戦闘移動。モーリスにエンゲージします
赤川累:メジャー、「塵灰回帰」《コンセントレイト》《インスタントボム》オート《砂の加護》《砂塵霊》対象モーリス
赤川累:命中いきます
赤川累:8dx+15@7
DoubleCross : (8DX7+15) → 10[1,1,3,4,4,6,8,9]+10[3,8]+10[9]+2[2]+15 → 47
モーリス:ガード 《砂の盾》LV6
GM:ダメージどうぞ!
赤川累:5d10+25 ダメージ 装甲無視
DoubleCross : (5D10+25) → 17[1,1,3,7,5]+25 → 42
赤川累:赤川累の侵蝕率を11(→ 11)増加 (91 → 102)
GM:う~む
モーリス:《不壊の城壁》LV6
モーリス:受けるHPダメージ-60
赤川累:こいつ~
赤川累:“霹靂殺手”の一撃は重く、四肢が痺れているような感覚が残る。が……受けたダメージの割に、まだ身体が軽い。
赤川累:効かなくなっていたはずの《リザレクト》が効いている。エルの助けのお陰だと分かる。
赤川累:九十八の言葉がモーリスの意識を引き付ける間に、崩壊しかかった柱の陰を使って距離を詰めた。
赤川累:遺産励起。標的が腕の間合いに入るまで、あと三歩半。翳す左手が導くのは、モルフェウスとしての錬成側の能力。モーリスの背後に小さな壁が生じて、
赤川累:その一瞬、後退を許さない空間を作る。膝を折り曲げて踏み込み、触れれば砕ける貫手を突き入れる。
モーリス:「嘗めるな……!!」
モーリス:憤怒の形相。ごう、と砂嵐が吹き荒れ、一瞬で赤川を呑み込む。
赤川累:「っ……!」
モーリス:膨大な砂が質量の壁となり、身体を固め、攻撃の速度と威力を完全に殺す。
赤川累:……勢いの殺された腕が、ゆっくりと砂の壁に沈み込む。既にそれはモーリスへの攻撃として到達することはないが……
赤川累:接触面からこぼれ落ちた水が染み渡るようにして、黒い波紋が砂壁の上を伝い円を描く。
赤川累:それが灰化の伝達だ。ぴしり、と罅割れるような音がして壁が崩れ去る。
峯川千墨:(相手の逃げそうな方向に壁か……なかなかエグくて良かったな。今度真似んべ)
モーリス:「万全の“ケルヴィム”には及ばなくとも……貴様ら程度子供にやられはせんぞ……!」
赤川累:「……軽部の手番にまで回さないって、それ。俺の仕事も勘定してました?」向かい合ったまま、支部長に。
赤川累:「だとしたら、すみません。計算を狂わせてしまった」対峙の緊張を緩めないまま、ひとつ息を吐く。「この男、しぶとそうだ」
九十八九十九:「勿論だよぉ。赤川くんはウチの支部の大事な仲間じゃない」にやけ顔で
九十八九十九:「いいよぉ。実を言うとねぇ、私も計算は苦手な方なんだ」
軽部龍授:「それは……木花と白土が苦労しそうな発言だ」
木花小夜:「計算なんて、ここまでずっと狂ってます」
九十八九十九:「それでも、希望的観測を口にすることには意味があるんだなあ」
九十八九十九:「彼らの祈りとおんなじだよぉ。ちょっと違うのは」
九十八九十九:「聞き届けてくれる神様はどこにもいないってとこだけどね」
赤川累:「……ふ」静かに笑う。「成程。それくらいの方が、気兼ねなく口にできるわけだ」
木花小夜:「……身が惜しいのも違いますからね」
木花小夜:「それこそを、大事にしないといけないんだから」
GM:行動値11 軽部くんの手番です
軽部龍授:それではわたくし、マイナーでモーリス君のところまで移動。
軽部龍授:メジャー:《コンセントレイト:エグザイル》《貪欲なる拳》《爪剣》ドッジダイス-1
軽部龍授:12dx7+3
DoubleCross : (12DX7+3) → 10[1,2,2,3,3,4,4,6,6,6,7,9]+10[6,8]+2[2]+3 → 25
モーリス:ガード 《砂の盾》LV6
軽部龍授:オートでウェポンケースからアームドスーツ。
軽部龍授:3D10+6+10+12+3
DoubleCross : (3D10+6+10+12+3) → 11[2,7,2]+6+10+12+3 → 42
モーリス:まだ生存!
峯川千墨:しぶとい
軽部龍授:「では、宿敵の決着は後回し、もとい邪魔をされずにやりたいものでな」
軽部龍授:レネゲイドが活性化している。今ならば靴の下の砂粒の数さえ正確に把握できる。
軽部龍授:相手の出してくる砂の数はそれこそ無限かもしれないが、神経感覚は過剰に活性化させられ、今や僅かな衣擦れの音さえ逃せない。
軽部龍授:「行くぞ。きっと、物凄く痛いだろうが、何、やはり1000年近く耐えてきたのだろう?」
軽部龍授:「この痛みは、一瞬だ」
軽部龍授:両膝を曲げてかがむような体勢から、体を前に傾けて、倒れるこむように体を押し出す。
軽部龍授:接敵の速さはそれこそ砲弾か。
軽部龍授:砂埃が舞い上がり、地面に落ちる僅かの間、すでに三度斬りつけている。
モーリス:「がっ……!」
モーリス:砂の盾が刃を受け止めるが、反応が間に合わず威力を殺しきれない。
軽部龍授:"廻し打ち"と"切り上げ"の組み合わせで刃は円を描き、 無駄のない最速の軌跡で隙のない連撃を作り上げ、砂の盾を切り裂いていく。
モーリス:「ぐ……傭兵風情が……!」
軽部龍授:「……自分の信条をお陰で曲げなくて済んでいるが」
軽部龍授:「大儀の為に私情を押し殺し、ご苦労な事だな"ヘレヴ”を強いられた男よ」
モーリス:「ッ……黙れ……!」
モーリス:顔を歪め、軽部を睨み付ける。
軽部龍授:刀を血振りし、月打に構える。
軽部龍授:「そっちの貌の方が、余程良い。こちらも良い"振り"が出来そうだ」
GM:行動値9 従者の手番です
“ガーネット・スター”:マイナーでモーリスのエンゲージに移動
“ガーネット・スター”:『ディサイド・ディーサイド』:《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》
“ガーネット・スター”:対象はモーリス
GM:判定どうぞ!
木花小夜:11DX7
DoubleCross : (11DX7) → 10[1,2,3,5,5,5,5,5,6,9,10]+10[6,7]+10[8]+10[8]+4[4] → 44
モーリス:5DX>=44
DoubleCross : (5DX10>=44) → 9[2,3,3,5,9] → 9 → 失敗
“ガーネット・スター”:命中で手前4m移動させます
“ガーネット・スター”:《氷の茨》のHPロスを発生させます
“ガーネット・スター”:5d10
DoubleCross : (5D10) → 40[9,7,7,9,8] → 40
GM:エエ!?
木花小夜:がんばった
峯川千墨:すごい
赤川累:殺意がすごいぜ
軽部龍授:これは死んだのでは?
モーリス:HP0
モーリス:《魂の錬成》で復活します
GM:行動値6 木花さんの手番です
木花小夜:マイナーでモーリスにエンゲージ
木花小夜:メジャー『ソロリィ・ソロリサイド』:《恐怖の一言》
木花小夜:対象モーリスです
GM:判定どうぞ!
木花小夜:8dX+5
DoubleCross : (8DX10+5) → 9[2,4,6,6,6,8,8,9]+5 → 14
モーリス:5DX>=14 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=14) → 9[2,4,5,9,9] → 9 → 失敗
木花小夜:命中で元の場所まで戻します
木花小夜:《氷の茨》のライフロス。
木花小夜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 22[6,1,10,1,4] → 22
木花小夜:よわよわ
モーリス:生存!
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (110 → 116)
木花小夜:「……ふう」男を睨み据えて、決意する。
木花小夜:「んっ……!」喉をかきむしる。ボタボタと鮮血が垂れる。
木花小夜:紅球は攻撃の要だ。失われれば再展開は難しい。
木花小夜:難しいだけだ。不可能ではない。
木花小夜:「かっ、はっ、ふう……!」
木花小夜:再び紅球が浮かび上がり、冷気を展開する。
木花小夜:周囲に再び血の茨が巡る。
木花小夜:一帯に充満させる規模には時間が足りない。であれば。
木花小夜:生まれた茨を、自分の手に巻き付ける。
木花小夜:痛くはない。神経は凍らせてある。
九十八九十九:「へぇ……」横から愉しげに声を漏らす。
木花小夜:跳ねるように駆け出し、肉薄する。
モーリス:「……!」
モーリス:空中に砂の盾を展開し、攻撃を防がんとする。
木花小夜:「……墜ちて」
木花小夜:ピシピシと盾が凍りつき、その場に落ちる。
木花小夜:それを踏み台に、手を伸ばし、茨を巻きつける。
木花小夜:それは巻き付き、凍りついて。
木花小夜:「らっ!」思い切り引き戻す。
木花小夜:張り付いた体組織が、凍結の固着に負けて引き剥がれる。
モーリス:「づっ……あぁああっ!?」
モーリス:有刺鉄線めいた血の茨に全身を引き裂かれ、鮮血が砂を赤く染めていく。
モーリス:「が……はっ……」
木花小夜:「あなたの考えがダメだから、こうしてるんじゃない」
木花小夜:「あなたと、あなたの組織が受けてる辛苦は、本物なのかもしれないし」
木花小夜:「そもそも、私なんかに、理解みたいなことも、示してほしくないでしょうけど」
木花小夜:「ただ……これは言える」
木花小夜:「あなたのやっていることと、やろうとしたことは、手段が間違っている」
木花小夜:「だから止める」
モーリス:よろめき、倒れかけて。砂で傷口を埋め、自身の身体を固定する。
モーリス:「止めさせてなど……たまる、ものか……!」
九十八九十九:「……やれやれ。身を惜しむんじゃなかったのぉ?」彼女の後ろ姿を見て小さく呟く
GM:行動値3 峯川さんの手番です
峯川千墨:はーい
峯川千墨:マイナーなし。メジャーで《雨粒の矢》《惑いの一撃》。
峯川千墨:モーリスと霹靂殺手に攻撃します
GM:判定どうぞ!
峯川千墨:4dx+9
DoubleCross : (4DX10+9) → 10[8,8,9,10]+7[7]+9 → 26
峯川千墨:ドッジダイス-6個
“霹靂殺手”:ガード
軽部龍授:よし北見さんも載せよう。
モーリス:ガード《砂の盾》LV6
GM:ダメージどうぞ!
峯川千墨:そうですね 北見さんのNPCカードものせる!
峯川千墨:ダメージを30点上乗せしまして
峯川千墨:3d10+14+30
DoubleCross : (3D10+14+30) → 18[1,8,9]+14+30 → 62
GM:ギャーー
“霹靂殺手”:生存
モーリス:HP0
モーリス:復活エフェクトはありません
峯川千墨:よかった……
モーリス:硬直とシーン間行動値-12をばら撒くはずが……
峯川千墨:追加のHPロスもこちらで?
GM:ではどうぞ
峯川千墨:4d10
DoubleCross : (4D10) → 19[10,4,1,4] → 19
“霹靂殺手”:痛すぎるけど生存
峯川千墨:惜しい……しかし助かったぜ
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を6(→ 6)増加 (86 → 92)
軽部龍授:「真面目な事だ。……ところで俺は、恋バナが好きなのだが……」木花を見て言う。
軽部龍授:「相手がいるような女が終わるとなると、寝覚めが悪い。十分に気をつけろよ。いや、見事なものだったがな」
木花小夜:「そんなの、みんな同じでしょ」
木花小夜:「相手が今居なくても、これから出来るかもしれないんだから」
木花小夜:「失わせないよ。何も」
軽部龍授:「成程。希望的観測を口にすることには意味がある。というやつか」
軽部龍授:「フッ…UGNらしい」
峯川千墨:「アタシとしちゃ小っ恥ずかしさもあるが。……さて」
峯川千墨:「随分好き勝手ビュンビュン吹かせてくれたが」
峯川千墨:「ンなことして平気なつもりか?」
峯川千墨:風に乗って吹き荒れる砂。堆積した砂。さらにはモーリスが止血に用いたそれすらも。
峯川千墨:今この瞬間、主人の意に背く動きをする。
モーリス:「何だとっ……!?」
峯川千墨:ずる、と音を立てて。──湿っている。それが。
峯川千墨:無数の泥砂の槍に変化し、モーリスと銃手を全方位から刺し貫く。
モーリス:「ぐ……あぁあああっ……!!」
“霹靂殺手”:「チッ……!」銃撃で迎撃するが、全てとはいかない。
峯川千墨:「ハ。アッラーがどんだけ寛容であらせられるか知らねェが」
峯川千墨:「戒律をほったらかしにした挙句、子供と傭兵風情に阻まれて目的を果たせなかった情けねえ負け犬ンことも許してくれっといいよなァ!」
軽部龍授:「流石に、口が悪い。ここには当たりの強い女しかいないのか……いや、今更だがな」
モーリス:「ご……ぼっ……」
モーリス:血を吐きながらも、再び砂で身体を構成、立ち上がろうとするが。
北見菫:「……させない」
北見菫:血槍が飛来、モーリスの胸に突き刺さり、砂に浸透。内側から刺し貫く。
モーリス:「…………!」
北見菫:「峯川さんは最悪だけど……私も同情はしない」
北見菫:「私の恩人の、仇だもの」
モーリス:「………………」
モーリス:力尽き、その場に倒れる。傷を補っていた砂が血と共に流れ出していく。
GM:ラウンド1終了。
GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
軽部龍授:なし!
九十八九十九:なし!
峯川千墨:こちらもなし!
赤川累:なしです
木花小夜:うーん
木花小夜:本体だけにしとくか 《氷の茨》します
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を3(→ 3)増加 (116 → 119)
“霹靂殺手”:イニシアチブ《スピードフォース》LV4
“霹靂殺手”:《アナザーセルフ》
“霹靂殺手”:《異形の祭典》の回数回復
九十八九十九:こいつめ~
赤川累:厄介な……
“霹靂殺手”:《居合い》LV6+《コンセントレイト:ハヌマーン》LV4+ 《音速攻撃》LV4+《浸透撃》LV4+《さらなる波》LV6+《オールレンジ》LV6+《疾風の弾丸》LV4+《異形の祭典》LV5
“霹靂殺手”:対象PC全員
“霹靂殺手”:16DX7+12
DoubleCross : (16DX7+12) → 10[1,1,2,2,3,3,3,3,3,4,5,6,6,6,6,8]+10[9]+5[5]+12 → 37
赤川累:ドッジします。
軽部龍授:ドッジ。
峯川千墨:一応ドッジ!
赤川累:5dx+1>=37
DoubleCross : (5DX10+1>=37) → 7[1,1,3,6,7]+1 → 8 → 失敗
木花小夜:1DX>=37 ドッジ
DoubleCross : (1DX10>=37) → 5[5] → 5 → 失敗
峯川千墨:3dx+1>=37
DoubleCross : (3DX10+1>=37) → 10[2,9,10]+6[6]+1 → 17 → 失敗
軽部龍授:7dx-2
DoubleCross : (7DX10-2) → 7[2,3,3,4,5,6,7]-2 → 5
九十八九十九:ドッジ!
九十八九十九:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 9[2,4,9] → 9
“ガーネット・スター”:軽部くんを行動放棄カバーします
GM:何ぃ……
“霹靂殺手”:ダメージ
“霹靂殺手”:4D10+17+12
DoubleCross : (4D10+17+12) → 32[8,8,8,8]+17+12 → 61
GM:8ゾロ
赤川累:倒れます。東の民のロイスを切って復活
九十八九十九:死ぬ!《リザレクト》
九十八九十九:1d10
DoubleCross : (1D10) → 6
峯川千墨:リザレクト!
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を6(→ 6)増加 (98 → 104)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (92 → 94)
峯川千墨:峯川千墨のHPを2(→ 2)に変更 (3 → 2)
木花小夜:倒れます。復活しません。
“ガーネット・スター”:シュワワ
赤川累:ガネち……!
九十八九十九:二代目は短命…
“霹靂殺手”:刹那の攻防の中、“霹靂殺手”の手元とリボルバーが霞む。異常速度のリロード。撃ち尽くした弾丸は既に再装填されている。
軽部龍授:(無駄にレネゲイドは使えん。俺が即応反射で対応できる弾丸は良いとこ八発)
“霹靂殺手”:「良い位置だ」
“霹靂殺手”:2歩ほど動いて位置をずらし、君達に銃口を向ける。東の方位は風水において仕事運を呼び込む。
“霹靂殺手”:「纏めて……」
“霹靂殺手”:雷轟。二丁拳銃から弾丸が放たれる。
“霹靂殺手”:「寝ていろッ!!」
軽部龍授:(……返しの一刀を入れる事だけを考えろ)
木花小夜:紅球を手元に引き戻そうとして、止める。(……違う)
木花小夜:「輝けっ!」
木花小夜:叫ぶとともに、紅球が爆発的に膨張し、冷気の噴出が促進される。
木花小夜:それは対流の流れを大きく変えて、そこを流れる弾丸の軌道を逸らす。
木花小夜:自分に対するものではない。
軽部龍授:「……!?…お前!」
木花小夜:「あっ……!?」自らは直撃を受ける。「ぐうっ……!」
九十八九十九:「……っ」銃床で受けた弾丸から、紫電が背中へと走り抜ける。全身が弛緩する中で小夜の方に目を向けて。
赤川累:軽部が対応を放棄した。つまり、自分の手札ではどうにもならないという事だ。
赤川累:高速思考の中、そう理解して、意識を繋ぎ止める事だけに集中する。戦意の糸さえ途切れさせなければ、鈍くとも再生は続く。
赤川累:「ぐ、ううっ……」
赤川累:霹靂が鼓膜に達したか。滴る血の音が、やけに遠くに聞こえる気がした。
峯川千墨:「……チッ」自身も風穴を穿たれよろめきながら、倒れた彼女を視界の端に捉える。「さっさと迎えに行けってよ」
軽部龍授:「……その計算が間違ってない事を、直ぐに証明してやる」
木花小夜:展開した従者は霧散し、その侵蝕反動で再生が追いつかない。
木花小夜:倒れ込む。起き上がろうとして、身を捩るが起き上がれない。
木花小夜:「まだ……!」
木花小夜:「まだ終わってないのに……!」
“霹靂殺手”:「やっと一人か……しぶといな」顔を顰める「とうに限界の筈だが…… 何か種があるな」
九十八九十九:「大丈~夫。しばらく寝てな~、小夜ちゃん」
軽部龍授:「まったく……彼氏以外の男に優しくするのも大概にしろ。もう"終わる"」
赤川累:「ああ。全員が立って終わることが勝利じゃない」
赤川累:「そのまま力を休めて、それで、無事でいてください。それが貴方の今の役目だ」
木花小夜:「すみません……!」無理やり起き上がることは出来るかもしれないが、あの相手では足手まといだ。
GM:行動値14 九十八さんの手番です
九十八九十九:待機で!
GM:行動値12 赤川くんの手番です
赤川累:距離10mか 普通にいけるな
赤川累:マイナーで戦闘移動、“霹靂殺手”にエンゲージ
赤川累:メジャー、「塵灰回帰」《コンセントレイト》《インスタントボム》オート《砂の加護》《砂塵霊》
赤川累:命中いきます
“霹靂殺手”:《デビルストリング》LV4
赤川累:こいつ~
“霹靂殺手”:《砂の加護》を打ち消し
赤川累:では砂塵霊分の攻撃力上昇もなし
赤川累:6dx+15@7 命中
DoubleCross : (6DX7+15) → 10[1,2,2,2,4,9]+3[3]+15 → 28
“霹靂殺手”:ガード
GM:ダメージどうぞ!
赤川累:じゃあ、ここで菫ちゃんのカードも使用します
赤川累:NPCカード
“クライオ・クライス”北見菫
1ラウンドにつき1回、ダメージ判定直前に使用可能。 ダメージ+30、更にHPを4D10失う。
赤川累:これを加えてダメージ
赤川累:3d10+20+30 装甲無視
DoubleCross : (3D10+20+30) → 17[1,10,6]+20+30 → 67
“霹靂殺手”:生存
赤川累:追加のHP減少ふります
赤川累:4d10
DoubleCross : (4D10) → 23[1,8,4,10] → 23
“霹靂殺手”:HP0
“霹靂殺手”:復活エフェクトはありません
赤川累:赤川累の侵蝕率を11(→ 11)増加 (102 → 113)
“霹靂殺手”:戦闘終了です
赤川累:「……種がある、か。少し合理的すぎるな、その考え方は」
赤川累:静かに息を吐く。獣のように低く姿勢を屈める構えを取って、間合と呼吸を測る。
軽部龍授:「風水は科学らしいからな。……反応速度は赤川の方が上か」
赤川累:「とっくに手札なんて尽きていても、やるしかない」
赤川累:「損益の為じゃない戦いは……俺達の仕事は、結局、いつもそうなる」
“霹靂殺手”:「来るか……」
“霹靂殺手”:機先を制するように赤川に弾丸を打ち込む。銃撃が呼吸を乱し、動作の初速と勢いを削ぐ。
赤川累:その視線が僅かに北見の方へと向けられた後、熱風と共に踏み込む。
赤川累:尋常の射手が相手であれば、この距離に立った時点でどこに弾丸が来るかも透けて見える。だが、この使い手に関してはそうじゃない。
“霹靂殺手”:……が、追撃のリロードの為動かそうとした腕が、凍り付いた血液で固定されている。
“霹靂殺手”:「何──」
北見菫:「……今!!」
赤川累:……一撃までなら受ける事を織り込んでいた。苦痛と電撃に麻痺しそうな四肢を気力で制御し、咆哮するような声で菫に応えて。
赤川累:そうした先で、遂に己の間合を得る。打ち下ろす黒腕は、銃を構える腕を刈り取る軌道を描いて“霹靂殺手"へと向かう。
“霹靂殺手”:「ッ……!!」
“霹靂殺手”:銃を持った腕が黒腕に抉り取られ、握った銃身も灰へと帰す。
“霹靂殺手”:「チッ……!」
“霹靂殺手”:返す刀でもう一方の銃を赤川に向けるが──
赤川累:「……これでも」すぐに追撃を放つ余力はない。息を乱し、睨みつける。
赤川累:「まだ続けるか。……そうするだけの正しさが、貴方の行動にはあるのか」
“霹靂殺手”:「……」
“霹靂殺手”:「止めだ」
“霹靂殺手”:息を吐き、銃をホルスターにしまう。
軽部龍授:「嵌められた相手に落とし前もつけてないしな」
軽部龍授:「これ以上続けるなら、愚物呼ばわりが出来たものを。実に惜しい」
軽部龍授:息を吐き、納刀する。
“霹靂殺手”:「フン。前金だけでたっぷりと貰っているからな。これ以上続けても損だ」
九十八九十九:「あらら……流石、長くやってるだけあって損切が上手いや」
軽部龍授:「九十九は前金なぞくれん。まったく羨ましい」
九十八九十九:「文句はUGNに言いな~」
“霹靂殺手”:「決着は預けるぞ、“死舞旋刃”」
軽部龍授:「ああ、それは良いが。一つ言っておこう」
“霹靂殺手”:「何だ」
軽部龍授:「俺は寝るのは、ベッドか布団と決めている。倒す際の台詞は変えろ」
“霹靂殺手”:「何故貴様に指図されねばならんのだ」
“霹靂殺手”:「嫌なら精々倒されんようになるんだな」
九十八九十九:「……キミたちホントは仲いいんじゃないの?」訝しげな視線を送る
赤川累:「……そうだな。一度一緒に飯でも食ってみたらいいんじゃないか」
赤川累:どこか呆れたように呟きながら、落ちている『手紙』を左手だけで慎重に拾い上げる。
軽部龍授:「この刺々しい会話を見て、何故そう言えるか、脳の出来を疑うが」
“霹靂殺手”:「この坊やとそんなことをして何になる?そういう類の仕事は受けていない」
軽部龍授:「それで、霹靂。これからどうするのだ?」
“霹靂殺手”:「私は手を引く。“ダドエルズホール”に落とし前を着けさせるとしても、別のやり方がある」
“霹靂殺手”:「後は任せる。譲ってやるんだ、精々派手にやれよ」
軽部龍授:「良いように、使ってくれる。クソ女め」
軽部龍授:手で追い払うような仕草。決着は先延ばしだが、軽部龍授が思うに、霹靂殺手には一つだけ美点がある。
軽部龍授:それは、この女は堅気を巻き込まないと言う事だ。それだけで、この場で見逃す気になれた。
峯川千墨:「どうせそろそろ新手が来んだろうが……アー」
峯川千墨:「おいサヨ子。まだ生きてるよな。包帯とか出せ」
峯川千墨:木花さんの荷物から医療鞄を取り出し、彼女の手当に回る。
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「まだ終わってない。エル……」
赤川累:「新手と言っても、もう品切れが近いでしょう。あと残っているのは……」
九霄大学 礼拝堂
GM:大学の創設者によるものらしい、構内に佇むチャペル。荘厳な装飾やステンドグラスが、美しい色彩を描いている。
GM:エルとエノクの二人は、戦闘の頻発する構内からこの静かな礼拝堂へと逃げ込んでいた。
エノク:「……砂嵐が止んだ……」
エノク:外の様子を伺い、口惜し気に。
エノク:「モーリアがやられたのか…… くそっ、完全に終わりだな……俺たちは」
エル:「エノク……もういいでしょう?」
エル:「みんな、やるだけ頑張ったよ……。UGNの人たちなら、きっと私たちを助けてくれるよ」
エノク:「……。……いや」
エノク:エルの肩を掴み
エノク:「エル……。俺がこの国に来たのは、『手紙』よりもっと大事なことのためなんだ」
エル:「……え……?」
エノク:「ある人が、教えてくれたんだ。エルを死なせずに済む方法を……」
エノク:「エルを巫女の運命から助ける方法があるって……これを貰ったんだ」
エノク:そう口にして、懐から聖剣──“カリドゥミナ”を取り出す。
エル:「……それって……」
『蛇』:「……エル……」
『蛇』:「あの剣……何か嫌、怖い……!」
エル:「蛇さん……?」
エノク:「エル……痛いけど、我慢してくれよ……!」
エル:「嫌っ……何するの、エノク……!やめて……!!」
エノク:少年は聖剣を振り上げ、少女の胸元へと突き立てた。
--
GM:──サーバールームにいる君達のもとへ、屋外から異音が響いてくる。
GM:嵐が吹き荒れるかのような音。見れば窓の外、礼拝堂からどす黒い影が噴き出しつつある。
GM:重たい泥のような影が地面に広がり、漆黒の沼めいたそれがじわじわと周囲を呑み込んでいく。
北見菫:「……何、あれ……!?」
峯川千墨:「あー来た。ほら来た」
九十八九十九:「んー……けどこれ……」
赤川累:「……これは、誰の能力だ……?」
赤川累:把握している限り、"サタナキア"も"デモゴルゴン"もこのようなエフェクトは使っていなかったはずだ。
峯川千墨:「知らねェけどクソ女どもの仕業だってことは分かる」
木花小夜:「……その方がいいかもしれない」
木花小夜:「そうじゃないほうが」ゆるゆると起き上がる。
木花小夜:「そうじゃないほうが、マズいかも」
赤川累:「……」その言葉に悪寒がして。「そういえば、あの方角は……エル達が」
軽部龍授:「木花動けるか?」
峯川千墨:「オイ支部長。コイツも行かせんのか」
峯川千墨:木花さんの様子を見て顔を顰めて。
九十八九十九:「小夜ちゃん、十分休めた?」
木花小夜:「いいえ」正直に言う。「でも」
木花小夜:「みんな似たようなものでしょう」
木花小夜:「私が下がらないといけないほどって判断するなら、みんな下げないと辻褄が合わない」
峯川千墨:舌打ちする。反論はしない。
九十八九十九:「……そりゃそーだ」苦笑する
赤川累:「……」数秒、何と答えるか迷って。
赤川累:「まあ……ここまで来て今更、強がる意味もないよな」
赤川累:諦めたように呟き、頷く。
GM:そうして君達が動き出そうとした時、通路から異音が響く。
GM:巨大な機械の駆動音、そして、赤子の鳴き声のような奇声。
木花小夜:「……“ネフィリム”」
“ネフィリム”:『お ぎぃいぃいぃいいいぁああああ…………』
軽部龍授:「UGNは不退転か。……"ネフィリム”と言う事は」
九十八九十九:「やっぱ来たねぇ」
GM:地響きと共に、巨体を折り曲げるようにして君達に向かってくる──そして、更に反対側からも。
“ネフィリム”:『うぅうう……あぁああああぁあ……』『あうぅ……おぉーー……』
九十八九十九:「うぇ~……一体だけじゃないのぉ?」
GM:姿を現すのは2体の“ネフィリム”──合計で3体もの機械の巨人が、君達の前に立ち塞がる。
北見菫:「……これ……」
北見菫:「外とか……言ってる場合じゃなくないですか……!?」
軽部龍授:「データ通り。いや俺達の情報収集能力は確かだったという事だ」
軽部龍授:「フッ……なのに、何故だか泣けてくるものだ」皮肉を言う様に鼻で嗤う。
赤川累:「……このタイミングで揃って来ると言うのは。あそこに俺達を辿り着かせたくないって事か」
木花小夜:(……無理だ)と思う。
木花小夜:侵蝕だけではない。何より、攻撃出力の維持がままならない。
峯川千墨:「帰るかァ?」頭の後ろで手を組み、つまらなさげにして。「任務は手紙の確保だったろ」
九十八九十九:「一体につき一発……じゃあ弾が足りないよお~」
“ネフィリム”:『ぎぃいいいい……』
“ネフィリム”:甲高い叫び声と共に、凶悪なマニピュレーターを君達へと振り上げる。
エンゲージ
“ネフィリム”A(3)
(5m)
PC
(5m)
“ネフィリム”B・C(3)
GM:──瞬間、その巨大な機体が横合いから吹き飛ばされる。
“ネフィリム”:『お ぎぃいいぃいっ……!』
九十八九十九:「今度は何~!?」
GM:舞い散るのは火の粉。巨大な……赤熱した漆黒の大剣が、その胴体へと突き刺さっている。
赤川累:「誰だ……!?」
GM:そして現れるのは、異形。
???:「……」
???:地獄から這い出た悪鬼のような怪物。黒く焦げた骨の装甲が全身を覆い、備えるのは禍々しい角や刺。焼けた薪が燻るように、各所が赤熱し炎が噴き出ている。
九十八九十九:「……………」
九十八九十九:「………本当に誰!?」
軽部龍授:「随分と良い男だが、誰の知り合いだ?」
峯川千墨:「知らん」
峯川千墨:「マジで知らん……」
北見菫:「敵でしょ……!見るからに……!」
木花小夜:「……なんで」
木花小夜:「……なんでここに……」
九十八九十九:「えっ小夜ちゃんの知り合いなの?……一番意外なとこ来たな……」
九十八九十九:「……いや、ということは」
???:悲鳴を上げる“ネフィリム”に拳を叩き込む。装甲を陥没させ、金属の軋む不協和音と共に強引に剥ぎ取って蹴り飛ばす。
“ネフィリム”:『ぎああぁあっ……!』
九十八九十九:「彼が、そうなんだ?」
峯川千墨:「誰がどうなんだよ」
木花小夜:「……味方です。あれは、味方です」
北見菫:「味方って……」怯え混じりの目を向け「あれが……?」
軽部龍授:「フッ…女の危機に駆けつけるのは、男の本懐か」
赤川累:「……"シンダーブレイズ"か?」その反応から……舞浜が言っていたコードを思い出し、口にする。
峯川千墨:「ハ?」
???:火の粉と共に巨大な黒骨の槍を生成し、“ネフィリム”へと叩き込む。その戦い振りには一切の容赦が無い。
赤川累:「『すっごい怖い』、とは言っていたが……」どこか圧倒されたようにその姿を見る。なるほど、そういう風評も立つだろう。これは。
???:「……小夜」
???:装甲の下から、くぐもった低い声が響く。
???:「遅くなった」
峯川千墨:「エッ」
木花小夜:「春悠……」
木花小夜:「どうして……」
峯川千墨:「ハ」
峯川千墨:「……アレがァ!?」
峯川千墨:「じゃあアレがテメエの……アレで……テメエ……」
峯川千墨:「アレと!?」
軽部龍授:任せても良いのか?と言おうかとも思ったが、口を出すのは野暮と言う物だろう。黙る。
九十八九十九:「千墨ちゃん、男は顔じゃないんだよぉ」
木花小夜:「なにか失礼なことを思われてる気がする……」
風花春悠:「中間報告は見てた。九霄市で戦闘が起きてると聞いて、来た」
木花小夜:「……うん」
北見菫:「えっ……ていうか……木花さん彼氏研修中って言ってませんでした……?」
木花小夜:「あっそうだよ……!」
木花小夜:「なんでいるの……!?」
風花春悠:「終わらせてきた」
風花春悠:事も無げに言うと、焼けた骨の大斧を振るい、轟音を響かせ“ネフィリム”を叩き伏せる。
風花春悠:「行け!」
九十八九十九:「うぇ~?本部研修をほんの数日で……本物だわこりゃ」
峯川千墨:(アレと……)さすがに慄いている。
峯川千墨:「ア、オウ」
赤川累:「……そうだな。今は経緯報告を聞いてる場合じゃない」
木花小夜:「……うん。あのね、春悠、私……」
木花小夜:「……ううん。後で言う。来てくれて、ありがとう。気をつけて」
風花春悠:「ああ」
風花春悠:骨の剣を手に、三体の“ネフィリム”へと向かい合う。
風花春悠:「ここは任せろ」
九十八九十九:「よーし、じゃあお言葉に甘えますか」立ち上がって埃を払う。
軽部龍授:「……」走り出す前に、異形の彼に向き直り、極めて礼を守った一礼をする。走りだす。
九十八九十九:「救援感謝します。"シンダーブレイズ"」
九十八九十九:「お任せします。……ってわけでみんな行くよ~!」
峯川千墨:「ウス……」
峯川千墨:首の可動域ギリギリまで威容を目に収めたまま走る。
木花小夜:走りながら、最後に振り返ってその姿を見た。
木花小夜:もう力は殆ど使ってしまった。これから向かっても、残された力では大したことは出来ないだろう。
木花小夜:ずっとそうだった。結局、事前に上手く立ち回れたわけでもなく。
木花小夜:敵を、敵にならないように出来たわけでもない。
木花小夜:ずっと上手く行っていない。この先も、きっと。あるいは、手遅れになってしまったところに行くのだろうと思う。
木花小夜:だけど、私は。君のその姿を見て。
木花小夜:その温かさで、まだ心と、体を。凍てつかせてしまわず、動かせる。
---
GM:礼拝堂は異常な事態となっていた。
GM:黒い沼のような影がとめどなく溢れ出し、周囲を侵蝕していく。泥めいた影に触れると、侵蝕が昂ぶり、力が吸い取られるかのような感覚がある。
GM:超高濃度のレネゲイドの濃縮体。非オーヴァードが触れれば、一瞬で覚醒あるいはジャーム化するほどの代物。それが引っ切り無しに湧き出ている。
GM:そんな地獄のような光景の中心に、少年と少女がいる。
エル:「何で相談もせず急に刺すの!?!?ホント信じらんない!!!!」
エノク:「ごめっ……ごっ……ごめっ……こんなことになるなんて……」
エノク:エルに何度も引っ叩かれながら平謝りしている。
エル:「あっ……小夜さん!皆さん!」
エル:君達に気付き顔を向ける。
九十八九十九:「無事か~い!?少年少女!!……って」扉を蹴破る。
赤川累:「二人共……無事、だったのか」
木花小夜:「エル……!」
九十八九十九:「まさか本当に無事とはねえ」
赤川累:警戒して周囲を見渡す。"サタナキア"達がいるなら、ここかと思ったのだが。
軽部龍授:「なんだ、この黒い泥のような影は」
峯川千墨:「アーアーアー」影を避けながら大股で歩いてくる。
峯川千墨:「エラいことなってら。元気そうで良かったがよ」
『蛇』:「無事じゃないよ~~~」
『蛇』:周囲の影から声が響く。
木花小夜:「これ全部蛇さんなの……?」
赤川累:「もしかしてこの泥、貴方の中から?」
『蛇』:「全然制御が……効かなくて……やばいよ、これ……!」
『蛇』:「このままじゃ全部……何もかも……呑み込んじゃう……」
『蛇』:「こうやって喋れるのも……今だけかも……!」
木花小夜:「私言ったよね」
木花小夜:「あなたのやりたいことは分かってるけど今は収めてって」
木花小夜:「伝わると信じてた」
エノク:「っ…… で、でも……!こうすればエルが助けられるって……!」
軽部龍授:「誰に聞いた、それ?」
エノク:「名前は、分からないけど……赤い髪の……蛇みたいな舌の女の人が……」
峯川千墨:「なるほどねェー」
赤川累:「"デモゴルゴン"か……」
エル:「は!?何よそれ!私に内緒で……!」
木花小夜:「私それより信頼なかったんだ」露骨に不機嫌になる。
峯川千墨:「マジでそれ」
エノク:「痛い、痛いっ……!ご、ごめん……!」
峯川千墨:「なんでそっちは信じてこっちの姉ちゃんは信じなかったんだ。有り得ねェ」
九十八九十九:「まあまあ小夜ちゃん、男の子なんてそんなもんだよぉ」
木花小夜:「それ向こうが大人で私が子供だって言ってます支部長???」
軽部龍授:「人質に取る様な悪辣な組織だったしな」
軽部龍授:「さらにギデオンをボコボコに……」
九十八九十九:「それを言っちゃあお終いだよお」
赤川累:「……そうだな。その件は、責められて然るべきだが」
赤川累:「今はこの状況にどう対処するかだ」
『蛇』:「ほらも~~喧嘩しないのアンタたち!」
『蛇』:「ねえ~~マジでヤバいから話聞いて!いい!?」
木花小夜:「聞いてるよ!どうすればいいの?」
『蛇』:「さっき言ったように……このままじゃ私の本体が暴走しちゃう」
『蛇』:「止める方法は2つ……いや…… ……3つ」
木花小夜:「結構あるな……」
赤川累:「結構あるな」
峯川千墨:「仲良しか?」
軽部龍授:「似た者同士かもしれん」
赤川累:「茶化してる場合か」
『蛇』:「ひとつは、もう一度私をエルの中に封印すること。そうすればこれまで通りに丸く収まるわ」
九十八九十九:「あーまだそれ間に合うんだ」
エノク:「だ……駄目だ、そんなの!それじゃこれまでと何も変わらない!エルの命は……!」
エル:「エノクちょっと黙ってて。他には?」
木花小夜:「今はあなたの意見は聞いてないから」ツンと突き放す。
軽部龍授:エノクの肩にポンと優しく手を置く。
『蛇』:「もう一つは……」
『蛇』:少し言いづらそうな沈黙があって。
『蛇』:「……他の巫女の身体に封印すること」
赤川累:「他の巫女って……誰のことだ?」
『蛇』:「つまり……今この場においては……」
峯川千墨:「サヨ子か」
木花小夜:「そうか。継承できるんだ」
『蛇』:「……小夜、あなたしかいない」
木花小夜:「うん。そうみたいね」
赤川累:「……なるほど」
赤川累:「細かい理屈は良いとして、とにかくそういう素養があるんだな」
九十八九十九:「あ~、最初から声が聞こえてたっていう」
九十八九十九:「でもそれは却下します」
木花小夜:「1つ目がありで2つ目が却下される理由はないですよね」
九十八九十九:「あるよ~?」
木花小夜:「どこにですか」
エル:「そうです、絶対ダメですよそんなの……!小夜さん、彼氏さんもいるのに……!」
赤川累:「それは自分もでは……」
九十八九十九:「いやまあ、彼氏がいるのはエルちゃんも同じだけど……そういうことじゃなくてね?」
木花小夜:「あなたもでしょそれは……というか」
木花小夜:「いるからダメとか、いないならいいとか」
木花小夜:「そんな風に区別するものじゃないでしょ、そもそも」
軽部龍授:「そうしたいのか?」
軽部龍授:「最後まで聞いて決める事を、推奨するが」
峯川千墨:「3つ目は?」
木花小夜:「どっちもなしなら分かるの。3つ目は?」
『蛇』:「3つ目は……ほぼ無理な話だけど……」
『蛇』:「暴走した『蛇』……私を倒すこと」
『蛇』:「それが出来るなら、だけど……」
赤川累:「ある意味、今までの中で一番妥当に聞こえるな」
GM:エル、または小夜へと『蛇』を封印した場合、このままシーンは終了し、バックトラックに移行します。木花さんが継承した場合、古代種となり寿命が数年になります。
九十八九十九:「うぇ~……2000年モノのジャームとかぁ~、流石に想像付かないや」薄ら笑いを貼り付けたまま
GM:『蛇』と戦闘を行う場合、クライマックス戦闘3が発生、移行します。
軽部龍授:「一つ、聞きたいのだが」
『蛇』:「何かしら」
軽部龍授:「その場合『蛇』お前の人格はどうなるのだ?倒したら消えるのではないか?」
『蛇』:「……どうかしらね……。分からないわ。倒されたことないし……。でも、多分そうなると思う」
軽部龍授:「そうか。ならば、どれを選んでも、誰かが近い内に消えることに変わりがないと言う事になるが」
『蛇』:「でも、いいのよ。私はもう十分生きたし……何よりこれ以上、エルや小夜みたいな子を犠牲にするのなんて嫌なのよ」
『蛇』:「出来る事なら、もっと早くに消えたかった……。それが出来る人は、誰もいなかったけれど」
九十八九十九:「やー、まだわかんないよぉ。本体のジャームとは独立した精神体なんでしょ?」
九十八九十九:「そういった奴が、本体が斃れた後に分離するケースってのはゼロじゃあないよ」
九十八九十九:「もちろん、倒せればの話だけどねぇ」
軽部龍授:「フッ…どちらも、九十九お得意の希望的観測だな」
峯川千墨:「……逆にこのままほっといたらどうなるんだ?」
木花小夜:「……これの影響範囲が広がっていくんだと思う」
赤川累:「街中がジャーム化……で済めば良い方じゃないか」
『蛇』:「そうなるわね…… それに、『蛇』の本体が暴走すれば、もっと直接的に街を壊したり人を襲い始めるかも」
エル:「あの……やっぱり私が……」
木花小夜:「じゃあ決まりですね」
木花小夜:「まず私に入れてください」
赤川累:「まず?」
峯川千墨:「……」
木花小夜:「それから、これを撃破できるだけの戦力を集めて、もう一度聖剣で出させる」
エル:「そっか……さっき私にやったみたいに……」
『蛇』:「いえ……残念だけど、それは難しいと思う」
木花小夜:「……何が」
九十八九十九:「成程ね~。今の私達が無理でも、UGNの本部級戦力を集めて専門チームを作れば……」
九十八九十九:「え、そうなの?」
『蛇』:「聖剣の力で、『巫女』と繋がる権能が断ち切られたのを感じる」
GM:Eロイス《無限を継ぐ者》が鬼切りの古太刀の効果で解除されています。
赤川累:「……すると、どうなる?」
軽部龍授:「デモゴルゴンが唆したのなら、その手のUGNの力技の事は織り込み済みと言う事か」
木花小夜:「全部お見通しで手のひらの上だったみたいな言い方やめて」
軽部龍授:「それは、悪かった」
『蛇』:「封印は出来ても……次に契約を交わすことは出来ないと思う。一度入れば……多分、数年後に宿主と共に私も消えるか、宿主を殺して解放されるか」
木花小夜:「……誰に入れるにせよ、最後の“巫女”になる?」
『蛇』:「……そうなると思う」
九十八九十九:「ふーん、それじゃあエルちゃんに戻しても結果は同じかあ」
峯川千墨:「ンでもって最後の巫女は最後まで巫女のままか」
九十八九十九:「うーん……蛇さん蛇さん」
九十八九十九:「さっきキミを倒すのはほぼ無理な話って言ってたけど」
九十八九十九:「"ほぼ"ってことは、僅かなりとも勝算はあるってことなのかな?」
『蛇』:「う~ん……」考え込む
九十八九十九:「蛇さんの口ぶりだと、君の本体はまだ完全に出てきてないよねえ?」
『蛇』:「実際に戦ったことはないから断言できないけど……。だって、私……」
『蛇』:「多分滅茶苦茶強いし……」
木花小夜:「まあまあ言うな……」
赤川累:「東の民やこれまでの戦いを見てきた上で言うなら、相当ではあるんだろうな」
軽部龍授:「しかし、やはり、わからんな」
木花小夜:「分からないって、何が?」
軽部龍授:「"ダドエルズホール"の目的がだ」
峯川千墨:「そこだよなァ……」
木花小夜:「今の状況は織り込み済みだとしたら、私たちの邪魔をまたしてくるかもしれない」
木花小夜:「それが何のためにってことだね?」
九十八九十九:「時間無いんだしそんなん後で考えな~……って言いたいとこだけど」
峯川千墨:「今どうするかって話にも関わんだろ。アタシとしちゃ、最終的に蛇と戦うにしろ、先に奴らを叩いといた方が良いんじゃねェかって気がしてるぜ」
軽部龍授:「このような状況にして、奴らの得とはなんだ?」小夜ちゃんの言葉に頷きつつ。
赤川累:「大量の覚醒者を生み出すテロ自体は、FHの行動目的としては珍しい事でもないだろうが……」
赤川累:「……これまでを思えば、この選択自体に連中の罠が仕掛けられているという可能性もあるな」
九十八九十九:「封じるにせよ戦うにせよ、それであいつらの思惑通りになるのは気に入らないよねえ」
峯川千墨:「ああ。半端に削ったところで横から攫われんのが一番面白くねェ」
峯川千墨:「“プルフラス”もどっか行ってっしよォ」
“プルフラス”:「います……」物陰にいる
峯川千墨:「いたわ」
九十八九十九:「も~、拾ったんならちゃんと面倒見な~」
峯川千墨:「いやつい……でもこの状況で逸れてねェのはマジで偉いぞ。褒めてやる」
『蛇』:「吐きそう……二日酔いくらいグラグラする……」
木花小夜:「二日酔いしたことあるの……」
赤川累:じゃあ……ここで2回目の《インスピレーション》を使用します。
赤川累:質問は「"ダドエルズホール"の目的はなんですか?」で。
GM:足止めの為に配された“ネフィリム”やエノクに“カリドゥミナ”を渡し唆した手口から、“ダドエルズホール”の目的は『蛇』が解放されたこの状況そのものにあると推測できます。
GM:ただし、大規模な被害が予想されるこの状況はレネゲイド拡散や社会の破壊といった思想を持たず、あくまで利益を追求する彼らの望むものでなく、
GM:あくまで副次的な事象だと分かります。『蛇』の持つ巨大なレネゲイドと稀有な能力を狙っていると思われます。
赤川累:となると封印した途端に誘拐しようとしたりするのかな
GM:そこまでは分かりませんが、それで済むなら最初からエルを誘拐すればよかったでしょうね
赤川累:たしかに
赤川累:「……いや」呟く。「やはり、この状況そのものが連中にとっての益になるとは考えがたい」
木花小夜:「どうして?」
赤川累:「これほどのレネゲイドに汚染されれば、連中の組織としての基盤だって無事じゃ済まない」
赤川累:「気に食わない相手を潰し合わせるだけにしては、手間も戦力もつぎ込みすぎだ」
木花小夜:「じゃあ、元々のセルの目的に合致したんじゃ……」
木花小夜:「お金儲けでしょ。この状況はそれに……」
木花小夜:「……そうか。則さないんだ……」
九十八九十九:「お金の出処が消えかねないからねえ」
峯川千墨:「殺しにバイト代が出るなら何人でも殺すだろうが、ボランティアでそんな真似する奴らじゃねェ。それは保証すんぜ」
九十八九十九:「そういう意味では、FHにありがちなレネゲイドの周知化による社会変革……みたいなのは起こって欲しくないわけだ」
九十八九十九:「既存の経済システムまでぶっ壊れたら寄生する先がなくなるもんね」
赤川累:「遺産を強奪し、エノクを唆した所からが計画の発端だと考えれば……やはり狙いは、『蛇』が持つ能力そのものだろう」
木花小夜:「じゃあやっぱり、赤川くんの言う通り、蛇そのものを……」
『蛇』:「私の身体が目当てってこと……?」
峯川千墨:(コイツ意外と余裕あんのか?)
軽部龍授:「フッ…掃除機か何かで吸い込んで、資産にするか」
峯川千墨:「……ともかく、なら猶更だ」
峯川千墨:「この状況で一番避けるべきなのはアタシらが枕並べて討ち死にすっことじゃねェ」
木花小夜:「それも避けるべきことではあるけど……」
峯川千墨:「蛇とアタシらで共倒れになって、結果的にクソ女どもが得をすることだろ……そう思うね」
峯川千墨:「ヤツらこそを先にブッ叩くべきだ」
木花小夜:「……だったら、再契約が一番可能性あるんじゃないかな」
九十八九十九:「確実に死ぬとわかってるのに?それはもう正真正銘の生贄だよお」
木花小夜:「これを放置して、“ダドエルズホール”と二正面作戦する余裕はありません」
九十八九十九:「君も嫌でしょ?さっきまでの提案は、あくまで時間をかければ解決する目がある前提での話のはずだ」
木花小夜:「嫌です」
九十八九十九:「なら支部長として部下の嫌がることは命じられないよねえ」
峯川千墨:「よく言うぜ。今ばっかりは賛成だが」
峯川千墨:「どっちも相手にすんのが無茶なのは分かってるよ。だがそれを言うんならこの状況自体がスデにそうだ」
峯川千墨:「ヨソの応援を呼んで蛇に対処させて、到着までに出る犠牲は許容するくらいは正直現実的な線として考えてる」
木花小夜:「“プルフラス”と戦って、“ヘレヴ”と戦って、“東の民”と戦って。それから、“東方イスラーム殉教者旅団”とも、“霹靂殺手”とも戦って」
木花小夜:「限界なのはそうだけど。だからって……」
木花小夜:「私一人が死ぬのが嫌だから、周囲に被害が出る手段を選びますなんて……」
九十八九十九:「別に君一人が死ぬのが嫌なんじゃないよお」
九十八九十九:「私達チーム全員が、君を死なせたくないって思ってるってこと」
九十八九十九:「これ、意外と大事だよ?やりたくないことやると一気に能率落ちるからさあ、オーヴァードって」
峯川千墨:「対処ノーリョクの限界以上の結果を求めたって仕方ねェだろォ」
軽部龍授:「お前の命が、お前だけの物なら、それで良いだろうが…」
軽部龍授:「お前の恋人には借りがある」
峯川千墨:「テメエがここで犠牲になりますっつってよォ。今後テメエの真似をしたり、させられたりする奴らが後に続いたらどうすんだ」
木花小夜:「それは……」
峯川千墨:「そいつらに“木花サヨ子はやった”って言わせてェか?」
木花小夜:「そうだけど……」
木花小夜:「フルネームの時は子外してよせめて……」
峯川千墨:「?」首を傾げる。
峯川千墨:「サヨ子はサヨ子じゃねェの」
木花小夜:「もしかしてこの期に及んでちゃんと覚えてないだけなの……?」
峯川千墨:「……完全にエル子とサヨ子のコンビで覚えてたわ」
軽部龍授:「とはいう物の、それは気持ちであって、戦術ではないな。堂々巡りだが」
軽部龍授:「俺は実際のところ"ダドエルズホール”さえ斬れれば、それで良かった訳で、このような状況の想定は流石にしていなかった」
九十八九十九:「……さて、そろそろ決めないとね。本当に手遅れになる」周囲を流れる泥を見渡す。
赤川累:じゃあ……ここで最後の《インスピレーション》を使用したいです。
赤川累:ちょっと変な聞き方になるんですが……戦う選択をした場合に出てくるボスについて、教えられる範囲でデータを教えてほしいです。
GM:一部公開します
Eロイス
《虚実崩壊》
『蛇』が戦闘不能になっていない限り、この戦闘では以下の特殊ルールが適応される。
①『蛇』に対してメジャーアクションで攻撃を行う場合、ダメージ判定のダイスは10面ダイスでなく6面ダイスを使用する。《フェイタルヒット》《力の法則》のような追加ダメージも同様だが、《雷の檻》《氷の茨》《極大消滅波》のようなメジャーアクション以外で発生するダメージ判定はこの限りではない。
②いずれのキャラクターも『とどめを刺す』を行う事はできない。全てのキャラクターは戦闘不能になったラウンドのクリンナップフェイズにHP1で回復し、侵蝕率を3D6上昇する。この際の出目が6/6/6だった場合、そのキャラクターは難易度6で《意志》による判定を行い、失敗した場合シーンから退場する。また、『蛇』が戦闘不能になった時、この効果で復活したキャラクターも戦闘不能になる。
《超越活性》
エフェクト
《尾を喰らう蛇》LV4
《円環螺旋》LV8
《原初の赤:戦乙女の導き》LV6
《原初の白:さらなる力》LV4
《世界樹の葉》LV6
NPCカード
エル
以下から1つ選んで使用する。
・全てのエフェクトの使用回数を1回分回復する
・全てのエフェクトのLVを1上昇させる。シーン間持続。
・全てのエフェクトの侵蝕率を0にする。1ラウンド間持続。
赤川累:エルはそれぞれシナリオ1回かな
GM:1回ですね
赤川累:ありがとうございます
赤川累:黙り込んで何かを考えていたが、静かに口を開く。
赤川累:「……正しいと思う気持ちの為に危険を取るのか、気持ちを押し殺して現実的な安全を取るのか」
赤川累:「俺達の戦いは、こんな問題ばっかりだ」
九十八九十九:「……悪いけど」口を開く
九十八九十九:「私はこれでもこの街預かってる支部長だからね。いくらムカつくからって直接的な脅威を放置してあいつら叩きに行くわけにも行かない」
九十八九十九:「けど、君らは好きにしていいよ」対物ライフルを担ぐ
九十八九十九:「私一人でも、これの勢いを遅らせるくらいはできるからさあ」
木花小夜:「……はあ」息を吐く。
木花小夜:「どう思いますこの人?」
木花小夜:「人に言っておいてこれ……」
軽部龍授:「フッ…露悪趣味で、悪ぶってただけの女か」
軽部龍授:「どちらにせよ。『蛇』が狙いだと言うなら、奴らはおそらく上前を撥ねに来るだろう。その時、まとめて片付ける」
軽部龍授:「こなければ、来ないで楽な展開だ。何時か斬る」
軽部龍授:「俺は雇われ用心棒だ。大義の為に私情を殺すなど御免だからな。やりたいようにやらせてもらう」
軽部龍授:「『蛇』意識を保てよ。お前が消えれば、悲しむ奴もいる」
峯川千墨:「……チッ。変な空気に中てられてたかなァ」
峯川千墨:「良いじゃねェかシンプルで。慣れねェ頭使って損したぜ」
峯川千墨:「そういうのが一番良い」
赤川累:「……なんだかんだ言って、結局」
赤川累:「みんな、どうしたって死なせたくないんだ。エルも、木花さんも」
赤川累:そうして、深く息を吸って、静かに歌うように口ずさむ。
赤川累:「……『あなたが愛する人が、神であれ他の人であれ、問題ではない』」
赤川累:「『ただ堂々と拳を上げなさい。あなたはそのように生まれてきたのだから』」
赤川累:「守りたい人間を守ろうとする。その行いに、なんら恥じ入る事はない」
木花小夜:「……聖書ですか?いい事書いてあると思う」
赤川累:「……ガガだよ」笑って。「『Born This Way』……いい曲だ。事が落ち着いたら、聞いてみると良い」
木花小夜:「なんでガガ……」
軽部龍授:「フッ…続きを知っているぞ。『これが私の生きる道、私は正しい道を進んでいる』だ」
九十八九十九:「フフフ、どうやらみんなやる気になっちゃったみたいだね。計算通りだ」
“デモゴルゴン”:「……あら?」
“デモゴルゴン”:ぱしゃり、と沼に踏み入るような水音と共に、“デモゴルゴン”が教会の入口に現れる。
九十八九十九:「げっ」
峯川千墨:「おォ」
“デモゴルゴン”:「おかしいですねぇ。どうしてもう来てるのかしら」頬に手を当て
“デモゴルゴン”:「“ネフィリム”は?」
木花小夜:「地獄から悪魔がやってきて、燃やしてしまった」笑って言う。
“サタナキア”:「だから言ったじゃねェかよ。あんなブリキ人形役に立たねえってよ……」
“サタナキア”:「……ああ?生きてんじゃねえかよ“バルバトス”。“プルフラス”の奴、しくじったか」
“プルフラス”:「ひっ……ひぃっ……ひ……っ……!」
“サタナキア”:「……ああ?」峯川と“プルフラス”を見比べ「ハァン……そういう事かよ」
“サタナキア”:「まだ躾が足りねェとは思わなかったなァ」
“プルフラス”:「……ッ…… ひ……」
“プルフラス”:だらだらと汗を流し、開いた瞳孔で呼吸を浅くする。典型的なPTSDの症状。
峯川千墨:「なァ皆」遮るように言う。
峯川千墨:「アタシはここまでずーっとムカついてたことがあるんだがよォ」
木花小夜:「いつも不機嫌なわけじゃなかったんだ……何?」
峯川千墨:「どいつもこいつもだ。ケンカおっ始めんのも終わらせんのも全く自分次第だと思ってる連中が多すぎじゃァなかったか?」
九十八九十九:「ノーコメントで」自分もその一人だという自覚はあった
峯川千墨:「こっちから始めてやったっていいよなァ……つまり」
峯川千墨:「あいつらの話に付き合う必要なんざあるか? っつうことだが」
木花小夜:同類では……という言葉を飲み込む。
軽部龍授:「…………」無言でプルフラスとサタナキアの間に入る。
軽部龍授:「峯川は……」
軽部龍授:「遺言を聞き飛ばすタイプか。フッ…それもよかろう」
軽部龍授:「俺は末期の台詞くらいは、自由に叫ばせてやれとは思うがね」
赤川累:「……」恫喝に怯えている"プルフラス"を一瞥して。「これ以上あいつに喋らせないようにしたいという意味では、賛成できるな」
“デモゴルゴン”:「あらあら……。ですが、結局」
“デモゴルゴン”:「『戻さなかった』んですね。良かった。それなら間に合いました」
“デモゴルゴン”:べろり、と長く割れた赤い舌で唇を舐める。
『蛇』:「あっ……あっ、あっあっあっ……嘘……!」
『蛇』:「ウソでしょ、そんな……!」
赤川累:「どうしたんだ?」
九十八九十九:「ふ~ん、そういう君らにはアレを何とかする手段が……」
九十八九十九:「……?」
GM:周囲一面に広がる、重たい泥のような影の沼が、ゆっくりと“デモゴルゴン”へと吸い込まれていく。
木花小夜:「……え?」
エル:「……蛇さん!?」
『蛇』:「こ……こいつ……この女……!」
『蛇』:「『巫女』だ……!」
赤川累:「……どうやって"蛇"から溢れ出た力を得るのかと思っていたが、まさか」
峯川千墨:「ほォ」
九十八九十九:「その手があったかあ」
木花小夜:「そんな……!?」
“デモゴルゴン”:「あら。契約できるのが“東の民”だけなんて、思い上がりも甚だしいと思いません?」
“デモゴルゴン”:影の沼を吸収し、次第にその身から放たれるレネゲイドの圧力が増していく。
軽部龍授:「とすると、後、数年で死ぬのではないか?」
峯川千墨:「問題の片方はこれで解決したってワケだなァ」
木花小夜:「あとは数年後を迎えられるかどうかね、私たちが」
九十八九十九:「あっ、そうじゃん!新たな契約は交わせないんじゃなかったの蛇さん?」
『蛇』:「そのはず……だけど……!」
『蛇』:「ああ~~抗えない~~」
赤川累:「踏み倒す方法でも持ってるのか? 悪魔らしいっちゃらしい話だが……」
九十八九十九:「そんなんアリ?」
“デモゴルゴン”:「元々ヨボヨボのおばあちゃんになってまで生きる気なんてありませんよ」
“デモゴルゴン”:「侵蝕負荷を踏み倒す能力……素晴らしいと思いませんか?辺境でいじめられてる移民の搾りカスなんかより、私みたいな力も才能もある人間が持つべき力ですよね」
“デモゴルゴン”:「この能力と“ダドエルズホール”の戦力が合わされば、数年で世界を牛耳るなんて造作もないこと……」
“デモゴルゴン”:「私は世界の絶頂で、笑いながら死を迎えるとしましょう」
軽部龍授:「それについては、思うところがあるが……成程、外から見ると醜悪だ」
軽部龍授:「……否定はしないが、俺にはする資格もないが。だが、貴様に、その数年を謳歌させる気はないな。今日を命日にしてやろう」
九十八九十九:「昇りつめさえすれば死んでもいいなんて、一周回って欲のない話だよねえ」
九十八九十九:「でも絶対死ぬ時後悔するよ。今のうちにしといたほうが傷が浅くていいと思うなあ」
赤川累:「どうかな。そういう奴ほど、いざ時が来た時に後悔する気もしますが」
赤川累:「意見が一致した……」
九十八九十九:「気が合うねえ」
『蛇』:「ああ~~っ、無理無理無理!吸い取られる~~っ」
エル:「っ……蛇さん……!」
エル:影の沼に手をつき、支配権を奪い返そうとレネゲイドを注ぎ込む。
木花小夜:「エル!無理は……!」
エル:「う……ぐ……!」
エル:これまで侵蝕してくるばかりだった足元の影の沼から、逆に君達へと力が逆流する。
エル:「せめて、これだけでも……!」
エル:「駄目、これ以上は……!蛇さんの扱いなら、私のほうが慣れてるはずなのに……!」
『蛇』:「ああ~~一瞬行けるかと思ったけどやっぱ無理~~~~」
NPCカード
エル
各PCは以下から1つ選んで使用する。シナリオ中1回まで。
・全てのエフェクトの使用回数を1回分回復する
・全てのエフェクトのLVを1上昇させる。シーン間持続。
・全てのエフェクトの侵蝕率を0にする。1ラウンド間持続。
軽部龍授:2個目を選択します。
赤川累:使うタイミングはオートでいいのかな
九十八九十九:いつ使ってもいいんだよね?
GM:オートでいつでも構いません
赤川累:はあい
木花小夜:シナリオLV回使用可能エフェクトは2つ目でLV上げた場合増加しますか?
GM:増加します
峯川千墨:おっすごい
木花小夜:マジ?ありがた
“サタナキア”:「ア~いつまでやってんだよ。さっさと吸収しちまえ……うおっ!?」
GM:突如教会の扉が弾け飛び、甲高い音を立てて場内に転がる。
白土夏希:「……フー……」
白土夏希:巨躯の少年がそこに立っている。あちこち擦り切れ、土埃に塗れた服に身を包み、割れた眼鏡を押さえて息を吐く。
九十八九十九:「……も~」そちらを見ずに
木花小夜:「よかった、無事で……!」
白土夏希:「遅くなりました。……どうなってます?」
九十八九十九:「どうなってるもこうなってるもないよ~」
九十八九十九:「今めちゃくちゃ良いとこ」
赤川累:「生きてるはずだとは思ってたが、よく辿り着いたな……いや、頼もしい限りだ」
“サタナキア”:「何だコイツ……ハルクかよ」
峯川千墨:「……」比喩が被ったので嫌な顔をする。
軽部龍授:「似た者同士か」
峯川千墨:「言うな」
九十八九十九:「持ってるねぇ白土くん。モテるぞぉ~君は」
白土夏希:「はあ……」
『蛇』:「あ~~ごめんちょっともうマジで無理かも~~~!」
木花小夜:「もうちょっと頑張って蛇さん!」
『蛇』:もう影の沼は殆ど残っていない。大量の体積のほぼ全てが“デモゴルゴン”へと吸収されつつある。
木花小夜:「がんばれ!」
『蛇』:「そりゃ言うのは簡単だけど……!あっごめん無理だこれ」
『蛇』:「後のことお願い!私はいいから遠慮せずに……倒して……!」
『蛇』:「あ~~~~っ……」
『蛇』:そうして、完全に“デモゴルゴン”の体内へと吸収される。
木花小夜:「あっ、あ~~……」
エル:「蛇さん……!」
“デモゴルゴン”:「ふぅ……。思ったより食いでがありましたね」
軽部龍授:「悪喰め」腰から佩刀、井上真改を抜き、月打に構える。
九十八九十九:「やぁ~、やってくれたねえ"デモゴルゴン"」ライフルに弾丸を装填する。
九十八九十九:「ま~じであの物量手に負えなかったからさあ。わざわざ倒しやすいサイズにまとめてくれてありがとねえ」
“デモゴルゴン”:「あら。お礼を言うのはこちらですよ」
“デモゴルゴン”:「わざわざオーヴァードを用意するのもタダではありませんから」
“デモゴルゴン”:「皆さんでテストさせてもらうとします」
“デモゴルゴン”:“デモゴルゴン”が《ワーディング》を放つと同時、周囲に影の沼が再び溢れ出す。それは濃縮されたレネゲイドそのもの、超高密度のエネルギー体。
“デモゴルゴン”:だが、先程までの……『蛇』自身が抑え込んでいたそれとはまるで性質が異なる。契約者である“デモゴルゴン”の意思で、明らかに君達に害を為すように放たれている。
九十八九十九:「うぇ~、早速使いこなしてんじゃん……」
エル:「私の時はあんなの……」謎のショックを受けている
木花小夜:「私はエルがああならなくてよかったと思う」
北見菫:「……何か面倒な話になってたけど……シンプルになったってことでいいのよね?」
木花小夜:「ええ。どちらから倒すか、悩まなくて良くなった」
峯川千墨:「任務開始以来最高の状態ってとこだな」
赤川累:「そうだな。助けなきゃいけない相手と、倒さなきゃいけない相手。どちらも目の前に居る」
軽部龍授:「此処まで、長かったものだ。流石にあらかた斬り捨てた後だからな、シンプルになった」
軽部龍授:「フッ…UGNの仕事は割に合わん」
木花小夜:「そうだね。前金も出ないし、これで助けた市民のみんなに感謝されるわけでもない」
軽部龍授:「よくやるものだ。秘訣はあるのか?」
木花小夜:「秘訣?そうだね、しいて言えば……」
木花小夜:「心に火を点してくれた人のことを、考える」
木花小夜:「そうすれば、それに見合うようにありたいって思える」
軽部龍授:「惚気か……フッ、良いな。俺は恋バナは好きでな」
峯川千墨:「ケ。共働きがよ」
“デモゴルゴン”:「それでは行きますよ。“サタナキア”」
“サタナキア”:「あァ~、待ちくたびれたぜ」ごきごきと首を鳴らす
“サタナキア”:「“バルバトス”のカスも。“プルフラス”のクズも。UGNのゴミも。まとめて潰してやるよ」
峯川千墨:「待てができて偉かったなァ」
峯川千墨:「ついでにもうちょい躾されてけや」
“サタナキア”:「言ってろや、裏切りモンのクソ女が」
“サタナキア”:「テメェもあのチビのゴミ女と同じ目に遭わせてやるからよ」
峯川千墨:「微笑ましいんだよ。キャンキャン吠えんな」
峯川千墨:「言う前にやんのが天下の“サタナキア”サマだろ。始めようぜ」
白土夏希:「……支部長」
白土夏希:“デモゴルゴン”と“サタナキア”を見遣り
白土夏希:「正直状況に追いつけていません。ですから貴女に聞くしかないのですが」
白土夏希:「よろしいですね?」
白土夏希:静かに拳を握り締める。
九十八九十九:「……」その拳に一瞬視線を向けて。
九十八九十九:「いいよ~白土くん。全力でやりな」
九十八九十九:「君はこれから正しいことをする」
九十八九十九:「私が保証したげるよ」
九十八九十九:「君の拳で、この街を守りなさい」
白土夏希:「……了解しました」
白土夏希:迷いなき瞳で、一度だけ力強く頷く。
九十八九十九:「さ~みんな!泣いても笑ってもこれが最後の戦いだよ~!多分!」
九十八九十九:「終わったらお寿司奢ったげるかんね!気合い入れてこ~!!」
木花小夜:「全然割に合いません」笑って。
木花小夜:「デザートも付けてください」
【Climax3】
エンゲージ
“デモゴルゴン”(13)“サタナキア”(10)
(10m)
PC
GM:Eロイス《虚実崩壊》が使用されています。
《虚実崩壊》
“デモゴルゴン”が戦闘不能になっていない限り、この戦闘では以下の特殊ルールが適応される。
①“デモゴルゴン”に対してメジャーアクションで攻撃を行う場合、ダメージ判定のダイスは10面ダイスでなく6面ダイスを使用する。《フェイタルヒット》《力の法則》のような追加ダメージも同様だが、《雷の檻》《氷の茨》《極大消滅波》のようなメジャーアクション以外で発生するダメージ判定はこの限りではない。
②いずれのキャラクターも『とどめを刺す』を行う事はできない。全てのキャラクターは戦闘不能になったラウンドのクリンナップフェイズにHP1で回復し、侵蝕率を3D6上昇する。この際の出目が6/6/6だった場合、そのキャラクターは難易度6で《意志》による判定を行い、失敗した場合シーンから退場する。また、“デモゴルゴン”が戦闘不能になった時、この効果で復活したキャラクターも戦闘不能になる。
峯川千墨:クリンナップフェイズに復活するのはNPC側もですか?
GM:NPC側もです。
峯川千墨:なるほど……了解です
木花小夜:従者はHP0になると消滅しちゃうからそのまま消滅するのかな
GM:今回は従者も復活可とします
赤川累:やったあ
九十八九十九:うれC
木花小夜:その場合は従者分本体が3D6あがる感じ?
GM:そうなりますね
木花小夜:はーい ハイリスクハイリターンだ
GM:NPCカード
エル
各PCは以下から1つ選んで使用する。シナリオ中1回まで。
・全てのエフェクトの使用回数を1回分回復する
・全てのエフェクトのLVを1上昇させる。シーン間持続。
・全てのエフェクトの侵蝕率を0にする。1ラウンド間持続。
“クライオ・クライス”北見菫
赤川累のみ1ラウンドにつき1回、ダメージ判定前に使用可能。 +3D10+30ダメージ、更にHPを4D10失う。
“ポーラー”白土夏希
九十八九十九のみ1ラウンドにつき1回、攻撃判定前に使用可能。判定ダイス+10、攻撃力+60。
木花小夜:戦闘前に従者作ります~ 《赤色の従者》使います
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を5(→ 5)増加 (119 → 124)
“ガーネット・スター”:三代目です よろしくお願いします
GM:ラウンド1 セットアップから!
“デモゴルゴン”:《破滅の足音》
“デモゴルゴン”:1D10 ラウンド終了時にPCは戦闘不能
DoubleCross : (1D10) → 4
木花小夜:結構早い
“デモゴルゴン”:《唯我独尊》
“デモゴルゴン”:《破滅の足音》
“デモゴルゴン”:1D10 ラウンド終了時にPCは戦闘不能
DoubleCross : (1D10) → 7
木花小夜:また!
木花小夜:結構遅い
“デモゴルゴン”:《唯我独尊》
九十八九十九:足音立てすぎだろ
“デモゴルゴン”:《破滅の足音》
赤川累:いっぱい廊下歩いてくる
“デモゴルゴン”:1D10 ラウンド終了時にPCは戦闘不能
DoubleCross : (1D10) → 8
木花小夜:ドタドタしてる
GM:やる気ね~~~こいつ
峯川千墨:ゆっくりおいで
GM:PCは4・7・8ラウンド終了時に戦闘不能になります。
赤川累:そんなラウンド入るまで戦ってられねえ~~
九十八九十九:なんて恐ろしいんだ
九十八九十九:こっちはセットアップなし!
赤川累:セットないです
軽部龍授:なしです。
峯川千墨:えーと
木花小夜:オートで《ワーディング》+ハーメルンの笛。
木花小夜:敵全員のドッジのC値を+1。
峯川千墨:エルちゃんのカード効果を使います。全てのエフェクトの使用回数を1回分回復で。
峯川千墨:セットアップでは《絶望の領域》《絡め取る大地》。
木花小夜:《氷の茨》を本体と従者で使用。
峯川千墨:敵の全ダイスを-10、行動値を-4します
木花小夜:敵全員はこちらのエンゲージを移動して離れた場合、5d10点のHPを失う。
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (124 → 130)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を5(→ 5)増加 (94 → 99)
“デモゴルゴン”:“デモゴルゴン”の足元から広がる黒い沼が、辺り一面を呑み込んでいく。
“デモゴルゴン”:重たく黒い泥、2000年を掛けて濃縮されたレネゲイドそのもの。長く戦えば侵蝕は免れず、最後にはその泥の一部となるだろう。
GM:衝動判定 難易度9です
赤川累:6dx+1>=9 思い出の一品
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 10[1,2,3,6,9,10]+2[2]+1 → 13 → 成功
赤川累:赤川累の侵蝕率を2d10(→ 15)増加 (115 → 130)
軽部龍授:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[1,2,3,8,10]+3[3] → 13
軽部龍授:111+2d10
DoubleCross : (111+2D10) → 111+12[8,4] → 123
峯川千墨:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 6[1,5,6,6] → 6 → 失敗
九十八九十九:9dx+1>=9
DoubleCross : (9DX10+1>=9) → 10[3,4,4,6,6,7,8,10,10]+9[3,9]+1 → 20 → 成功
九十八九十九:2d10
DoubleCross : (2D10) → 4[2,2] → 4
木花小夜:2dx>=9
DoubleCross : (2DX10>=9) → 5[3,5] → 5 → 失敗
峯川千墨:2d10
DoubleCross : (2D10) → 13[4,9] → 13
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を4(→ 4)増加 (104 → 108)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を2d10(→ 15)増加 (130 → 145)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を13(→ 13)増加 (99 → 112)
峯川千墨:100%超えたので敵へのダイスデバフが-12、行動値デバフが-6になります
GM:でかすぎ
木花小夜:氷の茨を本体分だけにします
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を3(→ 3)減少 (145 → 142)
GM:行動値14 九十八さんの手番です
九十八九十九:よーし全力で行くよ~
木花小夜:やっちゃって~
赤川累:かませ~
九十八九十九:マイナー《クイックモーション》《アサルトルーティン》アンマテの弾を補充
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を6(→ 6)増加 (108 → 114)
九十八九十九:メジャー《コントロールソート》《原初の赤:ペネトレイト》《混色の氾濫》《コンセントレイト;ノイマン》アンチマテリアルライフルで攻撃。対象はエネミー2体!
GM:判定どうぞ!
九十八九十九:判定前指定なので白土くんを宣言しちゃおう
九十八九十九:頼むぞ白土くん
軽部龍授:いけいけ!
GM:やめろ~~~~
九十八九十九:10dx7+4
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[2,3,4,5,5,5,7,9,9,10]+10[5,6,8,9]+2[1,2]+4 → 26
九十八九十九:微妙
峯川千墨:ダイス+10忘れてないです?
木花小夜:攻撃力がデカすぎて気づかれなかったようね
九十八九十九:あれっほんとだ
九十八九十九:もう10ふります
GM:振り直しな!
九十八九十九:じゃあ振り直す
九十八九十九:20dx7+4
DoubleCross : (20DX7+4) → 10[1,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,5,5,6,6,6,8,10,10,10]+10[2,3,8,10]+6[4,6]+4 → 30
九十八九十九:ちょっと上がった
峯川千墨:上がってえらい
軽部龍授:攻撃ダイスが1個分上!
GM:ガード不可か……
九十八九十九:ガード不可だよ
“デモゴルゴン”:《支配の領域》LV6
“デモゴルゴン”:3回目の6を1に
木花小夜:ダメージちょっと削ってきてる
九十八九十九:セコい真似しやがって
“デモゴルゴン”:《領域の盾》LV6 カバーさせます
“サタナキア”:ドッジ
“サタナキア”:15DX11>=30
DoubleCross : (15DX11>=30) → 10[1,1,1,1,2,3,4,4,4,5,7,7,8,9,10] → 10 → 失敗
九十八九十九:フン
GM:ダメージどうぞ!
九十八九十九:3d6+40+1d6+60 装甲無視
DoubleCross : (3D6+40+1D6+60) → 5[1,1,3]+40+3[3]+60 → 108
GM:???
九十八九十九:ほぼ固定値
九十八九十九:九十八九十九のHPを3(→ 3)減少 (6 → 3)
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を10(→ 10)増加 (114 → 124)
GM:装甲も無視かよ!
GM:ゲ~ッ一撃で瀕死
木花小夜:ひゅう!
峯川千墨:さすが~
九十八九十九:「んじゃ、早速合わせてもらおうかな~」白土へサインを送る。
白土夏希:「……了解です」
軽部龍授:「心なしか、元気になったことだな。九十九よ」
九十八九十九:「私は最初から元気だけど~?」
軽部龍授:(フッ…先程迄、後ろをちらちらとみていた癖に、さて)
九十八九十九:「もしあの女が好きな子の顔に変わっても、ちゃ~と殴んなきゃダメだよぉ」
白土夏希:「分かっていますよ」
白土夏希:苦笑を返し、割れた眼鏡を胸ポケットにしまって、影の沼の中をのしのしと歩き始める。
“デモゴルゴン”:「きゃ~~、乱暴されちゃう~」
九十八九十九:「オリオン座」
九十八九十九:白土の真後ろから対物ライフルを構える。
“サタナキア”:「ノコノコ出てきやがって……」
“サタナキア”:黒い沼が赤熱し、立て続けに爆発する。爆破物質を影の中に潜ませているのだ。
白土夏希:「……」腕を前面に構えながら、後方へと余波が及ばぬよう、重戦車のごとくそのまま歩き続ける。
木花小夜:「えっ、まさか……」
木花小夜:「そのまま行くんですか……?」
“サタナキア”:「ンだ、こいつっ……!バケモンかよ……!」
峯川千墨:「スゲェー」
軽部龍授:「白土相手なら俺も良い"振り"が出来るやもしれん。向こうがどう凌ぐか見ものよ」
九十八九十九:銃声。しかし、それは今までのものとはわずかに違う。
九十八九十九:音が長い。"霹靂殺手"の六連射の如く、雷鳴にも似た重低音が轟く。
“デモゴルゴン”:「来ますよ」
“サタナキア”:「分かって……!」対物ライフルを構えた女と目の前の大男、どちらに対応しようか判断が一瞬、遅れる。
九十八九十九:対物ライフルでは本来あり得ない、異次元の装填と速射による三点バースト。
九十八九十九:1射目が白土を追い抜いた所で炸裂し、進行方向の泥を吹き飛ばす。
九十八九十九:2射目、"サタナキア"が迎撃した爆風を相殺する。
“サタナキア”:「こい、つらっ……!」
白土夏希:そして、“サタナキア”の眼前まで辿り着く。
白土夏希:「おい」
白土夏希:みしり、と。
白土夏希:巨大な腕が、“サタナキア”の襟元を万力のごとく掴み上げる。
白土夏希:「歯ぁ食い縛れ」
白土夏希:その顔面へと拳が叩き込まれる。人が人を殴ったとは思えぬ砲撃音のごとき異音が轟き、衝撃波に黒い水面が激しく波打つ。
“サタナキア”:「がびゅっ……!?」
峯川千墨:口笛を吹く。
木花小夜:「すごい音……!」
軽部龍授:「音越えだな」
軽部龍授:「要するにマッハを超えて顔面にあの拳が叩き込まれたと言う事だ」
九十八九十九:ほぼ同時、一発だけ迂回軌道を取った終の3射目が上空から飛来し、仰け反った"サタナキア"の顔面に炸裂する。
“サタナキア”:「げぶぁあっ!!」
“サタナキア”:空中で錐揉み回転しながら落下、黒い水飛沫を立てて頭から沼へと着水する。
峯川千墨:「プッハッハッハ!」手を叩いて笑う。
峯川千墨:「ヤッベェ! スゲェ! やるじゃねェかよテメエらよォ!」
木花小夜:「今日一興奮してる……」
峯川千墨:「馬鹿言うな。今年入って一番だよ」
北見菫:「……」ドン引きしている
“デモゴルゴン”:「やだ~~、女の子殴るなんてサイテ~~」
峯川千墨:「良いモン見たなァ~。いい様だぜェ」
軽部龍授:「しかし、どういう心境の変化だ。あの時は躊躇したろうに」
赤川累:「迷いが晴れたんだろう。多分、もっと大切なものがあることを確認したとか」
軽部龍授:「フッ…UGNの秘訣か」
九十八九十九:「さ~て、まずは一人……いや」
“サタナキア”:「て……べぇぇぇえ…………ッ……!!」
“サタナキア”:腫れ上がり、無惨に変形した顔面に憤怒の表情を浮かべてヨロヨロと立ち上がる。
白土夏希:「……凄まじいですね。立てるとは思っていませんでした」
九十八九十九:「んー、白土くん、まだ手加減してるんじゃない?」銃を担いで白土に歩み寄る。
九十八九十九:「どんなに覚悟決めても、やっぱ最初だからさあ。思った通りには行かないもんだよ」
白土夏希:「……そうかもしれません」
白土夏希:焼け爛れた拳に目を落とし「直前、爆発で威力を殺されました。ああ見えて手練れですね」
九十八九十九:「ま、安心しな~。これからじっくり教えてあげるからさぁ」にやけ面で肩を叩く。
九十八九十九:「本気の出し方ってやつを」
“サタナキア”:「ぶひ……殺す…………!!」口の端から血と共にぼろぼろと折れた歯が零れ落ちる。
峯川千墨:「ブヒっつったよ」まだ笑っている。
エル:「笑いすぎでは……」
GM:行動値12 赤川くんの手番です
赤川累:はい
赤川累:マイナーで戦闘移動。サタナキアとデモゴルゴンの所にエンゲージ
赤川累:メジャー、「星灰落滅」《コンセントレイト》《インスタントボム》《ギガンティックモード》オート《砂の加護》《砂塵霊》
赤川累:対象はサタナキアとデモゴルゴン
GM:判定どうぞ!
赤川累:命中いきます
赤川累:11dx+15@7
DoubleCross : (11DX7+15) → 10[1,1,1,4,4,5,6,6,7,8,10]+10[4,4,10]+1[1]+15 → 36
“サタナキア”:ガード 《氷盾》LV4
“デモゴルゴン”:《領域の盾》LV6 カバーさせます
赤川累:ダメージいきます
GM:ダメージどうぞ!
赤川累:4d10+36 装甲無視
DoubleCross : (4D10+36) → 33[9,10,8,6]+36 → 69
“サタナキア”:HP0
“サタナキア”:Eロイス《苦痛のこだま》
“サタナキア”:PC全員は《意志》で判定。敗北したPCは1Dのダメージを受け、サタナキアは敗北したPCの数×10のHPで復活
“サタナキア”:難易度は12です
赤川累:げ~
峯川千墨:ヌヌ
軽部龍授:にゃー
九十八九十九:小癪
木花小夜:ひえ
峯川千墨:5dx>=12
DoubleCross : (5DX10>=12) → 10[1,4,9,10,10]+2[2,2] → 12 → 成功
九十八九十九:10dx+1>=!2
DoubleCross : (10DX10+1>=2) → 10[1,3,4,4,5,5,9,9,10,10]+8[5,8]+1 → 19 → 成功
赤川累:7dx+1>=12 一品こみで意志
DoubleCross : (7DX10+1>=12) → 9[3,7,7,7,8,8,9]+1 → 10 → 失敗
峯川千墨:ッシャ!
軽部龍授:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[5,6,7,8,10]+9[9] → 19
九十八九十九:良し
赤川累:かたじけねえ
軽部龍授:おっ。よしよし
木花小夜:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 10[1,5,10]+9[9] → 19 → 成功
赤川累:え~
木花小夜:あっこれ……
峯川千墨:赤川くんに魔花する?
赤川累:あっ花あったっけ
木花小夜:《宵闇の魔花》使おう
GM:何だとぉ……
赤川累:ありがたすぎ お願いします
木花小夜:HP-5 達成値+8です
赤川累:ロイス切るか……?って思っちゃった
赤川累:18で成功です
GM:では全員成功で復活は阻止されます
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (142 → 146)
赤川累:赤川累の侵蝕率を14(→ 14)増加 (130 → 144)
赤川累:もはや、自らの発する熱の温度も定かでない。とうに感覚の消え入りそうな腕を、もう一度叩き起こす。
赤川累:やかましい声が脳内に木霊する。酔いしれそうになる言葉を振り払いながら、ゆらりと影の沼を超えて走り出す。
赤川累:敵の能力もリソースも膨大に見えるが、状況は単純化された。“デモゴルゴン”さえ撃ち抜けば良い。
赤川累:骨が悲鳴のような音を鳴らしながら、熱風が吹き抜ける。叩きつけた一撃の間合いは、先程まで見えていたよりも何歩か遠い。
赤川累:侵蝕の高まりと共に最大化された出力が、直接触れていない空間さえも削り取るようにして灰化させ始めている。
“デモゴルゴン”:「きゃあ~~♡こわ~い」
“デモゴルゴン”:黒い泥が“サタナキア”に押し寄せ、朦朧とするその身を操り人形の如く動かし、“デモゴルゴン”の盾として立たせる。
“サタナキア”:「殺ふ……ぶひ……殺ふ…………」
軽部龍授:「殺されるの間違いではあるがな」
軽部龍授:「峯川は光堕ちして運が良かったと言わざるをえん」
赤川累:「本気か、こいつ──」仲間を使い潰す行動ににわかに目を見開きつつも、躊躇はしない。そうすべきではない。
赤川累:死を象るような右腕の軌道が、"サタナキア"の身体を二つに断つように抉り去った。
“サタナキア”:「ぎっ……あぁぁああぁああっ!!」
峯川千墨:「……否定できねェな」その一撃を見て、肩を竦める。
“サタナキア”:倒れる寸前、微かに指を動かす──起爆のサイン。
“サタナキア”:地雷のように仕掛けられた幾つもの爆破物質。泥から一斉に爆炎が巻き起こり、君達へと襲い来る。
“サタナキア”:「血ィィイイ見せろォォオオッ!!」
赤川累:「っ……!?」深く踏み込んだ瞬間、討ち取ったと思った相手からのカウンター。僅かに反応が遅れる。
木花小夜:「この出力、ジャームの――!」
九十八九十九:「しぶといなぁっ……!」
峯川千墨:「ッぶね」塩の結晶を壁のように立たせ、自身の側への爆風を阻む。
九十八九十九:迫りくる爆炎を、傍らに控えた白土の正拳が吹き飛ばす。
軽部龍授:「……命を直接奪うか」爆炎を煩わしそうに無造作に刀を霞む速さで振り上げ、切り裂いた。
木花小夜:氷血の弓と、血茨の弦。凍らせた弓手で引き絞り、放つ。
木花小夜:弾頭は赤川累の、横を通り過ぎるように着弾した。血色混ざりの、氷の槍。
木花小夜:君にはあるいは、見慣れたものによく似た。
木花小夜:――自らに縁のある物品の所持が、オーヴァードの意志力を高めるという経験則がある。
木花小夜:そういうものは、得てして、「思い出の一品」だの、「安心毛布」だのと呼ばれる。
木花小夜:それ自体で防ぎ切ることは叶わなくとも、見せることに意味がある。
赤川累:(今のは──)誰が、確かめるよりも早くその身体が動く。己が潜り抜けた死地の中で、何度となく眼にした花に似ていた。
“サタナキア”:「な……なんで……」
“サタナキア”:「悲鳴……お前ら……クソ共……無視してんじゃ……ね……」
“サタナキア”:暴走した加虐衝動を満たす反応は得られなかった。レネゲイドが励起されることはなく、そのまま崩れ落ちる。
峯川千墨:「アイロニーを感じんなァ」首の後ろに両手を添えて、それを眺める。
“プルフラス”:「え……えぇっ……!!?」
“プルフラス”:己の絶対者が路傍に転がるボロ屑のように散る様を見て、物陰から声を上げる。
“プルフラス”:「し……死ぬんだ……“サタナキア”さんって…………」
峯川千墨:「だが言った通りだろ、“プルフラス”。悪党ってのはあんなもん──みてェだぜ」
軽部龍授:「盾になどされなければ、もう少しやれたろうがな」
赤川累:「……死ぬさ。善人だろうと、悪人だろうと」
“プルフラス”:「……」
“プルフラス”:高鳴る鼓動を確かめるように、胸に手を当てる。それは彼女にとっていつ振りか分からない、痛み以外で感じた生の実感だった。
GM:行動値11 軽部くんの手番です
軽部龍授:では、まずエルちゃんの効果を使ってエフェクトのLVを+1します。
軽部龍授:マイナーで接敵。
軽部龍授:メジャー:《コンセントレイト:エグザイル》《貪欲なる拳》《爪剣》《死神の爪》ドッジダイス-1 リアクション不可
軽部龍授:対象はデモゴルゴン
GM:ぎゃあ~~リア不
軽部龍授:13dx7+3
DoubleCross : (13DX7+3) → 10[1,1,1,2,2,3,4,4,4,5,7,7,9]+10[4,6,8]+4[4]+3 → 27
“デモゴルゴン”:リアクション不可
GM:ダメージどうぞ!
軽部龍授:オートアクションでウェポンケースからアームドスーツ
軽部龍授:3D6+6+14+10+3
DoubleCross : (3D6+6+14+10+3) → 5[1,3,1]+6+14+10+3 → 38
“デモゴルゴン”:素通りします。が……
“デモゴルゴン”:《レネゲイドアブゾーブ》LV4+《円環螺旋》LV8
軽部龍授:123→136
“デモゴルゴン”:以降装甲値+24します
峯川千墨:なんて奴だ
九十八九十九:往生際が悪いぜ
軽部龍授:サタナキアの最後の爆炎の影に隠れてすでに走り出しを始めていた。
軽部龍授:その断末魔を聞きながら構え、既に間合い。
軽部龍授:「俺の名は、死舞旋刃。なにも分からぬまま死んだ人達の代わりに此処に来た。そして、貴様らは……何も分からぬままに此処で死ね」
“デモゴルゴン”:「ウソ、速っ……」
軽部龍授:月打の構えから、軸足を固定し、踏み込みとともに振り下ろしの斬撃を放つ。
軽部龍授:【跳兎】 佐伯一刀流において基本的な技だ。佐伯の数多の技の中から、軽部龍授が最も信頼を寄せる、勝利の為に辿りついた原初の一。
軽部龍授:剣士は、刀の切れ味に任せ、闇雲に刀を振り回す生き物ではない。
軽部龍授:踏み込みの突進力、刀を振り下ろすことによる重心の垂直落下、さらには軸足の固定と、突進の急停止による重心移動の生み出す運動エネルギー。
軽部龍授:刀は腕で振るのでなく、全身で振る。足を使い、腰を使い、腕を落とし、重力までをも利用する。
軽部龍授:膨大な量の運動力の収束図式、それを図の通りに、動く相手に合わせ、刻一刻と変わる状況に対応し、刹那の内に正確に繰り出す精密動作。
軽部龍授:風水以上の科学技術体系。
軽部龍授:それが人体構造の芸術。剣の術。剣の"振り"だ。
軽部龍授:刃が走る。それは、光だった。
軽部龍授:音もなく。無音のままに、その刃の軌跡は光を照り返し輝きながら、銃弾よりなお迅く、光其の物の速さで迫る。
軽部龍授:ただ、そのままに斬り捨てた。
“デモゴルゴン”:「っああぁあ!!いったぁい!何なんですか~~!!」
“デモゴルゴン”:切り裂かれた身体からは、影の混じった黒い血が溢れる。
軽部龍授:「聞き忘れていたが…貴様よもやアルバニーアダーではあるまいな?」
“デモゴルゴン”:泥を幕のように展開し追撃を逃れ、
“デモゴルゴン”:「はあ?何ですかそれ……絶滅危惧種はそっちでしょ」
“デモゴルゴン”:「今どき刀なんて振り回すなんて時代錯誤もいいとこですよ!何ですか?侍気取りですか?」
軽部龍授:「話が分かる。なに、絶滅危惧種をこの手で減らすのは流石に罪悪感を感じるのでな……フッ、侍にはなれなかったがね」
“デモゴルゴン”:「くだらない……人なんて切って何が楽しいって言うんですか」
軽部龍授:「人を操り、寿命を削ってまで金儲けするよりは健康的だが」
“デモゴルゴン”:泥がずるずると女の足を這い上がり、ドレスのように変形、纏わりつく。それは攻撃を防ぐ装甲となる。
軽部龍授:「危機感を抱いてるじゃないか。時代錯誤の刀の一振りに、いいぞ、いいぞ」
“デモゴルゴン”:「面倒な男……!こんなことなら依頼するんじゃなかったですよ……!」
GM:行動値9 従者の手番です
“ガーネット・スター”:マイナーでデモゴルゴンのエンゲージへ移動
“ガーネット・スター”:メジャー『ディサイド・ディーサイド』:《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》 対象デモゴルゴン
GM:判定どうぞ!
“ガーネット・スター”:12DX7
DoubleCross : (12DX7) → 10[1,4,4,4,4,5,5,6,6,8,10,10]+10[4,6,10]+10[8]+2[2] → 32
“デモゴルゴン”:ドッジ C11で自動命中なので省略
“ガーネット・スター”:あっリフレックスしてこないんだ
木花小夜:エルのNPCカード効果を使用します。エフェクトLVを+1。
“ガーネット・スター”:氷の茨は使ってないので、移動のみ。
“ガーネット・スター”:5m下のこちらのエンゲージに来てもらいます。
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (146 → 150)
“デモゴルゴン”:嫌!
木花小夜:つぷ、と。喉から血の棘線を引き出す。
木花小夜:それらが凝集し紅の球を象る。
木花小夜:一度のミッションで3度もしたことなど、今までにない。
木花小夜:痛みはない。逆に、血管はもうすっかり拡がってしまっている。
木花小夜:それらが無数の血の棘を吐き出し、“デモゴルゴン”を絡め取る。冷気の噴出はまだない。
“デモゴルゴン”:「ちょっ……何……!?」
木花小夜:代わりに、それをぐいと引いて。その身ごと、こちらに引き寄せる。
木花小夜:「……あなたをそのままにしておいたら」
木花小夜:「死体を嬲ると思った」
“デモゴルゴン”:「離してくださいよ!このっ……取れない……!」
木花小夜:「たとえ、許されざる敵で、ジャームであったとして……」
木花小夜:「あなたの好きにはさせない」
木花小夜:その姿を見て、エルのことを思って。
木花小夜:だけど、分からない。
木花小夜:エルと、私と、この人に。どういう共通点があったのか。
木花小夜:何が巫女としての資質なのか。思いつかなかった。
GM:行動値7 デモゴルゴンの手番です
“デモゴルゴン”:しかし……申し訳ありませんが
“デモゴルゴン”:マイナー 《原初の青:影走り》LV4
“デモゴルゴン”:移動させてもらいますよ
木花小夜:そんな……
木花小夜:でも……
木花小夜:私のエンゲージを……
木花小夜:移動して離れたので……
GM:何かあったかな~
木花小夜:氷の茨は受けてもらいますよ
GM:ウゲェェ
木花小夜:6d10
DoubleCross : (6D10) → 22[2,6,4,3,2,5] → 22
木花小夜:6面ダイスか???
“デモゴルゴン”:軽減できずに喰らいます
“デモゴルゴン”:しかしサタナキアのエンゲージに移動
“デモゴルゴン”:《世界樹の葉》LV6 復活させます
木花小夜:ぴえん
木花小夜:パキパキと、身体に張り付いた茨は冷気を呈し、凍りつき始めている。
“デモゴルゴン”:「このっ……!離しなさいよ……!」
“デモゴルゴン”:身を捩り、茨の束縛から無理やり逃れんとする。その膂力も、『蛇』の力によって異常強化されている。
木花小夜:「なっ……!」引きずられそうになり、思わず切り離す。「なんて力……!」
“デモゴルゴン”:「っ……あぁああっ……!」身体を引き裂かれ、悲鳴を上げる。血塗れになりながらも、強引に拘束を突破する。
“デモゴルゴン”:「はっ……はぁっ……!悪趣味な能力……!」
木花小夜:「あなたが言う……!?」
“デモゴルゴン”:「低出力が必死に工夫しちゃって……!痛々しいったらないですね!」
木花小夜:「……それでも躓かせられる」
木花小夜:「一人じゃないんだから。それを教える、私たちは……」
木花小夜:「みんなで戦ってるんだもの」
“デモゴルゴン”:「あなたみたいな子、イライラしますよ……!」
“デモゴルゴン”:「みんな?なんですかそれ。お遊戯会ですか?」
“デモゴルゴン”:「この世界は少数を搾取して、負債を押し付けることで成り立ってるんですよ。本当は分かってるんでしょう?」
九十八九十九:「お遊戯会の輪に入れなかった子ほどそういうこと言っちゃうんだよねえ」小声で失笑する
峯川千墨:「言ってやるな。聞こえたら怒られんぞ」
木花小夜:「それを正しいって思ってるなら、ここには居ないよ」
木花小夜:「今はそう。そんなの分かってる。でも……」
木花小夜:「だからいいなんて思ってない」
“デモゴルゴン”:「弱い人間、幼い子供、力の無い者は搾取されるしかない……この『蛇』はその証ですよ」
“デモゴルゴン”:「教会も、東の民も、UGNも……誰も彼もが弱者を利用して、大義名分でそれを正当化してきた」
木花小夜:「……大義名分さえ捨てたあなたたちが、一番正しいとでも言いたいの?」
“デモゴルゴン”:「少なくとも私は、利用する側に立ちますよ」
軽部龍授:(分かるだけに、何とも言えんな。俺は何方かと言うとあちら側だ。……だから、正義の味方などではないのだが)
木花小夜:「あなたたちは……最も弱いものを、搾取してる。それは」
木花小夜:「本当に。許せないと思ってる」
エル:「……」小夜を見つめる。
赤川累:「……そして、だからそれを今から叩き壊すんだ。お前が言う子供達の手で」
赤川累:「そういう話だろう、これは」
“デモゴルゴン”:「関係ありませんね。私以外、この世の全ては『される側』……!」
“デモゴルゴン”:足元、“サタナキア”の死骸へと泥を注ぎ込む。
“デモゴルゴン”:真っ二つにされた死体の断面で泥が蠢き、接着剤のように再生していく。
木花小夜:「……!」
“サタナキア”:「あ……ぅあ……?あぁあぅあああ……?」不明瞭な呻き声。操り人形のように動き出す。
“プルフラス”:「ひ……ひぃぃいいっ……!!」
“プルフラス”:「やっぱり……やっぱりそうなんだ……!むっ……無理なんだ……!」
九十八九十九:「うへぇ~、趣味悪……」
軽部龍授:「良くも悪趣味な能力と言えたものだな。面の皮が厚すぎる女だ」
GM:行動値6 木花さんの手番です
木花小夜:マイナーでみんなのところへエンゲージ
木花小夜:メジャーで「ソロリィ・ソロリサイド」:《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》
木花小夜:対象デモゴルゴン
GM:判定どうぞ!
木花小夜:9dX7+5
DoubleCross : (9DX7+5) → 10[1,2,2,4,5,5,6,9,10]+10[3,8]+10[8]+10[10]+2[2]+5 → 47
木花小夜:不必要に回るな……
“デモゴルゴン”:ドッジ C11で命中
木花小夜:カバーとかはない感じかな
“デモゴルゴン”:させません 死にそうだから
峯川千墨:やさしい
木花小夜:では命中で6m上に飛ばします
木花小夜:《氷の茨》のHPロスが発生。
木花小夜:6d10
DoubleCross : (6D10) → 29[7,10,1,5,4,2] → 29
“デモゴルゴン”:あるのに……装甲が……
木花小夜:関係ないもーん
“デモゴルゴン”:しかしまだ生きてます
木花小夜:しぶといぜ
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (150 → 154)
木花小夜:「……係いで」手元には、次なる棘線を鞭のように構えている。
木花小夜:元々、そのような戦い方をしていたわけではない。
木花小夜:一度、能力が“彼”と入れ替わった時があった。
木花小夜:その時に、この力自体に適正を持たない彼が、そうしていた。その真似だ。
木花小夜:棘線自体を鞭として膂力で振り、白兵戦を仕掛ける。
木花小夜:しなる手が、デモゴルゴンの身体を絡め取る。
“デモゴルゴン”:「う、くっ……!」
木花小夜:とみに、対オーヴァード。自分と同じくらいの体躯の相手にほど、巻き付けやすい。
“デモゴルゴン”:白兵戦は不得手なのか、殆ど対応できない。表情を苛立たし気に顰める。
“デモゴルゴン”:「しつっ……こいんですよ……!」
木花小夜:姉妹殺しと呼んでいた。あるいは、妹自身をその手で手に掛ける可能性もあると思っていた頃のもの。
木花小夜:「それは……」ぐい、と引き寄せ。「褒め言葉?」
“デモゴルゴン”:「このっ……!」影を纏った腕で、その顔を殴り付けようとして。
木花小夜:本体と従者の二重の凍結。それが彼女の身を苛む。
“デモゴルゴン”:「うぐっ……つぁああああっ!!」
木花小夜:「……絶って!」強制励起。その体を、後ろへと吹き飛ばす。
“デモゴルゴン”:(影の防御が……上手く働かない……! この子にだけ……何故……!?)
“デモゴルゴン”:「がふっ……ぐ、あぁっ!!」
“デモゴルゴン”:赤髪を振り乱し、切り裂かれながら吹き飛ばされる。
木花小夜:凍結箇所が剥がれ、えぐれていく。「そういうものをかわすために」
木花小夜:「磨いてきた。間違えてきた道行きだけど……」
木花小夜:「ここにたどり着いたなら、それでいい!」
“デモゴルゴン”:「こ……の……!」
“デモゴルゴン”:影の沼を殴りつけて立ち上がり、少女を睨み付ける。
“デモゴルゴン”:「このガキ……!」
軽部龍授:「余裕が消えたな」
峯川千墨:「クールんなれよ。アタシは楽しみにしてたんだぜ」
峯川千墨:「ハートマーク付きの断末魔ってモンが果たしてどんだけ笑えんのかをよォ」
GM:行動値4 サタナキアの手番です
峯川千墨:イニシアチブでメイド服を脱ぎます
GM:破廉恥
峯川千墨:行動値を3→6に。
GM:では行動値6 峯川さんの手番です
峯川千墨:マイナーで軽部くんたちと同じエンゲージへ移動。
峯川千墨:メジャーで《雨粒の矢》《惑いの一撃》《シングインザレイン》。デモゴルゴンとサタナキアに攻撃します
GM:判定どうぞ!
峯川千墨:5dx+6
DoubleCross : (5DX10+6) → 8[1,2,3,6,8]+6 → 14
峯川千墨:ドッジダイス-7個です
“デモゴルゴン”:ガード
“サタナキア”:ドッジ
“サタナキア”:無理じゃん ガード《氷盾》LV4
“デモゴルゴン”:《領域の盾》LV6 カバーさせます
木花小夜:エンゲージバラバラよ!
木花小夜:ふっとばしたから
峯川千墨:だぜ
GM:あっ……この女!
GM:ダメージどうぞ!
峯川千墨:2d10+40 諸々有効
DoubleCross : (2D10+40) → 12[5,7]+40 → 52
軽部龍授:2D6では?
峯川千墨:あっと
峯川千墨:振り直します
GM:そうですわ
峯川千墨:2d6+40
DoubleCross : (2D6+40) → 3[1,2]+40 → 43
峯川千墨:ミャン……
“デモゴルゴン”:装甲で減らしてまだまだ生きてます
“サタナキア”:HP0
“サタナキア”:2つめの《苦痛のこだま》だ!死ね!
“サタナキア”:難易度13!
峯川千墨:そんなもん複数持つな
峯川千墨:上がってる?
赤川累:ゲーッ
木花小夜:上がってる~
九十八九十九:微妙に上げんな!
軽部龍授:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 10[1,3,7,9,10,10]+10[9,10]+9[9] → 29
赤川累:つよ
木花小夜:yaba
九十八九十九:10dx+1>=13
DoubleCross : (10DX10+1>=13) → 9[1,2,3,6,6,7,8,9,9,9]+1 → 10 → 失敗
赤川累:7dx+1>=13 一品
DoubleCross : (7DX10+1>=13) → 10[2,2,5,5,6,8,10]+1[1]+1 → 12 → 失敗
九十八九十九:ゲェ~
木花小夜:3dx>=13
DoubleCross : (3DX10>=13) → 4[1,2,4] → 4 → 失敗
峯川千墨:5dx>=13
DoubleCross : (5DX10>=13) → 6[1,2,2,6,6] → 6 → 失敗
木花小夜:流石に無理が来てる
GM:おやおや
峯川千墨:さすがにね
赤川累:むしろさっきに成功が集まってよかったな
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を9(→ 9)増加 (112 → 121)
GM:軽部くん以外1D10ダメージ受けよ!
木花小夜:これはどっちがふる感じやつ?
GM:各自で振ってもらおうかな
赤川累:12-1d10
DoubleCross : (12-1D10) → 12-10[10] → 2
九十八九十九:1d10
DoubleCross : (1D10) → 8
赤川累:赤川累のHPを10(→ 10)に変更 (12 → 10)
軽部龍授:《原初の紫:隆起する大地》する?
軽部龍授:ダメージは防げるはずだが
木花小夜:あっそうか これダメージなんだ
GM:やめろ~~~~~ッッ
峯川千墨:ほう
九十八九十九:そうじゃん!
赤川累:あ、なるほど
木花小夜:1d10
DoubleCross : (1D10) → 10
九十八九十九:あっでも私だけエンゲージ違う?
GM:そうだぜ
峯川千墨:復活自体は防げないか
九十八九十九:そんな~
軽部龍授:そうね。範囲!
GM:復活HPは減ります
赤川累:他に軽減もないなら温存でもいいかも?
木花小夜:一人でもダメージを受けたキャラクターが居た場合回復だから
木花小夜:全員守れたら防げたけど 今回は無理げね
峯川千墨:次にまたサタナキアの攻撃が来ることを考えると無理にやらなくてもいいかもしれない
九十八九十九:トホホ~
軽部龍授:OK
木花小夜:倒れておけばいい説はある
峯川千墨:そうね
峯川千墨:2-1d10
DoubleCross : (2-1D10) → 2-7[7] → -5
木花小夜:あ~ いやでも
木花小夜:従者が倒れると私2倍侵蝕上がっちゃうんだ
木花小夜:貰えたほうが助かるかも……
軽部龍授:ではやろう。
峯川千墨:なるほど
木花小夜:HP削りにもなるしね
軽部龍授:私の同エンゲージの味方に《原初の紫:隆起する大地》
軽部龍授:1d10+21
DoubleCross : (1D10+21) → 9[9]+21 → 30
赤川累:あっじゃあHP戻しときます
軽部龍授:30点軽減
軽部龍授:136→139
GM:ゲゲーッ
木花小夜:あっ赤川くんは宵闇で減ってるはずだから 今7かな?
赤川累:あっ失礼 忘れてた
赤川累:7です
峯川千墨:ノーダメになりました
木花小夜:こっちもノーダメ!たすかりすぎ
GM:では支部長のみに効きサタナキアはHP10で復活します
九十八九十九:私は8ダメージで倒れます
峯川千墨:「さっきと違って気の利いた場所だ。スピーカーはねェけどよ」
峯川千墨:ぽつ、と誰にともなく水滴が降る。
峯川千墨:教会。屋内。そうであるがしかし、見上げればそこに、天井を隠して、分厚くかき起こった雨雲がある。
“デモゴルゴン”:「……雲……?」
峯川千墨:「“この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ”」
峯川千墨:ヨハネの黙示録に記された終末の光景。史実において、それに近い出来事が起こったことがあるという。
峯川千墨:紀元前1650年頃のことだ。かの死海上空で隕石が炸裂し、広域に破壊と、特濃の塩水とが撒き散らされた。
峯川千墨:死海の水はいわゆる塩、塩化ナトリウム以外の塩分を多量に含み、苦みが強い。その“苦い水”が撒き散らされたことで、一帯はその後600年にも渡って死の大地と化した。
峯川千墨:峯川千墨のレネゲイドは、起源を辿ればそこに行き着く。今から行う攻撃もまた。
峯川千墨:──曇天が、滴を産み落とす。天井の半面を埋めるほどに巨大な。その中に茨がうねっている。
峯川千墨:天を追われた星の如くに落ちる。床に触れ、弾ける。味方だけを器用に避けて、濁流と塩の棘とが炸裂し、悪魔の名を冠する者たちを呑む。
“デモゴルゴン”:「何ですか、これっ……ぐ……!?」
“サタナキア”:「う……あ……が……」
“デモゴルゴン”:濁流の中で足掻き苦しむ。泥の沼が塩水に中和されていく。
“デモゴルゴン”:「ふざ、け……」
“サタナキア”:「……」
“サタナキア”:連鎖して爆発が巻き起こり、濁流を吹き飛ばす。
“サタナキア”:更に波濤の如く押し寄せる爆風が、君達全員を呑み込まんとする。
軽部龍授:「下がっていろ」
木花小夜:「……!」
峯川千墨:「往生際わっる……!」言われた通りに下がる。
軽部龍授:ずいと一歩前に踏み出す。
軽部龍授:迫る怨嗟の爆風と泥を下から掬い上げるような剣運びで弾き飛ばし、構え直す事無くそのまま切っ先に楕円の軌道を辿らせ、一息と共に斬り下ろす。
軽部龍授:それは出会った時に、最初に彼らに見せた技だ。……まるであの時の再演のように。
軽部龍授:しかし、あの時打ち落としたのは形ある銃弾である。そう。本来は形ある武器や身体に対する技法であるのだ。
軽部龍授:だが、この尋常ならざる剣士は無形のエネルギー塊すら逸らし断ち切っていた。その感嘆する程の神業を当然の如く成功させた。
軽部龍授:「九十九が遠くにいたのは、致し方ないとしてだ」
軽部龍授:泥を払うように剣を血振りする。
木花小夜:「嘘……?」
北見菫:「えっ……」覚悟して目を瞑っていた「なに……何したの……!?」
木花小夜:「斬った……」
木花小夜:「斬ったの……?」
峯川千墨:「……はァー」
軽部龍授:「刀を振るったからな。あれは条件次第で斬れる」
赤川累:「……つくづくありがたい魔剣だな。何度命を救われたか知れない」
軽部龍授:「フッ……だが、もう一度やれと言われて、出来るものではないがな」
九十八九十九:一方、彼らとは逆方向。"デモゴルゴン"を警戒していた白土の背後で、それは起こった。
九十八九十九:「……かっ……ゲホッ!……うぇ~……」
九十八九十九:爆炎に全身を焼かれ、炭混じりの血反吐を吐く。
白土夏希:「ッ……支部長!」
九十八九十九:「熱っづ……白土くん……無事?」
九十八九十九:「……良かった、大丈夫っぽいね……」
九十八九十九:「ゲホッ……!ガ、ハ……ッ」
白土夏希:「……!」動揺が走り、瞳が揺れる。焼けた肺から咳をして。「自分は……ゴホッ、無事ですが……」
白土夏希:「支部長、あなたが……!」
九十八九十九:「……い~のい~の。どうせもうすぐ……弾切れだったし」
白土夏希:「そういう問題ではありません……!」
白土夏希:僅かに声を荒げる。
九十八九十九:熱で半ば溶解した眼鏡が地面に落ちる。
九十八九十九:「……ごめん、ちょっとだけ、寝るわ……」
九十八九十九:「……見張っといて……」
九十八九十九:白土に腕を掴まれたまま、細い身体が力を失ってずり落ちる。
白土夏希:泥の中に崩れ落ちそうになる身体を咄嗟に抱える。
白土夏希:「……分かりました」
白土夏希:「必ず」
白土夏希:軽い──あまりにも軽い身体を、庇うように構える。
“サタナキア”:「ハッ……ハハッ……ハァァッ……」
“サタナキア”:傷口から黒い泥を漏らしながら、よろよろと立ちあがる。
“サタナキア”:「殺……す……」
GM:行動値4 サタナキアの手番です
“サタナキア”:マイナー 《氷炎の剣》LV2+《氷の回廊》LV2 デモゴルゴンにエンゲージ
木花小夜:待ちな
峯川千墨:えっ
GM:あっやべ!
GM:今の無し
木花小夜:はい
峯川千墨:びっくりした
GM:くそっ これが氷の茨の本当の力かよ
軽部龍授:移動して死んじゃうもんな
木花小夜:そうです(なんだろ……)
赤川累:あらあら
九十八九十九:本当も何もだよ
“サタナキア”:《氷炎の剣》LV2だけ使います
“サタナキア”:メジャー 《インスタントボム》LV6+《コンセントレイト:モルフェウス》LV3+《ギガンティックモード》LV2+《炎の刃》LV6+《アマテラス》LV3+《エネルギーマイスター》LV3+《フレイムタン》LV6
“サタナキア”:対象同エンゲージの4人
“サタナキア”:3DX7+4
DoubleCross : (3DX7+4) → 10[2,8,9]+10[9,10]+3[1,3]+4 → 27
“サタナキア”:装甲無視 ガードを行なった場合HP9点失う
峯川千墨:回すじゃん
赤川累:ううむ 一応ドッジ
峯川千墨:暴走リア不!
軽部龍授:ドッジするしかあるまい
木花小夜:従者もよね
軽部龍授:7dx-2
DoubleCross : (7DX10-2) → 10[2,3,5,6,6,6,10]+2[2]-2 → 10
GM:範囲なのでそうですね
赤川累:6dx+1>=27
DoubleCross : (6DX10+1>=27) → 10[2,4,8,8,9,10]+9[9]+1 → 20 → 失敗
赤川累:頑張ったが……
木花小夜:2dx>=27 ドッジ
DoubleCross : (2DX10>=27) → 9[4,9] → 9 → 失敗
木花小夜:うそ!暴走してた
木花小夜:どうせ失敗だけど……
“ガーネット・スター”:7DX>=27 ドッジ
DoubleCross : (7DX10>=27) → 8[3,5,5,5,6,7,8] → 8 → 失敗
“ガーネット・スター”:《炎陣》で主人をカバー
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を2(→ 2)増加 (154 → 156)
“サタナキア”:ダメージ
“サタナキア”:3D10+12+12+12
DoubleCross : (3D10+12+12+12) → 21[8,3,10]+12+12+12 → 57
“ガーネット・スター”:シュワワ
赤川累:無理~ 倒れます
峯川千墨:死!倒れておきます
赤川累:こちらも復活しないでおきます
軽部龍授:クリンナップで復活は出来るのか
軽部龍授:でもHP1は不安だから、1回だけロイスを切ろう。
軽部龍授:僕は師匠のロイスを切って昇華します。
“サタナキア”:「ブチ……殺して……殴って……グチャグチャにして……」
“サタナキア”:「叫べ……怯えろ……なあ……見せろよ……」
“サタナキア”:「泣き叫んで……ガタガタ震えて……命乞いしてみせろよォォァアアアッ!!」
“サタナキア”:絶叫と共に、周囲にガラス細工めいた半透明の薔薇が咲き乱れる。
“サタナキア”:光を反射するその美しい光景と裏腹に、薔薇は一瞬で赤熱、大爆発を巻き起こす。
“サタナキア”:教会が揺れ、ステンドグラスが粉々に砕け散る。
軽部龍授:爆炎を切り裂いた直後。即応反射が十全ではない、万全ならば防げたろうが、度重なる激戦でそれもままならない。
軽部龍授:「がっ……」だが、戦とはそういうものだ。常に理想的な状態で戦えるものではない。その身を切り刻まれる。
峯川千墨:「死に損ない、が──!」言葉の後半と共に炎に呑まれる。
白土夏希:「……!」爆風に背を向け、気絶した九十八を抱え込むように庇う。
赤川累:「っ、まだ動くか……!」爆風に吹き飛ばされる。焼け付くような苦痛が意識を埋め尽くした。
木花小夜:「!」とっさに紅球を引き寄せて防ぐ。それは上手く判断できたからではない。
木花小夜:むしろ、その執念に怯えたからだ。我が身を守ってしまった。
木花小夜:従者は霧散し、ボタボタと泥に血溜まりが沈んだ。
軽部龍授:心臓近くに刺さった破片は、呼吸を奪い、体からヒューヒューと空気を鳴らす。
軽部龍授:刀が、酷く、重い。提げ持つ事すらできずに切先が床を撫でる。
軽部龍授:「う、あ」
軽部龍授:先程迄、手足のように操ってた刀を、杖のように倒れるのだけを何とか防ぐ。
“サタナキア”:「キヒッ……くはははっ……!」
“サタナキア”:「いいィ~~……顔だ……」
軽部龍授:笑い声が聞こえる。
軽部龍授:忌まわしい。
軽部龍授:あの時もそうだった様な気がする。刀を握った時。
軽部龍授:味方はいない。仲間など出来た事はなかった。家族はとうの昔、取るに足らない薬中に■されている。
軽部龍授:そして師には……見限られた。
軽部龍授:いや、違う。それは違う。俺の技も、力も、最後には認めなかった老いぼれを、俺が、俺の方が見限ったのだ!
軽部龍授:ならば、強さだけは証明しなくてはならない。立ち上がり、斬り伏せなければならない。
軽部龍授:「おぉぉぉ」
軽部龍授:内なる声に耳を傾ける。前に進むために何時もそうした。それで強くなれた。その自分の言葉を信じている。
軽部龍授:それが自分を増長させるモノであっても!
軽部龍授:俺の技は間違ってなどいない。……俺の強さは間違ってなどいるものか!
軽部龍授:立ち上がり、刀を握り直す。
軽部龍授:「続き……やろうか」
“デモゴルゴン”:「……まだ立つの……!?」
“デモゴルゴン”:倒れ伏した面々の中、自力で立ち上がった剣士を見る。
軽部龍授:「なに、そっちの女に比べれば、まだまだだろうよ」
軽部龍授:「お前の雇った剣士は、腕に間違いなしと言う事だ」
“デモゴルゴン”:「契約はとっくに終わってるんですけどね……!早く解雇させてくださいよ……!」
“サタナキア”:「へっ……ひひ…… まだ……殺せる……」
軽部龍授:「げふ……支払いを済ませてからだ」
軽部龍授:実はこの女の事は嫌いではない。自分に似ている。
軽部龍授:力は才能あるものに使われるべきだ。まさしくそう思う。そして、その通りに行動して、我らは世界に排斥されるのだ。
軽部龍授:何故殺し合ってるのかが分からないので、笑ってしまう。
GM:クリンナップ
GM:戦闘不能になっているキャラクターは、侵蝕率を3D6上昇させてHP1で復活できます。
赤川累:しますー
GM:ただし、出目が6/6/6で意志判定に失敗した場合その時点でシーンから退場となります。
“ガーネット・スター”:ピギュッ
九十八九十九:OK
峯川千墨:ウス 復活します
九十八九十九:3d6
DoubleCross : (3D6) → 11[1,4,6] → 11
峯川千墨:峯川千墨のHPを1(→ 1)に変更 (2 → 1)
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を3D6(→ 7)増加 (156 → 163)
峯川千墨:3d6
DoubleCross : (3D6) → 5[1,1,3] → 5
赤川累:144+3d6
DoubleCross : (144+3D6) → 144+11[4,3,4] → 155
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を11(→ 11)増加 (124 → 135)
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を5(→ 5)増加 (121 → 126)
赤川累:赤川累の侵蝕率を11(→ 11)増加 (144 → 155)
赤川累:赤川累のHPを1(→ 1)に変更 (7 → 1)
エル:「……小夜さん……」
木花小夜:「エル……?」
エル:戦場と化した教会の片隅、エルが肘まで黒い泥に浸してレネゲイドを行使している。
エル:すると、泥の沼に溶けたはずの君の従者が再び形を取り戻す。
木花小夜:「え……!?」
エル:倒れ伏した面々にも再び活力が湧き、意識を取り戻していく。
木花小夜:「エル……!無理しないで……!」
エノク:「そ、そうだよ……!エル、もういいだろ……!」
エル:「エノクは黙ってて!!」
木花小夜:生み出された紅球を、手遊ぶように動かす。元から何もなかったかのように、自在に動く。
エル:「この沼は……レネゲイドそのものですから。不純物を取り除けば、こっちの力として利用できます……」
木花小夜:「……それを、あなたがやっているのね」
エル:「ただ……少しでも油断すれば……“デモゴルゴン”の側に、コントロールを乗っ取られるかも……。どうか、気を抜かないで……」
木花小夜:「これ以上は……」言い淀んで。「ううん」
エル:「小夜さん。私は……あなたに賭けます」
木花小夜:「違うか。私に出来ること……うん」
エル:「誰かに利用されてるわけじゃない……私自身の意思で、あなたの為に戦わせてください」
木花小夜:「なるべく、早く終わらせる。それで」
木花小夜:「一緒に言おう」
木花小夜:「“私たちが、犠牲になる選択を、取らなくてよかった”って」
エル:「……はい……!」
GM:ラウンド2
GM:セットアップから!
赤川累:ないです
軽部龍授:なき!
木花小夜:主従共に《氷の茨》使用します
九十八九十九:なし!
峯川千墨:あっどうしよ
木花小夜:エンゲージを移動して離れた場合7d10のHPロス。
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を6(→ 6)増加 (163 → 169)
峯川千墨:まあ普通にやっていいか……《ルーラー》《絡め取る大地》で
峯川千墨:敵の全ダイスを-6、行動値を-6します
峯川千墨:峯川千墨の侵蝕率を7(→ 7)増加 (126 → 133)
GM:ぐおおお
GM:では行動値14 九十八さんの手番です
九十八九十九:マイナー《クイックモーション》《アサルトルーティン》予備弾倉装填
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を6(→ 6)増加 (135 → 141)
九十八九十九:メジャー《コントロールソート》《原初の赤:ペネトレイト》《コンセントレイト;ノイマン》アンチマテリアルライフルで攻撃。対象はデモゴルゴン
九十八九十九:白土くんの効果も乗せるよ~
GM:判定どうぞ!
九十八九十九:21dx7+4 ガード不可
DoubleCross : (21DX7+4) → 10[1,1,2,2,2,3,4,4,5,5,6,6,6,7,7,7,8,9,9,9,10]+10[2,5,5,7,7,8,10,10]+10[1,1,5,6,7]+10[9]+10[7]+10[7]+4[4]+4 → 68
九十八九十九:跳ねた!
軽部龍授:ヒュー♪
“デモゴルゴン”:《支配の領域》LV6
木花小夜:こいつ
“デモゴルゴン”:3回目の7を1にしま~す
峯川千墨:そんなに銃で撃たれたくないのか
赤川累:それはそうだろ
木花小夜:撃たれたい人居ないでしょ
“デモゴルゴン”:そしてドッジ
九十八九十九:25になるのかな?
峯川千墨:30じゃない?
木花小夜:30じゃない?
赤川累:出目26で固定値4
九十八九十九:30だわ
“デモゴルゴン”:8DX>=30
DoubleCross : (8DX10>=30) → 10[2,2,3,3,3,6,8,10]+7[7] → 17 → 失敗
木花小夜:C11よ!
九十八九十九:どのみち避けられなかったみたいね
GM:ファッキンホイッスルがよ~~~
木花小夜:ピィ~
GM:ダメージどうぞ!
九十八九十九:雷神の槌の効果も使ってダイス+2するよ~
九十八九十九:4d6+40+60+1d6+2d6 装甲無視
DoubleCross : (4D6+40+60+1D6+2D6) → 14[4,5,2,3]+40+60+3[3]+6[2,4] → 123
GM:妖精の手妖精の輪ドッジ拳が笛だけで封殺されてるじゃね~~~か
木花小夜:そんなのあったんだ……
峯川千墨:笛えらすぎ
九十八九十九:九十八九十九の侵蝕率を8(→ 8)増加 (141 → 149)
GM:ペネトレイトまで入れるのやめろ~~~~~
“デモゴルゴン”:かなり瀕死です
九十八九十九:遺産のバックファイアでこっちは倒れます。
九十八九十九:そのまま寝てるよ~
白土夏希:「……長期戦は不利ですね」
白土夏希:広がり続ける影の沼と、息も絶え絶えな九十八に目をやる。
白土夏希:「仕留めます。支部長は下がっていてください」
九十八九十九:「……ん……へへ」朦朧とした目でにやける。
九十八九十九:「頼もしいねえ……」
九十八九十九:「……行ってきな……君ならできる」数歩下がり、瓦礫の上に身を横たえる。
白土夏希:静かに頷く。黒い沼の中を歩み出し、“デモゴルゴン”へと近付いていく。
“デモゴルゴン”:「ああ~~っちょっと!“サタナキア”さん!でっかいのが来てますって!早く起きてくださいよ!」
“サタナキア”:「ぐふ……ひひっ……」
“デモゴルゴン”:「使えないクソ女~~!!」
白土夏希:赤髪の女へと肉薄し、拳を振り被る。ズン、と地響きを立てて踏み込み──
白土夏希:「……らァッ!!」
白土夏希:怒号と共に、砲撃のような拳が叩き込まれる。空気が震え、“デモゴルゴン”の上半身が血飛沫となって弾け飛んだ。
“デモゴルゴン”:「……なぁ~~んて♡」
“デモゴルゴン”:上半身を失った身体が蠢き、肉が一瞬で変形する。
“デモゴルゴン”:触手のようなそれが、一瞬で白土へと絡みつき、関節を拘束する。
白土夏希:「ぐ……ぅっ……!?」
“デモゴルゴン”:「アハハハ!チョロいですね~~」
“デモゴルゴン”:影が白土の身体を這い上がり、耳や口から侵入せんとする。
“デモゴルゴン”:「このまま玩具にしちゃお~♡」
九十八九十九:刹那、上空に光が灯る。
九十八九十九:「ヘラクレス座」
九十八九十九:デモゴルゴンの頭上で炸裂した対物ライフルの弾丸は、破片の一つ一つが幾条もの流星となって飛来し
九十八九十九:白土を締め上げていた女怪の頭を吹き飛ばし、焼き焦がす。
九十八九十九:それは、一度だけでは終わらない。
“デモゴルゴン”:「ぐぁぅっ!?なっ……ぎっ!?」
九十八九十九:"デモゴルゴン"が再び実体を得る度に、残った流星が殺到しその顔面を粉砕する。
“デモゴルゴン”:「ぎゃっ!ちょっ……」再構成しようとする度に撃ち抜かれ、白土から離れて逃げ惑う。
九十八九十九:再生、破壊、再生、破壊。
“デモゴルゴン”:「タイムタイムタイ……ぎぐっ!ぶっ……!」
軽部龍授:「えげつない。人の玩具を取ると言うのが、虎の尾だったか」
木花小夜:「人権認めてあげて……」
九十八九十九:不死身の大蛇を屠ったその星の名の通りに、執拗に女を追い詰めていく。
“デモゴルゴン”:「何よこれ……がっ! あ゛ぁあああ~~~っ!!」
白土夏希:「……支部長……!」
白土夏希:目の前で繰り広げられる攻撃より、それを放つ側の負荷に思い至る。
“デモゴルゴン”:「ゴフッ……ごぶっ……」
九十八九十九:「やぁ~……」
九十八九十九:「あれぇ?メイク変えた?そっちの方が似合ってるよぉ」
“デモゴルゴン”:顔半分を肉塊から再生できないまま、穴だらけの身体からどろどろと血を流す。
“デモゴルゴン”:「ク……ソ……女ァア~~~~ッ……!」
九十八九十九:「そう褒めんなよぉ。……ま、けど」
九十八九十九:ギリギリで支えられていた身体が崩れ落ち、巨大な銃と共に地面に転がる。
九十八九十九:「だぁーめだぁ……やっぱ普段サボってるのが祟ったや……」
白土夏希:「……支部長!」
白土夏希:飛沫を立てながら九十八に駆け寄る。
白土夏希:「また無茶を……!」
九十八九十九:「なに言ってんのさ……一番体張ったのは君だよぉ」
九十八九十九:「私は……君の、正しさを証明してあげるんだから……」
九十八九十九:「自分でも……ちょっとは頑張んないと……信用してもらえないでしょ」
白土夏希:「あなたが無理をして傷付いてまで……証明などされても嬉しくありません!」
九十八九十九:「そっか……じゃあ、後で……喜ばせてあげるよぉ……」
九十八九十九:「こういう戦い方しか……出来ないからさあ、そこは……慣れてもらうってことで……埋め合わせは……」
白土夏希:「……いいから、これ以上は動かないでください」
白土夏希:「補佐役からの命令です」
九十八九十九:「……ん」瞼を閉じて
九十八九十九:「……じゃあ、今度こそ……寝るわ……」
九十八九十九:「みんな~、後よろしく~……」
九十八九十九:振り上げた手が、次の瞬間には力なく落ちた。
木花小夜:「……最後まで立ってるのも」
木花小夜:「指揮官の仕事じゃないんですか……」どこか呆れたように。
木花小夜:「まあ、無理されるよりはいいのかな……」
九十八九十九:デモゴルゴンに 優越感○/嫌悪感でロイスを取得。タイタス化せず倒れます。
GM:行動値12 赤川くんの手番です
赤川累:待機します。
GM:行動値9 従者と軽部くんの手番です
木花小夜:先やるね~
軽部龍授:あいよー!
“ガーネット・スター”:マイナーなし、メジャー『ディサイド・ディーサイド』:《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》
“ガーネット・スター”:対象サタナキア
GM:判定どうぞ!
“ガーネット・スター”:11DX7
DoubleCross : (11DX7) → 10[1,2,4,5,7,7,7,8,9,10,10]+10[1,3,3,5,5,6,9]+5[5] → 25
“サタナキア”:意味ないけどガード《氷盾》LV4
“ガーネット・スター”:命中で8m下に飛ばします 恐怖の一言が4LVになったので
“サタナキア”:飛ばされます
“ガーネット・スター”:主従の氷の茨のライフロスが発生。
木花小夜:わたしから
木花小夜:7d10
DoubleCross : (7D10) → 25[2,1,1,1,6,10,4] → 25
“サタナキア”:HP10しかない!死ぬ!
“サタナキア”:最後の《苦痛のこだま》
木花小夜:まだあった!
“サタナキア”:意志判定で対決 難易度14!これでラスト
木花小夜:また上がってる!
赤川累:こいつ~
軽部龍授:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 8[3,3,4,6,6,8] → 8
軽部龍授:流石にもう失敗か
赤川累:これ戦闘不能者は関係ない?
九十八九十九:倒れてるアタシは対象外かな?
GM:トドメ刺せないのでそうかな
赤川累:はーい
九十八九十九:やった~
峯川千墨:よかった
木花小夜:2dx>=14
DoubleCross : (2DX10>=14) → 10[9,10]+7[7] → 17 → 成功
峯川千墨:5dx>=14
DoubleCross : (5DX10>=14) → 9[3,4,5,6,9] → 9 → 失敗
赤川累:7dx+1>=14 一品で意志
DoubleCross : (7DX10+1>=14) → 8[2,4,5,5,7,8,8]+1 → 9 → 失敗
木花小夜:成功しちゃった
赤川累:無理ち!
木花小夜:じゃあこれ……軽減しきれば
木花小夜:復活できないってことか
赤川累:HP1なので軽減してほしさある
峯川千墨:か、軽部の兄貴……!
GM:やめたまへ
GM:君軽減することなかれ
赤川累:いけますか兄貴
軽部龍授:そりゃあHP1だからね!
軽部龍授:《原初の紫:隆起する大地》139→142
軽部龍授:1D10+21
DoubleCross : (1D10+21) → 1[1]+21 → 22
木花小夜:さすが~
軽部龍授:ダイス目しけたな。22点軽減せよ
GM:クソ~~では蘇生失敗!
赤川累:最高~
峯川千墨:兄貴の軽減は最高ですぜ~!
木花小夜:いえーい
“デモゴルゴン”:《原初の黒:奇跡の雫》LV4
“デモゴルゴン”:HP20で復活させます
木花小夜:あ~っなんてことを……
木花小夜:じゃあ……
木花小夜:従者側のライフロス発生させるね
GM:やめたまへ
“ガーネット・スター”:7d10
DoubleCross : (7D10) → 61[10,10,9,7,9,7,9] → 61
木花小夜:???
峯川千墨:殺意
GM:いっっってぇ!!?!?
九十八九十九:まじかよ
木花小夜:最優の世代
軽部龍授:すっご
“サタナキア”:また死にました
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を4(→ 4)増加 (169 → 173)
木花小夜:ひたひたと滴る血の茨が、死にかけた――否、死んでいるはずの“サタナキア”に絡みつき続けている。
木花小夜:「……」それの生前を思い、一瞬目を瞑る。
木花小夜:すぐに目を開いて。
木花小夜:「……墜ちて」
木花小夜:「……墜ちて、墜ちて、墜ちて、墜ちて、墜ちて」
木花小夜:多重の命令が、彼女をなにもない所へと、ただ、歩ませる。
木花小夜:向かう先には何もない。
木花小夜:ただ、絡みついた茨と、それが呈す冷気が、引き留めようと肉を掴んで離さない。
“サタナキア”:「あ……ぅあ……?」
“デモゴルゴン”:「ちょっと……!何してるんですか!ご主人様はこっちですよ!」
“サタナキア”:「あぁあ……いでえ……あぁ……つべでぇ……」
木花小夜:「墜ちて、墜ちて、墜ちて……」淡々と呟き続けている。
“デモゴルゴン”:「こいつっ……何を……!」
木花小夜:そのたびに、その身が剥がれ、ボロボロと崩れていく。
“サタナキア”:「あぁぁあ~~……」
“デモゴルゴン”:「くっ……!」
“デモゴルゴン”:泥が強制的に“サタナキア”の身体を動かし、爆破物質を起爆させる。
“デモゴルゴン”:黒い泥の下、無数の薔薇が大爆発を巻き起こす。
木花小夜:それを避けようともしない。「墜ちて」
木花小夜:それを凌ぐのは自分の役割ではない。
軽部龍授:「立ち上がったからにはな。刀を振らなければならん」
軽部龍授:呼吸器官が潰された体を無理に動かし、軽く前に跳躍しながら刀を鞘に納める。
軽部龍授:ハヌマーンの超速が幅を利かせるオーヴァードの剣の世界では、自分の"抜き"は居合モドキと成り果てた。
軽部龍授:だが、鍛え上げた技の強度に変わりなく、今から居合と言う技を超えた魔剣を見せる。
軽部龍授:刀が抜かれた。無数の薔薇に走る、無数の白い断線。
軽部龍授:冷気を纏わせた刃が縦横無尽に空間を駆け抜け熱を霧散させた。
北見菫:(何回見ても何やってるか分かんない……)
“デモゴルゴン”:「あぁああっ!こいつらぁっ……!」苛立たしげに顔を歪める。
“デモゴルゴン”:「“サタナキア”ッ!戻れ!戻りなさいっ!」
“デモゴルゴン”:影を“サタナキア”へと集中させ、抉り剥がされた傷を補うように埋め込んでいく。
“デモゴルゴン”:その身体は、もはや元の肌よりも影と同化した部分の方が多いほどだ。
“サタナキア”:「あ……ぉ……お……」
木花小夜:「墜ちて」
木花小夜:傷を埋めた影ごと、徐々に凍りついて、その稼働を困難としていく。
木花小夜:かつて、“アルマンディン”だった頃の、大火力による一気の燼滅ではなし得ない、今の力の強み。
木花小夜:継続性。持続的な凍結による後遺症は、再生の奇跡を否定する。
木花小夜:故にこの技を、神殺しと。そう呼んだ。
“サタナキア”:「が……ぎ……」
“サタナキア”:泥めいた影ごと、次第にその肉体が白く凍り付いていく。
“デモゴルゴン”:「ぐぅううっ……!こいつっ……!!」
木花小夜:「これ以上、あなたに使わせない」
木花小夜:「あとはあなただけ。続ける?それとも逃げる?」
“デモゴルゴン”:「ふざけるんじゃないですよ……!逃げる?何を馬鹿なことを……!」
軽部龍授:(ギリギリの身体で良くも堂々としたものだ。やせ我慢が言えるのは強いな)
“デモゴルゴン”:「私が奪う!あなた達が奪われる……!」
木花小夜:「これ以上は……何も奪わせないから」
木花小夜:「奪わせないもん!」
“デモゴルゴン”:「いいえ!既に決まっているんですよ!命も!尊厳も!何もかも絞りつくしてやる……!!」
木花小夜:「やだ!」
“デモゴルゴン”:「やだじゃないっ!!」
軽部龍授:「さっきまで口で勝っていたのに、何故負けそうになっているのだ」
GM:行動値9 軽部くんの手番です
軽部龍授:マイナーでデモゴルゴンに接敵します。
軽部龍授:メジャー:《コンセントレント:エグザイル》《貪欲なる拳》《爪剣》ドッジダイス-1
軽部龍授:攻撃します。
軽部龍授:14dx7+3
DoubleCross : (14DX7+3) → 10[1,2,3,3,3,4,5,5,5,6,6,6,8,8]+10[9,10]+10[8,10]+10[4,7]+10[7]+3[3]+3 → 56
“デモゴルゴン”:《支配の領域》LV6
“デモゴルゴン”:4回目の7を1に
軽部龍授:じゃあ37だ。142→150
“デモゴルゴン”:ドッジしますが不可!
GM:ダメージどうぞ!
軽部龍授:4D6+6+14+10+3
DoubleCross : (4D6+6+14+10+3) → 11[5,4,1,1]+6+14+10+3 → 44
“デモゴルゴン”:装甲で減らしても1点足りない……!
“デモゴルゴン”:死ぬので《虚無への回帰》LV4
“デモゴルゴン”:ダメージを0にします
軽部龍授:「貴様は、俺に似ているな。仲間がいない。奪った力を我が物顔に振るう。先の事など考えない」
軽部龍授:泥の中を居合腰のまま、歩きながら声をかける。
“デモゴルゴン”:「一緒に……一緒にするんじゃありませんよ……!」
“デモゴルゴン”:「私はこの先、世界を手に入れます!世界中から何もかもを奪いつくして、最高の時間を送るんです!」
“デモゴルゴン”:「礼を言いますよ……!あなた達搾取される側のお陰で、私たちは豊かで優雅な人生を生きられるんですから!」
軽部龍授:「そうか。すまんな。それはさせんが、俺も同じだった。この先、剣の全てを手に入れる。何もかも技も位も奪いつくし、最高の剣士になる。そう思っている」
軽部龍授:「違いと言えば、貴様は弱者を搾取するが、俺は庇護する程度だったか。奇縁とは思うが、悪く思うな」
軽部龍授:「俺の奪った力で、貴様が奪った力を凌駕する」
軽部龍授:間合いだ。柄に手がかかる。
軽部龍授:「フッ…ならば、見るか。佐伯の技を進化させた、この軽部龍授の"魔剣"の舞を」
軽部龍授:鞘から抜き放たれた刀は一瞬たりとも動きを止めず、抜きざまに斜め下から斬り上げ、袈裟懸けに斬り下ろし、水平に薙ぐ。
軽部龍授:斬撃から次の斬撃へと継ぎ目のない滑らかで複雑な剣の軌道。その要諦は肉体の動かし方だ。
軽部龍授:人間にはどうしても筋肉の伸縮範囲、それを支える骨の硬度、関節の可動限界がある為、どのような達人であっても動きは制限される。
軽部龍授:音に聞こえし佐伯一刀流であっても、人間が作り、人間が行使する流派である以上それは例外ではない。
軽部龍授:だが、彼は違った。
軽部龍授:手首や肘、肩、股関節等の可動域を完全に無視して、関節とは関係の無い箇所を動かしているのだ。
軽部龍授:関節を無視した動きは、最早、平然と人体の構造を無視している。
軽部龍授:人間の肉体可動範囲を前提としていない、そのような者の力で駆使する剣の絶技。
軽部龍授:肉体を効率的に使役する人間の生み出した剣術の極理に、超人の理外が融合した、一個人にしか使えない特異な技術の仇花。
軽部龍授:故に彼の剣は"魔剣"だった。
“デモゴルゴン”:「……あっ……!?」
“デモゴルゴン”:剣閃が走る。胴体が真っ二つに切り裂かれ、ぐらりと身体が揺れる。
“デモゴルゴン”:「がっ……ふっ……」
“デモゴルゴン”:「……ふざっ…………けんなぁっ!!」
“デモゴルゴン”:身体が泣き別れになる寸前、切断面に影が流れ込み、傷を繋ぎ止める。
“デモゴルゴン”:「はぁっ……はぁっ……はあぁああっ……!」
軽部龍授:「この期に及んで、良くも続ける。見上げたものだ」
軽部龍授:微かに憐れむ。
軽部龍授:そうされたくないと思ったからだ。
“デモゴルゴン”:「許さない……!こんな……子供が……!何も無いくせに……私の邪魔をするなっ……!」
峯川千墨:(……すっかり軽口がナリ潜めやがって)
峯川千墨:後方、もはや霜と泥の堆積物でしかない“サタナキア”を一瞥する。(無理もねェが。……まったくおっとろしい連中だよ)
軽部龍授:「強者ならば、弱者を退かせろ。そういう生き方をしてきただろう」
軽部龍授:「今までと何も変わらんよ」
GM:行動値7 “デモゴルゴン”の手番です
“デモゴルゴン”:マイナー 《原初の青:影走り》LV6+《縮地》LV4
木花小夜:あっこいつ縮地なんてあるの
木花小夜:折角14m離したのに
“デモゴルゴン”:こんなこともあろうかと
木花小夜:そんな……
峯川千墨:小夜ちゃんにビビってたってわけね
“デモゴルゴン”:サタナキアにエンゲージ、メジャー《世界樹の葉》LV6 戦闘不能を回復
GM:イニシアチブ
“プルフラス”:《極大消滅波》LV2
木花小夜:プルち!?
峯川千墨:!?
赤川累:おお
“プルフラス”:対象サタナキアとデモゴルゴン
軽部龍授:うお。なんと!
軽部龍授:反逆の牙!
峯川千墨:プルち……
“プルフラス”:4D10 ダメージ
DoubleCross : (4D10) → 23[5,8,1,9] → 23
GM:クソッこいつ!
“サタナキア”:死にます
“デモゴルゴン”:HP0 《蘇生復活》
“デモゴルゴン”:「ここまで……散々……苦労して……」
“デモゴルゴン”:「ヘレヴも……東の民も……傭兵も……イスラムも……UGNも……!全部出し抜いてきたっていうのに……!」
“デモゴルゴン”:「こんな……こんなところで……!やられてたまるかって言うのよ……!!」
“デモゴルゴン”:周囲に広がる巨大な沼が、“サタナキア”へと急速に収束、吸収されていく。
“サタナキア”:「ごぼっ……!?げぶっ……ぼ……」
“サタナキア”:最早その身体は人のシルエットを保てず、影を詰め込まれて見る間にぶくぶくと肥大化していく。
“デモゴルゴン”:「ありったけ……影を全部火薬物質に変えてやる……!」
“デモゴルゴン”:「『蛇』とある私はともかく……!あなた達はチリも残らないわよ……!!」
木花小夜:「まだあんな手段を……!」
北見菫:「まずくないですか、あれ……!」
軽部龍授:「ちっ、俺のところまで下がれ、お前ら」
“プルフラス”:「あぁあああ……うわぁあああぁああっ!!」
“プルフラス”:その時、弱々しい叫び声と共に“プルフラス”が飛び出す。
木花小夜:「えっ……!?」
峯川千墨:「……アァ!?」
赤川累:「なっ……」予想しなかった眼の前の状況に絶句する。
“プルフラス”:少女の身体から噴き出した血が、牙のように“サタナキア”へと突き刺さり喰らい付く。
“デモゴルゴン”:「な……!?」
峯川千墨:「何してる、死ぬぞ!」
“プルフラス”:「私だって……!私だって……!!」ぼろぼろと涙を零しながら、“サタナキア”を抑え込む。
“プルフラス”:「うぁああっ!!死ね!!クソ女!!死んじゃえぇえっ!!」
“サタナキア”:「が……で……べ……」
“プルフラス”:「鏖せ……“プルフラス”っ!!」
“プルフラス”:“プルフラス”から放たれるレネゲイドの性質が変化する。その身から噴き出した血が燃え上がり、炎上した血液が一気に“サタナキア”へと流れ込む。
“デモゴルゴン”:「やばっ……!」
“サタナキア”:「が……」
GM:“サタナキア”の内部で生成された爆破物質が引火、教会の天井まで膨れ上がった身体が、大爆発を起こす。
“デモゴルゴン”:「うあぁぁあっ!!」
GM:凄まじい爆風に巻き込まれ、間近に居た“デモゴルゴン”と“プルフラス”が吹き飛ばされる。
“プルフラス”:「ぎっ!う……!ぐぅううぅうっ……!」
“プルフラス”:這いつくばり、焼け焦げた身体で必死に叫ぶ。
“プルフラス”:「倒してください!あいつを……あいつをっ!!」
“デモゴルゴン”:「こ……の……クソガキ……!」
峯川千墨:「……とんでもねェ奴だ。建物とか壊すと怒られんだぞ」爆風に髪を煽られながら唖然として。
峯川千墨:すぐに笑う。「でもすげェ良いよ。後でパンケーキ奢ってやる」
“デモゴルゴン”:「付けあがるのも……いい加減にしなさいよ……!!」
“デモゴルゴン”:爆風で焼け爛れた顔に、激怒の表情を浮かべる。
GM:行動値6 木花さん、峯川さんの手番です
木花小夜:どうする~?
峯川千墨:こちらは攻撃しても通りそうになくてどうしようというところ……
峯川千墨:小夜ちゃんもいいかげん侵蝕ヤバよね
木花小夜:このラウンドの攻撃が最後かな~とは
木花小夜:じゃあ……行きます ラスアタを
峯川千墨:がんばって……!
木花小夜:マイナーでデモゴルゴンのエンゲージに移動
木花小夜:メジャー《恐怖の一言》 対象デモゴルゴン
GM:判定どうぞ!
木花小夜:9dX+5
DoubleCross : (9DX10+5) → 10[2,3,6,7,8,9,9,9,10]+4[4]+5 → 19
“デモゴルゴン”:ドッジ 不可
木花小夜:命中でみんなのエンゲージに突っ込ませて
木花小夜:《氷の茨》のライフロスを発生させます。
木花小夜:7d10
DoubleCross : (7D10) → 44[7,4,3,10,9,3,8] → 44
木花小夜:がんばった
“デモゴルゴン”:HP0
“デモゴルゴン”:復活エフェクトはありません。
GM:戦闘終了です。
木花小夜:やった~!
峯川千墨:終わった……
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を2(→ 2)増加 (173 → 175)
九十八九十九:やったね~
木花小夜:つかつかと、爆風の痕を進む。
木花小夜:手には小さな茨の塊。それが手のひらに巻き付いている。
木花小夜:既に十分以上に血を使いすぎている。ほとんど出し切ることが出来ない。
木花小夜:「もう……終わりにする」ふらつきながら進む。
木花小夜:「終わりにしないと、いけない」
木花小夜:拳を握りしめる。ギチギチと棘が手のひらに食い込み、血が溢れる。
木花小夜:「……係いで」それは自分への命令。溢れた血を集めさせ、拳の一点に凝集する。
木花小夜:「ここまで。ここまで来た」
木花小夜:「ここまで来れた」
“デモゴルゴン”:「させませんよ……!終わりになんて……!」
“デモゴルゴン”:「これはこれまで続いてきて……ここから始まり……永遠に続くもの……!」
木花小夜:満身創痍の皆を見る。
木花小夜:祈りを捧げるエルを思う。
木花小夜:ここまでに倒れた仲間を想う。
木花小夜:ここまでに、倒してきた人たちを顧みる。
木花小夜:助けに来てくれた、何よりも大事な、その灯を。
“デモゴルゴン”:「もう二度と……奪われる側になど回るものか……!」
“デモゴルゴン”:「あなたもそうでしょう!誰かから奪い、搾取し、打ち倒すことで生き延びてきた……!」
木花小夜:「……うん。もしかしたら、あなたのその思いは」
木花小夜:「誰にも、否定しきれないものかもしれないと思う」
木花小夜:「だけど、私の言うことは、最初から変わってない」
木花小夜:「掲げる正義が、いくらそれ自体に価値があるようなものでも」
木花小夜:「やり方を間違えてるなら、それを否定する」
木花小夜:「それを否定するやり方だって、これは」拳を握って。「これは正しくないかもしれない」
木花小夜:「だけど……今は」
木花小夜:「これが正しいと信じる」
木花小夜:拳を振りかぶる。
木花小夜:「絶って!」強制的な、駆動の励起。それは己への聖句。
木花小夜:そのまま、立ちはだかるものを殴り抜く。
“デモゴルゴン”:「がっ……は……!」
“デモゴルゴン”:衝撃と共に、身に纏った影が剥がれ落ちていく。沼のように広がっていた領域が霧散していく。
“デモゴルゴン”:尾を喰らう蛇──輪廻の象徴たるその力が、消滅していく。
木花小夜:「はあっ、はあっ……!」
“デモゴルゴン”:「嘘……嘘……」
“デモゴルゴン”:「こんな……どうして、こんな……」
“デモゴルゴン”:「私の番なのにっ……!私が奪う番なのに……!こんな……!」
“サタナキア”:「…………」『蛇』の力を失い、完全な肉片となって崩れ落ちる。
“デモゴルゴン”:「……こん……な…………」
“デモゴルゴン”:「……………………」
GM:黒い影は完全に消え去り、後にはただ茫然自失となった“デモゴルゴン”だけが残る。
エル:「……小夜さん……!」
軽部龍授:「……終わったか」
軽部龍授:“デモゴルゴン”のもとまで歩いていく。
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「終わったんだと……思う」
軽部龍授:「そうか。ならば落とし前をつけよう」
軽部龍授:“デモゴルゴン”に向けて刀を振りかぶる。
峯川千墨:「……」黙ってそれを見る。こちらは止めない。
木花小夜:「えっ」
“デモゴルゴン”:「……」
“デモゴルゴン”:抵抗する様子もなく、ただぼんやりとそれを見ている。
軽部龍授:「痛みはない」
軽部龍授:“デモゴルゴン”に向けて刃が振り下ろされ………。
軽部龍授:「……」
軽部龍授:その長い髪がバッサリ落ちる。
“デモゴルゴン”:「……?」
軽部龍授:「……命は奪った。後はUGNがやれ」
軽部龍授:「良くやったな。木花」
峯川千墨:「……アーァ」ぼりぼりと頭を掻く。
峯川千墨:「ちょっとだけ期待したんだけどなァ」
赤川累:「……まあ、そういう奴だよな。君は」初めから殺すとは思っていなかったので止めなかった。
軽部龍授:「フッ…頸の骨は堅い。刀が痛む」
木花小夜:「そこなの……」
赤川累:「実際、"蛇"の事もある。こいつの身体を調べれば、復元する手立てが見つかるかもしれない」
木花小夜:「うん……」赤川くんに同意しながらも、キョロキョロとしている。
軽部龍授:「なにしろ、前金を貰っていないのでな。折れたら事だ」軽く笑う。
“プルフラス”:「……お、終わったんですか…… 本当に……?」
峯川千墨:「まァ終わりで良いんだよなァ?」
峯川千墨:倒れ伏した支部長を見る。「誰が号令出すんだこういう時」
“プルフラス”:ぼろぼろと、静かに涙を流している。
白土夏希:「……終わりましたよ、支部長」
九十八九十九:「んぇ~……?」白土の腕の中で寝息を立てている。
九十八九十九:「あと30分……」
白土夏希:「……」嘆息して「今は寝かせておいてあげましょう」
木花小夜:「……ごめん。ここ、みんなに預けてもいいかな」
北見菫:「あっ……彼氏さん?」
木花小夜:コクリと頷く。
白土夏希:「そうですね。あの数が相手では、流石に……」
赤川累:「なら、動ける全員で救援に行った方が……」
軽部龍授:「その必要もあるまい」
風花春悠:「……」
風花春悠:教会の入り口に、異形の怪物が姿を現す。
木花小夜:「あっ」
峯川千墨:「…………」微妙に背筋を伸ばす。
木花小夜:「春悠……!」
風花春悠:一目しただけでは分かりづらいが、その装甲はあちこち傷付き、負傷の痕が刻まれている。激しい戦闘だったのだろう。
赤川累:「……本当に一人でやったのか」
風花春悠:「……なるべく、急いで来たんだが……」
風花春悠:「終わったのか、もう」
木花小夜:「……うん。終わった。終わったよ」
北見菫:「ホントにあれ彼氏なんですか……?」峯川さんにひそひそ話す
峯川千墨:「そう言ってんだからそうなんだろ……」ひそひそと返す。
峯川千墨:「正直アタシはサヨ子を見直したわ」
木花小夜:とてとてと、異形の装甲のもとに寄って。
木花小夜:ぴたりと寄り添う。「春悠も、無事で良かった」
風花春悠:「……」傷だらけのその身体を見下ろして。
風花春悠:外骨格に覆われた、ごつごつとした堅い手で頭を撫でる。
風花春悠:無茶をしたのは互いに同じだ。今はただその健闘を称賛する。
風花春悠:「……頑張ったな、小夜」
木花小夜:「うん。うん」目を閉じる。「うん……」
峯川千墨:畏怖の混じった目で見ている。
北見菫:「あれとデートとかしてるんですか……?」小声
峯川千墨:「……分からん……」
エル:「恋バナ……?」
軽部龍授:「俺はあれは獣化の類だと思ったが、どうやら違うようだ」未だに変身を解かない理由がないからだ。
軽部龍授:まさか、二人とも浮かれていて、そういう事が頭から飛んでる訳ではあるまい。
赤川累:「まあ……オーヴァードと共存するというのは、そういう多様性を受容するという事でもあるからな」
赤川累:「峯川さんの言うように、見直す……という訳じゃないが。尊重されるべき事だ」
白土夏希:(多分違うと思うが……いい雰囲気だし黙っておくか……)
九十八九十九:「……うへへ……」その内心に相槌するように、涎を垂らして笑った。
GM:信仰と思想、民族と組織、神と人。
GM:折り重なった濁流、憎悪と怨恨の只中で、幼子たちは血を流す。
GM:それは世界を構成する、連綿と続く無数の輪。されどその一つは今、君達の手で断ち切られた。
GM:昨日と同じ今日が、その輪の中にあったとしても──
GM:今日と違う明日は、どこか違う道へと繋がるのかもしれない。
GM:バックトラックです
GM:Eロイスはこちら
Eロイス
“ネフィリム”
《孤独の叫び》
『蛇』
《無限を継ぐ者》
《虚実崩壊》
《超越活性》
《超越活性》
“サタナキア”
《苦痛のこだま》
《苦痛のこだま》
《苦痛のこだま》
《サディスティック10》
《囚人の鳥籠》
“デモゴルゴン”(蛇)
《虚実崩壊》
《超越活性》
《破滅の足音》
《唯我独尊》
《破滅の足音》
《唯我独尊》
《破滅の足音》
GM:17個です。振りたくば振りなさいな!
軽部龍授:150-17d10
DoubleCross : (150-17D10) → 150-88[5,7,3,5,9,2,7,9,10,2,9,1,7,2,6,1,3] → 62
木花小夜:いっぱいある!
峯川千墨:ほええ
木花小夜:当然振ります
峯川千墨:もちろん振る!
九十八九十九:ふるわよ!
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を17d10(→ 101)減少 (175 → 74)
赤川累:振らないやつは自殺志願者!
九十八九十九:149-17d10
DoubleCross : (149-17D10) → 149-87[8,2,3,7,9,3,6,6,5,6,3,1,3,7,6,6,6] → 62
赤川累:155-17d10
DoubleCross : (155-17D10) → 155-100[3,9,5,6,3,8,8,8,9,7,5,4,7,6,2,1,9] → 55
峯川千墨:133-17d10
DoubleCross : (133-17D10) → 133-96[9,10,5,8,8,2,5,1,5,8,3,2,7,8,8,4,3] → 37
軽部龍授:62-3d10
DoubleCross : (62-3D10) → 62-18[7,7,4] → 44
赤川累:けっこう上振れたな…
木花小夜:もう帰ってる 2倍で振ります
赤川累:2倍で振ります 3個
九十八九十九:倍ふりしよ
赤川累:55-6d10
DoubleCross : (55-6D10) → 55-29[3,6,4,5,6,5] → 26
峯川千墨:2倍で振ろ~ 残ロイス3です
九十八九十九:62-6d10
DoubleCross : (62-6D10) → 62-28[8,1,2,7,4,6] → 34
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を8d10(→ 49)減少 (74 → 25)
赤川累:初期より低いくらいになって戻ってきた
軽部龍授:3点です。
峯川千墨:37-6d10
DoubleCross : (37-6D10) → 37-35[2,2,9,6,9,7] → 2
九十八九十九:3点!
木花小夜:3点です!
木花小夜:2すご
赤川累:3点です
峯川千墨:人間には戻れなかった
峯川千墨:3点!
GM:いつもの5点、シナリオ10点
GM:Dロイスは4つ
Dロイス
“霹靂殺手”
《亜純血》
“ネフィリム”
《屍人》
“デモゴルゴン”
《亜純血》
『蛇』
《古代種》
木花小夜:2亜純血だったんだ
GM:Eと合わせて21、合計36点にそれぞれ侵蝕点を加えてください
赤川累:39
木花小夜:39点です!
九十八九十九:39点!
軽部龍授:39点です。
峯川千墨:39点~
GM:では全員39点食べな!
赤川累:多いから半分タッパーに入れとこ
九十八九十九:ムシャムシャ
峯川千墨:バクバク
GM:というわけで全員無事帰還!お疲れさまでした!!
木花小夜:わ~い ガネちゃんと分けます
木花小夜:お疲れ様でした!帰れてよかった~
赤川累:お疲れ様~~
軽部龍授:GMも戦闘の膨大な処理お疲れさまでした!
九十八九十九:お疲れ様でした~!
軽部龍授:楽しかったです!
峯川千墨:お疲れ様でした~ マジでガッツリやらせていただきました
【ED/合同】
九霄市 焼肉店『ゆ~かりすと』
GM:事件から数日。様々な後処理に追われる中、君達はささやかな打ち上げと舞浜の退院祝いを兼ね、彼女の希望で市内の焼き肉店を訪れていた。
GM:テーブルごとに区切られた半個室の店内、網の下で炭火が燻っている。
舞浜ちよ:「いや~死ぬかと思ったよ~」
舞浜ちよ:すっかり元気になった様子でテーブルについている。襟からナプキンを下げた姿は女児にしか見えない。
峯川千墨:「マジ心配しました」
軽部龍授:「相手がサディストで助かったと言うべきか。いや、災難だったな」
赤川累:「すみません、こちらのフォローが遅れたせいで……」
赤川累:そういう自分も右腕にギプスを巻いている。遺産の超過稼働のダメージが残っているらしい。
“プルフラス”:「っす…… すいません……」
“プルフラス”:隅の方で縮こまっている。
木花小夜:「いやでも、こうして戻ってこれて本当良かったです」
舞浜ちよ:「そうそう。こうして無事だし、気にしないで~」
九十八九十九:「や~、ホント。後遺症も無くて一安心だねえ」
九十八九十九:制服の下からは首に巻かれた包帯が除く。新調した眼鏡をくいと上げて
舞浜ちよ:「病院食ってちょ~味薄いんだもん。お寿司より焼肉食べたくなっちゃったよ~」
木花小夜:「それでお肉だったんですね」納得する。
軽部龍授:「わからんでもないがね。その気持ちは」
九十八九十九:「私は蟹道楽でもいいよって言ったんだけどねえ」
木花小夜:「この人本当に蟹しか食べないんですか?」
赤川累:「支部長は随分とお好きなんですね、蟹」
白土夏希:「大丈夫なんですか?この人数……予算の方は……」
軽部龍授:「焼肉食べたいと言ってる人間に、蟹道楽でいいよ。フッ…ただの我儘だ」
峯川千墨:「すっかり元通りで何よりッス。あん時はさすがに心臓止まるかと……」
峯川千墨:「……あ、ハツ食いてえな。頼も」
軽部龍授:「焼肉屋ではあるが、シーフードも豊富だな。鮑も伊勢エビもあるぞ。お。焼き雲丹」
『蛇』:「エル、何頼む?野菜もちゃんと食べなきゃダメよ」
エル:「ええと……」日本語が難しいらしくメニューを睨んでいる
『蛇』:「いや~死ぬかと思ったわよね~」
木花小夜:「しかし……」
木花小夜:「本当にしれっと無事だったね……」
『蛇』:「私ももうダメかと思ったけど……頑張ったら行けたわ」
赤川累:「ふわっとしてる……」
九十八九十九:「だーから言ったじゃん。わりとなんとかなるって」
軽部龍授:「泥が爆発で吹き飛んだ時、一欠片程物陰にでも張り付いてたとかだろうよ」
軽部龍授:「後味が良ければそれに越したことはないが」
赤川累:「ああ、そうやって幸せそうにしてるなら頑張った甲斐はあったさ」
『蛇』:「むしろ溜まりに溜まったのがスッキリして爽快な感じよ。久々に身軽~」
木花小夜:「そんなデトックスみたいに……あ、ね、それで」
木花小夜:「エルは大丈夫なの?」
エル:「あ……はい。多分……」
『蛇』:「私……『蛇』の契約はもう完全に消えてるから、悪影響もないはずよ」
木花小夜:「大事なとこなのに~~~」
木花小夜:「多分って!」
九十八九十九:「まー、その辺はおいおい検査受けてもらえばハッキリするよお」
赤川累:「最低限の検査は問題なかったからここにいる訳だしな」
軽部龍授:(そう言えば、納豆がないな。流石に。腐った豆……)
軽部龍授:メニューを見回し、会話を聞きつつ。
軽部龍授:「東の民はこれからどうなるんだ?」
白土夏希:「上の判断待ち……という状態だそうです。追って支部長に連絡があるかと」
木花小夜:「上手くいくといいな……」
赤川累:(……まあ、ここですぐに決められるなら手紙の時に揉めてないよな)
九十八九十九:「ま、悪いようにはなんないでしょ~。馴染んでもらうのに時間はかかるだろうけどね」
九十八九十九:「ほれほれ、みんなも遠慮なく頼みな~~~」
軽部龍授:「あのエノクとかいう奴。剣の振り方が成っていなかった。3日ばかり、指導してやりたい」
軽部龍授:「などと言う冗談も言えるわけだ。良かったじゃないか。取りあえず」
エル:「え、エノクはあんまり……そういう子じゃないので……」
北見菫:「え~、でも彼氏だったら頼りがいあるほうがよくない?」
北見菫:「ネギ塩牛タンと……上ハラミもかな……」
赤川累:「君はそう思ってても、本人はどうだろうな」
軽部龍授:「そうだな。これから守ってもらうのであれば、強さはあるに越したことはあるまい」
軽部龍授:「フッ…しかし、やはり事件が解決すると気前が良い。男3人予算2000円のラーメン屋台とは桁が文字通り違うものだ」
木花小夜:「頼りがいはある方が嬉しいけど……」
エル:「うーん……それはそうかもですけど……」
北見菫:「頼りがい……」大学で見た怪物のことを思い出している
木花小夜:「でも無理してほしくはなくないですか」野菜の盛り合わせを頼んでいる。あと鶏肉。
峯川千墨:先に届いた分を焼き始めている。
赤川累:「自分の想い人の危機に何もできなかったという経験は、それなりに堪えると思うぞ。あの年頃の男子にとっては」
赤川累:「案外、向こうから軽部に稽古をつけてもらいたいとか言ってくるのかもしれない」
峯川千墨:「そういやあの剣どうすんの?」
峯川千墨:「盗まれたモンとは言え曲がりなりにも適合しちまったんだろ」
峯川千墨:「取り上げたりできんのか?」
九十八九十九:「う~ん、無理やり契約解除させんのも中々リスクでかいからねえ」
木花小夜:「あっそうか……」
白土夏希:「そちらも協議中だそうです。東の民がUGNの預かりになるなら、然程問題はないのでしょうが……」
木花小夜:「それが保護に有利に働かないかな……」
赤川累:「まあ、そうそう放り出すような事はしないでしょうね」
北見菫:「じゃあやっぱり訓練してもらわなきゃじゃない」
軽部龍授:「俺は人を教えるのは得意ではある。師範代ではあったからな」タン塩を食べつつ、そんな事を言い。「聖剣、妖刀の類は道具の癖に面倒なものだ」
エル:「う、う~ん……」
木花小夜:「イヤなのはすごい分かるけどねエルとしては……」
『蛇』:「私もあの剣ヤダ~」
木花小夜:「まだイヤなの?」
『蛇』:「あっ、どうだろ?今見たらそんなでもないかも」
赤川累:「確かに、ジャームの力を否定する遺産だからな。今の"蛇"は、それをほとんど履き尽くした状態だ」
赤川累:ギプスを巻いていない左手だけでちまちまと器用にロースを食べている。
峯川千墨:「逆に変わってなかったら笑えねェよ」
白土夏希:トングを小まめに動かし、甲斐甲斐しく全員分の肉を焼いている。
北見菫:与えられるのが当然というように肉を享受している
峯川千墨:「あっこれ焼けてんな。先輩どうぞ」
舞浜ちよ:「ありがと~。おいしいねえ」
舞浜ちよ:白米を沢山食べている
軽部龍授:「九十九、焼き雲丹頼むぞ。いいな。いや、頼むがね」
九十八九十九:「だいじょーぶ。さっき頼んだよ~」
九十八九十九:「こらこら~、デッカイ身体してんだから気ぃ使ってないでどんどん食いな~」白土に焼き海老を大量によそう。
白土夏希:「あっ……どうも……」大量の海老を前に困惑している
軽部龍授:「大吟醸があるな」
軽部龍授:「舞浜、お前の名義で頼めないか?」
木花小夜:「大吟醸ってなに?」
赤川累:「酒の名前だろ」
舞浜ちよ:「も~、軽部くん未成年でしょ!そういうのはダメ~~」
赤川累:「舞浜さん達の前でよく堂々と言えるもんだな」
赤川累:嫌味というよりは素直に感心している。
木花小夜:「というか舞浜先輩名義のほうが通らなさそう」
軽部龍授:「ヤクザ屋さんは、気前よくOKが出るのだが、やはりUGNは真面目な事だ。その点だけは向こうの方が良いかもしれん」
木花小夜:野菜を鶏肉をちまちま焼いている。火が通るのが遅い。
峯川千墨:「テメエも食え」自分が焼いた肉は先輩に献上して白土くんが焼いた分をプルフラスの皿に積み上げている。
“プルフラス”:「アッス……は……はい……いただきます……」
“プルフラス”:申し訳なさそうにもそもそ食べている
峯川千墨:「野菜も食えよ。食わねえと焦げっからな」
舞浜ちよ:「プルフラスちゃん細っこくて心配だよ~。もっと食べな~」
舞浜ちよ:自分に渡された肉をプルフラスにロンダリングしている
峯川千墨:(アタシが先輩に焼いた肉なのに……)
軽部龍授:カルビにレモンかけながら、雲丹が焼き上がるのを待つ。
白土夏希:「すみません、注文追加で……それと網の交換もお願いします」
白土夏希:店員に声を掛けつつ、大量の海老が見る間に胃の中に消えていく。
軽部龍授:「しかし、まあ、勢力が出過ぎたので、事の顛末は結局どうなるんだ?の部分が複雑だな」
峯川千墨:「つっても東の民どもはひとまず大人しくしてんだろ」
九十八九十九:「そっちは上の決を待つとして、へレヴとはちゃんと落とし前をつけとかなきゃだねえ」
峯川千墨:「クソ女どもも潰れたし、あと拘りそうなのはそっちか」
木花小夜:「だとしても、浮いている状態ならまだしも……」
木花小夜:「我々が完全に確保したものを、取り戻しに来るまではしないんじゃないでしょうか」
軽部龍授:「雲丹美味っ。クソ、酒が欲しい」
北見菫:「そんな普段から飲んでるの……?」
木花小夜:「日常的に飲んでる人の発言……」
軽部龍授:「たまにだぞ。仕事後とかな」
赤川累:「そんなに美味いものなのか、あれって」
木花小夜:「どうなんですか」舞浜先輩に聞く。他に成人が居ないので。
舞浜ちよ:「美味しいよ~。ちゃんと節度を持って飲まなきゃだけどね」
舞浜ちよ:「今日は運転するから我慢します」腕でバッテンを作る
峯川千墨:「エェ~? せっかく先輩の快気祝いなのに遠慮いらねッスよ」
木花小夜:「あっそうですよ。代行運転とかありますし……」
軽部龍授:「フッ、木花の運転が見事だったからな」
峯川千墨:「運転はサヨ子の丸いのが何とかできるって分かったし」
舞浜ちよ:「そうなの!?」
舞浜ちよ:「じゃあ頼んじゃお。ビールビール!」
木花小夜:「あれは普通に公道でやれないからね……?」
木花小夜:「でも免許欲しいな~とは思いました」
木花小夜:「教習所行こうかな……時間取れるかな」
峯川千墨:「普通に困ったからな今回。超人どもがこんだけ雁首揃えてんのに」
軽部龍授:「あの彼氏では、運転は無理だろうしな」
軽部龍授:ハンドルを握ると燃え尽きるだろう。と思っている。
木花小夜:「未成年が多すぎるよね……」
木花小夜:「え?まあ免許は持ってないけど……」
峯川千墨:「アタシも行こうかなァ~」
赤川累:「そうだな……多少なら運転はこなせるつもりでいたけど。あそこまでのドライビングテクニックを求められるとは思わなかった」
木花小夜:「普通の運転じゃ求められないと思うけど……」
九十八九十九:「みんななら余裕だよ~、私でも仮免取れるんだもん」
木花小夜:「たしかにそれを聞くと安心できますね」
北見菫:「そうですか……?」
北見菫:「怖くないですか?九十八支部長が公道走ってるの……」
軽部龍授:「むしろ、本試験はどうした?」
九十八九十九:「やー、筆記試験で2回落ちちゃってまだ受けてない」
木花小夜:「……」
白土夏希:「支部長……」
『蛇』:「轢かれても隠蔽とかされそう」
赤川累:「え……そんなに難しいんですか?あれ」
九十八九十九:「なんかあの問題性格悪くない?人間的に合わないと思う。道路交通法を作ったヤツと」
木花小夜:「支部長に言われるほどなんですか……!?」
白土夏希:「皆さんそこまで言わなくても……」
峯川千墨:「免許の筆記て難しいんスか」先輩に聞く。
舞浜ちよ:「う~ん……そうだね。悪意は感じる」
木花小夜:「相当なんだ……」
赤川累:「なんで試験受けるだけで顔の見えない相手と喧嘩してるんですか……」
軽部龍授:「……そうだな。8割は受かると聞き、試験は仮免取って6か月の間、毎日再挑戦できる。とかだった気がしたが」
舞浜ちよ:「てか、聞いたんだけど!」
峯川千墨:「どしたんス」
木花小夜:「何をですか」
舞浜ちよ:「現場に小夜ちゃんの彼氏来たらしいじゃない、例の!どうだった?」
峯川千墨:「ああ…………」
木花小夜:「来ましたけど……」
木花小夜:鶏肉をもそもそ食べている。
軽部龍授:「フッ…」
赤川累:「どうというと……まあ。とても頼もしかったですね」
赤川累:もそもそとユッケを食べながら。
峯川千墨:「……だな。貫禄はすげェあった」
北見菫:「ていうか……私はちょっと怖かったかも……」
九十八九十九:「すごかったよ~。敵のデカブツをちぎっては投げちぎっては投げ」
軽部龍授:「煙と炎を吹き出しながら、鉄の巨体を骨の武器で貫いていた」
舞浜ちよ:「えぇ……?」5メートルほどの怪物を想像している
木花小夜:「怖くないよ」
木花小夜:「ちょっと目つきは鋭いかもだけど……」
木花小夜:「優しいもん」
峯川千墨:(まず目にあたる部分が思い出せねェ)
軽部龍授:「あの男は何を普段食べるんだ?」
軽部龍授:溶けた鉄とかだろうか。
北見菫:「石炭とか……?」
赤川累:「石炭……確かに、そういう体質もいなくはないだろうな」頭の中に大怪獣解剖図解的なものを描きつつある。
木花小夜:「何って……普通にごはん……?」
軽部龍授:「箸を持てる!?」
木花小夜:「箸を持てるか疑問がられるのはおかしくない……?」
木花小夜:「日本人の高校生が箸持てないことそうそうないでしょ……?」
木花小夜:「あっ私が料理作ってるかってこと?それはあんまり……」
北見菫:「生肉を与えてるってこと……?」
木花小夜:「生肉もなんで前提なの」
赤川累:「高校に通っているのか」
北見菫:「通ってるんだ……高校……」
赤川累:「凄いな……」
九十八九十九:「大らかだからねえ~日本の高校は」にやけている
木花小夜:「まあ確かにね。(エージェントとの両立は)大変ではあるけど……」
木花小夜:「でもやっぱり、学校って、通いたいじゃない」
軽部龍授:(高校生。そう言えば噂に聞いたことがある。UGNはオーヴァードを管理する学園を保有していると)
軽部龍授:(そこか。眉唾物だったが成程な…フッ)
北見菫:「頑張ってるんですね……」
木花小夜:「それに……その……」ちょっと照れくさそうに。
木花小夜:「一緒に下校して、寄り道とか……」
木花小夜:「そういうのも楽しいっていうか……」
北見菫:「寄り道……」
峯川千墨:「してんのかよ!?」
北見菫:「つっ……通報とかされません……?」
軽部龍授:「噂になるのではないか?それは流石に」
赤川累:「一歩間違えれば大変な状況になりそうだが……」
木花小夜:「えっそんなにダメなの……!?」
木花小夜:(絡まれたりとか……?)
木花小夜:「大丈夫だよ、春悠、頼りになるよ」
木花小夜:「いつも守ってくれるもん」
軽部龍授:「だが、周りの目もある」
九十八九十九:「ま~、近寄りがたい雰囲気あるもんねえ」
北見菫:「確かに……近寄ろうとはしないでしょうね……」
白土夏希:(……)言い出すべきか迷いつつ大量の肉を火力発電所めいてかき込んでいる
エル:(恋バナ……?)
軽部龍授:空のグラスにごく自然な手つきで瓶ビール注ぎ。
赤川累:「まあ、それで上手く隠せているのなら良いんだが……」
赤川累:異形のオーヴァードが生活できる特区のようなものがあるのかなと思っている。
舞浜ちよ:「はぇ~、なんかすごそうだね~」気付いていない
軽部龍授:「デートなどするのか?」
軽部龍授:物凄く、この男が刀を振るがごとく自然な動作でグラスに口をつけ、興味深そうに話を聞く。
木花小夜:「別に隠すつもり無いけど……うん、する」
軽部龍授:「さしつかえなければ、どのような?」
木花小夜:「どんなって普通に……」
木花小夜:「出かけたりとか……」
北見菫:「どんなところに……?」興味津々
赤川累:「人気のない山奥とかか……?」
木花小夜:「どんなところって……普通だよ、別に」
木花小夜:「映画館とか、水族館とか……」
赤川累:「……」流石に何かおかしくないか?と首を傾げ始める。
北見菫:「燃えませんか……?」建物が
木花小夜:「まあ……」
木花小夜:「少しは……」
北見菫:「少しは……!?」
九十八九十九:「お年頃だもんねえ」
舞浜ちよ:「燃やしてるんだ……」
木花小夜:「ええ……だって」
木花小夜:「そりゃ私だって、そういうのありますよ」
北見菫:「そういう……衝動みたいな……?」
木花小夜:「……うん」
舞浜ちよ:「え~~っ、過激~~っ!」
軽部龍授:バターコーンを口に運び。
軽部龍授:「フッ…良く体力と気力が持つものだ」
木花小夜:「でも普通……普通じゃないの?」
エル:(普通なのかな……この国では……)
赤川累:「……普通……ではないと思うが……」
木花小夜:「そうなんだ……」
九十八九十九:「愛の形は人それぞれだからねえ」
木花小夜:「ええ……」
木花小夜:「私変なのかな……」
北見菫:「そ、そうですよ!人それぞれですから……!」
軽部龍授:「峯川も何かコメントしてやれ」
峯川千墨:「……まァ考えてみりゃ、そういうのを普通にするっつうのもウチの理念の一つじゃあるわな」水を口にして思考を落ち着けて。
赤川累:「……そうだな。他人とどう違おうと、周りに迷惑をかけていないのなら恥じる必要はないと思うが……」
木花小夜:「迷惑はかけてないし!」
北見菫:(燃やしてるのに……?)
木花小夜:「うん、こうやって……私たちみたいなのが」
木花小夜:「普通にそうできたらいいなって思う」
木花小夜:「そういう世界に、少しづつしていきたい」
エル:「小夜さん……」感動している
赤川累:「…………」かなり考え込んで。「木花さんがそう言うなら、そうなんだろうが……」
赤川累:映画館でボヤを起こしても問題がないように、映画館ごと買い取ったりしているのだろうかと思っている。
峯川千墨:「出世してェっつうのもそれでか……」
軽部龍授:「フッ…愛の前では常識を語るのも野暮というものかもな」
舞浜ちよ:「人それぞれっっていったら、他の子は何か無いの~?」
舞浜ちよ:「入院生活で退屈してたお姉さんを慰めるような話がさ~」酔っている
木花小夜:「酔ってる……」
九十八九十九:「舞浜さんはまず自分の心配しな~」お肉をよそってあげる。
舞浜ちよ:「そういう九十九ちゃんはどうなのよ~」パクパク肉を食べながら
軽部龍授:「よし。タラバガニも頼もう」
九十八九十九:「えっあるのタラバガニ!やった~!」
木花小夜:「蟹が好きすぎる……野菜食べてます支部長?」
九十八九十九:「毎朝トマトジュース飲んでるからだいじょーぶ」
舞浜ちよ:「あっ意図的に誤魔化された気がする」
軽部龍授:「あのクソ女が臭い飯を食べてる時に、こちらは豪勢に蟹を食べる。それこそ落とし前と言うものだ。フッ…フフフ」
峯川千墨:「落とし前安くねェ?」
舞浜ちよ:「軽部くんは~?なんかあるでしょおもしろトーク」
木花小夜:「ジャンルがおもしろトークになってる」
軽部龍授:「そうか?追い打ちとしてこれ以上のものはあるまい。……面白トーク」
舞浜ちよ:「用心棒を務めた病弱なお嬢様とのロマンスとかさ~」
木花小夜:「あるの?」
赤川累:「あっこいついつの間にか飲酒してる」軽部くんの前の、ビールの泡が残ったグラスを持ち上げて。
九十八九十九:「こら~っ、何かあった時怒られんの私なんだからね~」
木花小夜:「というかどっちかというと……あの人じゃないですか?」
木花小夜:「“霹靂殺手”。なんか雰囲気が……」
軽部龍授:「そうだな。そう言う話はないが、きつい仕事や気合の入った仕事をするとき」
軽部龍授:「決まって黒い下着を履いてくる女がいる」
軽部龍授:「それをわざわざ自分で言うのだが、冷静に考えると、頭がおかしいと思う」
北見菫:「ちょっと……何それ、昼間からする話?」
赤川累:「お前……随分一気に来たな」
赤川累:下着の色を教え合うような仲の異性がいるのだろうと思っている。
木花小夜:「やっぱりそういう……」
木花小夜:「そういうのなんだ……」
舞浜ちよ:「エッチだ~~!」ケラケラ笑っている
軽部龍授:「まったく、慎みを持って欲しい。蟹をつまみに、もう一杯飲みたいが」
赤川累:「それで他人に好かれたことがないは何か……おかしいだろ。絶対」
九十八九十九:「まー、愛がなくてもやれるからねえ、そういうことは」
白土夏希:「あまり人前でそういう話は……」
舞浜ちよ:「いやいやそういうのが聞きたいんじゃんね!」
峯川千墨:そっと先輩の前に水のコップを出す。
舞浜ちよ:水をゴクゴク飲む「お酒おいし~」
軽部龍授:「殺意さえあればな。聞かれても殺せば問題はあるまい。と言う考えだろう」
軽部龍授:「考えてみれば、俺はあいつに殺されたことになってるのは……ムカツイてきたな」
軽部龍授:「クソ女チャンピオンはあいつではないか?前金もせしめたしな」
“プルフラス”:身内トークが分からないのでもくもくと肉を食べている。碌な食生活をしていなかった
九十八九十九:「や、軽部くんの場合は鈍感なだけな気もするけどね?絶対気付いてないだけで色んな女の子泣かせてきてるよぉ」タラバの足を千切る。
軽部龍授:「フッ……まさか、女に好かれるようなことは何一つしてはいない」
軽部龍授:「そこのプルフラス。ダドエルズホールに、面白トークは何かないか?」
軽部龍授:タラバに特製たれかけつつ。
“プルフラス”:「えっ……!?」びくりとして
“プルフラス”:「えっ……えっ……あっ……」硬直する
木花小夜:「無茶させない……」
赤川累:「やめておけよ。話したいような出来事なんかなかったんじゃないのか」
峯川千墨:「ちょっと想像できねェわなァ」
舞浜ちよ:「あ、じゃあ赤川くん達は?」
舞浜ちよ:「どうなんだ~そこんとこ~」
木花小夜:「話してくれないですよそうやって言うと」ホルモンをコリコリしている。
“プルフラス”:注目が自分から逸れたのでホッと息をついている
赤川累:「……こっちも、あんまり飯食べながらする話じゃないからな……」相手がどっちももう死んでる、に繋がるのをどうしたものかと思っている。
北見菫:「どうって……別に何も無いですよ」
舞浜ちよ:「え~?別に菫ちゃんとは言ってないけどな~」
北見菫:「…………!」顔を真っ赤にして屈辱に耐えている
木花小夜:「悪い大人……」
軽部龍授:「フッ……見事に一本取ったな」
軽部龍授:チャンジャをちょんちょんと乗せてタラバを食べる。
赤川累:「……」そんなに嫌なのか……と少しショックを受けるが、過去を顧みるとしょうがない評価だなとも思っている。
軽部龍授:「九十九よ。鈍感とはこのような男の方を指すと思うがね」
軽部龍授:水を酒に見立てて飲み。
九十八九十九:「や~、これは外野が騒いだくらいじゃどうにもならなそうだねえ」
木花小夜:「じゃあ……」
木花小夜:「エルの番?」
エル:「えっ……」
エル:「わ、私ですか……?」
木花小夜:「えっじゃないよ~」
木花小夜:「するって約束だったじゃない」
エル:「そ、そうですけど……」
『蛇』:「何何?何でも答えるわよ」
エル:「蛇さん!」
木花小夜:「自分で答えたほうが傷は少ないよ……」
赤川累:「まあ、エルが隠そうとしても全部喋られそうな勢いだな……」一緒にいるから全部見聞きしているだろうし。
軽部龍授:「どこが良かったのだ?」
軽部龍授:今回に関しては、剣の腕もなく、短慮と言うイメージしかエノクにはないため、そこが気になっている。
エル:「どこがっていうか…… も、元々幼馴染だから……そういうの考えなかったっていうか……」
赤川累:「幼馴染か……」
九十八九十九:「あ~、じゃあこれから大変かもねえ」
エル:「い、いつも一生懸命なところ……?そういうとこ、かわいいなって……」
峯川千墨:「かわいい……?」
木花小夜:「あ~」
木花小夜:「そういうのね……あるよね」
軽部龍授:(俺も相当に一生懸命ではあるが……)
舞浜ちよ:「年下だもんね~」
赤川累:「そういうものなのか……」木花さんはあれにかわいさを見出しているのか……と思っている。
木花小夜:「本人に言うと拗ねそうだから言わないけど……」
峯川千墨:「あんのか」首をひねっている。
木花小夜:「あるの~」
北見菫:「あるんだ……」
木花小夜:「そんなにおかしいところじゃないでしょ……?」
木花小夜:「おかしくないよね?」
赤川累:「……そうだな、人の自由だからな」
軽部龍授:「確かに懸命でなければ、蛇を聖剣で刺さないか」
九十八九十九:「ま~、これから二人共色んな人と会うだろうしさ。学校も行くかもしれないし」
軽部龍授:「水族館や映画館にとかな」
軽部龍授:「手など繋いでいくわけだ。『蛇』は特等席で見られるぞ」
『蛇』:「そうよね!末永く!楽しみだわ~」
九十八九十九:「楽しんでばかりもいられないよ~?彼もわりとモテるんじゃないかなあ~同年代の子とかに」
軽部龍授:「ありふれたデートスポットに何時でも行ける。と言うのは、実際良い事だ。それがそちらが守るべき日常と言う報酬なのだろうよ」
エル:「えぇっ……」
赤川累:「まあ……学年が違うと、学校では一緒にいない時間の方が多くはなるだろうな」
木花小夜:「今のうちにメロメロにさせるしかないよ!」
エル:「め、メロメロって……」
赤川累:「まあ、そこは心配も要らない気はするが……」
軽部龍授:「フッ…放課後はやはり監視も兼ねて俺のところに寄越すか?」
エル:「その方がいいですかね……」目つきが真剣みを帯びてきている
木花小夜:「余計なこと吹き込みそうな気もするけど……」
木花小夜:「お酒飲ませたりとか……」
軽部龍授:「無理には飲ませないが」希望すればどうかはわからないが
軽部龍授:「九十九。そろそろデザートとか締め行くか」
九十八九十九:「うぇ~?まだ時間結構あるよぉ?食べ放題だし……」時計を見て
九十八九十九:「あっそうだ!」閃いた、と言う表情。
九十八九十九:「小夜ちゃん、今からでも彼氏さん呼びなよ~」
木花小夜:「ええっ」
舞浜ちよ:「えっ、近くにいるの?」
九十八九十九:「今回の件もまだちゃんとお礼してないしさあ」
九十八九十九:「みんなも挨拶しときたいでしょ?」
赤川累:「まあ、世話になりましたしね」
峯川千墨:「それはそうだが急に呼んで平気かァ?」周囲に混乱が起きないかという意味で言っている。
赤川累:「……でも、この店来て大丈夫ですか?」
赤川累:他の客もまばらにいる周囲を見渡して。
軽部龍授:「最初から、そのような店を選んでいたのか?」
木花小夜:「別にそんなにいっぱいは食べないよ!?」
九十八九十九:「大丈夫だよお、席空いてるし」
木花小夜:「普通の男の子くらいだと思うけど……」
北見菫:「普通……」
峯川千墨:「意外と小食なんだな……」
赤川累:「……見かけで判断してはいけない訳か」
軽部龍授:「……生肉か」
木花小夜:スマホで連絡を入れている。「生肉へのこだわりなんなの?」
木花小夜:「あっあのね……その……」
木花小夜:「もしかしたら……こう、態度っていうか」
木花小夜:「結構……トゲトゲしてるかもしれないけど」
木花小夜:「ホントは優しいから。あんまり警戒しないであげて」
赤川累:「ああ……あまり馴れ馴れしくはしないタイプなんだな。分かった」
北見菫:「そうですね……トゲトゲ……してましたね……」物理的に
軽部龍授:「入れるのか?(物理的に)」入口の自動ドアを見る
九十八九十九:「まー、多少騒いでもUGNから保障降りるから。大丈夫大丈夫」
白土夏希:「……」皆があまりに疑わないので本当にあの姿が素なのではないか?という気になってきている
赤川累:「ああ……スペースを空けておいたほうがいいか」別の椅子を持ってきて移動し、荷物などを片付けてかなり広めに場所を取る。
赤川累:「……これで足りるか……?」かなり広々と開いたソファを見て。
木花小夜:「……?」
GM:それから少しして、店員に案内されて一人の少年が姿を現す。
木花小夜:その姿を見てぱっと立ち上がる。
峯川千墨:入店の音を聞いて思わず居住まいを正す。
木花小夜:パタパタと手を振る。
軽部龍授:「……?ん?知り合いか?」
GM:学生服姿の、ごく普通の少年だ。手を振る小夜の姿を見て微笑を見せる。
風花春悠:「小夜」
木花小夜:「ごめんね急に……」
赤川累:「木花さん……その人は?」
木花小夜:「え?」
風花春悠:「皆さん、お招きありがとうございます。部外者なのに打ち上げに呼んで貰ってすみません」
風花春悠:「それから……小夜がお世話になりました」
風花春悠:軽く頭を下げる。
木花小夜:「気にしないでよ~」
九十八九十九:「待ってたよ~!ささ、座って座って」
赤川累:「……えっ。もしかして」ノイマン頭脳による推理が閃く。
赤川累:「貴方が、“シンダーブレイズ”……?」
峯川千墨:「ハ?」
北見菫:「は?」
軽部龍授:「まさか、本当に、あの時は……」浮かれていたのか?まさか?
木花小夜:「はって何……?」
木花小夜:「みんなが呼んでって言ったんじゃない」
エル:「えっ……じゃあ……」
エル:「小夜さんの彼氏さんですか!?」
風花春悠:「ああ……一応、そうだけど……」
木花小夜:「一応って何~」
木花小夜:「一応って~」
風花春悠:「いや、言葉の綾だって……」
舞浜ちよ:「すごいイチャついてる……!」
白土夏希:(流石にそうだったか……)小さく息を吐く
峯川千墨:「……」
白土夏希:「……あの場では獣化した姿しか見ていませんでしたからね。皆さんが勘違いするのも無理は……」
白土夏希:(……無理では……?)
軽部龍授:「こ、この、浮かれバカップルどもめ!!」
木花小夜:「えっ!?」
木花小夜:「なんでそんな怒られるの今ので……!?」
峯川千墨:「ハァ~~~~~…………」深く息を吐いてソファに沈み込む。
木花小夜:「え~……?」
木花小夜:「なんで呆れてるの……?」
風花春悠:「……? すいません……?」何かしたのだろうかという顔
白土夏希:「というか、支部長は分かってましたよね」
九十八九十九:「やぁ~、みんな面白かったねえ」満面の笑み
赤川累:「……まあ、良かったよ。デートで映画館を燃やしてなくて……」
木花小夜:「燃やすわけなくない……?」
風花春悠:「どんな話してたんだ……?」
木花小夜:「とにかく座って座って」自分の隣に、何故か広く空いたスペースに座らせて。
風花春悠:「ああ……」やたら広いスペースに座る
赤川累:「ああ、そうですね……ここ、時間制ですから。立って話してる時間は勿体ない」
赤川累:誤魔化すように話をそちらへ切り替えようとする。
木花小夜:グラスを用意してお茶を注いで。
木花小夜:「じゃあさ、改めて」グラスを掲げる。
木花小夜:「支部長お願いします」
九十八九十九:「は~い。みんなグラスは持ったかな~?」
軽部龍授:「まったく、自分の理性に敗北した気分だぞ」グラスを掲げ
赤川累:「そういや、してませんでしたね。みんないきなり食べ始めてたから……」
舞浜ちよ:「もう空だこれ」ビールジョッキを揺らす
木花小夜:「飲み過ぎですよ……」
峯川千墨:「……あいよ」のろのろと上体を持ち上げてグラスを取る。
北見菫:「今更感ありますけど……」グラスを手に取る
赤川累:「こういうのはとりあえず、見て合わせておくといい」プルフラスに小さく声をかけつつ、軽くグラスを持ち上げる。
“プルフラス”:「は、は、はひ……」震える手でグラスを持つ
『蛇』:「エル、ほら、持って持って」
エル:「あっ、うん……」見よう見まねでコップを握る
風花春悠:周囲に合わせる。
白土夏希:一同を見渡し「支部長、お願いします」
九十八九十九:「そんじゃ、今回のみんなの頑張りと、守ったものと、これからの……」
九十八九十九:「未来に」グラスを高く掲げる。
九十八九十九:「かんぱ~い!」
GM:グラスの鳴らす軽やかな音と、一同の号令が店内に響いた。
【ED/九十八九十九-A】
九霄市近郊 グランドホテル
GM:九霄市近郊、高級ホテル上層階のレストラン。ピアノジャズの流れる清潔な店内。
GM:君──九十八九十九は、会食と共に今回の一件の報告を行っていた。向かいに座る男は、多忙で知られるUGN日本支部支部長、霧谷雄吾。
霧谷雄吾:「……『ルカの手紙』に関しては、やはりUGNで厳重に保管されることになりました」
霧谷雄吾:「処分という形には当分至らないでしょうが……少なくとも、表に出ることは無いでしょう」
九十八九十九:「へぇ~、流石ですね。"リヴァイアサン"からしてみたら、バチカンのうるさがたを黙らせるくらいわけないってことですか」
九十八九十九:フォーマルなドレス姿。メガネを外して髪をアップに纏めたその格好は、幾分大人びて見える。
霧谷雄吾:「私だけの力ではありませんがね。ヘレヴも九霄市で色々とやりましたから、あちらとしても強くは出られないのでしょう」
霧谷雄吾:「“デモゴルゴン”は収監されましたが、聴取は芳しくないようです。しかし、“ダドエルズホール”も暫くは大人しくしているでしょう」
九十八九十九:「なんなら私が聴取してもいいですよぉ?」悪戯っぽい笑み。
九十八九十九:「ああいう女煽ってやるのは得意ですから。下手に痛めつけたり、優しくするより効果的ですって」
霧谷雄吾:「ははは……そうですね。考慮しておきましょう」冗談めかして言うが、完全に冗談というわけでもないのだろう。
九十八九十九:「にしても、雄吾さんがわざわざこっち来てくれるなんて意外でした」
九十八九十九:「てっきりほら、あの人。よく一緒にいる……鳩山さん?」
九十八九十九:「あの辺の人が来るのかな―って思ってましたよ」
霧谷雄吾:「あまり部下にばかり仕事を押し付けるのもどうかと思いまして……というのもありますが」
霧谷雄吾:「丁度、他にも近くで幾つか仕事があったもので。この後でそちらも済ませるつもりです」
九十八九十九:「うへぇ~。息抜きかと思ったら結局仕事なんだ」
九十八九十九:「やっぱ出世とか絶対したくないなぁ~。割に合わなすぎ」
霧谷雄吾:「貴方なら、十分にその能力はあると思いますが」
霧谷雄吾:「やはり、日本支部に来る気はありませんか?九十八さん」
九十八九十九:「やー、私はここが性に合ってるんで」いつもの調子でにへらと笑う。
九十八九十九:「雄吾さんの側近のポストを用意してくれるなら、考えなくもないですけどね~」
霧谷雄吾:「ええ、考えておきますよ」元より然程期待していなかったのだろう。軽い調子で言って。
九十八九十九:「うわ、あんまり気軽にそういうこと言っちゃだめですよぉ?周りの人本気にしますから」
霧谷雄吾:「その場合、“ミストミストレス”とよく話し合ってくださいね」
九十八九十九:「あ~……やっぱ遠慮しときます」遠くを見る。
霧谷雄吾:「そうですか。残念ですね」笑って
霧谷雄吾:「……『東の民』に関しては、保護の方向で調整して貰っています」
九十八九十九:「そうですか、なら安心だぁ」
霧谷雄吾:「UGNで教育、後に就職を斡旋。希望者にはチルドレン、イリーガルとしての採用も検討中です」
九十八九十九:「高侵蝕状態が前提とは言え、もともと自衛のための訓練を積んできてた連中ですからねえ」
九十八九十九:「いい兵隊が補充できて、UGN的にもおいしかったんじゃないです?」わざとらしく棘のある言い方をする。
霧谷雄吾:「私としては、レネゲイドに関する部分より文化の違いが心配なところですね」
霧谷雄吾:「昨日も食堂で納豆が出て騒ぎになったそうですし……」
九十八九十九:「え~、納豆美味しいのに」
霧谷雄吾:「大学爆破事件に関しても、レネゲイドと無関係のテロとして情報工作が完了しています。これでひとまず、目下の大きな問題は片付いたと言えるでしょう」
霧谷雄吾:「お疲れさまでした、“マジックナンバー”」
九十八九十九:「や、ほんとに疲れましたよ~。もう暫くこういうのは簡便ですからねぇ」
九十八九十九:溜息をついて、書類の入った封筒をテーブルの上に置く。
霧谷雄吾:「……こちらは?」封筒を寄せる
九十八九十九:「"ミュー・シーフィ"及び"アプシンシオン"の査定書です。あんまり長く説明するのも悪いんで、詳しくはこの中に」
霧谷雄吾:「成程、ありがとうございます」
九十八九十九:「結論だけ言うと、二人共合格。ということで」
霧谷雄吾:「いかがでしたか?彼女たちは」
霧谷雄吾:軽く封筒の中身を見ながら
九十八九十九:「どっちも能力面では申し分なかったですよ~。かなり楽できちゃいました」
九十八九十九:「戦うだけじゃなくて、情報処理とか調整関係もね。小夜ちゃんはイメージのまんまですけど千墨ちゃんもあれで中々冷静なんで……」
霧谷雄吾:「個人的には?」
九十八九十九:「そうですねえ~」
九十八九十九:「どっちも真面目すぎてちょっと心配かも?」
霧谷雄吾:「そうですか」少し笑う。
霧谷雄吾:「しかし、あなたも何だかんだと言って仕事はしっかり果たしてくれる方ですからね」
九十八九十九:「え~、買いかぶり過ぎですよお」
霧谷雄吾:「今回の件も、やはりお任せして正解だったと思っていますよ」
九十八九十九:「や、私はマジで、今回楽するつもりで引き受けてますからね。運営全部丸投げしてたんで」
九十八九十九:「や~、明日からどうしような~」
九十八九十九:天を仰いで
九十八九十九:「……あ、一応1つずつ、気をつけてあげて欲しいとこなんですけど」
九十八九十九:「"ミュー・シーフィ"は、どうしても保護対象に入れ込み過ぎる所があります」
九十八九十九:「今回の件、"蛇"の封印を選んだとしたら、選択肢は彼女とエルちゃんの二択でしたけど」
九十八九十九:「そういう時、彼女は最初から対象を除外するんですよ。しかも自分では冷静なつもりだから性質が悪い」
霧谷雄吾:「……成程」
九十八九十九:「逆に"アブシンシオン"は、自分が信頼する対象を信じすぎるきらいがありますねえ」
九十八九十九:「ちょっと冷静過ぎるっていうか、命に対する価値観が少し違うのもあるんでしょうけど」
九十八九十九:「舞浜さんの件はまあ、私の危機管理の甘さもあるんで悪くは言えないんですけどね」
霧谷雄吾:「それは確かに心配ですね。それぞれ指導官に報告しておきます」
九十八九十九:「頼みますよ~?」にやけた表情に戻して
九十八九十九:「あのまま行ったら絶対どっかで取り返しつかなくなりますからね。いい感じに凹ませて……」
霧谷雄吾:「……やる気が無いようなことを言って、やはりよく見ていらっしゃるじゃないですか」
九十八九十九:「や、マジでそういうんじゃないですって」
霧谷雄吾:「そうですか」微笑を浮かべ、席を立つ。
九十八九十九:「あんまり太鼓判押しちゃうと、ほんとに仕事してないように見られちゃいますからね~。バランスですよぉ」
霧谷雄吾:「この後の仕事がありますので、私はお先に失礼させて頂きますね」
霧谷雄吾:「あなたはゆっくりなさっていってください。ここのジェラートは絶品だそうですよ」
九十八九十九:「うへぇ~!いいんですか~?」表情を明るくして
九十八九十九:「へへ、ごちそうさまで~っす!」
霧谷雄吾:「改めてお疲れさまでした、“マジックナンバー”。それではまた」
霧谷雄吾:そうして、日本支部支部長は背筋を伸ばして去っていく。
九十八九十九:「お疲れ様で~す」その背に間延びした声を送って。
九十八九十九:「………」食器を置いて、窓の外に広がる九霄市の夜景に目を向ける。
九十八九十九:「明日から……か」
九十八九十九:低い声で呟いたのも束の間、すぐに運ばれてきたデザートに目を輝かせるのだった。
【ED/軽部龍授】
九霄大学 キャンパス
GM:事件から数週間が経ち、九霄大学は講義を再開した。
GM:未だ爆破現場は再建作業の途中で、生々しい傷跡が残っているが、学生たちには臨時の教室が割り振られ、それぞれの授業が始まっている。
GM:瓦礫の撤去が進みつつある現場近くには献花台が設けられ、犠牲者たちの遺影に沢山の花束、酒や菓子類が供えられており、時折黙祷していく者の姿が散見される。
GM:君──軽部龍授も、そうした人々のうちの一人だった。
軽部龍授:「…………」
軽部龍授:ここには生活があり、命があった。
軽部龍授:自分とは無関係で、自分と交わる事などない人々の命と生活があり、それが理不尽に消えたのだ。
軽部龍授:何が起ころうとしていたか、知らなかったわけではない。
軽部龍授:結局のところ、刀振りには、止める方法はまるで持ち合わせていなかったが、逃す方法はあったかもしれない。
軽部龍授:ならば、この光景に責任の一端はあるのだろう。
軽部龍授:死を悼む資格などはないが、自分の心を楽にする為に、花を献げ、頭を下げ手を合わせる。
軽部龍授:何という偽善。仇を取った、などと言うのも所詮は自己満足に過ぎない行為だ。
軽部龍授:「…………割り切れるものではないな」
GM:そんな君に、不意に背後から声が掛けられる。
“霹靂殺手”:「損な生き方だな」
軽部龍授:「フッ…俺は、善良らしい。などとは、口が裂けても言えないが、悪党にもなりきれん。と言ったところだろうよ」
軽部龍授:「そういうお前は?」
軽部龍授:献花台から少し離れる。多少は長話がしたい気分だ。
“霹靂殺手”:長身の女──“霹靂殺手”。喪服めいた黒のスーツに、鮮やかなオレンジのネクタイが映えている。
“霹靂殺手”:「ここに来ればお前がいるだろうと思ったのでな。案の定だった。分かりやすい奴め」
軽部龍授:「分かりにくさなど剣筋だけで、十分足りている。生き方はシンプルな方が良い。褒め言葉として受け取ろう」
軽部龍授:「なんだ。俺に惚れでもしたか?」
“霹靂殺手”:「報告を聞きに来ただけだ」
軽部龍授:「分かりにくい奴め」
軽部龍授:鼻で嗤う。
“霹靂殺手”:「“デモゴルゴン”と“サタナキア”はやったらしいな」
軽部龍授:「"サタナキア"は身内に使い潰されたようなものだがな。"デモゴルゴン"には落とし前をつけた」
軽部龍授:斬った髪を軽く巻いた輪っかを相手に投げて。
“霹靂殺手”:片手で掴み、口端を歪める。「そうか。奴らいい気味だな」
軽部龍授:「結局のところ、面倒な事は全て俺がやったようなものだが」
軽部龍授:「感謝の言葉くらいは欲しいものだぞ」
“霹靂殺手”:「フ……」
“霹靂殺手”:「面倒事を押し付けられたと?こういうのはな、『おいしいところを譲ってやった』と言うんだ」
“霹靂殺手”:「まあ、お陰で私は儲けさせてもらったがな。その点は感謝しているとも」
軽部龍授:「成程。九十九や"デモゴルゴン"と良い勝負が出来るぞ、お前」
“霹靂殺手”:「誉め言葉として受け取っておこう」
軽部龍授:「今回、間違いなく一人勝ちしたようなものだからな。フッ…地獄に堕ちろ」
“霹靂殺手”:「こんな生業をしているのだ。お前のようなやり口の方が異常だろうに」
軽部龍授:「褒めているとも。傭兵としては最高の戦果だろうよ。女としての好感度は最低ではあるが」
軽部龍授:「俺は、この稼業は結局のところ副業だからな。刀を極める為の教材のようなモノだ」
軽部龍授:「……そう言えば、聞いたことはなかったが、お前はなんで、こんな事を?」
軽部龍授:食っていくためと言うのなら、もう一生食っていくだけの金は稼いでいるだろう。
軽部龍授:1200億の0.1%が前金としても1.2億だ。
“霹靂殺手”:「自分から話したからと言って、相手からも聞けると?」
“霹靂殺手”:「自分と情報を安売りしないのが、いいフリーランスといい女の条件だぞ。坊や」
軽部龍授:「そうだな。だが、俺とお前がこうも話すことがある状況など希少ではある」
軽部龍授:「ならば、機があれば意志は見せなければなるまい」
“霹靂殺手”:「なんだ、私に惚れたか?」
軽部龍授:「ああ。俺はお前に興味を持っているとも。ミステリアスも過ぎれば不気味な魔女と言うものだぞ。いい女を通り越してな」
軽部龍授:「惚れるのは、それこそ来歴を聞いてから考えようか」
“霹靂殺手”:「お互い明日は敵になる身だ。身の上話なんて聞いても、仕事がやりづらくなるだけだろうに」
“霹靂殺手”:「なら、次に会った時にでも教えてやる」
軽部龍授:「明日にも互いに死ぬかもしれない命ではある。だから、知りたいと思ったのだがね」
“霹靂殺手”:「ハ……私から聞かずにいる限り、気になって剣筋が鈍るんじゃないか?いい様だ」
軽部龍授:「だが、言うが、お前こそ、そういう事を言うと、二度と会えぬものだ。風水的にはどうだか知らんが」
“霹靂殺手”:「木の方位、オレンジの色は縁を司る」ネクタイに触れて
“霹靂殺手”:「ま……私としては別に二度と会えずとも構わんが。その場合、せいぜい老境に至ってから病床で心残りにするがいい」
軽部龍授:「そうしろ。俺が死んだ後に笑いに来い。そして、つまらん来歴を死体になった俺に語ると良い」
軽部龍授:「つまらん話だ。と生き返って言ってやる」
“霹靂殺手”:フン、と笑って、君を見る。
“霹靂殺手”:「……それで?」
“霹靂殺手”:「今回の仕事、何か得たものはあったのか?」
軽部龍授:「ふむ。そうだな。面倒で、どうしようもなく窮屈な"振り"であったし、本当に秩序を守る側の考えはイカれているとは思うが」
軽部龍授:地面に落ちてる木の枝を拾い、軽く振る。
軽部龍授:それだけで空気が裂け綺麗な音が鳴る。
軽部龍授:「ああ。存外悪くはなかった。信頼を押し付けられて剣を振ると言うのは……」
軽部龍授:「うん。楽しかったと思うぞ」
“霹靂殺手”:「楽しい?ははっ!」愉快そうに笑って
“霹靂殺手”:「予想外の答えだ。面白い奴だな」
“霹靂殺手”:「ならいっそ、この際UGNにでも入ったらどうだ」
“霹靂殺手”:「案外向いてるんじゃないか、お前」
軽部龍授:「フッ…惚れても構わんぞ?と言う冗談は置いておくが、バカを言え」
軽部龍授:「あんなものはな、たまにだから楽しいのだ。それに」
軽部龍授:溜息をつく。
軽部龍授:「性格の悪い女も、当たりが強い女も、凶暴な女も、お前ひとりで十分だ」
軽部龍授:思えば今回は全部揃っていたのだ。
軽部龍授:何という女運の無さだ。と自分を嘆く。
軽部龍授:「斬りたいものを斬るだけの、俺にはUGNは合わん」
“霹靂殺手”:「そうか。最大の商売敵を減らすチャンスだと思ったんだがな」
“霹靂殺手”:そう言って、君に何か小さなものを投げ渡す。
軽部龍授:枝で斬らずに、手で受け取る。
GM:それは小さなキーホルダーだ。銀細工で作られ、可愛らしくデフォルメされた何か……得体の知れない動物が象られている。
軽部龍授:「これは?」何の動物だ?
“霹靂殺手”:「カワウソだ」
軽部龍授:些か少女趣味のように思える。
軽部龍授:いや、そのようなものを作っても違和感がない外見の女ではあるが。
“霹靂殺手”:「銀の色は仕事運と発展運を呼び込む」
“霹靂殺手”:「私からの報酬だ。有難く受け取っておけ」
軽部龍授:あまりにも安い。4度は死に。前金はなく。端金とラーメンと焼肉だけの報酬だった。
軽部龍授:そして、最後に渡されたキーホルダー。金運と仕事運を呼び込むと言うのも眉唾物だが……。
軽部龍授:「手作りと言うのならば、悪くない」
軽部龍授:「思えば、女からこのようなものを貰うのは初めてだ。それに免じよう」
軽部龍授:自分の財布に銀のキーホルダーをつける。
“霹靂殺手”:「初めて?これまで一度も無いのか」
軽部龍授:「言ったと思うが?俺は人に好かれたことがない、と」
“霹靂殺手”:「ハハッ、そうか。そうだったな」
“霹靂殺手”:「バレンタインに会ったらチョコレートでもくれてやろう。どんな顔をするか見物だ」
軽部龍授:「ふん。それまで、あと数か月ぜいぜい死なぬことだ」
軽部龍授:「次は嵌められるなよ?俺のように甘い男が相手とも限るまい」
軽部龍授:「チョコは甘くするように」
“霹靂殺手”:「お前こそ、苦い経験から学ぶことだな」
“霹靂殺手”:「じゃあな、“死舞旋刃”」
軽部龍授:「いずれな、"霹靂殺手”」
軽部龍授:互いに振り向いて逆方向に歩き出す。
軽部龍授:秋の風を感じ、夏の終わりを感じながら、元の世界に戻っていく。
軽部龍授:こうして一振りの刀の物語はひと先ずの結末を迎えた。
軽部龍授:全てを見て、全てと戦い、全てに勝った。
軽部龍授:全てに誇れる、最高の"振り"だった。
【ED/峯川千墨】
カフェ『シマバラーマクサ』
GM:“ダドエルズホール”のチルドレンであった“プルフラス”は、本人に対する虐待、意志に沿わない戦闘の強要などの被害が認められ、
GM:今後はUGNチルドレンとして保護・教育が為されることとなった。
GM:君──峯川千墨は、退院した舞浜ちよと共に、彼女を連れてパンケーキが有名なカフェへと足を運んでいた。
舞浜ちよ:「おいし~~!」
舞浜ちよ:リコッタチーズの使われたふわふわのパンケーキを口に運び、表情を輝かせる。
舞浜ちよ:「ふわっふわだよこれ~!口の中でとろける~~!」
峯川千墨:「何よりッス」自分はホットサンドを食べている。
峯川千墨:「ふわふわで……美味ェって……書いてあったんで……」
峯川千墨:検索エンジンで「パンケーキ 店」で調べてなんか星がいっぱいあるところに連れてきたのだ。
舞浜ちよ:「ほんとにおいしいよ~!ほらほら、プルちゃんも食べな~?」
“プルフラス”:「アッ……はい……」
“プルフラス”:ぎこちなくパンケーキを切り分け、もそもそと口に運ぶ。
“プルフラス”:「あっ……おいしい、です……はい……えへへ……」
舞浜ちよ:「だよね~~」
峯川千墨:「なら良かったぜ」
峯川千墨:「一応言ったからにはと思ったんだけどよォ」
峯川千墨:「アタシみてェに甘いモン嫌いだったらどうするかと思った」
“プルフラス”:「ありがとう、ございます……私まで、その……連れてきてもらっちゃって……」
峯川千墨:「まァ一応……なんだ」
峯川千墨:やや気まずげに鼻の頭を掻く。「アタシの後輩ってことンなんだろ。無事に」
峯川千墨:「だから先輩っぽい真似でもしとくかと思って。そんだけだ」
“プルフラス”:「後、輩……」
“プルフラス”:「い、いいんですか……?私が……そんな……」
“プルフラス”:「ウジ虫とか……便所コオロギとかでなく……?」
峯川千墨:「ンな扱いすんならわざわざ助けもしねェっての……」
舞浜ちよ:「そっか!ちずみちゃんの後輩になるんだ~!」
舞浜ちよ:「じゃあ私は大先輩だね~」
峯川千墨:「ッスね」
“プルフラス”:「大先輩……」
舞浜ちよ:「いや~、孫ができるってこんな気持ちなのかな~」
峯川千墨:「テメエもアタシはともかくアタシの先輩は敬っとけよ」
“プルフラス”:「は、はい……お二人とも尊敬してます……!」
舞浜ちよ:「そんなかしこまらなくてもいいのに~」
峯川千墨:「先輩はこの通りテメエとの因縁も気にせず受け容れてくれる海のように広いお心の持ち主だがよォ~」
峯川千墨:「だからってそこにゴミを捨てるような真似は許さねェ」
峯川千墨:「そん時はマジでやっつけっかんな。生き残ったことを後悔させるくれェのアレで」
“プルフラス”:「はっ……はひ……!勿論でふ……!」
峯川千墨:「分かりゃいい」ホットサンドを齧る。
舞浜ちよ:「も~、脅さないのちずみちゃん!」プルフラスを守るようにぎゅっとする
峯川千墨:「エェ~」
峯川千墨:「これでも控え目にしてますよ。任務だって、先輩がいねェとこでも勝手に死んだヤツ以外は殺しませんでしたし」“サタナキア”のこと。
舞浜ちよ:「そうそう!上から報告来たよ~」
舞浜ちよ:「ちずみちゃん、適正テスト合格だって。九十八さん、ちゃんといいように報告してくれたんだねえ」
峯川千墨:「いいようにって……」珍しく情けなさそうな顔をする。「ちゃんとやったんですってェ」
峯川千墨:「アイツが手心加えたとかじゃなく~」
舞浜ちよ:「もちろん分かってるよ!」
舞浜ちよ:「ちずみちゃん、私がいなくてもちゃんと頑張ったんだね」
舞浜ちよ:「プルフラスちゃんも、こうしてちゃんと保護してくれたし……他の人もボコボくらいで済ませたみたいだし」
舞浜ちよ:「ほんとに偉いよ。よく頑張りました」
峯川千墨:「ウス!」
舞浜ちよ:小さな背をいっぱいに伸ばし、向かいに座る君の頭を撫でる。
峯川千墨:胸を張った姿勢で撫でられる。
峯川千墨:「アァ~……何よりの褒美……」
峯川千墨:「うへへ…………」
峯川千墨:撫でられているうちに表情がどんどん緩んでいく。
舞浜ちよ:「……ほんとは不安だったんだ。ちずみちゃん、私がいなくても大丈夫かなって。やりすぎたり暴れたりしちゃうんじゃないかなって」
舞浜ちよ:「でも、私の考え過ぎだったみたい。ちずみちゃんはもう立派な、一人前のエージェントだよ」
舞浜ちよ:静かに撫でながら言う。
舞浜ちよ:「もう私の指導も必要ないかなあ……」
峯川千墨:「ヌ……いやでも」
峯川千墨:「アレっすよ。そうなれたのは間違いなく先輩のご指導のお陰ですし」
峯川千墨:「それでもまだまだ覚束ねェんで今後ともよろしくお願いしたいっつうか」
舞浜ちよ:「そう?」つむじの辺りを撫でながら小首を傾げる
舞浜ちよ:「それじゃあ、もうちょっと先輩させてもらっちゃおうかな……」
舞浜ちよ:「……ふふ、よかった。ホント言うと、私の方がちょっと寂しかったかも」
峯川千墨:「……仮に指導してもらうのが終わりンなったって」
峯川千墨:「アタシがそれで先輩への恩を忘れてさっさと離れるなんざマジ無ェ話ッスけどね」
峯川千墨:「でも安心しました」
舞浜ちよ:「安心?」きょとんとする
峯川千墨:「や、離れるつもりねェったって、そりゃ先輩とはなんかしら繋がりあった方がアタシも嬉しいですし」
峯川千墨:「あとアイツの指導もついでに頼みてェですし」親指で後ろの“プルフラス”を指す。
“プルフラス”:ジュースを飲んでいたところでびくりと背筋を伸ばす
舞浜ちよ:「……ん、そっか。そうだね」
舞浜ちよ:「それじゃあまだまだしばらく先輩でいられるかな~」
舞浜ちよ:「改めてよろしくね、ちずみちゃん。プルちゃんもね」
“プルフラス”:「は、はい……!よっよろしくお願いします……!」
峯川千墨:「ウス。よろしくお願いします」慣れた動作で頭を下げて。
峯川千墨:「つうか名前……」
峯川千墨:「名前あんのかお前。コード以外の」
“プルフラス”:「あ……え、と……」
“プルフラス”:セルでは長らく名乗るのを禁止されていたのか、おずおずと。
“プルフラス”:「パトリシア…… パトリシア・ニューマンです……」
峯川千墨:「オッ。あんのかよ良かった~」
舞浜ちよ:「じゃあパトちゃんだ」
峯川千墨:「赤んぼみてェに名前決めなきゃなんねェのかと思ってヒヤヒヤしたぜ。パトちゃんな」
“プルフラス”:「パトちゃ…… は、はい……」
峯川千墨:「テメエ覚悟しとけよ~。先輩は厳し……くは全然ねェけど」
峯川千墨:「その分アタシが厳しくすっからな。あと内輪のルールも厳しい」
“プルフラス”:「は、はひ……わかりました……」こくこくと頷く
峯川千墨:「UGNってどんなムカつくクソ野郎が相手でも絶対ェ殺しちゃ駄目っつーんだよ。アタシも今回でやっと慣れたくらいだ」
“プルフラス”:「こ、殺さないでもいいんですか……?」
峯川千墨:「…………」
峯川千墨:「ダメなんスよね?」自信が無くなったみたいに先輩に聞く。
舞浜ちよ:「そうだよ。もう誰も殺したりしないでいいの。嫌な思いして無理に戦わなくてもいいんだからね」
“プルフラス”:「そ、そうなんですか…… よかった……!」
“プルフラス”:安堵したように、嬉しそうに息を吐く。
峯川千墨:「やっぱダメか……」残念がる。
舞浜ちよ:「ちずみちゃんよりいい子かもな……」
峯川千墨:「エェ~……ア」
峯川千墨:「じゃあソイツがさっさと一人立ちしてくれりゃ先輩はまたアタシの指導に専念できるようになりますね」
舞浜ちよ:「ちずみちゃんより先に一人立ちするの……?」
峯川千墨:「向いてそうだし行けるんじゃねェスか? たぶん」
峯川千墨:「なァ。行けるよなァ?」
“プルフラス”:「え、えっと…………頑張ります…………?」
峯川千墨:「ホラ~~~。っつうことなんで」
峯川千墨:「今後ともアタシの先輩としてよろしく頼みます。末永く」
舞浜ちよ:「も~、しょうがないな~」
舞浜ちよ:言いつつ、どこか嬉しそうに。
舞浜ちよ:「うん。末永くよろしくね、ちずみちゃん」
舞浜ちよ:「さて、次の店行きますか!今日はいっぱい回るよ~」
【ED/九十八九十九-B】
九十八九十九:「それでは改めて~~~……」
九十八九十九:事件収束から暫く経った放課後。
九十八九十九:九霄高校校舎旧館の三階突き当り。殆ど通る者もいない一角へと
九十八九十九:九十八九十九は、白土を伴ってやって来ていた。
九十八九十九:両手で古臭い扉を指し示す。
九十八九十九:「ようこそ!天文部へ~~~!!」
九十八九十九:「ほらほら、そんなとこ突っ立ってないで入ろ入ろ」古びた鍵を差し込み、回す。
白土夏希:「はあ……」困惑気味にその場に立っている。扉と九十八とを見比べて。
白土夏希:「……いいんですか?入って……」
九十八九十九:「何だぁ~?もうちょい喜びな~」
九十八九十九:「私が部長になってから、ここに他の子入れるのなんて初めてなんだから。光栄に思ってもらわない……」
九十八九十九:「っと」ガチャン、と錠が落ちる音がする。
白土夏希:「それは……部として成立していないのでは……」
九十八九十九:「さぁさ、どうぞいらっしゃ~い」
九十八九十九:扉を開けて、白土を招き入れる。
白土夏希:「……では、お邪魔します」扉枠の上部に手を置いて、身を屈めるようにして部室に入る。
九十八九十九:「どうぞどうぞ~」
九十八九十九:「あっ、入ったら鍵閉めてね」
白土夏希:「ああ、はい…… ……?」少し疑問に思いつつも言われた通りにする。
白土夏希:「締めました」
九十八九十九:その部屋は、元々は一般の教室だったらしい。小規模な文化部の部室としては破格の広さだった。
九十八九十九:「うん、言うこと聞けてよろしい」
九十八九十九:「まー、どうせ誰も来ないんだけど。万が一があると面倒だからね」
九十八九十九:「色々外に出すと良くないやつとか置いてるからさ~」
白土夏希:「ああ、成程……」UGN関連の支部としても使っていると思い出し納得する。
白土夏希:部室を見回し「……広いですね。この部屋を一人で?」
九十八九十九:「んー?まぁね~、一人っちゃ一人かな~」そう言いながら中に入っていくと、
九十八九十九:二つの長机を繋げた作業スペースと、大きなホワイトボードが見えてくる。
九十八九十九:机の上には、幾つもの写真や捜査資料が山のように積まれ
九十八九十九:ホワイトボードには、人相の悪い何人かの人物、或いは怪物化したそれらの写真と
九十八九十九:その活動範囲、逃走経路を繋ぐように、赤マジックでラインやメモ書きが所狭しと書き加えられている。
九十八九十九:書き込みが多すぎてわからなかったが、それらの写真の一番下に貼られているのは九霄市の地図のようだ。
白土夏希:「……」圧倒されたように室内を見渡す。
白土夏希:「何と言いますか……ちゃんとしていますね」
九十八九十九:「えー?なんだよ~」
白土夏希:「自分はてっきり、仮眠室のように使っているものかと……」
九十八九十九:「マジで私が仕事サボって寝てばっかだと思ってた~?」
白土夏希:「そういうわけでは…… ……いえ、失礼ですが、少しだけ」
九十八九十九:「うわ、思ってたんじゃん」笑う
白土夏希:大量に書き込まれた地図に目を留め「……これは、全て先輩が?」
九十八九十九:「そだよ~。イリーガルに振れる仕事はどんどん振ってくけど」
九十八九十九:「そういうわけにはいかない仕事も意外と多いんだこれが」
白土夏希:地図と写真をじっと見て、考え込む。
九十八九十九:写真に納められた人物たちの内幾つかは、君も手配書を見たことがある様な広域手配犯だ
白土夏希:「……九霄市は平和な街だと……事実、そうなのだと考えていましたが」
白土夏希:「……この地図は?この街のものですよね」
九十八九十九:「やー、実際平和だよ?」
九十八九十九:「こいつと、こいつは」写真に赤マジックで✕を付けていく
九十八九十九:「この前捕まえたし、こいつは今回の騒ぎで根城を移したみたい」
九十八九十九:「言ったでしょ~?私が一人でここの支部やってんのはね」
九十八九十九:「一人で回せてるからなんだよね~。ちょ~っと寝不足気味だけど」
白土夏希:「……」
九十八九十九:「けどま、今回の事件で暫くこの辺物騒になるだろうから、流石に手が回んなそうでさぁ」
九十八九十九:「今日から手伝ってくれない?白土くん」
白土夏希:ずらりと並ぶ大量の写真と書き込み、そして九十八の目の下に刻まれた隈を見つめる。
白土夏希:「……寝不足になるというのは、一人で回せているとは言いません」溜息を吐く
九十八九十九:「良いんだよ~その分授業中寝てるし」
白土夏希:「何も良くありません。学生の本分は勉強ですよ」
白土夏希:軽く息を吐き、じっとその顔を見つめる。
白土夏希:「……その頼みは、九十八先輩個人としてですか?それとも、UGN九霄支部の支部長としてですか」
九十八九十九:「え~、そこ分ける必要ある?どっちか片方だけならキミは今ここにいないよ」
九十八九十九:「ん~、まあ、けど……そうだなぁ」
九十八九十九:「仮に君が今よりもっと強くて有能でも、それだけで頼ろうとは思わない」
九十八九十九:「私がキミをここに呼んだのは……」白土に歩み寄る。仄かに香水が香る距離。
九十八九十九:「キミのことが気に入ったからだよ。それじゃ不満?」
九十八九十九:小首を傾げて、下からキミの顔を覗き込む。
白土夏希:「…………」
白土夏希:目を閉じ、眉間に皺を寄せる。
白土夏希:「……不満ですね」
九十八九十九:「なんだとぉ」
九十八九十九:「おいっ、なにが不満なんだっ。言ってみろっ」軽い力で白土の胸板をどつく
白土夏希:びくともしない
白土夏希:「以前も言った通り、自分は先輩を好ましい方だと思っています。かわいいですし、スタイルも魅力的ですし」
九十八九十九:「お、おう……」
九十八九十九:臆面もなく言われて少し照れくさくなる。
白土夏希:「ですがだからと言って、それを手に取って肝心な部分を誤魔化したまま利用しようというのは如何なものかと思います」
九十八九十九:「肝心?」
九十八九十九:「ん~……この期に及んで私がなにかを隠しているというのかね白土くん?」
白土夏希:「あなたが何をしようとしているのか。そして、自分に何をさせたいのか」
白土夏希:「どうして他人に頼ろうとしてこなかったのか。それを聞かせてください」
九十八九十九:「……」少々面白くなさそうに、半目で白土を見つめて
九十八九十九:「なーるほど……鋭いね白土くん」
九十八九十九:「や、勘違いしないでね?ちゃんと順番に説明するつもりだったんだけどさぁ」
九十八九十九:「でもほら、この段階で一応言質取っときたいなってね」
九十八九十九:「ぜーんぶ曝け出した後で逃げられちゃったら、恥ずかしいでしょ?」目を潤ませておどける。
白土夏希:「……つまり」
白土夏希:「後戻りできなくなるような話ということですか」
九十八九十九:「ん……そうね」
九十八九十九:「後戻りできない……いや」
九十八九十九:「前に進むためのお話かな?」
九十八九十九:「来て」部室の奥へと歩いていく。
白土夏希:「……」自分と比べればあまりに小さいその背に着いていく。
九十八九十九:カーテンで仕切られた一角。それを一気に引いて、その先へ。
九十八九十九:入り口とは対角線上にある、部室の一番隅に当たる場所に置かれていたのは
九十八九十九:ダブルサイズの大きなベッドだ。
九十八九十九:そして、そこには既に人が横たわっていた。勿論、九十八でも白土でもない。
九十八九十九:白土よりはいく分小さいが、背の高い壮年の男性。40歳程だろうか。
九十八九十九:シーツや枕は清潔に整えられ、眠った様に目を閉じているが
九十八九十九:白土の目にはすぐに分かる。
九十八九十九:呼吸をしていない。心臓の鼓動も。
白土夏希:「……ッ……」
九十八九十九:代わりに、心臓付近から伸びたチューブが、ベッド脇の装置へと繋がっており
九十八九十九:血液を機械的に流動させる微かな駆動音が、夕暮れの部室の中に響いている。
白土夏希:仮にも学校の教室という場にあって異様に過ぎるその光景に、流石に驚愕と当惑を見せる。
白土夏希:「……。……この人は……?」
九十八九十九:「私の前のここの支部長」
九十八九十九:「チルドレンの時からの私の教官で、この学校でも、カバーで歴史の先生やってた」
九十八九十九:「この天文部も、先生が顧問兼支部長として立ち上げたんだ」
白土夏希:「この、状態は……。……生きているのですか、彼は……?」
九十八九十九:「んー……」少し間があって
九十八九十九:「……や、目が覚める見込みがあったらさ。もうちょっと設備の良いとこ置くよ。UGN傘下の病院とかさ」
九十八九十九:「2年くらい前かな~、まーちょっとやらかしちゃって」
九十八九十九:「こうなっちゃった。八割くらいは私のせいだったかな」
九十八九十九:「少なくとも、先生一人だったら死んではいなかったかも」
白土夏希:「……」ベッドに横たわる男から目を離せないまま聞いている。
九十八九十九:「もう心臓も動いてないし、脳死判定も受けてる。この機械のお陰で、腐ってはいないってだけ」
九十八九十九:「まーここから生き返ったらジャームだよね」乾いた笑いをこぼす。
白土夏希:「……先輩は……どうしたいんですか」
白土夏希:「どうするつもりで、この人を……」
九十八九十九:「んー……どうしたかったんだろ」
九十八九十九:「先生、家族もいなかったし。お葬式もやらなかったし」
九十八九十九:「先生が昏睡してすぐ私がここの指揮権を引き継いだから、延命……や、保存措置をいつまで続けるかも」
九十八九十九:「私の一存って事になったんだけど……」
九十八九十九:「……なんだか、タイミング逃しちゃって」
白土夏希:「……」
九十八九十九:「もしかしたら、そばで見てて欲しかったのかもね」
九十八九十九:「ほら、最低でしょ?」
九十八九十九:「自分が安心するためなら、恩師の生命の尊厳とかどうでもいいクソ女」
九十八九十九:「それが私、九十八九十九」
九十八九十九:「ホントは他人にあれこれ指図できる様な身分じゃないんだよね~」
白土夏希:チューブの中を流れる血液を見つめ、静かな駆動音に耳を澄ませる。
白土夏希:誰も立ち入らせなかったこの部屋で、ただ一人『彼』あるいは『彼だったもの』と向き合い続ける九十八九十九の姿を思い描く。
白土夏希:果たしてそれがどんな感覚、どんな思いだったのか。理解できる、想像し得るといえばきっと嘘になるだろう。
白土夏希:「……」
白土夏希:「そうでしょうか」
白土夏希:静かに口を開く。
九十八九十九:「……」
九十八九十九:「なぁに~?優しくしてくれんの?」
白土夏希:「先の経緯からか、或いは生来の性質なのかは分かりませんが、先輩は過剰に自罰的になっていると思います」
白土夏希:「家族や恩人と別れる決断を下すのが困難なのは、世界中、どんな人間であろうと同じことです」
九十八九十九:「キミもそう?」
白土夏希:頷く。
白土夏希:「植物状態にあったり、脳死を判定されたとしても、家族の生命維持を停止する判断を下せる人間はそう多くありません」
白土夏希:「たとえ生命活動が停止していたとしても、同じことでしょう」
白土夏希:「……それは、誰でも持ち得る弱さであり、優しさであるはずです」
九十八九十九:「……」静かに言葉を紡ぐ白土の、握った拳を見つめて
九十八九十九:「……そか、そうだね。そうかも」
九十八九十九:「……うん。私は多分この先も、なんとなく終わらせられないままでいると思う」
九十八九十九:「…………一人なら、ね」
九十八九十九:どこか、酷薄な笑みを君に向ける。
九十八九十九:「白土くん、同情すんのは早いよぉ?私はさぁ……」
九十八九十九:白土の握って拳に掌を重ねる。
九十八九十九:「今日、ここで、君に何をしてほしいのか」
九十八九十九:「まだ言ってないんだから」
九十八九十九:掌を重ねたまま、生命維持装置へとそれを伸ばす。
白土夏希:「……」
白土夏希:循環しつづける血液に視線を落とす。輸血される鮮やかな赤と、排出される黒ずんだ赤。
九十八九十九:「………」
九十八九十九:「白土くん。お願い。私の事を助けて欲しい」
九十八九十九:「私の罪を、半分背負ってちょうだい。その代わり……」
九十八九十九:「私も、君の罪を半分背負う」
九十八九十九:「……君はいつか、君の手で、誰かを殺す」
九十八九十九:「私は必ず、それは正しかったと肯定してあげる。君が誰かを殺めたなら、それは私が殺めたということ」
九十八九十九:「だからさ、最初に誰を殺すかは、私に選ばせてよ」
白土夏希:「……」
白土夏希:瞑目し、深く、深く息を吐く。己の内から迷いを吐き出し、覚悟を決めるように。
白土夏希:「……分かりました」
白土夏希:「ただ」
白土夏希:「次が『最初』です」
九十八九十九:「……頑固だなぁ君も」
白土夏希:言って、重ねた掌を振り払い、有無を言わせぬ力で九十八を押し退ける。
九十八九十九:「うぇっ!?なっ……!?」
九十八九十九:軽い身体が、いとも簡単に弾き出される。
白土夏希:そうして、生命維持装置に手を伸ばし、自分一人の手でその電源を落とす。
九十八九十九:「ちょっ……!!」伸ばした手が空を掴む
白土夏希:駆動音がゆっくりと止み、血液の循環が止まっていく。
九十八九十九:「あ……」
九十八九十九:「あ、……ああ……」力なく膝をつく
白土夏希:「……彼の命に関しては」
白土夏希:「あなたには少しの責任もない。九十八九十九」
白土夏希:「全て、俺の手でやったこと。これは俺が負う罪です」
九十八九十九:「……バ……」
九十八九十九:飛び跳ねるように駆け出して、白土の襟首を掴む。
九十八九十九:「バッッカ野郎!!お前……!!!!」
白土夏希:掴まれるままに九十八を見下ろす。
九十八九十九:「…………」一瞬食って掛かった後、襟をつかんだままその場で俯いて。
九十八九十九:「………後悔するよ」
白土夏希:「しません」
九十八九十九:「するって。絶対」
九十八九十九:「君は私から精算の機会を奪って、いらない分まで自分一人で背負い込んだ」
白土夏希:「しませんよ。絶対」
九十八九十九:「マジでバカ……何も解決してないじゃん」
九十八九十九:「するよ……」
白土夏希:「解決は今からするんです」
白土夏希:「『前に進むため』……自分で言いましたよね」
九十八九十九:「………」
白土夏希:「先輩。いつも着崩してますが、ちゃんとした制服も持ってますよね」
九十八九十九:「………?」
九十八九十九:「……どしたの、急に」
九十八九十九:焦燥した眼差しを白土に向ける。それが、意表を突かれて微かに揺らぐ。
白土夏希:端末を取り出し、どこかへと通話を掛ける。
白土夏希:「“ポーラー”です。少々手配をお願いしたいのですが……」
白土夏希:呼び出し中に、九十八へと視線を戻す。
白土夏希:「……していないと言いましたよね」
九十八九十九:「……なんのつもり?」
白土夏希:「大切な人が亡くなった時には、葬儀を執り行うものです」
白土夏希:「それは故人のためではありません。残された人が、前に進むために」
九十八九十九:「葬式って……」ベッドに横たわる亡骸へ視線を向ける。
九十八九十九:「………」それからもう一度白土へ視線を戻して
九十八九十九:「え、その手配を……?今から……?」
白土夏希:「ありませんか?制服」
九十八九十九:「………」
九十八九十九:「……あるけど」
白土夏希:「どうする予定だったんですか?この後」
白土夏希:「まさか山にでも埋めに行くつもりだったわけでもないでしょう」
九十八九十九:「………」顔を逸らす。
白土夏希:「埋めに行く気だったんですか……?」
九十八九十九:「……や、流石に山には埋めないよ……!?流石に……!後々事件になったらやだし」
白土夏希:「では、何も考えていなかったと」
九十八九十九:「……っ!考えてましたー!!ちゃんと跡が残らない形で処理する方法は考えてましたー!!」
白土夏希:「あまり方法に関しては聞きたくないですが……」
白土夏希:「とにかく、式はしましょう。彼にお世話になった方もいらっしゃるでしょうし」
白土夏希:「……それから、自分にも聞かせてください」
白土夏希:眠るようなその身体に軽く触れて。
白土夏希:「……彼のことを、もっと」
九十八九十九:「……言ったでしょ。親も奥さんも子供もいないんだってば」
九十八九十九:「もう、私しか……」
白土夏希:「教官をしていて、カバーで教師もしていたのにですか?」
白土夏希:「先輩が独り占めしたかっただけでなく?」
九十八九十九:「そこは記憶処理とかしたしさぁ……UGNの教え子だって何人生きてるか……いや、そりゃあ一人もいないわけじゃないだろうけど……」
九十八九十九:「い~~~よ!やるよ!やりますお葬式!!」
白土夏希:「良かったです。手配します」
九十八九十九:「てかどういう立場で立ってれば良いのさ……義理の息子と娘……?」
白土夏希:「誤魔化す必要がありますか……?教え子でしょう」
九十八九十九:「や、色々カバーはいるでしょ一般向けには……急に死体が出てきたんだしさ……」
九十八九十九:「……あ~もう良いか、その辺は上に全部やってもらお」
白土夏希:「……これは、先輩にとって一つの区切りにはなると思います」
白土夏希:「ただ、人が積み重なった過去の上に生きている以上、全てを振り切れるものではないと思います」
九十八九十九:「……立派だねぇ。私よりよっぽど立派だ」半目で睨む。
白土夏希:「先輩がそれを背負って先に進むと言うのなら、自分もそれを手伝います」
九十八九十九:「……ん」
九十八九十九:「……参ったなぁ、もう既に私じゃ荷が重いかも」
白土夏希:「その為に呼んだのでしょう?」
白土夏希:「幸い、力仕事なら得意ですよ」
九十八九十九:「"力ずく"でやるのはもうやめてよね~」
九十八九十九:「……」
九十八九十九:「……ん」小さな拳を突き出す。
白土夏希:それに応じて、ごつごつとした大きな拳を突き出す。
九十八九十九:「完っ全に言うとこ逃したけど、節目だもんね。私だけじゃなく、君にとっても」
九十八九十九:「UGN九霄支部へようこそ。白土くん」
白土夏希:「……ええ」
白土夏希:「よろしくお願いします。九十八支部長」
九十八九十九:突き合わされた少女の拳は、今までよりも僅かに重く、少年の大きな拳を押し返した。
【ED/赤川累】
イタリア ヴェネツィア
GM:船頭の漕ぐゴンドラが、数人の観光客を乗せてレンガ造りの建物の隙間、水路を滑らかに進んでいく。
GM:“ケルヴィム” シルヴェストロ・ヴェルガーニの遺体は正式に祖国へと返還される運びとなり、君達は自らその役目を請け負った。
GM:表向きヘレヴとしての地位は存在しておらず、彼は一人の聖職者として故郷へと還り、大勢の修道士や交流のあった人々が何も知らぬままに敬虔な神父との別れを惜しんだ。
GM:葬儀が済んでから、菫の提案で君達は帰国前にイタリアを観光していくことにしたのだった。
北見菫:「ローマに行けば良かったかなあ」
北見菫:最初の2時間ほどは楽しんでいたが、既にゴンドラ巡りに飽きた様子で声を発する。
赤川累:「ん、綺麗な街並みだと思うけど……不満だったか?」
北見菫:「不満ってわけじゃないけど……」
北見菫:「ゴンドラって、自分で漕げるものかと思ってたわ」
赤川累:「……」少女の片腕がないのを見て。
赤川累:「その場合、俺が漕ぐことにならないか?」
北見菫:「あら、当然でしょ。女の子に漕がせて座ってるつもり?」
北見菫:支部での大人しい振る舞いが嘘のように、二人きりになってからはずっと傍若無人な態度を見せている。
赤川累:「そんなつもりはないけども……つまり、俺に漕がせたかったって事かよ」
北見菫:「いい気味って程でも無いけど……男の子に漕がせて自分は優雅に座ってるの、良い気分でしょうね」
赤川累:「まあ……所謂お姫様気分ってそういうものなのかもしれないけど」
赤川累:「君の従者を務めるのは大変そうだな」
北見菫:くすりと笑って、古都の街並みを眺める。
北見菫:「……こんな綺麗な国で育ったら、神様はいるって本気で信じられるのかもしれないわね」
赤川累:「……まあ、そうだな」
赤川累:「毎日が暴力と隣合わせの世界に生きてると、中々そういう風には信じがたいだろう」
北見菫:「どうかしらね。過酷な状況にいればこそ、神様に救いを求めるっていうのもあるかも」
赤川累:「……それもそうか」
北見菫:「教会で育ったって全然信じない子もいるしね」片目を瞑る。
赤川累:「ふ、そうだな。どこにだって捻くれた奴はいるもんだ」
北見菫:ゆっくりと揺れるゴンドラの上で、君から視線を逸らすようにヴェネツィアの空を仰ぐ。
北見菫:「……今回のこと、ありがとね」
赤川累:「……ん」
赤川累:「こっちだって、色々助けられたからな」
赤川累:その横顔を見やり、なるほど美人を自称するだけあるなとかぼんやりと思いながら。
北見菫:「島でのことがあって、もうとっくに覚悟は出来てると思ってたけど……」
北見菫:「……多分、隣に赤川くんがいなかったら、私動けなかったと思う」
北見菫:「……だから、ありがと」
赤川累:「……それは」少し驚いたように目を見開いて、言葉に迷って。
赤川累:「それも、俺も同じだよ……いや、動けなかったとまでは言わないけど」
赤川累:「君を失いたくないから頑張れた、という部分は……大いにあるというか」
赤川累:少し視線がさまよっていたが、じっと目を合わせて。「つまり……こちらこそ、ありがとう」
北見菫:「あはっ……何よそれ」
北見菫:スカートを履いた足を伸ばし、ぶつけるように軽く蹴る。
赤川累:「な、なんだよ……君が言い出さなければ言ってなかったさ」
北見菫:「分かるけど。わざわざ恥ずかしい言い方しないで」
赤川累:大人しく蹴りつけられながら、照れくさそうに頭をかいて。
赤川累:「……そういえば、一つ聞き忘れてたことがあって」
赤川累:「北見さんは進路……というか将来、どうするんだ?」
赤川累:「大学じゃ、聞き返す前にあんな事になったからさ」
北見菫:「あれ……言ってなかったっけ」
赤川累:「大学に行くつもりって事までしか」
北見菫:「まあ、とりあえず普通に大学行くでしょ?」指を折りつつ
北見菫:「大学生活を目一杯楽しんで…… その後は、そうね」
北見菫:「就職するのもいいし、UGNエージェントっていうのもアリよね」
北見菫:「でも、最終的には……」
北見菫:「お嫁さんかな」
赤川累:「ああ……」納得したように頷く。
北見菫:「専業主婦。小さい頃から夢だったのよね」
北見菫:「旦那さんの帰りを待ちながら、家事をしたり子供の世話をしたり…… みたいな。そういう普通の主婦に憧れるのよね」
赤川累:「そうか……うん。いい夢だ。それに……」
北見菫:「あー、でも……まひろさん見てると主婦しながらエージェントっていうのもアリかなって思うのよね……」
北見菫:「それに?」
赤川累:「いや……なんだか少し、安心したな」
赤川累:「君が、そこまで自分の将来を楽しみに考えられていることにさ」
北見菫:「ふふ……言わなかったっけ」
北見菫:「私、全力で幸せになるつもりだから」
赤川累:「……ああ、そうだったな」微笑んで応じる。
北見菫:「過去への裁きがあるなら、その時は受け入れるわ。それで、全力で抗う」
北見菫:「そういうものでしょう、罰って」
赤川累:「そうだな。……俺達は、そうやって生きてきた」
赤川累:「あの日から、今日まで。だから、これからも同じだろう」
北見菫:「そうね」
北見菫:「……俯いて、くよくよして生きてたら、誰かさんに怒られそうだもの」
北見菫:今は亡き、自らの手で殺めた親友のことを想い、ゴンドラの縁に肘をついて水面を見つめる。
赤川累:「……そうだな」
赤川累:この体質になってから、脳裏に刻まれた記憶が褪せることはない。
赤川累:水面に視線を落とし、少し意識を過去に向ければ、思い出は現実と見紛うほど鮮やかにそこへと描き出される。
赤川累:いなくなったものの顔も、言葉も、忘れることはない。
赤川累:……だとしても。誰かが過去になってしまうのは、どうしようもなく痛ましい欠落であることに変わりはなくて。
赤川累:だからこそ、彼女には無事で居てほしいと思う。その夢を叶えるまで……あるいは叶えた後も、ずっと。
北見菫:「……そういえばさ」肘をついたまま、ぽつりと口を開く。
赤川累:「……何だ?」
赤川累:水面から視線を上げて。
北見菫:「B組の川田くん、知ってる?」
北見菫:「あのサッカー部の、背が高い」
赤川累:「ああ……あいつか。知ってるけど、急にどうした?」
北見菫:「告白されたのよね、この前」
北見菫:平然と口にする。
赤川累:「告白……ああ、告白か」
赤川累:「それを俺に話すというのは……つまり、返事の相談か?」
北見菫:「それノイマンのやつ?元々の性格?」嫌そうな顔をして
北見菫:「そうだけど。赤川くんはどうしたらいいと思う?」
赤川累:「え……気分を害したなら、悪かった。ただ、他人の色恋を茶化すようなノリはどうも苦手で……俺なりに真面目に話しているつもりなんだが」
赤川累:少し困惑した様子でかぶりを振って、口元に手を置く。
赤川累:「……そうだな。私見としては、好青年だと思う。部活の仲間内でも、面倒見が良いという評判を聞いたし……清潔感もある」
赤川累:「だが、告白への答えという意味では……」
赤川累:「どうあれ、判断を下す前に、よく相手と話して知り合うべきじゃないだとも思う」
赤川累:「それを怠ると、俺のように大火傷を負いかねない」
赤川累:いたって真剣に考え込んだ様子で、そう言って。
赤川累:「……というのが、俺の考えだが」
赤川累:「実際の所、彼とは親しいのか?」
北見菫:「ふーん……」首を傾げ、身体ごと傾けるようにして君を見る。
赤川累:「……な、なんだよ」
北見菫:「……じゃあ、私がもし川田くんと親しくなって、よく彼のことを知って、いい人そうだなって思ったら」
北見菫:「その時は、付き合ってもいいの?」
北見菫:目を細め、じっと君を見る。
赤川累:「それは……」
赤川累:「…………」
赤川累:「……あのな、北見さん」
赤川累:じっとその目を見返したまま、つとめて落ち着いた声で。
赤川累:「俺だって、そういう言い回しの意味が分からない訳じゃない。つまり、これは……」
赤川累:「俺が君に嫉妬するのか、って聞いてるんだろう」
北見菫:「あら、そう聞こえた?」涼しい顔で
北見菫:「それもノイマンのやつかしら」
赤川累:「いいや、ごく一般的な男子高校生の会話術だ」
赤川累:「否定しないなら、その前提で答えるぞ」
北見菫:「ご自由にどうぞ?」
赤川累:「……正直に言って、寂しくはあるさ」
赤川累:「さっき言ったように、俺は君という存在に助けられてきた」
赤川累:「君が生きていてくれていたこと、傍にいてくれた事に、これまで何度も」
赤川累:「だが……君にそういう相手ができたなら、距離感を改める必要はあるだろうし」
赤川累:「それはつまり……こういう風に、二人きりで過ごすのも避ける必要があるという事で」
赤川累:「……それは、個人的な感情で言えば、寂しいとは思う。まずそれが1つ目だ」指を折り。
赤川累:「……だが、それ以上に」
赤川累:「俺は君が幸せになる道を邪魔したくない」
北見菫:「……?」
北見菫:眉をひそめる。
赤川累:「君が彼と直に話して、自分の人生に必要な相手だと思ったのなら……それが、君の気持ちって事だろ」
赤川累:「俺の感傷ひとつで、その妨げにはなりたくない」
北見菫:「…………」
赤川累:「まあ……こう言ってる時点で、気にするなって言うのも変な話なんだが」
赤川累:「君の質問に対する正直な回答としては、こういう感じになる」
北見菫:「……赤川くんって……」
北見菫:これ見よがしに深々と溜息を吐く。
北見菫:「全っ……然変わってないわね……」
北見菫:「見てる?澪央……こんなよ、こんな」
北見菫:「あなたの苦労が偲ばれるわ」
赤川累:「くっ……なんだって言うんだよ」
北見菫:「もういいわ。ていうか、ウソだから」
赤川累:「……え?」
北見菫:「その場で断ったわよ。あんなチャラいの全然タイプじゃないし」
赤川累:「こ、こいつ……」
赤川累:「こっちはかなり真面目に考えて答えたのに……」
北見菫:ゴンドラが接岸すると共に軽やかに立ち上がる。
北見菫:「さ、行きましょ。次はサン・マルコ広場よ」
北見菫:「せっかくイタリアに来たんだもの。ジェラートが食べたいわ、私」
赤川累:「……はあ、ったく」ため息を付いて、その後に続き。
赤川累:「しょうがないお姫様だ」
赤川累:そう呟き、ゴンドラの降口へと手を引いてエスコートする。
北見菫:「光栄でしょう?」
北見菫:そう言って笑って、片方だけの手を繋いだ。
【ED/木花小夜】
GM:事件からしばらくが経ち、様々な報告や事後処理といった作業も終わった頃。
GM:正式に九霄市を去った君は、恋人である風花の自宅、マンションの一室を訪れていた。
GM:よく整理され、片付いた部屋。様々なトレーニング器具の他、あまりイメージに合わない情報誌の類が紐で括られて積まれている。高校生としてのカバー用の情報収集だろう。
木花小夜:「お邪魔しまーす……」おずおずと足を踏み入れ、キョロキョロとあたりを見回す。
木花小夜:ガーリーなフリル付きブラウスに、ベージュのチェック柄のロングスカート。
風花春悠:「ああ。えーと……その辺に座って」
風花春悠:暗色のパーカーにジーンズのシンプルな私服姿。ごく普通の男子高校生然としている。
木花小夜:「うん」スカートの裾を気にしながらちょこんと座る。
風花春悠:「悪いな……片付けはしたんだけど、普段誰も来ないからさ」
風花春悠:「コーヒーでいいか?インスタントだけど」
木花小夜:「別にいいよいいよ……てかっ」
木花小夜:「私が急に行くとか言ったんだし……うん、ありがとう」
風花春悠:二人分のコーヒーを運んできて、普段は一人で使っているのだろうローテーブルに置く。
風花春悠:「……改めて、お帰り。小夜」
木花小夜:それを受け取って、つい、とカップを突き出す。
木花小夜:「うん。ただ今、春悠」
木花小夜:「それから……おめでとう」
風花春悠:応じてカップを突き出して、乾杯のように鳴らす。
風花春悠:「ありがとう。……小夜もおめでとう」
木花小夜:「うん。何とかなってよかった」
風花春悠:「事件の解決と、それに……」
風花春悠:「内々では決まったって話だったけど……もう正式な辞令は来たのか?」
木花小夜:「ううん」首を横に振って。「今まだ九霄市内がゴタゴタしてて……」
木花小夜:「前支部長が亡くなったとかで。しばらくは喪に服すみたい」
木花小夜:コーヒーに少し口をつける。熱かったので一回置く。
風花春悠:「そうなのか……。……何にせよ、ここからだな」
風花春悠:「……熱かった?」
木花小夜:「うん。ここをゴールにしてるわけじゃ……あっ」
木花小夜:「ううん。平気」
風花春悠:「体温低いもんな。……いや、猫舌なだけ?」
木花小夜:「どっちもかも……あ、ねえねえ、研修ってどんなのだったの?」
木花小夜:「なんか……対策とかしといた方がいい?」
風花春悠:「どうなんだろうな……教官ごとに変わるかもだけど……」
風花春悠:「かなり厳しかったよ。死ぬかと思った」
木花小夜:「えっ」
木花小夜:「大丈夫だったの……!?」
木花小夜:「あっいや、大丈夫だったから今いるしこっちも来てくれたんだろけど……」
風花春悠:「というか……何回かリザレクトしたから死んでるな」
木花小夜:「そんな……」
木花小夜:「なんて名前の教官?抗議しに行く」
風花春悠:「いやいやいや……やめてくれって……」割と本気で焦ったように
風花春悠:「……というか、俺が頼んだんだよ」
木花小夜:「だって……!……春悠が?」
風花春悠:「ああ。出来るだけ早く終わらせたいから、その分厳しく叩き込んでくれって」
木花小夜:「そっか。それで来てくれたんだね……」
木花小夜:「じゃあ抗議やめる」
風花春悠:「うん。やめて」
木花小夜:「でも、日本支部エージェントになったら、引っ越すことになるのかな」
木花小夜:「少なくとも、平庭市支部付きじゃなくなるってことだよね」
風花春悠:「……そうだな。あちこち回ることになるだろうな」
木花小夜:「ここにもお世話になったね……」
風花春悠:「殆ど帰って来ないエージェントも多いって話だ。逆にインターバルの長い人もいるって噂も聞いたけど……」やや言葉を濁す
風花春悠:「……うん……長かったな」
木花小夜:「……キャリアを積む手段として、支部長職もあるんじゃないかって言われたの」
木花小夜:「だけど……向かないかなって思った」
風花春悠:「……どうして?」
木花小夜:「何よりも街を守ることが最優先になるんだなって思った」
木花小夜:「それは当たり前のことで。当然正しいことなんだけど」
木花小夜:「だからこそ見過ごすことも出るんだと思った。長期的な組織視野とは離れるところが出ちゃう」
木花小夜:「それ自体を変えたいなら、もっと広く動き回れるほうがいいって思った」
木花小夜:「ああはなれないし、必ずしもあれがなるべき姿じゃない」
風花春悠:「……確かに、俺達の夢とは違うかもな」頷き
風花春悠:「……でも、どうだろうな。案外やってみれば、小夜は向いてるような気もするけどな」
木花小夜:「え~?」
木花小夜:「でも私、あんまり強く言えないよ……?」
風花春悠:「今回もそうだろ。保護対象の女の子に懐かれてたし……」
木花小夜:「それは……」
風花春悠:「色んなところ、よく見てるからさ。その分抱え込みすぎるところもあるけど……」
木花小夜:「……うん」
風花春悠:「俺はそういうの、絶対無理だからさ。尊敬してる」
木花小夜:「春悠……」
木花小夜:「でも春悠だって向いてるよ、やったら!」
木花小夜:「誰よりもみんなを大事にしてくれて……」
木花小夜:「何があっても絶対助けてくれるんだって思うもん」
木花小夜:「あとそれからね……」
風花春悠:「ん……?」やや照れ臭そうに
木花小夜:「戦術指示も的確だし、あと威厳があるっていうか……」
木花小夜:「あっでもちゃんと優しくて……」
風花春悠:「……分かった、分かったから……」もういいというように掌で制する
木花小夜:「……あ」
木花小夜:「照れてる?」
木花小夜:「照れてるの~?」
風花春悠:「照れるだろ、そりゃ……」視線を逸らす
木花小夜:「んふふ」笑う。かわいい、との言葉は飲み込む。
風花春悠:「……実際……俺は、さっき小夜が言ったようなことなら出来ると思うよ。それしか出来ないとも言える」
風花春悠:「絶対守りたいものだけを選んで、それ以外を切り捨てるようなやり方」
風花春悠:「でも……やっぱり、それじゃいけないと思う」
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「多分……みんなそうしてきた」
木花小夜:「そして、これからも……そうしていくんだと思う」
木花小夜:「それも、とても得難いことだと思うし、やらなきゃいけないんだと思う」
風花春悠:「……でも……だから、変えなきゃな」
木花小夜:「うん。それが一番いいんだって。それしかないんだって」
木花小夜:「そう思っちゃわないようにしなきゃ」
風花春悠:「スタートラインは切って、こうして一歩目は踏み出した」
木花小夜:「……うん」
風花春悠:「これから、ゴールがどれだけ遠いかは分からないけど……」
風花春悠:「……頑張ろう。二人で」
木花小夜:「……うん。あ、あとね、春悠。私」
木花小夜:「他にもやりたいことできたんだ。全然関係ないってわけじゃないんだけど……」
木花小夜:「今回、すごい困ったし。ゴールに向かうだけなら、遠回りかもしれないんだけど……」
風花春悠:「へえ……。……うん、何?」
木花小夜:「……免許、欲しいなって思った。運転できる人、全然居なくって」
風花春悠:「くっ……ははっ、そんなことか」
風花春悠:「遠回りっていうか、それ……」
風花春悠:「エージェントになるなら基本みんな持ってるぞ」
風花春悠:「少なくとも支部長以上の人はみんな……」
木花小夜:「そうなんだ……」訓練所と年少者ばかりの支部を経ているため知らない。
木花小夜:「あ、でさ、私が免許取ったらさ。どっか出かけようよ」
木花小夜:「どっちかというと……」
木花小夜:「そっちがメインかもしれないや」
木花小夜:「目標に向けて、最短距離で、他の何も切り捨ててって……」
木花小夜:「そういうこと、私、したくない」
木花小夜:「殉じるだけの人たちを救うためだけに、殉じるつもりなんてない」
風花春悠:「……寄り道もしたい?」
木花小夜:「うん。私たちのあるべき時間が奪われたんだって言うならさ」
木花小夜:「うんと寄り道もしようよ。人一倍」
木花小夜:「二人で」
風花春悠:「……うん。そうだな……」
風花春悠:他人には見せない、穏やかな顔で頷いて。
風花春悠:「……」
風花春悠:それから不安げな表情になる。
風花春悠:「……運転できるのか……?小夜って……」
木花小夜:「ちょっと!?」
木花小夜:「それおかしくない……!なんで!?」
風花春悠:「だって……想像できないっていうか……」
風花春悠:「結構ぼんやりしてるとこあるし……大丈夫なのかなって……」
木花小夜:「してない」
風花春悠:「してるって……」
木花小夜:「してないから」
木花小夜:「ちゃんといろいろ考えて行動してるもん、私」
風花春悠:「それはそうなんだけど……」
木花小夜:「……今だって」
木花小夜:「ただ、お疲れ様、おめでとう、これから頑張ろうって言うためだけに」
木花小夜:「ここに来たわけじゃないからね」
風花春悠:「ほっとけないと言うか……見てて心配っていうか……」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……な、何……」たじろぐ
木花小夜:「……何って」座ったまま腰を浮かせて、距離を詰めて。
木花小夜:「ほっとけなくなって欲しいなって思った」
風花春悠:「……」
風花春悠:それ以上距離を詰められないようにするかのように、腕を前に出して
風花春悠:「……小夜……」
風花春悠:「あのな……」
木花小夜:「……何」
風花春悠:「一応……俺だってな」
風花春悠:「彼女を部屋に呼ぶってなれば、緊張しない訳ないだろ」
木花小夜:「……うん。うん」
風花春悠:「……いや、だからその……」
風花春悠:「あまり軽々しくそういうことをな……」
木花小夜:「春悠の方がぼんやりしてるじゃん」
木花小夜:「えいっ」こてん、と体を預ける。
風花春悠:「っ」一瞬びくりとして、それを受け止める。
木花小夜:「私ね、今回がんばった」
木花小夜:「今もがんばってる」
木花小夜:「だからね。こうしたい」
木花小夜:「それだけ。それが春悠も同じなら、とても幸せ」
風花春悠:「……」
風花春悠:一度息を吸い、吐く。自分より低い、されど確かな体温が胸の中にあるのを感じて。
風花春悠:ゆっくりと手を伸ばし、優しく抱き寄せるようにして、髪を撫でる。
風花春悠:「……うん」
風花春悠:「偉いな、小夜は」
風花春悠:「よく頑張ったよ。……本当に」
木花小夜:「うん」血の色を呈したメッシュの交じる髪。
木花小夜:それを撫でられて、気持ちよさそうに目を閉じる。
木花小夜:その表情には、険も気負いもまるで消えて。それは、幼子のようにも見えた。
たとえ私が死の影の谷を歩むとも、災いを恐れない。貴方が私と共にあるならば。
────詩篇 23篇4節
Double Cross The 3rd edition
リプレイ:リバース
『聖絶せよアフトピストス』
END
GM:全行程終了です。お疲れさまでした!
木花小夜:お疲れ様でした!
峯川千墨:お疲れ様でしたー!
軽部龍授:お疲れさまでした!!楽しかったです!
九十八九十九:おつかれさまでした~!
赤川累:お疲れ様でした!