Days, Blue Daze



メインログ/雑談ログ

Trailer



キングダムの一画で、一筋の煙が立った。
一つの事件と一つの課題に直面した少女たちは、
やがて流されるように、いくつかの学園を渡って歩くことになる。
欲望が駆り立て、浅はかに邁進する衝動の野火。
あるいはそれも、楽園に瞬く一つの光に過ぎない。
であればそれを止める光も、偶然に導かれるのは必然となろう。
これはノヴァリスのありふれた情景。
取るに足らない時間。物語の一行。アルバムにも残らないワンシーン。
何気ない日常の中の、ほんの少しの奇跡。
 ダブルクロス3rd Edition
『 Days, Blue Daze 』
 ダブルクロス、それは――危難に輝く二つの星冠ほし




Index


Opening
【◆ Opening 01  Scene Player ... 薄蛍レド】
【◆ Opening 02  Scene Player ... 柴辻マサラ】

Middle phase
【◆ Middle 01  Scene Player ... 齋藤リッコ】
【◆ Middle 02  Scene Player ... 柴辻マサラ】
【◆ Middle 03  Scene Player ... 齋藤リッコ】
【◆ Middle 04  Scene Player ... 柴辻マサラ】

Climax
【◆ Climax  Scene Player ... 薄蛍レド】

Ending
【◆ Ending 01 ... 柴辻マサラ】
【◆ Ending 02 ... 薄蛍レド 斎藤リッコ】



Preplay


GM:それでは今回の参加PCに自らを紹介していただきつつ、ハンドアウトの確認をしたりします。
GM:PC順にやっていくぞ。まずは薄蛍レドさん!
薄蛍レド:はーい
薄蛍レド(キャラシート)
薄蛍レド:というわけで、キングダム一般生徒、祝花委員会に所属してるサボり魔、薄蛍レドです
薄蛍レド:座右の銘は「フツーが一番」。平和と平穏を愛する昼寝好きな女です。
GM:お花畑が似合いそう
薄蛍レド:いい香りに包まれて寝るのは気持ちが良いよ
薄蛍レド:性能はNCの新データに手を出してみた隠密射撃型です。ミドルでもなんか画面内に出るのをサボると捗る
GM:存在をサボるんだ……
薄蛍レド:たびたびサボってどっかに消えては情報なりなんなりを持ってきているとかいないとか
薄蛍レド:今回のPC2のリッコちゃんとはおそらく友達……でいいよね?
齋藤リッコ:レドマイフレンド
薄蛍レド:ウチらズッ友やし
GM:友達! そこそこ知り合いくらいに思ってもらえればという感じです。
薄蛍レド:会うと喋る仲
薄蛍レド:この女、実はなんか隠し気味の過去があるそうです
GM:ふうん……?
GM:生まれた時は赤ちゃんだったとか?
薄蛍レド:知られたからには……
GM:ギャーッ
薄蛍レド:かつてキングダムの諸王のひとり、”未詳王”だったとかなんとか。存在だけ知られて正体を知るものはいなかったらしいです。
薄蛍レド:知られたので代替わり、遺産との契約もあっちから破棄されたとかなんとか まあ過ぎたことだけどね
薄蛍レド:そんなことより、今をときめく一般JK生活を楽しんでいます
GM:肩の荷を下ろしたというわけ
薄蛍レド:やっぱフツーが一番だよ ということで、そういう普通の女子っぽい感じの祝花委員会に所属してみたりしたとかなんとか
薄蛍レド:そんな感じです
GM:キングダムの生徒というと、なんか王とかいって怖い人たちがしばしば目立ちますが
GM:一般キングダム生の中にはそう穏やかに学生生活を送っている人もいる! そういった所を描写していければいいですね。
GM:そんなレドさんのハンドアウトはこちら!

PC1:薄蛍レド
シナリオロイス…祝花委員会  推奨感情…尽力/不安
『祝花委員会』は、あるかどうかも定かではないノヴァリス生の『卒業』に向けた学園間組織の一つだ。
比較的穏健な生徒たちによる、卒業生たちへの贈呈花を準備する組織だが、その穏健さゆえ常に戦力が不足していた。

君は何らかの縁あって祝花委員会の依頼を受けたノヴァリス生か、あるいは祝花委員会の所属者だ。
君の任務は、とある贈呈花を育てるための特殊な栄養剤『βプランス』をキングダムの園芸部まで輸送することだった。
輸送中の荷物が炎上するまでは。


GM:物運び中に荷物が炎上しました。
薄蛍レド:サボらず真面目にやろうとしたらこれだよ
薄蛍レド:私の平穏、いずこへ……
GM:頑張って取り戻してください 平穏などを……
GM:ハンドアウトは以上です。何か確認することはありますか?
薄蛍レド:だいじょうび!
GM:オッケーです。よろしくお願いします!
薄蛍レド:荷物と平穏以外は……
薄蛍レド:よろしくお願いします!
GM:それでは次……PC2! 斎藤リッコさん!
GM:自己の紹介をどうぞ!
齋藤リッコ:はい!
齋藤リッコ(キャラシート)
齋藤リッコ:齋藤リッコです。キングダム連合学院高等部2年生。
齋藤リッコ:齋藤はいちばん難しいほうの齋藤です 重要ポイント
GM:そんなことをアイデンティティに……
齋藤リッコ:大切なアイデンティティ
齋藤リッコ:キングダムの所属ですが、特に王とかではなく、何か委員会みたいな活動をしているわけでもない、普通のモブ生徒です
齋藤リッコ:容姿も学力も運動も戦闘も凡庸そのもの。ブルアカだとモブ立ち絵になるタイプの生徒ですね
齋藤リッコ:そんな平凡さにコンプレックスを感じつつ、他の特別な生徒たちに嫉妬の目を向けていきます
GM:特別な人、多いし、仕組み的に目立つからね……キングダム
齋藤リッコ:性能的にも普通です Dロイスもないし……
齋藤リッコ:ちょっと殴ったりカバーしたりします 今回はバランスを鑑みて防御に寄せてみました
GM:強いエフェクトしか書いてねえ
齋藤リッコ:バロサラ、柔軟性がある
齋藤リッコ:そんな感じです!よろしくお願いします!
GM:はーい。そんなリッコさんのハンドアウトはこちら!

PC2:斎藤リッコ
シナリオロイス…PC1(薄蛍レド)  推奨感情…親近感/猜疑心
君の住まいは炎上した。
買い物から帰ってきた君の目の前でのことである。幸運なのは君が巻き込まれなかったことで、不運なのは壁一面が焼失したことだ。
突然の不運に見舞われた君は、炎上に巻き込まれたPC1を助けつつ、今夜の宿と、住まいの修復について考えなければならなかった。


GM:炎上しました。家が。
齋藤リッコ:家が!!!!!!!
齋藤リッコ:どうして…………
齋藤リッコ:トホホ~~~ッ
GM:死亡がなく負傷も再生するノヴァリスにおいては、居住地の存在階位は外の社会より高いともされています。
齋藤リッコ:そんな家が!!!!!
GM:ケガより寝る場所がない方が惨めってわけだ。頑張って生きていってね。
齋藤リッコ:エ~~ン がんばります
GM:ダンボールの寝床の作り方を覚えることになってしまうのか……よろしくお願いします!
齋藤リッコ:こんなの普通じゃないよ~ よろしくお願いします!
GM:それでは次、PC3。柴辻マサラさん!
柴辻マサラ:はい
柴辻マサラ(キャラシート)
柴辻マサラ:メサイア学区のトランぺッター執行部所属、高等部2年の柴辻マサラです。
柴辻マサラ:シニヨンにまとめた髪と黒縁眼鏡、規定通りの制服と見た目だけ見れば模範的な優等生。
GM:トランペッター!
柴辻マサラ:喋り方も敬語で丁寧……を心がけています。が、たまに漏れる地はもっと雑だし乱暴め。
柴辻マサラ:というのも、元々はトランぺッターではなくマフィアの構成員をやってたせいです。狂犬枠の若頭とかそういうの。
GM:きょ、狂犬枠……
柴辻マサラ:何でも壊せるし壊したくなる影を操るのが能力で、上の人に言われるままに色々壊してました。
柴辻マサラ:でも壊すのが別に好きと言う訳では無く、そればっかする日々にも周りからの扱いにも辟易してトランぺッターに下ったという訳です。
GM:好きと向きは違ったのだなぁ
柴辻マサラ:現在は壊すだけじゃなく人々の平穏とか日常とか守れるようになろうと頑張ってます。見た目から入ったりもして。
柴辻マサラ:性能的には暴走しながら強化した後暴走解除して範囲攻撃撃ちます。ウロピュアパワーを見せてやるぜ。
柴辻マサラ:こんなところでしょう。よろしくお願いします。
GM:コワ~……ではそんなマサラさんのハンドアウトはこちら!

PC3:柴辻マサラ
シナリオロイス…輸送物炎上犯  推奨感情…興味/敵愾心
君は調査にあたっていた。星室庁をはじめとする誰かからの依頼かもしれないし、君自身の自主的な行動かもしれない。
調査対象は、ノヴァリス各地で散発的に発生している輸送物の炎上事件である。
まだ数は少なく、威力もそこまでではないので大した被害は出ていないものの、その手口には似通ったものがあるという。
そして今日、新たな炎上事件が発生した。場所はキングダム。斎藤リッコという少女が被害に遭ったという。


柴辻マサラ:大した被害が出てる
GM:これはまさしくトランペッターとして調査に当たっていた所、キングダムでまさしくな被害が出たという知らせを耳にする方向をイメージしています。
柴辻マサラ:了解です 市民の生活を守らなきゃ
GM:越境にはなりますが、まあ調査のための情報を持ってのことなので……大丈夫じゃないかな
GM:OPでも触れますが、今までは事後報告ばっかりだったのが、今回初めて新鮮な情報が入ったので乗り込んでいく そういう感じでよろしくお願いします!
柴辻マサラ:はーい 頑張ります



【◆ Opening 01  Scene Player ... 薄蛍レド】

GM:レドちゃんリッコちゃん合同でのオープニングです。両者とも侵蝕率ダイスを振り、登場してください。
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (35 → 43)
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (40 → 45)



GM:キングダム連合学院ーー
GM:薄蛍レドにその日与えられた任務は、学外から輸送されてきた荷物を、キングダム連合学院『園芸部』まで運んでいくという単純なものであった。
GM:学外物資は、校門近くの倉庫に集積される。君は伝票を持ってそこから荷物をピックして運んでいけば良いという、まったくシンプルな仕事である。
GM:逆に言えば、それだけのことを『社会人』にやらせる力もないのが、君の所属する『祝花委員会』の実情であるとも言うのだが……
GM:時刻は昼下がり。平和なキングダムの家並みを抜けて、園芸部の拠点に夕方までに着けば良い。寄り道だってできる楽な仕事だ。
GM:辺りには先住市民や労働生徒の店が開かれ、食欲を誘う香りも漂ってくる……
薄蛍レド:「いやー、誘惑が多いなあ。ワッフルとか食べたくなってきちゃったなあ」荷物を持ちながら、急ぐでもなく歩いている。
労働キングダム生:「幻獣の卵で作ったカステラ、現在焼き立てで~す! 一口サイズから!」
労働キングダム生:「一口サイズから! 小骨入りの有精卵カステラもありますよ!」
薄蛍レド:「あっ、カステラいいなあ。……小骨要る?」
先住市民:「焼き鳥、焼き鳥やってるよ~。ピンクソルト味でお肌もモチモチになるよ~」
薄蛍レド:「焼き鳥かー……いやあ本当に誘惑が多いのなんの」
労働キングダム生:「それが癖になるって評判なんですよ! 甘いのにホネみたいな歯ごたえ……どうです? ほらほら!」
労働キングダム生:興味を示せばずいずい寄ってくるぞ。小柄で賑やかな女生徒だ。
薄蛍レド:「んー、じゃあ一袋もらっちゃおうかな」
薄蛍レド:「届けばいいんだしね、寄り道厳禁とか言われてないし……へへ」
労働キングダム生:「は~い! お客さんラッキー! 焼き立てはホントに美味しいんだから」
薄蛍レド:「やったね、ありがとう~」
労働キングダム生:「焼き立てと、ちょっと時間置いたのと。味違うのにお値段同じなんて、罪よね~」 言いながら一つ君に包んで渡す
薄蛍レド:「いやあ、寄り道はしてみるもんだなあ」お礼を言いながら受け取る。
薄蛍レド:大事な荷物ではあるが、急ぐ必要がないなら、そんなにせかせかしなくていいじゃないか。
薄蛍レド:鼻歌交じりに、ふらふらと寄り道を楽しみながら歩いている。
GM:その威厳ある政治体制で広く知られるキングダム連合学院であるが、こうした緩やかな風景も下町ではしばしば見られる。
GM:"王"なりし生活では知り得なかった光景であろう。
薄蛍レド:「……はー、いいね。こういうのがいいんだよ」
薄蛍レド:屋台のアクセサリーを眺めたり、おいしそうな匂いに誘われたり。
薄蛍レド:任務中でこそあるが、のんびりした時間を有意義に使っている。
GM:……やがて君は、知った建造を視野に捉える。
GM:寮だ。一般生徒の用いる集団住居。そしてそこは、君の知人の住まう居住でもあった。
GM:ここまでくれば、園芸部までもあと一息という所である……その時。
GM:ふと、妙な熱さを感じる。
薄蛍レド:「……? ん? んん?」
GM:最初はなんだか急に暑くなってきたな、といった所であったが、それはやがて、明確に熱による『痛み』を訴えかけてくる。
薄蛍レド:「んっ?えっ!?」
GM:その発生源は、君の運んでいた荷物だ。
薄蛍レド:「熱ッ、えっ、なに!」思わず荷物を手放す
GM:君が荷物を放ると、その包装はみるみる内に焼け焦げ始め、煙を上げていく。
薄蛍レド:「えっ、燃え……ちょっ、燃えてない……?」
薄蛍レド:突然の出来事にあたふたしている。先程の緩やかな時間が嘘のようだ。
GM:そう、燃えている。そして、運の悪いことに……
危険物輸送社会人:『ヴィー! ヴィー!』
GM:突然の警報音! すぐそこを通過していた、コンテナ輸送型社会人が発するブザー!
危険物輸送社会人:『不審熱源、感知! 不審熱源、感知!』
薄蛍レド:「うわっ、何!何なに!!」
薄蛍レド:「いや、でもなんか消火とか……なんかないかな!」
危険物輸送社会人:『保安条項ニ従イ、輸送物ヲパージ! 周辺ノ皆サン、ゴ注意下サイ! 輸送物ヲパージ!!』
薄蛍レド:「なんかマズそうなんだけど!!」
GM:ガキョン! と音を立て、コンテナを切り離す危険物輸送社会人。
GM:切り離しの衝撃によりコンテナから嫌な匂いのする液体が漏れ出し……
GM:……君の放り出した、もはや燃え始めた荷物に触れ、流れる液体は激しい炎上を始める!
GM:そしてその燃える液体は……ああ!
薄蛍レド:「あ……」
GM:寮の方角へ流れていきーー古びたその壁に……燃え移る!!
薄蛍レド:「すんごいマズい事に……だ、誰か水とか……」
薄蛍レド:「だ、誰か……誰かーッ!!」

GM:キングダム連合学院、一般生徒向け学生寮、1階。
GM:齋藤リッコの部屋は、道路に面したその寮の一室であった。庶民的な賑やかさに満ちた下町にほど近いロケーションである。
齋藤リッコ:「うーん……」
齋藤リッコ:学校から帰ってきて、制服姿のままベッドに上がり、半ば逆立ちのような格好で足を壁に付けてだらけている。
齋藤リッコ:ノヴァリスに来て数年目の冬。齋藤リッコは焦っていた。
齋藤リッコ:『きっと何者かになれるはず』──新たな門出に際し、大小あれど誰もが抱き得るそんな幻想は、今や見る影もなく消え失せていた。
齋藤リッコ:学業でも、スポーツでも、エンタメでも、何をしようとリッコが特別な存在になれることはなかった。
齋藤リッコ:必ずどこかにあるはずと信じた、自分も知らぬ秘めたる才能の種は、どこを掘り返し水を撒こうと、終ぞ芽を出すことはなかった。
齋藤リッコ:セイクリッドピラー襲撃、キングダムの内乱、ノドスの暗躍と国連の介入……いずれの事件も、単なる一般生徒であるリッコにはその詳細どころか発生の事実すら覚束ないものだったが、
齋藤リッコ:だからこそ日常を……ノヴァリスを取り巻く空気の変化は、まざまざと感じ取れるものだった。
齋藤リッコ:そして理解した。自分はずっと、蚊帳の外にいたのだと。
齋藤リッコ:あの時と同じだ、と思った。
齋藤リッコ:『八月革命』。当時『鴉の塔レイブンタワー』が解放され、昨日まで自分と同じだった生徒たちが次々と強大な力を得ていく中でも、リッコに呼応した遺産は一つたりとも無かった。
齋藤リッコ:戦う力を持たぬ彼女に出来たのは、精々炊き出しや怪我人の運搬程度だった。
齋藤リッコ:……過去に一度だけ、前生徒会長、雨月夜シオンに会ったことがある。
齋藤リッコ:というより、実際には一方的に見たことがあるだけだが。彼女は大勢に囲まれ、リッコはその大勢のうちの一人として、彼女を遠巻きに眺めることしか出来なかった。
齋藤リッコ:だがその確固たる存在感──己とはまるで違う、ノヴァリス全生徒の上に立ち、責任を一身に担うその姿は、今もリッコの目に焼き付いて離れない。
齋藤リッコ:自分の求める全てを備え、輝かんばかりの精気と共に、生徒たちを導く雨月夜シオンの姿。それは大袈裟な表現をすれば、神に等しい存在にすら見えた。
齋藤リッコ:その彼女でさえ、死んだのだという。
齋藤リッコ:果たして、自分如きに何が出来るというのだろうか?
齋藤リッコ:そして今、リッコのもとにあるのは、未だ何者でもない現実と、身を苛むような焦燥だけだった。
齋藤リッコ:「……だからって……どうすりゃいいのよ……」
齋藤リッコ:呻くようにそう言った時、「……ん?」異変に気付く。
齋藤リッコ:足を付けている壁が、妙に熱い。
齋藤リッコ:「んん?」
GM:更には、煙たい匂いもしてくるだろう。まるで何か……
GM:壁材が焼けているかのような匂いである。
齋藤リッコ:「何これ……?」ベッド上で一回転してスカートを直し
齋藤リッコ:「誰か料理でもしてる?ちょっと、焦げてるわよ!」
GM:思案から意識の抜けた君なら気付くだろう。君の部屋に、白煙が充満し始めつつある。
GM:そしてその発生源は……間違いなく君がさっきまで身体を押し付けていた壁である!
齋藤リッコ:「えっ……?何……ゲホッ!ゲホッ…… はあ!?何よこれ!?」
齋藤リッコ:「何か煙が……アッ!?」
齋藤リッコ:「ギャーーッ!!家が燃えてる!!!!!」
齋藤リッコ:悲鳴を上げて部屋から飛び出る。煙に燻されて激しく咳き込み、焼き鳥になった気分に襲われる。
齋藤リッコ:「どうしてこんな……ゲホッ!目ぇ痛……えっとえっと……あっ部屋に色々……ああ……ええと……ええと……」
GM:脱出してみれば明らかである……燃えている! 君の部屋の外壁が! すごい勢いで!
齋藤リッコ:「すごい燃えてる!!!」
齋藤リッコ:「あたしの家が~~~~~~!!!!」
齋藤リッコ:燃え盛るその火勢を見て、戻るのは不可能と察して膝から崩れ落ちる。
齋藤リッコ:「な……なんでこんなことに~~~~~!!」

GM:――火災そのものは、そうほどなく鎮火された。
GM:10%ほどの放水社会人の働きと、90%ほどの低温能力系オーヴァードの働きによる所である。炎は急激に燃え盛り、そして消された。
GM:したがって被害は、狭く深く済んだ。少なくとも当該寮において、居住できないほどのダメージを部屋に負った生徒は一人だけだった。
齋藤リッコ:「はぁ……はぁ……」頼りない冷気の魔眼を必死に振り回して消火に勤しんだが、遅かった。
齋藤リッコ:「壁が……あたしの部屋が…………」
齋藤リッコ:がっくりとうなだれ、目に涙を浮かべている。
齋藤リッコ:「あぁっ……!育ててたかいわれ大根とプチトマトまで……!」
治安維持生徒:「確保確保ーッ」
危険物輸送社会人:『ガガビ……ガビ……運行妨害……自爆……コマンドエラー……』
GM:危険物輸送社会人が治安維持生徒にひっ捕らえられている喧騒が遠くから聞こえてくる。つまるところ、そういう不幸な事故が起こったらしいことは、君もなんとなく察しがつくだろう。
薄蛍レド:「あー……やっぱ、リッコの部屋だよね……」痛ましそうにその光景を見る少女が一人
薄蛍レド:火事を知らせ、鎮火の助けを求め、駆けずり回っていた。
齋藤リッコ:「レド……?」聞き覚えのある声に僅かに一瞬顔を上げ、それから再び項垂れる。
齋藤リッコ:「どうしてあたしだけこんな目に……たぶん悪いことしてないのに……!」
薄蛍レド:「リッコ……無事……ではあるっぽいね、うん」
薄蛍レド:「無事じゃないっぽいとも言うけど……」焼けた部屋に目を向ける
齋藤リッコ:「全然無事じゃないわよ!!」涙目
齋藤リッコ:「レドあたしどうすればいいの!?これじゃ今日からどこで寝ればいいのよ……!?」
齋藤リッコ:「うわ~~ん!!この歳でホームレスなんて嫌すぎるわよ~~~!!」
薄蛍レド:「と、とりあえず落ち着いてリッコ!な、なんとかなるって!私もめっちゃなんとかするし」
薄蛍レド:「ほら、相談すればなんとかなるかもだし……」
齋藤リッコ:「何とかなるわけないでしょ~~!?段ボールで河川敷で寝るなんて女子高生として……あれ?」
齋藤リッコ:わんわん喚き散らしていたが、はたと気付いて。
齋藤リッコ:「相談……?ていうか……」
齋藤リッコ:「どうしてあんたこんなところにいるの?家、この辺だっけ?」
薄蛍レド:「……いやー、委員の仕事で」
薄蛍レド:「こう、荷物をね?運んでたんだよね。珍しく真面目に」
薄蛍レド:「……で、こう……なんやかんやで荷物が燃えて」
齋藤リッコ:「へえ、あんた委員なんて入ってたっけ……は?」
薄蛍レド:焼け落ちた部屋を見る。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:視線の先、焦げた自分の部屋を見る。
齋藤リッコ:「……あんたのせいじゃないの~~~~!!!!!」
薄蛍レド:「じ、事故なんだよ~~~!!」
齋藤リッコ:「事故で荷物なんて燃えるわけないでしょうが~~~!!!!」
齋藤リッコ:「どうしてくれんのよこれ!!あたしの家無くなってるじゃないの!!!」がくがくと肩を掴んで揺さぶる
齋藤リッコ:「責任取りなさいよ!!家家家!!壁壁!!責任責任!!」
薄蛍レド:「それはっ、委員長にっ、相談っ、あっ、リッ、ちょっ」がくがく揺さぶられる
齋藤リッコ:「家家!!火事火事!!かいわれかいわれ!!プチトマトプチトマト!!」
薄蛍レド:「一旦!一旦落ち着いて!リッコ!」
齋藤リッコ:「イェイイェイ……はぁはぁ……何よ!?!?」
薄蛍レド:「まあ、その、本っっっっ当に事故なんだけど……責任を感じてないわけじゃないというか」
薄蛍レド:「家の方は、私もなんとか手伝うし……」
薄蛍レド:「そのー……ごめん」
齋藤リッコ:「はぁ……まあ、事故っていうのは分かったけど……」
齋藤リッコ:ふーっと深く息を吐いて
齋藤リッコ:「実際どうすればいいのよ、これ……こんな部屋で寝られないし……」季節はまだ冬だ
齋藤リッコ:「誰かの家に泊めて貰おうかな……レド、あんたのとこは?」
薄蛍レド:「んー……とりあえず大丈夫」
薄蛍レド:「リッコがいいなら……」
齋藤リッコ:「別にいいけど……でもずっとそのままって訳にもいかないわよね……」
齋藤リッコ:「建築系の知り合いはいるけど……ちゃんと直してくれるか不安ね……」知人の建築テロリストを思い出し
齋藤リッコ:「う~ん……」腕組みをして考え込む
薄蛍レド:「委員会の仕事中の事故だし……とりあえず委員長に報告しなきゃだなあ」
薄蛍レド:「荷物もなんでか燃えたし……」
薄蛍レド:「なんで?」
齋藤リッコ:「こっちが聞きたいわよ」
薄蛍レド:「うう、怒られるのヤダなあ……。まあ、リッコの家のことも、相談には乗ってくれると思うし」
齋藤リッコ:「え、出るの?保障とか」
薄蛍レド:「ウチの委員長、なんかこう……コッチ方面が強いから」指でお金のジェスチャー
齋藤リッコ:「そうなの……?いいのかしら……」少し悩み「まあ、背に腹は代えられないか……」
齋藤リッコ:「そういうことなら、とりあえず行きましょう!早くしないと日が暮れて……段ボールで寝ることに……」
薄蛍レド:「今晩は家に泊めるって……」
齋藤リッコ:「急に荷物が燃えたっていうのも気になるしね。中身に問題があったならとっちめてやらなきゃ」
薄蛍レド:「お花用の栄養剤って話だったんだけどなあ」
GM:今後どこかに宿を間借りするにせよ、家を直すにせよ、先立つものは必要である。無償の供与を受けられることはさすがにないだろうが、財産面で強い生徒であれば、広い選択肢も望めるかもしれない。
齋藤リッコ:「というわけで案内して、レド!……ていうか、委員会って……何の委員会?」
薄蛍レド:「ああ、ウチは祝花委員会。卒業式向けのお花を用意する委員会」
薄蛍レド:「普通の学生っぽいでしょ」
齋藤リッコ:「普通っぽすぎ……全然目立てなそうね」
齋藤リッコ:「あたしはそういう裏方より、もっと派手で注目される仕事がやりたいわ」
薄蛍レド:「お、いつもの調子が戻ってきた」
薄蛍レド:「いやー、一安心だ。うんうん」
齋藤リッコ:「全然安心できないわよ!あたしの家~~~~~!!」



GM:シーンを終了します。二人ともシナリオロイスを取得してください。
GM:レドちゃんは祝花委員会  推奨感情…尽力/不安  リッコちゃんはPC1(薄蛍レド)  推奨感情…親近感/猜疑心  良い感じにして!
齋藤リッコ:薄蛍レド ○親近感/家焼かれた で取得します
薄蛍レド:祝花委員会  推奨感情…尽力/不安○ ほんとにリッコの家なんとかしてくれるだろうか……あと怒られないか心配
薄蛍レド:事故だよ~~~
GM:かつてないN感情だなぁ ではシーンを切ります!



【◆ Opening 02  Scene Player ... 柴辻マサラ】

GM:柴辻さんのシーンです。侵蝕率ダイスを振って登場してください。
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (40 → 49)



GM:メサイア学園風紀委員会本棟、執行部室。
GM:赤レンガのような外壁をした、周囲を睥睨するような高層ビル。
GM:その一室、メサイア学区で発生する無数の事件の調査ファイルが溢れ返る風紀委員執行部室……その一角のデスクに君はいた。
GM:崩せども崩せどもなくなることはなく、積み増されていくばかりの事件ファイルに向き合っていた所である。そんな君の元へ、一人来客が訪れる。
グレイライツ・ボガート:「ハロー、"ベイキャント・ロット"。本日のゴキゲンはいかがかしら?」
GM:トランペッター情報部所属、グレイライツ・ボガート。令嬢然とした気品ある振る舞いを装うのが得意で、それを活かしてキングダム連合学院内にいくつかのコネクションを確立している。
柴辻マサラ:「麗しくはないですね。何か用ですか?ボガート」
柴辻マサラ:手にしていたファイルから顔を上げて答える。眉が顰め気味なのは苦手な書類仕事のせいだ。
グレイライツ・ボガート:「おいしいお茶とクッキーでもいただけるかと思って。手持ちを切らしちゃったのよね~」
グレイライツ・ボガート:淑やかな風貌、穏やかな口調を崩さぬまま、遠慮なくデスクに座り込み、足を組む。その魂はメサイア生徒そのものである。
柴辻マサラ:「そういう物を仕入れるのはあなたの方が得意でしょう。私は菓子類は普段食べないですし」
柴辻マサラ:そう言いつつ、デスクに置いていたポットのブラックコーヒーをカップに注いで出してやる。
グレイライツ・ボガート:「ふふふ。そんなことだから目と目の間に谷ができちゃっうのよね」
柴辻マサラ:彼女の淑やかさや穏やかさを見習いたいとは思っているが、この完成度は真似できないだろうなとも思う。
柴辻マサラ:あと中身は普通にふてぶてしいよなコイツ、とも定期的に思う。それがメサイア生らしさと言えばそうだが。
グレイライツ・ボガート:「ちゃんとケアしなきゃ駄目よ。どんなに穏やかにしてても結局みんな怖がっちゃう」
グレイライツ・ボガート:遠慮なくコーヒーを受け取ると、ポケットからポッキーを取り出し、それをつけて食べ始める。
グレイライツ・ボガート:「苦い」
柴辻マサラ:「ブラックですから」
柴辻マサラ:すげなく返しつつ、助言には素直に従って眉間を軽くほぐしている。
グレイライツ・ボガート:「ホント好きよね。……でもトランペッターの労働環境よりはマシかしら」
グレイライツ・ボガート:「という訳で、それをちょっとでもマシにできそうな情報を一つ」
柴辻マサラ:「ただお菓子をたかりに来たわけではなかったんですね。どの案件です?」
グレイライツ・ボガート:「タダであなたから時間を奪うなんて怖いことしないわ」 堂々と脚を組み直す 「輸送物がいきなり燃える事件、あったでしょ。担当あなたよね?」
グレイライツ・ボガート:「今日まさにキングダムで新しく一件、起こったみたい。お友達が教えてくれたわ」
柴辻マサラ:「キングダムで、ですか」 せっかくほぐした眉間が再び顰められる。
GM:輸送物炎上事件は、メサイア、ジェネシス、そしてキングダム、あるいは他の弱小校でもと、場所を問わず発生している事件ではあった。
GM:被害の小ささから星室庁が動くには至らず、さりとてメサイアでは比較的被害が大きく(というより被害の拡大を止める力が弱く――一件は祭りのような暴動にも発展した)、よってトランペッターの担当案件の一つとなっていた。
グレイライツ・ボガート:「キングダムってことで気が進まないのは分かるけど、この件に関する中では、今までで一番フレッシュな情報ですもの」
グレイライツ・ボガート:「幸い、執行部クラスの権限があれば、事件の発生箇所にはギリギリ合法で今日中に到着できると思う」
グレイライツ・ボガート:「という感じなんですけど、いかが?」
柴辻マサラ:「……はあ。本当に合法の範囲に治まるんでしょうね?」
柴辻マサラ:「わざわざ出張っている時点で、向こうの治安維持組織とかち合ったら文句を付けられかねないんですが」
グレイライツ・ボガート:「うーん、もし被害が大きかったり、被害に遭ったのが各部活の"王"、それの直属クラスだったりしたらちょっと厄介だったかもしれないけど……」
グレイライツ・ボガート:「話によると被害は極小。実際に被害に遭ったのも、無名の生徒が一人」
グレイライツ・ボガート:「そうなるとキングダムの治安維持はそうそう動かないでしょ~」
柴辻マサラ:「なるほど。まあ元々起こってる事象自体は輸送物の炎上だけですし、そうそう被害が大きくなることも無いでしょうが」
柴辻マサラ:「今回はあちらの腰の重さに感謝することにしましょう」
柴辻マサラ:そう言いながら席を立ち、椅子の背に引っかけていたブレザーに袖を通す。
グレイライツ・ボガート:「そうそう。まあ、あなたがヘマ踏んだりのんびりしたりしなきゃ大丈夫ってわけよ」
グレイライツ・ボガート:高く組んだ膝に肘をついて、どこか挑発的に笑う 「その心配はないと見て良いでしょうね? それとも助けてほしい?」
柴辻マサラ:「助けなら今貰ったところでしょう。情報を伝えるのが情報部あなたの仕事ですし」
柴辻マサラ:「ここからは執行部の仕事です。あなたの手を煩わせるつもりはありません」
グレイライツ・ボガート:「ええ、ええ。そういうことなら私の仕事はひとまずここまで」
グレイライツ・ボガート:「何か聞きたいことがあったら連絡なさいね。10秒辺り、お菓子ひとつで受けてあげますから」
柴辻マサラ:「……相変わらずがめついですね」
柴辻マサラ:白い目を向けつつネクタイを締め直して。
グレイライツ・ボガート:楽しげに笑み、特に抗議もない。コーヒーは一口だけ飲んでもう口をつける様子もなく、ポッキーを齧っている。
柴辻マサラ:「精々、あなたに貢がず手早く済ませられるよう尽力してきます」
柴辻マサラ:溜め息と文句を一つずつ残し、執行部を後にした。



GM:ではシーンを切りましょう。シナリオロイスを取得してください。
GM:シナリオロイス相手は輸送物炎上犯。推奨感情は興味/敵愾心!
柴辻マサラ:輸送物炎上犯に○尽力/敵愾心で取得します。絶対とっ捕まえてやるぜ。
GM:頑張ってもらいましょう。ではシーンを切ります!



【◆ Middle 01  Scene Player ... 齋藤リッコ】

GM:合流シーンです。3人とも侵蝕率ダイスを振って登場してください。
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (45 → 47)
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (43 → 52)
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (49 → 51)



GM:定時制の領域のほど近く。周囲の質素な作りの家屋からは少し浮いた、ロココ様式の華美ながらもどこか愛らしい邸宅がある。
GM:祝花委員会の委員長――定時制『園芸部』の部員でもある――マリー・ヴァレンタインの居住であった。メイド服の生徒が丁寧に君たち二人を迎え入れる。
GM:そうして通された応接室で、君たちは花の香りのする紅茶とクッキーを出され、待たされている所である。
齋藤リッコ:「うわっ……何これ!?高い入浴剤みたいな匂いする!」
薄蛍レド:「高いからねぇ……」心なしかそわそわした面持ち。
齋藤リッコ:緊張して身を縮めつつ、本物のリッチな暮らしぶりにカルチャーショックを受けている。
齋藤リッコ:「お金持ちとは聞いてたけど……」周囲をさりげなく見回し
齋藤リッコ:「ここまでとは聞いてないわよ……!メイドさんいっぱいいるんだけど……!?」
薄蛍レド:「本物のお金持ちだからね……」
薄蛍レド:「毎回緊張するんだよなあここ」
齋藤リッコ:恐る恐る紅茶を飲み「……多分美味しいんだろうけど……」「よくわかんない……舌がこれを理解できるほど育ってない……!」
薄蛍レド:「……とりあえずいい香りって言っておこ」
薄蛍レド:「それはほら……事実だし」
齋藤リッコ:「そうね……入浴剤みたいな匂いだし……」
GM:……やがてメイドが扉を開き、一つ存在感のある黒い影が入ってきた。
齋藤リッコ:「一体どんな人なの?その委員長さんって……あっ」
マリー・ヴァレンタイン:長い、というよりは、溢れるような黒髪の、小柄な少女である。肌は冷たさを感じる白さで、表情もまた冷たい。
マリー・ヴァレンタイン:彼女はメイドの手を借りて窓から日の当たらぬ応接室の奥の席に座ると、メイドが出払うのを待ち、口を開いた。
マリー・ヴァレンタイン:「お仕事ご苦労様、レド。どうやら持ち帰ってきた荷物が、私の予想とは違うのだけれど」
齋藤リッコ:(荷物……?あっあたしか!)
マリー・ヴァレンタイン:「一応確認してもいいかしら。……その子は?」 わずかに首を傾げる
薄蛍レド:「あ、えーとですね……」軽く冷や汗を流しながら
薄蛍レド:「そのー……荷物がですね」
薄蛍レド:「燃えまして。急に。なんでか」
マリー・ヴァレンタイン:「燃えて。なぜか」
薄蛍レド:「あはは、なぜか……あは……」
薄蛍レド:「はは……」
齋藤リッコ:「ちょっと!気圧されてんじゃないわよ……!」小声
齋藤リッコ:「あんたがちゃんと報告しないとあたしが困るでしょ!」
薄蛍レド:「だ、だって委員長だよ……!」
マリー・ヴァレンタイン:相槌を打ち 「……別に疑っているとかではないのよ。責めるつもりもありません」
マリー・ヴァレンタイン:「嘘ならもう少しまともな嘘をつくでしょうしね。あなたならそれくらい思いつくでしょう。だから、そちらはひとまずいいの」
マリー・ヴァレンタイン:ティーカップに口をつけ、君の言葉の続きを待つ
薄蛍レド:「えーと、こほん。……その、荷物が燃えて、それで偶然たまたま」
薄蛍レド:「危険物運搬社会人がですね、たまたまこの子の家の前で」
薄蛍レド:「こう……積荷を放り出しちゃって……」
マリー・ヴァレンタイン:「たまたま。積荷を」
薄蛍レド:「この子……リッコって言うんですけど、その、家が燃えちゃって」
薄蛍レド:「ピンポイントで、リッコの家だけ」
齋藤リッコ:こくこく頷く
齋藤リッコ:「そうなんです!あたしの家が……メチャクチャで……!」
マリー・ヴァレンタイン:「リッコ」 静かに名前を呼び、リッコちゃんを見る 「何リッコ?」
齋藤リッコ:「あっ、齋藤です。齋藤リッコ。難しいほうの齋藤です」
マリー・ヴァレンタイン:「むずかしいほうのさいとう……」 嗟煎薹 みたいな文字列を脳内で想像している
薄蛍レド:「一応、委員会の仕事の最中の事故なので……その……」
薄蛍レド:「……先輩、なんとかしてあげてもらえると……非っ常~~に助かるんですけどもぉ」
齋藤リッコ:「壁もベッドも、かいわれ大根とプチトマトも燃えちゃって……今日から一体どこで寝ればいいのか……」
齋藤リッコ:よよよと哀れっぽく泣いている
マリー・ヴァレンタイン:優美な指運びでティーカップを置き、焼き菓子をつまむ。
マリー・ヴァレンタイン:「レド」
薄蛍レド:「ひゃいっ」
マリー・ヴァレンタイン:「そんなにかしこまる必要はないのよ。助けが必要なら、助けます」
薄蛍レド:「よかっ……たぁ~~……」
マリー・ヴァレンタイン:「関わりがあろうと、なかろうと。お望みなら、仮の寝床も、家屋の修繕も、手配して差し上げます」
齋藤リッコ:「本当ですか!?」パッと表情を輝かせる
齋藤リッコ:「あ、ありがとうございます……!何とお礼を言ったらいいか……」
マリー・ヴァレンタイン:「家庭菜園のグレードを上げても構わないわ。バナナとか」
齋藤リッコ:「バナナも!?」
マリー・ヴァレンタイン:「バナナよ」 さくり 「私は毎朝半分食べるようにしています」
薄蛍レド:「健康的だぁ」
薄蛍レド:「やったじゃんリッコ」
薄蛍レド:「農園持ちだよこりゃ」
齋藤リッコ:「すごい……バナナ育ててる人なんてドンキーコングしか知らないわよ!」
マリー・ヴァレンタイン:「ただし」
齋藤リッコ:「うっ」
薄蛍レド:「……」ごくり
齋藤リッコ:「……ただし……?」
GM:心なしか、声音が一段冷えたように感じるだろう。
マリー・ヴァレンタイン:「無償とは行きません。私はとってもお金持ちですが……」
マリー・ヴァレンタイン:「お金持ちは、シビアに金銭を管理してこそお金持ちなんです」
薄蛍レド:「ご、ごもっとも」
齋藤リッコ:「……そ……そうですよね……」
齋藤リッコ:「いや、あたしとしても、タダでバナナ農園なんて貰ったら却って申し訳ないし……」
齋藤リッコ:「分かりました。何でもします!条件を仰ってください!」
マリー・ヴァレンタイン:「あなたは少々地味ですが、地味は地味でも草花のような地味さなので、メイド勤労でも構いませんが」
齋藤リッコ:「んん……?」褒められてるのかけなされているのか悩む
マリー・ヴァレンタイン:「ごあいにくながらメイドには困っていないので……やはり、荷物の件を解決したいですね」
薄蛍レド:「……」メイド服姿のリッコを思い浮かべている
齋藤リッコ:「荷物の件……いきなり燃え出したやつですか」
薄蛍レド:「……まあ、そうなりますよねぇ」
齋藤リッコ:「あれって……ただの事故じゃないの?」レドを見る
薄蛍レド:「急に燃え出すような危ないものだったとしたら、事前に知らされてるはずだって」
齋藤リッコ:「じゃああんたがタバコでも吸ってたとか……」
薄蛍レド:「吸うわけ無いじゃん!?」
薄蛍レド:「未成年!」
齋藤リッコ:「やりそうですよね?」
マリー・ヴァレンタイン:「驚きはしませんね」
薄蛍レド:「うう、先輩まで……」
マリー・ヴァレンタイン:「眉をひそめはします。煙はよくありませんよ」
薄蛍レド:「吸ったことないのにぃ」
マリー・ヴァレンタイン:「こほん」 咳払い
マリー・ヴァレンタイン:「依頼したいことはあるのですが、あなたたち二人では少し心もとないです。普通のキングダム生と、普通のキングダム生……」
マリー・ヴァレンタイン:「ですが……」
GM:マリーがそう言うと、君たちの入ってきた応接室の扉が再びメイドの手により開かれる。
齋藤リッコ:「?」振り返る
薄蛍レド:扉の方を見る。
柴辻マサラ:そこに居たのはキングダムでは見慣れない制服に身を包み、長髪をシニヨンにまとめた少女だ。
薄蛍レド:(が、眼光が鋭い)
齋藤リッコ:(誰……?)
柴辻マサラ:「失礼します。急な来訪となってしまい申し訳ありません」
マリー・ヴァレンタイン:「おかけになって。水が合わなくても許してね。紅茶より暗い飲み物は用意していなくて」 端的に言う
柴辻マサラ:「いえ。先程も言った通り、急に押し掛けたのはこちらですので」
柴辻マサラ:そう言いながら勧められた席に掛け、胸ポケットから学生証を取り出す。
柴辻マサラ:「私はメサイア学区トランぺッター執行部所属、柴辻マサラです」
薄蛍レド:「トッ」
齋藤リッコ:「トランぺッター!?本物初めて見た……!」小声
齋藤リッコ:「ていうかメサイアのトランぺッターがどうしてここに……?」
柴辻マサラ:「輸送物連続炎上事件の関係者がここに居ると聞いて捜査に伺いました」
齋藤リッコ:「関係者……」
齋藤リッコ:「あんたじゃない?」レドに
薄蛍レド:「……私か」
薄蛍レド:「いや、私じゃないですよ犯人は!」
薄蛍レド:「被害者被害者……」
柴辻マサラ:「本来ならば越境行為になりますが、今回の事件はキングダムに限らずノヴァリス全土で起こっているものですので」
齋藤リッコ:「えっ、そうなの!?」
齋藤リッコ:「ノヴァリス全土で……」
齋藤リッコ:「家を失った人が……!?」
マリー・ヴァレンタイン:「ええ。輸送物が急に炎上するという事件は、そこかしこで起こっているみたいね」
柴辻マサラ:「当然、我がメサイア学区も例外ではありません。本来はそちらの捜査が私の仕事です」
薄蛍レド:「取られるのかな……指紋とか」小声で
齋藤リッコ:「なるほど、つまりさっきの事件を知って事情聴取に来たってことかな」さっきそう言っていたが頭に入っていなかった
柴辻マサラ:「ですが、自学区のもののみの捜査では手がかりも掴めずに居まして……」
薄蛍レド:「ウチでも似たような事件が起こったから、関連性を調べてうんにゃら……的な?」
柴辻マサラ:「はい。先ほどこちらで最新の事例があったと聞いて、私が出張ることになりました」
薄蛍レド:「……ってことは、証言とか捜査協力、……的な」
マリー・ヴァレンタイン:「マサラ。私からはあなたに依頼をしたいの」
柴辻マサラ:「本来なら推奨されない行為でしょうが、こちらも……はい?」 捜査の許可令状を取り出そうとしていたが、マリーの言葉に首を傾げる。
マリー・ヴァレンタイン:「この子たちにはこれから、燃えた荷物が辿った経路を遡ってもらう。ただ、学区をまたいだ活動になるから、この二人だと少し心もとないわ」
マリー・ヴァレンタイン:「だから力を貸して欲しい。代わりに、捜査への協力は約束できる。荷物の経路を遡ることで、分かることもあるでしょう」
齋藤リッコ:(心もとない……)モニョモニョするが反論できないので黙っている
マリー・ヴァレンタイン:「いかが?」
柴辻マサラ:「……こちらとしては願ってもない話ですが。そちらのお二人は?」
マリー・ヴァレンタイン:「荷物の燃えたキングダム生と、家の燃えたキングダム生よ」
薄蛍レド:「……荷物の方です」
齋藤リッコ:「家の方です」
マリー・ヴァレンタイン:「荷物がレドで、家がリッコ」 補足する
柴辻マサラ:「……なるほど。お二人もこれからこの事件を追う予定があると」
齋藤リッコ:「ええ。バナナ農園のために頑張らないといけないの」
薄蛍レド:「リッコの新居がかかってるんで……」
薄蛍レド:「ダンボール・オア・バナナ農園……」小声でぼそっと
齋藤リッコ:「あたしとしても異論ありません。元々願ってもない話ですし」
マリー・ヴァレンタイン:「正確には、荷物を追うことね。……二人とも」 レドとリッコへ
薄蛍レド:「はいっ」
齋藤リッコ:「はい!」
マリー・ヴァレンタイン:「5日以内に『βプランス』がキングダムに到着しなければ、『卒業生』へ贈る花の2割が間に合わなくなります」
マリー・ヴァレンタイン:正確には、花束の組み合わせが予定通りに行かないので全体の2割がダメになる、というニュアンスなのだが、わざわざそんな所まで説明はしない。
齋藤リッコ:「2割少なくなったらだいぶ寂しいですね……」
薄蛍レド:「せっかくの卒業式だし、ちゃんと贈ってあげたいですしね」
マリー・ヴァレンタイン:「あなたたちは、5日以内の『βプランス』の再調達を命じます。そのために、まずは恵比寿商工塾学園の『コトフギ商会』へ向かうこと」
マリー・ヴァレンタイン:恵比寿商工塾学園は、キングダムの植民地学校の一つである。
マリー・ヴァレンタイン:「薬剤はそこから調達しましたので。在庫はもうないという話でしたが、それをどこから仕入れて来たかを確かめ、βプランスがどこから来たかを確かめ、確保なさって」
マリー・ヴァレンタイン:「それは、炎上事件の調査にも繋がることでしょう。……よろしい?」
薄蛍レド:「……了解しましたっ!」
齋藤リッコ:「5日以内……分かりました!」
柴辻マサラ:「構いません」 元々、こちらも荷物の来歴調査はする予定だった。
齋藤リッコ:「任せてください。こう見えても星・室・庁の!」ネームバリュー「依頼をこなしたこともありますから!」
マリー・ヴァレンタイン:「そう。星室庁はいろいろな所に依頼を出すのね……」 感心(?)している
薄蛍レド:「言ってたねえ先生のお墨付きもらったとかなんとか」
薄蛍レド:「会ってみたいなあ私も」話が一段落ついて安心している
齋藤リッコ:「エッヘッヘ……」
柴辻マサラ:(星室庁の……。あまり腕に自信がある風には見えないが)
齋藤リッコ:「それじゃよろしく、柴辻さん。レドはサボるんじゃないわよ」
柴辻マサラ:「ええ。よろしくお願いします」 内心少し意外に感じつつも、そこは口に出さず頷く。
薄蛍レド:「サボんないよ~、5日でどうにかしないと」
薄蛍レド:「……ダンボールだし」
薄蛍レド:「リッコが」
齋藤リッコ:「うっ……」
齋藤リッコ:「……が……頑張りましょう!みんなで!」
齋藤リッコ:「解決したらバナナご馳走するから!」



GM:シーンを締めます。ロイス取得が可能です。調達は次のシーン以降かな。
齋藤リッコ:柴辻マサラ 有為/○脅威 で取得します トランぺッターだし怖そう
柴辻マサラ:リッコさんに○協力/同情、レドさんに○協力/隔意で取得します
薄蛍レド:マリー・ヴァレンタイン 尊敬/畏怖○ で 緊張した……
GM:はーい。ではシーンを切ります!



【◆ Middle 02  Scene Player ... 柴辻マサラ】

GM:基本的に全員登場進行です。侵蝕率ダイスを振って登場してください。
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (51 → 61)
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (47 → 52)
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (52 → 61)
齋藤リッコ:重い重い



GM:ということで、情報収集判定を行います。軽めのジャブ程度よ。

◆ 情報項目1
・炎上した荷物をメサイアで調査できるよう手を回す <交渉> 6
・『コトフギ商会』について調べる <情報:ノヴァリス> 8


GM:双方クリアでセッションが進行します。
齋藤リッコ:この程度の難易度ちょちょいのちょいだぜ
GM:まあ、前者は情報というより、シナリオ進行に必要な判定で、すぐさま情報が開くわけではないですが……ともあれ技能を宣言して判定をどうぞ!
柴辻マサラ:誰がどれ行きます?
齋藤リッコ:メサイアはマサラさんに行ってもらったほうがいいかな
柴辻マサラ:確かにそれが一番自然か
齋藤リッコ:財産で何とかするタイプなので控えてます
齋藤リッコ:家が焼けたけど財産点はある
薄蛍レド:財布は無事
柴辻マサラ:じゃあまず交渉判定行きます
柴辻マサラ:2dx+1>=6
DoubleCross : (2DX10+1>=6) → 6[1,6]+1 → 7 → 成功

柴辻マサラ:社会弱者なのでちょっと怖かったけどなんとかなった
GM:やればできる
薄蛍レド:えらいぜ
薄蛍レド:じゃあ情報をやろうかな ちょろっと消えたらダイスがなんか増えるため
薄蛍レド:マイナーで完全熱光学迷彩服起動して隠密状態に
薄蛍レド:ベルベットクロークの効果でダイス+3して判定します
薄蛍レド:6dx+1>=8
DoubleCross : (6DX10+1>=8) → 7[1,2,4,4,5,7]+1 → 8 → 成功

薄蛍レド:あぶな
齋藤リッコ:ちょうど
GM:消えると増える族だ……無事成功です!
GM:まず、 ・炎上した荷物をメサイアで調査できるよう手を回す を成功したことにより、次のシーンで「炎上した荷物について」が調べられるようになります。
GM:また、商会について情報が判明しました。それを公開します。

恵比寿商工塾学園『コトフギ商会』について
恵比寿商工塾学園は日本をルーツとする商業・工業を司る学園である。
学園規模としては小規模以上中規模未満といったところだが伝統は古く、
慈恵会、フィリピン貿易部、コトフギ商会の3組織により、商工業を切磋琢磨している。
 
コトフギ商会は特にジャンルを限らず、希少な物品の流通を担う商会。
商会長は金内モネという少女だが、商会長ながら自ら多くの商売を仕切っており、直接会うことは難しいらしい。



GM:恵比寿商工塾学園。
GM:東京の下町を思わす、レトロで背の低い街並みである。キングダムの数ある植民地校の一つで、活気はそこそこ。キングダムの制服を見ても不審に思われることはない。
GM:メサイアのトランペッターの制服は少々目立つかもしれないが、好奇の眼には慣れていよう。
GM:しかしながら、『コトブキ商会』に訪れても問題の商会長には会えないということだった。前情報通り忙しくあちこちに出向いているようだ。
GM:もうちょっとしたら連絡がつくと思うので待っていると良い、という商会員の勧めに従い、再び応接室で待機していた君たちだが……
GM:突如として応接室の扉が開かれ、ずらずらと和服が吊り下げられたラックと数名の商会員が雪崩れ込んで来る!
商会員:「あれっ? 誰だ君ら! ここ使う予定あったっけ!?」
齋藤リッコ:「えっ、何何何」ぎょっとして湯飲みを揺らす
薄蛍レド:「あっ、あの、ここの人に待っててって言われてて……」マサラちゃんに助けを求める視線
商会員:「でももう他のめぼしい場所は粗方埋まっちゃってるし……えーあー」
柴辻マサラ:「捜査の一環で商会長への面会を申し込んだのですが、その返答待ちをしていまして」
薄蛍レド:「そうそう」
商会員:「捜査? へーそりゃ大変な……ん、商会長に用か」
商会員:「てことは商会長が来るまでヒマ?」
齋藤リッコ:「まあ、暇といえば暇……かな?」
柴辻マサラ:「ええ。こちらの部屋を使用するのであれば、商会の外へ移るべきでしょうか」
薄蛍レド:「お、お邪魔だったら……」
商会員:商会員同士で額を突き合わせ、わにゃうにゃと話し合い
商会員:すぐに商会員たちの目が君たちを順番に見る。……うち一人が、ラックから和服を一枚取った。水色をベースにした、色鮮やかな浴衣だ。
商会員:「あんたら、こういうの! ……着たことある?」
齋藤リッコ:「えっ……」顔を見合わせる「あたしは無いけど……ある?」
薄蛍レド:「……」目を瞠りながら首を横にふる。
柴辻マサラ:「私もありません」 オシャレに縁がない生活ばかりしているので。
齋藤リッコ:「あ、子供の頃なら七五三で着たかも……?」日本人
薄蛍レド:「経験者じゃん。……和服、こんなに近くで見るの初めてかも」
商会員:「ふむ」「確かに普通のキングダム生二人と仕事漬けのメサイア人……」「ふーむ、ふむふむ」 商会員同士顔を見合わせていたが
商会員:「よーし、よし、よし」「ピンチもチャンス!」「良い練習になる」「営業になるか?」「まあ上手くいったらだな……」
商会員:どうやら彼女たちの間でなんらかの方針が定まったらしい。やがて、商会員の一人が君たちを見る。
商会員:「いや実はね、こういう着物は、ちゃんと着方を学ばなきゃいけないっていう話があって、その着付けの教室っていうのをウチらはやってるんだ」
齋藤リッコ:「へえ、そうなのね」
商会員:「着方が分からない服なんか買わないだろ? で、今日はその着付けを教える練習をする予定だったんだけど……」
商会員:「使う予定だった場所が取られちゃってて。それでここに流れ込んできたって訳。……悪いが、協力してくれないか?」
齋藤リッコ:「協力?協力って……何を?ここどけばいい?」
柴辻マサラ:「……つまり、その着付けとやらを私達が学ぶ、と?」
商会員:「そう! 仲間内だとどうしても分かってる同士だからさ、分かってないテスターは珍しくって」
薄蛍レド:「つまり……練習台!」
商会員:「そうそう! 練習台! 実験台って言葉しか出てこなくってずっと黙ってたけど練習台って言いたかったの!」
齋藤リッコ:「えぇ~っ、あたしたちが!?」
薄蛍レド:「じっ……。ってことは、もしかしてその服」
商会員:「別に写真撮ったりするわけじゃないからさ、モデルじゃないんだし……ただやり方を教えるから、引っかかる所とかあれば言ってほしいんだよね~」
齋藤リッコ:「エ~ッ……でもそんな……急に言われてもォ……」そわそわしている
商会員:「近々キングダムの貴族みて~な人と商談するチャンスがあって! なんとしても成功したいんだよね!」
柴辻マサラ:「……」 渋い顔をしている。着飾るのは柄じゃないので。
商会員:「お願い! そこを何とか! おヒマなんでしょ!」
商会員:「協力してくれれば商会長にも良いように伝えるからさあ、へへへ……」
薄蛍レド:「ね、リッコ。こんなことでもないと着れないんじゃない?じゃない?」
薄蛍レド:「かわいいし」
薄蛍レド:「マサラちゃんも、せっかくだし」
商会員:「和服とつくものなら何でもござい! あっ、さすがに高級品はしまってるけどね~」
齋藤リッコ:「う~ん……そうね……」
柴辻マサラ:「……まあ、捜査協力を願い出ている身ではありますし。こちらも出来る協力はすべきでしょう」
柴辻マサラ:大分嫌そうな顔ではあるが頷く。
齋藤リッコ:「もしかしたら着物が死ぬほど似合って……自撮りがミンストでバズっちゃうかもしれないし……」夢物語
齋藤リッコ:「バズの為なら……!」
商会員:「やったあ金星!」「目のクマがひどい女の着飾った姿からしか取れない栄養素があるッ!」 喜ぶ
商会員:「じゃー仕切り用意しちゃいますので~」「好きなの選んで! ちゃーんと着させてあげっからね!」
商会員:あれよあれよという間に応接室のソファーをどかし、着付け用スペースの設営へ入っていく……
GM:……N分後!(GMが和服の初めての着付けにかかる時間がわからないため)
GM:そこには初めてか七五三以来に和服へ袖を通した三人がいた。
商会員:「よーしそれじゃ順番に見ていくぞ~」 いつのまにか仕切り役ができて、司会のようなことをしている
商会員:「まずは……薄蛍レドさん!」
商会員:「よっ! メガネ!」「血圧低そう!」「控えめなたたずまい!」
薄蛍レド:「はーい」真ん中に出てきてくるりと一回転。紺の矢絣文様の振り袖に濃緑の袴でまとめた、いわゆる大正ロマンスタイル。
薄蛍レド:「めちゃかわいくない?」
商会員:「これはレトロ……!」「落ち着きつつも華がある」「そうだろうそうだろう」
商会員:商会員が口々に言いつつ、着付け具合をチェックしている。
薄蛍レド:控えめにポーズなんか取っちゃって、満更でもない。
齋藤リッコ:「う~ん……似合ってるわね」神妙な顔
商会員:「おっ、姉さんノってる!」「姉さんというかお嬢さんというか」「奥ゆかしさと活発さのマリアージュ……」
薄蛍レド:「ふふん、案外似合っちゃうんだなこれが」
齋藤リッコ:「普段がだらしないからギャップで良く見えるわ」
薄蛍レド:「おー、言ったな~。リッコの番が楽しみだなあ~」
商会員:「着やすさ、動きやすさにフォーカスした作りです。『外』だと大学の卒業式の時なんかに着られるスタイルっすね」
柴辻マサラ:「確かに、和服というともっと袖や裾の長い印象でした」
商会員:「大学って何年後だよって感じっすけどね。でも似合うな~」
薄蛍レド:「私の卒業式のとき、これ着よっかな~」
齋藤リッコ:「卒業式か……レドは卒業式のために委員やってるんだもんね」
薄蛍レド:「そうそう。やっぱ、お祝い事はちゃんとしたのがあって欲しいじゃん」
齋藤リッコ:「へぇ……」感心して「すごいまともな意見……びっくりしたわ」
薄蛍レド:「私をなんだと思ってるんだリッコ~」
柴辻マサラ:「祝花委員会でしたか。卒業を彩るための組織……」
柴辻マサラ:「……とてもいい考えだと思います。ノヴァリスでは、そういう未来について考えている生徒が少ない傾向にありますし」
柴辻マサラ:「ノヴァリスというと主語が少々大きいかもしれませんが……」
柴辻マサラ:少なくともメサイアでは大分多い。
商会員:「卒業ね~。全然想像つかないっすね」
薄蛍レド:「……まあ、将来ってのがあるわけだしさ、私達。やりたいこととか、あんま決まってないけどさ」
商会員:「次の商談のことは考えられても次の次までは難しいしなあ」「卒業とかチョームズい!」 好き勝手喋っている
薄蛍レド:「まあ、それでも思い出に残ることは多いほうが楽しそうじゃん。っていう」
薄蛍レド:「……なんか恥ずかしくなってきちゃった」
齋藤リッコ:「ううん。偉いと思うわよ。そういうの」
齋藤リッコ:「見直したわ。ちょっとね」
薄蛍レド:「もっと見直してもいいよ」
齋藤リッコ:「チョーシ乗らないの」
齋藤リッコ:「……」レドを立派に思うと同時に、気後れするような感覚がある。卒業とは、リッコにとってはタイムリミットに等しい。自分はこのノヴァリスで、まだ何も成し遂げられてはいない。
薄蛍レド:照れ隠しに司会役の商会員をせっつく。
商会員:「へいへい、てことで、薄蛍レドさんでした! んじゃ~次は斎藤リッコさん!」
商会員:「元気でいいね!」「女子高生!」「裸眼!」 口々に囃し立てる
齋藤リッコ:「うっ……はーい」
齋藤リッコ:緊張した面持ちで、おずおずと仕切りから身体を出す。
齋藤リッコ:質素で地味ながら、動きやすい作りの着物だ。派手に着飾ったものというより、町娘か茶屋の看板娘あたりを思わせる。
齋藤リッコ:「えぇと……」
齋藤リッコ:ぎこちなくその場で一回転する。
齋藤リッコ:「ど……どうかな……」
薄蛍レド:「おお……」
商会員:「うーん、ちょっと質素だが……」「素朴な良さがある!」「安心感!」
薄蛍レド:「いいよリッコ……」
商会員:「もうちっと晴れやかなのでも良かったと思うんですけどねぇ。どうしてもこれくらいがって言うもんですから」 着付けを担当した商会員が鼻をこする
薄蛍レド:「洋食屋とかでカレーライスを運んできて欲しくなる雰囲気出てるよ……」
齋藤リッコ:「えっ……褒められてる……?」
薄蛍レド:「クリームソーダとかも運んでほしい」
商会員:「洋食屋なのに和服とはこれいかに」「でも洋食屋って『和』だよなぁ」 着付け具合もチェックしている
柴辻マサラ:「かわいらしいと思いますよ」
齋藤リッコ:「あっ……ほ、本当……?」
齋藤リッコ:「えへへへ……そう……?似合ってる……?」
商会員:「似合ってる似合ってる!」「看板娘!」「3000000兆いいね!」
齋藤リッコ:「えぇ~~?またそんな……おだてたって仕方ないわよ~?」
齋藤リッコ:思い切りデレデレしながらポーズを取っている
薄蛍レド:腕組みをしながらうなずいている。
商会員:商会員らの褒め言葉が加熱しているのは、リッコを持ち上げてあわよくば買わせようという魂胆であることを、冷静な者なら見抜けるかもしれない。
齋藤リッコ:「そんなに似合うならコレ……買っちゃおうかな~~……」
商会員:「やっぱ配信者なら和服だよな……」「キングダムで和服って目立つし可愛いよな」「一線を画していくね 葛飾北斎」
齋藤リッコ:「そう?やっぱりそう思う?」
商会員:「ええ、ええ! 着方を学んだなら買わなければ損というもの! 他の色もお気に召したらぜひ……」
商会員:揉み手でカタログを渡しつつ 「では最後に……柴辻マサラさん! お見せください!」
商会員:「メガネ!」「働く女!」「そういう女の"色"がたまんねェんだ!」
柴辻マサラ:「……まあ、一人だけ出ない訳には行きませんか」
柴辻マサラ:仕切りの奥から出てきたのは、黒地に赤と白の花を染め抜いた小紋に身を包んだ柴辻の姿だ。
柴辻マサラ:ただしその着こなしは少々……大分特殊である。右肩が露出し、胸を覆う晒しがハッキリと見えている。
柴辻マサラ:当人に自覚は無いが、例えるなら日本の賭博場かやくざ映画にでも居るような姿だ。
薄蛍レド:「ワァ……」
齋藤リッコ:「うわっ」掌で顔を覆い、指の間から覗き見る
商会員:「ワーー!」「この紋所が目に入らぬかのやつ!」「アンダーグラウンド」
商会員:口々に囃し立てつつ、その着付けをチェック……というよりは、審美する
齋藤リッコ:「えっなんか……いいのこれ!?」
柴辻マサラ:「ここまで肌を出すものかとは思ったんですが、こういう着こなしもあると熱弁されまして」
薄蛍レド:「ア……」固まっている
商会員:「正道ではありませんが、こういう着方もあるっちゃあります。ちっとばかり危険な香りを漂わせる着方ですね」
商会員:「いやぁ、柴辻さんの空気を肌で感じたらこれっきゃないと思って……」 着付け担当した商会員がデレデレしている
齋藤リッコ:「ある……あるだろうけど……」
柴辻マサラ:「まあ古巣ではこれより酷い露出もよく見ましたし。本職の方が似合うというなら良いかと」
商会員:「露出なんて! 水着よか布面積があればセーフっすよ!」 熱弁
齋藤リッコ:「古巣やばくない……?」
齋藤リッコ:「エッチなゲームの世界とかに住んでた?」
薄蛍レド:「本物の"セクシー"を見せつけられた気がする……」
柴辻マサラ:「メサイアの中でも特に治安が劣悪な区画です。ご納得いただけるかと」
柴辻マサラ:それこそ入れ墨を強調するために薄着にしてる輩なども居た。
薄蛍レド:「メサイア、こわ……」
齋藤リッコ:「そ……そうなのね……」(治安悪いと薄着になるのかな……?)
齋藤リッコ:「でも、そんな区画からトランぺッターに?なんか、意外っていうか……」
齋藤リッコ:「トランぺッターってすごいお堅いエリートしかいないのかと思ってたわ」他学区の庶民からの偏見である
薄蛍レド:「私、委員長が滅茶苦茶ヤバいってことしか知らない」
商会員:「うちらもそんな認識です」「トランペッターの人を直接見たのは初めてっすねえ」「あ、あたし、和服着付けちゃった。。。」
柴辻マサラ:「そうとも限りませんよ。それこそ、委員長も現場で働き通しの叩き上げですし」
柴辻マサラ:「規則を重んじる人間も居れば、単に甘い汁を吸いたいだけの人間も居る。日本の言葉では玉石混交というんでしたか」
齋藤リッコ:「そうなのね……」ほとんど別世界の話として感心しながら聞いている
齋藤リッコ:「柴辻さんはどっちなの?」
薄蛍レド:「聞いちゃうんだ」
柴辻マサラ:「私は……前者になりたがってる人間ですかね」
齋藤リッコ:「なりたがってる?」小首を傾げる
柴辻マサラ:「私の能力も精神も、秩序や規則のない掃きだめ暮らしに向いては居たと思います」
柴辻マサラ:「でも、結局虚しいだけだったので。そうではない自分になりたいと憧れました」
薄蛍レド:「おお……」
齋藤リッコ:「じゃあ、それでトランぺッターに?」
柴辻マサラ:「ええ。機会を貰えたので」
柴辻マサラ:「今は出来る限り秩序側の人間らしく振る舞えるよう、必死にやっています」
齋藤リッコ:「え~、そうとしか見えないけどなあ」
薄蛍レド:「ね。すっごいキッチリしてるもん」
齋藤リッコ:「ね。シュッとしてて、デキる女って感じ」
薄蛍レド:「そうそう」
薄蛍レド:「カッコいいし」
柴辻マサラ:「なら良かった」 ふ、と少し笑って。
商会員:「ええ。場合によっちゃあこいつ(着付けた人)を吊るし上げるつもりでしたよ」「天下のトランペッターにこんなヤクザな格好……」
商会員:「ま、まあ良いじゃないですか! それよりほら、記念にどうです!」
商会員:そういう商会員は、スマホのカメラを構えている。
齋藤リッコ:「あっ、撮って撮って!」二人の肩を寄せる
商会員:「ラス・ヴィダスの安物じゃない、ジェネシス純正の最新スマホですからね! バッチリ映えに撮りますよ!」
齋藤リッコ:「バッチリ撮ってよね!何たって3000000兆いいねだもの……」
薄蛍レド:「やった。いえーい!」両手でピース
柴辻マサラ:「私は写真には……」 やや渋るが、手を払うまではしない。
齋藤リッコ:「ウェヘヘ……バズバズ……」緩んだ笑顔でピース
薄蛍レド:「せっかくなんだし、笑顔笑顔ー」マサラちゃんにも
柴辻マサラ:「……はあ」 空気に水を差すのも、と諦め気味に薄く笑む。
商会員:「ウヒョイーッ! それじゃあサン、ハイ!」
GM:三者三様にレンズに向かうその姿が、シャッター音とともに一つのデータとして記録される。

GM:N分後……
GM:制服に着替えた君たちの元に、和服の着付け教室商会員ではなく、改めて本来の客人が訪れる。
モネ・デバイス:『ヴィンヴィン……』
モネ・デバイス:それは人間ではなく、人型の『社会人』であるようだった。機動音はやがて、ノイズ混じりの人間音声へと変わる。
モネ・デバイス:『……あー、もしもし? 音声は聞こえてるかしら? こちらからは映像・音声問題なく確認できています』
モネ・デバイス:『申し訳ないわね、ちょっと忙しくて、直接会うのも難しそうなので、その通信用社会人を使わせてもらったわ』
薄蛍レド:「これがテレワークってやつ……?」
GM:要は、自分で動いて音声と映像を行き来させる、人型通信機であるらしい。
齋藤リッコ:「おお」目を瞬き「はい、聞こえてます。ええと……会長さんですか?」
モネ・デバイス:『ええ。金内モネ。コトフギ商会商会長。次の用事が控えているから、要件は手短に……何が知りたいんですっけ?』
柴辻マサラ:「祝花委員会に提供したというβプランスについて伺いに参りました」
柴辻マサラ:「件の荷物が輸送物連続炎上事件の被害にあいまして。狙われる理由、あるいは狙う人間や勢力にお心当たりはありませんか?」
モネ・デバイス:『はいはい、あれの担当は確かに私ね。よく覚えてる……』 マイクの向こうから、こつこつという音。指でテーブルか何かを突いている
モネ・デバイス:『正直、ノヴァリスで商売なんてやってたら敵なんてどこから湧いてくるか分かったものじゃないでしょ。無軌道なメサイア、金のためなら何だってするラス・ヴィダス、他にもたくさん……』
モネ・デバイス:『まあ、今回の件で言えば、狙われたのは果たして荷物なのかどうかは考える価値はあるかもしれないわね』
齋藤リッコ:「……? というと?」
モネ・デバイス:『キングダムに対する嫌がらせ。……うちはそれなりによろしくやらせてもらってるけど、それの仕入先がね』
モネ・デバイス:『シャムロック自由学園。知ってる? キングダムの数ある「敵」の一つ。それ、そこから仕入れてるのよ』
GM:シャムロック自由学園。キングダム連合学院と隣接し、係争地を抱える小さな学園だ。
齋藤リッコ:「えーっ、シャムロック!?」一般的なキングダム生として、シャムロックに対しては一般的な範疇での敵意と偏見がある。実際には関わったこともないが。
モネ・デバイス:『だからもしかしたら、この荷物がキングダムに流れるって知ったシャムロックの連中が、何か仕掛けたのかも……』
齋藤リッコ:「じゃあ何!?あたしんちはシャムロックの連中の嫌がらせで燃やされたってこと!?」
モネ・デバイス:『そういうことよね。お気の毒さまだけど』
薄蛍レド:「酷くない?それで被害を被ったの、何もしてない普通の生徒なの」
齋藤リッコ:「キ~~ッ!許せない!燃やすなら円卓でも燃やしなさいよ~~!」
モネ・デバイス:『ほんとーね。どうしてなんでもない生徒の家なんか……』 溜息交じり
齋藤リッコ:「なんでもない……」小落ち込み
柴辻マサラ:「……確かに、学区間での衝突から事件が起きる例は少なくないですが」
柴辻マサラ:「今回の場合、キングダム外でも同様の事件が頻発している点の説明が付きません」
モネ・デバイス:『なるほど。でもそれこそ、シャムロックの奴らが無差別に仕掛けた結果だったりするんじゃない?』
齋藤リッコ:「許せないわね……シャムロックのやつら……!」
薄蛍レド:「……シャムロックにだって、卒業式出る子はいるだろうし」
薄蛍レド:「その子達だって、花にケチついちゃったら残念がると思うんだけどな……」
齋藤リッコ:「それよりも卒業式の邪魔をするほうが先決ってことなんじゃないの?シャムロック的にはさ」
モネ・デバイス:『実際、こうしてキングダムに見事被害が出た訳だし……そういう調査の協力ならうちもするわよ。仕入先の情報は渡します』
柴辻マサラ:「あり得ない線ではありませんが……。いえ、そうですね。協力していただけるならば有難いです」
齋藤リッコ:「ほんとですか?そうそう、あたし達代わりのβプランスを調達しないといけなくて……」
モネ・デバイス:デバイスの目がピカピカと光ると、口からぺろりとプリントが出力される。
GM:そこには『シャムロック自由学園 妖精通り ショップ紙巻』とある。そこが仕入先のようだ。
モネ・デバイス:『うちにはもうないけど、その店に当たれば物はあるかも。ついでに尋問とかすれば、何かしら吐くんじゃないかしら』
薄蛍レド:「尋問……」マサラちゃんの方を見る
柴辻マサラ:「……必要となればしますが。流石に他学区で積極的に強硬手段に出る気はありませんよ」
薄蛍レド:「経験者の口ぶり……」
齋藤リッコ:「尋問は置いとくとしても……これって」
齋藤リッコ:「シャムロックに乗り込まなきゃいけないわけよね。大丈夫かしら……」
齋藤リッコ:「キングダム生ってバレたら皮とか剥がれるんじゃないの?」偏見
薄蛍レド:「流石にそんなことになったら、王様たちが黙ってなくない?」
モネ・デバイス:『そこはまあ、うちが仕入れてるくらいなので。いえ、うちはキングダムの姉妹校・・・ですが』 一部強調しつつ
モネ・デバイス:『学区境以外の連中は割と油断しまくってるので、どうとでもなりますよ。メサイアの方もご一緒なら大丈夫のはず』
齋藤リッコ:「そういうものなのね……」
薄蛍レド:「マサラちゃんが頼みの綱じゃん」
薄蛍レド:「なんかあったら……トランペッターの力でどうにか……」拝む
齋藤リッコ:「お願いしやす……へへ……」揉み手
柴辻マサラ:「私も一執行部に過ぎないので、特に権力はありませんよ? ……念のため同僚に根回しは頼んでおきますが」
柴辻マサラ:(結局、菓子を強請られる羽目になりそうだな……) 内心で溜息を一つ。
モネ・デバイス:『うーん、さすがトランペッター……これで事件は解決したも同然ではないですか』
齋藤リッコ:「ええ、5日も要らなかったかも!」
薄蛍レド:「4日遊べるじゃん」
モネ・デバイス:『ではそういうことで。私はそろそろ失礼するわね。もうすぐ次の用事があるの』
齋藤リッコ:「ありがとうございます、会長さん。助かりました!」
柴辻マサラ:「ご協力感謝します」
薄蛍レド:「お忙しいところありがとうございました~」
モネ・デバイス:『……ああ、それはそれとして、シャムロックに入るなら、ぐるっとメサイアの方を迂回して、夜行列車に乗る必要があるので、日はかかりますが……』
齋藤リッコ:「エッ!そうなんだ」
薄蛍レド:「くっ、ショコランに行く余裕はなさそう……」
モネ・デバイス:『今の時期なら寝台列車の切符も確保できるでしょう。それでは幸運を』
モネ・デバイス:ヴィヴヴィヴ言いながら、通信社会人は去っていきます。
柴辻マサラ:「確かキングダムとの直通便は運航していなかったかと。メサイアへ向かう足も含めてこちらで用意しましょう」
齋藤リッコ:「マサラさん頼りになるな~」
薄蛍レド:「ほんとすごい……」
薄蛍レド:「肩も出てたし……」
柴辻マサラ:「そこは関係無いでしょう」
齋藤リッコ:「じゃあ行きましょ!列車に遅れるといけないわ」
齋藤リッコ:「駅弁何買おうかな~」既に半ば解決気分で、キャッキャしながら歩いていく。背負った鞄には12回分割で買ったばかりの和服が入っていた。



GM:シーンを終了します。ロイス・調達可!
薄蛍レド:柴辻マサラ/感服○/劣等感/ロイス で取得します
薄蛍レド:何買おうかな
柴辻マサラ:ロイスは保留 武器は両手剣とか狙っておこうかな
柴辻マサラ:2dx+3>=13
DoubleCross : (2DX10+3>=13) → 9[6,9]+3 → 12 → 失敗

柴辻マサラ:うーん この後まだ情報収集ありそうだし財産点取っておこう
齋藤リッコ:ロイスは保留で……そうだな 高性能治療キット
齋藤リッコ:3DX+4>=9
DoubleCross : (3DX10+4>=9) → 5[2,5,5]+4 → 9 → 成功

齋藤リッコ:買えた 以上!
薄蛍レド:強すぎるんだよな高性能治療キット
薄蛍レド:ブルゲでも狙ってみようかしら
薄蛍レド:マイナーで完全熱光学迷彩服起動 ベルベットクローク効果でダイス+3
薄蛍レド:判定直前にブーメランアスピス効果で侵蝕+1して達成値+4
薄蛍レド:6dx+1+4=>17
DoubleCross : (6DX10+5>=17) → 10[2,2,3,5,6,10]+8[8]+5 → 23 → 成功

柴辻マサラ:買い物が上手すぎる
齋藤リッコ:すご
GM:ステルス調達、不法行為を連想させすぎる
GM:とはいえ証拠はありませんし逮捕もされていませんからね……購入成功です
薄蛍レド:やったー
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1(→ 1)増加 (52 → 53)
GM:ではシーンを切ります!



【◆ Middle 03  Scene Player ... 齋藤リッコ】

GM:引き続き交流を兼ねた情報収集シーンです。侵蝕ダイスを振って登場してください。
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (61 → 63)
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (53 → 59)
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (61 → 69)



GM:それでは情報収集判定から入ってもらいましょう。

◆ 情報項目2
・炎上した荷物について <情報:ノヴァリス> 7
・シャムロックの『ショップ紙巻』について <情報:ノヴァリス><情報:噂話> 9


GM:両方開くことによりシーン進行が可能になります。ご挑戦ください。
齋藤リッコ:荷物について調べようかな~
齋藤リッコ:コネ:学園通の友人使用
薄蛍レド:マサラちゃんに先やってもらうか
齋藤リッコ:5DX+2>=7
DoubleCross : (5DX10+2>=7) → 8[3,4,5,7,8]+2 → 10 → 成功

柴辻マサラ:じゃあショップ行きます 学園通の友人使用で
柴辻マサラ:4dx+1>=9
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 6[1,5,5,6]+1 → 7 → 失敗

柴辻マサラ:あっ
薄蛍レド:あっ
齋藤リッコ:なんてこと
GM:爆発しちゃった 学園痛の友人
薄蛍レド:じゃあやるか……
柴辻マサラ:一応財産点は足りるけど勿体ないし、お願いします
薄蛍レド:ミーミルを噂好きの友人にコネくりまわして噂話で判定します
薄蛍レド:マイナー完全熱光学迷彩服で消えてベルベットクロークでダイス+3
薄蛍レド:9dx+1>=9
DoubleCross : (9DX10+1>=9) → 9[2,3,4,5,6,8,8,9,9]+1 → 10 → 成功

齋藤リッコ:やったね
薄蛍レド:よし
GM:隠れて情報を入手するとはな
薄蛍レド:サボってたらたまたま……
GM:では公開しまーす

・炎上した荷物について
炎上した荷物について調査をした所、科学的な可燃物の痕跡は見受けられなかった。
また、運び荷であったβプランスが直接の火元になったということも考えにくい。
荷物にはレネゲイドの力が残留しており、サラマンダーシンドロームの力と、もう一つ何らかのシンドロームのエフェクトが働いているように思われる。
それがどの時点で付与されたものかは不明瞭だが、どうあれ特定オーヴァードの能力によるものと見て間違いないだろう。
このまま調査を進めれば、ほどなく原理やその犯人について明らかになるはずだ。


GM:まあつまりは、このまま調査すれば原理も分かり、それできるオーヴァードが犯人で確定! って所まで詰められるじゃろってことですね。
薄蛍レド:名探偵だぜ

・シャムロックの『ショップ紙巻』について
シャムロック自由学園の、平均よりは大きな商店の一つ。
様々な方向にディープなコネクションを持ち、珍品と言える商品を取り扱う。
βプランスもそういった商品の一つで、仕入先はショップ紙巻の店主、紙巻サナキのみが知るところであろう。


柴辻マサラ:マニアックめな雑貨屋さんというわけね
GM:商品の流通とかはしているけど生産はしていなさそうで、在庫があればハッピーだけど、なければ生産元まで行かなきゃな~というふうに認識してもらえればよさそう。
薄蛍レド:長旅だあ
齋藤リッコ:あってくれ~~

GM:学園間寝台列車『スター・カスケット』は、実態的には物輸のオマケとして人を運ぶための客車だ。
GM:貨物列車が学区間を移動し、荷物を積み替えていくのが本命の稼ぎで、旅客輸送はついでである。何せ貨物として見ると、人間は繊細過ぎる。
GM:とはいえ、キングダム近辺からシャムロック自由学園に向かう、速度と安全が一定程度担保された手段はこれくらいしかない……
GM:そういう訳で、君たちはそこまで優雅ではないが、我慢ならないほどでもない列車旅を体験していた。一泊くらいであれば、悪くない思い出になるかもしれない。
GM:君たちに割り当てられた部屋には2つの二段ベッドがあり、車窓の外を緩やかな速度でノヴァリスの夜景が流れていく。地上は荒野、夜空には星と大十字冠。
グレイライツ・ボガート:『……シャムロックの付近はそこそこ警備されてるから安全だけど、その辺りは列車強盗がちょくちょく出るのよね~』
GM:柴辻さんの通信端末から、彼女の同僚が無頓着にそう言うのが聞こえるだろう。
グレイライツ・ボガート:『襲われないように願いつつ、襲われた時の準備はしておくようにね。こっちも調査、進めておくから』
柴辻マサラ:「了解しました。よろしくお願いします」
薄蛍レド:「なんか……弾丸旅行って感じじゃない?」やけにウキウキしている
齋藤リッコ:「うん!あたし、夜行列車なんて乗るの初めて!」
齋藤リッコ:事あるごとにガタガタ揺れ、薄い壁からは隣室の物音が漏れ聞こえ、空調の効きも微妙に悪いが、テンションが上がっていて気にならない。
薄蛍レド:「私も~!シャムロックってなんかお土産とかあるのかな……」
齋藤リッコ:「ローカルの旅番組で見て憧れてたのよね~」固いベッドに寝転び、手足を伸ばす。「お土産ねえ」
齋藤リッコ:「お菓子とか売ってるのかな」
柴辻マサラ:「私は区外の地理や名所には疎いので何とも。お二人の方がまだ詳しいのでは?」
柴辻マサラ:ぴ、と端末を切りながら話に混ざる。
GM:シャムロックは一応観光・農業を主な産業としている学園であることはなんとなく聞いたことはあっても良いかも。敵対学区なのでそんなに情報は入ってこないかもしれないが……
薄蛍レド:「銘菓・シャムロックまんじゅうみたいな……。いやあ、実はあんまり。私そんなに外の学区出たことないし」
齋藤リッコ:「あたしも詳しくないなー。物騒な噂とか、怪談みたいなのは聞くけど」
薄蛍レド:「ていうか、ショコラン以外の学区、初めてかもしんない」
齋藤リッコ:「あたしこの前メサイア行ったわよ」ふふんと自慢げ
薄蛍レド:「えー、いいなあ」
柴辻マサラ:「そうだったんですか。……大丈夫でしたか?」
柴辻マサラ:「主に治安など」 地元民故の心配。
齋藤リッコ:「すごかった……なんか……」手をろくろにして「押し売りに群がられて……」
薄蛍レド:「押し売りに……」
柴辻マサラ:「よく居ますね。押し売りを装ったスリが混ざっていることも多いです」
薄蛍レド:「また変なもん買ったりしてないよね」
齋藤リッコ:「またって何よ~!?あたしそう簡単に騙されないわよ!」
薄蛍レド:「騙されるというか、煽てられるというか?」
齋藤リッコ:「失礼ね!大丈夫だっての!あたしはいつでもクールでクレバーだもの」和服に関しては正当な判断の元に買ったと(まだ)思っている
柴辻マサラ:「追い払うときは能力をチラつかせるのが一番早いですよ。あの手の類いは買わせにくいと思ったら別の獲物に移るので」
薄蛍レド:「おお……本場のアドバイス」
齋藤リッコ:「物騒なライフハックが……」
柴辻マサラ:「話を聞く姿勢を見せるとカモにされますからね。斎藤さんもさぞ狙われたのでは?」
齋藤リッコ:「ま、まあ多少は……」目を逸らす。一人だったら確実にカモにされていただろう
薄蛍レド:「リッコは人の話をよく聞くいい子だからねえ……おばあちゃん知ってるよ……ほっほっほ」
齋藤リッコ:「ていうか、随分慣れてるけど……マサラちゃんはいつからノヴァリスこっちに?メサイア生まれメサイア育ちって感じ?」
齋藤リッコ:「悪そうな奴は大体友達……みたいな?」
柴辻マサラ:「そうですね。物心が付いたときには」
薄蛍レド:「リアル・ヒップホップじゃん」
柴辻マサラ:「友達を作った覚えはありませんが、顔見知りまで下げれば似たようなものでした」
齋藤リッコ:「えぇ~、じゃあ結構大変だったんじゃない?それって」
齋藤リッコ:ベッドに仰向けに寝転がりながら聞く
柴辻マサラ:「まあ、幼少期は苦労しましたね。主食がレストランの生ゴミだった程度には」
齋藤リッコ:「うおぉ……壮絶……」
薄蛍レド:「……わあ」
柴辻マサラ:「本来なら学校の寮辺りに入れたのかもしれませんが、存在を知らなかったもので」
柴辻マサラ:何故その年でそこに居たのかに関しては自分でも記憶がない。
齋藤リッコ:「……こういうの、軽々しく聞くべきじゃなかったかも。ごめんね?」少し反省して
柴辻マサラ:「いえ。今となっては、苦くもないただの思い出ですよ」
薄蛍レド:「……マサラちゃんや、これでもお食べ」お菓子の大袋から個包装のチョコパイを差し出す。
薄蛍レド:「リッコもいる?」
齋藤リッコ:「いるいる」
柴辻マサラ:「ありがとうございます」 気を使われるほど気にしてないけどなと思いつつ、お菓子はありがたくいただく。
薄蛍レド:「お菓子買い込んでてよかったー」チョコパイをもぐもぐ
齋藤リッコ:「レドはずっとキングダムなんだっけ?」チョコパイをかじりながら
薄蛍レド:「そう。ずっとキングダム」
齋藤リッコ:「あたしと同じよね。あたしも中学上がる前くらいから」
齋藤リッコ:「まあキングダムって言っても、王とか関係ないとフツーのお嬢様校って感じだけど……」
薄蛍レド:「……まあ、そんな大変なこともなく今まで暮らしてたわけですよ」
齋藤リッコ:「がっかりよねー。せっかく超能力者になって、あたしは特別なんだって思ったのにさ」
齋藤リッコ:「こっち来てみたら全員そうなんだもん!また普通の学生に逆戻りじゃない」
柴辻マサラ:「こちらに来たらということは、リッコさんは外での暮らしの記憶があるんですか?」
齋藤リッコ:「うん。11歳までは外にいたから。覚醒して、今じゃ名前も分からないような零細セルに拾われて……」
齋藤リッコ:「そんなに強くないオーヴァードを集めて、雑に何十人もまとめてこっちに送るみたいな。その中の一人」
齋藤リッコ:「まあ、お刺身で言うとマグロを盛り立てるイカみたいな……」ツマと言わないのはせめてものプライドか
薄蛍レド:「イカおいしいじゃん」
齋藤リッコ:「おいしいけどさあ」
齋藤リッコ:「せめてサーモンくらいにはなりたいじゃないの」
薄蛍レド:「なんか聞いたことあるよ、『海が近いところのイカはものすごいうまい』って」
齋藤リッコ:「そうなんだ?へえ……でもノヴァリスじゃ食べられないわね」
柴辻マサラ:「海がありませんからね」
薄蛍レド:「卒業後か~、イカ」
薄蛍レド:チョコパイを完食する。
薄蛍レド:「……卒業旅行」
薄蛍レド:「海あるとこ行きたくない?」
齋藤リッコ:「行きたい!」
齋藤リッコ:「海って言ったら……やっぱハワイとか?」
薄蛍レド:「ハワイ!南の島!」
柴辻マサラ:「卒業旅行にハワイ……」 初めて聞いた単語のように呟いて。
薄蛍レド:「マサラちゃんはなんか……行きたいとこあったり?する?」
柴辻マサラ:「……いえ。私はどうも、今をどう過ごすかで手いっぱいで」
柴辻マサラ:「そもそも卒業について考えたことがありませんでした」
柴辻マサラ:「だからこそ、それをより良くするためという祝花委員会の活動は良いものだと思います。ここで暮らす生徒には必ず訪れるものですし」
薄蛍レド:「ふふん……ふん……」祝花委員会を褒められ照れている
齋藤リッコ:「美味しいもの食べて、みんなで泳いで……彼氏とかも出来ちゃったりして……」
齋藤リッコ:「いいわねー卒業旅行。じゃあマサラちゃんも行きましょうよ」
柴辻マサラ:「……そうですね。海を見たことがないので、少し興味はあります」
齋藤リッコ:「やた。楽しみね」
齋藤リッコ:「まあ、まずは自分の卒業後より、目の前の先輩がたの……ん」端末が振動する
齋藤リッコ:「あ、科学部に送っといた解析結果来たわ」
齋藤リッコ:二人にも転送する
薄蛍レド:「海、水着、ダイエット……おっ」
柴辻マサラ:「ありがとうございます。……なるほど、能力面からの解析ですか」
齋藤リッコ:「やっぱりって感じだけど、誰かサラマンダー系の仕業っぽいわね」
薄蛍レド:「燃やしたやつがいるってことじゃんね」
齋藤リッコ:「このまま絞ってけば犯人も分かりそうね。やる気出てきたわ」
柴辻マサラ:「同じサラマンダー能力者でも、完全に同一ということはそうありませんからね」
齋藤リッコ:「考えてみればノヴァリス中に跨る大事件と言えなくもないものね。解決すればあたしの名前も更にBIGに……」
薄蛍レド:「……あっ委員長からメッセ来てた」ショップ紙巻についてだ
薄蛍レド:「βプランスの仕入先を知ってるのは店長さんで……」
薄蛍レド:「……在庫がなかったら仕入先まで行かなきゃだめっぽい」
齋藤リッコ:メッセージを見て「じゃ、今はとりあえずこのショップに在庫があるのを祈るって感じね」
薄蛍レド:「仕入先、近いといいなあ……」
柴辻マサラ:「ここから更に長距離の遠征は流石に骨ですからね……」
薄蛍レド:「どうしよ、山奥とかジャングルの奥とかだったら……」
柴辻マサラ:流石に顔が渋くなる。キングダムへの越境調査も渋ったのにこの有様なので。
齋藤リッコ:「今から言っても仕方ないでしょ!そうなったらなるようになるだけじゃない」
薄蛍レド:「おお、さすがリッコ。ポジティブシンキング」
齋藤リッコ:「落ち込んでるとパフォーマンス下がるから。考えないようにしてんの」経験則
齋藤リッコ:「ほら、方針も固まったしそろそろ寝ましょ!もうこんな時間よ」
薄蛍レド:「オールで大富豪とかしてる余裕はないかー……」
柴辻マサラ:「明日の朝にはシャムロックに着きますし、そうしたらすぐに調査再開ですからね」
柴辻マサラ:レドさんの言葉に苦笑して。
齋藤リッコ:「レドもちゃんと起きなさいよ。寝坊したら列車に置いてくからね!」
薄蛍レド:「わっ、それは勘弁!ちゃんと起きます~!」
GM:こうして賑やかな時間も過ぎ、君たちは鉄道に揺られながら、夜を過ごす――

GM:――翌朝!
GM:列車強盗が自爆を果たした音が聞こえた以外にはこれといったトラブルらしいトラブルもなく、君たちはシャムロック自由学園へと辿り着いた。
GM:白い駅舎を出れば、眼前に商店の並ぶ大きな通りが伸びる。シャムロック自由学園、妖精通りフェアリィ・ステップである。
GM:生徒や先住市民の運営する個人商店が軒を連ねる、素朴ながらも鮮やかで家並み。背の高い建物はほとんどなく、青空が広がっている。
GM:煉瓦敷きの舗装道に、うるさくない程度の賑やかさ。雰囲気としてはキングダムの商店街にも通ずる所があるだろう。
GM:道を往来するのはシャムロックの生徒や先住市民が多いが、その他の学校の制服の生徒や、社会人なども見受けられる。
GM:キングダムの制服を着ていたり、トランペッターの制服である君たちを見ても、目に見えて動揺が広がったりする様子はない。さすがに、時折視線を感じたりはするかもしれないが……
GM:……かくして君たちは、事前に調査をつけていた『ショップ紙巻』にたどり着く。一階が店舗、二階に事務所、裏手に倉庫、といった、ありきたりな構えである。
GM:キラキラと飾られた店舗に並ぶ商品は、あまり統一感のない品々だが、おおむね薬品・化粧品などの化学製品であるようだ。
GM:店番をしながらノートPCで何やら作業をしていた少女が、君たちの来訪に気付き、顔を上げる。
店番らしき少女:「こんにちは~。何かお探しのものでも?」
店番らしき少女:茶髪を後頭で括った、目のつく特徴もない少女である。緑のタータンチェックの上着は、シャムロック生徒のシンボルのようなものだ。
柴辻マサラ:「メサイア学園トランぺッター執行部の者です。こちらで扱っていたβプランスについてお聞きしたいのですが」
柴辻マサラ:慣れた手つきで学生証を取り出しつつ。
店番らしき少女:「へっ、トランペッター? それはまた、どーもどーも……」 ぺこぺこ頭を下げる
齋藤リッコ:「おぉ……」列車を降りてから、想像よりもずっと美しい街並みをずっとキョロキョロしている
薄蛍レド:同じく街並みの方に興味津々
紙巻サナキ:「確かにβプランスはうちで扱ってる商品ですね。何かあったんですか? 私、店長なので。わかることは何でも答えますよ」
柴辻マサラ:「こちらの商店が͡コトフギ商会伝いにキングダムの祝花委員会に卸したβプランスが、輸送物連続炎上事件の被害に合いまして」
齋藤リッコ:「荷物が燃えて……あたしのかいわれ大根が……」
紙巻サナキ:「輸送物連続炎上……」 物騒だな~みたいな顔
薄蛍レド:「あっ、その祝花委員会のものです」マサラちゃんの背中越しに手を振る
紙巻サナキ:「こんにちは~」 手を振り返す
薄蛍レド:「事件の方はトランペッターの人に捜査してもらってて」
薄蛍レド:「祝花委員会的には、βプランスを持って帰れればほぼオッケーなんですけど」
薄蛍レド:「……とりあえず、在庫とかってあったり……します?」
紙巻サナキ:「あっ、その薬が燃えたとかじゃなく、つまり在庫があるかどうかってことですね」
紙巻サナキ:「え~、あったかな。私のノイマン頭脳的にはないな~っていう印象なんですけど、念のため見てみます」
齋藤リッコ:「ノイマン頭脳的には……」不安げ
柴辻マサラ:「あ、いえ。卸されたβプランスが燃えたという認識で合っています」
柴辻マサラ:「なのでそちらについても、狙われる理由や狙う勢力などに心当たりがないかお聞きしたいのですが」
紙巻サナキ:「なるほど、狙われる理由ー……」 ノートPCをカチカチと操作している。在庫状況を確かめているようだ
紙巻サナキ:「正直、あんまり思い当たらないですね。うちで扱ってる商品、マイナーなやつばっかりなんですけど」
紙巻サナキ:「その辺の仕入先、大体ジェネシスでコンペに負けたとかで、正規に商品化しなかったとか、そういう手のが多いんです。私の仕入れルートも大体そういう感じで……」
薄蛍レド:「ジェネシス……」
齋藤リッコ:「ようは訳あり商品なのね……」
紙巻サナキ:「だから少なくとも、商品そのものを憎らしく思うことはないんじゃないかな? ……あと、在庫はやっぱりありませんでした!」
齋藤リッコ:「じゃあβプランスもそういう……ギェーーッ!」
薄蛍レド:「ないか~~」
紙巻サナキ:ぱちん、と手を合わせて言い切る 「ごめんね~。恵比寿さんの所に全部出しちゃってたみたい」
柴辻マサラ:「商品そのものの線は薄い、と。なら、こちらの商店やコトフギ商会を狙う動機があるという線は?」
紙巻サナキ:「うちが狙われる理由? うーん、それもあんまりかなぁ。コトフギさんも、良い商売相手だなあくらいの認識で……」
紙巻サナキ:「まあ、コトフギさんは最近結構活発に動いてるっぽいから、もしかしたらそれで恨みを買ったりすることはある? かも? くらいかなぁ。お役に立てずすみません~」
柴辻マサラ:「いえ、こちらこそご協力感謝します」
齋藤リッコ:「ほ……本当にないんですか!?もう一回確かめてみてくださいよ~~!」
齋藤リッコ:「倉庫の奥にしまい込んでたりとか……そういう……無いんですか!?」
薄蛍レド:「その……こっちにも深~い事情がありまして……」
薄蛍レド:「ない?ほんとに?」
紙巻サナキ:「えー、閉じたり開いたりしても数字は変わんないよ~」 笑いながら、でも改めて在庫をチェックしている
紙巻サナキ:「ありません! 私のノイマン脳とパソコンのデータが一致したらそれは真実!」
齋藤リッコ:「ギギギギ…………」
齋藤リッコ:「そ……そんな……ここまで来て……」
薄蛍レド:「り、リッコ!しっかり!」
紙巻サナキ:「そんなに遠くから来たの? 祝花委員会ってなんだっけ。聞いた覚えはある気がするんだけど……」
薄蛍レド:「て、店長さん。その……βプランスの仕入先、ってどこです?」
齋藤リッコ:「あたし達、どうしてもβプランスが必要なんです。教えてもらえませんか!?」身を乗り出す
紙巻サナキ:「仕入先は確か……うん」 頷く
紙巻サナキ:「ノーザムエース自治学園。わかる?」
薄蛍レド:「のーざむ……?」
齋藤リッコ:「えーす……?」
GM:ノーザムエース自治学園。ノヴァリスの南、無限に増殖を続ける樹木の広がるジャングルを敷地とする学区である。
柴辻マサラ:「……ノヴァリスの南に存在するジャングル内に存在する学区ですね」
薄蛍レド:「ジャングル!!!」崩れ落ちる
紙巻サナキ:「そうそう。そこに住んでるドクター緑尾って子の開発品なの」
柴辻マサラ:手元の端末を見ながら寄った眉に指を添える。頭痛がしてきた。
紙巻サナキ:「昔はジェネシスで開発してたみたいなんだけど、なんか競争に負けて落ち武者ならぬ落ちドクターになっちゃったんだって」
薄蛍レド:「落ちドクター……」
薄蛍レド:「ジャングルまで落ちることないじゃん……」
齋藤リッコ:「南……ジャングル……」
齋藤リッコ:「つまり……そこまで行かないと……βプランスは手に入らない……?」
紙巻サナキ:「そうだねえ。あの子とやり取りしてる先がうち以外にあれば分かんないけど」
齋藤リッコ:「アッ……アッ……」十字冠がチカチカ点滅する
紙巻サナキ:「すごい。情報で人がここまで死んじゃいそうなの初めて見るかも」 またカチカチとPCを操作している
薄蛍レド:「り、リッコ……。で、でも仕入先わかったから!なんとかなるかも!ポジティブシンキング!」半ばヤケクソだ
齋藤リッコ:「お……終わりよ……ホームレス確定…………!」
紙巻サナキ:「終わっちゃった……」 終わっちゃったなあという顔
薄蛍レド:「うち住んでいいから……!メインストリートまで徒歩48分だけど……!」
紙巻サナキ:「一応うちとはそれなりに交流はあるし、必要なら知り合いに連絡しても良いけど……」
柴辻マサラ:「是非お願いします。こちらとしても、ノーザムエースまで出向くのは少々……」
柴辻マサラ:まあ実際を言えば、柴辻自身はβプランスが必要な訳では無いが。流石にこの落ち込み方をしているリッコさんを放っておくのもしのびない。
齋藤リッコ:「あと4日以内にジャングルに……落ちドクターから薬を……?」
齋藤リッコ:「え~~~ん!!間に合う訳ない!きっとジャングルで変なヒルに噛まれて変な病気になって死ぬんだわ!もう終わりよ~~~!!」
紙巻サナキ:「……ははあ。よっぽどお急ぎの事情があるみたいで……ちょっと待ってくださいね」
紙巻サナキ:「ノーザムエースに行ったら植物アレルギーで死んじゃうとかじゃないんですよね? だったら、4日以内なら何とかギリギリ……」
紙巻サナキ:言いつつ、電話に手をかけている 「ドクターに直接連絡するのは難しいけど……あ、はいはい。紙巻でーす。どうもどうも……」
紙巻サナキ:……そのまましばらく連絡を続け、やがて君たちを見る。
紙巻サナキ:「メサイアのトランペッターの人が協力してほしいって言ってるって伝えちゃって大丈夫です? あと後ろの二人も結局メサイア生?」
紙巻サナキ:「身元を確認したいって言われて……」
齋藤リッコ:「“最強王”の齋藤リッコです……」うわごと
紙巻サナキ:「えーと、最強王の斎藤さんと……」
薄蛍レド:「あー、キングダムの薄蛍レドです……」
薄蛍レド:「あとリッコは今のところ"最強王"ではないです」
齋藤リッコ:「無敵王……」
柴辻マサラ:「トランぺッター所属の柴辻マサラです」
紙巻サナキ:「キングダム……あっ、キングダムから。へー」
紙巻サナキ:ちらりと君たちを見るが、それ以上の言及はない 「はい。じゃあキングダムの二人と、メサイアのトランペッターさん。うんうん……」
薄蛍レド:「……」少し空気が変わったのを感じて一瞬目が泳ぐ
紙巻サナキ:……やがて紙巻は電話を止め、君たちの方を向く 「はい。とりあえずドクターの所までは行ける感じに手配はしました」
紙巻サナキ:「ちょっとお金はかかると思うけど、その辺は大丈夫?」 フレーバーお金であり、財産点とは関係のない話である
柴辻マサラ:「ありがとうございます。一応捜査の一環ですので、その点は問題ありません」
薄蛍レド:「ありがとうございます……!やー、よかったねリッコ!とりあえずまだワンチャンあるって!」
齋藤リッコ:「はっ……」我に返る「えっ……本当ですか!?」
紙巻サナキ:「私の知る限り一番速い人に渡りつけといたから。そのうえであなたたちの期限に間に合う保証はちょっとないけど……」
齋藤リッコ:「あ、ありがとうございます……!何てお礼を言ったらいいか……」
紙巻サナキ:「いいのいいの。キングダムって言ったって、侵略じゃなくて買い物に来たんでしょ? それならお客様だし大切にするわよ」
齋藤リッコ:「天使……?」
薄蛍レド:「女神……!」
紙巻サナキ:「オーバー」 口調はにこやかで、含意するものがあるようにも聞こえない 「珍しいし、戦争状態ではあるから、へーっとはなるけど。別に私が直接やりあってるわけじゃないしね」
柴辻マサラ:(偏見がないタイプで助かったな……) 最悪戦闘か門前払いを想定して身構えていた。
紙巻サナキ:「どうせこの辺で騒ぎは起こせっこないし……」
齋藤リッコ:「?」
紙巻サナキ:「ほら」 店外を指差すと、すぐそこを小型動物の先住市民の家族らしき集団が歩いている
紙巻サナキ:「ここまで来た道にも、いっぱいいたでしょ? あの子たち。この辺は特に多いからね~。いろんな意味で安全なんです」
薄蛍レド:「……あー、パンフレットにもあったかも」
紙巻サナキ:「万一騒ぎ起こしたら、先住市民の自警団も来てくれるから、悪いことなんてできっこないの。すごいでしょ」
齋藤リッコ:「なるほど……ノヴァリスの生徒である以上、ここは攻められないってことね」
紙巻サナキ:「そうそう。……まあでも、生徒会のそこそこえらい人とか、フィオナ騎士団……生徒で編成された戦力の人たちね。その人たちはさすがに不機嫌になりそうだし、一応気をつけてね」
柴辻マサラ:「先住市民と積極的に共存することで治安を維持している、と。よく考えられていますね……」
柴辻マサラ:キングダムといいシャムロックといい治安が良いな……と若干遠い目をしている。
齋藤リッコ:「あっえっと……これ買います!こっちも!ください!」お礼と言うには心許ないが、食糧やジャングルで必要そうな物を見繕う
紙巻サナキ:「あっ、毎度あり~♪ それすごいよー、お肌モチモチになっちゃう」 買い物してもらえれば、目に見えて上機嫌になる
薄蛍レド:「モチモチ……」
齋藤リッコ:「モチモチかぁ……」
薄蛍レド:「私も買っちゃお」
薄蛍レド:「マサラちゃんも買う?モチモチのやつ。せっかくだし」
柴辻マサラ:「……」 仮にも勤務中という状況と、捜査に協力してもらった恩とを一瞬天秤にかけて。
柴辻マサラ:「……そうですね。せっかくですから、一つ」 これくらいは感謝の範疇だろう。
紙巻サナキ:「毎度ありあり~♪」



GM:ではシーンを締めます。購入・ロイス等可能です。
GM:ノーザムエースで購入なんてできるわけがないので(偏見)、今回がラスト購入!
齋藤リッコ:そうとはね
薄蛍レド:狩猟判定になりそう(偏見)
薄蛍レド:ロイスは保留で……購入!
薄蛍レド:なんか欲しい物ある人
齋藤リッコ:メイド服!
薄蛍レド:買ってやるヨ……(イケボ)
齋藤リッコ:ひゃだ……かっこいい……
柴辻マサラ:どうしようかな 両手剣すぐ使えるようにワンチャンウェポンケース狙うか
柴辻マサラ:2dx+3>=18
DoubleCross : (2DX10+3>=18) → 9[4,9]+3 → 12 → 失敗

柴辻マサラ:ダメだった 以上!
薄蛍レド:マイナー完全熱光学迷彩服起動 ベルベットクロークでダイス+3
薄蛍レド:メジャー前にアスピス起動で+4 侵蝕+1
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1(→ 1)増加 (59 → 60)
薄蛍レド:7dx+1+4=>20
DoubleCross : (7DX10+5>=20) → 9[1,1,5,7,8,9,9]+5 → 14 → 失敗

薄蛍レド:スゥー……以上です
齋藤リッコ:そんな……
齋藤リッコ:自分で狙います
薄蛍レド:がんばれリッコ!
齋藤リッコ:3DX+4>=20
DoubleCross : (3DX10+4>=20) → 5[1,1,5]+4 → 9 → 失敗

齋藤リッコ:1足りない……
GM:そ、そんな……
GM:メイド服が……
齋藤リッコ:終わりです 以上
薄蛍レド:ノーメイド……
GM:もう終わりや ではシーンを終了します。



【◆ Middle 04  Scene Player ... 柴辻マサラ】

GM:最後のミドルシーンです。判定などもあります。侵蝕率ダイスを振り、登場してください。
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (69 → 70)
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (60 → 69)
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (63 → 67)



GM:ノーザムエース自治学園。
GM:ノヴァリスの南の僻地、無限に増殖を続ける樹木の生い茂るを敷地とする学区である。
GM:常に変化する学園敷地に公道といえる道はほぼ存在せず、地図というものも意味を成すことはない。『帰宅部』という専門技能を持つガイドを伴わなければ足を踏み入れることは迂遠な自殺に他ならぬ。
帰宅部部員:「……案内はしますが、自分の身は自分で守ってくださいね」
帰宅部部員:「機動力には自負がありますが、護衛とか面倒なことは苦手なんで」
GM:君たちは紙巻サナキに手配してもらった、目の据わった帰宅部部員の運転する高速バギーに揺さぶられ、密林を進んで行く。
薄蛍レド:「恐ろしいこと言われた気がするんだけど」
齋藤リッコ:「とんでもないとこに来ちゃったわね……」
齋藤リッコ:「あーっ!あれ見て!でっかい鳥!」
薄蛍レド:「うわっ、すっご!何メートルあるんだろ」
柴辻マサラ:「この中に本当に学区、というより人間の居住区が……?」
柴辻マサラ:バギーの揺れに揺さぶられながら訝し気な表情になっている。
帰宅部部員:「気をつけてください。あいつのクチバシは鉄板も砕きますよ」
齋藤リッコ:「ドリルくちばしじゃない!本物初めて見た!」
薄蛍レド:「ヒェ~~!」
帰宅部部員:「そしてあいつは、何かが砕ける音が大好きなんです」
帰宅部部員:「骨とか……」
齋藤リッコ:「なんでそんな邪悪な存在が……」
薄蛍レド:「こわ……」
帰宅部部員:「まあ、こんな所でも実際生きていけてしまうのが我々であり、オーヴァードってことです」
齋藤リッコ:「住めば都ってことかしら……」
帰宅部部員:「歴史があれば、離れられない連中もいる。そうそう、まさに住めば都と言おうとしました」
薄蛍レド:「私は生きていける気がしない……」
帰宅部部員:「実際ここでは、キングダムみたいな戦争やメサイアみたいな犯罪、ジェネシスみたいな競争はありませんしね……」
柴辻マサラ:「そんなものを起こす余裕が無いでしょうしね……」
齋藤リッコ:「でも、あたしシャムロックに行って反省したわ。思ったよりずっと平和でいいところだったし、店長さんもいい人だったし」
齋藤リッコ:「キングダムの雑誌なんかで見てたイメージとは全然違ったわ。偏見ってやっぱりよくないわね」
齋藤リッコ:「だからここも、きっと想像するよりも……」
齋藤リッコ:「ウワーッ!でっかいヒル!!」
薄蛍レド:「虫除け!虫除け!」バッグの中を漁る
帰宅部部員:「ああ、あれはドデカヒルですね」
柴辻マサラ:(めちゃくちゃそのままの名付けだな……)
帰宅部部員:「捕まると全身の水分を秒で吸い付くされて、十字冠の転移機能によって絶対に水場にぶちこまれます」
齋藤リッコ:「怖すぎるでしょ!!」
柴辻マサラ:溜息を一つ吐きながら影を一筋伸ばし、近寄っていたヒルを払いのける。
帰宅部部員:「でも炙ると牛脂みたいな匂いがしてなかなかですよ」
薄蛍レド:「食べるんだ……」
齋藤リッコ:「食べてるの!?」
薄蛍レド:「い、異文化……」
帰宅部部員:「そりゃあ、あんだけ食べる部分がたくさんありますから……」 不思議そうな表情をしている
GM:これがノーザムエースの常識なのか、彼個人の生き様なのかは分からない、とGMは補足しておこう。
柴辻マサラ:「……逞しいですね」 精一杯好意的な返答。
薄蛍レド:「うう、早くもレドちゃんホームシック」
齋藤リッコ:「……やっぱりとんでもない場所かも……」
GM:そんなことを話しながら、君たちは密林を進む。βプランスを生産しているドクターの居住は、ノーザムエースでも外縁寄りで、危険は少ないということだが……
帰宅部部員:「そろそろ、のはずなんですけど。なんか」
帰宅部部員:「……森が荒れてるな」
GM:帰宅部員が不穏につぶやくと同時、開けた場所に出て――
ドクター緑尾:「うひゃははははは!!」
ドクター緑尾:「たーすけてーえーええーーー!!!」
ドクター緑尾:白衣姿の小さな少女が、荒れ狂う巨大ツタ植物に捉えられ、宙吊りにされているのを君たちは目撃する!
齋藤リッコ:「ウワーッ!逆さ人間!!」
帰宅部部員:「……あれ。あれがドクターです」
齋藤リッコ:「ジャングルサカサニンゲンじゃない!?」
帰宅部部員:「ドクター緑尾です」
齋藤リッコ:「あれが!?」
薄蛍レド:「あっ、あの子が!?」
柴辻マサラ:「一体何があってあんなことに……」
齋藤リッコ:「あたしの目には荒れ狂う巨大ツタ植物に捉えられて宙吊りにされてるように見えるんだけど!?」
帰宅部部員:「荒れ狂う巨大ツタ植物に捉えられて宙吊りにされているのがドクター緑尾です」
GM:見れば、巨大ツタ植物のうぞうぞと蠢く根本には、木造家屋の残骸のようなものがある。
ドクター緑尾:「えっ、栄養剤が……」
柴辻マサラ:「……いや、よく見れば推測は出来ますが」 理解は出来ない。というかしたくない。
薄蛍レド:「植物ってそもそも」指差す「あんな元気に動くんだっけ普通……」
ドクター緑尾:「栄養剤が~……なんか未知の効果出てくれないかな~って期待してたら……未知の効果がでちゃって!」
ドクター緑尾:「植物が元気になりすぎたあああ~~! あたしの発明スンゴいよ~~~!!」
薄蛍レド:「えっ、そんなもんをうちの委員会に!?」
齋藤リッコ:「すごい……!ロボのマッドサイエンティストは見たことあるけど本物のマッドサイエンティスト見たのなんて人生初だわ!」
GM:ドクターは器用にも、キャハキャハ喜びながら君たちに助けを求めている。
ドクター緑尾:「うれし~~~!! うれしーけど助けて~~~~~!!」
GM:ということで、彼女を救出する判定の説明に移ります。

◆ ドクター緑尾救出作戦
・蔦を焼き払う
任意の攻撃を行い、30点以上のダメージを出す。炎による攻撃(自己申告)であれば20点でよい。
・成長点を見抜く
侵蝕率を1d10上昇させ、【感覚】能力値の任意の技能により判定を行う。目標値16。一度失敗するごとに目標値は3減少する。
・成長点を破壊する
任意の攻撃を行い、20点以上のダメージを出す。10の装甲値があるものとみなす。


齋藤リッコ:なるほど……
GM:最初に判定の担当者を決めてください。判定一つにつき担当者は一人で、兼ねることはできません。
薄蛍レド:ふむ
GM:セットアップエフェクト等は使用しても構いませんが、エンゲージを組んでいるとはみなしません。
齋藤リッコ:私は焼こうかな サラマンダーなので
柴辻マサラ:順当にいくとリッコ・レド・マサラの順っぽいですね
GM:対象が範囲でも判定に失敗すると、全員に2d10のダメージが入ります。その後再挑戦を行ってもらいます。
齋藤リッコ:ひえ~
GM:演出は判定をクリアした後にまとめてやりましょう。
柴辻マサラ:こわ~
薄蛍レド:ひょ~
GM:ルール的に確認したいことはありますか? なければ判定担当者を決めてもらおうかな!
齋藤リッコ:OK!
柴辻マサラ:攻撃の射程は何でも良いですか?
GM:なんでもOK!
薄蛍レド:大丈夫そう!
柴辻マサラ:はーい じゃあ私が破壊を担当しよう
薄蛍レド:見抜きをします
齋藤リッコ:燃やすぜ
GM:OK! では上から順番に判定をやっていきましょう。
・蔦を焼き払う
任意の攻撃を行い、30点以上のダメージを出す。炎による攻撃(自己申告)であれば20点でよい。
GM:これをリッコちゃん! 判定とダメージ算出をどうぞ。
齋藤リッコ:では《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》 炎による攻撃を行います
齋藤リッコ:8DX7+4
DoubleCross : (8DX7+4) → 10[4,4,4,4,6,7,8,10]+10[4,5,8]+6[6]+4 → 30

齋藤リッコ:ダメージ判定
GM:立派な固定値
齋藤リッコ:4D10+15
DoubleCross : (4D10+15) → 21[10,8,2,1]+15 → 36

齋藤リッコ:燃えろ~っ
GM:えーっ 氷による判定だったとしてもクリアしちゃってるじゃん
薄蛍レド:えらいぞ~
GM:ボウーッ! 燃える! こちらは無事クリアです!
柴辻マサラ:つよつよだ
GM:侵蝕率は増やしてね
齋藤リッコ:そうだった
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を6(→ 6)増加 (67 → 73)
GM:では次
・成長点を見抜く
侵蝕率を1d10上昇させ、【感覚】能力値の任意の技能により判定を行う。目標値16。一度失敗するごとに目標値は3減少する。
GM:レドちゃん! 見抜け!
薄蛍レド:うおお 〈射撃〉を指定
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (69 → 74)
薄蛍レド:マイナーで完全熱光学迷彩服の隠密起動 ベルベットクロークでダイス+3!
薄蛍レド:メジャー前にブーメランアスピス起動で+4の侵蝕+1!
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1(→ 1)増加 (74 → 75)
薄蛍レド:メジャー《コンセ:エンジェルハイロゥ》《見えざる死神》まで噛ませちゃう
GM:やる気だ……
薄蛍レド:9dx7+5+4-2
DoubleCross : (9DX7+7) → 10[1,2,2,3,4,6,7,8,10]+10[2,4,7]+3[3]+7 → 30

GM:見抜きすぎだろ!
薄蛍レド:見抜いちゃったね……///
GM:成功です 倍近く見抜かれてしまった 成長点を……
柴辻マサラ:やる気に満ちてる
GM:では最後!
・成長点を破壊する
任意の攻撃を行い、20点以上のダメージを出す。10の装甲値があるものとみなす。
GM:マサラさんの出番だ!
柴辻マサラ:セットアップで競争の旋律だけ使います 暴走しつつ攻撃力+15
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を5(→ 5)増加 (70 → 75)
柴辻マサラ:……これメジャーはエフェクト無しで良い気がしてきたな
GM:一理ある
柴辻マサラ:マイナーで暴走解除、オートでケースからキーンナイフを装備して射撃攻撃
柴辻マサラ:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 7[1,5,7] → 7

柴辻マサラ:命中はカスだがダメージロール!
柴辻マサラ:1d10+5+15+1d10
DoubleCross : (1D10+5+15+1D10) → 6[6]+5+15+7[7] → 33

柴辻マサラ:ちなみに装甲は-5!
GM:適切にエフェクトを使った甲斐があったようだな。こちらもクリアです。
齋藤リッコ:すごい……
薄蛍レド:流石デキる女

GM:荒れ狂うツタ植物に逆さ吊りにされ、嬉しい悲鳴を上げながらもドクターは声を上げる。
ドクター緑尾:「わはははは! 植物には……成長点というものがある!」
ドクター緑尾:「こうして植物が暴れているのは、『成長し続けている』ということなんだ! それを止めればこの子も止まってくれるんだ!」
ドクター緑尾:「ただ、こうも元気に育ってしまうと、成長点をまず見つけるのも一苦労……! とりあえず適当に焼いてくれるかな!」
ドクター緑尾:「大丈夫! それくらいでこの子は死んだりしない!」
齋藤リッコ:「逆さで振り回されてるのにやたら冷静……!分かったわ!」
齋藤リッコ:赤色の魔眼を展開する。バレーボール大のそれは火の粉を撒き散らしながら旋回し、暴れ回る蔦を焼き払っていく。
齋藤リッコ:「このっ……今度はこっち……あれ!?さっき焼いたのに……!?」
齋藤リッコ:「ちょっと……!はぁっ……はぁっ……キリが無いんだけど!?」
薄蛍レド:「もうちょい頑張って!」
GM:そう。君が植物を焼いた所で、成長し続けるツタ植物が動きを止める様子はない。
GM:だが、少しずつ荒れ狂うツタ部分が減ってくれば……見えるはずだ。それが『どこから』生えてきているのか。
齋藤リッコ:「もうちょいっていつまで……ぜぇっ……ぜぇっ……!レド!まだなの!?」
ドクター緑尾:「おおっ、出力はそこそこだが結構手慣れている……君は荒れ狂う植物を焼くことに慣れているのかな。それとも荒事に慣れてる!?」
齋藤リッコ:「言われてみればこういうの……前よりちょっと慣れてきたかも……ってそんな場合じゃないでしょ!顔トマトみたいになってるわよあんた!」
ドクター緑尾:「そういう死に方もアリっちゃアリだが、残念ながらノヴァリスではそれは果たされない! ただ十字冠の安全確保機能でジャングルの中に放逐されるのは勘弁被りたいね!」
ドクター緑尾:「どうかな! そろそろ成長点が見えてきたんじゃないか!?」
薄蛍レド:「成長点……成長点……」すぅ……と息を吸い込むと、周りから姿が見えなくなる
薄蛍レド:燃える音に紛れてパシュ、パシュと軽い音が数度。
薄蛍レド:「……ぷはっ。多分それっぽいとこに印付けたから!」
薄蛍レド:成長点に撃ち込まれたものが、銀色に光っている。レドの手にはサプレッサー付きの拳銃。
ドクター緑尾:「うむ! あたしは真っ逆さまで振り回され意識も遠のいてきたのでそれが合っているかは分からないが、合っていると仮定して話を進めよう!」
ドクター緑尾:「あとはそこを鋭くズバリとやってくれ! ただし言ってみればそこは『中心』だ! 植物の中でも強固な部分! キャベツの芯!」
ドクター緑尾:「気合を入れてよろしく頼む! あたしはそろそろ意識が途絶えそうだ!」
柴辻マサラ:「問題ありません。意識が途切れる前に終わらせます」
柴辻マサラ:この程度なら、影を直接使うまでもない。ざわりと蠢くそれらによって僅かに自身の中の衝動を強める。
柴辻マサラ:マサラの本質は破壊者である。何かを破壊するという行為に向いているし慣れている。親しんでいたと言っても良い。
柴辻マサラ:その事実は得物が変わっても変わらない。つまりは、本来の武器である影を使わなかったとしても――。
柴辻マサラ:ザグッ。
柴辻マサラ:どこを壊すのが一番効果的で効率的かを本能と経験の両方から見抜くことが出来る。その中心をナイフで貫くことだって、当然可能だ。
GM:その一撃の瞬間、荒れ狂っていたツタ植物はびくりと全身をわななかせ、
ドクター緑尾:「ギャー!!」
GM:ドクター緑尾を地面に放り出し、シュルシュルと収縮していく。破壊成功だ。
齋藤リッコ:「……止まった!?」
薄蛍レド:「やった!ナイス私たち!」
GM:先程まで荒れ狂っていた巨大ツタ植物は、みるみる内に普通よりちょっと大きい程度のサイズにまで縮まり、シュル……シュル……と風に吹かれている程度の動きしか見せていない。
GM:少なくとも危険性はないだろう。しばらくのうちは。
ドクター緑尾:「ふぃー……まったくこんな暴れ方をするなんてなぁ」
ドクター緑尾:「もうちょっと優しい子になる予定だったのに……よっこいしょ」 ふらつきながらもドクターは立ち上がり、君たちを見る
齋藤リッコ:「は~……どうなることかと思ったわよ……」深々と息を吐いて能力を解除する
ドクター緑尾:「助けてくれてどうもありがとう! あたしのサンプルを破壊したのに礼を言われるなんて貴重な経験をおめでとう!」
ドクター緑尾:「で、君たちは何だね?」 首を傾げながら覗き込む 「あたしのファン?」
柴辻マサラ:「いえ。ショップ紙巻の店長からご紹介いただいたトランぺッターの者です」
薄蛍レド:「あー、それとキングダム生2名です」ピースサイン
齋藤リッコ:「βプランスの仕入れ先がここだって聞いて来たんだけど……」
齋藤リッコ:「……在庫はあるかしら?」
ドクター緑尾:「はー、紙巻ちゃんの! んでキングダムの? ふんふん?」
ドクター緑尾:「βプランスか。あるよ。今の大暴れで壊れてなければ……よいしょと」
ドクター緑尾:泥と葉っぱにまみれた白衣をずりずり引きずって、半壊した家屋の中に入っていく。
齋藤リッコ:「大丈夫かしら……」不安げに後を追う
薄蛍レド:「頼む……あって……」小声で呟きながら
柴辻マサラ:「これでなければ流石にお手上げですからね……」
ドクター緑尾:「βプランスはあたしが製品向けに調整した植物栄養剤! 効果が安定している代わりに、特に面白いことも起こらない、つまんないやつさ」
ドクター緑尾:「助けてもらった恩に、もっと効果がスゴくて楽しいことも起こるやつをあげてもいいけど~?」 家屋の中から声だけが響いてくる
齋藤リッコ:「楽しいことって……さっきみたいな……?」
薄蛍レド:「いえ!!安定してつまんない方で大丈夫です!!!」
薄蛍レド:「花束がクリーチャーになったら洒落になんないよぉ」
ドクター緑尾:「分かっちゃったら楽しくないじゃない! さっきみたいになるかもしれないし、花がリスとかの小動物を捕食し始めるかもしれない。枝が日光を浴びると踊りだすようになるかも」
齋藤リッコ:「いらないから!普通のにして!!」
薄蛍レド:「……踊るやつはちょっとアリかもって思っちゃった」
柴辻マサラ:(……メサイアなら欲しがる人間が居るかもしれないな……) 戦闘力や犯罪目的で。
ドクター緑尾:「ふーん、つまんないなぁ。どうしてみんなこの面白さを分かってくれないんだろうね」
ドクター緑尾:「普通なんてクソ食らえとか思ったりしないのかにゃー」 言いつつ出てきたその手には、小さなビンがある
齋藤リッコ:「普段のあたしってマッドサイエンティストと同レベルなのかな……」
齋藤リッコ:「……いやいや!そういう面白さはいらないから!」
薄蛍レド:「いやあ、普通には普通の良さが……」
ドクター緑尾:「はいこれβプランス。面白いものは入ってないよ。助けてもらったしタダであげる」
齋藤リッコ:「いいの?やったぁ!」
薄蛍レド:「これでリッコの家も解決じゃん!」
ドクター緑尾:「キングダム? メサイア? どっちから来たのか分からないけど、遠路はるばる来てくれたんだしね。変なことはしないよ」
齋藤リッコ:「これなら何とか期日に間に合いそうね……」
GM:ではそういう風に君たちが話していると、柴辻さんの端末が着信を告げます。
柴辻マサラ:「良かったですね、お二人とも。……失礼」
齋藤リッコ:「マサラもありがとうね!考えてみればここまで来てもらう義理なんて無いのに……」
薄蛍レド:「でも本っ当いてくれてよかった……滅茶苦茶心強かったし」
齋藤リッコ:「流石はトランぺッターって感じよね~」
グレイライツ・ボガート:『ハロー。やっと繋がったわね。低空仲介衛星通信まで使わないと連絡つかないなんて、今どこにいるの?』
柴辻マサラ:「ボガート。すみません、色々あって今はノーザムエースに出向いていまして」
GM:着信相手はグレイライツ・ボガートである。普段と変わらない飄々とした口ぶりだが、幾度か連絡を試みたのだろう。
グレイライツ・ボガート:『ノーザムエース!? ……なるほど、どおりで……』
グレイライツ・ボガート:しばしぶつぶつ言っていたが 『例の、一緒に動いてるキングダムのお二人も一緒? 重要な話があるから、スピーカーにしてくれないかしら』
柴辻マサラ:「手間をかけさせてしまいましたね。用件は?」 つまり、何度か試みるだけの価値がある用のはずだ。
柴辻マサラ:「了解です」
グレイライツ・ボガート:『ハロー。直接お話しするのは初めてね。グレイライツ・ボガート。そこのマサラの同僚よ』
グレイライツ・ボガート:君たち二人に向けて言う。情報部、とはさすがに明言しない。
齋藤リッコ:「わっ……は、初めまして……」
薄蛍レド:「……ど、どうも~」
齋藤リッコ:(てことはトランぺッターの人よね……?)
グレイライツ・ボガート:『マサラ、怖くなかった? 大丈夫? ごめんね、堅苦しいコで……』
柴辻マサラ:「ボガート」
薄蛍レド:「い、いえ!頼りになって、すっごく助かってます!」
齋藤リッコ:「とんでもないです!すっごく頼りになって……」通話越しに掌をぶんぶん振る
グレイライツ・ボガート:『ほら怖い。……キングダム科学部との情報も統合して、大体のことは分かったわ』
グレイライツ・ボガート:『例の荷物の炎上原理……あれにはサラマンダーシンドロームと他に、オルクスシンドロームによる作用が働いてることが分かったわ。因子を埋め込む、ってやつね』
グレイライツ・ボガート:『詳しくはまだ不明だけど、要は時限爆弾みたいな作用を働かせていたみたい。条件を満たした時に、荷物に付与した因子の熱量が解放されて……ボウッ!』
齋藤リッコ:「そっか……それで本人がいなくても、ひとりでに……」
薄蛍レド:「その……条件っていうのは?」
グレイライツ・ボガート:『それは不明。時限爆弾機能と考えれば、時間か、それとも移動距離か? って思ってるけど……』
グレイライツ・ボガート:『で、サラマンダーとオルクスのシンドロームを保持していて、なおかつこの件に関与してるオーヴァードが一人。事情を聴取しようとした所、見事にフケられて』
グレイライツ・ボガート:『足取りを調べてたら、ノーザムエースに向かってることが分かった。逃げるつもりかと思ったけど、この様子だと違うわね。なんでかは知らないけど、あなたたちが狙われてるんじゃないかしら』
齋藤リッコ:「もう目星は付いてるってことですか?流石トランぺッターだなぁ……エ゛ッ!?」
柴辻マサラ:「わざわざノーザムエースに……確かに、私達と無関係とは思えませんね」
齋藤リッコ:「なっ……なな、なんでぇ!?」
薄蛍レド:「……だ、ダッシュで帰ればなんとか……会わずに済むかな???」
齋藤リッコ:「逃げたって……連続テロ犯に狙われてるってことでしょ!?おちおち夜も眠れないわよ!」
グレイライツ・ボガート:『さあ。ただ、あっちから来てくれるなら都合が良い。マサラ、この件の犯人を確保するチャンスよ』
グレイライツ・ボガート:『お嬢さん二人についてはお任せします。回避するなら一応迎えをやってもいいけど……どうする?』
柴辻マサラ:「ええ。足取りを追う手間が省けました」
柴辻マサラ:「お二人はこちらに付き合う必要はありませんし、帰りも急ぎでしょう。お願いします」
齋藤リッコ:「……いえ、一人分で!」
齋藤リッコ:「あたしは付きあうわよ、マサラ。ここまで来て途中抜けなんてナシでしょ」
グレイライツ・ボガート:『あら』 少し意外そうな声 『大丈夫なの? 普通、そんな危ないことに巻き込まれるなんてゴメンだと思うけど……』
齋藤リッコ:「……マサラさんも、本当なら無関係なのに助けてくれましたから。今度はこっちの番です」
薄蛍レド:「……、うう。仕方ない!私も残る!残ります!」
齋藤リッコ:「え……いいの?レド」
薄蛍レド:「私だって、マサラちゃんにいっぱいお世話になったし」
薄蛍レド:「リッコが残るんなら置いてかないよ」
齋藤リッコ:「えへへ……そう来なくちゃね」嬉しそうに笑う
柴辻マサラ:「リッコさん、レドさん……」
柴辻マサラ:「……ご協力感謝します」
グレイライツ・ボガート:『あらあら……でも正直助かるわ。相手の意図も戦力も未知数だから……』
齋藤リッコ:「気にしないで。連続炎上テロなんて解決したら、あたしの知名度もうなぎ上り間違いなしだもの!」
グレイライツ・ボガート:(トランペッター主導の数ある事件解決の一つだから、そんなでもなさそうですけど……)
齋藤リッコ:「せっかく貰ったバナナ農園を焼かれるのもごめんだしね」
薄蛍レド:「……あんまり頼りになんないかもだけど、精一杯……やれるだけのことはやるよ」
薄蛍レド:「リッコの家が懸かってるし」
グレイライツ・ボガート:『ありがとう。……そうそう、事の犯人だけどね』
グレイライツ・ボガート:『恵比寿商工塾学園、第三経済研究実践会……通称「コトフギ商会」』
グレイライツ・ボガート:『その商会長、金内モネよ』



GM:シーンを切ります。ロイス取得のみ可!
薄蛍レド:ロイ……保!そういやブルゲはリッコちゃんが持っとくほうがいいかしら
柴辻マサラ:二人へのロイスの表を○協力から○連帯感に変更しておきます 以上で
齋藤リッコ:どうなんだろう 相手がマサラちゃんより速い場合が怖いかも
柴辻マサラ:あ、でも私セットアップ埋まってるから
齋藤リッコ:そっか じゃあもらお~
薄蛍レド:わたす~
齋藤リッコ:ゴクゴク
GM:飲むな飲むな
齋藤リッコ:金内モネ お金持ってそう/○裏切り で取得して以上です
薄蛍レド:やだ、間接キッス……?
柴辻マサラ:口付けてたんですか?
薄蛍レド:そうかも……
GM:人に渡すかもしれないものにあらかじめ口つけてたらそこに『やだ』なんて言う権利ないだろ。
GM:ではシーンを切ります!



【◆ Climax  Scene Player ... 薄蛍レド】

GM:全員登場です。侵蝕ダイスを振って登場してください。
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (75 → 80)
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (75 → 84)
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (73 → 79)



GM:君たち三人が揃って迎え撃つと決めれば、その邂逅はさほど波乱あるものにはならなかった。
GM:バギーの轍が残る、ノーザムエースの出口近くの密林道。君たちの前途に、一人の少女がいる。
金内モネ:「大慌てで逃げ出してきた……ってワケじゃなさそうね」
金内モネ:「やる気ってわけ? "トランペッター"のそいつだけじゃなくて、残りの二人も。生意気……」
GM:事前情報として得ていた、金内モネの容貌の通りの少女である。
GM:恵比寿商工塾学園、『コトフギ商会』商会長……近く"卒業"を控えた身でもある。
齋藤リッコ:「通話越しの態度とは随分違うわね……。取り繕う必要も無くなったってことかしら」
柴辻マサラ:「口ぶりからするに、取り繕うつもりもなさそうですが……。金内モネさんで間違いないですね?」
金内モネ:「ふん! 客と敵に同じ顔をする奴なんかいるもんですか。あの時は仮にも商会に訪問してたからね。部下の手前もあったし……」
柴辻マサラ:「現在、貴女には輸送物連続炎上事件の容疑がかけられています。トランぺッター執行部までご同行いただけませんか?」
金内モネ:「そうよ。金内モネ! とっておきの計画を『輸送物の炎上事件』なんてつまんない枠に押し込まれた大間抜けよ!」
金内モネ:「あんたのせいで……!」 と言って、薄蛍さんを睨む
齋藤リッコ:「えっ?あんた何したの」レドを見る
薄蛍レド:「心当たりとかないんですけど!」睨み返す
齋藤リッコ:「ないってさ!」
薄蛍レド:「あと、つまんないとか言うな!一大事なんだから!」
齋藤リッコ:「そうよ!あたしの家!」
薄蛍レド:「卒業式の花!」
金内モネ:「そう、それよ! 本来なら、そこのなんとかいう一般生徒の家を焼いて終わるはずじゃなかった!」
齋藤リッコ:「なんとかぁ~~~!?!?」
金内モネ:「何度も試算して実験して確認したんだから間違いない。あんたが真面目に仕事をしていれば、燃えていたのは……キングダム下町の燃料庫!」
薄蛍レド:「……じゃあ私がサボってたおかげで被害は最小限に抑えられた……ってことか」
金内モネ:「だってのに、一体どうしてどうでもいい生徒一人の家が焼け上がるので終わってるのよ……!」
齋藤リッコ:「どうでもいい~~~!?!?」
齋藤リッコ:「じゃあ何!?あたしの家は無駄焼けってこと!?」
金内モネ:「どうでもいいし無駄焼けでしょ! "王"どころかその配下ですらない雑魚生徒!」
齋藤リッコ:「ざっ……なっ……」
柴辻マサラ:「リッコさん、腹立たしいのは分かりますが少々抑えて……」
柴辻マサラ:「このまま計画を全部吐かせた方が問える罪が増えそうですし」
齋藤リッコ:「~~~~~~!!」地団駄
金内モネ:「……"卒業"するのよ! このまま! 何の成果もなく……キングダムの植民地のまとめ役として……!」
金内モネ:「ただの零細リーダー! それだって年功序列で歳が上だったから選ばれただけ! 背は伸びなかったからみんなにはバカにされるし……!」
金内モネ:「最後に一つ花火を上げて……私は『やれる』んだって……キングダムの手下なんかじゃないって……見せつけてやろうと思ってたのに」
薄蛍レド:「……何の成果も、って、あんなに立派な会社持ってるのに」
金内モネ:「フンッ! あいつらなんて私がいなくたってどうにかやってけるわよ。そんな管理職なんかじゃない……もっと大きいことができるんだって見せてやりたかったのに」
齋藤リッコ:「な……何よそれ!バッカじゃないの!?」
齋藤リッコ:「そんなテロなんかで何を証明できるっていうのよ!?有名になりたくて神殿を燃やすのとおんなじじゃないの!」
柴辻マサラ:「……単なる破壊を大きいこと、と認識している時点で間違いだと思いますが」
柴辻マサラ:「キングダムへのテロ行為などより、貴女が今まで行ってきた商会運営の方がよほど大きく成し難い行為でしょうに」
金内モネ:「あんたたちだって分かるわよ……"卒業"。今までだらだら続けてきたことが認められなくなる瞬間」
金内モネ:「それが来た時、自分のしてきたことを振り返って、そのつまらなさに震え上がる」
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:「……それは……」
齋藤リッコ:思わず言葉に詰まる。それは自分が直面しようとしている現実でもあった。
薄蛍レド:「……じゃあ、つまり」
薄蛍レド:「あんたは八つ当たりで、祝花委員会の花を台無しにして、キングダムをメッチャクチャにするつもりだったって」
薄蛍レド:「そういうことだよね」少し震えた声で
金内モネ:唇を歪めるようにして笑う 「あなたにテロをさせようとしたのは計画だし、その何とかいう肥料を荷物に選んだのも偶然だけど……」
金内モネ:「察しが良いじゃない。今、私がそこにいるのはまさにそれよ」
金内モネ:柴辻さんを見る 「本腰を入れた"トランペッター"から逃げられるなんて思ってない。だけど、そう……」
金内モネ:「今あなたが持ってるそのちっぽけな肥料をこの場で引っくり返して、忌々しい"卒業"を少しばかりしけさせてやることくらいはできる」
金内モネ:「その通り、八つ当たりよ! ……さあ、ノーザムエースの密林に放り込まれる覚悟はできてるでしょうね!?」
柴辻マサラ:「その言葉、そのまま……いえ、少々変えてお返ししましょう」
柴辻マサラ:「残り少ない卒業までの時間をメサイアの豚箱に放り込まれて過ごす覚悟は済んでいますか?」
齋藤リッコ:「……キレすぎてよく分かんなくなってきたけど……」こめかみを抑えて
齋藤リッコ:「……こいつは絶対許せない……許しちゃいけない……!」
齋藤リッコ:「ボコボコにしてやるわ!」
薄蛍レド:「色々言いたいことあるけど……」
薄蛍レド:「ひとまず、……ぶっ飛ばすから!」
薄蛍レド:「覚悟しろー!」
GM:金内モネの手にしたロッドから、激しい炎が吹き荒れる。それは無限再生の密林をすら焦がす、破壊の炎だ。
GM:あるいはそれこそが彼女の衝動なのかもしれない……その熱を肌に感じた君たちは、自らの中の衝動が応じるように膨れ上がるのを感じる。
GM:衝動判定をどうぞ!
薄蛍レド:3DX+1=>9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 7[1,2,7]+1 → 8 → 失敗

薄蛍レド:アーッ
齋藤リッコ:5DX+2>=9
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 10[2,3,6,8,10]+1[1]+2 → 13 → 成功

GM:そう 難易度は9とされています
柴辻マサラ:6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 10[1,2,5,5,8,10]+7[7] → 17 → 成功

柴辻マサラ:意志が固いぜ
GM:クール過ぎてクールポコになったわね
齋藤リッコ:79+2D10
DoubleCross : (79+2D10) → 79+20[10,10] → 99

齋藤リッコ:ぐええええええ
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (80 → 83)
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を2d10(→ 12)増加 (84 → 96)
齋藤リッコ:こんなことが!?
薄蛍レド:リッコーッ!!
GM:対照的~ Eロイスはないのでそのつもりでね
GM:そして、密林の向こうの空に輝く大十字冠から、君たちの十字冠へ手を差し伸べるように光が降り注ぐ……
GM:神聖二重冠の使用を解禁します。効果は以下の通り。

【神聖二重冠(ダブルクロス)】
クライマックスフェイズ中に限り、あなたが持つ【十字冠】をアップグレードし、効果を以下のように書き換える。
あなたは、シナリオ中に一回のみ、以下の効果の中からどれか一つを選んでオートアクションで使用できる。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。


GM:処理漏れはないね。では戦闘に入っていきましょう。

GM:◇ Round 1
GM:セットアッププロセスです。何かある人はいるかな?
GM:あ
GM:陣形を表示します。ちょっと待ってね
GM:[金内モネ,自走自爆ドローン*2] -10m- [PCs]
GM:君たちはひとまとまりのエンゲージ。モネと同じエンゲージに、トループのドローンが2ユニット存在します。
金内モネ:地上を走行する、シンプルな小型ドローンを数機、周辺に備えている。これといった武装を積んでいるようには見えないが、果たして……
齋藤リッコ:名前の時点でよ!
柴辻マサラ:PS『ぶち壊される用意は良いか?』:狂騒の旋律LV5→極限暴走LV1+背徳の理LV5
柴辻マサラ:範囲(選択)に攻撃力+15と暴走付与、シーン中ウロボロスエフェクト込み判定D+10、侵蝕値+8(10)
柴辻マサラ:柴辻マサラの侵蝕率を8(→ 8)増加 (83 → 91)
GM:怖いよ~
柴辻マサラ:暴走つくけど攻撃力欲しければどうぞ!
薄蛍レド:狂騒はもらっておきます!
齋藤リッコ:悩むけどブルーゲイルキメようかな 行動値+5
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を5(→ 5)増加 (99 → 104)
齋藤リッコ:悩むけど15はでかすぎ 貰おう
金内モネ:で、実はこっちもセットアップがあります。《戦闘陣形》+《速攻態勢》
金内モネ:自身のエンゲージに存在するトループ全てを戦闘移動させ、さらに行動値を+4します。
齋藤リッコ:ゲーッ
GM:両ドローンは君たちのエンゲージへ入ります。セットアップは以上。
薄蛍レド:ウギャッ
GM:[金内モネ] -10m- [PCs,自走自爆ドローン*2]
金内モネ:「荷物に仕掛けたのと同じ、特定距離の移動で自動炎上する燃料入りドローンよ」
金内モネ:「焼き尽くしてあげるんだから! 行きなさい!」 モネがロッドを振るうと、ドローンの群れが君たちに突っ込んでくる……!
GM:ということでイニシアチブプロセスに移りましょう。マサラさんが13で最速で大丈夫かな?
柴辻マサラ:そのはず!
柴辻マサラ:という訳で行きます まずはマイナーで暴走解除。
GM:来なさい!
柴辻マサラ:オートでキーンナイフを装備した後、メジャーでコンボ!
柴辻マサラ:NS『風紀を執行します』:ギガンティックモードLV1+コンセントレイトLV3
柴辻マサラ:範囲(選択)に攻撃、その後武器破壊、C値-3、侵蝕値+6
柴辻マサラ:対象はこっちに飛んできたドローン2体!
GM:どうしてそんなひどいことを……
GM:判定どうぞ!
柴辻マサラ:14dx
DoubleCross : (14DX10) → 10[1,1,2,3,3,3,4,4,4,5,6,7,9,10]+7[7] → 17

柴辻マサラ:あっC値忘れてる
GM:ちょっと喜んじゃったじゃん
柴辻マサラ:すみません、振り直します……
柴辻マサラ:14dx7
DoubleCross : (14DX7) → 10[1,1,3,5,5,6,7,7,8,9,9,9,9,10]+10[1,1,1,1,3,5,8,9]+10[5,9]+10[10]+10[10]+6[6] → 56

GM:?
柴辻マサラ:本気を出してしまった
金内モネ:生き残りたい 生き残りたい まだ生きてたくなる
齋藤リッコ:でかすぎる
薄蛍レド:鬼つええ
金内モネ:つまり《支配の領域》。10[5,9]の9を1に変更します。
柴辻マサラ:こいつ、小癪な……
柴辻マサラ:じゃあ25かな
金内モネ:お前の達成値は……25だ~ッ! イベイション14なのでドローンには命中するがダメージは押さえたぞッ
GM:ですね。ダメージをどうぞ!
柴辻マサラ:3d10+5+15+1d10
DoubleCross : (3D10+5+15+1D10) → 20[9,3,8]+5+15+8[8] → 48

柴辻マサラ:出目は高いぜ
GM:どうしてそんなひどいことを……
GM:ほ、本当に出目が良い! 出目次第では生き残ってたのに……両ドローン破壊です。
薄蛍レド:やったぜ!
齋藤リッコ:強すぎる
柴辻マサラ:これがトランぺッターの実力って訳

GM:ザリザリザリザリ! 車両と車軸のシンプルな最低限構成のドローンは、不安定な足場を物ともせず隊伍を組んで君たちの元へと突っ込んでくる……!
齋藤リッコ:「うわー!!来た来た来た!!」
薄蛍レド:「どっ、どうにかして!どっちか!」
柴辻マサラ:「任されましょう」
柴辻マサラ:そう言いながら眼鏡を外す。同時、その足元から幾筋もの影が立ち上る。
金内モネ:「影使い! だっていうなら……!」 掲げたロッドの炎が眩しく輝き、君の影を少しでも弱めようとする。あるいは多少の妨害にはなったかもしれないが……
柴辻マサラ:「お二人とも、支援が欲しければこの影を踏んでおいてください。少々気分が荒っぽくなる代わりに出力が上がります」
齋藤リッコ:「えぇっ、何それ……!」恐る恐る片足で踏む
柴辻マサラ:影に触れれば、その端から衝動が全身を伝っていく。『破壊せよ』と唆す囁きのように。
齋藤リッコ:「ッ……うぅ……!?」
薄蛍レド:「ぁ……ッ!」
齋藤リッコ:所構わず暴れ回りたくなるような衝動を必死に抑え込む「ほんとに……荒っぽい気分に……ていうか……!」
齋藤リッコ:マサラに目を向ける(これ・・の本体って……!一体どんな……!)
柴辻マサラ:目を向けた先、渦巻く影の中心には。変わらず、柴辻マサラが立っている。
齋藤リッコ:(全然、変わらない……)
柴辻マサラ:まとめていた髪は解けて波打ち、ガラスを越さない眼光は鋭く周囲をねめつける。だけど、その表情に変わりはない。
齋藤リッコ:(……まさか……)
齋藤リッコ:(……ずっと・・・……!?)
柴辻マサラ:「……悪いな、二人には少し刺激が強かったか」
薄蛍レド:「……わ、ワイルドになった」衝動を必死で抑えながら軽口を叩く
柴辻マサラ:「どうも、使ってる最中は流石に口調を繕う余裕がなくってな」
金内モネ:「っ……は、迫力ばっかり立派になったって……!」
柴辻マサラ:「ま、だからと言って――」
柴辻マサラ:ベキャッ。
柴辻マサラ:破砕音が響き、ドローンが砕ける。それも、部品部品などではなく、より細かい塵と化して風に攫われていった。
柴辻マサラ:「迫力ばっかりなんて言わせるほど、見掛け倒しのつもりはねえが」
金内モネ:「ああっ……そんな、爆発すらできずに!」
柴辻マサラ:「こだわり過ぎだろ、爆弾魔」
齋藤リッコ:「あ、跡形もなく……」
薄蛍レド:「す、ご……」
柴辻マサラ:「ま、メサイアウチにはアンタみたいなのゴロゴロいるからな。豚箱でもお仲間に会えるだろうさ」
齋藤リッコ:(さっきの植物の時もすごかったけど……)
齋藤リッコ:(これがトランぺッター……!メサイアの最前線って、このレベルの……!)
金内モネ:口をへの字に歪めつつ 「あんたこそ、私と同じ衝動タイプっぽいのに、よくまあ……」
金内モネ:「……まさか! このくらいで勝ったと思わないことね!」

GM:イニシアチブを進めましょう。リッコちゃん! 行動をどうぞ。
齋藤リッコ:はい!
齋藤リッコ:近付かないと殴れないのでマイナーで戦闘移動、金内さんにエンゲージ
齋藤リッコ:メジャーでコンボ【輝かざる星】
齋藤リッコ:《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》
齋藤リッコ:対象金内モネ!
GM:シンプルな組み合わせが光る。来な!
齋藤リッコ:で……そうだな 支配の領域あるし……侵蝕もちょっと怖いので……
齋藤リッコ:・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
齋藤リッコ:神聖二重冠のこの効果を使おうかな
GM:ワーッ 使うがいい……!
齋藤リッコ:あっすいません コンボ間違えた 《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《プラズマカノン》ですね
GM:破壊力が盛られた!!
齋藤リッコ:10DX7+4
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[4,4,5,7,8,8,9,10,10,10]+10[1,1,3,5,5,6,8]+10[10]+5[5]+4 → 39

齋藤リッコ:支配せんといて~~
金内モネ:へ、へへ……生きるためには何だってやるぜ。
金内モネ:《支配の領域》。10[1,1,3,5,5,6,8] の 8 を1にしちゃお~
GM:とはいえ6は出ているので達成値は20かな
金内モネ:リアクションはガード。
齋藤リッコ:ダメージくらえ!
GM:来な……!
齋藤リッコ:えーと
齋藤リッコ:3D10+21+25+15
DoubleCross : (3D10+21+25+15) → 28[9,10,9]+21+25+15 → 89

齋藤リッコ:死ね~~~ッ
GM:?
薄蛍レド:燃やせリッコ!家のように!
齋藤リッコ:装甲有効です
金内モネ:《氷雪の守護》!
齋藤リッコ:こいつ!
GM:4d10
DoubleCross : (4D10) → 16[1,2,3,10] → 16

GM:合わせて26減らして63で
GM:いや、死ぬが……
齋藤リッコ:死んだ!
金内モネ:やかましい! 《燃える魂》!
齋藤リッコ:生きてる!
薄蛍レド:死亡!復活!
柴辻マサラ:自分の魂まで燃やしてる
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を10(→ 10)増加 (104 → 114)
金内モネ:HPを40にして復活です。何だこいつ……

齋藤リッコ:「……正直言って……」
齋藤リッコ:「あんたの気持ちは分かるわよ」
齋藤リッコ:「王の連中は上の方で勝手に戦争してて、あたし達のことなんて歯牙にも掛けてないし……」
齋藤リッコ:「他の学校の連中だってそう。選ばれた側の人間ばかり注目されて……」
齋藤リッコ:「何の為にノヴァリスここにいるのか、分からなくなる時もある。いや、いつもそう思ってる」
齋藤リッコ:「あいつらに一泡吹かせられるなら、あたしだってきっと何だってする。卒業を前にしたら、猶更ね」
金内モネ:「……そうよ。光を浴びる舞台までの道を、私は支えさせられてるの」
金内モネ:「あいつらが花を受け取って、ライトを浴びて笑顔で卒業していく。その影にいる自分自身のこと、想像するだけで我慢ならない……!」
齋藤リッコ:「だから邪魔してやるわけ。成程ね」
齋藤リッコ:「それだけでいいわけ?」
金内モネ:「何……?」
齋藤リッコ:閃光。リッコの頭上、卵の殻めいた十字冠が砕け散る。
齋藤リッコ:「あたしは!そんなの!全然満足できないわよ!!」
金内モネ:「……っ」 気圧される
齋藤リッコ:業火と氷槍が解き放たれ、熱波と冷気とが嵐の如く吹き荒れる。喚起された衝動で、常よりも更に激しく。
齋藤リッコ:姿を現すのは、相剋するエネルギーが翼にも王冠にも似た形を織り成し揺らめく、壮麗な神聖二重冠。
齋藤リッコ:一対の魔眼が膨張し、恒星の輝きを放つ。
柴辻マサラ:「っ!?」(なんだ?急に、リッコの出力が……)
金内モネ:「ッ~~……神聖二重冠ダブルクロス!」
薄蛍レド:「……綺麗」
柴辻マサラ:(アタシの支援がどうとか、そういう次元じゃねえ。明らかにさっきまでと格が違う)
齋藤リッコ:「あたしは!あいつらよりも上にならなきゃ気が済まない!!」
齋藤リッコ:「ちやほやされて!すごいねって言われて!みんなに褒められて!」
齋藤リッコ:「見返すってのはそういうことでしょ!そうじゃなきゃ何の意味も無いのよ!!」
金内モネ:「そんなことっ……そんなこと……!」
齋藤リッコ:爆炎と凍気、二つの魔眼がモネへと迫る。相反する膨大なエネルギーがその身体を焼き焦がし、また凍結させる。
金内モネ:反論は言葉にならない。ただ攻撃を少しでも阻むため、ロッドから火球が放たれる。
金内モネ:だが、それが何の用を為そうか? 放たれた火球もリッコの放ったエネルギーに揉み消され、攻撃が直撃する。
金内モネ:「はああああっ……!!」
金内モネ:意気を吐きながら、倒れ込みそうになる所をどうにか一歩踏みとどまり、じろりと君たちを見る。
齋藤リッコ:「く……はぁっ……はぁっ……!」息を荒げ、金内を見据える
金内モネ:「私、だって……ねえ……!!」
金内モネ:「私だって……!!」

GM:さて、次は手番通りに進めばレドさんですが 一回も攻撃できないのは寂しいので……加速します。
薄蛍レド:くっ
金内モネ:《加速する刻》。即座に行動します。
金内モネ:マイナーなし。メジャーで《コンセントレイト:サラマンダー》+《焦熱の弾丸》+《崩れる大地》+《要の陣形》+《完全なる世界》
金内モネ:対象3体、命中でシーン中ドッジダイス-5の射撃攻撃です。
金内モネ:振るぞ~~
齋藤リッコ:待て!
金内モネ:どうして……
齋藤リッコ:オラッ!《時の棺》!
GM:イ~~ンインイン
薄蛍レド:やったー!
金内モネ:時の棺により攻撃を失敗します…………
齋藤リッコ:判定を失敗させます
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を10(→ 10)増加 (114 → 124)
柴辻マサラ:斎藤リッコ最強!斎藤リッコ最強!
薄蛍レド:輝いてるよ!

金内モネ:手指が痛むほどの強さで握ったロッドを掲げると、その上方から炎が吹き上がる。
金内モネ:「そんなことが、できるなら……私だって、え……!!」
金内モネ:力の滲む震え声。同時に、その後頭に光る十字冠がキリキリと明滅するが……
金内モネ:……リッコのような変形には至らない。そのまま炎の弾丸が解き放たれ、宙で爆ぜると君たち全員目掛けて降り注ぐ!
齋藤リッコ:「ぐ……ぅううっ……!」
薄蛍レド:「ま、まずっ……!」避ける行動を取れない。
齋藤リッコ:ば、と掌を翳す。蒼白の満月を思わせる光球──巨大な魔眼が輝きを放ち、一気に周囲の時間流を鈍化させる。
齋藤リッコ:魔眼は時間軸に空いた穴として、周囲の熱量を吸収し──辺り一面が、霜が降ったように白く染め上げられる。
齋藤リッコ:そしてモネの放った炎弾はそのエネルギーを奪われ、跡形もなく掻き消される。
金内モネ:「何っ……!」
齋藤リッコ:「……げほっ……!はぁっ……!はあっ……!」
齋藤リッコ:身体をくの字に折り、全開の能力行使の反動に激しく咳き込む。
齋藤リッコ:「あんた……いい加減にしなさいよ……!」
齋藤リッコ:「間に合わなくなるでしょうが……!」
金内モネ:「間に……?」
齋藤リッコ:「卒業式よ!!」
金内モネ:「あえっ」 後ずさる
齋藤リッコ:「今ならまだ、荷物とあたしの家が燃えただけだけど……!」
齋藤リッコ:「これ以上やったら、式にも出られなくなるわよ!それでいいの!?」
金内モネ:「なっ……なっ、な……そんなこと……!」
金内モネ:「そんな……!」

GM:では手番を進めましょう。今度こそレドさん!
薄蛍レド:はい!
薄蛍レド:まず金内モネに尊敬/憤懣○でロイスを取ります
薄蛍レド:で、せっかくだから二重冠効果の
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
を使います

GM:ヒェエ……
薄蛍レド:上げる侵蝕値は……10点とかにしよ
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を10(→ 10)増加 (96 → 106)
薄蛍レド:これで攻撃力+20
薄蛍レド:マイナーで完全熱光学迷彩服起動、隠密状態になり、ベルベットクローク効果でダイスは+3
GM:隠れるな卑怯者……! 素直に《支配の領域》を受け入れろッ!
薄蛍レド:コンボ:【地上の六等星】
薄蛍レド:メジャー《コンセ:エンジェルハイロゥ》《見えざる死神》これに常時の《デスストーカー》が乗ります 判定前にブーメランアスピス起動して達成値+4もつけちゃう
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を1(→ 1)増加 (106 → 107)
薄蛍レド:対象は金内モネ!
金内モネ:やめろーッ!
GM:判定どうぞ!
薄蛍レド:11dx7+5+4-2
DoubleCross : (11DX7+7) → 10[2,3,3,4,5,6,8,8,8,9,10]+10[1,3,4,8,10]+10[3,8]+4[4]+7 → 41

GM:支配の領域さえできれば……
金内モネ:ガード。
GM:ダメージを出しな!
薄蛍レド:5d10+9+7+16+15+20
DoubleCross : (5D10+9+7+16+15+20) → 26[4,8,10,3,1]+9+7+16+15+20 → 93

GM:出しすぎ!
齋藤リッコ:やばすぎ
薄蛍レド:ワア……
柴辻マサラ:デッカイ!
金内モネ:軽減して83。回復時HPは40なので余裕でぶっ倒れます。
薄蛍レド:薄蛍レドの侵蝕率を4(→ 4)増加 (107 → 111)
金内モネ:復活エフェクトもなし! 戦闘終了です。

薄蛍レド:「言いたいことはさ」
薄蛍レド:「……だいたいリッコが言ってくれた」
薄蛍レド:「だからさ」すぅ、と息を吸い込む。
薄蛍レド:レドの姿が消えていく。 だが、知恵の輪めいて絡み合った十字冠はそこに輝いている。
薄蛍レド:その知恵の輪が、解かれる。
薄蛍レド:一つ一つ、パーツに分かれて、ほうぼうに散らばっていく。
金内モネ:「……っくう……!」 膨れ上がる火球を前にかざし、どうにか攻撃を妨げようとするが、分かれた十字冠に気を引かれ、野放図に振り回すことしかできない。
齋藤リッコ:(あれが、レドの……)
柴辻マサラ:(十字冠が散らばる?どういう理屈だ……?)
薄蛍レド:(私が怒ってるのは、多分、花のことだけでも、リッコの家の事だけでもない)
薄蛍レド:(……自分が持ってるものを手放して、誰かの普通を脅かそうとしたこと)
薄蛍レド:「……反省してよね」パシュ、という音が、同時に繰り出され。
薄蛍レド:金内モネの体に、何発もの銀の弾丸が同時に着弾する。
金内モネ:「う」
金内モネ:炎は結局、一つの弾丸も防ぎはしなかった。傷をオーヴァードとしての再生力で補いながら、しかし脱力するように、その場へ崩れ落ちていく。
薄蛍レド:「っ、はぁ……けほっ」十字冠のパーツが明滅すると、元の位置にレドの姿が戻ってくる。
金内モネ:「何もせずに……上も見ずに、横も見ずに、普通にしてるのが正しかったっていうの?」
金内モネ:「そんなの、耐えられっ……」
金内モネ:漏らすように口にして、彼女は意識を失った。
薄蛍レド:「今持ってるものを、ちゃんと見てあげてよ」
薄蛍レド:「……卒業式の花、とびきりのやつを贈るからさ」
齋藤リッコ:「……邪魔するくらいなら……」
齋藤リッコ:「バカみたいな量の花用意して、度肝でも抜いてやればよかったのに」
齋藤リッコ:「……ほんと、バカ」
齋藤リッコ:どこか寂しそうに、思わし気に呟く。
柴辻マサラ:「それじゃあ足りなかったんだろうな」
柴辻マサラ:「足りないってのも違うか? 認められたかったって気持ちは本物だったんだろうが」
柴辻マサラ:「それを持て余してるうちに、うっかり衝動と結び付けちまった。そんでソレを自分の願いと思い込んだ」
柴辻マサラ:「いずれにせよ、やり方を間違えたってだけの話だ。間違えなけりゃもっと多くの記憶に残る道も選べたかもしれねえのに」
柴辻マサラ:そう言いながら歩み寄り、気を失っている彼女の手首へ手錠をかける。
齋藤リッコ:「……」無言で手錠を見つめ、息を吐く。自分も少し道を間違えれば、彼女のようになっていたかもしれない。
柴辻マサラ:「さて、と」 そう言いながらしまっていた眼鏡をかけ直し。
柴辻マサラ:「お二人とも。改めて、ご協力いただきありがとうございました」
齋藤リッコ:「おぉ……」たじろぐ
齋藤リッコ:「ホントに全然キャラ違うわね……」
薄蛍レド:「デキる女モード……」
柴辻マサラ:「一トランぺッターとしてだけでなく、私個人としても感謝しています」
柴辻マサラ:「……あまり言わないでください。これでも切り替えに必死なので」
柴辻マサラ:ん、ときまり悪げに咳ばらいをしつつ。
齋藤リッコ:「あたしこそありがと。色々手伝って貰っちゃって……そうなの?」
齋藤リッコ:「あっちはあっちでいいと思うけどな~」
薄蛍レド:「正直ちょっとキュンと来ちゃった」
齋藤リッコ:「まあ確かに、ちょっと怖いけどね」
柴辻マサラ:「……褒めてもらえたと喜ぶべきかその言葉に甘えないよう気を引き締めるべきか、難しい気分ですね」
柴辻マサラ:「ともあれ、こうして無事犯人を確保できたのはお二人の助力があってのことですから」
齋藤リッコ:「ふふん」自慢げ「トランぺッターにもよろしく伝えて頂戴」売名チャンス
柴辻マサラ:「後は、お二人の方も間に合えば万事解決です。急いでキングダムへ戻りましょう」
薄蛍レド:「そうだった、荷物荷物……」βプランスをしっかり確保
齋藤リッコ:「また会いましょうね、マサラ。今度はお仕事抜きで」
齋藤リッコ:「ハワイ旅行の打ち合わせもしなきゃだもんね」
薄蛍レド:「ショコランのスイパラとか行っちゃう?」
柴辻マサラ:「スイパラですか。甘いものはあまり得意ではありませんが……」
柴辻マサラ:「お誘いいただけるなら喜んで。旅行もスイパラも、楽しみにしています」
齋藤リッコ:「ええ!あたしも楽しみ!」
薄蛍レド:「へへ……帰ったらお店見繕っとこ」
齋藤リッコ:「じゃあ帰りましょうか。またジャングルと夜行列車かあ……」
齋藤リッコ:「最初はテンション上がったけど、起きたら身体バキバキで……」
薄蛍レド:「私も。しばらくはいいかな……夜行列車」
柴辻マサラ:「そうは言っても、流石に使わないと期日までに間に合いませんよ?」
薄蛍レド:「うう、帰るまでがおしごと……」
齋藤リッコ:「そうよね……。そういえばガイドの子は……あーっ!でかいゴリラ!!」
薄蛍レド:「えっ、どこ!ゴリラ!?」
帰宅部部員:「あれはうちの生徒です」
薄蛍レド:「生徒!?」
齋藤リッコ:「あっガイドの人!」
帰宅部部員:「ガイドの人です。早く乗ってください」
帰宅部部員:「彼女、でかいゴリラって呼ばれると怒り狂ってドラミングしながら襲いかかってくるので……」
柴辻マサラ:「……なるほど。道理で先程からドラミングを」
齋藤リッコ:「ギェーッ!早く乗って!!」
薄蛍レド:「ア……」スッ……と姿を消して乗り込んでいる
齋藤リッコ:「一人だけ消えるな!!」
柴辻マサラ:「リッコさん、今は言い合うよりも乗った方が……」
GM:賑やかな少女たちの声と、激しいドラミング音、バギーのエンジン音が、ノーザムエースの外へと向かっていく。
GM:依然変わらず空に輝く、大十字冠の下でのことである。



GM:◆ Backtrack
GM:帰還の時間です! Eロイスとかそういう系のやつはなし!
GM:自らの侵蝕率とロイスと向き合い、裁きを受けな!
齋藤リッコ:死ななかったからロイス6個だ βプランスに○確保/疲労 で取っておこう
柴辻マサラ:最後のコンボ分を上げ忘れてました 6上がって97からです
齋藤リッコ:う~ん124……大丈夫だと思うけどまあ……2倍振りしとくか
薄蛍レド:メインコンボ安杉晋作だからそんな上がってないな
齋藤リッコ:124-12D10
DoubleCross : (124-12D10) → 124-64[3,9,4,9,4,3,4,10,9,2,2,5] → 60

柴辻マサラ:まあ帰れるけど取ってなかったからボガートに取っておこうかな ○尊敬/面倒で
齋藤リッコ:爆下がり
GM:攻撃もいっちょも命中しなかったもんな……
柴辻マサラ:その後残り5で素振り
柴辻マサラ:97-5d10
DoubleCross : (97-5D10) → 97-13[3,1,1,3,5] → 84

薄蛍レド:6個を素で振っちゃうか~
柴辻マサラ:普段だったら怖すぎる出目だけど今日なのでセーフでした
薄蛍レド:111-6d10
DoubleCross : (111-6D10) → 111-29[4,5,2,6,7,5] → 82

薄蛍レド:うむ
GM:5d10で13は泣くな~
GM:ともあれ全員無事帰還! おめでとおめでと!
齋藤リッコ:わ~~い
柴辻マサラ:やった~~!
薄蛍レド:やった~



【◆ Ending 01 ... 柴辻マサラ】

GM:かくて、輸送物炎上事件はその犯人逮捕により収束の目を見た。
GM:逮捕された金内モネは協力的であった。それが自暴自棄であったのか、あるいは戦いの中諭された結果であったのか……
GM:どうあれ、君の仕事の後始末も目処が立とうかという所に、また彼女はやってきた。
グレイライツ・ボガート:「ハロー。事件は解決してもらったはずだけど」
グレイライツ・ボガート:ちらりと書類の山を見る 「……ちゃんと減ったの、これ?」
柴辻マサラ:「事件が一つ解決した程度で目に見えるほど減る訳ないでしょう」
柴辻マサラ:出張前と同じように、書類の山に埋もれたデスクへと座りながら溜息を吐いて見せる。
グレイライツ・ボガート:「そうだけど。絶対量という意味でも減ってるのかな、これ……」
グレイライツ・ボガート:「デスクの下に測りを置いて、重量を見るようにした方が良さそうかも」
グレイライツ・ボガート:適当な書類を手に取って、雑に目を走らせ、ぽいと元の所に戻す。
柴辻マサラ:「越境捜査が長引いてしまったせいもあって、帰ってくる頃には新しい書類が溜まっていましたからね」
柴辻マサラ:「正直、増えていても驚きません。というか多分増えていますが」
グレイライツ・ボガート:「そうね。キングダムに、その姉妹校。敵対校。果てはジャングル!」
柴辻マサラ:「それをはっきり突き付けられると気力に響きそうですし。目に見えない今のままで構いません」
グレイライツ・ボガート:「お仕事の方も寂しがっちゃうってわけ。……ふふふ、お疲れさま」
グレイライツ・ボガート:そう言って、ポケットからチョコレートを出してデスクに置く。ビニールで個包装された安物だ。
柴辻マサラ:「お気遣いどうも。……ああ、そう言えばこちらも用意した物があったんでした」
柴辻マサラ:そう言いながらクッキーを取り出す。袋に印字されているのはショコラショコランのメーカー名。
柴辻マサラ:「捜査中、色々と手配を頼みきりだったので。ありがとうございました」
グレイライツ・ボガート:「あら優しい。……あっ、ショコラショコラン!」
グレイライツ・ボガート:「やったー。お紅茶と一緒にいただかなきゃ。ふふ」
グレイライツ・ボガート:嬉しそうに身を揺らす 「いえいえ。私は遠出も荒事もごめんでしたし、適材適所よ」
グレイライツ・ボガート:「犯人は捕まえられて、あなたも楽しめたみたいだし、四方良しね」
柴辻マサラ:「ええ。それに、色々と考える機会にもなりました」
グレイライツ・ボガート:「考える機会~?」
柴辻マサラ:「……ボガートは、この学園を卒業した後についてを考えたことはありますか?」
グレイライツ・ボガート:「ええ? うーん、これといったことは……」 頬に指を当てて
グレイライツ・ボガート:「私みたいな美女ならどこでも良い感じにやっていけるでしょうし……でも男の人には慣れなきゃいけないのかしら」
柴辻マサラ:「確かに貴女ならどこでもやって行けそうですが」 図太く抜け目なく、というのは心中に留めて。
柴辻マサラ:「私は器用な人間ではないので。今だって、取り繕いながらどうにかやっているだけですし」
グレイライツ・ボガート:「そうね。頑張ってるよね、あなたは」
柴辻マサラ:「そうして取り繕いながらやっていくことが忙しすぎて、未来のことなんて浮かべたこともありませんでした」
柴辻マサラ:「……それでも、いつかはやってくるものでしょう」
柴辻マサラ:自分達が生徒である以上。"卒業"する日は必ず訪れる。
柴辻マサラ:「それまでには少しくらい考えておくべきかな、と」
グレイライツ・ボガート:「ふうん、視野が広がった……いえ、遠くの方も見るようになった、ってわけ?」
グレイライツ・ボガート:「眉間のシワもいつもより控えめな理由はそこかしら」
柴辻マサラ:「そう見えているなら幸いですね」 言いながら、自分でも眉間に軽く触れてみる。
柴辻マサラ:「今回のお二人のように、物怖じせず友好的に接してくれる方ばかりではありませんし」
グレイライツ・ボガート:「ふふ。あちこち出張だっていうのに、ホントに楽しんでたんだ。その二人には感謝しなきゃね」
グレイライツ・ボガート:「今度は私が行ってみようかなぁ」
柴辻マサラ:「良いと思いますよ。どこも……いえ、シャムロックやキングダムは治安も良かったですし」
柴辻マサラ:「荒事が苦手な貴女でも、交渉が通じるならどうとでも出来るでしょう」
グレイライツ・ボガート:「そうね。社会的で会話ができる所を中心に行ってみたい所だわ」
グレイライツ・ボガート:「ということで、クッキー貰った所悪いけど、本日の情報。メサイアの、会話が通じない方の子たちの話よ」 言いながら、書類を一枚君のデスクに置く
柴辻マサラ:「……貴女よりも私向きの案件、ということですね」
柴辻マサラ:溜息交じりに書類に目を通しながら、先程言われた言葉を思い返す。
柴辻マサラ:『ふふ。あちこち出張だっていうのに、ホントに楽しんでたんだ。その二人には感謝しなきゃね』
柴辻マサラ:最中にはそこまで気を回す余裕が無かったが。確かに、振り返ってみれば言われたとおりだ。
柴辻マサラ:着慣れない着物に袖を通して感想を言い合うことも。寝台列車のベッドに腰掛けながら語らうことも。あるいは、危険なジャングルの中の爆走さえ。
柴辻マサラ:楽しんでいたのだと、思う。仕事中の人間としてはあまり正しいことではないけれど。
柴辻マサラ:そうでなければ、全く現実味の持てない卒業旅行の話に興味は湧かなかっただろうし、スイパラなんて柄でもないところに行く気だって起きなかった。
柴辻マサラ:まして、お礼の確保と下見を兼ねてショコラショコランのお菓子を取り寄せてみるなんて。する訳は無いのだ。
柴辻マサラ:(……いつになるだろうな)
柴辻マサラ:ひとまず、誘われたときにちゃんと空いている日を提示できるよう。今ある仕事を片付けなければ。
柴辻マサラ:そうして書類に目を通し終えると、今日も現場へ向かうべく席を立った。



【◆ Ending 02 ... 薄蛍レド 斎藤リッコ】

GM:βプランスは、無事に祝花委員会の元に届けられた。
GM:委員長のマリー・ヴァレンタインは礼を述べ、リッコの部屋の速やかな修繕を約束してくれた。数日もすれば、とりあえず生活する分には困らないくらいにはなるという。
GM:また、キングダム内のいくつかのホテルを割安で紹介してくれもしたが、ここはマリーの金銭感覚の浮世離れが災いした……割安にしても、そこはリッコにとって敷居が高い所ばかりだったのだ。
GM:もちろん、君にもう一歩踏み込む横柄さがあれば、彼女は宿泊代の全額も出してくれたかもしれないが、結局君がどうしたかと言えば……
齋藤リッコ:「結局レドんちか~~」
薄蛍レド:「まあまあ、入って入って~。あんま片付いてないけど」
薄蛍レド:家賃に対してそこそこ広い、リビングと寝室が分かれてる部屋だ。
薄蛍レド:一通りの家具は揃っているが、どれもこれも色合いは暗めで地味なものばかり。
薄蛍レド:隅に置いてある鏡の周りに置いてある、いくつかのアクセサリーと、リビングテーブルに積まれた数冊の雑誌が女の子らしさをかろうじて担保している。
齋藤リッコ:「もうちょっとマシな立地に住めば?泊めて貰って文句言えないけど……」
薄蛍レド:「いやあ……引っ越したとき、この辺くらいしか空いてなくて」
薄蛍レド:「住めば都だよ。コンビニ遠いけど」
齋藤リッコ:「コンビニ遠いじゃないのよ~」
齋藤リッコ:荷物を下ろして一息つく。
齋藤リッコ:「まあ、とにかくこれで一段落ね」
齋藤リッコ:「あとは家が直るのを待つだけ……疲れたぁ……」
薄蛍レド:「いやあ~、一時はどうなることかと。安心安心」
齋藤リッコ:「災難だったけど、見方を変えればラッキーだったかも。モネ先輩は止められたし、これでまたあたしの名前も売れるし……」
齋藤リッコ:皮算用をしながらほくそ笑む「更にビッグになる足掛かりになっちゃうかも……」
薄蛍レド:「あ、リッコ。アイスいる?チョコミントかピスタチオ」いつの間にやらキッチンから顔を出しつつ。
齋藤リッコ:「何かマニアックな二択ね……ピスタチオ!」
薄蛍レド:「あーい」カップアイスを両手に。「いやあ、リッコも有名になっちゃうのかー」
薄蛍レド:「……会えなくなったら私寂しいぞよ」よよよ、とわざとらしく
齋藤リッコ:アイスを受け取り「そうよ。“ウォーレン”、齋藤リッコの名がノヴァリスに轟く日も遠くないわ」
齋藤リッコ:「ふふん、今のうちにサイン書いてあげようか」
薄蛍レド:「えー、どうしよ」ケラケラと笑いながら
薄蛍レド:「まあ、でも楽しかったかもなあ。滅茶苦茶疲れたけど」
薄蛍レド:アイスを食べながらしみじみと。
薄蛍レド:「リッコは楽しかった?」
齋藤リッコ:「そうね。色んなところに行けたし……」
齋藤リッコ:「レドとマサラと一緒だったしね。ジャングルはもうごめんだけど……」
薄蛍レド:「ジャングルはね……まあ、ね……」
齋藤リッコ:「そういえばあんた」スプーンを片手に
齋藤リッコ:「慣れてなかった?」
薄蛍レド:「ん?」
薄蛍レド:「何が」スプーンを口に加えている。
齋藤リッコ:「いや、先輩と戦った時。マサラは分かるけど……」
齋藤リッコ:「あんたも随分慣れた動きだったなって」
薄蛍レド:「んー……」
薄蛍レド:「……」
薄蛍レド:「……たまたま?」眼が泳いでいる
齋藤リッコ:「たまたま~~?」
齋藤リッコ:「思いっきり目泳いでるし。何よ、何か隠してんの?」
薄蛍レド:「い、いや~~?FHチルドレン的な戦闘訓練的ななんとかかんとかでぇ……」
齋藤リッコ:「ああ、そうなの」そう言われれば普通に納得する「力入れてるとこだったのね」
薄蛍レド:「……」スプーンを口に当てたまま止まる。
齋藤リッコ:「……いや、じゃあ別に隠す必要無いわよね?」
薄蛍レド:今まで見ないふりをしてきた、後ろめたい気持ち。
薄蛍レド:「隠し……てたわけでも、ないんだけどさあ」
齋藤リッコ:「うん?」
薄蛍レド:「……昔のことなんだけどさあ」気まずそうに口を開く
薄蛍レド:「その……」言葉を選ぼうと、たどたどしくなる。
齋藤リッコ:「? 何よ?」きょとんとして
薄蛍レド:「”未詳王ロード・エニグマ”って都市伝説、聞いたことある?」正体不明の王。物品を奪い、混沌を引き起こす存在として語られていた者。
齋藤リッコ:「あ~……」記憶を手繰り「何か、噂くらいには?」
齋藤リッコ:「あの怪談みたいなやつでしょ?それが?」
薄蛍レド:「……私」控えめに自分を指差す
齋藤リッコ:「ん?」
齋藤リッコ:「何が」
薄蛍レド:「だから……その」
薄蛍レド:「やってた……というか、やらされてたというか」
齋藤リッコ:「何を?」
薄蛍レド:「だから、”未詳王”を……」
齋藤リッコ:「……?」
薄蛍レド:「正体が私……っていう……」
齋藤リッコ:「ん?」
齋藤リッコ:「え?」
薄蛍レド:「……昔の話ね、昔の」強調している
齋藤リッコ:指差して「あんたが“未詳王”ってこと?」
齋藤リッコ:「レドが?」
薄蛍レド:「元、元ね」
薄蛍レド:「うん、まあ、そう」
齋藤リッコ:「……え~~~~~~っ!?!?」
齋藤リッコ:「何よそれ!全然知らなかったわよ!?」
薄蛍レド:「い、言わなかったし……」
齋藤リッコ:「じゃああんた元王ってこと!?」
薄蛍レド:「元王だけど……別に配下とかいたりしないし……」
齋藤リッコ:「何よそれ~~~~!なんで黙ってたわけ!?」
薄蛍レド:「だ、だって……。なんか、ほら言いにくいし……」
齋藤リッコ:「それだけ!?」
薄蛍レド:「ふ、普通じゃないし……」
齋藤リッコ:「普通じゃないならいいことじゃない!」
薄蛍レド:「いいことじゃないよ、あんなの……」
齋藤リッコ:「なんでよ」
薄蛍レド:「……リッコさ、私が持ってるアイスを欲しいって思うとするじゃん、どうする?」
齋藤リッコ:「?」
齋藤リッコ:「頂戴って言うとか?交換するとか……お金で売ってもらうとか?」
薄蛍レド:「盗むとか」
薄蛍レド:「……考えないよね、普通」
齋藤リッコ:「……」怪訝な顔
齋藤リッコ:「どういうこと?」
薄蛍レド:「王ってさ、多かれ少なかれ遺産ってヤツに適合してるんだよ」
薄蛍レド:「私に昔くっついてたやつは、言っちゃえば人を盗癖持ちにするやつだったんだよね」
齋藤リッコ:「……遺産の代償ってこと?」
薄蛍レド:「そう。バレるまで盗みを働き続ける。そうしなくちゃいけなくなる」スプーンで溶けかけのアイスをつつきながら
齋藤リッコ:「ふーん……」アイスを食べて「確かに、それはあんまり嬉しくないわね」
薄蛍レド:「バレて、遺産から契約破棄されてさ。普通に街を歩いたら」
薄蛍レド:「すっごいよ、何にも盗りたくならないんだもん」
齋藤リッコ:「じゃあ、今は違うってことなのね」
齋藤リッコ:「良かったじゃないの」
薄蛍レド:「……」
薄蛍レド:「なんか……軽くない?」
薄蛍レド:「割りと一世一代の告白だったんだけど……」
齋藤リッコ:「え?」目を瞬く
薄蛍レド:「重いBGM鳴ってそうな……」
齋藤リッコ:「そうかな……ごめん、もっと重い感じにするべきだった?」
齋藤リッコ:「だって昔の話でしょ?盗みやってたのも遺産のせいだし……」
薄蛍レド:「いや、……ぷっ、ふふ。そっか」
薄蛍レド:「あー、なんか。スッキリしちゃった」
薄蛍レド:「やっぱ、リッコはいいやつだよ……おおマイフレンド……」肩に頭を乗せる
齋藤リッコ:「何よ急に、気持ち悪いわね……」
齋藤リッコ:「でもあたしも欲しかったんだけどなー、遺産。いいことばっかりじゃないのか……」
薄蛍レド:「生肉しか食べられない人もいるらしいよ」
齋藤リッコ:「えぇ~、それは嫌!」
齋藤リッコ:「でも王になって有名になるならそれくらいは……いや……う~ん……」
薄蛍レド:「だからさ、普通が一番なんですよリッコさんや」
薄蛍レド:「普通に頑張ってなんか……いい感じにバズろう」
齋藤リッコ:「あたしは嫌よ普通なんて!」
齋藤リッコ:「モネ先輩じゃないけど……このまま埋もれたまま卒業するなんて絶対嫌!」
薄蛍レド:「むー……。ま、リッコが本気なら、私は応援するよ」
薄蛍レド:「なんていうか、人の願い事のために頑張るの、結構楽しいし」
薄蛍レド:「祝花委員会に入ったのもそういうとこあるしさ」
齋藤リッコ:息を吐き「……いい奴よね、あんた」
齋藤リッコ:「……あたしはね」
齋藤リッコ:「ノヴァリスここが好きなの。ここでの生活が好き」
齋藤リッコ:「今回みたいにメチャクチャなことに巻き込まれるのも多いけど……刺激的で、退屈しなくて」
齋藤リッコ:「勉強して、友達と遊んで、美味しいもの食べて。すっごく楽しい」
齋藤リッコ:「あたしの青春は、全部ここにあるの」
薄蛍レド:「リッコ……」
齋藤リッコ:「……でも、あたしはノヴァリスに対して、まだ何も出来てない。何も残せてない」
齋藤リッコ:「卒業して、あたしがここにいたことも、すぐに誰からも忘れ去られるなんて……」
齋藤リッコ:「そんなの、絶対ごめんだわ」
齋藤リッコ:無意識に拳を握り締めていた。それは何も持ち得ぬリッコにとっての矜持であり、誓いであり、プライドであり祈りであった。
齋藤リッコ:「だからこの場所に、あたしがいたってことを刻み付けたいの」
齋藤リッコ:「みんなからすごい奴だって思われたいの!誰より輝いて、褒められて……ちやほやされて!」
齋藤リッコ:「あたしはやれるんだって証明したい。あたしを軽く見た奴も、舐めた奴も、全員見返してやるんだから!」
齋藤リッコ:それは愚かしい、若さそのものと呼べる自己顕示欲であり、誰もが持ち得る承認欲求かもしれない。
齋藤リッコ:だが、齋藤リッコにとってはそれが全てだった。それこそが初期衝動であり、行動原理だった。
齋藤リッコ:「その為なら何だってするわ。星室庁で働くし、戦いもするし、アイドルだってやる」
薄蛍レド:「アイドル……」
齋藤リッコ:「だから、普通なんかでいられないの。もっと頑張って、特別にならなきゃ」
齋藤リッコ:自らのごく普通の日常を愛しながら、その為に特別であることを求めるその様は、根本から矛盾しているようであるが──当人はそれに気付いてはいない。
薄蛍レド:そう語る友人を、尊いものを見るように眺める。
薄蛍レド:「……んじゃあ、そうだ。特別の一環なんだけど」
薄蛍レド:胸ポケットから、銀色の弾丸を取り出す。
薄蛍レド:「これ、私がお守りにしてるやつ。リッコにあげる」
齋藤リッコ:「……え?」
齋藤リッコ:「いいの?だって、レドのお守りなんでしょ?」
薄蛍レド:「いいの。ほら、特別ったってさ、今回みたいに家燃えたりするようなの、嫌じゃん?」
薄蛍レド:「だからまあ、魔除け的な?」
薄蛍レド:「頑張る人が持ってる方がお守りも喜ぶって」
齋藤リッコ:「ふぅん……」
齋藤リッコ:受け取って、軽く眺めてみる。照明の光に照らされて、弾丸は鈍く輝いた。
齋藤リッコ:「じゃ、預かっておくわ。ありがとうね」
薄蛍レド:「ふふん。感動エピソードとして語ってくれたまえ」
齋藤リッコ:「ええ。あたしが有名になった時は、インタビューでこのお守りのお陰って紹介してあげる」
齋藤リッコ:「お礼にサインしてあげようか」
薄蛍レド:「どうしよ、それは後でもいいかな~」
齋藤リッコ:「何よ!絶対プレミア付くから見てなさいよ!」
薄蛍レド:「ハワイに行ったときに貰っちゃうか」
齋藤リッコ:「それじゃ卒業後じゃないの~~」
薄蛍レド:なんてことはない、友達との他愛も無いやりとり。
薄蛍レド:大きなハプニングから始まった、ちょっとした旅。
薄蛍レド:それは、ノヴァリスという巨大な街からすれば、ごく小さな出来事だろう。
薄蛍レド:けれど。
薄蛍レド:青春の一ページとして、たしかに刻まれていた。



【◆ MasterScene】

GM:マリー・ヴァレンタイン。溢れるような黒髪の少女が、花の様子を見ている。
GM:青く、小さく、群れるように咲く花だった。それは花束の主役にはならないが、根本の隙間を埋め、寂しさをなくす役割を担う。
GM:優しい花だ。名を、青きBlue眩みDazeと呼ばれていた。暗示するのは、絆。
マリー・ヴァレンタイン:「……あら」
GM:ブルーデイズの穏やかに咲く一画に、白い指が伸びる。
マリー・ヴァレンタイン:「枯れている……」
GM:その一輪だけが枯れていた。全体から見れば大した瑕疵ではない。これといった原因があるとも思えない。
マリー・ヴァレンタイン:「運が悪かったのね」
GM:マリーは華やかに装飾された細いハサミで、それを摘み取り、それきり忘れてしまった。枯れた花のことも。それに向けた自分の言葉も。
GM:そして今は空いている僅かな隙間も、花々の賑やかさがほどなくして埋めていくことだろう。
GM:ブルーデイズ。優しく拡がる小さな花。
GM
GM:だが。
GM:花に記憶があったならば。
GM:自らと同じ顔の花が、枯れ、『運が悪かった』と刈り取られてゆくさまを、隣で見ていたその一輪は。
GM:変わらず咲き続けることができるだろうか?
GM
GM
GM: ――これはノヴァリスのありふれた情景。
GM: 取るに足らない時間。物語の一行。アルバムにも残らないワンシーン。
GM: 何気ない日常の中の、ほんの少しの奇跡。
GM
GM: そしてある少女が刻んだ、最後の一ページだ。







ダブルクロス3rd Edition
『 Days, Blue Daze / その日々は青く眩く 』