Closed secret



メインログ/雑談ログ




Index


Opening
【OP/桜出石】
【OP/逢河雷魚】
【OP/箸方邦樹】

Middle phase
【Middle1/逢河雷魚】
【Middle1/箸方邦樹】
【Middle1/桜出石】
【Middle2】
【Middle3/逢河雷魚】
【Middle3/箸方邦樹】
【Middle3/桜出石】
【Middle4】
【Middle5/逢河雷魚】
【Middle5/箸方邦樹】
【Middle5/桜出石】

Climax
【Climax】

Ending
【ED/箸方邦樹】
【ED/桜出石】
【ED/逢河雷魚】

Preplay


GM:では、密室クロスこと『closed secret』。これより開幕します。
GM:まずはPC紹介から。PC1の出石君、お願いします。
桜出石:はい!
桜出石:「俺はまだまだ未熟……」
桜出石:厳格な堅物マンです。他人に厳しく、自分にはもっと厳しいストイックな18歳!
桜出石:とある剣術流派を修めていますが、本人的にはまだまだ修行中の身です
桜出石:クール堅物ですが、心の声ではめちゃくちゃ狼狽する撃たれ弱いタイプなので
桜出石:今回は同じ道場のヒロインちゃんの積極アピールに、平静を保ちながらも心の内でドギマギしていきたい所存です
桜出石:性能はバックスタブ白兵です
桜出石:縮地一閃がかっこいいなと思って作ったので、居合の演出とかしていきたい所存。
桜出石:こんなところでしょうか。以上、よろしくお願いします
GM:鉄面皮の下でドギマギする思春期男子、とても良いと思います。よろしくお願いします。
桜出石:ウオォー!よろしくお願いします!
GM:トレーラーは全員共通なので後に纏めましょう。お次は遭河君、どうぞ。
逢河雷魚:はーい
逢河雷魚(キャラシート)
逢河雷魚:逢河雷魚(あいかわ らいぎょ)です。
逢河雷魚:18歳のUGNエージェント。普段は普通の高校生として暮らしてます。
逢河雷魚:お人好しで心配性、頼まれると断れない性格ですが
逢河雷魚:同じような人間だった父が人間関係でひどい目に遭い、自分も損ばかりしてきたために
逢河雷魚:今は人を遠ざけるような皮肉っぽく偽悪的な振る舞いを身につけるようになりました。
逢河雷魚:今回は後輩に懐かれるらしいです 困った……
逢河雷魚:性能はステキエフェクトの神獣撃をいっぱい使いたいなあという感じです
逢河雷魚:そういう感じです。印象最悪の男だけど仲良くしてね よろしくお願いします!
GM:偽悪的だけどお人好し。これはつけ込み買いがありますね……。よろしくお願いします。
GM:最後は箸方さん。紹介おねがいします。
箸方邦樹:はいさい!
箸方邦樹(キャラシート)
箸方邦樹:箸方邦樹(はしかた・くにき)。鍼灸師です。
箸方邦樹:UGNイリーガルとして、セーフハウスでもあるクリニックを運営しています。
箸方邦樹:穏やかながら内心を隠しがちな性格。ガードが堅いわけではないので、詰められると弱いです。
箸方邦樹:FHに騙されて訓練されており、医術と暗殺術を身に付けています。代わりに医師免許はないよ!
箸方邦樹:ヒロインの少女はずっと施術している相手です。
箸方邦樹:実はヒロインの疾患に関与している人物ですが…それを言い出せずにいます。
箸方邦樹:密室で関係を進展させたり、あるいは終わったりしたいと思います!
箸方邦樹:性能はちょっと早く動いてダメージバフ状態を付与します!コンビネーター!
箸方邦樹:実はヒロインを相手にするのは初めてでかなり緊張しています…どうぞよろしくお願いします!
GM:よろしくお願いしますー。私もヒロインは相当久々なので、お手柔らかに……。
GM:では、次は全員共通のトレーラーを。

【ハンドアウト】
PC1~4
君はN市に住む、あるいはN市を訪れたオーヴァードだ。
ヒロイン1~4と共に過ごしていた平和な休日は、奇妙な声とともに唐突に崩れ去った。
次の瞬間、君が立っていたのは見覚えのない部屋。
隣には君と同じく立ち尽くすヒロイン。
鍵のかかった扉の上部には「○○しないと出られない部屋」という看板が掲げられていた。
GM:【トレーラー】
密室。
この言葉に何が思い浮かぶだろうか。
ミステリーのトリック?
怪奇ホラーの導入?
アドベンチャーのトラップ?
否、これより始まるのはもっと気楽でばからしい。
しかし当人たちにとっては真剣な一大事。
——つまりは、ラブコメのハプニングである。

ダブルクロス The 3rd edition 『Closed secret』
ダブルクロスーーそれは裏切りを意味する言葉


GM:密室クロス、これより開催となります。どうぞよろしくお願いいたします。
桜出石:ウオォー!よろしくお願いします!
箸方邦樹:アイヤー!よろしくお願いします!
逢河雷魚:よろしくお願いします……!



【OP/桜出石】

GM:まずはPC1の出石君のOPです。登場ダイスをどうぞ。
桜出石:1d10+30
DoubleCross : (1D10+30) → 9[9]+30 → 39

桜出石:興奮してます

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GM:無間一刀流道場。
GM:普段は多くの門下生が汗を流す道場だが、休日の朝早くから稽古に取り組むものは流石に数少ない。
GM:けれども、竹刀を取り向かい合う二つの人影があった。
桜出石:「……」 正眼の構え。目の前に立つ相手を真っすぐに見つめる
柳 美珠:「……」 構えは同じく正眼。君の瞳を真っ直ぐ見つめ返す。
桜出石:カコン。庭の鹿威しの音が響く。その音を合図に。
桜出石:剣気を解放する。存分に打って来いと誘っているようだ。
柳 美珠:君の剣気に応じるように、こちらの空気も変わる。そして、恐らく誘いであろうと分かった上で。
柳 美珠:「はっ!」 気合一拍。気づけば君のすぐ傍、懐へと踏み込んでいる!
桜出石:風に揺られる柳のように。脱力。だが
桜出石:一気に力を込め、居合を放つ。
桜出石:周囲を払う横薙ぎ。
柳 美珠:「くっ」 振り上げた竹刀を強引に居合の軌道上へ持ち込み、防ぐ。
柳 美珠:しかし、無理な刀運びで姿勢ごと崩れる。僅かに身を引きながら立て直しを図るが——。
桜出石:ぽこん
桜出石:少女の頭に、竹刀が緩やかに打ち付けられる
柳 美珠:一刀を受け、何処か不満げな顔をしながらも立ち上がる。
柳 美珠:「参りました」
桜出石:「うむ」
桜出石:こちらも、相手に礼を返す。
柳 美珠:礼から顔を上げた彼女は、やはりまだ不服げに眉を顰めている。

ヒロイン紹介:柳 美珠
桜出石の幼馴染であり姉弟子。幼少期から現在に至るまで、切磋琢磨しながら強さを磨いてきた。
非常に真面目な努力家だが、少々頭が固い。思い込むと一直線になりがちで行動が空回ることもしばしば。
最近は何故か以前よりも出石との距離が近いとの噂もあるが……?


柳 美珠:「むう……。やはり待ち構えている相手に打ち込むのは分が悪いな」
桜出石:「こちらの誘いにあえて乗ったのだろう?……ところで」
柳 美珠:「うちの流派相手だから尚更というのもあるが。……どうした?」
桜出石:「先ほどから、なぜそうも不満気な顔を?」
柳 美珠:「いや。不利な立場で誘いに乗った、というせいもあるが」
柳 美珠:「最後の一撃、加減をしただろう」
桜出石:「その通りだ」
桜出石:なんの悪びれもなく、告げる。
柳 美珠:「それが気に食わん」
桜出石:「俺は男だ。そして、美珠姐は女」
柳 美珠:「……ますます気に食わん」
桜出石:「……むぅ。機嫌を直してほしいのだが」
柳 美珠:「確かに、性別の差はこと白兵戦においては大きなハンデになり得る」
柳 美珠:「体格然り、筋肉量然り。現にお前には背も越されたしな」
柳 美珠:「かといって、稽古だからと手を抜くような真似を……」
GM:顰め面のままつらつらと説教が始まる。こうなると彼女は長い。
桜出石:その説教を黙って聞いていよう。こちらも忍耐力には自信がある
GM:では、たっぷり十分。お互い立ちんぼうで説教が行われ。
柳 美珠:「……分かったか。もうわざとらしい加減はしてくれるなよ」 との言葉で締めくくられる。
桜出石:「分かった。……成程、俺もまだまだ未熟」
桜出石:次からは、もう少し上手く手加減しなくては。そんなことを考えている
柳 美珠:「……本当に分かったか疑わしいが」 半目のまま君をじろりと睨み上げて。
桜出石:「……分かった、と言っている」(なっ!?お、俺の心を読んだのか?)
柳 美珠:「なら、ひとまずは良しとしよう。汗にすっかり冷えてしまったし」
柳 美珠:「続きはシャワーを済ませて、朝食を食べながらにする」
桜出石:「……続き?」
桜出石:「……」
桜出石:「…」
桜出石:「……受けてたとう。存分に来るが良い」 (説教……)
柳 美珠:「当然だ。せっかくの休日だからな」
桜出石:「……うむ」
柳 美珠:「一日稽古に費やせる機会はそう多くない。たっぷりと……」
柳 美珠:言いながら、汗を拭こうと道場の隅に置いていたタオルを手に取って。
柳 美珠:「……」
柳 美珠:「……出石、ちょっと屈め」
桜出石:「……どうした?……これで良いか?」
桜出石:屈む
柳 美珠:屈んで近くなった君の頭にタオルをかぶせ、わしゃわしゃと撫でる。
桜出石:「美珠姉っ!?」
桜出石:「や、やめっ!」
柳 美珠:「まあ、うん。汗が冷えるほど喋ったのは私が悪かったし」
柳 美珠:「これくらいはこう、してやるべきかと」
柳 美珠:言いながらも目線はそれとなく横に逸れている。
桜出石:「美珠姉。気持ちは嬉しい。だが、これではまるで犬だ」
桜出石:「少し加減を……新雪を摘むような、そんな指使いを……」
柳 美珠:「む。……分かった」
桜出石:「分かってくれたか……」
柳 美珠:手つきが変わる。大雑把にかき回すものから、タオル越しに髪を梳くようなものに。
桜出石:「っ!!!」
柳 美珠:柔らかくくすぐったい感触。するりと下った指が、耳に触れる。
桜出石:「……くっ!」 必死に声を押し殺す。だが、耐えようとすればするほど吐息が漏れ出ていく
桜出石:(負けん……!俺は、決して美珠姉に負けんぞ……!)
桜出石:髪だろうが耳だろうが。どこでも触って来い!
柳 美珠:「……」 声を抑えてる君を少しばかり面白くなさそうな顔で見つめて。
柳 美珠:「……」 多少の逡巡の間を置いて。
柳 美珠:「……」 君の頭を、そのまま自分へと抱き寄せる。
桜出石:「!?!?」
桜出石:「み、美珠姉!?」 (なっ!?)
桜出石:「ど、どうした?」 (くっ。良い匂いがする)
桜出石:「……」 (柔い……な、なんだ、これは……)
柳 美珠:「……別に」 彼女自身も先ほどまで稽古していた身。少しばかりの汗のにおいもするだろう。
柳 美珠:「屈まなければ、こうして頭を拭くことも出来なくなったんだな、と」
桜出石:「……」
桜出石:「……そうだ。俺は強く、大きくなった。……美珠姉のお陰だ」
桜出石:「感謝している」 
柳 美珠:「……それは、別に」 お前自信の努力の賜物だろうと、答えようとしたとき。
謎の声:「感じる……感じるでござるよ……推しカプの波動をーーーーーー!!!」
GM:君たちの脳裏に謎の声が響く。
桜出石:「曲者か!?」
柳 美珠:「だ、誰だ!?」
GM:咄嗟に身構えた君たちの足元に、突如黒く穴が開く。
GM:そのまま、対応する暇もなく。まるで吸い込まれるように。
GM:君たちは穴の先へと落ちていった……。



GM:シーンカット。ロイス取得のみ可能です。
桜出石:取ります!
桜出石:柳 美珠/〇幸福感/恐怖
桜出石:以上です!
GM:はい、それではOP1終了!



【OP/逢河雷魚】

GM:では次はPC2の遭河くん。登場おねがいします。
逢河雷魚:44+1D10
DoubleCross : (44+1D10) → 44+9[9] → 53


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GM:今日は休日。街は各々に楽しみを謳歌する人々にあふれている。
逢河雷魚:街の賑わいをよそに、眉間に皺を寄せ、親の仇にでも出くわしたかのようなひどい仏頂面で歩いている。
逢河雷魚:図書館に本を返した帰り。今日は他に予定は無い。
逢河雷魚:これから何をしようか、とも考えたが──この街は広いようで狭い。
逢河雷魚:下手にうろついて、知り合いにでも出くわしたら面倒だ。そのまま直帰するべきか。しかし折角外に出たなら食事くらいは……
GM:賑わう人込みであっても、君の周りはさりげなく人が避けていくような。
GM:そんな中ぱたぱたという足音が後ろから近づいてきて。
GM:ぽふんと軽い衝撃が君の背中に当たる。
逢河雷魚:「……あぁ?」眉間の皺を深めて振り返る。
皆方 アイリ:「先輩、ちーっす」
皆方 アイリ:君の背中に軽く抱きついた少女が君を見上げている。
逢河雷魚:「げっ……」不快感を隠そうともせずに顔を顰める。
逢河雷魚:やはり直帰するべきだった。
皆方 アイリ:「げって何ですか、げって~。かわいい後輩相手に~」

ヒロイン紹介:皆方 アイリ
遭河雷魚の後輩にあたるUGNチルドレン。1年ほど前に任務で同行したのを切欠に彼に懐いている。
チルドレンらしからぬ軽い性格で、へらへらとした笑顔が特徴。カヴァーとして通う高校にもかなり馴染んでいる。
基本的に誰にでも人懐っこく、特に親しくなった相手に対しては距離感がバグりがち。


逢河雷魚:「何でお前がここにいンだよ」しっしっと追い払うように。
皆方 アイリ:「休日なんだから遊んでるに決まってるじゃないですか~」
皆方 アイリ:「先輩こそどうしたんです?そんな親の仇でも見たような顔で」
逢河雷魚:「ほっとけよ……生まれつきだ」嘘だ。強いてそういう表情を作っている。
逢河雷魚:「遊ぶなら一人で遊んで来い。俺はお前と違って忙しンだよ」
皆方 アイリ:「嘘だあ。そんな顔の赤んぼ、居るわけないでしょ」 ヘラッと笑いながら君の顔に手を伸ばし。
逢河雷魚:「うるせえな……!何の用だよ!」唸り声が聞こえてきそうな警戒した態度。
皆方 アイリ:「ええ~……。なんです?任務とかあるんですか?」
逢河雷魚:「任務は……」怯んで。
逢河雷魚:「別に……無いけど……」
皆方 アイリ:「そんなに警戒しないでくださいって~。あ、ほら!無いんじゃないですか」
皆方 アイリ:「ならどうせ暇でしょ?買い物付き合ってくださいよ~」
逢河雷魚:「どうせって何だよ……俺がそんなに暇に見えンのか」
皆方 アイリ:「いや~。先輩のことだから、誰かと遊ぶ予定とか入れなそうだなあって」
皆方 アイリ:「違ってます?」 こてんと首を傾げて。
逢河雷魚:「ぐっ……」違わない。
逢河雷魚:「大体、百歩譲って暇だとして……何で俺がお前の買い物に付き合わなきゃなんねェんだよ」
皆方 アイリ:「そりゃあ……先輩が居てくれるとあたしが楽しいので?」
逢河雷魚:「玩具扱いか?俺は楽しくねえ」
皆方 アイリ:「それに今日ちょっと数買う予定なんですよね~。最近かなり寒くなってきたんで」
逢河雷魚:「結局荷物持ってほしいだけじゃねーかよ!」
皆方 アイリ:「いやいや~。楽しいのもホントですって。マジでマジで」
逢河雷魚:「楽しいワケねえだろ……」深々と息を吐いて。「チッ……聞いてみて損した」さっさと歩き出そうとする。
皆方 アイリ:「ああ~。それにほら、先輩だって冬物居るんじゃないです?」
皆方 アイリ:服の裾を掴んだままなので、ずりずり引きずられる。
皆方 アイリ:「一緒に新しい服買いに行きません?今ならあたしが見立てますよ?」
逢河雷魚:「離せや……!ああ……?」足を止めて。
逢河雷魚:「何でお前に見立ててもらわなきゃなんねェんだよ。買うなら自分で買うわ」
皆方 アイリ:「ええ、だって先輩いっつも地味な服しか着ないじゃないですか」
皆方 アイリ:「それだけ背丈あるし、顔も全然良いし、もっと色々着てみません?」
逢河雷魚:「好きで着てんだよ余計なお世話だっての……!」
逢河雷魚:「せっかくの休日に何でお前と過ごさなきゃなんねーんだよ……お前だって嫌だろうが」
皆方 アイリ:「え。嫌じゃないから誘ってるんですけど」
逢河雷魚:「…………」至極嫌そうな顔をして。
逢河雷魚:「……大体、わざわざ服買いに行くなんてそんなデ……」
逢河雷魚:慌てて口を噤み。
皆方 アイリ:「……デ?」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「……他に相手いねェのかよ。どうやって荷物持ってくつもりだったんだ」
逢河雷魚:話題を逸らす。
皆方 アイリ:「それが聞いてくださいよ~。今日りっちゃんと一緒に行こうって話してたんですけど」
皆方 アイリ:「なんか朝になって『彼氏が緊急搬送されたらしいからお見舞い行ってくる!』ってLINEが着て~」
逢河雷魚:「大丈夫なのかよそれ……」
皆方 アイリ:「いやまああたしらこんな商売ですし?緊急搬送物の怪我ってそんな聞きませんし?」
皆方 アイリ:「あ、その子も彼氏も同業ですよ。チルドレン系」
逢河雷魚:「まあ、オーヴァードなら平気か……」
逢河雷魚:「……で、一人で来たのか」
皆方 アイリ:「そうそう。見舞いに行くのは当然ですけど、午後は空くじゃんって話ですよね~」
皆方 アイリ:「丸々キャンセルしなくたって良いのに~」
皆方 アイリ:ぶーぶーと口を尖らせているが、その口調は軽い。
逢河雷魚:「彼氏が入院してる時にお前と買い物ではしゃぐわけにもいかねーだろ」
逢河雷魚:「そのりっちゃんくらいの気遣いとか慎みをお前も持て、皆方」
皆方 アイリ:「まあそうでしょうけど~……」
皆方 アイリ:「ええ?気遣いも慎みもありますよ?あたし」
逢河雷魚:「そういう奴は先輩の貴重な休日を奪おうとはしねェんだよ……!」
逢河雷魚:「……」深々と嘆息して。
逢河雷魚:「……荷物持つだけだぞ」
皆方 アイリ:「奪うだなんてそんなぁ。あたしはただ、楽しく共有しませんか~って」
逢河雷魚:「他は何にもしねーからな」
皆方 アイリ:「やた~」 へにゃあと殊更嬉しそうに笑う。
皆方 アイリ:「そうと決まれば急ぎましょ。あっちの通りに目当てのお店がですね……」
皆方 アイリ:そう言いながら彼女が君の手を引こうとしたその時。
謎の声:「感じる……感じるでござるよ……推しカプの波動をーーーーーー!!!」
GM:君たちの脳裏に謎の声が響く。
逢河雷魚:「……ああ?」怪訝な顔。
逢河雷魚:「今のお前?」
皆方 アイリ:「んな訳ないじゃないですか。え、どっから……」
GM:そう話す君たちの足元。そこに突如黒い穴が開く。
GM:そしてそのまま、抵抗する暇もなく。吸い込むようにして君たちは穴の底へと落ちていった……。



GM:ロイス取得のみ可能です。
逢河雷魚:固定ロイスで取ってます 信頼/〇食傷 で!
GM:信頼されてる~うれし~



【OP/箸方邦樹】

GM:では最後のOP。箸方さん、登場ダイスをお願いします。
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+5した(侵蝕率:32->37)

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GM:紅林家。宝石の売買によってたった二代で財を成した、急進気鋭の資産家である。
GM:その当主、紅林の屋敷の離れ。それ全体がたった一人のために誂えられた庵の一室にて。
箸方邦樹:白く滑らかな布地に覆われたベッドの横に立ち、ゆっくりと手を曲げる。
箸方邦樹:その手に握られた、同じく染み一つない白い肌の少女の脚が、ゆっくりと伸ばされる。
紅林 恵果:「……」 黙ってその手を受け入れている。この手順にももはや慣れたものだ。
箸方邦樹:可動域を確かめるように、二三度、手の動きを繰りかえす。
箸方邦樹:「…はい、問題はなさそうだね。痛みもないかな」
紅林 恵果:「ええ。問題ないわ」
箸方邦樹:優しく、割れ物を扱うように、脚をベッドへと降ろす。
紅林 恵果:「いつものことだけど、手間がかかるわね」
紅林 恵果:「そろそろ少しくらい回数を減らしても良いんじゃないかしら」

ヒロイン紹介:紅林 恵果
ここ数十年のうちに急速に力を付けた資産家、紅林家の娘。生まれついてのオーヴァードだが再生力に欠ける異常個体。
更に遺産との適合もあって病弱であり、主治医による箸方邦樹の献身によって人並みの生活を送っている。
年不相応に聡明で現実的。だが過保護に育てられたことがあってか、我儘で気位も高い。


箸方邦樹:「そうは言わないでくれ。万一悪化させようものなら、僕がお父さんに怒られてしまうよ」
箸方邦樹:困ったように笑う。このやりとりもまた、いつものことだ
紅林 恵果:「ふん。好きなように怒らせておけばいいのよ」
箸方邦樹:「でも、確かに改善しているのはわかるだろう?」
紅林 恵果:「どれだけ怒ったって先生をクビにするわけにはいかないんだから」
箸方邦樹:「脚の筋肉も柔らかくなってきている。何回も施術を行ってきた成果さ」
紅林 恵果:「まあね。最近は車いすを使うことも減ったし……」 そう言いながらベッドを降りて。
紅林 恵果:「ベッドも夜と施術以外は使わずに済んでるわ」
箸方邦樹:「……紅林さんが完全に回復すれば、お役御免だけど」
箸方邦樹:「一緒に努力しようね」
紅林 恵果:「そうなったところで、再発がどうのと言って引き止めそうな気はするけど」
紅林 恵果:「ま、努力は良いわ。私自身のためだもの。してあげる」
箸方邦樹:「……はは、ありがとうございます、お嬢様」芝居ぶって返す。
紅林 恵果:「先生も、食い扶持のために手を抜くような真似はしないことね」
箸方邦樹:「もちろんだとも。紅林さんを絶対に回復させてみせるさ」
箸方邦樹:「命に代えてもね」
箸方邦樹:同じく軽い、芝居ぶった様子だが、目だけは真剣に。
紅林 恵果:「あら。命に代えられたら困るわ」
紅林 恵果:「先生が死ぬのは先生の勝手だけど、その後私を診る医者が居なくなるじゃない」
紅林 恵果:「代えるなら私を診るために要らないものだけにして」
箸方邦樹:「…そうだね。いや、言葉の綾だった」
箸方邦樹:「じゃあ、僕の名誉に代えても…としておこうかな」
箸方邦樹:「信頼してもらった恩義に報いよう」
紅林 恵果:「そうね。その程度にしておいて」 くすりと微かに笑って。
紅林 恵果:「さあ、早く外に出ましょう。ようやく施術が終わったんだもの」
紅林 恵果:「休日をこれ以上無駄には出来ないわ」
箸方邦樹:「ああ。あ、いや……」
箸方邦樹:何事かを言おうとして口ごもる。
紅林 恵果:「何。不満か不都合があるの、先生?」
箸方邦樹:「不満なんて。ただ紅林さん、君は……」
箸方邦樹:本当に僕なんかが治療をしていていいのか?
箸方邦樹:と続く言葉は、口に出せず。
箸方邦樹:「……少し太ったかい?」
紅林 恵果:「…‥」 黙って目を細め。
紅林 恵果:常に持ち歩いている杖で君の足を踏む。
箸方邦樹:「あたッ……い、いや、悪い事じゃない。紅林さんは元からあまり、歩かないだろう?」
箸方邦樹:「筋肉がついたんだと思って、足が少し、ふと……しっかりした感じに、なっていたから」
紅林 恵果:「……ええ、お陰様で。最近は随分自分の足で歩かせてもらえるものだから」 
紅林 恵果:「前よりはそう、筋肉も増えたし体重も増えたでしょうね」
紅林 恵果:「でもね、先生。物事には言い方ってものがあるのよ」
箸方邦樹:「そ、そうだね。悪かったよ」
紅林 恵果:「なぜ数ある中でも最悪の言い方を選ぶのか、選べるのか。全く理解できないわ」
箸方邦樹:「はは……紅林さんを前にすると、つい緊張してしまってね…」
箸方邦樹:「見惚れてしまうというか……。上手く頭が回らなくなるんだよ」
箸方邦樹:「以後気を付けるよ…」
箸方邦樹:頭をかく。
紅林 恵果:「……」 ジトりとした目で君を見上げた後。
紅林 恵果:「見え透いてはいるけど、その言葉に免じてあげる」
紅林 恵果:「この後の散歩の付き添いと三時のケーキで手打ちにするわ」
箸方邦樹:「敵わないなあ……いや、寛大なご処分をありがとうございます」
箸方邦樹:「喜んで、付き添わせてもらうよ」
箸方邦樹:紅林さんの上着を広げて持つ。袖を通させる構えだ。
紅林 恵果:そうされるのが当然のように上着へ袖を通す。
箸方邦樹:「今日は少し、冷えるから……もう一枚着る?」
紅林 恵果:そうして、まだ少し大きい羽織を身に纏うと杖を持ち直し。
紅林 恵果:「いいえ。今は要らないから持っておいて」
箸方邦樹:「わかった……お手を拝借」
箸方邦樹:上着を畳むと、反対の手を紅林さんに差し出す。
紅林 恵果:その手に少し眉を顰めて。
紅林 恵果:「子供でもあるまいし。一人で歩かせなさい」
箸方邦樹:「……僕は君の主治医だからね。外出は安全に済ませる義務がある」
箸方邦樹:「ここはお父上に免じて………どうしても嫌かい?」
紅林 恵果:「……仕方ないわね」 杖とは逆の手を君の手の平に乗せる。
箸方邦樹:「ありがとう」
紅林 恵果:「少しでも歩調をずらしたら離すわよ」
紅林 恵果:そうのたまって、こつこつと杖を突きつつも歩き出し。
箸方邦樹:「はは、気を付けるよ」
箸方邦樹:歩調を狭め、歩きを合わせる。
謎の声:「感じる……感じるでござるよ……推しカプの波動をーーーーーー!!!」
GM:突然君たちの脳裏に謎の声が響く。
箸方邦樹:「! 誰だい…」
紅林 恵果:「……なに、今の」
GM:そうして足を止めた君たちの足元。そこに突如黒い穴が開き。
箸方邦樹:部屋の外の廊下に人影はない…手を握る力を少し強める。
GM:まるで吸い込まれるようにして、二人がその底へと落ちていった……。



GM:ロイス取得のみ可能です。
箸方邦樹:とらずんば!
箸方邦樹:患者/紅林恵果/〇尽力/贖罪 これで!
GM:OK!それではこれにてOPが終了。次からはミドルに入ります。



【Middle1/逢河雷魚】

GM:ではミドル1人目!逢河君お願いします。
逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+7(1D10->7)した(侵蝕率:0->7)
逢河雷魚:あっえーと
逢河雷魚:60です
GM:はい、了解です。

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GM:突如として出現した穴に飲み込まれた君たち二人。
GM:気づいたときには、見知らぬ白い部屋の中にいた。
GM:目の前には壁に備え付けられたモニター。それと向かい合うように置かれた一つのソファー。
GM:扉の上にはこんな看板が掲げられている。
二人でホラー映画を見終わらないと出られない部屋
逢河雷魚:「……あぁ……?」全く状況が分からず、不可解な顔。
皆方 アイリ:「え、なにこれ~」 言いながらとてとてとソファーへ歩み寄り。
皆方 アイリ:「あ、けっこーふかふかじゃん」 ごろんと寝転がるなどしている。
逢河雷魚:「もうちょい疑問持てよ……」
逢河雷魚:「皆方、何ともねーよな?身体に異常は?」
皆方 アイリ:「あー、だいじょぶです。なんともなってない感じ」
皆方 アイリ:「先輩もまあ、だいじょぶそうですね」
逢河雷魚:自分の身体と感覚を確かめ。「幻覚じゃねェな……バロールかオルクスあたりか……?」
逢河雷魚:部屋のあちこちをぺたぺた触ったりして探る。
皆方 アイリ:「あ、そう!それなんですけど」
皆方 アイリ:「さっきなんか穴に落ちたじゃないですか」
逢河雷魚:「落ちたな」
皆方 アイリ:「あたし一応能力的にそういうの平気な方なはずなんですよ」
皆方 アイリ:傍に魔眼を生み出してみせる。彼女がバロール能力者なのは君もよく知るところだ。
皆方 アイリ:「で、それなのにふつーに飲み込まれたんで。これ間違いなくR案件ですね」
皆方 アイリ:油断してたとはいえ出力で負けるとはな~なんてへらへら笑っている。
逢河雷魚:「そりゃお前、レネゲイド以外でこんなこと起きたら商売上がったりだがよ……」
逢河雷魚:「……おい。下がってろ、皆方」腕の一部が黒変し、瞬く間に巨大な影へと変わる。
皆方 アイリ:「お、やっちゃいます?」 言いながら一応ソファーの影に。
逢河雷魚:「お、るァッ!」影が膨張し、力任せに白い壁を殴り付ける。
逢河雷魚:オーヴァードとしても破壊力には自信がある方だ。鋼鉄だろうと凹ませるくらいは容易にできるはず、だが。
GM:白い壁はびくともしない。へこむ様子も崩れる様子もなく、ただ君の手が痛むばかりだ。
逢河雷魚:「ッ~~~~…………」跳ね返ってきた衝撃にじんじんと痛む腕を抱える。
皆方 アイリ:「え、マジ?」 その様子に目を丸くして、とてとてと寄ってくる。
皆方 アイリ:「先輩で無理とか、それどうしようもなくないです?」
皆方 アイリ:「あ、待ってくださいね。今手当キットだすんで」
逢河雷魚:「いい、放っとけ……」こいつ手当キットなんて持ち歩いてるのか、と少し意外に思いつつ。
逢河雷魚:「……物理的な壁じゃねえンだろうよ。皆方の能力でも無理となると……」嫌な顔をして、掲げられた看板に目をやる。
皆方 アイリ:「ジャーム系ですかねぇ。条件満たす以外全部ダメなやつ」
逢河雷魚:『二人でホラー映画を見終わらないと出られない部屋』。
逢河雷魚:「……意味が分かンねぇ」
逢河雷魚:「ジャームだとして、目的は何だよ」
皆方 アイリ:「そりゃあ、あたしに聞かれても」
逢河雷魚:「売れなかったホラー映画監督の怨念か?」
皆方 アイリ:「でもなんか、こういうの前に流行ってませんでした?」
皆方 アイリ:「こう、SNSとかで」
逢河雷魚:「こんなのが……?」ネットや流行には疎い。
逢河雷魚:「流行りを真似した愉快犯か?ふざけやがって……」
皆方 アイリ:「○○しないと出られない部屋~みたいなの。あたしも詳しくはしんないですけど」
皆方 アイリ:「ま、ホラー映画見るくらいなら簡単だしむしろラッキーじゃないです?」
逢河雷魚:「閉じ込められてる時点でアンラッキーだろ……」
逢河雷魚:「……まあ、こうしてても埒が明かねーのは確かだな」
皆方 アイリ:「はーい。そんじゃ早速見ちゃいますか」
皆方 アイリ:そう言ってソファーに座ると、ポンポンと隣を叩く。
皆方 アイリ:「はい先輩。お隣どーぞ」
逢河雷魚:「言われるがままってのは癪だがな……」叩かれたところから離れた、ソファの隅ギリギリに座る。
GM:ソファそのものがさして大きくないため、ギリギリまで離れてもその距離はかなり近い。
逢河雷魚:「……」何となく距離を意識してしまう。
逢河雷魚:「……皆方、お前ホラーは?」
皆方 アイリ:「まあまあですかね~。スプラッタ系なら普段マジの見てるから平気ですけど」
皆方 アイリ:「というか先輩、狭くないです?もうちょいこっち寄れますよ?」
逢河雷魚:「……寄ったら余計狭いだろうがよ」
皆方 アイリ:「や、だからあたしが寄るんで先輩が真ん中に」
逢河雷魚:「いンだよ俺は……別に床でもいいっての」やや意地になって。
皆方 アイリ:「流石に先輩床に座らせてソファー独り占めとかあたしが嫌ですよぉ」
逢河雷魚:「……つーか、いつ始まるんだこれ」
逢河雷魚:モニターに目をやる。
皆方 アイリ:「どうなんですかね。リモコンとかも見当たんないですし」
逢河雷魚:立ち上がってモニターの裏を見たりするが、何も見つからない。
逢河雷魚:「条件でもあンのか?『二人で』ってのは……」
皆方 アイリ:「んん……確かにわざわざ書いてあるんだし、なんか関係ありそうですけど」
皆方 アイリ:「あ!先輩先輩」
逢河雷魚:「あんだよ」
皆方 アイリ:「ちょっと試したいことがあるんで隣座ってくれません?」
逢河雷魚:「試したいことォ……?」嫌そうな顔をするが、思考がやや任務向けに切り替わっている。
逢河雷魚:言われるがまま、皆方の隣に腰を下ろす。
逢河雷魚:「……これでいいのか」
皆方 アイリ:「はい。そんで、こう」
皆方 アイリ:そう言って、体重を預けるようにして君に寄りかかる。
逢河雷魚:「……!?」
逢河雷魚:反射的に飛び退きそうになって、ギリギリで踏みとどまる。
GM:君の動揺をよそに、途端に部屋の照明が落ちる。
逢河雷魚:「……なッ……何だよ!?」
逢河雷魚:「……!?」
GM:同時にモニターが付き、映画前の予告が流れ出す。
皆方 アイリ:「お、当たりっぽいですね」
皆方 アイリ:「や、思い出したんですよ。さっきの○○しないと~の部屋の話」
皆方 アイリ:「あれ、大体カップルがいちゃつく話じゃなかったっけ~って」
逢河雷魚:「お前……!」
逢河雷魚:平然とした様子の皆方に目を向けようとして、平時より近いその顔の距離に気付き。否応なしに触れ合う体温を意識させられてしまう。
皆方 アイリ:予告を邪魔しないようにか少し声を潜め、君の耳元に囁くように。
逢河雷魚:「……カップルだぁ!?」
逢河雷魚:「じゃあ何で俺とお前なんだよ!?」
皆方 アイリ:「あ、ダメですよ先輩。ちゃんと画面見ないと」
GM:君が目を逸らした途端、一時停止のように画面は固まっている。
逢河雷魚:「うっ……ぐっ……」叱られた犬のように画面に視線を戻す。
逢河雷魚:「バカじゃねえのか……!?この部屋作った奴……!」
GM:どういう仕掛けか、目線を向ければしっかりとまた動き出す。
皆方 アイリ:「や~、マジバカですよね。技術を無駄遣いしすぎでしょ」
逢河雷魚:「出られたら絶対殺す……」
逢河雷魚:モニターに目線を向けてはいるが、内容は殆ど頭に入ってこない。
皆方 アイリ:「はは、先輩怒らすとか自業自得だけどかわいそ~」
皆方 アイリ:こちらも話しながらだが、モニターには目線を向けている。
逢河雷魚:「……さっさと最後まで観て脱出するぞ」何とか映画のほうに意識を向け、平静を保とうとする。
逢河雷魚:「どうせただの映画だろうが。どうってことない」
逢河雷魚:ホラーは殆ど見たことが無いが、謎の自信と共に言う。
皆方 アイリ:「はいはい。短い奴ならいんですけどねぇ」
GM:映画の中身は和系ホラー。呪物に関わった人間が次々と死を遂げる、スタンダードなものだ。
逢河雷魚:「……」最初は余裕の態度だったが、徐々に口数が少なくなっていく。
GM:死をもたらすのは、呪物を手に入れた人間の友人・知人・あるいは家族。
皆方 アイリ:同じく、最初は軽口やツッコミを交えていたがいつのまにか黙り込む。
GM:例えば嫉妬に狂って。例えば怒りを抑えられず。例えばただ衝動的に。
逢河雷魚:「ああっバカ……!何でそんなことすんだよ……!」
GM:呪物に狂わされて人を手にかけ、それによって呪物はまた次の犠牲者の手に渡る。
逢河雷魚:「捨てりゃいいだろうがよ!こいつら全員バカなのか!?」
皆方 アイリ:目を逸らすことは出来ないものの、次第に君の腕を掴む手に力が入っていく。
GM:呪物の行方と、連続殺人事件を追う警察。二つの視点を入れ替えながら話は進んでいきーー。
GM:とうとう呪物へとたどり着いた警官が、それを壊すべくハンマーを振り上げたその時。
逢河雷魚:「ハッ……絶対来るぞ。パターンは読めてる。誰が驚くかっての」
逢河雷魚:やや早口で強がる。
GM:プツン、と。画面が暗転して。
皆方 アイリ:「……え?」
逢河雷魚:「え?」
GM:次の瞬間。警官が透明な化け物に食い散らされたように、下半身だけの死体となっている。
皆方 アイリ:「ひ……」
逢河雷魚:「……!!」硬直する。
GM:そして地面へと落ちている呪物へカメラが寄って行って……。
GM:凶悪な化け物が一匹、画面丸ごとを食い破るように牙を剥く姿が一瞬だけ映った。
皆方 アイリ:「……!」 無言のまま、君の腕にしがみつく。
逢河雷魚:「ッお……」びくっ、と身体が跳ねるが、後輩の手前、声を上げるのはギリギリ堪える。
GM:そこで映画は終わり、画面はスタッフロールへと移行する。
逢河雷魚:「……」脱力し、小さく息を吐く。
逢河雷魚:「……何だ、全然……大したこと無かったな?」
皆方 アイリ:こちらも力は抜くが、君の手を抱えるような姿勢はそのままだ。
皆方 アイリ:「……あー、や。なんというか」
皆方 アイリ:「先輩が思わず声漏らすくらいの迫力はありましたね」
逢河雷魚:「もっ……!」
逢河雷魚:「漏らしてねーよ!俺がいつ声出したってんだよ!」
皆方 アイリ:「あれ、自覚ありませんでした?ッオ、って出てましたよさっき」
逢河雷魚:「ああ!?お前だって……!」そこでようやく、ずっとしがみつかれていたことに気付き。
逢河雷魚:「……」
皆方 アイリ:「いやあ、そりゃね。そりゃあ男の先輩でさえ思わず声漏らすようなホラーですし」
逢河雷魚:「そんなにか?」抱えられた手を示す。
皆方 アイリ:「あたしが思ってたより余裕なくなんのもまあ、仕方ない……」
皆方 アイリ:「あー、うん」
皆方 アイリ:若干頬が赤く染まって。
皆方 アイリ:「や、ほら。怖いときって自分以外の体温欲しくなるじゃないですか」
皆方 アイリ:「それに、なんか握っといた方が安心感あるっていうか?」
皆方 アイリ:「分かりません?」
逢河雷魚:「あ、ああ……まあ……」ぎこちなく頷く。「そう……そうかもな……?」
皆方 アイリ:「それでこう、丁度良いところに丁度良く先輩が居たので……」
逢河雷魚:「俺は抱き枕代わりかよ……」
皆方 アイリ:「はは~……あれですね、うん。この話ちょっと終わりましょう」 言いながら、ようやく君の腕を離す。
逢河雷魚:「そ……そうだな……終わったことだしな……」
皆方 アイリ:「そうそう、これで開いてくれるはずですし」
逢河雷魚:掴まれていた腕を、何となくそのままにして。
逢河雷魚:「これで外に出られるってわけだな」
GM:そこで丁度エンドロールも終わり、照明がつき扉からガチャリと音がする。
皆方 アイリ:「お、開いたっぽいですね」
逢河雷魚:「フー……」ゆっくりと身を起こす。
逢河雷魚:「まあ、あんな怪物マジで出てきたらワンパンで倒せるしな」謎の自信。
逢河雷魚:「何も怖がることねーわ……さっさと帰るぞ、皆方」
皆方 アイリ:「っふふ。いやまあ、確かに」 軽く噴き出しつつも。
皆方 アイリ:「はーい」 てこてこと君の後に続く。
皆方 アイリ:「せっかく先輩がショッピング付き合ってくれるんですもんね。これ以上時間食いたくないし」
皆方 アイリ:「出ていいんならとっとと出てきましょ」
逢河雷魚:「まだ生きてたのかよ、その話……」
逢河雷魚:「言っとくがな、支部にも報告するんだからな」
皆方 アイリ:「え、いつ死んだんですか先輩の中だと」
逢河雷魚:出口へと歩いていく。
逢河雷魚:「こんなん巻き込まれた後に……まあ、いいけど……」
皆方 アイリ:「やた~。じゃ、支部寄った後に行きますか」
GM:そうして、君たちは鍵の開いた扉を潜り部屋を抜ける。



GM:調達はまだ無し!ロイスのみ!
逢河雷魚:変更なし!以上!



【Middle1/箸方邦樹】

GM:突如として現れた謎の穴。その奥へと吸い込まれた君たちは、気づけば見知らぬ白い部屋に立っている。
GM:目の前にあるのは賑やかしい音楽を流す筐体。ぬいぐるみやお菓子にゲームなど、様々な景品が収められている。
GM:いくつも並ぶ筐体の奥、扉の上にはこんな看板が掲げられていた。
クレーンゲームで景品を取らないと出られない部屋
紅林 恵果:「……何、ここ」
紅林 恵果:ぐるりと自分たちの立つ部屋を見回した後、不可解そうに、あるいは不機嫌そうに眉を顰めて呟く。
箸方邦樹:「…!大丈夫かい!?」
箸方邦樹:紅林さんの肩をとって、体に不調がないか尋ねる。
紅林 恵果:「なんともないわ」
紅林 恵果:端的に返し、肩に乗せられた手を払う。そして杖で筐体を指し。
箸方邦樹:「本当に?…」
紅林 恵果:「それより先生。あれは何?」
箸方邦樹:「あ、ごめん……え、あー……」
箸方邦樹:まったく知識がないわけではないが、過去に全く触れてこなかった文化の存在。
箸方邦樹:「えっと…UFOキャッチャー、とか言ったっけ」
箸方邦樹:「ゲームセンター……町のさ、ちょっとした遊び場に置いてある、ゲーム機のようなものだ」
紅林 恵果:「ふーん」
紅林 恵果:自分から聞いたわりに気のなさそうな相槌を打ち、こつこつと歩みを進める。
箸方邦樹:「ちょっと、紅林さん!ここがどこかもわからないんだ、不用意には…!」
箸方邦樹:慌てて引き留めようとする。
紅林 恵果:「あら。何かあったら先生が守って下さるでしょう?」
紅林 恵果:「それとも、その自信がないの?」
紅林 恵果:邪魔をするなと言いたげにむっすり睨み上げる。
箸方邦樹:「そりゃあ、守るさ! いや、そうだけども…」
箸方邦樹:部屋を見回す。何か脱出の手がかりなどがないか…
箸方邦樹:そして看板に改めて目を留める。
箸方邦樹:「誘拐かも…というか確実にそうだろう………」
箸方邦樹:『クレーンゲームで景品を取らないと出られない部屋』
箸方邦樹:「………多分……?」
紅林 恵果:「誘拐だとするなら、随分間の抜けた犯人ね」
紅林 恵果:「わざわざ先生を巻き込んで。危険を増やすだけなのに」
箸方邦樹:「その考えは、否めないね……」そう言いつつ扉に近寄り見分してみるが…開かない!
紅林 恵果:「流石に鍵をかけるくらいの知能はあるようね」
紅林 恵果:言いながら、一番手近な筐体へと近づき中をのぞく。
箸方邦樹:「……うーん……考え難いことだが、愉快犯なのかな…それもオーヴァードの……」
箸方邦樹:ブツブツと考えを巡らせている。
紅林 恵果:「先生。これ、この中に入っているものが景品ってこと?」
箸方邦樹:「……え?うん、そうだよ。上のアームを操縦して、景品をとる…そういう筐体だ」
箸方邦樹:「景品をとれば開く、のか」
箸方邦樹:「試してみようか……」
箸方邦樹:嫌そうな顔。
紅林 恵果:「……なら」
紅林 恵果:「これで試して」
紅林 恵果:そう言って指さしたのは、一抱えあるぬいぐるみの筐体。
箸方邦樹:「……」
箸方邦樹:「……これがいいの?」
紅林 恵果:「この中なら。他のはよく分からないし」
紅林 恵果:吊るされた大人気のゲームも誰もが見慣れたパッケージのお菓子も、見たことがない。
箸方邦樹:「…そうか」
箸方邦樹:「ほかにできることも無さそうだしね……わかった、試してみよう」
箸方邦樹:笑顔を浮かべて。
紅林 恵果:「ええ。早く出たいのは事実だもの」
紅林 恵果:「それで出られるというなら早く試しましょう」
箸方邦樹:「そうだね。僕もお散歩とケーキの義務を一刻も早く果たさなくちゃ」
箸方邦樹:「じゃあ、やってみよう」
箸方邦樹:クレーンゲームの操作を開始する!
箸方邦樹:ボタンを押し、離し……
箸方邦樹:……見当違いの位置にアームが下りる。
GM:クレーンのアームは、それなりに良心的な設定になっている。要は大きめのぬいぐるみも充分攻略可能な範囲だ。
箸方邦樹:「……難しいなこれ!」
GM:しかし、それを活かせるかはやる側の腕前次第という訳で。
紅林 恵果:「……先生。今のは何を狙ったの?」
紅林 恵果:「私に見えないぬいぐるみでも置いてあるのかしら」
箸方邦樹:「い、いや……僕も初めてだから…!」
箸方邦樹:「次はとるよ!」
箸方邦樹:慌てて操作!ボタンを押す感覚を適正に……
箸方邦樹:……見当違いの位置にアームが下りる。
紅林 恵果:「……」 言葉はないが、君をねめつける視線が感じられるだろう。
箸方邦樹:「……」気まずい表情で必死に目をそらす。
紅林 恵果:「……任せてたら三時を過ぎそうね」
紅林 恵果:「代わって」
箸方邦樹:「あ、うん……」
紅林 恵果:入れ替わりにボタンの前に立ち、アームとぬいぐるみを睨む。
箸方邦樹:筐体の前を開け、なんとも言えない距離感を保つ。
紅林 恵果:隣で見ていたからやり方は把握している。ボタンを押して。
紅林 恵果:「……」 ラグのせいか、アームが想定より少しずれたことに眉を顰める。
紅林 恵果:続けて縦に動くボタンを押して……。今度は、見上げる位置が低いせいか少し奥行きを見誤る。
紅林 恵果:「……」 ますます眉を顰めて、アームの行く先を見届ければ。
GM:ぬいぐるみのお腹に突き刺すようにアームが降りる。
GM:少しだけぬいぐるみを押し込んだものの、アームが上がればぬいぐるみは元通り。
箸方邦樹:「いや、上手だよ! 僕よりずっと…」
箸方邦樹:思わず止めていた息を吐いて、声をかける。
紅林 恵果:「先生が下手すぎるのよ」
紅林 恵果:戻っていくアームを見上げる目には、苛立ち以外に悔しさも少し滲んで。
箸方邦樹:「それを言われると、面目ない」
紅林 恵果:「まあ、要領は分かったわ。少し早めに離す方が良いみたい」
箸方邦樹:「なるほど、じゃあ後は僕がやるよ…休むかい?」
紅林 恵果:「いいえ。先生に任せる方が長引きそうだもの」
紅林 恵果:「私がやるわ」
紅林 恵果:異論があるかと言わんばかりの目つき。
箸方邦樹:「えっ、でも…立ちっぱなしで疲れただろう。ただでさえこんな、わけのわからない状況で…」
箸方邦樹:最後のほうは声が小さくなる。
紅林 恵果:「数年前じゃあるまいし、この程度で根はあげないわよ」
紅林 恵果:「先生も言ったでしょう。私の足は充分一人で立てるし歩けるの」
紅林 恵果:「それとも。私の言葉が信用できない?」
箸方邦樹:「信頼は、しているよ」
箸方邦樹:「それでも……万全を期したいんだ」
箸方邦樹:「……ただ、ごめん。また僕の提案が悪かったみたいだ」
箸方邦樹:一歩近づく。
紅林 恵果:「ええ、そうね。あの腕前で私の代わりなんて通る訳ないでしょう」
箸方邦樹:「…紅林さんが、わざわざ立ってする必要もない」
箸方邦樹:「椅子代わりになるよ、操作は紅林さんにやってもらう…どうかな?」
紅林 恵果:「……」 一瞬、何を言うのかと見上げて。
紅林 恵果:「……そう、そうね」
紅林 恵果:「先生くらいの視点の高さがあれば、見誤ることも無さそうだし」
紅林 恵果:「椅子代わりになるのを許すわ」
箸方邦樹:ほっ、と笑顔になる。
箸方邦樹:「ああ、ありがとう。それじゃあ…」
箸方邦樹:屈みこみ、紅林さんの腰と膝裏に手を回す。
箸方邦樹:この幾年で、何度も行ってきた動きだ。
紅林 恵果:杖を筐体に立てかけ、片手を先生の首元へ伸ばす。
箸方邦樹:ぐ、と持ち上げる……筋肉がついた、とはいえ、羽のように軽い。
箸方邦樹:「…操作できそう?」
箸方邦樹:腰を曲げ、筐体へと近づける。
紅林 恵果:こちらもまた抱き上げられるのには慣れている。彼は、物言いはともかく自分に触れる時にはへまをしない。
紅林 恵果:彼の首元へ伸ばしたのとは逆の手をボタンへと伸ばす。
紅林 恵果:「ええ。ボタンにも届くし視界も良好。あとは先生が揺らさなければ万全ね」
箸方邦樹:「はは、任せておいてよ」
箸方邦樹:体に力を籠める。アームが動き出すと、思わず息が止まってしまう。
箸方邦樹:紅林さんの横顔が目に入る。
紅林 恵果:じりじりと動くアームを睨みながら、ボタンを押す。先ほどより一拍速く手を離し。
紅林 恵果:望み通りの位置に止まるのを確認して、僅かに口の端が上がる。
箸方邦樹:先は、見惚れてしまう、とおだてたが…まったくの世辞というわけではない。
箸方邦樹:特に、この笑顔を見るためなら、何を犠牲にしてもいいと思ってしまう。
紅林 恵果:充分に高まった視点なら、奥行きを誤ることもなく。自信を持ってボタンから手を離す。
GM:そして、アームはしっかりとぬいぐるみの胴体を挟むように降りて。
GM:その良心的な設定を存分に活かし、ぬいぐるみを持ち上げる。
GM:そのまま、十分に傾いたところでぐらりとその重心がぶれて。
GM:受取り口へと転がり落ちる。
紅林 恵果:くい、と黙って掴んだ服を引く。早く下ろせの合図である。
箸方邦樹:「! あ、ああ」
箸方邦樹:慌てて意識を戻し。細心の注意をもって下ろす。
紅林 恵果:降りると同時、受取り口へと手を伸ばし。戦利品を引っ張り出す。
箸方邦樹:「すごいな、紅林さん。器用だね…!」
紅林 恵果:何の変哲もない、ぬいぐるみ。それを抱える顔は、どことなく満足気で。
紅林 恵果:「当然でしょう、これくらい」
紅林 恵果:「先生も、椅子としては申し分なかったわ」
箸方邦樹:「それは光栄限りだね。」
箸方邦樹:杖を差し出す。
紅林 恵果:受け取る。と、同時に。
GM:ガチャリと鍵の回る音がした。
紅林 恵果:「鍵も開いたし、早く出ましょう」
紅林 恵果:ぬいぐるみを片手に抱えたまま、もう片手で杖を突いて歩き出す。
箸方邦樹:「ああ、そうだね。…ぬいぐるみ、持とうか」
紅林 恵果:「あら、人の戦利品を取り上げるつもり?」
箸方邦樹:「そんなつもりでは……うーん」
箸方邦樹:「それじゃあ今度は、杖替わりにならせてくれないかな」
紅林 恵果:「……仕方ないわね」
紅林 恵果:珍しく聞きわけよく。君に杖を差し出す。
箸方邦樹:「ありがとう。足元、気を付けて」
箸方邦樹:杖を受け取り、手を握る。
箸方邦樹:ゆっくりと歩きだした。
GM:そうして君たちは、鍵の開いた扉をくぐる。



GM:調達はまだ不可、ロイスのみ。
箸方邦樹:保留!
GM:OK!



【Middle1/桜出石】

GM:では最後、お待たせしました出石君!
桜出石:はい!
桜出石:1d10+39
DoubleCross : (1D10+39) → 7[7]+39 → 46


----

桜出石:1d12
DoubleCross : (1D12) → 8

GM:これはこれは、良いものを引きましたね。
GM:----
GM:突如として現れた穴に飲み込まれた君たち。気がつけば、見知らぬ白い部屋の中に立っていた。
桜出石:(ここは……。いや、それよりも)
GM:天井も壁も床も、一面が白く。何も置かれていないまっさらな部屋。奥に見える扉の上にはこんな看板があった。
GM:1-8
二人で愛してるゲームしないと出られない部屋
桜出石:辺りを見回す。共に落ちた姉弟子の所在を確認する
柳 美珠:「こ、ここは……?」
柳 美珠:戸惑った風に辺りを見回している。
桜出石:「美珠姉。無事で良かった。……俺たちは何者かに連れ去られたようだ」
桜出石:「む……。あれは……『愛してるゲーム』……?」
柳 美珠:「あ、ああ。出石も無事でよかった」
柳 美珠:「愛し、え!?」
桜出石:「『愛してるゲーム』……。美珠姉。なんのことか分かるか?」
桜出石:「……新手の暗号か……?」
柳 美珠:「……いや、その」
柳 美珠:「知ってはいる、知ってはいるが」
桜出石:「そうか。心強い。……教えてもらえるだろうか」
桜出石:「いったい、何をすればいいのか皆目見当がつかん」
柳 美珠:「……その」
柳 美珠:「二人が、お互いに」
桜出石:ふんふん、と耳を傾けている
柳 美珠:「愛してる、と。言い合う、ゲーム……らしい」
桜出石:「愛してる、と。言い合う、ゲーム」
桜出石:「愛してる、と。言い合う、ゲーム……?」
柳 美珠:「……」 気まずそうに目を逸らす。
桜出石:「美珠姉。俺はそういったことに詳しくないのは重々自覚しているが。……そ、それはゲームとしての体裁を為しているのか…?」
柳 美珠:「あ、いや。確か、先に照れた方が負けなんだったか」
柳 美珠:「一応、勝敗はある。から、ゲームなんだろう」
桜出石:「なるほど……。勝敗はきちんとある。理解した。ならば」
桜出石:真剣な瞳で君を見て、告げる
桜出石:「美珠姉。俺に、『愛している』と言え」
柳 美珠:「は!?」
桜出石:「聞こえなかったか?『愛していると言え』と言った」
柳 美珠:「聞こえている!聞こえているから『は!?』って言ったんだ!」
桜出石:「……勝ち負けのあるゲームと言ったな?ならば、敗者には相応の罰があると予想される」
桜出石:「「美珠姉を危険な目に合わせる訳にはいかん。だから、俺がその役目を引き受けよう」
柳 美珠:「いや、お前。だって」
桜出石:「……さあ。俺に『愛している』と言って、存分に照れさせるんだ」
柳 美珠:ルールに従うなら、照れた方が負けで。そしてこの幼馴染は悔しくなるくらいの鉄面皮で。
柳 美珠:現にこちらは現在進行形で顔が熱いというのに、けろりとした顔をしている。
柳 美珠:「む、無理。無理だろう!」
柳 美珠:「お前が照れた顔なんてここ数年見てないぞ私は!」
桜出石:「……美珠姉。よく聞いてくれ」
柳 美珠:「な、なんだ」
桜出石:壁をコツコツと拳で叩くと、室内に渇いた音が響くだろう
桜出石:「この壁の材質。恐らく、レネゲイドで覆われている。……生半可な斬撃では断ち切ることは難しいだろう。……悔しいが、俺でも斬れるか分からん」
桜出石:「……俺はこう推論した。この部屋から出るには、あの命令をこなすしかないのだ、と」 指で掲げられた、指令の描かれた看板を指さして。
柳 美珠:「…‥」 少し、平静を取り戻す。確かに、この部屋全体からレネゲイドの気配が漂っている。
柳 美珠:そして自ら誇示こそしないものの、無間一刀流を修めた出石が自分でも無理だと判断した。
柳 美珠:ならば、自分に斬れる道理もない。出るための手掛かりはあの看板一つきり。
柳 美珠:そこまでは、分かる。理解できるし納得できる。だが。
桜出石:「……1つ。確認しても良いだろうか?」
柳 美珠:「……何をだ」
桜出石:「このゲームのルールについて、だ。……この『愛しているゲーム』とやらは」
桜出石:「使用出来るのは『言葉』だけか?」
柳 美珠:「え」
桜出石:「……身体的な接触は、ルールから外れているのだろうか?」
柳 美珠:「いや、え……?どうなんだ……?」
桜出石:「俺はこう考えた。照れさせることで勝敗が決するのであれば、手段は自由ではないか、と」
柳 美珠:「私が聞いたルールはさっき話したので全部だが……」
柳 美珠:「……つまり?」
桜出石:「美珠姉が言葉だけで俺を照れさせることが困難なのであれば、それ以外の手を使う必要があるということだ。つまり……」
桜出石:「『愛している』と言いながら。耳に息を吹きかけてはどうだ?」
柳 美珠:「お、ま!」
柳 美珠:「……逆に、聞くが。お前はそれで照れるのか?」
桜出石:「……分からん。だが、何もせずここで朽ちていくのであれば、試す価値はあると考えている」
柳 美珠:ふと今までを思い返す。思いを自覚して以来、それとなく繰り返してきたアプローチ。
柳 美珠:さりげなく肩に触れる、手を繋ぐ、頭を撫でる、互いの肩が触れる位置に座る。etc,etc……。
柳 美珠:それとなくしていたつもりが、あまりに反応が薄いから段々そうでもなくなっていた気もするが。かなりの間そうして距離を縮めて接してきた。
柳 美珠:今日も、ただ汗を拭いてやるだけのつもりがうっかり抱きしめてしまったりしたが。頬一つ染める気配もなかった。
柳 美珠:そんな出石を、照れさせろと。そのために耳に息を吹きかけろと。
柳 美珠:「……」 困惑が一周回って、段々と怒りが湧いてくる。
桜出石:「……心の準備は出来た。いつでも来い。……ん?……美珠姉?」
柳 美珠:人の気も知らず、美珠姉のためにとのたまって。照れる素振りなど無かったくせに、こんな部屋に来たからと言って。
柳 美珠:どうせ照れてくれるなら、単に私を意識してであって欲しかった。
柳 美珠:「いや、分かった」
柳 美珠:「やってやろうじゃないか。出石、屈め」
桜出石:「……こうか?」
柳 美珠:屈んだ彼の首元に、手を回す。今朝と同じで、抱き寄せるように。
柳 美珠:そのまま耳元に口を寄せて。
柳 美珠:「ぁ、あい、してる」
柳 美珠:唇が振れそうなほど近くで、ほとんど吐息のそのもののような囁き声。
桜出石:「……」(ひゃんっ!) 表情は一切変わらない。
桜出石:「……ど、どうだ?今のはだいぶ恥ずかしい気持ちになったが」
柳 美珠:「……」 彼の表情が、変わらないのが垣間見えて。
柳 美珠:「……ぁい、してる!」 もう一回、掠れかけながら囁く。
桜出石:「……」 (~~っ!!) 表情は鉄のように動かない。
柳 美珠:「うぅ……」 やっぱり、彼の顔が変わらないのを見て。
桜出石:「……こんなに恥ずかしい気持ちになったのは初めてだ。これなら扉も……ど、どうした?美珠姉?」
柳 美珠:「何が恥ずかしいだ!この、この鉄面皮!」
柳 美珠:一気にこみあげてきた羞恥と怒りに任せ、出石の頬をぐいと引っ張る。
柳 美珠:「私の手番なのに、恥ずかしいのも私の方じゃないか!」
桜出石:「いたっ、いたたたたっ!美珠姉!?ど、どうした?何を怒っているというのだ?」
桜出石:「み、美珠姉は……恥ずかしかったのか?」
柳 美珠:「うるさい!馬鹿出石!なんだ耳に吹きかけるって!」
柳 美珠:「恥ずかしいに決まってるだろ!!」
柳 美珠:「だって、お前!愛してるって、そんな」
桜出石:「すまない。俺の配慮が足りなかった。俺もまだ未熟……」
桜出石:ふと脳裏に浮かぶ疑問。自分は確かに照れた。尋常じゃなくて恥ずかしかった。なのに扉が開かないのはなぜだ?
柳 美珠:「うるさい……」 段々怒りより羞恥が勝って、勢いが落ちていく。
柳 美珠:あれだけやって結局照れてもらえなかったのも正直もう、恥ずかしいを通り越してちょっと辛い。
桜出石:……このゲームは。互いが互いに『愛している』と言う必要があるのではないか?攻守をそれぞれ行う必要がある?……ならば
桜出石:沈む少女の肩に両手を乗せて、僅かに力を込める。
桜出石:その瞳は真っすぐに少女を捉え。
桜出石:「……俺もだ。俺も、愛している」
柳 美珠:「……え」
桜出石:「……愛している、と言った」 その表情は変わらず鉄のようだが
柳 美珠:目を伏せていたせいで、反応が遅れる。ゆっくりと駆けられた言葉を飲み込んで。
桜出石:「……美珠」 
柳 美珠:「な、あ」
桜出石:愛の言葉を並べるよりも。名前を呼ぶ方がなんだか気恥ずかしく感じてしまう
柳 美珠:遅れてきた理解と同時に、その頬が真っ赤に染まって。
GM:ガチャリ、と。鍵の回る音が響く。
柳 美珠:「あ……」
桜出石:「……どうやら突破出来たようだな」
桜出石:「……美珠姉。これで伝わっただろうか」
柳 美珠:「……」 つまり、今の愛してるはゲームの一環で。そのための言葉で。
柳 美珠:それでまんまと私は照れてしまって、扉が開いたと。
柳 美珠:私の言葉では扉は開かなかったのに。
柳 美珠:「……ああ」
柳 美珠:「分かった。扉も無事に開いたし、早く出ようか」
桜出石:「んっ?ああ……。そうだな。出るとしよう」
桜出石:先に部屋を出る美珠姉の後を追うようにして部屋を出る。
柳 美珠:先ほどまでとはうって変わって落ち着いた様子で扉へと進んでいく。
桜出石:少年が胸中で思うは1つ。
柳 美珠:その表情は、後ろを歩く彼には見えなかっただろう。
桜出石:(これで美珠姉にも伝わっただろう)
桜出石:(俺が、美珠姉の言動をどれだけ嬉しく思い。どれだけ気恥ずかしさを感じているのかを)
桜出石:(お互いが恥ずかしさを覚えなければ開かない扉。ふざけた機構だが……少しだけ感謝しよう)



GM:調達不可でロイスのみ!
桜出石:美珠姉には既にロイス取っているので無しです!
桜出石:以上!



【Middle2】

GM:お次はようやく合流シーン!全員登場でお願いします!
桜出石:1d10+46
DoubleCross : (1D10+46) → 7[7]+46 → 53

逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+8(1D10->8)した(侵蝕率:60->68)
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+4(1d10->4)した

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GM:それぞれに与えられた課題をこなし、部屋を脱出した君たち。
GM:扉を潜ると同時、不思議と辺りは暗闇に包まれて——。
GM:気づけば隣に居たはずの少女の姿はなく。ただ君達三人だけが白い部屋の中に立っている。
逢河雷魚:「……あん?」後輩がいないことに気付き、辺りを見回し。「おい、皆方!どこ行きやがっ……」
逢河雷魚:「……桜じゃねえか」
逢河雷魚:見知った顔を見つける。
箸方邦樹:「! 紅林さん!?」握っていた感触が消えたことに動揺する。
桜出石:「……逢河?」
逢河雷魚:「何でここに……ああ、いや、そういう事か」
逢河雷魚:「巻き込まれたのは俺達だけじゃなかったってことか……」箸方さんに目をやり。
逢河雷魚:「おい、アンタも変な映画見せられたクチか?」
桜出石:「……映画?『愛している』と言わせられたのではないのか?」
逢河雷魚:「愛してるゥ?何だそりゃ」怪訝な顔。
箸方邦樹:「君たちは……いや、巻き込まれたのか」
箸方邦樹:「僕はクレーンゲームをさせられたよ。…部屋ごとに違うんじゃないか」
逢河雷魚:「クレーンゲーム……?」
逢河雷魚:「ますます意味が分かんねえ……何が目的なんだよ」
桜出石:「……察するに、皆、女子と一緒に巻き込まれたと見るが」
桜出石:逢河くんにいつもくっついている後輩ちゃんの姿が見えないことから、女子組は全員別のどこかに連れ去られたのだと察する
逢河雷魚:「そっちのアンタ……」一瞬ワーディングを展開し、オーヴァードであることを確認し。「名前は?つーか」
逢河雷魚:「どこの奴だ?」
逢河雷魚:やや警戒した声色。
箸方邦樹:「ああ、うん…君たちも、被害者みたいだね」
箸方邦樹:こちらは警戒を緩める。
箸方邦樹:「箸方邦樹……一応、UGNの下で医者をやっているよ」
箸方邦樹:「そっちは、FHとかじゃないよね…?」
逢河雷魚:「こっちもUGNだ。“チケット・トゥ・ヒンノム”、逢河雷魚。で、こっちが……」
桜出石:「桜出石。よろしく頼む」
GM:では、君たちが自己紹介を終えるのを見計らったようにアナウンスが響く。
謎の声:『ん、んー。マイクテスマイクテス』
桜出石:「この声は……」
謎の声:『うん、聞こえているござるな。オホン』
逢河雷魚:「こいつ……」顔を顰める。
謎の声:『ようこそ推しカプ諸君!わがドリームワールドへーー!!』
逢河雷魚:「うっせ!」耳を押さえる。
箸方邦樹:「なるほど。犯人はこいつだね」
桜出石:「推しカプ……?逢河、推しカプとはいったい……?」
逢河雷魚:「俺に聞くんじゃねェよ……知ってるように見えンのか?」
桜出石:「てっきり、いつも一緒にいる後輩に聞いていたりしないかと思ったのだ」
謎の声:『この度は手荒な招待の上今まで何の説明もせず、誠に申し訳ない』
謎の声:『しかし、何の説明もなく密室に二人きりというシチュエーションで魅力に勝てず……』
逢河雷魚:「……何言ってんだコイツ……?」本気で困惑している
逢河雷魚:「おい、何でもいいからさっさとここから出しやがれ。UGN関係者を三人も拉致して、覚悟は出来てンだろうな」
逢河雷魚:「今なら半殺しで勘弁してやるよ」
謎の声:『おおう、ごもっともなお申し出。しかし、従う訳には行きませんな!』
逢河雷魚:「んだとォ……?」
箸方邦樹:あっこっちの声通じるんだ…という顔
謎の声:『まだまだ、皆さんには密室を通じて拙者に萌えを供給していただかなくては!』
桜出石:「……この場にいる3人は、それぞれ大事な女性と共にここに連れてこられたと推察する。……彼女たちは無事と考えて良いのだな?」
逢河雷魚:「…………萌え……………………?」
謎の声:『あ、お三方は現在別室に挑戦中でござる。安全な部屋なので心配ご無用!』
箸方邦樹:「そうか……いつまで続けるつもりなんだ?」
桜出石:「ならば良い。お前が攫った少女は、俺にとって何よりも大切な女性だ。傷つけることは許さん」
箸方邦樹:「日が暮れるまでに家に帰さないと困るんだ」
謎の声:『ええと、皆様それぞれあと四つの部屋をクリアして頂く予定でござる』
逢河雷魚:「四……あぁ!?」
逢河雷魚:「多すぎんだろ!!」
謎の声:『いつ帰れるかは……部屋の難易度と皆さん次第で……』
箸方邦樹:「多いな!こっち次第って…」
箸方邦樹:「……君たち、脱出手段とか…知らないよね?」二人に聞いてみます
桜出石:「残念だが」 問いかけに首を振る
逢河雷魚:「知ってりゃとっくに出てるに決まってんだろうがよ……」頭痛がしてきた。
謎の声:『オホン。異論反論諸々お積りではあると思いますが、拙者も譲れぬ一線です故』
箸方邦樹:「つまりは、言うことを聞くのが一番手っ取り早いってことか…」溜息。
謎の声:『それをぶつけていただくのは直接会うその時、最後の部屋へ皆さんが辿り着いたときということで』
逢河雷魚:「ざけやがって……」怒気と共に漏らす。
逢河雷魚:「一つだけ言っとくがな」
逢河雷魚:「皆方に妙な真似したら殺すぞ」
謎の声:『ひっ……公式が最大手……』
桜出石:「同感だ。美珠姉に毛筋の1つでも傷をつけてみろ。108つに分解してやる」
謎の声:『うぐぅ』
箸方邦樹:「え、あ、紅林さんにも!体が弱いんだ、丁重に扱ってくれ!」
箸方邦樹:慌てて声を上げる。
謎の声:『ふ、ふふ……流石拙者が見込んだ推しカプ諸君……流石の火力でござる』
謎の声:『ともあれ、ここから出たくばあと三つの部屋を乗り越えて拙者の下に辿り着くべし!』
謎の声:『Good luck!健闘を祈るでござる!』
GM:一方的に言いたいことを告げ終えると、アナウンスは沈黙する。
逢河雷魚:「…………」苦虫を百匹噛み潰したような顔で、深々と溜息を吐く。
桜出石:「……従うしかないようだ」
逢河雷魚:「……結局、そうなンのかよ」
桜出石:その表情は一切変わらずに。
逢河雷魚:「おい。先に出られた奴がいたら、誰でもいい。速攻であいつ潰すぞ」
逢河雷魚:「そうすりゃ残りの奴らも出られンだろ」
箸方邦樹:「ああ、早いところ動こう。結局目的も…萌え…?わからないしね」
箸方邦樹:「ジャームなのかな…?」
桜出石:「……そう考えるのが自然だろう」
桜出石:「あれは妄執の類とみる」
逢河雷魚:「オーヴァードを6人纏めて監禁できる出力だ。ジャーム以外だったら考えたくもねェな」
逢河雷魚:「言ってることも意味不明だしな……」
箸方邦樹:「ならなおさら、相手の気が変わらないうちに、だね」
逢河雷魚:「……さっさと行くぞ。こうして喋ってても仕方ねえ」
逢河雷魚:扉に歩き出し、一度振り返り。
逢河雷魚:「くれぐれもこんなバカみてぇなことで死ぬんじゃねーぞ」
逢河雷魚:「報告がダルくなる」



GM:まだ調達不可、ロイスのみ可能です
桜出石:とりまーす
箸方邦樹:とります~
逢河雷魚:桜出石 〇連帯感/隔意
逢河雷魚:箸方邦樹 〇同情/警戒
逢河雷魚:以上です!
箸方邦樹:逢河雷魚/〇連帯感/荒れてる
桜出石:逢河雷魚 〇連帯感/恐怖
桜出石:箸方邦樹 〇有意/不安
桜出石:以上です!
箸方邦樹:桜出石/〇連帯感/隔意
箸方邦樹:以上で!
GM:----
柳 美珠:シークレットダイス
皆方 アイリ:シークレットダイス
紅林 恵果:シークレットダイス



【Middle3/逢河雷魚】

GM:ではミドル3の一番槍!逢河君どうぞ!
逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+4(1D10->4)した(侵蝕率:68->72)

----

GM:扉を潜り再びの暗闇を抜けた先。そこにあったのは。
GM:白基調なのは変わらないものの、テーブルに椅子。更にカウンターキッチンを備え付けられた空間。
GM:モデルルームと言われれば納得してしまいそうな、綺麗なダイニング。
GM:そして先ほどの部屋では姿の見えなかった皆方アイリも、当然のように椅子に座って何かを眺めていた。
皆方 アイリ:「あ、せんぱ~い。遅かったですね?」
逢河雷魚:「……皆方」小さく息をつく。
逢河雷魚:「遅かったですね~じゃねンだよ、ちっとは危機感持て」
逢河雷魚:「……何ともねえよな?」
皆方 アイリ:「いやあ、先輩ならだいじょぶかなって」
皆方 アイリ:「この通り、ぴんぴんしてますよ~」 椅子から立ち、てこてこと君へ歩み寄る。
逢河雷魚:「あっそ」興味なさげに目を逸らす。
皆方 アイリ:「あ、そうだ聞いてくださいよ~」
逢河雷魚:「あんだよ」
皆方 アイリ:「これ、さっきあたしが入った部屋にあったんですけど」
皆方 アイリ:そうぺらぺらとめくっていた資料を君に渡す。そこに記載されているのは逢河雷魚、君自身の名前だ。
逢河雷魚:「……あぁ……?」
逢河雷魚:資料に目を落とす。
GM:載っているのはごく簡易的なプロフィール。コードネームやチルドレンとしての実績。
GM:あとは精々、誰に対しても露悪的なほど乱暴に振舞うといったこと程度だ。
逢河雷魚:「…………」勝手に調査・分析されていることに青筋を立てつつ。
皆方 アイリ:「なんか、『相手のことをより深く知らないと出られない部屋』とか何とかで」
皆方 アイリ:「ばさーっと資料がある中にこれが紛れてました」
逢河雷魚:「……ざけやがって」資料を乱暴に破り捨てる。
皆方 アイリ:「探せばもっとあったかもしんないですけど、合流優先しようと思ったんでこれだけで出て来ちゃいました」
皆方 アイリ:「ふつーにやですしね、勝手に人のこと調べんの」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「意外だな。お前、嬉々として漁りに来るタイプだと思ってたわ」
皆方 アイリ:「あ、ひど~。あたし、気遣いも慎みもある後輩ですよ?」
逢河雷魚:「ハ。どこがだよ」言いながらも、表情は少しだけ緩んで。
皆方 アイリ:「どうせ知るなら先輩本人から教えてもらう方が良いです」
逢河雷魚:「俺が教える訳ねェだろうが」
皆方 アイリ:「ちぇ~。ケチですねぇ」
逢河雷魚:「……で?今度は何させようってんだよ、この部屋は」
GM:そう言って、君が扉へ目を向けるとそこにはこんな看板があった。
どちらかが手料理を振る舞わないと出られない部屋
逢河雷魚:「……またクソしょうもねえ……」大きく息を吐きつつ、思ったほど過激ではなくて少しだけ安堵する。
皆方 アイリ:「いや~、相変わらず滅茶苦茶無駄遣いしてますよ。食材の充実度ヤバいですもん」
皆方 アイリ:「なんか見たことないスパイスとか、よく分かんない調理器具とかも揃ってました」
逢河雷魚:「そのバカみてえな情熱をもっと別の方に……ジャームに言っても意味ねえか……」
逢河雷魚:「皆方、お前料理は」
皆方 アイリ:「そこそこ出来ますよ。あたしが作ります?」
逢河雷魚:「出来んのか」意外さを隠そうともせず。
皆方 アイリ:「もうちょい隠しません?よく言われますけど」
逢河雷魚:「お前に気ィ使っても意味ねえだろ……じゃあ、まあ、頼むわ」
皆方 アイリ:「はいは~い」 キッチンへと向かい、備え付けられたエプロンを付ける。
皆方 アイリ:「なんかリクエストあります~?材料的には何でも出来ますよ」
逢河雷魚:「リクエストねェ……」椅子に座り、頬杖をついて。
逢河雷魚:「何でも食えるからな。お前の得意なやつでいい」
皆方 アイリ:「んん……。え~何にするかな……」
皆方 アイリ:「ま、時間かかるようなのだとアレだし……。パスタにしますね」
逢河雷魚:「ああ。頼んだ」テーブルについて、手持無沙汰に視線を彷徨わせ。
皆方 アイリ:冷蔵庫の中を暫く眺めて、いくつか食材を取り出していく。
逢河雷魚:白い部屋ばかりで何も見るべきものがなく、結局何となく後輩を眺める。
皆方 アイリ:ざっと手と食材を洗い、下拵えから取り掛かっている。
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「よくすんのか?料理」
皆方 アイリ:キャベツを大きめに、鶏は胸肉を一口サイズ。玉ねぎはくし切り。
皆方 アイリ:「するっていうよりしてたですね。うちの家、家事が当番制だったんで」
皆方 アイリ:「こっちの支部に来てからはそんなに……やっぱ食堂便利じゃないですか」
皆方 アイリ:「先輩はどうです?」
逢河雷魚:へえ、とほお、の中間のような曖昧な相槌を打って。
逢河雷魚:「……似たようなモンだな。昔はよく弟妹に食わせてたが……」
皆方 アイリ:「えっ」
皆方 アイリ:「……」
逢河雷魚:「エージェントになってからはわざわざ自炊なんてしねーな。自分だけの為に作るなんて……」
逢河雷魚:「……あんだよ」
皆方 アイリ:「……意外って言おうと思ったんですけど」
皆方 アイリ:「想像してみたら案外すんなり思い浮かんだんで言えなくなっちゃいました」
皆方 アイリ:「面倒見良いですもんね~。確かに下の子居そう」
逢河雷魚:「面倒見ぃ……?」顔を歪めて。「どこがだよ」
皆方 アイリ:「後輩に押し切られて買い物ついてきてくれちゃうとことか」
皆方 アイリ:フライパンに食材を移し、炒め始める。同時進行でパスタのお湯の準備。
逢河雷魚:「お前が無理やり絡んでくんだろうが……!」
皆方 アイリ:「いや~、それでも構ってくれるとこが面倒見良いんですよ」
皆方 アイリ:「お兄ちゃん気質のなせる業ですかね?」
逢河雷魚:「言ってろ、勝手に」
皆方 アイリ:「つれないですねぇ、お兄ちゃん」
逢河雷魚:「次言ったらブン殴るぞ……」
皆方 アイリ:「こわ~」 言葉と裏腹にカラカラ笑いながらパスタを投入。
皆方 アイリ:「あ、先輩辛いのいけます?」
逢河雷魚:「行ける」
皆方 アイリ:「らじゃ~。なら、ええと……」
皆方 アイリ:調味料が入っているだろう戸棚を開ける、が。
皆方 アイリ:見るからに高すぎる。キッチンに手を突き、つま先立ちをしてどうにかという高さだ。
皆方 アイリ:「んん~?あるならここだと思うけど……」
逢河雷魚:「……」しばらくそのまま見ていたが。
逢河雷魚:「……ったく」一向に見つからなさそうなのを見て、立ち上がって歩み寄り。
逢河雷魚:「ほら」ひょい、と軽々と、猫のように抱き上げる。
皆方 アイリ:「わ!?」
皆方 アイリ:腰に回った手の感触に驚いて、先輩を見下ろして。
皆方 アイリ:「ふつー、先に一声かけません?」
逢河雷魚:「何だよ。これで届くだ……」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「バッ……違うからな!!」
皆方 アイリ:「何が違うんだか分かりませ~ん。あ、あった!」
皆方 アイリ:ひょいと小瓶を取り上げて、持ち上げている腕をタップ。
逢河雷魚:「お……お前が家の話だの振ってお兄ちゃんとか呼ぶから……」
逢河雷魚:「一瞬妹みたいに見えただけで……」
逢河雷魚:「あ、ああ……」
逢河雷魚:ゆっくりと、というより恐る恐る下ろす。
皆方 アイリ:「……ふふ、そういうことにしといてあげましょう」
皆方 アイリ:「いや~。優しいお兄ちゃんが居て羨ましいですねぇ、逢河家」
逢河雷魚:「チッ……」調子を狂わされて、顔を隠すように頭をがりがり掻きながら。
逢河雷魚:「……何か手伝う事あるか?」
皆方 アイリ:「あ、じゃあお皿出しといて貰えます?ついでにお茶とかも」
逢河雷魚:「おう」
皆方 アイリ:ちょっと鍋の重さによろつきながらもパスタをざるにあけて、フライパンへ。
逢河雷魚:布巾でテーブルを拭き、棚から食器を並べていく。
皆方 アイリ:パスタのゆで汁で具となじませつつ炒めて、そこに塩コショウとごま油。
逢河雷魚:「……そういうお前は?いるのか、兄姉」
皆方 アイリ:ついでに鷹の爪を軽く散らして彩兼スパイスに。
皆方 アイリ:「んん……」
皆方 アイリ:ほんの一瞬だけ、言いよどむような間があって。
皆方 アイリ:「居ますよ。姉が一人」
逢河雷魚:「……ふーん」その色を感じ取って、それだけ返す。
皆方 アイリ:「ちょこっと歳離れてまして。もうお嫁に行っちゃいましたけど」
逢河雷魚:「……まあ、下がいるようには見えねェな」
皆方 アイリ:「あはは、それめっちゃ言われます」
皆方 アイリ:並べてもらったお皿にパスタを盛り付ける。ついでに冷蔵庫から取って来たプチトマトも添えて。
皆方 アイリ:「はい、かんせ~い」
逢河雷魚:「おお……」
逢河雷魚:素直に褒めるべきかとやや居心地悪そうにしている。
皆方 アイリ:「キャベツと鶏のパスタ、皆方風~。どうぞ召し上がれ~」
皆方 アイリ:その居心地の悪さを知ってか知らずか、君が手を付けるのを待つように見ている。
逢河雷魚:「……ああ」しっかり両手を合わせて。「……いただきます」
逢河雷魚:視線を感じてやや緊張しながら、パスタを口に運ぶ。
逢河雷魚:「……」
皆方 アイリ:「……」
逢河雷魚:しばらく味わい、咀嚼して。「……うん」
逢河雷魚:「……茹で加減もいいし、味も丁度いい」
逢河雷魚:「あー、だから、その……何だ」
逢河雷魚:「……美味いわ」
皆方 アイリ:「……ふふ~」
皆方 アイリ:「久々に作ったんでちょっと心配でしたけど、それなら良かった」
逢河雷魚:「……普通に!普通に美味いって意味だ!」
逢河雷魚:パスタを食べつつ。
逢河雷魚:「あんま調子乗るんじゃねーぞ」
皆方 アイリ:「はいはい~。誉め言葉としていただきます~」
皆方 アイリ:こちらも手を合わせ、いただきます。
皆方 アイリ:「あ、ホントだ。思ったよりちゃんと出来てる」
逢河雷魚:「いやお前な……」
皆方 アイリ:「や、途中でタイムロスしたじゃないですか。あれがちょっと心配で」
逢河雷魚:「……」何の気なしに抱き上げた感触と軽さを思い出してしまい。「そうか」誤魔化すようにお茶を飲む。
皆方 アイリ:「まあでも、流石ママ直伝レシピ。久々でも十分やれますね」
皆方 アイリ:もぐもぐと満足そうに食べている。
逢河雷魚:「それで皆方風か……」
逢河雷魚:「……」パスタを食べながら、少し逡巡して。
逢河雷魚:「……皆方」
皆方 アイリ:「何です?おかわりは流石に無いですよ?」
逢河雷魚:「あ、いや……」自分で口に出したことを一瞬後悔するような間があって。
逢河雷魚:「あー……」
皆方 アイリ:「?」
逢河雷魚:「話したくねえ話題なら、別に言わなくていいんだが」
皆方 アイリ:「はい」
逢河雷魚:「……仲いいのか?姉貴と」
皆方 アイリ:「……そうですねぇ」
皆方 アイリ:「仲良かったですよ。自分で言うのもなんですけど、めちゃめちゃかわいがられてました」
逢河雷魚:「……」それが過去形であることに、僅かに眉を動かす。
皆方 アイリ:「すっごい優しい人でしたから。それこそ、家事当番変わってまでご飯作ってくれたり」
皆方 アイリ:「あれこれ買ってもらったり、遊んでもらったり。勉強とか訓練見てもらうことも多かったですね」
皆方 アイリ:「ま、さっき言った通りお嫁に行っちゃったし、あたしもこっちの支部来ちゃったし」
皆方 アイリ:「最近は全然連絡取ってないです」
逢河雷魚:「……そうか」
逢河雷魚:「ま、そんなもんだろ。兄弟姉妹なんて」
皆方 アイリ:「そんなもんですかねぇ」
皆方 アイリ:「先輩の方はどうなんです?弟さんたちと連絡取ってます?」
逢河雷魚:「……俺も全然取ってないな。時々実家に帰る以外は」
逢河雷魚:「でも、別にそれは弟妹がどうでもいいってわけじゃない」
逢河雷魚:「あいつらなら大丈夫だろうって信頼してるからだ」
逢河雷魚:「ま、中高生にもなれば上に束縛されんのもダルいだろうしな……」
皆方 アイリ:「……ふふ。ま、そうですよねぇ」
皆方 アイリ:「先輩結構過保護そうですし」
逢河雷魚:「どこがだよ……別人と間違えてんじゃねえのか」
皆方 アイリ:「いやぁ、間違ってませんって。先輩、妹が彼氏連れてきたら殴るタイプでしょ」
皆方 アイリ:「殴るまではいかないか?や、でも絶対厳しそ~」
逢河雷魚:「殴るわけねーだろ」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「殴るかもな……」
皆方 アイリ:「ほらぁ」 愉快そうにからからと笑って。
逢河雷魚:「……喧嘩別れしたのでも無いなら、時々はお前から会いに行ってやれよ。喜ぶと思うぜ」
皆方 アイリ:「……ま、喧嘩はしてないですし。そうですね」
皆方 アイリ:「どっかの機会で、一回会いに行きますかねぇ」
逢河雷魚:「そうしてやれ」パスタを食べ終えて。
逢河雷魚:「……ご馳走さまでした」手を合わせる。
皆方 アイリ:「はーい、お粗末さまでしたー」
皆方 アイリ:こちらも食べ終えて手を合わせ。
GM:それと同時にガチャリと鍵の開く音がした。
逢河雷魚:「……空いたか」
皆方 アイリ:「ですね。これでここもクリア、と」
逢河雷魚:「歯磨いてから行くか。洗うから皿貸せ」
皆方 アイリ:「はいは~い。じゃあお願いします」
皆方 アイリ:「あ、そうそう先輩」
逢河雷魚:腕まくりをしながら「何だよ」
皆方 アイリ:「こう、久々に料理して思ったんですけど。やっぱ人が自分の作った料理食べてるの、なんか良いな~って」
皆方 アイリ:「自分一人だと手間のが勝ってやんなくなっちゃうけど、人に食べてもらえるのってそうでもないんですよね」
皆方 アイリ:「だからなんか、なんですかね。ありがとうございます?」
逢河雷魚:「……何だよそれ」少しだけ口元を緩めて。
逢河雷魚:「別に、この程度ならいつでも……」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「や、待て。今の無し」
皆方 アイリ:「無しは無しで~す。聞いちゃったんで取り消せません~」
皆方 アイリ:「いつでも食べてくれるらしいので、次の機会を楽しみにします~」
逢河雷魚:「そんな機会ねえ……!取り消せ……!」
皆方 アイリ:「消せないですね~。いやぁ、楽しみだなぁ~」
GM:鍵はもうとうに開いたけれど、二人が扉を潜るのはもう少し先の話。



GM:ええと、ここから調達が解禁となります。
GM:調達に成功した場合、部屋クリアした時景品的な感じで置いてあることになります。
逢河雷魚:なんと
逢河雷魚:ボディアーマー狙おう
逢河雷魚:2DX+1>=12
DoubleCross : (2R10+1[10]>=12) → 9[3,9]+1 → 10 → 失敗

逢河雷魚:う~ん
逢河雷魚:財産2使って購入、装備して以上!
GM:お見事!では改めてシーンカットで。



【Middle3/箸方邦樹】

GM:では箸方先生、忘れてた一部屋分も含めて登場ダイスをお願いします。
箸方邦樹:はい!
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+17した(侵蝕率:44->61)
箸方邦樹:興奮してんな…
GM:大興奮だ

----

GM:扉を開き再び暗闇を抜けた君。気がつけば白い部屋の中に立っていた。
GM:先ほどと違い何も置かれていないまっさらの部屋。その真ん中にぽつんと立った紅林恵果が、扉の音に振り返った。
紅林 恵果:「あら、先生」
箸方邦樹:「紅林さん! 何もなかった!?」慌てて駆け寄る。
紅林 恵果:「どこで道草を食ってたの?待ちくたびれたのだけど」
紅林 恵果:けろりとした顔の彼女に特段変わったところは見られない。
箸方邦樹:「誘拐犯かな…声だけだったけど、話していたんだ……無事で何より」
紅林 恵果:「そう。なんて言ってた?」
箸方邦樹:「ここを入れて、四つの部屋がある。最後の部屋までいければ帰してもらえるそうだ」
箸方邦樹:「部屋の指示に従うほかはないみたいだ…非力で申し訳ない」
紅林 恵果:「……帰れるの?わざわざ誘拐しておいて?」
箸方邦樹:「うーん、ほとんど会話が通じなかったから確証はないんだが」
箸方邦樹:「たぶん、部屋ごとの指示に従わせること自体が目的なんだと思う……趣味の悪い奴だ」
紅林 恵果:「ふーん……意味は分からないけど」
紅林 恵果:「まあ、金や命目当てじゃないだけマシな部類ね」
紅林 恵果:「そういうことなら、とっととこの部屋の指示もクリアして進むわよ」
箸方邦樹:「うん、ごめんね紅林さん。たぶん協力してもらう必要がある…」看板を探します
GM:部屋の奥にある扉の看板にはこう書かれていた。
お姫様抱っこで一周しないと出られない部屋
箸方邦樹:「お姫様抱っこ……」
紅林 恵果:「幸い、今回のは先生でもこなせるものだから」
紅林 恵果:「任せるわ。早くして」
箸方邦樹:「いつもやってるものね…うん、いいかな」
紅林 恵果:相変わらずぬいぐるみは片手に抱えたまま。君へと空いている手を伸ばす。
箸方邦樹:慣れた手つきで手を差し出し、腰を支えて、持ち上げる。
箸方邦樹:「よいしょ、これで一周すればいいのか」
紅林 恵果:「一周の定義が曖昧だけど。まあ足りなければその分先生が歩けばいい話だもの」
紅林 恵果:「ルートも任せるわ」
箸方邦樹:「紅林さん一人なら軽いもんだ。それじゃあ……」
箸方邦樹:壁に沿って歩き始める。あまり揺らさないように、自然ゆっくりした足取りになる
箸方邦樹:部屋の中を見回すが…真っ白な部屋では見るものも無く、腕の中の紅林さんに目が行ってしまう。
紅林 恵果:特に何を言うでもなく身を任せている。この数年何度も繰り返した作業だから、今更つける文句もない。
箸方邦樹:「え、えっと……紅林さん」沈黙に耐えきれず。
箸方邦樹:「紅林さんは、何かやりたいことってある?」
紅林 恵果:「やりたいこと?」
箸方邦樹:「あ、うん」
紅林 恵果:「……それは何、この部屋での話?将来の話?」
箸方邦樹:「今日は大変だけど、また外に出るときとかさ。やりたいことがあったら付き添うから…」
箸方邦樹:「将来、だね」
箸方邦樹:「もっと体が良くなったら、いろいろできるようになるはずだから」
紅林 恵果:「……」 考えているのか少し黙り込む。
紅林 恵果:「……旅行」
箸方邦樹:「……」
紅林 恵果:「旅行が良いわ。場所はどこでも良いけど」
紅林 恵果:「家では見られないものを見て、家では食べられないものが食べたい」
箸方邦樹:「ああ、それは楽しそうだね」
紅林 恵果:「楽しくなければ困るわ。楽しむために行くんだもの」
紅林 恵果:「旅行ってそういうものでしょう。家では味わえない楽しみのために外に出る」
箸方邦樹:「はは、そりゃそうだ。……うん、きっと紅林さんなら最高の経験が楽しめるよ」
紅林 恵果:「……まるで他人事のような口ぶりね」
箸方邦樹:ずっと外出のできない彼女に、上手く声をかけられない。
箸方邦樹:「……そんなことはないさ、僕の患者だもの」
箸方邦樹:「絶対に楽しい旅行ができるようにするよ。約束する」
紅林 恵果:「そう。なら良いわ」
紅林 恵果:「精々今のうちから良い旅行先を見繕っておいて」
箸方邦樹:「……僕が決めるのかい?紅林さんの旅行なのに…」
紅林 恵果:「ええ。下調べなんて楽しみを減らすようなことしたくないもの」
紅林 恵果:「それに、先生の旅行でもあるでしょう」
箸方邦樹:「そ、そうか……え?」
箸方邦樹:「僕も行くの!?」
紅林 恵果:「……やっぱり行かない気でいたのね」
紅林 恵果:腹立たしそうに眉が寄る。グイ、と手近にある頬をつねる。
箸方邦樹:「イタ…!か、身体が良くなってからの予定だもの…!医者の僕は、いらないだろう」
紅林 恵果:「今の疾患が治ったって、再生力の欠如は変わらないでしょう」
GM:生まれついてのオーヴァードでありながら、オーヴァードとしての基礎能力が欠けた異常個体。それが紅林恵果である。
紅林 恵果:「"万全を期す"のなら。旅先の不測の事態に備えるべきではなくて?」
箸方邦樹:「普通の人ってそれぐらいの再生力なんだけど…」
箸方邦樹:「……参ったね、自分で言ったことだから」
紅林 恵果:「普通の人間の事情なんて知らないわ」
箸方邦樹:「責任は取らなくちゃね…」
紅林 恵果:「私は私だもの。普通なんて知らないし興味もない」
紅林 恵果:「そうしなさい。ひとまず」
紅林 恵果:「無責任な態度に腹が立ったから、明日の分の散歩も付き合いなさい」
箸方邦樹:「…うん、かしこまりました」
箸方邦樹:いつか、叱られながら、二人で見知らぬ土地を歩く姿を想像する。
箸方邦樹:幸福なイメージだ。自分がそれにふさわしいのか、わからないけど。
箸方邦樹:「…ルートは任せてよ」
GM:丁度、歩き始めた地点へと戻ってくる。同時に。
GM:ガチャリと鍵の開く音がした。
紅林 恵果:くい、と掴んだ服を引く。
箸方邦樹:「?」
紅林 恵果:「指示は終わったでしょう。早く下ろしなさい」
箸方邦樹:「あ! ご、ごめん…!」抱えたまま扉を潜るつもりだった。
箸方邦樹:紅林さんをゆっくり地面に降ろします。
紅林 恵果:「先生には一度、私の足がどれだけ良くなったかをよく言い含める必要がありそうね」
紅林 恵果:文句を言いながら下ろされて、自分の足で立つ。
箸方邦樹:「ううーん……頭ではわかってるんだけどねえ」
箸方邦樹:手を差し出す。
紅林 恵果:「全く、出来が良いんだか悪いんだか分からない頭ね」
紅林 恵果:皮肉を零すと、差し出された手を一瞥して。
紅林 恵果:「要らないわ」
箸方邦樹:「えっ」
紅林 恵果:「言葉で足りないなら実戦しかないでしょう」
紅林 恵果:「杖も手も無しで歩いてるところを見れば、少しは覚えていられるんじゃない?」
箸方邦樹:「……ば、万全を…」
箸方邦樹:強い目で見られると何も言えず。
箸方邦樹:「気を付けて……本当に!」
紅林 恵果:「私は私で万全を期してるわ。先生も自分で勝手に期しなさい」
紅林 恵果:君の心配をよそにつかつかと歩き出す。
紅林 恵果:その歩幅は狭く、置いて行かれるほどでもない。だけどしっかりとしたもので。
箸方邦樹:おろおろとしていたが、その足取りを見て。
箸方邦樹:うん、と覚悟を決め、ゆっくりと後ろについていった。
GM:先を行く彼女に続く形で、君は扉を潜る。



GM:ロイスと調達が可能です。
箸方邦樹:紅林恵果/〇尽力/贖罪 → 紅林恵果/〇応援/贖罪 に変更!
箸方邦樹:購入はボデマ!
箸方邦樹:4dx>=12
DoubleCross : (4R10[10]>=12) → 10[2,7,9,10]+2[2] → 12 → 成功

箸方邦樹:ヤッター
箸方邦樹:着ておきます。終了!
GM:出目が良い……では、シーンカット!



【Middle3/桜出石】

GM:それでは最後、桜君!登場どうぞ!
桜出石:はい!
桜出石:1d10+53
DoubleCross : (1D10+53) → 10[10]+53 → 63


----

GM:再び暗闇を抜けた君。気がつけば、次の部屋に立っている。
GM:今までに比べて、随分狭い部屋だ。あるのは大きめのテレビモニターにボックス型のソファとテーブル。
GM:何かよく分からない機械やマイクがあるのも見える。
桜出石:「……」(先ほどとはうって変わって狭い。この部屋は一体……)
GM:そして先ほど姿が見えなかった柳美珠は、何処か居心地悪そうにソファの端に座っていた。
柳 美珠:「い、出石!良かった、無事だったか!」
桜出石:では、姉弟子の姿を見つけると
桜出石:「美珠姉……」ずかずかと近づいて、顔をぺたぺた撫でまわします
桜出石:「……」(うむ。どこにも異常は無さそうだ。……良かった) ぺたぺた
柳 美珠:「な!?」 身を引こうとして、出来ない。ソファのすぐ後ろが壁なのだ。
柳 美珠:真正面に立たれては身の引き先がない。
桜出石:「美珠姉も無事なようで何よりだ。……どうした?顔が火照ってきたように見受けられるが」
柳 美珠:「お、お前が急に障るからだろうが!」 ぺしんと君の両腕をはたく。
桜出石:「??。 そ、そうか。それはすまなかった。……ところで」
柳 美珠:「……お前、普段からこんな真似をしてるんじゃないだろうな」
桜出石:「……こんな真似、とは?」
柳 美珠:「前触れもなく女子の肌に触れたり、べたべた撫でまわしたり」
柳 美珠:「知ってるか。そういうのはセクハラと言って、昨今では訴えられる事例もあるらしい」
桜出石:「なっ!」
桜出石:「次なる敵は国家権力か……」
柳 美珠:「待て、本当にやってるのか!?」
桜出石:「いや、していない。美珠姉だけだ」
柳 美珠:「な、うん。なら、まあ、良いが」
桜出石:「そうか。良いのであれば俺の心配は杞憂のようだ。ところで」
桜出石:「美珠姉。この部屋は何をする部屋か分かるか?」
柳 美珠:「あ、ああ。そこに書いてある通り」
GM:そう言って彼女が指さした先には扉と看板。そこに印されているのは。
カラオケで一曲歌わないと出られない部屋
桜出石:「……カラオケ?」
桜出石:「『カラオケで一曲歌わないと出られない部屋』……」
桜出石:「……美珠姉。カラオケなるものの経験は?」
柳 美珠:「一度だけ。大学の新入生親睦会で入ったことがある」
桜出石:「……そうか。『ぱりぴ』というやつだな」
柳 美珠:「確か、この機械が歌を流すからそれに合わせて歌うという娯楽だったはずだ」
柳 美珠:「いや、ぱりぴとは多分違うぞ。そういう人種は毎週カラオケに行くらしいからな」
柳 美珠:「何故そんなに歌って飽きないんだろうな……」
桜出石:「俺たちの稽古と同じようなものだな」
柳 美珠:「ふむ、なるほど。そういうことか」
桜出石:「大体分かった。だが、1つだけ腑に落ちない点がある」
柳 美珠:「なんだ?」
桜出石:「……なぜ、マイクは2本あるんだ?」
柳 美珠:「ああ、これはデュエットをするとき用だな」
柳 美珠:「それに、一本だと故障したときに替えがないだろう」
桜出石:「確かにその通りだ。ならば、美珠姉」
桜出石:「どの曲にする?」
桜出石:「星辰館高校の校歌などお薦めだが……」
柳 美珠:「私が歌うのか?いや、そもそも校歌があるか分からんが……」
桜出石:「何を言う。2人で歌うに決まっている」
柳 美珠:「2人で。二人で校歌を……?」
桜出石:「……何か問題が?……そ、そうか!」
柳 美珠:大学の親睦会を思い出す。正直、あまりの騒がしさに耳や頭が痛かったし聞いたことのある曲の方が少なかったが。
柳 美珠:なんというか、こう。あまりにかけ離れているような気がする。
桜出石:部屋の照明を落とし、美珠姉の隣に身を寄せるように座る。
柳 美珠:「!?」
桜出石:(そう言えば聞いたことがある。カラオケとは、薄暗い部屋で密着するものらしい)
桜出石:(これが作法なのだな。……どうだ、美珠姉。俺は自分で答えにたどり着いたぞ。これならば文句あるまい)
柳 美珠:(なんだ、次はなんだ!?出石はどういうつもりで明りを消したんだ!?)
柳 美珠:(というより距離が、距離が近い!)
桜出石:(クラスの友人が言っていたのは、あとは……たしか……)
柳 美珠:自分からこの距離に座ったことはあるが、それはちゃんと心の準備を決めて自分からしたことであって。
桜出石:美珠姉の肩に腕を回し、こちらに抱き寄せる
柳 美珠:いきなり近くに座られるのはあまりにも心臓に悪い。
柳 美珠:「ひゃっ!?」
桜出石:「美珠姉……」 (俺はちゃんと出来ているだろうか。カラオケの作法はこれで良いのだな?)
桜出石:暗い室内で、二つの影が重なっている
柳 美珠:「あ、ゃ」 近くで囁かれる自分の名前。
柳 美珠:幼いころから聞きなれている声は、昔に比べて随分低くなった。
柳 美珠:自分を抱き寄せている手だって、もう自分の物より二回りも大きい。
柳 美珠:彼がもう大人になりつつあるのだと。節々から思い知らされる。
柳 美珠:「……う」
柳 美珠:「歌うぞ!歌ってさっさと出るぞ、出石!」
柳 美珠:バッと手から逃れるように立ち上がり、マイクを取る。
桜出石:「分かった」
桜出石:こちらもマイクを手に。 ジャジャーン、とBGMが流れ出す
桜出石:《芸術:歌》で判定
桜出石:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 7[4,7] → 7

桜出石:は、反応に困る数値だ
柳 美珠:こちらも振ろう
柳 美珠:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 9[9,9] → 9

桜出石:さすが経験者!
桜出石:「~~♪」 聞けない程ではないが、特段上手くもない。ところどころ音程がズレたりもしている。要は、可もなく不可もなく、といった程度の腕前だ。
柳 美珠:こちらは、半ば自棄になった勢いか声がよく出ている。迫力がある、とも言い換えられるだろう。
桜出石:「……」その姿を、じっと見つめている。
桜出石:「……ふと、昔のことを思い出した。幼い頃、美珠姉はよく俺に歌を唄ってくれたな」
桜出石:「あの頃と変わらん。俺は、美珠姉の唄う歌が好きだ」
柳 美珠:「なっ」 その言葉に一瞬歌が途切れる。
柳 美珠:「……デュエットなんだろう。出石もちゃんと歌え」
桜出石:「そうだな。美珠姉だけに任せてしまうとは、俺もまだ未熟」
桜出石:「~~♪」ボエー
柳 美珠:「……私だって、出石の歌は好きだ」 歌詞の切れ目にポロリとこぼした言葉は、君に聞こえたかどうか。
桜出石:大音量に掻き消され。
桜出石:少女の言葉は届かない。だが
桜出石:「……こんな事を言うと美珠姉に叱られてしまうかもしれんが。……たまには、こういった休日も悪くないと思ってしまった」
桜出石:「俺もまだ未熟」
桜出石:こちらの声も、大音量に掻き消されるかもしれない。
柳 美珠:お互いに相手の気持ちに気付かないまま。不揃いながらデュエットは進んでいく。
GM:そして曲を歌い終わり。鍵の開く音が響く。
桜出石:「どうやら、この部屋も突破出来たらしい」
柳 美珠:「ああ。どうにかなったみたいだな……あ!」
桜出石:少女の声に振り向く。どうしたというのだ
柳 美珠:「すっかり聞き忘れていた。さっきはどんな部屋に居たんだ?」
柳 美珠:「この扉を潜ったら、先ほどのように別行動になるかもしれない。情報共有はしておくべきだろう」
桜出石:「そうだな。俺は、白く広い部屋に連れ去られた。特段、試練というものは無かったが、ここには俺たちと同じように連れ去られた男女が、他に2組いる」
桜出石:「俺たちを含めて男女3組。先ほどは、その男子たちと同じ部屋に集められた」
柳 美珠:「二組もか……一度に計六人をさらうとは、なかなか大がかりなことをする」
桜出石:「美珠姉はどうだ?どんな部屋だった?」
柳 美珠:「こちらは『相手のことをより深く知らないと出られない部屋』とやらだった」
柳 美珠:「大量の資料が置かれていてな。探してみればお前についての資料があった」
桜出石:「そうか。何が書いてあった?」
柳 美珠:「UGNチルドレンであること、コードネーム、カヴァーとして高校に通っていること」
柳 美珠:「そのくらいか。調べる手段自体は幾らでもあるだろうが、チルドレンであるのが割れているのは少し問題だろうな」
柳 美珠:「それを分かった上でこの犯行に及んでいる。それなりに計画性がある犯行なのかもしれない」
桜出石:ふむ、と逡巡し
桜出石:「問題ない。先ほど伝えた男子2人。彼らがいれば、いかな苦難でも撃ち破れるだろう。」
桜出石:「それに」
柳 美珠:「それに?」
桜出石:「『相手のことを良く知らないと出られない部屋』で得られる情報がその程度であるならば、恐るるに足らん。美珠姉ならば、それ以上のことを既に知っているだろう?」
柳 美珠:「……まあ、そうだな」
桜出石:「俺のことを最も理解しているのは美珠なのだからな」
柳 美珠:「う、うん。まあ」
柳 美珠:勿論、幼馴染として彼をよく知っている自負はあるが。そうも言いきられると少しこそばゆい。
桜出石:「どうした?先を急ぐぞ?」
柳 美珠:「わ、分かってる!」
GM:そして、君たちは部屋を出る。



GM:ロイスと調達が可能です。
桜出石:ボデマ!
桜出石:2dx+2
DoubleCross : (2R10+2[10]) → 8[5,8]+2 → 10

桜出石:財産は無い、、、失敗!
桜出石:以上です!



【Middle4】

GM:ではミドル4、二度目の合流シーンです。
GM:全員登場ダイスをどうぞ。
桜出石:1d10+64
DoubleCross : (1D10+64) → 3[3]+64 → 67

逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+5(1D10->5)した(侵蝕率:72->77)
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+8した(侵蝕率:61->69)

----

GM:三つ目の部屋をクリアした君たち。それぞれ少女と共に扉を潜れば。
GM:その先には、資料が山と積まれた雑然とした部屋。そして見覚えのある顔二つ。
GM:少女たちはまた姿を消している。
GM:扉の上の看板にはこう書かれている。
相手のことをより深く知らないと出られない部屋
逢河雷魚:「……ンだよ、これ」眉を潜めて看板を見上げている。
桜出石:「……どうやら、お互い無事だったようだな」2人に声をかける
箸方邦樹:「桜くん、逢河くん!良かった…」
桜出石:「今までの傾向から見るに、女子たちも恐らくは無事であろう」
逢河雷魚:「ま、ここにいる時点で無事じゃねェがな……」
箸方邦樹:「そ、そうかもね、急いでこの部屋も出ないと……」看板を読む
桜出石:「……この部屋。……なるほど、先ほど美珠姉が言っていた部屋は、ここか」
逢河雷魚:「相手のことを……」先程皆方が持っていた資料を思い出す。
逢河雷魚:「……クソ趣味悪い部屋だな……」
箸方邦樹:「…二人の連れ人は、ここに来てたの?」
逢河雷魚:「らしいぜ。そっちは?聞いてないのか」
箸方邦樹:「……うん、話題にしなかった……」若干顔色が悪い
桜出石:「……どうした?」
逢河雷魚:「ハッ。知られたくないことでもあったか?」
箸方邦樹:「いや…はは、そうかも…。ひょっとしたら、嫌われちゃったかもしれないなあ」苦笑する
逢河雷魚:「ンなもん、本人に確かめてみるしかねェだろ。ここで一人で落ち込むなよ、オッサン」
桜出石:「……心配は不要だ。俺の聞いたところによると、氏名・コードネーム・そして所属程度の情報らしい」
箸方邦樹:「う、うん……なんか励ましてもらっちゃって、悪いなあ…」
箸方邦樹:「ごめんごめん、こっちの話だね。さ、指示に従おう!」
逢河雷魚:「で、要するに」嫌そうに資料の山を叩く。「こん中から探しゃいいって事か?」
桜出石:「……骨が折れるな」
桜出石:山積みの資料を見て辟易する
箸方邦樹:「やるしかないね。他の人が手伝うわけにもいかない」
箸方邦樹:率先して資料の束に向かっていく。
桜出石:「俺たちも続こう」同じく、資料を手に取り出す
逢河雷魚:「ったくクソ面倒くせえ……」ぶつくさ言いつつ資料の選別に掛かる。
GM:では、判定について説明します。
GM:情報項目は1.柳美珠について 2.皆方アイリについて 3.紅林恵果について の三つ。
GM:調べる相手に対してロイスを持っているPCだけが挑戦できます。
GM:難易度は全て8/10/12の三段階。それぞれ得られる情報は簡単なプロフィール/詳細なプロフィール/人に知られたくない秘密。
GM:もし失敗したり更に高い難易度を目指す場合は侵蝕を1d10上げて再挑戦できます。あと再挑戦するたび難易度が全て-3されていきます。
GM:2回目は5/7/9、3回目は2/4/6という感じですね。使える技能は任意の情報もしくは知識。
逢河雷魚:コネと財産は使用可能ですか?
GM:情報収集判定なので両方使用可能とします。どう使ってるか深く考えない方向で。
逢河雷魚:はーい
箸方邦樹:はーい
桜出石:はーい
GM:では、判定どうぞー。
逢河雷魚:皆方アイリについて コネ使用して情報:UGNで判定します
逢河雷魚:4DX+2
DoubleCross : (4R10+2[10]) → 5[2,3,4,5]+2 → 7

逢河雷魚:ウ~~~~ン
逢河雷魚:最低8だもんな 再挑戦しよう
逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+10(1D10->10)した(侵蝕率:77->87)
逢河雷魚:うぎゃ~~~~~
桜出石:興奮してますね
箸方邦樹:興奮してる
逢河雷魚:してない!
逢河雷魚:5DX+2
DoubleCross : (5R10+2[10]) → 9[1,5,6,8,9]+2 → 11

逢河雷魚:OK
GM:二回目なので全抜きですね。開示は全員分終わったらまとめてやります。
桜出石:では、こちらも。柳美珠について
桜出石:情報:UGNで振ります
桜出石:2dx+2
DoubleCross : (2R10+2[10]) → 6[5,6]+2 → 8

桜出石:ぐぐぐ、、、再チャレンジ!
桜出石:1d10+67
DoubleCross : (1D10+67) → 5[5]+67 → 72

桜出石:2dx+2
DoubleCross : (2R10+2[10]) → 10[8,10]+4[4]+2 → 16

逢河雷魚:すごい
桜出石:何でも知ってるぞ
箸方邦樹:おお
GM:やる気がみなぎってる。全抜きですね。
箸方邦樹:いきます! 紅林恵果について 素振り!
箸方邦樹:情報:裏社会しかないな…
箸方邦樹:裏社会で振ります
箸方邦樹:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 10[2,6,7,10]+1[1]+1 → 12

GM:一発!
箸方邦樹:やっぱり知ってるんだよな~
GM:では、順に開示しましょう。

1.柳美珠について
・難易度8
コードネーム:コンプリートコスト。カヴァーとして大学に通っているUGNチルドレン。
本人は高校卒業と同時にエージェントとして勤めるつもりでいたが、支部の勧めもあって進学した。
日本文学科として学びつつ、稽古やチルドレン業務に励んでいる。道場では出石に続く免許皆伝候補と目されている。
・難易度10
身長165cm、体重55kg。18歳。血液型A型。おひつじ座。能力値4/2/2/1。
シンドロームはブラックドッグ/ハヌマーン。電流と高速化の両方を用いた身体強化による移動術と神速の抜刀術が武器。
構えや型は同門である出石と共通しているが、オーヴァードとしての能力や速さに対するアプローチ方法は異なっている。
・難易度12
数年前から幼馴染である桜出石に対しアプローチを繰り返しているが、一向に意識されていないことから自分は恋愛の対象外なのではないかと不安になりつつある。


GM:出石君は以上の情報を手に入れます。

2.皆方アイリについて
・難易度8
コードネーム:ニュートロン・スター。カヴァーとして高校に通っているUGNチルドレン。
性格や普段の態度とは裏腹に、任務に対しては真剣であり優秀な戦闘要員として任務成功率は高い。
誰相手にも友好的かつ積極的に接するため、チーム内の人間関係における間滑油としても評価されている。
・難易度10
身長153cm、体重47kg。年齢16歳。血液型B型。おとめ座。能力値1/2/4/2。
シンドロームはバロール。魔眼による重力操作に長けており、重力によって敵の動きを束縛した上で更に出力を上げて押しつぶすスタイルを取る。
また普段から左手につけている腕時計はレネゲイド増幅装置。回数に制限はあるものの、一時的に増幅出力を跳ね上げることも可能。
・難易度12
普段家族についての話題は避けているが、母子家庭であり少し年の離れた姉が一人居る。姉もUGNチルドレンであったが、数年前に脱走しFHに下った。


GM:逢河君は以上の情報を手に入れます。
逢河雷魚:あっあっあっあっ

3.紅林恵果について
・難易度8
コードネーム:ユア・フェア・レディ。不動産によって名を馳せている資産家、紅林家の一人娘。
ここ数十年で急成長している紅林家がオーヴァードを有したことで、裏世界の事情にまで通じる可能性を疎んだ商売敵によって命を狙われたことがある。
上記の事情と身体の問題から学校に通うことなく家庭教師によって教育を受けている。
・難易度10
身長141cm、体重36kg。年齢12歳。血液型AB型。うお座。能力値1/5/2/1。
シンドロームはブラム=ストーカー/エンジェルハィロゥ/ブラックドッグ。ブラックドッグの発露は遺産の適合によるもの。
エンジェルハィロゥとしての能力もごく微細なもののようだが、能力を行使したこと自体がないためその他の詳細は不明。
・難易度12
主治医である箸方含め誰にも話していないが、エンジェルハィロゥとしての能力を用い他人の感情を読み取ることが出来る。


GM:箸方さんは以上の情報を手に入れます。
箸方邦樹:フゥーーーー
GM:情報及び判定は以上となります。

桜出石:「……どうだ。何か見つかったか?」 ペラペラと資料をめくりながら、2人に声をかける
逢河雷魚:「…………」資料を見たまま、しばらく無言のまま凍り付く。
箸方邦樹:「…こっちは、見つかったよ」
逢河雷魚:「ああ、クソッ……!」がりがりと頭を掻いて。
箸方邦樹:「逢河くん?」
逢河雷魚:「……ふざけやがって」怒気と共に零し、立ち上がり
逢河雷魚:「先行く」それだけ短く言い残して、足早に部屋を後にする。
箸方邦樹:「……」声色に張り詰めたものを感じ、見送る
桜出石:「逢河?待て。今のお前は冷静さを欠いている。いったん落ち着け」 そう言って、こちらも後を追いかけるように部屋を出る
箸方邦樹:「……どうやって、調べたのかな。主治医の僕も知らないのに…」
箸方邦樹:一人残されて、頭をかく。
箸方邦樹:「あー……くそ…っ」
箸方邦樹:視界が狭くなったように感じる。それでも…
箸方邦樹:「約束を守らなきゃ……」
箸方邦樹:引きずるように足を進め、扉を潜る。



GM:ロイスと調達が可能です。
箸方邦樹:紅林恵果/〇応援/贖罪 → 紅林恵果/応援/〇贖罪 変更します…
桜出石:ボデマチャレンジ
桜出石:2dx+2
DoubleCross : (2R10+2[10]) → 5[5,5]+2 → 7

桜出石:無理。以上です。
逢河雷魚:皆方アイリへのN感情を食傷から不安に変更。
逢河雷魚:3DX+1>=12 ボデマ
DoubleCross : (3R10+1[10]>=12) → 7[1,6,7]+1 → 8 → 失敗

逢河雷魚:だめ!以上!
箸方邦樹:ボデマ!
箸方邦樹:4dx>=12
DoubleCross : (4R10[10]>=12) → 10[2,7,9,10]+5[5] → 15 → 成功

桜出石:さすが先生!
箸方邦樹:桜くんにトス!
桜出石:良いんですか!ありがとうございます!
桜出石:装着!
GM:----
柳 美珠:シークレットダイス
皆方 アイリ:シークレットダイス
紅林 恵果:シークレットダイス



【Middle5/逢河雷魚】

GM:では運命の三部屋目。一番手の逢河君、登場どうぞ。
逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+3(1D10->3)した(侵蝕率:87->90)

----

GM:苛立つ心に任せて扉を開いた君。またも一瞬の暗闇が視界を覆って。
GM:着いたのは、中央にベッドが置かれ間接照明で照らされた一室。ベッドには皆方アイリが腰かけている。
皆方 アイリ:「あ、先輩。そっちは今回どうで……」
皆方 アイリ:「どしたんです?そんな顔して」
逢河雷魚:「……皆方」
逢河雷魚:「……」その顔を見て言葉を詰まらせる。
皆方 アイリ:「……」 不思議そうに君の顔を見た後。
皆方 アイリ:「あー、ひょっとして先輩もあの部屋入りました?」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「ああ」ばさり、とベッドに資料を放る。
皆方 アイリ:ひょいと手に取って目を通していく。
皆方 アイリ:「ああ、やっぱり。それですよねぇ」
皆方 アイリ:最後の1ページ。姉についての記載を見て苦笑する。
逢河雷魚:「……」目を伏せて。「……悪い」
皆方 アイリ:「や、気にしないでください…‥って言っても気になりますよねぇ」
逢河雷魚:「……」沈黙が肯定する。
皆方 アイリ:「あー、はは……」 困ったように笑って、視線が彷徨う。
皆方 アイリ:「ホントに、だいじょぶなんですよ。さっきお嫁に行ったって話したじゃないですか」
逢河雷魚:「……ああ」
皆方 アイリ:「あれ、あながち嘘でもないんです」
逢河雷魚:「……。どういう事だ?」
皆方 アイリ:「姉がね、脱走する数か月前くらいからずっとそわそわしてて」
皆方 アイリ:「直接聞いたりしなかったけど、好きな人出来たんだな~って察しはついたんですよ」
皆方 アイリ:「割合分かりやすい人だったんで」
逢河雷魚:「……その相手が、FHだった?」
皆方 アイリ:「そういう感じです。脱走する一週間前くらいかな、なんか重たい顔してて」
皆方 アイリ:「喧嘩でもしたのかなーって思ってたら、置手紙だけ残して。どろんと」
皆方 アイリ:「『あの人のこと放っておけなくなっちゃった。ごめんね』って。いやぁ、我が姉ながらバカな人ですよねぇ」
皆方 アイリ:きつい言葉に、軽い口調に。ちぐはぐだけれど、責める色は乗っていない。
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:こんな時、どう言葉を返していいのか分からない。人を遠ざける言葉ばかり覚えて、寄り添う為の言葉は身に着けてこなかった。
皆方 アイリ:「……ううん。余計に気遣わせちゃいますね」
逢河雷魚:「……どう思ってるんだ、お前は」
皆方 アイリ:「どう、かあ……。どう……」
皆方 アイリ:「……ま、さっき言った通りバカだとは思いますよ。基本UGNの方がFHより生活安定してるだろうし」
皆方 アイリ:「ぜーんぶ投げ捨てていっちゃった訳ですし?苦労してるだろうなぁとか」
皆方 アイリ:「向こうの人をこっちに連れてくるのは出来なかったのか、とか。そういうのもありますし」
皆方 アイリ:「いや、連れてこられても困ったかもなぁ。一発殴りたくなるもん」
皆方 アイリ:「先輩のこと笑えませんね」
皆方 アイリ:へらへらと。普段と変わらず笑っている。
逢河雷魚:「……」その笑顔を見て、逆に顔を顰める。
逢河雷魚:「……好きだったんじゃないのか、姉さんのこと」
逢河雷魚:「本当に気にしてない奴が、あんな誤魔化し方するか?」
皆方 アイリ:「はは」
皆方 アイリ:「好きだったじゃなくて、今も好きなんですよ」
皆方 アイリ:「バカだと思ってるし、怒ってるし、寂しいけど」
皆方 アイリ:「嫌えないんですよねぇ。……話したじゃないですか」
皆方 アイリ:「かわいがってもらってたから。お姉ちゃん子なんですよね、あたし」
逢河雷魚:「……」
皆方 アイリ:ほんの少し、眉が下がって。
皆方 アイリ:「や、話し過ぎましたね」
皆方 アイリ:「部屋出ないとなんでした。先輩、この部屋の指示なんですけど」
逢河雷魚:「逆だろ」
逢河雷魚:遮るように言う。
皆方 アイリ:「……何がです?」
逢河雷魚:「お前は話さな過ぎるんだ」
皆方 アイリ:「話せませんよぉ、こんなこと」
皆方 アイリ:「いや、たった今話しちゃったわけですけど。口滑ったなぁ」
逢河雷魚:皆方は姉が好きだという。その気持ちは本当なのだろう。
逢河雷魚:その姉が何も言わずに、自分を捨てて出ていったとしたら。抱いたその感情がどれ程のものなのか、自分には想像もつかない。
逢河雷魚:「……俺はな」
逢河雷魚:「お前の、いつでも明るいところが好きだ。俺には無い物だからな」
逢河雷魚:「でもお前の、いつでも明るくいようとするところは、反吐が出る」
皆方 アイリ:「矛盾してません?」
逢河雷魚:「……そんな話する時くらい」
逢河雷魚:「笑わなくていいって言ってんだよ」
皆方 アイリ:「……あー」
皆方 アイリ:視線が、少し迷って。
皆方 アイリ:「先輩、ちょっと背中貸してもらえませんか」
皆方 アイリ:「ここ座って」 ぽふぽふと自分の隣を叩く。
逢河雷魚:「……あぁ……?」
逢河雷魚:戸惑いながらも、ベッドに腰を下ろす。
逢河雷魚:「……これでいいのか」
皆方 アイリ:「はい。そのままで居てくださいね~」 靴を脱いでベッドに上がる。
皆方 アイリ:そうして君の後ろに回り、腰に手を回すようにして抱きつく。顔を背中に埋めて。
皆方 アイリ:「このまんまで、ちょっとだけ。話続けても良いですか」
逢河雷魚:「……っ……」おい、と声を上げそうになって、呑み込む。
逢河雷魚:小さく息を吐いて。「……好きにしろ」
皆方 アイリ:「やた。……先輩、さっきの部屋で言ってたじゃないですか」
皆方 アイリ:「放っておけるのは弟たちのこと信頼してるからだって」
逢河雷魚:「……ああ」
皆方 アイリ:「姉がですね。出ていく三日前だったかな、言ってたんですよ」
皆方 アイリ:「『もうすっかり一人でやっていけそうね』って。あたしの作った料理食べて」
逢河雷魚:「……」
皆方 アイリ:「……信頼してるから、放っておけるんなら」
皆方 アイリ:「あたし、一生信頼なんてされたくなかったなぁ」
皆方 アイリ:じわりと。逢河の背中に熱が広がる。
皆方 アイリ:恐らくは、彼女の零した涙がしみ込んで。どんどんと熱が広がっていく。
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:背中にその熱を感じて。
逢河雷魚:「……バカだよ、お前」
逢河雷魚:「心配してほしいなら」
逢河雷魚:「傍に居てほしいなら、そう言えば良かったんだ」
逢河雷魚:「言葉にしないで、強がって、呑み込んでばかりいたら」
逢河雷魚:「……何も伝わらない」
皆方 アイリ:「……ですよねぇ」
皆方 アイリ:「でも、ほら。強がりたいじゃないですか」
皆方 アイリ:「姉に好きな人が出来たんなら応援したかったし。邪魔になりたくなかったし」
皆方 アイリ:「もう中学生だよ!って言いたくなったんですよ。束縛が嫌になるお年頃だったんで」
皆方 アイリ:「束縛って程じゃなかったけど。そう言えば、恋にも積極的になれるかな~とか」
皆方 アイリ:「いやぁ。気遣いも慎みもあって、健気な妹だと思いません?」
逢河雷魚:「……本当に……」瞑目して。「……バカな奴」
逢河雷魚:「……ああ。でも、そうだ。そうだな」
逢河雷魚:「そういう奴だよな、お前は」
逢河雷魚:「……それなら」
逢河雷魚:背中越しにその存在を感じながら。
逢河雷魚:「俺には、俺だけには強がらなくていいし。好きなだけ強がっても、いい」
逢河雷魚:「お前がどうしようと、俺は」
逢河雷魚:「皆方を放っておかない」
皆方 アイリ:「……先輩ってホント」
皆方 アイリ:「お人好しな人ですねぇ」
皆方 アイリ:ぎゅうと、腰に回した手に力がこもる。
逢河雷魚:「……言ってろよ。泣いてるくせに」
GM:それから数分ほど、お互いに無言の時間が続いて。
皆方 アイリ:「……ん。よし」
皆方 アイリ:「もうだいじょぶです。長々とお借りしました」
皆方 アイリ:手を離し、背中から顔を上げる。目元は赤くなっているが、涙の跡はない。
逢河雷魚:「……そうかよ」その顔を見て、それから視線を逸らす。
皆方 アイリ:「大分時間経っちゃいましたし、そろそろ部屋出ないとですね」
逢河雷魚:「ああ。さっさと出るぞ」
逢河雷魚:「……今度は何しろってんだ?」部屋を見回す。
GM:君が見上げた先。扉の上の看板に書かれていたのは。
相手に好かれているところを当てないと出られない部屋
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「あ゛ぁ!?」声を荒げる。
逢河雷魚:「ンだよこれ!」
皆方 アイリ:「いやぁ、捻った部屋作りますね。犯人」
皆方 アイリ:余裕そうな表情。
逢河雷魚:「意味分かんねえ……!いや、つーか……」
逢河雷魚:バッと皆方に目をやる。
逢河雷魚:(こいつに好かれてるところあんのか……?)
皆方 アイリ:「どうしました?」 調子が戻ってきたのか、いつものヘラりとした笑みを浮かべている。
逢河雷魚:「こいつ……さっきまで泣きべそかいてたくせに……」
皆方 アイリ:「ふふ~。さっきはさっき、今は今!です」
皆方 アイリ:「それに、あたし答え教えて貰っちゃってるんで」
逢河雷魚:「あっ……!?お前……!!卑怯だぞ!!」
皆方 アイリ:「いや~。教えてくださいって言ったわけでもないんで、これは無罪ですねぇ」
皆方 アイリ:「純然たるラッキー。日頃の行いの成果ってやつです」
逢河雷魚:「こいつ……皆方……!調子乗りやがって……!」
皆方 アイリ:「先輩が何回目で当てられるか、楽しみですね~」
逢河雷魚:「ハッ……お前の考えることなんてすぐ分かるっての……」
皆方 アイリ:「ほうほう。では早速一回目行ってみます?」
逢河雷魚:「上等だ。さっさと始めンぞ」
皆方 アイリ:「はいは~い、じゃああたしから」
皆方 アイリ:「いつでも明るいところ!」
逢河雷魚:「ぐっ……」
皆方 アイリ:「ううん、開かないってことは両方が当てないと開かない系ですかね?」
皆方 アイリ:なにせ本人の口からきいたので余裕綽々である。
逢河雷魚:「く……俺は……」
逢河雷魚:「……皆方の……?俺……?」
逢河雷魚:「…………」
逢河雷魚:「つ……強いところ」
皆方 アイリ:「ぶぶー」
逢河雷魚:「あぁ!?じゃあ何だよ!」
皆方 アイリ:「や、頼もしいな~とは思ってますよ?でも一番は違いますねぇ」
逢河雷魚:「……背が高いところ!」
皆方 アイリ:「ぶぶ~」
逢河雷魚:「あぁあ!?」
皆方 アイリ:「羨ましくはありますね。あたし背低いんで」
逢河雷魚:「じゃあもうねえだろ……」
皆方 アイリ:「え、マジで言ってます?」
逢河雷魚:「…………?」眉間に皺を寄せて考え込んでいる。
皆方 アイリ:「えぇ……自己評価低いなとは思ってましたけど、ここまで……」
皆方 アイリ:本気かわざとか、若干引いたような顔をしてみせる。
逢河雷魚:「うるせーな……!おい、ヒント無いのかよ。ヒント」
皆方 アイリ:「ヒント~?んん……」
皆方 アイリ:「や、でもこれ言ったら大ヒントだな……もっとこう……」
皆方 アイリ:「……見た目以外。中身の話です」
逢河雷魚:「見た目……以外……?」困惑して。
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「貯金……はそんなにねえし……」
皆方 アイリ:「いや、そこの可能性浮かべられんのあたしも不本意です」
皆方 アイリ:「お金で人好く女に見えます?あたし」
皆方 アイリ:じっとりと冷たい目で君を見上げてくる。
逢河雷魚:「う……わ……分かってるっての……!今出すから待ってろ!」
逢河雷魚:「……声が……低い……?」
逢河雷魚:顔色を伺いながら。
皆方 アイリ:「や、見た目ではないですけど」
皆方 アイリ:「中身とも言えないでしょ、それ」
逢河雷魚:「中身……?中身って何だよ……」
逢河雷魚:「……暗い!」
皆方 アイリ:「ふはっ!」 堪える間もなくという勢いで噴き出す。
皆方 アイリ:「……いや、あの……ふふ。……先輩の中で、先輩って暗い枠なんです……?」
逢河雷魚:「笑ってんじゃねえ……!」
皆方 アイリ:「や、面白いですよ今のは…‥」 震えつつ。
逢河雷魚:「……口が悪い……?荒っぽい……?」
皆方 アイリ:「仮にそこ好きだとしたら、あたしヤバくないです?」
皆方 アイリ:「趣味悪いとかの次元じゃないですよそれ。マゾじゃないですか」
逢河雷魚:「あぁああ……?」困り切った顔。「じゃあ何なんだよ……」
逢河雷魚:「意味分かんねえよ……」
皆方 アイリ:「……仕方ないですねぇ。大ヒント」
皆方 アイリ:「あたしもさっき言いました」
逢河雷魚:「さっき……」
逢河雷魚:「……」考え込んで。
逢河雷魚:「……? …… ……?」ひとつ思い当たりつつも、怪訝そうな顔で首を捻る。
皆方 アイリ:「思いつきません?これ以上のヒントはあたしも出ませんよ?」
皆方 アイリ:「これ以上言うと答えになっちゃいますし……」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「……お人好し……な……ところか……?」自信なさげに言う。
皆方 アイリ:にこりと嬉しそうに笑って。
皆方 アイリ:「ぴんぽ~ん」
GM:同時に、ガチャリと鍵の回る音が響く。
逢河雷魚:「……はぁ……?」全く納得いかない顔。
逢河雷魚:「だから……どこがだよって言ってんだろ……」
皆方 アイリ:「そうですねぇ。悪ぶりたい先輩のためにお教えするんですが」
皆方 アイリ:「後輩に押し切られて買い物に付き合ったり、何かあったときにすぐ人の心配したり」
皆方 アイリ:「ご飯食べるときちゃんと両手合わせていただきますしたり、片づける必要のないお皿を丁寧にスポンジで洗ったり」
皆方 アイリ:「単なる後輩の昔話に本気で胸痛めたり、上着ぐしょぐしょに濡らされて文句ひとつ言わなかったり」
皆方 アイリ:「そういう人のことを、お人好しって言うんですよ」
逢河雷魚:「……は……」
逢河雷魚:「はぁあ……!?」顔を上気させて。
逢河雷魚:「誰がいつそんな……別に……お前……」
逢河雷魚:「……」
皆方 アイリ:「先輩は隠してるつもりらしーですけど、ホントに一切隠せてないですからね」
皆方 アイリ:「マジでなんで悪ぶれてると思ってんのか、あたし割と不思議ですもん」
逢河雷魚:「チッ……ああ……!空いたんだからさっさと行くぞ!皆方!」
逢河雷魚:顔を背けてさっと立ち上がり、逃げるように出口へと歩いていく。
皆方 アイリ:「はいは~い」
皆方 アイリ:いつも通りへらへら笑いながら、それに続く。
皆方 アイリ:「ホントね。そういうとこですよ」
GM:ポツリと呟かれたその言葉を最後に。君たちは部屋を後にする。



GM:クライマックス前最後の調達&ロイスです。
逢河雷魚:えーと……ブルーゲイル
逢河雷魚:3DX+1>=20
DoubleCross : (3R10+1[10]>=20) → 9[2,4,9]+1 → 10 → 失敗

逢河雷魚:ダメ!調達は以上で、
逢河雷魚:皆方アイリのロイスをP反転して 〇信頼 に。
GM:はーい、それではシーンカット。



【Middle5/箸方邦樹】

GM:それでは箸方さん、登場ダイスをどうぞ。
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+8した(侵蝕率:69->77)

----

GM:重い足取りで扉を潜った君。一瞬の暗闇の後。
GM:ベッド一つのみが置かれた薄暗い部屋に辿り着く。そのベッドの上には。
GM:コロンと横たわり、寝息を立てている紅林恵果が居た。
箸方邦樹:「くれっ、紅林さん」どもる。
箸方邦樹:「寝てる……」
箸方邦樹:どんな顔をして会おうと思っていたが……拍子抜けしてしまった。
箸方邦樹:ベッドに歩み寄り、静かに顔を覗き込む。
紅林 恵果:君の心も知らない、安らかな寝顔。
箸方邦樹:いつもの厳しい目つきではない。年相応の少女らしさ。
箸方邦樹:「参ったな……君に責められるつもりだったのに……」
箸方邦樹:「こんなに小さな子に、裁かれようなんて。……恥ずかしいよ」
箸方邦樹:ふう、とため息。気を引き締めるように頭を振って。
箸方邦樹:「紅林さん、紅林さん。起きて」
箸方邦樹:声をかけます。
紅林 恵果:「ん……」 僅かに眉が顰められて。
紅林 恵果:「……先生?」 重たそうな瞼から青い瞳がのぞく。
箸方邦樹:「おはよう、紅林さん。……疲れてちゃった?」
紅林 恵果:「……いいえ」
紅林 恵果:「ひとつ前の部屋で、何か薬を飲まされたのよ」
箸方邦樹:「薬!?」
紅林 恵果:「瓶の中身を飲み干せとかいう指示があって。眠くなったのはその後」
紅林 恵果:「それでも、流石に隙は晒したくないから起きておくつもりだったけど」
箸方邦樹:「大丈夫か!?睡眠薬…!?体に異常はない!?」
紅林 恵果:「……どこかの誰かが遅いから。耐えきれなかったみたいね」
紅林 恵果:「眠気以外には何も」
箸方邦樹:「異常はないか、よかった……そ、それはごめんね」
箸方邦樹:「……遅くなったのは、少し…悩んでしまったんだ」
紅林 恵果:「何を」
箸方邦樹:唾を飲み込む。
箸方邦樹:「紅林さんと……ちゃんと、話せるか」
紅林 恵果:「……どういう意味?話すなんて今まで散々してるでしょう」
箸方邦樹:彼女に、裁かれるつもりはない。きちんと話をするために。
箸方邦樹:「うん……隣、いいかな」ベッドの脇を指して。
紅林 恵果:「好きにしたら」
箸方邦樹:「ありがとう」腰を下ろす。
箸方邦樹:「……紅林さん、僕は君を健康にしたい」
箸方邦樹:「それは……医者としての使命感だけじゃないんだ」
紅林 恵果:「ええ。主治医なんだもの。してもらわなきゃ困るけど」
紅林 恵果:「あら、そうなの」 気のないような返事。
箸方邦樹:「紅林さん。僕は前の部屋で、君の能力について知ったよ」
紅林 恵果:「……」 少しだけ目を見開いて。
紅林 恵果:「誰にも話した覚えはないのに、よく知れたわね」
箸方邦樹:「ああ、この空間の持ち主は恐ろしい奴だよ」
箸方邦樹:「……君は気づいていたんじゃないのかな」
箸方邦樹:「僕は……贖罪のため、君を治療している」
紅林 恵果:「ええ。知ってたわ」
紅林 恵果:「それで。それが何か?」
箸方邦樹:「うん?えっと……何かと言われると……」
箸方邦樹:気丈な態度に気勢を削がれる。
紅林 恵果:「……」 一つ溜息をついて。
紅林 恵果:「ねえ、先生。例えばの話よ」
箸方邦樹:「う、うん」
紅林 恵果:「先生が私に罪悪感も何も抱いてなくて、ただお金目当てで私に治療をしていたのだとして」
紅林 恵果:「私にとって、それと今の何が違うの?」
箸方邦樹:「……」
紅林 恵果:「分からないなら答えてあげましょうか。何も変わらないのよ」
紅林 恵果:「むしろ、単なるお金目当てより今の方が身も入るんじゃなくて?」
紅林 恵果:「それなら、私から言うことも何もない。まあ、辛気臭い色は少し目につくけど」
紅林 恵果:「見慣れた色だもの。今更気にすることでもないわ」
箸方邦樹:「……紅林さん、君は……」
箸方邦樹:ずっと見てきて、誰よりも知っていると思っていたのに。
箸方邦樹:「とても大人だったんだね」
箸方邦樹:何も見えていなかったのは、自分だった。
紅林 恵果:「今更な感想ね」
紅林 恵果:「分かったのなら、今後過度な子供扱いは控えなさい」
箸方邦樹:「うん。今更だ……僕ってやつは、どうも気づくのが遅い」
箸方邦樹:「約束するよ。紅林さんを守るなんて、とても言えそうにないけど」
箸方邦樹:「僕の命に代えても、いつまででも。あなたの隣に、立ってみせます」
箸方邦樹:「……迷惑じゃなければ」困ったように。
紅林 恵果:「主治医なんだもの。勝手に居なくなられる方が迷惑だわ」
紅林 恵果:「目的は贖罪でも何でも、好きにすればいい。精々私のために尽くしなさい」
紅林 恵果:「ちゃんと仕事をするのなら、隣に居るのは許してあげる」
箸方邦樹:「ありがとう、ございます」
紅林 恵果:君の言葉を受け。高慢に、我儘に。薄く笑う。
箸方邦樹:深く首を垂れる。
箸方邦樹:必死に隠した表情は、泣き笑いのようになっているだろう。
箸方邦樹:彼女には筒抜けに違いない……それでも。
箸方邦樹:暗闇より、透明な世界のほうがずっと素晴らしい。
紅林 恵果:「……で、先生。気は済んだ?」
紅林 恵果:「早くこの部屋も出ていきたいんだけど」
箸方邦樹:「……あ、ああ。うん」
箸方邦樹:顔を上げる。
箸方邦樹:「この部屋の指示は……」
GM:見上げた扉の上には、こんな看板が。
30分間膝枕しないと出られない部屋
箸方邦樹:「これ……僕がやったほうがいいよね」
箸方邦樹:ベッドに座りなおして、膝を差し出す。
紅林 恵果:「勿論。それとも何、私の膝を頭に敷く気が少しでもあったの?」
紅林 恵果:当然のように受け入れて、君の膝へと頭をのせる。
箸方邦樹:「えっ……ないよ!ないない!」
紅林 恵果:「でしょうね」
箸方邦樹:「子ども扱いになるかな……って…」
箸方邦樹:そうでなければこちらが膝枕されることになるまでは頭が回っていなかった。
紅林 恵果:「ああ、これ子供にすることなの?」
紅林 恵果:「本では負傷者なり、恋人同士なりでしてるところしか見なかったけど」
箸方邦樹:「そりゃ…家族でもなければ……」
箸方邦樹:「………ぐ、具合はどう?」
紅林 恵果:「硬い」
紅林 恵果:「枕としては3流以下ね」
箸方邦樹:「ごめんなさい…」
箸方邦樹:精一杯脚の力を抜く。
紅林 恵果:「まあ、例の薬のせいでまだ眠気も残ってるし」
紅林 恵果:「30分は我慢して使ってあげるわ。鍵が開いたら起こしなさい」
紅林 恵果:そう言って、もう一度目を閉じる。呼吸が寝息のそれに変わるまで、さほど時間はかからないだろう。
箸方邦樹:「……」
箸方邦樹:自分の罪を明かしたが、想像していたほど気分が良くなるもの…ではなかった。
箸方邦樹:許してもらった、というか。そもそも、そういった尺度に無く。
箸方邦樹:呆気ない、というのが正直なところだ。
箸方邦樹:今後のことはこれから考えるしかない。
箸方邦樹:「都合よく、30分ある」
箸方邦樹:深く眼を閉じた。
GM:鍵が開くまで、彼女が起きるまで。まだしばらくはこの部屋で。



GM:クライマックス前の最後のロイスと調達です。
箸方邦樹:紅林恵果/応援/〇贖罪 → 紅林恵果/〇信頼/贖罪 こうします!
箸方邦樹:あと 誘拐犯/有為/〇憤懣 でとります。ラスト!
箸方邦樹:調達はブルゲかな…
箸方邦樹:4dx>=20
DoubleCross : (4R10[10]>=20) → 9[5,6,7,9] → 9 → 失敗

箸方邦樹:ダメ! 以上です



【Middle5/桜出石】

GM:お待たせしました、最後は出石君!
桜出石:はい!
桜出石:1d10+72
DoubleCross : (1D10+72) → 1[1]+72 → 73


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GM:相河を追いかけ扉を潜った君。しかし、くぐった先に彼は既にいない。
GM:扉の先には何故か部屋の真ん中に置かれたベッドと、これまた何故かムーディーな間接照明。
GM:そしてベッドに腰掛け手持無沙汰そうにしている君の姉弟子が居た。
桜出石:(はぐれたか……逢河のことだから心配は不要だが……)
桜出石:「」
柳 美珠:「ああ。来たか、出石」
桜出石:「美珠姉。……照明は点けた方が良い。こんなうす暗い部屋では目が悪くなるぞ」
柳 美珠:「いや、これで明りが最大なんだ。私も薄暗いとは思うんだが」
桜出石:「そうか。暗闇での鍛錬と思えば良かろう」
桜出石:「ところで美珠姉。この部屋の指令は分かるか?」
柳 美珠:「それなんだが……」
GM:そういった彼女の目線をたどれば、そこにはこんな看板が。
ポッキーゲームをしないと出られない部屋
桜出石:「ポッキーゲーム。ポッキーゲーム……?」 隣の少女の顔を見る。知っているか?
柳 美珠:君の視線を受け、首を振る。
柳 美珠:「ポッキーというのはお菓子のポッキーのことだと思うんだが……それでゲームというのがよく分からん」
桜出石:「『ポッキーゲームをしないと出られない部屋』。くっ、だが、肝心のポッキーゲームが分からん」
柳 美珠:「この通り、実物もあったしな」 と言って。見慣れた赤い箱を君に見せる。
桜出石:「ポッキーを互いに手に取り、打ち合うのではないか……?」
柳 美珠:「それは……ポッキーの強度からして難しくないか?」
桜出石:「そうだな。それに、食べ物を粗末にするわけにもいかん」
桜出石:「どうすれば良いんだ……」 頭を抱えている。
柳 美珠:「分からん……」 こちらも頭を抱える。
GM:そうして君たちが頭を悩ませていると、ガコンという音を立てて看板が入れ替わる。
ポッキーゲームとは1本のポッキーを両端から食べ進めて先に口を離したほうが負けというゲームです
桜出石:「『ポッキーゲームとは1本のポッキーを両端から食べ進めて先に口を離した方が負けというゲームです』」
柳 美珠:「一本のポッキーを、両端から……?」 光景を想像しようとして。
桜出石:淡々と看板の文字を読み上げている
柳 美珠:「……いや、無理じゃないか!?」
桜出石:「……無理?なぜだ?」
柳 美珠:想像の時点でその顔の近さに思わずおののく。
柳 美珠:「いや、だってお前」
桜出石:「お互い、口を離さなければ良いのだろう?」
柳 美珠:「ポッキーって、これだぞ。このくらいの長さしかないんだぞ」
柳 美珠:「それでお互い両端を加えたら、それは」
桜出石:「短期決着になるな」
柳 美珠:(……こいつ、どういうことか本当に分かってるのか……?)
桜出石:「……良し。こんな具合か」 ポッキーを口に咥える。
桜出石:「チョコのついている方は美珠姉に譲ろう。女子だからな。甘いものが好きだろう」
柳 美珠:「や、え」 心の準備が出来ないうちに話が進んでいく。
柳 美珠:(いや、落ち着け私)
柳 美珠:(文面を見るに、両端を咥えさえすればゲームとして成立する。つまり)
柳 美珠:(咥えてすぐに離せば負けはするがゲームも終わる。部屋の鍵も開く)
柳 美珠:(なら、ここは一瞬の恥を忍んでさっさと済ませてしまうのが最善のはず)
柳 美珠:(……出石に任せると何をするか分からないしな……)
柳 美珠:「よし、分かった。行くぞ」
桜出石:「存分に来るがいい」
柳 美珠:恐る恐るという風に唇をポッキーの先に近づけて。
柳 美珠:ほんの少し開いた口元にその先端を咥える。と、ほとんど同時。
柳 美珠:パッと身を引いて扉へと向き直る。
柳 美珠:「さあ、終わった!私の負けだ!」
桜出石:「……」 ふう、とため息をつく。
柳 美珠:「一回は咥えたんだからゲーム自体はした!これでクリアだろう!」
GM:そう叫ぶ美珠の目の前で、再びガコンと看板が切り替わる。
出来れば最低限5cmまでは続けてください
柳 美珠:「なんでだ!!!??」
桜出石:「美珠姉……。真面目にやらんか」
柳 美珠:「指示はこなしただろう!後出しをするな後出しを!」
桜出石:やれやれ、という風に、再びポッキーを咥える
柳 美珠:バンバンと怒り任せに扉をたたく。しかし鍵が開く様子はない。
桜出石:「『最低5㎝まで近づいてください』。……周到なことだ」
柳 美珠:「この、この……!こいつ、本当に……」
柳 美珠:わなわなと怒りに震え、ガチャガチャと取っ手を揺らすが。やはり鍵が開く様子はない。
桜出石:「……仕方ない。美珠姉、失礼するぞ」そう言って、少女を抱き寄せ 
桜出石:腰に手を回します。少女が逃げられないように。せめて、5㎝まで近づくまで逃げられないように。
柳 美珠:「なぁ!?」 怒りで視野が狭くなっていたのか、すんなり抱き寄せられる。
柳 美珠:「ぁ、」 そのまま、彼と目が合って。
桜出石:ポッキーを咥えたまま。少女を見つめ返す
柳 美珠:「!……」 咄嗟に目を閉じる。ぎゅうと強く瞼に力を込めて。
桜出石:「……そうだ、忘れていた」
桜出石:「俺は、美珠姉の事を異性としてちゃんと意識している。だから安心してほしい」 よりにもよってこんな時に、先ほどの部屋で知った秘密を伝えます
柳 美珠:「は」 あまりにも急すぎる言葉に、思わず一度目を開く。
柳 美珠:「なんだ、急に。なにを言って……」
柳 美珠:ふらと視線が彷徨う。誤魔化すための言葉が思い浮かばない。
桜出石:「美珠姉のことを意識している。と言った」
桜出石:「……遠まわし過ぎただろうか?」
桜出石:「す」
桜出石:「好き、という意味だが……」
柳 美珠:「……」
桜出石:鉄の表情に、僅かに朱が灯る
柳 美珠:「…………」
柳 美珠:「…‥‥……ぇ、あ」
柳 美珠:数年ぶりに見た、その顔に。それが本当だと
柳 美珠:いつもの冗談か本気か分からない言葉ではなく。まぎれもない本気だと気づいて。
柳 美珠:「ぁ、わ」
柳 美珠:「わたし、も。出石が好き、だ」
柳 美珠:言えずにいた言葉が、心の淵から零れるように出てくる。
桜出石:「そうか。俺も、美珠姉が好きだ」
桜出石:「美珠姉が俺を意識したのは数年前からと知った。……俺は、物心ついた頃から美珠姉に惚れている」
柳 美珠:「……」 全然気づかなかった。だって、彼はいつも鉄面皮で。
柳 美珠:こっちが決死の思いでアプローチしているのに、いつも平然としてるから。
柳 美珠:「……好きなのは、私だけなんだと思ってた」
桜出石:「そうか。俺も同じ気持ちだった」
桜出石:「はっきりしたことがある。俺は美珠姉が好きで、美珠姉も俺が好き、ということだ。ならば」
桜出石:「どちらの想いが強いか、勝負しかあるまい」
桜出石:そう言って、咥えたポッキーを君に向けるr。決着はこのポッキーゲームでつけよう、と。
柳 美珠:「うん……。……うん?」
柳 美珠:「え。そう、そういうものか!?想いってこう、勝負とかするものか!?」
桜出石:「日々の鍛錬も、思えばこの時のためにあったのかもしれん」
柳 美珠:「本当にそうか!?本当にそのためでいいのか出石!?」
桜出石:「結構。さあ、存分に来い、美珠姉」
柳 美珠:「……ぅ、うぅ」
柳 美珠:出石の言葉通りなら、想ってきた期間は出石の方が長くなる。とはいえ。
柳 美珠:「やってやろうじゃないか!」
柳 美珠:私の方が軽いとか弱いとか。そう思われたらこっちだって不本意だ。
柳 美珠:半ば自棄のつもりでポッキーのもう片側を咥える。
桜出石:カリ カリ カリ カリ
桜出石:ラッセル車のようにぐんぐんと噛み進めていく
桜出石:どんどんと、近づいて行く2人の距離。
柳 美珠:カリ カリ カリ カリ
柳 美珠:こちらも負けじと食べ進めていく。躊躇いを振り切るために目を閉じて。
桜出石:5㎝……4㎝……3㎝……
桜出石:鼻と鼻が触れられる程に近づく。このままでは互いの距離はゼロとなるだろう
柳 美珠:2㎝…1㎝…
柳 美珠:鼻先まで近づいた気配に少し身を固くして、だけど今度は離さない。
柳 美珠:自分から負けを選ぶような真似はもうしない。
桜出石:「……最初の部屋で言ったはずだぞ、美珠姉」
桜出石:「ゲームである以上、敗者には罰が与えられると予想される。そして、罰を受けるのであれば俺だ」
桜出石:互いの距離は僅か数ミリ。自らの意思で、ポッキーをへし折る
桜出石:……その際に。柔らかく、そして暖かいものが、少女の唇に触れたかもしれない。
柳 美珠:「……」 その正体を思い浮かべそうになるが。
GM:ガチャリ。
柳 美珠:扉の鍵が回る音に驚いて、その思考が止まる。
桜出石:「……しまった」 鍵が回る音に気づきもせず
桜出石:「……すまない、美珠姉。唇と唇が触れてしまった。これは、お互い最後まで離さなかった……ゲームとしては引き分けになるのではないだろうか」
桜出石:「つまり」
桜出石:「もう一勝負、する必要があるかもしれん」
桜出石:そういって、再びポッキーを咥えようとする
柳 美珠:「……言っておくがな、出石」
柳 美珠:「私は断じて負ける気がないし、多分お前も同じだろう」
桜出石:「千日手、というやつだな」
柳 美珠:「ああ。何回やろうと結果は同じだ」
柳 美珠:「それと」
柳 美珠:グイ、と耳を掴んで引っ張る。
柳 美珠:「もう鍵は開いてる!勝負の必要もない!」
桜出石:「そうか。ならば、次にこれをやるときは、勝負とは無関係だな」
桜出石:耳を引っ張られながら。ずるずると。
柳 美珠:「……またやるつもりなのか?」
柳 美珠:半分呆れ顔をしながら引っ張っていく。ずるずると。
GM:そうして、君たちは最後の扉を潜る。



GM:最後の調達&ロイスです。どうぞ!
桜出石:調達はブルゲ!
桜出石:2dx+2
DoubleCross : (2R10+2[10]) → 5[4,5]+2 → 7

桜出石:無理!
桜出石:柳 美珠/〇幸福感/恐怖→柳 美珠/〇幸福/恐怖 へ変更します
桜出石:以上です

【Climax】

GM:それではこれよりクライマックス!全員登場です。
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+9した(侵蝕率:77->86)
桜出石:1d10+73
DoubleCross : (1D10+73) → 4[4]+73 → 77

逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+10(1D10->10)した(侵蝕率:90->100)
逢河雷魚:うぎゃ~

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GM:扉を潜り、最後の部屋へとたどり着いた君たち。
GM:そこは今までで一番広く、何も置かれていない空間。
GM:その中に、男が一人立っている。
謎の声:「よくぞ辿り着きましたな。お三方」
桜出石:「その声。お前が今回の首謀者か」
逢河雷魚:「ようやくツラ晒しやがったな」ごきり、と拳を鳴らす。
逢河雷魚:「ブッ殺される覚悟は出来てンだろうな」
箸方邦樹:「ずいぶん手間を掛けさせてくれたね、まあ、僕は感謝したいところもあるけど」
箸方邦樹:「それはそれとして、ツケは払ってもらうよ」
謎の声:「くっくっく……。この家風卓夫、推しカプの為なら手間も命も惜しまぬ男」
家風 卓夫:「とうに覚悟は済んでいるござる……。これからますます殺されそうなことする予定でござるし」
家風 卓夫:後半はぼそぼそと呟くように。
逢河雷魚:「あぁ……?」眉を顰める。
逢河雷魚:「今何つった」
桜出石:「何をするつもりだ……?」
家風 卓夫:「ん、ん!ここが正真正銘最後の部屋!」 仕切りなおすように大声を張る。
家風 卓夫:「この密室を締めくくる最後の指示は!」
GM:ぱちりと指を鳴らすとともに、半ば見慣れた看板が現れる。そこに刻まれているのは——。
ラスボスを倒しヒロインを助け出さないと出られない部屋
逢河雷魚:「ラス……?ヒロ……?」
桜出石:「『ラスボスを倒し、ヒロインを助け出さないと出られない部屋』だな」
箸方邦樹:「……戦えってことなんだよね?」
家風 卓夫:「そう、拙者を倒しヒロインを助け出す部屋でござる」
逢河雷魚:「ヒロイン……?」
桜出石:「……どうした?逢河」
逢河雷魚:「いや、ヒロインって何だよ」
逢河雷魚:「……皆方か?」ようやく思い当たったように。
箸方邦樹:「……大切な人なんじゃないのかい?」
桜出石:「?? それ以外に誰がいるというのだ?」
家風 卓夫:「Exactolyその通りでございます!」
桜出石:「ヒロインとは、お前が大切にし、また、お前のことを大切に想ってくれる娘のことだぞ」
逢河雷魚:「あれがヒロインってタマかよ……」呆れ顔で。
逢河雷魚:「……まあいい。要するにこいつをぶちのめしゃいいんだろ?」
箸方邦樹:「そうそう、難しい事を考えるのは後にしよう」
家風 卓夫:「あ、いや。拙者をぶちのめしていただくのはそうなんでござるけども」
家風 卓夫:「それだけではないというか……うん」
桜出石:「なに……?」
逢河雷魚:「ハッキリ言え。殺すぞ」
箸方邦樹:「助け出すって方か…?」
家風 卓夫:「あー、否!拙者はラスボス!退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」
GM:再び卓夫が指を鳴らす。同時に、彼の横にゲートが開かれ。
柳 美珠:どこか虚ろな瞳をした。
皆方 アイリ:君たちのよく知る少女が。
紅林 恵果:姿を現す。
箸方邦樹:「…紅林さん!」駆け寄ろうとします!
家風 卓夫:「おおっと!」
家風 卓夫:家風が手を振ると同時。君を留めるように柵がせりあがる。
箸方邦樹:「なんだこれ…っ、手は出さないって話じゃなかったのか!?」
逢河雷魚:「…………おい」刺すような殺意を男に向ける。
逢河雷魚:「何した、こいつに」
桜出石:「……」
桜出石:「……どういうことだ?」
桜出石:表情は普段と変わらぬ鉄面皮。だが、全身からは剣気が迸っている
家風 卓夫:「ちょこっと暗示をかけてあるだけでござる。一度解ければ後遺症も副作用もなく」
家風 卓夫:「元通りという寸法で……」
箸方邦樹:「今すぐ解け!」
家風 卓夫:「完全に解くには、拙者を倒していただきましょう」
逢河雷魚:「……言ったはずだ」
逢河雷魚:泥のような重い影が逢河の周囲に噴き出し、纏わりつく。
逢河雷魚:「皆方に妙な真似したら」
逢河雷魚:渦巻く影の中から響く、怒気に満ちた声。
逢河雷魚:「殺す」
桜出石:「…………」
桜出石:「その戯言。首と胴が離れても未だ言えるか、試してやる」
桜出石:刃を構え脱力する。その姿は柳の如く。
箸方邦樹:「約束できたんだ、やっと本心から」
箸方邦樹:懐から試験管を取り出し、割る。黒い液体をどろりと手に零す。
箸方邦樹:「二度も、彼女を裏切らせるなよ…!」
家風 卓夫:「おおう……流石の殺気。拙者もラスボスに相応しい姿へと変わりましょう」
家風 卓夫:Eロイス:妄念の姿を使用
家風 卓夫:その姿と面差しが精悍なものへと変わる。余裕をたたえた笑みを浮かべ。
家風 卓夫:「君たちの思いを持って、この試練を超えて見せろ。こちらも全霊でお相手しよう」
GM:姿を変えた卓夫から、圧倒的なレネゲイドの圧が放たれる。

GM:では衝動判定より再開です。難易度は9、判定どうぞ!
逢河雷魚:7DX>=9
DoubleCross : (7R10[10]>=9) → 9[3,3,4,6,7,9,9] → 9 → 成功

逢河雷魚:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+4[2,2] → 104

箸方邦樹:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 5[1,1,4,5] → 5

箸方邦樹:ダメ!
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+8した(侵蝕率:86->94)
桜出石:3dx>=9
DoubleCross : (3R10[10]>=9) → 8[1,4,8] → 8 → 失敗

桜出石:ダメ!
桜出石:2d10+77
DoubleCross : (2D10+77) → 11[5,6]+77 → 88

GM:では、戦闘開始前に現状の説明を。
GM:現在、ヒロインたちは卓夫の歪んだ囁きによってPCへのロイス感情を書き換えられています。
GM:これが卓夫の言っていたちょっとした暗示ですね。解くためには一度戦闘不能にした上で交渉で難易度9の判定に成功する必要があります。
GM:この判定は距離に関わらず行え、手番は消費しません。
逢河雷魚:こ、交渉……
箸方邦樹:最低一回殴らねばならないのか
桜出石:苦手分野だぜ……
GM:そして、卓夫はEロイス:不滅の妄執で『推しカプが見たい』という願いを持っています。
GM:これの解除条件はヒロイン全員の暗示が解けることです。
逢河雷魚:推しカプが見られるまで死なないってこと……
GM:要は卓夫だけ殴って終わらせることは出来ないという訳ですね。
GM:頑張ってヒロインを説得してください。何か質問などありますか?
桜出石:交渉判定に失敗した場合、ヒロインは復活するのでしょうか。それとも、倒れたままで再度チャレンジ可能?
GM:復活手段は都度違いますが復活します。
逢河雷魚:ひぇ~~~
桜出石:ギャー!了解です
箸方邦樹:大変だ
逢河雷魚:了解です 頑張らなきゃ……
GM:では、質問が無ければ戦闘に移ります。距離関係は以下の通り。
エンゲージ



家風[30] -(5m)- 紅林[12]皆方[8]柳[6] -(5m)- 箸方[11]逢河[8]桜[6]


GM:まずはラウンド1のセットアップ!
桜出石:無しです!
逢河雷魚:なし!
箸方邦樹:なし!
GM:ではこちらは二人動きます。
柳 美珠:疾風刃雷:限界突破Lv2+雷神の降臨Lv2+ロケッティアLv2
柳 美珠:居合いをラウンド2回使用可能に、ラウンド中攻撃力+10、行動値0、ラウンド中最初の移動で好きな場所へ
皆方 アイリ:SN1181:灰色の庭Lv4+コズミックインフレーションLv3
皆方 アイリ:対象:範囲(選択)、ラウンド中対象の行動値-12、対象はPC3人
逢河雷魚:エグッ
GM:行動値をそれぞれ-12してください

柳 美珠:無言のまま、腰に下げた刀へと手をかけ身構える。そしてその周囲を渦巻くように風が吹き始める。
桜出石:「美珠姉……」 その構え。確かに無間一刀流のもの。意識を奪われようとも、染みついた型は彼女に最適な疎きを取らせるだろう
柳 美珠:更に、バチバチと紫電が彼女の手元から弾け始める。さながら、彼女自身が嵐を纏ったかのように。
柳 美珠:侵蝕が昂ったときのみに行える、発電細胞による電撃の発露。柳美珠における最速の構え。
柳 美珠:稽古では到底向けることのない本気を持って、桜出石へと相対する。
桜出石:「……相手になろう」 腰を落とし、鞘に納めた刃に手をかける。暴風となった姉弟子とは対照的に、静寂が周囲を包む。
皆方 アイリ:その横で。君たち三人へと左手をかざす。
皆方 アイリ:同時に。君たちの周囲を丸く切り取るように重力場が発生。その体を、動きを。強制的に押さえつける。
逢河雷魚:「チッ……」顔を顰める。これまで何度も見てきた能力だが、自分の身で受けるのは初めてのことだ。
逢河雷魚:重圧に膝を折りそうになり、意地で踏みとどまる。
逢河雷魚:「皆方……!バカが!目ェ覚ませ!」
皆方 アイリ:沈黙し、答えることはない。
皆方 アイリ:いつの間にか君たちの頭上で輝くのは、皆方アイリの魔眼。星に見立てられた彼女の力の源。
皆方 アイリ:計八つのそれらを持って、君たちの動きを縛り付ける。

GM:それではイニシアチブ。まずは行動値30の卓夫ですが。
家風 卓夫:待機を宣言。

家風 卓夫:手を振ると同時、豪奢な玉座を作り出してそれに腰掛ける。
家風 卓夫:「最後の試練、その行く末を特等席で見届けさせてもらおう」
逢河雷魚:「クソウゼぇ……!」

GM:そして次は行動値12の恵果のターン。
紅林 恵果:マイナーとメジャーでそれぞれコンボを使用
紅林 恵果:あかきくちびるあせぬまに:赤き猟銃Lv5+破壊の血Lv5+追撃の魔弾Lv1
紅林 恵果:命中0/射程20m/攻撃力29の銃を作成、赤き弾によるメジャーを二回行う、HP計7消費
紅林 恵果:あつきちしおのさめぬまに:赤き弾Lv5+コンセントレイト:ブラム=ストーカーLv4
紅林 恵果:攻撃力+10で射撃攻撃、雷神の槌の効果により攻撃力更に+10とダメージに+2d10、HP計5消費、
紅林 恵果:まず一発目は箸方さんへ。
紅林 恵果:8dx7
DoubleCross : (8R10[7]) → 10[1,1,2,4,5,7,7,9]+10[2,5,7]+4[4] → 24

箸方邦樹:暴走リア不!
紅林 恵果:29+10+10+2d10+3d10
DoubleCross : (29+10+10+2D10+3D10) → 29+10+10+8[4,4]+23[7,10,6] → 80

箸方邦樹:当然死!リザレクトします!
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+9した(侵蝕率:94->103)
箸方邦樹:HP9で復活。
紅林 恵果:では、続けて二発目。もう一度先ほどのコンボ。次は侵蝕の低い桜君に。
紅林 恵果:8dx7
DoubleCross : (8R10[7]) → 10[1,1,2,3,3,5,6,9]+10[8]+3[3] → 23

桜出石:暴走リア不!
紅林 恵果:29+10+10+3d10 2d10はシナリオ1回なので無し
DoubleCross : (29+10+10+3D10) → 29+10+10+18[10,5,3] → 67

桜出石:当然無理!リザ!
桜出石:88+1d10
DoubleCross : (88+1D10) → 88+5[5] → 93

紅林 恵果:そして、このコンボによって累計HP消費が17に到達。戦闘不能になりますが——。
家風 卓夫:アクアウィターエLv2。即座にHP17で復活させます。

紅林 恵果:カランと音を立てて杖が倒れる。大した音もなくぬいぐるみが地へ落ちる。
紅林 恵果:それら二つを手放した彼女は、自身の髪飾りを手に取るとその指先を僅かに傷つけた。
紅林 恵果:すると。そこから噴き出した血が見る間に姿を変え、その右腕へと纏わりつく。
箸方邦樹:「紅林さん!やめろ! 君の身体は…!!」
紅林 恵果:同時に、肌の下から浮かび上がるように雷光が光る。かつて彼女に溶け込んだ、古き遺物の証を持って。
紅林 恵果:「……」 何も語ることはない。その瞳は変わらず冷たく。
紅林 恵果:しかし、己の力をふるうことを楽しむように。僅かに唇が弧を描く。
紅林 恵果:バチン。何かが強く弾ける音が響いて。
紅林 恵果:雷を纏った紅き弾丸が、一瞬で二人を撃ち貫く。
箸方邦樹:雷光を見て目を見開く。かつて自身が彼女に適合させた遺産…識別コードは『雷神の槌』。
箸方邦樹:雷に打たれたように、動くことができない。避ける素振りすら見せず弾丸に貫かれる。
桜出石:「……先生。そちらの少女、任せても良いか?」
桜出石:雷光に焼かれ、全身が鮮血に染まる。だが、居合の構えは決して崩さない。己が役目を全うすべく、今はただ、力を溜めている。
箸方邦樹:「…ッ! ……任せてくれ、僕は、彼女の……!」
箸方邦樹:眼に光を取り戻し、強く睨みつける。

GM:続いて行動値8、皆方アイリの手番。
皆方 アイリ:マイナーは無し、メジャーでコンボ。
皆方 アイリ:3C58:インビジブルハンドLv2+暴君の槌Lv6+コンセントレイト:バロールLv3
皆方 アイリ:判定前にRコントローラー使用、ダイスを+5
皆方 アイリ:対象:範囲(選択)、対象が灰色の庭の効果を受けているので攻撃力計20
皆方 アイリ:15dx7+1
DoubleCross : (15R10+1[7]) → 10[1,1,2,2,2,3,6,6,6,7,8,10,10,10,10]+10[3,5,6,7,7,8]+10[2,6,9]+10[7]+5[5]+1 → 46

皆方 アイリ:対象はPC3人、リアクションをどうぞ
桜出石:暴走リア不!
箸方邦樹:リア不!受けます
逢河雷魚:ドッジ!
逢河雷魚:5DX>=46
DoubleCross : (5R10[10]>=46) → 9[4,5,6,8,9] → 9 → 失敗

GM:では、ダメージロール
皆方 アイリ:5d10+20
DoubleCross : (5D10+20) → 37[10,2,7,9,9]+20 → 57

桜出石:消し飛びます!リザレクト!
箸方邦樹:ひえー!死!家風のロイスを消化して復活!
桜出石:1d10+93
DoubleCross : (1D10+93) → 6[6]+93 → 99

逢河雷魚:死!密室に 尽力/〇憤懣 でロイス取得、昇華して復活します
箸方邦樹:箸方邦樹のHPを12にした

皆方 アイリ:SN1181。かつてカシオペア座で起こったと言われる、超新星の名。
皆方 アイリ:寿命を迎えた星々の終焉。そして中性子星という残骸としての再誕。その一幕へとつけられた名だ。
皆方 アイリ:これより起こるのは、その再演。中空に浮く魔眼たちがそれぞれに光を放ち。
皆方 アイリ:小規模な爆発を起こしては二回りほど小さな姿へと変わっていく。
皆方 アイリ:同時、君たちにかかる重力が突如その出力を増す。ただ動きを制限するものからその身を砕き押しつぶすほどに。
逢河雷魚:「ぐ、がッ……」胸のあたりから、骨のへし折れる嫌な音がする。
逢河雷魚:「……どうしたよ皆方……」
逢河雷魚:「そんなもんかよ?全ッ然効かねェぞッ!!」口の端から血を垂らしながら、獰猛な笑みを浮かべる。
桜出石:「ぐっ……!」圧しかかる重力場。両の足を中心に、地面が見る見る内に陥没していく。
箸方邦樹:「……!」 膝をつく。しかし右手は黒い液体を強く握りしめ、標的へと伸ばされたたままだ。
皆方 アイリ:ただ、君たちを見据えている。淡々と事務処理でもこなすかのように能力を行使して。
皆方 アイリ:その左手首にはまった時計の針だけが、出力の限界を訴えるように輝いていた。

GM:では、行動値0。PC優先で三人の手番です。
箸方邦樹:行きます!
箸方邦樹:マイナーでストライクチップ使用。メジャーの攻撃ダイス+2個!
箸方邦樹:メジャーでコンボ「塞穴」。《コンセントレイト》+《アームズリンク》+《ライトニングリンク》
箸方邦樹:目標は紅林さんだ!
紅林 恵果:どうぞ、先生。
箸方邦樹:11dx7+1
DoubleCross : (11R10+1[7]) → 10[1,2,3,5,5,6,6,6,7,9,9]+10[5,9,10]+10[1,7]+10[9]+3[3]+1 → 44

GM:一応ドッジ振りましょう
紅林 恵果:4dx=>44
DoubleCross : (4R10[10]>=44) → 10[1,8,8,10]+1[1] → 11 → 失敗

GM:頑張りましたが流石に。ダメージロールをどうぞ。
箸方邦樹:5d10+1d10+16+7 ダメージ!
DoubleCross : (5D10+1D10+16+7) → 20[4,10,1,3,2]+1[1]+16+7 → 44

箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+8した(侵蝕率:103->111)
箸方邦樹:箸方邦樹のHPを-5した(HP:12->7)
紅林 恵果:公開済みですが、HPは17。戦闘不能。
GM:交渉判定をどうぞ。難易度は9!
箸方邦樹:6dx キミに伝われ!
DoubleCross : (6R10[10]) → 10[4,5,8,8,8,10]+10[10]+9[9] → 29

箸方邦樹:めっちゃ伝わるやん
GM:お見事!では、少しモノローグにお付き合いください。

紅林 恵果:"色"が見えていたのは生まれつきだ。
紅林 恵果:他人の感情、心情。そういったものが色となって目に映る。何色が何を表しているかも感覚で読み取れた。
紅林 恵果:例えば、緑(恐怖)を纏い私を腫物のように扱う侍従たち。
紅林 恵果:例えば、いつからか薄く紫(嫌悪)に霞むようになった父様。
紅林 恵果:例えば、いつ話しても深い藍色(後悔)の底に沈んでいる母様。
紅林 恵果:気が滅入ると思っていたのも最初だけで。その内すっかり慣れてしまった。
紅林 恵果:だってどうしようもない。私に何かあれば首が飛びかねないのは怖いだろうし、何年経っても症状の改善しない娘なんて嫌気も差す。
紅林 恵果:私がどれだけ誰のせいでもないと言ったって、あの人は自分が健康に生んでやれなかったせいだと思い続ける。
紅林 恵果:なら、気にかけるだけ無駄で。実害が無いなら放っておけばいい。
紅林 恵果:先生の藍錆色(罪悪感)だってそう。どうせ母様で見慣れて見飽きた色だ。
紅林 恵果:好きなだけ悩めばいい。好きなだけ悔やんでいい。私に迷惑が掛からないうちは好きにすればいい。
紅林 恵果:ああ、でも。いつかの日。先生を初めてみたあの日。
紅林 恵果:あまりにまっさらで、思わず笑ってしまうくらい。何も知らなくて何も疑ってない、ただ信じている人の色。
紅林 恵果:あの綺麗な白がもう見られないことだけは、少し。……惜しいかもしれない。
箸方邦樹:肉体が潰れ、軋み。流れた血は掌に集められる。
箸方邦樹:「午液」……磁性流体に微弱な電流を流すことで、投擲可能な注射器を作り出す。
箸方邦樹:かつてFHに使われていた頃から、ただ一つ使ってきた、「治療器具」。
箸方邦樹:「チクッと、するよ……!」
箸方邦樹:内部には血液を精製した、意識を覚醒させる薬物。
箸方邦樹:これまで、鍼治療と称して四肢の感覚を取り戻させようとしてきた、今までの「治療」と、ほぼ同じ薬物を。
箸方邦樹:いつものように。いつもより強く。紅林さんへと突き刺す。
箸方邦樹:「目を覚ませっ!紅林さん!! 僕は、君を……!」
箸方邦樹:治してみせる?
箸方邦樹:違う。彼女は僕なんかいなくても、いずれ自身の脚で立つことができる。
箸方邦樹:彼女の傍に立つに、恥じない人間へ。分不相応な願いを。
箸方邦樹:「諦めるな……! 僕は、君を、信じてる!! 恵果さん!!」
箸方邦樹:潰れた喉で、声を張り上げる。
紅林 恵果:血に覆われていた右腕を貫いて。薬物が彼女へと突き刺さる。
紅林 恵果:その時彼女の瞳に映ったのは。藍錆(罪悪感)、深碧(恐怖)、深紅(激怒)、そしてその奥に。
紅林 恵果:「……なんだ」
紅林 恵果:「まだ、そんな色も出来るじゃない。先生」
紅林 恵果:懐かしい、眩しい白に。子供らしく笑って彼女は意識を落とす。
GM:紅林恵果の暗示解除。箸方邦樹へのロイス感情を解放/〇反発→〇信頼/呆れへと修復。
箸方邦樹:「恵果さん…!」 意識はあると判別。駆け寄ろうとする自身を律する。
箸方邦樹:戦闘に意識を向ける。倒すべきジャームを見据えて。
箸方邦樹:「待っててくれ。すぐに終わらせる!」

GM:では次、逢河君が最後だそうですし桜君どうぞ!
桜出石:はい!
桜出石:マイナーで後方10mに移動します。《縮地》
桜出石:99→101
桜出石:《コンセントレイト(ハヌマーン)》+《一閃》+《電光石火》+《バリアクラッカー》
桜出石:姉弟子を攻撃します
GM:OK、判定どうぞ!
桜出石:11dx7+3
DoubleCross : (11R10+3[7]) → 10[2,4,5,5,7,8,8,8,9,9,10]+10[2,2,3,3,7,7,10]+10[2,2,8]+10[10]+10[10]+3[3]+3 → 56

桜出石:オラァ!
GM:うわ、マジか……リアクション行きます
柳 美珠:疾風勁争:切り払いLv1+居合いLv5
柳 美珠:達成値+10、白兵で判定
柳 美珠:7dx+22
DoubleCross : (7R10+22[10]) → 10[1,2,3,7,7,9,10]+5[5]+22 → 37

GM:いやあ、無理!ダメージどうぞ!
桜出石:6d10+25
DoubleCross : (6D10+25) → 35[9,2,2,9,8,5]+25 → 60

桜出石:ガー不装甲無視!
桜出石:侵蝕101→112。
柳 美珠:耐えきれない……戦闘不能!
桜出石:ヤッター!
桜出石:ではちょっと演出。

桜出石:ゆらり、と桜の身体が揺れると、その間が無に帰すように、刹那の拍子で距離が縮まる。
桜出石:path to perfect。その一歩は、完全に至る道筋。踏み込み、軸足、腰、脊髄、肩、腕、手首の返し。それら全てを完全に駆動。
桜出石:切っ先は光を超える。伝光雪下。その剣閃は、舞い落ちる雪すらも両断する一筋の光。
桜出石:「美珠姉。しっかり受け止めろ」
桜出石:姉弟子の刃に刀をぶつけ両断する!武器破壊!
桜出石:その衝撃は、姉弟子を吹き飛ばすことなど造作もないだろう。
柳 美珠:こちらもまた、動いてはいた。彼の踏み込みの速度、癖、タイミング。それらすべてを理解した上で剣を抜き。
柳 美珠:なおも間に合わず。身を守ろうとかざした刃ごと吹き飛ばされる。

GM:では、交渉判定をお願いします。難易度9!
桜出石:はい!
桜出石:4dx>=9
DoubleCross : (4R10[10]>=9) → 7[2,6,7,7] → 7 → 失敗

桜出石:ロイスを斬ります
桜出石:達成値を追加したいのですが宜しいでしょうか?
GM:その即断の意気や良し。どうぞ。
桜出石:では、卓夫に 有意/〇憤懣 でロイスを取ってタイタス昇華
桜出石:7+1d10
DoubleCross : (7+1D10) → 7+1[1] → 8

桜出石:www
桜出石:もう1個きってもいいですか!
GM:良いですよ!
桜出石:では、初期ロイスのNo1を斬って、さらに追加振り!
桜出石:1d10+8
DoubleCross : (1D10+8) → 7[7]+8 → 15

桜出石:シャオラッ!
GM:お見事!では、モノローグへ。

柳 美珠:元々、道場に通い始めたのは大した理由ではなかった。
柳 美珠:単にお転婆な子供だったから、なにか体を動かす習い事でもさせようかと。父に連れられて来ただけだ。
柳 美珠:幸い性には合ったけれど、別段強くなりたい理由や必要があったわけではない。
柳 美珠:ただ体を動かすのが楽しいとか、褒められるからとか。そんな理由で竹刀を振っていた。
柳 美珠:でも。出石と出会い、同門として肩を並べるようになってからは変わった。
柳 美珠:ほんの一か月の差で姉ぶって。ほんの一年の差で先輩ぶって。彼より強くありたくなった。
柳 美珠:格好つけたくて。追い抜かれたくなくて。今より強くなりたくなった。
柳 美珠:でも。
柳 美珠:出石は私より速く、そして強かった。体格も実力も追いつかれ、その内に追い抜かれた。
柳 美珠:いつの間にか、免許皆伝まで言い渡されて。稽古で手加減されるほどに私たちの差は広がった。
柳 美珠:なあ、出石。お前どこまで行く気なんだ。どこに行くつもりなんだ。
柳 美珠:私はまだ、お前の隣に居るか?お前の隣に立てているのか?
柳 美珠:最近ずっと、お前が遠く思えるんだ。
柳 美珠:私は、お前と並ぶには遅すぎるんじゃないかって。
柳 美珠:ああ、また——。
桜出石:……物心ついた頃から、少女と一緒だった。
桜出石:その少女は凛々しく、聡明で、心優しく。気づけば心を奪われていた。
桜出石:剣の腕を磨いたのも、至極単純な理由。男として、誰よりも強かった少女と肩を並べ。守りたいと思ったからだ。
桜出石:俺がどこまで行くのか。俺がどこに行くつもりか。……そんなもの、決まっている。
桜出石:……つかつか、と、吹き飛んだ少女へと近づき、膝を屈める。目線を少女と合わせ
桜出石:ぽんっ。 掌を少女の頭に乗せる
桜出石:「……帰るぞ、美珠姉。俺たちの道場に」
柳 美珠:「……うん」
柳 美珠:その掌の温度に安堵したように。彼女もまた、意識を落とす。
桜出石:……少女を抱き留め、ゆっくりとその場に横たわらせる
桜出石:(先生も俺も。己の為すべきことをやった。次はお前の番だ、逢河)

GM:柳美珠の暗示解除。桜出石へのロイス感情を憧憬/〇恐怖→〇慕情/不安へと修復。
GM:では最後、逢河君手番をどうぞ!
逢河雷魚:マイナーで≪白熱≫+≪原初の青:完全獣化≫
逢河雷魚:メジャーで≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪シャドーテンタクルス≫+≪原初の白:神獣撃≫
逢河雷魚:対象は皆方アイリ!
逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+10した(侵蝕率:104->114)
逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+7した(侵蝕率:114->121)
逢河雷魚:11DX7+3
DoubleCross : (11R10+3[7]) → 10[2,3,4,4,5,7,9,10,10,10,10]+10[5,6,6,8,9,10]+10[6,7,9]+10[7,7]+10[5,7]+4[4]+3 → 57

GM:皆めちゃくちゃ回すなあ、さっきから!ダメ元ドッジ!
皆方 アイリ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 10[3,7,8,10]+2[2]+1 → 13

GM:無理!ダメージどうぞ!
逢河雷魚:ダメージ!
逢河雷魚:6D10+13+9D10 装甲有効
DoubleCross : (6D10+13+9D10) → 37[8,3,8,1,8,9]+13+59[2,7,4,8,8,3,8,9,10] → 109

GM:最大HP26になんてことするんですか。戦闘不能!
GM:先に交渉判定も行きましょう、難易度9
逢河雷魚:うおーっ
逢河雷魚:4DX+1>=9
DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 9[7,7,8,9]+1 → 10 → 成功

逢河雷魚:やった!
GM:お見事。ではモノローグ入ります。

皆方 アイリ:(……あれ。あたし、何してたんだっけ)
皆方 アイリ:意識に靄がかかったようで、直前までの記憶が判然としない。
皆方 アイリ:気が付けば見知らぬ部屋に居て、臨戦態勢の誰かが前に立っている。
皆方 アイリ:(あ、任務か。ならマジメにやんないと)
皆方 アイリ:即座に魔眼を展開する。もうとうに慣れたルーティーンだ。
:『裏切り者の妹だろう?信頼できるのか?』
皆方 アイリ:(流石に、あんなこともう言われたくないし)
皆方 アイリ:(仕事はマジメにやっとかないとね)
:『あれだけ姉に懐いてたんだ。あいつもその内出ていく手筈なんじゃないか?』
皆方 アイリ:自分でも思い出したはずの言葉が脳内で反響して、お腹の奥をかき混ぜられたような気持ちになる。
皆方 アイリ:(なんか今日、調子悪いな。マズいかなぁ)
皆方 アイリ:衝動が普段より強いのかもしれない。まだ、一人も倒せていないのに。
:『なんだ、本当にただ一人で逃げだしただけだったか。……哀れなもんだな、あいつも』
皆方 アイリ:嫌になる。レン姉のこと何も知らないくせに、好き勝手言う人も。あたしのこと何も知らないクセに、一緒にする人も。
皆方 アイリ:嫌になる。さよならさえ言わずに出ていっちゃったレン姉も。その知らせに困ったように笑っただけだったママも。
皆方 アイリ:(侵蝕上がり過ぎてる?早めに切り上げて撤退した方が良い?)
:『FH相手に手は抜いてくれるなよ?たとえご自慢の姉だったとしてもな』
皆方 アイリ:言い返したってますます印象悪くなるだけだからってへらへら笑って。結局気を使ってもらった転属指令に乗っかって逃げ出して。
皆方 アイリ:バカだと思ってるレン姉のこともママのことも嫌いになれずにしがみついて。大好きなはずのレン姉とママをバカだって見下して。
皆方 アイリ:(……弱いな、あたし)
皆方 アイリ:嫌になる、なぁ。
逢河雷魚:逢河の全身から、黒く重い、泥のような影が噴き出す。
逢河雷魚:それは貪欲という言葉が形を成したような、牙を備えた無数の大顎を形作り。断末魔めいた不吉な咆哮をあげる。
逢河雷魚:「皆、方……」うごめく黒泥の中から、声が響き。
逢河雷魚:頭上に輝く“魔眼”目掛け、影が殺到する。
皆方 アイリ:重力が増す。影を地に縛り付けようと星が瞬く。
逢河雷魚:それでも、止まらない。獲物に喰らい付く獣が如く、大顎たちが星々を貪り、喰らい、呑み込む。
逢河雷魚:「……皆方ぁッ!」
逢河雷魚:一際巨大な影が伸び、巨大な口を開いて皆方を丸呑みにし。
逢河雷魚:ぺっ、と無造作に、逢河のもとに無傷で吐き出す。
逢河雷魚:「……皆方、おい!」屈み込んで揺さぶり、軽く頬を叩いて。
逢河雷魚:「目ェ覚ませ、皆方!」
皆方 アイリ:「……」 答えない。虚ろな瞳で、僅かに君を睨み上げ。
皆方 アイリ:能力の源を失ってなお。戦意を失ってはいない。
逢河雷魚:「……っ……」
逢河雷魚:知っている。笑顔の裏にある彼女のその意思の強さ……頑なさを。
逢河雷魚:「ああ、クソッ……!」
逢河雷魚:影が霧散する。両手を広げて。
逢河雷魚:皆方を強く抱き締める。
逢河雷魚:折れた骨が軋み、全身に激痛が走る。それでも力は緩めず。
逢河雷魚:「……起きろって、言ってんだろ……」
逢河雷魚:「……アイリ……!」
皆方 アイリ:(……あれ) 気が付くと。覚えがある体温に包まれていた。
皆方 アイリ:大体、自分からくっついては嫌そうに眉を顰められて、でも本気で引っぺがそうとはしない人の温度。
皆方 アイリ:見上げれば、なんだか苦しそうに歪んだその人の顔があって。
皆方 アイリ:「……どうしたんですか、先輩。そんな、苦しそうな顔して」
皆方 アイリ:「似合いませんよ。そういう顔」
皆方 アイリ:こっちが笑っちゃうくらいお人好しなんだから。先輩も笑ってればいいのに。
皆方 アイリ:意識がゆらりと遠のいて。伸ばした手が、顔に触れることなく落ちる。
皆方 アイリ:「笑いましょーよ、先輩も……」
皆方 アイリ:ポロリとそれだけ零して、彼女もまた意識を落とした。
逢河雷魚:「……ゴホッ……」
逢河雷魚:その声を聞いて。血混じりの咳をして、ようやく力を緩めて。後輩をそっと寝かせる。
逢河雷魚:「……うるせえよ、バカ」
逢河雷魚:「……心配かけやがって」誰にも聞こえないように、小さな声で呟いた。

GM:皆方アイリの暗示解除。逢河雷魚へのロイス感情を忘却/〇敵愾心→〇幸福感/逃避へと修復。
GM:それでは最後、待機していた卓夫の手番ですが。

家風 卓夫:「素晴らしい……。ああ、本当に。君たちを招いて良かった」
家風 卓夫:噛みしめるように呟き、動かない。

GM:このラウンドは手番を放棄します。
GM:ラウンド1終了、クリンナップを挟みラウンド2へ。
GM:ラウンド2のセットアップ。PCは全員無しなのでこちらだけ。
家風 卓夫:爆裂重力Lv4
家風 卓夫:ラウンド中攻撃力+80、被ダメで解除
逢河雷魚:なんだとぉ……
GM:そして、そのまま卓夫の手番!
箸方邦樹:また放棄して~
家風 卓夫:コンセントレイト:モルフェウスLv3+砂の刃Lv2+ギガノトランスLv2+エクスプロージョンLv3
家風 卓夫:攻撃力+12、ガード値-5、シーン(選択)
家風 卓夫:PC全員を対象に攻撃!
桜出石:くっ!暴走リア不!
家風 卓夫:13dx7+5
DoubleCross : (13R10+5[7]) → 10[1,3,4,5,6,7,8,8,9,9,9,10,10]+10[1,4,4,5,6,6,8,8]+6[1,6]+5 → 31

箸方邦樹:リア不!
逢河雷魚:ドッジ!
逢河雷魚:5DX>=31
DoubleCross : (5R10[10]>=31) → 9[1,5,8,8,9] → 9 → 失敗

家風 卓夫:80+12+4d10
DoubleCross : (80+12+4D10) → 80+12+21[2,8,5,6] → 113

箸方邦樹:死!親のロイスをタイタスにして昇華! HP12!
桜出石:死にます!初期ロイスNo2を昇華復活!
逢河雷魚:家風卓夫に感服/〇憤懣 でロイス取得、昇華して復活します
逢河雷魚:よくここまでやるな……の感服
桜出石:ww
箸方邦樹:w

家風 卓夫:「——さて。仮にもラスボスを名乗った身だ」
家風 卓夫:「一度くらいは脅威ぶって見せるとしようか」
家風 卓夫:彼が手を上げると同時、空中に幾つもの武器が錬成されていく。
家風 卓夫:剣に、槍に、斧に、矢に。その一つ一つ全てが致命になりうる力を秘めて。
家風 卓夫:彼が手を下すと同時。理外の斥力を持って発射され、君たちへと降り注ぐ!
逢河雷魚:影を貫かれ、鮮血が散い。だが苦痛よりも憤怒の表情で笑う。
逢河雷魚:「ク、ハハッ……!上等じゃねェーか……!」
桜出石:迎撃を試みるべく刀を振るう。降り注がれる刃は、次々とへし折られ積み重ねられる。だが、雨を全て避けきることなど不可能であるように、その圧倒的物量の前に全身を貫かれる
桜出石:「ごふっ……」 血を吐くも、その瞳からは光が消えていない
箸方邦樹:「ごあっ……!」大質量に弾き飛ばされ、意識が飛ぶ。
箸方邦樹:しかし、自身の肉体に「午液」を突き刺していた。瞬時に覚醒。
箸方邦樹:「家で教わった薬に、感謝するときが来るとはね…!」液状に戻った「午液」を再び握りしめる。

GM:では、次は行動値11に戻った箸方さんから。
箸方邦樹:うおー!マイナーでストライクチップ使用!
箸方邦樹:メジャーでコンボ「塞穴」。《コンセントレイト》+《アームズリンク》+《ライトニングリンク》
箸方邦樹:対象はもちろん家風! 
箸方邦樹:11dx7+1
DoubleCross : (11R10+1[7]) → 10[1,2,3,3,4,4,4,5,6,6,7]+5[5]+1 → 16

箸方邦樹:ええ…
家風 卓夫:ドッジ
家風 卓夫:4dx=>16
DoubleCross : (4R10[10]>=16) → 8[1,1,4,8] → 8 → 失敗

GM:ワンチャンあったのにな……失敗!
箸方邦樹:やった、ダメージ!
箸方邦樹:2d10+1d10+16+7
DoubleCross : (2D10+1D10+16+7) → 9[1,8]+7[7]+16+7 → 39

箸方邦樹:諸々有効!
家風 卓夫:素通しで受けますが、まだ倒れません
箸方邦樹:《コンビネーター》の効果で、ダメージを与えた対象がラウンド中に受けるダメージロール+2D!
箸方邦樹:箸方邦樹の侵蝕率を+8した(侵蝕率:111->119)
箸方邦樹:箸方邦樹のHPを-5した(HP:12->7)

箸方邦樹:「家風卓夫。 ……僕とお前は、似ていると思う」
箸方邦樹:苦無のような形状の黒い注射器を形成する。
箸方邦樹:箸方邦樹の能力は、ソラリスが中心だ。ブラックドッグの発電細胞は、そこまで強くはない。
箸方邦樹:だが、その細胞を無理やりに”覚醒”させることは。ずっとやってきた「治療」に大差ない。
箸方邦樹:「自分だけの理想を追い求めて、他人様の感情に甘えて」
箸方邦樹:「……そして、何も見えてない。僕そっくりで……イラつくんだよ!」
箸方邦樹:強化された電磁力で加速、投擲!
家風 卓夫:避ける素振りもせず、ただ受け入れる。クツリと笑った口の端から血が一筋垂れていく。
箸方邦樹:突き刺さった「午液」からは、感覚を過剰強化する覚醒剤がオーバードーズされる。
箸方邦樹:強すぎる視覚は返って知覚力を奪い、痛覚を大きく高ぶらせる。
箸方邦樹:「…少しは人の痛みに敏感になれ! 馬鹿野郎!」
家風 卓夫:「……ふふ。痛み、か」
家風 卓夫:「生憎と。それすら最早萌えの一種としてしか捉えられなくてな」

GM:次は行動値8、逢河君!
逢河雷魚:マイナーで≪原初の青:完全獣化≫+≪原初の黒:ライトスピード≫
逢河雷魚:2回メジャーアクションを行います
逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+14した(侵蝕率:121->135)
逢河雷魚:≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪シャドーテンタクルス≫+≪原初の白:神獣撃≫
逢河雷魚:11DX7+3
DoubleCross : (11R10+3[7]) → 10[4,4,5,5,6,7,7,8,9,10,10]+3[1,1,1,2,2,3]+3 → 16

逢河雷魚:ええっ
家風 卓夫:ドッジ!
家風 卓夫:4dx=>16
DoubleCross : (4R10[10]>=16) → 6[1,4,5,6] → 6 → 失敗

逢河雷魚:こわ~~~
GM:くっ、肉体はもやしなせいで……
逢河雷魚:ダメージ!
逢河雷魚:2D10+13+9D10+2D10
DoubleCross : (2D10+13+9D10+2D10) → 7[1,6]+13+53[8,2,7,2,7,3,8,10,6]+10[6,4] → 83

家風 卓夫:ハチャメチャに痛い!が、まだ残る!
逢河雷魚:もう一度≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪シャドーテンタクルス≫+≪原初の白:神獣撃≫
逢河雷魚:12DX7+3
DoubleCross : (12R10+3[7]) → 10[1,1,2,3,4,4,7,8,10,10,10,10]+10[1,3,6,8,9,10]+10[6,7,8]+10[7,10]+10[6,10]+5[5]+3 → 58

逢河雷魚:今度は回った
家風 卓夫:一応ドッジ
家風 卓夫:4dx=>58
DoubleCross : (4R10[10]>=58) → 9[3,4,7,9] → 9 → 失敗

逢河雷魚:ダメージ!
逢河雷魚:6D10+13+9D10+2D10
DoubleCross : (6D10+13+9D10+2D10) → 36[5,3,10,8,4,6]+13+52[7,10,5,4,7,4,1,9,5]+11[2,9] → 112

逢河雷魚:逢河雷魚の侵蝕率を+14した(侵蝕率:135->149)
家風 卓夫:流石に死ぬ!ので蘇生復活Lv1!HP1で復活!

逢河雷魚:再び影が形を成す。大魚、あるいは大蛇の頭めいてのたうつ、無数の大顎。
逢河雷魚:「テメェに加減してやる気はねえ」
逢河雷魚:無数の首が牙をかちかちと打ち鳴らし、敵を敵でなく、獲物として見据える。
逢河雷魚:「俺を本気でキレさせたこと」
逢河雷魚:「地獄で後悔しろ」
逢河雷魚:大顎の群れが、全方位から男に殺到する。
逢河雷魚:咆哮と共に、貪欲に、我先にと奪い合うように。その肉体に醜悪な牙を突き立て、喰らい付き、噛み千切る。
家風 卓夫:食い散らされ、無残な屍となり果てる。しかし、
家風 卓夫:執念か、妄執か、あるいは両方か。その体になってなお、動こうとする。
逢河雷魚:「桜ァ!片付けろ!」家風を見据えたまま、そちらを一瞥もせずに叫ぶ。
桜出石:「任された」

GM:最後、行動値6の出石君。どうぞ
桜出石:はい!
桜出石:マイナーで《縮地》!
桜出石:112→114
桜出石:《コンセントレイト(ハヌマーン)》+《一閃》+《電光石火》+《バリアクラッカー》
桜出石:11dx7+3
DoubleCross : (11R10+3[7]) → 10[1,2,3,3,3,4,4,5,7,9,10]+10[3,9,9]+5[3,5]+3 → 28

桜出石:卓夫を攻撃!
桜出石:114→125
桜出石:リアクションどうぞ!
家風 卓夫:最後まであがきましょう、ドッジ!
家風 卓夫:4dx=>28
DoubleCross : (4R10[10]>=28) → 5[1,2,3,5] → 5 → 失敗

桜出石:3d10+25+2d10
DoubleCross : (3D10+25+2D10) → 14[5,4,5]+25+11[8,3] → 50

家風 卓夫:HP1では耐えられるはずも無し。戦闘不能、復活も無し!

桜出石:戦友からの声を受け、走り抜ける。
桜出石:卓夫と交差。互いがすれ違う。
桜出石:チ ン ッ
桜出石:匕首の音が、室内に静かに響く。卓夫には、一見、何の変化も見受けられない。
家風 卓夫:「……君たちは皆、素晴らしい推しカプだった」
家風 卓夫:「その輝きを目にできたこと、勝手ながら礼を言わせてくれ……。ありがとう」
桜出石:「……先ほど言ったはずだな。その戯言、首と胴体が離れても未だ言えるか試してやる、と」
桜出石:ズ
桜出石:  ズ
桜出石:    ズ
桜出石:    ズ
桜出石:      ッ!!
桜出石:past perfect(過去完了形)。卓音の首は、既に斬られていた。
桜出石:刃を鞘に戻し、残心。
家風 卓夫:満足げな笑みを浮かべたまま、首は床へと落下して。
家風 卓夫:同時に、空間が砕け散るように。周囲は暗闇へと包まれた。

GM:戦闘終了です。お疲れさまでした。
箸方邦樹:やったー!
桜出石:勝利!
逢河雷魚:やった~



GM:では、バックトラックと経験点配布だけ済ませてしまいましょう。
桜出石:はーい!
箸方邦樹:わいわい
GM:今回のEロイスは虚実崩壊、歪んだ囁き、傲慢な理想、妄念の姿の4つです。
GM:振って良し振らずとも好し。各々ダイスをどうぞ!
逢河雷魚:勿論振る!
逢河雷魚:149-4D10
DoubleCross : (149-4D10) → 149-18[6,3,3,6] → 131

桜出石:振ります!
桜出石:125-4d10
DoubleCross : (125-4D10) → 125-26[6,6,4,10] → 99

箸方邦樹:うーん、振っちゃお!
箸方邦樹:119-4d10
DoubleCross : (119-4D10) → 119-14[6,2,5,1] → 105

逢河雷魚:131-8D10 2倍振り
DoubleCross : (131-8D10) → 131-38[6,4,7,7,6,2,3,3] → 93

逢河雷魚:帰還!
桜出石:1倍
桜出石:99-4d10
DoubleCross : (99-4D10) → 99-15[4,5,3,3] → 84

桜出石:帰還!
箸方邦樹:1倍
箸方邦樹:105-4d10
DoubleCross : (105-4D10) → 105-23[2,8,5,8] → 82

箸方邦樹:帰還!
GM:皆様無事生還!お疲れさまでした!
桜出石:ウォウウォウ!
GM:経験点は、いつものが5点、シナリオクリアで5点。
GM:そこにEロイス4つと、Dロイスが卓夫の記憶探索者、皆方の秘密兵器、恵果の遺産継承者で3つ。
GM:しめて17点に侵蝕分が今回の経験点となります。
逢河雷魚:20点!
箸方邦樹:22点!いただきます!
桜出石:22点!
GM:なら全部足して62点を3で割って、21点かな。GMもいただきます。
逢河雷魚:美味しい~
桜出石:もぐもぐ
箸方邦樹:うめ うめ



【ED/箸方邦樹】

GM:あの後。一瞬の暗闇を抜けた君たちはいつの間にか元居た場所、つまり紅林家の庵の廊下に立っていた。
GM:卓夫の言葉の通り、目を覚ました恵果に異常は見られず。彼女の強固な主張もあって、散歩のやり直しをする運びとなる。
GM:そして、普段より随分と遅くはなったが。約束通り、行きつけとしている喫茶店へと足を運んでいた。
箸方邦樹:「…今日は災難だったねえ」紅茶に口をつける。
紅林 恵果:「全くね。ただケーキを食べるだけにこんなに手間取るなんて」
紅林 恵果:目の前に置かれたモンブランを小さく削り、口へと運ぶ。
箸方邦樹:「本当にね。迷惑な奴がいるものだよ」
紅林 恵果:あからさまに口元が緩むようなことはないが。彼女がケーキと呼ぶのはもっぱらこの店の物であると君なら知っているだろう。
紅林 恵果:「あれがジャーム、とかいうものなの?噂には聞いたことあったけど」
紅林 恵果:「あれだけ全身黄色(恍惚)に染まった生き物は初めて見たわ」
箸方邦樹:「そうらしい。僕もそこまで戦闘経験があるわけじゃないから、確実なことは言えないけどね」
箸方邦樹:「黄色……その、今日初めて知ったのだけどさ」
箸方邦樹:「感情が色で見えるっていうのは…疲れない? いや、慣れてるのかもしれないけど……」
紅林 恵果:「そうね。慣れてるわ」
紅林 恵果:「まあ、普段見るのは寒色が多いからあいつの黄色は少し目に毒だったけど。その程度よ」
箸方邦樹:曖昧に頷く。
箸方邦樹:「えっと……その、どんな感じに見えるんだい?全身がその色に染まってるとか…?」
紅林 恵果:「……感覚的なものだから、説明しにくいけど。その人間の周囲に滲んでいるというか」
紅林 恵果:「漂っているのが見えるのよ。そして感情が強いほど色濃く、多くなって見える」
紅林 恵果:「それこそ、さっきのあいつなんて。全身纏わるように黄色に包まれて、顔もろくに見えなかったわね」
箸方邦樹:「はは、そうか……面白いね」
箸方邦樹:僕はどうだった? という言葉を飲み込む。
紅林 恵果:「知りたい?」
箸方邦樹:「……え?」
紅林 恵果:それを見透かすように言葉を投げる。主語は明らかにしないまま。
箸方邦樹:「あ、そうか……参ったなあ…」問いの本意を察して。
箸方邦樹:「いや、いいや。それよりも、今。僕がどんな感情なのか…教えてほしいかな」
箸方邦樹:紅林さんの瞳を見つめる。少し緊張する。
紅林 恵果:「……そうね」
紅林 恵果:「藍錆が薄れて、深碧も薄れて。白が混ざってマシになって」
紅林 恵果:「水色と黄緑色。驚嘆と放心に敬愛と容認。二つを合わせると畏怖や服従」
紅林 恵果:「私の秘密に驚いて、受け入れられたことに呆けて。私への忠誠でも誓う気になった?」
箸方邦樹:「は、はは……いや、そうなのか。…正直に言って、わからなかったんだ」
箸方邦樹:「今回の件で、紅林さんに全て知られていたと知って。既に納得されてたとやっとわかって……」
箸方邦樹:「それで、僕は紅林さんに対して…少しでも、救われたとか、解放されたとか」
箸方邦樹:「赦された、とか。いい気になってるんじゃないかって…思ってたんだ」
箸方邦樹:「でも、ふふ、忠誠か……! うん、全く、その通りだ……!」
箸方邦樹:ああ、よかった───僕は、自分が可愛いだけの人間じゃない。
紅林 恵果:「自分の感情くらい自分で弁えなさい」 はあ、と呆れ顔で溜息をついて。
箸方邦樹:「はは、ごめんごめん…」
箸方邦樹:僕は、恵果さんを──好きになってもいい。それぐらいの資格はある。
箸方邦樹:そう思えた。
紅林 恵果:一口紅茶を啜って。
紅林 恵果:「まあ、誓いたいなら好きにすればいいわ。使えるうちは使ってあげる」
紅林 恵果:「前よりは辛気臭さい色もマシになりそうだもの」
箸方邦樹:「うん、誓うさ。命に代えても、君の横に立ってみせるよ」
紅林 恵果:「あら。今日言われたことなのにもう忘れたの?」
紅林 恵果:「命に代えたら立てないでしょう。代えるならそれ以外のものにしておきなさい」
箸方邦樹:「あっ、そうだった…ごめん」
紅林 恵果:「締まらない人ね」 くすりと笑い。最後の一口を口に運ぶ。
箸方邦樹:彼女は、聡い。僕より何もかもが見えていて、僕よりずっと物覚えが良くて、僕の考えていることなんかお見通しだ。
箸方邦樹:だから、いつかまた彼女を「恵果さん」と呼んでもいいか……悩んでることもわかっているんだろう。
箸方邦樹:言おうか、言うまいか──紅茶を口に含んだ。
GM:分かっているのかいないのか。彼女は何も言わず。
GM:二人きりの座席にただ沈黙が満ち。だけどそこに気まずさはなかった。



【ED/桜出石】

GM:事件から一週間後の土曜日。無間一刀流道場にて。
GM:先週と変わらず、二人きり。向き合う人影があった。
柳 美珠:「……はあ。そろそろ休憩にするか」
桜出石:「そうしよう」
桜出石:既に5時間程、2人で打ち合いを続けていた。流石に腕が棒のようだ
桜出石:道場の床に尻を着き、呼吸を整えている
柳 美珠:置いておいたボトルを取り上げ、一息に呷る。その後床に腰を落とした君を見て。
柳 美珠:「ほら、出石。水分補給はしておけ」
柳 美珠:君の分のボトルを投げてよこす。
桜出石:「ああ。助かる」 ボトルを受け取り、そのまま口を付けて飲み干す
柳 美珠:自分はタオルを拾い上げ、首筋に伝う汗をぬぐう。何かを考えこむような表情で。
桜出石:「……美珠姉?」
柳 美珠:「ん、ああ。なんだ?」
桜出石:「なんだ、はこちらの台詞だ。……何か悩みがあるのか?」
柳 美珠:「……いや」
柳 美珠:先週起きた密室誘拐事件。幸い、暗示をかけられた自分やほかの二人に後遺症の類はなく。
柳 美珠:幾らかの怪我は負ったものの、被害としては軽微に済んだ。……というのは、あくまで事務的な話で。
柳 美珠:美珠本人からすれば、出石に告白され告白し返したという大事件が起こった日にもなった。なったのだが。
柳 美珠:(……あれ以来、なんで何も言ってこないんだ)
柳 美珠:好きといわれて、好きと返した。なら、こう。何かしら起きるべきじゃないだろうか。
柳 美珠:(……好きって言われたよな?私も好きって返したよな?)
柳 美珠:(というか、ゲームの一環とはいえ、こう。……した、よな)
柳 美珠:その割に、出石から何か言われることはなく。そうなると、こちらから言うのも何だか怖く。
柳 美珠:ぐるぐると悩んでいるのがここ一週間の柳美珠であった。
柳 美珠:「……悩み、というか」
桜出石:うんうん、と頷いている
柳 美珠:「こう、あー……。いや、その」
柳 美珠:「出石こそ、何か私に言うことはないか」
桜出石:「……言うこと?」
桜出石:「…………」
桜出石:「…………」
桜出石:「……」
桜出石:「…」
桜出石:「!!」
桜出石:ふと、何かに思い至った。
桜出石:「……」(美珠姉は、俺に気持ちが伝わっているか不安なのだったな。ならば、俺が美珠姉を意識していることをきちんと説明すれば良いのか?)
柳 美珠:「……」 君の言葉を待つその瞳には、確かに不安が滲んでいるようにも見える。
桜出石:(ならば……俺が美珠姉を十分意識していると伝わり、なおかつ美珠姉が魅力的だと。それを伝える一言を言えばいいのだな)
桜出石:意を決したように口を開く。
桜出石:「美珠姉。安心しろ」
桜出石:「美珠姉は、とても」
桜出石:「……扇情的だぞ」 ※性的に煽って来る、の意
柳 美珠:「……は」
柳 美珠:「…‥‥…」 その言葉をじっくりと飲み込んで。そして。
柳 美珠:「……こ、の。大馬鹿出石!!!!」 ぶん、と。手近にあった竹刀を出石へと投げつける!
桜出石:バチン! 竹刀が顔面を殴打する
柳 美珠:「知らん!もう出石なんか知らん!」
柳 美珠:「大馬鹿垂れ!朴念仁!鈍感男!」
桜出石:「……もしや。嫌われてしまったのだろうか?」
柳 美珠:「今更嫌いになるか馬鹿!一回馬にでも蹴られて来い!」
柳 美珠:「その硬い頭を整形してもらえ!」
桜出石:「そうか。それなら良かった。嫌われてしまったのであれば」
桜出石:「幼い頃の約束。結婚の約束を果たせないと危惧したが。……問題ないようだな」
桜出石:「馬……学校の馬術部に協力を仰ぐか……」 等と考え始める
柳 美珠:「はあ!?覚えて……」 もう、自分しか覚えてないものだと思っていたのに。
柳 美珠:「……結婚の前に。踏むべき段階があるんじゃないか」
桜出石:「整形か?流石に親に貰った身体に瑕をつけるのは……」
柳 美珠:「違う!その話は置いておけ!」
桜出石:「……愛の言葉なら、13年前に交わしたはずだが」
桜出石:(他に踏むべき手管は……) 頭を抱えだす
柳 美珠:「13年前と今とじゃ違うだろう。色々と」
柳 美珠:「いや、お前にとっては変わらないかもしれないが。私にとっては違うんだ」
桜出石:カッ!と目を見開く
桜出石:「そうか……分かった。分かったぞ、美珠姉。……13年前の約束など事項が発生する。民法に聡いな美珠姉」
柳 美珠:「……お前は、本当に」 入れ替わりのように頭を抱える。
桜出石:こほん、と咳払いをして。美珠姉の肩に手を置く
柳 美珠:「……」 顔を上げ、出石を見上げる。
桜出石:「美珠姉。先週の戦いを絵て、俺は思ったのだ」
柳 美珠:「……何をだ」
桜出石:「俺が日々の修行をこなす理由。……大切なものが懸かっている時に『あと一歩だった』『あの時、もっと修行をしていれば』等と、後悔しないために。いつか来るその時のために、後悔しないために日々剣を振るっているのだ、と」
桜出石:「そして、俺の大切なものとは、美珠姉だったのだ。……それに改めて気づけた」
桜出石:「13年前の約束を更新しよう。……美珠ちゃん。俺と結婚してくれる?」
柳 美珠:「……」 言いたいことは山ほどある。
桜出石:その言葉は、13年前と何一つ変わらずに。
柳 美珠:煽情的とはどういう言い草だ、とか。人が勢い任せに吐いた言葉ばかり間に受けるな、とか。結局一段階飛ばしたままじゃないか、とか。
柳 美珠:それでも。そう乞われれば嬉しくて。断るなんて選べやしない自分が居るから。
柳 美珠:要は、そう。自分は出石には叶わないんだろう。
柳 美珠:だから。
柳 美珠:「……出石となら、喜んで」
柳 美珠:美珠の答えだって、13年前と何一つ変わらない。



【ED/逢河雷魚】

GM:事件より数日経った、とある休日。
GM:結局事件当日は後処理や報告に手間取られ、買い物の約束を果たせなかった。その代わりと取り付けられた約束の日である。
逢河雷魚:大勢の人が行き交う、N市駅前広場。
逢河雷魚:一人の少年が、眉間に皺を寄せて立っている。彼の顔を見て、通行人が大きく迂回して通り過ぎていく。
逢河雷魚:この日はここで待ち合わせすることになっていて、約束時刻のしばらく前からこうして立っている。
GM:そんな中。ぱたぱたと真っ直ぐに、駆け寄っていく足音が一つ。
皆方 アイリ:「先輩、ちーっす」
GM:へらへらとした笑みを浮かべた、君の後輩。いつも通りの皆方アイリがそこに居る。
皆方 アイリ:「いやぁ、お待たせしちゃったみたいですみません。これでもちゃんと約束五分前なんですけど」
皆方 アイリ:「先輩ってば、いつから待ってたんです?」
逢河雷魚:「……皆方」仏頂面のまま顔を向ける。
皆方 アイリ:「はい?どうしました?」
逢河雷魚:「……別に」目を逸らして。
逢河雷魚:「俺がわざわざ待つわけねーだろ。今来たとこだ」
皆方 アイリ:「えぇ、ホントです?先輩のことだから15分前行動とかしてそうですけど」
逢河雷魚:「するかバカ」
逢河雷魚:「……で?どこ行くんだ。さっさと済ませろよ、用事」
皆方 アイリ:「はいは~い。そう仰るならそういうことにしておきましょう」
皆方 アイリ:「あ、そうそう。今回の目当ては冬物ですね」
皆方 アイリ:「着まわせる感じのセーターとか、アウターも一着は欲しいですし。マフラーとか小物も新しいの買おうかな~って感じで」
逢河雷魚:「どんだけ買う気だよ……」げんなりした顔。
皆方 アイリ:「割とあちこち回るつもりなので、先輩もそのつもりでよろしくです」
逢河雷魚:「チッ……なら早くしろ、日が暮れちまうぞ」
皆方 アイリ:「ですね。早速行きましょっか」
皆方 アイリ:そういって彼女は君の手を取り、休日の街へと歩き出す。
逢河雷魚:不服そうな顔をして。だがそれ以上文句も言わず、手を引かれていく。

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GM:買い物もひと段落着いた昼食時。君たちはフードコートへと足を運んでいた。
GM:休日で混み合う中、どうにか二人分の席を確保して。それぞれ選んだ昼食へとありつく。
皆方 アイリ:もぐもぐとバーガーについてきたポテトをつまんでいる。
逢河雷魚:器から零れそうな大きめのパフェを、スプーン一本で器用に攻略している。
皆方 アイリ:「先輩、パフェ一個でお昼足りるんです?」
逢河雷魚:「カロリーはそっちよりあんだろ」苺を口に運んで。
逢河雷魚:「俺が何食おうが俺の勝手だ」
皆方 アイリ:「や、そりゃカロリーはあるでしょうけど。見てて心配になるチョイスだな~って」
皆方 アイリ:「そんなのばっかだと体壊しますよ?あたしが作って差し上げましょーか?」
逢河雷魚:「いらねーよ……お前こそ太んぞ」スプーンでバーガーとポテトを指して。
皆方 アイリ:「あたしは良いんです~。普段は支部の食堂でもっとまともなメニュー食べてますもん」
皆方 アイリ:「それに訓練もしっかりこなしてるんで。一回バーガー食べたくらいじゃ太りませ~ん」
逢河雷魚:「あっそ」わざとらしく溜息を吐いて。それから皆方を見る。
逢河雷魚:「……何とも無いよな?あれから」
皆方 アイリ:「はい。後遺症とか再発の心配もなさそうだって、医療班からお墨付き貰ってます」
皆方 アイリ:「そうでなきゃこうして好きに出歩いたりも出来ませんしね~」
逢河雷魚:「……そうかよ」クリームを掬って口に運ぶ。
皆方 アイリ:「……あの日は、お手数おかけしてすみませんでした」
皆方 アイリ:少しだけ真面目な口調。君へ向き直り、頭を下げる。
逢河雷魚:「やめろ」嫌そうな口調。ぐい、と無理やり頭を上げさせる。
皆方 アイリ:「わ」 無理やり顔をあげさせられて、君と目が合う。
逢河雷魚:「悪くもねーのに謝んな。癖になるぞ」
皆方 アイリ:「……はぁい。気を付けます」
皆方 アイリ:ヘラッと表情を崩す。いつもの笑みに戻って。
皆方 アイリ:「や~っぱそういうとこですよねぇ、先輩」
逢河雷魚:「……何がだよ。どういうとこだ」
皆方 アイリ:「い~え~?優しい先輩で後輩は嬉しいな~なんて?」
逢河雷魚:「ああ……?ケンカ売ってんのか……?」
皆方 アイリ:「や、本気ですって。マジでマジで」
皆方 アイリ:「暗示のせいとはいえ、普通に戦っちゃいましたし。これは何かお詫びしないとな~って思ってたんですよ、これでも」
皆方 アイリ:「なんか奢るなりプレゼントなり考えるか~って。それのリサーチもあったんですよね、今日の約束」
皆方 アイリ:「ま、あたし悪くないらしーので。それはまたの機会にしますけど」
逢河雷魚:「いらねェーよ。あんなの別に何ともねえっての」しっしっと追い払う仕草。
皆方 アイリ:「は~い。まあ、甘いもの好きっていうとこは一番の収穫ですねぇ。覚えときます」
逢河雷魚:「勝手に収穫すんじゃねーよ……」
逢河雷魚:文句を言いながらパフェを食べていた手が、
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:何か考え込むように止まる。
皆方 アイリ:「ん。どうかしました?」
皆方 アイリ:「食べ飽きたんなら手伝いますよ?」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:顔を隠すように深々と俯いて。
逢河雷魚:「……皆方」
皆方 アイリ:「はい」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:「一つだけ」
逢河雷魚:「何でも我儘聞いてやるから、言ってみろ」
逢河雷魚:俯いたまま言う。
皆方 アイリ:「え。どうしたんですか、急に」
皆方 アイリ:「出血大サービスには早いですよ?時期的に」
逢河雷魚:「……別に、思っただけだ」
逢河雷魚:「誰か一人くらい、それくらいしてやってもいいんじゃねえのかって」
皆方 アイリ:「……まったく。ホントにお人好しですねぇ」
皆方 アイリ:「そんなこと言われるとつけ込んじゃいますよ?あたし」
逢河雷魚:「……そうしろって言ってんだよ」僅かに顔を上げて言う。
皆方 アイリ:「……不思議通り越して、ちょっと心配になってきましたね」
皆方 アイリ:「そういうの、相手選んだ方が良いですよ。気を付けてくださいね、ホント」
逢河雷魚:「……お前だから言ってんだよ。わざわざ他の奴にこんなこと言うか」
逢河雷魚:「バカだろ、それじゃ」
皆方 アイリ:「え、や」
皆方 アイリ:「……なんです?デレ期とかそういう感じです?」
逢河雷魚:「なわけねェだろ!」
逢河雷魚:「……別に、ただ」
逢河雷魚:「お前見てると、たまに辛くなんだよ」
皆方 アイリ:「……あー」
皆方 アイリ:「なんか、すみません。あたしが口滑らしちゃったせいで」
逢河雷魚:「……違えよ」
逢河雷魚:「……お前の働きは、よく知ってる」
逢河雷魚:「いつもそうやって笑ってるところも、俺には出来ない、お前の長所だとは、思う」
逢河雷魚:「……でも、だからって、別に。頑張る必要なんて無えだろ」
逢河雷魚:「無理に笑う必要も無いし」
逢河雷魚:「自分の気持ちを……押し殺す必要も、無い」
逢河雷魚:「……そんなことしなくても」
逢河雷魚:「お前はよくやってるよ」
皆方 アイリ:「……そうですねぇ」
皆方 アイリ:「なんていうか、んん……。これはあたしのあれなんで、先輩が納得できるかは分かりませんけど」
皆方 アイリ:「あたし自身は、無理とかしてる気ないんですよ。笑いたくて笑ってるというか」
皆方 アイリ:「ほら、人間泣くよりかは笑ってたいじゃないですか。なんで笑ってるだけですし」
皆方 アイリ:「気持ちを押し殺すとか、そういうのも。自分がそうしてるって言われてもあんまピンと来なくて」
皆方 アイリ:「何回か前に居た支部のメンタルケアの人にも言われたんですよねぇ。『君はもっと泣くべきだ』みたいなの」
皆方 アイリ:「ああ、そういう意味じゃあの密室も案外良い機会だったのかもですね。久々に泣いたし」
皆方 アイリ:「……ま、とにかく」
皆方 アイリ:「先輩には気遣わせちゃうと思いますけど、だいじょぶですよ」
皆方 アイリ:「本気でヤバいときはちゃんとどうにかしますから」
皆方 アイリ:「笑ってるうちは平気なんだなって思っといてください」
逢河雷魚:「……本当に、どうにかできんのか?」
逢河雷魚:「平気じゃなくなられたら困るから言ってんだ」
皆方 アイリ:「出来ますよぉ。あたしにだってメンタルリセットのルーティーンくらいありますし」
皆方 アイリ:「いざとなれば母とかに泣きついて愚痴聞いてもらいます」
逢河雷魚:「……」
逢河雷魚:じっと、無言のままその顔を見据える。
皆方 アイリ:「……信用できません?」
皆方 アイリ:少し困ったように眉を下げて、こてんと首をかしげる。
逢河雷魚:「こっちの台詞だ」
逢河雷魚:「そんなに信用できないか、俺は」
皆方 アイリ:「えぇ……。や、違うんですよ」
皆方 アイリ:「あるじゃないですか、こう。信用できる出来ないとは別のアレ」
皆方 アイリ:「例えばこう、友達としてめちゃめちゃ仲良い子には話せるけど恩師としてめちゃめちゃ世話になってる人には話せない、みたいな」
皆方 アイリ:「どっちの方が信用してるとかじゃない、話せる話せないの基準。ありません?」
逢河雷魚:「……白状してるようなもんじゃねえかよ」息を吐いて。
逢河雷魚:「話せないことがあるって」
皆方 アイリ:「んん……」
皆方 アイリ:「……じゃあ、さっき言ってた我儘。一つ思いついたんですけど」
皆方 アイリ:「今度、あたしが本気でヤバいなってなったとき。また背中貸してもらえません?」
逢河雷魚:「……」呆れ混じりに嘆息する。
逢河雷魚:「……そんなもん、タダでいい」
皆方 アイリ:「えぇ。じゃあまだ我儘の権利残っちゃいますけど」
逢河雷魚:「一度だけって言ったら、本当に一度きりにするだろ、お前」
皆方 アイリ:ぱちぱちと瞬きする。図星を突かれたのと、それの何がダメなのかの両方が不思議で。
皆方 アイリ:「あ、じゃあ我儘もう一個」
皆方 アイリ:「春先にまた春物買いに行くんで、付き合ってください」
皆方 アイリ:「これも一度きりにしない場合は、夏物とか秋物とかにも付き合っていただく感じになると思うんですけど……いかがです?」
逢河雷魚:「……」がりがりと頭を掻いて。「……いいのか、そんな事で」
皆方 アイリ:「そんな事じゃないですよぉ。あの先輩が定期的に買い物付き合ってくれるんですから」
皆方 アイリ:「まさしく出血大サービス。これからずっと得しちゃいますね」
逢河雷魚:「……分かった」その顔を見て、瞑目して。
逢河雷魚:「……それくらい、付き合ってやる」
皆方 アイリ:「やた~」
皆方 アイリ:「これで季節の変わり目の買い物が随分楽に、じゃない楽しくなりますね」
皆方 アイリ:「約束したんですしちゃんと付き合ってくださいね?その頃になって知らんとか言われても聞きませんよ?」
逢河雷魚:「んなことしねーけど……俺と行っても楽しくねーだろ……」怪訝そうに言って、パフェを食べ終えて手を合わせる。
逢河雷魚:「……で、今日はもう帰りでいいのか」
皆方 アイリ:「えぇ、楽しーですよ?男物普段見ませんし」
皆方 アイリ:「先輩分かんねーとか言う割にちゃんと感想くれるし……ん、そうですね」
皆方 アイリ:「あたしも食べ終わったし、帰りますか。それとも、カラオケとか入ります?」
逢河雷魚:「カラオケぇ……?」嫌そうな顔。
逢河雷魚:「俺が歌うように見えるか?」
皆方 アイリ:「全然。先輩見るからに行かなそ~ですよね。桜先輩とからへんもそうですけど」
皆方 アイリ:「こないだ美珠先輩と距離縮めたいって言ってたんでおススメしたんですよ。あれどうなったのかな」
逢河雷魚:「お前そんなお節介焼いてたのかよ……」
逢河雷魚:「まず自分が彼氏作れよ」
皆方 アイリ:「うわ、そういうこと言います!?年頃のJKに!?」
皆方 アイリ:「デリカシー無いですねぇ、先輩。そういうの地雷の子居るから気を付けた方が良いですよ」
逢河雷魚:「うるせ~~~~」
逢河雷魚:「どォーでもいいわ。とにかくさっさと出るぞ。席も空いてないしな」
皆方 アイリ:「はいは~い」 ゴミをまとめ、買い物袋を取る。
皆方 アイリ:「ていうか、マジでこの後どうします?カラオケ行きます?」
皆方 アイリ:「カラオケがど~しても嫌ならゲーセンもありですけど」
逢河雷魚:「あぁ?あー……」両手一杯に服の詰まった袋を抱えて。
逢河雷魚:「……どこ行きてえんだ?」
皆方 アイリ:「え。どこって言われると……カラオケで先輩が何歌うかはふつーに気になります」
逢河雷魚:「……」息を吐いて。「期待しても面白くねーぞ」
皆方 アイリ:「……え、良いんです?マジでデレ期来てませんか先輩」
皆方 アイリ:「や、嬉しいですけども。優しすぎてちょっとビビりますね」
逢河雷魚:「うるせェな……!ここまで来たら同じだろ!嫌なら帰んぞ!」
皆方 アイリ:「嫌じゃないですってばぁ。行きます行きます~」
GM:カラオケを目指し人ごみの中へ。二人の休日は、まだしばらく続くらしい。







GM:これにて『closed secret』全行程終了となります。皆様お疲れさまでした!
箸方邦樹:お疲れ様でしたー!
桜出石:お疲れ様でしたー!
逢河雷魚:お疲れさまでした~!